平成31年02月19日中野区議会本会議(第1回定例会)の会議録 1.平成31年(2019年)2月19日、中野区議会議事堂において開会された。 1.出席議員(38名) 1番 加 藤 たくま 3番 日 野 たかし 4番 杉 山 司 5番 ひやま 隆 6番 山 本 たかし 7番 渡 辺 たけし 8番 細 野 かよこ 9番 羽 鳥 だいすけ 10番 いでい 良 輔 11番 高 橋 かずちか 12番 内 川 和 久 13番 木 村 広 一 14番 甲 田 ゆり子 15番 小 林 ぜんいち 16番 中 村 延 子 17番 内 野 大三郎 18番 小宮山 たかし 19番 広 川 まさのり 20番 欠 員 22番 北 原 ともあき 23番 伊 東 しんじ 24番 平 山 英 明 25番 南 かつひこ 26番 白 井 ひでふみ 27番 森 たかゆき 28番 いながき じゅん子 29番 石 坂 わたる 30番 小 杉 一 男 31番 い さ 哲 郎 32番 大 内 しんご 33番 高 橋 ちあき 35番 篠 国 昭 36番 小 林 秀 明 37番 久 保 り か 38番 酒 井 たくや 39番 近 藤 さえ子 40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行 1.欠席議員(3名) 2番 若 林 しげお 21番 佐 野 れいじ 34番 伊 藤 正 信 1.出席説明員 中 野 区 長 酒 井 直 人 副 区 長 白 土 純 副 区 長 横 山 克 人 教 育 長 入 野 貴美子 政 策 室 長 朝 井 めぐみ 経営室長、新区役所整備担当部長 髙 橋 信 一 都市政策推進室長 奈 良 浩 二 地域支えあい推進室長 野 村 建 樹 区民サービス管理部長 上 村 晃 一 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 戸 辺 眞 健康福祉部長 小 田 史 子 保 健 所 長 向 山 晴 子 環 境 部 長 岩 浅 英 樹 地域まちづくり推進部長 角 秀 行 都市基盤部長 豊 川 士 朗 政策室副参事(企画担当) 杉 本 兼太郎 経営室副参事(経営担当) 石 濱 良 行 1.本会の書記は下記のとおりである。 事 務 局 長 吉 村 恒 治 事務局次長 古 本 正 士 議事調査担当係長 鳥 居 誠 書 記 立 川 衛 書 記 若 見 元 彦 書 記 井 田 裕 之 書 記 冨 士 縄 篤 書 記 野 村 理 志 書 記 鎌 形 聡 美 書 記 遠 藤 良 太 書 記 松 丸 晃 大 書 記 古 谷 友里香 書 記 吉 田 光 洋 書 記 有 明 健 人
日程第1 第5号議案 平成31年度中野区一般会計予算
午後1時00分開会 ○議長(いでい良輔) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。 この際、お手元の一般質問一覧表のとおり、内川和久議員、平山英明議員、小杉一男議員、酒井たくや議員、渡辺たけし議員、大内しんご議員、久保りか議員、広川まさのり議員、中村延子議員、いながきじゅん子議員、高橋かずちか議員、木村広一議員、伊藤正信議員、若林しげお議員、むとう有子議員、近藤さえ子議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員、細野かよこ議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。
中野区議会議員 内 川 和 久 1 区長の政治姿勢について 2 平成31年度予算について 3 その他
○議長(いでい良輔) 最初に、内川和久議員。 〔[1]内川和久議員登壇 〕 ○12番(内川和久) 平成31年第1回定例会において、自民党の立場で一般質問をさせていただきます。 質問は通告どおり、1番、区長の政治姿勢について、2番、平成31年度予算について、3番、その他で、地域医療機関誘致の考え方についてお聞きしたいと思います。それでは、早速質問に入らせていただきます。 1番、区長の政治姿勢について。 平成30年第3回定例会決算特別委員会において、区長の政治姿勢についてお伺いしましたが、ここでも取り上げさせていただきます。 1月27日に放映された「噂の東京マガジン」というテレビ番組を見ました。区長も大変御苦労されているなと感じました。まずはおねぎらいを申し上げます。 さて、番組では、区長の政治姿勢の根幹に関わる問題が指摘されました。場合によっては、酒井区長が区長として存在していることの正当性すら疑われかねない内容も含まれていましたので、見逃すことはできないと思い、幾つか質問させていただきます。 まず、区長は番組の中で、さきの区長選挙における主要公約の一つである「1万人アリーナ計画の全面的な見直し」の文言について、区民に誤解を与えたと認めた上で、そのことについて「真摯に受けとめてまいります」と2回繰り返して明言されました。番組から既に3週間近く経過しています。区長はこの間、真摯に受けとめて具体的に何をしてこられたのでしょうか。お尋ねいたします。 33万人区民の代表として、区長たるもの、番組が言ったような「ほとぼりが冷めるのを待っている」などということはないはずです。責任ある立場の人間が「真摯に受けとめる」と言った以上、何らかの行動をとらないということは考えられません。多くの区民が番組を視聴して大きな憤りを感じています。区民の失望や不信は日に日に広がっているのです。あの番組を受けて区長はどんな行動をしてきたのか、御説明ください。 次に、問題の「1万人アリーナ計画の全面的見直し」ということについて、改めて確認させてください。区長は、この公約は中野駅西口整備や中野サンプラザ解体などの部分は一切含まない、アリーナのことだけを指しているという説明をいたしました。それでは、区長は一体区のどの計画を指して1万人アリーナ計画と言ったのでしょうか。1万人アリーナという考え方は、田中前区長の考え方としてしばしば取り上げられていたことは事実です。しかし、それはあくまでも1万人規模を目指して、その実現性や整備効果を検証して、していくという段階だったはずです。区が公式に決定した公文書としての計画はどこにあったというのでしょうか。あるとすれば、昨年4月に決定された中野四丁目新北口地区まちづくり方針の中で、民間施設として最大1万人収容を目指して誘致すべき施設となっている部分だけです。この数行だけを取り出して全面的に見直す計画と呼ぶにはあまりにも無理があります。 計画と呼ぶとすれば、アリーナを含む新北口地区まちづくり方針全体を示すものと考えるのが当然だと思います。そう考えれば、サンプラザ解体反対派の区民が見て、サンプラザの解体を見直すと言っているんだと受けとめるのも当然のこととなります。区長が選挙公約で「1万人アリーナ計画」と言った計画とは何のことだったのでしょうか。お尋ねします。サンプラザ解体の是非が選挙の争点だとマスコミに報道された中で言われたことですから、この点は明確にお答えください。 加えてもう一つ、番組の中で、選挙中になぜサンプラザの解体は認めていると言わなかったのかという問いに対して、その時点では、サンプラザ解体はとめられない段階だという認識がなかったとしていました。本当でしょうか。しかも、その理由として挙げたことの中に、広報課長から異動して2年たっていたので、中野駅周辺まちづくりの進捗状況を知らなかったということがありました。区役所・サンプラザ再整備を含む中野駅周辺のまちづくりは長年にわたる区の最重要プロジェクトの一つです。情報はどこからでも簡単に得られると思います。広報担当の副参事の職を離れたら、もう担当以外の区政課題には何の関心もないということなのでしょうか。区政全体の方針を理解し、責任を持って区の立場を説明するのは、担当を問わず区の幹部職員の責務ではないでしょうか。まして、区長は区の職員でありましたが、区長を目指して区政全体の政策を考える立場だったはずです。そのくらいのことを調べもしなかったのでしょうか。区長は直接担当していたことで、しかも、その時代のこと以外何も知らずに、調べずに区長を目指していたのでしょうか。今どういう知識で区長をお務めなのかすらわからなくなってしまいます。 いずれにしても、もともとサンプラザ解体までは認めていたという答えと、選挙中にはサンプラザ解体も含めて見直せると思っていたという答え、この二つの答えは明らかに矛盾しています。どちらだったのか、具体的に御説明ください。 また、区長が立候補を決める時期に支援した政党や議員、団体の方々と結んだとされる政策協定には、区民参加で全面的に見直し検討するものとして、「1万人アリーナなど、巨大開発偏重の都市整備事業」という項目が掲げられています。この文章は素直に読めば、中野駅周辺のまちづくり全体が見直されるととるしかないものです。サンプラザ解体など簡単にとめられるということになります。それを選挙公約ではわかりやすく省略して、「1万人アリーナ計画の全面的見直し」としたと思うのが普通の見方です。しかし、区長は気が付いてみれば、サンプラザ解体や中野駅西口整備、それに伴う広場等の一体整備は計画どおり粛々と進める立場です。これで本当に選挙民を裏切っていないと言えるのでしょうか。区長を推した区議会議員の皆さんの認識もぜひ明らかにしてもらいたいものです。区民と一緒に区長に裏切られたのか、区長と一緒に区民を裏切っているのか。 番組の中で、見直すと言っておいて、計画どおり進めている区長のやり方をして、区民のこんな生の声が紹介されました。「横暴でこうかつなやり方です」。まさに、区長と区長を支持した全ての政治家の政治家としての根本的な資質が問われています。区長の真摯な御答弁をお願いします。 なお、念のため申し上げますが、我が党の中野駅新北口地区まちづくりについての基本的な立場は、計画どおり進めるべきという考えで、一貫していささかも揺るぎのないものです。区長が良い案を出してくれれば賛成しますし、間違った案には断固反対します。区長がどうあろうと、区民の皆様とともに、より良い中野の未来を目指してまちづくりを進めてまいります。 以上申し上げて、この項の質問を終わります。 2番、平成31年度予算について。 酒井区長初めての予算編成ということであります。施政方針説明の内容にも触れながらお聞きしたいと思います。 平成31年度予算案は、一般会計1,521億7,200万円、前年度に比べ6.6%増と過去最大の予算規模となっています。その要因としては、雇用情勢や企業収益の改善、調整三税の増加、個人消費も持ち直すなど緩やかな景気回復がもたらしたものと区長も施政方針説明で述べられております。これまでの経済成長について、前区長は、我が国の未来を切り開く上で経済成長戦略の力強い推進は不可欠であり、国の経済政策により雇用環境や企業収益は改善しているとの見解を示していました。これらはアベノミクスの効果によるものだと今の区長は認識されているのか、まずお伺いいたします。 次に、区は新しい基本構想及び基本計画は2020年度中の策定を見込んでおり、その間は原則として現行の基本構想及び新しい中野をつくる10か年計画(第3次)を継承することとしていますが、平成31年度予算はその考え方に基づいて編成されたものなのか、お聞きいたします。 次に、平成30年度予算に関しては、議会において十分な議論を行い、これを踏まえて議決を経たものであり、区長も現職区の職員としてかかわっていたはずです。議決の重みを十分に理解されているはずですし、無視することは許されません。その内容を大きく変更させることについては、十分な議会での議論、区民への周知徹底等、丁寧な進め方が求められるとともに、その変更内容が現計画より優れたものでなければなりません。区長の見解をお聞きします。 次に、区の基幹であり、重要な財源であります特別区税についてお聞きします。区は徴収額及び収納率の目標を定め、これを達成するため、徴収体制と徹底した取り組みを推進するとありますが、従前行っていた取り組みとどう異なるのか、その具体的な内容についてお答えください。また、徴収額及び収納率は前年度と比較してどのような数値目標を設定されて上げていくのか、あわせてお答えください。 次に、行政評価、事業見直しについてお聞きします。従前の行政評価は、多くの時間を費やしても事業改善には結びつきづらいとしています。事業見直しについては、現行、政策室から各部に対し、前年度の行政評価の結果を踏まえ、見直しの検討、費用対効果の低い事業や意義の薄れた事業の廃止・縮小を行い、予算編成につないでいくという手順を行ってきました。区長は行政評価制度を抜本的に見直すとしています。新しい組織の中でどのような手順で行政評価を行い、事業のスクラップ・アンド・ビルドにつなげていくのか、具体的にお答えください。 次に、今後の財政運営についてお聞きします。前にも述べたとおり、平成31年度予算は、アベノミクスの効果により景気の緩やかな改善・拡大に伴い、過去最大のものとなっておりますが、地方消費税の清算基準見直しの実施、本年予定されている消費税率10%アップ時の減収、法人住民税の一部国税化の拡大等、今後の減収拡大が予測されます。また、ふるさと納税による減収額は平成31年度予算では約12億円とも試算されており、年々拡大しております。これらについては、今後も是正を訴え続けるとしていますが、ふるさと納税については、少しでもその減収額を抑えるために、早急に区としての対策と魅力のあるメニューを用意する必要があると考えます。先日の新聞報道では、返礼品の対象を地場産品だけではなく、その対象を都道府県単位まで広げる可能性が示されました。区としてスピード感を持って対応すべきです。今後の取り組みについて区の見解をお聞かせください。 次に、平成31年度の予算を編成するに当たり根幹となる区政運営の方向についてお聞きします。まず、区長が最初に取り上げられた子育て先進区に向けた取り組みですが、学校教育の充実に向けた取り組みに注力するとあります。また、未来を拓(ひら)く子どもたちの教育環境の充実を図るともあります。しかし、今、区長が進めようとしていることはそれに合致しているんでしょうか。後の予算特別委員会でも詳しくお聞きしますが、平和の森小学校の移転先に旧中野刑務所正門を残したままの計画が、本当に学校教育の充実、未来を拓(ひら)く子どもたちの教育環境の充実となり得るのでしょうか。 平成30年第1回定例会予算特別委員会におきまして、我が会派の北原議員の質問に対し、教育委員会の答弁では、「建築基準法上、新校舎施設整備計画などへの制約が大きくなることから、旧中野刑務所正門を学校移転予定地である法務省矯正研修所の跡地内に設置することは支障が大きいと考えております。そのため、新校舎の整備に当たっては、当該門を学校敷地内に残すことは考えておりません」とはっきり答えております。また、当該門を残したままの計画には保護者からも疑問の声が上がっており、「旧中野刑務所正門の解体もしくは学校敷地外へ移築すること」との陳情も提出されました。たとえ、その門が文化財的に価値のあるものとしても、まず学校教育の充実、教育環境の充実を優先すべきではないでしょうか。区長として何を優先すべきと考えているのか、改めて問います。お答えをお願いいたします。 3、その他、地域医療機関誘致の考え方について。 旧中野中学校跡地については、10か年計画に基づき、地域医療機関の誘致と位置付けられています。そんな中、本年1月24日の厚生委員会におきまして、「地域医療機関誘致の考え方について」の報告がなされました。超高齢社会を迎えるに当たり、区民が住みなれた地域で安心して暮らし続けるためには、超高齢化に対応する医療機能を持つ医療機関の存在が重要とのことです。その誘致先としては、旧中野中学校跡地となっています。 中野区を含む区西部保健医療圏では、回復期機能を持つ病床が不足しており、今後更に需要が増すことが想定されています。その反面、区西部保健医療圏には急性期機能を持つ病床が集中しており、全体として病床数は過剰であるとのことです。区が旧中野中学校跡地に誘致を進める医療機関の条件として、在宅医療のバックアップ、地域包括ケアシステムを支える拠点であること、また、病床数150床以上であり、区西部保健医療圏(新宿区、中野区、杉並区)において既に開設している病院であることとしております。 そこで、幾つかお聞きします。 まず、平成28年9月の第3回定例会においても質問しましたが、当時、地域医療に貢献している新渡戸記念中野総合病院の建て替えについては、区も協力する考えであったとのことです。その新渡戸記念中野総合病院の移転を前提とした協議の中で、平成28年6月までには計画概要及びスケジュール案を区側に提示し、その後、本協議に入るとのことでした。病院側から提示された移転新築整備基本構想はどのような内容で、どう扱われ、結果、どのような結論を区が出されたのかお聞かせください。また、病診連携の中で、病院に担ってもらう機能について、中野区医師会との協議を行うとのことでしたが、その内容についてもあわせてお答えください。 次に、新渡戸記念中野総合病院を含め、区が求める誘致の条件に合う医療機関はある程度数が限られると思われますが、対象となる医療機関の数はどのくらいあるのかお答えください。 次に、今後のスケジュールとして、2021年には旧中野中学校は解体、建築工事が始まり、2025年には地域医療機関竣工とあります。御存じのとおり、旧中野中学校は地域の避難所に指定されております。いつ起こるか分からない災害や危機的な事態など、非常時に対する備えはますます重要と指摘されています。その代替施設は区としてどの場所にどのように考えているのかお答えください。また、旧中野中学校跡地は、現在災害時の避難物資の集中備蓄場所とのことですが、それらの大量の物資はいつどのように移動させるのか、あわせてお答えください。 以上で全ての質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 内川議員の御質問にお答えいたします。 まず1点目、1万人アリーナ計画の全面的な見直しについての御質問でございます。1万人アリーナ計画の全面的見直しという公約は、最大収容人数1万人を目標とした大規模集客交流施設、いわゆるアリーナについて区民の声を聞きながら改めて考えていきたいということを掲げたものであり、将来的な中野サンプラザの建て替えを見据えたものでございました。このアリーナについては、平成28年4月の区役所・サンプラザ地区再整備実施方針、それから平成30年3月の中野四丁目地区新北口地区まちづくり方針に記載された大規模集客交流施設のことを示したものでございます。 昨年9月の定例記者会見において、中野駅新北口駅前エリア再整備を推進していくことを表明したことで、更にアリーナや中野サンプラザの在り方について様々な御意見をいただいたところでございます。これまでに区民会議をはじめ区民の方々と対話する機会を通じ、再整備の推進を判断した経緯を説明するなど理解を求めてきたところであり、誤解された方がいるとすれば、それは真摯に受けとめて今後も説明責任を果たしていきたいと考えております。 次に、中野サンプラザの在り方に関する認識でございます。区長就任前においても、中野四丁目新北口地区まちづくり方針などについては認識しており、集客交流施設としての最大1万人収容のアリーナの整備については検証が必要であると考え、公約として掲げたものであります。公約では、新サンプラザを新たな中野のランドマークへと掲げており、中野サンプラザは解体するという考えで一貫しており、御指摘のような矛盾はございません。しかし、区長選挙を通じて中野駅新北口駅前エリアの再整備について様々な意見があったことから、区長就任後、区役所・サンプラザ地区再整備推進区民会議などで中野サンプラザに対する思いや、中野駅西口改札の早期開設、施設のバリアフリー化を望む声など、より多くの区民の声を聞いてきたものでございます。区が進めている再整備の検討の進捗状況が区民にあまり知られていなかったということが問題であると考えており、今後はしっかりと説明していきたいと考えております。 次に、平成31年度予算についての項、最初に景気回復への認識でございます。平成31年度の一般会計予算では、歳入の中心を占める特別区税について納税義務者数の増加等を見込んだほか、特別区交付金について、法人住民税の伸びにより徴収を見込んだものでございます。これらは雇用情勢や企業収益が改善し、個人消費についても持ち直すなどの緩やかな景気回復によるものと考えております。 次に、平成31年度予算編成方針についての御質問です。平成31年度予算は、新たな基本計画が策定されるまでの間、現行の基本構想、10か年計画(第3次)を基本として、まちづくりや学校施設の整備等に取り組むとともに、現時点で対応していかなければならない課題について、機を逸することなく幅広く取り組むこととして編成したものでございます。 次に、事業内容の大幅な変更についての御質疑です。予算は議会の議決を経て成立するものでございます。その重要性は十分理解しております。事業計画を大幅に変更する際には、変更内容などについて区議会に十分に御議論いただくとともに、区民や関係団体等からの御意見を伺っており、今後も同様の対応を図ってまいります。 次に、ふるさと納税事業の取り組みについての御質問です。ふるさと納税事業については、区内事業者との連携によって、新たに中野区の返礼品として提供できる地場産品の調整を行っているところでございます。また、職員の発想やアイデアをふるさと事業に生かすため、全庁的な取り組みを開始したところでございます。多くの方の共感を得られる寄附金の使い道や、中野区の特徴を生かしたメニューの検討を進め、より多くの方に寄附していただけるよう取り組んでまいります。 最後に、教育環境の充実と文化財としての価値についての御指摘でございます。未来を拓(ひら)く子どもたちの学校教育、教育環境の充実については、中野区を子育て先進区にしていくための重要な取り組みと考えております。また、旧中野刑務所正門の取り扱いについては、これまで区民の皆様、保護者の皆様からの御意見や議会での御議論など、様々な意見交換の過程を経て決定したものでございます。平和の森小学校における教育環境の充実と文化財の保護については、校地の拡大を図るなどの工夫をしていくことで両立は可能であると考えております。 〔区民サービス管理部長上村晃一登壇〕 ○区民サービス管理部長(上村晃一) 私からは、平成31年度予算について、特別区税についてのうち、徴収率の目標達成に向けた具体的な取り組みについてお答えいたします。 特別区民税の徴収額、徴収率の目標達成に向けた徴収体制と徴収の取り組みは、従前からの取り組みである口座振替加入の促進、モバイルレジの導入、業務委託による電話・訪問催告、滞納整理専門員による財産調査などに加えて、モバイルクレジット収納、ペイジー収納の導入など、納付方法の拡大を図っていくこととしております。また、滞納額の圧縮を図るため、滞納者の転出時をとらえた納付相談の強化に取り組んでいるところでございますが、更に来年度から区外の滞納者対策として現地調査を業務委託により実施し、区外滞納者の滞納処分を進めていくこととしております。 次に、特別区民税の徴収額及び徴収率の数値目標でございます。平成31年度当初予算の特別区民税の数値目標については、徴収額で325億5,481万1,000円、徴収率が96.8%とし、前年度と比較して130億86万9,000円の増、徴収率は1.2%の増を見込んでおります。平成31年度の数値目標については、これまでの取り組みに加え、先ほど紹介いたしました納付方法の拡大など新たな取り組みにより達成したいと考えております。 〔経営室長髙橋信一登壇〕 ○経営室長(髙橋信一) 私からは、平成31年度予算についての中での行政評価制度の見直しについてお答えいたします。 これまでの行政評価は内部評価として自己評価、部間相互評価、内部評価委員会評価を行い、内部評価の結果を踏まえ外部評価を行うという手順で進めてきたところでございます。また、評価表は指標の目標達成率の点数化、事業の有効性などのチェック項目、また成果に対する自己評価と見直し・改善の方向性の記述など、外部評価委員等の指摘を踏まえ記載項目を年々追加してきたところから評価表が見づらくなっており、実績の要因分析も不十分であったと考えているところでございます。評価に係るこれらの事務に多くの時間をかけている一方、直接改善に結びつきづらいという課題もあったことを踏まえまして、来年度の行政評価に向けて区政目標の実現に向けた、実施した事業の効果をきめ細かく分析・評価し、課題を浮き彫りにして事業のスクラップ・アンド・ビルドにつなげられる効率・効果的な手順と手法を検討しているところでございます。 また、来年度の組織改正において評価と改善を一体的に取り組むため、行政評価と業務改善を担当する部署を統合しまして業務改善課を設置する予定であり、効果的な行政評価と業務改善に取り組んでいきたいと考えているところでございます。 〔健康福祉部長小田史子登壇〕 ○健康福祉部長(小田史子) 私からは、その他、地域医療機関誘致の考え方のうち、医療機関関連の質問にお答えさせていただきます。 まず初めに、新渡戸記念中野総合病院の移転新築整備基本構想についての御質問でございます。