令和元年09月19日中野区議会決算特別委員会の会議録 1.令和元年(2019年)9月19日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。 1.出席委員(42名) 1番 市 川 しんたろう 2番 竹 村 あきひろ 3番 日 野 たかし 4番 渡 辺 たけし 5番 間 ひとみ 6番 河 合 り な 7番 斉 藤 ゆ り 8番 立 石 り お 9番 羽 鳥 だいすけ 10番 高 橋 かずちか 11番 加 藤 たくま 12番 吉 田 康一郎 13番 木 村 広 一 14番 甲 田 ゆり子 15番 内 野 大三郎 16番 杉 山 司 17番 ひやま 隆 18番 小宮山 たかし 19番 い さ 哲 郎 20番 小 杉 一 男 21番 若 林 しげお 22番 内 川 和 久 23番 いでい 良 輔 24番 小 林 ぜんいち 25番 白 井 ひでふみ 26番 いながき じゅん子 27番 山 本 たかし 28番 中 村 延 子 29番 石 坂 わたる 30番 近 藤 さえ子 31番 浦 野 さとみ 32番 大 内 しんご 33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき 35番 平 山 英 明 36番 南 かつひこ 37番 久 保 り か 38番 森 たかゆき 39番 酒 井 たくや 40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行 1.欠席議員 な し 1.出席説明員 中野区長 酒井 直人 副区長 白土 純 副区長 横山 克人 教育長 入野 貴美子 企画部長 高橋 昭彦 企画課長 杉本 兼太郎 基本構想担当課長永見 英光 財政課長 森 克久 広聴・広報課長、業務改善課長 高村 和哉 総務部長 海老沢 憲一 危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝瀬 裕之 総務課長 石濱 良行 法務担当課長 尾関 信行 職員課長 中谷 博 危機管理課長 田中 謙一 防災担当課長 山田 健二 区民部長 青山 敬一郎 区民生活課長 古屋 勉 税務課長 矢島 久美子 保険医療課長 渡邊 健治 産業観光課長 堀越 恵美子 文化・国際交流課長 藤永 益次 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 戸辺 眞 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小田 史子 子ども・教育政策課長 永田 純一 保育園・幼稚園課長 濵口 求 保育施設利用調整担当課長 竹内 賢三 幼児施設整備課長板垣 淑子 教育委員会事務局指導室長 宮崎 宏明 学校教育課長 石崎 公一 子ども教育施設課長 塚本 剛史 子育て支援課長、子ども家庭支援センター所長 神谷 万美 児童相談所設置調整担当課長 半田 浩之 育成活動推進課長伊藤 正秀 地域支えあい推進部長 野村 建樹 地域包括ケア推進担当部長 藤井 多希子 地域活動推進課長伊藤 政子 トータルケア調整担当課長、北部すこやか福祉センター所長 小山 真実 アウトリーチ調整担当課長、南部すこやか福祉センター所長 石濱 照子 地域保健福祉調整担当課長、中部すこやか福祉センター所長 志賀 聡 システム活用調整担当課長、鷺宮すこやか福祉センター所長 鳥井 文哉 地域包括ケア推進課長 高橋 英昭 中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 高橋 均 北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 滝浪 亜未 南部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 村田 佳生 鷺宮すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 大場 大輔 健康福祉部長 朝井 めぐみ 保健所長 向山 晴子 福祉推進課長 長﨑 武史 スポーツ振興課長古本 正士 生活援護課長 林 健 生活保護担当課長只野 孝子 保健企画課長 鈴木 宣広 保健予防課長 水口 都季 生活衛生課長 菅野 多身子 環境部長 岩浅 英樹 環境課長 波多江 貴代美 都市基盤部長 奈良 浩二 都市計画課長、交通政策課長 安田 道孝 公園緑地課長 細野 修一 建築課長 小山内 秀樹 まちづくり推進部長 角 秀行 中野駅周辺まちづくり担当部長 豊川 士朗 まちづくり計画課長 千田 真史 中野駅周辺まちづくり課長 松前 友香子 中野駅新北口駅前エリア担当課長 石井 大輔 会計室長 浅川 靖 選挙管理委員会事務局長 松原 弘宜 1.本会の書記は下記のとおりである。 事務局長 吉村 恒治 事務局次長 小堺 充 議事調査担当係長 鳥居 誠 書 記 立川 衛 書 記 若見 元彦 書 記 井田 裕之 書 記 野村 理志 書 記 鎌形 聡美 書 記 遠藤 良太 書 記 松丸 晃大 書 記 高橋 万里 書 記 山口 大輔 書 記 有明 健人 書 記 五十嵐 一生 午後10時00分開議 ○山本委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。 初めに、委員会の運営について御相談したいことがありますので、委員会を一旦休憩し、理事会を開きたいと思います。 委員会を休憩します。 午前10時01分休憩
午前10時08分開議 ○山本委員長 委員会を再開します。 ただいま開かれました理事会の報告をします。 初めに、9月17日の委員会資料について区議会事務局長より訂正の申し出があり、当該資料のデータを差しかえることを了承しました。 次に、平成30年度主要施策の成果について理事者より訂正の申し出があり、正誤表を配付することを確認しました。データはアップロードしておりますので、御確認ください。 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○山本委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○山本委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。 次に、要求資料についてですが、前回の委員会で要求した資料、305件全て提出され、データが閲覧できるようになっております。資料作成に当たられた職員の皆様、ありがとうございました。
令和元年(2019年)9月19日 決算特別委員会
総 括 質 疑 一 覧
○山本委員長 次に、本日は総括質疑の1日目となります。1番目に内川和久委員、2番目に中村延子委員、3番目に白井ひでふみ委員、4番目にいさ哲郎委員の順に4名の質疑を行います。 総括質疑一覧のデータをアップロードしておりますので、参考にごらんください。 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べていただくようにお願いいたします。 それでは質疑に入ります。[1]内川和久委員、質疑をどうぞ 。 ○内川委員 おはようございます。きょうから長い総括質疑が続きます。よろしくお願いいたします。 質問の前ですけれども、台風15号における千葉県での被害がいまだ続いています。停電をされている地域もまだあるということで、一日も早く復旧が整って、ふだんの生活に戻れるよう願いたいと思います。 質問は通告どおりです。6番のその他はございません。よろしくお願いいたします。 それでは、1番の新しい基本構想・基本計画と「新しい中野をつくる10か年計画(第3次)」についてお伺いをいたします。 基本構想の改定の検討においては、学識経験者や公募区民等による基本構想審議会のほか、区長を本部長とする基本構想等策定本部会議や職員プロジェクトチームを設置し、区民と職員のワークショップなども実施をしています。それらの関係性はどうなっているのか。また、意見交換はきちんとできているのか、まずはお伺いいたします。 ○永見基本構想担当課長 基本構想審議会につきましては、基本構想の改定に当たっての基本的な考え方及び盛り込むべき事項について、総合的、専門的見地から意見を求めるために、条例に基づき設置をしたものでございます。また、基本構想等策定本部会議につきましては、基本構想及び基本計画の策定に向けて、庁内における必要な検討及び調整等を行うために、区長を本部長として設置をしたものでございます。職員プロジェクトチームにつきましては、基本構想の改定に当たり、幅広く職員の意見を集約するとともに、検討を通じて将来の中野を担う職員を育成することを目的にして設置をいたしました。区民と職員のワークショップは、より幅広い区民の意見を聞くために、無作為抽出した区民を対象として実施をいたしました。職員プロジェクトチームと区民と職員のワークショップの提案や意見につきましては、基本構想審議会のほうに報告をさせていただきまして、各部会において審議をしていただきました。基本構想等策定本部会議におきましては、庁内での検討及び調整等を行っているということでございます。 ○内川委員 それぞれの会議体といいますか、あるんですけれども、区長を本部長とする本部会議ですか。それが上位にあって、それぞれつながっているのか。それとも全てが横につながっていて、意見交換が全ての段階で行われているのか。そこら辺をちょっともう一回お聞かせください。 ○永見基本構想担当課長 基本構想・基本計画に関する庁内の総合調整、また検討、今後の進行の管理であったりとか、そういった部分については基本構想等策定本部会議で行っているということでございます。 ○内川委員 その中でも、やはり区長を本部長とする本部会議ですか、の議論が大事かなと思っています。なかなかその中身が伝わってこないんですけれども、具体的にその議論の中身、それをちょっとお聞かせいただきたいんですけれども。 ○永見基本構想担当課長 基本構想等策定本部会議におきましては、策定のスケジュール、策定の方針、それから、昨年度お示しをしました中野区の新たな区政運営方針、また、基本構想審議会や職員プロジェクトチームの設置、区民と職員のワークショップの実施など、そういった基本構想・基本計画に関することについて進捗状況の共有、また庁内での検討及び調整を行っている。そういう会議体でございます。 ○内川委員 10月には審議会の答申が出てくると。最終的に来年、素案として上がってくるんですけれども、最終的な基本構想・基本計画をコントロールするのはこの本部会議という理解でよろしいですか。 ○永見基本構想担当課長 区役所の中におきまして総合調整を行うということで、基本構想等策定本部会議が中心となって進めていくということでございます。 ○内川委員 主要施策の成果によりますと、政策室の平成30年度成果の概要として、基本構想・基本計画の策定の進め方を検討とありますけれども、どのような成果が上がったのでしょうか、まずお聞きいたします。 ○永見基本構想担当課長 平成30年度につきましては、基本構想及び基本計画の策定に関しまして、策定の必要性、また、それぞれの性格、体系、基本的な考え方、検討の進め方、スケジュールなどの方針について決定をしたほか、基本構想審議会や庁内の検討会議の設置、区民ワークショップの実施等に向けた整理を行ったものでございます。 ○内川委員 今の内容ですと、成果というにはちょっといかがなものかなと思います。検討がイコール成果なのか。そこをもう一度お答えいただけますか。 ○永見基本構想担当課長 ちょっと繰り返しになる部分はありますが、今後の基本構想及び基本計画の策定の進め方について庁内で決定をしたということでございますとか、さまざまな会議体の設置などについて、どのように設置をしていくかと。そういったところに検討のみではなく、設置に向けた手続等を実施したということでございます。 ○内川委員 基本構想の策定の方針においては、少子高齢化の進展や大規模災害の発生、東京オリンピック・パラリンピックの開催決定などを例に上げて、社会状況の変化について述べていますけれども、これらは現行の基本構想においても既に課題として上がっているんですね。当時に比べて、この現基本構想が策定されたときと比べて、今現在の社会状況はどう変わって、区民のニーズや価値観はどう変わったと考えますかお答えください。 ○永見基本構想担当課長 現行の基本構想策定後の社会状況の変化といたしましては、将来的な人口推計の変化、また外国人住民の増加、性に関する多様な価値観、こういったものの広がり、それからICTの進展、そういったものにとどまらないソサエティ5.0社会への対応などが挙げられるというふうに考えております。こうした社会状況の変化に伴いまして、区民のライフスタイルや価値観の多様化がさらに進んでおりまして、地域社会に対して求められるものも変化をしてきているものと考えてございます。 ○内川委員 今おっしゃったそういった変化が今回、基本構想・基本計画を改定する要因だよと。そういうことだと思いますけれども、その策定の方針においては、区民ニーズを捉えた新しい事業の立ち上げとともに、既存事業については廃止も含めた見直しを検討とあります。区民ニーズに合った事業、もしくは区民ニーズに合わない事業とはどういったものかお答えいただけますか。 ○永見基本構想担当課長 さまざまな状況の変化に臨機応変に対応し、区民サービスを停滞させることなく区政を運営していくことが大切だというふうに考えております。区民意識調査や事業の満足度、地域特性、そういったものを踏まえまして、不断の見直し、改善を行い、区民ニーズに合った効果的、効率的な事業の実施に努めていきたいというふうに考えてございます。 ○内川委員 今回のこの基本構想・基本計画の考え方では、あちらこちらに区民ニーズ、区民ニーズというフレーズが多いんですね。あまりそこに捉われると、本来やらなければいけないことが見えてこなくなってしまうのかなと、そういった危惧をしますけども、そこら辺はいかがですか。 ○永見基本構想担当課長 区民の求めていらっしゃることというのは非常に重要なものだというふうにまずは捉えております。また、その一方で、さまざまな社会状況の変化、全国的な変化など、そういったところもございますので、もろもろの変化、ニーズ等を総合的に捉えながら政策を検討していきたいというふうに考えてございます。 ○内川委員 それから、基本構想等策定までの間に再検討を進める主な施策というのがあります。一つが、地域の子育て支援拠点の充実を挙げています。その中で、2019年度に統合新校の開設に伴う児童館施設等の配置計画案の作成とありますけれども、その進捗状況についてお聞かせください。 ○伊藤育成活動推進課長 統合新校に係る児童館施設等も含めた地域の子ども施設のあり方については、新たな児童館の果たす役割や機能などについて検討を行っているところでございます。この定例会において関係委員会に報告する予定でございます。 ○内川委員 それと、施設配置については、地域に必要な子ども・子育て支援機能を再整備するとともに、児童館、キッズ・プラザ、学童クラブ、子育て広場等の担う役割を明確にした上で、地域バランスを考慮するとありますけれども、あわせてその検討状況をお答えください。 ○伊藤育成活動推進課長 繰り返しの答弁になりますけれども、現在、新たな児童館の果たす役割や機能などについて検討を行っているところでございまして、今定例会で関係委員会に報告する予定でございます。 ○内川委員 基本構想等策定までの間に再検討を進めるということでありますので、今定例会でお示ししますということなんですが、ちょっと遅いのかな。そのように感じます。それから、策定方針においては、教育・保育施設等の誘導、確保に関する考え方の再検討を挙げています。待機児童ゼロを確実に実現するとありますけれども、今後の施設誘導、確保の計画についてお聞きいたします。 ○板垣幼児施設整備課長 教育・保育施設等の確保計画につきましては、中野区子ども・子育て支援事業計画で策定をしております。今後の確保策につきましては、現在、中野区子ども・子育て支援事業計画の改定を検討しているところでございまして、今定例会で素案について報告をする予定でございます。 ○内川委員 待機児童ゼロは、どの区もそうですけれども、喫緊の課題として捉えています。来年4月に向けて待機児童ゼロ、これを必ずやるんだという意気込みを聞かせてもらいたいと思います。 ○板垣幼児施設整備課長 現段階で来年4月に新規開設7園が決まっているところでございます。待機児ゼロを目指して、引き続き鋭意努力していきたいというふうに考えております。よろしくお願いいたします。 ○内川委員 その計画が全て完了すれば、ほぼほぼというか全て保育のニーズを満たすことができる。それとあと10月からいよいよ無償化も始まりますけれども、保育ニーズが高まるのではないかというような声も聞こえています。そこら辺も考慮して、もう来年は大丈夫だと。そういうことでよろしいですね。 ○板垣幼児施設整備課長 無償化の影響につきましては今後改めて、これから始まるということもありますので、そこは検討しなくてはいけないところというふうに捉えておりますけれども、来年4月の待機児については何とかゼロを目指して頑張っているところでございます。 ○内川委員 ありがとうございます。次に進みます。 基本計画についてお聞きをいたします。新しい基本計画は、2020年度から2024年度の5年間の計画にするとのことですけれども、現在の10か年計画との連続性はどうなっていくのかお答えください。 ○永見基本構想担当課長 新しい基本計画が策定をされた時点で、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)は終了いたしまして、新しい計画に基づき区政を運営していくことになるものでございます。一方で、行政の継続性の観点から、現行の基本計画で定めた施策についても適切な効果検証等を経ながら、一定程度引き続き実施をしていくものと考えてございます。 ○内川委員 現計画の検証をするということですけども、それは後にお聞きしたいと思います。 それと、現在の10か年計画には八つの戦略があるんですけれども、大体区の主な施策をまとめたものがこの八つの戦略と私は理解しているんですけれども、そこら辺は、文言は変わるとしても継続をしていくつもりなのかお聞きいたします。 ○永見基本構想担当課長 現行の基本計画に定めました八つの戦略につきましては、再整理をする考えでございます。 ○内川委員 その再整理の方向性というのかな、どれも見ますと外せない戦略になっているなと思うんですけれども、整理というと、どこかとどこかをまとめるとか、そういうことですか。ふやすんではなくて、まとめちゃうということですか。 ○永見基本構想担当課長 今、八つに分類されている戦略につきましては、ある程度親和性の高いカテゴリーであったりとか、そういったところを含めまして、別の形の整理の仕方というものを検討していきたいというふうに考えてございます。 ○内川委員 8月27日の総務委員会で報告された資料によりますと、令和7年度以降、新規事業に充当できる一般財源は急速に減少してしまうとのことです。令和11年には57億円、最大114億円充当できるものが57億円まで落ちるとしています。今後の厳しい財政状況を考えると、少ない予算と限られた職員で最大限の効果を上げていくしかないと考えますけれども、区の取り組みについてお聞きいたします。 ○森財政課長 今後の歳入の見通しといたしまして、消費税増税に伴っての法人住民税の一部国税化の拡大、また、それによっての特別区交付金がさらに影響を受けていくという見通しでございます。今後の歳入の状況については不安定な要素が含まれることから、全ての事業について充当可能な国や都の補助金の活用を図り、その他の歳入についてもあらゆる手法を検証して、的確に歳入確保に努めていくことがまず大事だろうなと考えているところでございます。 また、国の制度変更や景気動向を注視いたしまして、将来を見据えた適切な基金と起債の活用、事業の見直し改善による歳出抑制等、中長期的視点に立った施策の優先順位付けや実施時期の設定など、緊張感を持って安定した持続可能な行財政運営を行っていく必要があると。そのように努めていきたいと考えているところでございます。 ○内川委員 それと、令和7年度以降は経常経費が急激に伸びていくんですね。その理由についてお聞かせください。 ○森財政課長 令和7年度以降、特に高齢者人口の伸びが著しいだろうということで見込みまして、それを踏まえて扶助費の伸びに反映させたということで、経常経費が増加しているものでございます。 ○内川委員 主に扶助費が急激に伸びていく2025年度以降の超高齢化社会ということだと思います。事業の見直し改善による経常経費の削減がこれから絶対的に必要になってくるなと思っています。区の見解をお聞きします。また、厳しい財政状況が今後の基本計画に与える影響についても、あわせてお答えいただきたいと思います。 ○森財政課長 事業の見直し改善の考え方についてまずお答えをいたします。歳出の抑制に向けまして、これまでにも増して事業の見直し改善を図る必要があると考えております。現在、行政評価制度の見直しにも取り組んでいるところでございまして、事業効果を細かく分析評価して、事業のスクラップ・アンド・ビルドにしっかりつなげていきたいというふうに考えているところでございます。 ○永見基本構想担当課長 新しい基本計画の策定に当たりましては、長期的に厳しさを増すことが予想される財政状況を踏まえて、行財政運営の方針等について検討を進めていく必要があると、そのように考えてございます。 ○内川委員 現計画を厳しく見直して、やらなければいけない新規事業はやらなきゃいけないんですけれども、本当にこの財政状況を見ると、新規事業をどれだけできていくのかな、ちょっと不安になります。基本計画の下には各個別計画があります。法律や条例によって期間が決まっている計画がありますけれども、その見直しはどうなるのかお答えいただきたいと思います。 ○永見基本構想担当課長 法律等に基づいて期間が定められております個別計画につきましては、次回の改定時期に新しい基本計画を踏まえて改定するものというふうに考えてございます。 ○内川委員 基本構想・基本計画ができた上で、そういったぶら下がっている各個別計画についても順次見直しをしていくということであります。それから、現行の10か年計画の達成状況を見ると、計画策定後、変更や、主に未着手の施策がありますけれども、今後どのように続けていくのか、どのように取り組んでいくのかお答えをいただきたいと思います。 ○永見基本構想担当課長 10か年計画の策定時から変更または未着手となった施策につきましては、施策によって変更や未着手となった理由はさまざまでございますが、新しい基本計画の策定の過程で現状と課題、また当該事業の必要性等について改めて検証した上で、今後の取り組みについて整理をして、具体的に示していきたいと、そのように考えてございます。 ○内川委員 きょうの朝一でアップしていただいた資料なんですけれども、総務の100ですよね。新しい中野をつくる10か年計画における実現のステップの達成状況という資料がありますけれども、変更ですとか未着手の事業は意外と多いと思います。中には、魅力ある景観の形成ですとか、これも未着手。それと、保育所における休日保育事業の拡充、これも未着手ですね。こういったものは確実に取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 それと、より実現性の高い基本計画を策定するために、現計画の進捗状況の検証が必要と考えます。検証の現状はどうなっているのかお伺いいたします。 ○永見基本構想担当課長 現在、新しい基本計画の策定を進めるための基礎とするため、現行の10か計画に記載をした施策等の実施状況、今後の実施予定、現行計画策定時からの状況の変化などについて取りまとめ、検証をしているところでございます。 ○内川委員 来月には審議会の答申が出てくるんですが、それに間に合うようにその作業が今進められているんでしょうか。 ○永見基本構想担当課長 こちらは基本計画の進捗状況の確認ということでございますので、基本構想審議会のスケジュールとは別に進めているところでございます。 ○内川委員 それと、策定の方針においては、施策の効果や実現可能性について十分に検証するとありますけれども、どのような指標に基づいて検証するのかお答えください。 ○永見基本構想担当課長 新しい基本計画につきましては、現状の課題の分析や将来の予測、区民の意識、他自治体の事例などのエビデンスを精査して、施策の効果や実現可能性について十分に検証した上で策定していくということで考えてございます。また、計画の策定後も、より実現性のある計画とするため、事業評価をしやすい指標を設定し、PDCAサイクルによる進行管理と検証を行っていく考えでございます。 ○内川委員 これから策定する基本構想・基本計画なんですけれども、区民に共感と親しみのある基本構想を目指すということなんですけれども、そうであれば、区民の意識調査やさまざまなアンケートによって上がってきた多くの意見を、その中でも多くの意見をただ書いていけばいいだけなんですけれども、そうではなくて区長の思いをどれだけこの基本構想に入れ込むことができるのか、そういったことが私は大事かなとは思っています。 最後に、区長にお聞きしたいんですけれども、基本構想は、区民が目指すべきまちの姿を描いた共通目的、共通目標であり、区政運営の最も基本的な指針であると私は思っています。基本構想審議会では、多様性、協働、あとスタートアップですか、三つのキーワードが示されましたけれども、区長が考える理念に基づいて、そういった審議会ですとかワークショップの議論が進められるべきと私は考えています。新たな基本構想における区長の考える基本理念についてお聞きしたいと思います。 ○酒井区長 中野区には、企業や団体といった垣根を越えて公共のために活動されているたくさんの人々がいらっしゃいます。中野区の最大の財産はこうした人であると考えておりまして、多様な区民が力を合わせて中野のまちのために思う存分活躍をし、ともに地域を築いている姿を10年後の中野区の姿として思い描いております。そうしたまちの姿を実現するために必要な要素として、基本構想審議会では多様性、協働、スタートアップという三つのキーワードをお示しして、御審議をいただいているところでございます。新しい基本構想においては、このキーワードに沿った形で基本理念としてまとめていきたいと考えております。 ○内川委員 すみません。もう一回ちょっとお聞きしたいんですけれども、今掲げた三つのキーワードはあくまでもキーワードだけであって、やはり基本理念というものをきちんと示していかないと、審議会にしてもワークショップにしても何を議論していいのか、ちょっと方向性がつかないと思うんですね。今、区長がいろいろ言われましたけれども、一言で言うと、区長の基本理念て何なんですか。中野をどういうまちにしたいんですか。 ○酒井区長 最初の冒頭で申し上げたとおりに、中野区の最大の財産は人でございます。こういう人たちの力を最大限合わせて中野区の姿をつくっていく。これが私のまちづくりの理念でございます。 ○内川委員 その中には当然議会も入ってくるのかなと、そのように私は理解をいたします。 それでは、2番目の地域包括ケアシステムについてお聞きしたいと思います。 今後迎える超高齢化社会においては、体が弱って支援が必要となったときに、施設ではなく自宅を選択することは必然的にふえると推測されます。介護や住まい、自立生活のための生活支援、必要とされる医療、看護、リハビリ、保健福祉サービスなど、多岐にわたる支援が必要です。地域包括ケアシステムの構築は、幅広い施策に関連する区全体の取り組みであると私は考えています。中野区においては平成29年3月より地域包括ケア推進プランを策定し、現時点ではステップ2、ステップ2は基盤、機運の充実を背景とした地域包括ケアの全世代、全区民への発展充実とありますけれども、まずステップ1の実績についてお答えください。 ○高橋地域包括ケア推進課長 推進プランにおきましては、平成28年度から30年度までをステップ1としまして、区内関係団体とともに主に高齢者を対象とした取り組みを進めてきたところでございます。区の取り組みといたしましては、介護予防・日常生活支援総合事業の展開をはじめ、アウトリーチチームや地域包括ケア推進会議の設置、関係機関同士の情報共有システムの整備による在宅医療・介護連携の仕組みづくり、認知症に関する正しい知識の普及等を行い、基盤となる仕組みを充実させてきたところでございます。 関係機関との連携につきましても、地域団体等による見守り活動の推進や、学校や区内事業所の協力を得て、認知症サポーター養成講座の受講者が約1万8,000人になるなど、着実に進展したものと考えております。 ○内川委員 冒頭にも言いましたけれども、区全体の取り組みであって、これからずっと長く続いていく。それが地域包括ケアシステムだと思っております。その中で、地域包括ケアシステムにおいて中野区健康福祉総合推進計画や中野区スポーツ健康づくり推進計画、また、中野区子ども・子育て支援事業計画等、関連する計画がかなりあると思うんですけれども、それに関しましてどのぐらいそういったぶら下がる計画があるのか、まずお答えいただけますか。 ○高橋地域包括ケア推進課長 関連の計画でございますけれども、推進プランにおきましては健康福祉総合推進計画、介護保険計画、障害福祉計画、住宅マスタープラン、子ども・子育て支援事業計画、スポーツ・健康づくり推進計画を掲げているところでございます。 ○内川委員 そういった各計画、これから基本計画策定において見直しがされて、それが地域包括ケアシステムのほうにかなり影響してくるということだと思いますけれども、そういった各計画との整合性を今後どう地域包括ケアシステムとしてやっていくのか。それについてお答えください。 ○高橋地域包括ケア推進課長 区といたしましては、地域包括ケアシステムの構築及び推進は全庁横断的な課題と考えておりまして、そのような意味では区の定める全ての計画が関連し、その考え方が取り入れられるべきものでございます。また、区のみならず社会福祉協議会の中野区民地域福祉活動計画等、関連団体の作成する計画とも関連しております。今後もこのような考えに基づき、庁内会議や地域包括ケア推進会議において関連部署、関連団体と調整し、整合性を図りながら地域包括ケアシステムの推進に取り組んでまいりたいと考えております。 ○内川委員 今出た地域包括ケア推進会議のことについては、この後触れていきたいと思います。喫緊の課題である高齢者の対策を含め、基盤を固めて、この機運の盛り上がりを背景に、第2ステップで子育て世帯や障害のある方など、全ての人に対してのプランを策定するとあります。現時点におけるステップ2の進捗状況についてお答えください。 ○高橋地域包括ケア推進課長 推進プランにおきましては、当初3年の目標としまして、平成30年度末における到達目標を定めており、現在、区関連部署及び関連団体の実績及び進捗状況を確認し、評価、検証をしているところでございます。この実績等の評価、検証等を踏まえて、子育て世帯、障害者など、全ての区民を対象としました(仮称)総合計画の策定に向けて、現在、庁内会議では基本理念や推進方針の策定、枠組みや柱の検討を重ねているところでございます。 ○内川委員 ステップ2では、基盤、機運の充実を背景とした地域包括ケアの全世代、全区民への発展充実とうたってありますので、なかなか大変な作業だと思いますけれども、よろしくお願いしたいと思います。 それから、地域ケア会議におけるすこやか地域ケア会議等、地域包括ケア推進会議の関連と、それらの会議の内容についてお聞きしたいと思います。また、目標の実現に向けた具体的な取り組みについてもお聞きをいたします。 ○高橋地域包括ケア推進課長 地域ケア会議は、地域包括ケア推進プランに掲げる目標の実現に向けて、区、区民、関係機関・団体が集い、顔の見える関係をつくる中で連携し、地域の課題について話し合い、解決に向けた行動につなげていくための推進組織であり、中野区では日常生活圏域のすこやか地域ケア会議と、区全域を対象とする地域包括ケア推進会議の二層構造としております。