令和2年02月19日中野区議会本会議(第1回定例会)の会議録 1.令和2年(2020年)2月19日、中野区議会議事堂において開会された。 1.出席議員(40名) 1番 市 川 しんたろう 2番 竹 村 あきひろ 3番 日 野 たかし 4番 渡 辺 たけし 6番 河 合 り な 7番 斉 藤 ゆ り 8番 立 石 り お 9番 羽 鳥 だいすけ 10番 高 橋 かずちか 11番 加 藤 たくま 12番 吉 田 康一郎 13番 木 村 広 一 14番 甲 田 ゆり子 15番 内 野 大三郎 16番 杉 山 司 17番 ひやま 隆 18番 小宮山 たかし 19番 い さ 哲 郎 20番 小 杉 一 男 21番 若 林 しげお 22番 内 川 和 久 23番 いでい 良 輔 24番 小 林 ぜんいち 25番 白 井 ひでふみ 26番 いながき じゅん子 27番 山 本 たかし 29番 石 坂 わたる 30番 近 藤 さえ子 31番 浦 野 さとみ 32番 大 内 しんご 33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき 35番 平 山 英 明 36番 南 かつひこ 37番 久 保 り か 38番 森 たかゆき 39番 酒 井 たくや 40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行 1.欠席議員(2名) 5番 間 ひとみ 28番 中 村 延 子 1.出席説明員 中 野 区 長 酒 井 直 人 副 区 長 白 土 純 副 区 長 横 山 克 人 教 育 長 入 野 貴美子 企 画 部 長 高 橋 昭 彦 総 務 部 長 海老沢 憲 一 危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝 瀬 裕 之 区 民 部 長 青 山 敬一郎 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 戸 辺 眞 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小 田 史 子 地域支えあい推進部長 野 村 建 樹 地域包括ケア推進担当部長 藤 井 多希子 健康福祉部長 朝 井 めぐみ 環 境 部 長 岩 浅 英 樹 都市基盤部長 奈 良 浩 二 まちづくり推進部長 角 秀 行 中野駅周辺まちづくり担当部長 豊 川 士 朗 企画部企画課長 杉 本 兼太郎 総務部総務課長 石 濱 良 行 1.本会の書記は下記のとおりである。 事 務 局 長 吉 村 恒 治 事務局次長 小 堺 充 議事調査担当係長 鳥 居 誠 書 記 立 川 衛 書 記 若 見 元 彦 書 記 井 田 裕 之 書 記 野 村 理 志 書 記 鎌 形 聡 美 書 記 松 丸 晃 大 書 記 遠 藤 良 太 書 記 山 口 大 輔 書 記 髙 橋 万 里 書 記 有 明 健 人 書 記 五十嵐 一 生
議事日程(令和2年(2020年)2月19日午後1時開議) 日程第1 常任委員の所属変更について 日程第2 第1号議案 令和元年度中野区一般会計補正予算 第2号議案 令和元年度中野区用地特別会計補正予算 第3号議案 令和元年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算 第4号議案 令和元年度中野区後期高齢者医療特別会計補正予算 第5号議案 令和元年度中野区介護保険特別会計補正予算 第20号議案 仮称平和の森公園体育館新築工事等請負契約に係る契約金額の変更について 第22号議案 教師用指導書等の買入れについて 第36号議案 令和小学校校舎新築工事等請負契約 日程第3 第13号議案 中野区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例 第14号議案 中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例 第7号議案 令和2年度中野区用地特別会計予算 第8号議案 令和2年度中野区国民健康保険事業特別会計予算 第9号議案 令和2年度中野区後期高齢者医療特別会計予算 第10号議案 令和2年度中野区介護保険特別会計予算 日程第5 議会の委任に基づく専決処分について
午後1時00分開議 ○議長(高橋かずちか) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 山 本 たかし 1 施政方針説明について 2 持続可能な清掃事業について 3 教育について (1)新教育委員会制度を踏まえた教育委員会のあり方について (2)多様な学びを支える教育環境整備について (3)eスポーツについて (4)その他 4 区民の心身の健康増進について (1)重度心身障がい者への補助について (2)かけがえのない人を亡くされた方への対応について (3)ひきこもり支援について (4)その他 5 その他
○議長(高橋かずちか) 最初に、山本たかし議員。 〔山本たかし議員登壇〕 ○27番(山本たかし) 令和2年度第1回定例会に当たりまして、立憲民主党・無所属議員団の立場から一般質問をいたします。 質問ですが、今回は、時間の関係上、3(3)eスポーツについてはまたの機会にさせていただきます。その他はございません。 1番、施政方針説明について伺います。 区長は、施政方針説明3、区の将来に向けた方向性と取組、(9)区民との協働・協創の実現に向けた職員力の向上の中で、常に社会のアンテナを張る情報感度と客観的な論拠であるエビデンスに基づく政策形成能力を高めることが必要ですと述べております。現在、職員の方が最新の知見を得るためにどのように行動しておられるのか。多忙の中でも外部に出向き、最新の政策やシステムなどに触れる機会は、職員のモチベーションや企画提案力の向上、庁内での政策論議に厚みが出るものと考えます。外部機関が実施する専門的な研修や展示会などに、管理職だけでなく、職員が積極的に情報収集に努める機会を設けるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 次に、持続可能な財政運営についてです。 平成30年第1回定例会総括質疑で前区長の施政方針にあった川上志向の考え方について、私からSROI(社会的投資収益率)について取り上げました。例えば、不登校対策やひきこもり者への支援、児童虐待対策や貧困の連鎖を防ぐ様々な取組などの結果、近未来の就労者が今後生み出す経済活動額や生活保護等の社会保障費の削減額や納税額などを足したリターン効果も結果として考えることで、区民の担税力が高まり、最初は時間やコストがかかるが、結果的に大きな効果が得られるといった資源の先行投資の視点が重要です。今は、事後対応の処方箋だけではなく、予防の観点による政策づくりが大切な時代です。持続可能な財政運営・施策への予算付けには、SROI(社会的投資収益率)の視点を持ち反映させていくことが必要だと考えます。区の見解を伺い、次の項に移ります。 次に、2番、持続可能な清掃事業について伺います。 現在、収集運搬に関しては、粗大ごみ、プラスチック製容器包装、ペットボトルは委託、陶器、ガラス、金属は雇い上げ民間委託、びん、缶、古紙、段ボールは町会・自治会、リサイクル業者に委託、燃えるごみは雇い上げ委託約40台と区直営の10台で運営しております。区直営の現業職員による収集運搬は燃えるごみの一部と個人情報等の管理が必要な粗大ごみ収集ですが、この業務以外では高齢者等訪問収集、事業系ごみ排出指導や未分別ごみなどの調査指導、狭隘路地の収集と高齢者等訪問収集や声かけ訪問収集は平成30年度では495件実施、ふれあい指導業務では継続的調査や事業系有料シール適正貼付指導や重点パトロール、小学生や保育園・幼稚園での環境学習を平成30年度では35回実施、1日100件から200件の区民からの電話での相談・要望や現場職員への指導はベテランである技能長たちが現場に駆けつけトラブル対応しているなど、様々な業務を行っております。 中野区では、現業職員の新規採用は平成14年から17年間し続けてきませんでしたが、平成12年に東京都から23区に移管されてから、計画的に新規採用を実施している区は16区に上ります。現在、再任用職員が5名のほか、現業である技能労務職は50代が83名、40代以下が34名の計117名おられます。しかし、39歳が1名、35歳が1名であり、来年には30代を1人残すのみとなり、高齢化を迎えている中で肉体的にもつらい状況にあるのが現状です。長年の現場における経験からのノウハウやスキルを新規採用職員に指導・継承するには時間があまりなく、差し迫っています。昨今、どこの業界も人材不足の社会状況の中、委託されている雇い上げ会社においても労働者の供給について限界が来ていると伺っております。 清掃事業は、区民の理解と適正な分別、排出曜日遵守、集積所整理等の協力がなければ成り立たず、現場の職員の対応が非常に重要です。その対応は理論と収集現場での実践が必要であり、どちらが欠けても的確な対応はできません。 収集現場を全て委託してしまうと、清掃事務所職員から直接委託先作業員に指示・命令はできず、作業過程が把握できないため、何でも収集して集積所をきれいにすれば区民から苦情は来ないという意識につながりやすい懸念や、不適正搬入、不適正な取り残し、未熟な区民対応、非正規労働人材増による運営の不安定化なども懸念されます。 自治体現業職場の中でも23区清掃事業に従事する職員は、地域住民の安全・安心な住環境を保証する公共サービスの最前線であり、そこで働く現業職員の役割は、地域住民の視点で地域住民の立場に立った施策展開、地域公共サービスの拡充を図る上で不可欠な存在です。地域住民の多様なニーズに応え得る良質な公的サービスを持続可能にしていくためには、清掃事業における現業職員の新規採用は必要だと考えます。 昨年の台風15号においては、館山市への被災支援でも収集運搬作業を行い、区内の災害時においても活躍が期待されます。また、民間運送会社では、女性が荷物の宅配や引っ越し業務などをされている現状もよく目にするようになりました。ふれあい指導業務では、プライバシーを扱う事業だからこそ、女性職員の観点も必要だと考えます。 るる申し上げましたが、清掃事業には様々な業務があり、その業務それぞれを、公の仕事なのか、民間でできるのかも含め、この先も続く事業の継続性と事業者や区民への普及啓発、区民のプライバシーなどの観点から清掃事業の在り方の検証が必要です。 質問です。清掃事業所の在り方検討会を設置した上で、持続可能な清掃事業にするために必要な措置をしていくべきだと考えますが、区の見解を伺って、次の項に移ります。 次に、3番、教育について。 (1)新教育委員会制度を踏まえた教育委員会のあり方について伺います。 国は、2015年に地方教育行政の組織及び運営に関する法律(以下、地教行法と呼びます)を大きく改正し、教育委員長と教育長を一本化した新教育長を設置することで責任の明確化を図り、また、首長が総合教育会議を設置・招集することで、予算権や条例提案など重要な権限を持つ首長が公開の場で教育政策について議論することが可能となり、首長と教育委員会の両者が地域教育の課題やあるべき姿など教育政策の方向性を共有し、執行に当たることが可能となりました。 現在、当区の教育委員会は教育長と4名の委員の計5名で組織されておりますが、地教行法第3条のただし書では、条例で定めることにより5人以上の委員でも組織できるとあります。平成29年の教育行政調査によれば、1,811の市町村教育委員会の中で、5人制が1,623委員会と最も高いのですが、平成27年度調査からの比較で6人制も4増で125委員会、7人制以上が5増で18委員会あり、微増の傾向にあります。 教育には、社会や環境の変化とともに求められるニーズがあります。そのニーズについて議論の一部を担うのが住民である教育委員だと考えます。教育委員については、ICTを活用した情報教育や子どもの権利など、時代のニーズに的確に対応できる専門性を持った人材を増やしていくことも考えてはいかがでしょうか。区の考えを伺います。 また、地教行法第4条では、教育委員の任命に当たっては、委員のうちに保護者である者が含まれるようにしなければならないとあり、この保護者の法律上の定義は、民法の規定を受けて、一般的に未成年者の親権者及び未成年者後見人を指すとされていますが、保護者の声を生かす趣旨からいえば、現に幼児や小・中学生を持つ当事者の方に入ってもらうのが望ましいと考えますが、区の考えを伺います。 中野区教育委員会は、基本、毎週行っております。平成30年度は計32回開催されており、このことは、平成28年度教育委員会の現状に関する調査によれば、年間30回以上行っている市町村教育委員会は全体の2.2%と非常に少なく、迅速な意思決定、機動的な教育委員会としては評価できます。また、年に1度、夜の教育委員会として夜間での開催や、地域での教育委員会を年に2回、日中の開催をしております。定例会の傍聴者数は平均約10名前後となっておりますが、平日昼に傍聴できる方は限られます。議事録の公開だけでなく、土日開催やインターネットを活用したライブ中継や録画公開などをすることで、より地域に開かれた教育委員会を目指してはいかがでしょうか。教育長の考えを伺います。 2015年3月までは、中野区教育委員会広報誌として年4回、教育だよりを単独で発行しておりました。現在では、なかの区報において、人にフォーカスを当てた紙面コンセプトの中で教育的な要素を取り上げております。しかし、中野区の教育をめぐる動きや教育委員会としての活動、学校と地域の情報などはホームページに限られています。こうした情報は、行政と学校と地域と家庭を結ぶ重要なツールだと考えます。今は区報も含め電子化が進んでおり、費用コストの面で、印刷をせずともウェブ閲覧という形からでも、教育委員会としての子どもたちへのまなざしを区民にもっと知らせるために、教育だよりなかのを発行してはいかがでしょうか。教育長の考えを伺います。 今年度、総合教育会議は2回開かれ、教育大綱等について議論が始まっております。議事録を読むと、委員からは区長の考えを踏まえ活発な意見交換がされており、今後の当区の教育行政の方向性決定について大切な機会だと感じます。総合教育会議での協議・調整事項は、1、教育行政の大綱の策定、2、教育の条件整備など重点的に講ずべき施策、3、児童・生徒などの生命・身体の保護など緊急の場合に講ずべき措置についてとなっており、平成28年度新教育委員会制度への移行に関する調査によれば、開催した総合教育会議の内容について、多くの基礎自治体が、ICT環境の整備、いじめ防止対策、幼児教育・保育の在り方やその連携、福祉部局と連携した総合的な放課後対策など、様々な重点的に講ずべき施策について協議・調整をしているとの結果があります。 また、実際、同調査では、総合教育会議を通じての連携の強化によって得られた主な成果事例として、福祉部局などの首長部局との事業連携の強化、子どもの貧困や虐待への包括的な支援体制の構築や魅力的な学校づくりのための支援の強化、地域課題に対する包括的な取組の推進など、有益な回答事例も挙がっております。 つまり、総合教育会議制度の趣旨は、教育大綱を作るためだけの会議ではなく、当区では、平成29年度には他自治体に先駆けて取り組まれてきた学びの連続性、保幼小中連携教育についてを議題に総合教育会議が開かれております。基本構想検討素案でも述べられている「未来ある子どもの育ちを地域全体で支えるまち」を実現するに当たっては、今後、より一層重要になる教育と福祉の連携など、区長と教育委員会が議論・共有すべき大きなテーマが控えています。学校現場で抱える教育課題の解決に向けた議論を深めるため、この総合教育会議の場を活用してはいかがでしょうか。区長の考えを伺い、次の項に移ります。 (2)多様な学びを支える教育環境整備について伺います。 前年度間、30日以上欠席した区の不登校児童・生徒数は平成30年度は189名で、年々増加傾向にあります。平成28年の不登校を問題行動と判断してはならないとの文科省通知や、同じく平成28年成立の教育機会確保法第13条の学校以外の場における学習活動等を行う不登校児童・生徒に対する支援など、動き出してから3年が経過し、国や自治体、各地域で支援の模索が続いております。 学校に行けなくなり始める頃の児童・生徒に理由を聞いても、学校に行かない理由は自分でも分からないが一番多く、ある日、おなかや頭が痛い、まばたきやせき払いを繰り返す、何度も手洗いをする、トイレや風呂が長時間になるなど、ストレスから体にSOSのサインが現れます。区では、子どもたちが心のSOSを出せる教育に取り組まれ、大変重要だと感じています。しかし、家庭で親が子に対してこうあるべきだの空気を感じ取り、子どもがSOSを出せなくなってしまい、心で抱え切れなくなったストレスが体に出る、また、子どもがSOSを出しても親がその受け止め方が分からないといった家庭が多々あると不登校の子どもたちを支援する方々から伺っています。現代では、親への家庭教育支援事業も大切だと以前から訴えてまいりました。 区は、行き渋りや不登校児童・生徒に対し、校長をはじめ教職員が丁寧な指導を行うことはもちろん、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが相談に乗ったり適応指導教室等で支援したりしていることは承知しています。しかし、現在、学校や教育委員会で設けている支援が学校に行けない子どもたちにとってハードルが高く利用できないとの声も聞きます。 例えば、学校が嫌だ、学校が怖い、友達に見られるのがすごくつらいと思っている子どもが学校にいるカウンセラーに相談に行けるかといえば、ハードルが高いと感じる子は当然います。中には民間のフリースクールを利用している子もいますが、フリースクールに通うには、文科省調査で月平均3万3,000円、都内だとさらに費用が高く、誰もが気軽に通える状況にはありません。近くにない、費用が高い、行ったら本当に不登校になってしまう。場と費用と心理の三つのハードルがあり、フリースクールの普及が進まない状況で深刻だと、先日、森議員と不登校新聞の石井編集長に伺いました。学校に行くことが全てではないとの声はよく聞かれますが、それに代わる教育機会を保障する仕組みがこの社会にはまだまだ足りておりません。 こうした状況の中、昨年、世田谷区では、教育支援センターを他所でフリースクールを運営するNPO法人に委託することで、費用は公設で無料であることに変わりませんが、これまでの行政主体とは違った民間による柔軟な運営や支援により、適応指導教室に来れなかった不登校状態の子どもが通い居場所となるなど、評判がよく、利用者が大幅に増えており、今後、もう2館増やす計画と伺いました。 子育て先進区を掲げる中野区でも、適応指導教室での支援を工夫したり、子どもの居場所を充実させたり、様々な背景がある子どもたちに柔軟に対応することで、多様な学びを支える教育環境を整備することが必要だと考えますが、区の見解を伺います。 一方で、適応指導教室に通えていない児童・生徒やその子たちの中学卒業後の居場所支援もとても必要だと考えます。先日、川崎市にある公設民営の「フリースペースえん」を視察してまいりました。子どもたちの居場所を市有施設の中にNPO法人が実施する形で開設しており、発達・知的・精神・身体など様々な障害や非行などの背景を持つ子ども、若者たちを受け入れており、会費無料、会員登録制で、小学生、中学生、高校年齢を合わせて113名、18歳以上も37名受け入れておりました。 「多様な学び」とタイトルにつけさせていただきましたが、その学びとは、学校教育にこだわらない生活からの学びが必要との思いからです。学習権を保障することや就労支援は重要ですが、それは2番手、3番手で、まずは、何もしないことが保障される居場所が必要な子ども、若者は多くいます。「フリースペースえん」の所長が、その子の「今だ」はきっと来る、「こんな私で大丈夫」が充電されると、ほとんどの子どもたちは高校に進学していくとおっしゃっていたのがとても胸に響きました。 中野区の現状では、中学校卒業後の支援となると不安を感じざるを得ません。例えば、何らかの事情で高校に進学しなかったり高校を中退してしまった、そうした学校に在籍していない子どもたちが過ごせる公設の居場所は今の区にはありません。仮につまずきがあってもやり直すきっかけがつかめるような場があることは、子どもたちにとって安心につながります。区は設置予定の(仮称)総合子どもセンターに若者の居場所づくりも考えていると答弁されていますが、現在どこまで検討しているのか伺います。 また、総合子どもセンターでの運営を開始した後には、機能が移転した教育センターや、運営や利用状況を見ながらですが、中部・南部のすこやか福祉センターに可能であれば間借りしたり、なかのZERO西館などで、学校に通えない多年代の子どもたちが息が抜ける、何もしないことの保証がされる居場所であるフリースペースを区内に広げていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。総合子どもセンター設置後の整備の考え方も含めて区の見解を求めて、次の項に移ります。 次に、4番、区民の心身の健康増進について。 (1)重度心身障がい者への補助について伺います。 昨年、咽頭がんで喉の摘出手術をされたことで、声を失い、喉に空いた穴に人工呼吸器である人工鼻をつけている区民の方から相談がありました。この人工鼻は短期消耗品であるため、年額30万円程度必要となります。重度障害者(児)等日常生活用具給付事業について、23区の中ではほぼ人工鼻が対象品目となっているにもかかわらず、中野区ではいまだ対象ではありません。他の品目にもそうした状況がないか、他区の重度障害者(児)等日常生活用具給付事業の給付状況の把握に努め、他区と差異がないようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 次に、(2)かけがえのない人を亡くされた方への対応について伺います。 かけがえのない大切な人を亡くされた方にとって、御本人が精神的負担が一番つらいのにもかかわらず、葬儀の準備などで大変な負担を強いられている現状を目にします。行政にお悔やみに関わる件で相談に来られた際に、亡くなられた方によって必要な手続が異なり、多岐にわたるため理解が難しかったり、また様々な部署にたらい回しに遭ってしまう状況を改善しようと、近年、お悔やみ窓口あるいはお悔やみコーナーといったものを設け、亡くなられた後の各種手続の案内や申請書の作成の手伝い、相続などの相談に応じるコンシェルジュを配置した相談窓口を設置する自治体が増えております。まず、現在、区は、相談に来られた御遺族をたらい回しにしないために、どのような対応を取っているのか伺います。 また、お悔やみハンドブックなど、手続に必要なものや、よくある質問を分かりやすくまとめて配布している自治体もあります。作ってはいかがでしょうか。併せて、遺書の書き方や葬儀・納骨の相談など、事前準備としての終活支援相談ニーズもあると考えます。こうしたお悔やみ相談窓口を設置すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 また、死別、離別の自殺、突然死、強い衝撃を受け悲嘆の日々を過ごしている人の場合、寄り添い世話をすることでその深い悲しみから立ち直らせるグリーフケアなどのメンタルケアが必要だと考えます。3年前に私が父を亡くした際、遠方に住む母が憔悴しており、心配でありました。母が住む自治体にこうしたグリーフケアの取組があれば助かるのになと思っておりました。中野区自殺対策計画の重点施策で「遺された人および支援者への心のケア」と計画されています。来年度、中野区では犯罪被害者等支援条例も制定しようとする中、この視点はとても重要だと考えます。グリーフケア体制の整備について進めていくべきと考えますが、見解を伺います。 中野区自殺対策計画には、遺された人への広報事業の記載もありますが、これは東京都福祉保健局が関連支援団体をまとめたパンフレットを死亡届時に配布しているものですが、非常に多くの団体が掲載されております。ただ渡すのではなく、傾聴した上でこの団体に行かれてはどうかという提案や、その方の状況によっては初回は関係職員が付き添うといった寄り添い方法も必要ではないでしょうか。お考えを伺い、次に移ります。 (3)ひきこもり支援について伺います。ひきこもりの概要については、以前取り上げましたので割愛します。 