令和元年09月12日中野区議会本会議(第3回定例会)の会議録 1.令和元年(2019年)9月12日、中野区議会議事堂において開会された。 1.出席議員(42名) 1番 市 川 しんたろう 2番 竹 村 あきひろ 3番 日 野 たかし 4番 渡 辺 たけし 5番 間 ひとみ 6番 河 合 り な 7番 斉 藤 ゆ り 8番 立 石 り お 9番 羽 鳥 だいすけ 10番 高 橋 かずちか 11番 加 藤 たくま 12番 吉 田 康一郎 13番 木 村 広 一 14番 甲 田 ゆり子 15番 内 野 大三郎 16番 杉 山 司 17番 ひやま 隆 18番 小宮山 たかし 19番 い さ 哲 郎 20番 小 杉 一 男 21番 若 林 しげお 22番 内 川 和 久 23番 いでい 良 輔 24番 小 林 ぜんいち 25番 白 井 ひでふみ 26番 いながき じゅん子 27番 山 本 たかし 28番 中 村 延 子 29番 石 坂 わたる 30番 近 藤 さえ子 31番 浦 野 さとみ 32番 大 内 しんご 33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき 35番 平 山 英 明 36番 南 かつひこ 37番 久 保 り か 38番 森 たかゆき 39番 酒 井 たくや 40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行 1.欠席議員 な し 1.出席説明員 中 野 区 長 酒 井 直 人 副 区 長 白 土 純 副 区 長 横 山 克 人 教 育 長 入 野 貴美子 企 画 部 長 高 橋 昭 彦 総 務 部 長 海老沢 憲 一 危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝 瀬 裕 之 区 民 部 長 青 山 敬一郎 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 戸 辺 眞 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小 田 史 子 地域支えあい推進部長 野 村 建 樹 地域包括ケア推進担当部長 藤 井 多希子 健康福祉部長 朝 井 めぐみ 保 健 所 長 向 山 晴 子 環 境 部 長 岩 浅 英 樹 都市基盤部長 奈 良 浩 二 まちづくり推進部長 角 秀 行 中野駅周辺まちづくり担当部長 豊 川 士 朗 企画部企画課長 杉 本 兼太郎 総務部総務課長 石 濱 良 行 代表監査委員 髙 橋 信 一 1.本会の書記は下記のとおりである。 事 務 局 長 吉 村 恒 治 事 務 局 次 長 小 堺 充 議事調査担当係長 鳥 居 誠 書 記 立 川 衛 書 記 若 見 元 彦 書 記 井 田 裕 之 書 記 野 村 理 志 書 記 鎌 形 聡 美 書 記 松 丸 晃 大 書 記 遠 藤 良 太 書 記 山 口 大 輔 書 記 髙 橋 万 里 書 記 有 明 健 人 書 記 五十嵐 一 生
議事日程(令和元年(2019年)9月12日午後1時開議) 日程第1 認定第1号 平成30年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について
午後1時00分開議 ○副議長(平山英明) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承ください。 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 吉 田 康一郎 1 育児支援政策について 2 公園政策について 3 道路政策について 4 監査のあり方について 5 生活保護政策について 6 その他
○副議長(平山英明) 最初に、吉田康一郎議員。 〔吉田康一郎議員登壇〕 ○12番(吉田康一郎) 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会の吉田康一郎です。 まず初めに、育児支援政策について伺います。 6月の第2回定例会において、私より、政府が現在の少子化の状況について危機的状況にあるとの認識のもと、フランスやスウェーデンが長期にわたる少子化対策により、一旦は低下した出生率が2.0程度までの回復に成功したことを踏まえて、2025年に出生率1.8の実現を目指すとの目標を掲げて政府が取り組んでいることについて、子育て先進区を目指す区の施策について伺ったところ、区より、子育て先進区の実現に向けた検討の中で、子育てに関する指標や目標値などについても明らかにしていきたいなど、種々御答弁をいただきました。 子育て先進区の実現に取り組むに当たり、まず先進性をはかるための客観的な物差しとなる指標や数値目標を持つ必要があると考えます。今後、子育て先進区の実現に向けた戦略を明らかにするとのことでありますが、その中において具体的な指標や目標についても示す必要があると考えますが、区の見解を伺います。 次に、国は本年10月1日より幼児教育無償化を実施する予定です。私としても、長年主張し待ち望んできた施策でありますが、しかしその対象は保育園や幼稚園に通う子どもたちに限られます。一方、中野区では、5割弱の家庭では、在宅での育児がなされており、今回実施される施策の恩恵を受けることができません。在宅で育児をしておられる家庭に対しても、保育園や幼稚園に通う子どもと同じく支援策が講じられるべきものと考えますが、区の考え、取り組みについて伺います。 次に、公園行政について伺います。 第2回定例会において、都市に不可欠なインフラであるにもかかわらず劣悪の一言しかない中野区の公園の整備状況について、中野区が都内の自治体の中で唯一都立公園等の都立の緑地が存在しないことを指摘しつつ伺ったところ、区長より、区民1人当たりの公園面積は23区中22位、23区平均の3分の1にも及ばない状況について、可能な限り改善していかなければならない、大規模公園等の整備については、今後も適地等の条件が整えばさらなる整備を進めていきたい、東京都との連携等や整備手法について研究していく旨の答弁をいただきました。 公園の整備を検討する際、最重要であるのは、防災機能を担った公園の整備という観点であり、中野区の現状を考えれば、この推進は最優先の課題であろうと認識しています。特に、川沿いに防災公園を整備すれば、洪水時や増水時の遊水地となるほか、延焼遮断帯の形成、避難場所の確保等、さまざまな複合的な効果を生み出すことが可能です。 本年1月に区が策定したみどりの基本計画において、みどりのまちづくりを実現する施策としてみどりのネットワークの構築が掲げられています。その具体化として、河川沿いの緑化の推進や西武新宿線連続立体交差の進展を踏まえた新たなみどり軸の構築などが掲げられています。これらの施策を空文化せずに強力に進め、区内の公園面積及び緑地面積を拡大していくためにも、思い切った施策の転換が必要だと考えます。例えば、都と連携して財政負担の軽減策を図った上で、神田川や妙正寺川の川沿いの用地を先行取得し、みどりのネットワークの構築に向けた動きを加速させるべきではないかと考えます。都と連携した公園整備用地の取得について、区の見解を伺います。 次に、道路行政について伺います。 第2回定例会において、中野区は道路が狭く、幅員4メートル以上の道路に接していない住居が約43.3%をも占め、全国最下位の水準であること、道路率も全国最低水準であることなど、道路の整備が今なお重要な課題であることを指摘いたしました。 狭隘道路の整備について、第2回定例会でセットバックの部分の買い取りについて質問いたしましたが、区として狭隘道路の整備をさらに進めるための方策について伺います。 次に、区では商店街に対して補助金を交付する制度がありますが、商店街の力で道路などのインフラを維持していくには限界があります。地域の重要な機能として、商店街のにぎわい、温かみを創出するような、また高齢者、子ども、障害者など全ての人に優しい道路の整備など、道路が持っている機能を多面的に発揮するよう、中野区の現状に鑑み、もっと道路に投資すべきだと考えますが、区の見解を伺います。 そして、懸念されている中野区の防災性向上を考えたときに、まちの動線を考えた骨格となるような大胆な道路網が必要だと思いますが、区はこのような道路整備プランはあるのでしょうか。また、防災まちづくりで整備を行っている避難道路など、道路整備に向けた用地の先行取得は早期の完成に向けて有効だと考えますが、区の見解を伺います。 次に、会計監査について伺います。 地方自治体の自主性、自立性が拡大している中、自治体行政の活動が法令などにのっとって適正に、より効率的、効果的に行われるよう自治体みずからが検証することの必要性は一層高まっており、監査の果たす役割は一層増しています。また、区民に対し説明責任を果たすことにおいての区民の要請も一層強まっており、区長から独立した機関である区の監査委員が行った監査の結果をわかりやすく公表していくこともまた不可欠かつ重要性が高まっています。 ここでまず、国の会計検査院について見てみます。会計検査院が公表した平成29年度決算検査報告書では、無駄遣いや不正経理など不適切な経理処理の指摘は374件、計約1,156億円でありました。これに対し、会計検査院の予算額は平成30年度で約174億円。したがって、会計検査院の指摘金額は予算額の約6.6倍となります。 次に、東京都を見てみます。都が公表している平成30年度定例監査報告書を見ると、是正・改善すべき事項111件、意見・要望4件の計115件の指摘等を行い、指摘金額は6,001億余円でありました。これに対し、局の平成30年度の予算額は約10億円です。したがって、東京都監査事務局の指摘金額は局の予算額の約600倍にも上ります。 そこで、中野区の会計監査について調べたところ、監査委員費の予算額は8,673万円とわかりましたが、区の平成30年度定期財務監査結果報告書を見ると、個別の指摘事項は記載がされていますが、年間の指摘件数、そして指摘全額の総額等についての記載がなく、監査結果の全体像がわかりやすく公表されていないようであります。 監査の有効性は指摘金額の大きさのみではかれるものではないことはわかりますし、国や都とは規模も内容も異なることもわかりますが、1年間の監査の効果を全体的な金額で表示すること等にもう少し積極的に踏み込んで、明快さ、区民にとってのわかりやすさ、説明責任を果たすという観点から、またより積極的な監査の契機となる期待も含めて、指摘金額の算出とその公表のあり方について検討していただきたいと考えますが、監査委員の御見解を伺います。 生活保護政策について伺います。 昭和29年5月8日厚生省社会局長通知、平成24年7月4日一部改正、生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置についてには、生活保護法第1条により、外国人は法の適用対象とならないのであるが、当面の間、生活に困窮する外国人に対しては一般国民に対する生活保護の決定実施の取り扱いに準じて左の手続により必要と認める保護を行うこととした上で、保護の実施機関は、生活に困窮する外国人で保護を受けようとするものに対し、(中略)当該外国人が要保護状態にあると認めた場合には、(中略)都道府県知事に報告すること、保護の実施機関より報告を受けた都道府県知事は当該要保護者が、その属する国の代表部もしくは領事館等から必要な保護または援護を受けることができないことを確認し、その結果を保護の実施機関に通知することとしています。 同通知で、都道府県知事がこの確認をすることを求めていることから、法は、外国人の保護または援護は本来その属する国にその責務があることを前提としていると考えますが、区の認識を伺います。あわせて、これまでに区がこの報告を行った実績と、区の報告に対する都からの通知の実績を伺います。 同通知は、また、生活に困窮する外国人が朝鮮人及び台湾人である場合には、保護実施機関からの都道府県知事への報告や都道府県知事の確認等の手続は、当分の間これを必要としないと定めています。 そこで、これまで区において、生活に困窮する外国人が朝鮮人及び台湾人であり、上述の手続を経ずに保護または援護した実績を伺います。 次に、同通知は運用指針を以下のように定めています。 外国人については一般国民の場合と異なり、その生活実態、家族構成、稼働状況、収入状況等についての適確な把握が困難であるので申請者もしくは保護を必要とする者の協力を特に必要とする。したがって、申請に基づく種々の調査の際申請者もしくは保護を必要とする者が実施機関の必要とする協力を行わないため、(中略)実施機関が当該外国人についての生活実態の客観的事実が把握できないような場合には、実施機関としては、適正な保護事務の執行ができないので、申請者もしくは保護を必要とする者が急迫な状況にあって放置することができない場合でない限り、申請却下の措置をとるべきである。 そこで、国民と比べて、外国人の場合、生活実態、家族構成、稼働状況、収入状況等についての適確な把握が困難である具体例を伺います。あわせて、申請を却下した実績を伺います。 本日の質問に先立ち、区の生活保護行政に関し、外国人に係る保護世帯、保護人員数、生活保護費支給額その他の実績を伺ったところ、生活保護費支給額のみ、有効桁数上2桁の概数で示されました。この理由について区は、外国人の生活保護費データを集計するには、データを抽出し、1件ごとの確認が必要であるからとの御説明でありました。しかし、法的な位置付けの異なる日本国民と外国人の生活保護費支給額について、行政が膨大な手作業を経ず正確に把握できない現状は問題です。 保護の実施機関である区として、外国人の生活保護費支給額等について国や都に届け出を行うなどの仕組みを国に要望するなどして、外国人の生活保護の実態、外国人に対する生活保護支給規模を容易に把握し、区の政策判断に反映させていくべきと考えますが、区の見解を伺います。 以上で質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 吉田議員の御質問にお答えいたします。 最初に、育児支援政策について、子育て先進区をはかる物差しについての区の見解を伺う御質問です。 区が目指す子育て先進区とは、子育てをする上で必要な環境が整っており、子育て家庭の満足度の高いまちであるとともに、区の子育て環境が区内外に認知されており、多くの子育て家庭から選ばれるまちであると考えております。子育て先進区の達成状況等をはかる指標については、どのようなものが適切であるか、子育て先進区の戦略を検討する中で研究してまいりたいと考えております。 次に、在宅育児への支援についての御質問です。 在宅育児を行う保護者の孤立化や精神的、経済的な負担感が生じているという声があることは認識しているところでございます。在宅育児への支援の拡充については、今後の先進区としての取り組みを検討する中で、在宅で育児をしている家庭の実態等も勘案しながら検討してまいります。 次に、公園政策について、公園整備用地の取得についての御質問です。 大規模公園の整備は、都市計画事業に位置付けて、国費や都費を活用しながら進めてまいりました。用地の取得においては、国費の活用とともに、都市計画交付金や都区財政調整制度も活用しながら区の財政負担の軽減に努めてきたところであります。今後も、新たな大規模公園の整備に当たっては、引き続き国や都と連携しながら進めていきたいと考えております。 次に、道路政策について、狭隘道路の整備についてでございます。 昨年度、生活道路拡幅整備の整備率向上に向けて、協議申請手続の運用方法の見直しを行いました。この変更によって、整備工事の承諾書の未提出があったものが改善され、確実に整備を行える体制となりました。また、整備対象地に隣接する土地で権利者の協力が得られた場合に任意整備を実施しておりますが、今後も、沿道の建てかえの機を捉えて、権利者への積極的な働きかけによって狭隘道路の拡幅整備を着実に進めていきたいと考えております。 次に、商店街のにぎわいとバリアフリー化についての御質問です。 薬師柳通りや鍋屋横丁通りなど、駅周辺の道路、歩道については、利用しやすく、景観にも配慮したバリアフリー化を進めております。さらに、今後は、現在策定を進めている中野区無電柱化推進計画に基づいて、地域の合意を得ながら、防災性や安全性、町並みの景観の向上を目的とした道路整備を進めていく考えであります。 防災性向上を考えた避難道路計画、道路用地の取得についての御質問です。 東京都防災都市づくり推進計画では、木密地域において延焼遮断帯となる都市計画道路の整備を積極的に行うことが示されて、こうした考えを踏まえて、都、区市町村が定める都市計画道路の整備方針(第四次)では、優先整備路線の計画を定めております。道路用地の取得については、権利者が物件補償や税の減免等を受けるために、都市計画事業の認可や道路法の適用が必要であります。区は、こうした手順を踏みながら、用地取得を早期の完成に向けて着実に進めているところでございます。 〔代表監査委員髙橋信一登壇〕 ○代表監査委員(髙橋信一) 私からは、監査のあり方についてお答えいたします。 中野区の監査結果の公表は、定期財務監査をはじめ、工事監査、財政援助団体等監査、行政監査、決算・基金、健全化判断比率等の各審査、さらに住民監査請求に係る監査の結果や監査結果に対し区長等が講じた措置状況について、全て区のホームページで過去5年分にわたり掲載しており、区民への積極的な情報提供に努めてきたところでございます。 監査は、経済性、効率性及び有効性を合わせ、法令等の遵守という合規性の観点からも実施しており、監査結果には意見として分析やあるべき方向性も述べており、一概に数値だけではあらわせないものでございます。定期財務監査に指摘事項に対応したその累計金額等を算出し公表してはどうかにつきましては、今後、監査結果がより区民にわかりやすいものになるよう工夫や研究をしてまいりたいと考えてございます。 〔健康福祉部長朝井めぐみ登壇〕 ○健康福祉部長(朝井めぐみ) 私からは、生活保護政策についての御質問にお答えいたします。 まず、外国人に対する保護または援護についての御質問でございます。 生活保護法では生活保護の対象を日本国民としており、外国人は生活保護法に基づく保護の対象ではありません。区は、国の通知に基づき、生活保護の決定実施の取り扱いに準じて、一定の範囲の外国人が要保護状態にあると認めた場合には、生活保護法と同様の保護を実施しているところでございます。国は、外国人の保護または援護といった生存権保障の責任は第一義的にはその者の属する国が負うべきであるとしており、区もそのように認識をしております。 次に、外国人に対する保護の報告についてでございます。 過去5年間においては、区から都への報告をした実績はございません。 続いて、生活保護の実績についてでございます。 令和元年9月1日現在、生活保護を受けている外国人のうち、在住カード等の国籍・地域欄に朝鮮と記されている人は11人です。台湾と記載されている人は2人でございます。 次に、外国人に対する生活実態等の把握についてでございます。 外国人の家族構成については、日本と同様の戸籍が取れないことから、把握が困難でございます。区は、外国人についての生活実態等を適正に把握するため、御本人との相談などの協力を得て生活実態を把握し、こうした課題を解決しているところでございます。過去5年間において、外国人に対しての生活保護申請要件を満たさないために申請を却下した例は1件でございますが、生活実態等の客観的事実が把握できずに却下した例はございません。 最後に、外国人に対する生活保護費等の把握についてでございます。 生活保護制度は国の制度であり、外国人の生活保護費支給状況等の把握について区が独自に検討することは考えておりませんが、今後の国の動向等をしっかり把握し、必要があれば対応していきたいと考えております。 ○副議長(平山英明) 以上で吉田康一郎議員の質問は終わります。
中野区議会議員 大 内 しんご 1 シティプロモーションについて 2 幼児教育無償化について 3 西武新宿線、区内各駅のまちづくり進捗状況について 4 その他
○副議長(平山英明) 次に、大内しんご議員。 〔[1]大内しんご議員登壇 〕 ○32番(大内しんご) 令和元年9月12日、中野区議会第3回定例会におきまして、自民党の立場から質問をいたします。 区の財政は、歳入歳出というキャッシュフローの部分と基金、区債残高のストックに着目しチェックするものと考え、議会はこの視点に基づき、常に健全な財政運営、安定的な区政が行われるように指摘し、議論してきたところであります。 中野区の財政は、かつて未曽有の財政危機を迎えました。平成31年度中野区財政白書に記述がありますが、例えば平成11年では、起債残高は631億円、基金残高は49億円という状況であり、当時、中野区は財政健全化団体一歩手前までいったと記憶しています。その後の区政は、徹底的な歳出の見直しと歳入、国や都といった特定財源の最大限の活用を行い、V字回復を果たすことができました。安定的な財政は安定的な区政の基盤になるものです。我が会派としても、議会の責務であるチェック機能をフルに活用し、区財政をチェックしてまいりました。これは、一人ひとりの区の職員の方々の努力はもちろんですが、行政と議会が一緒になって達成したものであり、現在の安定的な区政だと感じております。 しかし、今また中野区政は20年前の財政危機の状況に直面しているように感じます。具体的には、平成31年度予算の概要において、平成31年度の区の起債残高が335億円から4年後の平成35年、令和5年には791億円にまで膨れ上がっています。単純な比較はできませんが、今後平成11年度を上回る起債、借金をするということになります。 平成30年度決算を見ると、事業それぞれが見る見る肥大化しているところが散見されます。一旦この緊張を解いて羽目が外れた財政は肥大化し、区財政を圧迫し、あの20年前の中野区に逆戻りをします。厳しい財政規律を持つことは、20年前のあの悪夢のような経験をした中野区だからこそ、区政を預かる立場の私たちは必ず持っていなければならない姿勢であると考えます。 区長は、任期のたったこの3年間で、この20年間に血のにじむような思いで健全化した財政をひっくり返す、中野区の財政、区政を破壊するものではないかと思います。果たして、このような財政運営で区の未来像などどのように描いていけるのでしょうか。 2020年6月の基本構想議案の提案、同じく10月の基本計画策定の議会報告が目前に控えています。基本計画は、より計画の実現性を高めることを目的とし、今回は計画期間を5年間とした財政運営の基本方針です。5年間の財政フレーム、各施策の達成状況をはかる指標と目標値を示し、実現性のある基本計画を策定するとしていますが、しかしこのような財政状況を鑑みると、果たして希望の持てる、同時に責任のある、現実味のある基本計画の策定ができるのでしょうか。しっかりとした財政的な裏付けのある基本構想を描けることができるのでしょうか。大いに不安に思われます。そのことをはっきり指摘しておきまして、質問に入ります。 今回、それぞれの事業について同僚議員が質問しておりますが、私ども自民党としても、この後の総括質疑において細かく指摘をしていきたいと思います。私からは、特に事業費が拡大している事業として、最初に中野区におけるシティプロモーションについて質問をいたします。 これまで区は、区の魅力の発信事業として観光事業を進めてきておりました。区の魅力を内外に発信し、区内産業の発展やイメージアップを推進すると思います。 昨年6月、酒井新区政が始まりました。その直後、観光事業とは別に、区は突然、平成30年8月の建設委員会において、新たに中野区シティプロモーションの推進についてという報告を行いました。その報告で、シビックプライドの醸成や定住・昼間人口の増加を目的と掲げ、ワークショップや参加型シティプロモーションなどの取り組み内容を明示しました。 