令和2年09月16日中野区議会決算特別委員会の会議録 1.令和2年(2020年)9月16日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。 1.出席委員(41名) 1番 市 川 しんたろう 2番 竹 村 あきひろ 3番 日 野 たかし 4番 渡 辺 たけし 6番 河 合 り な 7番 斉 藤 ゆ り 8番 立 石 り お 9番 羽 鳥 だいすけ 10番 高 橋 かずちか 11番 加 藤 たくま 12番 吉 田 康一郎 13番 木 村 広 一 14番 甲 田 ゆり子 15番 内 野 大三郎 16番 杉 山 司 17番 ひやま 隆 18番 小宮山 たかし 19番 い さ 哲 郎 20番 小 杉 一 男 21番 若 林 しげお 22番 内 川 和 久 23番 いでい 良 輔 24番 小 林 ぜんいち 25番 白 井 ひでふみ 26番 いながき じゅん子 27番 山 本 たかし 28番 中 村 延 子 29番 石 坂 わたる 30番 近 藤 さえ子 31番 浦 野 さとみ 32番 大 内 しんご 33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき 35番 平 山 英 明 36番 南 かつひこ 37番 久 保 り か 38番 森 たかゆき 39番 酒 井 たくや 40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行 1.欠席議員(1名) 5番 間 ひとみ 1.出席説明員 中野区長 酒井 直人 副区長 白土 純 副区長 横山 克人 教育長 入野 貴美子 企画部長 高橋 昭彦 企画課長(企画部参事事務取扱) 石井 大輔 情報システム課長(企画部参事事務取扱) 平田 祐子 基本構想担当課長永見 英光 財政課長 森 克久 広聴・広報課長 高村 和哉 業務改善課長、ユニバーサルデザイン推進担当課長 藤永 益次 総務部長 海老沢 憲一 危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝瀬 裕之 総務課長、特別定額給付金担当課長 浅川 靖 職員課長、人材育成担当課長 中谷 博 経理課長 吉沢 健一 防災担当課長 山田 健二 区民部長 青山 敬一郎 税務課長 矢島 久美子 保険医療課長 伊藤 廣昭 産業観光課長 堀越 恵美子 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 戸辺 眞 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小田 史子 子ども・教育政策課長、学校再編・地域連携担当課長 永田 純一 子ども政策担当課長 青木 大 保育園・幼稚園課長、保育施設利用調整担当課長 渡邊 健治 学校教育課長 板垣 淑子 子育て支援課長、子ども家庭支援センター所長 古川 康司 育成活動推進課長細野 修一 地域支えあい推進部長 鳥井 文哉 地域包括ケア推進担当部長 藤井 多希子 介護・高齢者支援課長、高齢者支援担当課長 葉山 義彦 保健所長、地域医療連携担当課長事務取扱 向山 晴子 福祉推進課長 石崎 公一 生活援護課長、生活保護担当課長 中村 誠 保健企画課長 鈴木 宣広 保健予防課長 只野 孝子 環境部長 朝井 めぐみ 環境課長 波多江 貴代美 ごみゼロ推進課長、清掃事務所長 伊東 知秀 都市基盤部長 奈良 浩二 建築課長 小山内 秀樹 まちづくり推進部長 角 秀行 中野駅周辺まちづくり担当部長 豊川 士朗 まちづくり計画課長 千田 真史 野方以西担当課長狩野 純一 会計室長 吉村 恒治
1.本会の書記は下記のとおりである。 事務局長 長﨑 武史 事務局次長 小堺 充 議事調査担当係長 鳥居 誠 書 記 立川 衛 書 記 若見 元彦 書 記 野村 理志 書 記 鎌形 聡美 書 記 松丸 晃大 書 記 細井 翔太 書 記 有明 健人 書 記 五十嵐 一生 書 記 髙橋 万里 書 記 本多 正篤 午後10時00分開議 ○山本委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。 初めに、委員会の運営について御相談したいことがありますので、委員会を一旦休憩し、理事会を開きたいと思います。 委員会を休憩します。 午前10時00分休憩
午前10時04分開議 ○山本委員長 委員会を再開いたします。 ただいま開かれました理事会の報告をします。 令和元年度中野区各会計歳入歳出決算説明書について、理事者より訂正の申出があり、正誤表を配付することを確認しました。データをアップロードしておりますので、御確認ください。 以上が理事会の報告ですが、質疑はございませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○山本委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○山本委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。 次に、要求資料についてですが、前回の委員会で要求した資料、313件全て提出され、データが閲覧できるようになっております。資料作成に当たられた職員の皆様、ありがとうございました。
令和2年(2020年)9月16日 決算特別委員会
総 括 質 疑 一 覧
○山本委員長 次に、本日は総括質疑の1日目となります。1番目に内川和久委員、2番目に酒井たくや委員、3番目に木村広一委員、4番目に羽鳥だいすけ委員の順に4名の質疑を行います。 総括質疑一覧のデータをアップロードしておりますので、参考に御覧ください。 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べられるようにお願いいたします。 それでは質疑に入ります。[1]内川和久委員、質疑をどうぞ 。 ○内川委員 おはようございます。今日から長い総括質疑が始まりますけれども、コロナの影響でいつもと違う雰囲気でやるんですが、お付き合いのほど、よろしくお願いをしたいと思います。 また質問に入る前に、皆様方も御存じのとおり、菅新総裁が誕生いたしました。菅新総裁の下、新しい自民党の船出をするということなんですけれども、志半ばにして今回退陣をされた安倍総理大臣に関しましては、この8年に近い長い間功績を残されて本当に無念だったのかなと思います。労をねぎらっていきたいと思います。菅新総裁が掲げていることは、自助、そして共助、公助の促進ということで、これに関しまして、私たちも本当にそうだなと同感しております。中野区としても、信頼される議会、信頼される行政を目指してこれから取り組みたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 それでは、質問に入ります。質問は通告どおりですけれども、その他に関してはございません。 1番、令和元年度決算についてお伺いいたします。 決算は、区の財務上の責任を明らかにすること、また、決算を踏まえて次年度の予算編成に生かし、持続可能な区政運営を進めていく意義の一つでもあります。令和元年度決算は、中野区監査委員のまとめによると、おおむね健全であるとのことですけれども、幾つか望ましいとされる範囲を僅かでありますけれども、超えている指標があり、区財政の健全性に懸念を生じる兆しがあるとのことですので、それに基づいて幾つか質問をさせていただきます。 まず、財政収支の概要についてですけれども、形式収支、実質収支はそれぞれ黒字でありました。単年度収支は3億3,000万円余の赤字、それと、実質単年度収支も24億9,000万円余の赤字となっています。この赤字部分に関して、特に実質の部分、実質単年度収支については24億円、非常に大きな額だと思っております。これに関しての区の見解をまずお聞かせください。 ○森財政課長 まず、御紹介ございました単年度収支でございますが、当該年度のみの収支結果を見るためのものということでございまして、当該年度の実質収支から前年度の実質収支を差し引いた額ということでございます。令和元年度のみの純粋な収支ということで考えると赤字でございまして、前年度の剰余金ということで、そこの部分を赤字分だけ減少したということになります。単年度収支でございますが、繰上償還ですとか財政調整基金の積立て取崩しなどの収支を調整する要素、これを単年度収支が含まれているということなので、実質単年度収支についてはそれを控除したということでございます。実質単年度収支が赤字になっているということについては、歳出の増に対しまして、繰入金を活用する部分が多かったということで赤字になったということで認識しております。 ○内川委員 簡単に言うと、基金の取崩しが思った以上に多かったということでよろしいですね。 ○森財政課長 歳出の増に対しまして、繰入金、基金の取崩しの部分が多かったということになるかと思います。 ○内川委員 これも監査委員が指摘するところの懸念する兆しの一つかなと思っています。来年度の予算編成に当たっては、その辺のことはしっかりと改善点になるのか、そのように考えています。 次に、実質収支比率、これは前年度から0.5ポイント下回って2.9%、これはここ数年で初めて僅かながら3%を下回ったんです。それから、経常収支比率に関しても、これは一般に70から80%が望ましいとされていますけれども、これも前年と比較して2.6ポイント上がって、最近では、これも初めて80%を超えてしまいました。これらの指標は監査委員から一番指摘されている部分なんです。僅かでありますけれども、こういった指標を外れてしまった、超えてしまった、その要因についてお答えください。 ○森財政課長 実質収支比率が下がったということでございますが、実質収支額も純粋な黒字分、こちらが減少した。一方で標準財政規模が増加したということでございまして、それによって前年度数値を下回ったということでございます。経常収支比率については、民間保育施設への給付など、扶助費の増がありました関係で前年度数値を上回ったということで、そちらが主な要因と考えております。 ○内川委員 実質収支比率に関しては、予定した歳入より歳出が多かったということで、予算編成の時点から身の丈に合わない予算編成だったのかなと思いますけれども、この辺はいかがですか。 ○森財政課長 御指摘のとおり、実質収支比率が下がったということは、歳入の増に比して歳出の増のほうが多かったということにはなるわけでございますが、予算の執行に当たっては、当然必要な部分について適切に対応してきたところでございますので、必ずしもこれがこういう状況になったからといって、すぐに身の丈に合っていないということにはつながっていないかなというふうには考えております。 ○内川委員 なぜ身の丈に合っていないという表現を使わせてもらったかというと、これは令和2年度の当初予算案の概要なんですが、そこの13ページ、4番の「財政運営の考え方」のところにこう書いてあるんです。「経済状況等に左右されることなく、安定した財政運営を進められるよう、身の丈に合った財政運営を行っていくことが求められています」、こうはっきり書いてあるんです。これはどこが書いたかというと、中野区企画部財政課が書いているんです。これは覚えていますよね。 ○森財政課長 財政課のほうで作成をしておりますので、当然その辺りについては意識しているところでございます。 ○内川委員 先ほどの課長答弁を聞いていると、もう忘れてしまったような感じです。身の丈に合っていないという表現はふさわしくない、そんな答弁をされましたけれども、もう一回答えていただけませんか。 ○森財政課長 先ほどの実質収支比率の部分については、当然歳入の増に比して歳出の増が多かったということで、結果としてはそういう数字にはなりますが、適切な予算執行はしたということでございますので、必ずしもそれで全てすぐに身の丈に合っていないというところにはつながらないかと考えております。 ○内川委員 でも、令和2年度の予算編成時に既に身の丈に合った財政運営を行っていくことが求められると言うんです。令和2年度の予算編成時には、もうそういうことを感じたということです。どうですか。もう一回答弁してください。 ○森財政課長 令和2年度だけではなくて、それぞれ歳入状況、しっかりそれを踏まえた形で予算を組み、予算を執行していくということについては、令和2年に限らず、これまでも当然心がけてきたということでございまして、これからもそういう形で財政運営は行っていく必要があると考えております。 ○内川委員 先に進みますけれども、経常収支比率に関しては、財政の硬直化、新たな行政需要に対応できる余地が減ったということが言えると思います。 それから、先ほどの監査委員の指摘のあった指標、これは酒井区政になってからたがが外れてしまった、これは本当に嫌な兆候が出てきた、そのように私は感じるんですが、財政課長の率直な感想を聞かせてもらいたいんです。 ○森財政課長 例えば経常収支比率については、先ほども御説明したように、保育施設への給付費の増ということで、扶助費の増が一つ要因として考えているところでございますが、当然のことながら、こういったところについては必要な経費として対応してきたというところでございます。しっかり財務規律を守って、限られた財源ですので、適切に予算を組み、適切に執行していくということについては常に心がけているところでございますので、規律が緩んだとかいったような認識は持っているところではございません。 ○内川委員 御自身のところで、身の丈に合った財政運営を行うことが求められると言っているんだから、それをしっかりやっていただきたいと思います。 債務負担行為のところに触れますけれども、これは3年連続で増加しているんです。616億円でした。ここも初めて将来負担額が基金残高を上回ったということなんですが、これも嫌な兆候だなと私は思っています。連続立体事業のような大規模プロジェクトの進行は止めることができないですよね。このような大規模プロジェクトに関しては、計画的にそれを進めるために、今まで以上に既定財源の確保などの財源対策、基金等起債の計画的かつ効果的な活用を図ることが求められますけれども、見解をお聞かせください。 ○森財政課長 債務負担行為を含めまして、一時的に多額の費用を必要といたします施設建設などにつきましては、財政負担の平準化と、世代間負担の公平化を図る意味からも、起債を活用していくということでございます。起債発行については、これまでも公債費が区民サービスに影響を及ぼさないよう公債費負担比率(中野区方式)をおおむね10%以内で運用しているといったようなことで進めてまいっているところでございまして、起債と基金をバランスよく活用しまして、適切な財政運営に対応していきたいと考えております。 ○内川委員 後年度負担も十分に検討した上で進めていってほしいと感じています。 義務的経費についてお伺いをいたします。義務的経費は区民生活に直接影響を及ぼす性質があると思っています。そこの義務的経費の歳出削減は、予算状況の理由での削減は非常に厳しいのかなと感じています。まず、個々の事業内の経費削減が求められておりますけれども、お考えをお聞かせください。 ○森財政課長 義務的経費の削減が難しいというのは御指摘のとおりでございます。しかしながら、漫然と例年同様の内容で積算をするということではなくて、あらゆる観点から見直しということについても対応していくことが必要だと考えています。事務の効率化を進めましてコスト削減を図るなど、個々の事業内の経費削減には対応をしっかり進めていきたいと考えております。 ○内川委員 構造改革の部分は後ほどまた改めてお聞きしたいと思います。 物件費です。平成30年度と令和元年度の物件費の伸びが著しいんです。特に委託費の伸びが目立っておりますけれども、その要因についてお答えください。 ○森財政課長 平成30年度につきましては、区立保育室の開設ですとか、区立保育園の民営化などによりまして、物件費全体の増があるということで考えています。また、令和元年度については、まさにもう一つ区立保育所の継続がございまして、物件費の増要因ということでいいますと、消費税率の増といったことも考えられるところでございます。 ○内川委員 私は思うんですけれども、基本構想ですとか基本計画ですとか、そういった本来区で取り組むべきものも、これは委託されています。それと、本当にこの時期必要なのかと思われる調査、アンケートなんかも今まで多くあったのかと思っています。総務委員会の報告の中で、これは本当にもったいないという案件があったんです。これは、ほんの一例です。 今年3月16日の総務委員会の報告なんですが、新庁舎における窓口サービスの基本的な考え方について、これも数年間にわたり委託されているんです。これに幾らかかったのか、それを委員会で聞いたんですけれども、実に今まで8,000万円、平成29年度に2,000万円、平成30年度3,000万円、令和元年度に3,000万円、計8,000万円です。今年度も予算計上する予定だったんですが、これを急遽やめちゃったんです。大事なことだと思うんですが、急遽やめちゃいました。8,000万円をかけて、これは当日の資料なんですけれども、たった2枚の報告なんです。結果、分かったことが、新庁舎における窓口サービスのコンセプト、待たない、書かない、動かない、迷わない、こんなことを導き出すために今まで8,000万円もかけたのか、本当にもったいないと思いますけれども、見解はどうですか。 ○森財政課長 窓口サービスを新庁舎においてどういうふうにサービスを提供していくかということについては、専門的な知見も活用しながら分析をしていくということが必要であるということで、予算を措置し、これまで検討してきたということでございまして、予算を執行してきたということについては必要なものだったと考えております。 ○内川委員 必要なのだったら、何で今年度はやめちゃったんですか。 ○森財政課長 様々な経費の部分ですとか、いろいろかかってきたところについては当然あるかと思いますけれども、必要な部分について予算を措置し執行してきたということでございます。ただ、これで終わりというわけではございませんし、新庁舎に向けての検討は今後も対応していく必要がございますので、これまでの検討の経過、委託の内容、そういったものもしっかり分析しながら検討は引き続きしていく必要があると考えております。 ○内川委員 来年度予算は今よりもっと厳しくなるんです。来年度、これをやるんですか、それとも止めちゃうんですか、どうするんですか。 ○森財政課長 それは、今後の予算編成の検討の中で判断していくということになろうかと思います。 ○内川委員 本来、区でやるべきことは区がやる。そういったことをしていかないと、こういった本当にもったいないような委託の部分が出てきてしまう。そこら辺は、来年度予算を組むに当たってはしっかりと精査をして、無駄な委託、無駄な調査、アンケート、そういったことをしないように要望をいたしておきます。 自民党は、平成30年度決算のときから、学校の改築や新区役所整備、中野駅周辺開発、西武新宿線沿線まちづくりなど、大規模プロジェクトが続くことから、後年度負担を十分に考慮した起債、基金のバランスのよい活用を求めてきました。また、債務負担行為も増えている現状に対して、確かな財政見通しと資金計画についても求めてきています。さらには、事業の肥大化が散見され、事業のスクラップ・アンド・ビルドの成果が出ていないことも指摘をさせていただきました。令和元年度の決算は、私は健全性があるとは思いませんけれども、おおむね健全性を示しているけれども、令和2年度予算編成を組むタイミングでは、今年度予算は既にコロナの影響が叫ばれていたんです。我が会派からも、財務規律の緩みに関して指摘をしましたけれども、区は、結果、それを聞き入れませんでした。その点に関しての見解をお聞かせください。 ○森財政課長 限られた一般財源の中で区民サービスを低下することなく財政運営を行っていくためには、不断の事業見直しとともに、新規拡充事業に当たって既存事業の整理等を着実に行っていくことで財源を生み出していくことが必要だと認識しているところでございます。当然これまでもそういったことで対応してきたところでございますが、来年度予算に向けては、さらにそういった取組を徹底していきたいと考えております。 ○内川委員 今課長の言ったことは非常に重いと思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 決算については、この後、我が会派の高橋ちあき委員のほうからも詳しく質問をさせていただきます。質問を進めます。 通告の2番の行政報告についてお伺いをいたします。 コロナ対策と経済再生の両立が今求められています。行政報告においては、区は執拗に危機感をあおっています。区民サービスの低下、区民への負担の押しつけの言い訳としか聞こえません。一般質問で指摘されたように、区は都合よく財務規律を緩め、基準となる一般財源規模を750億円にいとも簡単に上げてしまったその結果と、議会からの指摘を無視したことが今の状況をつくり上げてしまったのではないかと感じています。この酒井区政の2年間の検証をしっかりして、そこから無駄を省いていくことが求められていきますけれども、見解をお聞かせください。 ○森財政課長 事業効果を見込み、経費を積算し、予算編成をこれまで進めてきたところでございますが、厳しい財政状況が見込まれる来年度の予算編成においては、より歳出削減を進めていく必要があると考えております。過去2年間、これまでの取組等の成果についてもしっかり検証した上で、対応すべき課題を整理し、選択と集中を図り、必要となる財源を投入していけるようにしていきたいと考えております。 ○内川委員 2年間の検証ですけれども、どういった形で進めていくんでしょうか。もう既に進めているんでしょうか。どういう体制で進めていくんでしょうか、お聞きします。 ○森財政課長 今来年度の予算編成に取りかかっているところでございます。これまでの成果、事業効果はどうだったのか、どういう形で計画を進めてきたのかといったところについては当然検証して、それを踏まえて適切な事業見直しをしていく。また、予算の積算もしていく必要があるということで考えておりまして、そういった部分について、通常の予算編成の部分については、そういった形で各部とも連携を取りながら対応しているところでございます。 ○内川委員 具体的にどこでどうやってと聞いたんです。 ○森財政課長 まず、予算編成についての検証といった部分については、当然のことながら、各部がこれまでも各部のそれぞれの事業での取組といったことについては検証はしているというところでございます。それを踏まえて今後予算編成を進めていく中で、その事業の効果はどうだったのかといったようなところについては、予算編成の調整の場がございますので、そういった部分でもしっかりそこを踏まえて対応していくということでございます。 ○内川委員 次に、医療・生活・経済支援対策についてお聞きをいたします。 区は、新型コロナウイルス感染症対策の柱として、医療など最前線の現場環境を支える、それから、生活や子育て、介護などを支える、それと、経済の再生に向け事業者を支える、この三つを掲げています。これに基づいてお聞きをいたします。 まず、医療機関への支援、これは我が会派の大内議員が一般質問で触れておりました。まず、医療機関の支援に関しては継続することが大事であります。今後も継続する支援とは具体的に何かをお答えください。 ○鈴木保健企画課長 お答えいたします。継続する医療機関の支援についてでございますが、区は今後とも、手指消毒剤やマスクを医療機関に提供することを考えているものでございます。 ○内川委員 まだまだコロナ終息も見えませんので、そこはしっかりとやっていただきたいと思います。 それと、やはり一般質問の答弁なんですけれども、成人歯科健診の受診控えが長期化するおそれがあるため、受診率向上に向けた取組も行うとのことですけれども、具体的な例についてお答えください。 ○鈴木保健企画課長 今回の医療機関及び歯科医療機関の減収、経営状況の逼迫というものは、コロナ禍における過度の受診控えによるところが大きいと考えているものでございます。このため区は、成人歯科健診につきまして、今年度、受診券を送付していない40歳から50歳までの方に受診券を送付することを検討しているものでございます。また、9月末に高齢者インフルエンザ予防接種の予診票を送付する際にも、かかりつけ医を持つことの重要性、また、区民健診勧奨の通知を同封する予定でございます。区が区民健診の受診を促すことで、コロナ禍によって生じた過度の受診控えの解消につながり、このことによって医療機関への支援につながると考えております。 ○内川委員 区民の健康を守っていくことに直結しますので、しっかりと取り組んで、早急に実施をしてほしいと思っています。 医療機関等の支援は、現場と密に連絡を取って、真に必要なものを支援するべきと考えています。今御答弁された以外に、財政的な支援も必要なのかなと考えていますし、これも早期に実現させる必要があると思いますけれども、もう一度お答えいただけますか。 ○鈴木保健企画課長 医療機関等への財政的な支援についてでございます。区は、地区医師会及び区内の基幹的な病院の訪問を通じまして、医療現場における課題や支援ニーズというものを把握してきたところでございます。特に、次のインフルエンザの流行に備えた体制整備としまして、新型コロナウイルス感染症の感染が疑われる発熱患者等の診療、また検査が実施できる医療機関を増やしていくということが必要であると考えております。そこで、区では、PCR検査や抗原検査を実施する医療機関に対して、検査を開始するための準備金としまして、施設整備等の財政的な支援を行うことを検討しているものでございます。 ○内川委員 大変踏み込んだ御答弁があったんですけれども、これはなるべく早くということは、補正予算等に上がってくるんですか。 ○鈴木保健企画課長 委員御指摘の点も踏まえて、今検討しているところでございます。 ○内川委員 よろしくお願いいたします。 一つ質問を飛ばして、地域医療機関の誘致についてお聞きをしたいと思います。中野中学校跡地に病院を誘致する、そういったことが進められていたんですけれども、現状についてお答えいただけますか。 ○鈴木保健企画課長 医療機関の誘致についてでございます。医療機関誘致は、超高齢社会を迎え、医療や介護を必要とする区民が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために、地域医療の拠点となる病院が必要であるとの考えの下に実施をしたものでございます。区は、前年度、選定のためのプロポーザルを行いましたが、選定結果はなしとなりました。現在におきましても、今後の誘致に関して検討は継続しているところでございます。 ○内川委員 1度ペンディングになっているということですよね。今御答弁があったとおり、今後の医療需要に対応するためというのはもちろんあるんですけれども、これは地域包括ケアシステムの拠点施設となる予定でもありました。それもペンディングになりました。さらに、募集要項を見ると、月額、最高1,700万円からの賃料が取れることになっていました。これは、中野区の歳入にとって非常に大きいと思いますけれども、引き続きその基本的な誘致の考え方、変更はないか、もう一回お答えください。 ○鈴木保健企画課長 先ほど御答弁させていただきましたけれども、医療機関の重要性といったものは大きいと考えております。現時点におきまして、医療機関誘致の必要性に関する基本的な考え方というものは変わっていないものでございます。 ○内川委員 ただ、今回プロポーザルは駄目でした。聞くと、1社ぐらいしか手が挙がらなかったと聞いています。これは、要するに提案の中身も含めて、根本的に内容を変えていかなければいけないのかと思うんですけれども、区の見解をお聞かせください。 ○鈴木保健企画課長 企画提案の内容についてでございますが、現状としましては、超高齢社会への対応、先ほど申しましたけれども、これに加えまして、本年発生をしました新型コロナウイルス感染症への対応というものを見ましても、区内に地域医療の支援病院に相当する医療機関を誘致する必要性というものはますます高まっていると考えているところでございます。今後の医療機関の誘致につきましては、地域医療に関する東京都の動きについて適切に情報収集を行い、誘致の考え方についてはさらに検討を重ねていきたいと考えております。 ○内川委員 検討中ということなんですが、多分第4回定例会では施設整備計画の骨子が示されるのか。第1回定例会では具体的な中身が出てくるんだと思いますけれども、第4回定例会の部分でその検討結果は出てきますか。 ○鈴木保健企画課長 医療機関誘致につきましては、非常に規模の大きな案件でございます。また、区民生活に大きな影響を与えるものでございますので、検討結果の取りまとめの時期につきましても、全庁的な議論もして、その中で定めていくことになると捉えているものでございます。 ○内川委員 全庁的な議論はもっともだと思うんですけれども、そんなものは時間がないですよね。早急に医療機関誘致、考え方をまとめてほしいと思っています。 それから、区民の健康を守るという意味では、今回薬剤師会からも支援の要求がありました。さらに、柔道整復師会からも支援の要望が上がっているんです。これらの方々は都の休業要請から外れてしまったということもありますし、本当にコロナ感染の危機に直面しながらお仕事をずっと続けてきたという意味もありまして、非常に支援が足りていないんです。そういったところの支援も必要だと思いますけれども、早急に現場の声を聞いて、早期にそういった支援を実行してもらいたいと思っていますけれども、いかがでしょうか。 ○鈴木保健企画課長 薬剤師会、また柔道整復師会への支援につきましては、他自治体の取組や他の医療、また歯科で行われている医療行為やその感染リスクとの違いなどを考慮して研究していきたいと考えております。 ○内川委員 研究してと今言っていますけれども、本当にせっぱ詰まってくる問題なんです。研究するのはいいんですけれども、これも早期に対応していくことを要望しておきます。 予定していた質問が一つあったんですが、それは割愛をさせていただきます。 次に、経済の再生に向け、事業者を支える支援についてお聞きをいたします。新型コロナウイルスの流行で打撃を受けた地域経済の再生は区の大きなテーマと私は考えています。国や都は大胆な財政出動を行ってきました。当面の国や都の給付金や補助金といった支援が終わった後は、今度は区が代わって地域経済を支えるべきと私は考えています。区としての財政出動について見解をお聞かせください。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 国や都の給付金や補助金がなくなった後も地域経済を支えていくため、引き続き区として必要な支援を行っていく必要があり、併せて財源の確保にも努めてまいりたいと考えております。地域経済の現状と区の財政状況を踏まえ、効果的、効率的に取り組んでまいりたいと考えております。 ○内川委員 来年度の中野区の財政は本当に厳しくなるんですけれども、今課長が言ったことは本当に実行できるのかなと不安に思うんですが、もう一度答弁いただけますか。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 来年度も非常に厳しい財政状況が見込まれておりますけれども、やはり地域経済というのを回していく、これは非常に大事なことでございまして、そうした地域経済をきちんと再生していくということについて取り組んでまいりたいと考えております。 ○内川委員 本当にそこはやってほしいと思っていますし、これからがきめ細やかな支援が必要となってくると思いますので、よろしくお願いをいたします。 とある調査によりますと、事業環境の回復には最低でも2年ぐらいかかるのかなという回答が60%ぐらいありました。さらには、今年の10月以降、業界の景況が悪化するとの回答も80%ありました。私は、学校とかの施設整備は、これは公共事業として冷え切った区内経済を支えるために必要かつ重要と考えています。景気や雇用対策の側面も、もちろんあることから、計画を早期に示して取り組むべきと考えますけれども、見解をお聞かせください。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 現在、区有施設整備計画の検討を進めているところでございます。この区有施設整備計画につきましては、中長期にわたり施設の再編を見据えたものでございまして、今後の財政状況を見極めながら取り組んでまいりたいと考えております。他方、景気経済対策として、公共施設整備の果たす役割は少なくないと考えておりまして、地域経済を注視しながら慎重に判断してまいりたいと考えております。 ○内川委員 地域経済に及ぼす効果は少ないなんて、一瞬びっくりしたんですけれども、厳しい財政の中でも区内経済を回していく。それが、結果、税収として区の財政にも返ってきますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思っています。 それから、今後景気の先行きが非常に不安視されている中、区内事業者の保護、育成の観点で、入札制度に関してもお聞きしたいと思います。一般質問で白井議員が触れておりました。もちろん、入札に関しましては健全な競争原理に基づいて行うことは当然なんですけれども、現在、区内事業者の保護、育成という観点で、区が行っている施策についてお答えください。 ○吉沢経理課長 区は、これまで地域事業の担い手となっております区内事業者の保護、育成のため、区の工事発注につきまして、業種ごとに区内業者制限を設定するなど、区内事業者の受注機会の拡大を図ってきたところであります。 ○内川委員 区内制限、これは区内事業者にとっては非常にありがたい制度で、私たちもいろいろな業界団体と懇談会を開いたんですが、ここはぜひ継続して取り組んでくれ、そういった要望がありました。さらに、区内事業者の受注機会を増やす、そういった策について何かあるのか、お考えがあればお聞かせください。 ○吉沢経理課長 今後景気の低迷が見込まれる状況におきまして、区内事業者の履行力の向上や災害の緊急対応の確保という観点からも、区内事業者を優先した入札制度を継続していきたいと考えてございます。 ○内川委員 例えば、これは業種ごとに区内業者制限の価格が設定されています。例えば建築工事でしたら、1億2,000万円以下だったら区内業者でやる、安いところでは、設計、工事、管理は1,000万円以下は区内業者だと、そうなっているんですが、そこら辺の数字をいじるようなこともできないですか。 ○吉沢経理課長 御紹介がありましたとおり、業種ごとに適正な競争を確保しつつ、区内事業者の工事実績等を勘案しまして、区内業者制限の価格を引き上げることの検討も含めまして、区内事業者の受注機会の確保を図ってまいりたいと考えてございます。 ○内川委員 これはぜひ取り組んでほしいと思います。来年度以降、多分区が発注する案件も減ってくるおそれもありますし、その中でも区内業者をしっかりと守っていく、そういう取組をしっかりとやっていただきたいと申し上げておきます。ありがとうございました。 次に、無利子で行っている中野区産業融資について、これも公明党の白井議員から質問がありました。今は9月までなんですが、12月28日まで再延長したという御答弁がありました。非常にありがたいことだなと思っていますけれども、今後のコロナの終息の状況も踏まえて、場合によっては、それをさらに延ばしていく、こういった柔軟な対応が必要なのかなと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○堀越産業観光課長 中野区産業経済融資緊急応援優遇制度のさらなる期間延長についてお答えいたします。