1.令和元年(2019年)9月11日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(42名)
1番 市 川 しんたろう 2番 竹 村 あきひろ
3番 日 野 たかし 4番 渡 辺 たけし
5番 間 ひとみ 6番 河 合 り な
7番 斉 藤 ゆ り 8番 立 石 り お
9番 羽 鳥 だいすけ 10番 高 橋 かずちか
11番 加 藤 たくま 12番 吉 田 康一郎
13番 木 村 広 一 14番 甲 田 ゆり子
15番 内 野 大三郎 16番 杉 山 司
17番 ひやま 隆 18番 小宮山 たかし
19番 い さ 哲 郎 20番 小 杉 一 男
21番 若 林 しげお 22番 内 川 和 久
23番 いでい 良 輔 24番 小 林 ぜんいち
25番 白 井 ひでふみ 26番 いながき じゅん子
27番 山 本 たかし 28番 中 村 延 子
29番 石 坂 わたる 30番 近 藤 さえ子
31番 浦 野 さとみ 32番 大 内 しんご
33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき
35番 平 山 英 明 36番 南 かつひこ
37番 久 保 り か 38番 森 たかゆき
39番 酒 井 たくや 40番 むとう 有 子
41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行
1.欠席議員
な し
1.出席説明員
中 野 区 長 酒 井 直 人 副 区 長 白 土 純
副 区 長 横 山 克 人 教 育 長 入 野 貴美子
企 画 部 長 高 橋 昭 彦 総 務 部 長 海老沢 憲 一
危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝 瀬 裕 之 区 民 部 長 青 山 敬一郎
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 戸 辺 眞 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小 田 史 子
地域支えあい推進部長 野 村 建 樹 地域包括ケア推進担当部長 藤 井 多希子
健康福祉部長 朝 井 めぐみ 保 健 所 長 向 山 晴 子
環 境 部 長 岩 浅 英 樹 都市基盤部長 奈 良 浩 二
まちづくり推進部長 角 秀 行 中野駅周辺まちづくり担当部長 豊 川 士 朗
企画部企画課長 杉 本 兼太郎 総務部総務課長 石 濱 良 行
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 吉 村 恒 治 事 務 局 次 長 小 堺 充
議事調査担当係長 鳥 居 誠 書 記 立 川 衛
書 記 若 見 元 彦 書 記 井 田 裕 之
書 記 野 村 理 志 書 記 鎌 形 聡 美
書 記 松 丸 晃 大 書 記 遠 藤 良 太
書 記 山 口 大 輔 書 記 髙 橋 万 里
書 記 有 明 健 人 書 記 五十嵐 一 生
議事日程(令和元年(2019年)9月11日午後1時開議)
日程第1 第73号議案 中野区保育所保育料等の徴収等に関する条例の一部を改正する条例
第74号議案 中野区立幼稚園条例の一部を改正する条例
日程第2 認定第1号 平成30年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について
追加議事日程
日程第3 第64号議案 令和元年度中野区一般会計補正予算
日程第4 議員提出議案第14号 天皇陛下の御即位に関する賀詞決議
午後1時00分開会
○議長(高橋かずちか) ただいまから令和元年第3回中野区議会定例会を開会いたします。
本日の会議を開きます。
会議録署名員は、会議規則第128条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。
3番日野たかし議員、39番酒井たくや議員にお願いいたします。
次に、会期についてお諮りいたします。本定例会の会期は、本日から10月16日までの36日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
この際、申し上げます。本定例会の会期中、略装を許します。
本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
この際、申し上げます。令和元年7月12日付をもちまして、お手元の文書のとおり、本会議参与に人事異動がありましたので、御報告いたします。
本会議参与の人事異動
令和元年(2019年)7月12日
発 令
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氏 名
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旧
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総務部長
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海老沢 憲一
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企画部参事
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都市基盤部長
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奈良 浩二
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まちづくり推進部
中野駅周辺まちづくり担当部長
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まちづくり推進部
中野駅周辺まちづくり担当部長
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豊川 士朗
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都市基盤部長
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○議長(高橋かずちか) それでは、新たに本会議参与に就任されました海老沢憲一総務部長を御紹介申し上げます。
〔総務部長海老沢憲一登壇〕
○総務部長(海老沢憲一) ただいま御紹介いただきました海老沢憲一、総務部長でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(高橋かずちか) 以上で紹介を終わります。
次に、令和元年7月12日付をもちまして、お手元の文書のとおり、委員会参与に人事異動がありましたので、念のため御報告いたします。
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人 事 異 動 表
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発令年月日 令和元年7月12日
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【部長級】
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区長発令
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発令権者 中野区長 酒井 直人
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発 令
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氏 名
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旧
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備 考
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総務部長
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海老沢 憲 一
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企画部参事
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子ども教育部参事(特命担当)
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(都市基盤部長 奈良 浩二 兼務)
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都市基盤部長
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奈 良 浩 二
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まちづくり推進部中野駅周辺まちづくり担当部長
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まちづくり推進部中野駅周辺まちづくり担当部長
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豊 川 士 朗
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都市基盤部長
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【課長級(統括課長)】
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区長発令
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発令権者 中野区長 酒井 直人
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発 令
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氏 名
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旧
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備 考
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企画部財政課長(統括課長)
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森 克 久
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企画部業務改善課長
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【課長級】
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区長発令
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発令権者 中野区長 酒井 直人
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発 令
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氏 名
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旧
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備 考
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企画部業務改善課長
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(企画部広聴・広報課長 高村 和哉 兼務)
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都市基盤部交通政策課長
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(都市基盤部都市計画課長(統括課長)安田 道孝 兼務)
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都市基盤部住宅課長
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三 王 徹 哉
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都市基盤部交通政策課長
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○議長(高橋かずちか) 次に、一般質問の時期の変更についてお諮りいたします。一般質問は議事に先立って行うことになっておりますが、別な時期に変更し、質問を許可したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう進行いたします。
これより日程に入ります。
お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第3、第64号議案、令和元年度中野区一般会計補正予算を先議するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。
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第64号議案 令和元年度中野区一般会計補正予算
○議長(高橋かずちか) 日程第3、第64号議案、令和元年度中野区一般会計補正予算を上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長白土純登壇〕
○副区長(白土純) ただいま上程されました第64号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。
第64号議案、令和元年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ23億9,286万1,000円を追加計上するものです。これにより、既定予算との合計額は1,555億8,134万8,000円となります。
初めに、この補正の歳出予算の内容を御説明いたします。
まず、危機管理費ですが、保育園周辺道路等の交通安全緊急対策に係る経費を増額するための経費123万8,000円を追加計上するものです。
次に、税務費ですが、住民税等納付書の作成及び発行委託に係る経費72万6,000円を追加計上するものです。
次に、保育園・幼稚園費ですが、私立保育所等の安全対策強化事業に係る補助金を増額するための経費2,995万円を追加計上するものです。
次に、子育て支援費ですが、子ども家庭支援センター等仮事務所整備に係る経費1,896万8,000円を追加計上するものです。
次に、道路費ですが、橋梁新設に係る工事内容の変更及び年度内出来高変更により68万8,000円を減額するとともに、交差点における歩行者の緊急安全対策に係る経費600万円を追加計上するものです。
次に、公園緑地費ですが、公園遊具の緊急安全対策に伴う遊具の補修、撤去及び更新に係る経費9,074万5,000円を追加計上するものです。
次に、まちづくり事業費ですが、大和町優先整備路線の整備に伴う建物移転補償に係る経費3,000万円を追加計上するものです。
次に、積立金ですが、財政調整基金への積立金22億1,592万2,000円を追加計上するものです。
この補正の歳入予算といたしましては、国庫支出金2,450万円、都支出金2,954万1,000円、繰入金1億2,289万8,000円、及び繰越金22億1,592万2,000円を追加計上するものです。
続きまして、繰越明許費の補正につきまして説明いたします。これは、今年度内にその支出が終わらない見込みである、中野東中学校校舎等新築工事に係る経費13億3,240万6,000円について、翌年度に繰り越しを行うため、計上するものです。
続きまして、債務負担行為の補正について説明いたします。これは、住民税等納付書の作成及び発送委託について、期間が2年度にわたるため、令和2年度分経費481万円、中野東中学校校舎等建設工事について、期間が3年度にわたるため、令和2年度及び令和3年度分経費59億419万8,000円、公園遊具安全対策工事について、期間が2年度にわたるため、令和2年度分経費9,061万2,000円をそれぞれ計上するものです。次に、中野東中学校校舎等建設工事コンストラクション・マネジメント業務委託について、工事期間の変更等に伴い、債務負担行為の期間を令和2年度から令和3年度に変更するとともに、その限度額を35万7,000円から934万4,000円に変更するものです。また、橋梁拡幅整備について、事業の変更に伴い、債務負担行為の限度額を1,990万2,000円から5,248万円に変更するものです。
以上、本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(高橋かずちか) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋かずちか) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。
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第73号議案 中野区保育所保育料等の徴収等に関する条例の一部を改正する条例
第74号議案 中野区立幼稚園条例の一部を改正する条例
○議長(高橋かずちか) 日程第1、第73号議案及び第74号議案の計2件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長白土純登壇〕
○副区長(白土純) ただいま上程されました第73号議案及び第74号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第73号議案、中野区保育所保育料等の徴収等に関する条例の一部を改正する条例は、子ども・子育て支援法等の改正による幼児教育・保育の無償化に伴い、保育所を利用する3歳以上の教育・保育給付認定子どもに係る保育料を無料とするに当たり、規定を整備するものです。
この条例の施行時期は、令和元年10月1日です。
第74号議案、中野区立幼稚園条例の一部を改正する条例は、子ども・子育て支援法等の改正による幼児教育・保育の無償化に伴い、区立幼稚園を利用する教育・保育給付認定子どもに係る保育料を無料とするに当たり、規定を整備するものです。
この条例の施行時期は、令和元年10月1日です。
以上2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(高橋かずちか) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋かずちか) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、子ども文教委員会に付託いたします。
お諮りいたします。この際、本日の日程をさらに追加し、日程第4、議員提出議案第14号、天皇陛下の御即位に関する賀詞決議についてを先議するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。
――――――――――――――――――――――――――――――
議員提出議案第14号 天皇陛下の御即位に関する賀詞決議
○議長(高橋かずちか) 日程第4、議員提出議案第14号、天皇陛下の御即位に関する賀詞決議についてを上程いたします。
提案者代表の説明を求めます。
〔33番伊藤正信議員登壇〕
○33番(伊藤正信) ただいま議題に供されました議員提出議案第14号、天皇陛下の御即位に関する賀詞決議につきまして、提案理由の説明を申し上げます。
なお、提案説明は案文の朗読をもってかえさせていただきたいと存じますので、御了承願います。
天皇陛下の御即位に関する賀詞決議。
天皇陛下におかせられましては、風薫る良き日に御即位されましたことは誠に慶賀に堪えないところであります。
天皇皇后両陛下のますますの御清祥と令和の時代が平和で希望に満ち溢れた時代となりますことを心からお祈り申し上げます。
ここに中野区議会は、区民とともに謹んで慶祝の意を表します。
以上、決議する。
年月日、中野区議会。
以上でございますが、同僚議員におかれましては、何とぞ満場一致で御賛同賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。
○議長(高橋かずちか) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋かずちか) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