そして、戦略とはいえ、本年2月1日に、いきなり所管委員会でキャラクターを考えている程度の報告以外は情報を一切出さない中で、突然中野駅前にあらわれ、今、話題になっているかどうかは置いておきまして、「中野大好きナカノさん」というキャラクター人形をつくって情報発信をいたしました。私も、昨年2月の寒い中、早朝の挨拶を中野駅でしていますと、中野駅北口の工事ヤードの壁面になぜかキャラクターの絵が出現し、びっくりしたのを思い出しております。 このキャラクターも、そもそも平成30年度予算において、このような人形を使って発信する施策などの詳細な報告は一切議会にされていないと思います。さらに、それらしい経費もどこにも計上されていません。グローバル戦略推進がいきなり「中野大好きナカノさん」になってしまった印象です。 今年度、平成31年度になると、区は観光・シティプロモーション担当課長というポストを新設し、観光とシティプロモーションを同じ施策に位置付けて、合計予算額約1億円にも上る経費を予算計上して取り組むこととしています。 そこで伺いますが、そもそも最初はどのような取り組みで予算化されたのか、また、昨年度酒井区政においてどういう方向性でこれに方向転換したのか、改めて伺います。 また、先ほど申し上げたとおり、これまで区は、区の魅力の発信事業として観光施策を行っています。これもまた継続して事業を実施しています。平成30年度決算では、観光事業として約1,400万円、都市魅力創出事業として約1,050万円が執行されています。それに加え、グローバル戦略推進事業としてシティプロモーション事業が約3,040万円執行されています。合わせて約5,500万円が執行されています。平成31年度予算では、Nakano Free Wi-Fi事業が加わって、観光事業では3,190万円、シティプロモーション事業では7,800万円、合計約1億1,000万円という額に上り、ほぼ倍増しております。 そこで伺いますが、シティプロモーション事業とこれまでの実施している観光施策とどこが違うのかお伺いいたします。 先ほど述べましたが、今までに食育マスコットキャラクター「うさごはん」、なかのまちめぐり博覧会のマスコットキャラクター「クルトン中野」などありましたが、今回新たな「ナカノさん」というキャラクターを作成しました。ほとんどの区市町村の自治体では、キャラクターなどによる地域活性化施策は、みずからが工夫して行っています。しかし、今回のシティプロモーション事業は、大手広告代理店と契約をしていると聞いています。 そこで伺います。契約している大手代理店とはどこなのでしょうか、また、契約金額は幾らなのでしょうか、あわせてお聞きをいたします。 次に、平成30年度決算において、「中野大好きナカノさん」に関連して使われた額はどのぐらいなのでしょうか。さらに、平成31年度予算でどの程度を見込んでいるのかお伺いします。さらに、令和2年度までの3年間が計画期間とも聞いております。来年度はどのような構想をお持ちなのでしょうか。最終的に3年間のトータルで「ナカノさん」にかける予定の金額もあわせてお伺いいたします。 次に、恐らくかつてない多くの予算を割いている「ナカノさん」のプロジェクトは、キャラクターを使った発信施策としては、これまでの施策とどこが違い、どういう狙いがあるのかお伺いします。 以前の報告の中でも、ナカノミライプロジェクトというワークショップもシティプロモーションの取り組みの中で行うと区は報告していました。シティプロモーションにおけるワークショップの位置付け、取り組み内容と狙いは何かをお伺いいたします。 次に、2番目、幼児教育の無償化について質問をいたします。 いよいよ、幼児教育の無償化がスタートする10月まであとわずかとなりました。国において重要課題と掲げているこの政策は、子育て先進区を掲げる中野区においても、当然、最優先に取り組む政策と考えます。 そもそも幼児教育無償化は、少子高齢化という国難に取り組むため、消費税率の引き上げによる財源を活用し、子育て世帯の負担を軽減し、お年寄りや若者も安心できる全世帯型の社会保障制度へと大きく転換するものであります。若い世代が理想の子どもの数を持たない理由の一つとして、子育てや教育にお金がかかり過ぎるからが最大の理由になっております。子育て世帯の負担軽減を講じることは、中野区の未来を担う子どもたちにとって、ひいては日本国全体にとって極めて重要な政策であると考えます。 さきの第2回定例会の一般質問でも、この幼児教育無償化について区の姿勢をただしたところでありますが、まだ方針が決定していない部分もありました。そこで、区の幼児教育の無償化に伴い生じる課題について改めてお伺いしたいと思います。 一つ目は、保育園の給食の食材料費の取り扱いについてです。 改めて申し上げますと、現在、区では保育園の給食に係る費用については、御飯などの主食については事業者へ単独加算を行っております。おかずなどの副食については保育料に含めて徴収しているため、保護者の方はおかずなどの副食については各保護者が負担しているということを認識していない可能性があります。 第2回定例会でお聞きした際、区長は、今後の財政的負担や他区の動向を確認しながら、幼稚園や認定こども園との整合性も含めて、区として対応を定めていくと御答弁いただきました。10月からの無償化に伴い、保育園の給食の食材料費について、区はどうするお考えなのかお伺いをいたします。 続いての課題は、私立幼稚園の保護者補助についてです。 現在の制度は、区では所得制限のある国制度の就園奨励費、こちらは年間最大30万8,000円の補助、また所得制限のない保護者補助金は一律月1万2,000円、年間14万4,000円を補助しております。 10月からの無償化に際して、就園奨励費の制度が大きく変更になり、所得制限がなくなりました。また、今後は月2万5,700円、年間30万8,400円までが一律補助される子育て支援施設等の給付となります。 そして、区が独自で行っている所得制限のない保護者補助金、一律月1万2,000円、年間14万4,000円を補助していた制度については、第2回定例会において質問いたしました。区長は、その他の関連制度の動向も十分に踏まえ、今後の私立幼稚園の保護者補助について区としての対応を定めていくと御答弁されました。10月の幼児教育無償化のスタートが差し迫った現在、今後の私立幼稚園の保護者補助金、所得制限なく一律月1万2,000円、年間14万4,000円を補助していた区独自の制度について、区長はどうするお考えなのでしょうか、改めてお伺いをいたします。 最後に、多子世帯軽減事業についてお伺いいたします。 現在、区では、国の制度に基づいて、生計が同じで、世帯の2人以上のお子様が皆未就学児で認可保育所などに通園している場合は、2人目のお子様の保育料は3割から5割の減額、3人目以降のお子様は無料としています。今回の幼児教育の無償化に伴い、東京都では、多子世帯の負担軽減として、年齢制限をせず、例えば小学生の兄弟がいる世帯であれば、ゼロ歳から2歳児の2人目の保育料が半額、3人目以降は無料とする制度を行うと聞いております。区においても、この東京都の制度を活用し、多子世帯の負担軽減を積極的に図るべきと考えますが、いかがでしょうか、お聞きをいたします。 三つ目、西武新宿線、区内各駅のまちづくりの進捗状況についてお聞きをいたします。 西武新宿線沿線のまちづくりについては、その出発点である中井・野方間の連続立体交差事業が現在どこまで進んでいるのかはっきりせず、地域でもフラストレーションがたまっています。 本年の第1回定例会において私から、第2回定例会では他の複数議員から、事業の進捗状況と今後の見通しについてお聞きをしていますが、回答は、現在の事業認可期間内に事業を完了することは厳しい状況であること、東京都と鉄道事業者で事業工程の精査を行っており、その結果を踏まえ、東京都が事業認可の変更など必要な手続を行っていくとの回答でした。回答の内容はほぼ同じものであり、どの程度事業が延伸するのか、その内容がいつ発表されるのかといった区民が知りたい部分はなかなか見えてこないのが現状でした。しかしながら、この事業延伸に関しては、一度延伸する期間を発表すれば、2度目の延伸は天災などよほどのことがない限り許されない状況から、東京都や鉄道事業者も事業工程の精査に時間を要しているとも聞いております。 この点については、今のところ、回答を求めても新たな展開は期待できないと思われます。いずれにしても、区民の期待を裏切らないよう、適切な情報提供に努めていただくこと、東京都や鉄道事業者との連携を密にし、一日も早く事業が完了できるよう強く要望しておきます。 一方、西武新宿線沿線各駅のまちづくりについても、定例会のたびと言っていいほど質問がされています。これは、西武新宿線の連続立体交差事業を契機とした沿線のまちづくりが区北部のまちの課題の解決を促進し、まちのにぎわいを再生していく上で欠かせないものであり、この機会にまちづくりを進めることが最大のチャンスであると誰もが考えています。 連続立体交差事業が当初の事業認可期間内に完成しないことは明らかになってきましたが、工事の状況を見ていると、改札口の移動や地下通路の整備など、駅舎の工事が進んでいる様子もうかがえ、事業に必要な用地の確保も約8割から9割は進んでいるといった答弁もいただいております。 片や、連続立体交差事業が進んでいる新井薬師前駅、沼袋駅周辺のまちづくりについては、地域からのまちづくりの提案を踏まえた整備方針などが既にまとめられ、まちの将来像を実現するための具体的な取り組みも明らかにされています。しかし、地域からは、その進捗度合いについて心配する声も多く出ております。 連続立体交差事業と周辺のまちづくりについては、それぞれの事業効果を最大限に生かしていくためにも、同時期に進めていく必要があります。連続立体交差事業のスピードアップを東京都や鉄道事業者に強力に要請していくために、各駅周辺のまちづくりの着実な推進が欠かせません。 最初に、交通広場や都市計画道路の整備、駅前の再開発、防災まちづくりへの取り組みが区の整備方針等に掲げられている新井薬師前駅周辺のまちづくりについて、その進捗状況をお尋ねいたします。 次に、沼袋駅周辺のまちづくりについてお聞きをいたします。 取り組みのメニューは新井薬師前駅周辺と同様ですが、その中でも、既存の商店街の再生はもとより、交通環境の改善や地区全体の防災性の向上に寄与するなど、駅周辺まちづくりの肝となる新青梅街道から沼袋駅に向かう沼袋区画街路第4号線の整備について、その進捗状況をお聞きします。 続いて、中井・野方間と同様に、地域から連続立体交差化の早期実現が待ち望まれている野方・井荻間の各駅周辺のまちづくりについてお聞きをいたします。 本年の第2回定例会において、野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅の3駅についての説明がありました。この中で初めて各駅の整備方針や策定後の流れなどを示していただき、引き続きまちづくりの機運を高めていくことが必要であると感じています。 さらに、8月29日の建設委員会においては、鷺ノ宮駅と都立家政駅周辺のまちづくりの整備方針素案が示され、来年度早々に整備方針を策定すると報告がありました。まちづくり整備方針の策定は、連続立体交差事業の早期実現に向け、次の段階に進むためのステップになると思います。ただ、今後の進め方や、いつまでにどこまで到達するのかといった流れがよくわかりません。地域の期待と関心は一段と高まっております。より一層、丁寧な地域への情報提供が求められています。 そこで改めてお伺いをいたします。野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅各駅において、今後の事業化に向けた取り組みをどのように進めるのかお尋ねをいたします。 以上で質問を全て終わります。御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 大内議員の御質問にお答えします。 シティプロモーションについての最初の御質問です。平成30年度予算と方針転換についての御質問です。 中野区グローバル組織戦略に基づくシティマネジメントの取り組みとして、観光PR、シティセールス、エリアマネジメント、情報プラットフォームを進めることとしてこの平成30年度予算は予算化されておりました。しかし、中野の魅力を区が一方的に発信していくだけではなく、区民が中野の魅力であると感じることを主体的に発信することで新たな中野の魅力の発見につなげていくことも大切であると考えたところでございます。そのため、区民に区の魅力発信に参画をしてもらい、区への愛着や誇り、そして区内外の人々による区の推奨機運を醸成することでまちの活力を高めることを目的として、シティマネジメントの一部を継承し、シティプロモーションとして位置付けたものでございます。 次に、シティプロモーションと観光施策との違いについての御質問です。 従来からの観光施策では、まちの活性化に向けて、区の観光資源の魅力を発信することによって来街者の獲得を目指して進めております。シティプロモーション事業では、区民の区への愛着と区内外の人々の区の推奨機運を醸成し、まちの活力を高めることを目的としております。 次に、平成30年度の委託契約についての御質問です。 シティプロモーション事業は、株式会社博報堂に委託をしております。平成30年度の契約金額は3,039万1,200円であり、平成31年度の契約金額は7,447万円でございます。 平成30年度決算では、「ナカノさん」の関連事業として、人形制作、動画、ポスター等の作成及びSNS発信費用等で、約2,041万円でございます。また、平成31年度予算における「ナカノさん」関連の事業としては、PR制作物及びSNS発信費用で、約2,573万円でございます。 シティプロモーション事業は、1年目がブランドコンセプト設計期、2年目が発信強化期、3年目が確立期として、3カ年の計画で進めております。ことしの2月から動き出した施策でございますが、既に区内の学校や商店と連携した動きが生まれてきており、また情報発信の仕組みの基礎が整ってきたところでございます。来年度に向けては、このような区民等からの主体的な情報発信をさらに促進してまいります。来年度予算は今後検討していくため現時点での3年間のトータル経費をお示しすることはできませんが、予算については取り組みの成果を踏まえて精査してまいります。 次に、キャラクターを使った施策の狙いについての御質問です。 従来の区のキャラクターは、それぞれが特定の施策を象徴するものとしてPRなどに活用しております。一方、「ナカノさん」プロジェクトでは、区から継続的に町並みやお店、風景など、区の魅力を発信しているとともに、区民からも「ナカノさん」を通じて区の魅力が発信されております。このように、日常的に区民からの主体的な魅力発信や区民同士のつながりによって区への愛着を促すことを目的としています。 次に、シティプロモーションにおけるワークショップについてでございます。 ナカノミライプロジェクトは、中野の未来でチャレンジしたいことをテーマにワークショップを展開し、本年度は区民連携、企業連携、大学連携の三つのワークショップの実施を進めております。中野の未来を基本テーマとして、未来を考える機会の提供や、現状の課題共有と未来に向けての解決策の検討、実行、未来につながるまちの魅力を高めるためのプランづくりなど、ワークショップごとに取り組んでおります。ワークショップを通じて、参加者やワークショップを契機として活動にかかわる人の区への参加意識が醸成され、区への愛着が高まることを目的としております。 次に、幼児教育無償化についての項でございます。 幼児教育無償化に伴う保育園の給食食材料費についてでございますが、区としては、子育ての経済的負担を軽減し、認可保育所等をより一層利用しやすい環境に整える必要があると考えております。子どもや子育て家庭を支え、子育て環境の充実を図っていくために、保育園給食食材料費については区が負担していくこととします。 次に、私立幼稚園保護者補助金についてでございます。 区としては、国の所得制限のない子育て支援施設等給付の年額30万8,400円に加えて、無償化前と同様に、所得制限のない区独自の保護者補助の年額14万4,000円を継続維持して、幼稚園の保護者の負担軽減を図ってまいります。 次に、多子世帯負担軽減についての御質問です。 東京都は、10月から、子どもを2人以上持つ世帯に対し、年齢に関係なく、第2子が認可保育園に通園する場合は保育料を半額、第3子以降は保育料を無料とする制度を開始します。区としても、東京都の制度を活用して、多子世帯への負担を軽減し、子育て世帯の支援の充実を図ってまいります。 次に、西武新宿線、区内各駅のまちづくりの進捗状況についての項で、最初に新井薬師前駅周辺のまちづくりの進捗状況についてのお尋ねでございます。 整備方針等に掲げられる交通基盤の強化に向けて、区画街路第3号線の交通広場や連続立体交差事業区域と交差する補助第220号線の第1期区間の整備を進めるために、地権者との用地取得交渉に鋭意取り組んでいるところであります。 また、新たなにぎわいの創出に向けて、交通広場に隣接する駅南側の街区において、市街地再開発事業を前提とした地権者による勉強会が重ねられており、事業実現の次のステップである地権者による協議会の設立に向けて支援しているところであります。 さらに、防災性の向上を図るため、木造密集市街地である上高田一、二丁目及び三丁目周辺地区において、地元住民により組織された検討会からいただいた、補助第220号線沿道の防災まちづくりに優先して取り組むべきとの提案に沿って、今年度は補助第220号線第2期区間の事業認可とその沿道の地区計画素案策定に向けた検討を進めています。 次に、新青梅街道から沼袋駅に向かう区画街路第4号線の整備についての御質問です。 区画街路第4号線の交通広場部分については、連続立体交差事業の工事を円滑に進められるよう作業ヤードとして活用していくことから、商店街部分より先行して地権者との用地取得交渉に鋭意取り組んでいるところであります。また、これまで手続保留していた商店街部分については、商店街の機能維持や店舗の部分的な欠落を防止するなどに配慮する必要があることから、8月9日に新青梅街道から南側に向かって約105メートルの区間の手続を開始し、用地取得交渉の準備を行っているところであります。なお、引き続き、手続保留している商店街の残りの区間につきましては、早い時期に手続を開始できるように執行体制を整えてまいりたいと考えております。 次に、野方以西の今後の流れについてでございます。 これから地域にお示しするまちづくり整備方針は、各駅周辺地区のまちづくりの方向性について定めるものでございます。そのため、整備方針の策定後は、まちづくりを具体的に進めていくために、地区計画の策定等に向けたまちづくりルールの検討や駅前広場の位置等の選定を地域の皆様と協働して進めていく考えでございます。その上で、野方駅から井荻駅間の連続立体交差事業の早期実現を目指すべく、駅前広場等の基盤施設の計画を作成する等、都市計画手続に向けた準備を進め、まちづくりの熟度を高めてまいりたいと考えております。 ○副議長(平山英明) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。
中野区議会議員 河 合 り な 1 子育て支援について (1)「子育て先進区」に取り組む区の姿勢について (2)「子育て先進区」における即効的対策について (3)産前産後ケアの充実について (4)安心して子育てできる環境づくりについて (5)児童館について (6)その他 2 誰もが安心して暮らせるまちづくりについて (1)南台・弥生町まちづくりについて (2)その他 3 その他
○副議長(平山英明) 次に、河合りな議員。 〔河合りな議員登壇〕 ○6番(河合りな) 令和元年度第3回定例会に当たり、立憲民主党・無所属議員団の立場から一般質問を行います。 当選後初めての質問となりますが、私はこれまで、子育てのしやすいまちは、どんな皆様も過ごしやすいまちですと訴えてまいりました。置き去りにされる人がいない、誰もが住みやすい中野区を目指して、区民の皆様の声を届けてまいります。 質問は通告どおりです。3、その他はありません。 1、子育て支援について、子育て先進区に取り組む区の姿勢についてお伺いいたします。 区長就任後、中野区は子育て先進区を掲げましたが、保育の利用調整入力ミスによる指数つけ間違え、公園への置き去り、アレルギー誤食、園児の入り口施錠後の脱走など、子どもにまつわる事件や事故が続きました。全て対応済みとのことですが、中野区の子育て家庭が不信感を抱いたことは否めず、区はその不安を払拭していくためにも、今後全ての子育て政策において一層責任感を持って取り組んでいかねばなりません。 質問です。事件、事故が続いたことに対して区長のお考えをお聞かせください。あわせて、これからの子育て先進区への強い思いを改めてお聞かせください。 次に、子育て先進区における即効的対策についてです。 現在の中野区には、特設ホームページ、子育てナビがありますが、子ども関連のイベント掲載はありません。区のホームページのトップページにイベント検索機能はありますが、子ども関連イベントはほぼ未掲載、図書館や児童館などそれぞればらばらに情報が存在しています。 平成30年の子ども・子育てアンケートでは、ホームページから情報を得ている方は、乳幼児調査で54.1%、就学児童では48.5%、ホームページは情報提供に効果的であることがわかります。今ある施策や情報を最大限活用することは、子育て先進区として子どもたちや子育て世帯を応援することにつながっていきます。 質問です。まずは、すぐにでも現在の区のホームページのイベントページに区主催、後援の子ども関連イベント情報を全て掲載してはいかがでしょうか。将来的に施策やニュース、イベントの情報も一元化したホームページをつくって発信すれば、子育て中の方へ区の情報が簡潔に届けられる仕組みをつくれますが、いかがでしょうか。 次に、中野区がより子育て先進区を体現していくためには、区のどこででも子育てを応援していく雰囲気づくりが必要です。昨今では、公共の場での子どもの声を騒音とする風潮もあります。区役所3階には子ども総合相談窓口がありますが、待ち時間の長い中、子どもをベビーカーに乗せたまま自由にできるスペースもなく、窓口の椅子は大人用。子連れで頻繁に気軽に相談に来られる雰囲気とは言えません。他自治体では、子育ての相談窓口と日常的に情報が手に入る場所を一つにして訪れやすい仕組みにしているところもあります。 質問です。子ども総合相談窓口は子どもに関する窓口なので、子どもの存在に配慮した窓口を目指すべきです。小さくてもいいので、子どもが遊べるスペースを設置してください。今後は、子どもが座れる椅子にするなど、子どもを連れた人を歓迎する窓口レイアウトを工夫されてはいかがでしょうか。 また、区の全ての公共施設においても、絵本を置いたり、一角に子育てスペースを確保することで、各所で子育てを歓迎する雰囲気をつくるべきです。区の姿勢は必ず民間にも広がっていくことでしょう。 質問です。まずは、子育て世帯の利用頻度の高そうな地域事務所の窓口から、スペースがなければ数冊の絵本コーナーからでも安価に簡単に導入でき、また我が会派の森議員提案の図書館のアウトリーチも可能と考えますので、ぜひ始めてはいかがでしょうか。 次に、中野区で子育てをしていると必ず、現在のJR中野駅にはエレベーターがなく不便、利用時に補助を呼んでも待たされる、来てくれないという話題が出ます。やっと2026年度に西口が設置、バリアフリー化されることになりましたが、今まさに子育てしている方、障害などで困っている方を完成予定の7、8年後まで待たせられません。 私は、先日、駅への人的配置の増加、またはボランティアの受け入れ、呼び出しボタンを目立たせる、困っている人への施策の周知強化、ベビーカーや車椅子など、エスカレーター使用の危険性の周知、ホームの安全性向上についてJRに要望書を出させていただきました。