令和2年06月02日中野区議会本会議(第2回定例会)の会議録 1.令和2年(2020年)6月2日、中野区議会議事堂において開会された。 1.出席議員(42名) 1番 市 川 しんたろう 2番 竹 村 あきひろ 3番 日 野 たかし 4番 渡 辺 たけし 5番 間 ひとみ 6番 河 合 り な 7番 斉 藤 ゆ り 8番 立 石 り お 9番 羽 鳥 だいすけ 10番 高 橋 かずちか 11番 加 藤 たくま 12番 吉 田 康一郎 13番 木 村 広 一 14番 甲 田 ゆり子 15番 内 野 大三郎 16番 杉 山 司 17番 ひやま 隆 18番 小宮山 たかし 19番 い さ 哲 郎 20番 小 杉 一 男 21番 若 林 しげお 22番 内 川 和 久 23番 いでい 良 輔 24番 小 林 ぜんいち 25番 白 井 ひでふみ 26番 いながき じゅん子 27番 山 本 たかし 28番 中 村 延 子 29番 石 坂 わたる 30番 近 藤 さえ子 31番 浦 野 さとみ 32番 大 内 しんご 33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき 35番 平 山 英 明 36番 南 かつひこ 37番 久 保 り か 38番 森 たかゆき 39番 酒 井 たくや 40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行 1.欠席議員 な し 1.出席説明員 中 野 区 長 酒 井 直 人 副 区 長 白 土 純 副 区 長 横 山 克 人 教 育 長 入 野 貴美子 企 画 部 長 高 橋 昭 彦 総 務 部 長 海老沢 憲 一 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 戸 辺 眞 地域包括ケア推進担当部長 藤 井 多希子 健康福祉部長 岩 浅 英 樹 保 健 所 長 向 山 晴 子 企画部企画課長(企画部参事事務取扱) 石 井 大 輔 総務部総務課長 浅 川 靖 1.本会の書記は下記のとおりである。 事 務 局 長 長 﨑 武 史 事 務 局 次 長 小 堺 充 議事調査担当係長 鳥 居 誠 書 記 立 川 衛 書 記 若 見 元 彦 書 記 早 川 政 男 書 記 野 村 理 志 書 記 鎌 形 聡 美 書 記 松 丸 晃 大 書 記 細 井 翔 太 書 記 有 明 健 人 書 記 五十嵐 一 生 書 記 髙 橋 万 里 書 記 本 多 正 篤
議事日程(令和2年(2020年)6月2日午後1時開議) 日程第1 第50号議案 令和2年度中野区一般会計補正予算 第51号議案 令和2年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算 日程第2 第55号議案 中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例 日程第3 第52号議案 中野区事務手数料条例の一部を改正する条例
午後1時00分開会 ○議長(高橋かずちか) ただいまから令和2年第2回中野区議会定例会を開会いたします。 本日の会議を開きます。 会議録署名員は会議規則第128条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。 7番斉藤ゆり議員、34番高橋ちあき議員にお願いいたします。 次に、会期についてお諮りいたします。今定例会の会期は、本日から6月16日までの15日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 この際、申し上げます。本定例会の会期中、略装を許します。 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。 次に、令和2年5月18日付をもちまして、お手元の文書のとおり、委員会参与に人事異動がありましたので、念のため御報告いたします。
○議長(高橋かずちか) 次に、一般質問の時期の変更についてお諮りいたします。 一般質問は議事に先立って行うことになっておりますが、別な時期に変更し、質問を許可いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう進行いたします。 これより日程に入ります。 ────────────────────────────── 第50号議案 令和2年度中野区一般会計補正予算 第51号議案 令和2年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算
○議長(高橋かずちか) 日程第1、第50号議案及び第51号議案の計2件を一括上程いたします。 理事者の説明を求めます。 〔副区長白土純登壇〕 ○副区長(白土純) ただいま上程されました第50号議案及び第51号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。 第50号議案、令和2年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ9億4,381万3,000円を追加計上するものです。これにより既定予算との合計額は1,833億3,890万9,000円となります。 初めに、この補正の歳出予算の内容を説明いたします。 まず、保険医療費ですが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う業務増に係る経費384万円及び国民健康保険事業特別会計の補正予算に対応する繰出金90万5,000円を追加計上するものです。 次に、保育園・幼稚園費ですが、区立保育園等における新型コロナウイルス感染症対策に係る経費640万円、臨時休園等に伴い利用者負担軽減を実施する認証保育所に対する支援に係る経費3,667万2,000円及び区立幼稚園における新型コロナウイルス感染症対策に係る経費80万円を追加計上するものです。 次に、学校教育費ですが、区立小・中学校における新型コロナウイルス感染症対策に係る経費335万9,000円を追加計上するものです。 次に、子ども教育施設費ですが、南台小学校新校舎整備期間延伸に伴う仮設校舎賃借料を増額するための経費924万円を追加計上するものです。 次に、育成活動推進費ですが、公設学童クラブにおける新型コロナウイルス感染症対策に係る経費1,219万7,000円、民間学童クラブにおける新型コロナウイルス感染症対策経費に対する補助に係る経費950万円、臨時閉室等に伴い利用者負担軽減を実施する民間学童クラブに対する補助に係る経費487万2,000円及び民間学童クラブ新規開設に伴う運営費補助に係る経費1,711万4,000円を追加計上するものです。 次に、子ども特別支援費ですが、民間障害児通所支援施設における新型コロナウイルス感染症対策経費に対する補助に係る経費380万円、区立障害児通所支援施設における新型コロナウイルス感染症対策に係る経費192万2,000円及び就学相談事業に係る新型コロナウイルス感染症対策に係る経費20万2,000円を追加計上するものです。 次に、生活援護費ですが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う住居確保給付金の支給対象拡大により給付費を増額するための経費4億7,050万4,000円を追加計上するものです。 次に、保健予防費ですが、新型コロナウイルス感染症対策に係る経費2億5,795万8,000円を追加計上するものです。 次に、道路費ですが、工期変更に伴う負担金の減額により9,547万2,000円を減額するものです。 予備費については、2億円を追加計上するものです。 この補正の歳入予算といたしましては、国庫支出金4億580万3,000円、都支出金2,414万7,000円及び繰入金5億1,386万3,000円を追加計上するものです。 続きまして、債務負担行為の補正について説明いたします。 南台小学校仮設校舎賃借について、期間が5年度にわたるため、令和3年度から令和6年度分経費6,336万円、上の原跨線橋に係る橋梁長寿命化修繕工事について、期間が2年度にわたるため、令和3年度分経費1億4,305万6,000円を計上するものです。 第51号議案、令和2年度中野区民健康保険事業特別会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ2,599万3,000円を追加計上するものです。これにより既定予算との合計額は328億2,891万1,000円となります。 歳出予算の内容は、新型コロナウイルス感染者への傷病手当金支給に係る経費2,599万3,000円を追加計上するものです。 歳入予算といたしましては、都支出金2,508万8,000円、一般会計からの繰入金90万5,000円を追加計上するものです。 以上、2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。 ○議長(高橋かずちか) 本件について、御質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(高橋かずちか) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。 ────────────────────────────── 第55号議案 中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例
○議長(高橋かずちか) 日程第2、第55号議案、中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例を上程いたします。 理事者の説明を求めます。 〔副区長白土純登壇〕 ○副区長(白土純) ただいま上程されました第55号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。 第55号議案、中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例は、給与等の支払いを受けている被保険者が新型コロナウイルス感染症に感染し、療養のため労務に服することができない場合等における傷病手当金の支給について規定するものです。 この条例の施行時期は、公布の日です。 以上、本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。 ○議長(高橋かずちか) 本件について、御質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(高橋かずちか) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。 上程中の議案は、会議規則に従い、区民委員会に付託いたします。 この際、お手元の一般質問一覧表のとおり、大内しんご議員、中村延子議員、白井ひでふみ議員、浦野さとみ議員、内野大三郎議員、内川和久議員、杉山司議員、木村広一議員、いさ哲郎議員、伊藤正信議員、斉藤ゆり議員、小林ぜんいち議員、若林しげお議員、間ひとみ議員、市川しんたろう議員、むとう有子議員、近藤さえ子議員、いながきじゅん子議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員、竹村あきひろ議員、立石りお議員、吉田康一郎議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。
中野区議会議員 大 内 しんご 1 新型コロナウイルスにおける区の対応について (1)コロナウイルスの現状と対策について (2)今後の財政の見通しについて (3)事業見直しについて (4)施設再開に向けたロードマップについて (5)第2波に対する体制づくりについて (6)夏季以降の各種イベント開催について (7)その他 2 小中学校の夏以降の授業の課題について (1)夏季休業の対応について (2)体育祭、運動会などの秋の行事について (3)中学生の修学旅行について (4)ICTを活用したオンライン学習について (5)その他 3 その他
○議長(高橋かずちか) 最初に、大内しんご議員。 〔大内しんご議員登壇〕 ○32番(大内しんご) 令和2年6月2日、中野区議会第2回定例会におきまして、自由民主党議員団を代表し、一般質問をさせていただきます。 先月5月25日の政府対策本部において、北海道、埼玉県、千葉県、東京都及び神奈川県に対する緊急事態宣言が解除され、4月16日から全国に拡大された緊急事態宣言が全て解除されました。 この間、感染のおそれがある中で、新型コロナ対策の最前線に立たれ、地域の医療現場において御尽力いただいている医師や看護師の皆様、高齢者や障害のある方に寄り添いながら従事をしていただいている介護や福祉関係者の皆様、区民の生活を守るため、家庭での消費が増える中、フル回転でごみ収集やびん・缶などの回収に従事された皆様、食品や生活必需品の調達に従事をいただいているスーパーマーケットや小売業、流通の皆様や公共交通関係の皆様など、様々な分野で私たちの生活を維持するために御苦労された皆様に心より感謝を申し上げます。さらに、災害派遣命令で支援活動に従事した自衛隊の皆様方にも、感謝と敬意を表する次第です。 今回の新型コロナウイルス感染症に罹患された方、また、お亡くなりになられた方々にもお見舞いを申し上げるとともに、心からお悔やみを申し上げます。 最初に、新型コロナウイルスにおける区の対応についてお伺いいたします。 中国に端を発し、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症により、4月7日、これまで誰もが経験したことがない国の緊急事態宣言が発せられました。海外が実施した都市封鎖のような強制力がない中、日本が大きな感染拡大を広げることなく今日に至っているのは、国、自治体からの外出の自粛や休業要請に対する国民の協力があってのことです。 ここに来てようやく感染者数も抑えられ、先般、5月25日は緊急事態宣言が全面解除となりました。これからは宣言解除を受けて、東京都が示したロードマップなどにより閉鎖している区有施設や商業施設等の段階的な再開など、日常の生活を取り戻すための取組を進めていくこととなります。 今回、新型コロナウイルス感染症との闘いは、宣言の収束を受けて一つの区切りを迎える形になりましたが、経済活動を再開した結果、再び感染症が増加するといったことも懸念されます。 とりわけ、最近では、北九州市において新たな感染者が増加しているほか、東京都でも先週からの傾向を見ると、決して予断を許さない状況下にあります。 引き続き、私たちは「3つの密」の防止や人と人との距離を適切に保ちながら、手洗いやマスクの着用などの対策を徹底し、自制ある行動を取るよう努めていかなければなりません。どうか区民の皆様におかれましては、引き続きそれぞれの立場で御協力をお願いしたいと思います。 5月1日の臨時会では、給付金をはじめとした補正予算が議決され、区民に対する給付金の通知・発送は23区においても比較的早い対応がされたことは評価をいたします。 コロナウイルスの現状と対策についてお聞きいたします。 最初に、中野区として、今日までの新型コロナウイルス感染症の状況と、今後どのような対策が必要と考えているのかをお尋ねいたします。 次に、順番を変えて、夏季以降の各種イベント開催についてお伺いいたします。 中野区は、以前のまちのにぎわいを取り戻すため、新型コロナウイルスの影響でこれまでに区民の間で広がった閉塞感をどのように払拭し、段階的に再び活気のあるまちを取り戻していくかについて取り組むことは重要です。国が示した移行時期によるイベント開催制限の段階的緩和の目安を見ると、感染拡大の兆候が再び見られないことを条件としていますが、7月末までを移行期間として、8月以降のイベント開催は、屋内については収容率50%としつつも、屋内外ともに人数を制限なく開催できる目安を示しているところです。 また、観光の振興についても、7月下旬以降は積極的に進める方針も示され、7月下旬からは県内の移動を対象にスタートし、8月からは県をまたいだ移動も補助する方向で、観光宿泊旅行代金の50%、最大2万円補助する夏以降のGoToキャンペーンや各種イベントの再開が始まります。 東京都においては、都が作成したロードマップに基づき、6月1日午前零時から第2段階に移行しました。映画館やスポーツジム、学習塾のほか、百貨店、ショッピングモールなどの商業施設でも再開が可能となりました。 東京都はステップの前倒しを行うなど、積極的に経済、まちのにぎわい復活に取り組んでいます。そのため、行動制限の状況は刻一刻と変化しており、特に中野区のイベント、催しが多く行われる夏以降の状況は、現在と大きく変化していく可能性があります。 元気でにぎわいのある中野のまちを早く取り戻していくために、区内における各種イベントや催しについて実現する可能性があるものは、感染拡大防止に最大限配慮しながら、経済活動の再開を促す観点からも取り組んでいくことが重要です。 秋の各種イベントの開催を一つのきっかけとして、にぎわいを取り戻すため、昨年の10月に30万人近い方々が来場した「東北復興大祭典なかの」などを今から中止にすることを前提に区が進めることは間違っていると指摘をしておきます。 国の指針からいえば、夏以降はブレーキを踏むときではなく、区民の元気を取り戻すため、にぎわい復活に向け、各種事業やイベントなど実施に向けてアクセルを踏むときと思います。 夏以降に開催されるイベントにあって、区内最大級である「東北復興大祭典なかの」についてですが、これまで第1回から実行委員会形式で開催しており、様々な関係者、関係団体からの支援を受け、大きく発展してきました。 今年については、東北のねぶた祭りなどが感染拡大防止のために中止となっておりますが、中型ねぶたの寄贈が今回は受けられないなど、中野区で実施する場合であっても、内容、規模について一定程度は縮小になるものと考えています。 第2波、第3波が発生した場合は、開催自体が困難になることは当然想定されますが、現時点では判断しづらい状況にあり、準備に支障のない時期まで状況を注視していく必要があると考えられます。 そこで、伺います。本祭典については、今後、どのように開催の可否、内容について決定していくお考えでしょうか、伺います。 また、中野区内でも、夏以降には大きなイベント、催しが予定されていますが、その開催の可否について、区は現状どのように決定していくお考えであるのか、検討状況についてお伺いいたします。 次に、今後の財政の見通しについて質問いたします。 3月の予算審議の時点で、私ども自民党からは、既に新型コロナウイルス感染症の影響が予想される中、令和2年度の予算編成に関しては、「不要不急な事業や政策を推進すべき根拠のない事業、大雑把な見積もり、現場の声、要望なしのずさんな計画が散見されている事業は見直すべきである。区民からお預かりした大切な税金の無駄遣いはやめるべきである。新型コロナウイルス感染症の影響による経済情勢が心配される中、この厳しい状況を打開するには、今後の予算執行時においては、不断の決意で大胆な見直しをすべき」と3月の予算審議時点で指摘させていただきましたが、当時の区の方針は、今後、リーマンショック級の経済不況に陥っても、基金を活用して3年間は区の事業継続ができるので問題がありませんとの返事でした。しかし、今後、新型コロナウイルス感染症の影響は現実に様々な形で社会経済活動に大きなダメージを与えるとともに、区財政に大きく響いてくるのは必至の状況だと考えます。先行きの見えない社会情勢の中、区民の生活を守るため、どのような方策を打たなければならないのか、今こそ区役所の底力が問われています。 新型コロナウイルス感染症の影響による今後の財政見通しを考えた場合、区の基幹収入である区民税等の税収の落ち込みや、これに関連して保育料などの収入も大幅に減ることが想定されます。 一方、報道によれば、東京都では財調基金、3月末で約9,340億円あったものが約95%を取り崩し、残高は約500億円となる見通しであり、加えて、今回の新型コロナウイルス感染症による法人税の納付も困難な事業者が増えることなどから、今後、各区に対する財調交付金や支出金などの歳入の先行きが怪しくなっていることが大いに懸念されています。 区は、令和2年度予算編成において、基準となる一般財源規模を710億円から750億円に引き上げました。過去5年間の歳入決算額を踏まえるとともに、地方消費税交付金の増額見込みを加味した上で定めたと説明していますが、今後の財政状況は、この基準額750億円を大幅に下回り悪化していくのではないでしょうか。区としては、まちづくりや学校再編など行政需要が山積する中にあって、今後の円滑な事業執行が行われるのか、大いに懸念されるところです。 令和3年度の予算編成は、今年度の歳入に比べ大幅な減収が想定され、一方で、反比例して歳出が大きく伸びていくと考えられます。 繰り返しになりますが、私たち自民党は、今年度の予算編成時点において既に財政の悪化が予測される、厳しく予算編成を組み立てるべきと主張してきたことが現実となったわけであります。 伺います。今後の区における財政の見通しについて伺います。 3、事業見直しについて質問いたします。 本定例会においては、新たな補正予算が審議され、新型コロナウイルス感染症に関する第2段階、第3段階の補正予算が審議される予定となっていますが、その内容は、真に区民にとって必要とされる施策に配分すべきです。 新型コロナウイルス感染症を取り巻く状況は、週単位で刻々と変化している状況にあります。せっかく補正予算を編成し、取り組もうとした事業も、1週間後には状況が変化することで不必要なものになってしまうことも懸念されます。今後の感染の拡大または縮小を見通すのは大変難しいことであるのは十分承知をしていますが、そうした点を踏まえ、補正予算の編成に取り組むべきと思います。 さきの総務委員会では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえた令和2年度の予算執行等についての報告がありました。この中では、歳出について、新規や拡充事業について、既に事業が進行しているものや区が単独で執行の制御ができないものを除き、執行を一旦停止し、実施の可否や時期、予算規模の見直し等の方針を定めるとしています。その方針は第2回定例会で報告するとしていますが、総務委員会で報告された今年度の予算の歳出の抑制、事業の見直しの検討状況、財政規模はどのようになっているのかを伺います。 また、この中では、来年度の予算編成に向けて、事業の効果を測定しながら課題を把握し、抜本的な事業見直しに取り組むとも明記しています。歳入の大幅な縮小により財政的にも苦しい事態になることを大いに懸念する中、抜本的事業見直しとは具体的にどのような見直しを想定しているのか、伺います。 施設再開に向けたロードマップについて質問いたします。 緊急事態宣言解除後にあって、区としては、閉館していた集会室や高齢者会館、保育園、児童館などの区立施設の再開や実施事業の再開について、感染予防に注力しながらも早期に通常に戻し、区民生活を正常化していく必要があります。 区民の多くは、宣言中、家に閉じ籠もりだったことから、区内における各施設の再開を心待ちにしています。区立小中学校を含めた区有施設は、6月から段階的に開けることになったことは大いに喜ばしいことですが、再開に向けては、国や都が示すロードマップを踏まえながら慎重に検討する必要があります。区としての今後の完全な形での施設再開に向けての道筋はどのようになっているのか、伺います。 次に、第2波に対する体制づくりについて質問いたします。 経済活動が再開される一方、懸念されるのが第2波、第3波に備えた体制づくりです。夏に一時的に感染が弱まったとしても、再び秋口になれば第2波が押し寄せるといった専門家の意見もある中、医療・検査体制はもとより、今回の事態に備えた庁内の体制構築は早急な課題です。 宣言が解除されて以降、今後は区民の外出の機会も増えることが予想される中、新たな波が再び押し寄せてきた場合の備えについて、どのような体制を構築していくつもりなのか、伺います。 さらに伺いますが、今後の感染予防に最大限注力していく必要の中、第2波が発生した場合であっても速やかに対策が取れる準備をしておく必要があります。第2波の備えや全力を挙げて取り組むべき体制づくりや、その他もろもろの準備を整えることをどのように考えているのか、お伺いいたします。 また、PCR検査の実施体制ですが、お隣の杉並区では、区独自で7月下旬にも開始する予定です。区独自の検査体制では判定が迅速になり、最短で当日に判明し、1日約5件から10件の検査数を予定していると聞いております。また、杉並区が準備するPCR検査体制の構築などは、中野区ではどのように取り組んでいく考えなのか、お伺いいたします。 次に、小中学校の夏以降の授業の課題についてお伺いいたします。 