現在、区においては、すこやか福祉センター、生活援護課、地域包括支援センターなどで様々な相談を受ける中に、ひきこもりに関連する相談も含まれていると聞いています。親が介護を受けるようになったことで、相談窓口につながった際にひきこもりの子どもがいることが判明するという事例もあると伺いますが、地域のケアマネジャーや介護支援事業所などとも連携して情報共有を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。 平成30年第4回定例会で、町田市の例を挙げ、相談から支援の流れまでを分かりやすく表現したイメージ図の作成を提案しました。現時点では支援の体制が十分整っていないという状況かもしれませんが、体制が整うまで待っていては、その間にも困る方がおられます。区や関係機関、民間団体など、現時点での区内の相談支援体制を分かりやすくまとめ早期に区民に示すとともに、それぞれの相談窓口での活用を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。 区は、ひきこもり当事者のニーズに対してまだエビデンスを持てていない状況です。まずは、区として経験値を蓄積する必要があります。そのためには、困難な状況から改善されつつある当事者の協力を得て、行政への要望など率直な意見を聞いたり、先駆的な活動をされているかたるーべの会や中野わの会、社会福祉協議会等と連携し、それぞれの経験やノウハウなどを共有していくことが重要だと考えますが、いかがでしょうか。 様々な部署でひきこもりの相談を受けることは大切ですが、区民からすると、どこに相談に行っていいのか分かりにくいという課題もあります。また、大和市では、大人のひきこもり相談窓口として「こもりびと支援窓口」を開設したところ、多くの相談が寄せられるようになったそうです。中野区でも、ひきこもりに対する専門の相談窓口の設置をネーミングの検討も含めて早期に実施すべきであると考えますが、いかがでしょうか。 ひきこもり支援は、複雑な課題が重なっている場合も多く、長い期間、伴走型で支援していく必要があります。対応できる職員の育成が急務と考えますが、ひきこもりに関する相談の入り口から長い支援期間の全てを行政が担うのではなく、部分的にノウハウを持つ民間への委託をすることも考えられます。例えば、区が中心となって民間機関も含めた相談支援チームを設置し、包括的で継続的な支援を行っていくことを検討してみてはいかがでしょうか。見解を伺います。 るる述べてきましたが、区としてのひきこもり支援の体制などを明確にし、充実を図っていくために、庁内外の関係者による検討会を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。 最後に、ひきこもりと発達障害の関係が深いことは、当事者やその家族からよく聞かれます。板橋区では、来年度の予算案に16歳以上の発達障害の当事者や家族らを対象とする支援センターの設置が盛り込まれました。中野区においても、ぜひ大人を対象とする発達支援センターの設置を検討するべきと考えます。区の見解を伺って、全ての質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 山本議員の御質問にお答えいたします。 施政方針説明について、まず1点目の情報感度や政策形成能力を高めるための情報収集機会の確保についての御質問です。 地域課題が多様化、複雑化する中で、区職員には、地域の実情を踏まえた新たな解決策を提案し実現していく力を高めていくことが一層求められていくと認識をしております。区職員がそうした力を向上させていくためには、最新の情報、先駆的な取組等を熟知している必要があり、今年度から民間事業者が提供する行政向けの情報サイトを活用しているほか、実務情報誌についても活用しているところでございます。さらに、区として、外部機関が実施する専門的な研修や最新の技術を学ぶことができるシンポジウムや展示会などへ区職員が積極的に参加できるよう、環境を整えていきたいと考えております。 次に、社会的投資収益率(SROI)の視点を持った予算編成についてでございます。 予算編成においては、事業の効果を多角的に捉え、必要な事業に選択と集中を図る必要があると考えておりまして、御提案の視点についても今後の参考としてまいります。 次、2番目の持続可能な清掃事業について、清掃事業の体制確保についてでございます。 清掃業務におきましては、ごみの減量、資源化や高齢社会への対応など、社会的ニーズへの対応も必要と考えております。令和2年度に中野区一般廃棄物処理基本計画の改定を予定しておりまして、その中で今後の清掃事業の在り方について検討し、区の職員の役割を明確にしつつ、必要な体制を確保していきたいと考えております。 次に、3番の教育について、専門性を持った教育委員の選任についてでございます。 教育委員は、教育、学術及び文化に関し識見を有する者のうちから議会の同意を得て任命するものでございます。情報化社会が進展する社会にあって、教育委員に求められる専門性として、情報教育に対する識見などもその一つであると考えます。時代の変化に対応した教育を進めることができるよう、適任者を選任してまいりたいと考えております。 次に、教育委員のうち保護者委員についての御質問です。 地方教育行政の組織及び運営に関する法律によって、教育委員の任命に当たっては、委員のうちに保護者である者が含まれなければならないとされています。この保護者につきましては、親権を行う者または未成年後見人をいうとされておりまして、幼児や小・中学生を持つ方も含め、法の趣旨にのっとって適任者を選任していく考えでございます。 次に、総合教育会議についての御質問にお答えします。 総合教育会議は、教育大綱の策定に関する協議や、教育を行うための諸条件の整備その他の地域の実情に応じた教育、学術及び文化の振興を図るため重点的に講ずべき施策などについて協議を行い、区長と教育委員会が教育政策の方向性を共有し一致して執行することが期待されております。現在もこの法の趣旨にのっとり開催しておりまして、今後も幅広い協議を行っていく考えでございます。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私からは、教育についての御質問のうち、教育委員会の会議についてお答えいたします。 教育委員会は、身近な地域でも傍聴できるよう区立学校等を会場に行う地域での教育委員会、昼間傍聴しにくい区民のために午後7時から開会する夜の教育委員会などの取組を行っております。また、傍聴者向けに会議資料を電子黒板に表示して会議を行うことや、地域での教育委員会の活動等について動画を作成しホームページで紹介するなどの取組を行っております。今後も、工夫しながら、区民により開かれた教育委員会を進めていく中で、インターネットを活用したライブ中継の必要性についても検討してまいります。 次に、教育委員会の広報についてでございますが、教育委員会の活動や学校の取組については、通年でタイムリーな情報提供を行うため、区報と一体的に編集、掲載を行っております。また、ホームページでは教育委員会の活動の様子や学校の行事等を動画や写真と併せて紹介しております。今後も、区民により分かりやすく親しみを感じていただけるように、効果的な広報に取り組んでまいります。 最後に、多様な学びを支える教育環境整備についてお答えいたします。 不登校児童・生徒を対象とする適応指導に関しましては、これまでも適応指導教室での支援のほか家庭や学校への巡回による支援を充実してまいりました。また、今年度からは、これまでの支援に加え、南部と北部に適応指導教室の分室を作って対応しております。巡回による支援は、どこにもつながらない児童・生徒の数を減少させ、分室での少人数のリラックスした雰囲気による指導は、それまでひきこもっていた児童・生徒が外に出るきっかけづくりにもなっております。今後は、他の事例も参考に、他部署とも連携して、多様な学びを支える支援の在り方について検討してまいります。 〔子ども家庭支援担当部長小田史子登壇〕 ○子ども家庭支援担当部長(小田史子) 私からは、教育についての御質問のうち、若者支援事業の検討状況と居場所づくりの整備の御質問にお答えいたします。 (仮称)総合子どもセンターの若者支援事業で提供するサービスにつきましては、社会生活への適応に課題のある若者とその家庭についての状況を総合的に把握し、段階的な自立につながるよう、社会参加に向けた準備や居場所づくりなども含めたサービスの提供を計画しております。現在、他自治体の取組なども参考にしながら検討を進めているところでございます。社会生活への適応に課題がある若者の居場所につきましては、(仮称)総合子どもセンターの利用状況や実績を踏まえ、事業の在り方について検証していきたいと考えております。 〔健康福祉部長朝井めぐみ登壇〕 ○健康福祉部長(朝井めぐみ) 私からは、区民の心身の健康増進についての御質問のうち、まず人工鼻の給付についての御質問にお答えいたします。 人工鼻は、喉頭を摘出した障害者のうち、常時埋め込み式の人工喉頭を装着している方が使用するものであり、人工鼻内部のフィルターが呼気に含まれる熱と水分を捕捉し、フィルターが吸湿することで乾いた吸気が加湿・加温されるものでございます。現在、中野区では人工鼻を重度障害者(児)等日常生活用具給付事業の対象品目にはしておりませんが、利用者のニーズを把握し、対象品目とすることを検討してまいります。また、他の品目につきましても、他区の給付状況を把握し、対応を検討してまいります。 次に、グリーフケア体制の整備についての御質問にお答えいたします。 自死遺族のためのグリーフケアにつきましては、中野区が作成いたしましたこころといのちの相談窓口のリーフレットでグリーフケア・サポートプラザなどの自死遺族相談の窓口を紹介しております。また、東京都が作成をしました遺族向けのリーフレットをイベントやゲートキーパー研修、すこやか福祉センターなどで配布をしております。自殺対策計画の重点的な取組といたしまして、来年度は、遺された人および支援者との事例検討会を実施し、支援者、関係機関とともに事例の振り返りとグリーフケアを行ってまいります。さらに、残された人が手に取りやすい広報媒体として、大切な人を亡くされた方に向けた諸手続や相談窓口に関するリーフレットを遺族支援団体とともに作成し、死亡届の際の窓口などで配布するよう検討を進めてまいります。 次に、傾聴や寄り添い方についての御質問でございます。 かけがえのない人を亡くされた方への対応につきましては、自死遺族の揺れ動く気持ちに寄り添った支援が重要であると考えております。このため、相談に当たって、的確に複雑な遺族の心情を理解し、一定の傾聴の技術を持つことが必要であり、そのための支援者の研修や事前検討が不可欠であると考えております。変化する自死遺族のその時々の心情や困り事に対応し、適切な機関や団体に事前に連絡や予約を行い、時には付き添うなどの支援も必要というふうに考えております。 〔区民部長青山敬一郎登壇〕 ○区民部長(青山敬一郎) 私からは、区民の心身の健康増進についての御質問のうち、遺族の方への案内や相談体制についてお答えいたします。 遺族の方などから死亡後の各種手続についてお尋ねがあった場合には、区役所1階総合案内及び戸籍住民課窓口、地域事務所等において、死亡後の諸手続の内容や担当窓口等をまとめたチラシを配布し御案内しております。また、相続等の御相談があった場合には、区民相談につなげたり、弁護士会、司法書士会等のパンフレットを配布し御案内してございます。今後も、遺族の方のニーズに的確に応えるため、案内や相談の方法について先進自治体の事例等も参考に検討してまいりたいと考えております。 〔地域包括ケア推進担当部長藤井多希子登壇〕 ○地域包括ケア推進担当部長(藤井多希子) 私からは、ひきこもり者の支援についてお答えいたします。 まず、ひきこもり支援の情報共有と連携についてですが、地域包括支援センターは高齢者に関する専門相談窓口でございますが、ひきこもりに関連する相談があった場合には、すこやか福祉センターや介護事業所などと連携して対応しているところでございます。そのほかの相談窓口においても同様に、相談を受け付けた部署が必要に応じて関連部署や関係機関等と適切に情報共有することにより必要な支援を行っております。今後も情報共有と連携の強化に努めてまいります。 次に、相談窓口の分かりやすい案内についてでございます。 現在、区では、すこやか福祉センター、生活援護課の生活困窮者自立支援、地域包括支援センターなど、複数の窓口で相談を受け、どこが入り口になってもその人に必要な支援に結び付ける体制づくりに取り組んでおります。各相談窓口はそれぞれ専門性を有しているため、それらを整理して、相談支援体制について区民に分かりやすく案内できるように工夫してまいります。 次に、当事者や団体との連携の在り方についてです。 社会福祉協議会は、以前からひきこもり問題などいわゆる制度のはざまにある人の支援に積極的に取り組んでいらっしゃいます。また、カタルーベの会はひきこもり本人の居場所、中野わの会は家族会として活動されていることは承知しております。当事者本人や御家族からその体験や必要とする支援などを直接聞き取り、それを施策に反映していくことが重要であると考えております。このことから、各団体との連携をさらに深めてまいりたいと考えております。 次に、専門相談窓口の設置についてでございます。 専門相談窓口の設置は、当事者にとって認識されやすいという点ではメリットでございますが、一方で、当事者の抱える課題の原因や経過は様々であるため、その窓口では対応できないケースが多く存在することも考えられます。区としては、複数の窓口で相談を受け、それぞれが専門性を生かしつつ連携し、社会福祉協議会等とも協力しながら、当事者にとって最適な支援を包括的に行うことで対応してまいりたいと考えております。その際、区民に対する周知方法については、ネーミングも含め、工夫してまいりたいと考えております。 次に、ひきこもりに関する支援体制の充実についてでございます。 ひきこもりに関しては、当事者がその状態に至るまでの原因や経過、また求める支援の形も様々であると考えられますので、当事者や家族に寄り添いながら地域での継続的で包括的な支援につなげることが重要であり、関係部署、民間も含めた関係団体が一体となって進める地域包括ケア体制によって支援していく必要があると考えております。行政や関係機関等によって構成される地域ケア会議や地域支えあいネットワーク会議においてひきこもり問題を積極的に取り上げることにより情報を共有するとともに、連携した支援の在り方等についても検討してまいりたいと考えております。 最後に、大人の発達相談についてでございます。 現在、すこやか福祉センターの福祉相談や障害者相談支援事業所において発達の課題のある方の相談を受けております。また、障害者地域自立生活支援センター「つむぎ」において大人の発達障害の専門相談を行っているところでございます。就労等、自立に向けた支援の充実が課題となっておりますため、ほかの自治体の取組等を参考にしながら研究をしてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(高橋かずちか) 以上で山本たかし議員の質問は終わります。
中野区議会議員 久 保 り か 1 区長の施政方針について (1)中野区男女平等基本条例の改正について (2)(仮称)景観まちづくりガイドライン策定について (3)文化芸術施策について (4)その他 2 環境施策について (1)レジ袋の有料化とプラスチック削減の取組について (2)環境基本計画改定について (3)その他 3 生産緑地の活用について 4 これからの中野の教育について (1)連携教育について (2)幼児教育について 5 その他
○議長(高橋かずちか) 次に、久保りか議員。 〔久保りか議員登壇〕 ○37番(久保りか) 令和2年第1回定例会に当たり、公明党議員団の立場で質問を行います。 質問は通告のとおり、その他で1点、台風19号の被害への対応について伺います。 1番目に、区長の施政方針について。 初めに、中野区男女平等基本条例について伺います。併せて、多文化共生についてもお聞きしてまいります。 我が国は、男女共同参画社会の実現に向けた様々な取組などを通じて、社会全体で女性活躍の動きが拡大してきました。一方で、男女の役割に対する固定的な価値観や許し難い人権侵害である女性に対する暴力、社会制度や慣行などを背景とした性差による偏見や格差は依然として存在しています。 政府は多様な困難に直面する女性に対する支援等に関する関係府省連絡会議を開催し、検討を重ね、政策の方向性や具体的施策を多様な困難に直面する女性支援政策パッケージとして取りまとめました。「政府が一体となって、つながりやすい相談をはじめ、安全・安心な居場所を提供し、心身の回復から生活面の自立に向かうまでの支援を強力に推進する。」としています。相談窓口の充実や安全・安心な居場所の提供、自立に向けた支援などは、まだまだ十分とは言えません。 中野区でも、男女共同参画施策を推進する中で十分に検討すべきと考えます。多様な困難に直面する女性支援について区として充実すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか、伺います。 また、これまで男女平等基本条例に定める専門委員の在り方についても、その知見を十分に発揮することができるようにすべきと度々指摘をしてまいりました。専門委員の在り方については見直しがされたのでしょうか、伺います。 公明党は、2019年出入国管理法の改正により新在留資格が導入されることに合わせ、適切な制度運用や多文化共生社会の実現を申し入れ、政府は、雇用のほか医療や福祉、子育てや在留手続など、外国人の相談を一元的に受け付ける相談窓口を全国約100か所に設置することを総合的対応策として打ち出しました。 中野区でも外国人の相談を一元的に受け付けることのできる総合的な窓口を開設すべきと考えます。この点については、我が会派の木村議員も質問してまいりましたが、進展が見られたのでしょうか。総合的な窓口について開設を急ぐべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。 また、中野区多文化共生推進指針についての検討が進んでいないように思われます。多文化共生の重要性を訴えるのであれば、まずは推進指針を策定すべきと考えますが、いかがでしょうか。御見解を伺います。 1月31日の総務委員会の報告では、「改正する条例は、男女共同参画・多文化共生等の推進における指針として位置付け、ダイバーシティや多文化共生の視点を踏まえ、性別のみならず、性的指向・性自認、国籍等を理由とした差別的取り扱いの禁止について新たに規定するとともに、パートナーシップ宣誓にかかる規定整備を含めた改正条例のあり方について検討する。」と示されました。男女平等基本条例をパートナーシップ宣誓など多様化する時代の変化に対応し改正を進めることは当然であると考えております。しかし、男女共同参画、多文化共生は、大変重要なテーマであるがゆえに、両方を合わせた条例の策定が現時点で本当に望ましいのか、考えるところです。 「ダイバーシティや多文化共生の視点を踏まえ、」とありますが、国籍や障害など、あらゆる差別的扱いを禁止するという趣旨なのでしょうか。多様性と多文化共生をどのように捉えていらっしゃるのでしょうか、伺います。 特に、多文化共生については、居住、教育、労働環境、医療・保健・福祉、防災など、外国人が中野区で暮らしていくための多くの課題があります。多文化共生の条例を策定するのであれば、こうした課題にも自治体としてどう取り組むのかを十分に検討すべきと考えます。男女平等基本条例の改正に合わせて多文化共生などの推進における指針とすることは、多文化共生条例を策定するせっかくの機会を失い、内容が薄くなってしまうのではないかと懸念しています。多文化共生については、丁寧に慎重に議論を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。御見解を伺います。 次に、景観まちづくりガイドラインについて伺います。 「中野らしい良好な景観を形成するため、(仮称)景観まちづくりガイドライン策定に向けた検討を進めていきます。」と施政方針では述べられていますが、一連の流れからすると唐突感が否めません。そもそも、中野らしい良好な景観とはどのようなものなのでしょうか、伺います。 平成29年に景観ガイドラインを策定している武蔵野市では、平成23年の武蔵野市都市計画マスタープラン改定時に景観まちづくりの方針を追加しています。中野区の景観ガイドラインについて、まずは都市計画マスタープランの改定時に位置付けるべきではないでしょうか。お聞きします。 新宿区では、エリアごとの景観ガイドライン、屋外広告物に関する景観ガイドラインを設けています。ガイドラインを策定することにより、中野区としてどのようなことが可能になるとお考えでしょうか。ガイドラインの策定の目的について伺います。 次に、文化芸術施策の推進について伺います。 公明党は、人の心を豊かにする文化芸術を重視し、これまでに基本法の制定をはじめ子どもの体験教室や芸術家育成など多くの施策を推進し、文化芸術立国の実現に向け全力を挙げてきました。 文化芸術基本法の法改正により、文化芸術の振興にとどまらず、観光やまちづくり、国際交流、福祉、教育、産業など関連する分野の施策も法律の範囲に取り込み、施策のウイングを広げていく取組がさらに強化されました。また、地方文化芸術推進基本計画の策定が努力義務となり、さらには、文化芸術の推進に係る体制の整備として、都道府県及び市町村の文化芸術推進会議などの設置についても規定がなされました。さらには、2018年には障害者による文化芸術活動の推進に関する法律が制定され、障害者による文化芸術活動の推進に関し、基本理念、基本計画の策定その他の基本となる事項が定められたところです。 我が会派はこれまで、文化芸術振興について、振興条例の策定や振興プログラムの提案をはじめ、アール・ブリュットの推進、伝統文化の継承など、様々な文化芸術振興策を提案してまいりました。文化芸術のまちづくりを推進するのであれば、努力義務である地方文化芸術推進基本計画の策定、さらには、文化芸術の推進に係る体制の整備として文化芸術推進会議などの設置についても推進されるべきではないかと考えます。御見解を伺います。 この項のその他で1点伺います。 施政方針では、「子育て世帯と障害者などを含めた地域包括ケアシステムの推進に向けて、本格的に取り組んでいきます。」と述べられています。現代社会の課題の一つとして、育児・介護のダブルケア、障害・育児・介護・仕事などの多重ケアが存在しています。私自身も、かつて子育てと認知症の祖父の介護を同時期に経験しました。時間的な制約のある中、ダブルケアのケアラーが子育てや介護などを行いながら煩雑な手続なども同時に進めるのは、精神的にも肉体的にも大きな負担を伴うものです。 先日、ダブルケア研究の第一人者として知られる横浜国立大学教授の相馬直子先生のお話を聞く機会がありました。相馬先生は、介護支援と子育て支援の両制度の縦割りを解消しなければならない、そのための地域包括支援センターと子育て世代包括支援センターなどの連携が重要だと述べられています。 厚生労働省の地域共生社会推進検討会では、市町村における包括的な支援体制の整備の在り方について、断らない相談支援、つながりや参加の支援、地域づくりに向けた支援の三つの支援を一体的に行う新たな事業を創設すべきとしています。この事業が創設されれば、ダブルケアラーやグランドダブルケアラーなどの多重ケアラーに対する総合的なサポート体制も可能になると考えます。包括的なサポート体制の構築についてはいかがお考えでしょうか、伺います。 以上でこの項の質問は終わります。 次に、環境施策について伺います。 区長の施政方針では、全体を通じて環境に対しての関心が薄いように感じました。子どもたちの未来のためにも、自治体として地球環境を考えることは大変重要であると思います。 初めに、レジ袋の有料化とプラスチック削減の取組についてお聞きします。 プラスチックは、今や私たちの生活になくてはならない素材です。しかし、不適正な処理のため、世界全体で年間数百万トンを超える陸上から海洋へのプラスチックごみの流出があると推計されています。世界全体で日々大量に発生する海洋プラスチックごみは長期にわたり海に残存し、このままでは2050年までに魚の重量を上回ることが予測されるなど、地球規模での環境汚染が懸念されています。