令和2年06月03日中野区議会本会議(第2回定例会)
令和2年06月03日中野区議会本会議(第2回定例会)の会議録
平成26年07月01日第2回定例会(第3日)

.令和2年(2020年)6月3日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(42名)

  1番  市  川  しんたろう       2番  竹  村  あきひろ

  3番  日  野  たかし         4番  渡  辺  たけし

  5番  間     ひとみ         6番  河  合  り  な

  7番  斉  藤  ゆ  り        8番  立  石  り  お

  9番  羽  鳥  だいすけ       10番  高  橋  かずちか

 11番  加  藤  たくま        12番  吉  田  康一郎

 13番  木  村  広  一       14番  甲  田  ゆり子

 15番  内  野  大三郎        16番  杉  山     司

 17番  ひやま      隆       18番  小宮山   たかし

 19番  い  さ  哲  郎       20番  小  杉  一  男

 21番  若  林  しげお        22番  内  川  和  久

 23番  いでい   良  輔       24番  小  林  ぜんいち

 25番  白  井  ひでふみ       26番  いながき  じゅん子

 27番  山  本  たかし        28番  中  村  延  子

 29番  石  坂  わたる        30番  近  藤  さえ子

 31番  浦  野  さとみ        32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  平  山  英  明       36番  南     かつひこ

 37番  久  保  り  か       38番  森     たかゆき

 39番  酒  井  たくや        40番  むとう   有  子

 41番  長  沢  和  彦       42番  来  住  和  行

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  酒 井 直 人      副  区  長  白 土   純

 副  区  長  横 山 克 人      教  育  長  入 野 貴美子

 企 画 部 長  高 橋 昭 彦      総 務 部 長  海老沢 憲 一

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 戸 辺   眞    子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小 田 史 子

 地域支えあい推進部長 鳥 井 文 哉    地域包括ケア推進担当部長 藤 井 多希子

 保 健 所 長  向 山 晴 子      都市基盤部長  奈 良 浩 二

 企画部企画課長(企画部参事事務取扱) 石 井 大 輔 総務部総務課長  浅 川   靖

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  長 﨑 武 史      事 務 局 次 長  小 堺   充

 議事調査担当係長 鳥 居   誠      書     記  立 川   衛

 書     記  若 見 元 彦      書     記  早 川 政 男

 書     記  野 村 理 志      書     記  鎌 形 聡 美

 書     記  松 丸 晃 大      書     記  細 井 翔 太

 書     記  有 明 健 人      書     記  五十嵐 一 生

 書     記  髙 橋 万 里      書     記  本 多 正 篤

 

 議事日程(令和2年(2020年)6月3日午後1時開議)

日程第1 第52号議案 中野区事務手数料条例の一部を改正する条例

 

午後1時00分開議

○副議長(平山英明) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承ください。

 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 内 川 和 久

 1 新型コロナウイルス感染症対策について

  (1)第2波・第3波の感染症拡大に備えた体制について

  (2)その他

 2 新型コロナウイルスが区財政に与える影響について

 3 その他

 

○副議長(平山英明) 最初に、内川和久議員。

〔内川和久議員登壇〕

○22番(内川和久) 令和2年第2回定例会におきまして、自民党の立場で一般質問をさせていただきます。質問は通告どおりであります。

 1番の(2)その他のところでは、相談窓口コールセンターと予備費についてお聞きをいたします。3番、その他については区の制度融資についてお聞きをいたします。

 4月7日に発令された緊急事態宣言が1か月半ぶり、5月25日に全面解除されました。安倍総理いわく、新しいやり方で日常の社会経済活動を取り戻していくとの言葉どおり、今後は3密を避けながら、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐとともに、経済を回していくという難しいかじ取りが求められます。

 新型コロナウイルスへの警戒、感染予防を怠った途端、一気に感染が広がるのがこのウイルスの怖いところです。新しい生活様式をこれからも続けながら最悪の事態を回避しなければなりません。区としては、今後予測される第2波、第3波の感染流行を見据えながら、各取組の充実、拡充が求められるところです。

 日本政府の新型コロナウイルス対策について、当初、欧米と異なる対応をしていると批判をしていた欧米メディアは、日本政府の3密回避の呼びかけや日本の皆保険制度を評価するとの指摘が出てきました。また、5月25日、WHO・テドロス事務局長は、緊急事態宣言を全面解除した日本について、新型コロナウイルス対策が成功した、今後も感染経路の特定などに注力する姿勢を見せたと、日本政府の感染拡大防止の取組を高く評価をしました。政府は国民の命と生活を守り抜く取組にも引き続き取り組んでいます。

 このたび閣議決定された2020年度第2次補正予算案は、雇用調整助成金の上限引き上げ、8,330円から1万5,000円へ引き上げました。休業手当を受け取れない人への給付金、中小企業や個人事業主に対する家賃の支援、これは1か月最大100万円を6か月間支給など、歳出規模で31兆円を超えるもので、第1次補正予算歳出規模25兆6,900億円をも上回ります。民間金融機関による融資や地方自治体の負担を含めた事業規模は117兆円を超える見込みで、まさに空前絶後の規模であります。

 そこでまず、区長にお聞きをします。約1か月半で緊急事態宣言全面解除にたどり着いた日本政府の新型コロナウイルス対策と国民の命と生活を守り抜く2020年度補正予算規模についてどう評価をしているのか、お聞きをします。区民に今必要にもかかわらず、不足と考える支援、制度についても併せてお伺いをいたします。

 新型コロナウイルス感染症対策についてお聞きをいたします。

 今回の新型コロナウイルス感染症対策においては、最前線で対応されている保健所に関わった皆様方には改めて敬意を表します。自らの感染への予防や医療機関等との連携、保健師等の人員配置、また、電話相談対応など御苦労は多かったと思います。その中でも特に苦労された部分は何だったのか。現在そのような問題点は解消されているのか。また、中長期的に取らなければいけない体制、制度についてお聞きをいたします。

 次に、第2波、第3波の感染拡大に備え、さらに保健所体制の強化をする必要があると考えます。この保健所機能を維持し、継続していくためには、電話相談業務の外部委託等、保健所の負担軽減と中野区医師会や医療機関等のより一層の連携等をセットで行うことが重要です。保健所としての見解をお聞かせください。

 次に、区内において集団感染が発生した医療機関においては、一日も早く初診外来診療等、通常の診察ができるよう保健所や区の支援が必要となりますが、集団感染が発生した医療機関の現状と、今後、通常の診察を再開するため、どのような支援策を考えているのか、お答えください。

 次に、PCR検査の現状と今後の課題についてお聞きをいたします。区は、4月29日、PCR検査センターを区内に設置し、中野区医師会協力のもと、週3日の検査体制をスタートさせました。1日に検査できる数としては、水曜、木曜が48名、土曜日が24名と聞いています。

 まず初めに、検査センター設置から5月25日緊急事態宣言解除まで、検査可能数に対する検査数の割合はどのくらいあったのか、お答えください。

 次に、さきにも述べましたけれども、新型コロナウイルスは第2波、第3波の感染流行が必ず来ると予測されています。早ければ7月にも第2波が来るとする専門家の意見もあります。さらには、より強いウイルスへと変化するという指摘もあります。状況は日々変化し、今後、長期にわたる感染予防対策が必要となることから、北九州市の事例を踏まえ、急遽新たな感染者が現れたり、また、幼稚園、保育園、小・中学校等でのクラスターが発生した場合に対応するためには、今後、教育委員会、保健所、医師会、歯科医師会、医療機関、PCR検査センターの連携シミュレーションについてどのように考えているのか、お答えください。

 あわせて、保健所の要請によりPCR検査を行っている医療機関の現状と、今後これら検査を行っている医療機関に対する支援についてもお答えください。

 次に、緊急事態宣言解除に伴い、子ども教育関連施設、幼稚園、保育園、小・中学校は順次本格再開されていきます。再開においては多くの保護者から児童・生徒の感染について不安の声が寄せられております。新型コロナウイルスへの徹底した感染予防策を講じる必要があります。感染予防策について具体的にお答えください。

 さらに、高齢者は感染すると重篤化すると言われております。介護施設、福祉施設における感染予防策についても具体的にお答えください。

 コールセンターについてお聞きをいたします。区は、新型コロナウイルス相談窓口、コールセンターを設けてあります。特別定額給付金や区立小・中学校の休業や再開、子育て世帯への臨時特別給付金など相談できる仕組みです。今、何に関して区民が困っているのか、どのような情報を区民が必要としているのか、ここから読み取ることができると考えます。どのような相談内容が多いのか、今、区としては何が足りなくて、それに対する今後の取組はどうするのか、フィードバックする仕組みができているのか、お聞きをいたします。

 また、様々な悩みを抱えている区民からの相談は今後増加していくことも十分に予測されることから、相談窓口体制は継続し、丁寧な対応に努めるべきだと考えます。区の見解をお聞かせください。

 予備費についてお聞きをいたします。今回の新型コロナウイルス対策には多くの予備費が充用されました。予備費とは、予算外の支出、または予算超過の支出に充てるため、執行機関にその使用を委ねるものと理解しております。ただし、議会の議決を要しないものであるために、その充用に関してはより慎重な判断と丁寧な説明が執行機関には求められると私は考えます。

 新型コロナウイルス対策に係る令和2年度予備費への充用は現時点で合計1億9,000万円を超えて、3億円計上されている予備費のうち、半分以上を使い果たしました。予備費は比較的軽易で金額が軽微であり、緊急を要するため、ある程度の予算が必要とは理解しております。現在、国会でも予備費について議論されているところですが、緊急性は理解するものの、何に使う可能性があるかは事前に示していただく必要があると考えます。我が会派は個々の対策、特に人件費に関してもろ手で認めたわけではありません。今後、新型コロナウイルス対策は恒常的なものとなることから、新型コロナウイルス対策に関わる新たな施策に関しては、十分な議会との議論の上、決定すべきと考えます。区の見解をお聞かせください。

 新型コロナウイルスが区財政に与える影響についてお伺いをいたします。

 日本においては数年に一度の割合で経済危機が訪れていると言われています。過去においては、平成20年に発生したリーマンショック、平成23年に起きた東日本大震災も記憶に新しいところです。今回の新型コロナウイルスが区財政に与える影響はどのくらいのものなのでしょうか。平成20年のリーマンショック時においては、一般財源で翌年、平成21年度予算において約30億円の減、平成22年度予算においては実に約54億円の減となっており、当時670億円とした基準となる一般財源規模は、リーマンショック後、650億円に下方修正されました。区民税、特別区交付金などの収入見通しも悪く、さらに、平成23年には東日本大震災の影響により新たな経済不況につながっているという状況があるため、財政運営上の非常事態とした経緯があります。

 昨日の我が会派の大内議員の一般質問で、中野区において新型コロナウイルスの感染拡大により、今年度は40から45億円、来年度は100億円以上の減収を見込む必要があり、事業見直しで今年度においては9億円を削減する予定との答弁でした。リーマンショック級の財政危機のために、年間50億円を3年間分で150億円を財政調整基金に貯蓄する必要があるということで、現状としては188億円が積み立てられております。今年度の基準となる一般財源規模を710億円から750億円に増額への懸念に対して、万が一の財政危機の際にはこの基金を充当すればよいとの指針でありました。リーマンショック後には区は基準となる一般財源規模を下方修正しましたが、今後の財政運営について区の見解をお聞かせください。

 次に、歳出においては、新規拡充事業は、区が単独で執行の制御ができないものを除き、執行を一旦停止し、事業実施の可否、実施時期、予算規模の見直し等の方針を定めるとしています。我が会派としても歳出抑制に関してこれまで指摘させていただいたことで、これらの取組については早急の実施を期待します。予算規模の見直しはどのぐらいの額を目標とするのか、また、その数字の根拠についてもお答えください。

 次に、持続可能な区政運営を進めるためには、根本的に事業の在り方、進め方を見直す必要があります。この取組に関しては行政のトップとしての手腕や責務が問われています。区民に選ばれた区長として姿勢を示す場面であると考えます。見解をお聞かせください。

 区独自の経済対策についてお聞きをいたします。

 区は、新型コロナウイルス感染症対策緊急応援資金として約1億3,000万円を計上しました。中小企業が金融機関の融資を利用する場合、本人負担を0%とする利子補給による負担軽減を行うものです。対象融資制度としては中野区産業経済融資と小規模事業者経営改善資金です。4月1日から開始されました。

 各区において同様の緊急融資がこのたび行われましたが、中野区の産業経済融資における事業資金限度額3,000万円は他区に比べても高額で、企業にとってはありがたい制度です。また、特別融資ではなく、区の一般融資制度における優遇措置であることから、他区のように、まず区の融資窓口に来庁しなくても、最初から金融機関での申込みが可能であるため、あっせん状発行に当たっての事業者負担を減らすことに役立っているとも聞いています。また、新型コロナ対策、マル経とも呼ばれている小規模事業者経営改善資金ですが、このマル経融資の窓口である東京商工会議所中野支部では、小規模事業者からの経営相談に丁寧に対応しており、区の制度と併せて事業者の相談に幅広く応える体制がつくられていると聞いています。区の制度とマル経融資について同時に利子補給制度を開始した効果は大きく、今後もこうした経済団体と時期を合わせた協力は大変重要であると考えています。

 区の優遇制度についてお尋ねをいたします。この制度については、当初5月29日までであった受付期間を9月30日までに延長しています。現在の区のあっせん状発行件数と期間を延長した理由をお答えください。新型コロナとの長期戦において、いつ制度を活用したいという区民が現れるとも限りません。できるだけ期間延長を求めます。

 次に、現在は国や都の給付金等が充実されており、これらの給付金が一段落した後、区の制度融資のニーズが高まる可能性もあります。より事業者にとって借りやすく使いやすいものにしなければなりません。他区では信用保証料も区が全額補助しているところもあります。今後の展開として、信用保証料の補助制度の設置を含めた区の考えをお聞かせください。

 最後に、今回の新型コロナウイルスの世界的な流行は誰もが予測できなかったことです。比較的日本の感染対策はうまくいっていると言われておりますが、国や都も含めて初めての事態であるために、必要な支援の実態をつかめないまま様々な施策を打ち出しています。このたび品川区では、区独自の特別給付金を区民1人に3万円、中学生以下については5万円の制度を設定しました。中野区ではどう考えていくのでしょうか。今後、区としては、表面になかなか現れてこない本当に困っている区民に対して手を差し伸べるとともに、そういった方々へ区独自の支援を行っていくことが大事だと私は考えます。あらゆるアンテナを使って区民のニーズを掘り起こし、ちゅうちょなく施策を打っていくことが求められていきます。改めて区長の見解をお聞きして、全ての質問を終わります。

 御清聴、誠にありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 内川議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初に、新型コロナウイルス感染症対策についてのうち、国の補正予算規模についてでございます。国の第2次補正予算につきましては、家賃支援給付金や学生支援緊急給付金など、セーフティネットとしての予算も含まれており、早期の成立が望まれます。さらに、抜け落ちる人や事業者への支援が必要であると考えております。区独自の対策の財源となる地方創生臨時交付金の拡充も含まれており、きめ細やかな対策が取れるよう、都市部における厳しい状況を踏まえた十分な配分を求めていきたいと考えております。

 次に、予備費についての御質問でございます。予備費は、災害対応や今回のような健康危機管理対応など、緊急を要する経費について充用するものでございます。事前にお示しすることは困難ではございますが、緊急対応すべき状況の情報提供及び適切な予備費の充用に努めてまいりたいと考えております。そのことを含めて、新型コロナウイルス感染症対策に係る新たな施策については区議会との十分な議論を経て進めていきたいと考えております。

 次に、今後の財政運営についてのお尋ねです。厳しい財政の状況下にありましても区政を着実に進めていくためには、歳入と歳出のバランスが保たれ、財政が秩序正しく運営される必要があります。これまでの財政運営の考え方を検証し、基準となる一般財源規模や基金、起債の活用など、今後の財政運営の考え方の見直しについて検討を進めているところでございます。

 次に、予算規模の見直しについての御質問です。現在、今年度の予算の執行の見直しの検討を進めておりまして、現時点において約9億円の歳出削減を見込んでいるところであります。一方、これまでの新型コロナウイルス対策経費として、補正予算及び予備費充用で約14億円の一般財源の活用を見込んでおりまして、さらなる対策も検討する必要があると考えております。リーマンショック時を踏まえて想定いたしますと、今年度の歳入も40億円から45億円の減収が考えられることから、今後のさらなる新型コロナウイルス対策経費と今年度の歳入減を見据えながら、さらなる見直しを進め、財源を確保していきたいと考えております。

 次に、区長の姿勢についての御質問です。今後厳しさが増していく区財政を踏まえた区政運営に当たりまして、事業の抜本的見直しが不可欠であり、区民、議会とのより一層の対話を重視して、理解と協力を得ながら共に難局を乗り越えていきたいと考えております。新型コロナウイルス感染症に係る対策の考え方、対策事業の財源確保、執行体制の整備、当面の区政運営の進め方など、柱となる方針については改めて示していきたいと考えております。

 次に、あっせん状発行件数と期間延長についてでございます。令和2年4月1日から受付を開始いたしました新型コロナウイルス対策緊急応援優遇制度の5月中までのあっせん状発行件数は699件となっております。政府の緊急事態宣言や東京都の外出自粛要請、休業要請等によって区内事業者にさらなる影響が出ていること、また、国の融資に関する保証制度の認定期間が延長されるなど、影響の長期化に伴った対応がなされていること等を踏まえ、受付期間を延長したものでございます。

 次に、緊急応援優遇制度のさらなる期間延長についての御質問です。今回の優遇制度の受付期間延長は、予算執行の額等も見込みながら、9月末までの延長を図ったものでございます。10月以降の受付分につきましては、今後の利用状況や国及び都の制度の動き、今後の業況変化等も注視しながら必要に応じて検討を行ってまいりたいと思います。

 次に、信用保証料補助等今後の支援策についてでございます。今回の新型コロナウイルス対策緊急応援優遇制度は利子の全額支給による事業者支援を行っているところでございますが、小規模企業特例資金につきましては、都の保証制度と連動して信用保証料について半額の補助が受けられる仕組みとしているところでございます。信用保証料を含めた融資制度の今後の展開につきましては、事業者の動向や国や都の取組状況等を踏まえ検討してまいります。

 次に、区独自の特別給付金の御質問です。品川区と同様の特別給付金を支出いたしますと100億円を超える額となり、財源となる財政調整基金の残高が減少し、さらに、今後悪化が見込まれる財政状況によって立ち行かなくなる可能性は極めて高くなると考えております。他方、第2波、第3波に備えたセーフティネットの対策の必要性もあり、国や都の動向を注視しながら、区として区民の命と生活を守る施策を検討してまいりたいと考えております。

 今後の新型コロナウイルス感染症対策についてでございます。新型コロナウイルス感染症対応について職員にアイデア募集をしたところ、1週間で300件を超える投稿がありました。区民の声でも多数の意見を頂いておりまして、現場や地域の声に耳を傾けて施策に反映していくことが必要だと考えております。今後も区民の命と暮らしを守り、地域経済を取り戻していくために、時期を逸することなく施策に取り組んでまいりたいと考えております。

〔教育長入野貴美子登壇〕

○教育長(入野貴美子) 私からは、新型コロナウイルス感染症の御質問のうち、幼稚園、小学校、中学校における感染予防策についてお答えをいたします。

 教育委員会におきましては、学校の衛生管理及び感染症予防等の観点から、中野区立学校再開マニュアルを作成し、幼稚園、学校に周知いたしました。このマニュアルでは、3密を避けるための、1、換気を徹底する、2、身体的な距離を取り、マスクの使用を徹底する、3、手洗い、消毒を徹底するの三つの取組を学校生活における様々な場面を想定して提示いたしました。これらの取組につきましては、教職員が徹底していくだけではなく、子どもたちが生活の中で自主的に取り組むことができるように教育活動の中で指導、実践してまいります。

〔保健所長向山晴子登壇〕

○保健所長(向山晴子) 私からは、保健所が対応等で苦慮した点、新型コロナウイルス感染症についての御答弁から申し上げます。

 3月中旬から、新規感染者の急増に伴いまして、区民からの相談、疫学調査や濃厚接触者の健康観察、移送等の一連の防疫業務が急増し、マンパワーを超える量となりました。このため、全庁の保健師や事務職の兼務、東京都からの職員派遣により人員体制を強化したものでございます。最も苦慮いたしましたのは、3月から4月の初旬にかけては、現在のような全都的な入院医療調整や宿泊療養の仕組み自体がなく、病床の確保が困難であったため、多くの入院待機者が生じ、夜間、休日も含め緊張を伴う状況になったことでございます。第2波、第3波に備えて速やかに応援職員を配置できる仕組みや、区西部保健医療圏と連携して医療を確保していく仕組みが必要であると考えてございます。

 次に、保健所機能の強化でございますが、保健所の体制強化につきましては厚生労働省や国の専門家会議等が繰り返し指摘をしてございます。また、5月末に国立感染研究所は積極的疫学調査の指針を改定し、保健所が早期の封じ込め対策を行うことの重要性を指摘しております。区は、コールセンターの外部委託や区医師会と連携したPCR検査センターの開設などにより業務改善を随時図りながら地域の保健医療体制の充実に努めてまいりました。現在、感染者が減少していることから全庁的な保健師の配置体制を縮小いたしましたが、第1波の評価を行いながら、今後予想される第2波に遅滞なく対応できる体制が必要でございます。加えて、区医師会や医療機関等との一層の連携によって地域の保健医療体制を充実してまいります。

 次に、医療機関の現状等についてでございます。区内の医療機関において院内感染が発生した際には、医療機関に対し保健所が情報収集を開始し、積極的疫学調査や再発防止に向けた助言等を行っております。また、病院における院内感染の場合は、指導監督権限を持つ東京都の所管部署とともに、集団発生の蓋然性が高い場合には、さらに都の疫学専門チームや国のクラスター班の支援を受けながら、技術的な助言、PCR検査の実施などを適宜実施してまいりました。その結果、3病院のうち2病院については既に収束が見られております。診療の再開に当たりましては、一定の期間、新規の患者発生がないことや感染制御が的確に実践されていることなどの目安を具体的に提示し、感染対策のスキルが向上するよう働きかけていく必要がございます。区は、今後とも、国や都、医療関係団体との連携のもとに、各医療機関の院内感染対策の強化に向け支援を継続してまいります。

 次に、PCR検査センターでの検査数及び今後の検査体制についてでございます。区がPCR検査センターを設置してから5月25日の緊急事態宣言解除までの検査可能数に対する検査割合は39.7%でございました。今後、再度の感染拡大に備えるため、都内の感染者の増加傾向や効果的かつ効率的な検査方法などに関する情報収集を行って、区医師会との連携のもと、検査が必要な方に対して遅滞なく対応できる体制を維持してまいります。また、お話がございましたような、例えば北九州のような学校等でクラスターが発生した場合は、新たな検査方法の活用も含め、医師会、保健所、教育委員会など関係機関が連携をしまして、広範な濃厚接触者へのPCR検査や健康観察などに対応してまいります。

 私からは最後になりますが、PCR検査を行っている医療機関の現状と区の支援についてでございます。都が指定している帰国者・接触者外来を持つ病院と、院内感染対策が十分に取れて行政検体の採取を行いたいとの申し出があった診療所でPCR検査を行っており、この中には濃厚接触者が含まれるため、陽性率が高くなっております。今後は、帰国者・接触者外来を持たない医療機関の医療従事者に対する財政的な支援を行うことを検討しております。 