すこやか地域会議につきましては、困難事例の解決策の検討、ネットワークの構築、地域課題の発見及び整理、地域資源の開発など、地域力の向上に向けた取り組みを行っております。地域包括ケア推進会議におきましては、推進プランの進行管理、関係団体の役割の確認、事業化、施策化による課題解決策の普遍化など、地域包括ケア推進に向け、区全体の課題を捉えた取り組みを行っているところでございます。 ○内川委員 すこやか地域ケア会議はエリアが限られたというか、そのエリアについての問題点をやっていると。地域包括ケア推進会議は中野区全体をエリアとしているということですね。すこやか地域ケア会議では、今困難な事例とありますけれども、困難な事例の具体的解決策の検討に取り組むとのことですけれども、実績についてお答えいただきたいと思います。 ○滝浪北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 すこやか地域ケア会議は、すこやか福祉センターの圏域ごとに10月からの1年間を1期として、4回程度実施しております。主な役割としては、支援が困難な事例の具体的解決策の検討や、地域における見守りや医療、福祉、介護などの専門機関とのネットワークの構築、地域の課題発見などです。 ○内川委員 ありがとうございました。すこやか地域ケア会議、それと地域包括ケア推進会議、この二つが進められているわけですけれども、中野区としての役割、それは一体何なんでしょうか。それについてお答えいただけますか。 ○滝浪北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 区の果たすべき役割としては、さまざまな支援困難事例の検討を通して、医療、介護、地域団体間のネットワークの強化を推進し、不足する地域資源の開発などの取り組みを通して、地域におけるケアマネジメント力や実践力の向上の取り組みを進めたいと考えております。 ○内川委員 ありがとうございました。次に、拠点となるすこやか福祉センターは、地域包括ケア実現のために必要な役割を担っています。その機能を高めるとありますけれども、現状はどのようになっているんでしょうか。2020年にはすこやか福祉センター配置のあり方を検討するとありますけれども、現在ある4センターの圏域格差をどう考えているんでしょうか。ワンストップの総合相談窓口としては、区を4分割したエリアでは多少広過ぎるのかなと思いますけれども、区の見解についてお答えください。 ○伊藤地域活動推進課長 まず、すこやか福祉センターの機能拡充について御答弁いたします。主な取り組みといたしましては、まず1点目として、平成31年3月にアウトリーチ支援ハンドブックを作成いたしました。業務の定義、内容を具体化するとともに、標準的な達成水準等を明確にしたことによりまして、経験年数にかかわらず一定のレベルで業務を遂行するためのわかりやすい手引書となっておりまして、全体の標準化が図られるようになっております。 また2点目として、今年度から基幹型の地域包括支援センター機能を庁内に位置付けまして、地域包括支援センターの機能強化の取り組みに着手したところでございます。 また3点目といたしまして、今年度からはすこやか福祉センターにおけるより迅速な意思決定、アウトリーチ機能の強化などを目指しまして、従来の地域支援分野と地域ケア分野を統合し、あわせて管理職体制の見直しを行ったところでございます。 このほか、要支援者台帳システムにおきまして、30年度末から住民基本情報、障害者情報等の関連情報のデータ連携を月1回から毎日または週1回というふうに変更いたしまして、すこやか福祉センター、区民活動センターと事業所で、より的確なデータ活用が可能となっております。 続きまして、4圏域の格差についての考え方でございます。まず4圏域ごとに面積や人口、また区民活動センター等の施設数ですとか町会・自治会数など、さまざまな違いがございます。平成20年に区内4圏域ごとにすこやか福祉センターを配置する方針を定めてから10年が経過し、当時の予想とは違い、人口が増加したことに伴い、特に中部圏域の人口増が著しく、格差が拡大する状況があるというふうに認識してございます。 この4分割したエリアの広さに関しての見解でございます。四つの圏域の面積でございますが、大きい順に中部が約4.5平方キロメートル、北部が4.3平方キロメートル、鷺宮は3.8平方キロメートル、南部が3平方キロメートル、約でございますが、このような状況でございます。4圏域ともすこやか福祉センターから最も遠い地域にお住まいの方が徒歩で来庁される場合を想定しますと、どこからも2キロ前後の距離があるということを承知しております。一方で、すこやか福祉センターにおきましては、職員が施設で待つだけではなく、積極的に区民の方の住居や居場所、活動場所等に出向くアウトリーチを推進しておりますので、圏域のあり方につきましては現在、総合的に検討を進めております。本定例会中に御報告をする予定でございます。 ○内川委員 今定例会中で基本的な考え方が示されるということで、気にしておきたいと思います。今、アウトリーチチームについての話が出ましたので、お聞きいたします。地区担当アウトリーチチームについては、地域団体の活動に参加し、みずからの役割を伝え、相談しやすい関係性を構築しますとのことです。その中で気になる情報から要支援者を発見し、地域包括支援センターなどの支援につなぐとありますけれども、どれだけ効果が上がっているのかお答えください。 ○村田南部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 アウトリーチチームの活動の効果についての御質問です。アウトリーチチームが各地区のネットワーク会議や多様な主体、団体による行事や活動に参加し、個別の健康相談やチラシ配布などのPRを行い、関係性を構築したことにより、アウトリーチチームへの個別相談件数は、平成29年度実績の147件から30年度の399件に増加しております。399人の方の個別相談後の状況としましては、89名を地域包括支援センターへの御案内、32名を医療機関へ御紹介などのほか、社会福祉協議会、あるいは区のサービス申請など必要な支援につなげております。また、アウトリーチチームによる継続的な見守りとしている件数は106件ありました。こうした今まで支援が必要であったにもかかわらず、支援につなげられなかった方々を把握できたことがアウトリーチ推進の効果であると考えております。 ○内川委員 地域団体の活動に参加するとかあるんですけれども、私も町会の役員をやっていて、全ての町会の行事等に出ているんですが、お会いしたことはないんですね。地域団体の活動というのはどういったところに出ていらっしゃるんでしょうね。 ○村田南部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 地域団体の活動とは、各地区のネットワークの会議、例えば民生児童委員協議会ですとか町会長会議、区民活動センター運営委員会事務局会議などの会議体、それから各地区の多様な主体、団体による行事や活動です。例えば友愛クラブや高齢者会館事業、地域の主要なお祭りや各団体主催のサロンや食事会、カフェ等でございます。 ○内川委員 主要施策の成果においては、アウトリーチチームが対応して適切な支援につなげた割合というのが、29年度から比べると30年度は低くなっているんですね。当初の30年度の目標値は、これは数値であらわすのもどうかなと思うんですけども、85%になっているんですけれども、その数値に近づけるための今後の取り組みについてお聞かせください。 ○村田南部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 適切な支援につなげた割合が低くなった理由でございますが、アウトリーチチームが把握した要支援者数としまして、先ほど申し上げましたとおり29年度の147人から30年度は399人に大幅に増加し、支援につなぐことができた人数も、29年度111人から30年度285人に増加しております。しかしながら一方で、複合的な理由や制度のはざまで支援につなぐまでに長期間の寄り添いが必要な複雑なケースが増加したことで、割合としては低下となっております。今後の取り組みについてでございますが、本年度からアウトリーチチームの要員として保健師1名を増員し、今後も増加すると見込まれる支援対象者を適切な支援に迅速につなげるための体制強化を充実したところでございます。活動実績として、委員おっしゃられるように支援につなげられた割合が結果として高くなっていくことは望ましいことではありますが、何より支援の必要な方が一人でも多く見出され、必要な支援につなげられるよう今後も取り組んでいきたいと考えております。また同時に、必要とされ、活用される支援の手だてが一つでも多く地域に生まれるよう、住民主体の活動の立ち上げ支援や活性化を図っていきたい。このように考えております。 ○内川委員 ありがとうございました。次に、地域包括ケアシステムの八つの柱の最初に、本人の選択、権利擁護とありますので、成年後見制度についてお聞きしたいと思います。認知症や障害などで判断能力が不十分な人にとっては、本人の意思や利益を最大限尊重しながら、契約など日常の手続を代理する仕組みが必要となった中で、平成12年に本人と事業者との契約に基づく福祉サービス利用制度として介護保険制度が開始されました。それとともに成年後見制度が創設されました。現に判断能力の不十分な状態にある人については、本人や家族の申し立てにより、裁判所が認める法定後見制度があります。これは申し立てできる親族がいない場合に、区長による申し立てが認められています。最近の区長による申し立ての件数の推移についてお答えください。それとあわせて、今後の件数の推移の予測ですよね。それについてもお答えいただきたいと思います。 ○長﨑福祉推進課長 成年後見制度では、現に判断能力が不十分であり、本人に身寄りがない等の場合に、自治体の首長による申し立てができるという制度があります。中野区における高齢者についての区長申し立ての件数でございますけれども、毎年大体35件程度で推移をしておりまして、平成30年度は34件という数字でございました。今後につきましても、一人暮らしの高齢者、これも増加する傾向にあるだろうといったような観点から、こうした申し立てにつきましては今後増加するのではないかと、こんなふうに見込んでいるところでございます。 ○内川委員 10か年計画における成果指標で、成年後見制度を知っている割合は平成32年、来年、令和2年ですか、目標で70%とありますけれども、現在の状況についてお答えください。 ○長﨑福祉推進課長 成年後見制度を知っている割合、これにつきましては、毎年、健康福祉に関する意識調査、これのアンケートでとってございます。この中で、平成30年度につきましては60.8%という数字でございました。 ○内川委員 成年後見制度は、やはり権利擁護の柱であると思っています。まだまだ区民にとって身近でありません。成年後見制度について知っている割合は低いですし、さらに利用したくないと思っている人は6割を超えているそうです。権利擁護に関する正しい知識の普及と理解を促進し、制度の利用に結びつく具体的な対策を検討する必要があるとのことですけれども、各団体との協力や今後の区の取り組みについてお答えください。 ○長﨑福祉推進課長 成年後見制度の普及啓発に向けましては、現在、中野区社会福祉協議会が運営いたします成年後見支援センター、こことも連携を図りながら、各種講座ですとか講演会の開催、また、昨年度は区としましても、地域包括支援センターですとか、区のアウトリーチチーム職員への研修会、こういったものも開催を始めております。その一方で、弁護士会ですとか司法書士会、社会福祉士会といった成年後見制度に精通する専門職の方々、こういった方々とも今後の利用促進に向けての打ち合わせ、協議を行っていると、こういう状況でございます。 ○内川委員 成年後見制度の担い手として、いわゆるプロの方、職業後見人さんという方がいらっしゃいますけども、具体的にどういった職種の方でしょうか。 ○長﨑福祉推進課長 専門職と言われる方には、主に弁護士の方、司法書士、社会福祉士といったような形が主でございます。それ以外にも税理士さんですとか、行政書士さんですとか、そういった方々が専門職と呼ばれる方々というふうになっております。 ○内川委員 区長申し立ての場合には、そういった専門職の方のところに依頼をするということでよろしいんですよね。 ○長﨑福祉推進課長 はい。主にこういった専門職の方々にお願いするケースが多いといったような状況でございます。 ○内川委員 それと、市民後見人制度というのがあるそうです。それは、受任、なかなか仕事を引き受ける件数がふえていないとのことですけれども、その理由についてお答えください。 ○長﨑福祉推進課長 今ありました市民後見人でございますけれども、一般市民によります後見人のことを指します。被後見人本人との親族関係がなくて、主に社会貢献のために自治体だとか社協さんが行う後見人の養成講座、こういったものを受講することによりまして、成年後見制度に関する一定の知識だとか技術、そういったものを身につけた上で後見人になることを希望し、家庭裁判所から選任された者というふうになっております。中野区では現在、社協におきまして、この市民後見人の候補者として登録をされていますけれども、なかなかやっぱり財産の管理が複雑であったりとか、相続関係で難しいケースといったようなことも少なくなくて、現段階においては、受任件数は少ない状況というふうになっているところでございます。 ○内川委員 2025年以降の超高齢社会を迎えると、ますます成年後見制度の需要が高まっていくのかなと思っています。今後は職業後見人に対するさらなる協力依頼と担い手確保のための新たな方策、利用拡大のための費用助成制度の拡充が必要と思いますけれども、区の見解についてお答えください。 ○長﨑福祉推進課長 今、費用助成制度というところでございますけど、例えば生活保護を受けていたりですとか、あとは成年後見制度の申し立ての経費、報酬を負担することが難しい区民に対しましては、成年後見に係る費用を負担する制度がございます。助成金は月額2万8,000円となってございます。この費用については要綱において定めているところでございますけれども、今後その後見制度のニーズの拡大により、この体制の強化も必要になってくることも想定されます。こうした費用助成につきましても検討課題の一つとして捉えながら、さらなる普及啓発に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。 ○内川委員 ありがとうございました。いろいろ聞いてきましたけれども、地域包括ケアシステム、冒頭に述べましたけれども、区の施策のかなり広範な部分にこれからかかわってくるということで、大変重要なポジションになるのかなと思っています。 地域包括ケア推進担当部長さんにちょっとお聞きしたいんですけれども、与えられた任期の中で地域包括ケアシステムを具体的に何を目標として定めていくのか、そして、そのためには具体的施策をどう策定し、進めていくおつもりなのか、最後にお聞きをいたします。 ○藤井地域包括ケア推進担当部長 地域包括ケア推進担当部長が任期中に達成すべき目標といたしましては、(仮称)地域包括ケアシステム総合計画の策定及び関係機関と調整推進等でございます。地域包括ケアシステムの推進は全庁的組織横断的な課題でございますので、現在は庁内会議を主宰して基本方針の検討、現状の把握、課題の発見と分析、全体的な進捗管理などを行っております。また同時に、地域包括ケア推進課と介護高齢者支援課を所掌する担当部長として、日々の業務の中で地域包括ケアの実現に向けて職務を遂行しているところでございます。また、分野を超えた取り組みを進める具体的な方法の一つといたしましては、私自身の専門であります人口などの統計データ分析に関する専門知識やこれまでの職務経験を生かして、従来の区の視点とは違う切り口で課題を提示し、データをもとに議論するという手法で進めているところでございます。エビデンスベースでの政策形成力の強化及び意識改革を図り、施策の見直しと改善などを進めていきたいと考えております。 ○内川委員 非常に広い範囲でかかわってくるところなので、非常に大事なポジションだと思っています。今策定中の基本構想・基本計画にやはり部長としての思いというのもあると思うんですけども、それはきちんと伝わっていますか。 ○藤井地域包括ケア推進担当部長 常に基本構想・基本計画と足並みをそろえて、整合性を保ちながら関係部長とやってまいりたいと思っています。 ○内川委員 ありがとうございました。次の質問に移りたいと思います。時間がないので、どんどん進めます。 3番、今後の産業振興についてお聞きしたいと思います。 区内事業者が十分にその力を発揮することが区内産業活性化につながると私は考えています。事業環境の整備が必要です。基本構想審議会の各部会における主な発言なんですけれども、経済ですとか産業振興に関する記述が少ないと私は感じています。現基本構想では、中野のまちの将来像として、初めに産業と人々の活力がみなぎるまちとあります。また、まち活性化戦略では、展開1として世界に開かれた経済活動とにぎわいの拠点ともあります。これから先、中野駅周辺は最先端の業務拠点、文化発信拠点、最高レベルの生活空間へと大きく変わっていきます。あと10年ぐらいたつと、かなりこの駅周辺の景観も変わっていくのかな。そのように私は思っています。 ここで一つ御紹介したいことがあるんですけれども、森記念財団というのがあります。そこの都市戦略研究所ではこのたび、毎年9月にやっているんですけれども、日本の都市特性評価を発表しています。これは都市の強みや魅力といった都市特性を明らかにすることを目的としています。日本全体が活力を保ち続けるためには、各都市がそれぞれの特性を生かしながら都市づくりを進めることが大切としています。その評価方法なんですけれども、まず分野を設定して、そこに26の小グループを設定して、さらにグループを構成する市を83設定します。それに基づくデータの収集をして、データを指数化してスコアを出すんですけれども、それで23区の順位がついていくんですね。一つが経済ビジネス、二つ目が研究開発、三つ目が文化交流、四つ目が生活居住、五つ目が環境、六つ目が交通アクセス、この六つの分野があるんですけれども、中野区がどういったところにいるのかといいますと、意外と経済ビジネスのところで12位、真ん中ぐらいにいるんですね。それと、交通アクセスで15位とあるんですが、それ以外の分野では残念ながら16位以下、圏外ということになっています。この評価が全て正しいとは言いませんけれども、中野区の強い面と弱い面、こういったものが多少は浮き彫りになっているのかなと思っています。この中野区の持っている交通の便のよさと、これから最先端の業務拠点ができてきますけれども、それをどう区として生かしていくのか、区として今後の経済産業振興を通じてどう考えているのかお答えください。 ○堀越産業観光課長 先般開催されておりました基本構想審議会の各部会におけます各委員からの意見等といたしまして、自治行政活力部会におきましては、区内経済活動の活性化として多様な事業者に中野区が事業拠点として選択されていることが、また、都市防災環境部会におきましては、世界に開かれた都市活動とにぎわいの拠点といたしまして、中野駅周辺には地域の発展に資する多様な都市機能が集積され、まち全体の質や価値が向上し、周辺地域への波及効果も生まれているということが望ましいとされているところでございます。経済活性化のための産業振興施策は、区民生活を豊かにするため、また、まち全体の価値を一層高めていくため大変重要なものと考えておりまして、今後も積極的に推進をしてまいります。 ○内川委員 審議会の中のその四つの部ですか。その中に経済産業振興に特化した、そういった部会もあってもよかったんじゃないのかなと私は思っています。現在、区としては融資関係、経営に関する各種相談は産業振興センターですね。それから、補助金とか助成金、証明書発行などは区役所、そのほかにICTCOなど関連施設もありますけれども、こういった機能は、より利便性を高めるために1カ所にまとめて、さらにワンストップで手続、案内ができることが私は必要なのかなと考えています。これについての区の見解についてお答えください。 ○堀越産業観光課長 経営相談等のワンストップ化についてでございますが、区は現在、産業振興センターを中心に中小企業者の事業活動活性化のため、経営や創業の相談などさまざまな業務を行っているところでございます。本年は、東京商工会議所中野支部等の経済団体が同センターの同じフロアに活動拠点を移したことによりまして、各種相談や融資についてワンストップ化が図られるなど、事業間の連携がさらに進んでいるところでございます。また、ICTCO、中野区産業振興推進機構でございますが、こちらではICTコンテンツ関連産業等、重点化した事業の支援を行っておりまして、現時点におきましては各施設で行うべき機能はおのおので効果的に行われているものと考えております。しかしながら、今後まちづくりが進む中、新たな基本構想等を策定していく中で、経済活性化のため重要な役割を担います産業振興施策についても見直しが必要であると考えておりまして、さまざまある機能、また、その機能を生かすための施設のあり方などについても検討を行っていく予定でございます。 ○内川委員 これから駅を中心として、まちが大分変わっていきます。最先端のまちづくりが進められていきます。その中において、今おっしゃった1カ所に集めたというか、ワンストップでそういった機能が全て満たされる。そういった拠点づくりをこれから具体的に考えていっていただきたいなと思っています。 それから、この項の最後に、中野区の強い経済をつくり上げることは非常に重要だと私は考えています。今後策定する基本構想・基本計画に経済・産業振興に関する項を明記する必要があると考えますけれども、見解はいかがでしょうか。 ○永見基本構想担当課長 基本構想の検討におきましても、区内経済活動の活性化を重点テーマの一つとして設定しておりまして、審議会におきましても、まちの活気や区民生活の質の向上、そういった観点から御審議をいただいているところでございます。また、基本計画におきましても、経済の活性化について位置付けまして、区内まちづくり事業とも関連付けながら検討を進めていくと、そういった考えでございます。 ○内川委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。 次に、4番の健康長寿社会(健康福祉都市なかの)の実現についてお聞きしたいと思います。 2025年問題に象徴される超高齢社会と人口減少は、医療や介護などの社会保障費を増加させ、ついては区民一人当たりの負担をふやす要因となります。こうした社会的コストを減らすためには、区民の健康寿命を延ばすことが重要であると私は考えています。健康福祉都市なかのにふさわしく、区民の健康を守れるよう誰にでも平等な健診を実施することが重要と考えています。中野区保健福祉総合推進計画においては、区民みずからが積極的に生活習慣病の予防を進めることができるよう、みずからの身体状況を認識するとともに、生活習慣を見直すきっかけとするための各種健診、保健指導を実施するとあります。また、かかりつけ医やかかりつけ歯科医づくりを推進するともあります。目標とするまちの姿における、みんなで介護予防に取り組んで健康寿命を延ばしているまちにおける特定健診の受診率向上の状況についてお聞きをいたします。 ○鈴木保健企画課長 特定健診の受診率についてでございますが、区では国民健康保険に加入する40歳以上の方を対象に、生活習慣病の予防のためにメタボリックシンドロームに着目した特定健診を実施しているところでございます。平成28年度の受診率でございますが、38.2%、平成29年度は40.6%、平成30年度は暫定数値でございますが、42.2%でございまして、上昇傾向にあるものでございます。 ○内川委員 今、上昇傾向にあるとのことなんですけれども、平成32年度、来年度の目標数値は70%という非常に高い数値が出ているんですが、なぜそれだけ差が開いちゃっているんですか。 ○鈴木保健企画課長 こちらにつきましては、受診率の向上のためには積極的に受けていただく必要がありますので、広報啓発ということを行っていく必要があった。このように認識をしております。 ○内川委員 今、広報啓発の必要があるとのお答えでした。近隣区と比べても中野区の受診率は低いというデータも一部では出ています。例えば受診率向上のために、すこやか福祉センターで行われている乳幼児健康診査の際に、保護者の方に特定健康診査の勧奨のパンフレットを配るなどをされてはいかがでしょうか。 ○鈴木保健企画課長 今御指摘がありましたように、さまざまな機会を捉えて周知するということは大切になると思いますので、乳幼児健康診査の際に特定健診勧奨のパンフレットを配布することにつきましては、今後すこやか福祉センターと検討していきたいと考えております。 ○内川委員 目標数値が高いので、それに近づけるように努力してもらいたいと思います。 それと、特定健康診査受診率向上事業業務委託、それと診療情報収集事業等は有効だということなんですけれども、これから受診率向上を目指すための区の取り組みについてお聞きいたします。 ○鈴木保健企画課長 特定健診の受診率の向上対策についてでございますが、今年度は勧奨通知の発送やショートメールサービスを使った勧奨を行うほか、医療機関における特定健診の受診勧奨の際には個別のパンフレットを活用しまして、受診率の向上を図っていきたいと思っております。さらなる受診率の向上のためには新たな取り組みについても検討をしていきます。 ○内川委員 ありがとうございます。それと、ちょっと予防接種についてお聞きいたします。インフルエンザワクチンの予防接種の効果は約60%と言われています。発症後の重症化や死亡を予防することに一定の効果があるとのことです。現在、区では生後6カ月から就学前まで助成を行っていますけれども、ちなみに他区の状況はどうなっていますか。 ○水口保健予防課長 インフルエンザの他区の助成状況でございますが、中野区以外に任意予防接種の費用助成を行っているのは5区ございます。高3までの助成を行っている区が1区、中学3年生までの助成を行っている区が3区、13歳までの助成を行っている区が1区となっております。 ○内川委員 就学前までではなくて、それ以上の年齢の方にも助成をしている区があるということなんですけれども、中野区としてもそういったさらなる年齢拡大を考えたらいかがでしょうかお聞きいたします。 ○水口保健予防課長 インフルエンザワクチンは、今御指摘のとおり発病を抑える効果は高くないものの、重症を予防する効果が高いとされています。予防接種法の定期予防接種の対象としても、高齢者の死亡を阻止する効果が大きいことから、65歳以上の方と60から64歳で一定の機能障害のある方が対象となっております。区としては、重症化予防の有効性が報告されているということで、乳幼児を対象に任意の予防接種の費用助成を行っております。助成対象の拡大については、インフルエンザワクチンの有効性についての研究報告等を注視し、医師会とも情報共有しながら検討してまいりたいと考えております。 ○内川委員 医師会さんとの情報共有ですね。それをしっかりしていただいて、さらなる年齢拡大に努めていただきたいと思います。ありがとうございました。 次に、休日当番薬局委託事業についてお聞きしたいと思います。現在、中野区では、休日当番薬局として2薬局、2カ所対応しています。まず休日当番医療機関委託事業と休日当番薬局委託事業の内容について、簡単で結構です。お答えください。 ○鈴木保健企画課長 休日における医療機関と薬局の開設についてでございます。まず休日診療事業は、中野区医師会に委託をしまして、日曜、国民の祝日、年末年始の休診日に1休日当たり6カ所ずつ当番制で診療を行っているものでございます。次に、休日調剤事業ですが、中野区薬剤師会に委託をしまして、日曜、国民の祝日、年末年始の休診日に調剤薬局が当番制で応急調剤を行っているものでございます。なお、1休日2カ所ずつでございますが、ゴールデンウイーク、年末年始は4カ所配置をしております。 ○内川委員 ここに最新の区報があって、9月20日から10月5日までの休日当番医、当番薬局が出ております。今おっしゃっているとおり薬局は2カ所、休日あいているんですけれども、実際には区報掲載の薬局だけではなくて、当番医療機関の近くの薬局についても休日当番薬局と指定し、開局を依頼しているとのことです。現在委託している2薬局に加え、これらの薬局も委託事業に取り組むべきと考えますけれども、いかがでしょうか、お答えください。 ○鈴木保健企画課長 今御指摘のありました休日に委託外で開設をしている薬局への対応につきましては、今後、実態把握をしつつ検討してまいります。 ○内川委員 これは毎年上がってきている課題なんですよね。早急に実態について調べていただきたいと思います。ありがとうございました。 次に、お薬に関するところで、多重受診における薬の重複処方、それと過量処方については早急に発見し、医療費の適正化を図らないといけない、そのように考えています。生活保護費における医療費の抑制にもつながることから、早急に対応策を検討するとともに、薬剤師会への協力依頼をしてはいかがかなと思っております。区の見解についてお聞かせください。 ○鈴木保健企画課長 多重受診の重複処方や過量処方につきましては、医療費の適正化や御本人の健康の維持のために個別に注意を促す通知を発送しているところでございます。今後は、かかりつけ薬局の推進やお薬手帳の活用など、薬剤師会と協議し、対応策を充実していきたいと考えております。 ○内川委員 お願いいたします。 次に、今度は歯ですね。成人歯科健診についてお聞きをいたします。歯周病は重篤化すると、心臓疾患、脳疾患、糖尿病などに大きく影響するとのことです。受診券の送付は、受診率を上げるにおいて極めて効果的ということがわかりました。現在5歳刻みで受診券の送付が行われていますけれども、例えば40歳から60歳ぐらいの年齢については、全年齢で送付が有効と考えますけれども、区の見解についてお聞かせください。 ○鈴木保健企画課長 成人歯科健診の受診勧奨についてでございますが、これはほかの健診事業と同様に、費用対効果というものを考える必要があるのであろうと認識をしております。今後の受診率の向上及びかかりつけ歯科の定着につなげるために、自発的な受診を促すための効果的な取り組みについて、国や他自治体の動向を注視しつつ情報収集をしていきたいと考えております。 ○内川委員 次に、公衆浴場さん、お風呂屋さんですね、についてお聞きをしたいと思います。公衆浴場は、区民の保健衛生等、健康増進、介護予防の観点から必要不可欠と考えますけれども、そういった考えでよろしいですか。まずそこを聞きたいと思います。 ○長﨑福祉推進課長 公衆浴場につきましては、区民の憩いの場であるといった観点からは、この公衆浴場に対する保健衛生ですとか、健康増進の観点からも重要だというふうに考えているところでございます。 ○内川委員 ところが、最盛期、中野区では98軒ですか、あった浴場さんも、現在20軒まで非常に減少しています。これ以上の減少はとめなければいけない。そのように私も考えておりますけれども、燃料費等さらなる助成が必要と考えますけれども、区の見解についてお聞かせください。 ○長﨑福祉推進課長 公衆浴場につきましては、区民の公衆衛生を担う場ということで、憩いの場といったところからも重要視されておりました。ということからさまざまな助成制度を設けているところでございます。とりわけ施設改修ですとか、燃料費助成ですとか、そうしたさまざまな助成によりまして、公衆浴場の運営に携わっていただいている、そんな状況でございます。 ○内川委員 ありがとうございます。これ以上の減少をぜひとも食いとめてもらいたいと思いますし、隣の渋谷区なんかでは助成の額が中野と桁違いなんですね。そこら辺のことも考慮していただきたいと思います。ありがとうございました。 それでは、5番目の災害協定についてお伺いをいたします。 