平成28年6月に新渡戸記念中野総合病院から区に提出されました移転新築整備基本構想では、2025年に急性期病床が不足すると予測し、全病床を急性期病床とし、当時の283床から320床に増床して2023年に移転するというような内容でございました。平成29年7月の東京都地域医療構想では、区西部保健医療圏では2025年には回復期病床が不足することが示唆されたところでございます。また、平成30年3月の東京都保健医療計画では同圏域の基準病床数は2,000床以上過剰でございまして、増床は6年間できないこととなりました。新渡戸記念中野総合病院から提出されました移転の新築整備基本構想の病床需要予測及び構想内容につきましては、東京都の地域医療構想や東京都保健医療計画とかい離があり、提出された計画のままでは難しいと考えております。 次に、中野区医師会との協議の内容についてでございます。地域医療機関が担う機能につきまして、中野区医師会と協議する場といたしまして、平成28年10月に地域医療検討会を設置いたしました。中野区地域医療検討会では、中野区における地域医療の現状と課題、地域医療機関に期待する機能等について検討を行いまして、平成29年3月に中野区地域医療検討会報告書として取りまとめたところでございます。地域医療機関に期待する機能といたしましては、中野区の総合的な医療拠点の強化・充実、地域を支える医療の推進、健全な運営による経営の確立など、また地域医療機関に期待する付加機能としては、地域の医療機関と連携したかかりつけ医による在宅医療の支援体制の強化や、災害拠点病院としての機能の確保などとなっております。 次に、医療機関の条件についての御質問でございます。誘致する地域医療機関は、新宿・中野・杉並区の区西部保健医療圏において既に開設している病床数を、150床以上の病院であることを要件の一つとしております。区西部保健医療圏にある既存病院が保有する病床数を分割し、旧中野中学校跡地に一部移転することも可能でございます。こうした要件を備えます医療機関は約20病院あると考えております。 〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕 ○都市基盤部長(豊川士朗) 私からは医療機関誘致に関連いたしまして、旧中野中学校の避難所指定と備蓄物資についてお答えいたします。 旧中野中学校跡地の避難所指定の代替地につきましては、区有施設をはじめ、地域に存する施設の中で避難所として使用可能な施設を確認し、地域医療機関の整備の進捗に合わせまして候補が選定できるよう検討したいと考えてございます。 また備蓄物資につきましては、旧中野中学校を避難所としている三つの防災会の地域内に用地の確保を目指していきたいと考えております。 〔[2]内川和久議員登壇 〕 ○12番(内川和久) 2点だけ再質問をさせていただきます。 先ほど区長の答弁の中で、1番の質問の答弁に対して、今後も説明責任を果たしていくという御答弁がありました。今後もということは、今現在やっているということになります。あのテレビの放映から3週間たっておりますけれども、この間、具体的にどう説明責任を果たしたのか、そのことをお答えください。 それともう1点、2番目の予算について、現在のこの国の経済成長がアベノミクスの効果かどうか認識を聞いております。そのお答えが抜けているようでしたので、もう一回お聞きいたします。以上です。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 内川議員の再質問にお答えします。 まず1点目のサンプラザについて、真摯に受けとめた場合の具体的な行動についての御質問です。この番組報道は1月末にあったわけでございますけれども、その間、その前からですけれども、区民の方とあらゆる場面でお会いしたときにお尋ねされる方もかなりいらっしゃいました。その中ではっきりと考え方を述べていたところでございます。 2点目、アベノミクスについての御質問でございます。景気の緩やかな回復については、一部アベノミクスの影響があると考えております。 〔区民サービス管理部長上村晃一登壇〕 ○区民サービス管理部長(上村晃一) 答弁訂正をさせていただきたいと思います。先ほど、平成31年度予算についての特別区税について、特別区民税の徴収額及び徴収率の数値目標でございますけれども、前年度と比較して130億86万9,000円と申し上げましたけれども、13億86万9,000円の増ということでございます。訂正させていただきます。 ○議長(いでい良輔) 以上で内川和久議員の質問は終わります。
中野区議会議員 平 山 英 明 1 区長の所信表明と今後の財政運営について (1)新区長就任以来の区政運営について (2)中長期の取り組みと今後の財政運営について (3)中野駅周辺まちづくりについて (4)児童生徒と向き合う学校運営について (5)その他 2 大和町まちづくりについて 3 その他
○議長(いでい良輔) 次に、平山英明議員。 〔平山英明議員登壇〕 ○24番(平山英明) 平成31年第1回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問を行います。 質問は通告どおりで、その他はありません。区長並びに理事者の皆様におかれては、誠実で明快な御答弁をお願いいたします。 また、今定例会より新任の入野教育長が理事者席にいらっしゃることを大変うれしく思います。事教育に関しては独立性を有する教育行政のトップとしての誠実な御答弁を期待いたします。 それでは、初めに区長の所信表明と今後の財政運営について。 まず、新区長就任以来の区政運営について伺います。 区長就任直後の第2回定例会の一般質問で、自治基本条例第9条「執行機関は、区民の権利及び利益の保護に資するため、行政手続に関し共通する事項を定め、行政運営における公平性及び公正性の確保並びに透明性の向上を図らなければならない」との条文を引いて、行政運営における手続の重要性を確認いたしました。区長は所信表明で8カ月余りの区政運営を振り返り、「それまでの区政の評価すべきところは継承しつつ、改革すべきところは機を逸することなく見直しや改革に着手してまいりました」と述べられました。見直しや改革に取り組まれる姿勢は評価いたします。 そして、財務体質の改善や中野駅周辺をはじめとするまちづくりによるにぎわいの創出、地域支えあいネットワークの構築や子育て支援の充実、防災まちづくりの推進など、16年にわたる前区政の区政運営を評価する一方、政策決定過程の区民参加の推進や地域の子育て拠点の在り方などについては検証や見直しが必要とされました。更に、区立保育園の全園民営化や児童館の全廃計画の見直し、平和の森公園の再整備、哲学堂公園再生整備、旧中野刑務所正門の取り扱いなど、多岐にわたる喫緊の区政課題について様々な御意見をいただき、対話の区政実現に向けた手応えを感じていますとも述べられました。 区立保育園の全園民営化や児童館の全廃計画の見直し、平和の森公園の再整備、哲学堂公園再生整備などは区長の主な選挙公約であったことは承知していますが、現在の区を取り巻く状況や区民生活の実態を踏まえたとき、これらを喫緊の区政課題とされた区長の認識には驚きました。そして、所信をお聞きする限り、この8カ月、機を逸することなく着手された見直しや改革とは、検証や見直しが必要とされた政策決定過程の区民参加の推進や、手応えを感じていられる対話の区政実現への取り組みが中心であろうと思われます。 そこで、区政運営の公平性・公正性の確保のための行政手続の観点から、現在の区政運営についてお尋ねいたします。 今回、区長が感じられた手応えをもとに、「平和の森公園再整備工事請負契約に係る契約金額の変更について」との議案を提出予定であると議会運営委員会で予告されました。 区長就任以来行われた意見交換会の案件は2件、パブリック・コメントは6件であり、ともに寄せられた声を受けての修正はみどりの基本計画に関わるもののみで、他の案件については修正箇所がありません。そして、区長が喫緊の課題とされた案件については、もちろんまだ改正内容が定まっていないものもありますが、意見交換会、パブリック・コメントの実施はありません。 中野区自治基本条例第14条第1項には、「行政運営への区民の参加の手続は、行政活動の内容、性質及び重要性に応じ、個別意見の提出、意見交換会、パブリック・コメント手続等の執行機関の定める適切な形態及び方法によるものとする。この場合において、次に掲げる事項の決定については、原則として、意見交換会及びパブリック・コメント手続を経るもの」とあり、意見交換会及びパブリック・コメント手続を経るものとして、第4号に、広く公共の用に供される大規模施設の建設に係る基本的な計画の策定又は変更と示されています。 建設委員会で報告されている平和の森公園再整備(第二工区)の変更(案)は、意見交換会、パブリック・コメントの手続を経て、議会で議決を行った内容の大幅な変更であり、明らかに基本的な計画の変更です。委員会の議論ではタウンミーティングやアンケート等で区民の意見を聞いたとし、かたくなにパブリック・コメントの実施はないとの態度を示されたと聞きます。 区民参加や区民意見を区政に反映するための新たな手続の手法を確立されたのでしょうか。行政手続を経ての決定を変更するのであれば、同様の手続を行うべきであることは言うまでもありません。このままでは自治基本条例に基づく手続に瑕疵を生じかねないと強く危惧しています。 そこで伺います。何か特段の事情でもおありなのでしょうか。区長の認識とお考えを伺います。 区長就任直後の第2回定例会で、区長が「区民合意があるか疑わしい」と発言されたことについて、区長の言う区民合意がとれた状態とはどのような状態かお聞きしたところ、区長は、「区民合意がとれている状態とは、検討に必要な期間を設け、議論を尽くした状態と考えております。また、その区民合意点を見極めるのは、区民から負託を受けた区長の役割であると考えております。区民合意点の見極めに当たっては、施策等への区民意見の取り扱いについて、区民の皆さんに真摯に説明し、理解を深めていくことが大切であり、そうした姿勢が区民の合意点を見極め、説明責任を果たすことにつながると考えております」とお答えになりました。 平和の森公園再整備(第二工区)の変更(案)については、必要な期間を設け、議論が尽くされたとお考えでしょうか。また、建設委員会で示された、内容変更について「支障がある」との区民や学校の声に対しては、真摯に説明し、理解を深めることができたとお考えなのでしょうか。伺います。 教育委員会としては、支障があるとされた学校への区の対応をどのようにお考えでしょうか。御見解を伺います。 次に、中長期の取り組みと今後の財政運営について伺います。 所信表明では、来年度の区政運営の方向のほかに、9点にわたって区の将来を展望した中長期的な取り組みを紹介されました。そして、その中長期の取り組みの中で、10年後に目指すべき区の将来像を描く基本構想と、計画期間を5年間とする基本計画の策定についても述べられました。基本構想、基本計画の策定に当たっては、広範な区民参加、積極的な情報公開、区民や職員意見の集約反映を基本として進め、議会による十分な審議・審査をお願いするとも述べられましたが、それでは、この中長期的な取り組みとはどのような意味を持つのでしょうか。 中長期とはいつまでの期間を指すのか。一般的には、中期とはおおむね10年、長期とはおおむね30年程度を見通したものと考えます。所信で述べられた中長期の期間の概念を伺います。 区長の任期は4年間です。もちろん区の将来を展望し語られることは、未来を見据えての区政運営を行う立場として当然のことです。しかし、具体的な取り組みとなると、明確な意図を持った責任ある発言となります。あえて中長期的な取り組みを述べられたのはなぜなのか。また、具体的な取り組みを示されたということは、これが基本構想、基本計画のベースとなるのでしょうか。伺います。 中長期の取り組みに、行政改革や財政運営の考え方が示されなかったことは残念でなりません。今後、基本構想の検討が始まる際、財政的見通しについては、いつどのように示していただけるのでしょうか。基本計画の期間が5年間であることから、10年間の財政見通しは具体的な計画を伴わないものとなるのではないかと危惧しています。基本構想に伴う財政見通しについて、お示しいただく時期を含め、現在お考えの示し方について伺います。 平成31年度の当初予算案の概要の中で、平成35年までの財政運営の考え方が示されました。これは当初予算の概要に基づいて質問いたしますので、「平成」という表記で質問いたしますことを御理解ください。 そこで、前年度は学校改築に当たっては「起債を活用せずに建て替えを進めることを目標として、財源の計画をいたします。今後は建て替え経費のうち、将来の世代が負担すべき経費である起債を充当する部分については、財政調整基金へ積み立てる財源から一時的に調達する運用を行います」としていた考えを、「まちづくり、新区役所建設などを進めていくためには、より柔軟な財政運営が行われるよう、一定程度の余裕ある基金計画としておく必要があります。そこで、学校施設の建て替えに当たっても起債を活用することとし、基金を計画的に保持していくこととします」とする、基金と起債についての考え方の大転換がなされました。 世代負担の公平性の観点からは一定程度の起債の活用は行うべきですが、極力起債に頼らず基金を活用するほうが、将来を見通したときには安全な財政運営であると考えます。今回は基金の活用により起債を抑え将来負担を低減させるのではなく、起債の活用により基金を残し、財政運営を柔軟なものとするとの判断ですが、わずか1年で大きく方針を変えなければならない事情が生じたのでしょうか。 昨年度までは示されていなかった新庁舎完成時の平成35年度には財政調整基金の繰入額と区民施設・総務の起債額が一気に増加し、平成31年度2.6%の公債費負担比率は平成35年度に9.7%と、ほぼ区が定める上限額に達します。 また、平成32年頃には新しい基本構想・基本計画が完成する予定です。これからも続く区立小・中学校の改築や、現在計画が止まっている旧沼袋小学校跡地の活用、老朽化が進み一刻も早いバリアフリー化が望まれる区営住宅の更新をはじめ、今後も大きな財政負担を伴う課題が山積しています。今回の方針変更では、新しい基本計画で行うべき事業の幅を狭める、あるいは今後の新規の一般財源充当事業や投資的事業を抑制することになるのではと懸念いたします。区長はどのようにお考えでしょうか。伺います。 次に、中野駅周辺まちづくりについて伺います。 新庁舎建設と区役所・サンプラザ地区再整備についての考え方が、ここに来て少し迷走しているように感じます。そのため、この二つの事業について、課題の整理も含めてお尋ねいたします。 まず、区役所・サンプラザ地区再整備についてです。 区長就任直後から、現中野サンプラザを存続するか否かが議論されることとなりました。結果は、3カ月後の第3回定例会で区長自らが現行計画どおり解体を決断したと発言され、存続の考えはないことが示されました。私も、現サンプラザの取得の経緯とこれまでのまちづくりの議論を踏まえれば、当然のことであろうと思います。しかし気になったのは、現行計画どおりサンプラザ解体を決めた理由の一つに、中野駅西側南北通路・橋上駅舎等事業の遅れにつながる懸念を示されていたことです。 そこで、改めて確認いたしますが、中野駅西側南北通路・橋上駅舎等事業のための工事ヤードの確保とデッキの接続の問題以外に、区役所・サンプラザ地区再整備スケジュールが同事業のスケジュールに及ぼす影響はあるのでしょうか。伺います。 平成20年に議会の議決を経て定められた「サンプラザ地区に係るまちづくり整備の方針」の4には、「中野区は、株式会社まちづくり中野21に将来にわたって同社の所有地を保有させ、中野駅周辺のまちづくりをけん引させるものとする」とあります。 これも確認のため伺います。ここで言う将来にわたってとはいつを指すのか。まちづくりのけん引のためとあることから、区役所・サンプラザ地区の再整備完了時までと考えるのが正しいと思いますが、区の見解を伺います。 区民会議において、大規模集客交流施設の機能と規模の議論が進んでいます。この大規模集客交流施設については、我々は民設民営が望ましいとの姿勢を示し、前区政の時代には庁内でその方向で議論が進んでいたと聞きます。新区政となった今も民設民営との方向性に変わりはないのでしょうか。伺います。 新庁舎建設について伺います。 新庁舎建設の財源について、平成28年4月に策定した区役所・サンプラザ地区再整備実施方針では、「新庁舎整備の財源については、再整備事業を通じて確保することとしている。市街地再開発事業による権利変換など面整備事業の特性をとらえ、制度運用に沿った適正な公的財産の運用を図るものとする」とし、同年12月に策定した新しい区役所整備基本計画では、「財源については、現区役所敷地及び現保健所敷地を最大限活用することによって生み出します。整備費の支出については、財源の収入時期に応じて、一時的に地方債や基金を活用して対応します」とされています。いずれも、新庁舎の建設費用は周辺まちづくりから生み出すとされており、一部の費用との表記はないので、全ての費用との意ととれます。スケジュールでは来年度から実施計画に入る予定であり、発注方法は設計・施工一体型とされています。 そこで伺います。財源についての考え方はこれまでと変更はないのでしょうか。このままでは、建設費用の財源について詳細を示されないまま建設予算を含む予算審議に入ることとなります。新庁舎建設の財源について、明確にお示ししていただけるのはいつになるのか、伺います。 新庁舎は基本計画で示した内容から基本設計段階で様々な変更が生じたにもかかわらず、最終的な建設費については示されておりません。また、各委員会で基本設計案に対して指摘した重要な課題についても解決策が示されないままです。さきにも述べたとおり、区役所・サンプラザ地区再整備についても、大規模集客交流施設の機能や規模が議論の中心となっています。いま一度、東京における同地区の在り方や求める姿、再開発により生じる効果等に立ち返っての議論が必要なのではないでしょうか。 そこで伺います。新庁舎建設及び区役所・サンプラザ地区再整備については、現行のスケジュールにこだわらず、改めて時間をかけた丁寧な議論のもと進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 この項の最後に、児童生徒と向き合う学校運営について伺います。 区立小・中学校の新校舎建設に当たり、教育現場の意見が反映されないとのお声をお聞きします。学校施設という教育環境の在り方は、そこで学ぶ児童・生徒の育ちにも、学校運営にとっても大きな影響を及ぼします。平成26年に策定された中野区立小中学校施設整備計画では、改築は区としての標準仕様に基づき行うとし、「標準仕様は施設整備の基本ルールとして策定するもので、各学校の特色ある教育活動の推進を図りながら効率的効果的に施設整備を進める」としています。現行のルールに基づいた上で現場の声も反映した学校とするためには、基本計画、基本設計の段階で、学校施設担当と学校との十分なコミュニケーションが図られなければなりません。 今後の新校舎建設に当たって、学校現場からの意見を十分に聞き入れ反映できる新たな仕組みの構築を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 「中野区立学校における働き方改革推進プラン」(案)が示されました。示されている具体的な取り組みは、全てソフト面におけるものですが、ハードの考え方、例えば校舎における職員室、事務室、校長室の配置や動線の在り方も、教員の事務負担軽減につながると考えます。 今後、区立小・中学校の改築が進んでいきますが、働き方改革に校舎の在り方の観点からの検討も加えられてはどうかと考えます。いかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。 最後に、地元である大和町まちづくりについて伺います。 都は、補助227号線大和町部分を特定整備路線に位置付け、平成32年完了を目標とし、道路の拡張整備を行っています。また、区もこの都の事業にあわせて大和町全域を不燃化特区に位置付け、防災まちづくりを推進しています。地域からは新設道路の整備完了が待ち望まれているものの、あと2年で本当にできるかとの声が出ています。 そこで伺います。補助227号線大和町部分の進捗状況はどうなっているのでしょうか。平成32年完了との整備スケジュールに変更はないのでしょうか。伺います。 道路拡張と周辺まちづくりの中で、新たな地域の核となる中心交流拠点の整備を求めてきました。大和町は新井とともに区民活動センター区域内に高齢者会館が存在しない地域であり、区民活動センターの建て替えも踏まえ、高齢者会館機能を有する施設整備を求めてきましたが、まだ具体的な計画は示されていません。どのように検討が進んでいるのでしょうか。 用途廃止後の大和西児童館、あるいは第四中学校跡地の活用も含め、大和町内に高齢者のための施設整備が必要と考えます。まちづくりの観点から検討を行っていただきたいと思いますが、御見解を伺って、私の全ての質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 平山議員の御質問にお答えいたします。 まず1点目に、平和の森公園再整備の見直しにおける手続についての御質問でございます。自治基本条例第14条によれば、平和の森公園再整備の見直しについては、広く公共の用に供される大規模施設の建設に係る基本的計画の変更となることから、パブリック・コメント手続を経るものとされているところでございます。しかし、中野区パブリック・コメント手続に関する規則第3条ただし書きの規定に基づき、工事期間中につき緊急を要するものであることから、区民生活への影響等を最小限とすることを考慮し、パブリック・コメントを実施しないという判断をしたものでございます。手続にのっとっているものと認識しております。 また、再整備計画の見直しに当たっては、ワークショップ形式の意見聴取、郵送やメールによる意見募集、区民説明会、関係団体への意見聴取を行っておりまして、より広く区民の意見を聞き、議会においても議論を重ねていることから、十分な意見聴取を行うことはできていると考えております。 次に、平和の森公園再整備の見直しにおける区民合意についての御質問です。昨年10月に開催した平和の森公園再整備を語る会における意見、郵送等による意見募集の結果を踏まえ、区の考え方を取りまとめ説明してまいりました。また、関係団体の意見聴取も行った上で、委員会等における審議も重ねておりまして、必要な期間を設け議論を尽くした状態であるとは考えております。意見聴取で支障があると答えた声については、今後の中野区基本計画の検討の中でも対応していきたいと考えております。 次に、中長期の取り組みと今後の財政運営についての中での中長期的な取り組みについての御質問です。施政方針説明で述べた中長期的な取り組みは、10年後に目指すべき区の将来像を描く基本構想の改定に向けて、現時点における区政課題への認識や方向性を示す必要があると考え説明したものでございまして、おおむね10年間の取り組みを述べたものでございます。新しい基本構想、基本計画は、これらの取り組みも含めて区議会における審議や幅広い区民の意見を踏まえながらつくり上げていく考えでございます。 次に、10年間の財政見通しについての御質問です。基本構想は10年後に目指すべきまちの姿を描くものでございます。今後の人口や経済の動向とともに、今後のまちづくりや施設更新等における歳出予測を踏まえ作成してまいりたいと考えております。基本構想と同時に策定する基本計画の中で10年間の財政見通しについても示してまいります。 次に、基金と起債活用の考え方の御質問です。平成30年度の財政計画では、学校改築において、本来ならば起債活用する財源について基金で充当し、金利負担の軽減等を行う考えを示したところでございます。平成31年度では労務単価の上昇が続くなど事業経費の状況変化が進んでおり、今後の歳入も不確定要素が増す状況となってきているところから、中野駅周辺や西武新宿線沿線などの今後のまちづくりを、区民サービスに影響を及ぼさず円滑に進めるためには一定の基金残高を確保することが必要との考えに至りまして、中野区版の公債費負担比率がおおむね10%の範囲内に抑えつつ、学校改築についても起債活用を図ることにしたものでありまして、一定の世代間負担の公平性を保つため、基金、起債をバランスよく活用する考え方には変更はございません。御指摘の新たな一般財源充当事業や投資的事業の対応については、区有資産の有効活用、それから民間活用の推進、既存事業の見直しなどによって財源を生み出し、新しい施策の展開を進めてまいります。 次に、区役所・サンプラザ地区再整備スケジュールによる南北通路・橋上駅舎整備への影響についての御質問でございます。