令和元年09月25日中野区議会決算特別委員会
令和元年09月25日中野区議会決算特別委員会の会議録

.令和元年(2019年)9月25日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。

.出席委員(42名)

  1番  市  川  しんたろう       2番  竹  村  あきひろ

  3番  日  野  たかし         4番  渡  辺  たけし

  5番  間     ひとみ         6番  河  合  り  な

  7番  斉  藤  ゆ  り        8番  立  石  り  お

  9番  羽  鳥  だいすけ       10番  高  橋  かずちか

 11番  加  藤  たくま        12番  吉  田  康一郎

 13番  木  村  広  一       14番  甲  田  ゆり子

 15番  内  野  大三郎        16番  杉  山     司

 17番  ひやま      隆       18番  小宮山   たかし

 19番  い  さ  哲  郎       20番  小  杉  一  男

 21番  若  林  しげお        22番  内  川  和  久

 23番  いでい   良  輔       24番  小  林  ぜんいち

 25番  白  井  ひでふみ       26番  いながき  じゅん子

 27番  山  本  たかし        28番  中  村  延  子

 29番  石  坂  わたる        30番  近  藤  さえ子

 31番  浦  野  さとみ        32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  平  山  英  明       36番  南     かつひこ

 37番  久  保  り  か       38番  森     たかゆき

 39番  酒  井  たくや        40番  むとう   有  子

 41番  長  沢  和  彦       42番  来  住  和  行

.欠席委員

      な  し

.出席説明員

 中野区長    酒井 直人

 副区長     白土 純

 副区長     横山 克人

 教育長     入野 貴美子

 企画部長    高橋 昭彦

 企画課長    杉本 兼太郎

 基本構想担当課長永見 英光

 財政課長    森 克久

 広聴・広報課長、業務改善課長      高村 和哉

 総務部長    海老沢 憲一

 危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝瀬 裕之

 危機管理監   志村 和彦

 法務担当課長  尾関 信行

 職員課長    中谷 博

 用地経理課長  吉沢 健一

 用地担当課長  小倉 洋

 危機管理課長  田中 謙一

 防災担当課長  山田 健二

 生活・交通安全担当課長         佐々木 和夫

 区民部長    青山 敬一郎

 区民生活課長  古屋 勉

 税務課長    矢島 久美子

 観光・シティプロモーション担当課長   桜井 安名

 文化・国際交流課長           藤永 益次

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長  戸辺 眞

 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小田 史子

 子ども・教育政策課長          永田 純一

 保育園・幼稚園課長           濵口 求

 教育委員会事務局指導室長        宮崎 宏明

 子ども教育施設課長           塚本 剛史

 児童相談所設置調整担当課長       半田 浩之

 育成活動推進課長伊藤 正秀

 地域支えあい推進部長          野村 建樹

 地域包括ケア推進担当部長        藤井 多希子

 地域活動推進課長伊藤 政子

 トータルケア調整担当課長、北部すこやか福祉センター所長 小山 真実

 アウトリーチ調整担当課長、南部すこやか福祉センター所長 石濱 照子

 地域保健福祉調整担当課長、中部すこやか福祉センター所長 志賀 聡

 システム活用調整担当課長、鷺宮すこやか福祉センター所長 鳥井 文哉

 中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 高橋 均

 健康福祉部長  朝井 めぐみ

 保健所長    向山 晴子

 福祉推進課長  長﨑 武史

 スポーツ振興課長古本 正士

 障害福祉課長  河村 陽子

 生活援護課長  林 健

 生活保護担当課長只野 孝子

 保健企画課長  鈴木 宣広

 環境部長    岩浅 英樹

 環境課長    波多江 貴代美

 ごみゼロ推進課長伊東 知秀

 都市基盤部長  奈良 浩二

 都市計画課長、交通政策課長       安田 道孝

 道路課長    井上 雄城

 公園緑地課長  細野 修一

 建築課長    小山内 秀樹

 住宅課長    三王 徹哉

 まちづくり推進部長           角 秀行

 中野駅周辺まちづくり担当部長      豊川 士朗

 まちづくり計画課長           千田 真史

 中野駅周辺まちづくり課長        松前 友香子

 中野駅新北口駅前エリア担当課長     石井 大輔

 会計室長    浅川 靖

.本会の書記は下記のとおりである。

 事務局長     吉村 恒治

 事務局次長    小堺 充

 議事調査担当係長 鳥居 誠

 書  記     立川 衛

 書  記     若見 元彦

 書  記     井田 裕之

 書  記     野村 理志

 書  記     鎌形 聡美

 書  記     遠藤 良太

 書  記     松丸 晃大

 書  記     高橋 万里

 書  記     山口 大輔

 書  記     有明 健人

 書  記     五十嵐 一生

.委員長署名


午前10時00分開会

○山本委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。

 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。

 9月24日の理事会の報告を行います。

 初めに、本日の委員会運営についてですが、総括質疑は、1番目に酒井たくや委員、2番目に高橋ちあき委員、3番目にむとう有子委員、4番目に近藤さえ子委員、5番目にいながきじゅん子委員、6番目に石坂わたる委員、7番目に小宮山たかし委員、8番目に立石りお委員の順に8名の質疑を行うことを確認しました。

 また、本日は総括質疑最終日であり、午後5時を過ぎる場合でも質疑を続行し、委員長判断で休憩を入れることを確認しました。

 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○山本委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山本委員長 御異議ありませんので、そのように運営します。

 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は、答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。

 それでは質疑に入ります。酒井たくや委員、質疑をどうぞ。

○酒井委員 おはようございます。酒井たくやです。本日、よろしくお願いいたします。

 決算特別委員会も4日目となってまいりました。理事者の皆様、それから同僚議員の皆様もお疲れかと思いますが、どうかお付き合いいただきたいと思います。4日目に決算だけの質問ってやるべきじゃないな、重なっちゃうななんて思いながらもですね、無所属さんの4日目で質疑をされる大変さもちょっと共有できてよかったかななんて、僕自身は思っております。質疑のほうは、ちょっと時間の都合上、2番の職員行動指針、こちらのほうは取り下げさせていただき、分科会もしくは別の機会でお尋ねさせていただきたいと思います。

 それでは質疑に入ります。

 30年度決算について、歳入からお尋ねさせていただきたいと思います。こちら、1款特別区税と、示させていただいておりました軽自動車税のほうは、少額ではありますが、やはりこういったところにしっかりと取り組んでいくことが大切だ、そういう観点から特別区税で特別区民税、それから軽自動車税等を聞きたかったんですが、軽自動車税のほうは時間の都合上、割愛させていただき、まずは特別区民税についてお尋ねいたします。

 30年度決算における特別区民税収入済額は322億6,000万円余、前年度と比較し、5億2,000万円余、1.7%の増であります。収入未済額は11億9,000万円余、不納欠損額は1億8,400万円余でありました。まず、滞納整理における作業、経費、人員体制についてお尋ねします。

○矢島税務課長 特別区民税の滞納整理は、納期限後に督促状、催告書を発付等し、発付に合わせ、電話訪問催告、後追いはがきの発付を行っております。督促催告をしてもなお納税されない場合は、財産調査や捜索、差し押さえなど滞納処分の手続きを開始いたします。平成30年度の滞納整理に係る予算執行額は7,766万3,000円、主な経費といたしまして、非常勤報酬として滞納整理専門員報酬2,014万円、滞納整理推進員報酬449万5,000円、計2,463万5,000円、委託料といたしまして、督促状、催告書、後追いはがきの発付265万4,000円、電話訪問催告委託2,971万4,000円、計3,236万8,000円でございます。事務費として、督促状等郵便料金1,879万1,000円、封筒購入など177万7,000円、計2,556万8,000円でございます。また、滞納整理の職員数は10名でございます。

○酒井委員 7,000万円程度かかっていますよ。それから10名の滞納整理の職員さんがいますよということで、本来、こちらの費用というのは納期限内に納めていただいていると、かかっていない人員体制であったり、費用であったり、作業であるわけなんですね。

 そこで、次に、区の30年度決算における特別区民税調定額に対する収入率、23区における中野区の状況ですね、お聞かせください。

○矢島税務課長 調定額に対する収入率は、現年課税分98.4%、滞納繰越分37.1%、合計で95.9%でございます。平成30年度の23区の順位は20位でございます。

○酒井委員 予算編成方針で、一番重要な歳入の財源というふうにこの特別区民税は触れられているんですね。そういう中で収入率は95.9%、23区の中で20位というふうな状況でございます。

 それでは、収入率の上位の区、それからまた、ここ数年収入率を上げている区もあると思うんですが、教えていただけますか。

○矢島税務課長 23区順位、1位は文京区、2位は品川区、3位は江戸川区でございます。ここ数年で改善しているのは江戸川区であり、平成26年度の17位から順位を大きく上げてございます。

○酒井委員 過去には江戸川区は、大体中野区と同じような収入率で、同じような順位であったんですけれども、ここ数年、目覚ましく順位を上げているような状況でございます。

 当区の収入率95.9%の内訳を見ると、現年課税分が98.4%、滞納繰越分が37.1%であり、翌年度に繰り越すと当然ですが収入率が低下し、いかに現年課税分の収入率を上げ、滞納繰越分を圧縮することの必要性が当然ですが見てとれます。現年課税分の収入率向上へのアプローチの強化、早期に滞納整理に着手することが収入率の向上にもつながると考えます。

 それでは、当区の納付期限を過ぎての督促状の発付、どうなっていますか。

○矢島税務課長 当区では、それまで納期限後40日で督促状を発付していたものを、平成28年度から10日短縮し、30日と改めてございます。

○酒井委員 30日ですね。それでは地方税法329条ではどうなっていますか。

○矢島税務課長 地方税法第329条に、納税者が納期限までに市町村民税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合においては、市町村の徴税吏員は、納期限後20日以内に督促状を発付しなければならないとございます。

○酒井委員 法で定められているのは20日以内なんですね。当区は30日ということでございますが。では、文京、品川、江戸川、上位の区はどういう状況ですか。

○矢島税務課長 収入率の高い文京区、品川区、ここ数年で収入率を上げている江戸川区の3区とも、納期限後20日程度で督促状を発付していると聞いてございます。

○酒井委員 できるわけなんですよね。ですからぜひ今後見直していただいて、早期に滞納整理に着手できる体制をつくっていただきたいと思いますが、いかかですか。

○矢島税務課長 現在、納期限後30日で督促状を発付しているものを、地方税法の定める20日以内に発付できるよう取り組んでまいりたいと考えております。

○酒井委員 ありがとうございます。それでは、督促状の発付時期は早めますよと。すると、次はやはり体制づくりが私は必要なのではないかと思っております。主要施策の成果(別冊)、行政評価結果においての税務分野収入率の令和2年度の目標は、30年度の95.9%から1.2ポイント増の97.1%としていますが、ただ漠然と収入率を上げろといっても上がらないと思います。収入率1%は約3億3,000万円なんですね。例えば、現状3億3,000万円徴収しようとすると、人員はどの程度必要ですか。

○矢島税務課長 平成30年度の滞納整理職員1人当たりの徴収実績から考えますと、調定額の1%、3億3,000万円を新たに徴収するためには、滞納整理職員が6名程度必要となります。

○酒井委員 当然、6名すぐにふやすのは難しいのはわかりますが、ただ、ちまちまちまちま収入率を上げているよりも、一気に強化期間を設けて取り組んで、現年徴収分、現年収入率を向上させて、滞納繰越分を圧縮させることこそが、後年度のさまざまな区財政だとか、人員体制にも好影響を及ぼすと私は考えています。その際には、今後、税務課で経験されたベテラン職員を起用するだとか、それからまた若手職員も一緒になって行い、OJTなんかもやりながら収入率の向上に取り組むことが効果的であると私は考えております。

 次に、中野区でも、この特別区民税の収入率の向上のために、さまざまな民間活力の活用に取り組んでいると思います。他区ではショートメールサービスなんかも利用しながら納付勧奨なんかも行っているとお聞きしております。収入率の高い区で、中野区で行っていない民間活力の活用は何かありますか。

○矢島税務課長 ここ数年で収入率を上げている江戸川区は、督促状の発付に合わせ、携帯電話にショートメールを送信し、郵送や訪問による催告になれて無反応になった滞納者へ、SNSによる納付勧奨を実施しております。また、財産調査の一部の事務を業務委託により行い、職員が納税交渉や滞納処分に専念できるようにしております。これらの取り組みは、中野区としても早急に導入する必要があると考えております。

○酒井委員 督促状の発付時期の見直し、人員体制、それから民間活力の活用、3点、紹介をさせていただきました。23区の中で上位を目指す高い目標設定を持って、来年度、再来年度あたり2カ年の強化期間と位置づけ取り組み、そのために必要な人・モノ・金を今、しっかりと手当てすることこそが、先ほども申し上げましたが、現年収入率が向上し、滞納繰越分の圧縮につながり、ひいては今後の滞納整理に係る人員や経費の節減効果につながり、人事面や区財政にも好影響を与えると考えます。担当部長、どのようにお考えでしょうか。

青山区民部長 特別区民税の収入率を上げるためには、現年課税分を早期に徴収して、翌年度に繰り越さないようにするとともに、滞納繰越分を圧縮することが必要でございます。23区で上位を目指すためには、目標達成のための強化期間を設定し、取り組みの強化に必要な人員や予算を措置することが非常に重要なことであると考えており、部としてしっかり要求を行ってまいります。

○酒井委員 地方自治法240条の2、地方自治体の長は、債権について、その督促、強制執行その他その保全及び取り立てに関し必要な措置をとらなければならないとあります。やんなきゃならないんですね、区長ね。ですので、収入率の向上に本気で取り組んでいただきたいと思います。それは、やはり歳入の確保、それから経費の節減、それからまず制度の公平・公正性、そして何より国民の義務である納税に対して、区民、議会、そして行政が真摯に向き合うことにつながると思っておりますので、来年度の取り組みを期待いたしまして、この項の質問を終わります。

 次に、2款、特別区交付金についてお尋ねいたします。この特別区交付金には、特別交付金と普通交付があって新人の方には少しややこしいのかなと思いますが、この特別交付金が当初予算から乖離が20億円ありました。非常に大きくなっているなと思っております。特別交付金の性質上、毎年、毎年こういうふうな結果にならないかもしれませんが、調整三税の全体のパイが大きくなっている中、予算の積算の精度を高めていただきたいと思っております。

 それでは、特別交付金全体でお尋ねします。特別交付金に関しては調整三税、法人住民税の市町村分と固定資産税、それから特別土地保有税ですね、これを東京都と23区で分け合っておるわけなんですが、配分率を教えてください。

○森財政課長 調整三税の配分でございますが、特別区が55%、東京都が45%でございます。

○酒井委員 都が45、区が55ですね。平成12年のときに、こちら清掃の移管がされて、44%から23区は52%になって、平成19年のときに三位一体の改革と住民税のフラット化で52%から55%になって今に至っている。これはもう皆さん御承知のとおりかと思いますが、それでは平成19年度以降も、事務の移管、こういったものはありましたか。

○杉本企画課長 都区のあり方検討会におきまして、区に移管する方向で検討する事務として都区が一致した53項目のうち、販売事業者に対する立入検査などに関する事務、賃貸住宅の建設・管理に関する計画認定などに関する事務など11項目について区に移譲されてございます。

○酒井委員 ありがとうございます。小さなものもありますが、11項目ね、平成19年度以降も事務の移管がされておるわけですね。ただね、もちろんこの配分に関しては大きな税制改正や大きな制度改正がなければ見直さないというふうな都区の合意がある中で、難しいのは理解するんですが、そこで児童相談所についてお尋ねしてまいりたいと思っております。

 来年度は児童相談所先行3区が開設し、中野区でも令和3年度ですね、開設予定で、鋭意準備を進めているところでございますが、児童相談所に関連する都と区の財調協議の状況を簡潔にお聞かせください。

○森財政課長 平成28年の児童福祉法改正を受けまして、都区財政調整協議におきまして、29年度から児童相談所の関連経費につきまして基準財政需要額に算定した上で、都区間の配分割合を変更すること、また、設置準備経費を特別交付金で全額算定することを区側から提案をしているところでございます。しかしながら都側は、一部の区がその自主的な意向に基づき進めている特別区が等しくその行うべき事務であるかどうかについて慎重に検討する必要があるなどと主張いたしまして、具体的な議論ができていない状況でございます。

○酒井委員 児童虐待の痛ましい事件が後を絶たないわけですね。るる児童相談所の職員の対応や警察との連携などが指摘されることもありますが、私は、もう圧倒的に現場のマンパワーが足りないんであると、ここに手厚い支援をしなければ、また同じような過ちを起こす、そういうふうに心配をしておるところでございます。

 先だって札幌市の児童相談所に視察に伺いましたが、所長から、現場職員の仕事を最低でも3分の1は減らしてあげたい、そんなこともお聞きしました。最低でもと考えると、半分程度へらしてあげたいのが心情なのかななんて思いながら聞いておったんですけれども、そこで現在、区の考える児童相談所の人員体制どうなっておりますでしょうか。

○半田児童相談所設置調整担当課長 児童福祉司及び児童心理司の数につきましては、児童福祉法等で標準となる人数が定められてございます。区では、国の定める基準に沿った人数を配置する予定で準備を進めているところでございます。

○酒井委員 法定必要最低限ということでしたよね、たしか。ありがとうございます。

 限られた財源の中、職員体制の中、こういうふうになるんだろうと思います。他方、例えば子どもを核としたまちづくりを市政運営の柱にし、さまざまな先進的な子育て支援の取り組みをしている明石市の体制はどうなっておりますでしょうか。

○半田児童相談所設置調整担当課長 令和元年度全国児童福祉主管課長・児童相談所長会議の資料によりますと、明石市では、児童福祉司、児童心理司とも国基準の約2倍の職員を配置いただいて体制をとっているということでございます。

○酒井委員 明石は国基準の2倍以上。要するに、やっぱりそこにしっかり人を割けなければ、この児童虐待の問題というのは抜本的に解消できないんだろうというふうな、市長もしくは自治体のそういう姿勢なんだろうと僕は思っております。

 児童相談所の業務や昨今の右肩上がりの虐待相談への対応は、法定の人員体制では厳しいんじゃないのかなと私は心配しているところでございます。今後、児童相談所の運営に関しては、恐らく都区財調協議の中で基準財政需要額に算定されるでしょう、必ずね。けど他方、基準財政需要額に算定された後、別のものが算定されなくなってしまいますね。もしくは別のものが縮小される。そうなったら、特別区交付金の全体のパイの中でやっていると、必ずほかの事業は区の一般財源の持ち出しでやらなきゃならなくなっちゃうわけなんですよ。それでは私は、この児童虐待のところにしっかりとした手厚い体制がつくることができないと思っております。

 前段にお聞きしましたが、都と23区の協議はまるで進展がありません。東京都のメンツや、移管ではなく設置なので財調の配分議論になじまない、23区のうち1区のみ設置に反対しているから進まないなどの、できない理由ばかりを考えるのではなく、都と区も一緒になって子どもたちを虐待から守る、小さな命をもうこれ以上失わせない、そういう姿勢で財調財源における配分、都と区の割合に踏み込んだ議論をすべきであります。

 9月12日、東京都は、小池知事が今月から来月にかけて、都内の全区市町村長を対象に個別に政策要望を聞く意見交換会を開くと発表しました。個別会談は異例だそうで、来夏の知事選を視野に入れるのかなとも感じますが、ここで区長には、ぜひ子どもたちを虐待から守るためにも、児童相談所の全区の設置を待つ前に、この特別区財政調整制度における都側と区側の負担率の改善の声を上げていただきたいと思います。現に、都は、東京都子どもへの虐待の防止に関する条例を制定しました。4条2項には、都は区市町村が取り組む虐待防止への支援を行うものとあります。また、小池都知事も特別区への支援や先進的な虐待対策へ取り組むと表明されております。区長は、個別会談で熱い思いを伝えていただいて、これまでの平成19年度以降ほとんど議論もなかったこの都と区の配分について、小さな命を守るため大きなうねりを起こしていただきたいと存じます。区長のお考えをお聞きします。

○酒井区長 委員御指摘のとおり、配分割合についてもしっかり議論していかなきゃいけないと思っています。今度、都知事との意見交換の場を用意されております。児童相談設置に係る都区財政調整制度の改善について強く声を上げていきたいと考えております。

○酒井委員 ちょっと寂しいなって思っちゃったんですけど。大きなうねりはね、小さなさざ波からなので、区長、しっかり声を上げていただきたいと思っております。

 ちょっともとへ改めます。すみません。平成12年度に自治法が改正されました。それまでは23区は特別区の内部の団体でありましたが、その際に基礎自治体、特別地方公共団体として認められたわけですね。その23区が、児童福祉法の改正によって中核市と同じように児童相談所を設置できる、こういうふうになったことは、私は自治の観点からも大変に意義深いことだと思います。ただ、自治の観点はこの際置いといて、子どもたちを虐待から守るんだ、そういう思いでもって小池知事としっかりと会談していっていただきたいと思います。こちらに関してはまた、どういう内容をお話されて、どういうお土産を持ってきてくださるのか、これ、また追いかけてお尋ねしてまいりたいと思いますのでよろしくお願いします。

 7款地方消費税交付金についてお尋ねします。

 地方消費税交付金は前年度比10億円減の58億円余でありました。これは消費税の精算基準の見直しによるものであります。まもなく消費税10%となりますが、10%時には歳入に21億円減の影響が出るということは、ほかの委員からの質疑で明らかになりましたのでお尋ねしませんが、そこで、歳出への影響をお尋ねします。

 区も物品の購入や工事などに消費税を当然支払っておりますが、8%から消費税10%による歳出への影響はいかがでしょうか。

○森財政課長 物件費、投資的経費、維持補修費などを中心に消費税の10%の影響が受けてくるだろうというふうに想定しておりまして、平年度化すると、およそ10億円の歳出増となる見込みでございます。

○酒井委員 10億円、消費税の支払いがふえるという、年間で50億から60億程度ですかね、消費税を支払っているということだと思うんですけれども、私も町内会であったりだとか、青少年育成昭和地区委員会などに所属している中、先輩方は、みんなのお金なので、何を買うにしても消費増税の前に物品を買おうよなんていう方もいらっしゃいます。10円、20円、30円の違いかもわかりませんが、そういうふうに地域では取り組んでおります。それでは区として、今消費税率の増においてそのような取り組みはされておりますか。

○森財政課長 今お話にございました物品購入について申しますと、それぞれの各部における事業の実施時期ですとか内容に合わせて行っているということがほとんどでございまして、なかなか時期を前倒しして行うということは難しいだろうなということでとらえておりまして、全庁に対して、特段そのような前倒しの購入とかいうような呼びかけについてはしていないところでございます。

○酒井委員 当然予算の執行上難しいというのは重々理解しております。ただ、中野区で暮らしている皆さん、例えばテレビだ、エアコンだ、何かを買うときはそういうふうに駆け込んだりもしておりますのでね。重々難しいのは理解しておるんですが、あえてちょっとお尋ねさせていただきました。

 次に、歳入のその他にまいります。

 19款諸収入、こちらは指摘だけにさせていただきます。

 諸収入では、特別区税を除いた歳入の不納欠損と収入未済額で大きいものには、諸収入の弁償金と雑入が目につきます。30年度決算において、弁償金の収入未済は5億8,000万円余、不納欠損は1億9,000万円余、雑入の収入未済は1億9,000万円余、不納欠損は2,900万円余です。このほとんどが生活保護のものに起因しているんですね。弁償金は生活保護63条、78条、雑入は生活保護の過払い金であります。債権化すると、これ質問じゃないんで、指摘なので。債権化すると、これ、収入するのが非常に難しいもので、毎年同じような額が計上されております。生活保護担当さんにお任せするんじゃなくね、債権担当さん、しっかり連携とってこういったところも取り組んでいただきたいと思います。

 20款特別区債にまいります。特別区債は、予算現額で25億円余計上されていましたが、結果として年度末に区債を発行しない判断をされました。我々も、子どもたちにツケを回さないためにも、極力区債発行は抑えるべきと考えており評価するところであります。理由は、2月の第4次補正後の年度末の一般財源の伸びが要因とお聞きしましたが、一般財源の詳細と起債を行わなかった理由をお聞かせください。

○森財政課長 平成30年度の最終補正予算を調製した平成30年12月ごろの決算見込みにおきまして、特別区民税などの一般財源の増収が見込まれたということでございまして、当初計画の起債のうち、新体育館整備や上高田野球場改修工事といった比較的利率の高い事業については、補正予算において起債を取りやめたものでございます。

 また、残りの起債対象事業につきましては、起債の借り入れの申し込み期限であります平成31年の4月上旬ごろ、このころの一般財源の収入状況を勘案しまして、具体的には、特別交付金が当初予算と比較すると約20億円伸びているような状況がございました。そういったことを勘案いたしまして、後年度負担を考慮した上で起債を最終的に見送ったというところでございます。

○酒井委員 特別交付金が第4次補正後に増となったということですね。2月の補正後に特別交付金が増になった。予算現額との乖離が20億でしたから。ただね、年度末の特別区債25億円だったんですね。じゃあ、特別交付金が20億といっても、残り5億ありますよね。その5億というのはどういうふうになっているんですか。

○森財政課長 特別交付金の増理由だけでとらえているわけではございませんで、その他の一般財源の収入の見込みということもございますし、また、歳出の決算見込みの状況などをもとに最終的な判断を行ったものでございます。

○酒井委員 歳出の見込みと、それからその他の一般財源の伸びというふうにおっしゃられますが、伸びているものもありますが、地方消費税交付金は減額になっていますので、むしろ伸びていない状況であります。要するに、年度末の最終の特別区債の発行の基準が見えづらいんですね。特別交付金は、災害による財政需要など特別の事情がある際に交付されます。特別交付金の当初予算値との乖離が全て特別区債発行の基準になるとは言いません。その年度の予算の最終執行残や基金の状況を総合的に判断する必要があるのは言うまでもありませんが、ただ、今回の特別区債ゼロであった一番大きな要因は、特別交付金の予算現額との乖離なんですね。20億円、これが一番大きかった。

 では、こちらを一つの切り口として、30年度から5年間にさかのぼり特別区債と特別交付金の乖離と基金から一般会計の繰入金の例を出してお尋ねしたいと思います。30年度、特別区債発行はありませんでした。29年度は用地特別会計のみで、一般会計での特別区債の発行もありませんでした。28年度、特別交付金予算現額との乖離15億円、年度末の特別区債が2億円で、そのまま2億円特別区債が発行されました。基金の繰入金の減額は5億円でした。ここも15億円で2億円のみ込めたのかなとも思っちゃうんですね。27年度は、特別交付金予算現額との乖離が15億円、年度末の特別区債が38億円で、仮に38億円から特別交付金乖離分の15億円を差し引くと23億円でありますが、最終的には3億円多い26億円、特別区債が発行されました。基金の繰入金の減額は17億円ですので、これも活用すると、結果として、最終的には6億円の特別区債発行も場合によってはできたのか。これは一つの例ですけど。

 最後に、平成26年度、特別交付金予算現額との乖離6億円。年度末の特別区債が60億円で、結果、52億円の特別区債を発行しましたが、基金の繰入金の減額は15億円でありました。こちらも特別交付金の乖離分と基金の繰入を当初予算どおり行っておれば、特別区債の発行はもう少し抑えることもできたのかなと、一つの切り口として思ってしまうところであります。

 基金からの繰り入れは当初予算で計画的に行っており、一般会計の繰り入れの減額、いわゆる取り崩しをやめるより起債をやめる方が効果的と考えます。そこでお尋ねしますが、基金と起債の利率について、私の理解ではざっくりと基金は0.1%、貯金をした場合は利率が0.1%、起債、借金をすると1%、このような理解でよろしいでしょうか。