同様の内容は区にも伝えています。 質問です。提出した要望書に対して、内容についての認識をお聞かせください。区からもぜひ、西口ができるからと安心せず、JR中野駅の現状を把握して、引き続き要望を伝えていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 次は、産前産後ケアの充実についてです。 中野区で行われている産前産後ケアは大変手厚くなっています。しかし、かんがるープラン時の説明不足や今どき往復はがきの申し込みなど、利用時の複雑さは、産後は交通事故後と同等のダメージがあると言われている中で、母親がみずから選択と使用するにはハードルが高い状況とも言えます。窓口で誰が対応しても同じように伝わることは必須です。研修やマニュアルの強化、事業者との連携、写真を使って利用者にイメージが伝わりやすくするなどの方法があります。また、申込時の手間や、今必要な人に届くためにタイムロスを防ぐ仕組みにもさらに工夫をすべきです。 質問です。今ある産前産後ケアを最大限に生かして、全ての妊産婦の方のためにも、さらなる窓口対応の平均的な質の向上に取り組んでください。また、申し込み手続の簡素化、対応の強化を図ってみてはいかがでしょうか。 次に、今実施されている産前産後ケアは、今年度まで都のゆりかご・とうきょう事業の補助金が使われていて、来年度以降の継続はまだ決定していないと聞いています。しかし、利用した妊産婦の方には大変好評で、継続を求める声が届いています。補助がなくなって区の全額負担でやっていくのは大変かとは思いますが、他自治体では、デイケア、ショートステイは内容によって金額を変え、費用負担を多少調整して行っているところもあるようです。 質問です。ぜひ区として補助金が出るよう、都に強く要望してください。また、補助金がなくなった場合にも、一般財源を投入し、引き続き事業継続と内容の充実を求めますが、いかがでしょうか。 次に、これまで産前産後ケアが手厚くなってきた背景として、根強く残る女性が育児の主体であるという風潮の中で、産後鬱と呼ばれる精神不安、産後クライシスと呼ばれる夫婦の不仲や離婚など、産後には問題が発生しやすく、また虐待は、厚生労働省の資料で、産後2年以内が最も多いという統計が出ています。 実は、振り返れば、妊娠期よりも、多くの場合は産後のほうが大変であったという話をよく聞きます。現在行われているこんにちは赤ちゃん学級では、主に妊娠期の話が中心で、産後は子どものケアの話は出ますが、激変する生活を家族でしっかりと構築していく話も、産後の諸問題を防いでいくためには重要です。子どもは社会全体で育てていくという共通認識を醸成していくことも必要でしょう。 質問です。こんにちは赤ちゃん学級や新しくなったかんがるーブックに産前産後生活を考えさせる内容を拡充してはいかがでしょうか。また、妊娠期から周囲を巻き込み、子育てが孤立して行われないよう、かんがるープランやこんにちは赤ちゃん学級へ、母親だけでなく、かかわる家族や支援したいしたい人が来ていただけるような声かけを区も積極的にしてはいかがでしょうか。 次は、安心して子育てできる環境づくりについてです。 一時保育の使いづらさはこれまで大変声が多く、申し込みはほぼ一月前でないととれない、各園それぞれに電話申し込みと、予約が取りにくい状況です。気軽に使えるまで拡充することは、虐待防止、子育てを楽しめる余裕を生み出すことができ、家庭保育、幼稚園や保育園利用者、どんな子育て環境の人にも利便性が向上します。現在、区は一時保育を保育園のみで実施していますが、他自治体では、児童館や福祉施設にてリフレッシュ目的の短時間預かりなど、前日予約に対応できる柔軟な体制を整えています。特に身近な日ごろから利用している児童館での預かりが実現すれば、安心できる子どもたちや保護者がたくさんいるでしょう。 質問です。まずは、現状の空き状況だけでもウェブサイトで見えるようにしてください。また、区でも、学童がなくなった児童館やすこやか福祉センターのあいている会議室利用などで拡充し、より一時保育の利便性を向上してはいかがでしょうか。 次に、困っていても、行政と距離を感じている方がいます。アウトリーチをかけていても出会えない、問題を持った家庭があります。相談ハードルを下げ、窓口だけに頼らない、行政と出会える場所や機会をふやす必要があります。 先日、新宿の子育てメッセを視察しましたが、子どもも楽しめるため、参加ハードルが低く、行政と民間が協力して、楽しみながらそれぞれの活動を紹介、出会える場づくりができていました。また、例えば区内のさまざまな公園や既存施設で地域を巡回する子育てイベントなら、ふだんリーチできない層にアクセス、情報提供、ハードに頼らない子育ての場づくりができる可能性があります。 質問です。行政と区民の方の距離を近づけるためにも、区職員の方たちが外に赴き、似た状況の人たちを結びつけ、支え合う人の横のつながりをつくり、困った人に情報を届ける、そんなアウトリーチの場づくりに力を入れてはいかがでしょうか。 次に、中野区では、これまで多くの保育園民営化が行われ、多大な混乱が起こった話も聞いてまいりました。全ての中野の子ども、家庭が安心して幼稚園、保育園に通えるようにしていくためにも、保育の質ガイドラインが必要です。2018年12月6日の子ども文教委員会にて区の示したスケジュールでは、10月に事業者、保護者、区民の意見募集、12月に策定となっています。 ガイドラインは、あり方を押しつけるのではなく、多くのかかわる人の意見を取り入れ、考え方をしっかりと浸透させていくことが重要です。保育の質ガイドラインにおいて先進的と言われる世田谷区では、漫画を利用した冊子を作成、保育を利用検討している保護者に配布、区民には安価で販売しております。 質問です。現在の進捗状況を、現場や保護者の声を取り入れていく仕組みも含め、お知らせください。また、実効性のあるものにしていくためにも、ガイドラインを共有していく方法もぜひ考えていただけませんでしょうか。 次に、前回と今回実施された子ども・子育てアンケートを比較するとわかるように、共働き家庭は年々増加しています。また、子どもが小学生になると、職場にフルタイム以外の選択肢がなく、環境変化に離職や働き方を見直さざるを得ない小1の壁と呼ばれる現象も起き、小学校への入学を控えた保護者は不安を抱えています。 社会の変化に対応して、早めの就学相談や、小学校に上がった生活が想像つくよう、対策が必要です。現在、各自治体、小学校に上がる前の情報は各学校に任せての対応が多く、中野区は年が明けてからですが、早い自治体では9月と、十分な余裕があります。調布では、教育委員会主催で9月に保護者向け講演会もあるようです。 質問です。保護者の方の不安を払拭できるよう、小学生に上がるまでにどんな手続があり、どんな生活になるかが想像できるような案内を年度の早い時期にお知らせしてはいかがでしょうか。 次に、児童館についてです。 10か年計画(第3次)において児童館は全廃の方針が出されましたが、その後、児童館の設置は見直され、9月5日の区長記者会見でも児童館は残すと公約しましたが、児童館の役割というものが必ずあると区長はおっしゃっておりました。 我が会派では、児童館の存続が必要と考え、あり方を検討いたしました。学童保育機能を持つキッズ・プラザは小学校に設置されますが、児童館には小中高生の居場所、乳幼児親子支援、兄弟で遊べる場所など、現在でも多くの機能があります。これからの児童館ではさらに、子育て団体のネットワークづくり、支援が必要な子どもや家庭へのアウトリーチ機能、一時保育、中高生のための夕方から夜間開放、日曜、月曜の開放などの拡充への要望があります。 2018年10月に厚生労働省児童館ガイドラインの改正があり、区で子育て中の方からも多くの期待を寄せられていますが、ここまで児童館の配置計画については大きな動きがなく、どうなってしまうのか、いまだ不安に思っている方も多くいます。 質問です。今までの答弁では曖昧に感じます。区の方針として、区内に一定数の児童館を残すことを改めてお聞かせください。機能の拡充を含めて、新たな児童館のあり方についても検討していただきたいのですが、いかがでしょうか。 2番、誰もが安心して暮らせるまちづくりについてです。 南台・弥生町のまちづくりについてお伺いします。 2023年に新山小学校跡地は南台小学校の仮校舎としての役目を終えるため、大きな跡地が残ります。新山小学校のある南台四丁目は、周辺の南台、弥生町を含め、木造住宅の建てかえ助成整備地域であり、震災時に火災などが発生する危険性が高い地域です。今後の利活用においては、10か年計画で防災まちづくりと定められ、地域からも防災に役立ててほしいと要望があります。 しかし、新山小学校跡地は、9割ほどの土地が国有地です。国有地を取得するには時間がかかるでしょうが、2023年以降からの切れ目のない土地利用のためにも、スケジュール感を持って跡地利用の考え方に取り組んでいくことが、統合を理解していただいた地域の皆様のためにもなると考えます。 質問です。地域の皆様の要望に応えていくためには、区は速やかに国有地の取得交渉を国とすべきと考えますが、いかがでしょうか。また、学校の跡地利用にも速やかに取り組んでいただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 そして、区の防災力強化は、地域の皆様の御理解と協力があってこそ進みます。8月に入って中野区の建築課が配布した「わがまちの地震対策特集」のチラシは、わかりやすく、評判がよいと聞きました。こちらには掲載されていませんでしたが、区ではほかにも防災用品のあっせんなどの取り組みがあります。情報を一元化して発信することは、区民の方への利便性向上、導入動機につながり、防災力の強化となります。 質問です。建築物と防災用品、課を超えて情報提供を行い、該当地域へ定期的にチラシ発行や区報への掲載など、それぞれの家庭の実情に合わせて包括的に防災メニューを選べるようにしてはいかがでしょうか。 次に、中野富士見町駅から電車車庫横は、東側が斜面のため歩道にも斜めの箇所が多く、電信柱も出っ張っていて、ベビーカーや車椅子の通行が大変です。近隣の特別支援学校では生徒101人、ゆめなりあでは通所28人と、多くの方がスクールバス以外の公共交通機関などを使っています。 中野区のバリアフリー基本構想では、重点整備地区をはじめ、駅からおおむね500メーター圏内の生活関連施設を結ぶ歩道のある道路について、車道の舗装打ちかえに合わせて順次バリアフリー化するとされていますが、困難を抱えた方などが通われる場所は、特に安全に通っていただくためにも、優先的に歩道のバリアフリー計画を導入していくべきです。 質問です。ぜひ、駅からの重要な動線となりますので、こちらの歩道の計画を対象に検討してください。また、区民の方から寄せられる声をもとに、変化していく地域の現状に合わせてきめ細やかな対応をしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 次に、南台交差点以西の方南通りは都が定める都市計画道路で、平成28年度から平成37年度までに優先的に整備すべき路線とされていますが、付近には保育園や小学校、先ほどもお伝えしたように障害を持った方の関連施設などが多く、道路幅も歩道もさほど広くないところにバス停もあります。毎朝の通勤時間帯には自転車も多く通り、危険であると認識しています。都が整備する道路の話ですが、中野区に通っている以上は、区民の安全のためにも、中野区が現状をしっかり見て把握して、主体的に都へ要望すべきです。区の所有物には掲示物が行えるということも聞いております。 質問です。都道においても区ができることは行い、区からも都に対して積極的に安全対策を講じるよう、また速やかに道路計画を実施していくよう要望してはいかがでしょうか。 細やかな質問が多くなりました。今後、区が想像力を持ってきめ細やかな対応をしていくことに期待して、以上で私の全ての質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 河合議員の御質問にお答えいたします。 子育て支援についての項、子育て先進区に向けた区の姿勢についての最初のお尋ねでございました。保育施設は、乳幼児の健やかな成長発達を支援するとともに、子どもの安全を確保する責務があり、保育施設で事故、事件はあってはならないと考えております。 区職員が保育施設を巡回して実施した散歩時の安全点検など、再発防止の徹底を図ったほか、民間保育所等連絡会において事故再発防止について強く要請をいたしました。また、公立、民間の保育士対象の危機管理研修を実施するなど、改めて業務従事職員一人ひとりの危機管理意識の徹底を図っております。 今後も、保育施設全体に対して継続的に注意喚起を行っていくことで、事故防止安全対策を一層徹底してまいります。区としては、将来の社会の担い手となる子どもと子育て家庭を地域全体で支えて、子どもを安心して産み育てられる中野区の実現に向けて使命感を持って力を尽くす所存でございます。 次に、イベント情報のホームページ掲載、子育て情報発信の一元化についての御質問です。 子ども関連のイベント情報の広報については、各所管が必要性を判断してホームページ等に掲載している状況でございます。子育て家庭の多くがホームページ等から情報を収集している実態があることから、子ども関連イベントの周知方策や子育てに係る施策やイベント情報を一元化する等のわかりやすく発信する仕組みについて検討を進めてまいります。 次に、子ども総合窓口への子どもスペースの設置についての御質問です。 子ども総合相談窓口には多くの方が子ども連れで訪れており、絵本を読めるコーナーや、窓口で子どもをあやせるおもちゃ類などを用意して対応しているところであります。さらに、お子さんが安全に楽しく過ごして、親御さんが安心して窓口での手続を進めることができるよう、庁舎のレイアウト変更等に合わせてよりよい工夫ができるよう検討してまいります。 地域事務所への絵本コーナーの導入についての御質問です。 地域事務所の待合スペースは、一部を除いて区民活動センターと共用しており、椅子のほか、地域の情報コーナーとして、主に区の広報紙等を置いているところであります。いずれも狭小であり、子育てスペースの確保は難しいと考えますが、東部地域事務所のように図書コーナーを設置して絵本などを置いている例もあり、他の地域事務所についても工夫してまいりたいと考えております。 次に、中野駅への人的配置等の要望についてでございます。 区では、現在、鉄道事業者との協定に基づいて、中野駅西側南北通路・橋上駅舎等事業を進めており、支障移転工事等を進め、本年度内には建物本体工事に着手する予定としており、できるだけ早期の西口の開業を目指しております。一方で、区としては、西口開業までの間についても、駅構内の利便性、安全性確保の必要性を強く認識しており、これまでも朝夕の駅の混雑状況や今後の駅周辺の開発による乗降客の増加想定などをJR東日本と共有しているところであります。引き続き、JR東日本に対して十分な配慮を求めてまいります。 次に、産前産後ケアの手続についての御質問です。 今年度、妊娠・出産・子育てトータルケア事業の案内冊子、かんがるーブックと言いますが、これを作成しました。9月からは、これを使用したわかりやすい説明に努めております。往復はがきでの申込方法等については、今後見直しを検討してまいります。 次に、ゆりかご・とうきょう事業の補助の継続についてであります。 ゆりかご・とうきょう事業はサンセット方式による本年度までの補助事業でございますが、産前産後の子育て支援はますます重要な取り組みとなってきていることから、区としては、都に対し継続を要望してまいります。また、子育て先進区として子育て世代から選ばれる区となるよう、区単独でも工夫し、充実を図っていく考えであります。 次に、こんにちは赤ちゃん学級の内容充実についてでございます。 こんにちは赤ちゃん学級では、産後鬱や児童虐待の予防として、産後の心と体の変化に係る講座を実施しております。産後の心身の変化については、より具体的に丁寧な説明をするよう努めていきたいと考えております。また、現在も、父母だけでなく、祖父母等への参加も呼びかけておりますので、さらに周知を徹底してまいります。 次に、一時保育の空き情報提供、身近な場所での実施についての御質問です。 一時保育事業は、区立2園に加えて、9つの私立保育園で実施事業として実施しております。適時、情報を収集し、空き情報を提供することは、システム環境の整備や事業者の負担等も伴い、直ちに対応することは難しい状況ではあります。空き情報をまとめて閲覧できることで区民の利便性が向上することについては認識しておりますので、どのような形で実現できるかを研究してまいります。また、現行の保育園利用型の一時保育のほかに、児童館などの身近な場所での一時保育の拡充については、他区の事例も参考にしながら検討してまいります。 子育て中の人たちの結びつけについての御質問です。 安心して子育てができるように、子育て情報の共有や情報提供を行うことは必要だと考えております。区では、地域団体が開催するなかの育フェスにも参加し、今年度は児童館、子育て広場などの案内を行っており、今後もイベントなどを活用して区の子育て事業の周知を図ってまいります。子育て情報が広く提供できるよう、ホームページ、区報等の活用、アウトリーチによる相談や利用者同士のマッチングなどのさまざまな機会を使って、子育て中の人たちがつながりを持てるようにしていきたいと考えております。 次に、保育の質ガイドラインの策定についてでございます。 保育の質ガイドライン策定につきましては、平成30年11月に中野区子ども・子育て会議へ諮問をし、学識経験者だけでなく、区立・私立保育園園長、保育園保護者等を委員として加えた部会を設置して検討を進めているところであります。検討した内容につきましては、中間のまとめとして年内には区議会に報告をする予定です。また、あわせて意見交換会を実施して、保護者、区民の意見、要望等を聴取することと考えておりまして、意見等については子ども子育て会議の中で検証して、保育の質ガイドラインをまとめていきたいと考えております。 策定した保育の質ガイドラインにつきましては、私立保育園の保育士も参加する区の研修等で教材として使用するほか、区内の全ての教育・保育施設へ配布し、保育士等が日常の保育の振り返りに活用してもらうことを想定しております。また、区の職員が保育施設を巡回指導する際に、保育の質ガイドラインを用いることで保育の基本的な考え方を保育士などで共有し、一層の保育の質の確保、向上を図ってまいります。 最後に、新たな児童館のあり方についての御質問です。 年々複雑化する子育てに関するさまざまな課題に対応するために、潜在的な要支援者の発見に向けたアウトリーチ機能や地域の子育て関係団体同士のコーディネート機能などのほか、乳幼児親子の交流の場である地域子育て支援拠点や子ども遊びの拠点、子育て関係団体の活動拠点が必要であると考えております。中野区が子育て先進区を目指す上では、地域における子育て支援の充実が重要だと考えておりまして、子どもと子育て世代に対する地域包括ケアに基づく地域づくりを進めるためにも、地域の子育て支援拠点を一定数配置する必要があると考えております。このように、新たな児童館のあり方については、機能の拡充や配置などを含め、現在検討を進めているところであります。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私のほうからは、入学時の広報についてお答えいたします。 各小学校における入学前の説明会、保幼小連携によりまして、各園の要望により、小学校の校長は保護者対象に話をすることなどが現在行われております。ただ、入学前の手続、必要な手続につきましては、わたしの便利帳や中野区ホームページ、中野区報等でお知らせしているほか、必要に応じて、幼稚園や保育園を通じての周知や個別通知でお知らせしているところでございます。今後、早い時期から準備していただけるように、ホームページに入学する子を持つ保護者向けの総合案内を設ける等、よりわかりやすい情報発信に努めてまいりたいと思います。 〔企画部長高橋昭彦登壇〕 ○企画部長(高橋昭彦) 私からは、南台・弥生町まちづくりについてのうち、新山小跡地についての御質問にお答えをいたします。 新山小学校の跡地については、将来の財政状況や行政需要の変化を見据え、区全体として必要とされる機能や地域の価値向上につながる機能などについて、区議会や区民の声を聞きながら検討を進め、2020年度に策定を予定している基本計画において活用の方向性を示していく考えでございます。 〔危機管理担当部長滝瀬裕之登壇〕 ○危機管理担当部長(滝瀬裕之) 私からは、南台・弥生町まちづくりについてのうち、建築物と防災グッズの包括的な広報についてお答え申し上げます。 防災グッズは区民が購入しやすいようにあっせんを行っているところでございまして、リーフレットの配布や防災訓練における広報等を通じて購入促進を図っているところでございます。 委員御質問の建築物の耐震助成と防災グッズあっせん事業の一体的な情報提供の必要性につきましては理解をしているところでございます。一方で、助成事業とあっせん事業を一つの防災メニューとして区民に御紹介した場合、制度の違いによる区民の自己負担費用など、誤解を招くおそれもあることから、今後、庁内で調整をいたしまして、よりよい案内方法を検討してまいります。 〔都市基盤部長奈良浩二登壇〕 ○都市基盤部長(奈良浩二) 私からは、中野富士見町駅付近のバリアフリー化についての御質問にお答えをいたします。 バリアフリー基本構想では、重点整備地区に指定されていない地区においても、高齢者や障害者等が利用する駅周辺の状況などを考慮しまして、道路のバリアフリー化を進め、誰もが移動しやすく利用しやすいまちの実現に向けて計画的な取り組みを進めているところでございます。中野富士見町駅周辺におきましても、道路補修などさまざまな関連工事等の機会と合わせまして、バリアフリー化に向けた検討を進めているところでございます。 次に、方南通りの整備促進についての御質問にお答えをいたします。 東京における都市計画道路の整備方針(第四次)では、方南通りの南台交差点以西は優先整備路線に指定されており、東京都は本方針に基づき、道路拡幅や無電柱化を含む拡幅整備を計画的に進めているところでございます。自転車走行に伴う歩行者の安全確保につきましては、警察や地域と連携し、交通ルールの遵守や自転車利用マナー向上等の意識啓発に取り組んでまいりたいと考えてございます。 ○副議長(平山英明) 以上で河合りな議員の質問は終わります。
中野区議会議員 小 林 ぜんいち 1 SDGsの推進と基本構想について 2 中野のまちづくりについて 3 見守り・支えあい体制について 4 その他
