令和2年02月17日中野区議会本会議(第1回定例会)
令和2年02月17日中野区議会本会議(第1回定例会)の会議録

.令和2年(2020年)2月17日、中野区議会議事堂において開会された。

1.出席議員(40名)

  1番  市  川  しんたろう       2番  竹  村  あきひろ

  3番  日  野  たかし         4番  渡  辺  たけし

  6番  河  合  り  な        7番  斉  藤  ゆ  り

  8番  立  石  り  お        9番  羽  鳥  だいすけ

 10番  高  橋  かずちか       11番  加  藤  たくま

 12番  吉  田  康一郎        13番  木  村  広  一

 14番  甲  田  ゆり子        15番  内  野  大三郎

 16番  杉  山     司       17番  ひやま      隆

 18番  小宮山   たかし        19番  い  さ  哲  郎

 20番  小  杉  一  男       21番  若  林  しげお

 22番  内  川  和  久       23番  いでい   良  輔

 24番  小  林  ぜんいち       25番  白  井  ひでふみ

 26番  いながき  じゅん子       27番  山  本  たかし

 29番  石  坂  わたる        30番  近  藤  さえ子

 31番  浦  野  さとみ        32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  平  山  英  明       36番  南     かつひこ

 37番  久  保  り  か       38番  森     たかゆき

 39番  酒  井  たくや        40番  むとう   有  子

 41番  長  沢  和  彦       42番  来  住  和  行

1.欠席議員(2名)

  5番  間     ひとみ        28番  中  村  延  子

1.出席説明員

 中 野 区 長  酒 井 直 人      副  区  長  白 土   純

 副  区  長  横 山 克 人      教  育  長  入 野 貴美子

 企 画 部 長  高 橋 昭 彦      総 務 部 長  海老沢 憲 一

 危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝 瀬 裕 之    区 民 部 長  青 山 敬一郎

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 戸 辺   眞    子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小 田 史 子

 地域支えあい推進部長 野 村 建 樹    地域包括ケア推進担当部長 藤 井 多希子

 健康福祉部長  朝 井 めぐみ      保 健 所 長  向 山 晴 子

 環 境 部 長  岩 浅 英 樹      都市基盤部長  奈 良 浩 二

 まちづくり推進部長 角   秀 行     中野駅周辺まちづくり担当部長 豊 川 士 朗

 企画部企画課長  杉 本 兼太郎      総務部総務課長  石 濱 良 行

1.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  吉 村 恒 治      事 務 局 次 長  小 堺   充

 議事調査担当係長 鳥 居   誠      書     記  立 川   衛

 書     記  若 見 元 彦      書     記  井 田 裕 之

 書     記  野 村 理 志      書     記  鎌 形 聡 美

 書     記  松 丸 晃 大      書     記  遠 藤 良 太

 書     記  山 口 大 輔      書     記  髙 橋 万 里

 書     記  有 明 健 人      書     記  五十嵐 一 生

 

 議事日程(令和2年(2020年)2月17日午後1時開議)

日程第1 第6号議案 令和2年度中野区一般会計予算

 

午後1時00分開議

○議長(高橋かずちか) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 この際、お手元の一般質問一覧表のとおり、内川和久議員、酒井たくや議員、白井ひでふみ議員、羽鳥だいすけ議員、内野大三郎議員、吉田康一郎議員、いでい良輔議員、河合りな議員、南かつひこ議員、小杉一男議員、竹村あきひろ議員、大内しんご議員、山本たかし議員、久保りか議員、加藤たくま議員、むとう有子議員、近藤さえ子議員、いながきじゅん子議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員、立石りお議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 

 中野区議会議員 内 川 和 久

 1 施政方針説明について

 2 基本構想・基本計画及び今後の区有施設の考え方について

 3 行政評価・事業見直しについて

 4 その他

 

○議長(高橋かずちか) 最初に、内川和久議員。

〔内川和久議員登壇〕

○22番(内川和久) 令和2年第1回定例会におきまして、自由民主党の立場で一般質問をさせていただきます。

 質問は通告どおり、1番、施政方針説明について、2番、基本構想・基本計画及び今後の区有施設の考え方について、3番、行政評価・事業見直しについて、4、その他で1点、新型コロナウイルスに対する区の対応について、お聞きいたします。

 初めに、去る1月30日、政府は、総額3兆1,946億円の大型の経済対策を柱とした今年度補正予算案を参院本会議で可決しました。内容として、1、災害からの復旧・復興と安全・安心の確保、2、経済の下振れリスクを乗り越えようとする者への重点支援、3、未来への投資と東京オリンピック・パラリンピック後も見据えた経済活力の維持・向上、この三つが柱です。東京2020オリンピック・パラリンピック後の景気の落込みなどが指摘される中、自民党は先手を打った形です。

 中野区においては、今後、厳しい財政状況が予測されており、国同様、経済対策に先手を打つ必要があります。無駄を省いた予算編成、持続可能な行財政運営に今すぐ取り組むべきと申し上げさせていただきます。

 それでは、質問に移ります。

 1、施政方針説明について。

 このたび、令和2年度第1回定例会に当たり、酒井区長の施政方針説明がなされました。区の将来に向けた方向性と取組として、1、新しい基本構想・基本計画の策定、2、子どもの育ちを地域全体で支えるまち、3、人生100年時代を自分らしく生きられるまち、その他、多様性のまち、つながりが広がるまち、文化芸術施策、安全・安心で活力ある都市、ICT活用の利便性の高いサービス、区民との協働・協創など、9項目が挙げられていますが、基本構想は本年6月に議案提出、基本計画策定は令和3年3月まで延ばされたことから、具体性に欠ける内容となっています。

 また、先日示された中野区基本構想検討素案で挙げられている、「地域経済活動を活性化させます」の中において、10年後に目指すまちの姿として掲げられている、区民生活をより豊かにする付加価値の高いサービスをはじめとした産業が生まれ、地域経済が活性化をしている、また商店街は多彩な社会的役割を果たしているについては施政方針説明に盛り込まれていないことが残念です。地域経済の活性化、発展、産業振興についてはどのように考えているのか、まず区長にお聞きします。

 次に、令和2年度の区政の方向性について、お聞きします。

 重点課題として、1、子育て先進区に向けた取組、2、安心して地域で暮らし続けられるための取組、3、区民とともに進めるまちづくりのための取組、4、3つの取組を支え、推進する行財政運営と、四つ掲げられておりますが、最も重要と考える「3つの取組を支え、推進する行財政運営」においては、ユニバーサルデザインフォントの導入、変わりゆく中野のまちや人の様子などの映像等の記録・発信、ペーパーレスの推進、税収納率の向上とありますが、財政に直接関わるものが税収納率の向上だけというのはあまりにも物足りなさを感じざるを得ません。持続可能な行財政運営について、区長はどのように考えているのか、お聞きします。

 次に、令和2年度予算案の概要について、お聞きします。

 一般会計においては1,468億2,300万円と、前年度に比べ3.5%の減、特別会計は前年度に比べ13.7%の減、全会計総計では前年度に比べ156億1,900万円、6.9%の減となっています。しかしながら、これは施政方針説明に触れられていますが、中野区立総合体育館整備費や哲学堂公園野球場改修費、広町みらい公園整備費が皆減となった影響が大きく、一時的なものと考えられます。納税義務者数の増加や消費税増税の影響を反映し、地方消費税交付金の増加を見込んでおりますが、東京オリンピック・パラリンピック後の景気減速、個人消費の落込み、今後増加が予告されている義務的経費の増、さらには法人住民税の一部国税化による影響、ふるさと納税による税の流出にも注視しなければなりません。かつて中野区は未曾有の財政危機に陥りました。二度と同じ轍を踏んではいけないと、自民党として再三指摘をさせていただきました。昨年の第3回定例会決算特別委員会において、財政課長は、歳出の抑制に向け、これまで以上に事業の見直し・改善を図る必要がある。事業のスクラップ・アンド・ビルドにしっかりとつなげていきたいと答弁をされております。施政方針説明において、酒井区長は、喫緊の課題に対応し、子育てトータルケアの推進、教育施設環境の改善、地域の防災・安全の推進など幅広く取り組む予算としたとのことですが、これまでの財政運営手法の検証、持続可能な区政運営の考え方などが確立する前に、区長の言うところの幅広い予算を組むべき時期ではないと考えます。事業のスクラップ・アンド・ビルドはしっかりと行えたのでしょうか。将来の社会経済状況にも十分対応できるよう、強固な財政基盤を確固たるものにしてから臨むべきです。区長のお考えをお聞かせください。

 この項の最後に、令和2年度の予算編成に当たり、議会への十分な説明、報告がなく進められた施策・事業が散見されます。中野区の新たな区政運営方針においては、区政運営における基本的な考え方として、「区民参加による開かれた区政へ」という項目の中で「区政情報の積極的な提供」とうたわれています。区政運営に当たっては、方針にあるとおり、十分な情報提供をした上で計画的に進めるべきであると考えます。区長の見解をお聞きします。

 併せて、円滑な区政を行うための機能的な組織運営についてもお答えください。

 2番、基本構想・基本計画及び今後の区有施設の考え方について、お聞きいたします。

 このたび、中野区基本構想審議会の答申を踏まえ、中野区基本構想検討素案が示されました。今後、区民意見交換会等を実施し、4月には基本構想検討案の策定、議会報告、パブリックコメントの手続を実施し、6月に議案提出というスケジュールです。

 昨年、第3回定例会総括質疑において、酒井区長は、企業や団体といった垣根を超えて公共のために活動されているたくさんの人々がいる。中野区の最大の財産は、こうした「人」であるとして、「多様性」、「協働」、「スタートアップ」という三つのキーワードに沿った形で基本理念としてまとめると答弁されました。今回示された検討素案にはいまだ基本理念は示されておりません。いつ示すおつもりなのか、区長のお考えをお聞かせください。

 検討素案の中では、「基本構想を実現するために」として区政運営の原則を幾つか掲げられておりますので、お聞きします。

 「職員力でまちの価値と地域の力を高めます」の項では、「区職員は、地域に飛び出して、地域の抱える課題を見つけ出し、様々な主体との連携・協力により解決することで、ともにまちの価値と地域の力を高めます」とありますが、具体的にどのようなことを考えているのか、理解ができません。地域では、既に町会による見守りや民生委員、社協の職員、地域包括支援センターの職員等による活動が活発に行われております。区の職員としての役割はどこにあるのか、お答えください。

 次に、「エビデンスに基づく行政運営を進めます」の項では、「組織横断的な課題にも柔軟に対応するとともに、不断の改善や改革を進め、効果的・効率的な行政運営を実現します」とありますが、今後の組織改編に関してどのような考えをお持ちなのか、お答えください。

 次に、基本計画の策定について、お聞きします。

 このたび、中野区基本計画の策定に関わる検討状況が示されました。まず、策定までのスケジュールについて、お聞きします。

 基本計画の策定は、当初の予定から半年遅れ、令和3年3月とされました。その遅らせた理由について、確認の意味も含めてお答えください。

 次に、現在検討中の基本計画において取り組むべき主な課題として、領域を横断する課題等の解決に向け、区として重点的に取り組む必要があるものについて重点プロジェクト等を設定することを検討しているとあります。地域包括ケアシステムなど、まさに領域を横断する課題と考えられますが、その他、どのような課題があると考えているのか、お考えをお聞かせください。

 次に、基本計画策定においては民間活力の活用を検討しているとの報告があり、現在策定支援を行う事業者の募集が行われています。中野区のことは区の職員が一番理解をしているし、実情に精通していると私は考えます。区の根幹である基本計画の策定は職員自ら策定すべきと考えます。外部へ委託する必要があるのでしょうか。その理由について、お答えください。

 また、委託をする場合、想定している業務の内容についても併せてお答えください。

 次に、基本計画策定と時を同じくして策定される区有施設整備計画について、お聞きします。

 建築後30年以上経過している区有施設は多く、今後の6年間が大規模施設更新のピークとのことです。このたび策定される基本計画の中でも、今後の区有施設の整備の考え方は最も重要と考えられます。施設の管理に係る経費は年間でおよそ138億円と試算されており、予算に占める割合は実に9%にも上っています。区有施設整備の基本方針として、区有施設の延べ床面積の適正化とあります。今後の財政負担の軽減を図るため、人口推計も踏まえながら適正な目標値を定めるとしておりますが、中野区の総人口は2040年まで増加が見込まれています。その中で、ゼロ歳から14歳はほぼ横ばい、15歳から64歳は減少、65歳以上は増加します。区有施設の延べ床面積を適正化するに当たり、このような年齢別階層の増減も視野に入れるのか、お考えをお聞かせください。

 次に、民間活力の活用として、民間によるサービスの提供が可能なものについては区有施設を廃止して民間に移行するとあります。これは、区立保育園・幼稚園も含め、区有施設全てにおいて例外なく実施する考えなのか、お答えください。

 次に、区有施設整備計画の今後のスケジュールとして、本年6月には施設配置概要の策定とありますが、9館残すとした新たな児童館の具体的な位置は示されるのでしょうか。児童館は地域住民等の活動拠点として広く利用されており、特に廃止される児童館にとっては地域との調整が必要となってきます。その調整はどのように行うのか。また、6月までというタイトなスケジュールに間に合うのか、お聞きします。

 次に、すこやか福祉センターの圏域は5圏域へ増やされます。圏域内での地域包括支援センターや障害者相談支援事業所等の配置の在り方についても具体的に6月に示されるのか。また、スポーツ・コミュニティプラザについても併せてお答えください。

 この項の最後に、施設の管理に係る経費は年間約138億円、その中に占める人件費は約半分の75億円とのことです。今後の財政負担の軽減を図るためにはそこに手を入れていく必要があります。職員定数の在り方、指定管理や委託の在り方についてもお考えをお聞かせください。

 次に、3、行政評価・事業見直しについて、お聞きします。

 過去にも質問させていただきましたが、従前の行政評価は多くの時間を費やしてもなかなか事業改善・見直しに結びつきづらいとのことでした。行政評価は、内部評価として自己評価、部間相互評価、内部評価委員会評価を行い、内部評価の結果を踏まえ外部評価を行うという手順で進めてきました。その評価表においては、指標の目標達成率の点数化、事業の有効性などのチェック項目、また成果に対する自己評価と見直し、改善の方向性の記述など、外部評価委員等の指摘を踏まえ、記載項目を年々追加したために評価表が見づらくなってきたとの指摘があります。結果、実績の要因分析も不十分になってきたと考えられます。事業見直しについては、従前、政策室から各部に対し、前年度の行政評価の結果を踏まえ、見直しの検討、費用対効果の低い事業や意義の薄れた事業の廃止・縮小を行い、予算編成につないでいくという手順を行ってきましたが、直接改善に結びつきづらいという課題もありました。そんな中、酒井区長は、行政評価制度を抜本的に見直すとしました。次年度の行政評価に向けて、区政目標の実現に向け、実施した事業の効果をきめ細かく分析・評価し、課題を浮き彫りにして事業のスクラップ・アンド・ビルドにつなげる。効率・効果的な手順と手法を検討するとしました。その結果、評価と改善を一体的に取り組むため行政評価と業務改善を統合し、効率的に取り組むため業務改善課を設置しました。今後、中野区の財政は、まちづくり等の巨大事業や施設の改築等、厳しくなることは明白です。さらに、少子・高齢社会を迎え、持続可能な区政運営をするためには、PDCAサイクルの実効性を高め、より効果的・効率的な事業や取り組みを行っていく必要があり、スピーディーな事業見直しが求められます。言葉だけではない、本当の意味での事業のスクラップ・アンド・ビルドに取り組む必要性があります。令和2年度より、このたび見直しがされた行政評価とPDCAサイクルが実施されるとのことですので、幾つかお聞きします。

 まず、今後改定する基本計画に基づき、新たに政策を施策から事業へと体系化するとのことですが、今後策定される基本計画によりきちんと示されるのか。また、新たな政策体系の適正性はどのように担保するのか。つまり、政策と施策との関係、また施策と事業との関係がそれぞれ目的と手段になっているのか、どのように検証するのか、お聞きします。

 次に、行政評価は事業の効果を測定するとのことですが、今後策定される基本計画で示される政策と施策については指標と目標値を設定するのか。また、それらの適正性はどのように担保するのか、お聞きします。

 次に、行政評価対象事業の選定に当たっては、内部評価事業については予算の主な事業を中心に原則として各課1事業を予算編成年度の1月中旬までに選定するとしています。また、外部評価事業については、企画部が基本計画で示されたプロジェクトや予算の主な事業のうち専門的な見地から評価が必要と思われる事業を選定するとしています。内部評価事業も外部評価事業においても、区議会での質疑などで上がった事業をどのような基準で選定していくのか。また、予算の主な事業以外からも選定するとしていますが、それらについてもどのような基準に基づき選定するのか、お聞かせください。

 次に、内部評価の実施時期は4月から7月末としています。評価結果を次年度予算へスピーディーに反映させるためには内部評価も外部評価も決算審査までに確実に完了していることが重要です。スケジュール的に問題がないのか、お聞きします。

 次に、さきに述べたとおり、従前の内部評価や外部評価は事業の見直し・改善、次年度予算への反映に結びつきづらいとのことですが、その実効性を担保するためにどのような工夫がされるのか、また財政的な効果は示されるのか、お聞きします。

 次に、外部評価の対象は、指定管理者施設における業務、また指定管理者施設における労働環境モニタリングなど既に第三者により実施している評価も入っていますが、指定管理者施設の第三者評価はどのように行うのか、また委託事業者は第三者評価の対象としないのか、お聞かせください。

 この項の最後に、今年度、行政評価を事業の成果に着目したものにシフトさせるなど、一部見直しを行い、各施策における主な事業の成果を中心に内部評価を行ったとのことです。また、内部評価の結果を事業見直しの視点から確認して、行政評価についてはその実効性の担保とともに事務が煩雑で職員の負担が大きいことも課題だと考えられます。今回の見直しにより事務はどの程度軽減されるのか、お答えください。

 4、その他、新型コロナウイルスに対する区の対応について、お聞きいたします。

 酒井区長の施政方針説明にもあるとおり、中国は武漢発で、湖北省を中心に新型コロナウイルスが猛威を振るっています。中国本土においては感染者が6万人を超え、SARSを超える被害となっています。我が国、日本においても感染者は400人を超え、人から人への感染も確認をされています。指定感染症及び検疫感染症に指定されたとのことです。夏に開催される東京オリンピック・パラリンピック大会や経済にまでその影響が懸念されております。一日も早い新型コロナウイルスの終息と罹患された方々の一日も早い回復を願います。

 国において、自由民主党は、地方公共団体と情報共有を図り、連携して対策に取り組むことを求める。また、新型コロナウイルスによる感染症対策に関わる方々の安全性や健康管理にも十分に配慮することが必要であるとの提言をまとめました。さらに、政府は、対策本部を開き、総額153億円の緊急対応策を決めたとのことです。過度な反応はすべきではないと思われますが、今後、中国以外の海外での拡大が指摘をされており、中国との交流が盛んな日本においては社会問題にもなっています。既に我が国でも一定の広がりがあるのではないかと感染症の専門家が発言しているのを耳にします。

 そこで、幾つかお聞きします。

 まず、指定感染症及び検疫感染症に指定されたとのことですが、それを受けて、現在中野区としてどのような対応・対策をとっているのか、お聞きします。併せて、区内の医療機関の体制についてもお答えください。

 次に、今後、さらに国内において感染が広がらないよう予防策を強化する必要があると考えます。特に、報道によると、高齢者が発病した場合重症化しやすいと聞いていますが、高齢者会館の区有施設や高齢者の社会福祉施設はどのような対応していくのか、お聞かせください。

 以上で全ての質問を終わります。御清聴、誠にありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 内川議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初に、施政方針説明についての中で、地域経済の活性化、産業振興についてのお尋ねです。産業振興は、地域経済を活性化させることによって区民生活をより豊かにし、また、まち全体の価値を一層高めていくため、大変重要な施策と考えております。今回の施政方針で産業振興について特に言及はしておりませんが、来年度、中小企業等の事業承継調査や商店街での起業支援、経営支援など、将来を見据えた取り組みなどについての拡充策を考えております。今後も積極的に取り組んでまいります。

 次に、持続可能な行財政運営についての御質問です。持続可能な行財政運営を確保するためには、社会・経済情勢や将来にわたる区の歳入・歳出状況を適切に見極め、区民ニーズを的確に捉え、時期を失することなく必要な事業に選択と集中を図ることが必要であると考えております。特別区税収納率の向上などの歳入確保はもちろんのこと、これまでの財政運営手法についても検証し、今後策定する基本計画の中で持続可能な行財政運営の進め方について明らかにし、財政基盤を強固なものにした上で諸課題の解決に臨んでいきたいと考えております。

