令和元年06月27日中野区議会本会議(第2回定例会)の会議録 1.令和元年(2019年)6月27日、中野区議会議事堂において開会された。 1.出席議員(42名) 1番 市 川 しんたろう 2番 竹 村 あきひろ 3番 日 野 たかし 4番 渡 辺 たけし 5番 間 ひとみ 6番 河 合 り な 7番 斉 藤 ゆ り 8番 立 石 り お 9番 羽 鳥 だいすけ 10番 高 橋 かずちか 11番 加 藤 たくま 12番 吉 田 康一郎 13番 木 村 広 一 14番 甲 田 ゆり子 15番 内 野 大三郎 16番 杉 山 司 17番 ひやま 隆 18番 小宮山 たかし 19番 い さ 哲 郎 20番 小 杉 一 男 21番 若 林 しげお 22番 内 川 和 久 23番 いでい 良 輔 24番 小 林 ぜんいち 25番 白 井 ひでふみ 26番 いながき じゅん子 27番 山 本 たかし 28番 中 村 延 子 29番 石 坂 わたる 30番 近 藤 さえ子 31番 浦 野 さとみ 32番 大 内 しんご 33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき 35番 平 山 英 明 36番 南 かつひこ 37番 久 保 り か 38番 森 たかゆき 39番 酒 井 たくや 40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行 1.欠席議員 な し 1.出席説明員 中 野 区 長 酒 井 直 人 副 区 長 白 土 純 副 区 長 横 山 克 人 教 育 長 入 野 貴美子 企 画 部 長 高 橋 昭 彦 総 務 部 長 髙 橋 信 一 危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝 瀬 裕 之 区 民 部 長 青 山 敬一郎 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 戸 辺 眞 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小 田 史 子 地域支えあい推進部長 野 村 建 樹 地域包括ケア推進担当部長 藤 井 多希子 健康福祉部長 朝 井 めぐみ 保 健 所 長 向 山 晴 子 環 境 部 長 岩 浅 英 樹 都市基盤部長 豊 川 士 朗 まちづくり推進部長 角 秀 行 中野駅周辺まちづくり担当部長 奈 良 浩 二 企画部企画課長 杉 本 兼太郎 総務部総務課長 石 濱 良 行 1.本会の書記は下記のとおりである。 事 務 局 長 吉 村 恒 治 事務局次長 小 堺 充 議事調査担当係長 鳥 居 誠 書 記 立 川 衛 書 記 若 見 元 彦 書 記 野 村 理 志 書 記 井 田 裕 之 書 記 鎌 形 聡 美 書 記 遠 藤 良 太 書 記 松 丸 晃 大 書 記 髙 橋 万 里 書 記 山 口 大 輔 書 記 有 明 健 人 書 記 五十嵐 一 生
議事日程(令和元年(2019年)6月27日午後1時開議) 日程第1 第42号議案 元号を改める政令の施行に伴う関係条例の整備に関する条例 追加議事日程 日程第2 同意第4号 中野区監査委員選任の同意について
午後1時00分開会 ○議長(高橋かずちか) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。 この際、御紹介申し上げます。平成31年3月28日付で、本区教育委員会委員に就任されました伊藤亜矢子さんを御紹介申し上げます。 〔教育委員会委員伊藤亜矢子登壇〕 ○教育委員会委員(伊藤亜矢子) このたび教育委員を拝命いたしました伊藤と申します。 臨床心理士、公認心理師でして、普段は大学で教えております。教育の課題は地域によって違いますが、中野区は非常に多様な人とのかかわりや多様な刺激を子どもたちは受けることができて、とてもそのことがメリットだなというふうに思っております。中野区出身であることや、スクールカウンセラーとしての経験を生かしまして、大変微力でございますけれども、子どもたちのために力を尽くしていきたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。 ○議長(高橋かずちか) 以上で紹介を終わります。 この際、本日の日程を追加し、日程第2、同意第4号、中野区監査委員選任の同意についてを先議するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。 ────────────────────────────── 同意第4号 中野区監査委員選任の同意について
○議長(高橋かずちか) 日程第2、同意第4号、中野区監査委員選任の同意についてを上程いたします。 区長の説明を求めます。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) ただいま上程されました同意第4号、中野区監査委員選任の同意につきまして御説明申し上げます。 この同意案は、識見を有する者のうちから選任されております竹内沖司監査委員が、本月30日をもって任期満了となりますので、その後任者として、髙橋信一さんを選任いたしたく、地方自治法第196条第1項の規定により議会の同意をお願いするものです。 髙橋さんは、昭和58年に中野区に入区され、これまでの間、区民部産業振興課長、区民生活部産業振興担当課長、区議会事務局次長、政策室特命担当課長兼基本計画担当課長、政策室基本計画担当副参事、子ども家庭部経営担当、地域子ども家庭支援担当、及び男女平等担当副参事、経営室経営担当統括副参事、子ども教育部長及び教育委員会事務局次長、政策室長、経営室長及び経営室新区役所整備担当部長を歴任され、本年から総務部長を務めております。 このように、髙橋さんは、清廉な人柄と豊富な行政経験を通じて培われたすぐれた識見を備えられており、監査委員として適任であることから、この際、本区の監査委員として御尽力いただきたいと考えた次第でございます。 なお、本同意案に係る監査委員について選任の同意が得られましたときは、常勤の監査委員として選任する予定でございます。 本件につきまして、何とぞ御同意くださいますようお願い申し上げます。 ○議長(高橋かずちか) 本件については、質疑、委員会付託、討論を省略し、直ちに採決いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、これより採決いたします。 上程中の同意第4号に同意するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、同意第4号はこれに同意するに決しました。 この際、お手元の一般質問一覧表のとおり、大内しんご議員、酒井たくや議員、白井ひでふみ議員、浦野さとみ議員、渡辺たけし議員、吉田康一郎議員、内川和久議員、ひやま隆議員、甲田ゆり子議員、長沢和彦議員、内野大三郎議員、竹村あきひろ議員、加藤たくま議員、斉藤ゆり議員、南かつひこ議員、伊藤正信議員、中村延子議員、むとう有子議員、近藤さえ子議員、いながきじゅん子議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員、立石りお議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。
中野区議会議員 大 内 しんご 1 中野区新庁舎整備について 2 幼児教育無償化について 3 2019東北復興大祭典なかのについて 4 その他
○議長(高橋かずちか) 最初に、大内しんご議員。 〔[1]大内しんご議員登壇 〕 ○32番(大内しんご) 令和元年6月27日、中野区議会第2回定例会におきまして、自由民主党議員団を代表し一般質問をいたします。 改選後初めての定例会でもありますので、一言御挨拶を申し上げます。 4月に行われました中野区議会議員選挙に際し、私ども自由民主党公認候補に2万7,200票余り、全体の25%以上の得票をいただきましたこと、心より感謝を申し上げます。 自由民主党が、国政において政権奪還以来の6年間で、日本経済は約10%以上成長し、国・地方の税収は28兆円増加しました。中野区においてもこの期間で、特別区民税がトータルで約170億円の増加になりました。経済成長の果実をしっかりと分配することで、次なる成長につなげていきます。今後も、経済の好循環を実現させるため、アベノミクスをさらに進化させていかなければなりません。 現在、少子高齢化という壁に立ち向かい、人生100年時代にあって、現役世代や高齢者が安心して暮らせる「全世代型社会保障」への転換を目指してまいります。 人づくり革命を着実に推進するために、本年10月からの消費税率引き上げの増収分を活用し、3歳から5歳までの全ての子どもと、住民税非課税世帯の0歳から2歳の子どもを対象に、幼稚園や保育所などを無償化します。もちろん「待機児童ゼロ」の目標に向けて、引き続き全力で取り組んでまいります。 来年4月からは、公立高校だけでなく、私立高校も実質無償化を実現し、真に必要な子どもたちの高等教育、大学も含め無償化し、生活費をカバーするために十分な給付型奨学金を支給します。 さらに、高齢者の皆さんが安心して暮らせる社会保障として、10月から、収入の少ない年金生活者の皆さんに、年間最大6万円の福祉給付金を支給します。さらに、介護保険料の負担を3分の2に減額をし、認知症基本法案を策定し、認知症の方が尊厳を保持しつつ安心して暮らせる社会の実現を目指してまいります。 本年は、歴史的な皇位継承が行われ、新元号、令和がスタートし、新しい時代が幕をあけました。お年寄りはもちろん、子どもたち、子育て世代、現役世代までの全ての世代が安心できる社会、そして誰もが参加し、輝くことができる社会を目指してまいります。 中野区においては、新しい時代に対応すべく、現在、中野区基本構想策定に向け準備をしています。中野区の未来に向け、夢のある、希望が持てる、そして次の世代に責任ある政策の実現に向けた中身ある政策の策定を期待しております。 区長は、このたびの行政報告の中で、新しい基本構想と基本計画の策定や子育て先進区実現に向けた取り組み、地域包括ケアシステムの推進、災害に強いまちづくりと地域防災力の向上など、中野区が将来にわたって魅力ある自治体であり続けるために、現在の区政を取り巻く課題に対する主な取り組みについての考え方を述べておりますが、区政は今、現在でも待ったなしで喫緊の課題に早急に対応しなければならない状況にあると思います。その点については、昨年、就任から2020年の基本構想・基本計画策定までの期間においても円滑に区政運営を行うために、「中野区の新たな区政運営方針」をことしの1月に策定したことから、区長は十分に認識していると思います。 この区政運営方針は、「区政運営における基本的な考え方」と区が行う施策を年度ごとに示した「基本計画策定までの間に再検討を進める主な施策」となっております。具体的には、2020年までに、すこやか福祉センターの配置のあり方、地域包括支援センター・障害者相談支援事業所の配置決定、地域の子育て支援拠点の充実としての児童館施設等の配置計画、区立保育園・区立幼稚園の配置計画の策定、そして中野駅新北口駅前エリア再整備計画の策定など、将来の中野区の施策の基本的方針を示すものが喫緊の課題として記載されております。現状、2018年、2019年の現在まで、事業の検討、計画の策定は予定どおり進んでいるのか、なかなか疑問に思っております。2020年までの限られた期間の中での課題整理、検討、計画策定には職員のマンパワーはもとより、区長のさらなるリーダーシップや議会との車の両輪のごとく連携が必要不可欠と考えております。 区長は、「執行機関として、適時適切な情報提供と十分な説明に努めながら区政を進めてまいります。議会におかれましては、公正な御審議をいただき、区民のよりよい暮らしと未来のため、緊張感を保ちながらも、相互理解や御協力を賜りますようお願い致します。」と、行政報告の中で述べております。今後、より一層こういった姿勢でもって区政を進めていかれることを期待しております。 それでは質問に移らせていただきます。 1点目に、中野区新庁舎整備について、2点目に、幼児教育無償化について、3点目に、2019東北復興大祭典なかのについての3点、その他で1点、西武新宿線の野方以西のまちづくりについて質問をさせていただきます。 初めに、中野区新庁舎整備に関連した内容についてお聞きをいたします。 現庁舎は、竣工から50年が経過し、施設や設備の老朽化が進んでいます。庁舎は災害時における行政の災害応急活動の中心として、災害対策本部としての機能を十分に発揮していく必要があります。現庁舎は平成25年度に耐震補強工事を実施しており、構造耐震指標であるIs値は0.75となり、一般的に言えば、倒壊する可能性の低い建物となっています。しかしながら、国土交通省の技術基準の中では、「災害応急活動に必要な施設庁舎」としての耐震構造指標Is値が0.9以上の耐震性が求められており、これは現庁舎では通常の耐震補強では実現できる状況にないと、そういったことから建てかえ更新の時期を迎えているものと認識しております。 また、現庁舎には、区民が集い、活動するスペースが十分に備わっていないことから、区民に開かれ、区民が主体となって活動できる機能を備えた、これから始まる令和の時代にふさわしい新庁舎の整備が必要であると考えております。新庁舎が、長く区政の中心として区民の皆さんに愛され、使い勝手よく、利便性の高い施設となるよう、しっかりと検討、準備を進めていかなければなりません。 新庁舎整備については、平成28年12月に「新しい区役所整備基本計画」が策定され、平成29年3月の第1回定例会において、「中野区役所の位置の変更に関する条例」が議決、制定され、現在の中野体育館の位置に新庁舎が整備されることとなっております。 その後、平成31年第1回定例会において、「新庁舎整備基本設計」の策定報告がありました。同定例会では、新庁舎整備事業における予算の審議が行われましたが、予算特別委員会において、「新区役所整備については、今後の資金調達も含む財源を議会に示し、理解を得た上で執行を行われたい」との附帯意見が付されました。それに関連した新庁舎整備の進捗状況について、幾つかお聞きをいたします。 さきの第1回定例会において、新庁舎建設に必要となる整備費については、一時的な財政負担に対し高額な起債の活用及び財政調整基金で対応するとされており、中野駅新北口駅前エリア再整備事業の事業スキームに基づき、区の資産を有効活用して財源対策を行うとの報告がありました。 新庁舎の整備については、さきの第1回定例会において、実施設計費、現中野体育館の解体経費、建設工事費を含め総額約280億円余りが概算経費となる旨説明があり、そのうち、合築となる東京都第三建設事務所負担分を除く中野区負担分は、現段階の試算では約254億円とされています。新庁舎整備費を賄うための財源については、現区役所、サンプラザなどの区有施設の資産活用により生み出すとされ、これまでの議会への報告資料によりますと、現区役所の従前評価額は175億円、現サンプラザの従前評価額は275億円とされております。従前評価額については、その後も地価等の変動により変わっていくものと認識していますが、そこから借入金の償還分が約44億円、税金などの経費、仮に権利の一部を区が取得した場合にかかる経費を見込んだ上で、新庁舎整備に係る財源確保の考えを示していく必要があると考えています。 前期まで設置されていた中野駅周辺・西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会では、今定例会において中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画の考え方が示されるとの報告がありました。新庁舎整備の財源についての検討状況はどのようになっているのでしょうか。また、一時的な財政負担のために使用するとしている基金や起債について、どのように活用していくお考えなのでしょうか、お尋ねをいたします。 次に、新庁舎整備事業の今後のスケジュールについて確認をいたします。 本年、第1回定例会での報告では、本年6月末までに契約の公告を行うとされていましたが、先ほど御説明した議会からの附帯意見が付された趣旨を考えると、新庁舎整備に必要となる資金調達を含む財源の考え方を議会に示し、理解を得た上で契約手続を進める必要があると考えます。それを踏まえますと、今月中に契約の公告を行うことは不可能だと思いますが、区長は議会からの附帯意見をどのように受けとめているのでしょうか。また、それに関連して、新庁舎整備スケジュールへの影響はあるのでしょうか、お尋ねをいたします。仮に、本定例会で財源の考え方の方向が示された場合の想定スケジュールはどのようになり、体育館の解体時期や新庁舎の竣工時期はいつごろになるのでしょうか。 この項の最後に、新庁舎の外観のイメージについてお聞きをいたします。 新庁舎は、中野区政の中心として、デザイン性についても一定程度のシンボル性がある建物となることを期待しております。新庁舎整備基本設計の報告では、新庁舎には環境配慮機能を考慮した建物外観イメージが示されておりましたが、議場を含めた新庁舎の具体的な外観イメージは、今後どのように検討を進めていくお考えなのでしょうか、お尋ねをいたします。 次に、幼児教育の無償化について質問をいたします。 本年の10月から、いよいよ幼児教育の無償化がスタートいたします。国において、「幼児教育の重要性に鑑み、すべての子供に質の高い幼児教育を保障することを目指すもの」として重要課題と掲げているこの政策は、生涯にわたる人間形成の基礎を培う幼児教育の重要性や、幼児教育の負担軽減を図る少子化対策の観点から取り組まれるものであり、社会保障をお年寄りから若者まで安心できる全世代型へ抜本的に変えるものであります。実施に当たっては、予定されている消費税率10%への引き上げによる財源を活用することとされ、「子育て先進区」を掲げる中野区においても、当然最優先に取り組むべき政策と考えます。 区長が行政報告で述べられたように、「子育て先進区」を目指す区として、「子育てをする上で良好な環境が整っており、区内で子育てをしている人の満足度の高いまち」の実現を図るために、幼児教育無償化という一大政策を最優先に取り組む必要があると考えますが、その確実な実施をするために何点かお聞きをいたします。 まず、幼児教育の無償化の制度について確認をいたします。 保育料が無償となるのは幼稚園、保育所、認定こども園など、これらは区内に現在111施設ありますが、これらを利用する3歳から5歳の全ての子どもと0歳から2歳の住民税非課税世帯の子どもが対象です。子ども・子育て支援新制度に移行していない私立幼稚園、類似施設も含めて19施設ありますが、こちらについては2万5,700円を上限に無償化となります。認可外保育施設等の利用者については、保育の必要性があると認定された3歳から5歳の子どもが対象で、認可保育所における保育料の全国平均額の月額3万7,000円までの利用料が無償となります。また、0歳から2歳については、住民税非課税世帯の児童を対象として月額4万2,000円までの利用料が無償化となります。 ほかにも、幼稚園の預かり保育を利用する児童で、新たに保育の必要性があると認定を受けた場合には、利用実態に応じて最大1万1,300円までの範囲で預かり保育の利用料が無償化となります。さらに、障害児通所施設や子ども・子育て支援法に基づく一時預かり事業、病児保育事業及びファミリー・サポート・センター事業なども無償化の対象となります。このように幅広く複雑な対象の制度となっていることから、区としても全庁を挙げて取り組む必要性があると思います。 そこでお伺いをいたします。中野区における無償化の対象者はどのぐらいになるのでしょうか。主な対象となる保育園、幼稚園の対象者についてお答えをいただきたいと思います。また、対象事業に対して、さまざまな利用金額が設定されていますが、その設定金額を超えた場合はどうなるのでしょうか、お尋ねをいたします。さらに、10月からの制度開始に向けて区ではどのような手順、段取りで幼児教育無償化を進めていくのでしょうか、そのスケジュールについてお聞きをいたします。 続いて、無償化に伴い生じる課題についてお伺いをいたします。 一つは、保育園の給食の食材料費の取り扱いが大きな課題となると考えております。現在、中野区をはじめ23区では、保育園の給食にかかる費用については、御飯などの主食については事業者へ単独加算を行っています。また、おかずなどの副食については保育料に含めて徴収しているため、保護者の方は主食・副食などの食材料費を負担していると思っていない可能性があります。10月からの無償化に伴い、国は、この給食の食材料費について実費徴収することを前提に政策を進めていますが、区において、この食材料費の扱いについてはどのように考えているのでしょうか、お伺いをいたします。 そして、仮に保育園給食の食材料費を区が負担した場合、幼稚園についても同じ課題が生じると考えます。現在お弁当を持ってくる幼稚園が多い中、保育園だけ給食無償化になると、保育園と幼稚園の格差が生じると懸念します。さらに、保育園と幼稚園の機能をあわせ持つ認定こども園に至っては、一つの園の中で別々の取り扱いがなされる可能性があります。このような問題について区はどのように現在お考えなのでしょうか、お答えをお願いいたします。 続いて、私立幼稚園の保護者補助についても大きな課題と認識しております。 現在、区では私立幼稚園の保護者の負担を軽減し、幼児教育の振興と充実を図るものを目的として補助金を交付しています。具体的には、所得制限のある国の制度の就園奨励費、こちらは年間最大30万8,000円の補助、また、所得制限のない保護者補助金は一律、一月1万2,000円、年間14万4,000円を補助しております。このたびの幼児教育無償化に際して、就園奨励費の制度が大きく変更になり、所得制限がなくなり、2万5,700円が一律補助されるとお伺いしています。この変更を受け、今後の私立幼稚園の保護者補助について、区はどうお考えになっているのでしょうか、お伺いをいたします。 