令和2年10月01日中野区議会本会議(第3回定例会)
令和2年10月01日中野区議会本会議(第3回定例会)の会議録

.令和2年(2020年)10月1日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(41名)

  1番  市  川  しんたろう       2番  竹  村  あきひろ

  3番  日  野  たかし         4番  渡  辺  たけし

  6番  河  合  り  な        7番  斉  藤  ゆ  り

  8番  立  石  り  お        9番  羽  鳥  だいすけ

 10番  高  橋  かずちか       11番  加  藤  たくま

 12番  吉  田  康一郎        13番  木  村  広  一

 14番  甲  田  ゆり子        15番  内  野  大三郎

 16番  杉  山     司       17番  ひやま      隆

 18番  小宮山   たかし        19番  い  さ  哲  郎

 20番  小  杉  一  男       21番  若  林  しげお

 22番  内  川  和  久       23番  いでい   良  輔

 24番  小  林  ぜんいち       25番  白  井  ひでふみ

 26番  いながき  じゅん子       27番  山  本  たかし

 28番  中  村  延  子       29番  石  坂  わたる

 30番  近  藤  さえ子        31番  浦  野  さとみ

 32番  大  内  しんご        33番  伊  藤  正  信

 34番  高  橋  ちあき        35番  平  山  英  明

 36番  南     かつひこ       37番  久  保  り  か

 38番  森     たかゆき       39番  酒  井  たくや

 40番  むとう   有  子       41番  長  沢  和  彦

 42番  来  住  和  行

.欠席議員(1名)

  5番  間     ひとみ

.出席説明員

 中 野 区 長  酒 井 直 人      副  区  長  白 土   純

 副  区  長  横 山 克 人      教  育  長  入 野 貴美子

 企 画 部 長  高 橋 昭 彦      総 務 部 長  海老沢 憲 一

 企画部企画課長(企画部参事事務取扱) 石 井 大 輔    総務部総務課長  浅 川   靖

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  長 﨑 武 史      事 務 局 次 長  小 堺   充

 議事調査担当係長 鳥 居   誠      書     記  立 川   衛

 書     記  若 見 元 彦      書     記  野 村 理 志

 書     記  鎌 形 聡 美      書     記  松 丸 晃 大

 書     記  細 井 翔 太      書     記  有 明 健 人

 書     記  五十嵐 一 生      書     記  髙 橋 万 里

 書     記  本 多 正 篤

 

 議事日程(令和2年(2020年)10月1日午後1時開議)

日程第1 認定第1号 令和元年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

     認定第2号 令和元年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第3号 令和元年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第4号 令和元年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第5号 令和元年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について

日程第2 第68号議案 中野第一小学校新校舎用什器類の買入れについて

日程第3 第69号議案 中野区国民健康保険条例及び中野区後期高齢者医療に関する条例の一部を

改正する条例

     第70号議案 中野区廃棄物の処理及び再利用に関する条例の一部を改正する条例

日程第4 第71号議案 中野区介護保険条例の一部を改正する条例

     第72号議案 中野区立体育館条例を廃止する条例

日程第5 第73号議案 中野区子どもの権利擁護推進審議会条例

     第74号議案 中野区保育所条例の一部を改正する条例

     第75号議案 中野区子ども・若者支援センター条例

     第76号議案 中野区立学童クラブ条例の一部を改正する条例

     第77号議案 中野区立キッズ・プラザ条例の一部を改正する条例

     第78号議案 中野区立学校設置条例の一部を改正する条例

     第79号議案 中野区立図書館条例の一部を改正する条例

     第80号議案 中野区立教育センター条例の一部を改正する条例

追加議事日程

日程第6 第82号議案 令和2年度中野区一般会計補正予算

日程第7 議会の委任に基づく専決処分について

 

午後1時00分開議

○議長(高橋かずちか) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 これより日程に入ります。

──────────────────────────────

 認定第1号 令和元年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

 認定第2号 令和元年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第3号 令和元年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第4号 令和元年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第5号 令和元年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について

(委員長報告)

 

○議長(高橋かずちか) 日程第1、認定第1号から認定第5号までの計5件を一括議題に供します。

 

令和2年(2020年)9月30日

 

中野区議会議長 殿

 

決算特別委員長 山本 たかし

  (公印省略)

決算の審査結果について

 

本委員会に付託された下記決算は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

 

議案番号

 

決定月日

認定

第 1 号

令和元年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

930

認定

第 2 号

令和元年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について

930

認定

第 3 号

令和元年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について

930

認定

第 4 号

令和元年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について

930

認  定

第 5 号

令和元年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について

930

(認定第1号 付帯意見)

○ 新区役所整備をはじめ、様々な業務委託についてはその成果を明確に示し、検証されたい。

 

○議長(高橋かずちか) 決算特別委員会の審査の報告を求めます。山本たかし決算特別委員長。

〔山本たかし議員登壇〕

○27番(山本たかし) ただいま議題に供されました認定第1号、令和元年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について、認定第2号、令和元年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第3号、令和元年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第4号、令和元年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第5号、令和元年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について、以上5件の決算特別委員会における審査の経過概要とその結果、並びに主な質疑、要望及び問題点の指摘等について御報告申し上げます。

 なお、決算の内容につきましては、本会議における提案説明や、当委員会における詳細な総括説明がありましたので、省略させていただきます。

 それでは、初めに、審査経過の概要とその結果について御報告申し上げます。

 当委員会は、9月11日の本会議において設置され、同日直ちに委員会を開きました。初めに、正副委員長の互選を行い、その後、五つの分科会の設置、分科会分担区分の決定及び分科会委員の選任を行いました。続いて、各部会の正副主査を選任し、理事会の設置と理事の互選を行いました。そして、直ちに理事会を開会し、審査方法や日程など、決算特別委員会の運営について協議を行い、その内容を委員会に報告し、決定いたしました。

 9月14日には企画部長から総括説明を受け、9月15日は各委員が決算議案を検討するための決算検討日といたしました。

 そして、9月16日、17日、18日及び23日の4日間にわたり、22名の委員が総括的な質疑を行いました。

 なお、総括質疑等に資するため、314件の資料要求を行い、資料の提出を受けました。

 9月24日、25日及び28日の3日間は、分科会ごとに審査を行い、9月30日の当委員会において各分科会主査の報告を受けた後、討論を省略して直ちに採決いたしました。採決は、認定ごとに行いました。

 初めに、認定第1号について、起立により採決した結果、起立多数で認定すべきものと決しました。

 次に、認定第2号について、採決した結果、異議なく認定すべきものと決しました。

 次に、認定第3号について、起立により採決した結果、起立多数で認定すべきものと決しました。

 次に、認定第4号について、起立により採決した結果、起立多数で認定すべきものと決しました。

 次に、認定第5号について、起立により採決した結果、起立多数で認定すべきものと決しました。

 次に、委員会での審査過程における主な質疑、要望及び問題点の指摘等について御報告いたします。

 初めに、令和元年度決算について、単年度収支や実質単年度収支の赤字、経常収支比率が80.3%と特別区の平均を上回ったことを指摘し、財政の硬直化に対する区の考えをただしました。また、義務的経費の増加について、区民生活に直接影響を及ぼす性質であり、削減は厳しいが、個々の事業の中での経費を削減することが求められました。

 次に、令和元年度決算について、ふるさと納税、法人住民税の一部国税化及び地方消費税交付金の積算基準見直しによる歳入の減収が問われ、制度改正の影響による減収があることは以前から分かっていたにもかかわらず、対応する取組がなかったことについては反省しなければならないとの指摘がありました。