 次に、安定した財政基盤への取組についての御質問です。限られた一般財源によって区民サービスを低下させることなく財政運営を行っていくためには、不断の事業見直しを進め、新規拡充事業の財源を生み出す必要があると考えております。事業の廃止に限らず、見直しは毎年度行っているところでございますが、事業の効果・検証を踏まえた見直しを進めるため、コストと効果の検証に視点を置いた行政評価の実施方法を見直したところでございます。今後もこうした改善の取り組みを進めて、安定した持続可能な行財政運営を進めていきたいと考えております。

 次に、区政運営における区議会への情報提供についての御質問でございます。区政運営に当たって、区民の代表である議会の理解を得ることが重要であると認識をしております。予算審議の時期を踏まえ、新規事業や大きな変更を伴う見直しなどについては第4回定例会までに報告するなど、執行機関として適時適切な情報提供と十分な説明に努めてまいります。

 次に、機能的な組織運営についての御質問です。区政課題を効率的・効果的に解決するために必要な組織を編成するとともに、政策企画会議や政策調整会議等を通じて組織横断的な課題に対しても連携して対応してきたところでございます。今後も柔軟に組織の見直しや連携体制の構築を行い、より円滑な区政運営を実現していきたいと考えております。

 次に、基本構想・基本計画及び今後の区有施設の考え方についての御質問のうち、基本構想の基本理念についてでございます。基本構想審議会におきましては、「多様性」、「協働」、「スタートアップ」、これら三つのキーワードに基づいて御審議いただき、審議会答申を踏まえて検討素案を作成しました。検討素案では、「基本理念」という言葉は使用しておりませんが、三つのキーワードを踏まえてより分かりやすい言葉として大切にすることを4点掲げておりまして、これが現行の基本構想における基本理念に該当するものと考えております。

 次に、行政評価・事業見直しについての項の政策体系の明示と政策・施策の指標と目標値の設定、それから適正性についての御質問にお答えいたします。

 改定する基本構想で描く10年後に目指すまちの姿を目標とし、新たに策定する基本計画において目標に対する政策と施策の体系を示していく考えでございます。また、施策を実現するための事業についても主な取り組み内容を明らかにして政策・施策・事業の体系化を図る考えでございます。政策及び施策については、成果指標と目標値を設定する予定であります。政策体系は、目的と手段の関係で成り立つことから、事業の効果が施策の指標を上げる要素となっているか、事業の効果の度合いが指標数値にどのくらい影響を与えるのか、外部要因による影響はどうか、などを確認した上で指標と目標値を設定することで双方の適正性を確保する考えでございます。区としては、もちろん有識者等による検証も行って適正性を担保したいと考えております。

〔企画部長高橋昭彦登壇〕

○企画部長(高橋昭彦) 基本構想・基本計画及び今後の区有施設の考え方についての御質問のうち、地域に飛び出す区職員の役割について、お答えいたします。地域の課題が多様化・複雑化する社会におきまして、それらの課題に適切に対応するためには、区職員が地域の課題を知り、様々な主体と連携・協力しながら解決に結びつけていくことが必要でございます。地域の課題を熟知している町会・自治会や民生・児童委員、関係機関等との信頼関係を築きながら団体同士のつながりや協働を生み出し、課題の解決に向けて効果的な施策を形成し実行することが区職員の役割と考えているところでございます。

 続きまして、基本計画の策定時期を延期した理由でございます。新しい基本計画は新しい基本構想でまちの姿を実現するための計画でありますことから、令和2年6月に策定を予定している基本構想の検討内容をしっかりと反映していくことが重要だと捉えてございます。また、基本計画の策定過程におきましては、丁寧に区民意見を聴取し反映していくことが必要であることから、基本計画素案を策定する前に基本計画の概要を作成し、その概要について区民意見を伺う機会を設けることといたしました。こうした理由によりまして、基本計画の策定時期を延期したものでございます。

 続きまして、基本計画の重点プロジェクトの設定についての御質問でございます。新しい基本計画の策定に当たっては、それぞれの政策・施策を体系的に描くとともに、領域を横断する課題等に対して適切に対応するために幾つかの重点プロジェクトを設定する考えでございます。具体的なプロジェクトの内容は現在検討を進めているところでございますが、地域包括ケアシステムの推進と、誰一人取り残さない体制づくりのほか、子育て先進区の実現や協働・協創の地域社会づくりなど、庁内や関係機関の連携が必要となる課題を想定してございます。

 続きまして、基本計画策定に係る支援事業業務委託についての御質問でございます。基本計画の策定に当たっては、策定作業を円滑に進めるために専門的な知見を有する事業者による支援を受けることを考えてございます。区が取り組むべき政策・施策を検討し計画化することができるのは区の状況を熟知している区職員のみであり、今年度中に区職員が基本計画の政策・施策の体系を作成いたします。委託する業務内容につきましては、社会全体の潮流や他自治体の事例等に関する情報収集、計画の実効性を高めるための指標設定に関する検討材料の提供、区民意見の聴取に対する運営や取りまとめ、基本計画冊子の構成やデザイン、図表データなど各種の資料作成等を想定しているところでございます。

 続きまして、区有施設の延べ床面積の適正化についての御質問でございます。人口推計は、政策形成やインフラ整備に当たっての基礎となるものと認識しているところでございます。区有施設整備計画の検討に当たりましては、年齢別人口の増減を踏まえ、今後予想される行政需要を見極めながら区有施設の延べ床面積の適正な目標値を定めていきたい、そのように考えてございます。

 続きまして、区有施設における民間活力の活用についてでございます。今後見込まれる区有施設の更新経費の増加に対応するため、民間によるサービスの提供が可能なものについては区有施設を廃止して民間に移行することを基本方針としております。一方で、区が一定の役割を果たす必要のある施設につきましては、その点も踏まえ、人口推計や中・長期的な財政への影響等を検証し、今後の施設配置の在り方を固めていく考えでございます。

 続きまして、各施設の配置の在り方を示す時期についてでございます。地域包括支援センター、障害者相談支援事業所などの主な区有施設につきましては、今後の施設配置の考え方を今定例会においてお示しし、具体的な施設の配置、改築、廃止及びその時期については第2回定例会中にお示ししていきたいと考えております。スポーツ・コミュニティプラザの配置の在り方については、本年開設する区立総合体育館との関係を整理した上で検討してまいります。

 続きまして、行政評価・事業見直しについての御質問のうち、行政評価対象事業の選定基準についてでございます。行政評価の対象とする事業につきましては、各部において選定するものと企画部が選定するものの二つを想定してございます。各部が選定する内部評価の対象事業につきましては、予算の主な事業のうち、重点的に取り組んでいく事業及び決算における主要施策の成果において執行状況を明らかにすべきと考える事業を基準として原則各課1事業を選定することとしています。また、企画部が選定する内部評価及び外部評価の対象事業につきましては、区議会での質疑、予算編成過程での議論等を踏まえた重要性や緊急性、専門的知見からの検証の必要性などを基準に選定する考えでございます。

 続きまして、行政評価のスケジュールについての御質問です。内部評価結果につきましては、決算審査までに評価を完了するスケジュールとしており、決算における主要施策の成果において執行状況を記載することとしております。また、外部評価についても、次年度予算編成に反映できる時期までに評価を完了するスケジュールとする考えでございます。内部評価、外部評価共にこれまでよりスケジュールを前倒しするとともに、評価対象事業数を絞り込むなど評価の事務量の軽減化を図っており、次年度の予算へ反映する時期までに評価を完了することができると考えてございます。

 続きまして、行政評価の次年度予算への反映の工夫と財政効果の明示についてでございます。このたびの行政評価の見直しにより評価の対象を事業とし、その効果を測定することといたしました。また、その方法として、事業結果を示す指標とコストを示す指標の両方を設定し、十分な要因分析を行うこととしております。これによりまして、事業の継続、改善、統廃合等の判断が可能となり、翌年度予算へ反映できるものとなると考えているところでございます。行政評価に基づく翌年度予算への反映状況など、できる限り財政的な効果も示していきたいと考えてございます。

 続きまして、指定管理者施設と委託事業の第三者評価についてでございます。指定管理施設につきましては、福祉サービス第三者評価を実施している福祉施設を除きまして、原則5年間の指定管理期間中に1回、指定管理施設の管理運営業務の履行状況、サービス水準等について外部の専門家による評価を受けることを想定してございます。委託事業につきましては、公の施設の管理権限を有し運営を行う指定管理者制度と異なり、区の管理下において業務を実施いたしますことから、区が仕様に基づき業務の履行状況を適切に確認することが基本だと考えてございます。よって、委託につきましては、事業の評価を行う中で当該事業の効果を図る重要な要素の一つとしてその適正性を検証していく考えでございます。

 続きまして、行政評価の見直しによる事務の軽減についてでございます。各部が行う行政自己評価である内部評価の対象数が平成31年度の全162施策から各課1事業として合計で60事業程度になります。また、外部評価も3事業程度とすること、さらにはその他の事業についてはチェックリストに基づく各部の自己点検とすることから、評価事務につきましては相当に軽減されると考えてございます。事務量につきましては、令和2年度の評価実施後に、以前と比べどの程度事務を軽減できたかを検証する考えでございます。

〔総務部長海老沢憲一登壇〕

○総務部長(海老沢憲一) 私からは、基本構想・基本計画及び今後の区有施設の考え方についてのうち、まず今後の施設改編について、お答えいたします。新たな基本構想や基本計画に定める重点プロジェクトを効率的・効果的に実現するために、子育て先進区の実現に向けた取組や地域包括ケアの推進など、組織横断的な課題に対しては必要に応じて組織を横断したプロジェクトチームの設置などを検討していく必要があるというふうに考えてございます。

 続きまして、職員定数の在り方等につきましてお答えいたします。事業の執行に当たりまして指定管理者制度や業務委託等、民間活用をさらに推進いたしまして人件費の削減を図っていく考えには変わりはございません。一方で、新たな基本計画の策定に併せまして区が直営で担うべき役割を明確にするとともに、児童相談所の開設やまちづくり事業の進展等の新たな行政需要に伴う職員の増要員も踏まえまして職員定数を見極める必要があるというふうに考えてございます。

〔子ども家庭支援担当部長小田史子登壇〕

○子ども家庭支援担当部長(小田史子) 私からは、基本構想・基本計画及び今後の区有施設の考え方についてのうち、廃止となる児童館のある地域との調整についての御質問にお答えいたします。新たな児童館の具体的な配置は、総務委員会で報告いたしました「今後の区有施設の整備の考え方について」でお示ししたとおり、6月の施設配置概要の中で明らかにしていく予定でございます。区では、建築後30年以上を経過した区有施設を多く抱え、これらの維持管理経費が大きな財政負担となっており、今後の持続可能な区政運営を行う上で区全体の施設再配置が課題となっております。「今後の区有施設の整備の考え方について」で示された新たな児童館整備の方向性につきましては、今後、地域、関係団体等や児童館利用者の方々などに説明していく考えでございます。また、新たな児童館の具体的な配置が示された後、基本計画や区有施設整備計画を策定する中で意見交換会やパブリック・コメントのほか、児童館の運営協議会などを利用し、地域の声に丁寧に対応していきたいと考えております。

〔保健所長向山晴子登壇〕

○保健所長(向山晴子) 新型コロナウイルスの区の対応及び医療機関の体制についてのお尋ねがございました。区の体制については、1月下旬に、医療機関等、関係機関との情報共有の在り方や医療連携体制について連絡調整を行うため、健康危機管理連絡協議会を開催いたしました。2月3日には、区長を本部長とし、庁内の情報共有と健康被害の発生予防及び蔓延の防止を図るため、健康危機管理対策本部を設置、開催いたしております。区保健所では、東京都と連携し、2類感染症に準じた入院勧告などの防疫対応を行うこととなっております。現在、国や東京都などからの感染症に関する情報収集を行いながら保健所を中心に具体的な対策・対応を行っております。医療体制につきましては、新型インフルエンザ等の保健医療体制を準用しつつ、相談、医療提供体制を強化してございます。また、病院名は非公表ですが、帰国者・接触者外来が2月7日に開設をされております。感染が疑われる患者については、中野区を含みます都内全保健所が調整を行い、帰国者・接触者外来への的確な受診につなげております。

〔地域支えあい推進部長野村建樹登壇〕

○地域支えあい推進部長(野村建樹) 新型コロナウイルスの関連で、高齢者会館、高齢者福祉施設の対応についての御質問にお答えいたします。区内の高齢者福祉施設等に対しましては、既に厚生労働省が示しております新型コロナウイルスに関する正しい知識や基本的な感染症対策について情報提供を行い、注意喚起を行ってございます。また、各高齢者会館につきましては、常備の消毒薬の配備と使用方法の確認を行うとともに、ポスター掲示等によりまして予防対策についての啓発に努めているところでございます。

○議長(高橋かずちか) 以上で内川和久議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 酒 井 たくや

 1 施政方針説明について

  (1)区長の政治姿勢について

  (2)特別区の自治権拡充について

  (3)中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画について

  (4)子育て先進区に向けた取り組みについて

  (5)その他

 2 令和2年度当初予算(案)について

 3 基本計画と区有施設整備のあり方について

 4 危機管理について

  (1)新型コロナウイルス感染症について

  (2)システム障害について

  (3)災害への備えについて

 5 公園再整備計画について

 6 その他

 

○議長(高橋かずちか) 次に、酒井たくや議員。

〔酒井たくや議員登壇〕

○39番(酒井たくや) 令和2年第1回定例会におきまして、立憲民主党・無所属議員団の立場から一般質問いたします。

 質問は通告のとおりですが、1番の(3)は取り下げさせていただきます。

 それでは、質疑に入ります。

 1点目、施政方針説明について、お聞きします。こちらでは、区長の政治姿勢についてですが、それを支える組織についてもお尋ねしたいと思います。

 今定例会を終えると、区長の任期は残り半分となり、もはや折り返し地点となります。現在検討中の基本構想検討素案に見られる、「つながり」や「はじまり」、「協創」、「チャレンジ」といった言葉に区長らしさと新しい区政を感じます。「対話の区政」や、前区政ではなかなか進まなかった子どもの貧困対策や耐震補強補助制度や公契約条例等の施策への取り組みも高く評価するものであります。また、区長の目指すボトムアップの区政が徐々に花開いているとも聞いております。区民サービスの向上や行政の効率化を進めるとともに、組織の活性化と職員の意識改革を図ることを目的とした職員提案制度、区長へのアイデアボックスは、平成22年度以降これまでずっと提案がゼロ件であったものが酒井区長就任後に大きく改善されました。区長は、区政運営の柱として「区民と向き合う区役所への転換」を掲げ、区政情報を積極的に提供することを基本的な方針の一つとしています。そして、この考えにのっとり、政策決定過程の透明性向上のために政策企画会議も設置しました。基本構想検討素案においても区長の描くまちの姿が少しずつ形にもなっております。区長は、昨年10月の職員に向けたメッセージにおいて、「区役所という組織は、区民を幸せにする「システム」です。皆さん一人ひとりの協力があって、このシステムは機能します」とおっしゃられました。区民を幸せにするシステムも区長の明確なビジョンが現場に浸透してこそより機能します。今後はこれまで以上に広い視野と全体感を持って明確なビジョンを示し、強いリーダーシップを発揮されることを期待します。区長は、これまでの区政運営をどのように総括し、これからにつなげていこうとお考えか、お聞きします。

 明確なビジョン、強いリーダーシップがあって、組織はワンチームとなります。組織がワンチームとなっても、昨今の行政ニーズは高度化し複雑多岐にわたり、現状の職員体制には無理が生じているようにも感じます。職員の力を発揮させるためにも現場のICT化は必須であります。ICT化は、近い将来に職員の稼働の観点、財政面でも大きな効果が期待でき、早期に取り組めばそれだけ早期に効果が現れます。しかし、国の補助制度である「自治体のICTを活用した先端的な取り組み、モデル事業」などが活用できず、他自治体と比べ遅れているようにも感じます。課題はどこにあるのか。投資の観点からも、重点施策と位置付け、推進する必要があります。お聞きします。

 併せて、ICT人材不足の中、職員の育成と確保をどう考えているのか、お聞きします。

 次に、全ての職員に関連する内部統制について、お尋ねします。

 平成29年に地方自治法が改正され、都道府県及び指定都市の長は、適正な事務執行を確保するため、内部統制に関する方針を策定し、方針に基づく内部統制体制の整備と運用が義務付けられました。特別区においては努力義務となっております。内部統制の強化により、組織としてあらかじめリスクを把握し、法令等を遵守しつつ適正に業務を執行することができます。また、こうした組織的な取り組みが徹底されることによってマネジメントが強化され、政策的な課題に対して重点的に資源を投入することが可能となります。当区としても、内部統制の方針は平成23年に策定されておりますが、平成31年度定期監査結果報告書の総括意見によると、前年度監査の指摘事項の改善がなされていない点、多数の現金に関する事務処理の誤り、適正ではない予算の執行管理、物品管理の怠りなどの指摘がありました。内部統制は機能しておりますでしょうか。これを機に内部統制の実効性を高めるよう、都道府県指定都市に準ずる取り組みが必要ではないでしょうか。お聞きします。

 次に、特別区の自治権拡充について、お尋ねします。

 1月30日、都総務局は令和2年度都区財政調整フレームを発表しました。内容は、区側への財調配分割合を0.1%増の55.1%に変更するものでありました。金額に換算すると18億円となり、財調配分割合の変更は実に13年ぶりであります。特別区側は、来年度に区立児童相談所を開設する先行3区の関係経費分に相当する49億円、変更配分割合に換算すると約0.26%の増を要望していました。0.1%をめぐる都区の見解では、都側が特例的な対応を強調し、区側は申し入れた区立児童相談所関係経費との認識で、都区の見解の相違に大きな溝があり、このことに関しては私も不満ですが、13年ぶりの財調配分割合の変更には一定の評価をするところでもあります。今後の区立児童相談所設置に関連する財調配分割合の在り方に関しては、3年後に都区財政調整協議会にて議論が再開されることも合意されました。特別区の幾つかの区長からは0.1%の積算根拠がないことなどに大きな不満が噴出したそうです。私は、秋口に行われた小池都知事と区長との懇談に際し、児童相談所の設置に関連した財調配分割合の見直しの議論をすべきと決算特別委員会において区長に要望し、区長も快諾されました。今回の財調配分割合の変更を区長はどのように捉えられておりますでしょうか。御自身の言葉でお答えください。

 特別区は、これまで都の内部的団体と解釈され、平成12年の地方分権改革により特別区は基礎的な地方公共団体と規定されました。そのような歴史のある特別区が中核市と同様の児童相談所設置の権限を有することは自治の観点から大変に意義深いものであります。そして、都区協議において財調配分割合の変更については大きな制度改正がなければ議論しないとされてきた中、今回の変更の0.1%は、パーセンテージとしては小さいかもしれませんが、私は特別区の自治権拡充においては大きな一歩であると考えております。3年後の都区協議会に向けしっかりと備え、この大きな一歩を紡いでいくことこそが児童相談所の安心・安全・安定的な運営はもとより特別区の自治権拡充につながります。

 そこで、大阪都構想を事例に出させていただきます。政令市の権限を手放し、特別区に移行する大阪都構想に、こちらに関しては疑問を感じますが、財調配分割合は非常に興味深い数字があります。大阪都構想における財調配分割合は、大阪都22%、特別区側は78%であります。事務事業は幾らか東京23区よりは多いものでありますが、ここまで配分割合が違います。また、大阪都構想において都区協議が調わなかった場合は第三者が入り、双方の意見を聴取し調整するもので、特別区に対して非常に手厚いものであります。過去に東京都と23区が財調配分割合に関して都が行う大都市事務の分析をしたところ、都側は1兆2,000億円の費用が必要と主張したのに対し、特別区側の試算では6,000億円であり、大きな乖離がありました。財源を手放したくない都側の姿勢がかいま見えます。るる申し上げました点も鑑み、区長には、この東京23区における今後の財調協議に多角的な分析をされ、特別区の自治権拡充のため先頭に立って取り組んでいただきたいと考えますが、いかがでしょうか。お聞きします。

 次に、3点目、子育て先進区に向けた取り組みについて、お尋ねします。ここでは区立幼稚園についてのみお尋ねします。

 区立幼稚園の存続については、区長は公約に掲げられておりましたが、いまだ存続について明言されておりません。我が会派としては、区として、幼児教育の実践の場を持つ必要性、特別な配慮を要する子どもにとって区立幼稚園が大きな役割を担っている点など、区立幼稚園を存続するべきと訴えてまいりました。令和2年度の園児募集においても、3歳児クラス定員16名に対して、ひがしなかの幼稚園57名、かみさぎ幼稚園32名と定員を上回る応募もあり、ニーズは十分にあります。また、今年1月には、両園において区立幼稚園の今後の在り方について保護者と懇談会を行ったそうですが、まず、どのような声があったのか、お聞きします。