○副議長(平山英明) 次に、小林ぜんいち議員。 〔小林ぜんいち議員登壇〕 ○24番(小林ぜんいち) 令和元年第3回定例会に当たりまして、公明党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。 質問は通告のとおりですが、4、その他で、パートナーシップ制度についてお伺いをいたします。 初めに、SDGsの推進と基本構想について、最初に区長の取り組みと認識についてお伺いをいたします。 議長に許可を得ておりますので、出させていただきます。 SDGsとは、サステーナブル・デベロップメント・ゴールズ、持続可能な開発目標の略で、17項目の目標からなり、そしてこの中に169の具体的な施策がある国際目標です。2015年に国連サミットで採択をされ、翌2016年1月に発効されました。気候変動などの地球的課題に対し、我々がこの地球を救う最後の人類と言われており、各国が危機感を持って政策に取り組むよう求めています。 17の目標は簡潔に表現をされています。幾つか紹介してみますと、ここにありますように、1、貧困をなくそう、3、全ての人に健康と福祉を、4、質の高い教育をみんなに、5、ジェンダー平等を実現しよう、11、住み続けられるまちづくりを、17、パートナーシップで目標を達成しようなどがあります。 2030年を目指し、持続可能な支え合う社会を築くための指標であるSDGsは、私たち公明党としても、この目標理念を基礎とした政治を行うべきと推進しています。 私は、平成30年第2回定例会においても、SDGsについて質問の際に、SDGsについて、中野区のこれまでの基本構想もこの考え方と重なっている部分が多く、今後ともSDGsの誰一人取り残さないという概念を根底に据え発展していくためには何をなすべきかを考えてほしい、さらに、基礎自治体として、SDGsになぞらえ、政策を推進していくことが必要と訴えた上で、酒井区長のSDGsに基づく基本構想に対するお考えをお伺いいたしました。酒井区長の答弁は、まだ区長に就任されたばかりであったせいか、非常にあっさりとしたもので、国においてSDGsのビジョンが掲げられていることを踏まえて、SDGsの目標項目を参考としながら区の取り組みを進めてまいりたいとのことでした。 世界的にも国内的にも、今や企業、団体は既にCSR運動というものを超え、SDGsの推進で、単なる社会貢献でなく、自分たちの事業が社会の持続可能な目標を牽引していく、世界の危機的な状況を救うのだという気概を持ち、生き残りをかけて戦っています。自治体は、その企業、団体をリードする必要があり、SDGsの周知と推進は必要不可欠ではないでしょうか。 そこで、いま一度、改めてSDGsについて区長の認識と取り組み姿勢についてお伺いいたします。 2番目に、SDGs未来都市・中野について伺います。 政府は、2016年12月よりSDGsの取り組みを推進し、2017年6月の提言に沿ってSDGsモデル事業選定未来都市のプログラムをスタート、2017年12月には地方自治体での取り組み推進が促されました。 2019年には、東京都初のSDGs未来都市に選定された日野市は、SDGsの推進の考え方として、17の目標は個別のものではなく統合された不可分なものであると深く認識されています。また、経済・社会・環境の三つを不可分として調和させること、さらに17の目標は多様な主体の連携であって、パートナーシップで目標達成に向かうプロセスを大事にすることを念頭に置き、取り組みを進めています。 23区ではいまだ選定されている自治体がない中で、今後新たな基本構想をつくる中野区こそ、さらなる区民や民間企業、団体とのパートナーシップの先導役として、SDGsを全庁的に取り組んではいかがでしょうか。あわせて、SDGs未来都市への先駆を切って手を挙げ、東京23区を牽引してはいかがでしょうか。区長の御見解をお伺いいたします。 3番目に、基本構想・基本計画策定について伺います。 課題に対応する持続可能な開発目標を達成するためには、バックキャストという考え方が大切と言われています。行政の縦割りの組織における目標設定は、ともすると、現在あるリソースから適度な、できそうな目標を設定してしまいがちですが、これは積み上げ方式による改善に過ぎず、危機感を持って改革をしようと思うのならば、バックキャスティング、すなわち未来のあるべき姿から逆算し必要な目標を設定し、何とかして実現する方法を常に考えなくては、希望ある中野区の明るい未来を実現することはできないと考えます。その意味で、基本構想、基本計画をつくる上では、このバックキャストの考え方を持って進めていくべきと考えます。それは、中野区の未来はこうあるべきという姿を明確に示し、そこへ向かうためには何が必要なのかということが基本構想となるのではないかと考えます。 区は、基本構想を審議する上で、区長が示した三つのキーワードは多様性、協働、スタートアップとのことです。このキーワードは大事なことではありますが、これが何のためになぜ重要なのかということが示されないまま、四つの部会に分かれて審議会で話し合いが行われています。審議会には学識経験者や公募で入った有能な方々がいるのですから、その思いを束ねていくようなリーダーシップをとっていただくことが重要と考えます。 中野区は、2045年には4人に1人が高齢者となる超高齢化の社会を迎えると言われています。孤立、差別、虐待、貧困など、ますます複雑・深刻化する問題に対応するために、抜本的な改革を不断に行い、持続可能で子や孫の世代を希望あるものに変えていくために、リーダーである区長が改革についてのメッセージを強く発信した上で、基本構想や基本計画を策定してはいかがでしょうか、区長の御見解をお伺いいたします。 2番目に、中野のまちづくりについて伺います。 初めに、中野駅周辺のまちづくりについて伺います。 昨年の第3回定例会で、中野サンプラザの再整備に向けた検討を進展させるといった答弁があり、区長就任後から間もないうちに再整備の推進を表明したことが思い起こされます。ことしの第2回定例会の行政報告では、まちづくりについては何ひとつ触れず、まちづくりへの思い、ビジョンはここまでないのかと思い知らされました。軸がぶれるというよりは、軸がないということがわかり、こうした質問もむなしいものとなるのではないかと感じています。 一貫性を持った未来都市・中野のまちづくり計画を求めていきたいところですが、いつまで待てばよいのでしょうか。区長御自身ビジョンがないようでしたら、むしろ都市政策のプロを招聘すべきです。豊島区では、建築家の隈研吾氏が都市政策顧問として就任し、池袋駅周辺のまちづくりを中心に取り組んでいるようですし、国際アート・カルチャー都市構想のもと、さまざまなコンテンツを発信しています。中野区においても、まちづくりを総合的にアドバイスしてくださる都市政策や都市計画の専門家を招聘してはどうかと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。 中野駅周辺のまちの位置付けについて、私は昨年第4回定例会の一般質問でお聞きしたところ、東京都の都市づくりグランドデザインに描かれているように、広域中枢拠点として果たすべき役割を実現していくことが求められているとの答弁がありました。 中野駅周辺のまちづくりは、中野に限定するのではなく、中央線沿線を軸に広域に捉えるべきと何度も訴えてまいりました。中野二丁目、三丁目、四丁目各地区で行われている民間による都市開発も、中野だけを商圏と捉えてはいないでしょう。もっと広域の商圏を設定しているはずです。また、新宿駅周辺では大規模な再開発計画があり、中野の独自性を出すことも視野に入れるべきと考えます。中野三丁目では、旧桃丘小学校跡地の拠点施設については、先般、閉会中の委員会において報告がありましたが、新設される中野駅南北通路からは目と鼻の先の、レンガ坂や小劇場で魅力が増している三丁目をさらに底上げするものと捉えています。 各地区の都市開発が進むことは望むところですが、一方で住民がふえていくことに対しての懸念も生じます。人口増に対応したインフラの整備や子育て、高齢者施策、地域防災計画などは喫緊の課題であり、近い将来の人口を見据えたさまざまな対策が求められます。中野駅周辺まちづくりの部署だけでなく、総合的、横断的な対策が必要であり、そうした体制をつくっていくことが必要であると考えます。御見解をお伺いいたします。 二つ目に、中野駅新北口駅前エリアの再整備について伺います。 中野駅新北口駅前エリアについては、再整備事業計画の素案が今定例会において報告されると伺っています。この間、区民会議が頻繁に行われるなど、策定がおくれおくれになったこともわかりますが、時間をかけた分、中身が問われます。区民会議は意見を集約する場であって、決める場ではないとも聞いていますが、多く開催された分だけ、委員の思いは高まってきたのではないでしょうか。 区民会議の主な意見は報告がありましたが、そのほかにも各団体から要望書が提出されていると聞いています。どのような団体からどのような要望が上がってきたのか、概略を伺います。また、それらをどのような形で再整備事業計画や募集要項に生かしていくのでしょうか、お伺いいたします。 先般報告のあった再整備事業計画策定の考え方では、新区役所整備の財源を確保する方策が示されています。転出補償金を充当するといった考えでありますが、その資金というのは一体どこから賄われるのでしょうか。その結果、できる建物というのは超高層の建物になると考えてよいのでしょうか、お伺いいたします。 中野サンプラザホールの後継となる多目的ホールの考え方も示されました。ケーススタディーでは五つのパターンが示されていますが、これはあくまでもシミュレーションであり、もっと違った、もっとよりよい民間提案が上がるということも考えられます。仕様や規模などをどの程度条件として設定するおつもりでしょうか、伺います。 中野サンプラザの所有会社であるまちづくり中野21については、どのようになるかは明確に示されておりません。多目的ホールやホテルなども民設になるとすれば、役目はなくなると思われます。まちづくり中野21の今後のあり方についてどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。 再整備事業計画が策定されると、民間参画事業者の公募が行われます。民間参画事業者は、建物を整備して終わりではなく、その後の未来都市・中野のまちづくりに寄与する運営も視野に入れた体制づくりを求めるべきと考えます。また、エリアマネジメントも、施設の完成後からというより、事業期間中からも地元とコミュニケーションを図り、ソフトランディングしていただきたいと思います。区はそうした取り組みを誘導すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。 3番目に、集合住宅にかかわる条例について伺います。 地域の皆様の御相談の中には、中高層のマンション計画、建設にかかわるものがあります。突然マンション計画が持ち上がり、これまで継続してきた地域の住環境が突然変わってしまうなど、地域住民の戸惑いと、説明会などでは、地域住環境に全く無配慮で、法律に合った合法的な計画だから建設に反対されるいわれはないといった悪質とも思われるケースがあります。 中野区には中高層建築物に係る紛争の予防と調整に関する条例があり、昭和53年10月に施行されています。マンションの建設の際の周辺地域への説明や建築の円満な建設に向けた互譲の精神を持って取り組むよう定められています。 また、近隣の住環境への配慮から、ワンルームの面積要件や一定のファミリー世帯の誘導や管理人、ごみ置き場等の設置などの規制を、中野区集合住宅建築及び管理に関する条例を平成23年4月に制定しています。 これらの条例は、建築関連法令等を守っていれば何でも建設できるのではなく、地域の住環境や住民に配慮をし、互譲の精神を持って地域に丁寧に説明したり、マンション等の建設も、そこに新たに住まわれる住民たちが以前から生活している地域住民と良好な関係を築き、お互いに円満な生活を送れるよう考えられた条例だと思います。 御相談に、地元に密着した商店街が連続する近隣商業地域内で、マンションの1階部分全て自転車駐輪場になり、商店街の連続性や地域のにぎわいを分断するマンション建設計画で、説明会でも、建築関連法令に合っているのだから問題はないとの一点張りで、建築主側は一切の譲歩もしない対応を示しています。 区は、都市計画マスタープランの改定等に合わせ、持続可能な未来都市・中野の将来のために住宅政策を見直し、集合住宅の条例について、1階部分には商店等の附置を義務化するような条例の見直しを行ってはいかがでしょうか、お伺いいたします。 3番目に、見守り・支えあい体制について。 初めに、見守り・支えあい活動の支援について伺います。 中野区地域支えあい活動の推進に関する条例が平成23年4月に施行されて8年が経過しました。町会・自治会107団体のうち87団体が名簿の提供を区より受け、地域で高齢者や要支援者への見守り・支えあい活動を行っています。開始した当初は、各地域で手探りで行っていた見守り・支えあい活動でしたが、各地域で行われる事例を区が集約し提供すべきと私は提案し、その後、事例集の作成と事例検討会などがあり、町会・自治会では工夫を凝らし、地域の実情に合わせた見守り・支えあい活動を始めた地域もあります。例えば、町会連合会の吉成会長の多田町会では、町会と警察、消防、民生委員、PTAなどが一緒になって見守り活動を行っています。 区内の各地域は状況も異なり、地域によっては見守る側の高齢化も進んでいます。見守り・支えあい活動が8年を経過し、区は今後の活動のために、これまでの見守り・支えあい活動の検証を行い、今後の推進計画をつくられてはいかがでしょうか、お伺いいたします。 現在、見守り活動は、町会をはじめ、区のアウトリーチチーム、民生委員、社会福祉協議会などが中心に担っていますが、今後、高齢者人口の増加や認知症の増加、ひとり暮らしの増加等が想定されるため、見守る側の体制強化が求められます。 中野区では、平成29年度から区民活動センター単位に事務職、福祉職、保健師の3職種でアウトリーチチームを発足し、今年度からアウトリーチ推進担当課長を新設するなど、意気込みを感じます。 一方で、社会福祉協議会においては、平成16年から15地域の担当職員を決めて、身近な相談相手、支援者として地域に顔を知られた存在となっています。「福祉何でも相談」の窓口で、就職や生活面、体調について、近所の家のごみのことなど、幅広い相談に応じています。また、既存の制度では対象にならなかった方やサービスにつながりにくい方など、幅広い相談に応じ、区や関係機関と連携しながら、必要に応じて訪問を行って対応をしています。 社会福祉協議会にはボランティアセンターがあり、活動支援や人材育成、ファミリー・サポートやほほえみサービス事業のほか、成年後見、まちなかサロンの立ち上げや運営支援、子ども食堂・学習支援塾などの地域ネットワークづくりなども行っているため、さまざまな困り事相談に対して、専門性を持って、多くの関連事業や関係機関との連携ができる強みがあると思います。 豊島区では、地域づくりと見守り・支えあいのため、区から社会福祉協議会に委託をし、8圏域それぞれに介護保険法に基づく生活支援コーディネーター、困窮者支援の自立相談担当、権利擁護担当のほかに、制度のすき間や社会的孤立に陥る住民へ支援を行うコミュニティソーシャルワーカーを2から3名ずつ配置し、チームで多くの課題解決に取り組んでいます。 中野区では、すこやか福祉センターのアウトリーチチームが生活支援コーディネーターやコミュニティソーシャルワーカーの役割を担っていると思います。今後さらにその役割が重要となるのではないかと思います。今後さらに表面化し対応が迫られるひきこもりやごみ屋敷問題などは、息の長い伴走型支援が必要です。社会福祉協議会は、人事異動も少なく、専門性を持った伴走型支援を得意としています。未来都市・中野のまちづくりとして期待できると考えます。 そこで、現在ひきこもり対応など一定の成果を上げている社会福祉協議会に、福祉何でも相談から地区担当の業務など一連の業務をコミュニティソーシャルワーカー事業として再構築し、委託してはいかがでしょうか。 区のアウトリーチチームは、引き続き社会福祉協議会と連携しつつ、区のかかわるべき事例に特化して対応を図っていくことが考えられます。多くの相談事例を分析し、社会福祉協議会との連携をさらに強化しつつ、区の施策の検証や創設なども力を入れてはいかがでしょうか、お伺いいたします。 また、見守りキーホルダーなどを活用した新たな支援を、区が社会福祉協議会や地域包括支援センターなどと連携し、見守り・支えあい支援の強化に取り組んではいかがでしょうか、お伺いいたします。 2番目に、町会活動への支援強化について伺います。 町会連合会では、区と協働して活性化推進に関して施策をとることについてさらなる地域活動の充実を考えています。平成27年、区民の町会・自治会への加入促進に関する取り組みについての協定を結び、町会・自治会では、見守り・支えあい活動をはじめ、区行政から来るさまざまな地域課題に対し、ボランティア精神で中野の我が地域のにぎわいと安全・安心なまちづくりのため、子どもから高齢者に至るまでの地域活動を日々行っています。 Loversウォークや防災訓練、防犯パトロールなどは区より支援がありますが、町会で、日々の活動をはじめとする子ども関連や高齢者にかかわる行事など、毎月のように行事を催しております。その都度、独自に保険を掛けています。その額は町会により異なりますが、小さくありません。区として区内全域で町会・自治会の活動が安心して行える環境づくりの一つとして、区が保険料の支援を行ってはいかがでしょうか、お伺いいたします。 4、最後に、その他、パートナーシップ制度について伺います。 中野区では、パートナーシップ宣誓書及びパートナーシップ宣言に関する確認書受領証と、公正証書を添付するパートナーシップ公正証書等受領証が受け取れる制度を昨年8月から実施し、1年が経過しました。9月1日現在で33組の方々が宣誓書を受領されています。1年間の取り組みとして、受領数、交付数は他の自治体と比較して多いと思います。区は、その申請数、交付数をどのように評価し、さらなる普及啓発にどのように取り組みを行うのでしょうか、お伺いします。 区は、今年、性的マイノリティ普及・啓発事業において、今月は区民向け講座や相談事業を行っています。また、職員向けに、今後は普及啓発や研修などを行う予定にしています。こうした実施状況と今後の取り組みについてお伺いし、全ての質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 小林議員の御質問にお答えいたします。 まず初めに、SDGsの推進と基本構想の項で、SDGsへの認識と取り組みについての御質問でございます。 SDGsは国家戦略としても位置付けられており、国が示す、持続可能で強靱、そして誰一人取り残さない、経済、社会、環境の統合的向上が実現された未来への先駆者を目指すというビジョンについては、中野区が目指す地域社会と同じ方向性を持っていると認識しており、基本構想の検討においてもそうした考えを取り入れていくように考えております。SDGs未来都市の提案を含めて、具体的な取り組みについては、今後、基本計画を検討する中で検討してまいります。 次に、基本構想等の策定に当たっての区長のリーダーシップについての御質問です。 基本構想審議会の設置に当たっては、中野区の最大の財産は人と捉えて、多様な区民が中野のまちのために思う存分活躍し、ともに地域を築いていく姿を10年後に思い描く中野区の姿としてお伝えしております。その上で、多くの社会課題を抱える現代だからこそ、区民が未来に希望を抱くことができ、このまちに住んでよかったと思える基本構想を作成していくために、多様性、協働、スタートアップという三つのキーワードをお示ししたところでございます。今後、審議会の審議状況等を踏まえて、こうした考え方についての理解を広げていけるよう、さらに議論を深めてまいります。 次に、まちづくりについての項で、まちづくり専門家の招聘についての御提案でございます。 中野駅周辺をはじめ、これからの中野のまちづくりを進めていく上で、ハードのみならず、文化や地域経済、国際交流など、さまざまなソフトの分野の専門家にかかわっていただくことが必要であると考えております。新たな基本構想を踏まえた中野のまちづくりに当たっては、専門家からアドバイスを受けながら推進をしてまいります。 次に、将来人口を見据えた対策についてでございます。 人口推計は、政策形成やインフラ整備に当たっての基礎となるものと認識をしております。今後の中野駅周辺を含む区内のインフラ整備やさまざまな行政課題に対する施策づくりに当たっては、将来人口推計に基づく全庁的な検討を進めてまいります。 次に、各団体からの要望についてでございます。 中野駅新北口駅前エリア再整備に係る要望書として2通受け取っており、一つは建築関係団体から、民間参画事業者の公募に際しては、公平性や透明性の確保を求めるものが一つでございます。もう一つは、商店街選出区民会議委員など数名の連名で、中野サンプラザのDNAの継承や緑あふれる景観形成など、中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画への反映を求めるものでございました。こうした要望書や区民会議などにおいて集約した意見も参考にし、再整備事業計画素案を作成し、改めて素案をもとに意見交換を行うことでよりよい計画としてまいります。また、民間参画事業者の公募に当たっては、公平性や透明性を確保する手続を検討してまいります。 再整備における資金調達についての御質問でございます。 中野駅新北口駅前エリアの再整備では、事業手法として市街地再開発事業を想定しております。高度利用によって生み出される保留床の処分金が転出補償金や建物の整備費などの原資となっております。また、中野のシンボルとなる新たな拠点を形成するため、駅前立地を最大限に活用する観点から、施設は高層化するものと考えております。 次に、多目的ホールの条件設定についてでございます。 中野駅新北口駅前エリア再整備の中核となる多目的ホールは、中野サンプラザのDNAの一つであるポピュラー音楽の公演を主用途とし、さらに多様なイベントに対応できるよう、フレキシブルな施設形状、設備、機能を誘導してまいりたいと考えております。規模については、屋外の広場空間の確保や周辺地域への負荷に配慮し、最大収容人数に一定の上限を設ける考えでございます。また、民設民営であることを勘案して、安定的、継続的な施設経営を求めてまいります。 まちづくり中野21の今後についてでございます。 株式会社まちづくり中野21の設立目的は、将来の中野駅周辺のまちづくりの推進に寄与するため、中野サンプラザを取得、所有することにあります。基本的には、中野駅新北口駅前エリア拠点施設の再整備事業が始まり、中野サンプラザが解体されることとなれば設立目的が達成されますので、会社の存在意義はなくなると考えております。今後、公募による市街地再開発事業の施工者が決まり、事業計画が固まった後、しかるべき時期に議会の議決すべき事件等に関する条例に基づく議会の議決の手続及び会社法に基づく会社の解散手続をとることになります。 次に、民間事業者の役割についての御質問です。 民間参画事業者の公募は市街地再開発事業の施行者を募集するものでありまして、施行者としての役割は再開発事業が完了するまでとなります。今回の公募においては、持続可能なまちづくりの観点から、完了後の施設運営管理についても実効性のある体制構築を提案として求めていく考えであります。エリアマネジメントについては、地域との連携を図りながら、再整備の初動期から取り組んでいくことを求めてまいります。 次に、集合住宅条例等の見直しについての御質問でございます。 区はこれまで、中野区集合住宅の建築及び管理に関する条例を制定し、良好で質の高い住宅を誘導して、住環境への配慮に努めてまいりました。他の自治体では、都市計画マスタープランなどで地域の特性に応じた市街地整備計画が策定されている場合は、計画との調和を求めたり、商店街が形成されている地域での中高層集合住宅の建築について、商店会組織との事前協議で商店街の振興に配慮を求めるなどの取り組みをしているところも出てきております。こうした動向を参考に、集合住宅条例のあり方について検討してまいります。 〔地域支えあい推進部長野村建樹登壇〕 ○地域支えあい推進部長(野村建樹) 見守り・支えあい体制についての御質問にお答えをいたします。 見守り・支えあい活動の推進につきましては、これまで名簿を活用する町会・自治会の数の拡大といったようなことを目標に進めてまいりました。今後一層の推進を図る上では、各町会・自治会から活動状況の報告に基づきまして創意ある取り組み事例などを集約するとともに、活動や活動の広がりを妨げているボトルネック、こういったものについてもヒアリングで明らかにしていきたいというふうに思ってございます。こうした検証を踏まえまして、新たな目標や指標を設定するなど、計画的な推進に取り組んでまいります。 次に、社会福祉協議会と区の役割という御質問でございました。 見守り・支えあい活動は、町会・自治会、民生委員、区内協定事業者など、こういったものの重層的な取り組みが重要でございます。社会福祉協議会とも連携を強化しているところでございます。また、支援が必要な人を一人も取りこぼさないセーフティネットの構築、これは区の責務でございまして、行政が保有する個人情報なども慎重に取り扱いながら、潜在的要支援者へもアプローチをしていくというものでございます。すこやか福祉センターの福祉職、医療職、こういったアウトリーチ担当職員の本来的役割というふうに考えてございます。こうした区のアウトリーチ活動を進める上でも、地域福祉の専門機関でございます社会福祉協議会との協働が重要であるというふうに認識してございます。 次に、見守りキーホルダーの御提案でございました。 他の自治体の取り組み事例などから、問い合わせ先の電話番号、それから高齢者の個人を識別する番号を記載しましたキーホルダーの有用性というものについては十分に認識をしているところでございます。こうした簡易なグッズを活用した地域の見守り活動の推進につきまして検討してまいりたいというふうに思ってございます。 最後に、自治会活動の保険料の御質問でございます。 多くの方々が活動し参加する町会・自治会活動の推進のためには、賠償責任保険など、全ての団体において安全・安心対策が重要になってくるというふうに思ってございます。助成制度の充実を含め、効果的な支援策、これを検討してまいります。 〔企画部長高橋昭彦登壇〕 ○企画部長(高橋昭彦) 私からは、同性パートナーシップ制度についての御質問に関してお答えをいたします。 初めに、パートナーシップ宣誓の取り組み評価と普及啓発についての御質問でございます。 区のパートナーシップ宣誓の交付件数が他自治体よりも多くなっていることについては、申請時の提出書類を選択できるようにしたことや、受領証が2人の関係を説明するために一定の役割を果たしていることから、この取り組みがニーズに応えられていることのあらわれと認識してございます。今後は、ホームページやパネル展示などでの普及啓発のほか、受領証の提示先となり得る事業者などへの効果的な働きかけを行っていく考えでございます。 続いて、今後の性的マイノリティ普及啓発事業についての御質問にお答えいたします。 多様な生き方、個性や価値観を受け入れることのできる地域社会の実現に向けては、誰もが性的マイノリティについての正しい知識と理解を持つことが重要だと捉えてございます。今年度は中野区業務委託提案制度の提案を受けて、性的マイノリティの当事者を講師や相談員とした区民講座、相談事業を9月に実施したほか、12月には職員研修を実施することとしてございます。今後も性的マイノリティについての区民理解が深まるよう努めていきたい、そのように捉えてございます。 ○副議長(平山英明) 以上で小林ぜんいち議員の質問は終わります。 議事の都合により暫時休憩いたします。 午後2時56分休憩