本件については、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。
本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、これより採決いたします。
上程中の議案を原案どおり可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
この際、お手元の一般質問一覧表のとおり、1番伊藤正信議員、2番森たかゆき議員、3番木村広一議員、4番来住和行議員、5番内野大三郎議員、6番吉田康一郎議員、7番大内しんご議員、8番河合りな議員、9番小林ぜんいち議員、10番羽鳥だいすけ議員、11番竹村あきひろ議員、12番若林しげお議員、13番間ひとみ議員、14番日野たかし議員、15番市川しんたろう議員、16番山本たかし議員、17番むとう有子議員、18番近藤さえ子議員、19番いながきじゅん子議員、20番石坂わたる議員、21番小宮山たかし議員、22番立石りお議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。
中野区議会議員 伊 藤 正 信
1 平成30年度決算の状況について
2 新しい基本構想と基本計画の策定について
3 中野区公共施設総合管理計画について
4 町会・自治会活動の活性化について
5 その他
○議長(高橋かずちか) 最初に、伊藤正信議員。
〔伊藤正信議員登壇〕
○33番(伊藤正信) 令和元年第3回定例会に当たり、自由民主党の立場で一般質問をさせていただきます。
平成30年度決算の状況について、伺います。
詳細については、同僚議員から決算特別委員会で伺います。ここでは概略を伺いたいと思います。
平成30年度の普通会計歳入決算額は1,408億円、歳出決算額は1,358億円で、翌年度へ繰り越すべき財源を差し引いた実質収支は26億円、実質収支比率は3.4%となりました。
歳入は、特別区交付金や都支出金、繰入金が増加したことにより、前年度比156億円、12.4%増となりました。一般財源は807億円で、前年度比26億円、3.3%の増で、特別区税は5億円、1.4%の増、特別区交付金は33億円、9.3%増でしたが、地方消費税交付金が10億円、14.7%の減となりました。特定財源は602億円で、特別区債が皆減となった一方、都支出金や繰入金の増などにより、前年度比130億円、27.6%増となりました。このような歳入の状況をどのように考えているのか、伺います。
特別区税の収入は、前年度比1.7%増の323億円となり、たばこ税は減少しましたが、その主な要因は納税義務者数の増でありますが、具体的にどのくらいふえたのか、伺います。
特別区民税現年課税分の徴収率は98.4%でありますが、依然として23区平均を下回っています。さらなる徴収率の向上への取り組みが必要と思いますが、どのように考えているのか、伺います。
国は、地方消費税交付金の清算基準や法人住民税の見直しを進めており、その影響で特別区の歳入は減収を余儀なくされています。景気に大きく左右されることや状況変動も考慮しなければなりません。どのように考えているのか、お伺いいたします。
普通会計歳出決算額の状況を見ますと、総務費や衛生費が減少しましたが、教育費や民生費は増加しております。教育費が増加した主な要因は、小中学校施設整備費などが増加したためです。教育費は前年度比79.9%増の210億円、民生費は区立保育室事業費の増加などにより前年度比9.2%増の687億円となりました。目的別歳出構成比の割合でも50.6%となっております。普通会計の歳出決算額を性質別に見ると、義務的経費は人件費、扶助費、公債費ともに減となり、全体としては前年度より4.3%、28億円減少の627億円となりました。投資的経費は小中学校施設整備費や中野区立総合体育館整備費、平和の森公園再整備費の増などにより、前年度より50.6%、66億円増加の197億円となりました。物件費が32億円増の197億円、その他経費は338億円であり、合わせますと、前年度より22.8%増の535億円となりました。歳出の状況をどのように捉えているのか、伺います。
次に、財政指標のうち、経常収支比率について、伺います。
財政の弾力性を見る経常収支比率は77.7%となり、23区平均は79.1%となっており、前年度に引き続き23区平均を下回っておりますが、どのように考えているのか、伺います。
次に、基金について、伺います。
平成30年度末基金残高は、特別区債の発行を抑制し、財政調整基金からの繰り入れを行ったため、前年度より24億円減少いたしました。積立金の年度末現在高は700億円で、平成24年度から平成29年度まで6年連続で増加していましたが、減少に転じました。今後のまちづくりや学校再編や新区役所の整備や大規模なプロジェクトに備えた財政需要を考えると、より計画的な積み立てと繰り入れなど健全な財政運営を行う必要があります。今後の健全な財政運営に資する資金計画についてどのように考えているのか、また持続可能な行財政運営を行うために区長はどのように考えているのか、お伺いいたします。
次に、新しい基本構想と基本計画について、伺います。
現在の基本構想は、平成17年に制定して以来14年経過しております。途中に2度の改定がありましたが、この間、少子高齢化やグローバル化の進展、ICTの急速な進歩、大規模災害の発生、外国人住民や訪日外国人の増加など、東京オリンピック・パラリンピックの開催、社会状況は加速度的に変化を遂げており、区民生活や価値観もさらに多様化しております。こうした中で、より広範な区民の意見を反映するプロセスを経て再構築し、より区民が親しみと共感を持てる基本構想に改定するとしておりますが、基本構想の改定の必要性を具体的に伺います。
改定するに当たっては、基本構想審議会を設置し、全体会のほか、「自治・共生・活力部会」、「子育て・教育部会」、「健康・医療・福祉部会」、「都市・防災・環境部会」の4部会を設置して盛り込むべき内容について審議しているようですが、審議会の検討内容や状況についてどのように進めているのか、伺います。
8月27日に総務委員会で報告があった資料を見ますと、多岐にわたった意見が出ているようですが、細かい施策や事業レベルの意見も含めて基本構想に反映するのか、基本構想は基本計画と違って大きな理念を述べるものではないかと思っております。基本構想と基本計画の記載内容についてどのようにすみ分けをしていくのか、考えをお伺いいたします。
基本構想で描くまちの姿を実現するため、総合計画として基本計画を策定するのですが、現行の10か年計画は3年前に策定しておりますが、ステップ2の現時点で計画に記載した施策のうち、予定どおり進んでいないものもあります。各個別の計画は必要に応じて見直しをしていかなければならないと思います。現行の計画の検証はどのように行い、どう見直しをされていくのか、伺います。
新しい基本計画は、計画期間をより実効性を持たせるために5年間としております。社会経済状況の変化が激しい近年において、区の現状や今後の見通しについて、現行計画の状況を考えると、単に期間を短縮するだけではなく、着実に実現できるように実現性のある計画を策定する必要があるのではないかと思いますが、どのように変えていくのか、区の考えを伺います。
新しい基本構想はおおむね10年後に目指すべき将来像を描く一方で、基本計画は5年の計画であり、5年間の差が生じております。基本計画は基本構想で描くまちの姿を実現するための計画であることを考えると、後半の5年間についても一定程度記載すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
次に、スケジュールについて、伺います。
平成17年の基本構想の改定は6カ月おくれました。また、基本計画は10カ月おくれで策定されたと記憶しておりますが、2020年1月には基本構想(素案)が策定され、3月に意見交換が実施され、4月から6月にかけて基本構想(案)が策定され、また基本計画(素案)が策定されます。6月に基本構想の議案が提案され、8月に基本計画(案)の策定、10月に基本計画が策定されます。ちょうど1年後には完成していなければなりません。1年はあっという間です。スケジュールのおくれがないように進めていかなければならないと思いますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
次に、中野区公共施設総合管理計画について、伺います。
現在、中野区では、中野駅周辺まちづくりや西武新宿線沿線まちづくり、新庁舎整備事業、学校再編などの大型の投資的事業を推進していますが、区には将来にわたり安定した財政基盤を確立し、区民生活を支えていくことが求められます。したがって、新しい基本構想や基本計画において、今後の区のサービスの内容を検討・構築していくに当たり重要な課題となるのが区有施設の機能配置についての再検討であります。我が国においては、公共施設等の老朽化対策が大きな課題となっています。地方公共団体においても、厳しい財政状況が続く中で今後の人口減少等により公共施設等の利用需要が変化していくことが予想されることを踏まえ、公共施設等の全体の状況を把握し、長期的な視点を持って更新、統廃合、長寿命化などを計画的に行うことにより、財政負担を軽減、平準化するとともに公共施設等の最適な配置を実現することが必要となっています。このため、中野区においても、老朽化の状況や利用状況をはじめとした公共施設等の状況、総人口や年代別人口についての今後の見通し、公共施設等の維持管理、更新等に係る中・長期的な経費やこれらの経費に充当可能な財源の見込みを盛り込んだ中野区公共施設総合管理計画を策定しております。区は、ことし2月に「中野区施設白書」を改定し、区有施設の整備状況や将来の更新経費、各個別施設の規模、利用状況及び施設の管理にかかる費用などの情報を整理するとともに、インフラ施設も含めた総合的な白書として今後の公共施設のあり方の検討などをするために基礎資料として活用することとしております。
そこで、お伺いいたします。今後の公共施設等の配置は、人口構成の変化によって公共施設のニーズが変化していくことを踏まえて、長期的な視点を持って方針、統廃合、長寿命化を計画的に行い、財政負担を軽減、標準化するとともに最適な配置を実現することが必要です。施設白書では、現在区が所有している建物施設数は269施設、延べ床面積が約46万平方メートルであり、前回の施設白書に比べて延べ床面積が3万7,000平方メートルほど減少しています。この要因についてどのように分析しているのか、伺います。
また、施設白書では、区が所有する建物、橋梁、道路、公園、施設の多くは1960年代から1970年代に集中して整備されており、建物に関しては全施設の延べ床面積のうち約40.9%が建築後50年以上を経過しており、今後集中して建てかえの時期を迎えることが示されています。そして、現状の公共施設を全て維持すると仮定した場合、今後40年間の更新経費は2,628億9,000万円となり、年単位に換算すると年平均65億7,000万円の更新経費が必要となる試算結果を示しております。橋梁においては21億5,000万円、年単位に換算すると年平均5,000万円の経費がかかり、道路においては198億3,000万円、年単位に換算すると年平均5億円の経費がかかり、公園施設については225億4,000万円、年単位に換算すると年平均5億6,000万円の経費がかかる試算結果を示しております。施設の更新については、計画的に対応を図ることにより、その経費をどのように確保していくのかが財政的に大きな課題となっております。大型の投資的事業が続く中、施設更新のための財源についてどのように考えているのか、お伺いいたします。
最後に、町会・自治会活動の活性化について、伺います。
地域自治の推進、地域包括ケア体制の構築の土台となり、地域での活動の核である町会・自治会については、活動の担い手の高齢化や役員の固定化などの課題を抱える団体が少なくなく、組織力強化や地域力向上が課題となっております。区においても、そうした課題認識のもと、10か年計画(第3次)の戦略の地域見守り・支えあい戦略において、施策の方向性として、地域課題をみずから解決する活動の推進を取り上げ、町会・自治会への加入促進、地域への参加や担い手育成の推進を主な取り組みとして進めるように位置付けております。町会・自治会の活動活性化については、他の市区町村でも同様の課題となっております。その解決に向けて、それぞれの地域の状況を踏まえたさまざまな取り組みが行われております。中野区においても、中野区町会連合会が地域活性化促進委員会を設置しPR活動の充実を検討するなど、みずからの力で区民理解の促進、活動の活性化を目指しているほか、区としても、昨年、区民の町会・自治会活動への参加の促進に関する検討会の報告書をまとめました。検討会の議論や町会・自治会長に対するアンケート調査などを総合して現在の町会・自治会が抱える課題を整理しております。町会・自治会長アンケート調査では、おおむね6割以上の町会・自治会は加入率が50%を上回っていると回答しており、加入率が50%以下という回答は37%で、町会・自治会の世帯規模が大きくなるほど加入率が低くなる傾向が見られたり、役員の高齢化や役員のなり手不足、若い世代の担い手不足が大きな問題として指摘されております。また、町会・自治会への仕事量がふえている理由として、行政から依頼される仕事の負担が大きいという声が多く、回覧板や掲示板の依頼物が多く、配付する頻度や配付方法の改善を求める意見も出されております。中野区町会連合会に対する助成金の増額、また区民活動運営委員会を通じた活動支援など積極的に取り組んでいると認識しておりますが、顕著にその成果があらわれているというまでには至っておりません。
そこで、区が考える条例制定について、伺います。
区は、10か年計画(第3次)の中で、町会・自治会への加入促進、地域への参加や担い手育成を推進するために地域での課題解決に向けた期待される住民の役割、担い手の発掘・育成、区の果たすべき役割などを位置付ける条例制定を検討しますと記載されています。どのような条例を制定しようとしているのか、区の考えを伺います。
今後、加入促進の動きを具体的なものにするためには、理解促進やPR拡大とともに、実際に住民が地域で町会・自治会と一緒に活動する機会をつくること、そして、そうして集まってきた人たちを含め、町会・自治会の運営側に新たに参加する人をふやしていくことが欠かせないと思います。町会・自治会は、地域コミュニティの核となってコミュニティの維持・形成に重要な役割を果たし、重要視されているにもかかわらず、町会・自治会の法的位置付けは明確ではありません。より力を発揮しやすい仕組みが必要と考えます。町会連合会を中野区がパートナーとしての位置付けを明確にするために、区民の町会・自治会への加入促進に関する取り組みについての基本協定などの考えはないのでしょうか。いかがでしょうか、お伺いいたします。
そうしたことで、例えば、町会・自治会活動への参加を促すことや、町会の方々や町会・自治会の行事に参加する方が安心して活動に取り組めるよう、また万が一の事故に備えて賠償責任保険加入の支援も必要になるのではないかと思います。他の区では、品川区ですね、品川区では全町会分の保険料を活動助成とは別に全額補助していると伺っております。いかがでしょうか、伺います。
将来的には町会役員の担い手が不足し、町会が成り立たなくなることが考えられます。その解決策の一つとして、有償ボランティア制度の導入について区として検討してみてはいかがでしょうか。最後にお伺いいたしまして、私の全ての質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 伊藤議員の御質問にお答えいたします。
まず1点目に、平成30年度決算の状況について、歳入の状況についての考えについてでございます。
特別区税は特別区民税の納税義務者数の増加によって、また特別区交付金は原資となる調整3税のうち固定資産税及び市町村民税法人分の増収によって前年度より増となったところでございます。一方で、地方消費税交付金は清算基準の見直しの影響を受けて減となっております。特別区税や特別区交付金は景気の影響を受けやすく、また地方消費税交付金の清算基準の見直しなどの制度改正が進められていることから、歳入減のリスクを抱え、楽観視できる状況にはないと考えております。
次に、納税義務者数の増加による影響でございます。平成30年度の特別区民税の増収は、景気の緩やかな回復と就労環境の改善による所得割課税のある納税義務者の増加と納税義務者一人当たりの税額の増加が主要因と考えております。納税義務者数は19万4,932人で、前年度に比べて3,754人の増でございますが、この増のうち所得割課税の納税義務者は3,492人でございます。また、納税義務者一人当たり課税額は16万4,845円と前年度に比べて445円の増加となりました。このような増加要因によって、特別区民税収入額は対前年度比で5億2,441万5,000円増となりました。
次に、さらなる徴収率向上への取り組みについての御質問です。これまで収納率向上対策として、口座振替加入の促進やモバイルレジの導入など納付環境の整備とともに、業務委託による電話納付案内、それから訪問催告、財産調査の強化に取り組んでまいりました。さらなる収納率向上に向けて納期内納付、年度内納付の促進を図るために、特別徴収義務者への制度周知を図ること、そして区外滞納者対策として区外転出者の調査委託などに取り組んでおります。今後も現年度未納者に対する早期の電話催告、訪問送達を行うとともに、財産調査の強化を図り、徴収率の向上に取り組んでまいります。
次に、国の税制改正と今後の景気動向への対応についての御質問です。国の不合理な税制改正の影響によって、特別区長会事務局の試算によれば、消費税10%段階において区の影響額は、地方消費税交付金の清算基準の見直しについて21億円の減、法人住民税の一部国税化について44億円の減とされております。また、ふるさと納税制度の影響額は、平成30年度においては9億円の減となっております。景気については、緩やかな回復基調にあるものの、通商問題の動向が世界経済に与える影響などに留意が必要な状況にあります。制度変更や景気動向を注視して、将来を見据えた適切な基金と起債の活用、事業の見直し、改善等による歳出抑制等、緊張感を持って財政運営を行っていく考えでございます。
次に、性質別歳出決算の状況についてでございます。人件費は、職員の年齢構成の変化などにより職員給が減少したことによって2.7%の減となっております。扶助費は、子育て支援の拡充により児童福祉費が増加した一方、臨時福祉給付金の廃止や生活保護基準の見直しによる生活保護費の減によって全体で0.6%の減となりました。公債費についても、区債元金の償還金の減によって27.9%の減となっております。一方で、物件費は全体で19.6%の増となっており、その要因は、区立保育室の開設、区立保育園の民営化による一時的な委託料の増、これらによるものでございます。平成30年度は、人件費、扶助費、公債費の義務的経費は減となりましたが、今後、子育て支援施策の拡充や超高齢社会への対応等により扶助費の増が見込まれ、施設整備への起債充当により公債費の増も想定されることから留意が必要であると考えております。
次に、経常収支比率についてでございます。経常収支比率は、財政構造の弾力性を判断する指標であり、一般的に70%から80%が望ましいとされております。平成30年度の経常収支比率は77.7%でございます。一般に望ましいとされる範囲におさまっているとともに、23区の平均を下回って、区財政の健全性を示すものとなっていると考えております。しかしながら、今後、子育て支援策の拡充や高齢化の進展に伴って扶助費や繰出金の増が想定される一方で、景気の動向や国の不合理な税制改正などによる歳入減のリスクを抱えていることから、引き続き事業の見直し・改善を行い、歳出の抑制に取り組んでいく必要があると考えております。
次に、今後の基金計画と持続可能な行財政運営の考えについての御質問です。景気変動に伴って財政の年度間調整機能を担保するために、過去に単年度で50億円近くの一般財源が減収となったことを踏まえ、3年程度区民サービスを維持するためには少なくとも150億円の財政調整基金の確保を図っていくことを考えております。また、老朽化した公共施設の更新や改修、新区役所整備に係る一時的な負担などに備えるため、将来の財政需要を見据えながら基金への積み立てをふやしていく必要があります。さまざまな状況変化にも臨機応変に対応し、区民サービスを停滞させることなく区政運営を行っていくためには、計画的な基金計画の積み立てと繰り入れを行うとともに既存事業の不断の見直し、改善を行い、常に最少の経費で最大の効果を上げられるよう取り組んでいく考えでございます。
次に、新しい基本構想と基本計画の策定についての項でございます。
まず最初に、基本構想の改定の必要性についての御質問です。基本構想は、平成17年度に大幅な改定を行いましたが、その後の2回の改定においては区民ワークショップ等を実施しておらず、社会状況の変化等を踏まえるとより広範な区民の声を反映して改定する必要があると考えております。現行の基本構想策定後も、将来的な人口構造の変化、外国人住民の増加、ソサエティ5.0社会への対応など、社会状況は年々変化するとともに区民の関心や価値観も変化しております。基本構想は、区民の共通目標であって、こうした変化を踏まえて区民の声を幅広く聞き反映することなどを通じて、より多くの人に共感と親しみを持っていただける基本構想を策定する必要があると考えております。