〔子ども教育部長戸辺眞登壇〕

○子ども教育部長(戸辺眞) 私からは、新型コロナウイルス感染症対策についてのうち、保育園における感染症予防策でございます。

 区は、6月からの保育園の再開に当たりまして、園児の健康観察や保育所の衛生管理方法などを通知したところでございます。また、新型コロナウイルスの病態や症状などの基本的な知識、保健所で使用する消毒剤やその使用方法などの衛生管理、体調不良児への対応などを新型コロナウイルス感染症対策マニュアルとしてまとめ、保育所に改めて送付したところでございます。

〔地域包括ケア推進担当部長藤井多希子登壇〕

○地域包括ケア推進担当部長(藤井多希子) 私からは、介護施設等における感染予防策についてお答えいたします。

 高齢者介護施設における集団感染防止に向けて、国などから発出される通知などを随時区内施設等に周知しているところでございます。また、マスクや手指消毒用アルコールなど、衛生管理に必要な物品については、区の備蓄からの供給に加え、国からの供給なども行われております。さらに、施設等が感染症対策に充てることができるよう財政的な支援を検討しているところでございます。

〔保健所長向山晴子登壇〕

○保健所長(向山晴子) 恐縮ではございますが、先ほど答弁漏れがございましたのでお答え申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症対策について、コールセンターの関連の御質問がございました。コールセンターへの相談内容については、検査、診断に関わること、実際に発熱や呼吸器症状等が御自分や知人に見られて、受診先や対処を尋ねるもの、職場等における消毒方法や感染予防策についてなどが多くを占められてございます。相談者に対しては看護職などの専門知識を持つ者が個別的に対応し、必要に応じて地域の医療情報を提供したり、区の相談窓口につないだりしてございます。また、相談内容の集約、分析から適宜ホームページによって区民への情報提供も行ってございます。コールセンターは10月までは継続予定といたしておりまして、その後につきましても、相談の推移や新型コロナウイルス感染症、あるいはインフルエンザ様疾患等の流行状況を勘案いたしまして継続を検討してまいります。

○副議長(平山英明) 以上で内川和久議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 杉 山   司

 1 情報政策について

 2 区内事業者支援について

 3 ウィズコロナ時代を踏まえたこれからのまちづくりについて

 4 その他

 

○副議長(平山英明) 次に、杉山司議員。

〔杉山司議員登壇〕

○16番(杉山司) 令和2年第2回定例会に当たり、立憲民主党・無所属議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告のとおりで、その他はございません。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず初めに、情報政策について伺います。

 コロナ禍での情報発信に関しましては、現状を分かりやすく図にしたりしながら、区民や区内事業者に対して適切に情報発信を行っていただけていたと思っており、広報は変わったなと感じているところであります。本当に伝えたい情報を前面に出したり、スピード感を持って特別なランディングページを公開するなど、非常事態における情報発信のノウハウも蓄積してきているのではないでしょうか。

 4月20日、国民1人につき10万円が支給される特別定額給付金が閣議決定されました。中野区は対応が迅速で、申し込みのあった方には既に支給も始まっており、職員の方々の尽力に本当に感謝しております。ありがとうございました。ただ、システム側の問題がありましたので触れさせていただきます。

 今回、給付金の申請方法にはマイナポータルに登録して利用できるオンライン申請方式も選択できました。マイナンバーカードによる申請で必要な電子証明書などに関して、地方公共団体情報システム機構が運営するシステム障害が5月7日に発生、5月8日にはマイナンバーカードの電子証明書更新の手続を停止し、区のホームページにその旨を掲載しましたが、5月11日にはそのことを知らずに来庁した方々もいて、数時間待たされたという話も聞きます。大事なところで大切な情報がタイムリーに幅広く区民に届かなかったということが問題となったわけです。

 家にいらっしゃることの多い高齢者に対して、今回の新型コロナウイルスに関する内容など、重大な情報を素早く届けるために、今後は地域のケーブルテレビジェイコムチャンネルをより積極的に活用していただきたいと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 ホームページの情報発信に関しましてはスピード感があり、よかったのですが、新型コロナ関連特設サイトの振る舞いや体裁が崩れてしまったことが確認されています。正しい情報を確実にホームページにアップロードするときの作業手順やチェック機能が働かなかったのではと推測できます。特に、緊急時や災害発生時にスピード重視でコンテンツをアップロードする際の特別な手順は決まっておりますでしょうか。決まっていないのであれば、今すぐ決めるべきであるかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 前出の特別定額給付金のオンライン申請方式ではマイナンバーカードが必要でした。マイナンバーカードの交付件数は平成28年からの合計7万件、これは区民全体の約21%に当たります。マイナンバーカードの普及はもちろん、本当に大事なのはマイナポータル登録の促進です。役所が区民に対して手厚く行き届いたサービスをするためのインフラであり、さらには、これからキャッシュレス決済を利用した消費者に対して国から付与されるマイナポイントもあり、使い道は拡大する一方です。今回、特別定額給付金のことも含め、これからさらにマイナンバーカードの必要性を説き、特に高齢者の方々を中心として、カード交付やマイナポータル登録の促進をもっと進めておくべきであると考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 そして、何といっても致命的となるのはインターネットによる情報発信ができなくなってしまうことです。つまり、何らかの原因でホームページのサーバーがダウンし、更新もできず最悪な状態に陥ることです。昨年12月4日、中野区は大規模なシステム障害に見舞われました。ウェブページの閲覧、戸籍証明の発行など、統合仮想サーバー環境上に持つ22もの大切なシステムが使用できない状態となった大きな事象です。これは、日本電子計算のデータセンターにサーバーを預け、そのデータセンターの中でシステムやサーバー、ネットワークなどを二重化していたが、データセンター側ファームウエアの不具合でそのデュアル化は全く意味をなさず、復旧までに長い時間がかかりました。サーバーダウンは区の落ち度ではありませんが、ほかの方法でも準備をしておけば回避できた問題だったのではと思います。ホームページがダウンしていないのはたまたまであり、運よく動いているだけということをどうかお気づきいただきたいのです。今後、データセンターのディザスタリカバリ化も、もし大きな予算が確保できないのであれば、せめてホームページ情報のみでもバックアップを取るなど、不測の事態に手が打てる状況を今すぐにでもつくるべきだと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 日本電子計算との和解で、これからもその会社との付き合いはある程度継続するという方針だとは思いますが、今後、情報インフラを別のデータセンターと併用するディザスタリカバリ化も今すぐに検討を進めなければならないと考えますが、いかがでしょうか。役所側で対応するのか、それとも日本電子計算側で進めていただく形なのかも含めて伺います。

 というような質問を書いておりましたら、またシステム障害が発生したとの報告がございました。もし昨年12月と同じようなシステム障害だったらと考えるとぞっとします。業者選定を含めたデータセンター関連そのものの見直し、そして、今年度から会計年度職員としての採用となった情報政策官の責任や役割も含め、早急に御再考いただきたいと強く願います。

 このコロナ禍で、現在、世界中の企業の体力が落ち、企業存続のためにリソースを経営にシフトしている中で、実はコンピュータウイルスが世界各国で増幅しています。弱っているところに付け込んでくるのがハッカーです。まさに今、オンライン授業やインターネット通販など大量の個人情報が扱われる中で、先日、日本の大手教育系企業から生徒の個人情報が大量に流出しました。中野区危機管理ガイドラインにも、情報システム及び情報ネットワークの障害やウイルス被害、不正アクセスなどは危機として定義されています。どんなにセキュリティを万全にしても、完璧な情報インフラを運営することは至難の業ですが、このようなときだからこそ、区民の生命線であるこのインフラの火を絶やすことなく運用していただくことを強く願いまして、この項の質問を終わります。

 次に、区内事業者支援について伺います。

 4月7日に政府は緊急事態宣言を発令、それに伴い、東京都は飲食店の営業自粛や営業時間の短縮の協力要請などを行いました。国の給付金や都の協力金などの支援はあるものの、区内の多くの飲食店や小売店は事業継続は厳しくなっております。飲食店はもとより、お笑い芸人、演者、パフォーマー、フリーランスなどの小規模事業者が形成し、下支えし、にぎわいを創出している中野区の文化でございますが、その小規模事業者に対して待ったなしで経済支援策を施さなければなりません。

 中野区の特徴としては、港区や品川区と違って、小規模事業を行っている方の大半が中野区内に住んでいることかもしれません。ある新聞の調査によりますと、区内飲食店のサンプル273店舗のうち、オーナーまたは店長が区内在住者なのは196人、全体の71.8%となっています。また、新井地区の飲食店以外の個人事業主も約87%となっており、この数字を見る限りでは小規模事業者の多くは中野区民であるということが分かります。中野区内の商店街や商店、個人店や事務所などに対して経済対策を施すということは、すなわち、多くの区民をこの危機的状況から救える可能性が増えるという見方もできます。

 5月25日、緊急事態宣言が解除され、それに合わせて東京都も飲食店の営業時間の延長など、休業や営業時間の短縮の要請について緩和されました。このことで特に小売業や飲食店は徐々にコロナ禍以前の事業体を取り戻しつつありますが、そもそも外出自粛の意識は継続されており、利用者数が絶対的に少ない状態でのリスタートとなるわけですし、ソーシャルディスタンスを考慮して席数も半減、そして、中には、新たな融資を受けたり、飲食店の常連客による金銭的な援助やクラウドファンディングによる前借り的な一時資金の調達でアフターコロナをマイナスからスタートしなければならない事業者も多いと感じています。このような極限状態ですので、即効性が強く、事業や商店の需要を高める施策が必要です。

 例えば、国がよく行うプレミアム商品券に似た中野独自の「がんばろう中野商品券」的な対策はいかがでしょうか。例えば区民が1万円で買ったら1万5,000円分使えるというもので、販売は5万枚としますと、経済効果は単純計算で7億5,000万円となります。そして、この中野商品券は基本的に電子マネーにより実現するということが前提条件です。つまり、飲食店のキャッシュレス化支援を含め、電子マネーが使えるストア環境をしっかり整備した上で経済に還元する形です。

 このような状況下でお金を触らない形が望ましい状態がこれから幾度となく起こることを考えれば、この電子決済インフラ整備は必ず役立つはずです。特に高齢者が通っている小売店や飲食店のキャッシュレス化を取りこぼさない。そして、スマホを持っている高齢者が○○ペイなどで商品券を購入でき、利用できるところの啓蒙を怠らないことを条件に進めるべきです。

 この商品券はキャッシュレス決済なので、先ほど出てきましたマイナポータルでたまるマイナポイントにも還元されますし、今まさに区が実施しようとしている給食費に代わる費用を配布する際などにもこのインフラが利用できるかもしれません。電子マネー事業者と提携し、区内の中野商品券購入利用者、そして導入を苦手としている高齢者経営の飲食店などを手厚くフォローし、区内でのキャッシュレス化を推進すれば先進事例となり得ると思うのですが、いかがでしょうか、伺います。

 デジタル中野商品券の発行、電子マネー利用、キャッシュレス化、マイナポータル促進を同時に整備することが大切です。このコロナ禍で中野区内の飲食店はテークアウトメニューを増やしたり、独自でデリバリー事業をしてきたお店もあります。さらには、店舗単体でのクラウドファンディングを立ち上げたり、鷺宮や昭和新道では、アフターコロナで使えるリアルファンディングチケットの販売を行ったり、観光協会のボランティアが集まって立ち上げたクラウドファンディングでは約1,200万円が集まりました。四日市市では商店連合会が展開し、行政がバックアップした「オール四日市!飲食店応援『さきめし券』プロジェクト」クラファンは、目標額500万円のところ、5月29日現在で支援者は1万人以上、支援額は2億円を超えました。これは四日市市という行政のお墨つきがあったからこそ大幅に支援金が伸びたのではと考えられます。

 満を持して中野区のガバメントクラウドファンディングは、ふるさとチョイス上で6月1日から新型コロナ関連対策への寄附の受付が開始となりました。寄附を受けられる新たな歳入プラットフォームが生まれたのは喜ばしいことだと思っております。ただ、利用方法として、区として実施が決まっている事業に対しての補填だけで、今回の観光協会の行ったものは中野区のクラウドファンディング環境ではそのままでは実施できないと伺いました。予算化されているものを寄附にて補填するためだけのプラットフォームでなく、今回のような状況下であるがゆえ、もっと柔軟に区が主導で、社団法人、NPO法人などの団体をこのプラットフォームを使って応援、支援できるような仕組みづくりを検討すべきだと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 ある区内飲食店が、自店のテークアウトメニューのデリバリーだけでなく、地域の商店街の中にある飲食店のメニューも一緒にテークアウトできるサービスを立ち上げようとしています。このように行政のサービスが行き届かない部分を民間が頑張って補っているような活動や、さらには、平常時においても、例えば桜並木を整備する、区内のお笑い芸人を集めて大型イベントを行うなどで活躍できるなど、このプラットフォームが様々な用途に対応できることを望みます。

 また、このコロナ禍で店を閉めて収入がなくなった店主、飲食店でアルバイトをしていたが、仕事がなくなってしまった学生、雇い止めに遭った派遣社員、小さな教室を開いていたが、閉校した先生などが民間のデリバリー配達員として生計を何とか立てているという話を耳にします。そのような区民に対して区の事業を優先的に発注するなど、仕事を生み出し、あっせんすることで雇用の確保が図られます。学校のGIGAスクール構想などでICT化にはかなり多くのアルバイトが必要だったり、区役所内での作業リソースが必要となっているものなどを仕事としてつくり出し、ぐっJOBなかのなどに掲載してしっかりとアナウンスも行い、優先的に仕事がなくなって困っている区民に仕事が行き渡るような仕掛けが必要です。公共事業など、来年度の区内事業や庁内業務の募集をかけるなども視野に入れた仕事の切り出しやつくり出しが必要だと思いますが、いかがでしょうか、伺います。

 小規模事業者に対する経済対策は区民を救うことと同じであるということをどうか再認識いただきたいと願って、この項目の質問を終わります。

 最後に、ウィズコロナ時代を踏まえたこれからのまちづくりについて伺います。

 新型コロナも徐々に収束を迎え、新たな感染者もほとんど出ない状態で、まちもソフトランディングしつつあります。しかしながら、今回のことで得た様々な教訓や経験は未来の中野を形成するための大きな財産のはずで、これからのまちづくりに生かしていかなければなりません。地震や新型感染症などの発生時に、区民生活に密着する行政サービスの提供や区の基幹業務など、継続の必要性の高い通常業務は事態発生時においても中断されることなく進められるように定められている中野区政のBCP、そして前出の中野区危機管理ガイドライン、今回の新型コロナによる脅威もそうですが、中野区のガイドラインや規約のほとんどが何か発生した後に対応するためのマニュアルです。

 そこで、今、策定しているものや計画しているもの、設計しているものなどに今回の経験を踏まえた要素を入れ込み、いま一度見直していかなければならないと考えます。新型コロナウイルス感染拡大により、テレワークなど働き方も変わる中、人々の生活様式は大きく変わり、東京一極集中から郊外への人口流出も考えられます。現在の基本計画にはそうした観点は含まれておらず、本気で選ばれる自治体を目指していくためには、改めて新型コロナウイルスの影響を踏まえた上で基本構想の素案を見直してはいかがでしょうか、伺います。スケジュールは見直さずとも実施いただきたく存じます。

 今、検討を進めている中野駅周辺のまちづくりや西武新宿線連続立体交差事業に動線の確保や閉鎖、十分な距離の確保など、この辺りの要素も必要です。今は収束しつつあっても、すぐにでも同じような状況下に陥る可能性があることをしっかりと認識し、区としてコロナ禍で必要と感じたものや、まちの構成や駅周辺の形状など様々な理由でできなかったことをまずは整理することから始め、それを踏まえ、未来の中野に必要な観点を今の段階から埋め込んでいかなければならないと考えます。

 例えば、今回のように新型感染症が発生した場合、どの場所に検査場をつくるのか、多くの医療ベッドが置けるような会場はどの辺りを想定しておくのか、医療従事者の自主的な隔離の際の宿泊施設はどこと提携しておくのか、公立学校が休校となった場合の児童や生徒の居場所はどのようにするのか、各種助成金申請などのアドバイスができる専門的な常設窓口はどこに構えるのか、飲食店がデリバリー業態に変化したときの駐車スペースの確保や公共交通機関に頼り過ぎない交通インフラの検討など、あらかじめ未来に起こり得ることを想定し盛り込むことは、中野駅周辺や西武新宿線沿線などのまちづくりにおいても今しかできないことですので、このたび基礎自治体として得た課題などは、後で後悔せぬようまちづくりに生かすことを求めます。今進めている基本計画において、感染症発生時にも迅速に対策できる、「区民の命を守れる街」に向けて検討を進めるべきだと思いますが、最後に区長の見解をお聞きし、私の全ての質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 杉山議員の御質問にお答えいたします。

 最初に、ジェイコムチャンネルを積極的に活用した情報発信についてでございます。高齢者の方をはじめ、区ホームページなどのデジタルツールの利用が困難な方への情報伝達が課題でありまして、それを補う方法の一つがジェイコムチャンネルの活用であると認識しております。ジェイコムチャンネルに関しましては、新型コロナウイルス感染症に関する情報発信として2本の動画を作成して放送するとともに、データ放送上に感染症に関する区の情報を掲載したところでございます。今後一層の活用に努めてまいります。

 次に、緊急時におけるホームページの運用手順についてでございます。区では、全国瞬時警報システム、いわゆるJアラートや中野区に警報が発令された際は、区のトップページ上部に緊急情報を自動的に表示する仕組みにしております。また、緊急時はホームページへのアクセス数が増加することが多いため、昨年の台風接近時等の経験を踏まえて、一斉にアクセスすることが見込まれる場合には、即テキスト版のホームページに切り替えることやキャッシュサイトを周知することとしたところでございます。

 緊急時における情報発信につきましては、危機の内容や程度に応じて柔軟に対応する必要があると考えております。そのため、早期に東京都や他自治体なども参考に、対象として想定すべき危機における区ホームページの運用手順等を定めていきたい考えでございます。

 次に、高齢者へのマイナンバーカード普及促進についてでございます。マイナンバーカードにつきましては、ホームページ、区報、広告入り窓口封筒などで広報を行っているほか、今年度は本庁舎及び地域事務所においてマイナンバーカード申請サポートを実施する予定でございます。また、今年度からマイナポイント制度が始まることから、マイナンバーカード交付窓口に隣接をしてマイナポータル設定窓口を設置し、高齢者の方もオンライン申請が可能となるよう支援を行ってまいります。

 ホームページデータのバックアップについてでございます。区のホームページデータにつきましては、12月の統合仮想サーバークラウドサービスの障害発生を受けて、データセンター内で2か所のエリアへの二重バックアップを行っております。また、今年度の契約仕様の中で仮想サーバーの領域とバックアップのサーバー領域を分けるようにしており、バックアップ領域の安全性確保についても対策を行っているため、区役所内にバックアップデータを置くことは今のところ想定はしておりません。

 次に、障害による被害を最小限にするための検討についてでございます。現在、データセンター事業者側で同社の外部データセンターやパブリッククラウドを活用した安全性向上サービス環境の構築中でございます。利用につきましてはオプション契約となる予定でございまして、まだ金額等の提示がないため、区としての判断は行っておりませんが、安全性向上対策の一つであると考えております。今後、他社データセンターの利用も含めて、費用対効果などは勘案しながら検討してまいります。

 次に、区内事業者支援について、がんばろう中野プレミアム商品券についてでございます。プレミアムつき商品券事業につきましては、直近では国の事業として令和元年度から2年度にかけて実施し、現在、その最終事務処理を行っているところでございます。新たなプレミアムつき商品券事業につきましては、今回行った事業の実施方法や成果について、費用対効果も含めて検証を行って、今後の財政状況も踏まえた上で検討してまいります。

 次に、電子マネー事業者との連携についてです。消費者による決済方法の多様化やインバウンド需要の回復のため、また、感染症対策の観点からもキャッシュレス化の推進は重要であると考えております。商店街におけるキャッシュレス化の支援につきましては、国や都による支援策の動向も踏まえつつ、事業者にとって負担が少なく、かつ効果的となる方策について検討を行ってまいります。

 次に、クラウドファンディングを通じた民間事業者等の支援でございます。ガバメントクラウドファンディングにつきましては、民間や社団法人、NPO法人などが直接に制度を利用することはできませんが、区が当該民間団体等が実施する公益活動を支援することはできることから、他自治体でも活用事例が多くなってきているところであります。区においても地域における公益活動の視点から活用策を検討してまいります。

 次に、緊急雇用対策についてでございます。経済の停滞によって事業者とともに従事者も厳しい状況に置かれ、休業や失業を余儀なくされている人々が少なくないと認識しております。今後、国や東京都による対策も視野に入れながら、区として緊急雇用対策を含めた継続的な経済政策を講じていきます。

 次に、ウィズコロナ時代を踏まえたこれからのまちづくりについてで、基本構想検討素案の見直しについてでございます。基本構想検討素案につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえる必要があると考えておりまして、一部見直した案を示した上で区民との意見交換を行いたいと考えております。

 最後に、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた基本計画の検討についてでございます。新型コロナウイルス感染症拡大の影響による難局を乗り越えるためには、区民、議会、事業者との協力のもと、区も総力を挙げて取り組んでいかなければならないと考えております。感染症防止と社会経済活動の両立を図りながら、新しい生活習慣が定着した社会を実現していけるよう、基本計画に定める施策についても、感染症の発生にも対応した安全・安心のまちの実現に向けて改めて検討を行う必要があると考えております。

○議長(高橋かずちか) 以上で杉山司議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 木 村 広 一

 1 新型コロナウイルス感染症対策について

  (1)高齢者対策について

  (2)特別定額給付金について

  (3)新しい生活様式への対応について

  (4)その他

 2 鍋横区民活動センターについて

 3 その他

 

○副議長(平山英明) 次に、木村広一議員。

〔木村広一議員登壇〕

○13番(木村広一) 令和2年第2回定例会におきまして、公明党議員団の立場で一般質問を行います。

 質問項目は、1、新型コロナウイルス感染症対策について、(1)高齢者対策について、(2)特別定額給付金について、(3)新しい生活様式への取組について、(4)その他で臨時休園期間中の保育所補助について、大項目の2では鍋横区民活動センターについて、3のその他はございません。

 質問に先立ちまして、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみ申し上げます。また、罹患された方々及びその御家族、関係者の皆様、感染拡大により日常生活に影響を受けられている全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。新型コロナウイルス感染症の一日も早い収束をお祈り申し上げます。

 私たち公明党議員団は、この間、昨日白井幹事長が触れたように、4月15日には東京都に対し、都議会公明党と共同で、区内医療機関において大規模クラスターが発生したとされる事案について緊急要望を行い、都としても早急な取組をしていただきました。また、4月13日、5月18日と2度にわたり区長に対する緊急要望を行いました。1回目の緊急要望では、区立小・中学校でのオンライン学習とネットワーク環境の整備、保健師の集約化や人員確保による保健所機能の強化、中野区産業経済融資や社会福祉協議会による生活福祉資金の迅速な対応のための相談窓口体制の強化などを要請し、実施をしていただきました。今回の一般質問は、5月18日に行いました2回目の緊急要望22項目を中心に質問をさせていただきます。別の会派から質問があった内容もありますが、御紹介させていただいたとおり、我が会派としては2週間前に既に要望させていただいたものですので、我が会派なりの質問をさせていただきます。

 緊急要望について、昨日の白井幹事長の質問では、オンライン相談事業、複合災害対策の強化、補習学習支援、キャッシュレス・消費者還元事業の推進などを取り上げさせていただきました。また、次の小林ぜんいち議員の質問でも幾つか取り上げることになっています。