2019年6月のG20大阪サミットでは、国際的に問題となっている海洋プラスチックごみを2050年までにゼロにする目標を導入することで合意されました。 国は、小売業に属する事業を行う者の容器包装の使用の合理化による容器包装廃棄物の排出の抑制の促進に関する判断の基準となるべき事項を定める省令を改正し、プラスチック製買物袋については、その排出抑制の手段としての有料化を必須とする旨を規定しました。プラスチック製買物袋の有料化をきっかけとして消費者のライフスタイル変革を促すことを目的とし、2020年7月1日から全国で一律に開始するとしています。 本年7月のレジ袋有料化に向けて、区として区民への有料化の周知やプラスチック削減についてどのように取り組んでいくのでしょうか、伺います。 消費者のライフスタイル変革を促すために、プラスチック削減に向けて実効性のある区民参加の取組も推進すべきと考えます。例えば、毎月○日は「プラスチックお休みの日」とアピールし、エコバッグ、マイボトルを利用し、使い捨てのワンウェイプラスチックなどの使用を控えるよう区民に推奨するなど、新たな家庭でのプラごみ削減の取組を推奨されてはいかがでしょうか、伺います。 東京都では、ゼロエミッション東京に向けて、資源利用の在り方を持続可能なものへと変革するためには、一事業者として多量の資源を消費する都自らが先導的に取り組み、都民、事業者などの取組を喚起、牽引していく必要があるとして、都庁プラスチック削減方針を策定し、方針に基づき、都の事業運営におけるワンウェイプラスチックの削減などを推進することとしました。中野区でも、事業者としての区役所プラスチック削減方針を示すべきではないかと考えます。お考えを伺います。 横浜市では、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の事業者と連携して、ワンウェイプラスチックの削減に向けたキャンペーンを実施する予定です。区として、区内事業者との連携についてはいかがお考えでしょうか、伺います。 新たなプラスチックごみの削減を図るとともに、現在出されているペットボトルやごみの出し方の課題についても取り組むべきと考えます。例えば、ペットボトルはキャップやラベルを外さずに出すことで回収事業者の大きな負担になっています。また、マンションやアパートによっては、設置されたダストボックスに出されたペットボトルや空き缶は資源ごみの扱いにはならない場合があります。ごみをごみのまま出すのか、資源化するのか、再度区民に周知するとともに、資源回収や出し方のマナーについて管理会社などにも徹底すべきと考えます。いかがでしょうか、伺います。 次に、環境基本計画について伺います。 現在、区長の諮問機関として第5期環境審議会が環境基本計画の改定を進めるために開かれています。区長は、審議会の諮問理由として、温室効果ガス排出削減の緩和策と気候変動への適応策を並行して進めることとなったこと、内閣総理大臣を本部長としたSDGs推進本部が設置され、今後の日本の取組の指針となるSDGs実施方針が定められ、その後、SDGsアクションプランが策定され、官民を挙げて課題に取り組むこととされていることなどを挙げています。 また、国では、SDGsを踏まえ、第4次循環型社会形成推進基本計画などにおいて食品ロス量を2030年までに2000年度比で半減させると目標が定められ、地方公共団体の食品ロス削減推進計画策定が努力義務として位置付けられています。 中野区では、気候変動適応計画を個別計画として策定するのではなく、環境基本計画の大幅な改定とされるようですが、なぜ大幅な環境基本計画の改定と判断されるのか、伺います。また、食品ロス削減推進計画については策定されるのでしょうか、お聞きします。 昨今、脱炭素社会に向けて、2050年二酸化炭素排出実質ゼロに取り組むことを表明した地方公共団体が増えつつあります。中野区でも、脱炭素社会に向けた2050二酸化炭素排出実質ゼロを表明すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。御見解を求め、この項の質問を終わります。 次に、生産緑地の活用について伺います。 公園、緑地などのオープンスペースは、良好な景観や環境、にぎわいの創出など、潤いのある豊かな都市をつくる上で欠かせないものです。また、災害時の避難地としての役割も担っています。都市内の農地も、近年、住民が身近に自然に親しめる空間として評価が高まっています。様々な役割を担っている都市の緑空間を民間の知恵や活力をできる限り生かしながら保全・活用していくための都市緑地法等の一部を改正する法律及び関係政省令が平成29年施行されました。法改正により、生産緑地地区の一律500平米の面積要件を市区町村が条例で定めることもできるようになりました。 300平米を下限に引き下げ可能とすることについては、条例改正をする方向とお聞きしていました。生産緑地地区の面積要件の引下げについてはどうなっているのでしょうか、伺います。 生産緑地については、その保全や活用、生産緑地の買取りなどについて度々質問をしてまいりました。これまでの検討状況と取組を伺います。 令和2年度の東京都の予算では、地場産農産物消費拡大支援事業の新規予算もあります。中野区内の農地に関しては、地域産業や地域人材との連携を図った活用を検討するべきと考えます。お考えを伺い、この項の質問を終わります。 次に、これからの中野の教育について伺います。 初めに、連携教育について伺います。 教育ビジョン(第3次)では、「保幼小中の連携や家庭・地域との連携が進み、子どもたちは生き生きと学んでいる」と目標に掲げ、これまで小1プロブレム、中1ギャップの解消など小中連携が推進され7年が経過し、その効果が見られるようになってきています。しかし、保幼小中の15年間の学びの継続については、実際にはこれからが本格実施と思われます。教育ビジョンは平成38年度までの計画ですので、ここからは次のステージを目指し保幼小中連携を進めていくべきであると考えます。保幼小中連携教育の今後の取組について伺います。 次に、小学校、中学校を同一敷地に開設する小中一体または併設型校舎と連携教育について伺います。 これまで、小中連携については、学校再編と整合性を図りながら、中学校区内の2から3校の小学校が連携し、乗り入れ指導、オープンキャンパスなど取り組んできています。また、小中連携などを推奨するに当たっては、校舎一体型も効果があることが文部科学省の事例等でも紹介されています。今後、老朽化した校舎の建て替えを推進していかなくてはならない小・中学校を対象に、例えば小学校、中学校が隣接した敷地の場合、建て替えの手法として小学校と中学校を一体型の校舎として建設することなど、敷地を有効的に活用して校舎を建設することも検討すべきではないかと考えます。いかがでしょうか、お聞きします。 また、その場合、小中連携の対象となっている他の小学校のことも考慮し、中野区の小中連携教育との整合性を図られることも重要です。私は校舎一体型でも中野区の連携教育を進めていくことは可能であると考えますが、教育委員会の御見解を伺います。 次に、幼児教育について伺います。 区長の施政方針に気になる点があります。「これまで検討を進めてきた区立保育園、区立幼稚園、地域の子育て施設の配置等については、新しい基本計画の策定に向けて、具体的な内容を明らかにしていきます。」とのことです。私が懸念しているのは、施設の再配置などが先に立ち、肝心の幼児教育の内容や保育の質、子育て支援の在り方が軽視されてしまうのではないかということです。新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の改定素案の段階で、区立幼稚園2園の民間による認定こども園への転換が突然出されたことにより、多くの保護者の方たちから不安と不満の声が上がり、陳情も提出されました。 私は、区立幼稚園について、中野区の幼児教育の充実、保幼小中連携、障害児の幼児教育など、これまでその存在の重要性について訴えてまいりました。総括質疑等でも、中野区の幼児教育における区立幼稚園の位置付けや職員体制、施設の老朽化などの課題についても伺ってまいりました。しかし、その後、子ども文教委員会には区立幼稚園についての報告がされていません。10か年計画(第3次)と計画を変更するにしても、まずはその考え方を示していくべきと考えます。丁寧な議論がされぬまま、基本計画で施設の再配置が先行すれば、前回のような混乱を招きかねません。区立幼稚園の存続を含め、区の幼児教育についての考え方を示していく必要があると考えます。区の見解を伺い、この項の質問を終わります。 最後に、その他で、台風19号の被害に遭い破損した妙正寺川沿いのウッドデッキについて伺います。 平成17年にオープンした白鷺せせらぎ公園及び鷺宮調節池の河川管理通路は、東京都施工により一部木材を使用したウッドデッキになっています。昨年の台風19号の影響により、ウッドデッキが水没し、木材が破損、昨年末まで通行禁止になっていました。この通路については、がたつきやささくれなどかねてから課題もあり、通路の管理者である中野区にも苦情などは多く寄せられていたと思います。今回、修復工事が行われましたが、抜本的な改修が必要ではないかと考えます。東京都と協議し、今後の対策を検討すべきと考えます。お考えをお聞きし、私の全ての質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 久保議員の御質問にお答えします。 区長の施政方針について、最初に女性支援施策の充実についてでございます。 DVをはじめとする多様な困難に直面することにより、社会的に孤立し生きづらさを抱える女性に対する支援等の充実については、区としても必要性を認識しているところでございます。昨年末に国から示されたパッケージを踏まえて、区としての効果的な取組について検討してまいります。 次に、男女平等専門委員の活用の在り方についてでございます。 男女平等専門委員の制度上の在り方については変更はしておりませんが、男女平等専門委員の知見を政策等に反映させるために、中野区男女共同参画基本計画(第4次)策定に当たりましては、男女平等専門委員である有識者からの意見聴取を行ったほか、男女平等専門委員の協力のもと、区民向け講座を実施したところでございます。来年度に予定する男女平等基本条例の改正に向けた検討においても、男女平等専門委員に意見を聞きながら検討を進めていきたいと考えております。 次に、外国人に対する総合的な窓口の開設についてでございます。 中野区において、外国人の日常的な相談については国際交流協会が行っております。また、年1回、外国人が日頃悩んでいる法律問題などを10か国の母国語で相談できる外国人のためのリレー専門家相談会を実施しているところでございます。 近年、中野区では外国人人口が急速に増加しており、在住外国人への生活支援の必要性が高まっています。在住外国人に対する医療、福祉、出産、子育てなどの総合的な相談機能の在り方につきましては、今後、他の区市町村の取組も調査しつつ、検討してまいります。 中野区多文化共生推進指針についての御質問です。 本年度より、区は、区民部に文化・国際交流課という担当部署を置きまして、在住外国人に関する施策に取り組んでおります。今年度は、関係課長の連絡会議を開催し情報共有を行って、来年度につきましては、全庁的に必要性の高いAI翻訳機の導入や生活ガイドブックの作成を検討しているところでございます。多文化共生に係る方針につきましては、中野区男女平等基本条例の改正を議論する中で考え方を整理してまいります。 次に、中野区男女平等基本条例の改正における多様性と多文化共生の捉え方についての御質問です。 ダイバーシティはあらゆる違いを包含しており、その一つに国籍や民族等の違いを認め合う多文化共生の考え方があると認識をしております。これらの視点は、多様な生き方、個性や価値観を受け入れることのできる地域社会実現に向けて必要な考え方であり、特に性的指向・性自認や国籍、民族等の違いに焦点を当てることで区民、事業者等への意識醸成が効果的に行われると考えております。条例で規定する具体的な対象につきましては、今後、審議会における議論を踏まえて検討を行っていきます。 次に、多文化共生に係る十分な議論の必要性についての御指摘でございます。 多文化共生につきましては、国籍や民族等を問わず、中野区に住まい、暮らす外国人が差別的取り扱いを受けず、その個性と能力を発揮することのできる地域社会を実現していくことが求められております。そのため、多文化共生に関する区を取り巻く環境や将来の見通しを踏まえて、丁寧な議論を重ねていく必要があると認識しております。現時点では、中野区男女平等基本条例を改正する中で、考え方を整理し位置付ける考えでございます。検討に当たって設置する審議会には、多文化共生の推進に関して知見のある委員にも参画いただく予定でございます。 次に、景観まちづくりガイドライン策定についての御質問です。 まず、中野らしい良好な景観形成についてでございます。 (仮称)景観まちづくりガイドラインは、景観法に基づき、区が景観行政を進めるための指針を示すものでございます。区が目指すべき景観は、周辺の建物等と調和の取れた街並み形成、地域の特性や歴史的な資源を生かした景観の形成、将来に向けて新たに創造する都市景観など、全体として調和の取れた良好な景観を想定しております。 次に、ガイドラインの都市計画マスタープランへの位置付けでございます。 現行都市計画マスタープランでは、景観都市づくりの基本方針を定め、良好な景観形成に向けた区の基本的な考えを示すものでございます。(仮称)景観まちづくりガイドラインでは、これを具体化するために、景観計画区域の設定や建築物の形態、意匠等に対する規制・誘導など、区が景観行政を進めるための指針を策定することを予定しております。 次に、ガイドライン策定によってどのようなことが可能かという御質問でございます。 (仮称)景観まちづくりガイドラインは、景観行政を進めるための指針となる考え方を示すものでございます。これを踏まえて、区は景観法に基づく景観計画を策定し、この中で景観計画区域、建築物の形態、意匠等の規制・誘導手法、良好な景観形成に向けた具体的手法とともに、参加と協働のための制度を定めることによって景観行政を進めることと考えております。 次に、文化芸術施策についてでございます。 まず、文化芸術施策の計画及び会議についての御質問です。 区は本年度、新たに区民や区内団体に向けた文化芸術活動の実態調査を行っているところでございます。これらのデータを基に、地域の実情に沿った文化芸術施策を推進していきたいと考えております。具体的な施策の推進方法につきましては、基本構想・基本計画策定状況を踏まえ、考え方を整理してまいります。来年度については、区民の文化活動に係る発表の場の充実や情報発信の強化について取り組んでいく予定でございます。 次に、複合化した支援ニーズへの包括的支援体制づくりについての御質問でございます。 区では、社会から孤立し潜在化しがちな要支援者へ対応するため、アウトリーチチームの取組を進めてきたところでございます。また、アウトリーチチームの役割は、個別支援のほか、地域ネットワークの形成や多様な地域活動を推進することで地域包括ケアのまちづくりを目指したものでございます。今後、1、地域課題やニーズの分析力の向上、2として、介護、障害、子ども、生活困窮等の縦割り意識の排除、3として、共通認識に基づく住民、関係機関・団体との幅広い連携などとともに、こうした取組を担う人材の育成に努め、地域共生社会推進検討会が示した包括的支援体制を構築していく考えでございます。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私からは、これからの中野の教育についての質問にお答えいたします。 まず、保幼小中連携教育の進捗状況と今後の取組でございますが、今年度でこれまでの小中連携教育7年間の計画期間が終わるため、教育委員会では、来年度から始める幼児期から義務教育終了までの15年間を見据えた新たな保幼小中連携教育を検討しているところでございます。新しい計画では、これまでの実践をさらに充実させるとともに、知徳体や特別支援教育の視点から、保幼小中の円滑な接続や学びの連続性に焦点を当てた15年間のカリキュラムの研究や実践を推進してまいります。 次に、小中一体型校舎についてでございます。 小学校校舎と中学校校舎の敷地が隣接しており、かつ両校舎共に改築時期を迎えている場合においては、小学校と中学校を一体型校舎として改築することは、整備にかかる工期や費用の面で効果が高いと認識しております。そうした小中学校の改築手法については、今後進める中野区立小中学校施設整備計画の見直し作業の中で検討してまいります。来年度から保幼小中連携教育について一貫したカリキュラム編成の検討を進めていきたいと考えておりまして、仮に小中一体型校舎となった場合においても、小中の連携教育は可能であると考えております。 最後に、区の幼児教育の考え方についてお答えいたします。 教育委員会は、中野区教育ビジョン(第3次)で、幼児期の教育が充実し、子どもたちの健やかな育ちを目標に掲げ、子どもの発達の特性に配慮した教育・保育の実践や保幼小連携教育を推進してきたところでございます。こうした幼児教育の一層の充実を図るため、限られた人員体制の中で持続可能な教育環境をどう確保していくのか、また、将来にわたり幼児教育の質をさらに高めていくための工夫、取組などを教育委員会で十分検討していく予定でございます。 〔環境部長岩浅英樹登壇〕 ○環境部長(岩浅英樹) 私からは、環境施策についての御質問にお答えいたします。 初めに、レジ袋有料化とプラスチック使用削減の周知啓発でございます。 これまでも、なかのエコフェアにおけますマイバッグの配布や中野区ごみ減量・リサイクル情報誌などにマイバッグ持参を推奨する記事を掲載するなど、レジ袋の使用削減に向けた啓発を行っているところでございます。レジ袋有料化の周知やワンウェイプラスチック使用削減については、区報や区ホームページでの周知のほか、中野区ごみ減量・リサイクル情報誌への掲載、ごみ減量出前講座、環境パネル展、なかのエコフェアなど、様々な機会を捉え、幅広い層の区民に周知啓発を行っていく考えでございます。 次に、ワンウェイプラスチック使用削減の取組についてでございます。 プラスチックは、軽くて丈夫かつ衛生的でもあり、食品等の鮮度を保持するなど、食品ロスの低減にも役立つものでございますけれども、ワンウェイプラスチックのように使い捨ての製品につきましては、製造や廃棄におけるCO?排出を削減するためにも使用を抑制する必要があると考えております。各家庭におきましてプラスチックごみを削減する実効性のある方法につきまして、他自治体の取組を調査するなど研究をしてまいりたいと考えております。 次に、区役所プラスチック削減方針についてでございます。 区の環境マネジメントシステム取組の中で、世界的な課題であるプラスチック削減に向け、まずは本庁舎のプラスチック削減に向けた取組を検討することとし、検討を開始したところでございます。プラスチック削減の取組を区が率先して行うことは区民、事業者に対する啓発にもつながると考えておりまして、令和2年度の早い時期の策定を目指してまいりたいと考えております。 区内事業者と連携したプラスチック削減取組につきましては、ワンウェイプラスチックの削減は区民、事業者、区が一体となった取組が有効と考えております。区内事業者と連携した取組につきまして、他自治体の取組を研究することと併せまして、どのようなことが可能か、中野区商店街連合会などと意見交換をしていきたいと考えております。 次に、ごみと資源の出し方の周知及び指導でございます。 ごみと資源の出し方につきましては、ごみ分別アプリを活用するほか、今年度は資源とごみの分け方、出し方のチラシを全戸配布したところでございます。ごみ出しのルールが守られていない集合住宅に対しましては、職員が現場を調査した上で、排出者本人だけでなく、管理会社等に対しても指導を行っておりまして、今後も工夫しながら周知や指導を徹底してまいりたいと考えております。 次に、環境基本計画につきまして、気候変動適応計画についてでございます。 現在の中野区環境基本計画の中でも、気候変動への適応について記載をしております。また、温暖化防止と気候変動への対策は密接に関係するものであることから、環境施策を総合的に網羅した環境基本計画とすることを考えているところでございます。 食品ロス削減推進計画についてでございます。 食品ロス削減推進法では、市町村が定める計画は、国が定める食品ロス削減の推進に関する基本的な指針や都道府県の食品ロス削減推進計画を踏まえたものとすることが求められております。現在、国が基本方針の策定に取り組んでいるところであり、その後、予定されている都の食品ロス削減推進計画の状況を踏まえまして検討をしてまいります。 最後に、2050二酸化炭素排出実質ゼロ表明でございます。 この表明をした地方公共団体は、環境基本計画や地球温暖化対策実行計画の改定時にその旨を記載することとなっております。中野区基本構想検討素案でも、脱炭素のまちづくりを進めることとしており、中野区基本計画や中野区環境基本計画の策定に向け具体的な取組の検討を進める中で、二酸化炭素排出量実質ゼロ宣言についても検討してまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 〔都市基盤部長奈良浩二登壇〕 ○都市基盤部長(奈良浩二) 私からは、生産緑地の活用についての御質問のうち、生産緑地の指定面積の引下げと保全・活用等の検討状況についての御質問にお答えをいたします。 生産緑地につきましては、区の北西部地域における貴重な緑とオープンスペースの機能、役割を果たしていると考えてございます。こうした地域環境特性を維持していくために、生産緑地の保全の考え方や、生産緑地として継続が困難となった場合の公共としての計画的な活用の在り方などについて、個々の立地条件を踏まえた検討を進めているところでございます。 指定面積を300平米に引き下げることにつきましては、こうした検討の中で新たな指定の可能性や保全のための役割などの観点から整理をしているところでございます。 次に、白鷺せせらぎ公園付近のウッドデッキの改修についての御質問にお答えをいたします。 現在の木を使った舗装は、補修を行い、暫定的に通行を開放しているところでございます。今後、舗装の材質について、これまでの歩きやすさや耐久性等の課題を解決するようなものにしたいと考えておりまして、東京都と十分協議を行った上で、来年度改修する予定でございます。 〔区民部長青山敬一郎登壇〕 ○区民部長(青山敬一郎) 私からは、生産緑地の活用についての御質問のうち、地域産業や地域人材との連携による農地の活用についてお答えいたします。 現在、区内の農業従事者の皆さんには、JA東京中央などと協力して生産に励んでいただいているところでございます。東京都の行う団体等への消費拡大の支援策も参考にしつつ、地域と連携した地産地消の取組に向けて、まずは農産物のPRなど情報提供に努めてまいりたいと考えております。 〔久保りか議員登壇〕 ○37番(久保りか) 1点だけ再質問をさせていただきます。 多様性と多文化共生に関してのことでございますが、先ほど区長は、審議会の議論の中で、対象についてもそこで検討をされていくという意味でおっしゃっていたのか、そこを確認させていただきたいと思っております。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 久保議員の再質問にお答えいたします。 審議会の中で条例に対する対象の事項についても議論していただいて、いろんな性自認のこと、それから多文化共生のことも、それらを一つの条例についてまとめるのかどうかについても御意見をいただきたいと思っております。 ○議長(高橋かずちか) 以上で久保りか議員の質問は終わります。
中野区議会議員 加 藤 たくま 1 地域包括ケアシステムについて (1)抜本的な方針変更について (2)オーラルフレイル予防について (3)その他 2 エリアマネジメントについて 3 平和の森公園・中野区立総合体育館について 4 公契約条例について 5 国土強靱化地域計画について 6 教科書採択の実施について 7 その他