3番目に、2019東北復興大祭典なかのについてお伺いをいたします。 東日本大震災及び熊本地震で被災された地域への継続的な復興支援として、ことしで8回目の開催となる「東北復興大祭典なかの」ですが、本年10月26日、27日に開催される予定です。 東日本大震災の発災から8年数カ月が経過し、この間、建物や設備などのインフラ関係については一定程度普及が進んできていますが、被災された方々の生活再建、産業の復興については、「東北復興の灯を消してはならない」といった強い決意のもと、これからも継続して復興支援の取り組みを行っていくことが大切であると考えております。 ことし9月、10月に岩手県釜石市ではラグビーワードカップの試合が開催されます。また、来年には東京2020オリンピック競技大会において、野球・ソフトボールが福島県を、サッカーが宮城県を会場として行われることもあり、復興状況を世界に発信していく貴重な機会となることを期待しております。 私ども区議会議員も、第1回目の東北復興大祭典から参加しており、第2回目からは超党派の議員からなる東北復興ねぶた振興議員連盟を立ち上げました。このたび改選となった第23期区議会においても、継続した復興支援を担えるよう議員連盟を立ち上げ、ねぶたの運行パレードや物品販売への参加、広報・PRなどの協力を通して大祭典を盛り上げていきたいと考えております。私たち一人ひとりが、震災で被災された人々や地域だけの問題と捉えるのではなく、中野区をはじめ日本全体で支えていかなければならないと、思いを新たにしているところであります。 ことしで8回目の開催となる大祭典も、回数を重ねるたびに年々注目度が高まってきており、関係自治体からの参加もふえてきています。昨年度については、「特別区全国連携プロジェクト」の一環として、中野区が特別区長会に強く働きかけ、支援、協力を行ってきた東北六魂祭の後継イベントである「東北絆まつり」に関係する全ての自治体からの参加があり、青森市のねぶた、盛岡市のさんさ踊り、山形市の花笠踊り、仙台市のすずめ踊り、福島市のわらじ踊り、秋田市の竿燈などの妙技や、黒石市の黒石よされを、大祭典の各会場やパレードでにぎやかに披露することができました。大祭典の機会を通して、多くの自治体との交流が広がっていくことは非常に意義深いことであり、本イベントがきっかけとなり、さらに連携・協力関係が深まっていくことを期待しております。 昨年の大祭典は天候にも恵まれ、過去最大の30万人近い来場者の方にお越しをいただき、区内最大級のイベントへと発展してきております。ことしの大祭典が、例年にも増して、より多くの方々に継続した復興支援について思いをめぐらせ、さまざまな交流ができる貴重な機会となることを強く願っております。 この項の初めに、今年度のパレードの実施内容についてお伺いをいたします。 大祭典におけるメインの企画として定着してきている「ねぶたの運行」や「黒石よされ」のパレードですが、昨年度は初めて東北絆まつり関係自治体ゆかりの踊りなども同時に披露され、例年にも増して大変充実した内容となりました。多くの区民に本場さながらの雰囲気を感じながら楽しんでいただき、感動いただけるような充実したパレードとなることを願っております。 一方で、パレードの内容について、昨年度は、東北絆まつりなど関係する全ての市が参加するという初めての試みであるため、短時間に多くの演目を詰め込みパレード行進を行うなど、もう少しゆっくり観覧したかった、あるいは音響やアナウンスが聞き取りにくかったなどの声が寄せられました。そこで伺いますが、今年度の実施に当たっては、パレードの時間枠を長く確保し、また音響を工夫するなどの検討が必要ではないでしょうか。どのような対応を考えているのかお聞きをいたします。 次に、大祭典の会場についてお聞きをいたします。 前回、物販ブースの会場として使用された「中野駅北口中央自転車駐車場」については、中野駅新北口駅前エリア再整備事業の進捗に伴い、ことしは使用できなくなりました。今後、さらに工事の範囲も広がっていくことになると聞いております。今年度の会場の確保状況はどのようになっているのでしょうか。また、大祭典会場での物品販売、グルメブースの規模や出店内容の特色についてもあわせてお伺いをいたします。 また、さきに述べたように、参加自治体の規模がふえてきていることからも、大祭典をより多くの方に知っていただくために、より効果的に広報・PR活動を行っていく必要があると思います。東北のさまざまな地域の踊りや催しを一度に味わえる、大変魅力ある本イベントを多くの方々に知っていただくために、今年度は本イベントの広報・PR活動について、できるだけ早い時期から調整を行い、効果的な取り組みを進めていく必要があると思いますが、どのように広報・PR活動を予定されているのでしょうか、お聞きをいたします。 また、2020東京オリンピック・パラリンピックの開催が来年に迫る中、中野区としても、日本が誇るすばらしい東北地方の文化を外国人観光客へのインバウンド事業として行っていくべきだと思います。今年度は、中野区の組織にも観光・シティプロモーションを担当する組織が新設され、区内都市観光資源の活用や外国人観光客へのPRを強化していくと聞いております。本イベントは、日本の伝統文化が凝縮された、外国人にとって非常に魅力的な内容と考えております。訪日外国人観光客に向け、本イベントを国際的な観光資源として周知・PRすることについてお伺いをいたします。 この項の最後に、東京2020オリンピック・パラリンピックとの関連についてお聞きをいたします。 昨年は、中野区役所内の会場の一角にオリ・パラコーナーを設けてPRが行われました。また、開会式典では、フラッグイベントとしてオリンピック・パラリンピックの啓発事業が行われました。東京オリンピック・パラリンピックの重要なコンセプトの一つに、「復興五輪」がうたわれていることからも、大祭典と連携して普及・PR活動をやっていくことは非常に意味のあることだと思います。今年度はどのような取り組みを考えているのでしょうかお聞きをいたします。 その他で、西武新宿線の野方以西のまちづくりについて質問をいたします。 本年2月13日から16日の間に、西武新宿線の井荻駅から西武柳沢駅間の連続立体交差事業の都市計画素案の説明が行われました。これまで、野方~井荻駅間及び井荻~西武柳沢駅間はともに国から着工準備採択を受けており、事業化を前提とした位置付けであると認識をしております。隣の区間である井荻駅から西武柳沢駅間が次の段階に進んでおり、そういった中で東京都は、連続立体交差事業の効果を高めるために、地元区市による駅周辺のまちづくりを行うことが重要としております。その熟度が高まった井荻駅から西武柳沢駅間の都市計画素案の説明会を行いました。私としては、平成24年から取り組んでいる新井薬師駅前や沼袋駅周辺のまちづくりとあわせて、野方以西のまちづくりの検討も行っていれば、今回の井荻駅から西武柳沢駅間と同じタイミングで次のステップに進めていけたと思い、非常に残念に感じております。 そこで改めてお伺いいたします。野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅の各駅周辺地区のまちづくり検討会から「まちづくり構想」が区に提案され、およそ1年が経過しました。区は、この「まちづくり構想」を踏まえ、行政計画である各駅周辺の「まちづくり整備方針」を策定すると説明しています。野方以西の連続立体交差化の早期実現を果たすためにも、まちづくり整備方針の策定は喫緊の課題だと認識しておりますが、区は、今後どのようなスケジュールでこのまちづくりを進めていくのかお伺いをいたします。 以上で全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 大内議員の御質問にお答えいたします。 1点目、中野区新庁舎整備についての御質問、新区役所整備の財源についての御質問でございます。新区役所整備費の区負担分の財源については、当初の計画どおり中野駅新北口駅前エリアの再開発事業のスキームに基づき、区有地等の資産活用によって区負担分を賄うことにしており、一時的な財政負担に対しては起債及び財政調整基金を活用して対応することになります。一時的に活用する起債及び財政調整基金については、区負担分、約254億円の75%、約190億円について起債により調達し、残りの約64億円については財政調整基金を活用したいと考えております。この区負担分については、最終的に現区所有土地建物、すなわち現区役所及び清掃事務所車庫跡地及び現株式会社まちづくり中野21所有土地建物、中野サンプラザの市街地再開発事業による転出補償金によって借入金や税金、その他の経費を見込んだ上で全額を賄う計画でございます。 次に、財源の考え方を示した上での今後のスケジュールについての御質問です。新庁舎整備に係る財源について、昨年度の予算特別委員会で議会から附帯意見が付されたことは大変重く受けとめており、契約の公告に当たっては、議会にしっかりと財源の考え方を示した上で進めていきたいと考えております。そのため、契約の公告時期については本年6月を考えておりましたが、当初の予定よりおくれる見込みであります。 仮に財源の考え方について本定例会で議会報告を行い、議会の理解が得られた場合の想定スケジュールでありますが、本年8月に契約の公告、6カ月程度の選定期間を経て、令和2年1月に優先交渉権者を決定した後、区議会第1回定例会において契約に関する議案を提出する予定であります。契約後、実施設計に着手し、中野体育館解体工事は令和2年12月から着手する見込みであります。その後、新庁舎の建設期間としては、令和3年7月からの36カ月間程度を見込んでおりまして、竣工は令和6年6月ごろを予定しております。 次に、区役所の建物外観の検討についてでございます。本年3月に策定した新庁舎整備基本設計では、新庁舎は、自然エネルギーなどを活用し、環境負荷の低減や景観に配慮した庁舎とすることとしております。建物外観については、環境性能の確保とあわせて、今後の実施設計において引き続き検討してまいります。 次に、幼児教育無償化についての項の御質問でございます。幼児教育無償化の対象者数及び金額についてでございます。保育園を利用している3歳から5歳の子どもは、本年4月1日時点で約3,600人、幼稚園の利用者は約3,100人となっております。対象事業の上限額を超えた場合については、利用者の負担となります。 次に、幼児教育無償化のスケジュールについてでございます。10月からの制度開始に向けて、区では現在、制度の検討を行っているところであります。8月までには制度方針の決定を目指しており、決定後、速やかに周知を行い、確実に実施してまいります。 次に、幼児教育無償化に伴う保育園給食の材料費についてでございます。国の方針では、幼児教育無償化における食材料費については無償化の対象とせず、保護者の負担とされております。今後の財政的負担や他区の動向を確認しながら、幼稚園や認定こども園との整合性も含めて区としての対応を定めてまいります。 次に、私立幼稚園保護者補助金についての御質問であります。御指摘のとおり、現在、所得制限のある国制度の就園奨励費は1人当たり年間、最大30万8,000円の補助、また、所得制限のない保護者補助金は一律月1万2,000円、年間14万4,000円補助しております。 また、今後、幼児教育無償化に伴い就園奨励費制度が大きく変更になります。御指摘のとおり所得制限がなくなり、1人当たり月額2万5,700円、年間30万8,400円が一律補助されるという制度の改正が見込まれております。その他の関連制度の動向も十分に踏まえて、今後の私立幼稚園の保護者補助金について、区としての対応を定めてまいります。 次に、2019東北復興大祭典なかのについての御質問であります。 まず最初に、パレードの実施内容についてでございます。今年度のパレードについては、昨年度同様、関係自治体に御協力をいただき実施をいたします。パレード時間については、前回はおおむね1時間の中で全ての演目を実施しましたが、今回は時間帯を拡充できるよう、交通規制時間の延長も含めて交通管理者などと調整をしているところであります。音響についても、スピーカーの配置を工夫するなど、会場内の広いエリアで聞こえるよう検討してまいります。しっかりとパレード時間を確保し、音響も改善することで、前回以上に多くの方々に感動いただけるパレードになるよう準備してまいります。 次に、物販ブースの会場についてでございます。中野駅新北口駅前エリア再整備事業の進捗に伴って、昨年使用した中野駅北口中央自転車駐車場、こちらは廃止となりましてバスロータリーとなりましたが、バス事業者の御協力により、バスロータリーの一部とその周辺スペースを大祭典会場として使用できることとなりました。会場としては、全体として若干前回のときよりも広くなる予定であり、東北地方などの多彩な特産品、グルメブースを各会場にバランスよく配置するとともに、その場で飲食ができる休憩スペースを拡充する予定であります。大祭典全体では約50ブース程度の出店を見込んでおりまして、各地域の特産品とグルメを多数そろえることで、多くの方々に大祭典を大いに楽しんでいただきたいと考えております。 次に、観光資源としての東北復興大祭典なかの、これを外国人観光客向けに周知・PRすることについてでございます。東北復興大祭典なかのについては、中野区認定観光資源に認定をしておりまして、区の貴重な観光資源としてとらえております。これまで区は大祭典についても、中野区公式観光サイト「まるっと中野」に掲載し、英語、中国語、ハングルで情報発信を行ってまいりました。「まるっと中野」については、新たに外国人を対象としたコンテンツを追加しており、SNSの活用とあわせて、今後大祭典の周知・PRを行ってまいります。 それから、効果的な広報・PR活動についての御質問です。プログラム、ポスター、チラシ、横断幕などのさまざまな広報手法を活用し、早い時期から積極的に広報・PR活動を行っていく予定であります。区報、フェイスブック等への掲載に加え、特別区全国連携プロジェクトのホームページや鉄道事業者が持つ広報媒体、こちらを活用するなど、各関係機関に積極的に協力依頼を行っていく考えであります。また、各町会をはじめ、区立小・中学校等の区関係機関、中野駅周辺企業、商店街、JRや関東バス等の協力のもと、早期に幅広い層にPRを行うことで、より多くの方に大祭典を知って御参加いただきたいと考えております。 最後に、東京オリンピック・パラリンピックとの連携についての御質問でございます。今年度は、オリンピック・パラリンピックの競技を紹介するパネル展示のほか、大会競技の一つであるフェンシング、こちらの疑似体験をできるスペースを設けて多くの来場者に楽しんでもらいたいと考えております。また、東京都が大祭典の会場周辺で障害者スポーツ理解のための体験イベント、こちらを開催する予定でありまして、大会への気運醸成に寄与すると考えております。 〔まちづくり推進部長角秀行登壇〕 ○まちづくり推進部長(角秀行) 私からは、西武新宿線の野方以西のまちづくりについてお答えいたします。 野方以西区間のうち都立家政駅、鷺ノ宮駅の2駅については、この夏から秋ごろを目途に、地域の皆様にまちづくり整備方針の素案をお示しできるように、東京都などの関係機関と調整を行っております。 野方駅周辺地区につきましては、駅周辺地域の発展や地域から提案されましたまちづくり構想を実現するためにも、野方駅直近の踏切除却は必要だと認識しており、連続立体交差事業の事業主体である東京都と意見交換を続けております。区としてはその内容を踏まえ、来年度を目途にまちづくり整備方針の素案をお示しできるようにしたいと考えております。その上で、野方駅から井荻駅間の連続立体交差化の早期実現を目指すべく、駅前広場等の基盤施設の計画を策定するなど、都市計画手続に向けた準備を行ってまいります。 〔[2]大内しんご議員登壇 〕 ○32番(大内しんご) 再質問させていただきます。 1点、保育園の食材料費のところなんですけれども、10月から実施されるということで、今回補正予算でシステム改修等の補正が出ております。当然この補正が通らなければ、この幼児無償化に対しての事業ができなくなるといったことがあると思うんですけれども、ただ一つ、それにおいて、他区の動向といっても、やはり他区も同じ状況で進んでいるわけですから、他区が決めたから中野が決めるというわけにはいかない。やはり他区の状況を見ながらというのはわかるんですけれども、やはり「子育て先進区」と言っている区長、みずから言っている以上、中野区がみずから率先してそういったことを決めていくといったことも私は必要だと思いますし、今定例会中に何らかお示しをされると、それを示さなければ間に合わない、システム改修を行うにしても、今定例会中にそういったことを委員会で報告しなきゃいけないと思うので、恐らくもうちょっと内容は固まっているのかなと思いますので、もうちょっと踏み込んだお答えをお聞きしたいと思います。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 大内議員の再質問にお答えします。 御指摘のとおり、補正で今回システムの改修について見込んでおります。このシステム改修について申しますと、どちらに転んでも改修で対応ができるということで見込んでございます。 他区の状況等を調べましたところ、周辺区につきましては、保育園については給食の食材については無償にするという傾向というか考えが、今、示されたところでありますけど、区としても、それを踏まえた上でなるべく早く結論を出したいと考えております。 ○議長(高橋かずちか) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。
中野区議会議員 酒 井 たくや 1 区長の行政報告について (1)基本構想・基本計画について (2)持続可能な区政運営のための事業の見直しについて (3)東京2020オリンピック・パラリンピックについて (4)その他 2 子育て先進区への取組みについて (1)大型屋内キッズ施設の誘致について (2)待機児童の解消と幼児教育の無償化について (3)子どもの安全・安心について (4)その他 3 中野駅北口駅前エリアにおける大規模集客施設について 4 魅力ある公園整備について 5 新しい公共交通網の整備について 6 JR東中野駅東口バリアフリー化について 7 桃園第二小学校の建替えについて 8 その他
○議長(高橋かずちか) 次に、酒井たくや議員。 〔酒井たくや議員登壇〕 ○39番(酒井たくや) 令和元年第2回定例会におきまして、立憲民主党・無所属議員団の立場から一般質問をいたします。 質問は通告のとおりでございますが、行政報告の中の4番目のその他を、一番最初に質疑をさせていただきたいと思います。 質問数が多うございます。区長並びに理事者の皆様、明瞭で簡潔な御答弁をお願い申し上げます。 それでは質疑に入ります。 1点目、区長の行政報告についてのその他で、平和の森公園再整備についてお尋ねします。 平和の森公園再整備に関しては、区長は300メートルトラックの見直しを選挙戦の公約とされ、さきの第1回定例会において、300メートルトラック、100メートル走路等を見直す工事請負契約の変更の議案を提案されました。我々も間近の民意を反映し、300メートルトラック、100メートル走路は不要で、草地広場を残すべきと考え、変更議案に賛成しましたが、賛成少数で議案は否決されました。区民も区長も思いは強く、今後どのように進むのか非常に気になるところではありますが、行政報告では触れられておらず、一昨日、先議で審査された補正予算にも直接関係するものは含まれておりませんでした。区長の率直なお考えをお尋ねいたします。 次に、区長の行政報告についての基本構想・基本計画についてお尋ねいたします。 行政報告の中で、現在、改定中の基本構想・基本計画に触れられております。基本計画が策定されるまでは、前区政の現行計画である「新しい中野をつくる10か年計画(第3次)」を継承し、方向性を再検討するものは、ことし1月に策定された「中野区の新たな区政運営方針」に示されております。 令和元年度は現行計画のステップ2の最終年度に当たりますが、「新たな区政運営方針」にない政策において全く手つかずの事業や、それからまた大幅なおくれがある事業も見受けられます。PDCAサイクルが機能しているとは思えない面もございます。また、行財政運営においての一般財源の推移や基金の計画額を比較すると、今年度の当初予算額になりますが、ステップ2の段階で、特別区税は年平均で20億円、特別交付金は40億円、基金残高は178億円と大きな乖離が見られ、人口動向分析、人口推計も同様に乖離があります。現行計画の検証は行われておらず、十分な検証を行い、今後の基本計画の策定に生かすべきです。区の見解をお尋ねします。あわせて、検証結果の報告も求めます。 現在のスケジュールでは、令和2年度の第2回定例会において基本構想を議決し、第3回定例会において基本計画を策定する予定となっております。平成17年の基本構想の改定と基本計画の策定にさかのぼると、基本構想の改定には6カ月のおくれ、基本計画の策定には10カ月のおくれが生じました。今回も基本構想の大改定を予定しており、スケジュール面の厳しさを感じます。よりよい基本計画策定のため、最善のスケジュールを考えるべきですが、お尋ねします。 2点目、区長の行政報告についての持続可能な区政運営のための事業の見直しについてお尋ねします。 行政報告の中では、非常に厳しかった過去の区財政についても触れられております。特に、平成11年度には経常収支比率が101.7%、公債費比率は15.5%、人件費比率は33.6%、起債残高は631億円、財政調整基金残高は176万円となり、区民・議会・行政が痛みを共有する改革がさまざま行われました。今年度予算では、新規事業は多数展開されましたが、既存事業の廃止・縮小などの報告はありませんでした。行政が一度事業を始めると見直すことが難しく、不断の改善に取り組まなければ予算は焼け太りしていく一方です。 これまでの区政は、民間でできることは民間でという考えのもと、事業の見直しや歳出の削減を徹底して進めてきました。