 私のほうからは、1、新型コロナウイルス感染症対策について、(1)高齢者対策から取り上げさせていただきます。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、全国的に高齢者施設、障害者施設での集団感染が相次ぎました。中野区では医療関係施設の感染にとどまっていますが、高齢者施設、障害者施設での感染がいつでも発生する可能性があります。緊急事態宣言が解除になり、新型コロナと共存していく新しい生活様式に取り組んでいく中、今後の新型コロナ対策の中心はクラスターを発生させないこと、つまり集団感染させないことが最重要であるとされています。高齢者が感染した場合、重症化するリスクが高く、特に介護サービスは通所施設や訪問介護を含めて高齢者の生活や健康を支えています。高齢者との接触を伴う介護サービスの特徴を踏まえ、区としても最大限の感染症対策を継続的に行いつつ、必要なサービスを提供する体制を構築する必要があります。

 そこで、必要な物資を確保するとともに、感染症対策を徹底しつつ、介護サービスを再開し、継続的に提供するための支援を早急に検討すべきと考えます。また、新型コロナウイルスの感染防止対策を講じながら、介護サービスの継続に努めていただいた職員への支援をするべきです。

 具体的には、介護サービスの支援が必要不可欠な高齢者への介護従事者が安心して介護に従事できるように、手当て、また、マスク、消毒液などの備品に対して感染防止対策費を講じるべきではないでしょうか。また、この支援は障害者サービスも同様であり、同じく障害者サービスにも支援策を講ずるべきではないでしょうか、併せて伺います。

 また、今後の第2、第3の感染拡大を防ぐため、区が具体策、具体例を示し、特に高齢者施設、障害者施設への感染防止の注意喚起と啓発を実施してはいかがでしょうか。厚生労働省などが様々なツールで対策を提案していますが、現場で適用できるようになっているのでしょうか。区が積極的に関与して介護サービス、障害者サービスでの感染防止をすべきではないでしょうか、お伺いいたします。

 その感染防止の一つとして、厚生労働省は5月15日の事務連絡で、高齢者施設・障害者福祉サービス事業者におけるオンラインでの面会を推奨しています。高齢者施設等においては、新型コロナウイルスの感染経路の遮断という観点から、緊急やむを得ない場合を除き面会の制限をしているケースが多いとされています。オンラインであれば、利用者の方とその御家族等との間で、施設共有スペース、または御家庭にいながら面会することが可能となります。それに関わるインターネット環境の整備、機材、端末購入経費等は基金の補助を活用できることになっています。区としても、区内高齢者施設、障害者福祉サービス事業者においてオンラインでの面会など、積極的にICTを活用した対策を推進してはいかがでしょうか、お伺いいたします。

 次に、地域活動での高齢者対策についてお伺いします。2か月にわたって続いた緊急事態宣言のもと、高齢者の皆さんが外出を控えたことによるフレイルや認知症の進行が懸念されます。緊急事態宣言解除後においても感染リスクを避けるため、新型コロナ以前に比べ外出を控える高齢者が多いと考えられます。感染対策を十分に講じた上で高齢者の皆さんに積極的に外出し、交流する機会を区が主導してつくっていく必要があります。高齢者会館や公園などを活用した運動支援、外出支援に取り組むべきと考えます。高齢者の皆さんに具体的な感染防止方法を示しつつ、介護予防や健康維持に必要な情報を提供し、高齢者の運動支援、外出支援を積極的に推進してはいかがでしょうか、お伺いいたします。

 コロナ禍で孤立する高齢者の見守り支援の在り方が問われています。全国的には、これまで可能だった民生委員などの地域の見守り活動が困難になり、高齢者が家の中で亡くなっても長期間にわたって遺体が発見されないという事例が相次いでいるとのことです。コロナ禍で地域の見守りの力が弱体化していることが影響していると考えられます。今後、民生委員等が見守り活動が可能となっても、感染リスクを避けるため、見守る側も見守られる側も訪問や対話を控えることになります。区として、民生委員、職員による電話やICT技術を活用したウェブでの連絡など、非接触型の見守り体制を検討、推進すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

 同様に、個人活動においても、今後、あらゆる活動においてオンライン活用のニーズが高まってくると想定されます。日常での意思疎通だけでなく、宅配、通販などの生活活動、また、ユーチューブを活用した健康推進、また、オンライン診療、災害時の緊急連絡、オンデマンド交通など、将来活用が見込める区サービスの提供など、スマホ等のデジタル機器使用の機会が増加してくると考えます。課題となっているシニア世代のデジタル活用をこれまで以上に推進すべきではないでしょうか。区有施設のネット環境整備も視野に入れつつ、区民活動センター運営委員会事業などで積極的に取り組んではいかがでしょうか、お伺いし、この項の質問を終わります。

 次に、特別定額給付金についてお伺いいたします。特別定額給付金の目的は、緊急事態宣言のもと、生活の維持に必要な場合を除き、外出を自粛し、人と人との接触を最大限削減する必要がある。医療現場をはじめとした全国各地のあらゆる現場で取り組んでおられる方々への敬意と感謝の気持ちを持ち、人々が連帯して一致団結し、見えざる敵との戦いという国難を克服しなければならない。このため、感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行うとされています。そのため、給付を希望する方には、あらゆる課題を克服しても給付すべきであると言えます。しかし、給付期間や受給権者が世帯主という条件のもと、生活環境、長期入院、介護、精神疾患などの理由によって自身で申請できない方もいます。また、高齢者、障害者、外国人など、申請書記入に当たり代筆、代読が必要な方や電話でのお問合せが困難な方もいます。特別定額給付金を希望する人は漏れなく受給できる支援をすべきではないでしょうか。

 申請のあっせんとしては区役所に臨時窓口が設置してありますが、3密を避けるためにほぼ告知はされていません。感染防止対策を講じた上で臨時窓口を広く広報し、積極的に活用していただいてはいかがでしょうか。また、給付金の再通知も検討してはいかがでしょうか、お伺いいたします。

 ひとり暮らしの長期の入院患者及び介護施設入所者等、やむを得ない理由で申請ができなかった方への特別定額給付金の給付を実施すべきと考えます。具体的には、リーマンショック時の平成21年に中野区独自で給付した特例給付金を今回も検討してはいかがでしょうか、お伺いいたします。

 次に、3、新しい生活様式への取組についてお伺いいたします。新型コロナウイルス感染防止の取組は有効な治療薬やワクチンが確立されるまでは終わりがありません。新しい生活様式は、対策が長期間にわたることを覚悟しつつ、ウイルスの特徴を踏まえ、正しく恐れながら日常の生活を取り戻していく指針として位置付けられ、政府の専門家会議が5月4日、その実践例を提示しました。そこでは、社会経済活動と感染拡大防止の両立へ、日常生活の中で一人ひとりに実践が望まれる行動原則のポイントが示されています。今後、町会、友愛クラブ、青少年育成団体などの地域団体が活動し始めた場合、この新しい生活様式に基づく活動が要請されますが、既に各団体より区での活動の目安となるガイドラインを分かりやすい方法で示してほしいという声を頂いております。地域団体活動のガイドラインの作成、また、活動再開時における感染防止対策の支援を講ずるべきではないでしょうか。また、地域活動の拠点となる区民活動センター、高齢者会館など、区有施設を利用するガイドラインを早急に作成し、イラストなど分かりやすい方法で示すべきではないでしょうか、併せてお伺いします。

 また、ガイドラインや感染防止対策を示す場合、ユーチューブ等の動画の活用は分かりやすく、また展開しやすく、大変有効であると考えます。感染予防対策等、区における普及啓発活動にはユーチューブ等の動画を積極的に活用すべきではないでしょうか、お伺いいたします。

 東京都は、都税の納付や納税証明書の発行などで3密の対策を進めています。その一つとして、6月1日からスマートフォンのアプリ決済サービスで自宅から都税を納付できるようになりました。都税の納付に対応するアプリ決済サービスはPayPay、LINEPayの2種類で、自宅などに郵送される納税通知書のバーコードをアプリで読み込むことで固定資産税や不動産取得税、個人事業税などを納付できます。即座に支払いが完了し、支払手数料が無料、還元率が通常と同じ0.5から1.5%と、ユーザーにとって利便性は高いと言えます。感染予防も見据え、中野区でもアプリでの納税受付を検討してはいかがでしょうか、お伺いいたします。

 4、その他で認可外保育所に対する補助に関してお伺いいたします。区では、国の緊急事態宣言の延長及び東京都の休業要請等を踏まえ、認可保育所等の臨時休園期間を4月13日から5月31日まで再延長しました。その間、利用者負担額の軽減は各保育所の負担となりますが、認可保育所は区が負担、また、認証保育所は昨日上程された補正予算案で予算措置がされる予定となっています。しかし、認証保育所を除く認可外保育施設、ベビーホテルなどの認可外保育所は都、区の支援対象とはなっていません。認可外ではありますが、認可外保育所は中野区の待機児童の最後のとりでとして保育を担い、区の認証保育所と同等に保護者補助金の対象としてきました。また、可決した中野区第2次補正予算では、私立保育施設等感染拡大防止対策費用補助では認可外保育所も感染防止に取り組む補助対象園とされました。しかし、臨時休園期間の支援はなぜ認可外保育所は受けられないのでしょうか。国、都の補助対象でないことはありますが、特にこの新型コロナへの対応の時期では、そういった国、都の支援が行き届かないところを支援するのが区の役割ではないでしょうか。臨時休園期間中に利用者負担額を軽減した認可外保育所に対する補助を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

 最後に、鍋横区民活動センターについてお伺いいたします。鍋横区民活動センターは、令和2年3月に基本計画策定、令和2年度から3年度で基本設計、実施設計策定、令和5年度開設予定でしたが、基本計画策定ができなかったと伺っています。これまでその経緯は議会に報告はされていませんが、基本計画策定ができなかった理由と区はその取組をどのように評価しているのか、お伺いいたします。

 鍋横区民活動センター建設に関しては、これまでも地元の御意見、御要望を最大限に酌み取っていただけるよう要望してきたところです。今後、新しい生活様式への取組を踏まえ、区有施設の在り方が再検討されることも想定されます。鍋横区民活動センター建設は今後はどのような計画、見通しとなるのでしょうか、お伺いいたします。

 現在は当該地は中野警察署駐車場として貸し出ししていますが、それはいつまでなのでしょうか。中野警察署に貸し出す前は民間に駐車場として貸し出し、年間約1,000万円弱が区の収入となり、駐車場の少ない鍋横商店街にとっても大変重宝していた経緯があります。中野警察署からの返還後は、区有地活用として、また、鍋横商店街の利便性を高めるために民間に駐車場として貸し出ししてはいかがでしょうか、お伺いし、私の全ての質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 木村議員の御質問にお答えいたします。

 初めに、新型コロナウイルス感染症対策についてのうち、高齢者対策について、介護サービス事業者等への支援についてでございます。

 介護サービス、障害福祉サービスなどへの新型コロナウイルス感染症の影響は大きく、区として支援の必要性は認識をしているところでございます。現在、区では、区内の事業者等が新型コロナウイルス感染症対策に充てることができるような財政的な支援を検討しているところでございます。

 次に、高齢者施設等への注意喚起や啓発についてでございます。国からは、感染対策マニュアルをはじめとした高齢者介護施設や障害福祉サービス事業者等に対する感染拡大防止のための対応策が示されております。この対応策は、従前の感染対策マニュアルをベースに、新型コロナウイルスの特性が明らかになるに従い随時更新されているものでございまして、現場でも適用が十分可能なものであると考えております。区としましても、国や都からの情報を含め、感染防止に関する効果的な情報提供を区内の高齢者、障害者施設等に対して行ってまいります。

 次に、高齢者介護施設等の面会におけるオンラインの導入についてでございます。高齢者介護施設等におけるICTの導入はまだ途上であり、オンラインの導入状況も僅かであると認識をしております。地域医療介護確保基金の活用は有効であると考えておりまして、感染防止に加え、業務の効率化の観点からも研究していきたいと考えております。

 次に、高齢者のフレイル予防対策などについてでございます。高齢者の方々には感染症防止とフレイル予防のチラシを配布いたしました。高齢者会館につきましては、早期に施設利用を再開し、感染予防対策を徹底した上で、健康生きがいづくり事業など各種事業を順次開始してまいります。区では、スポーツ推進委員と協力して、高齢者会館利用者等を対象にフレイル予防を目的とした運動を高齢者会館に隣接する公園等で実施していく予定でございます。

 次に、電話やICT技術を活用した非接触型の見守り体制の検討でございます。新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、人との接触を極力減らすことが求められており、これまで地域で実施してきた様々な見守り支え合い活動が行いにくい状態となりました。今回、区職員や民生委員、高齢者会館、地域包括支援センターなどでは、面接、訪問を控え、電話番号を把握している方には状況を伺うための電話をしたり、電話で相談を受けるなどの対応に切り替えました。こうした状況を踏まえて、ICTなどを活用した直接的な接触を減らす形での見守りについても検討してまいります。

 シニア世代のデジタル活用推進についての御質問です。区民活動センター集会室のインターネット環境の整備につきましては、既にある地域BWAを活用して、今年度試験的に2か所の区民活動センターにおきまして集会室の利用者にポケットWi-Fiの貸し出しをする予定でございます。貸出状況を検証して、必要があれば拡大していく予定でございます。

 デジタル活用につきましては、様々な詐欺被害のリスクもあり、シニア世代が正しく安全に利用できる啓発を含めて、区民活動センター運営委員会などへデジタル機器の利用や活用に関する講座の実施を働きかけるなど検討してまいります。

 次に、特別定額給付金の申請支援についての御質問です。御本人が申請できない場合には、法定代理人や親族その他による代理申請が可能でございますが、代理人がいないような方についても受給が可能となるように、関係機関等と連携しながら支援してまいりたいと考えております。本庁舎の臨時窓口では様々なケースの相談に対応しているところでございまして、一方で3密を防止する必要があるため、広く周知することについては今後の感染状況を踏まえ検討してまいります。なお、区民活動センターなどにおきましても既に相談に対応しておりまして、今後も様々な手段を使って声かけ等を行ってまいります。また、申請勧奨のためのお知らせ文書につきましては、申請状況を見ながら発送することを考えております。

 次に、区独自の給付事業についての御質問でございます。区といたしましては、期限内に必要な方全てに申請していただけるよう、これまで以上に広報や支援を強化して取り組んでいきたいと考えておりますが、区独自の給付実施につきましては今後の給付の状況を見て検討してまいります。

 次に、区有施設や地域活動の再開のためのガイドラインでございます。区民活動センターや高齢者会館等の利用を再開し、これと併せて、地域団体が活動を再開するに当たっては、感染拡大を防ぐために欠かせない手洗いやせきエチケット、消毒などの徹底とともに、密閉、密集、密接を避ける環境、条件を整えることが必要となります。区民活動センターや高齢者会館等の利用に当たっては、新しい生活様式に沿ったガイドラインを作成するとともに、地域団体が事業等を実施する際のガイドラインを作成するため、現在、急ぎ検討を進めております。ガイドラインの作成に際しましては、取り組みやすく分かりやすいものとしていこうと考えております。

 次に、動画を活用した感染予防対策等の普及啓発についてでございます。動画は短時間で多くの情報を伝達できる手段であることから、新型コロナウイルス感染症のように、これまでなかった事柄などの情報を伝達するに当たって有効な方法であると認識をしております。したがって、新型コロナウイルス感染症に関しまして区は5本の動画を区公式ユーチューブチャンネルで配信しているところでございまして、そのうち3本につきましてはジェイコムチャンネルでも放送したところでございます。今後も、新しい生活様式に関する啓発や注意喚起に際して、より効果的に伝えることができるように、動画の長さや内容を工夫しながら配信してまいります。

 次に、スマートフォンのアプリによる納税についてでございます。令和2年1月6日から、住民税普通徴収、軽自動車税、国民健康保険料で非対面式のキャッシュレス納付として、ペイジー納付、モバイルレジクレジット納付を開始したところでございます。スマートフォンを利用するキャッシュレス決済につきましては、近年、普及率、利用率共に上昇しているということなので、中野区においてもスマートフォン決済導入について検討してまいります。

 次に、認可外保育所に対する補助についてでございます。臨時休園期間中において、登園日数に応じて利用者負担額を減額した認可外保育所に対する補助については現在検討しているところでございます。

 次に、鍋横区民活動センターについての質問で、基本計画が策定できていない理由と区の評価でございます。鍋横区民活動センター基本計画案は、本年1月に策定して、議会へ報告した後、地域の建設検討委員会への説明を行いました。地域の方々からは区民活動センターの規模などについて様々な意見を頂いておりまして、地域の合意を得られたとは言えないことから基本計画の決定に至っておりません。区としては、地域の建設検討委員会において合意を得られるよう努めてまいりました。今後も時間をかけて理解を得られるよう努めていきたいと考えております。

 最後に、鍋横区民活動センターの建設計画の今後の見通し、それから用地の駐車場としての活用についてでございます。鍋横区民活動センターの整備につきましては執行時期の見直しを検討する予定でございます。今後も御意見を十分伺いながら進めてまいりたいと考えております。

 建設用地につきましては、一部を駐車場として本年10月まで警視庁に貸付けをしております。貸付け期間終了後の用地につきましては、鍋横商店街に隣接する土地でもございますので有効な活用方法を検討してまいりたいと考えております。

○副議長(平山英明) 以上で木村広一議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 い さ 哲 郎

 1 コロナ禍を踏まえた防災の取り組みについて

 2 コロナ感染症拡大下でのセーフティネットの強化について

 3 コロナ後のまちづくりについて

 4 コロナ禍における受動喫煙の問題について

 5 その他

  (1)中野本郷小学校建て替えに伴うバスの運行について

  (2)自殺対策について

  (3)その他

 

○副議長(平山英明) 次に、いさ哲郎議員。

〔いさ哲郎議員登壇〕

○19番(いさ哲郎) 2020年第2回定例区議会において、日本共産党議員団の立場で一般質問を行います。

 質問の冒頭に、新型コロナウイルスで亡くなられた皆さんに哀悼の意を表するとともに、現在闘病されている皆さんが一日も早く健康を取り戻すことを祈念いたします。

 最初に、コロナ禍を踏まえた防災の取組についてお聞きします。

 50日間続いた緊急事態宣言が解除されました。しかし、今後の新型コロナ感染については楽観が許されない状況です。北海道や北九州市でも感染の第2波が来ていると言われており、全国どこでもこの先の第2波、第3波を想定した備えが求められていることは複数のメディアが報じるとおりです。現在のコロナ禍の状況で大規模な自然災害が発生したらどうなるか。今実際に求められていることの一つがコロナ禍を前提とした新たな防災対策です。これから日本は夏を迎えます。この時期には台風やゲリラ豪雨などの風水害の懸念が増大します。昨年夏、関東近県において二つの台風による大きな被害が出たことは記憶に新しいことです。2018年8月の都心部でのゲリラ豪雨では中野駅南口からガード下にかけて内水氾濫が発生しています。また、ここ数か月では近県で地震が頻発しているところです。首都圏を巻き込む大型地震もいつ来るか分かりません。新型コロナのような世界規模の感染症の蔓延のもとで大規模な自然災害が起き、複合災害となるなら、これまでの防災の考え方は通用せず、一層被害が甚大になることが懸念されます。

 5月29日、政府の中央防災会議は、新型コロナの感染拡大を踏まえ、防災基本計画を修正しました。3密を避けるため、避難先としてホテルや旅館の活用を検討するなど、感染症対策を推進することを新たに明記しました。これは地方自治体がつくる地域防災計画の基礎となるものです。伺います。

 国の防災基本計画修正に合わせ、中野区地域防災計画をはじめとした災害対策の指針やマニュアル、避難時のマニュアルなどに新型コロナのような感染症が発生している場合について早急に盛り込むべきではないでしょうか。特に避難者の密集する避難所の管理をどうするのか、避難所で感染症が出た場合など、詳細な手引きが必要です。こういった判断を現場任せにするわけにはいきません。これは、災害対策本部や帰宅困難者のための情報提供ステーションなどでも同様です。緊急時の対応に当たる職員を感染から守る手だても必要です。

 また、防災備蓄物資の中には既にマスクと手指用の消毒用アルコールがありますが、加えて、ハンドソープ、ドアノブや什器の消毒液、非接触型体温計など、感染症対策の物資も含めるべきと考えますが、いかがでしょうか。一時避難所も広い場所ではありません。感染のリスクを低減させる手だてをとるべきです。

 次に、新型コロナ感染のもとでのセーフティネットの強化について伺います。

 最初に住民税について。さきの区民委員会では住民税の徴収猶予が330件以上に上ることが報告されました。現行の制度の中に徴収猶予以外に減免の制度もありますが、減免の要件の中には、退職、解雇、廃業等の理由により所得が皆無となり、または著しく減少というものもあります。となると、新型コロナの影響を理由とした減免についても検討が可能かと考えますが、いかがでしょうか。そもそも徴収を猶予しても、今後の経済動向を鑑みるに、これまでの収入を回復できないという方も相当数出てくるものと考えます。実態に見合った柔軟な制度の運用を求めます。

 次に、国民健康保険について伺います。昨日の区民委員会において、国民健康保険及び後期高齢者医療制度の傷病手当金支給制度の質疑がありました。これは協会けんぽ、いわゆる社保には既に存在する傷病手当が国保において初めて実施されるもので歓迎するものです。しかしながら、この制度の対象にフリーランスや事業主が含まれないことは改善すべき課題です。フリーランスも持続化給付金の対象になりましたが、事業主にせよ、フリーランスにせよ、売上げ50%減という条件に合わない場合はどちらの制度からも外れてしまいます。岐阜県飛騨市や鳥取県岩美町では自治体の独自の判断で個人事業主も対象とする制度としています。個人事業主やフリーランスの多い中野区こそ、今後は被用者以外にも対象を広げた制度として検討すべきと考えます。

 ここでは、この間厚生労働省から示された新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した方の国保料減免についてお聞きします。国が制度の全容を示していないことから、区の申請開始時期については未定であると担当から伺いました。しかしながら、区民の皆様に国保料納付書が届く時期を迎えており、一刻の猶予もありません。私のもとにも、アルバイトのシフトが減らされて国保料が払えない、減免はどうしたらいいのか、店を閉めており無収入、支払おうにも手元にお金がないなど深刻な御相談が来ています。新型コロナを事由とする国保料減免の制度は今すぐ必要です。まずは区が申請受付を開始し、制度の詳細を確認、分析後に国の制度とすり合わせる処理を行う、こういったやり方は検討できないでしょうか。国が財政支援を明らかにしている制度ですから、一時的に区が持ち出しをすることも含め前向きに検討すべきと考えます。

 本年第1回定例区議会において我が会派の小杉区議が質問した短期証と資格証についても改めてお聞きします。横浜市で資格証に続き短期証も発行ゼロとしたのは、資格証や短期証は滞納者への事実上のペナルティであり、そのような強権的な措置をしても保険料の徴収率は大して上がらないこと、滞納者の方は本当に保険料を払えない状況にあり、悪質なケースがなかったこと、むしろ短期証、資格証の発行とその後の職員の対応に力が取られ、本来業務に差し支えが生じたことなど極めて合理的な理由によるものです。さきも述べたような経済的に困窮される方が増える中、医療を受ける権利を守ることが求められます。新型コロナ感染を克服するまでの時限措置として滞納者への短期証、資格証の発行を見合わせることを検討すべきではないでしょうか、伺います。

 今少し述べた相談業務の増加についてもお聞きします。

 これから先、一層の相談業務増は避け難いことです。区は、第1次補正により国保窓口業務の会計年度任用職員を4名増員する計画です。大事なことではありますが、この先の相談業務の増加と人員増が見合うのか、これはまだ分かりません。現在の見立てよりも業務量の増加が上回るような場合には、当然新たな人員の確保が必要になると考えます。現場をよく見ること、状況に応じて人員の確保も柔軟に行うことについて区はどうお考えでしょうか。

 滞納者への督促状や催告状についてもお聞きします。催告状には現在でも「保険料の納付が困難な方へ」というようなお知らせ文が掲載されています。先ほどお尋ねした新型コロナの経済的影響による減免制度について新たな制度が存在することを督促状や催告状に記載すべきではないでしょうか。