 さらに、令和元年度決算について、おおむね良好に見えるが、基礎的財政収支が低い水準にあるなど、事業規模が区の体力に見合っていないことを指摘し、区政運営の柱と位置づける「子育て先進区に向けた取り組み」のうち、執行率70%未満の新規事業について、執行率が低かった理由をただし、区の分析が問われました。

 次に、2019年度決算について、区民1人当たりの保健所費及びその23区順位が問われ、保健所費の少なさが保健所体制の手薄さを表しているとの認識が示され、来年度に向けて保健所費を増額し、保健師を含む体制を強化することへの区の見解がただされました。

 さらに、コロナ禍における都と区の連携について、都心部で感染拡大状況が続く中、都区の連携が不可欠と指摘し、都の補助金を活用して、同居者が感染した場合に在宅ケアを必要とする人が過ごせる宿泊施設を確保することや、保健所支援のための都職員の長期派遣についてただされました。

 次に令和元年度決算について、受益者負担比率が23区平均よりも低い水準にあるとの視点から、使用料・手数料を今後見直す考えがあるかが問われ、使用料・手数料の算定に当たっては、区としてのスタンスをしっかりと持って、受益者負担についても考えなければならないとの指摘がありました。

 次に、令和元年度決算について、基準となる一般財源規模の考え方と元年度・2年度の増加理由をただし、一般財源規模が増えたからといって歳出が増えるわけではないという認識を示し、執行段階での工夫、見直しを常に行い、補助金を獲得するなど、歳出を基準となる一般財源規模に納めることが大切であると指摘しました。

 次に、令和元年度決算について、当初想定していた起債を取りやめた経緯が問われ、起債活用から基金取崩しへ区の財政運営方針が転換されたことに対して、基金と起債のバランスの取れた財政運営についての区の見解がただされました。

 次に、児童相談所や児童養護施設等について、中野区が児童相談所を設置する意義とメリットについて、また、児童福祉司、児童心理司等の確保状況や経験年数、研修などについてただしました。さらに、子どもの生活圏域を大きく変えずに一時保護から家庭復帰、自立までを支援するため、乳児院と児童養護施設を整備する必要性をただしました。

 次に、地域経済活性化へ向けた充実した支援策について、来街者が減少しているコロナ禍においては、中野の魅力を中野区民が再発見し、消費を区内に向けることが重要であるとの認識が示され、なかのまちめぐり博覧会について、区内在住者の来場増加に向けての区の認識、改善策がただされました。

 次に、子育て支援について、一時保育事業利用率が少ない原因を問い、利用しにくい状態の改善を求めました。また、ひとり親ホームヘルプサービスの利用実績が少ない原因をただし、対象者だけでなく地域全体への周知や、貧困の連鎖を生まないためにも、ひとり親家庭への施策の拡充が求められました。

 次に、令和元年度決算について、人件費に関して多数の流用が発生する理由や、不用額が多額になる理由が問われ、今後の財政状況を踏まえ、多額な不用額が発生することを回避するため、人件費予算の枠組みを見直し、款別に一括して予算を組むことを検討してほしいとの要望が出されました。

 次に、行政報告に示された行財政の構造改革の推進について、行政報告では、施策、施設、組織の三つの再編が示された。施策については、基本構想・基本計画や地域包括ケアシステムによる財政効果、施設については児童館・保育園の再編による財政効果、組織については業務改善やデジタル化推進、職員採用による財政効果がただされました。

 次に、プレミアム付商品券販売の反省と区独自の実施について、令和元年度実施のプレミアム付商品券事業の実績が問われ、コロナ禍において、デジタルチケットの概念を含めた区独自のプレミアム付商品券事業の実施を今すぐにでも検討してほしいとの要望が出されました。

 さらに、区長車について、区長は行政報告で財政的非常事態との認識を示した。新型コロナウイルス感染拡大で区財政が厳しい状況下、中野区の納税者1人当たりの平均所得の2.5人分にも当たる年間約980万円もかかる区長車の雇い上げをやめて、必要なときにタクシーやハイヤーを使用することについての考えがただされました。

 次に、区有施設・学校施設の複合化について、地域開放型学校図書館開設の経緯や、鍋横区民活動センター等複合施設の整備内容を変更することの可否が問われ、さらに、今後の複合施設の整備について、地域に必要な施設内容を最優先し、地域住民の合意形成に努めることへの区の姿勢がただされました。

 次に、新庁舎整備について、財政調整基金の施設改修分を取り崩すとのことだが、新型コロナの発生により数年間は財政難が見込まれる中、庁舎整備を一旦中止し、財政調整基金を確保すべきとの見解を示し、基金を取り崩し、起債を発行するのが真の区民サービスなのか、区の考えが問われました。

 次に、広報におけるユニバーサルデザインについて、フォント、配色、レイアウト等のデザイン検証に当たっては、当事者が参加するヒアリングなどを実施するべきとの見解が示され、広聴・広報課の運用状況を踏まえたガイドラインの作成や、各課への助言を行ってほしいとの要望が示されました。

 次に、公園について、約30年ぶりの公園遊具の入替えに当たり、半径500メートル圏内の3公園に同じ遊具を設置することについて、区のやり方と民意の乖離を指摘し、公園再整備計画の策定に当たって、「公園づくりは地域の人と共に住みやすい環境をつくりあげていくまちづくりである」という骨太の哲学が求められました。

 次に、中野区と日本放送協会(NHK)の放送受信契約について、区役所庁舎など区有施設におけるNHKとの放送受信契約の締結状況や視聴内容などが問われ、年間ほとんど視聴せず、情報収集の手段としての有用性に疑問が残るテレビの設置と、それに伴う放送受信契約に必要性を感じないとの指摘がありました。

 次に、GIGAスクール構想に向けたガバナンス体制について、児童・生徒の個人情報を取り扱う校務系ネットワークと学習で利用する学習系ネットワークの構築など、システムの利便性と安定性を両立するインフラ設計、ガバナンス体制は、今後確実に課題となると指摘し、教育委員会と区長部局の連携強化を求めました。

 次に、新型コロナ対策について、商店街イベントの中止などにより、チャレンジ戦略支援事業に相当の残額が見込まれるとの見解が示され、同事業の補助金を主な財源とし、プレミアム付商品券事業など、商店街、特に飲食店の経営を支援する事業を実施することが提案されました。

 その他、行政報告について、防災対策について、区民に寄り添う対応と職員体制について、コロナ後の中野駅周辺まちづくりについて、議会と執行機関との関係について、児童虐待防止対策について、区のIT施策について、子どもの権利に係る条例について、平和の森小学校をはじめとした今後の学校施設計画について、介護について、西武新宿線沿線まちづくりについて、コロナショックを踏まえた今後の財政運営について、中野駅周辺エリアマネジメントの必要性について、認知症高齢者施策について、集団回収について、旧中野刑務所正門について、住まいに困っている住宅確保要配慮者などへの支援について、文化芸術について、ウィズコロナの区政運営について、生活保護行政について、などについて質疑及び要望等がありました。

 なお、決算特別委員会は、議員全員をもって構成されていることから、質疑等の紹介は以上のとおり概要といたします。

 詳細につきましては、決算特別委員会の会議録により御承知いただきたいと存じます。

 また、各分科会における質疑応答につきましては、当委員会において、各分科会主査から詳細な報告があり、委員会会議録に記載されておりますので、その内容は割愛させていただきます。