○議長(高橋かずちか) 次に、加藤たくま議員。 〔加藤たくま議員登壇〕 ○11番(加藤たくま) 令和2年第1回定例会におきまして、自民党の立場から一般質問させていただきます。 質問は通告どおりで、その他はございません。時間がないので駆け足で行きます。 1、地域包括ケアシステムについて、(1)抜本的な方針変更について。 1月16日の地域包括ケア推進調査特別委員会における、平成29年3月策定した中野区地域包括ケアシステム推進プランにおける指標の達成状況についての報告では、設定された達成指標のほとんどが横ばいもしくは悪化でした。しかし、同委員会において、現在のステップ1、高齢者が可能な限り住み続けられる地域づくりに向けた基盤整備を終え、ステップ2の基盤、機運の充実を背景とした地域包括ケアの全世代、全区民への発展・充実の段階に進んでいるとの報告でした。成果指標の目標をほとんど達成できていないにもかかわらず次のステップに移行しようとすることに全く理解ができません。 達成指標がそもそもこれでいいのかということについて、平成29年第2回定例会一般質問において取り上げました。達成指標の一つである65歳の健康寿命、つまり、65歳の人が要介護2以上の認定されるまでの期間は、男性においては平成25年17.1年、平成27年では17.6年、平成29年では17.9年で、平成30年目標の17.7年を達成している可能性はあります。女性も同傾向です。 しかし、健康寿命は理想値が設定できないため、指標として取り扱うべきではありません。例えば、65歳における健康寿命が50年だとしたら115歳まで要介護2にならないわけですが、この数字がでかければでかいほどいいのかというと、そういうわけでもない。税金を使って延ばす数字ではありません。健康寿命の延伸を行政が担うものではなく、個人個人が努めていくべき数字であります。度々申しておりますが、平均寿命から健康寿命を引いた不健康期間、つまり介護をされている期間を短縮することが医療費・介護費を抑制します。不健康期間の短縮を目標にすべきであります。非常に分析し難い指標ではありますが、医療・介護の分野において明確な目標となります。 今のは一例ではありますが、達成指標の項目の全面改定を提案させていただきます。区民意識調査などから使えそうな指標を選ぶのではなく、中野の将来をしっかりと見据えられる指標にすべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、各指標と政策がひも付いていないため、指標の結果の良し悪しの原因が何なのか追求できないため、PDCAサイクル、スクラップ・アンド・ビルドができるわけがありません。例えば長期療養が必要になったとき、自宅で過ごしたい人の割合、成年後見制度の理解と活用を推進するためには、まず生命の死というものを理解する必要があります。学校教育で始まっている命の授業の中で、人の死、脳死と移植、人権擁護、動物愛護を学び、家族、関係者が死について語り合うなどの風土が必要であります。危篤状態のとき、延命治療をするのか否か、終末医療、また葬儀などをどうするかということを語り合える環境をつくり、人間の尊厳と死を再確認することが必要であります。 政策は、対症療法ではなく根本療法、川上から川下へ向ける必要があります。政策が指標と結び付かないのであれば、指標に入れるべきではありません。地域包括ケアシステムに限りませんが、区が向上させたい指標と政策を結び付けた新たな推進プランを策定すべきと考えますが、いかがでしょうか。 (2)オーラルフレイル予防について。 昨年の第4回定例会一般質問で、地域包括ケアシステムとしては、地区町会連合会、区民活動センターのエリア単位で組織づくりを進めるべきと訴えさせていただきましたけれども、現実としては、現状は医療・介護・福祉従事者、行政を中心にしたものであり、地域力を活用した理想形にはまだまだ程遠い状況であります。地域を含めたシステムの構築は粛々と進めながら、地域包括ケアシステムの推進、健康寿命延伸改め不健康期間の短縮のためのフレイル予防を行っていく必要があります。 フレイル予防のための三つの柱として、栄養、社会参画、運動があります。昨年の予算特別委員会総括質疑で取り上げましたが、大阪警察病院などは、口腔機能ケア、つまり歯が健康であると病状によっては3割以上医療費が下がるという研究成果があり、口の健康が体全体の健康となるエビデンスがあります。様々なフレイル予防がありますが、中野区としては、ここはひとつ口腔ケアを中心としたオーラルフレイル対策を進めるべきと考えます。 そこで、区のオーラルフレイル予防に関する認識と区のオーラルフレイル予防に向けての取組について伺います。 国は、令和2年度予算で8%から10%への消費税率引上げに伴う社会保障の充実の中に、予防・健康づくりの取組の抜本的強化、都道府県・市町村における予防・健康づくり事業の推進等のための交付金として、公費700億円、国費700億円の計1,400億円を計上しております。まだ全貌は見えておりませんが、積極的にこういった予算の確保に向かっていただきたいと思います。 次の質問に行きます。2、エリアマネジメントについて。 人口減少により、不動産価値の低下、つまり、まちの価値を下げていきます。近年の研究では、まちの価値にはにぎわいが必要であり、そのためにはエリアマネジメントが必要です。昨年9月、副区長も発起人の1人に名を連ねる中野駅周辺エリアマネジメント研究会が発足し、講演会やグループディスカッションが行われていると聞いております。また、2月7日に公表された中野駅新北口駅前エリア拠点施設整備民間事業者募集要項に、事業初動期からのエリアマネジメントの展開や周辺地域との連携が示されております。エリアマネジメントは、中野駅周辺全体を視野に入れて、各エリアのマネジメントに取り組むべきですし、それに向けた組織化が必要と思いますが、区はどのようにお考えか、伺います。 区は、中長期的なプランを持ってエリアマネジメントに関わる必要があります。ここで、各地区のエリアマネジメントの事例を幾つか挙げさせていただきます。 武蔵小杉駅周辺地区では、もともとグラウンドや大規模工場跡地などで居住者がほとんどおらず、新住民で新たな地域コミュニティを形成しました。町会・自治会の加入率が低下している昨今、今後の町会・自治会の在り方のヒントになります。 大手町・丸ノ内・有楽町地区、通称大丸有では、公民協調によるサステーナブル・ディベロップメントを通じて、120ヘクタールのまち全体で「新しい価値」、「魅力と賑わい」の創造に取り組んでいます。地元住民はほとんどおりませんが、地元企業が中心に入り、まちの活性化を行っております。 歌舞伎町は、昭和50年代中頃から性風俗店が乱立し、規制をするも、新たな性風俗店舗の登場と法規制のいたちごっこが繰り返されました。根本はまちのイメージが悪いとの認識に至り、公共空間の活用社会実験で食フェスを精力的に開催、小学校を吉本興業に貸すなど、イメージの変革とにぎわいの創出をしております。 今紹介した三つのエリアマネジメントは、大きく分けると住民・企業・行政主体と言えます。エリアマネジメントには、その地域の特性を勘案する必要があります。中野区の地域特性は、交通の利便性が高く、区外からの転入者が多く、年間の転入出はおよそ10%であり、人の出入りが激しいことです。結果、多様性があふれるまちになりますが、マジョリティーが形成されづらく、何でもあるけど目玉となるものが何か、形成されないと推測します。 区長が中野の強みとして挙げられる多様性は、放置すれば弱みになりますが、仕組みをつくれば強みにもなります。キーワードとして多様性があります。 また、度々申し上げさせていただいておりますが、中野区の歴史は興味深いです。 中野駅周辺の人権擁護、動物愛護のシンボリックな施設である犬小屋、日本初の公園、花見文化の形成に一役買った桃園、中央線の前身の甲武鉄道、陸軍鉄道隊による鉄道研究、飯田町駅と中野駅の区間の汽車からの電化、山手線の始発駅、陸軍中野学校、警察大学校、中野区役所、中野サンプラザ、オフィス、大学など、時の権力者にじゅうりんされながらも、実験的なフィールドとして様々な社会実験が行われた歴史がこの中野にはあります。 もう一つのキーワードは社会実験で、区長の掲げるスタートアップの概念とも通じます。多様性掛ける社会実験、これが中野のエリアマネジメントにマッチすると考えます。多様性を生かし、何か一つを確立、執着するのではなく、常にいろいろ試せる環境づくりを目指すべきと考えます。常に新しいことができれば、新しい人たちが集まり、にぎわいが創出できます。多様なイベントを開催したり、犬小屋を期間限定復活させたり、ドローンを飛ばしたり、IoT、AI、ビッグデータの新技術の実験フィールドとしたり、無限の可能性が感じられるエリアマネジメントが必要です。 中野駅周辺のエリアマネジメントに多様性掛ける社会実験を中核に入れるべきと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。 ところで、2019年3月に、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局と内閣府地方創生推進事務局は、地域再生エリアマネジメント負担金制度ガイドラインを策定しました。3分の2以上の事業者の同意を要件として、市町村が、エリアマネジメント団体が実施する地域再生に資するエリアマネジメント活動に要する費用を、その受益の限度において活動区域内の受益者(事業者)から徴収し、これをエリアマネジメント団体に交付する官民連携の制度です。要するに、区がエリアマネジメント関係者から費用を徴収してエリアマネジメント団体に交付するものであります。 そこで伺いますが、もし区がエリアマネジメントに関与する場合の財政スキームとして、このガイドラインに準拠されるものになるのでしょうか。 社会実験を基軸としたエリアマネジメントが、国家戦略特区、スーパーシティ構想への参画を目指し、中野のブランドイメージを向上させることを切に願います。 続きまして、3、平和の森公園・中野区立総合体育館について。 ついに平和の森公園がリニューアルし、第1工区、第2工区を合わせて、300メートルトラック、バーベキューサイト、多目的運動公園、水遊び場、犬の広場、小多目的広場ができます。特に300メートルトラック、バーベキューサイトにおいては、中野区になかった施設であります。 そこで、それぞれの施設の運営方法について伺います。 続いて、中野区立総合体育館ですが、現在の工事の様子を外から眺めますと、6月20日のオープニングセレモニーがしっかりと迎えられるのか不安となりますが、どのようなスケジュールでなっているかお伺いいたします。 また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の卓球公式練習場に使われるわけですが、世界トップクラスならではの練習環境が必要と考えられ、日本卓球連盟などにヒアリングなども必要かと思いますが、この事業における中野区の役割についてお伺いいたします。 また、区にレガシーを残すために、例えば、小・中学校の生徒に練習見学、記念となる物品、写真などを残すなど試みるべきと考えますが、区はどのような努力をされているのかお伺いいたします。 続きまして、4、公契約条例について。 条例の性質上、最低賃金を定めるものであり、請負事業者は労務者に対して条例で定める金額以上の賃金を支払う義務を負うこととなります。建設業では、一つの受注案件に下請業者がかなりの数になり、重層的な下請構造が特徴となる、ほかの業界で見られない構造となっています。公契約条例が導入されると、元請が下請に対する賃金の支払状況を管理するための膨大な事務量が発生します。事務量を抑制するため、元請は重層的な下請構造を嫌い、一人親方等の会社に下請をせずに、ある程度人工の確保が見込める会社にお願いすることが想定でき、重層的な下請構造は解消し、ダンピング、中間搾取を予防することはでき、条例の効果は見込めると思います。 しかし、元請からすると一人親方や小規模会社への下請は手間になるため、現在3次、4次下請をしている中野区の地元の小規模企業は区の公共事業に関われなくなる可能性が出てくると懸念しますが、区の見解とその対策方法についてお伺いいたします。 5、国土強靱化地域計画について。 東日本大震災から得られた教訓を踏まえ、平成25年に強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法が制定され、平成30年度の国土強靱化関係予算は補正などを含め5兆円が計上され、その取組が大きく進みました。 令和元年12月2日の総務委員会で、中野区国土強靱化地域計画の策定についての報告がありましたが、国は地域計画の策定と地域の国土強靱化の取組を一層促進するため、国は地域計画に明記された事業に交付金等を優先的に配分していく旨の方針を示しており、中野区は地域防災計画と整合を図りつつ、国土強靱化地域計画の策定を進めているとの報告でありました。 つまり、国土強靱化地域計画を策定しなければ国の交付金が配分されづらいということです。国のホームページによれば、23区で現在、荒川区は策定済み、大田区は令和3年3月策定完了予定、中野区においては令和2年7月策定完了予定で、荒川区に次ぐ2番目の早さで策定が完了します。国土強靱化関連予算は大型予算でありますが、時限的とも考えられ、区が率先して交付金・補助金を得る努力をされ、評価するところであります。 そこで伺いますが、中野区国土強靱化地域計画の策定において、区はどのように注視されていますか。また、時限的とも考えられるこの国土強靱化の予算を取りにいくためには、各所管はいずれ実施しようとしている関連事業を前倒しする必要があります。短期、中長期の計画を全て整理して、財源確保として積極的に交付金・補助金の取得をすべきと考えますが、区のお考えをお伺いします。 6、教科書採択の実施について。 令和2年度は、学習指導要領の変更と併せて、区立中学校の教科書選定のタイミングとなります。エリアマネジメントのところで触れましたが、犬小屋、鉄道などの歴史は区民の郷土愛を醸成させると考えます。平成31年予算特別委員会の総括質疑においてその辺りの歴史認識について伺ったところ、「今後の文化施策展開に当たりましても、そういった視点を取り入れてまいりたいと考えております。」との御答弁をいただきました。令和3年度から使う教科書を科目ごとに1種を選定、採択するわけですが、中学校の社会科の教科書においては、生類憐れみの令の表現がネガティブになっていないようなものを取り上げていただきたいと思いますけれども、教育委員会の御見解をお伺いいたします。 駆け足ですみませんでした。以上で全ての質問を終了いたします。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 加藤議員の御質問にお答えいたします。 私からは、2番目のエリアマネジメントについてのお答えになります。 最初に、エリアマネジメントの組織化についての御質問です。 中野駅周辺におきましては、各地区整備におけるエリアマネジメントを誘導するとともに、中野駅周辺全体でまちづくりの目標を共有し連携していくためのプラットフォームの組成が必要であると考えております。各地区整備の進捗状況を踏まえながら、推進体制の構築を検討してまいります。 次に、エリアマネジメントの概念についての御指摘でございます。 全国各地で行われているエリアマネジメントでは、多様な人々の交流促進や様々な社会実験が行われている事例が散見されます。中野駅周辺で取り組む場合には、検討素案として示した基本構想にあるように、多様性を重視しつつ、人と人がつながることや、新たなことが始まる、チャレンジするといった中野らしさを生かした取組が求められると考えております。 次に、エリアマネジメント負担金制度についての御質問です。 地域再生法に基づくエリアマネジメント負担金制度は、安定的な活動財源の確保によってエリアマネジメント活動の推進を図るため、平成30年に創設されたものであります。自治体が受益者負担金を徴収し、活動に応じて交付金を支出するものでありますが、中野区周辺の状況に適合するか、研究はしてまいります。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私からは、教科書採択の実施についてお答えいたします。 区民の郷土愛を考慮した教科書採択についてでございますが、これまで中野区の教科書採択では、独自に地域性への配慮なども採択基準の一つに加えてまいりました。中野区の子どもたちにとってふさわしい教科書を採択することは、大切な視点の一つであると考えております。 また、採択基準には、これ以外にも内容等、構成・分量、表記・表現、使用上の便宜などがあり、教育委員会では教科書の科目ごとに総合的に判断して採択してまいります。 〔地域包括ケア推進担当部長藤井多希子登壇〕 ○地域包括ケア推進担当部長(藤井多希子) 私からは、地域包括ケアシステムに関する御質問にお答えいたします。 まず、推進プランの達成指標の全面改定に関する御質問です。 現在、中野区地域包括ケアシステム推進プランのステップ1の実績を取りまとめるとともに、見直しを行っているところでございます。達成指標の改定も含め、(仮称)地域包括ケアシステム総合計画策定の中で、より適切なものとなるように検討してまいります。 次に、指標に結び付いた政策立案についての御質問です。 政策立案評価における各指標は、実施している事業や施策の成果や効果を適切に図ることができるものでなければならないと認識しております。(仮称)地域包括ケアシステム推進総合計画の策定に当たっては、手段と目的の関係を明確にして、適切な指標を考案してまいりたいと考えております。 〔健康福祉部長朝井めぐみ登壇〕 ○健康福祉部長(朝井めぐみ) 私からは、地域包括ケアシステムについての御質問のうち、まずオーラルフレイル予防に関する区の認識についての御質問にお答えいたします。 オーラルフレイルは、歯、舌、口周りの筋肉、喉など、口に関する様々な機能が衰えることをいいます。オーラルフレイルによって口腔機能が衰えると、食べ物をかんで飲み込むことや言葉を伝えるなどのコミュニケーションが困難になり、栄養の摂取や社会参画に支障を来す可能性がございます。オーラルフレイルが進行することで身体的フレイル状態となるリスクが高まるため、区民の健康増進維持のためには、オーラルフレイルを予防することが極めて重要であると考えております。 次に、オーラルフレイル予防のための取組についての御質問でございます。 オーラルフレイルは、健康な口腔機能の状態と機能障害のある状態の中間に位置するものでございます。適切な対応をすることによって健康な状態に回復する可能性があります。今年度、区は、区民への口腔機能の維持に関する意識の啓発を目的とした区民向け講演会やイベントにおける歯科医師による口腔機能測定や指導、また介護予防事業として食べる幸せ口腔機能向上プログラムなど、オーラルフレイル予防のための取組を行ってまいりました。今後も、他自治体の先進的な取組についての情報収集を行うとともに、中野区歯科医師会並びに保健師及び栄養士などの多職種の連携を図りつつ、オーラルフレイルを予防するための対策を検討してまいります。 次に、平和の森公園・中野区立総合体育館についての御質問のうち、総合体育館の完成時期についての御質問にお答えいたします。 現在、令和2年5月末の完成に向け工事が進行中でございます。6月20日に予定どおり区立総合体育館の開所式を執り行うことを予定してございます。 続きまして、卓球の公式練習会場としての準備についての御質問でございます。 総合体育館が卓球の公式練習会場に求められる機能を有していることは、既に大会組織委員会の確認が得られているところでございます。公式練習会場に必要な備品類は組織委員会が用意することとなっており、区は、組織委員会と緊密な連絡調整等を図り、公式練習会場が円滑に運営され、各国の選手に最良の練習会場を提供できるよう努めていきたいと考えております。 次に、公式練習会場としての使用をレガシーとすることについてでございます。 総合体育館が東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の公式練習会場として使用されたということを区民の誇りとして後世に残していけるよう、練習で使われた卓球台の購入や展示用銘板の作成を考えております。 〔都市基盤部長奈良浩二登壇〕 ○都市基盤部長(奈良浩二) 私からは、平和の森公園の300メートルトラック、バーベキューサイトの運営方法についての御質問にお答えいたします。 平和の森公園は、体育館開館後の令和2年6月より指定管理者による管理を予定してございます。300メートルトラック、バーベキューサイトは、専用利用が可能な施設とする考えであり、今後具体的な運用方法を示していく予定でございます。 〔総務部長海老沢憲一登壇〕 ○総務部長(海老沢憲一) 私からは、公契約条例導入に伴う課題等の対応についてお答えいたします。 公契約条例の制定に当たりましては、事業者においても新たに対応すべき義務等が生じてくるため、事業者や労働者など関係団体との議論を重ねながら条例の内容を検討していくことが重要であるというふうに考えてございます。公契約条例導入に伴う課題等の対応については、既に条例が制定され施行されている近隣区の実態を把握いたしまして、それを踏まえて制度を検討するなどして、地域事業者の活性化や区民サービスの向上に貢献できるものになるよう進めてまいりたいというふうに考えてございます。 〔危機管理担当部長滝瀬裕之登壇〕 ○危機管理担当部長(滝瀬裕之) 私からは、国土強靱化地域計画につきまして、地域計画の作成についてお答えいたします。 区は、これまでも中野区地域防災計画に基づきまして防災対策等の取組を進めてきたところでございます。今般、より一層の防災・減災対策を推進していくため、中野区国土強靱化地域計画を策定することといたしました。 具体的には、建物の耐震化や不燃化の促進、防災性能を備えた共同建築物の整備誘導など、計画的な防災まちづくりの推進や各種防災訓練の拡充など、区民の防災意識や災害対応能力を高めていくための平時からの取組の強化といったハード、ソフト両面の防災・減災対策を総合的かつ着実に進めるための指針としたいと考えているところでございます。 〔企画部長高橋昭彦登壇〕 ○企画部長(高橋昭彦) 国土強靱化予算に係る交付金・補助金の検討についてのお尋ねでございます。 国は、各自治体の国土強靱化地域計画に基づいて実施される事業等に対しまして、令和2年度予算におきまして重点配分や優先採択等を重点化することを公表しており、令和3年度以降につきましては要件化をすることも検討していると聞いているところでございます。 国の政策動向を注視しながら、時限的な制度にも対応できるよう、今後策定する区の国土強靱化地域計画においては、対象となる補助金・交付金等を精査いたしまして、確実な交付金・補助金の獲得に努めてまいりたいと考えてございます。 ○議長(高橋かずちか) 以上で加藤たくま議員の質問は終わります。 議事の都合により、暫時休憩いたします。 午後2時48分休憩
午後3時10分開議 ○議長(高橋かずちか) 会議を再開いたします。 この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。 一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 むとう 有 子 1 学校給食について 2 中野駅新北口駅前エリア再整備事業について 3 その他