4月1日から実施しております新型コロナウイルス対策緊急応援優遇につきましては、国における融資保証制度の認定期間の延長等とあわせ、期間の再延長をし、12月28日までの受付期間とする予定でございます。それ以降の期間延長の必要性につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化、国や都におけます支援制度の動き等を踏まえまして、必要に応じて検討してまいりたいと考えてございます。 ○内川委員 ぜひお願いしたいと思います。 あと申請の簡素化、なるべく簡単に申請ができるように、そこも取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがですか。 ○堀越産業観光課長 申請の窓口については工夫を重ねているところでございますが、委員の御意見を踏まえまして、またさらに工夫を重ねてまいりたいと思っております。 ○内川委員 ありがとうございました。 それから、6月8日の区民委員会の資料によりますと、営業自粛や売上げ激減に伴う企業、個人事業主の経営悪化が引き起こす、地域経済における負の連鎖、これを断ち切るための緊急対策とともに、活力を取り戻し経済の再生につなげていくために、商店街や民間事業者、経済団体と連携した取組を行っていくとのことですけれども、具体的な取組と成果についてお答えください。 ○堀越産業観光課長 地域経済におきます緊急対策と経済再生のための商店街、事業者等の連携についてお答えをいたします。 まず、緊急対策でございますが、先ほど御質問いただきました無利子の融資制度が9月15日、昨日現在で882件のあっせん申込みがございまして、受付期間は再延長する予定でございます。 商店街や事業者等と連携いたしました事業としましては、東京都の補助事業であります東京都商店街キャッシュレス導入モデル事業を行うとして採択されております中野ブロードウェイ商店街振興組合におきまして、9月下旬に各店舗への合同説明会を行う予定となっております。また、飲食店のデリバリーやテイクアウト事業を支援いたします中野の逸品グランプリ事業のオンライン版、こちらにつきましては、中野区商店街連合会が投票のための新たなホームページを立ち上げまして、9月25日まで参加店舗の募集を行っているところでございます。いずれも商店街や経済団体等と情報共有を綿密に行い、連携をしながら事業を進めているところでございます。 ○内川委員 慎重に取り組んでいくのは当然なんですけれども、キャッシュレス化、これは、いつからできそうですか。 ○堀越産業観光課長 ブロードウェイにおけますキャッシュレス化は11月に本格稼働する予定でございます。 ○内川委員 ありがとうございました。そういった取組を今後広げていくことも大事かなと思いますので、よろしくお願いをいたします。 次の質問に移ってしまいます。今後の財政見通しを踏まえた令和3年度予算編成についてお聞きをいたします。 令和3年度予算編成においての考え方において、「統計や業務データ等を収集・分析し、客観的な論拠となるエビデンス・ベースの議論を経て」とありますけれども、具体的にどう取り組んでいるのか、データ等の収集、分析は進んでいるのか、現状をお聞かせください。 ○森財政課長 予算編成に当たりまして、特に新規拡充事業の検討におきましては、現状や課題を示す現状値や統計データ、他区の状況、見込まれる効果、想定されるリスクと検証結果など、客観視できる資料を活用しながら議論を進めていくということでございます。データにつきましては、各種アンケート結果などによる区民の意向やニーズ、また各種統計データなどを活用しているところでございまして、現在予算編成を進めている中でも、そういったところを踏まえて取り組んでいるということでございます。 ○内川委員 特に新規事業に関してのエビデンスというのはあるんですか。新しく新規事業をやって、今までのエビデンスというのはあったんですか。 ○森財政課長 例えば区民のアンケートに対するニーズ、そこから導き出される課題、また、他区との比較、そういったところの分析をしながら、では、中野区にとってどういうことが足りていないのか、そういったところを踏まえながら、新規拡充事業の検討ということを進めていくということでございます。 ○内川委員 予算編成方針においては、「政策課題への的確な対応」のところに、区民の声の把握、それと、必要に応じて区民との対話等を行いとありますけれども、区民の代表である我々議会との取組はどう考えているんでしょうか。 ○森財政課長 令和3年度予算編成にかかります議会への報告等につきましては、当然に適時適切、情報共有を行いつつ御意見を賜りながら、適正な予算編成に努めてまいりたいと考えているところでございます。 ○内川委員 正直言って、今までそれはできていなかったと思います。行政報告の中に、これは「むすびに」のところなんですけれども、区長は、議会とも適時適切な情報提供と十分な説明と対話に努め、この難局を乗り越えていく、そのように書いてあるんです。例えば本郷小学校を急に止めてしまったりとか、本当に私たちも寝耳に水でした。これから本当に今課長が言ったとおりに十分な説明と対話に努めていっていただけるのか、もう一回お答えください。 ○森財政課長 当然区民の代表でございます議会に対しましては、予算編成過程におきまして、また、事業の計画検討過程におきまして、適時適切に情報提供、情報共有を行っていく必要があると考えております。その中で様々御意見をいただきながら検討を進めていくという考えでございます。 ○内川委員 様々な意見を言っても聞き入れないから言っているんです。分かりますか。 それから、事業の評価、見直しでは、長年にわたり変更を行っていない事業について、効果や制度内容について確認して、継続実施の可否を判断するとありますけれども、これも具体的にどこでどのように誰が判断するんですか、お答えください。 ○森財政課長 予算編成方針におきましては、各部が予算要求するに当たりまして、積算根拠や仕様内容、事業手法を見直す等、あらゆる観点から事業見直しに努めることを求めているところでございます。各部から要求のあった経費につきまして、予算編成の過程で、しっかりそこのところについては判断をしていくということでございます。 ○内川委員 企画部で判断していく、そういうことでよろしいですね。 ○森財政課長 まずは一旦企画部のほうに要求は上がってきますので、その段階でどうなのかといったところについては部と当然議論をしていくということになりますが、最終的には、当然区長を含めた予算査定の場で判断をしていくということになります。 ○内川委員 構造改革の推進に向けての推進体制、そういったことも書かれてありますけれども、そこでそういったことを行っていくという判断でよろしいですか。 ○森財政課長 構造改革の推進体制については現在検討中でございますが、当然そういったところとの連携も取りながら対応していくということになろうかと考えております。 ○内川委員 一つ質問を飛ばします。 来年度の予算編成に関しましては、今年度と比較して、92億円の減収という数字が出ています。それと、基準となる一般財源規模687億円という数字も出ていますけれども、これらの計算式、算出根拠を教えてください。 ○森財政課長 一般財源、まず、大きなところで特別区税、こちらにつきましては、国が発表しております毎月勤労統計のデータから、納税義務者数や納税義務者の給与収入の減等を想定いたしまして、今年度予算比で26億円の減ということを現時点においては見込んでおります。特別区交付金や地方消費税交付金につきましては、リーマンショック時のGDPの1年間を通した成長率、こちらと実際の減収額、そういったところを過去の例を踏まえまして、今年度のGDP成長率の予測値、こちらは政府が発表しておりますので、そこから来年度の減収額を推計しまして、特別区交付金については48億円、地方消費税交付金については18億円の減を見込んでいるところでございます。これらを合計いたしますと92億円の減収となりまして、行政報告等でも御説明しました一般財源の92億円の減収ということになるものでございます。それで、基準となる一般財源規模につきましては、こちらの財産費を除く一般財源の収入見込額であります687億円、こちらを基準としているということでございます。 ○内川委員 4月か6月の一番悪かったときのGDPを年率換算して計算したのかなと思うんですが、ではなくて、これは7月から9月期のGDPの速報値が出ても、特に一般財源規模687億円には影響しないということでよろしいですね。 ○森財政課長 基準となる一般財源規模については、予算編成のスタートの段階ということで687億円を設定したところでございます。GDPの成長率の予測によっては、歳入見通しというのは変わる可能性はあるわけでございますが、こちらの687億円ということについては変更しないで予算編成は進めていくということで考えております。 ○内川委員 分かりました。令和3年度、来年度予算については、基準額が687億円でフィックスをしていくということです。今年度、令和2年度は750億円です。1年間で一気に70億円の減、過去において、これだけ多額の減額は記憶にありません。改めて令和2年度、750億円という一般財源規模、これの設定に無理があったと思いませんか。 ○森財政課長 従前より基準となる一般財源規模につきましては、将来の安定的な財政運営を見据えて予算編成を進めるために、過去の歳入の推移、また今後の歳入見込みを踏まえて設定してきているところでございます。令和2年度についても同様の考え方に基づき設定したところでございまして、この750億円については適正だったと考えております。 ○内川委員 ここ数年、基準となる一般財源規模の考え方を変えましたよね。単純に過去何年間の平均値からだと、急にこれは考えが変わったのかなと思ったんです。これは、この分は後で聞きますから、いいです。 私は、基準となる一般財源規模は、まさしく財務規律であると理解しています。以前にも質問しましたけれども、基準となる一般財源規模は、基準であるからこそ頻繁に変えるべきではない、そのように考えています。酒井区政になってから、基準となる一般財源規模は一体幾ら増額されたんでしょうか。これが私たちの言うところの財務規律の緩みではないのでしょうか。見解をお聞かせください。 ○森財政課長 令和元年度につきましては前年度から20億円、令和2年度については前年度から40億円の増加ということでございまして、合計で60億円の増ということでございます。基準となる一般財源規模につきましては、今回の令和2年度については、直近5年間の歳入一般財源決算額の平均値をベースとしておりまして、実態に合ったものと考えておりまして、財務規律の緩みではないと考えております。 ○内川委員 平均値という考えがそもそもおかしいと私は思っています。どんな事態が起こっても対応できるようにするのが財務体質と私は思っているし、これからいつ大規模災害が起こるか分からないし、今回のコロナ騒動もそうですよね。そういったときに、起きても慌てることなく対応するのが、私は財務規律の基本なのかと思っています。 それから、先ほど言いましたけれども、基準となる一般財源規模の考え方が直近の平均値という考え方へシフトをした、私はそのように考えています。その理由についてお答えください。 ○森財政課長 これまでも基準となる一般財源規模の設定につきましては、過去の決算値を活用しながら設定をしてきたところでございます。今回の令和2年度につきましては、平成26年度以降、特に歳入の伸びが著しいということでございまして、直近の平均値を取るとともに、今後の歳入の見通しを踏まえながら設定をしたということでございます。 ○内川委員 710億円から750億円に上げた時点、令和2年度です。これは予算編成のときにはもうコロナの影響が叫ばれていたんです。それでも私たちの意見を聞くことなく上げてしまった。それが緩みだと言っているんです。もう一度答弁してください。 ○森財政課長 歳入の状況を見ながら、今回、令和2年度の750億円については設定したところでございまして、実態に合ったものだと考えております。当然適正に設定されたと思っておりまして、緩みということとは捉えておりません。 ○内川委員 よく聞いてほしいんですけれども、令和2年度一般会計予算においては、我が会派は、新規拡充事業は、その経費増加について、既存事業の統合、再編、見直し事業のスクラップによる実質経費の生み出しが十分でないと指摘をさせていただきました。さらに、新型コロナウイルスが与える区財政のマイナス要因を十分に配慮し、区の財政へ影響が及ぶ前に先手を打つ必要がある。令和2年度予算成立の後でもスピーディに事業の削減、見直しに取り組むべきと申し上げました。基準となる一般財源規模の見直しにも早急に取り組むよう要望しました。こういった我が会派の指摘、要望に耳を貸さなかった現酒井区政の責任は大きいと言わざるを得ません。もう一度区の見解をお聞かせください。 ○森財政課長 これまでも基準となる一般財源規模など、そういった財政規律を基本といたして適正な財政運営に努めてきたところでございます。事業執行に当たっても、効率的、効果的な執行ということで努めてきたところでございます。今後の財政見通しということについては非常に厳しさが見込まれるため、より一層そういった規律については引締めが必要だと考えております。これまで以上に区議会とも議論を重ねまして、区民サービスの向上に努めていきたいと考えております。 ○内川委員 簡単に区民サービスの向上とか言っていますけれども、来年、本当にできるんですか。すごく心配です。 財政調整基金については、取崩しを前提としないとのことですけれども、おおよそ今160億円の残高があることから考えると、仮に、先ほど言った来年度92億円の減収になってもすぐに危機的な状況にはならないと思っています。基金の有効な活用を検討すべき、そのように考えています。また、基金活用には真に必要なサービスを実施するために、必要がある場合にのみ基金活用を図るとのことですけれども、ここで言うところの基準とは何なんでしょうか。どこで決めていくんでしょうか。 ○森財政課長 新規拡充事業につきましては、真に必要であり優先度の高いものとして、関連する既存事業の統合再編や、見直しと事業のスクラップにより経費を生み出す考えでございます。経常経費につきましても削減を原則とし、全ての事業につきまして、事業の効果や原因を分析した上で、効果が上がっていないものについては、事業の廃止、統合、縮小など、見直しの検討を行っていくということでございます。その中で、来年度にとって必要な経費については議論をし、必要に応じて基金を活用していくということでございますが、その判断というか、どういったところで議論するかということについては、先ほど来御答弁していますように、予算編成の過程の場で議論をしていくということでございます。 ○内川委員 予算編成の過程で議論していく、だから、それは誰がどういった組織でやるんですか。 ○森財政課長 先ほども少し御答弁しましたが、各部で検討はしている。それが要求が上がってきて、企画部の中で一定調整をする。最終的には、区長をはじめとする予算査定の場で議論がされるということでございます。 ○内川委員 企画部の責任は非常に重いです。 それから、必要だからあるわけで、全ての区民サービスに無駄はないと私は考えています。我が会派は様々な団体と懇談会を開いてきましたけれども、どの団体からも、行政サービスの継続を強く要望しています。必要な財政措置をして区民生活をされるべきと考えます。また、一般質問の答弁において、区長は、関係団体等への接触機会を十分に設けることができなかったと反省の弁を述べております。これは、早急にこれらに対応して、意見聴取に努めるべきと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 区民が安心して生活できる環境を整え、経済の再生に向けて取り組んでいくことは区の責務でありまして、時期を逸することなく進めていかなければならないと考えております。対応すべき課題を整理し、選択と集中を図り、必要な財源を投入していきたいと考えております。また、各団体からの意見ということでございますけれども、特に新型コロナウイルスの感染症対策ということに関しましては、区民やまちの現状を伺うことに努めまして、ニーズに合った適時適切な対策を講じていきたいと考えております。 ○内川委員 非常にさらっとお答えするんですけれども、具体的にどうやるんですか。今、区民やまちの意見を聴取してと言っていましたけれども、具体的にどうやってやるんですか。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 区民個人の方から様々な意見をいただくこともありますけれども、様々な団体との懇談を含めまして、意見を聴取し、それをきちんと捉えていきたいと考えております。 ○内川委員 団体との意見聴取は、それは計画にあるんですか。団体との意見聴取と今言いましたけれども、それは計画は進んでいるんですか。いつから始めてもらえますか。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 現時点で特段計画があるわけではございませんけれども、今後の対策という点では情報交換を行う必要があると考えておりまして、既に各部においても、団体との意見交換を行っているところでございますので、それらをさらに進めるということで考えております。 ○内川委員 財政調整基金からの繰入れを行わない前提で、来年度予算編成は経常経費を実に20%削減することが目標とのことですけれども、本当にそんなことが実現が可能でしょうか。聖域なく、各部において20%シーリングをかけていくのか。それをいつどのように各部へ通達したのか。答えていただけますか。 ○高橋企画部長 経常経費のシーリングでございますけれども、削減を原則といたしまして、全ての事業に対しまして、事業の効果、また、その原因の分析を行った上で、効果が上がっていないものについては、事業の廃止、統合、縮小、休止、執行方法の変更等の検討を行い、20%の削減を図ることで通知したところでございます。この目標については区の総力を上げて達成をしていく覚悟でございますが、シーリングの具体的な内容につきましては、令和2年9月1日に予算編成方針と併せて各部へ通知したところでございます。 ○内川委員 リーマンのときよりも多分厳しい数字ということだと思うんですが、20%の根拠、それについてお答えいただけますか。 ○森財政課長 20%の根拠なんですけれども、先ほど基準となる一般財源規模687億円ということで設定をするということで御説明をしたところでございます。そこの687億円に収めるために、現状把握している経常的な経費、人件費も含め、また経常的な経費等々、そういうのも含めて、それを687億円にどういうふうに収めていくとかいうことで計算をしますと、経常経費の20%削減という数字が出てきたというところでございます。 ○内川委員 逆算すると20%になったということですか。 ○森財政課長 現状を想定している経常経費の数字から、それをどれだけ削減すれば687億円になるのかというような計算をした結果、経常経費については20%の削減が必要だということで、そういう計算をしたということでございます。 ○内川委員 ですから、687億円にするために逆算したら20%になったという理解でいいんですよね。 ○森財政課長 そのとおりでございます。 ○内川委員 この20%シーリング、これを企画部で責任を持って各部に通達をしたということですよね。ということは、企画がまず手本を示していく、そういった必要があるのかと思います。部長に聞きますけれども、企画部は、この20%シーリング、例えばどこを削るんですか。 ○高橋企画部長 現在検討を進めているところでございまして、具体的な内容については、今後また明らかにしていきたいと考えてございますが、部の総力を挙げて達成を目指していきたいと考えてございます。 ○内川委員 だって、企画部から、これを各部に通達したんでしょう。企画部がまず手本を示すのが筋だと思うんです。これは令和2年度予算なんだけれども、企画部の中には企画費、財政費、公聴・広報費、業務改善費、情報システム費、この中からどこら辺が削れそうですか。 ○高橋企画部長 今部の仕事の内容につきましては御紹介いただきましたけれども、その中から具体的な項目をまた区民への影響等を勘案しまして、今後検討を具体化してまいります。 ○内川委員 区民への影響を生まないで、この部の中で20%削減を実現させる。もう一度その決意のほどをお聞かせください。 ○高橋企画部長 区民への影響を勘案しながらというところでございまして、内容によっては区民の影響というところも当然に出てくる場合も想定がされます。その場合は影響の中身を考えまして、また、議会にも御相談しながら進めていきたいと考えてございます。 ○内川委員 基本的に行政の仕事は区民サービスすることでしょう。1円たりともそこに影響が出てはいけないと思うんです。いかがですか。 ○高橋企画部長 限られた財源の中で施策を実施していくという中では、優先順位付け、また選択と集中というところも必要かと認識しているところでございます。 ○内川委員 それと、一般質問のこれは我が会派の伊藤議員の質問ですけれども、その答弁において、現時点では特別職、一般職員の給与の減額を行うことは考えていないとのことです。今後もそこに関しては議論に入れないということでよろしいでしょうか。 ○高橋企画部長 現時点で、特別職、また一般職の給与の減額を行うことは考えてございません。一方で、業務効率化や働き方改革を進めて生産性の向上を図ること、また、中長期的な視点に立った施策、施設、組織の再編について適正化を図るための検討、これは必要であると考えてございます。 ○内川委員 今回の一般質問でも、我が会派からも、自ら身を切る覚悟、そういったことは再三言わせていただいておりますし、この辺がどうなっていくのかと非常に気になるところなんです。質問を進めます。 これまで区はリーマンショック級の財政危機のために、年間50億円を大体3年分、150億円を財政調整基金に貯蓄する必要があるということでした。今年度の基準となる一般財源規模を750億円に増額したこの懸念に対して、区は、万が一の財政危機の際にはその基金を充当すればよいとの今までの指針がありました。改めてお聞きしますが、財政調整基金からの繰入れは行わないのかお聞きをいたします。 ○森財政課長 今後厳しい財政状況が見込まれることから、まずは財政調整基金の繰入れを前提とせずに見直し等を行って、歳出削減に取り組む方針ということでございます。見直しを行った上で、真に必要な区民サービスのために財政調整基金を活用するという考えでございます。 ○内川委員 それまでは財調の基金が160億円ぐらいあるから当面は大丈夫だと、これを使えば乗り切れるんだ、そういった考えだったんだけれども、急にそこは使わない。これは考え方を転換した。これが、うちの伊藤議員も言いましたけれども、場当たり的という部分になるんですが、それはどうですか。 ○森財政課長 今回の歳入の一般財源の減の見込みということについては、先ほどもございましたが約92億円ということでございまして、これまでにない減収幅を想定しているところでございます。ということでございますので、こういった厳しい状況であるということなので、まずは財政調整基金の繰入れを前提としない、それで見直しに取り組んでいくということで予算編成はスタートさせたというところでございます。 ○内川委員 考え方を変えたんですね。変えたと言っていいですね。 それから、次に歳入についてお聞きをしたいと思います。令和3年度の予算編成においては、充当可能な国や都の補助金を再度調査する、そして、最大限の活用を図るということですが、現在、それはやっていないんですか。それとも、より一層その体制を強化するということですか。 ○森財政課長 これまでも国や都の補助金の獲得といったようなことにつきましては取組を進めてきており、最大限の活用を図ってきたというところでございます。今回、さらにコロナの影響によりまして厳しい財政状況だということでございますので、当然事業の点検をして、その事業スキームを見直したり再構築することで、新たな補助金を獲得できるようになる場合もあろうかと思いますし、一つひとつの事業について、補助金が獲得できるかどうかの再度点検といったようなことも必要だろうと思っております。そういったことで、よりこれまで以上に活用について取組を進めていきたいと考えているところでございます。 ○内川委員 事業の継続性に関わってくることですので、しっかりとやってもらいたいんですが、これは、PT、プロジェクトチームか何かを編成して、しっかりと取り組んでいくということでよろしいですか。 ○森財政課長 まずは各部におきまして、予算の積算をするに当たって、この補助金を獲得できるかどうかについてそれぞれ点検をするということでございます。あと、当然企画部におきましても、国や都の状況など、しっかりアンテナを張って、獲得できる補助金がないのかどうかということについてはしっかり情報整理して検討していくということが必要だと思っています。最終的には予算編成の過程におきまして、補助金の獲得ができるかどうかについて最終的なチェックを行って、獲得できるものについては目指していくということでございます。 ○内川委員 それから、ここで区の基幹収入であります区民税、それと国民健康保険料の徴収状況についてお聞きしたいと思います。聞くところによると、中野区の徴収率は23区平均で言えば大変悪い数字が出ているということなんですが、理由も含めて状況をお聞かせください。 ○矢島税務課長 住民税の令和元年度の徴収率は95.9%でございました。この原因といたしましては、滞納者の9割以上を占めます滞納額30万円未満の滞納繰越額が累積したことや、滞納繰越分の決算が5月末から3月末となり2か月分少なく計上したこと、及び新型コロナウイルス感染症の発生に伴い、納税困難者が増えたことなどによるものと考えてございます。 ○伊藤保険医療課長 令和元年度国民健康保険料の収入率は71.8%でございました。収入率が悪化した理由といたしましては、主な原因といたしまして、令和元年度の決算から滞納繰越分の決算の締めの時期が5月末から3月になりこれまでよりも2か月間短縮したこと、及び新型コロナウイルス感染症の発生に伴う納付困難者の増加によるものということでございます。また、収入率の低い25歳未満の被保険者及び外国人被保険者の割合が増加し、収入率の高い65歳以上の被保険者割合が減少したことも一因でございます。 ○内川委員 今答弁があったとおり、若い人、あと外国の方の意識が低いのかな、そういったことも影響しているのかな、そのように思います。 他区の取組と中野区の取組の違いというのがあると思うんですが、これからは他自治体の優良事例も参考にしていくんだということなんですが、例えばどんなことがあるのでしょうか。 それと併せて、クレジットカードと、あとペイジーですか、これは今年から取り組んでいらっしゃるのかなと思いますけれども、その効果についてもお答えください。 ○矢島税務課長 住民税の徴収の基本的な取組につきましては、他区との違いはほとんどございませんが、一部の区では、成果の上がる優良事例に取り組んでいるところでございます。他自治体の優良事例を参考にする取組といたしまして、新型コロナウイルス感染症予防を見据えた収納環境の整備といたしまして、スマートフォンを利用したキャッシュレス決済の導入検討や、区外滞納者対策の強化策といたしまして、首都圏地域を中心に訪問による納税案内を実施しております。今後も引き続き収入率の高い自治体の取組状況につきまして情報収集をしてまいりたいと考えております。 また、クレジット収納、ペイジー収納につきまして、本年1月より、住民税、軽自動車税におきまして、新たにモバイルクレジット収納、ペイジー収納を導入し、運用を開始いたしました。令和元年度は、住民税の収納実績は、モバイルクレジット収納は361件、ペイジー収納は1,312件でございました。 ○伊藤保険医療課長 他区の取組と中野区の違いについてでございますけれども、基本的な取組につきましては、他区の取組と違いはほとんどございませんけれども、一部の区では、成果が上がる優良事例を取り入れているということでございます。まず、他自治体の優良事例としましては、収納環境のさらなる整備としまして、区民の利便性を高めるため、スマートフォンを利用したキャッシュレス決済を導入しています。また、口座振替をさらに推進させるため、手続が簡単なインターネット口座振替の受付を導入してございます。 クレジットカード収納と、ペイジー収納につきましては、こちらにつきましても、令和2年1月から開始してございます。クレジットカード収納やペイジー収納のインターネットバンキングを使用することによりまして、自宅にいながら保険料を支払うことができ、コロナ禍における収納方法としては有効と考えてございます。令和元年度の実績としましては、クレジットカード収納が254件、ペイジー収納が989件でございます。 ○内川委員 ありがとうございました。先ほど若い人たちの意識が低いということがありましたけれども、SNS、これは若い人たちは得意でしょうし、そういった取組をどんどん広げていくことによって、収納率も上がってくるのではないのかと考えます。それと、不納欠損がどうしても出てきてしまいますので、現年度分もしっかりと徴収をしていく。そういった体制づくりも必要なのかと思います。これは要望を述べて、この質問は終わります。ありがとうございます。 行財政の構造改革の推進についてお聞きをいたします。基本構想・基本計画策定前に様々なことが決定されていることに大変不安を感じています。区は、2年間の財務的負担は、既存の計画である体育館等の大規模な計画の実施に対しての出費が多くて、決して財務規律を緩めたからではないとおっしゃっておりますけれども、決算のところでも触れましたけれども、一方的に基準となる一般財源規模を40億円も増やして710億円に増額した段階で、既に財務規律の緩みが生じていたと私たちは考えています。 我が会派の伊藤議員からの一般質問において、場当たり的な考え方を蘇らせた現区政の姿勢が財政非常事態宣言に至った原因だとの指摘に、区長は大規模プロジェクトが財政を圧迫しているのが原因と言っておりますけれども、これはもう初めから明確に分かっていたことであり、我が会派の指摘どおり、速やかに将来負担を視野に入れた財政構造を構築しておくべきだったと考えます。構造改革は、改めて聞きますけれども、この2年間の無駄を検証し、それを省くことによってもたらされると思います。見解をお聞かせください。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 今後、抜本的な構造改革を進めるためには、これまでの行財政の構造そのものを見直していく必要がありまして、この2年間の取組につきましても振り返る必要があると考えております。真に必要なもので優先度の高いものへ選択と集中により進めていく考えでございます。 ○内川委員 それでは聞きますけれども、これも区長の一般質問の答弁なんですが、区の内部事務だとか組織、その他、我々の側にある無駄、無理、多分、これは、むらとおっしゃったのかなと思うんですが、無駄、無理、むらをなくしていくことが優先的に対応していく課題と答弁をされているんです。無駄、無理、むらとは具体的に何なのか。それが今あるんだということを認めたのか、そこに関してお聞かせください。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) これまでも業務改善や組織の再編などを取り組んでまいりましたが、区の事務や組織体制において、人、物、金、時間、情報といった経営資源が適切に配分されていないといったことによって、無駄、無理、むらが発生していると捉えているところでございます。 ○内川委員 行政側の無駄を省く、言うのは簡単なんですけれども、では、具体的に何が無駄なんですか、何が無理なんですか、何がむらなんですか。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 我々は区民サービスを効果的に提供するといったことが非常に重要だと思っております。その点でも業務プロセスの中でそのプロセスを分析しまして、不要な手続や内部事務を省くということや、働き方改革によって生産性を向上させることによって、その事務の無駄ですとか無理、むら、そういったことの総点検が必要であると考えております。 ○内川委員 そういったことは恒常的にやることであって、総点検が今頃必要というのは本当に遅いですよね。経常経費の考え方なんですけれども、一般的には職員人件費も入ってくるんです。職員人件費にも踏み込んでいく、メスを入れていく、そういったことでよろしいですか。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 先ほどの御答弁と重なる部分がございますけれども、現時点で特別職及び一般職の給与の減額を行うことは考えてはおりません。業務効率化や働き方改革を進めて生産性の向上を図ること、中長期的には施策、施設、組織の再編によって職員人件費の適正化を図る必要があると考えております。 ○内川委員 そこまで再三お答えになるのであれば、人件費に係るところは絶対にやらない、そういった理解にしておきます。 業務の効率化、省力化、デジタル化を推進し、業務量を削減し、職員配置を見直すとのことですけれども、業務量が減れば、当然一般的には人員も減るということにつながると思います。定数管理の考え方、意味についてお答えください。 ○中谷職員課長 お答えします。定数管理の意味ということなんですけれども、条例で定める職員定数の中で様々な行政需要に対応していくとともに、質の高い行政サービスが提供できるようにバランスよく職員を配置することであるというふうに考えてございます。 ○内川委員 バランスよくというのは当然なんですけれども、だって業務量が減れば、当然仕事量が減って、人も要らなくなるのではないですか。もう一回聞きたいと思います。 ○中谷職員課長 業務量の削減によって、人員を捻出するというのが一面でございます。その捻出した人員を新たな行政需要に振り分けていく。それによって全体のバランスを取り適正な条例定数の範囲の中で適正な配置をしていくということだと考えてございます。 ○内川委員 このたび、中野区でも児童相談所が開設されますし、そういったところの職員は純増になっていくのかと。あと児童館も、一部残していく。区立保育園も一定数を残していくとなると、これから先、職員数は増えていくんですか。どうなんですか。 ○中谷職員課長 今後、そうした新たな行政需要を勘案すると、増えてくる要因というのはあるとは思うんですけれども、単純に行政需要を積み上げていくだけで安易に定数を引き上げるのではなく、定数を引き上げるということは人件費の増加につながることになりますので、様々な事業の見直しや組織の統廃合等工夫をしていく中で、何とか人員を捻出することができないか、併せて検討していくということで考えてございます。 ○内川委員 職員2,000人体制の考え方は堅持するんですか、しないんですか。 ○中谷職員課長 児童相談所の開設に必要な人員の増ですとか、また直営の区立保育園を維持していくということ、また、5か所目のすこやか福祉センターの開設など、職員2,000人体制の前提条件が変わってきている状況もございます。新たな行政需要への対応を勘案しますと、職員2,000人体制を維持するのは難しい状況になってきていると認識はしてございます。