南北通路・橋上駅舎等整備については、区役所・サンプラザ地区再整備事業計画策定に向けた拠点施設等の検討スケジュールにより直接影響を受けるものではございません。一方で、新北口駅前広場整備は再整備事業の道路整備や拠点施設整備と工事工程上関連しており、西口改札開業の際に、駅北側の出口となる歩行者デッキや駅前交通広場の整備スケジュールには影響を及ぼすことになると認識しております。 次に、サンプラザ地区に係るまちづくり整備の方針についての御質問です。サンプラザ地区に係るまちづくり整備の方針が議決された当時の背景として、株式会社まちづくり中野21が再整備計画の主体となっていたことや、中野サンプラザの売却条件である10年間の継続した運営、それから社員の雇用義務があったことなどがあり、このような方針の表現となったと認識しております。中野サンプラザの所有地を未来永劫、株式会社まちづくり中野21に所有させることを意図していたとは考えられないと思っております。中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画を取りまとめる時期となっている現在、処分も含めた今後の所有地の活用方法を決める時期になっていると考えております。 大規模集客施設における所有と運営の在り方についての御質問です。大規模集客交流施設における所有と運営の在り方については、現在も民設民営も含めて様々なケースを想定して検討を行っているところでございます。 次に、新庁舎の整備における財源についての御質問です。中野駅新北口駅前エリア再整備事業は、事業手法として市街地再開発事業を想定し、その中で従前資産の活用を図っていくものであり、新庁舎整備の財源はそうした資産活用を踏まえて考えていきたいと考えております。再整備における施設機能や事業手法の考え方をことし6月頃に示す予定であることから、新区役所整備の財源確保の考え方についてもあわせてお示ししてまいります。 新区役所整備等の進捗についての御質問です。新区役所整備等中野駅新北口駅前エリア再整備は連鎖的な関係にあり、中野駅周辺まちづくり全体への影響も考えられることから、目標とするスケジュールに沿った形で進めていきたいと考えております。 次に、大和町防災まちづくりについて、大和町中央通りの拡幅整備についての御質問です。大和町中央通りの妙正寺川から南側710メートルの区間については、東京都施行により平成25年度から事業が進められており、平成30年3月末時点での用地取得の進捗状況については、おおむね5割程度と聞いております。今のところ、東京都からは平成31年度までを事業認可期間とし拡幅整備を進めていると聞いており、スケジュールの変更等については伺っていないところでございます。 次に、大和西児童館、第四中学校の跡地活用についてでございます。跡地の活用については、まちづくりの進捗状況なども踏まえて、区全体として必要とされる機能や地域の価値向上につながる機能などについて、区議会や区民の皆さんの声を聞きながら、2020年度に策定を予定している基本計画において活用の方向性を示していく考えでございます。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 平和の森公園再整備の見直しに係る意見聴取において、支障があるとした学校に対する対応についてのお答えをいたします。 現在、区内には陸上競技の練習を行うための本格的な練習場所がないため、大会前にほかの会場での練習機会を確保するなど、各校での練習方法の工夫などにより対応しているところです。区内に陸上競技の練習のできる場所が確保できれば、児童・生徒の技術向上にもつながるものととらえております。部活動等の練習場所となる運動施設の整備については、教育委員会としても区に求めていきたいと考えております。 次に、児童・生徒と向き合う学校運営における新校舎建設に対する学校意見の反映についてにお答えいたします。校舎の改築に際しましては、学校に対して適宜情報を伝え意見を聴取し、理解を得ながら進めていくことが必要となります。改築に当たっては、キッズ・プラザ、学校図書館、給食等運営に関するものまで学校からの意見は様々にありますが、現在は各担当が窓口となっているため、意見の集約が難しいといった課題があることは承知してございます。学校に対する教育委員会としての窓口を一本化し、学校から出された意見を新校舎建設にしっかりと反映していきたいと考えております。 次に、働き方改革と新校舎整備についてお答えいたします。校舎の改築に当たっては、子どもたちの良好な教育環境の整備や、安全、防犯対策等を第一に検討しているところであります。一方、働き方改革では教員が教育に専念できるよう、学校と地域の連携を更に強化していくことが求められており、改築する学校については地域連携室を設けるなど、施設整備においても考慮しているところであります。また、新校舎が教員にとって働きやすく利用しやすい環境となるよう、職員室の設置場所を含めた管理諸室の配置等についても考えているところでございます。働き方改革推進プランは取り組みの進捗状況を評価検証し、必要に応じて見直しや改善をしていくこととしており、施設整備の中で対応すべき項目についても次回の改定の中で検討してまいりたいと考えております。 〔平山英明議員登壇〕 ○24番(平山英明) 一番最初の質問について、1点だけ再質問させていただきます。 自治基本条例14条に基づいて、本来であればパブリック・コメントを行うべきであると。しかしながら、パブリック・コメント手続きに関する規則に基づき、工事は継続中である、あるいは区民生活に及ぼす影響等々、いわゆる緊急的な対応として今回は行わないという、いかにもお役所的な御答弁でございましたけども、ただ、ちょっと御無理があるのかなと。現実、工事は止まっているんです。区側の意思によって工事を止められている。これが、工事がずっと継続していたら、区長がおっしゃることは当たるんでしょうが、ある一定期間、工事が止まっている。ですから、パブリック・コメントをやるまでの間も別に工事を止めておくというのも当然選択肢として考えられると思ったから質問しているわけで、先ほどの御答弁であれば、質問で申し上げた自治基本条例に基づいた瑕疵がある、危険というのは、私はぬぐえないと思っておりますけども、改めてお伺いいたします。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 平山議員の再質問にお答えします。条文上はパブリック・コメントの手続に関する規則第3条ただし書きの規定に基づいたというものでまず答弁させていただきました。それで実績の、その工事のとまっている状況についてでございますけれども、こちらについては、区民の皆さんが使える広場等の早く再開させたいという緊急性、それから、工事契約を結んでいる業者との関係もありまして、そこを考慮したものでございます。 ○議長(いでい良輔) 以上で平山英明議員の質問は終わります。
中野区議会議員 小 杉 一 男 1 施政方針説明について 2 2019年度予算案について 3 子ども・子育て支援について 4 虐待防止対策について 5 地域における居場所作りについて 6 西武新宿線沼袋駅の立体交差事業について 7 その他
○議長(いでい良輔) 次に、小杉一男議員。 〔小杉一男議員登壇〕 ○30番(小杉一男) 2019年第1回定例会本会議において、日本共産党議員団の立場から一般質問をいたします。質問内容は通告のとおりです。その他の項はございません。 初めに、施政方針説明についてです。 「区の将来を展望した取組」の項で、雇用情勢や企業収益が改善し、個人消費についても持ち直すなど、緩やかな景気回復が続きましたと触れられていますが、多くの区民は景気が良くなったという実感は持てていません。日本経済はリーマンショックから長期停滞を続けています。実質賃金も2016年度はプラス0.4%でしたが、2017年度以降はマイナスとなっています。10月には安倍政権は消費税率を10%に引き上げる予定ですが、もしそうなれば区民生活に深刻なダメージを与えることは間違いありません。あるクリーニング店店主は「ポイント還元といっても、1枚当たり10円、20円のもうけなのに、カード読み取り機を買っても9カ月で終わり。10%引き上げはやめてほしい」。ある商店主らは「カード決済手数料5%が払えない。やっていけない」と、痛切な声が広がってきています。 そこで伺います。日本経済が低迷するときに、暮らしを守る立場で施策を展開することを区民は期待しています。消費税率10%引き上げの区民生活への影響はどのようにお考えでしょうか。 次に、区役所・サンプラザ地区の再整備についてです。酒井区長は「1万人アリーナ計画の見直し」を公約に掲げ、中野サンプラザの存続も含め検討するとしてきました。区役所・サンプラザ地区の再整備については、区民、議会の議論が一層必要とされています。区民会議を含めた区民の皆さんが納得いくように、酒井区長の公約を踏まえて結論を出すべきです。区役所・サンプラザの土地は区民の財産でもあります。 そこで伺います。今後のサンプラザの施設や土地の所有の在り方について、区としての見解を伺います。 続いて、サンプラザホールの後継施設についてです。区民会議での議論も伺いましたが、同施設は2,000人から3,000人の収容人数の御意見が多いようです。区民の皆さんも、1万人アリーナは要らないという反応が目立つようです。 そこで伺います。サンプラザホールの後継施設の規模についてどう考えていくおつもりですか。 加えて、JR東日本中野駅の安全対策についてです。同駅の乗降客は16万人を超えています。朝夕には大変混雑しており、危険な状態です。南北通路と西口改札の開設までは8年ほどかかると言われています。以前にあったガード下に緊急的に改札口を増設させるなど、安全対策、対応が急務と思われます。 そこで伺います。JR東日本と中野区が早急に対応を協議すべきではないでしょうか。 次に、施政方針説明では、残念ながら平和施策について触れられていません。1月27日、ノーベル平和賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員の川崎哲さんを招き、講演会が開催されました。中野区も後援されました。2017年7月に国連で成立した核兵器禁止条約は、核兵器の非人道性を掲げ、核兵器なき世界の実現を目指しています。ICANはその実現に大きく貢献したとしてノーベル平和賞を受賞しました。中野区は1982年8月に憲法擁護・非核都市宣言を掲げています。酒井区長は公約で憲法擁護・非核都市宣言の推進を掲げました。 そこで伺います。区としても平和施策を推進するために新たな展開をすべきではないでしょうか。例えば、現在の区役所の入り口に1992年に設置された宣言塔があります。それ以前には、中野駅北口に設置されていました。区庁舎を訪れた方に憲法擁護・非核都市宣言を挙げた平和を推進する自治体であることを知ってほしいと思います。新区役所に宣言塔を設置することを検討するべきと考えますが、いかがでしょうか。 酒井区政が誕生し8カ月余りがたちました。酒井区政が区民に公約として掲げられた喫緊の課題について、着実にその責務を果たされようとしていることに区民は関心を持って見ています。区立保育所の全園民営化や児童館の全廃計画の見直し、哲学堂公園の再整備見直しなど課題について、酒井区長が「対話の区政」実現に向けた手応えを感じられているのは、区民の皆さんと区、区議会がしっかりと意見をぶつけ合い、調整に努力してきたからでしょう。しっかりとした成果が導かれることを期待していることを話し、この項の質問といたします。 次に、2019年度予算案についてです。 当初予算案について何点か触れます。区民の暮らしを応援する施策が拡充されていることを評価したいと思います。 まずは、禁煙治療促進事業についてです。同事業は北区など7区で実施されており、中野区が健康増進の取り組みの一歩を進めたと言えます。区医師会からも求められていたものです。禁煙治療促進は、医療機関の禁煙外来で治療を受けることで区民の健康増進を促進させるものです。健康保険でのニコチン依存症管理料5回の治療を終了した患者の治療終了時の禁煙状況は、4週間禁煙が82%、1週間禁煙が4%、失敗が12%と高い成功率となっていると厚労省の調査で報告されています。 そこで伺います。禁煙治療促進の内容はどのようなもので、どのような効果があるとお考えですか。 次に、住宅宿泊事業(民泊)についてです。民泊の適正な実施を図るための取り組みを評価しています。昨年17万円から新年度476万円に大幅に増額させています。昨年4月に民泊新法が創設されるまでは民泊の法規制がなく、地域の中で違法な民泊が騒音やごみなどで近隣住民とのトラブルを発生させました。 そこで伺います。そうした以前の違法民泊は民泊新法のもとでの民泊にどれぐらい移行しましたか。移行せずに営業を続けている事業者は中野区内にどれだけありますか。また、職員体制が拡充されることでどのような効果があると考えておられますか。 続いて、精神障害者に対する福祉手当がようやく予算化されました。2015年12月に同主旨の陳情が採択され、全会一致で可決されていましたが、田中区政のもとで予算化がされてきませんでした。東日本大震災後の事業見直しにおいて削減された同制度を7年かけて復活させることができました。田中区政のときに宣言された財政非常事態は何だったのか疑問に思いますが、区民の暮らしを支えるために、立場の違いがあっても、議論し決めることができると確信を持って進めていきたいと思います。 加えて、中野区が独自に定めている基準となる一般財源規模についてです。2019年度予算編成では、それを710億円としています。歳出面で約20億円増となったことで、2017年度に定めた690億円に上乗せしたものです。これまでの財政運営の考え方を踏襲していますが、果たしてこれでよいのでしょうか。 2019年度の財政規模は1,520億円と区政史上最高額となっています。しかも、歳入である一般財源は774億円と高額となっています。2019年度は、2017年度の690億円に比べ、歳出の伸びは48億円に対し、歳入である一般財源は61億円の伸びとなっています。2018年度と比べても歳出18億円の伸びに対し、一般財源は32億円の伸びとなっています。新年度の基準となる一般財源規模710億円の設定はあまりにも低額なのではないでしょうか。しかも、毎年度末に財源更正などが施されることで、予算で計上した繰入金は減額となっています。このことを加味すれば、適切な設定とは言い難いと言えます。一方、歳出においても区政課題と区民要求の実現、とりわけ区長が掲げてきた公約を鑑みても、一層の施策展開が必要であると考えます。そこで、基準となる一般財源規模に対する見解を伺います。この項の質問を終了いたします。 続けて、子ども・子育て支援についてです。 まず、保育所における医療的ケア児の受け入れについてです。中野区は、障害のある子どもに対し保育所で受け入れられるように準備をしています。厚労省も一昨年、一人ひとりの子どもの発達過程や障害の状況を把握し、状況に応じた保育を実施することが必要とし、障害のある子どもの保育を指導計画の中に位置付けることや、市町村や関係機関と連携、保護者への個別支援を行うよう通知しています。中野区内には要医療ケア児がどれぐらいおられるのか現状では分からないそうですが、まずは対象者を把握してしっかりとした施策を打つべきではないでしょうか。 他自治体の世田谷区では、集団保育が難しい場合は1日最大8時間預かる事業を進めるなど、間口を広げた対応もしています。港区は2020年に開設する区立保育所に医療的ケア児専用クラスを設けるなど、対応を開始しています。 そこで、医療的ケアが必要で集団保育を希望する子どもの受け入れ体制を構築するべきと考えます。区の見解を伺います。 次に、保育需要と待機児童解消についてです。 25歳から44歳の女性の就業率は年々上昇しています。子どもを預け、安心して仕事をしたい保護者からの期待を受けて、区も待機児童解消に向けて努力されているのは評価いたします。新年度当初においては、恐らく待機児童はゼロとはならないと見込まれます。この間、中野区は地域型保育給付の小規模保育の整備を進めてきましたが、これは今後ふやさないと聞いています。小規模はゼロ歳から2歳までですので、3歳の壁の問題がありますので、やはり私どもが求めてきた認可保育所の増設・拡充に力を注ぐべきです。区民の願いは、居住地の近くで、環境が整った施設で、就学前まで保育を受けられる認可保育所に入れることです。 今年度は緊急的な対策として区北部に保育室が整備されましたが、地域での偏在が見てとれます。区民の願いに応えるために保育需要をしっかり把握し、認可保育所の整備を着実に行っていただき、速やかに待機児童ゼロが実現されることを期待いたします。 そこで、今後の保育需要と待機児童解消に向けた見通しについて伺います。 続いて、10月から実施が予定されている幼児教育・保育の無償化についてです。この実施に当たり、給食食材費の負担をどうするかが問題となっています。給食は保育の一環だからこそ、2号認定(保育所)の場合は副食費等が公的な保育所運営費に組み込まれてきました。また、都各区市では主食費も自治体負担によって徴収してこなかった経緯もあります。3歳以上児の副食費を新たに実費徴収化されれば、所得階層によっては現状の保育料よりも負担が重たくなる世帯も生まれると思われます。 そこで伺います。今後予定されている幼児教育・保育の無償化において、幼稚園も含め全ての子どもの食材費を公費で負担し、給食費も無償化の対象にするべきと考えますが、いかがでしょうか。伺いまして、この項の質問を終了いたします。 次に、虐待防止対策についてです。 まず、児童虐待の根絶についてです。1月末に千葉県野田市で小学4年生が実父による虐待を受け、亡くなる痛ましい事件が発生しました。児童相談所が父親の圧力に屈し、子どもが書いた告発のアンケートを渡してしまうなど、問題点も指摘されています。児童相談所に寄せられる虐待相談はこの30年で100倍を超え、度重なる法律改正が行われてきました。しかし、児童虐待の根絶まではほど遠い現状があると思われます。中野区においても、子ども家庭支援センターに寄せられる虐待通告件数は上昇傾向であり、2017年で7,087人となっています。 なぜ児童虐待が起こるのでしょうか。現代の子育ては家族形態の多様化や脆弱化、地域社会からの孤立などで子育ての負担が親に集中してしまい、身近に子育てを見る機会のない親がストレスを感じる中から生まれていると言われています。虐待されるリスク要因も様々なものがあるとされています。 そこで、千葉県野田市の事件をはじめとして、児童虐待が増加しています。児童虐待を根絶させなければならないと多くの人が考えていると思いますが、改めて児童虐待の根絶に向けた行政としての見解を伺いたいと思います。 次に、児童相談所の開設に向けた準備についてです。中野区においても2020年に児童相談所の開設に向けて準備をしているところと存じます。こうした度重なる事件から教訓を得て、児童相談所の役割をしっかりと発揮させてほしいと思います。厚労省も2022年までに児童福祉司など2,020人を増やすとされています。児童福祉司や心理士、弁護士などの人員体制を拡充させることや、1人当たりの担当者数が多いことが指摘されています。今後一層虐待相談件数が増加すると思われます。そこで、中野区の児童相談所設置に向けた人員体制の準備状況について伺います。 続いて、虐待する親への支援です。現在、子ども家庭支援センターが調整機関の役割を果たし、要保護児童対策地域協議会サポート会議が開催されています。中野区もすこやか福祉センターとして関与しています。虐待事例への介入と支援はとても高度な専門的な技能が必要とされています。児童相談所の開設後には、より一層虐待児童やその親への介入、支援の役割が求められることが予想されます。区内に住む精神障害のある子どもを持つ、虐待をしてしまっている保護者から、親への支援、ケアが不十分ではないかとも伺っております。 そこで伺います。虐待をしてしまっている保護者が孤立を深めることがないような支援が必要ではないでしょうか。孤立を深めないためにどのような支援を考えていますか。伺いまして、この項の質問を終えます。 加えて、地域における居場所作りについてです。 中学生の居場所としては、中野区ではU18プラザが、もっと前には青年館がありました。そうした歴史を踏まえて、より一層に今の子どもたちの成長にふさわしい拠点を地域ぐるみでつくってほしいと思います。社会状況の変化により、大人同士も地域の中でのつながりが希薄化し、携帯電話やインターネットの発達により、直接顔を合わせることすらなくなった今だからこそ、多様性を持つ地域と中学生を結びつける居場所をつくる必要があると思います。 先日、NHK番組で、豊島区の中高生センタージャンプ東池袋が取り上げられていました。そこでは18歳未満で区内在住であれば無料で利用ができる、ひとりぼっちでも安心して遊んで交流できる居場所として紹介されていました。子どもたちの居場所を提供するにとどまらず、職員や支援者が関わり、利用者が社会活動に関われるよう促し、個人の成長にもつながっていると思います。 そこで伺います。中高生に対する支援拠点について、近隣市区における先進事例を把握することはもちろん、拠点施設を構成する職員や支援者を養成することも検討の視点として取り入れるべきと考えますが、いかがでしょうか。 最後に、西武新宿線沼袋駅の立体交差事業について取り上げます。 まずは、地下化後の上部空間の利用について取り上げます。沼袋・新井薬師前両駅では、2020年度に向けて地下化工事が進められています。地下化後における上部空間の利用について、近隣住民の方から意見を出し合える場をつくってほしいとの声が寄せられています。2015年9月、第3回定例会の一般質問でもこの問題を取り上げましたが、そのときには「地域の特性を生かしながら、より良いまちづくりに最大限利活用できるよう関係機関と調整し、具体的な活用案を作成していきたい」と区長が答弁されました。 私は以前、地下化された小田急小田原線と東急目黒線を視察しましたが、炊き出しベンチや季節の花が咲く緑道や自転車駐車場、貸し菜園、クラブハウス、個人住居が設置されています。現在でも空き地となっているところがあるのは残念ですが、様々な用途があると感じました。 そこで伺います。上部空間の利用を決めていくに当たっては、まちづくり検討会など既存組織にとどまらず、地域住民の皆さんが自由に意見を出せるように幅広く意見を聴取するよう、株式会社西武鉄道、東京都と中野区が協議を進めてほしいと考えますが、いかがでしょうか。また、同事業の工事の進捗も遅れているともお聞きします。協議や活用案の作成、検討のスケジュールについてどのような見通しを持っていますか。 次に、新ホームでのホームドアの設置についてです。沼袋・新井薬師前両駅のホームが新しく設置されるに伴って、ホームドアの設置を求める要望が視覚障害者団体からも寄せられています。両駅は利用者数が1日2万人を超えています。ホーム転落、接触事故件数は、利用者数1万人以上の駅で91.6%が発生しています。国土交通省によると、乗降客が1日10万人を超える駅から設置を進めていき、視覚障害者の利用状況などに応じて必要性が高いと判断すれば優先して設置していくそうです。 そこで伺います。区において視覚障害者の利用状況などを踏まえて、新ホーム設置に伴いホームドアの設置を検討するよう、株式会社西武鉄道等に要請するべきではないでしょうか。伺って、私の全ての質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 小杉議員の御質問にお答えいたします。 まず1点目は、消費税率引き上げによる区民生活への影響でございます。国は消費税率引き上げに当たって、軽減税率制度の実施や幼児教育・保育の無償化などの恒久措置と低所得者、子育て世帯向けプレミアム商品券や、中小小売業に関する消費者へのポイント還元支援などの増税後の景気対策を行うとしておりますが、区としては、これについての区民生活への影響については注視していきたいと考えております。 次に、区役所・サンプラザの土地や施設についての御質問です。中野駅新北口駅前エリアの再整備に当たり、施設計画や区有地等の活用などを総合的に検討しているところでございます。後継施設の機能や規模、土地や建物といった資産所有の在り方などについて、最適なスキームを構築してまいりたいと考えております。 次に、中野駅の安全対策についてでございます。区とJR東日本では、現在、中野駅西側南北通路・橋上駅舎等事業について実施設計作業を進めるとともに、準備工事である支障移転工事等を進めているところでございます。作業に当たっては、西口の改札をできるだけ早期に開業できるよう日常的に情報を共有し、協力して作業を進めております。こうした中で、区ではこれまでに朝夕の駅の混雑状況や今後の開発による乗降客の増加想定などをJR東日本と共有しております。西側南北通路・橋上駅舎開業までの駅利用者の安全性や利便性の確保について、JR東日本に対し十分に配慮するよう求めるところでございます。 