○議長(高橋かずちか) むとう有子議員。 〔むとう有子議員登壇〕 ○40番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただきました御意見を基に質疑をいたします。 学校給食についてお尋ねをいたします。 周知のように、学校給食は学校給食法に基づき実施されています。学校給食の目的は、適切な栄養の摂取により健康の保持増進を図ること、日常生活における食事について正しい理解を深め、健全な食生活を営むことができる判断力と望ましい食習慣を養うこと、食材の生産、流通及び消費について正しい理解に導くこと等が定められています。 2005年に制定された食育基本法を基に定めた第3次食育推進基本計画では、2020年度中に朝食を欠食する子どもの割合を0%にすること、学校給食における地場産物の使用割合を30%にすること、国産食材の使用割合を80%にすることを目標としています。中野区としては、2008年にマスコットキャラクター「うさごはん」を誕生させ、食育の大切さを普及啓発しています。教育現場では「早寝、早起き、朝御飯」を提唱していますが、目標値の達成は難しい現状です。 2019年度の内閣府の調査によると、17.6%の小・中学生が朝食を毎日食べる習慣を身につけていません。文部科学省とスポーツ庁の調査では、朝食を毎朝食べている児童・生徒のほうが食べていない児童・生徒に比べ学力調査の得点も体力テストの得点も高い傾向にあるという結果が出ています。中野区において、朝食を毎日食べる習慣が身についていない児童・生徒の割合は何%でしょうか。また、朝食の摂取と学力、体力は同様の傾向にあるのでしょうか。お答えください。 まずは、朝食を食べると元気が出て、授業も頭に入り、体の調子がよいことを実感することから始め、家庭に普及することを到達目標として、ボランティアの協力を得て学校で朝食の提供をする自治体が増えています。朝食を欠食する子どもの割合を0%にするために、このようなまずは朝食を食べる体験の実施等、積極的な取組の検討を求めます。お答えください。 東京都は、第3次食育推進基本計画に基づき、東京都の農業協同組合JA東京中央会と連携し、給食における地産地消の導入を推奨しています。中野区では、小中32校中希望する23校がJA東京中央会からの野菜を使用していますが、希望しない学校があるのは残念です。中野区の学校給食では、地場産物や国産食材をどれぐらい使用しているのでしょうか。加えて、目標値達成に向けて積極的な使用を求めます。お答えください。 JA東京中央会の野菜を使用することで生産者が分かることは大変よいことですが、その生産者がどのような種や農薬を使って生産したのかがとても重要です。 昨年10月から、遺伝子改変技術を使って品種改良したゲノム編集食品の販売や流通に関する届出制度が始まりました。既にゲノム編集食品が流通し、それとは知らずに食しているかもしれません。ゲノム編集とは、特定の遺伝子の働きを壊す技術です。既に流通している遺伝子組換えは、他の生物の遺伝子を入れる技術です。厚労省は、遺伝子組換え食品については食品衛生法に基づいた安全性審査を義務付けていますが、ゲノム編集食品には義務付けていません。その上、届出も任意であり、消費者庁は表示義務を課していません。 この決定に多くの反対の声が上がり、消費者庁は、表示は義務ではないが表示を呼びかけるという矛盾した要請を事業者側にしています。既に筋肉量の多いマッチョ豚、成長が早く体も大きく肉厚なトラフグやマダイ、寒さに強いトマトや収穫量の多い稲などが開発されています。 表示義務のないゲノム編集食品を避ける自衛策がただ一つあります。日本農林規格の有機農産物、有機加工食品、有機畜産物を選ぶ方法です。農林規格の有機には、全ての遺伝子改変技術が排除されているからです。ちなみに、韓国、フランス、イタリアでは、国が推奨し、有機農産物が学校給食に導入されているそうです。日本でも、千葉県いすみ市、大阪府吹田市、兵庫県丹波市、愛媛県今治市等々、数多くの自治体で導入されています。 学校給食という市場が有機を導入すれば、日本にも有機農産物、有機加工食品、有機畜産物の生産者が増えることになります。安全性審査が行われず、安全確認ができない、ゲノム編集食品から子どもたちを守るためにも、学校給食に有機の導入の検討を求めます。お答えください。 さて、給食に導入している乳業メーカーが3月で牛乳の紙パックの回収をやめるとの一方的な方針を打ち出し、各自治体が対応策に追われています。中野区では、回収しリサイクルをする業者のめどがついたとのことです。ただし、水洗い後のパックの回収とのことで、これまでは乳業メーカーが行っていたパックの水洗いをしなければなりません。児童・生徒がするのであれば、それは環境教育の一環になるとの捉え方もありますが、中には、飲むだけではなく触れることもできない牛乳アレルギーの児童・生徒もいるかもしれません。ごみの減量に取り組む中野区が焼却処分するわけにはいきません。びん牛乳がなくなったことが残念ですし、本来であれば製造者の責任でリサイクルすべきことです。4月からの牛乳パックの取り扱いについてお答えください。 子育て先進区を目指す中野区だからこそ、子どもたちの成長に欠かせない安全な給食提供への積極的な取組を求め、次の質問に移ります。 中野駅新北口駅前エリア再整備についてお尋ねをいたします。 残念なことに、2月7日に予定どおり中野駅新北口駅前エリア拠点施設整備に係る民間事業者の募集が開始されました。この再整備については、区は、新区役所整備費254億円やサンプラザ購入の際の借入金返済額43億円等の財源を確保するために、市街地再開発事業による権利変換方式が適しているとの判断で進めてきました。 しかし、他区では、定期借地権方式によって新区役所整備を行った事例があり、中野区でも検討を求める質疑が再三なされてきました。それを受けて、昨年12月6日の中野駅周辺整備・都市観光調査特別委員会で、もしも定期借地権を設定した場合に区が得られる70年分の前払い地代は約390億円であり、必要な経費が不足するとの報告がありました。しかし、議員有志が実績と信頼性の高い不動産鑑定評価を行う民間団体に依頼したところ、幾つかの仮定に基づく推計ながら、750億円から1,080億円の地代が得られる可能性があるとの調査報告書を12月27日に受け取り、1月30日に区長に手渡しました。区がこれまで独自に試算し検討に使用していた数字に対する問題提起と真摯に受け止めていただきたいと思います。 前区長の下で1万人のアリーナを優先した結果が権利変換方式だったのではないかと考えます。酒井区長となり、1万人のアリーナは7,000人規模の多目的ホールに変更されました。アリーナについて再検討する際に、事業手法についても、これまでの検討ありきではなく、区長の言葉を借りれば、客観的な論拠となるエビデンスベースの議論を経るために、専門家に不動産鑑定評価を依頼し確かな数字を得た上での定期借地権方式についてなぜ再検討をしなかったのか、その理由を区長にお尋ねいたします。お答えください。 多くの区民が中野駅新北口駅前エリアの土地の保有を望んでいることを申し添えるとともに、誠実な答弁を求め、質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) むとう議員の御質問のうち、私は、中野駅新北口駅前エリア再整備事業についての御質問です。 事業手法の再検討についての御質問でございました。 中野駅新北口駅前エリア再整備の検討に当たっては、土地の評価は国税庁が公表する路線価を基準として試算しており、計画段階において見込む金額としては妥当であると考えております。市街地再開発事業ではなく、定期借地権の設定のみによる事業については、開発条件によって地代金額は変動することや都市計画事業に位置付けられないことなど、市街地再開発事業と比較してリスクは高いと判断したところでございます。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私からは、学校給食についての御質問にお答えいたします。 まず、中野区で毎日朝食を食べる習慣のない児童・生徒についてでございますが、令和元年度の中野区の調査によりますと、朝食を全く食べていない小学校児童の割合は全学年平均して1%未満でございます。中学校生徒では4%未満でございました。 次に、朝食と学力、運動能力の相関関係についてでございますが、小学校6年生と中学3年生を対象とした平成31年度全国学力・学習状況調査では、朝食と学力の相関関係を出してございます。中野区においても、朝食をきちんと食べている児童・生徒のほうが正答率が高くなる傾向にございました。また、体力に関しましては、区ごとの朝食と体力の相関関係は出してございません。 次に、欠食率ゼロにする取組についてでございます。 国の第3次食育基本計画では、令和2年度までに子どもの朝食の欠食ゼロを目標にしております。特に中学生になると、夜型の生活になる生徒が増加し、朝ぎりぎりまで寝ていて朝食が取れない、または食べられないという現状が言われております。こうした状況を改善するためには、まず子ども自身に食の大切さを自覚させることが必要であり、各学校が小学校の低学年から、「早寝、早起き、朝御飯」のスローガンの下、食事や睡眠の大切さを指導しているところでございます。また、小学校新1年生向けの生活習慣に関するリーフレットを保護者の啓発に活用しているところでございます。 次に、学校給食における地場産及び国産食材の使用の取組についてでございます。 中野区標準献立作成方針において、できる限り地場地産や国産の旬の食材を使用することを基本としております。各学校においてはこの作成方針に基づき食材を選択しておりまして、生鮮野菜、果物については国産食材を使用しております。都内産農産物の使用については、昨年度から東京都が都内産農産物の導入を促進するために実施している学校給食における地産地消導入支援事業に本区も参加しておりまして、JA東京中央会が設ける週1回納品日の利用を促しているところでございます。 次に、学校給食における有機農産物導入の検討についてでございます。 有機農産物は、高価格であるばかりでなく、安定供給が受けられないことから、直ちに全てに導入することは難しいと考えております。 最後に、牛乳パックの洗浄、乾燥に当たっての配慮についての問いにお答えいたします。 来年度から、東京都内全ての市区町村立学校で提供されていく牛乳パックは、リサイクルする場合には、各学校で洗浄、乾燥させてから回収することになります。本区においては、牛乳に触るだけでアレルギー症状が出る児童・生徒もいるため、その児童・生徒が使用する手洗い場では牛乳パックを洗わないなど、安全対策について最大限に配慮し実施していく準備を進めております。 ○議長(高橋かずちか) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 近 藤 さえ子 1 中野駅新北口駅前エリア再整備について 2 地域包括ケア体制について 3 その他
○議長(高橋かずちか) 次に、近藤さえ子議員。 〔近藤さえ子議員登壇〕 ○30番(近藤さえ子) 無所属の近藤さえ子です。よろしくお願いいたします。 中野駅新北口駅前エリア再整備について伺います。他の議員からも質問がありましたが、区民が不安を抱いている部分について質問させていただきますので御了承ください。 中野駅新北口駅前エリア再整備事業については、区民会議や意見交換会、パブリックコメント等の手続を経て策定してきましたが、再整備事業計画(素案)に対する意見交換会でも、区民の財産であり、かつ駅前の一等地である土地を新区役所財源のために処分してよいのか、処分するにしてもなるべく少ない面積とし、土地の評価に当たっては必ず複数の不動産鑑定士に検証してもらいたいという声がありました。第13回区役所・サンプラザ地区再整備推進区民会議においても、これまで事業者に無償で協力してもらったことや、その事業協力者が今回の民間事業者公募に参加できることは、透明性や公平性の観点から見て問題がある、民間事業者公募に当たっては、募集が単独の場合は再公募とし、必ず複数の競争になるようにしてほしいなどの意見が出ていました。議会からも、区民の財産である中野駅前の一等地に対し、売却の選択だけではなく、定期借地権方式も考えていくべきではないかという声もありました。 このような声に対して区は、本事業の目的はシンボル空間となるまちづくりと新区役所整備財源の確保であり、これを両立させるために資産の一部処分が必要である、定借による土地と地代の確保を優先させた場合、目標となるまちづくりが成立しない可能性が高いなど、新区役所整備の財源確保とこの計画で示すまちづくりの考え方、手法は変更しないことを説明してきました。 回を重ねて議論を尽くしてきたはずの区民会議や議会でも、必ずしも区の再整備事業計画に理解や納得が得られたとは思えません。中野駅の一等地がどうなっていくのか、サンプラザはどうなるのかと大きな関心を持って見守ってきた区民に対し理解や納得を求めるのはこれからです。区が策定したこの事業計画を区民が納得するような説明の情報発信を求めますが、いかがでしょうか。 現在、民間事業者応募の手続が進められています。全て民間が主導権を握っていくことになるのではないかなど、心配の声もあります。今後、区民の声を反映される場はあるのでしょうか。区が関与し、区民の声をしっかり受け止めていく必要があるのではないでしょうか。 現在のサンプラザは、施設の外観に対する愛着とともに、気軽にコンサートやスポーツを楽しめるなど、長く利用してきた区民も少なくありません。今後、施設規模や運営方法、中野のシンボルとなる新たな文化・芸術等の発信拠点の具体的な施設・機能等は民間事業者の提案事項となっていますが、再整備により生まれ変わる新たな施設も、子どもからお年寄りまで幅広い層に親しまれ、区民が利用しやすい施設になってほしいと思いますが、いかがでしょうか。 次に、地域包括ケア体制について伺います。 区は2017年中野区地域包括ケアシステム推進プランを策定しました。平成28年度から10年間を計画期間とし、ステップ1から4まで4期に分けた構成で、現在はステップ1、高齢者が可能な限り住み続けられる地域づくりに向けた基盤整備を終え、次のステップ2の基盤、機運の充実を背景とした地域包括ケアの全世代、全区民への発展・充実の段階に進んでいることになっています。 高齢者のための地域包括ケアシステムを構築するに当たり、アウトリーチチームを組織し、支援につながっていない高齢者を地域包括支援センターにつなぐなどの活動をしてきましたが、高齢者が可能な限り住み続けられる地域づくりに向けた基盤整備は終わったのでしょうか。どのような成果を上げたのでしょうか。 昨年、地域包括ケア推進調査特別委員会で示した地域における見守り支えあい活動の推進及び地域包括ケア体制等についてには、アウトリーチ支援とは、多職種の職員がそれぞれ能動的に地域活動をし、広く情報収集を行う中で、支援の必要性はあるが何らかの理由により支援に結び付かない人、制度のはざまにいる人及び地域課題を発見し、関係機関、地域団体や民間企業等のあらゆる地域資源と連携・協働して問題解決を目指す取組であると書かれています。 現在、ステップ1の基盤整備ができている地域では、地域包括支援センター、社会福祉協議会、高齢者施設、デイサービス、訪問看護、ケアマネジャー等、介護のネットワークがうまく機能していますが、一方では、アウトリーチチームがやっと町会・自治会等との交流を図っているだけで基盤整備には程遠い地域もあります。進捗状況に大きな差があると感じますが、いかがでしょうか。 白鷺にある社会福祉法人武蔵野療園しらさぎ桜苑の例を挙げます。 このしらさぎ桜苑には、地域連携室という部署があり、介護関係機関や地域の人たちをコーディネートする職員がいて、そこを拠点に地域の方のボランティア活動も活発です。民間事業者のケアマネジャーたちの交流研修会、介護をしている人たちが集えるケアラーズバル、介護職の仲間の集まり、介護の仕事や介護保険を分かりやすく説明した動画を自分たちで作成し自ら演じ上映するなど、地域の方に高齢者を支える仕組みや介護保険について分かりやすく説明し、介護に関わる関係者と住民の顔の見える交流を築いています。 しらさぎ桜苑は、地域連携室の場所の提供、介護に精通している職員の存在が大きく貢献していますが、さらに介護保険料を財源に働いている多くの事業者、民間で働くケアマネジャー等の多くの高齢者を支える人たちが自主的に参加しています。ただでさえ忙しい介護の仕事にプラスの活動で、皆さん大変な御苦労だと思いますが、社会貢献が自分たちの仕事にプラスとして返ってくると彼ら自身も大いに意義を感じています。このように民間発信で、地域に拠点を作り、介護のネットワークが立ち上がり、住民もボランティアでどんどん介護の拠点に入ってくるようになりました。そして、自然に様々な世代が集まる居場所にまで発展してきたのです。桜苑では、子育て親子も定期的に集まり、地域のママたちの居場所にもなり、子ども食堂も開かれています。既にステップ2の子ども部門の基盤整備もできているのです。 その一方、二、三年で異動してしまう区のアウトリーチチームの職員は、異動のたびに新たな職員が一から地域との関係性を築くことになり、町会や民生委員等から地域の事情を収集し支援を待つ人を探し出していく作業を繰り返しています。これでは効率も悪く、アウトリーチチームの職員一人ひとりがどんなに努力をしても、基盤整備までたどり着かないのではないかと危惧します。 現在、介護のステップ1の基盤整備ができている地域の現状を学び、今できてない地域がどのように基盤整備をするのか、地域包括ケア推進会議などで検討する必要があると思いますが、いかがでしょうか。また、桜苑のように基盤整備ができているエリアは他の地域にもあると思いますので、アウトリーチチーム、地域包括支援センター、社会福祉協議会、民間事業者、区民等に紹介し、情報の共有をしてはいかがでしょうか。 現在ステップ2の全ての区民への地域包括ケアとなれば、高齢者対象とは違い、表に出てこない多種多様な支援が必要な方々に対して関わっていける民間事業者はいるのでしょうか。私は思いつきません。ましてや、町会、民生委員等、今までボランティアで地域のために働いてくださる方々に頼るだけではとても無理と考えられます。そこにこそ区職員による丁寧なアウトリーチ活動が必要になってくるのだと思います。例えばひきこもりの方のように、自らあるいは家族からSOSを出せない人たちもいます。そのようなまさに制度のはざまにいる人たちに対しどのように関わっていくのか、取組を教えてください。 御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 近藤議員の御質問で、1問目の中野駅新北口駅前エリア再整備について。 一つ目に、区民が納得できる情報発信についてでございます。 中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画につきましては、今後も区の様々な媒体を利用して情報発信に努めていくと考えております。 そして次に、区民の声の反映についての御質問でございます。 再整備事業計画の検討の過程では、区民会議を開催するなど、区民の声を受け止めるよう努めてきたところでございます。今後の事業構築に当たっても、合意形成に向けた地域住民等への説明は、選定された民間事業者の役割の一つとして募集要項にも示しておりますけれども、区民の誇りにつながる再開発となるよう、区も主体的に関与していきたいと考えております。 最後に、区民に親しまれる施設についての御質問です。 新たに整備する拠点施設は、ホールだけではなく、商業施設やホテル、バンケットなど多様な機能を誘導するものとしておりまして、買い物や食事、宴会や会合などができるようになります。また、敷地内に設ける広場には、日常的に憩える場として開放されるため、誰からも親しまれ利用される施設になると考えています。 〔地域包括ケア推進担当部長藤井多希子登壇〕 ○地域包括ケア推進担当部長(藤井多希子) 私からは、地域包括ケア体制に関する御質問にお答えいたします。 まず、高齢者向け地域包括ケアの基盤整備の成果についてでございます。 具体的な成果といたしましては、中野区全体及びすこやか圏域ごとの2層の地域ケア会議における多職種ネットワークの構築と、多職種が協同して困難事例をPDCAに基づいて解決する仕組みの導入、アウトリーチチームの設置、高齢者会館等における介護予防・日常生活支援総合事業の開始、在宅療養相談窓口の設置、なかのメディ・ケアネットの導入、認知症サポーター・サポートリーダーの養成、基幹型地域包括支援センター機能の設置などがございます。しかし、高齢化の進展と変化し続けるニーズに合わせて、基盤整備は今後とも進めていく必要があると考えております。 次に、進捗状況の地域差と先進事例の共有化についてでございます。 地域における進捗状況の差は、主にその地域固有の社会資源の違いによるものと考えております。先進的な事例など、他の地域における取組の参考となるものにつきましては、中野区地域包括ケア推進会議のほか、年に2回開催しておりますアウトリーチチーム事例発表会、またそれぞれの区民活動センターで開催されています地域支えあいネットワーク会議の場でも取り上げて、積極的に情報発信するなどにより共有化してまいりたいと考えております。 最後に、制度のはざまにいる人たちへの取組についてでございます。 SOSを出せない人など制度のはざまにいる人たちにつきましては、民生児童委員や地域団体等から得た情報を基にアウトリーチによって早期にアプローチをし、課題が深刻になる前に支援を開始することが重要であると考えております。また、その際は、各関係機関が密に連携して包括的かつ継続的な支援を行ってまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(高橋かずちか) 以上で近藤さえ子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 いながき じゅん子 1 子育て先進区について 2 中野駅新北口駅前エリア再整備事業について 3 その他
○議長(高橋かずちか) 次に、いながきじゅん子議員。 〔いながきじゅん子議員登壇〕 ○26番(いながきじゅん子) 無所属のいながきじゅん子でございます。 質問は通告どおりです。 区長は、一昨年の区長就任直後から、区政の大きな柱として「中野区を子育て先進区へ」と掲げていらっしゃいました。しかし、その実現に向けてプロジェクトチームを発足させたのが昨年の6月、その後、基本方針の骨子が出てきたのが昨年の末です。ここまでに1年半かけている時点で、まずスピード感に欠けていると言わざるを得ません。 また、この骨子を見ましても、中野区が子育て先進区であると胸を張って言えるようになるまで一体どのくらいの時間がかかるのかよく分かりません。今後、何年以内をめどに子育て先進区を実現されるお考えなのでしょうか、伺います。 これまで出生率も毎年都内ワースト5に入り、各種調査を見ましても、残念ながら子どもを産み育てやすいまちとはみなされてこなかった当区が、他区並みを目指すことを飛び越えて先進区になるというのは、相当に高い目標設定と言えます。それでもあえて先進区を目指すというのであれば、区長の強いリーダーシップと、その区長を支え、先進区実現を強力に推進するための庁内体制や風土づくり、また思い切った予算配分が必要です。区長は、子育て先進区を目指すに当たり、議会での答弁で、区民の声にしっかりと耳を傾けて課題を把握し、その課題に向き合い改善を重ねていくことで子どもと子育て家庭の満足度を高めていきたいとおっしゃいました。既存の様々な子ども関連事業を改善し充実させていくことは確かに大切ではありますが、広く浅く小さな改善と充実を繰り返しているだけでは、区内外の誰もが認める先進区というフレーズにふさわしいまちになることはなかなか困難なのではないでしょうか。なぜなら、そのやり方では、財政状況が豊かで各事業予算の桁が違う港区のような自治体にはかなわないですし、どの自治体でも改善は当たり前に繰り返されているからです。少しずつ支援を手厚くしても、それではその他大勢に埋もれてしまい、先進区とはいつまでたっても認識されません。 ここは、区長がリーダーシップを発揮し、これまで子育て世帯のニーズも高く行政として取り組まなければならない課題であったにもかかわらず、なかなか人と予算が足りずに進めてこられなかった事業を思い切って幾つか絞り込み、そこにヒト・モノ・カネを集中させて、ここだけはよそに負けない圧倒的な区民満足度を誇る施策を何か一つ実現することから始め、その成功体験を起爆剤にして二の矢、三の矢につなげるほうが現実的ではないでしょうか。 また、中身ももちろんですが、その打ち出し方も重要です。例えば、既に幾つかの自治体で達成された待機児童ゼロは、区民ニーズにも合致していて、表現にもインパクトがあり、子育て支援に力を入れていることも対外的にアピールしやすい、分かりやすい例だったと思います。限られた予算と人的リソースの中で先進区と認知されるためには、打ち出し方も含め、予算配分や人員配置にめりはりをつけながら、選択と集中で戦略的に取り組むことが必要なのではないでしょうか。お考えを伺います。 次に、具体的施策について伺います。 来年度予算案に目を向けてみますと、子育て先進区関連の新たな取組として(仮称)子どもの権利条例の検討が一番に挙げられています。 区長は就任当初から、この子どもの権利条例を区政運営の柱とし、条例制定を目指したいとおっしゃっていました。しかし、中野区に住む子育て世代が、子育て先進区を目指す区として真っ先に取り組んでほしいと強く望んでいるのは、本当にこの条例の制定なのでしょうか。また、この条例制定が子育て世代に選ばれ、中野区に転入したくなるような先進区としての目玉施策とお考えなのでしょうか、伺います。 