酒井区長の「民間活力を活用しながらも、公でやるべきことは公で」という新しい公共の考え方は大変評価しますが、事業や歳出の見直しへの考え方、方針が少し見えづらく、また区立幼稚園、保育園、児童館の一定数の存続は必要であると考えますが、将来の負担の大きさも考えなければなりません。 今年度の組織改正による行政評価と業務改善担当を統合した成果が、来年度予算において形となってあらわれなければなりませんが、お尋ねします。 具体的な方策として、例えば、これまで私も提案させていただきましたが、個別の事業への終期の設定を行う、それから、「基準となる一般財源規模」に歳出をおさめるなど、このような取り組みも一つの方策と考えますが、あわせてお尋ねします。 行政ニーズは複雑多岐にわたり高度化している中で、限られた財源と職員という資源を「あれもこれも」ではなく、「あれかこれか」と厳しく選択し、集中していかなければなりません。我が会派は、財源の観点とあわせて、人の稼働の部分にも厳しく注視してまいりたいと考えます。区長の行政改革に対する考え方を示し、基本計画の中に位置付けるべきと考えますが、お尋ねします。 区長の行政報告についての3点目、東京2020オリンピック・パラリンピックについてお尋ねします。 大会開催が、子どもたちに夢と感動を与えるとともに、共生社会の実現に弾みをつけるものでなければならないと考えます。行政報告でも、競技観戦イベントの調整について触れております。そこで、次世代を担う中野の子どもたちが、オリンピック・パラリンピックを肌身で感じられる取り組みについてお尋ねします。東京都は、「大会における子どもの競技観戦」事業を進めております。他区では学年を区切っての申請、また学校任せのところもあると聞きますが、中野区では教育委員会がリーダーシップをとり、公立小・中学校の全ての子どもたちがオリンピック・パラリンピックを観戦し、夢や感動を実感できるようにすべきです。申請状況をお尋ねします。また、それに関する交通費を手当てすべきと考えますが、見解をお尋ねします。 前回大会の1964年東京大会は、鉄道や高速道路などの多くのインフラ整備によるハード面のレガシーが残されました。現代都市として成熟した東京においての今大会は、ハードのレガシーよりも、内面的なハートのレガシーを生み出すことに価値を見出すことが求められます。次世代を担う子どもたちや社会が、大会を通して障害者スポーツの理解を深め、そして障害の有無だけではなく、一人ひとりがかけがえのない個人として尊重され、多様性を認めつつ互いに支え合い、全ての人に居場所があるような社会の構築こそがポスト2020に求められると考えますが、区長の見解をお尋ねします。 次に、子育て先進区への取組みについてお尋ねします。 1点目、大型屋内キッズ施設の誘致についてお尋ねします。 大型屋内キッズ施設の誘致については、昨年の第4回定例会において、我が会派の山本議員からの質問に、「大型屋内キッズ施設の魅力は認識しているものの検討課題もあることから、まずは各地の施設について情報収集する」との答弁がありました。 今回は具体的に伺います。現在、中野二丁目地区では、土地区画整理事業と市街地再開発事業の一体的施行が進められています。この事業では、駅前という立地を生かした土地利用の高度化、景観の向上や駅前交通結節機能の改善・整備などが進められており、区も地権者として参加しています。そして、同地区に新たに整備される施設内には、自転車駐車場を設けるほか、約650平米程度の権利床を取得することになっており、その活用方法は、今後検討を進めるとしています。 区長は、「子育て先進区中野」を施策の大きな柱として位置付け、行政報告でも、「子育てをする上で良好な環境が整っており、区内で子育てをしている人の満足度の高いまち」と述べられております。区長の目指す子育てをする上での良好な環境づくりの方策の一つとして、この権利床を活用して、大型屋内キッズ施設を誘致してはいかがでしょうか、お尋ねします。 現在、区内には子育てのランドマークとなるような施設はありません。中央線の主要駅である中野駅間近に、天候にも左右されず、子どもたちが思い切り遊べる大型屋内キッズ施設を誘致することは、子育てしやすい環境づくりにつながるとともに、区の新たなランドマークとして、中野駅南口のにぎわいの創出にも寄与すると考えます。 また、施設の区民の利用料の減額、一時預かり事業の実施や子育て相談窓口の設置なども検討すべきです。そして、権利床の賃貸に係る収入があった場合は、子ども基金の創設により、子どもの貧困対策に活用する、もしくは高齢福祉基金の創設により高齢者のために活用するスキームも夢があると私は考えます。見解をお尋ねします。 次に、待機児童の解消と幼児教育の無償化についてお尋ねします。 今年度4月1日時点の待機児童数は157名と、昨年度と比較し14名、前年度比8%の減の状況であります。区のこれまでの待機児童解消の取り組みは評価しますが、今年度、23区全体では前年度比約40%減となっており、比較をすると、需要増にまだまだ追いついていない状況でもあります。地域や年齢による偏在が大きかったとも聞きます。この結果をどう分析され、今後の待機児童解消につなげていくのか、お考えをお聞きします。 我々は、保育の量と質の整備についてこれまでも訴えてまいりました。保育の質については、我が会派も要望し、今年度中に保育の質ガイドラインが策定されます。さきの予算特別委員会におきまして、我が会派の森議員から、策定の段階で現場の声を聞き、ガイドラインに反映するようにとも提案をさせていただきましたが、現状をお尋ねします。 保育の質ガイドラインを策定しても、保育士の処遇改善や負担の軽減を行わなければ絵に描いた餅になってしまいます。策定後、事務職員の配置により保育に専念できる環境づくりなど、具体的な取り組みを速やかに予算化し、実行すべきと考えますが、お尋ねします。 次に、待機児童の解消と幼児教育の無償化についてお尋ねします。 幼児教育・保育を無償化する改正子ども・子育て支援法が5月に成立し、幼保無償化は10月から始まります。子育てや教育にかかる費用負担の軽減の観点からは一定の意義があると考えますが、幼保無償化の前に、全ての子どもが安全で質の高い幼児教育・保育を受けられる環境整備が必要であり、また、保育士、幼稚園教諭のなり手不足の解消が必要であります。そして幼保無償化は、保育需要を喚起し、抜本的な待機児童対策にもつながらないとも考えます。財政面においても、国がみずからの責任のもとで財源を確保するべきでありますが、現段階の試算では、無償化により、区として年間4億円の一般財源を持ち出すことになり、これが毎年経常経費になります。保育需要が喚起されれば、より歳出も増加し、区財政への影響も見過ごせないと我々は考えます。 ここでは幼児教育無償化に伴う保育における食材料費、いわゆる給食費の取り扱いについてお尋ねします。給食費は無償化の対象にされず、これまで保育料に含める形で徴収されていた給食費は実費徴収しなければなりません。私債権である給食費は地方自治法第235条の4第2項によると、自治体が保育園にかわり給食費を徴収することが難しく、各園で徴収することになると現場の負担増にもつながります。渋谷区は、保育園の給食の無償化に踏み切るそうですが、中野区が無償化した場合の財政負担はどの程度になるのか、まずはお尋ねします。 保育園給食を無償化することが子育て先進区に直結するとは私は考えません。それより、施設整備や保育の質の向上に取り組むべきと考えます。そうはいっても、隣接自治体の動向も注視しなければなりません。あわせて財政面と現場の負担の軽減、幼稚園と義務教育である学校給食の無償化との兼ね合いなど整理すべき課題が多数ありますが、区としてのお考えをお尋ねします。 次に、子どもの安全・安心についてお尋ねします。 大津市の県道交差点において、自動車同士の衝突事故の弾みで散歩中の保育園児らに車が突っ込み、園児が犠牲になる事故が起こりました。また、川崎市でも通学中の児童、保護者が犠牲となる通り魔殺傷事件も起こり、子どもや保護者に対して著しい不安を与えている状況にあります。 区としても緊急的にさまざま取り組まれていることは評価します。今後も警察との連携を強化し、防犯カメラ設置の拡充、道路の安全性向上、保育現場、学校現場における戸外活動や校外活動の安全確保など、子どもたちの安全対策に漏れのない万全の対策をとっていただきたいと考えます。外遊びは子どもの成長にとって欠くことのできないものであり、保育園の散歩を控えたり、また学校現場における校外学習の活動の自粛や制限がされることはあってはなりません。区として、一連の事件を受けて、子どもたちの安全対策についてのお考えをお尋ねします。 3点目、中野駅新北口駅前エリアにおける大規模集客施設についてお尋ねします。 中野区役所、中野サンプラザを中心とした中野駅新北口駅前エリアは、中野のシンボル空間であり、また区民のサンプラザへの思いは強く、再整備によりどのように生まれ変わるのかが大変に気になるところです。区長は、大規模集客交流施設、いわゆる1万人アリーナの見直しについて言及してまいりました。大規模集客交流施設の規模感、所有形態、区役所・サンプラザ用地の資産活用のあり方、整備手法などは「中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画の考え方」として間もなくお示しされます。 そこで所有形態についてお尋ねします。例えば、札幌ドームは札幌市が所有をし、出資をする第三セクター「株式会社札幌ドーム」が運営をしております。御存知のとおり、日本ハムファイターズの本拠地でありますが、球団側からのさまざまな改善策や提案などを一切受け入れなかった結果、日本ハムファイターズが本拠地を移転することを決定しました。転出により、年間約40億円の売り上げから20億円減収すると試算され、経営が不安視されております。自治体が大規模集客施設を所有することは、将来にわたり不安定要素を持ち続けることになり、民設民営であるべきと、我が会派の森議員もこれまでも申し上げてまいりました。また、当然区が出資をする第三セクターなどによる所有・運営ではなく、純然たる民設民営であるべきと考えますが、区の見解をお尋ねします。 次に、大規模集客施設の規模感についてもお尋ねします。 大規模集客施設を民設民営とした場合、民間は収益を上げなければなりませんから、施設の規模や運営手法など民間の柔軟な発想により計画されるものであります。他方、区役所・サンプラザ地区再整備推進区民会議での議論では、2,000人から3,000人という意見が多数でありました。区民会議の意見に関しては尊重すべきとも考えますが、収益性とのバランスも考えなければなりません。コンセプト、規模感に関しては、幅を持った募集により、民間の柔軟な発想と持続可能な維持管理運営のさまざまな手法が提案できるプロポーザルであるべきと考えますが、区の見解をお尋ねします。 次に、中野サンプラザの名称についてお尋ねします。 中野サンプラザの名称は全国的にも有名で、広く区民に愛されております。施設の所有形態はどうあれ、「中野サンプラザ」という名称は継承していくべきと考えます。現在、中野サンプラザの商標権はどこが取得しているのかお尋ねします。この点も整理し、中野サンプラザの名称を残していただきたいと考えますが、お尋ねします。 最後に、関連して、区役所・サンプラザ用地の資産活用のあり方についてお尋ねします。 新区役所整備に関しては、区役所・サンプラザ用地を活用することで十分に賄えるとの議会答弁をしてきました。現庁舎と中野サンプラザのあらあらの資産価値の見込みから、中野サンプラザを所有するまちづくり中野21の金融機関からの借り入れ、資産の移動に伴う税負担を差し引いた際の財源スキームはどうなるのか、お尋ねします。 新区役所整備に充当した以外の権利分はどうされるのか、この再整備については、民間活力を活用するといっても、全て民間に渡すのではなく、一部は権利として残し、将来のまちづくりを牽引していくことも必要だと考えます。その際には将来の区民負担が生じてはならず、土地として所有することも考えてはいかがでしょうか、お尋ねします。 次に、4番、魅力ある公園整備についてお尋ねいたします。 中野区内の公園は開園後30年以上を経過した公園が96園あり、全体の半分以上を占めており、遊具やトイレも老朽化し更新が課題となっております。遊具に関しては、平成30年度に行った法定点検によりますと、経年劣化から相当数の使用不可対象や利用制限があると聞きますが、現状をまず確認いたします。 危険な遊具に関しては補修などの緊急的な措置は行いますが、遊具の改修は基本的には国費などの補助金見合いで行うのが区の基本的な考え方であります。相当数の遊具が老朽化していく中、現在の区の方針には無理があると考えますが、いかがでしょうか。財政的な制約があるのならば、都市基盤部公園緑地課で新たな財源を生み出し、遊具の改修に取り組むべきです。例えば、四季の森公園へのネーミングライツの導入により、その財源をもとに公園環境を改善することはできないでしょうか。これまで検討されたことはありますか、導入は可能でしょうか、お尋ねします。 あわせて、四季の森公園の整備費用に関してもお尋ねします。 平成29年度決算では、四季の森公園の維持管理費用は全体で1億円余であります。また、芝生の養生期間が必要で、使用にもかなりの制約がある状況です。広町みらい公園は、中央の広場を芝から草地へ整備を改めたところ、大幅な維持管理経費の見直しにつながったと聞きます。四季の森公園の芝生から草地広場へ仕様を転換した際の財政効果はどの程度か、この際、芝生の維持管理のあり方を大きく転換し、新たな財源を生み出し、区内公園整備に還元する仕組みを考えるべきです。お尋ねします。 四季の森公園の利用者からは、子ども用遊具の設置の要望をよくお聞きします。実際に子ども連れの利用者は、四季の森公園奥にある杉並区の遊具のある公園を利用しております。管理棟前の山の部分は、芝生には1年間通して入ることができず、四季の森公園において唯一のデッドスペースのように感じ、ここに複合遊具を整備できないかと考えます。また、管理棟の有効活用の方策もあるのではないかと考えます。例えば、パークPFIの導入です。平成30年度決算特別委員会においても私も提案させていただきましたが、この制度により管理棟を活用し、四季の森公園に民間の優良な投資を誘導し、区の財政負担を軽減しながら、子育て先進区の象徴となるような複合遊具の設置について検討してみてはいかがでしょうか、お尋ねします。 次に、公園トイレについてお尋ねします。 公園トイレも同様に老朽化が目立ち、和式で衛生面もよいとは言いがたい状況です。公園への飲料水メーカーの自動販売機の設置を許可するかわりに、飲料水メーカー負担で公園トイレを洋式化・リニューアルしていただく手法を、これまでも提案してまいりました。区は「民間活力の活用により負担軽減が可能か検討する」とも過去に答弁されました。区民負担を抑え、公園トイレリニューアルの検討状況をお尋ねします。 区は今年度末に公園再整備計画を策定する予定ですが、公園というパブリックスペースの本来機能を守りつつ、「新たな財源を生み出す公園」という考え方も計画に位置付けるべきと私は考えます。緑が生む快適さがさまざまな価値を創出し、大小それぞれの公園に波及される仕組みこそ魅力ある公園整備につながるはずです。お考えをお聞きし、この項の質問を終わります。 次に、新しい公共交通網の整備についてお尋ねいたします。 区は昨年度、公共交通に関する区民意識調査を実施しました。結果報告では、区内公共交通については、満足度はおおむね高いものの、大和町や若宮地域など道路が狭く入り組んだ木造住宅密集地域では不満を感じている方が比較的多く、また、高齢者や障害者のバス停までの移動手段などの課題が浮き彫りとなりました。また、従前からの南北交通強化の課題もあります。こうした課題を踏まえ、区内の交通政策に関して具体的な理念を持って対応していくことが重要であると私は考えます。 かつて、区は「なかのん」という愛称のコミュニティバスを、上鷺宮付近から中野駅まで、平成17年から平成20年まで3年間時限的に運行支援しておりました。支援終了後、利用者数、財政面などから継続することが難しく、縮小されたと聞いております。財政の観点だけではどうしても事業の継続が困難となります。区が公共交通サービスに関与することで、高齢者や障害者などの移動の利便性の向上はもちろん、区民の福祉や健康、子育て支援策などに大きく貢献するような公共目的に資する意味付けが必要であります。堺市では「お出かけ応援バス」という制度があります。これは、高齢者の社会参加や公共交通の利用を促進するために、高齢者がバスなどに100円で乗降できる仕組みであります。高齢者の外出による生きがいづくり・社会参加への寄与、公共交通の利用促進及び維持確保、市への経済的波及効果が狙いです。 例えば、中野区において新たな高齢福祉の施設を整備するには、数十億円と非常に大きな財源が必要となりますが、既存の福祉や健康施設、医療施設、スポーツ施設などを巡回するような、区民の皆さんが移動しやすく、外出しやすい交通環境をつくることで、新たな施設の整備費用は必要ありませんし、健康増進活動による医療費や介護度の重症化の抑制につながるとともに、地域活性化など、さまざまな公的・経済的な波及効果を持たせることになります。 交通政策は、単なる移動手段を確保するものではなく、福祉施策と位置付けることに意味があると考えます。区として必要な公共目的のため財源を支出する、そうした理念、目的を、区は公共交通政策において強く持って対応しなければ施策を継続することができないと考えます。区長のお考えをお伺いします。 関連して、高齢者の運転免許返納に関してお尋ねします。 高齢ドライバーによる交通事故が相次いで発生しております。高齢者への運転免許の自主返納に関する区の取り組みはなく、警視庁の事業を生活交通安全担当が広報するのみであります。地域支えあい推進室や健康福祉部は高齢者や地域と接点が多いものであり、連携して取り組み、自主返納を促すこともできると思います。住民に一番身近な自治体の強みを生かすべきです。見解をお尋ねします。 6番、JR東中野駅東口バリアフリー化についてお尋ねします。 JR東中野駅東口バリアフリー化は地元の長年の悲願であります。新しい中野をつくる10か年計画(第3次)のステップ4において、駅バリアフリー化の完成を位置付けられておりますが、現状、進展が見えず、区の本気度がなかなか見えません。区は、東中野駅東口バリアフリー化に向け、都市計画マスタープランに示される交流拠点のまちづくりの側面から検討しており、東中野駅全体のまちづくりを考えております。 東中野駅周辺の東西南北の回遊性が生まれ、にぎわいが創出され、まちの魅力が高まることは歓迎しますが、地域住民の喫緊の課題は東中野駅東口のバリアフリー化にあります。まちづくりの観点は重要であり、必要性は当然理解しますが、今まさにこの瞬間、負担を強いられている方、御苦労されている方も多数いらっしゃいます。それを解消することも政治の役割ではないでしょうか。まちづくりという長期的な課題、バリアを取り除く短期的な課題を整理し、区の取り組む姿勢をお示ししていただきたいと考えますが、お尋ねします。 そして最後に、JR東中野駅東口駅舎の南北に簡易なエレベーター設置の検討を図り、階段の昇降による負担の解消を図るべきです。お考えをお尋ねします。 7番、最後に桃園第二小学校の建替えについてお尋ねします。 桃園第二小学校は、令和5年度、令和6年度に校舎の解体・建築を行い、その間2年間は、現在の上高田小学校を仮校舎とする計画になっております。仮校舎への通学は児童の徒歩圏外であるとともに、地域の生活圏域を超えることに、保護者・地域からは心配の声が既に上がっております。中野本郷小学校も1年前に同じ状況を迎えます。 教育委員会としては、通学の安全・負担軽減のため、現地に仮校舎を設置しての建てかえの可能性の調査を行っており、秋ごろには調査結果が出るとも聞いております。その結果をもとに、保護者・地域の声を十分に聞き、計画に反映すべきと考えますが、確認のためお尋ねします。保護者・地域としては、できれば現地に仮校舎を設置しての建てかえを望んでいると考えます。仮にそうした建てかえ計画とするためには、近隣の地域資源を活用するなど、あらゆる方策のもと、運動場の確保や工期の短縮に取り組み、児童の負担軽減及び教育環境の維持を図る必要があると考えますが、お尋ねします。 桃園第二小学校の北側には隣接する大きな用地があります。不動産会社が既に取得をしており、今後はマンションが建設される予定です。この北側用地が取得できておれば、学校用地の拡大と現地に仮校舎を設置しての建てかえも容易にできる極めて貴重な用地であり、売却時に取得できなかったことは行政の不作為と言われても仕方ありません。 中野区の小・中学校の用地は狭小であり、学校教育法の学校設置基準に校庭が満たない学校も幾つかあります。特別区都区財政調整制度において、基準財政需要額に義務教育施設整備事業のうち用地取得造成事業に係る地方債についての元利償還金を算定するとあります。すなわち学校用地拡張に係る起債の償還は全て特別区交付金に算入され、区の負担を抑えることができます。この制度を活用できる対象用地はないか、区内小・中学校の隣接地を改めて確認すべきです。また、この制度を、財政課と教育委員会・学校現場が共有することが、子どもたちの教育環境の改善に必ずやつながるはずです。見解をお聞きし、私の全ての質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 酒井たくや議員の御質問にお答えいたします。 まず、行政報告についての項、最初に、平和の森公園再整備についての御質問をいただきました。これについては今年第1回定例会において、契約変更議案が否決されて以降、間伐の一部保留以外、当初計画案により再整備を進めてきたところでございます。今後、改めて再整備の変更案を示すとすれば再度工事を中断せざるを得ず、既に用意された資材や人員、機材等に対する損害賠償の責めを負う可能性もございます。