最初に、夏季休業の対応について質問いたします。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するため、小中学校では3月から5月まで約3か月間にわたって臨時休業を余儀なくされました。その結果、授業時間数が大きく損なわれることとなりました。子どもたちの命と健康を守ることを第一と考えれば、やむを得ない必要な対応であったと考えますが、多くの児童・生徒、保護者の方々にとっては、本来、学校の授業や様々な活動を通じて習得できたはずの学習内容について、その遅れを取り戻すことは最大の心配ごととなっているのではないでしょうか。 区立学校に通う児童・生徒が今年度中に学習指導要領に示された学習内容を確実に習得し、授業の遅れを取り戻すために、今後、夏休みなども活用して授業時間を確保することが必要だと思います。 教育委員会では、夏季休業などの取扱いについて、どのような対応を検討されているのか、お尋ねいたします。 次に、体育祭、運動会などの秋の行事について質問いたします。 各学校では、秋頃に体育祭や運動会、音楽会や作品展など様々なイベントが実施されてきています。これらの行事についても、子どもたちが伸び伸びと全力で取り組むことで、日頃の練習の成果を発揮できるような機会となれば、子どもたちにとっても貴重な体験となるはずです。 もちろん、今後も新型コロナウイルス感染症の感染防止には十分配慮していく必要があると認識しておりますが、こうした秋の行事について、現時点ではどのようにお考えなのか、お伺いいたします。 三つ目、中学校の修学旅行について質問いたします。 毎年、中学校3年生については、修学旅行が予定されています。クラスやグループの仲間とともに、日常では体験できない活動を通して、成長のきっかけにもなり、学校生活のかけがえのない思い出になる事業と思います。 学校により実施時期は違いますが、春から夏にかけて実施する予定でありました修学旅行は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況により中止することは、今の段階でやむを得ない判断と思います。ただ、国は、これから夏に向け、国内旅行を促進するため、GoToキャンペーンを行う予定です。夏以降、全国で旅行が盛んに行われる中、秋に実施可能な修学旅行を今から中止の決定をすることは、あまりにもかわいそうとしか言いようがありません。 10年ほど前には、インフルエンザが全国的に流行し、秋に修学旅行の時期を動かしたこともありました。修学旅行の実施時期を工夫するなど、中学校生活一番の思い出ともなる修学旅行をできる限り実現できるような配慮を教育委員会にお願いいたします。教育委員会の認識をお伺いいたします。 最後に、ICTを活用したオンライン学習について質問いたします。 教育委員会では、オンライン学習のためにインターネット環境が整っていない世帯に対し、タブレット端末等を貸与することでオンライン学習を推進していくとしています。児童・生徒がオンラインを通して学校や先生とつながることで、目的を持って規則正しく生活し、学習に取り組んでいけるようにすることは、大きな意義のある取組であるとともに、これからの学校教育が備えるべき姿を示しているものと考えます。 教育委員会では、今回整備されたICT環境を今後どのように活用していこうとお考えなのか、お伺いいたしまして、全ての質問を終えさせていただきます。御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 大内議員の御質問にお答えいたします。 最初に、新型コロナウイルスにおける区の対応について、新型コロナウイルス感染症の状況と今後の対策についてのお尋ねです。 区内における新型コロナウイルス感染者は、5月30日現在で累計228人となりましたが、これまでに保育所における防疫業務や区民への外出自粛の働きかけなど、感染拡大防止を最優先に取り組んできたところでございます。 緊急事態宣言は解除されましたが、第2波、第3波に備え、新しい生活様式の定着、セーフティーネットの充実、消費喚起や雇用対策などの取組が必要だと考えております。 次に、東北復興大祭典の開催判断についてでございます。 「東北復興大祭典なかの」は、毎年10月、区を含めた実行委員会形式で開催しているところでございます。今年度は新型コロナウイルス緊急事態宣言解除後の感染状況の推移や第2波、第3波への防御、さらに逼迫している社会経済状況を少しでも改善する取組の在り方などを全体的に見極めて判断していく必要があると考えております。 6月の実行委員会において、開催できるかどうか、開催した場合の規模、内容等も含めて協議した上で、協力いただいています関係団体の意見も聞き取りながら、7月を目途に実行委員会としての決定ができるように進めてまいりたいと考えております。 次に、夏季以降の各種イベントの開催についてでございます。 区が主催するイベント等の事業につきましては、感染拡大防止の観点、第2波、第3波の発生リスク、開催準備を途中で取りやめることの影響等を視野に入れて、当面自粛とするかを検討中のところでございます。 開催の可否につきましては、今後の感染の拡大状況や国、都の動きの状況を見極めながら、適宜判断してまいります。 次に、今後の財政見通しについてでございます。 リーマンショックが発生した翌年度、平成21年度の予算編成におきましては、一般財源が約30億円減収しております。令和2年度の予算規模は、当時と比べるとおよそ1.4倍の規模となっていることから、リーマンショック時を踏まえて想定すると、今年度の減収規模は40億円から45億円程度になります。 来年度の歳入も同様に想定しますと、平成22年度の予算編成において、一般財源が前年度から約54億円もの減少となっており、さらにリーマンショック以上の影響が社会的に言われて、また、新型コロナウイルスの影響が多岐にわたっていることを考慮しますと、令和3年度予算への影響額は100億円を超えることも想定しておく必要があると考えております。 また、影響は単年度ではなく、令和元年度規模に回復するまでには複数年度を要すると考えられることから、新型コロナウイルス感染症への対策を進めて、区民が安全・安心できる環境を整備する一方で、大胆な発想で行政改革に取り組んでいきたいと考えております。 次に、今年度予算における事業の見直しの検討状況についてでございます。 現在、全庁的に令和2年度予算で計画した事業の執行の見直しを進めているところであります。事業の見直しによって、一般財源削減効果は、現時点では約9億円を見込んでいるところであります。検討状況につきましては、今定例会の各常任委員会において報告する予定であります。 次に、新行政評価の活用等、抜本的な事業見直しについてでございます。 1月の総務委員会におきまして、令和2年度における行政評価の見直しについて報告しており、新行政評価制度は、事業について実績とコスト等を用いて測定するものとし、これに基づき事業の継続、改善、統廃合を判断し、翌年度予算に反映するものとして制度の見直しを行いました。 このように、令和3年度予算編成におきましては、当該新行政評価制度の活用をするなどして、事業の廃止や統廃合といった抜本的な事業の見直しを行ってまいります。 今後の区有施設の再開についてでございます。 早期に区民生活を正常化していくためにも、感染予防対策を前提に、既に多くの区有施設では、利用制限等を行いながら再開しているところでございます。 今後は、東京都がロードマップで示す3密の回避などの区民生活や区有施設での感染拡大を防止する習慣といった新しい日常も踏まえつつ、全面的な再開に向けた検討を進めてまいります。 次に、第2波に備えた体制の構築でございます。 新型コロナウイルス感染症への対応として、これまでも全庁的に各所属の業務の繁閑や組織の規模に応じて兼務職員による及び体制を組むなど、臨機応変に対応してきたところでございます。今後も第2波、第3波を想定した応援体制を迅速に組むことができるように、連携、協力体制の準備を行ってまいります。 次に、第2波に備えたPCR検査体制の構築についてでございます。 中野区のPCR検査センターは、民間の検査機関を活用しておりますが、夕方に搬入した検体の結果が翌朝には判明しており、迅速な検査体制が確保できていると考えております。 今後も帰国者・接触者外来での検査と区のPCR検査センターでの検査における機能的な役割分担を維持しながら、区医師会とも連携して、検査から必要な治療につなげる医療体制を整備することで、的確に感染拡大の第2波に備えていく考えでございます。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私からは、小中学校の夏以降の授業の課題についてお答えいたします。 まず、夏季休業の対応についてでございますが、今年度に限り夏季休業日を短縮することとしております。具体的には、8月7日までを授業日とし、8月8日から8月31日までを夏季休業日といたします。校内の工事等によりその期間、授業ができない学校につきましては、8月の後半や都民の日、冬季休業日などを授業日に充ててまいります。また、このほか、月1回行っている振替休業日なしの土曜日授業を月2回に増やすこととしております。 次に、体育祭、運動会など秋の行事についてでございます。 現時点では、体育館や校庭に全校児童・生徒が集合して、3密の状況が長時間続くような活動は行わないこととしております。ただし、例えば運動会や体育祭、文化祭や学芸会では、学年単位で時間をずらし、児童・生徒の間隔を十分取って実施したり、保護者の参加を控えていただいたりするなど、3密にならない工夫をすることによって実施は可能と考えております。 学校がそれぞれの状況に合わせて行事の実施方法を工夫していけるよう、教育委員会といたしましては、学校に具体例を示すなどして指導、助言をしてまいります。 次に、中学生の修学旅行についてですが、修学旅行は、我が国の伝統文化を学ぶとともに、生徒が主体的な行動計画を立て、自主的に学ぶ機会であり、子どもたちにとって、中学校生活最大のイベントでもありますので、できる限り実施できるようにしたいと考えております。 今年度の修学旅行については、どの時期に実施できるか、また、行く場所、宿泊日数などについて現在、学校と検討しているところでございまして、可能な限り実施していく方向で調整しているところでございます。 最後に、ICTを活用したオンライン学習についてお答えいたします。 臨時休業中の学習支援の一つとして、端末とルーターを貸与したところでございます。学校再開後も学校及び家庭での学習において、ビデオ会議システムやホームページの活用、オンライン学習を推進することで、児童・生徒自身が主体的に学習を進められるようにしてまいります。 また、新型コロナウイルス感染症への不安から登校していない児童・生徒や不登校状態の児童・生徒には、学校と家庭との双方向の連絡により教師が児童・生徒の様子を把握したり、家庭学習の支援をしたりいたします。今後、外国人児童・生徒に対しても、教員からの学習支援や翻訳ソフト、辞書機能の活用により学習を進められるようにしてまいります。 これらの取組は、新型コロナウイルス感染症拡大の第2波に備えた体制づくりのみならず、今後のGIGAスクール構想の推進にもつながっていくものと捉えております。 〔大内しんご議員登壇〕 ○32番(大内しんご) 再質問いたします。 最初の新型コロナウイルスの現状と対策のところで、中野区における新型コロナウイルス感染症の状況ということで、今日まで何人の方が罹患されたのか、あるいは最近、ここ1週間ぐらいでどの程度の方が罹患された、あるいは病院に入院されたとか、そういったことをお尋ねしたんですけども、答弁が漏れているのだったら、お願いいたします。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 大内議員の再質問ということで、新型コロナウイルス感染症における区の感染の状況についてということでございますけど、5月30日現在で区内の新型コロナウイルス感染者は計228人ということで、緊急事態宣言が解除された後の状況につきましては、一人から二人ということで、日によって見つかることもあるという状況でございます。 ○議長(高橋かずちか) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。
中野区議会議員 中 村 延 子 1 新型コロナウイルスと共生する区政運営について (1)保健所機能について (2)危機管理について (3)財政について (4)産前産後ケアについて (5)虐待・DV対応について (6)テレワークについて (7)その他 2 ワクチンで防げる感染症対策について (1)麻疹対策について (2)HPVワクチンについて (3)BCGワクチンについて (4)その他 3 その他
○議長(高橋かずちか) 次に、中村延子議員。 〔中村延子議員登壇〕 ○28番(中村延子) 令和2年第2回定例会において、立憲民主党・無所属議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告のとおりです。 1、新型コロナウイルスと共生する区政運営について。 初めに、新型コロナウイルスによりお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表するとともに、罹患され、闘病されている皆さんに心からお見舞いを申し上げます。 緊急事態宣言は全ての地域で5月25日に解除されましたが、元の生活に完全に戻ることは難しく、新しい生活様式が政府から示されました。今後の区政運営においても、新型コロナウイルスと共生をしていくという観点が必要であり、重要だと考えます。区の見解を伺います。 (1)保健所機能について。 今回の新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、保健所に関わる業務が増大となり、関係職員の皆さんには、長期間の激務に心から感謝を申し上げます。 保健所の業務が増大することが想定されていたところ、3月中旬から感染症対策業務が急増し、保健所兼務保健師の輪番電話対応の応援はありましたが、もともとの保健所の保健師4名、医師2名という職員数では、業務量に体制が追いつかなかったと聞いています。 4月に入り、保健師を全庁体制で保健所に派遣したこととコールセンターの設置、東京都からの職員派遣により、やっとこの状況を乗り切ることができたと伺っていますが、今回はこうした対応が現状ではやむを得なかったと言えます。 一方で、保健所の業務は3月中旬から5月に急増となり、時間外労働が過労死ラインを超えている100時間を超過する職員もいたと伺っています。今後、第2波が来ることを想定し、一部の職員に業務が集中してしまう仕組みを変えていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。 また、この間、緊急事態宣言や国の通知を受け、本来の保健所業務、例えば区民健診等の実施が先延ばしにされています。こうした業務についてもこれから取り組んでいく必要がある中、激務に当たられた職員に休息を確保しなければ、今後、心身に深刻な影響を与えるおそれもあります。当面の間は引き続き職員の配置など考慮すべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。 保健所長を含む公衆衛生医師は、東京都の採用です。保健所に配置される限られた公衆衛生医師に業務が集中したことを懸念しています。今後、保健所機能が低下しないよう、医師を適正に配置することが重要だと考えます。東京都に対し、医師の配置に関して要望していくべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。 次に、検査体制について伺います。 自宅療養中の方が救急搬送され、死亡後に新型コロナウイルスに感染していることが分かったケースは中野区でもありました。4月29日より医師会との連携により、中野区PCRセンターを開設しました。今回の感染拡大も落ち着きを見せる中、現在は検査数も多くないと伺っています。第2波に備えるためにも、今後の検査体制を構築する必要があります。検査キットなども用いながら、必要な人が確実に受けられる体制を確保していくべきです。区の見解を伺います。 検査受診に関しては、まだ周知が足りないように感じます。5月25日に検査受診の仕組みに関する分かりやすい図解が区ホームページにアップされました。これを利用するなどして、特に感染に不安を感じることが大きい介護従事者や医療関係者等、積極的に周知すべきと考えます。区の見解をお聞かせください。 (2)危機管理について。中野区政のBCPについて伺います。 今回、新型コロナウイルス感染症においては、国の緊急事態宣言により中野区政のBCP新型インフルエンザ編が適用されています。BCPに記載がある区民生活に直接影響を与えない通常業務の休止抑制は実際に行われたのでしょうか、伺います。 第4章にある部間の職員の応援、飛沫感染防止のシールドの整備も遅れがあったように感じます。中野区インフルエンザ等対策行動計画に基づく応急対策業務について、具体的に対応するため、中野区新型インフルエンザ等対応マニュアルを整備するとされていますが、作成されているのでしょうか。また、行動計画に基づく応急対策業務について、各部は非常時優先業務のマニュアルを作成するとされていますが、作成されているのでしょうか、併せて伺います。 第2波が来るとも言われる中、健康危機管理の観点から危機管理体制の強化が必要だと考えます。総務省の地方公共団体における総合的な危機管理体制の整備に関する検討会の報告書では、危機管理担当幹部には、部門間の調整としての役割が求められるため、各部局に指示を出すことのできる権限が必要であるとされています。例えば、感染症が拡大し、BCPを発動した際には、各部から速やかに一定割合の人員を拠出し、それによって生み出された人員の差配を危機管理の責任者ができるといった迅速かつ実行力のある権限を持たせる仕組みの構築が必要ではないでしょうか。 中野区には危機管理課が昨年度から組織され、もともとは内部統制を行う行政監理と防災、生活安全の担当部署が集まって一つの課となったものと認識しています。今回の感染症拡大予防対策を行う中で顕在化した課題を踏まえ、危機管理の役割、組織・人員体制について、しっかりと庁内で議論し、全庁的に部門間の横断的な調整が行える実行力のある危機管理体制を整備し、保健所が防疫活動に即座に専念できるよう十分に支援できる体制を構築すべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。 部間の応援体制について伺います。 保健所をはじめとして、特別定額給付金、学校教育、児童手当の担当など業務量が増大となった部署へ応援体制が組まれました。今回の経験を生かし、今後緊急事態に陥った際に即座に部間応援体制が組めるよう準備を進める必要があります。 平成30年第3回定例会の山本議員の質問で、適材適所の職員配置や人材育成に活用できるデータベース化について取組を進めるとの答弁もありました。それがあれば今回のケースにも生かせたと考えます。早急にこうした取組が必要と考えます。区の見解を求めます。 複合災害に対する区の体制について伺います。 コロナ禍においても、全国で地震が頻発しています。また、昨年の夏は台風による水害もあり、感染症との複合災害に対する心配の声も多くあります。 大田区では、避難所運営においての指針を定め、梅雨を前に職員研修を実施したとの報道もありました。まずは避難所においてソーシャルディスタンスが取れる一人当たりの面積スペースや発熱者の隔離スペースや動線の確保など、可能な限り多くのスペースを確保する必要があると考えます。今、定めている避難所だけでは余裕がありません。区の考えをお示しください。 また、人員体制も再整理する必要があります。人員配置についても早急に検討すべきと考えます。区の見解をお聞かせください。 避難所においての感染症対応マニュアルの作成や職員研修も必要です。災害はいつ起こるか分かりません。早急に対応していくべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、区民への周知も大切です。現在ある課題を整理した後、避難行動などについて、区民にも分かりやすくお知らせする必要があると考えます。区の見解を伺います。 (3)財政について。 今回の世界的な規模での流行は、経済的影響は甚大なものとなることが予想されています。2008年のリーマンショックでは、中野区の税収は50億円の減収となりました。今回の経済的影響は、その3倍とも4倍とも言われており、財政的な緊急事態ともなり得ることは覚悟していかなければなりません。一方で、民需が縮小する場面で公までが支出を抑制すれば、経済状況はさらに悪化し、不況の長期化を招きます。 中野区では、既に生活保護申請は3割ほど増えているとのことですが、さらに社会保障費へ跳ね返ってきてしまう可能性も否めません。板橋区や大田区では、失業者に対する緊急雇用対策を打ち出しました。中野区でも取り組むべきと考えます。区の見解をお示しください。 国は、感染拡大の防止及び感染拡大の影響を受けている地域経済や住民生活の支援を進めるための一環として、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の交付を決めました。この配分は大都市ほど不利な算定になっており、特に23区は全ての特別区の存する区域を1の市町村とみなして算出した交付限度額以内となることを勘案して、全ての特別区分を合算した額として定めると合理的な説明もなく、23区を一つの自治体として算定されています。その結果、各特別区に交付される金額は大幅に押し下げられています。 そもそも、新型コロナウイルス感染症の影響が大きい自治体ほど手厚く支援する仕組みでなければなりません。さらに23区を一つの自治体として算定するという算定方法は、特別区それぞれの自治を軽視するものであり、到底承服しかねます。 23区区長会として国に要望を出していますが、金額についてのみにとどまり、残念です。感染症対応を進めるためには、財政力指数よりもその影響の大小による算定方法とし、また、特別区それぞれを一つの自治体として算定し直すよう国に改めて強く要請するべきです。区長のリーダーシップが求められます。見解をお聞かせください。 東京都の財政調整基金の残高が平成30年度決算値で8,428億円でしたが、4月、5月にコロナ対策の補正予算で計7,916億円使っており、現在の残高が500億円を切る状況です。この財政状況で来年度予算がこれまでのように組めるのか、大変危惧しています。東京都の独自補助事業については、来年度について補助割合が減らされることや事業見直しされる可能性も想定をしなければいけません。都補助の在り方が変わっても、各担当課がそれぞれの事業をどのような形で実施していくのか、または事業を中止するのか、今から精査をしていく必要があると考えます。区の見解をお示しください。 (4)産前産後ケアについて。 私自身、今年1月に出産をしました。特に初産婦は全てが初めての経験で、出産直後から不安と寝不足の闘いが待っていました。分からないことだらけで、病院での2週間健診や1か月健診、そして、区のこんにちは赤ちゃん訪問が待ち遠しく、その間隔で専門家とお話できる機会があったからこそ、持ちこたえたと言っても過言ではありませんでした。 コロナ禍においては、緊急事態宣言に伴い中止が余儀なくされた事業もあります。特定妊婦へのアプローチは続けているそうですが、産後は誰もが産後鬱を発症してもおかしくなく、それは虐待へとつながってしまう危険性もあります。お母さんの命も赤ちゃんの命も守っていく必要があります。その意味では、これまで中野区が進めてきた産前産後事業は非常に有意義なものだと思います。だからこそ、コロナ禍において、ほとんどの事業が中止になってしまったことは非常に残念であり、早急に代替の手段を講じていくべきだったとも思います。 緊急事態宣言は解除されたものの、今後はこれまでと同じように事業を進めていくのが難しい場面もあることは理解をしています。現在は、東京都助産師会が行っている無料相談をホームページで紹介していますが、区としても相談事業や講座などオンラインにより実施をしていくべきと考えます。区の見解をお聞かせください。 また、産後サポート事業の中には、赤ちゃんの月齢が近い人たちで集まる事業も多くあり、地域でのママ友づくりに大きく寄与していました。今回、そのほとんどが中止になっていることで、その機会が奪われてしまっています。地域でのこうしたつながりは、地域に根差したネットワークにもなります。中止になったBP1プログラムや4月から中止になっている3・4か月健診の対象者は同じ月齢の方々です。