令和2年01月16日中野区議会地域包括ケア推進調査特別委員会
令和2年01月16日中野区議会地域包括ケア推進調査特別委員会の会議録

地域包括ケア推進調査特別委員会〔令和2年1月16日〕

 

地域包括ケア推進調査特別委員会会議記録

 

○開会日 令和2年1月16日

 

○場所  中野区議会第1委員会室

 

○開会  午後1時00分

 

○閉会  午後4時30分

 

○出席委員(14名)

 来住 和行委員長

 内川 和久副委員長

 日野 たかし委員

 間 ひとみ委員

 河合 りな委員

 加藤 たくま委員

 小宮山 たかし委員

 白井 ひでふみ委員

 石坂 わたる委員

 近藤 さえ子委員

 浦野 さとみ委員

 高橋 ちあき委員

 森 たかゆき委員

 むとう 有子委員

 

○欠席委員(0名)

 

○出席説明員

 子ども教育部長 戸辺 眞

 子ども家庭支援担当部長 小田 史子

 子ども教育部子ども・教育政策課長 永田 純一

 子ども教育部保育園・幼稚園課長、子ども教育部保育施設利用調整担当課長 濵口 求

 子ども教育部幼児施設整備課長 板垣 淑子

 子ども教育部子育て支援課長、子ども家庭支援センター所長 神谷 万美

 子ども教育部児童相談所設置調整担当課長 半田 浩之

 子ども教育部育成活動推進課長 伊藤 正秀

 子ども教育部子ども特別支援課長 中村 誠

 地域支えあい推進部長 野村 建樹

 地域包括ケア推進担当部長 藤井 多希子

 地域支えあい推進部地域活動推進課長 伊藤 政子

 地域支えあい推進部トータルケア調整担当課長、北部すこやか福祉センター所長 小山 真実

 地域支えあい推進部アウトリーチ調整担当課長、南部すこやか福祉センター所長 石濱 照子

 地域支えあい推進部地域保健福祉調整担当課長、中部すこやか福祉センター所長 志賀 聡

 地域支えあい推進部システム活用調整担当課長、鷺宮すこやか福祉センター所長 鳥井 文哉

 地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長 高橋 英昭

 地域支えあい推進部介護・高齢者支援課長、地域支えあい推進部高齢者支援担当課長 葉山 義彦

 健康福祉部長 朝井 めぐみ

 健康福祉部福祉推進課長 長﨑 武史

 健康福祉部障害福祉課長 河村 陽子

 

○事務局職員

 書記 髙橋 万里

 書記 野村 理志

 

○委員長署名


審査日程

○議題

 地域における見守りや支えあい活動の推進及び地域包括ケア体制について

 地域の子ども・子育て支援について

 児童相談所の整備について

○所管事項の報告

 1 (仮称)総合子どもセンター等の検討状況について(児童相談所設置調整担当)

 2 中野区地域包括ケアシステム推進プランにおける指標の達成状況について(地域包括ケア推進課)

 3 中野区における全世代向け地域包括ケアシステムの推進に関する基本的な考え方について(地域包括ケア推進課)

○その他

 

委員長

 それでは、定足数に達しましたので、地域包括ケア推進調査特別委員会を開会します。

 

(午後1時00分)

 

 本日の審査日程ですが、お手元に配付の審査日程(案)(資料1)のとおり進めたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

 

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 御異議ありませんので、そのように進めます。

 なお、審査に当たっては5時を目途に進め、3時ごろ休憩をとりたいと思いますので、御協力をお願いします。

 それでは、議事に入ります。

 地域における見守りや支えあい活動の推進及び地域包括ケア体制について、地域の子ども・子育て支援について、児童相談所の整備についてを一括して議題に供します。

 初めに、所管事項の報告を受けます。

 1番、(仮称)総合子どもセンター等の検討状況についての報告を求めます。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 それでは、(仮称)総合子どもセンター等の検討状況につきまして、資料(資料2)に沿って御報告申し上げます。

 区では、子ども期から若者期の本人や家庭における課題についての専門相談、支援、措置、家庭・社会復帰までを総合的に実施するため、児童相談所機能を含む(仮称)総合子どもセンターについて、令和3年度の開設に向けた準備を進めております。

 (仮称)総合子どもセンターにつきましては、中野東中学校、教育センター、図書館との複合施設となります。複合施設は地上10階建てで、大まかな配置といたしましては、中学校が1階から5階、(仮称)総合子どもセンターが3階から6階、図書館が7階から9階、教育センターが10階を計画してございます。

 1、業務開始日でございます。(仮称)総合子どもセンター及び教育センターの開設日につきましては、令和3年11月29日を予定してございます。

 なお、児童相談所機能につきましては、分室の整備スケジュールなどの関係から令和4年2月1日を予定してございます。

 2、(仮称)総合子どもセンターの機能でございます。(仮称)総合子どもセンターでは、地域の関係機関との連携強化をはじめ、地域資源を最大限に生かし、子ども・教育に係る専門性の高い相談支援・指導・措置等、切れ目のない支援等を迅速、的確、総合的に展開してまいります。

 また、対応事例や課題を持つ子ども・若者をめぐる環境の変化等の分析、検証を行いノウハウを蓄積するとともに、課題を持つ子ども・若者や家庭における対応方針の提案を行うなど、関係機関や区の関連部署との対応力強化を支援してまいります。

 (1)総合相談でございます。養護、障害・発達、非行、不登校、教育、性格・しつけ・適正・ひきこもりなどの課題を抱える子ども・若者とその家族に対しまして、福祉、心理、教育等の専門的知識・技術を用いた総合相談を一元的に実施してまいります。

 (2)児童相談所・虐待等専門相談でございます。区が設置する児童相談所機能と、現在の子ども家庭支援センター機能を統合、一体的に運営することにより、切れ目のない効果的な相談・支援を行ってまいります。

 (3)若者支援でございます。ひきこもりなどにより社会生活への適応に課題のある若者とその家庭に対して、本人と家族の状況を総合的に把握し、段階的に自立につながる支援のコーディネートを実施してまいります。

 (4)発達支援施策調整でございます。障害や発達に課題のある子どもの早期発見及び一貫した支援を継続するための制度整備・調整・啓発を行ってまいります。

 (5)特別支援教育でございます。障害のある子ども一人ひとりの教育的ニーズの把握と適切な教育や指導、支援、巡回相談を通じて、一人ひとりの発達段階に応じたきめ細やかな対応を推進してまいります。

 (6)就学相談でございます。幼児・児童・生徒の発達段階及び障害の状態に応じた教育の場を提供するため、個々の状態に応じた相談を行ってまいります。

 (7)教育相談でございます。教育相談につきましては、教育センター機能の一部となります。学業・進路、不登校、いじめ、性格・行動・発達など、子どもにかかわる問題についての相談を行ってまいります。

 最後に、(仮称)総合子どもセンターの機能イメージを添付いたしました。総合相談窓口を入り口といたしまして、関係機関とも連携しながら専門相談、支援・措置などを行ってまいります。

 御報告は以上でございます。

委員長

 それでは、ただいまの報告に対しての質疑を受けたいと思います。

加藤委員

 前回の12月の委員会の際に出てきた資料で、中野区子ども・子育て支援事業計画(第2期)におきまして、子ども版の地域包括ケアシステムの推進というのがあり、その中で地域包括ケア推進課と子ども家庭支援センター、子ども特別支援課、この三つで、子育て家庭を地域で守り支えあえる仕組みの構築の中の地域包括ケアシステムの推進というのがあります。その中で、この総合子どもセンター中に、その三つの部署の中の一つの子ども家庭支援センターというのがあるんですけれども、この子ども家庭支援センターは、この子ども版の地域包括ケアシステムにおいて、そのヘッドクオーター機能を担うのかどうかというのをお伺いします。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 (仮称)総合子どもセンターにつきましては、お子さんに関する相談等に関しまして、区の中核的な機関として位置付けるという方向で検討のほうをしているところでございます。今、委員おっしゃいました子ども家庭支援センターと、これから新しく立ち上げる児童相談所機能を一体的に運営いたしまして、すこやか福祉センター、子ども特別支援教育、そういったものとも連携しながら、今後、相談のほうに応じてまいりたいというふうに考えてございます。

加藤委員

 そうすると、児童館を区内に中学校区ごとに全部で9カ所残すといっているところと、このイメージ図にその児童館というのが入っていないというところで、全体的な調整がとれているのかなというところがちょっと疑問になったんですけど、その辺はどうなっているんでしょうか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 お子さんに関する相談につきましては、当然新しい児童館機能とも連携して進めてまいりたいというふうに考えております。児童館、すこやか福祉センターその他、また民間の関係機関等を含めたイメージ図につきましては、今後、改めて調整の上お示ししたいというふうに考えてございます。

加藤委員

 そうしたら、このイメージ図はまだ未完成という解釈でよろしいですか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 こちらのイメージ図につきましては、今、東京都のほうで行っております児童相談所機能、あと、中野区のほうで行っております子ども家庭支援センター及びすこやか福祉センター、その大まかなイメージ図というふうな形で捉えていただければと思います。

加藤委員

 その未完成なものをなぜこのタイミングでこういうふうに出すのかなというところで、庁内でちゃんと調整がとれているかなというところが気になるところなんですけれども、その辺は、このタイミングでこの御報告があった理由というのは何なんですか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 まず、今回の御報告につきましては、開設日のスケジュール等についてお示ししたものでございます。

 また、機能につきましては、今ある東京都の児童相談所、あと中野区で今行っております子ども家庭支援センター、こちらにつきまして一体で運営するということを改めてお示ししたものでございます。

 区全体の関係機関との連携につきましてはこちらのほうには掲載しておりませんけれども、先ほど申し上げたとおり、今後、改めて調整した上でお出ししたいというふうに考えてございます。

加藤委員

 その辺のところは、全体的な調整が本当になされているのかどうかというのが疑問に残るところでございますけれども、各出先機関をしていますすこやか福祉センターと、ここに色も変えて出しているぐらいなんですけど、そういうところが本当は中心なのかなと認識はしているところであります。

 ちょっと別の観点から質問させていただきますけれども、総合窓口というところで全てを、この図のところなんですけれども、この矢印がそのまま総合相談のところからついているんですけれども、発達支援施策調整、特別支援教育というところは、この中で特に矢印が書いていないところなんですが、この辺のイメージを教えていただけますか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 こちらの矢印につきましては、区民の方、お子さんですとかその御家族の方たちから御相談があったときに実際につなげる場所ということで、児童相談所ですとかあるいは就学相談、そういったところに矢印を引っ張っているところでございます。

 発達支援施策調整と特別支援教育につきましては、区全体の政策的な調整、そういったものを行う機能としてとらえておりますので、こちらでは矢印ではなくて、センターの中で政策調整を行うようなイメージでこちらのほうに記載させていただきました。

加藤委員

 中で調整するだけじゃなくて、またこれも外に出していくのかなというところで、この辺に関してもちょっとイメージがまだできていないのかなというところで、しっかりとやっていただけたらなと思います。

 結局この総合相談というところは、区役所じゃなくて、今後は総合子どもセンターで行っていくという形になっていくということなんですか。連携とあるので、すこやかの窓口でもできていくのかというと、その辺の総合相談というのがどういうふうになされていくのかというのを、全体的なイメージを教えていただけますか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 現在区役所の3階のほうでは、こちらに載せている機能とは別に、子育てに関するサービスですとか、あと保育園の入所に関するものですとか、そういった相談に関しましては引き続き区役所のほうで行うようなことを考えてございます。

 今後、お子さんに関する相談でどこに相談していいかわからないものですとか、あるいは、いわゆる虐待に関するものですとかそういったものにつきましては、まず最初に御相談いただく窓口につきましては、こちらの(仮称)総合子どもセンターの総合相談というふうに考えてございます。

加藤委員

 今その設立の準備をしているところですけど、結局、最終的にはこの総合子どもセンターというのは何人で運用していくというようなイメージなんでしょうか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 こちらの(仮称)総合子どもセンターに配置する職員数につきましては、現在、業務の整理も含めまして検討中でございます。

森委員

 御報告ありがとうございます。まず確認なんですが、業務開始日というのは、この日付までというのは初めてですかね、今回。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 (仮称)総合子どもセンター等に関する業務開始日につきましては、お示しするのは今回が初めてでございます。

森委員

 これまではどういう御説明でしたか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 (仮称)総合子どもセンターの開設につきましては、令和3年度ということでお示ししてございました。ただ、複合施設の工事のほうがおくれるということで、工事の竣工時期につきましては令和3年9月ということで、そこまではお示ししたところでございまして、業務の開始日につきましては今回お示ししたところでございます。

森委員

 総合子どもセンターがあくのと、児相機能が開始するのとの間に時間があくというのが出たのは初めてですか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 こちらの開始日の違いにつきましても、お示しするのは今回が初めてでございます。

森委員

 令和3年度と言われた場合、当然その間1年間あるわけですね。最短だと3年4月だと思っちゃうわけですけど、これだと4年の2月、要するに10カ月間あるわけですね。これはもともとこういう想定だったんですか。令和3年度と発表したときは、3年度4月ということを想定されていたんじゃないんですか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 以前お示しした令和3年度につきましては、委員御指摘のとおり令和3年4月のほうを想定していたところでございます。

森委員

 前回のこの委員会で、別の報告ですけど、おくれるというのは、おくれるのが悪いんじゃなくて、そこに何がしか原因があるんでしょう。私の経験上、そのおくれる原因にこそ事業の肝がある場合が多いんだから、それをちゃんと説明してよという話をさせていただいたつもりだったんですけど。これもこうやって言われる前に説明してほしいわけですよ。一々スケジュール全部確認しないといけないのは結構大変なんでね。今のやりとりだって要らないわけです、事前に説明していただければ――というのは、また改めてお願いをしたいと思います。

 それで、2月になるというその理由は何なんですか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 まず、総合子どもセンターのこちらの建物につきましては、先ほど申し上げたとおり令和3年9月の竣工ということになってございます。そちらの準備等を始めまして、この総合子どもセンターの業務開始日そのものは11月29日で想定しているところでございますけれども、これとは別に、分室、いわゆる一時保護所のほうの整備を進めているところでございますけれども、こちらにつきましては現在、実施設計を行っているところでございます。実施設計を行っている段階で、工事の完了が令和3年10月ごろということで、今、業者のほうから大体のスケジュールが出ているところでございますので、その後、開所までの準備を含めますと児童相談所機能の開始が令和4年2月になるということでございます。

森委員

 最後の児相のところがよくわからなかったんですけど、もう一回説明していただけますか。

小田子ども家庭支援担当部長

 総合子どもセンターと児童相談所機能の開始が異なる大きな違いは、一時保護所ができ上がらないということで、児童相談所としてスタートするためには、やはり一時保護所というものが建物としてでき上がって、中が機能が合わせる状況になる必要がございまして、それですみません、ずれが2カ月ほど出てございます。

 これにつきまして、今、東京都のほうとも協議させていただいておりますが、その一時保護所の、いわゆる工事のほうの終了、それと初度調弁等を合わせましたスケジュール感でちょっとおくれているところでございます。

森委員

 わかりました。要するに、一時保護所もあかないと児童相談所としてはスタートできないということなんですね。ありがとうございました。

 そうすると、これを見て懸念をしたのは、結局、こうやって絵をかくのはいいんですけど、これをやりますというのはいいんですけど、それができる人員体制、専門性、経験を有している人が本当に確保できますかというところが一番心配なわけですね。このスケジュールを見ると、そこに問題が生じているんじゃないかなって心配をしちゃったんですが、そういう状況ではないんですか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 職員につきましては計画どおり採用等を進めておりまして、また、研修、派遣等も計画どおり進めているところでございますので、職員の関係で今回、開所がおくれるとかそういったことではございません。

森委員

 ありがとうございます。

 それから、この総合子どもセンターの機能の中に、2段落目のところですね、「子ども・若者をめぐる環境の変化等の分析、検証を行い」云々という話が書いてあるんですが、「環境」というのは、子ども、若者、その周りがどうなっていますかという話じゃないですか。

