令和2年09月11日中野区議会本会議(第3回定例会)
令和2年09月11日中野区議会本会議(第3回定例会)の会議録

.令和2年(2020年)9月11日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(41名)

  1番  市  川  しんたろう       2番  竹  村  あきひろ

  3番  日  野  たかし         4番  渡  辺  たけし

  6番  河  合  り  な        7番  斉  藤  ゆ  り

  8番  立  石  り  お        9番  羽  鳥  だいすけ

 10番  高  橋  かずちか       11番  加  藤  たくま

 12番  吉  田  康一郎        13番  木  村  広  一

 14番  甲  田  ゆり子        15番  内  野  大三郎

 16番  杉  山     司       17番  ひやま      隆

 18番  小宮山   たかし        19番  い  さ  哲  郎

 20番  小  杉  一  男       21番  若  林  しげお

 22番  内  川  和  久       23番  いでい   良  輔

 24番  小  林  ぜんいち       25番  白  井  ひでふみ

 26番  いながき  じゅん子       27番  山  本  たかし

 28番  中  村  延  子       29番  石  坂  わたる

 30番  近  藤  さえ子        31番  浦  野  さとみ

 32番  大  内  しんご        33番  伊  藤  正  信

 34番  高  橋  ちあき        35番  平  山  英  明

 36番  南     かつひこ       37番  久  保  り  か

 38番  森     たかゆき       39番  酒  井  たくや

 40番  むとう   有  子       41番  長  沢  和  彦

 42番  来  住  和  行

.欠席議員(1名)

  5番  間     ひとみ

.出席説明員

 中 野 区 長  酒 井 直 人      副  区  長  白 土   純

 副  区  長  横 山 克 人      教  育  長  入 野 貴美子

 企 画 部 長  高 橋 昭 彦      総 務 部 長  海老沢 憲 一

 危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝 瀬 裕 之    区 民 部 長  青 山 敬一郎

 地域支えあい推進部長 鳥 井 文 哉    健康福祉部長  岩 浅 英 樹

 保 健 所 長  向 山 晴 子      環 境 部 長  朝 井 めぐみ

 企画部企画課長(企画部参事事務取扱) 石 井 大 輔    総務部総務課長  浅 川   靖

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  長 﨑 武 史      事 務 局 次 長  小 堺   充

 議事調査担当係長 鳥 居   誠      書     記  立 川   衛

 書     記  若 見 元 彦      書     記  野 村 理 志

 書     記  鎌 形 聡 美      書     記  松 丸 晃 大

 書     記  細 井 翔 太      書     記  有 明 健 人

書     記  五十嵐 一 生      書     記  髙 橋 万 里

 書     記  本 多 正 篤

 

 議事日程(令和2年(2020年)9月11日午後1時開議)

日程第1 認定第1号 令和元年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

     認定第2号 令和元年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第3号 令和元年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第4号 令和元年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第5号 令和元年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について

日程第2 中野区の財政の健全化判断比率の報告

追加議事日程

日程第3 第81号議案 令和2年度中野区一般会計補正予算

日程第4 第81号議案 令和2年度中野区一般会計補正予算

 

午後1時00分開議

○議長(高橋かずちか) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 若 林 しげお

 1 コロナ禍における高齢者支援について

 2 新しい生活様式における地域活動について

 3 地域経済活性化について

  (1)マイナンバーカードを活用した自治体ポイントについて

  (2)その他

 4 その他

 

○議長(高橋かずちか) 最初に、若林しげお議員。

〔若林しげお議員登壇〕

○21番(若林しげお) 令和2年第3回定例会において、自由民主党議員団の立場から質問をさせていただきます。

 まず初めに、未曾有の新型コロナウイルス感染症の拡大の中、皆様の命を守るために、我が身を顧みることなく献身的に尊い使命と責任を果たしていただいていらっしゃるエッセンシャルワーカーの皆様に、心から敬意と感謝を申し上げます。一日も早く、新型コロナウイルスを恐れることない社会の構築を願い質問をさせていただきます。

 質問は通告のとおりで、1番、コロナ禍における高齢者支援について、2番、新しい生活様式における地域活動について、3番、地域経済活性化として、マイナンバーカードを活用した自治体ポイントについて、4番、その他はありません。

 初めに、コロナ禍における高齢者支援について伺います。

 政府は、新型コロナウイルス感染症対策強化のため、予備費から約1兆6,000億円を充てる方針を固めました。その中には、自治体が発熱など症状がない高齢者などに独自の検査を行う場合、費用の半額を補助するものというものが盛り込まれております。区としても、最新情報を取り入れ、高齢者支援に取り組んでいただきたいと思います。

 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、不要不急の外出は避けるように促されている中、高齢者を対象としたイベントも軒並み延期や中止となり、日課の散歩や買い物、友達との外食などを自粛されている高齢者が多く見られます。新型コロナウイルス感染症に対する不安に駆られ、外出を極端に控え、自宅にこもりきりという生活が長期化すると、活動量が低下し運動不足や孤立状態など負のスパイラルに陥ることが懸念されています。日頃利用されている通所介護施設、訪問介護サービスを自粛されているケースなどが見られ、コロナ禍以前の生活の状態に戻すことが今後の課題ではないかと考えております。

 中野区は、コロナ禍における高齢者施策の必要性を認識し、さらなる支援を行うことが求められております。介護を必要とされる高齢者がサービスを安心して受けられるため、サービスを提供する側である介護従事者の体調管理が必要であると考えます。東京都からは、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの施設を対象にPCR検査などの費用を助成することが示されています。一方、介護保険施設以外のデイサービスや訪問介護など居宅サービスの従事者の方々についても、求めればPCR検査が受けられるような環境整備が必要です。区の見解をお聞かせください。

 特別養護老人ホームやグループホームなどが、入居者の感染を防ぐため家族の出入りを制限されている場合があります。そのような場合には、ITなどを活用し、家族とのつながりを切らないサービスをすべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 次に、居宅サービスが余儀なく閉鎖された場合においては、利用者や家族とのコミュニケーションが絶たれないよう、訪問、IT活用など一定のモデルを掲示し、協力を促す必要があると思いますが、区の見解をお聞かせください。

 また、居宅サービスを受けている対象者の家族が、新型コロナウイルスに感染し、入院や隔離を余儀なくされた場合、サービスを受けられている本人の生活が不安であるとのことです。家族の方が感染された場合、自宅に残された高齢者の保護施設確保が必要であると考えますが、区の見解をお聞かせください。

 介護サービスを受けられていない元気な高齢者のイベント等が中止になり、外出の機会が減っているのが現状です。徐々に地域活動が再開する中、新型コロナウイルス感染をおそれ外出を控えていらっしゃる方、本人は出て行きたくても家族に止められている方もいます。そのような高齢者の見守りとして、アウトリーチチームの方々の活躍が求められます。健康状態の確認や、きちんと体を動かしていただけるよう地域活動に誘導していただきたいと思います。また、家族の方にも安心していただけるような環境づくりが必要です。

 一人暮らしの高齢者の方々も心配です。さきに述べたように、重症化しやすい高齢者が新型コロナウイルスに感染することはもちろん心配ではありますが、感染をおそれ外出を控えたり、体を動かすことが極端に減少すると、食が細くなり健康管理できなくなり、フレイルのリスクが高まります。コミュニケーションがなくなることによる認知症の進行も心配です。引きこもることによる負の連鎖が懸念されます。決算特別委員会でも予算特別委員会でも質問させていただいたとおり、残念ながらアウトリーチチームの活動が我々に見えておりません。このようなときだからこそ、アウトリーチチームが活躍すべきと考えます。コロナ禍において、現在までのアウトリーチチーム活動の内容についてお聞かせください。

 高齢者が安心して日常を取り戻せるよう、高齢者の方々が少しでも外へ出て、コミュニケーションを取り戻していただきたいと考えます。見守り対象者名簿の更新が9月中と聞いております。名簿の活用や地域の皆様方の御協力も得ながら、アウトリーチチームが先頭に立って高齢者支援に取り組むべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。我々としても、アウトリーチチームの存在が見えず、今後の活動をしっかりと見させていただきたいと思っております。

 次に、新しい生活様式における地域活動について伺います。

 高齢者の方々だけにかかわらず、地域のイベントが軒並みに中止となっております。特に子どもたちが楽しみにしているイベントの中止に地域の方々が心を痛めております。地域活動の衰退を招かぬよう、日常の生活を取り戻し、地域活動が元どおりになるような対策が必要であると考えます。地域イベントをどのようにすれば開催できるのか、特に屋外行事を行うに当たり、行事に応じてどのぐらいの規模ならいいのか、3密を避ける環境づくりのための具体的な対策など、いろいろなパターンを示し、それを参考とすることにより行事が開催しやすくなるのではないでしょうか。

 中野区は令和2年7月に、区民公益活動団体向けの新型コロナウイルス感染症対策のガイドラインを作成しております。ここに示されているものは、感染予防として、手洗い、消毒、体調管理や熱中症対策などが記載されております。また、主に屋内での机や椅子の配置、ソーシャルディスタンスを保つ方法などが記載されております。

 そこで伺います。次の段階として、行事に合わせた感染防止やモデルとなるような事例など、屋内、屋外に分け、開催者が行事を行うときに確認できるチェックシートなどを作成してみてはいかがでしょうか。区がこうしたチェックシートや事例などを示し、地域の方々に、行事、イベントを元どおりに率先して進めていただけるよう促すべきと考えます。区の見解をお聞かせください。

 また、それだけでは分かりにくいと言われる方のために、様々なケースで行われる地域活動の事業計画、周知など、段階で相談できる窓口を開設すべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 また、地域活動において必要なのが、区民への情報周知になります。新型コロナウイルスの感染拡大防止対策が強く言われたこの4月、町会の掲示板には、中野区から依頼された感染予防に関するチラシが掲示されました。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、従来の回覧板は中止にしている町会も多い中、この町会の掲示板は、多くの区民に見ていただけるため重要性は以前よりも増しております。そもそも区の掲示板が増えていることを考えれば、町会掲示板の維持管理は区がやるべきことだと思っております。

 その町会の広報掲示板も、老朽化や近年の異常気象による強い風、強風などで破損したり、また家の建て替えで撤去されたりと、数を減らしていく一方であります。そこで、町会の皆様方が心配され区に要望し、町会掲示板の設置等に要する経費への助成制度を、令和元年から5年間、期間限定で実施されております。しかしながら、5年に1申請当たり上限20万円、2回までとなっており、町会としては使い勝手が悪いものになっております。例えば、台風などで破損した掲示板を修理し、今後来る台風に備えて補助金を取っておくことはできません。年間予算で800万円を確保しているのですから、各町会が使いやすいよう幅を持たせ、その期間であれば何回でも使える、無駄なく活用できるようにすべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 ウィズコロナの中で今後、掲示板が区民周知の有効なツールとして重要なものとなってきます。また、105町会で1749の掲示板が中野区に存在します。画鋲ではなく、マグネットで掲示できるもの、窓があり風がしのげるものは高額な掲示板となっております。5年ごとに新しくするなど、今後の経過を見て、期間経過後も継続を考えていくべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 また、数を減らしていく町会掲示板を維持していくため、都道、区道沿いなどに積極的に設置できるよう、区が手助けをすべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 次に、町会の集団回収について伺います。

 町会活動を行うに当たり大切な財源となる一つが、集団回収に伴う町会・自治会への報奨金になります。中野区は平成19年以来、収集量1キログラム当たり単価6円と規定されています。中央区、杉並区、葛飾区は単価7円になっていて、足立区においては今年度から7円になったそうです。今年の6月に中野区町会連合会と中野区の協働によるまちづくりパートナーシップ協定を締結しております。中野区最大のボランティア協力者として活動されている町会に対し、集団回収による報奨金の単価を7円にすべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 次に、経済の活性化について質問いたします。

 新型コロナウイルスにより地域経済が傾き始めております。国や都の助成はあるものの、それだけではいつまで続くか分からないコロナダメージは拭い切れません。我が会派の大内幹事長から質問させていただいたプレミアム商品券は有効な手段の一つとして、ぜひ進めていただくよう重ねて要望いたします。

 ここで御提案させていただくのは、マイナンバーカードのマイナポータルを活用した地域経済の活性化です。新しい生活様式として、3密の回避、身体的距離の確保など、日常生活の中で安心・安全で利便性の高い非接触型の行政サービスを実施する手段として、キャッシュレス決済が期待されております。本年9月から、国の事業としてキャッシュレス決済の利用に応じて25%、最高5,000円のポイントが上乗せ付与されるマイナポイント事業も始まりました。この事業のスキームを流用し、例えば中野区民が区内の店舗を利用する際、自治体ポイントにプレミアム分を上乗せするなど、区独自の自治体ポイント事業を行い、その際、マイナンバーカード普及促進のためにカードのICチップの空き領域の活用を図ることも考えられます。中野区もキャッシュレス決済を推進していくべきと考えます。

 そこで伺います。自治体ポイント事業の区独自の上乗せポイントにつながり得る取組として、第4次補正予算にあった東京都の商店街キャッシュレス化導入モデル事業費補助を活用し、区内の商店街でモデル事業として進めているとのことですが、進捗状況をお聞かせください。

 このポイント事業を行うには、中野区が幾つかのキャッシュレス事業者と提携し、キャッシュレス事業者が中野区民の利用であることを確認し、また、上乗せ対象店舗をキャッシュレス事業者で抽出か、もしくは対象店舗に端末を配布することが必要となります。そこで、マイナポイント事業は利用者が申し込みを行う際、単一キャッシュレス事業者を選択しますが、その後変更できないことが課題となります。中野区が提携を結ぶキャッシュレス事業者が、利用者の提携したものと合わなければ区のポイントを得られなくなります。中野区が新しく提携するキャッシュレス事業者の選定は、現在中野区民が利用されているキャッシュレス事業者のシェアが多い順から選定することが有効と考えます。

 国は、マイナポイント事業のため、キャッシュレス事業者と利用者、利用店舗のマッチングの仕組みを構築していますが、国の行うマイナポイント事業は令和3年3月をもって終了します。区内経済の継続した活性化策として、国のマイナポイントに続く形で区独自の自治体ポイントを実施し、引き続き疲弊する区内経済の活性化を図ることが必要であると考えます。

 また、自治体ポイントはマイキープラネットホームを活用する仕組みのため、マイナンバーカードの普及促進にも貢献できます。もともとマイナンバーカードのICチップには、区が条例によって独自利用できる空き領域が設けられており、先進自治体では既にこの領域を活用して自治体ポイントなど地域通貨や母子健康情報サービスなどを行っております。国のマイナポイント事業が終了しても、このICチップの空き領域を活用した仕組みを構築すれば、継続してポイント事業を実施することが可能と考えます。一方、中野区独自で仕組みを構築するのではなく、今回、国が構築した仕組みを活用すれば、費用面や期間面からも効率的に事業を実施できると考えます。近い将来始まるであろう健康保険証やお薬手帳、母子健康手帳にも活用していくと言われております。また、健康促進につながるお散歩ポイントや、今後、有償ボランティアなどにポイント還元するなど、将来に向けた活用の可能性も広がります。

 そこでお伺いします。現在準備中の都のモデル事業の成果を検証し、段階的に区内全域に店舗を広げることで、中野区のキャッシュレス化を進めるとともに、区独自の自治体ポイント事業実施・推進により、区内経済の活性化とマイナンバーカードの多目的利用による普及促進など、ウィズコロナの時代の新しい生活様式に合った区民サービスの向上を図っていく必要があると考えますが、区の見解をお聞かせください。