 懇談会では、区立幼稚園としての存続を求める声が多かったと私は聞いてもおります。それから、新たな区政運営方針において、区立幼稚園は今年度中に区立幼稚園の今後の在り方の方針を策定するともあります。平成28年第3回定例会において、区立幼稚園の存続を求める陳情も賛成多数で採択もされております。存続させるに当たり一つの懸念は人事の面であり、このことに関しては以前も指摘させていただきました。幼稚園教諭は平成12年の都区制度改革により身分が東京都から区へ移管された経緯があり、区内の区立園2園だけでは人事の硬直化、管理職不足が想定されます。現在23区には20区、約126園の区立幼稚園があるとも聞いております。他区も同じ悩みを抱えているかもしれません。人事交流は仕組みさえ整えば可能であると私は考えます。また、区立幼稚園の存続を公約に掲げた区長は、このような懸念を解消するため特別区をリードしなければなりません。もうお考えを示すべきです。区立幼稚園2園の存続について、明確にお答えください。明言できないなら、その理由はどこにあるのかもお聞きします。

 次に、2点目、令和2年度当初予算(案)について、お尋ねします。

 令和2年度予算案は、基本計画が策定されるまでの間、喫緊の課題に対応するため、妊娠・出産・子育てトータルケア事業の推進、区立学校の体育館冷房化などの教育環境の改善、英語教育やICT教育環境の充実、地域の防災・安全の推進に幅広く取り組む予算であり、評価するものであります。ここでは、財政運営の考え方についてお聞きします。

 区は、行財政運営の基本方針に基づき区の歳入状況から基準となる一般財源規模を定め歳出の基準とし、安定的な財政運営を行うことを目的としております。歳入に応じ歳出をコントロールする、この考え方は評価するものであります。今回、この基準となる一般財源規模を、歳入一般財源決算額の過去5年間の平均が748億円であり、消費税率引き上げに伴う地方消費税交付金の増を加味して750億円とされました。令和元年度と比較し実に40億円の増であり、この考え方が導入された平成21年度から区政史上最大の上げ幅となっております。今年度の令和元年度予算では、過去5年間を平均して710億円を安定的に確保できる見込みがあるとし、基準となる一般財源規模を前年度比20億円増の710億円とされました。またその際に、平和2年度以降の基準となる一般財源規模については710億円を基本としつつ、今後の歳入の動向等を注視し検討すると述べられております。すなわち、令和2年度予算の基準となる一般財源規模の設定は将来の歳入見合いによって変更するとしていたにもかかわらず、過去5年間の歳入決算値を踏まえ基準となる一般財源規模を変更した理由をお聞きします。

 また、これまでは基本的に予算編成段階での歳入により基準となる一般財源規模を設定していたにもかかわらず、2年連続で過去5年間の歳入決算値の数値を引用していることについても併せてお聞きします。

 今回の変更は、歳出である一般財源充当事業費を基準となる一般財源規模の中に収めたかったのではないかと感じてしまいます。しかし、歳出内に収めることができなくとも、執行方法の工夫、見直しを常に行う、国や都等の補助金を獲得するなどし、執行の中で歳出を抑制し、基準となる一般財源規模の中に一般財源充当事業費を収めていくという財政運営の考え方が導入された平成21年の頃の方針がなおざりになっているのではないでしょうか。お聞きします。

 るる申し上げましたが、財政運営の根幹である基準となる一般財源規模の設定の考え方が曖昧に感じます。財政規律を堅持する基準が必要です。お考えをお聞きします。

 この項の最後に、新型コロナウイルスによる区財政への影響について、お尋ねします。

 国際通貨基金(IMF)は、2月10日に公表した日本経済に関する年次審査報告書に関し、新型コロナウイルスによる肺炎感染の拡大は新たな景気へのリスクと警戒感を示しました。また、昨日の日本経済新聞の社説にも、新型肺炎が企業業績に影を落とし始めたとありました。特別区民税、法人住民税は前年度の所得収益に連動するものであり、令和3年度予算において区財政に大きく影響を及ぼすのではないかと危惧します。現時点において区としてはどのように考え、想定などはあるのか、お聞きします。

 3番、基本計画と区有施設整備のあり方について、お尋ねします。

 現在、区は、基本構想の改定と併せて基本計画の策定に関わる課題整理を進めております。個別の具体的な政策を落とし込む基本計画は区民生活に大きく影響を与えるものであり、基本構想以上に重要ではないかと考えます。計画策定に当たり財政的な裏付けは当然であり、歳入・歳出シミュレーションの考え方について、お尋ねします。

 現行計画の新しい中野をつくる10か年計画(第1次)、(第3次)では、制度改正を見据え、一般財源の推移を二つないし三つのケースで試算しておりました。今後の大きな財政改正の予定はありませんが、歳入面では、今後の高齢化と低成長時代における賃金上昇率、右肩上がりの賃金カーブ、高齢者の所得の中心である年金給付水準の各条件について厳しい予測も含めた多様なケースを想定する必要があると考えます。また、歳出面では、高齢化による扶助費の増や介護保険特別会計、後期高齢者医療特別会計への繰出金の増も予想されます。先行き不透明な中、幾つかのケースを試算し、歳入・歳出ともにその中間値よりも厳しいケースを採用することが基本計画の実効性の向上につながると考えますが、お聞きします。

 基本計画策定に当たり、今後10年間の施設の在り方及び配置を定める区有施設整備計画の策定も予定しており、今後の区有施設の考え方についてが1月31日の総務委員会に報告されました。そこで、主な施設整備の方向性について、お尋ねします。

 まず、学校施設について、お聞きします。

 現在、中野区学校施設整備計画に校舎の改築スケジュールが令和9年まで示されております。学校施設整備計画では、主要部分が建築後50年を経過する学校については改築を進める考えであります。現計画に落とし込まれていない主要部分が50年を超える学校はこの10年間で実に12校となります。この12校の扱いをどう考えているのか、お聞きします。

 また、学校施設整備計画において、新築工事期間を一律2年としていますが、学校により地形も違います。建築現場において当然働き方改革が求められております。新築工事期間を一律2年間とするのは考え方に無理がありませんか。お聞きします。

 次に、区営住宅について、お尋ねします。

 区営住宅は、主な施設の対象には含まれておりませんが、現在中野区には区営住宅が15棟あり、453戸が供給されております。今後10年間に建築後50年が経過する区営住宅は6棟、建築後60年が経過するものは2棟となります。半数以上が建築後50年が経過します。区営住宅は入居資格に所得制限があります。例えば、独り暮らしの所得制限は年間所得が189万6,000円以下でなければなりません。この年間所得189万6,000円以下の数字を中野区納税義務者数で見ると、実に13万人になります。構成家族により当然所得制限は違いますが、仮に13万人に入居資格があると考えると、それに対し453戸だけの供給数になっております。募集に対して申請数が多かった場合は抽選になりますが、入居者と非入居者の不公平感も残ります。都から移管された区営住宅は20年間は区営住宅として運営しなければなりませんが、それを経過すると区の裁量となり、区内のほとんどは20年を経過しております。財政面で見ると、これからの施設の更新には当然財源が必要で、逆に処分した場合には大きな区の歳入にもなります。公平で、非入居者も含めた住宅困窮者へのセーフティーネットとしての住宅施策が本来必要と考えます。るる申し上げましたが、今後の区営住宅の在り方が区財政に与える影響は大きく、この区営住宅に対する考え方を整理する必要があります。今後の区有施設整備の考え方と改定予定の住宅マスタープランの中で示すべきです。お考えをお聞きします。

 今後の区有施設整備の考え方では、現状の建物全てを維持すると仮定した場合の今後の更新経費の推移も資料として示されました。更新経費は総務省のソフトを活用し試算しております。今回、工事実施中であったり工事費が分かるものはその費用を反映させたことにより、総務省のソフトでの試算と実際の工事の更新経費に関して大きな乖離が明らかになりました。例えば、学校は総務省ソフトでは17億円から20億円が中野区においては45億円、新庁舎は総務省ソフトでは100億円が中野区においては254億円、体育館は21億円が97億円であります。これまでの施設白書では今後20年間の更新経費は1,415億円を見込んでおりましたが、今回の報告では1,896億円という状況です。都内と地方の施設更新費を一律に試算する手法には無理があります。より精緻な施設更新費を積算するためにも、全ての建物、道路、橋梁、公園など更新経費の見直しが必要です。お考えをお聞きします。

 最後に、区有施設の延べ床面積の適正化についても触れられておりますが、数値をどのように試算するのかお聞きし、この項の質問を終わります。

 次に、4点目、危機管理について、お聞きします。

 1点目、新型コロナウイルス感染症について、お聞きします。

 新型コロナウイルスに関しては、日々刻々と状況も変化しております。感染源が不明な感染者が各地で相次いで確認され、事態は新たな局面を迎えております。保健所を設置する特別区として、区民の不安や偏見の蔓延の解消のための確かな情報提供と感染拡大の防止に取り組まなければなりません。

 そこで、まず、現在の区の体制をお聞きします。

 東京都は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、都内の医療機関の体制強化や売り上げに影響が出ている企業への経済対策のため、補正予算を編成する考えを示されました。現在、区は、帰国者・接触者電話相談センターを保健所に設置しております。例えば、外国人からの相談にも対応できるようなポケトークなどの翻訳機器が必要になるかもしれません。また、現場職員体制強化のための通信機器や防疫対策に係る情報収集の機器などもしかりです。新型コロナウイルスへの対応に際して、区として迅速かつ機動的な対応が求められ、予備費での対応も必要です。現在どのようにお考えか、お聞きします。

 最後に、保健師について、お尋ねします。

 保健師の疲弊を危惧しております。専門職の保健師は、保健所を管轄する健康福祉部以外の地域支えあい推進部、子ども教育部にも配属されておりますが、現状の保健所所属の保健師4名の体制だけで十分でしょうか。風邪の症状にも関わらず心配される相談者も現れており、今後の業務量が増加することも予想されます。また、万が一区内で感染が拡大した際には現状の保健所だけでは対応することが困難な状況になると思われます。公衆衛生の専門職である保健師等による横断的な体制が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。お聞きします。

 次に、2点目、システム障害について、お尋ねします。

 昨年12月4日にシステム障害が発生し、22のシステムが使用できない状態となり、区民生活に大きな影響を及ぼしました。統合仮想サーバー環境内の一部のストレージのファームウエアに不具合が発生し、不具合が発生したストレージへのアクセスが突然行えなくなったのが原因であります。中野区情報政策の推進に関する規則では、情報政策を進めるため、最高情報統括責任者(CIO)を置き、CIOを補佐する情報政策官をはじめとしたCIOオフィスを設置するとしております。今回のシステム障害をCIOオフィスにおいて予見すること、防止することはできなかったのでしょうか。お聞きします。

 この中野区情報政策の推進に関する規則や情報システム調達ガイドラインなどにおいて、情報政策に関して危機管理の観点が薄いようにも感じますが、併せてお聞きします。

 次に、損害賠償について、お聞きします。

 区は、今回のシステム障害に伴いシステム復旧に要する経費や時間外勤務手当などの経費が発生しており、経費を算出の上、損害賠償請求及び協議をしていくとしておりますが、これでは十分とは言えません。時間外勤務手当外にも通常業務での対応もあり、通常業務に大きく影響を及ぼしております。それは区民生活への影響もしかりです。これらの点を踏まえた毅然とした対応を望みます。お考えをお聞きします。

 最後に、再発防止に向けた取組について、お聞きします。

 今回のような大規模システム障害はシステムベンダーによる起因、データセンターによる起因、そして大規模災害発生時にも起こり得ます。現在のシステムはデータセンター内ネットワークの二重化やシステムそのものの二重化は行われておりましたが、結果、システムが停止してしまいました。危機管理の観点からデータセンターそのものの二重化も必要であると考えますが、見解をお聞きします。

 それには膨大な費用が必要なら、区のホームページなどの情報発信システムや優先すべきシステムだけでも別のデータセンターに置き、問題発生時にどちらかが対応できる仕組みが必要だと考えますが、区の見解をお聞きし、この質問を終わります。

 3点目、災害への備えについて、お尋ねします。

 台風15号・19号、また10月豪雨で大きな被害を受けた千葉市長の講演を拝聴してまいりました。千葉市では、教訓を生かした課題を踏まえた対策として「災害に強いまちづくり政策パッケージ」を先月に策定しました。通信の強靭化では、固定電話網の維持の観点からNTT東日本と協定を結んでおります。台風被害による倒木で電話線に影響があった場合は、市職員では倒木処理を行うことができません。NTT東日本立ち会いにより倒木処理が行え、電話線の早期復旧と道路啓開の迅速化につながります。併せて、重要インフラに近接する危険樹木の平時の伐採の協力も行うそうです。これらは電線に関しても同じことが言え、千葉市は電力事業者とも同様に協定を結び、長期停電時に電力を維持し、速やかに復旧できるようにしております。区としてもこれまで災害協定を様々結んできましたが、地震災害への備えの面が多かったように感じます。近年、地球温暖化による風水害の被害が高まる中、他自治体の取り組みも参考にしながら新たな風水害に備えた協定を検討すべきと考えます。見解をお聞きします。

 併せて、千葉市では、公民館、私立学校200カ所に太陽光発電、蓄電池を、国の補助制度と民間の事業所との連携により市の持ち出しなしに令和4年度までに整備されるそうです。これにより、停電時にも空調や照明が使え、避難所機能が高まります。区としては、現在避難所には発動発電機を配備しておりますが、発動発電機はガソリンを使用するためCOを排出します。避難所において多様な電力確保の体制づくりが必要です。国では、環境省の二酸化炭素排出抑制対策事業の補助制度があります。また、東京都では、来年度より東京都地域コミュニティ活動拠点電源確保事業補助金もスタートする予定です。中野区に合った補助制度を活用し、避難所における多様な電力確保に努めるべきです。お考えをお聞きします。

 5番、公園再整備計画について、お尋ねします。

 区は、これまで四季の森公園をはじめ大規模公園の整備を進め、昨年の広町みらい公園の整備により大規模公園の整備は完了し、一段落しました。今後は、中野の全ての公園を対象とした、公園の機能・役割、利用活用等の基本的な考え方を示した公園再整備計画を策定予定です。

 先日、中野五丁目にある打越公園の整備の考えが個別で示されました。こちらはもともと公園の北側に隣接していた打越保育園の建て替え・民営化に際しお互いの用地を交換し、保育園竣工後に打越公園を整備するものであります。打越公園は、以前はキャッチボールのできる数少ない公園でありましたが、今回の再整備においてキャッチボールができない公園となりました。地域の合意が調わなかった点や近隣の強い反対も一つの理由です。個別の公園を一つひとつどのような機能を持たせ整備するかを検討すると、キャッチボールができるような公園は整備ができないとも感じました。再整備計画において区内をブロック分けし、必要となる機能を配置する考えを持ってはいかがでしょうか。例えば、子どもの体力が低下し、中野区は特にボール投げの数値が全国的にも低い中、小学校区においてキャッチボールやボール遊びができる公園を一つは整備するという考え方もできます。同じような遊具は作らない等、ブロック内での機能の分担も可能です。これには高齢者の健康づくりやドッグランの機能なども同様です。必要な機能を整備するためにも、このようなブロック分けの考え方について、お聞きします。

 次に、個別の機能として、インクルーシブ公園について、お尋ねします。

 インクルーシブ公園とは、スペシャルニーズ、障害のある子どもも障害のない子も一緒に安心・安全に自由に遊べる公園であります。今年はパラリンピックが開催され、障害への理解をより深めていかなければなりません。東京都では、来年度予算に障害のある子も楽しめる遊具、インクルーシブ遊具の設置に向けた支援を新規計上しております。この制度の活用について、お聞きします。

 また、公園再整備計画にもインクルーシブ公園の整備、インクルーシブ遊具の設置を位置付けるべきです。併せてお聞きします。

 次に、ドッグランに関してお尋ねします。

 現在、中野区の畜犬登録件数は9,258頭であります。しかし、区内にはドッグランは平和の森公園に整備されているのみです。愛犬家にとってはわんちゃんが思いっ切り走れる環境は切実な思いであると考えます。公園再整備計画の中で利用度の低い公園の活用は大きな課題であります。地域の理解を得ながらドッグランとして整備する考え方もあると考えます。ドッグランの整備に関してはどのようにお考えか、お聞きします。

 これまでの公園行政は維持管理が主でありました。この考え方を再整理計画において転換しなければなりません。あらゆる世代の誰もがそれぞれの立場で楽しむことができる魅力的な公園整備には、公園を一層柔軟に使いこなす、公園マネジメントの視点が重要です。ストック効果の向上、民間との連携の強化、区民参加と協働の効果も期待できます。公園の持つ多様な機能をより有効に活用することによりまちの魅力も高まります。公園マネジメントの視点が公園再整備計画に必要です。どのようにお考えか、お聞きします。

 最後に、これまで稼げる拠点公園を作るべきと提案してまいりました。四季の森公園への民間活力の活用の検討状況についてお聞きし、以上で私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 酒井議員の御質問にお答えいたします。

 まず1点目、施政方針説明についてのうち、これまでの区政運営の総括と今後の区政運営についてのお尋ねでございます。政策形成に当たっては、区民や職員などから様々な意見を聴いた上で区として最善と考える方向性を示し、理解共有のもと、共に実現を図る動きを着実に作っていくことが大切であり、区長としてリーダーシップを発揮したいと考えております。これまで子育て先進区実現に向けた取組や地域包括ケアの推進、中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりなど、中野区の将来に大きな影響を与える重要課題に対して区民の皆さんや関係団体などとの対話の機会を設けて議論するとともに、基礎調査を行うなど政策の実現に向けた土台づくりを固めてきたところでございます。来年度策定する基本計画の中で諸課題について具体的にどのようにスケジュール感を持って取り組んでいくかを明確化し、着実な推進を図っていきたいと考えております。

 次に、ICT人材の育成等確保についての御質問です。区の業務への先端的なICT技術活用については、技術的知識とともに業務の知識も必要となりますが、そういった職員の育成に課題があるとは認識しております。RPAやAIなどの先端技術の利活用は、単純作業から職員しかできない業務へ移行していくなど、職員の働き方の改革に対して大きな効果が見込めることから積極的に取り組んでいきたいと考えております。次年度に改定を予定している地域情報化推進計画に区業務のICT活用についてしっかり位置付けた上で取り組みの方向性を示してまいります。また、実現するための体制整備及び必要な職員の育成や確保についても時機を逸することなく対応していく考えでございます。

 次に、内部統制についての御質問です。区は、財務監査指摘に見られる不適正な会計処理や事後処理のミスが多く発生していたことから、平成23年度に内部統制のしくみ再構築に係る基本方針を策定いたしました。本方針に基づく庁内会議において、不適切な事務処理や公用車の交通事故など、様々な事件・事故や各種監査指摘事項等の再発防止に向けた対応策などの検討を行っているところであります。本年度は、繰り返し同様のミス等が発生した部の管理職が同会議に同席の上、再発防止の状況のヒアリングを実施するなど、内部統制の強化に取り組んだところではございますが、今後も他区の取り組み状況も踏まえ、内部統制の実効力向上に向けた取り組みを進めてまいります。

 次に、財政調整交付金に係る配分割合についての御質問です。平成29年度から児童相談所関連経費について、基準財政需要額に算定した上で都区間の配分割合を変更すること、また設置準備経費を特別交付金で全額算定することを、区側から提案してきたところでございます。割合が変更され、一歩前進したものとは考えておりますが、児童相談所関連経費等の算定内容についてはまだまだ納得がいく状況ではございません。引き続き、特別区が連携を密にして一丸となって東京都に対して議論を呼びかけ、財源確保に向けて取り組んでいく必要があると考えております。

 次に、財調協議、自治権拡充に向けての私の決意についてでございます。国の財源偏在是正措置によって特別区の財源が縮小し、区を取り巻く財政環境は非常に厳しい状況が続いております。こうした中、財調協議による配分割合の適正化や自治権拡充の実現は特別区にとって非常に重要なことであると認識しております。区長会において議論を投げかけ、各区長と歩調を合わせ連携して取り組んでいきたいと考えております。

 次に、令和2年度当初予算(案)についてのうち、基準となる一般財源規模の変更に決算値を踏まえた理由でございます。平成26年度以降一般財源は増加傾向で、予算編成時には基準となる一般財源規模を超過し、決算時においても伸びが著しい状況となっております。また、令和2年度は、一般財源のうち、消費税増税に伴う地方消費税交付金の増額が予算編成の当初から見込まれておりました。こういった状況から、今後5年間の歳入状況を見極めつつ、過去5年間の歳入決算値を踏まえるとともに、地方消費税交付金の増額見込みを加味した上で、令和2年度予算編成における基準となる一般財源規模を定めたものでございます。令和元年度予算編成における基準となる一般財源規模についても、こういった決算の状況を踏まえていたところでございます。

 次に、一般財源充当事業費の抑制についてでございます。安定した財政運営を進めるため、事業の評価・改善、歳出抑制、歳入の確保、国や都の動向の把握などに注力しながら予算編成を進めてきたところでございます。また、予算の執行段階においても、執行方法の工夫による歳出抑制、新たな特定財源の確保、債権の確実な徴収などについて取り組んでいるところでございます。今後も最小の経費で最大の効果を上げるべく、特定財源の確保に向けては財政課も積極的に関与するなど区を挙げて適切な財政運営に努めていきたいと考えております。