また、工事工程上、新体育館北側アプローチ部分を最終時期に施工せざるを得ないことから、工期のさらなる延伸によって新体育館の使用を制限する可能性がございます。新体育館は2020東京オリンピック・パラリンピックにおける練習会場として使用され、この時期に工事が完了していない事態は絶対に避けなければならないと考えております。したがって、平和の森公園再整備については、実務的な観点から、当初の再整備計画案に沿って整備を進める考えでございます。ただし、中高木の間伐については、防災樹林帯保全のための適正な数量や施工方法をさらに検証していることから、今回の工事では実施する予定はございません。 次に、現行の基本計画の検証についてでございます。現行の新しい中野をつくる10か年計画(第3次)については、各施策で成果指標とした項目の実績について、毎年度、行政評価のプロセスの一環として確認しているところでございます。より実現性の高い基本計画を作成するために、現行計画の進捗等についての検証も必要であると考えておりまして、現在作業を進めているところであります。新しい基本計画について検討を進めている段階で、この進捗状況、検証状況についても議会には示していく予定でございます。 次に、基本計画のスケジュールについての御質問です。現在示しているスケジュールは、可能な限り、基本構想と時期を同じくして基本計画の検討を進める考えで作成したものであります。新しい基本計画は、新しい基本構想を実現するための総合計画として、より広範な区民参加を得ながら、施策の効果や実現可能性について十分に検証した上で、より実現性のある計画としてまとめる考えであります。新しい基本計画の策定の趣旨を踏まえて、現在予定しているスケジュールの中で、区民参加のあり方等について工夫しながら策定作業を進めてまいります。 次に、評価と改善の担当を統合した結果についての御質問でございます。今年度の組織改正において、行政評価と業務改善に一体的に取り組むため業務改善課を設置するとともに、あわせて、決算分析を予算編成に生かすため財政課を設置いたしました。事業の実績やコストの面から効果の確認を行うとともに、行政評価や決算分析の結果を反映することによって事業のスクラップ・アンド・ビルドにつなげて、来年度の予算編成において組織改正の成果を形にできるよう取り組んでいく考えでございます。 歳出削減のための具体的な方策でございます。令和2年度予算編成に向けては、歳入動向を注視し、適切な一般財源規模を定めていくとともに、平成30年度決算の分析結果を行政評価に活用し、評価結果を予算編成につなげていくなど、決算分析や評価から事業のスクラップ・アンド・ビルドにつなげる取り組みを重視して、一般財源規模の範囲内での予算編成を進めていく考えでございます。また、今後策定する基本計画の中で、財政運営の進め方について有効な手法などについても検討してまいります。 次に、行政改革の考え方についてでございます。限られた資源で多様化する社会ニーズに対応していくためには、優先する施策への区の資源の集中や区民と行政の協働による区内の資源の最大化など、より戦略的に区政を運営していく必要があると考えております。こうした点も含め、行政改革の考えについても新しい基本計画に盛り込んでまいります。 次に、東京2020オリンピック・パラリンピックについての、多様性を認め合う社会の構築についての御質問です。区はパラリンピック競技大会への気運醸成のため、競技種目を体験することのできるイベントや障害者アスリートと直接触れ合える事業を行ってきております。パラリンピック競技大会後も、障害のある方など、さまざまな区民に対する理解や交流を深めて、一人ひとりの個性が発揮されるまち、誰もが生活しやすい多様性を尊重するまちを実現したいと考えております。 次に、子育て先進区への取り組みについて、大型屋内キッズ施設の誘致についてでございます。中野二丁目地区の再開発ビル内に取得する権利床については、中野駅直近という立地を生かした活用方法を検討していきたいと考えております。子育てしやすい環境に資する活用も有効な選択肢となり得るととらえておりますが、住民ニーズ、公益性、また中野駅周辺整備全体の中でのバランス等を踏まえて検討を進めているところでございまして、基金の創設等についても、あわせて検討してまいります。 次に、待機児童の分析と解消策についてでございます。本年度4月の待機児童数は、中野区では157人となっておりまして、年齢別に分析すると、0歳児が47人、1歳児86人、2歳児19人、3歳児5人と、0歳から2歳が9割を占めております。町別の地域別に考えますと、中央41人、東中野33人、本町19人、中野17人となっており、区の東部から中央部にかけて待機児童が多く発生しております。一方、地域によっては、待機児童が発生している0歳、1歳、2歳、3歳において定員に空きがあるなど、保育需要と供給のミスマッチが生じております。当面、待機児童が発生している地域への保育施設の誘致を進めてまいります。 次に、保育の質ガイドラインについてでございます。保育の質ガイドラインについては、子ども・子育て会議に部会を設けて、現在策定に向けて検討しているところであります。検討に当たっては、私立・区立保育園からも部会メンバーとして参加をしてもらっております。 また、私立保育園園長会に適宜情報提供をし、各保育施設からの意見・要望等を部会にフィードバックしながら検討を行っているところでありまして、今後とも十分意見を聞きながらまとめていくこととしております。 次に、保育園における事務職員の配置等についてでございます。保育士が保育に専念できる環境づくりについては、民間保育所に対するICT化推進事業補助制度があり、保育支援システム導入経費の一部を補助することで保育士の事務負担軽減を図っているところであります。 民間保育所等の事務負担軽減を図るため、区職員が事務手続について随時相談に応じているほか、各施設の園長が出席する民間保育所連絡会を活用し、事務手続に関する説明会も実施しております。事務職員の配置補助については、配置した場合の効果を勘案しながら、引き続き検討を行ってまいります。 次に、保育園給食の無償化した場合の財政負担についてでございます。私立保育園に限って試算した場合ですが、現在の在園児数、約2,400人の給食費、月額7,500円が無償化になることで、その財政負担は年額約2億円となります。 保育園給食の課題に対する区の考え方についてでございます。現場の負担、幼稚園や学校給食との関係など、整理すべき課題が多数あることは認識しております。他区の動向や財政負担も確認しながら、なるべく早く今後区としての対応を定めてまいります。 子どもの安全・安心対策についての御質問でございます。滋賀県大津市並びに神奈川県川崎市での事件・事故を契機として、区としても全庁的な緊急対策を実施してきたところでございます。主な内容としては、昨年実施した通学路安全点検の結果等を踏まえた交通安全啓発幕の設置、保育園等における交通事故発生マップの提供による注意喚起、教職員による安全指導の徹底、また、交差点歩道巻き込み部の安全確保対策としての移動型バリケードの設置、青色灯防犯パトロールカーによる登下校時間帯の緊急見守りパトロールの実施などを行ったところであります。区は、保育園の散歩や学校における校外活動は、子どもたちの成長や学びの過程で必要不可欠なものと考えており、継続的に安全点検の実施等、安全・安心に向けた取り組みを強化していく考えでございます。 次に、中野駅北口駅前エリアにおける大規模集客施設についての御質問でございます。 まずは所有、運営についてでございます。中野駅新北口駅前エリアにおける大規模集客交流施設については、将来にわたり区の負担とならないよう、区や第三セクターによる所有ではなく、民間事業者による所有運営とし、民間の創意工夫により、さらなる集客力・発信力の向上を図る考えでございます。 大規模集客交流施設の民間提案についての御質問です。大規模集客交流施設のコンセプトや規模などについては、今後策定する中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画に示す方針に基づいて、民間参画事業者の公募において提案を求めていく考えであります。 サンプラザの名称についてでございます。中野サンプラザの名称については、中野のシンボルとして親しまれている側面とポピュラー音楽に適したコンサートホールのブランド価値としての側面があり、これらの価値を引き継ぐためにも、新たに整備するホールについては「中野サンプラザ」の名称を残したいと考えております。 中野サンプラザの商標権は、運営会社である株式会社中野サンプラザが保有しており、新たな施設における名称使用については法的要件を含め整理してまいります。 区有地等資産の活用についてでございます。中野駅北口駅前エリア、区有地等資産の一部は、市街地再開発事業において転出し、その転出補償金を新区役所整備の財源や株式会社まちづくり中野21の借入金返済などとして確保していきます。また、残る資産については、市街地再開発事業において権利変換をし、事業後の資産を保有する考えでございます。これによって市街地再開発事業への一定の関与を保持し、事業の着実な推進を図ってまいります。保有する資産のあり方については、将来にわたり区民の負担とならないよう配慮しながら、土地の所有も含めて今後検討してまいります。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私から、東京2020オリンピック・パラリンピックの小・中学生の観戦についてお答えいたします。 東京都教育委員会へ、本区立小学校、中学校が全校全学年で競技観戦できるように教育委員会でまとめて申請しているところでございます。観戦する競技種目は、今後、東京都で学校所在地等を考慮しながら決定されることになりますが、交通費については、他区の状況等を踏まえ前向きに検討してまいりたいと思います。 次に、桃園第二小学校の建替えについてお答えします。 建てかえの進め方に関する検証結果については、保護者・地域の皆様への説明会等により御意見をいただく予定にしております。そこでいただきました意見を踏まえ、また、学校や関係者、関係機関等とも調整を行いながら、校舎建てかえの方針を定めてまいりたいと考えております。 また、仮校舎設置でございますが、現地に仮校舎を設置するか、あるいは現上高田小学校を仮校舎とするのか、いずれの場合においても、児童の安全確保を第一に、工期の短縮や教育環境の維持を図るため、庁内他部署と連携しながら、地域資源の活用など、さまざまな要件を総合的に考慮しながら検討を進めてまいります。 〔企画部長高橋昭彦登壇〕 ○企画部長(高橋昭彦) 私からは、桃園第二小学校の建替えについての御質問にございました、学校用地拡大への取り組みについてお答えをいたします。 学校用地の拡大は、子どもたちのよりよい教育環境の確保につながるものと考えてございます。今後の学校用地の拡大等に当たりましては、教育委員会との連携により、学校隣接地の状況を把握し、学校施設に求められる役割や機能を示した学校施設整備計画との整合を図りながら、積極的に取り組んでいきたいと考えてございます。 〔危機管理担当部長滝瀬裕之登壇〕 ○危機管理担当部長(滝瀬裕之) 私からは、高齢者の運転免許自主返納の取り組みについてお答えをいたします。 高齢者の運転免許証の自主返納に関する啓発につきましては、全国交通安全運動期間中に都が作成いたしましたリーフレットを、高齢者会館や区民活動センターへ配布するなどの取り組みを行ってきたところでございます。 今後は、区や警察が開催する各種安全講習会において、加齢による運転リスクの講話を取り入れるなど周知の強化を図ることはもとより、新たに高齢者会館などにおける安全講習会の開催を検討するなど、制度の利用促進に努めてまいりたいと考えております。 〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕 ○都市基盤部長(豊川士朗) 私からはまず、魅力ある公園整備についてお答えいたします。 まず、遊具の点検結果についてでございます。平成30年度の遊具点検は、115公園、503施設でございました。そのうち、使用不可対象施設は83公園、169施設ございました。そのうち、緊急に補修または撤去が必要な施設、19公園、21施設につきましては、撤去予定を除いて補修済みでございます。 次に、遊具の補修・改修の方針についてでございます。遊具の更新につきましては、長寿命化計画に基づき国費を活用して実施をしてまいりました。今後の公園再整備計画策定の検討におきましては、遊具へのニーズを把握するとともに、更新等に関する財源のあり方についても検討してまいります。 それから、公園へのネーミングライツ導入についてでございます。ネーミングライツを導入することは、新たな財源を生み出す一つの手法として考えることができますので、今後、導入に向けて検討を進めてまいります。 中野四季の森公園の、芝生から草地広場への転換についてでございます。中野四季の森公園の芝生の維持管理費として、1平方メートル当たり年間5,800円程度を予算計上してございます。現在の芝生をやめて草地広場にした場合は、日当たり等の課題等がありますが、その後の維持管理経費はかなり削減でき、新たな財源の確保にもつながるものと考えております。 それから、子育て先進区の象徴となる複合遊具の設置についてでございます。複合遊具は一般的に高価であり、その設置場所も限られてまいりますが、設置する場合には、パークPFI制度などの活用もぜひ検討していきたいと考えてございます。 それから、公園トイレのリニューアル、洋式化についてでございます。区内公園トイレの老朽化も進んでおりまして、また洋式化されていないトイレも多くございます。公園トイレの更新方法等につきましても、民間活力の活用も含め、今後、策定予定の公園再整備計画の中で検討してまいります。 それから、公園再整備計画についてでございますが、今後は、新たな財源を生み出す手法についても検討していきたいと考えておりまして、それを踏まえ、公園再整備計画についてはさまざまな角度から検討してまいります。 次に、新しい公共交通網の整備の理念・目的についてございます。公共サービスへの支援につきましては、単なる民間事業者への営業補助を行うのではなく、区民生活の向上や波及効果を踏まえ実施をしていく必要がございます。区民の福祉、健康増進、子育て支援や地域活性化など、財源等に見合う波及効果をしっかりと検証し、確かな理念・目的を掲げ検討してまいります。 〔まちづくり推進部長角秀行登壇〕 ○まちづくり推進部長(角秀行) 私からは、JR東中野駅東口バリアフリー化について、駅周辺におけます短期的・中長期的な取り組みについてお答えいたします。 本年度は、東中野駅周辺の測量等の調査を実施して、現状で実施可能なバリアフリー対策などの早期に対応できる方策と、交流拠点の形成に向けたまちづくりなどの中長期的な取り組みに分けて整理し直すこととしてございます。 また、今後行います地形測量、水準測量の現況調査資料をもとにJRと協議を行い、簡易的なエレベーター設置の可能性など、既存駅舎を活用したバリアフリー対策についても検討していきたいと考えてございます。 ○議長(高橋かずちか) 以上で酒井たくや議員の質問は終わります。
中野区議会議員 白 井 ひでふみ 1 行政報告について 2 防災・安全対策について 3 子育て支援策について 4 区役所・サンプラザ地区の再整備について 5 プレミアム付商品券について 6 旧中野中(第九中)跡地の活用について 7 その他
○議長(高橋かずちか) 次に、白井ひでふみ議員。 〔白井ひでふみ議員登壇〕 ○25番(白井ひでふみ) 改選後初めての定例会となりますので、御挨拶を申し述べさせていただきます。 4月の中野区議会議員選挙におきましては、公明党として8名全員の当選、また4年前の得票数よりも多くの御支持をいただくことができました。お力添えをいただきました皆様への感謝の思いを忘れず、しっかりと働き、御恩返しをしてまいる決意でおります。 それでは、令和元年第2回定例会に当たり、公明党の立場から一般質問を行わせていただきます。 質問は、通告の順に従い、7のその他の質問はありません。 初めに、行政報告についてお伺いいたします。 これまでの中野区議会の運営においては、年の初めの定例議会に当たり、区長より施政方針演説が毎年行われてきました。このたびは、中野区議会の改選を経て、新しい議会に向けて、区長より行政報告が行われましたが、これまでの区政運営においては必ずしも通例で行われてきたものではありません。議会、ひいては区民に向けて区長が行おうとする区政運営について、丁寧に説明責任を果たされようとする姿勢は賛同するところです。行政報告の内容については、広く区政課題を取り上げておられますが、具体的な政策や方向性を示された箇所と具体性を欠く箇所との差が大きく、区長が行おうとする区政運営が伝わりづらいとの感を持ちました。 行政報告より具体的に示します。 子育て先進区実現に向けた取り組みの項では、私は、区長就任以来、区政運営の柱として、「中野区を子育て先進区へ」という目標を掲げてまいりました。(中略)これまでも力を入れて取り組んできた教育・保育、子育て支援等の取り組みのほか、住宅、商店街、公園などの子育てしやすい環境を充実させるという視点から、全庁を挙げた検討を行い、最先端かつ独自性のある取り組みを生み出していくことが必要であると述べられました。区長が掲げておられる子育て先進区への最先端かつ独自性のある取り組みとは何か、お尋ねします。 また、同項目での、区民、区議会から多く要望が寄せられている取り組みのうち、早期に実現可能な取り組みについては、先行的に着手することを検討するとも述べられました。何に取り組まれようとしているのかお尋ねします。 通例ではない、わざわざの行政報告を行われたわけですから、明確な取り組みやわかりやすい表現に努めていただきたいと考えますが、今後の施政方針での対応を求め、この項を終えます。 次に、防災・安全対策について伺います。 過日の6月18日、山形県沖を震源とする地震があり、新潟県村上市で震度6強、山形県鶴岡市で震度6弱が観測されました。ここで、被災された皆様にお見舞いを申し上げる次第です。 発災直後の被災状況を伝える報道のカメラからは、倒壊したブロック塀や家屋などが目に飛び込んでまいりました。首都直下地震が想定される中、改めて区の防災対策について伺います。 昨年の2018年6月18日の大阪北部地震では、小学校のブロック塀が倒れ、児童が犠牲になるという事件が発生しました。あえて事件と述べておきます。この事件を受けて中野区は、学校施設、幼稚園、保育園、子育て関連施設など危険なブロック塀等の緊急調査、安全対策強化のための必要な改修工事を進めてきたところです。区が有する施設以外の民間施設や住宅についての危険なブロック塀などの調査は過去2回行った経緯がありますが、その後の改修に結びつくような計画的、継続的な取り組みとはなっていません。区は、これまでの単発的な取り組みから脱し、危険なブロック塀などの除却・改修のための計画的、継続的な取り組みを実施すべきと考えます。そこで、中野区においては、本年4月よりブロック塀等の撤去工事助成事業が始まりましたが、現在の事業の実施状況を伺います。 また、今年度の区の予算に盛り込まれている区内の危険なブロック塀等の調査事業の取り組みを伺うとともに、区内の状況が把握されてくると、今後は改修工事等への支援が課題となると考えます。今後の取り組みの進め方を、あわせてお伺いいたします。 この項の次に、通学・園児等の移動経路、園外保育の安全対策について伺います。 お散歩中の保育園児と保育士の列に車両が飛び込み、園児2人が亡くなるという痛ましい事故を受け、特に、保育園の園外活動の安全確保がクローズアップされています。区議会改選後の5月に、公明党として、「通園・園外保育の安全対策に関する緊急要望」を区長へ提出させていただいたところです。保育園の待機児問題が深刻な都市部では、園庭のない保育園が増加し、必須の外遊びは近くの公園の活用を前提としています。通学・園児等の移動経路、園外保育の安全対策の調査について、区の取り組みをお伺いいたします。 今から5年前の本会議の一般質問において、待機児童問題解消のために園庭のない保育園がふえることを踏まえた、保育環境・子育て支援環境の観点を加味した公園整備計画が必要であると訴えさせていただきました。改めて、公園の再整備計画の早期の取りまとめを要望しておきます。 この項の次に、安全対策強化のための防犯カメラの設置についてお伺いいたします。 区内の町会や自治会、商店街などが設置主体者となる防犯カメラの設置について、安全対策強化のため、区は、設置費用の助成金額の段階的な増額、また維持管理費用の助成も新たに加えて推進してまいりました。これにより、町会・自治会、商店街等による区内の防犯カメラの設置台数が飛躍的に増加してきたところですが、地域によって防犯カメラの設置台数に偏りが生じ、いわば防犯カメラの空白地域が生じることとなりました。この防犯カメラの設置台数の偏りである防犯カメラの空白地域を解消し、区民の安心・安全に寄与するため、都内では初となる、区が設置主体者となっての区内幹線道路の主要交差点77カ所、計116台の防犯カメラの設置を、本年3月の設置完了を目指し取り組んできたところです。そこで、主要交差点に設置された防犯カメラの設置状況と、警察からの防犯カメラの映像の情報提供の要請がどのくらい行われているのか、その効果をお伺いいたします。 また、区が設置主体者となっての116台の防犯カメラのうち、5台、3カ所については、ネットワークカメラとして試行し、災害時など、区の防災センターへインターネットを介してライブで映像を送信できる仕組み、いわば防犯カメラを防災カメラとしても活用する取り組みについても提案してきたところです。安全性や費用面、またネットワーク化に伴うライブ映像の接続、閲覧条件などについて検討、検証を行っていく必要があると考えますが、今後の防犯カメラのネットワーク化拡充に向けた取り組みについてお伺いいたします。 