○森財政課長 平成30年度の決算におきます積立基金の運用利子額でございますが、6,622万8,661円でございまして、運用利回りといたしましては0.09%でございました。一方、起債の率については、調達資金ですとか、借り入れの条件等によりますが、おおむね1%以内でございます。

○酒井委員 ありがとうございます。

 それでは、例に出した28年度、27年度、26年度の特別区債は、もう少し圧縮することもできたのかなとも感じるのですが、いかがですか。

○森財政課長 今、挙げていただきました数字だけということで捉えれば可能だったということもあるんですけれども、この28、27、26、この3カ年については、利率が低いものを中心に発行するという全体的な判断を行ったというところでございます。

○酒井委員 いや、利率の高いものを起債取りやめたんでしょう。そうは言ってものみ込めるんじゃないのかなというふうにお聞きしたものであって。それでは、年度末に起債を取りやめる際に、基金の繰り入れの減額は考慮されていますか。

○森財政課長  起債については、先ほどの取りやめのところの理由でも御答弁申し上げましたが、一般財源の収入状況を勘案するというのが一つ大きなところです。後年度負担を考慮して発行を抑制してきたというところもございます。一方、基金のところでございますが、繰り入れの額ということについては、事業の執行見合いで繰り入れを行ってきているというところが基本的な考えでございます。

○酒井委員 起債をする際は、歳入見合いで見ると今おっしゃられたでしょう――でしょう。けど前段に、今回起債をした理由は何ですかとお聞きしたら、歳出の執行残とお答えしているんですよ。だから、そのあたりが僕ははっきり見えないので今お尋ねしているんですよ。

 ここ5年間でね、46億円基金の一般会計の繰り入れが減額されております。また基金の積み立て、これは計画より大きく上振れもしておりますのでね、この点、今後十分に考慮していただきたいと思います。

 それでは次に参ります。

 先ほど、今年度起債を取りやめた理由をお聞きした際に、将来世代の負担の軽減とおっしゃいました。それでは起債をされる際の考え方、どうなっていますか。

○森財政課長 一時的に多額の費用を必要とする建物の建設や公園用地の取得等については、財政負担の平準化と世代間負担の公平化を図る意味から起債を活用しているというところでございます。

 一方で、公債費の抑制を図るため、中野区方式の公債費負担比率、こちらについて10%以内になるように運用をしているところでございます。

○酒井委員 すみません、御丁寧にお答えいただくのはありがたいんですが、簡潔にぜひともお願いいたします。

 それでは、施設の耐用年数についてお考えはどうなっていますか。

○森財政課長 耐用年数については、先般策定しました中野区施設白書等において、建設後60年というふうにしているところでございます。

○酒井委員 では起債の償還年数の多いものはどうなっていますか。

○森財政課長 20年償還のものが一番多くて、21件ございます。また、10年償還のものは10件というところで現状あるものでございます。

○酒井委員 起債を取りやめる際は将来負担の軽減と言うんですね。起債を行う際は年度間負担の平準化と世代間負担の公平化と言うんです。世代間負担の公平化といっても、施設は耐用年数60年で考えますが、区債の償還期間のほとんどは10年か20年です。要するにあべこべで、起債に対する考え方はどうあるべきだろうというふうに感じるわけなんです。そうは言っても、基金と起債を、これ、バランスよく活用していかなきゃならないのは当然なんですが、それでは地方財政法における起債についての考え方や制限、どうなっておりますか。

○森財政課長 地方財政法第5条におきまして、地方公共団体の歳出、こちらについては、地方債以外の歳入をもってその財源としなければならないという原則が、まず規定されております。例外といたしまして、公共施設の建設事業費や公共に要する土地の購入費などの財源とする場合においては、地方債をもってその財源とすることもできるというふうにされているところでございます。

 また、同法の第5条の2におきましては、建設事業費に係る地方債の償還年限は当該地方債を財源として建設した公共施設等の耐用年数を超えないようにしなければならないとされております。

○酒井委員 起債に頼らず年度間の予算を編成しなくちゃならない。公共施設の建設用地の取得のみ借金は許しますよ、起債の償還期間は施設の耐用年数を超えちゃなんないですよって、実際の借金には厳しいルールがあって、だから自治体は借金できるときには必ず借金するというふうな、そういうマインドになっているわけなんです。

 令和元年度当初予算の概要における起債計画では、令和5年度には過去最高の791億円となります、起債が。これはもちろん新区役所分の起債も入っているんですけれども、他方、基金残高は478億円でもあります。先ほど確認させていただいた基金の利率0.1%、起債の利率1%を考えると、基金と起債のバランスとおっしゃいますが、本当にこの考え方がバランスがいいのかとも感じるところです。

 先ほど申し上げた基金から一般会計への繰り入れは、減額補正せず、起債の取りやめを優先することも子どもたちにツケを回さない取り組みの考え方の一つであると考えております。

 それでは最後に、財政調整基金の年度間調整分についてのお考えをお聞かせください。

○森財政課長 過去に急激な景気の悪化で一般財源50億円近く減収に見舞われたという、そういう経験から、3年程度、区民サービスを維持するために、少なくとも150億円の規模の積み立てを考えているところでございます。

○酒井委員 50億円掛ける年度間調整で3年分ということなんですけれども、リーマン・ショック以降ね、当たり前のようにこの考えが踏襲されているわけなんですね。例えば1年目に50億円歳入が落ち込めば、2年目は努力をしてやり繰りをしてやり繰りをして40億円で組む、10億円減にして、そういう考え方もあるでしょう。3年後にはもう10億円、頑張って削る。そうすると、例えば年度間調整分は120億円で済むんですね。これは極端な考え方かもしれませんが、漫然と今までね、同じように財政調整基金の年度間分は150億円なんだというふうに考えるんじゃなく、今後の財政運営が非常に厳しくなっている中、この基金のあり方、しっかりと考えていただきたいと思っております。

 るる指摘させていただいた点、受けとめていただき、改めて、持続可能な財政運営における基金と起債の考え方を精査し、基本計画でお示しいただきたいと存じますが、お考えをお聞きします。

○森財政課長 後年度負担を含めたバランスのとれた資金計画とするためには、適切な起債発行と基金の活用を組み合わせることが求められているところでございます。今後、基本計画の検討を進めていく中で、将来を見据えた持続可能な財政運営に資する基金と起債の考え方について、改めて整理いたしまして、お示しをしていきたいと考えているところでございます。

○酒井委員 持続可能な区政運営には、基金と起債だけではなく、公共施設のね、やっぱり再配置、この3点セットが私は必要であると思っておりますので、後ほど歳出で、施設マネジメントのところでお尋ねしたいと思っております。

 それでは、決算歳入への総括です。

 都政新報でしたかね、都総務局は2018年度の特別区普通会計決算を公表しました。6年連続で最大規模更新、基金残高も23区で過去最高の2兆円、隠し切れない好景気とあるんですね。これ、隠し切れないの、隠しても。法人住民税の一部国税化、消費税の精算基準の見直し、それからふるさと納税、さまざま国のほうは都市部の財源に手を入れてきましたが、私は、これがより進んでいくんじゃないか、そういうような心配もしているところであります。そこで法人住民税の一部国税化、地方消費税交付金の精算基準の見直し、ふるさと納税の影響により、消費税10%時、区財政への歳入面の影響、どうなりますか。

○森財政課長 消費税10%段階におきまして、特別区長会事務局の試算でございますが、法人住民税の一部国税化については44億円の減、地方消費税交付金の精算基準の見直しについては21億円の減とされております。また、ふるさと納税制度の影響額でございますが、今年度におきましては12億円の減が見込まれておりまして、合計すると77億円の減ということでございます。

○酒井委員 ふるさと納税は、動くところあっても、これ、減ることはないのかなと思っています。

 これ、77億円の減収なんですね。リーマン・ショック時に歳入が落ち込み、区は財政非常事態宣言を行いました。そのときについて簡潔に御説明いただけますか。

○森財政課長 2008年、平成20年でございますが、この9月のリーマン・ショック以降、歳入の見通しが落ちてきたということで、基準となる一般財源650億というのを当時定めていた――当時は650億だったんですけれども、それを大きく下回る状況が続いていて、歳出も増加している状況だったということで、税収減が長期化すれば、いずれ基金も底をついてくるだろうというような状況になったことから、23年10月に、財政運営上の非常事態であるととらえたものでございます。

 その際に、24年度予算編成を進めていくということに当たっては、通常の予算編成時の見直しでは踏み込むことのなかった内容も含め、聖域なき事業のあり方を見直し、効率化と財源の確保、将来の備えを行うと、そのようなことをしたものでございます。

○酒井委員 その際ね、相当な見直しをされました。新しい方もぜひ、総務の平成24年2月1日ですかね、事業内容の見直しがありますのでごらんになっていただきたいと思いますが、その際の、もちろんね、東日本大震災があったり、基準となる一般財源規模の歳入がそれを下回ってしまった、そういう理由もありましたが、歳入50億円落ち込んでいるんですね、その際、そうでしょう。じゃあ、今回どうなんですか。77億円落ち込んでいるんですよ。財政非常事態宣言をしたときよりも歳入は落ち込んでいる状況なんです。しかも、この歳入構造の変化というのは数年前からわかっていたわけなんですよね。にもかかわらず、事業の見直しなどはここ数年本当に見られていない。担当さんとしては標準財政規模の1割がなくなった。これ大変なことだと思うんですよ。どのようにお考えですか。

○森財政課長 今後の財政運営についてどう取り組んでいくかということでお答えをいたしますが、全ての事業につきまして、充当可能な国や都の補助金の活用を図っていく、その他の歳入についても、あらゆる手法を検証し、的確に歳入確保に努めていくということがまず大事だろうと。また、歳出の面で言いますと、行政評価によりまして課題をしっかりと浮き彫りにし、事業の見直し、改善による歳出抑制ですとか、また、中長期的視点に立った施策の優先順位付けや実施時期の設定など、しっかり緊張感を持って、安定した持続可能な行財政運営を行っていく必要があると考えているところでございます。

○酒井委員 ここで歳入の質疑を締めて、歳出のほうに切りかえさせていただきたいと思います。

 2番、歳出ですね。歳出の見直しについて、主要施策の成果本冊17ページ、政策室の平成30年度成果の概要ですが、政策室は、PDCAサイクルに基づく区政運営において、主に改善とそれを踏まえた計画策定を進めました。区政の全ての領域においてスクラップ・アンド・ビルドが行われ、持続可能な区政運営を確保し、区民にとって価値と満足度が高まるような取り組みをしましたとありますが、平成30年度予算の主な取り組みには、事業の見直しなどはなかったと記憶しておりますが、そのようなものはありますか。

○高村業務改善課長 予算の主な取り組みの中では、モバイルクレジット収納ですとかペイジー収納の導入など、取り組みのサービス向上を図るために見直しを行い充実したものはお示ししておりますが、組織の見直しや施設の廃止を除き、個別事業ではスクラップ・アンド・ビルドに該当すると言える事業はございません。

○酒井委員 ないんですよ、ないんです。皆さんはずっとPDCAサイクル、PDCAサイクルと言うんですよ。チェックがまるで効いていないんですよ。担当さんとしては、どこに問題があるとお考えですか。

○高村業務改善課長 特に評価の段階において、事業の効果が十分に測定評価できていないことなどから、事業の見直しが予算編成に直接反映されるような事業の課題を浮き彫りにする実効性のあるものに十分なっていないというところが課題であると認識してございます。

○酒井委員 なっていないとおっしゃるんですけど、他方、PDCAサイクルが回っているから大丈夫だって、主要施策の成果の概要のところにね、堂々と書かれているわけなんですから、やっぱりここは重く受けとめていただきたいと思います。

 それで、予算編成方針には、新規拡充事業については、関連する既存の統合・見直し等のスクラップにより実施経費を生み出すこととあるんですね。それにも反していますね。こちらはどこに問題があるとお考えですか。

○森財政課長 予算査定の段階におきまして、各部の要求に対するチェックということについて不十分だったんであろうと。また、それに対しての具体的な指摘ということも十分にできていなかったということについて問題があったんだろうと考えているところでございます。

○酒井委員 このPDCAサイクルのものを読んでも、それから予算編成方針を読ませていただいても、活字で見るとね、すばらしいんですよ、皆さんのつくるものは。けど、仏つくって魂入れずじゃないですけれども、これをしっかりと機能させなければ、PDCAと予算編成方針は区政運営の大きな二つの柱なんですから、これをやっぱり効くようにしていただきたいと思っているんです。スクラップ・ビルドって言いますが、最近は、ビルド・アンド・スクラップ、まず大切なものを立てて、それ以外のものを、やっぱり比べてね、適正化していくというふうな考え方もありますので、さまざま取り組んでいただきたいと思っております。

 PDCAサイクル、予算編成方針と二つの大きな区政運営における柱が機能していません。どう改善していきますか、企画部長にお尋ねします。

○高橋企画部長 PDCAサイクルの意義、必要性については各職場に浸透している状態というふうにとらえてございます。その上で、その理解を事業の見直し、また予算への反映へと結びつけて実効性のあるものとしていくためには、まず行政評価の手法改善、それから事業見直し、特にスクラップに係る具体的議論の徹底が重要だと捉えてございます。

 行政評価手法の改定につきましては、施策評価から事業評価へのシフト、実施時期の見直しなどを進めるとともに、あわせて、基本計画の策定に合わせた政策・事業の体系化の検討を進めていく考えでございます。

 また、事業見直しの具体的な議論を徹底する方策の一つとして、今年度より企画部から、令和2年度予算の検討に当たりまして、予算編成方針における改善の視点を通知いたしまして、各部に具体的な検討を促したところでございます。

 中長期的な将来を見据えて持続可能な区政運営を行うために、企画部として、今後も区のPDCAサイクルの実効性向上に向けたさまざまな工夫を提案しながら、リードしていきたいと考えてございます。

○酒井委員 すみません、ありがとうございます。

 先ほど区政運営の大きな柱、PDCAサイクル、予算編成方針が機能していない――ちょっと言い過ぎましたね。機能していないように感じざるを得ないということですね。

 でね、恐らく、もしかするともうスクラップ・ビルド、スクラップをし過ぎて、もう庁内には削るものがないのかもしれません。じゃあ、そうだったら、また新しい手法も考えていっていただかなければならないと思っております。区民に望まれる、それからまた喜ばれる施策をね、あれもこれもではなく、あれかこれか、やっぱり厳しく選択していくことも大切だと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 次に、決算カードから見る教育費の推移についてお尋ねします。

 決算カードについて、これ、財政白書の28、29ページでしょうかね。簡潔に御説明ください。簡潔にお願いします。

○森財政課長 全国共通の基準で普通会計ベースにおける当該年度の収入状況、各種指標、歳入の内訳、歳出の性質別、目的別の内訳等を一覧にしたものでございます。

○酒井委員 うちの区の教育費の構成比もお答えいただけますか。

○森財政課長 15.5%でございます。

○酒井委員 ありがとうございます。例えばね、他区との教育費の予算の割合どうなんだろうというふうに、予算見合いで比べちゃっても、入っているものが違うのでなかなか比べることができないんですよね。この総務省の決算カードでは、もう全国津々浦々同じような様式でやっておりますので、そこで比べることができます。しかし、単年度で比べちゃうと非常にナンセンスです。教育費に関しては特に、学校の施設整備のお金が入ると、どんと上がりますので、そこはナンセンスなんです。だから私は、過去にさかのぼって23区の教育費の構成比率の平均値をこれまでも調査してまいりました。30年度決算を受けて今回も調査したんですが、決算審査中ということで、1区だけね、教育費の比率を教えていただけなかったんですね。そういう中で恐縮なんですけれども、平成19年度から29年度までの11年間の教育費の平均値を調査しました。結果、11年間の中野区の教育費の平均値は23区中22位でした。この現状、子育て先進区を目指す財政担当さんとしては、どのようにお考えでしょうか。

○森財政課長 下位に位置しているということでございます。子育て先進区というお話ございましたが、必要な予算については適切に措置していく必要があると考えているところでございます。

○酒井委員 ちょっと他区さんはどうなっているのかだとかね、ここまで違うのかだとかね、ちょっと課長会でも話し合っていただきたいと思っております。

 それで、教育環境の改善で1点お尋ねしますね。ここ数年、学校現場から要望が出ているもので、屋外プールサイドの日よけの改修や緊急地震速報とチャイムの優先度の調整があると思います。ここでは、緊急地震速報とチャイムの優先度の調整についてお尋ねします。まず、御説明いただけますか。

○塚本子ども教育施設課長 チャイムの優先度調整でございます。こちら学校において、緊急地震速報が発報されているときや、あるいは緊急時の放送手段である校内緊急放送、こういったものを行っている際に、同じタイミングで学校のチャイムが鳴った場合にチャイム音が優先されてしまう、そして緊急地震速報ですとか校内緊急放送が聞こえなくなってしまう、そういった状況が全小中学校32校のうち9校で生じていたものでございます。安全対策の観点から、緊急地震速報の発報時などにおいてはチャイムが鳴らないようにするように学校現場から要望がされている、そういったものでございます。

○酒井委員 要するに、緊急地震速報が鳴っていて、今から地震起こりますよっていっているときチャイムが鳴るとチャイムが勝っちゃうんですよね。もっと言いますと、チャイム鳴っているときに緊急地震速報が流れちゃうと何事もなかったことになっちゃうおそれもあるわけなんですよね。

 それで、いずれにせよ児童生徒の安全にかかわることは最優先で取り組んでいただきたいと思っております。すぐにでも改善していただきたいと存じますが、いかがでしょうか。

○塚本子ども教育施設課長 こういった要望を受けまして、ことしの8月までに全小中学校の放送設備の状況を確認したところでございます。実際に対応が必要な9校のうち、放送設備の設定変更だけで対応可能である3校、こちらにつきましては順次改修を進めてございまして、遅くとも年内には対応を完了する予定でございます。

 ただ、放送設備の設定変更だけでは対応できない6校につきましては、放送機器の一部入れ替えなどのそういった改修が必要となりますので、現在、改修費用の見積もりをとっているところでございます。これらの学校につきましても、放送機器の改修について、可能な限り早急に対応したいと考えてございます。

○酒井委員 ありがとうございます。以前から要望があったのでね、やっぱり早急に対応していただきたかったなと思っております。それから、プールサイドの日よけもあわせてお願いしますね。

 学校現場や、それからまた中P連、小P連、それから幼稚園現場からも、さまざまな要望が出ているんだろうと思います。やっぱり教育委員会だけにお任せするんじゃなく、予算担当さん、23区中22位というふうな状況を見て、いかに中野区の教育現場がどうなっているか、やっぱり資料を読み込んでいただきたいと思います。PTAの皆さん、本当にね、思いを込めてつくっておりますので。一つの学校はみんなの学校のために、みんなの学校は一つのためにってやっているんですよ。ぜひね、お読みになっていただきたいと思います。

 次に、流用についてですね。

 こちら、流用については今回割愛させていただきます。ちょっと重なるところがあるもので割愛させていただいて、この流用の流れから、歳出で4点、シティプロモーション、私立幼稚園の教員補助と2歳児預かり事業、これは不用額が多かった。それからまた公園維持管理、施設マネジメント、そして結びに、その他で歳計外現金について、この流れでお尋ねしたいと思っておるんですけれども、時間が厳しくなってきたので、施設マネジメントと公園維持管理のみお尋ねして、シティプロモーションに関しては意見を申し上げます。

 シティプロモーションは、まずKPI、重要業績評価指標が定量化されていませんね。シティプロモーションにより区民福祉の向上にどうつながるのか見えません。それからまた、一つの指標とされています中野区への愛着度、もう現在の段階で83%です。この高い数字をまだこれ以上上げるよりも、他の区民満足度が低い施策に投資をした方がいいんじゃないか、このように思います。

 それからまた子育て先進区の実現や地域包括ケアシステムの推進、そういった自治体の本旨である住民福祉の向上に愚直に取り組むことこそが、シティプロモーション、シティセールスに僕はつながると思っております。

 そして4点目ですね。これ1年目は3,000万円の事業です。2年目は随意契約で7,000万ですね。これ、限度額の見えない3年間の債務負担行為のように感じたりもしているところであります。特にこの2年目の7,000万円は、やはり区民の感覚から少し離れているんじゃないのかなあというふうに感じてしまいます。

 以上、るる指摘いたしましたが、もう2年間で1億円注ぎ込んでおります。3年目の予算は当然見直すんだろうと思いますが、一方で、これまでの取り組みを無駄にしてはならないと思います。現場の職員さんが知恵を絞って、汗をかいて、そして区への愛着度が83%という区民を信じて、協働してこの事業に取り組んでいただきたいと思います。

 次に、歳出のところで、施設マネジメントについてお尋ねします。

 施設マネジメント、こちらが150万円、当初予算で計上されておりましたが、決算では不用額が区有地等活用検討費残143万円とありますが、こちらの内容を確認できますか。

○杉本企画課長 不用額が143万円となった理由につきましては、未利用となる区有地や区有施設につきまして、民間活力の導入可能性を調査するための委託料を計上しておりましたが、基本構想の改定や新しい基本計画の策定に向けまして、施設整備のあり方を大きく見直すことにより未執行となったものでございます。

○酒井委員 ここにね、中野区の公共施設マネジメントが一つ集約されているのかなというような気がしております。これ、内容は一つひとつの施設をどのようにマネジメントするかというものでしたかね。ちょっと質問にはなかったんですが、すみません。

○杉本企画課長 民間活力の導入可能性ということで、未利用となっている施設等につきまして一つひとつ、都合3件を予定していたものでございます。

○酒井委員 ありがとうございます。50万円掛ける3件で考えておったのが、さまざま考え方が違って未執行でしたよということだと思うんですけれども、一つひとつの施設の有効活用を検討することも大切ですが、やっぱり全体をしっかりと見ることも当然求められていると思います。公共施設の更新が一気に押し寄せるわけであります。公共施設の整備に関しては、今ある資産を最大限活用し、建てかえや複合化や施設の廃止など、長期的な視野を持って全体の中で総合的に判断しなければなりません。

 基金と起債と公共施設の再配置の3点が、持続可能な区政運営において大きな課題となると私は考え、質疑をさせていただいておるんですけれども、施設整備の考え方が各所管任せのようにやっぱり思ってならないわけですね。例えば第九中学校跡地、閉校になってから活用は二転三転し、いまだ活用されていません。今後、桃園第二小学校は建てかえの計画ですが、上高田小を建てかえ時の仮校舎と予定しております。これ、九中の跡地のほうが近いんですね。うまく当て込んでいると、そこでうまく建てかえをすることができておった。それからまた、東中野小学校跡地は利活用が二転三転し、一部売却と。第三中学校跡地は、民間教育施設の誘致を令和2年度・3年度に行う予定であったにもかかわらず議論が見えない状況で、東京都の特別支援学校の仮校舎とすることとしました。また、売却予定であった環境リサイクルプラザも方針転換された。最近では商工会館の跡地も急遽、総合こどもセンターの分室となった。施設全体の、やっぱりマネジメントが効いていないんじゃないかというふうに心配するところであります。るる事例を出した施設整備に関して、担当さんはどこに問題があるとお考えでしょうか。

○杉本企画課長 主な施設整備の考え方につきましては、新しい中野をつくる10か年計画等についてお示ししてきたところでございますが、実施に当たりまして変更が生じたものでございます。

 施設整備の考え方につきましては企画部が、実施に当たりましては主管部が役割分担をしているところでございますが、事情の変更があった場合には、企画部が主体的に施設マネジメントを行っていく必要があるというふうに考えてございます。

○酒井委員 総合管理計画をつくって施設白書も作成されたわけですね。ただ、今後の公共施設がどうなっていくのか、区としてどう集約していきたいのかというのが見えません。もちろん基本計画の中で明らかにされるんだろうと思いますが、基本計画は5年間なんですね。令和2年10月から令和6年10月までの予定です。けど、この5年間の当然施設配置のみを考えてはならないわけなんです。それ以降の施設のあり方も視野に入れなければ、将来的に齟齬が生じてきます。

 また、学校施設の整備計画には、まだまだ位置付けられていない学校はどんどんと出てくるわけですね。50年を経過した学校は、北原小学校が今年度ですね。来年度は塔山、啓明、それから再来年度は白桜と、どんどん出てくるわけであります。

 長期的な視野を持って全体見渡す、財政運営を熟慮した将来負担、効率的な施設の更新、将来人口推移やニーズを踏まえて基本計画を策定していかなければなりません。基本計画の素案は来年4月の予定です。もう時間はありませんが、人・モノ・金を注ぎ込み、よりよい計画をつくり上げていただきたいと思いますが、企画部長にお尋ねします。

○高橋企画部長 今後の施設整備、施設配置を考えていく上でのしっかりと捉えなければならない点として、一つに、将来的な大きな視点に立った、区全体を俯瞰する中野のまちづくりの軸となる考え方の整理、また、面的に捉えたまちづくりの推進の大きな要素となります、区が活用可能な大規模敷地である区立学校の統廃合による跡地の活用、また学校改築、今後の大きなきっかけとなります中野駅周辺まちづくり、西武新宿線連続立体交差事業、木密地域の改善を踏まえた防災まちづくり、まちのにぎわいつくりに向けた面的な施設配置。さらには、新区役所整備をきっかけとした公共サービス機能の最適化の検討、また、財政見通しを踏まえた取り組み時期のスケジュール設定、また優先順位付け、これらが重要だと捉えてございます。これらの幹となる考え方をしっかり整理した上で、民間活力の活用、施設の集約化、複合化、老朽化施設への対応などをしっかり考え、具体化していく必要があると考えてございます。

 新しい基本計画の中では、5年間で具体化するものとあわせて、中長期的な課題としてとらえ、検討を継続するものについては検討の方向性を示していきたいと考えてございます。

 短時間ではございますが、集中した検討を行って、区としての方向性を示し、議会、区民からも意見を賜り、内容を固めてまいりたいと考えてございます。

○酒井委員 本当にそうやっていただけると心配ないのかなとは思うんですが、これまでやっぱり企画分野のところで、公共施設全体のやっぱりマネジメントがどうしても効いていなかったように感じますので、改めてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 ただ、基本計画がもうできる中でね、僕もこういう質問、本当ならばもっと先にやらなきゃなんないのに、そこもちょっと反省もしているところなんですが、例えば、基本計画は令和2年10月からスタートですね、年度途中から。けど、これは場合によっては急がば回れで、令和3年度当初スタートにして、今、施設のマネジメントをどうするかって、お金をしっかりかけることが将来の何百億円の削減だとか有効活用につながるかもしれませんので、そういったこともぜひ御検討いただきたいと思います。

 公園維持管理についてお尋ねいたします。

 決算でも公園維持管理経費が増加傾向にあり、大規模公園建設により当然維持管理費用も増加しておるわけでありますが、限られた財源の中、中野区の公園をどう魅力あるものにしていくかが求められると思います。例えば、四季の森公園の維持管理費用というものは、決算資料の建設9にもあるとおり右肩上がりです。広町みらい公園の工事の変更を含んだ補正予算の審査時において、芝生から草地にすると維持管理費用は100分の1になるというふうな御答弁もありました。四季の森公園もそのような理解でよろしいんでしょうか。

○細野公園緑地課長 広町みらい公園と中野四季の森公園を比較した場合には、広場の立地条件や利用率などの関係から詳細な積算が必要になります。芝生から草地にすると維持管理費は大幅に削減できることは間違いないのですが、詳細な数字についてはさらに積算が必要というふうに考えております。