 次に、財政規律を堅持する基準についての考えでございます。新しい基本構想で描く中野のまちの実現に向けて、新しい基本計画の取り組みを着実に進めていくためにこれまでの財政運営手法を検証する考えでございます。新しい基本計画において、持続可能な行財政運営に向けた考え方、基準を明らかにして財政規律を堅持して強固な財政基盤の構築につなげていきたいと考えております。

 最後に、コロナウイルスの区財政への影響についてでございます。新型コロナウイルスも含め、海外経済状況等、社会情勢は区の財政に大きく影響すると認識をしております。国の動向や社会情勢による歳入の変動についても最大限注視し、安定した財政運営に努めていきたいと考えております。

〔教育長入野貴美子登壇〕

○教育長(入野貴美子) 私からは、施政方針説明のうち、子育て先進区に向けた取り組みについての御質問にお答えいたします。

 まず、区立幼稚園保護者との懇談会の実施状況についてでございますが、区立幼稚園2園で行った懇談会では、今の幼稚園の教育内容がすばらしいということから区立幼稚園を存続してほしいとの意見が多く出されました。また、幼稚園と小学校との連携の推進などを含め質の高い幼児教育を確保するためには学校教育を所管している教育委員会が関与していくことが必要であるとの意見もあったところでございます。

 次に、区立幼稚園の在り方の検討状況についてでございますが、幼稚園については、一人ひとりの幼児が将来自分のよさや可能性を認識するとともに、生涯にわたる人格形成の基礎を培う教育施設として重要であると認識しております。区立幼稚園の存続については、限られた人員体制の中で持続可能な教育環境をどう確保していくのか。また、将来にわたり幼児教育の質をさらに高めるための工夫・取組などを教育委員会で十分検討する必要があることから、現段階で今年度中に明確な方針を出すことは難しいと考えております。

 次に、基本計画と区有施設整備の在り方についてのうち、学校の建て替えについて、お答えします。現行の計画に示されていない学校の更新時期も含め、今後、中野区立小中学校施設整備計画を見直してまいります。現行の中野区立小中学校施設整備計画は改築の工事期間を2年程度としておりますが、近年の学校新築工事の経過や敷地状況等を踏まえ、各学校ごとの改築工事期間を検討してまいります。

〔企画部長高橋昭彦登壇〕

○企画部長(高橋昭彦) 基本計画と区有施設整備の在り方についての御質問のうち、基本計画における一般財源収入見込みの推計について、お答えいたします。将来にわたる一般財源の収入見込みの推計については、基本計画を策定する上で重要な要素の一つでございます。新しい基本計画の取り組みを着実に進めていくため、持続可能な区政運営に向けて新しい基本計画において明らかにする考えでございまして、一般財源の推計手法につきましても様々なデータを活用しながら複数の案を比較検討していきたいと考えてございます。

 続きまして、区有施設の更新経費について、お答えいたします。建物や道路、橋梁、公園の将来の更新経費の試算につきましては、総務省が公開している公共施設等更新費用試算ソフトを活用しております。試算に用いる更新単価につきましては、全国の地方自治体の調査実績、設定単価を基に設定されているため、中野区での実際の工事費用等との差が大きくなる傾向がございますが、他自治体との比較が容易にできるなどのメリットもあると考えてございます。今後の区有施設整備計画の策定に向けた更新経費の算出に当たっては、実際の経費を参入して設計が完了した事業や工事着工後の事業について反映するなど精度を高めるための工夫をしながら、区有施設の延べ床面積の適正化などの検討にも活用していきたいと考えてございます。

 続きまして、危機管理についての御質問のうち、システム障害におけるCIOオフィスによる障害の予見についてのお尋ねでございます。CIOオフィスでは、データセンターにおけるデータ二重化、バックアップ等について安全確保策を講じる必要性を認識し、仕様書等に盛り込んできたところでございますが、今回の情報システムにおける障害についてはハードディスクの障害によりデータセンター自体が機能不全に陥ったものでございます。想定の範囲を超えたため、予見することができなかったところでございます。

 続きまして、情報システム運用に関わる危機管理の観点についてでございます。今回、結果として区の業務が停止状態となったことを踏まえまして、クラウドシステムにおけるリスク分散など、改めて事故の未然防止や業務継続などのため、ICT-BCPの早期の策定に取り組む考えでございます。また、その検討の中で必要な体制整備や規定類の見直しも行ってまいりたい、そのように考えてございます。

 続きまして、損害賠償請求への毅然とした対応についてとのお尋ねでございますが、業務停止になった区民生活への影響の大きさは認識してございます。現在損害額については積算中でございますが、法的に請求できる必要な補償を求めていく考えでございます。

 続きまして、データセンターの二重化についてのお尋ねでございます。今回の障害発生を教訓といたしまして、業務継続の観点からデータセンターの二重化も選択肢の一つとして費用対効果などを踏まえつつ検討したいと考えてございます。情報発信の要である区のホームページや高度に業務継続が求められる業務システムなどについては障害や災害の発生時でも優先して業務が継続できる仕組みを検討してまいりたい、そのように考えてございます。

〔都市基盤部長奈良浩二登壇〕

○都市基盤部長(奈良浩二) 私からは、基本計画と区有施設整備の在り方の御質問のうち、区営住宅の在り方についての御質問にお答えいたします。区営住宅は、一定の所得基準以下の住宅困窮者向けの住宅としてのセーフティーネット機能を果たしており、現行の第3次中野区住宅マスタープランでは、今後も一定の住戸数を維持していくこととしてございます。現在、建設から最も経過している区営住宅で50年あまりとなっておりまして、耐用年数70年を見据え、計画修繕を実施しながら、適切に管理運営を進めているところでございます。将来的な区営住宅の在り方につきましては、今後策定を予定しております第4次中野区住宅マスタープランの中でその方向性を検討しているところでございます。したがって、今後10年間の取り組みを示す区有施設整備の考え方には盛り込むことは考えておりませんが、将来的な建て替え等に係る具体的な手法等につきましては、個々の住宅の管理状況等を見極めながら適切な時期に建て替え等の計画を検討していく予定でございます。

 次に、公園再整備計画についての御質問にお答えいたします。公園ごとの必要な機能の配置についての御質問でございます。公園再整備計画は、区民ニーズを踏まえた上で考え方を取りまとめていきたいと考えております。一定の範囲における地域性を踏まえた公園ごとの必要な機能の配置につきましては、利用者のニーズや近隣公園の状況等を踏まえて検討を進める考えでございます。

 次に、インクルーシブ公園・遊具についての御質問でございます。インクルーシブ遊具はここ数年提案され、一定の規模の大きさの国や都の公園などに設置され始めており、進捗状況を注視しているところでございます。公園再整備計画はあらゆる世代の誰もが利用しやすい公園環境の整備を目指してございまして、インクルーシブ遊具の設置につきましても地域の意見を踏まえた設置の可能性について検討しているところでございます。東京都のインクルーシブ遊具の設置に向けた支援に関する予算につきましては、詳細を確認し、活用できるところは活用していきたいと考えてございます。

 次に、ドッグランの整備についての御質問でございます。ドッグランは平和の森公園に整備をしているところでございます。また、犬を連れての利用につきましては、大規模公園においてリードつきで園路に限定して利用できるルールとしてございます。利用度の低い公園の活用につきましては、ドッグランの設置へのニーズを踏まえた上で地域の理解も得ながら具体的に検討していきたいと考えてございます。

 次に、公園マネジメントの視点が必要ではないかといった御質問でございます。公園再整備計画の策定においては、施設の適切な配置、改修、利用ルールの見直し、安全・安心に加え、マネジメントの視点も踏まえた検討を進めているところでございます。マネジメントの視点としては、民間活力の導入、プレーパークの導入、イベントの実施等について考え方を取りまとめていく予定でございます。

 次に、中野四季の森公園への民間活力の活用についての御質問でございます。区内公園の民間活力の活用につきましては、今年度広町みらい公園にて指定管理者による管理運営を開始したところでございまして、その効果を検証し、今後拡大につなげていく考えでございます。財政効果を得るためには、事業者が収益を上げられる施設を設けるなどの課題があると認識してございます。中野四季の森公園についても、このような課題を踏まえ、サウンディング調査を実施する予定でございます。

〔保健所長向山晴子登壇〕

○保健所長(向山晴子) 私からは、新型コロナウイルス感染症の区の体制について、まずお答え申し上げます。区では、新型コロナウイルス感染症の早期発見と院内感染の予防に向けて、順次提供される国、都、研究機関、学会等の情報を活用しまして、保健所による疑似症サーベイランスシステムへの関与に加え、1月24日以降は適宜最新の情報を区ホームページに掲載をしてまいりました。区民、医療機関、施設管理者などからの相談は1月末より増加をし始め、2月10日現在までで約100件、フェーズが切り替わったとの報道を受けて、本日は内容・件数とも増加をしてきているところでございます。一方、区の体制については、1月下旬に、医療機関等、関係機関との情報共有や医療連携体制について連絡調整を行うため、健康危機管理連絡協議会を開催いたしました。2月3日には、区長を本部長とした庁内の情報共有と健康被害の発生予防及び拡大の防止を図るため、健康危機管理対策本部を設置、開催をしているところでございます。

 次に、外国人相談の対応等に必要な予備費の活用についての御指摘がございました。感染症対策は、迅速かつ的確な情報共有と対象者の人権に配慮した対応の並立が必要でございます。そのため、今回、既に専用回線の増設、御指摘の翻訳機器類、防疫対策や健康観察に活用する専用携帯電話、自家用車などの交通手段を持たない感染の疑いがある方の移送費用など、必要となる物品等を調達しているところでございます。今後も適宜状況に合わせて迅速に必要な対応を図ってまいります。

〔健康福祉部長朝井めぐみ登壇〕

○健康福祉部長(朝井めぐみ) 私からは、新型コロナウイルス感染症についての御質問のうち、保健師等の職員体制についての御質問にお答えいたします。現段階におきまして、保健所以外に所属している保健師につきましても交代で保健所の感染症対策業務に従事する体制を組んでおります。今後、健康危機管理対策本部におきまして通常業務よりも感染症対策のさらなる強化を図らなければならないと判断した場合につきましては、全庁体制により従事する保健師等の拡充を含め、刻々と変化する状況や突発的な事象にも対応できる体制を構築してまいります。

〔危機管理担当部長滝瀬裕之登壇〕

○危機管理担当部長(滝瀬裕之) 私からは、危機管理についてのうち、災害への備えについて、新たな風水害への備えの協定について、お答えいたします。区では、区の区議会における災害応急対策につきまして防災関係機関等の円滑な協力を得られるよう様々な協定を締結し、協力体制を確立しているところでございます。消毒や避難所利用等の風水害への備えに関わる協定も締結しているところがございますが、近年の想定を超えた風水害の備えとしての新たな協定締結につきましては他自治体の取り組みも参考にしながら検討してまいります。

 続きまして、多様な電力確保についてでございます。現在、各避難所には電気機器に電力を供給できる発電機を配備しているところでございまして、燃料が供給できれば長時間の電力供給が可能となっているところでございます。一方、一部の学校施設などには太陽光発電設備を導入しておりまして、停電時には一定の電力が確保可能となっているところでございます。こうした状況のもと、今後は御提案の国や都の補助事業などの活用も含め、避難所における電力確保の方策について検討してまいります。

○議長(高橋かずちか) 以上で酒井たくや議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 白 井 ひでふみ

 1 施政方針説明について

 2 災害・防災対策について

 3 がん検診について

 4 その他

 

○議長(高橋かずちか) 次に、白井ひでふみ議員。

〔白井ひでふみ議員登壇〕

○25番(白井ひでふみ) 令和2年第1回定例会に当たり、公明党の立場から一般質問を行います。

 質問は通告順に従い、1、施政方針説明については、(1)新型コロナウイルス感染症について、(2)情報システムについて、(3)区有施設の再整備について、(4)行財政運営について、(5)令和2年度予算(案)の概要についての5点を、2、災害・防災対策については、(1)乳幼児用液体ミルク等について、(2)災害時の私立学校への情報伝達手段について、(3)体育館の冷暖房化について、(4)蓄電池導入助成についての4点を、3、がん検診については、胃がん内視鏡検査についてを伺い、4のその他はありません。

 それでは初めに、1、施政方針説明について、(1)新型コロナウイルス感染症について、お伺いいたします。

 中国を中心に新型コロナウイルスの感染が広がっています。国内でも複数の感染者が確認され、お亡くなりになった方もおられます。この場をお借りして心よりのお悔やみを申し上げる次第です。

 一昨日2月15日、厚生労働大臣は緊急の記者会見を行い、感染経路が判明していない事例があり、以前とは状況が異なっていると述べ、国内感染が新たな局面に入ったとの認識を示されました。政府は、昨日16日、初めての専門家会議を開催し、感染経路がたどれない患者が国内各地で出ることを前提とした対策にかじを切りました。厚生労働大臣は、これから考えないといけないのは重症化や死亡する事例を出さないことだとの見解を述べ、専門家会議の座長を務める国立感染症研究所所長は、国内発生の早期というのが共通認識であり、SARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)に比べると、無症状や潜伏期の患者からの感染があり、感染を止めるのが難しいと現状を解説しました。新型インフルエンザが流行した2009年と同様に、今回も新型肺炎の感染が広がれば、医療機関や保健所がパンクすることがないように、軽症者の自宅待機や全例検査の中止など対策が切り替わる可能性があると、国際感染症センター長はコメントしています。今後は、水際対策を維持しつつ、各地での患者発生に備えた体制づくりを急ぐこととなります。施政方針においては、全庁的な体制を確保するとともに、中野区健康危機管理対策本部を設置し、区民の生命・健康を守る取り組みを進めますと述べられましたが、状況が刻一刻と変化する中、正確な情報の周知は区民の不安の解消に欠かせません。新型コロナウイルス感染症については、区民に必要以上の不安をあおることがないよう、正確かつ丁寧な情報提供、相談体制が第一の前提となりますが、区としては、区内での感染者や濃厚接触者の発生に備え、臨戦態勢を整えておく段階に入ったと考えます。適時適切な対応を取るため、事前に保健所を中心とした区の体制を強化する必要があると考えますが、お伺いいたします。

 新型コロナウイルス感染症は、国の感染症法で定める指定感染症、また検疫法に定められる検疫感染症の指定となりましたが、保健所に求められる業務や対応はどのようなものとなっているのか、お伺いいたします。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、苦しい経営状況に立たされる事業者が出始めています。事業者の支援のため、緊急の融資制度などの施策を打ち出している自治体や国の緊急制度を活用する自治体があります。区内事業者の事業の状況を勘案して、区としても緊急の融資制度などを検討すべきと考えますが、お伺いいたします。

 訪日外国人が多く利用する住宅宿泊事業である民泊や旅館、ホテル等の宿泊施設における新型コロナウイルス感染症への対応状況についてはどのような対策をとっておられるのか、お伺いいたします。

 また、友好姉妹都市である中国・北京市の西城区における新型コロナウイルスの感染状況を伺うとともに、区としての支援策を検討すべきと考えますが、お伺いいたします。

 次に、(2)情報システムについて、お伺いいたします。

 昨年、令和元年12月4日、情報システムに障害が発生し、統合仮想サーバー環境であるクラウド内にある22のシステムが使用できない状態となりました。戸籍に関する証明書の発行や届出の受理、要介護・要支援認定等々、区民サービスに大きな影響を及ぼす事態となりました。おおむねシステムは復旧したものの、学校関連のシステムが依然として復旧していないと聞きます。今回のシステム障害の原因をお尋ねするとともに、被害の概要、被害の積算金額を伺います。

 システムの障害の反省に立ち、今後は不測の事態が生じても業務が遂行できるようにBCP(事業継続計画)を定めるとしていますが、そもそも区が進めようとする情報政策の全体像が示されていないことに問題があります。区の情報政策の全体像である中野区地域情報化推進計画については、情報政策の推進に関する規則第8条の5に、CIO(最高情報責任者)は、区の地域情報化を効率的に推進するために地域情報化推進計画を定め、3年ごとに計画を変更する。さらに、変更する必要が生じた場合にあってはそのときに改定を行う旨が定められていますが、初めて計画が策定された平成20年3月より一度も改定が行われていない状況です。この点につき、情報計画の改定を行い、区が進めようとする情報政策の全体像を示す必要があると度々指摘してきたところです。来年度においてようやく改定に取り組むとの姿勢が示されましたが、システム障害に対する反省の弁はあったものの、情報計画の改定を行ってこなかったことについての説明がありません。全体像を示さないまま、個別の計画が示されてきた経緯に課題があると考えます。改めて、中野区地域情報化推進計画の改定についての区の考えをお伺いいたします。

 次に、(3)区有施設の再整備について、お伺いいたします。

 過日1月31日の総務委員会において、今後の区有施設の整備の考え方についての報告がありました。考え方には、建築後30年以上経過している区有施設を多く抱え、今年度から6年間が大規模施設の更新のピークとなり、その後においても高い水準を示している。今後、これからの施設を管理・維持するための経費が大きな財政負担となることが課題となっている。このような状況を踏まえ、限られた財源の中で計画的に建物施設の更新を進めるため、区有施設整備の基本方針を定め、区有施設の再整備を行っていくとしています。区有施設の再整備については議会において度々質疑があり、そのたびに区の新しい基本構想・基本計画において明らかにするとの答弁がありました。この当該報告において、来月3月には施設の配置の考え方、施設更新経費の概要を示し、6月には施設配置、概要の策定を行うとのスケジュールが示されました。区有施設の再整備は、今後の区の政策面、財政面において大きな影響を有する区の根幹をなす政策です。これまでの2年間、新しい基本構想・基本計画において施設整備、施設の配置を示すとしてきましたが、この段階で区有施設の再整備、配置についてはコンサル・アドバイザリー事業者へ委託すると聞きます。この段階でのコンサルへの事業者の委託に疑問がありますが、まず区政運営は区職員による主導、判断であらねばならないと考えますが、区の考えを確認します。

 コンサル・アドバイザリー事業者に委託はするものの、区政運営は区職員の主導、判断で行うとする説明を、コンサルへ委託する事業の内容とともに求めます。また、今後の区の考え方を報告する予定についても確認のためお伺いいたします。

 次に、(4)行財政運営について、お伺いいたします。

 施政方針において重点を置く四つの取組が述べられました。「子育て先進区に向けた取組」、「安心して地域で暮らし続けられるための取組」、「区民とともに進めるまちづくりのための取組」の三つの取組と、最後に、「3つの取組を支え、推進する行財政運営」についてです。施政方針の「3つの取組を支え、推進する行財政運営」のこの項には、三つの取組を円滑かつ確実に進めていくためには行財政運営に効率的に取り組む必要がありますとの表現があり、以下、全文を拝読します。「区民に区政情報を分かりやすく的確に伝えるために、ホームページにユニバーサルデザインフォントを導入するとともに、多言語対応の質を向上します。また、区の歴史的情報資産の充実と利活用を一層図るため、地域住民と協働して、変わりゆく中野のまちや人の様子などの映像や画像を記録・収集・発信します。収納率向上に向け、訪問による納税等の案内及び財産調査を拡充するとともに、ショートメッセージサービスを活用した納付勧奨を実施します。また、区外滞納者に対する状況調査を拡大します。新区役所の整備については、令和6年度の移転に向けて実施設計を進め、中野体育館は解体工事に着手します。さらに、新たな業務改善のプロセスを改善するとともに、単純・定例的業務の自動化やペーパーレスを推進していきます。」収納率対策のほかは行財政運営の記述がなく、また、なぜこの取組が「3つの取組を支え、推進する行財政運営」となるのか、理解に苦しみます。「3つの取組を支え、推進をする行財政運営」とは何を指すのか、持続可能な区政運営への考え方は施政方針では述べられなかったのか、疑問が生じます。新しい持続可能な財政運営についてはいつ示されるのか、また何年を計画期間とする財政フレームを示されるお考えなのか、お伺いいたします。

 次に、(5)令和2年度予算(案)の概要について、お伺いいたします。

 令和2年度予算案の詳細な事業内容については他の機会での質疑といたしますが、概要についてお伺いいたします。

 令和2年度予算案において、区の事業をコンサル・アドバイザリー事業者へ委託、区外部からの人材登用の増加、区の広報物のデザイン・アドバイス費用の増加が目立つと感じます。コンサル事業、外部登用、広報デザインがなぜ必要となるのか、それぞれについての説明を求め、この項の質問を終わります。