 また、区独自のシステム構築は、費用面や期間面からも非効率なため、国に対して自治体での継続利用を要望すべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 以上で私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 若林議員の御質問にお答えいたします。

 最初に、コロナ禍における高齢者支援について、1点目に施設以外の介護職員等のPCR検査受診のための支援についてでございます。御指摘のPCR検査は、症状のある方の臨床診断や濃厚接触者に対しては早期の診断や防疫対応の面からは有効な検査である一方、エッセンシャルワーカー等への検査としては、精度管理や陽性時の事業継続の問題、防疫業務との連携の在り方等多くの課題を有しております。このため区としては、都が実施する事業の成果を含め、その在り方について慎重に見極める必要があると考えております。

 次に、施設におけるICT活用の支援についてでございます。区は、居宅サービス事業者が自宅にいる利用者の健康状態や食事、入浴などの生活状況を把握して支援を継続することや、施設入所者が家族とオンライン面会を通じてつながりを持つことの必要性と重要性を認識しております。今後、研修会などの場を利用して先駆的事例の紹介と普及に努めるなど、家族とのつながりを途切れさせないためのICT化を支援してまいりたいと考えております。

 次に、高齢者の保護施設の確保についてでございます。高齢者を介護している家族が感染し、入院または施設に行くことになると、同居していた高齢者は濃厚接触者として自宅に残ることになります。その場合、生活上の支援や通常のサービス提供が困難となる事態が想定されますので、喫緊の課題であると認識をしております。そのため、濃厚接触者となった高齢者を一時的に受け入れる施設等の確保について、早急に検討を進めてまいりたいと考えております。

 続きまして、地域経済活性化についての項で、1点目に、商店街キャッシュレス化導入モデル事業の進捗状況についてでございます。東京都では、キャッシュレス化に取り組むモデル商店街に対し、機器の導入やサポート等の経費を補助する支援事業を実施しておりまして、区でも合わせて手数料の補助等を行うこととしております。本事業につきましては、9月2日に、中野ブロードウェイ商店街振興組合で取り組む事業が東京都において採択されたところでございまして、現在、9月下旬に予定している各店舗への合同説明会等に向け準備を進めているところでございます。その後、11月頃に各店舗に機器を設置して、12月には本格的な導入となる予定でございます。

 続きまして、ウィズコロナの時代におけるキャッシュレス化及び自治体ポイントの推進についてでございます。新しい生活様式の下、さらなる区内商業の活性化を図るためにも、区はキャッシュレス決済の推進を図っていきたいと考えておりまして、今回のモデル事業の検証によって、区全域に広げていきたいと考えております。自治体ポイント事業につきましても、マイナンバーカードの普及促進や区民サービスの向上に有効な手段の一つと考えておりまして、先進自治体の事例等を参考として研究をしてまいります。

 最後に、自治体ポイント事業における国システムの活用についてでございます。区が自治体ポイントの仕組みを独自で構築すると、システムの構築等に相応の時間と費用が必要となるため、自治体ポイントを実施する場合の国のマイナポイントの仕組みに関わる利用条件などについて情報収集に努め、必要に応じて国に対して要望等を伝えていきたいと考えております。

〔地域支えあい推進部長鳥井文哉登壇〕

○地域支えあい推進部長(鳥井文哉) 私からは、コロナ禍における高齢者支援についてのうち、アウトリーチチームによる高齢支援についての御質問にお答えをいたします。

 まず、これまでの高齢者支援についてでございますが、アウトリーチチームはこの4月下旬から5月上旬に、民生児童委員による高齢者訪問調査を希望されない約2,800世帯に、感染予防及びフレイル予防のチラシのポスティングをしてございます。さらにこのうち、緊急連絡カードや災害時個別避難支援計画書の提出により区が電話番号を把握している約1,200世帯に電話をかけまして、困り事の把握や安否確認を行ったところでございます。

 8月には特別定額給付金の未申請者への電話や訪問によりまして申請の有無を確認するお声がけをし、申請書を御自身で作成できない方には、訪問等による申請書作成等の支援も行ったところでございます。加えまして、約2,800世帯に、熱中症予防と新たに開始する配食サービス事業者との連携による高齢者支援事業についてのチラシのポスティングを行いました。

 続きまして、アウトリーチチームによります今後の高齢者支援でございます。アウトリーチチームは、これまで見守り対象者名簿を活用した町会などの見守り活動等からも情報いただきまして、実際に訪問などして生活状況等を確認し、必要な情報を提供するなど適切な支援を行ってまいりました。今後も町会などからも情報をいただき、高齢者の方が少しでも外に出るきっかけとなるよう、活動を再開している地域のサロンや食事会、高齢者会館や区民活動センターなどの事業につきましても、より効果的な情報提供を行ってまいりたいと考えております。

 次に、新しい生活様式における地域活動のうち、地域の行事を再開するための支援でございます。

 まず、感染防止の具体策の提示でございます。7月に作成いたしました「区民公益活動団体向け新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン」は、国や東京都が示している方針等に基づき作成したものでございまして、今後も、新たに示される方針等を踏まえつつ、より分かりやすいものに更新をしていくことを予定してございます。しかしながら、地域における各種の行事を実際に再開するに当たりましては、さらに感染防止対策の具体的なモデル事例、確認のためのチェックシートなどをお示しすることも必要と考えておりまして、作成に向けて検討を行っているところでございます。

 次に、モデル事例等を活用した地域行事の再開促進の御質問でございます。7月に作成いたしましたガイドラインや、現在検討中のモデル事例やチェックシートなどにつきましても、区のホームページで広く公表いたしますとともに、地域の各団体が行事の再開に当たりまして活用いただけるように、個別の御案内や説明等を行っていきたいと考えてございます。

 次に、地域行事再開に当たっての相談窓口の開設でございます。感染防止対策は行事の内容や会場、参加者数などによって異なり、それぞれに応じた対策が必要となると考えてございます。こうした状況に対応して個別に支援が行えるよう、相談窓口の開設も含めて相談体制を検討したいと考えてございます。

 次に、町会・自治会への助成等について、掲示板助成金の申請回数の制限についてでございます。掲示板助成金は、年度当初に事業計画や工事金額の申請をいただきまして、予算の範囲内で交付を決定しているものでございますが、この助成金の申請回数の制限につきましては、今後、町会・自治会間の公平性を担保しつつ、より利用しやすいよう、また有効に活用していただけるよう見直しを検討してまいります。

 次に、5年間の掲示板助成期間の延長と制度の見直しについての御質問でございます。新型コロナウイルスの感染拡大で従来の回覧板を中止している町会・自治会も多く、掲示板による情報提供は、その重要性が増していると認識してございます。助成制度の期間延長や制度の見直しにつきましては、5年間の利用実績等も踏まえて検討してまいります。

 次に、掲示板設置のための支援についての御質問でございます。都道や区道へ掲示板を設置する場合には、町会・自治会による警察署や道路管理者との調整、許可申請の手続が必要となり、現在もこれらの手続がスムーズにいくように、区が関係機関と調整を図っているところでございます。引き続き、町会・自治会から御相談いただきながら支援をしてまいります。

〔環境部長朝井めぐみ登壇〕

○環境部長(朝井めぐみ) 私からは、集団回収に係る報奨金の増額についての御質問にお答えいたします。町会・自治会に支給しています集団回収の報奨金を増額することにつきましては、他区の報奨金の額を参考にするとともに、今後の区財政が厳しい見通しであることを踏まえて検討する必要があると考えております。

〔若林しげお議員登壇〕

○21番(若林しげお) 再質問をさせていただきます。集団回収に係る報奨金の増額についてですが、先ほどの御答弁で、今後の区財政が厳しいというお話で、検討するというお話でした。区民サービスとか、あと区の活性化、区民のやる気を考えてみると、区財政から物事を考えるのではなく、これが必要であるか必要でないかということから見てもらいたい。この区財政が何でこういうふうになったのかっていうことは、しっかりと検証をこれから総括質疑とかでしていくんですが、考え方として、区の財政負担を考えた上で区民サービスを低下させるのではないと思うんです。やはり区民にとってこれが必要でないかどうかを考えてから財政を考えるという、結果は同じかもしれませんけれども、そういった思いの答弁をいただきたいと思うんですが、もう一度御答弁いただければと思います。

〔環境部長朝井めぐみ登壇〕

○環境部長(朝井めぐみ) 若林議員の再質問にお答えいたします。

 集団回収に係る報奨金の増額についてでございますけれども、町会・自治会がこれまで果たしてきた役割、それから集団回収を町会・自治会に行っていただくことの意義、そういったものを十分踏まえた上で、区財政の状況も勘案して検討してまいりたいと考えております。

○議長(高橋かずちか) 以上で若林しげお議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 むとう 有 子

 1 新型コロナウイルス感染症防止対策について

 2 環境問題について

 3 その他

 

○議長(高橋かずちか) 次に、むとう有子議員。

〔むとう有子議員登壇〕

○40番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただきました御意見を基に質疑をいたします。

 新型コロナウイルス感染症防止対策についてお尋ねをいたします。

 治療薬も確実なワクチンもない新型コロナの蔓延が深刻化する中で、国民の命を守る公衆衛生を国家における安全保障と考えずに、感染症の研究や公衆衛生の予算を削減し続けてきた日本の無策が露呈しています。緊急事態宣言解除後の日本は、3密を避けること、手洗い、うがい、マスクの着用、それ以上の感染防止対策を示さず、一方で、「GO TO トラベル」に象徴される経済対策を打ち上げても国民には受け入れられていません。国や東京都にただ従うだけではなく、感染者が多い中野区において、区民のためにできることを検討するべきです。世田谷区では、児玉龍彦東京大学先端科学技術研究センター名誉教授の協力を得て、「誰でも、どこでも、何度でも」のPCR検査を目指し、まずは重症化やクラスターを防ぐために、「社会的検査」と位置付けて、介護施設や障害者施設、保育園や幼稚園に勤務する無症状の職員らに公費で検査を9月中旬から実施すると発表し、全国から注目を集めています。また、東京都も、高齢者や障害者の施設で10月から実施するとのことです。

 区長は、行政報告の中で、「早期診断と適切な医療の提供につなげるために、地域の身近な医療機関での検査の実施を目指す」と述べられ、医師会や病院と協議中とのことです。他の議員の質疑と重なりますが、私からも伺います。協議をする際に、区が目指すのは「身近な医療機関で」ということだけでしょうか。感染者が多い中野区として具体的なお考えをお答えください。

 8月22日付朝日新聞に、「情報伏せると疑心暗鬼生む」とのタイトルで墨田区保健所長のインタビュー記事が大きく載っていました。墨田区ではPCR検査を6か所で行い、園児ら4人に集団感染が起きた保育園では、訪問クラスター班がその日のうちに濃厚接触者約80人に検査を実施し、翌日には全員に結果を通知したとのことです。さらに、PCR検査車をまちに出すなど積極的に検査を進めており、検査だけではなく、感染が発生した施設名や状況や後日談を公開しているとのことです。自治体が個人情報に配慮しつつ正確な情報を開示するほうが、感染防止対策の上でも人権上も効果があるとの考え方が示されていました。

 この記事を読み、墨田区役所のホームページで公開されている新型コロナ関連情報の分かりやすさと公開範囲の広さに感動するとともに、中野区の情報提供の分かりにくさと公開範囲の狭さに愕然としました。墨田区が公開していて中野区が公開していない主な情報は、1、会社員や学生など、陽性者の属性一覧、2、現時点での入院中・宿泊療養中・自宅療養中のそれぞれの人数・退院等治癒人数・死亡者数などの状況、3、施設の実名や所在地と運営者名です。なお、墨田区の保健所長さんと電話でお話しすることができましたが、施設名等を公開したことでの苦情はなく、発生時の一報に次ぐ二報の掲載などにより、区民の理解と信頼は得られているようで、「正確な情報を開示するほうが、感染防止対策の上でも人権上も効果がある」との考え方に変わりはないとのことでした。墨田区を参考にし、墨田区が公開し中野区が公開していない情報の公開も視野に入れ、個人情報に配慮しつつ正確な情報を分かりやすく公開する在り方の再検討を求めます。区の見解をお答えください。

 さて、高齢者が感染すると重症化しやすく、死亡率も高いと言われています。高齢者施設で働く介護士さんは、休日の過ごし方にも気が抜けない状況が続いています。高齢者施設のほとんどで家族の面会を禁止し、外部からの感染を防ぐ対策が講じられており、認知症の進行が心配されています。高齢者の介護に当たる介護士さんには、プロ意識を持ち、日頃から自身の体調管理に留意していただくとともに、雇い主である事業者においては、介護士が体調不良を押して勤務することがないよう、安心して欠勤できる職場環境を整えていただきたいものです。

 8月中旬、中野区内の高齢者介護施設で、介護職員1人と利用者5人が感染するクラスターが発生しました。この介護士は、体調不良にもかかわらず3日間勤務したことで、利用者に感染が拡大したようです。入院中の高齢者の回復を願うばかりです。誰もが気をつけていても感染してしまうことがあるので、感染は致し方のないことですが、このコロナ禍にあって、体調不良を自覚していたにもかかわらず勤務した介護士の責任と勤務させた雇い主の責任が問われる大問題です。現実的には介護士が不足し、ギリギリの人数で運営している介護施設が多いのではないかと推測します。感染防止対策グッズの購入助成だけではなく、人的配置の体制整備のための助成金の創設の検討を求めます。区の見解をお答えください。

 区内全ての介護事業者に、介護士から利用者への感染発生情報の提供とともに、体調不良で勤務に当たらないよう徹底を要請する通知の送付を求めます。区の見解をお答えください。

 次に、環境問題についてお尋ねいたします。

 前回の第2回定例会一般質問で、清掃事業は、衛生的な生活環境を守るために1日たりとも欠かすことができないライフラインであることから、清掃事業における感染症対策を求めましたが、「ごみ袋が破裂しないよう空気を抜いて縛って出すよう指導している」、それ以外については「考えていない」との御答弁でした。考えない中、8月28日、清掃事務所に勤務するごみ収集職員に感染者が出てしまいました。感染経路は不明ですが、自宅療養者がごみを排出する際の指導のさらなる徹底の必要性を指摘しておきます。

 さて、新型コロナの影響で家庭ごみの排出量が増加し、その上、古布や古紙、廃プラスチックの海外輸出がストップする中、集団回収事業者に対し維持対策支援金を交付することも必要ですが、根本的には、使用量を減らし、国内での再生品の使用量を増やし、国内で循環させることが重要です。1995年に23区は共同で、再生品の普及を目指し、国内の製紙会社9社と協定を結び、23区ブランド「みどりの夢23」を創設して、23区内で回収した古紙でトイレットペーパーとティッシュペーパーを販売していました。当然23区の全ての公共施設で使用していました。残念ながら、2007年8月にこの事業は終了してしまいましたが、議会棟のトイレには、いまだに「みどりの夢23」のステッカーが貼ってあります。そこには「東京23区で回収された古紙が、23区ブランド『みどりの夢23』に生まれ変わりました。貴重な森林資源を守るため、使ってみませんか、再生品。」と書かれています。今は違う再生ペーパーが使用されており、かつて23区が共同し、23区ブランドを立ち上げたという過去の遺品、幻のステッカーとなっています。古紙の行き場がなくなっている中で、かつてのように23区が共同し、23区ブランドを復活させ、23区957万人が使用すれば、23区内で古紙を循環させることが可能ではないでしょうか。検討を求めます。区の見解をお答えください。

