令和元年06月25日中野区議会本会議(第2回定例会)
令和元年06月25日中野区議会本会議(第2回定例会)の会議録

1.令和元年(2019年)6月25日、中野区議会議事堂において開会された。

1.出席議員(42名)

  1番  市  川  しんたろう       2番  竹  村  あきひろ

  3番  日  野  たかし         4番  渡  辺  たけし

  5番  間     ひとみ         6番  河  合  り  な

  7番  斉  藤  ゆ  り        8番  立  石  り  お

  9番  羽  鳥  だいすけ       10番  高  橋  かずちか

 11番  加  藤  たくま        12番  吉  田  康一郎

 13番  木  村  広  一       14番  甲  田  ゆり子

 15番  内  野  大三郎        16番  杉  山     司

 17番  ひやま      隆       18番  小宮山   たかし

 19番  い  さ  哲  郎       20番  小  杉  一  男

 21番  若  林  しげお        22番  内  川  和  久

 23番  いでい   良  輔       24番  小  林  ぜんいち

 25番  白  井  ひでふみ       26番  いながき  じゅん子

 27番  山  本  たかし        28番  中  村  延  子

 29番  石  坂  わたる        30番  近  藤  さえ子

 31番  浦  野  さとみ        32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  平  山  英  明       36番  南     かつひこ

 37番  久  保  り  か       38番  森     たかゆき

 39番  酒  井  たくや        40番  むとう   有  子

 41番  長  沢  和  彦       42番  来  住  和  行

1.欠席議員

      な  し

1.出席説明員

 中 野 区 長  酒 井 直 人      副  区  長  白 土   純

 副  区  長  横 山 克 人      教  育  長  入 野 貴美子

 企 画 部 長  高 橋 昭 彦      総 務 部 長  髙 橋 信 一

危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝 瀬 裕 之    区 民 部 長  青 山 敬一郎

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 戸 辺   眞    子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小 田 史 子

 地域支えあい推進部長 野 村 建 樹    地域包括ケア推進担当部長 藤 井 多希子

 健康福祉部長  朝 井 めぐみ      保 健 所 長  向 山 晴 子

 環 境 部 長  岩 浅 英 樹      都市基盤部長  豊 川 士 朗

 まちづくり推進部長 角   秀 行     中野駅周辺まちづくり担当部長 奈 良 浩 二

 企画部企画課長  杉 本 兼太郎      総務部総務課長  石 濱 良 行

1.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  吉 村 恒 治      事務局次長    小 堺   充

 議事調査担当係長 鳥 居   誠      書     記  立 川   衛

 書     記  若 見 元 彦      書     記  野 村 理 志

 書     記  井 田 裕 之      書     記  鎌 形 聡 美

 書     記  遠 藤 良 太      書     記  松 丸 晃 大

 書     記  髙 橋 万 里      書     記  山 口 大 輔

 書     記  有 明 健 人      書     記  五十嵐 一 生

 

 議事日程(令和元年(2019年)6月25日午後1時開議)

日程第1 第41号議案 令和元年度中野区一般会計補正予算

日程第2 第42号議案 元号を改める政令の施行に伴う関係条例の整備に関する条例

 

午後1時00分開会

○議長(高橋かずちか) ただいまから令和元年第2回中野区議会定例会を開会いたします。

 本日の会議を開きます。

 会議録署名員は会議規則第128条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。

 2番竹村あきひろ議員、40番むとう有子議員にお願いいたします。

 次に、会期についてお諮りします。本定例会の会期は、本日から7月11日までの17日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 この際、申し上げます。本定例会の会期中、略装を許します。

 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 この際、御紹介申し上げます。令和元年5月24日付で、本区監査委員に就任されました森たかゆき議員、小林ぜんいち議員を御紹介申し上げます。

 初めに、森たかゆき議員。

〔森たかゆき議員登壇〕

○38番(森たかゆき) ただいま御紹介をいただきました森たかゆきでございます。議会選出の監査委員という非常に重い役職に御選任をいただきました。その役割を全うできるように努めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

○議長(高橋かずちか) 次に、小林ぜんいち議員。

〔小林ぜんいち議員登壇〕

○24番(小林ぜんいち) ただいま御紹介いただきました小林ぜんいちでございます。議会選出の監査委員として、職責を全うしてまいりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