 次に、2、災害・防災対策について、お伺いいたします。

 (1)乳幼児用液体ミルク等について、お伺いいたします。

 常温で保存ができ、お湯で溶かす必要がない乳幼児用液体ミルクを災害時の備蓄物資として採用する自治体が広がっています。北欧などで普及が進む液体ミルクは、国内での製造・販売が認められてきませんでしたが、国において公明党が推進し、政府は2018年8月より国内での製造・販売を解禁いたしました。国内での製造・販売が解禁されたことにより、国内メーカーの市場への参入が続き、競争原理が働く様相となってきています。中野区においても災害用備蓄物資として液体ミルクの導入をすべきと求めてきたところですが、新年度より乳幼児用液体ミルクを災害用備蓄物資として導入する決定となったことを大いに評価いたします。災害に備えて乳幼児用液体ミルクを備蓄物資として導入している特別区23区の状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。

 中野区においては、新年度において災害時の乳幼児用液体ミルクを何人分の備蓄として購入予定であるのか。また、直射日光を避け、凍結を防ぎ、35度までの常温での保存が可能とされる液体ミルクですが、どのように保管をする予定であるのか、お伺いいたします。

 現在、災害用備蓄物資として購入している乳幼児用粉ミルクについて、賞味期限が切れる前の利活用についてはどのような対応をとられているのか。また、備蓄されている粉ミルクの総数と利活用されている数、廃棄されている数の比較をお尋ねいたします。

 世界保健機関(WHO)と国連児童基金(UNICEF)、乳幼児用食品国際行動ネットワーク(IBFAN)が取りまとめた母乳代用品の販売促進活動に関する国際基準(WHOコード)には、母子共の健康増進のため、人工ミルクの販売規制の必要性を訴えるとともに、人工ミルクで育てられている子どもがあまりにも多いことに警鐘を発しています。この国際基準の遵守には自治体も対象であり、災害用の粉ミルク、液体ミルクを含めた人工ミルクの利活用といえども対象外とならず、単純配布をすることが難しいと解されます。この当該WHOコードに抵触することなく、災害用備蓄物資である賞味期限切れ前の人工ミルクの利活用を促進すべきと考えます。単に乳幼児がそのまま飲む人工ミルクとしてではなく、食材としての利活用であればWHOコードに抵触することなく利活用が促せると考えますが、区の見解をお伺いいたします。

 賞味期限切れ前の人工ミルクを学校給食の食材として利活用を図っている自治体があります。また、こども食堂などの食材としての利活用など、新しく導入される液体ミルクと現状の粉ミルクを含めた人工ミルクの利活用について検討すべきと考えますが、お伺いいたします。

 次に、災害用の備蓄物資の具体例としてもう一つ、紙おむつについてお伺いいたします。

 災害用の備蓄物資としての子ども用、大人用の紙おむつについても使用期限があります。使用期限が切れる前に紙おむつについても利活用を進めるべきと考えます。こちらはWHOコードがありませんので、単純配布も可能なところです。子ども用、大人用の紙おむつについては、現状はどのような取り組みをされているのか、備蓄総数と併せてお伺いいたします。

 人工ミルク、紙おむつの具体例を挙げ、災害用備蓄物資の利活用についてお伺いしましたが、使用期限、賞味期限がある災害用備蓄物資はほかにもたくさんあります。様々な災害用備蓄物資の使用期限、賞味期限が切れる前の利活用を促進する取り組みを、持続可能、かつロスをなくし有効活用する取り組みを全庁的に検討すべきと考えますが、お伺いいたします。

 次に、(2)災害時の私立学校等への情報伝達手段について、お伺いいたします。

 過日1月25日、中野区職員震災図上訓練が行われました。昨年は新しく導入された中野区災害情報システムの試行となりましたが、本格運用を開始してからの震災図上訓練は今回との位置付けです。さらなる検証・検討が必要な課題が幾つか明らかになったと聞きます。そのうちの一つ、災害時の私立小学校・中学校・高校等への情報伝達手段について、お伺いいたします。

 私立の小・中・高校等であっても、中野区の避難所として指定されている場合は移動系、固定系の防災行政無線が配備されています。区の避難所として指定されていない私立の小・中・高校は区に何校あるのか、お伺いいたします。

 区の避難所として指定されていない私立の小・中・高校等の現状の情報伝達手段はどのようになっているのか、またさらなる情報伝達手段の確保策を検討すべきと考えますが、お伺いいたします。

 次に、(3)体育館の冷暖房化について、お伺いいたします。

 教育環境の改善並びに災害時の避難所機能の充実を図るため、区立小・中学校の体育館へ冷暖房設備を設置するようにこれまで強く求めてきたところです。区は、本年度2019年度から2021年度までの3年度間に、原則して2020年、本年の夏までに集中的に設置していく計画を示し、体育館の冷暖房化が進められているところです。現在の区立小・中学校における体育館の冷暖房化の設置の進捗状況を伺うとともに、設置された学校での反響についてもお伺いいたします。

 次に、(4)蓄電池導入助成について、お伺いいたします。

 2009年から始まった太陽光発電など再生可能エネルギーで作られた電力を電力会社が一定価格で10年間の期間買い取ることを国が約束したFIT(固定価格買取制度)が2019年から順次終了していくこととなります。これにより、高い売電金額での利益が見込まれていた固定買取り価格は毎年変更が可能となり、売電価格は格段に安くなると予想されています。この制度の節目に当たり、蓄電システムの普及を図り、災害時など停電に備えた環境と防災双方の取り組みを進めるため、助成制度を創設すべきと訴えてきたところです。区は、来年度より新たな取り組みとして、太陽光発電を蓄電するシステムに対して助成を行うとの決定をしましたが、大いに評価いたします。そこで、太陽光発電を蓄電するシステムの助成制度についての概要をお伺いいたします。

 また、この蓄電池導入助成制度の実施時期とその対象となる期間、及びその条件の設定についてお伺いし、この項の質問を終わります。

 次に、3、がん検診について、お伺いいたします。

 がん検診については、胃がん検査である内視鏡検査について、お伺いいたします。

 胃がん検査に、胃部エックス線検査であるバリウム検査のみならず、国の推奨する胃がん検査に内視鏡検査が盛り込まれたことを受け、中野区においても、国基準のがん検診、胃がん検査に内視鏡検査を導入すべきと求めてまいりました。来年度より中野区においても胃がん検査に内視鏡検査を導入する決定がなされ、この点についても大いに評価するところですが、ようやく他の自治体に追いついたとの感があります。胃がん検査において新しく導入される内視鏡検査の制度の概要、実施時期についてお伺いし、事故なく、無事に新しい検査制度がスタートできることを願い、私の全ての質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 白井議員の御質問にお答えいたします。

 1問目、施政方針説明についてのうち、新型コロナウイルスの区の体制強化についてでございます。区では、2月3日に、区長を本部長とした中野区健康危機管理対策本部を立ち上げて、健康危機管理の認識のもと、区民の生命・健康を守る取り組みとして進めているところでございます。現段階においては、保健所以外に所属している保健師についても交代で保健所の感染症対策業務に従事する体制を組むこととしております。健康危機管理は、平時の体制のままでは対応できない健康事案に対処すべく、柔軟かつ機動性を持って動ける事前対応型行政システムであると考えております。こうした認識のもと、全庁体制による人員の強化等を含め、刻々と変化する状況や突発的な事象にも対応できる体制を構築してまいります。

 次に、新型コロナウイルスの指定感染症としての保健所業務についての御質問です。指定感染症の法に基づいた対応としては、患者の感染症指定医療機関への入院勧告や移送、就業制限などを行う予定でございます。また、今後の対策に資するための積極的疫学調査を実施する予定でございます。

 次に、新型コロナウイルスに対する緊急融資制度についての御質問です。区内には中国からの輸入品を使用している事業者もあることから、今後の各事業者への影響や社会情勢等も注視しているところでございます。事業運営の資金につきましては、産業経済融資等の既存の制度によっても支援を行うことができます。中でも小規模の事業者に対してはより低い負担率の制度がございます。困難な状況にある事業者がこれらの制度を適切に利用できるよう、改めて周知を強化してまいります。今後については、国や東京都の動きを見据え、必要に応じて対策を検討してまいります。

 次に、宿泊施設における対応状況についてでございます。区は、国内における新型コロナウイルス患者の発生が初めて確認された時点で、旅館業営業者、住宅宿泊事業者に対して、宿泊者名簿への正確な記載や通常の感染対策の周知、宿泊者の体調不良時の対応方法などに関して多言語によって通知し、区のホームページにも掲載したところでございます。また、指定感染症の施行を受け、再度感染対策の留意事項とともに、帰国者・接触者電話相談センターについても個別に通知を行ったところでございます。さらに、通常の旅館業の立入監視指導や衛生管理上の課題がある施設への緊急立入りを行うなど、衛生環境及び感染症予防の監視体制を強化してまいります。

 次に、北京市西城区の状況と区の支援策についてでございます。区は、国際交流協会を通じて北京市西城区の状況について聞き取っているところでございます。聞き取った情報によると、北京市でも感染者が増加しており、西城区では2月13日現在で46人。また、マスク等も足りていない状況であると聞いております。西城区政府では業務は通常どおり行っておりますが、民間企業ではどうしても出勤しなくてはいけない人が出勤し、それ以外の人たちは自宅で業務を行っているとのことです。区内の学校では、春節から休みが延期され、新学期が始まっておらず、3月上旬から始まる予定であるとのことです。友好区として、今後の適切な対応についても検討してまいります。

 次に、情報システムについてでございます。昨年12月に発生したデータセンター障害では、データセンターにおけるハードディスクの障害等によりデータセンター自体が機能不全に陥ったものでございます。中野区が業務に使用しているシステムのうち、区ホームページをはじめとして戸籍システムや介護保険システムなど22のシステムが停止したことから窓口業務に支障が発生し、戸籍の窓口業務ができなかったり、介護認定の遅れが発生するなど、区民の皆様に多大な御迷惑をおかけすることとなりました。実際の損害額については現在積算中でございますが、障害を受けたシステムの再構築経費や職員の人件費など、概算で六、七千万円の規模になると見込んでおります。

 次に、情報システムについての計画の改定を行ってこなかった理由についてのお尋ねでございます。区は、ICT政策を総合的かつ効果的・効率的に推進するため、地域情報化推進計画を定め、おおむね3年ごとに計画を見直すことにしておりましたが、喫緊の課題への対応やマイナンバーの導入、サイバーセキュリティー対策等、全国的な課題への対応などのために計画の改定に着手することができませんでした。しかし、計画策定から10年間以上が経過し、区を取り巻くICT化環境が大きく変化したため、来年度計画を改定することにしたものでございます。計画の改定に当たりましては、来年度策定予定の基本構想・基本計画の実現とICTの利活用による地域課題の解決の観点から検討を進めてまいります。

 次に、区有施設整備に係る支援業務委託についての御質問です。区有施設の整備に当たりましては、人口推計を踏まえた行政需要や施設の現状、今後の区財政への影響などの客観的なデータ、区民意向や地域事情、これまでの経過などを総合的に判断し計画化する必要があると考えております。そうした判断ができるのは区の職員のみでございまして、区職員の果たすべき大きな役割だと考えております。一方で、施設配置計画と策定支援業務委託では、施設の配置案を踏まえ、跡地活用における建築可能規模の精査や区が作成する計画案に関する資料作成などについて専門的な知見を有する事業者から支援を受けることを考えております。区有施設整備計画の検討状況については、今定例会における常任委員会で施設の配置の考え方をお示しし、以降は新たな基本計画の検討状況と併せて区議会における十分な議論を経て定めていきたいと考えております。

 次に、行財政運営についての御質問です。令和2年度予算におきましても、限られた一般財源によって区民サービスを低下することなく財政運営を行っていくため、今後の区の財政見通しを踏まえながら不断の事業見直しを進め、新規拡充事業の財源を生み出して、適切な財政規模の確保に努めてきたところでございます。持続可能な区政運営の考え方につきましては新たに新しい基本計画でお示しする予定でございまして、財政フレームについては10年間を考えているところでございます。

 次に、令和2年度予算において特筆すべき事項について、それぞれの説明ということでございます。昨今の取り巻く社会環境において、区が解決すべき課題が細分化・複雑化し、最新の知見を取り入れたより高度な専門性が求められてきていると認識しております。区の課題解決に当たって、より精度の高い事業構築を行うためにもコンサル委託や外部人材の登用を図っているものでございます。また、広報物のデザイン印刷につきましては、わたしの便利帳や子育てハンドブックなど、必要な事業内容を区民に関心を持ってもらって、しっかりと伝えられるよう効果の高い周知方法を採用したいと考えているものでございます。

 次に、災害・防災対策についての項でございます。

 最初に、液体ミルクについてのお尋ねでございます。他の自治体の導入事例としては、千代田区、港区、文京区、大田区、豊島区、練馬区が既に導入しているとのことです。

 次に、現在想定している備蓄数量でございますが、約2,400人分として避難者数や乳児の割合などを考慮して、125ミリリットル入りの紙パック780本を予定しているところでございます。また、保管方法については、常温保管0度から35度となることから、区本庁舎室内に保管する予定でございます。

 また、今回導入を想定している液体ミルクでございますが、賞味期限が6か月のものでございます。賞味期限が過ぎる前に保育園等の給食として活用するなどの再利用を検討しております。なお、既に導入している粉ミルクについてでございますけれども、これまでもフードバンクへの寄附、そして保育園での提供など再利用を図っているところでございます。今後も、液体ミルク、粉ミルクにつきましては、バランスを考慮しつつ活用を図ってまいりたいと考えております。

 次に、紙おむつについてでございます。紙おむつは、避難者数、乳幼児や要介護者数の割合などを考慮して、大人用約7,800枚、子ども用約5万7,000枚を備蓄しております。また、紙おむつの使用期限は5年となっておりまして、長期保存に伴いテープの粘着性や吸水性が低下するなどのことから、使用期限切れ前の活用は困難であるため、廃棄処分しているところでございます。現在、備蓄品につきましては、一部を防災訓練で配布したり、民間フードバンク等を活用するなど、極力廃棄しないように努めているところでございます。しかしながら、現状では再利用にも限界があることから、全庁的な再利用について再度検討してまいりたいと考えております。

 次に、災害の情報手段についてのお尋ねでございます。

 まず最初に、避難所に指定されていない区内の私立学校は3校でございます。そして、現状、私立学校への連絡手段は電話による相互通信となっております。災害時に多くの生徒を保護する学校との情報共有は人命救助や避難行動を行う上で非常に重要であることから、今後学校側の意見を踏まえつつ、様々な連絡手段の採用も含め適切な対応を検討してまいります。

 次に、蓄電池導入支援の概要と実施時期についてでございます。蓄電池システム導入支援は、太陽光発電機器と連携する蓄電システムを導入した場合に費用の一部を補助する制度で、個人やマンションの管理組合、支援団体として認可を受けている町会・自治会を対象として1件当たり10万円を助成するものでございます。4月1日以降に設置された蓄電システムを助成の対象として、申請受付は7月1日から開始することを考えているところでございます。

〔教育長入野貴美子登壇〕

○教育長(入野貴美子) 私からは、災害・防災対策についてのうち、体育館冷暖房化について、お答えいたします。体育館の冷暖房化は、令和元年度中に区立小・中学校32校のうち26校の設置が完了し、令和2年度中には全小・中学校の体育館冷暖房化が完了する予定でございます。体育館の冷暖房化により教育活動における良好な学習環境が確保され、児童・生徒から好評であるほか、体育館を利用する保護者や地域の方々からの評判もよいと聞いております。

〔保健所長向山晴子登壇〕

○保健所長(向山晴子) 胃がん内視鏡検査の実施について、お答え申し上げます。内視鏡検査については、精度管理を重視するため、極めて先進的な取り組みであります撮影方法の標準化の実現や、安全性の確保のための医療従事者等の研修の修了後の開始となるため、来年度の実施時期は令和2年12月から令和3年2月までの予定としてございます。検査可能な期間が3か月であるため、令和2年度における受診対象者は50歳代を中心とした区民を想定しております。また、受診する際の自己負担金は2,000円とする予定であり、中野区医師会に検査を委託する方法で検討をしております。なお、胃がん内視鏡検査の実施につきましては、今定例会中の厚生委員会で概要を報告する予定としてございます。

○議長(高橋かずちか) 以上で白井ひでふみ議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

午後3時19分休憩

 

午後3時40分開議

○議長(高橋かずちか) 会議を再開いたします。

 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 羽 鳥 だいすけ

 1 施政方針説明と区長の政治姿勢について

 2 公契約条例について

 3 気候変動対策について

 4 交通政策について

 5 児童相談所について

 6 学校統廃合について

 7 その他

 

○議長(高橋かずちか) 羽鳥だいすけ議員。

〔羽鳥だいすけ議員登壇〕

○9番(羽鳥だいすけ) 2020年第1回定例会に当たって、日本共産党議員団を代表して質問を行います。

 施政方針説明と区長の政治姿勢について、伺います。

 最初に、社会的に大きな問題となっているコロナウイルスによる新型肺炎について、伺います。

 2月17日時点で、新型肺炎の罹患者は中国を中心に世界で7万人以上、死者1,700人以上となっています。メディアで連日大きく取り上げられていることや蔓延する情報の中にはデマも含まれており、区民にも不安が広がり、連日の問い合わせは約100件にも上っています。多くの専門家から指摘しているように、過度に恐れるのではなく、通常行っている手洗いやうがい、消毒などが極めて有効だと言われています。正確な情報を公的な機関がしっかりと発信することが重要です。区は、ホームページの最初の画面にコロナウイルス感染症についてのリンクを設け区民に周知をしていますが、区民の不安を解消させるほど情報が広がっていないのではないでしょうか。ほかにも、区のお知らせ掲示板やジェイコム中野との協力など、区が持つあらゆる媒体を活用して、予防についての知識や感染が疑われる場合の対応など区民の不安に応える情報発信が必要ではないでしょうか。

 また、この病気は中国を中心に広がっていることから、現在、「中国人お断り」など、病気にかかった人を区別せず、特定の国や人種へのヘイトスピーチにつながる言動が特にインターネットを中心に広がっています。何かを排除すれば安心な気がするという気分・感情に付け込んだものであり、放置するわけにはいきません。正確な情報発信とともに、区として不安に付け込んだヘイトスピーチは許さないという発信も必要ではないでしょうか。

 施政方針説明についてです。

 新年度に向けた取り組みの中で、子どもの権利条例の制定・検討、認可保育園の新規増設、子どもの貧困対策の具体化、洪水ハザードマップの充実、木造住宅耐震改修助成の実施など、この間多くの区民から求められてきた施策が示され、高く評価いたします。その中で私が大事だと思ったものが、子どもの貧困対策の具体化です。なかなか声として上がってきづらい貧困という問題に目を向けた対策は、我が会派としても繰り返し求めてきたことであり、積極的な施策展開を期待するものです。

 この貧困とは、政治によって作られます。その中でも昨年10月に行われた消費税増税は国民の暮らしに重大な影響を及ぼしています。内閣府の景気動向指数は5か月連続マイナス、総務省の家計調査では1世帯当たりの消費支出は3か月連続マイナスとなりました。本日発表された、昨年10月から12月期の国内総生産(GDP)は年率換算で6.3%減と、消費税増税による深刻な不況の現状は明らかです。区長は、今の日本経済と区民の生活実態についてどのような認識をお持ちでしょうか。お尋ねします。

 この項目の最後に、対話の区政について、お尋ねします。

 昨年34歳で首相に就任したフィンランドのサンナ・マリン首相は、社会の強さは、富裕層が持つ富の大きさではなく、最も弱い立場の船員がどれほど豊かで快適な生活を送れているかによって測るべきものであると述べています。彼女の人生経験に裏打ちされたすばらしい発言だと思います。

 先日発表された中野区基本構想素案に、「10年後に目指すまちの姿」の中で「人との交流やつながりを広げ、誰一人取り残されることのない安心できる地域社会を築きます」と明記されました。社会の中で困難な人に目を向ける姿勢が区政の中にあることは大きな希望です。区長は、施政方針説明の「むすびに」の項目の中で、「常に変わりゆく社会課題に即応していくためには、課題を共有し、ともに考え、ともに解決に向けて行動する人を増やしていくことが不可欠であると考えています」と述べています。区長が「活動人口」と呼ぶ区民を大きく広げていくことは非常に重要です。そうした区民を増やすには、区政に自分の意見が反映されたと思えることが大切です。そのことは、中野区基本構想に関するアンケートにおいて、どのような基本構想なら親しみを持てるかという設問において、区民の意見が反映された基本構想であることという回答が一番だったことからも明らかです。「対話の区政」は、対話をしたら終わりではありません。対話をして、それを生かす過程と区民にその過程が見えることが大事です。区長にとって「対話の区政」とは何でしょうか。答弁を求め、この項目を終わります。

 次に、公契約条例について、伺います。

 昨年12月に中野区公契約条例推進委員会が主催した学習会に参加してまいりました。多摩市で公契約審議会の委員長を務めている古川景一さんをお招きしての学習会は大変示唆に富むものでした。公契約条例は、前区長のもとでは効果が明らかでないとして制定は検討されてきませんでしたが、酒井区長が公約も出され、区の方針は180度変わりました。そして、当初予算案の概要にも項目出しがされました。地域で公契約条例に向けての区の方針を伝えると、多くの方からいい条例にしてほしいと歓迎の声が聞かれ、条例についての期待を感じます。区民のためになるよい条例にしたい、私もその思いでいます。その上で、何点か伺います。