 7月15日、区長名で「中野区プラスチック削減指針」が発表されました。「区が主催または協賛するイベントや会議において、使い捨てプラスチック製品・容器包装の使用を可能な限り削減すること。職員一人ひとりがマイバッグやマイボトルの活用をはじめ、使い捨てプラスチック製品及び容器包装の使用を減らすよう努める。」と記載されています。大変に歓迎すべき指針です。

 そこで提案をいたします。まずは、区役所におけるペットボトル飲料の自販機の撤去とマイボトル用給水機の設置を求めます。区の見解をお答えください。

 以上、簡潔明瞭、かつ積極的な答弁を求め、質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) むとう議員の御質問にお答えいたします。

 新型コロナウイルス感染症防止対策について、1番目に、地域の身近な医療機関でのPCR検査についてでございます。新型コロナウイルスの早期診断と重症化予防のためには、地域の身近な医療機関におけるPCR検査や抗原検査などの実施が重要であると考えております。国や都は地域の医療機関で抗原検査や唾液によるPCR検査等が実施できるよう検討しており、区も地区医師会や区内病院と協議を始めているところでございます。

 次に、新型コロナウイルスに関する情報公開についてでございます。新型コロナウイルス感染症に関する区内の感染状況につきましては、区内の感染拡大防止を目的に、感染者のプライバシー保護に配慮した「区内における感染者発生時の公表の考え方」、この考え方を定め、これに基づいて公表を行っているところでございます。この公表の考え方につきましては、必要に応じて適宜見直しを行うこととしております。区のホームページにつきましては新型コロナウイルス感染症についての特設ページを設けるなど改善に努めてきたところでございますが、今後も感染者発生の動向を踏まえながら適切な情報発信を行ってまいりたいと考えております。

 次に、高齢者施設を対象にした人的配置を目的とする助成金制度についてでございます。国の新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業介護分には、感染症対策に係る経費の例として、感染防止のための増員のために発生する追加的人件費が対象となっております。区としては、制度上の基準を上回る人的配置を対象とした助成を行う予定はございませんが、本事業の実施主体である東京都と連携を図りながら、補助金の活用状況について注視してまいります。

 次に、介護職員の体調不良に係る区の対応についてでございます。感染症発症時における対応については、国から発出される通知やマニュアルなどを適宜区内事業所に周知しており、体調不良の職員への対応もその中に示されております。今後もさらなる周知に努めてまいります。

〔環境部長朝井めぐみ登壇〕

○環境部長(朝井めぐみ) 私からは、環境問題についての御質問にお答えいたします。

 まず、23区共同での古紙のリサイクルについての御質問でございます。中国の輸入規制や新型コロナウイルス感染症拡大などに伴いまして古紙の輸出が困難となってきていることから、国内でのリサイクルの必要性が高まっていると認識しております。リサイクルの方法につきましては、御提案いただきましたものも含めて、まずは23区が共同してどのような取組ができるかを研究してまいりたいと考えております。

 次に、プラスチック削減支援に基づきます区の取組についての御質問でございます。区役所本庁舎に設置をしています自動販売機について、ペットボトルを削減することを検討していきたいと考えております。

 また、本庁舎でのペットボトルの使用の削減に向けて、職員のマイボトル活用の推進のための方策につきましても検討していきたいと考えております。

〔むとう有子議員登壇〕

○40番(むとう有子) 1点、再質問させていただきます。

 最後のところで、区役所におけるペットボトル飲料の自販機の撤去ということと、マイボトル用給水機の設置については、はっきり撤去するのか設置するのかお答えください。

〔環境部長朝井めぐみ登壇〕

○環境部長(朝井めぐみ) むとう議員の再質問にお答えいたします。

 自動販売機につきましては、今ありますペットボトルが入っているもの、これを削減することを検討していきたいと思っております。

 それから、給水機について御質問いただいたわけですけれども、何かしら職員のマイボトルの活用の推進のための方策、こちらにつきましては御提案のものも含めて検討していきたいということでございます。

○議長(高橋かずちか) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 近 藤 さえ子

 1 すこやか福祉センターの相談機能の強化について

 2 コロナ禍における区の対応について

  (1)障がい者について

  (2)新区役所整備について

 3 その他

 

○議長(高橋かずちか) 次に、近藤さえ子議員。

〔近藤さえ子議員登壇〕

○30番(近藤さえ子) 無所属の近藤さえ子です。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患された方々にお見舞いを申し上げるとともに、医療従事者、保健所をはじめとして、日々、激務に追われながら私たちの生活を支えてくださっている全ての関係者の皆様に感謝を申し上げます。ありがとうございます。

 1番目に、すこやか福祉センターの相談機能の強化について。

 地域支えあい推進部事業概要、すこやか福祉センターの事業概要、事業の目的を見ますと、次のようになっています。すこやか福祉センターは、子ども、高齢者、障害のある人、妊産婦など、誰もが住み慣れた地域で安心して、自立した生活を送ることができるように、職員によるアウトリーチ活動を積極的に進めるとともに、総合的な支援をするための身近な相談窓口、地域における支えあい活動の推進のための拠点施設として事業を展開している。母子保健及び精神保健事業を実施しているほか、健康づくり・介護予防事業なども行っている。区民が取り組む、切れ目のない地域における地域包括ケア体制を推進する拠点施設となっている。まず、対象が「子ども、高齢者、障害のある人、妊産婦など」となっていますが、この「など」の部分にはどんな人が含まれるのでしょうか。

 誰もが気軽に相談ができ、支援に結びつけてくれる頼れる存在であるすこやか福祉センターは、区民にとっては大変ありがたい場所です。しかし、昨年10月の厚生委員会と地域包括ケア推進調査特別委員会で示されたように、4か所のすこやか福祉センターは、各圏域内の人口規模、60歳以上の人口、区民活動センターの数、町会の数などに大きく差があり、見直しの検討がされてきました。昨年の検討段階では、人口の多い現在の中部と北部を3分割する再編案が示されました。しかし、今年に入り、新型コロナウイルスの感染症が流行し、財政的な観点からも、もう1か所のすこやか福祉センターを設けることは厳しいのではないかと思われますが、この見直しは現在どのようになっているのでしょうか。

 区は、様々な施設の配置は、基本計画、施設整備計画で示すと言われていますが、建物、箱物を確保すればよいというわけではなく、住民にとってよりよいサービスの提供を築いていくことが重要です。特にすこやか福祉センターのように、人と人との関わり合いが最も大切となる部署においては、区民に提供するサービスの質が何よりも大切になります。区民からの相談に真摯に向き合ってくださる職員を配置すること、サービスの質を低下させないことが必須です。

 中野区役所の職員の年齢構成の約半数を50代、60代が占める中で、すこやか福祉センターの相談機能を担っていく若手の職員たちは、勉強熱心で頑張っていると思います。しかし、若い職員は経験値が少なく、幅広い分野の相談に対応するのは大変であると思います。若手職員の人材育成はどのように行われているのでしょうか。先輩職員たちの、たくさんのケースを経験されたことにより培われた専門性、対応力を、若手職員にどのように継承していくのでしょうか、お聞かせください。

 中野区独自の全世代型地域包括ケア体制の整備が重要であり、すこやか福祉センターは、その拠点施設としての役割を果たすために、町会・自治会などの区民団体との連携に力を入れ、そこを重点的に進めていこうと取り組んできています。もちろん地域の中で住民同士の支えあい、助け合いは大事ですが、それにも限界があります。現在、地域包括ケアの対象は全ての区民に広がっており、相談といっても単純に解決できる課題ばかりではありません。

 例えば、昨年の12月23日、犯罪対策閣僚会議で決定された再犯防止推進計画加速化プランを、中野区でも再犯防止推進計画に盛り込みました。加速化プランの重要課題の1番には、満期釈放者対策の充実・強化が挙げられています。出所受刑者の2年以内の再入率について、満期釈放者は仮釈放者の2倍以上の差があり、満期釈放対策は不可欠であることを国が示し、今後、力を入れた取組が始まっていくこととなっています。このような対象者や薬物依存症、アルコール依存症、ひきこもりの方、その家族の方たちなど多岐にわたる深刻な課題を抱える区民に対しても、高度な専門性、対応力が求められてくるのです。今後、複雑な課題で悩む相談者にとって身近な施設であるすこやか福祉センターの職員が、より専門性を深め、これまでも連携してきた地域資源や子ども家庭支援センター、地域包括支援センター、障害者相談支援事業所、生活保護課等の部署との連提強化はもとより、さらに国や都、民間資源からの情報を積極的に収集し、各専門機関にアプローチする力を養い、業務に生かしていくべきであると考えます。

 区長は、先日の行政報告の中で、「ウィズコロナでも、誰一人取り残されることなく安定した生活を営めるように」と話しましたが、感染症流行前でも課題を抱えた区民は多く取り残されていたのが現実です。全ての区民に対する全世代型地域包括ケア体制の取組が始まっている今、多種多様な課題に対しスムーズな支援ができるように、すこやか福祉センターの相談機能をさらに高めていくべきと思いますが、区はどのように取り組んでいくのでしょうか、お聞かせください。

 2番目に、コロナ禍における区の対応について伺います。

 まず、障害者への対応について伺います。重要な問題であり、質問が他の議員と重なりますが、私からも質問をさせていただきます。

 先日、中野区福祉団体連合会の方と懇談させていただきました。その中で、コロナ禍、障害のある方を支えている家族、もし介護者が新型コロナウイルスに感染してしまい、障害を持っている方を自宅に残して入院などとなってしまった場合、残された障害を持っている家族はどうなってしまうのかと大変心配であったという声がありました。家族が感染した場合、子ども、高齢者など1人で家に残していけない人たちを支えている多くの方たちは、常にこのことを心配していらっしゃいます。特に障害をお持ちの方のケアについては、家族が罹患した緊急時にすぐに預け先を探すことは大変厳しい状況であると思います。障害を持っている方の家族が感染してしまい、障害を持っている方が1人になってしまった場合、また介護できない家族とだけ家に残されてしまった場合、どのように障害者を持っている家族を支えていくのでしょうか、最優先の課題としてぜひ検討していただきたいと思います。

 2番目に、新区役所の整備について伺います。

 先日の区長の行政報告によると、新型コロナウイルス感染症の影響により、中野区の次年度の一般財源は、現時点で今年度当初と比較して92億円の減収と見込まれ、令和3年から5年間は区財政が大変厳しい期間となるということです。極めて慎重な財政運営が必要であり、財政的な非常事態であると言わざるを得ないと認識されています。今後悪化する財政状況に鑑み、本年度は、当初予算における一部の新規・拡大事業の中止や延期を決め、区立小学校をはじめとした区有施設の改築・改修計画の見直しを検討しています。しかし、このような非常時にあって、約213億円をかけて、職員に引っ越し等の大きな負担をかけ、区民サービスが一時低下する状態を招きかねない新庁舎の建設計画については全く見直されていません。このような財政的に非常事態のときに、莫大な税金を投入する新庁舎の建設を進めることに対し、区民から疑問の声が上がっています。区はこれまで、現庁舎は耐震的に課題があり、災害時対応を行う際の機能を強化するために、できるだけ早く建て替えが必要であると説明してきました。複数の同僚議員も心配されて同じ趣旨の質問をされていますが、現庁舎が約50年以上経過している点、窓口スペースや待合スペースの不足、ユニバーサルデザインに対応できない課題等が理由であるのであれば、このような非常事態であるのですから、区民はそれらの利便性に対しては、利便性が向上する時期を延期されたとしても、もう少し我慢ができると思います。そのような理由だけでは区民は納得しないのではないでしょうか。

 新型コロナウイルス感染症の流行が経済的に大きな影響を及ぼしている中、なぜ新庁舎整備のスケジュールは見直されず、そのまま進める方針なのか、区民が納得できる理由を改めて御説明していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 近藤議員の御質問にお答えいたします。

 すこやか福祉センターの相談機能の強化についてで、まず最初に、すこやか福祉センターにおける支援の対象者についてのお尋ねです。すこやか福祉センターにおきましては、支援の主な対象者として、子ども、高齢者、障害者、妊産婦を例示した上で、「など」という言葉を用いて、支援を必要とする全ての区民の方を対象にするということで考えております。

 次に、すこやか福祉センターの中部、北部の二つの圏域を三つの圏域に再編することについての御質問です。令和元年第3回定例会におきまして報告した「すこやか福祉センター圏域の見直しについて」、この考え方に変更はございません。

 次に、すこやか福祉センターの経験ある職員から若手職員への知識、経験の継承という御質問についてでございます。保健師等の専門職につきましては、人材育成マニュアルを活用しての指導のほか個別ケースへの関わり方や多職種連携の在り方などに関するOJTによる指導や、専門職の集合研修において、講師役の経験ある職員から職務上のノウハウの伝授などに取り組んでいるところでございます。

 次に、国、東京都や関係機関の情報収集についての御質問です。すこやか福祉センターの職員は、国や東京都の業務内容や政策動向、また関係機関の情報を積極的に収集し、知見を深めていく必要があると考えております。これによって、地域で支えることが困難なケースにおきましても、より多角的な視点での検討を踏まえた総合的な支援ができるよう取り組んでまいりたいと考えております。

〔健康福祉部長岩浅英樹登壇〕

○健康福祉部長(岩浅英樹) 私からは、コロナウイルス禍における、家族が感染した場合の障害者の支援についてお答えいたします。現在、同居する家族が新型コロナウイルスに感染した場合の障害者の支援につきまして、関係事業所にアンケート調査を行うなど具体化に向けて調整を図っているところでございます。今後も、課題となる支援者確保のために働きかけを行ってまいります。

〔新区役所整備担当部長滝瀬裕之登壇〕

○新区役所整備担当部長(滝瀬裕之) 私からは、コロナ禍における区の対応について、新区役所整備について、新庁舎整備事業の延期についてお答え申し上げます。現庁舎は築50年以上経過し老朽化が進んでいるほか、耐震性の不足、電力、通信等の多重化といったライフライン途絶対策がなされていないことなど、災害応急活動を行う施設に求められる性能が十分でないところでございます。また、窓口や待合スペースの不足に加えまして、バリアフリーなどユニバーサルデザインに対応できていないといった課題もございまして、またこのほか、新北口駅前エリア再整備のスケジュール、こうしたものとの整合などを踏まえまして、計画どおり新庁舎を整備していく考えでございます。

○議長(高橋かずちか) 以上で近藤さえ子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 いながき じゅん子

 1 コロナ禍における今後の区政運営について

 2 職員の交渉力向上について

 3 その他

 

○議長(高橋かずちか) 次に、いながきじゅん子議員。

〔いながきじゅん子議員登壇〕

○26番(いながきじゅん子) 無所属のいながきじゅん子でございます。

 質問は通告どおりです。

 WHOは、新型コロナウイルスの世界的大流行について、今後2年以内に収束が可能であるとの見方を示しました。しかし、仮に2年で収束したとしても、これからまた顕著になるであろう企業業績の悪化や失業者数の増加を考えますと、残念ながら国内の経済状況が相当悪化していくことが予想されます。かのリーマンショックの際は、その翌年に落ち込んだ中野区の税収が、元の水準に戻るまでに5年かかりました。今回の新型コロナウイルスが地方税収にもたらす影響はさらに深刻で、長期にわたる可能性もあります。もちろん区だけではなく、国や東京都の税収も大幅に落ち込むであろうことから、少なくとも今後数年間は区の財政運営が相当厳しくなることは明らかです。