○議長(高橋かずちか) 以上で紹介を終わります。

 この際、申し上げます。平成31年4月1日付をもちまして、お手元の文書のとおり、本会議参与に人事異動がありましたので、御報告いたします。

 

本会議参与の人事異動

 

平成31年(2019年)4月1日

発 令

氏 名

企画部長

高橋 昭彦

子ども教育部副参事(統括副参事)(子ども教育経営担当、学校・地域連携担当)、教育委員会事務局副参事(統括副参事)(子ども教育経営担当、学校・地域連携担当)

総務部長

髙橋 信一

経営室長、

経営室新区役所整備担当部長

総務部危機管理担当部長、

総務部新区役所整備担当部長

滝瀬 裕之

 地域支えあい推進室副参事(統括副参事)(区民活動センター調整担当、地域包括ケア推進担当)

区民部長

青山 敬一郎

鷺宮すこやか福祉センター所長

子ども教育部

子ども家庭支援担当部長、

教育委員会事務局参事

(子ども家庭支援担当)

小田 史子

健康福祉部長

地域支えあい推進部長

野村 建樹

地域支えあい推進室長

地域支えあい推進部

地域包括ケア推進担当部長

藤井 多希子

地域支えあい推進室

地域包括ケア推進担当部長

健康福祉部長

朝井 めぐみ

政策室長

まちづくり推進部長

角 秀行

地域まちづくり推進部長

まちづくり推進部

中野駅周辺

まちづくり担当部長

奈良 浩二

都市政策推進室長

企画部企画課長(統括課長)

杉本 兼太郎

政策室副参事(統括副参事)(企画担当)

総務部総務課長(統括課長)

石濱 良行

経営室副参事(統括副参事)(経営担当)

 

○議長(高橋かずちか) それでは、新たに本会議参与に就任されました、高橋昭彦企画部長、滝瀬裕之危機管理担当部長、新区役所整備担当部長、青山敬一郎区民部長、藤井多希子地域包括ケア推進担当部長を御紹介申し上げます。

 初めに、高橋昭彦企画部長。

〔企画部長高橋昭彦登壇〕

○企画部長(高橋昭彦) ただいま御紹介いただきました企画部長の高橋でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○議長(高橋かずちか) 次に、滝瀬裕之危機管理担当部長、新区役所整備担当部長。

〔危機管理担当部長、新区役所整備担当部長滝瀬裕之登壇〕

○危機管理担当部長、新区役所整備担当部長(滝瀬裕之) ただいま御紹介いただきました危機管理担当部長、新区役所整備担当部長の滝瀬でございます。よろしくお願いいたします。

○議長(高橋かずちか) 次に、青山敬一郎区民部長。

〔区民部長青山敬一郎登壇〕

○区民部長(青山敬一郎) ただいま御紹介いただきました区民部長の青山でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○議長(高橋かずちか) 次に、藤井多希子地域包括ケア推進担当部長。

〔地域包括ケア推進担当部長藤井多希子登壇〕

○地域包括ケア推進担当部長(藤井多希子) ただいま御紹介いただきました地域包括ケア推進担当部長の藤井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○議長(高橋かずちか) 以上で紹介を終わります。

 この際、区長から第23期中野区議会の冒頭に当たり、行政報告を行いたい旨の申し出がありますので、これを許します。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 第23期中野区議会の最初の定例会の冒頭に、発言の機会をいただきましたことに深く感謝申し上げます。また、区民の皆さんの信託を受け、新たに区民の代表となられた議員の皆様に対し、御当選を心よりお祝い申し上げます。

 初めに、先月1日、新天皇陛下が御即位され、元号が平成から令和に変わりました。天皇陛下の御即位を謹んでお祝い申し上げます。

 令和次代の幕開けに、皆様とともに対話の力を生かす区政を推進し、より一層、笑顔や活力のあふれる中野のまちをつくり出し、子どもや孫の世代に引き継いでいけるよう歩みを進めてまいりたいと考えております。

 振り返れば、平成の時代には、阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨など、たび重なる自然災害に見舞われました。犠牲になられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆様にお見舞い申し上げます。