 一方で、本年度は子ども自身の生活はどうなっているのかなという調査をしているわけですよね。環境という範囲でどういうものを想定しているのかわからないんですけど、要するにこういう事業をやっていくときには、子どもの生活実態とその周りの環境と両方を把握していないといけないんじゃないかなというふうに思うわけですが、なんでこの「環境」という言葉なのか、あるいは「環境」という言葉でどういうことを想定しているのか、そのあたりを御説明ください。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 委員おっしゃるとおり、まずお子さんにつきましては、お子さん御本人の状況ですとか、個性ですとか、そういったものを確認した上で御相談に対応させていただくという形になりますけれども、環境につきましては、おっしゃるような家庭の環境とかですね、例えば今ですと、いわゆるひとり親の世帯ですとか、経済状況ですとか、そういったいろんな状況があるかと思いますので、そういったお子さんの周囲の環境につきまして、今後児童相談所を立ち上げていく中でさまざまなケースの蓄積ですね、これまでは、中野区で持っているケースにつきましては、子ども家庭支援センターだけで対応していたケースが情報になりますけれども、それに加えて、児童相談所機能が加わることによって相談に対応するケースもふえるかと思いますので、そういったふえたケースを経年的に蓄積していくことによってその変化に応じた対応をしていきたい、そういうふうに考えてございます。

森委員

 ある意味当たり前の話ですけど、子ども本人の状況もちゃんと見ていただけるということだというふうに理解をしました。

 今年度やった調査は中学生までなんですね。そうすると、区政という意味でいうと、高校生というところがどうしても対象から外れてしまいがちだなということをずっと感じているわけです。今回の資料を見ても、「不登校」という言葉は出てきます。「中退」という言葉は出てこないんですね。高校中退というのはある意味非常に大きな問題だと思っているんですが、例えば私が東京都のほうの教育委員会に聞いても、区ごとの高校中退者数みたいなものは数字がないと言われるんですね。なのでここの支援というものは、この総合子どもセンター、児童相談所を含めてスタートするタイミングで、ここもしっかりと網をかけていかないといけないんじゃないかなというふうに思っているんですが、そのあたりいかがでしょうか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 今回、(仮称)総合子どもセンターの開設に当たりまして、新しく若者支援事業のほうを開始するところでございます。若者支援事業の内容につきましてはこちらに記載してあるとおりなんですけれども、具体的な内容につきましては今後検討して、また改めてお示ししたいというふうに考えてございます。その検討の中で、当然委員おっしゃったような高校中退ですとか、そういった方につきましては、今、区で拾えていないようなお子さんについてどういったフォローができるのか、支援ができるのかということにつきましては今後検討してまいりたいというふうに考えてございます。

白井委員

 1番の業務開始日というところが今回の報告の一番肝で、あとはほとんどこれまで見たことあるかなという資料です。

 確認です。今、森委員の答弁からもありましたけれども、総合子どもセンターの開設がこの11月29日になっています。その中で、今答弁された若者支援がこの位置付けとしては新しいですよね。この事業自体が11月29日からスタートするということのあらわれですか、この業務開始日というのは。総合子どもセンターは開設するけども具体的な事業はまた別途となるのか、ここを確認させてください。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 こちらの(仮称)総合子どもセンターにつきましては、若者支援事業も含めた上での(仮称)総合子どもセンターということになりますので、この支援事業につきましても全く同じ業務開始ということで、その方向で現在検討しているところでございます。

白井委員

 そうすると、一覧の事業のやつは示されているんでしょうけども、この若者支援のところは特段、11月29日、令和3年のこれを目指して、具体的スキーム、いつまでに何をつくっていくのかというところを示していただく必要があるかなと思います。この辺のスケジュール感、今考えておられるところはありますか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 若者支援事業につきましては、現在内部で検討しているところでございますけれども、できるだけ早い段階で委員の皆様にお示しできるような形で御報告できればと思っております。

浦野委員

 今の若者支援のところに関連して伺いたいんですけども、ここで言っている若者という年齢についてなんですけれども、39歳までということでいいんでしょうか、確認させてください。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 基本的に、委員おっしゃるとおり39歳までの方を想定してございます。

浦野委員

 今回、この子ども家庭センターの報告なのであれですけど、ひきこもりの支援については、これまでいろんな本会議や委員会等でも、他の議員も含めて、私も幾つか提案も含めてさせていただきましたけれども、今言われている8050、要は39歳以上の方も対象になってきますよね。国が調査をしたときも、むしろ40から60までの人数のほうが多いというような統計も出ています。そこについては、今回このセンターについての報告なんですけど、ひきこもりという言葉が出てきたのであえて伺いたいんですけれども、40歳以上の方については今どういう検討がされているのか確認させてください。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 ひきこもり等に関しましては、これまでもすこやか福祉センターをはじめとしましてさまざまな窓口でお受けをして、それぞれに応じた対応をしていくということで整理してまいりましたので、今後も同じような形で、それぞれの部署が、そこの持つ特質に応じて対応していくものというふうに考えておりまして、全体的な連携の強化などに関しましては、今後、庁内会議などを通じて、この後、私のほうからも御説明させていただきますけれども、全庁的な推進体制の中でさらに調整と連携の強化を図ってまいりたいと思っております。

浦野委員

 この後の包括ケアのとこであるのかなと思うんですけども、区としては年齢を区切りますよ、でもその方にとっては、39でも40でも自分の人生の中でのスパンの過程なので、なんかそこの年齢で分けられる問題ではない部分というのもあると思うんですよね。今回、ひきこもりの支援という形で具体的に出てきたのであえてお聞きしたんですけれども、では、後の報告も受けて、そこは重要な課題だと思っていますので確認したいと思います。

 あと、先ほど他の委員のところで、私も、その人員配置、専門職が本当に確保できるのかというのを、これもほかの先行してやる区の中でもかなり大きなテーマになっていると思うんですけども、第3回定例会の10月10日のこの当該委員会の中で示された、それぞれ児童福祉司と児童心理司の令和2年度、3年度の予定人数がありますけれども、先ほどの御答弁だと、そこはもちろん予定どおり確保していきますということになると思いますし、そうしてもらわないと困ると思うんですけれども、この令和2年度についていうと、それぞれ17人、9人ということで数としては出ていますけれども、これは、今のところの見込みとしては予定どおり確保できるということでよろしいんでしょうか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 児童福祉司と児童心理司につきましては、最終的には全庁的な調整ですとか採用の結果等もございますので、今ここでお約束をすることはできませんけれども、基本的には計画どおり17名と9名ということで進めているところでございます。

浦野委員

 あと、事務職のところについては、移管事務のその中身とかについて、今後庁内で連携をして事務の精査及び準備をしていくとあったんですけれども、事務職のところについても、今の時点ではまだ何人という形では――今出せるものがあるのか、それともまだ今検討を引き続きしている状況なのか確認させてください。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 事務職につきましては、現在、まず事務の内容につきまして東京都と情報交換を行っているところでございます。今後、先行3区の状況なども踏まえた上で、中野区として必要な人員につきましては、また改めて検討したいというふうに考えてございます。

浦野委員

 そうすると、今年度中というよりかは、来年度にかけてそこを精査していって具体的に人数を中身に応じて出していくという理解でよろしいですか。最後にそこを確認させてください。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 委員おっしゃるとおり、来年度につきましては、事務職につきましては、こちらの開設に向けた準備に必要な職員を配置したいというふうに考えておりまして、実際に児童相談所と(仮称)総合子どもセンターが開設した後の必要な人員につきましては、来年度検討していく中で、再来年度必要な職員を配置したいというふうに考えてございます。

石坂委員

 何点か伺いたいんですけども、まず最初に、2枚目についています図のところで、児童相談所と虐待等専門相談とあり、一体で運営と書かれています。特に虐待等専門相談(子ども家庭支援センター)とありますけども、もともと子ども家庭支援センターの機能は虐待の専門相談だけではないと思うんですけども、それ以外の機能はどうなるんでしょうか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 委員おっしゃった、そういったところにつきましては現在、中野区の場合はすこやか福祉センターと連携して進めているところでございます。失礼いたしました。中野区の子ども家庭支援センターにつきましては、主に今、受けている相談につきましては虐待相談を中心に受けているところでございます。いわゆる子ども家庭支援センターの部分でそれ以外の御相談とか、また必要に応じてすこやか福祉センターと連携して進めているところでございます。

石坂委員

 そのほかの相談に関しても児童相談所と一体になっちゃうんでしょうか。

神谷子ども家庭支援センター所長

 現在、中野区の子ども家庭支援センターで実施しております相談につきましては、先ほど設置調整担当のほうからお話がありましたとおり虐待対応の中心にはなってございますけれども、そのほかに係る相談も受け付けております。そうしたものについては、今後も総合相談という意味では分けなく把握していきますので、そこで網がかかった中で、すこやか福祉センターと連携をしたり、あるいはこの所内にある関係機関にスムーズにつないだりということが、今までよりも専門性の高いところにスムーズに総合的につなげていくことができる仕組みを整えてまいりたいと考えてございます。

石坂委員

 ありがとうございます。

 そのほかの相談、特に子育てに対する不安とか抱えているときに、どうしても児相と一体だと、相談に行ったときに子どもが保護されちゃうんじゃないかみたいな心配がかかる方もいるので、そこは気をつけていただきたいなということと、あとは、すこやかとの連携という話が出てきましたけども、すこやか福祉センター、もともとできた当初、中央の子ども家庭支援センターのほうの機能はもともと区役所の中にあり、地域子ども家庭支援センターの機能が地域にあり、それがすこやか福祉センターに一緒になっていったというような過去の経緯があったりしますけども、今回これに、仕組みができることによって、地域の子ども家庭支援センターがもともと持っていて、その後すこやかが持っている機能であるとか、それ以外のすこやかの持っている機能で、これがスタートすることによって何か変更等は生じるんでしょうか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 すこやか福祉センターで所管する業務につきましては、(仮称)総合子どもセンターの開設後も基本的には大きな変更はございません。

石坂委員

 2の(1)のところの総合相談という言葉の中に、「子ども・若者とその家族に対して」とか、あと(3)若者支援、「ひきこもり等」のところで、また「若者とその家庭」という言葉が出てきます。特にこの部分に関して、すこやか福祉センターの保健師が担っていた機能というのが大きくあると思うんですけども、そこに関しては保健師の動きも今後変わらないのか、あるいは、これができることによってすこやかの保健師と総合子どもセンターの職員が一緒に動くのか、あるいは分担して別々に動くのかというところはどうなるんでしょうか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 (仮称)総合子どもセンターの開設後は、今ある東京都の児童相談所と今、中野区で行っている子ども家庭支援センターを一体的に運営するというイメージでおりますけれども、すこやか福祉センターの保健師等が行っている業務につきましてはこれまでどおり行っていく予定でございます。連携につきましても、これまでどおり基本的には行っていく予定でございますけれども、ただ、児童相談所機能と子ども家庭支援センター機能について一体的に運営していく、そういったイメージでいるところでございます。

石坂委員

 保健師の動きとして、これができることによって、その(仮称)総合子どもセンターの職員と保健師は一緒に動くというイメージなのか、あるいはそこは別々というイメージなのか、どっちも連携だと思うんですけども、イメージとしてはどちらに近い形なのかというのはありますでしょうか。ケースによってかもしれませんけど。

神谷子ども家庭支援センター所長

 こちらの総合相談のところに書かせていただいたものにつきましては、さまざま例示をさせていただいております。児童相談所も子ども家庭支援センターも、基本的には今の状態でも全ての相談を受け付けるというような体制はきちっと整えるということがあるので書かせていただいておりますけれども、中野区においてはこれまでも、先ほど申しましたように、子ども家庭支援センターに係る虐待相談を中心とする課題を抱えた相談、それから地域におけるすこやか福祉センターで、いわゆる子育て相談のようなものということで、区民の皆様は今もそういったすみ分けの中で御相談いただいているかと思いますので、そういったことは変わりはありません。ですが、仮に総合子どもセンターのほうに、そういったすこやか福祉センターで所管したほうがよろしいような相談がかかってきたときにも、一旦は受けとめながら、どこがかかわることがその家庭にとって一番いいのかというようなことで振り分けを行ったり、あるいは対面で引き継ぎが必要なものであれば対面で引き継ぎを行うなど丁寧な対応をとっていきたいというふうに考えてございます。

石坂委員

 特に不登校からひきこもりに至るとか、あるいは障害のあるお子さんの場合に、やはり子どものときから成人になるときに、すこやか福祉センターにケースの切りかえ等をすると思いますので、そこはうまく進めていただく、切れ目なく進めていただくように対面での引き継ぎとかをお願いできればと思います。

 最後にしますが、特別支援教育の機能が総合こどもセンターに入るという形になっています。もともと東京都に児童相談所があり、同じく東京都は都立の特別支援学校を持っている状態であったわけですけども、総合子どもセンターができ上がって特別支援教育の機能もそこの中に入ってというところではありますけども、都立の特別支援学校に行っている義務教育世代のお子さん、あるいは今、義務教育を、中野区の公立の学校の特別支援教育を受けているお子さんが特別支援学校に進学する等々あると思うんですけれども、また、特に特別支援学校、地域における拠点として特別支援をされている機能もあるわけですけども、この総合子どもセンターと都立の特別支援教育学校との関係というのは何かしら今の段階でイメージとかはあるんでしょうか。

中村子ども教育部子ども特別支援課長

 都立の特別支援学校との関係でございますけれども、現在も就学相談ということで、そういった必要なお子さん、就学先の決定ということでかかわらせていただいておりまして、それは総合子どもセンター開設後も変わらないと考えてございます。

高橋委員

 基本的に、いろいろ皆さんの質問も聞いたりとかしていて、この(仮称)総合子どもセンターって、名称は仮称だけど、児童相談所をつくり上げるがために、一応そこに児童相談所があるから子どもセンターというところをつくりましょうという、基本的にそういう考え方から発してきたのかな。そこだけまずは確認をしたいんですけど。

神谷子ども家庭支援センター所長

 児童相談所長を移管してあそこの場所にといったことは、現行の10か年計画の中にも記載させていただいているところですけれども、児童相談所が来るということは、その機能だけが建屋として来るというよりも、それが区にあることでどのような児童相談の体制を強化できるのかといったことも考えなくてはいけない、そういったことのあらわれとして、こういった総合相談体制というのを構築していこうということがもともとのコンセプトでございます。

高橋委員

 そこが基本になるということだよね。だからそこを忘れちゃいけないと思うんですけれども、そうなると、この子どもセンターに、警察なんかでスクールサポーターさんとかがいるじゃないですか、その警察関係、またはある程度そういう公的機関の関係者も、私は本来ここに入ったほうがいいというふうに思うんです。

 それとはまた別に、さまざまに区が考えている中において、この間も、10月にこの委員会でも報告あったけど、地域包括ケアシステムの構築に向けた相談支援体制の再整備とかいう報告を受けて、新たなる児童館で子どもの支援をしていくとか、それからすこやかも圏域を見直さなくちゃいけないとかいったり、そしてまた包括ケアシステムも、全体的、区民全体、子どもを含めたものにしなくちゃいけないんだという報告を受けたり、そして、この中に全て取り組んじゃうというふうに考えちゃう人もいれば、それはばらばらで、連携してやるんですよという区の説明があるんだけど、どこまでが連携できて――報告を受けると、みんなばらばらの報告じゃないですか。これはどうなっていますか、これはどうなんですかというと、検討中であります、連携してやります。どこがどういうふうに連携して(仮称)総合子どもセンターというこういう図ができてきたのか、これを説明してください。

神谷子ども家庭支援センター所長

 子ども相談をめぐる連携のあり方といった部分につきましては、これまでも要保護児童対策協議会がございます。そうした中には、先ほど高橋委員が御指摘いただいたように、児童相談所、それから子ども家庭支援センター、あるいは教育機関、そして警察ももちろん入っておりますし、児童館もその中に入っております。

 そうした子ども相談をめぐる支援の包括的な体制というのは今も構築されているところですけれども、それを基盤にしながら、全体の子どもの包括ケアというのは考えていくべきだということで、前回の報告の中にもそういった似たような図を示させていただきました。