次に、基本構想審議会の検討状況でございます。基本構想審議会では、これまで全体会が2回、各部会が5回開催され、区が示した諮問事項に基づいて総合的・専門的見地から検討を進めていただいております。各部会においては、区が示した「多様性」、「協働」、「スタートアップ」、この三つのキーワードを踏まえて重点テーマに沿って審議を行ってきているところでございます。今後、10月に答申としてまとめていく予定でございます。
基本構想と基本計画の記載内容についての御質問です。基本構想審議会の答申を十分に踏まえて、区の基本となる方向性については基本構想としてまとめ、それらを実現するために必要な方策については基本計画としてまとめてまいります。
現行の10か年計画の検証についての御質問です。現在、新しい基本計画の策定を進めるための基礎とするため、現行の10か年計画に記載した施策等の実施状況及び今後の課題について取りまとめ、検証しているところでございます。その結果については、区議会に報告をするとともに新しい基本計画の策定に反映してまいります。
新しい基本計画の実効性の確保という御質問です。新たな基本計画については、計画期間を5年間とするほか、社会状況や将来推計等のエビデンスを精査し、施策の効果や実現可能性について十分に検証した上で作成していく考えでございます。計画の策定後も、より実効性のある計画とするためにPDCAサイクルの適切な進行管理と検証を継続的に行ってまいります。
次に、基本構想と基本計画の期間の違いについての御質問です。基本計画は5年間の計画といたしますが、施設配置など長期的な視点を持って進める必要がある施策については計画期間終了後の一定の方向性についても記載していく考えでございます。
最後に、基本構想及び基本計画の策定スケジュールでございます。基本構想及び基本計画の策定については、今後も着実に進めていきたいと考えております。
〔企画部長高橋昭彦登壇〕
○企画部長(高橋昭彦) 私からは、中野区公共施設総合管理計画についての項に関する御質問について、お答えいたします。
初めに、延べ床面積の減少についてでございます。前回の施設白書と比べて延べ床面積が減少している要因でございますが、主に学校再編や区民住宅の管理満了に伴う返還などによるものとなってございます。
続いて、施設更新のための財源についての御質問にお答えいたします。区が所有する全施設の延べ床面積のうち、半数以上が建築後40年以上経過してございます。今後見込まれる区有施設の更新経費の増加に対応するため、施設機能の見直しによる保有資産や管理対象面積の圧縮など工夫をしていきたいと考えてございます。また、施設の更新に当たりましては、民間活力の導入や施設のライフサイクルコストを踏まえた施設の更新、区有施設の集約化や複合化、長寿命化の推進などにより施設維持管理費の抑制を図り、効率的な施設運営に努めてまいります。財源の確保については、基金や起債、特定財源の有効活用を図るほか、資産の売却や貸し付けなどについても検討していきたいと考えてございます。
〔地域支えあい推進部長野村建樹登壇〕
○地域支えあい推進部長(野村建樹) 私からは、町会・自治会活動の活性化に関する御質問にお答えいたします。
まず、自治会条例あるいは基本協定に関することの考え方という御質問でございました。区におきましては、さまざまな団体と担い手による地域の見守り・支えあいの広がりの中核にありまして、町会・自治会が他の公益活動と連携し積極的に地域課題の解決に対応している姿、こういったものを目指してございます。こうした姿の実現のため、区や区民の役割、町会・自治会の位置付けなどを明確化する条例の制定について検討してまいりました。なお、一方で基本協定など、町会・自治会活動の推進に資する手法につきましては積極的に導入を検討してまいりたいというふうに考えてございます。
続きまして、町会・自治会活動の賠償責任保険、これに対する区の支援ということでございます。多くの人々が活動し参加する町会・自治会活動の推進のためには、賠償責任保険など全ての団体における安全・安心対策が重要というふうに考えてございます。助成制度の充実を含め、効果的な支援策、これを検討してまいります。
最後に、有償ボランティア制度、こういったものを町会・自治会活動に生かせないかという御質問でございます。全国的には町会役員への定額報酬を定めている事例などがあることについては承知してございます。こういった役員のほか、町会活動の担い手の確保策が課題でございます。有償ボランティアの活用や区の支援策につきまして、今後、町会連合会の地域活性化推進委員会などと協働して検討を進めてまいりたいというふうに思ってございます。
○議長(高橋かずちか) 以上で伊藤正信議員の質問は終わります。
中野区議会議員 森 たかゆき
1 子育て先進区実現に向けた取組みについて
(1)子育て先進区を目指す意義と基本的な考え方について
(2)子どもの権利条例について
(3)児童相談所設置に向けた準備状況について
(4)その他
2 人事施策について
3 公共施設のあり方について
4 図書館行政について
(1)区立図書館の存在意義と活用について
(2)中野東中学校等複合施設内図書館について
(3)その他
5 その他
○議長(高橋かずちか) 次に、森たかゆき議員。
〔森たかゆき議員登壇〕
○38番(森たかゆき) 2019年第3回定例会本会議におきまして、立憲民主党・無所属議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告のとおりです。
1、子育て先進区実現に向けた取組みについて、(1)子育て先進区を目指す意義と基本的な考え方について、お伺いいたします。
まず、意義について。前任期最後の予算総括質疑、最後の質問と同じ趣旨ですが、期が変わった冒頭に改めて伺いたいと思います。
安倍内閣は、2014年9月、「まち・ひと・しごと創生本部設置」を閣議決定し、以降いわゆる地方創生政策を進めてまいりました。それから5年がたち、いよいよその限界が明らかになっています。地方創生の目的には、東京に流出する人口を抑制し、出生率を上げることが挙げられていますが、2013年に約10万人だった東京圏への転入超過は、2018年には約14万人とむしろ大幅に増加、2015年に1.45まで回復した合計特殊出生率も、その後3年連続で減少し、2018年には1.42となり、2013年の1.43を再び下回っております。国は、本年度を第1期総仕上げの年と位置付け、総点検を経て、次のステージへつなげるとしていますが、地方経済活性化という観点から、ともかく人口減少に歯どめをかける、この目標の達成のためには現在の政策を大きく転換する必要があることは明らかです。求められているのは、無理に若者の東京への転入を抑制するのではなく、東京においても負担や困難を感じることなく、希望するだけの人数の子どもを無理なく産める環境を整備する、そうした政策への転換です。残念ながら、今示されている地方創生第2期の方向性にはそうした発想が見られないのですが、検討資料には地域ごとのオーダーメード型の少子化対策の取り組みを展開とあります。これを都市部においても実現するためには多額の財源が必要になります。法人住民税の一部国税化、地方消費税清算基準の見直し、ふるさと納税など、区収入へのマイナスの影響額を合計すると40億円超、消費税10%増税後の影響は平年度化すると70億円を超える見込みも出てきます。こうした税制の見直しか個別の子育て支援政策への補助を大幅に増額するかはともかく、都市部の子育て支援、子育て環境の改善に今以上に国も責任を負っていただく必要があります。子育て先進区実現を目指す区長にはぜひこうした政策転換を国に強く求めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
昨年、中野区で産まれた赤ちゃん2,525人の約97%は25歳から44歳の女性から産まれています。先日総務委員会に報告された将来人口推計の性別、5歳刻みの年齢別の元データを見させていただきましたが、それによると、この年齢層の女性の人口は5年刻みで見ると2020年をピークに減少に転じ、2040年までその傾向が続くとのことです。そうすると、出生率が多少上昇しても、出生数は減少することになります。この推計の精度には少し疑問もありますけれども、しかし、もうほとんど猶予がないということには変わりないでしょう。ここ一、二年が正念場です。国への働きかけと同時に、区独自でできることを進めなければいけません。中野区を、都心部でも子育て世帯が求める政策を打てば自然と出生率が上がる、そうした成功例の自治体にしましょう。成功例があれば、国も方針転換しやすいでしょう。逆にそれができなければ、いよいよこの国の長期的な衰退は避けられなくなります。区長にはそうした危機感と使命感を持って子育て先進区実現に取り組んでいただきたいと考えますが、区長の見解を求めます。
子育て先進区実現に向けた基本的な考え方について、ここでは4点伺います。
まず、社会全体で子育てを支える、この理念についてです。未婚化の進行によって子育てに対する共感可能性が低下をしてきています。同世代のほとんどが結婚し子どもを設けていた時代とは異なり、ある立場から見ると、結婚をして子どもを授かるということ自体がある種の特権のように見える状況が出現しています。例えば、最近公共空間でさまざまな配慮を求める妊婦をやゆする「妊婦様」といった言葉がネット上に氾濫しているのがその一つのあらわれではないかと思いますし、そうした傾向はこのままだと今後ますます顕在化していくのではないかと危惧します。社会全体で子育てを支える、この理念はよく言われることではありますが、国はこうした現代的な課題もあることを認識した上で、この考え方を持っていってほしいと思います。見解を伺います。
二つ目は、多様化する家族のあり方を認め合う地域社会をつくる、この考え方です。少子化は、ある時期までは多くの先進国が共通して抱える課題でしたが、その後出生率が回復した国とそうでない国があります。内閣府に設置された「選択する未来」委員会は、その報告の中で、少子化対策に成功している海外の事例として北欧諸国やフランスを挙げ、これらの国が手厚い家族支援、両立支援のほか、フランスのパックスやスウェーデンのサムボといった法律婚よりも緩いパートナーシップに法的保護を与える制度があることを紹介しています。また、高い出生率を維持し続けている国としてイギリス、アメリカを挙げ、両国は家族政策に不介入が基本と紹介しています。要するに、家族の多様なあり方を積極的に認めていくのか、もしくは家族のあり方には国としてはかかわらない、こういった姿勢を示しているわけです。一方、日本ではいわゆる伝統的な家族観が社会に根強く残っています。中野区議会では、いずれも陳情の提出を受けて、昨年第4回定例会で「選択的夫婦別姓制度の法制化を求める意見書」、本年第1回定例会で「婚外子差別撤廃のための戸籍法改正を国に求める意見書」を国に提出いたしましたが、これは人々の意識が変わりつつあるのに対して制度はいまだ伝統的家族観に基づいているものが多い、このことも一つのあらわれだろうというふうに思います。国ごとの文化的な違いもあり、自治体単独でできることには限りがありますが、それでもできることがあるはずです。例えば、中野区が既に始めた同性パートナーシップ制度はその一つですが、千葉市がことし1月から始めたパートナーシップ制度は異性間でも宣誓ができます。フランスのパックスのような制度を日本の自治体で初めて実現した例と言えます。こうした制度もこれから検討してほしいと望みますが、それに先立って、中野区は多様な家族のあり方を認め合う地域社会をつくる、そういう区長の姿勢を明確にしていただきたいと思います。見解を求めます。
三つ目は、住宅政策についてです。子育て先進区実現のためには住宅政策も重要です。検討中の新たな住宅マスタープラン(中間まとめ)の中には、子育て環境の向上をはじめとしたファミリー世帯向け住宅等の整備が課題として位置付けられています。この課題について、区長は選挙時の公開質問への回答で、空き家等の既存ストックの活用も検討するとしていますが、もう一歩踏み込んだ対応を求めたいと思います。高齢化の進展によって高齢者のみ世帯や高齢者単身世帯がふえていくと、広い住環境を持て余してしまう世帯もふえるのではないかと思います。そうした方々と広い住環境を求める子育て世帯とのマッチングサービスは考えられないでしょうか。本来ならここで、丸々市ではこんな成果が上がっていると紹介できればよいのですが、残念ながらよい例は見つかりませんでした。実際に形にしようとすると難しい面もあるのだと想像しますが、うまく仕組みが整えば、子育て先進区にふさわしい取り組みとして全国に誇れるものになるのではないかと考えます。ぜひ挑戦をしていただきたく、提案をいたします。
四つ目に、国の政策への向き合い方です。内容のよしあしにかかわらず、国が制度をつくれば自治体はそれを実施せざるを得ませんが、それでも自治体に工夫の余地、選択の余地が全くないということはほとんどありません。例えば、今回の幼児教育・保育無償化では認可外保育施設の質の確保が問題となりましたが、これに対して世田谷区は7月にいち早く独自条例によって対応する方針を明らかにしました。給食食材費の取り扱いをどうするかの判断に際して近隣区の動向を見ながら検討するといった答弁がなされているうちは、まだまだ先進区への道のりは遠いのではないかと言わざるを得ません。国の政策であっても、それをより中野の実情に合ったものにするにはどうすればいいか、懸念される問題への対応をどうしていくのか、スピード感を持って知恵を絞っていく、そうした積極的な姿勢を持っていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
(2)子どもの権利条例について、お伺いいたします。
子どもの権利条例の制定は区長の公約ですが、日本は子どもの権利条約の批准国です。私は、これまで子どもの権利条例に類した条例を制定している、川西市、名古屋市、札幌市などを視察してまいりましたが、どこの自治体でも条約がある中で条例をつくる意義をどう考えるのかが論点になったそうです。条例制定を公約にした区長はこの点をどのようにお考えでしょうか。
子どもの権利条約は、第1条から第42条でさまざまな子どもの権利を規定していますが、私は現在の日本ではその中でも特に参加や意見表明に関する権利の明確化が重要と考えます。今後、中野区において具体的に子どもたちの参加や意見表明の権利を行使する、そうした機会をつくっていくためにも早期の条例化を求めたいところですが、実際に制定するには区民や有識者、そして何より子どもたち自身が参加し、条例の内容を検討するプロセスが不可欠です。そのために必要な予算は来年度予算に計上すべきと考えます。いかがでしょうか。
(3)児童相談所設置に向けた準備状況について、お伺いいたします。
中野区を含む特別区各区は、1区を除き、現在児童相談所の設置準備を進めているところです。2016年の児童福祉法改正によって各区一気に動き始めたわけでありますが、それまでは東京都との間でさまざまな綱引きがあり、なかなか進まなかった経緯があります。
ことしの都議会予算委員会にて、小池知事は、特別区の取り組みを支援する旨の答弁をいたしました。大いに期待したいところでありますが、最も必要な支援は何といっても財政面での支援です。本来的には調整3税の配分割合55対45、これを見直していくべきではありますが、そこまで行くかどうかはともかく、財政的な支援を求めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
先月、厚生労働省の「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第15次報告)」が公表されました。ことしの報告の「地方公共団体への提言」で目を引くのが、予期しない妊娠をしたものも含め、相談しやすいようSNS等を活用した相談体制の整備の検討という項目です。さまざまな事情で携帯電話の契約を続けることが困難な場合でも、SNSならば端末とフリーWi-Fiさえあれば連絡をとることができます。中野区教育委員会にはこの夏からSNSを活用したいじめ相談事業を開始していただきましたが、児童相談所においてもSNSを活用した相談体制がとれるよう検討すべきと考えます。民間の立場から虐待問題に取り組む方には相談員一人ひとりがSNSアカウントを持つべきとの御意見をいただいたこともありますが、まずはとにかく相談の取っかかりとして、連絡をしたら答えてくれる、気にかけてくれる人がいる、そうしたことを実感してもらうために、今の若年層に合わせた敷居の低い連絡ツールとしてSNSの活用を検討すべきです。見解をお伺いいたします。
児童虐待による死亡事例等の検証には、虐待死のケースにおいて、予期しない妊娠、計画しない妊娠、妊婦健診未受診の状況が25%強を占めるとあります。虐待の未然予防には適切な性教育が不可欠です。児童虐待予防に反対する人がいなくても、こと性教育と聞くと眉をひそめる方もいらっしゃるのが実情かと思いますが、中野区教育委員会は、虐待の未然防止、この観点からの性教育の必要性についてどうお考えでしょうか。
東京都教育委員会は、ことし3月に性教育の手引きを改訂いたしました。情報化の進展への対応、生命・人格・人権の尊重、学習指導要領に示されていない範囲を含む指導のあり方など重要な内容が含まれていますが、区教委としてどのように活用していこうとお考えでしょうか。お伺いいたします。
私は、先日、中村議員や他区の仲間議員とともに性教育の先進地である秋田県を視察してまいりました。秋田の性教育の成果は10代の中絶割合の大幅な低下という点で語られることが多いわけでありますが、担当の方が「それが低いからよいのではなくて、子どもたちが自分たちで性や尊厳について考えた結果、そうなっていることが重要である」とおっしゃっていたのが印象的でした。こうした観点は虐待予防という面でも非常に重要です。中野区でも積極的な取り組みを期待しております。
2、人事施策について。
まずは、区長の姿勢、考えを職員に伝える取り組みについて、2点お伺いいたします。
対話の区政を打ち出した酒井区長誕生から1年と少しがたちました。変化を感じる場面もありますが、1区民として職員と接する中で、まだまだ対話の区政が根付いているとは言えないなと感じる場面にも遭遇します。そういえば、区長が変わり、毎月の職員向け講話がいつの間にかなくなってしまいました。前区長は、その時々のホットなテーマに触れつつ、本質的には同じ話を繰り返しておりました。また同じようなことを言っているなと感じることも多かったのですが、今思うと、区長が一番大切にしていた理念を繰り返し職員に訴え続けることも大切だったのではないかと考えています。毎月なのか折に触れてなのかはともかく、区長の職員向け講話を継続的に実施すべきと考えます。いかがでしょうか。
また、職員さんと触れる中で、対話を軽んじているというよりは、対話と言われても具体的にどうしたらいいのかわからないのかなと感じる場面もあります。小さな話でも構いません。区民との対話で成果を上げたよい事例を探し、区長表彰のような形で共有する仕組みを考えてはいかがでしょうか。そうした事例を積み重ねることで、区長の求める対話の区政というものはこういうことなんだということが具体的に理解できるようになるのではないかと考えます。
続いて、職員採用について、お伺いいたします。
現在の組織体制を見ますと、管理職が足りていないように見受けられます。特に財政的な観点や働き方改革の観点から非常に重要な業務改善課長が広聴・広報担当と兼務、大量の新卒採用している状況でこちらも重要な人材育成担当課長が廃止となるなどの状況は見過ごせません。また、そうした中で区長が変わり、長期的な視野に立った区の政策形成に力を入れていくべきところ、それが十分にできているようにも見えません。管理職公募、また地方自治法に規定されている専門委員を顧問や参与といった形で採用し、外部の知見を区政運営に生かすことを検討されてはいかがでしょうか。
福祉職の採用について、伺います。
区は、児童相談所の設置に向け福祉職等の採用を進めていますが、他区もほぼ同じタイミングで児童相談所を開設する中、また児童相談所の過酷な勤務環境が報道される機会もふえている中、児童相談所の職員を募集してどれだけの方に手を挙げていただけるのか、不安を感じます。実際、今年度の経験者採用も今のところ厳しい状況にあると伺っています。人数だけではなく、人によっての向き不向きや職場とのミスマッチ、働くうちのバーンアウト、人事の固定化に起因する職場の人間関係的な問題の発生などの懸念もあります。福祉職の採用については、児童相談所への配置のみを前提とするのではなく、すこやか福祉センターや児童館、保育園等を含めて中野の福祉行政をトータルで支える人材として採用していくべきと考えます。いかがでしょうか。
という質問を準備する中で、ことし健康福祉部で福祉職人材育成プランというものをつくっていたと教えていただきました。読ませていただきましたが、非常に充実した内容で、区が福祉職の職員個々のキャリアや働き方を組織として大切にする姿勢が伝わってまいりました。採用活動に当たっての就職希望者へのアピールにもなるのではないかと思われますので、そうした活用も考えていただければというふうに思っております。
就職氷河期の採用について、お伺いいたします。