○酒井委員 総務委員会の答弁で100分の1というふうな驚きの数字もあったもので確認をさせていただきました。

 それでは現在、四季の森公園の芝生の養生期間により使用できない期間はどの程度でしょうか。

○細野公園緑地課長 29年度から6月と11月の約2カ月間を全面閉鎖しています。また、それに加えて養生のために一部閉鎖期間があり、合わせて、30年度だと196日、一部閉鎖または全面閉鎖の期間がございました。

○酒井委員 半年程度そういったところがあるということだと思います。

 それで9月23日、先日開園の広町みらい公園の式典に参加させていただきました。指定管理者制度を導入することにより、公園はここまで変わるんだなというふうにも感じたところであります。

 四季の森公園は広町みらい公園以上にポテンシャルがあり、経費を節減しながら、そして民間活力を活用し、より魅力的な公園とすることができるはずであり、私はこれまでも、さまざまなPark-PFIであったり、指定管理者制度の導入であったり提案をさせていただきました。現在の検討の中身はどうなっていますか。

○細野公園緑地課長 民間活力の活用について、これまでさまざま御提案いただいたところでございますが、指定管理者制度をはじめとしてさまざまな形態があって、効果的な運営のあり方を検討しているところでございます。

○酒井委員 もうね、来年度あたりは指定管理者制度に移行するためのサウンディングの準備だとか、そういったこともやっぱりスピード感を持って検討していくべきだと僕は思っております。なかなかやっぱりね、公園分野は人が足りていないんだと僕、思うんですよ。要するに、例えば人をふやすのか、アドバイザーなどの活用を進めるのか、委託を進めるのか、そういったことをやっぱりやっていかなきゃならないんだと思うんですよ。魅力的な公園を整備しております豊島区なんかは、特命担当課長を設置しておると聞きます。何らかの手立てが必要と考えますが、部長どのようにお考えでしょうか、簡潔にお聞かせください。

○奈良都市基盤部長 今後、公園再整備計画の策定など公園緑地施策の実施に当たりましては、業務が円滑に実施できるよう職員体制を整えるとともに、委託や必要に応じた専門家の知見の活用など適切に組み合わせながら対応していきたいと考えてございます。

○酒井委員 ありがとうございます。

 残り、歳計外現金についてお尋ねしたかったのですが、財政白書25ページに、昨年指摘をさせていただいて、歳計外の現金も見える化すべきだ、そういう指摘をさせていただき、決算資料に反映させていただきましたことをお礼申し上げ、以上で全ての私の質問を終わります。皆さんありがとうございました。

○山本委員長 以上で酒井たくや委員の質疑は終わります。

 次に、[1]高橋ちあき委員、質疑をどうぞ

○高橋(ち)委員 おはようございます。

 先ほど私の前、トップバッターが酒井委員の質問でありましたけれども、何か我が会派の5番目の質問者かなって思っちゃうぐらいに厳しい御指摘をされておりましたけれども、本当にすばらしいと思います。4日目で疲れてくるという話でありましたけれども、思い起こせば以前は、今は時間制が導入されておりますから、一般質問もこの特別委員会も初めがあり終わりが見えるという委員会になっているので、皆さん、疲れはそこそこという感じかなというふうには感じておりますけれども、きょう、私は自由民主党の5番手といたしまして質問させていただければと思います。

 質問項目なんですけれども、この1番目にあります10か年計画(第3次)の施設整備は、酒井委員も触れておりましたので、これは順番を下げまして、最後のほうにさせていただきたいと思います。

 まず初めに、その他の危機管理対応についてお伺いをさせていただければと思います。

 毎週末、台風が訪れ、台風15号、17号で本当に被害に遭った皆様には心からお見舞い申し上げるとともに、早期の復旧ができるといいなというふうに感じているところでございます。

 私が聞きたいのは、先日ありました台風15号の区の対応についてお伺いをしたいわけでありますけれども、まず、中野区の地域防災計画の中におきましては、災害応急対策の活動態勢では、防災行動計画を作成し関係機関と共有することで災害時に連携して活動し、被害を最小に抑えることに努めるとなっております。また具体的な取り組みでは、区の初動期における応急活動態勢として、1番、災害対策本部組織の設置、次が配備態勢の中では、風水害、早期監視態勢及び風水害情報連絡態勢、風水害初動期配備態勢及び風水害非常配備態勢という、このような順番になっているかと思います。さらに、休日・夜間等における態勢など、きちんと順を追っての態勢がうたってありますけれども、今回、区は、この台風が直撃だと言われていた予報が当たり、私たちは地域でお祭りがあったりいろいろ行事があったんですけれども、それ相応の地域では対応をして準備をしてまいりました。区としては、この台風15号に対する災害対応に時系列にどのような判断をしたのかまずお伺いいたします。

○山田防災担当課長 お答えいたします。9月8日(日曜日)10時19分、大雨強風注意報発令に伴いまして、夜間休日連絡態勢を発令させていただきました。その後、13時21分、民間気象会社等からの18時警報発令予想の発表に伴い、早期の河川・道路監視態勢を整えるため、18時00分に情報連絡態勢の発令を決定し、参集予定者に対してメール伝達を行っております。その後、16時07分、中野区に大雨警報が発令されたことに伴いまして、態勢の再検討をさせていただきました。その際、中野区は晴天また弱風のため、予定どおり18時の情報連絡態勢の発令を維持したところでございます。その後18時00分、情報連絡態勢を発令しております。その後、洪水警報、暴風雨警報等発令されたものの、中野区の気象状況、また河川の状況を踏まえまして、情報連絡態勢を維持させていただいたところでございます。

 翌朝になりまして8時35分、各災対本部の活動状況を踏まえまして、情報連絡態勢から早期監視態勢に切りかえさせていただいたところでございます。その後、被害調査等を継続しつつ、16時30分まで各災対本部の、これは活動終了までですね、早期連絡態勢を維持させていただき、16時30分解除したところでございます。

 以上でございます。

○高橋(ち)委員 時系列は伺ってわかったわけでありますけれども、今回は情報連絡態勢という発令を行った。その基準はどういう基準で情報連絡態勢というふうに決まったんでしょうか。

○山田防災担当課長 発令基準でございますが、一つ目に、中野区または上流域に大雨もしくは洪水注意報、または大雨もしくは洪水警報が発令され風水害に対する注意が必要となった場合、二つ目に、台風または急激な雷雨等の発生により気象状況等を収集する必要がある場合でございます。

 なお、情報連絡態勢は、気象状況や河川水位情報の収集とともに、地域本部に職員を参集させ応急班の活動拠点を準備し、万一の住民避難を可能とするものでございます。

○高橋(ち)委員 その情報連絡態勢ということでありましたけれども、それで区の職員は何人参集できたのか、予定する人員は確保できたんですか。

○山田防災担当課長 参集につきましては、情報連絡態勢で136名が計画となっております。当日は111名が参集し、おおむね態勢を組むのに必要な人員は確保できたと考えております。

○高橋(ち)委員 私が思うには、交通機関の運休とかが、日曜日、月曜日は運休しますよ、時間はおくらせますよというような情報が報道されていたわけなので、本当は情報連絡態勢ではなくて、早期に初動配備態勢をとって、それから段階的に下げていくのが普通じゃないかなというふうに思ったんですけど、いかがですか。

○山田防災担当課長 今回、台風の進路等、民間気象会社や気象庁の情報、さらに交通機関の遅延または運休などを踏まえまして、早期の参集の指示等により情報連絡態勢で可能と判断いたしました。

○高橋(ち)委員 確認ですけど、その判断をしたというのは、どなたが判断したんですか。

○山田防災担当課長 先ほど、13時21分に、18時に情報連絡態勢発令を決定と答弁させていただきましたが、その際、区長、副区長、災害指令班部長に協議しまして決定したところでございます。

○高橋(ち)委員 その上層部の方たちが判断をしたということでございますので、本当であれば、やっぱりこのような大きな、東京にはそんなになかったですけれども、中野だって倒木があったりとかしていたわけですから、最初に、私は初動配備が必要だったんじゃないかなというふうには考えております。

 倒木などの被害が発生したというふうにも伺っておりますけれども、被害状況の収集や調査など速やかに対応ができたんですか。

○山田防災担当課長 人的被害はなかったものの、倒木や枝折れ等の被害は38件と報告されております。台風通過後の翌朝より速やかに調査、対応を図ったところでございます。

○高橋(ち)委員 それは大変だったとは思いますけれども、では、交通機関が始発が時間が遅くなったということで、翌日の役所の開庁に当たっては何ら問題、障害はなかったんでしょうか。

○田中危機管理課長 翌日の交通機関の運行状況につきましては、東京都総合防災部からの情報提供、報道等も受けまして、各部にその情報を提供するとともに、翌日の窓口など開庁に問題がないか確認を行ったところでございます。その結果、翌日開庁には問題ないということを確認しているところでございます。

○高橋(ち)委員 問題がないということは、職員は電車が走ってなくても来れるという判断だったという理解でいいんでしょうか。

○田中危機管理課長 区内もしくは近隣の職員が、窓口開庁に当たって必要な人員を確保できると、そういう判断でございます。

○高橋(ち)委員 それはそのような判断で問題がなかったって思っていらっしゃるということでございますが、かなり問題が、私はあったように感じております。本来であればですね、本当に中野はそんなに影響がなかったという結果にはなっていますけど、この報告を見ますと、倒木も38件、先ほど聞いていたし、それからさまざまですね、電線の垂れ下がりとか、土砂崩れがあったりとか結構被害があっているわけでありますよね。なので、この態勢で、せっかく危機管理課ができたのに、これでよかったのかなということを感じているところであります。

 今回の台風では、里・まち連携をしている千葉県内、館山もそうでありますけれども、すごい被害が出ているわけですね。この被害というか、館山に関しましてもすぐに対応したのかどうかというところが心配なんですけど、どうなんですか。

○田中危機管理課長 館山市への対応についてでございますけれども、当初、里・まち連携自治体といたしまして、区と関係のある産業観光課から支援等の連絡を行ったところでございます。その後、私のほうから館山市の危機管理室長に連絡をとりまして、屋根それから壁等破損の対応に必要なブルーシート等、物資の支援要請がございました。この要請を受けまして、区としては直ちに支援をすることといたしまして、職員の人選及びトラックの要請等の準備を進めまして、9月13日、区の備蓄物資からブルーシート1,500枚、それからトラロープ100束、これを支援することとし、館山市のほうへ搬送したものでございます。

○高橋(ち)委員 そのような対応はよかったんだか、時間的にですよ、今対応されているからいいんですけれども、やっぱり危機管理課というものができたわけですよ、4月から。それは早急にですね、対応されるべきだったんじゃないかなというふうに感じているわけです。

 これは継続的に支援をしていかなくてはいけないんじゃないかなというふうに考えておりますけれども、どのようにお考えですか。

○田中危機管理課長 今後の館山市の支援につきましては、人的な支援というものが想定されるところでございますけれども、今後も連絡を取り合いまして必要な支援を行ってまいりたいというふうに考えてございます。

 なお、都を通じまして、千葉県君津市からは職員派遣要請がございまして、9月24日から10月2日の期間に、職員2名を派遣したところでございます。

○高橋(ち)委員 君津は東京都からの要請だと思うんですけれども、館山ですよね、里・まち連携をしている我が区の館山市が大変なことになっているわけですよ。そこに人的支援をされるかどうかはこれから考えるんでしょうけれども、まずは里・まち連携、ほかにも災害協定をやっぱりきちんとしなくちゃいけないとか、そういうことは考えていくべきだし、この支援だって、ここで言っていいんだかどうかわかりませんけれども、総務委員会で指摘をされて、何もしていないみたいな感じになって慌ててやったんじゃないのかなというふうに私なんかは理解しているところなんです。なので、せっかく組織を変えたのにどうしちゃったのというふうに感じているわけですよ。だから何のためなのって思います。

 これからですね、後で聞きますけど、我が会派の大内幹事長を筆頭に、いでい議員、それから若林議員、加藤議員が先週末行ってきたわけでありますけれども、その中でも伺いますけど、まずは先に、この台風の中において、危機管理課が区立学校に対して何か伝達したのか、また、区立の小中学校に対しての指導はどなたが行ったんですか。

○宮崎教育委員会事務局指導室長 台風15号の接近に伴い、教育委員会から学校への連絡につきましては、9月6日(金曜日)の午前中、各区立学校、幼稚園に事務連絡を発出し、台風への注意喚起と各校の教職員、児童・生徒、保護者への連絡を徹底するように指示いたしました。主な連絡内容につきましては、9日(月曜日)は通常登校とすること、状況が変化した場合に備え、所属教職員や各家庭への連絡体制を整え、周知しておくことなどでございます。

 8日(日曜日)の夕方に、JRが9日(月曜日)の朝の計画運休を決定したことを受けまして、教育委員会から小・中学校校長会長、幼稚園の園長会長へ連絡し、9日(月曜日)の朝は原則2時間おくれとすることを指示するとともに、各校、園長からそれぞれの所属職員への周知、保護者への連絡を徹底するように求めたところでございます。

○高橋(ち)委員 本来であれば、これだって危機管理を担当されている方がやるのが普通かなって私は思うんですけれども、指導室長がされたということでありまして、そして先生方が時間どおりに来られないだろうという想定の中、学校は2時間おくれとされたということで、それはよかったかなと思うんです。

 指摘だけしたいんですけれども、これも、伝達されて、情報を受け取ったその学校長の対応によって格差が出ているというような話を聞いたんですが、やっぱり学校長に任せるのではなくて、一斉にそういう対応をしなさいというふうに言うことはできないんですか。

○宮崎教育委員会事務局指導室長 今回につきましては、状況が変わりましたのが日曜日ということもございまして、さまざまなことでちょっといろんな制約があったところでございます。それから、各校でそれぞれ今までの対応もあって、地域や児童・生徒の状況に応じて対応を決めたいという要望もございましたので、原則は2時間おくれ、そして連絡の徹底を特にお願いして、今回このようにさせていただいたところでございます。

○高橋(ち)委員 さまざま対応が違っていくと、受け取る側が、いろんな情報が入ってきて変に誤解されたりするところがたくさんあるように感じて、いろいろ発信されている方もいたみたいですけれども、そこのところはやっぱり教育委員会としてもしっかりと対応していっていただきたいと思います。

 では次に、保育園に対してはどういう連絡体制をとったんですか。

○濵口保育園・幼稚園課長 保育園につきましては、9月7日(金曜日)の時点で台風15号の接近が予想されておりましたので、保育園の近くに住む職員を前もって早番に変更する等の対応をとってございます。

 8日(日曜日)には、JRなどの交通機関が夕方に計画運休を発表いたしましたので、改めて区立保育園の緊急連絡網を通じて、翌日の職員態勢が確保できていることを確認してございます。

○高橋(ち)委員 保育園の場合はお仕事されている方たちのお子さんを預かるということなので、あけられないということはできないと思いますけれども、それも保育園・幼稚園課の課長がやるというのも何か解せないなというふうに思います。ただ、そのような対応がとれて一切苦情とかはなかったという理解でよろしいですか。

○濵口保育園・幼稚園課長 はい、私どものほうでそういった苦情は受けてございません。

○高橋(ち)委員 いろいろ話を聞いていると、やっぱり交通機関の状況とか、千葉の被害状況を踏まえてですね、ただ情報連絡態勢で、それから監視へ切り替えた、これが本当によかったのかなって思いますけど、いま一度伺います。

○山田防災担当課長 お答えします。今回の気象会社や気象庁等の情報によれば、水害想定が低かったこと、また台風の進路も東にずれていた等により、中野区での被害の拡大が見込まれなかったので態勢の変更をしないで対応したところでございます。

 なお、気象状況等の情報は常に収集し、必要に応じて柔軟に態勢の拡大・縮小を決定し得る状態を確保していたところでございます。

○高橋(ち)委員 そのような対応をしたということでありますけれども、中野区も水害が以前は大変多くて、そのときは、初動態勢で、それからそれをアップしてという態勢をとっていっていたわけですよ。今、洪水にならないからという、そういう安易な判断で決めていただくのはどうかなというふうには思います。

 また、先ほども話しましたように、我が会派の4人の先生方が即、館山に行かなくちゃって思いを込めてボランティアに行ってきたわけでありますけれども、本来私たちも行けばよかったんですけど、なかなか御一緒できなかったのが残念なんですけど。話を聞いていましたところ、館山の布良というところにボランティアセンターがあるということで、市役所に伺ったそうです。ボランティアセンター――万が一ですよ、都内にそういう災害が起きたらとっても大変だと思いますけれども、ボランティアセンターに行きました。行ったらですね、大変人が多くて、ボランティアセンターで受付をして、それから参加するボランティアさんが、車で来た場合に駐車場があるかどうかとか、それとボランティアさんがどういうことをしなくちゃいけないかという説明を受けたりとかですね、それから手伝ってもらいたい方の意向を酌んでマッチングをしたりとか、非常に大変な時間を要しながらボランティア活動をしなくてはならないというような状況にあったそうであります。

 もし万が一ですよ、これはなければいいことでありますけれども、ボランティアセンターという名のもとに、中野が想定している場所というのは現在どこなんでしょうか。

○田中危機管理課長 中野区地域防災計画におきましては、中野区社会福祉協議会が設置する中野区災害ボランティアセンターにおきまして、ボランティアの振り分け及び活動支援を行うこととしてございます。社会福祉会館の設置を想定しているところでございます。

○高橋(ち)委員 社会福祉会館といいますと、スマイルなかののところだと思うんですけれども、あそこの狭き場所で受付をつくったり、説明する場所をつくったりとかということはかなり困難極まりないというふうに思います。これは、今は位置付けられていますけれども、今後検討し直すという考えはあるんですか。

○田中危機管理課長 今回の件も踏まえまして、区役所周辺あたりになるかなという想定はできますけれども、改めて検討させていただければと考えてございます。

○高橋(ち)委員 大事な、危機管理課というところができたわけでありますので、きちんとですね、いつ起こるかわからない。まして館山がこんなふうになっちゃうなんて私たちだって想像もしていなかったわけですよ。千葉があんなに停電になっちゃうということも想像もしなかったわけですから、やっぱりもう早急に、社会福祉会館ではなくて、早期にボランティアセンターが受け付けられるような場所をきちんと検討して報告をしていただきたいと思いますが、いかがですか。

○田中危機管理課長 繰り返しの御答弁で申しわけございませんが、今後さらに検討させていただきまして、状況に応じては御報告等をさせていただければと考えてございます。

○高橋(ち)委員 何度聞いても答弁は一緒ですけれども、同じだと思うんですけど、やっぱり早急にね、早急にここの件については考えてもらいたいと思います。

 それから何点かあるんですけど、私は実際に自分で行っていないので、皆さんから聞いた話でお伺いをするわけですけれども、災害のごみ、このごみが大変問題になっていたそうでありまして、ボランティアさんがこれはごみだと思っても、そこの家の方がごみじゃないとか思っているというものもあったりとかして、災害ごみの集積場所というのが中野は決められているのか、または、そのごみの収容能力を超えた場合はどうなるのかということはもう考えていらっしゃるはずですよね。

○伊東ごみゼロ推進課長 お答えいたします。現在、中野区地域防災計画では、倒壊しました建物等から発生する廃木材及びコンクリートガラや金属片などの瓦礫につきましては、幹線沿いにある区内5カ所の公園をまず第1瓦礫置き場として、そこに収容できない場合は、さらに2カ所の公園を追加し、計7カ所の区内の公園を第2瓦礫置き場として指定してございます。それら7カ所の瓦礫置き場に不足が万が一生じた場合につきましては、東京都と連携しまして瓦礫置き場を確保するということとなってございます。また、瓦礫以外の災害により発生したごみにつきましては、ごみ収集が可能な場所にある公有地等を臨時の集積所として設置することとしてございます。

 区としましては今後、災害廃棄物処理計画の策定を予定してございますので、その中で災害により発生するごみや瓦礫等の処理につきまして改めて整理していきたいと考えてございます。

○高橋(ち)委員 それは、予定しているというのはいつごろのことなんでしょうかね。

○伊東ごみゼロ推進課長 東京都が、一昨年の6月に東京都の災害廃棄物処理基本計画を策定しましたので、それを踏まえて早期に着手、策定していきたいというふうに考えてございます。来年度以降、着手していきたいというふうに考えてございます。

○高橋(ち)委員 これも東京都との関係もあるんでしょうけれども、来年度以降になると、災害はいつ起こるかわからないわけですよ。ですので、やっぱり危機管理課と連携をしながら、そのさまざまな担当部署で、検討するのはもうごく普通に考えれば、早くやらなくちゃって思うのが当然だと思うので、これはもう一回答弁をお願いしますと言っても同じことになるだろうでしょうから、要望として、早く結果を報告していただければと思います。要望にしておきます。

 ボランティアに行ってまいりました4名の先生方は、自分たちが肌で感じ、肌でさまざまな方の話を聞けたと。そして自分たちが手伝いたいけどマッチングしないと手伝えない、でもこれはやっぱり相手がいることでありますから、勝手にいろんなことができないということも感じとりましたし、行ってみないとわからないことがたくさんあるわけですよね。

 そうすると、先ほど職員も派遣しますという話でありましたけれども、物資を運んだときに、なぜそのときに一緒に職員が残ってこなかったかとか、実際に早急に館山に職員の応援を出すべきだと思いますがいかがですか。

○田中危機管理課長 先ほどの答弁の繰り返しで恐縮ですけれども、今後につきましては、館山市との連携をとり合いまして必要な支援は行っていきたいというふうに考えてございます。

○高橋(ち)委員 後ろ向きな答弁ですごく悲しくなるんですけれども、早急に対応しますというようなお答えがいただきたかったと思います。

 中野区は、昔から水害の区だとか言われて、そしてやっと激甚指定をいただいて、神田川も今は氾濫しなくなってまいりましたし、妙正寺川もそうじゃないですか。でも、それに甘んじることなく、洪水しない、水があふれないなんてと思っていたってあふれることだってあるわけですよ。しかも里・まち連携している館山がっていう、私たちが想像もしていない状況になるということだけは、ちゃんと危機管理を担当している課長は肝に銘じておいていただきたいと思うし、ほかの部署の人たちも、自分たちは関係ないんだではなくてしっかりと受けとめていただきたいと思います。

 この項の最後に伺いますけれども、今回は、区長以下副区長等々の御判断で、情報連絡態勢というふうに決定をされたと先ほどお答えいただきましたけれども、それでも、本来責任あるこの区を司る長となる人が、災害対策本部に居たんだか居ないんだかということがよくわからないんですけれども、区長はその現場で、本部長として指揮をとっていらっしゃったんですか、お答えください。

○酒井区長 台風15号に伴う対応については、気象庁や民間気象会社からの気象情報、そして台風の進路や予想降雨量などの情報をもとに態勢を判断して私が対応いたしました。今回は情報連絡態勢で対応し、私は自宅に待機をしておりました。この後、逐一、気象状況や災害の発生状況などの報告をそのときに受けつつ、必要な事案に対して、自宅に配備されている防災行政無線の活用など常に指示を出せる態勢で確保しておりました。また、緊急時に備えて自家用車の活用など直ちに登庁できるよう待機をしておりました。

 今回の台風15号の御指摘を踏まえて、さまざまな改善に早急に対応してまいりたいと考えております。

○高橋(ち)委員 区長も情報を受けて自宅で待機をしていたという話でございますけれども、本来、どんな態勢であっても責任あるトップの方は本部にいるべきだって私は思っております。ですので、今後ともそのようなもとで指揮命令・指揮行動をしていただければと思います。これは要望です。

 いつも私、質問の時間がどんどん少なくなってきてしまうんですけれども、早口でお願いしたいと思いますので、2番目、幼児教育について簡単にお伺いをしたいと思います。

 平成23年度に子育て支援施策と教育施策に分かれていた組織が一体となったわけでありますけれども、現在の子ども教育部に組織改正されている、なぜこのような組織に見直したのか、一応確認をしておきます。

○永田子ども・教育政策課長 教育委員会ではこれまでにも、政治的中立や独立性の上に、子どもたちが自分の可能性を伸ばし、豊かな人間性や社会性、確かな学力などの生きる力を身につけていく取り組みを進めてきたところでございます。一方で、今日、子どもたちを取り巻く環境は複雑化してきており、子どもの育ちや子育てを切れ目なく支援していく必要があることから、これらの取り組みを一体的かつ総合的に推進していけるよう、平成23年度に区の組織の見直しを行ったものでございます。教育委員会の求められる中立性や独立性を十分確保し、必要な範囲で子ども・子育て政策との連携を図っていく考えでございます。

○高橋(ち)委員 そのような理由で組織が一体化されたんだと思うんですけれども、その組織が一体化となった今、幼児教育に対する焦点があまりにも薄まっていってしまったんではないかなというふうに私は感じています。力の入れ方にも課題があると感じているんですけどいかがですか。

○宮崎教育委員会事務局指導室長 平成30年度の組織改正により、区立・私立の枠を超えた幼稚園、保育園、認定こども園の連携強化と幼児教育の内容の充実を目的とした就学前教育担当が教育委員会の中に設置され、担当指導主事も配置されたところでございます。区独自の就学前教育プログラムを区内全ての幼稚園、保育園等の就学前教育施設に配布、周知するとともに、これまでも行ってまいりました就学前教育・保育施設合同での研究や連絡協議会などでも活用することで、全区的な幼児教育のレベルアップを図っているところでございます。また、教育委員会事務局に就学前教育担当が移ったことにより、保・幼・小・中の連携が強化されたものと考えております。

○高橋(ち)委員 それは、保・幼・小、今は中も入りますけれども、連携がとれてきたというのはわかるんですけれども、それでも就学前、いわゆる幼児教育は目に見えていないというふうに私は感じとっているところであります。ですので、目に見えるようなものを考えていってほしいと思うんですけれども、確認しますが、幼児教育とは、就学前の全ての子どもを対象として考えているということでよろしいんですか。

○宮崎教育委員会事務局指導室長 幼児教育につきましてはさまざまな解釈があるところでございますけれども、一般に就学前の幼児の教育としていることが多く、幼児教育は就学前教育とほぼ同じ意味として使っている場合が多いように思います。

 また、狭い意味では、ゼロ歳児を乳児としていることから、満1歳から就学前までの子どもを対象とすることもございます。中野区就学前教育プログラムでは、ゼロ歳児から対象としているため、幼稚園、保育園、認定こども園などの区別なく、就学前の全ての子どもが幼児教育の対象となると考えております。

○高橋(ち)委員 ありがとうございます。まさしくそうだと思うんです。ですので、今、中野は保育園にも力を入れているわけでありますけれども、認定こども園があったり、保育園が私立・区立さまざまありますけれども、この保育施設においても教育に力を入れていくべきだって私は感じています。人間形成においても大変重要な幼児教育の充実がどのように取り組まれているのか、これからどのようにさらに取り組んでいくのかということを見せてもらいたいんですけどいかがですか。

○宮崎教育委員会事務局指導室長 平成29年3月に、幼稚園教育要領、保育所保育指針及び保・幼連携型認定こども園教育・保育要領が同時に改定され、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿、いわゆる「10の姿」を共有するなど、就学前教育、保育施設における教育・保育の狙いや内容等の一層の整合性が確保されているところでございます。

 保育施設におきましても、保育所保育指針や中野区就学前教育プログラムなどに基づき、子どもの心情・意欲・態度を考慮しながら、遊びや生活を通して各年齢の発達段階に応じて必要な経験ができるように取り組んでいるところでございます。

○高橋(ち)委員 それを、ぜひ目に見えるようにしていってほしいと思います。

 10月からは幼児教育の無償化が実施されますけれども、無償化の上限額が設定されている私立幼稚園へのサポートの充実がさらに必要かと思いますが、この検討をお考えですか。

○濵口保育園・幼稚園課長 中野区はこれまで、私立幼稚園の保護者に対し、国制度の就園奨励費に加え、独自に所得制限のない入園料補助、保護者補助を行ってきたところでございます。