 ただ、その全体の包括ケアの部分について、具体的にじゃあどのように連携をとっていくのかといったことについては、要保護児童対策協議会は法律で決められた組織ですので、区としてその機能を使いながらどんなふうに連携していくのかといったことについては、これからの検討ということで――今までと同じような答弁になってしまいますけれども。ただ、こういった支援の枠組みというのを基軸にしながら行うといったことは、これまでの取り組みを無駄にしないようにきちっと行っていくというような形にさせていただきたいと思ってございます。

高橋委員

 おっしゃることは当然なんですけれども、今この報告だから包括のことは後にするけれども、連携、連携といって全てを一緒にしようというのは本当に無理なことだと思うんです。だからまずは、仮称だけど総合子どもセンターを基軸にしたしっかりとした相談の軸ができて、そこから発信できるようにしていかないといけないって私は感じているんですね。だから、大切なところになってくるわけだから、それをもとにさまざま付随してくるところが、もっと濃く密度をつくって、どういうふうに人にわかりやすく伝えられるかということは今後必要になってくるかなっていうふうには思うんです。だからそこのところをしっかりと踏まえながら、もう大きく風呂敷を広げるんじゃなくて、まずはこれを先にきちんとやるんですというふうなスタンスをとらないとうまく進まないというふうに感じておりますけど、いかがですか。

小田子ども家庭支援担当部長

 委員おっしゃるとおりだというふうに感じております。

 この(仮称)総合子どもセンター、これはやはりこれからの中野区の、さまざまな、虐待も含みますけれども、子ども施策を担っていく上で専門的なところもございますし、またセンター的なこともあろうかというふうに思っております。区民の皆さんや、また議会に対しましてもわかりやすく御理解いただけるような説明に今後努めてまいりたいと思います。

むとう委員

 児童相談所の開始なんですけれども、開始後というのは東京都とはどういう関係になっていくんでしょうか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 まず、中野区で児童相談所を立ち上げた後には、中野区の管轄のお子さんにつきましては中野区で、まず一義的にこちらのほうで御相談を受けるという形になりますけれども、東京都につきましては今後、ほかの地区のお子さんの、そのまま児童相談所の機能は引き続き続けていきますので、例えば転入転出ですとかそういった形での連携ですとか、あと広域的に連携が必要なもの、例えば児童養護施設ですとか里親ですとか、そういったものにつきましては引き続き東京都と連携して進めていくような形のイメージになります。

むとう委員

 一時保護所の建設がおくれているので開設がおくれたという先ほどの御説明がありましたけれども、やはり一時保護所は一時であって、その後という場合はどうなっていくんでしょうか。運よくさまざま家庭の問題が解決できて自宅に帰れれば一番ラッキーなのかもしれませんが、そうはならないケースのほうが多いかと思うので、一時保護所の後はどういう流れになっているんでしょうか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 委員おっしゃるとおり、一時保護所につきましてはあくまでも一時的にお子さんをお預かりする施設ということになります。本来的には家庭に帰れれば一番よろしいかと思いますけれども、何らかの事情でそれが不可能な場合には、例えば児童養護施設ですとか、里親さんですとか、そういった形で引き続き継続して支援をしていくというような形になります。

むとう委員

 今、中野の中には児童養護施設というのは何カ所あって、どういう状況ですか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 児童養護施設につきましては、中野区内に現在1カ所になります。ただ、児童養護施設につきましては、東京都内で連携して利用するという形になっておりますので、中野区内に限らず、ほかの区でも、定員にあきがあれば相互に利用するという形になっておりますけれども、東京都全体としまして定員的にはかなり厳しい状況にあるというふうに聞いております。

むとう委員

 その調整については、東京都と連携ということになっていくんでしょうか。児童養護施設入所については。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 児童養護施設の入所につきましては、東京都と連携した上で進めていくというような形になります。また今後、中野区以外にも、先行3区とか、児童相談所を立ち上げた区につきましては、そういった区とも連携して入所に関して調整のほうを行っていくという形になります。

むとう委員

 そうすると、児童養護施設の管轄は東京都にそのまま残るということなんでしょうか。定員がオーバーでなかなか大変という状況がある中で、児童養護施設の部分は東京都に依然残るという形なんですか。それとも区の中で、その権限なりも区に移って一緒に来るんでしょうか。そうした場合に、区の中で養護施設をつくっていくということになっていくんでしょうか。そのあたりのことも御説明ください。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 説明のほうが不足しておりまして申しわけございませんでした。まず中野区内に、先ほど児童養護施設のほうが1カ所というふうに申し上げましたけれども、児童相談所を立ち上げた後は中野区内の児童養護施設につきましては中野区の所管という形になります。ただ、利用につきましては、中野区内の児童養護施設を中野区のお子さんだけに利用していただくという形ではございませんで、東京都内の先行して児童相談所を立ち上げる区ですとか、東京都ですとかと連携して入所のほうを調整して行っていくという形になります。

 今後、その入所調整を行っていく中で、定員が厳しい状況であればなかなか入所が難しいという状況になる可能性もありますけれども、そういった場合にどこまで入所調整ができるのか、場合によってはそういった新しいものですとか、ないしは里親さんをふやしていくですとか、そういった社会的機能のあり方につきましては今後、引き続き検討していきたいというふうに考えてございます。

むとう委員

 里親がなかなか厳しく、ふえていかないという状況にあるかと思うんですけれども、そうなってくると、その養護施設についても今後は、今のところ目いっぱいというふうに、定員がどこもオーバーぎみというふうには聞いているところではありますけれども、こういうお子さんが少なくなれば一番よいことなんですけれども、なかなか今の社会状況の中ではそうはいかない中で、中野区だけではなく、連携しながら新たに養護施設もふやしていくというところまで視野に入れてこの事業に取り組むおつもりなんでしょうか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 社会的養護につきましては、厚生労働省のほうで今後、里親のほうを推進していくというふうな方針が出てございます。東京都全体といたしましても、そういった方向性で今進めているところでございまして、児童養護施設の新規の設立ですとかそういったものにつきましては、東京都全体で連携しながら今後検討のほうをしてまいりますけれども、今、具体的にどうというふうに申し上げる段階ではございません。

むとう委員

 里親事業を進めていきたいという行政側の思いはわかるんですけれども、受け手側の家庭が、里親に手を挙げてくださる御家庭がなかなかないという厳しい現状もありますから、今後その里親、中野の中ではどういうふうに進めていくおつもりなんですか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 里親につきましても、中野区が児童相談所を立ち上げた後には、そういった里親の認定ですとか、里親に対する支援ですとか、あるいは普及啓発ですとかそういったものについては全て中野区のほうで責任を持って行っていくという形になります。そういった中で、どういった形で里親さんの数をふやしていけるのか、また引き続きやっていただくためにはどうしたらいいのか、そういったことにつきましては今後検討して、できるだけいい形でお子さんに対する社会的養護が用意できるような形で進めていきたいというふうに考えてございます。

むとう委員

 総合子どもセンターの機能の中で、若者支援というのが入ってきていて、そこに書いてある説明はひきこもり等と、「等」も書いてあるんですけれども、ひきこもりに特化してということなのか、この「等」はほかに何が入ってくるんでしょうか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 こちらのほう、「ひきこもり等」という表現になっておりますけれども、ひきこもりだけに限らず、例えば先ほど中途退学の話もありましたけれども、途中で高校を中退した後に就職とか、なかなかそういったことも難しいですとか、そういった方を引き続き自立に向けて支援していけるような、そういった支援も含めて検討しているところでございます。

むとう委員

 そうすると、聞き逃していたら申しわけないんですけれども、段階的に自立につながる支援のコーディネートを実施するということなので、就労支援もここには入ってくるんでしょうか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 就労支援等につきましては、今、中野区のほうで行っている事業等もございますので、また、ハローワーク等もございますので、そういったところとも連携しながら、どういった形で若者支援の事業を行っていくのがいいのか、そういった内容につきましては今後検討してまいりたいというふうに考えてございます。

むとう委員

 そういう意味で幅広く若者支援をここでしたいということであれば、これはまだ今の段階では仮称なわけですけれども、「子ども・若者センター」とか、なんか名称も変えないと、「子どもセンター」って、ある程度のお年になったらすごく行きにくくなっちゃうイメージなんですけれども、その辺はこれから検討されるということでしょうか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 (仮称)総合子どもセンターの正式な名称につきましては、区民の皆様に一番わかりやすい形でというふうに考えてございますので、今後検討のほうをしてまいりたいというふうに考えてございます。

むとう委員

 先ほど浦野委員のほうからも質疑がありましたけれども、ひきこもりというのに、若者の39歳までのひきこもりについてはこちらですといって区切ってしまうというのはちょっと私すごく違和感があって、前回の議会でも質問しましたけれども、ひきこもりに特化した、年齢制限関係なく総合的な相談窓口というのは必要だというふうに思っているんです。ですからここに無理くりひきこもり、若者支援という中で、ひきこもりの39歳まではここだよという区切りにはすごく違和感があるんですけれども、ひきこもりに特化した総合支援の体制は、これまでの答弁だと、いろんなところと連携してと、そのときも「連携」、「連携」という言葉で終わっているんですけれども、ひきこもりに特化したもの、総合支援センターみたいなものを、例えば別枠でこの中につくっていくとかということは考えられないんでしょうか。この今からつくろうとしている(仮称)総合子どもセンターの中の一部分で、ひきこもりについては年齢制限なく、ひきこもりの総合支援センターみたいなものをこの中に別枠でつくっていくということが自然かなと思うんですけれども、そのような検討はないんでしょうか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 (仮称)総合子どもセンター内に整備する若者支援につきましては、あくまで先ほど申し上げたとおり、おおよそ39歳ぐらいまでの方を対象として想定してございますので、その中にひきこもりに特化した、そういった事業を行うということは現在のところは計画してございません。

むとう委員

 しつこく言いますが、やはりひきこもりの問題ってすごく課題が多くて、すごく難しいんですよ。ですから、やはりいろんな部署で相談窓口がいろんなところにあっていいんだという考えではなくて、そこに行けばひきこもりに専門的な知識を有する方がしっかりいて、就労も含めて支援できる総合的な相談のセンター的なものを、今後、私は検討していってほしいということを改めて要望というか、要求をしていきたいんですけれども、いかがですか。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 ひきこもりに特化した窓口なりの設置ということですけれども、これまで区の立場といたしましては、それぞれの窓口がそれぞれの強みを生かした相談を受けながら、相互に連携し、情報共有して、どこの窓口にそのひきこもりの対象者の方が相談しても一番最適なところに導かれるというようなものが一番いいと思っておるんですけれども、おっしゃっている、一つの窓口を置くことによって区民にとってわかりやすくなるとかそういったメリットもあると思いますので、その辺につきましては今後研究してまいりたいと思っております。

近藤委員

 先ほどからちょっと出ていることで、職員の人材確保が、私もとてもこれ大事な問題で、相談するといっても、職員にそのノウハウがなければ相談に行っても何の解決にもならないというのが、建物はできても相談したけれど意味がないというのは一番困ると思うんですね。

 そこで、新人さんをこれからとっていっても、その人が育つまでには相当な時間がかかると思いますし、今、福祉職ですとか心理職、若い、頑張っている職員の方がたくさんいらして、意欲的に取り組んで、区民活動センターですとかすこやか福祉センターで頑張っていらっしゃるんですけれど、本当にこの大きな問題、虐待ですとか若者支援、発達支援ですとかひきこもり、これは本当に若い職員たちに一つ来ても大変な、どういうふうに解決していいかわからない。それを「連携」、「連携」とおっしゃっても、連携する先というのも見えてこないという状況だと私は把握しているんですけれど、そういったときに、研修があるから大丈夫だというようなお答えがあったんですけれど、これはどういう研修をされているんですか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 研修につきましては、まず基本的なケースワークに関するものから専門的なものまで、その職員のレベルにも合わせて幅広くこちらのほうで準備して、順番に受講をしていくところでございます。また、職員のレベルにつきましては、中野区の固有の職員というだけではなくて、例えば外部からの力を借りるですとか、そういったことも含めて、組織全体の相談に対応する力を上げていけるように、そういった体制を今、検討しているところでございます。

近藤委員

 例えば保健師さんですとか、新人の方ですとか、事務の方ですとかも、今、職を積み重ねてすごくできる職員の方というのはたくさんいらっしゃって、もうすぐ定年を迎えるような方というのもいらっしゃるんですよ。ぜひその方たちのノウハウをしっかりと、まずはいろいろなところの研修ももちろん大事で、いろんなことを学ばなくてはならないですけど、中野区が持っていた今まで一生懸命やってこられた方の接し方ですとか、一つ一つの分野、もちろん勉強していくことは大事なんですけれど、まず人と人との接し方みたいなことをきちっと学んでいただきたい。それがすごく大事で、私は職員の若い方なんかと話したときに、本当に自信がないんですよ。本当に課題が多くて、いろんなことを持ち込んでいかなきゃならないので自信がない。でも、皆さんはどんどんどんどん相談してくる。そこのところで、ぜひもっと自信を持って対応していけるように育てていっていただきたいし、一つ一つの難しい案件というところの前に人との接し方のノウハウですとか、若い人に皆さんたちがぜひ伝えていっていただきたいと思うんですけど、その辺はいかがですか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 職員の能力につきましては、研修と先ほど申し上げましたけれども、そういった座学の研修だけではなくて、実際にケースワーク等、御相談を受ける中で学ぶことというのは多いというふうに考えてございます。実際にそういった相談を受けるときに、例えば最初は先輩職員が一緒に行き相談を受けるとか、そういった形でいろんな経験をしてもらいながら若い職員が成長していけるような環境をつくりたいというふうに考えてございます。そのためには必要な職員数等があるかと思いますので、そういった職員数につきましては計画的に採用するとともに、特に児童相談所につきましては専門的な知識、能力が必要になりますから、そういった専門的能力、知識を持っている方を外部から力を借りるとか、そういったことも含めて組織全体の能力が上がっていくような形での体制をつくってまいりたいというふうに考えてございます。

近藤委員

 高齢者のことについても、お子さんのことについても、いろいろなところで本当に専門の方がいらっしゃいますよ、今もね。その方たちのノウハウが継承されていくように、これは一つ一つのケースを大事にしていただいて、若い人たちにかわっていく時代までにやっていかないと、ここの総合子どもセンターのすこやかとの連携のところが、そこで本当にもう勝負になってしまうのかなと私は思うんですけど、その辺はいかがですか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 委員おっしゃるとおり、今50歳を超えた、職員もいろいろな職員がいるわけですけれども、数としましてはそれなりの数が、今50歳から60歳までの職員がおりまして、これまで蓄積してきた区役所での例えば相談ですとか、さまざまな職場で獲得してきた知識ですとかノウハウですとか、あるいは関係機関とのそういった情報ですとか、そういったものにつきましては若い職員に引き継ぎができるように、そういった職員体制が組めるような形で今後検討してまいりたいというふうに考えてございます。

河合委員

 御報告ありがとうございました。資料のほうで、児童相談所と虐待と専門相談の場所を一体で運営していくと書かれているんですけど、この一体というのはどういうことを指すのか具体的にもう少し説明いただけますか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 児童相談所と子ども家庭支援センターにつきましては、現在、東京都が児童相談所、中野区のほうで子ども家庭支援センターの業務を行っているわけでございますけれども、今後、特別区のほうで児童相談所を立ち上げるに当たりまして、子ども家庭支援センターを残した上で新たに児童相談所を立ち上げる区と、中野区と同じように、児童相談所と子ども家庭支援センターを一つの同じ部署で行っていく区と、二つのやり方がございます。中野区といたしましては、切れ目のない支援、継続的な支援を行っていくために、児童相談所機能と子ども家庭支援センター機能を一体的に、継続的に運営するような形での運用を今考えているところでございます。

河合委員

 同じ部署で連携してやっていくということなのかなと今、説明を聞いていて思ったんですけれども、児童相談所というのは、一番大事なのは子どもの命を守っていくことで、子ども家庭支援センターのほうは逆に家庭を支援していくということが一番大事なのかな、最も重い課題としてそこがあるかなというところで、当然継続してやるべきこともあるんですけど、一定やはりきちんとした線引きも入れる必要があるのかなというところを感じているところもありまして、やはり優先すべきは子どもの命なのかなというところがあると思うんです。なので、ここの線引きにおきましては、一体で、同じ部署でやっていくとしても、命を守るというところの線引きをきちんと今後考えていってほしいと思うので、その考えていく、多分この後にまた報告がどんどん上がってくるかなとは思っているんですけれど、一応念のため、この後、ここで仕事の分け方とか、そこら辺の運用とかをどうやっていくかというのはどういう形で出てきますか。