例えば、今の子育て世代は、良し悪しは抜きにして、仕事、プライベートともスマートフォンでほぼ全て完結させる世代です。また、共働きも多く、非常に多忙な世代でもあり、ICTの活用で行政手続等の負担を少しでも減らしていくことが必要です。来年度、区は保育園の入園事務に関しICTの活用を進めていくとのことですが、保育園関連に限らず、多忙な子育て世代が手続や問合せのためにわざわざ区役所などの施設に足を運んだり電話をかけたりしなくて済むよう、情報収集や手続が極力オンライン上で完結できるようにし、職員は複雑な相談業務など人でなければできない部分に手厚く配置していく、こういった施策に力を入れていく必要があるのではないでしょうか。 23区の先陣を切って、いまだ紙と電話中心の役所業務を抜本的に変えるんだという強い姿勢を打ち出し、スピーディーに改革を進めていくことは、先進区実現にふさわしく、優先すべき取組だと思いますが、御見解を伺います。 もう1点、教育分野でのICT化の取組について伺います。 昨日、いでい議員から同様の質問がございましたが、私からも伺わせていただきます。 昨年、政府肝煎りのGIGAスクール構想が立ち上がり、国が思い切った補正予算を組んで、希望する全ての小・中学校を対象に、校内通信ネットワークの整備と児童・生徒1人1台の端末整備にかなりの額の補助金が出ることになりました。来年度以降順次実施される新学習指導要領においても、情報活用能力が学習の基盤となる資質・能力に位置付けられ、学校のICT環境整備とICTを活用した学習活動の充実が明記をされています。通信ネットワーク環境と端末の整備ができれば、個別学習や繰り返し学習もやりやすくなり、児童・生徒間の授業の理解度や習得ペースの差を埋める効果も期待できます。また、増加している不登校や外国籍の児童・生徒の学習活動にも効果を発揮できます。 今年度中に区で予算化できなくとも、文部科学省において繰越しし来年度事業として実施するとのことですので、先進区実現に向け、ぜひこの機会に手を挙げて、これからの時代に必要な学習環境を早期に整え、子どもたちの可能性を広げ伸ばしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 次に、中野駅北口エリアの再整備について伺います。 区は、区役所・サンプラザの土地建物の活用について、その調査検討を民間の事業協力者やURにほぼ丸投げをし、その権利を手放すことで得られる転出補償金を区役所新庁舎の整備費用に充てると最初から結論付けました。また、その理由についても議会や区民に対し十分な説明をしてきませんでした。 これまでも再三申し述べてまいりましたが、非常に価値の高い現区役所・サンプラザ地区の土地の権利を手放すことは、瞬間的にはまとまった現金が入ってくるとしても、中長期的なまちづくりにとってはマイナスとなり、区民の大切な財産を毀損することになると考えています。 今回、区議会の有志で業界最大手の鑑定機関に調査を依頼したところ、再開発区域23,000平方メートルに定期借地権を設定した場合、区役所新庁舎の整備費及び諸経費を十分賄える地代収入が見込めることが分かりました。土地を貸してそれなりの金額が入ってくるのであればわざわざ売ることはないじゃないか、それが普通の区民感覚です。地代収入について区は最後の最後にようやく独自の試算値を示しましたが、それは議会有志の調査結果とはかけ離れたものでした。なぜそれだけの差が生まれるのか検証もせず、区は再開発が遅れる、区が想定する上物が造れないリスクがあるなどの理由を挙げて計画を推し進めようとしています。 しかし、再開発が遅れるのかどうかは現在公募中の事業施行者の提案内容次第であり、最初から遅れると決めつけることには疑問を感じます。また、定期借地では区が想定する上物が造れないとの理由も、何を根拠とされているのか分かりません。 当該地区は、財務省など中野区以外の地権者がおり、定期借地方式をベースとした土地活用の手法を検討し、地権者間の調整をするよりは、市街地再開発事業を行い、各地権者の土地建物の権利を新たな床の権利や現金に変える権利変換業務を事業施行者にお任せするほうがよほど簡単です。しかし、区が取り扱っているのは大切な区民の財産であります。安易に楽なほうに流れるのではなく、区民の財産を最大限に活用し、区の発展の起爆剤となるまちづくりにつなげていく手法を必死に考えるのが区の責務です。定期借地方式でも事業が成り立つ可能性が十分あることが分かったにもかかわらず、再検証し最適解を模索することなく当初計画どおりに推し進めようとする区の姿勢には大いに疑問を感じます。 今回議会有志が依頼した調査は、本来は区が主体となってしかるべき第三者機関に依頼し実施しなければならなかった調査です。そもそも必要な調査を行わず、定期借地方式という手法を最初から排除し、結論ありきで今回の再整備事業計画を策定したのは大きな問題ではないでしょうか。この点について改めて区の見解を伺い、私の全ての質問を終了いたします。 ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) いながき議員の御質問のうち、私からは、中野駅新北口駅前エリア再整備事業についての御質問にお答えいたします。 定期借地権の設定のみによる事業については、開発条件によって地代金額が変動することや都市計画事業に位置付けられないことなど、市街地再開発事業と比較してリスクが高いと判断した結果でございまして、区としては総合的に考えて判断したものでございます。今年1月に策定した再整備事業計画に基づいて今後事業推進していく考えでございます。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私からは、GIGAスクール構想を踏まえたICT機器の整備の考え方についてお答えいたします。 教育委員会では、国が進めるGIGAスクール構想を踏まえ、情報化の推進を計画的、総合的に進めていくため、来年度、中野区教育情報化推進計画を策定し、学校におけるICT機器の効果的な導入や整備について計画的に進めてまいります。 〔子ども家庭支援担当部長小田史子登壇〕 ○子ども家庭支援担当部長(小田史子) 私からは、子育て先進区に関する御質問のうち何問かお答えをさせていただきます。 初めに、子育て先進区の実現の時期についての御質問でございます。 区が目指す子育て先進区は、子どもが健やかに育ち、子育てをする上で必要な環境が整っており、子どもと子育て家庭の満足度の高いまちであり、それとともに、そうした区の子育て環境が区内外に認知されており、多くの子どもと子育て家庭から選ばれたまちであると考えております。 子育て先進区を実現するためには、区の特徴を生かした子育て環境の整備が必要でございますが、その前段として、既存事業の改善見直しや子育て関連団体の掘り起こしなどの基礎づくりも重要であると考えております。こうした取組を通じまして満足度と認知度の高いまちを実現し、さらにそれらを向上させていきたいと考えております。 なお、子育て先進区を実現するための具体的な取組につきましては、5年間を計画期間とする新しい基本計画の中で示していく考えでございます。 施策の選択と集中の御質問でございます。 子どもと子育て家庭の実態調査や子育て家庭と区長のタウンミーティング、インターネットによる意見募集等を通じまして、区の子育て環境における強みや弱み等を把握したところでございます。子育て先進区の実現に向けまして既存事業の改善を重ねていくとともに、優先的な課題につきましては重点的に取り組むなど、効果的に進めていきたいと考えております。 次に、(仮称)子どもの権利条例の御質問でございます。 児童相談所における児童虐待相談対応件数が年々増加するなど、子どもの権利が脅かされる状況は深刻化しております。こうした中、国は児童福祉法を改正し、子どもの権利の明確化や体罰の禁止などを位置付けたところでございます。子どもの健康と健やかな成長は全ての区民の共通の願いであり、そのためには、子どもの権利を理解し、あらゆる活動に子どもの権利の視点を生かしていくことが重要であると考えております。全ての子どもたちが生き生きと成長していける中野のまちを実現していくためには、区民共通の理念と様々な活動主体の役割を定める(仮称)子どもの権利条例の制定が必要であると考えてございまして、(仮称)子どもの権利条例の制定は、まち全体で子どもを見守り子育てを応援するなどの先進区の理念の実現に向けた基礎づくりであると考えてございます。 最後に、ICTの推進についての御質問です。 子育て世代において、スマートフォンやパソコンなどICTを活用した情報提供の充実やサービス利用手続の効率化などは、ニーズが高く、重要な取組であると認識しております。来年度につきましては、保育園の入園申込みに係る申請書のOCR化などを行う予定でございまして、今後さらに検討を進めていきたいと考えております。 ○議長(高橋かずちか) 以上でいながきじゅん子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 石 坂 わたる 1 公共性の高い施設及びその更新について (1)施設の再整備・建て替えを視野に入れた長期的な対応について (2)トイレの整備と機能向上について (3)その他 2 区行政における人工知能(AI)・業務自動化(RPA)の活用について 3 その他
○議長(高橋かずちか) 次に、石坂わたる議員。 〔石坂わたる議員登壇〕 ○29番(石坂わたる) 質問いたします。 1の(1)の施設の長期的な対応に関して伺います。 間もなく中野区立体育館が完成し、中野区役所の新庁舎のほうの建設も今後なされます。施設の寿命は50年から70年と言われますが、10年から20年の区切りでも、建設時期の異なる区有施設が次々と建て替え時期を迎えます。 また、将来必要な施設規模や施設建設の費用などは変化をしますが、そうした情勢や施設の老朽化具合を踏まえ、各種施設の建設直後から耐用年数による将来を視野に入れつつ、10年から20年の間に建て替え時期を迎える施設更新全体のために基金の積立てを行うことや、義務教育施設や社会福祉施設の特定目的基金と同様に、他の施設も財政調整基金から独立をさせた特定目的基金をつくるべきではないでしょうか。新体育館や新区役所などの建て替え時期に四苦八苦をしない備えが必要ではないですか。 また、建物は配管・配線のほうが躯体よりも先に寿命を迎えて補修や交換が必要になる場合が多く、躯体の寿命が近い場合は建物の建て替え時期を早める判断も見られます。新区役所において、配管や配線の維持補修や交換がしやすい構造や将来を見据えた改修、長寿命化しやすい建物としておくことが必要と考えますが、いかがお考えでしょうか。 さらに、新区役所の50年から70年後の施設更新で必要な土地も視野に入れることが必要です。区役所の建て替え移転と中野サンプラザの再整備において、しっかりと今後を見据えて、権利変換でなるべく多くの土地の権利を確保し、その上で権利を持ち続ける土地は将来にわたり一定程度の地代収入を得、将来は区役所等の施設の建て替えに土地を活用することができるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。 さらに、もともと中野サンプラザは、10年間は現在の形を生かすが、その後は中野駅北口周辺のまちづくりで活用するために53億円をかけて取得・保有してきた経緯があり、当時の区議会の議事録からも、当初から区役所とサンプラザの一体開発の想定が伺えます。区役所の従前資産が129億円、中野サンプラザの従前資産が340億円相当と区のほうで見込まれていますが、一方で、妥当な金額で転出補償や権利変換によって区民に有用な機能を新サンプラザに入れ込む誘導がしっかりとできる方策のための金額設定も考慮の上、転出補償や権利変換を考えるべきであると思いますが、区長はいかがお考えでしょうか。 (2)として、トイレの整備と機能の向上について伺います。 区内施設に残る和式トイレは、妊婦や高齢者や障害者や介助者にとって肉体的な負担が大きくなります。また、十分なトイレの広さや、右半身麻痺・左半身麻痺のいずれでも利用しやすい手すりの設置なども大切です。さらにトイレは、排せつ時に血圧が急上昇するおそれがあります。そして人間は、寒い場所に移動した場合、あるいは冷たいものに触れた場合に血圧が急上昇することがあり、これをヒートショックといって、心筋梗塞や脳出血などのリスクを高めます。障害者や高齢者が多く利用する施設で、自立した排せつがしやすく、より安全なトイレの整備についての一定の考え方、整備時期の計画、それまでの安全策を考え、改修に臨むべきではないでしょうか。 具体例として、まず中野区社会福祉会館、いわゆるスマイル会館のトイレについて伺います。 今年度、数々の施設のトイレ工事で入札が不調となり、来年度に工事が持ち越しとなる見込みです。しかし、社会福祉会館は再来年度への持ち越しとなる見込みです。施設を利用される肢体不自由児・者の親御さん、精神障害者当事者の方などは早急な改善を求めています。 また、既にスマイル会館では、和式トイレを利用する際に、体をうまく支えられない高齢者や身体障害者が転倒するケース、実際に転倒して緊急ボタンを利用されるケースがあるようです。来年度中に本予算ないしは補正予算によって工事を行うべきであると考えますが、いかがでしょうか。 また、トイレではないですが、排せつをめぐる判例として、平成15年6月3日の福島地裁白河支部において、建築物の構造について、下肢の機能の低下をしている要介護老人の出入りに際して、転倒等の危険を生じさせる形状の設備に関して、工作物の設置・保存に瑕疵があり、設置者が工作物の責任を負うとした例があります。転倒した方が建物の所有者である区に対し、行政の不作為や工作物の設置・保存の瑕疵などについて損害賠償請求を行う可能性を区はどう考え、どう対策を行いますか。 次に、高齢者会館やすこやか福祉センターのトイレについて伺います。 現在、トイレの洋式化や暖房便座(ウォームレット)や温水洗浄便座(ウォシュレット)の整備が進んでいます。しかし、過去に洋式化された南部すこやか福祉センターなど、その設置がされていないところもあります。トイレの便座の冷たさでヒートショックのリスクを解消するため、暖房便座の導入を急ぐべきと考えますが、いかがでしょうか。 次に、2点目としまして、区行政におけるAIやRPAの活用について伺います。 手書きの文字の読み取り、AI翻訳などの取組はもとより、膨大な通達文書、業務マニュアルの高度検索やキーワード検索では引っかからない関連文書のひも付け検索、事務ミス防止の活用、さらにはAIでDV、虐待、孤独死等の潜在要支援対象者の発見・支援や、市民を脅かすリスクの早期発見・早期対応を行う自治体、定型業務の業務自動化を行う自治体があります。 先日視察をした大阪市では、ニーズが高く、安定的な利用が可能であると考えられた戸籍業務において、マニュアル的に活用するためのAIの導入がなされました。その結果、業務上の疑問の解消や業務知識の確認などが進み、書籍等での調査と比較し時間削減の効果があり、知識獲得や知識継承が見込める状況となりました。 しかし、資料のイメージデータをAIに学習させる内容を200から1,000文字の情報2,500件に絞っても9人の職員が計200時間以上を費やすほどの労力や、利用した職員からの役に立った、役に立たなかったといった評価ログを基にしたチューニングを人手で行う労力が必要であり、また現場からのレアケースこそAIの対応強化をしてほしいという声は費用対コストに見合わないとのことでした。 我が区では、今回の区長の施政方針説明でも「AIやRPAといった新技術の活用による業務の効率化等を進めていきます。」とありますが、導入に向けて短期的には人手や費用のコストがかかります。 また、AI化やRPA導入を進める上で、現場の各部署で業務やその情報の精査もできる業務のエキスパート、AIで活用できる形にデータを整理・加工する人が必要であり、AI化を取りまとめる部署ではAIのエンジニアの育成・確保が必要です。予算、業務時間、人材の確保についてどのような対応を考えていますか。 特に大阪の場合は、追加作業でその都度発生する費用が億単位に膨らみ、この事業は終了となり、今後もAI化に向けた取組は進めるが、業務の効率化につながるかどうかは未知数であり、過度な期待はしないほうがよいとの話があったことを申し添えておきます。 また、AIが学習すべき内容について他自治体と共通する部分に関しては、国の省庁や他自治体との連携をしてコストを減らす工夫、読み込ませる市販の実務マニュアルなどの著作権の問題の対応などが必要です。特に著作権は、大阪市では導入時の大きな盲点だったようです。これらへの対応やAI導入における著作権などの権利関係に関する所管を決めて意識付けをしていく形でAIの導入を進めていくことが必要であると思われますが、いかがお考えでしょうか。 私からの質問は以上です。明確な答弁をお願いいたします。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 石坂議員の御質問にお答えいたします。 私からは、公共性の高い施設及びその更新についての中野駅新北口駅前エリアの権利変換についての御質問です。 今月開始した民間事業者募集において、権利変換方式となる第一種市街地再開発事業の施工予定者を選定するものとして募集をしております。中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画に基づく中野の新たなシンボル拠点の形成とともに、資産の有効活用に向けて、民間の知恵やノウハウを最大限活用したいと考えております。 土地や建物の権利変換に当たって、中野区の権利はできる限り残すものとして、中野サンプラザの転出相当分で新区役所整備の財源など必要とする金額を得るものとしたいと考えております。 〔企画部長高橋昭彦登壇〕 ○企画部長(高橋昭彦) 公共性の高い施設及びその更新についての御質問のうち、施設更新に係る財源の確保等についてお答えいたします。 施設の更新については、一時的に多額な経費を発生させるため、世代間の負担の公平性や区民サービスへの影響を回避する観点から、基金の活用を前提とした財政運営が必要だと考えているところでございます。施設整備のための特定目的基金につきましては、区におきましてもかつて施設建設基金を設置しておりましたが、中野区行財政5か年計画に基づいて廃止し、特定目的基金の再編成を行ってきた経緯がございます。新たな特定目的基金の設置につきましては、財政運営を硬直化させてしまう面もあるため、当面は財政調整基金の中に施設改修分を含める運用を継続する考えでございまして、その中で、施設保全のための基金残高等の見える化を図るなどの工夫をしながら運用していきたいと考えているところでございます。 続きまして、AI、RPAの活用についての御質問でございます。 ICT人材の育成と確保についてでございますが、区の業務へのAIやRPAなど、ICTの導入を進めるに当たりましては、技術的知識と業務の知識に精通した人材の育成・確保が必要だと考えております。区業務へのICT活用につきましては、予算、また必要となる業務時間等も踏まえながら、次年度に改定を予定している地域情報化推進計画にしっかりと位置付けた上で取組の方向性を示していきたいと考えてございます。また、実現するための体制整備及び必要な職員の育成・確保につきましても、時期を逸することなく対応していきたいと考えてございます。 続きまして、AI活用に当たっての諸課題への対応についてでございます。 AIをはじめとした区業務へのICT利活用を進めていくに当たっては、著作権法への対応などが必要になってくると考えております。対応すべき内容につきまして整理いたしまして、関係所管と協力しながら必要な整備を行ってまいりたい、このように考えてございます。 〔新区役所整備担当部長滝瀬裕之登壇〕 ○新区役所整備担当部長(滝瀬裕之) 私からは、公共性の高い施設及びその更新について、新庁舎の建物計画について御回答いたします。 新庁舎につきましては、設計の段階から将来の建物の更新を踏まえた計画としているところでございます。耐久性の高い建物の躯体に対しまして耐用年数が短い配管や配線などの設備につきましては、柔軟に改修できる構造を考えてございます。 〔地域支えあい推進部長野村建樹登壇〕 ○地域支えあい推進部長(野村建樹) 私からは、トイレの整備と機能向上についての御質問についてお答えをいたします。 まず、障害者・高齢者施設のトイレ整備でございます。 障害者・高齢者施設など区の施設につきましては順次改修工事を行っており、高齢者会館につきましては19館のうち16館、区民活動センターにつきましては15のうち12センターでトイレの洋式化を終了してございます。また、この洋式化の工事に合わせまして、手すりや温水洗浄便座等を整備するほか、面積が確保できる車いすトイレにつきましては、オストメイトの整備を行うなど、安全で使いやすいトイレの整備を進めているところでございます。 また、暖房便座導入までの間はトイレの室温に配慮するなど、ヒートショック予防にも努めてまいります。 続きまして、南部すこやか福祉センターでございますが、区有施設の暖房便座導入が進んできておりまして、南部すこやか福祉センターにつきましても、できるだけ早く整備してまいりたいというふうに考えてございます。 〔健康福祉部長朝井めぐみ登壇〕 ○健康福祉部長(朝井めぐみ) 私からは、公共性の高い施設及びその更新についての御質問のうち、社会福祉会館のトイレ改修工事と安全性についての御質問にお答えいたします。 社会福祉会館のトイレ改修工事を行う場合は、工事中の騒音のため併設する芸能小劇場を休館する必要があることから、度々の休館を避けるため、令和3年度に予定している会館全体の総合防水改修工事に合わせて実施したいと考えております。会館を利用される方には御不便をおかけいたしますが、社会福祉会館の1階から3階及び7階につきましては、昨年度、洋式化工事が完了しているほか、2階から7階の各階におきましてはだれでもトイレが整備されているため、そちらを御利用いただきたく、御理解をお願いしたいと思います。 また、社会福祉会館では、洋式トイレが設置されていない階の和式トイレにつきましては、手すりを設置するなど、安全面にも十分配慮しており、御質問にあるような瑕疵等には当たらないと認識をしているところでございます。 ○議長(高橋かずちか) 以上で石坂わたる議員の質問は終わります。
中野区議会議員 小宮山 たかし 1 保育園について 2 その他