平成30年度主要施策の成果の53ページ、災害対策の強化推進では、災害発生時に迅速な情報集約、分析を行い、情報共有、管理が行える災害情報システムの導入、罹災証明書を発行し、被災者の生活再建を円滑に支援するための被災者生活再建支援システムの導入、さらに要配慮者、施設等への個別受信機を設置するとともに、緊急情報電話伝達システムの導入など、災害対策の強化推進が進められるとしています。 そうした中にあって、他の自治体や団体、事業者とさまざまな災害協定を中野区は締結していますが、その内容がより実効性のあるものになっているのかとの視点から、幾つかお聞きをいたします。 まず、この協定の内容については、担当として、かなり量が多いんですけれども、全て目を通していらっしゃるのかお聞きをいたします。 ○田中危機管理課長 災害協定の内容でございますけれども、担当として全て目を通しているところでございます。 ○内川委員 この数日間、多分時間がない中、目を通していただいたのかなと思いますけれども、これも資料要求で出てきた資料、総務の94ですね。協定内容の中には時代にそぐわない内容の協定もあるんじゃないのかなと思っています。一覧から見ると、古いものでは消毒に関する協定が昭和61年ですよね。相当古いです。それ以外にも、お米屋さんとの精米の優先供給に関する協定なんかは平成3年、先ほどの公衆浴場さんなんかも平成3年、非常に古いものが目立ちます。この時代にそぐわない内容が幾つかもう出てきているんじゃないのかなと思いますけれども、より実行可能な協定内容に見直すためのプロセスも必要なのかなと思いますけれども、区の見解についてお伺いいたします。 ○田中危機管理課長 協定内容の見直しについてでございますけれども、災害協定に基づきます中野区への支援内容、それから協定に関する意見等につきましては、毎年度、協定締結団体等に対する現況調査というものを実施してございます。その現況調査結果を踏まえまして、協定内容の見直しが必要な際、協定団体と調整を図ってまいりたいというふうに考えてございます。 ○内川委員 協定先の方においては代表者が変わっていたり、こんな協定は古くて知らないよみたいなこともあると思いますので、早急に、いつ起こるかわからない災害に備えて、その見直し作業というものを進めていただきたいと思います。 それから、現在、区が締結している災害協定の中には備蓄物資に関する内容が盛り込まれている協定もあります。避難所の備蓄物資は、当該避難所もしくはその近くに備蓄していることが望ましいと思いますけれども、協定内容の見直しなどの機会を通じて、事業者等に対しても備蓄物資の協力をお願いしてはいかがかなと思いますけれども、区の見解をお聞きいたします。 ○田中危機管理課長 区が締結している災害協定の中には、帰宅困難者の一時滞在施設における施設利用などの一環といたしまして、備蓄物資に関する内容が盛り込まれている協定もございます。事業者等に対する備蓄物資に関する協力につきましては、先ほど御答弁申し上げた毎年度、その協定締結団体等に対する現況調査等におきまして、物資を備蓄するスペースがあるかどうか。こういったことも確認の上、調整を進めていきたいというふうに考えてございます。 ○内川委員 先ほども述べましたけれども、大規模災害はあした起こってもおかしくない、そういった状況であります。千葉の方々も非常に不便な生活をされている。そういった中でこういった協定をより実効性のあるものにしていくことは、まず先決かなと思っていますし、協定の協定先もこれからいろんなところと結べる可能性があると思います。そういったところに関して積極的に担当として取り組んでいただきたいと思います。 少し時間が残りましたけれども、これで私の全ての質問を終わりとさせていただきます。ありがとうございました。 ○山本委員長 以上で内川和久委員の質疑を終わります。 次に、中村延子委員、質疑をどうぞ。 ○中村委員 令和元年第3回定例会決算特別委員会におきまして、立憲民主党・無所属議員団の立場から総括質疑を行わせていただきます。質問は通告のとおりです。 それでは、1番、平成30年度決算について伺わせていただきます。 平成30年度の普通会計歳入決算額は1,408億2,504万2,000円、歳出決算額は1,358億4,592万3,000円で、実質収支は26億円、実質収支比率は3.4%となりました。平成30年度については、予算編成は前区長が行い、予算の執行については6月から酒井直人区長が行ったというイレギュラーな年となりました。 まず最初に、歳入の状況についてお尋ねをしていきます。特別区税343億円で24.3%、特別区交付金388億円で27.6%、区・都支出金364億で25.8%、歳入の77.7%を占めています。まず特別区税について伺わせていただきます。平成30年度のふるさと納税影響額は8億9,000万円にも上りました。平成30年度当初予算の見込みだとどれぐらいだったのでしょうか伺います。 ○矢島税務課長 平成30年度予算におきまして、9億5,000万円と見込んでおりました。 ○中村委員 ありがとうございます。確認で伺いますが、31年度当初予算の影響額を教えてください。 ○矢島税務課長 ふるさと納税が大部分を占めます寄附金税額控除の今年度の影響額は11億9,000万円となり、平成30年度に比べ約3億円増加しております。 ○中村委員 ありがとうございます。これまでは当初予算の見込みよりも決算が大幅に上回ることがあったと思います。平成30年度はほとんど差がありませんでした。つまり、今年度も11億から12億ぐらいで影響額が出てくるということだと思います。一時期は前年度から倍々で来ておりましたが、そのときより増加割合は落ちついてはきたものの、それでも非常に膨大な影響額だと思います。 次に、不納欠損額について伺わせていただきます。前年度に比べて特別区民税は4,389万7,000円、19.2%の減となっています。滞納繰越分で回収ができなくなったもののことを指しておりますが、その消滅事由をまず教えてください。 ○矢島税務課長 不納欠損の消滅事由につきまして、地方税法の規定によって5年間経過の時効消滅、執行停止後3年間経過の時効消滅のほか、地方税を徴収することができないことが明らかな場合の消滅、即時消滅がございます。 ○中村委員 ありがとうございます。未収金は性質によってそれぞれ年数の違いはあるものの、時効となって徴収ができなくなってしまいます。決算意見書の22ページに区分と不納欠損額がそれぞれ記載をされています。現年度徴収分に比べて滞納繰越金というのは回収するのが非常に難しいと思うんですけれども、今回これだけ不納欠損を減らす成果を出すことができたのは、どういった理由からでしょうか。 ○矢島税務課長 滞納案件につきましては、詳細な財産調査により差し押さえを中心としました滞納処分の強化を行い、不納欠損のベースとなります滞納繰越額の圧縮を図ってきた結果、不納欠損額が減少したものであると考えております。 ○中村委員 また、収入未済額の滞納繰越分も大幅に減らしているかと思います。これも平成30年度に進めた施策の成果でしょうか。 ○矢島税務課長 平成30年度には、これまでの滞納処分の収納率向上対策にあわせ、滞納者の転出時対策の強化及び国税OBである滞納整理専門員を活用し、長期困難案件や高額案件につきまして、専門的な知識による徹底した財産調査を進めるなど効率的な滞納処分を行い、滞納繰越分の圧縮を図ってまいりました。また、委託事業者による現年度分の早期納付勧奨、納期内納付、年度内納付を徹底し、滞納繰り越しを生まない取り組みもあわせて実施してまいりました。 ○中村委員 さまざまな成果が出てきているということであると思います。もちろん減らすことができたということは大きいと思うんですけれども、特別区民税における不納欠損額はまだ1億8,588万円もありました。支払っていただくべきところを支払っていただいていないわけですので、今回大きく減らすことができましたけれども、今後もぜひ対策を進めていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○矢島税務課長 今年度は、状況把握が困難な区外在住滞納者に対し、業務委託により納税案内を差し置き、自宅状況などを調査する取り組みを始めたところでございます。また、来年1月からモバイルクレジット収納、ペイジー収納を導入し、多様な納税方法を整備するなど、対策を講じてまいります。 ○中村委員 ぜひよろしくお願いします。本当にさまざま収納率向上のために努力をしていただいておりまして、この5年間で0.9%の収納率向上を達成しているところです。一方で、先ほどお伺いをさせていただきましたふるさと納税だけでこの3倍以上の金額が出ていってしまっているという状況はしっかりと認識をしていただく必要があるかなというふうに思います。特別区民税は、納税義務者数が伸びたことにより増となっておりますが、今後の人口推計でもこの先、人口は変動はないものの、老年人口はふえて生産年齢人口は減少していく見込みであります。納税義務者数の伸びが将来的に続くことが期待できない。むしろ、減少していく見込みということなので、こういったふるさと納税制度の影響も大きい中で、安定的な税収確保のためには選ばれる自治体を目指していかなければいけないというふうに思います。我が会派は、子育て支援や教育の充実は選ばれる魅力的な自治体の大きな要素だと考えております。未来への投資という考え方のもと、この観点を政策にぜひ生かしていただきたいと思います。 次に、特別区交付金について伺わせていただきます。平成30年度の特別区交付金は、前年度と比べて普通交付金29億円、特別交付金4億円の増の計33億円の増となっております。この要因は何だったのでしょうか。 ○森財政課長 特別区交付金の増加要因でございますが、その交付金の財源でございます調整3税のうち、法人住民税及び固定資産税が増したということで、それが大きな要因だと考えているところでございます。 ○中村委員 ありがとうございます。法人住民税の一部国税化の影響額はどれぐらいだったんでしょうか。 ○森財政課長 法人住民税の一部国税化についてでございます。これは特別区長会事務局の試算によるところでございますが、区の影響額は現段階、消費税8%段階では24億円の減だということで試算されているところでございます。なお、10%になると44億円の減になっていくというような試算がされているところでございます。 ○中村委員 ありがとうございます。では、地方消費税交付金の清算基準の影響額はどれぐらいだったのでしょうか。 ○森財政課長 同様に、特別区長会事務局の試算でございますが、現段階の消費税8%では18億円の減という試算でございます。なお、消費税10%段階になりますと、21億円の減ということでの試算となってございます。 ○中村委員 法人住民税と地方消費税交付金の清算基準の影響額、8%段階だと、足すと42億円で、10%段階になるとさらにふえて65億円、かなり本当に大きい金額が出ていってしまっているなというふうに思います。本来入ってくるはずの税金がこういった理不尽な税制改正によって入ってきていないことは問題だと思います。本来、国は地方創生という目的でこの税制改正を行ってきていますけれども、その目的が果たせているかは甚だ疑問であります。ここ数年間の東京への流入はむしろふえている状況で、人口がふえるとそれだけ行政需要というのはふえるもので、中野区も同じ状況にあると思います。政治的な判断でこのような税制改正が行われているわけではありますけれども、ここは行政側も議会側もしっかりと協力をして働きかけをしていかなければいけないと考えております。区としてはどのように捉えていますでしょうか。 ○森財政課長 まず特別区長会としてのこれまでの取り組みといたしましては、昨年の7月に総務大臣に対しまして、不合理な税制改正等に関する要望書を提出したところでございます。また、不合理な税制改正等に対する特別区の主張というのをまとめているんですが、その中で不合理な税制改正等に関する反論、特別区の現状、特別区の財政需要などについて論点をまとめまして、制度改正の問題点を訴えているところでございます。今後も都と特別区が一丸となり、また議会とも連携いたしまして、国に対して強く改善を求めていくということで、そういう考えでございます。 ○中村委員 ありがとうございます。また、今回は特別区交付金の金額を見ても好決算だというふうに言えると思いますが、この金額は景気に大きく左右されるために、常に状況変動も考慮をしなければいけないと思うんですけれども、区の見解はいかがでしょうか。 ○森財政課長 特別区交付金につきましては、30年度決算においては景気の動向等を反映いたしまして増となったところでございますが、先ほど来ありますように国が推し進めている不合理な税制改正、法人住民税の一部国税化による影響が懸念されるところでございます。また、景気の状況で海外経済の動向ですとか、金融資本市場の変動等、景気の影響等にもしっかり留意していく必要があると考えているところでございます。 ○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。 次に、使用料について伺わせていただきます。この使用料については昨年も質問をさせていただきました。施設の有効活用について伺おうと思っていたんですけども、時間があまりないので、1点だけ伺わせていただきます。なかのZEROのレストランについて伺わせていただきます。決算説明書25ページには、もみじ山文化センターレストラン・喫茶コーナー使用料128万円余とありますが、それぞれの内訳を教えてください。 ○藤永文化・国際交流課長 使用料の内訳についてでございます。なかのZEROにおけるレストランの使用料につきましては約53万1,000円、喫茶コーナーにつきましては約75万1,000円でございます。 ○中村委員 レストランだけだと約53万円ということです。私、ちょっと喫茶室のほうがむしろ安いのかなと思っていたら、実はレストランのほうが安かったというのが本当にびっくりで、これ、月額にすると4万4,000円の賃料なんですよね。これ、去年も申し上げたんですけれども、90%の減免措置がされております。加えて、平成21年から始まっているんですけれども、この営業時間、もともと11時から18時半だったところを、平成27年からは11時から15時半と大幅に営業時間を縮小しているということを昨年も取り上げさせていただきました。現在、この事業者さんとの契約というのはどうなっているんでしょうか。 ○藤永文化・国際交流課長 事業者との間では、賃貸借契約により貸し出しているものではございません。毎年度、行政財産使用許可により使用料を10%に減免することなどを含めまして、使用許可を行っているところでございます。 ○中村委員 毎年度ということなんですね。なかのZERO周辺、千光前通りには、ここ数年で多く飲食店もできまして、またコンビニも近くにできました。平成21年にここの2階にレストランを入れた当時とは状況が変わってきているのではないかというふうに思います。今後、施設の縮減も考えていかなければいけない中で、違う活用も検討していくことも必要じゃないかなというふうに考えるんですけれども、いかがでしょうか。 ○藤永文化・国際交流課長 なかのZEROのレストランにつきましては、催しの際に施設利用者の情報交換や憩いの場所として活用され、利用者サービスの観点から許可をしているところでございます。レストラン以外の活用につきましては、区の文化振興や利用者サービスの観点から、今後、施設活用を検討していきたいと考えてございます。 ○中村委員 なかのZEROの指定管理期間は来年度で更新を迎えるというふうに思います。その中で考えていくことだったりとか、別で考えるにしても、どういうやり方が効果的なのか。こうした貴重なスペースの有効活用もぜひしっかりと考えていただきたいというふうにお願いをしておきます。ぜひよろしくお願いいたします。 次に、(2)番、歳出について伺います。まず人件費について伺っていきたいと思います。普通会計における人件費の推移を見ると、職員数は前年度から1名ふえた1,946人でしたが、人件費は職員の年齢構成や定年退職者の減などによる退職金の減により、前年度から5億円の減となっております。現在のアンバランスな職員の年齢構成で、今後の人件費の推移をどのように想定しているのでしょうか。 ○中谷職員課長 今後の人件費の推移についてお答えします。今後10年間程度の想定になりますけれども、50代から60代の比較的人件費の高い職員の数が減少していく一方で、20代から30代の比較的人件費の低い職員の数がふえてまいりますので、人件費としては減少していく傾向にあるというふうに想定をしてございます。 ○中村委員 10年スパンで考えると、減少していくというところです。再来年に迫った児童相談所の設置、それから基本構想・基本計画の中で示される区立保育園、幼稚園、児童館の配置計画により、人件費は大きく影響を受けることになるかと思います。現在、業務の効率化なども進めているかとは思いますけれども、それでも多様化する行政ニーズに応えるために、人が足りないという声はいろいろなところから聞こえてきます。基本計画ができていないので何ともお答えできない部分もあるかとは思うんですけれども、職員数に関しては経常的な義務的経費をふやすことにもなります。一方で、公的に担う必要性があるところに関してはしっかりと精査をした上で、調整をしていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。 ○中谷職員課長 児童相談所の設置、また、まちづくり事業の展開など、新たな行政需要に対応するための定数の増につきましては、しっかりと見きわめ、精査をしていく必要があるというふうに考えてございます。その上で、新たな職員定数につきましては、今後策定する基本計画などにあわせて検討してまいります。 ○中村委員 よろしくお願いします。 次に、管理職不足について伺わせていただきます。一般質問で森委員からも指摘をさせていただきました。今現在、兼務をしている管理職は何名いらっしゃるでしょうか。 ○中谷職員課長 形式的に兼務や事務取扱の発令をしている職員の人数としましては、兼務が11名、事務取扱が2名で、合計13名となってございます。ただし、組織上の役割分担や区政目標体系上の位置付けを明確にするためにポストを設置して、人の配置に当たっては専任ではなく、兼務や事務取扱としたものがほとんどでございますので、それらを除いた実質的な兼務としては3名程度というふうに認識をしてございます。 ○中村委員 そうですね。実質的な兼務は3名程度で、ただ、兼務はなるべくあってはいけないかなと思っていますので。そもそも中野区の管理職の数というのは、他区と比べて割合としては多いのか、それとも少ないんでしょうか。 ○中谷職員課長 中野区における管理職の数が職員全体の数に占める割合としましては約5%でして、他区と比較しても平均的な割合となってございます。 ○中村委員 担当を細分化して、きめ細やかな対応をしているというところもあるのかもしれませんけれども、組織のあり方も含めて考えていかなければいけない課題だというふうに感じております。 現在、管理職の外部人材の活用、例えば東京都から来ていただいている方だったり、他区から来ていただいている人などいらっしゃるかと思うんですけれども、何名いらっしゃるんでしょうか。 ○中谷職員課長 国土交通省や東京都、警視庁や消防庁、清掃一部事務組合などから派遣を受けておりまして、現在8名の外部人材を管理職として活用してございます。 ○中村委員 この人数なんですけれども、何名までとかという規定はあるんでしょうか。 ○中谷職員課長 特に人数制限のような制約はございません。 ○中村委員 人数制限はないけど、それはそれなりにある程度考慮はしなきゃいけないというところであるとは思うんですが、今後5年間の管理職の退職者の数を教えてください。 ○中谷職員課長 今後5年間のうちに管理職に昇任する職員の年齢ですとか、また普通退職する職員もいるかもしれないといったことがありますので、あくまで現時点での見込みということになりますが、令和5年度末までに定年退職を迎える管理職の人数は現在のところ29人の見込みでございます。 ○中村委員 5年間で29名というところで、かなり多いなというのが印象としてあります。もちろん再任用を選ぶ方だったりとか、定年で退職される方、御本人の希望もあるかとは思いますけれども、こちらも御本人の希望にかかわってまいりますけれども、心得を含めた管理職昇任者数の推移は、担当さんとしてどのように見込んでいらっしゃるんでしょうか。 ○中谷職員課長 本人の意向にももちろんよるんですけれども、最近の傾向としましては、定年退職後も常勤再任用の管理職を選択する方が多いので、実質的には再任用期間が満了するといったことなどによって欠員となる管理職の人数を補充できるように人材を確保していく必要があるというふうに考えてございまして、毎年4、5人程度昇任者が必要というふうに見込んでございます。 ○中村委員 ぜひ確保できるように、そこはよろしくお願いいたします。現在新卒で入庁して、最短で管理職になれる年齢は何歳になりますでしょうか。 ○中谷職員課長 最短ですと、36歳で管理職になります。 ○中村委員 実はこの年代、40歳の5歳前後というこの年代が、一番人材確保を絞っていた時期と重なっているんですよね。今後の管理職の数に影響するのではないかと非常に危惧をしているんですけれども、いかがでしょうか。 ○中谷職員課長 最も人数の少ない世代が30代後半から40代前半なので、あと二、三年で一番厳しい時期を抜けるというふうに想定をしてございます。現在30代前半の世代は比較的職員数が多いので、あと二、三年後にはその世代が管理職選考の対象にもなってまいりますので、その中から意欲の高い職員が管理職に昇任していくことで人材確保につながっていくのではないかというふうに考えてございます。 ○中村委員 さっき申し上げたのは最短で36歳なので、二、三年かどうかはちょっと疑問かなという部分もあるんですけれども、ぜひそこはよろしくお願いします。外部からの人材確保なども含めて考えていかなければいけない非常に重要な課題だと感じますけれども、いかがでしょうか。 ○中谷職員課長 持続可能で安定した区政運営を行っていくためには、それを支えるために必要な管理職を十分確保する必要があるというふうに認識をしてございます。職員の管理職への昇任意欲を喚起するとともに外部人材の活用を行い、人材を確保していきたいというふうに考えてございます。 ○中村委員 ぜひ管理職も必要だと思っています。本当に持続可能な区政運営をしていくためには、管理職不足ということに絶対ならないように、そこはぜひよろしくお願いいたします。 ○山本委員長 中村委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。 13時まで委員会を休憩いたします。 午前11時56分休憩
午後1時00分開議 ○山本委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き、総括質疑を行います。中村委員、質疑をどうぞ。 ○中村委員 午前中に引き続き、決算について伺わせていただきます。 すみません。1点、先ほど特別区民税における不納欠損額を1億8,588万円と申し上げましたが、1億8,489万円でした。訂正をさせていただきます。失礼いたしました。 次に、歳出の中で区立認可外保育施設について伺わせていただきます。平成29年度の補正予算、それから平成30年度と31年の2カ年にわたって緊急対策として行っている区立認可外保育施設についてです。区立保育室事業として計16億9,434万円余となっていますが、平成30年度決算の物件費の伸びがこれまでから比べると突出している理由は、この区立認可外保育施設の運営にあると考えますが、いかがでしょうか。 ○森財政課長 物件費が伸びている理由でございますが、今お話がございましたように区立保育室事業に係ります運営委託ですとか、プレハブの賃借料、こちらが大きいものと考えております。また、ほかにも区立保育園の民営化に伴います委託費の増なども挙げられると考えております。 ○中村委員 平成31年度の当初予算は16億8,613万円と、2カ年で合計33億円を超える金額となっております。この2年で終わる予定ではありますので、来年度以降の物件費は少し落ちつくと見てよろしいでしょうか。 ○森財政課長 おっしゃるとおり、区立保育室事業は基本的には終了となるところでございますが、消費税の増税が予定されておりますし、また労務単価の上昇もあります。そういったところでの委託料等の増というのも想定されますので、こういったところは物件費の増要因になっていくだろうと考えているところでございます。 ○中村委員 さまざまな要因があるので、そこはあれですけども、この16億という膨大な金額がなくなるということは、かなり来年度以降は変わってくるのかなというふうには思います。待機児童対策は重要な課題だというふうに認識をしております。当時、補正予算が提出された際には、場所などはまだ決まっておらず、議会側としても賛成をしました。しかしながら、その後に報告された7カ所の場所については、必ずしも待機児童が多い地域への設置ではなくて、偏在をしておりました。これだけのお金をかけて待機児童解消に至らなかったことは非常に残念だと思っております。初年度は特に入所率が低かったと記憶しておりますけれども、当初の入所状況をそれぞれの施設で教えてください。 ○竹内保育施設利用調整担当課長 平成30年度の4月1日時点での区立保育室の園別の入園状況でございますけれども、上高田5丁目保育室が定員54名に対して入所17名、新井2丁目保育室が定員54名に対して入所47名、沼袋1丁目保育室が定員42名に対しまして入所6名、沼袋3丁目保育室が定員33名に対しまして入所11名、野方3丁目保育室が定員42名に対しまして入所11名、江原町1丁目保育室が定員42名に対しまして入所6名、江古田1丁目保育室が定員42名に対しまして入所3名となっておりまして、全体で定員309名に対して入所101名となってございます。 ○中村委員 ありがとうございます。緊急対策だったとはいえ、この事業については検証が必要だというふうに感じております。今年度は募集人数を絞って運営しているかと思いますけれども、詳細を教えてください。 ○竹内保育施設利用調整担当課長 昨年度は区立保育室全体で309名の定員でございましたが、今年度は266名の定員で運営しておりまして、4月1日時点での入所人員は203名となってございます。区立保育室は原則0歳から2歳児の保育を行うため、3歳児からの保育の連携先を確保する必要がございます。連携先の認可保育所の1歳から3歳児の新規入所枠も一定確保する必要がございますので、区立保育室の定員を減員したものでございます。 ○中村委員 定員を少なくすれば、それだけ委託料も抑えられるというところもあるのかなというふうに思います。来年度以降の展開について区の方向性を教えてください。 ○板垣幼児施設整備課長 区立保育室7室のうち、沼袋3丁目保育室以外の6室につきましては、当初の予定どおり2020年3月31日付で閉室いたします。なお、沼袋3丁目保育室につきましては、引き続き一、二歳児の保育需要が見込まれていること、また、沼袋小学校跡施設の一部を活用していることから、来年度運営を継続することとしております。 ○中村委員 この区立認可外保育施設ですけれども、先ほども申し上げました2カ年で33億円かかっているわけですが、一般財源でこれだけ大きな事業を行ったというのはこれまでほかにあったのでしょうか。 ○森財政課長 これまでにこのような一般財源で区立認可外保育施設と同規模のそういう事業実施というのはなかったものと認識しております。 ○中村委員 各所管では、予算積算する際というのは本当に細かい金額の見直しを行ってきていただいていると思います。新規事業を始めるときも他区の状況など効果についても検証をした上で計上しているようにも見受けられます。その中で33億円と聞くと、トップの判断というのは非常に大きなものだというふうに感じます。私たちもしっかりとチェックをしていく必要がありますし、これまでも努力をしてきているところではありますけれども、提案をするときも効果のあるものを提案していかなければいけないと改めて感じております。 次に、基金と起債について伺わせていただきます。平成30年度は起債がゼロとなっておりますが、どういった理由からでしょうか。 ○森財政課長 まず平成30年度の最終補正予算、その段階で平成30年12月ごろの決算見込みでございますが、一般財源の増収が見込まれたといったようなことで当初計画の起債のうち、新体育館整備ですとか、上高田野球場の改修工事といったものについて、そのような比較的利率の高い事業については、補正予算において起債を取りやめたといったところでございます。その後、残りの起債対象事業についてなんですが、最終的に平成31年4月、出納閉鎖の時期ですけれども、全体的な一般財源の収入状況をさらに勘案しまして、起債を見送ったというところでございます。 ○中村委員 一般財源があったからというとあれですけど、予想よりもふえたというか、収入があったために、起債ゼロという判断をされたということですね。一方で、財政調整基金繰入金が54億7,761万円、義務教育施設整備基金繰入金が42億1,400万円、基金から使ってはいけないというわけじゃないんですけれども、これにより財政調整基金の残高が前年度比マイナス28億円というふうになっております。これはどのような判断のもと行われたんでしょうか。 ○森財政課長 財政調整基金からの繰り入れにつきましては、おっしゃられるように約55億円行って、積み立てについては約27億円したということにより、差し引き28億円の前年度と比べて減となったというようなところでございます。ただ、当初予算においては繰り入れを74億円、積み立てを3億円というような予定をしておったところなんですが、その後、歳入の伸びですとか、歳出の執行状況などを勘案いたしまして、繰入額と積立額を最終的に決算額というような形にして、そういう形で判断を行ったというところでございます。 ○中村委員 この年、平成30年度は、区として当初予算の中で急に起債をせずに学校施設建設をするために繰越金を原資として4億円積み立てるほかに、基準となる一般財源を上回った財源52億円については義務教育施設整備基金に積み立てる方針を出されました。今回起債がゼロだったのはその方針との関係があるのでしょうか。 ○森財政課長 平成30年度に起債をしなかった理由については、先ほど御答弁したとおり一般財源の収入状況を勘案した結果だと。それの結果、見送ったということでございまして、30年度の当初予算のところで掲げた学校施設の建てかえに当たっての起債の抑制といったところの方針とは直接的には関係ないと考えております。 ○中村委員 一方で、平成31年度当初予算ではこの方針をさらに変更して、基金と起債をバランスよく行っていくこととされました。その方針が出されたときには、平成30年度の起債についてはどのような判断をされていたのでしょうか。 ○森財政課長 令和元年度というと平成31年度の当初予算ですが、そのときの予算編成の同時期に平成30年度の最終補正予算の調整を行っております。その際に、先ほども御答弁したとおり一般財源の増収等の見込みを踏まえて、7億9,000万円弱の起債については減額補正を行って、その時点においては25億円弱の起債をするということにしていたところでございます。 ○中村委員 わかりました。当初予算では33億円の起債をかける予定だったけれども、最初補正では25億円に減額しましたと。最終的には一般財源の伸びによりゼロにしましたということですね。今後の起債計画について伺わせていただきます。今回の起債ゼロという判断なんですけれども、今後の起債計画にも影響してくるかと思いますが、いかがでしょうか。 ○森財政課長 一時期に多額の費用を必要とする建物建設ですとか公園用地の取得等については、財政負担の平準化と世代間負担の公平化を図る意味から起債を活用しているところでございます。一方で、公債費の抑制を図るために公債費負担比率の中野区方式で10%以内となるように運用しているところでございます。今後は区役所新庁舎建設に当たっての一時的な負担ですとか、学校改築など多額の財政負担が発生することを踏まえ、今後もサービスを停滞することなく安定した財政運営を行うために、歳入の動向ですとか基金残高を勘案しまして、計画的に起債を活用していく考えでございます。 ○中村委員 これまでの起債計画を確認しますと、平成30年度当初予算では平成34年度の起債残高が377億円で、平成31年度当初予算では699億円となっています。322億円の乖離があるんですけれども、平成30年度の最終補正段階での起債25億円が平成31年度当初予算には含まれているということなので、おのずとその分の起債はマイナスになってくるという理解でよろしいでしょうか。 ○森財政課長 おっしゃるとおりでございます。 ○中村委員 一方で、今後の基金積立繰入計画ですが、平成30年度当初予算の概要では平成34年度の基金残高は計154億円でした。平成31年度当初予算の概要ではこれが大きく変わり、基金残高は521億円となっています。367億円の乖離がありますが、これは基金と起債の考え方を変えたことによるものでよろしかったでしょうか。 ○森財政課長 おっしゃるとおりでございます。 ○中村委員 平成30年度当初予算は586億円、平成30年度決算での基金の残高は700億円と114億円の乖離があります。当初予算と決算でこれまで乖離が出た要因はどういったところにあるのでしょうか。 ○森財政課長 平成30年度の当初予算の編成時点においては、平成29年度の決算は確定しておりません。ですので、29年度の予算と30年度の予算の見込みで30年度末基金残高をこの時点においては推計したというところでございます。その後、平成29年度決算におきましては財政調整基金で33億円、義務教育施設整備基金で13億円、予算で予定していた繰り入れを最終的にしなかったことによりまして、この点について増がまず出た要因が生じたということになります。また、平成30年度決算におきましても、前年度からの繰越金の積み立てが当初繰越金については4億円の積み立てということになっていたんですが、予算と比較すると20億円ふえたということですとか、財政調整基金の繰り入れが予算と比較して22億円減ったことなどが、30年度当初予算編成時にお示しした基金残高と決算時の基金残高の乖離が生じたという主な要因になるかと思います。 ○中村委員 わかりました。平成29年度のところでもまだ決算が出ていない状況で予算も組んでいる状況なので、こういった乖離というのは仕方がないというとあれですけれども、出てきてしまうというところなんだと思います。財調基金の年度間調整分についてなんですけれども、これだけ持っておきたいという目安150億円というのがあったかと思いますが、その考え方に変わりはないのでしょうか。 ○森財政課長 その考え方に変わりはございません。 ○中村委員 この150億円という額についても、リーマン・ショック後の基金残高を見ても、本当にこの150億円というのが適正なのかというところも改めて考えていかなければいけないなというふうにも感じております。今後の基金と起債の計画については、考え方をしっかりと見きわめて、将来負担をなるべくふやさない努力をしていただくようにお願いをしたいと思います。 最後に、財政調整基金と特定目的基金のあり方について伺わせていただきます。財政調整基金に積み立てるほうが区としては自由度もあり、使い勝手はいいかもしれません。一方で、目的を明確にすることで今後の財源をしっかりと確保していくという姿勢も必要なのではないかなというふうに考えております。これから幼児施設の整備だったり、児童館と子ども施設の建てかえ等、基本計画の中で施設のあり方を考える際には、財源の確保の観点からも特定目的基金として管理をしていくという考え方も持つべきではないかなというふうに考えるんですが、いかがでしょうか。 ○森財政課長 基準となる一般財源規模を超過した歳入の一般財源については、次年度以降に備え、基金に積み立てるという、そういう運用を今しております。積み立てに当たっては、財政調整基金とのバランスを考慮しまして、子ども施設の整備も含めた今後の行政需要を踏まえ、特定目的基金の計画についてもしっかり検討していきたいと考えております。 ○中村委員 ありがとうございます。この項の最後に、関連をして行政評価について伺わせていただきます。平成30年度決算、数字を見れば好決算と言えます。一方で、今後の子育て支援対策を含め、社会保障費の増大や人件費の増を見込むと、事業見直しは免れることができないと思っております。だからこそ一つひとつの事務事業点検が重要になってくると感じております。しかしながら、今年度の業務改善担当さんは、先ほども人件費のところでお伺いさせていただきましたが、せっかく組織改正で行政監理担当と業務改善担当が一緒になり、仕事がやりやすくなると思っていたところ、年度途中で広聴・広報担当と兼務になってしまいました。今年度行政評価制度について見直しを行うとのことでしたので、本当に大丈夫なのかなというふうに心配でいっぱいでございます。これまでも事業見直しは行ってきていると思いますが、ものすごい時間をかけてやっている行政評価と連動をしておらず、職員の稼働時間のところもしっかりと見直していくためにも、行政評価制度そのものの抜本的な見直しを求めてまいりました。まず行政評価制度見直しにおける今後のスケジュールについて教えてください。 ○高村業務改善課長 行政評価制度の見直しスケジュールについてでございますが、今後、今年度の見直しの取り組みも踏まえまして、さらに見直しの検討を進め、来年度、令和2年度に実施する行政評価にその内容を反映して、令和3年度の予算編成に行政評価の結果がつながるようにしたいと考えてございます。 ○中村委員 わかりました。毎年12月から1月にかけて、来年度に向けた翌年度予算における主な事業と見直しについて議会に報告をされております。平成30年度は事業の見直しが議会報告の中に一つもなかったように記憶をしております。一つひとつの事業について点検を行い、しっかりと事業の検証や見直しができるような仕組みを構築するべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○高村業務改善課長 行政評価による見直し改善の結果をより予算編成につなげていくためには、さらに事業評価にシフトしていく必要があると考えてございます。事業の効果を測定検証し、それに基づき評価できるようにする視点から行政評価の見直しを検討していく考えでございます。 ○中村委員 事業見直しは非常に重要な視点だと思っていますので、ぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございました。 それでは、2番、多文化共生について伺わせていただきます。 中野区の外国人人口は年々ものすごいスピードで増加をしております。現在9月1日時点で33万4,783人の中野区人口のうち、外国人人口は1万9,677人、約5.9%となります。要求資料区民34で新規として出していただきまして、ありがとうございました。ことしの1月1日時点で23区内を比較すると、外国人人口の総数は13位ですが、対人口比率にすると7位です。平成26年1月1日時点で1万949人だった外国人登録者数は、平成31年1月1日には1万9,326人と176.5%の増加、対人口増加率でも166.9%の増加、全国の中でも東京都は外国人人口が4年間で約16万人増と急激に増加をしておりますが、その中の23区中、中野区の増加率は何と1位です。平成26年に3.5%だった外国人人口が6%をうかがうところまで増加をしてきているという現状を、まず中野区全庁として共有をして、理解をしていただく必要があると考えております。これまでは各部署でそれぞれ個別に対応してきており、組織的ではなかったように感じておりますが、それでは済まない状況が迫ってきていると感じております。 この課題については多岐にわたるため、質疑の時間が幾らあっても終わらないので、今回は絞って質問をさせていただきますが、今後、区のどの部署にもかかわってくることだという理解はぜひしておいていただきたいなというふうに思います。 (1)番、在住外国人の日本語教育について伺わせていただきます。中野区に住む外国人で、特に子どものころから家族と一緒に住まわれている方々は、そのほとんど約9割は永住希望があるとのことです。入ってきたときにしっかりとした日本語教育を受けることができなく、日本の社会の中で生活ができないことにより治安の悪化を招くことや将来の社会保障にまで影響を与えることも考えられます。言葉の壁を乗り越えることができて、社会の一員として活躍してくれることは、その子たちにとっても、中野区にとってもプラスしかありません。だからこそ非常に重要な取り組みだと考えております。先ほど述べたように中野区の在住外国人人口は急増しておりますが、区立小・中学校での外国人児童・生徒数はどうなっているでしょうか。 ○宮崎教育委員会事務局指導室長 学齢簿にある区立小・中学校の外国人児童・生徒の数は、平成30年度では小学校で31名、中学校では15名で、合わせて46名となっています。平成21年度から平成28年度までは小・中学校を合わせて30名から40名の間で推移していましたが、平成29年度からは40人を超えるような状態になってございます。 ○中村委員 この人口に比べたら、そこまではふえていないということなんですけれども、これから外国人人口自体がふえていくと、おのずと児童・生徒数もふえていくと考えます。学校現場としてはどのように捉えていらっしゃるでしょうか。 ○宮崎教育委員会事務局指導室長 入管法の改正によりまして外国人労働者が増加し、少しの時間差はあるものの、それに伴って外国人児童・生徒が増加していくことにつきましては、学校現場としても対応すべき課題として捉えております。これまで行ってまいりました日本語指導員派遣の拡充や、外国人児童・生徒が日本の学校に編入する前に集中的に日本語を指導する場を開設することなどを求める現場からの声を踏まえ、教育委員会としても対応を検討してまいりたいと思います。 ○中村委員 現在、中野区立の小・中学校に日本語を話せない外国にルーツを持つ児童・生徒が入学したときの対応についてお尋ねをさせていただきます。現在は大きく分けると二通りあるかと思います。一つは、教育委員会が行っている日本語教育指導員の派遣、もう一つは、中野区国際交流協会で行っている日本語講座や子ども日本語クラスです。 まずは日本語指導員の派遣について伺わせていただきます。実際に日本語指導員をされている方々にお話を伺う機会がありました。現在1人につき60時間の制限があり、教える子どもによっては日本のルールを学ぶこと、また、あいうえおを覚えるだけで60時間終わってしまうこともあるそうです。実際に授業まで必要な勉強をサポートすることはもとより、時間が全然足りない状況だということでした。まずはここの時間を少しでもふやしていくことが必要だと考えますが、いかがでしょうか。 ○宮崎教育委員会事務局指導室長 日本語はもちろん、アルファベットも読めない児童・生徒も多くなっていることもありまして、少しでも日本の学校になじみ、安心した生活が送れるよう、派遣時間の増加につきましては前向きに検討してまいりたいと思います。 ○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。 次に、中野区国際交流協会での事業について伺わせていただきます。まず中学生が対象となる日本語講座は、学校長の要請により対象の中学生が中野区国際交流協会に通い、火曜日の10時から12時、14時から16時の2コマ行っているもので、ボランティアにより運営をされています。午前と午後受講すると、中学生はこの火曜日、丸一日学校を離脱することになります。 この夏、多文化共生、それから日本語教育について23区の複数区に視察をさせていただきました。墨田区では区立錦糸小学校内にある墨田国際学習センターにて日本語教育を行っておりますが、必ず給食はその生徒の所属する学校に戻らせ、クラスで給食を食べてもらうようにカリキュラムを組んでいるそうです。日本語のレベルが足りない子どもたちにとっては学ぶことだけでなく、学校になれたり、それからまた友達をつくることも非常に重要であり、国際交流協会の事業に関してもこうした時間設定の仕組みにしていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ○藤永文化・国際交流課長 現在、中学生につきましては国際交流協会の日本語講座で火曜日丸一日日本語教育を受けているところでございます。日本語指導の必要な中学生の多くは、日本語を習得するとともに通学する中学校の環境になれることも重要なこととして認識してございます。日本語教育だけでなく、中学生にとってよりよい環境づくりも考慮し、日本語講座の時間設定について検討していきたいと考えてございます。 ○中村委員 ありがとうございます。中学生にとっては長時間の学習時間で集中力が続かなかったりとか、あとは12時から14時の長過ぎる昼休みも課題となっているそうです。運用についてぜひ前向きに検討をお願いいたします。 現在はこの二つの事業、また国際交流協会で行っている夏休み日本語クラスのみで日本語教育を行っていますが、日本に来たばかりで言葉や学校文化など、同時に学業全てを一斉に学ぶのは非常に子どもたちにとっても負担となります。入ってきたばかりの児童・生徒を対象とした日本語の集中日程やオリエンテーションなどを含む導入のカリキュラム等も検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○宮崎教育委員会事務局指導室長 日本語がわからない児童・生徒にとりましては、事前にどこかで日本語を勉強していない限り、いきなり全くわからない言葉が飛び交う環境に飛び込むことになり、授業がわからないことはもちろん、日々不安な生活を送ることも考えられます。現在は、日本語指導員の派遣と国際交流協会での日本語指導で対応しているところでございますが、今後こうした児童・生徒が増加していくことも視野に入れ、特に入学時に日本語を集中的に学習できる方法を研究してまいりたいと思います。 ○中村委員 ぜひここも検討していただきたいなと思っています。子どもたちは日本語クラス等で徐々に適応していくこととなると思うんですけれども、保護者はずっと日本語が話せないケースもあると思います。その中で学校文化になれることだったり、書類等の記載なども大変なことも多いかと思いますが、日本語が話せない保護者の方々との対応はどうなっているのでしょうか。 ○石崎学校教育課長 外国から編入のあった場合につきましては、教育委員会の窓口で対応してございます。日本語が話せない方につきましては、タブレット型の通訳システムを使い、意思の疎通を図っているところでございます。また、窓口におきましては、英語、中国語、韓国語による日本語のしおりを用意してございます。必要に応じて当該言語を使用する保護者に配布してございます。学校現場へは、要請があれば通訳を派遣する制度もございますが、多くの場合は知り合いの日本語ができる方や子どもを媒介にしてコミュニケーションを図ってございます。今後、教育委員会では、日本語が話せない保護者がより日本の学校生活を理解し、必要なものなどが把握できますよう、入学の資料を見直していく予定でございます。また、従来タブレット型通訳システムの活用に加えて、やさしい日本語で説明するなどの対応をしてまいります。学校現場では通訳派遣に加えて、より円滑な意思疎通が図れるようなシステムや機器の導入を研究していきたいというふうに考えてございます。 ○中村委員 窓口ばかりじゃなくて、やっぱり学校現場でも、特に今後、外国人人口がふえてきたときに対応はかなり煩雑になってくると思います。一般質問で山本委員からもAI型通訳機導入についても質問させていただきましたが、こういったものの活用もぜひ検討をしていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 中野区内には外国人留学生も多くいらっしゃいます。これまでも明治大学国際日本語学部のゼミと小学校が連携をして、国際理解教育として留学生を派遣するなどの取り組みも行ってきているところであります。この取り組みは、中野区の子どもたちにとって非常に有意義だと考えていますが、なかなか全ての小学校に広げるのは限りがあって難しいのも現実だと思います。例えば留学生に同じ地域出身の外国人児童・生徒が多く通う学校に行ってもらって、交流をするなどの取り組みなんかは考えられないのかなというふうに感じております。マッチングするとかなり大変なことも重々承知しておりますが、同じエリア圏のお兄さんやお姉さんと交流できることは、日本に来たばかりの子どもたちにとって非常に心強いというふうに考えます。留学生のメンター制度的な取り組みなんかも考えられるのかなというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。大学との協議が必要だったりとか、相手があることなので難しいところもあるかもしれないんですけれども、検討してみてはいかがでしょうか。 ○宮崎教育委員会事務局指導室長 これまでも小・中学校では、外国人を外部講師として活用した国際理解教育などを行ってまいりました。一方、中野区は区内の大学と協定を結び、相互の人的資源などの交流・活用を図り、地域社会の発展や人材育成という共通の目的の実現のための取り組みを進めているところでございます。外国人留学生の学校派遣は、特に同じ国や地域出身の外国人児童・生徒にとりましては、安心した時間を過ごせる大切な機会と認識しております。また、日本人児童・生徒にとっても、さまざまな国の留学生と交流し、異なる文化に理解を深める貴重な機会になると考えます。今後はその実施に向けて、大学等と協議を進めてまいりたいと思います。 ○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。中野区国際交流協会では、大人向けの日本語講座もボランティアによって行われております。しかしながら、講座の時間帯によっては希望しても受講ができない、ウエーティングリストに入ってしまうこともあるそうです。これは慢性的なボランティア不足とクラスの少なさにあると思います。まずボランティアさんの不足に関してなんですけれども、中野区国際交流協会の登録ボランティアは多いものの、日常的に講座で教えているボランティアさんが不足をしているというふうに聞いております。ボランティアへの交通費は一切出していないそうですが、一方で、隣の新宿区の日本語教室、こちらもボランティアにより行われているものなんですけれども、こちらは交通費が出るということで、中野区でボランティアをされていた方々が流れてしまっているというお話も伺っております。こういった現状を受けて、交通費に関しても検討をしていただいて、通いやすい環境を整備すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○藤永文化・国際交流課長 国際交流協会の日本語教育ボランティアにつきましては、これまで交通費等を支給しない無償のボランティアとして活動しているところでございます。今後の在住外国人の増加を鑑みまして、日本語教育ボランティアの活発な活動は必要であると認識してございます。他自治体の事例を調査しながら、交通費支給の必要性について検討していきたいと考えてございます。 ○中村委員 ぜひ隣に流れちゃっているという現状も受けとめてほしいなというふうに思います。クラスの増設は、現在の中野区国際交流協会の体制では難しいところがあることも承知をしております。新宿区では、区で行っている日本語教室だけではなくて、NPOなどが運営している日本語教室等、民間のものも含めた案内を作成されておりまして、多文化共生プラザに置いてあります。新宿区では、ほとんどの地域に満遍なく日本語教室が配置をされており、お住まいの地域でこうした講座を受けることが可能になっております。まずは調査からになってしまうと思うんですけれども、クラスの増設が難しいのであれば、こういった手法もあるのかなというふうに考えますが、いかがでしょうか。 ○藤永文化・国際交流課長 民間の日本語教室につきましては、現時点では区も、そして国際交流協会も、交流のある1団体しか区内での活動を確認していないというところでございます。国際交流協会の日本語教室につきましては、なかのZERO西館という比較的交通の便のよいところで活動していることを踏まえまして、まずは講座の時間設定の工夫や、ボランティア活動の活発化など、内容の充実を優先して取り組んでいきたいと考えてございます。また、区内での民間活動につきましては、引き続き情報収集を行っていきたいと考えてございます。 ○中村委員 ぜひ情報収集を行っていただきたいなと思います。もちろんボランティアさんの不足のところが解消できれば、そこも解消できるのかなというふうに思っておりますが、ぜひよろしくお願いいたします。日本語教育法が制定をされて、7月25日には国から通知が出されたということです。国の方針がまだ出ていない状況ではあるそうなので、今後さまざまな措置も検討されると思いますけれども、それを待たずともしっかりと取り組んでいかなければいけない課題ですので、ぜひどうか取り組んでいただきますようよろしくお願いいたします。ありがとうございました。 次に、在住外国人の支援について伺わせていただきます。現在、中野区では窓口での多言語対応タブレットの配置、それからインバウンド向けのパンフレットを作成している等のほかには、在住外国人に対しての対応はほとんど中野区国際交流協会が担っている状況にあります。平成30年度では3,000万円余の補助を出して、さまざまな取り組みを行っていただいております。中野区国際交流協会が行っている外国人支援としては、日本語講座、外国人相談、防災訓練、留学生のための中野生活ガイド等があります。これらは重要な取り組みだと考えますが、これだけでは賄い切れていない部分も多くあります。外国人の方々が家族で移住してきた場合、本当に多くの手続があります。そこで現在、区ではどうされているのか個別に伺わせていただきます。まず保育園や幼稚園の入園手続の際、外国人からの申請にはどのようなサポート体制があるのでしょうか。 ○竹内保育施設利用調整担当課長 日本語でのコミュニケーションが難しい外国籍等の保護者の方から入園の申請があった場合には、タブレット等を活用いたしまして、職員が丁寧に希望を聞き取り、きめ細やかなサポートを行っているところでございます。 ○中村委員 先日、私もあそこの子ども家庭支援センターでタブレットを使っているのを見たんですけど、タブレットがあっても、通常よりもやっぱりなかなか時間がかかるのかなというふうに思います。幼稚園や保育園では、例えば園での子どもの状況に関する日常的な連絡だけにとどまらずに、アレルギー対応だったり、発達の課題など、複雑なコミュニケーションが必要になってくることもあります。出身国の地域によっては宗教などによる文化の違いが課題になることもあるかもしれません。入園後の保護者とのコミュニケーションはどのようにとられているんでしょうか。 ○濵口保育園・幼稚園課長 日本語でのコミュニケーションが難しい外国籍等の保護者に対しては、当該外国語を話せる保育士や保護者またはその外国籍等保護者の知人が通訳となり、コミュニケーションをとっているところでございます。各園においては、外国籍等の保護者とやりとりをする連絡帳を英語や平仮名などやさしい日本語で表記し、外国籍と保護者が保育園からの情報等を理解できるよう工夫しているところでございます。 ○中村委員 知人とかがいなかったらどうなっちゃうのかなというのはすごく心配なところではあるんですけれども、その保育園・幼稚園である程度の範囲における統一的なマニュアルのようなものは作成していないのでしょうか。 ○濵口保育園・幼稚園課長 現在、保育園・幼稚園で保護者対応の統一的なマニュアルは定めてございません。近年、外国から日本に入国する子どもがふえているため、日本の生活や文化になれない子どもや保護者が安心して過ごせるよう、一人ひとりに対する配慮や丁寧な対応が必要であるという認識を持っているところでございます。 ○中村委員 次に進みますね。国民健康保険について伺います。外国人の方々が理解するのが非常に難しくて、また担当さんが説明するのが一番難しいのが保険制度ではないかなというふうに考えます。窓口にいらした際にはどのように対応されているのでしょうか。 ○渡邊保険医療課長 現在、国民健康保険の窓口に来られる方のうち約25%は外国人でございます。日本語の通じる方も多くいらっしゃいますが、日本語の通じない場合は通訳タブレットを活用しております。また、英語、中国語、ハングル、ベトナム語、ネパール語の外国語版の国民健康保険ガイドブックを作成し、窓口で配布するなどをして、国民健康保険の仕組みを周知しているところでございます。 ○中村委員 ありがとうございます。25%は外国人というのはすごく大きな数字だなというふうに感じます。新宿区では、独自で国民健康保険について英語、中国語、韓国語で説明を書いた冊子を作成して、多文化共生プラザに配置をしております。その中には、がん検診など各種検診のお知らせも同じように多言語で入っています。今、担当さんがおっしゃられました中野区でも多言語で、それも5カ国語で国民健康保険の案内を作成されているとのことでした。近年、増加傾向にあるベトナム語、それからネパール語も含んでいるということです。国保特定健診については案内を含んでいますが、各種検診については作成をされていません。ぜひ充実していっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○鈴木保健企画課長 各種検診の多言語対応についてでございます。今後、区内に在住する外国人が増加すると予測されますので、各種検診の冊子等の多言語化につきましては、他区の取り組みについて情報収集をしながら対応を検討してまいります。 ○中村委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。 次に、子どもの予防接種について伺います。子どもの予防接種スケジュールは、日本人でもわかりにくい中で理解をしていただくのはかなり大変なのではないかなというふうに思います。また、専門用語が多いことから、保健所やすこやか福祉センターでも同じように御苦労されているんじゃないかなというふうに思いますが、こうした分野も多言語化した案内を作成して対応ができるものに関しては早急に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○水口保健予防課長 予防接種の案内の冊子「予防接種と子どもの健康」については、予防接種リサーチセンターのホームページに外国語版が掲載されております。英語、中国語、韓国語、ベトナム語、スペイン語、ポルトガル語、タイ語、インドネシア語、タガログ語、ネパール語の10カ国語に対応しております。保健予防課では英語版を窓口に置くとともに、他の言語についても必要時提示できるように準備しております。他の予防接種の窓口とも情報共有を図り、区のホームページにリンクも掲載しております。今後も有効に活用できるよう周知を図ってまいります。 ○中村委員 ありがとうございます。案内は予防接種リサーチセンターというところのを使われているということなんですけれども、そこの情報にたどりつくまでが多分大変だと思うんですよね。それで、窓口も保健所だけではないので、そういったところでも対応が必要になってくるのかなというふうに感じております。 次に、多言語相談窓口について伺わせていただきます。多文化共生先進区であるお隣の新宿区では多言語窓口を設置しておりますが、その約7割は区外在住の外国人ということです。中野区にお住まいの方が利用されている可能性も大いにあると感じております。外国人受入環境整備交付金は9月に3次募集がスタートして、人口6%の要件が廃止をされて、外国人住民5,000人以上の地方公共団体――中野区はここに含まれるんですが――には1,000万円の交付限度額が設定をされています。11言語という条件もありますが、山本委員も一般質問で伺いましたが、改めてこの補助金の利用も含めて、多言語窓口についても検討すべきと思いますので、ここはよろしくお願いいたします。 多言語窓口の設置を新庁舎ができる5年後まで待つと、今の外国人人口の増加傾向を見ると、10%を超えるような状況も考えられると思います。すぐにでも対策をしていかなければいけない急務だと考えております。また、外国人総合窓口を設置の際には、専門相談についても考えていくべきだと考えております。相談内容はその多くが就職、結婚、出産など、ほとんどのライフステージで生じる在留資格などにかかわることだとのことです。現在は年に1回のみ国際交流協会で行われておりますが、相談したいときはその1回と重なるとは限らず、その場その場で必要になってくると思います。専門相談についても今後検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○藤永文化・国際交流課長 委員御指摘のとおり、外国人が日本で生活していく上では入学、就職、転職、結婚など、さまざまな場面で常に在留資格の問題になることは認識しているところでございます。これまで実施している法律相談に加えまして、在留資格などの専門的な相談の必要性も踏まえ、外国人相談窓口のあり方について検討していきたいと考えてございます。 ○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。このほかにも防災、戸籍住民、ごみ、子ども家庭支援センター、生活援護、女性相談など本当に多岐にわたり、今後対応が必要になってくると思います。今回絞って質問をさせていただきましたが、区として外国人住民との共生に関してしっかりと取り組みを進めていかなければいけないと考えております。だからこそこの総合相談窓口が必要だとも感じております。今後の課題について文化・国際交流担当としてどのように捉えていらっしゃるでしょうか。 ○藤永文化・国際交流課長 一般質問でお答え申しましたが、我が国は人口減少社会を迎えまして、生産年齢人口の減少に伴う経済や社会の活力の維持、地域社会の活性化が大きな課題になっているところでございます。近年の外国人の急速な増加を機に、日本人と外国人がともに参加、活躍することで生まれる多様性の力は、人口減少社会において地域社会や経済を活性化させる一つの方策になり得ると考えておりまして、このことについて検討していきたいと考えてございます。 ○中村委員 来年策定予定の基本構想や基本計画の中にもしっかりと多文化共生の理念を掲げていただき、これからもふえるであろう外国人人口、そして外国人だけではありませんが、さまざまなバックグラウンドを持った人々が共生できる中野区を目指していくために、しっかりと全庁で共有していただくことをお願いさせていただきまして、この質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 次に、3番目の中野区立南中野中学校のグランド整備について伺わせていただきます。 6月に行われた南中野中学校の運動会を見に行きましたが、これまで以上に転倒する生徒が多いことが気になりました。よく見るとグラウンドが波を打っている箇所がありまして、全速力で走るには危険とも感じました。今回、中学校PTA会長連合会からの要望にも含まれております。今後、ほかの学校施設でも同じような事例が出てくることもあると思いますので、質問をさせていただきたいと思います。 南中野中学校は、中野区立小・中学校施設整備計画の中で建てかえが決まっていない学校の一つであります。第一中学校と中野富士見中学校が統合してから10年が経過し、この11月には10周年記念式典も行われる予定となっています。南中野中学校を建てかえする時期は大体どれぐらい先になる見込みでしょうか。 ○塚本子ども教育施設課長 中野区立小・中学校施設整備計画の中におきまして、建築後50年を経過した学校施設は改築を進めていく、そうしたように示されてございます。南中野中学校におきましては、令和7年に建築後50年を経過するために、今から約6年後が建てかえ時期の一つの目安であると考えております。 ○中村委員 6年後と言ってもまだ計画には載っていないので、それよりも先になる可能性も大いにあると思っていますし、このまま6、7年何も手をつけないで、それまで待ってくれというのは、学校環境を考える上でもなかなか厳しいなというふうに思うんですが、グラウンドの抜本的な整備にはどれぐらいの時間がかかるんでしょうか。 ○塚本子ども教育施設課長 抜本的にグラウンド整備を行う際には、ダスト舗装の入れかえをはじめとしまして、下地の路盤を打ちかえたりですとか、埋設配管、あるいはスプリンクラー設備等の改修が必要となります。そうした全ての工事を合わせますと、おおよそ7カ月間の整備期間が必要となるものでございます。 ○中村委員 7カ月もかかってしまうというのは非常に長い期間だなというふうに思います。7カ月かかってしまうという、そうなると、整備期間は夏休み1カ月強から大幅にはみ出してしまうことになるかと思います。例えば近くの施設をその期間使わせてもらうなどの工夫が必要になってくるのかなというふうに思います。私もこの近隣の区有施設を確認したんですけれども、なかなかグラウンドとして使用できるだけの広さが確保された場所がないのも現実かなというふうに思います。例えばなんですけれども、南台小学校の工事中、一時的にグラウンドを使うなどの検討はできますでしょうか。 ○塚本子ども教育施設課長 南台小学校の改築工事中でございますが、グラウンド部分も施工ヤードとして使用いたしますことから、南中野中学校の代替グラウンドとしての使用は困難であると考えてございます。 ○中村委員 なかなか難しいんですよね。南台にはいちょう公園もあるんですけれども、体育の時間にいちょう公園まで南中野中学校から行くとなると、往復にはかなりの時間がかかってしまいます。23日にオープンする広町みらい公園もスペース的にはちょっと厳しいのかなというふうに感じております。もし代替の施設が見つからないのであれば、例えばグラウンド半分ずつの工事をするという工夫は考えられるのでしょうか。 ○塚本子ども教育施設課長 グラウンドを半面ずつ改修いたしまして、あいた半面を使用しながら整備を進める。そういったことは技術的には可能であると考えてございます。 ○中村委員 この工法だと、また、こういった半分ずつの工事だと、どれぐらいの期間がかかるでしょうか。 ○塚本子ども教育施設課長 グラウンドを半面ごとに改修するとした場合におきましては、新たな安全対策が必要となるなど、全体の作業効率が下がってしまいますので、一般的には2カ月程度余分に期間がかかると考えてございます。そのため、全体では最大で9カ月ほど整備期間がかかると考えてございます。 ○中村委員 9カ月、結構長いですよね。1年近くかかる。なので、その期間グラウンドが全部で使えないということにより不自由な環境を与えてしまうんであれば、抜本的な整備だけではなくて、応急的なグラウンド整備の可能性も考えなければいけないのかなというふうに思うんですけれども、応急的な整備だと工事期間はどれぐらいになるんでしょうか。 ○塚本子ども教育施設課長 グラウンドを簡易に整備するとした場合、例えばグラウンド表面のダスト舗装の入れかえと、排水整備の掃除だけ行う。そういったことを想定した場合におきましては、おおよそ2カ月程度の整備期間となってございます。 ○中村委員 2カ月は夏休みより期間が長いのかなと思うんですが、これは夏休みだけで対応は難しいのでしょうか。 ○塚本子ども教育施設課長 2カ月程度ではございますが、学校運営と調整の上で、夏休み期間内で整備工事を終えることも可能であると考えてございます。 ○中村委員 わかりました。応急的な整備だと、整備後どれぐらいの期間でまたグラウンドが波打ったでこぼこの状態に戻ってしまうと予想されるんでしょうか。 ○塚本子ども教育施設課長 表層のダスト舗装の入れかえだけであれば、良好な状態を保てるのはおよそ3年程度であると。ただ、日ごろから適切に維持管理を行うことで、さらにその期間を延ばすことは可能であると考えてございます。 ○中村委員 わかりました。3年と聞いちゃうと、ちょっとなかなか短いなという印象はあるんですけど、日常的な整備をしていけばもう少し長く使えるのかなというふうに思います。そこの費用と学校環境整備の見合いとの中で検討を進める必要があるかと思うんですけれども、南中野中学校のほかにも同じように建てかえ計画がない学校の中で、グラウンドがでこぼこになってしまっている学校は存在するかと思います。聞き取りや調査をして、全てを把握して計画的に対応していく必要があると思うんですけれども、いかがでしょうか。 ○塚本子ども教育施設課長 抜本的なグラウンド整備に関しましては、長期間グラウンドが使用できなくなりますので、学校改築にあわせて整備を行う。そういったことを基本といたしまして、それ以外に改築まで時間がある期間があく学校でありますとか、そもそも改築計画が示されていない学校につきましても、グラウンドの状況に応じまして簡易なグラウンド整備を行うなど、常に良好なグラウンド環境を維持していきたいと。その上で、全ての小・中学校につきまして計画的にグラウンド整備を推進していきたいと考えてございます。 ○中村委員 ぜひよろしくお願いします。昨年の決算総括で、我が会派の酒井委員からもグラウンド整備について伺わせていただいております。ここ10年間ではほとんどの学校でグラウンドの整備をしていなかったということでした。特に抜本的な整備になると時間もお金もかかりますし、また代替施設についても考えなければいけないことも課題だなというふうに思っています。しっかりと計画的に進めていただくことをお願いさせていただきまして、この項の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 次に、4番の災害対策について伺います。 まず(1)災害時の妊産婦支援について伺わせていただきます。先日、9月9日未明に東京にも大きな被害をもたらした台風15号は、人的被害はなかったものの、中野区でも被害をもたらしました。交通機関は大きな乱れが出て、区の職員の皆さんも9日朝に出勤ができなかった方もいらっしゃいました。また、千葉県南部では広範囲に停電、断水が起こり、復旧までに多くの時間を要しております。今もまだそういった環境で暮らされている方々もいらっしゃいます。中野区も、里・まち連携自治体である館山市への支援も行っているところであります。近年は、大きな地震や火山の噴火なども頻繁に起きております。こうした自然災害は防げるものではないからこそ、被害が最小限になる対策をとらなければいけません。また、二次被害を出さないような対策も急務だと考えております。 まず災害時の妊産婦支援について伺わせていただきます。これまでも災害時の妊産婦及び乳幼児がいる母子の避難所の設置に関する質問を行っていましたが、なかなか進んでいないのかなというふうに感じておりますので、改めて伺わせていただきます。 これまで大きな災害を経験してきた自治体の学びとして、妊産婦や乳幼児親子に優しい避難所運営について、平時の段階から準備をしておくことの重要性が示されております。理由としては、妊婦であることを申し出にくい、妊婦高血圧症候群が起こりやすい、授乳がしづらい、乳児の泣き声で周囲に気兼ねする、乳幼児は感染症にかかりやすい等が挙げられます。東日本大震災の際には、特に目立った外傷がなかった妊婦さんが数日後に流産をしてしまったケースだったり、また熊本地震の際には、一般の避難所が利用しづらいことを理由に車中泊を続けたことによって切迫早産となり、子どもは生後3カ月で敗血症となり、亡くなってしまった事例もあります。こういったことを防いでいかなければいけないというふうに感じております。まず、区として妊産婦及び母子避難所の必要についてはどのように捉えていらっしゃるでしょうか。 ○田中危機管理課長 妊産婦及び母子避難所の必要性につきましては、区としても認識をしているところでございます。地域防災計画におきましても、授乳スペース、男女別の更衣場所など、性別に配慮したマニュアル等の整備をすることとしているところでございます。また、避難所での集団生活が困難な乳幼児等に対しましては、乳幼児等対象施設を二次避難所として確保しているところでございます。 ○中村委員 昨年度、中野区は東京都助産師会新宿中野杉並地区分会と災害協定に向けた話し合いをしていたというふうに伺っておりますが、1月に立ち消えになってしまったというふうに聞いております。助産師の皆さんは、災害発生時において特別な支援が必要な妊産婦や子どもに対して活躍してくれることが期待をできると思いますが、現在この災害協定についての状況をお聞かせください。 ○田中危機管理課長 東京都助産師会新宿中野杉並地区分会との災害協定についてでございますが、現在、協定締結に向けた準備を進めているところでございます。本年12月開催予定の災害医療連携会議、こちらのほうに諮った上で、さらに医師会等との調整を経た後に今年度中に協定を締結したい。そのように考えているところでございます。 ○中村委員 ありがとうございます。今年度中に協定を結びたいということなので、ぜひそこは進めていっていただきたいなというふうに思います。助産師会の方々に活躍していただくには、避難所内に妊産婦及び母子の専用スペースを設けるか、もしくは二次避難所の早期開設についても検討をしていかなければいけないと考えております。文京区では平成24年9月に、区内にある跡見学園女子大学との災害時における妊産婦・乳児支援に関する相互協力の協定を締結されております。学校施設の一部を母子専用の救護所として提供するというものでして、150名程度の受け入れが可能です。場所の確保も課題だと感じておりますが、区としてはどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。文京区と跡見学園女子大学との協定のような事例も含めて、場所の模索もしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○田中危機管理課長 避難所内に妊産婦及び母子の専用スペースを設ける、もしくは妊産婦の二次避難所の開設と、こういうような必要性については認識をしているところでございます。先ほど御答弁申し上げました東京都助産師会新宿中野杉並地区分会、これの協定の締結と並行しまして、区有施設も含めました場所の確保につきまして模索してまいりたいというふうに考えてございます。 ○中村委員 場所は非常に重要だと思いますので、ぜひよろしくお願いします。文京区では大学との共同で妊産婦・乳幼児救護所の開設訓練も行っているそうですね。こうした日ごろからの訓練が、いざとなったときに混乱を回避することになるかと思います。助産師会と協定を結ぶ際、締結した際には、こうした訓練も必要になってくると考えますが、いかがでしょうか。 ○田中危機管理課長 助産師会との訓練につきましては、助産師会との協定を締結後に助産師会の意見も聞きながら、どのような訓練が可能か考えてみたいというふうに思ってございます。 ○中村委員 まずは協定締結が先だと思いますが、ぜひそこも検討していっていただくようによろしくお願いいたします。 (2)番、罹災証明の発行について伺わせていただきます。大きな災害が起きた際、被災された区民の皆さんは早い段階で保険などの手続をし、壊れた家屋や家財の修繕に手をつけ、生活の再建を進めたいと考えると思います。そのためには罹災証明をなるべく早くに発行する必要があるかと思います。いち早く罹災証明を手にできるよう、区としても対策をしていく必要があると考えますが、その体制がとれている状況なのでしょうか。現在、区として罹災証明発行についての課題をどのように想定されているのか伺います。 ○山田防災担当課長 罹災証明書の発行についてお答えいたします。罹災証明書の迅速な発行が、区民が生活再建を進める上で極めて重要であるものと認識しております。罹災証明書の発行には、住家被害認定調査を実施し、その結果をもとに被害認定を行う必要があります。これを迅速に行うには、区職員が担う被害認定調査の習熟度の向上や、大量の罹災証明書の発行に係る手順の整理等が課題であると認識しております。今後、東京都の災害生活再建支援業務研修の活用や被災者再建システムを活用した罹災証明書の発行訓練などを通じて、職員のスキルアップを取り組んでいきたいと思います。 ○中村委員 ありがとうございます。これまでも各地の自治体で大きな災害に遭った際に、他自治体の職員派遣など支援を受けているケースが多く見受けられるかと思います。こうした他自治体からの受援計画も非常に大切だと思いますが、地域で活躍する方々の力をかりることも考えられるのではないかと思います。都内では、近隣の新宿区、杉並区や足立区、それから小平市、府中市、多摩市、稲城市と、東京都行政書士会の地域支部で罹災証明に係る災害協定を締結されております。災害時に市役所や避難所に出向き、被災者に罹災証明発行にかかわる書類の書き方を教えることなどを想定しているそうです。被災された際に、ただでさえ大変な状況の中、二度手間、三度手間を防ぐためにもとても有効だと考えておりますが、中野区でも東京都行政書士会中野支部との協定に向けた協議を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○田中危機管理課長 災害が発生した際、被災者の生活再建を円滑かつ着実に推進していく必要がございまして、過去の地震の際にも、その罹災証明の手続の代行、関係機関の手続などにおいて実績を上げているということは承知をしているところでございます。東京都行政書士会中野支部との災害時の支援に関する協定の締結に向けて、引き続き検討してまいりたいと考えてございます。 ○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございました。 最後です。5番のその他で1点、選挙について伺わせていただきます。 中野区議会議員選挙は4月21日に施行されました。投票率は40.46%で、4年前と比べて0.02%ふえております。翌4月22日に開票され、今ここにいらっしゃる42名の議員の皆さんが当選をされました。選挙は戸籍名主義になっているとのことですが、これは何に基づいてそうなっているんでしょうか、伺います。 ○松原選挙管理委員会事務局長 選挙の管理執行に関します戸籍簿に記載された氏名による取り扱いについてのお尋ねでございますが、立候補届出書に記載する候補者氏名につきましては、公職選挙法施行令89条の規定に基づきまして、また当選人告知報告並びに当選証書につきましては、昭和39年10月1日付自治省選挙局長通知に基づきまして、戸籍簿に記載された氏名を記載することとしているものでございます。 ○中村委員 ありがとうございます。選挙の届け出をする際に、必要な候補者は通称名使用を申請する手はずになっているかと思います。選挙が終わった後2週間以内で提出をする必要がある収支報告書は通称名でも出せたかと思いますが、いかがでしょうか。 ○松原選挙管理委員会事務局長 ただいま申し上げました選挙局長通知によりますと、その他の場合、すなわち収支報告書におきましては、通称によることも差し支えないものとされているものでございます。 ○中村委員 ありがとうございます。今回、私は結婚後初めての選挙で、つまり苗字を改姓して初めての選挙でした。結婚するまでの6年間、議員としてはずっと中村延子として活動してきておりますし、その後も通称使用という形をとらせていただいておりまして、誰も疑うことなく私を中村延子として認識していただいております。戸籍名での投票もカウントされますが、私の戸籍名での按分票は一票もありませんでした。それにもかかわらず、当選証書は戸籍名のみで記載をされ、当選証書授与式では戸籍名で呼ばれ、証書を渡されました。届け出をする際には通称名申請をしているのにもかかわらず、また収支報告書は通称名でも可能となっている運用の中、非常に驚いたわけですが、これは何に基づいて行ったのかお尋ねします。 ○松原選挙管理委員会事務局長 御指摘の違いでございますが、既に先ほど申し上げました昭和39年の選挙局長通知の中で区別をされております。当選証書に記載する当選人の氏名は、この証書が身分を公証する公文書であることから、立候補届出書と同様に戸籍に記載された氏名を記載することとされているものでございます。 ○中村委員 仙台市では、当選証書には通称名も括弧書きで併記をされており、授与式の際には通称名で呼ぶ運用を行ってきております。衆議院選挙などの国政選挙、それから23区の中でも同じように証書には括弧書きで通称名を記載しているところもあると聞いております。今回、この統一地方選後に、総務省からも通称名併記に関する通知が出たというふうに聞いておりますが、選挙管理委員会では把握していますでしょうか。 ○松原選挙管理委員会事務局長 御指摘の通知でございますが、令和元年5月24日付各都道府県選挙管理委員会委員長宛て総務省自治行政局選挙部長通知、第25回参議院議員通常選挙の管理執行についてのことと思われますが、この通知の中で当選証書に記載する当選人の氏名については、当選人から申し出があった場合には、戸籍に記載された本名を記載した上であれば、追加情報として通称を付記することもできるとしているものでございます。選挙管理委員会としては、この内容は把握しているものでございます。 ○中村委員 特に事情がない限り、中野区が執行する選挙は3年後の区長選挙まではありません。それまでの間に選挙管理委員会として今後取り組むべき課題だと考えますが、いかがでしょうか。 ○松原選挙管理委員会事務局長 総務省通知の趣旨、それから他自治体の状況につきましては、選挙管理委員会に速やかに報告をしているところでございます。いずれにしましても、当選証書の取り扱いにつきましては、選挙執行時に選挙管理委員会により判断されるものと考えてございます。 ○中村委員 ありがとうございます。この問題は、ただの呼称というだけではなくて、結婚の有無を改姓した人だけがアウティングをされるという事象でもあるというふうに私は考えております。そういった観点からも、ぜひ早急に取り組んでいただくことをお願いいたしまして、私の全ての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○森財政課長 申しわけございません。1点答弁訂正をお願いいたします。先ほど中村委員の御質問の平成30年度決算についての歳入についての項で、地方消費税交付金の清算基準の影響額はどれぐらいだったかというこちらに関しての御答弁で、区の影響額について消費税8%段階では、私、先ほど18億円の減というふうに申し上げたかと思いますが、13億円の減が正しいものでございます。訂正させていただきます。申しわけございませんでした。 ○山本委員長 以上で中村延子委員の質疑を終了します。 次に、白井ひでふみ委員、質疑をどうぞ。 ○白井委員 改選後初めての総括質疑となります。しっかり頑張らせていただきたいと思っておりますけども、冒頭、台風15号の被災された皆様に心よりのお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧を御祈念申し上げる次第です。実は私の学生時代の先輩、そして後輩が、被害が多かった地域で地方議員をしておりまして、忙しい毎日を送っているだろうということで電話は遠慮しているんですけども、フェイスブック等々を拝見すると、奔走している姿が目に浮かぶ状況です。ぜひ頑張ってもらいたいなと。ここでちょっと、この場をかりて、ありがとうございます。エールを送らせていただきたいと思っております。 改めてでありますけども、災害対策、防災対策の大切さを痛感する次第です。特に最近は減災のみならず、避けられない被害の大きさについては、いかに適応するのか。適応策についても議論が始まり出しております。私の質疑でも後ほど取り上げさせていただきますけども、我が会派としては2番手、3番手でも質疑を行ってまいりたいと思っています。 それでは改めて、令和元年度第3回定例会決算特別委員会において、公明党の立場から総括質疑を行わせていただきます。質疑は通告順に行ってまいります。質疑の残時間で若干変更するかもしれませんけども、このまま進ませていただきたいと思います。その他についてはありません。 初めに、1、平成30年度決算と今後の財政見通しについてお伺いいたします。 この項では、平成30年度決算分析を行い、今後の中野区の人口構成、10年後の中野区の財政見通しの推計値、財政見通しの推計値から考える区の基本構想・基本計画のあり方について伺ってまいりたいと思います。また、平成30年度決算分析については、私からは全体の大枠を伺い、各項目、各事業メニューについては、我が会派の2番手、久方ぶりに質疑に立ちます、節回しに特徴がありますが、本人に言わせると、至ってきれいな標準語だと言っております南かつひこ委員が登板予定です。そして、3番手のトリに、とある理事者によりますと武闘派だと言われているそうです。大御所、久保りか委員にバトンをつないでまいりたいと思います。 それでは、平成30年度の歳入総額は1,408億円、歳出決算額は1,358億円でありました。実質収支は26億円、実質収支比率は3.4%となりました。区財政の弾力性を示す経常収支比率は前年度比0.8%減の77.7%、実質公債費比率は0.7%減のマイナス2.4%となりました。また、中野区方式である公債費負担比率は4.3%となっています。平成30年度の決算数値をこれまでの決算数値と比べてまいりたいと思います。この10年間の歳入の決算数値と同じく歳出の決算数値の動向をお伺いいたします。 ○森財政課長 普通会計ベースでの歳入歳出決算額についてお答えをいたします。歳入歳出の順番でお答えをいたします。21年度が歳入1,230億円の歳出が1,213億円、22年度、歳入1,052億円、歳出1,035億円、23年度、歳入1,089億円、歳出1,066億円、24年度、歳入1,145億円、歳出1,125億円、25年度、歳入1,154億円、歳出1,125億円、26年度、歳入1,324億円、歳出1,274億円、27年度、歳入1,333億円、歳出1,301億円、28年度、歳入1,265億円、歳出1,230億円、29年度、歳入1,252億円、歳出1,221億円、30年度については歳入が1,408億円で、歳出が1,358億円ということでございます。 ○白井委員 平成30年度は著しい歳入の増加が見られます。その要因についてお伺いをいたします。 ○森財政課長 特別区交付金、都支出金、繰入金が特に増となっております。特別区交付金については9.3%増の33億円増、都支出金が25.3%増、25億円の増、繰入金が240.3%増、金額では111億円の増となっております。 ○白井委員 単年度の収支の判断となる実質収支比率、区財政の弾力化の判断となる経常収支比率、また、中野区の独自の財政基準である中野区方式の公債費負担比率について、近年の動向から見る平成30年度の決算数値をいかに判断されているのか、その評価をお伺いいたします。 ○森財政課長 まず実質収支比率でございます。平成26年度は6.2%だったんですけれども、それ以降3%台を保っておりまして、平成30年度も3.4%、横ばいに推移したところです。望ましいとされるのは3から5%の範囲内でございまして、現状の比率を維持していくために基金の適切な運用等、引き続き計画的な財政運営に努めてまいる所存でございます。 経常収支比率につきましては、近年は70%台を保っておりまして、平成30年度も77.7%ということで横ばいに推移しております。望ましいとされるのは70から80%の範囲内でございまして、今後については待機児童対策や高齢化の進展に伴っての扶助費の増、繰出金等の増加が想定されます。一方で、地方消費税交付金の清算基準の見直しなど、今後の歳入状況も楽観できるものではございませんので、臨時的投資的経費を一定程度見込む計画的な財政運営を確保するために事業見直しを行うなど、安定的な財政運営に努めてまいる所存でございます。 最後、公債費負担比率中野区方式につきましては、昨今緩やかに減少しておりまして、平成30年度は4.3%となったところでございます。過去10年間では最低値だったということでございます。今後の行政需要を踏まえると、引き続き区の財政体力に見合う10%前後を目標値に置くことが現役世代の負担の軽減に値すると考えておりまして、中長期的な財政見通しの中で計画的な特別区債の活用を進めてまいりたいと考えております。 ○白井委員 今後の取り組みまで述べていただきましたけど、後ほどまた改めて触れたいと思っていますので、ありがとうございます。分析のみならず。 次に、区の貯金である基金についてお伺いしたいと思います。区の基金残高の近年の動向についてお伺いをいたします。 ○森財政課長 過去5年で申し上げます。全体なんですが、26年度486億円、27年度593億円、28年度676億円、29年度725億円で、30年度が700億円でございました。 ○白井委員 立て続けにるるお聞きいたしましたけども、いわゆる近年10年間と比べても、非常に堅調な30年度の決算数値が示されていると言えると思います。 次に、中村委員の質疑がありましたけど、私もここの点が30年度決算大枠を伺うには非常に特徴的だなと思っているところです。いわゆる基金残高についてのお話なんですけども、平成30年度の基金残高は前年度の過去最高の725億円から700億円に減少しています。その理由について改めてお伺いをいたします。 ○森財政課長 全体で見ますと、基金からの繰り入れ、こちらは157億円でございまして、積み立てのほうが132億円でございました。これによりまして、差し引き25億円の減となっております。一番大きく減となったものが財政調整基金でございまして、28億円の減ということでございます。財政調整基金については、繰り入れ自体は55億円しているんですけれども、その繰り入れの使い道といいますか、使途といたしまして、待機児童対策の充実ですとか、オリンピック・パラリンピック事業経費などの臨時的に増となった経費について、財政調整基金の繰り入れで対応したといったようなところでございます。 ○白井委員 反面、今度は区の借金であるいわゆる区債について、平成30年度の特別区債現在高は51億円に減少しています。基金を活用した判断理由と、そもそも基金と起債の活用についての判断基準をどのように行っているのかお伺いいたします。 ○森財政課長 平成30年度におきましては、一般財源の収入状況を勘案しまして、また、後年度負担も考慮した上で、特別区債の発行を取りやめたところでございます。一方で、償還につきましては計画どおり区債元金51億円を償還したということでございまして、地方債の現在高が51億円減少したということでございます。起債については、一時的に多額の費用を必要とする建物建設や公園用地の取得等については、財政負担の平準化と世代間負担の公平化を図る意味から起債を活用していくといったようなところで考えておりまして、一方で公債費の抑制を図るため、公債費負担比率を10%以内になるよう運用しているといったところでございます。今後については、区役所新庁舎建設に伴う一時的な財政負担ですとか、学校改築などの多額の財政負担が発生するといったようなこともございますので、区民サービスを停滞させることなく安定した財政運営を行うために、歳入の動向を踏まえながら、基金残高、繰入額をしっかり勘案しながら、計画的な財政運営をしていく考えでございます。 ○白井委員 答弁に対する再質問なので、通告にはないものです。今御答弁いただいた財政負担の平準化、それから世代間負担の公平、確かにそのとおりなんです。一方で、その基準はという話なんですけども、バランスを見てってこんな話だと、ちょっと曖昧かなと思います。中野区の公債費負担比率10%を遵守するためにだけというのであれば、いわゆる借金の金額を一定金額に使わないためだけに一財を投入していくという、こんな話になるので、この基準自体もよくないなと思っています。後ほどこの後段で触れますけども、単純に頭割で財政負担の平準化だとか世代間負担の公平だというだけでは、毎年毎年均等にその負担額だけを負わせる形となってしまいます。むしろ積極的に将来負担の減少というところに取り組んでいかなければ、今後中野区はなかなか難しい財政状態になるんだろうとも思っています。何が正解かというのは単純にこれだけでは捉えられませんし、区財政全体の中で見なきゃならないんですけども、大きな予測の中で区として積極的な基準を考えていく必要があるのかなと思います。今答弁を聞いていると、総合判断はされたんでしょうけども、中野区のいわゆる10%の公債費負担比率だけを遵守するために借金をなるべく減らしておきたい。特に新区役所の起債が大きくなるがゆえに今のうちに減らしておきたいというだけでは、ちょっと財政基準としては弱いなと思います。改めて基準についてお伺いをいたします。 ○森財政課長 一つの判断する指標としては、先ほど申し上げました公債費負担比率中野区方式の10%以内ということは、一つ目安というか、しっかり見ていくというところがございます。先ほどの答弁とも重なるところはありますけども、起債については、30年度については当初予定していたところを一般財源の収入の状況などを勘案して、最終的には取りやめたというようなところもございますので、おっしゃられるように将来的な負担のところの部分をしっかり判断しながら考えていく必要があるなと思っております。今後の財政運営全体についても、基本計画のところの検討にあわせまして、今後、財政運営の考え方についてもしっかり検討していきたいと考えております。 ○白井委員 よく御検討いただきたいと思います。続けます。 次に、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率のいわゆる財政健全化の判断比率というものなんですけども、財政指標に見る平成30年度の決算数値の区財政の健全性の判断をお伺いしたいと思います。 ○森財政課長 今お話ございました実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率については、いずれも基準を下回っておりまして、健全性を保っているといったようなところでございます。今後さらに大規模開発等の後年度負担などもありますので、そういった将来負担もしっかり考慮しながら、安定的な財政運営を確保していきたいと考えております。 ○白井委員 財政指標の四つのと言うんですけど、ここに引っかかるようではなかなか大変な状態ですからね。当然健全性がなければならないとも思います。 少し角度を変えていきたいと思っています。平成30年度の今、大枠である決算数値上は至って健全、むしろ好調とも言える状態です。しかし、今後予定されている大規模プロジェクトの進捗が区財政に大きな影響を及ぼすこととなる。こういうふうに思っています。中野区立学校施設整備計画に基づく学校改築、また、国や都の補助金の活用が期待できない一般財源による新区役所の建設、それから中野駅北口の再開発など、大きな点があります。この点は監査の意見書の中でも触れられているところなんですけども、これは既に計画が決定しているものにすぎないとも言えます。当然現在検討段階にあるものはまだ反映されていません。 この点をさらに考えるといいますか、ちょっと深掘りをさせていただきたいと思っていまして、現行の基本構想・基本計画である10か年計画(第3次)、こちらのものですね。それと、新しい中野区の基本構想審議会での参考資料をひもときたいと思います。区のホームページから、もしよければ10か年計画(第3次)のほうを引っ張っていただければと思います。使うところはこの後ろのほうになるんですけども、282から288ページ、人口推計値というのがあらわされています。さすが自民党さん、たくさん持ってきていますね。当時のいわゆる基本構想・基本計画をつくられたときの中野区の人口予測が出ているところです。それから、272、273ページは、当時の財政見通しが示されています。10年間の中野区の将来の財政フレームが示されている箇所でもあります。また、もう一つの資料でありますけども、先ほど内川委員も触れておられました、先日の総務委員会での報告があったものです。こちらは、タブレットがある方はぜひこっちだけでも見ていただければと思います。8月27日の総務委員会資料、中野区基本構想審議会の検討状況についてというのでアップがされています。その後ろに参考資料、別紙2、別紙3というのがついてあるんですけども、これが現在検討されている基本構想、それから基本計画についての中野区の将来人口の推計値、それから財政フレームについて述べられているところです。 