この月齢の親子は、新型コロナウイルスが蔓延をし始めた時期にさらなる不安を抱え、子育てをスタートした方々であり、より支援が必要だと考えます。 予備費で個別健診を行うことが決まったことは評価していますが、集団検診での同じ月齢の方々と出会う場が奪われてしまいました。こうしたことからも、事業をただ中止や変更にするのではなく、まずはこの月齢の親子がつながれる仕組みが必要だと考えます。区の見解をお聞かせください。 産前産後ケアの対象後も児童館やすこやか福祉センターが連携し、近い地域で継続的に近い月齢・年齢の子どもたちがつながれる仕組みを積極的に進めていくべきと考えます。乳幼児期は子育ての不安も多く、重層的なつながりが孤立化防止や虐待予防につながります。区の見解を伺います。 (5)虐待・DV対応について伺います。 在宅勤務が増え、また、学校や保育園の休校が長く続く中、虐待やDV増加の懸念が高まっています。厚生労働省が発表した1月から3月に訪問や一時保護などの対応をした児童虐待件数(速報値)は、いずれも前年に比べて1割から2割強の増加となったとの報道がありました。3月までの数のため、直接コロナウイルスによる影響かは不確かですが、4月8日にはユニセフが虐待、DV、性暴力に対する懸念を発表しています。 厚生労働省からは、4月27日に「子どもの見守り強化アクションプランの実施について」という文書が出されており、虐待予防のための細かな内容が記載されています。区としても、支援対象児童の見守りについては子ども家庭支援センターが行ってきていると伺っています。平時の取組ができないからこそ、特に子どもに関係する所管課は、自分たちの部署でできる虐待予防という観点を持つことが重要だと考えます。 各課のこれまでの経験を生かして、コロナ渦においても安心できるつながりの構築、ICT活用はもちろんのこと、感染予防をしながらの場の提供などできることは多くあると考えます。全ての子どもを守っていくという意識が区全体として必要です。見解をお聞かせください。 学校は徐々に再開されました。一方で、保育園は6月末まで登園自粛となりました。これだけ長期間休園や自粛が続いている中でも、園からの連絡がほとんどないところもあると聞いています。本来は、5月頭に緊急事態宣言が延長された際に各園からの確認連絡が必要でした。保育園再開に向けて、各園の裁量にとどまらず、子どもたちや保護者の様子の把握に努めていただくよう要請すべきと考えますが、いかがでしょうか。 子どもの見守り強化アクションプランの中には、SNSによる相談窓口の設置も記載があります。在宅勤務が増え、虐待やDVの加害者が在宅している中で、電話での相談は非常にハードルが高く、SOSを出したくても出せない状況だという理解の下、SNSでの相談事業に関しても進めていく必要があると考えます。区の見解をお聞かせください。 ひとり親家庭は、コロナ禍における在宅勤務や保育園、学童等の利用自粛、学校等休校による家庭での子育ての負担が増えています。育児不安やストレス軽減のため、アウトリーチも含めた相談体制の強化が必要だと考えます。 区では、今年度の新規事業として、ひとり親家庭交流会、子育て相談会の実施も予定をしています。開催に当たって感染予防の観点は重要ですが、早期の開催を実施すべきです。また、オンラインも含め、あらゆる手段で相談体制を考えていくべきです。区の見解をお聞かせください。 働けないことで生活困窮に陥りやすく、一人で子育てをしなくてはいけないひとり親家庭、ハイリスクがゆえに命を守るため、家庭での自粛を選ばざるを得なかった障害児の御家庭など、弱い立場の家庭を支えていく仕組みは大切です。 多くの方が子育てに一生懸命だからこそ、この状況下ではリスクになってしまいます。虐待に至る前の取組が重要です。区の見解をお聞かせください。 関連して、様々な相談事業に関して質問してきましたが、区で行っている講座や相談事業はこれだけにとどまりません。この先、いつ第2波が来るか分からない中で、新型コロナウイルスと共生していくためには、区が主催しているあらゆる講座や相談事業のオンライン化を進めていくためのインフラ整備の必要があると考えます。区の見解をお聞かせください。 (6)テレワークについて伺います。 第2次補正予算でテレワークの環境整備についても財源がつきました。区の仕事にはテレワークになじむものとなじみにくいものがあると思います。まずは業務の整理をしていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。 感染症対策で守るべき対象に妊婦がいます。影響は未知数なものの、病気にかかっても薬が飲めず、また重症化しやすいこともある中で、最大限のケアが必要です。妊娠している職員については、満員電車のリスク等もある中で、テレワークを最優先で導入すべきです。ほかにも子育てや介護など家庭に事情がある方が働きやすくなる側面もあると思います。 今後、テレワークを推進していくに当たっては、優先的に対象とすべき職員について、区の考え方に入れていくべきと考えますが、いかがでしょうか。 民間でも判こ一つのためだけに出社を余儀なくされる事例もありました。中野区では、電子決裁の推進をしてきており、76%が電子決裁可能です。さらに電子決裁率を上げていく取組が必要です。 また、今後、テレワークを活用した職員の働き方改革を計画的かつ着実に進めていく必要があると考えていますが、どのような状態を到達目標と考え、進めていくつもりなのか、区の考え方をお示しください。 テレワーク導入後には、その効果を図る必要があります。テレワークが進んだことにより区民サービスが低下してしまうことは本末転倒です。さらにテレワーク導入以前よりも業務の効率化が求められます。テレワークの実施により十分な成果や業務の効率化があったのか確認し、検証できる仕組みが必要と考えます。区の見解をお聞かせください。 (7)その他で1点。特別定額給付金について伺います。 今回の特別定額給付金に関しては、業務委託をする事務作業分については、国からの予算に含まれています。中野区では、今回9名の常勤職員が特別定額給付金担当課に集められ、作業をしていますが、その人件費については国の予算では見られていません。これまでも国の事業で見えないコストがかけられてきましたが、今後もこうした自治体への負担が増えることを危惧しています。 特別定額給付金は、5月1日に中野区議会臨時会にて補正予算が成立してから、5月8日にオンライン申請がスタート。5月15日から19日に郵送での申請用紙を全世帯に発送することができました。23区の中で比べても非常に早く、5月22日に最初の振込を実施、28日には7,000世帯への振込ができました。他区では混乱しているところも多い中で、区長のリーダーシップと職員の皆さんの御努力でスピード感を持って取り組むことができたことは、非常に高く評価しています。 様々な工夫により達成できたと思いますが、ここまでスピード感を持って取り組めたことの検証が必要です。課題や評価を洗い出し、ぜひ今後にも生かしていくべきです。区の見解をお聞かせください。 2番、ワクチンで防げる感染症対策について伺います。 世界中で未知の感染症が大流行し、ワクチン開発が待たれるところです。一方で、ワクチンが存在してもなかなか接種率が上がらない等、公衆衛生の観点からも、改めてワクチンで防げる感染症対策にも力を入れていかなければいけないと感じています。 (1)麻疹対策について。 新型コロナウイルスの世界的流行は、ほかの感染症予防にまで影響を及ぼしています。4月14日にユニセフは、37か国で約1億1,700万人の子どもたちがはしかの予防接種を予定どおり受けられないおそれがあり、麻疹のアウトブレイクが起きるおそれがあると発表しました。麻疹の感染力は非常に強く、脳炎や髄膜炎、熱性けいれん、肺炎、肝炎といった深刻な症状に発展することもあり、命を落とすケースもあります。 NPO法人「VPDを知って子どもを守ろうの会」の調査で、肺炎球菌ワクチンやMRワクチンの接種率が、新型コロナが流行し始めた昨年12月以降に20%近く低下をしていることが分かりました。これは中野区も例外ではないと考えます。 怖い感染症は新型コロナウイルスだけはなく、ワクチンで防げる感染症をしっかりと予防する必要性について、しっかりと区民にお伝えすることが必要だと考えます。病院によっては予防接種の時間帯を通常の診療と分けて行っているところもありますが、分かれていない病院だと安心して予防接種を受けに行けない御家庭もあるとの声があります。小さい子どもを抱える御家庭が安心して予防接種を受けられる環境整備も必要だと考えます。区の見解をお聞かせください。 麻疹風疹のMRワクチンは、接種率が低い年代もあり、これまで中野区でも風疹に主眼を置いて対策が進められてきました。昨年より、国で風疹の抗体検査及び予防接種が男性41歳から58歳に対して定期接種化され、抗体がない方々はMRワクチンを打っています。区では、定期接種化された年代以外にも補助金を出し、風疹予防には努めています。MRワクチンにより、麻疹も同時に予防が図れます。 区では、子どもへのMRワクチンも接種漏れの方に対し、2歳から19歳へ任意助成を実施しています。乳幼児予防接種では、第1期の接種率に関しては92%、第2期の接種率は90%で、残念ながらともに麻疹を制圧できる95%を下回っています。接種控えによりさらに接種率が下がることも予想されます。さらなる啓発が必要だと考えますが、区の見解をお聞かせください。 千葉市では、抗体のない方などを対象に麻疹ワクチンの助成を昨年12月から行っています。麻疹対策で犠牲になりやすいのは、定期予防接種対象前の1歳未満の子どもたちです。幼い子どもたちが犠牲にならないために対策が必要です。 子どもたちを守るために、区内在勤の保育士さんで抗体がない方に対しワクチン助成をすべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 麻疹に限らず、ワクチンで予防できる感染症は重大な病気を引き起こす可能性があり、ワクチンスケジュールを確実に進めていくことが非常に大切です。また、中にはワクチンを打っても抗体が定着しない体質の方、病気により免疫を失ってしまった方などもいらっしゃり、全ての子どもたちを守る公衆衛生の観点からも、区としてしっかりと対策を進めるべきです。万が一、第2波が来たときに、別の感染症も同時にパンデミックになるというリスクもあることを念頭に置く必要もあります。区の見解をお聞かせください。 (2)HPVワクチンについて。 今年大きな動きが出ているのがヒトパピロマーウイルス感染症ワクチンです。いわゆる子宮頸がんワクチンで、2013年4月から定期接種化されたものの、副反応事例と見られる報告が複数あり、同年6月から定期接種のまま積極的勧奨が停止をされているという不思議な状態が7年間続いています。 当時、メディアでも大きく取り上げられ、HPVワクチンに対する恐怖心が植えつけられることになりました。また、積極的勧奨がストップし、正しく判断する情報すら家庭に届いていないという現状もあります。その影響もあり、HPVワクチンは無料で受けられるものの接種率は非常に低く、中野区では、2019年決算値で、1回目1.7%、2回目1.2%、3回目0.9%にとどまっています。 この間、名古屋スタディなどの報告もあり、副反応事例と言われる症例とワクチンの因果関係は認められていません。また、ワクチンを接種していない群でも同じ症状が見られるなどの報告が上がっています。一方で、毎年1万人が子宮頸がんに罹患し、3,000人が命を落としている現状が続いています。早期発見での治癒率は高いものの、子宮を失い、長期間の転移との不安と闘ったり、子宮摘出を免れても不妊になってしまうなど、死亡に至らなくても大きな苦しみを伴います。 日本で積極的勧奨が止まっている中、諸外国では子宮頸がんの制圧も見えてきている国もあります。HPVは子宮頸がんの原因だけにとどまらず、陰茎がんや肛門がん、中咽頭がんなどの原因にもなり、男性にも定期接種が行われている国もあります。 積極的勧奨の差し控えから7年が経過しますが、この間、97の自治体が独自で個別通知を送っていました。今年1月31日、厚生労働省の検討会が開かれ、分かりやすくリニューアルするHPVワクチンのリーフレットとともに、接種できる日時や場所など具体的な接種方法について対象者に個別に送る方針が示され、了承されました。これを受けて、中野区としてはどのように対応していくのか、お示しください。 5月22日、厚労省は審査が行われていた9価ワクチンを承認することとなりました。日本ではこれまで2価ワクチンと4価ワクチンのみが承認されていましたが、世界では90%以上の子宮頸がんを防ぐとされている9価ワクチンが現在主流になっています。定期接種化に向けては、まだ少し時間がかかりそうではありますが、HPVワクチンにおける大きな動きです。 今回、ワクチン行政に対する機運は高まるものと予想されます。また、様々な動きがあるHPVワクチンに関しては、接種者の増加も見込まれます。医師会とも連携しながら体制を整えていく必要があると考えますが、いかがでしょうか、伺います。 さきに述べたように、これまで言われてきた副反応事例とHPVワクチンの因果関係については証明されていませんが、しかしながら、疼痛などに苦しむ方々がいらっしゃることは事実です。ワクチン接種が増加すれば、副反応事例と関連づけて疑われるケースが増えることも予想ができます。こうした方々へのケアもしっかりと取り組む必要があります。区の見解をお聞かせください。 これまで7年間、公費で受けられるのにもかかわらず、そのこと自体を知らずに接種機会を逃してしまった方々も多くいらっしゃいます。国が積極的勧奨を再開すれば、遡って補償をしていく等の対応が考えられますが、それまでにもまだ時間がかかりそうです。昨年度末まで定期接種が対象だったものの、今回、新型コロナウイルスの流行により接種機会を逃してしまった方々に対し、ワクチン接種の機会を設けるべきと考えます。いかがでしょうか、伺います。 (3)BCGワクチンについて伺います。 今回、新型コロナウイルス感染症の流行においては、様々な科学的根拠がない話が蔓延したこともありました。その一例がBCGがコロナウイルスに効くというものです。これはBCGワクチンを定期接種化している国での症例数と死亡者数が比較的少ないことが起因しています。一方で、イスラエルの研究グループが予防効果は認められなかったと発表しました。 こうした科学的根拠が乏しい事例が出てきたことにより、本来の接種対象ではない方々がワクチン接種を希望される事例が出現しました。その影響もあり、BCGワクチンの出荷数は例年の3倍にも上るとの報道もありました。 日本においては、BCGワクチンの年間生産数は出生数でコントロールされており、こうした動きは、本来ワクチンを受けるべき子どもたちがワクチン不足により受けられなくなってしまうというリスクが生じてしまいます。こうしたことが中野区内で起きてしまわぬよう、本来受けるべき子どもたちが受けられるよう医師会へ協力要請をすべきと考えますが、いかがでしょうか。 こうした未知のウイルスが大流行すると、わらをもすがる思いで非科学的なことにも頼ってしまいたくなる感情は理解しますが、行政としては科学的根拠に基づいた政策を進めていかなくてはいけません。こうした観点を忘れずにこの未曾有の状況を乗り越えるために、今後も取り組んでいっていただくことをお願いし、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 中村議員の御質問にお答えいたします。 1点目に、新型コロナウイルスと共生する区政運営について。 最初に、新型コロナウイルスとの共生の視点についての御質問です。 新型コロナウイルス感染症の拡大は、これからの社会経済の在り方を変え、人々の価値観や文化にも大きく影響を及ぼすものと認識をしております。今後の区政運営に当たっては、新しい生活様式の定着に向けた施策展開とともに、今後厳しさが増していく区財政を踏まえた財政運営が必要であると考えております。 次に、一部の職員に業務が集中する仕組みの見直しについてでございます。 新型コロナウイルス感染症や大規模災害への対応など、年度当初の職員定数を配置した際には想定していなかった業務量の増加があった場合には、全庁的に各所属の業務の繁閑や組織の規模に応じて兼務職員による応援体制を組むなど臨機応変に対応してきたところであります。第2波、第3波を想定した応援体制を迅速に組むことができるよう、連携協力体制の準備を行ってまいります。 次に、保健所の職員配置についてでございます。 緊急事態宣言は解除されましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、今後起こり得る第2波、第3波の感染拡大に備えて、保健所の感染対策業務を引き続き着実に実施していく必要があると考えております。そのために必要な応援体制についても引き続き継続していく必要があると考えております。 次に、公衆衛生医師の配置についてでございます。 中野区としては、少なくとも保健所長、保健予防課長、地域医療連携担当課長、結核予防担当の4名の公衆衛生医師の配置が必要と考えておりますが、東京都からの配置は3名にとどまっております。今後も東京都に対して必要な人員配置を行うよう要望してまいります。 PCR検査等の実施体制の確保と周知についてでございます。 PCR検査は、医師が臨床症状や画像所見等から総合的に必要と判断した場合に実施するものでございます。区が従来の帰国者・接触者外来での検査に加えて、今回PCR検査センターを開設したことによって、区内で円滑にPCR検査が受けられる体制が確保できました。 検査キットにつきましては、感度や検体管理の方法などその特徴を生かして使用する必要がございます。今後とも必要な人が遅滞なく検査を受けられることができるように、PCR検査センターの仕組みの周知に取り組んでまいります。 次に、通常業務の休止、抑制についてでございます。 改正新型インフルエンザ特別措置法に基づく内閣総理大臣の緊急事態宣言を受けて、各部においては、中野区政のBCPに基づいて、必要に応じて通常業務の休止、それから実施規模の縮小等を実行したところでございます。 次に、インフルエンザ等対応マニュアルについてでございます。 中野区インフルエンザ等行動計画につきましては、平成26年に策定しておりますが、それに基づく中野区インフルエンザ等対応マニュアルにつきましては、現在まとめたものは存在していないため、今後作成してまいります。また、各部が作成する非常時の優先マニュアルにつきましては、必要に応じて各部で作成をしております。 次に、実行力のある危機管理体制の整備についてでございます。 新型コロナウイルス感染症対策に当たりましては、当初、健康管理対策本部で全庁的な調整や情報共有等を行っていたため、健康福祉部が中心となっておりましたが、想定を超える広範囲な庁内調整が必要となったことなどから、危機管理等対策会議を通じて、危機管理課が中心となって全庁的な調整等を行うように変更し、健康福祉部が防疫活動等に専念できる体制としたところであります。経済対策と生活支援の政策の総合調整を含め、全庁的な調整は危機管理等対策会議を通じて行うことで、部門間の横断的な調整を行っております。 次に、部間の応援体制についてでございます。 これまでに応援体制を構築する際には、従事する業務の内容や量、実施期間などに応じて、必要な職員の人数やスキル、経験等を把握するとともに、各所属の経常業務の繁閑や職員体制などから協力可能な所属や職員を選定し、全庁的な調整を行ってきたところであります。 各所管とも本来業務を行っている中で迅速に応援体制を組むのは容易ではないため、繁忙期や臨時的な業務の増加に対応した人員配置ができるように、事業の見直しや職員定数の見直しが必要であると考えております。 情報システムを活用した職員データの管理につきましては、今年度予算の執行統制の対象としており、今後の財政状況を勘案して導入時期を見極めていきたいと考えております。 次に、避難所スペースの確保についてでございます。 避難所における新型コロナウイルス感染症対策につきましては、密接・密集による罹患やクラスター化を防ぐことが重要であると認識しております。 今後の避難所運営におきまして、避難スペースを広く確保するため、風水害時には区民活動センターに加えて、学校やすこやか福祉センターを災害初期から開設するなど、より多くの避難所の開設を考えております。また、震災時は避難所の設置・運営に当たって、体育館はもとより校舎の一部活用も含め、避難者一人当たりの面積を広く確保することなどについて検討しているところでございます。 次に、人員体制の整理についてでございます。 震災時及び風水害時において、避難所を通常より多く開設する等の対応を図ることから、運営に当たる必要な人員を確保するために、区における災害対策本部体制として、当初から第1次、第2次非常配備体制とするなど、着実な対応を図ってまいります。 避難所における感染症対応マニュアル等についてでございます。 避難所における感染防止対策を確実なものとするため、避難者の健康状態の管理や接触感染及び飛沫感染の防止対策などを盛り込んだ避難所運営マニュアルを整備するとともに、職員訓練や避難所運営訓練などを通じて周知し、適切な避難所運営に努めてまいります。 次に、区民への広報についてでございます。 災害時の避難行動につきましては、区民の生命を守る上で欠かせないものと認識をしております。一方で、新型コロナウイルス感染症におきましては、避難所の密集や密接による罹患やクラスター化を防ぐことが重要であることから、在宅避難や親戚、友人宅への避難の有効性も広く区民に周知してまいります。 次に、緊急雇用対策についてでございます。 経済の停滞によって、事業者とともに従事者も厳しい状況に置かれて、休業や失業を余儀なくされている人々が少なくないと認識しております。今後の国や東京都による対策も視野に入れながら、区として緊急雇用対策を含めた継続的な経済対策を講じてまいります。 次に、国への要望でございます。 特別区長会では、5月22日に国に対し、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金に関する緊急要望を提出したところでございます。特別区全体の必要な財政需要を的確に反映した追加の財政支援について要望し、財政力や人口規模の指標によって交付限度額が割落としをされている現状を主張したものであります。 今後、特別区として要望を行うに当たっては、不合理が生じないよう必要な財政措置を求めるほか、中野区の地域の実情に応じた財政支援についても要望してまいります。 次に、都補助を財源とする事業の実施についてでございます。 東京都単独の補助事業における平成30年度の都支出金の歳入決算は約51億円でございました。これらの事業について、都の動向を注視するとともに、事業の必要性を改めて検証し、来年度の予算編成に向けた検討を行ってまいります。 次に、産前産後事業に係るオンラインの活用についてでございます。 産後ケア事業は、心身のケアと育児サポートが必要な方が助産院等に来院したり訪問を受ける事業でございます。事業者と利用者ともに感染予防対策を十分に行った上で事業を継続してまいりました。それ以外の事業につきましては、東京都の外出自粛要請により一律の訪問や来所面談、参加者を一堂に集める集合形式の事業はやむを得ず延期、中止をしましたが、電話相談や希望による保健師の訪問等は実施したところでございます。 産前産後は、妊娠・出産による体調の変化や精神的な不安の解消、子育てによる孤立感や不安感の解消など適宜に応じた支援が必要なことから、オンラインを活用した相談などの実施についても検討してまいります。 今回の事業中止により集まる機会がなくなった親子がつながる仕組みの必要性についてでございます。 東京都の外出自粛要請や参加者の感染防止を第一に考えた結果、母子が集合形式で参加する事業は中止せざるを得ませんでした。新型コロナウイルスが蔓延し始めた時期に子育てをスタートした月齢の親子に限らず、妊産婦とその家族同士の仲間づくりは、子育てによる孤立感や不安感の解消などにつながるものと考えております。中止となった事業の対象月齢の親子が参加できる事業を実施することを検討してまいります。 親同士がつながれる重層的な仕組みづくりについてでございます。 地域で近い月齢・年齢の子どもたちが集まれる仕組みは必要と考えておりまして、地域で親子が集い、交流できる場として、すこやか福祉センターが児童館と連携し、乳幼児と保護者を対象として実施している地域育児相談会、そして子育て中の親子の交流・情報交換の場である子育て広場などを設けております。今後もこれらの事業を活用して、地域での親子の仲間づくりを進めてまいります。 次に、要保護児童の見守りの意識でございます。 区では、平成17年に要保護児童対策地域協議会を設置し、関係機関が連携する中で、要保護児童への支援を実施してきているところでございます。 