○議長(高橋かずちか) 次に、小宮山たかし議員。 〔小宮山たかし議員登壇〕 ○18番(小宮山たかし) 無所属の小宮山たかしです。 間もなく3月となります。3月といえば、私の誕生日です。私は桜の花咲く3月30日に生まれました。早生まれであったため、幼少期は同級生より劣ることも多く、劣等感やコンプレックスを感じることの多い幼少期を過ごしました。今にして思えば、生まれながらにして不利な状況から私の人生はスタートしたものです。 早生まれの不利は人生においていろいろとあるのですが、いわゆる保活においても早生まれは不利とされております。例えば、平成25年のデータですけれども、中野区の認可保育園の在園児生まれ月別構成比データを見てみますと、2月、3月生まれの子の割合は他の月に比べて約2.6%も少なく、認可保育園に入るハードルがほかの生まれ月に比べて明らかに不利な状況に置かれています。保育園に入園できるのは生後57日以降からなので、最終出産期限は2月3日となっており、それ以降に生まれる子には応募資格さえありません。中には、生後57日の壁を考えて、予定日より2週間以上早く帝王切開で出産したという区民もいるそうです。 さらに、入園審査の点数が同点となる場合、納税額の多寡が大きな決め手となります。早生まれの子の保護者は、前年度フルに働いている場合がほとんどです。前年度に既に育休や産休を取っており、通常より収入を減らしている遅生まれの保護者と比較した場合、どうしても不利になってしまいます。 また、中野区では、認可外に入園し、5月頃に仕事復帰していれば2点、8月頃に復帰していれば1点の加点がありますが、保活が激化する中で認可外も早い者勝ちで埋まってしまい、年度途中に空きのある認可外は決して多くありません。受入先となる認可外の保育園側でも、手間のかかる低月齢児の保育を避けたがる傾向があるようです。 こうして、認可園のみならず認可外での保活においても早生まれは不利になっており、加点が稼げないことから、認可への入園が翌年もまた不利になってしまう、そういうアリ地獄のような状況に早生まれの子と保護者は置かれているのです。行政のサービスに不公平があってはならないはずなのに、早生まれというだけで同じスタートラインに立てない場合がある、これは何とかするべきではないですか、早生まれはその後の人生だっていろいろと大変なんですから。 これまで述べたように、早生まれの子は著しく不利な状況に置かれており、これを放置してはいけません。例えば、4月1日の時点で生後57日たっていない場合は、入園をキャンセルさせるのではなく、生後57日たってから年度途中の入園を認めるとか、例えば川崎市のように生まれ月が1か月遅れるごとに認可外保育施設に預けている期間とみなして1か月を加えるとか、あるいは2月4日以降生まれの0歳児専用の入園枠を年度途中に設けるとか、杉並区のように同点の場合は早生まれの子を優先するとか、保活において明らかに不利な状況に置かれている早生まれの子と保護者に対する優遇・救済措置を検討し、早生まれの不利を解消してはいかがでしょうか。 次に、遠距離通園の解消について伺います。 近年の待機児童数の増加、保活の激化に伴い、とにかくたくさんの園を希望するのがいわゆる保活必勝法の一つとなっております。その結果、2駅離れた保育園に決定したとか、徒歩40分以上の園に決定したというケースがあるそうです。また、在園中に引っ越したなどの個人的な事情で遠方に住むこととなり、目白通り付近の自宅から青梅街道付近の保育園まで毎日、3キロぐらいあると思うんですが、3キロぐらい往復しているかという方も区内にはいらっしゃいます。ほかにも、遠くの園に決まってしまったので、その近くにわざわざ引っ越したというケースもあるそうです。そうした様々なケースの中には、AさんはB保育園を、BさんはA保育園を利用しているが、それぞれの自宅から遠いので、AさんはA保育園に、BさんはB保育園に転園の希望を持っているというケースもあると思われます。 今年の保活においては、区立保育室が廃園となり、多数の区民が転園を余儀なくされました。その中には、1年だけの辛抱だからと思って、中野駅の南側から北側の園に苦労して通園をしていた方がごく少数ですがいます。産後、真夏にベビーカーで40分以上の道のりを通園していたという方もいます。その方は、自宅から近い園の選考には選ばれず、また引き続き自宅から徒歩40分以上の連携園に転園が決定してしまったそうであります。 朝の慌ただしい時間帯に、雨の日も風の日も雪の日も、時としてぐずることもある幼い子を連れて、遠くの保育園に毎日毎日、何年も何年も上の子も下の子も連れて通園することは、保護者にとっても大きな負担となりますし、仕事の効率も落ちますし、交通事故リスクは高くなりますし、震災時のお迎えなどにも支障を来します。 とある自治体では、遠距離通園をしている親子が交通事故に遭ったことをきっかけに、遠距離通園の解消に取り組み始めたと聞いたことがあります。中野区ではこれまで遠距離通園解消には取り組んでおりませんが、今後もし重大な交通事故が起きれば、遠距離通園の解消に取り組んでいただけるのでしょうか。一体何人の親子が交通事故に遭えば遠距離通園の解消に取り組んでいただけるんですか。起きてからでは遅いんですよ。そういった事故が起きる前に改善をしてください。 豊島区では、自宅から園まで直線距離で1.2キロ以上の場合の転園希望に当たってはプラス1点の加点を行っていますし、練馬区でも同様に2キロ以上の場合加点を行っています。公共交通機関による南北の移動がしにくく、マイカーの所有率が低く、エリアによっては案外坂道の多い中野区、こうした中野区ならではの特性を考え、豊島区や練馬区などのケースを参考に、遠距離通園の解消に取り組むべきではないでしょうか。 という以上述べた二つの質問、これとほぼ同じ質問を私は平成29年の第1回定例会で行いました。当時の田中区長の答弁は検討していきますというものでした。あれから3年、区の検討の結果が一体どうなったのか、改めて質問をさせていただきます。 次に、今年の認可保育園第1次選考の結果を教えてください。 かつての中野区では、保育園が新設されるという情報が委員会発表されてからホームページに掲載されるまで、長くて半年ほどのタイムラグがありました。しかし、酒井区政になってからというもの、そうした保育園の新設情報はほぼリアルタイムでホームページに反映されるようになってまいりました。この情報公開の姿勢を私は高く評価しております。やればできるじゃないですかと高く評価はしているんですが、新しい保育園がどこにできるかなんていう情報は、そもそも即時公開が当たり前の情報です。だから、まだ今は田中区政のマイナスが酒井区政でゼロに戻った、それだけのことなんです。この程度で喜んではいられません。 区政の情報公開に関して、例えば先日、江原公園で、幹の直径約1メートル、樹齢100年とも言われるヒマラヤ杉の大樹が、近隣住民に対する何の事前周知もなく、ブランコの更新に邪魔だからというそれだけの理由で、ある日突然切り倒されたということがありました。江原公園といえば、2年前に区立保育室を新設するに当たって大きな木を何本も何本も切り倒したことで、近隣住民が大きな怒りの声を上げた公園です。たった2年前のことですよ。知らないはずがない。忘れるはずがないでしょう。そういった事態があったその公園で、また新たに大きな木を切り倒すに当たり、近隣住民に何の説明もなかった、これは実にけしからん話です。江原公園でほかにブランコを置ける場所は幾らでもあるじゃないですか。あと2か月待てば保育園の跡地が空くじゃないですか。今のブランコを数メートル動かすだけでも杉の木を守ることはできたんですよ。ブランコのサイズを小さくしたってよかったんですよ。いろんな方法があったじゃないですか。 この公園は、確かに区の所有する区立公園ですよ。でも、一体誰のための公園ですか。区民のため、地域住民のための公園じゃないんですか。区が所有する公園だから区が何をしてもいいかといえば違います。公園は区民のための公園であることを忘れないでいただきたい。何か事を起こすに当たっては、徹底した情報公開をして、そして区民の声を聞き、区民に寄り添っていただきたい。 中野区のこうした情報公開の不備、不足は、保育園に関してもまだあります。1次選考に一体何人の応募者があったのか公表されるのは、中野区で毎年大体2月頃です。しかし、杉並区は毎年大体12月の中旬に速報値を出しています。速報値ですから確定値との誤差はあるでしょうが、大した誤差はないでしょう。そうした誤差を恐れることなくいち早く情報を出すという姿勢を私は評価します。 また、中野区の待機児童が公表されるのも例年6月頃と、23区では非常に遅い時期です。さらに、これまで1月1日には公表されていた1次選考の申込み状況が去年と今年は公開されませんでした。このままずっと非公開になってしまうのではないかということを私は危惧しています。保育園の選考をきちんとしているのであれば、何人の人が申し込んだのか、何人の人がどこの園を希望しているのか、そうした情報は既に手元にあるはずじゃないですか。手元にある情報をなぜ出してくれないのか、なぜ隠そうとするのか、そういったその理由が理解できないとき、もしかして何か悪いことをしているんじゃなかろうかと人は疑心暗鬼になってしまうものです。 情報があったところで保育園に入園できるようになるわけではありませんけれども、保育園に入れるかどうか不安な気持ちで年越しをしている区民は大勢いるんです。情報は、出せば出すほど区政の透明性は高まる、区民から信頼される区政になるんです。保育園、特に入園選考に関しては情報公開をもっと迅速に、出せる情報はなるべく多く徹底して出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 区民の信頼を得て、区民に中野区を大好きになってもらうためには、お人形さんを使って大好き大好きと言っていれば大好きになるかといえば、それは違うんですよ。職員が足りないのであればきちんと補充をして、情報公開を徹底して、区民の信託に応えていただきたいと思います。 以上で私の一般質問を終了といたします。御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 小宮山議員の御質問にお答えします。 最初に、早生まれの子どもの優遇措置、遠距離通園の解消についてです。 4月1日時点で生後57日に満たない子どもについては、事前に定員枠を確保していくことを検討してきたところでございますが、入園が5月以降になることで1か月以上定員を空けていることになり、民間保育所への給付が減額されるため協力を得られにくいことから、実現は難しいが、引き続き方策を検討してまいります。 それから、遠距離通園者に対する指数の加点については、他の家庭との公正性を踏まえ、加点する際の具体的な距離の設定など、条件設定には慎重な検討が必要であると考えております。 次に、保育園の2020年4月入園の1次選考結果についてでございます。 2020年4月入園の認可保育施設及び区立保育室の1次募集の申請者数は2,182人、うち利用承認者数は1,587人、保留者数は595人でございます。 次に、迅速な情報公開についての御質問です。 保護者の方にとっては、できる限り早期に選考結果を知り、4月からの新しい生活に備えなければならない事情については十分に認識しているところでございます。令和2年度には入園申込みに係る申請書を見直し、OCRの導入によって入力事務の効率化を図るとともに、入所選考のAI化に向けた検討準備を進めることとしております。迅速な情報公開につながるものと考えております。 ○議長(高橋かずちか) 以上で小宮山たかし議員の質問は終わります。
中野区議会議員 立 石 り お 1 ICTを活用した安定的かつ利便性の高いサービスについて 2 その他
○議長(高橋かずちか) 次に、立石りお議員。 〔立石りお議員登壇〕 ○8番(立石りお) 令和2年第1回定例会におきまして一般質問をいたします。 質問は通告どおり、その他はありません。 ICTを活用した安定的かつ利便性の高いサービスについて。 初めに、システム障害の対策について伺います。 昨年12月4日に中野区の仮想サーバーを構築している日本電子計算のデータセンターに障害が発生しました。そのため、ホームページ、戸籍、介護、就学系のサービスに不具合が生じて利用できない状態となり、日本電子計算のデータセンターを利用している団体のうち47自治体は、影響範囲が様々ですが、障害が生じたと発表されています。 総務省から平成27年にマイナンバーの情報連携開始に向けて地方公共団体に対していわゆる三層の対策に取り組むように働きがあり、中野区においてもマイナンバー系、LGWAN、インターネットのネットワークを分離する対策をとってまいりましたが、インターネット環境と窓口業務の仮想サーバーを日本電子計算データセンター内の同じ環境に構築していたため、ホームページと戸籍システムが同時にダウンして区民への影響が大きくなるなど、大きな障害が発生しました。 そのため、データセンターの障害により戸籍証明書が発行できなくなり、さらにインターネットの障害によりホームページでシステム障害の状況を掲載できない状態となり、グループウェア、メール機能が利用できなくなったことで外部との連絡も制限されました。障害が横断的に発生したことで業務が大幅に滞る現象が発生し、一部の自治体では業務を継続できていましたが、それらの自治体ではデータセンターを分散して運用していたのだと推測できます。 そこで質問です。 中野区においても今後の対策としてシステムを複数のデータセンターに分散する、または2系統のデータセンターに統合サーバーを構築するなどが考えられます。今後のシステム運用の方針についてどのような観点で検討を進めますか。 今後、同様の事態が発生しない、または被害を最小限にとどめるために、対応策の検討が最も重要だと考えます。今回、日本電子計算のデータサーバーではバックアップ体制を構築しているということでしたが、実際には機能しておりませんでした。本来、これは事業者側の責任に当たりますが、中野区は区民の皆様から税金と貴重な情報資産を託される立場であり、加害者の面も当然あります。今後は、事業者に管理を一任するわけではなく、区側として適切にマネジメントする必要があると考えます。 岡崎市や豊橋市では、独立行政法人情報処理機構が公開している非機能要件を別途契約しているサービス仕様書に記載し、ベンダーと状況を確認するマネジメント会議を定期的に開催しております。中野区でもこのような確認をしていれば、バックアップ体制に不備があることを事前に気づいて対策を打てたのではないでしょうか。 そこで、以下2点質問です。 一つ目、ベンダーと契約をする際に、非機能要件チェックリストをベースに作成した仕様書を別途締結し、定期的な点検を義務付けてマネジメント会議を開催するなど、運営面を改善してはいかがでしょうか。 二つ目、契約の仕様では、事業者はバックアップが取れていない場合は区へ報告する義務があったということでしたが、今後こういった事態を回避するため、システムの根幹に関わる部分はバックアップ訓練を実施する必要があると考えますが、いかがでしょうか。 続いて、セキュリティ対策についてです。 今年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。開催国はサイバーテロの標的となり、北京、ロンドン、リオ・オリンピックと回を重ねるにつれてアタック件数が増加しております。警察庁の発表によれば、全国の警察が昨年摘発した不正アクセスなどのサイバー犯罪は前年比502件増の9,542件で、過去最多となっております。中野区においても今後サイバーアタックの対策を進めていく必要があります。 総務省は、東京オリンピック・パラリンピックを前に早急に取り組むべきサイバーセキュリティ対策について、緊急提言、我が国のサイバーセキュリティ強化に向け速やかに取り組むべき事項を発表しております。その中で自治体に共通する課題が複数提示されています。そこで示された公衆無線LANのセキュリティ対策について伺います。 中野区ではNakano Free Wi-Fiを運営しておりますが、アクセスポイントが暗号化されていない場合、ユーザーが詐称されたアクセスポイントを利用してしまうなど、通信を盗聴されるリスクが存在しており、利用に当たっては、訪日外国人の利用も念頭に置きつつ、提供者、ユーザー双方におけるセキュリティ対策を進めていく必要が指摘されています。 そこで質問です。 Nakano Free Wi-Fiをはじめとした中野区のWi-Fi利用に関して、区のホームページなどを通じてユーザーが講じるべきセキュリティ対策について啓発する必要があると考えますが、中野区の見解をお伺いいたします。 技術の進歩に伴いセキュリティ対策は進化しておりますが、同時にサイバーアタックの技術や方法も進歩しており、セキュリティ対策には万全はないという意識で日々改良する必要があり、常にセキュリティの脆弱性を探求する姿勢も重要です。 自治体名は伏せますが、特別区の自治体でレッドチームテストといって庁内システムへの侵入を専門の業者に依頼した事例があり、ヒアリングをしてまいりました。いわゆるホワイトハッカーにセキュリティの脆弱性を診断してもらうという取組です。およそ2か月の期間を通じてレッドチームテストを実施した結果、職員のメール経由でマルウェアに感染し、管理者権限やホームページの更新権限が奪取されたということでした。これは区民の重要情報を不正入手され、ホームページの情報を改ざんされることを意味します。最近では、ソーシャルエンジニアリングといって、ネットワークに侵入するために必要となるパスワードなど重要な情報を情報通信技術を使用せずに盗み出す方法が増えており、その多くは人間の心理的な隙に付け込むものです。レッドチームテストを実施した事業者は、自治体のセキュリティは金融機関よりも堅牢であるが、本気になれば侵入できない自治体はないとコメントしていたそうです。当該自治体も中野区と同様に総務省が推奨する三層分離の対策をとっておりましたが、メール経由でインターネットシステムに侵入を許し、その後、ほかのネットワークに侵入を許しました。 私も分離されたネットワークには侵入できないという認識でしたが、専門家にしか見えない小さな穴があって、そこから侵入を許したということです。また、物理的な侵入を許し、庁舎内にある端末にパソコンをハッキングするUSBを差し込まれたということでした。差し込まれた直後に異変を察知してすぐに抜いたということですが、訓練でなければシステムを乗っ取られたり破壊されていたと思われます。 そこで、以下3点質問です。 一つ目、レッドチームテストを実施した自治体は、結果報告を受けて、再発を防ぐための対策として研修などに力を入れております。中野区も、当該自治体にヒアリングをし、報告書を参考にした上で、研修や必要なシステムの脆弱性診断をしてはいかがでしょうか。 二つ目、簡易的なレッドチームテストを庁内で立ち上げ、標的型攻撃メール訓練など、抜き打ちテストを実施してはいかがでしょうか。 三つ目、新庁舎を整備する際など、大規模なシステム変更が発生するタイミングでレッドチームテストの実施を検討されてはいかがでしょうか。見解をお伺いいたします。 続いて、新庁舎移転を踏まえた情報基盤の在り方についてです。 昨年12月2日の総務委員会で、新庁舎整備を契機としたICTの利活用による業務改善の推進について考え方が示されました。その中で、新庁舎整備を契機に、区においても、AI、RPAなどを活用した区の内部業務の効率化やモバイルワーク、テレワークの実現など、職員の働き方の改革、行政活動へのICT技術の活用を進めていくと言及されています。 新庁舎は2024年から寿命最大70年として2096年まで利用されるわけですが、この頃には窓口業務の電子化が一層進んでおり、役所に来なくても行政手続ができる内部管理業務の効率化や自動化が進み、職員は役所での業務に縛られずどんどん地域に飛び出していく、そんな時代になっていると想像しております。 テレワークは在宅勤務など柔軟な働き方を推進するに当たって重要な取組ですが、セキュリティ面に課題は多くあります。端末を紛失した場合、システムへのアクセス権を解除する、クラウドでの情報管理を徹底させるなど、情報システムの在り方も整理する必要があります。 渋谷区では、新庁舎を移転するに当たり、情報基盤を先述した三層分離ではなく新たに業務系のコア系システムを分離する四層分離としました。職員はノートパソコンからコア系システム経由でアクセスするため、マイナンバー系、LGWANなどほかのシステムへの侵入やウイルス感染を防げるということです。 そこで質問です。 システム障害の対応もまだ完全収束していない状態ですから、すぐに方針を決める必要はありませんが、ソサエティ5.0や自治体3.0、新庁舎の在り方を検討する上で情報基盤の在り方、端末の在り方などを整理する必要があると思いますが、御見解をお伺いいたします。 最後に、庁内のICT利用環境の利便性についてです。 主要施策の成果で示された庁内情報システムに対するユーザー満足度は50.9%と、前年から4.1%程度低下しております。決算分科会で質問したところ、満足度低下の一因として、平成29年に三層分離を導入してインターネットとシステムを分離したため、インターネットとの接続に手間がかかるようになったと答弁がありました。職員へヒアリングしたところ、現在インターネットとLGWANを分離しているので、ホームページの情報をコピー・アンド・ペーストしたり資料を印刷、共有する際にもファイルの無害化処理が必要で、作業が中断され、1日30分程度の時間をロスしているということでした。仕事内容は職員ごとに異なるので、あくまでも仮定にすぎませんが、仮に職員2,000名が1日30分ロスしているとすれば、1日当たり1,000時間のロスが生じていることになり、職員の生産性低下に大きく影響します。RPAなどの仕組みを導入しても効果が相殺されてしまいます。利便性の向上という観点で無害化を自動で行うツールもありますし、グループウェアなどをインターネット環境へ移すことでこういった負担も軽減できます。 そこで質問です。 職員の生産性を低下させないために、情報基盤やセキュリティの在り方を整理する際、利便性の観点も併せて検討いただければと思います。御見解をお伺いいたします。 以上で私の全ての質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 立石議員の御質問にお答えいたします。 1点目に、データセンターの分散等についてでございます。 今回の障害発生を教訓として、業務継続の観点から、データセンターの二重化も選択肢の一つとして費用対効果などを踏まえつつ検討したいと考えています。情報発信の要である区のホームページや高度に業務継続が求められる業務システムなどにつきましては、障害や災害の発生時でも優先して業務が継続できる仕組みを検討してまいりたいと考えております。 次に、システム事業者業務の定期的な点検についてでございます。 中野区でも、システム事業者とは毎月定例会を設け、必要な連絡調整などを行ってきておりますが、今後、非機能要件チェックリストの内容を参考として、定期的な点検内容の充実、その点検結果を踏まえた対応策の検討、改善サイクルを構築できるよう、定例会の内容を精査してまいりたいと考えております。 次に、バックアップ訓練の実施についてでございます。 今回のデータセンター障害を受け、区の業務を継続していくためには、障害発生時を想定した訓練の実施は必要だと考えており、バックアップからの復旧訓練についても、対応が可能なシステムについては実施してまいります。 また、実際の訓練ができないその他のシステムについても、復旧マニュアルに沿った仮想訓練を行うなど、できる範囲内での対応をしてまいりたいと考えております。 〔企画部長高橋昭彦登壇〕 ○企画部長(高橋昭彦) セキュリティ対策についての御質問のうち、区のWi-Fi利用に際したセキュリティの啓発についてのお尋ねでございます。 区や関連する事業者の提供するWi-Fiの利用に際しましては、セキュリティの在り方を検討するとともに、区民に対して、暗号化の有無に関わらず、情報セキュリティに配慮した適切な利用についての周知を図ってまいりたいと考えております。 続きまして、セキュリティ研修、また脆弱性診断の実施についてのお尋ねでございます。 現在も区では職員を対象としたeラーニングの全員研修を実施しておりまして、受講率100%を達成するなど、セキュリティ研修には注力をしているところでございますが、今後、レッドチームテストの実施自治体の取組例なども参考にして、さらにセキュリティ対策の実効性向上に努めますとともに、職員に対する研修内容の充実も図ってまいりたいと考えてございます。 続きまして、標的型メールテスト等の実施についてでございます。 区でも既に訓練を実施しているところでございますが、区の業務における高度なセキュリティの確保は重要な課題でございます。そのために、コンピュータに関する高度な知識や技術を駆使してサイバー攻撃から情報システムを守るいわゆるホワイトハッカーの活用もその一つと考えているところでございます。 今後、先進自治体の事例等も参考としながら、効果的な訓練の在り方について検討してまいりたい、そのように考えてございます。 続きまして、新庁舎整備を踏まえた情報基盤整備の在り方についてのお尋ねでございます。 業務の効率化や職員の働き方改革、その他行政サービスの向上について、ICTの利活用は必要不可欠であると考えてございます。セキュリティを確保しつつ、区民の利便性向上や職員の働き方改革に資する情報基盤の在り方について、来年度改定を予定してございます地域情報化推進計画の中で示してまいりたいと考えてございます。 続きまして、庁内のICT利用環境の利便性についてのお尋ねで、無害化処理の効率化についてでございます。 平成27年度の年金機構の個人情報流出事件に端を発しまして、マイナンバー制度の施行を控えた各自治体では、マイナンバー系、LGWAN系、インターネット系のネットワークを分離する三層の構えを構築し、インターネットの脅威からマイナンバーなどのセキュリティを確保する仕組みを整えたところでございます。その一つがインターネットからのファイルダウンロードを安全に行うための無害化処理であります。それが職員の事務効率を低下させていることについては認識しているところでございます。 今後、リプレースなどの機会を捉え、職員の業務効率向上に資する方法への改善に向けた検討も行ってまいりたいと考えてございます。 ○議長(高橋かずちか) 以上で立石りお議員の質問は終わります。 以上をもって質問は終了いたしました。 これより日程に入ります。 ―――――――――――――――――――――――――――――― 常任委員の所属変更について