それじゃ、質疑にちょっと移りたいと思います。中野区の将来人口の推計値と、人口推計値をもとに一般財源規模から見る歳入歳出、そして新規拡充事業または新規事業に充当できる一般財源との表現で、区財政の弾力性、財政の見通しが示されています。現行の基本構想・基本計画である10か年計画で示された当時の人口推計値がありますけども、最も新しい人口推計値が基本構想審議会での参考資料の別紙になるとの捉え方で、まず間違いがないのか確認のためお伺いをいたします。 ○永見基本構想担当課長 現時点で区が公表している人口推計といたしましては、基本構想審議会及び総務委員会で御報告したものが最新でございます。 ○白井委員 ありがとうございます。別紙2のものです。総務委員会資料のものです。これはあくまでも審議会で議論をいただくための別紙の参考資料というものなんですけども、非常に大事な資料だと思っています。この資料、ちょっと扱いとしては付属の参考資料というふうに扱いが軽過ぎると。中野区の将来を見通した最新であって、この人口推計がそのまま中野区の将来の財政に響くという大もとの資料であるので、これはぜひもう少し取り扱いを大事にしていただいたらいいかなと思いますし、我々議員としては注視していかなければならない資料だと思います。 両資料とも人口推計として、2060年まで年齢別構成の表現が異なりますが、示されています。人口推計値に差が生じているところです。これまでの10か年計画と現行の示された数値です。この数値についての説明と、その理由についてお伺いしたいと思います。 ○永見基本構想担当課長 両資料とも国立社会保障・人口問題研究所が公表したコーホート要因法による長期将来人口推計を基本として、推計時の直近の住民基本台帳人口を基準として推計を行ったものでございます。現行の10か年計画策定時におきましては、2015年4月1日の住民基本台帳人口を基準に推計いたしましたが、その後、人口流入が大幅にふえていること、また都区部に多くの外国人が流入していることなどが要因となり、今回の推計と乖離が生じたものでございます。 ○白井委員 少し本論からそれるんですけども、10か年計画の288ページになります。ここで人口推計値とは別に、中野区がこういう人口の体制にしたいという、中野区が目指す人口推計が示されています。新しい基本構想・基本計画が今議論されているところですけども、新しい基本構想・基本計画にも示される予定なのかお伺いいたしたいと思います。 ○永見基本構想担当課長 新しい基本計画におきましても、中野区における近年の人口動向を踏まえた基本推計のほか、計画における施策展開等を踏まえ、区が目指す将来推計についても示すことを検討しているところでございます。 ○白井委員 このままいくと、このような人口で人口構成になってしまう。だからゆえに政策としてここまでの数値を目指すんだという意味合いです。 本論に戻ります。人口の推計値から今後の10年間の一般財源規模に見る経常経費の想定が示されています。この項での前段で、平成30年度の決算数値をわざわざこれまでの10年間の動向と比べてとお伺いしてきたのはこのためでもあります。区の判断を伺ってきましたけども、10か年計画では平成37年、令和7年までの推計ですが、新しい基本構想・基本計画の別添の参考資料の別紙では、令和11年までとなっています。つまり、これまで示されてこなかった令和8年から令和11年が示されています。この年数がふえたというだけじゃなくて、ここが非常にポイントだと思っているんですけども、この数値が私には非常に衝撃的で、インパクトが大きかったです。令和8年から令和11年までの経常経費の増加の見通しの要因についてお伺いをいたします。 ○森財政課長 高齢者人口がこの令和7年以降伸びていくだろうというようなことで、その高齢者人口の伸びを見込みまして、それを踏まえて扶助費の伸びにも反映させたといったようなことで、経常経費が増加しているものでございます。 ○白井委員 皆さん、ページを探しているので、新しい基本構想の別紙3の資料のほうのものを指しています。経常経費の積算は歳入総額規模でなく、あくまで一般財源規模で割り返した数値で間違いないのか。要は経費全部ここに盛り込んでいるということはないですよね。あくまでも一般財源規模ベースで今言った経常経費分だけを差し引いているものなのか、念のため確認をさせてください。 ○森財政課長 一般財源規模で算定したものでございます。 ○白井委員 一般財源規模の支出のみで、特定財源からのものは含まれていないということです。そうすると、一体この数値というのはどれほどの信憑性があるものなんでしょうか。本当に信頼性が高いものなのか。こういうふうにお伺いしなければならなくなります。いかがでしょう。 ○森財政課長 直近の決算の伸びですとか今後の人口推計を踏まえまして、現時点で考えられる推計値を算出したということで考えているところでございます。 ○白井委員 そうすると、現在の人口構成の変動がない限りは、これだけの経費は確実にかかる。こういう見込みなわけですよね。しかも、まだ現在検討段階の計画は当然予算に反映されていないわけなので、今の計画をそのまま横引きにしたら、これぐらいいわゆる財政を圧迫していくという数字が見えるところです。人口推計、人口構成に大きな変化がなければ、避けがたい現実の予見となります。ここには基金と起債の資料が示されていませんけども、当然にこの数値を示すには財政方として計算をされているんだと思います。基金と起債についてどのような見通しを立てておられるのかお伺いをいたします。 ○森財政課長 基金のうち財政調整基金につきましては、過去に急激な景気の悪化で一般財源が50億円近く減収に見舞われた経験から、3年程度は区民サービスをしっかり維持していくといったような考えのもとに、少なくとも年度間調整分については150億円の積み立てを考えているということで、こちらのほうで見通ししております。また、特定目的基金及び起債については、現行計画されている事業を執行した場合に必要となる基金残高を想定して積み立て、または繰り入れをしているということでございます。起債については、中野区方式の公債費負担比率10%以内を保ちながら、現行計画に基づいて起債をしていくといったようなことで推計していまして、また、それにより発生する公債費もあわせて推計しているということでございます。 ○白井委員 先ほど述べましたけども、平成30年度の監査意見書では、今後予定されている大規模プロジェクトの進捗が区財政に大きな影響を及ぼすとの懸念が示されているところです。個別の事業を挙げましたので避けますけども、当然に現在計画段階のものは反映されていません。例えば区有施設の改築、職員人件費等々、検討段階にあるものの予算、予算規模、また基金・起債計画は当然に反映されているものではありません。今後の将来10年で示された推計値よりもさらに厳しい区財政となると予見されますけども、区財政の将来見通しについて見解をお伺いいたします。 ○森財政課長 今後、子育て支援ですとか地域包括ケア体制の構築、学校施設を中心とした区有施設の改築やまちづくりなど、財政需要は増大していく見込みでございます。一般財源の増というのは、先日の総務委員会でもお示ししたようにほとんど横ばいで、増はほとんど見込めないような状況なんですけれども、一方で経常経費の伸びが著しいことが想定されております。新規事業に充当できる一般財源は減少していくということで、厳しい見通しを持っているところでございます。これまで以上に緊張感を持って財政運営を行っていく必要があると考えております。 ○白井委員 示された資料だけでも相当私的にはインパクトが大きい衝撃的な数値だったんですけども、実際は本当はもっと厳しくなるという、こういう予見になると思います。次の10年である20年後の財政見通しは示されていませんけども、人口推計から超高齢化の波のピークを迎えることとなります。厳しい区財政事情を抱えながらの区政運営が予想されます。耐え忍ぶ10年になるとも思われるところです。次の10年である20年後の区財政の傾く波をソフトランディングするため、この10年が大事というふうに私は考えます。将来負担を均等に基金や起債を活用するとの財政計画ではなく、むしろ次の10年に備えてのこの10年の区政運営を考えていく。こういう視点が大事ではないかと思いますけども、区の財政方としての見解をお伺いいたします。 ○森財政課長 全ての事業につきまして充当可能な国や都の補助金の活用を図り、その他の歳入についてもあらゆる手法を検証して、的確に歳入確保に努めていくということはまず大事だと思っています。また、中長期的視点に立った施策の優先順位付けですとか実施時期の設定など、そういったことも行いながら、緊張感を持って安定した持続可能な行財政運営を行っていく必要があると考えているところでございます。 ○白井委員 本当に緊張感が必要だと思います。 次に、新しい基本構想・基本計画の策定期間と重なるのがこの10年でもあります。次の10年のためのこの10年の考え方について、今度は企画方としての見解をお伺いいたします。 ○永見基本構想担当課長 新しい基本構想は、10年後に目指すべきまちの姿を描くものでございますが、その後に予想される財政見通しや人口変動を見据えて、長期的な視野に立ち、策定をする必要があると、そのように考えてございます。 ○白井委員 そのとおりなんですけども、基本構想審議会の議事録からは、区財政の将来見通しからの議論に危機意識があまり感じられないところです。区民から広聴し、取りまとめるとの手法だけでは、区財政の将来見通しから中野区がかくあるべき、とるべき区政運営が描き切れないとも思います。新しい基本構想・基本計画にこの視点、この考えを反映させていく必要があると思いますけども、いかがでしょうか、お伺いをいたします。 ○永見基本構想担当課長 基本構想審議会に対しましても、7月29日に開催された全体会におきまして財政見通しをお示しいたしまして、危機感を持って御審議をいただいたと、そのように認識をしているところでございます。新しい基本構想及び基本計画につきましては、こうした厳しい財政見通しも踏まえて策定をする必要があると、そんなふうに考えてございます。 ○白井委員 それはそうでしょう。その審議会で示された資料を使って私が今質疑しているわけなので、あくまでもそこを経てから我々議会のほうに提出された資料ですから。ただ、この数字をどう読み解くかというのはなかなか一般区民の方は難しい。これまでの10年間を見て、中野区は現在どの状況にあるのかというところじゃないと、見渡し切れるものじゃないなと思います。 さらに、令和2年度の中野区予算編成方針が議会運営協議会で示されました。今後を考えると大事な一年一年の積み重ねとなります。来年度の予算編成に反映させていくべきではないかと考えますが、いかがでしょうかお伺いをいたします。 ○森財政課長 今後の財政見通しもしっかり踏まえながら、来年度の予算編成を行っていきたいと考えているところでございます。 ○白井委員 ありがとうございます。10年後、20年後の中野区を担うのは今の子どもたちになります。ここに座っている皆様方、私も含めてなんですけども、20年後というと大半の方がここにいないという状況なのかもしれません。来住委員はおられるかもしれないんですけども。最後にこの区の最高責任者である区長に、将来どのような区財政にある中野区を区の未来を担う子どもたちに託すのか、全体会に立っての見解をお伺いいたします。 ○酒井区長 健全な行財政運営を維持し続けるためには、区の成長発展のための必要な投資的施策の実施、そして次の世代につなげていくための公共施設の安全、保全、更新に確実に取り組んでいくことが必要だと考えております。そのためには投資と負担のバランスに考慮しながら、持続可能な財政運営を実現する必要があり、新しい基本計画の策定過程においても、この点をしっかりと踏まえて検討を進めていきたいと考えております。将来にわたる健全な行財政運営を確保し、次世代を担う子どもたちの世代にしっかりと引き継いでいきたいと考えております。 ○白井委員 将来負担、子どもたちに借金を残すだけになるので、今、財政的に余裕があるときになるべく負担を減らすという、この視点が大事だとも思います。ぜひお願いしたいと思います。しゃべり過ぎたので、予定よりかなり過ぎてしまったんですけども、以上でこの項の質疑を終えます。 次に、2、基本構想・基本計画についてお伺いをいたします。と言っても既に後半は、新しい基本構想・基本計画について先ほどの項で述べさせていただいたところです。ただし、財政の観点からお伺いをしてまいりましたので、この項では進め方や内容についてお伺いをしたいと思います。 平成30年9月に中野区基本構想の改定及び中野区基本計画の策定の方針が示され、現在、方針に従い、新たな基本構想及び計画の策定が進められています。この方針の基本的な考え方には、1、より広範な区民参加として、より幅広い区民が検討に参加することにより、区民の意見や生活実態を反映したものとしてまとめる、2、積極的な情報公開として、検討の各段階において検討状況の積極的な情報公開を行うことにより区民の関心を高めるとともに、その中で得られた意見や議論の内容を反映していくとあります。 現在策定中の基本構想・基本計画のスケジュールについてお伺いをしてまいりたいと思います。8月27日の総務委員会で確認された基本構想制定までのスケジュールは、本年10月に審議会からの答申を受け、令和2年1月、基本構想素案策定、3月、基本構想素案に関する意見交換会の実施、4月、基本構想案策定、5月、基本構想案に関するパブリック・コメントの実施、6月、基本構想議案の提案というものとなっています。当初区が示したスケジュールとほぼ同じでありますけども、一方、基本計画については本年11月、基本計画検討状況の議会報告、令和2年1月、基本計画検討骨子の議会報告、4月から6月の間に基本計画素案を策定し、議会報告の後、意見交換会を実施、8月に基本計画案の策定及び議会報告、9月にパブリック・コメントを実施し、10月に策定となっています。基本計画のスケジュールについても現在変更の予定はないのか確認をさせていただきます。 ○永見基本構想担当課長 基本計画のスケジュールについて、現時点で変更する考えはございません。 ○白井委員 より広範な区民参加との考え方には賛同するところです。実際、審議会の委員も前回よりも数が多く、新たな取り組みとして無差別抽出の2,000名をはじめとする区民アンケートも実施されました。回答数は321件とあまり高くないようにも伺っております。現段階で基本構想についてはより広範な区民参加が行われているとお考えでしょうか。理由もあわせてお伺いいたします。 ○永見基本構想担当課長 基本構想の改定に当たりましては、基本構想審議会における公募区民枠の拡大、区民と職員のワークショップの実施、区民アンケート等を実施しておりまして、平成28年度の策定時と比較をして、より広く区民の意見を伺っていると、そんなふうに考えてございます。 ○白井委員 基本計画については、どのような方法により広範な区民参加を実現されるのかお伺いをいたします。 ○永見基本構想担当課長 これまででございますが、基本構想と同様に、9月上旬に基本計画をテーマとした区民アンケートと、区民と職員のワークショップを実施いたしました。今後、素案を公表した後、区民に対して積極的に情報提供を行うとともに、団体意見の聴取、意見交換会、パブリック・コメントの実施等を行う予定でございます。 ○白井委員 区民の意見や生活実態を反映したものとするためには、人数も大事ですけども、より丁寧に意見を聞くための手順も大事と考えます。平成18年に策定された第1次10か年計画は、平成14年に基本構想及び計画策定方針が示され、基本構想審議会、基本構想を描く区民ワークショップ、基本構想シンポジウム等での議論を重ね、平成16年4月に基本構想審議会からの答申を受け、5月に6回、7月に16回、10月、11月に16回、翌1月に16回、10か年計画検討素材についての計54回の意見交換会が実施されています。平成17年3月に基本構想を策定した後に議会に基本計画の素案が策定され、意見交換会、パブリック・コメントを経て、平成18年1月に基本計画が策定されてきました。新しい基本構想・基本計画の意見交換会はどのように行われる予定でしょうか。現在想定している回数も含めてお伺いをいたします。 ○永見基本構想担当課長 現在の想定でございますが、意見交換会につきましては、区役所及び7カ所の区民活動センターで基本構想・基本計画それぞれ8回ずつ実施をするということで想定をしてございます。 ○白井委員 7カ所8回ということでよろしいですか。確認ですみません。 ○永見基本構想担当課長 区役所を含めて8カ所で8回ずつということでございます。 ○白井委員 8回ということね。それぞれというんじゃなくて。 ○永見基本構想担当課長 基本構想が8回、基本計画が8回で、それぞれ8カ所ずつということで考えてございます。 ○白井委員 54回がいいとは言いませんけども、少し差があるかなと思うところです。積極的な情報公開についてもお伺いをいたします。4月から8月までの間に既に審議会が2回、四つの各部会が5回開催されています。改めて区のホームページで議事録を確認しましたけども、5月末に行われている第3回の部会以降、議事録は9月16日時点で作成中となっており、議論の内容を確認することができませんでした。区政の重要課題についての議論だけに、終了後速やかな議事録の公開に努めるべきと考えますが、お伺いをいたします。 ○永見基本構想担当課長 議事録につきましては、出席者による内容の確認等が必要となるため、掲載まで一定の期間を要するものではございますが、できるだけ速やかに掲載するよう努めたいと思います。 ○白井委員 我が会派の平山委員がどうしても聞いてくれというので、政策企画会議についてもお伺いしたいと思います。本年4月、これまでの政策会議の規則を改定し、新たに政策企画会議を設置したことが7月3日の総務委員会で報告されました。改めて会議の設置目的及び構成をお伺いいたします。 ○杉本企画課長 政策企画会議につきましては、区政の重要方針及び重要な施策の企画及び総合調整を行いまして、施策の方向性を明らかにするために設置したものでございまして、区長、副区長、企画部長、総務部長で構成しているものでございます。 ○白井委員 基本構想及び基本計画は本会議の所管事項でしょうか、お伺いをいたします。 ○杉本企画課長 政策企画会議の所掌事項は、区政運営の重要方針並びに基本構想及び基本計画に関すること、重要な施策の執行方針に関すること、予算の編成及び執行方針、その他財政運営に関すること及びその他区長が必要と認めることでございます。 ○白井委員 所管事項というのは所掌事項ですね。会議の開催についてホームページで公表されているのは、6月3日と6月20日の2回で、議題はどちらも民間事業者との包括的な連携の推進に係る考え方についてでありました。これ以降、本日までに開催された政策企画会議の開催日と議題をお伺いいたします。 ○杉本企画課長 6月21日以降は8月28日に開催してございます。議題につきましては、令和2年度中野区予算編成方針についてでございます。 ○白井委員 昨年9月に中野区基本構想策定本部会議が設置されました。こちらも会議の設置目的及び構成をお伺いいたします。 ○永見基本構想担当課長 基本構想等策定本部会議は、基本構想及び基本計画の改定に向けて庁内における必要な検討及び調整などを行うために設置をしたものでございます。区長を本部長といたしまして、副区長、教育長のほか、各所管の部長を構成員としてございます。 ○白井委員 同じくこちらも会議の開催日と回数、主な議題についてお伺いをいたします。 ○永見基本構想担当課長 基本構想等策定本部会議につきましては、平成30年9月7日に第1回目を開催いたしまして、おおむね月に1回程度のペースでこれまでに11回開催をしてございます。主な議題といたしましては、策定のスケジュール、策定の方針、中野区の新たな区政運営方針、基本構想審議会や職員プロジェクトチームの設置、区民と職員のワークショップの実施など、進捗状況の共有や庁内での検討及び調整を行っているものでございます。 ○白井委員 この会議での議論は、区民に対して公開されているのでしょうかお伺いをいたします。 ○永見基本構想担当課長 基本構想策定本部会議につきましては、庁内での検討及び調整を目的とした会議でございまして、会議の議論そのものを公開するという考えはございません。 ○白井委員 いわゆる政策企画会議を立ち上げて、ここに通ったものといいますか、ここの議題に付されたものは公開していくとなっているんですけども、非常に開催日数が少ないし、議題も限られているもの、一方で、本格的な議論が行われているところは非公開の状況となっている。こういうのを今るる聞いたわけです。議論の進捗を公開していくために、所掌事項でもあるわけですから、政策企画会議の議題に上げて、区民に明らかな形で議論を深めるべきと思います。何をもって積極的な情報公開とするのか。政策企画会議との位置付け、関連付けについて、いま一度精査、整理すべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうかお伺いをいたします。 ○永見基本構想担当課長 基本構想等策定本部会議では、基本構想及び基本計画の策定に関して庁内で調整すべき事項や各種課題に関して検討調整をしているところでございます。今後、基本構想及び基本計画の策定に関して総合調整を行い、方向性を確認する。そういった場合におきましては、政策企画会議で取り扱う考えでございます。 ○山本委員長 白井委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。15時15分まで委員会を休憩いたします。 午後2時56分休憩
午後3時15分開議 ○山本委員長 委員会を再開いたします。 ただいま傍聴の希望が15人を超えましたが、これを許可することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○山本委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。 傍聴者の方へお願いですが、本日多数の方が傍聴にお見えになっておりますので、席を譲り合って傍聴いただくようお願いいたします。 休憩前に引き続き総括質疑を行います。白井委員、質疑をどうぞ。 ○白井委員 この項の次に、SDGsに基づく区の基本構想・基本計画の策定を目指すことについてお伺いをしてまいります。今定例会のさきの一般質問において、我が会派の小林ぜんいち議員から質問をしたところでもあります。SDGsについては、我が会派からはこれまで甲田ゆり子議員が、また、加藤議員、石坂議員も質疑をされています。ちなみに、私も質疑をするに当たって、2冊ほどSDGsに関する本に目を通してきたところです。読んだから何だというのはあるんですけども、一応勉強してここに臨んできたところです。詳細については、きょうはあえて触れませんけども、導入の部分になることをまず御了承いただきたいと思います。 現在の基本構想の骨格となっているのは、持続可能性であると言えます。審議会では、持続可能な活力あるまちづくり、自立とともに成長するまちづくり、支えあい安心して暮らせるまち、区民が発想し、区民が選択する自治と四つの領域をベースとして議論がなされ、この四つの領域が10年後に実現すべきまちの姿として基本構想に反映されました。以降、平成22年、平成28年と2度の改定が行われ、3回目となった平成28年度に定められた基本構想は、産業と人々の活力がみなぎるまち、快適・安全な魅力ある都市、誰もが成長し続けるまち、支えあう地域のきずな、自らつくる健康で安心した暮らし、区民の暮らしを守る行政サービスの基盤、区民とともに築く持続可能な区政と、領域を八つに拡大、細分化されました。新しい基本構想審議会は、自治・共生・活力、子育て・教育、健康・医療・福祉、都市・防災・環境の四つの部会に分かれ、審議が行われています。 区長が就任直後の議会で語られた所信表明では、中野区を子育て先進区へ、安心して地域で暮らし続けられるまち中野、区民とともに進めるまちづくり、区民と向き合う区役所への転換の四つをこれからの4年間の区政運営の柱とすると述べられました。本年2月の所信表明で掲げた四つの柱に基づいた区政の方向についても語られましたが、区議会改選後に行われた6月の行政報告では、この四つの柱については述べられていません。基本構想策定後も四つの柱に基づいた区政運営を行われるのか、基本構想・基本計画と4年間の区政運営の柱の関係についてお伺いをいたします。 ○永見基本構想担当課長 新しい基本構想及び基本計画の策定に当たりましては、これらの四つの柱の位置付けについて改めて整理をして、総合的に施策を展開していくために基本計画の中で体系的に描いていきたいと、そのように考えてございます。 ○白井委員 区長は4月に行われた基本構想審議会の立ち上げで、新しい基本構想のキーワードを多様性、協働、スタートアップとされ、さらに挨拶で、「中野区には御存じのとおり魅力がある地域資源、それから中野ならではの文化がたくさんあると思っています。また、中野区の最大の財産は人であると考えています。中野にはさまざまな文化や価値観を持った人々が住んで、訪れるとともに、中野を愛して地域のために活発に活動している人、それから活動したいという熱意を持った人々がたくさんいらっしゃいます。こうした区民の皆さんが中野のまちのために思う存分活躍し、ともに地域を築いている姿が、私が描く10年後の中野区の姿、簡単に言ってしまえばそういうことでございます」と、みずからの展望を直接述べられています。四つの柱、四つの部会、三つのキーワードと、区長御自身の10年後の中野のまちの姿、全てが内容や表現に違いがあり、私としては区民にとってもどんな基本構想を目指されているのかわかりにくいと感じるところです。 地方公共団体の根本的な役割は住民福祉の増進であり、最小の経費で最大の効果を上げなくてはならないと法に定められています。また、あわせて持続可能な行財政運営が求められています。区民生活と区政の持続可能性は基本構想には欠かせないキーワードであり、地域、国家、世界の持続可能な開発目標を定めたのがSDGsです。区長のさきの一般質問での我が会派の小林議員の質問に対し、SDGsについては、基本構想の検討においてもそうした考えを取り入れていくように考えているとの御答弁がありました。取り入れていくように考えているとは、基本構想改定に当たり具体的にどのように取り入れていくのか、今後の取り組みの進め方についてお伺いをいたします。 ○永見基本構想担当課長 今後の具体的な取り組みにつきましては、現在、SDGsに関する他自治体の取り組みなどを参考にしながら検討しているところでございまして、基本計画の中で明らかにしていきたいと、そんなふうに考えてございます。 ○白井委員 基本構想の中ですね。楽しみにしていきたいと思います。今回改定予定の基本構想は、SDGsのゴールである2030年とおおむね時期が一致いたします。審議会の答申を踏まえた上で、区としてSDGsの17の目標を区に当てはめ、再編した形での基本構想として反映すべきと考えますが、いかがでしょうかお伺いをいたします。 ○永見基本構想担当課長 新しい基本構想とSDGsのゴールである2030年がおおむね一致するということは認識をしてございます。区が目指す地域社会と同じ方向性を持っていると、そのように捉えているところではございますが、基本構想と17の目標の整合性をとるという考えは、現時点では思っておりません。 ○白井委員 整合性というか、どう反映させるかということですからね、ぜひ検討いただきたいと思います。時間がないので、本当はさらに質問したいんですけども、とめておきます。 基本構想がゴールである目標とすれば、基本計画は具体的な実現のためのSDGsの169のターゲットに当てることができます。基本計画の策定過程において、ステークホルダーである関係者や団体との協議の場が大切となります。区だけではできない取り組みに協力を仰ぎ、また、ともどもに取り組む計画となるよう計画策定作業を進めていく必要があると考えますが、お伺いをいたします。 ○永見基本構想担当課長 SDGsとの関係につきましては、今後整理をしていきたいと考えておりますが、パートナーシップの概念や区と区民との協働、そういった観点からも、基本計画の策定に当たりましては関係者や団体と協議や意見交換を行う場が必要であると、そんなふうに考えてございます。 ○白井委員 区長が中野区基本構想の改定及び中野区基本計画の策定の方針で示された基本的な考え方である、より広範な区民参加と積極的な情報公開に基づき、基本構想・基本計画の策定を進めていくためには、区民意見の聴取と協議の場、より透明性の高い進め方が求められます。現在の基本構想、そして基本計画の策定スケジュールについては、先ほど伺ったように相当タイトなものとなります。計画策定過程に重きを置き、スケジュールを見直すことも視野に入れるべきと考えますけども、お考えをお伺いいたします。 ○永見基本構想担当課長 基本構想・基本計画をスケジュールどおりに策定することができるよう、着実に検討と準備を進めていきたいと考えてございます。 ○白井委員 スケジュールは結構ですけども、内容を飛ばすことがないようにお願いしたいと思います。持続可能な区政運営、SDGsに基づく新しい基本構想、SDGsが反映された基本計画となるよう、今後も質疑を重ねてまいりたいと思います。以上でこの項の質疑を終えます。 次に、3、がん検診についてお伺いをいたします。 区は従来、厚生労働省のがん検診のあり方に関する検討会の答申に基づく国の推奨するがん検診を実施してまいりました。現在、国が推奨するがん検診と、区の実施しているがん検診に相違が生じている状態にあります。区のがん検診のあり方について精度管理連絡会を立ち上げる予定と聞きます。精度管理連絡会の目的と構成員をお伺いいたします。 ○鈴木保健企画課長 がん検診精度管理連絡会の目的でございますが、これは国の指針に定めるがん検診の実施体制を整備し、がん検診の精度を向上させるとともに、がん検診の効果的な運営を行うことにあります。 次に、当該連絡会の構成員でございますが、まず、がんに関する学識経験を有する者、中野区医師会が推薦をする者及び区職員でございます。 ○白井委員 がん検診の中で胃がん検診についてお伺いをしたいと思います。国の推奨する胃がん検査に内視鏡検査が導入され、久しくなりました。これまで胃がん検査については、胃部X線検査であるバリウム検査のみが国の推奨するがん検査とされてきたところです。胃部X線検査であるバリウム検査についての課題をお伺いしたいと思います。 ○鈴木保健企画課長 バリウム検査の課題についてでございますが、バリウム検査では特に高齢者等にとりましては、バリウムを飲むこと、また、検診台に乗って検査を受けることによる身体的な負担が大きいのではないかと考えております。 ○白井委員 検査を受けたくても加齢によってなかなか難しい。こういう方々がふえてくるということです。そこで、胃がん検査に内視鏡検査を既に導入している23区の自治体は現在幾つあるのか。他区の動向をお伺いしたいと思います。 ○鈴木保健企画課長 23区では19区でがんの内視鏡検査を導入済みでございます。 ○白井委員 これまでも内視鏡検査についての導入を訴えてきたところです。既に23区中もはや19区、導入していない自治体のほうが少ない状態になりました。内視鏡検査についてですけども、中野区もぜひとも導入すべきと考えますが、お伺いをいたします。 ○鈴木保健企画課長 内視鏡検査の導入についてでございますが、現在の医療的環境や他区の動向を見ても、内視鏡検査を実施する必要性は高いと考えております。今年度設置するがん検診精度管理連絡会におきまして、内視鏡検査に関する読影方法などの必要な課題整理を行い、導入に向けて検討を行いたいと考えております。 ○白井委員 ぜひお願いしたいと思います。また、内視鏡検査は、検査のみならず治療と密接な関係にあります。保険適用となる治療行為との関係を事前に周知し、同意書の取り交わしや費用についての説明を行うことを他区では取り組んでいる事例があります。検査の状態によっては、同時に治療行為が行えるようにするとの意味です。医師や患者、この双方の負担を抑制することが期待されます。