今回の新型コロナウイルス感染状況下においても、国の通知に基づいて、子ども家庭支援センターをはじめ、学校や保育所など各関係機関が電話訪問等によって支援対象児童等の把握に努めております。今後も要保護児童対策地域協議会を構成する関係機関が必要な情報を共有して支援を行っていく中で、着実な支援を維持していきたいと考えております。 次に、児童の生活状況把握のための保育所への要請についてでございます。 区は、臨時休園を延長した4月下旬、支援が必要な要保護児童など家庭での保育の状況を確認する必要がある家庭などにつきましては、適宜電話等で家庭での保育の様子を把握するよう保育所に要請してまいりました。 また、保育所への登園自粛を要請した5月下旬には、全家庭の子どもの様子を電話等で把握するよう保育所に要請したところでございます。引き続き登園を自粛している家庭の様子について把握するよう、全ての保育所に要請していく考えでございます。 次に、SNSによる相談でございます。 区のホームページでは、虐待の相談先として、子ども家庭支援センターの電話番号だけではなく、メールアドレスも掲載しておりまして、メールによる虐待疑いの通告も受理しているところでございます。 一方で、生活援護課のDV被害相談は、本人確認や加害者による成り済ましの回避等、慎重な対応が求められるため、メールでの相談は受け付けておりません。 SNSによる相談は、対面や電話相談と違い、表情や声色が分からない中での相談であり、聞き方の工夫などの対応が必要となります。先行実施している自治体等の運営や実施状況を参考にして、今後の検討課題としてまいります。 次に、ひとり親家庭相談でございます。 ひとり親家庭を対象とする交流会等につきましては、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、対策を講じた上で、実施に向けて準備を進めております。現在、ひとり親家庭の相談につきましては、子ども総合相談窓口や電話で対応を行っているところであります。ひとり親が置かれている状況等を踏まえて、相談しやすい環境について検討してまいります。 次に、虐待に至る前の取組でございます。 要保護児童対策地域協議会では、虐待等による継続的な支援が必要な児童だけでなく、保護者を支援することで虐待を未然に防ぐ取組も進めているところでございます。今後も要保護児童対策地域協議会、更生機関の機能を活用して、区が調整役となり、児童相談所や警察、医師会、歯科医師会、民生児童委員等との連携を図りながら、虐待に至る前の支援を充実してまいりたいと考えております。 次に、あらゆる講座や相談事業のオンライン化についてでございます。 新型コロナウイルス感染症を乗り越え、暮らしや働く場での感染拡大を防止する新しい日常を定着させていくためにも、講座受講や相談がオンラインでできる環境の整備は必要だと考えております。順次整備に向けて着手をしてまいります。 最後に、特別定額給付金の課題や評価についてでございます。 本事業につきましては、当初から専門スキルや実績を有する外部事業者に委託することを予定しておりましたが、迅速に給付することを最優先課題として取り組み、外部事業者の決定に当たりましては、印刷関係とその他の事務を分け、最適な事業者を組み合わせることなどを工夫し、結果として早い時期に申請の御案内を送付することができました。 課題としては、オンライン申請に関して目視での確認が必要となっていることが挙げられます。また、今後としては、高齢者や障害者の方、日本語が不自由な方など申請が難しい方への対応についてはまだ十分でないと考えているところでございまして、全ての区民の方へ迅速な給付ができるよう取り組んでまいりたいと考えております。 〔総務部長海老沢憲一登壇〕 ○総務部長(海老沢憲一) 私からはテレワークについての御質問にお答えしたいと思います。テレワークの対象となる業務の整理についてでございます。 新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために、今後も職場における3密を極力避けながら業務の成果を上げていく必要があるため、テレワークを推進していく必要があると認識しているところでございます。そのため、環境を整備し、本格的な運用開始する際にはテレワークに適した業務を整理し、職員に周知するとともに、そうした業務の切り出しやテレワークの勧奨などにより推進していきたいと考えてございます。 続きまして、優先的にテレワークの対象とすべき職員についてでございます。 妊娠している職員のほか、家庭で介護や子育てを行っている職員など、テレワークの実施により家庭と仕事の両立がしやすくなる職員がいると認識しているところでございます。 テレワークを活用することによって、仕事と家庭を両立しつつ、限られた職員数の中で仕事の成果が高められるように人材活用を図りたいと考えているところでございます。そうした職員をテレワークしやすい業務に配置できるような仕組みを検討してまいりたいというふうに考えてございます。 続きまして、テレワーク推進の目標でございます。テレワークやリモートワークは、より効率的で生産性の高い働き方を実現するための手段の一つであると認識しているところでございます。また、文書の電子化をさらに推進させることによりまして、テレワークで実施できる仕事を増やすことができるというふうに考えてございます。 そうした観点から、全ての職員がニーズに応じて活用できる環境や体制を整備し、様々な働き方を選択できるようにすることで、職員の働き方改革とワーク・ライフ・バランスの実現を推進するとともに、区全体の業務の成果が高められるようにしていく必要があると考えているところでございます。 最後に、テレワークの成果を確認、検証できる仕組みについてでございます。 テレワークの実施に当たりましては、自宅で実施した業務の履行状況や成果物等を確認し、適正かつ適切な運用を確保していく必要があると考えております。 パソコンを使用した業務を行う場合には、アクセスログや各種アプリケーションの使用状況などから、どのような作業を行っていたのか効率的に確認できるツールなどによって、業務の成果や効率的に行われたかどうかについて検証できる仕組みについて検討してまいりたいと考えております。 〔保健所長向山晴子登壇〕 ○保健所長(向山晴子) 私からは、VPD、いわゆるワクチンで防げる感染症対策につきまして、一連のお尋ねにお答え申し上げます。 まず麻疹についてでございます。麻疹や風疹はワクチン接種によりまして個人の罹患予防ができるとともに、集団発生の予防が可能なものであり、接種年齢や標準的な接種スケジュールが示されているところでございます。 MRワクチンにつきましては、効果的な接種月齢が同様に定められておりまして、過度に予防接種を控えることは原則として望ましくございません。しかしながら、国は、3月19日付で今回の新型コロナウイルスの影響でやむを得ず既定の接種時期を超えた場合でも定期接種としてみなすことを通知し、区は、3月に医療機関に周知を図り、かかりつけ医からの勧奨を強化してございます。また、区民につきましても、ホームページを通じて周知を行っております。 個々の接種医療機関では、個人の方の体調に合わせた接種を行うとともに、ワクチンロスを回避するため、原則予約制により予防接種の時間帯を分けております。区は、感染管理の充実につきましても、安全・安心な接種環境の整備に向け、引き続き協力を求めてまいります。 また、麻疹と他の感染症等の同時パンデミックについてでございますが、小児の健康を守り、また、さきにも申し上げたような集団発生を予防するためにも、ワクチンを適切に実施していただくということは重要で、ホームページではVPDに関してのポスターなどをもちまして、区は啓発に努めているところでございます。 仮に新型コロナウイルスと呼吸器、上気道炎症状を伴う疾患が同時に市中で流行いたしますと、いずれかを見分けるという鑑別診断自体が困難になりまして、地域や救急医療に影響を生じるということも危惧されてございます。 区としては、インフルエンザ様疾患を含む感染症サーベイランスシステムあるいは幼稚園・保育園、学校サーベイランスなどを活用いたしまして、地域の流行状況を早期に探知し、御指摘のワクチンにつきましても啓発を努めてまいります。 次に、HPVについてのお尋ねがございました。 普及啓発でございますが、HPVワクチンは思春期の女子に対しての接種を行い、その後、子宮がん検診を組み合わせることで、かなりの頻度で子宮頸がんの予防が可能なことを認識してございます。 一方、御指摘のように、ワクチンの接種後に副反応報告や多様な症状が散発したことも事実でございまして、国は現在も定期接種の対象とはしながらも、積極的勧奨の再開には極めて慎重な姿勢を見せてございます。 しかしながら、この接種率の低迷は、将来の子宮頸がんの発生予防に明らかに影響することから、区は、この間、地区の医師会と協議を重ねてまいりました。今年度からDT二期の予診票の送付でございますとか、中学校3年生に悉皆で送付する危険ドラッグ防止のリーフレットの個別送付に合わせて、HPVワクチンに関する情報提供を行い、受診率の向上を図ってまいります。 次に、医師会との連携と予防接種の体制についてでございます。 2018年5月、WHOが思春期の女子に対するHPVワクチンの接種と定期的子宮がん検診によって、子宮頸がんを2030年までに排除・克服するということを公衆衛生上の重大目標に掲げ、我が国においてもワクチン接種に対する社会的機運は高まってございます。 お話ございました9価のワクチンにつきましては、現段階では薬事・食品衛生審議会薬品部会での承認段階でございまして、定期予防接種への導入についてはまだ時間がかかるものであると認識をしてございます。しかし、ワクチンが感染症予防に極めて大きな役割を果たすということは広く理解をしているところでございまして、区は今後とも区医師会と密接に連携しながら、接種環境の整備に努めてまいります。 HPVワクチンの副反応疑いへの対応でございます。 HPVの副反応につきましては、他の予防接種と同様、一義的には接種を行った個別医療機関や実施主体である区が対応することになるため、HPVワクチンにつきまして、区は医師会との情報交換や最新の治験を共有する学術講演会等に共同参加して、相談、連携に努めてまいりました。 また、子宮頸がんワクチンにつきましては、局所の副反応や接種後に生じる一過性の湿疹のほか、頻度はまれですが、心身の機能的な後遺症を生じる事例もあり、国も専門家から構成される相談窓口を設置しているところでございます。 近年、副反応に関する認知行動療法やリハビリテーションの実施など、数学的な治療研究が報告されていることから、区としてもこれらの動向を注視してまいります。 接種機会を逃した方への対応でございますが、新型コロナウイルスの影響でやむを得ず接種の時期を超えた場合は定期接種とみなし、公費負担の扱いとなりますHPVワクチンを行う対象になってございます。延長期間につきましては、現在、国に照会をしているところでございます。 最後に、BCGワクチンの関連でございます。 オランダ等での海外の臨床研究の報道を契機に、BCGワクチンがコロナウイルスの予防に有効ではないかという風評が流れ、実際に当区におきましても、法定接種の対象外の方から接種の希望や有効性に関する相談が区内の医療機関に寄せられたという事例はございました。 BCGワクチンは、お話ございましたように、乳幼児の結核の罹患あるいは髄膜炎等の重症結核の予防に非常に有効な不可欠なワクチンとなってございます。新型コロナウイルスの感染症の予防には、実際にはエビデンスがなく、国民は冷静に行動対処すべきであるということを厚生労働省、日本結核病学会等が相次いで表明をしてございます。 区としては、今後とも科学的根拠に基づく適切なワクチン接種が維持できるよう、医療機関との情報共有や区民への啓発に一層努めてまいります。 〔子ども教育部長戸辺眞登壇〕 ○子ども教育部長(戸辺眞) 私からは、ワクチンで防げる感染症対策のうち、保育士に対するワクチン接種助成についてお答えいたします。 平成19年に麻疹が流行したことから、保育士実習を受ける学生については、事前に麻疹及び風疹の混合ワクチンであるMRワクチンを接種することとされております。また、区では、私立園を含め、保育士全員に対し、罹患歴及びMRワクチン接種歴を確認し、抗体を確認できない保育士にはワクチン接種を推奨しているところでございます。 しかしながら、平成19年以前に保育士資格を取得した一部の保育士は、麻疹の抗体を保有していない可能性もあることから、今後、MRワクチンの接種状況等の確認をさらに徹底させてまいります。併せて、抗体検査やワクチン助成について研究してまいりたいと考えております。 ○議長(高橋かずちか) 以上で中村延子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 白 井 ひでふみ 1 新型コロナウイルス感染症禍の区の取り組みについて 2 複合災害対策について 3 教育行政について 4 システム障害の再発防止策について 5 その他
○議長(高橋かずちか) 次に、白井ひでふみ議員。 〔白井ひでふみ議員登壇〕 ○25番(白井ひでふみ) 令和2年第2回定例会に当たり、公明党の立場から一般質問を行います。 質問に先立ち、新型コロナウイルス感染症の罹患によりお亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、自らを危険にさらしながらの過酷な状況下、献身的な御努力をいただいている医療従事者の方々をはじめ、国民の健康と生活を支えてくださっている多くの皆様に敬意と感謝を表させていただきます。 質問に移ります。質問項目は通告順に従い、1、新型コロナウイルス感染症禍の区の取り組みについて、この項では区の現況をお尋ねし、追加対策、区の計画、財政運営をお伺いします。2、複合災害対策について、3、教育行政について、4、システム障害の再発防止対策について、5のその他の質問はありません。 [1]初めに、1、新型コロナウイルス感染症禍の区の取組について伺ってまいります。 3月13日に成立した新型コロナウイルス感染症対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言が4月7日に東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に、4月16日には全国を対象に発令されました。感染拡大による医療機関の危機的状況、外出自粛、休業要請により生活が一変し、多くの方々が不安を抱えることとなりました。そして、5月14日に北海道、東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、京都、兵庫の8つの都道府県を除く39県で緊急事態宣言が解除され、5月21日には大阪、京都、兵庫の3府県について、5月25日には首都圏1都3県と北海道の緊急事態宣言が解除、およそ1か月半ぶりに全国で解除されることとなりました。 緊急事態宣言の解除を受けて、東京都は5月26日から休業などの要請の段階的な緩和を始めています。 都は、昨日の6月1日午前零時から緩和措置の段階であるステップ1から次のステップ2に進め、緩和の対象を広げ、学習塾、劇場や映画館、スポーツジム、百貨店などの小売店も再開できるようになっている段階です。 この間、公明党議員団として、本当にたくさんの御相談や御要望をお受けするとともに、区へ新型コロナウイルス感染症対策の要望や提案を行ってきたところです。また、特に区内医療機関において大規模クラスターが発生したとされる事案については、公明党東京都本部代表高木陽介衆議院議員、代表代行高木美智代衆議院議員を通じて、国に対して支援の要請を行うとともに、都議会公明党東村邦浩幹事長、高倉良生政務調査会長とともに、区議会公明党が共同して直接東京都に対して支援の要請、要望を行ってもまいりました。 そこで、中野区内のこれまでの新型コロナウイルスの感染状況の経過と現在の状況を伺うとともに、特に区内医療機関での大規模院内感染の対応策と現状についてお尋ねします。 新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の発令の下、不要不急の外出の自粛、休業要請により生活に困窮する区民へ迅速に支援の手を差し伸べるべく、一人一律10万円の特別定額給付金の給付を推し進めてきたところです。 中野区においての一日でも早い申請用紙の郵送、そしてその給付の実現をとの思いで、職員の皆様にはしつこいほど声を上げさせていただきました。お応えをいただき、人口規模の小さな自治体と同様とはいきませんが、23区内においては早い時期での申請用紙の郵送、そして、給付が始められたと感じています。既に給付が届いた方からは、中野区は他区と比べ対応が早いとの反響も頂いています。この場をお借りし、職員の皆様の御努力に感謝を申し上げますとともに、引き続きの御尽力をお願い申し上げる次第です。 そこで、特別定額給付金について、現在の申請の返信件数と給付件数、申請受理から給付までに要している日数をお尋ねします。 また、オンライン申請について、申請の確認に手間と時間を要することから、オンライン申請自体を取りやめる自治体もありました。オンライン申請について、区の状況についてお尋ねをするとともに、さらに特別定額給付金の少しでも早い給付を行うため、取組の工夫ができないか、要望を込めてお伺いいたします。 次に、生活に困窮する世帯への大きな支援となる住居確保給付金や福祉貸付、事業者への産業融資についてお伺いいたします。 5月28日から、大きな郵便局においても福祉貸付の相談窓口が開設されました。土日や休日に営業する窓口、ゆうゆう窓口が設置されている郵便局が対象となります。住居確保給付金、社会福祉協議会での福祉貸付、産業融資のそれぞれの相談窓口の混雑状況など現況についてお尋ねします。 また、住居確保給付金、社協での福祉貸付について、郵送での申請の不備による確認が必要な件数や割合、住居確保給付金、社協での福祉貸付、産業融資のそれぞれについて、申請受理から給付、またはあっせんまでに要する日数についてお尋ねします。特に住居確保給付金については、生活に困窮する区民への迅速な救済策とすべく、さらなる早期の給付に向けた取組を進めるべきと考えますが、お伺いをいたします。 次に、妊婦支援としての妊娠・子育て応援ギフト券の追加配付について伺います。 妊婦さんの新型コロナウイルス感染防止のために、健診時などのタクシー移動や衛生用品の購入などに使える妊娠・子育て応援ギフト券1万円の上乗せ事業が始まりました。この事業は、都の補助制度である妊婦のタクシーでの移動支援を活用して、区が妊娠・子育て応援ギフト券の追加配付として展開するものです。 妊娠・子育て応援ギフト券の対象となる妊婦は、都の事業概要では、自治体での事業開始日を基準日とするとなっていました。区の事業は5月25日より開始されましたので、対象が5月25日以降となり、一方、国の児童手当受給世帯への上乗せの1万円の臨時特別給付金の基準は3月31日となっています。これでは、中野区においては4月1日から5月24日までに生まれた子どもたちがどちらの支援策にも該当しない未対象者となってしまうことから、都に事業概要の修正の申入れを行ってまいりました。都は、新年度である令和2年4月1日以降にかんがるー面接を済んでいる方は補助の対象とするとの修正に応じましたが、これでもまだ旧年度の3月までに面接を終えている方が未対象となり、不公平が生じることとなります。本来であれば都が配慮すべきと考えますが、区として不公平を是正するため、4月1日から5月24日までに生まれた全ての子どもたちに支援策を講じるべきと考えますが、お伺いいたします。併せて、対象となる人数も伺います。 次に、税や保険料の徴収猶予や減免の特例措置について伺います。 収入が減少したことによる納税、納付が困難な方への支援の拡充がなされているところです。保険料については、具体的な減免の基準も明らかとなってきたところです。 特別区民税・都民税である住民税や国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料である保険料の徴収猶予や減免の相談について、それぞれの相談窓口の状況を伺うとともに、混雑解消のための取組が必要であると考えますが、お伺いをいたします。 次に、追加対策について伺ってまいります。 産後ケア施設における感染拡大防止のための支援について伺います。 5月13日付の厚生労働省からの通知には、産後ケア施設に対する感染予防対策の補助として、国が10分の10の負担で1施設当たり上限50万円の支援を行うとしています。区として制度がまだ創設されていないようですが、助成制度を活用し、早期に事業を実施すべきと考えますが、お伺いいたします。また、事業の開始めども併せてお尋ねいたします。 さらに、国や都の助成制度が矢継ぎ早に公表されていますが、国や都の助成制度が活用できる施策については、早期の検討、実施が求められています。区がいまだ展開していない事業についての掌握や検討状況について、区の取組をお伺いいたします。 次に、オンラインを活用した相談等の事業について伺います。 新型コロナウイルスの感染予防のため、新しい生活様式が広がりを見せ、浸透し始めています。中でもオンラインを活用した会議やコミュニケーションについては有効であり、我が会派の会議においても、この間初めて取り組み、多分に活用しているところです。区においてもオンラインを活用した相談や窓口、打合せ会議などの事業の実施について検討を進めるべきと考えます。 特に地域でのワンストップの相談事業を実施してきたすこやか福祉センターでの事業がこの間中断している状況です。オンラインも活用しての子育てや妊産婦、障害者、高齢者など相談事業を進めるべきと考えますが、お伺いをいたします。 次に、新型コロナウイルス感染症の収束に取り組むとともに、景気、経済の立て直しにも取り組むための検討時期にステージが移ってきています。新型コロナウイルス感染症拡大の影響による経済基盤の沈下を立て直すため、区内事業者の支援策として、コロナショック禍の景気・経済対策を実施すべきと考えます。商店街連合会から既に要望が挙がっているプレミアム商品券の実施や区内事業者の支援策について、区の検討状況をお伺いいたします。 加えて、キャッシュレス・消費者還元事業について伺います。 昨年の10月1日の消費税率引上げに伴い、需要標準化対策として、キャッシュレス対応による生産性向上や消費者の利便性向上の観点も含め、消費税率引上げ後の9か月間に限り、中小・小規模事業者によるキャッシュレス手段を使ったポイント還元を支援する事業がこの6月まで実施されています。さらに9月からはキャッシュレス決済を対象にした新しい施策「マイナポイント事業」が開始される予定です。 マイナポイント事業とは、マイキーIDを設定してマイナポイントの申込みを行った決済サービスのチャージや購入をした利用額に応じてポイントが付与される事業を指します。プレミアム率は、チャージ額または購入額の25%で、上限5,000円分となります。制度が複雑ですが、最大2万円のキャッシュレス決済で5,000円分がもらえることとなります。対象はマイナンバーカードを取得し、マイナポイントを申し込んだ全ての方が対象となりますが、マイナンバーカードの取得とマイナポイントの申込みのための支援、また、制度の周知が不可欠です。区民への周知、マイナンバーカードの交付、マイナポイントを受け取るためのマイキーID登録支援のサポート体制の充実を図るべきと考えますが、区の取組を伺います。 また、マイナポイントを区内で利用し、区内商店街や事業者への還元策となるように支援策を講じるべきと考えますが、お伺いをいたします。 次に、区の財政見通しと今後の財政運営についてお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、財政基盤の弱い中野区にとってはもはや緊急事態です。大規模な計画の見直しと財政運営の在り方の見直しに着手しなければ、区財政は困窮を極める事態になると考えます。影響を見定めてからとの判断では、打てる施策も限られてしまうとも考えます。 令和2年度の事業執行の見直しを訴えてきたところですが、令和2年度の歳入歳出の収支の見通し、令和3年度以降の歳入の見通し、そして、今後の財政調整基金の活用と区の計画や事業の見直しによる歳出削減を図らなければならない予想額を幾らと算定するのか、お伺いをいたします。 次に、現在検討を進めている基本構想・基本計画の策定についてお伺いいたします。 検討を進めている基本構想・基本計画の策定において、スケジュールとともに、その内容について、検証、修正が余儀なくされる状況にあると考えます。 この直近の複数年の財政の見通しを立てての区政運営である緊急計画の策定が優先かつ急務であると考えます。将来10年を構想期間とする基本構想、5年を計画期間とする基本計画、その裏づけが必要となる財政見通しが不透明とならざるを得ない状況下、直近複数年の緊急計画の策定を優先すべきと考えますが、区の考えを問います。 