半田子ども教育部児童相談所設置調整担当課長

 お子さんに対する支援につきましては、支援と介入という形で表現されますけれども、危険な場合には介入して、それ以後、家族に継続的な支援を行っていくというような形で、簡単に言いますと、今、児童相談所のほうが介入で、中野区のほうが支援というような形で一般的なイメージでは捉えられますけれども、そこら辺は、児童相談所そのものにも福祉的な機能はございますので、支援のところは今行っているところでございます。

 中野区で今後、一体で運営していく中で、その支援と介入についてどういった形でやっていくのか、児童相談所の介入につきましては、親御さんによっては決してよくないイメージを持っている場合もあるかと思いますので、そういったときにどういった形で御相談に乗っていくのがいいのか、そういったものにつきましては、今後組織とか人配置とかも含めて改めて検討した上でお示ししたいというふうに考えてございます。

間委員

 この(仮称)総合子どもセンターというのは、二つ見方があるかなと思うんですけれども、どの段階であっても相談ができるということと、一人のお子さんが、例えば児童相談所の対象になってしまうお子さんが大人になる39歳までを包括的に見ていくということもできると、総合ということってそういうことでもあると思うんですけれども、その中で若者支援というところが非常に大きな役割を果たすのかなと思うのが、若者支援をどう捉えるかというところで、39歳ぐらいまでかなというふうに捉えたときに、ひきこもり――ちょっと言い方が悪いんですけど、ひきこもりというところが浮かんできて、今後考えるということかもしれないんですけれども、そこをもっと広くしっかりと見ていくこと、相談の対象をどういうふうにしていくかということ、何を支援していくかということをより考えていくことで――もしかしたら年齢的には39歳って児童相談所の対象になるお子さんの親の場合もありますよね、可能性としては。なので、例えば若者支援というところを、そういう児童相談所の対象の親、保護者の方も御相談に来てくれることでそこにつなげるとかということも可能性としてあり得ると思うんですけれども、もしかしたらこういうことがあるのかなっていうことを職員さんが感じとったりすることもすごく可能性があるところだと思ったんです。

 引きこもりだけではなくて、若者支援というところを幅広く見ることによって、さらに区民の支援というところにつながっていくかなと思ったんですけれども、そうなると、要望かもしれないんですけれども、ひきこもりだけではなくて、若者支援というところをどこまで考えていくかというところを、まだお考え中ということなんですけれども、ちょっと考えていただきたいなと思ったんですけど。もし何かそれに関して御答弁いただければと思うんですけれども、いかがでしょうか。

小田子ども家庭支援担当部長

 委員御指摘のように、年齢幅というところでは、おっしゃるとおり児童相談所や虐待に関係する場合のお子さんの親御さんがその年齢に入るということもあろうかと思っております。

 一義的には、やはり若者支援といった場合には、なかなか社会生活に適応することが難しいという若者の方やその御家族に対するさまざまな助言であるとか、その支援であるとかということを考えていきたいと思っておりますし、そのそれぞれの方にどういう問題が一番大きくあるのかというところを区の方でも見定めをいたしまして、適切なその専門に応じました支援につなげていきたいというふうには考えております。

委員長

 ほかに質疑はありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告について終了します。

 それでは2番目、中野区地域包括ケアシステム推進プランにおける指標の達成状況についての報告を求めます。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 私からは、中野区地域包括ケアシステム推進プランにおける指標の達成状況につきまして、お手元の資料(資料3)に基づきまして御報告をさせていただきます。

 区と関係団体等で構成いたします中野区地域包括ケア推進会議が、平成29年3月に策定いたしました「中野区地域包括ケアシステム推進プラン」、こちらは区の取り組みとともに関係団体等による具体的な取り組み、主に高齢者向けの取り組みを定める区と区民のアクションプランでございまして、平成30年度と令和7年度、3年目と10年目でございますけれども、その達成目標とその達成指標を設定しているところでございます。このたび、3年目、平成30年度の達成指標と主に取り組んだ内容について、以下のとおり取りまとめましたので御報告をさせていただきます。

 1番が、指標の達成状況でございます。全体の達成指標、達成状況を表にまとめてございます。

 表の見方でございますけれども、一番左に、このプランにおけます構成要素の柱、全体以下、1から8までございます。その右側が成果指標の内容で、こちらは単位がパーセントでありましたり、年でありましたり、実数でありましたりいたします。当初値と申しますのが、原則、平成28年度における数値でございます。目標値(A)となっておりますが、これが平成30年度におきます目標の値でございます。実績値(B)が、これも平成30年度におきます実際の実績の値でございます。その右側が、達成率といたしまして、実績値を目標値で割ったものを達成率として算出したものでございます。一番右側、実績値の年度、原則30年度でございますけれども、そうでないのもございますので注記したものでございます。

 裏をめくっていただきまして、指標の達成状況につきましては、後ほど個別に幾つか御報告させていただきますので、総括的な御報告を先にさせていただきます。

 2番、総括でございます。

 各指標につきまして、平成30年度の実績値を目標値で除した数値を「達成率」とし、比較したところ、「住民主体の気軽に参加できる場の創出」や「認知症サポートリーダー数」、「認知症をよく理解している区民の割合」では高い達成率となっておりました。

 一方で、「地域の活動に参加した区民の割合」、「近所づきあいの中で、相談や助け合いなど親しい付き合いをしてくれる人がいる割合」、「地域住民相互で見守り支えあい活動をしている割合」といいました、近所づきあい、地域活動に関する指標では達成率が低い結果となりました。

 また、「すこやか福祉センターを身近に感じる人の割合」も達成率が低い結果となりました。

 全体といたしましては、国が進めます介護予防事業、認知症事業等は達成率が良好でございますけれども、制度や事業として構築しづらい指標、地域活動等でございますが、こちらにつきましては達成率が低いという傾向がうかがえる結果となりました。

 現在、数値だけではわからない実態や課題につきまして把握するとともに、推進プランの見直しに向けた意見聴取等を行うため、関係各団体及び各担当課に対して個別にヒアリングを行っているところでございますけれども、取り組みを充実させていくべき課題として、現時点において認識しているのは次の事項でございます。

 (1)から(5)までございます。(1)地域包括ケアシステムについての周知、広報の充実でございます。(2)が、関係団体等がそれぞれの強みを生かし、また補い合うようなコラボレーション(協働)のさらなる推進でございます。(3)が、地域包括ケアシステムの理念を共有し、連携して取り組む人材確保・育成でございます。(4)が、「制度のすき間」問題など、新たな課題への対応でございます。(5)が、成果指標の見直しや新たな設定でございます。

 今後、先ほど申しましたように、ヒアリング等を踏まえまして、全体的な見直し、改定の方向性をお示ししていく予定でございます。

 3番といたしまして、全体及び柱別の達成指標ということで、こちらは別紙1と別紙2がございます。別紙1では、個々の指標の内容につきまして記載してございまして、これから幾つか御紹介をさせていただきます。別紙2は、別紙1において「誤差」という言葉が出てきますけれども、それに関しての資料でございます。

 それでは、恐れ入りますけれども、別紙1の1ページをごらんください。プラン全体の達成指標ということで三つございます。

 (1)が、長期療養が必要になった時自宅で過ごしたい人の割合でございます。その下が、直近3カ年の実績値をグラフにしたものでございまして、右側が達成目標、平成30年度、令和7年度におきます達成目標を記載してございます。

 その下に、指標の解釈・評価というところがございますのでごらんください。本指標は、「健康福祉に関する意識調査」の設問でございます。先ほど申しましたような形で計算いたしますと、平成30年度達成率は79%となります。サンプル調査による誤差を考慮いたしますと、この3年間でこの割合はほぼ横ばいで推移していると考えられます。

 (2)65歳の健康寿命でございます。男性と女性に分けてそれぞれを記載してございます。

 こちらも指標の解釈・評価をごらんください。本指標は、東京保健所長会方式で算出されている「65歳の健康寿命」から65を引いて算出したものでございまして、健康寿命とは、要介護2以上の認定を受けるまでの平均自立期間をいいます。男性、女性とも65歳の健康寿命の平成30年度達成率を計算いたしますと101%でございました。平成25年度から男女ともに延伸してございます。ここでは東京都との比較を掲載してございますけれども、男女ともに東京等の伸び率を超えてございまして、女性のほうで健康寿命の延伸が顕著であるということがわかりました。

 引き続きまして、2ページ、大きな2番、柱別の達成指標について幾つか御報告をさせていただきます。

 (1)柱1、本人の選択/権利擁護でございます。この表の部分は、この柱の目標、施策、主な制度、事業について取りまとめたものでございます。例えば目標としましては、区民が認知症や障害について正しく理解している。成年後見制度や権利擁護につながるサービスが普及し、本人の選択によりサービスを利用している。その他でございます。

 真ん中より下のところ、①の認知症をよく理解している人の割合のところをごらんください。こちらもグラフで示しておりまして、本指標の解釈・評価の部分でございますが、本指標は、「健康福祉に関する意識調査」における設問で、「認知症の症状や基本的な対応方法を知っている」と回答した人の割合でございます。平成30年度達成率は121%でございます。これを実人数に換算してみますと、この2年間でおよそ4万人増加したことになります。一方で、認知症サポーター養成講座の累計が1万7,816人であることなどから、本指標の伸びには、区や関係団体の取り組みのみならず、社会全体での関心の高まりが作用しているものと考えられます。

 次に、少し飛びますけれども、5ページをごらんいただけますでしょうか。

 5ページは、(3)柱3、健康・社会参加・就労でございます。こちらも、まずこの柱の目標と施策、主な制度、事業について表にまとめてございます。

 7ページをごらんください。7ページの一番上でございます。③番でございますけれども、地域の活動に参加した区民の割合、こちらにつきましてやはりグラフを掲げてございまして、指標の解釈・評価でございますが、本指標は、「健康福祉に関する意識調査」の設問でございます。対象とする「地域の活動」は「町内会・自治会の活動」、「趣味関係の活動」、スポーツ関係その他もろもろの、このうちのどれか一つでも活動していれば、地域の活動に参加しているとしているものでございます。本指標の達成率を計算いたしますと68%でございました。地域の活動に参加した区民の割合を見ますと、平成29年、30年度ともに平成28年度の誤差の範囲内におさまっていることから、この3年間はほぼ横ばいで推移したと考えられます。

 次に、その下の(4)柱4、地域の見守り支えあいでございます。こちらも、まず目標、施策、主な制度、事業につきまして表で掲げてございます。

 こちらに関しては、8ページ、次のページの上からちょっとおりたところ、②のところをごらんください。近所づきあいの中で、相談や助け合いなど親しい付き合いをしてくれる人がいる割合ということで、こちらもグラフを掲げてございます。

 指標の解釈・評価でございますけれども、本指標は、「健康福祉に関する意識調査」の設問でございます。平成30年度達成率は72%でございました。近所づきあいの中で、相談や助け合いなど親しい付き合いをしてくれる人がいる割合、これはこの3年間で平成28年度の数値の誤差の範囲内におさまっていることから、こちらも横ばいで推移していると考えられます。

 引き続きまして、その下の③です。地域住民相互で見守りや支えあいの活動をしている割合でございます。こちらもグラフを掲げさせていただいております。

 この指標の解釈・評価でございますけれども、本指標も「健康福祉に関する意識調査」の設問でございまして、見守り・支えあい活動を「継続的に活動している」、「活動したことがある」と回答した人の割合の合計でございます。本指標の達成率は72%でございました。この割合は、この3年間で上下しながらもやや低下する方向に推移しております。平成30年度の25.2%という結果は、平成28年度の誤差の範囲を超えており、この3年間で見守り支えあいの割合が低下しているものと考えられます。

 最後に、12ページをごらんください。こちらの一番下のところにございます柱8、認知症対策についてでございます。こちらに関しても表形式で、目標と施策、主な制度、事業を記載させていただいておりまして、めくっていただきますと、真ん中あたりでございますが、認知症サポートリーダーの数でございます。こちらもグラフとともに指標の解釈・評価を記載させていただいておりまして、本指標は、地域包括ケア推進課の事業実績による数値でございます。認知症サポートリーダーは認知症サポーター養成講座の受講修了者を対象とし、地域で認知症の人を支える担い手をふやすことを目的としているものでございます。指標の平成30年度の達成率は145%でございました。平成30年度までの認知症サポーター養成講座受講者は累計で1万7,816人であり、このうちサポートリーダーになった割合は1.6%となります。推進プラン策定時は、認知症サポーター養成講座受講者2万人、こちらを想定し、サポートリーダー数は200人を想定しておりましたので、1%ということで、認知症サポーターからサポートリーダーになった割合といたしましてはふえているところでございます。

 以上、たくさん柱に基づきまして指標がございますので、かいつまんで御報告をさせていただきました。

 先ほどの繰り返しになりますけども、今回に関しましては、成果指標について主に報告をするものでございまして、今行っておりますヒアリングなどを行った後に全体的な総括をいたしまして、今後の現行の推進プランの改定の方向性につきまして、また御報告のほうをさせていただきたいと考えております。

 私からは以上でございます。よろしくお願いいたします。

委員長

 それでは、ただいまの報告についての質疑を受けたいと思います。

加藤委員

 何度も聞いている質問ではありますけども、この地域包括ケアシステムを推進する理由というのは何でしょうか。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 地域包括ケアシステム、そもそも高齢者が2025年度に向けてどんどんふえていく中で、区だけでは対応ができないということで、高齢者の方が地域で最後まで幸せに暮らしていただくために、区のみならず、あらゆる社会資源を使って包括的にシステムとして支えていこうということを考えて、地域包括ケアシステムというものが、基本的には介護保険法に基づくような形で示されたものでございます。

 中野区の特徴といたしましては、高齢者だけではなく、全世代を対象にして課題を設定して、地域包括ケアシステムにいたしましても全世代向けとして今後展開していくということを、推進プランの策定段階において決めておりまして、今回も、この後、御報告をさせていただきますけれども、全庁的な推進体制をもって進めようとしているところでございます。

加藤委員

 そうですね、高齢化していく中で、全世代でやっていくという方針もあるんでしょうけど、一義的においては、高齢者、これから介護とか医療がふえていくというところをどれだけ抑制していくかということでこのプランを考えていかないといけない。そして、それに対してそれぞれ目標があるということになりますけれども、これ、それぞれが本当に例えば達成率100%になったところで、それに向けて全てがそういう方向性に向くものなのかなという疑問に関しましては、これを策定するときにも僕も一般質問で取り上げさせてもらったんですけれども、疑問なものが幾つもあります。

 これも何度も聞いているところではありますけども、健康寿命を延ばしたところで、不健康期間、つまり寿命から健康寿命を引いた不健康である、介護を受けている期間が短くならなければ結局介護期間は短くならない。そういったところを考えますと、65歳の健康寿命というところが、この最終的な目標にリーチしていかないと思うんですけど、改めてこれを指標としていく中でどういうふうに、これが100%、目標も結局お手盛りになってしまうと思いますけど、じゃあ、これが30歳になれば成功なのかといったらよくわからないということでありますけども、結局、健康寿命を何歳まで延ばすのが成功なのかという、そういうのを示せるのか、その辺の考えをお聞かせください。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 健康寿命の延伸につきましては、やはり介護予防という観点が一番重要になるかと思います。なるべく健康である期間を延ばすことによって社会保障費などの縮減にもつながると思いますので、そういった観点で、区としては、今フレイル予防等言われておりますけども、そういったものも含めて介護予防、介護に至る前の前段階で元気に暮らしていただくような施策を今後も進めていきたいと思ってございます。

 何歳が最終的な目標かというところに関しましてはなかなか難しいところでございまして、今後、この指標をこの地域包括ケアシステム推進の全体指標として位置付けているところですけれども、これが全体的な指標としてふさわしいのかというところも含めて、現在庁内では検討しているところでございます。