ネットワーク化の活用により、災害時など、リアルタイムでの区内の状況をいち早く把握することが可能となり、初動体制を迅速に整えることができるという利点の反面、活用を最小限にとどめなければプライバシーの侵害につながりかねないとの懸念があります。ネットワーク化により可能となるライブ映像について、警察等を含め外部機関への情報提供についての区の考えを伺い、この項の質問を終わります。 次に、子育て支援策についてお伺いいたします。 初めに、保育園の待機児童対策について伺います。 既に新聞報道等がなされているところですが、改めて本年4月時の中野区の待機児童数157人について、区の近年の状況との比較、また他区との状況を比較しての区の見解をお伺いいたします。 今年度は、区内における待機児童数が、地域において大きく異なる数値となったと聞きます。これまでも指摘してきたことではありますが、地域格差解消のため、保育園誘致・開設の地域を絞り込んでの取り組みが必要です。保育園の待機児童数の地域格差解消のための対策について、区の取り組みをお伺いいたします。 この項の次に、幼児教育・幼児保育の無償化について伺います。 少子化対策の柱の一つである幼児教育・幼児保育の無償化が、本年10月からの施行を控えているところです。国の政策に加え、東京都の上乗せ制度や既存の制度の再編、財政負担など、まだ未確定なところもありますが、ほぼ施策の全容が見えてきました。対象となるサービスは、幼稚園、保育園のみならず、障害児施設やベビーシッター制度など多岐にわたります。そこで、改めて無償化の対象となるサービス、利用料金について概要を伺います。 無償化に伴う給食費について、国は、食材料費については、主食・副食費ともに保護者負担による施設での実費徴収を基本としています。現在、保育施設等の食材料費については、一部、区が負担していることから、区は無償化後の実費徴収については、23区の動向を確認しながら検討するとしてきましたが、現在の検討状況と他区の動向をお伺いします。 給食費の支援策については、過日の5月に、公明党として区長に要望書を提出させていただきました。区の積極的な支援策の実施を求めておきます。 次に、保育園の延長保育料金についてお伺いいたします。 保育園の延長保育料金は、月額での利用の場合は、基本の保育料と同じく区民税所得割による32分類の助成制度がありますが、日々の利用の場合は、生活保護受給世帯と住民税非課税世帯、その他の3分類のみとなっており、所得に応じた助成制度がほぼない状態となっています。無償化の適用範囲は保育料金の基本額のみですが、公立保育園の延長保育料は各自治体で定めることとなっています。月額利用と日々利用の助成額の差を、保育料金が大きく変わるこの際に検討すべきと考えますが、お伺いいたします。 次に、幼稚園就園奨励費についてお伺いいたします。 幼稚園においては、無償化に伴い、従来の幼稚園就園奨励費の見直しが行われます。国の制度をもとに、東京都の上乗せ助成がなされる予定ですが、それでも従来よりも助成金額が減額してしまう方が出てしまう状況です。区として、就園奨励費の見直しに伴う新たな制度構築を実施すべきと考えますが、伺って、この項の質問を終わります。 次に、区役所・サンプラザ地区の再整備についてお伺いいたします。 区役所・サンプラザ地区の再整備から生み出される財源をもとに、新区役所の整備費用について、この財源が確保できるまでの一時借り入れとしての区債を除き、新たな区債の発行を行わない、すなわち、新区役所整備について区民に新たな借金を負わせないとの方針で、これまでの区政は進められてきましたが、さきの定例会における私の総括質疑において、新たな区債の発行も含め検討するとの答弁がありました。 新区役所整備に当たり、財源確保の見通しが不明瞭との意から、今年度の予算の議決において、財源の見通しを示すことを附帯意見として要望、可決をいただいたところです。区役所・サンプラザ地区の再整備から生み出される財源は、集客交流施設を何名の収容人数とするのか、また施設の所有者、運営は誰とするのかが大きな要素となります。そこで、新しいサンプラザとなる集客交流施設の収容人数の考えと、設計・建設、維持管理・運営の形態の考えをお伺いいたします。 区役所・サンプラザ地区の再整備における新区役所建設のための財源確保の見通しと、将来にわたる区の意見反映のために財産・権利を持つべきと考えますが、区の見通しについてお伺いいたします。 また、この間の再検討に時間を要しているところでもあります。中野駅周辺再整備における最も切望される新南北通路、新改札の開設時期、駅前広場等の今後のスケジュールについて、開設時期に変更はないのか改めて伺い、この項の質問を終わります。 次に、プレミアム付商品券についてお伺いいたします。 本年10月に予定されている消費税率の引き上げに伴い、全国の各自治体では、所得の低い人や子育て世帯向けの「プレミアム付商品券」が発行される予定となっています。消費喚起の経済効果、需要の平準化や消費を下支えする手法として期待されるところであり、我々公明党議員団としては、中野区商店街連合会の皆様より毎年、強く予算要望をいただいてきた課題でもあります。中野区においてはこれまで、平成21年、平成27年の計2回、プレミアム付商品券事業を実施してきたところです。これまでのプレミアム付商品券事業を実施しての改善点、また、プレミアム付商品券事業についての区の評価をお伺いいたします。 これまでのプレミアム付商品券事業と大きく異なるところは、今回、購入できる対象者に条件が設けられ、そのための本人確認による購入手続が定められているところです。区民へのプレミアム付商品券事業の周知方法や、相談・受付窓口であるコールセンターの紹介も含め丁寧な案内が必要であると考えますが、区の対応を伺って、この項の質問を終わります。 次に、旧中野中(第九中)跡地の活用についてお伺いします。 超高齢社会の本格的到来により、医療と介護を必要とする区民が増加する中、住みなれた地域で安心して暮らし続けるために、特に、高齢者に対応する医療機能や高齢者の在宅での生活を支援する機能を有する医療機関、その体制が重要であると訴えてきたところです。2016年7月の東京都地域医療構想及び2018年3月の東京都保健医療計画では、中野区を含む区西部保健医療圏においては回復期機能を持つ病床が不足しており、団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向けた医療体制を構築する必要性を示唆しています。区は、この状況を踏まえ、今後の超高齢化による医療需要に対応するため、旧中野中跡地において医療機関を開設する事業者を募集することを決定し、今後、募集を行う段階に入ってまいります。 中野区が位置する区西部保健医療圏は、新宿区、杉並区、そして中野区の3区からなり、東京都の定める病床数は既に規定数に達しているため、既に開設している医療法に規定する病院の転入、移転が必然の条件となります。そこで、区が招致を目指す医療機関の役割についての考えを改めてお伺いいたします。 旧中野中跡地に、転入、移転を望む医療機関の見通しはどのような状況にあるのかお伺いいたします。 また、旧中野中跡地は、現在、地元地域の避難所として指定されています。地域の避難所の確保策について、区の取り組みをお伺いいたします。 高齢者の方々が住みなれた地域で安心して暮らし続けられるための、区における医療・介護の連携支援体制の構築を願って、私の全ての質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 白井議員の御質問にお答えいたします。 まず、子育て先進区の取り組みについてでございます。区が目指す子育て先進区とは、子育てをする上で良好な環境が整っており、子育て家庭の満足度の高いまちであるとともに、そうした環境が区内外に広く認識され、多くの子育て家庭から選ばれるまちであると考えております。その実現に向けた最先端、かつ独自性のある取り組みとは、中野区らしさを生かした取り組みや、他の自治体では取り組まれていない新たな取り組みのことを指しております。こうした取り組みとともに、子育てしやすいまちとしてのイメージの積極的・効果的な情報発信などを戦略的に行うことにより、他自治体との差別化を図ってまいります。 先行的に着手する取り組みについての御質問です。子育て先進区の取り組みのうち先行的に着手するものについては、子育て先進区の実現に向けた戦略の中で示していきたいと考えております。 行政報告における説明についてでございます。行政報告は、ことし4月に中野区議会議員選挙が執行されたことから、改めて行政の現状と今後の取り組みを報告したものでございます。報告に際しては、取り組みの内容が定まっているものだけではなく、これから議論の必要な内容についても方向性のイメージを示し、全体像が見えるようにしたいと考えております。今後の施政方針説明や行政報告においても、できる限り丁寧に説明するよう努めてまいります。 次に、防災安全対策についてのブロック塀等の除却事業の進捗状況についてでございます。当面の応急対策として、ブロック塀等の除却事業が始まったところでありますが、年度当初から6月中旬現在までの実績は、相談件数が15件、助成が決定した案件は1件となっております。さらに、除却及び改修助成事業の拡充につながることを目的とした調査委託事業を進める予定でございまして、このことにより、通学路や避難路、沿道などのブロック塀等の所有者への助言・指導に活用できる情報の整理などを行ってまいります。 次に、通学・園児等の移動経路、園外保育の安全対策についてでございます。これまでも区道の通学の安全対策については、学校、PTA、交通管理者と連携して合同点検を実施しており、警視庁からも毎年、交通安全施設の整備に関する要請があり、これらに基づき防護柵などの安全施設の設置・改修を進めてきたところでございます。この間、緊急対策として、交差点歩道巻き込み部の安全性向上を目的に置き型バリケードの仮置き、これらを区内5カ所で7台設置をいたしました。今後は、区としても必要な箇所への防護柵等の設置を進めるとともに、区内保育施設における戸外活動の安全確保における要望などを踏まえて、交差点部における安全対策などについて、交通管理者との協議や国の基準の改正などを踏まえて適切に対応してまいります。 次に、交差点防犯カメラの整備及び運営状況についてでございます。昨年度末までに、区内77カ所の交差点に計116台の防犯カメラを設置いたしまして、本年4月1日から映像の外部提供を含めた運用を開始したところであります。区としては、街頭犯罪の未然防止等を目的として防犯カメラを設置したものでございまして、本年5月末現在の中野区内の刑法犯認知件数については、昨年同期と比較して121件数減少するなど、一定の効果はあらわれているものと認識しております。 防犯カメラ画像の外部提供の運用については、警察からの公文書に基づく提供依頼19件を受理しておりまして、その対象となる防犯カメラの台数は44台となっております。 防犯カメラのネットワーク化と災害時の活用についてでございます。防犯カメラのネットワーク化と災害時の活用に関する取り組みについては、河川の氾濫時や震災発生時における幹線道路の安全対策を踏まえて、ライブ映像による確認が必要となる場所を選定し、116台の防犯カメラのうち、浸水予想地域や人の滞留が予想される駅前など、3カ所5台をネットワークカメラとして設置し、防災センター内でライブ映像を確認できるシステムを導入いたしました。また、カメラの運用に当たっては、プライバシーの保護を考慮しつつ、有事の際には必要最小限においてライブ映像を確認できる規定を新たに設けました。今後の拡充等につきましては、本年度の運用結果を踏まえて、その必要性や費用負担面等に関する検証を行った上で研究をしてまいります。 最後に、防災・安全対策についての最後のところで、ライブ画像の外部提供の考え方についての御質問でございます。議員御指摘のライブ映像については、プライバシー保護の観点等から、外部提供は現在想定しておりません。 次に、子育て支援策についての御質問、待機児童の状況と他区の状況についてでございます。中野区の今年度4月の待機児童数は157人となっておりまして、昨年度の171人からは14人減となっております。23区全体では2,037人の待機児童数となっており、23区中、待機児童数最大の区では470人、最少の区では0人となっており、中野区は待機児童数の多い区の順でいいますと、上から4番目という状況になっております。 この待機児童についての地域格差解消のための対策についてでございます。保育施設の新規誘致については、昨年度に待機児童が多く発生していた中部・南部地域を重点地域として認可保育所開設事業者を募集したところであります。その結果、重点地域に、ことしの6月に2園開設し、来年度4月には4園の開設を予定しております。今後は、ことしの4月時点で待機児童が多い、中野坂上駅から東中野の地域への新園の誘致を進めてまいります。 次に、無償化の対象の概要についてでございます。無償化の対象となるサービスは、幼稚園・保育園、認定こども園や認可外保育施設やベビーシッター、これらに加えまして、就学前障害児の発達支援や幼稚園の預かり保育、一時預かり事業なども対象となります。利用料金に関しては、保育園は無償、新制度に移行していない幼稚園は月額2万5,700円まで無償となっておりまして、幼稚園の預かり保育は、幼稚園の利用に加え、1万1,300円まで無償、認可外保育施設や一時預かり事業は月額3万7,000円まで無償となっております。 次に、食材料費の検討状況と他区の動向についてでございます。無償化後の食材料費の取り扱いについては、財政的負担や他区の動向を確認しながら、区として対応を検討している状況でございます。他区の検討状況については、実費徴収をしない方向で検討している区が多いと認識しております。 次に、延長保育料金の見直しの検討についてでございます。区立の保育園の日々利用の延長保育料については、世帯の所得と利用時間に応じて3分類で定めております。これまで特段、利用者から利用料金に関する意見等も受けていないことから、現段階で料金の見直しについては考えておりません。 次に、幼稚園就園奨励費の見直しに伴う制度構築についてでございます。現在、所得制限のある国制度の就園奨励費は、年間最大30万8,000円の補助となっておりまして、今後、幼児教育無償化に伴って所得制限がなくなり、2万5,700円が一律補助されるという制度の改正も見込まれております。その他の関連制度の動向も十分に踏まえて、区としての対応を定めてまいります。 次に4番目、区役所・サンプラザ地区の再整備について、まず、大規模集客交流施設の形態についてでございます。区役所・サンプラザ地区、すなわち中野駅新北口駅前エリアにおける中野サンプラザの後継施設となる大規模集客交流施設については、将来にわたり区の負担とならないよう、民間事業者による所有・運営といたしまして、民間の創意工夫により、さらなる集客力・発信力の向上を図る考えでございます。 設計・建設といった整備についても、市街地再開発事業として民間活力を活用いたします。施設のコンセプトや規模などについては、今後策定する中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画に示す方針に基づいて、民間参画事業者の公募において提案を求めていく考えでございます。 次に、新区役所整備の財源見通しなどについてでございます。区有地等資産の一部は、市街地再開発事業において転出し、その転出補償金を新区役所整備の財源や株式会社まちづくり中野21の借入金返済などとして確保してまいります。 また、残る資産については市街地再開発事業において権利変換し、事業後の資産を保有する考えであります。これによって、市街地再開発事業への一定の関与を保持し、事業の着実な推進を図るものでございます。保有する資産のあり方については、区民の負担とならないよう配慮しながら、土地の所有も含めて今後検討してまいります。 私からは最後に、中野駅西側南北通路・橋上駅舎、駅前広場等のスケジュールについてでございます。中野駅西側南北通路・橋上駅舎等事業については、現在、実施設計作業を進めるとともに、支障移転工事等を進めておりまして、詰所の移設のほか、くい打ち作業の準備として、一部ホームの掘削作業も開始しております。 開業時期については、現時点では令和8年、2026年度末の予定でございます。実施設計作業では、西口改札をできるだけ早期に開業できるよう工期短縮を目指しまして、区とJR東日本で日常的に情報を共有し、協力して作業を進めているところでございます。 また、駅前広場等の整備については、中野駅新北口駅前エリア再整備事業と密接に関係しており、工程の詳細は今後、調整を進めることとなります。区としては、駅利用者の利便性に配慮し、できるだけ早期の整備完了を目指していく考えでございます。 〔危機管理担当部長滝瀬裕之登壇〕 ○危機管理担当部長(滝瀬裕之) 私からは、旧中野中(第九中)跡地の活用についてのうち、旧中野中跡地の避難所確保策についてお答え申し上げます。 旧中野中学校跡地の医療機関誘致に伴う地域の避難所につきましては、旧中野中学校跡地を指定している防災会のエリアにおいて、区有施設を中心に避難所として使用可能な施設を確保できるように検討を始めているところでございます。 〔区民部長青山敬一郎登壇〕 ○区民部長(青山敬一郎) 私からは、プレミアム付商品券についての御質問にお答えいたします。 まず、これまでの事業についての評価と改良点でございます。前回のプレミアム付商品券事業の発行総額7億2,000万円に対する経済効果につきまして、新規消費喚起額として2億5,000万円以上の効果があったものと認識しております。また、区内の経済効果にとどまらず、本事業を契機として、中野区商店街連合会加盟店や区内共通商品券取扱店が増加するなど組織強化としての効果もございました。 なお、今回の事業は、一般の方への商品券販売はなく、対象となる所得の低い方や3歳6カ月未満の子育て世帯の方に購入引換券を送付するものでございます。前回、平成27年度の購入は1人分の上限2万4,000円分を1回で購入する方法であり、家族が多い場合など、負担が大きいものでございました。今回は1冊5,000円分ごとに5回まで分けて購入ができ、所得の低い方やさまざまな家庭事情に配慮した購入方法になっております。 次に、区の周知方法やコールセンターの設置についてでございます。対象となる方は約7万3,000人と想定しており、販売予定額も、全て使用された場合は約18億3,000万円となります。扶養関係の確認などのため、所得の低い方には事前の申請が必要になりますが、基本的に対象になると考えられる方には個別に申請書等をお送りする予定でございます。申請後、商品券の購入までの手続はおのおの必要にはなりますが、申請に当たっては、より簡便な記載方法にするなどの工夫に加え、区独自のコールセンター等により丁寧な案内を行うほか、区報、ホームページ、SNS等により広く周知も行ってまいります。 商品券の使用に当たっても、中野区商店街連合会等と連携し、使用できる店舗の紹介などをわかりやすい形で行い、地域における消費を着実に下支えしてまいります。 〔保健所長向山晴子登壇〕 ○保健所長(向山晴子) 私からは、旧中野中跡地の活用について、所管に関連いたします2点をお答え申し上げます。 誘致を目指す医療機関の役割についてでございますが、超高齢社会において、全ての区民が住みなれた地域で安心して生活できるようにするためには、今後、地域医療をより一層充実させる必要があると考えてございます。誘致を目指す医療機関については、地域の医療拠点として、かかりつけ医と連携した在宅医療の支援や回復期医療の提供、保健医療にかかわる人材育成など地域包括ケアシステムの構築に資するような役割を期待しております。 次に、移転を望む医療機関の見通しについてのお尋ねでございますが、中野区を含む区西部保健医療圏の医療機関や医療機関関係団体は、回復期の医療の拡充や在宅医療の強化などの地域医療の充実が必要であるとの共通認識を持っておりまして、今年度実施する誘致の公募では、地域医療の拠点機能を担うことのできる医療機関の参入があるものと見込んでおります。 〔白井ひでふみ議員登壇〕 ○25番(白井ひでふみ) 再質問をさせていただきます。 行政報告のくだりのほうでは、もう少しお聞きしたかったんですけれども、恐らくこれ以上やっても禅問答のようになりそうですので、質問のほうは控えて、早期の取りまとめ、発表をお待ちさせていただきたいと思っております。場合によっては、最先端でも、独自性のあるものでなくても、中野区のためにあるものであれば、打ち出しを早期にしていただいたほうがいいのかなとも思っております。 質問のところに移らせていただきます。 幼児教育・幼児保育の無償化についてです。いわゆる食材料費の扱いについてなんですけども、先ほどちょっと区長の答弁が聞きづらかったんです。徴収しない自治体が23区の中で半数以上、つまり、自治体が食材料費を負担すると言っているほうが23区の中では多いということでしょうか、確認をさせていただきたいと思います。私の調べた中ではそうだと思っておりますけども、23区の動向を確認した上で区がどうするかを検討するとこれまでおっしゃってきたわけですから、もはや、既に徴収しない23区の自治体がふえているわけです。早期の決断を促しておきたいと思いますし、ぜひ改めて御答弁をいただきたいと思います。時間がないので、この一点だけお伺いいたします。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 白井議員の再質問にお答えします。 先ほどの食材料費の検討状況と他区の動向についてということで、私からの答弁では、他区の検討状況については、実費徴収をしない方向で検討している区が多いというふうに認識をしております。特に中野区の周辺区については、実費徴収をしない方向で検討しているのが多いという認識でおります。それも踏まえて、区としては早期に決断をしないといけないと考えております。 ○議長(高橋かずちか) 以上で白井ひでふみ議員の質問は終わります。 議事の都合により暫時休憩いたします。 午後3時11分休憩