 生活保護についても伺います。今年は猛暑との予想も出ています。風水害の前に猛暑そのものが災害レベルになっていることを改めて思い出さなければいけません。2018年の猛暑では6月から9月の3か月で熱中症による緊急搬送数は約9万2,600人と平年の倍でした。この夏は暑さを逃れるため図書館などの公共施設へ多くの人が集まりました。当然コロナ禍のもとで人が集まることは感染リスクとなります。こういう状況を避けるためには自宅の冷房を活用してもらうことが肝要です。

 中野区は、2018年4月以降の新規の生活保護世帯についてエアコン費用を負担することとしました。しかし、それ以前に既に生活保護を受給している世帯は対象外とのことで、このことは会派としても解消すべきと取り上げてまいりました。改めて伺います。全ての生活保護世帯にエアコンを設置する費用を導入するべきと考えますが、いかがでしょうか。

 そもそもこのときに公共施設に人が集まった理由は自室にエアコンがあるかどうかではありませんでした。幾つかのメディアが報じていましたが、エアコンをフル稼働させることで電気代が高騰することを避け、日中はできるだけ公共施設で過ごしたという方が少なくなかったとのことです。新型コロナの感染拡大を防ぐためにも、とにかく自宅の冷房を使ってもらうこと、そのためにも、生活保護世帯の電気代を夏季加算として上乗せすべきと考えます。区の認識を伺います。

 自宅でのエアコン利用促進についてもう一つ伺います。夜間の気温が25度を下回らない状態を熱帯夜と呼びますが、夜間の気温が28度以上では寝ている間に熱中症になり、死に至る方も出始めると言われています。この気温28度以上の夜を気象予報士の森田正光氏は地獄夜と呼んでいます。東京では既に地獄夜は当たり前、2013年辺りからそれを通り越して30度以上のスーパー地獄夜になっていると指摘をしています。2018年7月の猛暑の折に本町四丁目で亡くなった60代生活保護受給者男性の例では、遺体発見時、エアコンが設置されていたものの、使われておらず、窓が開いている状況でした。この男性は亡くなる直前に近所の方にエアコンが故障していることを話しています。ちょうど1週間ほど連日の酷暑が報道されていた時期です。死亡推定時刻は発見時の前日の夜とのことで、冷房が使えないまま地獄夜の中で熱中症となり、そのまま亡くなった可能性が否めません。生活保護世帯にはまず蓄えはありませんので、エアコンの故障のような急な出費には対応ができません。新型コロナ感染と熱中症から命を守るためにも、生活保護世帯のエアコン修理費用や買い替え費用の支給を検討すべきです。

 今年はマスク着用のまま迎える史上初めての夏です。呼吸にはそれだけで体温を下げる機能がありますが、マスク着用により熱がこもり、熱中症の危険が高まることは既に報道されているところです。コロナ禍のもとではエアコンの重要性はこれまでと全く異なることを強調し、次の質問に移ります。

 コロナ禍におけるまちづくりについて何点か伺います。

 最初に、地域のにぎわいを守る取組について。区は、このコロナ禍において3種類の事業者向けの特例貸付制度を新設しました。既往の借入金があっても別口で借りられることや区が利子補給して実質の利子をゼロにするなど、事業者にとってメリットが大きく、区内商店の皆さんの資金繰りの支援をする上で重要でした。しかし、一方で、手続に時間がかかること、信用保証協会の審査が通らず借りられないケースが少なくないことなど、制度の使い勝手についての御意見も少なからず頂いています。そもそもこの先の見通しも立たないのに、返済を前提とした貸付けではかみ合わないとの厳しいお声もありました。区内事業者の皆さんを守るためにはさらなる支援が必要です。

 この間、私は、地元の商店、飲食店の事業者さんに制度を紹介したり申請方法についてお伝えする中でたくさんの御相談をお聞きしてきました。国と都の制度について、給付が遅い、来なければ店を畳むしかないとのお声も少なくありませんでした。今困っている事業者の皆さんにとっては、今このタイミングで何らかの支援が欲しいとの御要望が強く、区がこの声にどう応えるのかが問われています。そういう商店街の皆さんからの声で最も多かったのが店舗の家賃補助です。家賃が払えなければ廃業しかなく、歯抜けになった商店街は廃れていきます。

 国において5月27日に閣議決定した第2次補正予算により、中小企業や個人事業主の家賃負担を軽減する家賃支援給付金が創設される運びとなりました。しかしながら、この制度は、前年同期と比べた売上高が5月から12月の間に1か月でも50%以上減少するか、連続する3か月の合計で30%以上減少することが条件です。この条件に満たない事業者が漏れてしまうことに加え、給付が非常に遅くなる懸念があります。5月以降の売上げでの判断となるため、1か月に50%以上の減少の場合でも、報道されているとおり、受付開始が6月末、支給は7月以降となります。連続する3か月の合計で30%以上減少の場合は、最速の場合の5、6、7月の売上げ減でも受付開始は翌月8月、支給はその後、ともすれば9月以降です。これでは間に合わない事業者が出てきてしまうのではないのでしょうか。

 先ほども述べたように、今、事業者を支援することが求められている中、区が率先して事業者の声に応える支援策として区独自の家賃補助を検討すべきです。

 茨城県高萩市では、市の独自事業として、売上げが20%以上減少した小規模事業者に対し、用途を感染防止と家賃の支払いに限定し、最大30万円の補助金を出す制度を既に決定しています。また、町田市は、売上げの15%以上の減少を条件とし、40万円を上限に2か月給付する制度、狛江市では、国の貸付けを受け、店舗を賃借している事業者に上限30万円の給付、武蔵野市では、都の感染拡大防止協力金対象外の事業者に対し30万円の給付、足立区では申請事務の社労士への委託費用の助成など、他の自治体では既に独自の支援策を打ち出されています。中野区においても他の自治体で実現しているような区独自の支援制度を検討し、速やかに実施すべきではないでしょうか、伺います。

 また、ある商店街でお話をお聞きしたところ、商店街全体で事務所や会議スペースとして使える場所が欲しいとの御要望を頂きました。この商店街では商店会長さんの私的な事務所に放送設備や照明のスイッチ類などを集約しており、こういったものも商店街の事務所のようなものがあれば、そちらで運営できるのだけれどもとこぼしていらっしゃいました。商店街での事務所機能の支援策、放送設備の管理費や照明の電気料金など、具体的に頂いた御要望の検討の余地について伺います。

 また、こういう御要望は商店街ごとにそれぞれの事情もあり、一様ではないかと思います。区としてはこれまでも聞き取りや支援について様々着手してきたことかと思いますが、新型コロナを経て改めて商店街から御要望を聞き取り、支援策を検討することについて区の認識を伺います。

 次に、中野駅周辺まちづくりについて伺います。今般のコロナ禍のリモートワークや様々な自粛により、これまでの仕事の仕方やライフスタイルそのものを見直すきっかけとなったという報道やSNSでの投稿を散見します。当然このライフスタイルの変容は消費行動に結びつきます。また、経済の大きな落ち込みはやはり私たちの暮らしそのものを大きく変えることとなります。コロナ禍により社会全体で消費する力が弱まっていることは言うまでもありません。

 5月31日付の日本経済新聞によると、2020年の中小企業の休廃業や解散は推計で5万件とのことです。雇用の7割が中小企業であることから、失業は急増する懸念が高まっています。また、小規模店だけでなく、百貨店や大手スーパー、コンビニなども店舗を大幅縮小させています。新型コロナを克服した先にはこれまでどおりの社会、これまでどおりの経済活動を取り戻せるのかというと、そうはならないのではないかという見方が世界中の多くの知識層、専門家から指摘され始めています。

 当区の計画に視点を移すと、中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画において、区役所・サンプラザ周辺の拠点整備の方針が示され、議会でも議論が続いているところです。この再整備事業計画には拠点整備の新たなコンセプトについて3点記述されていて、一つ目では、中野サンプラザのDNAを継承した新たなシンボル拠点をつくるとしており、二つ目にある回遊性やにぎわい交流などもこのシンボル拠点を中心に考えられています。こういった計画が新型コロナ後の世界に通用するのか。今このことが突きつけられているのではないでしょうか。新型コロナを経た価値感が変容し、新たなライフスタイルが根付いていく社会において、また、大きなダメージを負った日本社会において、これまで想定してきたようなインバウンド政策が成り立つのか、企業の誘致が本当に必要なのか、いま一度立ち止まって考えなければいけないのではないでしょうか。新型コロナを克服した先にあるのが今までどおりの社会でない前提で、土台からまちづくりの計画を練り直す必要に迫られていると考えますが、区の認識を伺います。

 そもそもインバウンド政策は区外からの来客数を増やすことを前提としています。新型コロナ後の社会でそれ以前に想定したような集客が本当に望めるのか。海外からの来客についてもこれまでのような想定でよいのか。前提となる社会のありようが変わっている以上、今までの計画どおりにうまくいくと考えるわけにはいかないと思います。区民や近隣地域からの来客により地域で経済を回す、本当の意味での地域循環経済について今こそ検討するべきではないでしょうか。そうでなくても都内至るところで大型開発の計画が乱立し、集客の奪い合いという様相を呈しています。この激しい競争に加わるのか、それとも新型コロナを経た社会の構造変化を捉え、中野区独自の発展を模索するのか、岐路に立っていると考えます。持続可能性の観点からも、大規模集客のインバウンド型から地元商店や区民とともに歩む地域循環経済への発想の転換を行うべきです。新北口駅前エリアのシンボル拠点については、施設の姿は民間に委ねることになるとしても、まちづくりの計画そのものに対し区は責任を負っています。区の考えをお聞きします。

 また、この機にあって本当に急がなければいけない事業は何なのかという洗い直しも必要と考えます。中野駅の混雑は命を守る観点から早急な手当てが必要です。南北通路と新改札、そして既存の南口、北口においても改札機を増やすなどの検討をJR東日本と協議することを改めて求めます。他方、区役所建て替えやシンボル拠点については駅の混雑解消ほど急ぐ必要はありません。急ぐべき事業に力を集中させるためにも事業ごとの優先順位づけを検討するべきではないでしょうか、伺います。

 新井薬師前駅のにぎわいについてもお尋ねします。西武新宿線地下化の計画については当初の予定よりもおよそ6年遅れることが示されています。コロナ禍もあり、それ以上の遅れも懸念されるところです。新井薬師前駅の南側では地下化に合わせて設置が計画されている交通広場の用地買収に合わせて転居、廃業した商店があります。既に撤退したパチンコ店のところは歯抜けになっている状況です。現在残っている店舗、撤退を予定していた店舗に対し、この先について区はどのようなアナウンスをしているでしょうか。また、店舗側の意向はどうなっているでしょうか。そもそも工事の遅れが6年にわたるのですから、その間の駅前のにぎわいについて改めて考える必要があるのではないでしょうか。歯抜けの土地や空きテナントについて時限的に店舗を誘致するなどの活用を検討すべきと考えます。区の認識はいかがでしょうか。

 あわせて、工事が遅れるこの6年余りの間の臨時的な踏切対策についても手を当てる必要があります。西武新宿線の他の駅の踏切と同様、バス通りであるのに踏切前後の道路幅が十分でなく、歩行者、自転車と車両との錯綜の危険が以前から指摘されていますが、特に新井薬師前駅の場合は、踏切の南側およそ40メートル先に信号があり、車両が詰まりやすい状況です。これまでの議会の質疑では中野区としての対応が難しいとの答弁が続いてきました。そうであるなら、東京都や西武鉄道に速やかに対応を求めるべきです。この点の検討についてお聞きし、次の質問に移ります。

 コロナ禍における受動喫煙の問題について伺います。

 日本呼吸器学会は、臨床データに基づき、電子たばこを含む全ての喫煙が新型コロナウイルス肺炎重症化の最大のリスクであると警告しています。また、喫煙所そのものが3密の状態であり、濃厚接触の場であることも指摘しています。日本禁煙学会も同様の指摘を行うとともに、インターネットで公開された、たばこが新型コロナウイルス感染症に対して予防や治療の効果があるとする論文については科学的な根拠がなく、このような論文の結果に惑わされてはいけないと注意を促しています。そして、世界で最も権威のある医学誌「The New England Journal of Medicine」では、喫煙者では、人工呼吸器が装着される、または死亡するリスクが非喫煙者の3倍以上であることや、78の入院症例から、喫煙歴があると、非喫煙者に比べ14倍も肺炎が重症化しやすいことが報告されています。さらに、イタリア呼吸器学会は、感染から回復した人の3割に呼吸器疾患などの後遺症が生じる可能性があるとしており、受動喫煙がせっかくの回復者の健康を大きく損ね、ともすれば命を奪いかねないという懸念にもつながります。

 この4月より受動喫煙防止法が施行となり、公共施設や屋内では全面禁煙となりました。その反動か、区内幾つかの場所で近隣の皆さんによる独自の屋外喫煙スペースのようなものが生まれています。このコロナ禍における受動喫煙の危険は命の問題と考えるべきで、受動喫煙防止法を超える規制が必要ではないでしょうか。

 そこで、伺います。命を守る観点から、新型コロナ感染における喫煙のリスクについて区民に周知を図るとともに、こうした独自喫煙スペースについて何らかの指導を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

 また、区役所北側の特定屋外喫煙所と中野駅ガード下の公衆喫煙所において、新型コロナとの関わりでこれまでの方針を再検討すべきと考えます。少なくとも特定屋外喫煙所には7人までという制約があるのですから、ガード下の公衆喫煙所においても同様の規制は最低限検討すべきではないでしょうか。この点も区の見解をお聞きします。

 その他で2点お聞きします。

 最初に、中野本郷小学校建て替えに伴うスクールバスの運行について。昨年12月9日に行われた中野本郷小学校改築推進委員会の議事録の中に、スクールバスの運行について、体力的にも特に配慮が必要と考え、1年生、2年生ぐらいが対象だと考えたとの事務局側の発言がありました。スクールバスの運行については、近隣の保護者より、対象が低学年だけと聞き心配とバスの運行についての懸念の声を頂いていました。対象が低学年だけだと、全学年を対象としないというのは保護者の理解を得るのは難しいのではないでしょうか。また、他の委員から、この建て替えにおいてスクールバスを運営できないという判断になった場合、歩いて通うことが大変だから指定校を変えてほしいと申し出たとしても、後から指定校は変えられないのかという疑問の声もありましたが、これに対し事務局は、現行ではそのとおりと答えています。旧向台小を仮校舎として建て替えを検討する中野本郷小への入学ならば、スクールバス運行が前提、スクールバスがないなら桃花小を検討したいが、現状ではバスについて何も決まっておらず判断ができないということです。

 そこで、伺います。中野本郷小学校の建て替えについては、全ての児童を対象としたスクールバスを登下校で実施することを早急に決めるべきです。あわせて、クラブ活動などで帰宅時刻が遅くなる児童を事件や事故から守る取組についても早急に検討すべきと考えます。区の認識はいかがでしょうか。

 この問題では、保護者の方による「中野本郷小スクールバス運行に向けて」というブログが立ち上がっています。学区域の保護者の皆さんにとってはスクールバスは非常に大きな関心事となっています。保護者に寄り添い、児童を守る真摯な対応を求めます。

 その他の2番目で自殺対策について伺います。今年度予算に盛り込まれ計画されていた自殺対策審議会などが中止の方向となっています。しかし、新型コロナの影響で自殺が増える懸念は多くのメディアや専門家が指摘するところです。エコノミストの島澤諭氏は、2020年はおよそ1万から1万7,000人の自殺増を推計しています。倒産、廃業、失業、解雇、雇い止めの横行は既に現れており、経済的困窮による自殺増の懸念は増大するばかりです。新型コロナにおける社会的、経済的影響を重く捉え、今年度予算に盛り込まれている三つの自殺対策、自殺対策審議会、ゲートキーパー養成研修、自殺対策事例検討会は中止でなく開催すべきではないでしょうか、伺います。

 以上で全ての質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) いさ議員の御質問にお答えいたします。

 最初に、コロナ禍を踏まえた防災の取組について、地域防災計画などの見直しについてです。

 今年度改定予定である地域防災計画には、新型コロナウイルス感染症などの新興感染症に対応した区の災害対策体制全般や対応方策を盛り込むことを検討しております。また、関連する避難所運営マニュアルなどについては、新型コロナウイルス感染症に対応した具体的な避難所運営や必要な感染症防止対策といった具体的な内容を盛り込むなどを検討しているところでございます。

 次に、感染症対策物資の備蓄についてでございます。新型コロナウイルス感染症対策として、避難所にマスク、手指消毒液、次亜塩素酸ナトリウムを増強するとともに、新たに非接触型体温計、ゴーグルマスク、手袋など、防疫装備を配備する予定でございます。

 次に、新型コロナの影響を理由とした減免についてでございます。住民税の減免対象には、所得が皆無となったため、生活が著しく困難となったもの、またはこれに準ずると認められるものが対象となります。新型コロナウイルス感染症の影響による納税相談につきましては、感染拡大防止のための措置に起因して、著しい収入、売上げ減や失業、事業の休廃止による納税困難者が多数想定されていることから、相談者の生活状況などを十分確認した上で、減免の要件を踏まえて適切な対応をしてまいりたいと考えております。

 次に、国民健康保険料の減免申請の受付開始時期についてでございます。国から示された減免制度の基準は複雑であるため、一定程度の確認、分析が必要と考えております。国の基準と異なる減免措置を行った場合に、その措置については国の財政支援の対象外となり、区が財源補填することになります。制度の確認、分析に先立ち申請受付を開始した場合は、追加資料の提出を求めるなど申請者に負担を強いるおそれが生じるとともに、対象とならない申請が大量に発生することも想定されます。この減免制度につきましては納期限経過後も遡及して申請が可能であることですから、受付開始時期が遅くならない範囲で一定程度の確認、分析をした後に開始をしてまいります。

 次に、滞納者への短期証、資格証の発行を見合わせることについてでございます。現時点で短期証、資格証明書を交付されている世帯は、新型コロナウイルス感染症が発生する以前に国民健康保険料を滞納したことによって交付されている世帯でございます。短期証は、医療機関を受診する際の医療費の窓口負担割合は保険証と同様であって不利益になることはございません。資格証明書につきましても、発熱症状等新型コロナウイルス感染症の発症の疑いのある方が医療機関の帰国者・接触者外来を受診するときなどにおいては、資格証明書の提示によって保険証を提示した場合と同様の窓口負担割合で受診することができます。国民健康保険は相互扶助の仕組みであり、公平性の観点からも、国民健康保険料を滞納している世帯に対して短期証、資格証明書の発行を見合わせることは考えておりません。

 次に、国民健康保険の業務量の増加に応じた人員の確保についてでございます。新型コロナウイルス感染症への人的な対応につきましては、第1回臨時会で補正予算の議決をいただいております。新型コロナウイルス感染症は過去に経験したことのない事態でございまして、今後、国民健康保険の業務量が想定を超えた業務量になることも想定されます。現在、区全体として事業の見直しを行っているところでございますが、このことによって人員配置の見直しを行い、必要な業務に必要な人員の確保を図ってまいります。

 国民健康保険の催告書や督促状への減免制度の記載についてでございます。催告書及び督促状の納付書の様式は継続的に使用するものであって、また、公金収納の取扱いからも様式そのものの変更は困難な状況でございます。減免制度につきましては、催告書及び督促状を発送する際に同封するお知らせに入れられるように検討してまいります。

 次に、全ての生活保護世帯にエアコン設置費用と夏季加算の支給という御質問です。生活保護制度は第一種法定受託事務でございまして、全国一律の基準により実施しなくてはならないものでございます。区としては、エアコン設置費用や冷房に係る経費に対応する夏季加算を支給対象とすることについての必要性は認識しており、東京都を通じて国に対して制度改正の要望を出しているところでございます。

 次に、生活保護世帯のエアコン修理費用や買い替え費用の支給でございます。現在の生活保護制度では、生活に必要な電気製品等の修理や買い替えに備えて、基準生活費の6か月分を上限として計画的に貯蓄を行うことを認めておりまして、ケースワークの中で適切な助言を行ってまいります。

 次に、新型コロナ後のまちづくりについての項で店舗の家賃補助等についてでございます。現在、家賃補助につきましては国で制度導入を進めているところでございます。また、東京都の感染拡大防止協力金についても家賃を考慮したものとされております。こうした国や都の支援を踏まえた上で、感染拡大の状況や区の財政状況等を勘案して必要な対策を進めてまいります。

 次に、商店街からの要望への対応についてでございます。商店街につきましては、事務所の新設や機能を高めるための改修等は東京都及び区の補助対象となりますが、設備の管理費など経常的な経費につきましては補助対象としないことが原則でございます。ただし、街路灯の電気料金など公共的な必要性から補助対象としているものもございます。今後も各商店街や商店街連合会との協議を行いながら必要な支援を行ってまいります。

 次に、事業者の要望の聞き取り等についてでございます。区内の商店街や商店街連合会から寄せられる様々な要望につきましては、区のみならず、国や都の支援制度も含め、運用可能なものについてはその都度調整を図っているところでございます。現在のような状況下にあっては新たに必要となる支援もあると考えられますから、まずは商店街連合会等を通じて各商店街の現状についての確認等を行ってまいります。

 次に、中野駅新北口駅前エリア再整備の見直しについてでございます。中野駅新北口駅前エリア拠点施設整備は、再整備事業計画に基づいて、地域経済の発展や国際競争力の強化、まちの回遊性や安全安心の向上を図り、持続可能で活力のある都市の形成に貢献することとしています。こうした事業のコンセプトについて区の考え方はこれまでと変わりません。事業の詳細につきましては、事業者決定後、社会情勢等を踏まえつつ検討を進め、具体的な事業計画案を作成してまいります。

 次に、中野駅周辺の事業の優先順位についてでございます。中野駅周辺では、中野駅西側南北通路、橋上駅舎整備と各地区の都市再開発事業を連鎖的に進めることによって、駅前広場、道路などの都市基盤整備や様々な都市機能を誘導し、安全安心、活力あるまちを実現するものでございます。したがって、特定の事業にのみ集中するような優先順位づけを行うことはなく、各地区のまちづくりにトータルに取り組みながら目指すべき将来像を実現してまいります。

 次に、連続立体交差事業延伸情報の交通広場権利者への周知についてでございます。新井薬師前駅周辺につきましては、延伸決定後、直ちに沿線の町会や駅周辺の商店会の会長などへ情報提供するとともに、区報及び区ホームページなどにより広報を行っております。区画街路第3号線の交通広場整備に係る各権利者への延伸に係る情報提供は、新型コロナウイルス感染拡大に伴って用地取得交渉が休止されている状況から現在のところ行われておりません。今後再開する用地取得交渉の中で延伸に係る情報提供も行っていきたいと考えております。

 次に、権利者との交渉についてでございます。今まで店舗経営者と一通り交渉を行っておりまして要望を聞き取っているところでございます。緊急事態宣言以降は店舗経営者と交渉は行っておりません。中野区画街路第3号線、交通広場の事業期間は令和5年3月末となっており、連続立体交差事業の延伸にかかわらず事業の完了を目指しております。今後も引き続き各権利者の意向を酌み取りながら事業期間内の整備を目指してまいります。

 最後に、連立事業期間延伸に伴う東京都等への対策の要請についてでございます。東京都及び西武鉄道からは、駅構内を鉄道利用者以外の方が迂回路として活用することにつきましては、連続立体交差事業に係る様々な工事が進められていることから、その実施は困難であると聞いております。中野区としては、変更された事業期間の中で抜本対策である連続立体交差事業が完成できるよう必要な協力と支援を行っていく考えでございます。