 最後に、当委員会において、認定第1号に対しまして、賛成多数により付された附帯意見を申し上げます。

 新区役所整備をはじめ、様々な業務委託については、その結果を明確に示し、検証されたい。

 意見は以上でございます。

 以上、決算特別委員会における審査の経過の概要とその結果並びに主な質疑、要望及び問題点の指摘等についての報告を終わります。

○議長(高橋かずちか) ただいまの報告について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 これより討論に入ります。むとう有子議員、内川和久議員、斉藤ゆり議員、甲田ゆり子議員、いさ哲郎議員、石坂わたる議員から討論の通告書が提出されておりますので、順次、通告議員の討論を許します。

 最初に、むとう有子議員。

〔むとう有子議員登壇〕

○40番(むとう有子) ただいま上程されました認定第1号、2019年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について、反対の立場から討論をいたします。

 2019年度の予算は酒井区長初の予算だったこともあり、大盤振る舞いの過去最高額となり、懸念もありました。財政指標による分析では、実質収支比率や経常収支比率などが前年より悪化し、区財政の健全性に懸念を生じさせる兆しが見られるという監査委員からの指摘もありました。

 過去最高額の予算といえども、限られた予算であり、区民の皆様から頂く税金ですから、区民の要望があっても予算化されない事業も多くある中、予算化された事業は有効に実施するべきと考えます。執行率90.8%と前年の93.2%を下回り、不用額が68億8,335万円と、前年度より4億520万円増えてしまいました。

 不用額の主な要因は、相変わらずの契約落差と事業未執行によるものです。契約落差の金額が大きいということは、積算見積りの精度の低さを表しています。予算化する際に積算見積りの精度を上げる必要があります。不用額が68億円もあれば、小・中学校1校の新築も可能であり、公園遊具の充実、図書館の図書の充実、生活困窮世帯や中小零細企業への支援の拡充等、様々な取組ができたのではないでしょうか。

 決算総括質疑で触れましたが、日本で認知症高齢者は年々増加しており、2025年には730万人、高齢者の5人に1人が認知症と予測されている中、その介護力を高めるための認知症講演会事業が事前調査の甘さから未執行となりました。さらに、新規事業で力を入れるべきであった認知症高齢者等個人賠償責任保険事業が、担当課の力不足で登録申請受付開始が年度末となってしまい、実績はたったの17人でした。

 これ以外にも他の議員から指摘があったように、予算化したにもかかわらず、未執行の事業が多数あります。未執行の理由は様々あるとは思いますが、ますますこれから必要となる業務改善のための評価改善研修の未執行、さらにますますこれから必要となるICT技術習得のための民間派遣研修受講料の未執行、また、高齢者社会突入で、ますますこれから必要となる地域密着型サービス等事業所施設整備補助金の未執行、生きにくい社会の中でますますこれから必要となる精神障害者訪問看護事業委託の未執行等は、力を注いで実施するべきだったと考えます。もちろん災害や事故に備えた事業もあり、執行せずに済んでよかったと言える事業もあります。

 区民や私、むとうが要望してもなかなか予算化されず、予算化されるまでに10年もかかった区立保育園での使用済み紙おむつの処理費等がある一方、区の内部で十分な検討もないまま予算化し、未執行で終わる事業が多々あることが大変残念です。積算見積りの精度を高め、契約落差の金額を縮小し、根拠に基づく予算編成を行い、予算化した事業はしっかりやり遂げて未執行事業を減らし、予算編成過程から不用額を最小限に抑える努力をしていただきたいと願っています。

 また、区長の任期は折り返し地点を越えましたが、基本構想の改定時期が2021年3月に、基本計画の策定時期も2021年8月に変更され、様々な個別計画に矛盾を来しています。

 また、子どもたちが毎日学ぶ桃園第二小学校や中野本郷小学校の建て替えのための2校分で約85億円を延期する一方、区役所の建て替え約213億円は予定どおりに進めるという、このような区政運営に大いなる疑問を抱いています。

 予期せぬ新型コロナ感染拡大による社会経済への影響が猛スピードで襲い、区長は行政報告の中で、財政的な非常事態との認識を示されました。2021年度の一般財源は、2020年度の当初と比較して92億円の減収を見込む中にあっても、区長自らができる区長車廃止などのお考えが全くないことも分かりました。

 2019年度決算そのものには不正も瑕疵も見当たりませんが、堅実な予算化ではなかったと判断せざるを得ない事業が多く、予算編成過程にある2021年度予算が堅実で無駄のない予算となるよう、期待を込めて、以上、雑駁ではありますが、認定第1号、2019年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定に対する反対の討論といたします。

○議長(高橋かずちか) 次に、内川和久議員。

〔内川和久議員登壇〕

○22番(内川和久) ただいま上程されました認定第1号、令和元年度中野区一般会計歳入歳出決算につきまして、自由民主党の立場から賛成討論を行います。

 令和元年度決算は、事業成果から見ると目的のはっきりしない安易な委託、施設の設計や工事の延期、見直しなど中途半端な事業執行が散見されました。子育て先進区が区の一丁目一番地として全庁的にまつわるプロジェクトとしていますが、先進的な取組というものについて成果は見られませんでした。これに関しては、統括部署が企画部であるにもかかわらず、今回の行政報告において「子育て先進区」という文言が消えているのは、子育て先進区を目指すことを諦めたのかと理解をいたします。

 平和の森公園再整備工事においては、区長選挙公約の300メートルトラック等を整備しないという変更案とすべく工期延長をしましたが、結果的に現行案のままとなり、工期延長に伴った約4,500万円に上る支出が生じました。

 今回、決算特別委員会において採択された「新区役所整備をはじめ、様々な業務委託についてその成果を明確に示し、検証されたい」という附帯意見は、幾つかの外注業務の遂行に疑義があるとの議会からの強い思いの結果であります。決算特別委員会で議論された内容を真摯に受け止めていただきたいと思います。

 今後の予算編成においては、新型コロナウイルス感染症に伴う経済への影響や雇用情勢の低迷は、区財政に厳しいものを強いることとなります。そのことからも、見栄えを意識した事業展開やポーズによる事業見直しではなく、真に区民目線に沿った事業の構築、既存事業の見直し、また民間活力を生かした効率的な事業の構築が必要であると私たちは考えています。コロナ禍の現状を踏まえると、行財政の構造改革は待ったなしです。

 今後の歳出の抑制に当たっては、経常経費の削減にも踏み込む必要があるとし、その場合には区民サービスへの影響が避けられないとしていますが、区長は、本会議において、区政の無駄・無理・むらがあると答弁されております。まず、庁内議論がしっかりと練られていない無駄な事業、思いつきとも取られかねない無理な事業、庁内連携が全く取れていないむらのある事業体制の見直しを断行し、身を切る覚悟を持って行財政の構造改革に取り組むことを強く求めます。

 最後に、区長は、持続可能な区政運営のためには、議会に対しても適時適切な情報提供と十分な説明、対話に努め、この難局を乗り越えるとして、不退転の決意で取り組むとしています。これまで積み上げてきた区民サービスや施策をさらに向上させていかなければなりません。今後の区政運営に期待をして、賛成討論といたします。

○議長(高橋かずちか) 次に、斉藤ゆり議員。

〔斉藤ゆり議員登壇〕

○7番(斉藤ゆり) ただいま上程されました認定第1号、令和元年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定につきまして、立憲民主党・無所属議員団の立場から賛成討論を行います。