加藤委員

 そうですね、結局これが、目標値が30となれば65を足すから95歳まで健康寿命があれば、それは中野区として満足する数字なのかといったら、この数字が高いこと自体が中野区にとっていいことなのかどうかはわからないわけですよ。つまり不健康期間を、ピンピンコロリの0歳まで持っていけるということが最大に効果が高いという状況なのかなということを検討しながら、地域包括ケアシステムを――ちょっとそれは言い過ぎかもしれませんけども、そういった目標、ターゲットをつくっていかないと、この辺のところって絶対解決しないと思っております。

 ちょっとお話ずれますけど、私、昔、心臓移植をしないといけない子がいて、1億円集めて海外に送って、そういうときに、心臓移植どうするかというような話。でも、結局それって、例えば自分の子どもが脳死になったときに、その子どもの心臓をほかの子に移植していいよと認めるのはその家族、親だったりするわけですけれども、自分の親とかも、結局延命してくれとかそういったことを、しっかりと家族で会話したことがあるのかといったらあまりなくて、でもそういった事態に陥っちゃったときに、家庭の予算的には余裕があるから延命治療を選択しようとか、本人は望んでいないかもしれない。そういった会話をするというところ、例えば、これから命の授業というところが教育の中で盛り込まれていく中で、家族でそういった話をして、人間の死というものをしっかりと話し合うというのも、そういったところの健康寿命を引いた不健康期間を短くするためにも必要な施策だと思いますので、総合的にそういったところを短くするというようなところもターゲットにして地域包括ケアシステムを、その一番重要なところに関して狙っていっていただきたいなと思います。

 ほかの指標についてお伺いしますけれども、はっきり言って、これもうマイナス――目標値に対しては達成率100を超えているかもしれませんけど、当初値、つまりこの達成指標をつくったところから実績値まで見ると、プラスになっているところが少ないわけですね。例えば一番上の「長期療養が必要になった時自宅で過ごしたい人の割合」、当初値34.4%、実績値が31.4%、3%下がっています。2番の「高齢者向け民間賃貸住宅登録戸数」、1,780から1,740、減っています。下の三つの指標、スポーツをしている、地域活動をしている、近所づきあいをしている、軒並み下がっています。裏面にいっても下がっているものがありますし、当初年がないものがありますから、それもわからないところがあります。

 このプランを組んで3年ぐらいたったわけですけれども、これらの数値を上げるために何か区は努力されたんでしょうか、お伺いします。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 区の取り組みといたしましては、先ほど別紙1にございますように、柱8番までございますが、その下のところに目標、施策、主な制度、事業ということで掲げさせていただいているようなものを、これまで取り組んできたところでございます。

 あと、当初値と実績値でございますけども、こちらに関しましても、やはり誤差ということを考えますと、必ずしも下がったというものだけでもないかなとは思うんですけれども、その辺の、先ほどの繰り返しになりますが、そもそも目標値が正しかったのかとかそういったこともございますので、今、全体的な指標につきましては見直しを図っているところでございまして、今後そういったものに関して考え方をお示しさせていただきたいと思ってございます。

加藤委員

 誤差、誤差言っていますが、最後についている資料が恐らくその誤差の一覧表ですけども、一番最後に「95%信頼水準」と書いてあるので、多分正規分布でとらえた数字だと思いますけれども、この数字で誤差内におさまっているという場合は、部長なんかは統計のプロだからわかると思いますけど、結局この誤差って、この誤差内におさまっているということは、これとこの数字は同じとみなしていいですよというときに使うわけであって、例えばこれの3ページですか、上の指標の解釈・評価とありますけれども、三つ目のポツで、「誤差を考慮すると、平成30年度は38.0%を超えている可能性があり、平成29年度には38.1%となっていることから、この3年間で目標値である38.0%は達成したと考えられる。」と書いてあります。上の表を見ればわかりますけど、35.4%と書いてあるのに38%を満たしていると考えられるって、これは、同じとみなせるとは言いますけど、超えているかどうかもわらないような、同じとみなしていいですよって統計学上は言えますけれども、これは言えないわけです、はっきりいって。はっきりいって、これは大学生のレポートレベルで、よく頑張ったねぐらいの話であって、これ、こういった行政資料としては、はっきり言って審議するに値しない資料だと思っています。その辺どうでしょうか。

藤井地域包括ケア推進担当部長

 加藤委員御指摘のとおり、確かに、例えば平成29年度が38.1%だったということは、このサンプル数から考えると、プラス・マイナス3%の範囲内で、100回サンプル調査をやれば95回はそこに入るだろうというようなことなので、どこも実は価値的には同じです。しかし、ここであえて――実はこの文言だけは、ここだけはこういう書き方をしたんですが、それ以外はかなり厳密に書いております。「横ばいである」というふうに。例えば、こういうような状況だから、この場合には下がったとはいえない、上がったとはいえないというふうに書いてあるんですけど、実はここだけ、私は、あえて大学生のレポート並みの解釈で書いておりますのは、平成28年度は33.3だったんですけど、平成29年度には38.3ということで5ポイント上がっている。というのは、これは95%信頼水準で、残りの5%のところに入っているんですね。かなりレアなケースです。29年度には38.1まで上がった。そしてその後、下がったのはほぼ誤差の範囲内なんですよね。ということなので、平成28から30年度を確かに比較すれば、平成28年度の誤差の範囲内には入っているんですけれども、29年度から平成30年度を考えた場合には、ほぼその誤差の範囲内に、29年度のレベルでの誤差の範囲内におさまっているので、ここは確かに厳密に言ったら、ほぼ横ばいだろうと判断すべきだとは思うんですけれども、平成29年度で誤差の範囲内を超えたということを過大に評価いたしました。

加藤委員

 いずれにせよ、表現で何とか指標がよくなったように誘導するような書き方をしているんですけど、結局区はこれまで何も努力していなくて、この推進プランで、これを進めれば地域包括ケアの構築が進むとうたっておきながら何もやっていませんでしたねっていうふうにとらえられるんですね。ほとんどの指標がほぼ横ばいになっている、物によってはマイナスになっているというわけです。その辺、何か努力されたのかというのを改めてお伺いします。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 繰り返しになってしまいますけれども、達成指標という観点で見た場合、この達成率、全体の平均を単純にとりますと、90%をちょっと超えているというところで、その具体的な施策とこの指標の関係というところまではきっちりとしたお答えを示すことはできませんけれども、この最初の推進プランにおける目標に対しての平成30年度の実績といたしましては、おおむね達成しているのではないかというふうに判断しているところでございます。

加藤委員

 どう見ても数値が上がってきていないということは、何もやれていなかった。何もやれないんだったら最初から指標にすべきじゃないという話になってくるわけであって、改めて指標を考え直す必要があるんじゃないかなって、そういうドラスティックに物の考え方を変えていかないといけないのかなと思っているんですけども。

 例えばバリアフリー化率なんて、これは部署も違いますし、やろうと思えば進められるわかりやすい指標ですけど、ほかのはやろうと思ってもなかなか進められなかったというところにおいて、でも、やっていきますといっても、このまま数字は上がっていきません。ということは、ちょっと考え方、指標を変えていかないといけないのかなって思うところなんですけど、その辺は新たに指標を考えていくというようなことは検討されているんでしょうか。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 指標に関しましては、先ほども少し申し上げましたが、当初の想定していたものがとれないものでありますとか、やはり客観性に関してどうなのかというようなものとかもございますので、きっちりと地域包括ケアシステムの進展の度合いというものをはかれるような成果指標というものを新たに設けなければいけないなというところは、これは私どもとしても認識しているところでございまして、今後きっちりと検討してまいりたいと思ってございます。

加藤委員

 冒頭に言いましたけど、そういう中におきまして、不健康期間の短縮化みたいなところも、なかなか難しいとは思いますけど、そういったところにリーチするような指標も加えていただけたらなと思います。これは要望とします。

日野委員

 まず、1枚目の裏面なんですけど、「すこやか福祉センター等が地域包括ケアを支えるための情報システムが完成している」、これは実績値が50%となっていますけど、これはどういったシステムのことを言っているのか。この50%というのは、まずどういったシステムが完成していて、完成していないシステムというのはどういったものを指しているのか教えてください。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 別紙1の12ページをごらんください。こちらに関しましては、柱7、相談、コーディネート機能及びケアマネジメントの質の向上というところの指標でございまして、こちらの指標は、数値ではなくて、平成30年度は、このプランによりますと「関係機関同士の情報共有システム稼働」、令和7年度が、「区全体でシステムを使った情報共有が図られている」という状態を指標としているものでございますけれども、ほかの指標との比較が必要となることから、あえて数値化を図ったものでございます。

 平成30年度に、インターネットを活用した関係機関同士の情報共有システムであります「なかのメディ・ケアネット」を導入いたしました。しかしながら、平成30年度につきましては本格活用には至らず、運用テスト等を行いました。結果として昨年の11月から本格活用に至ったんですけれども、そういった関係で、本指標につきましては平成30年度達成率は50%ということで記載をさせていただいたところでございます。

日野委員

 この50%というのは、「なかのメディ・ケアネット」の導入というところで本格導入ができていないので50%ということですね。

 令和7年度に「区全体でシステムを使った情報共有が図られている」、これは、また何か新たなシステムを導入してやっていく。今、この「なかのメディ・ケアネット」でできない部分が何かほかにできるようになる。これは何ができるようになっていくんですか。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 令和7年度の達成の目標ですけれども、これは関係機関によるICTシステムの情報共有のシステムの整備の項目の中で、ICTシステムを活用した情報共有、それに加えて10年後は、ICTシステムを活用した情報共有とシームレスな支援体制の充実ということを掲げているものでございます。

 こちらに関しましては、地域包括ケアに関して、現行さまざまなシステムがございます。例えば要支援台帳システムでありますとか、健診システムでありますとか、さまざまなシステムがありますけれども、そちらの健康でありますとか福祉に関する情報を一元的に集約して相談・支援できるような体制を目指しているところでございまして、そこを実現することによりまして、関係機関の情報共有も、さらに、区を含めた関係機関同士の情報共有の充実を図るというようなことが目的でございます。

日野委員

 本当にシステムを導入したことで、この地域包括ケアがちゃんと前進するのかというのはなかなかどうなのかなと思うところもあるんですけど、この今回の50%というのも、やっぱり本格導入ができていないというところから50%になっているのであって、やっぱりそのシステムを使って――目的はシステムをつくることではなくて、システムを使ってどう地域包括ケアを充実させていくのか、進められていくのかというのがなかなか見えづらいなっていうのがあるので、やっぱりそこはしっかり、何のために、それからどういう運用をしていくのかというのはちゃんと明確にするべきだなと思います。この前も、区外をどうするかとか、どういう事業者が使われるのかさまざまあったと思いますけれども、その辺をまずしっかりやっていただきたいなと思います。

 それから、今回の総括のところで、地域活動等が達成率が低いというふうにあるんですけれども、ただ一方で、今の時代、御高齢になっても働く方もふえている。今回の達成率でも、就業率が3%ぐらい上がっているというのも実態としてあって、そうすると、やっぱり地域活動にも入りにくくなってくるというのもあると思うんですね。その辺を区としてはどう考えているのかということをちょっとお伺いします。

伊藤地域支えあい推進部地域活動推進課長

 地域包括ケアの課長からお話がありましたように、地域活動にかかわる指標、助け合いの部分ですとか、活動参加ですとか、見守り支えあいの活動の参加割合というのが、なかなかこの3年間で思うように達成できていないというところは承知しているところでございます。

 その年齢構成を見ますと、やはり大きくそこの数値が上がらないのは若い世代というのはずっと課題として、20代、30代あたりがとても高い割合で参加していない、やる気はありませんというふうなお答えが多いというのはもうずっと課題で認識しているところなんですけれども、今、委員の御指摘のありました70代、80代でもまだ働かれている方もいるというふうなところは、今、高齢化が進んでいく中で新しい動きだというふうに思っております。

 これまでは、担当としては若い世代をどうやって取り組んでいけばいいのかというふうなことを考えて、なかなか成果が出てきておりませんけれども、今後は高齢者の方のさまざまな生き方の選択肢の中で、地域活動が全てではもちろんないんですけれども、就労意欲ということも支えながら、でも地域の一員であるというふうなこともありますので、その人のできる範囲の中で継続的に地域の一員としてのアイデンティティといいますか、そこが担保されていくようなことが必要というふうに思っておりますので、就労と地域活動が決して相反するものではないというふうに考えております。

日野委員

 今この地域包括ケアシステム推進プランもステップ2に入って、ステップ2も、もう1年が経とうとしている状況の中で、この今回の結果を見てどういったところを、もう既にステップ2もあと1年ちょっとしかないので、もう課題に対して何かしらのアクションというか着手しなきゃいけないところがあると思うんですけども、その辺は今どう進めようとしているのか。

 それから、ステップ2の中には、さらなる地域資源の拡大というのもあって、それは今どういうふうに進めていこうとしているのか、この二つをお伺いします。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 こちら、現時点におきます進捗状況といいますか、そういう状況でございますけども、この後の御報告でも現状におきましての検討状況につきましてお話をさせていただくんですけれども、先ほどの総括においてお示しいたしました1から5までの課題、こういったものを前提に、やはり全庁的な推進体制の構築が不可欠であろうということで、全庁推進組織を昨年の8月に構築いたしました。それ以外に、これまでもございました地域包括ケア推進会議といいますこのプランの策定主体におきまして活発に、各すこやか単位にございます地域ケア会議において出された課題、こういったものの検討をしたりとか、その地域包括ケア推進会議に四つの部会がございますけれども、そういった部会におきまして、認知症施策をはじめさまざまな、区の施策を始める際の御意見をいただいたり、意見交換をしたりとか、そういったことによる効果というものはあらわれているのかなというふうに感じているところでございます。

 あと、地域資源の拡大ということでございますけれども、こちらに関しましては、地域包括ケア推進会議というところが、いろいろな団体の代表者の方に来ていただきまして顔の見える関係の中で情報交換をし、さらにはコラボレーションをしていくと、区全体で地域包括ケアシステムを進める際のかなめとなる組織なんですけれども、そういったところからの情報でありますとか、例えばアウトリーチチームの活動を通じて新たな社会資源でありますとかの発見、さらには支援などを図るということで現在進めているところでございます。

日野委員

 ここに出ている数値が全てではないと思っているんですけども、そういった中で課題というのがさまざま見つかってきて、なかなか数年では解決できないものもあれば、すぐにできるものもあったり、また団体から直接要望も出ている、こうしてほしいというものがあったりとか、迅速に動いていただきたいなっていうところもあります。その辺をしっかり、やはり課題解決を迅速にするというところを今後しっかりと進めていただきたいなと思います。これは要望にしておきます。

小宮山委員

 全てに言えることなんですけども、目標値の設定の根拠がよくわからない、設定の根拠がどこにも書いていないんですね。「認知症をよく理解している人の割合」、2ページにありますが、これは右肩上がりのトレンドがきれいにはっきり出ているので、このトレンドを追っていけば目標値は設定できるのかもしれませんけれども、なんで平成30年が22%で令和7年が45%なのか。その設定を一体誰がどこでどうやって決めたのかというのがよくわからないんです。さっきも言ったように、トレンドを追えるものはいいけれども、トレンドを追えないデータがいっぱいあるんですね。今よりちょっとふやしておけばいいのかなっていうような目標値だったとしたら、それを今よりちょっとふやそうという目標を達成したか達成しないかで達成率とか――でたらめな目標値をベースに達成率を出したところで、その達成率もでたらめじゃないですか。なので、目標値の設定根拠が本当にこれで正しいのかどうかというのがわからないデータがいっぱいあるんです。とにかく今よりちょっとふやしておけばいいやっていう、そういうデータなんじゃないかな、目標値なんじゃないかなと思うんです。そのあたり、目標値の根拠がそれぞれにはっきりしているのかどうか教えてください。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 目標値に関しまして、地域包括ケアシステムの推進プランにおきまして設定の理由がないという御指摘でございまして、事実そうでございます。

 その当時、その一番関係の担当する所管のほうで設定したというふうに理解してございますけれども、今後改定するに当たりましては、その辺の関係をきっちりと精査いたしまして皆様にお示しすることで、きちっとした成果指標となるようなものを設定してまいりたいと考えております。