 幼児教育無償化は国の方針において総合的な少子化対策の一環として、幼児教育の重要性に鑑み、全ての子どもに質の高い幼児教育を保障することを目指すものと、重要課題に掲げられている趣旨を踏まえ、幼児教育無償化後もこれらの補助を維持継続していくものでございます。私立幼稚園につきましては、さらなる幼児教育の充実を図るため、環境整備に資する支援について、私立幼稚園の要望などを踏まえ検討してまいります。

○高橋(ち)委員 やっぱりね、私立幼稚園というのは保育園とはまた違うわけですよ。私立幼稚園なりの、保護者補助金もそうなんですけれども、先生方に対する補助というのも大事なんですけど、うちの幼児教育は私立幼稚園に委ねている部分が大半じゃないですか。そこにおいてしっかりと幼児教育を進めていくに当たっては、私立幼稚園なくしてはならないというふうに理解しておいてもらわないと困ります。ですので、より一層、私立幼稚園に対しても大きなサポートをしていってもらいたいと思いますが、もう一度聞きます、いかがですか。

○濵口保育園・幼稚園課長 私立幼稚園につきましては、これまでも、幼児教育の発展・充実のためにさまざま御協力いただいてきたところでございます。今後も、無償化後も含めまして、さらなる充実を図るために、さまざまな支援の方策につきまして、要望等を踏まえて検討していきたいと考えてございます。

○高橋(ち)委員 ありがとうございました。

 では、次の命の教育については簡単に、もうこれはまとめて伺います。

 今、中野区では動物飼育というのがどんどん減少してきているというふうに聞いているんですけれども、学校における動物飼育って、非常に子どもたちにとっては大切な教育だと思います。命を学ぶことにおいては、動物または助産師さんたちの力を借りて、赤ちゃんとお母さんが来て、その触れ合う命の大切さの教育とかさまざまな取り組みを今、行っているというふうに伺っているんですけれども、今後、教育委員会としては、この命の教育について、助産師さんのサポートまたは獣医師さんのサポートを受けながら何か特別に取り組んでいこうという今後お考えはお持ちですか。

○宮崎教育委員会事務局指導室長 現在、御指摘のとおり、乳幼児との交流を図りながら、助産師さんなどを招いて命の授業を推進している、そういう面もございますし、今ありましたとおりに、自分の学校で飼育している動物や、それから遠足、それから校外学習にいったときに動物と触れ合う活動、それからそこの飼育員などにいろいろ講義を受けて命の大切さを学ぶような活動をしているところでございます。

 獣医師さんを活用している学校は今現在1校しかございませんけれども、今後は、それぞれの学校の校長とさまざまな意向を伺いながら、そうした活動も含めて検討してまいりたいと思っております。

○高橋(ち)委員 私立でね、立教女学院の小学校が動物介在教育をもう12年もやっているという話もあるんです。これは私立だからできるんであろうけれども、公立だからできないとかそういうことではなくて、やっぱり枠を超えて、できるものから取り入れていっていただければというふうに思っておりますので、これは要望にしておきます。

 受動喫煙防止と分煙について、これも若干大事なところだけ伺いたいと思います。

 足立区では、マナーからルールへという基本的なことを変えていきまして、今年度、コンテナ型喫煙所を9カ所設置したいというようなことを考えていらっしゃるそうでございます。そして、コンテナ型の喫煙室が9カ所、それからパーテーション型の喫煙所の整備が6カ所、こういうふうに、足立区はマナーからルールへ変えていくんだっていう思いを持ってやっているんですけれども、中野区は、駅周辺もさまざま課題があるんですけれども、今後どのように取り組んでいこうとお考えですか、お答えください。

○井上道路課長 中野駅周辺や東中野駅周辺におきまして、屋外分煙の環境整備の観点から喫煙者の環境改善に向けた検討を進めております。具体的には、中野駅北口の東西連絡の下の喫煙所につきましては、パーテーションの高さやスペースの拡張を検討しております。東中野駅につきましては、喫煙所の設置場所について東京都や交通管理者を含めて検討を進めておりますが、現在のところ具体的な適地が定まっていない状況でございます。今後も、引き続き検討を進めていきたいと考えてございます。

○高橋(ち)委員 検討、検討って、ずっと検討されていて今に来ているわけでありますね。ですので、これから、中もだめ、外もだめ、だけどよそから来る――よそから変な言い方ですけど、外国の人たちとか、または地方の方々がこの東京に来た場合、みんな外は平気なんですよ。中はだめだけど、外で吸える。そういう、マナーじゃない、これはルールだと思うんですけれども、そういうことも徹底していかないと、努力して設置ができない、でも来た人はどんどん吸い殻を捨てちゃうという状況になったときに、大変区としても困るんじゃないかなというふうに思います。どのように取り組んでいこうと考えていますか。

○鈴木保健企画課長 お答えいたします。受動喫煙防止の目的は、受動喫煙による健康への悪影響を未然に防ぐことにより、誰もが快適に過ごせるまちを実現することにあります。そのためには、受動喫煙防止に関する取り組みについて、区民や外国人等に十分理解をしていただく必要がございます。

 区は、これまで受動喫煙防止に関して、飲食店を対象とした講習会における説明や個別の案内文を送付するなど周知を図ってきました。今後も、東京都とも協力をしながら、具体的、効果的な普及啓発に努めていきたいと考えております。

○高橋(ち)委員 ありがとうございます。やっぱりマナーからルールへという意識を変えていくのも、私たちも議連をつくっておりますので、しっかりと取り組んでいきたいとは思っておりますけど、区は、検討、検討ばっかりではなくて、それをさらに進めていっていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 質問項目の新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の施設整備の方向性は、取材をいただきましたけれども、また違うところで質問をさせていただければと思います。

 さらに、監査委員会からは厳しい御指摘をいただいております。その中においても、各委員の皆さんがおっしゃっていたように、将来を見据えた新たなる基本構想・基本計画をつくっていかないといけないというふうに思っておりますので、そのことを肝に銘じて今後進めていっていただきたいと思います。

 私の質問は以上で終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

○山本委員長 以上で高橋ちあき委員の質疑を終了します。

 ここで休憩にしたいと思います。13時まで委員会を休憩します。

 

午前11時55分休憩

 

午後1時00分開議

○山本委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き総括質疑を行います。

 むとう有子委員、質疑をどうぞ。

〇むとう委員 区民の方からお寄せいただきました御意見をもとに質疑をいたします。持ち時間は30分です。簡潔明瞭な御答弁、機敏な行動の御協力をぜひよろしくお願いいたします。

 骨格予算についてお尋ねをいたします。

 2018年度の一般会計歳入歳出決算総額は過去最高額となりました。財政運営状況を判断する各種比率等は、数字的には健全性を示すものとなっていますが、随所に区長選挙前のばらまき予算の感が否めません。2年限定のプレハブ区立保育施設整備7カ所はその最たるものだと思っています。前区長は続投の意向がおありだったのでいたし方ないとはいえ、本来であれば区長選挙を控えて、最低限必要な経費を盛り込んで編成する骨格予算にとどめ、選挙後の補正予算で新区長の意向を反映させた事業などを肉付けできればよかったのではないかと思います。かつては中野区においても骨格予算が組まれたこともありますし、酒井区長を推薦された政党の議員さんからも骨格予算にするべきではないかとの質疑もありました。

 そこで、区長御自身にお尋ねいたします。既に本格予算が決まっていたことで支障があったのかなかったのか、やりにくさをお感じになられたのか、もしくは決まっていてよかったとお感じになられたのか、加えて、区長選挙を控えた時期の骨格予算について、区長の率直な御意見をお伺いいたします。

○酒井区長 前区長が編成した予算を受け継いで執行に当たってきたところでございまして、これまで区議会、区民、区が積み重ねてきた区政の流れを踏まえながら、一度立ち止まり、見直しが必要だと考えるものについては区民の皆さんの声を聞いて考え方を整理したところでございます。

○むとう委員 予算についてどうだったんですか。結局、今の御答弁だと、そんな支障はなかったから、骨格にすることなく、本格でいいよというふうに思われたということでよろしいでしょうか。

○酒井区長 率直に申し上げますと、やりづらい部分はございましたけれども、それについては職員と一緒になって考えてきたものでございます。

○むとう委員 やりにくいところもあったという正直な御答弁をいただいたんですけれども、そういたしますと、次の区長選挙の前の2022年度の予算を骨格予算にしようかなというお考えはございますか。

○酒井区長 大分先の話でございますけれども、基本的に、今回基本構想と基本計画を定めてまいります。それについて、骨格の部分というんですか、それについてはしっかり進めていく必要があると考えております。

○むとう委員 答弁、はぐらかすんだよね。どうなんですかね。ちょっと時間がないのでやめておきますけれども、やっぱり紳士的に、次も当然当選するかとは思いますけれども、次の方がいらっしゃる場合には、本格予算ではなくって、私も骨格予算のほうがいいのではないかなというふうに思ったりしているところでございます。

 では、次に伺います。生活保護についてお尋ねをいたします。

 生活保護費は5年ごとに見直しが行われます。直近では2018年の改定が大きく影響し、利用者数は微増しているにもかかわらず、約2億3,000万円もの減額となりました。一層の生活の苦しさがうかがえます。だからこそ質の高いケースワークとなることを願っています。

 2017年1月の小田原市のケースワーカーが「保護なめんな」と書かれたジャンバーを着用し、受給者宅を10年にわたって訪問し続けていたという報道を多くの方が記憶していることと思います。他自治体でも、見えないジャンバーを着ている職員がいるように思えてなりません。苦しみとともに懸命に生きようとする人たちへこの心無い行為は、当事者のささやかな日常を傷つけ続けたのはもちろん、市民の行政への不信感を深刻なものにしました。

 不正を許さないという姿勢は当然ですが、生活保護利用者の権利を守るという前提を見失ってはなりません。発覚直後、小田原市長は心からの謝罪をし、早々に改善を宣言して、徹底した調査と改善に取り組みました。そして小田原市はスピード感のある大きな変化を遂げ、その改善が今全国から注目をされています。

 経緯といたしましては、日々の業務量の多さに加え、2007年に保護費を停止された男性が職員を切りつけるという傷害事件をきっかけに、不正受給を許さないというメッセージを盛り込み、職員の連帯感を高揚させるためにジャンバーを作成したとのことでした。

 市長は一連の問題を組織的な問題と位置付け、大学教授や弁護士等の有識者に加え、職員そして実際に生活保護を利用した経験のある市民を加えた生活保護行政のあり方検討会を、発覚1カ月後に設置しました。検討会は公開で進められ、2カ月後には報告書がまとめられ、これに基づく改善が今なお進められています。1年後の2018年4月には、公開の場で生活保護行政に関する検証会を開催しました。報告書も、一連の取り組みも、状況もネットで読むことができますので御一読をお勧めいたします。

 発覚後の小田原市の改善に向けた取り組みは学ぶべき点が大いにあります。特に受給者にアンケートをとるなど、当事者の意見を聞く姿勢を私は評価します。生活保護のしおりの改善も、元受給者が加わり、利用する立場から保護行政の見直しがなされました。小田原市の改善の取り組みについて、中野区の生活保護担当課長として学ぶべき点があるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか、お答えください。

○只野生活保護担当課長 生活保護の業務改善については、中野区でも課内に業務スキルアップ委員会を設置し、職員研修の実施など専門性の向上に努めてきたところでございます。

 被保護者に対しては、個別状況に合わせ適切な支援に努めることが必要であり、小田原市など他の自治体の取り組みについては、今後も参考としてまいります。

○むとう委員 ありがとうございます。ぜひ参考になるべき点があるかと思いますので、参考にして、よりよい保護行政にしていただけたらと願っています。

 生活保護における自立支援といえば、就労による経済的自立に力を置かれがちですが、それだけではなくて、まずは自分で自分の健康と生活管理ができるよう日常生活の自立を支援し、次に他者とのつながりができ、地域社会の一員として充実した生活が送れるよう社会的自立を支援するということが重要です。

 小田原市のしおりには、この三つの自立支援が書かれています。三つの自立支援には、ケースワーカーの質と力量が重要です。小田原市はまずケースワーカーを増員し、社会福祉法第16条で定めるケースワーカー1人当たりの担当世帯数80とし、研修に力を入れるとともに、社会福祉法第15条で定める社会福祉主事資格取得に取り組み、ケースワークの質の向上に努め、懇切丁寧な相談、訪問、自立支援へと改善を図りました。

 さて、中野区は、2018年度の訪問類型を見直し、新たな訪問計画を策定しました。主要施策の成果(別冊)行政評価結果296ページを見ると、計画的訪問の実施率は目標の75%に及ばず、58%でした。自己評価はCで、訪問率の向上を目指していく、実施率の高いケースワーカーの訪問方法を組織で共有すると、至って当然ということが記載されています。

 以前の訪問類型は、A毎月、Bが2カ月に1回、Cが4カ月に1回、Dが6カ月に1回、Eが1年に1回の5類型でした。Aの毎月訪問率が一番悪かったと記憶しています。新しくなった類型には毎月訪問をなくし、4類型に変更されています。2カ月に1回の訪問の基準の考え方は、早急に解決すべき課題があり、常に指導が必要であると定めてあり、廃止した毎月訪問と同じ考えであるにもかかわらず、毎月訪問を2カ月に1回の訪問としてしまったことに疑問を感じます。

 実際問題、人員不足で毎月訪問し切れないからという御都合主義で類型見直しをしたのではと疑ってしまいます。訪問類型の変更理由及び訪問の実施率が目標を達成できなかった理由を簡潔にお答えください。

○只野生活保護担当課長 国が通知で示しております保護の実施要領では、原則、年2回の訪問実施を求めております。区の従前の訪問計画では、毎月訪問という国の実施要領を大きく上回る頻度の類型を定めておりましたが、この類型に属する世帯は限定的であったためこれを廃止し、必要に応じて年2回以上の訪問を実施することとしたものでございます。

 平成30年度は分業制に切り替えた初年度であり、訪問実施率は上昇しませんでしたが、優先度を考慮して必要な頻度で訪問を実施し、個別事情に応じた支援を行ってまいります。

○むとう委員 きちんとその訪問率を達成していて、訪問率の高いケースワーカーの訪問方法を組織で共有すると書いてありましたけれども、どんな点だったのでしょうか。

○只野生活保護担当課長 先ほど答弁申し上げましたが、スキルアップ委員会を設けておりまして、その中で、ベテランケースワーカーが自分のノウハウを伝授するという研修を新しく生活保護課に異動してきた新人職員に伝授しております。そういったノウハウ、業務スキルの蓄積が今後のケースワークに役立つと考えてございます。

○むとう委員 では、次年度の決算のときにそれをちゃんと、訪問率が上がることを期待しておきます。

 でも、実際問題、訪問率が低い原因の大きなところは人員不足ではないのでしょうか。厚生資料の37に、社会福祉法第16条に基づく現業員ケースワーカー1人当たりの担当世帯数の推移が載っています。現業員数が微増はしていますけれども、担当世帯数93.9で、法に基づく80には及びません。東京都が毎年実施する生活保護法施行事務にかかわる指導検査でも、長期にわたり、現業員数の不足が勧告されています。法にも罰則規定がないとはいえ、放置していいはずはありません。計画的な現業員ケースワーカーの増員を求めます。お答えください。

○中谷職員課長 お答えします。生活保護の現業員の数が社会福祉法に基づく標準を満たしていないということにつきましては、大きな課題であると認識をしてございます。他のさまざまな行政需要への対応も必要であるため、短期間で一気にふやすということは難しい状況でありますが、平成29年度から毎年度3名から4名ずつふやしてきているところでありまして、今後も徐々にふやしていき、不足を解消したいというふうに考えてございます。

○むとう委員 わかりました。お願いいたします。

 社会福祉法第15条には、査察指導員である係長と現業員であるケースワーカーは社会福祉主事でなければならないと規定されていますが、これも罰則規定がないため遵守されていません。2016年の厚生労働省の調査では、全国で社会福祉主事資格のある査察指導員は82.7%、現業員は82%と少しずつ増加しています。中野区における査察指導員、現業員それぞれの人員と、資格保有者数とその率及びここ数年の動向についてお答えください。

○只野生活保護担当課長 査察指導員は現在12名、うち、社会福祉主事任用資格のある者は10名で、資格率は83%でございます。現業所員については72名、うち、社会福祉主事任用資格のある者は49名で、資格率は68%でございます。ここ数年、社会福祉主事任用資格者数は増加している状況でございます。

○むとう委員 ありがとうございました。まだそれでも国の全体の平均に及ばないという状況かと思います。現業員はさまざまな困難ケースを抱え、心身ともに病んでしまう場合も少なからずあります。社会福祉主事資格の取得のための勉強で身に付けた知識は、職員自身を助け、なおかつ質の高い適切なケースワークへつながります。ケースワークの質の向上を目指して、通信教育受講費を支給するなど社会福祉主事資格取得に積極的に取り組むべきではないでしょうか。お答えください。

○只野生活保護担当課長 社会福祉主事任用資格者の不足を解消するため、今年度から職員に対し、社会福祉主事任用資格認定通信課程受講費の助成を始めたところでございます。

○むとう委員 ありがとうございました。どんどんふえていくといいなというふうに思います。やはり職員のスキルがアップすることで質の高いケースワークにつながると私は思っています。利用者に寄り添う支援ができる保護行政を願って、次の質問に移ります。ありがとうございます。

 次に、保育経費についてお尋ねをいたします。

 10月から幼保無償化に伴い、さらに保育の質に着眼すべきと考えます。昨年の決算総括で質疑しましたが、待機児童対策を理由に、株式会社の参入を促すために国が行った保育所運営経費の弾力運用という名の公金流用の弊害についてお尋ねをいたします。

 私立の認可保育所には、区から保育所保育経費が毎月支払われています。決算説明書の308、312ページ、4私立施設給付保育所保育経費プラス地域型保育所保育経費、合計65億9,482万9,428円が支出されています。中野区では保育経費ですが、国は委託費と言い、この内訳は国が2分の1、都と区が4分の1ですが、いずれも税金です。これにプラスして、保護者が保育料を支払って運営されています。委託費は、国が定める公定価格に基づき、年齢別の子どもの1人当たりの単価の積算で決められています。使途は人件費、給食費や保育材料費などの事業費、福利厚生費や土地建物の賃借料などの管理費の三つで、厚生労働省では委託費の8割が人件費として算出しています。しかし人件費率が8割では利益が出ず、民間企業が進出するメリットがありません。

 そこで利益を確保する仕組みをつくり、企業参入を促すために、厚労省は2000年に、人件費を事業費や管理費に流用することや、同一法人が運営する他の保育所への資金流用や積立も可能としました。さらに2004年には、同一法人が運営する介護施設などの保育所以外の福祉施設にも資金流用を可能としてしまいました。この弾力運用の最大の問題点は、人件費分の流用上限が設けられていないことです。このことが、幾ら保育士の処遇改善費をつぎ込んでも保育士の収入が上がらない原因となっています。

 人件費が委託費の5割を切ったらブラック保育園だと指摘する国会議員もいます。委託費の一定額は確実に人件費に充当されるよう、私立保育所の事業者に働きかけてまいりたいとの答弁から1年が経過しましたが、この間、具体的に一定額とは何%と定め働きかけたのかお答えください。

○濵口保育園・幼稚園課長 委託費に対する人件費の割合につきましては、おおむね50%を目安と考えているところでございます。50%未満であった事業者を含む区内施設の事業者に対しましては、人件費100%充当されるキャリアアップ補助金の活用を呼びかけるなどして、職員の給与改善につながるよう処遇改善に努めてきたところでございます。

○むとう委員 確認です。働きかけてくださったということでよろしいですね。

○濵口保育園・幼稚園課長 はい、事業者に対しまして働きかけをしたものでございます。

○むとう委員 決算説明書の315ページに、保育士等キャリアアップ補助金が57園で、2億8,961万9,000円とあります。東京都はこの補助金を出す際に、運営の透明性を確保する目的で、保育従事者の人件費率を明らかにした財務情報等の公開を義務付けました。都は集計結果を公開しています。この補助金を受給している57園のうち、社会福祉法人は東京都、株式会社は区が把握しているということです。昨年の答弁では、16施設中4施設の人件費が50%を下回っているとのことでした。では、2018年度の区が把握している株式会社の施設数、委託費に占める人件費の比率の平均、50%を下回っている施設数、ワースト1の比率をお答えください。

○濵口保育園・幼稚園課長 平成30年度、株式会社が運営いたします認可保育所は21施設ございます。これら21施設の認可保育所の委託費に占める人件費の平均割合は54.9%で、50%未満の施設は6施設ございました。最も低い施設につきましては36.8%でございます。

○むとう委員 ということは、今の御答弁だと、21施設あって6施設で50%を切っていて、その中のワーストワンが36.8%ということですよね。ということは、私がその前で質問をした、一定額とは50%と定めて働きかけてくださったはずなんですけれども、働きかけが弱かったという結果でしょうか。

○濵口保育園・幼稚園課長 区といたしましては、処遇改善につながる人件費率の割合ということは大変重要な要素であるというふうに考えてございます。こういったことを継続して取り組みまして、保育の質の向上を引き続き図ってまいりたいと考えてございます。

○むとう委員 さらなる働きかけが必要な状況かなというのがわかりましたけれども、世田谷区では、保育の質の確保と向上のために職員の処遇を安定的に確保するため、前年度の委託費全体の50%以上が人件費に充当されていない事業者には区加算の一部を適用しないという規定を設けています。こうした制度についても検討してまいりたいとの答弁でしたが、1年経ちました。検討の結果をお答えください。

○濵口保育園・幼稚園課長 株式会社が運営する施設が全体の4分の1程度であります世田谷区と比べまして、中野区は株式会社が運営する施設が半数以上を占めてございます。かつ、新規施設が多いという状況にございます。これら新規施設につきましては、開設に伴いまして新規採用された職員が比較的多く配置される傾向にございまして、人件費の割合を低くしていることも要因になっていると考えられるところでございます。

 区加算の減額によって人件費率の上昇に有効と判断できる状況が現状はないことから、現段階での実施は難しいと考えているところでございます。

 保育の質を中野区全体で高めていくためには、保育士の定着を図ることが重要でございまして、事業者の理解・協力を得ながら引き続き対応してまいりたいと考えてございます。

○むとう委員 有効な方法ではないということですか。世田谷区がやっているような、なんていうか、ある程度区加算の部分で適用しない限り、これ、国がやっている弾力運営ですから、業者はこれで合っているんだ、間違いないんだ、違法ではないんだということになるわけだけれども、この状態を黙っていて――何というか、働きかけをしているという御答弁でしたけれども、働きかけても6施設まだあって、36.8%なんてとんでもない人件費率なんですよ。こういうところがあるのに、区は何もしないんでしょうか。何かやっぱり具体的に世田谷区のような方法を打つことが、私は必要ではないかということを再々申し上げたいんだけれども、お考えを変えるつもりはないですか。

○濵口保育園・幼稚園課長 先ほど御答弁いたしましたとおり、世田谷区と施設の運営の状況が多少違うということもございます。また、当然事業者のほうへは働きかけをして理解・協力を得ていくことが必要だと考えてございますので、こういった人件費率の低い事業者につきましては個別にヒアリング等をして、人件費率を高めてもらうような対応を図っていきたいと考えてございます。

○むとう委員 岩波書店発行の月刊誌「世界」の9月号で小林美希さんによるルポ「ルポ 保育園株式会社」という連載が始まりました。10月・11月号と書いてあるんですけれども、この小林美希さんは、「ルポ 保育崩壊」という隠れたベストセラーを書かれた方です。9月号の「情報公開資料から探る賃金の実態」というテーマでは、東京都への情報開示請求で得られた保育士等キャリアアップ補助の賃金改善実績報告書2016年度から、都内にある株式会社399カ所の各認可保育所の常勤保育士従事者の平均年間賃金について、300万円に満たない105カ所の実名報道がなされています。あえてここで名前は言いませんけれども、皆さん、本を買って読めば書いてあるんですけれどもね。そのワーストの中に、中野区内の保育所が6カ所含まれています。その6カ所の中でのワースト1位というのは34位で268万9,800円です。国が示す2016年度の公定価格は379万円、2017年度は388万円です。この公定価格に、経験年数ごとに処遇改善加算とキャリアップ補助金が加算され、最低でも、私の試算だと402万円にはなるはずなんです。この理論上の数字のギャップ分が流用されていることになります。ワースト34の保育所では、保育士1人分から約133万円も流用しているということになります。これでは私たちの税金を幾ら投入して処遇改善加算を行っても、保育士の収入は改善されません。保育士の処遇改善は保育の質と大きく関係してまいります。国が通知一本で決めた弾力運用という名の公金流用の弊害について、区はしっかりと目を向けていただき、児童福祉法第24条で規定されている保育の責任を有する自治体として、この状況をどういうふうにお考えでしょうか。

○濵口保育園・幼稚園課長 委員御指摘の月刊誌の調査結果の詳細を把握してございませんので、明確な答弁が難しいところではございますけれども、認可保育所の運営につきましては、職員の経験年数等要因を含めていただいた情報の、他の自治体の施設の賃金比較ができるかどうか研究してまいりたいと考えてございます。

○むとう委員 ぜひ月刊誌、もう9月号は書店にないんですけれども、取り寄せられて読んでいただけたらと思います。これは東京都の情報公開請求をもとに、生のデータから本当に試算をされた数字です。

 繰り返しになりますけれども、300万円満たないなんていうのはあり得ないんですよ。本当に税金がこんなに、こんなに投入されているのに、それでその保育士さん、ほかの業種と比べてもお給料が安いということで、保育士資格を有している保育士さんもなかなかやっぱりこれではやっていけないということで保育士のなり手不足ということにも大きく関連をしているわけです。これは、東京都と国の補助金であるといっても、中野区も出しています。私たちの税金が投入しても投入しても、ざるのごとく流れ落ちているというこの状況でいいはずはないですよ。

 先ほどの質問に戻りますけれども、何らかの打つ手の一つとして、世田谷区と中野区は状況が違うからということなんだけれども、でも、こういった打つ手、世田谷は一つの事例です。中野区独自で打つ手というのを考えて手を打っていかなければ、この状況を変えられませんよ。もともとのことを言えば、国がきちんとした、これ法改正じゃないですよね、通知一本なんです。だから、国会の中でもきちんと審議がないまま資金流用を認めていってしまったという、これは国に対する責任は大きいんだけれども、でも、中野区は保育の責任を持つ自治体としてこの状態を放置していいはずないじゃないですか。もう一回答弁を求めます。この状況を真剣に受けとめて、保育士さんの処遇改善そのものが保育の質の向上に大きくリンクしているということをしっかりと意識して、もう一回答えてください。

○濵口保育園・幼稚園課長 保育の質を高めていくということにつきましては、保育士の処遇改善ということは大変重要な要素であるという認識は持ってございます。委員に御指摘いただきました中野区の今の状況ということにつきましても重く受けとめているところでございますので、引き続き、世田谷区の状況等も確認しながら、中野区としての対応については、また検討を進めてまいりたいと考えてございます。

○むとう委員 子育て先進区を目指す区長にお尋ねします。この現状を御存じでしたか。こういう現状を放置していいんでしょうか、どう思われますか。お考えを伺います。

○酒井区長 御指摘の点も踏まえて把握しているところでございます。やはり保育の質の向上ということは、いろんな面から必要があると思いますけど、保育士の給与についても大きな問題だと思っております。それについても改善に努めてまいりたいと考えております。

○むとう委員 本来、保育所に給付される委託費は、その保育所の園児のために使われるべき経費です。決して人件費や事業費を削って利益を出していいものではないはずです。企業の利益ではなくて、子どもの最善の利益を保障する中野の保育となるよう願って、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