しかしながら、職員定数の上限を引き上げるということは、人件費の増加につながりますので、新型コロナウイルスの影響により財政状況の悪化が見込まれる中、できる限り避ける必要があると認識をしてございます。事業の廃止、縮小や組織の統廃合、また職員の適正配置などによって人員を削減できないか検討するとともに、捻出した人員を新たな行政需要へ充てることで2,000人体制を維持することができないか、検討を進めてまいります。 ○内川委員 何かどっちつかずの答弁で、2,000人体制を堅持するのかしないのかよく分からなかったんですが、そんなことをやっていて本当に区民サービスに影響が出ないような形での経常経費の削減ができるのかと心配になります。 経常経費の削減については、効果が上がっていないものについては、事業の廃止、統合、縮小、休止、執行方法の変更の検討を行うということですけれども、どのような手順で進めていくんでしょうか。逐一議会への報告、相談が必要と思いますけれども、いかがでしょうか。 ○森財政課長 新規拡充事業を実施するに当たりましては、関連する既存事業の統合、再編、見直し等事業のスクラップにより経費を生み出すということで考えているところでございます。経常経費についても削減を原則とし、全ての事業について事業の効果及びその原因の分析を行った上で、効果が上がっていないものについては事業の廃止、統合、縮小など、見直しについて検討を行っていくということでございまして、これらについては予算編成の過程の中で進めていくということが一つございます。また、構造改革を進める中で、組織横断的な事業の統合等、区全体を見据えながら、歳出構造にメスを入れていくということもしていく考えでございます。区議会に対しましては、時期を逸することなく、適切な時期に考え方につきましてはお示しをしていきたいと考えております。 ○内川委員 先ほども言いましたけれども、議会へのきちんとした対応、それはしっかりとやってほしいと思います。ここ数回の定例会では、そういったところが非常に欠けていた。本当にばたばたした定例会が続いている、そのように感じざるを得ません。 それから、構造改革の推進には、プロジェクトチーム、推進体制を早急に発生させる、構築させるということですけれども、そのスケジュールと、どんな組織体制になるんでしょうか、お聞かせください。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 構造改革の推進に向け、構造改革の方向性や視点の検討を始めたところでございます。早急に副区長をリーダーとしたプロジェクトチームを立ち上げた上で、構造改革検討方針として取りまとめ、その後は権限を持った推進体制へと移行させて、構造改革を本格的に実行に移していく考えでございます。 ○内川委員 もう時間がないので、早急に進めていただきたいと思います。 それから、一般質問でも指摘をさせていただきましたけれども、我が会派から指摘をしました自ら身を切る改革を行わずして、子育て先進区を掲げながら、小・中学校建設の見直し、区民サービスの低下を招くような事業見直しは区民の理解が得られないと思っています。ましてや、議会の同意も得られないと私は考えています。区は、突然本郷小学校の計画を止めました。これに関しましては、きちんと説明責任がないまま今まで来ましたけれども、いつ、どこで、誰が決めたのか、明確に答えてください。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 中野本郷小学校の改築に向けた整備計画策定につきましては、今後悪化が見込まれる財政状況を踏まえまして、その実施時期を見直すこととしたところでございます。実施時期の見直しの判断につきましては、今年5月に行われました区長、副区長等の幹部職員出席による政策調整の場で方向性を確認したものでございます。 ○内川委員 5月から私たちの耳に入るまで随分時間がありました。本当に失礼だと思いませんか。本当に大事なことです。5月の時点で既に判断していたというのには、私も本当に驚きました。 先日、美鳩、みなみの小学校の内覧会に行ってきたんですけれども、きれいな学校はいいなと思いました。子どもたちも、きっと目を輝かせて学校生活を送っているのかな、そのように想像ができますし、子育て先進区を掲げていらっしゃるんですから、特に小・中学校の改築改修は予定どおりに進めるべきと私は考えています。区長も、令和2年度、今年度の第1回定例会で、子どもたちの今を大切にするとはっきり答弁されているんです。ぜひそれを実行していただきたいということを述べまして、全ての私の質問を終了とさせていただきます。ありがとうございました。 ○山本委員長 以上で内川和久委員の質疑を終了します。 次に、酒井たくや委員、質疑をどうぞ。 ○酒井委員 令和2年第3回定例会決算特別委員会におきまして、立憲民主党・無所属議員団の立場から質疑をいたします。 昨日、立憲民主党と国民民主党が合流をし、結党大会が行われました。綱領には、自由と多様性を尊重し、支え合い、人間が基軸となる共生社会をつくり、国際協調を目指し、未来への責任を果たすことを基本理念としますとあります。この理念の下、決意も新たに精進してまいりますので、どうぞよろしくお願いします。 それでは、質疑に入ります。決算委員会ですので、決算について主にお尋ねしたいと思います。冒頭、財政白書について一言申し上げます。財務指標においては他区との比較がしやすくなりました。課題と方向性についての記述も追記されております。それからまた、施設別財務書類については、対象施設一つひとつにつき、これまで1ページしか割いていなかったものが、1ページ増の2ページとなって、併せて分析と課題を詳細に追記されている点などを評価します。皆さんが丁寧に一生懸命作っていただいたこの資料に応えるべく、しっかりと決算審査してまいりたいと思っております。 それでは、執行率についてお尋ねします。令和元年度、歳出決算状況を見ると、予算現額1,560億円余に対して支出済額は1,416億円余で、執行率は90.8%です。過去と比較しても執行率がかなり低いんです。執行率が低いのは、数字だけを見ると、予算の編成と執行に問題があったとも見て取れますが、原因を教えてください。 ○森財政課長 執行率が低くなる要因といたしましては、今委員御指摘のありましたように、予算編成における積算と計画での事業執行という面での改善すべき点、そういったものがあったとも言えるというところはございます。また、昨年度の状況といたしまして、繰越明許費が20件と例年より多かったということで執行率が低くなったということも、一つの要因として挙げられると考えております。 ○酒井委員 繰越明許費が多くなっているんです。繰越事業は、元年度は20件ですね。平成30年度と比較しても、平成30年度は9件だったんです。こうやって増加している理由は何でしょうか。 ○森財政課長 繰越明許費の増加理由でございますが、資材不足等による工事の進捗の遅れということですとか、また工事の入札不調によるもの、こういったところが増加の要因と考えているところでございます。 ○酒井委員 要因は資材不足であったりだとか、オリンピックの関係なんかもあったのかなと。それから、入札不調が増えております。入札不調が増えているならば、予定価格と実際の入札価格との間に乖離があるとも考えられますが、この点をどのように分析されておりますでしょうか。 ○吉沢経理課長 お答えします。予定価格を算定するための積算につきましては、工事所管におきまして国の基準に基づき適切に算出をし、基準の改定があった際には迅速に対応しているところではございますが、市場の資材不足、それから労働力不足、また、昨年度に当たりましては、オリンピック需要の影響を受けているというふうに考えてございます。 ○酒井委員 資材不足は先ほども僕は少し触れましたが、オリンピックの関連だとかがあって、外的要因が多かったというふうなことだと思います。他方、繰越事業が増えることはスケジュールの変更を強いられ、区民生活にも影響を及ぼすものです。外的要因が多かったとは理解しますが、繰越事業が発生しないなら、当然そのほうがいいわけで、どのような取組ができるかお尋ねします。 ○森財政課長 予算編成に当たって、工事等スケジュールの適正性や想定するリスクなどを踏まえた事業計画の実行計画の十分な精査ということがまず一つ必要だと考えています。また、予算執行段階における適宜の進捗確認、また、さらに企画部としてのそういった全体的なマネジメント、こういったところが必要だと捉えているところでございます。 ○酒井委員 例年と比べて執行率も低く、繰越明許事業が多かったので確認をさせていただきました。 次に、債務負担行為についてお尋ねします。 債務負担行為額が前年度と比較して79.4%、272億6,000万円余増の616億1,000万円余となり、基金残高を超えている状況なんです。これは、区政史上初めてでしょう。債務負担行為は後年度予算を縛るものであります。増となった理由と、担当さんの見解をお聞かせください。 ○森財政課長 増となった要因として、特に金額が大きい事業として挙げられるのが新庁舎の実施設計・施工一体整備、また、中野駅西側南北通路・橋上駅舎の本体工事、中野東中学校の校舎等建設工事などが一つ増要因として挙げられると考えております。債務負担行為につきましては、委員も御指摘のとおり、当然将来の支出を伴っていくということでございますので、財政運営に当たってはしっかり留意していく必要があると考えております。 ○酒井委員 先ほど基金残高を超える債務負担行為が区政史上初めてではないかと申し上げました。かつての基金残高が厳しい状況を考えると、そうでないときもあったのかもしれませんので、少し訂正させてください。 基金を現在債務負担行為額が超えている状況であります。大変な状況です。ただ、当然全てが一般財源を充当するわけではありません。そこで、債務負担行為の僕なりに硬直度はどういうふうに指標を取れるのかと考えたんです。債務負担行為額616億1,000万円余のうち、国費、都費、それから、都区財政調整交付金の財産費を見込める割合はどの程度ですか。 ○森財政課長 債務負担行為額616億1,000万円余、このうち金額で申し上げますが、国費については約50億円、都費については、これは新庁舎整備の都負担金も含まれますが約24億円、財産費については約14億円、合計約88億円を見込んでいるところでございます。 ○酒井委員 債務負担行為額616億円のうち88億円は国費、都費、都区財政調整交付金の財産費を見込めますということでした。要するに、約14%見込めますということです。それでは、債務負担行為のうち、起債対象事業も当然あるでしょう。それでは、今お答えいただいた割合に起債充当分を合わせるとどの程度になりますか。 ○森財政課長 起債については約254億円を見込んでいるところでございますので、それを足しますと、財産費も含めた特定財源というと約342億円になるわけでございます。そうしますと差し引きしますと、国費、都費、財産費及び起債を除いた一般財源の充当額は約274億円となります。 ○酒井委員 ありがとうございます。616億円のうちに、国費、都費、都区財政調整交付金の財産費、それから起債充当分を活用すると56%賄えます。すると、後年度負担は、そのうちの44%は財産費を除いた一般財源を充当しなければならないということでございます。ただ、616億円となると多額だなと思うんですけれども、こういうふうな特定財源、それから特別区財政調整交付金の財産費、起債、こういうふうな数字も見ていかなければならないと思っております。しかし、国費に関しては社会資本整備総合交付金には割り落としがあります。それからまた、東京都の補助金も今後どのようになるか分かりません。後ほど触れます。債務負担行為は後年度予算を拘束するものでありますので、国、都の動向も引き続き注視していただきたいと存じます。 今回、久方ぶりに23億円の繰替運用が行われました。繰替運用についてお尋ねします。どういうもので、また、理由と、いつ以来でしょうか。 ○吉沢経理課長 支払準備金でもあります歳計現金等の残高に不足が生じたときには、財政調整基金から繰替運用を行っております。令和元年度の繰替運用につきましては、金額が23億円で、期間につきましては令和2年3月19日から23日までの4日間、支払利子は2,521円でございました。繰替運用の理由としましては、支払時期と収入の時期にタイムラグが生じまして、歳計現金等の残高が不足したというためでございます。 なお、振替運用を行いましたのは平成25年度以来6年ぶりということになってございます。 ○酒井委員 これは6年ぶりの繰替運用なんですね。では、これは歳計現金が足りなくなったということなんですけれども、これはキャッシュとフローをしっかり見極めておれば、入りと出のタイミングの問題なので仕方がなかった、今回に限らず、こういったものは仕方ないんだということでよろしいでしょうか。 ○吉沢経理課長 委員御案内のとおり、繰替運用につきましては、支払時期と収入の時期にタイムラグが生じたために行ったものと考えてございますので、致し方なかった部分もあるというふうに認識してございます。 ○酒井委員 今後、財政状況が厳しくなって、財政調整基金が枯渇する場合もあるんです。そういった際は、条例上にありますとおり、特定目的基金も繰替運用の対象になるんだろうと思うんです。それができなければ、銀行から一時借入れを行わなければならず、それは利率も高く、避けなければならないと考えておるんですけれども、こういった事例は過去にありましたか。 ○吉沢経理課長 一時借入金につきましては、平成15年度に50億円を10日間行ったという実績はございます。 ○酒井委員 過去には1度、平成15年ですので、財政状況がかなり厳しかったときにはあったということだと思います。 それでは関連して、基金運用益についてお尋ねします。令和元年度、基金運用益3,464万円でしたが、過去5年間の運用益を教えてください。 ○吉沢経理課長 過去5年間の運用益につきましては、平成27年度が8,190万円余、平成28年度につきましては6,050万円余、平成29年度が5,350万円余、平成30年度が6,940万円余、令和元年度につきましては、御紹介がありましたとおり3,460万円余ということになってございます。 ○酒井委員 基金残高もお聞きしたんですけれども、それは結構です。基金残高は右肩上がりで、大体分かっているんです。他方、今お聞きすると、平成27年度から下がっているんです。基金は上がっているにもかかわらず、運用益は下がっているんです。こういった運用益が減少している点において、担当さんの見解をお聞きします。 ○吉沢経理課長 平成28年2月から実施されております日銀のマイナス金利政策の影響によりまして、預金金利、債券利回りにつきましては、極めて低い水準となっております。そのため運用益が減少しているものと認識してございます。今後も、歳計現金等の残高に注視をしながら、安全かつ最も有利な積立基金の運用を行ってまいりたいと考えてございます。 ○酒井委員 答弁から、現状利率も低く、債券及び大口定期預金等に運用の対象になるものはなかなかないのかなと受け止めました。自治法の第241条の2、基金は確実かつ効率的に運用しなければならないともあります。これは理解するんです。他方、基金の運用で有名な福岡県宗像市、これは以前も事例で出させていただきましたが、平成30年度決算時の数値では、基金残高221億円に対して4億円の基金運用益があるんです。比べて当区は、基金残高613億円に対して3,464万円の運用益なんです。当然宗像市は過去のよい利率のものを今も持っているのかもしれませんし、それは状況が違うのは分かるんですけれども、こういう事例もあります。今後もこのような先進的な自治体の取組はぜひ研究していただきたいと存じます。今回何年ぶりの繰替運用でありましたので、基金の運用を含め触れさせていただきました。 ○山本委員長 酒井委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。 1時まで委員会を休憩します。 午前11時59分休憩