ことし6月、国は、就職氷河期世代支援プログラムを策定いたしました。この世代の正規雇用者を3年で30万人増を目指すとしています。宝塚市は、いち早くこの世代を対象とした正規職員募集を開始していますが、募集人数3人に対して1,800人を超える応募があったそうです。中野区は、現在大量退職、大量採用の時代を迎えており、毎年100人前後のいわゆる新卒採用を行っていますが、これでは職員の年齢構成のアンバランスさを再生産してしまいます。その枠を少し就職氷河期世代の採用に振り分けることは、単にこの世代への支援という意味だけではなくて、区の人事施策上の効果もあるのではないかと考えます。中野区においても、就職氷河期世代の正規職員採用を検討すべきではないでしょうか。見解をお伺いいたします。
3、公共施設のあり方について、お伺いいたします。
本年第1回定例会に約5年ぶりに改定された施設白書が報告されました。今後、施設の建てかえが集中すること、現在の施設を全て更新すると、今後40年間、年平均約65.7億円が必要になることなどが示されております。また、今後の課題としては、機能・規模の見直し、施設の集約化・複合化の推進による延べ床面積の縮減の工夫とともに将来のサービス事業を検証する必要があるとされています。
私も、将来の財政負担を考えた際には一定の縮減を進めなければならないと考え、4月の区議会議員選挙においては選挙公報や今回から解禁されたビラなどで公共施設の廃止や統合(縮充)に取り組むと訴えてまいりました。改めて選挙公報を読み返しても、60人も候補者がいる中、公共施設を減らさないといけないというネガティブなことをわざわざ書いているのは私ぐらいしかいないのですが、ありがたいことにそんなことを書いても当選させていただきましたので、責任を持って取り組まないといけない、このように考え、質問いたします。
今回示された施設白書は、酒井区長になって初めてのものです。その内容から区長も縮減の必要性は認識されているのでしょうが、実際に進めるには区長の強いリーダーシップが必要です。区長御自身の言葉でこれまでその必要性が語られる機会がなかったように思います。公共施設縮減の必要性についての区長の認識を伺います。
この施設白書は、今後、基本構想・基本計画や公共施設等総合管理計画の改定に当たって活用されるとのことですが、計画をつくれば自動的に施設の更新が進むものではありません。この議論を進めるためには、区長のリーダーシップとともに住民と行政との対話、さらには住民同士の対話も不可欠です。高松市では、民間NPOの力をかりて、施設のコア利用者と無作為抽出で選ばれた市民――――、ほとんどの場合があまり施設を利用しない方とが同じテーブルに着いて議論し、合意形成を目指す取り組みを始めています。行政が住民を信頼し、情報をオープンにし、共通の議論の土台をつくること、多様な属性の住民を巻き込んで議論することが合意形成を実現するためのポイントです。中野区においても、こうした住民参加型の、区民が公共施設のあり方の自分事として考えるきっかけとなる取り組みを進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
今後、公共施設の更新に必要となる経費の大きな割合を占めるのが学校です。個々の学校の建設経費を抑制するための方策も考えなくてはいけません。例えば、板橋区の板橋区立学校施設あり方検討会報告書には、対象校に最低限必要な施設構成を示し、財政上及び面積上の目安内におさまるようにすることを与条件としているのに対し、中野区立小中学校施設整備計画は中・長期的な区の財政状況の見通しを勘案しつつ計画的に進めることが必要といった一般論にとどまっております。もちろん学校は児童・生徒の学びと育ちに必要十分な施設でなければいけませんし、保護者や地域からの要望にもできるだけ応えていくべきものでもあります。しかし、単にお金をかければよいものができるわけではありません。制約の中から工夫が生まれるという面もあるでしょう。相当な経費をかけたにもかかわらず、開校後の使い勝手に課題を残した中野中学校と同じ轍を踏んではいけません。ビル管理法の適用を受ける規模にはしないとか、財調算定の範囲内におさめるとか、坪単価の目安を定めるとか、大枠であっても一定の考え方を持っておくべきと考えますが、いかがでしょうか。
4、図書館行政について。(1)区立図書館の存在意義と活用について、お伺いいたします。
今、「ニューヨーク公共図書館」という映画が公開されています。私も鑑賞してまいりましたが、公共図書館の果たすべき役割とは何かが凝縮された映画でした。他方、公共図書館不要論も根強く存在いたします。映画の中でもそうしたシーンが登場しますし、私も区民の方から区立図書館なんて何で必要なんだという御意見をいただいたこともあります。この夏、今後の図書館サービスのあり方検討会が立ち上がり、中野区はこれから図書館行政の転換期を迎えますが、区は区立図書館の存在意義をどのようにお考えか、お伺いいたします。
「ニューヨーク公共図書館」の中で私が印象に残ったシーンの一つに、市の補助金増額を目指しロビー活動に取り組んできた館長が、ロビー活動をする中で「興味深い発見があった。政治家にはシンプルなメッセージが受ける。週6日開館とか。」と発言するシーンがあります。指定管理化で開館時間を延ばしましたという中野区の説明を思い出しましたが、私たち政治家がもっと根源的・本質的な意義を認識しなければいけません。図書館の自由に関する宣言は、全ての国民の知る権利を実質的に保障することこそが図書館の最も重要な任務であるとしています。そして、図書館法第17条が「公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない」と規定していることからも明らかのように、「全ての国民」といったときには「所得階層によらず」といった意味合いが含まれております。他方、2014年に国会図書館が行った図書館利用者の情報行動の傾向及び図書館に関する意識調査の結果では、所得が多いほど図書館を利用している割合が高い、この傾向が明らかになっています。理念的な位置付けと実際の利用には乖離があるということですが、これからの図書館行政にはこの乖離を埋めていっていただくことを期待したいと思います。特に生まれる環境を選べない子どもたちがどういった家庭環境に生まれ育っても図書に親しめる、そのきっかけが等しく得られる環境を目指していただきたいと思います。そのためには、単に蔵書をふやすだけでは不十分で、多くの自治体が始めているブックスタート事業や、また児童館や子育て広場など子どもが集まる図書館以外の施設に図書館の蔵書を置き、本に触れる、図書館を意識するきっかけをつくるなどの取り組みも効果的なのではないかと考えます。いわば図書館のアウトリーチのような取り組みです。区の見解をお伺いいたします。
(2)中野東中学校等複合施設内図書館について、お伺いいたします。
8月の子ども文教委員会に整備の状況と内容が報告されました。建物の7、8、9階が図書館になりますが、7階は子どもの協働的・主体的学習や子育て世代の交流の場として「にぎやかな」フロアとするとのことです。資料には「子ども・子育て支援フロア」と記載があるのですが、利用者によりわかりやすく「子ども図書館」と呼称してはいかがでしょうか。図書館の一部のフロアを子ども図書館と呼ぶことになりますが、そうした例は実はあまり珍しくありません。わかりやすい名称とすることで、利用のハードルが下がったり、子ども関係の情報が集まるようになったりする、こんな効果もあるのではないかと思います。見解をお伺いいたします。
9階はビジネス支援フロアとのことですが、説明には、区民一人ひとりが「多様な生き方の選択肢」を知り、自らが考え、行動できるようにするための支援とあり、看板と内容にずれを感じます。調査の結果、あまりニーズがないことが見えてきたというような、当初のビジネス支援というコンセプトにあまりこだわる必要はないのではないでしょうか。そもそもこの図書館は、本町、東中野図書館を統合し整備するものです。両地域図書館の利用者の方からは区議選前に公開質問をいただきました。私たちとしては、先ほど公共施設のあり方で述べたような観点から、存続は難しいと回答いたしましたが、これまで利用されてきた方々の活動は大切にすべきとも考えます。こうした活動が継続できたり、また新たなコミュニティ活動の誕生を促したりするようなコミュニティ活動支援のようなコンセプトの転換を考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。この点を伺いまして、全ての質問を終わります。ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 森議員の御質問にお答えいたします。
1点目、子育て先進区実現に向けた取り組みについての中で、子育て先進区の日本社会全体に及ぼす影響、それから国への要望についての御質問です。少子高齢化、人口減少が進むことによって、地域活力の低下は区政運営にとって重要な課題であると同時に日本の社会全体として抱える最も大きな課題の一つでもあると認識しております。区が子育て先進区を実現して都市型のモデルを示していくことはこれからの日本の社会が向かうべき方向性を考える上で大きな意義のあることであり、国はこうした取り組みを後押しするために積極的に都市部の子育て支援に投資すべきであると考えております。こうした認識のもとに、危機感と使命感を持って子育て先進区の実現に力を尽くすとともに、国に対しても働きかけてまいりたいと考えております。
次に、子育てを社会全体で支えることについての御質問です。結婚し、子どもを産み育てることは、一人ひとりの多様な生き方や考え方の中で主体的に選択されるべきものであるとは考えますが、今日の子どもや子育てを取り巻く経済的な環境は大変厳しいものとなっていると認識しております。将来の社会の担い手となる子どもの育ちと子育て家庭を支えることは社会全体で取り組まなければならない課題であります。そのためにも、まち全体で子どもの育ちを支えるという理念を全ての区民で共有し、地域の子育て力を高めていくための取り組みを具体化してまいります。
次に、多様な家族のあり方についての御質問です。区のパートナーシップ宣誓は戸籍上の性別が同一である二人を対象としておりますが、今後、より幅広い関係性を視野に入れて検討を行ってまいります。区は、全ての人がみずからの意思によって自立して活動し、自己実現できる環境整備を推進しておりまして、多様な生き方、個性、価値観を受け入れることができる地域社会の実現を目指してまいります。
次に、子育て世帯と空き家等のマッチングの御質問です。区では、中野区空家等対策基本計画におきまして、空き家等の利活用促進によるさまざまなライフステージやスタイルに応じた多様な住宅ストックの形成を目指すこととしておりまして、現在改定を進めている住宅マスタープランにもこの考え方を盛り込む方向で検討しております。こうした考え方のもと、子育て世代が空き家をはじめとした区内の住宅ストックの中から適切な物件を効率よく探し出し、入居ができるような仕組みづくりを民間事業者と連携しながら進めてまいりたいと考えております。
次に、子育て先進区実現に向けた区の実情に合った取り組みということでございます。区としては、国の制度に基づくものであっても、中野区の実情に応じた事業を構築し取り組んでいるところでございます。今後も区民の声を聞きながら、区が抱えている具体的な課題への対応やさまざまな地域資源の活用などについて、スピード感を持って取り組んでまいります。
次に、子どもの権利条例についての御質問でございます。子どもの権利が守られ、子どもが意見を表明できる地域社会であることは、将来を担う子どもたちが健やかに成長するために欠かすことのできない重要な要素であると考えております。こうした地域社会を実現するためには、保護者だけではなく、行政、区民、地域団体、事業者、学校など、子どもを取り巻くさまざまな関係者が協力し合いながら、まち全体で子どもの育ちを支えていくことが必要となります。このため、子どもの権利条例については、まち全体で子どもの育ちを支えていくという目標や理念を広く区民の間で共有するとともに、その検討過程においても区民の声を十分に生かしていく工夫が必要であると考えております。今後の具体的な進め方については、来年度予算を編成する中でお示ししてまいります。
児童相談所設置に向けた東京都による財政的支援についての御質問です。平成28年の児童福祉法改正を受け、都区財政調整協議において、平成29年度から児童相談所関連経費について、基準財政需要額に算定した上で都区間の配分割合を変更すること、また設置準備経費を特別交付金で全額算定することを区側から提案しているところでございます。しかしながら、都側は、一部の区がその自主的な意向に基づき進めている、特別区が等しく行うべき事務であるかどうかについて慎重に検討する必要があるなどと主張して具体的な議論ができていない状況であります。引き続き特別区が連携を密にして一丸となって東京都に対して議論を呼びかけ、財源確保に向けて取り組んでいく必要があると考えております。
次に、SNSでの相談事業の開始についてでございます。東京都では、電話やメールによる相談を受ける妊娠相談ホットラインを行っており、中野区民の相談については東京都と連携し、区が相談後の対応を行っているところでございます。中野区単独でのSNSによる相談事業の実施については、今後の課題として検討を進めてまいります。
次に、人事施策についてでございます。
まず最初に、職員向けの講話の継続的な実施についての御提案についてでございます。職員に対しては、区政運営におけるトップの考えを示す観点や人材育成の観点から、庁議等の庁内会議の場であるとか、新任研修、主任昇任時研修、係長昇任時研修などの職層研修、そして新たな基本構想の策定や新庁舎整備に向けた職員ワークショップの場などにおいて私の考えをこれまで示しているところでございます。私の考えや理念が職員に十分浸透するように、全庁の職員に向けたメッセージの発信の機会をふやしてまいりたいと考えております。
次に、職員と区民との対話による成果事例の庁内共有についてでございます。本年4月に中野区職員行動指針を定め、地域に飛び出して多様な人々と積極的にかかわることなど、目指すべき中野区職員の姿を明らかにいたしました。基本構想の検討における区民と職員のワークショップの実施など、区民との対話による取り組みが意識されつつあるとは思っておりますが、具体的事例を積極的に職員に周知して理解を促すとともに、機運を高めるためによい事例を表彰する仕組みを検討してまいります。さらに、区民の皆さんにも職員のそういった姿勢や取り組みを理解していただけるよう、随時紹介していきたいと考えております。
次に、管理職不足への対応と専門員等の活用についてでございます。管理職の昇任者が需要数を下回ったことや年度途中での職員の退職があったことなどから管理職のポストに対する人数が不足していることは認識しておりますが、他団体からの派遣や心得での承認により人材を確保するとともに、事務取扱や兼務により対応しているところでございます。管理職の公募や顧問や参与、専門員の採用など外部からの知見の活用については、何について助言や調査等を行うのか、職務の内容を明確にして、その必要性や効果、人件費等を総合的に勘案し判断する必要があると考えております。
次に、福祉職の採用についてでございます。令和3年度の児童相談所の開設に向けて、児童福祉司や児童心理司などの福祉職を含む人員体制を構築していく必要があり、現在児童相談所等の経験を条件とする経験者採用を進めているほか、他自治体の児童相談所へ職員を派遣し、必要な実務経験の習得を進めているところであります。児童相談所開設時の円滑な運営に向けて児童相談所への配置を前提とする採用も一定程度実施し人材を確保する必要がありますが、さまざまな職場での活用を前提とする福祉職の採用も並行して実施し、実際の配置では職員の能力や適性等を考慮して福祉職全体の中から適切な人材を活用してまいりたいと考えております。
次に、就職氷河期世代の採用についてでございます。今年度から特別区の経験者採用試験の年齢要件が緩和されて、就職氷河期世代の人も受験できるようになり、申込者数も大幅にふえております。中野区においても、30代後半から40代前半の職員数が少なくて年齢構成がアンバランスであるため、その年代の職員を積極的に採用していきたいと考えております。
次に、公共施設のあり方についての項、公共施設集約化・複合化の必要についての私の認識でございます。今後の人口構成やサービス提供の必要性の変化等を踏まえて、できる限り効率的な施設のあり方を考えていきたいと考えております。区の公共施設の集約化や複合化の考え方については、基本計画の策定の過程で明らかにしてまいります。
最後に、合意形成を目指す取り組みについての御質問です。高松市が実施した公開施設評価では、異なる立場の住民同士が議論し、施設維持管理の方向性等を示したものと認識しております。住民との合意形成の手法としては、他の自治体においてもさまざまな手法を用いており、区における住民との合意形成の手法についてもより幅広い主体の声を区政に反映できるよう検討してまいります。
〔教育長入野貴美子登壇〕
○教育長(入野貴美子) 私からは、性教育及び手引きの活用について、お答えいたします。性教育については、児童・生徒に性に関する正しい知識を習得させ、適切な意思決定や行動選択ができるよう、児童・生徒の実態に応じた指導を展開できることが望まれています。区立小・中学校では、性教育についての年間計画を毎年作成し、各教科等との関連を図りながら教育活動全体を通じて性教育の指導を充実させているところでございます。東京都から配布されました、改訂「性教育の手引き」を参考に、各学校の年間計画の見直しを図り、従来の性教育の目的に加え、性をめぐる現代的な課題への対応や家庭や地域との連携をさらに推進するよう、各学校に助言してまいります。
次に、学校建設経費について、お答えいたします。新校舎整備に当たっては、学校ごとに敷地状況が異なるほか、特色ある学校づくりや地域連携の充実など、求められる役割や機能に違いがあることなどから、一律に学校建築経費の大枠を設けることは難しいものと考えております。学校建築経費については、中野区立小中学校施設整備計画の中で学校施設に必要な設備・機能の標準仕様を定めており、必要経費の適正化を図っているところでございます。また、平成29年度より新校舎整備におけるコンストラクション・マネジメント業務委託を開始し、新校舎の設計・施工の各段階においてより効率的に管理業務を行うことにより、定められた経費の中で最大の効果が得られるよう努めているところでございます。今後は、さらに施設運営にかかるランニングコストも含め、新校舎整備における各部材費用に対する品質や効果を十分に考慮した設計を行うなど、学校建設経費並びに維持管理経費の抑制に向けた取り組みを一層進めていきたいと考えております。
次に、図書館行政について、お答えいたします。
まず、区立図書館の存在意義についてでございますが、区立図書館は、区民の学びと自立を支え、地域文化を創造・発信する知の拠点を理念として、区民の学びと自立を支える課題解決支援型図書館などの目標を掲げ、区民の生活や地域活動を支えるなど、社会的な存在意義を持つものと考えております。
次に、子どもの読書活動の推進についてでございますが、区では、子どもの読書活動を推進するため、母子手帳交付時に乳児向けブックリストの配布、絵本の読み聞かせなどの事業を進めてきたところでございます。今後、さらに子どもが身近に本に触れる機会をふやしていくため、乳児親子に図書館の紹介、本の配布を行うなど、ブックスタート事業や児童館など子ども施設と連携した事業の実施などについて積極的に検討していきたいと考えております。
次に、中野東中学校等複合施設内図書館についてでございますが、7階の子ども・子育て支援フロアの名称につきましては、親しみやすくわかりやすいものとなるように工夫したいと考えております。また、9階のビジネス支援フロアについては、仕事や職業に関する情報収集や打ち合わせ、プレゼンテーションなどが行われる利用を想定しております。あわせて、コミュニティ活動につきましては、図書館本来の機能や地域特性などを踏まえつつ、どのような利用が可能であるかを検討してみたいと存じます。
○議長(高橋かずちか) 以上で森たかゆき議員の質問は終わります。
議事の都合により、暫時休憩いたします。
午後2時33分休憩
午後2時55分開議
○議長(高橋かずちか) 会議を再開いたします。
この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 木 村 広 一
1 中野駅周辺まちづくりについて
2 学校改築と再編スケジュールについて
3 外国人の生活支援について
4 介護予防・日常生活支援総合事業について
5 旅館業法について
6 幼児教育の無償化について
7 防犯対策について
8 その他
○議長(高橋かずちか) 木村広一議員。
〔木村広一議員登壇〕
○13番(木村広一) 令和元年第3回定例会におきまして、公明党議員団の立場で一般質問を行います。質問は通告のとおりで、その他はありません。
初めに、中野駅周辺まちづくりについて、伺います。