午後3時16分開議 ○議長(高橋かずちか) 会議を再開いたします。 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。 一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 羽 鳥 だいすけ 1 災害対策について 2 環境問題について 3 住宅政策について 4 中野駅前再開発について 5 図書館について 6 その他
○議長(高橋かずちか) 羽鳥だいすけ議員。 〔羽鳥だいすけ議員登壇〕 ○9番(羽鳥だいすけ) 2019年第3回定例会におきまして、日本共産党議員団の立場で一般質問します。 最初に、災害対策について、その中でも、まず地震対策について伺います。 先日、私は、東大地震研究所教授の平田直先生の講演を聞きに行きました。その中の首都直下地震にいかに備えるかというお話は、震災対策を考える上で非常に重要でした。首都直下地震で想定されているマグニチュード7という地震の規模としてはありふれた地震に、大震災に至る巨大なリスクがあることと同時に、そのリスクは軽減できるし、しなければならないというお話でした。その際に、建物の耐震性強化が最も重要だと述べられていましたが、それは我が会派がたびたび求めてきました耐震リフォーム助成制度として来年度に実施すべく検討中でもあるということで、きょうは触れません。私からは、いざ地震が起こったとき、いかにして区民の命と財産を守っていくかという観点から、幾つかの具体的な提案をしたいと思います。 一昨年、地域で行われた避難所開設訓練に初めて参加をしました。防災倉庫から仮設トイレやジャッキを運び出し、みんなで協力して救助や避難所設置の訓練を行いました。しかし、自分を含めても地域からは十数人しか参加しておらず、これでは、いざ地震が起こったとき、訓練に参加した人が防災倉庫から避難所の装備を取り出して複雑な手順の仮設トイレの設置などを円滑に行うことは難しいと感じました。 防災倉庫の中身を紹介する動画や仮設トイレの設置方法などを紹介した動画をつくり、それを区のホームページにリンクとして張るといった取り組みをしてはいかがでしょうか。もちろん、街中の人に訓練に参加してもらうことが一番ですが、なかなか難しいのが実情です。そんなとき、こうしたわかりやすく解説した動画があれば、多くの人が担い手になり得ると考えます。検討を求めます。 また、地震が起こったとき、避難所や防災倉庫が開けられるのかという問題もあります。現在、避難所や防災倉庫の鍵は、その鍵を持った人が来ないと開けることはできません。しかし、それでは必要な支援が必要なときに行えないということにもならないでしょうか。 そこで、今普及が始まっているのが、振動を感知して自動で鍵を開けられるようにする装置です。機械式のものから電源を必要としない単純な構造のものまで、さまざまな種類があります。地震発生時に適切な支援が行えるよう、区として振動感知式の解錠装置導入の先行事例の調査などを行い、中野区でも導入の余地があるか検討していく必要があるのではないでしょうか。 次に、軽可搬消火ポンプについてお伺いします。 現在、区はスタンドパイプの増強を進めています。軽量で操作も簡単なスタンドパイプを普及していくことは非常に重要と考えます。しかし、それに合わせて区は、現在ある軽可搬消火ポンプについて新たな整備は行わないという方針をとっています。スタンドパイプは手軽に使えるものの、送水の圧力を消火栓に頼っているため、水道管が破裂してしまった場合などは十分に送水できないなどの弱点も抱えています。そんなときに役立つのが軽可搬ポンプではないでしょうか。これがあることで、スタンドパイプが使えないときにも、その役割を補完することができると思います。一方で、軽可搬ポンプは整備、使用に一定の技能が必要で、扱える人を確保するのが難しいということも聞いています。 そこで、新たな整備はしないという方針は見直し、整備を希望する防災会の調査を行い、手挙げ方式からでも引き続きの整備を行っていってはいかがでしょうか、答弁を求めます。 水害対策にかかわって、1点お尋ねします。 ここ数年、毎年のように日本各地で水害が発生し、多くの犠牲者が出ています。多くの自治体でハザードマップがつくられていますが、今、避難情報を得ても避難しない方がかなりの割合いることが課題となっています。 7月に放送されたNHKスペシャル「検証・西日本豪雨~何が生死を分けたのか~」では、甚大な被害を出したある地区では、避難対象者のうち1割しか避難所に避難しなかったという事例が紹介されていました。スタジオでの討論では、あなたの地域・自宅は被災するかもしれないという、こういう受け手にとってリアリティーのあるリスク情報を行政がもっと住民に知らせる、共有していくということが重要、住民サイドにみずから判断できる情報を、より精緻な情報を出していくことが必要と触れられていました。 中野区の現在の洪水ハザードマップは、一枚紙に区内全域が載っており、自分のところが浸水するかどうかがわかりにくいのではないかと感じます。また、浸水の深さは書かれているものの、それがどのような状態かは想像しづらいのではないでしょうか。住民の適切な避難を促すためにも、洪水が起きればどのような状態になるか想像できるように表現を工夫していく必要があるのではないでしょうか。 江東区では、ハザードマップに小学校や区役所などの写真を載せ、洪水が起きたとき、まちがどの程度まで浸水するのかをわかりやすく示す取り組みをしています。中野区でもハザードマップをこのように充実させてはいかがでしょうか。 続きまして、環境問題について伺います。 まず、地球温暖化対策について質問いたします。 先日の区民委員会に、第3次環境基本計画の改定初年度である2016年度の中野区のエネルギー消費量及びCO2排出量の推計値が報告されました。そこで出された数値は、区が基本計画で2020年度に達成しておくべきだとしていた目標値よりもさらにエネルギー消費量とCO2排出量の削減が進み、あと少しで計画最終年度の2025年度に達成しておくべきだとした目標に到達しようかというところまで削減が進んでいるというものでした。 計画を前倒して達成することは喜ばしいことと思ってしまいそうですが、私はそもそもこの目標値自体が低過ぎたのではないかとも思っています。2016年度のエネルギー消費量及びCO2排出量が環境基本計画で定めた5年後の目標値を既に達成していることについて、どのような認識をお持ちでしょうか、答弁を求めます。 現在、環境審議会で、2021年度から改定される環境基本計画に盛り込むべき中身の審議が行われています。具体的な目標値などの議論は計画の素案が出たときなどに改めて行いますが、私はCO2排出量の大幅削減の目標を設定するという姿勢は区が持っておくべきだと考えます。 環境NGOのCAN-Japanが9月2日に「気候危機を乗り越えるため、国連気候サミットで約束を 日本政府はパリ協定の1.5度目標に沿って、2030年目標を引き上げるべき」を報道発表し、日本政府の現在の2030年の排出目標が基本上昇を1.5度から2度に押さえるのに不十分であるため、排出量削減の大幅な目標引き上げが必要であると指摘をしています。今度改定をされる環境基本計画は、2030年度までを見据えたものになると思います。まさに、ここでの目標設定が将来世代に背負い切れないほどの大きな負担を押しつけるのかどうかということも問われると思います。 また、時代は、意欲的なCO2排出量目標を持つことは、そのよしあしが問われるという時代から一歩先に進みつつあります。その象徴的な動きが「RE100」プロジェクトというものです。これは使用電力の全てを再生可能エネルギーの電気で賄うことを公約した企業の連合体のことなのですが、ここに世界、日本で活躍する多くの大手企業が加入をしています。世界経済は今、再生可能エネルギー中心で動き始めており、再生可能エネルギーを使わない事業活動は世界の主流から外されてしまうという時代になりつつあります。 自治体への影響としては、再生可能エネルギーを供給できない自治体からは企業が逃げていくということも起こり得ます。横浜市では、市内に立地する企業が再生可能エネルギーの電気を使いたいと言っていることもあり、手を打っておかないと横浜市から企業がどんどん逃げ出す時代が来るのではないかという担当部局の危機感もあり、自治体間連携で再生可能エネルギー電力を調達する計画を進めています。このように、大幅なCO2排出削減とそのための具体的な計画を持つことは時代の要請でもあります。 環境基本計画の改定に当たっては、気温上昇を1.5度から2度に抑えるためにCO2排出量の削減目標を大幅に引き上げる必要があると考えますが、区の認識をお答えください。 今、さまざまな環境NGOが実現可能な目標としての大胆な削減目標の提示を示しています。例えば、環境NGO、気候ネットワークでは、CO2排出量を1990年比で2030年に40%から50%削減をするというものです。中野区の2016年度比で見れば、46%から55%にも相当するような削減に当たります。 これだけの削減をするには、確かに国による電源構成の見直しが早急に必要ではありまして、単純に中野区だけで減らすことには大きな困難もありますが、重要なのは、こうした国の取り組みを待たずして、中野区としてできることは何でもやらなければならない時代になってきているということです。その一つに、具体的な策としてぜひとも検討いただきたいのが、以前より求めてきました太陽光発電の導入促進事業、これは大変に重要です。なぜならば、太陽光発電の導入は、直接に家庭からのCO2排出を抑えるからです。東京都でも、太陽光発電を普及させるために、設置に要する初期費用が0円となる新たな制度が始まりました。中野区でも太陽光発電の導入を促進する事業が必要ではないでしょうか、改めて検討を求めます。 また、固定価格買い取り制度導入から10年がたち、買い取り価格がどんどんと安くなっていることから、ただ太陽光発電設備を導入することへの助成だけでは、そうした事業を実施したとしてもうまく回らない可能性もあります。 そこで、太陽光発電を導入する区民に対して蓄電池の導入を助成する事業を行ってはどうでしょうか。北海道胆振東部地震においても、太陽光発電設備と蓄電池をセットで導入していたことにより停電時にも電気が使えたなど、防災上も大きな利点があったと聞いています。今回の台風15号での千葉県での停電の長期化を見ても、必要性は明らかではないでしょうか。事業化に向けた早急な検討を求めます。 この項目の最後に、高齢者の熱中症対策について伺います。 先日、私の知り合いの70代の女性が熱中症で亡くなりました。エアコンは自宅にあったものの、認知症になっている中、スイッチをつけることができず、熱中症で亡くなり、3日後に発見をされました。東京消防庁のまとめでも、9月3日現在、23区全体で103人、中野区では4人が熱中症によって死亡しています。気象庁が昨年の猛暑について一つの災害と表現したように、多くの人的被害が発生をしています。 区も、環境基本計画の適応策の中でこの高齢者の熱中症対策については述べており、ホームページのトップ画面で熱中症の啓発ページの周知を行い、エアコンの使用や暑さをしのぐための区有施設の案内をしています。しかし、近年の猛暑は夜でも熱中症が発生する事態になっており、先ほど紹介した私の知り合いの方も、夜から明け方にかけて亡くなったと推定をされています。自宅で熱中症にならないための対策がどうしても必要と考えます。 現在、低所得者がエアコンの設置費用とするために受けられる制度は、社会福祉協議会の貸付制度しかありません。しかし、その条件は、ひとり世帯であるならば所得は19万1,000円以下、そして返済の見込みがあることとなっており、昨年度の実績は5件しかありません。区内の生活保護世帯でも3分の1に当たる2,000世帯以上がエアコンのない住宅に住んでおり、エアコンをつけたいけどお金がないという方は大変多くいると思います。 そこで荒川区では、昨年度、高齢者と障害者・子育て世帯を対象にしたエアコンの新規購入者への上限5万円の助成制度を創設しました。1,500万円の予算に対し234件、1,080万円の助成実績だったということです。区民からの求めもあったようで、今年度も、昨年度に申請できなかった人がいることを念頭に、フォローアップ事業を1,000万円の予算をつけて行っています。 区民の命を守るためにも、高齢者・障害者世帯へのエアコン購入費補助事業を実施する必要があるのではないでしょうか、お答えください。 続いて、住宅政策について伺います。 現在、区では、基本計画の実施に合わせた住宅マスタープランの改定をすべく、住宅政策審議会での審議が進められています。2019年1月に出された住宅マスタープランの延長をするために、新たに取り組むべき事項を示したという新たな住宅マスタープラン策定に向けた中間まとめが審議をされました。その中の居住の安定確保という項目では、2017年の住宅セーフティネット法の改正を受けた新制度に基づく住宅確保要配慮者支援の視点を持った政策が今後求められていると述べています。こことのかかわりで、区営住宅、福祉住宅等の適切な管理を実績として掲げています。このことは大事な視点だとは思いますが、その成果のはかり方には公営住宅は全く含まれていません。これでは、区営住宅や福祉住宅のなどの公営住宅に対して区がどのような役割を担っていると認識しているのか把握ができません。公営住宅には特に低所得者の居住確保に重要な役割を果たしていると考えますが、その役割について区はどのように認識をしているでしょうか。 現在、区営住宅、高齢者福祉住宅の応募倍率は、2014年度から18年度の5年間平均でそれぞれ6.8倍、6.3倍と高どまりしています。応募しても当たらない、誰かが死なない限り入れない、冗談まじりでそのように言われることもあります。 東京の高家賃は、文字どおり高齢者の生活を直撃しています。これまでの住宅ローンを払い終えた高齢者が持ち家で年金を受給しながら暮らすというモデルは既に崩れ去っており、今後、単身高齢者が賃貸で暮らし続けることを前提とした住宅政策へと転換していくことが求められています。その際、住まいは人権であるとの視点に立った政策展開が必要であり、その中心となり得るのが公営住宅の供給政策ではないでしょうか。 そうしたことから考えるに、少なくとも現在の区営住宅、高齢者福祉住宅は存続し、なおかつ戸数を拡充していく必要があるのではないでしょうか、区の見解を求めます。 続いて、鷺宮西住宅における居住者の権利を守るための取り組みについて伺います。 1959年から61年にかけて建設された東京都住宅供給公社の鷺宮西住宅は、現在、公社の再編整備計画において建てかえすべきものとの位置付けになっています。 昨年の第3回定例会において、公社住宅の家賃値下げを求める陳情が審議された際、公社から出された資料によると、江古田住宅、鷺宮西住宅の入居者のうち、60歳以上の割合は60%にも達しました。また、両団地自治会が行った居住者アンケートでは、回答した世帯の8割が年間収入200万円以下と回答しており、低所得の高齢者が多数入居している実態がうかがえます。 このような現状にありますが、公社は、2003年以降の入居者に対しては定期借家という形で賃貸をしています。定期借家とは、3年間で再契約をし、契約期限で退去をするという制度であり、従前からの居住者のように期限の定めなく入居できるようにはなっていません。公社は、この定期借家による入居者に対して、再編整備計画に伴い、2021年3月末には契約更新することなく退去を迫っています。 公社は、居住者に対し、西武新宿線連続立体交差事業や鷺ノ宮駅周辺まちづくりの関連からこのような措置をとっていると説明していると聞いています。しかし、先日の建設委員会でも報告されたように、鷺ノ宮駅周辺のまちづくりは、現在、区のまちづくり整備方針(素案)がようやく提示されたばかりで、基盤整備計画や連続立体交差化の都市計画は、まだ時期すら言及できていない段階です。このような段階で住民追い出しだけを進めることはやめるべきです。 団地内の定期借家の居住者からは、子どもが西中野小学校に入学できたが、退去しなければならない、高齢者だとアパート、マンションに入居できないと不安の声が寄せられています。高齢になれば住みかえがしにくいことは周知の事実です。さらに低所得となれば、一層の困難も予想されます。公社は住みかえの対策をしているとは言いますが、他区の同じような事例では、居住者に対し都営住宅の応募チラシを渡しただけで、とても対策の責任を果たしたとは言えません。 住まいの問題は基本的人権の問題です。この点で区は積極的な役割を果たすべきです。区は、東京都住宅供給公社に対して定期借家の期限を延ばすように求めるべきではないでしょうか、また、住みかえのあっせんをするよう求めるべきではないでしょうか、答弁を求めます。 続きまして、中野駅前再開発について伺います。 まず、中野駅新北口駅前エリアについてです。 先日の中野駅周辺整備・都市観光調査特別委員会で行われた中野駅新北口駅前エリア再整備の検討状況についての報告を見ますと、現在の区役所・サンプラザ地区再整備推進区民会議は再編事業計画(素案)の策定後の意見集約で終わりというスケジュールになっています。しかし、区民会議は、要綱にもあるように、この地区の事業化などについて意見交換を行う場となっています。そうであるならば、区民会議を少なくとも事業計画の策定までは続け、区民の意見交換をする場として残すべきではないでしょうか、答弁を求めます。 また、同じ日の同委員会では、中野駅西口改札橋上駅舎にかかわる支障移転工事の報告がなされています。支障移転工事は2021年3月までかかり、橋上駅舎の完成は、現在の見込みでは2027年まで待たなければなりません。その間に、中野駅周辺の再開発では、中野二丁目地区、三丁目地区の再開発までが完了する見込みとなっています。 第1回定例会でも我が会派の小杉議員が質問をしておりますが、中野駅の安全対策として、改札の抜本的な増加が緊急に求められています。現状では、北口に出たい人も、あまりの混雑に南口を回ってから北側に行くという人もいると聞いています。この状態が改善されないまま、今度は南側で再開発が完了すればどうなるでしょうか。さらに混雑状態が悪化することは目に見えています。 区は再開発終了後の駅利用者の増加見込みはJR東日本にも伝えているそうですが、駅構内のことはJR東日本のこととするのではなく、中野駅西口ができるまでの間、暫定的なものでも北口改札の抜本的な増加策をJR東日本と協議すべきではないでしょうか、答弁を求めます。 中野四丁目西地区について伺います。 現在この地区は再開発準備組合が立ち上がり、再開発後のまちの姿の検討が進められています。しかし、この事業の情報提供のあり方には大きな問題があると考えます。地権者の方からお話を伺いましたが、まず地権者に対しても十分な情報提供がなされていません。再開発後に自分たちが入ることになるというビルの大きさという基本情報すら最近ようやく資料提供を受けたような段階で、区域外の人たちには再開発にかかわる情報へのアクセスは大きく制限をされています。こうした状況は、区民の意見がしっかりと反映されたまちづくりをする上でも大きな阻害要因となるのではないでしょうか。 地権者及び周辺住民に対し、事業にかかわる進捗状況や中身について、区として再開発事業組合に対して十分な情報提供を行うよう求めるべきではないでしょうか、答弁を求めます。 続いて、学校図書館について伺います。 8月26日の子ども文教委員会において、「区立図書館等の検討経過及び今後の予定について」が報告されました。その中では、10か年計画(第3次)での図書館の位置付けと、それに基づく取り組みが述べられています。それは、第1に個人や地域のさまざまな学習活動への支援であり、第2に学校と連携した読書活動の推進であるとされています。この機能自体は重要なものですが、特に学校図書館の役割を子どもの読書活動の推進とのかかわりでしか記述していない現状について、私は学校図書館の役割を非常に狭く捉えてしまっているのではないかと感じます。 そもそも、現在の学校図書館はどのようにできたのでしょうか。それは、戦前の教育が教育勅語を中心にして、児童・生徒の個性を無視した画一的なものとして推し進められたことの反省の上に立ったものです。1946年に、文部省が戦後教育の方向性を示した新教育指針という文書を出します。その中では、戦前の教育について、個性を尊重せず、むしろ無視することによって画一的を生み出し、子どもの成長、発達を阻害したと指摘しています。そこから新時代の教育は、子どもを個性を有した存在として捉え、子どもの自発性を尊重し、子ども一人ひとりの成長、発達を支えるものだと捉えられました。 学校図書館は、そのような流れの中で、1953年の学校図書館法の成立によって生まれました。