午後1時00分開議 ○山本委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き、総括質疑を行います。 酒井たくや委員、質疑をどうぞ。 ○酒井委員 休憩前に引き続き、質疑をさせていただきます。 令和元年度決算においての流用についてお尋ねします。流用に関する考え方についてお聞かせください。 ○森財政課長 流用についての考え方でございますが、当然予算につきましては、議会で質疑をいただいて議決されて、区民にも公開されているということでございますので、流用については、当然必要最小限、やむを得ない場合に限り対応しているというふうに認識しております。 ○酒井委員 原則、禁止だと思うんです。執行上必要がある場合に限り流用することができる。それでは、令和元年度を含めて過去5年間の流用件数をお聞かせください。 ○森財政課長 平成27年度から申し上げます。平成27年度が219件、平成28年度198件、平成29年度224件、平成30年度290件、令和元年度290件でございます。 ○酒井委員 経年で見ると流用件数が増えているのかなとも感じておるんですけれども、担当さんの御見解をお尋ねします。 ○森財政課長 先ほど御答弁しましたとおり、流用については、やむを得ない場合に限り対応している。必要最小限ということで対応しているところでございますが、増加傾向にあるということも踏まえまして、予算編成過程における十分な精査、適切な予算執行に努める必要があると考えているところでございます。 ○酒井委員 他方、中野区の予算事務執行の手引には、不適切な流用の事例も記されております。それは何でしょうか。また、対象となる事例は令和元年度にはありましたでしょうか。 ○森財政課長 不適切な流用の事例として、各部のほうに例として示しているものでございますが、人件費と他の経費の流用、流用した経費の他の経費への流用、また交際費を増額するための流用などもございます。令和元年度におきましては、人件費と他の経費、具体的には物件費の流用の事例が1件ございました。 ○酒井委員 不適切な流用とした人件費から物件費への流用が令和元年度にありましたということで、そちらの内容はどのようなものか。それからまた、担当さんの見解をお聞きします。 ○森財政課長 人件費から物件費への流用につきましては、当然本来避けるべき流用でございますが、本件の事例につきましては、統合仮想サーバ、クラウドサービスの障害に伴っての介護保険システムの復旧、このために区民サービスへの影響、また事態の緊急性を踏まえ、やむを得ず人件費から物件費、委託料へ流用したということでございます。 ○酒井委員 システム障害時に緊急性があって、どうしても致し方ないんだというふうなことだったと思います。確認をさせていただきました。 それでは、次に歳入の質疑をいたします。 税のところです。特別区税のうち特別区民税についてお尋ねします。調定額340億9,000万円余に対して、収入済額は327億1,000万円余で、令和元年度特別区税収入率は95.9%と、収入率は前年度と同じですが、23区中20位から23区中22位と順位を下げております。下から2番目となりました。収入未済額も前年度と比べ5年ぶり増となっております。まず、担当さんとしての見解をお尋ねします。 ○矢島税務課長 令和元年度の収入率は前年度と同率でございますが、23区平均と比べ徴収率が低くなっている原因につきましては、滞納者の9割以上を占める滞納額30万円未満の滞納繰越額が累積したことや、滞納繰越分の決算が5月末から3月末となり、2か月分少なく計上したこと、及び新型コロナウイルス感染症の発生に伴う納税困難者が増えたことなどによるものと考えてございます。 ○酒井委員 決算時期も早まったということがありましたと。現年分の滞納額30万円未満の滞納繰越額が累積したことも主な理由、こちらに関しては後ほど中村委員がお尋ねします。それでは、現年度分の収入率と滞納繰越分の収入率をお聞かせください。 ○矢島税務課長 令和元年度、現年度分の収入率は98.3%、滞納繰越分の収入率は32.6%でございます。 ○酒井委員 滞納繰越になると極端に収入率が下がり、特別区民税全体の収入率を押し下げております。すなわち、年度を越させない取組が必要であります。現年分徴収率の向上に注力することこそ、後年度の滞納繰越分を圧縮することもでき、全体の収入率の向上につながるはずです。滞納繰越分を担当する職員を現年分に振り向けることができるなどの人の稼働への効果と財政効果ももたらします。これまで私も現年度分の徴収率を向上すべきと、督促状の発送時期を早めること、それからまた、若年層世代の納付勧奨として、ショートメッセージサービスの活用、滞納整理員の増による財産調査の強化なども提案させていただきました。今年度から取り組まれていると存じます。その効果を確認します。 ○矢島税務課長 令和2年度から、現年度対策といたしまして、これまで納期限後30日で発付していた普通徴収督促状の発付時期を令和2年度第1期分から納期限後20日で発付いたしました。また、督促状、催告書などの送付に併せ、携帯電話に納付案内や納付相談のショートメッセージを送信し、納付勧奨を開始いたしました。さらに、納税案内センター業務を拡充し、30万円未満滞納者の財産調査や訪問による納付案内地域を中野区の隣接地域から近隣6区に拡大いたしました。7月末現在、こうした新たな取組の結果、現年度分の収入率は前年度同期と比べ0.52ポイント増加し、増加率は23区中3位となっており、現時点では効果が出ているものと考えてございます。 ○酒井委員 増加率が23区中3位でしたか、かなり効果も上がっているのかなと思います。今後も制度の公平公正性、それから、歳入の確保の観点から鋭意取り組んでいただきたいと考えます。 次に、特別区民税、来年度どの程度落ち込むのかというふうなこともお尋ねしたかったんですけれども、内川委員のほうから質疑がありましたので、こちらは割愛します。26億円現状だと落ち込むだろうというふうな予想がされているんだと思います。こちらは、予算編成時にはより精緻な数値が出るでしょうから、特別区民税の落ち込みが26億円以下になることを願っております。 そこで、現実的に新型コロナウイルス感染症が区民の納税状況にどのように影響を及ぼしているかが気になるところです。国は新型コロナウイルス感染症への対応策の一環として、地方税の徴収猶予の特例が設けられました。こちらの内容と、それから現状、いわゆる納税者にどのような影響があるのかお聞きします。 ○矢島税務課長 徴収猶予は、新型コロナウイルス感染症に伴い財産に相当の損失を受けた納税者への対応策といたしまして、令和2年2月以降の1か月以上の任意の期間におきまして、収入が前年同期間に比べおおむね20%以上減少した場合、収入の減少があるものとして、住民税の徴収の猶予の対象となり、延滞金も免除されるものでございます。現状といたしましては、令和2年8月末現在で、相談件数は3,250件、うち分割納付件数は1,184件、保留猶予件数は288件、執行停止件数は66件となってございます。 ○酒井委員 3,000件程度徴収猶予に係る相談が来ているということだと分かりました。それに伴って、当該徴収猶予の特例に伴う地方公共団体の一時的な減収に対応するための地方債も創設されております。それについて御説明をお願いします。 ○森財政課長 このたびの徴収猶予ということで制度が創設されまして、それに対応して、地方公共団体が一時的に減収になったといった場合についての猶予特例債ということが創設されたものでございます。こちらについては、令和2年度及び3年度に限り起こすことができる地方債ということで創設されております。 ○酒井委員 税の減収に対して、猶予特例債がありますと。区として、今後活用の考えなんかはあるんですか。 ○森財政課長 現時点では考えていないところでございます。 ○酒井委員 償還年数というのは先ほどお答えいただきましたか。 ○森財政課長 こちらは1年以内というふうに定められております。 ○酒井委員 1年償還物なので、現実的ではないということだと思っております。それから、区も現状では活用の考えはないと確認をさせていただきました。 この項の質問の最後に、令和元年度のふるさと納税による特別区民税の影響額をお聞かせください。 ○矢島税務課長 令和元年度のふるさと納税の影響額は約11億9,000万円でございます。 ○酒井委員 12億円程度だということで確認をさせていただきました。これに関しては後ほど質疑もさせていただきます。 次は、特別区交付金についてお尋ねいたします。こちらも、先ほど消費税と特別区交付金と特別区民税の影響額というのは内川委員から質疑があったので、こちらは私も割愛させていただきます。特別区交付金に関しては48億円マイナスになるのではないかと、区のほうは、今あらあらですけれども、想定しております。全体的に特別区交付金のパイが減るのではないか。そういう中で特別区長会も危機感を持っており、国に対して財政措置なんかの要望をしております。その内容を確認します。 ○森財政課長 今年8月、特別区長会が国に対しての要望ということで活動を行ったところでございますが、減収分についての地方特例交付金等での補填といった財政支援、また、一般の市町村と同様に法人住民税に係る減収補填債を発行可能となるよう、法令の規定整備を要望するといったようなことで活動があったものでございます。 ○酒井委員 減収を補填するための地方特例交付金、それから一般の市町村と同じように、法人住民税が落ち込んだときに減収補填債ができるように要望したということなんですけれども、特別区において、この法人住民税がおのおのどの程度あるかというのも見えないような状況になっているんです。その際に、実際にこの減収補填債がどういうふうになるのかなと思うところではありますけれども、これは国の動向も先行き不透明な状況です。 この項の最後に、法人住民税の一部国税化についてお尋ねします。平成26年度より段階的に始まり、昨年度の消費税率10%への税率増により完了となりましたが、法人住民税の一部国税化の当区の特別区交付金への影響はどのようになっておりますか。 ○森財政課長 特別区長会事務局の試算によるところでございますが、44億円の減の影響があるとされております。 ○酒井委員 ありがとうございます。 次に、地方消費税交付金についてお尋ねします。こちらは55億6,000万円余、前年度比2億4,000万円余の減となりました。消費税率が増となったので増となるのかなとも思ったんですけれども、収納率のブランクがあったりだとか、それから、消費税の精算基準の見直しなんかも影響があるのかなと思っております。こちらの来年度予算の推定に関しても内川委員から質疑があったので、18億円マイナスっていうふうなことだったと思いますので、こちらは割愛します。それでは、地方消費税交付金が清算基準の見直しによって我々は減額を食らっておるんですけれども、それはどのような影響になっておりますか。 ○森財政課長 こちらも区長会事務局の試算によるところでございますが、約21億円の減という影響が出ております。 ○酒井委員 これまで特別区民税、それから特別区交付金、そして地方消費税交付金、区の主要一般財源歳入についてお尋ねしました。そして、国の制度改正などによる影響額も確認をさせていただきました。特別区民税のふるさと納税による影響額が12億円、法人住民税一部国税化による影響額が44億円、消費税精算基準の見直しによる影響額が21億円、これは合わせて計77億円の減少となっております。制度改正により影響を受けるのは以前よりも分かっておったんです。その際、国に対しての制度の見直しを要望はしておった。しかし、この3税による歳入減に対応する歳出見直しなどの取組は、私はなかったように思うんですけれども、これまでそのような取組はされましたか。 ○森財政課長 おっしゃられるように、直接制度改正を意識した対応をするための取組ということはしてございません。 ○酒井委員 77億円落ちているんです。しかし、実はこれまでほとんど何もされていなかった、これは、堅調な法人住民税の傘に隠れて、行政も、それから我々議会も、事業の見直しに対して、少し思考が停止していたところは否めないのかなと思っております。それで、新型コロナによる景気悪化によって歳入が減ることに今右往左往しているところです。反省しなければならない点は我々もあるのかなと思っており、指摘をさせていただきました。 ここで主要一般財源について質疑を終わり、次は、国庫支出金についてお尋ねします。国庫支出金、268億8,000万円余と前年度比11%となっております。これは、国庫支出金の全体をお尋ねするのではなく、特定財源の確保の観点からお尋ねします。令和元年度予算、第6次補正において、区民活動センター運営委員会支援の事業に厚生労働省の地域共生社会実現に向けた包括的支援体制構築事業が活用できるため、1,800万円増額補正されました。平成29年度からこの事業はあり、2年間国費の取り漏れがありました。むしろ区民活動センターの運営委員会にこの事業を当て込めた担当さんが優秀だったのかもしれませんが、それではお尋ねします。区の予算編成方針の歳入の確保において、特定財源の活用についてはどう記述されておりますか。 ○森財政課長 令和3年度予算編成方針におきましては、全ての事業について充当可能な国や都の補助金を再度調査し最大限の活用を図ること、国や都の補助金を充当する場合については該当要件等を十分に把握し、確実に交付を受けられるよう事業を組み立てることとしております。 ○酒井委員 国も活用してほしくて制度をつくるんです。区のほうも活用しなければならない。予算編成方針にもある。どうして取り漏れるのかと思っちゃうんです。そういうところはどのように考えていますか。 ○森財政課長 こちらについては、国や都の政策動向を注視して情報収集に努めているところではございますが、既に実施している事業への適用の可能性の確認など、情報収集といった部分で徹底できていなかったと考えております。 ○酒井委員 これは毎回お尋ねしているんです。予算編成方針にもあって、特定財源をしっかり活用しなければならないとあるにもかかわらず、全庁的な徹底がされていないのかなと思うんです。前回もお尋ねしました。これまでと同じ考え方ではなくて、新しいこの特定財源獲得に関する考え方が必要ではないですかとお聞きすると、僕はお尋ねしておりましたので、今後、財政状況が厳しい中、この特定財源の獲得というのは必須なんだろうと思っております。どう改められるのか、お聞かせください。 ○森財政課長 国や都の動向についてアンテナを張って財源確保に努めてきたということは当然従来もやってきたところでございまして、今後も強化していく必要があると思っております。さらに来年度予算編成過程におきましては、特定財源が充当されていない事業について、一つひとつ特定財源が獲得可能か、部においてもそうですし、企画部においてもそうでございますが、しっかりチェックをしていく。そういうことで取組のほうは強化していきたいと考えております。 ○酒井委員 ありがとうございます。 次に、都支出金についてお尋ねします。同じく特定財源ですが、違う角度でお聞きします。8月28日、東京都の副知事が、厳しい財政環境が予想されるとし、各局長に対して令和3年度予算の見積りについて依命通達を出しました。補助金に対してはどのように触れておりますか。 ○森財政課長 依命通達の内容といたしましては、各種補助金については、時代状況の変化を踏まえた必要性の検証、区市町村や民間との役割分担、費用対効果、補助率のさらなる適正化などの観点から、個々の事業ごとに十分に精査検証し積極的に見直すこと、また、都から区市町村への財政支援については、地方分権を推進する観点から、区市町村の自主性、自律性のさらなる向上を図るという視点に立って、補助金の整理合理化、補助率の適正化、統合、重点化等の見直しを積極的に図ることとされております。 ○酒井委員 東京都も基金をほとんど使いましたから、来年度、かなり予算編成は厳しいでしょう。そういう中で補助金を削減するに当たって、地方分権を推進する観点、区市町村の自主性、自律性のさらなる向上を図る視点からと書くところが役所っぽいというふうにも感じたりするんですけれども、この補助金は、恐らく都補助金というのは厳しく見直されると考えます。それでは、都単独の補助金の決算額と事業数についてお尋ねします。 ○森財政課長 令和元年度決算額でございますが、52億7,868万8,000円、事業数でございますが78事業となってございます。 ○酒井委員 それでは、主な事業はどのようなものがありますか。 ○森財政課長 金額が大きい事業で申し上げますと、待機児童解消区市町村支援事業ですとか、保育士等キャリアアップ補助事業、保育所等賃借料補助事業、子ども・子育て支援事業交付金などがございます。 ○酒井委員 ここに影響が出るかもしれないんです。他方、中野区の来年度予算の編成方針が示されておりますが、国や都の補助金が縮小、廃止された場合はどうすると記述がありますか。 ○森財政課長 国や都の政策動向を注視し情報収集に努めること、これまで特定財源、補助金等により執行してきた事業のうち、補助金等の廃止や縮小があるものについては、代替となる新たな財源を調査し、財源確保に努めること、それが見込めない場合は事業の廃止、休止、縮小等の見直しをすることを原則とするとしております。 ○酒井委員 先ほど78事業あって、主なものも事例も挙げていただきましたが、こちらに本当に場合によっては影響が出る。当区としても、予算編成方針において補助金がなくなった場合は厳しく見直すとなっております。これは区民生活に相当影響が出るのかなと思っております。区としても一般財源を投入してやるやらないなどの厳しい判断が求められます。早期に情報をキャッチすると、柔軟な対応や判断もできるでしょう。このような都補助事業の打切りや見直しなどの情報は、東京都からいつ頃どのような形で示されますか。 ○森財政課長 東京都もこれから予算編成をやっていくということでございますので、東京都の予算案がまとまるのは、年末までにはまとまってくるということですので、それまでには当然各所管のほうに正確な情報が入ってくると考えているところでございますが、区においても予算に反映する必要がございますので、都と連絡を密に取りまして、情報収集に努めていきたいと考えております。 ○酒井委員 それぞれの所管が、都からの情報を早期にキャッチして、財務担当と迅速柔軟な判断できる体制づくりを構築していただきたいと思います。以上で歳入については質疑を終わります。 次に、基金と起債と財政運営についてお尋ねいたします。 令和元年度当初予算では、こちらの起債は102億円特別区債の発行を予定しておりましたが、結果として区債を発行することはありませんでした。この理由をお聞きします。 ○森財政課長 一般財源が充足する見込みとなったこと、また、予定していた借入先につきまして、公的資金よりも高利率となる民間資金への振替が発生したことなどから、後年度負担を考慮し区債発行を取りやめたということでございます。 ○酒井委員 一般会計で見ると、3年連続区債発行がゼロなんです。特別区債残高も90億円というところまで来ました。区民1人当たりの区債残高も23区の中でも少ないほうにもなっております。これまで年度末の執行残や基金残高や債権見合い等で総合的に判断してきた成果だと考え評価をするところです。 それでは次に、基金についてお尋ねします。令和元年度、まず基金残高は613億円余で、前年度と比較して87億円減となっております。中野区には財政調整基金、減債基金の他、八つの特定目的基金がありますが、今後の厳しい財政状況を考えると、計画的な積立てというものは非常に厳しいのではないかと考えます。そうであるならば、それぞれの基金の計画性と目的性を明確化させることが必要ではないかと考えております。