○山本委員長 以上でむとう有子委員の質疑を終了します。

 次に、近藤さえ子委員、質疑をどうぞ。

○近藤委員 無所属の近藤さえ子です。よろしくお願いいたします。

 1番目に、スポーツ・コミュニティプラザについて伺います。

 ことしの春、鷺宮体育館が鷺宮スポーツ・コミュニティプラザとなり、中野区に3カ所目のスポーツ・コミュニティプラザができました。もともと鷺宮スポーツ・コミュニティプラザの前の鷺宮体育館も、株式会社東京アスレチッククラブ、以後「TAC」といいますが、指定管理者として運営をしていましたが、この春からスポーツ・コミュニティプラザとなり、運営方法はどのように変わったのでしょうか。大きな変更点だけ教えてください。

○古本スポーツ振興課長 今年度より鷺宮体育館がスポーツ・コミュニティプラザとなりました。そこで実施をいたします地域スポーツクラブ事業と申しますのは、区民等により構成される運営委員会や理事会におきまして、利用者の御意見を聞きながら運営を行う仕組みとなってございます。

○近藤委員 スポーツ・コミュニティプラザは、中部スポーツ・コミュニティプラザ、以後、省略して「中部」と言います――中野区で地域スポーツクラブの第1号ですが、設立当初は区民が事務局長を務め、区民のクラブマネージャーを置き、区民の講師を呼び、区民が仲間を集めグループをつくり、自発的にスポーツを楽しんできました。それは指定管理者が運営する中野体育館や、かつての鷺宮体育館とは性質の違う、区民の自主的な健康づくり、地域のコミュニティの場でした。中部では、最初は低かった利用率も、平成27年度には教室の利用率は84%になっていました。その後、平成28年、平成29年とプロポーザルによる民間委託となり、平成30年度から指定管理者を導入し、TACグループが運営しています。

 指定管理者制度の導入は、民間事業者のノウハウを取り入れることで、施設の活性化や利用者への多様なサービスが提供でき、区の公の施設の設置目的である住民福祉の増進の一層の向上を図ることができ、コストの削減にもつながるという効果を期待しての導入ということになっているのですけれど、区民の税金は正しく使われているのでしょうか。区民の健康づくり、地域のコミュニティの場となっているのでしょうか。検証が必要です。

 中部について少し細かくお聞きします。平成30年度、中野区各会計歳入歳出決算説明書387ページ、スポーツ・コミュニティプラザ指定管理者運営状況の表を見ますと、南部スポーツ・コミュニティプラザは、以後「南部」といいます――中学校部活支援165人、障害者スポーツ普及啓発142人の利用人員となっていますが、中部はどちらも0人です。1人も参加者がいなかったのですか。この事業はやらなかったということですか。

○古本スポーツ振興課長 まず、中学校部活動支援につきましては、中学校から申し出があるときにスポーツ・コミュニティプラザの体育館の団体枠を貸し出すものでございます。昨年度は希望がなかったことによりまして、実績はゼロでございました。

 次に、障害者スポーツ普及啓発事業についてでございますが、こちらは中部または南部で事業を月1回行うこととしてございまして、これまでは南部におきまして、ボッチャの体験会や障害者水泳教室などを実施してきているものでございます。

○近藤委員 中部にもこの二つの予算がついていたのではありませんか。中部のこの二つの事業の不用額はどのようになってしまったのですか。

○古本スポーツ振興課長 指定管理者に対しましては、事業の業務の内容のみを指定しておりまして、中部または南部どちらかの施設を使用して教室等を組み立てていくかにつきましては、指定管理者との協議により定めているものでございまして、委員のおっしゃるような不用額ということにはならないものでございます。

○近藤委員 地域によって、中学校の部活支援や障害者のスポーツ普及啓発に差が出ているというのは、あまりよいことではないことだと思います。中学校への積極的な働きかけをしている様子もありませんし、障害者のスポーツ普及啓発も、南部が行っているから中部はやらなくていいというものでもありません。どちらかがやればよいというのでは、地域にスポーツ施設がある意味がありませんがどのようにお考えですか。

○古本スポーツ振興課長 指定管理者に対しましては、地域的にバランスがとれた事業の運営ができるよう、指定管理者との協議の中で、中部での実施も求めていきたいと考えてございます。

○近藤委員 決算説明書には、指定管理業務経費残293万2,736円としか記載されていないため、予算をとっていたのに行われなかった事業の残金がどのようになっているのかがわかりません。今までも指定管理者については、サービスが低下しないように指定管理者ガイドラインを策定し、チェック機能が働くように努めてきたと思いますが、指定管理者ガイドラインでは毎月事業報告の提出などが求められていると思いますが、スポーツ・コミュニティプラザは、業務の内容、お金、予算の流れをどのようにチェックしているのですか。

○古本スポーツ振興課長 指定管理者からは年度当初の計画を提出をしてもらった後、毎月の事業報告の中で業務の内容や収入・支出について確認をしてございます。

○近藤委員 スポーツ・コミュニティプラザの指定管理者の収入は、指定管理料、利用料、指定管理者事業利用料、教室事業参加料と4本立てになっています。どのようになっているのか簡単に教えてください。

○古本スポーツ振興課長 少し長くなりますが、平成30年度スポーツ・コミュニティプラザ中部及び南部の収支報告の歳入の部の4項目についてでございます。

 まず指定管理料と申しますのは、施設の管理運営を行うための経費としまして、区から指定管理者へ支払うものでございます。次に使用料と申しますのは、施設を利用する区民の皆様等が施設を利用するに当たって指定管理者に支払うものでございます。次に、指定管理者事業利用料と申しますのは、指定管理者がみずから教室などの事業を行う際に発生をいたします施設の使用料のことでございます。最後に、教室事業参加料といいますのは、指定管理者が行う各種事業、教室などに区民の皆様が参加するに当たって負担をいただく参加料でございます。

○近藤委員 収入の内訳、利用者が支払う利用料、教室をするなどの指定管理事業利用料、教室事業参加料を足しても、支出の地域スポーツクラブ事業運営費に足りません。人件費や施設管理料など、その多くの支出は区からの指定管理料、1億円以上の税金投入があって初めてスポーツ・コミュニティプラザの運営が成り立っているのです。しかし、区の税金1億円の管理料の使い方は、さきに述べたように、中部で障害者や中学校の授業が行われなくても、中部・南部どちらかの施設で行う、また何らかの予算に使っていればいいという、とても曖昧な使い方ができるような仕組みになっているのです。

 平成31年健康福祉部事業概要35ページ、中部の地域スポーツクラブ事業を見ますと、シニア体操、回数60回、参加者23人、新体操教室低学年、回数25回、参加者19人、親子体操、回数47回、参加者89人、幼児体操体力向上、回数35回、参加者50人、ヨガ教室、回数15回、参加者25人、メディテーションヨガ、回数15回、参加者3人、幼児新体操、回数16回、参加者19人、バランスボールでリズムダンス、回数16回、参加者8人、他にも事業名はありますが、今取り上げたのは体操系の教室です。開催した回数よりも参加人数が少ない事業がほとんどです。これはどのような状態なのでしょうか。

○古本スポーツ振興課長 スポーツ・コミュニティプラザの参加者数1,901人というのは、それぞれの事業に対する申込者の数を集計したものでございまして、延べ参加者数で申しますと、中部の場合は7,563人となります。

○近藤委員 それでは、ここに書かれているよりは参加者数は多いということになるんでしょうけれど、全体で1,283回の事業回数ですので、1回の平均参加者数は5.8人です。それではシニア体操、新体操教室低学年、メディテーションヨガは本当は何人の参加者なんでしょうか。

○古本スポーツ振興課長 それぞれ、シニア体操につきましては60回の開催で延べ86人の参加者、新体操教室低学年は25回で延べ78人の参加、メディテーションヨガは、15回で延べ3人の参加でございました。

○近藤委員 とても少ないんですよね。個人開放事業のバレーボールも、体育館を使って22回も行っているのに参加者1人と記載されています。申し込みをした人が何人であったかというデータは必要ありませんので、どのぐらいの方が利用しているかという資料に今後は変えていただきたいと思いますけど、いかがですか。

○古本スポーツ振興課長 委員おっしゃるとおり、今後はわかりやすい記載に努めたいというふうに考えてございます。

○近藤委員 わかりやすいというかね、申し込みをした人の数を書くなんていうのはちょっと考えられないことで、どのぐらいの規模で事業が行われているということが知りたいので、よろしくお願いします。

 事業者が先導している教室事業は、利用者も少なく、同じような体操教室が多いという例を挙げるために参加者数を事業概要から引っ張ってこようとしたんですが、記載があまりにも変で、資料の記載の仕方の指摘になってしまったんですけれど、本題に戻りますと、中部の事業は体操関係の事業ばかりで他の事業がほとんどなく、体操教室も参加者が少ない。参加者が少ないのでしたら、幾つも同じような体操教室ばかりやっていないで、他の事業にも、体育館や多目的室を使わせてほしいという声を耳にしますが、いかがでしょうか。

○古本スポーツ振興課長 スポーツ・コミュニティプラザにおけます事業は、運営委員会などの場で利用者等の御意見をお伺いをしながら、指定管理者の創意工夫ができるような仕組みとなってございます。今後も利用者にとって使いやすい事業となるよう工夫していきたいと思います。

○近藤委員 中部は、小学校の跡地を区民の税金約8億円をかけてスーパーリフォームした地域密着型複合施設の中につくられた区民のためのスポーツ施設です。南部は、スポーツ・コミュニティプラザの部分だけでも建設費約10億円の税金を投入してつくられた施設です。区民の福祉の増進、健康づくり、コミュニティの場として使われなければなりません。しかし中部では、事業者が先導する教室の形式、スポーツ吹き矢を行っていたのですが、教室の形式のスポーツ吹き矢を、昨年度からは南部で行うことに指定管理者が決めました。中部は教室がなくなってしまったので、区民たちは自主運営でスポーツ吹き矢を行っていくことにしました。すると、スポーツ吹き矢の的の部分を特定の団体のために置いておくことはできないと言われ、ほとんどの方が高齢であるスポーツ吹き矢のグループの方々に対して、やりたい場合は自分たちで的、台、それらをつなぐ支柱の部分を毎回持参するようにと決められてしまったのです。かなり重い木の板を毎週、高齢者が運ぶことなどありえない状態でした。それでも、区も、指定管理者も、指定管理者が行う事業ではなく、区民の団体が使う道具は個人のものとみなされて置けないとの一点張りでした。

 平成30年度事業部事業概要では、平成29年度の健康スポーツ吹き矢は回数47回で参加者348人です。多くの方がスポーツ吹き矢を楽しまれていたのに、いきなり継続ができない状態にさせられてしまったのです。それでも区民の方々は、自分たちで的を用意して、体育館をグループで借りて、グループの中の一番中部に近いお宅に的一式を置かせていただき、グループの方々が毎回取りに行って活動を継続されていました。たくさんの高齢者が地域で仲間をつくり、スポーツを楽しみ、健康づくりをする、まさにスポーツ・コミュニティプラザの意義そのものの活動をされている方々を苦しめるようなことをなぜするのか。

 私は、昨年の第3回定例会で、区民が利用しやすいように使わせていただきたいと質問しました。しかし区の答弁は、個人のものは公の施設には置いておけないとのお答えでした。全く区民のほうを見ることもない回答でした。それでも区民は我慢をして重い荷物を運んでいらっしゃいましたが、御近所の方が具合が悪くなり、寝込んでいる方の家の中から的を出していただくのは申しわけないと耐えられなくなって、再び区に相談しました。この夏、古本課長にこの声が届き、グループ以外の区民も、皆が道具を使える形をとり、ガラガラの中部の倉庫にやっと置くことができるようになりました。古本課長には、区民の方々から心から感謝されていました。本当にありがとうございました。知恵を絞って、区民が使いやすい施設にしていただき、本当にやっていただけてありがたく感じております。

 でも、なぜ区民がこんなに大変な思いをしなければ、自分たちの税金でつくった施設を使うことができなかったのでしょうか。環境リサイクルプラザから始まって、リサイクル展示室、区民活動センターなど、どこの公共施設においても、いつでも個人のものは置けない、特定のグループだけには貸せないと言います。誰も自分たちだけで使いたいなど言っていないのに、区はいつも勝手に決めつけてきました。古本課長がとった行動のように皆が使えるようにすれば、なお多くの区民がスポーツを楽しめるのです。参加者の少ない体操教室の道具は広々とした倉庫にたくさん置き、多くの区民が利用しているスポーツの道具は、指定管理者の教室事業でないから置けない、つい最近までその考え方がまかり通っていたのです。高齢者からスポーツの機会、コミュニティの場を取り上げようとしてきた方々は猛省していただきたいと思います。

 区はこれまでも、区民には厳しく、業者には限りなくチェックが甘く、桃丘小学校跡地のタイケン学園のように、区民の施設を占領されてしまった恥ずかしい過去があります。スポーツ・コミュニティプラザは、区民の税金で建て、区民の税金で運営している施設です。区民が利用しやすい施設になっているのか、区民の自由な居場所がない状態ではないかなどをしっかりと見極めていく必要があると考えますがいかがでしょうか。

○古本スポーツ振興課長 区ではこれまで、指定管理者とも協議を行いながら、多くの利用者の皆様に快適に利用していただけるような事業や教室を実施してきているところでございます。

○近藤委員 そのためには、理事会や運営委員会が活発な議論ができるような組織になっているのか、なっていれば、運営委員会の声をもっと運営に生かすべきと思います。なっていなければ、検討する必要があるのではないでしょうか。運営委員会に、当施設を利用している区民の団体の代表を入れるなどの工夫も必要ではないでしょうか。いかがでしょうか。

○古本スポーツ振興課長 スポーツ・コミュニティプラザの運営委員会でございますが、町会連合会や民生児童委員協議会、体育協会など各種団体からの推薦者のほか、地域スポーツクラブの公認クラブの代表者の方が構成員となってございます。今後、会員を運営委員会に入れることにつきましては、理事会などにおいても意見をお聞きしながら検討していきたいと考えてございます。

○近藤委員 平成30年度は、区と指定管理者は、どの自治体でも聞いたことがないような、高齢者に重い設備品まで自分たちで運ばせなければスポーツをやらせないという状態でした。今後は、指定管理者がほとんど利用者のいない教室事業を継続していくために税金を投入するのではなく、コミュニティプラザ事業の目的である運動実施率の向上、スポーツ人口の拡大、区民が主体的かつ連鎖的にスポーツを通じた健康づくりに取り組むスポーツ健康づくりムーブメントを幅広く地域に展開し、健康で活力ある地域社会の実現に寄与すること、これが果たせる施設として存続させていただきたいと思いますが、いかがですか。

○古本スポーツ振興課長 さまざまな立場からの御意見を地域スポーツクラブの運営に反映をさせまして、区民にとって利用しやすいものとし、区民の健康づくりの増進やスポーツ人口の拡大につなげていく考えでございます。

○近藤委員 くどくどと申し上げたんですけれど、本当に指定管理者のためのスポーツ施設ではないんですよね。区民のための、区民が利用しやすい施設を目指して頑張っていただきたいと思います。古本課長には本当に感謝しております。ありがとうございました。

 次に、多様化する行政課題に対応する組織と人材育成について伺います。

 私は昨年の第4回定例会で、保育園・幼稚園課の職員体制について、入園相談の体制強化を求めてきましたが、そのときの答弁では、区長は、業務量の状況や業務改善の工夫等の状況も踏まえつつ、必要があれば体制強化も図るという答弁でしたが、その後どのようになったのでしょうか。

○中谷職員課長 お答えします。今年度から保育施設調整担当課長を新たに配置するとともに、職員数も1名増員して、入園相談の体制強化を行ったところでございます。

○近藤委員 保育園・幼稚園課は、平成30年度超過勤務状況、4月から12月では1人1カ月平均超過勤務時間が区役所全体で4番目に高い課でした。最大者の超過勤務時間1カ月平均は、全庁で一番高い50時間でした。保育園の民営化等により、保育所等に配置できなかった保育士などが事務仕事に従事しているケースがあります。その中には、パソコンなどが苦手な方もいらっしゃるのではないかと想像します。具体的な個々の状況はわかりませんが、時間をかけて苦手な方に事務をやらせるのではなく、保育士本来の業務や職務に応じた職場などに配置するなど、何らかの対応をとるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○中谷職員課長 保育士などの保育職の配置に当たりましては、その専門性や技術を生かせる職場への配置を原則とするとともに、事務的な業務に従事させる場合には、本人の適性や意向を勘案して配置をしているところでございます。不慣れな業務につきましては、OJTで職場の同僚や上司が指導や助言するなどによってサポートをしているところでございます。

○近藤委員 2,000人体制のもとですから、やはり職員の強化、強化といってもそんなに人をふやせるものでもありませんし、やはり職場の中で工夫をして、何とかしてやっていかなくてはならないという状況なんだとは思いますけれども、それにしても、本当に苦手な方にそこをずっとやらせておくとかそういったことはないのかとか、やっぱりしっかりとチェックしていっていただきたいと思います。

 ほかにも、選挙管理委員会事務局や財政課、情報システム課など超過勤務が多い職場がありますが、特に選挙管理委員会では、選挙の時期は1カ月超過勤務が100時間を超えることもあります。超過勤務が多い職場について何らかの対応をとるべきと思いますが、いかがでしょうか。

○中谷職員課長 ワーク・ライフ・バランスの推進や職員の働き方改革を進めていくために、超過勤務の縮減を進めていく必要があるというふうに認識をしてございます。それぞれの職場や一人ひとりの職員が、事業の見直し、改善や、業務の執行方法の工夫などによって業務効率を向上させるよう努めているところではございます。しかしながら、さまざまな業務量が増加している中で、そうした工夫や努力だけで対応していくのは厳しい状況にあるということは認識をしてございます。新たな定数につきましては、今後策定する基本計画などに合わせて検討してまいります。

○近藤委員 選挙管理委員会事務局では、繁忙期には全庁から兼務職員による応援体制をとり対応していますが、兼務職員は、選挙管理委員会事務局での繁忙期を過ぎて、もう一つの自分の仕事に戻れば、また仕事がたまってしまっていて、また多忙を極めなくてはなりません。兼務体制での従事者は、通年多忙な状態に置かれ、精神的・体力的にきついだけでなく、一つの業務に専念できず、キャリアの構築にも支障が出るのではないかと思います。職員の人材育成の面も考慮して対応を検討していただきたいと思いますが、何か御意見等、お考えがあれば教えてください。

○中谷職員課長 選挙管理委員会事務局の繁忙期対応としましては、これまで兼務職員により対応してきたところでございますが、このままでは厳しい状況にあるというふうには認識をしてございます。例えば4月の人事異動で、定数より多く選管職員を配置をして、選挙が終わった後に他の所属へ異動させるといったことによって、繁忙期のみ体制強化できるというふうには考えてございます。また、転出するのは全ての種類の選挙を経験した後にすれば、知識の継承もされると考えておりまして、そうした対応を実施できないか検討してまいります。

○近藤委員 私が今の質問をしましたのは、指定管理者ですとか人事の問題ですとか、これからの中野区をつくっていく上でとてもこれ、大変なポイントだと思うんですね。指定管理者をきちっとチェックして業務委託ですとかを、これをきっちりチェックする仕組み、そして中野区の本当に一番の宝である職員たちを育てていく、この二つをぜひやっていっていただきたいと思いますけれど、いかがですか。

○中谷職員課長 適切な形で人材育成等を行ってまいりたいと思っています。

○近藤委員 ありがとうございました。急に、通告してなかったのに振ってしまって申しわけないです。これで私の全ての質問を終わります。どうもありがとうございました。よろしくお願いします。○山本委員長 以上で近藤さえ子委員の質疑を終了します。

 次に、いながきじゅん子委員、質疑をどうぞ。

○いながき委員 無所属のいながきじゅん子でございます。

 質問は通告どおりで、区が前定例会で示された中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画策定に向けた基本的な考え方をベースに伺います。

 まず、中野サンプラザの再整備について伺います。

 私は、中野サンプラザについては、全国的知名度を誇る区民の貴重な財産であり、限りなく公共施設に近いものだと考えています。サンプラザは、区が第三セクターをつくって、厚生労働省管轄の雇用能力開発機構から取得したものであります。現在は、民間企業の所有に移ってはいますが、その所有会社まちづくり中野21の株式は、中野区が100%保有していることから、形式的には中野区の子会社のようなものです。そのような区民の馴染みも深い公共財産といってもよいサンプラザをわざわざ壊してつくる施設なのですから、再整備については区民の声をしっかり聞きながら、その後継にふさわしい建物にする必要があります。

 さて、考え方の中では、多目的ホールについて、ケーススタディを出しているものの、主な論点が、民設民営は可能か、採算がとれるかどうかに絞られており、それに基づいて5,000人から7,000人規模のホールが既定路線となっているように見受けられます。

 他区の例になりますが、豊島区では、ことしの秋、豊島公会堂の後継施設として1,300席の新ホールがオープンする予定です。ここは旧庁舎の跡地と元の豊島公会堂のあった土地を活用したHareza池袋のホール棟の一部を、区が買い取り整備をしました。国際アートカルチャー都市構想を掲げている豊島区は、この新ホールをそのシンボルにするという方針に基づき、区長をトップとした新ホール検討会を設置し、利用者アンケートや懇談会、興行を行う事業者、プロモーターの意向調査も実施しながら、施設のあり方や機能などさまざまな観点から検討を進め、旧豊島公会堂の800席から500席ふやした1,300席の新しいホールを公設で整備することになりました。再整備のコンセプトが非常に明確で、ポリシーを決めるプロセスにも透明性があります。

 そちらと比較すると、中野区の場合は、民設民営で赤字が出ないことが新ホール整備の最重要コンセプトとなってしまっており、そこから逆算して、仕様や想定するイベントなどの建物のあり方を決めようとしています。運営形態や収益性の前に、中野の特徴を生かしたまちの持続的発展のために必要な施設とはどのようなものなのか、そして何よりも、区民に愛されるまちのシンボル的存在だったサンプラザの後継にふさわしいのはどのような建物であるのか、そこから議論を出発させるべきではないのでしょうか。順序が逆なのではないかと思いますが、まず区の見解を伺います。

○石井中野駅新北口駅前エリア担当課長 中野サンプラザの主な機能でありますコンサートホールでございますが、これは長年にわたってポピュラー音楽を牽引してきたものでございます。これは中野の区民にとって非常に誇りと言えるものと考えています。また、宴会場やホテルは区民に利用されてきた機能でありまして、これら区民に親しまれた施設、機能の導入については新たな施設の条件と考えております。その整備、所有、運営に当たり民間活力の活用をするものであって、さらなる集客力、発信力の向上を目指しているものでございます。

 御指摘のあった採算性でございますが、採算性につきましては、今後長期にわたって立地する施設として大変重要な要素であると考えております。今回、民設ということではございますが、これは公設であっても同様でございまして、特に今回、民間活力の活用に当たって重視している部分でございます。また、区が将来にわたってリスクを負わないという観点からも民設民営は優先的に考慮すべき事項と考えております。

○いながき委員 そもそもホール事業の収益性については、そこに投資する側の民間事業者が考えることではないでしょうか。区が心配しなくても、民間は最初から赤字になるとわかっている事業には絶対に手を出しません。率直に申し上げて、どのような規模のどのようなホールであれば、採算ベースに乗るのか、あるいは乗らないのか、その計算ができるのは、区ではなく民間のディベロッパー、ここでは事業協力者であろうと思います。区が考え方の中で提案している多目的ホールの規模や想定しているイベント内容については、事業協力者の提案に沿ったものなのではないでしょうか。

○石井中野駅新北口駅前エリア担当課長 多目的ホールにつきましては、再整備事業計画策定の考え方、これは先ほど御案内のあったとおり第2回定例会で御報告したものでございますが、これの中で規模別のケーススタディを示したところでございます。このケーススタディは、事業協力者による検証を参考にしながら区として検討したものでございます。

○いながき委員 これまでに区に寄せられた区民の声、また区民会議の御意見でも、今のサンプラザと同じくらいの規模を望む声がほとんどであり、5,000人から7,000人規模のホールを望む声は皆無だったと記憶をしています。区民の声を聞いて決める区政なのですから、ぜひこの辺の区民の要望も反映させていただきたいと思いますがいかがでしょうか。

○石井中野駅新北口駅前エリア担当課長 多目的ホールの規模別のケーススタディでございますが、ポピュラー音楽を主体とし、さらに多様なコンテンツに対応する民設民営の施設を一定の条件でシミュレーションをしたものでございます。そのうち、適合の度合いが比較的高かったものが5,000人から7,000人の規模であった認識をしてございます。

 区民会議などにおいて、同規模程度を望む声があったことにつきましては受けとめつつ、屋外の広場空間の確保や周辺地域への負荷に配慮し、最大収容人数に一定の上限を設け、事業の実現可能性を踏まえた創意工夫のある民間提案を求めていく考えでございます。

○いながき委員 豊島区は、税金投入ゼロで新庁舎を建てかえたことが話題となりましたが、旧庁舎や旧豊島公会堂の跡地活用事業、Hareza池袋についても、その手法等、区が参考にすべきところは大いあると考えます。ここには二つの映画館が入るオフィス棟とホール棟、新しい区民センターが整備されます。先ほどお伝えした新区民ホールの他の階には、500人収容のライブハウス、160席のサテライトスタジオ、300席のイベントスペース等、四つの劇場が入ります。

 このホール棟は、ディベロッパーが豊島区から定期借地で借りた土地に整備したものであり、この四つの劇場は民設民営です。中野駅北口でも大きなアリーナ型の施設をつくるよりも、サンプラザ規模やそれ以下の規模のライブハウス的なもののほうがまちの特性に合い、需要もあるのではないかという声も聞きます。大きなホールを整備した場合の駅からの歩行者動線や安全性の問題もあります。小規模なホールやライブハウス的なものを複数という案も検討すべきではないでしょうか。

 あわせて、考え方の中に、区民が親しみやすく、文化・芸術等発信の拠点形成に資する他の施設機能を整備・誘導とありますが、これは具体的にはどのようなものを想定されているのか伺います。

○石井中野駅新北口駅前エリア担当課長 この再整備で目指しておりますのは、文化芸術等発信拠点の形成でございます。中核となる多目的ホールのみならず、多様なコンテンツの発信や新たな文化活動の創出につながる、さまざまな施設や機能の提案を民間に求めていきたいと考えております。

○いながき委員 考え方の中では、中野サンプラザのDNAを継承する多目的ホールを整備するとうたっています。以前、そのDNAとは記憶、名前、形、この三つであるとおっしゃっていました。今回の考え方の中では、その三つについて触れられていないのですが、それは変わらないのでしょうか。

○石井中野駅新北口駅前エリア担当課長 中野サンプラザのDNAにつきましては、昨年9月の区長定例記者会見で申し上げたとおり、記憶、形、名前、これを継承していくという考え方を示したものでございます。これについては、ポピュラー音楽を主用途とするホール機能や施設の外観をモチーフとしたデザイン、中野サンプラザの名称などがそれに当たると考えておりまして、考え方では特にそのホールのことを記載しておりましたが、その他のことについても、考え方としては変わっているものではございません。

○いながき委員 ポピュラー音楽の公演中心のホールというのはどこにでもありますし、サンプラザでは実績がなかったスポーツ系エンターテイメントや平土間を活用した展示イベントが行われるホールが、なぜサンプラザのDNAを引き継ぐことになるのか私にはよくわかりません。

 今回の考え方の中では、多目的ホールは中野サンプラザのブランド継承や効率的な施設設計、運営などにより採算性の確保が見込まれるとありますが、効率的な施設設計の効率的の意味を御説明いただけますでしょうか。