この治療行為についても区は検討すべきと考えますが、お伺いをいたします。 ○鈴木保健企画課長 内視鏡検査における治療行為についてでございます。内視鏡検査を行った際には、必要に応じて細胞を採取することがあり得ることは認識をしておりますので、今後、内視鏡検査導入に向けて、がん検診精度管理連絡会で議論する中で情報収集をするとともに、対応については検討を行います。 ○白井委員 ぜひ検査と同時に治療もできるように御議論いただきたいと思います。お隣の杉並区において、肺がん検診の精度管理についての問題が発生、指摘され、検診の項目のみならず、検診内容の精度が問われるようになりました。区の検診内容の精度についても議論されることとなると思いますが、どのような精度管理を行う考えかお伺いをいたします。 ○鈴木保健企画課長 区が対策型検診として実施をするがん検診の目的でございますが、これは区内のがんによる死亡率を減少させることにありまして、そのためにはがん検診の精度を向上させる必要があると考えております。今後、がん検診精度管理連絡会におきまして、がん検診の統一的な実施方法や精密検査受診率の向上等に向けた取り組みについても協議することによりまして、適切な精度管理に努めてまいります。 ○白井委員 お願いいたしたいと思います。幾ら検診をやっているからといって、内容が精査に欠けるようでは意味がないと思います。質の向上も大事な観点です。 国の推奨するがん検診について、大きくもう一つ欠けているものがあります。それは、区が実施していない肺がん検診についてです。次に、肺がん検診についてお伺いしたいと思います。肺がん検診については、国は胸部X線検査を推奨していますが、中野区は現在実施をしていない状況です。胸部X線検査についても議論の必要があると考えますが、お考えをお伺いいたします。 ○鈴木保健企画課長 肺がん検診についてでございますが、国の指針においては、実施を推奨する検診となっているものでございます。区における肺がん検診の取り扱いにつきましては、今後、がん検診精度管理連絡会におきまして、検討対象となり得る案件であると考えております。 ○白井委員 一とき、厚生労働省のあり方検討会で肺がん検診自体が外れるという、こんな動きもあったところです。区はその先を見越して、一旦中止にしてしまったところでもあるんですけども、結局まだ現在残っている状況でもあります。改めて議論を深めていただく必要があると思いますので、引き続き御検討をお願いしたいと思います。以上でこの項の質問を終わります。ありがとうございます。 次に4番、学校教育、校舎の改築についてお伺いをいたします。 初めに、英語教育についてお伺いいたします。来年度より小学校での英語教育が、3年生からの英語の必修化と5年生からの英語の教科化が始まります。2021年度からは、中学校での英語の授業は原則として英語で行われるようになり、高校ではより英語のコミュニケーション力を高める授業内容となります。東京都は2024年度を目指し、都立高校の入学試験に英語のスピーキングテストの導入準備を進めており、大学入試も来年度から大学入学共通テスト導入により、現在一部の混乱はありますけども、英語の4技能を評価する民間テストの活用が行われる予定となっています。 日本の英語教育の転換期を迎えるに当たり、昨年の第3回定例会一般質問において我が会派の平山議員が、区立学校に通う子どもたちのさらなる英語の学力向上のため、年1回英検の受験料を区が支援する制度をつくるべきと求めてきたところです。また、我が会派としても予算要望等、さまざまな機会に教育委員会に対して要望を行ってきたところでもあります。来年度からはぜひ実施をすべきと考えますが、現在の検討状況をお伺いいたします。 ○宮崎教育委員会事務局指導室長 来年度からは、まず全区立中学校3年生を対象に、年1回の受験料を助成する方向で検討を進めているところでございます。 ○白井委員 ありがとうございます。ぜひ力強く推し進めていただきたいと思います。いずれにしても、そのほうを触れたいと思います。早い段階から取り組めるようになることが望ましいと考えます。今後、段階的にスタートをして、将来は全区立中学生が年1回無料受験ができることを目指していただきたいと思いますが、御見解をお伺いいたします。 ○宮崎教育委員会事務局指導室長 今後は、校長会などからも意見を聴取しながら、助成する検定の種類、範囲、方法などについて検討してまいりたいと思っております。 ○白井委員 ありがとうございます。 次に、桃園第二小学校の校舎建てかえについてお伺いをしたいと思います。中野区立小・中学校再編計画第2次における校舎の建てかえについて、一般質問において我が会派の木村副幹事長が、第四、第八中学校、本郷小学校、そして平和の森小学校の改築にかかわる平和の門の調査状況について質疑をいたしたところです。学校再編計画における学校の統廃合を伴わない校舎改築計画となっているもう一つの学校、桃園第二小学校について私のほうから質疑をさせていただきます。現行の桃園第二小学校の改築計画はどのようになっているのかお伺いをいたします。 ○塚本子ども教育施設課長 桃園第二小学校の改築計画でございますが、令和5年度から令和6年度の2カ年で改築を行う計画となってございます。 ○白井委員 桃園第二小学校の改築期間中の仮校舎の考え方について、桃園第二小学校に新入学予定の保護者宛てに送付された就学案内の内容があります。平成29年度に送付されたものと平成30年に送付されたもの、それぞれの内容についての説明をお願いいたします。 ○塚本子ども教育施設課長 平成29年12月には、まず次年度の新入学予定の保護者宛てに送付いたしました就学案内、こちらにおきましては令和5年度から令和6年度の2カ年の改築期間中におきましては、児童の皆さんは仮校舎となる現在の上高田小学校、こちらに通学する予定であることを御案内申し上げました。しかしながら、上高田小学校まで通学することへの通学距離の長さに対する不安の声もございましたので、学校改築に当たりましては桃園第二小学校の現地に仮設校舎を設置した上で、その上で改築をする。そういったことについても検討を行うことといたしまして、平成30年12月、こちらの送付した就学案内では、その検討についてもあわせて御案内を申し上げたところでございます。 ○白井委員 統合を伴わない学校改築となっている学校がやっぱり問題がありまして、いわゆる統合委員会が立ち上がっていないので、改築のスケジュールだとか議論が全く学校で行われていないんですね。入ってきた途端に自分の子どもは6年生になったら、あっちの学校へ通わなきゃならないというのがいきなり入学案内に入っているものだから、混乱が起こるわけです。これを受けて翌年度、現在はこうなんだけども、今のところさらに検討していますよという案内が来たんですけども、桃園第二小学校に入学している1年生、2年生では既に混乱が起きている状態です。3年生以上の方々は対象外なので、これまでその議論すらなかなか皆さん情報が伝わっていない。こんな状況なんです。だからこそ、いわゆる統廃合を伴う学校の改築じゃなくて、統廃合を伴わない学校に対しての情報提供、保護者に対しての情報提供は非常に丁寧にやらないと混乱が起こります。既に入学の定員が減っていたり、横のというか、近隣の学校に子どもたちが分散して、変な話ですけども、対象となっている学校は人数が減る。ところが、近隣の学校では今度定員があふれるというような状況が起きています。混乱です。この校舎改築の手法について、現在の区の検討状況についてお伺いをいたします。 ○塚本子ども教育施設課長 桃園第二小学校の校庭に仮設校舎を設置した上で校舎改築を行うことにつきましては、その工法や期間、費用などについて検討して、上高田小学校を仮校舎とする場合とのメリット及びデメリットを比較検証する作業を現在進めているところでございます。検証結果につきまして、今定例会の常任委員会において御報告したいと考えてございます。 ○白井委員 校舎改築に当たり、現行の計画どおりに上高田小学校を仮校舎とするのか、あるいは現在の桃園第二小学校の校庭に仮設校舎を設置して仮校舎とするのか、地域の関心が非常に高いものとなっています。入学を予定している児童の御家庭や、改築の時期と重なる児童の御家庭、地域の混乱を避けるためにも区の考えを示し、保護者や地域への説明会を早期に開催すべきと考えますが、お考えをお伺いいたします。 ○塚本子ども教育施設課長 現在進めております検証結果、こちらを取りまとめまして、11月ごろまでには地域や保護者の皆様に御説明をしたいと考えてございます。そちらでの意見等もしっかりと踏まえまして、改築の手法を策定してまいりたいと考えてございます。 ○白井委員 この発表の時期がおくれると、また来年度の入学での混乱が起こります。ぜひお願いしたいと思います。以上でこの項の質問を終わります。 次に、5番、環境・防災対策についてお伺いをいたします。 第3次中野区環境基本計画は、2016年3月、2016年度を初年度として、2025年度までの10年間を計画期間として策定されました。環境基本計画第3次の改定に際し、第5期中野区環境審議会、平成元年6月7日に諮問されていますけども、その諮問理由をお伺いいたします。 ○波多江環境課長 第3次中野区環境基本計画策定後3年間に、2016年にはパリ協定が、2018年には気候変動適応法が公布され、また持続可能な開発のための2030アジェンダが採択されるなど、国内外の環境をめぐる状況は大きく変化しました。こうした背景及び改定中である中野区基本構想、中野区基本計画との整合を図りつつ、新たな中野区環境基本計画を策定するため、計画改定に当たっての基本的考え方と同計画に盛り込むべき事項等について、第5期中野区環境審議会へ諮問をいたしました。 ○白井委員 答申の取りまとめまでのスケジュールをお伺いいたします。 ○波多江環境課長 これまで審議会を既に2回開催しておりますけれども、今年度は12月と来年2月ごろに重点施策の検討や意識調査の結果を踏まえた取り組み等について御審議をいただく予定としております。令和2年度当初から答申の内容について検討を行い、夏ごろに答申をいただく予定としています。 ○白井委員 環境基本計画の具体的施策であるアクションプログラムの改定も必要となります。現計画のアクションプログラムは、平成28年9月1日から平成30年7月26日まで地球温暖化防止対策審議会で審議され、環境審議会に報告されたと聞きます。アクションプログラムは環境基本計画の一部であることから、中野区地球温暖化防止条例での審議をするのではなく、審議は環境部会に一本化すべきと考えますが、お考えをお伺いいたします。 ○波多江環境課長 中野区地球温暖化防止対策審議会は、中野区地球温暖化防止条例に基づき、区の地球温暖化防止対策の効果的な実施を図ることを目的に設置したもので、地球温暖化対策を中心に策定をした第2次、第3次中野区環境基本計画の進捗状況について御審議をいただいてきました。御審議の内容については区に報告いただくとともに、環境審議会にもお伝えをし、新たな環境基本計画策定に向けた審議に活用をいただいております。環境基本計画及びアクションプログラムのPDCAサイクルをより効率的、効果的に行うため、望ましいやり方を今後改めて検討したいと考えております。 ○白井委員 要は、二つの委員会は必要ないという話です。会長、副会長も同じですし、正直言うと、報告書が一体どこに上がっているのかよくわからない状態です。審議会の方々も報酬があります。こういうところは整理したほうがいいかなと思います。今検討と言っているので、私の要望だけにとどめておきたいと思います。 次に、8月7日、第2回環境審議会が開催されたようですが、議事録の公開がまだのようです。第1回は議事録からおおむね区の現在の計画や取り組み状況の説明があったようですが、第2回の審議会の審議概要はどのような内容であったのかお伺いをいたします。 ○波多江環境課長 第2回の中野区環境審議会では、計画の基本的事項や国際社会、国、東京都の動向、中野区の第3次中野区環境基本計画アクションプログラムの進捗状況、環境に関する区民や事業者に向けたアンケートの案をお示しし、御審議いただきました。計画のPDCAサイクルのあり方やアンケート項目について等、多様な御意見が出されました。 ○白井委員 基本構想・基本計画の項でも述べましたが、SDGsについて、区の計画において唯一、区から諮問理由でありますけども、述べられているくだりがあります。具体的にどのようにして環境基本計画、アクションプログラムに反映させていく予定なのかお伺いをいたします。 ○波多江環境課長 SDGsは国際社会全体の目標として定められたもので、国や東京都の環境基本計画もSDGsの考え方を活用したものとなっております。現在審議を進めている環境審議会の御意見を踏まえて検討するということにはなりますけれども、例えば目指すべき姿や目標、指標の設定に当たり、持続可能な開発のための2030アジェンダや日本の持続可能な開発目標、SDGs実施指針を参考にするといったことなどが考えられると思ってございます。 ○白井委員 ぜひお願いしたいと思います。中野区環境基本条例第12条に基づいて作成される環境白書について、これはどのような周期で取りまとめを行っておられるのかお伺いをいたします。 ○波多江環境課長 中野区の環境白書は毎年度、「中野区の環境」という名称で発行しております。二酸化炭素排出量や大気汚染の状況など、中野区の環境の実態を記載するとともに、環境部全体の事業の実績を報告する事業概要としての役割も持たせているところでございます。 ○白井委員 事業概要としての役割を持たせるというと聞こえはいいんですけど、要は事業概要と一緒ということなんですよね。条例では制定されているんですけども、先ほど組織についてもお話ししました。報告書についてもあわせて精査をしていただく必要があるかなと申し述べておきます。 具体的な政策について、ここから伺ってまいりたいと思います。環境対策としての自然エネルギーの促進、電力自由化、大規模な災害など、エネルギーを取り巻く風向きが大きな変わり目にあります。国や都は、太陽光発電のみの設置助成は事実上終了していますけども、災害時に自立できる蓄電タイプや電気自動車との組み合わせによる助成にシフトをしてきています。他区における助成制度の導入状況をお伺いいたします。 ○波多江環境課長 太陽光発電機器の助成制度があるのは、23区中19区あります。また、蓄電池への助成が23区中13区、電気自動車への助成は3区で実施をしております。 ○白井委員 中野はこれまで助成制度を全く行っていないわけなんですけども、太陽光発電と蓄電池、電気自動車との組み合わせによる助成制度や、区が利子補填を行う環境対応型融資制度を立ち上げ、政策誘導をすべきではないかと考えますが、お考えをお伺いいたします。 ○波多江環境課長 太陽光発電や蓄電池の普及は、CO2削減や災害時の非常用電源としても役立つことから、これらの普及に効果的な助成制度のあり方について検討を進めているところでございます。融資制度のほうですけれども、例えば江戸川区においては、太陽光発電や太陽熱利用システム、高効率給湯器、家庭用燃料電池、コジェネレーションシステムなど、一定の基準を満たした住宅リフォームに対する融資に対し、利子の一部を区が負担する制度などがあるため、電気自動車への支援も含めまして、今後研究していきたいと考えております。 ○白井委員 ぜひ計画へ反映できるよう、御検討をお願いしたいと思います。 ここであわせて防災の観点からもお伺いしたいと思います。災害時の協力をより積極的なものとし、例えば今申し上げた電気自動車による電源供給の協力や、太陽光での店舗や事業者などに携帯電話などの充電の協力を仰ぐ体制構築ができないかと思います。検討すべきと思いますが、いかがでしょうかお伺いをいたします。 ○田中危機管理課長 災害が発生した際の電力供給の協力、また携帯電話などの充電の協力につきましては、災害協定締結事業者のうち可能性のある事業者等の確認、また、他の自治体の動向なども踏まえながら検討してまいりたいと考えてございます。 ○白井委員 ありがとうございます。この項の最後に、次に緊急情報電話伝達システムについてお伺いをいたします。防災行政無線のデジタル化が平成30年度で完了しました。完了後は、アナログ方式の個別受信機が使用できなくなるため、アナログ方式の個別受信機をデジタル方式へと徐々に更新をして進めてきたところですが、費用面などを考慮して、令和元年度からは、固定電話や携帯電話に直接音声で防災行政無線の放送内容を伝えるシステムに変更をしています。導入されたものが緊急情報電話伝達システムです。電話を活用したこの新しいシステムは、地域防災会の方などに限定した対象者が登録できることとなっていますが、屋内では聞こえにくい防災行政無線の短所を補うこととなり、現在の区の災害時の情報提供ではカバーし切れていない高齢者や障害者、特に視覚障害者の方など、支援を必要とする方々への情報提供に大いに役立つものと考えます。電話を活用した新しい情報伝達システムを使用できる対象者に支援を必要とする人を加えるべきと望みますが、区の考えをお伺いいたします。 ○山田防災担当課長 現在、区では、視覚障害者の方々の情報収集手段として、防災行政無線及び防災行政無線の内容を音声で確認できる音声自動応答サービスを展開しているところでございます。今後、視覚障害者が確実に情報を収集できるよう、現行の緊急情報電話伝達システムに新たに視覚障害者を加えるなど、視覚障害者福祉協会などと意見交換を行いつつ、適切な方策を検討してまいります。 ○白井委員 前向きな御答弁ありがとうございます。 以上で私の全ての質疑を終わります。ありがとうございました。 ○山本委員長 以上で白井ひでふみ委員の質疑を終了いたします。 次に、いさ哲郎委員、質疑をどうぞ。 ○いさ委員 第3回定例区議会決算委員会において、日本共産党議員団の立場で総括質疑を行います。 最初に、2018年度決算についてお聞きします。 2018年度の一般会計決算は、歳入で1,409億5,313万3,000円、歳出で1,359億5,601万4,000円と、それぞれ区政史上最高額となりました。まず特別区民税についてお聞きします。歳入で見ると、特別区税は特別区民税の増などにより増収となっています。区は、特別区民税の増額の要因は納税義務者数の増加としています。納税義務者数は前年比で3,700人余の増となっています。この理由は何でしょうか。 ○矢島税務課長 納税義務者増加の主な理由としては、景気の緩やかな回復と就労環境の改善により、都市部への流入人口の増加であると考えております。また、税収の増は、所得割課税のある納税義務者の増加が大きな要因と考えております。 ○いさ委員 一人当たりの課税額で見ると16万4,845円ほどですね。前年比で452円の増となっています。一人当たり課税額はそれほどふえてはいません。このことはどのように捉えていますか。 ○矢島税務課長 中野区の特徴として、若年単身世帯層が多く占めることから、比較的所得額の低い層の人数が多い状況であるため、一人当たりの課税額の伸びは低いと考えております。 ○いさ委員 区民所得が改善されて、納税義務者数がふえているということであれば、よいことかと思います。しかし、そういうふうにも見えないということですよね。この間の政府統計にも見られるように物価の上昇に賃金上昇が追いついていません。結果、消費が冷え込んだままとなっているということだと思います。 さて、中野区の人口そのものもふえていますけれども、当然ながら転入者増というのも納税義務者数がふえた要因の一つではないかと思いますが、この点はどうでしょうか。 ○矢島税務課長 転入者数の増加が、納税義務者がふえた要因の一つであると考えております。 ○いさ委員 人口増の理由は何だと考えられますか。また、どの世代層が増加しているか。そういう傾向というのは見られるでしょうか。 ○杉本企画課長 区内人口につきましては、近年では出生数、死亡数の差し引きをあらわす自然動態の増減がほぼ横ばいであるのに対しまして、転入転出の差し引きでございます社会動態が転入超過により大きく増加しておりまして、これが人口増の要因と考えてございます。また、外国人人口が過去3年平均で年1,600人程度増加してございまして、このことも人口増の大きな要因となっているものと考えてございます。2018年に実施しました中野区区民意識実態調査では、中野区内に定住意向のある方についてその理由を聞いたところ、通勤通学の利便性や買い物、病院など生活の便がよいとの回答がともに4割を超えてございます。このことから、都心に近く利便性が高いことに加え、日常の生活に必要な商店街や病院などの施設が整っていることなどが転入増の理由の一つと考えてございます。増加している世代層につきましては、直近3年間の住基人口では、50代の人口が最も大きく増加してございます。次いで70代、20代の順で大きく増加しているところでございます。 ○いさ委員 その今ふえている世代のところでの分析みたいなことというのはありますか。 ○杉本企画課長 20代から50代までは、通勤通学の利便性が高いというふうに回答されている割合が高く、一方で、60代以降の方は生活の便がよいというような回答率が高い傾向にはございます。 ○いさ委員 区民がふえて、定住が図られることはよいことです。一方、区民がふえれば新たな行政需要が生まれ、区民施策の拡充が求められることにもなります。区にはそうした認識はあるでしょうか。 ○杉本企画課長 人口の増加によりまして、歳入面では基幹収入である特別区民税収入が増加いたします。一方で、福祉施設等の社会インフラの整備充実などの行政需要も増加すると認識してございます。人口や人口構成の変化など長期的な視点で見据えまして、適切な行政サービスを提供していきたいというふうに考えてございます。 ○いさ委員 続けて、特別区交付金についてお聞きします。財調ですね。決算年度は、財政調整交付金は388億779万2,000円となっています。一昨年度、2017年度と比較して、33億1,276万9,000円の増です。財源となる調整3税の税収、とりわけ、市町村民税法人分が前年度比で伸びたことが大きな要因です。一方、法人住民税の一部国税化による減収もあります。これは午前中、中村委員から全く同じ質問がありましたが、私も用意したので改めてお答えいただきたいんですが、この国税化の中野区による影響額は幾らになるでしょうか。 ○森財政課長 法人住民税一部国税化の影響でございます。特別区長会事務局の試算によりますと、中野区の影響額でございますが、現段階、消費税8%段階では24億円の減、消費税10%段階においては44億円の減と試算されているというところでございます。 ○いさ委員 これは地方交付税の財源となっているわけです。このことは税制のあり方から見ても甚だ問題であると私たちも考えています。地方の財政難というのは結局、東京へと人や企業を集中させる一極集中の裏返しだと思っています。東京都と地方の間で生まれている格差を正すのであれば、やるべきことは東京の一極集中を正す。この政策を国がきちんと打つことだと思っています。 続けて、この財政調整交付金、お聞きします。ここでお聞きしたいのは、都区間の配分割合、55%、45%、この比率についてです。特別区の行政需要は高まっている。しかし、それが財政、基準財政需要額にきちんと算定されていないのではないか、見直しが必要なのではないか、こう考えています。この比率については都区間の協議で調整するとされていますが、都区間配分に関する事項では、変更に当たってどのような定めがあるのでしょうか。 ○森財政課長 配分の変更ということでございますが、平成12年の都区制度改革時に整理されているんですが、一つが、大規模な税財政制度の改正があった場合、それから都と特別区の事務配分または役割分担に大幅な変更があった場合、その他必要があると認められる場合に変更するというふうに整理をされております。お話があったように財政協議の合意を得て、財調の東京都の条例のほうの改正が必要となってくるものでございます。 ○いさ委員 今御紹介いただいた都と特別区の事務配分または役割分担に大幅な変更があった場合、ここをちょっとお聞きしたいんですけども、2021年度に児童相談所を区内に設置を予定している区がほかにも多数あります。児童相談所設置に当たり特別区で共通して要望されているのは、人員配置と財源だと認識しています。特別区長会でも東京都に対して要望を重ねているものと聞いていますが、ここを基準財政需要額にきちんと反映し、算定させることが大切であると考えます。児童相談所の設置だけでは、この比率を変えましょうという根拠としてはちょっと弱いかなと思いつつ、一方では、その契機にはなるのではないでしょうか。この児童相談所の設置が法律改正を契機に、都区間の長い協議の中で図られようとしているもとで、都区協議の重要なテーマとして都区間配分にかかわる事項になると思われます。このことを改めて区の認識を伺います。 ○森財政課長 今お話がございました児相の設置に伴いまして、関係する、28年に児童福祉法が改正されたわけですけども、それを受けて都区の財政調整協議においても、児童相談所関連経費について基準財政需要額に算定した上で都区間の配分割合を変更すること、また、設置準備経費を特別区交付金で全額算定することを区のほうから都のほうに提案をしているところでございます。しかしながら、都側は一部の区がその自主的な意向に基づき進めている、特別区が等しく行うべき事務であるかどうかについて慎重に検討する必要があるなどと主張しておりまして、具体的な議論ができていない状況でございます。この課題につきまして、引き続き特別区が連携を密にいたし、一丸となって東京都に対して議論を呼びかけていく。財源確保に向けて取り組んでいく必要があると考えているところでございます。 ○いさ委員 もう一つだけ財調について伺います。区側の比率が2%から5%になって、12年がたちます。特別区長会では、毎年この比率を改めることを都区間協議で要望していますが、全く変わっていません。この点はどのような認識でしょうか。 ○森財政課長 特別交付金の割合につきましては、透明性、公平性を高めるとともに、算定内容が客観的かつ明確に規定されている普通交付金による対応を図るため、引き続き、特別区長会といたしましては統一した方針として5%から2%に引き下げるよう、財調協議のほうで議論をしているといったようなところでございます。しかしながら、東京都側は透明性、公平性の面からも問題はなく、現行割合を変更する必要はないとして議論が進展していない状況にございます。 ○いさ委員 ここについては、特別区側の足並みがそろっていないということもあるんじゃないかなと思っています。また、この財政調整交付金については予算現額が10億円、これが決算額だと30億円に近くなる。こういった乖離は改めるべきではないでしょうか。予算現額は当初の5億円から補正により10億円に増額されたものの、財政規模が大きくなっているためにますます差が開いてきています。改めて、当初予算額については適正に計上することを求めます。 続けて、繰入金についてお聞きします。一般財源である財政調整基金繰入金は約55億円、当初予算は約74億円、これ、補正で3億円増額したため、決算説明書にあらわれている予算現額としては77億円となりました。歳入歳出の調整を図り、収入済額としては約55億円となっています。特定財源繰入金は約102億円、そのうち義務教育施設整備基金からの繰入金は約43億円、まちづくり基金からの繰入金は約31億円と、この二つが多額となっています。ここに決算年度の事業執行の特徴が見て取れます。この傾向は来年度以降もしばらく続くのでしょうか。 ○森財政課長 義務教育施設整備基金、まちづくり基金の繰り入れの状況でございますが、学校再編による施設整備を中心に、2027年度までに14校の学校施設の建てかえを予定していると。また、まちづくりにおいては中野駅周辺まちづくりですとか西武新宿線沿線まちづくりの推進を図っていくといったようなことでございますので、引き続き義務教育施設整備基金や、まちづくり基金からの繰り入れについて効果的に行っていく考えでございます。 ○いさ委員 基金積み立てとの関係では、区は計画的に積立金と繰入金を行うことで支障なく事業を進めるとしています。特に大規模なプロジェクトなどを進めていく上で、財政的な問題から区民に直接かかわる福祉施策などを後退させるようなことがあってはいけません。区は一般財源のほうを気にかけているように見えますが、社会経済情勢はもとより、国や都の政策いかんによって補助金、交付金にも大きな影響を与えかねないわけです。大規模プロジェクトだけでなく、福祉施策も力を入れ、バランスよい区政運営を求めます。 次です。決算説明書では、生活保護が各種扶助費として示されている、いわゆる生活保護の費用について伺います。平成30年度は158億2,517万9,000円、平成29年度比2億7,136万6,000円の減ですね。この理由は何でしょうか。 ○只野生活保護担当課長 生活保護費の減の理由でございますが、生活扶助費が1億5,000万円の減、医療扶助費が1億2,000万円の減となったことが主な要因でございます。 ○いさ委員 2018年10月から生活扶助基準の引き下げが行われました。これは2017年8月から3年間にわたって平均で6.5%、最大で10%もの生活扶助基準の引き下げが行われたことに続いて行われたものです。今回の引き下げは、区内での影響はどうだったでしょうか。 ○只野生活保護担当課長 平成30年10月の基準改定による影響世帯数でございますが、平成30年9月に生活保護を受けていた方々がそのまま10月も受給したと仮定し、試算いたしますと、月額の生活保護費総額で前月と比較し、約650万円の減額となりました。保護費が増額した世帯は446世帯、減額した世帯は5,546世帯でございます。 ○いさ委員 これは来年度まで続けられ、最大5%の引き下げと言われています。まして10月から消費税増税が予定されているという状況です。生活保護受給者への暮らしの影響をしっかりと把握すべきです。消費税増税に当たって厚生労働省は、生活保護費の生活費分について消費税を考慮し、1.4%増額、これを予定していますけれども、この1.4%の増額で追いつかないという事態も懸念されるところです。この生活保護受給世帯は多くが高齢者です。生活保護受給の高齢者世帯は増加傾向にあります。今後も高齢世帯のところでこの生活保護の受給がふえていくと考えていますが、区の認識はどうでしょうか。 ○只野生活保護担当課長 先日の閉会中の総務委員会で区の人口の長期推計が報告されているところでございますが、高齢者人口は増加傾向にありまして、2015年からの25年間で75歳以上の人口が1.3倍に増加することが見込まれているところでございます。この推計がそのまま反映されるとすると、生活保護受給の高齢者世帯は同様に増加すると推定してございます。 ○いさ委員 就学援助費についてもお聞きします。生活扶助基準の引き下げによる影響は、さまざまな事業にあらわれます。就学援助費の基準が、この生活扶助基準に連動して引き下がることが懸念されましたが、区は厚生労働省の通知を踏まえて、2020年度までは影響が生じないよう経過措置を実施しているところです。では、この2020年度以後については、区はどうなさるおつもりでしょうか。 ○石崎学校教育課長 2020年度以降の就学援助につきましては、社会経済情勢等を踏まえ、児童・生徒の教育を受ける機会が妨げられることがないよう適切に判断していきたいというふうに考えてございます。 ○いさ委員 入学準備費用がこの決算年度、そして今年度と増額となりました。しかも、前倒しで支給となったことは評価いたします。国の見直しによる要保護世帯の増額があったことが契機となりましたが、就学援助費の対象となる準要保護世帯についても、一般財源化されたものの増額となりました。この点では、今後も要保護世帯への増額改善が図られた際には、準要保護世帯についてもしかるべき対応を講じていくと理解していいでしょうか。 ○石崎学校教育課長 準要保護世帯の新入学学用品につきましては、要保護世帯と同額としております。要保護世帯の支給額が変われば、連動して変わることとなってございます。 ○いさ委員 では、次の2番の若い世代の支援についてのところにいきます。 先日ですけれども、大人食堂のニュースが報じられました。雇用や労働の問題に取り組んできたNPO法人POSSEの仙台支部や労働組合などが無料で食事を提供しつつ、さまざまな困難、問題を抱えた大人の労働相談や生活相談を行うという取り組みでした。