次に、新区役所への憲法擁護・非核都市の宣言塔設置についての御質問です。区では平和の意義を伝える象徴として宣言塔を設置し、これまでも憲法擁護・非核都市の宣言の精神に基づき平和事業を推進しているところでございます。新区役所への宣言塔の設置については、今後検討してまいります。 次に、禁煙治療促進事業の内容と効果についてでございます。禁煙治療促進事業は、禁煙を希望する者に対し治療費の助成を行うものでございます。具体的には、医療機関の禁煙外来において5回の保険治療を完了した区民に、1万円を上限として禁煙治療に要した自己負担額を助成するものでございます。本事業は受動喫煙防止対策の推進及び区民の健康増進を図っていくため時限的に実施するものでございますが、禁煙治療を希望する喫煙者に対するインセンティブになるものと考えております。 次に、違法民泊の実態と区の取り組みについてでございます。違法民泊は法施行前も現在も実態が明らかでないため、新法のもとで移行した民泊の数や移行せずに営業を続けている事業者数を把握することは困難でございます。なお、区に届け出を行い営業している民泊122件のうち、法施行前に苦情等があったものは24件となっております。違法民泊への対応や開設相談、届け出受け付けなどの事務量が増大しており、体制を強化することにより苦情対応や施設への指導等、これまでよりも早期に着手することが可能になると考えております。 次に、基準となる一般財源規模710億円についてでございます。平成31年度は特別区交付金の伸び等が見込めることや、過去5年間の平均から歳入一般財源を710億円は確保できる見込みであることから、基準となる一般財源規模を710億円として予算編成を進めてきたところでございます。一方で、消費税増税に伴って法人住民税の一部国税化が拡大され、特別区交付金が更に影響を受けることになるなど、今後の歳入状況は不確定な要素が含まれることがございます。今後の基準となる一般財源規模については、歳入の動向を注視し慎重に検討してまいりたいと思います。また、新しい基本計画の策定に際しては、財政運営の手法についても検証していくことを考えております。繰越金4億円については、前年度の決算剰余金を新年度で計上するための歳入であって、基準となる一般財源の額には算入すべきではないと考えております。 次に、医療的ケアが必要な子どもの受け入れについての御質問です。医療的ケアが必要で集団保育が可能な子どもの区立保育園での受け入れについては、今年度中の実施を予定していたところでございますが、受け入れ園の調整、看護師の確保方策の検討に時間を要しているところでございます。来年度の早い時期に区立保育園での受け入れ体制を整備し、保育を開始する予定でございます。 次に、保育需要と待機児童解消の見通しでございます。区では待機児童の解消を目指して新規認可保育所の誘致等を進めているところでございます。2019年4月1日現在で789人分の定員を拡大することができる見込みでございまして、定員合計は7,065人分となる予定です。子ども・子育て支援事業計画の2019年度の需要見込みでは7,027人であり、計画どおり定員を確保しているところでございます。また、昨年12月から導入したベビーシッター利用新事業も活用し、待機児童解消を目指しているところでございます。 最後に、無償化に伴う給食費の実費徴収についての御質問です。幼児教育無償化に伴って、内閣府は給食費について全額を実費徴収する方針を示しているところであります。現在、保育施設等の給食費については一部区が負担しており、給食費全額を徴収することになると、子ども1人当たり月額で約7,000円程度の負担が生じることから、幼児教育無償化による給食費の保護者負担の在り方については、23区の動向も確認しながら慎重に検討してまいります。 〔子ども教育部長戸辺眞登壇〕 ○子ども教育部長(戸辺眞) 私からは、虐待防止対策に係る御質問にお答えします。 まず、児童虐待根絶に向けた行政としての見解についてでございます。児童虐待は決して許されるものではなく、子どもの命と人権を守るために児童相談所と連携した子ども家庭支援センターの着実な支援により、虐待の未然防止と早期発見、早期解決を図ってまいります。また、児童相談所設置に向け専門人材の確保、スキルの向上等を確実に行っていくとともに、学校や子ども施設、医師会、民生児童委員等で構成する要保護児童対策地域協議会を通じた地域の関係機関の連携や対応力強化を図っていくことにより、児童虐待の根絶に向けた地域全体としての取り組みを推進してまいります。 次に、児童相談所設置に向けた人員体制でございます。児童虐待対応を中心となって進めていく児童福祉司については、国の児童虐待防止対策体制総合強化プランに基づく人数を配置すべく確保、養成していくほか、次年度より子ども家庭支援センターに警察OBを活用した虐待対応専門員や弁護士を活用した法的対応専門員の設置を進めてまいりたいと考えてございます。 次に、虐待を行った保護者支援についてでございます。虐待を行ってしまった保護者につきましては、通報等により虐待が発覚したことで育児に自信をなくしたり、また自己防衛のため外部との関係を遮断し、さらなる孤立を招くことがございます。子ども家庭支援センターでは、子どもや保護者との面接を繰り返し行うことで虐待が起こる理由を理解し、それに即したショートステイなどの社会資源の利用や親族などの協力者の力を借りることで、保護者自身がどのようにしたら子どもの安全が確保できるのか、また安全を継続していけるのか話し合い、その実現に向け支援を行っているところでございます。また、すこやか福祉センターや教育相談室、スクールカウンセラーと連携しながら、保護者の実態に合わせた支援を行っております。 次に、地域における居場所づくりについての御質問でございます。中高生支援に関する支援者の養成についてでございます。中高生の活動支援につきましては、中高生の活動そのものに注目したハイティーン会議などの支援を進めてきたところでございます。中高生に対する支援拠点につきましては、中高生の生活実態を十分把握し、施設の運営形態など他自治体の先進事例を参考に、中高生に対する支援が着実に行われる体制づくりについてもあわせて検討してまいりたいと考えてございます。 〔地域まちづくり推進部長角秀行登壇〕 ○地域まちづくり推進部長(角秀行) 私からは、西武新宿線沼袋駅の立体交差事業についてお答えいたします。 初めに、鉄道上部利用の協議に向けた区民の意見聴取についてでございます。鉄道上部の利用については、新井薬師前駅周辺地区と沼袋駅周辺地区の各まちづくり検討会からの提案を踏まえて策定いたしました西武新宿線沿線まちづくり整備方針において四つの検討項目をお示ししております。この検討項目であります防災まちづくりの推進、交通環境の改善、にぎわい空間の創出、緑化の推進について、まちづくり検討会や協議会をはじめ、駅周辺の町会や商店街、子育て世代、駅利用者など、できるだけ幅広く区民の方々の意見を伺いながら、今後区として検討を進め、西武鉄道や東京都と協議していく考えでございます。 次に、鉄道上部利用の検討協議スケジュールについてでございます。鉄道上部利用の検討に当たりましては、駅周辺や沿線まちづくりとの整合を図りながら、地域の要望と社会ニーズを十分踏まえていくことが重要であると考えております。また、社会ニーズは多様であり変化し続けていることから、協議スケジュールにつきましては、連続立体交差事業の完了を見据えつつ、時期を逸することなく適切なタイミングで、土地の所有者である西武鉄道と事業主体である東京都と協議に着手してまいります。 最後に、鉄道事業者に対するホームドア設置要請についてでございます。西武鉄道は、本連続立体交差事業を機に、現在、ホームのカーブがきつい新井薬師前駅について、地下化の際にホームを現在より北側に設置することでカーブを緩やかにするなど、安全対策に努めていると聞いております。ホームドアの設置につきましては、練馬駅や西武新宿駅など1日当たり乗降人数10万人以上の駅について、2020年度を目途に整備を進めていると聞いております。新井薬師前駅や沼袋駅については、乗降人数は10万人に満たないわけですけども、地下化によりホームを新設するこの機に、あらゆる人の安全対策となるホームドアの設置を区として必要と考えており、西武鉄道に働きかけていきたいと考えております。 ○議長(いでい良輔) 以上で小杉一男議員の質問は終わります。
中野区議会議員 酒 井 たくや 1 区長の施政方針説明について (1)子育て先進区について (2)中野駅新北口駅前エリア再整備について (3)区役所新庁舎について (4)その他 2 平成31(2019)年度当初予算(案)について 3 消防団の活性化について 4 昭和さくら駐在所(上高田1-3-1)隣接地について 5 その他
○議長(いでい良輔) 次に、酒井たくや議員。 〔酒井たくや議員登壇〕 ○38番(酒井たくや) 平成31年第1回定例会におきまして、立憲民主議員団の立場から一般質問いたします。 質問は通告のとおりですが、4点目を時間の都合上、予算特別委員会の建設分科会でお尋ねさせていただきたいと思います。それから、年度は西暦ではなく平成で統一しておりますので、どうか御理解ください。それでは、質疑に入ります。 1点目、区長の施政方針説明についてお尋ねします。 1番、子育て先進区への取り組みについて。区長は子育て先進区中野を公約の柱に掲げ、昨年の中野区長選挙で初当選されました。これまでの区立幼稚園、区立保育園、児童館の全廃から、一定数存続させる考え方への大転換、また来年度予算案でも、我々も要望した保育の質ガイドラインの策定、教員の働き方改革、区立学校の体育館冷暖房化、特定不妊治療費助成事業などの新たな取り組みに子育て先進区への息吹を感じます。 中でも、注目は子ども・子育て家庭を対象とした実態調査です。ゼロ歳から14歳の子どもの保護者(各1,250件)、小学4年生から中学3年生の児童・生徒(各1,250件)と、全年齢を対象に2万6,000件規模の実態調査は、我々が総務省に照会をかけましたが、これは全国初と言っても過言ではありません。子育て世帯のより多くの声を聞きたいという区長の姿勢は高く評価します。 現在、7人に1人の子どもが貧困状態にあると言われております。子どもたちが生まれ育った環境に左右されず、未来への希望を持ち自立する力を伸ばすことのできる社会の実現のため、まずは子どもの貧困実態調査を行い、施策につなげるべきであると我々は常々訴えてまいりましたが、残念ながら前区政では実現されませんでした。 今回の調査は当然「子どもの貧困実態調査」も含まれ、その解消に今後取り組まれるという理解でよろしいでしょうか。お聞きします。 今回の対象は中学3年生までですが、18歳までが中野の子どもたちです。特に義務教育を終了してからの15歳から18歳の層は東京都とあわせても取り組みがほとんどありません。不登校からの高校中退によるひきこもりという今日的な課題もあり、今後はこの層への調査を行い、若者支援の施策を展開していくことが重要と考えるが、見解をお聞かせください。 子どもは社会を映す鏡であり、まちの未来でもあります。全ての子どもたちを区民みんなで本気で応援するまちこそが発展すると考えます。この実態調査は5年ごとに行うという考え方でありますが、区長はこの調査を今後どのように活用し、子育て先進区への取り組みを進めるのかお聞きします。 この項の最後に、区長の目指す子育て先進区中野の姿についてお尋ねします。それは23区ナンバーワンを目指すのか、全国1,700ある自治体でのナンバーワンなのか、それともオンリーワンなのか、また出生率や転入・転出理由を一つの指標にするのか、区長の目指す子育て先進区の姿がいまだ見えづらい状況です。具体的な取り組みは基本構想・基本計画で示されるでしょうが、区長の考えが区民、議会、職員に伝わり、共有化されることが肝要です。 待機児童の解消、保育の質の向上や幼児教育・公教育の充実などにとどまらず、子どもの貧困対策や児童虐待防止への取り組み、ひとり親家庭、多子世帯などへの支援、諸外国に比べ遅れている里親制度や、障害を持った子どもたち、療育を必要としている子どもたちへの手厚い支援など、政治の力を必要としている子どもたちこそ、政治から遠い場所にいることを認識し、子どもたちが出せずにいる声なき声に光を当て拾い上げることこそが子育て先進区中野につながると考えます。 区長の子育て先進区のお考え、ビジョンを策定すべきです。お聞きします。 次に2点目、中野駅新北口駅前エリア再整備についてお尋ねします。 中野区役所、中野サンプラザを中心とした中野駅新北口駅前エリアは、中野のシンボル空間であり、再整備によりどのように生まれ変わるのか、区民も大変に気になるところで、影響は中野区の全域のみならず、東京西部都市圏の活性化にも及ぼすと考えます。 区長は選挙戦では、大規模集客交流施設、いわゆる1万人アリーナの見直しについて言及してまいりました。区として、大規模集客交流施設の規模感、所有形態、区役所・サンプラザ用地の資産活用の在り方、整備手法などを、ことし1月に「中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画の考え方」としてお示しされる予定でありましたが、5カ月先延ばし、6月に変更するという報告がされました。これまでも検討に時間を要すなどの理由によりスケジュールを変更し、遅れを生じさせている状況下、平成39年度を目標としている新北口駅前エリア再整備への影響をどのようにお考えか、また、中野駅西口南北通路・橋上駅舎整備への影響もあわせてお聞きします。 当初の考えから5カ月先延ばすということですが、これまでの間は区役所・サンプラザ地区再整備推進区民会議は開かれず、事業化に向けた検討の深度化をどう図るのか疑問です。区民会議だけではなく、広く区民の意見や、特に専門家の意見を聴取するなどし議論を深め、「中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画の考え方」に反映すべきです。お聞きします。 区民のサンプラザへの思いは強く、報道される度に区民の失望感ばかりがクローズアップされてきました。それだけ中野区民のサンプラザへの思いは非常に強いものであります。数年後には工事に着手し、数年間は駅前にシンボルである中野サンプラザのない期間が発生します。この間の区民の喪失感は大変に大きいものと容易に想像されます。あわせて、中野区のまちへの来街者が減少し、地域経済に及ぼす影響も危惧されます。 しかしながら、サンプラザはなくなるのではなく、ニューサンプラザとして生まれ変わります。ニューサンプラザはこれまでのように、中野のまちの活性化をけん引していく役割を担う。これこそがサンプラザのDNAの継承であります。どのような形で継承していくか、早期に示すべきと考えます。特に名前を継承する点、なくなるのではなく生まれ変わるという点のプロモーションが足りないように感じます。 区民のサンプラザロスの解消と将来への期待を醸成すべく、区からの発信をもっと強めていくべきと考えますが、御見解をお聞きします。 次に、中野区役所新庁舎についてお尋ねします。中野区新庁舎整備基本設計(案)がことし1月に示されました。平成35年度の竣工を目指し、いよいよ来年度は新庁舎の実施設計・施工工事の一括発注が予定されております。基本計画時点では総工費は221億円でありましたが、総工費が増加したと聞いております。総工費と増加理由をお聞きします。 新庁舎建設の財源スキームは、「中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画の考え方」により明らかになる予定でしたが、報告が延期されたことは先ほども触れました。本来なら、新庁舎建設に係る債務負担行為とあわせて示されるべきでありました。区はこれまでも財源については、現庁舎と中野サンプラザの活用により十分に賄えると答弁されてきましたが、現庁舎と中野サンプラザのあらあらの資産価値の見込みから、中野サンプラザを所有するまちづくり中野21の金融機関からの借り入れ、資産の異動に伴う税負担を差し引くと、増加した総工費はおさまるのかも疑問であります。財源スキームの検討状況はどうなっているのかお聞きします。 あわせて、これまでの基本計画では、保健所を合築し、現保健所用地を財源として活用する考えでありましたが、床面積が足らず、この考え方は改められました。すなわち保健所用地の資産活用による財源が見込めないことと、新たに保健所を別に整備しなければならないことによる区財政への影響は非常に大きいものになります。どのようにお考えかお聞きします。当初の保健所を合築する考えや、総工費の増額を見るに、当初の考えに無理があったのではないでしょうか。 基本設計(案)では、突如、エントランスに段差が発生されることが報告され、階段とスロープを設置するとのことでありました。ユニバーサルデザインを推進する立場である行政の新区役所にあってはならないことであります。どのような理由か、また設計事業者はどう考えているのか。区としてもこれまでの進め方に問題があったのではないでしょうか。お聞きします。あわせて、段差解消への取り組みもお聞きします。 これでは、新庁舎基本設計(案)にユニバーサルデザインの観点がなかったのではないかと疑念も生じます。基本設計(案)の総点検を行い、ユニバーサルデザインの視点をしっかりと踏まえ、実施設計につなげていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。お聞きします。 新庁舎整備に当たっては、設計委託を管理するために、3年度にわたり約6,000万円の経費を支払い、建設支援のアドバイザリーの業務委託をしています。基本設計(案)においてこのようなユニバーサルデザインの観点が欠けておりましたが、こういったことがないようコンサル契約をしているのではないでしょうか。機能しているのか疑問を持たざるを得ません。どのようにお考えかお尋ねします。 以上でこの項の質問を終わります。 次に、平成31年度当初予算(案)についてお尋ねします。 平成31年度一般会計予算案は、前年度比94億円増、過去最高の1,521億7,200万円となりました。区民にとっては、区長が変わり、初めての予算編成であり、大きな期待感もある中、財政出動が拡大されたというイメージを持たれるかもしれません。しかし、行政の継続性を鑑みると、酒井直人新区長のカラーを前面に押し出すことは困難で、むしろ、限られた財源の中で制約ある予算編成に御努力されたと考えます。過去最高の予算規模になった理由をまずはお尋ねします。 予算編成においての鍵は基準となる一般財源規模であります。これは景気動向に左右されることなく、財政調整基金等の積み立てや取り崩しによる財源調整を通じて歳入規模を一定に保ち、安定的な財政運営を行うことを目的としております。この考え方は、11年前の平成21年度予算から導入されました。導入当初の基準となる一般財源規模は、平成12年度から平成26年度の一般財源の財産費相当分を除いた平均値である670億円と設定されました。これは過去10年間と将来の5年間の推計の一般財源歳入の平均値です。すなわち歳入、入りの部分でこの基準となる一般財源は設定されました。 この間11年間で、基準となる一般財源規模は5度も変更されております。歳入見合いで、リーマンショック時や消費税増税時に変更、歳出見合いでは、子ども・子育て支援新制度のスタートや保育対策経常経費や物価上昇などによる変更がありました。時に歳入で、時には歳出で基準となる一般財源規模を変更しております。財政運営の根幹となる基準となる一般財源規模の設定の考え方が見えません。明確な考え方を検討すべきではないですか。お聞きします。 基準となる一般財源規模を定めたこのような予算編成の手法は中野区だけとも聞きます。明確な考え方を定めることができないなら、十分な検証をし、今後策定する基本計画の中で新たな財政運営、予算編成の考え方も検討すべきではないでしょうか。お聞きします。 次に、基金と起債についてお尋ねします。 今年度の平成30年度当初予算案では、財政運営の考え方として、学校の建て替えを5年間は起債を活用しない方針が示されました。しかし、基金残高の将来的な減少が予想されることと、労務単価の見直しによる建設経費の大幅な増加などを理由に、平成31年度当初予算案では起債を活用する考えに1年で変更されました。そもそもの考え方に無理があったと私は考えます。 上限を10%とした公債費負担比率の推計を見ると、平成35年度の予測は9.7%となり、こちらは分母の基幹収入である特別区税・特別区交付金の順調な伸びを見据えた数字であり、それ次第で公債費負担比率が10%を超えることになります。平成36年度以降も4校の学校の建て替えがあり、そのころには10%を超えることが予想されます。 また、平成35年度起債残高は791億円となることが推計されており、平成8年度の過去最高の起債残高であった722億円を超えてしまいます。楽観できる状況ではなく、資産の活用とあわせて今後の歳出削減に踏み込んだ取り組みが求められます。これまでも歳出は基準となる一般財源規模におさまったことはなく、来年度予算では49億円超過しております。また、主な事業の廃止・縮小などの見直しもありません。行政は歳出の抑制、見直しの部分がどうしても弱いのが現実です。今後どう取り組まれるのか、具体的にお聞きします。 基金と起債の活用についてですが、起債時の利率は約1%、基金は約0.1%で、借金と貯金では利率に約10倍もの差があります。区は財政調整基金については、急激な経済状況の悪化に備えた年度間調整として約150億円を必要としております。そこで、この基金残高150億円を目安とし、超過分は基金に積み立てるのではなく、起債を抑える考えも長期的に見ると有効ではないでしょうか。 また、学校施設の建て替えに係る起債の充当率は、おおむね65%程度であるとも聞いております。この充当率を目いっぱいに起債しない考え方や、更に特別区財政調整制度における基準財政需要額には、小・中学校の建て替え費用として毎年度約13億円が算定されてもおり、この数字も一つの物差しとなります。多角的な観点から基金と起債のバランスある活用を検討し、到来する学校をはじめ公共施設の更新に臨まなければなりません。お考えをお聞きします。 最後に、消防団の活性化についてお尋ねします。 区内には、野方消防団に8分団、中野消防団に8分団の計16分団が活動をしております。まず、地域防災の要である消防団に対しての区の見解をお聞きします。 消防団員は最盛期は全国に200万人いましたが、近年はその数が大幅に減少し、平成29年には約85万人にまで減っております。消防団員の減少傾向は深刻で、中野区も同様で、現在、条例定数を満たしておりません。このような状況下、消防団の組織力の強化に関する「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」が平成25年12月に成立しました。第10条には、公務員の消防団員との兼職に関する特例があります。職務に著しい支障がなければ兼業は認められるということです。そこで、現在、消防団に所属している区職員は何名いるのでしょうか。お聞きします。 全国的にも現職公務員の兼職による消防団員の確保の取り組みが進んでおります。佐賀県武雄市では33歳以下の男性職員は原則加入、泉佐野市では市の職員が団員を務める市役所分団を創設、そのほかにも、火災出動を活動から除外した機能別団員の設置などもあります。品川区でも、区長のイニシアチブにより消防団に入団させる取り組みを進めております。 中野区でも、毎年多くの若手職員が採用されております。他方、地域とつながりを持つ職場は年々減ってきているのも現状です。若手職員が消防団に入団することにより、団は活性化しますし、その職員は地域防災活動だけではなく、地域とつながり、豊富な経験を積むことができます。それが将来の政策立案に必ず生かされるはずです。職員としての災害時の対応業務と団員としての活動と交通整理をし、区としても職員の消防団兼職の取り組みを進めてはいかがでしょうか。お尋ねします。 区内に大学、専門学校も多数あります。中野消防団、野方消防団には学生は何名在籍しているのでしょうか。お聞きします。消防団に所属する大学生などに対し、就職活動時において評価されるよう、自治体がその実績を認証する学生消防団活動認証制度があり、東京23区は消防総監が認証しております。区としては東京都任せで、この制度の周知を行っておらず、改善すべきです。お聞きします。 また、現状の消防団員の募集については、区報で年に一度、防災特集時に半ページ掲載しておりますが、より広報に力を入れることはできないでしょうか。お聞きします。また、区報だけにとどまらず、様々な面から、区として消防団の組織力の強化に積極的に支援すべきです。お尋ねし、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 酒井たくや議員の御質問にお答えいたします。 まず最初に、子ども実態調査と今後の活用についての御質問です。東京都の平成28年度実施の子供の生活実態調査では、子どもの貧困を含む生活困難の状況について、低所得、家計の逼迫、子どもの体験や所有物の欠如、この三つの要素に分類して調査分析をしています。