8月22日の中野駅周辺整備・都市観光調査特別委員会で中野駅西口地区まちづくりについての報告がありました。中野三丁目土地区画整理事業は、2015年3月に土地区画整理事業が都市計画決定され、同年7月には独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)を施行者として事業認可がされ、現在事業が行われています。今年度は公共施設整備、建物解体、権利者対応、事業計画変更が行われ、年度内にこの事業の中心である旧桃丘小学校跡地の拠点施設整備等に係る事業者公募選定要件を整理し、区の意向を取りまとめ、URへ要望する予定となっています。拠点施設の具体的な用途・機能については、2015年3月に区とURで締結した中野三丁目地区の整備に関する事業実施協定において、商業施設誘致等のほか、自転車駐車場を整備することとしています。この拠点施設の用途・機能については、中野三丁目地域の地元の要望を最大限取り入れることを何度も要望してきているところです。一方、中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3では、桃園通り沿い地区、住宅地区を駅につながる主要な歩行者動線として安全性や快適性を確保するため、共同化や建てかえなどに伴い、歩行者空間を創出します。文化的なにぎわいのまち並みを形成するとともに、後背の良好な住環境を守りますとあります。文化的なにぎわいのまち並みを形成することは、私たち公明党が従来から要望してきたもので、中野三丁目を特徴づける大事なコンセプトでもあります。
昨年7月、中野駅周辺・西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会で、大阪府枚方市の枚方市駅周辺整備の取り組みについてを視察しました。枚方駅周辺は、行政・商業・業務、医療・文化交流機能が集積する市の広域中心拠点で、「全ての世代が様々なライフスタイルを実現し、交流できるまち」をテーマに、駅利用者や駅前などの中心部の人々の行動範囲を広げ、ゆとりやにぎわいを創出することを目指しています。中心となる複合商業施設には質の高い飲料店、専門店のみならず、銀行、美容などさまざまな生活スタイルを提案する店舗をそろえ、特にメーンフロアとして、蔦屋書店とスターバックスによるブック&カフェ、生活提案と居心地のよい空間を創出し、さらに別なフロアでは、子どもが目いっぱい遊べる遊び場やママ同士がリラックスしておしゃべりできるラウンジ、児童用図書館などを備えています。中野三丁目は、西口改札の開設により中野駅出入り口になりますが、閑静な住宅地が密接しており、旧桃丘小学校跡地の拠点施設には憩いと集いの機能が望まれ、文化的なにぎわいのコンセプトとあわせ、枚方市の複合商業施設は非常に参考になると考えます。URが公募によって事業者を選定するに当たり、その公募要件は区の意向を踏まえることになっています。区の意向として、拠点施設の機能を検討するに当たり、子どもやシニアなどさまざまな世代の憩いと集いの文化拠点となる機能の誘導を検討してはいかがでしょうか。お伺いいたします。
次に、中野駅周辺でのシェアサイクルの整備推進について、伺います。
中野駅周辺のまちづくりの進展や東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴い、多くの外国人の来日が予測されます。インバウンドを踏まえた中野区の環境施策の一環として、シェアサイクルの活用は外国人観光客にとっても身近で利用しやすい移動手段と考えます。また、南北の交通手段に課題がある中野区では、中野駅を拠点として、新体育館などの公共施設、中野坂上などの交通結節点をつなぎ、区内の南北の回遊性を高める効果が期待できます。シェアサイクルに関しては、さまざまな事業者がそれぞれの特色で利用エリアを拡大し、利用者が増大し、効果を上げている状況です。特にドコモ・シェアサイクルは、都心10区に拡大し、データ上では隣接する新宿区などから中野区内を通過していることも判明していることから、中野区内のニーズも高まっている状況です。利用価格も安価で予約も可能であり、通勤にも活用しやすいとのことです。外国人観光客など来街者の増加が予想される東京オリンピック・パラリンピックに向け、中野駅周辺を中心とした区内でのシェアサイクルの整備導入を検討してはいかがでしょうか。お伺いいたします。
次に、中野駅周辺自転車駐輪計画について、伺います。
平成28年度に策定された中野駅周辺自転車駐車場整備計画に自転車駐車需要を想定し、本整備計画では従来の中野駅周辺全体の整備台数を約6,000台とするとあります。当計画における自転車駐車需要は平成20年度に公表されているパーソントリップ調査の利用率に基づくものであり、平成31年には新しい調査結果が発表されると伺っています。前回の調査から10年がたち、その間に四季の森公園も開園し、自転車駐車需要の動向が変化している可能性があり、整備計画の前提となっている各まちづくりの進捗も計画よりおくれている状況です。さらに、先ほど質問しましたシェアサイクルの活用により自転車需要の減少も見込まれ、中野駅周辺自転車駐車場整備計画が状況変化に対応できているのか、見直しを検討する必要があると考えます。自転車駐車場整備計画では、中野三丁目の拠点施設には1,000台の駐輪場の確保が計画をされています。しかし、中野三丁目地域は駐輪場がなかった閑静な住宅地であり、狭隘道路も多く、自転車交通量の増加は地域への大きな影響をもたらします。中野駅西口改札整備に伴う駐輪場ではありますが、旧桃丘小学校跡地は、中野通り、大久保通りからは坂を上がる位置にあり、自転車利用者にとっても利便性が高い場所とは言えず、1,000台の駐輪台数のニーズがあるのかも疑問であります。中野三丁目拠点施設に整備すべき自転車駐輪場について精査が必要と考えますが、いかがでしょうか。お伺いし、この項の質問を終わります。
次に、学校改築と再編スケジュールについて、伺います。
初めに、平和の森小学校改築と旧中野刑務所正門について、伺います。
今年度、旧中野刑務所正門学術調査が予算化され、現在調査中です。この旧中野刑務所正門学術調査については、迅速かつ多角的な調査・検討を行い、議会の理解を得た上で、平和の森小学校新校舎等整備に支障を来さないように進めるとともに、良好な教育環境を確保されたいと、議会から附帯意見が付されています。
区が現在行っている旧中野刑務所正門の調査内容は、実測調査、建物の外観目視による外部劣化調査、構造形式等の確認を行う構造調査、各種調査結果をもとにした保存活用検討、建物を曳き家にする場合に必要となる方法、想定期間、概算経費及び文化財価値への影響について調査する移築活用調査となっています。この調査期間については、5月末から10月末までの約5カ月間とのことです。旧中野刑務所正門に関する学術調査については、既に移築の技術的な可否については部分的に事業者の報告が出ていると聞きます。技術的な移築が可能であれば移築を検討すべきと考えますが、その技術的な移築の可否について、現時点では事業者の報告はどのようになっているのか、お伺いいたします。
また、区では、この門の取り扱いについて、今回の調査の報告を受け、現地保存か移築かを再検討する予定であると聞きます。平和の森小学校改築のため早期に結論を出す必要があると考えますが、今後どのようなスケジュールで進めていく考えなのでしょうか、お伺いいたします。
次に、第四中学校・第八中学校の統合について、伺います。
2021年度に現在の第四中学校の位置で第四中学校・第八中学校の再編新校がスタートする予定です。その後、2023年度に現在の美鳩小学校の跡地に中学校の新校舎が改築され、四中・八中の統合新校が移転開設の予定となっています。平成25年3月に、教育委員会では中野区立小中学校再編計画(第2次)を決定しました。しかし、平成27年第4回定例会で学校再編計画(第2次)の変更の報告があり、大和小学校を大規模改修から改築し、工期を延長し、改築した校舎で美鳩小学校を移転供用開始、これにより若宮小学校の位置での中学校改築、統合新校開校スタートの計画が変更されることになりました。当時、再編担当は、大和小学校の改築工事が終了した後に、若宮小学校の跡地の改築工事を平成33年度から始めます。第四中学校・第八中学校のところになりますけれども、当初計画では、ここの工事につきましては、平成31年度から着手し、平成33年度に完成させて、第四中学校と第八中学校の統合は完成した新校舎でするという予定でおりましたが、工事が2年程度後ろへずれ込むため、第四中学校と第八中学校の統合は、第四中学校を2年間仮校舎として使用することで再編計画をお示ししておりますとおり、平成33年度に統合するということになります。したがいまして、移転の時期については平成35年度に変更になりますと説明をされています。また、中野区立小中学校再編計画(第2次)及び中野区立小中学校施設整備計画において、大規模改修としている学校は原則改築することが決定しました。しかし、現在の美鳩小学校は妙正寺川沿いの崖地に校舎が建っています。崖地である跡地の解体・建設については擁壁・地盤等を改良する必要があり、建設はスケジュールどおりに進まない可能性があります。中学校の3年間の中で学校の位置が確定されないことは生徒の学校生活に大きな負担を強いることになります。擁壁の課題など学校改築に時間を要するのであれば、統合の時期を延期し、当初の計画どおり新校舎改築と同時に第四・第八の統合新校をスタートすべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
次に、中野本郷小学校の現地建てかえについて、伺います。
中野本郷小学校は、学校再編計画において、2022年度に大規模改修に伴い現在の中野第一小学校を仮校舎とする予定となっています。しかし、仮校舎の位置は児童の徒歩圏外であるとともに、地域の生活区域を越えることになり、教育委員会としても、通学の安全負担の軽減のため、現地に仮校舎を設置して建てかえの可能性の調査を行っており、秋ごろには調査結果が出るとも聞いております。桃園第二小学校もあわせて検討されているとのことですが、中野本郷小学校は1年早く、来年度には基本計画策定が予定されており、本年度中での方針決定が迫られております。中野本郷小学校現地建てかえ検討の公表時期、その後の検討スケジュールをどのように考えているのでしょうか。お伺いいたします。
また、スケジュールに余裕がない状況ではありますが、児童のよりよい学校環境の整備のため、十分に検証し、最善の結論を出し、学校改築推進委員会など地域に丁寧に説明すべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いし、この項の質問を終わります。
次に、外国人の生活支援について、伺います。
出入国在留管理庁は、先日9月6日、外国人向け相談窓口の整備・運営を行う地方自治体への外国人受入環境整備交付金の第3次募集を9日から開始すると発表しました。この交付金は、在住外国人が在留手続、雇用、医療、福祉、出産、子育て、子どもの教育等の生活にかかわる適切な情報や相談場所に迅速に到達することができるように、情報提供・相談を多言語で行う一元的相談窓口の整備に取り組む地方公共団体を支援することを目的としています。これまでは47都道府県と外国人が多く住む64の市区町村が対象でしたが、要件緩和を求める声を踏まえて対象を拡大しました。外国人の数に応じ、交付額に段階的に差を設けております。交付額の上限として、47都道府県と外国人が5,000人以上の自治体は1,000万円交付、東京都特別区については外国人住民が1万人以上、かつ住民の占める外国人の割合が6%以上となり、第2次募集までは対象外であった中野区は今回の第3次募集では対象となります。年間を通して無料で相談に応じることや、原則として日本語や英語、中国語など11言語に対応することなども求めています。区でも、この交付金を活用し、外国人ワンストップ相談窓口の設置を検討してはいかがでしょうか。お伺いいたします。
ことしの第1回定例会の一般質問において、今後急増が予想される外国人の居住者と共生を図るため、総合的な対策を講じる必要があるとの質問に対し、新たに設置を予定している文化・国際交流課を中心として総合的な対策を推進し、多文化が共生する地域社会をつくってまいりたいと思いますと、区長より答弁をいただきました。在住外国人の生活支援は多岐にわたり、総合的な対策の推進のためにはあらゆる行政サービスの検証が必要と考えます。行政サービスの多言語化を今後どのように進めるのでしょうか。現状を掌握し、文化・国際交流課を中心に全庁的な取り組みを推進すべきではないでしょうか。お伺いいたします。
また、その際、多言語対策の一つとして「やさしい日本語」の活用も検討してはいかがでしょうか。お伺いいたします。
在住外国人は、支援していくだけではなく、国籍を超え、多様な生き方や価値観、生活、文化を生かし合う地域のパートナーです。今後増加する在住外国人との共生を区の活性化、にぎわいに活用する施策を検討してはいかがでしょうか。お伺いし、この項の質問を終わります。
次に、介護予防・日常生活支援総合事業について、伺います。
地域包括ケア推進プランは、平成28年度から平成30年までをステップ1とし、主に高齢者を対象とした取り組みを推進し、今年度はこれまでの取り組み実績などに基づいてプランの検証をするとしています。今後は、令和2年までのステップ2において検証結果を踏まえたプランの見直しを行うとともに、全世代、全区民に地域包括ケアの対象を拡大し、発展・拡充を図ると伺っています。介護予防・日常生活支援総合事業は、地域包括ケア推進プラン策定とともに地域包括ケアシステムの推進の大きな柱として平成29年から事業を開始しました。今年度に推進プランを検証するに当たり、総合事業もさまざま検証する機会であると考えます。その視点で何点かお伺いいたします。
総合事業では、介護サービス事業者によるこれまでと同様の介護予防サービスに加え、NPOや民間企業、ボランティアなど地域の多様な主体がサービスを提供していくのが大きなポイントです。多様な主体による多様なサービスの創出といった新たな取り組みが期待をされていましたが、どのように推進できたのでしょうか。また、現状の課題をどのように認識しているのか、お伺いいたします。
国が示した総合事業のメニューの中で中野区が実施を見送ったメニューは、訪問型サービスCの短期集中予防サービスと訪問型サービスDの移動支援です。訪問型サービスCは短期集中予防サービスであり、通所型サービスCの利用者に対して理学療法士等が居宅での体力改善に向けた相談指導業務等のプログラムを行うサービスです。通所型と連動して、自宅を訪問し、生活指導することでさらに改善の効果が生まれることが期待をされ、多くの自治体で実施をされています。推進プランの検証、見直しに合わせ、訪問型短期集中予防サービスと移動支援の導入を再検討してはいかがでしょうか。お伺いいたします。
短期集中予防サービスは、介護状態にならないようにする介護予防の最後のとりでという重要なコースで、総合事業から本格的に導入をされました。その効果の検証のためには、明確な基準と要介護に至らないマネジメントが必要と考えます。介護予防の見える化として利用者の改善効果の基準設定を検討してはいかがでしょうか。お伺いいたします。
地域包括ケア推進プランは、ステップ1で総合事業を中心とした高齢者向けの施策を実施してきました。ステップ2では、全世代、全区民に地域包括ケアの対象を拡大することとし、地域包括ケアを担う多様な主体間の関係機関調整を進めていくために、昨年度地域包括ケア推進担当部長を設置しました。総合事業推進にも大きな影響があると考えます。地域包括ケアを強力に推進するために専門の部長設置は期待を持っていたところでもありますが、設置からどのような効果があったのでしょうか。お伺いいたします。
また、地域包括ケア推進担当部長の重要な役割に地域包括ケアにおける総合計画の策定があります。それは具体的にいつどのように策定する予定なのか、お伺いし、この項の質問を終わります。
次に、旅館業法について、伺います。
旅館業法上の施設である簡易宿所に関しては、昨年の第3回定例会一般質問におきまして、民泊とのバランスを勘案し、条例の見直しを図るべきであることを要望させていただきました。それから、ちょうど1年がたち、中野区においても民泊、簡易宿所の届け出、開設が増加しています。全国的には、規制のきつい民泊から簡易宿所へ移行するケースを含め、簡易宿所の開設が増加しています。改めて確認しますと、区では、住宅宿泊事業の実施に際し、制限区域においては近隣への周知を求めていますが、旅館業法上の施設では近隣への周知は義務とはされておりません。近隣の住民が全く知らずに、ある日突然簡易宿所がオープンするということも十分あり得ます。民泊開設が難しいという理由で簡易宿所を開設していこうとする業者がふえた場合、規制した民泊の抜け穴となり、区の住環境を脅かすことが考えられます。簡易宿所の施設開設前の地域への事前周知の実施などの義務化を条例で規制すべきではないでしょうか。改めてお伺いいたします。
施設の標識設置の義務付けも必要です。住宅宿泊事業法では、届け出住宅に対し公衆の見やすい場所に標識の設置が義務付けられていますが、簡易宿所を含む旅館業法許可施設である旅館・ホテルではその規制はありません。かつては宣伝効果もあり、旅館やホテルが標識を設置することは常識でありましたが、近年スマートフォンなどの利用により容易に場所を認識できるため、標識が設置されていない施設も開設されています。近隣住民にとっては、宿泊施設が住宅宿泊事業によるものか、旅館業なのか、また違法な民泊なのか、非常にわかりにくく、トラブルの原因にもなります。旅館業法許可施設も地域住民にも判別できるように明らかな標識の表示を義務化する必要があるのではないでしょうか。お伺いし、この項の質問を終わります。
次に、幼児教育の無償化について、伺います。
来月10月から施行される幼児教育の無償化において、ベビーホテルなどの認可外保育施設も無償化の対象となりました。しかし、無償化の対象となる認可外保育施設は指導監督基準を満たすものとしていますが、指導監督基準を満たさない施設も対象とし、5年間の猶予期間を設けることとしています。国は、認可化移行支援強化事業を拡充し、認可保育所等への速やかな移行を促進するとしています。ベビーホテルなど認可外保育施設はこれまで独自の運営特色を出し、認可保育園などではカバーできない時間帯、対象の園児を保育し、中野区の保育事情を支えてきました。しかし、今回の無償化により無償化の対象を続けるためには保育士の確保、施設・設備で一定の基準を5年間で解消していく必要に迫られています。特に中野区の認可外保育施設は小規模で運営されているため、面積基準や二方向避難など施設の課題を解消できないがために認可外保育を続けているケースが多いと考えられます。無償化の基準を満たすためには移設が必要となり、さらに認可を受けての移設では周辺の保育施設とのバランスを勘案する必要があります。経営的にも保育士の確保も厳しい運営を強いられている認可外保育施設にとって、この5年間で移設をすることは大変困難と思われます。区としても待機児童解消など優先する課題が多いですが、認可外保育施設の支援も取り組むべき課題であると考えます。特に移設が必要な保育施設に対し、認可外保育施設移行支援を区から積極的に関与すべきではないでしょうか。お伺いいたします。
また、ベビーホテルや認可外保育施設は、認可保育所と比べ行政と協議の場はほとんどなく、今回のように制度が大きく変わった場合、その理解や実施が適切に行われているか、不明です。事業者によっては移行せずに、無償化の対象にならなくても独自の運営を模索する可能性もあります。区として、それぞれの事業者の状況、意思を丁寧に把握する必要があると考えます。認可化移行支援強化事業の事業者説明会を実施している自治体もあります。中野区としても、移行支援に関する事業者説明会の開催など、制度への理解や意思の確認のため、制度の丁寧な説明の機会をつくってはいかがでしょうか。お伺いし、この項の質問を終わります。
次に、防犯対策について。振り込め詐欺対策について、伺います。
平成30年度中の中野区内での特殊詐欺の認知件数は80件、被害総額約1億4,000万円にもなり、ことしも7月末まで認知件数は35件、被害総額約7,700万円の被害となっています。区では、振り込め詐欺などの被害を防止するために、昨年度から自動通話録音機を無料で貸し出ししています。自動通話録音機は振り込め詐欺防止に大きな効果を発揮しており、機器を設置した家庭では被害がまだ報告をされていない状況です。昨年度300台貸し出しましたが、応募が多く、すぐに在庫なしとなりました。今年度は8月から600台募集しましたが、現在300台を超える予約があり、今年度も在庫がなくなる見通しです。この貸し出しは東京都の補助制度を活用しているものですが、この補助制度は来年度が最終年度になります。振り込め詐欺録音機無償貸し出しについては、来年度はさらに拡充して取り組んではいかがでしょうか、お伺いし、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 木村議員の御質問にお答えいたします。
まず1点目、中野駅周辺まちづくりについての中で、中野三丁目地区に整備する拠点施設の機能についての御質問です。中野三丁目に整備される拠点施設の機能等に係る区の意向については、中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3や中野駅西口地区まちづくり基本方針等で描いた中野三丁目地区の将来像や地域からの要望等を踏まえて検討し、UR都市機構と協議を進めていくことになります。その際、子どもから高齢者まで、地域の多様な生活者や来街者が集い、憩い、交流し、文化の一端に触れられるような中野駅周辺の回遊性を高める中野三丁目の拠点となり得る商業機能の可能性について検討していきたいと考えております。