 このような厳しい状況の中では、区の施策や事業の優先順位を明確にし、メリハリのある予算配分をすることが重要です。もちろん最優先すべきは区民の命と生活を守るための新型コロナウイルス対策でありますが、そこにもつながる行政のデジタル化についても優先順位が高いものとして、しっかりと前進させる必要があります。これについては国からも書面、判こ、対面主義の見直しに積極的に取り組むことで、業務と行政サービスの効率化を図るべしとの内容の通達が来ております。区長は行政報告の中で、令和3年度からの5年間は、新区役所の開設時期を見据えて、区民サービスの向上や業務の効率化を図るデジタルシフト、生産性の向上につながる働き方改革を進めていく必要があるとおっしゃいました。しかし、このデジタル化については、庁舎移転を待たずスピードアップして進めていくべきです。例えば必要な台数の職員向け端末をできるだけ早期に準備し、テレワークを本格実施させる、住民票など各種証明書の電子申請率が全体の0.02%という状況を改善し、区民ができるだけ区役所に来なくても済むようにする、見積書や請求書、支払書、報告書等の押印を不要とし、ペーパーレス化を図るなど早期に着手すべき業務は山積みです。

 そこで、最初の質問として、この5年間で何をどこまでデジタル化するのか、具体的な目標を伺います。デジタルトランスフォーメーションを全庁的に強力に推し進めていくためには、担当課の体制強化はもちろん、なぜデジタル化を進める必要があるのか、そのメリットや重要性を全職員が理解して目標を共有し、全庁一丸となって改革を進められるような土台づくりが重要です。その上で、全体目標を各部署単位の個別具体的な目標に落とし込み、何をいつまでに達成するのか、担当課と各部署で協議しながらアクションプランを作成してはいかがでしょうか、区の考えを伺います。

 一方で、区役所本庁舎に日頃から何度も通わなければならない区民というのは少数派であり、多くの方にとって新庁舎整備は不急と言えます。その新庁舎整備とそれに連動する中野駅新北口駅前エリアの再整備スケジュールを、このコロナ禍で財政状況が悪化する中、一切見直すことなく優先して進めるという区の判断については大いに疑問を感じております。

 様々な自治体がこのコロナ禍で庁舎整備等の箱物整備を先送りしていることが報道されています。そもそも特別区の中でも、中野区よりも築年数が相当古く、IS値も中野区の0.75という数字に遠く及ばない庁舎を抱えている区が幾つもあります。しかし、計画策定自体は進めていても、災害拠点としての耐震基準を満たしていない、老朽化しているという理由で、中野区のようにとにかく早く建て替えようとしている区はありません。なぜ中野区だけがそれを理由に庁舎整備を急ぐのか、区の見解を求めます。

 庁舎整備については、旧中野体育館の解体を含めた設計・施工一体方式での契約が今年の3月に議会の議決を経て既に締結をされています。現在は実施設計の途中という段階ですが、まだ設計以外の工事には着工しておりません。新型コロナウイルスという天災にも近い未曾有の緊急事態が発生し、財政状況が大変厳しくなり、区民生活にも大きな影響が及ぶ可能性があるということで、相手方に対し、工事の一時中止や工期の延伸を区として申し入れ、協議することは決して非常識なこととは思えません。これからまた秋冬にかけて感染拡大するようなことがあれば、発注者側の中野区が進めたくとも、受注者側が工事を止め、工期を延伸しなければならない可能性もあります。実際、中野区立総合体育館の整備では、新型コロナウイルスの影響を理由に、事業者側からの申し入れにより工期が延伸されました。その際、区は違約金を受け取っておりません。

 また、庁舎整備の財源を生み出すための、中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画ですが、不動産市況の先行きが非常に不透明なこともあり、既に工事着工しているところは除き、民間ディベロッパーも新たな開発についてはどこも様子見です。前定例会における私の一般質問に対し、区長はこのコロナ禍であっても選定した事業者とともにこの計画の実現を目指すとおっしゃいました。しかし、既に地価も下落傾向にあり、イベントやコンサートが軒並み中止や人数制限に追い込まれ、業界が莫大な損失を被っている状況で、私は7,000人規模の民設民営の多目的ホールの整備を含め、現在の再整備事業計画の実現可能性には大変懐疑的であります。事業者の選定後、権利変換をして新庁舎整備のための転出補償金を得るにしても、当初は想定していなかった条件を事業者側から提案される可能性があること、仮にそうなった場合にも無条件に提案を容認しようとしている区の姿勢は問題であると考えております。転出補償金を得るにしても、区は区民の大切な財産である中野駅北口の一等地を少しでも区民の財産として残るように守り、やむを得ず転出補償金と引換えに手放すのであれば、1円でも高く評価される時期を慎重に選ぶべきです。その時期が本当に今なのか、区として真剣に検討した上での結論なのか疑問です。中野駅新北口駅前エリアの再整備を予定どおり進めなければならないとする理由を、我々区民に対し、いま一度分かりやすく御説明を願います。

 将来的に庁舎の建て替えや中野駅北口の再開発が行われるということは、周知の事実かもしれません。しかし、このコロナ禍において、区民にとっては不急とも言えるこれらの事業が今、強行されようとしていることをほとんどの方は知りません。時間をかけて調整し、決定してきた計画を今さら止めて見直すべきではないとおっしゃりたいのかもしれませんが、それはあくまで役所側の言い分であり、区民の総意とは思えません。財政状況の悪化を理由に学校の建て替えは後回しにしながら、新庁舎整備と中野駅北口の再開発は借金をしてでも予定どおり進めるというのは、区民感情としていかがなものかと思われても仕方ありませんし、実際に話をいたしますと、そのような反応が返ってきます。このような区民感情に対してはどうお答えになるのか、また、このコロナ禍において、我々が今、行わなければならないことは、職員や議員が主に使用する庁舎の建て替えやその財源を生み出すための中野駅北口の再開発を進めることではなく、まずは区民の命と生活を守るための新型コロナ対策の強化と、できるだけ庁舎へ来なくても済むような、行政のデジタル化の推進に税金やマンパワーを最優先して配分することではないでしょうか。以上、2点について伺います。

 次に、職員の交渉力向上について伺います。

 今や民間活力を区政運営に生かし、様々な施策を進めていくことは当たり前という時代ですが、酒井区政になってから、その色合いが特に強くなっていると感じます。どのような内容の契約や協定を締結するにしても、民間企業は自社へのマイナスが発生することのないよう綿密に計算をし、収入は1円でも多く、支出は1円でも少なくという姿勢を徹底しています。一方、区が扱うお金は区民の税金です。金銭の授受が発生する場面においては、区が得るべき正当な対価を事前に徹底的に精査し、毅然とした態度で価格交渉に臨むべきです。これまでは、公共事業の発注や業務委託など区側から民間側にお金を支払うことがほとんどでしたが、先日の中野区立総合体育館のネーミングライツ契約や、昨年末に発生した大規模なシステム障害に対する損害賠償請求の事案のように、区がお金を支払われる側となる案件も今後増えてくるかと思います。これまでは穏便に決着させることを最優先し、ハードな交渉を避け、最低ラインの金額に甘んじる区の消極的な姿勢が見受けられました。しかし、それでは区民は納得できません。もちろん交渉の相手は民間企業にとどまらず、国や都であったり、時には税金を滞納する区民であったりします。区の業務は実は交渉の連続であり、そのスキルを向上させるための研修や、これまでの業務を通じて蓄積したノウハウの共有・継承の強化が一層重要になってくると思われます。また、それと並行し、厳しい交渉をまとめ上げ、区民の利益を最大化した職員が正当に評価される仕組みも必要なのではないでしょうか。区の見解を求め、私の全ての質問を終了いたします。

 ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) いながき議員の御質問にお答えいたします。

 コロナ禍における今後の区政運営について、新庁舎整備の必要性についてに、まずお答えいたします。現庁舎は老朽化が進んでおり、電力、通信等の多重化といったライフラインの途絶対策がなされていないことから、災害応急活動に必要な施設庁舎としての性能を満たしておりません。また、窓口や待合スペースの不足に加え、ユニバーサルデザインに対応できていないといった課題もあり、計画どおり新庁舎を整備していく考えでございます。

 続きまして、中野駅新北口駅前エリア再整備についてでございます。区は、新北口駅前エリア再整備事業計画につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響や収束後の経済社会状況を考慮してもなお、基本的には長期的に目指すべきまちのあるべき姿であると考えております。西側、南北通路橋上駅舎開業時の歩行者動線の確保など、中野駅周辺の各事業スケジュールとの整合を図るために着実に事業を進めてまいります。

 また、新北口駅前エリア再整備事業は、民間が主体となって行い、新区役所整備はこの事業から生み出される財源を活用して行うものであります。今度、経済社会状況を見極めながら、具体的な事業計画を民間事業者とともに取りまとめることとなりますが、事業内容について区民に丁寧に説明してまいります。

 最後に、コロナ禍において取り組むべき事業についてでございます。新型コロナウイルス感染症対策については、区民の生命と財産を守ることを最優先に取り組んでいるところでございます。今後も逼迫する医療・生活・経済を支えるため、引き続き局面に応じて取り組みを進めてまいります。

 また、区民サービスの向上や業務の効率化を図るデジタルシフトについても着実に進めていく考えでございます。

〔企画部長高橋昭彦登壇〕

○企画部長(高橋昭彦) デジタルシフトについてお答えいたします。

 一つ目に、デジタル化の具体的な目標についてでございます。新区役所整備をきっかけとして、この5年間につきましては、行政サービスが効率的、かつ区民にとって使いやすいものになるよう、全ての業務についてのペーパーレス化と業務フローの組立て直し、これを行っていく考えでございます。

 続きまして、アクションプランの作成についてでございます。デジタルトランスフォーメーションを強力に推し進めていくためには、これまでのやり方の何が問題なのか、また、どう改善するとサービス向上につながるのかなど、実現に向けた具体的なイメージや目標の共有といった職員の意識改革が重要だと考えてございます。全職員が目標に向かって一丸となって進むことができるよう、具体的な達成目標を踏まえたアクションプランの作成につきまして検討してまいりたいと考えてございます。

〔総務部長海老沢憲一登壇〕

○総務部長(海老沢憲一) 職員の交渉力向上についての御質問でございます。職員の交渉力の向上を図るため交渉の具体的な手法や演習等の研修を実施するとともに、OJTにより、実務を通じたノウハウの継承を行っていきたいと考えております。

 また、人事評価の中でも、区民や関係者等との対話、交渉、協働力を能力態度評価の評定要素として取り入れているところでございます。

 加えて、区民や民間団体等の外部の人のパートナーシップを築いていく、コミュニケーションスキルを持った職員を育成していきたいというふうに考えてございます。

○議長(高橋かずちか) 以上でいながきじゅん子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 石 坂 わたる

 1 新型コロナウイルス(COVID-19)禍について

  (1)安全・安心について

  (2)インフォデミックによるパニックや差別について

  (3)社会的マイノリティや影響を受けている方へのよりそいについて

  (4)その他

 2 犯罪被害者支援における被害者や遺族の支援について

  (1)LGBTについて

  (2)その他

 3 その他

 

○議長(高橋かずちか) 次に、石坂わたる議員。

〔石坂わたる議員登壇〕

○29番(石坂わたる) 質問いたします。

 1番目として、新型コロナウイルスについて伺います。(3)につきましては、(1)、(2)の中に含めて、時間の都合上、質問させていただきます。

 (1)として、安全・安心について伺います。

 COVID-19、新型コロナウイルスの感染者が増え続け、それに伴う自粛や不安は、社会生活や経済活動に大きな影響を与えています。こうした中、母子二人きりや障害のある子と家で過ごす時間が増える不安や、精神障害者で不安を抱えた方がすこやか福祉センターの保健師に数多く相談をしているようです。また、子ども家庭支援センターでは、速報値で6月の虐待新規受理件数が昨年の67件から、本年は119件と大幅に増えているようです。また、家に引きこもる障害者や高齢者のメンタルヘルスの悪化や認知症の増加、心身機能の低下も心配です。さらに、様々な飲食店、小売店、サービス提供店、通所型の福祉施設等が経済的な影響を受けています。

 先日、国立感染症研究所感染症情報センター協力研究員である堀成美先生の話を伺う機会がありました。その中で、「感染拡大当初は実態が分からず、様々な対策を行ったが、状況が分かってきた現在は、効果の乏しい対策はやめて効果のあることを強化することが大切です。」とのことでした。

 「安全と安心は別である」とも言われます。100%安全ではないが、安全を意識しつつ、許容可能な起こり得るリスクを想定し、前向きに暮らし、働ける状況づくりが必要です。感染症対策的・社会生活的・経済的に安心できる雰囲気を広げていくこと、感染拡大の状況や国・都の方針に左右される部分がありつつも、行政報告の「様々な対策」や「幾重ものセーフティネット」との表現よりも踏み込んだ、より具体的に今、最低限これは守るということを示すべきです。そのため、区長は確率や影響も精査した上で、医療・社会・経済のバランスのどこに立つのか、何ができて何ができない、あるいは難しいのか、どこまで行政が守り、どこまでが個人の判断に委ねるのかなどについて腹を決め、方針やその決定理由を含めて打ち出していくことが必要ではないでしょうか。

 加えて、感染された方やその家族、仕事を失いそうな方や失った方、DV、虐待被害者を守り切る対応をしていく覚悟をしっかりと区長からのメッセージとして打ち出し、それを目に見える形で実行することで多くの人に安心を与えることが必要ではないでしょうか。

 なお、もしも区独自の方向性や考え方は持たずに国や都の方針に従ってただ粛々とということであれば、粛々と行うことに関して説明責任を果たすべきであることも申し添えておきます。

 (2)としてインフォデミックによるパニックや差別について伺います。

 本年第1回定例会の予算総括質疑で、感染症による個人の尊厳の侵害について質問いたしました。その後、区のホームページでは人権の侵害について法務省の人権相談の窓口などを紹介しています。しかし、現状では様々な問題が生じています。

 先ほど触れました堀先生からは、「個人を特定しない情報を出したつもりでも、現在は幾つかの情報から個人が特定されてしまうおそれがある。また、情報をうのみにしてしまうのは、可能性の低い情報をおそれ、可能性が高い情報を取捨選択できていない。情報リテラシーがもっと必要だ」との話がありました。現在、感染者の通学先が詮索されて暴露される、感染者が発生した大学の学生が濃厚接触者でなくても地域の中で嫌がられるなどの例が生じています。そして、高齢者や難病を抱えた人などが玉石混交の情報に触れ、不安が高まっています。すこやか福祉センターの保健師に自身の不安を相談する、こうした高齢者、難病の方を含めた区民の方が多いようです。

 また、感染者への人権侵害や差別について、科学的根拠の乏しい、あるいは不正確な情報、ステレオタイプに基づくものがあります。8月27日の日本テレビ「news every.」にて、「米国では大統領が新型コロナウイルスを『中国ウイルス』と連呼するため、日本人を含むアジア人全体への差別・偏見が蔓延している」との報道がありました。

 国内でも、SNS、夕刊紙などで新型コロナウイルスの「中国・武漢型」「欧州型」「東京・埼玉型」あるいは「武漢ウイルス」との言葉を目にします。連日、報道で国内外の地名と新型コロナウイルスが強く結びつけられ、都民や外国籍の人が他県等で白い目で見られるケースも生じています。

 かつてエイズについて、感染経路による「よいエイズ」・「悪いエイズ」という言葉での差別が生じました。今回の新型コロナウイルスに関しましては、カラオケ、会食、風俗産業、夜の繁華街などで感染をした顧客や経営者・従業員が差別にさらされるリスクが高まっています。