子ども食堂が全国に広がる中、大人の貧困が見えなくされてしまったのではないか。そのPOSSEの代表である今野晴貴氏は、インタビュー記事でそういう趣旨のことをおっしゃっていました。そもそも子ども食堂で取り上げられてきた子どもの貧困の問題の核心は、結局は親の貧困、大人の側の貧困が直接の原因です。この大人食堂を訪れた方はほとんどが非正規雇用者か失業者で、生活や労働にかかわる深刻な相談が何件も寄せられていたということです。そこで、一旦確認しておきます。これまで言われてきた非正規雇用の拡大、そして働く貧困層、ワーキングプアの拡大と、特にこの10数年顕著な雇用労働の規制緩和との間には相関関係があると区は認識していますか。 ○堀越産業観光課長 非正規雇用の拡大と雇用に関する規制緩和との関係につきましては、平成21年度に内閣府が行いました年次経済財政報告におきまして、相関関係というところまでの記述はないものの、非正規雇用の増加につきましては、労働法制など制度面の変化に産業構造や企業、雇用者の好みの変化が加わって生じた結果との見解が示されているということは認識をしているところでございます。 ○いさ委員 このテーマでよく話題になることですが、私自身はこのことは自己責任ではないと思っています。この問題については、この間も取り上げてきた若者世代、ロスジェネ世代が抱えている問題と重なります。昨年第4回定例会の一般質問でも、厚生労働省の事業である若者サポートステーションの例を示して、ロスジェネなど若い世代の支援事業の検討を再度求めました。最初にお聞きします。厚生労働省の事業である若者サポートステーションとはどんな事業の内容でしょうか。 ○半田児童相談所設置調整担当課長 厚生労働省の若者サポートステーションの事業についてでございますけれども、厚生労働省のホームページによれば、働くことに踏み出したい若者たちとじっくり向き合い、本人や御家族の方々だけでは解決が難しい働き出す力を引き出し、職場定着するまでを全面的にバックアップする支援機関というふうになってございます。 ○いさ委員 これまでなかったような窓口の一本化だとかが含まれている事業だと思うんですけど、メインは就労支援の事業ということになると思います。これはこれで大事なのですけれども、若い世代を包括的に支援するためには、この就労だけでは届かないところがあります。この問題も、これまでも中間就労など福祉的なサポートも必要との立場で質問してまいりました。具体的には、世田谷区のメルクマールせたがやのような事業をイメージしながら聞いてみました。中野区は、(仮称)総合子どもセンターに若者支援の窓口を検討しているとのことですが、区としてはどんな検討となっているのか伺います。 ○半田児童相談所設置調整担当課長 (仮称)総合子どもセンターにおける若者支援につきましては、若者の状況を総合的に把握し、状況に応じたさまざまな情報提供や自立支援機関の利用をサポートすることなどを予定してございます。社会参加に向けた準備や居場所づくりなども含めたサービスについて検討してまいりたいと考えてございます。 ○いさ委員 昨年の私の質問に対して、この事業を行うに当たって、若者の自立支援事業を展開する団体とも連携し、という答弁がありました。こういう団体というのは具体的にはどういうところを想定していますか。 ○半田児童相談所設置調整担当課長 若者支援事業につきましては、民間団体、NPOとの連携が必要であるというふうに考えてございます。厚生労働省の地域若者サポートステーション事業を受託している団体など、若者の自立支援に係る事業を展開することができる団体との連携を予定してございます。 ○いさ委員 現在は、この若者サポートステーションは都内だけでも5区5市で既に事業を行っています。そして、先ほど述べた世田谷区の事業など先行している自治体にも情報を得ながら、最善の方法をとっていただきたいなと思います。 さて、この若い世代の支援で大事なのは、一人ひとりに寄り添う伴走支援型であることではないでしょうか。それぞれの抱える悩みや困難は全く異なるので、とにかく傾聴して一緒に考える。こういう姿勢が肝要だと思っています。この一人ひとり異なる十人十色の困難に向き合うには、それなりの数の職員体制が求められるでしょうし、臨床心理士、産業カウンセラーなど専門家へつなげるということも必要になるかと思います。この点はどうお考えでしょうか。 ○半田児童相談所設置調整担当課長 若者の抱えるさまざまな問題に応えるため、相談内容によっては精神科医や心理士、カウンセラーなど専門的なサポートが必要だというふうに考えてございます。どのような相談にも対応できるよう、医療機関など外部機関との連携も含めて支援に係る体制を検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ○いさ委員 可能であれば、その専門家というのはその場に常駐しているのが望ましいかと思いますが、どういう人員をどれぐらい配置したらよいのか。ここについても必要な財政的措置も含めて積極的な対応をしていただきたいなと思います。要望としておきます。 厚生労働省は、2018年度から就職氷河期世代、つまり、ロスジェネ世代を正社員として雇った企業に対する助成制度をスタートさせています。内閣府は、この3年間にわたる就職氷河期世代支援プログラム、こういうものを発表しています。この事業には各自治体の若者サポートステーションとの連携についても想定がありました。区の検討するこの若者支援の窓口についても、こういった事業と積極的に結びついて、実効性のある取り組みとしていただくよう強く要望としておきます。 3番、次にいきます。区民の住環境を守ることについて幾つかお聞きをいたします。 まずは、本町五丁目で起きているマンション紛争をめぐってお尋ねをいたします。現在このマンション紛争がどうなっているか簡単に述べておきますと、騒音、振動、粉じんといった工事に伴い必ず発生する問題以外に、家屋のひび割れ、土台のコンクリの割れ、床の傾きなどが現場の全方位で発生しています。地盤調査をした結果、引っ越しを決意されたという方もいらっしゃいます。この原因が工事にあるのかというところで今、協議をしているところですが、事業者側も事前の家屋調査を行っておらず、なかなかに難しい状況です。現場にはいまだに振動計も騒音計も設置がされておらず、近隣の皆さんの中にも不信感が広がっています。 最初にお尋ねします。こういった状況を区は認識しているでしょうか。現場はごらんになったでしょうか。 ○小山内建築課長 この場所につきましては、放置空き家時代から経過観察を行っていたことから、私どもとしては現地の状況は十分に把握していたところでございます。しかしながら、建築計画が公表された以降、周辺住民からさまざまな問い合わせがあったことから、そういった窓口での対応等については真摯に情報提供を行ってきたところでございます。 ○いさ委員 区として事業者に何らかの指導は行っているでしょうか。 ○小山内建築課長 工事着工後も住民から寄せられる不安や要望に対して、工事現場の危害防止の観点から工事現場への立ち入り、聞き取り、報告書の提出を求めるなど、安全指導を行ってきたところでございます。 ○いさ委員 その指導によって何らかの改善は見られたとお考えでしょうか。 ○小山内建築課長 現在、住民と事業者がそれぞれ依頼した代理人弁護士により、詳細な要望のやりとりが行われているということを聞いております。それとは別に、区としては定期的に現場に立ち入りを行い、住民から寄せられた要望や安全対策等について伝え、できるところから改善されていくよう尽力しているところでございます。 ○いさ委員 民間のことですから、区が口を出すというのはなかなか難しい面があることは理解をしています。実際今、双方が弁護士を立ててやりとりをやっているわけですからね。だからこそ、こういうトラブルにならないように何らか区としても手を打つべきではないかということになるんじゃないかと思います。それで、この問題の出発点というのは、この建物が9階建てのマンションであるということです。この建っている現場というのは、本郷小学校と中野二中の間に位置する崖地です。この周囲の建物は高くても5階建て、大体は2階建ての民家となっています。中野通りからも100メートルぐらいは入り込んだ場所でして、静謐な住宅街と言っていいと思います。こんなところになぜ9階建てが建つのか。住民の皆さんの思いはごもっともではないでしょうか。 お伺いします。この現場周辺の用途地域はどうなっていて、高さ規制はどうなっているでしょうか。 ○小山内建築課長 この地域は第一種中高層住居専用地域で、準防火地域、第二種高度地区の指定を受けております。絶対高さの制限はございません。しかし、建物の高さが10メートルを超えると日影の規制を受けることになり、この地域では5メートルを超える範囲で3時間、10メートルを超える範囲で2時間以上の影を落とすことはできません。絶対高さ制限はありませんが、高度斜線と日陰規制の両方を守ることが求められる地域でございます。 ○いさ委員 今御説明いただいたのは高度地区の規制のところだと思うんですけれども、中野区は、高度地区は設定されているものの、絶対高さ規制というのはないわけですね。先ほどおっしゃっていた一中層のところで10メートルの規制があるだけということになっています。この現場というのは、南北方向に急な崖となっている場所です。その崖の上のほうが北ということで、高度地域による北側からの斜線規制を受けにくい。結果、9階建てでも建ってしまうということになります。騒音や振動を棚上げしたとしても、崖上の住民の皆さんは日照や景観で大きな影響を受けています。これまでこういう建物が建たなかったのは、ルール上問題はなくても住環境に大きな影響があることを建設事業者がわかっていたからではないでしょうか。しかし、こういった事業者の善意任せでは済まない事態が発生しているわけですから、何らかの具体的な手だてが必要になるということだと思います。中野区でも、ほかの区で当たり前に実施されている、設定されている住居専用地域への絶対高さ規制、これは必要であると私は考えています。 そこでお聞きします。住居専用地域に絶対高さ規制を設けている自治体、23区の中で少なくとも15区あるわけですが、その中の一つ、例えば目黒区ではどんな高さ規制となっているでしょうか。 ○小山内建築課長 目黒区では、第一種低層住居専用地域は10メートル、それ以外の用途地域につきましては、17メートル、20メートル、30メートル、40メートル、50メートル、60メートルの6段階に区分されております。 ○いさ委員 じゃ、その目黒区なんですけど、今話題にしている本町五丁目の紛争の現場と同じ第一種中高層、目黒区ではどうなっているでしょうか。 ○小山内建築課長 目黒区の第一種中高層住居専用地域では、第二種高度地区で高さ制限は17メートルとなっております。 ○いさ委員 17メートルだと5階建てぐらいだと思うんですけど、自治体でこういう制限をやっているところがあるということですね。この手続についてもお伺いします。 ○安田都市計画課長 本地区は、高度地区の変更ということでございますので、都市計画決定でございます。そうしたことから、対象地区の地域特性や地域合意を十分踏まえ、目指すべき市街地像や土地利用方針を定め、都市計画の原案を策定して、都市計画法に定める必要な手続を進めていくというものでございます。 ○いさ委員 都市計画法の中にその定めがあるということだと思いますけれども、その今話題にしていた目黒区ですが、用途地域変更の経緯というものをPDFで公表しています。その中では、平成以降でも10回以上の変更を加えています。平成2年と6年には年に2回の変更を加えている。そういう年もありました。その中には、住宅専用地域における高さ制限、そういうものも複数回ありました。こういう自治体では、やっぱり住環境を保全しよう、暮らしを守ろうという明確な目的を持って用途地域を変更しているんだと思うんです。 入手できた資料は二つあります。一つは、文京区報、平成23年8月21日号、もう一つは、平成26年1月の葛飾区都市計画審議会の答申です。これを読んでみましたら、どちらも同じように暮らしと景観を守り、紛争を防ぐために高さ制限を設ける必要がある。こういう趣旨で書いてあるんです。だから、そういう議論がされてきたんだと思うんですね。 そこで伺います。中野区でもこの住民の暮らしを守るために絶対高さ制限、これを設ける。これをやるべきだと思うんです。この検討、速やかに議論を始めるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。 ○安田都市計画課長 建物の高さ制限を設けることは、土地の高度有効利用や居住者の住環境維持の双方の側面がございます。また、現在建っている建物の既存不適格等の問題もございます。区としては、土地利用の観点から慎重に検討すべきと考えてございます。そうしたことから、高度利用だけの変更を行うことは考えてございません。ただし、良好な住環境形成に向けては、地区の特性や住民合意を前提として、建物の高さ制限だけではなく、さまざまな土地利用の建築ルールを定めた地区計画等を地域で策定していくことが大切であると考えてございます。 ○いさ委員 事業者さんの側にも建物を建設する権利はありますけれども、同時に地域住民のほうにも自分の住環境を守る権利があります。ぜひ前向きな検討をお願いします。特にこの地域、本町五丁目、六丁目というのは崖があるわけなんですよね。ずっと続いている。この後も聞きますけれども、結局これって、崖地を利用した高さ制限を受けないマンションとなっているんだと思うんですよ。だから、この地域って何らか守らないと、この後もそういうマンションが建ってしまう。そういう可能性があるんじゃないかと思っています。重ねてですが、速やかな検討を要望しておきます。 その崖の話題が出まして、崖地の対策ということもあわせてお伺いしておきます。先日の台風15号上陸によって、中野区内、弥生町で崖崩れが起きたことは、皆さんもうお話が来ていると思うんですが、その崖地の対策については過去の議会でも何度かただしてきたところです。 最初にお聞きします。この地域は、土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域になっているでしょうか。 ○山田防災担当課長 弥生町一丁目30番は、土砂災害警戒区域及び土砂災害特別警戒区域には指定されておりません。 ○いさ委員 これ、一昨年だったと思うんですけど、東京都は全都的な急傾斜地の調査というのを行っていたと思うんです。この調査の網目の細かさですけれども、その前は1万メートルメッシュ、すごく粗かったのが、今回の調査では500メートルメッシュということで大分細かくなった。それでも自治体ごとの目で見れば、まだまだ網の目が大きいというふうに思っています。以前このことを質問した際に、私、本町の崖について自分の足で調査した内容を報告しています。本町五丁目、六丁目をまたぐ、東西にまたぐ崖地はおよそ1キロ弱です。東京都の基準としては、高低差が5メートル以上で、斜度が30度以上というのが急傾斜地であると、そういうふうに規定をしたわけなんですけれども、この1キロ弱のところで急傾斜地として規定されたのは1カ所しかなかった。しかしながら、歩いてみたら、その基準に満たないところでも、ちょっとこれは注意が必要なんじゃないかというところは散見されたわけなんです。そのことを受けて、改めて区で独自の調査をすべきだと、そのときそういう質問をしました。今回、その崖崩れを受けまして、改めて区独自の調査はやっぱり必要だったんじゃないかと私は思っているんですが、再度検討するべきではないでしょうかお伺いします。 ○小山内建築課長 建築敷地や崖地の所有者並びに占有者は適切に維持管理することが責務として建築基準法上求められております。また、建築確認において、崖地の安全性に関しては設計者の見解が求められ、安全性が確認できない場合は補強または新規築造が指導されることもございます。崖地に建つ空き家などの場合、区民や消防、警察等からの情報がもたらされることもあり、区としては迅速に所有者等を特定し、維持管理について指導してきたところでございます。ただ、今回の事例のように道路から奥まった場所で、再建築が厳しい敷地の場合、施工の難しさから簡易な擁壁となっていたと推測されます。今後は、老朽危険家屋や老朽空き家調査、違反建築の立ち入りの際に、崖地状況についても実態が把握できるような対応を進めていく考えでございます。 ○いさ委員 私有地だから難しいというところも理解はしますが、実は23区でも文京区、目黒区、大田区、台東区、杉並区、板橋区、これらの自治体には私有地に対しても擁壁の助成制度というのがあります。例えば文京区では、土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域では上限1,000万円、道路の拡幅に伴って崖を整備する場合には上限200万円、どちらにも当てはまらなくても上限100万円、この2分の1助成を行っています。中野区も崖が多い自治体ですので、他区でやっているような擁壁整備の助成制度を検討してもいいのではないでしょうか。 ○小山内建築課長 擁壁については、建築基準法及び東京都建築安全条例で定める基準に適合するよう、建築主及び事業者の責任と費用の負担で設置されてきたところでございます。しかしながら、擁壁の改修、築造には多額の費用がかかることから、地域防災への貢献や安全性の確保、公平性の観点などから、違法性のない敷地に対してどのような支援ができるのか、検証、検討が今後必要であると考えております。 ○いさ委員 区民の命と暮らしを守る仕事こそ行政の本分ではないでしょうか。前向きに取り組んでいただきたいなと改めて要望しておきます。 ちょっと順番を変えて、桃園川緑道、6番のところを先にお伺いしたいなと思います。 先日、この周辺地域にお住まいの皆さんと一緒に桃園川緑道全域を歩いて調査を行いました。東西方向約2.5キロ、地域によって違いがありますが、全体に経年によるものと思われる破損や傷みが目立ちました。特に道路との交差部、もともと橋だった場所ですね。ここの段差、それから割れ、手すりのさびなどの傷みが目立ちました。この橋梁部の補修については、今現在どんな計画で進めているでしょうか。 ○細野公園緑地課長 桃園川緑道ですが、今、緑道として活用している部分について、その部分の維持管理については、定期的な施設の状況の確認や点検等を行っております。そして、補修が必要と判断されたものに対しては速やかな対応を行っているところでございます。 ○いさ委員 橋梁部だけの計画みたいなものはないということなんですか。 ○細野公園緑地課長 橋梁部だけの計画は、そこの維持管理の適切な対策を計画的に日々行っているというところでございます。 ○いさ委員 目立つ傷みというのは、この橋梁部だけではありません。道路と交差しているところに結構プランターが置いてあるんですけど、ほとんどが割れていました。場合によっては中から押されて壊れる寸前みたいなものもありました。また、緑道面の両脇、れんが造りのプランターがあるんですが、そこも欠損され、割れているところも少なくなかった。舗装面でも傷んでいるところは相当あったと思っています。こういったところについても、何か計画でやっているわけじゃなく、都度やっているということでよろしいでしょうか。 ○細野公園緑地課長 プランターや歩道面のタイル等についても日常点検を行い、適切に管理をさせていただいています。そして、補修が必要と判断したところについては、必要な対応を行っていく考えでございます。 ○いさ委員 どうしても経年劣化というものがありますから、それは使っていて仕方がない面というのもあると思うんです。しかし、見ていて気になったのは、単に破損しているという部分だけではなかったということなんです。中野三丁目のところ、杉並区の区境のところでは、どうしても杉並側と見比べて見劣りする。区民の皆さんからそういう声をたくさんいただいています。杉並側に入っていくと空間が開けるんですね。中野側というのは、れんが造りのところで幅を狭く設定しているものですから、どうしても息苦しく感じる。両方またいで歩くと、その空間の違いがわかってしまうということなんです。もちろん杉並のほうが新しいというのはあると思うんですけれども、今の桃園川緑道がデザインされた当時と、その設計の思想だとかそういうもの、時代が合わなくなっているというところも否めないんじゃないかと思っているんです。現在のこの桃園川緑道ができたのは何年前でしょうか。 ○細野公園緑地課長 東京都下水道局が桃園川の下水幹線にふたかけをした部分、こちらを区が昭和42年ごろから上部の利用承認をとって、遊び場として利用してきたところでございます。そして、昭和60年度から平成5年度にかけて区間を分割して、現在の形態に整備をしてございます。 ○いさ委員 そうすると、一番新しいところでも25年ぐらいはたっているということになるかと思います。先ほどお話が出てきました道路との交差部ですけれども、道路が通っているところですね。5メートルほど緑道側にデッドスペースがあるのもちょっと気になりました。プランターが切れているところですね。そこにはわざわざあいているのに障害物を設置して使えなくしている。ほとんどの場所であいている空間を使えなくしているというふうになっていました。ここなんですけれども、例えばベンチを設置するなどをして、緑道としての機能を向上させるべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○細野公園緑地課長 道路と交差している部分、委員がデッドスペースと表現された部分でございますが、こちらの部分は、まず見通しをよくするため、ぎりぎりまで植え込みを設置していないところでございます。また、下水道の点検孔が設置されていることもあり、この区間についてはベンチの設置には適さないものと考えています。また、構造的にもふたかけの上部にタイルを張り、緑道としておりますので、ベンチを固定することも困難であるというふうに考えてございます。 ○いさ委員 雨水枡のふたがあるのもわかっているんですけど、全部じゃないですよね。時々ふたがある。だから、あいている場所はあるはずだと思うんです。また、ベンチについても、中央二丁目のほうですね。あっちのほうに渡っていくと、実際には一人で座るようなベンチの設置があるところもあります。ですから、これ、できなくはないと私は思うんですね。 ベンチについては、これ以外にも時々無宿者の方がそこを使っているというような通報があるのもわかっています。先日は、世田谷区内の緑道というのを見てまいりました。世田谷区には8本の暗渠の上に緑道があるんですけれども、そこにはかなりの数のベンチが定期的に設置をされていたんです。これ、職員の方に確認をしたんですけれども、世田谷でも何がこれで問題があると言えば、そのベンチのところに無宿者の方が利用されていて、通報される。こういうケースはあるというふうに聞いたんです。しかし、ここからが違うんです。世田谷区の場合は、公園課と生活援護課でタッグを組んで、連絡があったところに出向いて、その方とお話をして、必要ならば生活保護の受給に結びつける。こういうところまで取り組みをやっているということなんですね。つまり、単純に排除するのではない前向きな答えだと思うんです。こういうやり方もあるということだと思います。 世田谷区の緑道は、歩道はどこも幅を広くとってあります。ここもそうですね。両側の植栽については、桃園川緑道のような高さのあるプランターは設けず、歩道面と同じ高さに直接植樹がされています。低木中心ですけど、一定の間隔でケヤキだとか桜などの高木も植わっています。やっぱり中野区の植樹のあり方とは随分違うなと思っていて、これも恐らく当時の設計の考え方と今と大分変わってきたという面ではないかと思っているんですが、この植栽の管理についてちょっとお伺いしていいでしょうか。植栽の手入れって今、どのぐらいの頻度でやっていますか。 ○細野公園緑地課長 植栽の管理は適宜行っておりますが、一般的に年に1度以上は植栽管理を行えるような形で進めています。 ○いさ委員 春の緑が育ってくる時期に多分やっているんだと思うんですけれども、これで何というかな、順番にやっている関係で追いつかないところも出てきているんじゃないかと思っていて、ちょっと聞いていました。植樹についても相当いろんなお話を聞いているんです。切る直前のところなんですけれども、何と言ったっけ、アメリカアザミだったか、何かすごくかたいとげがいっぱい出ている植物があって、それが歩道のところにうわっと出ているわけなんです。それで自転車で走っていて、こすってしまった。こういう方もいらっしゃった。自転車で走るのはよくないんですけども、歩道のところにけがをするようなものが出ているというのは、それ自体が管理の方法としてそれでいいのかなと。そういう気持ちで聞いているわけなんです。実際このことって、植物の管理のこと、これを切ってくれって何度も通報があったと思うんですよ。なので、このことをちょっと聞きました。 続けて、世田谷区のところなんですけれども、道路面との交差部のところ、全然段差がないんですね。やっぱりバリアフリーを考えてつくっている。また、ベンチ、遊具、健康器具、こういうものがかなりの頻度で積極的に配置をされているんです。小学校の近くではせせらぎもありました。この改修についてどうやってきたのかと。そこも聞いたんですけれども、地域住民や町会に呼びかけて、ワークショップ形式でプランづくりを進めたと、職員の方からそういうことを聞きました。このワークショップでは、緑の保全、老朽化の改善、子どもの飛び出し防止など、さまざまな意見が出され、このプランに反映されたということだそうです。また、植物の管理については、区と地域住民とが管理協定を結んで、少額だけれども報償金というのも用意したということだそうです。それでごみ袋代ぐらい賄えるということだそうです。つまり、区民がしっかりこの公園のあり方について意見を述べるる場があって、それが取り入れられて緑道の姿に反映されたということです。言いたかったのはここなんです。区民参加が目に見える形になったと。ここに参加された皆さんの中には、ここは私の緑道だみたいな思いが醸成されているんじゃないかと思うんです。だから、管理についてもみずから率先して行えるわけでしょう。そういうことだと思うんです。中野区でもこういった全面的な区民参加の手法も勘案しながら、桃園川緑道の全面的なリニューアルについて検討してはどうでしょうか伺います。 ○細野公園緑地課長 桃園川緑道に限らず、区内さまざまな公園でさまざまな課題を抱えています。そのリニューアルや改修を行う際には、委員おっしゃったような手法も取り入れながら考えていきたいと思います。今後新たな公園再整備計画の策定の予定もございますので、いろいろ有効なことを考えて進めていきたいと考えております。 ○いさ委員 順番がもとに戻って、4番、学童クラブについてお聞きをします。 要求資料の子ども文教49番には、学童クラブごとの待機児童数が記載されています。区立の学童、過去の5年を見ると、53名、73名、98名、117名、そして昨年が89名。昨年こそ少し減ったものの、この5年のスパンではふえてきていると言っていいと思います。ことしは何名でしょうか。 ○伊藤育成活動推進課長 今年度は9月1日現在で144名でございます。 ○いさ委員 ふえましたよね、144名。要求資料の子ども文教49番のクラブの一覧をよく見ると、地域によってかなり偏りがあるように見えます。例えば多田学童クラブは、一昨年度から昨年度にかけて定員が45名から60名へとふやしましたが、それでも7名の待機児童が生まれました。桃花では、一昨年度は70名定員で14名の待機児童がいましたが、昨年度100名へと30人も定員をふやしたのに、なお12名の待機児童がいました。ほかのところを見ても、毎年待機児童が生まれているというところがあります。区は、こういった待機児童を解消するためにどんな対応をしているのでしょうか。 ○伊藤育成活動推進課長 待機児童の解消方法としては、学童クラブの定員増や民間学童クラブの誘致を行っているところでございます。また、来年度開設する(仮称)みなみの学童クラブと(仮称)美鳩学童クラブでは、キッズ・プラザに併設される乳幼児室を転用して、学童クラブの定員増を行う予定でございます。 ○いさ委員 この待機児童を解消する。そのために、まず定員をふやす。これ自体は大事なことだと思います。一方で、各クラブでの児童数が多くなり過ぎるということについてはいかがなものかと思っています。 先日、キッズ・プラザ併設の学童クラブを利用している児童の親御さんからお話を聞く機会がありました。登録児童が多くて、学童クラブはいつもいっぱいだ、キッズに行こうと思っても、キッズのほうもいっぱいで、遊ぶスペースがなくて、つまらないからって帰ってきてしまう。こんなことをおっしゃっていました。子どものことを考えれば、一番よいのは通っている小学校の学区域に遊ぶのに十分な広さの学童クラブ施設があることです。通年で待機児童が多かったり、登録児童が多い学童クラブがある地域には、学童クラブをふやすことを検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ○伊藤育成活動推進課長 キッズ・プラザや学童クラブを利用する児童が多いため、十分に遊んだり、落ちついて読書などができないところがあることは承知してございます。学校の校舎や敷地に余裕があれば、学童クラブを新設することもできますが、現状では難しいところがございます。待機児童が多い地域には、できるだけ学校に近い場所に民間学童クラブを誘致するように考えていきたいと思ってございます。 ○いさ委員 これも要求資料の子ども文教49番ですけれども、民設民営の民間の学童クラブでは、定員を超えた児童を登録しているところも見受けられます。この点、ちょっと御説明をいただけないでしょうか。 ○伊藤育成活動推進課長 民間学童クラブでは、定員設定に当たって余裕を持った保育を行うため、学童クラブの面積基準より定員を少なめにしているところが多いというところがございます。定員を超えて入会の希望者がいる場合は、学童クラブの面積の基準内で受け入れを行っているところでございます。学童クラブの面積基準に満たない場合には入会を断っており、待機とはしていないため、待機児童の実態については把握してございません。 ○いさ委員 つまり、定員よりもともと広かったから吸収できたという面があったということだと思います。それはいいことだと思うんですけれども、今お聞きした後半のところ、民設民営の民間のクラブでは、待機児童という考え方そのものがない。つまり、待機児童がどうなっているのかがわからないということだと思うんです。つまり、地域の実情がそこではつかみにくいという現状があるんだと思うんです。ただ、この点については、民間であったとしても事業者に対して実態把握のための協力を求めてもいいんじゃないかと思うんですが、この点はいかがでしょうか。 ○伊藤育成活動推進課長 入会基準に関しては民間に任せているところがございますけれども、今後検討していきたいなと思ってございます。 ○いさ委員 子どものことを一番に考えて、中野区から学童クラブの待機児童をなくすためにも、区立の学童クラブ増設を改めて要望して、この項の質問を終わります。 ○山本委員長 いさ委員の質疑の途中ですが、5時手前になりますので、今後の運営について協議するため、理事会を開会します。 委員会を休憩します。 午後4時52分休憩
午後5時01分開議 ○山本委員長 委員会を再開します。 ただいまの理事会の報告をします。 いさ委員の質疑の途中ですが、本日は終了し、次回、いさ委員から始めることを確認しました。 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○山本委員長 なければ、ただいま報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○山本委員長 御異議ありませんので、そのように決定し、本日の総括質疑を終了します。 次回の委員会は、9月20日(金曜日)午前10時から当委員会室で開会することを口頭をもって通告します。 以上で本日の決算特別委員会を散会します。 午後5時01分散会 |