○石井中野駅新北口駅前エリア担当課長 ホールにつきましては、ポピュラー音楽を主用途とすることから、クラシック用ホールと比較して音響設備や空間構成を簡素化できるということを示したものでございます。ただし、簡素化とはいいましても、振動ですとか騒音とか、そうした対策については対策を講じる必要があるというふうに認識をしております。

○いながき委員 私はこれまで、名前はもちろんのことですが、あの形をぜひ継承してほしいというお声を何度も伺いました。区民の皆様が考えているサンプラザのDNAを継承するホールというのは、やはり何といってもあの独特な三角の形を継承する、または活かしたホールという意味であると思います。この点は、やはりホール整備においてぜひ取り入れるべき部分だと思いますが、いかがでしょうか。

○石井中野駅新北口駅前エリア担当課長 継承する中野サンプラザのDNAの一つとして形と言いましたけれども、これは施設の外観をモチーフとしたデザインであるという認識をしております。

○いながき委員 ここで委員長に許可を得まして、パネルをお見せいたします。これは区が選定した事業協力者がおよそ3年前に提案概要書の中で示された、区役所・サンプラザ地区の再整備後のイメージ図であり、現在区のホームページにも掲載をされています。

 これは事業者選定の際に、プレゼンテーション資料として区に提出された内容ほぼそのままであります。この絵を見る限り、高層ビルもホールも形状としてはサンプラザの面影は皆無に見えますが、区は審査の結果、この事業者グループを事業協力者として選定をしました。

 区長が変わり、1万人アリーナ整備の見直しの方針が掲げられましたが、区は事業の大きな変更はないという理由で、事業協力者の再募集はせず、この企業グループが引き続き事業協力者として再整備事業計画案策定に携わっています。あくまで提案書であり、建物の規模も変わる可能性がありますが、サンプラザの後継として、このような建物ができるということなのでしょうか。

○石井中野駅新北口駅前エリア担当課長 事業協力者につきましては、企画構想力や課題解決能力などを有する者として選定をしたものでございます。

 また、提案概要書にありますパースにつきましては、その能力を見るためのものであって、パースにあるような建物デザインそのものを採用したものではございません。事業協力者の協力期間は再整備事業計画策定までとしており、今後、民間参画事業者を公募しますけれども、改めて提案を求めるものでございます。

○いながき委員 こちらは情報公開請求によって開示された事業協力者選定に漏れた応募者による当時のプレゼン資料です。サンプラザのアイデンティティが非常にわかりやすく継承された建物だと思います。これはあくまで一例であり、私の個人的な考えではありますが、ぜひこのようなサンプラザの特徴をわかりやすく表現した施設整備を目指していただきたいと思います。これは要望といたします。

 今回の考え方を見る限り、区が継承しようとしているサンプラザのDNAと区民が継承してほしいと考えているサンプラザのDNAについては隔たりがあるように思えてなりません。サンプラザの後継施設をどのようなものにするかは、民間事業者の提案に任せ、意向に沿うだけではなく、外観のデザインなど、区民の意向を酌みながら区がリードしていくべきところはしっかりとリードし、現中野サンプラザに負けないくらいのインパクトを持った、区内外で愛される建物にすべきだと考えます。区の認識を伺います。

○石井中野駅新北口駅前エリア担当課長 中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画の素案につきましては、今定例会において報告をする予定でございます。この再整備事業計画は、拠点施設整備に当たり、区として求める都市機能や事業化に向けた基本方針を示したものでございます。民間活力を活用した整備を誘導する上での指針であり、これをもって再整備をリードしていく考えでございます。

○いながき委員 次に、資産活用の方向性について伺います。

 もともと市街地再開発というのは、一般的には細分化された低層の木造住宅等が密集していて、道路や公園も未整備な地区を一体的に整備し、土地を高度利用しながら災害に強い安全で快適なまちをつくるというのが基本的な目的であり、中野駅の北口の状況はこれには当てはまらないように思います。まず、なぜ市街地再開発なのでしょうか。

○石井中野駅新北口駅前エリア担当課長 今回のこの拠点施設整備でございますが、街区再編によって集約された敷地におきまして、区をはじめとした5者の地権者が共同で行う再整備の事業となります。

 事業手法として想定しております市街地再開発事業は、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図ることを目的とした、建物や公共基盤の整備に係る法定事業でございます。各地権者の資産が適正に評価され、それぞれの意向により権利変換や転出補償が行われること。法定事業としての位置付けや補助制度などにより確実な事業進展が見込めることなどがメリットと考えられまして、本事業の手法として妥当であると考えております。

○いながき委員 権利変換をして従前の資産を保有するとありますが、再開発後どのくらいの資産を保有するのかについては明らかにされておりません。考え方によれば、現時点で区役所、サンプラザ、清掃事務所車庫跡地の資産価値が508億円分とあります。これが区民の現資産とも言えるわけですが、このうち新区役所整備費用254億円と、まちづくり中野21の借入金43億円を合わせた297億円に諸々の経費を合わせた金額分のみ転出補償金として受け取る。そして、その297億円プラスアルファを引いて残った資産を、床あるいは土地として保有すると読み取れます。

 しかし、区民会議の席で区長が以前、今後、小・中学校の建てかえ・更新費用がかさんで大変だから土地を売却したい旨のことをおっしゃっていたと記憶しています。これは、新庁舎整備費用やまちづくり中野21の借入金返済以外の目的にも転出補償金を充てたいということなのでしょうか。現区役所サンプラザの評価額のうち、どのくらいの額を転出補償金として受け取るのか伺います。

○石井中野駅新北口駅前エリア担当課長 転出補償金として必要なのは、新区役所整備費や中野サンプラザ所有会社であるまちづくり中野21の借入金の財源、またこれらに伴う経費などでございまして、残る部分は権利変換し、資産として保有する考えでございます。

○いながき委員 権利床を得た場合の活用法ですが、再整備される予定の多目的複合施設内に公益施設をつくる考えはあるのでしょうか。以前伺った際にはその予定はないとのことでしたが、区民の財産でもある現庁舎やサンプラザを再開発するのに、公益スペースがゼロということに疑問を持たれる区民の方もいらっしゃるかと思うのですけれども、その点について伺います。

○石井中野駅新北口駅前エリア担当課長 従前の機能である区役所は移転をいたしますし、また中野サンプラザの主たる機能は民設民営となることから、これらの機能を残す考えはございませんが、残る資産の利活用のあり方については今後検討してまいります。

 また、ここ全体が文化芸術等発信拠点ということで、民間活力の活用をもちまして、さまざまな機能を入れていきたいということを考えております。そうした中には公益的な施設ということの導入ということも考えられると、そのように考えております。

○いながき委員 公共用地はできるだけ細分化せず、まとめて持っておくのが定石であります。転出補償というとわかりにくいですが、土地建物の権利を手放すことで現金を得るということで、要は売却することと同じであります。区が権利変換でどれくらいのスペースの土地や床を得ようとされているのか現時点ではわかりませんが、やろうとしていることは土地の切り売りであります。

 民間企業のまちづくり中野21が所有している土地は区有地ではないし、サンプラザも公共施設ではない、名目上はそうであるのかもしれませんが、私は先にも述べましたとおり、サンプラザの土地建物は限りなく公益性があり、区民の財産であると思っています。駅前の一等地を手放してしまうことに抵抗を感じる区民は少なくありませんし、これまで再三議会で申し上げてきましたとおり、売却することなく、定期借地の道も模索すべきであります。

 中野区は、北口の区役所・サンプラザ地区において土地区画整理事業を行い、土地を集約させる予定です。集約した場合の土地の敷地面積の広さは何平方メートルになりますでしょうか。

○石井中野駅新北口駅前エリア担当課長 土地区画整理事業によって集約した土地の面積でございますが、約2.3ヘクタール、2万3,000平米程度でございます。

○いながき委員 豊島区ではHareza池袋事業において、旧庁舎及び旧豊島公会堂の跡地、およそ6,600平方メートルを70年の定期借地権の設定で、およそ191億円を一括前払いで受け取りました。板橋区では、JR板橋駅前の区有地1,675平方メートルを、同じく70年の定期借地契約で29億円を得る予定です。単純比較はできないと思いますが、他区の事例を見る限り、中野駅北口という一等地で2万3,000平方メートルの広さがあるのであれば、定期借地にした場合、かなりの地代が入ってくるのではないでしょうか。試算はされてみたのでしょうか。

○石井中野駅新北口駅前エリア担当課長 約2.3ヘクタールの土地には複数の地権者がおりまして、定期借地権の設定だけでは事業が成立しないということや、ホールの立地などによって余剰条件が土地の評価に影響するといったこともございまして、他の事例と比較をして地代収入を想定すること自体は非常に難しいものと考えております。

 仮に、区役所や中野サンプラザの敷地形状を、街区再編をせずに敷地形状をそのままとした場合、一定の地代収入が見込めますけれども、そこから施設の除却費、まちづくり中野21の清算の経費などを差し引くと、新区役所整備の財源確保は難しくなると考えております。

 もっとも、まちづくりの観点から街区再編は必要なものでございますので、こうした仮説というのはあくまでも参考であるというふうに申し添えておきたいと思っております。

○いながき委員 渋谷区も区有地を手放すことでなく、定期借地で土地を貸し、その対価で新庁舎のみならず、2,000人規模の渋谷公会堂の建てかえもしており、税金投入をしておりません。規模によっては、中野区もホールの建設費を定期借地で賄うことができるのではないかと思います。板橋区も、中野区と同じ市街地再開発の手法をとって、JR板橋駅前の再開発をしていますが、定期借地契約をディベロッパーと結び土地は手放しておりません。

 駅前の一等地を売ろうとしているのは中野区だけであります。これらの区と中野区との違いは、民間ディベロッパーをアドバイザーにはしていないところです。ディベロッパーの至上命題は、よい土地を手に入れることであります。全体の枠組みを土地の売却ありきにしてしまったのは、区ではなく、事業協力者のアイデアだったのではないですか。

○石井中野駅新北口駅前エリア担当課長 事業協力者の選定は平成28年4月に策定をいたしました区役所・サンプラザ地区再整備実施方針に基づいて行ったものでございます。その実施方針では、市街地再開発事業による資産活用、建築物整備を計画するとしたことから、民間の提案も再開発をベースにしたものとなっているものでございます。

○いながき委員 これまでも議会で申し上げてきましたが、本来、再整備事業計画は事業の施行者になり得る民間企業ではなく、豊島区が委託した日本不動産研究所や首都圏不燃建築公社のような中立な立場のアドバイザーのもとに計画をつくり、それを形にする民間事業者を公募すべきであったと改めて思います。

 今回の土地所有者は、中野区、中野税務署を所管する財務省、区役所庁舎内の一部を区分所有している東京都、そして株式会社まちづくり中野21、中野区土地開発公社であります。地権者が複数であっても協議が調えば、定期借地契約を民間事業者と締結することは法的にも問題はありません。駅前の一等地を売却してしまうことに抵抗ある区民もいる中で、なぜ定期借地しないのでしょうか。中野区には、区民の虎の子の資産を守ろうという意識はないのでしょうか。先ほど街区再編によるものであるので定期借地が難しいというお話でしたが非常にわかりにくいので、もう少しわかりやすく説明をお願いします。

○石井中野駅新北口駅前エリア担当課長 市街地再開発事業は都市再開発法を根拠とし、面的な開発を目的とした一連の事業であるのに対し、定期借地権方式につきましては、借地借家法による資産活用の一手法であることが大きな違いでございます。

 定期借地権方式は資産活用手法という側面から、1敷地1地権者で地代を得ることを目的とする場合には有効な手法であると考えておりますが、本事業のように、街区再編をした約2.3ヘクタールという広大な敷地に複数の地権者がおり、それぞれの資産の保全や都市機能の更新、さらに駅舎や駅前広場の整備などとの整合を図りながら計画的な執行が求められる総合的な事業といたしましては、定期借地権の設定だけでは事業としては成立せず、市街地再開発事業を用いるのが妥当であると考えております。

 また、仮に権利変換した資産を土地として保有するとなれば、その土地を建物所有者に貸すということになりますので、同じような効用が得られると考えられます。実際、その市街地再開発と借地権の設定を組み合わせたものもございます。そうした、今後の資産の保有のあり方については、さらに検討してまいりたいと思っております。

○いながき委員 地権者が多いから、大変だから定期借地はなじまないというような御答弁に聞こえるんですけれども、そういうことなんでしょうか。

○石井中野駅新北口駅前エリア担当課長 特に複数の権利者がいて、それぞれの意向があるということで、その調整をしていくということは非常に大きな要素だと思っております。特に市街地再開発事業は、面的な整備を図る事業ということで、これは法的に担保されたものでございますし、この事業と、その定借の資産活用という、その違いというのは非常に大きなものだと考えております。

○いながき委員 板橋区は先ほどちらっとおっしゃいましたけれども、市街地再開発と定期借地を組み合わせた再開発を行っています。

 次の質問を伺います。

 新庁舎の建設資金のために転出補償金という形で手っ取り早くまとまった現金を得たいからといって、行政が目先の利益にとらわれ、50年、100年のまちづくりを誤ることがあってはなりません。そもそも区役所を建てかえるために、サンプラザを壊して貴重な区民の財産を切り売りする、区がこのような方針で北口の再整備事業を進めようとしていることは、区民にはほとんど伝わっておりません。今後、再整備計画(素案)を策定した後に意見交換会を開催するとのことですが、定期借地という選択肢があるのであれば、それもなぜできないのか。それもきちんと説明した上で意見を聞き、最終的な資産活用法を決定すべきと考えます。区のお考えを伺います。

○石井中野駅新北口駅前エリア担当課長 今後、中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画(素案)を公表後、区民会議を開催するほか、一般区民向けの意見交換会を行う予定でございます。その中で、事業手法についても説明をしてまいります。その後、再整備事業計画の案を作成し、パブリック・コメントの手続きを経て決定をしていくという手順でございます。

○いながき委員 先ほど申し上げました地権者の一つである、財務省所管の中野税務署についてですけれども、確定申告の時期には1日2,000名の方が利用するということで、移転となれば、区民生活への影響も少なからずあると思われます。中野区の都合で今回移転していくということになるわけですけれども、移転場所等を含めた協議は順調に進んでいるのでしょうか。

○石井中野駅新北口駅前エリア担当課長 中野税務署につきましては、中野四丁目新北口地区まちづくり方針や都市計画決定の内容について情報提供いたしまして、まちづくりへの協力を求めているところでございます。ただいま移転に向けた協議を進めているところでございます。

○いながき委員 最後に、周辺整備のことについて伺います。

 また豊島区の例になってしまいますけれども、こちらは旧庁舎跡地と旧豊島公会堂跡地の再整備とあわせて、近隣の池袋公園もリニューアルしています。このリニューアルにおいては、事業費の40%を国のまちづくり交付金で賄ったそうです。中野区においても、北口の再整備を行うのに合わせ、暗くて汚いとあまり評判のよろしくない中野通りのガード下ですとか、線路下のトイレなど、活用できる補助金があるのであればそれを有効に使って、駅周辺全体をリニューアルするべきではないでしょうか。

○石井中野駅新北口駅前エリア担当課長 さまざまな交付金の活用を視野に入れながら、面的なまちづくりも入れた検討を行ってまいります。

○いながき委員 ありがとうございました。以上で質問を終了いたします。

○山本委員長 以上でいながきじゅん子委員の質疑を終了します。

 次に、石坂わたる委員、質疑をどうぞ。

○石坂委員 質問いたします。

 順番を入れかえ、質問通告の3項目め、2項目め、1項目めの順番で総括質疑をします。

 先に、3のその他で同性パートナーシップに関連して伺います。

 平成30年度から開始をされた事業である中野区の同性パートナーシップ制度利用者数が、主要施策の成果(別冊)の27ページには30年度に21件とあり、また、ことし9月1日現在では累計33組66名になったと聞いています。民間に対応を求めるだけではなく、区役所もみずからしっかりと取り組みを進めていくことが必要です。

 対区民という視点では、中野区防災庁弔慰金の支給等に関する条例の第3条には、区民が災害により死亡したときは、その者の遺族に対し災害弔慰金を支給するとあります。また、中野区犯罪被害者等相談支援事業実施要綱の第2条の第2項では、犯罪被害者等の定義として、犯罪等により害をこうむった者及びその家族または遺族とあります。そして、対職員という点では、中野区職員退職手当に関する条例の第3条には、退職手当は職員が退職をした場合に、その者(死亡による退職の場合はその遺族)に支給するとあり、さらに、中野区職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例施行規則の第23条には、慶弔休暇は、職員が結婚する場合、職員の親族が死亡した場合その他とあり、中野区に勤務する非常勤職員の勤務条件に関する要綱の第19条にも同様の規定があります。

 また、職員の子という点では、中野区職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の第9条の3では、任命権者は、3歳に満たない子になる職員が当該子を養育するために請求した場合には、職務に支障がある場合を除き超過勤務をさせてはならないとあり、さらに中野区職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例施行規則の第24条の5には、子の看護のための休暇に関する規定があり、中野区に勤務する非常勤職員の勤務条件等に関する要綱にも同様の記載があります。

 これらの規定は、遺族、家族、配偶者、結婚、親族というような言葉が出てきますが、これらに同性パートナーを含めるべきであり、また事実上婚姻関係と同様の事情にあったものにはパートナーシップ制度を利用していない同性カップルも含めるべきです。そして子については、同性パートナーの子も含めるべきと考えます。同性パートナーシップ制度や現に子どもを育てている同性カップルの存在を前提に、条例や規則や要綱など全庁的に区のさまざまな施策を見直し、こうした考えを反映することが必要と考えますが、いかがお考えでしょうか、お答えください。

○杉本企画課長 区は多様な生き方、個性や価値感を受け入れることのできる地域社会を実現することを目指して、パートナーシップ宣誓を実施しているところでございます。既存の行政サービスの見直しや同性パートナーに対する施策の充実、職員の理解促進などの全庁的な検討を進めてまいりたいと考えてございます。

○石坂委員 そうした中で、しっかりとさまざまな条例とか要綱についても考えていっていただければと思います。

 次に、2項目めとしまして、地域支えあい推進部とすこやか福祉センターの役割及び多問題家族・機能不全家族について伺います。

 まず(1)の地域支えあい推進部とすこやか福祉センターについて伺います。

 組織変更により、30年度末を最後に経営本部がなくなり、それまでの地域支えあい推進室は、地域支えあい推進部へと姿を変えました。旧来の組織では、すこやか福祉センターがフロントで、健康福祉部や子ども教育部がバックであると言われました。これは新組織ではどうなっていますでしょうか、お答えください。

○伊藤地域活動推進課長 お答えします。すこやか福祉センター開設当初は、保健福祉センターと地域子ども家庭支援センターとの統合を図り、保健福祉及び子育てに関する総合的な支援を目指す組織としてスタートいたしました。その後、平成23年度には地域支えあい推進室、平成28年度には地域包括ケア推進分野が創設されまして今日に至っております。

 バックとフロントという開設当初のすこやか福祉センターと健康福祉部、すこやか福祉センターと子ども教育部という関係でとらえますと、平成23年度からは地域支えあい推進室、また、平成28年度からは地域包括ケア推進分野がバックの機能になっているというふうに考えております。

 しかしながら、すこやか福祉センターが行います包括的な相談支援におきます多種多様な事業やサービス等のうちの子ども教育部、また健康福祉部が専門所管であるものにつきましては、それぞれ所管部署からの指示・助言のもと、組合への的確な提供が求められているというふうに認識しております。これにつきましては従来も、このたびの組織体制後も変わらないものというふうに承知しております。

○石坂委員 そして経営本部の地域支えあい推進室は、事業部制の各部から独立をした横断的な組織であり、縦割りがないようにする。経営本部長が区長であることから、各部に対して待ちの姿勢ではなく、イニシアチブがとれるようにするといった役割が求められていました。現在、福祉に関する事業について、子どもの福祉は子ども教育部、成人の福祉は健康福祉部、地域包括ケアやすこやか福祉センターに関することは地域支えあい推進部、特別支援計画に関する支援計画等は子ども教育部及び教育委員会と分かれています。福祉に関する現場目線から、他部署に対するイニシアチブや縦割りを配する調整的な役割は、今後も地域支えあい推進部がしっかりと担えるという理解でよろしいでしょうか。

○伊藤地域活動推進課長 区におきます地域包括ケア体制を推進する役割は地域支えあい推進部、また地域包括ケア推進課が引き続き担うことということで変わりはございません。

 また、すこやか福祉センターは、個人の抱える課題を世帯としてまたは地域課題として捉え、包括的な相談支援の提供や地域づくりに取り組む部署でございます。今後とも地域ケア会議、中野区地域包括ケア推進会議等を活用しまして、他部署との調整機能、リーダーシップを発揮していきたいというふうに考えております。

○石坂委員 国などからの通知は、子ども教育部や健康福祉部にまずおりてくることが多いと従前から言われていました。そのため、バックである各事業部が施策の組み立てを考え、すこやか福祉センターが実行するという流れもありました。そうした一方で、地方自治体の行政は、住民目線で住民にとってわかりやすいサービスを総合的に展開することができるという特徴もあります。すこやか福祉センターが住民に最も近いフロントで旗振り役を担うということが、経営本部体制において求められていたと思います。

 そのため私は従来、支えあい推進室ができたことは部が一つふえたということではない、経営本部の中の一つであるという意識で、庁内全体の福祉の調整役を担ってほしいということや、すこやか福祉センターや地域支えあい推進室が、他の部署に対して待ちの姿勢では困るということを再三言い続けてきましたが、どう考えますか。室が部になったことで、待ちの姿勢が強まってしまったり、縦割りやたらい回しが一つふえたという結果に終わってはならないと思います。どう考え、どのように対策を立てていきますか。

○伊藤地域活動推進課長 現場で行う日々の業務からの気づきやデータの分析などを通じて課題を明らかにして解決策につなげる取り組みが重要であるというふうに認識しております。課題の解決のためには、待ちの姿勢ではなく、多数の関連部署への主体的な働きかけが必要でございまして、この認識は組織改正によっても変わらないというふうに考えております。

○石坂委員 しっかりと複数の部のほうと連携しながら、しっかりと働きかけながら進めていただければと思います。

 子育て支援、障害児・者福祉、メンタルヘルス、高齢者福祉、介護保険、地域包括ケア、生活困窮者、ホームレス支援などに対して、それぞれ個別具体的な対応も必要となる場面もありますが、負のスパイラルに陥る要因は共通していたり、家族全体に支援が必要なことが間々あります。どのようなケースに対しても、家庭全体を支えていく役割は、今後もすこやか福祉センターや、すこやか福祉センターを所管する地域支えあい推進部が担っていくという認識は今後も変わらないという理解で大丈夫でしょうか。

○伊藤地域活動推進課長 ただいまの御質疑にございました地域支えあい推進部、またすこやか福祉センターの役割につきましては、このたびの組織改正によって変わるものではございません。

○石坂委員 ありがとうございます。

 そうしましたら、その前提で、(2)としまして、多問題家族、機能不全家族への支援と家庭内の共依存症、これは人間関係に対する依存症を指します――や、メンタルヘルスについて伺います。

 先日、すこやか福祉センターが主催でネット依存症についての講演会がありました。依存症は精神障害の一つです。講演では、ネット依存症の定義や増加した社会的背景や対症療法での予防や治療については触れられていました。しかし多くの参加者から、既に依存症になっている我が子に役立つ情報ではなかった、長時間のネット利用などを制限すればよいのはわかったが、そんな簡単にいかないという声を耳にしました。

 依存症は、一つの依存症をモグラたたき的に解消しても別の依存症に移行するケースが少なくないこと、依存症になること自体が自分の心の空白感や感情的な喪失感を取り戻したり、他のメンタル的な危機状態から逃れるために依存症に陥ることで、命を保ち、自殺をせずにいられたという人が少なくないこと。依存症本人や、その家族の幼少期の環境や家庭内の加害・被害が左右している場合もあります。また、依存症において、家族は共依存状態にあることや、表向きは問題の解決を手助けしつつ、実際は当人の問題行動を継続・悪化させるイネイブラーとして問題を助長している場合も少なくありません。なお、共依存は、自立した対等な関係の中で依存しあう相互依存とは違い、相手の成長や回復を阻む、不健康で支配的な関係です。共依存的関係は、一般の家庭や学校、職場などでも頻繁に起こりがちな関係ですが、閉じた関係になりやすい家庭の中では深刻な状況に至ることがあります。

 依存症については、区の事業で嗜癖クリニックがありますが、特定の依存症が想定されている声を聞くところでもあり、説明を見るだけではアルコール、薬物、ギャンブル以外の依存症については明示されていません。実際にはそれ以外の依存症にも対応してもらえるということでよろしいでしょうか。

 また、紙媒体では限界もありますが、ホームページ等ではさまざまな依存症に対応していることがわかるように記載をし、インターネットで簡単に検索できるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。

○高橋中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 お答えいたします。嗜癖クリニックでは、アルコール、薬物、ギャンブル以外にも、御質問にありましたゲーム依存など、さまざまな依存症に対する相談を実施しております。依存症全般の相談に応じていることが明確に伝わるよう、ホームページ等の広報を工夫してまいりたいと存じます。

○石坂委員 ぜひお願いいたします。

 また、家庭の中の依存症者、あるいは自死や自殺企図のある人、障害者等への対応、虐待、マルトリートメントやDV被害、生活困窮などさまざまな要因が重なったときに、家族の機能が維持し切れなくなって多問題家族という状況になることがあります。一つひとつが軽い課題であった場合にも、重層的に積み重なると家族が辛い状況に置かれますが、家族自身にその自覚ができなくなってしまっていたり、周囲から気づかれなかったり、制度の網の目から漏れたりする可能性があります。

 また、家族の機能は大きく五つに分類されるとされ、性的欲求の充足と規制である性的機能、社会に適応できる人間を育成する社会化機能、共同生活の生産と消費の単位である経済機能、安らぎや憩いの場としての情緒安定機能、相互に扶養援助する福祉機能があります。もちろん家族の機能は時代や社会状況によって変化するものであり、役割の一部が福祉や教育サービスなどに外部化されていたり、さまざまな家庭の形態があります。しかし、多問題家族などではこうした機能が大きく損なわれ、機能不全家族と言われる状況に陥ります。そして他問題家族や機能不全家族に長く身を置いた人は、その状態が解消した後も心の傷を抱える人が少なくありません。こうした多問題家族や機能不全家族などの家庭全体あるいはその構成員全体を支援することの認識はいかがお持ちでしょうか。

○高橋中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 例えば要支援者の発見の端緒がアルコール依存症であった場合、アルコール依存症患者本人の治療だけでなく、依存症により就労による収入が途絶え生活困窮に陥っていないか、家族との関係はどうか、家族の中で他に支援を要する者がいないかなど、家族全体の支援の必要性を分析した上で、関係機関と連携し、適切な支援を行っていきます。

○石坂委員 ぜひそういう形でしっかりと漏れがないように進めていただければと思います。

 そして、依存症は物質への依存だけではなく、行為への依存、人間関係に対する依存などがあります。私はこれまで、処方薬や薬物依存の当事者団体、アルコールへの依存の当事者団体、拒食や過食、嘔吐などの食行動への依存症者の当事者団体といった各団体のオープンミーティングに参加させてもらったり、アルコール依存症者、性依存症者、食行動依存についての家族や友人のそれぞれのグループの団体に参加をさせてもらったり、またその中で耳にしたアダルトチルドレンや共依存をキーワードに、機能不全家庭で育ったアダルトチルドレンのグループ、共依存症の当事者グループ、恋愛依存症のグループなどのそれぞれのミーティングに参加をさせてもらってきました。いずれのグループの参加者からも、家族の共依存や機能不全家族の問題がたびたび語られています。また、自死遺族、DV、虐待経験者などからも同様の家族の抱えている共依存や機能不全の話を聞きます。