 新型コロナウイルスに関する正確な情報や不正確な情報を払拭する情報を発信することで、感染症を特定の地域やそこにゆかりのある人、あるいは出身地・居住地や通勤・通学先、感染した場合の感染経路によって差別や攻撃を受けることがないようにするため、犯人探しや個人名、勤務先、通学先などの感染者探しをしないように求め、区民のうわさ話やSNS、メディア上のデマや不正確な情報・憶測で語られていることや、多くの区民あるいは高齢者・妊産婦・持病のある人などハイリスク者や不安が高まりやすい方が抱える不安の把握をした上で誤った情報の内容を払拭する。正確な情報の発信をしていくことと、出せない情報や出す必要のない情報については、しっかりとその理由を示して、区民の皆さんに納得をしてもらう必要があるのではないでしょうか。

 そして、まだ区民の情報リテラシーが不十分な現状を踏まえ、根本的な対応として、今回の新型コロナウイルスに限らず、今後発生し得る未知の感染症なども含めたインフォデミックに対応するための区のホームページ、SNSでの情報の発信の仕方や全庁的な情報の発信の仕方に対する方針やマニュアルなどの作成が必要であると思われますが、いかがでしょうか。

 2点目として、犯罪被害者支援における被害者や遺族の支援について伺います。

 (1)のLGBTについてと、(2)のその他での男女の事実婚について併せて伺います。

 本年8月30日の共同通信の配信したニュース「犯罪被害者給付、同性パートナーも 札幌と大阪で支援の対象に」の記事で、「同性パートナー関係にある人を、支援の対象とするのは全国的にも珍しい。」という主旨で、この2市の状況が報告される記事がありました。

 私は、中野区犯罪被害者支援条例による遺族支援金、家事援助、カウンセリング費用助成、法律相談助成、弁護士費用助成、緊急一時居住費用及び転居費用等助成などの支援対象に同性カップルも含まれる認識がありました。現状では、同性パートナーシップ制度を利用している同性カップル、事実婚の男女あるいは同性カップルに対してどのような対応になっていますでしょうか。

 また、こうした他2自治体を指した記事が出たということは、中野区が犯罪被害者支援の対象をどう設定しているのか、住民にも認識されていないということになっていませんでしょうか。しっかりとこのこと、制度の内容だけではなく、遺族等の範囲について周知・啓発をしていくことが必要ではないでしょうか。

 なお、同性間・異性間に限らずパートナー間において、一方が第三者からの被害者であり、一方が遺族である場合も当然ありますけれども、パートナー間の一方が被害者であり一方が加害者となる場合もあり得ます。パートナー間や家族間の障害や脅迫、その他犯罪行為にも相談対応や緊急一時居住費用及び転居費用等助成などの対応が求められます。こうしたケースでは、家族でもあり被害者でもあることから、より慎重な対応や警察とのつなぎ方の配慮が必要です。同性間・異性間、法律上の婚姻の有無を問わず、こうした配慮をし、安心して相談を行えるようにすべきですが、今後どう行っていきますでしょうか。

 私からの質問は以上です。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 石坂議員の御質問にお答えいたします。

 まず、1点目に、新型コロナウイルス禍において、安全・安心に向けた取組についてでございます。区としては、基礎自治体としてセーフティネットの充実など公助にしっかりと取り組むとともに、地域活動再開に向けたガイドラインの提供など、自助・共助を促進するための支援策を講じているところでございます。併せて、首長として、区報、ホームページ、SNSなどを通じて、安全・安心に向けた正確な情報とともに、区民の生命と財産を守ることを最優先に取り組むといったメッセージを適時適切に発信していきたいと考えております。

 続きまして、犯罪被害者支援における被害者や遺族の支援についてでございます。

 まず最初に、犯罪被害者等支援事業の対象者と周知でございます。中野区犯罪被害者等支援事業で配偶者を支援対象としている事業につきましては、パートナーシップ宣言を行った方や事実上婚姻関係と同様の事情にあった方を対象にしております。支援事業の支援対象者についても、内容とともに十分周知を図ってまいります。

 次に、犯罪被害者等支援事業の対象者についてでございます。親族間の犯罪については、支援に当たり状況に応じた判断や配慮が必要になりますが、パートナーシップ宣言を行った方や婚姻関係と同様の事情にあった方に対しても配偶者と同様に丁寧な対応を行っていく考えでございます。

〔企画部長高橋昭彦登壇〕

○企画部長(高橋昭彦) インフォデミックによるパニックや差別についてお答えいたします。

 新型コロナウイルスに関する情報発信についてのお尋ねでございます。新型コロナウイルス感染症に関する区内の感染状況につきましては、区内の感染拡大防止を目的に、感染者のプライバシー保護に配慮した区内における感染者発生時の公表の考え方を定め、これに基づき公表を行っているところでございます。この公表の考え方につきましては、ホームページにも掲載をしているところでございます。

 この考え方につきましては、必要に応じて適宜見直しを行うこととしておりまして、区民の納得が得られるよう、感染者発生の動向も踏まえながら適切な情報発信を今後も行ってまいりたいと考えてございます。

 続きまして、情報発信の仕方に関する方針やマニュアル等の整備についてのお尋ねでございます。現在も区が危機に関する情報を発信するに当たっての方針や運用基準、マニュアルを作成しているところでございますが、未知の感染症等新たな事案が発生した場合には、マニュアル等に項目を追加するなど、区民に対しまして正確な情報を適切に提供できるよう努めてまいりたい、そのように考えてございます。

〔石坂わたる議員登壇〕

○29番(石坂わたる) 御答弁いただいた中で、情報の出し方として、マニュアルですとかそうしたものを、未知なる感染症の発生した際には定めていくかのような形で聞こえましたけども、これって、もちろん何か起こったときに、その後、直後にいろんな判断することも必要ですけども、やはり今回のことを踏まえて、あらかじめ今後どのような感染症が出てきたときにも対応できるような形での情報発信の仕方ですとか、区民が安心できる情報の出し方に関してマニュアル化しておくことが必要であると思いますが、その辺りがちょっと御答弁がどうかなと思いましたので再度御答弁いただければと思います。お願いいたします。

〔企画部長高橋昭彦登壇〕

○企画部長(高橋昭彦) 石坂議員の再質問にお答えいたします。

 後手に回らぬよう、しっかりと常に必要な内容について盛り込めるよう検討してまいりたいと考えてございます。

○議長(高橋かずちか) 以上で石坂わたる議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

午後2時32分休憩

 

午後2時55分開議

○議長(高橋かずちか) 会議を再開いたします。

 この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 小宮山 たかし

 1 教育委員会について

 2 子ども食堂支援について

 3 保育園について

 4 その他

 

○議長(高橋かずちか) 小宮山たかし議員。

〔小宮山たかし議員登壇〕

○18番(小宮山たかし) 小宮山たかしの一般質問をさせていただきます。

 このたびの新型コロナウイルスの感染拡大において、中野区と中野区保健所の情報がなかなか公開をされない。ちゃんと仕事をしているのかいないのかよく分からない。恐らくちゃんと、時には命がけで仕事していらっしゃるのでしょうけれども、それを判断する材料が何もない。情報公開がされないと、現場の方の努力もなかなか報われないなという印象を持っております。情報を積極的に公開していくということは、区民の関与やチェックを促し、それにより公正な行政の確保と行政に対する区民の信頼を獲得していくことであります。とりわけ教育委員会に関しては、原則公開ということが法律で定められています。もし、その会議を非公開にするのであれば、教育行政の説明責任をきちんと果たさなければなりません。

 8月21日、教育委員会定例会で、入野教育長は、「中野区文化財保護審議会への諮問について」の議事を、意思決定の過程にある案件であることから意思決定の中立性を確保するため、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第14条第7項のただし書の規定に基づき、他の教育委員の賛同を諮った上で非公開にしたと、複数の傍聴者から聞いております。

 入野教育長体制になってから、人事と教科書採択と学校再編以外の議事案件で、教育委員会定例会が非公開になったのは今回が初めてです。そもそも教育委員会は、中野区の教育に関する最高の意思決定機関であると私は認識しております。意思決定機関が、「意思決定の過程にある案件だから」と、それだけの理由で説明責任も果たさずに会議を非公開にしてしまったこと、これを看過することはできません。

 大事なことなので繰り返します。意思決定機関が、「意思決定の過程にある」ことを理由に、会議を非公開にする。こんなことを認めたら、教育委員会の全ての会議を非公開にしてしまうことだってできてしまうんですよ。こんな前例をつくってはなりません。おかしいではないですか。

 中立性を確保するためとも言っていますが、会議を公開することで一体どんな中立性が失われたというのでしょう。中野区の文化財保護審議会のメンバーは教育委員の発言によって、自分の信念や学説を曲げるような、そんなメンバーを人選しているんですか。だとしたら、そんなメンバーを人選したのは誰ですか。教育委員じゃないですか。今回会議を非公開にしたことで、教育委員会は、中立性のない密談をしていたんじゃないかと疑われても仕方がない。教育委員会及び教育行政への信頼を著しく失う行為、それが情報の隠蔽、会議の非公開です。

 もう一つ、中野区教育委員会は、8月28日に、夜の教育委員会定例会を予定し、傍聴者を募っておりましたが、新型コロナを理由にそれを中止しました。しかしその後、実は同じ8月28日には、臨時会を開催して、旧中野刑務所正門の取扱いなどを話し合っていたことが明らかになりました。28日の定例会を休会したのに、同じ日にちの別の時間にこっそり臨時会を開催していた、この目的は一体何ですか。傍聴者を排除することが目的だったんじゃないですか。これでは今までの古い教育委員会のやり方と一緒じゃないですか。

 例えば、平成29年、中野区の教育委員会は34回の定例会と11回の臨時会を開催しました。臨時会は、区民に告知をせずに開催ができる、あるいは非公開を前提として傍聴者を排除した上で開催をしている。今は、臨時の会議だって、ホームページで告知しようと思えば幾らでも告知できるのに、それをしてこなかった。平成29年当時、教育委員会の会議の実に4分の1が臨時会とは名ばかりの実質的な秘密会議で行われていたんです。せっかく、ようやく教育長が新しくなったというのに、区民に隠れた臨時会で秘密の会議を持つなんて、やっていることは今までと一緒じゃないですか。

 教育委員会に対して、区民の関与を否定する、区民を拒絶する、会議の日時を偽装する、そんな教育委員会が本当に信頼に足るのか、本当に公正に足る審議をしていると言えるのか。ブラックボックスの中で話し合われていても何も分からない。5人の教育委員の双肩に中野区の子どもたちの未来がかかっていることを決して忘れないでいただきたい。

 質問をします。

 意思決定機関が、意思決定の過程にあることを理由に会議を非公開にしたこと、この理由付けと判断が妥当なのかどうか、それを公開したらどんな中立性が失われたというのか教えてください。

 もう一つ、教育委員会の予定を一度はキャンセルしたはずなのに、同じ日付で臨時会を開催した。傍聴者排除という目的があったと思われることは分かりますが、もしほかの理由があるならば教えてください。

 [1]次に、子ども食堂と、公益活動・市民活動について伺います。

 コロナ禍という非常時にあり、財政支出の削減も始まっている今、中野区においても公助の手が届かない部分を共助によって補っていく、そのための市民活動の活性化が今まで以上の急務になっており、たとえどんなに苦しくても、ここだけは削ってはいけないところであると私は考えております。

 ここ数年、そうした共助の一環として、中野区で多数の子ども食堂が立ち上がっていますが、区としては、補助金を出すことと、フードドライブ事業を行う以外に大した支援はしていません。金を出しておけばいいだろう、物を与えておけばいいだろうという区に対して、中野区社会福祉協議会では熱心なサポートをしてくださっています。区内の子ども食堂の中には、高齢者会館や区民活動センター等の公共施設を拠点としているものが幾つかあります。しかし、高齢者会館は高齢者のための施設、区民活動センターは地域住民による地域住民自治の活動拠点としての施設です。子ども食堂は、高齢者を主対象とするものではありませんし、必ずしも区民活動センター圏域の地域住民だけを対象としているものでもありません。この中野区には、子ども食堂をスムーズに運営するに足るような十分なキッチンと広い食事スペースのある施設があまりにも少なく、ほかに選択肢がないために、やむを得ず高齢者会館や区民活動センターをお借りしているという事情があります。

 中野区は、子ども食堂に対して、金を出しておけばいいだろう、物を与えておけばいいだろうと考えているようですけれども、実は、金に困っている子ども食堂はそんなに多くない。昨年度、中野区の補助金を活用した団体は1団体だけしかありませんでした。その一方で、活動場所に苦労したことのある子ども食堂は区内に複数ありますし、立ち上がったばかりでまだ軌道に乗っていない子ども食堂が宣伝や集客に苦労したり、スタッフ集めに苦労したり、運営ノウハウに苦労したりするのもよくある話です。今、社会福祉協議会がその辺りのサポートを熱心にしていますが、じゃあ、区は一体何をしているんですか。社会福祉協議会との役割分担を明確にして、区は、区にしかできないような支援をきちんとしていくべきだと思います。

 質問をします。

 子ども食堂の活動場所として、高齢者会館や区民活動センター、あるいは区立学校などを優先的に利用できるよう、新しい施設利用のルールや仕組みをつくったり、あるいは子ども食堂を区の委託事業に指定するなどして、優先的・安定的に場所を確保できるよう支援をできないでしょうか。そうした支援ができないようであれば、子ども食堂に限らず、特定の地域だけを対象としない市民公益活動をより活性化させ、共助を今まで以上に促すために、新たな市民公益活動の拠点を造るべきと思いますが、いかがでしょうか。

 次に、保育園に関して質問します。

 先日、中野区の保育園の募集要項「保育所等のごあんない」の最新版が出ました。これまでとデザインが一新され、非常に見やすく、分かりやすく、書類の数や書式も見直され、とてもすばらしいパンフレットになったと思ったのもつかの間、中身をよく見ると、「不足書類があっても区から連絡はしない」、「不足書類が締切日までに未提出の場合や書類不備がある場合は選考対象としない」、「職員による書類の確認は行わない」等の文言があることが分かり、子育て関係者の間に戦慄が走りました。ツイッター界隈では、今年一番とも言える大騒ぎとなりました。多くの区民が区に問い合わせ、また私も担当部署に働きかけた結果、「申請書類に不足等がある場合は、提出期限までに御提出いただきますよう御案内しています」という補足説明が区ホームページ上でされ、一応の決着を見ました。

 行政手続法第7条及び中野区行政手続条例第7条では、「申請に不備があったら、速やかに申請者に対し補正を求めなければならない」という旨が書かれていますが、今回の募集要項の文面は、法律や条例違反に当たるものではないでしょうか。

 既にパンフレットは発行済みで流通していますから、それを回収して訂正するのは現実的ではありません。しかし、一度失った信頼を取り戻すのは、最初に信頼をつくる以上に大変です。区として、今後一体どのように対応していくのでしょうか。

 以上、2点教えてください。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 小宮山議員の御質問にお答えします。

 2点目、子ども食堂支援についてでございます。

 まず、最初に子ども食堂の活動支援についてでございます。子ども食堂の活動支援として、今年度から宅食やフードパントリー、こちらを助成対象に加えて、上限金額も増額するなど運営助成の内容を改め、より多くの団体から申請をいただいているところでございます。

 子ども食堂は、活動団体の自主的な活動を支援するという形で進めていく考えでございまして、直接区の委託事業とすることは考えておりませんが、活動場所の確保のための支援策については引き続き検討してまいります。

 次に、市民公益活動の拠点整備についてでございます。子ども食堂に限らず、区民による多様な公益活動が区内で展開できるよう、これまでも支援を行ってきたところでございます。今後も効果的な支援策について検討してまいります。