〔教育長入野貴美子登壇〕

○教育長(入野貴美子) 私からは、その他の項のうち、中野本郷小学校建て替えに伴うバスの運行についてお答えいたします。

 中野本郷小学校の改築に当たっては、改築推進委員会を設置いたしまして、保護者や地域の皆様の御意見を頂きながら課題を整理しているところでございます。スクールバスの運行については、利用対象者の範囲のほか、乗降場所や運行経路、時間、便数、経費などについて精査が必要でございます。待合場所での児童の安全対策や感染症対策などの課題もあると考えております。通学路の安全対策についても、どのような取組が考えられるか、今後併せて検討を行い、仮校舎移転に際しまして地域、保護者に十分な説明ができるよう方針を明らかにしてまいりたいと存じます。

〔保健所長向山晴子登壇〕

○保健所長(向山晴子) 喫煙による新型コロナ感染と重症化のリスクについてのお尋ねでございますが、新型コロナウイルス感染と喫煙のリスクについては、お話がございましたように、日本呼吸器学会等の専門家が指摘をしていることは十分に承知をしてございます。区といたしましては、望まない受動喫煙による健康被害を回避することを目的とし、令和2年4月1日に全面施行された改正健康増進法や東京都受動喫煙防止条例に基づいて受動喫煙防止に関する制度の周知、普及啓発などの対応は継続してまいります。

 もう一点、自殺対策審議会についてのお尋ねがございました。区の自殺対策は、平成30年度に審議会を設置いたしまして、昨年度、中野区の自殺対策計画を策定してまいりました。加えて、新型コロナウイルスの影響で自殺に傾く人や心のケアが必要な方が増加するという蓋然性も認識をしてございます。国は自殺対策を強化するようこの間通知を発出しており、区においても自殺対策審議会は開催をする予定でございます。また、お話の自殺対策事例検討会は5月に実施をしており、ゲートキーパー養成研修につきましても適切な感染防御対策を講じた上で12月に開催を予定しております。

〔都市基盤部長奈良浩二登壇〕

○都市基盤部長(奈良浩二) 私からは、コロナ禍における受動喫煙問題についての御質問のうち、公衆喫煙所における新型コロナウイルス拡大防止対策についての御質問にお答えをいたします。

 区では、新型コロナウイルス拡大防止のため、喫煙所において三つの密を避ける行動や命を守るステイホーム週間、人と人との間隔を約2メートルあけるソーシャルディスタンスを保つことを求める啓発ポスターの掲示を行ってきたところでございます。今後もこれらの啓発を継続して行っていきたいと考えてございます。

〔いさ哲郎議員登壇〕

○19番(いさ哲郎) 1点だけ再質問をいたします。コロナ禍の受動喫煙の問題についてというところで、近隣の皆さんが独自に作ってしまった喫煙スペースについての何らかの指導というところを求めましたが、この点について改めての答弁を求めます。

〔保健所長向山晴子登壇〕

○保健所長(向山晴子) お答え申し上げます。

 御指摘のございました自動的とか自発的に喫煙スペースを作ってしまった方、夜間にそういった場所があるというような認識はしてございます。なかなか難しい点はあるかと思いますが、ただ、様々な形での広報や情報提供、それから、東京都では子どもに対してのやはり受動喫煙の防止条例というふうなものも既に施行されてございます。こういったことへの協力というものの普及啓発もございますし、それから様々な地域を通じた会合などを通じて地域の方に浸透させていく中で広く区民の方の御理解を頂きたいというふうに考えてございます。

○副議長(平山英明) 以上でいさ哲郎議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

午後3時05分休憩

 

午後3時25分開議

○議長(高橋かずちか) 会議を再開いたします。

 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 伊 藤 正 信

 1 基本構想・基本計画と今後の区有施設整備について

 2 区立小中学校における今後の教育環境の確保について

 3 保育園・幼稚園の運営支援について

 4 高齢者に対しての支援について

 5 今後の公共施設の運営について

 6 その他

 

○議長(高橋かずちか) 伊藤正信議員。

〔伊藤正信議員登壇〕

○33番(伊藤正信) 令和2年第2回定例会に当たり、自由民主党議員団として一般質問をいたします。

 このたびの新型コロナウイルスに感染された方にお見舞いを申し上げ、今なお治療されている方の一日も早い御回復をお祈りするとともに、お亡くなりになられた方の御冥福をお祈り申し上げます。

 基本構想・基本計画と今後の区有施設の整備について伺います。

 基本構想の検討素案は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、区民意見交換会は2月23日の桃園区民活動センターで行っただけで、その後、意見交換会は中止されております。改めて実施時期の機会を確保する必要があり、中止した検討素案に関する意見交換会は9月から10月にかけて実施をして、その後、11月に検討案を決定し、パブリック・コメント手続を実施した後、令和3年第1回定例会で議案を提出する予定に変更されたと伺っております。基本構想は将来のまちの姿を描く区民との共通目標であり、また、区政運営を進める上で最も基本的な指針となるものです。

 そこで、伺います。現在の基本構想検討素案は新型コロナウイルス感染症の感染拡大前に決定されたものなので、改めて現状と将来のまちの姿を見定めて見直す必要もあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか、伺います。

 緊急事態宣言が解除されて日常生活が戻りつつありますが、新型コロナウイルスが収束したわけではありません。これから第2波、第3波が起こる可能性もあります。また、基本計画の策定時期については、現在、令和3年3月に策定を予定しておりますが、今後の区の財政への影響などが想定されると思います。社会経済状況の変化に対応した施策展開の検討もあり得るのではないでしょうか。新型コロナウイルス感染症への対応もいつまで続くか分かりません。財政の見通しもつかない中、計画策定が間に合うのか心配です。予定どおり策定する考えなのでしょうか。もし策定が遅れるようであれば、新型コロナウイルス対策の方針や、併せて財政見通しを踏まえた当面の区政の運営方針を示さなければならないのではないかと思いますが、いかがでしょうか、伺います。

 区有施設の整備については、区有施設約270施設の約6割を超える施設が建築後30年以上が経過しており、施設更新経費のピークは2019年度から2024年度までの間となります。また、施設の管理に係る人件費、光熱水費、施設維持補修費などの経費は年間約138億円で、令和元年度一般会計当初予算額1,521億円余りの約9%を占めており、今後も同様の施設規模を維持していくと同じぐらいの経費が必要となるようです。

 施設整備の方向性については、学校や保育園、幼稚園、高齢者福祉施設、障害者福祉施設、文化施設、社会福祉施設などの区民サービスや財政見通しに密接に関わります。そこで、基本計画と区有施設整備計画はどのような関係になるのか、伺います。

 今年の8月には、施設の整備内容、位置及びスケジュールなどを示す施設配置の概要を作成するとされております。財政見通しや経済的影響を見極める期間などを考えると大変厳しい状況ではないかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 区有施設整備計画は今後の財政見通しに非常に大きく影響します。基本計画は5か年の計画でありますが、区有施設整備計画は長期のスパンで考えなければならないと思います。1年ごとの年次に落とした施設整備のスケジュールを作成し、6年から10年の間は先の見通しを考えた上で計画的な施設配置、施設整備を行わなければならないと思います。区の財政状況としても、新型コロナウイルスの影響で計り知れない税収が落ち込むのではないかと考えられます。そうしたことから、今後の主な区有施設の配置の考え方も、施設の地域バランスや区民の生活圏域などの考えも含めながら作成していかなければならないのではないかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 次に、公立小・中学校においての教育環境を確保することについて伺います。緊急事態宣言は先月25日に解除されましたが、新型コロナウイルスの感染リスクがゼロになったわけではありません。最近よくアフターコロナという言葉を耳にしますが、感染が収束するまで、または感染を完全にコントロールできるようになるまで、私たちはウイルスの顔色をうかがいながら共存していかなければなりません。子どもたちにとっては、学習が遅れるだけでなく、伸び伸びと遊んだり友達と学び合う機会がなくなるなど深刻な影響が出ています。また、学校の臨時休業が長期にわたり続いたことにより、学校に行くのが嫌になってしまう子や新型コロナウイルス感染が心配で子どもを学校に行かせたくない保護者もいることでしょう。特に新1年生は入学後ほとんど登校していないため、これから始まる学校生活環境に対しての不安が大きいと思います。中学校3年生は受験を控えていることもあり、こうした生活リズムの変化は心身に大きなストレスを与えるのではないかと心配しています。そのほか、コンピュータゲームや動画を視聴する時間が増え、家族とのコミュニケーションがうまくいかなかったり、屋内中心の生活が続き、運動不足やストレスがたまっている子どももいるのではないかと思います。さらに、家庭内のトラブルや虐待などで深く傷ついている子どももいるかもしれません。こうした中、子どものメンタルヘルスに関わる取組がますます重要になってくると思います。子どもたちの心のケアをどのようにして行っていくのか、伺います。

 6月1日より学校が再開され、同一学級を2分割して分散登校が始まりました。このような形式での授業は2週間続き、第3週目の15日から通常授業が行われる予定であります。ある中学校においては、4月の始業式から5月末までの間、臨時休業で失われた授業日数は38日、時数にすると180時間余りになると伺いました。この間、学習授業だけでなく、身体測定、内科検診、歯科検診や、1年生においては宿泊学習の行事、また運動会などが予定されておりました。臨時休業による授業日数、時数の補完をするためには、夏休みの短縮や行事の見直しなど、何かしら工夫していかなければならないと思います。教育委員会としてどのように考えているのか、伺います。

 現在、区は、今年度の事業実施の見直し検討をしていることは承知しております。中野本郷小学校は令和6年度の新校舎完成の整備に向けて教育委員会と改築推進委員会で協議を進めており、校舎整備工事の基本設計、実施設計の案件として5月20日に入札公告され、7月7日に一般競争入札をする予定でした。しかし、突然一般競争入札が中止されたかのように伺っております。現在の状況はどうなっているのでしょうか、確認の意味でも伺います。議会にも経過の報告がなく、地域にも説明もなく、何もなく突然中止されたことになれば非常に遺憾であります。庁内ではどのような協議がされたのか、伺います。

 基本設計、実施設計の入札が中止されることがあれば改築工事が遅れると考えます。いずれは改築工事をしなければならないと思います。先送りすることなく計画どおり進めるべきではないかと考えます。

 中野本郷小学校の改築工事期間の約2年間は現中野第一小学校校舎を仮校舎として使用する予定です。新校舎が完成した後には、第二中学校の校舎改築工事のための仮校舎として使用される予定です。この工事も遅れる可能性があると考えます。そうなると、今後、老朽化による改築計画の学校全体の中野区立小・中学校施設整備計画にも影響してくるのではないでしょうか、伺います。

 区長の言われている子育て先進区とは、よりよい子どもの教育環境の整備を進めることではないでしょうか。この整備の経費を削って今回の新型コロナウイルスの感染に関する新たな施策に万が一無駄な予算をつけるようであれば大変許し難いことであります。とんでもないことであります。区長としては、子どもたちの気持ち、地域の方々の思い、我々議会の声をどのように捉えているのか、伺います。

 次に、保育園、幼稚園の運営支援について伺います。区内の保育園、幼稚園においては、登園児、保育士さんなど、新型コロナウイルス感染者が出ていないのは、保護者の方や保育園関係者が感染予防対策に特段の配慮と意識を持って取り組んでいる表れだと思います。新型コロナウイルス対策として、保育園、幼稚園に対して区は登園自粛要請をし、4月13日から5月31日まで臨時休園をしており、現在は6月30日まで臨時休園後の登園自粛を要請しているところであります。また、3月末には各園に対しマスク、消毒液の配布をしたり、国や東京都からの財源ではありますが、認可保育園の臨時休園中における給付の支払い、認証保育所への日割り軽減に対する支援の通知、さきの臨時議会において議決された補正予算の私立保育園施設113施設、私立保育園、認定こども園21施設、感染症対策のための物品購入、施設内消毒経費など、施設定員規模に応じて50万から70万円を上限とした費用の補助をする予定であります。

 6月から臨時休園後に登園自粛になり、ある保育園の園長先生は、臨時休業が終了すると、登園児数が増えていくことで感染症に罹患する可能性があるのではないかと危惧しており、段階的に園児が登園することを望んでいる方もいらっしゃるようです。臨時休園後の保育園、幼稚園の運営に対し、状況に応じた対応と情報提供をすることが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか、伺います。

 また、園児が増えることにより、さらに感染防止対策の継続が必要になります。今後、園児、また保護者の皆さんが安全で安心して登園できる保育園、幼稚園でなければならないと思います。よりよい施設環境とするために、保育園、幼稚園に対し支援が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか、伺います。

 次に、高齢者に対する支援について伺います。

 新型コロナウイルス感染拡大防止のために外出自粛をしているひとり暮らしの高齢者や高齢者の方のみで暮らしている世帯の生活状況が心配されるところであります。民生委員さんによる高齢者訪問調査を3月から6月にかけて行う予定でしたが、新型コロナウイルスの感染の広がりを防ぐために、人と人との接触を少しでも減らすことが求められていることから延期されたと伺いました。民生委員さんによる高齢者訪問調査は、前回は平成30年5月31日から7月31日の間で実施されておりましたが、時期の見直し変更により昨年度は行われておりません。前回の訪問調査から約2年経過しており、生活状況や身体状況の変化が予想されるところであります。また、新型コロナウイルス感染拡大に伴う各町会自治会により様々な形での見守り支え合い活動や、防犯パトロールや地域パトロールに伴う外部からの異変確認や各町会事業や行事、高齢者会館事業や区民活動センター運営委員会の事業など地域での活動も実施できない状況になっております。4月7日の緊急事態宣言が発令されてから今日までに、訪問調査延期による対応として、通知の郵送やアウトリーチチームによる感染予防・介護予防チラシのポスティングをしたと聞いておりますが、そのほかに新型コロナウイルス感染拡大に伴って各すこやか福祉センター、アウトリーチチームや地域包括支援センター、高齢者会館等ではどのような対応をされてきたのか、伺います。

 緊急事態宣言の解除を受け、感染拡大の防止をしながら、特に75歳以上高齢者単身世帯やのみ世帯については、早急に高齢者の生活状況、身体状況などを把握し、支援を必要とする高齢者については迅速に支援につなげることが必要であると考えます。これまでの地域の見守り支え合い活動では限界があるのではないかと考えます。アウトリーチチームと民生児童委員、地域の見守り活動をしている人たちが連携をして早急に状況把握をすることや見守り支え合い活動が担える事業者などの協力を得て新たな見守りの仕組みを構築する必要があると考えます。高齢者に対して今後どのような支援と対応をされていくのか、伺います。

 最後に、今後の公共施設の運営について伺います。

 昨日、我が会派の大内議員からも質問がありましたが、東京都から示された施設再開のロードマップに基づき、中野区としても区有施設の再開の方針を早急に示していく必要があると考えます。区のホームページでは、区民に最も身近な活動の場である区民活動センターなどの集会施設や高齢者会館などは今月上旬を目途に再開できるとされておりますが、同時に再開の目途が決まっていない区有施設も掲載されています。東京都から示されている施設別休止要請の緩和ステップにおける休止要請の基準などを踏まえ、施設の利用状況や利用者数、利用目的など、密になり過ぎないように配慮し、各施設の実情に応じた感染予防対策を十分に行うことで、できるだけ早い時期に区民の皆さんに利用してもらえるよう検討、調整を進めていくべきだと考えますが、どのようにお考えでしょうか。すぐには再開が難しい施設についても、再開に当たっての区の考えや目途を区民に丁寧に伝えるとともに、施設によっては一部の場所や機能を部分的に再開するといった工夫も必要だと思いますが、区の考えをお伺いしまして、私の全ての質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 伊藤議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初に、私から、区立小・中学校における今後の教育環境の確保についてのうち、中野本郷小学校整備設計の入札についてでございます。

 庁内における事業の見直しに当たりまして、今後厳しさを増す区財政に鑑み、施設整備の在り方やスケジュールの延伸などを議論したところでございます。中野本郷小学校の改築の検討、基本計画、設計、工事などについても一度立ち止まるべきと判断したところでございまして、入札手続を停止したものでございます。

 次に、よりよい子どもの教育環境整備についてでございます。子育て先進区は、子育ての満足度が高く、住み続けたいと思われるまちづくりを推進するものでございます。教育環境の充実はそうした施策の一つとして重視をしております。他方、施策の実施に当たりましては財源確保の見通しが持てることが重要でございます。多額の費用を要する施設整備につきましては慎重な判断が求められていると考えております。中野本郷小学校の改築に当たりましては、よりよい教育環境の充実に向け、学校や地元の関係者との協議を進めてきたところでございますが、財政状況が厳しくなっていることを踏まえ、いま一度立ち止まることについて理解を得るとともに、今後の在り方についての対話を深めていきたいと考えております。

 次に、保育園・幼稚園の運営支援についての項で、保育園、幼稚園に対する情報提供や支援についてでございます。

 区は、6月からの登園に当たり、新型コロナウイルス感染症対策として、保護者に対し登園時における検温や免疫力を高めるため、生活リズムを整えることなどをお願いするとともに、保育所における準備や衛生管理のほか、新型コロナウイルスの基本的な知識や情報をまとめた新型コロナウイルス感染症対応マニュアルを作成し、保育所に送付したところでございます。今後とも保育園、幼稚園に対し、適宜感染状況に応じた支援や情報提供を行っていく考えでございます。

 次に、高齢者に対しての支援についてで、高齢者訪問調査の延期や緊急事態宣言を受けた高齢者支援についての御質問でございます。

 アウトリーチチームは、民生児童委員による訪問調査を希望しない75歳以上の高齢者単身世帯と高齢者のみで暮らす世帯、約2,800世帯に対して、感染予防、介護予防のチラシと相談先の案内チラシをポスティングするとともに、電話番号を把握している方に電話により状況確認を行いました。高齢者会館運営事業者や地域包括支援センターは、それぞれ利用者に電話をして定期的に状況確認を行ったところでございます。

 高齢者の生活状況や身体状況の把握と支援につなげる取組でございます。特に75歳以上の高齢者単身世帯と高齢者のみで暮らす世帯については、外出の自粛による影響が大きいことが推測されるため、早急に生活状況や身体状況を把握する必要があると認識しております。民生児童委員の協力も得ながら、アウトリーチチーム、地域包括支援センター、高齢者会館運営事業者などが連携して状況把握や支援につなぐ取組を行うとともに、現在、区内の配食サービス事業者の協力を得て、見守りとともに健康づくり、介護予防の支援を行う事業を検討しているところでございます。この事業を実施し、新たなニーズ等を把握しながら、地域の見守りの在り方について検討をしてまいりたいと考えております。

 今後の区有施設の再開の目途についてでございます。早期に区民生活を正常化していくために、多くの施設では利用目的や定員に制限を設けることやソーシャルディスタンスの確保などの感染予防対策を行いながら再開しているところでございます。現在、再開ができていない一部の施設についても、都がロードマップで示した感染拡大を防止する習慣である「新しい日常」などを参考に、施設の全面利用、一部利用を含めた調整や再開目途などを関係部署と協議しているところでございまして、できるだけ早期に再開できるよう区民周知と併せて検討してまいりたいと考えております。

〔教育長入野貴美子登壇〕

○教育長(入野貴美子) 私からは、区立小・中学校における今後の教育環境の確保についての御質問のうち、臨時休業後の子どもたちの心のケアに対する取組についてお答えをいたします。

 学校再開前の週には区立小・中学校全児童・生徒を対象に個別面談を実施いたしました。教師は一人ひとりの児童・生徒の状況を確認するとともに、学校再開への不安が取り除かれるよう働きかけたところでございます。教育委員会が学校再開に向けて、小・中学校全校に配布した中野区立学校再開マニュアルの中には、感染予防や健康上の配慮を示すとともに、児童・生徒の気持ちに寄り添った指導に関わる際の注意点を挙げてございます。学校では、このマニュアルなどを活用して児童・生徒の心のケアを担任一人に任せることなく、養護教諭やスクールカウンセラー、こころの教育相談員等と連携した組織的な指導体制、相談体制で対応しているところでございます。

 次に、授業日数、時数の補完のための教育委員会としての工夫でございますが、夏季休業日を短縮するとともに、土曜日授業を月2回に増やして授業時数を確保してまいります。感染予防の観点から、全校児童・生徒が密集して集まるような学校行事は見直してまいりますが、それぞれの行事の持つ狙いや意義を考え、今までとは違う実施方法を工夫する中で授業時数も確保できると考えております。

 次に、中野本郷小学校の改築のための基本設計、実施設計の入札停止による中野区立小・中学校施設整備計画への影響でございますが、中野本郷小学校の改築工事が遅れることになりますと、現中野第一小学校を仮校舎とする予定の第二中学校の改築工事の時期についても影響を受ける可能性があると考えております。中野区立小・中学校施設整備計画については、今後の財政見通しや社会情勢とともに、地域の実情等も踏まえながら見直していく必要があると考えております。今後、改築が必要となる学校について、現在、改築スケジュールが示されていない学校も含め、整備時期を検証し、今後策定する基本計画及び区有施設整備計画とも整合を図りながら、中野区立小・中学校施設整備計画の改定作業を進めてまいります。

〔企画部長高橋昭彦登壇〕

○企画部長(高橋昭彦) 私からは、基本構想・基本計画と今後の区有施設整備に関する御質問についてお答えさせていただきます。

 初めに、基本構想検討素案の見直しについてでございます。基本構想検討素案につきましては新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえる必要があると考えており、一部見直した案をお示しした上で区民との意見交換を行いたいと考えております。

 続きまして、基本計画の策定時期と当面の区政運営方針についてでございます。新型コロナウイルス感染症の区財政への影響や社会経済状況の変化を踏まえ、基本計画の策定時期を令和3年3月から8月に変更する考えでございます。緊急事態宣言は解除されましたが、第2波、第3波に備えるための対策、また、新しい生活様式の定着、セーフティネットの充実、消費喚起や雇用対策に向けた対策等、今後取り組むべき対策に加え、危機を乗り越えるための体制や財政見通し、当面の区政運営の考え方については今定例会でお示しする考えでございます。

 続いて、基本計画と区有施設整備計画の関係についてでございます。基本計画においては、今後の財政見通しとともに、基本構想で描くまちの姿を実現するための政策、施策の方向性や主な取組を示す考えでございます。また、区有施設整備計画は、長期にわたる都市構造の変化を見据えつつ、基本計画に定める政策、施策の方向性に基づき、区有施設の整備、更新、再編、配置の方針を示すものでございます。両計画は密接な関係性を有することから一体的に策定を進めていくものと考えているところでございます。

 続いて、区有施設整備の整備内容についてでございますが、今般の社会経済情勢の変化はこれからの行政や地域活動の在り方などに大きく影響を及ぼすものと考えております。区有施設整備の考え方についても改めて検討の視点を追加するほか、進め方についても整理する必要があると考えているところでございます。

 続いて、区有施設配置の考え方についてでございます。区有施設の配置については、区民の生活や地域活動の圏域、交通環境などの状況とともに、人口構成による地域バランスなどを踏まえて検討する必要があると考えてございます。これまでに示した施設マネジメントの観点と併せて、区の長期的財政見通しを持った区有施設整備計画の策定に向け検討を進めていく考えでございます。

〔伊藤正信議員登壇〕

○33番(伊藤正信) ちょっと時間がマイナスになっていますけれども、先ほどの区長の中野本郷小学校の件ですけれども、中止されたということでした。私にとってはやっぱり地元ですし、今まで地域の改築推進委員会にもいろいろと教育委員会が設置してくれということで立ち上げて議論して前へ前へ進めようということでした。先ほども答弁がありましたけれども、今後の全体の中野区立小・中学校の施設整備の計画にも影響してくると教育長が答えてくれましたけれども、本当にそうですよ。これはまたやり直しですよ。また、先ほども議会にも報告もなく、地域にも報告がなく、突然に中止されたということは本当に遺憾だと思います。その辺もう一度御答弁いただきたいと思います。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 伊藤議員の再質問にお答えいたします。