 まず、条例の制定及び施行に関する工程をお示しください。

 2018年第2回定例会で公契約条例の役割について尋ねた、我が会派のいさ議員の質問に対し、区は、公契約条例により、労働者への適正な労働条件や処遇を確保し、ダンピングの防止を図ることにより、公共サービスや公共工事の質の向上、地域経済の活性化などが図られると答弁されています。私も同感であります。しかし、条例が理念を宣言するだけのものでは、この目的は達成できません。

条例は、労務報酬下限額の定め、いわゆる賃金条項があるものにすべきと考えますが、区の見解をお答えください。

 また、賃金条項があるだけでも実効性があるとは言えません。私が参加したこの学習会では、福島第一原発事故後の除染作業において労働者に支払われるはずの危険手当について紹介されていました。工事の発注者である環境省は危険手当分のお金は出しているものの、それは労働者の手に渡らず、中間業者がピンハネをし、労働者は被曝の危険のある仕事を低賃金で行っている実態があります。その背景には、環境省が、労働者を雇用する事業者が労働者に危険手当の支払いを約束していれば、支払われなかった場合に摘発するとなっているからです。これでは現場労働者の低賃金は放置されてしまいます。建設の現場では、重層下請の構造により、発注段階では適正な賃金で計算したはずなのに現場で働く労働者の賃金に反映されていない事例があると聞きます。そのようなことを防ぐために、何次下請であろうとも、労働者に支払われた賃金が労務報酬下限額を下回った場合、労働者の賃金請求権が発生することを条例に明記すべきと考えますが、区の見解をお示しください。

 また、労働者に賃金支払いがきちんと行われているかを把握するためには賃金台帳を区がきちんと把握できるようにしなければなりません。昨年まで渋谷区では、公契約条例に労務報酬下限額があることと、それを担保するための賃金台帳の作成提出が明記されつつも、その内容が不十分であったため、実際の賃金が労務報酬下限額を下回った場合でもそれが放置されている実態があったそうです。それを指摘する多くの区民の声があり、ようやく昨年、そうした抜け穴を防ぐ要項の改正を行ったそうです。

 区の条例制定に当たっては、他自治体の事例もよく研究し、受注者に対して一人ひとりの労働者の賃金をきちんと保障する賃金台帳の提出を義務付ける必要があると考えますが、区の見解をお答えください。

 重層下請の構造がある以上、それがある上でなお実効性を確保する仕組みが必要です。区と受注者との関係だけで賃金条項を守らせるというだけでは足りません。また、実行させるにしても、区との契約条項の中に受注者に対して労働条件の確保を下請と連帯して責任を負わせる項目が必要です。さらに、条例違反には契約上の不利益を負わせる項目が必要ではないでしょうか。区の見解をお答えください。

 また、公契約条例の運用を始めていけば、賃金台帳の確認や事業者への指導など、条例に基づく職員の仕事は大きく増えることが想定されます。公契約条例は、条文があるだけでは実効的ではありません。その条例を運用する職員が、適正な単価の保障が業務の質を保証し区の発展のためになるという、公契約条例の意義をよく捉える必要があります。そのために特に制度開始時期に条例の意義について区職員の研修を行うべきではないでしょうか。また、適切に条例の運用を行えるよう、先行自治体の事例をよく研究して、職員の配置等についても加増を検討すべきではないでしょうか。お答えください。

 また、条例が対象とする労働者の範囲も重要な論点です。公契約条例を制定した自治体の中には、雇用されている労働者のみが対象とされ、一人親方や指定管理者のもとで働く労働者が対象とされていない場合もあります。しかし、条例の趣旨からすれば、こうした方々も対象とすべきではないでしょうか。行政が働く貧困層を生み出してはいけません。区の見解をお答えください。

 この条例が中野区のさらなる発展に貢献することを願って、この項目の質問を終わります。

 続いて、気候変動対策について、伺います。

 昨年は気候変動問題が一躍注目を集めました。世界各国の若者が立ち上がり、声を上げています。そこには、今行動を起こさなければ取り返しがつかなくなるという深刻な危機感があります。日本においても、昨年の台風被害、この冬の歴史的な暖冬など、気候変動の影響を大変身近に感じるものとなっているのではないでしょうか。世界の多くの識者が触れているとおり、気温上昇1.5度未満に抑える確率を66%以上にするために残っている炭素排出量は現在の世界の排出量のわずか8年分しかありません。まさに1年1年の真剣な取り組みが求められています。また、最近危機感を持って言われているのが、温度上昇がある程度まで行くと、温暖化の連鎖反応が起こり気温上昇が止められなくなるということです。来年度に蓄電池への導入補助事業が行われることは重要と考えますが、やはりこの危機的な事態に対処するために、環境基本計画策定待ちにせず、新たな政策を出すことを強く求めます。

 こうした危機的な事態にあることを自治体が気候非常事態宣言を出して積極的に周知していく動きが世界的に広がっています。日本でも、昨年、長崎県壱岐市を皮切りに8自治体が宣言しましたが、2020年に入って既に7自治体が新たに宣言を出すなど、今年はその動きがさらに加速すると思われます。以前の質問でも指摘しましたが、既に気候変動対策に動くことはステータスではなくスタンダードになりつつあります。エネルギーの一大消費地である23区の中野区で気候非常事態宣言を出すことには大きな意味があります。中野区も気候非常事態宣言を出し、世界に向け、気候変動対策に取り組む区の姿勢をアピールすべきではないでしょうか。区の見解をお答えください。

 先日発表された中野区基本構想素案には、環境に向けた取り組みの中で脱炭素を目指すことが掲げられました。これまでは低炭素でしたが、現在の時勢に沿って目標を引き上げたとのことで非常に重要なことです。区として脱炭素を目指すとなれば、広義には民間部門を含めて中野区からのCO2排出量を実質ゼロにすることが含まれます。基本構想は10年後に目指す中野区の姿を示すものですから、広義の意味での達成に向け努力していくべきです。環境基本計画の改定に向け、どのような方策ならば可能か検討していくべきではないでしょうか。お答えください。

 また、脱炭素を狭義で捉えれば、事業者としての中野区からCO2排出を実質ゼロにするということになります。現在、中野区は、電力の多くを再生可能エネルギー比率の高いものを購入しているとのことで、その比率は全消費電力のうち80%を占めています。残りの20%についても再生可能エネルギー比率の高い電力への切替えを検討するべきではないでしょうか。また、80%の部分に関しても再生可能エネルギーを100%に近づけていくべきではないでしょうか。お答えください。

 こうした使用電力の100%再生可能エネルギー化への取り組みを可視化するものとして、「再エネ100宣言 RE Action」というものがあります。日本の環境NGOや研究機関が主催するもので、2050年までに使用する電力を100%再エネ電力とすることの宣言であり、その達成のために毎年進捗状況を報告することを求めています。この宣言をすることで、その場所に再生可能エネルギーの需要があることをアピールし、再生可能エネルギーの供給を増やすことを目的としています。気候非常事態宣言と併せ、この「再エネ100宣言 RE Action」を出してはいかがでしょうか。お答えください。

 現在区が購入している新電力は、出光グリーンパワーやエネット株式会社など大手電力によるものとなっています。電力切替えは大事な取り組みの一つですが、再生可能エネルギーの利点の一つに地域経済循環を促すものになるということがあります。その点で、私は、再エネの潜在的供給量が多い地方の自治体との連携が考えられないかと思います。世田谷区では2自治体、横浜市では12自治体と連携し、区内の個人あるいは企業・団体などに再生可能エネルギーの電気を供給しています。区が使用する電力をこうした地方から供給を受けるということも再生可能エネルギー比率を上げるために考え得る方策ではないでしょうか。例えば、里・まち連携自治体との協働などを検討してみてはいかがでしょうか。区の見解を求めて、この項目の質問を終えます。

 続いて、交通政策について、伺います。

 第4回定例会において、区は、交通弱者の移動環境の改善についてという報告を行い、一昨年のアンケートで明らかになった若宮大和町の交通不便を解消するための実証実験を行う方針を示しました。地域でこういう報告がありましたよと話をすると、ぜひともやってほしい、ルートはどうなるだろうかと、歓迎と期待の声が寄せられます。報告によれば、コミュニティタクシーの利用が1日に70人程度なければ採算を取ることは難しいとのことです。実証実験の際、もし本当に走った場合はどのくらいの人が利用するかということがきちんと推定できるようにしなければなりません。先日特別委員会で視察に伺った西東京市では、昨年実証実験を行いましたが、参加がかなり低調だったと聞きました。周知の課題もあったとのことでしたが、利用するに当たって事前登録が必要だったことや運行日が1週間のうち限られた日数にとどまっていたことも原因なのではないでしょうか。中野区の実証実験においては、事前に回数券を買ってもらうことや事前登録を必要としないこと、毎日の運行を確保することなど、参加しやすい条件を整えることが必要ではないでしょうか。区の見解をお答えください。

 また、コミュニティタクシーのような地域公共交通は、地域住民から認知され、親しまれることが非常に重要です。この間の区の取り組みでも、周知しただけでは実証実験を行っていることすら知られないということにもなりかねません。実証実験に当たって住民を巻き込む取り組みが必要です。岐阜県岐阜市では、コミュニティバスの運行の際にルート選定や運賃などの基本的事項を決める場合、市民が参加している仕組みがあります。そうした中で、利用者が落ち込んだ際にも自分たちのバスを守ろうと乗車運動を起こしたり、利用率を上げて運賃値下げを実現させたりしています。今回の実証実験の取り組みの際には地域住民と広く語り、地域住民にとって必要とされるルートの検証を行うなど、たくさんの方が利用するような方策を考えていくことが必要ではないでしょうか。区の見解をお答えください。

 交通空白地域の移動支援の検討とともに、交通政策基本方針の作成が報告されました。中身については今後議論していかなければなりませんが、今日は体制の問題について1点伺います。

 交通政策基本方針とは、基本的人権たる交通権を区民に保障するために、中野区としてどのような課題があり、どのような施策を行わなければならないかを明らかにするものです。交通政策基本方針が捉える範囲について、国土交通省は自治体を単位にしていますが、同じ自治体でも課題は様々であり、その地域の生活圏域はどこかという、そこに暮らす生活者の視点を取り入れることが重要です。また、中野区は、今後、高齢者、特に単身高齢者の増加などの課題もあり、方針を作るに当たっての分析作業には高い専門性が必要です。区は、今年度から交通政策を組織として新たに設置しましたが、現状では都市計画課長と交通政策課長が兼ねられているなど、現在の体制では基本方針策定の業務にも支障が出てくるのではないでしょうか。交通政策に関する知識や経験のある土木技術系職員の配置や東京都などで公共交通政策や整備などの専門経験もある人材の配置など組織体制の強化が必要と考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項目の質問を終えます。

 続いて、児童相談所について、お尋ねします。

 区は、2021年度の児童相談所開設に向けて準備を進めています。地域の身近なところにこうした拠点ができるということで大いに期待をしております。今日は、そこで働く職員についてお尋ねをいたします。

 今、中野区では、児童相談所開設時の職員定数を満たすべく、各地に職員を派遣して研修を行っています。区は、そのことと、東京都児童相談所の元職員などを会計年度任用職員でスーパーバイザーとして雇い、体制を充実させると言っています。しかし、この間多くの専門家が懸念しているのは、一度働いた職員がわずかな期間で辞めざるを得ないという実態です。昨年会派として視察に伺った静岡市児童相談所でも多くの職員が一、二年で児童相談所を辞めてしまうとのことでした。また、今こうした事例が全国各地で相次いでいるだけに職員の引き抜き競争も起こっていると聞いています。福祉職については、健康福祉部が中野区福祉職人材育成プランを作成し研修に当たらせていますが、こうした現状があるだけに開設当初の人員分の研修を行っているから大丈夫とは決して言えないのではないでしょうか。児童福祉に関する知識や相談・援助業務のスキルのある職員を継続して児童相談所に配置するためにも、区の福祉職全員について児童福祉の専門的知識や相談・援助業務に関する研修を受講させるなどの方策も検討すべきではないでしょうか。

 昨年11月に行われた特別区講演会で児童相談所についての話を伺いました。そこで、区の児童相談所が設置されることで懸念されることが何点か触れられていました。一つは、今後の子ども家庭支援センターの在り方についてです。児童相談所は設置とともに「総合子どもセンター」としてまとめられてしまいます。「児童相談所」という名称から相談が足踏みしてしまうこともあるというふうにも聞いています。子ども家庭支援センターは地域の身近な子育て相談の拠点ということで、児童相談所とは別の専門性が求められる側面もあります。そうしたときに、一体化してしまうとなれば相談しづらいということも出てくるのではないかと懸念します。役割分担が必要であると感じました。区民が相談に行きやすくするためにも「子ども家庭支援センター」として残し、役割分担を明確にしておくことも検討すべきではないでしょうか。お答えください。

 また、介入と支援の分離も課題です。児童相談所は、子育てなどの支援を行うところであると同時に、非常時には児童を引き離すなど介入の措置を取るところでもあります。介入を行った担当が継続的に支援することで問題が生じないかと議論があると聞きます。しかし一方で、事案の引き継ぎがうまくいかないなどの事例があると聞きます。そういったことには注意を払いつつも、やはり緊急的な措置が必要な相談に対して迅速な対応ができるようにするためにも機能分担したほうがよいのではないかと考えますが、区の見解をお尋ねします。

 また、もう一つの懸念事項は、単独の児童相談所になることにより事例の共有が円滑に行われるのかという問題です。これまでは東京都の児童相談所だったため、親御さんが引っ越してもネットワークで結ばれた事例共有がすぐに行われていましたが、単独の児童相談所となるとそれぞれの情報はそれぞれの区のものになります。担当にお聞きしましたところ、個人情報の問題もあり、全ての情報を共有するというわけにはいかないとのことでした。都を中心に事例共有の仕方を検討しているとのことですが、情報のそごから救える命が救えなくなってしまったということになってしまってはいけません。専門家も交え、必要な情報を共有できるよう研究を進めていくべきではないでしょうか。

 今、23区のほとんどで一斉に児童相談所の開設準備が進められていますが、開設時に職員を確保することが難しいということで開設を遅らせると発表したところも出てきました。中野区でも今すぐそういう状況というわけではないとは思いますが、ぜひ区には開設時に働くことになる職員状況をよく見極めていただきたいと、このことを要望いたしまして、この項目の質問を終わります。

 最後に、学校統廃合について、伺います。

 昨年11月に、中野区教育委員会において、第四中・第八中と鷺宮小・西中野小の統合時期についての議論が行われました。議論の結果、両方の学校とも当初の予定どおり合併するとしています。区は、適正な学校規模を確保することを統廃合の基準に置いていますが、区が適正な学校規模を確保できないとしている小規模校のデメリットは、切磋琢磨する場面が少なくなる、人間関係が固定化する、学校行事に制約を受けるなど、根拠としては薄いのではと感じます。また、この間、学校統廃合により生徒・児童数が増え一人当たりの校庭面積の基準を下回る新校が相次ぐなど、適正な学校規模にしたことによって良好な学校環境が妨げられている事例が多く発生していると感じます。区が適正な学校規模が必要というエビデンスとは何なのでしょうか。また、適正な学校規模にすることがかえって良好な学校環境を妨げているのではないでしょうか。見解をお尋ねします。

 また、さきの報告で述べられたことですが、第四中・第八中統合新校の新校舎完成は美鳩小擁壁の完成工事により2年の遅れとなっていますが、報告の中で既にさらなる延長もあり得るとの記述があり、何の保証もありません。今後、ますます生徒に遠距離通学を強いる期間が長くなってしまいます。仮校舎からすぐに戻ってこられるだろうと思っていた人も裏切られた思いでいる人が多いのではないでしょうか。昨年の予算特別委員会総括質疑でも触れましたが、この間の人口推計には大きな狂いがあり、そのことがほかの再編校にも大きな影響を及ぼしています。新校舎がいつできるかは未定という、新たに考える時間ができたわけですから、第四中・第八中、鷺宮小・西中野小という第2次再編計画でまだ統合していない学校について、その再編時期を見直すべきではないでしょうか。答弁を求め、私の全ての質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 羽鳥議員の御質問にお答えいたします。

 1点目、新型コロナウイルスに関する区民への情報発信についてでございます。新型コロナウイルスに関する状況や対応について、区は最新の確かな情報を即時区民の皆さんに発信する責任があると認識をしているところでございます。このため、区ホームページの情報更新を基本として、緊急性や重要度などに応じたツイッターやフェイスブックによる情報発信、また区施設を通じた広報や各種団体への情報提供を行っているところでございます。今後はさらにケーブルテレビの加入率が高いことに鑑みて、ジェイコムの文字放送や番組による情報伝達、また報道機関への情報提供も状況に応じて行っていく考えでございます。

 次に、ヘイトスピーチについてでございます。ヘイトスピーチ解消に向けて、区ではホームページや法務省作成ポスターの掲示などによって啓発を行っているところでございます。また、中野区健康危機管理対策本部において、新型コロナウイルス感染症の対応に当たっては人権の尊重を旨として行動し、人権が尊重される環境づくりに努めることなどを基本的な方針として確認し取り組んでいるところでございます。

 次に、日本経済と区民の生活実態に関する認識についてでございます。区としては、消費税率引上げに伴う区内経済への影響や東京オリンピック・パラリンピック終了後の景気減速への懸念、さらには新型コロナウイルス感染症の世界経済に与える影響を注視していかなければならないと捉えており、日本経済の先行きは不透明であると認識しております。

 次に、「対話の区政」についての御質問です。「対話の区政」とは、中野区に関わる人々が立場を越えて共に考え、互いを理解し合い、新たな気づきを得て、皆で課題解決に取り組むことでよりよい結論を導き出し、中野のまちの地域力を向上させるものと考えております。対話の区政を一層推進していくためにはそのプロセスを共有していくことが重要であると考えておりまして、区の広報媒体をはじめ様々な機会を通じて周知・説明していくことに努めていきます。

 次に、公契約条例について。公契約条例の制定及び施行に関する工程についての御質問です。公契約条例案につきましては、関係団体から意見を聴取し、先行自治体の公契約条例の効果を見極めながら、パブリックコメント手続などを通じて、令和2年度内の提案を目指してまいりたいと考えております。その上で労働報酬審議会を発足させ、労働報酬下限額の設定を行うなどして、令和3年度内には条例を施行できるよう準備を進めていく予定でございます。

 次に、労働報酬下限額以上の賃金の支払い義務についてでございます。公契約に係る労働者等の労働環境の改善を図り、業務の質を確保していくなどの実効性を担保していくためには、条例で事業者に守っていただくべき規定を明確に整備することが必要であると考えております。公契約条例では、受注者及び受注関係者に労働者等に対する労働報酬下限額を定め、これ以上の賃金の支払いを契約上義務付けることによって労働者賃金の支払いを担保したいと考えております。

 次に、労働報酬下限額の確認方法についてでございます。労働報酬下限額以上の賃金が支払われているかを確認する方法としては賃金台帳の提出などが一例として考えられますが、元請事業者のみならず、下請事業者等の事務負担も考慮しながら、条例の実効性を担保できる仕組みを検討してまいります。

 受注者の連帯責任と罰則規定についてでございます。受注者と受注関係者との連帯責任については重要であると考えておりまして、労働報酬下限額を下回るような支払いがあれば契約の違反行為として契約解除等の仕組みを設けることなど、遵守される対応を検討してまいりたいと考えております。

 公契約条例の運用に向けた職員体制についてでございます。公契約条例の制定に当たっては、事業者が労働者等に対し労働報酬下限額以上の賃金を支払っているかを確認する事務など、区においても新たに対応すべき事柄が様々生じてきます。このため、そうした課題を踏まえながら条例の内容を検討していき、公契約条例に関する職員への説明や公契約条例を運営できる職員体制の構築をしっかりと行っていく考えでございます。

 最後に、公契約条例の対象とする労働者と契約についてでございます。公契約条例の対象とする労働者には、受注者に直接雇用されている者とともに、下請事業者等に雇用されている者、労働者派遣法により派遣されている者等を範囲とすべきと考えており、また正社員やパートタイマー、いわゆる一人親方など、雇用形態を問うべきではないと考えております。公契約条例の対象とする契約には、工事請負契約及び業務委託契約のほか、公の施設の管理に係る指定管理者と締結する協定についても対象とすべきと考えております。