学校図書館法は、その第2条、学校図書館の定義の中で、学校の教育課程の展開に寄与するとともに、児童または生徒の健全な教養を育成することを目的として設けられる学校の設備として、二つの目的を掲げています。それは、子どもの学習を手助けし、子どもの興味関心を支え、学び方を学ぶための施設、すなわち子どもの学習権を支える施設だということが1点。もう1点の児童または生徒の健全な教養を育成するというのは、読書を通じて子どもを個性的かつ自立した人間に育てていく、読書という営みを通じて想像力を育て、思想形成と人格形成に役立てていくというものです。そのことは、現在の学習指導要領で、基礎的な知識、技能を習得し、それらを活用して、みずから考え、判断し、表現することにより、さまざまな問題に積極的に対応し、解決する力と解説している。生きる力を育てることにもつながっていくのではないでしょうか。また、このように生きる力を持った権利主体としての子どもを育て、民主主義の発展を保障していくものだと思います。 このように、学校図書館は単に子どもたちの読書環境を整えるというだけではない、子どもの発達に対する重要な役割があると考えますが、区の認識を伺います。 この学校図書館ですが、その業務においては、学校図書館指導員が大きな役割を果たしています。授業での子どもへの読み聞かせや適切な資料の紹介などの仕事は、機械には代替することができないものです。しかし、現状では週4日、1日4時間の勤務にとどまっています。これでは、午前中に勤務をすれば午後には指導員はいなくなってしまいますし、週1日は指導員がいない日が生まれてしまっています。指導員がいてその役割を果たすことが、学校図書館の質を高め、子どもたちの成長と発達に大きな貢献となると思います。学校図書館を子どもたちにとってよりよいところとするために、指導員の勤務時間を延長するなどして、専門性を持った職員配置の充実を検討されてはいかがでしょうか。 次に、地域開放型学校図書館について伺います。 10か年計画(第3次)で整備を推進することになる地域開放型学校図書館ですが、さきに述べた「区立図書館等の検討経過及び今後の予定について」の中でこの検討の経過が報告をされ、みなみの小学校、美鳩小学校に設置する予定の施設の中身が触れられています。 私は、2点から、地域開放型学校図書館には大きな問題があると考えています。 第1は、スペースに狭さに起因する蔵書数の少なさです。報告を見ますと、蔵書は約5,000冊となっていますが、これは現在、区内図書館で一番所蔵冊数が少ない本町図書館の10分の1以下という水準です。これでは、数ある本の中から好きなものを選ぶということもできないでしょう。しかも、この施設は学校施設の中に配置されるため、閉架書庫を設けて蔵書数をふやすということもできません。これでは、この施設はほとんどの場合、あらかじめ貸し出し予約をした本を受け取りに行く場にならざるを得ないのではないでしょうか。これでは、わざわざ図書館として設ける意義が非常に薄くなってしまうと感じます。 また、第2の問題として、セキュリティー上の懸念は拭いようのないものがあります。幾ら可動式間仕切りを設置するなどといっても、学校内に不特定の人々が出入りする環境が恒常的につくられることになります。 このように、地域開放型学校図書館は、スペース、セキュリティーの面から見て課題があるのに対し、施設は中途半端にならざるを得ないという宿命を抱えています。そうならば、学校図書館をより蔵書数の多い、子どもの育ちを支えるような施設としてもっと充実させる方向にかじを切ったほうがよいのではないかと思います。基本計画の改定に合わせて、地域開放型学校図書館のあり方について見直していく必要があるのではないでしょうか、答弁を求めます。 最後に、その他の項目として、西武新宿線沿線まちづくり整備方針(素案)の住民との意見交換会の周知についてお聞きします。 8月29日の建設委員会において、区の整備方針(素案)が示され、10月に住民との意見交換会が行われることが報告されました。この住民との意見交換会の周知についてですが、区は、区報などで行い、特に区報で全区民に周知するとしていますが、果たしてさまざまな記事がある区報の中から該当部分を見つけられるでしょうか。 鷺ノ宮駅周辺まちづくり検討会が昨年3月に実施した報告会では、まちづくりニュースを全戸配布して報告会を事前に周知し、延べ100人の参加でした。まちづくりは何よりも住民が主人公となる取り組みが必要です。より多くの区民が地域のまちづくりにかかわれるよう、まちづくり整備方針(素案)の意見交換会の案内を全戸配布で周知すべきではないでしょうか。また、意見交換会に参加できない区民の意見を取り入れるための仕組みづくりが必要ではないでしょうか、答弁を求めまして、私の全ての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 羽鳥議員の御質問にお答えいたします。 最初に、災害対策についての中で、動画教材の作成とホームページへの掲載についての御質問です。 防災資機材などの活用方法は、防災訓練や中野区防災ハンドブックを通じて広く区民に周知しているところでありますけれども、訓練に参加できない方が多く、なかなか周知されていないのが現状であると認識しております。今後、防災訓練に参加できない方などに向けて、防災資機材や仮設トイレの設置方法などについて、その場で組み立てができるようなわかりやすいマニュアルの作成を検討してまいります。あわせて、動画教材を作成して、地域防災会への配布、区ホームページへの掲載など、幅広い周知啓発を検討してまいります。 次に、防災資機材倉庫や避難所の施錠管理についてでございます。 防災資機材倉庫や避難所に活用可能な感震解錠式ボックスについての有効性は一定認識しております。しかしながら、誤作動による解錠や盗難、故障による解錠不能など、懸念事項もあることから、他自治体の導入実績や導入効果などについて調査するとともに、地域防災会などの意見も踏まえ研究してまいります。 軽可搬消火ポンプの整備方針についてでございます。 地域の初期消火体制を強化するため、平成28年度から5年計画でスタンドパイプセットを増強しているところであります。この増強に伴って、軽可搬消火ポンプを廃止することは考えてはおりませんが、軽可搬消火ポンプの更新は使用頻度が少ないことから耐用年数を10年から無期限に見直したため、修繕対応で運用を継続しております。今後、軽可搬消火ポンプは老朽化が予想されることから、地域の実情や地域の意見を踏まえた整備方針を検討してまいります。 次に、ハザードマップの充実についてでございます。 現在、中野区の洪水ハザードマップは、浸水予想区域を示す地図のほか、避難情報として、情報収集の方法や避難の仕方、避難情報の種類等を掲載しております。一方、地図のスケールが小さいことや、気象状況に応じた避難情報等を時系列で周知することも重要であると考えていることから、地図のスケールの拡大化や、避難情報の発令時期や発令内容が時系列で確認できるような情報を掲載するなど、ハザードマップの充実を検討してまいります。 次に、環境問題について、中野区環境基本計画における目標値の設定についての御質問です。 第3次環境基本計画におけるエネルギー消費量等の削減目標は、同時期に改定を進めていた東京都の状況も参考にしながら、区の環境審議会の議論を経て、中野区のエネルギー消費量とCO2排出量の削減目標を、2012年度に比べて2020年度までにマイナス5.3%、2030年度までにマイナス15.2%と設定したものであります。2020年度目標を2016年度に達成したことは、区民意識の向上や技術革新が想定以上に進んだことなどが考えられますが、さまざまな議論を経て設定した目標が低過ぎたという認識は持っておりません。 次に、CO2排出量削減目標の認識でございます。 中野区としても、脱炭素社会を目指し、適切なCO2排出量削減目標の設定が必要と考えております。ことし6月に新たに委嘱をした環境審議会には、次期環境基本計画の策定に向け、国や都の状況だけでなく、パリ協定など国際的な取り組みを踏まえた議論をお願いしているところでありまして、この検討を踏まえて適切な目標を定めてまいります。 太陽光発電及び蓄電池導入促進事業についての御質問です。 中野区のCO2排出量を削減するには、全体の排出量の5割以上を占める家庭部門での削減に取り組むことが最も効果的と考えております。太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入はCO2削減に効果があり、蓄電池をあわせて設置することで、電気代の削減だけでなく、災害時の非常用電源として役立つことも承知しております。太陽光発電設備等の導入を促進するためのインセンティブについては、東京都の事業の状況や区内家庭への導入実績等を踏まえ、どのような制度が効果的か、検討を進めているところでございます。 最後に、高齢者・障害者世帯へのエアコン購入費補助についての御質問です。 荒川区が実施したものと同等の助成制度を経常的に行うことは、区の財政負担も多額となることから、他の自治体の動向も踏まえ、十分な検討が必要と考えております。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私からは、図書館についての質問にお答えいたします。 まず、子どもの発達における学校図書館の役割についてでございますが、学校図書館は、読書活動の場として子どもの想像力を広げるなど豊かな心を育むこと、さらに調べ学習などの活動を支援する場として子どもがみずから考え、主体的に行動し、判断する生きる力、生き抜く力を育成することなど、子どもの発達や学習において重要な役割を果たしていると認識しております。 次に、学校図書館指導員の配置時間の延長についてでございますが、学校図書館については、学校長の学校経営方針や教育課程に基づいた子どもの学習活動や読書活動の充実に向け、その計画的、効果的な利活用を学校図書館指導員を活用しながらさまざまに工夫し運営しているところでございます。学校図書館の開館は指導員の配置時間にかかわらず行われており、引き続き、各校の状況に応じて学校が創意工夫して取り組んでいけるように働きかけてまいります。 次に、地域開放型学校図書館についての御質問にお答えいたします。 小学校の学校図書館に隣接して地域開放型学校図書館を整備することにより、あわせて身近な地域において家庭、地域、学校との連携による子どもたちの自主的な読書活動や乳幼児親子の読書活動が充実されるとともに、区立図書館のサービスポイントが身近な場所に設置されることで利便性の向上が図られると考えております。地域開放型学校図書館の運営に当たっては、入り口を別に設け、間仕切りを設置するとともに、人的な安全管理を行うなどのセキュリティー対策を講じてまいります。また、今後、運営していく中で改善すべきところがあれば改善を図ってまいります。 〔都市基盤部長奈良浩二登壇〕 ○都市基盤部長(奈良浩二) 私からは、住宅政策についての御質問にお答えをいたします。 まず初めに、公営住宅の役割についての御質問でございます。 区が管理をしている公営住宅としては、中野区営住宅条例に基づく区営住宅及び中野区立福祉住宅条例に基づく福祉住宅がございますが、これらは住宅セーフティネットの観点から、低所得者をはじめ、高齢者や障害者など、住宅に困窮している度合いの高い区民への住居の確保として運営をしているものでございます。 次に、区営住宅等の戸数についての御質問でございます。 いわゆる住宅セーフティネット法では、高齢者や障害者、低所得者等の住宅確保要配慮者の居住支援として、民間賃貸住宅の活用促進が示されているところでございます。このことから、区では、第3次中野区住宅マスタープランにおいて、区営住宅及び福祉住宅の戸数は一定数を維持していくことと定めた上で、民間事業者と連携をしながら住宅確保要配慮者の住宅確保を進めているところでございます。 次に、東京都住宅供給公社住宅の建てかえについての御質問でございます。 公社住宅の建てかえに当たっては、事業主体である東京都住宅供給公社が当該住宅の自治会や居住者と話し合いを進め、建てかえに係る住みかえ等の課題について対応を行っていると聞いてございます。鷺宮西住宅の建てかえに当たっても、同様に東京都住宅供給公社が適切に対応していくものと認識してございます。 〔中野駅周辺まちづくり担当部長豊川士朗登壇〕 ○中野駅周辺まちづくり担当部長(豊川士朗) 中野駅前の再開発についてお答えいたします。 まず、区役所・サンプラザ地区再整備推進区民会議についてでございます。 区役所・サンプラザ地区再整備推進区民会議は、一定の御意見を収集できたことから、次回、第13回をもって終了することとしておりまして、その最終回では、中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画(素案)について意見交換を行う予定としております。以降は、自治基本条例に基づく区民参加手続に従いまして、素案にかかわる一般区民向けの意見交換会を行い、区民会議での意見も参考にしながら案を作成いたしまして、パブリック・コメント手続を経て再整備事業計画を策定することとしております。 それから、中野駅の改札を暫定的にふやす方策の協議につきまして御質問いただきましたが、区では現在、鉄道事業者との協定に基づきまして、中野駅西側南北通路・橋上駅舎等事業を進めておりまして、鉄道事業者と協力をして、できるだけ早期の西口の開業を目指しております。鉄道事業者との協議の中では、中野駅の朝夕の混雑状況や今後の駅周辺の開発による乗降客の増加想定などを共有しておりまして、西口開業までの駅利用者の安全性や利便性の確保につきまして、引き続きJR東日本に対し十分に配慮するよう求めてまいります。 それから、中野四丁目新北口西エリアの再開発についてでございます。 中野四丁目新北口西エリアにおきましては、市街地再開発準備組合が設立されまして、再開発事業に対する権利者の合意形成が進められているところでございます。区もこの準備組合の会合にオブザーバーとして参加いたしまして、市街地再開発事業の実施に向けた助言を行うとともに、都市計画決定に向けた関係機関との協議を行っているところでございます。今後も、準備組合とともに、関係権利者や区民への情報提供など、適切な対応を図ってまいります。 〔まちづくり推進部長角秀行登壇〕 ○まちづくり推進部長(角秀行) 西武新宿線沿線まちづくり整備方針(素案)の意見交換会の周知についてお答えいたします。 意見交換会の開催は、全戸配布されます区報にて周知するとともに、整備方針の範囲内にある区のお知らせ掲示板でも御案内する予定です。また、区のホームページへの登載や関係町会にて開催案内を回覧していただくなど、さまざまな手段を用いて多くの方々が御参加いただけるよう努めております。 次に、住民意見を取り入れる仕組みについてでございます。 意見交換会終了後、当日御参加いただけなかった方々に向けて、より多くの皆様から広く御意見をお伺いするため、区のホームページへの資料の掲載や、窓口に資料を用意して内容を周知するとともに、区のホームページや窓口にて御意見を受け付ける予定です。 ○議長(高橋かずちか) 以上で羽鳥だいすけ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 竹 村 あきひろ 1 令和元年5月29日成立の改正放送法について (1)中野区の整備状況等について (2)中野区としての意見・要望提出について 2 その他
○議長(高橋かずちか) 次に、竹村あきひろ議員。 〔竹村あきひろ議員登壇〕 ○2番(竹村あきひろ) 令和元年第3回定例会に当たりまして、会派、育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会の立場から一般質問をいたします。 初めに、ことしの放送法改正に伴うNHKインターネット常時同時配信業務施行時における、いわゆる受信料に関する中野区の受信設備設置状況などについてお伺いいたします。 将来、インターネットでも受信料を払うことになる、テレビがなくても受信料を払うなどの話が出ております。昨今のNHK関係の動向を確認してみますと、受信契約に関しては、平成29年12月6日、最高裁での受信料制度合憲判決、本年3月13日、最高裁にて、ワンセグ機能つき携帯電話が受信契約対象機器として確定、本年5月15日、東京地裁では、ワンセグ機能つきカーナビゲーションシステムもその対象となる判決が下されました。また、本年5月29日には、NHK放送のインターネット常時同時配信を可能とする放送法の一部を改正する法律案(以下、改正放送法と言います)が参院本会議で賛成多数により成立。将来的には、インターネットに接続可能なパーソナルコンピュータはじめ、スマートフォン、タブレット型携帯機器などが受信契約の対象となり、それに伴う受信料の支払い義務が予想されています。 そこで改めて大きな注目を集めているのが受信料です。受信料は、放送法第64条に基づく契約により発生しますが、受信料の意味は、特殊な負担金であることが政府の公式見解となっています。通常、負担金とは、国または地方公共団体などが特定の事業を行う場合に、その事業の受益者などから事業にかかる経費を負担させる債務であるとされています。 受信料を特殊な負担金と解釈するのは、臨時放送関係法制調査会、昭和39年9月答申が根拠となっています。受信料は、「NHKの業務を行なうための費用の一種の国民的負担であって、法律により国がNHKにその徴収権を認めたものである。国がその一般的な支出に当てるために徴収する租税ではなく、国が徴収するいわゆる目的税でもない。国家機関ではない独特の法人として設けられたNHKに徴収権を認められたところの、その維持運営のための「受信料」という名の特殊な負担金と解すべきである。」とあり、以降、総務大臣、内閣法制局長官など、政府見解の答弁にて引用され、最近では、今月、9月5日に、NHK現会長の上田良一氏が会見で、受信料はNHKの事業を維持継続するための特殊な負担金で、放送の対価としていただいているわけではないと発言し、改めて負担金であることを明示しています。 受信料は、特殊な負担金であるほかに、放送サービスに対する対価としての性格を否定できない面があります。放送サービスに対する対価としての性格、それは高品質のサービスを受ける者とそうでない者との間に料金差が設定されている点。例えば、旧制度上ではカラー契約と白黒契約、現行制度上では衛星契約と地上契約といったぐあいに、その制度が様式や技術形態を変えながらも継続している点がそれらをあらわしています。一般に多く認識される受信料の意味とは、この放送サービスに対する対価と考えられ、それは多く聞かれる、見ていないから払いたくない、テレビがあるだけで支払うのは納得できないといった意見にあらわれており、現行の受信料制度が制度疲労の限界に達していると考えられます。 さて、NHKのインターネット活用業務の対象拡大を主にした改正放送法が成立し、それに伴い本年7月に総務省が公表した改正放送法関連資料などによりますと、インターネット常時同時配信実施に際し、さまざまな条件が記載されています。一部を紹介しますと、受信料公平負担の観点から、ネット配信の位置付けは任意業務であること、受信料はNHK事業の特殊な負担金という法的性格から逸脱しないこと、業務の実施に過大な費用を要するものでないことなど。 資料には、現在の受信契約者に追加の負担を求めない旨の記載は見受けられますが、受信料は特殊な負担金であるため、NHK放送事業の維持継続に必要な原資の負担を受益者、すなわち、視聴環境設定者とあらわす、ネット受信が可能である個人、法人に対し、その視聴の有無にかかわらず負担を求めてくることは容易に想定されます。 そこでお伺いいたします。今現在は受信料という名称のその特殊な負担金の対象機器が改正放送法などにより新たに設定された場合に、中野区が現在設置所有する負担金対象機器、すなわちネット受信可能なパーソナルコンピュータ、タブレット型携帯機器などの該当対象機種とその機器数及びNHKネット配信が受信可能である区庁舎内ネット環境の現状についてお聞かせください。 なお、中野区内の各種学校、各種施設、地域センターなどの中野区所管施設におけるNHK放送、ネット配信が視聴・受信可能な受信設備、機種及び機器数、またネット環境については、別の機会に伺うことといたします。 次に、改正放送法に対する中野区としての意見要望提出についてお伺いいたします。 本年5月29日に成立した改正放送法は、NHK放送番組をインターネット通信にて常時同時配信を可能、拡大とする法案であり、広く国民の関心事です。中野区においても関心が高い受信料の支払い対象拡大、それに伴う受信料負担の増加が大きく懸念されることとなっています。 総務省は、本年7月1日から同月末までの期間にパブリックコメントを実施しました。今月、9月6日に集計結果が公表され、意見提出総数は4万8,165件、うち放送事業者などの意見48件を除く4万8,117件が個人などの意見提出であり、主な意見は、インターネットに接続できる全ての者に対する受信料徴収に反対する、常時同時配信は受信契約者のみが利用できるようにしてほしい、NHKはインターネット活用業務を行うべきでないなど、特に受信料の負担拡大やNHK制度そのものに大きな関心と意見が寄せられたと判断できます。 中野区は、公法人という契約者としての立場と区民生活の向上に資するという地方公共団体の立場から、国及びNHKに対し、以下の点、要望を提出すべきと考えます。 一つ、インターネット常時同時配信を可能とした改正放送法は、区民及び中野区に新規または追加の受信料徴収という負担増加に強い懸念があること。 一つ、従来、放送法上におけるネット配信の位置付けは放送の補完とされていたが、改正放送法の要旨に協会のインターネット活用業務の対象を拡大するとともにと明記され、ネット業務拡大に変貌しており、ネット配信はNHKが目的とする放送が国民に最大限に普及されることを目的として実施されるものでなく、適正を欠くこと。 一つ、ネット受信可能な機器の所持だけで受信契約の締結を強制するということは、放送法の前提を欠いていること。 一つ、受信料公平負担の観点からネット常時同時配信の位置付けは任意業務であるが、区民、国民の個々が受ける受益の程度が明確でない現状で、受信料の対象をさらに拡大増加させることは、受信料の意味するNHK事業の特殊な負担金という法的性格から大きく逸脱し、公正公平を名目にネット端末所持者全員に対する徴収を正当化することにつながり、放送法はじめ、さまざまな観点から見て適正を欠くこと。 一つ、そもそもネット視聴は通信であり、放送でないものを放送法で規制することは不適切であること。 以上の要望事項提出につきまして中野区の見解をお伺いいたします。 以上、伺いまして、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 竹村議員の御質問のうち、2点目、放送法改正に関する要望書の提出についてお答えいたします。 放送法の改正については、国会において十分議論がなされていると認識しておりまして、国及びNHKに対する要望書を提出することは考えておりません。 〔企画部長高橋昭彦登壇〕 ○企画部長(高橋昭彦) 私からは、ネット受信可能なパソコンの設置状況等についてお答えをいたします。 現在、中野区本庁舎で使用している主なインターネット接続可能な機器でございますが、庁内情報ネットワーク用のパソコンが約2,400台、区議会情報システムのタブレット端末が約100台という状況となってございます。また、インターネット環境に関しましては、動画については受信ができないように制限した運用としてございます。 ○議長(高橋かずちか) 以上で竹村あきひろ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 若 林 しげお 1 区内産業発展における中野区の施策について 2 区内交通対策について 3 今後の区職員の体制について 4 その他