 御指摘のとおり、この中野本郷小学校につきましてはこれまで実行委員会の中でいろいろなお話を進めていただいていたことは重々承知しております。ただ、今回新型コロナウイルスの拡大がございまして、未曾有の区の財政への影響というのが今可能性が出てきております。これまでの答弁でもお答えしているとおりに、100億円規模の税収の減というのが最大で見込まれております。そんな中でこの学校についての改築、今後、老朽化による改築が進んでいくわけでございまして、中野本郷小についてはこれが一番最初の学校ということでございますけれども、これまでの再編計画をまずはやり遂げること、そして、今、財政難で急激に財政が悪くなる中で、基本計画を進めた上で着工のときにお金がないという可能性も出てきているわけでございまして、まずはここで一旦ちょっと財政状況等もしっかり見極める上でも中止をする必要があったということで緊急の判断をしたところでございます。地元の皆さんに、それから議会の皆さんに対しても今後丁寧に説明してまいりたいと考えております。

○議長(高橋かずちか) 以上で伊藤正信議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 斉 藤 ゆ り

 1 新型コロナウイルス感染症拡大における学校教育等への影響について

  (1)学習の遅れへの対応について

  (2)子どもたちと教職員の心身の健康と安全について

  (3)保育園・幼稚園における対応について

  (4)中野区総合教育会議について

  (5)その他

 2 高齢者政策について

  (1)高齢者支援の取り組みについて

  (2)生涯現役へのサポートについて

  (3)その他

 3 その他

 

○議長(高橋かずちか) 次に、斉藤ゆり議員。

〔斉藤ゆり議員登壇〕

○7番(斉藤ゆり) 令和2年第2回定例会に当たり、立憲民主党・無所属議員団の立場から一般質問をいたします。質問は通告どおりで、その他はございません。

 新型コロナウイルス感染症拡大における学校教育等への影響について。

 このたび学校はおよそ3か月間休業となりました。学校が長く休みになるという予期せぬ事態は、子どもたちはもちろんのこと、社会全体が大きな影響を受けました。学校が再開されてまだ数日しかたっておらず、現時点では総括して検証できる段階ではありません。これから新型コロナ第2波、第3波が起きる可能性も想定した上で、本日はこれからに備えて考えておかなければならない点を取り上げたいと思います。

 学校休業と支援や学びの保障はセットであるべきで、その目線は忘れてはなりません。学習の遅れについて、授業時数については、現在の状況では夏季休業日の変更及び土曜授業の実施により確保される見込みです。学習については、家庭学習用の教材の提供の方法や量、質問の受付やフィードバックの方法、学校により取組に差があったことなど、今後検証したい点は多々ございますが、時間割が作成され、ホームページを利用しながらの様々な工夫がされたこと、また、登校日が設定されたことはよかったと思います。これから教育課程が工夫されて学習が進められると思います。しっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 今後の学びの提供については、各校の優れた実績を区内で共有し、相互に活用する方法を考えてはいかがでしょうか。工夫の共有により一層のレベルの高い学習内容が実現され、また、教員の負担も軽減されるでしょう。こうした連携は公立校の強みとも思います。家庭学習が進んでいなかったり手助けが要るような児童・生徒への配慮が必要です。例えば放課後学習教室の拡大やオンライン環境が整ってからはそれを利用しての対応もできます。地域の方々にサポートを依頼することもできるでしょう。どのように対応していかれるか、お伺いします。

 学校の学習とは机の上だけで行われるものばかりではなく、人と関わる力の育成や社会的な体験の場も大切だと考えます。教室の授業以外の活動も大切にしていただきたい。学校時代の大きなイベントである修学旅行や移動教室はぜひ実現、実施されたい。感染予防の配慮は必要ですが、子どもたちが人と人との交流や体験活動を通して成長していけるような機会はぜひつくっていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

 学習面というだけではなく、子どもたちが学校とつながることが大切であるという観点からもオンライン環境整備が急がれました。当区を含め、多くの自治体でオンラインでの教材提供が行われましたが、都内で5月末までに双方型のリモート授業が行われたところは文京区のみ、朝の会など学級活動は渋谷区、豊島区、千代田区等で始められましたが、いずれも5月半ばからでした。リモートによるオンライン授業はオンライン学習の素地がなければ難しいのだと考えられます。6月からの授業の中でオンラインを利用した学習を体験し、その後、リモートでの活用に広げていく準備をすることになると思います。もし第2波が来ても、最低でも学級活動は実施ができるよう準備を進めていただきたいと思います。

 これからGIGAスクール構想を含めた中野区教育情報化推進計画が進められます。機器整備と同時に、教育委員会においては授業における機器の活用についても詳細を考えていくことになります。これは大変大きな事業となります。現在の体制では学校教育課の負担が大きく、丁寧に現場の状況を見ながらの整備が実現されたいところですが、現状ではスムーズに進められるか心配されます。早くから1人1台の端末を配備した渋谷区には教育ICT政策係が置かれています。教育委員会に学校ICT担当部署を設けるなど、計画推進体制整備にしっかり取り組んでいただきたいと思いますが、区長の考えをお聞かせください。

 多くの議員からも指摘がありましたとおり、学校は児童・生徒の健康や安全を守る点においても大切な場です。休業中、学校から週一、二回先生から子どもたちに直接電話をかける取組をしていただいたことは評価したいと思います。ホームページを調べてみると、宮城県や熊本県の教育委員会や学校には子どもたちの健康や心のケアに関する内容が多く紹介されています。いずれも大きな災害があったところです。非日常が子どもたちの心に及ぼす影響はとても大きく、これは社会全体で対策を取っていかなければならないということが現れています。子どもたちの心のケア、特に配慮や支援が必要な子どもたちに対してどのようなケアをしてきたか、学校再開に当たってどのようなケアをしていくのか、お聞かせください。

 このたびは教職員の安全も考えなければならないことの一つでした。感染予防の配慮から、また協議を十分に進めるためにも、リモートオンライン校長会や職員会議の実施も進めていただきたい。学校再開後、さらに大きくなると予想される教職員の負担軽減のため、ICT導入で校務事務の軽減にも取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 保育園、幼稚園における対応についてですが、中野区では幼児教育が大切にされてきました。休園中、区立幼稚園では各家庭への連絡を密に行い、こいのぼりの工作の紹介などもされたと聞いています。私立であろうと区立であろうと、どんな就学前施設に通おうとも、中野の子どもであることに変わりはありません。区として私立各園に対し家庭への声かけの協力を呼びかけられたでしょうか。休園要請が再びあった場合はそのような対応をしていただきたいと思いますが、いかがでしょう。

 保育所についての対応について2点伺います。コロナ禍により雇用情勢は今急速な悪化が懸念されています。雇い止めの話も耳にします。仕事がなくなっても、仕事を探している期間は通常3か月在園することができますが、今、求職活動は大変困難な状況となっております。我が会派のほうにも区民の悲痛な声も寄せられていました。港区や世田谷区では特例対応を実施しており、ホームページにて公表しています。区は個別相談に応じるとしていますが、特例対応をしていただけるなら速やかに公表してはどうでしょう。また、学童保育についても保育園同様の対応をされてはどうかと思いますが、いかがでしょう。

 行政からの要請により多くの方々が登園を自粛しました。認可保育園、認可外保育園のうち認証保育園、一部企業主導型保育園には国からは補助金支給が実施されることになります。一方で、まだその支援の外にある施設もあります。先ほど木村議員からも同様の御質問がありましたように、どのような施設においてもひとしく支援が実施されるべきです。認可外施設の方からは、休業期間の保障がないと経営が苦しいと御相談をいただいております。既に練馬区、世田谷区、目黒区、江東区は認可外保育園に対する独自補助を行っています。区としてどうお考えか、お聞かせください。

 最後に、教育の項として中野区総合教育会議についてお伺いします。

 東京都では、「新型コロナウイルス感染症への緊急対応及びその後を見据えた新たな東京の教育の在り方」という議題にて5月5日に総合教育会議が開かれました。総合教育会議は、首長と教育委員会の両者が重点的に教育について講ずべき施策について協議する場です。このたびの学校休業とそれに伴う影響はとても大きいものです。今後、コロナを契機にさらなるICT化が進み、学校教育の在り方が大きく変わることが考えられます。このたび会議の開催を考えてもよかったのではないかと思いますが、いかがでしょう。

 このたびの学校休業中、多くの私立学校はICTを活用して独自の取組をしていました。この機会にぜひ魅力ある公立校の在り方を模索し、これが子育て先進区における中野の教育の目指すべき姿という議論を進め、その姿を明らかにしていただきたいと望みます。そうした教育の目標や方針を示すものが教育大綱です。さきにも申しましたとおり、今は教育の節目となるときと考えられます。大綱の改定はいつになるでしょうか。次回の総合教育会議の開催と大綱改定のスケジュールをお聞かせください。

 今年度から小学校学習指導要領が全面実施となり、そこでは主体的、対話的で深い学びという視点から、何を学ぶかだけではなく、どのように学ぶかが重視されるようになりました。今回のように予期せぬ状況下でも、言われるままではなく、自ら考え、問題を解決し、学んでいこうという力が必要なこと、学びは仲間との対話によりさらに充実することを子どもたちは実感したのだと期待します。深い学びはきっと喜びにつながります。中野の子どもたちにはコロナに負けない力を育んでもらいたいと願い、この項の質問を終わります。

 高齢者政策について。

 先ほども別議員から同じ質問がございましたが、今年3月から予定されていた民生児童委員による高齢者訪問調査はこのたびコロナ禍により実施ができませんでした。調査延期のお知らせは郵送され、調査を希望されていない方々にもチラシなどがポスティングされました。この状況下、お便りのお届けだけでは十分ではありません。食事は取れているのか、困っていることはないかなど把握する必要があります。訪問が難しければ、電話をかけるなど時期を逸しないアプローチが必要だと考えます。区の対応をお聞かせください。

 特別定額給付金は受給に申請が必要です。情報が届いていない、あるいは十分な理解がなく、申請手続がされるだろうはずの高齢者世帯における未申請のケースにおいては何らかの対応を考えるべきです。申請書が入った封筒は時間がたつと家の中で探すのが大変になります。こちらも早急な対応が必要だと思われますが、お考えをお聞かせください。

 見守り支えあい活動は多角的に取り組むことが必要です。現在、町会自治会では見守り支えあい活動として、見守り対象者名簿を参考に防犯パトロール時の声かけや訪問をしています。水道局、セブンイレブンなどの事業者とは業務の中で気づきがあった場合、連絡をしてもらうといった見守りに関する協定を結んでいますが、スーパーや宅急便事業者など、もっと協定者を増やしていくことも考えられます。見守りにおいてどのような事例があったのか広く共有し、地域における課題解決のための糸口になるよう、各すこやか福祉センター単位で拡大した地域支えあいネットワーク会議を協定事業者や育成団体も加えて実施することも有効でしょう。

 認知症の人とともに暮らすまちづくり宣言を出している福岡県大牟田市では、小・中学校にて子どもたちの認知症理解のための絵本教室を開催し、在学中1回は受講できるよう企画されているそうです。中野区でも、例えば各中学校区で開催される地区懇談会で高齢者や認知症を取り上げるなど間口を広げ、見守り人材の育成をしていくことも必要です。

 さきの緊急事態宣言下、私は、民生児童委員や町会の方、高齢者会館で仕事をされている方などの多方面の方に地域での見守り支えあいについて御意見をお聞かせいただきましたが、お話の中で結局は顔の見える関係が大事なのだという、共通したキーワードがありました。活動として見守りができなくなっていたとしても、近所にどのような方が住んでいるかを皆で共有していれば、いざというときに互いに助け合うことができるということを指すのだと私は理解しました。知り合いのお年寄りにそろそろ声をかけようかなと電話をしているという方もいらっしゃいました。

 いろいろ御提案させていただきましたが、今後の見守り支えあい体制整備について区のお考えをお聞かせください。

 最後に、生涯現役へのサポートについてお伺いします。

 リタイアなさっても現役で活動している高齢の方はたくさんいらっしゃいます。議員になる前は中野区次世代育成委員として子どもや学校を支える活動をしていましたが、その一環でリタイアされた方々にお願いをして小学校での学習支援に入っていただくコーディネーター役をしていました。その方々の多くはなかの生涯学習大学の卒業生でした。そんな中で感じたのは、皆様方にとって地域とつながるのにはきっかけが必要ということです。区は、今年度よりなかの生涯学習大学を参加される方々のさらなる地域活動の入り口となるように所管を地域支えあい推進部に移しました。とはいえ、地域の担い手養成ということなら、すぎなみ地域大学のように、その方の目的に合った短期間の講座が多数設定されるのも一案ですし、社会福祉協議会の地域活動担い手養成講座のように協力員としての登録が案内されるなど、講座の目的が明らかなほうがよいと思います。

 この中野区の生涯学習大学のよさは中野を知るという講座があることだと聞いています。今の講座のよさを生かしつつ、卒業生がスムーズに地域活動につながるよう、入り口だけではなく、出口支援もセットで考えていただければどうかと思いますが、お考えをお聞かせください。

 御高齢の方の仕事紹介の場として中野区シルバー人材センターがあります。植木の手入れなどのお仕事のほかに、区報の配布や学校登下校見守りなど、中野区においてなくてはならないお仕事も担っていただいています。登録をしている方の中には学習指導経験のある方もいますので、人手が必要となる学校支援の場に入っていただく可能性もあります。中野区は事務所を提供するなどの支援を行っておりますが、後方支援をぜひお願いしたいと思います。入会説明会の案内が、社会参加をしてみよう、仕事をしてみようと思われる方へ届くよう、区報による広報を恒常的に行うなど、ぜひ検討ください。

 区内には、ほかにも中野区老人クラブ連合会友愛クラブという老人クラブの連合団体があります。各地区においてもカラオケや地域支援活動などが活発に行われています。こちらも継続して支援に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 最後になりますが、千葉県柏市の出されている地域包括ケア資料の中にイメージ図がありまして、そこには円の真ん中に高齢のカップルが描かれています。通常は見守る側の視点から作られることが多いのですが、この図は上のほうに「高齢期を誰とどこでどのように過ごすか一人一人が考え選択できる」とあり、そこから順に時計回りに、病気でも家で生活したい、専門職に見守られて安心して介護が受けたい、相談したい、人と話したい、人と会いに行きたい、働きたいというように高齢者の声が主語になって示されています。このように描かれていると、地域包括ケアという概念はとても分かりやすいと感じました。

 これから全庁的に全世代型の地域包括ケアを考えていくことになります。いつでも生活者の側の目線を持ち、このたびのコロナ禍をきっかけに地域支えあいの取組が顔の見える関係という緩やかな近所のつながりをキーワードに進められていかれるように、そして、生涯現役を目指す方々が幸せに力を発揮していただけるまち・中野であるように願い、全ての質問を終わります。

 ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 斉藤議員の御質問にお答えいたします。

 私からは、最初に、新型コロナウイルス感染症拡大における学校教育等への影響についての学校ICT担当部署の新設についてでございます。

 子どもたちが情報化社会を生き抜くためには、学校のICT環境を整備し、子どもたちの情報活用能力を高め、ICTを適切かつ安全に使いこなすことができるようにすることが必要不可欠と考えております。こうした取組を今後より効果的、効率的に推進していくための組織の在り方については、教育委員会での議論を十分に踏まえ、連携して取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、私立幼稚園に対する各家庭への連絡要請についてでございます。臨時休園期間中、私立幼稚園に対して各家庭に連絡するよう要請は行ってはおりませんでしたが、私立幼稚園においても、各家庭へ電話やメール、教材等の郵送、SNS等を活用した動画を配信していたと聞いております。今後とも私立幼稚園の状況を把握しながら、要請が必要な場合は適宜行っていく考えでございます。

 次に、保護者が求職中である子どもの在園についての御質問です。在園児の保護者が離職した場合、退職日から90日以内に就労を開始することが子どもの在園の要件となっております。新型コロナウイルス感染症の影響により求職活動が思うようにいかない場合も想定されることから、求職期間が90日を超える場合は個々の状況に応じて在園期間を延長しているところでございます。今後、各保育所やホームページで周知していく考えでございます。

 学童クラブにおける求職特例対応についてでございます。学童クラブにおきましては、求職に伴う退所の猶予期間を学童クラブ利用基準によって1か月としております。今回の新型コロナ感染症拡大防止の特例対応として解雇、内定取り消し、復職延期等がありまして、入会要件を満たせなくなった場合、6月末日までの求職、育休期間を延長できることとしたところでございます。7月以降の延長につきましては、学童クラブの待機児童等への影響も生じることから慎重に検討していきたいと考えております。

 次に、認可外保育施設に対する補助についてでございます。臨時休園期間中の登園日数に応じて利用者負担額を減額した認可外保育所に対する補助については現在検討しているところでございます。

 新型コロナウイルス対策に関する総合教育会議の開催についてでございます。総合教育会議は、教育大綱の策定のほか、教育振興のために重点的に講ずべき施策等について区長と教育委員会とが協議、調整する目的で設置しております。一方、今般の新型コロナウイルス感染拡大対策に当たっては、刻々と変化する状況を確認しつつ、機敏に対応を決定し実施していくことが求められております。このことから、教育委員会との連携手段としては、日程設定や準備に時間を要する総合教育会議の開催よりも、頻繁に開催しております危機管理等対策会議や健康危機管理対策本部等の会議に教育長や教育委員会事務局幹部が出席し、区長部局と十分に協議、調整を図ることで有効かつ迅速な対策を講じてきたものでございます。総合教育会議は、区長と教育委員会とが区の教育の方向性について議論し、共有できる貴重な場でございます。今後とも、この会議を含め、場面に応じた適切な方法で教育委員会との緊密な連携を図ってまいります。

 最後に、今後の教育大綱改定スケジュールでございます。今後の改定スケジュールにつきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を踏まえ、基本構想の検討素案の一部見直しを予定していることもありますので、改めて調整してまいります。

〔教育長入野貴美子登壇〕

○教育長(入野貴美子) 私からは、新型コロナウイルス感染症拡大における学校教育等への影響についてのうち、学習の遅れの対応についてお答えをいたします。

 各校の優れた実績の共有と相互活用についてでございますが、各校において作成したワークシートや動画などの教材は、学習系情報ネットワーク上に共有フォルダがございまして、学校間、教員間で共有、利用できるようになっております。既に一部の学校では近隣の数校で共同のホームページを新設し、教材等を各校の子どもたちが共有できるようにするなど、協力して取組を進めている実践もございます。教育委員会としましては、これらの成果を上げている事例を全校に周知し、一層各校が相互に活用できるよう働きかけてまいります。

 次に、学習に遅れのある児童・生徒に対しての取組でございますが、これまでと同様に、放課後補習教室や授業における任期付短時間勤務教員の個別指導により一人ひとりの学習状況に応じた指導を行ってまいります。また、現在、タブレットPCやルーターの配布が進み、どの児童・生徒もオンライン学習を行える環境が整いつつありますので、放課後や夏季休業中にオンライン学習が効果的に行われますよう、教育委員会から各校にその活用に関する情報提供や支援を行ってまいります。放課後や夏季休業中の補習を一層充実させるよう、併せて学校に指導してまいります。

 次に、人との交流や体験活動を通して成長していける機会についてでございます。様々な体験活動は子どもたちの豊かな心を育み、健やかな成長に資する貴重な機会であり、今まで以上に重要と認識しております。現時点では、3密になったり不特定多数の方と交流したりするような活動は慎まなければならない状況でございますが、時間差を設け活動する、人数を制限したり児童・生徒の間隔を十分に取ったりするなど、工夫をすることで実施が可能であると考えております。教育委員会としましてもその工夫等について学校に周知してまいります。

 次に、子どもたちと教職員の心身の健康と安全についての御質問のうち、再開前後の配慮や支援が必要な子どもたちへのケアについてでございます。臨時休業中、全ての児童・生徒を対象に学校から週1回の電話連絡を行ったり、学校で個別に面談をしたりして一人ひとりの状況を把握するとともに、相談などにも応じてきております。また、個別に配慮や支援が必要な子どもたちについては、一人ひとりの状況に応じて学校でお預かりするなどの対応を行っていたところでございます。学校再開後は、臨時休業が長期にわたったことから、子どもたちの状況をさらにきめ細やかに把握するとともに、一人ひとりの気持ちに寄り添った指導を第一として取り組んでいるところでございます。また、担任の教員だけでなく、養護教諭やスクールカウンセラー等とも連携、組織的に対応するとともに、必要があれば教育相談室や教育支援室、他機関にもつなげてまいります。

 次に、ICT導入による教員の校務事務の軽減についてでございます。学校における働き方改革の取組の一つとして、既に校務支援システムを導入し、教員の指導用端末も1人1台配備してきております。また、今年度4月からは教員の庶務事務システムも稼働し、出退勤の管理にも活用されております。今後は、校内または区内の学校でネット上に教材を共有することで教材作りの負担を軽減したり、校長会や区内教育研究会等の会議をビデオ会議システムで行うことで出張の負担を軽減したりすることができるよう、既に行っている学校の実践例を紹介してまいります。また、そうした学校の取組を支援するため、ICT機器の活用などに関する研修等も充実してまいります。

〔地域支えあい推進部長鳥井文哉登壇〕

○地域支えあい推進部長(鳥井文哉) 私からは、高齢者政策のうち、まず高齢者に対する時期を逸しないアプローチでございます。

 特に75歳以上の高齢者単身世帯と高齢者のみで暮らす世帯については、外出の自粛による影響が大きいことが推測されるため、早急に生活状況や身体状況を把握し、支援につなぐ必要があると認識してございます。民生児童委員の協力も得ながら、アウトリーチチーム、地域包括支援センター、高齢者会館運営事業者などが連携し、状況把握と支援につなぐ取組を進めるとともに、区内の配食サービス事業者の協力も得まして、見守りと併せて食事、健康づくり、介護予防の支援を行う事業を検討しているところでございます。

 次に、高齢者の特別定額給付金の申請支援でございます。申請手続の支援を必要とする高齢者は多いと認識してございまして、民生児童委員に対してアウトリーチチームとの連携による支援を依頼しているところでございます。今後、高齢者の生活状況や身体状況を把握する取組と併せて必要な支援を行ってまいります。

 次に、多角的な見守りと顔の見える関係づくりのための体制整備でございます。区は、地域支えあい活動の推進に関する条例、これに基づきまして、支援を必要とする方を早期に発見し、地域における支えあい活動を推進するため、町会自治会への見守り対象者名簿の提供を行いまして、地域の皆さんとともに見守り支えあいの活動を推進してまいりました。この取組を引き続き町会自治会、民生委員、児童委員をはじめとする皆様とともにさらに進めていきたいと考えてございます。今後は、見守り支えあい協定の事業者を増やしまして、地域の見守り支えあい活動とつなぐ取組も進めながら、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための新たな生活スタイルへの対応も含めまして、地域における見守りの在り方について検討してまいります。

 次に、生涯学習大学卒業生を地域につなぐ支援についてでございます。なかの生涯学習大学を卒業した方々は様々な領域で活躍していただいてございます。卒業した方々を町会自治会の活動など地域の活動につなぐ出口支援につきましてはさらなる充実が必要と認識をしてございます。こうした現状を踏まえまして、今年度、中野区社会福祉協議会、すこやか福祉センター、アウトリーチチーム、区民活動センターなどの連携による区民公益活動支援の仕組みについて検討を進めます。この中で地域の担い手となる人材が意欲を持って参加できるプログラムとともに、学んだ人材を地域につなぐ支援策についても検討してまいります。

 中野区老人クラブ連合会に対する継続的な支援でございます。中野区老人クラブ連合会は、魅力的な健康、生きがいづくりや介護支援に資する事業を実施し、毎回多くの参加を得ていると聞いてございます。今後も、アウトリーチチーム、区民活動センターや高齢者会館などの連携により支援を行ってまいります。