 被災された皆さんは、深い悲しみを抱えながらも、手を携えて幾多の困難を乗り越え、今も復興に向けた努力を重ねていらっしゃいます。区として、現在も被災地に職員を派遣するなど、復興に向けてともに歩む姿勢で臨んでおり、大きな犠牲のもとに得られた教訓を区の防災対策に生かし、いつ起こってもおかしくない首都直下地震に備えていかなければならないと考えております。

 平成時代の経済状況を象徴する最大のキーワードは、バブル崩壊とグローバル化だったと思います。平成の時代、日本経済は再生に向かい、苦しみを続けました。たび重なる海外発の経済危機が日本経済の重い足かせとなり、区の財政も非常に厳しい状況に陥りました。どうにか立て直しを図ることはできましたが、今後も財政危機を二度と招くことのないよう「身の丈」に合った財政運営を堅持しつつ、積極的な行政運営に努めていかなければなりません。

 社会環境も大きな転換点を迎えました。日本は、平成17年に戦後初めて人口が前年を下回り、高齢者が人口の2割を突破するなど、本格的な超少子高齢化時代を迎えました。長期的な地域の変化を見据えた施策の展開、公共施設のあり方等について展望を持ち、具体策を講じていく必要があります。

 このように平成の時代は、まさに課題が山積した状況でしたが、区においては、区民、議会、区がともに英知を結集し、痛みに耐えながら改革・改善を進め、乗り越えてまいりました。そして、「令和」の時代となった今、私たちはこれまで苦難を乗り越えてきたことで得た教訓を十分に生かしつつ、あらゆる困難に勇気を持って立ち向かい、未来を切り開かなければなりません。執行機関として、適時適切な情報提供と十分な説明に努めながら区政を進めてまいります。議会におかれましては、公正な御審議をいただき、区民のよりよい暮らしと未来のため、緊張感を保ちながらも、相互理解や御協力を賜りますようお願いいたします。

 先月、内閣府が発表した景気動向指数から見た国内景気の基調判断は、6年2カ月ぶりに悪化とされました。政府は、月例経済報告において、「緩やかに回復している」と判断しているものの、米中貿易協議の長期化が世界経済や金融資本市場の変動に与える影響のほか、消費税率の引き上げに伴う影響にも注視する必要があるなど、日本経済の先行きは不透明です。

 また、国・地方の債務残高がふえ続ける中、中野区にも超少子高齢化の波は確実に押し寄せてきています。そうした新しい時代にも発展を続けていくためには、女性や高齢者、障害のある方、これまで就労の機会に恵まれなかった若者など、全ての人がそれぞれに持てる能力を十分に発揮できるようにし、地域社会を活性化していかなければなりません。

 本日は、中野区が将来にわたって魅力ある自治体であり続けるために、現在の区政を取り巻く課題に対する主な取り組みについて、私の考えの一端を申し述べ、新たな任期を迎えた議員各位並びに区民の皆さんの御理解と御協力を賜りたいと考えております。

 次に、新しい基本構想と基本計画の策定についてであります。

 現在の基本構想は、平成17年に制定して以来、14年が経過しております。途中に二度の改定がありましたが、この間、超少子高齢化やグローバル化の進展、ICTの急速な進歩、外国人住民や訪日外国人の増加など、社会経済状況は加速度的に変化を遂げており、区民生活や価値観もさらに多様化しております。こうした状況を鑑み、再度、広範な区民参加による議論を経て、区民の皆さんとの協働により、新しい時代に即した、新たな価値や活動を生み出していくための基本構想に改定していく必要があると考えております。

 基本構想の改定に当たっては、この4月に学識経験者と区民の皆さんによる中野区基本構想審議会を設置いたしました。広く区民の声を反映するという改定の趣旨から、公募区民、団体推薦、学識経験者による39人の委員から構成されています。審議会では、全体会のほか、「自治・共生・活力」「子育て・教育」「健康・医療・福祉」「都市・防災・環境」、これらの4部会を設置して、基本構想に盛り込むべき内容について、総合的、専門的な見地や、それぞれの区民の皆さんの視点から調査審議していただいております。

 また、新たな取り組みとして、無作為抽出により選ばれた区民によるワークショップ、郵送とホームページでのアンケートを実施したほか、基本構想をテーマとしたタウンミーティングを実施するなど、多くの区民の皆さんの声を聞くことができるように努めているところであります。さらに、将来の中野区政を担う職員の育成を目的として、新しい基本構想を考える職員のプロジェクトチームも設置しております。