○議長(高橋かずちか) 次に、若林しげお議員。 〔若林しげお議員登壇〕 ○21番(若林しげお) 令和元年第3回定例会において、自由民主党議員団の立場から質問をさせていただきます。 質問は通告どおりで、1番、区内産業の発展における中野区の施策について、次に、順番を変え、3番、今後の区の職員体制について質問させていただき、次に2番の区内の交通対策について伺います。その他はございません。 初めに、区内産業の発展における中野区の施策について伺います。 安倍政権になり、6年が経過しました。内閣改造も行われ、令和という新しい時代に向けた内閣に期待しているところであります。アベノミクス6年間の成果として、若者の就職内定率が過去最高水準になり、正社員有効求人倍率も史上初の1倍超えとなりました。有効求人倍率1.63倍になり、約45年ぶりの高水準、史上初、全ての都道府県で1倍を超えました。働く場所がふえ、働く選択肢がふえていくことは大変喜ばしいことです。しかし、仕事が選べるということは、働く環境が整った仕事でないと労働者を集められないということにつながります。中野区は、区発注事業において、しっかりと労働賃金を加味した発注に努めなければならないと思います。そのことを踏まえた上で、質問をさせていただきます。 中野区の工事請負契約においては、国の調査に基づく労働単価、資材価格に係る東京都の積算単価標準等が公表されていて、それらをもとに客観的に積算することが可能であり、また、受注者に対して受注価格の積算内訳書を提出させることで区の積算と比較して確認する仕組みがあると聞いております。 東京都の積算単価標準等が公表されてから、中野区がそれに準ずると思いますが、少しタイムラグが生じているような気がいたします。日々労働環境が変わり、資機材も値段が変化をしています。労働者の賃金も考慮しないと労働者確保は難しい現実であります。また、資機材においても、例えば鉄筋や生コンは価格変動が激しいと聞いておりますが、それを敏感に察知し市場単価を反映させていかなければならないと考えます。中野区の積算方法の変更はどのように行われているのか、市場単価をどのように反映させているのか、お聞かせください。 区内事業者への発注が以前よりふえていることは高く評価しております。しかし、どの案件にも名前を連ね、入札し、1回目で辞退や不参加という業者が最近目につきます。積算資料の提出を義務化し、辞退、不参加の明確な理由付けを求めるべきと考えます。特に不参加には実行可能な何らかのペナルティーが必要と考えますが、区の見解をお聞かせください。 競争入札の予定価格が低いものは区内業者のみで入札が実施されていますが、一定額を超えると区外業者が指名されています。その区外業者は、本店及び支店登録もない業者が入札しています。いざというときには、災害時防災協定を結んでいる区内業者に力をかりることとなっています。中野区の産業発展のため、さきに述べたような本店及び支店登録もない区外業者の指名入札は検討すべきと考えます。また、実態のない区内業者へ入念な支店や営業所の調査継続をし、見極めるべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。 工事発注期間、内容についてお伺いします。 中野区の発注する工事において、施設の利用形態により工事期間が定められているものがあります。例えば、区立の小・中学校の夏休み工事です。子どもたちの安全や教育環境の確保のため、ほとんどの工事が休日、大きな工事においては夏休みと限定をされております。 近年、異常気象のため、異常なまでの気温の上昇やゲリラ豪雨など、予想できない天候の中、作業をしなければならないのが現状です。工事は、工期を設定する際、子どもたちの安全はもちろん、教育環境を妨げないという条件のもとで、例えば養生などを前もってできるような余裕を持てる工期を設定し、子ども教育施設が学校や施設課ともっと綿密に事前に相談できる場をつくるべきと考えます。区の見解をお聞かせください。 技術職職員体制について伺います。 公共工事の発注において、経験値の高い職員がいるといないとでは、仕事の内容に差が出ます。技術職不足を避けるために、若手職員が現場に出向き、問題を共有したり経験値を上げるべきと考えます。現場に足を運び、問題点を共有することで区職員のスキルアップを図るべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。 民間事業者の負担軽減についてお伺いします。 公共工事代金債権信託のコントラストの導入は、区内事業者が入札に参加しやすい条件の一つとして高く評価をいたしております。また、JVを組んだ親会社は事業実績がつきますが、下請はつかないため、5年間の実績では入札が難しいことから10年間の実績に引き上げたことも評価をいたします。 近年、大規模工事が多い中、JVを組むことが多くなっています。JV案件について、前払い金や中間前払い金が少なく、金融機関からの借り入れを利用する業者が多いと聞いています。近年23区内でも、各自治体が前払い金支払い限度額の改正を行っています。中野区は限度額が2億円のままです。限度額の拡大を検討していただきたいと思いますが、区の見解をお聞かせください。 次に、業務委託についてお伺いします。 我が会派からの強い要望により、指定管理施設における労働環境モニタリングが実現しました。昨年度は6施設4社をモニタリングし、改善点を含め、職員の働くよりよい環境づくりは区民サービスにつながる成果を上げたと思います。しかし、改善をされたとはいえ、賃金についての記述が気になるところです。指定管理業者であっても、人件費についてはしっかりとチェックすべきだと考えます。委託事業についても同じです。委託業務は、労働集約性の高い業務がほとんどです。人件費がコストの大半を占める傾向であると考えます。業者がコストダウンを図る際、人件費の操作が主になると考えます。 区の積算書を見ると、区が発注した委託事業においては、多くの契約落差が見られます。業者の価格競争によるものと考えられますが、その結果、区は次年度予算において、前年度受注額をベースに予算額を設定し、業者はさらに低い価格を応札し受注しようとしております。先ほど申し上げたとおり、コストを抑えるための人件費削減は負のスパイラルであり、価格競争によって大きな影響を及ぼしていると思います。 そこでお伺いします。労働環境モニタリングの成果を指定管理施設においてどのように生かせるのか、また、どのように人件費をしっかりと考慮し発注に生かしていくのか、お聞かせください。 区が発注する委託事業や指定管理事業も、できる限り区内事業者に発注することが理想と考えます。価格だけでなく、事業者の実績、社会性等を総合的に評価する事業者選定の仕組みが必要であると考えます。区民の目線は、区が発注する委託事業、指定管理は区直営と何ら変わらないものと思います。区が発注する業務は区の責任であり、業務を任せきりにすることなく、常に監理、監督の責任を果たしていかなければなりません。 指定管理を発注する際、プロポーザル方式を採用しております。発注案件によっては、区内事業者の育成、品質確保を図るため、入札幅を広げることにつながる一層の工夫を指定管理の選定に取り入れるべきではないでしょうか、区の見解をお聞かせください。 さまざま申し上げましたが、中野区内業者の育成のため、また中野区の産業発展のためにしっかりと取り組んでいただくことを要望し、この項の質問を終わります。 次に、今後の区の職員体制についてお伺いします。過去の危機的な財政状況において、持続可能な区政運営を行うため、積極的に民間等の力を活用し、人件費を年々減少させ、コスト削減を行いました。民間の活用により、図書館や保育園の利用時間の拡大など、区民サービスの向上は評価しているところです。しかし、2,000人体制の目標にとらわれ過ぎて、職員不採用の期間があったり、年度別採用職員数が均衡していないことや、民間に任せ過ぎて区職員の職務経験が不足し知識やスキルが減少したことなど、課題が残ります。今後も、区民のニーズに合わせ、民間活力を活用した委託事業や指定管理事業が進んでいくと思われます。今まで同様に民間委託すれば区職員が減っていくのでしょうか。 また、2,000人体制を維持していくことになると、区民サービス向上をさらに進めていくと物件費だけがふえていくことになります。近年、2,000人体制を確保するために、急に100人の新規採用をしたと聞いております。毎年、無理やり2,000人に合わせるためのばらばらな新規採用が目立っております。年度別採用職員数の平準化がさらに悪化していくと懸念をしております。 以上のことを踏まえ、今後の職員採用についてどのようにお考えなのか、お聞かせください。 2,000人体制の影響で、ベテラン職員が減り、知識やスキルの継続がされていないのか、業務に精通した技術職員がいないとよく耳に聞いております。特に、工事の発注、変更の相談業務や委託事業、指定管理、入札案件の業務の方々です。区は対策として、区を退職した職員、専門資格を持ったりノウハウを持ったOBから指導、継承を試みていると聞いておりますが、成果としてはいかがでしょうか。 会計やシステム、債務管理など、専門知識、ノウハウ等を認定するエキスパート職員の認定制度があり、現在19名の職員が認定をされています。エキスパート職員は、その道のエキスパートになったわけですから、人事を異動せず、担当部署内で他職員の指導に当たり、先頭に立って全体のスキルアップに貢献していると考えますが、その成果をお聞かせください。 新しく専門職、技術職を中途採用するという方法で対応されているケースが見られます。他職員の経験値が上がり、スキルアップできるいい機会だと考えます。しかし、同時に人件費がふえていくことになります。ならば、今いる職員が資格を取る、専門職の研修、講習を受けさせる、専門性を身につけさせて技術職、専門職を育て上げることにさらに力を入れるべきと考えます。例えば、学校教育関係者、介護関係者等への救命救急資格取得や、工事、建設案件関係者への建築士取得、土地家屋調査士取得、測量士取得などの区全体の財産として推し進めるべきと考えます。新規採用職員10年間のジョブローテーションで、自分に適したものを見つけ、本物のスペシャリストを目指すために資格取得につなげていくべきと考えます。 現在も技術職の資格を取ることに補助を出していると聞いておりますが、まだまださまざまな資格があると思います。率先して受けやすくするための仕組みづくり、研修費、資格取得費など、全面的にバックアップをし、職員のレベルアップのため環境づくりをすべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。 2,000人体制の今後の検討も含め、区民のニーズに合わせたよりよい区民サービスの提供のため、区職員全体のスキルアップを願い、この項の質問を終わります。 次に、区内の交通対策について伺います。 区内南北交通の利便性向上についてお伺いをいたします。 中野区の特徴として、区の東西方向には鉄道やバス等の公共交通が行き届いていますが、区内の南北交通については鉄道の地下鉄の一部のみで、路線バスについても西武新宿線の踏切問題や複数のバス会社の営業との関係で、中央線をラインに南と北を直接結ぶ路線がなく、中野駅で一旦乗りかえるなどの課題が多いことは、以前から同僚議員も質問をしてきたところであります。その課題解決となり得るのが新しくできる新中野区立総合体育館です。 中野体育館は、平和の森公園内に移転することが決まっており、現在、建築が進められております。現体育館も、中野区の南部からバスに乗ってきた方々は、中野駅南口から北口を越えて歩かなければなりません。新中野区立総合体育館が完成し、南部区民が利用する際には、さらに北に700メートル離れ、現在もかなり不便になることが予想されます。例えば、南部高齢者会館から中野駅南口のバスルートを延長してもらい、新体育館前に着き、中野駅に戻ってくるなど、既存のバスの路線の少しの延長で可能になると考えます。同一のバス会社であり、将来的には沼袋駅まで延長することも可能と思います。 バス会社の営業権や運賃の一律のための採算性など、難しい課題はあると思いますが、区として支援の検討も含め、さらにバス会社に対し協力要請を行うなど、区内南北交通の利便性について積極的に取り組むべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。 もう一つの解決策として、以前、高橋かずちか議員が質問しておりましたが、高齢者や障害者に優しい交通ネットワークに関しては、公共交通相互の乗り入れ便利なフィーダー交通などを交通結節点となるハブ駅で使用するということです。今後、西武新宿線の連続立体交差化による新たな駅前広場等の整備も進むと思います。中野駅、中野区役所、新体育館をダイレクトにつなぐ路線、つまりフィーダー交通の検討があると思います。南部の方の乗りかえはあるものの、中野駅でのバスの乗りかえについては、公共機関の円滑な乗りかえの仕組みに配慮したシームレスなフィーダー交通施策を取り入れるべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。 現在、中野駅周辺や西武新宿線沿線の各駅等で再開発やまちづくり事業の推進が進められております。これに比べて、区の南部地域においては、例えば丸ノ内線の各駅など、交通結節点が存在するにもかかわらず、都市計画マスタープランに示される交流拠点、生活拠点形成など、交通結節点の周辺のまちづくりは具体的に進んでいないように思います。特に、南部地域から公共交通を考えるとき、区役所や体育館の移動を考えると、今より不便になるのははっきりとしております。ユニバーサルデザイン、バリアフリーの観点から、シームレスな路線バス等の交通の乗りかえの仕組みは必須であり、できれば乗り継ぎなしで新区役所、新体育館まで行ける公共バスの路線があれば、区南部の地域にお住まいの方々の利便性が高まると感じております。こうした点を踏まえ、区の交通政策を考えていただきたいと思います。 次に、移動困難者の交通支援について伺います。 昨年度、区の交通政策担当が行った区民移動実態把握に関するアンケート調査によると、区内在住の多くの区民は、日常の公共交通について利便性を感じているものの、特に幹線道路の整備が十分でない木造住宅密集地域において、家の近くに路線バスのバス停がないことなど、特に高齢者にとって不便を感じているなどの課題があることがわかりました。南台地域にも木造住宅の密集地域があり、公共交通に頼らざるを得ない高齢者等にとっては、新体育館のみならず、新区役所へ向かうには現在よりも不便になると言えます。 こうした南台や大和町、若宮などの地区について、狭隘道路が入り組んでおり、大型の路線バス等の運行が難しく、高齢者や障害者などが外出しやすいような一定の支援が必要であると考えます。例えば、最近、車高が高く、大きな荷物や車椅子、ベビーカーも詰めるようなタクシーが街中によく見かけられます。こうしたタクシーを気軽に呼び寄せることができれば、高齢者や障害者にとっても小さなお子さんをお連れの方々にとっても大変便利であると思います。 例えば、最近、近所を走行しているタクシーを呼び寄せることができるスマートフォンのアプリがあります。このアプリの使用方法などを区内の方々に広めるとともに、アプリの関係タクシー会社には、中野区内に来れば活用されることが多いことを促し、区内をできる限り走行してもらうなどはいかがでしょうか。 公共交通政策を考えるに当たって、コミュニティバス等の運行を考えるハードな検討だけでなく、アプリの使用方法を普及させたり、例えば区の公共施設内にタクシー会社直通電話を設置するなど、利用者の利便性の向上に向けたソフトな支援や仕組みづくりも重要であると考えます。こうした支援を移動困難者の公共交通支援の一つの方策として検討してみてはいかがでしょうか。区の見解をお聞かせいただき、以上で私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 若林議員の御質問で、2番の区内交通対策についてお答えをいたします。 まず1点目に、南部高齢者会館から新体育館へのバス路線の延長についてでございます。 中野体育館の平和の森公園内への移転によって、南部地域からのバス利用者は中野駅で乗り継ぎが必要となることは、課題として十分認識しておるところでございます。既に南部地域からのバス路線の延長や増便についてバス事業者と話し合いをしているところでございまして、バス事業者においても検討いただいているところであります。 次に、中野駅におけるシームレスなバスの乗りかえについての御質問です。 中野駅における公共バス等の円滑な乗り入れの必要性については、ユニバーサルデザインやバリアフリーの観点から有効であると認識をしております。中野駅周辺地区の整備を進める中で、バス事業者を含む各関係機関と連携し、円滑な乗りかえ可能性について検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、身近なタクシーなどを呼び寄せる仕組み等の検討についての御指摘でございます。 高齢者等移動困難者の移動手段として、タクシーの利用は有効な手段であると考えております。移動困難者の外出支援として、公共交通施策を考えるに当たっては、タクシー会社とも連携して、先進自治体の取り組みも参考として研究を進めてまいります。 ―――――(発言取り消し)――――― 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私からは、学校施設工事の工期設定の御質問にお答えいたします。 学校施設工事を行う際には、庁舎関係部署と学校との間で工事の進め方や工期ついて十分に調整を行っているところでございます。しかしながら、工事開始後に天候不良や学校の都合等により当初の計画どおりに工事が進められないケースもあり、こうした場合には工事事業者の負担が増すことになっております。こうしたことから、今後は、無理のない工期設定についても考慮し、また工事開始後においても学校と工事事業者との調整の機会を設けるなど、より円滑に工事を進めることができるよう取り組んでまいります。 〔総務部長海老沢憲一登壇〕 ○総務部長(海老沢憲一) 私からは、区民産業発展における中野区の施策についてのうち、まず工事請負契約における予定価格の積算方法についてお答えいたします。 中野区の設計金額の積算については、東京都財務局の積算基準を準用し、これに基づき算出をしているところでございます。また、単価につきましては、東京都財務局の建築工事積算標準単価の起工時直近のものを採用するなど、実勢価格を反映したものとなっているところでございます。 次に、入札の辞退や不参加に対する対応についてでございます。 入札は本来、不特定多数の者の参加を求めるところでございますが、契約の着実な履行のため、入札参加者には必要な資格を定めて実施をしているところでございます。その上で、入札の辞退や不参加に対しましても何らか制限を加えることは、入札参加の自由な競争性の弊害も考えることから現在のところ考えてございませんが、今後も状況の把握に努めてまいりたいというふうに考えております。 続きまして、入札における区内事業者の取り扱いについてでございます。 一定の入札価格の範囲内での入札におきましては、区内事業者の参加機会の確保の観点から、地域要件を設定いたしまして、区内事業者を優先して指名しているところでございます。地域要件を付す契約の金額の設定につきましては、業種ごとに一定の競争性を確保できる数の事業者が区内にあるかなどの要件を勘案して設定をしておりまして、今後も適正な金額の設定に努めてまいりたいと考えております。区内に指定を持つ区外事業者、準区内業者というふうに申しますけども、の取り扱いにつきましては、基準を定めまして、登録手続の際には実態調査を行っているところでございますけれども、今後とも継続して調査を実施してまいりたいというふうに考えております。 続きまして、技術職員の育成についての御質問でございます。 若手職員が増加している中、若手技術職員の育成は急務であるというふうな認識を持っているところでございます。職員育成の一環といたしまして、技術研修会等への参加や新築工事の現場定例会への出席などに加えまして、工事の進捗に合わせた現場見学会の開催などを行っているところでございます。今後も、中堅職員が積極的に若手職員を現場に連れてまいりまして、技術の伝承を行う中で、現場での対応力や技術力を向上させて、若手技術職員の育成を図ってまいりたいというふうに考えております。 続きまして、工事契約における前払い金の支払い限度額の拡大についてでございます。 近年、小・中学校施設整備計画に基づきまして、学校の新築工事が集中して開始をされておりまして、今後も大規模新築工事が控えているところでございます。工事発注の大型化は、その多くの請負先である区内事業者の経営を圧迫するおそれがあるため、区では来年から前払い金の支払い限度額を4億円に、中間前払い金の支払い限度額を2億円に増額することを考えており、受注者の資金調達が困難になることによる受注機会の損失や契約不履行の回避、また労働者や下請事業者への支払い遅延の防止に努めてまいりたいというふうに考えております。 今後の区職員の体制についての御質問でございます。 まず、今後の職員採用についてでございますが、今後の区政運営や事業推進に当たりまして、民間活用が可能なところについては活用を図り、職員採用を抑制していくこれまでの考え方に変わりはございませんが、職員の年齢構成のアンバランスさを改善するということは必要であると考えておりまして、経験者採用の割合を高めて職員数の少ない世代を補填できるようにしていきたいというふうに考えているところでございます。 続きまして、退職した職員の採用についてでございますが、知識や経験の豊富なベテラン職員が定年退職した後も再任用職員や臨時職員としての採用を行いまして、知識やスキルの継承を行い、後任の指導等も行っているというところでございます。このほか、東京都や警察、消防等のOBを非常勤職員として採用するというところで、専門的な知識やノウハウの活用をしているというところでございます。 エキスパート職員の成果についての御質問がございました。 エキスパート職員として認定された職員は、情報システム、債権管理、福祉・生活支援、まちづくりなど、それぞれの類型ごとに各所属の職員や全庁の職員を対象とした研修の講師を担い、職員のスキルアップに貢献するほか、それぞれの職務において専門的な知識や経験、ノウハウ等を活用してチーム内の業務の遂行をリードしているといったところでございます。 エキスパート職員認定制度の課題といたしまして、制度の導入から9年目というところでございますが、申し込み要件を満たしておりまして、自主的にエキスパート職員として経験と能力を有しているにもかかわらずエキスパート職員としての認定を受けることに消極的な職員もいることから、認定に対するメリットをふやすなど、制度の見直しを検討すべき時期に来ているというふうに考えているところでございます。 最後に、職員の資格取得の促進についてでございます。 職員の職務に関する専門的な知識をさらに高めていくとともに、職員のスキルアップや職務に対するモチベーションの向上に資するため、職員が積極的に資格の取得等に取り組むように支援していくことが必要であるという認識を持っているところでございます。今年度から1級建築士試験の受験手数料等について助成制度を導入したところでございますが、その他の資格については、取得を促進すべき資格の種類や必要な支援の内容、費用対効果などについて、今後も検討していきたいというふうに考えているところでございます。 〔企画部長高橋昭彦登壇〕 ○企画部長(高橋昭彦) 区内産業発展における中野区の施策についてのうち、労働環境モニタリングの成果についての御質問にお答えいたします。 労働環境モニタリングの成果として、労働環境の評価改善が行われることにより、適正な労働環境が担保され、区民に良質な公共サービスが安定的に提供されることにつながるものと認識しているところでございます。加えて、中野区指定管理者制度ガイドラインにおいて、募集要項に区が労働環境モニタリングの実施を明示することを定めたことによりまして、今後は応募の段階からより適正な労働環境を前提とした業務計画が提案されることが期待できるものと捉えてございます。さらに、事業者の業務計画が適正な労働環境に基づいたものになることで、区として人件費を含めた収支計画がそれに見合った適正なものであるかをあわせて確認することができるようになるものと考えてございます。 続いて、指定管理者における区内事業者育成と品質管理についての御質問にお答えいたします。 指定管理者制度は、価格のみで判断する性格ではないことから、選定方法としては、原則として企画力、専門性、信頼性、価格等をもとに総合的に審査するプロポーザル方式を採用しているところでございます。議員御指摘の点につきましては、現在のプロポーザル方式において、案件によっては区内事業者の育成や品質向上などの視点も考慮し、例えば事業者の当該施設の設置目的に照らした地域や区政への貢献度を審査基準に加えることなどについて検討してみたい、そのように捉えてございます。 ○議長(高橋かずちか) 以上で若林しげお議員の質問は終わります。