森委員

 るる数字を御報告いただいてありがとうございます。私が気になったのも全部、加藤委員がほぼ言ってしまったんですが、私も全く同感で、数字を出すのはいいけど、数字にもうちょっと真摯に向き合ったほうがいいと思います。横ばいとか誤差とかというのは、そのとおりなんでしょうけど、逆に言うと、統計的に有意なほどの成果は出なかったということでもあるわけですよ。そこをちゃんと捉えて、するべき改善をしていただかないといけないんじゃないかなって思います。統計的に有意な成果が出なかったからだめだという話ではなくて、出た数字を、ちょっと言い方が厳しいかもしれませんが、自己弁護的に解釈をして、するべき改善をせずに成果の出ない取り組みを漫然と続けてしまう、これのほうが大きな問題だと思うんです。そのあたりについて、今後の取り組みをどのようにお考えですか。

藤井地域包括ケア推進担当部長

 御指摘ありがとうございます。例えば、柱の6番の医療などでは、その目標、「高齢者が、在宅で必要な医療・介護サービスを受けられ、最期まで過ごすことができる」という目標があり、それに対して施策があり、それを示すような指標ということで、当時、平成28年度にこのような成果指標を考えたわけなんですけれども、まず、そもそもこれらの目標を示す指標になっているのかどうかというところの検証が何よりも重要だと思っております。

 例えば区民意識調査におきまして結果が横ばいだからといって、その施策が全くなされていなかったのかということについては直接的に結びつかないというふうに考えておりますので、そもそも成果指標とやっているその施策との関連性というものの適切性、それについて検証することが必要だと思っております。

森委員

 指標の見直しもそうなんですけど、指標は妥当なんだけれども、それに対する取り組みが妥当じゃないケースとかだってあるんじゃないかなというふうに思うんです。それは一個一個、既にこれはもう数字がとれなくなっているものとかも御報告いただいていますけれども、指標をどうとるかという話と、指標に対して取り組みが妥当かどうかと、物によって改善すべき部分というのは異なると思うんです。なので指標のほうだけじゃなくて、取り組みのほうを見直すという観点も持っていただかないといけないかなと思っていますが、いかがでしょうか。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 委員おっしゃるとおりだと思いますので、全体的な見直しを現在しているところでございます。

間委員

 森委員の質問の続きのような感じなんですけれども、私も柱4、地域の見守り支えあいについてなんですが、深く見ていったときに、この指標自体は、今後数字を上げていくというところで大事なところだと思うんですけれども、この数字を上げていくために何をやっているかということが非常に重要だと思います。例えば町会の加入率とかも、町会の加入率が上がっていくことも非常に重要だとは思うんですけれども、町会の中でどのぐらい稼働しているのかというか、一部の方しか動いていない状態であればあまり意味がなくて、町会費だけ払っていますという方も加入率の中に入っていくとなると、地域の見守り支えあいという本来の目的のところからはずれてしまうのではないかっていうふうに思うんですね。そうなると、町会の中のコミュニケーションをどう円滑にしていくのかというところに対する取り組みをしていくべきだと思うんです。

 そのようなことをしていくと、例えば、2番の近所づきあいの中でとかで近所づきあいが生まれていく、この数字も上がっていくとか、3番の活動をしている方もふえていくという状態が生まれるのではないかと思いましたが、それに関してはいかがでしょうか。

藤井地域包括ケア推進担当部長

 御指摘ありがとうございます。そのとおりだと思いまして、この指標に関しましては、やはりアウトプットの指標とそれに対するアウトカムの指標というような形で、直接的にこういうことをやったからこういうことになったんだという因果関係が推測されるような指標を、幾つか段階的に設定すべきだと思っておりまして、それこそまさにエビデンスベースのポリシーメーキングの考え方が必要だと思っておりますので、今後改定をするに当たりましては、そのようなロジックをもとに指標を達成したいと思っております。

委員長

 休憩します。

 

(午後3時00分)

 

委員長

 再開します。

 

(午後3時15分)

 

間委員

 続きなんですけれど、柱4の地域の見守り支えあいの③地域住民相互で見守りや支えあいの活動をしている割合のところなんですけれども、この数字だけを見ると25.2%ということなんですが、この指標のもととなっている健康福祉に関する意識調査のほうを拝見しましたところ、こちらのほうで、アンケートに、現在は活動していないんだけれどもこれからしてみたいという方がたくさんいらっしゃいますよね。50%近くいる中で、参加するきっかけがわからないとか、具体的な活動内容がわからないと答えている方がその中でも5割近くいらっしゃいます。大事なのは、こちらの数字を上げるために、ヒントとなっているそのアンケート結果のところを大事にしていただいて、こういったことをやっていきたいとかというのも、この報告のほうに一緒に載せていただけると本当に報告していただく意味があるのかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 委員おっしゃいましたように、詳細に分析して得られる傾向、こういったものに対してどういう施策を行っていくかということに着目しまして、改定のほうにつなげてまいりたいと思ってございます。

石坂委員

 まず、最初に12ページの①のところ、すこやか福祉センター等が地域包括ケアを支えるための情報システムが完成している、先ほど日野委員が質問したところでもありますが、ちょっと詳しく確認したいと思うんですけども。50%という数値が設定されていて、数値化を図った結果、50という数字になっているというところではありますけども、この50という数字が、例えば完成するのにかかる所要時間の半ば、真ん中まで来ているから50なのか、あるいは使うべき予算の半分まで使ったから50%なのか、あるいは何らかのステップを踏んでやっていく中の、その手順的に真ん中まで来たから50%のか、あるいは途中であれば、いかんを問わず50%という形になっているものなのか教えてください。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 今おっしゃった中の手順の部分でございまして、契約などを終了しシステム自体は導入いたしましたけれども、実際に皆さんに活用していただくというところには至りませんでしたという意味で、50%ということでつくらせていただいたというところでございます。

石坂委員

 活用に至るまでの過程で、これは6割部分とか7割部分とかというのもあり得る数字であるという理解でいいんでしょうか。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 そもそもの目標が、平成30年度が関係機関同士の情報共有システム稼働という、そういう形の目標設定でございましたので、60とか70とか、そういった細かい段階での指標をそもそも考えていたものではございませんので、そういったものにはならないかというふうに考えてございます。

石坂委員

 段階ということも言われていたので、特にこれは書かれ方として、他の指標と比較が必要となることから数値化を図ったものであるという形ですね。数値化ですと、やっぱりどの程度あればどの程度伸びるのか、0と50の間の差は何なのか、50と100の差は何なのかというところをやはりしっかりとしていかないと数値化とは言えないと思いますので、やはり今回もこれが出ていますので、表示の仕方とかを工夫するとともに、どういう観点でこの数値化を図ったのかも載せていただくように今後お願いしたいと思います。

 それから、その下の②のすこやか福祉センターを身近に感じる人の割合ところで、誤差の範囲ということで横ばいになっているという評価になっています。過去、自分が予算決算の審査をやっていくときに、こうした場合も、わずかずつですが伸びていますというふうに担当の方が言い切られて、私のほうで、これって誤差じゃないのっていうことなどもしばしばあったんですが、今回は誤差という感じで、これに限らず捉えていること自体は、ちゃんと誤差率、回答者数もしっかりと別紙等へ出ているので、そこはよくなっていますし、これは今後、これ以外の場面ですとか、あるいは場合によっては全庁的に広げていただければと思うところではあります。

 ただ、やはりこれがなぜ横ばいなのかというところも、もちろん捉え方が必要だと思うんですけども、「身近に感じる」というところがまたちょっと微妙な表現だったのかもしれないというところで、結局この横ばいであるところというのが、実際に高齢者ですとか、障害者ですとか、乳児親子など、実際に使われる層の方が、使ったことはあるけども身近でないと感じているのか、そもそも使ったことがないから身近でないのかとか、あるいはそもそも知られていないということで身近でないのかというところもあるかと思うので、その辺というのは何か担当のほうで、数字にはあらわれない部分かと思いますけども、今回の評価をする、あるいは日ごろの業務の中の振り返りの中で、これが原因じゃないかということがもしあるようでしたら教えていただけますでしょうか。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 これは恐らくですけれども、すこやか福祉センターというものを利用したことがある方、それを利用されたことがない方による差がこういう形であらわれているのではないかというふうに推測してございます。

石坂委員

 そうしたときに、すこやか福祉センターがそもそもターゲット層がある程度限られているので、その限られた範囲の人だけの中で広がれば十分という形で設定されているのか、あるいは、全区民に知ってもらうという方向に向けていくっていうことで設定されるのかによって、多分改善すべき方向が変わってくると思うんですけど、そのあたりというのはいかがでしょうか。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 この設問自体が、「すこやか福祉センターを身近に感じる人の割合」ということで、その方のお気持ちというか、主観的な様相でございますので、この設定によって相談の質の向上など、そういったことに指標としてふさわしいのかどうかというところもございますので、この設問に関しましても、こういった柱の指標を改めて検討していかないといけないんではないかというふうに考えてございます。

石坂委員

 お願いします。

 あと、柱の8の認知症対策のところで、認知症サポートリーダー数がふえているのは喜ばしいことかなと思いますが、もちろんこれをいかに活用していくのかというところは今後出てくるのかなと思うところではあります。ただ、区民自体で意識を持っている人が高まっているということのあらわれですとか、あるいは、そこに区がアプローチしていることの結果でもあると思うので、そこは引き続き頑張っていただきたいな、また活用を図っていっていただきたいなというところではありますが、その一方で、認知症グループホームの点が伸び悩んでいるところがやはり気になるところでもあります。

 この原因というのが、ただ単にニーズの問題なのか、あるいはニーズはあるけども法人の手が挙がらないのか、あるいは法人が手を挙げようとしても、今、介護人材が不足していると言われるところでもあるので人材が不足しているのかですとか、そうしたことは分析などはされているんでしょうか。

藤井地域包括ケア推進担当部長

 実際の数字が294だったものが330になっているんですけれども、これはこの3年間で2施設開設して定員がこれだけふえたということになっております。やはりニーズはあるというふうに考えてはおりますけれども、施設整備が進まなかったというふうに認識しています。

石坂委員

 そのときに、施設が進まないところでの人材不足とかそうしたところは、実際に障害者施設なんかですと、既存の施設なんかでも人材が足りなくなってきているようなところで経営が難しくなってしまった例も出ていますけども、高齢者の場合もそういったことはある状態なんでしょうか。

葉山地域支えあい推進部介護・高齢者支援課長

 例えばなんですけれども、昨年、30年度に開設した認知症グループホームがございますけれども、当初見込んでいた予定定員数よりも少なくなった原因として、やはり人材がなかなか確保できなかったという部分があったということを聞いております。

石坂委員

 やはり今のような理由があると、そうすると多分打つべき施策、ここの目標を達成するための施策なんかも変わってくるところではあると思います。来年度、特に中野は子育て先進区を進めていきますという中で、保育士の方の住まいをサポートして保育人材を中野区でふやしていくなんていうこともある中で、やはり介護人材のほうもどう確保していくのかというところを、実際子どものほうで成果を得ているということであれば、高齢者のほうでも同じように考えていくという発想が必要だと思うんですが、その辺というのはいかがお考えなんでしょうか。

葉山地域支えあい推進部介護・高齢者支援課長

 やはり各サービスを提供している事業者さんからは、やはり人材の確保が非常に難しいんだというところで御相談いただいていたり、要望を受けております。

 介護の仕組みとしては、基本的には国が定めた報酬が経営上の一番のかなめになってくるので、そこでの上乗せがあるかないかというところが一番肝心であると思いますけれども、区のほうとしても、その人材確保に向けて何ができるのかというところを検討していきたいと思います。

委員長

 他に御質疑ありますか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告について終了します。

 次に、3番、中野区における全世代向け地域包括ケアシステムの推進に関する基本的な考え方についての報告を求めます。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 私からは、中野区における全世代向け地域包括ケアシステムの推進に関する基本的な考え方について御報告をいたします。(資料4)

 平成29年3月に策定されました「中野区地域包括ケアシステム推進プラン」に基づきまして、区と関係団体等は、団塊の世代が75歳以上となる令和7年、2025年に向けた喫緊の課題である高齢者向けの取り組みを主に進めているところでございますけれども、地域包括ケアシステムの対象を子どもと子育て家庭、障害者など全世代へ拡大していくに当たり、区の基本的な考え方を取りまとめましたので報告をいたします。

 1、これまでの経過でございます。推進プランは、平成28年度、2016年から2025年まで10年の計画期間となっておりまして、ステップ1からステップ4までの4期に分けた構成としておりまして、現在はステップ1の「高齢者が可能な限り住み続けられる地域づくりに向けた基盤整備」を終えて、ステップ2「基盤、機運の充実を背景とした地域包括ケアの全世代、全区民への発展・充実」の段階に進んでいるところでございます。

 2、庁内推進体制と区の役割でございます。(1)庁内推進体制でございます。昨年8月に、地域支えあい推進部が主宰する庁内会議を設置いたしまして、全世代を対象とした地域包括ケアシステムの全庁的な推進方策について協議を行っているところでございます。

 (2)が、区の役割を4項目整理したものでございます。①中野区における地域包括ケアシステムの推進に関する総合調整と施策の実施。②誰もが制度のすき間に落ちることなく必要な支援を受けられるよう、地域のセーフティネット及びコーディネーターの役割を果たすこと。③必要なサービスの確保とその質の向上。④権利擁護の推進でございます。

 3番、全世代向け地域包括ケアシステム推進に関するスローガンでございます。以下、(案)と書いてございますけれども、これは現在庁内における検討の一定の到達点ということで、(案)とさせていただいているものでございます。

 今後、全世代向け地域包括ケアシステム推進に係るスローガンを設定して、区、区民及び関係団体で共有したいと考えております。

 スローガンは、現在検討中の基本構想に定める「10年後に目指すまちの姿」の実現に向けて、地域包括ケアシステムが担う役割を簡潔に言いあらわすとともに、親しみやすいものになるように工夫してまいります。

 めくっていただきまして、4番が、全世代向け地域包括ケアシステムにおいて目指すべきまちの姿の案でございます。右側のところが現行の推進プラン、高齢者向け推進プランにおける目指すべきまちの姿の四つでございまして、左側が全世代向けのまちの姿というふうな書き方でございます。

 (1)本人の意思が尊重され、権利が守られているまち、(2)産学公民の多様なサービスが常に生み出され、最先端の支援が提供されるまち、(3)が、それぞれの人が望む形で支援を得ることができ、誰もがいきいきと暮らし続けられるまち、(4)多様な人が多様な役割を担うことによって、誰もが居場所を持つまちというのが四つの姿でございます。

 5番が、全世代向け地域包括ケアシステムの柱(構成要素)の案でございます。こちらも右側が高齢者向け現行プラン、左側が全世代向けの新たな柱という形になってございます。大きくは変えてございませんけれども、柱3につきましては、健康・社会参加・学び・就労、柱5が、生活を支えるサービス、生活を豊かにするサービス、柱7がセーフティネット、柱8が子どもと子育て家庭、障害者及び高齢者特有の課題ということで、これまで高齢者に特化したような書き方であったものを全世代共通のような表現に変えているというところが主な変更の点でございます。

 6番、重点取組事項の案でございます。全世代向けの地域包括ケアシステムを推進するに当たりまして、複数の「柱」に関連する内容であり、また、区や関係団体等に共通する課題を含み、緊急に対応することが求められると考えられる次の項目を重点取組事項として設定してまいりたいと考えております。区は、実態の把握に努めて、関係団体等と連携した取り組みを進めていくというところでございます。

 重点項目の(1)が、「多様な担い手のかたちがあり、誰もが担い手になれる社会の実現」、二つ目が、「孤独で苦しむ人がいない社会の実現」でございます。

 7番、(仮称)地域包括ケアシステム総合計画の策定でございます。区と関係団体等が地域包括ケアシステムに関する理念を共有し、目指すまちの姿の実現に向けてみずから実施し、協働していくための区と区民のアクションプランとして、(仮称)地域包括ケアシステム総合計画、以下、「(仮称)総合計画」と言います。こちらを策定いたします。(仮称)総合計画は、現行の推進プランと同様に、区と関係団体等で構成する中野区地域包括ケア推進会議で策定いたします。