 そこで何点か伺います。

 区は、こうした困りごとを抱えた多問題家族の発見をどのようにしていくのかお答えください。

○高橋中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 問題を抱える本人や家族からの相談だけでなく、民生委員や医療機関等の関係機関、さらに、アウトリーチチームからの情報提供や要請に基づき発見してまいります。また、妊産婦の支援や乳幼児健診、各種の健康講座などでも問題の発見及び早期対応に努めています。

○石坂委員 ありがとうございます。アウトリーチチームなどの公的な形であれ、さまざまな講座の中でのインフォーマルな場であれ、しっかりと進めていただけることが、さまざまな機会を見つけていただくことが重要だと思いますのでお願いいたします。

 そして、家族が本人だけの問題として積極的に支援につながろうとしないケース、こうしたケースも数多くあると思いますけれども、家族ととっかかりをつくって支援ができる関係づくりを進めていく認識をいかにお持ちでしょうか、お答えください。

○高橋中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 そうした認識は当然に持っております。本人と家族は互いに影響し合うため、本人への支援を行うだけでは十分でないと存じます。また、本人と家族の間で利害関係が生じる場合もあることから、その際には、複数の支援者間で役割を決めて、本人を含めた家族全体の支援を行っております。

○石坂委員 しっかりと、本人だけでなく、家族を見ないと意味がないというところの認識をお持ちであること、よかったです。

 また、機能不全家族、多問題家族について、予防的観点から、依存症の啓発を含む精神保健福祉や子ども家庭福祉に関する事業で啓発等をする必要があると思いますがいかがお考えでしょうか。

○高橋中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 これまでも、依存症に関する講座などで普及啓発を行ってまいりました。今年度はゲーム依存症に関する講座を実施したところです。今後も社会の動向を注視しつつ、東京都などの啓発事業も活用するなど、工夫しながら啓発に努めてまいりたいと存じます。

○石坂委員 そうした形で進めていただければと思いますが、やはり冒頭で申しましたように、今回のゲーム依存の話、とても参考になる部分もありましたけれども、やはり家族を支えていくという観点はちょっと弱かったかなと思いますので、今後取り上げる際には、しっかりと子ども家庭福祉とか精神保健福祉の観点で家庭全体を見ていくという発想も、しっかりと盛り込んでいっていただければと思います。

 そして、虐待は連鎖をするとも言われますが、これは虐待だけに限ったことではありません。多問題家族や機能不全家族で育ったり、長い間身を置いていた場合、目の前の問題が片付いた後も、長期的な視点でのアフターケアが必要になる場合がたくさんあります。こうしたケースにはどのようにかかわってきますでしょうか。

○高橋中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 依存症の方がいる家族などが機能不全になった場合、本人や家族にとって回復への道のりは長いものだというふうに思います。

 例えば薬物依存の場合、薬物などに頼らず生活していけるよう、通院治療とあわせて、再使用を防止するプログラムへの参加を促すなどの包括的な支援を行ってまいります。あわせて、家族には依存症について理解し、家族自身も健康的な生活が送れるよう支援してまいります。

○石坂委員 家族に対しての健康な生活とありましたけれども、家族のほうも、さまざまな問題、あるいは共依存等を抱えているという認識で進めていただければと思います。

 そして最後に、1項目めになりますが、「外国につながる人」、これは外国人だけではなく、日本人と外国人との混合世帯ですとか、帰国子女等に対する部分も含みます。これに対する取り組みと多文化共生施策について伺います。

 決算特別委員会資料、区民3の過去10年間の外国人登録人口の推移とその国籍別の内訳を見ますと、東日本大震災と福島原発事故、その後の数年において一時的な減少が見られますが、トレンドとしては長期的に、また震災以降は継続的に外国人の人口増加が続いています。総務省が2006年3月に作成をした多文化共生の推進に関する研究会報告書では、多文化共生の定義として、国籍や民族などの異なる人々が互いの文化的違いを認め合い、対等な関係を築こうとしながら地域社会の構成員としてともに生きていくこととしています。その後、近年では、総務省が、多文化共生の推進に関する研究会報告書2018を作成し、法務省が、特別区も対象とする外国人受け入れ環境整備交付金を設け、入国管理庁への格上げも検討された出入国在留管理局が、東京入管などに受け入れ環境調整の担当官を置き、地方公共団体との連携を始めるなど、基礎自治体にも重点的な取り組みが求められています。

 さて、日本では国籍、民族、人種がまぜこぜに語られることがありますが、分けて考えることが必要です。まず国籍という観点では、国籍も民族も母語も日本以外である方がいる反面、サンフランシスコ講和条約により日本国籍の離脱の扱いとなった在日台湾人や在日韓国朝鮮人及びその子や孫である特別永住者の方が区内に1,000人以上います。また、両親が日本人でも出生地の国籍を選択する、アメリカなどがそうですね――もいます。中には、日本で育ち、日本語しかしゃべれず、日本の文化に馴染んでいる外国籍の方もいます。一方で、日本国籍でありつつも外国語しかしゃべれず、日本の文化や慣習等がわからない帰国子女や第2次世界大戦時に速やかな帰国ができず、朝鮮半島や中国に残された末に帰国を果たした引き揚げ者がいて、引き揚げ者は現在も18名が区の支援を受けています。

 次に、民族という観点では、アイヌ民族の方も多く含む、都道府県の2位は東京都だと言われており、中野区では毎年、中野駅北口エリアでアイヌ文化と沖縄琉球文化に基づくチャランケ祭が行われています。

 そして人種という観点では、日本国籍であっても、両親あるいは祖父母のいずれかが外国にルーツがあるために、見た目から外国人と見られてしまう人もいます。

 一方で、人種的なルーツは日本にあり、移民として海外の日系人コミュニティで生まれ育ったものの、複雑な日本語がわからなかったり、日本の生活習慣に馴染めない日系外国人の人もいます。さらには、両親も自身も日本国籍でありながらも、父方の譜系の家系のルーツが海外であるために苗字が外国人風であることで、日本人として扱えなかったという経験を持つ人もいます。また、子どもと一方の親が日本人で、一方の親が外国人である場合など、家族内で人種、民族、国籍が異なる家族もふえています。

 多文化共生においては、単に外国出身の外国籍の人だけでなく、日本出身の外国人や民族や人種や馴染んでいる言語が異なる人々なども視野に入れた多文化共生の考えを持つことが必要であると思いますがいかがお考えでしょうか。

○藤永文化・国際交流課長 一般質問でも御回答申し上げましたが、区は、本年度新たに外国人施策の調査を行いまして、全庁の施策状況を把握してきているところでございます。

 また、関係課長の連絡会議を開催し、在住外国人施策の共有化と次年度の政策の検討を全庁的に進め始めたところでございます。

 多文化共生の取り組みにつきましては、基本構想や基本計画策定状況を踏まえまして、考え方を整理していきたいと考えてございます。

○石坂委員 今の中では外国のことだけお答えになりましたけれども、帰国子女であるとか、あるいは民族的な少数者も含めたという理解で大丈夫でしょうか。

○藤永文化・国際交流課長 そういうことを含めまして、多文化共生全体の取り組みにつきましては、基本構想や基本計画を踏まえまして考え方を整理していきたいと思います。

○石坂委員 お願いいたします。

 静岡県浜松市では、浜松市外国人市民共生審議会を立ち上げ、委員10名中8人が外国人であり、ブラジルとフィリピンが各2名、韓国人、インドネシア人、ベトナム人が各1名であるそうです。中野区において、外国人に関して総務省が示した地域における多文化共生推進プランに基づく計画策定をすべきです。国籍や在留資格などがばらけるような多様な外国人が参加する審議会など、生の外国人当事者の意見を取り入れた形で計画の策定をし、施策推進をすべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

○藤永文化・国際交流課長 施策の推進において当事者の御意見を取り入れることは、内容の充実や、円滑な推進に有益と考えてございます。

 繰り返しで申しわけございませんが、多文化共生に係る取り組みにつきましては、基本構想・基本計画策定状況を踏まえ考え方を整理いたします。

○石坂委員 また、多文化共生推進プランの考え方に加えて、外国につながる子どもが自己肯定感を守られながら地域で育ち、外国につながる人が安心して働き、安心して暮らし続けるためには、単なる支援だけではなく、尊厳を傷つけられず、正しく人として扱われるヒューマンライツ、すなわち人権の考え方が必要です。日本で生まれ育った、あるいは日本語や日本文化に十分なじんでいるにもかかわらず、外見の違いや名前などによりこうむる差別も存在します。これについて、人権面での理解の促進や差別の解消といった取り組みはどのように進めていきますでしょうか。

○杉本企画課長 人権は誰もが生まれながらに持っている権利でございまして、尊重すべきものであるというふうに認識をしてございます。委員御指摘の事例を含めまして、一人ひとりの個性が尊重され、互いに認め合う、あらゆる差別のない地域社会づくりに向けまして、人権啓発に取り組んでまいりたいと考えてございます。

○石坂委員 特に企画はいろんな部分も絡んでいて、業務も多いですけど、しっかりと進めていただければと思います。

 また、特に住まい探しについては、住宅確保要配慮者、これは高齢者や障害者に加えて、ひとり親家庭や外国人、低所得者等さまざまな方々がいます。また、国籍以外にも人種や外国にルーツのある苗字によって住まい探しが大変だったり、嫌な思いをしたという方もいます。住宅マスタープラン等の住宅施策や、従来の住みかえ支援事業における取り扱いで、外国人を含む外国にルーツのある人についても位置付けるべきと考えますがいかがお考えでしょうか。

○三王住宅課長 中野区住宅マスタープランでは、住宅の確保に特に配慮を要する方々が安心して暮らせる環境の整備が必要であるとしており、公的な住宅の案内とあわせ、不動産事業者等と連携しながら、民間賃貸住宅も含めた住み替え支援受事業として、区民の方々の入居支援を進めてきたところでございます。

 外国人や外国人の関係者が区に対して住み替えの支援を求めてきた際にも、申し込みが可能な公的な住宅の案内をするとともに、不動産事業者等と連携を図りつつ適切な物件を効率よく探し出し、入居につなげていきたいと考えております。

○石坂委員 答弁ありがとうございます。しっかりとその方向で進めていただければと思います。

 質問として通告したことを質問いたしましたけれども、なお今回質問しました同性カップルを含むLGBT、精神障害のケースを含めた多問題家族、機能不全家族、外国につながりのある人に関するユニバーサルデザインやダイバーシティ・アンド・インクルージョンを今後もしっかりと区は考えていくことが必要です。

 先週、ワールドカップの開会初日の日本対ロシア戦について、中野体育館でパブリックビューイングが行われました。この試合の審判の主審は、ラグビーの名レフリーとして人気で、世界で最も著名なウェールズ人と言われているナイジェル・オーウェンズ氏が務めました。9月21日の毎日新聞でも報道されていますが、彼は以前から同性愛者であることを公表し、社会の同性愛者に対する理解を広げる活動にも取り組んでいる人です。

 また、今回のラグビー日本代表31名のうち国籍、民族、人種などが異なる外国出身者が過去最多の15人というメンバー構成になっていて、キャプテンのリーチ・マイケル氏は、これからの日本は外国から来た人たちと一緒に社会をつくっていかなきゃいけない、ラグビー日本代表は日本社会に対していいモデルをつくれるんじゃないか、いいメッセージを発信できるんじゃないかと思うんですと語っています。

 また、産経新聞の3月22日の取材に対して、今回プロップとして終盤に出場したグ・ジウォン氏が、来日前は韓国の友人や先輩に日本に行くといじめられるかもしれないと言われ続けたが、実際は違った。日本人はみんな本当に優しくて、逆に外国人だから話しかけてくれて、日本人に対するすごい偏見だったと答え、日韓両国の架け橋も担うつもりでいると語っています。

 今回のラグビーワールドカップや来年のオリンピック・パラリンピックに向けての取り組みや、そのレガシーによって、しっかりと中野区でも、ユニバーサルデザインやダイバーシティ・アンド・インクルージョンが進むことを願いつつ、私からの全ての質問を終わらせていただきます。

○山本委員長 以上で石坂わたる委員の質疑を終了します。

 ここで休憩にしたいと思います。15時20分まで委員会を休憩します。

 

午後2時57分休憩

 

午後3時20分開議

○山本委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き総括質疑を行います。

 小宮山たかし委員、質疑をどうぞ。

〇小宮山委員 大変長らくお待たせをいたしました。ただいまより、小宮山たかしの総括質疑をさせていただきます。

 ことし8月18日(日曜日)午前7時ごろ、区内の警察病院から身長180センチもある韓国籍の男性の窃盗犯が逃走した事件は、皆さんの記憶にも新しいことと思います。その事件報道がネット上で配信されたのは逃走から4時間弱経った10時48分のことでした。その事件に関する注意喚起が中野区安心・安全(防犯メール)で配信されたのは、逃走から8時間以上たった15時10分のことでした。この事件に関する情報連絡体制は一体どうなっているのか、なぜおくれたのか、日曜日だからおくれたのかどうか、そのあたりの経緯を教えてください。

○佐々木生活・交通安全担当課長 現状といたしましては、連続発生のおそれがある重要凶悪事件が発生した場合には、警察が地域住民への必要な情報提供を行うことに合わせ、区に対する情報提供が行われるものと認識しております。

 また、区内警察署に対しましては、夜間・休日重要凶悪事件等が発生した場合の緊急連絡先といたしまして区担当者の連絡先を提供するなど、情報連絡体制の構築に努めているところでございます。

 本件につきましては、警察から区への情報提供はなく、報道により事案を認知したことから、以後、防犯情報の提供を所管する生活・交通安全担当において、警察への問い合わせを行うなどの対応を実施しております。その後、警察がメール等で情報提供を行った事実を確認した上で、区といたしまして、中野区安全・安心メールにより防犯情報としての情報提供を実施したものでございます。今回の区による防犯情報の提供に一定の時間を要したことについては事実ではございますが、区が事実を認知してからの区の対応について特段の問題があったものとは認識しておりません。

○小宮山委員 区のほうでは情報を知り次第、迅速に動いてはいただいたようですが、それより上の、上流に当たる警察のほうで情報がとまっていたために、区としては対応することができなかったということのようです。しかしですね、事件発生から4時間後にはニュースとして全国配信されている情報を、地元自治体が区民に発信したのは8時間後というのは、ちょっと初動が遅過ぎるのではないかと思いました。

 今回の事件はたまたま日曜日に発生しました。もしこれが平日に発生していた場合、区としてどういった連絡体制をとるつもりなのか、やはり上流に当たる警察からの情報がなければ区としては対応できないのか、保育士や保育園児が事件について何も知らされないまま現場付近の四季の森公園でお散歩をしたりすることだってあり得ますからその確認をさせてください。

○佐々木生活・交通安全担当課長 子どもに危害を加える事件等が発生し、同事件の情報を入手した際には速やかに子ども教育部、教育委員会事務局等への情報提供を行うこととしておりまして、各所管から各施設管理者等への連絡が行われる体制は構築されております。

 本件についても、子ども教育部等への情報提供を行いますとともに、緊急的な対応といたしまして、区職員が乗車する青色灯防犯パトロールカーにより、本件発生翌日になります19日の月曜日、午前8時から四季の森公園を含めた警察病院周辺の公園、保育園、小学校、児童館等の周辺道路の巡回パトロールを実施するなど、子どもの安全確保に資する対応に努めたところでございます。

○小宮山委員 ありがとうございます。何か事件があってから、子どもに被害があってからでは遅いので、そういったあたりしっかりしていただきたいと思います。

 その窃盗犯の逃走事件は全国ニュースにもなりましたので、皆さんよく御存じのことと思います。では、6月21日、上高田で女子高生がカッターで切りつけられた事件の2日後の6月23日(日曜日)の午後、都立家政駅の近くの若宮公園で、刃物を持った50代の男が男子中学生3人を大声で威圧した事件について皆さんは御存じでしょうか。

 この事件については御存じない方が多いと思いますが、私がツイッターでの情報提供や注意喚起などを呼びかけていたところ、そのときに現場にいた親子連れAさんの旦那さんを名乗る方から連絡があり、事件の詳細についてメールでお話を伺うことができました。

 6月23日(日曜日)午後、16時15分ごろ、若宮公園では3人の男子中学生と3組の親子連れが遊んでいたそうです。公園の中央に座っていた50代の男性が突然立ち上がり、「さっきから散々ばかにしやがって」と怒鳴り始め、ポケットから果物ナイフを取り出した。犯人は怒鳴った後、果物ナイフを一度しまったが、その後再度取り出し、「おい、警察呼ぶなら呼んで来いよ」と立ち上がり、ナイフを持ったまま中学生に近づいた。それを見ていたAさんは身の危険を感じ、3歳のお子さんを抱きかかえ、中学生のうちの1人とともに走って逃げ、都立家政駅前の交番に駆け込んだが不在だったため、そこから電話で通報をした。以上が若宮公園事件の詳細です。

 傷害未遂という罪は刑法上ありませんから、恐らく脅迫罪に該当するのかなと思いますが、いずれにしても、特に理由もなく、人に対して刃物を向けた男が地域に野放しになっているというこの事件は、警察ももちろん捜査しているのでしょうけれども、このまま野放しにはできません。この事件に関して、区からの公式な注意喚起は出ておりませんが、どうしてなのか教えてください。

○佐々木生活・交通安全担当課長 本件については警察から区への情報提供はありませんで、SNSにより情報を入手いたしましたことから、以後、防犯情報の提供を所管する生活・交通安全担当において、警察に対する問い合わせを行うなどの対応を行ったものでございます。

 区といたしまして、防犯情報を区民へ提供する際の判断基準といたしましては、情報の確実性等を確保することが最も重要であるというふうに認識しておりますが、今回の件に関しましては、警察に対する問い合わせ等を通じまして、その点について、区として判断するに足りる情報入手に至らなかったことから、防犯情報の提供については実施しなかったものでございます。

○小宮山委員 やはりですね、今回も上流に当たる警察からの情報発信がなかったから区が動けなかったという話であります。

 私は、どうして情報を流さないのかと警察にも取材をいたしました。すると、脅された当事者の中学生の特定ができておらず、当事者や被害者が特定できない情報は流さないという警察の内規があるために、区に対して情報を流さなかったとのことでした。そのため、今回のこの若宮公園事件に関して、警察や中野区からの公式発表は今に至るまでないのですが、私がこの事件について第一報を聞いたのは事件から約3時間後の午後7時半、フェイスブックの子育て支援グループのグループメッセージでした。そして、その夜のうちにツイッターやフェイスブックやLINEグループなど、あらゆるSNSでこの情報が駆け巡っていました。

 私は、この情報の信頼できる情報源もしくは警察からの公式情報を確認しようと警察に問い合わせたのですが、交番に駆け込んだ人がいるかどうかも含め捜査中なので何も言えないとの返答で、警察からの公式情報をその日のうちに得ることはできませんでした。

 今回の事件には二つの問題点があります。一つは、危険人物が中野区内にいたということ。これは明らかな問題です。事件の数日後に私も若宮公園を訪れましたが、公園内に注意書き等はなく、その日もお年寄りや親子連れが公園に出入りをしていました。危険人物が中野区内にいたということに対して、区は何らかの注意喚起をしておくべきであったと私は考えます。

 もう一つの問題は、公式な信頼できる情報が警察や区といった行政機関からは一切発信されず、その一方で、民間の情報網によってあっという間に情報が広まっていったということ。こうした事態に私は大きな危惧を抱きます。

 伝言ゲームの経験は皆さんもおありでしょうが、たとえ悪意がなくとも、口コミ情報には尾ひれがついて広まっていくものです。今回はたまたま正しい情報のみが拡散されていたようですが、行政機関からの公式発表がないにもかかわらず、民間の口コミベースで情報があっという間に広まってしまう現状、これは実はとても危険な状態です。公式な情報が出ないということは、その事件が本当に事実なのかどうか、発信者以外誰もわからないということです。ここで悪意ある発信者が、例えば――例えばですけれども、朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだという情報を発信したらパニックが発生し得るということは歴史が証明をしています。これは今回のような事件のときのみならず、地震等の発災時でも言われることです。

 警察からの公式情報の発信がなければ区は一切何も対応しないという今の体制で、区民の安全が本当に守られるのでしょうか。情報の伝達や拡散のスピードが非常に速くなっている現在、デマや流言飛語を予防するためにも、警察情報の発信のあり方についての協議や調整など、警察と改めて区として行うべきであります。また、警察には頼らない中野区としての情報発信のあり方を検討すべきと思いますがいかがでしょうか。

○佐々木生活・交通安全担当課長 繰り返しの答弁となりますけれども、現状といたしましては、連続発生のおそれがある重要凶悪事件等が発生した場合には、警察が地域住民への必要な情報提供を行うことにあわせて、区に対する情報提供が行われるものと認識しております。

 捜査権限を持ちまして捜査活動を行う警察当局の情報を代替するものはないものと認識しているところでありまして、区としては本件に関する情報発信については実施しなかったものの、情報を入手した以降、青色灯防犯パトロールカーによる同公園周辺の巡回パトロールを強化するなどの対応を行ったところでございます。

 今後は、さらに警察との連携強化を図りつつ、区の広報媒体等を活用いたしまして、区民に対する適時適切な防犯情報の提供に努めてまいりたいというふうに思っております。

○小宮山委員 公式な情報は流せなくても、例えば非公式に公園に注意喚起を促すとか、そういった非公式な対応もできる範囲でやっていただきたいと要望を――していただきたいと、何かあってからでは遅いので、できるだけのことはしていただきたいと要望をしておきます。

 次の質問に移ります。

 皆さんはこちらの冊子はもうごらんになりましたでしょうか。リクルートの発行する住宅情報誌ですが、東京都の商店街を幾つか取り上げた中で、2016年に東京都商店街グランプリの奨励賞を受賞した川島商店街が取り上げられております。ここに私の写真も小さく載っておりますので、詳しく見たい方は後ほど私のところまで来てください。この冊子に1ページの全面広告を出すに当たって幾らかかるのかちょっと調べてもわかりませんでしたけれども、少なからぬ経済効果が、川島商店街、ひいては中野区にあったということができます。なぜ川島商店街がこのように取り上げられたかといいますと、私が中心となってさまざまなイベントを手がけてきた成果でもあるのですが、それはさておきまして、川島商店街が独自にフィルムコミッションを運営しているからです。

 東京都が運営するフィルムコミッションへの登録、撮影隊から問い合わせがあった場合の対応、撮影に協力的な店舗の紹介や店舗との交渉、駐車場や控え室やメイクルームの手配や提供などなど、本来であれば撮影スタッフが手間をかけてしなければならないことの数々を商店街が代行しております。ああいう撮影隊のスタッフの多くはわりとラフな格好をしていることが多くあります。そして、撮影候補地を最初に探すのは大抵の場合そういった若いスタッフの仕事です。ラフな格好した若者が突然家にあらわれて、聞いたことのない番組制作会社の名刺を出して、あなたの家は今回の映画や番組の撮影イメージにぴったりですからぜひ撮影をさせてくださいと言われても、何かの詐欺かと思って普通の人なら門前払いをするところです。それを勝手知ったる商店街が仲介をしたり、地元自治体のお墨付きのついたフィルムコミッションが仲介したりすることで信頼性が担保され、話がスムーズに進んでいく。これは撮影隊にとってはとてもありがたい話です。だからこそ撮影するなら川島商店街と何度もリピートしてくれる撮影隊も少なからずいるんです。

 また、こうした活動に対して、商店街では撮影協力金や施設利用料金をいただいておりまして、年間150万円以上の売り上げを上げているほか、撮影に協力した個店には休業補償金などの臨時収入もあったりします。フィルムコミッション活動に関して、手間隙はかかるものの、支出らしい支出はほとんどありませんから、川島商店街フィルムコミッションの売り上げ150万円以上のほとんどが純益です。商店街の収入が右肩下がりの昨今において、貴重な収入源となっております。

 中野区議会では2012年に、私がフィルムコミッションについて取り上げました。その後、2018年になって、区はフィルムコミッションを名乗り始めたようです。

 先日、私は区の担当窓口に行き、例えばいい感じの古民家はないかと聞かれたらどう対応するんですか、と聞いてみました。すると、いろんな人に問い合わせて情報提供をするようにしていますとのことでした。撮影に適したロケ地の情報のストックなどは特にないそうです。

 例えば、区の担当者が多忙な本来業務の片手間に、頑張って撮影に適したイメージどおりの古民家を見つけたとします。しかしそこで撮影が終わるわけではありません。撮影隊のスタッフはその古民家を撮影利用することが可能かどうか、誰と交渉したらいいのか、いつなら下見をできるのか、有料かどうか、有料ならば幾らで借りられるのか、ロケバスがとめられるような大きな駐車場は付近にあるのか、控え室やメイクルームは近隣に確保できるかなどなど、超えなければならないハードルは幾つもあるんです。そうしたところに、地元ならではの情報網や人脈といった地の利を生かし、手を差し伸べてサポートするのが本来のフィルムコミッションのあるべき姿なのですが、今、中野区の自称フィルムコミッションでは人手不足もあり、そこまでの体制はとれていないようです。

 台東区フィルムコミッションの担当者がフェイスブックに投稿したある日のコメントをここで御紹介します。ハリウッド映画の監督が来日する直前のロケハン交渉もまだまだ実行中です。低い屋上や高い屋上やビルのオーナーさんを探してお会いしに行っては交渉しての繰り返しです。毎日繰り返しています。諦めたらそこで終わりとはよく言ったものです。どんな構図を見せたら監督が納得するのか、どんなカメラの角度からだとアメ横が入るのか、他のロケ地にもまさる場所をきょうも探しています。このように、並々ならぬ熱意を持ってフィルムコミッション業務に取り組んでいることがうかがえます。いろんな人に聞いて情報提供をしているという今の中野区の体制では、フィルムコミッションを名乗る価値などありません。

 ここで一つ質問します。中野区の自称フィルムコミッションの運営状況は現在どのような体制になっているのでしょうか。フィルムコミッションを名乗り始める前後で、中野区で撮影をするケースの数がふえているのかどうか教えてください。

○桜井観光・シティプロモーション担当課長 現在、区が実施するフィルムコミッションは、民間事業者等が、中野区内での撮影を希望した場合、区有施設の使用について調整等の支援を行ってございます。また、民間施設の使用希望があった場合については、撮影支援を行っている商店街等に情報提供するなどして対応しているところでございます。

 また、フィルムコミッションについて区ホームページに掲載したのは昨年の2018年11月ごろでございますけれども、2016年度から撮影件数を施策の指標とするなど取り組みを行っておりました。区有施設での撮影実績としましては、2016年度の126件に対し、2018年度は168件で2年間で約40件ふえている状況でございます。

○小宮山委員 川島商店街でも撮影を支援はしているんですが、中野区から紹介されたという撮影隊はあまり聞いたことがありません。本気でフィルムコミッションを運営していくためには、今のように、区の職員が本来業務の片手間に応じるのではなく、できれば複数の専従職員を置くような体制が必要であり、それなりにコストがかかるものです。しかしこれを、フィルムコミッションのコストとしてではなく、シティプロモーションのコストとして考えれば、そのコストはほぼ人件費のみと相当に安く、あの人形を中心としたシティプロモーション活動全般に1億円もかけたことや、近隣自治体が何億円も使ってテレビCMも含めたシティプロモーションをしていることを思えば、はるかに効率的で、007のショーンコネリーがかつて中野新橋駅で撮影をしたというように、いつまでも、いつまでも伝説として語り継がれるような、まちへの愛着を醸成するような永続的なシティプロモーションになるはずです。