中野区議会議員 間 ひとみ 1 子育て先進区における若者政策について (1)若者の定義について (2)若者議会について (3)その他 2 対話の区政について 3 公園整備について (1)区民の声でつくる公園について (2)樹木のあり方について (3)その他 4 ふるさと納税について 5 その他
○議長(高橋かずちか) 次に、間ひとみ議員。 〔間ひとみ議員登壇〕 ○5番(間ひとみ) 令和元年第3回定例会において、立憲民主党・無所属議員団の立場から一般質問をさせていただきます。 質問は、4のふるさと納税については、時間の関係で省略させていただきます。その他はありません。 質問に先立ちまして、応援してくださった区民の皆様のおかげでこの場に立てることに感謝を申し上げます。日本でも珍しい若者政策を支えてきた経験を生かし、中野区の子どもに夢を、若者に希望を、大人に愛を届けていく所存です。 最初に、子育て先進区における若者政策についての質問です。 若者の定義について伺います。 昨年、子育て世代を中心に多くの区民の共感を得て酒井区政が誕生し、子育て先進区を目指しているところですが、23区どこを見渡しても子育てに力を入れている中で、中野区が子育て先進区と名乗るからには、生まれてくる赤ちゃんが自立するまでの各ライフステージにおける魅力ある支援が求められると考えます。現状では、子ども、高齢者、就職、医療ケア等、支援を必要とする方々やマイノリティに手厚い支援を届けていこうという姿勢は見られますが、その一方で、特別な支援が必要でない元気な若者、特に義務教育が終わった高校生や大学生が社会人になるまでの間の施策は見落とされています。居場所という面から見ても、唯一あったU18の廃止など、中高生が安心して通える居場所も区として設けられていないのが現状です。 そこで伺います。中野区では、乳幼児が成長して就学後も魅力ある公教育を受けられ、高校生や大学生が時代の担い手として、高い自己肯定感を持ち、みずからの人生を自由に設計できる包括的な支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。こうした視点を踏まえた上で、子育て先進区における若者をどのように定義し支援すべきか、区長の見解をお聞かせください。 次に、若者議会について伺います。 2016年7月10日の参議院議員選挙から18歳選挙が実施され、中野区の最初の18歳投票率は74.19%、その後、7回の選挙が行われる中で、一時的なブームのような流れも落ちつき、昨年の区長選では35.81%でした。政治や社会に自分とのつながりを感じる機会を持たないまま、18歳になったからと急に投票に行くように促される理不尽さは、投票率の低さに直結しているのではないでしょうか。若者が学校以外の場所で地域や社会とのつながりを持て、まちの課題が自分事であると自然に認識できる仕組みづくりが必要です。 今、区内のさまざまなところから地域の担い手不足との声が上がっています。せっかく区内で大学が誘致され、およそ2万人の大学生、専門学校生がいるというのに、そのポテンシャルを生かし切れていないのが現状です。このままでは次世代にバトンを渡すことができず、長年続いてきた中野が誇れる地域の文化、伝統が消滅してしまう可能性も否めません。まちづくり、防災、保健福祉、教育など、さまざまな分野で若者の担い手をふやしていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。 中野区で若者と行政がかかわる機会といえばハイティーン会議ですが、その年ごとに興味のあるテーマについて調査し区長や区民に向けて発表するもので、ことしは校則と行列のできる理由の二つのテーマに定めて活動しています。中高生の自由な発想を大切にする姿勢や2003年から17年間も続けてきたその実績はすばらしく、何年も連続して参加する生徒も多いことからその満足度の高さがうかがえますが、区政や地域とのつながりを深めるものとは目的が異なります。 愛知県新城市では、若者が活躍できるまちを目指し、市政や地域とのつながりを深める若者議会という取り組みが行われています。おおむね16歳から29歳までを若者とし、市内に在住、在学、在勤の委員20名と市外委員5名によって構成されています。市職員と市民がメンターとしてサポートしながら、1年の任期の中で政策立案、市長への答申を行い、1,000万円を上限とする予算の提案権が認められ、若者の意見が実際に市政に反映される仕組みです。税金の使い道を自分たちが決めるその重みと責任を感じることで、自分たちのまちをつくるのは自分なんだと自分事の意識が芽生え、若者議会から20代の市議会議員が誕生したり、市の職員や地域協議会委員になるなど、主体的に地域課題の解決に取り組む若者を輩出しています。 若者議会の役割はたくさんあり、若者が地域社会へ参画するきっかけ、自己肯定感を高める、被選挙権のない25歳未満の若者たちの声を行政が聞く、シビックプライドを醸成する、若者に民主主義のあり方を体感してもらうなどがあります。こうした取り組みを民間ではなく行政が行うことに価値があります。23区の中でも、若者の声を聞こうと、新宿区のしんじゅく若者会議、墨田区の中学生区議会やすみだタウンミーティング、北区のモニター会議、練馬区の子ども議会など、会議体を中心に取り組みが広がっています。 今後の展開としては、若者議会の中野区への設置を検討し、若者の声にしっかりと耳を傾け、さらには地域における担い手をふやしていく施策を充実させ、23区の若者政策をリードすべきと考えますが、いかがでしょうか、見解を伺います。 また、今後、若者が地域社会に主体的にかかわる未来を築くためには、まず先進地の様子を肌で感じないことには始まりません。先進地の視察を検討するなど、情報収集の強化が必要と考えますが、いかがでしょうか。 子どもや若者の可能性を信じ、未来に投資する区政の姿を期待して、この項の質問を終えます。 次に、対話の区政について伺います。 まず、区政の見える化について伺います。 対話の区政を公約に掲げられた酒井区長が就任されてから、タウンミーティングが対話を意識したワークショップ型のものへと変わりました。区長と参加者がダイレクトに話せる場は魅力的で、区長みずから小さな声に耳を傾けようとされる姿勢を評価いたします。その姿勢が職員に浸透し、区民の意見を区政に生かそうと取り組みが進められています。一方で、聞いた意見が実際に区政に反映されているかが見えづらいのも事実です。 そこで伺います。具体的な事業や取り組みについて意見の反映状況を具体的に示すことはなかなか難しいとは思いますが、反映状況の見える化に向けて、まず区民の意見聴取から事業の立案、予算化、実施までのプロセスをわかりやすく区民の皆さんに示すことが必要と考えますが、いかがでしょうか。 また、広く区民に区政の御理解と御協力をいただくためには、事業や取り組みがどういったものであるかを知っていただくのがまず第一歩と考えます。よって、わかりやすく、さまざまな方法により告知していく工夫が必要と考えますが、区の見解を伺います。 次に、職員の対話スキルについて伺います。 対話において区民の真のニーズを聞き取り、早期の課題解決にひも付けることは、区民と多様なかかわりを持つ区職員に求められる重要なスキルです。窓口においても地域に出る場合においても、職員一人ひとりが区民との質のいい対話の中から小さな声も聞き、政策形成に結びつけることが求められます。 そこで、研修について伺います。区民の真のニーズを聞き取るための傾聴やコーチング研修、グループワークが円滑に進むためのファシリテーション研修などを誰を対象にどの程度の頻度で行い、スキルの改善点をどのようにはかり向上に生かしているのでしょうか、現状をお聞かせください。 静岡県牧之原市では、対話とファシリテーションを地域に定着させるために、自治基本条例の中で、自由な立場でまちづくりについて意見交換できる対話の場の設置と協働のまちづくりを進めるための人材の育成を規定し、着実に地域のファシリテーターをふやしています。行政と区民の関係性を高めるためにも、職員と区民が一緒に学ぶファシリテーションセミナーを開催されてはいかがでしょうか、伺います。 また、区は23区で数少ない同性パートナーシップ宣誓実施自治体ですが、当事者と接する職員のLGBTの理解が足りず、何げない言葉で胸を痛めてしまうことが少なくないと聞きました。係長クラスや新人研修も大切ですが、実際に区民と接する機会の多い職員に向けて研修を行い、可能な限り深い理解の上で接するべきと考えますが、いかがでしょうか。 対話のスキルの向上だけでなく、多様な区民を支援するために、その背景などへの知識、理解も深めていただくことをお願いして、次の質問に移ります。 基本構想について伺います。 9月1日現在で区内在住の外国人は1万9,677人で、ここ5年で倍増しています。区としてもごみ出しの外国語表記をするなど、多様な方が暮らしやすくなるよう努力をされています。区は、来年度の基本構想の策定に向けて審議会やワークショップを開くなどして広く区民の声を取り入れようとされていますが、外国人の方を対象とした意見聴取は行っておりません。確実に存在感を増している外国人の方の意見を聞く機会を設けられてはいかがでしょうか、区のお考えをお聞かせください。 次に、公園整備について伺います。 (1)区民の声でつくる公園についてです。 来年度中には公園再整備計画が策定されると聞いています。これまで、公園のルールを地域住民でつくりたい、プレーパークを設置してほしい、禁煙化をしてほしい、ベンチを置いてほしいなど、公園に関する多くの御意見をいただいています。公園再整備計画の策定に当たっては、より多くの区民の声を反映した区民のための計画としていくべきです。今後どのように区民の声を聞いていくのかお尋ねします。 昨日、補正予算も関係委員会で審議されたところです。建設委員会にて、公園遊具の安全確保に係る緊急対策事業として、法定点検の結果を受け、50公園68施設の遊具の撤去、更新を行う考えが示され、来年10月までに撤去された遊具のかわりに新しいものを配置する方針が報告されました。これまで遊具の更新を国費の活用が可能なものしか対応してこなかった現状が前進するのは喜ばしいことです。緊急対策はスピード感を持って対応していただきたいですが、ストレスの少ない方法での意見聴取を検討されてはいかがでしょうか。例えば、QRコードなどを使って手軽にスマートフォンから投票できるような方法を取り入れながら、丁寧に対応すべきと考えます。 東京都は、スペシャルニーズ、つまり障害を抱える子もそうでない子も一緒に使える遊具の設置を決めました。それをインクルーシブ遊具と言います。都立公園では初めて世田谷区の砧公園と府中市の府中の森公園に設置する方針を示し、来春までに完成予定です。インクルーシブ遊具には、車椅子でも遊べるよう手すりやスロープのついたものや、背もたれや固定器具のあるブランコなど、さまざまなタイプのものがあります。子どもたちが障害の有無により別々のものを使って遊ぶのでは意味がなく、一緒に使えることで、遊びを通して自然に他者とのさまざまな違いやよさを知ることができるのが普通の遊具との違いで、今後広がりが期待されるところです。 渋谷区でも、法定点検の結果を受けて、遊具の撤去、更新が行われますが、その際、インクルーシブな視点を取り入れたものをできる限り導入していくとしています。ことし5月に策定された中野区ユニバーサルデザイン推進計画の中でも「安全で快適に利用できる公園の整備」と明記されていることから、スペシャルニーズのお子さんをお持ちの御家庭からの御意見もいただき、区が今後設置する遊具の中にインクルーシブ遊具を取り入れていくべきと考えますが、区の見解を伺います。 プレーパークについて伺います。 多くの区民や同僚議員からプレーパークの設置の要望が何度もありますが、いまだ実施されていません。プレーパークというと拠点を決めて実施されるものですが、ドイツを中心に広がっているモバイルプレイという移動式プレーパークもあり、小さなトラックなどに遊び道具や材料を積んで移動し、場所の特性に合わせた展開をします。 日本では、宮城県の一般社団法人プレーワーカーズのプレーカーや、相模原市のNPO法人コドモ・ワカモノまちingの移動式子ども基地などがあります。都内では、六本木ヒルズや神田淡路町のワテラス広場などのふだん遊具のないところにも遊び場を創出しており、例えば遊具のない四季の森公園や区民活動センター等室内でも実施することができます。 我が会派の河合議員も、移動式のイベントではアウトリーチの効果、子育ての場づくりの可能性を示していました。これまでなかった新しい遊び場をつくり出す取り組みを中野区でも実施を検討されてはいかがでしょうか、お考えをお聞かせください。 私の住む本町四丁目にある本四公園は、遊具やトイレが一切なく、経年劣化した木製ベンチが二つあるだけで、ほぼ全ての木に注意書きが張られており、その数は21にもなります。防災倉庫置き場としての役割は果たしているものの、地域住民の憩いの場とはほど遠い状況です。 中野区には緑が少ないと感じるのは、公園面積の少なさだけが原因ではなく、行きたいと思えるレベルの近所の公園がほとんどなく、緑はあったとしても、その存在を感じる機会が少ないからではないでしょうか。 実質的に緑をふやすことも不可欠ですが、同時に区民が行きたくなる公園づくりを成功させ、公園に対する満足度を上げることで緑を身近に感じてもらう努力もしていくべきです。また、満足度を上げるために地域住民の声を聞くことは必須ですが、その声を形にしていく過程でNPOや企業の力をかりることは、実現のための大きな力になります。 23区内の公園面積ランキングで中野区と最下位争いをしている豊島区では、企業と協働で小規模公園の活性化に向けたプロジェクトを行っており、そこから、全て地元産にこだわった朝市(マルシェ)のイベントやアートトイレが誕生し、地域に愛される公園づくりが進んでいます。このように、中野区においても民間の力を利用して区民の声を取り入れ、今後の魅力的な公園づくりに取り組むべきと考えますが、区の見解を伺います。 (2)樹木のあり方について伺います。 本年1月に策定された中野区みどりの基本計画において、「中野区のみどりの課題」の項目の中で「協働によるみどりの保全と創出」が掲げられています。中野区のような都市環境の中で限られた緑を守り育てるためには、区と区民、事業者の共通した緑に対する理解と協働の姿勢が重要です。しかしながら、区の事業における樹木の伐採について、区民の声を聞けていないという意見が多数あることも事実です。今も哲学堂公園野球場整備においては、十分な理解が得られないまま、多くの樹木が伐採されています。 そこで伺います。これまで区民と樹木のあり方について話し合う場はあったのでしょうか。今後行う区の事業において樹木の伐採等に影響する場合、より丁寧な区民説明に努め、区民の納得の上で事業を進めるべきと考えますが、区の見解を伺います。 また、今後策定する公園再整備計画は、酒井区政として公園がどう整備されていくかを示すものになりますが、樹木のあり方も含めた計画としてはいかがでしょうか、区長にお尋ねします。 緑を守り、生物の多様性、命の循環を感じられる自然環境を都市部に住む子どもたちに残していけることを願いまして、私の一般質問を終わりとします。御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 間議員の御質問にお答えします。 1点目、子育て先進区における若者政策についてでございます。 まず、若者の定義と包括的な支援についての御質問にお答えします。 若者については、おおむね高校生ぐらいから30歳代までの社会的に自立していく一時期を指すものと考えております。区では、中高生の意見表明の場であるハイティーン会議、実行委員会形式の成人のつどい、中高生の発表などの活動を支援する中高生活動発信応援事業などを現在行っております。 ハイティーン会議では、身近なテーマを取り上げ、ワークショップや取材等を行い、サポーターである大学生等の協力を得て意見を深めています。区としても、高校生、大学生等、さまざまな分野の担い手として参加してもらうことは必要だと考えており、どのような方策が効果的であるかは今後検討してまいります。 次に、さまざまな分野で担い手として若者をふやしていくことについての御質問です。 地域の担い手不足については、区としても重要な課題として認識しております。地域の担い手をふやすためには、若者に中野のまちをまず知ってもらうことや地域の課題について関心を持ってもらうことが担い手の育成においての第一歩であると考えております。 23区をリードする若者政策や情報収集の強化についての御質問です。 若者議会については、地域の課題や行政の課題に興味を持ってもらう一つの取り組みであると認識しております。地方からの転入流動性の高い中野区の特性を踏まえた上で、若者の力をどう地域に生かしていくことができるか、効果的な方策について今後検討してまいります。 次に、対話の区政についての項、意見聴取から事業実施までのプロセスの明示についての御質問です。 区は、中野区自治基本条例や中野区の新たな区政運営方針に基づいて、区政への区民参加を推進し、区政情報の積極的な提供に努めているところでございます。一方で、行政である区において事業や取り組みがどのようなプロセスを経て実施しているかについては、一般にはあまり知られていないものと認識をしております。区政運営のPDCAサイクルを含めて、事業や取り組みの実施プロセスについて、区の広報媒体をはじめ、さまざまな機会を通じて工夫して周知、説明していくことに努めたいと考えております。 次に、事業や取り組みの効果的な周知についての御質問です。 区政を知っていただくことは区民の区政参加の第一歩であり、事業や取り組みについては、現在も区報やホームページをはじめ、さまざまな手段や機会を通じて周知を行っているところであります。事業やサービス内容はさまざまであり、仕組みなどが複雑なものもあることから、広く区民にわかりやすく情報発信するための工夫をする一方、事業やサービスの対象の特性などに応じて広報媒体を選択するなど、きめ細かい情報発信にも一層努めてまいります。 次に、職員の対話スキルを向上させる研修についての御意見でございます。 職員が区民との対応の中からニーズを抽出して、課題の解決や政策の立案につなげていくことが重要であると考えております。ファシリテーション研修を今年度からそのために実施をすることにいたしました。この研修では、住民の参加する会議の場を想定して、その中でファシリテーターの役割を担うことができるように、傾聴力や合意形成力など必要な能力の習得を目指してまいります。職員の能力の改善点については、それぞれの上司が日常の業務を通じて把握し、OJTや面談による指導、勤務評定等を通じて能力の向上を図ってまいります。今後は、主任や係長、管理職等の職層研修で職員のファシリテーション能力を高める研修を実施していきたいと考えております。 また、職員と区民がともに学ぶセミナーの実施についての質問についてでございますが、これからの区の職員は区民等の多様な主体と協働し、それらをコーディネートしていく必要があると考えております。そのためには職員のファシリテーション力を磨くことが重要と認識しており、区民とともに学ぶセミナーなどの開催についても検討してまいります。 次に、職員向けLGBT研修についてのお尋ねです。 全職員がマイノリティとされる方々に対する正しい人権感覚を持つことが必要であると考えておりまして、新規採用時や係長昇任時等で性的マイノリティを含めた人権研修を実施しております。職員一人ひとりが正しい人権感覚を身につけるよう、OJTなどを通じて徹底してまいります。 基本構想策定における外国人住民からの意見聴取の方策についてのお尋ねです。 区民ワークショップの実施に当たっては、外国人住民にも通知を送付しており、意見を聞く機会は設けておりました。多文化共生の観点からも、外国人住民の意見を聞くことは大切であると考えておりまして、今後その方法についてさらに検討してまいります。 次に、公園整備について、公園再整備計画に対する区民の声の聞き方についての御質問です。 公園再整備計画の立案に当たりましては、区民のニーズを踏まえた上で区としての考え方を取りまとめ、区民との意見交換を行っていく考えでございます。さらに、パブリックコメント等の手続によって意見を聞いて計画を策定してまいります。 次に、インクルーシブ遊具についてでございます。 トイレや園路等の施設について、ユニバーサルデザインに配慮した改修等をこれまで行ってまいりました。インクルーシブ遊具を設置するには、大規模なスペースが必要とは聞いております。区内の公園は小規模な公園が多いということでございますが、今後の遊具の設置の際、スペースが確保できるところについてはインクルーシブ遊具の設置も検討してまいります。 次に、新しい遊び場をつくり出す取り組みについてということでございます。 移動式の事業の取り組みは、遊び道具などが広場にあらわれてまち全体を子どもの遊び場にすることができて、柔軟な対応が可能となる取り組みであると考えております。区内でどのような展開ができるか検討してまいります。 次に、魅力的な公園づくりについてでございます。 魅力ある公園づくりや維持管理費用の低減のためには、民間との連携が必要であると考えております。今後どのように民間の力を利用していけるのか、連携のあり方について検討してまいります。 次に、工事に伴う樹木の取り扱いについての御質問です。 工事の支障となる樹木については可能な限り移植を行うなど、事業計画立案の際に樹木の伐採等が最小限となるようこれまでも配慮してまいりました。樹木の伐採等が必要な場合は、意見交換会などを通じて区民等に十分な説明をして理解を得るよう努めてまいります。 公園再整備計画と樹木のあり方についてでございます。 公園再整備計画では、施設や機能配置のあり方などを取りまとめていく考えでございます。樹木を含めた中野区の緑に対する考え方については、本年1月に策定しました中野区みどりの基本計画の中で、都市のみどりは必要不可欠な生活環境基盤であり、みどり豊かなまちの実現を目指すとしており、その実現のための基本方針も示しております。当該計画に沿って事業の進捗が行われるよう取り組んでまいります。 ○議長(高橋かずちか) 以上で間ひとみ議員の質問は終わります。 お諮りいたします。 議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。 本日はこれをもって延会いたします。 午後5時14分延会
会議録署名員 議 長 高橋 かずちか 副議長 平山 英明 議 員 日野 たかし 議 員 酒井 たくや |