 策定の過程で、全世代向け地域包括ケアシステム推進に関し、従来の高齢者、子どもと子育て家庭、障害者の施策の枠組みで対応ができていないものがないかを点検してまいります。また、区の他の計画との整合性を図るとともに、関係団体等の事業計画等と調整の上、策定していくものといたします。

 8番、今後のスケジュール(予定)でございます。令和2年3月に、推進プラン、さきに御報告をさせていただきましたが、高齢者の推進プランの改定の方向性の案をお示しいたします。10月に、高齢者、子どもと子育て家庭、障害者の各事業の取りまとめを行いまして、(仮称)総合計画の骨子をお示しいたします。令和3年6月に(仮称)総合計画の素案をお示しし、11月には案をお示しして、その後、決定してまいりたいと考えてございます。

 私からの御報告は以上です。よろしくお願いいたします。

委員長

 ただいまの報告に対して、質疑を受けたいと思います。

加藤委員

 1のこれまでの経過において、現在はステップ1の「高齢者が可能な限り住み続けられる地域づくりに向けた基盤整備」を終えとなっておりますけれども、どういったところからこのステップ1が終わったという判断になっているんでしょうか。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 この「終え」ということは、高齢者に関しての基盤整備が100%、完全に終えたということではなくて、その段階が終わりましたということでございまして、その内容につきましては、先ほど御報告させていただいたように、今検証しているところでございますので、こちらがきちんとした形で実現できているかというところを検証しているところでございます。

加藤委員

 先ほどのというのは、報告2番目のやつの資料でいいんですかね。そうすると、住みやすさの満足度が89.0から0.8ポイント上がりました。高齢者向けの民間賃貸住宅登録戸数が40件減りました。バリアフリーはよくなっている、区内移動の快適性に関する満足度は差がとれないと。この指標からどうやってよくなったという判断をするんですか。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 指標の数値に関しての報告を今回させていただいたところでございまして、先ほどと重複したお答えになりますけれども、数値だけでは把握できない実態でございますとか、そういったものにつきまして関係団体などとヒアリングなどを行っておりまして、そういうものを総合的に判断して検証のほうを進めているところでございます。

加藤委員

 見えないと言われても、前に進める理由というのがなかなか難しいところで、ステップ1がまだ終わっていないんじゃないかなというふうに感じるわけですよ。いろんな指標がプラスどころかマイナスになっている可能性がある、よく見ても横ばいだという中で、次のステップに行くのかな。実際町会とかいろいろ行きますけど、地域包括ケアシステム自体の言葉になじんでいない実態が、まだ私、個人的には感じるところでありまして、そのシステムの名前すら知らないのに、これが前に進んでいるのかというと甚だ疑問がある。つまり町会とか老人会に行って、わからない人たちが、そういうところに参加すらしていない人たちは絶対知るよしもないだろうと思うわけですよね。だから、まだ次のステップに行くには早いんじゃないかなって考えるんですけど、御担当としてはどう思いますか。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 繰り返しになりますが、このステップ1というのは、あくまでもこの期間のことを申しておりまして、ここにおきまして実際にどこまで達成できたかということに関しましては、個々の施策の内容にもよります、事業にもよりますし、その辺は今後検証していくところでございまして、さらにステップ1が終われば高齢者向けの取り組みが終了するということでは当然ございませんで、高齢者向けの施策に関しましてさらに充実をさせていく一方で、それ以外の子どもと子育て家庭でありますとか、障害者など全世代へ拡大していきたいということでございます。

 そこには、やはりこういった高齢者、子どもと子育て家庭、障害者などという形できっちりと線引きができないような課題というものが今般発生していることが明らかでございますので、そういったものをトータルに捉えるために、全世代向けの地域包括ケアシステムを進めていきたいということが現状におきましての認識でございます。

加藤委員

 この高齢者用の地域包括ケアシステムの推進から、今度は子育て家庭、障害者など全世代に拡大していくというところでこういったペーパーが出ているわけですけれども、その前段で、高齢者専用というか、そこに絞ったステップ1もクリアできていないのに次のところに行くと、もっと作業がふえて、もっとこのシステムを構築するのが困難になってくることが想定される中で、基盤がまだできていない中でそれに行くと、本当に完成しないんじゃないかという懸念をしているわけですよ。その辺、担当者として、数字上は見えないところがあるとおっしゃいますけど、数字上よくなっていないものを、これ以上よくしていく手立ても見えない中で次のステップに行っていいのかなというところで、本当に大丈夫なのかなということを心配するわけですけれども。まず、この数字をよくすることができて――さっきの報告になっちゃうからそこは言いませんけれども、そこができていないにもかかわらず前に進んで大丈夫なんでしょうか、改めて伺います。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 高齢者向けの取り組みの検証を今しているところでございますけれども、繰り返しになりますが、8050問題でもそうですし、いわゆるダブルケアの問題とかありますけれども、高齢者という切り口だけでとらえることがやはり難しくなってきているであろうと。やはり全世代へ向けて、これまでそれぞれ、子どもと子育て家庭、障害者でありますとか、庁内におきまして各主要となる課があり、主要となる部で進めているところなんですけれども、それは今後とも進める、その前提において、その上で、さらに中野区として、そういった取り組みを総合的に進めることによって各対象者別の施策のレベルアップにつながるだろうということで、今回総合的な全区民を対象とした地域包括ケアシステムの推進ということを目指しているところでございます。

加藤委員

 問題として全世代的に及んでいるということはみんな承知しているところでありますから、そこをないがしろにしろとは言いませんけれども、まず基盤として、さきにも質疑して御答弁いただきましたけど、医療費、介護費を抑制するという一義的なところの地域包括ケアのシステムの構築というところに主眼を置かないと、何のために組んでいるのかわからなくなっちゃうので、目的をしっかりと、そこをまず重点的にやって、その余力をもって全世代的に拡充していくというようなイメージを持たないといけない。もしくは別々でスタートするとか、そういった形を組まないと、本当に途中で瓦解しちゃうんじゃないかなというふうに考えるわけですが、そこら辺はスケジュール感を一緒にしないで別々にするとか、ずらすとか、同時並行にするとか、そういった形にしていかないとちょっとまずいと思うんですけど、その辺のシステムの構築のイメージというのはどのようになっていますか。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 これも繰り返しになりますが、これまで高齢者は高齢者をメインに取り組む担当がございましたし、子どもと子育て家庭、障害者につきましても主要となるような担当部署がございます。そこにおいては、喫緊の課題でありますとか早急に取り組むべき課題、事業につきましては、それぞれの責任で取り組んでおります。それをさらに全体的な調整をしていこうというのが、今回、昨年度に設けました庁内推進体制の庁内会議ということでもございますので、そういったところで互いの施策の構造的な調整をしながら全体的に進めていくということでございますので、高齢者の取り組みが一定程度進まなければほかの取り組みを進めないということではなくて、それぞれの担当部署が責任を持った取り組みを行いつつ、全体調整をして、全体で包括した理念のもとに取り組んでいきたいというのが今回お示ししている考え方でございます。

加藤委員

 何度言ってもそういった御答弁になってしまうと思うのであれですけど、まずはしっかりと基盤を、ステップ2が「基盤、機運の充実を背景とした」というところで、これがなされていないと認識するところなので、ステップ1.5というべきか、そういったところが終わっていないので、2に入る前にもう一度、そこのところ、検証が終わっていないということですけども、はっきり言って横ばいで何も変わっていないというような、うまくいきませんでしたと認めるのも一つ重要なことかなと思いますので、その辺しっかりと検証をして、ステップ1.5というべきようなところをやっていただきたいと、ここは要望とさせていただきます。

 ほかのところで気になったところで、1ページ目、2の(2)区の役割の②ですけれども、「誰もが制度のすき間に落ちることなく必要な支援を受けられるよう」と書いてありますけれども、制度のすき間があるということを区が認識するというのはちょっと意味がよくわからなくて、これは社会福祉協議会が制度のすき間があるから埋めていきましょうって、その受け皿になりましょうというのはわかりますけど、区が制度に隙間があると認めているんだったら、その隙間を埋める制度をまたつくればいいじゃないですか、これは区のスタンスとしては問題だと思うんですけど、この表現はなんなんでしょうか、お伺いします。

藤井地域包括ケア推進担当部長

 制度や何かしら枠組みをつくれば、必ず制度の枠内と制度外ができてしまうというのは構造的なものだと思いますので、制度をつくれば必ず隙間ができるものだという認識でございます。その制度のすき間、例えば介護保険であれば、その介護サービスでできるもの、できないものは必ずできます。そういうふうに、何かしらサービスがあれば、制度があれば、できないものというのができるという認識のもと、それではそこで困っている人たちはどういう人なのかいうことを探っていくというのが私たちがとるべき姿勢ではないかという認識です。

加藤委員

 表現の話なんですけど、隙間があることを認識しているなら、そこを埋める制度をまたつくればいいじゃないかというところで、そういった、表現としては、あらゆる人に支援ができるようにとか、そういった言い方が区の言い方なんじゃないかなって、隙間があることをわかっているんだったら、またすき間を埋めればいいじゃないかって話になっちゃうので、その姿勢に対して言っているわけであって、別にそういったものが存在していたし方ないのはわかっているんですけど、隙間があるなら埋めればいいじゃないかって一般区民の方に言われるに違いないんですから、この表現をやめていただきたいということを言っています。これは要望です。

 大きな3番で、全世代向け地域包括ケアシステム推進に係るスローガン(案)とありますけれども、これ、この1から順番に重要性があるのかどうかはわからないですけど、これがこの順番にあること自体に疑問があって、入れるとしたら7番とかその辺で、全ての総合計画が策定されてからスローガンを決めるべきなんですよ。区長が今、「子育て先進区」という言葉がありますけど、その言葉、そういうふうに呼ばれたいということが先行しちゃって政策が決まっていくみたいなところが今、多々あります。だからスローガンを先に決めちゃうと、それにとらわれちゃって、本当にやらないといけない行政サービスができなくなる可能性があって、スローガンありきで制度をつくらないで、制度が完成してからスローガンをつくっていただきたいというところだと思うんです。

 「子育て先進区」という場合だったら、もちろん子育て支援等に税金を使ってやるとかがメインになってきますけど、地域包括ケアシステムにおいては、やっぱり互助の力がどうしても必要だっていうところで、皆さんにやっていただこうというようなところなので、そこに税金を使えば使うほど地域包括ケアシステムはうまくいかないわけですから、表現としては、皆様がちょっとずつでもいいから力を貸してくださいっていうようなことをいうのに、つまりちょっと痛みを分け合ってくださいというようなのをやっていくというものなので、そこら辺のスローガンをしっかりと考えてほしいなというところで、このスローガンは、そういう意味で最後の最後考えるべきだと思うんですけど、その辺の何かスローガン決定までのスケジュールみたいなところは今持っているんでしょうか。(「スローガン、要りません」と呼ぶ者あり)――要りません。僕としては要らないと思います。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 スローガンといいますのは、今考えておりますのは、委員がおっしゃったように、地域包括ケアシステムにおいて互助というものが大変大きいものだというふうに理解しておりまして、地域包括ケアという言葉自体がまだ浸透していないというお話もありました。地域でいろんな活動をしていらっしゃる方の中には、自分たちが行っている活動が、私どもの目から見るとまさに地域包括ケアであるものにもかかわらず、自分たちの活動が地域包括ケアの一部であるというようなことを認識されていないような方がいらっしゃって、そういう方にそういった形でのアプローチをしますと、その方々のやる気につながったり、そういったような話も聞いておりますので、このスローガンというのは何か目指すべき姿であるとか、運動を区が主導して進めていくというようなものではなくて、区や関係団体等で共有するべき地域包括ケアの基本的な理念、そういったものをわかりやすく表現するようなものにしていきたいと思っておりまして、これに関しては、今のところは総合計画が策定する前の段階になるべく早く決めたいなと。それによって地域の方に対してのアプローチなどをして、全区的な地域包括ケアの機運というものの醸成に役立つようなものができればいいんじゃないかというふうに担当としては考えております。

加藤委員

 私のも繰り返しになっちゃいますけれども、スローガンありきで物が走り出すと、後で整合性がとれなくなったときに、しっかりとした計画があっても、そのスローガンに合わせて計画を、ニュアンスをそういうふうに読み取るように、何かマイナス側に作用しちゃうこともあり得るのかなということがあるので、全体像がしっかりと見えたときに――スローガンなんてないほうがいいかなとも思いますけれども、状況によっては必要なのかもしれないですけど、ちょっとその作成過程においては本当に吟味しないと、ちょっとその言葉に追われるように行政を進めないといけなくなってしまうと思うので、その辺はしっかりと、じっくりと検討していただきたいと思います。要望です。

森委員

 御報告ありがとうございました。ちょっとこれを読んでいて基本的なことがわからなくなっちゃったんですけど、この地域包括ケアシステム総合計画というものと、この推進プランというものは、これは二つのものが存在していくことになるんですか。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 推進プランといいますのが現行の高齢者向けの推進プランでございまして、今の、そのプランに書かれておりますのはほぼ高齢者を対象とした施策を整理しているものなんですけれども、その中に、今後の展開として、全世代向けに地域包括ケアを推し進めていくということが既に書かれております。ですので、それの段階に沿って、そのステップ2において、その高齢者向けのプラン、いわゆる推進プランの見直しをするとともに、全世代向けのプランも作成し、それぞれを包括するような基本理念でありますとかそういったものをつくっていくと。なので、現行の推進プランが総合プランに発展的に変わっていくと、そういうようなイメージで捉えていただければよろしいかと思います。

森委員

 ちょっとよくわからないんですけど、この現行の推進プランは2025年度まであるわけじゃないですか。でも、これは総合計画ができた段階でそっちのほうに入り込む。推進プランという、これそのものはなくなる、一本化されるという理解でいいですか。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 一本化されるという方向であります。

森委員

 わかりました。

 その一本化された総合計画の中に、この全世代向けと高齢者向けというのが二本柱みたいな形で存在をしていく。そこも一体的になっていくんですか。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 全世代向けの、全体として全てに共通するような理念でありますとか、まちの姿でありますとか、そういうものを推進プランの総論的な部分で定めて、その各論の中に高齢者であるとか、子どもであるとか、障害者であるとかというようなことになってくるんですけども、それだけだと単に施策をまとめただけになりますので、そうではなくて、先ほども制度のすき間というようなお話が出ましたけれども、そういったものも落とさないような形でつくっていきたいと思っておりますけども、イメージとしてはそういったような対象の考え方になります。

森委員

 ありがとうございます。イメージはつきました。

 この総合計画は中野区地域包括ケア推進会議が策定するとあるんですが、この中野区地域包括ケア推進会議というものの位置付け――位置付けというのは、要するに要綱なり条例なりで位置付けがあるのかどうかという話と、構成メンバーというか、構成団体というか、そういうものはカチッとしたものがあるのかどうか、もしくはもうちょっとフレキシブルなものなのか、その点どうなっているんでしょうか。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 介護保険法上の地域ケア会議というのがございますけれども、中野区の場合におきましては、中野区地域ケア会議設置要綱というのがございまして、そこで中野区におきましての地域ケア会議を二層で設けております。すこやか福祉センター、日常生活圏域単位の地域ケア会議と、区全体を対象とした中野区地域包括ケア推進会議という二層に分かれておりまして、地域包括ケア推進会議は区の全体にわたるような課題を整理したり、推進プランのPDCAの一つとして点検をしたり、あと、新たな施策の検討をしたりというような形で行っているものでございます。

 そこの委員でございますけども、おおむね30人ということでその要綱で定めておりまして、地域包括支援センターの方でありますとか、町会、自治会の方、民生児童委員協議会や医療機関からの推薦の方でありますとか、介護サービスの事業所連絡会の方でありますとか、社会福祉協議会の方でありますとか、そういった団体の方、さらには警察署、消防署でありますとか、そういった方も参加していただいております。また、商店街連合会、商工会議所といった、そういった御商売に関しての団体様も参加していただいておりますし、それに加えて学識経験者の方も参加していただいていると、そういうような形で区と関係団体等で構成しているところでございます。