午後3時30分開議 ○議長(高橋かずちか) 会議を再開いたします。 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。 一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 浦 野 さとみ 1 行政報告について 2 平和の森公園再整備について 3 よりよい子育て・教育環境について (1)子ども実態調査について (2)平和の森小学校の新校舎建設について (3)桃園第二小学校の校舎建て替えについて (4)子ども食堂への運営助成について (5)その他 4 聞こえのバリアフリーについて 5 ひきこもり支援について 6 その他 (1)商工会館の跡地活用について (2)その他
○議長(高橋かずちか) 浦野さとみ議員。 〔浦野さとみ議員登壇〕 ○31番(浦野さとみ) 2019年第2回定例会本会議におきまして、日本共産党議員団を代表して一般質問を行います。質問は通告のとおりです。 質問に先立ちまして、4月の区議会議員選挙では、日本共産党議員団6名を区議会へと送っていただきました。一つひとつの公約の実現に向けて、区民の皆さんと一緒に力を合わせて全力を尽くしていく決意です。 それでは、質問に入ります。 まず初めに、行政報告について伺います。 酒井区長が就任し、1年が経過をしました。一昨日に示された行政報告とあわせ、1年前の就任時の所信表明を改めて拝見しました。所信表明の冒頭に、「政策決定過程での区民参加のあり方が問われた選挙でした。区政の主役はあくまでも区民の皆さんであり、区政は住民自治によって進められるべきものという区民の皆さんの強い意思を感じました。区民の皆さんにさらに区政に関心を持っていただき、区政への参加が一層進むように努力していきたい」と述べています。 今回の行政報告では、特に、2の「新しい基本構想と基本計画の策定」の項の中で、「広範な区民参加による議論を経て、区民の皆さんとの協働により」という記述や「多くの区民の皆さんの声を聞くことができるように努めている」など、区長が就任以来大切にされてきた区民参加のあり方に関する言葉が記されています。無作為抽出により選ばれた区民によるワークショップ、郵送やホームページでのアンケートを実施するなど、区民参加を広げる新たな取り組みを実施されたことは評価いたします。質問の後半でも取り上げますが、ひきこもりについてをはじめ、所得の低い世帯への対応、一人暮らし世帯への支援などを課題として認識されていることは重要な点として共有いたします。 区民参加のあり方として、参加を保障し広げていくことはもちろん、その場で出た声や要望が実際に生かされていくこと、互いのキャッチボールを重ねる中で施策に反映をされていくことがより重要と考えます。そのことが、今回の行政報告の最後でも述べられているように、「多様な主体との協働などの積み重ねにより、区民や関係団体の皆さんと区との間に揺るぎない信頼関係が築かれるとともに、地域全体の活力が増していくものと考えます」という区長の思い・姿勢につながっていくのではないでしょうか。そしてそのことは、区長自身が掲げた公約を実現させていく過程においても同様であると思いますが、区長の認識・見解を伺います。 次に、平和の森公園再整備について伺います。 区から「平和の森公園内に新体育館を整備し、あわせて公園全体を総合スポーツ施設に改修していく」という方針が示されたのは、4年3カ月前、2015年の第1回定例会でした。当時区は、それまでの方針としては、新体育館建設場所は現在の体育館がある場所を含めた中野四季の都市(まち)区域3区有地を候補地としており、あまりにも突然の方針転換でした。次年度の本予算が成立した直後に、定例会最終日に平和の森公園改修検討に4,000万円の補正予算が急遽提案されたことも、その唐突さを裏付けるものでした。 そもそも、現在、平和の森公園がある場所は中野刑務所があり、当時、刑務所移転のための大きな運動が起こり、その跡地の活用についてはたくさんの要望があった中で、ここには「緑と広場の避難場所をつくろう」と、多くの区民・区・区議会が一体となって、長年の運動の結果、緑と広場の防災公園である平和の森公園の開園に至ったことは紛れもない事実です。そうした経過がある平和の森公園に、区民の皆さんや区議会でのまともな議論もないまま、公園のあり方を大きく変えてしまうこの方針が出されたことは、これまでの歴史と経過をないがしろにするものであったことは、重ねて指摘をし、計画の見直しを求めてきたところです。 その後、当時の少年スポーツ広場に多目的広場を、また草地広場に300メートルトラックや100メートル直線コースを、さらにはバーベキューサイト設置や草地広場を分断する園内灯の設置、築山を壊しての滑り台設置などが示されました。そのことに対し、多くの公園利用者や地域住民の皆さんからは、見直しを求める声が各意見交換会やパブリックコメントなどでも圧倒的多数であったこと、また、議会に対しても、それらのことを趣旨とした10を超える陳情や請願が出されたことなどを見ても、「緑と広場を壊さないでほしい」というのが区民・公園利用者の圧倒的な声だったのではないでしょうか。 だからこそ、昨年の区長選挙でも大きな争点となりました。もちろん、平和の森公園の問題だけで酒井区長が当選したわけではありませんが、「草地広場への300メートルトラック設置は見直しをしていく。緑と広場を守り、草地広場は残します」との公約が、酒井区長が支持をされた大きな要素の一つであったことは間違いありません。そしてその後、昨年8月に平和の森公園再整備見直し案が示され、区民との語る会などを経て、まさに多くの公園利用者・地域住民の皆さんが望む平和の森公園第二工区に関する見直し案、これに基づいた工事請負契約変更に係る議案がことしの3月に提出をされるという経過をたどってきました。しかし、残念ながらこの議案は、19対20の僅差で否決となりました。 しかし、その後の4月の区議会議員選挙でも、「平和の森公園の草地広場を守ってほしい。これ以上壊さないでほしい」という平和の森公園に対する、区民・公園利用者の願い・思いは一貫しているのではないでしょうか。こうした一貫した願い、そして二度の選挙で示された区民の意思をないがしろにすることは絶対あってはいけないと思います。 政治の主役である区民の皆さんが、自分たちの声と行動で政治は変えられる、動かすことができると実感している思いを、真っすぐに受けとめるべきです。議会構成は大きく変わりました。区長は、区議会議員選挙後の4月25日の区長定例記者会見の質疑応答の中で、「平和の森公園の整備スケジュールはどうなっているのか」との質問に対し、「平和の森公園については区議会の議決を尊重すべきと考えている。よって、3月の区議会の判断を踏まえて工事を再開したところである。今後は、第2回定例会での議会の意見を踏まえて考えていきたい」と、今後についてはこう述べています。まさに第2回定例会での本会議質問はきょうがスタートです。 一昨日の先議での補正予算審査で、この補正予算の中には、当初の予定どおりの再整備内容、つまり300メートルトラックや100メートル直線、コンクリートの滑り台設置などを含む当初案を完成させていくために必要な経費が含まれていることが質疑の中で明らかになりました。 「工事がストップしていたことで、本来発生しない工事延伸にかかわるお金が区民の税金から支払われることになるのではないか」との質疑もありましたが、区民の願いが反映された見直し案が可決されていれば必要なかったお金ですし、そもそも区民が望んでいないものに、それこそ税金をかけてつくることのほうが、よほど無駄遣いになるのではないでしょうか。建設委員会での質疑にもあったように、草地広場へのトラック敷設工事は8月からです。 区長が区民参加のあり方を大切にし、そして「300メートルトラックは見直しを、緑と広場を守り草地広場は残します」というみずからの公約を実現するためにも、この新しい議会構成のもとで、改めてその意思を示すべきではないでしょうか。答弁を求めます。 次に、よりよい子育て・教育環境について伺います。 初めに、子ども実態調査について伺います。 先進国に比べても日本の子どもの貧困率が高いことは、厚生労働省の調査などからも示されており、また、特にひとり親家庭ではさらに深刻であることなどを提示しながら、区内での子どもたちの状況把握は欠かせず、区としての実態調査をと、かねてから当区議団としても繰り返し求めてきました。また、他の同僚議員からもこの問題提起は重ねて行われてきました。今年度、この実態調査が予算化され、実施に踏み出したことは歓迎するものです。今回の実態調査の対象者及び調査の項目について答弁を求めます。同時に、この調査を今後の区の施策に役立てていくためにも、しっかりと現状把握ができるものにし、その上で対象者に回答していただき、回収率を高めていくことがより重要と考えます。 5月末のNHKのニュースで、全国で不登校になっている中学生370人余りを対象に、NHKがインターネットを通じてその原因を聞いたところ、5人に1人の割合で、いじめや先生との関係が挙げられました。一方で、文部科学省が学校を通じて行った調査で、同じ原因を挙げる生徒はわずか数%にとどまり、二つの調査に大きな差があったことが報道されました。 ほかにも、例えば不登校の要因として、文部科学省が教員らを対象にしたものでは、教員との関係が2.2%だったのに対し、NHKの調査での生徒の回答は23%と、大きな開きがありました。文部科学省の松木生徒指導室長は、「子どもたちが、先生や親などに本当の悩みを打ち明けられない状況があるのではないか。子どものSOSを見逃さないように、スクールカウンセラーの配置やSNSなど多様な手段で相談体制を充実させていきたい」とも言っています。 これから区が実施する今回の調査では、保護者だけでなく、小学校4年生から中学3年生の児童・生徒本人にも回答をしてもらうと伺っています。よりリアルな回答をしてもらうこと、そして回収率を高めていくことが大切です。そのためにも、子どもたちが安心して回答できるように、実施方法や回収方法での工夫が必要だと考えますが、見解を伺います。 そして、この調査をどう生かしていくのかが重要です。調査用紙の配布・回収以外で検討していること、また、当面のスケジュールについてもあわせて伺います。区としてようやく実施に踏み出したこの調査が、実態をリアルに踏まえた上で、よりよい子育て・教育環境の施策につながることを切に要望し、この項の質問を終わります。 次に、平和の森小学校の新校舎建設について伺います。 平和の森小学校は、前期の小・中学校再編計画において、2011年4月に野方小と沼袋小の統廃合によって現在の位置に開校しました。統廃合に当たり当時の方針も二転三転をしましたが、隣接する法務省の矯正研修所の移転が確実になったことを受け、その跡地に平和の森小学校新校舎を建設することを前提としての統廃合となりました。当初のスケジュールでは、2016年4月が新校舎開校予定でしたが、たび重なるスケジュールの変更があり、現在に至っています。 児童数が当初の想定を大きく超える中、児童の休み時間の過ごし方に制約が出てしまったり、教室数の不足によって毎年何らかの対応が迫られたり、運動会などの行事などでもかなり窮屈な状況となってしまったりと、統廃合自体に問題があったことは、これまでも繰り返し指摘し、再編計画自体の検証・見直しが必要であることを求めてきたところです。 ことし1月の子ども文教委員会に報告された資料では、2月に基本構想・基本計画(案)についての区民との意見交換会を経て、3月末に基本構想・基本計画の策定、2019年度から2020年度で基本設計・実施設計、そして2023年度に新校舎供用開始との予定スケジュールが示されていますが、現時点で基本構想・基本計画の(案)はとれていないと伺っています。その理由について答弁を求めます。 今月初め、中野たてもの応援団の方々が主催された、「子どもたちの身も心ものびのびイキイキする建築と空間」をテーマにした講演会へ参加をさせていただきました。子どものための建築を数多く手がけてこられた富田玲子さんが講師で、今後の中野区での新校舎建設等で生かせる視点やヒントがたくさんあるように感じました。「子どもの五感が刺激され、しなやかな感性が高められて心身が解放されるような環境であること」、「ここにしかないという地域のシンボルであるために、地域の特性を十分に反映し、地域に連続した場所になっていること」、「自然とともに、風・光・緑の心地よさを感じ、虫や鳥と接し、四季の移り変わりや雨や雪の楽しさ、美しさを実感できること」が大切であると述べられていました。 もちろん、地域でさまざまな状況が異なることは大前提ですが、だからこそ、地域や子ども・保護者、学校関係者を含めた議論を繰り返していくこと、設計や建築の専門家との共同で、よりよい環境の学校をつくっていくことが必要だと改めて実感をしました。 平和の森小学校新校舎建設予定地の中には旧中野刑務所正門があり、先ほど御紹介をさせていただいた富田玲子さんがおっしゃる、まさにここにしかない地域の特性を生かせるのではないでしょうか。旧中野刑務所正門は、歴史、文化、教育など多角的な価値があり、区内のみならず都内、全国、国際的にも注目をされています。今月23日には、ハーバード大学に在籍し、日本研究の第一人者であるアンドルー・ゴードン教授が中野を訪問し、旧中野刑務所正門を見学されました。 区では、ことし1月に、この正門について現地での保存とすることとしたいという報告をし、2月に、平和の森小学校新校舎整備にかかわっての区と区民との意見交換会が行われました。参加者からは、「区だけで決めずに、しっかりと意見を交換できるようにしてほしい」、「門を生かした学校建設を」などの声も出されていました。区内の建築専門家の皆さんからは、門を生かした配置案も示されています。こうしたものも参考としながら、地域住民や子ども・保護者、学校関係者や各専門家の意見と知恵を最大限に集めて、設計の作業に当たっていくことが必要ではないでしょうか、見解を伺います。 次に、桃園第二小学校の校舎建て替えについて伺います。 区では、中野区立小・中学校施設整備計画に基づき、学校統合を伴わない建築後50年が経過している校舎の建てかえに当たっては、一時的に未使用となる空き校舎を仮校舎として使用し、その期間に現校舎を解体、新築にすることとしています。今後、その対象となるのが本郷小学校と桃園第二小学校ですが、ここでは桃園第二小学校について伺います。 桃園第二小学校の建てかえに当たっては、仮校舎として上高田小学校を使用することが検討されてきましたが、かなり遠方のために通学距離が長くなること、特に児童への負担も大きく、安全対策についてなど、保護者や地域住民からは見直しの声が上がっていました。2015年の第1回定例会予算特別委員会の中でこの問題を指摘し、改善・対応策について要望しました。また、他の議員からも、先ほど酒井議員からも指摘がありました。こうした中、ことしの第1回定例会の子ども文教委員会で、ことしの10月までに校舎建てかえ手法の具体的検証を行い、11月ごろに校舎建てかえの手法の方針を決定していくとの報告がされました。これは、区としても、さきに述べたような声も受けて、例えば、校庭に仮校舎を設置の上で現地での建てかえなども含めて、校舎建てかえのあり方について検証していくということだと認識をしていますが、今回、改めてこうした検証を行うこととした理由は何か、また、今後の検討を進めるに当たっては、最大限、児童・保護者・学校関係者・地域住民の要望が反映されるようにすべきと考えますが、あわせて見解を伺います。 この項の最後に、子ども食堂への運営助成について伺います。 東京都の制度を受け、今年度から中野区でも開始されました。当初10件程度の申請を想定していたとのことですが、5月の締め切りで1件のみの応募だったと伺いました。周知などに問題はなかったのか伺います。 これまで社会福祉協議会での助成制度を利用していた皆さんにお話を伺うと、助成制度の利用は社会福祉協議会か、区か、いずれかしか利用できないため、改めて区に申請をするよりは、これまでと同じく社会福祉協議会での制度を利用したほうが手続も楽であるとの声が多くありました。ただ、せっかく区として開始した制度ですので、必要としている方々が利用しやすくなるように、また今後についての改善策、手立てについて検討すべきと考えますが、区の見解を伺い、この項の質問を終わります。 次に、聞こえのバリアフリーについて伺います。 先月、日本共産党の都議団が「難聴と補聴器に関するアンケート」に取り組み、504人の方から回答をいただきました。その中では、「聞こえないけど、何となく相づちを打っている」、「サークルの中で周りの声が聞こえづらくなった」、「広いところでの話し合いには参加しなくなった」など、聞こえに対する不安の声が多く寄せられました。 難聴が認知症の危険因子の一つであることは、2017年に開かれた国際アルツハイマー病会議での発表や厚生労働省の新オレンジプランでも指摘をされています。団塊の世代が後期高齢者となる2025年、認知症の方は予備軍と合わせて1,400万人になるとも言われています。また、補聴器が必要な難聴者も、今後10年間で1,600万人になるとも言われています。難聴になると、周囲からの情報量が絶対的に減少します。その結果、先ほど御紹介したようなことがふえる中で、会話がうまく成立しないという経験を繰り返し、周囲とのかかわりを避けるようになり、コミュニケーション・交流の機会が減少することにもつながります。そのことが精神的健康にも影響を与え、認知機能の低下やうつ傾向を引き起こすことにもつながることが指摘をされています。 65歳以上の2人に1人が難聴で、何らかの形で生活の質の低下につながるという実態もあります。難聴を「医療」のカテゴリーで捉えて補助制度がある欧米と比べて、日本では「障害者」のカテゴリーで捉えて助成対象を絞り込んでいるため、補聴器所有率が圧倒的に低くなっています。 そこで伺います。こうした指摘や実態がある中、聞こえのバリアフリーの重要性について、区の認識・見解を伺います。 日本では、両耳で平均聴力が70デシベル以上など、かなり重度の難聴でなければ障害認定による補聴器購入の補助が受けられません。これは非常に大きい声か、補聴器を用いないと会話が聞こえない状態で、聞こえても聞き取りには限界がある状態です。一方、国連の世界保健機構(WHO)では、中等度の難聴の41デシベル以上から補聴器使用が推奨されています。現段階では加齢性難聴を治療する方法はないと言われています。そのため、難聴が進行してからの使用ではなく、自分に合った補聴器をなるべく早く使用することが重要とされています。こうした聴力低下が見られる方への早期からの補聴器使用の重要性についての認識もあわせて伺います。 補聴器は非常に値段が高いため、「本当は両耳で必要だけど片方のみにしている」、「必要と感じるが、高過ぎてなかなか手が出せない」という声も少なくありません。さきに紹介したアンケートでも、補聴器を使用してみようと思う動機のトップは購入費補助制度でした。補聴器の現物支給や購入費補助など、補聴器に補助を実施している自治体は23区中8区となります。この8つの自治体のうち3つの自治体で、東京都の補助制度を使っていることがわかりました。高齢者のための福祉の補助で、高齢社会対策区市町村包括補助事業と呼ばれるもので、この補助メニューの一番下にその他の欄があって、その他のこの項目を使えば補助が活用でき、東京都が2分の1を補助するというものです。ぜひ、こうした活用できる制度の情報収集なども行いながら、中野区でも補助実施に向けて前向きな検討を要望いたします。 加えて、聴力に関しての健診の重要性について伺います。 加齢性難聴はゆっくりと進行していくため、本人自身が自覚しにくく、気づくのがおくれがちになります。さきにも述べたように、適切な時期に適切な補聴器使用につなげるためにも早期発見が必要です。そのためには聴覚検査が重要です。現在、中野区で行っている国保特定健診の項目に聴覚検査は入っていません。例えば豊島区では、65歳になった際に無料で聴力検査を追加して行っています。北区では、500円と有料ですが、65歳以上の奇数年齢の方に実施をしています。ぜひ中野区としても、健診メニューへの追加を検討してはいかがでしょうか。見解を伺い、この項の質問を終わります。 次に、ひきこもり支援について伺います。 5月28日に川崎市で起きた無差別殺傷事件は、いかなる理由があっても絶対にあってはならないことです。お亡くなりになられた方、被害に遭われた方、その御家族、御関係者の皆さんに心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。御家族や事件に巻き込まれた子どもたちや保護者・関係者の心のケアを十分に行っていくことが求められます。また、この事件から4日後の6月1日には、元農林水産事務次官の長男刺殺事件が起きました。容疑者である父親は、「川崎市での殺傷事件を知り、長男も人に危害を加えるかもしれないと思った」との趣旨を話したとの報道も受け、非常に胸が苦しくなりました。 なぜこのような事件が起きてしまったのかを社会全体で考え、解明していくことがとても大切であると感じます。容疑者がひきこもり傾向にあったということで、「ひきこもり」と「犯罪」を軽率に結びつけるような報道もあり、「誤解や偏見を助長するようなことは控えてほしい」と、当事者や家族会、ひきこもり支援団体から相次いで声明が発表されました。 特定非営利活動法人KHJ(Kazoku Hikikomori Japan)全国ひきこもり家族会連合会さんは、今回の事件についての声明文の中で、「ひきこもり状態にある人が、このような事件を引き起こすわけではない。ひきこもる行為そのものが問題なのではない。社会の中での属する場もなく、理解者もなく、追い詰められ、社会から孤立した結果、引き起こされた事件だったのではないか」、「ひきこもり支援は、制度と制度のはざまに置かれがちである。行政の縦割り構造をなくし、部署を超えた多機関で情報共有し、密な連携がとれる仕組みをそれぞれの地域につくることが喫緊の課題である」と述べています。これは重要な指摘・見解だと思います。 そこで伺います。