 新しい基本構想では、区民の皆さんが多様な生き方や個性、文化、価値観を互いに受け入れ、協働しながら、ともに築いていく中野のまちの実現を目指し、区民の皆さんが親しみや共感を持つことができる基本構想として、おおむね10年後に目指すべき区の将来像を描いてまいりたいと考えております。

 また、基本構想で描くまちの姿を実現するための総合計画として、基本計画を策定いたします。新しい基本計画は、計画期間を5年間とし、社会経済状況の変化が激しい近年において、区の現状や今後の見通しについてしっかりと分析しながら、より実現性を高める計画として策定してまいります。

 新しい基本構想や基本計画の策定に当たっては、エビデンスに基づく政策形成の観点から十分な議論を行い、広範な区民参加、積極的な情報公開、職員意見の集約・反映、実現性のある計画づくりを基本として進めてまいります。検討の過程では、区議会にも適宜報告を行い、十分な御議論をお願いしたいと考えております。

 次に、子育て先進区実現に向けた取り組みについてです。

 私は、区長就任以来、区政運営の柱として「中野区を子育て先進区へ」という目標を掲げてまいりました。私の考える「子育て先進区」とは、子育てをする上で良好な環境が整っており、区内で子育てをしている人の満足度の高いまちです。それとともに、そうした環境が区内外に広く認識され、多くの子育て家庭から選ばれるまちであります。

 これを実現させるためには、これまでも力を入れて取り組んできた教育・保育、子育て支援等の取り組みのほか、住宅、商店街、公園などの子育てしやすい環境を充実させるという視点から、全庁を挙げた検討を行い、最先端かつ独自性のある取り組みを生み出していくことが必要です。また、こうした取り組みの効果を最大限に高めるために、「子育てしやすいまち」としてのイメージを積極的、効果的に情報発信していくことも重要だと考えております。

 今後、区の子育て環境や子ども・子育て家庭の生活実態を把握するための調査を実施するとともに、子育て家庭の生の声を伺っていきたいと思います。これらを踏まえて、子育て先進区を戦略的に実現していくための方策の検討を進めてまいります。

 「子育て先進区」に向けた取り組みによって、出生率の向上や子育て家庭の転入・定着による年少人口の増加、将来の人口減少の緩和など、活力あふれるまちを実現いたします。それとともに、区内で良質な子育てを経験することによる区民のシビックプライドの醸成、子育てしやすいまちとしての区のイメージの向上を目指してまいります。

 さらに、教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策に係る基本的理念である教育大綱についても、新たな基本構想を踏まえつつ、今後、総合教育会議の場で教育委員会と十分に協議、調整を行った上でまとめていきたいと考えております。また、それと並行して、これまでも区民、区議会から多く要望が寄せられている取り組みのうち、早期に実現可能な取り組みについては、先行的に着手することを検討してまいります。

 次に、地域包括ケアシステムの推進についてです。

 団塊の世代が後期高齢者の年齢層に到達する2025年以降、これまで国を支えてきた人たちが給付を受ける側に回るため、社会保障費の増大や、それに伴うさまざまな課題にどう取り組んでいくかが大きな問題となることが指摘されております。今後、ますます高齢化が進み、ひとり暮らしの高齢者や認知症の方への対応、また、介護の担い手をはじめとした労働力不足など、課題が山積してくる中にあって、住みなれた地域で安心して、安全に暮らし続けられるよう、地域社会全体がどのように取り組み、支え合っていくのかが喫緊の課題となっております。

 区では、平成29年に「中野区地域包括ケアシステム推進プラン」を策定し、主に高齢者向けの取り組みを推進してまいりました。今後は、このプランの見直しを行い、子育て世帯や障害者などをはじめとする全ての支援を必要とする人に対象を拡大してまいります。

 地域包括ケアシステムにおいては、サービスの「支え手側」と「受け手側」に分かれるのではなく、地域住民がそれぞれの役割を持ち、支えたり支えられたりしながら、自分らしく活躍できる地域コミュニティを活性化し、公的な福祉サービスと協働して助け合いながら暮らすことのできる「地域共生社会」、これを実現していくことが重要だと考えております。