区が実施する子ども・子育て施策充実に向けた実態調査においては、都の調査内容との比較も必要と考えており、設問にも反映していく考えでございます。 実態調査結果については、まず、既に実施している教育の支援、生活の支援などの施策の効果検証に活用していくことを想定しております。その効果検証に基づいて子ども施策を整理・改善するとともに、新たなニーズに対応するための具体的な対策を検討するための基礎資料として活用してまいります。また、区民、学校、教育及び福祉の関係団体等とも調査結果を共有し、連携・協力のもと、地域全体で総合的な子ども支援の対策を進めてまいります。 次に、15歳から18歳に対する調査、それから施策の充実についての御質問です。2021年度に開設を予定している(仮称)総合子どもセンターでは、子ども期から若者期の本人や家族における課題についての専門相談、支援、措置、復帰までを総合的に実施することを予定しているところでございます。15歳から18歳までの年齢層については、現在のところ直接にかかわる事業が少なく、区の取り組みを通じた状況把握が困難な状況にあります。また、アンケート形式の調査方法では課題のある子どもや家庭から十分な回答を得ることに困難が予想されるなどの課題もあるため、実態を把握するための効果的な手法について検討を進めてまいります。 次に、区長、私が描く子育て先進区の将来像についての御質問でした。将来の区を担う子どもたちは地域の宝であり、他自治体に先駆けて、安心して子どもを産み育てることができるまち、全ての子どもの人権が尊重されるまち、これを実現していくことが子育て先進区になるための最も重要な取り組みだと考えております。そのためには、妊娠から出産、子育て、教育に至るまで切れ目のない子育て支援の充実、子どもの居場所づくり、子どもに対する地域包括ケアの構築、男女共同参画社会の実現に向けた取り組みに力を注いでまいります。この方向性のもと、基本構想検討の中で具体化をしてまいります。 それから、公教育については四つの視点から取り組みを強化することが大切であると考えております。1点目は、子どもたちが市民としての教養を身につけて、これからのグローバル社会を主体的に生き、自己実現していくために必要な資質、能力を育む教育を強力に進めていくこと。2点目は、中野区の特性を生かし、保幼小中教育を推進していくこと。3点目は、一人ひとりの子どもが大切にされ、その個性や特性に応じて包括的・継続的に支えられる体制をつくっていくこと。最後に、教員の働き方改革を強力に推進し、教育の質の向上を図っていくこと。これらの公教育についての私の考えについては、総合教育会議の場で教育委員会と十分議論検討し、教育大綱としてまとめていこうと考えております。 次に、中野駅新北口駅前エリア再整備についてのスケジュール変更の影響についてでございます。中野駅新北口駅前エリア再整備については、更に区民会議等の意見を聞き、議会において議論を行っていく必要があることから、再整備事業計画の策定スケジュールを変更したところでございます。再整備において課題となっている施設機能や事業手法などについては、様々な側面から検証していく必要があり、これまでとは違った観点からアプローチするなど、事業化の精度を高めていきたいと考えております。策定スケジュールは5カ月延伸することにはなりましたが、再整備事業の全体スケジュールへの影響は現時点ではないと考えており、2027年度竣工を目標としてまいります。また、中野駅西口南北通路・橋上駅舎整備には直接的に影響が及ぶことはないと考えております。 次に、サンプラザについて、新北口駅前エリアの再整備についての期待醸成の発信についてでございます。中野駅新北口駅前エリア再整備事業については、これまでも区報やホームページなどを通じて事業の概要や検討状況を発信してきたところでございます。中野サンプラザについても、昨年10月の区報において、「サンプラザのこれまでとこれから」と題して、中野の新たなランドマークを目指すことを発信してまいりました。今後は新たにできる拠点施設が区民の将来への期待につながるよう、プロモーションの取り組みを行っていきたいと考えております。その際には、より具体的にイメージできるようビジュアル化も図るなど工夫してまいります。 次に、区役所新庁舎の総工費についてでございます。総工費については、実施設計費や現中野体育館の解体経費等を含め、おおむね280億円程度を想定しております。そのうち現段階での試算では、東京都第三建設事務所負担分、これを除く区の負担分は約254億円となります。基本計画からの差額については、建設単価の上昇、それから床面積の増加などのほか、基本計画時には含まれていなかった東京都第三建設事務所の整備費が含まれていることが主な要因となっております。 次に、区役所新庁舎の財源スキームの検討状況についてでございます。中野駅新北口駅前エリア再整備事業は、事業手法として市街地再開発事業を想定し、その中で従前資産の活用を図っていくものでございます。新庁舎整備の財源はそうした資産活用を踏まえて考えてまいります。再整備における施設機能や事業手法の考え方をことし6月ごろに示す予定でございまして、新区役所整備の財源確保の考え方についてもあわせてお示しします。 次に、保健所整備に係る財政への影響についてでございます。保健所については、新区役所への併設を取りやめたことから、将来的な建て替えについては新たな負担となると認識しております。整備に当たっては既存の区有資産の活用などにより、一般財源に影響を及ぼさないよう工夫してまいりたいと思います。 次に、区役所新庁舎の正面エントランスの段差についての御質問です。新庁舎の基本設計を進めるに当たっては、ゾーニングや階構成を定めた後、外構部の検討を進めてきたところでございます。新庁舎用地のうち、正面エントランスの設置を想定している東南側は、西側の四季の森公園側に比べ敷地が低くなっております。新庁舎1階の床の高さを四季の森公園側に合わせることで浸水への対策が確保できることから、当初は正面エントランス前に階段とスロープを設けることとしたものでございますが、折り返しのあるスロープや階段の段差については、利用者の視点や議会からの御意見も踏まえ、改めて改善策を検討しているところでございます。具体的には、浸水対策を確保した上で、1階床レベルを一定程度下げるとともに、正面エントランスにピロティを設け、エントランスまでの距離をとることで勾配を緩やかにし、段差を解消できるよう検討を進めております。 次に、ユニバーサルデザインの視点を踏まえた設計についてでございます。新庁舎の整備に当たって、来庁した全ての方が不自由なく利用できるよう、ユニバーサルデザインの視点は重要であると認識しております。基本設計でお示しした正面エントランスの段差については、東京都の福祉のまちづくり条例の基準に即したスロープの設置による対応を当初は考えておりましたが、折り返しのスロープとなるなど、利用者の視点からの配慮に欠けている点がございました。このことから、改めて使い勝手や利便性を高め、誰もが使いやすく、障害者、高齢者にも優しい庁舎とするため、再度設計の確認作業を行っているところであります。平成31年度以降に着手する実施設計についても、ユニバーサルデザインの考え方を十分に反映した設計とし、様々な利用者にとってより使い勝手がよくなるよう引き続き検討を進めてまいります。 次に、平成31年度当初予算(案)の規模の理由でございます。平成31年度一般会計予算案の規模は1,521億7,200万円、規模としては過去最高となりましたが、その内訳としては、学校再編計画に基づいて進めてきた学校建て替えの経費の増、建設途中の(仮称)中野区総合体育館の経費増、哲学堂公園野球場の改修経費の増加など、これまで計画的に進めてきた施設整備経費が増加したことが大きな要因でございます。 次に、基準となる一般財源規模についての御質問です。基準となる一般財源規模については、身の丈に合った財政運営を進めるために、歳入の規模にあわせて歳出を管理し、あわせて財政調整基金を活用して、経済動向等による歳入の変動等にも柔軟に対応していくために活用しているものでございます。予算編成の中で各部の事業のスクラップ・アンド・ビルドを促し、適正な事業予算を編成するための手法として有効であると考えております。この基準額については、これまで地方消費税の導入による交付金の創設などの歳入の変動要因や、景気変動等によって変更してきたところでございまして、平成31年度予算案では、過去5年間の歳入の平均値から710億円を基準としたところでございます。適切な基準を定めることは、適正な財政運営を進める上で必要であることから、今後策定する基本計画の中で財政運営の進め方について、更に有効な手法などについても検討してまいります。 次に、事業見直しによる歳出抑制についてでございます。事業見直しによる歳出抑制については、行政評価制度を見直し、区政目標の実現に向けて実施した事業の効果をよりきめ細かく分析・評価し、課題を浮き彫りにして事業のスクラップ・アンド・ビルドにつなげてまいります。また、来年度の組織改正において、評価と改善について一体的に取り組むため、行政評価と業務改善を担当する部署を統合し、業務改善課を設置する予定でございまして、効果的な行政評価と業務改善に取り組んでいきたいと考えております。 最後に、バランスのとれた起債活用についてでございます。今後、まちづくりなど大きな財政負担が見込まれる中で、世代間負担の公平化を図り、柔軟な財政運営を行うために起債の活用が必要であると考えております。起債活用に当たっては、将来的な負担が区民サービスへ影響を及ぼさないよう、中野区方式の公債費負担比率がおおむね10%の範囲内で運用することが必要であり、これを目安として基金を計画的に活用し、起債をできるだけ抑制する運用を進めてまいりたいと考えております。 財政調整基金については、年度間の財源調整のため、少なくとも150億円は必要と考えておりますが、施設改修等の需要のための残高も確保が必要と考えております。 失礼しました。もう1点です。区役所新庁舎について、建設支援アドバイザリー業務委託についての御質問についての回答でございます。 新庁舎は様々な機能を持つとともに、区の施設の中でも最大規模の施設となります。時間的制約がある中で職員だけで設計作業を進めることは困難であるため、専門的知見を有する建設支援のアドバイザリー業務を委託したところでございます。アドバイザリー事業者は、新庁舎整備事業全体の進捗を踏まえ、職員と調整しながら業務を行っており、具体的には発注者である区の立場で設計の進捗管理、コスト管理、区要求事項の確認や課題整理など、区職員の支援を担ってもらっています。今後に向けては、区民や区の視点を十分に設計に反映させることができるよう、区とアドバイザリー事業者との連携を一層深めながら、新庁舎整備事業を推進していきたいと考えております。 〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕 ○都市基盤部長(豊川士朗) 消防団の活性化についてお答えいたします。 まず、地域防災の要である消防団に対しての区の見解についてでございます。消防団はそれぞれ生業を持ちながらも、みずからの地域はみずからが守るという崇高な郷土愛護の精神に基づきまして、昼夜分かたず災害対応をはじめ、区民の皆様への防災意識の普及啓発に向けて活動していただいていることから、その活性化は地域防災力の向上に不可欠であると認識してございます。 それから、区の職員における消防団員兼職の推進についてでございます。平成31年2月1日現在、消防団員と兼職している区の職員はおりませんが、区職員が地域貢献を行うことは、個人にとっても組織にとっても有意義なことであることから、消防団員と兼職できることを更に周知徹底するとともに、志を持つ職員に対しては区としても必要な支援を実施いたします。 それから、学生消防団員の人数と学生消防団活動認証制度についてでございます。学生消防団員の人数は、平成31年2月1日現在、中野消防団には1名、野方消防団には5名の方が在籍してございます。区内には多くの大学や専門学校があることから、これらの学生に対しまして消防団及び消防署と連携・協力いたしまして、学生消防団活動認証制度を周知する機会を検討していきたいと考えてございます。 それから、消防団員募集広報と組織力強化の積極的な支援についてでございます。消防団員の募集広報や組織力の強化は、消防団及び消防署が主体的に取り組むこととなってございますが、地域防災力のかなめであり、区民の献身的な活動であることから、区報による掲載方法や消防団との連携方法を検討するなど、積極的に団員募集及び組織力強化を支援していきたいと考えてございます。 ○議長(いでい良輔) 以上で酒井たくや議員の質問は終わります。 議事の都合により暫時休憩いたします。 午後3時22分休憩
午後3時45分開議 ○議長(いでい良輔) 会議を再開いたします。 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。 一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 渡 辺 たけし 1 区長の施政方針説明について 2 生活保護制度について (1)ケースワーカーの質の向上について (2)生活保護ホットラインの設置について (3)生活保護受給者への見守りについて (4)その他 3 路上喫煙に対する区の考え方について (1)路上喫煙所の在り方について (2)閉鎖型喫煙所の設置について (3)駅構内での喫煙所設置について (4)その他 4 その他
○議長(いでい良輔) 渡辺たけし議員。 〔渡辺たけし議員登壇〕 ○7番(渡辺たけし) 平成31年度第1回定例会におきまして、都民ファースト・無所属の会の立場から一般質問を行います。 まず、区長の施政方針説明について伺います。 平成31年度の予算規模ですが、一般会計、特別会計ともに増額となっており、全会計の総計では2,269億5,500万円、前年度に比べ193億6,100万円、およそ9.3%の増となりました。 私は第4回定例会におきまして、中野区の教育費にかける予算の割合を増やすべきではないかという質問を行いました。平成30年度版の特別区の統計では、中野区の教育費における構成比率は全体の9.6%で、これは新宿区の9.5%に次いで下から2番目の数字となっております。トップの中央区の27.8%と比べて約3倍近い開きがあり、23区全体平均の14.1%と比べても、まだまだ開きがあると言わざるを得ない状況であります。前回、区長からは、学校教育の充実を図る予算編成に努めてまいりますという答弁をいただいておりましたが、平成31年度の教育費に係る予算の構成比率についてお答えください。また、地域ごとに特色ある魅力的な学校づくりを運営するためのさらなる予算上の工夫を行ってみてはいかがでしょうか。区の見解をお示しください。 女性が働くことが当たり前となった現代社会において、女性1人に家事や子育てを負担させる時代は終わりを迎えております。また、児童虐待の件数が近年右肩上がりで増えているという現状を見てみますと、家族の中だけで家庭教育を行っていくことにも既に限界が近づいているのではないかと感じる部分もあります。文科省の政策審議会の中においても、子どもは社会の宝であると考え、子どもは家庭の中だけで育つわけではなく、学校や地域の様々な人たちに見守られて成長していくものであるという見解を示しています。 少子化、核家族化、地域の人々とのつながりが減少していることなど、一昔前と比べて子育ての環境は大きく変わってきております。時代の中で移り行く社会の変化の中で、子育てを支える仕組みや環境が崩れていることで、子育ての時間を十分にとることが難しい雇用環境があることなどにも目を向けて考えますと、このような状況の中でこれからの子育てや家庭教育を考えていった場合、家族だけではなく、地域全体で子育てや教育を行っていくという姿勢を中野区でも全面的に打ち出していく必要があるのではないでしょうか。 学校が各家庭に介入することは現実的に困難であります。例えば、児童虐待を学校側が把握していたとしても、学校がその家族から子どもを守ることは残念ながらできません。学校と家庭だけの関係ではなく、そこに地域が加わることにより、新たな人間関係や価値観が生まれ、児童虐待の予防や公教育の充実にもつながっていくのではないでしょうか。 施政方針説明の中では、子育て先進区に向けた取り組みについて、児童相談所の設置をはじめ、区内の子育て支援施設の拡充などが記載されております。子育て先進区を掲げるのであれば、区は更に一歩踏み込んだ施策として、地域全体で子育てや教育を行っていくという新たな方針を明確に打ち出してみてはいかがでしょうか。区の見解を伺いまして、この項の質問を終わります。 続きまして、生活保護制度について伺います。 平成25年度から平成29年度にかけて、65歳以上の生活保護受給者の割合は46.2%から51.7%に伸びており、今後ますます高齢者の生活保護受給者が増えていくことが予測されます。高齢者の生活保護受給者が増えていった場合、今後、ケースワーカーには介護分野の知識が更に求められることになります。認知症の認定調査や、介護認定を受けるタイミングの見極めなど、専門的な知識を持ったケースワーカーを増やしていかなくてはなりません。現在、生活援護分野のケースワーカー68人のうち、46名が社会福祉主事や社会福祉士を持っているということですが、残りの22名は資格を持っていない状況であります。区は、早急に資格を持っていない職員に対して、社会福祉主事などの資格を取るように指導していかなくてはいけないのではないでしょうか。 現在、中野区は1人のケースワーカーが99人の生活保護受給者を抱えている状況であります。国が指定している1人当たり80人の規定を超えている状況を鑑みると、労働環境は過酷であることは容易に想像できるわけでありますが、仕事をしながらでも学習できる環境を構築することも区の責任において行わなければいけないものであります。 そこで伺います。区は資格取得に向けての費用や時間を提供する体制を構築し、資格を取得するための職場環境を職員に提供する仕組みをつくってみてはいかがでしょうか。区の見解をお示しください。 続きまして、生活保護ホットラインについて伺います。 私は、4年前から行政に対して、生活保護に関するあらゆる情報を受け付けるホットラインを設置するように区へ提案してまいりました。本当に生活保護を必要としている方の情報、または不正受給をしている疑いのある方の情報を一元的に受け付ける窓口を設置することで、生活保護制度の適正化の一助になるのではないかという思いで提案し続けてきたわけでありますが、区は必要性を認識する答弁を述べながらも、検討している状態が続いているところであります。私自身が個人の携帯電話を使って開設している独自のホットラインには、現在も区民の方々から様々な生活保護に関する情報が入ってきております。中野区のできる範囲で、生活保護の適正化に取り組んでいる姿勢を示すという意味でも、設置に向けた検討を少しでも進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解を伺います。 最後に、生活保護受給者への見守りについて伺います。 生活保護受給者の中には、アルコール依存症やギャンブル依存症の方が一定数存在しています。区はこのような依存症の可能性がある方々に対して、依存症脱却に向けた治療を行うため、医療機関やダルクなどの民間施設へつないだり、財産管理支援などを行っておりますが、そのような依存症以外の受給者の中にも、ケースワーカーの目を盗んでギャンブルをしたり、日中からお酒を飲みに出かけている方が一定数いるという事実にも目を向けていかなくてはなりません。このような方々に対して、一部の納税者の方々から「我々の税金でギャンブルをしたり、昼からお酒を飲みに行くという行動は不謹慎である」という声が出ているところでありますが、区はこのような声を真摯に受けとめ、対処法を検討すべきではないでしょうか。以前にも提案いたしましたが、見守り支援の一環として、区はパチンコ店などへの見回りを行い、他区とは一線を画した生活保護制度の適正化に取り組むべきではないでしょうか。区の見解を伺いまして、この項の質問を終わります。 続きまして、路上喫煙に対する区の考え方について伺います。 中野区は歩きたばこは禁止となっておりますが、路上喫煙についての規制は中野駅周辺を除いて行っておりません。23区内において路上喫煙の全面禁止を行っている千代田区を筆頭に、港区、中央区、新宿区、豊島区、世田谷区などが路上喫煙の禁止に踏み切っております。私は路上喫煙所の設置については賛否が分かれる議論となり、これ以上路上喫煙所を中野区に増やすことは、時代の流れからも得策ではないと考えております。東中野駅の西口にも路上喫煙所を設置するという話が出た際、多くの反対意見が出てきたことからも、区は路上喫煙所の設置について、これ以上ふやさないという方針を明確に示していくべきではないでしょうか。区の見解を伺います。 たばこの煙を嫌う方々からの要望に応える一方で、たばこを吸う方々の権利も保障する必要があります。そのためにも、路上喫煙所を増やす代わりに、閉鎖型の喫煙所を区内に設置していくことを考えてみてはいかがでしょうか。最近は、コンビニの中に喫煙所を設置している店舗が区内でも見受けられます。港区、千代田区、世田谷区では、民間施設の中に閉鎖型の喫煙所を設置する場合、改修にかかる設置費用を全額区で負担する補助制度を設けています。中野区は、煙が外へ出てしまう路上喫煙所ではなく、閉鎖型の喫煙所を増やしていくという方針を明確に示し、区独自の閉鎖型の喫煙所を区内に増やしていくための助成制度の設置を検討してみてはいかがでしょうか。区の見解を伺います。 路上喫煙を全面禁煙としている自治体に取材を行いますと、どの担当者からも、「可能であれば、駅施設内に閉鎖型の喫煙所が設置されていくことが一番ありがたい」という声が出てまいりました。駅周辺は人通りが多く、各区の路上喫煙所も駅周辺に多く見受けられます。都では受動喫煙防止条例が制定され、路上喫煙についての在り方についても、従来よりも厳しい規制をかける方向で動いております。規制を厳しくするのであれば、利便性の高い場所に喫煙所を設置する姿勢も同時に求めなくてはいけません。まずは受動喫煙防止条例を制定した東京都が運営する都営地下鉄線、東京都が主要株主となっている東京メトロの駅構内から閉鎖型喫煙所を設置するように、23区長会などから都へ働きかけてみてはいかがでしょうか。区の見解を伺いまして、私の全ての一般質問を終了いたします。 御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 渡辺議員の御質問、まず最初に、区長の施政方針説明についての教育費の充実についての御質問でございます。 特別区の統計における教育費を含む平成31年度当初予算における中野区における子ども教育費の構成比率は35.3%で、前年度より5.2ポイントの増、25%の伸び率でございました。魅力ある学校とは、全ての子どもたちが毎日楽しく学習し、保護者、地域が信頼を寄せる学校であるということを認識しております。魅力ある学校づくりを進めるためには、地域や子どもたちの実情に応じた教育活動に学校が主体的に取り組める体制、それから、保護者や地域が学校運営に積極的に参加できる仕組みを強化・充実していくことが必要であると考えております。来年度予算案では、学校教育全体の底上げを図るため、ICT環境整備、それからICT支援員の配置など充実を図ったほか、学校長の裁量で活用できる校割予算を増といたしました。今後とも学校が自主的・自立的に魅力ある学校づくりに取り組めるよう、予算の在り方について検討してまいります。 次に、地域全体で子育て、教育に取り組むまちづくりについての御質問でございます。子どもたちを地域全体で見守り、希望ある未来に向けて子どもたちが成長できるまちづくりを進めることは、子育て先進区の実現を図る中で欠くことのできないものと認識しております。子どもの見守り活動など、既に地域の協力を得ながら取り組みを進めているものもございます。今後とも子ども・子育て、教育についてどのように地域と連携していくか検討を進めて、一定の方向性を定めてまいります。 〔健康福祉部長小田史子登壇〕 ○健康福祉部長(小田史子) 私からは、生活保護制度についてと路上喫煙に対する区の考え方についての御質問にお答えいたします。 まず、生活保護制度についての中のケースワーカーの質の向上についての御質問でございます。都の専門研修や職場内研修などの機会を活用し、ケースワークに求められる知識、技術の習得を図っておりまして、福祉関連の資格取得につきましても、ケースワーカーには啓発を行っているところでございます。区から経費助成のあるエキスパート職員認定制度を推奨するほか、社会福祉主事の資格取得に向けた支援策につきましては、検討を進めているところでございます。 生活保護ホットラインの設置についてでございます。これまでも電話やメールなどで民生児童委員や区民、関係機関の方などから、生活にお困りの方や問題を抱えている被保護者等の情報が寄せられておりまして、適宜対応を行っているところです。ホットラインにかかわります内容につきましても、既に対応しているところでございまして、設置は不要であると考えております。 続きまして、生活保護受給者への見守りについてでございます。これまでもギャンブル依存症など生活が保持できないような状態である場合には、医療機関につなげまして、適切な治療を受けられるよう対応を行っているところでございます。今後とも各世帯への訪問調査活動や関係機関からの情報などにより、被保護者の抱える問題や課題を早期に把握し、医療機関につなげるなど適切な支援を行ってまいります。 続きまして、路上喫煙に対する区の考え方のうち、まず閉鎖型の喫煙所の助成制度についての御質問でございます。受動喫煙防止を推進するに当たりましては、喫煙者が一定数いることを考慮いたしまして、望まない受動喫煙を防止する対策を段階的に進めていくことが重要であると考えております。国や都の喫煙所設置費補助制度につきまして周知を図るとともに、民間の屋内喫煙所に対する設置費助成制度につきましては、他区の助成制度を参考に今後研究してまいります。 駅構内における喫煙所の設置についてでございます。地下鉄駅構内に喫煙所を設置することは、地下空間からの排煙設備の設置などに多額の費用が発生いたします。また、閉鎖された空間に火災を発生させる原因を生む危険性もございます。このことから、都営地下鉄などの駅構内に喫煙所を設置するよう働きかけることは適切でないと考えております。 〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕 ○都市基盤部長(豊川士朗) 路上喫煙所設置について、区の見解のお尋ねがございました。新たな路上喫煙所の設置につきましては、受動喫煙の視点も踏まえ慎重に検討する必要があると考えてございます。 ○議長(いでい良輔) 以上で渡辺たけし議員の質問は終わります。