○議長(高橋かずちか) 日程第1、常任委員の所属変更についてを議題に供します。 お諮りいたします。厚生委員の河合りな議員から建設委員に、建設委員の間ひとみ議員から厚生委員に、それぞれ委員会の所属を変更したい旨の申し出がありましたので、これを申し出どおり変更するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう変更するに決定いたします。 ―───────────────────────────── 第1号議案 令和元年度中野区一般会計補正予算 第2号議案 令和元年度中野区用地特別会計補正予算 第3号議案 令和元年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算 第4号議案 令和元年度中野区後期高齢者医療特別会計補正予算 第5号議案 令和元年度中野区介護保険特別会計補正予算 第20号議案 仮称平和の森公園体育館新築工事等請負契約に係る契約金額の変更について 第22号議案 教師用指導書等の買入れについて 第36号議案 令和小学校校舎新築工事等請負契約 (委員会報告)
○議長(高橋かずちか) 日程第2、第1号議案から第5号議案まで、第20号議案、第22号議案及び第36号議案の計8件を一括議題に供します。
令和2年(2020年)2月13日
中野区議会議長 殿
総務委員長 山本 たかし (公印省略)
議案の審査結果について
本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。
記
○議長(高橋かずちか) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、これより採決いたします。 上程中の議案を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 ―───────────────────────────── 第13号議案 中野区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例 第14号議案 中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例 (委員長報告)
○議長(高橋かずちか) 日程第3、第13号議案及び第14号議案の計2件を一括議題に供します。
令和2年(2020年)2月13日
中野区議会議長 殿
総務委員長 山本 たかし (公印省略)
議案の審査結果について
本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。
記
○議長(高橋かずちか) 総務委員会の審査の報告を求めます。山本たかし総務委員長。 〔山本たかし議員登壇〕 ○27番(山本たかし) ただいま議題に供されました第13号議案及び第14号議案の2議案に関しまして、総務委員会における審査の経過並びに結果について報告いたします。 第13号議案、中野区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例は、期末手当の額の引上げを行うとともに、令和2年3月に支給する期末手当について特例措置を定めるものです。 この条例の施行時期は、令和2年3月1日です。 第14号議案、中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例は、区長、副区長、教育長及び常勤の監査委員の給料月額の引下げ並びに区長、副区長及び教育長の期末手当の額の引上げを行うとともに、令和2年3月に支給する期末手当について特例措置を定めるものです。 この条例の施行時期は、令和2年3月1日です。 なお、区議会議員の議員報酬の額並びに区長、副区長、教育長及び常勤の監査委員の給料の額につきましては、令和元年10月15日に特別職報酬等審議会に諮問し、同年12月26日に答申を受け、答申どおりの措置を講ずることが適当であると判断し、提案されたものです。 答申の内容は、区議会議員の議員報酬については据置きとすることが適切であり、区長、副区長、教育長及び常勤の監査委員の給料については一般職員と同様に減額するべきであるというものでした。 これら2議案は、2月13日の本会議において当委員会に付託され、同日審査を行いました。審査の進め方としては、2議案を一括して議題に供した後、理事者の補足説明を受け、その後、質疑を行いました。その主な質疑応答の内容を紹介します。 初めに、令和2年3月に支給する期末手当について100分の25から100分の40とする理由を問われ、期末手当は6月と12月を改正するものであるが、今年度は既に支給していることから、特例としてその分を3月に支払うための措置であるとの答弁がありました。 次に、今回区議会議員は全体では増額となるが区長はどうなるのか、また23区との比較について質疑があり、区長は月例給を0.58%下げるが期末手当は0.15月分上げるため年間では増額となる、また、月額では区長は23区中22位、区議会議員は23区中23位、年収では区長は23区中17位、区議会議員は23区中20位となるとの答弁がありました。 次に、特別職報酬等審議会での議論の内容を問われ、区長、副区長、教育長は財政状況や他区との比較から月額を据え置くことも考えられるが、一般職員が減額となることから、区民感情を考慮すると、特別職についても月額を引き下げ期末手当は引き上げる、常勤監査は他区との比較から上位であることから月額を引き下げ期末手当は据置きとする、区議会議員は他区との比較から下位にあることから月額は据え置き期末手当は引き上げるといった内容であったとの答弁がありました。 次に、区議会議員の月額が23区中23位であることに対する審議会の評価を問われ、区議会は、会議資料の電子化によるペーパーレスの推進、ビジネスチャットツールによる情報伝達の効率化など議会改革に積極的に取り組んでおり、審議会としても評価をしている、その上での結論として月額を据え置きとする答申となったと理解しているとの答弁がありました。 次に、期末手当について審議会の諮問の対象となっているのかとの質疑があり、期末手当は諮問事項になっていないが、期末手当を含めた年収の全体を見なければ評価ができないため、答申の中に参考意見として触れられているとの答弁がありました。これに対し、期末手当は参考意見を根拠に条例改正をするという理解でよいかとの質疑があり、答申の中に参考意見として触れられているため、答申に沿った条例改正であるとの答弁がありました。 以上が主な質疑応答の内容です。 その後、委員会を休憩して取り扱いを協議した後、委員会を再開し、さらに質疑を求めましたが、質疑はなく、質疑を終結しました。 次に、意見の開陳を求めましたが、意見はなく、意見の開陳を終結しました。 次に、討論を求めたところ、1名の委員が、第13号議案に反対する立場から、中野区の財政は超高齢社会に突入していく中で様々な事業見直しを行っていく必要がある、また、学校施設の建て替え、まちづくり関連事業の影響で令和6年度には726億円という巨額な起債残高の推計が示されている、我が会派は小池百合子東京都知事とともに都議会第一党として都政運営を行っているが、知事は就任当初から自身の報酬を半額にし、都議会においても議員報酬2割削減を実現させた政党の一員である、審議会の答申として報酬額を据え置くことが望ましいとする結論には納得するものであるが、期末手当については一般職員と同様に0.15月引き上げることが望ましいという参考意見については、あくまでも意見として参考にとどめるべきである、よって本議案に反対するとの討論を行いました。 さらに討論を求めましたが、討論はなく、討論を終結しました。 そして、議案ごとに順次採決を行ったところ、第13号議案については挙手により賛成多数で可決すべきものと決し、第14号議案については簡易により異議なく可決すべきものと決した次第です。 以上で、第13号議案及び第14号議案の2議案に関する総務委員会における審査の経過並びに結果の報告を終了いたします。 ○議長(高橋かずちか) ただいまの報告について御質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(高橋かずちか) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、これより議案ごとに採決いたします。 初めに第13号議案について起立により採決いたします。 上程中の第13号議案を委員長報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。 〔賛成者起立〕 ○議長(高橋かずちか) 起立多数。よって、上程中の第13号議案は可決するに決しました。 次に、第14号議案について起立により採決いたします。 上程中の第14号議案を委員長報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。 〔賛成者起立〕 ○議長(高橋かずちか) 起立多数。よって、上程中の第14号議案は可決するに決しました。 ―───────────────────────────── 第6号議案 令和2年度中野区一般会計予算 第7号議案 令和2年度中野区用地特別会計予算 第8号議案 令和2年度中野区国民健康保険事業特別会計予算 第9号議案 令和2年度中野区後期高齢者医療特別会計予算 第10号議案 令和2年度中野区介護保険特別会計予算
○議長(高橋かずちか) 日程第4、第6号議案から第10号議案までの計5件を一括上程いたします。 理事者の説明を求めます。 〔副区長白土純登壇〕 ○副区長(白土純) ただいま上程されました令和2年度各会計予算に係る第6号議案から第10号議案までの5議案につきまして一括して提案理由の説明をいたします。 初めに、第6号議案、令和2年度中野区一般会計予算について説明いたします。 令和2年度は、子育て先進区に向けた取組、安心して地域で暮らし続けられるための取組及び区民とともに進めるまちづくりのための取組並びにこれら三つの取組を支え推進する行財政運営に重点を置き予算を編成しました。 第1条は、歳入歳出予算です。歳入歳出予算の総額は1,468億2,300万円で、前年度に比べ53億4,900万円、3.5%の減となりました。これは、中野区立総合体育館の整備費及び哲学堂公園野球場改修経費が皆減となるなど、投資的経費が大きく減少したことによるものです。また、これまで進めてきたまちづくりに引き続き取り組むとともに、妊娠・出産・子育てトータルケア事業の推進、区立学校の体育館冷暖房化など教育環境の改善、英語教育及びICT教育環境の充実、地域の防災・安全の推進など喫緊の課題に対応するほか、ユニバーサルデザインの推進や、目前となった東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた気運醸成事業の推進及び(仮称)子どもの権利条例の制定に向けて幅広く取り組んでいくための予算としています。 それでは、まず歳入予算から説明いたします。 特別区税は、納入義務者数の増等を見込み、前年度に比べ、金額で5億8,600万円余の増、率で1.7%増の351億1,400万円を計上しました。 特別区交付金は、前年度に比べ、金額で1億円、率で0.3%増の368億円を計上しました。 その他の交付金は、地方消費税交付金について、消費税率引上げの影響を反映し前年度比で10億円増を見込んだこと等から、総額で86億300万円を計上しました。前年度に比べ、金額で10億6,500万円の増、率で14.1%増となっています。 地方消費税引上げ分の増収は、一般財源として、医療、介護、子ども・子育て等の社会保障施策に要する経費に充てています。 分担金及び負担金は、保育園入園者自己負担金等、30.5%減の10億4,000万円余を計上しました。 使用料及び手数料は、廃棄物処理手数料等、0.8%増の19億6,900万円余を計上しました。 国庫支出金は、区立学校再編整備、教育・保育施設給付の増加等から、6.3%増の282億7,500万円余を計上しました。 都支出金は、まちづくり基盤整備や教育・保育施設給付の増加等から、0.2%増の131億9,800万円余を計上しました。 財産収入は、前年度と比較し、11.3%減の1億7,000万円余を計上しました。 寄付金は、前年度と比較し、0.7%減の3,700万円余を計上しました。 繰入金は、財政調整基金等からの繰入れが減少したことから、28.3%減の127億6,600万円余を計上しました。 繰越金は、前年度と同額の4億円を計上しました。 諸収入は、17.1%減の12億6,200万円余を計上しました。 特別区債は、学校施設整備など合計5件、29.7%減の71億8,500万円を計上しました。 続いて、歳出予算の説明をいたします。 まず、議会費ですが、改選に伴う経費等が減になったことなどから、0.3%減の8億9,700万円余となりました。 企画費は、基本構想・基本計画の策定等に取り組む一方、次期住民情報システムの構築が終了したことなどから、0.5%減の22億8,200万円余となりました。 総務費は、防災対策の推進や交通安全啓発の推進等に取り組む一方、区議会議員選挙や参議院議員選挙に係る経費が皆減となったこと等から、7.7%減の68億8,400万円余となりました。 区民費は、マイナンバーカードの普及促進や多言語対応の充実に取り組む一方、国民健康保険事業特別会計への繰出金が減少したことや歴史民俗資料館再整備が終了したこと等から、5.6%減の113億8,300万円余となりました。 子ども教育費は、子ども・子育て支援への取組を進めるほか、区立学校再編に伴う校舎の改築や英語教育の充実など教育環境の向上を図ることにより、3.8%増の557億6,200万円余となりました。 地域支えあい推進費は、鍋横区民活動センター等の整備を進めることや(仮称)地域包括ケア総合計画の策定に取り組むことなどから、9.0%増の83億5,700万円余となりました。 健康福祉費は、改正健康増進法及び東京都受動喫煙防止条例の全面施行に伴い、新制度に関する普及啓発等に取り組む一方、総合体育館整備費や哲学堂公園野球場改修費が皆減となったことなどから、17.4%減の300億4,000万円余となりました。 環境費は、蓄電システムの導入支援や食品ロス削減への取組を進めることなどから、3.6%増の52億700万円余となりました。 都市基盤費は、都市計画マスタープランの改定、無電柱化整備事業や耐震化等の促進に取り組む一方、平和の森公園再整備や広町みらい公園整備が終了したことなどから、16.7%減の76億1,000万円余となりました。 まちづくり推進費は、中野駅西側南北通路・橋上駅舎整備や区画街路第3号線・4号線の整備等を進めることなどから、73.4%増の76億8,300万円余を計上しています。 公債費は、元金償還分が減少したため、31.1%減の23億9,200万円余となりました。 諸支出金は、財政調整基金等への積立てが減少したため、14.2%減の80億2,100万円余となりました。 予備費は、3億円を計上しています。 以上の歳出予算を性質別に見ますと、義務的経費は680億8,100万円余となり、前年度より12億円余、1.8%の増となりました。これは人件費及び扶助費が増加したためです。 投資的経費は、総合体育館の整備費や哲学堂公園野球場改修費が皆減となったことなどから、10.4%減の277億8,000万円余となりました。 その他の経費につきましては、物件費や積立金等が減少したことにより、6.1%減の509億6,000万円余となりました。 以上が、第1条、歳入歳出予算の説明となります。 第2条は、債務負担行為について定めるものです。これは、中野区土地開発公社の借入金に対する債務保証や新庁舎整備工事監理業務委託など、翌年度以降にわたる債務の負担について、その期間及び限度額を定めるものです。31件の事業について、新規に債務負担行為を設定いたしました。 第3条の特別区債は、起債の目的、限度額等を定めるもので、総額71億8,500万円を計上しました。 第4条の一時借入金は、その最高額を100億円としました。 第5条の歳出予算の流用は、職員の人件費に過不足が生じた場合、同一款内の各項目間で流用することを御承認いただくものです。 以上が、第6号議案、令和2年度中野区一般会計予算の概要です。 続きまして、第7号議案、令和2年度中野区用地特別会計予算について説明いたします。 第1条の歳入歳出予算の総額は5億1,200万円で、前年度に比べ、金額で107億6,500万円減、率で95.5%の著しい減となりました。矯正研修所等跡地を取得するための経費が皆減となったことから、前年度と比べて大幅な減となっています。 歳出は、公共用地先行取得債の元利償還金として、公債費500万円余を計上するとともに、鍋横区民活動センター用地に係る一般会計への繰出金として、諸支出金5億600万円余を計上しました。 歳入につきましては、財産収入5億600万円余、一般会計からの繰入金500万円余を計上しました。 続きまして、第8号議案、令和2年度中野区国民健康保険事業特別会計予算について説明いたします。 第1条の歳入歳出予算の総額は327億7,700万円で、前年度に比べ、金額で6億1,400万円減、率で1.8%の減となりました。 歳出のうち、国保運営費は前年度とほぼ同額の7億8,100万円余、国保給付費は一般被保険者療養給付費等の減を見込み1,1%減の196億5,200万円余、国保事業費納付金は3.3%減の118億4,200万円余を計上しました。 歳入のうち、国民健康保険料は、被保険者数の減少等に伴い、0.7%減の87億円余を計上しました。 都支出金は、0.9%減の196億4,200万円余を計上しました。 繰入金は、9.3%減の42億9,900万円余を計上しました。 第2条は、債務負担行為について定めるものです。国民健康保険被保険者証等更新委託など3件について、その期間及び限度額を定めるものです。 第3条の一時借入金は、その最高額を10億円としました。 続きまして、第9号議案、令和2年度中野区後期高齢者医療特別会計予算について説明いたします。 第1条の歳入歳出予算の総額は72億3,700万円で、前年度に比べ、金額で1億3,600万円増、率にして1.9%の増となりました。 歳出のうち、広域連合納付金は2.0%増の71億2,700万円余、保険給付費は1.7%減の9,200万円余を計上いたしました。いずれも東京都後期高齢者医療広域連合の推計に基づくものです。 歳入のうち、後期高齢者医療保険料は4.4%増の40億2,500万円余、一般会計からの繰入金は1.1%減の31億100万円余を計上しました。 続きまして、第10号議案、令和2年度中野区介護保険特別会計予算について説明いたします。 第1条の歳入歳出予算の総額は239億8,700万円で、前年度に比べ、金額で9億7,300万円増、率で4.2%の増となりました。 歳出のうち、保険給付費は、介護サービス費給付等の増を見込み、4.5%増の215億1,100万円余を計上しました。 地域支援事業費は、介護予防・日常生活支援総合事業費等の増を見込み、3.4%増の17億7,000万円余を計上しました。 歳入のうち、介護保険料は4.3%減の47億3,000万円余を計上しました。国庫支出金、支払基金交付金及び都支出金については、それぞれ増額を見込みました。また、繰入金は14.1%増の43億2,600万円余を計上しました。 第2条は、債務負担行為について定めるものです。 介護保険料督促状等作成等委託について、その期間及び限度額を定めるものです。 以上、5議案につきましてよろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。 ○議長(高橋かずちか) 本件について御質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(高橋かずちか) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。 上程中の第6号議案から第10号議案までの計5件は、議員全員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに審査を付託したいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 ―───────────────────────────── 議会の委任に基づく専決処分について
○議長(高橋かずちか) 日程第5、議会の委任に基づく専決処分について報告をいたします。 本件については、地方自治法第180条第2項の規定に基づき、2月13日付をもって区長からお手元の文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。
31中総総第4302号 令和2年(2020年)2月13日
中野区議会議長 高 橋 か ず ち か 様
中野区長 酒 井 直 人
議会の委任に基づく専決処分について(報告)
和解及び損害賠償額の決定について、議会の委任に基づき下記のとおり専決処分をしたので、地方自治法第180条第2項の規定により報告します。
記
【報告案件1】 1 和解(示談)当事者 甲 富士通リース株式会社(東京都千代田区神田練塀町3番地) 乙 中野区 2 事件の表示 甲と乙とが平成27年11月26日付けで締結した中野区住基ネットシステムに係る統合端末等の賃貸借契約について、乙の申出により令和元年12月31日付けで解除された。これにより、甲は当該統合端末等の賃借料残額相当額の損害を被った。 3 和解(示談)条件 (1) 甲は、本件契約の解除により、中野区住基ネットシステムに係る統合端末等の賃借料残額相当額の合計573,350円の損害を被った。 (2) 乙は、上記損害額について甲に対し賠償する義務があることを認め、本件示談成立後、甲の指定する方法で支払う。 (3) 以上のほか、本件に関し、甲と乙との間には、何らの債権債務がないことを確認する。 4 和解(示談)成立の日 令和2年(2020年)1月28日
【報告案件2】 1 和解(示談)当事者 甲 富士通リース株式会社(東京都千代田区神田練塀町3番地) 乙 中野区 2 事件の表示 甲と乙とが平成29年4月1日付けで締結した中野区住基ネットシステムに係る統合端末等増設分の賃貸借契約について、乙の申出により令和元年12月31日付けで解除された。これにより、甲は当該統合端末等増設分の賃借料残額相当額の損害を被った。 3 和解(示談)条件 (1) 甲は、本件契約の解除により、中野区住基ネットシステムに係る統合端末等増設分の賃借料残額相当額の合計24,138円の損害を被った。 (2) 乙は、上記損害額について甲に対し賠償する義務があることを認め、本件示談成立後、甲の指定する方法で支払う。 (3) 以上のほか、本件に関し、甲と乙との間には、何らの債権債務がないことを確認する。 4 和解(示談)成立の日 令和2年(2020年)1月28日
【報告案件3】 1 和解(示談)当事者 甲 三井不動産リアルティ株式会社(東京都千代田区霞が関三丁目2番5号) 乙 中野区 2 事故の表示 (1) 事故発生日時 令和元年(2019年)10月18日午前9時50分頃 (2) 事故発生場所 東京都中野区弥生町三丁目17番 三井のリパーク中野弥生町3丁目第6駐車場敷地内 (3) 事故発生状況 乙の職員が、公園管理業務のため、事故発生場所の甲が管理する駐車場に乙車を駐車しようとしたところ、ブレーキとアクセルを踏み誤り、乙車の後部が当該駐車場の敷地内に設置されていた分電盤及びブロック塀に衝突した。この事故により、当該分電盤の背板及び電源ポール並びに当該ブロック塀が破損した。 3 和解(示談)条件 (1) 甲は、本件事故により、破損した分電盤の背板及び電源ポール並びにブロック塀の修理費の合計438,603円の損害を被った。 (2) 乙は、上記損害額について甲に対し賠償する義務があることを認め、本件示談成立後、甲の指定する方法で支払う。 (3) 以上のほか、本件事故に関し、甲と乙との間には、何らの債権債務がないことを確認する。 4 和解(示談)成立の日 令和2年(2020年)2月4日
○議長(高橋かずちか) 本日はこれをもって散会いたします。 午後5時05分散会
会議録署名員 議 長 高橋 かずちか 議 員 間 ひとみ 議 員 久保 りか |