 中野区は都心に位置し、人口の密集度や医療機関・介護事業所等の集積度の高さ、鉄道やバスなど利用可能な公共交通の選択肢の多さを持つ反面、狭隘道路における車両による移動の難しさなど、中野区固有の地域事情があり、こうした特性を踏まえた都市型の地域包括ケアシステムのモデル構築が必要です。区においては、ひとり暮らしの世帯への支援が大きな課題です。今後も、その割合が増加することが見込まれておりますが、これは高齢者だけではなく、障害者、また、若者・中高年など、地域全体にかかわってまいります。

 これらの特徴を踏まえながら、医療・介護・福祉、子育てなど専門職・専門機関との連携による質の高いサービスの提供の確保、それから自立支援などのサービスの充実を図っていくことや、町会・自治会、友愛クラブ、民生・児童委員、子育て支援団体等による見守り、支えあい活動の推進など、区民と行政、専門職・専門機関等との協働による包括的な支援体制づくりが求められています。

 今後の子ども・子育て支援の大きな取り組みとして、子ども期から若者期の支援を総合的に支援するため、児童相談所機能を含む(仮称)総合子どもセンターを整備します。センターの整備をきっかけとして、子ども、家庭を地域ぐるみで支えることができるよう環境づくりを進めていくことが重要だと考えています。また、地域全体で子ども・子育てを支える土台として、地域での子育て、育成活動の活性化に加え、子育て世代の交流を促進し、新たな子育て風土を醸成していきます。

 障害者においては、これまでの区政の中で、障害者団体の方々とも丁寧に関係性を築き、必要なサービスの構築などに努めてきておりますが、さらに、当事者の社会参加の促進、家族支援の充実といった視点に立った地域づくりが大切だと考えています。東京2020パラリンピックの開催もきっかけとして、ユニバーサルデザインの推進、特に心(ハート)のバリアフリーを進める視点を浸透させていきたいと考えています。

 社会問題となっているひきこもりや、所得の低い世帯への対応などの課題を地域とともに考え、課題の解決に向けた活動へとつなげ、広げていくことが大切であり、そのコーディネートの役割を区と社会福祉協議会が連携して、しっかりと果たすべきだと考えております。中野区の特性を踏まえた都市型の地域包括ケアシステムの構築によって、中野のまち全体で取り組む、誰もが快適に暮らすことのできる地域づくりの実現を着実に進めていきたいと考えております。

 次に、災害に強いまちづくりと地域防災力の向上についてです。

 首都直下地震の切迫性が高まる中、災害や危機的な事態などへの備えにもスピード感を持って取り組んでまいります。中野区は、住宅都市として発展してきたことから、高度経済成長に伴う人口の急増と急激な宅地化によって、過密な市街地を形成しております。区内には、狭隘な道路が多く、都市基盤が未整備なまま木造住宅等が密集する防災上危険な地域が多く存在しており、区民生活の安全確保のため、早急に震災時の防災対策を進めていく必要があります。

 災害から区民の生命・財産を守るため、木造住宅密集地域において、避難道路の整備や建物の不燃化等を促進するとともに、大規模公園等を中心とする広域避難場所周辺の安全性の向上や無電柱化の推進など、防災性の向上を図ってまいります。特に危険度が高く、重点的・集中的に改善を図る地域においては、東京都の不燃化特区制度の活用などによる集中的な取り組みを引き続き進めるとともに、今後、重点的な取り組みを必要とする地区においても、住民の合意形成を図りながら計画的に防災まちづくりを推進いたします。さらに、区内のブロック塀の状況調査を行い、危険なブロック塀等の安全指導を行ってまいります。

 また、障害者、高齢者、子育て世帯など、災害時の避難などに支援を必要とする人たちが安心して暮らせるよう、地域住民一人ひとりや地域コミュニティが主体的に防災活動に取り組めるよう地域防災力を高めていかなければなりません。今後とも防災会や医療、福祉、区内事業者等との連携強化に努めてまいります。