財政調整基金は、年度間調整分、施設改修分、退職手当分の三つの目的に分けられておりますが、それぞれの残高についてお聞きします。 ○森財政課長 令和元年度末の残高でございます。年度間調整分につきましては165億2,358万4,000円、施設改修分につきましては103億4,597万1,000円、退職手当分につきましては10億7,927万1,000円となってございます。 ○酒井委員 目的の異なる年度間調整分と施設改修分が財政調整基金に入っており、非常に見えづらく、経年で追うことも難しいです。それでは、過去に施設建設基金というものがありましたが、廃止されました。いつ、どのような理由から廃止されましたか。 ○森財政課長 平成12年度末時点において、財政調整基金の残高が180万円程度となったことから、平成13年度におきまして、当時、当面使途のない施設建設基金を廃止いたし、財政調整基金のほうに積立てしたということでございます。 ○酒井委員 当時、財政状況が厳しくて、財政調整基金残高が180万円になって、施設整備基金に関しては、それ以降の施設整備の予定が全くなかったんですよね。そういう中で施設建設基金を廃止したということだと思うんですけれども、現在は中野区の施設は老朽化が進んでおります。例えば財政調整基金の中の施設改修分の基金の使途の対象となるものはどういうものがありますか。 ○森財政課長 施設改修分につきましては、他の特定目的基金の対象としていない施設改修経費ということを想定しておりまして、文化センターや区民ホール、体育館などのスポーツ施設、本庁舎や地域事務所、区民活動センターといった施設が対象となってございます。 ○酒井委員 今後10年間の区有施設整備をどのようにするかと、区有施設整備計画を策定するんでしょうけれども、対象になる施設もあるでしょう。今後はこの施設改修分の基金の見える化も必要なのではないのかなとも考えるんです。予算編成時には、年度間調整分、施設改修分、退職手当分の内訳は示されているんです。けれども、その後が見えない。今後財政状況が厳しくなり、年度間調整分が足りない状況も発生するかもしれません。退職手当分が積立てができず枯渇するかもしれません。今の状況だと、そういうときにはフリーで施設改修分に手をつけることができるんです。特定目的基金であれば当然条例で使途は制限されております。併せて施設改修分の積立てと取崩しの状況や計画性が見えづらい。中野区の公共施設の約半数近くが築50年以上経過している状況下、財政調整基金から施設改修分を取り出し、特定目的基金として見える化を図り、より目的性、計画性を持たせるべきではないですか。 ○森財政課長 新たな特定目的基金の設置につきましては、ライフサイクルコストを下げるための計画的な施設改修の着実な実施を担保するという効果はありますが、財政運営を硬直化させてしまうという面もありますので、当面は現状どおり、財政調整基金の中に施設改修分を含める運用を継続する考えでございます。その中で施設保全のための基金残高等、見える化を図るなど工夫していきたいと考えております。 ○酒井委員 今御答弁で、財政を硬直化させるとおっしゃられたのであるならば、財政調整基金の中にある年度間調整分がなくなったら、あたかも施設改修分に手をつけるというふうな答弁にもなりかねませんので、ちょっとそこは気になりましたので指摘をいたします。ここは結構です。 次に、基金の予算決算の乖離をお尋ねします。令和元年度予算編成時には、基金残高をどの程度と見込んでおり、結果はどうでしたか。 ○森財政課長 令和元年度当初予算編成時の一般会計で申し上げますが、年度末基金残高見込み、全ての基金を合算すると、590億5,598万1,000円でございまして、決算で見ると、一般会計の分なんですが617億3,520万7,000円となっております。 ○酒井委員 乖離の原因の分析はどうされていますか。 ○森財政課長 令和元年度予算編成時の基金残高見込みでございます。基金残高見込みは平成30年度決算が確定しない状況での推計値でございまして、このとき平成30年度の残高は約676億円と見込んでいました。その後、平成30年度決算確定後は残高が704億円となって、そこのところで乖離が生じたということでございます。 ○酒井委員 要するに、剰余金が出たということですか。 ○森財政課長 一つ剰余金ということでございますと、平成30年度の剰余金が元年度のほうに積まれたというような面もあろうかと思います。 ○酒井委員 それでは、リーマンショック時の一番区財政が影響を受けた年度の年度末基金残高と、当初予算編成時の見込みはどのようになっていますか。 ○森財政課長 リーマンショック後、一番一般財源が低かった年度というのは平成22年なのでございますが、そのときの予算編成時の基金の合計額の見込みは約316億円、決算においては約420億円となっておりました。 ○酒井委員 420億円ですか。それでは、あと厳しかったリーマンショック時から5年間の決算剰余金の平均についてもお聞きします。 ○森財政課長 平成21年度からの決算剰余金の5年間、平成21年から平成25年までです。それを平均いたしますと14億8,278万7,000円となります。 ○酒井委員 厳しいときでも、5年間、14億円決算剰余金があったということです。基金残高はかなり上振れはしています。予算編成というものは決算の数値も踏まえ編成するものであり、決算議会でありますので、実際の結果どうだったのかというのを少し確認させていただきました。 それで、これから財政状況が厳しくなるわけです。そういう中で、現実的に確実にやってくるこの厳しい状況をどう乗り切るのかというところなんですが、具体的に財政調整基金の年度間調整分の取崩しをどう活用していくのかと思っています。先ほど来、年度間調整分の現在高は165億円とお聞きはしております。現段階で、あらあらですけれども、歳入が92億円落ち込みます。この足らざる分を財政調整基金の年度間調整分で賄った際には、財政調整基金は2年で枯渇をして、令和4年度予算は組めません。 そこで、年度間調整分と歳出の見直し等を合わせて何年乗り越えようと考えるかで対応も幾らか変わるのかなと僕は思うんです。例えば5年乗り越えようと考えたなら、165億円割る5で、基金から一般会計へ毎年33億円繰り入れる。基金を毎年33億円取り崩せるという例えばの考えができます。これを3年なら55億円取り崩すことができるんです。併せて、例えば事業の見直しを一般会計の1%の15億円見直すことができれば、5年スパンなら毎年約50億円の基金を取り崩すことができる。3年スパンで見れば70億円毎年基金を取り崩すことができるんです。大切なのは、単年度の歳入の落ち込みに一喜一憂するのではなく、中期的な視点から、もしくは幾らかの期間を設けて危機を乗り越えるという考え方が必要なのではないかと考えております。 そこで、持続可能な区政運営のためには、当然事業の見直しが重要なんです。行政が1度事業を始めるとそう簡単に見直すことはできず、漫然と事業を執行していると、予算規模は焼け太りし財政危機を招くことから、私はこれまでも事業の見直しへの取組を提案してまいりました。そこで、来年度予算において、区として歳出をどの程度見直していこうとお考えでしょうか。 ○森財政課長 来年度におきましては、経常経費20%削減を目標としているところでございます。 ○酒井委員 経常経費20%の見直しを目指します。それでは、過去の財政危機に見舞われた際の事業の見直し、こちらをお尋ねします。リーマンショック後に東日本大震災が発生した際、平成24年度に予算編成に向けて、平成23年度から事業見直しに取り組まれました。また、平成11年度の経常収支比率が100%を超えた際に、平成12年度に行財政5か年計画を策定されました。それでは、リーマンショック後の事業見直しの見直し事業数、見直し額と予算額に対する割合をお聞かせください。 ○藤永業務改善課長 区はリーマンショック後の平成23年度に事業見直しを行ったところでございます。見直し事業数は74事業、平成24年度の財政効果見直し額につきましては7億3,600万円余でございます。平成24年度一般会計当初予算額に対する割合は約0.6%でございます。 ○酒井委員 これは平成23年度の事業見直しは、災害対策基金を財政調整基金に付け替えたのが主だったんですね。それを除くとどの程度になりますか。 ○藤永業務改善課長 災害対策基金分3億円を除きますと4億3,000万円程度でございまして、予算額に対する割合は約0.4%でございます。 ○酒井委員 リーマン時の見直しでも0.4%、4.3億円というふうな状況でした。それでは、行財政5か年計画の見直し事業数、見直し額と予算額に対する割合をお聞かせください。 ○藤永業務改善課長 平成13年3月に、区は中野区行財政5か年計画を策定したところでございます。当該計画における見直し事業数は153事業、平成13年度財政効果見直し額につきましては6億8,600万円余、平成13年度一般会計当初予算額に対する割合は約0.7%でございます。 ○酒井委員 それぞれ過去の見直しを教えていただきました。行財政5か年計画の背景というものは平成11年度の財政危機であり、経常収支比率が101.7%、公債費比率は15.5%、人件費比率は33.6%、区債残高は631億円、財政調整基金残高は176万円であります。そのときに153事業、約7億円を見直したんです。私も過去の行財政5か年計画、今改めて読み込ませていただいておるんですけれども、本当に厳しい見直しだったんだろうなと思っております。その際でも、0.7%、7億円しか事業見直しできないです。 もちろん、行財政5か年計画、僕は今一般会計で0.7%と申し上げました。すると、今中野区で考えている経常経費20%との比較は難しいんですけれども、先ほど基準となる一般財源規模は750億円で、687億円にしなければならないから、経常経費20%削減を目標としてやり抜くとおっしゃられました。ということは、目標額というのは63億円やはり削らなければならないんだろうと思います。63億円、これは、今まで一生懸命やって、絞りに絞ってきて、リーマンのときは0.4%、4億円、行財政5か年計画のときは0.7%の7億円、これを区として今経常経費の2割、63億円とするのならば、4%程度では、かなり厳しい数字なのかなと思っております。だから、短期、中期的なスパンを持って、負担を平準化して危機を乗り越える視点が必要かなと考えております。 ですので、先ほど5年、3年のスパンで、基金の取崩しの事例を出させていただいたんです。要するに、これだけ事業の見直しは難しいんです。令和2年度の予算でも執行の見直しを行いましたが、コロナ禍においてのイベントなどの中止によるものや、事業の先送りがほとんどで、実質的な見直しはごく少数でした。けれども、一般会計の1%の15億円を見直すことができれば、約50億円毎年5年間基金を取り崩すこともできます。3年なら70億円、すなわち、これからの皆さんの事業の見直し次第で、区財政の持続可能性が大きく左右します。極めて重要な取組です。 しかし、本年度に行った事業見直しは、副区長が2度依命通達を庁内に出しても、見直しは各部各室から十分に上がってきませんでした。同じやり方では、事業の見直しは進まないと僕は考えております。区長は行政報告でも、構造改革を機動的に進める推進体制を立ち上げると触れておりましたが、どう改められるのか、また、来年度予算に間に合わせようとした場合には時間がありません。時期についてもお尋ねします。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 構造改革の推進に向け、構造改革の方向性や視点の検討を始めたところでございます。早急に副区長をリーダーとしたプロジェクトチームを立ち上げた上で、構造改革検討方針として取りまとめ、その後は権限を持った推進体制へと移行させて、構造改革を本格的に実行に移していく考えでございます。令和3年度の予算編成作業に間に合うよう検討を進め、構造改革の取組を反映していく考えでございます。 ○酒井委員 皆さんは言葉で聞くと、いいなと思って、大丈夫なのかなと思ったりもするんです。けれども、本当に大変だと思います。過去の事例を見ても、見直しなんて本当に出てこないんです。それを経常経費の20%削るとなると、血を見る行財政改革になると僕は思います。 それで、現に先ほど来、基金は取り崩さない、経常経費の20%の削減を目指すとおっしゃっておるんです。これは、債務負担行為は後年度の予算を拘束するんですけども、皆さんの行政報告が今後の行財政運営を拘束するのではないかとちょっと気にしております。柔軟な、そして現実的な対応というのが求められるんだと思います。そこで、事業の見直しには組織の見直しが必要だろうと考えます。限られた資源である人、物、金の選択と集中です。 区長も行政報告で、構造改革はおおむね3年間で集中的に取り組むとも言及されております。私もそう思います。事業の見直しだけでは本当に追いつかず、僕は施策単位での見直しが必要と考えております。例えば基本計画への反映で考えると、その施策に触れると、当然行政ですから、やらなければならないんです。ですので、回復に向けた3年という視点で、やらない事業、やれない事業というのをつくらなければならないのではないでしょうか。組織の抜本的見直し、人、物、金の選択と集中のためにも、そういう観点が基本計画には必要と考えます。抜本的な組織の見直しについてどのようにお考えかお聞きします。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) これから取り組む構造改革でございますが、施策、施設、組織の再編の抜本的な見直しの中で、施策の優先度や貢献度を見定めて、人、物、金の選択と集中による区政運営を目指していきたいと考えております。こうした構造改革は、新たな基本計画においても整理をしていきたいと考えております。 ○酒井委員 その際に、区長がこの未曾有の危機を乗り切るために、区民に対して、できることできないことというのはメッセージを明確に出すべきではないのかなとも思っております。 この項の最後に、子育て先進区というものが区長の一丁目一番地の施策なんだろうと思っております。しかし、その子育て先進区の考え方は、児童館、区立保育園、区立幼稚園の一部存続という大きな財政出動が求められます。厳しい財政状況下、区長のこれまでの子育て先進区の考え方に揺るぎはないのか。また、そのためには様々な痛みを伴う改革が求められます。区長の見解をお聞きします。 ○酒井区長 厳しい財政状況の中でも、必要な区民サービスに対しては財源を投入し推進していく必要があると考えております。子育て先進区としての良好な子育て、教育環境の実現、地域包括ケア体制の整備については、適時適切な予算措置を行っていきたいと考えております。また、この厳しい財政状況を乗り越えていくため、区民サービスの影響を最小限にとどめ、新しい区政を展開するための行財政の構造改革を行っていく考えでございます。 ○酒井委員 そう聞くと、言葉を聞くと安心しちゃうんですけれども、実際にそれができるのかというのがポイントだとも思っております。それで、先ほど経常経費20%、聖域なく見直すということをおっしゃっていたんですけれども、先ほどの答弁だと、例えば、せめて教育に関しては、この経常経費20%削るというのはめり張りがあってもいいのではないのかなとは僕は思うんですけれども、その辺はいかがお考えでしょうか。 ○森財政課長 先ほど区長も答弁しておりましたが、厳しい財政状況の中でも必要な区民サービスに対しては財源を投入して推進していく必要があると考えております。子育て推進区として良好な教育環境の実現に向けて、必要な予算措置については検討していきたいと考えております。 ○酒井委員 区長にお尋ねしたんですけれども、区長の答弁を受けて、仕方ないと思います。時間もないので、進行します。 以上で、歳入について質疑を終わります。 次、歳出についてお尋ねします。施設マネジメントについて、まずお尋ねします。これは施設マネジメントの歳出だけではなく、この施設マネジメントから見る中野区の区有施設整備計画、こちらにつなげて聞いてまいりたいと思っております。施設マネジメントの区有地等活用委託業務、予算現額が154万円余、執行率32.6%ですが、この理由をお聞かせください。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) この内容でございますけれども、区有地等活用委託業務でございます。主に区の未利用地の活用や、国、都有地などの払下げ、民間などからの売却の申入れがあった場合に、早急に区の活用可否を検討するための調査、ボリュームチェックを行うためのものでございます。令和元年度につきましては、区有地の2件につきましてボリュームチェックを行いましたけれども、その他の事案につきましては検討中であったために執行率が低くなったものでございます。 ○酒井委員 施設のボリュームチェックと言いますが、用途地域と、建蔽率、容積率、日影規制さえ分かれば、当区の施設担当さんもしくは建築担当さんに聞けばすぐに分かるのではないのかと思うんですけれども、いかがですか。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 区有施設の整備や保全を所管する施設課は施設の整備方針が確定した段階で調査設計及び工事の総合調整を行うものとしておりまして、計画検討段階でのボリュームチェックにつきましては、企画課の業務として外部に委託するものでございます。日頃から必要に応じて施設課や建築課の職員に相談することは行っているところでございます。 ○酒井委員 最後、聞こえませんでした。日頃から施設担当さんに、どうお答えになりましたか。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 必要に応じて、施設課や建築課の職員に相談をしているということです。 ○酒井委員 していくんだったら、これは、ボリュームチェックぐらいだったら僕はできると思います。