次に、区内でのシェアサイクルの導入についての御質問です。シェアサイクルは、インバウンドなど観光目的に資することや環境に優しく身近な移動手段でありまして、都心各区では広域的な連携を図ることで利便性を向上させる取り組みを進めた結果、利用者が拡大していると聞いております。区としても、先行している区の有効性や取り組み状況については認識しており、現在導入に当たっての課題を整理するなど検討を進めているところでございます。
中野三丁目の拠点施設に整備する自転車駐車場についてでございます。中野駅周辺の自転車駐車場については、中野三丁目地区で1,000台程度の需要も見込んでおりまして、中野三丁目の拠点施設の敷地内に整備したいと考えております。一方で、今後の自転車駐車場利用にかかわる最新の需要調査・分析の必要性や拠点施設の建築設計上の規模等を考慮する必要があるとも認識しておりまして、それらを踏まえて中野三丁目に整備すべき適正な整備台数や設置場所等について精査をしてまいります。
次に、学校改築と再編スケジュールについて、まずは旧中野刑務所正門の取り扱いについての中で技術的な移築の可否と今後についての御質問でございます。旧中野刑務所正門にかかわる学術調査については、現在調査中でございまして、5月末から10月末までの予定でございます。事業者からは、詳細については調査中であるものの、本建物の曳き家が技術的には可能と考えられると聞いております。旧中野刑務所正門にかかわる学術調査については、実測調査、各部の劣化調査、構造調査、各種調査結果をもとにした保存活用検討、また建物を曳き家する場合に必要となる方法、想定する期間、概算経費及び文化財活用の影響についてなど、さまざまな調査を行っているところでございます。全ての調査結果がまとまり次第、速やかに議会へ報告をする予定でございます。当該調査結果と議会での議論を経て、旧中野刑務所正門の取り扱いについては、区として現地保存か移築について再検討を行い、区の方針を決定する予定でございます。
次に、外国人の生活支援についての項の外国人ワンストップ相談窓口設置についての御質問でございます。中野区において、外国人の日常的な相談については国際交流協会が現在行っております。また、年1回、外国人が日ごろ悩んでいる法律問題などを10カ国の母国語で相談できる外国人のためのリレー専門家相談会を実施しているところでございます。近年、中野区では外国人人口が急速に増加しており、在住外国人への生活支援の必要性が高まっていると認識しております。在住外国人に対する医療、福祉、出産、子育てなどの総合的な相談機能のあり方については、今後、他の区市町村の取り組みも調査しつつ、交付金の活用も含めて検討してまいります。
次に、全庁的な取り組みの推進についてでございます。本年度より区は、区民部に文化・国際交流課という担当部署を置いて、在住外国人に関する施策に取り組んでおります。今年度は新たに外国人施策の調査を行い、全庁の施策状況を把握したところであり、また関係課長の連絡会議を開催して、在住外国人施策の共有化と次年度の施策の検討を全庁的に進めているところでございます。今後も引き続き在住外国人施策については、文化・国際交流課を中心として取り組みを推進してまいります。
次に、「やさしい日本語」の活用についてでございます。区の外国人住民の国籍は多様化しており、およそ130カ国に及んでおります。在住外国人向けの支援策としてさまざまな行政サービスの多言語化は引き続き推進することが求められますが、在住する外国人の全ての言語に対応することは困難であります。一方、普段使われている言葉を外国人にもわかるように配慮した「やさしい日本語」を使用することによって、多くの外国人に行政情報を届けることが可能となると考えております。今年度は、東京都生活文化局の職員を講師として招聘し、職員研修を実施する予定でございます。今後も取り組みの推進について検討してまいります。
次に、在住外国人との共生と区の活性化についての御意見でございます。日本は、人口減少社会を迎え、生産年齢人口の減少に伴う経済や社会の活力の維持、地域社会の活性化が大きな課題になっております。近年の外国人の急速な増加を機に、日本人と外国人がともに参加・活躍することで生まれる多様性の力は人口減少社会において地域社会や経済を活性化させる一つの方策と考えておりまして、そのあり方について検討してまいります。
次に、介護予防・日常生活支援総合事業についての御質問。最初に、多様な主体による多様なサービスの現状と課題についてでございます。総合事業の多様なサービスの創出に関しましては、緩和基準サービスなど介護事業所の活用のほか、スポーツクラブ事業者やシルバー人材センター、高齢者会館運営受託団体、さらには住民団体等へと広がりが生まれて、また区内大学との連携事業にも取り組んでいるところでございます。事業対象者が今後ますます増加していく中で、サービスの量的拡大へとともに新たなプログラムの開発も課題として認識しておりまして、住民主体サービスを支える人材の育成も強化してまいります。
次に、訪問型短期集中予防サービスと移動支援の導入の再検討ということでございます。介護予防の取り組みを進める上で、虚弱層のほか、要介護状態から改善した人など、移動への配慮が必要な高齢者も今後増加してまいります。移動支援や訪問型短期集中予防サービスのあり方につきましては、今後の課題であり、他の自治体での導入事例についても十分に調査・検討してまいります。
介護予防の見える化、効果の基準設定についての質問です。短期集中予防サービス等の事業対象者につきましては、介護予防プランの作成時に個別目標を設定するとともに、開眼片足立ち、握力などの項目について、体力や身体状況の変化を確認しているところでございます。介護予防効果の見える化としては、理学療法士会等によるアセスメントシートや指標の提案なども参考として介護予防への取り組み意欲を増進させる基準づくりを検討してまいります。
次に、地域包括ケア推進担当部長設置の成果についての御質問でございます。昨年12月、地域包括ケア推進担当部長を配置したところでございますが、その目的の一つは、地域包括ケアシステムという全庁的・組織横断的な課題への対応に当たって、庁内会議を主宰しながら現状の把握や問題確認、全体的な進捗管理などに当たらせているところでございます。庁内会議におきましては、専門知識に裏打ちされた新たな視点からの問題提起や手法の導入等を行い、全世代向け地域包括ケア体制の構築に向けて活発な議論が展開されております。また、人口等の統計分析に関する専門知識と経験を生かしてエビデンスベースでの政策形成力の強化及び意識改革を図るために、研修等において人材育成にも精力的に取り組んでいるところでございます。こうしたことを通じて、従来の分析手法の見直し、改善などの成果が生まれつつあります。
次に、地域包括ケア総合計画の策定時期についての御質問です。平成29年3月に策定した地域包括ケアシステム推進プランにおきましては、令和元年から2年をステップ2として地域包括ケアを全世代、全区民へ発展・充実し、令和3、4年度をステップ3として全世代、全区民に発展させた新しい体制を進展させるとしております。このことから、令和3年までに(仮称)総合計画を策定したいと考えておりまして、庁内会議等において検討を進めているところでございます。(仮称)総合計画の策定に当たっては、現行の地域包括ケアシステム推進プランと同様に、区と区内関係者等が一体となって策定する区と区民のアクションプランの形をとりたいと考えております。
〔教育長入野貴美子登壇〕
○教育長(入野貴美子) 私からは、四中・八中の再編スケジュールの見直しについての御質問にお答えいたします。現在、第四中学校・第八中学校統合校の新校舎については、基本設計作業を進めており、その中で建築敷地の擁壁や地盤の状況についても調査を行っているところでございます。この調査の結果によりましては擁壁や地盤の改良等が必要となることも想定され、その際には校舎の建築スケジュールにおくれが生じる可能性もあるものと考えております。第四中学校と第八中学校の再編スケジュールの見直しについては、現在の調査結果を待って判断することといたしたいと存じます。
次に、中野本郷小学校建てかえでございますが、現地に仮設校舎を設置して建てかえるか、あるいは現中野第一小学校を仮校舎として建てかえるかについて、学校関係者等と調整を行いながら検討を進めるともに、本年8月に設置いたしました中野本郷小学校改築推進委員会や保護者からの御意見も踏まえ、本年12月に建てかえ手法を策定する予定でございます。その内容につきましては、保護者や地域に丁寧に説明したいと考えております。その後、新校舎整備基本構想・基本計画の検討を進め、今年度末に基本構想・基本計画(案)をお示ししていきたいと考えております。
〔保健所長向山晴子登壇〕
○保健所長(向山晴子) 私からは、旅館業法に関連いたしまして、地域への事前周知及び標識の表示の義務化についてのお尋ねにお答え申し上げます。住宅宿泊事業法においては、事業者に対し、標識の設置を義務付けることなど、周辺地域への周知や生活環境の悪化の防止について規定しております。また、区では、これらをさらに実効あるものとするため、届け出前の近隣住民への周知の義務化など具体的な事項を条例で規定しております。一方、旅館業法については、公衆衛生等の向上を目的とした経緯があり、旅館業を営もうとする事業者に対する近隣住民への周知や標識の義務化に関する規定はございません。このため、区では、現在、近隣住民への事前周知や説明を十分行うよう、行政指導の範囲の中で指導をしてございます。しかしながら、昨年6月の旅館業法の改正及び住宅宿泊事業法の施行後、小規模な簡易宿所の開設が増加し、近隣住民とのトラブルも散見されており、良好な生活環境を保全する対策を講じる必要性が一層高まっております。現在、区では、小規模な簡易宿所などについても、住宅宿泊事業と同様に、御指摘のあった近隣住民への事前周知や標識の設置について、警察等との意見交換や他自治体の情報収集などを行いまして、条例改正による義務化に向けた検討を行っております。
〔子ども教育部長戸辺眞登壇〕
○子ども教育部長(戸辺眞) 幼児教育の無償化につきまして、お答えいたします。
まず、認可外保育施設の移行支援についてでございます。ベビーホテルなどの認可外保育施設につきましては、施設面積や保育士の設置等、認可保育所としての基準を満たしていない施設が多いと認識してございます。こうしたベビーホテルなどの認可外保育施設が認可化を目指す場合、現在の場所での施設改修では難しいケースが多いと推測できるところです。移設しなければならない場合に、国との仕組みと連携し、区としてどのような支援を行う必要があるか、検討してまいります。
次に、移行支援の事業者の意向確認についてでございます。区ではこれまで認証保育所の認可化を実施しているところでありますが、ベビーホテルなどの認可外保育施設の認可化の移行につきましては把握してございません。今後、認可外保育施設の移行支援策を検討するに際しましては、事業者の現状や意向を丁寧に把握するために説明会等を開催することも必要と認識してございます。
〔危機管理担当部長滝瀬裕之登壇〕
○危機管理担当部長(滝瀬裕之) 振り込め詐欺自動通話録音機の貸与についてお答え申し上げます。区では、平成29年度より都の補助金を活用して自動通話録音機を購入し、区内在住のおおむね65歳以上の方に対しまして、申し込みに応じて無償貸与を行ってきたところでございます。平成29年度に200台、平成30年度は300台を貸与してきたところでございますが、申し込み数が貸与予定数を上回ることから、本年度は倍増となる600台の自動通話録音機を購入し、9月上旬から順次貸し出しを行っているところでございます。来年度につきましては、区内の被害発生状況や本年度の事業の進捗状況などを踏まえつつ、拡充も含め、検討してまいります。
○議長(高橋かずちか) 以上で木村広一議員の質問は終わります。
中野区議会議員 来 住 和 行
1 区長の政治姿勢について
2 職員体制の強化と区民サービスの向上について
3 「子育て先進区」の実現について
4 東中野駅東口のバリアフリー化について
5 その他
○議長(高橋かずちか) 次に、来住和行議員。
〔来住和行議員登壇〕
○42番(来住和行) 2019年第3回定例区議会に当たり、日本共産党議員団を代表し、一般質問を行います。
質問に先立って、台風15号で被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げるとともに、停電、断水などの復旧を心より願って、質問に入ります。
まず、区長の政治姿勢について、伺います。
7月投票の参議院選挙において御支持をお寄せいただいた区民の皆さんに感謝申し上げます。日本共産党は、5野党・会派と市民連合の皆さんとの間で13項目の共通政策を確認して、全国32の1人区の全てで野党統一候補を実現し、共通政策には、10月からの消費税税率引き上げを中止し、所得、資産、法人の各分野における総合的な税制の公平化を図ることの一致点で選挙を戦うことができました。
いよいよ10%への消費税増税まで半月と迫りました。2014年4月の消費税増税以来、家庭消費は低迷しています。厚労省が6日に発表した7月の毎月勤労統計調査では、実質賃金が前年同月比マイナス0.9%と7カ月連続で減少、7月の商業販売額は前年同月比でマイナス1.7%となり、昨年12月以来8カ月連続で減少しました。スーパーや百貨店も全体の売り上げは4カ月連続でマイナスです。日本経済を支えているのは主に個人消費です。食料品を中心とする相次ぐ便乗値上げと10月からの電気や鉄道などの公共料金値上げと相まって、消費税増税は国民の暮らしをどん底におとしめるものです。直近の世論調査でも、10%増税賛成は39%、反対が52%です。この時期での増税は無謀であり、中止すべきです。政府は、増税対策として打ち出している複数税率や天下の愚策と言われているポイント還元も、経済産業省は10月1日からポイント還元を利用できるのは全体の3割程度だと発表しています。中小企業の準備は全く追いついていません。墨田区議会では、区長が景気の動向や区民生活の状況については注視していくと述べています。酒井区長は、当議員団の2月議会での質問に、国がポイント還元支援などの景気対策を行うとしており、区民生活の影響について注視していきたいと答弁されています。
改めてお聞きします。増税できる環境にない中で10月からの10%への消費税増税が実施されれば、区民の暮らしにどのような影響を与えてしまうとお考えでしょうか。見解を求めます。
平和行政について、伺います。
来年は、広島、長崎に原爆が投下されてから75年です。松井一實広島市長は、平和宣言で、日本政府に対して、「唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約への署名・批准を求める被爆者の思いをしっかりと受けとめていただきたい」と述べ、長崎市の平和宣言で、田上富久市長は、国連で採択された核兵器禁止条約を推進していない日本政府の姿勢を条約に背を向けていると批判しました。来年は、国連で発効50年を迎える核拡散防止条約(NPT)再検討会議も行われます。
中野区は、1990年に中野区における平和行政の基本に関する条例を制定し、その第3条では、平和行政を推進するため、国内及び国外の諸都市との平和に関する交流を進めるとしています。来年夏の被爆75年の広島、長崎市主催の記念式典に、区の事業として中野区民の親子での参加を呼びかける事業を実施してはいかがでしょうか。答弁を求めます。
1982年に憲法擁護・非核都市中野区宣言を行い、その宣言文のパネルを中野区内78カ所、宣言塔を庁舎前、記念碑を平和の森公園に設置しました。歳月とともに記念碑の文字等が読み取れないものもあります。記念碑やパネルの機能が生かされるようにすべきです。答弁を求めます。
中野区は、平和を語り継ぐ語り部をこの3年間連続して行ってきました。ことしは3年目を迎え、全ての中学校を一巡したことになります。体験を語っていただく方々も年々少なくなっていることから、戦争体験と平和の尊さを語り継いでいく授業を継続していくことも私たちの責任です。被爆75周年にふさわしい取り組みと中野の平和のつどいの特別企画も含めて検討すべきではないでしょうか。答弁を求めます。
中野区立総合体育館開設に伴って体育館の中に平和資料展示室が設置されます。プロポーザルで事業者を選定するとのことです。平和資料展示室の展示物についても、区民から意見や提案を寄せてもらい、新しい資料をそろえるなども考えているのでしょうか。展示物にも区民の思いが反映されるよう取り組むことが大切です。答弁を求めます。
都市間の交流事業について、伺います。
友好姉妹都市である北京市西城区、韓国陽川区との交流事業も時としてこれまで国と国との関係の影響を受けてきました。交流の発展には、お互いが歴史の真実に向き合うとともに、二度と誤りを繰り返さないことを土台に、未来への希望を共通の目標にしていくことが大切です。環境が厳しいときこそ、自治体間の交流とともに、市民の草の根の交流を深め、高め合うことが大切ではないでしょうか。北京市西城区、韓国陽川区との今後の交流について意見交換が双方で必要な時期となっていると思います。区長もまだ訪問されていない両都市への訪問を実現し、それを機会に今後の交流について意見交換が求められているのではないでしょうか。また、両区の市民の交流事業についても可能な限り支援していくことを求めます。そのことが中野区への両区からの観光客を迎えることにも貢献できます。あわせて、区長の見解をお聞きします。
羽田空港の新飛行ルート問題について、お聞きします。
国土交通省は、8月8日、羽田空港の増便に伴い、都心上空を来年3月末から飛行させる新ルートを決定しました。運航が始まれば、羽田に向かう南風時の着陸ルートは午後3時から4時間、C滑走の着陸では約2分に1機の割合で都心上空を超低空で飛来することになります。これまで国土交通省は、決定については地元の理解を得て行う。その地元とは、地方公共団体、議会、住民の3要素だと言ってきました。品川区議会は3月に新ルート計画を容認できないとして決議を行い、渋谷区議会も計画見直しの意見書をそれぞれ全会一致で可決しています。さらに、教室型の情報説明会においても計画反対の声が圧倒的でした。中野区は区民の理解が得られているとの認識でしょうか。答弁を求めます。
国交省は、中野駅付近の飛行高度を当初の1,000メートル計画から1,150メートルに引き上げる追加対策を示しています。着陸機降下角度を3度から3.5度に引き上げることが騒音対策だと言いますが、中野区内では1から2デシベルしか変わらないばかりか、航空専門家は3.5度の急降下角度は世界でも例を見ないという急角度で操縦が難しくなり、尻餅事故を起こす危険性を指摘しています。国土交通省は、これから各国の航空会社との調整、検査飛行、公聴会、試験飛行などを行うことを計画しています。多くの中野区民にまだ知られていない中での決定など許されません。その一つは、住民、議会の合意が得られていない。二つに、人口密集地の都心の落下物による危険対策がとられていない。三つに、操縦困難による重大リスクが懸念されること。何よりこれまで国も都も地元自治体や住民の理解を得ることが新飛行経路の前提条件だと明言したことからも、これに反する決定です。中野区には、影響を受ける近隣自治体とも協議し、区民の安全、健康、生命を保障する責任と役割があります。その立場で表明すべきです。答弁を求めます。
次に、公契約条例の制定について、伺います。
公契約条例は、区が発注する契約で、そこで働く労働者の適正な労働環境の確保や事業者の人材確保を図るものです。2009年の千葉県野田市での条例制定から10年、東京では人口比で2割を超える3市と6区が制定しています。委託賃金の引き上げが地域内の民間同業者へ波及したり、小規模事業者への行政の支援に結びつくなどの変化も生まれています。中野区も公契約条例の制定に向けて検討を始めていると聞きます。先行自治体の条例の効果についてどのように捉えているのでしょうか。答弁を求めます。
世田谷区条例では、その目的に、「公契約において適正な入札等を実施し、公契約に係る業務に従事する労働者の適正な労働条件を確保し、及び事業者の経営環境の改善を図り、もって公契約に係る業務の質の確保、区内産業の振興及び地域経済の活性化並びに区民の生活の安全安心及び福祉の増進を図ること」、目黒区は「優れた人材を確保できる環境の整備及び公契約の適正な履行の確保を図り、もって区民サービスの向上及び地域経済の活性化に寄与する」、渋谷区は「公契約に係る事業の質の向上を図り、もって区民が安心して暮らすことができる地域社会の実現に寄与する」、自治体によって条例の目的にもその表現の違いはあります。対象とする業務においても、工事、製造、業務委託と対象を広げている自治体もあり、また予定価格も建設工事で新宿区2,000万円以上、業務委託では目黒区の1,000万円以上など、定める額にも違いがあります。各種審議会の設置状況も学識経験者、事業者代表、労働者代表などで構成する自治体が多くあります。
そこでお聞きします。中野区の検討に当たっては、先行自治体の到達点を踏まえて、関係諸団体と中野区が議論・検討できる場を設けることが重要ではないでしょうか。答弁を求めます。
条例の制定に当たっては、事業者にとっても対応すべき諸課題が発生することから、関係する業界団体との協議が必要です。書類提出もできるだけ煩雑化を避けられるよう工夫が求められます。中野区にとっても、実行段階においては関係部署の職員を整えることも重要な課題となります。