 次に、文化芸術の振興についてです。

 まちづくりにおいて、文化芸術も重要な視点であります。文化芸術は、老若男女を問わず、心の豊さや創造性を育むものであるとともに、多くの人を引きつける魅力を持っています。また、文化芸術の振興は、人と人とのつながりを強め、まちの魅力を高める上でも大きな効果を期待できることから、豊かな地域コミュニティの形成や国際交流の促進、地域経済の活性化など、活力ある地域社会を築いていく上で重要な地域資源となります。

 区内では、幅広い区民・団体の皆さんが、音楽演奏、絵画、アール・ブリュットなどの芸術活動や、能楽、江古田獅子舞、鷺宮囃子、伝統工芸などの地域で培われてきた文化芸術活動に携わり、積極的な創作活動が行われるとともに、鑑賞した人々に多くの感動を与えております。今後、文化芸術における基本方針を定めるに当たって、区民や区内の文化芸術団体等の活動実態や文化芸術施策に対するニーズ等を把握するための調査を行います。

 街中のどこでも気軽に文化芸術を鑑賞し、区民の皆さんがそれぞれのライフスタイルに応じて、自由に文化芸術活動に参加できる環境を目指してまいります。多様なつながりや新たな文化芸術を生み出すことで、区民のシビックプライドを醸成し、活力ある地域社会を築いてまいりたいと考えております。

 次に、ICT活用促進とオープンデータ推進についてです。

 2040年は、団塊ジュニア世代が高齢期に達し、都市部を中心とした高齢者人口の増加や全都道府県での生産年齢人口の継続的な減少などが懸念されており、中野区を含む都市部も例外ではありません。国は、人口減少が深刻化し、高齢者人口がピークを迎える2040年ごろから逆算し、顕在化する諸課題に対応する観点からの調査審議を進めています。

 生産年齢人口の減少に伴う労働力不足を補い、限られた労働力でより多くの付加価値を見出すため、AIなどのICTの活用が急速に広がっています。全国の各自治体においても、住民からの問い合わせへの自動応答サービスや保育施設の利用調整といった職員業務支援など、活用の方途が広がりを見せており、本格導入に向けた動きが活発になっています。区においても、こうしたICTを積極的に活用し、今年度から議事録作成や定型業務の自動化を進めております。業務の効率化に取り組むことで、行政運営コストの低減を図るとともに、職員が積極的に地域に飛び出していけるよう環境を整えてまいります。

 また、区の保有するデータをオープンデータ化し、行政の透明性や信頼性を向上させるほか、多くの区民や事業者の力も得ながら新しい事業やサービスを創出し、区民活動及び地域経済のさらなる活性化などにつなげてまいりたいと考えております。今年度は、区がデータの公開及び活用に取り組む上での基本指針を作成するとともに、区のオープンデータ化を推進し、オープンデータを活用した地域課題の解決に向けた機運を高めてまいります。

 次に、環境保全の推進についてです。

 区の環境保全を総合的に推進するため、環境基本計画の改定に取り組んでまいります。区の環境基本計画については、計画の具体的施策を定めたアクションプログラムの期間が令和2年度までとなっていることに加え、国は地球温暖化対策の国際的枠組みを定めた「パリ協定」に基づき、温室効果ガス排出削減対策と気候変動適応策を並行して進めていくこととしています。このため、区として推進すべき環境施策を充実し、一層の推進を図るため、環境基本計画を改定いたします。

 次に、東京2020オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みについてです。

 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会については、観戦チケットの抽せん申し込みが開始され、ことし4月には、夢の島公園アーチェリー場がオープンするなど、競技会場が整備され、大会開催に向けた準備が進んでおります。中野区においても、現在建設中の(仮称)中野区立総合体育館が卓球の公式練習会場となり、大会に出場する世界各国の選手の練習が行われます。昨年は、区民による実行委員会を設立し、500日前カウントダウンイベントやオリンピアン・パラリンピアンを招聘した競技種目体験イベントなどのオリンピック・パラリンピック推進事業を実施しました。また、中学校競技力向上事業など、トップアスリートとともにスポーツを楽しむことができる事業を行いました。また、区内各地域においても、東京2020参画プログラムの認証事業として、さまざまな関連事業を行っていただいたり、多くの区民の皆さんに都市ボランティアとして応募していただくなど、大会開催に向けた気運を盛り上げていただいております。