森委員

 非常に幅広い方が入っていただいているのはわかったんですが、設置根拠が要綱なんですね。要綱にしか設置根拠がないところが、この区政において非常に重要な総合計画を策定をするというのは、なんか私は物すごく違和感があるんですけれども。要するに、それだけ大事な会議体なんだったら条例上位置付けたほうがいいんじゃないかというような気もしますし、もしくは、地域包括ケア推進会議が策定するんじゃなくて、区として――具体的には庁議でということになるんですかね、区として策定をするとか、なんかそういうほうが私としてはすっと落ちるんですけど。要綱が根拠の会議体でこの総合計画を策定するということで本当にいいんでしょうか。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 現行の高齢者版中野区地域包括ケアシステム推進プランにおきまして、同様のこの推進会議のほうで策定をしておりまして、区と区民のアクションプランというふうに言っているんですけれども、区の行政計画だけではなくて、各団体が実施する事業についても掲載しているということで、この会議において策定したところでございます。ただ、委員のおっしゃった御意見も参考にいたしまして、今後、研究のほうをさせていただきたいと思います。

森委員

 私もどっちがいいのかわからないんですけど、ただ、これだけ大事な計画を要綱にしか根拠がないところでやるということは、私はやっぱり違和感が非常に強くあるということは申し上げておきたいと思います。

 それから、今後のスケジュールなんですけど、ことしの3月、10月、来年の6月、11月と書いていただいていますけれども、この間に意見交換会とかパブリックコメントとかというのは予定があるのかどうかというのが一つと、これは11月の(案)までしか書いていないんですけど、通常これは策定のスケジュール、要は、ここのタイミングで策定しますまで書いてあるのが通常だと思うんですが、何でこれは(案)でとまっているのか、そのあたりを御説明ください。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 先ほど策定主体が中野区地域包括ケア推進会議であり、構成メンバーの方の内訳をお話させていただいたんですけれども、そもそもそのような形で区民の方が参加されていて、区民参加を前提に、土台として策定したものということがありますので、現時点におきましては、意見交換会、パブリックコメント等は予定しておりません。

 あと、11月の総合計画(案)となっておりますけども、ここで、議会及び地域包括ケア推進会議におきまして了解といいますか、最終的な決定をしたところで(案)をとった形での正式な決定というふうな意味合いを込めているところでございます。

森委員

 手続の部分を伺っていると、非常に大事な総合計画なのかなと思っていたら、要綱にしか設置根拠がないところで策定をします、区民の皆さんの協力が必要なプランになるのに意見交換会、パブリックコメントは予定をしていませんとなると、なんかその程度――要するに関係者間で共有していればいいぐらいのものというように今、聞こえてしまったんですね。本当に今の考えている手続でいいのかというのは、ちょっと私も、きょうこの場でやりとりをしていただいた御答弁なのではっきり言えませんけれども、なんかもうちょっとちゃんとした位置付けが必要なんじゃないかなという気がしています。それは皆さんのほうでもう一回考えていただきたいなというふうに、これは要望しておきます。

 もう一点、この今後のスケジュールは、さっき言ったようにいろいろ普通と抜けているところがあるんですね。本来は策定まで書いてあるべき。もう一つ抜けているのが議会報告なんです。第何回定例会にこれを報告しますというふうに通常入っているんですが、これがないんですね。そういうのを見ても、なんか関係者間で勝手に決めて、それでやればいいのかなに見えちゃうんですけど、議会報告はしていただけるんですよね。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 記載に関しての御指摘は重く受けとめたいと思います。議会に対しましてはその都度御報告をいたしまして、今回のようにいろんな御意見をいただいた上で、それを反映させて検討してまいりたいと思っております。

森委員

 その議会の意見を反映するのは、どうやってやるんですか。要するに、区だけでは完結しないわけですよね。地域包括ケア推進会議で策定をするとなると、そこに対して、この議会でもいろいろ出る意見というのはどういう形で伝わり、どういう扱いになっていくのか、この辺はどうなんでしょうか。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 議会でいただいた御意見を、地域包括ケア推進会議は年2回開催しておりますけれども、そういったところで、どういった形でお示しするかは今後検討していきますけれども、御意見に関してはお示しして、そこでも委員の皆様からもさまざま意見が出ますので、そういった中で検討させていただきたいと思っております。(「休憩してもらっていいですか」と呼ぶ者あり)

委員長

 休憩します。

 

(午後4時05分)

 

委員長

 再開します。

 

(午後4時11分)

 

石坂委員

 幾つか伺います。今回、5番で八つの柱が示されていて、特に8番目の柱、子ども子育て、障害者、高齢者特有の課題というものがありますが、どうまとめていくのかによると思うんですけども、ただ単に施策をまとめるだけだと、この8番が相当膨らんでしまうものだと思います。恐らくそういうことはない方向で、総合計画なわけですからそうはならない形で進むと思うんですが、その1から7の部分に関しては、この柱の中で計画のつくられ方として、例えば高齢者の場合、障害者の場合、子どもの場合という形で併記されるものの羅列になるのか、あるいは統合できるものは統合されて、その上で障害者の場合、高齢者の場合、子どもの場合等々という形でなっていくのか、そのつくられ方はどういうふうになる予定なんでしょうか。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 柱ごとの構成のしつらえですけれども、それに関しましては、現時点ではケース・バイ・ケースの部分が多いと思いますけども、一定見やすいような形での整理、それについては対象者別のほうがいい場合もあると思いますし、そうじゃない場合もあると思いますので、ケース・バイ・ケースになるかなというふうに考えております。

石坂委員

 昨年の決算特別委員会の際に、地域包括ケアを進めていくときには、経営本部ではなくなったけれども、子育て推進部が中心になってまとめていきますという話ではありました。そう考えた際に、この柱の1から7について、それぞれの子どもなら子ども、障害なら障害、高齢なら高齢という形で進捗していくというだけではなくて、やはりそこは地域支えあい推進部のほうで、総合計画の取りまとめもそうですし、その後進行していく上での進行状態の把握ですとか調整とかというところは地域支えあい推進部が担っていくべきであると思うんですが、そういう形にはならないような形でまとまる感じなんでしょうか。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 先ほどの報告の庁内推進体制のところで申しましたけれども、地域支えあい推進部が主宰する庁内会議がございまして、こちらにおきまして各施策の全体的な洗い出しと検証、点検などを行っていこうというふうに考えております。

石坂委員

 そうしたときに議会がどう絡んでいくのかというところであると思うんですけども。要は、この特別委員会は地域包括ケア全般を取り扱いますが、子どもであると子ども文教委員会ですとかそれぞれ分かれてしまうわけですよね。特にこの中で、住まい住まい方という部分があるかと思います。行政側は、全庁的な形で庁内会議とおっしゃっているので、恐らくこの住まい住まい方のほうであると都市基盤部が絡んでくる部分だと思います。ただこちらの委員会は、都市基盤部も管理職の方はいらっしゃらない状態ですので、議会にかけていくときに、じゃあ、その部分だけは建設委員会にかけますという話になるのかどうなのかというところも出てくる。あるいはその部分に関しては、ちゃんと支えあい推進部の中で、この部分は取りまとめている人がいるから答弁できますというふうになるのかによっても進め方が変わってくると思うんですが、その辺はいかがなんでしょうか。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 基本的にはそれぞれの所管のほうで報告するような形になると考えてございます。

石坂委員

 そうしますと、建設委員会のほうで地域包括ケアについても話し合っていくという理解でよいのでしょうか。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 基本的には、それぞれの事業に関しましては各所管のほうで各委員会に御報告する、それは原則でございますけれども、こちらの委員会におきましても、私どもが内容につきましてお答えできるような準備をしてまいりたいと考えております。

石坂委員

 答えられませんとか、どこにも報告がなされませんでしたという形で進むことがないようお願いしておきます。

 それと、そういう形で高齢、障害、子ども部分をつくる形であるというお話があったのと、あと今後のスケジュールの中で、10月のところで、高齢者、子ども子育て家庭、障害者の各事業の取りまとめとあります。

 私、これまでのさまざまな場面で言われている中で心配になるのが、障害児の場合、あと介護保険の1号被保険者になる障害者、歳を重ねて2号被保険者になる障害者、あるいは、もともとは障害がなかった方が高齢に伴って介護保険以外の障害福祉のものを使えるケース等々も出てくるところがある中で、高齢、子どもと子育て家庭、障害それぞれがまとめたものを合体させる形ですと、やはりそこの部分が漏れる。漏れないようにしていきますという話ではあるんですけれども、誰かが責任を持ってまとめていかないとそこは漏れてしまう、あるいは、計画のときもそうですし、進める上でもそういうことが起こり得るかなと思っています。やっぱりそこは支えあい推進部のほうが責任を持って見ていく、あるいは各所管の部署のほうが、障害者福祉のほうであっても障害児や高齢障害者のほうにも目を配っていくとか、そういう発想をきちんとしておかないと、結果的にまた、先ほど漏れがないという言い方でしたっけ、その部分については漏れが生じてしまうんじゃないかと思うんですが、そのあたりの対策というのはどう考えていらっしゃいますでしょうか。

高橋地域支えあい推進部地域包括ケア推進課長

 先ほどの議会への報告等の考え方と共通する部分もあるかと思うんですけども、基本的には各施策に関しまして、所管課、所管部のほうで責任を持って取り組み、その所管の委員会のほうに報告すると。さらに加えまして、地域包括ケア推進部として各種施策の調整でありますとか、そういったところにかかわりがありますので、例えばこちらの委員会に関しましては、その内容について御報告できる範囲で、所管と連絡調整をしながら御報告をしていくというような形になるかと思っております。

石坂委員

 もちろん報告はしてもらうわけですけども、誰かが気づかなければ、そのまま報告というか、施策も組み立てられずに進んでしまいかねないので、特に障害児に関して、担当の課長さんいらっしゃいますけども、高齢障害者に対しては介護保険がやるのか、障害福祉がやるのか、どっちかがやると思っていてどっちも漏れてしまったとかということが一番怖いので、そこのあたりはしっかりと御担当のほうも気を配っていただきたいですし、それぞれ所管するところも、うちの所管はここまでという発想ではなくて、関連する部分として意識を、気を配っていっていただかないと困りますので、そこは要望としておきますが、しっかりとお願いいたします。

白井委員

 さまざまな委員のお話を聞いていて、一番初めに報告を受けたときに、私が思い描いている全世代型のいわゆる地域包括ケアと、役所が説明されているのとはかなり違和感があるなと思ったんですけど、恐らく他の委員の皆さんの意見を聞いていても、そうなんだろうなあというふうにきょうは思いました。

 一番は、全世代型の地域包括ケアってどういうイメージでありますかというのが示されていなくて、いきなり四本の柱だけ書いてあるんです。これが全世代型のやつを含めた柱ですよと言われても全然ピンとこなくて、一体これを指して何の支援策をとるんですか。

 特にこの(2)というのはもっと違和感があって、なぜ4本しかない柱の中に、「産学公民の多様なサービスが常に生み出され、最先端の支援が提供されるまち」って、これ、地域包括ケアの柱の一つかっていう。なぜこれが4本しかない柱の中の一つに入ってくるのっていうのもさっぱりわからない。次の5番に至っては、高齢者の推進プランのほとんど章立てと同じく柱が組んであるので、該当しないものを移したなっていうぐらいしか見えないんです。

 将来的には全体計画一本でという話で、まずは高齢者の推進プランと、そうでない全世代向けという話なんですけど、どうも聞いていると、ネーミングは全世代向けなんですけど、特に厳しいというか、障害者、特に課題を抱えている子育て世代のピンポイントの世代だけを含んで全世代というような言い方にしようとしているのかなって、本当に対象は全員なのかなって思います。

 いろんな人が言っているんですけど、さっきから聞いていると、「それぞれの所管が」と言うんですけど、所管でじゃなくて、所管はあなたですよっていう形じゃないと、恐らく連携という言葉だけじゃ無理じゃないですかね。個々の政策連携の調整ですというんじゃなくて、私のところがイニシアティブをとって、リーダーシップをとって政策調整しますよというぐらいじゃないと多分可能じゃないかもしれないなって。子育て世代でありながら高齢者を抱えている介護世代もあるし、障害のある世代もあるし、これらのマッチングで、じゃあ、ここの家庭を支援するためには、どういう世代を支援するためには何と何が必要なんだっていうような調整をした上でプランを組んでいくというイメージなんですけど、そのプランを組むところが所管じゃないんですかね、主たる所管って。

 個々のメニューを用意した上で、じゃあ、それぞれの世代に応じたときに何の柱が必要なのかって組んできたときに、どれも共通するなっていったときに四つしか出せないというんだったら、やっぱりこれが合うのかなと思うんですけど、物すごい違和感があるんですよ。本当に全世代向けの柱って、これなのかなって。一体何をされようとしているのかっていう全体イメージ図から描いていただかないと、どうも全世代型のこの地域包括ケアの仕組みというのは、私たちが描いているものと、今説明を受けたものとの構築がそもそも違うような気がする。

 常任委員会、予算の関係があったりするし、関連もあるから所管の委員会で報告ってあるんですけど、この当該委員会はこのためにあるといってもいいですからね。ほかの委員会の報告よりも、これが主ですから。ここは本当に丁寧に力を入れてやってもらわないと、正直言って委員会の存在意義も問われると私は思います。

 一方的にしゃべりましたけど、たくさん言いましたけど、感想だけ聞いておきます。

藤井地域包括ケア推進担当部長

 御意見ありがとうございます。実は、この目指すべきまちの姿の四つにつきましては、庁内での会議でも非常に議論を重ねまして、何度も何度も議論を重ねた結果、実はこの四つに落ちついたという経緯がございます。

 なぜかというと、私たちが考える全世代向けというのは、ケアプランをつくるケアを必要としている要支援者に対するケアだけではなくて、就労であるとか、生きがいであるとか、地域参加であるとか、あとは民間の産業であるとか、全てがその一体となるというイメージでございまして、あえてこの柱の二つ目の「産学公民の多様なサービスが常に生み出され」というのは、公助であるとか、共助であるとかそういったものではない、民間の営利目的の事業であったとしても、結果的にはうまく配分されて、そのサービスがあることによって一人の生活が豊かになるということももちろんあり得るというふうに考えています。

 なぜかというと、中野区という都市型の地域では、支えあい、互助だけではなくて、民間の産業というものが占める割合が非常に大きいのではないかというふうに考え、その市場によるサービスの調達ということを考えますと、やはり産学公民という、その産の部分も入れなければいけないのではないかということで、この形になりました。

白井委員

 そこまで言うならはっきり言います。別に産学公民でなくてもいいんですよ。支援を受ける人たちに必要なサービスの提供先であれば、正直言うとどの主体でも関係ない。もっというと、最先端である必要はないんですよ。その人に必要なサービスなんですよ。だから色がついているという言い方をしているんです。

 もっと言うと、さまざま議論した、四つに絞ったというなら、その経過を出してください。何でこれに至ったかさっぱりわからない。どうですか。

藤井地域包括ケア推進担当部長

 すみません、非常にお答えがしづらい御質問になりましたので――ありがとうございます。

 確かに最先端という言葉に関しましては、例えば普通ではなかなか、今までにはなかったようなサービスをみんなで議論し合ってつくり出すことができるような土壌をつくりたいというような思いがありました。(「別に最先端じゃなくていいわけだから」と呼ぶ者あり)――そうですね、最先端という言葉は言い過ぎだったかもしれません。しかしその心意気、みんなでつくっていきたいという思いがあって、あえてその最先端という言葉に落ちつきました。

委員長

 他に質疑はありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告について終了します。

 次に、4番、その他で理事者から何か報告ありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 以上で、所管事項の報告を終了します。

 審査日程のその他に入りますので、委員会を暫時休憩します。

 

(午後4時27分)

 

委員長

 委員会を再開します。

 

(午後4時29分)

 

 休憩中に御確認いただいたとおり次回の委員会は第1回定例会中とし、急な案件が生じた場合は正副委員長から招集をさせていただくということで御異議ありませんか。

 

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 なお、先ほどの3番の報告事項については、次回の当委員会で改めてきょうのやりとりを踏まえて所管事項の報告としてやっていただきたいということも確認をさせていただきます。

 御異議ありませんので、そのように決定いたします。

 以上で予定した日程を全て終了しますが、委員、理事者から特に御発言ありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 なければ、以上で地域包括ケア推進特別委員会を散会いたします。

 

(午後4時30分)