また、区の事業計画の見直しを全体的に検証するためのスキームも併せて示すべきと考えますが、お伺いいたします。 次に、中野体育館の解体時期について伺います。 東京オリンピックの開催延期の決定がなされたことにより、現在の中野体育館の取壊し時期を延伸しなければ、体育館が使用できない時期が生じることとなります。また、区財政が最も逼迫するタイミングでの歳出を抑制するためにも、中野体育館の取壊し時期や新区役所の建築計画の延伸も含め、検討すべきではないかと思いますが、お伺いいたします。 次に、先ほどオンラインを活用した相談体制の創設をお伺いしました。新しい生活様式に沿う行政全体の在り方を検討する必要があると考えます。オンラインやICTの活用が大きな役割を担うことになるため、区政全般にわたる情報化推進計画の策定のうち、特に区の業務の在り方についての情報化推進計画の策定を促進すべきと考えますが、お伺いをいたします。 新型コロナウイルス感染症禍、また、その対策のための事業の実施により、区の事業部課の業務量の多寡に大きな差が生じていると感じます。平時よりそれぞれの事業部課に業務の繁忙期があるものの、緊急事態への迅速な対応が求められる繁忙とは大きく異なります。区の事業計画の見直し整理による事業部課の再編を行い、それに伴う機動的人事異動の発令により職員のマンパワーをバランスある配分で事業部間における業務量の多寡を調整すべきと考えますが、お伺いいたします。 この項の最後に、新型コロナウイルス感染症禍の緊急事態に直面している区の今後複数年にわたる区政運営について、施政方針や行政報告を区長自身が行うべきであったと考えます。区長の施政方針や行政報告を受けての議会での一般質問を行うことがあるべき質疑と思いますが、伺って、この項を結びます。 次に、複合災害対策について伺います。 5月1日に防災減災・災害復興に関する58学会のネットワークから成る「防災学術連携体」が市民への緊急メッセージ「感染症と自然災害の複合災害に備えてください」との緊急提言を発表しました。 複合災害とは、先行災害からの復旧途上で別の災害が発生することにより、各災害単独発生時の被害の単純和よりも大きな被害が発生する災害との定義がなされています。 その緊急メッセージの内容は、1、感染症と自然災害の複合災害リスクが高まっています、2、感染リスクを考慮した避難が必要です、3、地震・火山災害との複合災害に備えましょう、4、気象災害との複合災害に備えましょう、5、熱中症への対策も必要です、との五つに集約されています。 新型コロナウイルス感染症禍のさなかに関東地方での豪雨や長野県中部を震源とする連続する地震、首都圏においては最大震度4の地震が発生し、緊急地震速報に驚きを感じたことは記憶に新しいところです。また、これから日本列島は梅雨のシーズンにも入ります。 4月21日、内閣府は各自治体へ通知を発し、避難所での感染拡大を防止する観点から、安全が確認された自宅での在宅避難や親戚や知人宅などの避難先を想定しておくことなど、災害時避難所に過剰に人が集まらないように、感染症対策のため、自治体から住民への周知を求めています。また、可能な限りたくさんの避難所を開設することや感染者への対応を事前に検討していくことを自治体に求めています。 区の複合災害対策として、避難所での個人に割り当てられる空間の拡充見直しや、それに伴う分散避難所の開設数拡大、避難所の運営について検証し、新たな避難所運営マニュアルの策定を進めるべきと考えますが、お伺いいたします。 また、もとより区内の公的避難所の開設数には限界があります。在宅での避難を推奨しての事前の準備や備えなど周知に努めるとともに、これまでも推進してきた他自治体と連携した区外での避難所開設である遠隔避難所の開設拡大に向け、一層の連携を進めるべきと考えますが、お伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症禍の複合災害に備え、体温計やマスク、消毒液、パーテーションなどの間仕切り等々、新たに備蓄として追加しなければならないものや数量を増やさなければならないものの検討を進める必要があると考えます。区として、新型コロナウイルス感染症禍での複合災害に備え、対策強化のため、どのような物資を新たに備える予定であるのか、お尋ねいたします。 先ほどオンラインを活用しての相談体制の創設をすべきと述べてきたところです。平時での活用とともに、災害時でも力を発揮できると考えます。災害時にも活用できるオンライン相談や診療体制の構築を進めるよう重ねて求めておきます。 オンラインの活用のためには、通信のインフラ整備が欠かせません。避難所の開設数を拡充しての分散避難所において、Wi-Fi環境の整備をどのように確保するのか、お伺いいたします。 また、現在、区が整備を進めてきた地域BWAの通信網は、場所によってはネットがつながらない場所が生じるようです。災害時に備えての事前の検証も必要であると求め、この項の質問を終わります。 次に、教育行政についてお伺いいたします。 緊急事態宣言の解除により、ようやくこの6月より学校が再開されたところです。東京都教育委員会は、5月28日、都立学校を再開するに当たり、新型コロナウイルス感染症対策と学校運営に関するガイドライン「学校の新しい日常の定着に向けて」を公表し、区市町村の教育委員会に参考送付しています。 新型コロナウイルス感染症対策と学校運営に関するガイドラインでは、段階的再開の具体的な段取りや感染症予防策の具体的内容、教育活動に係る運営方法、感染者が出た場合の対応などについてまとめられています。段階的再開での分散登校や短縮授業を定めるとともに、授業カリキュラムの遅れに対応するため、長期の休みを短くし、土曜や祝日の登校もあり得るとしています。 また、学校生活の中で感染拡大を防ぐため、当面の間、控えることも示されています。体育祭や文化祭などの行事や修学旅行など宿泊を伴う行事は12月以降に延期するか中止とし、給食は向かい合って座らず、会話を控え、体育の授業では体同士が触れ合うことなどを控え、音楽の授業では歌うことやリコーダーなどの管楽器の使用も控えることも盛り込まれています。感染症対策が必要であることは理解した上でも、複雑な思いで読み進めました。 中野区における学校の再開に当たって、子どもたちや保護者の感染への不安を払拭するために、どのような予防対策に取り組まれるのか、お尋ねします。 この間、区として小学校、中学校におけるオンライン学習の実施に向け、取組を進めてこられましたが、現在の進捗をお尋ねします。 また、Wi-Fi環境の整備やタブレットの調達状況については伺うものの、具体的な学習面での活動が不明瞭と感じます。学習面での活用をどのように取り組まれる予定であるのか、学校任せとしない区としての取組を示すべきと考えますが、お伺いいたします。 緊急事態宣言の中、民間の塾によっては、オンライン学習に力を入れ、集中的に学習をサポートしてきた事例があると聞きます。学習面での差が開くことのないように、補習学習での支援を実施すべきと考えます。オンラインの活用や対面での補習学習など、特に中学3年生の受験に向けた取組を強化すべきと考えますが、お伺いいたします。 運動会や体育祭、文化祭など学校行事や修学旅行の実施について、都のガイドラインでは、先ほど申し上げた12月以降に延期か中止としています。感染症対策に取り組みながらの実施に向け、支援をすべきと考えますが、区の考えを伺い、この項の質問を終わります。 次に、システム障害の再発防止対策について伺います。 昨年の12月4日、日本電子計算株式会社が運営する自治体専用IaaS(イアースまたはアイアース)サービスのJip-Baseがシステム障害を起こし、同サービスで仮想OSを稼働させている全国70団体のうち、53団体、1,318個のサーバーに影響を与える重大インシデントが発生しました。当初、日本電子計算は、9日までに復旧を図るとしていましたが、障害発生から2週間が経過しても全面復旧の見通しは立たず、謝罪会見を行うこととなりました。 会見の質疑応答で、日本電子計算は、同社Jip-Baseの本番環境とは別のファームウエア更新などに対する検証環境がなく、重要とおぼしき情報だけをストレージ製品の提供会社から受け取る体制になっている。また、今回の障害の発端となったファームウエア情報は、発生翌日の5日になって知った。ファームウエアアップデート情報を能動的に取得せず、ベンダー任せにしていたと言います。そして、仮にアップデート情報を受け取ったとしても、アップデートしなかった可能性があると回答した同社の体制には不安を覚えました。 当区も22のシステムに障害が発生し、様々な区民サービスに多大な影響を及ぼす結果となりましたが、復旧までに手作業での対応など、可能な限り区民や区内事業者への影響を少なくするように努力された職員の皆様の奮闘に感謝を申し上げます。 仮に年度末や年度当初など、手続等のピーク時や災害など非常時での発生となると、影響は計り知れないものがあります。新型コロナウイルス感染症禍の未曾有の困難の中であることは承知の上で、この件についての詳細な検証と再発防止に取り組む必要があるとの思いから質問の項目としましたが、一昨日、詳細は調査中のようですが、同じJip-Baseでのインシデントが発生したという事態に強い危機感を持っています。 世界でも例を見ない今回のデータセンターでの重大インシデントを受けての区としての今後の再発防止についてお尋ねします。 1月31日の総務委員会において、昨年12月4日に発生したシステム障害について、その概要と今後の対応が報告されました。本件の報告はまだこの1回のみです。この時点で一部復旧に至っていないシステムやサービスがあるとのことでしたが、完全にシステムとサービスが復旧したのはいつか、確認のため、伺います。 中野区情報政策官設置条例第6条には、情報政策官の職務として、情報通信技術の効率的かつ効果的な活用に関する事項及び情報システムに係る専門技術に関する事項について調査し、区長が指定する副区長に報告することとあります。本件について、情報政策官が発生後直ちに日本電子計算を訪れ、事故の原因等の調査を行い、副区長に報告を行ったと聞きます。1月31日の総務委員会での報告は、この調査結果を反映したものか、伺います。また、情報政策官が先方を訪問した日、副区長に報告を行った日についても併せて伺っておきます。 区の再発防止に向けた取組には、「日本電子計算から提出される障害報告及び改善策の内容を検証」とあります。今定例会では、同社との和解に関する議案の提出が予定されています。先方の示した改善策と一昨日発生のインシデントとの関係は、所管である委員会でお尋ねしたいと思いますが、和解が成立したということは、同社の障害報告及び改善策が提示され、その内容を区として検証を終えたとのことなのか、先方が示した障害報告や改善策、そして区の検証結果も今定例会で報告いただけるのか、伺っておきます。 国は、昨年12月に「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに対するガイドラインの改定等に係る検討会」を立ち上げましたが、同検討会が5月にまとめた「自治体情報セキュリティ対策の見直しのポイント」には、神奈川県におけるリース契約満了による返却したハードディスクの盗難による情報流出とともに、今回のシステム障害を昨今の重大インシデントと位置付け、これらを踏まえた再発防止対策として、有識者による事故の分析と具体的な助言がなされました。 見直しのポイントでの有識者の分析では、地方公共団体の課題として、重要なシステムが重要度の低いシステムと同じサービスレベルで構築されていること、また、契約に必要な事項が記載されていないこととあります。区の現在までの検証結果と照らし、この分析が当てはまるのか具体例を示し、お答えください。 同じく見直しのポイントに、地方公共団体への助言として、「システムに求められるサービスレベルを十分に検討の上、バックアップを含め、必要なサービスレベルを保証させる契約締結の実施等を助言」とあります。契約に基づく業務の履行責任は相手側にありますが、どのような契約とするかは区に責任があります。 区は、再発防止に向けた取組の中で、「中野区として障害発生予防策を検討するとともに、中野区のデータセンター契約に係る要求仕様の見直しを行い、確実なバックアップの確保など、システム運用の安全性向上を図っていきます。」としていますが、現在までに特にバックアップの確保について、契約に係る要求仕様の見直しが行われたのか、伺います。 今回、同じ契約先で2度目のインシデントが発生したとすれば、契約について再検証すべきと考えます。トラブル発生時の第2プランを含めた提案ができる業者とのバックアップからの復旧についての定期的なテストの実施を含めた契約をすることが必要と考えますが、見解を伺います。 最後に、再発防止に向けた取組について、具体的なスケジュールの提示を求め、以上で私の全ての質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 白井議員の御質問にお答えいたします。 1点目に、区における新型コロナウイルスの状況についての御質問でございます。 新型コロナウイルス感染者は、2月29日に区内で最初の発生があり、東京都と同様に新規感染者数は、4月8日から15日頃がピークとなりました。 区内の新型コロナウイルス感染症陽性者数は、区内病院における院内感染事例を含めて、5月30日現在で累計228人となっております。 外出の自粛要請や緊急事態宣言を受けて、その後、新たな感染者は減少を続けておりましたが、5月の最終週から接待を伴う飲食店等が感染源と推定される発生があり、予断を許さない状況であると認識しております。 院内感染が発生した医療機関に対しては、カルテを含む積極的疫学調査、PCR検査の実施、ゾーニング等による感染防御の在り方等の助言や、各医療機関に応じたマニュアルの作成支援等、適宜助言を行ってまいりました。今後も各病院の感染防御チーム機能の強化に向けた助言を継続してまいります。 次に、特別定額給付金の現況についてでございます。 5月末時点において、郵送申請とオンライン申請を合わせて12万9,553件の申請がございました。給付決定額は、同じく5月末時点で53億2,060万円、件数としては2万9,762件となっています。 申請受理から給付まではおおむね二、三週間を要しております。 5月8日から開始したオンライン申請は1万1,188件で、当初の1週間で8,656件の申請がありました。一日も早い給付に向けて、これまで委託方法の工夫や指定金融機関との綿密な調整などを行ってまいりました。今後も改善できる点がないかなど見直しをしてまいります。 次に、住居確保給付金の状況及び早期の給付に向けた取組でございます。 本年4月下旬以降、新型コロナウイルス感染症の影響で減収となったフリーランスの方が受給対象に加えられ、また、ハローワークの登録を不要とするなどの制度改正がありました。 対象拡大による申請の増加に対応するために、予約制での対面による申請から郵送申請に変更して受け付けております。5月末までに675件の申請を受けておりますが、このうち約9割で添付書類や記載内容に不備があって、確認が必要でございました。 受理から給付までは3週間程度かかっております。早期の給付に向け、窓口となっている中野くらしサポート委託事業者の人員、それから支給決定処理を行う区職員を増やして対応しております。 次に、中野区社会福祉協議会での貸付けについてでございます。 中野区社会福祉協議会における緊急小口資金及び総合支援資金につきましては、これまで郵送での申請を受け付けた約1,400件のうち、不備による確認が必要な件数は、おおむね5割の約700件程度でございます。 また、申請受理から入金までの日数は、当初は6営業日で入金できておりましたが、現在は申請件数が増えたため、東京都社会福祉協議会での審査に時間がかかっており、入金まで10営業日、10日程度となっております。 次に、産業経済融資についてでございます。 産業経済融資につきましては、産業振興センターの窓口であっせんの申込みを受け付けてから二、三日中に申込者にあっせん状が届くように郵送しております。 次に、区の単独負担による妊婦支援の実施についてのお尋ねでございます。 妊娠・子育て応援ギフト券の追加配付は、区が事業を開始した5月25日よりも前の4月1日から5月24日までに出産した方々については、都の補助対象とならないことから、今回の事業開始に当たり、区としても、妊娠・子育て応援ギフト券の配付対象とはしておりません。しかしながら、緊急事態宣言によって外出制限や衛生資材の入手困難等、制約や不便を強いられた4月1日から5月24日に出産した方に妊娠・子育て応援ギフト券を配付しないことはバランスを欠くとの声も頂いておりまして、区の単独負担ではございますが、配付対象者の拡大を検討してまいりたいと考えております。 拡大対象となる人数は、約500人でございます。 次に、税、保険料の徴収猶予や減免の相談受付体制でございます。 税や保険料、国保、後期高齢、介護などについて、新型コロナウイルス感染症の影響によって収入が減少した方を対象とした徴収猶予の特例や減免などの特例制度などが設けられました。これまで主に窓口で行っていた相談や申請につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、電話、郵送、電子申請に切り替えて勧奨しているところであります。 徴収猶予の特例や減免などにつきましては、相談が一時に集中する状況も想定されることから、受付電話、相談窓口及び待合場所を増設して対応するなどして、窓口や待合場所での人の滞留を抑制するなどの感染予防策を講じていきます。 次に、産後ケア施設への感染拡大防止支援でございます。 産後ケア事業を委託している各施設が新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために様々な対策を講じていることは承知しておりまして、国の補助制度を適切に活用し、必要な支援をしていきたいと考えております。今後示される国の通知等を踏まえて、速やかに実施できるよう準備を進めてまいります。 国、都助成制度の活用についてでございます。 国及び都の補助金などの助成制度につきましては、情報を収集し、区の事業に活用できるものについては実施しているところでございます。今後も国及び都の助成制度を最大限に活用できるよう、庁内での検討を進め、迅速かつ効果的に取り組んでいきたいと考えております。 すこやか福祉センターなどのオンライン相談の実施についてでございます。 すこやか福祉センターなどでは、妊産婦や子育て、高齢者や障害者などの様々な相談業務を来所や訪問のほか、電話など様々な方法で実施をしているところでございます。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によって、現在は来所や訪問による相談が実施しづらい状況となっておりまして、電話を中心に行っているところでございます。映像によるオンライン相談の実施によって、来所や訪問によらなくても、例えば妊婦の表情や子どもの様子を観察することができるなど、より適切な相談が可能となるために、実施に向けて検討を進めております。 プレミアム商品券等経済対策の検討状況についてでございます。 プレミアム付商品券事業につきましては、直近では国の事業として、令和元年度から令和2年度にかけて実施し、現在、その最終事務処理を行っているところであります。 新たなプレミアム付商品券事業の検討につきましては、今回行った事業の実施方法や成果について、費用対効果を含めて検証を行った上で進めていきたいと考えております。他の経済対策につきましても、議会や経済団体等から補助金等の活用も含めた提案が出されていることから、目下検討を進めているところでございます。 次に、マイナポイントの周知及びマイナポイント予約支援についてでございます。 区では、2020年3月9日より区役所1階でマイナポイントの予約支援窓口を開設したところでございます。その後、緊急事態宣言によって一時休止しておりましたが、6月より再開しております。 マイナポイント予約の促進、区の予約支援窓口の設置につきましては、区報や区のホームページで周知を図ってまいります。 次に、マイナポイントの利用についてです。 区内商店街の各店舗は、経営に深刻な影響を受けておりまして、マイナポイントにより高めた購買意欲を商店街の消費に取り込んでいくことは有効である認識しております。 その前提として、商店街のキャッシュレス化が進んでいる必要がございます。また、今後はインバウンド需要の回復を目指して、消費者の決済手段の多様化にも応えていくことが求められております。さらに現金の扱いを減らすことによって、感染防止対策としても効果があるため、区としてキャッシュレス化推進に向けた取組を検討していきたいと考えております。 次に、計画・財源について、令和2年度、3年度の減収額と歳出削減についてでございます。 リーマンショックが発生した翌年度、平成21年度の予算編成においては、一般財源が約30億円減少しております。令和2年度の予算規模は、当時と比べるとおよそ1.4倍の規模となっていることから、リーマンショック時を踏まえて想定すると、今年度の減収規模は40億円から45億円程度となります。 来年度の歳入も同様に想定しますと、平成22年度の予算編成において、一般財源が前年度から約54億円もの減収となっておりまして、さらにリーマンショック以上の影響が社会的に言われて、また、新型コロナウイルスの影響が多岐にわたっていることを考慮しますと、3年度予算への影響額は100億円を超えることも想定しておく必要があると考えております。 今後の区財政を鑑み、今年度の予算の執行の見直しの検討を進めておりまして、現時点において約9億円の歳出削減を見込んでいるところであります。また、令和3年度予算編成に向けて、大胆な発想で行政改革に取り組んでいく必要があると考えております。 次に、緊急計画についての御質問です。 新型コロナウイルス感染症の影響による社会経済状況の変化を踏まえ、基本構想検討素案の一部見直しを行うとともに、基本計画の策定時期を変更する考えでございます。 緊急事態宣言が解除されましたが、第2波、第3波に備えるための対策、また、新しい生活様式の定着、セーフティーネットの充実、消費喚起や雇用対策に向けた対策等、今後取り組むべき対策に加え、危機を乗り越えるための体制や財政見通し、当面の区政運営の考え方については、本定例会で示す考えでございます。 次に、新庁舎の建築計画についてでございます。 現庁舎は、災害応急活動に必要な施設庁舎の耐震基準を満たしておりません。できるだけ早期の建替えが必要であると認識しておりまして、現計画のスケジュールに基づいて推進していく考えでございます。 現中野体育館につきましては、令和2年9月末の閉館後、取壊しに着手する予定でございます。これによってオリンピック・パラリンピックの開催に伴って総合体育館が使用できない期間につきましては、他の既存施設の活用などを検討してまいります。 情報化推進計画の策定についてでございます。 今回のコロナ対策を機に、オンライン相談の整備や医療機関との連携、テレワークの導入などICTインフラ等の整備を急いで行う必要が出てきております。これらの整備を進める上でも、区政全般にわたる情報化に関する考え方を整理し、スケジュール感を示すことが必要でございます。地域情報化推進計画の策定過程でお示ししてまいります。 事業計画の整理による事業部課の再編と機動的人事異動についてでございます。 新型コロナウイルスの影響によって経済が厳しい状況にある中、区民が安心して生活できるように、医療、生活、経済支援対策に取り組んでいるところでございます。 こうした対策を進めるに当たって、今後、リーマンショックのとき以上に一般財源の減少が想定されることから、今年度の事業の規模や時期、方法の見直しを検討したところでございます。 大きな組織改正を伴うような見直しは行いませんが、新規事業の対応等でマンパワーが必要な部署に対しては、事業の執行停止による人員を応援に回すなど、迅速かつ臨機応変に応援体制を構築してまいります。 最後に、施政方針についての項です。緊急事態宣言が発令された4月7日、区公式ホームページを通じて、新型コロナウイルス感染症への対応について、区民に向けてメッセージを発信して、4月20日号の区報にも概要を掲載したところでございます。 今後の厳しい財政を踏まえた区政運営につきましても、区民の理解と協力を求めていくことが必要であると考えておりまして、区議会や区報等を通じて発信してまいりたいと思います。 次に、複合防災対策についての項でございます。新たな避難所ガイドラインの策定についてでございます。 新型コロナウイルス感染症に係る避難所の運営につきましては、密接・密集による罹患やクラスター化を防ぐことが重要でございます。