 なお、特定の地域を対象としない公益活動団体についても、区民活動センター等を御利用いただけることから、公益活動団体が拠点として使える施設を新たに整備することについては考えてはおりません。

 次に、3番目の保育園について、保育園の入園案内についてでございます。

 今年からの保育園の入園案内を分かりやすく改訂するとともに、申請書の簡素化を図って、併せて注意事項を記載したところでございます。しかしながら、入園案内の一部の記載内容について、配慮に欠け、不適切な部分があったため、区のホームページに、「申請書類に不足等がある場合は、提出期限までに御提出いただくよう御案内しています」との補足説明を掲載するとともに、窓口等でも丁寧に案内をしているところでございます。今後ともより分かりやすく説明するとともに、手続についても簡便なものになるよう検討を進めてまいります。

〔教育長入野貴美子登壇〕

○教育長(入野貴美子) 教育委員会についての御質問にお答えいたします。

 初めに、教育委員会の議事運営についてでございます。教育委員会の会議を非公開とすることについては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第14条第7項ただし書で、非公開とする議決があったときは非公開とすることができる旨、規定されております。今回の審議案件については、意思決定の過程にあり、審議において自由な意見表明が妨げられるなど、公平中立な意思決定に支障を生じるおそれがあることから、審議に当たり会議を非公開とすることとなりました。ほかに非公開とした事例としては、教科書採択、人事などがあり、適切な運営と考えております。

 なお、本件に係る議決については、9月4日の定例会において公開で行ったところであり、非公開とした会議の議事録についても、今後、公開していく予定でございます。

 次に、教育委員会臨時会の開催についての御質問です。8月28日の教育委員会定例会については、夜の教育委員会の開催を予定していましたが、多くの傍聴を呼びかける事業であるため、新型コロナウイルス感染症予防の観点から、やむを得ず中止とすることといたしました。一方で、緊急に議決を要する審議案件が生じたことから、教育長、教育委員の日程調整の結果、8月28日の午前に臨時会を開催したものでございました。

○議長(高橋かずちか) 以上で小宮山たかし議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 竹 村 あきひろ

 1 新型コロナウイルス感染症に関する情報発信について

  (1)感染症罹患に関する実態情報について

  (2)関係省庁などに対する情報開示について

  (3)その他

 2 悪質な詐欺行為に対する区の対応について

  (1)自動通話録音機貸し出しの評価、防止事例について

  (2)より効果的な施策と中野区独自の取り組みについて

  (3)その他

 3 その他

 

○議長(高橋かずちか) 次に、竹村あきひろ議員。

〔竹村あきひろ議員登壇〕

○2番(竹村あきひろ) 本定例会こそNHKの質疑をしようと考えていましたが、世の中はNHKどころではありません。区民が直面している喫緊の問題についての一般質問とします。

 令和2年第3回定例会に当たりまして、所属政党は国政政党NHKから国民から守る党、会派の所属はありません。無所属議員の立場から一般質問をいたします。

 質問は通告どおりで、その他はございません。

 初めに、中野区の新型コロナウイルス感染症に関する情報発信について伺います。

 本年、令和2年1月15日に初めて感染者が確認された新型コロナウイルス感染症は、今も区民、国民の生活に強い影響を与えています。その感染拡大防止及び対応全般に各省庁、関係機関はじめ、我が中野区においても、関係者各位の誠意ある御対応、御活躍に感謝申し上げます。

 この危機的状況に、私も含め、区民、国民に必要なことは、今何が起きているのかという情報、正しい知識ではないかと考えます。地震や風水害、大きな事件が発生したときに、安全を確保し、安心を得るために最も必要なことは、正しい情報や知識であることは、過去の事例からも明らかです。

 そこで注目したいことは、この「新型コロナウイルス感染症」を正しく理解し、適切な対応を行うために必要な情報は何かという点です。一般的な情報の入手方法は、総務省公表「令和元年度版 情報通信白書」によれば、平日の利用メディアと利用時間が、全年代でテレビ視聴が平均156分、インターネットが112分。また、「いち早く世の中の出来事や動きを知る」という目的別調査で、最も利用するメディアは、全年代でテレビが45.3%、インターネットが50.7%となっています。情報は、新聞の時代からネットにシフトしていることが、総務省発表の資料からも確認できます。そして、インターネット情報は各省庁、関係機関、自治体などの発信から用意に入手できること、個々人が持つスマートフォンをはじめ携帯端末を利用できることも大きな特徴です。

 ただし、気になる調査結果もあります。同白書の「メディアとしてのインターネットの位置付け」で、「世の中の出来事や動きについて信頼できる情報を得る」という調査においては、テレビが55.2%、インターネットが21.6%となっています。信頼できる情報を得るために最も利用するメディアはテレビという結果は、インターネットの情報発信は、フェイクニュースも含め多様で発信も容易であることを利用者も熟知してのことと推測できます。したがって、インターネットによる情報発信は、根拠を明らかにし、かつ信頼できる情報源からの一次情報が重要であると考えます。新型コロナウイルス感染症に関し、中野区ホームページでは適宜更新がなされておりますが、感染者数増及び退院等という記載で区民が求める情報としては不足の感が否めません。

 そこで伺います。新型コロナウイルス感染症に関し、区民、国民に安心を与える情報としては次の点、追加の必要を感じます。

 感染者数のうち入院者、重症者、施設療養者、自宅療養者、死亡者及び退院者数といった新型コロナウイルス感染症罹患に関する実態情報。特に、罹患しても普通の生活に戻れる率はどれぐらいなのかという点。加えて、プライバシーの観点から公開されていない情報に関し、特に年齢は重要情報と考えますが、非公開である点。また、死亡された方の情報について、東京都発表の資料「新型コロナウイルスに関連した患者の死亡について」では、年代、性別、居住地、診断日、死亡日のみが記載されたデータを公表していますが、死亡理由と原因が明示されておらず、感染と死亡の因果関係が不明瞭であり、罹患者の死亡イコール新型コロナ感染症と誤解を生む点、以上の情報公開について区の考えをお示しください。

 また、これら情報開示に関し、東京都、国などの関係機関に中野区として情報開示を求める意向はあるのか、区の見解を伺います。

 非公開の情報を発信させること、求めることは困難なこととは思いますが、区民、国民に安心を与え、安全を図り、経済回復の上でも真実の情報は必要と考えます。区のなお一層の注力を期待いたします。

 次に、悪質な詐欺行為に対する区の対応について伺います。

 特殊詐欺の被害は、件数、被害総額ともに高いレベルで推移しています。ちなみに特殊詐欺とは、犯人が電話や葉書、封書などで親族や公共機関の職員等を名乗って被害者を信じ込ませ、現金やキャッシュカードをだまし取る、医療費の還付金が受け取れるなどと言ってATMを操作させ、犯人の口座に送金させる犯罪のことです。

 特に大規模災害発生時や昨今の新型コロナウイルス蔓延等の社会不安に乗じて、必ずと言っていいくらい発生するのが詐欺行為です。警視庁が本年、令和2年8月7日に公表した資料、「令和2年度上半期における特殊詐欺の状況について」によれば、詐欺事件の認知件数1,434件、被害総額、約30億3,691万円、1件当たりの被害総額は約211万8,000円となっています。また、同じく警視庁が発表する「新型コロナウイルス感染症に伴う各種防犯情報」によれば、その種類は多岐にわたり、例を挙げますと、定額給付金に絡む銀行口座番号や世帯構成などの個人情報を入手しようとするもの、定額給付金給付のための手数料の振込を求めるもの、新型コロナウイルス感染症で補助金が出るのでキャッシュカードと印鑑証明を求めるもの、厚生労働省から助成金が出るなどの情報で誘うもの、東京都コロナ対策本部を名乗る者から「コロナ給付金が出るので書類を持って伺う」旨の電話があったなど、多数の事例が報告されています。

 独立行政法人国民生活センターホームページにおいても、新型コロナウイルス感染症関連の消費者トラブルの事例として、国や地方公共団体の給付金・助成金を装った詐欺に注意喚起のページが設けられております。

 我が中野区では、区ホームページにて昨年、令和元年の特殊詐欺被害状況が掲載されており、認知件数94件、被害総額約2億1,000万円、1件の被害金額は約223万4,000円と、被害の実態に驚くばかりです。

 中野区ではこの詐欺犯罪を防ぐ取組として、平成29年度から自動通話録音機の貸出し事業を行っておりますが、一昨年、平成30年度は300台、昨年、令和元年度は600台と実績を延ばしております。本年度は、「なかの区報7月5日号、No.2047」にて、特殊詐欺の特集が掲載されるとともに、1,500台の貸出し案内がありました。

 そこで伺います。自動通話録音機貸出しの実績は増加しておりますが、その効果、犯罪抑止の実態が目に留まる機会は少ないように感じます。自動通話録音機貸出しに関する評判、評価など及び実際に詐欺被害を食い止めた事例で公開できるものがありましたら、可能な範囲でお示しください。

 また、昨年比で特殊詐欺認知件数は減少しているもののゼロではありません。特殊詐欺撲滅に向けたより効果的な施策など、中野区として独自の取組がおありでしたらお示しください。

 特に特殊詐欺被害者の大多数は、おおむね60歳代から80歳代の、しかも女性と傾向は際立っています。犯罪抑止、防犯意識の高揚は、情報の共有、特に犯罪の実態や手法を広く知ってもらうことが有効と考えます。町内会掲示板などの有用性も昨今の新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から一層高まることと思います。大きな被害を受けている、この年齢層向けの施策などもありましたら併せてお示しください。

 以上伺いまして、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 竹村議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初、新型コロナウイルスに関する情報発信についてでございます。

 新型コロナウイルス感染症に関する区内の発生状況につきましては、区内の感染拡大防止を目的に、感染者のプライバシー保護に配慮した区内における感染者発生時の公表の考え方、この基準を定めて、これに基づいて公表を行っているところでございます。この公表の考え方につきましては、必要に応じて適宜見直しを行うこととしておりまして、区民の皆さんの納得が得られるよう、感染者発生の動向も踏まえながら適切な情報発信を行ってまいりたいと考えております。

 次に、国と都の情報開示についてでございます。感染者に関する情報の開示につきましては、国、東京都とともに、それぞれの方針や考え方に基づき公表しているものでございます。それに対して区が意見を言うのは難しいと考えております。

 続きまして、悪質な詐欺行為に対する区の対応について、自動通話録音機貸出しの評価等についてでございます。区が購入配布している自動通話録音機を設置した世帯からは特殊詐欺の被害が出ていないということでございまして、被害を防ぐ効果は高いものと認識をしております。

 なお、自動通話録音機を設置した区民からは、録音機を設置してからセールスや勧誘などの電話がかかってこなくなり大変助かっているなどの声が一部寄せられているところでございます。

 次に、特殊詐欺被害ゼロに向けたより効果的な取組等についてでございます。本年7月に中野、野方両警察署と自動通話録音機貸与事業に関して協定を結びまして、警察からの情報に基づいて犯人からのだまし電話、いわゆるアポ電の多発場所付近において集中的に広報するほか、特殊詐欺被害の多い70歳から80歳代の高齢者に対して貸出しを強化しているところでございます。このほか、こうした取組につきましては、区報で特集するなど、周知、広報を強化しているところでございまして、今後も特殊詐欺被害ゼロに向けて取り組んでまいります。

○議長(高橋かずちか) 以上で竹村あきひろ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 立 石 り お

 1 「ウィズコロナ」の区政運営とデジタルトランスフォーメーションについて

 2 マイナンバーカードの利活用について

 3 その他

 

○議長(高橋かずちか) 次に、立石りお議員。

〔立石りお議員登壇〕

○8番(立石りお) 令和2年第3回定例会において一般質問いたします。

 「ウィズコロナ」の区政運営とデジタルトランスフォーメーションについて伺います。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い経済に大きな影響が生じており、令和3年度中野区の一般財源は92億円減少すると見込まれております。令和3年度の基準となる一般財源規模は687億円で、令和2年度から63億円減少する中で、区民の生活支援、地元産業の支援など行政需要は増大しており、極めて困難な財政運営が求められます。予算がない中で知恵を絞り、国・都の財源確保や外部資源を積極的に活用していく必要があります。

 内閣府が令和2年7月17日に閣議決定をした「経済財政運営と改革の基本方針2020」の中で、「今般のグローバルな規模での感染症拡大は、パラダイムシフトとも言うべき大きな変化を世界に引き起こしている。我が国もデジタル化を原動力としたSociety5.0実現の取組を推進してきているが、行政分野を中心に社会実装が大きく遅れ、活用が進んでおらず、先行諸国の後塵を拝しているということが明白になった。デジタル化、そしてSociety5.0の実現は、経済社会の構造改革そのものであり、制度や政策の在り方、行政を含む組織の在り方なども併せて変革していく、言わば社会全体のデジタルトランスフォーメーションの推進に一刻の猶予もない。」と述べております。

 行政分野の対応の遅れが指摘されておりますが、民間では指数関数的な速度で技術革新が起きております。先月、イーロンマスク氏が、人間の脳にAI型チップを埋め込み、人と人口知能を接続する技術を発表しました。この技術により認知症など脳の病気を予防改善するなど医療的な効果が期待されております。それ以外にも、人間の記憶をバックアップしたり、ロボットなどに人格をインストールすることができるようになっております。こういった技術は、倫理的な面で賛否両論の議論を巻き起こすことは間違いありません。新しい技術に関する規制の可否は自治体が考えることではないかもしれませんが、技術革新の速度がますます上がるため、社会のデジタルトランスフォーメーションを推進し、よりよい未来を創るためにも自治体職員のICTリテラシーを高めることは必須となります。

 そこで、オープンデータの推進について伺います。中野区のホームページにオープンデータ一覧が掲載されていますが、情報公開、情報請求の在り方に課題が見られます。営業許認可の情報公開請求手数料は、中野区は全国の自治体と比較して高いとソーシャルメディア上で話題になっておりました。例えば、食品営業許可と廃業届のデータを分析することで、中野区内にある食品営業事業者の開業率、廃業率などの定点観測が可能になります。また、このような分析があれば、国や都の補助金の対象期間外に新規開業した店舗数の把握や廃業率の高い地域や業態を特定することができます。こういった事業者に対して重点的な支援策を検討することも可能になります。区独自で分析をしなくても、オープンデータとして公開することで、民間団体が分析した内容を参考にすることもできます。既存の情報公開請求制度では、手続の際に情報取得の利用目的や請求者の肩書などを確認する内容ではありませんし、そもそも利用目的によって公開の可否を判断することはできません。

 そこで、区のオープンデータガイドラインにあるオープンバイデフォルトの考え方から、既存の情報公開請求の窓口以外にも、ホームページなどでオープンデータとして公開を希望する情報について要望を受け付け、オープンデータ化の可否や公開するフォーマットを検討する体制を構築すべきと考えます。見解を伺います。

 続いて、官民データ活用推進計画についてです。

 オープンデータ化や官民データの活用において課題があるため、区としても方針を固める必要があります。また、キャッシュレス化、デジタル手続の推進にしても、自治体独自にシステムを開発、または改修する際に費用が発生します。新しい取組を行う際は、費用対効果が不明なため、実証実験などを通じて社会実装を行う体制が必要です。

 例えば、総務省の「情報通信技術利活用事業補助金」という制度があります。この補助金は民間事業者との共同による実証事業を通じて、地域課題や行政課題を解決することを目的としたものです。ウィズコロナの時代においては、新しい行政サービスの形も模索していかなくてはなりません。しかし、この補助金制度の対象は、官民データ活用推進計画を作成している自治体に限られます。官民データ活用推進計画は雛形ベースで策定するパターンと、既存の地域情報化計画などをベースに策定するパターンがあります。中野区が今年度に改定する地域情報化推進計画に官民データ活用推進計画を位置付けてはいかがでしょうか。見解を伺います。