〔教育長入野貴美子登壇〕

○教育長(入野貴美子) 私からは、学校統廃合についての御質問のうち、適正な学校規模についてお答えいたします。適正な学校規模は、学校教育法施行規則では、小学校の学級数は12学級以上、18学級以下を標準とすると規定されております。中学校においても同様でございます。中野区立小中学校再編計画では、小・中学校の望ましい学級規模を、小学校12学級から18学級程度、中学校9学級から15学級程度を目指すこととしております。適正な学校規模を確保する必要性は様々にございますが、正規の教員数を一定数確保できることが大きな利点と考えております。教職員を一定数確保することで一人の教員が担当する校務分掌の負担軽減や若い教員の指導・育成の充実、教師が多くなることにより一人ひとりの児童・生徒を多面的・多角的に支援できるなど、再編した学校でも検証し確認できているところでございます。教育環境については、改築や増築等の改修工事により良好な環境維持に努めております。

 次に、再編時期の見直しについてですが、第四中学校・第八中学校の統合時期を延期した場合においても第八中学校の生徒数は一定の増加が推計できますが、予定した時期に第四中学校と第八中学校を統合する場合の効果に比べて少ないと考えております。また、現在12学級の鷺宮小学校と7学級の西中野小学校については、再編時期を見直しますと適正な学習環境の整備が遅れることから、計画どおりの再編が必要と考えております。

〔環境部長岩浅英樹登壇〕

○環境部長(岩浅英樹) 私からは、気候変動対策について、お答えいたします。

 最初に、気候非常事態宣言についてでございます。気候非常事態宣言は、気候が危機的状況にあることを住民に知らせることを目的に、温暖化対策や風水害対策の強化等を宣言しているもので、国内で15自治体が宣言していると承知しているところでございます。宣言をするに当たりましては、具体的な取り組みを併せて示す必要があると考えておりまして、来年度改定を予定しております環境基本計画の検討などを踏まえ検討するとともに、他の自治体の状況についても調査してまいります。

 次に、環境基本計画の改定に向けた方策でございます。現在、中野区環境審議会におきまして、環境基本計画に改定に当たっての基本的な考え方と計画に盛り込むべき事項等について御審議いただいているところでございます。審議会では、脱炭素社会の推進というテーマについても議論をされておりまして、今後まとめられる答申にも反映されるものと考えております。これを踏まえまして、脱炭素社会を目指し、区・区民・事業者の取り組みについて検討し、環境基本計画に盛り込んでまいりたいと考えております。

 次に、区の再エネ100%の推進とアピールについてでございます。現在区が使用しております電力の約80%は主に再生可能エネルギーを利用したものとなっております。小規模施設の場合ですと供給できる電力会社が限られていることやコスト面での課題がございますけれども、より多くの再生可能エネルギーの利用を推進するための方策を検討してまいります。併せて、区の取り組みの周知・アピールについても工夫をしてまいります。

 次に、再生可能エネルギーに関する連携自治体の協議でございます。なかの里・まち連携自治体におきましては、現時点で再生可能エネルギーの外部供給について検討しているところはないというふうに聞いております。今後、再生可能エネルギー事業を検討する自治体があれば、その活用について協議することを検討したいと考えております。

 私からは以上でございます。

〔都市基盤部長奈良浩二登壇〕

○都市基盤部長(奈良浩二) 私からは、交通政策の御質問にお答えいたします。

 初めに、コミュニティタクシー等による移動支援に関する御質問でございます。コミュニティタクシー等の実証実験の実施に当たりましては、先進自治体を参考に、利用ニーズや利用対象者の把握に努め、一定の利用者が見込まれる手法や仕組みを検討するなど工夫をしてまいりたいと考えてございます。運行ルートの選定につきましては、地域住民の参加等によりルート案を決定していく仕組みを検討しているところでございます。

 次に、交通政策に関する組織体制の強化についての御質問でございます。来年度は、交通政策に関する基本方針を策定するとともに、シェアサイクルやコミュニティタクシー等の具体的事業を予定しており、こうした取り組みを円滑に実施できる執行体制を整えていきたいと考えてございます。

〔子ども家庭支援担当部長小田史子登壇〕

○子ども家庭支援担当部長(小田史子) 私からは、児童相談所についての御質問にお答えいたします。

 初めに、福祉職の人材育成についてでございます。区は、専門職も含め、中野区職員研修実施計画及び各部研修実施計画に基づきまして人材育成を行っております。児童福祉の専門的知識につきましては、子ども教育部で実施する研修に他部の福祉職の参加を呼びかけるなど現在も行ってございますが、各部で連携しながら福祉職全体のスキルアップを図っていきたいと考えております。

 次に、子ども家庭支援センターと児童相談所の役割分担、それと児童相談所機能の分化についての御質問です。区は、児童とその家庭に対して専門性の高い相談支援、指導、措置など、切れ目のない支援を迅速、的確、総合的に展開するため、児童相談所と子ども家庭支援センターにつきましては一体で運営することを予定しております。相談等のしやすさにつきましては、今後、(仮称)総合こどもセンターを周知していく中で広報等を工夫していきたいと考えております。また、児童相談所における初期対応と支援につきましては、初期対応の迅速性を確保するとともに、それに続く支援を効果的なものとするため、機能を分化する方法で検討を進めております。他自治体の取り組みなども参考に、区としてよりよい体制を整えてまいりたいと考えております。

 最後に、他自治体との情報共有についての御質問です。自治体間の情報共有につきましては、厚生労働省が要保護児童に関する情報共有システムの整備を現在進めているところでございます。区としても、厚生労働省の動向を注視しながら情報共有システムの整備につきまして計画を進めていくことを考えてございます。また、転入・転出など他自治体との間で異動があった場合には連携漏れがないよう、関係自治体間での連絡や情報共有の仕組みについて検討を進めてまいります。

○9番(羽鳥だいすけ) 2点伺います。

 まず1点は、公契約条例についてのところで、職員の研修についてぜひとも行うべきではないかという質問ですが、お答えをまた頂けたらというふうに思います。

 もう1点は、気候変動対策についてのところで、「再エネ100宣言 RE Action」についてどうされるかというふうなところでお答えがあまり明確ではなかったかなと思いましたので、お答えをお願いいたします。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 再質問の1点目でございます。公契約条例についてで、条例を運用する職員について区の職員の研修を行うべきではないかということでございます。これについては、そうしたこれらの公契約条例の種々の課題を踏まえながら条例の内容を検討していく中で、当然職員への研修も実施すべきと考えております。

〔環境部長岩浅英樹登壇〕

○環境部長(岩浅英樹) 「再エネ100宣言 RE Action」について、お答えいたします。区といたしましては、再生可能エネルギー利用を推進することを考えておりまして、この宣言につきましても、どのように区民に対して区の取り組みが周知できるか、またアピールできるかについては来年度工夫してまいりたいと考えております。

○議長(高橋かずちか) 以上で羽鳥だいすけ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 内 野 大三郎

 1 施政方針説明について

 2 中野駅新北口駅前エリア再整備事業について

 3 中野二丁目千光前通りのまちづくりについて

 4 指定管理者制度について

 5 電子申請手続の拡充について

 6 その他

 

○議長(高橋かずちか) 次に、内野大三郎議員。

〔内野大三郎議員登壇〕

○15番(内野大三郎) 令和2年第1回定例会において、会派を代表して質問いたします。

 質問は通告のとおりで、その他はございません。

 初めに、施政方針説明についてです。

 先ほどから、コロナウイルスについて各会派から質問ありましたが、重要な問題なので同じような質問をさせていただきます。

 まず、中国湖北省武漢市を発信元とされる新型コロナウイルスについて、日本国内で感染した方がお亡くなりになりました。衷心より御冥福をお祈りいたしますとともに、御家族には心よりのお見舞いを申し上げます。

 この件については、区は、施政方針説明において、全庁的な体制を確保するために中野区健康危機管理本部を設置し、区民の生命・健康を守る取り組みを進めるとしています。健康危機管理本部を設置したとのことですが、2月3日、10日と2回の会議を開催され、情報収集、感染予防、相談窓口設置、関係団体との連携などが話し合われたと聞いております。特に相談窓口は、各自治体で午前9時から午後5時まで電話による相談を受けており、その他の時間は厚生労働省や東京都の窓口での相談へと誘導しています。早期発見という観点から、中野区外の相談窓口に中野区民が相談をした場合には個人情報を守りつつ情報共有に努めていただきたいと要望いたします。その上で罹患者が発生した場合にはどのような管理体制を敷いているのか。情報、感染予防、治療のための移送方法など具体的な手続のシミュレーションが必要かと思われます。また、罹患者にとっても周囲の方々にとっても中野区の医療体制がしっかりしているのだという安心感を持ってもらうためにも、様々な形での医療体制の流れをある程度周知していくことは大切だと考えていますが、区の見解をお聞かせください。

 次に、区の将来に向けた方向性と取組についてです。

 新しい基本構想・基本計画を策定するに当たり、目指すまちの姿を「つながる はじまる なかの」と表現されました。区民意見やパブリックコメントなどを通じて様々な御議論をされたことと拝察いたします。このキャッチコピーについて、お尋ねいたします。

 将来のまちの姿が、「つながる」ことであったり「はじまる」ことであったりするということはどういうことなのでしょうか。当然区内には「つながる」ことも「はじめる」こともできず、行政からのアウトリーチがなければ主体的に行動できない方々もたくさんいると区も認識をされているはずです。そこで、こうした「つながる」ことも、「はじまる」もしくは「はじめる」こともできない、さらに言えば、声を上げることも主体的に区役所へ出向くこともできない方々に対して、区がどのような将来のまちの姿を示していくことになるのか、お尋ねいたします。

 次に、文化芸術施策の推進について、お尋ねいたします。

 フランスのナント市長が中野に来て講演をされた際に、区長もお聞きになったことと思いますが、文化・芸術は、それ自体が経済効果を上げ得るものであり、稼げるものでなければならないということを話され、非常に驚きと共感をいたしました。おそらく新たに区が設けた文化・国際交流課が中心となって文化・芸術活動の実態調査を実施しているとのことですが、この調査結果を踏まえて、杉並などで行っているジャズフェスティバルや音楽祭のようなものを将来実施してみてはいかがでしょうか。

 文化・芸術分野の将来について、お尋ねいたします。

 中野で育った芸人やサンプラザでデビューしたアーティストは、都心に羽ばたき、活躍していることが多いのは周知の事実です。だからこそ、「はじまる なかの」を目指すべきまちの姿にしたものと思いますが、ブロードウェイがあればオフブロードウェイがあるように、中野はブロードウェイを目指し、今回の調査結果を基にスタートアップの地としての立ち位置を明確にしてはいかがでしょうか。お尋ねします。

 次に、(仮称)景観まちづくりガイドライン策定について、お尋ねいたします。

 この具体的内容はどのようなものなのでしょうか。都市計画マスタープラン改定の文脈で、景観まちづくりだけガイドラインを作成するということでしょうか。その点について詳しく教えてください。

 ICTを活用した安定的かつ利便性の高いサービスの項では、ICTに関するBCPを策定し、安定的で利便性の高いサービスの提供に取り組んでいくとありますが、どんなタイムテーブルをお考えでしょうか。コンピュータウイルスも日々進化を遂げ、セキュリティーソフトとのいたちごっことも言われている現状を鑑みるに、一刻も早くBCPを策定して昨年末のような事態が二度と起こらないようにすることが求められます。いつ頃までにBCPを策定されるおつもりか、見解をお聞きします。

 令和2年度の区政の方向性についてです。

 来年度は、「子育て先進区に向けた取組」、「安心して地域で暮らし続けられるための取組」、「区民とともに進めるまちづくりのための取組」、これらに加え、「3つの取組を支え、推進する行財政運営」とあります。この項では、まず、子育て先進区に向けた取組について、お尋ねいたします。

 4月からの新学習指導要領の全面実施を契機とし、英語教育の一層の充実を図るために様々な取り組みをされることとなっておりますが、その中で英語検定の検定料の補助とあります。なぜ、英語検定のみなのでしょうか。他の英語に関する検定は民間レベルで多数あるかと認識をしています。また、同じ検定でも、日本語の知識を習得するための漢字検定も高校進学の内申書において記載することができるので同様の補助をするべきと考えます。

 最後に、行財政運営について、お尋ねいたします。

 田中区政から酒井区政に変わっても、歳出の削減や効率化、1円でも多く歳入を増やす努力などについて、区財政の枝葉の部分の取り組みを実施されていることと思います。ただ、今回の施政方針説明では、どのような方に中野を選んで住んでもらいたいのか、また区民に引き続き中野に住んでもらい、区の基幹収入である区税を増やしたいのか、もっと踏み込んだ幹の部分を示していただきたく思います。その点をお尋ねして、次の項の質問に移ります。

 中野駅新北口駅前エリア再整備事業について、お尋ねします。

 我が日本国は島国であり、限られた土地を誰が持つか、持っているかということは非常に重要です。そのため、国が所有している土地については、国が売却に当たり、貸付けをしたり、自ら保有し続けた場合などと比較・考慮するべきであるという見解を長らく掲げています。同様に中野区では、土地を売却する際、その判断基準というものを明確に示してきませんでした。1月31日に総務委員会で報告のあった「今後の区有施設の整備の考え方において」の報告は施設整備が中心となっており、土地についての基本的な方針が明確とは言い切れません。「不動産」という言葉の法的定義は土地及びその定着物であり、根本的に価値があるのは土地であると考えられています。したがって、区有施設の整備の在り方は実は土地を中心に考えることが不可欠であると考えています。中野駅新北口駅前エリア再整備事業については様々な議論がなされてまいりましたが、単純に土地を売るか貸すかという議論に矮小化することなく、区が考える土地に対する基本方針を堅持していれば議論のスタートや事業手法についての検討がある程度絞られた可能性はあったかと思います。

 そこで伺います。区有地利活用及び処分についての区の基本的方針等を早急に取りまとめるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 一方で、まちのにぎわい創出という観点から、区役所の建設費用捻出のほかに、駅前再開発は不可欠であります。大規模な街区再編と複数権利者の権利調整による大規模な施設建設を同時にかつ着実に進める必要がある本事業においては、土地区画整理事業と併せて都市計画事業であり、都市再開発法により事業推進の法的担保がある市街地再開発事業による事業推進の方針が各権利者をはじめ都市計画権限を持つ東京都との間で合意されていることから、土地区画整理事業が都市計画決定済みであることを考えると、権利変換方式で進める市街地再開発事業実施の方針を転換することは不可能に等しいとも考えられます。しかし、その事業スキームの現実的な展開に際しては、区職員や事業協力者の知識・経験のみに基づいて決められるのではなく、数多くの市街地再開発事業の経験値を頼ることが望ましいと考えています。したがって、今月から募集が始まったプロポーザルで提示する条件内の提案は必須ながらも、区として権利変換を受ける資産の在り方やその資産を活用して新庁舎建設の資金を生み出す手法等についても幅広く応募者の知見を得ることにより、よりよいまちづくりに資するものと確信をしています。なお、施行予定者の選定についての審議は原則非公開と聞いていますが、応募者が世論喚起をする機会を提供し、自らの提案能力を広く明らかにすることにより区民等の理解を得ることも事業推進のためには必要なのではないかと考えます。

 そこで伺います。プロポーザルに当たり施行予定者選定審議会自体が非公開であるならば、応募者がどのような提案を示したのかを区議会や区民に示す機会を提供することは区民の期待に応えることであると考えます。区の見解をお示しください。

 また、本事業において、プロポーザルで区が示した条件に沿った提案に加え、応募者から参考としてよりよい提案がなされた場合、例えば、市街地再開発事業において定期借地権を設定する等には、その提案内容についても区として受け止め実現性の検討をするべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 次に、中野二丁目千光前通りのまちづくりについてです。

 現在、中野二丁目千光前通りではまちづくりの勉強会が継続して行われています。本年1月15日には、「100年先の明日への布石、千光前通り周辺のまちづくりを考える」と銘打った(仮称)千光前通り周辺のまちづくりを考える会の設立準備会が開催されました。中野二丁目再整備事業が着々と進む中、2年間かけて勉強会を重ねた地元の商店街や町会の皆様に心からの敬意を表します。この会の理念や目的は、動き始めた中野二丁目の市街地再開発を好機として、このまちに関係する多くの人々の英知と想いを結集し、いつまでも色あせることのない千光前ブランドを構築することで、100年先の未来に安全・安心とにぎわいの日常を約束できるまちを、ここ千光前の地に実現していくべく、まちづくりの方針・ルールなどを区へ提案することといたしました。2年間の勉強会の中では、様々な困難なまちの課題を共有し、将来のあるべき理想のまち並みなどの情報も共有しました。また、現在行われている二丁目再開発事業が南口のブランド力を高めるだろうことから、その周辺である千光前通りもある程度のブランド力を持たせることが理想であるなどの意見も共有できたところです。まちづくりは行政からの提案に地元住民が共感を持って一緒に考えていくことが多いと聞いておりますが、このエリアは住民側から率先してまちづくりの提案をすることを目指す、珍しい場所とも言われております。まちづくりの会の理念である「100年先の明日への布石」が、将来の中野のブランド力を高め、現在の子どもたちが孫を育てる世代になっても色あせないまちになることを期待しています。

 そこで伺います。こうした地元有志を中心とする千光前通り周辺まちづくりを検討する動きがある中、今後、区はこれらにどのように関与し、千光前通り周辺のまちづくりの検討を進めていくか、見解を伺います。

 また、千光前通り周辺のまちづくりを考えるに当たっては北側の中野電車区用地の在り方を含めたJRとの連携が極めて重要であると考えており、地域からもそのような期待が大きいところでもあります。

 そこで伺います。今後、千光前通り周辺のまちづくりを検討するに当たり、区はJRとどのように連携を図ろうと考えているのか、お尋ねして、次の質問に移ります。

 指定管理者制度についてです。

 指定管理者制度については、既に労働環境モニタリングも2年目に入り、大きな指摘事項はなかったものの、軽微な指摘が一定数散見され、指定管理者との適切な緊張関係が生じ、その結果、利用者の利便性に資することになったことは、区議会と行政とがまさに車の両輪として機能した好事例だと感じているところです。今後、区内の多くの施設がモニタリングをされるだけではなく、今後指定管理者制度で指定を受けようとする事業者に対して、中野区は法令遵守をはじめ雇用環境を大切にしているということを知らしめる効果が上がり、その結果として区民サービスのさらなる向上を目指すことができることになりました。

 一方で、全国的に見ても、指定管理者制度を活用し、指定後のトラブルも報告されているところであります。昨年5月に、総務省自治行政局行政経営支援室による「公の施設の指定管理者制度の導入状況等に関する調査結果」が出されています。平成27年4月から同30年4月までの間、指定管理者の指定取消しをした事例は市区町村で593件ありました。指定の取消し事由は様々ではありますが、その中には指定管理者の不正事件で取り消されている例も少なからずあります。指定管理者制度の適正な運用のためにも、今後、第三者機関の監査機能を高めていく必要があろうかと思います。

 昨年12月の総務委員会で、行政評価等の改善案についてという報告がなされ、今後は専門的見地からの評価を行い、第三者による総合的な評価も加えていくとしています。この点をしっかりと推進していくことで、さらなる指定管理者制度の充実を図ることができるものと考えますが、区の見解をお尋ねいたします。

 また、中野区の条例においては、指定管理後の不正が発覚した際の指定取消しの手続の条文がありません。これは、法令や指定管理者と区との協定などに取消事由の記載があるため、わざわざ条例に記載するまでもないということのようですが、他区では指定取消しの規定を条例に加えているところもあります。今後、関係法令や制度変更の機会などをとらえて指定取消しの手続も中野区の条例の条文に加えてはいかがでしょうか。お尋ねして、次の質問に移ります。

 電子申請手続の拡充について。

 5G時代を迎えるに当たり、昨年施行されました、いわゆるデジタル手続法案によって今後の政府のオンライン化が本格的に始まるものと期待されるところです。デジタル手続法の概要によると、行政のデジタル化に関する基本原則において行政手続における情報通信技術の活用とあり、行政手続を原則オンライン化していこうということの方針が掲げられました。また、電子化を妨げると言われている添付書類についても極力撤廃していこうという方針が示されています。これらが全て実現に向かって進むとしたらかなりハイスピードで電子申請手続が拡充されるかと考えられています。一方で、現在の区の手続で電子申請ができるものはどの程度あるでしょうか。マイナンバーカードの普及が進んでいない中ではありますが、このカードを行政手続に活用することで、行政だけでなく、法律職で仕事をしている司法の皆様にとっても非常に利便性が上がっていくものと思われます。中野区での電子申請手続の可能な申請数と申請件数について、お尋ねいたします。

 また、その数字が国や他自治体との比較でどのぐらい差があるのでしょうか。さらに、オンライン申請を妨げている要因があるとしたら、それは何なのでしょうか。その障害を除去するためには何が必要なのでしょうか。お尋ねして、私の全ての質問を終了いたします。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 内野議員の御質問にお答えいたします。

 最初に、新型コロナウイルスへの対応についてでございます。区民や区内医療機関における疑い症例のPCR検査については、保健所職員が検体を東京都健康安全研究センターに搬入し、その結果を速やかに保健所に連絡される体制が休日対応を含めて構築されております。仮に検査結果が陽性であった場合には、患者の自宅や医療機関等に保健所職員が赴き、入院勧告や指定医療機関への移送など、詳細な行動調査に基づく拡大予防等の防疫対策に移行することとなります。感染の疑いのある方や不安を抱えている方の医療に関する相談窓口や国や都が確保し公表している医療体制について、区のホームページ等を活用して分かりやすく周知してまいりたいと考えております。