それには、なるべく多くの避難所を開設することや、避難所における避難スペースの拡大に向けた運営の工夫、さらに避難所の避難者数をなるべく減らすための区民等への可能な限りの在宅避難の呼びかけや、近隣自治体との避難者の相互受入れなどといったことが課題であると認識しております。 今後、必要かつ適切な避難所の感染防止策等について、避難所となる施設の管理者や他自治体、関係機関等との協議を図りつつ、今般予定している避難所運営マニュアル等の改定に反映していきたいと考えております。 次に、感染症対策の備蓄物資についてでございます。 新型コロナウイルス感染症対策として、避難所にマスク、手指消毒液、次亜塩素酸ナトリウムを増強するとともに、新たに非接触型体温計、ゴーグル、マスク、手袋など防疫装備を配備する予定でございます。 最後に、分散避難所における地域BWAについてのお尋ねでございます。 避難所におけるWi-Fi環境の整備は、災害時に確実な情報収集手段として大変重要であると認識をしております。 現在、区は、避難所等で活用する学校や区民活動センターに地域BWA機器を配備するとともに、一部の避難所にケーブルテレビのインターネット環境を併せて整備しております。 御指摘の地域BWAにつきましては、一部通信状況が不安定な場所もあると伺っていることから、今後、各施設での使用環境などについて調査確認をしてまいります。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私からは、教育行政についての御質問にお答えいたします。 初めに、再開後の学校での感染予防についてでございますが、学校再開時に幼児、児童、生徒及び教職員の感染リスクを低減し、健康で安全な学校生活を過ごせるようにするために、中野区教育委員会として、学校の衛生管理及び感染症予防等の観点から、中野区立学校再開マニュアルを作成し、学校に周知いたしました。各学校は、このマニュアル等を基に、手洗い、うがい等の徹底やソーシャルディスタンスを取ることなどが感染予防につながるなど、児童・生徒自身が新型コロナウイルス感染症の正しい知識を身につけ、主体的に行動できるよう指導啓発をしているところでございます。その上で各学校は、教職員の共通理解と、今までの生活環境や活動方法を見直し、密閉、密集、密接の3密を避けるための取組を徹底しております。 次に、小中学校のオンライン学習についてでございますが、これまで、各学校は、ホームページに時間割や教職員からのメッセージ、動画、学習課題等を掲載するとともに、様々なコンテンツや活用方法を紹介するなど、家庭学習を支援してきております。一方、教育委員会は、ICTに関わる環境が整っていない御家庭の児童・生徒にタブレットPCやルーターを中学3年生から順次貸与するとともに、児童・生徒にアカウントを配付し、ビデオ会議システム等を活用して、学校と家庭が双方向に連絡が取れるようにするなど、環境整備に努めてまいりました。 また、教育委員会は、オンライン学習の方法や運用の注意点を示すだけでなく、取組の進んでいる学校の事例を紹介するとともに、ICT学習支援員等を学校に配置して、今後のオンライン学習の充実を支援しているところでございます。さらに、教育研修会を開催して、全ての教職員がICT機器を活用できるように努めてまいります。 次に、学力格差解消のための補習学習支援についてでございます。 臨時休業中の学習については、学校は、先ほどお話をしましたが、時間割を示して学習課題を明確にし、家庭学習を支えてきたものの、臨時休業が長期に及んだことにより、児童・生徒に学力差が生じることが懸念されていることは認識しております。 現在、タブレットPCやルーターの配付が進み、どの児童・生徒もオンライン学習を使える環境が整いつつあるところではございます。特に中学3年生につきましては、放課後や夏季休業中にオンライン学習が効果的に活用できるよう、教育委員会から学校に情報提供や支援を行うとともに、オンラインに頼らない補習授業も充実するようさらに学校に指導してまいります。 なお、就学援助世帯を対象とした「しいの木塾」では、5月から添削方式での通信講座を開始しております。 最後に、体育祭、運動会及び修学旅行についてでございます。 現時点では、体育館や校庭に全校児童・生徒が集合しての3密の状況が長時間続くような活動は行わないこととしておりまして、連合運動会や連合音楽会は中止といたしました。ただし、運動会や体育祭、文化祭や学芸会は、学年単位で時間をずらし、児童・生徒の間隔を十分に取って実施したり、保護者の参加を控えていただいたりするなど、3密にならない工夫をすることによって実施は可能と考えております。 今年度の修学旅行につきましては、どの時期に実施できるのか、また、行く場所、宿泊日数などについて、現在、学校と検討しているところでありまして、可能な限り実施していく方向で調整しているところでございます。 〔企画部長高橋昭彦登壇〕 ○企画部長(高橋昭彦) 私からは、システム障害の再発防止策に関しまして、お答えをいたします。 初めに、システムやサービスの復旧時期についてでございます。 全てのシステムが復旧いたしましたのは、2020年3月31日でございます。 続きまして、情報政策官からの報告についてでございます。 情報政策官が日本電子計算株式会社を訪問いたしまして、対応状況等についての聞き取り、また、事態収拾への迅速な対応の要望を行いましたのは、2019年12月9日月曜日でございます。訪問の目的が早期対応への要望と事実関係の確認であったことから、総務委員会の資料への直接の反映はございません。訪問の報告につきましては、同日中に行ってございます。 続きまして、障害報告の検証等についてということでございます。 日本電子計算株式会社からの改善策を含む報告書につきましては、2020年3月24日に区に提出されてございます。区は、その内容を確認し、確実な実施を求めているところでございますが、検証及び再発防止策の検討については途上でございます。今定例会の総務委員会におきまして、ICT-BCPなど区の検討状況等についてお示しする予定でございます。 続きまして、自治体セキュリティーポリシーガイドラインについてでございます。 国の検討会が取りまとめた見直しポイントのうち、システムに求められるサービスレベルを保証させる契約締結の実施については、既に今年度の契約仕様書に反映してございます。 また、外部データセンターを活用した二重化などについては、費用対効果を踏まえながら検討を進めているところでございます。 続きまして、契約に係る仕様の見直しについてでございます。 令和2年度の契約締結に当たりましては、現段階で可能な範囲の仕様見直しを行っておりまして、具体的には、バックアップ領域の分離、コントローラーの障害がバックアップ領域に影響しないよう別ストレージとするなどの仕様詳細化を図ってございます。 続きまして、契約先の見直しについてでございます。 ICT-BCPに係る検討の中でデータセンターを変更した場合、各業務システムに必要となる経費や期間などの調査を予定してございます。それらを踏まえながら、データセンター活用の在り方についても検討していく考えでございます。 また、バックアップからの復旧訓練についても実施する予定でございます。 続きまして、再発防止に向けた具体的なスケジュールについてでございます。 システム障害再発防止に向けた対策の計画化や、障害発生時に業務を継続するためのICT-BCPの策定については、年度内を予定してございます。今定例会におきましても考え方やスケジュールの概略についてお示ししたいと考えてございます。 ○議長(高橋かずちか) 以上で白井ひでふみ議員の質問は終わります。 議事の都合により暫時休憩いたします。 午後3時28分休憩
午後3時50分開議 ○議長(高橋かずちか) 会議を再開いたします。 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。 一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 浦 野 さとみ 1 新型コロナウイルス感染症対策について (1)区長の基本姿勢について (2)今後の財政運営について (3)子どもたちのケア・学びの保障などについて (4)介護現場への支援について (5)支援制度の改善・拡充などについて (6)その他 2 その他
○議長(高橋かずちか) 浦野さとみ議員。 〔浦野さとみ議員登壇〕 ○31番(浦野さとみ) 2020年第2回定例会本会議におきまして、日本共産党議員団を代表して一般質問を行います。 質問に先立ちまして、新型コロナウイルス感染症によってお亡くなりなられた方に哀悼の意を表すとともに、罹患された方にお見舞いを申し上げます。また、医療や介護、福祉などの現場の皆さんをはじめ、ライフライン維持のために昼夜問わず御尽力されている全ての皆さんに感謝を申し上げます。 質問は通告のとおりで、その他はありません。 新型コロナウイルス感染症対策について、初めに、区長の基本姿勢について伺います。 今、起こっている新型コロナウイルス感染症の問題は、人類の歴史の中でも最も深刻なパンデミックの一つです。もちろん、中野区だけで解決できる問題ではありませんが、区民にとって一番身近な自治体である中野区自身の姿勢、区民の命と健康、そして、区民の暮らしを絶対に守るという姿勢で区政運営に当たることが何よりも重要と考えます。 第1回定例会の最終日に、産業経済融資の一部資金について、本人負担分を無利子とするなどの補正予算が可決、成立しましたが、本格的には5月1日の臨時議会での補正予算、そして、先ほど上程された補正予算なども含め、その中身一つひとつが問われていきます。 地方自治の理念に沿って、住民の福祉増進の立場でその責任を果たすことはもちろん、これからの暮らしや商売が本当にどうなっていくのかという不安が大きく広がる区民にどう応えていくのか、様々な課題に取り組む上で、区長の基本姿勢、また、その姿勢をどう形にしていくのか、伺います。 同時に、現在の状況は、私たち一人ひとりの今後の生活の在り方、政治と社会の在り方自身を様々な面から問い直すことが突きつけられていると考えます。加えて、全てを市場原理に任せて資本の利潤を最大化していこう、あらゆるものを民営化していこうという新自由主義の破綻が明らかになったということも言えるのではないでしょうか。 例えば、雇用の面を見ても、労働法制の規制緩和を続けてきた矛盾が今、このコロナ危機の下で、派遣やパートで働く人々を雇い止めという形で噴き出しています。 4月からはもう来なくてよいと言われた、自宅待機中に会社から連絡があり、辞表を出すように言われたなどの相談が相次いでいますが、その多くの方が派遣や非正規で働いてきた方です。パンデミックの下で、そのことがより顕在化をしています。 環境の面でも、今回の新型コロナウイルス感染症の一つの背景として、人間による無秩序な生態系への侵入、環境破壊、これによって動物と人間の距離が縮まって、それまで動物が持っていたウイルスが人間にうつってくる、地球温暖化によって住む場所を奪われた動物が人間と接触する、多くの専門家がこういう問題を指摘しています。 医療体制の面でも、構造改革の下、医療費削減政策が続けられ、急性期のベッドを減らしていく、公立・公的病院を統廃合していく、保健所も削減され続け、感染症対策を含めた公衆衛生行政がどんどんと住民から遠ざけられてきました。こうしたやり方によって、日常的に医療の逼迫した状況を作ってしまったことが、今回のような危機に対して非常に脆弱な状態を作り出しています。PCR検査の体制が十分に確保できないことも、このことが起因しています。 今後、第2波、第3波が指摘される中、感染者が増加することで医療崩壊につながっていくのではないか、このことも大変危惧をしています。 そこで伺います。感染症対策の重要性、あるべき姿について、区長の見解を伺います。 最も強調したいことは、コロナ対策でもジェンダー平等の視点を貫くことが非常に大事ではないかということです。パンデミックの下、ジェンダー差別が深刻となる事態が起こっています。総務省が5月29日に発表した4月の労働力調査によると、非正規雇用の労働者は、前年の同月比で97万人減少し、比較可能な2014年以降で最大の下げ幅を記録しました。また、その7割以上に当たる71万人が女性です。 そもそも、低賃金で不安定雇用の非正規労働者の三人に二人は女性です。このような経済状況の下では、真っ先にこうした非正規労働の方が切り捨ての対象となります。 また、学校の休校に伴って、仕事を休んで子どもたちの面倒を見たり、高齢家族の感染防止のケアや介護を担ったりしているのも、多くの場合が女性です。 さらには、外出自粛と生活不安のストレスが家庭内でのDVや虐待の危険を高めています。国連女性機関は各国政府に対し、コロナ対策が女性を取り残していないかと問いかけ、ジェンダーの視点に立った対策は女性のみならず、社会の全ての構成員によい結果をもたらすと強調しました。 新型コロナウイルス対策を進める上で、ジェンダー平等の視点で一つひとつの課題を解決していくことに力を尽くしていくことが重要と考えます。区長の見解を伺います。 次に、今後の財政運営の考え方について、伺います。 経済面での影響は、リーマンショック時以上になるとも言われています。4月14日の閉会中の総務委員会において、「新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた令和2年度の予算執行等について」が報告されました。この中では、今年度予算化していくものでも、執行の規模や時期、方法について改めて検討していくとされています。また、来年度の予算編成に向けては、抜本的な事業見直しに取り組むとも記されています。 中野区の今後の財政運営をどう判断していくのか、このことはとても重要なことです。同時に、不要不急の事業、見直すべきものは見直しながらも、今年度予算化した重要施策の中で、区民生活にとって欠かせないものは着実に実施することも同じく重要と考えます。例えば、現体育館の解体時期の延期やそれに伴う区役所整備などの時期は再検討をすべきと考えます。一方、昨年にアンケートを実施し、新年度の施策具体化へ踏み出す子どもの貧困対策における検討や自然災害に備えた木造住宅耐震改修助成、避難所の充実、洪水ハザードマップの作成は確実に進めるべきです。また、男女共同参画・多文化共生条例制定に向けた取組も、先ほど述べたように、新型コロナウイルス対策をジェンダー平等の視点で進めていく上でも欠かせないと考えます。 現在、審議会なども開催ができない状況と聞いていますが、感染対策に十分に配慮し、開催方法も、場合によってはオンラインなど、あらゆる工夫をしながら進めるべきと考えます。見解を伺います。 また、今年度、研修費を増額し、特別区長会調査研究機構の研究テーマに中野区として手を挙げた「債権管理業務における生活困窮者支援・外国人対応」については、まさにこの局面において、生活再建の視点での取組がますます重要になると考えます。 さきに触れた総務委員会報告資料では、特別区民税や国民健康保険料などについては、計画的な徴収に一層努めるとの記載がありました。しかし、4月の有効求人倍率は1.32倍と急落し、求人数は過去最大のマイナス幅となりました。また、完全失業率は、3月、4月と2か月連続で悪化をしています。そのことも反映して中野区での生活保護の申請件数も、4月は92人、5月は96人と、それぞれ前年同月比で1.44倍に増加しています。また、住居確保給付金の申請数は、4月、5月の2か月で675人となりました。要件の拡大がされたので、単純比較はできませんが、これまでは1か月に二、三人だった申請数と比べても圧倒的に多い人数となっています。 昨年の秋以降、消費税10%増税で重くのしかかる負担に加えて、今回の新型コロナ問題と、区民生活が困難さを増していることは明らかです。こうした中、今月中には住民税や国民健康保険料の納付通知が区民の方々へ送付されることになります。支払える方に払っていただくことは大原則ですが、こうした状況を鑑み、徴収強化だけでなく、債権管理対策会議において、生活再建の視点での支援の必要性について議論を掘り下げていくべきです。答弁を求めます。 歳入の確保についても、1点伺います。 国が第1次補正予算で示した地方創生臨時交付金は、中野区では2億5,000万円と僅かなものです。国会や都議会でもさらなる補正予算の編成議論がされていますが、臨時交付金の抜本的増額を求めると同時に、来年度に向けても国や東京都に対し、積極的な働きかけを行うべきです。見解を伺います。 次に、子どもたちのケア・学びの保障などについて、伺います。 中野区では、区立小・中学校、幼稚園・保育園、学童クラブについて、昨日6月1日から再開となりました。卒業を控えていた小学校6年生のAさんは、「小学校での最後の1か月、一緒に学び遊んだ友達と同じ時間を過ごすことができず、家でずっと泣いていた」、4月から小学校の新1年生となったBさんの母親は「ひとり親なので、日中は働かざるを得ない。親子共々毎日が迷いの連続です」などの声が寄せられ、どの家庭でも戸惑いの日々が続いてきました。また、保育園や児童館で働く職員の方々からも、「近隣公園などを巡回しながら子どもたちに声かけなど行ってきたが、小学生の様子がほとんど分からなくなり、とても心配です」「今後、子どもたちの発達をどう保障していくのか、私たちも手探りとなります」「各園での工夫や情報共有の在り方などでうまくいっているところを参考にしながら、情報共有のルールづくりも必要ではないか」などの声も届いています。 一日一日が変化の大きい時期の子どもたちにとって、この3か月は、ただ3か月という数字にとどまらない影響があります。子どもたちは大きなストレスや不安を抱えています。子どもたちの命と健康を守りながら、豊かな成長と発達、学びと遊びの権利をどう保障するのか、また、心身のケアも必要不可欠です。 子どもに関する全ての部署がまずはこの間の子どもたち、保護者の状況、子どもの施設に関わる職員の声に耳を傾け、状況を丁寧にリアルに把握し、子どもたちの学び、遊び、成長する権利の保障のために、あらゆる知恵と力、手だてを講ずるべきです。地域全体での情報交換、協力連携も欠かせません。見解を伺います。 9月入学の議論が政府でも行われてきましたが、安易な導入はすべきではありません。また、新型コロナ対策とは切り離して議論すべきです。 私たち党区議団は、これまで少人数学級の必要性、重要性について重ねて言及をしてきましたが、現在の下で、学びの保障という点では少人数学級での対応がより求められると考えます。感染防止の物理的距離を確保する点でも有効です。 5月27日に示された国の第2次補正予算でも、少人数学級実施のための教員確保の予算が盛り込まれました。当面、教職員の加配や空き教室、空き校舎を活用するなどの緊急対策、中野区でも旧沼袋小学校や旧第九中学校などの活用も視野に入れて、早急な対策、検討を始めるべきではないでしょうか。伺います。 冒頭に述べたように、コロナ禍の中で新自由主義的な政策の破綻が明らかになっており、これは学校教育の現場においても、過度に競争主義的な教育政策や学校再編、統廃合、民間委託、教職員の非正規化などの問題が問われています。区内小学校のある教員の方からは、やるべきテストや課題が多く、学習の時間が十分に確保できない可能性があるとの声も寄せられています。 大阪教育文化センターでは、休校措置期間の長さに合わせて優先順位の高いものから授業ができるように計画し、次の学年以降に回す項目も考えるなど、各地での状況に応じた取組も始まっています。文部科学省も、次年度以降を見通した教育課程編成を可能とした5月15日付の通知を出しています。 中野区でも、子どもや学校の実態を踏まえて、学校再開後の授業の在り方、教育課程については柔軟な対応が必要ではないでしょうか、伺います。 休校中は、家庭学習の目安となるよう、毎週月曜日の朝までに学級または学年ごとに1週間分の時間割が学校のホームページに掲載されてきました。しかし、学校が発信するホームページを見ることができない家庭や、教材や読書カードなどをプリントアウトできない家庭もありました。家庭学習を進める上では保護者の関わりが必要ですが、例えば自らも在宅ワークを進めなくてはいけない場合やひとり親の方などをはじめ、家庭学習に十分な関わりが持てないケースも少なくありません。 5月1日の臨時議会で可決、成立した補正予算の中に、オンライン学習などを進めるための学校ICT環境整備費が含まれましたが、まだ一部の児童・生徒にしか手元に届いていないと伺っています。 今後に備えても、児童・生徒と教職員をつなぐ環境整備が早急に必要です。整備が整わない理由は何か、また、それを解決する手だて、今後の導入の予定について、併せて答弁を求めます。 学習面だけでなく、生活面でも逼迫している家庭も多くなってきています。中学校の新1年生となった保護者の方から、「夫婦で花屋を営んでいますが、3月以降、イベントの中止などで予定していた納品がほとんどキャンセルとなり、収入が大きく減少した。就学援助を利用することは可能か」との相談が寄せられました。就学援助の審査では前年の所得確認が必要となりますが、この方のように家計が急変したことにより、就学援助の対象となる世帯が一定数いると考えられます。家計急変に活用できることを明示するよう、4月に文部科学大臣より特別の通知が出されています。中野区ではどのように保護者への周知を行ってきたのか、現在、区のホームページには、家計急変に対応することの記述がありません。早急に改善が必要です。また、学校再開となったタイミングで、学校を通じて周知をすべきではないでしょうか。併せて答弁を求めます。 医療的ケア児の在宅レスパイトについても切実な声が届いています。東京都の補助事業である在宅レスパイト事業は、在宅生活を送っている医療的ケアの必要な重症心身障害児(者)に対し、訪問看護師が自宅に出向き、一定時間、家族の代わりに医療的ケアを行うことで、家族のレスパイトやリフレッシュを図る目的で行われています。現在、区内では26人の方が登録をされています。 相談が寄せられた方は、4歳と1歳のお子さんのお母さんです。4歳のお子さんがダウン症で心臓病を抱えています。昨年6月まで1日8時間、週5日、障害児の居宅型保育を利用していましたが、昨年6月に食事中に呼吸器が必要となり、その管理が困難とのことで、居宅型保育は退園せざるを得なくなってしまいました。その後、この在宅レスパイト事業を利用し始め、年間24回、96時間の上限いっぱいを利用されてきました。そうした中、今年3月、気管切開手術のために入院。お母さんは「子どもがとてもよく動くのでチューブが抜けやすい。また、知的障害もあるので、チューブを抜かないでいること自体が難しい」とケアが想像以上に大変であることをおっしゃっていました。 その4歳のお子さんのケアと自分自身の仕事があるため、下の1歳のお子さんは保育園に通っていましたが、新型コロナウイルスの影響で保育園が休園となり、自らの在宅勤務と4歳の子のケアをしながら、1歳の子を自宅で見ることとなりました。 居宅型保育が利用することができない現状では、在宅レスパイトが唯一、頼りになるところです。そのため、レスパイトの上限日数を増やしてほしいというとても切実な要望です。新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、今年度に限り回数の上限は緩和されていますが、年間96時間という時間の上限自体は変わりがありません。 新型コロナウイルスの問題にかかわらず、このような方は上限時間の拡充が必要と考えますが、まずは区内で在宅レスパイト事業を利用されている方の実態を区として把握をした上で、事業主体である東京都にその実態を伝え、少なくとも今年度の対応については、必要な改善を求めていくべきではないでしょうか。見解を伺います。 また、ある保育士さんからは、「保育園の休園に伴い、園では勤務する職員を減らして運営をしているが、休園期間中の休みの取扱いについて、事業所都合による公休ではなく、有給休暇扱いとなっている」との声が届いています。また、通常どおりの委託費を受け取っているにもかかわらず、休園のため自宅待機となっている職員に、園によっては通常どおりの賃金が支払われていないところもあると聞いています。 区として委託費の減額はしていないため、きちんと職員の給与に充てるよう通知を出したとのことですが、実態はまだ異なるところがあるのではないでしょうか。解決に向けて、再度対応を検討すべきです。また、休みの取扱いについても適切な対応を園に求めるべきではないでしょうか。併せて答弁を求めます。 次に、介護現場への支援について、伺います。感染症対策のために、ベッドの稼働を減らしたり新規の入院受入れを行わなかったりなど、対策を取れば取るほど大幅な減収になってしまう病院などへの支援が欠かせません。中野区でも、医師会の皆さんを中心としたPCR検査センターの設置・運営に対しての支援も急がれます。 医療現場への支援もまだまだ不十分ですが、ここでは支援の手が遅れている介護現場への支援について、3点伺います。 