 令和元年度一般会計決算は、歳入総額1,499億円余で、前年度に比べて6.4%の増となりました。歳出総額におきましては1,416億円余で、前年度に比べて4.2%の増となりました。財政の硬直化を示す指標である経常収支比率は80.3%であり、望ましいとされる70から80%とした範囲におおむね収まるなど、各種財政指標は健全な数字を示しています。

 財政規模は2年続けての増で過去最大額を更新しています。財政規模が大きくなった理由としては、区立学校施設整備費や中野区立総合体育館整備など、大規模施設整備の事業が継続して続いてきたことが挙げられます。この9月に、美鳩小学校、みなみの小学校、そして新体育館の整備が終わり竣工しました。ユニバーサルデザインに配慮された新たな施設は夢と希望を感じさせるものであって、改めて施設整備の重要性を認識いたしました。このたび、中野本郷小学校と桃園第二小学校の整備の実施時期が見直されました。もっと丁寧な議論が必要だったと言わざるを得ません。

 歳入に関しましては、特別区民税は327億円余、前年度比較4億円余、1.4%の増でした。これは納税義務者数の増が主な要因です。徴収率は前年と横ばいであるものの、23区中22位と順位を下げています。現年度分への対応を強化し、滞納繰越を抑制するさらなる取組が求められます。また、主要三債権以外への対策が十分とは言えません。さらなる改善を求めます。

 ふるさと納税制度や法人住民税の一部国税化、地方消費税交付金の積算基準の見直しによる影響が77億円にも上ります。特にふるさと納税に関しては、寄附金1,000万円に対して寄附金税額控除額は11億9,000万円という状況で、制度が改正されない限りはこれからも影響額が増加していくおそれもあり、創意工夫により寄附金確保に努めるとともに、あらゆる対策を講じる必要があります。

 特別区交付金は前年度比0.9%減のマイナス3億円、地方消費税交付金が前年度比4.3%減のマイナス2億円でありました。これらは景気による影響を受けやすく、来年度は新型コロナウイルス感染症拡大により、大きく歳入が落ち込むことが容易に予想されます。

 本決算は酒井区政が初めて編成し、執行した予算に対する決算です。子育て先進区を掲げ、子ども・子育て施策充実に向けた実施調査、保育の質ガイドラインの策定、不妊検査・治療費等助成事業、子ども食堂推進事業、SNSでの通報・相談事業、体育館の冷暖房化、子育てカフェを実施し対話を通して子育て世代の声を拾うことも大切にし、未来への投資として取り組まれた様々な事業に関して評価いたします。これらの中でも執行方法を見ると工夫の余地があるものがあります。今度度は改善が図られていますが、必要なところに必要な支援が届くよう、事業実施当初からの創意工夫が求められます。

 区民の要望の強い防災への取組については、区民の風水害タイムラインの作成や、備蓄物資としてペット用ゲージや筆談器の整備、被災者生活再建支援システムの運用体制の強化、ブロック塀調査及び撤去の実施についても評価します。その他の個別事業では、カラー化を含めた区報リニューアル、認知症高齢者等個人賠償責任保険事業、犯罪被害者支援、多言語同時翻訳機導入を評価します。

 また、シティプロモーション事業では、中野大好きナカノさん事業が実施されました。球体関節人形を使ったシティプロモーションは斬新で、中野らしい取組ではありましたが、費用がかかり過ぎました。今年度は経費を大幅に削減し、区民参加で事業が進められています。一定のファンもつきましたが、これまでの取組が生かされ、今後も最小限の経費で区内外の方々に区への関心を持っていただくきっかけとなるような事業が実施されるよう期待します。

 令和元年度末から日本を含め世界中で新型コロナウイルス感染症が拡大し、未曽有の危機を迎えました。区は、逼迫する医療など最前線の現場環境を支えるための取組に予備費を活用するなど、迅速に取り組みました。行政報告でも触れられていましたが、引き続き基礎自治体の役割として、何より区民の生命と財産を守り、セーフティーネットを築いていくよう求めます。

 今後、社会経済の影響を見ると、区財政についても、個人住民税や都区財政調整交付金の財源である法人住民税への影響は必須です。区としても来年度、今年度比92億円の歳入減を見込み、今年度予算に関しては事業の執行統制を図りました。

 国や都も厳しい財政運営が求められ、そうした中、都支出金を見直すとの都副知事の依命通達があり、令和3年度以降、様々な区の事業に影響が及ぶことが予想されます。引き続き国や都の動向にも注視しなければなりません。

 一方、歳出に関しては、雇用情勢の悪化により扶助費の増が見込まれる中で、新型コロナウイルス感染症に対応する費用も増加すると予想されます。区としては、現在事業の見直しに取り組まれていますが、区長によるリーダーシップの下、内部努力を徹底的に行うことで、区民サービスに影響が出ないように努め、適宜適切に区財政調整基金を活用していくべきです。

 この状況において、新型コロナウイルス感染症対策以外の来年度新規拡充事業をスタートすることはかなり厳しくなります。しかし、国においてデジタル庁創設の動きがあり、また、区長も行政報告において、デジタルシフトの実現を掲げられました。デジタル化には一定の経費がかかりますが、早急に取り組むことで、後年度において、ヒト、モノ、カネの観点から大きな効果をもたらします。こうした社会的投資収益率の観点も持ちながら、令和元年度から始めたRPAなどICTを活用した新規事業に関しては、積極的な取組を求めます。

 このたびの新型コロナウイルスは、私たちに多くの課題を投げかけました。時代には振り返ると様々な節目がありますが、コロナはきっとその一つになることでしょう。新たな社会価値観が生まれてくる中、区長には先駆的な視点を持って新しい時代に求められる行政の在り方を率先して実現していただけることを期待します。

 酒井区長が誕生して2年と3か月が過ぎました。酒井区政には「対話を重視した区政」が強く期待されました。情報が共有され、区民、議会と行政がしっかりと議論して進めていく。今こそその原点の思いを大切にしていただきたい。公助の主体である基礎自治体としてしっかりと責任を果たしていくことが必要です。自助、共助、公助のバランスの取れた区政が実現され、多様性を認め合い、お互い様に助け合う、夢ある未来を描く中野のまちの実現を共に目指していきましょう。

 以上にて、本議案認定についての賛成討論といたします。

○議長(高橋かずちか) 次に、甲田ゆり子議員。

〔甲田ゆり子議員登壇〕

○14番(甲田ゆり子) ただいま上程されました認定第1号、令和元年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定につきまして、公明党議員団の立場から賛成討論を行います。

 令和元年度の一般会計決算は、歳入総額が1,499億1,306万705円、前年度比6.4%、約90億円の増、歳出総額が1,416億1,710万2,067円で、前年度比4.2%、56億6,108万8,000円増となり、特別区民税をはじめ税収が好調であり、歳入歳出とも過去最高額となりました。

 歳入から歳出を引いた形式収支額は、前年度と比較して33億1,683万9,000円増の82億9,595万8,638円の黒字、実質収支額も前年度より3億3,656万7,000円減の22億7,935万5,000円の黒字となりました。

 しかしながら、単年度収支で見れば3億3,600万円余の赤字、基金積立額を加え、基金取崩し額を減じた実質単年度収支も24億9,580万円余の赤字となり、財政指標で見れば、実質収支比率は前年度より0.5ポイント下回り2.9%であり、望ましいとされるおおむね3.5%を僅かに下回りました。