現在、中野区で行われているひきこもり支援の現状について答弁を求めます。 中野区のホームページで、「ひきこもり 支援」と検索をすると、一番初めには「中野くらしサポート(自立相談支援窓口)」が出てきます。これは健康福祉部の生活援護課の所管です。その次には、「こころの健康に関する相談・支援 こころのクリニック」が出てきます。これは、地域支えあい推進部の各すこやか福祉センターが所管です。また、障害福祉所管では「せせらぎ」があります。さきに述べたように、部署を超えた多機関での情報共有が大切と考えますが、現在、部署間でとっている連携のあり方について伺います。 東京都では、ひきこもりサポートネットがあります。電話・メール、家族への訪問により、本人・家族などからの相談に応じています。ひきこもりの長期化・高齢化も課題となる中、これまで義務教育終了後の15歳からおおむね34歳までの方を対象としていた訪問調査を、今月からは35歳以上の方への支援も開始し、年齢を区切らずに支援すると改善したことは歓迎すべき取り組みです。加えて、訪問相談の回数をふやすことや、また各区市町村との連携を強め、年齢にかかわらず、本人も家族も安心して相談できる窓口に改善することが求められています。家族だけでの対応は限界があり、専門家の支えが欠かせません。東京都との連携はどのようにされているのか伺います。 ことし3月末に内閣府から、ひきこもりに関する実態調査が公表されました。全国的な規模で数が明らかになるのは初めてで、この調査では、40から64歳の中高年のひきこもりの人が全国で61万人を超え、15歳から39歳の推計約54万人を上回りました。ひきこもりの「高齢化」、「長期化」が一つの調査として示されました。中野区としての支援のあり方を考える上で、今回の調査結果は生かせるものがあるのではないかと思います。 区の資料を探すと、中高年のひきこもり調査のまとめという2017年5月の健康福祉審議会、介護・健康・地域包括ケア部会の資料があります。この調査は社会福祉協議会が実施をしたもので、資料としてはとても貴重なものだと思います。区長の行政報告・地域包括ケアシステム推進の項目内でも一部触れられていましたが、今後、一つの大切なテーマになると考えます。東京都では、庁内横断の「ひきこもり支援施策推進会議」が始まっています。内閣府の調査、また社会福祉協議会が実施したこれらの調査も積極的に活用しながら、東京都の取り組みなども参考としながら、区としての調査や支援のあり方を検討すべきだと考えます。見解を伺います。 今、とても生きづらい社会の中で、ひきこもるということは誰にでも起こり得ることだと思います。そして、そこに至る状況や原因は一人ひとり異なります。だからこそ一まとめにしてはいけない、ましてやひきこもりと犯罪を安易に結びつけるようなことはあってはならないと考えます。一般社団法人ひきこもりUX会議さんのこの事件に関する声明文の中では、「社会のひきこもりへのイメージが歪められ続ければ、当事者や家族は追い詰められ、社会とつながることへの不安や絶望を深めてしまいかねません」と指摘をしています。 一人ひとりが異なるということ、ひきこもり状態からそれぞれが自分なりの生き方を見つけていくことも、その道筋やゴールもみんな異なります。そこを共有していくことが本当に大切だと思います。その人にふさわしい寄り添う支援、伴走型の支援が必要と考えますが、区の認識を伺い、この項の質問を終わります。 最後に、その他で、商工会館の跡地活用について伺います。 昨年の第2回定例会で、中野区立商工会館条例を廃止する条例が可決され、ことし3月末をもって廃止されました。前区長のもとで売却の方針でしたが、酒井区長のもとで、安易な売却はしないとの方針が示され、この期間、同僚議員からも何度か質疑があったところです。 商工会館が位置していた場所は立地条件がよく、3階にあった会議室などは、多くの区民・区内団体がさまざまな形で使用しており、地域住民からはこうした会議室機能は残してほしいとの要望が強く寄せられています。跡地の活用については区民の方々からの意見をしっかりと聞いた上で検討すべきと思いますが、見解を伺います。また、現時点で示せるスケジュールがあれば、あわせて答弁を求め、全ての質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 浦野議員の質問にお答えします。 私から、まず1点目、行政報告についてでございます。区民参加による開かれた区政は、区政運営における最も基本的な考え方であるととらえております。これまでも、政策立案プロセスにかかわる情報の提供も進めてきているところでございますけれども、さらに情報提供の充実を図るとともに、区民参加手法の改善等にも取り組んでまいりたいと考えております。 次に、平和の森公園再整備についての御質問でございます。300メートルトラックの整備中止を公約に掲げ、平和の森公園再整備を語る会、それから郵送等による意見募集、議会における議論等を踏まえて、300メートルトラックの整備中止などを内容とする変更案を取りまとめ、ことしの第1回定例会に、変更案に基づく工事請負契約にかかわる契約金額の変更議案を提案いたしましたが、可決とはなりませんでした。この議決を受けて、間伐の一部保留以外、当初計画案によって再整備を進めてまいりました。今後、改めて再整備の変更案を示すとすれば、工事の中断によるさらなる工期延伸、それから工事中断後の工事再開不能となるリスク等が懸念されております。また、契約変更に関して請負事業者との協議を行う必要がありまして、工事中止の時点で既に用意された資材や人員、器材等に対しては、発注者である区が損害を賠償しなければなりません。 工事工程上、新体育館北側アプローチ部分、こちらを最終時期に施工せざるを得ないことから、再整備工事の大幅なおくれは新体育館の使用が制限されるおそれがあります。新体育館は、2020東京オリンピック・パラリンピックにおける卓球の練習会場として使用される予定でございまして、この時期に工事の完了しない事態は絶対に避けなければなりません。したがって、間伐の一部取りやめ以外の実務的な観点から、当初計画案のまま進めることといたしました。 なお、300メートルトラックの運用等、利用ルールについては、利用者の意見も伺いながら検討してまいりたいと考えております。このような考え方について、本定例会において議決等の判断をいただきたいと考えております。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私からは、よりよい子育て・教育環境についてのうち、平和の森小学校の新校舎建築についてお答えいたします。 現在、平和の森小学校の新校舎建築予定地に現地保存することとしている旧中野刑務所正門については、多角的な調査検討を行っているところでございます。基本構想・基本計画(案)では、新校舎と旧中野刑務所正門が隣接しており、この調査検討の結果によっては、基本構想・基本計画(案)にも影響を及ぼす可能性があるものと考えております。そのため、調査検討結果が出るまでは、基本構想・基本計画(案)のままとし、調査検討完了後、門の安全性や取り扱い等を確認した上で基本計画を策定したいと考えております。 さらに、建設作業の進め方でございますが、基本構想・基本計画(案)は、多様な学習環境を可能にし、地域活動の拠点となる施設整備、効率的・効果的な施設配置や施設整備、今後の教育や社会状況の変化に対応できる学校施設の整備、快適で安全かつ安心な施設環境の確保の四つの基本方針に基づき、学校、保護者並びに地域からの意見を反映しながら作成したものでございます。今後、多角的な調査検討の結果によっては、基本構想・基本計画(案)の見直しも想定されることから、そうした際においては、再度、学校、保護者並びに地域等からの意見を聴取していきたいと存じます。 次に、桃園第二小学校の校舎建て替えについてお答えいたします。 仮校舎として予定されている現上高田小学校への通学における安全対策や児童の負担軽減を図るため、現地での建てかえについても検証・検討を行うことにいたしました。検証結果につきましては、保護者や地域の皆様からも御意見をいただく予定としており、そこでの意見も踏まえ、また学校等とも調整を行いながら建てかえの方針を策定したいと考えております。 〔企画部長高橋昭彦登壇〕 ○企画部長(高橋昭彦) 私からは、商工会館の跡地活用についての御質問についてお答えをいたします。 廃止となった当該施設土地につきましては、他の未利用となる施設と同様に、これらを資産としてとらえ、区民ニーズや将来の行政需要を見据えながら有効活用を図ることを検討してまいります。 また、会議室の確保については、中野駅周辺エリア全体の状況を踏まえて、今後の課題として検討してまいります。 跡地については、基本計画の策定などの過程において、区議会や区民の声をお聞きした上で活用の方策を定めていきたいと考えてございます。 〔子ども家庭支援担当部長小田史子登壇〕 ○子ども家庭支援担当部長(小田史子) 私からは、よりよい子育て・教育環境についての御質問のうち、子ども実態調査と子ども食堂への運営助成の御質問についてお答えいたします。 初めに、子ども実態調査の質問でございます。 調査対象及び調査項目でございます。まず、調査対象は0歳から8歳までの子どもの保護者と、9歳、小学校4年生から14歳、中学校3年生までの児童・生徒本人とその保護者、各1,250人、合計2万6,250人でございます。調査項目といたしましては、子どもの生活実態や家庭、保護者の状況など、東京都が平成28年に実施いたしました子どもの生活実態調査と同様の項目のほか、子育て環境の満足度など、区の子育て環境の実態を把握するための項目を想定しております。 次に、回収率向上のための方法でございます。アンケート調査の実施に当たりましては、区報等で周知を行いますとともに、郵送による回答に加えまして、回答者の利便性を考慮したインターネットによる回答もできるようにするなど、回収率を高めるための工夫をしてまいります。 調査結果の活用と区民意見の反映についてでございます。実態調査と並行して、区民、子育て関連団体などからヒアリングを行いまして、子育て家庭の生の声を伺っていきたいと考えております。実態調査やヒアリングの結果につきましては、子育て先進区に向けた戦略や施策を検討する際の参考といたしまして、年内を目途に、子育て先進区の実現に向けた戦略を取りまとめることを予定しております。 次に、子ども食堂への運営助成についてでございます。現在、区内で子ども食堂を運営している団体は13団体ありまして、本年3月には、区内の子ども食堂運営団体などの連絡会におきまして、助成制度の内容等について御説明を行うとともに、区報・ホームページでも広く周知を行っております。また、6月には再度、当連絡会におきまして助成制度の内容につきまして御案内を行ったところでございます。 子ども食堂の運営助成につきましては、東京都の助成制度を活用していることから助成要件の変更は難しいものと考えておりますが、当初の募集期間の延長を検討するとともに、新規に子ども食堂の開設を予定している団体に対しまして、申請手続の方法など適切な案内をしてまいります。 〔地域包括ケア推進担当部長藤井多希子登壇〕 ○地域包括ケア推進担当部長(藤井多希子) 私からは、聞こえのバリアフリーとひきこもり支援についてお答えいたします。 まず、聞こえのバリアフリーと早期の補聴器使用の重要性に対する区の認識についてお答えいたします。御指摘のように、聴覚に関するバリアの解消は社会にとって重要なことだと考えております。特に加齢性の難聴については、認知症リスクとの関係性なども指摘されており、それぞれの方の聞こえの度合いに合った補聴器を使用することは、コミュニケーションの確保のためにも有効であると考えております。 次に、ひきこもり支援についてお答えいたします。 まず、区で行われている支援の現状と部署間の連携についてです。中野区が実施しているひきこもり者の相談は、地域のワンストップ総合相談窓口としてのすこやか福祉センターの相談支援や生活援護課の生活困窮者自立支援などがございます。このほか、当事者家族支援として、社会福祉協議会が行っている「カタルーベの会」事業などとも連携体制の強化に努めているところでございます。ひきこもり者の支援は、地域での見守り支え合いが重要であることから、各部署がそれぞれの専門性を生かしつつ、すこやか福祉センター、アウトリーチチームなどとも連携して、包括的な支援につながるよう努めているところでございます。 次に、東京都との連携についてです。地域包括支援センターや障害者相談支援事業所など区のさまざまな部署に寄せられたひきこもりにかかわる相談のうち、より専門性の高い対応が求められる事例に対しては、すこやか福祉センターが窓口となり、東京都のひきこもりサポートネットと連携して、家庭への訪問相談につなげ、問題解決を図っているところでございます。 次に、区の調査や支援のあり方についてです。内閣府の調査に基づき、中野区の中高年のひきこもり者を推計すると、およそ1,600人となります。区としても何らかの調査が必要であると考えており、効率的な手法を研究してまいります。 ひきこもりの状態にある方は地域との関係性が希薄であり、対人関係の不安や自己表現の困難さ、将来への不安などを感じている場合もあり、そのような複雑な心情などを理解し、丁寧な対応を行うことが必要であると考えております。ひきこもり者の支援には、御本人、御家族に寄り添いながら、地域での継続的で包括的な支援につなげることが重要です。関連部署、関連団体が一体となって進める地域包括ケア体制を構築して、支援を行ってまいりたいと考えております。 〔保健所長向山晴子登壇〕 ○保健所長(向山晴子) 私からは、聞こえのバリアフリーについてのうち、聴覚検査の実施についてお答えを申し上げます。 国保特定健診については、国が検査の項目を定めており、その中に聴覚検査は含まれてございません。新たな健診項目の追加には、健診の有効性の判断や各医療機関での検査の可否などを検討する必要があり、区といたしましては、今後とも国の動向を注視してまいります。 なお、聴覚に不安がある方の対応につきましては、従来よりかかりつけ医と耳鼻科専門医の連携により対応がなされておりますが、今後、区といたしましても、聴覚に関する区民への情報提供について検討してまいります。 ○議長(高橋かずちか) 以上で浦野さとみ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 渡 辺 たけし 1 中野駅新北口駅前エリア(区役所・サンプラザ地区)再整備、中野駅西側南北通路・橋上駅舎 等事業の関連性について 2 コミュニティ・スクールについて 3 その他
○議長(高橋かずちか) 次に、渡辺たけし議員。 〔渡辺たけし議員登壇〕 ○4番(渡辺たけし) 令和元年第2回定例会において、都民ファーストの会中野区議団の立場から一般質問を行います。 4月に行われた中野区議会選挙を経て、自身、2期目の議員活動をスタートさせることができました。期待を込めて支持いただいた方々の思いに報いるために、誠心誠意、議会の側からさまざまな課題に取り組んでまいります。 それでは質問に入ります。 中野区の課題の一つとして、「中野駅西側南北通路・橋上駅舎等事業」があります。現在、2026年の竣工を目指して事業計画が進んでおりますが、中野駅を通勤、通学の最寄り駅としている区民にとっては、西口改札の開設は早期に実現してもらいたい緊急性の高い事業であります。朝の8時から8時半の時間帯には、中野駅北口改札前は通勤時の乗降客であふれ返っており、そのため職場から近い北口から出るのではなく、混雑緩和のため、迂回して南口の改札から出ているという方々が一定数いらっしゃるということも広く知られているところであります。 また、中野駅の南口についてですが、「中野二丁目地区第一種市街地再開発事業」において、中野駅の南東側に地上20階、高さ約120メートルの事務所棟と、地上37階、高さ約145メートルの住宅棟を整備する計画が進んでおります。2019年度の着工、2022年度の竣工を目指しているということですが、こちらの事業が完成しますと、ますます中野駅南口においても、朝の通勤ラッシュ時間の混雑ぶりが深刻になることは明白な状態であります。 さらには、平成27年12月に都市計画決定した「囲町東地区第一種市街地再開発事業」の存在も忘れてはなりません。こちらの事業計画においても、2024年度に建築工事が完了するということになっております。延べ面積約11万7,000平方メートルの中に、約600戸の住宅戸数をはじめ、商業施設やオフィスビルなどをつくられることが計画されています。 このように、西口橋上駅舎の供用開始が始まる2026年までに、中野駅前周辺の昼間人口が大幅にふえる要因が見えているのであれば、西口橋上駅舎の開設を少しでも前倒しにするべく、JRとの交渉に臨むべきと考えますが、区はどのような見解でいるのでしょうか、区長の認識をお聞かせください。 続きまして、「中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画」について伺います。 今定例会中に、こちらの事業計画の考え方についての報告があるようなので、まずはその内容を確認した上でさまざまな議論を進めていかなくてはならないところですが、その前に、「中野駅西側南北通路・橋上駅舎等事業」との関連性について確認する必要があると考えております。 私は、あらゆるところで「西口改札の開設をおくらせないためにも、サンプラ、区役所エリアの再整備事業を速やかに進めていく必要がある」という話を聞いてきました。これは、西口改札の北側出口部分に歩行者デッキをつくる計画があるため、こちらの工事が完成しないと北側の動線が確保できないこと、さらに、橋上駅舎の上に駅ビルを建設する際に、都条例による荷捌き用と身体障害者用の附置義務駐車場をつくる必要があり、その駐車場スペースを線路沿いの交通エリア内につくらなくてはいけないため、橋上駅舎の開設に合わせて事業を進めていかなくてはならないというものでした。 ところが、3月に行われた都市計画審議会において、交通広場が確定し、それを踏まえて駅ビルの近くにつくらなくてはならない荷捌き駐車場と身体障害者用の駐車場スペースを、中野通り西側と橋上駅舎の北側の間の線路沿いの地下部分に建設することが確定したため、駐車場の件は「中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画」と切り離して考えることが可能となりました。 また、歩行者デッキについてですが、こちらもさまざまな議論が出てくるところではありますが、西口橋上駅舎の北側出口の部分に仮設の階段をつくることで、歩行者デッキがなくても動線を確保することは可能になると考えることができます。 そこで伺います。「中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画」と「中野駅西側南北通路・橋上駅舎等事業」は、それぞれの事業を切り離して考えるべきだと思うのですが、いかがでしょうか、区の見解を伺います。 仮にJRとの交渉で、夜間の工事以外に、日中でも工事が可能な部分を先に進め、西口改札が前倒しで供用できるという話になるのであれば、歩行者デッキの完成前に北側の動線確保について議論していく必要が出てくると思います。西口橋上駅舎の開設は最優先事項であり、こちらの事業を前倒しで進めていくための粘り強い交渉をJRと行っていただくことを強く要望いたしまして、次の質問に移ります。 「中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画」は、新庁舎整備計画と深くかかわっているというのが私の見解であります。概算費用で約280億円、こちらの債務負担行為が今年度の予算案で提示されたわけでありますが、実施計画の段階で、実際の建設費がどの程度になるかということについてはまだわからない状態であります。また、区は、「中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画」で得られる資金を新庁舎の建設費に充てるという方針を示しておりますが、こちらの資金についても、2020年度の事業者選定の時期になるまで明らかになりません。新庁舎の具体的な建設資金も明らかにされないまま、実施設計・施工一体方式を採用し、新庁舎建設資金を調達するため「土地の一部を売却する」という考え方を示している区の対応には到底納得することができません。 他の議員の方々からも同様の質問がありましたが、第1回定例会において、議会からも資金調達を明らかにするべきという附帯意見が出ておりますし、我が会派も、以前から新庁舎建設の資金スキームを明らかにすることと、新庁舎建設の資金を調達するために、軽々に中野駅前の超一等地を売却するべきではないという主張を繰り返して行っておりますが、区の見解はいかがでしょうか、お尋ねいたします。 本来は、新庁舎の実施設計で正確な新庁舎の建設費用を出して、「中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画」で得られる資金が明確になった後に資金計画を立て、説明会を実施して、区民の皆様方の理解をいただき、新庁舎建設工事に着工することが、あるべき理想の姿だと思います。工期をおくらせることなく進めていくことも大事なことではありますが、こちらの事業計画には見直すべき点もあり、しっかりとした議論を行っていく必要があることを強く申し上げ、この項の質問を終了いたします。 続きまして、コミュニティ・スクールの導入について伺います。 学校運営の基本方針について、学校運営協議会を通して地域住民の方々が承認をしたり、意見、要望を学校側に伝えて議論することができるコミュニティ・スクールの制度は、23区の中でも既に9区が導入を行っています。既にコミュニティ・スクールを実施している北区へ取材を行ったところ、導入の成果として、「地域の人が学校と深くかかわっていくことで、通学路の安全確保など、学校側への協力を積極的に行うようになった」、「地域のお祭りや町内会のイベントなどに、子どもたちが積極的に参加するようになった」というような、学校が地域コミュニティ形成のための中心的な役割を果たしているという話を伺いました。