介護は、人と人が接してこそのケアであり、ソーシャルディスタンスを取っていれば成り立ちません。一人ひとりのヘルパーさんは、常に感染の恐怖と隣り合わせで仕事を続けています。ガウンやマスク、アルコールなどの物資も不足しているため、45リットルのごみ袋をつなぎ合わせてガウン代わりとしたり、フェイスシールドを応急的に自ら作ったりしてケアに対応している事業所やヘルパーさんもいます。 また、今回のコロナウイルス感染拡大の問題で現場を離れる判断をされた方も少なくありません。スタッフが減れば、残るスタッフへはさらに負担が大きくなります。2%から4%の減収で事業所運営が危ぶまれる現場です。5割以上の収入減が対象となる持続化給付金などは到底使えず、その時点で倒産という状況です。まさに各事業所の運営はぎりぎりの状況が続いています。 国は、第2次補正予算において、介護事業所への支援が一部盛り込まれましたが、国や東京都に対してさらなる支援を求めるとともに、区内で介護崩壊を起こさない、全ての事業所も利用者さんも守るという姿勢で取り組むことが必要ではないでしょうか。中野区としても、例えば、衛生用品や感染予防のために必要な物品購入のための財政支援などを検討すべきです。伺います。 区内介護事業所の皆さんからは、共通の声として、中野区からの情報提供が遅いという声があります。介護事業所には、利用者さんや他の事業所からの連絡も含め、1日に数十のメールやファクスが届きます。区からの情報がその中に埋もれてしまうことも考慮し、正確な情報を迅速に、また、前回からの情報と関連があるものなどはそのことが分かる表記にするなど工夫、改善が必要です。答弁を求めます。 また、事業所ごとに日々利用者さんと接する中で、判断に迷うこと、区の助言を求めたいことも多いと伺っています。その際、その都度、問合せをすることなりますが、区としても同様の問合せなどは把握しているはずです。 お互いの負担を減らす意味でも、よくある問合せなどは区のホームページで分かりやすくまとめ、感染症対策については統一した基準で従事できる状況を作るべきではないでしょうか。伺います。 最後に、支援制度の改善・拡充などについて伺います。 中野区独自の支援策、今後の第2波、第3波、自然災害に備えた対策については、明日、いさ区議の質問の中で提案をいたします。 自分は今、どの制度を使うことができるのか、どのように申請をするのか、必要書類が複雑で分かりにくいなどの声がよく寄せられます。御高齢の方やふだんインターネットに接することが少ない方にとっては、電子申請そのものが大きなハードルとなります。中には申請に必要な書類のコピーを取ること自体が大変な方もいます。そのことで申請をあきらめてしまう方もいます。そうした実態に寄り添い、今ある制度は漏れなく活用していただくための手だて、支援が必要です。 各制度の連絡先全てに連絡をしていては途方に暮れてしまいます。その方の状況を伺う中で、該当する制度を案内する制度案内のワンストップコールセンターを設置することが有効と考えます。見解を伺います。 中野区では、区民の皆さんへ、事業者の皆さんへと題した支援制度一覧を作成しました。これ自体は大変評価をいたします。最新号の区報にも一部掲載されましたが、さらなる周知、広報が必要です。再開予定の区民活動センターなど各区有施設でも、区民の方がこうした支援制度一覧を手にすることができるようにすべきです。伺います。 中野区内では、一人10万円の特別定額給付金の申請とともに先月から給付も始まりました。23区内でも早い段階で申請書送付、給付開始とするために尽力された職員の皆さんに感謝申し上げます。 しかし、申請書の返送が続々と行われている中で、不備の書類が非常に多いとも伺っています。記入漏れとともに、申請に必要な2種類の書類コピーが添付されていないケースが多いとのことです。その要因の一つには、申請書の裏面に必要書類の添付欄がありますが、その面の一番上に「代理申請の場合」という文言があるため、代理人申請の場合にのみ必要書類を添付すればよいと判断された方が多いのではないでしょうか。また、別紙の案内文に添付書類の必要性についての記載はありますが、特に目立つ工夫がされていないため、見落とされやすいと感じます。 行政が区民の方々に案内する文書は、いかに分かりやすくシンプルにするかがとても重要です。特別定額給付金申請書は既に送付済みのため、これを改善することは困難ですが、今後、行政が区民向けに出す文書においては、今回の教訓を踏まえた改善が必要です。答弁を求めます。 また、添付を忘れてしまったが、その場合はどうすればよいのか、運転免許証を身分証明の書類として添付したいが、最新の住所は裏面に記載されているので、裏面のコピーも必要かなどの問合せも非常に多く寄せられています。こうした声は区のコールセンターにも多いと伺っています。他の自治体では、よくある質問をQ&A方式でホームページに掲載しているところもあります。先ほど介護現場への支援でも求めましたが、こうした一定回答が個別の事情に左右されない統一した見解については、積極的に発信すべきです。中野区のホームページなどにおいて、この点を改善すべきです。 また、今後、区報などの媒体を通じての発信とともに、感染防止対策を十分に講じた上で、地域事務所などで記入の支援を行うことも検討すべきです。併せて答弁を求めます。 生活保護受給者が利用する場合の添付書類、意思確認方法について1点伺います。 健康保険証がないため、その他のものが身分証となりますが、中には介護保険証や運転免許証、マイナンバーや身体障害者手帳など、何も持っていない方もいらっしゃいます。その場合は生活保護受給者証明書がその方の添付書類となりますが、この証明書を手にするには、当事者がまず区へ連絡し、その上で区が発行し、それを当事者へ郵送し、その上で御本人が添付して申請するという流れになります。 足立区などでは、生活保護受給証明書でも可能ですが、改めて取得する必要はないとして、生活保護決定通知書や公共料金の領収書の写しなどを本人確認書類として添付することが可能となっています。また、熊本市では、高齢や障害といった事情で記入が難しい方も多いため、担当ケースワーカーを通じて電話で給付希望の確認ができれば本人申請とみなし、支給を行っています。 生活保護受給者の世帯構成員や振込先口座については、既に区が把握しています。今後申請される方については、添付書類の簡素化など改善を検討すべきではないでしょうか、伺います。 視覚障害者への配慮については、給付金自体の情報が十分に届かない、申請書が届いても申請方法が分からない方を想定し、4月30日と5月19日付で総務省から事務連絡通知が届いていると思いますが、現時点では、中野区では特段の手だてが取られていません。今後、申請状況を見ながら、視覚障害者への配慮も行うべきです。伺います。 定額給付金の申請期限は、中野区では8月18日となっていますが、申請書自体が他の書類などと一緒となり、申請書に気づいていない方、お一人暮らしの方、障害、高齢者の方、申請に何らかの支援が必要な方も多いと想定されます。また、避難されているDV被害者への申請の仕組みはあるものの、加害者と同居などの理由で自治体自身がその状況を把握できていないケースも少なくないと想定されます。こうした方々への配慮や申請期限についても柔軟な対応が必要と考えます。答弁を求めます。 最後に、庁内の体制、部署をまたいでの支援について伺います。 5月1日に可決成立した補正予算において、国保や税の窓口の人員増が盛り込まれましたが、全庁的に区民対応が必要な部署とそうでない部署の間で、業務量などにもかなりの差が出てきているのではないでしょうか。 生活援護課などは、相談件数も相当多くなってきています。職員課が各職場の実態調査などを行い、全庁的な把握の上で、業務の改善、特に区民対応が集中する職場への支援を早急に行うべきです。答弁を求めて、全ての質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 浦野議員の御質問にお答えいたします。 最初に、新型コロナウイルス感染症対策についての私の基本姿勢についてでございます。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響によって、区はかつてない危機に直面し、これまでも逼迫する医療、生活経済を支援する対策を講じてきたところでございます。 緊急事態宣言は解除されましたが、第2波、第3波に備え、新しい生活様式の定着、セーフティーネットの充実、消費喚起、そして雇用対策など取組が必要だと考えております。 次に、感染症対策の重要性とあるべき姿についてでございます。 今回の新型コロナウイルス感染症は、命と健康に直結する新興感染症でございます。諸外国ではオーバーシュートと呼ばれる急速な感染拡大と医療崩壊を招くなど、感染症の脅威に改めて直面させられました。中野区でも一時急速に感染が拡大し、院内感染も散見されるなど、深刻な保健医療面への影響が生じました。 しかし、多くの区民や事業者の理解と協力、医療機関の献身的な御努力等によって、一定の感染者数まで低減させることができました。区としましては、今後とも感染症対策に的確、迅速に対応できるように、区民、専門機関、庁内のリスクコミュニケーションを重視した感染症対策が実践できるように引き続き体制を整備してまいります。 同時に、深刻な影響が生じている社会経済活動と感染症対策の並立という新たなフェーズに際して、各分野の対策が重層的かつバランスの取れたものとなるよう努めてまいりたいと考えております。 次に、新型コロナウイルス対策におけるジェンダー平等の視点についてでございます。 ジェンダー平等の視点につきましては、区における政策、施策において盛り込むべき考え方であると認識しておりまして、新型コロナウイルス対策においてもジェンダー平等の視点を持って取り組んでまいります。 次に、審議会等の開催についてでございます。 審議会等の開催につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染状況や社会情勢を踏まえた上で開催の可否を判断し、開催する場合においては新しい生活様式を実践するなど、十分な感染対策を講じて行う必要があると考えております。 十分な検討が行われるように、審議会等の開催につきましては、男女共同参画・多文化共生条例制定に向けた取組も、オンラインによる開催も含めて環境整備や傍聴の方法等を考慮し、対応してまいります。 次に、生活再建の視点からの債権管理についての御質問です。 区は、本年5月に定めた債権管理方針におきまして、滞納者のうち生活困窮の可能性がある場合には、徴収猶予などの措置の検討や自立相談支援事業への業務連携など、生活困窮者支援の視点を持った対応を行うこととし、庁内に周知したところでございます。 今年度、債権管理業務における生活困窮者支援、外国人対応をテーマにした特別区の調査研究機構研究に取り組むとともに、当該研究の経過を区の再建管理対策会議に報告し、議論していくことで、さらに庁内の担当職員の理解の向上、意識の共有を図ってまいります。 次に、地方創生臨時交付金の増額等についてでございます。 特別区長会では、5月22日に国に対し新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金に関する緊急要望を提出したところであります。国の第2次補正予算では、地方創生臨時交付金の増額が組まれておりますが、都市部における厳しい状況を踏まえた適正な配分とともに、来年度についても必要な財政措置を要望してまいります。 次に、支援制度の改善、拡充などについての項で、ワンストップコールセンターの設置についての御質問です。 多々ある支援制度につきまして、コンシェルジュ的なワンストップの仕組みがあれば、非常に有効であることは理解をしております。しかしながら、国、東京都、区の支援制度が実に多様でございます。また、新たな制度が次々創設されるなど、それらの情報は刻々と更新されており、例えば中小企業、個人事業者向けの給付一覧の適宜更新と情報検索サイトの紹介などには努めているところでございますが、即ワンストップのコールセンターを設置することは難しいと考えております。 区は、今後も更新される支援制度の情報収集とその整理を行うとともに、広聴広報課が中心となって、関連する制度を把握、理解し、よくある問合せのFAQを作成し、ホームページに掲載するなど様々な関連情報を御案内できるように努めてまいります。 新型コロナウイルス感染症に対する支援制度一覧の区有施設への配慮についてでございます。 区は、支援制度をはじめとして新型コロナウイルス感染症に関して、適時適切な情報提供に努めているところでございますが、区のホームページやSNSなどのデジタルツールの利用が困難な方への情報伝達が大きな課題であると認識しております。 緊急事態宣言が解除されることに伴って、今後、区有施設はその施設の特性に応じた感染拡大防止の取組を行った上で、区民の皆さんに御利用いただけるようにしていく考えでございます。区民活動センターなどの区有施設に支援制度の一覧を配備して、その周知にも努めてまいります。 次に、特別定額給付金の関係で、区民目線に立った分かりやすい文書の作成についてでございます。 今回の特別定額給付金の申請において、添付書類や記入の誤りについては、御指摘のとおり、案内文や記載例の工夫などの配慮によって不備を減らすことができる点があったと考えておりまして、そのことは区の文書全般に通じる課題だと捉えております。 広聴・広報課では、今年度から区が作成するチラシや通知文などのクリニックを開始したところでございまして、今後、広報アドバイザーがいる広聴・広報課を核として、研修なども行いながら、区民目線に立った情報発信ができるよう、職員の広報マインドを醸成していく考えでございます。 次に、特別定額給付金のFAQ、地域事務所などにおける申請書の記入支援についてでございます。 区ホームページでは、トップページから展開できる相談チャットがございまして、特別定額給付金についてもよくある質問を掲載しているところでございます。 今後は、この内容を随時更新するとともに、よくある問合せや詳細の説明が必要な事項につきましては、特別定額給付金のページに質問と回答を直接掲載するなど改善に努めてまいります。 特別定額給付金の申請が御本人だけでは難しい方がいることは認識しておりまして、地域事務所やすこやか福祉センターなどにおいて、申請書の記入支援など対応しているところでございます。 次に、生活保護受給者の本人確認書類についてでございます。 特別定額給付金の申請に当たって、本人確認書類の添付は、成り済まし防止等の観点から必要でございまして、生活保護受給者であっても同様でございます。しかしながら、生活保護受給証明書の発行には時間を要することも認識しておりまして、区から受給者に送付される保護開始決定通知書、保護変更決定通知書及び一時扶助決定通知書についても、本人確認のための書類として取り扱うこととしたところでございます。 次に、視覚障害者への配慮についてでございます。 給付金の概要や申請方法などの情報を読み上げる音声コードを印刷したチラシ等を用いて情報提供するなど、関係団体や事業所等と連携した取組を行ってまいります。 次に、申請期限についての柔軟な対応についてでございます。 障害者、高齢者などへの申請支援につきましては、すこやか福祉センターや区民活動センターなどと連携して進めてまいりたいと考えております。また、一定段階で申請の勧奨文書を発送することを考えております。 申請期限につきましては、郵送による申請受付開始日から3か月以内とされておりまして、これを延長することはできないため、期限内に必要な方全てが申請できるよう、広報や支援の強化について全庁的に取り組んでまいります。 最後に、区民対応が集中する職場への支援についてでございます。 新型コロナウイルス感染症への対応で各種相談や申請などの件数の増加や新規事業への対応など、業務量が増加している部署がある一方で、比較的影響の少ない部署もあることは認識をしているところでございます。それぞれの課や部の中での応援体制では対応できないような場合には、区民サービスの低下を招くことがないよう、全庁的な連携協力により兼務体制を組むなど柔軟に対応してまいりたいと考えております。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私からは、新型コロナウイルス感染症対策ついての御質問のうち、子どもたちのケア・学びの保障などについてお答えいたします。 学校休業中だけでなく、学校再開後も新しい生活様式に向け、様々な対応を求められることが続くため、不安やストレスを抱える子ども、保護者の増加が見られると捉えております。 教育委員会としましては、子ども、保護者の思いや願い、また、子どもたちを支える教職員など現場の声を丁寧に受け止めるとともに、状況を把握し、実態に即した施策を迅速に展開していくことが大切であると考えております。 また、子どもの成長を支えていくためには、学校だけではなく、家庭、地域と連携し、学びの質を高め、学校生活を充実させていくことが重要であると考えております。 次に、少人数指導のための教職員の加配及び学校跡地の活用についての御質問ですが、教職員の加配に関しましては、国や都からの通知を待ち、条件等を精査して判断してまいります。また、各学校の空き教室は限られているため、6月当初は学級を2分割した分散登校をさせております。 旧沼袋小学校や旧中野中学校については、耐震化が確保されていないため、すぐには使えない状況でございます。さらに、子どもや教職員には移動等、大きな負担がかかるため、現時点では利用することが難しいと考えております。 次に、学校再開後の授業の在り方についてでございます。 次年度以降を見通した教育課程編成につきましては、例えば児童・生徒の転校や進学のことなどを考えますと、本区だけで解決できる問題ではないため、国や都の判断を持っているところでございます。 一方、各校に対しましては、教材の扱い方や指導方法を工夫したり、学校行事を精選したりするなど、各校の状況に応じた教育課程の見直しを指示しております。 次に、ICTの整備が整わない理由、解決策、今後の予定についての御質問ですが、補正予算のICT推進の経費は、区立小中学校臨時休業期間中における在宅学習等支援のための環境整備費であり、ICT環境が整っていない御家庭にモバイルルーターとタブレット端末を貸与するという経費でございます。 ICT機材は品薄の状態で、納入に時間を要しておりますが、5月25日に各中学校に配送し、中学校3年生から順次配付しております。ICT機器の確保に向け、納入業者と調整を取っているところでございまして、学年ごとに必要な台数が確保できた段階で学校に配付してまいります。可能な限り早期に対応してまいりたいと思います。 最後に、家計急変世帯への就学援助の周知についてでございますが、就学援助については、制度自体を知らないために申請ができないという事態を避けるために、各学校を通じて全児童・生徒に申請書、案内を配付し、回収することとしております。情報提供を徹底するとともに、申請意思の有無を確認しているところでございます。 新型コロナウイルス感染症の影響等により、前年と現状の世帯の収入状況が大きく異なる場合については、個別相談により対応せざるを得ないことから、教育委員会へ必ず申立てを行っていただくよう周知する予定でございます。併せて、ホームページ等で周知するなど丁寧に対応してまいりたいと思います。 〔健康福祉部長岩浅英樹登壇〕 ○健康福祉部長(岩浅英樹) 私からは、新型コロナウイルス感染症対策の子どもたちのケア・学びの保障などについてのうち、重症心身障害児(者)等在宅レスパイト事業についてお答えをいたします。 本事業は、在宅生活を送っている医療的ケアの必要な重症心身障害者等の家族が一時休息できる貴重な事業であると認識をしております。重症心身障害児(者)レスパイト事業の利用者の声や現状につきまして、東京都へも意見を上げていきたいと考えております。 〔子ども教育部長戸辺眞登壇〕 ○子ども教育部長(戸辺眞) 私からは、新型コロナウイルス感染症対策のうち、保育士に対する給与未払い等の解決に向けた対応についてお答えいたします。 国は、緊急事態宣言に伴いまして、労働者を休業させる場合であっても、労働基準法に基づく休業手当については企業側が支払うなど、労働者の不利益を回避するよう要請しているところでございます。 区としても、臨時休園期間中であっても、保育所に対する委託費は減額しておりませんので、休暇の取扱いも含め、委託費の人件費分は職員の給与に充てるよう改めて保育所に通知するなど徹底させていく考えでございます。 〔地域包括ケア推進担当部長藤井多希子登壇〕 ○地域包括ケア推進担当部長(藤井多希子) 私からは、介護現場への支援についてお答えいたします。 まず、介護サービス事業者への財政支援についてでございます。 介護保険サービスへの新型コロナウイルス感染症の影響は大きく、区としても、事業者への支援の必要性は認識しております。現在、区では、区内の介護サービス事業所が新型コロナウイルス感染症対策に充てることができるよう、財政的な支援を検討しているところでございます。 次に、介護サービス事業者への情報提供や問合せなどの対応についてでございます。 このたびの新型コロナ感染症に関する情報提供では、日々新たな情報発信を大量に行う必要があったことから、区ホームページに臨時で介護サービス事業者向けのページを設けたところでございます。新たな情報提供をその都度ホームページに追加して掲載しておりまして、いつでも確認できるよう工夫に努めてきたところでございます。 多く寄せられる問合せの項目につきましては、区としての基準を示すなど、今後も介護サービス事業者への情報提供では、分かりやすく伝わりやすい方法について研究していきたいと考えております。 ○議長(高橋かずちか) 以上で浦野さとみ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 内 野 大三郎 1 新型コロナウイルス感染症対策について 2 区財政運営について 3 学校教育について 4 新区役所整備計画について 5 その他