 また、経常収支比率は前年度より2.6ポイント上回り80.3%で、一般に望ましいとされる70から80%を僅かに上回りました。

 さらに普通会計における公債費負担比率は6.0%で、前年度より0.5ポイント増となりました。義務的経費は前年度比39億円、6.2%増、投資的経費は前年度比39億円、20%増となりました。

 また、令和元年度は将来世代への負担を求めるとし、あえて特別区債を発行せず基金を活用したことで、区債残高は前年度比58億円減の90億円となりましたが、基金残高は87億円減少し、613億円となり、23区平均を約300億円も大きく下回る結果となりました。

 年度末から始まった新型コロナウイルス感染症により、感染症対策事業費や義務的経費のさらなる増加、経済状況の悪化による大幅な税収の減が見込まれ、区財政にとって大きなマイナス要素が見込まれています。また、例年指摘している債務負担行為は過去最高額になっており、次年度以降の予算の自由度は制限されることとなります。このことから、見かけ上では好調、健全と思われる令和元年度決算であっても、数字に現れない部分において不安要素が隠されています。

 歳出においては、我が会派が求めてきた災害時に避難所ともなる区立小・中学校体育館の冷房化や、学童クラブにおける保護者宛てメール通知システムの拡充、SNSでの通報・相談事業、学校教育の充実・ICT環境の推進、妊娠・出産・子育てトータルケア事業の拡充、ブロック塀の状況調査、無電柱化整備事業の拡充、特殊詐欺被害を未然に防止するための自動通話録音機貸与事業の拡充等、区民生活や区の未来に対して要望した様々な施策が推進されたことは評価いたします。

 一方で、当初の計画どおりに進まなかったものや、計画途中から方針変更により計画を止めてしまったもの、当初の見込みが甘く制度設計が不十分で、執行率の低い事業や多額な不用額が出たものが散見されました。

 令和元年度決算の最も特徴的であった3点について申し上げます。

 一つ目は、令和元年度予算は酒井区長就任後、初の予算編成権を持った本格予算であった点です。本予算については、全会一致または賛成多数で意見が付されましたが、予算段階で議会から付された意見を重く受け止め、執行に当たられたとは認めがたいものも決算審査の中では見受けられました。

 特に平和の森公園の整備については、当初の計画を見直したいとの区長の発意から事業が遅れを来し、4,500万円余もの無駄な支出を生むこととなりました。

 しかし、先日、無事にオープニングセレモニーも開催された中野区立総合体育館キリンレモンスポーツセンターと300メートルトラックが整備された平和の森公園は、スポーツと憩いの場として多くの区民から喜ばれております。開放的な空間にそびえる体育館と草地広場のコントラストは大変美しく、ロケーションも機能もすばらしい新たな中野区の顔とも言うべき場所になったと改めて感じました。時間はかかりましたが、当初計画どおりに整備されたことを評価いたします。

 二つ目は、令和元年12月に生じた統合仮想サーバーのシステム障害についてです。令和元年12月に起こった統合仮想サーバーのシステム障害については、我が会派からも委員会、決算特別委員会でも指摘をさせていただきました。自治体でも類を見ないシステム障害について、損害賠償請求額等だけでなく、システム障害が区民に与えた影響と、現場の職員が苦労し取り組んだ経験を今後の不測の事態に備え、検証し、記録としてとどめることを強く求めます。

 三つ目は、年度末から我が区、我が国のみならず、全世界を襲った新型コロナウイルス感染症の影響についてです。年度末は、学校・幼稚園・保育園等の運営、卒業式をはじめとする学校行事、地域事業等も中止、公立施設の使用の制限等、区民生活に大きな影響を及ぼしました。

 感染状況が広がりを見せる中で、その都度迅速な対応に迫られ、職員の皆様も御苦労が多かったと思います。新型コロナウイルス対策については、いまだ収束は見られず、様々に手を尽くしている最中であります。前年度は予備費の充用、補正予算等を行い、今年度も補正予算による対応が継続的に行われています。しかし、国の交付金も枯渇し、一般財源も圧迫されねばならない事態となっています。

 令和元年度は、起債によらず基金を繰り入れるという判断をされました。今後、歳入が減少する中での校舎改築や庁舎建設などが控える中で、その判断が今後の行財政運営にどう影響を与えるのかは注視が必要です。

 区長は、行政報告で、「次年度の一般財源は、現時点で今年度当初と比較して約92億円の減収を見込んでいます」と、新型コロナの影響による減収額を示されました。また、「財政調整基金については、取り崩しを前提とするのではなく、歳出の抑制に努めた上で、真に必要な区民サービスを実施するために、基金活用を図ることが必要」と述べ、令和3年度の予算編成の主な方針は、大きく見直しを行い、経常経費の削減にも踏み込み、区民サービスへの影響も避けられない等と語るなど、これまでとは大きく方針転換をする方向にかじを切られました。

 確かにウィズコロナ、アフターコロナとも表現されていますが、誰も経験したことのない未知の世界であり、区民サービス、行財政運営においても及ぼす影響は計り知れません。従来の区政の在り方に縛られず、新しい時代に即した柔軟な予算編成、業務改善が必要であると考えます。

 しかし、私たち公明党議員団は、今後の財政がいかに厳しくとも、区民を誰一人取り残さない、子どもから高齢者まで、いざというときのセーフティーネットは最優先で守っていくことが重要であるとの信念から、多くの提案、要望を続けてきました。

 大きな発想の転換による改革は、区長のリーダーシップにより、職員一人ひとりの力を最大限に引き出し、職員が一丸となって進めていくことが重要です。たとえ見直し事業が区長自身の公約に相反したとしても、非常事態において33万区民の生活を守るために今何をすべきかという決死の覚悟なくして、行政の長としての使命を果たすことはできないと申し上げ、賛成討論といたします。

○議長(高橋かずちか) 次に、いさ哲郎議員。

〔いさ哲郎議員登壇〕

○19番(いさ哲郎) ただいま上程されました認定第1号、令和元年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について、日本共産党議員団の立場から賛成討論を行います。

 2019年度の財政状況を振り返ると、安倍政権の下で悪化の一途をたどっていました。アベノミクスの失敗により内需は冷え込み、頼みの綱の対外貿易も見通しが立たなくなると行き詰まりの中、10月の消費税10%増税が日本経済を文字どおりの窮地に追い込みました。安倍政権は、東京2020オリンピック・パラリンピックを景気回復の起爆剤とし、インバウンド増を狙っていたものの、今般のコロナ禍でこれもかなわないという状況です。

 経済の基本である国民の購買力は落ち込んだままであり、外需頼みのゆがんだ経済の脆弱さが露呈しています。現に、政府発表の各種経済指標は、日本経済の先行きについて見通しが立たないことを示しています。こうした中、中野区においても、基礎自治体として区民の暮らしを支える予算編成と執行であるかどうかが問われていました。

 賛成の理由の1番目は、こうした経済状況の中、ますます厳しくなる区民生活に区が寄り添う政策を進めたことです。中野区子どもと子育て家庭の実態調査の実施は、今後の中野区の子育ての在り方の方向性を決めていく足がかりとなるものとして重要でした。特に生活困窮度に関する詳細な設問への回答は、経済が落ち込む中、区内においてもますます拡大していく格差を示す重要な結果です。区がこの結果を踏まえ、格差貧困の連鎖を断ち切る事業へと大きく踏み出すことを期待します。また、より困難な状況にあるひとり親家庭への支援の拡充は、困窮を打開し子育てを後押しする具体的な施策としてこれも重要でした。