そこで伺います。いつまでにどのような道筋で条例化していくのか、中野区として制定までの期限を明確に持って臨むべきです。答弁を求めます。
次に、職員体制の強化と区民サービスの向上について、お聞きします。
中野区の職員定数は、削減のかけ声のもとで、2004年の3,022人から10年後の2014年には2,000人に条例が改正され、2015年度に職員数は1,987人となりました。その後若干入り戻しが見られましたが、定数条例は変わっていません。新規採用が少なかったことから、職員の年齢構成も、50歳以上が1,009人で50%、中堅の30歳から44歳は396人の20%に過ぎません。これまでのゆがんだ人事政策によって積み上げた経験や技術が蓄積・継承されてこなかったと言えます。
窓口業務の職場でも専門性が求められます。窓口は、区民が区のサービスを直接感じてもらえる場となります。職員の対応が丁寧で的確であることが区民サービスの条件です。それには職員の健康が保たれていることが重要です。2018年4月1日現在の区職員全体の病気休職者は38人、うちメンタル27人、病気休暇30日以上の取得者も62人と、この3年間で最も多くなっています。超過勤務も税務、保険、医療、介護、保育園・幼稚園、予算などの職場では特定の職員が長時間になっている例も見受けられます。人員不足が原因していると考えられます。
そこで伺います。当議員団は、国民年金職場の改善を求めてきました。今年度より国民年金係の定数が1名増員され、9名となりました。しかし、病欠者1名で実人員は8名です。窓口での待ち時間が1時間を超えることもあると聞きます。これで改善されたと言えるのでしょうか。答弁を求めます。
子育て総合相談窓口の8月の利用者は2,693人で、1日当たり128人ともなっています。ここでも待ち時間が30分から40分のケースも生まれています。実態の把握はされているのでしょうか。答弁を求めます。
区民の中から、職員の人事異動に際して引き継ぎが十分な体制でない中で経験職員の異動により、窓口の手続でこれまでにない時間と手間がかかっているとの声もあります。人事担当による職員全体の把握が重要なポイントになります。区民サービスの向上と安定的な事業の継続には職員の適切な増員がどうしても必要です。職員定数を速やかに改正し、働きやすく働きがいのある職場であってこそ、区民サービスも向上するのではないでしょうか。答弁を求めます。
この項の最後に、中野区の障害者雇用率について、伺います。
厚労省の法定雇用率が大問題となる中で全国の自治体においてもそのことが問われてきました。中野区においても、法定雇用率の2.50%を2.31%の状態でクリアできていないことが明らかとなりました。中野区の6月1日現在の障害者雇用の実数は38人です。重度身体障害者の方が2人採用されていますが、それでも法定雇用率は未達成です。中野区では知的障害者の方々の職場実習も行っています。しかし、雇用には至っていません。知的障害者の雇用も含め、早期に法定雇用率を達成することが求められます。答弁を求めます。
次に、子育て先進区の実現について、伺います。
中野区は、子育て先進区の実現を区政運営の柱として掲げ、全庁を挙げて取り組むこととしています。区長は、区民の多様な要求に向き合い、区立児童館、区立幼稚園、区立保育園を残すことを約束するとともに、地域図書館についても検討していくこととしました。
まず、児童館について、伺います。
児童館は、あらゆる年代の子どもの育ちを継続的に支える、地域の子育ての拠点です。直接的に子どもとかかわる中で子どもの抱える課題に対応し、子育てを支援し、地域活動と育成者の育成と支援を行っています。民間委託運営のキッズ・プラザや学童クラブの運営の支援を行うとともに、虐待予防や防止のためにすこやか福祉センターや関係機関と連携し、地域の子育てネットワークの中心的役割を担うものです。児童館は、前区政の新しい中野をつくる第3次計画によって全ての児童館の廃止が計画されました。この20年間、児童館の職員の採用はされてきませんでした。児童館の機能も強化が求められているにもかかわらず、これまでの経験やノウハウが継承されずにきてしまいました。地域との連携やその積み重ねられた経験を生かし継承していく取り組みが今必要です。早急に児童館職員の採用を行うべきではないでしょうか。答弁を求めます。
児童館の機能を強化し得る職員体制を整え、既に多くの地域で区民団体により担われている一時保育事業や不登校児童対策への対応事業などを支援していく必要があります。これに加え、中野区は、学童クラブやキッズ・プラザが区の直営から民間へ移行しており、これらをサポートしていく役割も担ってきています。地域の子育ての課題を把握し、区政に生かしていけるアウトリーチ機能も重要になってきています。地域サポート体制の重要度は、今後さらに児童館を拠点とした区職員の役割にかかっています。区職員である児童館の職員でこそ、その役割を果たせます。見解を伺います。
保育所について、お聞きします。
2019年4月1日の保育施設待機児童数は、昨年より14人減の157人となりました。就学前の児童の約48%が保育施設を利用しています。中野区は、昨年1年間で私立認可保育所を10カ所新設し630人の定員増をしましたが、待機児童の解消には至っていません。前区政は待機児ゼロを掲げながら達成できませんでした。酒井区長は、待機児ゼロについて、議会においてはこれまで直接言及されていないように思います。子育て先進区の実現を目指す上で、待機児ゼロの達成は重要課題の一つではないでしょうか。区長の今後の任期中に待機児ゼロの宣言を行い、名実ともに待機児ゼロを実現する決意が求められます。答弁を求めます。
待機児の数をゼロにするだけではなく、今まさに保育の質が問われています。子ども・子育て会議に中野区保育の質ガイドライン検討部会の報告がされています。今後さらに議論を深められると聞いています。子育て先進区にふさわしいものに仕上がることを期待しています。求められる内容としては、子どもの最善の利益とともに、保護者とともに児童を心身ともにすこやかに育成する責任を負う、自治体としての役割を基本にし、一つに子ども理解、子どもの育ちを中核に据えたガイドラインであること、二つに保護者との連携、協力、地域子育て支援を位置付けていること、三つに保育の質の確保・向上において、保育園で働く全ての職員の専門的資質とチームワークや職員配置、保育環境の改善などが大切な要素となるのではないでしょうか。
そこでお聞きします。作成過程において、中野区民の意見をどのようにどのような場において反映させていくのか、今後さらに議論を深める時間を保障し、どのような形でどの時期に区民と区議会に示されるのでしょうか。答弁を求めます。
保育の質に関連し、私立保育園園長会の要望から、新年度の予算に反映すべき2点について伺います。
その一つが保育園運営充実費です。財政難を理由に、園児一人当たり1,300円が2012年から1,000円に削減されたものです。この充実費は、園外保育、プラネタリウム、観劇鑑賞などに生かされています。保育園運営充実費を削減前に戻すべきではないでしょうか。二つに、事務職員の常勤化への支援です。延長保育や子育て支援事業などの利用料の取り扱い、運営費や補助金などへの申請事務や会計処理など、年々増加し煩雑化する事務に欠かせない人材です。職員の常勤化への支援を行うべきです。これらの要望は園長会から毎年繰り返し要望されてきたものです。以上2点について、答弁を求めます。
新たな制度について提案し、お聞きします。
子育て先進区の実現に向けた取り組みの中で、区外からも子育てしたいまち、子育て家庭から選ばれるまちを掲げています。開催されている「子育て家庭と区長のタウンミーティング」の中でも多くの意見、提案が直接区長に寄せられていました。子育て中の親子でも利用できるカフェやレストランなどの店先に親子でも利用歓迎の表示を掲示するなどはすぐにでも生かせる提案です。
産後ケア支援で、杉並区では子育てクーポン券の発行もあり、産後6カ月以降の利用にも生かされています。「中野区には産後6カ月以降の支援が少ない」との声にも応えていかなくてはなりません。産後ケアの取り組みとして、中野区では、医療機関等の施設において、心身のケア、育児の支援を行うとともに、宿泊による休養の機会を提供しています。宿泊については、松が丘以外は、文京区、港区、杉並区の施設利用となります。世田谷区は、児童虐待のないまちをめざして、区立の産後ケアセンターを2008年からスタートさせました。母体ケア、育児ケアだけでなく、子育て情報の提供や育児相談、育児技術の伝達などを通して児童虐待の未然防止を目指しています。宿泊ケア、通所ケア、年々利用者は増加し、施設利用の稼働率は96%にもなっています。中野区も、中野区の子育て先進区のシンボル施設として、アクセスのよい中野の中心地に、産前・産後を包括的にケアできる、中野らしい新しい施設の誘致、開設を検討してはいかがでしょうか。答弁を求めます。
中野区は、子ども・子育て家庭の実態調査を行っています。子どもと家庭の全面的な実態調査として評価をいたします。子どもの貧困状況は依然として高水準にあり、特に発達成長の過程にある子どもの貧困は、子どもの可能性を制約するだけでなく、貧困が次世代に引き継がれる危険をつくり出す点からも深刻です。中でも、医療での負担を軽減することは喫緊の課題の一つです。特に国民健康保険における多子世帯の軽減については、特別区長会からも国に対し働きかけてきました。今後もそのことは引き続き求めたいと思います。
世田谷区議会第2回定例会において、「国保会計を超えた独自の負担軽減を」と当議員団が求めたことに対し、「総合的な子育て支援の観点から取り組んでまいります」と区長が答弁を行っています。他区でも子育て支援については取り組みが検討されてきています。中野区は、全庁を挙げた子育て先進区の取り組みとして、新たな施策を他の区に先駆けて行うべきではないでしょうか。答弁を求めます。
地域図書館について、伺います。
子育て世代にとって身近な図書館は、小さくてもその機能をしっかりと備えた地域図書館であってほしいと願っています。また、身近な地域にあってこそ、それが満たされるものです。東中野図書館、本町図書館はその役割を十分発揮しています。子育て先進区を目指すからこそ、地域で子育てをできる条件の一つとして地域図書館の充実は欠かせません。8月からスタートした、今後の図書館サービスのあり方検討会で、地域図書館の今後についても検討していくとのことです。検討会の議論に期待したいと思います。地域からは、存続し、さらに充実してほしいとの声が高まっています。これらの声を踏まえ、今後の検討を進めていくべきと考えます。今後、地域図書館をどのように子育て先進区のもとに生かしていくのか、答弁を求めます。
最後に、東中野駅東口のバリアフリー化について、伺います。
中野区は、東口のバリアフリー化について、これまで調査を繰り返すだけで一歩も前に進んでいません。東口も将来的には駅舎を含めまちのあり方をどうしていくのか、このことは地域全体の課題です。それには時間をかけて住民合意を丁寧に進めていくことが大事です。地元と駅利用者の方々が求めていることは、まちづくり計画ではなく、エレベーターでもいいからバリアを取り除いて、誰でもが等しく社会参加ができるまちにしてほしいということです。少なくとも、東口の南北に取りついている駅の階段を解消してほしいというものです。JR東日本との交渉には、バリアフリー新法の、全ての国民が年齢、障害の有無その他の事情によって分け隔てられることなく、共生する社会の実現に資することを旨として行わなければならないとの、基本理念と地域の声をよりどころに交渉をすることです。この間、中野区が東口のバリアフリーの課題をまちづくりにシフトする中で、私は時間のかかるまちづくりとバリアフリーは切り離すべきだと指摘をしてきました。今後の中野区とJR東日本との交渉はまちづくりとバリアフリーを切り離して交渉すべきです。答弁を求めます。
東口から徒歩10分の中野東中学校は、建設中の新校舎に移転する予定です。学校移転後の跡地に都立特別支援学校に用地を貸し出すことになっています。現在の都立特別支援学校の在校生は、高等部と中等部の生徒は通学の手段として電車などを利用していると聞きます。現在、東口改札が無人化されていることからも駅東口のエレベーター設置などのバリアフリー対策の実施が求められます。
そこでお聞きします。中野区が繰り返し行ってきたこれまでの調査結果と東口のバリアフリー化計画について、地元での説明会を開催すべきだと思います。答弁を求めます。
これで私の全ての質問を終わります。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 来住議員の御質問にお答えいたします。
1点目に、区長の政治姿勢についての項で、消費税増税の影響についての御質問です。消費税率の引き上げは、少子高齢化対策などの社会保障費の増加に係る財源となるものであって、引き上げは一定やむを得ない面もあると考えております。区においても、低所得者、子育て世帯向けの増税後、公益対策として、来月からプレミアム付き商品券の発行などを予定しているところでございます。区としても、今後も区民生活の影響については注視をしてまいります。
次に、平和行政についての記念式典への親子参加事業についての御質問です。広島市、長崎市に原爆が投下されて75年の節目の年を迎えるに当たって、実際に被爆地を訪れ、核兵器の悲惨さや平和のとうとさを身近に体験することは意義があると考えております。区の事業として実施する際には、事業の規模や対象者、経費負担等の課題があることから、他の自治体での取り組みも参考にすべきかどうか、検討してまいります。
次に、記念碑やパネルの補修等についてでございます。記念碑やパネルについては、清掃は日常的に行っておりますが、素材の性質上、経年劣化はやむを得ないと考えております。
次に、平和の語り部と平和のつどいについてでございます。後世に平和の尊さを継承する取り組みは重要であると認識しており、戦争体験者へのインタビューを記録映像として残し、貸し出しをしているところでございます。また、新しい平和資料展示室においても、タッチ式モニターを設置することによって平和の語り部証言映像を自由に閲覧できるようにしてまいります。平和のつどいについては、75周年を捉え、内容の充実を図ってまいりたいと考えております。
次に、平和資料展示室についてでございます。平和行政や展示資料に対する区民からの意見や提案については、平和のつどい、パネル展示でのアンケートや電話、窓口などでもいただいております。それらの声とあわせて区民の意見を聞く機会を設けて、新展示室の設計段階から生かしていきたいと考えております。
次に、北京市西城区、ソウル特別市陽川区への訪問についてでございます。北京市西城区については、昨年12月に代表団が中野区を訪問し、茶文化を通じた交流を、そしてソウル特別市陽川区につきましては、昨年10月に陽川区庁長、議長で構成された行政団が訪問し、交流を行ったところでございます。国際情勢との関係もございますが、今後も引き続き行政レベル、市民レベルでの交流を深めてまいります。
次に、羽田空港新飛行ルートについてでございます。8月8日に行われた新飛行ルートの決定は、国土交通省がこれまで実施してきた関係自治体各所での説明会や新聞広告等による周知活動、関係自治体との協議などを踏まえて国の責任と判断により行ったものでございます。区も、区民への周知が十分であるとは考えておらず、騒音対策や落下物対策の充実とあわせて、引き続き区民への丁寧な説明を求める意見を国土交通省に提出して、新飛行ルートの運用開始に向けてさまざまな通過対策を実施するとの回答を得たところでございます。今後、国土交通省が実施するとしているさまざまな対策の実施について東京都や関係自治体と連携して確認していくことを予定しておりまして、現時点で区としての意思、立場を表明することは考えておりません。
次に、公契約条例の効果についての御質問でございます。公契約条例は、区が締結する契約において相互が対等な立場と信頼関係に基づいて果たすべき責務等を定めるものであります。公契約条例を制定することによって、労働報酬下限額を設定することや労働賃金台帳の作成の義務付けや提出を求めることなどを通じて適正な賃金の支払いが担保されることになり、区民サービスの向上に資するものと認識しております。
次に、公契約条例の制定につきまして、団体と議論を検討できる場を設けることについてでございます。公契約条例の制定に当たっては、事業者においても新たに対応すべき義務等が生じてくるため、そうした課題を踏まえながら条例の内容を検討していくことが求められると認識しております。そのため、公契約条例の制定の検討に当たっては、事業者や労働者など関係団体との議論や検討を重ねていくことが重要であると考えております。
次に、公契約条例の制定までのスケジュールについてでございます。公契約条例の内容には、適用対象となる公契約の範囲や適用される労働者の範囲、労働報酬下限額の設定、罰則、労働報酬審議会の設置などさまざまな検討項目があります。公契約条例の制定につきましては、関係団体から意見を聴取し、先行自治体の公契約条例の効果を見きわめながら、区民意見交換会やパブリックコメント手続を通じて、来年度中の制定を目指してまいります。
次に、職員体制の強化と区民サービスの向上についての項、最初に国民年金係の職場改善についてでございます。繁忙期の4月には窓口の待ち時間が1時間を超える日が5日間ありましたけども、現在の平均待ち時間は約7分でございます。今後も繁忙期や職員の病気休職などについては、臨時職員を採用するなどして対応してまいります。
子ども総合相談窓口、待ち時間の実態把握についてでございます。子ども総合窓口においては、通常は待ち時間なく案内ができておりますが、各種手続の締め切りが近くなると30分以上お待たせする状況も起きていることは把握しております。手続の広報にあわせて電子申請や郵送での手続を進めるとともに、締め切り日間際は窓口の待ち時間が長くなることなどをお知らせして、繁閑の平準化に努めているところでございます。
次に、職員定数の見直しについての御質問でございます。職員の人事異動に当たっては十分な引き継ぎの時間をとり、OJT等によって区民サービスが低下しないように努めているところでございます。職員定数については、児童相談所の開設やまちづくり事業の展開などの新たな行政需要を見きわめるとともに、今後策定する基本計画や事業計画に合わせて検討する必要があると考えております。これまで民間活用や事務改善等の工夫を行いながら職員2000人体制のもとで対応しておりますが、これが厳しい状況であることは認識をしております。
次に、障害者の法定雇用率についての御質問です。特別区で実施している障害者を対象とした職員採用選考では、身体障害者、知的障害者、精神障害者のいずれかに該当すれば受験できるため、応募状況等によって特定の障害を対象として雇用を進めることは難しいと考えておりますが、今年度の職員採用選考で障害者の雇用を進めて、まずは法定雇用率を達成したいと考えております。
最後に、子育て先進区の実現についての項で、待機児童ゼロ宣言についてでございます。子育て先進区の実現において、保育施設の待機児童ゼロの達成は最重要課題であると認識しているところでありまして、さまざまな対策を講じて待機児童ゼロを実現してまいります。
〔教育長入野貴美子登壇〕
○教育長(入野貴美子) 私からは、地域図書館の子育て先進区での生かし方についてお答えをいたします。子育てにおいて、本を介して親子で触れ合う読書活動は重要な意味を持つものと認識しております。そうした親子の読書活動を支える環境整備が必要とも考えております。今後、子育て先進区の実現に向け、子どもの豊かな成長を支える読書活動を広げていけるよう、図書館だけでなく、児童館や保育園など、他の子ども施設との連携などにより環境整備を進めてまいりたいと存じます。
〔子ども家庭支援担当部長小田史子〕
○子ども家庭支援担当部長(小田史子) 私からは、子育て先進区の実現についての御質問のうち、児童館に関するものと多子世帯の負担軽減の御質問にお答えをさせていただきます。
まず初めに、児童館職員の採用についてでございます。児童館職員は、地域の子育てに関する団体の支援、ボランティアの育成、人材の発掘、学校や地域とのネットワークづくりなどで重要な役割を担ってきたものと考えております。現在、地域の子育て支援拠点の一つであります児童館について検討を進めておりまして、子育て先進区を目指していく上で地域のコーディネーターとしての役割も重要であるということは認識しております。区が進めます地域包括ケア体制の中で、福祉職の採用につきましても検討してまいります。
次に、児童館職員の役割についてでございます。社会状況の変化によりまして地域の子育て課題は複雑化していく傾向にあることを認識してございます。児童館は、子どもや子育て家庭の居場所になるだけではなく、地域の子育て支援拠点の一つといたしまして子育て家庭へのアウトリーチにおいても重要な役割を担っていくというふうに考えております。地域の子育てに関するさまざまな課題への対応などにつきましては、児童館職員の経験や知識、専門的なスキルをアウトリーチ機能にどのように生かすことができるかということを検討してまいります。
次に、多子世帯の負担軽減についてでございます。多子世帯の子育てに係る経済的負担が総体的に大きくなることにつきましては区としても認識しているところでございまして、第2子以降の保育園保育料、学童クラブ保育料の減額や児童扶養手当の加算措置などを実施しているところでございます。多子世帯の経済的負担の軽減のあり方につきましては、総合的な子育て支援の観点から検討していきたいと考えております。