○議長(高橋かずちか) 次に、内野大三郎議員。 〔内野大三郎議員登壇〕 ○15番(内野大三郎) 令和2年第2回中野区議会定例会において、都民ファーストの会中野区議団の立場から一般質問いたします。 質問に先立ちまして、今回の新型コロナウイルス感染症においてお亡くなりになりました方々へ衷心よりお悔やみを申し上げるとともに、今なお感染症と闘い苦しんでおられる罹患者の皆様にお見舞い申し上げます。 また、こうした患者の皆様を昼夜たがわず献身的に治療・看護に当たっておられる医療関係者の皆様、私たちの生活を根本で支えてくださっている郵便、宅配事業者の皆様、スーパー、コンビニ、ホームセンターにおいて日常生活品を供給してくださっている皆様、理美容関係者の皆様、ごみ収集事業に携わっておられる皆様、その他、この感染症を封じ込めることに御協力くださっている全ての皆様に対しまして、心より敬意と感謝を申し上げます。 まず、新型コロナウイルス感染症対策についてです。 保健所の対応について。 初めに、4月に設置されたPCR検査センターについて。 同センターが区内に設置されてから、区では、その結果については東京都が一元管理してきたため、公表されてきませんでしたが、5月末までの検査件数はどのくらいだったのでしょうか。また、検査に訪れる方々がどのようなきっかけやどのような手段で検査会場へ行っているのでしょうか。検査センターを設置したことについての評価や今後の体制についてお尋ねします。 次に、今回のコロナ禍における区の情報発信についてお尋ねします。 電話やメール、ファクスなど様々な区民の声が寄せられたことと思います。その具体的な問合せ数などをお聞かせください。また、内容について、どのような声が多く聞かれましたでしょうか。 昨年の秋の台風時にも区からの情報がなかなか届かなかった方々がいらっしゃったかと思います。特に情報を受信する端末であるパソコンやスマートフォンを持っていない方々については、常に情報弱者として意識されなければならない存在だと言われています。このたびの緊急事態宣言下では、情報弱者の皆様にどの程度の情報が届いていたのか、届いていなかったのかの分析は非常に大切であると考えます。 全国各地で最近では地震の報道も度々聞かれるようになりました。複合災害として感染症対策をしながらの自然災害対策にも備えていかなければなりません。自然災害は人間の都合で発災の時期を選んでくれるわけではないからです。複数の災害が同時に起こってしまったときに、情報伝達の優先順位を決め、適宜適切に必要な情報と物資が行き届くように備えておくべきだと考えますが、区の見解をお聞かせください。 次に、子育て世帯への支援について伺います。 区では、先月1日に行われた臨時議会で可決されました第2次補正予算において、就学援助世帯への学校休業中の昼食費補助が決まりました。ただ、学校給食はプロの栄養士さんの指導の下、栄養満点で子どもが食べやすいメニューを安価に提供できる非常に優良なシステムであります。したがって、同じようなコストで、同じような食材で、同じような食事を家庭で作れるわけではありません。ましてや、お仕事をフルタイムでされている皆様が学校給食のような昼食を毎食提供できないのが現実だと思います。はやりのテークアウトを使えば、それこそ一人前が500円から1,000円前後と、家計の負担に重くのしかかります。そこで、就学援助世帯以外にも昼食費の上乗せ援助ができないか、お尋ねいたします。 葛飾区は、独自策として、中学3年生までの子ども一人当たり1万円を支給するとしております。必ずしも他区と同額にする必要はありませんが、ある程度の配慮をすることにより、区長の標榜する子育て先進区としての独自色を出すことができるものと期待をいたします。 次に、事業者、特に感染拡大防止協力金受給者や持続化給付金受給者への上乗せ支援についてです。 国と東京都で感染拡大防止に向けた大胆な給付金を配付しています。東京都は、アルバイトがなくなり収入が途絶えた大学生などに募集をかけ、若い方も総動員し、感染拡大防止協力金のコールセンターを充実させました。また、国の給付金もかなり早いスピードでの支給がなされるようになっています。 こうした大胆な給付は、非常事態宣言下には非常に効果的ではありますが、事業者によっては、これらの給付金が収入が途絶えている中での当面の事業維持の最低限の経費にしかなっていないところも多くあると聞きます。非常事態宣言が解除され、これから事業を再開しようとしているときに、感染拡大防止措置や消毒などのコスト、さらにはソーシャルディスタンスを意識し、店舗などでは通常の半分の席数しか使えなくなることも想定されます。事業を再開したとしても、かつての売上には遠く及ばず、それこそ今までの努力が水泡と化しかねません。 そこで、今、国からの家賃補助について議論がされている中で、中野区でも国や東京都の補助に上乗せして支援をしてはいかがでしょうか。固定経費の大きな割合を占めているのが人件費と家賃です。その一部でも限られた財源の中から出すべきであると考えますが、いかがでしょうか、伺います。 区財政運営についてです。 4月7日、非常事態宣言以降、様々な経済対策が施されてきました。直接区民に手渡される給付金などが即効性のある対策とされ、国と都による多額な財政出動がなされました。それにより毎日の不安がある程度解消されていた側面はあろうかと思います。しかし、これらの給付金は一時的に経済危機をしのぐことができても、根本的な解決には至らないものだと考えています。 非常事態宣言が解除された今からは、第2波の感染予防に留意しつつも、日常を回復させるまでの間に低空飛行状態の区内経済からの脱却を図らなければなりません。区の限られた財源の中から最大限の効果を発揮するためにも、知恵を絞り切る必要があります。 区は、この間、5月に入って令和2年度予算執行に当たり、本年度の新規・拡充事業の中から厳選して執行調整を行い、一般財源を大幅に削減、見直しを実施し、10億円近くの財源を生み出しました。執行調整に当たり、区長側から各会派に対し意見聴取を実施してくださいました。我が会派としては、既契約であるために執行しなければならない事業について、契約条項の見直しをお願いいたしました。通常、契約書には必ずと言っていいほど不可抗力条項というものがあり、予測困難で制御不能な外的要因が生じた場合には、契約当事者双方で誠実に協議をすることという一文が入っています。 今回のコロナウイルス感染症については、世界中で例外的な措置が取られ、国際取引や商慣行においても、このような不可抗力条項というものが発動されている場面も多数報告されています。もちろん契約内容によっては、不可抗力条項がないものも散見されますので、全ての契約にあるかどうかは確認が必要になりますが、既規約だからといって、全面的に執行を進めるのではなく、契約内容によっては不可抗力条項を発動すべきものがある場合には、積極的に契約当事者との交渉を進めるべきと重ねて要望いたします。 さて、この非常事態宣言下において、いわゆるエッセンシャルワーカーと言われる医療、介護、保育事業に従事されている方々や生活必需品や生活必須のサービスを提供している方々には、重ねて敬意と感謝を申し上げます。こうした方々の中には、東京都の感染拡大防止協力金の支給対象に該当しない業種や国の持続化給付金の対象になる前年同月比売上50%減にならずに給付対象にならない事業者が多く存在しています。国と東京都で支援をされている方々以外のこうしたエッセンシャルワーカーに対して、まさに制度のはざまにいながら、巣籠もり生活をしている私たちの生活の根幹を支えてくださっていることから、何らかの支援が必要なのではないかと考えています。区からのこうした方々への支援についてお尋ねします。 次に、雇用対策についてお尋ねします。 東京労働局の発表によりますと、4月の有効求人倍率が1.73倍で、前月から0.14ポイント下がりました。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、新規求人数が前年同月比43%減となりました。これは44年11か月ぶりの大幅な落ち込みだそうです。5月もさらに厳しくなるという見通しが示され、雇用環境はさらに悪化するものと推測されています。 こうした傾向は、当然、区内経済に大きな影を落とすことになります。東京都では(仮称)復興人材バンクを創設して、都内の失業者を雇用する官民連携の公社を設立し、直接雇用として3,000名を想定しております。言わば半官半民の職業紹介事業体です。デジタル人材も含め、かなり幅広いジャンルでの雇用創出を目指しております。 また、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して、三鷹市では、困窮学生アルバイトに起用して、飲食店が注文を受けたお弁当をお客様へ配達するサービスが7月から本格実施されます。具体的には、市の第三セクターであるまちづくり三鷹に事業委託をし、お客様から飲食店に連絡があると、飲食店からまちづくり三鷹に連絡、そこが配達員であるアルバイト学生を手配して、お客様にお弁当をお届けするというシンプルなビジネスモデルです。 雇用の対象は、現役大学生のほか、内定を取り消された大学生、卒業者も含め、また、親が入院したり隔離されたりした子どものためにも、高齢者の巣籠もり支援にも一役買える優れもののプラットフォームとのことです。まさに売手にも買手にも世間にもよい、三方よしの精神でこの困難を乗り切ろうとしています。 これは一つの事例ではありますが、学生や比較的若い世代の多く住む、区内の雇用対策にも注力する必要があると思われますが、区の今後の雇用対策についてお尋ねします。 次に、公共事業の前倒し施策についてお伺いいたします。 日本総研の新型コロナ長期化シナリオでは、今年7月から9月までGDPが25%減少、最悪の場合、202万人が失業し、失業率が5%を超えてしまうだろうと予測をしています。 こうした日本経済全体の落ち込みの中で、足元の区内経済をどのように回復させていくのか、具体的な施策があるとしたら、どのようなことが考えられ得るのか、お尋ねいたします。 もちろん、一般財源を湯水のごとく使うこともできないわけなので、国からの新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金のさらなる増額を求めていくことも必須です。東京都や区長会からも声を上げ続け、少しでも真水が財政に流れ込むことを期待しております。 次に、学校教育についてです。 中野区の教育委員会では、子どもと学校を離さないという方針を掲げ、この休校期間中もできるだけ学校から子どもたちへの学びの提供や担任からの声がけなどを実施してきたとのことです。ただ、授業が行われていないことによる学習の遅れというものは厳然として存在してしまうこともまた事実です。 4月からの約2か月間、学校がないことにより、子どもたちの学習の遅れについて、区立学校ではホームページなどを活用して積極的に家庭学習支援をしてきました。ただし、家庭での学習は、とかく散漫になりやすく、子どもと親との関係における難しさも加わり、必ずしも家庭学習が充実しているところばかりではありません。そうした休校中の家庭学習については、学校再開時において学習が進んでいる児童とそうでない児童とが混在することになります。こうした家庭学習における児童・生徒の成果の評価をどのようにお考えなのでしょうか。遅れが生じてしまった児童に対してどのようにフォローするのか、しないのか、お尋ねいたします。 次に、児童・生徒の健康管理はどのようにしていくのか。 学校が再開しても、毎日の検温による子どもたちの体調管理は、感染拡大防止の観点からも常に目が離せない緊張の連続かと思います。ただ毎日の健康管理に注目するだけでなく、発熱など風邪症状が見られる場合にはどのようなフローでどのように児童に対応していくのか、マニュアルやガイドラインを示しながら健康管理をしていくことが求められます。 また、新型コロナウイルスに感染したかどうかの見極めが難しい場合には、初動対応にミスがあると致命的になるため、どのように対処していくのか、現場の教職員の皆様の訓練などはどのようになされていくのか、お尋ねします。 心のケアや児童虐待防止対策はどのようにしていくのでしょうか。 メディアでは様々な情報が流れ、中には専門家の意見と全く正反対の意見を垂れ流し、訂正報道も一瞬で終わらせるような悪質なメディアも散見されています。しかし、子どもたちがひとたび間違った情報を身につけたままで学校が再開されれば、児童同士の言い争いに発展したり、他の保護者を不安にさせたりすることも想定されます。まずは新型コロナウイルス感染症の正しい知識をしっかりと現場の児童・生徒、そして保護者へと発信することが肝心であると考えます。その上で心の悩みやストレスについてのケアを手厚くするべきだと思います。区の見解をお聞きします。 さらに、今回の感染拡大前に、多くの痛ましい事件が発生した児童虐待について、今までとは違った新しい事案が今後出てこないとも限らないと思い、危惧しているところです。 物理的な暴力による虐待はもってのほかですが、知らず知らずのうちに長い時間一緒にいる親からの精神的なプレッシャーが子どもたちにとって徐々に心に重くのしかかってしまい、結果として精神的な虐待状態が生じてしまう危惧があります。こうした事例は、まさか自分が虐待しているとは思わないうちに少しずつ生じてしまうおそれがあるため、保護者への精神面でのサポートを充実させる必要があると考えますが、区の見解をお聞かせください。 ICT教育推進についてです。 区内の学校教育について、ICT環境の現状と課題については、様々な団体や保護者から要望が寄せられているものと聞いております。要望の内容があまりに高レベルであったり、実現には予算がかかり過ぎたりと様々あるようです。しかし、区内の公教育をどのように底上げをしていくのか、区として一定の基準などを設けるべきかと考えますが、いかがでしょうか。 また、様々な項目にわたった要望の中で、区として取組を推進していけるものにはどのようなものがありますでしょうか。お尋ねします。 次に、非接触型体温計の配備についてでございます。区内小・中学校への非接触型体温計の配備についてお尋ねします。 登校前に児童の検温を家庭で求めつつも、学校敷地に入る際、門が複数ある場合には、非接触型の体温計の数が少ないとなかなか発熱した児童を見つけることが難しいと考えています。それも日常が戻れば、いずれ検温もしなくなる可能性もあります。 区庁舎で実施しているサーモグラフィー検査も一つの手段と思われますが、この際、学校敷地へ立ち入る場合には、私立の小学校などでも散見されるID管理や顔認証などでの出席チェックなども将来的に導入してもよいのではないでしょうか。この機会に感染拡大防止のほかにも、学校敷地内への立入り管理を強化するべきと考えますが、区の見解をお聞きします。 社会が混乱しているからこそ、大人たちがしっかりと未来を見据えている姿を見せるべきであると思います。子どもたちが学校を明日への希望を持てる場として通学を楽しみにしてもらえる環境づくりをしていただきたく要望し、次の質問に移ります。 次に、新区役所についてです。 新庁舎整備については、本年3月より実施設計に着手しておりますが、新型コロナウイルス感染症対策についての備えも必要であると考えています。設計段階で起こる全ての事象に対応することは事実上不可能ではありますが、実際にこれだけ大きな社会変化に対して、これから作る区役所が今からでもできる何らかの対応を組み入れなければ、出来上がった新区役所がその時点で時代遅れものとなってしまうことも予想されます。数世紀にわたる感染症と人類との闘いの中で経験した直後のこの経験値を生かすことこそ、次世代に残すハードとしてのよい区役所になるのではないでしょうか。 感染予防対策として、窓口の飛沫対策や室内換気、密にならない働き方など、今回の件で明らかとなった事態への対応を想定し、検討を進めてはいかがでしょうか。新庁舎の設計においての感染症対策はどこまで進んでいるかをお尋ねいたします。 また、今後は新庁舎の整備に合わせて役所に来なくてもできる手続を拡充することが重要となってくると思われます。現段階からでもできることはたくさんあると思いますが、新庁舎移転までに現庁舎において電子申請はどの程度拡充するお考えなのか、現状の御認識を伺います。 中野区は、本年4月27日に経済産業省の自治体窓口及び公共施設のキャッシュレスに取り組むモニター自治体に選定されました。国民健康保険料にペイジー収納とクレジットカード決済、諸証明の支払いに交通系電子マネーを導入する取組や今年度開館する区立総合体育館におけるキャッシュレス化の取組が高く評価された結果とのことです。区民の皆様のさらなる利便性に寄与するために、役所にお越しになる場合にも非接触型キャッシュレス対応窓口の拡充を求められています。事前にスマホなどを活用して、手続に必要な情報を申請しておき、窓口に行った際にはすぐに手続が完了し、必要書類が受け取れ、またキャッシュレス決済も同時に完了する、そんなイメージでのIT化窓口を検討してはいかがでしょうか。 電子申請、IT化窓口、いずれにつきましても、具体的に到達目標や具体的スケジュールを定め、推進していく必要がありますが、現在の検討状況をお聞かせください。 以上で私の質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 内野議員の御質問にお答えいたします。 1点目に、新型コロナウイルス感染症対策についてで、PCR検査の件数及び検査のきっかけ等についてです。 令和2年5月末までのPCR検査の件数は197件でございます。区のPCR検査センターでは、かかりつけ医が発熱や呼吸器症状等がある患者の診察を行って、必要と判断した場合にあらかじめ定められた診療情報提供書をPCR検査センターに送付して検査を実施しているところでございます。 検査会場までの移動については、感染の拡大を予防するため、公共交通機関の利用は見合わせるように依頼をしているところでございます。 なお、自家用車等を持たない区民にとっては、専用の送迎車を活用しているところでございます。 次にPCR検査センターの設置に関する評価と今後の体制についてでございます。 区がPCR検査センターを開設したことによって、かかりつけ医が発熱や呼吸器症状を伴う患者を診察した後、必要と判断した場合にPCR検査を遅滞なく行える体制が整備できたと考えております。陰性の場合は引き続きかかりつけ医が治療を継続するなど、地域の中で必要な医療を受けることができる仕組みを構築できたと評価をしているところでございます。 今後、患者の発生状況や新たな検査方法の動向などを注視しつつ、区医師会と連携しながら、医師や看護師や検査機材などの確保など、検査に必要な体制を維持していこうと考えております。 新型コロナウイルス感染症に関する区民の声についてでございます。 保健所をはじめとした各現場にも非常に多くの問合せや御意見が寄せられておりますが、令和2年4月1日から5月末までの間に広聴・広報課に寄せられた区民の声だけでも約650件でございます。区全体として最も多いのは、感染者数やPCR検査など新型コロナウイルス感染症そのものに関すること、そして、特別定額給付金の給付時期や手続などについてでございます。それ以外ですと、学校や保育園の休校、休園や再開、公園の閉鎖など区立施設の運営に関することや防災行政無線に対する苦言、感染症に対する区の取組を求める声が多くを占めているところでございます。 次に、デジタルツールの利用が困難な方への情報伝達についてでございます。 高齢者の方をはじめ、区ホームページなどのデジタルツールの利用が困難な方への情報伝達は大きな課題でございます。今後の災害発生時の情報発信の在り方を見直す上でも、新型コロナウイルス感染症の影響下における情報がどのように伝えられているかについては、注視していきたいと考えております。 新型コロナウイルス感染症に関する情報発信において実施しましたが、加入率の高いケーブルテレビのジェイコムチャンネルを利用した放送や防災行政無線や防犯パトロールカーによる周知は必須であると考えております。さらに、新しい生活様式を踏まえた情報伝達の方法を様々工夫していきたいと考えております。 次に、持続化給付金受給者等への上乗せ家賃補助等についてでございます。 現在、家賃補助につきましては、国で制度導入を進めているところでございます。また、東京都の感染拡大防止協力金につきましても、これは家賃を考慮したものとされております。こうした国や都の支援を踏まえた上で、感染拡大の状況や区の財政状況等を勘案して、必要な対策を進めていこうと考えております。 区内の大学生の支援についてでございます。新型コロナウイルス感染症の影響でアルバイトなどの仕事を失って、生活費や学費を賄うことが困難となった学生についても、区の会計年度任用職員の候補者として名簿に登録することができます。 区内の大学生を対象として特定の業務について会計年度任用職員を募集する場合には、対象者のニーズに合った勤務時間や業務内容の仕事の有無や対象者を限定することの公平性等について課題があると考えております。大学生が働きやすい業務を整理して、募集内容を周知する等できないか検討してみたいと考えております。 次に、区財政運営についてのエッセンシャルワーカーに対する支援についてでございます。 医療、介護、保育などの事業者、従事者につきましては、国や都から様々な形で支援が行われてきております。今後、区としても介護、障害、福祉サービス、産後ケア事業などの事業者に感染症対策を行うための費用補助や認可外保育施設の臨時休園等に対する支援など、現場や地域の状況を踏まえたきめ細かな支援策を講じていきたいと考えております。 次に、緊急雇用対策についてでございます。 経済の停滞によって、事業者とともに従事者も厳しい状況に置かれ、休業や失業を余儀なくされている人が少なくないと認識しております。今後の国や東京都による対策も視野に入れながら、区として緊急雇用対策を含めた継続的な経済対策を講じてまいります。 次に、公共事業の前倒し施策についてでございます。 リーマンショック後の消費雇用活性化事業では、街路灯のLED化工事、公園トイレ改修工事などに取り組んだところであります。 今後の緊急経済対策では、感染拡大防止や新たな働き方の下で進める必要があることも含めて、事業の優先度や財源の確保などを勘案しながら検討し、国や東京都の動向も視野に入れながら具体化を急ぎたいと思います。 次に、学校教育についての中で、虐待防止策についてでございます。 新型コロナウイルス感染状況下の生活では、学校等の休業や親の在宅勤務など親子関係が緊密になる一方で、通常の生活との違いに親も子も戸惑い、ストレスを抱えるなど、親子関係が悪化する場合もあることを危惧しております。 子ども家庭支援センターでは、支援が必要な児童について、学校などとも連携し、電話や訪問によって児童の養育状況や家庭環境の確認など継続した対応も行ってきたところでございます。今後も子育てに関して不安を抱える保護者に対しては、養育状況を丁寧に聞き取り、保護者と一緒に解決を図っていくことで児童の虐待防止に努めてまいります。 次に、新区役所整備計画についてでございます。新庁舎の感染症対策についてでございます。 新庁舎では、窓口の集約とセキュリティエリアの執務室と来庁者エリアを分けることによる窓口形状の統一化によって、飛沫防止対策がしやすくなると考えております。また、執務スペースは、ユニバーサルレイアウトの採用や無線LANの導入によって、座席の配置変更や場所を選ばない柔軟な働き方が可能となります。こうした取組によって、今後テレワークや在宅勤務に係る出勤者数の増減に対して、臨機応変な座席間隔の調整などの対応ができるものと考えております。 新庁舎では、有事の際に空調が使えなくなった場合を想定して、窓を開放できる計画となっておりまして、自然風による換気が可能となっているため、密閉対策として有効であると考えております。 次に、電子申請の拡充についてでございます。 電子申請を利用可能な手続数は、平成30年度時点の335手続から、平成31年度時点で346手続に11手続増加をしております。国や東京都などで様式が定められているなど、区だけでは阻害要因を排除できないものを除いて、区の現行手続を見直し、添付書類の省略や電子的方法による本人確認の推進などによって、可能な限り電子申請を拡充していくことで、手続だけのための台帳を削減し、区民サービスの向上を図りたいと考えております。 最後に、キャッシュレス決済、電子申請の拡充などIT化窓口の具体的スケジュールについてでございます。 電子手続による事前申請の導入やキャッシュレス決済の拡充などについては、区民の利便性向上の観点からも推進していきたいと考えております。できるだけ早期にそういったサービスの導入を目指していきたいと考えておりまして、具体的なスケジュールについても、できるだけ早期にお示ししたいと考えております。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私からは、新型コロナウイルス感染症対策についての御質問のうち、子育て世帯への昼食代の支援についてお答えをいたします。 就学援助世帯への昼食代の支援は、学校が臨時休業になったことで学校給食の提供ができなくなったことから、休業中の昼食費相当として支援したものでございます。 子どもたちがいるようになって昼食代の負担が生じるのは、どの家庭にとっても同じでございますが、その中で特に就学援助を受けている世帯については、収入が少ないことから、迅速に補填する必要があるとして支援することにしたものでございます。子育て世帯については、国の児童手当の上乗せなどの支援があることから、改めて区として昼食代相当を支援する考えはございません。 次に、学校教育についての御質問のうち、まず臨時休業中の学習の遅れに対する支援についてでございます。 臨時休業中の学習については、学校が時間割を示し、学習課題を明確にして家庭学習を支えてきたものの、臨時休業が長期に及んだことによって、児童・生徒に学力差が生じることが懸念されることは認識しております。 今後は、夏季休業日や土曜日の活用によって授業時間を確保し、履修すべき学習内容を確実に実施してまいります。また、学校は、放課後や夏季休業中の補習教室、ICTを活用した家庭学習の充実にも取り組んでまいります。 休業中の家庭学習の評価についての御質問ですが、臨時休業中の学習課題については、通常の長期休業中の宿題と同様に担任が確認し、一人ひとりの学習の状況や成果を把握しているところでございます。 なお、就学援助世帯を対象とした「しいの木塾」では、5月から添削方式で通信講座を開催しております。 次に、新型コロナウイルス感染症対策としての児童・生徒の健康管理、教職員の訓練についての御質問でございますが、新型コロナウイルス感染症対策として、子どもたちの健康管理のために具体的に行わなくてはならないことについては、国等からのガイドライン等を参考に、中野区立学校再開マニュアルとして各学校へ通知し、徹底しております。このマニュアルを基に各学校では研修を行い、共通理解を進めております。 新型コロナウイルス感染症に感染したかどうかの見極めにつきましては、例えば児童・生徒が教職員関係者の家庭が……。 ○議長(高橋かずちか) 質問時間を超過しておりますので、答弁は結構でございます。 以上で内野大三郎議員の質問は終わります。 お諮りいたします。議事の都合により本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。 本日はこれをもって延会いたします。 午後5時11分延会
会議録署名員 議 長 高橋 かずちか 議 員 斉藤 ゆり 議 員 高橋 ちあき |