 障害者の分野では、精神障害者の方への福祉手当が実現したことを評価します。当事者の皆さんからは、精神障害者だけが福祉手当の対象とならないという差別的待遇の改善のために陳情が上がり、全会一致で採択されていました。こうした声に応えていくことこそ区政の本懐です。今後は、精神障害者保健福祉手帳2級以下の皆さんへの制度拡充にも取り組んでいただくことも要望いたします。

 介護分野では、要介護3から5で寝たきりになっている方への訪問理美容サービスの自己負担軽減、介護従事者への定着支援事業の拡充は、介護者、事業者を支える上で大事な取組でした。

 防災分野では、防災備蓄物資の入替えや避難所機能の強化、要配慮者施設への防災無線受信機の増設など、区民の命に関わる防災の備えが進んだことも重要です。近年、日本中で自然災害が多発する中、万が一に備えることは自治体としての務めです。

 賛成の理由の2番目は、区民要求実現という点で、とりわけ子ども分野において、この事業では大きな変化があったことです。

 区立保育園を当面10園残す方針を示したこと、保育の質ガイドラインを設けたことは、区内の保育の質を保つ取組として重要でした。認可保育園を9園増園し、定員が528名増えたことは、待機児童解消へ向けた取組として多とします。他方、園庭のない保育園が増えていること、保育士への処遇改善など、課題も残っていることを指摘しておきます。

 その他、いじめや不登校の対策としてスクールソーシャルワーカーの増員、障害児レスパイト事業、医療ケア児の受入れ準備など、子どもや子育てに関わる施策が一歩ずつ前に進んでいることが見てとれます。引き続き、子ども第一の区政に向け全力を挙げることを要望します。

 9月には、中野区パートナーシップ宣誓から1年の節目に、中野区役所において中野にじネットさんによるトーク会が開催されました。パートナーシップ宣誓が、課題を抱えながらも少しずつ浸透し、LGBTの皆さんの期待に応えていることと思います。ユニバーサルデザイン普及啓発事業においても進展がありました。多様性のまち・中野区において、誰もが自分らしく生きられる社会の取組が歩を進めることは、当事者の皆さんにとってのシビックプライドにもつながります。

 一方で、厳しく指摘せざるを得ない問題があります。平和の森公園再整備計画については、区民の願いに基づいて一度は工事を中止し、その後、語る会を開いて意見を聞き、その声に従って見直し案を議会に提出したものの、最終的に区長公約を貫けませんでした。図書館事業においても、今後の図書館サービスのあり方検討会で示された意見を踏まえた方針となりませんでした。これらのことは、区民の願いに応えるものではなく、失望の声が上がっています。

 最後に、来年度の予算編成について述べます。新型コロナウイルス感染症については、依然として感染拡大が収まる兆しがありません。東京においては、この間も1日の感染者が300人近くになることもあり、第3波が来ている可能性が指摘されています。このコロナ禍に対応するためにも、これからの財政の在り方については事業の一つひとつが問われることとなります。

 来年度の予算編成に当たっては、92億円の歳入減が示されています。このことから各部署に対する歳出一律20%削減が示されましたが、これは問題があります。不要不急の事業の一層の精査を進め、区民生活応援の視点からの予算執行・編成とするべきです。例えば、中野区役所整備については、コロナ禍にあって急ぐ必要があるのか疑念が拭えません。

 世界中でコロナ感染症の影響は少なくとも数年続くと見られています。ますます厳しくなる区民生活を鑑み、必要な予算を国や東京都に求めるとともに、区としても区民の命と暮らしを守る自治体行政の責任をしっかり果たすことを重ねて要求し、賛成討論とさせていただきます。

○議長(高橋かずちか) 次に、石坂わたる議員。

〔石坂わたる議員登壇〕

○29番(石坂わたる) 認定第1号、第2号、第3号、第5号の各議案、令和元年度中野区一般会計歳入歳出決算、同用地特別会計歳入歳出決算、同国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算、同介護保険特別会計歳入歳出決算に賛成の立場で討論をいたします。

 平成31年4月から令和2年3月までの令和元年度は、一般会計予算と用地特別会計に残がある地方債残高から、財政調整基金や減債基金を含む預金現金計を差し引いた実質的地方債について、平成30年度のマイナス231億円からマイナス284億円へと低下させることができました。

 また、将来世代が利用可能な資源を蓄積していることを示す純資産比率が93.4%から94.6%に上がり、将来の償還が必要な負債による資産形成割合である社会資本等形成の世代間負担比率が2.9%から1.8%に下がりました。こうした指標が改善されていることは評価をいたします。

 しかし、新型コロナウイルス感染の対策を始める前の段階であるにもかかわらず、実質的地方債における預金・現金計が2年連続で下がっていることが気になります。令和元年度に関しては、その他の特定目的基金の計、財政調整基金のいずれもが減少し、基金全体で700億円から613億円に減少したことは見逃せません。

 特に、令和元年度は過去5年間を見たときに初めて将来負担額が基金残高を上回ることになり、その額は93億円に上ります。

 また、実質単年度収支もマイナス25億円で、2年連続でマイナス、すなわち赤字です。また、一般的に3から5%が望ましいと言われている実質収支比率が平成27年度以降3%台で推移をしていたものが、また前年度は3.4%であったものが令和元年度では2.9%となり、3%は下回ってしまいました。

 また、区民1人当たりの純行政コストが2年連続で対前年比プラス2万円を超え、34万1,298円となり、行政コスト対税収等比率が2年連続で上昇し、94.3%となりました。こうした点も気がかりです。

 さらに中野区の有形固定資産減価償却率も過去2年間下がり続けてはいますが、近隣の新宿区、杉並区、練馬区、豊島区と比べるとまだまだ高い66.6%となっており、今後、施設老朽化に伴う改築などの必要性が高まる可能性が高い状況です。

 新型コロナウイルスの影響が今後不透明な状態ではありますけれども、幾つかのパターンでの想定を行い、将来的な施設改修の金額のめどと資金のめどを示すことが急がれます。新たな基本計画によって計画的な施設の更新、統合・複合化などが示されるべきですが、新型コロナウイルスの影響でこれ以上基本計画の完成が遅れるのであれば、現段階での見通しを示すべきです。

 なお、令和元年度各施策の評価につきましては、一般会計において、歳入面に関して、税務における収納率の向上に向けて、新たにペイジー収納の導入を行い、区税収納の向上を図ったこと、歳出面において、ユニバーサルデザイン推進計画がスタートしたこと、中野区パートナーシップ宣誓の宣誓件数が平成30年度の実績の21件から、当該年度は28件に増えたこと、ICT機器を活用した授業を展開するためのデジタル教科書の購入を算数・数学あるいは英語において行ったり、電子黒板の導入を進め、全小・中学校への整備が完了したこと、産前産後家事支援事業を新設し、妊産婦相談支援プランの作成数も増えたこと、中野区障害者福祉手当を精神保健福祉手帳1級に限定しているという問題はありつつも、精神障害者にも対象を広げたこと、また、アディクションをアルコールや薬物など物質摂取への依存性及び習慣性として物質のみとの捉え方をしてしまっている問題があり、また、恋愛依存や窃盗を行うクレプトマニア、性依存などの行為に関する依存症や共依存症などが明記をされていない問題がありつつも、中野区自殺対策計画を策定し、その中に、ひきこもり、LGBT、アディクション、高齢者支援等を実施している庁内各部課、関係機関、民間団体と連携をし、情報共有をするということが盛り込まれたこと、一部公園のバリアフリー化が進んだことなどは評価をいたします。