 今年度も、オリンピック・パラリンピック推進事業として、100日前カウントダウンイベントやまちをフラッグなどで装飾するシティドレッシングなど、大会開催に向けた数々の事業を実施いたします。また、大会開催中に実施する競技観戦イベントの調整や検討なども行っています。この大会をきっかけとして、区民の皆さんの国際理解や障害者理解、スポーツ・健康づくりの気運を醸成し、誰もが暮らしやすい地域社会をつくってまいりたいと考えております。大会開催を契機とした来街者数の増加に対応し、区民及び来街者が区内を円滑に移動できるよう、引き続き環境整備を進めてまいります。

 今後の日本社会は、人口減少がさらに進み、多様化する区民ニーズに行政だけで十分に対応することは困難になります。今後は、区民の皆様にも地域活動に積極的にかかわっていただき、行政に不足する専門性などは、事業者や専門家に補完していただきながら区政運営を進める「自治体3.0」、これを目指していくことが大変重要になってくると考えております。行政は、行政でしかできないことや、行政がやるべきことにスピード感を持ち、質の高い行政サービスを提供できるよう全力で取り組みます。

 職員には、課題を見きわめた上で、区役所の外に飛び出して、区とともに汗をかいていただく協働・協創の担い手を探し出し、コーディネートしていく力が求められます。その上で、多様な主体との協働などの積み重ねにより、区民や関係団体の皆さんと区との間に揺るぎない信頼関係が築かれるとともに、地域全体の活力が増していくものと考えております。

 昨年実施した区民意識・実態調査では、中野区に愛着を感じている区民の割合は83.3%でした。区民の皆さんのシビックプライドを醸成し、今を生きる私たちだけでなく、将来にわたってこのまちで暮らす人々が、中野で暮らしてよかったと思っていただけるよう、自らが先頭に立って、全力を尽くしてまいります。

 以上、区議会議員各位におかれましては、区政運営に御理解をいただき、それぞれのお立場から区政の前進に御協力賜りますようお願い申し上げ、結びとさせていただきます。

○議長(高橋かずちか) 以上で第23期中野区議会の冒頭における区長の行政報告を終わります。

 次に、一般質問の時期の変更についてお諮りいたします。一般質問は、議事に先立って行うことになっておりますが、別な時期に変更し、質問を許可いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう進行いたします。

 これより日程に入ります。

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 第41号議案 令和元年度中野区一般会計補正予算

 

○議長(高橋かずちか) 日程第1、第41号議案、令和元年度中野区一般会計補正予算を上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長白土純登壇〕

○副区長(白土純) ただいま上程されました第41号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。

 第41号議案、令和元年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ7億3,062万円を追加計上するものです。これにより、既定予算との合計額は1,531億8,848万7,000円となります。

 初めに、この補正の歳出予算の内容を説明いたします。

 まず、産業観光費ですが、プレミアム付商品券発行事務費及び発行事業に係る補助金を増額するための経費4億7,598万6,000円を追加計上するものです。

 次に、保育園・幼稚園費ですが、幼児教育無償化に伴う私立幼稚園等補助金システム及び子ども・子育て支援システムの改修に係る委託料を増額するための経費4,946万6,000円を追加計上するものです。

 次に、子ども教育施設費ですが、平和の森小学校仮校庭用地の借用期間の延長に伴い、土地使用料を増額するための経費1,072万5,000円を追加計上するものです。

 次に、子育て支援費ですが、婚姻歴がない児童扶養手当受給者に対する補助金を増額するための経費350万5,000円を追加計上するものです。

 次に、公園緑地費ですが、広町みらい公園整備工事費及び平和の森公園再整備工事費等を増額するための経費1億9,093万8,000円を追加計上するものです。

 この補正の歳入予算といたしましては、国庫支出金5億2,184万円及び繰入金2億878万円を追加計上するものです。

 次に、繰越明許費について説明いたします。

 これは、今年度内にその支出が終わらない見込みであるプレミアム付商品券事業2,846万7,000円、中野第一小学校電気設備等工事1億3,140万円について、翌年度に繰り越しを行うため計上するものです。

 以上、本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願いいたします。

○議長(高橋かずちか) 本件について、御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御質疑がなければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。

 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は、6月27日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

午後1時32分延会

 

会議録署名員 議 長 高橋 かずちか

議 員 竹村 あきひろ

       議 員 むとう 有子