 次に、基本構想検討素案で目指すまちの姿についてでございます。人口減少・超高齢社会においても、まちの活気を維持し、複雑化・多様化する地域課題に適切に対応していくためには、人と人とが様々な形でつながり、一人ひとりが自らの力を発揮することができる環境づくりが大切であるとの考えから、目指すまちの姿を「つながる はじまる なかの」と表現いたしました。困難や課題を抱える全ての人が安心して生活できる地域包括ケアシステムの構築は喫緊の課題だと捉えておりますが、そのためには、多様な主体の協働・協創による地域の担い手の確保や切れ目のない支援体制の構築と行政の責務としてのセーフティーネットの役割が組み合わさって展開することが重要であると考えております。基本構想検討素案においても、大切にすることの一つとして、「人と人との交流やつながりを広げ、誰一人取り残されることのない安心できる地域社会を築きます」と掲げているところでございます。

 次に、今後の文化施策についてです。区は、本年度、新たに区民や区内団体に向けた文化・芸術活動の実態調査を行っているところでございます。これらのデータを基に地域の実情に沿った文化・芸術施策を推進していきたいと考えております。具体的な施策の推進方法については、基本構想・基本計画策定状況を踏まえ、考え方を整理してまいります。来年度については、区民の文化活動に係る発表の場の充実や情報発信の強化について取り組んでいく予定でございます。

 次に、景観まちづくりガイドラインの策定についての御質問です。(仮称)景観まちづくりガイドラインは、景観法に基づき、区が景観行政を進めるための指針となる考えを示すものでございます。景観計画区域の設定、建築物の形態・意匠等に対する規制、誘導、民間事業者や区民等の協力を得ながら、全体として調和のとれた良好な景観を形成するための手法などとともに、参加と協働の仕組みを整理したものを考えております。

 次に、ICT-BCPの策定スケジュールについてでございます。昨年12月のシステム障害では区民の皆様に多大な御迷惑をおかけすることになりました。この教訓を踏まえて、障害の防止策と障害発生時の業務継続について、全庁的なICT-BCPとしてできる限り早期に策定したいと考えております。また、並行して、すぐに対応可能なところがあればできるところから前倒しで実施をしていくことを考えていきたいと思います。

 次に、行財政運営に関する私の見解についてでございます。令和2年度の区政の方向性として示した子育て先進区や地域包括ケアシステムの取り組みはまちの魅力を高めていくものでございます。子育て世代に選ばれるまち、そして誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるまちにつながるものと考えております。こうした取り組みの推進に加えて、区民や区で活動する多様な人々と協働して進めるまちづくりなどによって、常に新しい動きが人を呼び込み、地域経済の活性化につながる好循環を生み出し、区税収入の増加へつなげていきたいと考えております。

 次に、2番目、中野駅新北口駅前エリア再整備事業について。1点目に、区有地利活用及び処分についての区の基本的方針等についての御質問です。区有地の活用に当たっては資産の有効活用を図るための内容の精査や具体的方策の検討が必要だと考えておりますが、用途地域などの条件が異なることから、一律に利活用や処分についての基本方針を定めることは難しいと考えております。

 次に、プロポーザルの提案内容の提示についてでございます。中野駅新北口駅前エリア再整備における民間事業者選定に当たって、中立かつ公正な審査を行うため審査委員会は非公開としますが、今年10月頃の選定結果公表時には当選した応募者と次点の応募者の提案概要書も併せて公表するものと考えております。

 次に、提案内容の検討についてでございます。民間事業者募集に当たって、中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画に基づく提案に加えて、土地のみに権利変換する場合の考え方などについても提示を求めているところから、それらを参考にしながら資産活用の在り方について検討していく考えでございます。

 次に、中野二丁目千光前通りのまちづくりについてのうち、千光前通り周辺まちづくり検討の進め方についてでございます。中野二丁目の市街地開発事業の進展に合わせて周辺地域のまちづくりについても検討を進めていくことは非常に重要であると考えておりまして、千光前通り周辺においてもこれまで地域とのまちづくりに関する情報共有を図ってきたところでございます。今後、まちづくりを考える会を支援し、地域との情報共有、意見交換を重ねながら、区として千光前通り周辺を含んだまちづくりの在り方を取りまとめて、まちのあるべき姿等の具体化を図ってまいりたいと考えております。

 次に、JRとの連携についての御質問でございます。中野駅周辺のまちづくりにおきましては、中野駅の整備事業のみならず、周辺各地区のまちづくりの状況についてもJRと情報共有を図っているところでございます。千光前通り周辺を含めた二丁目の市街地開発事業についても情報提供を行っているところであります。千光前通り周辺のまちづくりを検討するに当たっては中野電車区用地の位置付けは極めて重要であると考えております。今後予定している千光前通り周辺を含めた地域のまちづくりの在り方を検討するに当たっては、情報共有とともにJRの意向を確認しながら進めていきたいと考えております。

〔教育長入野貴美子登壇〕

○教育長(入野貴美子) 私からは、施政方針説明、令和2年度の区政の方向性についての御質問のうち、漢字検定の補助について、お答えいたします。今回の英語検定の補助は、新学習指導要領の全面実施を契機に、本区における社会のグローバル化に伴う英語教育の一層の充実を図る取り組みの一つでございます。補助を行う英語検定については、長い歴史を持ち、既に区内ほとんどの中学校が検定の準会場となっておりますことから中学生が受験しやすい状況がございます。また、英語検定の補助拡充や他の検定への補助につきましては、今後の動向や状況を見ながら研究してまいります。

〔企画部長高橋昭彦登壇〕

○企画部長(高橋昭彦) 指定管理者制度についての御質問のうち、指定管理者施設の外部評価の実施について、お答えいたします。区の指定管理者施設の管理運営に対する評価・改善の取り組みにつきましては、これまでも事業報告書の審査や労働環境調査、指定管理者へのヒアリングなどを通じて利用者への適切なサービス提供に努めているところでございます。今後は福祉施設で既に実施しております第三者評価を他の施設でも導入する予定でございます。そのことによって、管理運営の履行状況とサービス水準の達成状況をより多角的に把握することができるようになると考えているところでございます。

 続きまして、条例における指定管理者取消条項についてのお尋ねでございます。指定管理者の取消しについては、条例の中で指定管理者に指定した団体と施設の管理に関する協定を締結することを規定し、協定に記載する事項の一つとして、条例施行規則において指定の取消し及び管理業務の停止に関する事項を規定しているところでございます。また、このことは区の指定管理者制度ガイドラインにおいても募集要項と基本協定の記載事項として明記しておりまして、これらによりまして指定管理者の取消しについては十分担保できているものと考えてございます。

 続きまして、電子申請手続の拡充についての御質問のうち、区の電子申請の現状と他自治体との比較についてのお尋ねでございます。平成30年度におきます電子申請が利用できる手続の合計は335手続きでございます。そのうち、本人確認が必要なためマイナンバーカードによる認証を利用しているものは、コンビニ交付やマイナポータルによる児童手当申請など7手続となってございます。また、電子申請の平成30年度の実績は121万9,151件でございまして、その大半が図書館システムとコンビニ交付システムの利用という状況でございます。国の公表している地方公共団体における行政手続オンライン利用の状況の平成29年度推計値では、全国のオンライン利用率は52.4%でございます。これに対して、中野区の平成29年度の電子申請利用実績は60.24%となってございます。

 続きまして、電子申請の阻害要因についてということでございますが、現状で電子申請を導入していない手続については法律等で申請書への押印が必要となっていることや対面での確認が必要であることを理由としてございます。電子申請による手続を拡充していくためには法改正を待たねばならないものがございますが、区民サービス向上の観点に立ちまして電子申請により完結できる手続を拡充する工夫をしてまいりたい、そのように考えてございます。

○議長(高橋かずちか) 以上で内野大三郎議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 吉 田 康一郎

 1 「子育て先進区」の客観的指標について

 2 環境への取組みについて

  (1)ゴミの排出抑制と資源化について

  (2)その他

 3 国民健康保険制度について

 4 中野駅周辺まちづくりについて

 5 その他

 

○議長(高橋かずちか) 次に、吉田康一郎議員。

〔吉田康一郎議員登壇〕

○12番(吉田康一郎) 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会、吉田康一郎です。よろしくお願いいたします。

 まず初めに、「子育て先進区」の客観的指標について、伺います。

 区長が掲げられる重要施策である子育て先進区の実現、私もぜひともその実現を願う者の一人でありますが、そのためには施策の方向性を示し、かつ成果を正確に把握するための客観的指標や数値目標が不可欠であります。

 昨年6月27日の本会議において、私が少子化社会対策基本法に定められた地方公共団体の責務について触れ、区の少子化対策、子育て支援政策並びに合計特殊出生率の現状と推移について伺ったところ、子育て先進区を実現し、出生率の向上や子育て家庭の転入・定着による年少人口の増加、将来の人口減少の緩和など、まちの活力の維持向上を図ることは区の将来にとり非常に重要な課題であるとの答弁を頂きました。

 そして、区の「子育て先進区」実現に向けた基本方針(骨子)についてを見ると、「4 区の現状と課題」においては出生率を向上させる必要があると言及しています。ところが、これに続く、「6 成果を測る指標」の部分では、子どもと子育て家庭の満足度と認知度の引き上げが必要だとして、満足度、主指標として、「子どもの保護者の定住意向、子どもの定住意向」、そして補助指標、「行政サービス(子育て支援等)の満足度」、そして認知度、主指標、「都内の子どもの保護者の認知度(23区比較)」、補助指標、「民間事業者による子育てしやすいまちランキング」というものが指標だと、このように掲げられています。これでは、区の施策に不満はないけれども少子化は止まっていない、あるいは認知度は広がっているけれども少子化は止まっていない。こういう状況では、区は、指標を達しているのでこの後やることがないということになってしまいかねません。それでは、区長の目指す、あるいは私も賛同する、子育て先進区を実現したとは言えないのではないか。子育て先進区の進捗状況を評価する指標としては、合計特殊出生率など客観的な指標と、そして今回の「6 成果を測る指標」にはなかった、目標値を設定すべきと考えますが、区の見解を伺います。

 そして、国では希望出生率1.8の実現を掲げ、様々な少子化対策に取り組んでいます。区においては、現行の10か年計画やまち・ひと・しごと創生総合戦略の中で区が目指す将来推計として合計特殊出生率の目標を掲げています。今後、基本計画の策定などが予定されていますけれども、区の総合計画においても合計特殊出生率の目標を示していくべきと考えます。区の見解を伺います。

 次に、廃棄物処理の取組について、伺います。

 地球環境の保全と維持、持続可能な循環型社会を構築することが全人類の課題となっている今日、廃棄物処理への取組は地域環境のみならず地球環境保全の基盤として極めて重要であります。このような認識のもと、足元の廃棄物処理への取組について、伺います。

 区の廃棄物処理の取組について、まず、区は廃棄物処理行政を行うに当たって、現在どのような理念を持ち、どのような目標を掲げているのか、伺います。

 そして、区は、ごみゼロ都市の実現に向けて様々な取り組みを行っていますけれども、現時点においてどのような状況に到達しているのか。現在の状況について、伺います。

 さらに、このごみゼロ都市の実現に向けた課題が何であるのか、伺います。

 そして一方、区は1事業者でもあって、行政活動を行う上で日々廃棄物を排出しています。区は、事業者としてどのような理念と目標を持って排出者責任を果たし、ごみゼロを目指そうとしているのか、伺います。

 次に、国民健康保険について、伺います。

 令和元年第3回定例会において、外国人被保険者の資格加入の適性化について、伺いました。外国人による保険証の使い回しを防ぐため、資格管理の適正化を国に要望すべきであると質問したことに対し、区は、国等に対する要望については研究してまいりたいとの答弁でありました。その後の取り組み状況を伺います。

 次に、海外出産における出産一時金についても伺いました。海外出産に伴う出産一時金の支給について、より厳格な審査を行うとともに適正な執行ができるよう国に要望すべきであると質問したことに対し、区は、国への要望を含め研究していきたいと答弁を頂きました。その後の状況について、伺います。

 そして、国民健康保険料の未納対策について、伺います。

 日本に3か月以上住む外国人は、原則として国民健康保険に加入し保険料を納める義務がありますが、全国において未納、滞納、不払い等の不履行の比率が国民よりも高い状況にあります。中野区においても同様であり、問題であります。国においては対策を講じていますけれども、抜本的解決には至っておりません。イギリスは、日本の国保と似た制度として、国民保健サービス(National Health Service、NHS)という国営医療サービス事業を行っています。このイギリスでは6か月以上滞在する外国人は、入国管理移民法により、ビザ申請時に国民保険付加料、すなわち健康保険料を前払いで1年につき400ポンド支払う制度を導入しています。なお、これまで欧州経済地域(EEA)、これはEU28か国にノルウェー、リヒテンシュタイン、アイスランドを含めた31か国ですが、これとスイスの国籍の人は除外されてきましたけれども、英国のEU離脱でこの方針が変わる可能性があります。我が国の国民健康保険についても同様の仕組みを導入するよう、国に要望するべきであると考えますが、区の見解を伺います。

 最後に、中野駅新北口駅前エリア再整備について、伺います。

 本件については、昨年12月6日の中野駅周辺整備都市観光調査特別委員会において、区がその当日まで、平成26年に再整備について基本構想が出されて以降、議会から定期借地権を設定する手法について質問がなされてきたにもかかわらず、議会に対して一切その試算を示したことがなかったこと。そして、一切試算を示さないまま、定期借地権を活用する手法、すなわち、区及びMN21の所有地を保持し続ける手法ではなく、市街地再開発事業の手法、すなわち、区及びMN21の所有地の売却を伴う手法により再整備を行うことについて議会に承認させてきたこと。そして、12月6日に初めて出された試算が、積算の方法を誤った判断の根拠とすることができない内容のものであることを明らかにし、議員有志で独自に民間の社団法人に委託し、定期借地権を設定した場合の前払い地代を調査し、その結果を踏まえると、私が理解するところ、アリーナなど区が構想する再開発を行う場合に600億円から860億円以上と見積もられ、前払い地代がやはり区が必要と想定している費用を大きく上回り、不足するなどということはないこと。そして、このような数字も出ている中、区はいま一度立ち止まって、定借という手法を精査し、市街地再開発事業という手法と比較検討すべきこと。したがって、中野駅新北口駅前エリア再整備の民間事業者募集はそのような内容を加味したものにするか、間に合わなければ延期することを求め、1月30日区長に申し入れをしました。しかし、民間事業者の募集は既定の方針のまま実施され、大変残念に思っております。

 こうした状況の中、中野区は、全国の自治体の中でも公共用地比率が低い自治体であり、区民に必要なインフラや公共施設を提供するため、基本的に今保持している公共用地は手放すのではなく、むしろ拡大していく、拡充していくべきである。そして、特に本事業用地は区内でも希少な土地であり、将来の様々な選択肢を保持すべきと考えています。市街地再開発事業を進めるにしても、できる限り区が保有し、裁量できる土地を減らさないことを求めますけれども、見解を伺います。

 そして最後に、民間事業者にも定借の活用の検討をさせるべきと考えますが、見解を伺い、全ての質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 吉田議員の質問のうち、4番目、中野駅周辺まちづくりについて、お答えいたします。土地を残すことについての御質問でございます。中野駅新北口駅前エリア再整備は、権利変換方式となる第一種市街地再開発事業によって事業を推進していくものとしております。土地や建物の権利は、中野区役所分はできる限り残すものとし、中野サンプラザの転出分で新区役所整備の財源など必要とする金額を得るものとしたいと考えております。また、民間事業者募集に当たって、土地のみに権利変換する場合の考え方についても提示を求めているところから、それらを参考にしながら資産活用の在り方について検討していく考えでございます。

〔子ども家庭支援担当部長小田史子登壇〕

○子ども家庭支援担当部長(小田史子) 私からは、子育て先進区の客観的指標についての御質問にお答えいたします。区が目指す子育て先進区は、子どもが健やかに育ち、子育てをする上で必要な環境が整っており、子どもと子育て家庭の満足度の高いまちであるというふうに考えてございます。それとともに、そうした区の子育て環境が区内外に認知され、多くの子どもと子育て家庭から選ばれるまちであると考えております。区の現状では、子育て家庭の多くを占める年代につきましては転出超過となっておりまして、子育て家庭に住み続けてもらえる満足度の高い環境の整備が必要であると認識しております。そのため、子ども自身と子どもの保護者の定住意向を指標とするとともに、併せて都内における子どもの保護者の認知度についても指標としたところです。これらの指標の向上が出生率の向上にもつながるものと考えております。合計特殊出生率を子育て先進区の指標として設定することは今のところ考えてございません。

〔企画部長高橋昭彦登壇〕

○企画部長(高橋昭彦) 基本計画におけます合計特殊出生率の目標設定について、お答えいたします。少子化対策を進めるに当たっては出生率を上げていくことも必要でございます。どのような目標の設定が適切であるかにつきましては、基本計画の策定や政策・施策を具体化していく過程の中で検討を進めてまいりたい、そのように考えてございます。

〔環境部長岩浅英樹登壇〕

○環境部長(岩浅英樹) 私からは、環境への取組について、お答えいたします。

 初めに、廃棄物行政の理念と目標でございます。第3次中野区一般廃棄物処理基本計画におきまして、ごみと資源の全体量を減らし、エネルギー消費や資源の無駄遣いを減らすため、従来のリサイクル促進からごみの発生抑制と環境負荷の少ない資源の有効活用に軸足を移し、埋立て処分ゼロを目指すという環境に優しいごみゼロ都市という基本理念を定め、3R意識の普及啓発やごみ等の分別の徹底、資源化推進に努めているところでございます。また、同計画では、2025年度における到達目標といたしまして、区民一人当たりの1日ごみ量371グラム、年間の資源量2万8,733トン、資源化率を40.5%として掲げているところでございます。目標に対する現時点での状況でございますけれども、平成30年度実績といたしまして、区民一人1日当たりのごみ排出量は472グラム、資源化率は27.4%、年間の資源量は2万1,597トンとなってございます。

 次に、ごみゼロ都市実現に向けた課題でございます。環境問題に関心があっても具体的な行動に結びついていない区民や事業者も多く、その意識と行動のギャップを埋めるための普及啓発のさらなる工夫や、大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会システムを変えるため、事業者に対してさらに拡大生産者責任を求めていくことなどが主な課題であると認識しております。

 続いて、事業者としての区の排出者責任でございます。区は、事業者としても環境負荷の低減や環境の質の向上に資する取り組みを推進しており、廃棄物の削減について取り組んでおります。中野区環境マネジメントシステムを活用いたしまして廃棄物処理排出量の削減目標を定め、組織全体で進捗状況をチェックするなど、排出者責任を果たすべく取り組みを進めているところでございます。

〔区民部長青山敬一郎登壇〕

○区民部長(青山敬一郎) 私からは、国民健康保険制度についての御質問にお答えいたします。

 まず、外国人被保険者の資格管理の適正化についてでございます。国は、本年1月、不正に医療機関を受診するなりすまし対策として、国籍を問わず、医療機関等が被保険者に運転免許証や在留カード、パスポートなど顔写真つきの本人確認書類の提示を求めることができる対応例を都道府県等に通知したところでございます。区におきましては、特別区長会として東京都に対し、外国人の資格の適正な管理が行えるよう、必要な措置を講じるよう要望しているところでございます。

 次に、海外出産における出産育児一時金についてでございます。国は、昨年4月、海外出産に係る出産育児一時金の不正請求対策を整理し、都道府県に参考として通知したところでございます。具体的には海外への渡航の事実を確認するための旅券やビザの確認、現地医療機関への照会、妊娠届の提出や母子健康手帳の交付の確認などが示されております。区におきましては、今年度から開始した海外療養費支給申請の点検及び調査委託の成果を検証しつつ、海外出産における出産育児一時金につきましても申請書の点検委託などを検討しているところでございます。

 最後に、国民健康保険料についてでございます。国は、平成31年4月からの外国人材の受入れに向けて、平成30年12月に外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策を、翌、平成31年3月には特定技能外国人受入れに関する運用要領を公表いたしました。これらの中で、在留期間更新の許可申請や在留資格変更許可申請時には国民健康保険料納付証明書等の提出を求め、一定程度滞納のある者については不許可にするとしております。特別区長会としては、国に対し、在留期間の更新及び出国時の審査において保険料の完納を要件とするよう要望しております。区としましては、これら国の取り組みを注視しながら収納率の向上に取り組んでまいります。

○議長(高橋かずちか) 以上で吉田康一郎議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。

 議事の都合により本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

午後5時10分延会

 

 

 

会議録署名員 議 長 高橋 かずちか

       議 員 間 ひとみ

議 員 久保 りか