 しかし、区長が新たに定めるとしている区政の根幹を定める基本構想・基本計画を議論することについては、遅々として進みませんでした。それが、今も議会が議論する基本構想がないままに、様々な分野の個別計画が先行している状況です。この状況では、基本構想を議会が議決をする頃には、それぞれの部署の思惑だけの分野計画が乱立をしていて、基本構成やそれに基づく基本計画で律するときには時既に遅く、基本計画も「個別のやりたいことリスト」のよせ集めになってしまうおそれがあります。

 また、平成30年度に私が改正に反対いたしました中野区組織条例が平成31年4月1日から施行されましたが、縦割りの弊害をなくす横ぐしの経営本部がなくなりました。原因はそれに加えてさらに幾つかの理由が考えられますが、令和元年度は職員のコミュニケーション不足や組織を統括することの不十分さに不安を感じる1年間でもありました。職員のコミュニケーション不足や統括が不十分なまま各分野の計画が乱立していくと、これは中野区の将来に向けて整合性の破滅的なものにもなりかねません。

 なお、国民健康保険事業特別会計に関しては、療養費の適正化のため、柔道整復施術療養費の申請書の照会をしっかりと進めたことや、外国籍の国保加入者に配布を行う外国語版ガイドブックにベトナム語、ネパール語を加えた5言語となったことなどの取組を評価いたします。

 そして、介護保険特別会計に関しましては、認知症サポーターのサポートリーダーの育成が始まりました。ただ、この制度に限らずではありますが、区の取組で育成された人材をどう活用していくのか、もっと地域で活躍をしたいという方にどのように活躍をしてもらうのかも考えていくことが急務です。

 以上、評価するべき点に加え、幾つかの課題点なども指摘いたしましたが、しっかりと取り組んでいただけることを期待しつつ、認定1号、2号、3号、5号の各決算認定に賛成の討論といたします。

○議長(高橋かずちか) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

午後1時59分休憩

 

午後2時00分開議

○議長(高橋かずちか) 会議を再開いたします。

 これより認定ごとに分けて採決いたします。

 初めに、認定第1号について起立により採決いたします。

 上程中の認定第1号を委員長報告どおり認定するに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○議長(高橋かずちか) 起立多数。よって、認定第1号は認定するに決しました。

 次に、認定第2号について採決いたします。

 上程中の認定第2号を委員長報告どおり認定するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次に、認定第3号について起立により採決いたします。

 上程中の認定第3号を委員長報告どおり認定するに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○議長(高橋かずちか) 起立多数。よって、認定第3号は認定するに決しました。

 次に、認定第4号について起立により採決いたします。

 上程中の認定第4号を委員長報告どおり認定するに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○議長(高橋かずちか) 起立多数。よって、認定第4号は認定するに決しました。

 次に、認定第5号について起立により採決いたします。

 上程中の認定第5号を委員長報告どおり認定するに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○議長(高橋かずちか) 起立多数。よって、認定第5号は認定するに決しました。

──────────────────────────────

 第68号議案 中野第一小学校新校舎用什器類の買入れについて

 

○議長(高橋かずちか) 日程第2、第68号議案、中野第一小学校新校舎用什器類の買入れについてを上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長白土純登壇〕

○副区長(白土純) ただいま上程されました第68号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。

 第68号議案、中野第一小学校新校舎用什器類の買入れについては、財産の取得に当たり議会の議決をお願いするものです。取得する財産は、中野第一小学校新校舎で使用する什器類で、取得に要する金額は7,183万円です。

 以上、本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(高橋かずちか) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。

──────────────────────────────

 第69号議案 中野区国民健康保険条例及び中野区後期高齢者医療に関する条例の一部を改正する

        条例

 第70号議案 中野区廃棄物の処理及び再利用に関する条例の一部を改正する条例

 

○議長(高橋かずちか) 日程第3、第69号議案及び第70号議案の計2件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長白土純登壇〕

○副区長(白土純) ただいま上程されました第69号議案及び第70号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第69号議案、中野区国民健康保険条例及び中野区後期高齢者医療に関する条例の一部を改正する条例は、地方税法の改正に伴い、保険料に係る延滞金の割合の特例について規定を整備するものです。

 この条例の施行時期は、令和3年1月1日です。

 第70号議案、中野区廃棄物の処理及び再利用に関する条例の一部を改正する条例は、地方税法の改正に伴い、廃棄物処理手数料等に係る延滞金の割合の特例について規定を整備するものです。

 この条例の施行時期は、令和3年1月1日です。

 以上2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(高橋かずちか) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御質問なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、区民委員会に付託いたします。

──────────────────────────────

 第71号議案 中野区介護保険条例の一部を改正する条例

 第72号議案 中野区立体育館条例を廃止する条例

 

○議長(高橋かずちか) 日程第4、第71号議案及び第72号議案の計2件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長白土純登壇〕

○副区長(白土純) ただいま上程されました第71号議案及び第72号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第71号議案、中野区介護保険条例の一部を改正する条例は、地方税法の改正に伴い、保険料に係る延滞金の割合の特例について規定を整備するものです。

 この条例の施行時期は、令和3年1月1日です。

 第72号議案、中野区立体育館条例を廃止する条例は、中野体育館の廃止に当たり、体育館条例を廃止するものです。

 この条例の施行時期は、公布の日です。

 以上2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(高橋かずちか) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、厚生委員会に付託いたします。

──────────────────────────────

 第73号議案 中野区子どもの権利擁護推進審議会条例

 第74号議案 中野区保育所条例の一部を改正する条例

 第75号議案 中野区子ども・若者支援センター条例

 第76号議案 中野区立学童クラブ条例の一部を改正する条例

 第77号議案 中野区立キッズ・プラザ条例の一部を改正する条例

 第78号議案 中野区立学校設置条例の一部を改正する条例

 第79号議案 中野区立図書館条例の一部を改正する条例

 第80号議案 中野区立教育センター条例の一部を改正する条例

 

○議長(高橋かずちか) 日程第5、第73号議案から第80号議案までの計8件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長白土純登壇〕

○副区長(白土純) ただいま上程されました第73号議案から第80号議案までの8議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第73号議案、中野区子どもの権利擁護推進審議会条例は、子どもの権利の擁護に係る施策について、総合的かつ効果的な推進を図るため、区長の附属機関として子どもの権利擁護推進審議会を設置し、その所掌事項、組織等について定めるものです。

 この条例の施行時期は、公布の日です。

 第74号議案、中野区保育所条例の一部を改正する条例は、あさひ保育園及び宮の台保育園を廃止するとともに、大和東保育園の位置を改めるものです。

 この条例の施行時期は、あさひ保育園の廃止に係る規定については、令和2月12月1日、宮の台保育園の廃止及び大和東保育園の位置の変更に係る規定については、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において規則で定める日です。

 第75号議案、中野区子ども・若者支援センター条例は、子ども・若者及びその家庭に対する支援を総合的に実施し、子ども・若者が健やかに成長できる環境を整備することを目的として、子ども・若者支援センターを設置し、その実施する事業等について定めるものです。