中野区議会議員 大 内 しんご 1 西武新宿線連続立体交差事業について (1)野方駅周辺まちづくりを進めるための踏切の除却について (2)中井・野方駅間の事業進捗状況と今後の見通しについて 2 特別養護老人ホーム等の施設整備について 3 その他
○議長(いでい良輔) 次に、大内しんご議員。 〔大内しんご議員登壇〕 ○32番(大内しんご) 平成31年中野区議会第1回定例会において自民党の立場から質問いたします。 最初に、西武新宿線連続立体交差事業について、野方駅周辺まちづくりを進めるための踏切の除却についてお聞きいたします。 野方駅周辺の商店街は、中野駅周辺に次ぐ大きな商店街であり、北部地区のにぎわいの拠点です。野方駅周辺は、北原通り、野方駅前通り、ときわ通り、本町通り、みつわ通りの五つの商店街から構成されており、それぞれが個性ある商店街です。昭和の時代の匂いが残る下町的なまちでもありますが、最近は飲食を中心としてチェーン店も増え、商店街のまち並みが少しずつ変わってきていますが、シャッター通りにはならずににぎわいを出しています。私の思うところ、野方駅を中心としたまちづくりは、これから大きな分岐点になると思います。 このまちを更に魅力あるまちにしていくために大きな要素として、南北を分断している鉄道の立体交差化は重要な課題です。野方駅周辺のにぎわいを更に発展させ、多くの方たちを呼び込み、魅力あるエリアにするためには、商店街を中心とした南北一体のまちづくりを一層進めることが重要と考えます。そのために、まず西武新宿線の連続立体交差化事業に伴い、特に野方駅前の1号踏切を除却することは不可欠であり、また北原小学校の正門の先にある野方3号踏切を除却することが望まれます。これは地域の強い要望であることも実感しています。 区は、商店街を含む駅周辺一帯のまちづくりを考える上で、駅前広場や道路等の基盤整備が重要であり、鉄道による分断を解消する踏切除却はまちづくりの生命線であるとの認識をお持ちと思います。今後、踏切除却が可能な方策を検討し、東京都と意見交換していくとの考えを示していましたが、最初に、これまでの検討状況や、都との意見交換の進捗状況についてお伺いいたします。 また、野方駅周辺の南北一体のまちづくりを進めることは、地域住民にとって利便性が向上するとともに、経済的に大きな効果が期待できます。区は、東京都と一体となって連続立体交差事業を実現するために、現在、実現に向けて検討中とのことですが、区のこの問題に対する取り組む姿勢を改めてお伺いいたします。 中井・野方駅間の事業進捗状況と今後の見通しについてお聞きいたします。 本区間の事業は、当初、2020年度末を完了予定としていましたが、昨年9月の決算特別委員会における北原議員の質問に対し、「中井・野方駅区間については、鉄道の運行が地下に切り替わった後、掘削部の埋め戻しや使用を終えた軌道の撤去などが終了して事業完了となる」との答弁でありました。事業完了予定まであと2年余りですが、本区間の事業の進捗状況と今後の見通しについてお伺いいたします。 次に、特別養護老人ホームなどの施設整備について質問いたします。 団塊の世代が75歳となる2025年問題に象徴されるように、今後は総合的な介護予防や在宅での生活を支援する仕組みが重要となってきます。私は、平成30年第1回定例会において保育施設の整備に言及し、待機児童解消に向けた保育施設の整備に際しては、今後、福祉施設等にも転用できるよう考える必要性が出てくるのではないかと、将来における高齢者施設の需要を問題視し、質問をさせていただきました。 区長が掲げる子育て先進区に向けた取り組みはもちろん重要ですが、高齢者人口の増加とともに、こうした介護を要する高齢者に対し区の支援を充実させていくことも、今後は極めて重要な課題としてクローズアップされるものと想定しています。とりわけ、在宅生活が困難になった場合にも、ケアなどを受け入れてくれる特別養護老人ホームを筆頭とした介護施設の整備は今後ますます重要な区の課題になってくると思います。 こうした中、緑野小学校東側に位置する江古田四丁目の国有地跡地では、特別養護老人ホームをはじめとする様々な高齢者施設を備えた介護施設の整備が進むこととなりました。予定では2020年に完成する見込みとなっているとのことです。そこで質問いたします。 まず、現在、区内における地域ごとの特別養護老人ホームの整備状況はどのようになっているのでしょうか。また、施設の運営主体についても様々あると思いますが、そうした状況についてお伺いいたします。 また、こうした中、今回整備される江古田四丁目の施設はどのような規模になるのでしょうか。中野区民が優先的に入居できる地域密着型の施設はどのように整備がなされるのでしょうか。お伺いいたします。 次に、今後の整備計画についてもあわせてお聞きいたします。区では、平成30年3月に中野区健康福祉総合推進計画を策定し、その中で、特別養護老人ホームについては、新たに1カ所100名を平成34年度までに整備誘導すると計画しています。こうした施設の整備には、国や都、また区有地を有効活用することが重要となってきますが、今後こうした活用の見込みは立っているのでしょうか。お伺いいたします。 また、こうした特別養護老人ホームの整備に際しては、みずから整備することはもちろん大切ですが、広域的に区をまたいで入居が可能であれば、隣接する区の整備状況などもしっかりと把握することも大切です。聞くところによると、お隣、杉並区高円寺の中央線と環状7号線が交差する角地には、2020年に特別養護老人ホームが整備されると聞いています。ぜひこうした近隣区の情報もつかみながら、区民に情報提供を行うことは必要と考えますが、いかがでしょうか。 今後、在宅での自立した生活を支える様々な地域密着型サービスとともに、在宅では生活が難しい高齢者のための入居型の介護保険施設の充実を図ることは、区として重要な施策であると考えます。どうか、高齢者の生きがいや、住みなれた身近な地域で安心に暮らし続けることができるような施設を今後も計画的に整備されることを願い、この項の質問を終わります。 その他で、2点ほど質問させていただきます。 1点目、鍋横区民活動センターの施設整備について、もう1点は、防犯カメラの取り組みについてお伺いいたします。 この項については、我が会派の伊藤正信議員が前回の第4回定例会、また前々回の第3回定例会でもお聞きしています。そのときの区長の答弁で、「整備方針については、本定例会中に考え方をお示しする予定で、その後、地域での意見交換会を行い、早い時期に基本方針の案を示し、今年度中に基本方針を決定したいと考えております」と答弁しています。 その後の常任委員会においては、「鍋横区民活動センター等整備に関する基本的な考え方について」の報告がありました。敷地面積1,087平米、整備施設は、高齢者会館施設を含む鍋横区民活動センター、地域包括支援センター、障害者相談支援事業所、高齢者福祉施設、看護小規模多機能型居宅介護施設や、例えば都市型軽費老人ホームなどを整備することとしています。今後は、地域団体等との意見交換会を行った上で、基本方針(案)を作成したいと考えているとの報告でした。 そこで、地域団体に対してどのように説明されてきたのか伺います。また、それを踏まえ、地域から出された要望に対しどのように対応されているのか、あわせて伺います。 鍋横区民活動センター等整備計画予定地は鍋横商店街に面しており、にぎわいのあるまちの中への設置となります。ここに高齢者が生活する施設を誘致することで、入居者が買い物に出かけることや地域住民との交流をするなど、住民が住みなれた地域で自立し、暮らし続ける良さを実感できることにつながると思います。また、区民活動センター、高齢者会館との複合施設ということで、地域の自主サークルへの参加や地域の様々なイベントへの参加も期待されていると思います。 また、今後のスケジュールでは、来年度は基本計画、2020年度、2021年度においては基本設計・実施設計を行い、2021年度から2023年度にかけて分室の解体、新しい施設の建設工事を行い、2023年度中には竣工、開設との予定です。今後、地域への説明はどのように行っていくつもりなのか、お伺いいたします。また、鍋横区民活動センター移転後の跡地利用について、いつ頃までに決定されるのかもあわせてお伺いいたします。 本整備用地は、鍋屋横丁通りの商店街など商業地区としてのにぎわいのほか、青梅街道や新中野駅に近く、多くの通勤・通学者が行き交う地区に立地しています。近くには中野本郷小学校や杉山公園などもあり、地域のコミュニティの中心に位置しています。鍋横地域では、現在でも鍋横区民活動センター運営委員会や地元商店街などが中心となって、見守り・支えあい活動や地域の活性化に寄与するイベント等の取り組みが行われております。新たな施設整備により、これらの活動が更に活発になり、地域活動・自治活動など参加する方々がふえることも期待されております。 中野区の南の一大拠点となるよう災害への備えや環境へ配慮し、センターの機能を十分充実させ豊かな活動ができる、50年先を見据えた地域の誇りとなるような施設を整備していただきたいと思います。これは自民党の伊藤正信議員も強くお願いしておりますので、ぜひともよろしくお願いいたします。 その他でもう1点、防犯カメラの取り組みについて質問いたします。 防犯カメラは犯罪の抑止力、また犯罪の解決につながる情報証拠として効果があります。ここ最近、中野区内では助成制度を活用した地域団体、商店街の防犯カメラの設置台数も増えてきており、平成30年度末設置予定を含めると518台となります。これは東京都の補助率が上がったことが大きな要因だと考えます。 中野区教育委員会は、平成27年度は13校、平成28年度には12校に各校当たり5台設置しました。学校と地域などが連携して実施している登下校時の見守り活動を補完し、通学路の安全対策を充実させております。また、中野区では今年度中、3月までに、主要交差点77カ所に116台の設置を年度内に予定しております。区が独自で防犯カメラを設置されることは大変評価しております。ただ、このように防犯カメラの設置は区、教育委員会、区の補助制度を活用した地域団体、商店街が混在していると思います。以前から防犯カメラの設置状況の調査をし、地図データで一元的に管理する必要があると考えています。区はどのように考えているのでしょうか。お伺いいたします。 また、平成30年4月からは、区独自で電気代など維持管理費補助制度を設けていただきました。今後新たに防犯カメラの保守点検、修繕、維持管理費など、地域団体や商店街の負担軽減のために新たな助成制度を導入する必要があると思います。お考えをお聞きいたします。 以上で全ての質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 大内議員の御質問にお答えいたします。 1点目に、西武新宿線連続立体交差事業について、野方1号踏切の除却方策の検討状況についてでございます。野方1号踏切の除却方策の検討に当たっては、既に工事が進んでいる中井駅から野方駅間の鉄道が、立体交差化が完了している環状7号線を境に地上に出る計画であることを踏まえ、適切な鉄道線形とすることや、地域の皆さんからまちづくり構想で御提案いただいた駅前交通拠点を実現することなどに配慮して検討してまいりました。野方1号踏切の除却に向け、こうした区の検討方策について、まずは技術的な実現可能性を検証する必要があり、またどのような事業の枠組みが適切であるかなどについて、東京都と意見交換を行っているところであります。 次に、踏切の除却方策の実現に向けた区の取り組み姿勢についてでございます。野方1号踏切の除却に当たっては、環状7号線が既に鉄道と立体交差化していることを踏まえて区間設定されているため、東京都からは踏切除却に様々な課題があると聞いております。一方で、区としては御指摘のとおり野方駅周辺地域の発展や、地域の皆さんから提案されたまちづくり構想を実現するため、野方1号踏切を除却する必要があると認識しております。野方1号踏切の除却について、事業の実現に向け東京都と意見交換を行いながら、積極的に取り組んでまいります。 次に、中井・野方駅間の連続立体交差事業の進捗状況と今後の見通しについてでございます。中井駅から野方駅間の連続立体交差事業の進捗状況については、事業に必要な土地について、約8割まで権利者の皆さんの御協力を得られた状況と聞いております。工事は駅部を中心に進めており、地下化工事に支障となる駅施設の移設について、新井薬師前駅では既に跨線橋の移設や北口の仮改札設置が完了し、沼袋駅では跨線橋撤去のため、乗り換え経路が仮設地下通路に切り替わっており、3月からは北口及び南口の仮改札が供用開始となる状況でございます。 事業の今後の見通しについては、事業に必要な土地でいまだ御協力を得られていない箇所が残っていると聞いております。また、必要な土地を得ることができた後に、駅の地下部分を構築する工事、それからシールドマシンによるトンネル工事を進めていくことを考慮すると、現在の事業完了予定年度内に事業を完了することは難しい状況であると聞いております。このため、現在東京都と鉄道事業者で今後の事業工程について精査を行っており、今後、精査した結果を踏まえて、東京都が事業認可の変更などの必要な手続を行っていくと聞いております。 次に、特別養護老人ホーム等の施設整備についての御質問で、まず、区内における特別養護老人ホームの整備状況でございます。現在、区内では10カ所、748名定員の特別養護老人ホームが整備されております。地域的には、北部圏域で4カ所、鷺宮、中部及び南部圏域において、それぞれ2カ所開設しております。また、運営主体についてはいずれも社会福祉法人が行っており、区が経営支援を行う老人ホームが3カ所、公有地を活用し整備誘導した老人ホームが3カ所、また民間主導による運営が4カ所となっております。 江古田四丁目施設は、(仮称)江古田園として特別養護老人ホーム、定員100人、短期入所、定員12人、認知症高齢者グループホーム、定員18人、都市型軽費老人ホーム、定員9人、事業所内保育所などの整備を行い、2020年4月に開設予定となっております。この中で区民が優先的に利用できる地域密着型等の施設は、認知症高齢者グループホーム及び都市型軽費老人ホームとなっております。 次に、特別養護老人ホームの整備誘導と近隣区の状況です。特別養護老人ホーム等の整備に関しては、現段階において具体的な国や都の公有地活用の見込みは立っておりませんが、区有地等の活用を図りながら、特別養護老人ホーム等の整備誘導に努めてまいります。 近隣区の整備状況については、適宜、担当部署と情報交換を行いながら把握に努めているところであります。高円寺の国有地を活用した特別養護老人ホームの施設整備も区として承知しているところでありまして、今後も杉並区と協議しながら、区民への情報提供に努めてまいります。 〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕 ○地域支えあい推進室長(野村建樹) 私からは、鍋横区民活動センター整備の御質問にお答えいたします。 整備に係る基本的な考え方をお示しした以降、12月、それに1月、それぞれ2回、地域の町会連合会、区民活動センター運営委員会、地元商店街等に説明を行い、御意見を伺ってまいりました。地域からは、併設する高齢者福祉施設も含めた交流とにぎわいの創出や、出入りします車両に伴う安全確保など、8項目にわたって御要望いただいたところでございます。区といたしましては、これらの要望を十二分に踏まえ、基本計画や基本設計などの段階ごとに適宜地域への御説明と意見交換を行いながら、整備を進めてまいりたいというふうに考えてございます。 〔政策室長朝井めぐみ登壇〕 ○政策室長(朝井めぐみ) 私からは、現在の鍋横区民活動センターの跡地活用につきましてお答えいたします。 当該用地につきましては、区民活動センターと併設の保育園の建て替えについても検討した上で、他の未利用となる施設と同様に、区民ニーズや将来の行政需要、民間活力の活用を見据え、2020年度に策定を予定しております基本計画において活用の方向性を示していく考えでございます。 〔経営室長髙橋信一登壇〕 ○経営室長(髙橋信一) 私からは、防犯カメラの取り組みについてお答えします。 初めに、地図データによる防犯カメラの一元的な管理についてでございます。防犯カメラの設置促進を図るためには、区内における防犯カメラの設置状況を把握することが必要不可欠と考えておるところでございます。平成29年度に防犯カメラ地図情報システムを導入いたしまして、今年度現地調査を実施した上、データの更新を行っているところでございます。今後も同システムを活用した防犯カメラ設置促進に努めてまいりたいと考えます。 次に、防犯カメラ維持管理の区への移管についてでございます。地域の防犯力の維持向上のためには、防犯活動に取り組んでいただく町会等を支援していくことが重要であると認識しており、区においては設置助成制度を活用して地域団体等が設置した防犯カメラの電気料金、共架料金等の維持管理費について、今年度から助成を開始しているところでございます。また、東京都においても防犯カメラの保守点検費、修繕費を対象とする助成制度の導入に向け、現在制度設計中であることから、区においては都の新規制度の積極的な活用を含め、地域団体等の負担軽減策について検討してまいりたいと考えます。 〔大内しんご議員登壇〕 ○32番(大内しんご) 再質問させていただきます。 まず1点目、中井・野方駅間についての鉄道の工事状況なんですけども、今後の見通しを聞いているので、これから西武鉄道がいろいろ状況を把握して報告するということなんですけども、区としては、はっきり言ってどの程度ぐらい遅れるかとか全然把握していないのか、そうした見通しが立っているのかということを1点お聞きします。要するに把握しているのかと。もう一度。 次に、鍋横地域センターで、地域団体に対してどのような説明をされているのかと聞いたので、説明しているというだけの答弁だと。どのような説明をされたのかと聞いているので、「説明しています」ではちょっと答弁になっていないので、もう一度お願いします。 あと、防犯カメラ、データ管理を一元化する必要があると言っているので、それについてお答えがなかったような。必要だ、重要だとか言っているんだけど、やる気はあるんですか、ないんですかと。もう少しとわかりやすく。すみません、急な通告で申しわけないんですが、よろしくお願いします。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 大内議員の再質問で、西武新宿線連続立体交差事業についての進捗状況について、区が把握しているのかという御質問でした。現在、具体的なスケジュールが、具体的にどうなるかということについては、西武鉄道からもちょっと区はまだ聴取してございません。 〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕 ○地域支えあい推進室長(野村建樹) 地域での御説明につきましては、基本的な考え方でお示ししているとおり、施設の整備内容について、区民活動センターあるいは高齢者会館機能、それから高齢者福祉施設、自転車駐車場、こういったものの整備のほかに、地域としての御要望の機能はあるかというようなことも含めてお示しした上で御意見を伺ったというところでございます。また、整備のスケジュールについても御説明してございます。 〔経営室長髙橋信一登壇〕 ○経営室長(髙橋信一) 地図データで防犯カメラの一元的な管理について、再質問にお答えします。 平成29年度に防犯カメラ地図情報システムを導入いたしまして、設置については一元管理を行っているところでございます。更に今年度の現地調査を実施しながら、データの更新を行っているところでございます。 ○議長(いでい良輔) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。
中野区議会議員 久 保 り か 1 西武新宿線沿線まちづくりについて 2 校舎改築について 3 交通不便の解消と区内交通手段について 4 介護支援及び介護予防について 5 その他