 次に、産官学民によるデジタルトランスフォーメーションの推進体制についてです。

 今後は、民間が持っているビッグデータなどのリソースを自治体から提案して活用するなど積極的な姿勢が求められます。例えばモバイル事業を行っている大手企業は位置情報の滞在、人流などのリアルタイム分析ツールを9月末までに自治体向けに無償で提供しています。このようなデータがあれば、中野区内で人が集まる場所、時間帯、移動経路の定点観測や分析ができるようになります。API連携により中野区のホームページで分析ツールを公開することができれば、区民も混雑状況を調べられますし、中野区としても分散化を呼びかけることや、ウィズコロナのまちづくりや産業振興に生かすことができます。

 このようなビッグデータの活用は、有料なものが多いですが、以前、神戸市では同様のツールのAPIを無償提供してもらい、市民参加のアイデアソンを開催しておりました。自治体側が企業側に社会的意義のある企画を提案していくことが求められます。反対に、こういった提案を積極的に受け付けて、事業を中野区にとって意義あるものに調整しつつ推進していくことも必要です。

 現状では庁内で各所管が民間連携を調整していますが、部署を横断するような大きな提案は企画課が担当しています。企画課は事業を多数抱えておりますが、本来は政策調整に注力すべきで、今後はこういった体制を強化する必要があります。また、調整及びプロデュースを手がける人員は今後ますます重要になるため、ICTの知識を持つ外部人材を登用し、OJTで職員を育成していくという考え方もあります。

 官民データ活用推進計画にも位置付けられる民間と共同による実証事業の推進と、庁内を横断的に調整する体制を構築し、民間アドバイザーとして外部人材を登用してはいかがでしょうか、御見解を伺います。

 次に、実証事業の提案を呼び込む体制づくりについてです。

 デジタル化の進展度合いに係る世界の都市ランキングによると、東京都と日本は、都市全体のデジタル化、オープンガバメント、モビリティ、キャッシュレスなどいずれの項目も10位以下にランクしています。世界各地でAI、IoT、ビッグデータ等の新技術の社会実装が進む中、世界の国・都市ランキングで、他国や他都市に後塵を拝しているという状況です。国内の基礎自治体単位で比較しても、渋谷区、横浜市、会津若松市、福岡市、つくば市、横瀬町などは、新技術による社会実装のプラットフォームを構築しております。例えば、会津若松市では、自治体基幹系システム等が保有する福祉関係情報を集積し、AI技術により分析をすることで、支援の手が行き届いていない潜在するDV、虐待、孤独死などの可能性のある要支援対象者を発見し、見守り等の支援を強化するための仕組みを実証事業として行っています。中野区としても、ウィズコロナにおける取組や子育て、見守り、産業支援、業務効率化など課題を設定した上で、新技術を活用した社会実装の提案を受け付ける体制を整備すべきと考えます。御見解を伺います。

 次に、マイナンバーカードの利活用についてです。

 マイナポータルから特別定額給付金のオンライン申請を受け付けたためか、5月以降、マイナンバーカードの申請件数は増加しており、7月の時点で昨年の交付件数を超えております。昨年の交付件数は1万3,406件で、月平均約1,100件です。今年度は4月で2,100件、5月で4,300件、6月で6,300件、7月で3,900件、8月で4,300件、月当たりの交付件数は2倍から6倍近くに上昇しております。マイナンバーカードの受付、交付体制を強化するべく、8月17日から課内応援体制による人員増加をしています。通常、夜間窓口は火曜日延長、日曜日は第1・第2日曜日のところを月曜日から金曜日の毎日夜間延長し、9月末までの臨時窓口では郵送による交付も行っております。9月からマイナポイントの制度がスタートしております。マイナポイントの登録は、来年3月までなので、マイナンバーカードの交付に時間がかかると、登録に間に合わない方が発生するおそれがあります。

 マイナンバーカードの申請件数の増加に伴い、これまで様々な対策を取っておりますが、申請から交付まで2か月程度の期間を要しており、窓口の増加など供給体制を強化する、または供給スピードを落とさないために、10月以降も課内応援体制を継続する必要があると考えます。現状ではそれが可能かどうか見解を伺います。

 令和3年3月からマイナンバーカードを健康保険証として使用できるようになります。同制度には、六つメリットがあると言われております。一つ、医療保険の資格確認がスピーディになる、二つ、医療保険の事務コストが削減する、三つ、健康保険証としてずっと使える、四つ、手続なしで限度額以上の一次的な支払いが不要になる、五つ、健康管理や医療の質が向上する、六つ、医療費控除が便利になるなど様々なメリットがあります。

 8月7日から初回登録の受付制度が始まっておりますが、区民に対して同制度のメリットの周知と設定のサポートを支援をする必要と考えます。見解を伺います。

 以上をもちまして私の全ての質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 立石議員の御質問にお答えいたします。

 「ウィズコロナ」の区政運営とデジタルトランスフォーメーションについて、1点目にオープンデータの推進についてでございます。現在、区では情報システム課がオープンデータを所管しており、順次、オープンデータ化を進めているところでございます。区民、事業者等からのオープンデータに関する相談や要望については、区の窓口として、情報システム課が受け付けていることをホームページでPRするなど、さらに活用を促進してまいります。

 続きまして、官民データ活用推進計画の位置付けについてでございます。基礎自治体における官民データ活用推進計画の策定は、努力義務でございますが、今後、区がオープンデータなどを活用した民間との協働、協創に向けた取組を強化していくに当たりましては、必要な計画であると認識をしております。中野区の官民データ活用推進計画につきましては、現在、策定作業中である地域情報化推進計画の中に位置付けることを想定しております。

 次に、新技術活用の提案を受ける体制づくりについてでございます。先進自治体で実施している企業からの提案を一元的に受け付け、官民が連携して実装を図っていく仕組みは、これからの官民連携の在り方の一つとして有望だと考えております。今後、区としてもそういった仕組みの構築について検討をしてまいります。また、専門的知見を有する外部人材の活用についても検討してまいります。

〔区民部長青山敬一郎登壇〕

○区民部長(青山敬一郎) 私からは、マイナンバーカードの利活用についてお答えいたします。

 まず、今後のマイナンバーカード交付体制についてでございます。昨年度と比べ、特別定額給付金のオンライン申請やマイナポイントの付与制度などにより、マイナンバーカードの申請数が大幅に増加しております。このため、現在、平日の夜間と日曜日にマイナンバーカード交付のための臨時窓口を開設しているところでございますが、今後も適切な体制を組むことで、マイナンバーカードの円滑な交付に努めてまいります。

 次に、マイナンバーカードを健康保険証として利用するための登録制度についてでございます。マイナンバーカードの健康保険証利用の初回登録につきましては、国からも区市町村に対し、国民健康保険及び後期高齢者医療の被保険者への円滑な手続支援や周知広報等について要請されているところでございます。区としましても、区民の利便性の向上やマイナンバーカードの利活用の促進を図る観点から、初回登録の申込み方法の周知や申込み手続の支援に取り組んでいきたいと考えております。

○議長(高橋かずちか) 以上で立石りお議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 吉 田 康一郎

 1 武漢ウイルス(新型コロナウイルス)対策について

  (1)策定中の区の各計画(基本計画、都市計画マスタープラン等)について

  (2)PCR検査とその情報公開について

  (3)深刻な影響を受けている業種の事業者への支援について

  (4)地域の団体への支援について

  (5)その他

 2 防災対策について

  (1)中野区ハザードマップについて

  (2)その他

 3 その他

 

○議長(高橋かずちか) 次に、吉田康一郎議員。

〔吉田康一郎議員登壇〕

○12番(吉田康一郎) 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会、吉田康一郎です。一般質問よろしくお願いいたします。

 まず最初に、武漢(新型コロナ)ウイルス対策について伺います。

 策定中の区の各計画、基本計画、都市計画マスタープラン等についてから質問を始めます。

 アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、武漢ウイルスによる世界の死者数が、昨日、日本時間の10日、90万人を超えました。8月22日に80万人を超えてから、僅か20日間で10万人、死者が増加いたしました。

 様々論じられ、報じられているとおり、武漢ウイルス感染症の感染拡大に伴う甚大な影響は、世界中で、そして我が国で、人々の生活や生命、そして経済、社会、さらに人々の行動、意識、価値観にまで波及しつつあります。これまで当たり前であった日常生活、経済商業活動、行事・文化活動、生活の習慣まで、ウイルス感染予防のため大きな変化を迫られています。

 区政においても、ウイルスの影響は区民生活のあらゆる場面に広がり、区民サービスの在り方を根本から考え直す必要性に迫られています。区は現在、区政の基本となる基本構想及び基本計画の改定を進めており、また、都市計画マスタープランや住宅マスタープランの改定作業を進めています。今回の武漢ウイルス・パンデミックは、基本構想や基本計画、都市計画マスタープランの改定の検討において、昨年度は全く想定していなかったことであります。区長の様々な答弁あるいは報告をお聞きして、問題意識は感じますけれども、具体的なイメージがいまだつかめません。基本構想、基本計画の改定にパンデミックがどのような課題を与えたのか、新たに盛り込むべき視点があるのか伺います。

 同様に、都市計画マスタープランの改定や住宅マスタープランの改定作業に、同じくパンデミックがどのような課題を与えたのか、新たに盛り込むべき視点はあるのか伺います。

 そして、密を避けて、ゆとりある空間の中で生活と活動する「新しい生活様式」が求められ、交通機関の利用や道路や公園整備をはじめ、都市基盤整備にも対応が求められています。特に中野駅周辺のまちづくりなど現在進めている大規模開発事業において、このような観点から整備の検討を行っているのか伺います。

 働き方についても、情報通信基盤のより一層の整備の推進が必須となり、在宅勤務の普及、テレビ会議、リモートワーク、サテライトオフィスの整備など、勤務スタイルを見直す社会変化が起きています。行政機関でも、国や都においてリモート会議やテレワークスタイルを積極的に取り入れており、実際に集まらないで会議をするスタイルも定着をしてきています。これは当然、我が区の区役所新庁舎の建設にも影響があります。

 パンデミック前に、新庁舎の整備計画は検討が進められてきたわけですが、世の中全体で大きく働き方が変わっている中、区の計画も見直す必要はないのでしょうか。役所は民間と比べて、公共性と手続という制約の中で、意思決定の大胆さ、迅速さなどの点で大きな変化への対応という点でギャップが発生しやすいです。新庁舎ができた瞬間に旧式の建物だという事態は決してあってはなりません。先進的な取組をしている民間のオフィス、働き方の事例等を一層積極的に研究し、取り入れていく必要があると考えますが、区の見解を伺います。

 また、新しい基本構想や新庁舎などができる前に、今から、区民と感染防止の観点から、直接の接触を防止しながらコミュニケーションを取って政策を立案し実行していくことが不可欠であり、ICTの活用は必須であります。リモート会議やテレワークなどの普及を含めた情報インフラの整備・推進についての区の取組の状況について伺います。

 今回のウイルス流行という災いにしっかりと対応し、変えるべきをしっかりと変え、区民のためのよりよい環境形成に向け取り組んでいただくことを要望いたします。

 次に、PCR検査とその情報公開について伺います。

 8月28日の読売新聞朝刊に、「PCR検査陽性率」の記事が掲載されました。8月に20政令市と23区を対象に陽性率の公表について取材し、23区中13区が陽性率を非公表と回答したと。中区も非公表と回答したと、このように報じられています。一方、中野区のホームページでは、中野区PCR検査センターにおける検査件数、陽性者数を公表しており、同センターの検査によって陽性率は算出が可能です。区は読売新聞からの取材を受けたのか、またそうであれば、「陽性率は非公表」と回答したのはなぜか伺います。

 そして、区のホームページでは、区民の感染者数、区内医療機関から届けられた週ごとの感染者数、PCRセンターで実施した検査数、陽性者数を公表しています。そして、この検査結果についてグラフ化し、陽性者の年代別分布も示し、陽性率はグラフで示しています。であれば、陽性率についても数字でも公表してはどうか伺います。

 東京都が公表している新型コロナウイルスモニタリング項目で、検査の陽性率は8月31日現在、4%です。中野区PCR検査センターにおける検査数、陽性者数から計算すると、区における陽性率は東京都全体よりも高い状況であります。この理由について伺います。

 この項の最後に、区内医療機関で実施したPCR検査数を含めて、検査数、陽性者数、陽性率を公表し、区民に分かりやすく公表していくことが必要と思いますが、見解を伺います。

 次に、このウイルスで深刻な影響を受けている業種の事業者への支援について伺います。

 区内の飲食店等の事業は、協力金の支給はあるとされながらも、この感染症により深刻な影響を受け続けています。区に確認したところ、「緊急応援資金の優遇」融資制度において、あっせん件数の2割以上が飲食業の事業者で、最も多くの割合を占めています。区は、コロナ禍における商店街活性化について、デリバリー等の支援やキャッシュレス化の推進、逸品グランプリオンライン版の実施など様々取組を進めていますが、事業者がいまだ困難な状況にあることは否めません。引き続き手を尽くして、これらの業種を支援していくことが必要であります。

 せんだって中野区商店街連合会から、このコロナ禍におけるプレミアム付商品券事業の実施について強い要望が寄せられました。他区に30%のプレミアム商品券の先行事例も複数あり、新たな支援策としてかなり有効であろうと期待します。折しも、新型コロナの影響で多くの商店街イベントが中止となり、我が区の商店街振興予算の中で、東京都の補助制度チャレンジ戦略支援事業における相当額の残額が見込まれています。都も、イベント事業等について再度募集をかけるなど工夫を図っているようですが、今の状況下で、商店街が新たに感染対策も強化しつつイベント等を成功させることはかなり難しいものと考えます。予算編成時との目的の違いなど東京都との調整は必要でしょうが、この緊急時、今年度予算を柔軟に運用し、商業関連予算の本来の目的を達成することが本当に必要であります。チャレンジ戦略の補助金を原資とするなどして、プレミアム付商品券事業など、商店街、特に飲食店等深刻な影響を受け続けている業種を支援する事業に新たに取り組むべきと考えますが、見解を伺います。

 この項の最後に、町会・自治会の掲示板について御質問をしようと思っていましたけれども、若林議員が同趣旨の質問を寄せ、区から前向きな答弁がありました。区の助成金を使いやすくする、5年間というのをさらに検討する、サポートを引き続きつづける、私からもこれをお願い申し上げて、この項の質問を終わります。

 最後に、中野区ハザードマップについて伺います。

 先月、中野区ハザードマップが改訂されました。冊子版となり内容も充実し、地域からも好評だと聞いています。区民にとって大変重要な防災情報が示されていますが、今回改正した意義と変更点を伺います。

 本年は7月、球磨川や筑後川、飛騨川、最上川など全国で大規模豪雨が発生し、昨年は台風19号による東日本の広い範囲に暴風、洪水等による深刻な被害、そして2018年には西日本豪雨災害など、これまで数十年に一度の記録的豪雨、経験のなかった想定外の豪雨災害という被害が毎年のように生じています。こうした中、自治体が各家庭に配布したハザードマップを活用して、住民が早めに避難して助かったという事例や、ハザードマップの危険区域どおりの水害が発生し、都市計画など河川改修や土地利用の在り方の反省材料になったという例があまたあります。