〔子ども教育部長戸辺眞登壇〕
○子ども教育部長(戸辺眞) 私からは、保育所に関する御質問のうち、保育の質ガイドラインの策定について、お答えいたします。保育の質ガイドラインの策定につきましては、平成30年11月に中野区子ども・子育て会議に諮問し、学識経験者だけでなく、区立・私立保育園園長、保育園保護者等を委員として加えた部会を設置して検討を進めているところでございます。検討した内容につきましては、中間まとめとして年内には区議会に報告する予定でございます。また、あわせて意見交換会を実施し、保護者、区民の意見・要望等を聴取することとしており、意見等につきましては子ども・子育て会議の中で検証し、保育の質ガイドラインをまとめていきたいと考えてございます。
次に、私立保育園に対する支援拡充についての御質問でございます。民間保育所等に対しましては、子ども・子育て支援法に基づき運営に要する費用として人件費、管理費、事業費等を給付しているところでございます。民間保育所等への支援策につきましては、今後の予算編成の中で検討してまいります。
〔地域支えあい推進部長野村建樹登壇〕
○地域支えあい推進部長(野村建樹) 新たな制度の提案のうち、産後ケア施設の誘致という御質問にお答えいたします。当区におけます産前・産後ケアサービス事業につきましては、今後もさらに基盤的な整備が必要というふうに考えてございます。ただ、中野区におきましては、授産施設等、区内事業者の協力を得まして各圏域に整備していく考えでございまして、現時点におきまして、中心部へシンボル的な施設の誘致ということは考えてございません。
〔まちづくり推進部長角秀行登壇〕
○まちづくり推進部長(角秀行) 東中野駅東口のバリアフリー化について、お答えいたします。
まず、バリアフリー化の検討の進め方についてでございます。東中野駅周辺は、東京都の新しい都市づくりのための都市開発諸制度活用方針におきまして活力とにぎわいの拠点地区に位置付けられており、その実現に向けた取り組みを地域住民と連携しながら一歩一歩丁寧に進めていかなければいけないと認識してございます。現在、部分的なバリアフリー対策などの早期に実現できる方策と、拠点形成に向けたまちづくりなど長期的な取り組みが必要な方策に分けて、進め方の検討を行ってございます。
次に、バリアフリー検討に関する説明会の開催についてでございます。早期に実現できる可能性があります部分的なバリアフリー対策は、既存の駅舎活用など、JRとの協議・調整が不可欠と考えております。したがいまして、バリアフリー対策に関する説明会については、JRとの検討課題に関する整理が進んだ後に行うものと考えてございます。
○議長(高橋かずちか) 以上で来住和行議員の質問は終わります。
中野区議会議員 内 野 大三郎
1 受動喫煙対策について
2 交通対策について
3 妊娠・出産・子育てトータルケア事業について
4 その他
○議長(高橋かずちか) 次に、内野大三郎議員。
〔内野大三郎議員登壇〕
○15番(内野大三郎) 令和元年第3回定例会におきまして、会派を代表して質問します。
質問に先立って、この日曜日に猛威を振るった台風15号により被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。千葉県では停電が続き、物流がとまり、命の危険にさらされている方が多数おられるとも聞いております。1分でも1秒でも早い通電と、その後の復旧を心から祈念申し上げます。
それでは、質問に入ります。
質問は通告どおりで、その他の項目で、中野二丁目の千光前通りについての質問をいたします。
初めに、受動喫煙対策についてです。
本年第2回定例会で、受動喫煙対策について4点質問をさせていただきました。路上喫煙防止対策の強化について、屋外分煙施設の技術的留意事項照合について、中野駅北口の喫煙所について、そして道路や公園へのトレーラー型公衆喫煙所の導入についてです。東京都の受動喫煙防止条例の第2段階目の施行として、今月1日から飲食店向けの分煙ステッカーの掲示が始まり、一層の分煙推進の機運が高まっているところでもあります。もう喫煙所をどうこうする段階からさらに進んで現場での運用の段階にあるにもかかわらず、いまだにこれらの問題が解決していないのは、中野区が受動喫煙防止に関しての解決のスピードが遅いとの批判を受けてしまいかねません。前回の定例会で御提案をいたしました、トレーラー型の公衆喫煙所の導入など、その後の区の取り組みを具体的にお示しいただけますでしょうか。
また、その取り組みに当たっては、技術的、法律的なさまざまな課題があるとも認識しています。その課題がどのようなもので、実施に障害となっている点が具体的に顕在化している場合にはその点もお示しいただけますでしょうか。
ラグビーワールドカップが始まり、世界中の観光客が日本に訪れ、来年にはオリンピック・パラリンピックも開催され、洗練された日本のおもてなしに対し、喫煙環境だけが世界から見劣りしてはならないと思っています。
中野区議会では、受動喫煙防止・分煙活動推進中野区議会議員連盟というものができました。私もそのメンバーの一員として末席を汚しておりますが、喫煙所の撤去と同時に喫煙者への配慮も大切であると考えています。区の歳入におけるたばこ税の割合もそれなりの額にも上るため、東京都は区市町村が行う公衆喫煙所の整備支援などを実施するための予算も平成31年度分には盛り込みました。中野駅北口には、サンプラザ敷地の屋外喫煙所を含めると、現在4カ所の喫煙所があります。中野区内でも最も人通りの多い中野通りと中野サンプラザ前の通りが交差するエリアについては、パーテーションもない喫煙所も存在し、受動喫煙防止の観点から以前から問題視されているにもかかわらず、いまだに解決されていません。北口喫煙所の撤去または集約や、先ほどから取り上げております、全額東京都負担によるトレーラー型の公衆喫煙所を筆頭に、喫煙所の整備に当たっては喫煙率にかなった整備をしてみてはいかがでしょうか。区の見解を伺います。
次に、交通対策についてです。
この項目では、先ほど先輩議員からも質問がありましたが、シェアサイクルの導入についてと水素ステーションの設置について、お伺いします。
シェアサイクルは、デンマークをはじめとする自転車の積極的な利用を推進しているヨーロッパでは自転車専用道の整備を含めかなり以前から積極的に導入されておりましたが、近年ではスマートフォンの普及により中国、台湾、韓国などアジア圏においてもシェアサイクルが都市部でかなり普及をしております。
我が国においても、2010年代に入ってから都市部では電動アシスト付自転車によるシェアサイクル事業が急速な成長を遂げていると聞いています。区民の安全で身近で利便性の高い交通手段として、また地球環境に優しい乗り物としてシェアサイクルはとてもよい乗り物であると言えるのではないでしょうか。東京の都心部の区では、2016年に入ってから、千代田区、中央区、港区、江東区などが広域的に連携して乗降できる取り組みを開始し、その利便性から年々貸し出し台数も大幅にふえているとのことです。朝夕は通勤通学者が利用し、昼間は観光客や企業の社員が営業等の移動で使うケースがふえているようです。中野区は、新宿区や渋谷区など都心部の区と隣接し、こうした広域連携に加わることでシェアサイクルがより便利な移動手段になると言えます。これらシェアサイクルは、IT技術を駆使して位置情報が常時把握され、台数が各ポートごとに一定になるよう、また放置自転車が出ないよう管理されていると聞きます。
そこで伺います。現在、例えば、株式会社ドコモのバイクシェアが特別区の都心部で広域連携を行い、シェアサイクルを導入していると聞きますが、何区と連携しているのでしょうか。
また、区の交通施策の一つとして、環境に優しく、かつ気軽に移動できる大変便利なシェアサイクル・コミュニティサイクルの活用により、多くの区民がシェアサイクルの利便性に着目し、区内に広く普及すれば、個人所有の自転車を減らすことにもつながり、ひいては放置自転車や駐輪場設置台数を減らすことにも効果があると考えます。中野区が積極的に導入することで各広域連携の区との相互乗り入れが可能となり、飛躍的に便利な移動手段になります。ぜひ導入を検討すべきであると考えていますが、いかがでしょうか。
駅周辺の放置自転車の解消は、来街者への都市観光のおもてなしとして非常に重要な区政課題と認識しています。
今質問いたしましたシェアサイクルも一つの解決策ではありますが、もう一つ、eスクーターによるシェアリング事業も注目されています。電動モビリティと言われているeスクーターは、アプリ内で電動モビリティを探し、決められたうちの好きな場所で借り、好きな場所で返却できるサービスです。徒歩15分から30分程度の移動距離をカバーしており、高齢者のラストワンマイルの交通手段として注目されています。ラストワンマイルとは、高齢者の移動の際に、駅から家までやバス停からスーパーまでなど公共交通機関を使って移動し、目的地までの最後の徒歩距離のことを示します。マイカーではなく、公共交通機関の利用を促進するための移動手段を提供することを目的にしています。ブレーキとアクセルの踏み間違い事故に象徴されるように、高齢者の交通事故はこの10年で約1.5倍になっており、高齢者がマイカーを利用するのはラストワンマイルの交通手段が乏しいことが一因とも言われております。現状の課題として、ラストワンマイルの移動手段がない場合にはマイカーや利用せざるを得ず、高齢者の事故が増加、また買い物に行けない買い物難民が生まれてしまっています。この電動モビリティは、自転車と違ってこぐこともまたぐことも不要で、ボードに立ったままブレーキがついたT字のハンドルを握る形状なので、高齢者でも安全に乗ることができる移動手段として注目されています。
電動モビリティの実証実験はさまざまな自治体で行われるようになり、業界団体も設立されました。こうした新しいツールによる自治体の取り組みは徐々に広がりつつあります。畳1畳の広さで3台から5台設置でき、当然決済は全てスマートフォンで完結し、シェアサイクル同様、GPS管理により設置場所に空車がなくなるような手配ができています。シェアサイクルの補完機能としてこのようなツールを研究し、情報交換を通じ、近隣自治体と連携を緊密にとってみてはいかがでしょうか。お尋ねして、次の質問に移ります。
次に、脱炭素社会に向け、地球環境に配慮した交通施策として水素ステーションの設置や水素エネルギー及び水素カーの普及について、お伺いします。
平成30年度第1回定例会においても質問いたしましたが、持続可能な開発のための2030アジェンダ、いわゆるSDGsや経済産業省が進める水素燃料電池ロードマップにも示されているように、エネルギー政策の転換として水素ステーションは地球環境に配慮した重要な施策と言えます。東京都においても、環境基本計画において水素社会の実現に向けて水素ステーションをふやす計画が示されております。近隣区では練馬区や杉並区にも既に設置されていると聞きます。
そこで、再度お伺いします。環境に優しい公共交通施策に向け、水素ステーション設置など、水素エネルギーの利用促進に向け、区として関係事業者と連携して取り組んでいるのか、区の見解を伺います。
中野区は、本年4月にトヨタモビリティ東京及びトヨタモビリティサービス、両株式会社と包括的な連携協定を締結したばかりです。都内自治体初としたこの包括連携協定の具体的施策の先陣を切って、区内の事業所への水素ステーション設置に協力をし、水素カーの普及とともに、環境施策として展開してみてはいかがでしょうか。
この日曜日に行われた「大震災に備えるフォーラムin中野」でも水素自動車の展示が行われ、若いカップルなどが熱心に説明を聞いていましたが、水素ステーションの数の少なさに肩を落としていました。台数を先にふやすのか、供給場所を先にふやすのか、悩ましいところでありますが、まずは行政がリーダーシップを発揮できる局面であり、好機を逃さぬよう機動的に御判断いただきたく思い、次の質問に移ります。
妊娠・出産・子育て・トータルケア事業について。
小池都政の子育て政策の充実により、さまざまな取り組みがなされてきているところであります。一例ではありますが、液体ミルクの普及、専門職による性教育、子育て応援車両トーマスの運行など、女性知事としての視点をいかんなく発揮をしています。
ところで、東京都の補助を受けて実施している出産・子育て応援事業(ゆりかご・とうきょう事業)について、今年度で5年間の事業期間が終了します。この事業の延期については、東京都が継続するのか事業を打ち切るのかを判断することになりますが、現在、この事業の利用状況とその実績、または利用者からの反響などを教えてください。
事業の利用状況や反響を施策継続の手がかりにして、都に対し、近隣区や区長会などと連携し、事業継続を要望してはどうでしょうか。
また、都の予算が途切れてしまうようならば、独自でも継続を表明し、子育て世代の転入を促してはいかがでしょうか。
この事業は、子育て先進区を掲げる酒井区政の中心的な施策であり、中野区は他区と比較しても先んじている分野でもあると思います。改定中の基本構想にも示されることと期待はしておりますが、中野区は出生率が都内でも最下位近辺です。ぜひとも出生率向上などの数値目標を設定し、子育て先進区であることを全面的に押し出し、子どもを産みやすい中野、子どもと住みやすい中野、そして子どもを育てやすい中野を目指していただきたいと思います。区の見解を伺います。
その他の項目では、中野駅南口の再開発に関連して、千光前通りについて、質問いたします。
再開発などでよく語られる手法ではありますが、1次的には拠点開発、2次的には拠点をつなぐ線としての開発、最終的には線をつなぎ合わせる面的な開発を目指すと成長が効果的であると言われております。今、まさに中野駅南口は、駅前の拠点開発が進み、旧中野第九中学校跡地施設に医療機関誘致の考え方で拠点開発の予定が示されています。2カ所の拠点開発の見通しが立ち、拠点を結ぶ線としての道路の利便性を高める整備が求められる時期が来たものと認識しています。中野二丁目市街地再開発が目に見えて進んできています。また、旧九中跡地への医療機関誘致も具体化してきました。こうしたことを背景に、地域ではまちづくりの勉強会を立ち上げようという機運が高まってきています。このエリアは、島忠やZEROホールがあるため日中の人通りは多く、ビルやマンションの建てかえ時に必ず1階に店舗が入れる構造で建てかえられます。つまり、商店街の切れ目がなくなり、自然発生的に店舗が連なり、商店街が再生していくということでもあります。ただし、用途地域によって現在と同程度の規模の建てかえができないところもあり、道路の拡幅も含め、再開発の一体性が形成されにくい事情も拝察されます。
そこで、区として千光前通りのまちづくりをどのように考えていますでしょうか、お尋ねします。
また、中野二丁目再開発は、解体工事が進む一方で、いまだに事業について知らない人が多いと感じています。そこで、工事の囲い塀に事業完成後のイメージ図を提示し、地域への周知を図ってはどうでしょうか。
以上、お尋ねして、私の全ての質問を終わります。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 内野議員の御質問にお答えします。
私からは、妊娠・出産・子育てトータルケア事業について、お答えいたします。
一つ目に、まず出産・子育て応援事業、いわゆるゆりかご・とうきょう事業の利用状況実績でございます。産後ケア事業の利用者は年々増加しておりまして、10月から事業を開始した平成27年度と平成30年度を比較いたしますと、1年換算でショートステイは1.7倍、デイケアは2.7倍、ケア支援者は1.6倍となっております。また、利用者アンケートからは、疲れが軽減できた、育児の相談ができて安心したなど、利用者の満足度は非常に高い結果が得られております。
次に、ゆりかご・とうきょう事業の補助の継続についてでございます。ゆりかご・とうきょう事業は、サンセット方式による本年度までの補助事業でございますが、産前・産後の子育て支援はますます重要な取り組みとなってきておりまして、区としては東京都に対し継続を要望していきたいと考えております。また、子育て先進区として子育て世代から選ばれる区となるよう、区単独でも工夫し、充実を図っていく考えでございます。
〔都市基盤部長奈良浩二登壇〕
○都市基盤部長(奈良浩二) 私からは、初めに、受動喫煙対策についての御質問にお答えいたします。
トレーラー型公衆喫煙所の導入についての御質問でございます。トレーラー型公衆喫煙所につきましては、他区の状況やイベントなどでの喫煙者の状況を見ながら設置できる場所や条件について研究を進めているところでございます。
次に、トレーラー型公衆喫煙所の導入の課題についての御質問でございます。現段階ではトレーラー型公衆喫煙所は、道路運送車両法の自動車検査登録制度の基準を満たすことや、喫煙所としての必要な設備の配線等の接続方法によっては建築物扱いとなり建築基準法が適用されることもあること、また設置する道路の状況によって道路交通法上の課題も生じることもあると認識してございます。
次に、中野駅周辺の喫煙所についての御質問でございます。中野駅周辺のトレーラー型公衆喫煙所の設置は課題があり、難しいと考えてございます。現在設置している東西連絡路下の喫煙所は、屋外分煙の環境整備の観点から、パーテーションの高さやスペースの拡張など喫煙者の環境改善に向けた検討を進めているところでございます。このような取り組みを進める中で、サンプラザ前の歩道にある喫煙所のあり方についても検討していきたいと考えてございます。
次に、交通対策の質問のうち、シェアサイクルに関連する御質問でございます。シェアサイクルについては、都心部で広域連携を図っている区は10区であると聞いてございます。区としても、シェアサイクルは環境に優しく利便性のある乗り物であり、広域連携を図ることで利便性がより向上すると考えており、現在他区の状況や導入に当たっての課題を整理するなど検討を進めているところでございます。
また、電動モビリティなどにつきましても研究を進めてまいりたいと考えてございます。
〔環境部長岩浅英樹登壇〕
○環境部長(岩浅英樹) 私からは、交通対策についての御質問のうち、水素エネルギーの利用促進に向けた区の取り組みについて、お答えいたします。11月に実施いたします「なかのエコフェア」におきまして、包括連携協定を締結いたしましたトヨタモビリティ東京株式会社に出展いただき、水素エネルギーの利用促進についての普及啓発を行うとともに、本イベントで使用する主な電力をトヨタ自動車の燃料電池自動車から給電する予定でございます。また、一般的に燃料電池自動車はバスやトラックといった大型車両から普及するため、水素ステーションの設置場所が幹線道路沿線に限定されることから、現時点で具体的な調整には至っていないというものでございます。引き続き国や都、民間企業などの動向を見据え、情報収集や検討を行ってまいりたいと考えております。
〔中野駅周辺まちづくり担当部長豊川士朗登壇〕
○中野駅周辺まちづくり担当部長(豊川士朗) 私からは、中野二丁目再開発に伴う千光前通りについて、お答えいたします。
まず、千光前通り周辺のまちづくりについてでございます。中野二丁目地区市街地再開発事業の効果を周辺に波及させるとともに、機運が高まっている周辺地区まちづくりもあわせて進めていくことは重要であると認識をしてございます。今後予定している都市計画マスタープランの改定の検討とあわせまして、千光前通り等の周辺地域につきましても地域との対話などを図りながらまちづくりの検討を進めてまいります。
それから、再開発事業の工事期間中の周知についてでございます。中野二丁目地区を含む中野駅周辺のまちづくりにつきましては、さまざまな広報手段を活用し、区民などへの周知を図っているところでございます。中野二丁目におきましては、市街地再開発事業の施行者である中野二丁目地区市街地再開発組合がさまざまな機会にあわせまして近隣の地域を中心に事業の周知、説明を図っているところでございます。今後、区といたしましては、事業の進展にあわせてさらなる周知を図るとともに、再開発組合に対しましても工事の囲い塀の活用も含めた事業広報の強化を働きかけてまいります。
○議長(高橋かずちか) 内野大三郎議員。
○15番(内野大三郎) 再質問させていただきます。
受動喫煙についてなんですけれども、前回提案いたしましたトレーラー型の公衆喫煙所、他区の状況やイベントでの状況を見ながら研究するというものが前回の答えだったんですけども、それと何ら変わりがないということなんですが、他区の状況を具体的にどのように研究をしているのか、本当に進めているのかどうか、この期間にどんなことがなされたのか、その点を教えてください。
〔都市基盤部長奈良浩二登壇〕
○都市基盤部長(奈良浩二) 再質問にお答えいたします。
トレーラー型公衆喫煙所の導入についてということでございますが、他区の状況についてということでございます。現在、千代田区で導入している実績があるといったことがございますので、そういった状況を調べているということでございます。引き続き研究を進めていくということでございます。
○議長(高橋かずちか) 以上で内野大三郎議員の質問は終わります。
お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
本日はこれをもって延会いたします。
午後4時46分延会
会議録署名員 議 長 高橋 かずちか
議 員 日野 たかし
議 員 酒井 たくや