○議長(いでい良輔) 次に、久保りか議員。 〔久保りか議員登壇〕 ○37番(久保りか) 平成31年第1回定例会に当たり、公明党議員団の立場で一般質問を行います。 質問は通告のとおり、その他で学童クラブについて伺います。区長並びに理事者の皆様には前向きでわかりやすい御答弁をお願いいたします。 初めに、西武新宿線沿線まちづくりについて伺います。 区長は、施政方針で「野方駅から井荻駅間の連続立体交差事業の早期実現を関係機関に強く働きかけてまいります」と決意を述べられています。まちを南北に分断する開かずの踏切の解消は地域の願いであり、私も早期の連続立体交差事業の実現を心から願うものです。 2月13日、杉並区立井草中学校で開催された東京都・杉並区・練馬区・西東京市・西武鉄道株式会社主催の西武鉄道新宿線(井荻駅~西武柳沢駅間)の連続立体交差化計画及び駅前広場計画などの関連する都市計画についての都市計画素案説明会に参加いたしました。説明会で発表された都市計画素案の内容は、「約5.1キロの対象区間を高架化し、19カ所の踏切を除却する。総事業費は約1,710億円を想定。2020年度には都市計画決定し、2021から2022年度に国への事業認可申請を目指す。最短スケジュールでは2023年度に着工し、15年後の2038年度に立体化が完了する」というものです。この説明会の内容を受け、質問させていただきます。 説明会では、井荻駅から西武柳沢駅間の連続立体事業が野方駅から井荻駅間より先行して着手との説明がありました。これまで早期実現を待ち望んでいた地域の方からは、野方・井荻間が先送りされてしまったとも見えるが、どうなるのかとの御質問もいただきました。 初めに、早期事業化を要望している野方・井荻駅間の連続立体交差事業への影響について伺います。 井荻・西武柳沢駅間については、構造形式が架線高架方式とされ、環状8号線は既に立体交差化を完了していることから、鉄道線形上、井荻駅西側の第2号踏切の除却ができないとの説明がありました。 野方・井荻駅間の構造形式についてはどうなるのか伺います。 環七から鉄道部が地上化される野方駅も同じような構造上の課題を抱えていると考えますが、開かずの踏切解消策についてはどう考えているのか伺います。 井荻・西武柳沢駅間は高架化と方針が示され、一方、中野区内は過去に全線地下化を訴えていた経緯もあり、高架化についてはあまり検証がされてきていない印象があります。 高架方式については、地域からは、高架化した構造物により生じる北側の日陰、鉄道の走行に伴う騒音・振動、鉄道を高架化させるための北側に整備される側道のための土地提供について、心配の声が聞かれています。高架方式が採用された際の地域への影響についてはどうなるのか伺います。 井荻・西武柳沢駅間の説明会では、「高架方式における用地取得対象面積は約3万9,600平米、対象建物件数は232件、地下方式における用地取得対象面積は約1万1,600平米、対象建物件数は179件」と説明がありました。野方以西の連続立体交差事業を進める上での用地取得についてはどうなるのか、どのような検討がされているのか伺います。 また、地下化方式については、「鷺ノ宮駅南側には、近接する妙正寺川が流れている。地下方式が採用された場合の河川の水害などによる影響はないのか」と心配する声も聞かれます。地下化方式の水害などの影響はないのか、伺います。 西武新宿線沿線野方以西の沿道沿いでは、地下化を求める動きが高まっているように感じます。一方では、高架化された西武池袋線と比べ、新宿線は遅れをとっているとの声もあり、高架化のほうが早く進むのではないかとの意見もあります。様々な意見が地域にはありますが、地下化派、高架化派のように地域が二分され、対立関係を生むようなことがあっては、沿線まちづくりをスムーズに進めることはできなくなってしまいます。 区民の合意形成を図るために、区としてどう取り組んでいくのか、お考えを伺います。 まずは、現段階での沿線まちづくりに関する区の考え方や連続立体交差事業の進捗状況をわかりやすく区民に伝える必要があります。様々な機会をとらえ、的確に情報提供をすべきであると考えますが、御見解を伺います。 西武新宿線沿線まちづくりの最後に、学校再編と踏切渋滞について伺います。 私は、これまで鷺宮小学校と西中野小学校の統合における通学路の踏切の課題解決について繰り返し質問してまいりました。決算特別委員会での通学路に跨線橋を設置すべきとの質問に対し、「現在の線路上に新たな跨線橋を整備することはなかなか難しいと考えているところでございますが、児童の安全確保は何よりも優先されなければならず、たとえ連続立体交差事業が実現するまでの間という限定された期間となるとしても、跨線橋の設置が最も有効に働くということであれば、実現に向けた区有地の暫定活用の検討や西武鉄道への働きかけなど、必要となる条件整備を行っていく考えでございます」と区長から答弁をいただきました。区長は施政方針で「西中野・鷺宮小学校の統合に当たり、安全な通学路の確保方策の検討を進めます」と述べられています。 その後、児童の安全確保のための対策について進展が見られたのでしょうか。跨線橋の設置などについては検討が進んでいるのか、伺います。 次に、学校校舎の改築について伺います。 先ほどの西武新宿線沿線まちづくりに引き続き、鷺宮小学校と西中野小学校の統合新校についてお聞きします。統合新校は、現在の第八中学校の位置に開設されます。第八中学校は、校庭と校舎の間に区道が入り、渡り廊下で校内を移動しています。統合委員会の中でも、この敷地の形状について御心配をいただいておりました。中学生ではなく、小学生が利用する場合に、通常の学校生活での校内の移動、また災害時の避難経路など、安全確保をどう考えるのかは、校舎建設の最も重要な課題です。 鷺宮小学校・西中野小学校統合新校校舎等整備基本構想・基本計画(案)によれば、道路上空通路の設置として「新校舎については、北側校舎2階、南側校舎階を結ぶ1本の道路上空通路を整備することとする」としています。そこで伺います。 この道路上空通路は、校舎の一部として建物一体型で整備されるのか、また、小学生が学校生活や災害時の避難路として使用する際に円滑に移動できる幅員とされているのか、伺います。 また、地域の方からは、現在、校内に設置されている防災倉庫についての御質問も上がっています。これまでの第八中学校では、現在は防災倉庫のある校庭と防災拠点となる体育館は同一敷地内にありますが、統合新校校舎等整備基本構想・基本計画(案)では、体育館と校庭は二つの敷地に分かれています。防災拠点としての機能はどう検討されているのか、伺います。 次に、北中野中学校の校舎改築について伺います。北中野中学校の校舎改築を統合後の西中野小学校を仮校舎として活用する際、全ての生徒が踏切を渡り通学する通学路の課題について、過去にも質問し、再編担当の見解を求めました。「北中野中学校では、現在も踏切を渡って通学している生徒があり、中学生については小学生ほどの配慮は必要ないのではないかというふうにも考えているところでありますが、他の中学校と同様に生活指導や交通安全指導を適切に行ってまいりたいというふうに考えております」とお答えになっています。この点について、教育委員会の考えは変わっていないのでしょうか。伺います。私は、中学生にとって踏切遅刻は重要な問題であると考えます。 北中野中学校校舎改築の仮校舎の位置について再検討が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 この項の最後に、校舎改築に伴い導入が決まっている一足制について伺います。 校舎改築後は、全天候型の校庭になることは承知しておりますが、雨天の際、長靴などを使用し通学した場合の校内履きはどうなるのか。また、雨や雪などでぬれたスニーカーなどを一日中履いているのは衛生面で問題はないのかなど、保護者の方から質問が寄せられています。これら一足制の課題についていかがお考えでしょうか。また、校内履きはないが、体育館履きは使用するとのことです。体育館履きと校内履きを併用することもできるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。 次に、交通不便の解消と交通手段について伺います。 これまで我が会派は、区に対し交通不便の解消を強く求めてまいりました。平成30年度はようやく区民移動実態調査が実施されましたが、調査結果については委員会などでの報告はまだ行われておりません。我が国の高齢化は顕著であり、団塊の世代が後期高齢者に到達する2025年以降、地域社会はますます高齢化していきます。 高齢になり、自転車での事故を避けるために自転車に乗ることをやめた、後期高齢者になり、車の免許を返納したという方も増え、若い頃のように外出がスムーズにはいかず、買い物した重たい荷物を持つのも不自由で、日常生活に不便を感じられているとの声を多く聞きます。現在、既存の公共交通機関だけでは交通不便を解消することはできず、必ずしも区民ニーズに応えているとは言えない状況です。目的に応じて利用できる公共交通サービスの必要性を強く感じているところです。 例えば、都営・区営・公社住宅など高齢化の著しい集合住宅、すこやか福祉センター、高齢者会館、区民活動センターなどの公共施設、日用品や食料購入のための商店などを巡るワゴン車などを活用した区独自の公共交通サービスが導入されれば、高齢者の暮らしは楽になるのではないかと考えます。新たな公共交通サービスを導入することにより、お出かけ支援にもなり、介護予防にも貢献できるのではないかと考えます。また、駅やバス停などから離れたエリアでは、既存の交通機関へとうまく接続ができるような交通手段も必要であると考えます。 区として独自の公共交通サービスを検討すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 まずは、実態調査結果をもとに、乗り合い送迎サービスなどの実証実験を実施してはいかがでしょうか。お伺いいたします。 次に、既存のバスルートの変更による交通不便の解消について伺います。 旧コミュニティバス「なかのん」、現「中野~八成小学校区間」のバスについては、バスの名称変更やバスの減便など、これまでも開設以降様々な変化があり、その都度、議会でも要望し、現状に至った経緯があります。しかし、地域ではバスの増便や現在のバス路線では対応できないエリアへのバスルートの延伸を望む声も高い状況です。 現在、旧「なかのん」は幹線道路を走る関東バスの路線バスであり、区が財政負担などは行っておりません。関東バスと協議し、バス路線のルート変更や増便を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。お考えを伺います。 この項の最後に、総合交通戦略について伺います。 現在、中野駅周辺地区総合交通戦略は示されていますが、中野区内全域を対象とした中野区総合交通戦略は示されていません。駅周辺のみならず、西武新宿線沿線まちづくりや防災まちづくりも進み、区内の道路網も大きく変化していきます。区は今年度、組織改正により、都市計画分野に交通政策担当を設置しています。交通政策担当が中心となり、まちづくりの進捗に合わせ、中野区内全域を対象とした総合交通戦略を策定すべきではないでしょうか。区の見解を伺い、この項の質問を終わります。 次に、介護支援及び介護予防について伺います。 施政方針では、「高齢者の介護支援及び介護予防の取組を強化し、在宅療養支援、医療介護連携、認知症初期集中支援等のバックアップ機能を整備してまいります」と述べられています。「介護支援及び介護予防の取組を強化」とは、どのようなことをイメージしているのか、具体的にはどのようなことを強化していくのか伺います。 介護支援の中では、在宅介護を行う家族の支援も重要な課題です。デイサービスなど介護サービスを利用したとしても、一緒に暮らす家族の負担は大きなものです。特に、入浴や着がえ、おむつ交換など身体介護は、体力的にも精神的にも家族の負担は重いものです。様々に支援を受けたとしても、家族が何もしなくてもよいわけではありません。いざというときに何もできない状況を回避するために、家族が介護要支援になった段階や闘病した際に、身体介護の実践的家族介護教室を実施し、介護支援をすべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。 現在も、家族介護教室はすこやか福祉センターなどを中心に、様々なテーマで開催されています。介護事業者などの力をかり、身体介護の実践的介護教室を開催すべきと考えますが、お考えを伺います。 次に、介護予防のための食支援について伺います。 「生きることは食べること」とも言われるように、生きていく上での食は非常に重要です。健康寿命延伸のためには、介護を必要としない健康状態を早い時期からつくっておくこと、予防が大事ということは言うまでもありません。食は生きることの基本です。食事の内容が健康に深くかかわっていることは明らかです。介護予防、認知症予防においても、食の充実や栄養指導を具体的に進める必要があります。 専門家による介護予防のための料理教室や栄養指導を介護及び認知症予防事業として位置付け、進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。 その他で、学童クラブについて伺います。 学童クラブの利用者が増加する中、学童クラブを利用できるのかどうかは、保護者にとっては非常に重要な問題です。特に、進級時に現在利用している学童クラブが利用できない、学童クラブを移らなくてはならないとなると、保護者の負担はより大きく感じます。次年度も学童クラブの待機児童が非常に多く出るとお聞きしますが、現段階での待機状況はどうなっているのでしょうか。伺います。 キッズ・プラザや児童館で、学童クラブでの待機を選択する利用では、早朝・夜間の時間延長ができず、困っているとのお話も伺います。時間延長を望む方にはどう対応されるのか。延長利用を可能にすべきと考えますが、いかがでしょうか。お考えを伺います。 また、現在利用している学童クラブを進級とともに利用できず、自宅と離れた学童クラブを利用しなくてはならない場合の送迎サービスなども検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。 以上お伺いいたしまして、私の全ての一般質問を終わります。御清聴、大変にありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 久保議員の御質問にお答えいたします。 まず、西武新宿線沿線まちづくりについて、井荻駅以西の先行による野方・井荻駅間への影響についての御質問でございます。野方・井荻駅間及び井荻・西武柳沢駅間は、ともに国から着工準備採択を受けており、事業化を前提とした位置付けであると認識しております。着工準備段階にある区間は、構造形式の検討や地元区市が行うまちづくりの計画などについて、それぞれの区間ごとの準備が整った段階で都市計画素案公表など次の段階へ進むものであり、ある区間の事業の進捗は他の区間の事業化に影響を及ぼすものではないと考えております。したがって、井荻駅以西の区間が事業化に進むことによって、野方・井荻駅間の事業が先送りされたとの事実はなく、区としては引き続き地域のまちづくり整備方針の策定などを急ぐとともに、一日も早い事業化を関係機関に働きかけてまいります。 次に、野方以西の構造形式や開かずの踏切解消への考えについてでございます。御指摘の井荻2号踏切と同様に、環状7号線が既に鉄道と立体交差化していることを踏まえて区間設定をされているため、東京都からは野方1号踏切についても除去に様々な課題があると聞いております。しかし区としては、野方駅周辺一帯のまちづくりを考える上で、鉄道による分断を解消する野方1号踏切の除却はまちづくりの生命線であると考えており、除却可能な方策を検討し、東京都と意見交換を行っているところでございます。 なお、過年度に区が実施した検討においては、高架方式の優位性が高い結果となっております。構造形式については、事業主体である東京都が決定するものであると認識しております。 次に、高架方式に対する地域の皆さんの御心配についてでございます。御懸念の日陰や騒音、振動などについては、東京都の環境影響評価条例に基づき予測評価が行われ、環境保全のための必要な措置が講じられるものと認識しております。今後、環境影響評価について調査計画書や評価書案が示された段階で地域の皆さんに情報提供するなどして、区として、東京都が適切に対応するよう求めてまいります。また、仮に高架化になった場合には、側道整備に必要な土地をお譲りいただくことについては、事業主体である東京都や工事を担う西武鉄道とともに、権利者の皆さんに対して丁寧な対応を行ってまいります。 次に、地下方式における妙正寺川による水害の影響についての御質問でございます。鷺ノ宮駅付近を地下方式とした場合の具体的な影響については明らかではございませんが、水害への懸念が生じる場合には十分な対策を講じるほか、構造や施工方法において配慮することが前提であると考えております。鉄道立体化の構造形式の選定に当たっては、鉄道周辺の地形などの地形的条件、除却する踏切の数などの計画的な条件、事業費や事業期間などの事業的条件、これら三つの条件を総合的に勘案し、事業主体である東京都が最適な構造形式を決定するものと考えております。 なお、過年度に区が実施した比較検討においては、妙正寺川に近接する位置に地下構造物を構築する上では、止水対策を講じる必要があるとの結果でございました。 野方以西区間の構造形式を都に要望する考えについてでございます。連続立体交差事業における鉄道の構造形式については、事業主体である東京都が比較検討を行った上で最適な構造形式を選定するものであり、区が選択するものではございません。区としては、東京都に対し特定の構造形式を要望するのではなく、事業の早期実現を望む区民の皆さんの御期待に応えるよう関係機関に要望していく考えでございます。 次に、野方以西の事業推進に向けた合意形成の取り組みについてでございます。区民の皆さんをはじめ、区議会も一体となって組織している西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟では、目的とする西武新宿線の踏切渋滞の解消に向け既に工事が進んでいる中井・野方駅間の鉄道計画が、環状7号線を境に地上に出る計画であることを踏まえ、全線地下化の実現ではなく、中井・野方駅間の事業の着実な推進と野方・井荻駅間の事業の早期実現を促進するよう規約を改正し、活動に取り組んでおります。区は、区民の皆さんとともに期成同盟の加盟団体として、野方以西区間における連立事業の早期実現を図ることが区民の皆さんの合意事項ととらえ、関係機関に働きかけていくとともに、区が担うまちづくりの検討に取り組んでまいります。 次に、連立事業の進捗状況についての区民への情報提供についての御質問でございます。野方以西区間の沿線にお住まいの皆さんの生活再建に配慮し、それぞれの構造形式についての特徴なども含め、適切なタイミングで必要な情報をわかりやすくお届けできるよう、区としても、事業主体である東京都や鉄道工事を担う西武鉄道とともに丁寧な対応を行ってまいります。 最後に、鷺宮・西中野小学校の統合に当たっての通学路安全対策についてでございます。鷺宮小・西中野小の学校統合に当たっては、子どもたちが西武新宿線の踏切を渡って登下校することになるなど、通学路の安全確保が課題と認識しております。西武新宿線に跨線橋を設置する可能性を検討しているところでございます。西武鉄道にも接触し、話し合いを始めたところでございます。将来、踏切除去を目指している連続立体交差事業との関係について整理し、西武鉄道との話し合いを進めていきたいと考えております。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私からは、校舎改築についてお答えいたします。 鷺宮小学校、西中野小学校の新校舎に整備する道路上空通路につきましては、学校施設の一部として建物と一体的に活用できるよう整備してまいります。道路上空通路の通路幅については、学校生活において児童や教職員が安全に利用でき、また災害時においても迅速かつ安全に避難できるよう配慮した幅員を確保していくことを考えておりまして、引き続き検証、検討を進めているところでございます。 次に、鷺宮小学校・西中野小学校統合新校新校舎の防災拠点としての機能についてでございますが、鷺宮小学校・西中野小学校統合新校新校舎の屋上運動場等が災害時に有効に機能するよう、防災性の高い施設として整備していくとともに、避難所としての機能やその利用方法を整備の上、備蓄倉庫や区が設置する防災倉庫のほか、マンホールトイレ、災害用井戸などの設置場所についても検討を進めてまいります。現在、第八中学校校地に消防署が設置しております防災倉庫については、今後、設置者である消防署と協議の上、設置場所を決定してまいります。 次に、北中野中学校の改築における仮校舎についての御質問にお答えいたします。仮校舎を使用する整備手法については、学校によっては通学時に課題等があることは認識しているところでございます。こうした課題への対策として、現地建て替え、通学路の設置、変更や跨線橋設置の可能性など、他区の事例等も踏まえながら、様々な角度から検討してまいりたいと考えております。 次に、校舎改築に伴う一足制の導入についてお答えいたします。一足制につきましては、教育委員会の議論において、新校舎に備えるべき教育環境の一つとして提起されました。一足制により、誰もが支障なく安全に利用できるユニバーサルデザインの校舎が実現するほか、靴の履き替えの時間や場所がとられないことから、校舎、校庭、その他併設施設の一体的利用が可能となり、教育環境としての利便性・効率性の向上や昇降口などの混雑を緩和し、事故、トラブルの回避につながるほか、災害時においても避難誘導を安全に行うことができるなどの効果を見込んでいるところでございます。他区においても一足制を導入した新校舎整備の事例もあり、実際に導入した学校の視察を行った結果、様々な効果が確認できたことから、今後改築を行う学校において一足制の導入を決定したところであります。 これまで新校舎整備に伴い一足制の御説明をしてきた中で、雨、雪などでぬれた靴や長靴で一日中過ごすことについて、児童・生徒の保護者等から心配の声が上がっていることは認識しているところでございます。例えば、雨、雪等の荒天時においては、登校時に使用した靴の履き替えに当たり、体育館履きを校内履きとして使用するなど、運用の工夫により対応が可能と考えております。学校と運用について今後検討を進めてまいります。 〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕 ○都市基盤部長(豊川士朗) 私からは、交通不便の解消と区内交通手段についてお答えいたします。 まず、高齢社会に対応した公共交通サービスの検討についてでございます。高齢者等の移動の需要の高まりに対応した運行手段や巡回ルート、付加サービスなど、区としてどのような公共交通サービスが可能か、中野区の実情を踏まえ、具体化に向けた検討を進めてまいります。 次に、中野駅から八成小学校を走るバスの増便等についてでございます。旧「なかのん」につきましては、区民から増便を望む声があることは承知しております。バス事業者とも連携いたしまして、どのような対応が可能か検討してまいります。 それから、総合交通戦略についてでございます。来年度、基本構想改定にあわせまして、都市計画マスタープランの改定を本格的に進める予定でございますが、この中の項目の一つとして、交通政策に関する基本的方向性についても検討したいと考えてございます。 〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕 ○地域支えあい推進室長(野村建樹) 私からは、介護支援、介護予防、それに学童クラブの御質問にお答えいたします。 まず、介護支援及び介護予防の取り組みの強化という御質問でございました。今後の超高齢社会を迎えるに当たり、高齢者が可能な限り自立した生活を続けられるよう、自立の支援に向けた介護サービスや介護予防の取り組みの強化が重要でございます。来年度は介護人材の確保定着に向けた生活援助型ヘルパーの養成研修に係る費用助成、それから、元気アップ体操ひろばの実施開催箇所数の増、ICTを活用した介護予防運動などの新たな取り組みと拡充を図ってまいりたいというふうに考えてございます。 続きまして、身体介護の実践的介護教室開催という御質問です。現在の家族介護教室は、認知症理解や仲間づくりを通して介護に当たる家族の精神的な負担の軽減を図る、こういうことを主目的として実施してございます。今後は在宅療養や終末期における看取りなどの家族介護も増加していくことから、これらを支える知識の付与や介護上の身体的負担軽減などについても取り上げられるよう、教室の講座内容、あるいは実施方法を検討してまいりたいというふうに考えます。 次に、介護予防のための専門家による栄養指導ということでございます。現在、区が行っております介護予防・日常生活支援総合事業におきましては、虚弱層の高齢者の対象といたしまして、栄養講座、それから高齢者会館での栄養・口腔コース、ミニデイの昼食の提供などを展開しているところでございます。低栄養による筋肉量の減少に伴う筋力や身体機能の低下を表しますサルコペニア、また誤嚥予防などの食事、栄養についての取り組みということが急務というふうに考えてございます。今後、栄養士の資格を持った人材の活用についても考えてまいりたいというふうに思います。 続きまして、学童クラブの御質問でございます。待機児童の状況ということでございますが、これから民設学童クラブへの申し込み状況を確認する中で、区立から民設への利用先変更の状況等を把握し、4月時点の待機児童数を確定するという作業になりますが、現時点におきましては、区立学童クラブの待機児童は約240名となっておりまして、昨年の同時期に比べて70名ほど多い状況になってございます。 それから、キッズ・プラザ、児童館の延長利用ということでございます。待機児童についての延長利用という御質問でございます。時間延長を伴う待機児童につきましては、当該校区や近隣の民設学童クラブの利用を御案内してございます。また、民設学童クラブに対しましては、キッズ・プラザ等と連携を求めておりまして、同じ小学校の児童として等しく放課後の生活や遊び場が確保できるよう運営を求めているところでございます。 なお、児童館やキッズ・プラザの開設日、開設時間の在り方につきましては、今後の検討課題と考えてございます。 最後に、学童クラブの送迎サービスでございます。区では、増加する学童保育ニーズへの対応や待機状況の解消策として、民設学童クラブの積極的な誘致・誘導を進めてまいりました。送迎サービスは、こうした民設学童クラブ利用の促進策の一つとも考えられますので、今後検討してまいりたいというふうに思ってございます。なお、この4月から送迎サービスを実施するとしている民設学童クラブもございます。こういったところの実施状況なども十分に検証してまいりたいというふうに考えてございます。 ○議長(いでい良輔) 以上で久保りか議員の質問は終わります。
中野区議会議員 広 川 まさのり 1 くらしに寄り添う施策について 2 社会的障壁に対する施策展開について 3 教職員の過重労働について 4 その他