 中野区においては、神田川や妙正寺川流域など浸水の危険性が特に高い地域について、半地下式駐車場や低層住宅建設の抑制、高床式の建物の推奨、白鷺せせらぎ公園のような大規模団地に付随した調整池の設置、高台への住宅の移転の促進などを区として誘導し、移転によって空いた土地を水と緑の基本軸とし、公園や緑地、あるいは遊歩道などの公共施設として積極的に土地利用を誘導して、洪水被害の危険を回避をしていくというような骨太の発想と施策が必要であると考えます。

 都市計画マスタープラン改定などにおいて、ハザードマップの活用についてどのように考えているかお伺いをして、私の質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 吉田委員の御質問にお答えいたします。

 最初に、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた基本構想、基本計画についての御質問です。

 新型コロナウイルス感染症の発生により社会状況が大きく変化し、産業構造や働き方、人と人とのコミュニケーションの在り方など、新しい生活様式への移行が進んでいると考えております。基本構想につきましては、新しい生活様式への対応や行政サービスのデジタル化の推進等の視点から、本年1月に示した検討素案を見直し、本定例会において改定検討素案をお示しをいたします。基本計画についても、基本構想検討素案の改定内容を踏まえるとともに、新型コロナウイルス感染症の影響について整理した上で施策に反映する考えでございます。

 次に、都市計画マスタープラン、住宅マスタープラン改定と新型コロナウイルスの影響でございます。新型コロナウイルス感染症は、新しい生活様式の定着によって、区民の住生活及び都市整備の在り方に大きな影響を与えるものと考えております。都市計画及び住宅マスタープランの改定におきましては、都市活動の変化に対応した住環境整備、オープンスペースや都市交通の在り方、また、複合災害を踏まえた防災まちづくりなどの課題整理を行ったところでございます。今後、学識経験者等の意見や国の動向等も踏まえ、計画の改定を進めてまいります。

 続きまして、新型コロナ危機を契機としたまちづくりの方向性についてでございます。国が8月末に公表しました「新型コロナ危機を契機としたまちづくりの方向性」において、まちづくりと一体となった総合交通戦略の推進や、安全性、快適性、利便性を備えた駅周辺の空間整備が必要とされております。中野駅周辺まちづくりにおける公共空間整備では、歩行者の安全な通行を第一優先に考え、歩行空間の確保や動線整備を行っていくこととしております。

 国が示す今後のまちづくりの方向性は、これまで取り組んできた中野駅周辺整備の考え方と一致していることから、今後とも着実に整備を進めてまいります。

 続きまして、新庁舎における働き方についての御質問でございます。新庁舎では、今回の新型コロナウイルス感染症を踏まえ、そのときの状況に合わせた柔軟な働き方ができる職場環境となるよう検討を進めているところでございます。このような環境整備に向け、在宅勤務や遠隔会議などに対応した無線LANの構築やICT機器類の導入などを考えております。

 続きまして、ICTを活用したコミュニケーション環境の整備についてでございます。区としてもICTを活用したコミュニケーション環境の整備は重要だと考えておりまして、現在は少人数、少数拠点で会議を行う場合にウェブ会議などを利用しておりますが、大人数、多拠点で会議を行う場合の環境整備については今後の課題と考えております。参加人数が多い場合には、集音マイク、スピーカー等、専用のウェブ会議用資機材の導入などにより快適なコミュニケーション環境を整えることができることなどから整備に向けて検討をしてまいります。

 テレワーク環境の整備につきましては、現在導入に向けた調整を行っており、12月には稼働させたいと考えております。

 続きまして、ハザードマップの改正意義と変更点についてでございます。今回の改正は、昨年の台風19号などを踏まえ、区民が水害に対する備えを一層強化できるよう地図の尺を1万6,000分の1から8,000分の1に変更するなどの地図の明瞭化、そして避難行動や情報収集手段などを充実させるとともに、洪水ハザードマップと土砂災害ハザードマップを統合し、新たに外国語版を作成したところでございます。

 そして、ハザードマップと都市計画マスタープランについてでございます。都市計画マスタープラン改定におきましては、改定されたハザードマップを踏まえ、浸水予想区域における住宅の地下、半地下の抑制や高床式構造への建築誘導に加え、道路の透水性舗装の整備や官民施設への地下貯留施設の設置など、浸水被害を軽減する対策のさらなる推進の方向性について検討しているところでございます。

〔企画部長高橋昭彦登壇〕

○企画部長(高橋昭彦) PCR検査とその情報公開についてお答えいたします。PCR検査陽性率に関する新聞記事の取材対応についてのお尋ねでございます。新聞社からは電話で、中野区全体の陽性率の公表の可否について取材がございました。区では、区全体の陽性率のデータは有していないため、公表していないと回答したところでございます。

〔保健所長向山晴子登壇〕

○保健所長(向山晴子) まず、PCR検査センターの陽性率についてのお尋ねでございますが、令和2年8月26日から、区はPCR検査センターにおける週ごとの検査数等を公表してございます。

○議長(高橋かずちか) 答弁の途中ですが、質問時間は終了しております。答弁は結構でございます。

 以上で吉田康一郎議員の質問は終わります。

 以上をもって質問は終了いたしました。

 これより日程に入ります。

 お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第3、第81号議案、令和2年度中野区一般会計補正予算を先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

──────────────────────────────

 第81号議案 令和2年度中野区一般会計補正予算

 

○議長(高橋かずちか) 日程第3、第81号議案、令和2年度中野区一般会計補正予算を上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長白土純登壇〕

○副区長(白土純) ただいま上程されました第81号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。

 第81号議案、令和2年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ1億6,895万2,000円を追加計上するものです。これにより既定予算との合計額は1,849億3,999万4,000円となります。

 この補正の歳出予算といたしましては、保健予防費について、高齢者等のインフルエンザ予防接種自己負担金の無料化に伴う経費1億6,895万2,000円を追加計上するものです。

 この補正の歳入予算といたしましては、都支出金1億1,122万2,000円、繰入金4,021万5,000円及び諸収入1,751万5,000円を追加計上するものです。

 以上、本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(高橋かずちか) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

午後3時57分休憩

 

午後5時10分開議

○議長(高橋かずちか) 会議を再開いたします。

 お諮りいたします。この際、本日の日程をさらに追加し、日程第4、第81号議案、令和2年度中野区一般会計補正予算を先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

──────────────────────────────

 第81号議案 令和2年度中野区一般会計補正予算

(委員会報告)

 

○議長(高橋かずちか) 日程第4、第81号議案、令和2年度中野区一般会計補正予算を議題に供します。

 

令和2年(2020年)9月11日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 山本 たかし

  (公印省略)

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

81

令和2年度中野区一般会計補正予算

911

 

○議長(高橋かずちか) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

──────────────────────────────

 認定第1号 令和元年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

 認定第2号 令和元年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第3号 令和元年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第4号 令和元年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第5号 令和元年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について

 

○議長(高橋かずちか) 日程第1、認定第1号から認定第5号までの計5件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長白土純登壇〕

○副区長(白土純) ただいま上程されました認定第1号から認定第5号までの5件につきまして、一括して説明いたします。

 初めに、中野区一般会計決算について説明いたします。

 令和元年度一般会計の歳入総額は1,499億1,306万705円、歳出総額は1,416億1,710万2,067円で、前年度と比較しますと、歳入で6.4%の増、歳出で4.2%の増となりました。

 歳入から歳出を差し引いた形式収支額は82億9,595万8,638円となり、翌年度へ繰り越すべき財源60億1,660万4,000円を差し引いた実質収支額は、22億7,935万4,638円となりました。

 それでは、歳入につきまして、主な款について説明いたします。

 第1款特別区税は、総額347億3,400万円余で、前年度と比較して4億8,000万円余、1.4%の増となりました。

 第2款特別区交付金は、総額384億6,900万円余で、前年度と比較して3億3,800万円余、0.9%の減となりました。

 第7款地方消費税交付金は、総額55億6,300万円余で、前年度と比較して2億4,900万円余、4.3%の減となりました。

 第10款地方特例交付金は、子ども・子育て支援臨時交付金の皆増などにより、前年度と比較して4億6,000万円余、361.9%増の総額5億8,800万円余となりました。

 第14款国庫支出金は、中野区立総合体育館整備のための補助金の増などにより、前年度と比較して26億6,400万円余、11.0%増の総額268億8,000万円余となりました。

 第18款繰入金は、財政調整基金繰入金の増などにより、前年度と比較して43億2,000万円余、27.5%増の総額200億2,400万円余となりました。

 これらの結果、歳入決算額の予算現額に対する収入率は96.1%となり、前年度より0.5ポイント下がりました。

 次に、歳出につきまして、主な款について説明いたします。

 令和元年度は、予算科目の再編を行ったため、第2款企画費、第3款総務費、第4款区民費及び第10款まちづくり推進費は皆増、経営費、都市政策推進費、区民サービス管理費及び地域まちづくり推進費については皆減となっています。また、事務事業についても再編されています。

 主な内容について説明いたします。

 第5款子ども教育費は、小中学校施設整備費や民間保育施設への給付費の増などにより、前年度と比較して72億1,800万円余、18.2%増の総額468億100万円余となりました。

 第6款地域支えあい推進費は、介護保険特別会計繰出金の増などにより、前年度と比較して21億3,300万円余、42.0%増の総額72億1,600万円余となりました。

 第7款健康福祉費は、中野区立総合体育館整備費や生活保護費の増などにより、前年度と比較して13億7,200万円余、4.4%増の総額326億900万円余となりました。

 第9款都市基盤費は、平和の森公園の再整備費の増などにより、前年度と比較して15億3,200万円余、17.4%増の総額103億3,200万円余となりました。

 これらの結果、歳出決算額の予算現額に対する執行率は90.8%となり、前年度より2.4ポイント下がりました。

 この歳出決算額を性質別に見ますと、人件費、扶助費及び公債費を合わせた義務的経費は638億8,400万円余で、前年度と比較して4.0%の増となりました。

 また、投資的経費は263億1,100万円余で、前年度と比較して24.5%の増となりました。

 なお、令和元年度決算では、実質収支額が22億7,900万円余となり、前年度決算に比べて3億3,600万円余の減となりました。

 令和元年度は、これまで進めてきたまちづくりの取組を引き続き推進するとともに、妊娠・出産・子育てトータルケア事業の推進、学校再編に伴う統合新校の改修及び新校舎整備の推進、ICT教育環境の充実、地域の安全・安心まちづくり事業の推進や中野区立総合体育館の整備など、幅広く取り組みました。

 今後、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、歳入減少のリスクがある中、超高齢社会への対策、子育てサービスの質の向上、老朽化した公共施設の建て替えや大規模改修など歳出の増加が見込まれます。持続可能な区政運営を確保し、区民満足度の高い区政を維持するため、基金の確実な積立てと適切な繰入れなど、将来を見据えた財政運営を行っていく必要があると考えています。

 以上が一般会計決算の説明です。

 続きまして、中野区用地特別会計決算について説明いたします。

 歳入歳出の決算額は同額で、27億7,628万5,396円、前年度と比較しますと、歳入歳出ともに80.4%の増となりました。歳入は、第1款財産収入が26億6,700万円余で、前年度と比較して12億5,000万円余、88.2%の増、第2款繰入金が1億800万円余で、前年度と比較して1,300万円余、10.7%の減となりました。

 歳出は、第1款公債費が27億7,600万円余で、前年度と比較して12億3,700万円余、80.4%の増となりました。

 歳入総額及び歳出総額が増となった主な要因は、平和の森公園拡張用地などを一般会計へ売払い、公共用地先行取得等事業債を償還したことによるものです。

 次に、中野区国民健康保険事業特別会計決算について説明いたします。

 歳入総額は331億6,470万8,452円、歳出総額は329億9,143万8,996円で、前年度と比較しますと、歳入歳出ともに2.5%の減となりました。

 歳入の主なものは、第1款国民健康保険料が87億8,900万円余で、前年度と比較して2億600万円余、2.3%の減、第4款都支出金が197億円余で、前年度と比較して4,300万円余、0.2%の減となりました。第5款繰入金が44億3,400万円余で、前年度と比較して1億8,300万円余、4.0%の減となりました。

 歳出の主なものは、第2款国保給付費が194億8,400万円余で、前年度と比較して400万円余の減、第3款国保事業費納付金が122億4,700万円余で、前年度と比較して4億7,900万円余、3.8%の減となりました。

 次に、中野区後期高齢者医療特別会計決算について説明いたします。

 歳入総額は70億8,440万7,271円、歳出総額は70億2,250万671円で、前年度と比較しますと、歳入で1.8%の増、歳出で1.6%の増となりました。

 歳入の主なものは、第1款後期高齢者医療保険料が39億1,300万円余で、前年度と比較して8,600万円余、2.3%の増、第2款繰入金が29億9,300万円余で、前年度と比較して6,500万円余、2.2%の増となりました。

 歳出の主なものは、第1款広域連合納付金が69億2,100万円余で、前年度と比較して1億900万円余、1.6%の増となりました。

 最後に、中野区介護保険特別会計決算について説明いたします。

 歳入総額は231億1,928万9,837円、歳出総額は227億8,784万3,732円で、前年度と比較しますと、歳入で3.4%の増、歳出で3.1%の増となりました。

 歳入の主なものは、第1款介護保険料が48億7,700万円余で、前年度と比較して1億700万円余、2.2%の減、第3款国庫支出金が52億2,700万円余で、前年度と比較して1億200万円余、2.0%の増、第4款支払基金交付金が57億7,300万円余で、前年度と比較して1億2,000万円余、2.1%の増、第5款都支出金が32億2,000万円余で、前年度と比較して9,400万円余、3.0%の増となりました。

 歳出の主なものは、第1款制度運営費が6億9,100万円余で、前年度と比較して9,500万円余、16.0%の増、第2款保険給付費が202億400万円余で、前年度と比較して4億4,800万円余、2.3%の増、第3款地域支援事業費が16億円余で、前年度と比較して2,100万円余、1.4%の増となりました。

 以上、令和元年度各会計決算について説明いたしました。

 なお、詳細につきましては、あらかじめ送付いたしました「中野区各会計歳入歳出決算書」、「各会計事項別明細書」及び「各調書」、「主要施策の成果」並びに「中野区各会計歳入歳出決算説明書」によりまして御確認いただきたいと思います。

 また、監査委員におかれましては、本決算につきまして、慎重に審査をいただき、別冊のとおり、「中野区各会計歳入歳出決算審査意見書」及び「中野区基金運用状況審査意見書」の提出をいただきました。御指摘のあった点については十分に対処していく所存です。

 最後になりましたが、ここに令和元年度決算につきまして、議会の認定をお願いする運びとなりましたことは、区議会の適切な御指導と御協力によるものと深く感謝申し上げる次第です。

 以上、認定第1号から認定第5号までにつきまして、よろしく御審議の上、御認定くださいますようお願い申し上げ、令和元年度中野区各会計決算の説明とさせていただきます。

○議長(高橋かずちか) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の認定第1号から認定第5号までの計5件は、議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

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 中野区の財政の健全化判断比率の報告

 

○議長(高橋かずちか) 日程第2、中野区の財政の健全化判断比率について報告いたします。

 本件については、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき、区長から9月7日付のお手元の文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。

 

2中総総第20802号

令和2年(2020年)9月7日

 中野区議会議長 高 橋 か ず ち か 様

中野区長 酒 井 直 人

中野区の財政の健全化判断比率の報告について

 地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定により、別添のとおり報告します。

 

○議長(高橋かずちか) 本日はこれをもって散会いたします。

午後5時25分散会

 

 

 

会議録署名員 議 長 高橋 かずちか

       議 員 立石 りお

       議 員 伊藤 正信