 市民からエキストラの登録を募り、エキストラ出演者の手配を行っているフィルムコミッションも中にありまして、おらがまちの映画づくりに参加できたということは、地域への愛着を醸成する有効な手段となりますし、運よく自分の出演場面が採用された暁には、それこそ一生の記念となることは想像にかたくありません。

 私の友人は、大学時代にダンスサークルに所属しておりまして、周防正行監督の大ヒット映画「Shall we ダンス?」のエキストラとして映画撮影に参加し、彼の登場場面も一瞬ですが、映画に映っていると自慢話を聞かされたことがありまして、私もちょっとうらやましく思ったものです。

 それは余談ですけれども、全国各地のフィルムコミッションのうち、茨城では3.3億円、札幌では3.2億円、北九州や信州上田のような地方都市でも1億円の経済効果を上げているというデータもあります。今、中野区がシティプロモーションに使っているナカノさん人形に関しては批判の声も多く、炎上商法、炎上プロモーションとしては一定の成果を上げていると思いますが、果たして一体どれだけの経済効果を上げているというのか、今後きちんと報告をしていただき、本当に有効なプロモーションであったのかどうかきちんと検証する必要があると私は考えております。

 また話が逸れましたが、全国各地の自治体で漫画や映像作品の舞台となった場所を訪れる聖地巡礼という観光業界が盛んになりつつあることは皆さんも御存じでしょう。さらにフィルムコミッションや、やり方次第では現金収入さえ生み出すことができます。旧桃丘小学校、当初約束していた区民への還元がほとんどないままに占有をしていたあのタイケン学園も、小学校跡施設をコスプレ撮影イベントに貸し出したり、各種の撮影に貸し出し収益を上げていた節があります。

 区が直接利益を上げることは余り想定できないかもしれませんが、公共施設には撮影用のお高い特別料金を設定するかわりに、手続きを簡易にしたり、利用者名簿提出を不要にするなどの特別ルールを設けるとか、そのほか、観光協会とも利害調整をしつつ新たな外郭団体を立ち上げるとか、利益を上げる手法もないわけではありませんので、それを検討する余地もあると思います。

 映画やCMの撮影のためにわざわざ撮影しやすい地方都市までロケに行く撮影隊があることを思えば、都心から近く、交通の便がよい中野区で撮影したいという需要はそれなりにあるはずです。フィルムコミッションに力を入れている自治体は、23区内には台東区や墨田区など幾つかありますけれども、23区の西側にはほとんどありません。今、フィルムコミッション事業をきちんと運営していけば、大きな先行者利益を得ることも夢ではありません。

 繰り返して言いますが、あんな人形に何千万円の金をかけるよりも、専従職員を何人か置き、施設利用条件を整えるだけで、安価なコストで、あんな人形より有効な、やり方次第では億単位の経済効果を生むようなシティプロモーションができるはずです。フィルムコミッション事業の拡充を求めますが、区の見解を求めます。

○桜井観光・シティプロモーション担当課長 ロケの撮影などへの協力により、地域資源の情報発信や話題づくり、さらにロケ地訪問者などの来街者の増加といった効果が期待できることから、今後も区有施設の使用希望への対応や、また、民間施設の情報収集などを行うことをしまして、効果的な区のPRにつなげていきたいと考えてございます。

○小宮山委員 ぜひ拡充をお願いします。ありがとうございました。

 こちらに中野区の事業概要という冊子がありまして、1センチ弱ほどある厚い冊子なんですけれども、区が行政として所管をする、ありとあらゆる森羅万象の諸々が載っているのですが、この中に生き物に関する記述がほとんどなく、生物多様性の保全を所管する部署が不明確です。生き物に関する記述があるとすれば、保健所で有害生物の駆除やペットの取り扱いについて扱っている部分と、同じく保健所で赤痢菌とかノロウイルスなどの有害細菌について扱っている部分のみであります。赤痢菌を生き物に含めていいのかどうかわかりませんけれども、有害細菌に至るまで調べてみても、生き物に関する記述が全くないんです。

 中野区には緑の基本計画というものがありまして、その中における緑の定義として、草花や樹木だけでなく、その空間に生息する鳥や昆虫をはじめとする生き物や、水や大気を含む環境全体を対象とすると緑を定義づけております。なので、生き物に関して所管をするのは緑の基本計画を進行管理する公園緑地課という理解でよろしいのか、あるいはどこか別の部署で扱うのでしょうか、その答弁をお願いします。

○細野公園緑地課長 公園緑地課は緑の基本計画を所管しておりまして、生き物の生育、生息に必要な緑地の保全や緑化を推進していく役割でございます。

 緑の保全と緑化推進のための各種施策については、さまざまな所管によって実施されておりますが、その施策に関連する部署で構成する、みどりの推進会議というものも開催しているところでございます。このように進めております。

○小宮山委員 今までは地球温暖化対策担当で、今の部署名は何ていうのでしたっけ。今までの所管されていた部署と違うように思いますが、そのあたりの線引きをもう一度教えてください。

○細野公園緑地課長 今申し上げたところが、都市基盤部公園緑地課緑化推進係を中心に進めております。

○小宮山委員 今まで、かつて担当していらっしゃった部署は違う部署だったと認識していますけれども、今まで、昔からずっと公園緑地課のほうで担当してらっしゃるんですか。

○細野公園緑地課長 組織改正がございまして、環境部地球温暖化対策分野にあった緑化推進の担当が、都市基盤部公園緑地課に移って、この4月からやっています。

○小宮山委員 私も認識していない回答でしたが、それが何で認識できないかといいますと、ここにしっかりと明記をされていないからです。今回の答弁によりまして、それが明確になったということで非常に私もうれしく思っております。私の答弁によって、新しい、ちゃんと線引きができたということでうれしく思っております。

 人間は、この地球上に人間だけで生きているわけではありません。人間もまた生態系の一部であり、区内の各地でやたらと木を切ったり、自然環境をおろそかにしたりすることで地球温暖化など環境の悪化が進んでいく。私たちは大量絶滅の始まりにいると、さきの温暖化対策サミットでスウェーデンの16歳の少女は訴えました。今回、中野区はあろうことか、この事業概要の中に生き物について全く触れていなかったわけでありまして、恐らくこれはことしだけでなく、長年ずっとそうだったんだと思いますけれども、まちづくりにおいても生き物が暮らしやすいまちをつくるということは、人間が暮らしやすいまちをつくることであると。生き物が存在しにくいまちは、人にとっても暮らしにくいまちであるという視点をぜひ持っていただいて、この中野区における生物多様性の保護・保全に努めていただきたいと思います。区の意気込みを伺います。

○細野公園緑地課長 緑は生き物が生息・生育する場として必要不可欠であると同時に、ヒートアイランド現象の緩和や防災拠点となっている場、レクリエーション、憩いの場の提供等、都市に暮らす区民にとっても重要な生活基盤であるというふうに考えております。そのために、その緑豊かなまちの実現に向けて、今後一層取り組んでいきたいと考えております。

○小宮山委員 ぜひぜひ生物多様性のほうで、今まで中野区政ではそういった姿勢が全く見られなかったことなので、ぜひ生き物にやさしい中野区、人が暮らしやすい中野区にしていっていただきたいと思います。

 以上をもちまして私の総括質疑を終了します。ありがとうございました。

○山本委員長 以上で小宮山たかし委員の質疑を終了します。

 次に、立石りお委員の質疑をどうぞ。

○立石委員 無所属の立石りおでございます。

 令和元年第3回定例会におきまして、決算特別委員会におきまして総括質疑をいたします。

 当選後初ということで、少し思いを語らせていただきます。

 私の信念は、将来世代に負担を先送りすることなく、今生きている大人たちが責任を持って将来世代のための道筋をつくっていくことでございます。新規事業に充当できる一般財源の額が、令和2年の116億円から令和11年に57億円、約半減をし、今後10年の取り組みが非常に重要になってくると、白井委員からも御指摘がございました。私も全くそのとおりだと思っております。

 中野区は30代後半の職員が薄く、管理職候補が不足している状態から、10年後の厳しい財政状況を見据えて、今30代の職員、そして議員が、来るべき未来に備えて力を備えていかなくてはいけません。そうですよね、市川委員。(「そうだ」と呼ぶ者あり)その上で、区政の効率のよい行政経営を行い、質の高い政策立案、業務改善を推進していくために重要になるのが行政評価と考えております。事業一つ一つの課題を可視化し、仮説を検証していく過程で人材形成、政策立案能力の形成につながると考えております。また、区政のPDCAサイクルを機能させていく上でも、行政評価が非常に重要と考えており、その要となる、エビデンスベースドポリシーメイキングについて総括質疑をさせていただきます。

 まず、行政評価及び政策形成に関する人材育成について伺います。

 平成30年3月に策定された中野区人事構想の中で、職員2,000人体制を維持した場合、令和7年、職員年齢構成は30代以下の職員が半数以上を占め、40代職員は現在の21.6%から11.7%へ減少すると想定されております。

 また、中野区人事構想の中で、10年後に目指す職員像として、変化に対応し、区民の視点で考え、目標を明確にして、課題解決に取り組む自立した職員と示されており、職員にこれまで以上に特に求められる能力の一つに、調査研究・政策立案能力が挙げられております。

 私が調べた範囲では、中野区が行っている政策形成に関する職員研修は五つしかありません。その中で希望者のみで実施する政策形成ゼミナールは、毎年10名程度しか受講しておりません。政策形成ゼミナールは、管理職候補及び採用3年目以降の希望者が対象とのことです。受講比率は10%を下回っており、政策形成に関する人材育成が行われているかは疑問です。

 平成31年度中野区予算編成方針によると、新規拡充事業は、政策的位置付けと戦略的展開を明確にした上で、エビデンスベースで事業計画作成を徹底することとあり、また、これを担う職員が日常的に専門的知識等を習得するための経費についても一定程度計上するものとあります。

 そこで伺います。エビデンスベースで事業計画書を作成できるようにするため、人材育成について区は、この半年間でどのぐらいのコストをかけ、どういった成果を上げることができたのでしょうか。

○中谷職員課長 お答えします。今年度は、エビデンスベースの政策立案能力やデータ分析能力の向上を目的として、政策立案研修や政策形成ゼミナールを実施したところでございます。

 政策立案研修では、講師は内部講師で、庁内の会議室を利用して直営で実施したため物件費はかかっておりませんが、政策形成ゼミでは講師謝礼が約15万円かかったところです。

 成果といたしましては、エビデンスベースの政策立案やデータ分析の手法等を学び、今後の政策立案に生かしていくきっかけになったほか、エビデンスを重視する組織風土の醸成につながったというふうに考えてございます。

○立石委員 ありがとうございます。研修など、計画的に行われていると思いますが、ちょっと受講率については課題かなと思っております。

 続いて、今後、区の政策形成能力を向上するために、課長職員級、係長級職員、それぞれに対する人材育成はどのように進めていく方針でしょうか。

○中谷職員課長 職員の政策形成力を高める研修は、対象者やカリキュラムをブラッシュアップしながら、今後も実施していく必要があるというふうに認識をしてございます。また、政策形成力は実務で発揮する機会があることで向上していくと考えてございます。

 目標による管理の運用を通じて、新規事業の企画立案や職場横断的な課題解決の機会を与えるなど、実務における政策立案過程を通じて人材を育成していく必要があるというふうに考えてございます。

○立石委員 行政評価は、施策や事業の目標や現場の課題を可視化し、仮説設定やその検証ができるツールであり、政策形成能力の形成につながるものと私は考えております。行政評価で明らかになった課題を研修の素材とするなど人材育成に活用すべきと考えますが、職員課と業務改善課、それぞれの見解を伺います。

○中谷職員課長 行政評価において各事業の指標や目標の達成状況を評価し、課題の分析や抽出を行うとともに、事業の見直しや改善の方向性を検討するということは、政策形成能力の形成につながる実務経験であるというふうに認識をしてございます。

 行政評価の実務を通じて職員の能力の向上を図るとともに、行政評価制度で明らかとなった課題を政策形成ゼミなどの研修のテーマや素材として活用することができないか検討してみたいと考えてございます。

○高村業務改善課長 職員課長がお答えしたものと一部重複しますけれども、行政評価が事業の効果を測定評価できるものになれば、各課における事業の課題を浮き彫りにすることになるため、事業の見直しに有効になるものとなることはもちろん、課内で課題の共有ができるなどOJTとしても有効なツールになり、職員の政策形成能力の向上につながるものと考えてございます。

○立石委員 事業評価がきちっと効果測定ができるようになるようになればというところだと思うんですが、その点について今後質問していきたいと思います。

 ちなみに、中野区の施策評価の最大の課題は、結果として、現状を追認する仕組みになっていることだと考えております。平成30年度の行政評価の6区分とその結果の比率を伺います。

○高村業務改善課長 今後の施策の方向についてということで、全162施策中60施策の37%が拡充、79施策、48.8%が維持、22施策、13.6%が改善見直し、縮小がなし、廃止が1施策で0.6%。以上です。

○立石委員 私のほうでも調べましたが、改善見直しが13.6%、廃止が0.6%で、合計14.2%です。廃止したものについては、組織改正に伴うもので行政評価の結果ではございません。改善見直しが15%を切るというのは、施策評価そのものが現状追認型になっていると言えます。

 部単位で見ると、地域支えあい推進室、区民サービス管理部に関しては改善・見直しが必要な施策はゼロになっておりますが、この現状についてどのように考えますか。

○高村業務改善課長 施策における見直し・改善の方向性を今は示していますので、このような結果になっているかというふうに考えております。施策では、各事業の成果を踏まえ評価することとしておりますが、事業と施策指標の因果関係が明確でないなどの課題もあると認識しておりまして、事業の評価、つまり事業の効果を適切に図り、評価することで、そういった形の仕組みに変えることで異なる結果になると考えております。

○立石委員 次に、指標の基準値、標準値であるベンチマークについてですが、中野区にとって適正な数値なのか疑わしいものがございます。例えば、主要施策の成果(別冊)115ページの地域支えあい推進室の指標に唐突に他県の指標が使われるなど、ベンチマークを採用する際に、人口規模や経済規模などが考慮されているのかが疑わしい状況です。

 また、現状は事務事業を評価するために必要な事業単位の目標、計画と実績のコスト比較がないため、事業単位での評価ができないのが実態です。そのために一つひとつの事務事業のあり方を検討したり、指標を達成したかどうか判断ができない状況です。

 施策番号0401、継続的に改革される区政運営では以下のように整理されております。施策目標には電子申請の利用が進み、簡単に手続きが済ませられるようにとあります。そのための事業として、電子手続の推進、マイナンバー制度の利活用の推進は利便性向上という点では妥当だと思います。また、施策指標として、携帯電話、スマートフォンでの申請が可能な手続きの割合も妥当だと考えております。

 一方で、電子申請の利用が進むといった施策目標を達成させるためには、電子申請の利用を推進するための広報活動なども必要と考えますが、それらに関する事業の実施記載や認知度等の指標がございません。よりよい指標をつくるために定期的な見直しが必要と考えますが、何年ごとの見直しを行っておりますか。

○高村業務改善課長 毎年、翌年度の区政目標の作成にあわせまして、指標の見直しは実施しているところではございます。ただし、実績数値の継続性から指標を変えられない場合や、10か年計画と同様の指標にしているなど、計画改定に合わせて見直す場合があるという現状もあるのも事実です。

○立石委員 これまでの施策評価の場合、指標の目標値の達成に貢献する優先順位の高い主な事業としてピックアップしていたのだと認識しておりますが、事業評価中心にシフトすることで、評価の対象とする事業の優先順位や基準についてはどのように考えていますか。

○高村業務改善課長 評価の具体的手法につきましては今後検討していきますけれども、その時点での区政の重要課題、これから改定する基本計画で位置付けられた重要政策に関する事業、それから区民生活に大きな影響がある事業などが優先順位の基準になり得るのではないかと現時点では考えてございます。

○立石委員 これから基本計画を作成し、政策体系も整理されると思いますが、政策の目標設定や事務事業の効果検証など、必要とあれば外部の専門家のお力も借りる必要があると思っております。ただ、将来的に、こういった政策形成に関する業務は内部の人材で行われるべきだと思いますので、計画的な人材育成に努めていただければと思います。

 続いて、事務事業評価には政策の進捗状況を測定するKPIの役割があると考えております。妥当な政策目標と指標の設定、政策に基づく事務事業の評価が重要になると考えますが、業務改善課としてはどのように考えておりますか。

○高村業務改善課長 政策・施策事業、これを体系化、政策の体系化をし、目的と手段の関係で体系化された事業についてその効果を測定評価することで、政策目標と事業評価の連動性が図られると考えてございます。

○立石委員 続いて、事業評価の具体的な設定する指針についてですが、事業単位で評価をする際には、インプット、アウトプット、アウトカムの指標設定が必要になるわけですが、1、具体的には単年度ごとに測定する活動指標と成果指標、2、3年から5年単位で測定する効果指標、3、事業費、職員数の内訳、単位当たりコスト、財源の内訳、受益者負担率などの指標です。その上で、事業評価へ一層シフトをした後、活動指標と成果指標のあり方についてはどのように考えていますか。

○高村業務改善課長 事業の性質にもよりますけれども、事業の効果を測定することがまず大事だと考えておりまして、その点において、アウトプット、アウトカム、活動指標であるとか成果指標であるということにはあまりこだわる必要はないと認識してございます。したがいまして、活動指標により事業の執行を進捗や効率性の点から評価すること、また、成果指標により施策の手段としての事業の必要性や有効性を評価することができると考えておりまして、評価にこれらを組み合わせていくことになるかと現時点では考えております。

○立石委員 続きまして、平成30年度中野区予算編成方針にある事業の評価・改善では、経費の削減や事業効果の向上等の観点から、これまでに方向性が確認されているものはもとより、全ての事業について、事業の廃止、統合、縮小、執行方法の変更等について、改めて具体的に検討を行う必要があるとされております。

 平成30年度の施策評価の結果を見ると、今後の方向性については判定理由がわかりにくいものになっています。例えば、施策番号0105、ユニバーサルデザインの視点が取り入れられた区政の推進のように、三つの指標を全て達成していない施策であっても拡充の判定がされているものがあれば、一方で、施策番号0401、継続的に改革される区政運営のように、指標目標を全て達成している施策であっても改善・見直しの判定がされております。このように評価が分かれるのは、指標の達成率とは別に、区政にとって重要な施策であるため拡充の判定をされているのだと思います。

 事業において指標の達成率だけではなく、緊急性や必要性、あるいは民間サービスの代替可能性なども評価の基準として必要と考えますが、この点についてはいかがでしょうか。

○高村業務改善課長 事業の性質にもよりますが、評価、立案見直し時ともに、単年度の実績では評価できない事業の扱いや、費用対効果、それから民間サービスによる代替性などの視点から検討する必要がある評価対象もあると考えてございます。

○立石委員 また拡充の判定をされた事業についても、手法の改善・見直しが必要な事業もあれば、予算の見直しが必要な事業があると思います。それぞれの判定が必要になってくると思いますが、そちらについてはどのようにお考えでしょうか。

○高村業務改善課長 費用対効果などの効率性の観点は基本であり当然だと思いますので、拡充と評価された事業におきましても、必要最小限の予算で効果的な、また効率的な事業執行につながるようにしていくという考えでございます。

○立石委員 また事業の特性によっては、アウトカムや成果の指標が設定が難しいケースがあると思っておりまして、あと、事業の性格によっては評価方法を変えないといけないものがあると思っております。例えば施設管理事務などです。そういった事業の特性によって評価方法を区分するという考えはございますか。

○高村業務改善課長 事業の性格によって評価基準を変える必要があるかと認識しております。委員が今お示しになった例もありますし、また、例えば区の独自事業ですとか、法定受託事務ですとか、内部管理事務ですとか。今の一例ですけれども、こういった、いわゆる評価の分類と評価と、それに合わせた基準というものを今後検討していく必要があると思っています。

○立石委員 区民サービスやまちづくり、あるいは内部管理事務など事業の特性がそれぞれ異なるものがございますので、そういった区分に対しても、やはり異なる基準を設定する必要があると考えておりますが、その点についてはいかがでしょうか。

○高村業務改善課長 先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、そういった視点で、今の委員おっしゃったような視点でも検討を進めてまいりたいと考えてございます。

○立石委員 中野区で、9月からオープンデータがスタートをしておりますが、行政評価の結果を、政策立案や業務改善を検討する際に参照しやすい形式でオープンデータ化すべきと考えますが、この点についてはいかがでしょうか。

○高村業務改善課長 現在、行政評価結果は、庁内的には職員がグループウエアで閲覧できるように表形式で掲載しております。対外的には区ホームページにPDF形式で評価結果を公表しております。

 まずは事業の効果を測定・評価できる仕組みに改善することが第一だと考えてございますが、新たな評価方法が定まった後、今後、さまざまなデータを広く庁内外で政策形成に活用していく取り組みを進める中で、区のオープンデータ推進の考えを踏まえまして、参照しやすい形のデータ提供を実施していきたいと考えてございます。

○立石委員 事業評価、行政評価ですね――を検索したり、分析しやすい形で公開されることによって、さまざまな提案に進むと思っております。例えば事業量を把握することで業務改善やRPAの導入根拠にすることができますし、また定数計画を作成する際にも配置を検討しやすくなると考えております。

 中野区PDCAサイクルでは、行政評価結果を踏まえて、職員定数計画を検討するフローになっておりますが、こちら、行政評価結果を十分に活用できておりますか。

○中谷職員課長 お答えします。行政評価の結果、事業の廃止や委託や民営化を行うことになった場合などには、それに伴う定数の減を検討することができますので、一定程度活用できていると認識してございますが、細かい事業量につきましては、主な事業や施策といった単位ごとに、業務量に応じて案分した人件費として計上してございますので、そのまま定数計画の判断材料とするのは難しいというふうに考えてございます。

○立石委員 これから新しい事業評価制度をつくるというところですので、職員課と業務改善課で可能な限り連携して、定数計画に活用できそうな指標の設定に努めていただければと思っております。

 続いて、エビデンスベースドポリシーメイキングの実践的な可能性についてですが、OECDの定義によると、「政策オプションの中から決定し選択する際に、現在最も有益なエビデンスを誠実かつ明確に活用する」とあります。

 ちょっとわかりづらいんですが、具体的なイメージとしては、1、新しい課題もしくは成果を出せていない従前の事業検討するものとして設定、2、課題と従前の事業を分析し、想定される1から3程度の原因を設定、3、原因に対しての打ち手を設定し実施、4、実施した事業の中で一番効果があったものを新規事業として採用、5、補正予算もしくは新規事業として実施するものです。

 実践事例としましては、2018年に、神奈川県葉山町がごみの不法投棄を解決するため、住民協働で取り組んだ事例を御紹介いたします。不法投棄の状況をモニタリングしたところ、悪意のあるポイ捨ては少数で、収集終了後に後出しをしているケースと、排出場所、分別間違いが多いことがわかりました。そこで対策1としては、収集終了を案内する看板の設置、対策2としては、正しい排出場所、分別方法を案内するチラシの配布、地域ごとにグルーピングして対策1を実施する地域、対策2を実施する地域、何も実施しない地域に分かれて対策ごとの効果測定を行いました。その中から最も効果のあった対策1を予算化して施策に取り入れたという事例です。

 中野区においても新規事業については試験的に実施し、例えば事前評価、予算化、実施、事後評価の3年サイクルで検証することとし、事業効果があるものや、今後より効果が見込めるものを拡充するようにしてはいかがでしょうか。

○高村業務改善課長 新規事業の実施に当たりましては、現在も区の予算編成方針等において、エビデンスをもって事業計画を作成することとしておりまして、その効果について適切に評価し、必要な見直し改善を行うこととしております。

 委員が御指摘のとおり、事業によっては事前調査を実施したり、あるいは事業の実施結果を踏まえた上で対象を拡充するなどができないか、こういったことも評価の仕組みの見直しの中で検討してまいりたいと考えてございます。

○立石委員 ぜひ新しい取り組みについて検討していただければと思います。

 続いて、エビデンスベースの政策サイクルを機能させるためには、政策等の成果の把握とそのほか、評価の方法に関する調査及び研究を推進するための体制を整備する必要があると考えております。今、区民意識調査など、定点観測として企画課が行い、そのほかの調査については個別計画の作成及び見直しのタイミングで担当部署が行っていると思いますが、平成30年度中野区が実施した調査と担当の部署について確認させてください。

○杉本企画課長 昨年度、区が実施した区民向けの調査としましては五つ認識してございまして、中野区区民意識実態調査を企画部が、ひとり暮らし高齢者等確認調査を地域支えあい推進部が、健康福祉に関する意識調査を健康福祉部が、中野区子ども・子育て支援事業計画(第2次)策定に伴うアンケート調査分析業務を子ども教育部が、区民移動実態調査に関するアンケート調査を都市基盤部が実施してございます。

○立石委員 今、担当部署がそれぞれ調査を行っていると思いますが、政策体系を整理した後、区が実施する調査を戦略的に活用すべきと考えておりまして、調査の信頼性を担保するとともにデータを有効活用するために企画部主導で調査を実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○杉本企画課長 これまでに区が実施しました調査につきましては、所管部署において調査対象や調査項目などを定め施策の基礎資料として用いるほか、施策目標の設定や行政評価の成果指標等に活用してきたところでございます。

 エビデンスベースに基づく政策形成に向けましては、共通の課題認識に基づいた設問設定や精度の高い総合的な分析などを課題として抱えてございます。今後も、区民サービスの向上に向けた各種調査の実施形態やデータの分析手法につきまして研究を進め、さらなる充実強化を図ってまいりたいと考えてございます。

○立石委員 組織改正にも伴うことだと思いますので、具体的にすぐに進めることは難しいと思いますが、こういったエビデンスベースの政策サイクルを回す司令塔として、そういった機関の設置もぜひ検討いただければと思っております。

 続きまして、総務省が実施した地方公共団体における行政評価の取り組み状況に関する調査結果によると、行政評価の課題として最も回答が多かったのが行政評価事務の効率化です。これまで私も、細かく行政評価の仕組みについて言及してまいりましたが、行政評価は手段であって、業務の負担となり効率化が低下してしまえば本末転倒とも言えます。事務事業評価を中心にシフトすることで、評価の負担が増加することが見込まれますが、効率化する方法などを担当の方は考えられていらっしゃいますか。

○高村業務改善課長 今までお答えしました評価の対象とする事業の優先順位ですとか、事業の特性による指標の設定、事業の性格による評価基準の設定などを検討する、これ自体が効率化にもつながると思いますし、また、評価事務の効率化、事務の煩雑さの軽減の視点も、この検討のときにあわせて検討していくことで効率化を図ってまいりたいと考えてございます。

○立石委員 ありがとうございます。事務事業評価が進むことで事業の課題が明らかになり、それに向けた建設的な議論がこれから進んでいくものと考えております。

 私自身もいろんな失敗をしてきましたが、その結果をしっかり受けとめて、その課題の原因の分析をして対策を検討する中で手ごたえを感じたり、成長を実感できたという経験もございましたし、行政経営にも、事業の一つひとつの制度にも、こういった評価、チェックですね、非常に重要だと思っておりますので、いい事務事業評価制度をつくっていただければと思います。

 これで私の全ての質問を終わります。ちょっと初めての総括質疑で、前半ちょっとお騒がせしてしまいましたが、どうもありがとうございました。

○山本委員長 以上で立石りお委員の質疑を終了します。

 以上で総括質疑を全て終了します。

 明日9月26日からは各分科会が予定されています。本日の委員会終了後、会場設営を行いますので、持参された資料等は机の中のものを含め全てお持ち帰りいただくようお願いいたします。

 次回の委員会は、10月2日(水曜日)午後1時から当委員会室で開会することを口頭をもって通告します。

 以上で本日の決算特別委員会を散会します。

午後4時13分散会