また、教職員の任用に関して、各学校から都へ要望を伝えていくことができるようになることも大きな魅力であります。各学校の特色や運営方法に合った教職員を集めることが可能となり、学校環境の向上につながっていく効果が期待できるのではないでしょうか。おおむねコミュニティ・スクールを導入している自治体では、手上げ方式を採用しており、導入に前向きな学校から順次取り入れております。中野区では学校評議員会が導入されておりますが、こちらのメンバーがそのまま学校運営協議会のメンバーとなっているケースが多いようです。学校運営に意見を述べる学校評議員から、学校運営の基本方針について意見を述べることができ、なおかつ承認権を持つ学校運営協議会は、中野区の地域全体のコミュニティの活性化につながる効果を生み出す可能性を秘めております。区は、早急にコミュニティ・スクールの導入について検討し、準備委員会の設置に向けて動き出していくべきではないでしょうか。区の見解を伺います。 子育て環境、教育環境の向上は、子育て先進区を目指す上で必ず実現させていかなくてはならないことです。子育てを地域全体で行っていくという環境を育んでいくためにも、コミュニティ・スクールの早期の導入を強く要望いたしまして、私の一般質問を終了いたします。 ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 渡辺議員の御質問にお答えします。 1点目、中野駅新北口駅前エリア再整備、中野駅西側南北通路・橋上駅舎等事業の関連性についての中で、開業時期の前倒し検討についての御質問がございました。中野駅西側南北通路・橋上駅舎等事業については、現在、実施設計作業を進めるとともに、準備工事である支障移転工事等を進めているところであります。区ではこれまでに、朝夕の駅の混雑状況や今後の開発による乗降客の増加想定などをJR東日本と共有しておりまして、西側南北通路・橋上駅舎開業までの駅利用者の安全性や利便性の確保について、JR東日本に対して十分に配慮するよう求めてきているところでございます。 また、実施設計作業では、西口改札をできるだけ早期に開業できるよう工期短縮を目指して検討しておりまして、現在作業の取りまとめの段階に入っております。 次に、新北口駅前エリア再整備と南北通路・橋上駅舎等整備の関連性についての御質問です。中野駅西側南北通路・橋上駅舎等整備においては、西口改札開業時に南北通路から歩行者デッキ、さらには地上におりる歩行者動線を整備し、駅利用者の利便性を確保する必要があると考えております。一方で、歩行者デッキを含む新北口駅前広場の整備と新北口駅前エリア再整備は、同じ地区内で進める事業でございまして、再整備事業の事業進捗は歩行者デッキ等の整備工程に大きな影響を及ぼすこととなると考えております。このため区としては、南北通路・橋上駅舎等整備と新北口駅前エリア再整備、双方の事業進捗の整合を図りながら進めていく考えでございます。 次に、新庁舎整備の資金スキームについてでございます。区有地等資産の一部は、市街地再開発事業において転出をし、その転出補償金を新区役所整備等の財源として確保する考えでございます。また、残る資産については、市街地再開発事業において権利変換し、事業後の資産を保有する考えであります。保有する資産のあり方については区民の負担とならないよう配慮しながら、土地の所有も含めて今後検討してまいります。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私からは、コミュニティ・スクールについてお答えいたします。 コミュニティ・スクールは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に定められた学校運営の制度でございます。これまでの学校評議員会が、校長の求めに応じて学校運営に意見を述べる役割であることに比べて、保護者や地域が学校運営により深くかかわり、さまざまな課題に参画し、学校・保護者・地域が力を合わせて学校の課題に取り組むことが可能になると認識しております。 学校運営協議会が学校ボランティアとして協力することにより教育支援が充実すること、保護者など若い世代が活動を通じて地域に関心を持つなど地域コミュニティが活性化されること、また、地域人材の参画が進むことで、教員の働き方改革につながることなどの効果が期待できると考えております。地域の実情や制度を実際に導入している他自治体の取り組みなどを踏まえながら、まずはモデルケースから導入に向けて検討してまいりたいと存じております。 ○議長(高橋かずちか) 以上で渡辺たけし議員の質問は終わります。
中野区議会議員 吉 田 康一郎 1 中野区の出生率と育児支援政策について 2 公園行政について 3 道路行政について 4 その他
○議長(高橋かずちか) 次に、吉田康一郎議員。 〔吉田康一郎議員登壇〕 ○12番(吉田康一郎) 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会の吉田康一郎です。新人議員2名で新たに結成しました会派でありまして、この会派の名前になっております三つの課題に取り組むとともに、中野区民が安全・安心で、そして将来に期待と活力と誇りを持って暮らせる、そのような区になるよう、精力的に、誠実に取り組んでまいる所存でございます。 まず初めに、中野区の出生率と育児支援政策について、主に財政的な側面から伺います。 我が国は、2008年の1億2,808万人をピークに人口減少が始まっています。この状況に対し政府は、「現在の少子化の状況は、個人・地域・企業・国家に至るまで多大な影響を及ぼし、社会経済の根幹を揺るがす危機的状況にある」とした上で、「スウェーデンやフランスでは、子育て支援の充実や仕事との両立支援策など、長期にわたる少子化対策により、一旦は低下した出生率が2.0程度までの回復に成功した。少子化危機は、決して解決不可能な課題ではなく、克服できる課題である」との認識のもと、「少子化社会対策基本法」と同法に基づく、「少子化社会対策大綱」を定め、施策に取り組んでいます。 さらに、2016年、政府は「ニッポン一億総活躍プラン」を閣議決定し、その中で、人口1億人を維持するため、2025年に出生率1.8の実現を目指すとの目標を掲げ、本年10月1日からの幼児教育・保育の無償化も打ち出しました。基本的にこれを歓迎するものであります。 この「少子化社会対策基本法」では、第4条で、「地方公共団体の責務」として、「地方公共団体は、基本理念にのっとり、少子化に対処するための施策に関し、国と協力しつつ、当該地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。」と定めています。そこで、中野区の少子化対策・子育て支援政策についての認識と姿勢を伺います。 まず、中野区の合計特殊出生率の現状と推移について、国や東京都との比較、またフランス、イギリス、スウェーデンといった先進諸国との比較においてどのような状況にあるのか、また傾向が見られるのか、区の認識を伺います。 ここで、この今挙げた三つの国々では、OECDの統計などによれば、子ども家庭分野について、対GDP比において3%から4%の予算を支出している。これに対し、日本は1.3から1.4%と、3分の1から4分の1しか予算を計上していないということを付言して伺います。 次に、区長は、区政運営の柱として「中野区を子育て先進区へ」と、こういう目標を掲げておられます。子育て先進区の実現に取り組むとおっしゃるのであれば、「先進区」ということが実現をした姿というのは、出生率において、当然国の目標である1.8を超えて、人口置換水準である2.07が実現した姿なのだろうと私は考えますが、見解を伺います。 次に、子どものためにかける財政の規模も大変重要な指標となります。子ども1人当たりの予算、経費は、我が中野区は23区の中でどのくらいに位置しているのか。子育て先進区の実現に取り組むのであれば、予算措置についても、少なくとも23区の中でトップレベルでなければ成し遂げることはできないと考えますが、見解を伺います。 そしてこの項の最後に、一部の対象ではなく、全ての子どもを対象として、中野区の育児環境全体の底上げを図るため、フランス、イギリス、スウェーデンなどが手厚く行い、他の区市町村でもさまざまな事例のある区独自の子ども手当の支給は意義がある政策だと考えますが、御見解を伺います。 次に、中野区の公園行政について伺います。 都市環境を健康で良好なものとし、災害に対する安全性を向上させ、住民の活躍の場、憩いの場を形成し、豊かな地域づくり、地域の活性化の拠点として不可欠である公園の意義については、改めて論じる必要はないと思います。 しかし、この都市の機能に不可欠なインフラである公園の整備状況に関して、中野区の状況は、長年にわたり劣悪の一言しかないと言わざるを得ません。区からいただいた資料ですけれども、人口1人当たりの公園面積は、中野区については1.38平米、1人当たりです。23区中22位。そして23区の平均は4.27平米で、中野の3.09倍、東京都全体の平均は7.4平米で、中野の5.36倍。諸外国を見ると、アメリカニューヨークは18.6平米で、中野の13.48倍、ロンドンは26.9平米で19.49倍、ベルリンは27.9平米で20.22倍、ワシントンDCは52.3平米で37.9倍、ストックホルム(スウェーデン)80平米で、中野の57.97倍の面積が1人当たりあります。中野区民が支払っている税金は、今挙げた他の先進国と比べても、都内の他の市区町村と比べても同等と見なせると考えますが、公園行政に関しては、負担に見合う行政サービスを提供しているとは到底考えられないと言わざるを得ません。 そして次に、区内172カ所の公園の規模別、面積別の分布を見ると、500平米未満の公園が61カ所で、36.9%、このうち、さらにその半分、250平米に満たない小規模な公園が17カ所、500から1,000平米は47カ所で28.5%、つまり、1,000平米以下の公園は108カ所で、65.4%を占めます。ここで、国が定める最少の単位である街区公園の標準面積は0.25ヘクタール、2,500平米であります。これを満たす中野区の公園は30しかありません。 震災等により大規模火災が発生した場合、輻射熱の影響は100メートルを見るので、小規模の公園は有効避難面積を確保することができません。したがって、同じ面積であるならば、小さな公園が数多くあるよりも、数は減っても、ある程度の広さの公園であることが災害時に機能する、こういうことも踏まえる必要がございます。そこで、現状の中野区の公園の整備状況、そして課題についてどのように認識をしているか、見解を伺います。 次に、公園は区民の生活環境を支える都市インフラとして重要であることから、最低限、23区平均のレベルまで、そして先進諸外国の実情を踏まえれば、それ以上に整備を進めるべきと考えますが、今後の公園整備に関する区の見解を伺います。 そして、これまで申し述べたとおり、中野区の公園は、他の先進国はもとより、都内の他の自治体と比較しても少ない上に小規模であります。しかし、区の限られた財源の中では、区単独で整備していくことには大変限界があります。ここで私が指摘したいのは、中野区は、東京都内の自治体の中で唯一、都立公園などの都立の緑地が設置されていないという事実であります。東京都の潤沢な公園予算が、中野区にだけ使われていないということであります。今後、都と一層連携した用地の取得、都有地の利活用のみならず、さらに、新たな都市計画公園の立案と整備等も検討していくべきと考えますが、区の見解を伺います。 次に、中野区の道路行政について伺います。 道路もまた都市の根幹的なインフラであり、その整備状況が、その都市の機能と価値を形づくるといっても過言ではありません。しかし、中野区は道路が狭く、幅員4メートル以上の道路に接していないという住居が約43.3%をも占めており、全国最下位の水準であります。23区の平均が28%であることを考えても、中野区の状況は深刻であります。この状況を区はどのように認識し、また改善をしていくのか伺ってまいりたいと思います。 まず、区民の意見や要望をお聞きしていますと、狭隘道路の拡幅整備部分、あるいはセットバック部分を区が買い取ることが、狭隘道路解消の促進に有効であるとよく感じます。この点について区の見解を伺います。 次に、道路率で見ても、23区平均の16.5%に対し、中野区は13.8%であり、これもまた全国最低の水準であります。この全国最低の道路率の状況について、区はどのように認識しているのか伺います。そして、狭隘道路の整備について、積極的に道路幅を広げる努力をしているのか伺います。 そして次に、我が国の高齢化に伴い、高齢者や障害者等を含めた誰もが安全・安心、快適に利用できる道路を整備していくことは、国全体の課題となっています。そこで、道路のバリアフリー化、歩道の段差解消について、現状をどのように認識しているのか、また、今後どのように進めていくのか伺います。 そして最後に、私は、私の地元の商店会長も務めていることから、切実な要望として区にお願いをしてまいったんですけれども、一昨年来、私がおります新井薬師柳通り、ここの早稲田通りとの交差点に中野五丁目停留所というバス停がございます。ここには何も停留所にベンチなどがないものですから、ここでバス待ちをする高齢者の方々は、ずっと吹きさらしの中で立ってお待ちになっています。しかし、このすぐ近くの早稲田通り、ここには各町会などが設置をしたベンチがある。この状況を調べますと、早稲田通りは都道でありますので、東京都は、例えば商店街、あるいは町会がベンチを停留所に設置した場合には、これを私的占有、しかし使用料を免除するということを都はやっております。しかし中野区は、月6,000円の使用料を取る。私も商店街の一員として、商店街の会計をよくわかっておりますので、毎月6,000円、年間で7万2,000円になりますが、これを恒常的に支出していくのは大変難しいというか、ほぼ不可能でありますので、高齢者の方の役に立ちたいと思いつつも、ベンチの設置を躊躇しております。こういう状況にありましたことから、区にお願いをしてまいりました。東京都は免除していますよと。前の田中区長のときに、当局、現局のほうはですね、これは都に倣って頑張っていきたいとおっしゃっていたのですけれども、区長選の後、動きがとまっております。ぜひ新区長におかれても、この区道の歩道上にあるバス停、ここにベンチを設置したいと、このような地域の要望がある場合に、都に倣ってこの使用料を免除することをぜひ検討していただきたい、このようにお願いを申し上げます。これは区商連からの要望をさせていただきました。 以上で質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 私からは、吉田議員の質問のうち、公園行政についてお答えをいたします。 まず最初に、現状と今後の公園整備についてでございます。区内に167の公園が現在ございますが、小規模な公園が多数を占めているというのが現状です。公園条例では、1人当たりの標準公園面積を5平方メートルとしておりますが、現時点では児童遊園も含めた1人当たりの公園面積は1.38平方メートルでございます。区民1人当たりの公園面積は23区中22位でございまして、23区の平均4.27平方メートルにも遠く及ばない状況については、可能な限り改善していかなければならないと認識しております。 大規模公園等の整備については、全区的な配置や地域特性に応じて適正な配置に努めてきたところでございまして、今度も適地等の条件が整えば、さらなる整備を進めてまいりたいと考えております。 次に、東京都と連携した整備等についてでございます。区の財政負担の軽減を目指していきたいところでございますので、都との連携等や整備手法について研究してまいります。 〔子ども家庭支援担当部長小田史子登壇〕 ○子ども家庭支援担当部長(小田史子) 私からは、中野区の出生率と育児支援政策についての御質問にお答えさせていただきます。 まず、合計特殊出生率の推移でございます。我が国の合計特殊出生率は、2005年に過去最低の1.26まで落ち込んだ後、微増傾向でございまして、2017年は1.43でした。東京都でもほぼ同様の傾向でございまして、2001年に過去最低の1.00となった後、2017年には1.21となっております。中野区は東京都と同様の傾向を示しておりまして、2004年に過去最低の0.75となった後、近年は微増傾向が続いておりますが、依然として都内では最低の水準でございまして、2017年は1.04でございます。また、フランス、イギリス、スウェーデンの3カ国は、1980年代に1.5から1.6の台まで低下した後、2000年ごろから回復傾向となり、2017年は、いずれの国も1.7を超えている状況でございます。区としては、以上のような傾向が見られるというふうに認識しております。 次に、合計特殊出生率の目標についての御質問でございます。子育て先進区を実現し、出生率の向上や子育て家庭の転入・定着による年少人口の増加、将来の人口減少の緩和など、まちの活力の維持・向上を図ることは、区の将来にとりまして非常に重要な課題であるというふうに認識してございます。基本構想・基本計画についての検討や子育て先進区の実現に向けた検討の中で、子育てに関する指標や目標値などについても明らかにしていきたいと考えております。 次に、23区におけます子ども関連の予算額でございます。子ども1人当たりの経費につきましては、東京都が作成しました平成29年度特別区決算状況に基づきますと、中野区は23区中14位となっておりますが、今年度予算につきましては、校割予算の増額など子ども関連予算の充実を図ったところでございます。子どもにかかわる予算につきましては、中野区の未来を担う人づくりの重要性を踏まえつつ、持続可能で効果的な財政支出になるよう十分考慮していきたいと考えております。 最後に、区独自の子ども手当についてのお尋ねでございます。区独自の子ども手当につきましては、子育て家庭の経済的負担の軽減を図るものではございますが、一方、区の財政負担が大きな課題となるため、費用対効果などを慎重に検討する必要があると考えております。他の自治体におけます事例など、政策効果のあるものにつきまして今後研究してまいります。 〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕 ○都市基盤部長(豊川士朗) 私からは、中野区の道路行政についてお答えをいたします。 まず、中野区の狭隘道路のセットバック事業についてでございます。中野区内の道路の幅員が狭いということは、これは区でも以前から課題としているところでございまして、昭和59年より、狭隘道路拡幅整備事業を開始いたしまして、東京都の中でも先行的に取り組んでまいったところでございます。拡幅整備につきましては、主に建物建てかえにあわせて行っておりまして、今後も確実に拡幅整備を行っていきたいと考えております。 その道路の後退用地につきましては、建築基準法で制限される部分であり、建築物の建築ができないところでございます。後退用地を区が道路上に整備することによりまして、道路空間として空間が確保されてきております。そのために、原則として、道路事業用地として買収することは考えてはございません。 次に、道路率と狭隘道路整備についてでございます。道路率につきましては、一般に良好な市街地を示す指標とされておりますが、土地利用現況調査での区の道路率は、私道も含めますと17.7%となっておりまして、23区平均の29.4%より低く、都市計画道路をはじめとして計画的な道路整備が必要と考えてございます。 狭隘道路につきましても、災害時の避難経路の確保や緊急車両の通行など、防災性の観点からも拡幅整備が必要と考えておりまして、沿道の建てかえにあわせて、権利者との協議に基づく狭隘道路の拡幅整備事業により道路整備を進めているところでございます。 主に建築行為にあわせて整備を行っておりますが、整備対象地に隣接する土地で権利者の協力が得られた場合には、任意整備を実施してございます。今後も沿道の建てかえの機を捉えまして、権利者への積極的な働きかけにより狭隘道路拡幅整備を着実に進めていきたいと考えてございます。 それから、道路のバリアフリー化についてでございます。歩道の段差解消については、バリアフリー基本構想における重点整備地区をはじめ、駅からおおむね500メートル圏内の生活関連施設を結ぶ歩道のある道路について、車道の舗装打ちかえに合わせて、順次バリアフリー化を進めてきたところでございます。これまで、新たに薬師柳通り、南台の神田橋の通り、中央の鍋屋横丁通りのバリアフリー化を進めてきたところでございまして、今年度は新井天神通りを予定してございます。区内の歩道のバリアフリー化につきましては、引き続き取り組みが必要と考えておりまして、今後も、道路舗装の老朽化に伴う舗装打ちかえ工事とあわせまして、路線を選定し、計画的にバリアフリー化を進めていく考えでございます。 それから、最後にベンチ占用料の免除についてでございます。現在は、中野区道路占用料等徴収条例施行規則によりまして、ベンチの占用料は2分の1減免しまして、一斉に7,100円を徴収してございます。区では、歩道のバリアフリー化の整備を進めておりまして、占用手続によるベンチの設置を促すべく、占用料の全部を免除する検討を進めているところでございます。 ○議長(高橋かずちか) 以上で吉田康一郎議員の質問は終わります。 お諮りいたします。 議事の都合により本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 次の会議は明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。 本日はこれをもって延会いたします。 午後4時52分延会
会議録署名員 議 長 高橋 かずちか 議 員 竹村 あきひろ 議 員 むとう 有子
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