○議長(いでい良輔) 次に、広川まさのり議員。 〔広川まさのり議員登壇〕 ○19番(広川まさのり) 2019年第1回定例会において、日本共産党議員団の立場で一般質問を行います。 まず、くらしに寄り添う施策について伺います。 安倍政権は、2016年度から2018年度までの3年間を改革集中期間として、医療や介護、社会保障費の自然増を大幅に抑制してきました。骨太の方針2018では、2019年度から2021年度を基盤強化期間と位置付け、更なる自然増の抑制、患者、利用者への負担増や給付の抑制、削減を徹底する方針となっています。国民の所得と消費が落ち込んでいるにもかかわらず、社会保障制度の改悪を進める政府に対し、中野区として見直しを求めるとともに、住民の福祉を守る自治体の役割を発揮して、区民の暮らしを守る施策を前に進めていかなければならないと考えます。 初めに、後期高齢者医療制度について伺います。 安倍政権は2019年度政府予算案で、75歳以上の後期高齢者医療の保険料を最大9割軽減する特例措置の段階的な廃止を決めました。まず、中野区において特例措置が廃止された場合、何人が影響を受ける見込みでしょうか。伺います。 後期高齢者医療の医療費窓口負担を現行1割から2割に引き上げることも検討されています。この間、公的年金の受給額が毎年減少するなどの影響で、ひとり暮らしの高齢者の約半数は生活保護基準を下回り、高齢世帯全体の貧困率は27%、女性の単身世帯では56%に上っているという調査結果もあります。多くの高齢者はわずかな貯蓄を取り崩し日々の生活を送っています。75歳以上の医療費自己負担の2割化は、高齢者の生活と健康に大きな影響を及ぼすことは明らかであり、国に対して中止を求めるべきではないでしょうか。認識を伺います。 中野区では、後期高齢者医療被保険者証の交付を受けている方を対象に、合計31日以上入院された場合、支援金として申請により2万円を支給する後期高齢者入院時負担軽減支援金制度があります。他の自治体でも同様の支援を行っているところもありますが、中野区では対象を「世帯員全員が住民税非課税の方」に限定しています。それにより、2017年度の記録では被保険者数全体の約37%しか対象者となっていません。更に、死亡により保険証の交付を受けなくなった後は申請できないものとなっています。 こうした制度の中身については自治体ごとに違いがありますが、新宿区の後期高齢者入院時負担軽減支援金制度では、住民税非課税か否かを問わず、入院日数に応じて3段階、1万円から3万円という支援金額を設定しています。更に、入院から5年以内であれば、本人の死亡後でも相続人が支援金を受け取ることができます。また、入院した方が制度を申請していなかった場合、区から勧奨通知と申請書を送付しています。中野区の制度に比べ、より利用しやすく、丁寧な制度となっています。中野区の後期高齢者入院時負担軽減支援金制度の拡充について、検討の余地があるのではないでしょうか。見解を伺います。 次に、国民健康保険について伺います。 低所得者や高齢者が多く加入する国民健康保険では、国保財政の健全化のためとして、自治体の法定外繰り入れを解消させる施策の強化を打ち出しています。これを受け、中野区でも2018年度より毎年、一般会計からの繰入金の割合を1%ずつ引き下げ、9年間かけて法定外繰り入れをなくすという考えです。加入者所得は増えていないのに保険料は上がり続けており、国民健康保険制度の根幹を揺るがしています。昨年、党議員団が行った区民アンケートにおいても、保険料が高過ぎて、食事を削らなければ払い切れないといった深刻な実態が寄せられました。 2月7日、中野区国民健康保険運営協議会が開催され、来年度の国民健康保険料は1人当たり351円の増で、17年連続の値上がりになるということが明らかになりました。度重なる社会保障の削減や区民負担の増加、10月には消費税を10%に引き上げる方針が出されており、区民の暮らしが更に追い詰められます。 そこで伺います。被保険者数を8万4,000人と想定すると、約3,000万円を一般会計から投入することで、全世帯の保険料を今年度より下げることが可能ではないでしょうか。区の見解を伺います。 協会けんぽ、組合健保など、被用者保険の保険料は収入に保険料率を掛けて計算するため、家族の人数が保険料に影響することはありません。一方で、国民健康保険には世帯員の数に応じて加算される均等割があります。子どもの多い世帯ほど保険料が高くなります。まさに少子化施策にも逆行する人頭税であり、制度の抜本的改正が求められます。 2018年第4回定例会において我が会派の長沢議員が、子育て世帯への負担軽減のために、更なる均等割額軽減の検討を求めたところ、区長は、国が制度の問題として解決すべきとの考えを示しています。しかし、ことし2月7日行われた参院予算委員会において、根本厚労相は相互扶助の名で応分の負担を正当化しており、国として問題意識を持っていないことは明らかです。 中野区が均等割額の軽減に乗り出すことにより、その取り組みは他区にも広がり、国の意識を変えるきっかけになるのではないでしょうか。中野区の国保加入者のうち、第2子以降の減免対象人数を約2,000人と想定しても、約5,000万円の財源があれば均等割を50%減額することができます。区として検討してはいかがでしょうか。伺います。 次に、無料低額診療制度について伺います。 無料低額診療とは、社会福祉法第2条の規定に基づき、社会福祉法人の病院や診療所が事業実施施設となり、低所得者、路上生活者等の生活困難者を対象として施設ごとに定めた基準により、無料または低額な料金によって診療を行う事業です。中野区内では五つの医療機関で行われています。ここまでの質問でも触れてきた税金や保険料の負担増、また年金の引き下げなどによって必要な医療を受ける機会が制限される実態が明らかになっています。 こうした中で、中野区としても、経済的な理由により医療費の支払いが困難な方でも医療を受けられる制度があるということ、また、区内で行われている無料低額診療について広く周知すべきと考えます。区の見解を求めます。 外来の患者が無料低額診療制度を利用した場合、薬代が対象にならないという課題があります。沖縄県那覇市は2016年度から、薬代が払えず症状を悪化させる患者を減らし、生活保護受給の手前にいる人々の救済を目指すとして、無料低額診療事業の適用を受けている方を対象に薬代の窓口負担分を助成する事業に乗り出しました。那覇市福祉政策課の主幹は、「経済的に苦しくても生活保護を受けていない困窮世帯に安心して治療を続けてもらいたい。予算は小規模でも、救える人がいることを他市町村にも知ってほしい」と語っておられます。 ほかにも北海道では4市、青森市や高知市でも薬代の助成事業が実施されています。区の無料低額診療では対象になっていないものの、国民健康保険法第44条では、特別の理由のある被保険者で一部負担金を支払うことが困難な場合は、一部負担金を減額あるいは免除することができるとされています。 中野区としても、無料低額診療事業適用者の薬代の一部負担金の減免を検討すべきであると考えますが、区の見解を伺いまして、この項の質問を終わります。 次に、社会的障壁に対する施策展開について伺います。 まず初めに、同性婚について伺います。 今月14日、同性カップルが同性婚できないことの違憲性を問う日本で初めての訴訟が一斉に提起されました。弁護団は、国が同性同士の結婚を認めないのは憲法が保障する結婚の自由や法のもとの平等に反し、違憲だと主張しています。現在、同性婚については2001年のオランダを皮切りに、欧米を中心として各国で法制度が整いつつあり、今後、台湾やコスタリカでも同性婚が認められる見通しです。同性婚が認められている国・地域の人口は世界の人口の17%弱にすぎませんが、GDPで見ると世界の50%強を占めていると言われ、経済的に裕福な先進国ほど同性婚を認める方向に進んでいます。一方で、日本は国という単位で法制度が全くないのが現状です。 同性カップルは事実婚状態であっても異性間と同じような権利を享受することができないのが現状です。婚姻届を提出しても受理されず、配偶者控除も受けられず、遺産相続や所得税控除などでも法律婚と同等の扱いが保障されていません。また、社会生活においても様々な場面で障壁に直面します。そうした障壁を取り除くためにも、同性婚は認められるべきと考えます。 更に、憲法第24条第2項の個人の尊厳、第13条の幸福追求権、第14条第1項の性別に基づく差別の禁止などの規定に照らせば、異性カップルにのみ結婚を認め、同性カップルに認めないということは憲法の理念に反しており、違憲状態と考える憲法学者も少なくありません。こうしたことについて国会における積極的な議論が求められますが、一向に進んでいないのが実態です。 中野区では、昨年8月より、多様な生き方、個性や価値観を受け入れることができる地域社会を実現することを目指し、中野区パートナーシップ宣誓を実施しています。多様な生き方、個人の価値観を受け入れる中野区として、国に対し同性婚に必要な法整備についての議論を進めることを求めるべきと考えます。区の見解を伺います。 次に、社会生活を補助する物品購入支援について伺います。 日本共産党議員団として提出した2019年度中野区予算編成に対する要望書の中で、社会生活を補助するための物品購入費助成を、今回新たに2点加えました。 まず1点目として、高齢者補聴器購入費を助成するということです。年齢による聴力の低下を老人性難聴といいます。聴覚に関わる細胞の減少・老化により、個人差はあるものの、通常は50歳を超えると聴力が大きく低下し、60歳以上になると会話の面で不便になり始めると言われ、発生比率は80歳以上で約80%にまで至ります。 老人性難聴を患った高齢者の中には、相手の話していることが正確に聞き取れず、聞こえない状態がストレスとなり、症状がどんどん悪化してしまうことも珍しくありません。その結果、無口になってしまったり、引っ込み思案になってしまい、更には、ひきこもりや認知症につながるケースもあると専門家は指摘します。そうした老人性難聴における最善の対策は、自分に合った補聴器の利用をなるべく早目に始めることだと言われています。 しかし、多くの補聴器は高価であり、平均的に片耳10万円以上かかると言われています。こうした負担を軽減するため、23区でも墨田区、中央区、大田区、千代田区、葛飾区、江戸川区などで補聴器の購入費助成が行われています。昨年7月から豊島区でも実施され、購入費を限度額2万円まで助成する制度を始めました。これまでに50件の申請があり、高齢者に大変喜ばれているとのことです。中野区としても高齢者補聴器購入費の助成を行うことは、介護予防といった観点からも有効だと考えます。検討してはいかがでしょうか。伺います。 2点目として、がん治療に伴う脱毛や乳がんの手術跡をカバーするためのウィッグと胸部補整具の購入費用助成の実施です。港区では2016年、「港区がん対策推進アクションプラン」として5年間の事業計画を策定し、がんによる死亡者の減少と、がんにかかっても住みなれた地域で安心して自分らしく生活できる環境構築に取り組んでいます。そして2017年5月より、がん治療に取り組む区民の療養生活の向上と就労継続等、社会生活を支援するため、ウィッグや補整下着、補整用シリコンパッド等の購入費用の一部を助成する制度を始めました。3万円または購入経費の7割のいずれか低い額を助成しており、2017年度は93件の申請があったと聞いています。 昨年、地域にお住まいの乳がんを患った方から「中野区でも同様の助成があれば、金銭的にも精神的にもありがたい。ぜひ検討してもらいたい」と要望をいただきました。中野区において同様の助成制度を行うことができないか、研究・検討してはいかがでしょうか。伺います。 次に、バリアフリーのまちづくりにつながる施策について伺います。 2016年4月1日の障害者差別解消法施行に伴い、兵庫県明石市では、合理的配慮に関して全国初の助成制度を始めました。解消法は合理的配慮の提供を民間事業者には努力義務としましたが、同市は条例で義務化、それに伴い「合理的配慮の提供に関する助成制度」として、市内の商業者や地域の団体が障害のある人に必要な合理的配慮を提供するためにかかる費用を補助するものとなっています。点字メニューの作成費用やコミュニケーションボードの作成費用など、コミュニケーションツールの作成費に上限5万円、折り畳み式スロープや筆談ボードなど購入費用などに上限10万円、簡易スロープや手すりなどの工事にかかる費用に上限20万円を助成。この上限以内なら、かかる費用は全額明石市が負担しています。昨年末までに354件の申請があり、バリアフリーのまちづくりが大きく進んでおり、明石市に住みたいという人が増えているといいます。 2018年4月1日に施行された中野区ユニバーサルデザイン推進条例では、第3条(基本理念)で、「支障なく円滑に利用できる都市基盤・施設の整備の推進」を位置付けています。区としても区内の商店などに対して、バリアフリーにかかわる備品の購入や工事費用の助成を行うことなども含めて、合理的配慮の在り方について検討すべきと考えます。見解を伺います。 次に、精神障害者施策について1点伺います。 都の制度改正により、精神障害者保健福祉手帳1級の方は、ことし1月1日から心身障害者医療費助成制度、通称マル障の対象になりました。東京都福祉保健局は今回の制度改正について、対象者に通知を郵送しているということです。精神障害者保健福祉手帳は、転出先の区市町村で転入手続を行った後、手帳を所管する窓口で住所変更の手続が必要になりますが、実際に手続をしていないケースもあると聞いています。その場合、福祉保健局の通知が届いていません。区として今回、精神障害者保健福祉手帳1級の方がマル障の対象になったことを広く周知すべきと考えます。見解を伺いまして、この項の質問を終わります。 次に、教職員の過重労働について伺います。 教職員の多忙化や長時間労働が深刻となっており、昨年10月に取りまとめられた中野区立学校教員勤務実態調査においても、週当たりの在校時間が60時間を超える、いわゆる過労死ライン相当に当たる教職員が、小学校では教諭41.9%、副校長78.1%、校長34.8%、中学校では教諭52.3%、校長・副校長50%となっています。こうした長時間勤務の実態は、心身の健康に支障を来す看過できない状況であり、早急に対応していかなければならない喫緊の課題です。 文部科学省の中央教育審議会(中教審)は1月25日、教職員の働き方改革についての答申を出しました。この間、中教審の議論では、持ち授業のこま数に上限を設けてほしい、教職員を増やしてほしいといった意見が相次いで出されていましたが、答申には盛り込まれませんでした。働き方改革と言いながら、内容的には業務削減に絞り込んだ形のものとなっています。 答申では労働時間を年単位で調整する変形労働時間制の導入も提言。夏休みなどに学校閉庁日を増やして休みやすくなると言いますが、学期中など忙しい時期は勤務時間を引き上げるものであり、とりわけ子育てや介護をしている教職員には大きな負担となります。更に、要望の多かった給与月額の4%相当を支給するかわりに時間外手当の支給を認めない教職員給与特別措置法の抜本的な見直しには踏み込みませんでした。中教審は同日、勤務時間の上限に関するガイドラインも決定。超過勤務時間を最大月100時間未満まで認めるなど、過労死容認のガイドラインとなっています。 まず、教育委員会として、今回の中教審の答申やガイドラインについてどういった認識を持っているのでしょうか。伺います。 今回の中教審の答申について、全てを否定するわけではありません。教職員という仕事は、働いた時間に応じて成果が上がるとは限らないという専門性・特殊性を持つものであり、一概に正解を示すことはできません。だからこそ、教職員の授業持ち時間数の上限を明確に設定し、それを可能とする教職員定数の抜本的改善を図っていくべきではないでしょうか。見解を伺います。 我が会派は、この間、中野区が進めてきた学校再編計画に反対し、少人数学級の推進を求めてまいりました。学級の規模を小さくすることによって、子どもの実態に即した柔軟な指導が可能になり、教職員と子どもの距離が縮まることで、不登校や生活相談に密に対応できるという利点があります。更には、教職員の負担を軽減することにもつながります。改めて、区として少人数学級の実施の考えがあるのか、見解を伺いまして、全ての質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 広川議員の御質問にお答えいたします。 まず最初に、くらしに寄り添う施策、均等割額の軽減特例の段階的な廃止についての御質問でございます。国の特例措置として均等割額の9割軽減及び8.5割軽減を受けている後期高齢者医療制度の被保険者数は、平成30年12月時点で1万3,289人でございます。 次に、自己負担割合の引き上げに対する国への要望についてです。後期高齢者医療制度の自己負担割合は、住民税課税標準額145万円未満の方は1割、145万円以上の方は原則3割負担となっております。国は団塊の世代が後期高齢者医療制度に加入することを見据え、制度の持続性、世代間・世代内の負担の公平性の観点から、自己負担割合の見直しを検討しているものでございます。区としては国の動向を注視していきたいと考えております。 次に、後期高齢者入院時負担軽減事業の拡充についての御質問です。中野区が独自に実施している後期高齢者入院時負担軽減事業は、被保険者のうち住民税非課税世帯の方が31日以上入院したときに、1年度につき2万円を支給するものでございます。支給額及び支給要件等について、現時点では拡充を予定はしておりませんが、対象者への周知等については効果的な方法を検討してまいります。 次に、国民健康保険の保険料の引き下げについてでございます。高齢化の進展等により、今後も医療費は増加することが見込まれており、国民健康保険制度の安定的な財政運営、被用者保険の加入者との負担の公平性の観点からも、赤字補填を目的とした一般会計からの法定外繰入金の削減を進めていく必要があると考えております。平成31年度の保険料率の算定に当たっては、一般会計からの繰入金を継続することで1人当たりの保険料の増を351円に抑えるとともに、均等割額を一部引き下げることで、約4割の被保険者の保険料は据え置きまたは引き下げとなる見込みでございます。区としては今後も被保険者の負担能力に応じた負担を求めるとともに、健康増進や医療費の適正化、収納率の向上を図ることで保険料の上昇を抑制していく考えでございます。 次に、多子世帯の均等割額の軽減についてでございます。国は所得金額や子どもの人数といった画一的な基準による減免は適当とは考えられないとの見解を示しております。また、被用者保険加入者との負担の公平性の観点からも、一般会計からの繰入金による多子世帯への支援は考えられません。多子世帯への支援については、特別区長会として国に対して要望しているところでございます。 次に、無料低額診療事業の制度活用及び周知についてでございます。無料低額診療事業については、当該事業の利用対象者からの相談に適切に対応できるよう、区の関連部署や社会福祉協議会と情報共有を図っております。ただし、無料低額診療事業の利用に当たっては、国民健康保険の一部負担金の減免制度の活用も考えられることから、制度の紹介や周知方法の工夫に努めてまいります。 次に、薬代の一部負担金の減免についてでございます。法の定める一部負担金の減免については、国の見解では、減免基準を画一的かつ限定することは適当ではないとされているので、無料低額診療事業適用者を対象とすることは考えておりません。区としては引き続き災害や失業による一時的な生活困窮など、被保険者の状況を個別に把握した上で、薬代を含め一部負担金の減額、免除を行っていく考えでございます。 次に、社会的障壁に対する施策展開について、同性婚に必要な法整備の議論を国に求めることについてでございます。区は中野区ユニバーサルデザイン推進条例に基づいて、多様な生き方、個性や価値観を受け入れることができる地域社会の実現を目指し、性的少数者への理解促進の取り組みを引き続き進めてまいります。区では、平成30年8月から中野区パートナーシップ宣誓及び宣誓書等受領証の交付を実施しております。この取り組みの検証などを行うとともに、区民の間での議論を注視したいと考えております。 次に、高齢者補聴器の購入費助成についてでございます。両耳の聴力は、大きな声が聞き取れるレベルの70デシベル以上などの場合には身体障害者手帳6級を取得することができ、医師が必要と認めれば補聴器の給付を受けることができます。過去3年間、難聴の方で補聴器の給付を受けた方は130人となっております。このため、現時点で高齢により聴力が低下した方に対して、補聴器の購入費助成を行うことは考えておりません。 次に、がん治療療養生活のためのウィッグ等の購入支援でございます。がん治療中の区民の療養生活を支援するためのウィッグ等の購入費用助成については、他自治体の助成制度を参考に今後研究してまいります。 次に、商店等へのバリアフリーの備品購入、工事費助成についてでございます。平成28年の障害者差別解消法の施行後、区では障害者差別に関する啓発事業の実施のほか、障害者差別解消審議会を設置し、合理的配慮についての意見や提案を受けるなどの取り組みを行っております。商店街活性化を目的とした中野区商店街チャレンジ戦略支援事業において、商店街を対象としたバリアフリーの取り組みについても補助対象としているところでございます。現在のところ、個々の商店に対する助成については考えておりませんが、合理的配慮の在り方について、区の商店街も含め広く啓発に努めてまいります。 最後に、心身障害者医療費助成の精神障害者への周知についてでございます。東京都の心身障害者医療費助成については、平成31年1月1日から精神障害者保健福祉手帳1級の方も対象となりました。東京都では、平成30年6月から対象者へ通知を発送しており、東京都広報、ホームページの掲載やポスター掲示のほか、医療機関への周知も行っているところでございます。区においては、昨年7月から区報やホームページにより周知を図っておりますが、今後予定されている中野区障害者福祉手当の支給にあわせ、医療費助成についても周知を図るなどの工夫をしてまいります。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私からは、教職員の過重労働についてお答えいたします。 文部科学省における学校における働き方改革特別部会の中央教育審議会答申及び公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインは、いずれも国が実施した教員の勤務実態調査の結果に基づいて教員の勤務環境の改善、更には、その先にある学校教育の質の向上を目指して働き方改革の方向性や目標を示したものでございます。この答申及びガイドラインは、1カ月の在校等時間の総時間から条例等で定められた勤務時間の総時間を減じた時間が、45時間を超えないようにすること、1年間の在校等時間の総時間から条例等で定められた勤務時間の総時間を減じた時間が、360時間を超えないようにすることなどを掲げております。教育委員会としましては、これらを踏まえ、実効性のある中野区立学校における働き方改革推進プランを策定し、教員の勤務環境の改善に努めてまいります。 次に、教員定数の抜本的改善についてお答えいたします。都は、これまで行ってきた教務主任、生活指導主任などの時数軽減に加えて、来年度から、申請があり認められた学校においては、中学校では新たに進路指導主任や学年主任、小学校では研究主任などの時数軽減を実施する予定でございます。一方、本区においては任期付短時間勤務教員などの配置を進めてきたところでございます。区費で教員を配置しても、都費の教員の持ち時間の上限は変わらないことから、教員定数については抜本的な制度改正が必要であると考えております。区としては、国や都に対し勤務実態を示し改善を働きかけてまいります。 続いて、少人数学級の実施についてお答えいたします。学級の規模を小さくすることについては、教員の業務軽減に一定程度の効果はあるととらえております。一方、授業や学級の取り組み、行事などによっては、一定規模の学習集団による指導が効果的な場合もございます。少人数での指導や学習指導が有効と考えられる小学校の算数、中学校の数学、英語については、申請に応じて都から加配された教員や本区独自の任期付短時間勤務教員を活用した習熟度別少人数指導が既に実施され、効果を上げているところでございます。学級の編制に関しましては、東京都の学級編制基準にのっとり進めているところでございますが、少人数学級の効果や課題については、今後も十分に検討するべきであると考えております。 ○議長(いでい良輔) 以上で広川まさのり議員の質問は終わります。 お諮りいたします。 議事の都合により本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(いでい良輔) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 次の会議は明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。 本日はこれをもって延会いたします。 午後5時34分延会
会議録署名員 議 長 いでい 良輔 議 員 北原 ともあき 議 員 伊東 しんじ
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