〔地域包括ケア推進担当部長藤井多希子登壇〕

○地域包括ケア推進担当部長(藤井多希子) 私からは、シルバー人材センターへの支援についてお答えいたします。

 シルバー人材センターは、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律に基づき、職業の安定、その他福祉の増進を図り、経済社会の発展に寄与することを目的として国等の支援を受けながら運営している公益法人でございます。区は、会員募集に対する支援として、区役所1階ロビーでのパネル展や会員募集のパンフレット設置のほか、生涯学習大学の講座の中でシルバー人材センターの活動を紹介するなど宣伝活動の支援を行っております。また、法人自らも区報への広告掲載なども行いながら入会の促進を図っているところでございます。今後も区として様々な形でその運営を支援してまいります。

 以上です。

○議長(高橋かずちか) 以上で斉藤ゆり議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 小 林 ぜんいち

 1 中野区の財政運営について

 2 中野区政のBCPについて

 3 高齢者と子どもへの支援について

 4 中野区のまちづくりについて

 5 その他

 

○議長(高橋かずちか) 次に、小林ぜんいち議員。

〔小林ぜんいち議員登壇〕

○24番(小林ぜんいち) 第2回定例会において公明党議員団の立場で一般質問を行います。質問は通告のとおりで、5番、その他はございません。

 1、中野区の財政運営について。

 初めに、補正予算と予備費についてお伺いいたします。コロナ禍で、議会ではこれまで国や都の給付金や交付金、補助金に関わり、区の支援策を講じた補正予算を全会一致で採択してきました。こうした中で、区は4月、5月に緊急対策事業に多額の予備費を充当しています。緊急性の観点から予備費を充当すること自体に異論を唱えるものではありません。しかし、補正予算は通常定例会中に予算として審議されるものであり、一方の予備費は、災害や衆議院選挙など、当初予算として事前に想定できない事業へあてがうべき予算と考えます。区は、緊急対策を行う財政運営において補正予算と予備費の執行をどのように考え決めているのでしょうか。

 COVID-19、新型コロナウイルス感染症対策の一部を予備費から執行しましたが、事前に内容と予算を議会で審議する時間があったものもあると思います。また、予備費充当に当たっては、中身の見える化を図り、議会への報告を詳細に行うべきではないでしょうか、伺います。

 区は4月末、マイナンバーカードの申請や給付金申請を前に来庁者が急増したことにより、5月に入り庁舎玄関2か所にサーモグラフィーを設置しました。これは23区の中、他の区には実績のない事業で、中野区の他の区有施設には設置していません。機材の購入は5月1日の第2次補正予算の成立後でもよく、なぜ急ぎ予備費を執行したのでしょうか。また、今月から監視と管理を民間に委託する必要があったのでしょうか、併せて伺います。

 東京都は、新型コロナウイルス感染症への追加対策として区立学校等へサーモグラフィーの導入を検討しています。不特定多数の人が集まるその他の高齢者施設をはじめとする区有施設にも導入してはいかがでしょうか、伺います。

 2番目に、今後の予算執行について伺います。SDGsの一番大事な視点は「誰一人取り残されることのない」とバックキャストの考え方だと思います。コロナ禍にあって目先の事業執行に目を奪われがちですが、10年後に目指す姿をさらに明確に示し、長期的な財政運営の上で力強い采配が求められると考えます。令和2年度当初予算の概要で、4年後の令和6年には起債残高は約726億円に達し、基金はマイナス73億円になると示されました。700億を超える起債残高、借金が区政運営に大きな負担となります。世代間の負担の不公平化とならないよう、財政規律の遵守や経常経費化する事業の精査のほか、公債費負担比率を10%以下に抑えるということだけでなく、起債の抑制とその比率抑制もすべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 これまで区が行った補正予算や予備費充当の事業はほとんどが国の政策であり、区民への区独自の支援はないに等しいものです。抜け落ちた部分をカバーするのが基礎自治体の役目ではないでしょうか。事業の業種によっては、国や都の新型コロナ支援策、給付金等の枠に入らない方も多くいます。

 先日、長年区内で行ってきた事業を閉じなければならない方の御相談を受けました。例えば、身体機能維持のためになくてはならないリハビリ施設、整骨院、鍼灸マッサージといった事業者は、身体機能の維持を目的とした施設として給付金枠の対象に入っていない業種です。区は、新しい生活様式のもとで3密を防ぎながら、私たちの身体や日常生活機能を支える事業者に対し区独自の支援を行ってはいかがでしょうか。区民の生活支援を前面に、デリバリーやテークアウトができない事業者へも偏りなく支援を行うべきと考えます。

 新しい生活様式に伴い日常が変わっていく中で、高齢者、障害者の支援の在り方も変わり、まちづくり、環境保護、貧困などの社会的課題を解決していくソーシャルビジネスの参入が予想されています。ソーシャルビジネスには、例えばリモートによる学習支援、動物の預かり、家事代行、買い物送迎などがあります。行政やボランティアだけではなし得ない社会問題に資する事業を継続的に担うため、こうした民間のアイデアを活用した新しい事業、ソーシャルビジネスを行うNPOや事業者に対し、仕組みづくりや財政支援を積極的に行ってはいかがでしょうか、伺います。

 一方、コロナ禍で収入が減少し、区民税や国民健康保険、後期高齢者医療保険、介護保険の保険料の支払いが困難な方からも御相談を受けました。今後、支払い困難者の増加が懸念されます。国民健康保険料の支払い困難者には、減免や保険証に代わる資格証、6か月間の期限つきで短期被保険者証があります。今年4月30日の地方税法改正により、新型コロナウイルス感染の拡大防止に係る徴収猶予の特例制度が始まりました。生活困窮者への住民税の猶予措置や徴収停止などの周知を多くの方々に分かりやすくさらに進めてはいかがでしょうか、伺います。

 また、国民健康保険料を滞納されて資格証明書を交付されている世帯にあっても、新型コロナウイルス感染症に罹患した場合は医療機関への受診が制限されることのないよう、区民に対してその取扱いなどを丁寧に進めてはいかがでしょうか、併せて伺います。

 3番目に、区有財産のアセットマネジメントについてお伺いします。区は、基本計画策定に向け、区有財産全体の跡地活用や整備手法の検討を行うため施設マネジメントを行うとしています。基本計画策定は令和3年度へと大幅に遅れが生じています。今回、新型コロナウイルス感染症の拡大を経験したことにより、施設の廃止や新設など、区有施設の在り方、区の財政運営や区有財産全体を視野に入れたアセットマネジメントは大きく変化すると考えます。コロナ禍で施設マネジメントの考え方はどのように変わるのか変わらないのか、伺います。また、今後の区有施設計画に当たって、既存や廃止予定の施設、新設する施設を含めた地震や風水害の避難拠点の在り方とともに、施設配置や新しい生活様式を踏まえた避難所や緊急的な活用ができる施設として検討を行ってはいかがでしょうか、併せて伺います。

 財政は、予算の編成だけでなく、執行に当たっても財政運営能力が必要であり、現在の区政は俯瞰的な財政運営が行われているとは思えません。停滞している区政、決められない区政、方針が変わる区政を今こそ脱し、区長の強いリーダーシップを発揮すべきときであり、そこに私心があってはならない。「心の師とはなるとも、心を師とせざれ」であると考えます。

 [1]2、中野区政のBCPについて。

 初めに、中野区事業継続計画、BCPに基づいた行動評価についてお伺いします。

 区は、COVID-19、新型コロナウイルス感染の拡大に対し、パンデミック、世界的大流行への対応の判断と対策が遅れたと考えます。例えば窓口での飛沫感染防御板の設置を部署任せにしたり、職員への感染防止の観点から職場環境の確保やモビリティワークへの着手などの危機管理対策です。基礎自治体の責務として取るべき感染症へ全庁挙げての危機管理認識に欠け、俯瞰的な視点に立った思想性ある危機管理が行われておらず、ストーリーのない近視眼的な課題に始終しているように思います。平時には合議制でよいですが、今回のような非常時には区長の内容ある強いリーダーシップが求められます。緊急事態宣言や外出自粛要請を受け、これまでのインフルエンザとは大きく異なる災害に対し、中野区のBCP、事業継続計画は新型インフルエンザ編によって実際の行動ができていたのでしょうか、伺います。

 区のBCPには非常時優先業務の選定や事業継続のための執行体制の整備などが定められています。新型コロナウイルス感染に関して事業選定や体制整備は迅速に行うことができたのでしょうか、併せて伺います。

 BCPの執行に当たって顕在化した課題はどのようなものがあり、その課題をどのように解決していくのか、そして、今後の取組について具体的にどのように進めるのでしょうか、伺います。

 感染症の拡大と震災、風水害が同時に発生する可能性があります。今回の新型コロナウイルス感染を受け、震災、風水害を含めた区のBCP全般を見直し、必要に応じて早急にBCPの改定を行うべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 危機管理の観点からクローズアップされた一つに災害時の避難所の運営があります。災害時に避難所に多くの人が参集すると、いわゆる3密の状態になり、新型コロナウイルス感染のリスクが高まる。このような事態を回避するため、分散避難という取組が提唱されています。そもそも避難所に避難せざるを得ない区民もいますので、避難所の感染症対策は重要です。避難所において感染拡大を防止するためには、避難所を増設し、スペースを確保することや、マスク、防護具など感染対策のための物品の確保といったハード面の対策に加え、誰がどのように感染対策を行うのかといったソフト面での対策も欠かせないと考えます。今後、避難所における感染症対策に関するソフト面での対策を進め、的確に避難所を運営するための訓練、シミュレーションを行うべきであると考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 政府が打ち出した新しい生活様式は、区も基礎自治体として変革の契機として政策をつくるときが来ていると考えます。新型コロナウイルスの感染拡大は収束の方向に向いていますが、昨夜、東京アラートが発動され、第2波の警戒が呼びかけられました。区においても着実に新しい生活様式を広く区民に浸透させていくため、全庁を挙げてどのように取り組んでいくのでしょうか、伺います。

 新型コロナウイルスは完全に制圧することは困難であり、新型コロナとの共存、ウィズコロナ、アフターコロナを見据えた戦略という考えも出てきています。区においても、福祉、教育などのあらゆる区政の領域において新型コロナとの共存を前提とした政策の立案、執行が求められると考えます。新型コロナとの共存という状態になった場合、区政全般における政策の立案、執行においてどのような視点が必要と考えているのでしょうか、伺います。

 次に、新型インフルエンザに係る今後の対策について伺います。今回、COVID-19、新型コロナウイルス感染症患者が発生した東京警察病院、中野江古田病院、総合東京病院は、外来診療を一時休診したため、地域の患者さんの受診できる病院が一時的になくなりました。COVID-19の陽性患者は高齢者で基礎疾患のあった方の重症化が指摘されました。病を抱えた区民はいつどこで受診できるのかと不安が広がりました。また、薬局へ薬の調剤、購入についての問合せが増えたとも聞きます。地域の医療機関で感染症が発生した場合は、感染の拡大防止のため、外来診療の休診や地域の拠点医療施設を一時的に閉鎖せざるを得ません。このような事態が発生したとき、地域における医療の継続のためにどのような取組を進めていくのでしょうか、伺います。

 保健所には、発熱や病院対応など多くの相談電話があり、昼夜を分かたず献身的に対応してくださった保健師さんをはじめ、保健所などの職員の皆様に改めて感謝を申し上げます。

 読売新聞5月11日都民版には、医療現場を陰で支える東京都看護協会の専門看護師が医療現場に派遣され、医療従事者の励ましと作業を協力し合い、労苦を分かち合っている記事が掲載されていました。区は医療従事者の取組を評価すべきと考えます。

 一方で、医療従事者への根拠のない差別と言葉の暴力、バッシングなどのネガティブキャンペーンが区内でも耳にされ、保健所や区に対してもそうした声があったと聞きます。地域からは、防災無線を使った区長自身の名前の連呼の放送に対し、選挙運動をしているのかと先日まで毎日のように御批判をいただきました。区が感染症の発生など未曾有の危機に対処するために強力な首長のリーダーシップを発揮することが不可欠です。今回の新型コロナウイルス感染に関する全庁的な対応について区長はどのような指示を出し、どのように判断し対応を行っているのでしょうか、伺います。

 今後、早期に感染症の拡大防止に係る庁内の連携や危機に対する認識の強弱、想定外の感染症対策を含めた区の組織全体に係る危機管理について、今回の全庁的な行政対応に関する検証を行う必要があると考えますが、いかがでしょうか。また、外部から専門家を入れた客観的かつ専門的な検証を行うべきと考えますが、いかがでしょうか、併せて伺います。

 妊婦からCOVID-19禍でPCR検査を受けられますかと御相談をいただきました。生まれてきた赤ちゃんや立会いの助産師などが新型コロナウイルスに感染するリスクを軽減するため、感染が疑われる症状のない妊婦は自費で検査を受けることになっています。国は、希望する出産間近の妊婦に国が費用を全額補助してPCR検査を実施します。区は、検査を希望する妊婦や助産師に対し、国の制度にのっとったPCR検査を実施してはいかがでしょうか、伺います。

 3、高齢者と子どもたちへの支援について。

 初めに、とうきょうママパパ応援事業で拡充する産後ケアについてお伺いします。

 東京都は、産後家事・育児支援事業として、年間利用上限を拡充し、第1子出産後は60時間、3歳未満の兄、姉がいる第2子以降の出産後には180時間まで補助を予定しています。都の補助事業は今年度から5年時限です。実施要綱によれば、この事業の目的は、出産、子育てに関わる不安を軽減するとともに、各家庭のニーズに応じた支援を妊娠期から子育て期にわたって切れ目なく行うことにより、妊娠並びに乳幼児及びその保護者の心身の健康と保持及び増進を図るとされており、出産直後の産後鬱を防止し、健全な子育てをするために恒久的に必要な支援と言えます。この補助を活用すれば、より質の高いサービスと利用増で母子の孤立を防ぐことが可能になると考えます。利用者にとって利用しやすい適切な利用額の設定とともに、ケア支援者への委託料を増額してはいかがでしょうか、伺います。

 人材育成事業についても都は今回大きく補助を行います。産後ケアの母子保健法の一部改正に合わせ、都の補助も1歳まで産後ケアが受けられることとなり、これまでの倍以上の需要が見込まれ、ケア支援者の人材育成は急務であります。産後ドゥーラは民間資格とはいえ、受講料を支払い、70時間の養成講座を受け、資格を取得しています。都の補助は民間資格の受講費用に充てることもできると聞きます。区民のサポートを受けるドゥーラを増やすため、区としてドゥーラの養成講座を受講する受講者に対し助成を行ってはいかがでしょうか、伺います。

 また、家事支援を含む育児サポーターが適切に支援できるよう、研修会の実施も必要です。年に数回、産後に特有な体と心の変化について学ぶ機会を設けてはいかがでしょうか、併せて伺います。

 2番目に、虐待と孤立を防ぐ子ども、高齢者等への食の支援についてお伺いします。コロナ禍で学校や保育園が休業となり、母親が子どもとずっと一緒にいて三食の炊事が大変と感じている家庭が多いと思います。給食のような安全な栄養価の高い食事を配布できるとよいのですが、貧困だけでなく、虐待防止の意味でも、希望する親子へ週1度でも食事の支援を通じた支援策を講ずるべきと考えます。

 子ども家庭支援センターが、今、支援を必要としている家庭をはじめ、本来子ども宅食を必要とする家庭への支援を開始すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 高齢者の配食と見守りについて、日頃のコミュニティやデイサービスが断たれ、孤立していることで鬱や認知症が進んでいる高齢者が多くいることを実感しています。また、食事もミニデイなどが休止中で栄養が偏ってもいます。新型コロナ収束後も継続できる配食サービスや買い物弱者支援を開始すべきではないでしょうか。見守りや高齢者向けの情報提供の充実を図ってはいかがでしょうか。また、高齢者会館や区民活動センターを活用した熱中症予防の密にならない居場所づくりや地元地域で体操や相談会の実施と、支援対策の一覧を配布するだけでなく、高齢者は対面での相談によらないと分かりづらい方も多いので、アウトリーチチームを中心に特別定額給付金などの相談対応もできる体制を強化すべきではないでしょうか、併せて伺います。

 3番目に、中野区の子ども食堂への支援についてお伺いします。区の子ども食堂への支援の現状は、都の補助金交付の申請窓口となっているだけで、子ども食堂の活性化支援にはなっていません。現在、区内15団体の活動がある中で昨年度この補助金を申請したのは1団体のみで、社会福祉協議会の助成事業には6団体が申請しています。そのほかは民間企業などの助成金を活用しているそうです。今回、コロナ禍にあって必要性は増しており、抜本的な支援体制を見直す必要があると考えます。

 そもそも子ども食堂は貧困家庭だけに届けるものではありません。むしろ子どもの孤食の解消や母子のコミュニティによる不安や育児疲れの解消に役立つと言われています。貧困対策は行政が責任を持つべきであり、以前から私も提案している子ども宅食事業などを行い、子ども家庭支援センターを通じ、要支援の家庭をさらに拾い上げ、把握することで貧困家庭に食の支援を届けることができます。

 社会福祉協議会は区と違い自主事業で活動助成を行っているため、より柔軟な助成事業を行えます。助成事業を一本化し、団体が助成金を活用しやすくすべきと考えます。区は場所や物資の支援を行い、ボランティアの方々の負担軽減につなげてはいかがでしょうか、伺います。

 区は積極的に開催場所の確保や周知などに協力すべきと考えます。兵庫県明石市では、小学校区に子ども食堂を1か所とのスタンスで、小学校や児童館などで開催する子ども食堂もあると聞いています。公共施設であれば衛生面でも支援がしやすいのではないかと考えます。併せて見解を伺います。

 4、中野区のまちづくりについてお伺いします。区は、これまで中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくり、木造密集地域における防災まちづくりなど、着実に歩みを進め、成果を上げてきました。コロナ禍のまちづくりにも新しい生活様式が求められ、区の進めるまちづくりも転換が必要であると考えます。まちづくりは区民の安全・安心、活力のある基盤であることは変わりありません。

 コロナ禍で危惧されることは、基本構想や基本計画策定の延伸により、整合性を図るべき個別計画等の都市計画マスタープランや住宅マスタープラン、福祉施策等の策定の遅れと影響が生じることと考えます。また、グランドデザインに基づく各地区のまちづくりにも大きな影響があると思います。

 新型コロナ収束後も、疲弊した区内経済の浮揚策として公共事業を中心としたまちづくり施策は極めて重要であり、これまで行ってきたまちづくりの歩みを止めることなく、さらなる中野区の発展につなげていかなければならないと考えます。

 募集中の事業計画や規模の縮小など、萎縮した方向に向かわないか懸念があり、新区役所庁舎と区役所・サンプラザ跡地の事業性を確保すべきと考えます。

 区役所・サンプラザに係る中野駅新北口駅前エリア再整備事業は既に募集が始まり動いておりますが、今後の中野駅周辺のまちづくりとスケジュールを区長はどのようにお考えでしょうか、伺います。

 区役所・サンプラザに係る中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画については、コロナ禍で募集期間など要項の変更はあるのか、事業の再検討など見直しはあるのか、今後の区の関与に変更はないのか、区長にお伺いし、私の全ての質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 小林議員の御質問にお答えいたします。

 最初に、中野区の財政運営について、予備費の活用に関する考え方についてでございます。今回の新型コロナウイルス感染症への対応に際しましては、PCR検査センター開設やマスク、消毒液の購入など、区議会で審議するいとまがなく、早急な対応が必要な経費につきましては予備費を活用して対応したところでございます。予備費につきましては、当初予算で想定していない突発的、緊急的な対応をする事案が多く占めることから、あらかじめの議会報告は難しい場合もございますが、事後報告も組み合わせながら必要な説明はしてまいります。

 サーモグラフィー等の検温機器の導入についての御質問です。緊急事態宣言中でございまして、区内での罹患者も確認されていたことから、来庁者の安全安心の確保を目的に区本庁舎における検温を実施することとしまして、必要な検温機器類等について早急な調達を図るため予備費の対応といたしたところでございます。検温は当初5月の1か月を見込み、職員体制によって実施したところでございますが、その後の実施状況等を踏まえ、6月末まで延長することとしました。その際必要な監視管理体制については、庁内体制や先行自治体の事例なども踏まえて警備会社へ委託することとしたものでございます。

 なお、5月11日から5月末までの実績として、検温総件数は延べ約2万人を推計しておりまして、結果、37度5分以上の発熱を検出した3名の方には自粛の要請に協力をいただいたほか、検温等に関する苦情は一件もございませんでした。各区有施設での検温機器の導入につきましては、その施設の利用者数、利用目的、運営実態などの状況に応じて対応を検討してまいります。

 次に、起債の抑制についてでございます。現在、区には、区立学校再編整備、区役所新庁舎建設や中野駅周辺のまちづくり等、財政負担の大きな事業が山積しているところでございます。施設更新経費のピークは令和元年度から令和6年度となっております。こうした一時期に多額の費用を必要とする施設建設などの投資的事業につきましては、基金と起債を計画的にバランスよく活用していく考えでございます。これまでも歳入一般財源の充足が見込める際には起債の活用を抑制していたところでございます。後年度への負担が大きな起債発行については慎重に取り扱い、公債費が区民サービスに影響を及ぼさないよう適切な財政運営を進めていく考えでございます。

 事業者への区独自の支援についてでございます。整骨院や鍼灸マッサージなど医療周辺サービスにつきましては、高齢者のフレイル予防などにも関係しており、区民の日常生活機能の維持に関係性の深いサービスだと認識しております。また、その他の生活支援に関わる事業者も含め、区内の実態の把握に努め、支援の必要性などについて研究をしてまいります。

 ソーシャルビジネス支援についてでございます。区は、従来より区民生活を支える事業を対象として、経営、操業等に対する支援を重点的に行ってきたところでございます。今回国が公表した新しい生活様式でも、区民の皆さんの日常生活を支えるためになお一層の工夫が必要とされているところでございます。ソーシャルビジネスの視点は今後の区民生活や事業の在り方の検討に必要なものであることから、ニーズの変化などを捉えつつ、国の制度等も参考にしながら活動の支援方法等について検討してまいります。

 次に、徴収猶予の特例制度の周知の強化についての御質問です。新型コロナウイルス感染症の発生に伴って納税が困難な方への対応として設けられた徴収猶予の特例制度や納税相談の案内については、既に区報や区ホームページで積極的な周知に取り組んでいるところでございます。今後は、納税通知書に同封するお知らせやSMS――ショートメッセージサービスなどを通じて周知をさらに進めていく予定でございます。

 次に、国民健康保険の資格証明書交付世帯の医療機関受診時等の取扱いについてでございます。国民健康保険料の滞納があり、資格証明書の交付を受けている世帯においても、発熱症状等新型コロナウイルス感染症の発症の疑いのある方が医療機関の帰国者・接触者外来を受診するとき等においては、医療機関を受診する際に窓口で資格証明書の提示によって保険証を提示した場合と同様、負担割合が3割で受診できる取扱いとする旨国から通知されております。区は、この通知に基づいて、新型コロナウイルス感染症に罹患した等の場合には保険証を提示した場合と同様の取扱いとしております。このことにつきましては、区のホームページで周知するとともに、電話や窓口における納付相談においても説明をしてまいります。

 次に、区有施設マネジメントについてでございます。今般の社会経済情勢の変化は、これからの行政や地域活動の在り方に大きく影響を及ぼすものと考えており、区有施設整備の考え方につきましても改めて見直す必要があると考えております。見直しに当たりましては、区財政の長期的な見通しや災害時における避難拠点としての活用、新しい生活様式への対応など、新たな視点を持ちながらこれからの施設の在り方を検討してまいります。