 この条例の施行時期は、令和3年11月29日です。

 第76号議案、中野区立学童クラブ条例の一部を改正する条例は、向台学童クラブを廃止するとともに、中野第一学童クラブを新設するものです。

 この条例の施行時期は、令和3年4月1日です。

 第77号議案、中野区立キッズ・プラザ条例の一部を改正する条例は、キッズ・プラザ中野第一を新設するものです。

 この条例の施行時期は、令和3年4月1日です。

 第78号議案、中野区立学校設置条例の一部を改正する条例は、南台小学校及び中野第一小学校並びに中野東中学校の位置を改めるものです。この条例の施行時期は、南台小学校及び中野第一小学校の位置の変更に係る規定については令和3年4月1日、中野東中学校の位置の変更に係る規定については同年9月1日です。

 第79号議案、中野区立図書館条例の一部を改正する条例は、中央図書館の分室を新設するとともに、本町図書館及び東中野図書館を廃止し、中野東図書館を新設するものです。

 この条例の施行時期は、中央図書館の分室の設置に係る規定については令和3年4月1日、本町図書館及び東中野図書館の廃止並びに中野東図書館の設置に係る規定については同年11月1日です。

 第80号議案、中野区立教育センター条例の一部を改正する条例は、教育センターの位置を改めるものです。

 この条例の施行時期は、令和3年11月29日です。

 以上8議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(高橋かずちか) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、子ども文教委員会に付託いたします。

 お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第6、第82号議案、令和2年度中野区一般会計補正予算を議題とするに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

──────────────────────────────

 第82号議案 令和2年度中野区一般会計補正予算

 

○議長(高橋かずちか) 日程第6、第82号議案、令和2年度中野区一般会計補正予算を上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長白土純登壇〕

○副区長(白土純) ただいま上程されました第82号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。

 第82号議案、令和2年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ23億1,319万円を追加計上するものです。これにより、既定予算との合計額は1,872億5,318万4,000円となります。

 初めに、この補正の歳出予算の内容を説明いたします。

 まず、総務費ですが、新生児特別定額給付金の給付に要する給付費及び事務費1億5,250万9,000円及び特例給付金の給付に要する給付費及び事務費521万5,000円を追加計上するものです。

 次に、区民文化国際費ですが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための施設利用中止に伴う補償に係る経費6,913万6,000円を追加計上するものです。

 次に、戸籍住民費ですが、戸籍情報総合システムの改修に係る経費550万円及び住民情報システムの改修に係る経費495万円を追加計上するものです。

 次に、産業観光費ですが、中野区緊急応援プレミアム付商品券発行事務費及び発行事業に係る経費2億7,071万7,000円を追加計上するものです。

 次に、学校教育費ですが、区立小・中学校臨時休業に伴う在宅学習等支援の一部見直しにより、2億5,761万5,000円を減額する一方、区立小・中学校臨時休業に伴う在宅学習等支援の実施期間延長より4,571万円、区立小・中学校臨時休業に伴い発注を中止した給食食材費に係る給食食材納入事業者に対する補助に係る経費3,300万円及び修学旅行の中止に伴い保護者が負担することとなるキャンセル料に対する補助に係る経費1,165万3,000円を追加計上するものです。

 次に、子育て支援費ですが、児童育成手当のうち、障害手当受給者への臨時特別給付金支給に係る経費758万8,000円を追加計上するものです。

 次に、スポーツ振興費ですが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための施設利用中止に伴う補償に係る経費2,690万円を追加計上するものです。

 次に、生活援護費ですが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う自立相談支援事業等業務委託料の増額に係る経費173万5,000円を追加計上するものです。

 次に、保健企画費ですが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う成人歯科健診受診勧奨費用の増額に係る経費2,462万円、医療機関における新型コロナウイルス感染症対策経費1,721万7,000円及び新型コロナウイルス感染症に係るPCR検査等準備金交付事業に係る経費1,500万円を追加計上するものです。

 次に、積立金ですが、財政調整基金への積立金18億7,935万5,000円を追加計上するものです。

 この補正の歳入予算といたしましては、国庫支出金1,175万1,000円、繰入金4億7,080万3,000円、繰越金18億7,935万5,000円、諸収入2,475万円を追加計上する一方、都支出金7,346万9,000円を減額するものです。

 続きまして、繰越明許費について説明いたします。

 これは、今年度内にその支出が終わらない見込みである新生児特別定額給付金の給付に係る経費4,844万9,000円、中野区緊急応援プレミアム付商品券事業に係る経費4,774万9,000円について、翌年度に繰越しを行うため、計上するものです。

 以上、本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(高橋かずちか) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。

 お諮りいたします。この際、本日の日程をさらに追加し、日程第7、議会の委任に基づく専決処分について報告するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

──────────────────────────────

 議会の委任に基づく専決処分について

 

○議長(高橋かずちか) 日程第7、議会の委任に基づく専決処分について、報告いたします。

 本件については、地方自治法第180条第2項の規定に基づき、10月1日付をもって、区長からお手元の文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。

 

2中総総第2388号

令和2年(2020年)10月1日

 中野区議会議長

  高 橋 か ず ち か 様

 

         中野区長 酒井直人

 

議会の委任に基づく専決処分について(報告)

 

 和解及び損害賠償額の決定について、議会の委任に基づき下記のとおり専決処分をしたので、地方自治法第180条第2項の規定により報告します。

 

1 和解(示談)当事者

 甲 中野区民

 乙 中野区

2 事件の表示

  甲は、退職後の公的医療保険について、職場の健康保険に任意で継続加入するか、国民健康保険に加入するかを検討するため、区民部保険医療課の窓口において、国民健康保険に加入した場合の甲の世帯の世帯員を含めた国民健康保険料の額の仮計算を求めたところ、担当した当該窓口業務等の受託事業者の職員が計算を誤り、本来よりも低い額を甲に提示した。甲は、当該提示を受けて、健康保険の継続加入はせずに、国民健康保険に加入したが、実際の国民健康保険料(平成31年度及び令和2年度分)の額は、健康保険に継続加入した場合の保険料の額よりも高い額が賦課されており、また、健康保険の継続加入の申出期間も既に経過し、その手続もできなくなった。

3 和解(示談)条件

 (1) 甲は、本件事件により、国民健康保険の加入により賦課された国民健康保険料(平成31年度及び令和2年度分)の額と甲が退職前に加入していた健康保険に任意で継続加入した場合に納付すべき保険料の額との差額相当額の合計95,742円の損害を被った。

 (2) 乙は、上記損害額について甲に対し賠償する義務があることを認め、本件示談成立後、甲の指定する方法で支払う。

 (3) 以上のほか、本件事件に関し、甲と乙との間には、何らの債権債務がないことを確認する。

4 和解(示談)成立の日

  令和2年(2020年)9月15日

 

※ この文書は、個人情報への配慮から個人が特定できるおそれのある記載について一部変更しています。

 

○議長(高橋かずちか) 次に、陳情の常任委員会への付託について申し上げます。

 お手元の陳情付託件名表Ⅰに記載の陳情につきましては、記載のとおり所管の常任委員会に審査を付託いたします。

 

令和2年第3回定例会

令和2年10月1日付託

陳情付託件名表(I)

《区民委員会付託》

 [1]第10号陳情  国に対し種苗法改正の撤回を求める意見書の提出について

 第12号陳情 コロナ禍における中野区民及び区内宿泊、民泊事業者の現状について。

《子ども文教委員会付託》

 第11号陳情 保育園建設計画について

 

○議長(高橋かずちか) 本日はこれをもって散会いたします。

午後2時18分散会

 

 

 

会議録署名員 議 長 高橋 かずちか

       議 員 立石 りお

       議 員 伊藤 正信