 中野区政のBCPについてでございます。

 まず初めに、BCPの実施についてでございます。本年4月7日の緊急事態宣言を受けて、区では直ちに中野区新型インフルエンザ等対策本部を立ち上げるなど、区が一体となって対応できるよう体制を整備したところであります。また、緊急事態宣言によってBCPである中野区事業継続計画と感染症への対応の具体的な措置を定めた中野区新型インフルエンザ等対策行動計画を併せて発動したところであります。

 こうした対応のもと、各部においては、事業継続計画に基づいて区民生活への影響を可能な限り避けることを念頭に、通常業務の休止や実施規模の縮小を適宜行うことと併せて、中野区新型インフルエンザ等対策行動計画に基づく応急対策業務を的確に実施したものと認識をしております。

 BCP実行時の課題認識と今後の取組についてでございます。中野区政のBCPに関わる新型コロナウイルス感染症の対応につきましては、新型インフルエンザ編を発動したところであります。今回の感染症では、仮に来庁者やある職場から職員の罹患者が発生した場合、クラスターにつながるおそれや職場や庁舎の閉鎖といった事態が想定されることが明らかになりました。今回の経験をもとに、感染症の拡大に伴う様々な状況においても行政機能が停滞することがないよう対応策を検討し、中野区政のBCPに反映するなど改善してまいります。

 BCPの見直しについてでございます。中野区政のBCPは震災編及び新型インフルエンザ編により構成されておりますが、感染症拡大と大規模災害の複合災害が発生した場合を想定した内容について見直しも検討してまいります。

 避難所運営訓練等の実施についてでございます。現在、避難所における感染症拡大防止対策などを新たに盛り込んだ避難所運営マニュアルの改訂を検討しております。今後、改訂内容を踏まえ、必要な職員訓練や避難所運営訓練を推進してまいります。

 新しい生活様式の今後の取組及び周知についてでございます。区民が安心安全に生活できるよう、国が示している新しい生活様式を分かりやすく伝えていくことは区の重要な役割であると認識しております。様々な媒体や区で行っている事業などを通じて広く区民に周知してまいります。

 次に、コロナとの共存を見据えた施策の立案、執行の視点についてのお尋ねでございます。新型コロナウイルスと共存する生活は避けられない状況にあり、人々の価値感も地域社会の在り方も大きく変化していくと認識をしているところでございます。今後の施策の立案に当たりましては、感染拡大防止と区内経済の活性化の二つのバランスを考えながら、的確なニーズ把握と将来に向けた新たなシナリオを書いていくことが必要であると考えております。

 地域の医療機関が閉鎖した場合の取組についてでございます。病院などの医療機関におきまして新型コロナウイルスの院内感染などが発生した場合は、原則として、一定の期間、外来診療や救急患者の搬送受入れなどを停止することになります。このような事態が発生したときに、区は地域医療の確保に向けて、区医師会や近隣病院等に個別に患者の受入れ協力を要請しておりますが、今後は、糖尿病や脳卒中等、医療法に基づく区西部保健医療圏のネットワークによる相互のサポート体制について東京都に提案をしてまいります。

 感染症拡大における全庁的な対応についてでございます。感染拡大及びそれに伴う経済の低迷を抑制することを目的とした全庁的な対応を行うため、状況に応じ兼務職員による応援体制の整備はもとより、各種緊急経済対策や区民生活支援策など、その都度必要な対応を図ってきたと考えております。新型コロナウイルス感染症への対応について得られた経験を今後の危機発生時においても十分に活用していくとともに、より全庁的な対応が図られるよう専門的な知見を取り入れることも含めて検討してまいります。

 次に、妊婦や助産師に対するPCR検査の実施についてでございます。国が、妊婦に対するPCR検査の実施に向けて令和2年5月27日付で通知を発出したことは承知しております。妊婦がPCR検査を受けることは新生児や助産師の感染リスクを低減させるメリットがあると言われておりますが、一方では偽陽性、偽陰性の問題や陽性と判断された場合の分娩体制の確保、さらに母子のフォローアップの在り方など、検査を実施するに当たっての課題も複数ございます。今後、区は、他自治体の取組など必要な情報を収集しながら、区医師会や帰国者・接触者外来を持つ医療機関などとPCR検査の在り方を検討してまいります。

 次に、中野区のまちづくりについて。

 最初に、中野駅周辺のまちづくりとスケジュールについてでございます。中野駅周辺のまちづくりは、東京の新たな活動拠点として区の持続可能性を牽引するものであり、駅を中心とした基盤整備や各地区の開発事業が現在進んでおります。今回の新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、中野駅周辺まちづくりにおいても、状況を踏まえた対応やさらなる知恵が必要であると認識しておりますが、これまでに区が示した基本的な方針やスケジュール観を見直すことは考えておりません。目指すべき将来像を実現し、これまでの成果を中野のさらなる発展につなげるため、立ち止まることなく着実に取り組んでいく考えでございます。

 次に、新北口駅前エリア民間事業者募集の変更、見直しについてでございます。新北口駅前エリア拠点施設整備の民間事業者募集、選定スケジュールについては、緊急事態宣言の発令、継続により応募受付以降の手続を延期しておりました。5月25日の緊急事態宣言の解除を踏まえて、今後、募集、選定手続を速やかに再開する予定としております。

 新北口駅前エリア拠点施設整備は再整備事業計画に基づき進めることとしており、事業計画の内容や区の関与についての考え方はこれまでと変わってございません。なお、事業者決定後、社会情勢等を踏まえつつ、事業の詳細について検討を進め、事業計画案を作成することとなります。

〔地域支えあい推進部長鳥井文哉登壇〕

○地域支えあい推進部長(鳥井文哉) 私からは、高齢者と子どもたちへの支援についてのうち、まず産後ケア事業における利用者負担額と委託料の設定でございます。区は、安心して子育てができる支援体制を確保するため、妊産婦の自宅に訪問して支援する事業として、ケア支援者派遣事業及び産前産後家事支援事業を実施しているところでございます。新たに東京都が補助事業として行います産後家事・育児支援事業は、利用者負担の軽減を想定したものではございますが、利用者の負担額や委託料の増額は区市町村の判断となっていることから総合的に検討してまいります。

 次に、家事育児サポーターの人材育成でございます。現在、区のケア支援者派遣や産前産後家事支援事業は産後6か月までを対象としてございますが、法改正後の産後ケアや東京都のとうきょうママパパ応援事業の産後家事・育児支援事業は1歳までを対象としてございまして、今回の都の補助を活用した場合、御指摘のとおり、需要の拡大が見込まれるところでございます。家事育児サポーターを対象とした研修会の実施につきましても補助対象となってございまして、今後示される予定の東京都の交付要綱等を踏まえて適切に補助制度を活用してまいります。併せて御提案のような研修の実施につきましても検討してまいります。

 次に、新型コロナ収束後も継続できる食事サービスや買い物弱者支援でございます。高齢者の単身世帯や高齢者のみで暮らす世帯を対象として、配食サービス事業者の協力を得て、見守り、健康づくり、介護予防支援を行う事業を検討しているところでございます。配食サービスと併せて、地域情報や健康づくり、介護予防関連情報の提供なども行うことを予定してございます。買い物弱者の支援につきましては、この事業を実施しながら、高齢者の状況やニーズ等を把握した上で検討したいと考えてございます。

 次に、熱中症予防等の居場所づくりと特別定額給付金の相談、対応でございます。高齢者会館や区民活動センターを活用した熱中症予防のための居場所づくりなどの実施に当たりましては、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐためのガイドラインに沿いまして、手洗いやせきエチケットなどを徹底するとともに、密閉、密集、密接を避ける条件や環境を整えてまいります。特別定額給付金などの相談、対応等につきましては、申請に支援が必要な高齢者が多くいらっしゃることから、民生児童委員の協力を得ながらアウトリーチチームを中心とした支援を行うことを予定してございます。

〔子ども家庭支援担当部長小田史子登壇〕

○子ども家庭支援担当部長(小田史子) 私からは、高齢者と子どもへの支援についての御質問のうち、子どもの宅食、配食の関係と子ども食堂の御質問にお答えいたします。

 初めに、支援が必要な子育て家庭への配食事業についてでございます。子ども家庭支援センターでは、支援が必要な家庭に対して、養育支援ショートステイの利用や養育支援ヘルパーの派遣といった子育て支援サービスを行うことで保護者の負担軽減を図るなどの取組を行ってきたところでございます。今後、これらの子育て支援サービスに加えて、多様なサービス提供のために、相談支援を継続している家庭をはじめ、配食が必要と考えられる家庭に対する配食事業の実施を検討していきたいと考えております。

 次に、子ども食堂に対する御質問でございます。まず、子ども食堂への助成金手続等の支援の在り方についてでございます。子ども食堂には、困難な状況にある子どもたちへの支援を中心に活動するという場所のほか、地域の交流拠点を設けようとするものなども形態があるというふうに認識してございます。助成金手続などの負担軽減を図るために、事務事業の一本化を検討するとともに、区が行います物資の提供、活動場所の支援等の在り方につきましても、支援団体へ必要な支援を機動的に行うため、様々な観点からの検討が必要であると考えております。

 最後に、開催場所の確保の協力についてでございます。中野区内の子ども食堂は、現在、区民活動センターや高齢者会館、高齢者施設、民間施設などを活用して活動を行っておりますが、区立施設の優先利用についての御希望が多く寄せられているところでございます。こうした団体の声を受け止めながら、よりよい活動場所を確保するための支援策を検討してまいります。

○議長(高橋かずちか) 以上で小林ぜんいち議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 若 林 しげお

 1 危機管理体制について

 2 コロナショックを契機とした人材活用の新たな考え方について

 3 その他

 

○議長(高橋かずちか) 次に、若林しげお議員。

〔若林しげお議員登壇〕

○21番(若林しげお) 令和2年第2回定例会において、自由民主党議員団の立場から質問をさせていただきます。

 まず初めに、未曾有の新型コロナウイルス感染症の拡大の中、全てのエッセンシャルワーカーの皆様に心から敬意と感謝を申し上げます。また、新型コロナウイルスによりお亡くなりになった方の御冥福をお祈りするとともに、感染された方々の一日も早い回復をお祈りいたしております。

 まず初めに、中野区の危機管理体制について伺います。

 新型コロナウイルスの脅威が続く中、懸念されるのは自然災害の発生です。区民が身を寄せる避難所は3密になりやすく、集団感染の発生が懸念されます。東日本大震災や熊本地震でもインフルエンザやノロウイルスの集団感染が発生しました。今回のコロナ禍のもとで風水害や災害が起きたことを想定して対策を講じられていないのが現状であります。区内の小・中学校は大半が避難所に指定されており、大勢の避難者が体育館に身を寄せて雑魚寝をするといった旧来の避難生活の改善が急務になっております。避難者の間隔を確保すると、避難所の収容人数が大幅に削減されることとなります。

 そこで、お伺いします。基本的には住居に問題がなければ自宅待機を周知しておくこと、足りない収容スペースに対しては、現在指定されている避難所とは別に新たに確保すべきと考えます。また、災害に対して不安を抱えている方へのケア体制の構築が必要であると考えますが、区の見解をお聞かせください。

 コロナ禍においては、健康な方と感染の疑いがある方の生活空間を区別すること、感染症の陽性者専用避難スペースが感染拡大防止の観点から必要であると考えます。早急に新たな避難所確保が難しい場合、現在の避難所である体育館だけでなく、ほかの教室の活用なども検討すべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 避難所受付の際、発熱やせき、味覚の有無などの確認、非接触型体温計などを使い、避難者フロアを健康な方と疑いのある方で分けなければなりません。そこに携わる方は防護衣やゴーグルを着用することが必要であると考えます。文京区に避難所開設キットがあります。災害が起きた直後の混乱や人員不足を想定し、参集した誰もがちゅうちょなく実働できることを目的としています。その開設キットには発災後3時間程度の行動を想定しています。避難所開設の前段から開設後初期段階までの行動手順書や各種掲示板等が収納されています。これを参考に中野区の避難所開設キットを導入すべきと考えます。中野区の避難所は指定されているのですから、その場所、その環境に合った開設を各避難所個別に実際の写真や図面などを加え具体的に作成していくべきと考えます。区の見解をお聞かせください。

 さらに、3密を避けるための対策は二次避難所に対しても必要です。避難所生活を続けることが困難になった高齢者、障害者など、感染リスクの高い方々の避難される場所の開設も併せて考えるべきです。加えて、ネッツトヨタ中野店や大学のキャンパス、都立高校など、帰宅困難者一時滞在施設への対応も必要です。区の見解をお聞かせください。

 次に、風水害について伺います。梅雨の時期が近づき、近年のような大型台風も想定しなければなりません。複合災害に備え、できる限り自宅待機を進め、自主避難される場合は、マスク、タオルなど感染拡大防止のためのグッズを各自持参の上、避難されることを事前に周知しておくことが必要であると考えます。区の見解をお聞かせください。

 また、昨年10月12日に台東区が設置した自主避難場所を訪れた路上生活者が受入れを断られるという事案がありました。中野区としては一時避難所において路上生活者に対しどのような対応を取るか、お聞かせください。

 次に、中野区地域防災計画について伺います。毎年検討を加える必要があると認めたときには修正できると記載があることから、複合災害を盛り込んだものを早期修正すべきと考えます。区の見解をお聞かせください。

 また、今年度中改定の中野区地域防災計画第22次を作成する場合のスケジュールをお聞かせください。

 様々申し上げてまいりましたが、今回の新型コロナウイルスのような感染症の危機管理体制はあまり重視されていなかったように感じられます。危機管理課があるものの、主に風水害や震災などの災害に対応している体制しか取られておりません。今回のコロナ禍の緊急事態では、健康危機管理対策本部は健康福祉部から立ち上がり、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策推進室においては責任者が企画部長になっております。このようなときだからこそ危機管理担当が担うべきです。今回、感染症対策のみならず、テロなどの犯罪、危機発生時には危機管理部門の責任者が先頭に立ち、区の最優先事項として全庁的な調整を行い、様々な事態に的確に対応していく体制が必要不可欠であると考えます。人事、組織、予算など、緊急時に危機管理部門の責任者が迅速に対応でき、実行力のある体制を整備すべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 区民の財産と生命を守るために早期対応を望み、この項の質問を終わります。

 次に、コロナショックを契機とした人材活用の新たな考え方について伺います。新型コロナウイルス感染拡大防止を目的として、職場における密集を緩和するため、中野区においても在宅勤務を実施しました。自宅で仕事をこなすものには限りがあったと考えますが、そんな中行われた在宅勤務の成果はどのようなものがありましたか、お聞かせください。

 緊急事態宣言が解除されても、新型コロナウイルスと共存していく環境を模索していかなければなりません。感染症との戦いは長期化すると思われ、区職場環境にも影響してくると考えます。区は、在宅勤務のツールの一つとしてテレワークを考えていると聞いています。昨年12月4日にシステム障害が発生いたしました。サーバーダウンした状況でメール、ホームページが使えなくなった際、区職員の仕事への影響、対応をお聞かせください。

 今回、在宅勤務ではほぼICTが使えないということを聞いております。この状況下での仕事への影響をお聞かせください。

 この二つの問題において、情報システムの危機管理BCPがどのように機能し、対応したか、また、今後の対応方針をお聞かせください。

 在宅勤務の成果があったのか、仕事に支障が出てリモートワークを進めなければいけないのか、セキュリティ対策は大丈夫なのか、また、システム障害が起きたとき大丈夫なのか、しっかりと検証し、ICT-BCPを策定し、テレワークを進めていくべきと考えます。どちらにせよ、今後の仕事のスタイルとして在宅でもできる仕事の仕分けが必要になってくると考えます。ほかにも、時差出勤、土曜日出勤、3密を避ける方法があると考えますが、どのように検証されていますか、区の見解をお聞かせください。

 次に、緊急時の人事配置について伺います。新型コロナウイルス感染症拡大を防止するために事業の中止や延期などを行っているため、それに携わる職員の手があいていたのではないかと考えます。こうした中だからこそ、職員の中で臨機応変に人事配置を行い、新型コロナウイルスの対応で忙しくなった職場への応援体制を構築することができるのではないかと考えます。今後、第2波、第3波の感染症拡大に備え、今回の人事配置を参考にし、必要な人員配置を想定し、備えておくべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 我が会派から再三質問させていただいたとおり、財政難を迎えるに当たり、少しでも歳出を抑えていかなければなりません。会計年度任用職員をすぐに採用するのではなく、まず常勤の職員による応援体制で対応できないのか、検討すべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 中野区職員の人材活用をフルに生かし、区民へのサービス向上につながっていくことを願い、私の全ての質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 若林議員の御質問にお答えいたします。

 最初に、危機管理体制について、避難所の拡充についてでございます。現在、災害時における区の避難関連施設は、指定避難所のほか、避難所未指定の私立学校やホテルなどが帰宅困難者の一時滞在施設や小災害発生時の避難者の受入れ施設として計画されており、新たに避難所として活用が見込める施設の確保は困難な状況にございます。被災者への不安解消については、災害情報や避難情報をはじめ、避難所の開設情報など様々な情報を積極的にホームページやツイッター等で発信することで区民の不安解消に努めていきたいと考えております。

 次に、避難所の教室活用についてでございます。避難所における新型コロナウイルス感染症対策につきましては、密接、密集による罹患やクラスター化を防ぐことが重要であると認識をしております。今後の避難所運営におきましては、避難スペースを広く確保するため、風水害時には区民活動センターに加えて学校やすこやか福祉センターを災害初期から開設するなど、より多くの避難所の開設を考えております。また、震災時は、避難所の設置、運営に当たって、体育館はもとより、校舎の一部活用も含め、避難所1人当たりの面積を広く確保することなどについて検討しているところでございます。

 各避難所に応じたマニュアル整備についてでございます。現在、避難所における感染症拡大防止対策などを新たに盛り込んだ避難所運営マニュアルの改訂を検討しております。避難所運営マニュアルの改訂に当たって、各避難所の環境などを踏まえ、誰もが容易に開設、運営できるように写真や図面を盛り込むなどの工夫を行うとともに、他区の避難所開設キットなどを参考に避難所開設用品の整備を検討しているところでございます。

 二次避難所や帰宅困難者一時滞在施設の対応についてでございます。避難所と同様に、二次避難所や帰宅困難者一時滞在施設においても密接、密集による罹患やクラスター化を防ぐことが重要であります。二次避難所には高齢者や障害者など感染リスクの高い方々が避難することが想定され、帰宅困難者一時滞在施設には、老若男女を問わず、不特定多数が避難することが考えられることから、それぞれの施設に見合った避難スペースの確保等について検討してまいります。

 次に、避難行動についてでございます。新型コロナウイルス感染症におきましては、避難所の密集や密接による罹患やクラスター化を防ぐことが重要であることから、災害時の避難行動について、在宅避難や親戚、友人宅への避難の有効性を広く区民に周知していきたいと考えております。また、避難所での手洗いやせきエチケットの励行やマスク着用など、感染予防で必要なタオルやマスクの持参についても区民に呼びかけてまいります。

 次に、路上生活者の避難についてでございます。路上生活者の受入れにつきましては、災害対策基本法の基本理念に基づき行っているところでございますが、臭いなどにより他の避難生活に支障を及ぼす場合には避難スペースを分ける等の配慮を行うこととなると考えております。

 次に、BCP及び中野区地域防災計画の修正についてでございます。中野区地域防災計画の修正に当たっては、今回の新型コロナウイルスの経験を踏まえて、複合災害への対応など必要な修正を行っていく考えでございます。また、中野区政のBCPについても必要な見直しを検討してまいります。中野区地域防災計画の修正につきましては、今年度中に計画案までの策定を予定しておりますが、できるだけ早期に修正内容を検討してまいります。

 次に、実行力のある危機管理体制の整備でございます。新型コロナウイルス感染症対策に当たりましては、危機管理等対策会議を通じて危機管理課が中心となって全庁的な調整等を行うよう変更してきたところでございます。その他の危機が発生した場合も含めて、人事や組織については職員課、予算については財政課が所管となりますが、全庁的な調整は危機管理等対策会議を通じて行うことで部門間の横断的な調整を行っているところでございます。

 次に、在宅勤務の成果についてのお尋ねでございます。在宅勤務の実施に当たりましては、会議資料や仕様書の作成、各種計画案の検討など、自宅でも実施可能な業務が1日分以上ある場合に各職場や職員の状況に応じて実施しているところでございます。職場の密集を緩和するため、在宅勤務や週休日の振り替え等を行った結果、職員の平日の出勤率を約60%から70%程度にまで低減できており、感染拡大防止の一助になったと考えております。

 システム障害による区職員の仕事への影響と対応についてでございます。昨年12月のシステム障害発生時には区のホームページがダウンし、同時にグループウエアも停止したことで外部とのメールのやりとりもできなくなりました。区のホームページの代替として、障害の影響のなかった図書館のホームページを活用して緊急性のある情報を掲載し、メールの代替手段としては電話やファクス、郵便で行うなどの工夫を行っておりましたが、区民の皆様に迅速かつ十分な情報が伝えられず、加えて職員の大幅な事務効率の低下も招く事態となりました。

 次に、システム障害発生時の在宅勤務への影響でございます。現在の在宅勤務は区の情報システムを使用できない環境で実施しているため、実施できる業務の範囲も限られて、実施方法にも制約があります。職場と自宅の間でメールのやりとりをする必要がある場合に、区のグループウエアがシステム障害により使用できない場合には業務に支障が出る可能性もありますが、他の手段で連絡を取る等をすれば大きな影響はないと考えられます。

 情報システムのBCP対応方針についてでございます。情報システムのBCPにつきましては、現在あるのは震災とパンデミック対応のものでございまして、システム停止を想定したBCPは策定されておりません。昨年度の大規模障害を受けて、今年度中を目途として、システムが停止した際を想定したICT-BCPを策定したいと考えております。策定状況につきましては、今定例会でも現在の状況をお示ししてまいりたいと考えております。

 次に、テレワークの推進と時差出勤等の検証でございます。自宅等の庁舎外から区の情報システムにアクセスできる環境を構築することで、電子決裁やメールチェック、ウェブ会議なども可能となり、自宅等で実施できる業務が大幅に増えることになります。一方で、システム障害が発生した場合には自宅で実施しようとしていた業務が予定どおり実施できなくなるため、その場合の対応も含めて事前に検討しておく必要があると考えております。

 職場における3密を避けるため、在宅勤務のほか、週休日の振り替えや時差勤務等を各職場や職員の状況に応じて組み合わせて取り組んでいるところでございます。そうした取組によって職員の出勤率を抑え、職場の密集の緩和につながったと認識をしております。個々の取組の実績や効果については今後検証してまいります。

 新型コロナウイルス対策の応援体制についてでございます。新型コロナウイルス感染症への対応として、これまでも全庁的に各所属の業務の繁閑や組織の規模に応じて兼務職員による応援体制を組むなど、臨機応変に対応してきたところでございます。

 今後の感染拡大を想定した人員配置についてのお尋ねでございます。今後も第2波、第3波を想定した応援体制を迅速に組むことができるよう、連携協力体制の準備を行ってまいります。

 最後に、常勤職員による応援体制についての御質問でございます。補助的業務に従事する会計年度任用職員は、一時的な繁忙期対応や欠員補助等により、業務の内容や量、必要な期間などから、常勤職員を配置するよりも効率的な場合などに採用しているものでございます。新型コロナウイルス感染症への対応に関する会計年度任用職員についても、軽作業等の補助的業務の増加が一定程度見込まれることや期間が限定的であることなどから活用していきたいと考えております。

○議長(高橋かずちか) 以上で若林しげお議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

午後5時34分延会

 

 

 

会議録署名員 議 長 高橋 かずちか

       副議長 平山 英明

       議 員 斉藤 ゆり

       議 員 高橋 ちあき