要するに、何を言いたいかといいますと、そこが心配なんです。まず、50万円かけた委託の必要性があるのかとも思っています。それから、企画課としては、今後施設整備計画を取りまとめていくときに、各所管の考えと、それから建築畑、それから施設の担当さんの知見をお借りしながら施設配置を考えていかなければならないのに、ボリュームチェックの段階で連携を取れていないというのが僕は心配なんです。 それで、10か年計画を第3次に遡って確認しますが、これは沼袋小学校の事例を出します。10か年計画第3次では、沼袋小学校跡地の活用についてはどう記されていますか。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 北部すこやか福祉センターを移転し、(仮称)北部スポーツコミュニティプラザを併設すると記しているものでございます。 ○酒井委員 すこやかと北部スポーツコミュニティクラブでしたか、スポーツクラブをつくります。こちらの用途地域はどうなっていますか。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 沼袋小学校の用途地域でございますが、第一種低層住宅専用地域でございます。 ○酒井委員 第一種低層住居専用地域はどのような規制がありますか。 ○小山内建築課長 お答えします。第一種低層住居専用地域は低層住宅に関わる住居の環境を保護するための地域であり、建築基準法第48条第1項の別表に指定する建築物以外のものは建築してはならないとあります。また、良好な住環境を保護するため、絶対高さ制限10メートルや、第一種高度地区、日影規制など、形態の制限が厳しい地域であります。 ○酒井委員 かなり厳しい規制があるんですよね。スポーツ施設は建設できますでしょうか。 ○小山内建築課長 原則として建築することはできません。 ○酒井委員 できないんですね。これはお答えできますでしょうか。どのような用途地域からスポーツ施設は建設できますか。 ○小山内建築課長 第一種住居地域から建築することができますが、第一種住居地域内では延べ面積が3,000平方メートル以下との制限がございます。 ○酒井委員 先ほど第一種低層住居専用地域ではスポーツ施設は建設できませんとありました。にもかかわらず、10か年計画ではスポーツ施設を建設すると計画でなっておるんです。それでは、建築基準法の特例許可についてお尋ねします。第48条第3項でしょうか、こちらの説明をお願いします。 ○小山内建築課長 建築基準法第48条各項にはただし書きの規定がございます。特定行政庁である中野区長があらかじめ整備計画に利害関係を有する地域住民から公開による意見の聴取を行い、地域住民より提出された意見について十分尊重し、計画施設は公益上やむを得ないと認め、また、良好な住居の環境を害するおそれがない場合、建築審査会、所轄消防署の同意を得て許可することができるとなっております。 ○酒井委員 過去にはこれを使って、仲町小学校の跡地の活用において中部すこやか福祉センターに併設する地域スポーツクラブを併設しました。けれども、こちらは第一種中高層住居専用地域なんです。これに対して特例許可を行う。 それでは、お尋ねしますが、沼袋小学校は第一種低層住居専用地域で一番厳しい。こちらでスポーツ施設の整備は特例許可を用いてもかなりハードルは高いのではないかと考えますが、建築担当さんのお考えをお聞きします。 ○小山内建築課長 まず、仲町小学校跡地活用は、既存建物を再利用する用途変更でございました。また、第一種中高層住居専用地域では、建築基準法別表第二において、児童厚生施設や政令で定める公益上必要な建物については建築可能なことから、すこやか福祉センターなどが認められたものでございます。さらに、既存施設の一つである体育館のスポーツ施設への転用に関しては、従前の規模と変わらないこと、防音対策など周辺環境への配慮を行うことを意見として付しまして、特例許可を行ったものでございます。しかしながら、第一種低層住居専用地域で建築できる建物の用途は厳しく制限されていることもあり、スポーツ施設の建築に対する特例許可の適用に当たっては慎重な判断が求められるものと考えております。 ○酒井委員 最後、何とおっしゃったんですか。 ○小山内建築課長 スポーツ施設の建築に対する特例許可の適用に当たっては慎重な判断が求められると考えております。 ○酒井委員 行政答弁だと思います。慎重な判断、かなり厳しいんだろうというふうなことだと思います。前区政で策定された10か年計画第3次において、区の最上位計画にもかかわらず、用途地域を考慮せずに施設配置が行われております。公共施設の整備再配置を担当する企画担当として、これまで建築担当さんや施設担当さんといった技術系職員との連携はあったのかと心配なんです。この点はいかがですか。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) これまでも公共施設の整備配置の検討に当たりましては、建築課や施設課の職員とも情報交換を図りながら進めてきたところでございます。 ○酒井委員 そうおっしゃいますけれども、そういうふうな意見交換をやっておれば、10か年の中にこのような施設配置はなかったかもしれませんし、もう一点申し上げますと、施設マネジメントのところで、商工会館のボリュームチェックというのは、連携を取っておれば、話せばできていたのではないのかとも思っております。今後、区有施設整備計画を企画担当さんのところで策定されるんですけれども、西中野小学校、上高田小学校、鷺宮小学校、跡地活用を検討されるんでしょうけれども、こちらは全て第一種低層住居専用地域であり、こちらも本当に制限は同じく厳しいものであります。これからは技術系の知見も得ながら、施設整備計画策定を進めていただきたいと考えております。 併せて施設整備計画は施設の再配置であり、施設の再配置は、僕はまちづくりでもあると思っております。現在、区内様々なまちづくりが進んでおり、これまであまり連携がなかったように思われるまちづくり推進部と企画部の連携は、施設整備計画策定において極めて重要であると考えますが、担当のお考えをお聞きします。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 区有施設の適正配置に当たりましては、まちづくりや都市計画の観点から検討することが重要であると考えております。今後もまちづくり推進部や都市基盤部との連携を図りながら検討を進めてまいります。 ○酒井委員 よろしくお願いします。区として、区有施設整備計画を来年度の8月に策定予定です。間に合うのかなと大変に気になっております。区有施設整備計画をどう策定するかにより、区民生活をはじめ区財政、区政全般に大きく影響を及ぼすからです。事業の見直しよりも、施設の再配置をしっかりしたほうが大きな財政効果になると僕は思っています。まず、間に合うのかなと率直に感じております。現状の策定状況をお尋ねするとともに、今年度予算においては、執行の見直しを行い、突然に本郷小学校と桃園第二小学校の改築に係る基本構想・基本計画、基本設計・実施設計が見直されました。この件に関しては誠に遺憾でありますが、今後どのようにお考えなのか。学校施設整備計画と基本計画、区有施設整備計画の関係性をお聞きします。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) まず、区有施設整備計画の策定状況でございますけれども、区有施設整備計画につきましては、今後おおむね20年間に想定される施設の新設、改築、大規模改修等を視野に入れ、10年後の施設配置の考え方や当面の整備スケジュールなどの検討を進めているところでございます。今定例会で区有施設整備計画策定の考え方をお示しする予定でございます。基本計画の策定スケジュールと併せ、来年の1月には素案、6月には案を示し、パブリックコメント手続を経て、8月には策定したいと考えております。 また、小・中学校の施設整備計画との関連でございますけれども、中野区立小・中学校施設整備計画につきましては、新しい基本計画や区有施設整備計画との整合を図りながら見直しを行い、ただいま御案内になった小・中学校の施設整備の進め方につきましても、その中で明らかにしていきたいと考えております。 ○酒井委員 次に行きます。区有施設の計画的な保全、更新を進めるために、平成28年度に公共施設管理総合計画が策定されました。施設更新経費の考え方では、40年間の更新経費については、起債活用による負担の平準化を図り、基金を活用しても、更新経費総額の13.3%は経費を縮減するか、財源確保をする必要があるともされております。施設建設費よりも、施設の維持更新費用が数倍かさむとも言われており、総延べ床面積の縮減を実現しなければ、持続可能な区政運営となりません。今後は新庁舎、新体育館建設により、区有施設の延べ床面積も増加します。前提の13%の数値も変わるでしょうが、このような数字を考慮した施設整備計画には縮減目標を示すべきではないでしょうか、お聞きします。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 区有施設整備計画では、財政負担の軽減や平準化を図るため、区の人口推計を踏まえながら、施設の集約化や複合化、整備時期の見直し、長寿命化、民間活力の活用等を検討しているところでございまして、適正な区有施設の延べ床面積の考え方を整理していきたいと考えております。 ○酒井委員 区有施設整備計画は基本計画と並行して進めておるんですけれども、実は、公共施設総合管理計画も同じタイミングで改定するとおっしゃられているんです。当然こちらのスケジュールも非常に気になるところなんですけれども、お聞きします。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 公共施設総合管理計画の建物編でございますけれども、区有施設整備計画の内容と関連していることから並行して検討を進めているところでございまして、両計画の整合を図りながら改定する考えでございます。 ○酒井委員 今後施設をどう配置するかが、区民生活、それから区政全般に大きく影響を及ぼすと思っておりますので、本当に皆さんの知見を結集して、鋭意取り組んでいただきたいと思います。 最後に事例を出します。千葉県佐倉市、一部の学校プールをやめちゃいました。それで、民間のスイミングスクールに水泳指導をお願いしました。この際の考え方に、長期的に大規模改修をする、普通の改修をする、光熱水費はどれくらいだろう、それと併せて、スイミングスクールに行くための子どもたちの移送費、40年間のスパンをもって判断したんですけれども、そこにはお金の問題だけではなくて、スイミングスクールに委託することによって、子どもたちの泳力指導にも効果がある。ただ単に削減するのではなくて、区民生活のサービスにも向上するような、そういうような取組があります。極端に言いますと、一つひとつの配置にこういう考えを持ってほしいんです。ここを統合すると、ここがよくなる、サービスもよくなる、こっちはなくなるけれども、何とか区民サービスはよくなるんだ。ただお金のための縮減だけでなく、必ずそこには区民サービスの向上、こういった観点も取り入れながら、区有施設整備計画を鋭意進めていただきたいと思います。 次に、順番を入れ替えさせてください。東中野駅東口周辺まちづくりについてお尋ねします。東中野駅東口周辺まちづくりとして1,199万円決算では執行されております。内容は、東中野駅周辺地区のバリアフリー化と課題解決に向けた業務委託でありますが、こちらの内容を簡潔にお願いします。 ○千田まちづくり計画課長 令和元年度の業務委託の内容は、東中野駅周辺の測量、駅東口を南北に縦断する補助第170号線の交通量調査、東中野駅東口周辺のバリアフリー化に向けた施設の構造形式等を踏まえた検討、課題解消に向けた対応策の整備でございます。 ○酒井委員 それで調査した結果はどうなったんですか。 ○千田まちづくり計画課長 結果についてでございますが、東中野駅東口周辺の課題につきまして、部分的なバリアフリー化の可能性を含めた早期に対応できる方策と、中長期的な取組が必要な方策に分けて整理いたしました。詳細については、本定例会の建設委員会で報告する予定でございます。 ○酒井委員 常任委員会で報告ですので、今は答えられないんでしょうか。これまで調査ばかりやっておりまして、成果物をというふうな議会からの声があって、やっと報告されるんだと思っておりますので、楽しみにはしております。 他方、今年度予算で計上されておりました東中野駅東口周辺のバリアフリー検討の計画検討支援と測量委託は、新型コロナウイルスが区財政にもたらす影響を勘案して、予算執行の見直しにより削減されました。ただ、区の最上位計画である新しい中野をつくる10か年計画のステップ4に当たる令和7年度までに、東中野駅東口バリアフリー化及び歩行者広場の完成とあるんです。これはとても間に合うとは思えない。併せて今年度は執行の見直しもされた。東中野駅東口は、1度階段を上り、改札をくぐり、また階段を降りなければホームにたどり着けません。近隣を見ても、2度の昇降のある駅はなく、高齢者、障害者、乳幼児親子にとっては負担が大きく、大きなバリアとなっております。区として、東中野駅東口バリアフリー化及びまちづくりの考え方が変わったのかお聞きします。 ○千田まちづくり計画課長 東中野駅東口のバリアフリー対策を含む地域の課題解決に向けたまちづくりの取組に関しましては、これまでの考え方に変更はございません。本業務に係る令和2年度予算は、新型コロナウイルス対策の必要から削減対象となりましたが、効果的、効率的な業務の遂行により、必要なまちづくりを着実に進めていきたいと考えております。 ○酒井委員 ありがとうございます。それから、東中野駅東口からほど近いところに中野東中学校が今あります。旧第三中学校です。来年度の秋には、中野坂上にある旧第十中学校のところに統合新校としてオープンするわけですけれども、その後、跡地は東京都立中野特別支援学校の建て替えの仮校舎として利用する予定です。この東京都立中野特別支援学校が、今年度の5月1日時点では、287名の児童・生徒が在籍しているんです。193名はスクールバスを利用しているそうです。94名はそれ以外の方法で通学をしております。電車を利用する児童・生徒もいるでしょう。バリアフリー未整備の東中野駅東口において、大きな負担になる可能性があります。 東京都は、2040年代に目指す東京の姿「ビジョン」と、その実現のために2030年に向けて取り組むべき戦略を示した「『未来の東京』戦略ビジョン」を策定しました。「ビジョン6 多様性様々な人が共に暮らし、多様性に富んだ東京」では、「ソフト・ハード両面で質の高いバリアフリー環境が整い、障害者をはじめ、誰もが安心・快適に暮らせる」とあります。簡易なバリアフリー化等の短期的な課題を解消するためには、今後は東京都とも十分な連携を図り、東中野駅東口のバリアフリー化を進める必要があると考えますが、お考えをお聞きします。 ○千田まちづくり計画課長 東京都立中野特別支援学校への配慮措置につきましては、東京都の関係機関と適宜情報共有と意見交換を行い、実施可能な対策があれば区の関係部署で連携して検討し、適切に対応してまいります。 ○酒井委員 以上でこの項の質問を終わって、次に、教育費に参ります。せんだっての新聞で、OECD加盟国における教育費の割合というのを皆さんもお読みになったと思います。日本は2.9%で、比較可能な38か国のうち、アイルランドに次いで2番目に低かった、こういう数字がありました。私は、何とか教育費の増額、未来への投資という観点から行っていただきたいと思い、これまでも決算カードを用いて教育費についてお尋ねしてまいりました。財政白書36、37ページにあります決算状況一覧表、いわゆる決算カードです。この説明と目的別歳出の教育費の構成比についてお尋ねします。 ○森財政課長 決算状況一覧表、決算カードでございますが、総務省が定めます基準により各自治体が作成しておりまして、全体的な団体同士の決算状況を同じ基準で比較できるというものでございます。令和元年度決算におきます教育費の目的別歳出の構成比は15.9%でございます。 ○酒井委員 決算カードによって、決算時において、同じ形で全国1,700ある自治体との比較もできるということだと思います。令和元年度15.9%です。この教育費については毎年お尋ねもしております。そもそもその始まりは、教育予算をどのように増額できるのかという思いから、中野区の教育にかける予算の割合を調べたんです。けれども、それだとそれぞれの区によって中身がばらばらですので比較しづらく、予算ベースで見ると、教育費がなかなか見づらく、この決算状況一覧は全国共通であり、これを活用しようと取り組んでまいりました。中野区の教育費はこれまでずっと10%程度でありましたが、平成30年度、そして令和元年度は15%と大きく上昇しております。要因は何でしょうか。 ○永田子ども・教育政策課長 平成30年度及び令和元年度におけます教育費の増額の主な内容といたしましては、学校再編に伴う改修、解体、新築工事及び設計委託等につきまして、平成30年度から2年連続で約19億円ずつの増となり、令和元年度決算額で約48億円となってございます。このほか、体育館冷房化工事、非構造部材耐震対策工事などの学校施設整備費が約13億円増の約20億円となっており、こうした経費の増が主な要因と捉えているところでございます。 ○酒井委員 主は学校の改築、そういった更新費用ということだと思います。単年度でその年に学校の建て替えなどあれば、この教育費というものは一気に構成比が膨れ上がることから、単年度で比較するのではなく、なるべく経年で追いかけようと考え、平成19年度から追いかけています。平成19年度から平成30年度までの12年間の中野区の教育費の平均は12.8%で、23区中16位でした。今年度の数字を含めた過去13年間の平均は14.3%、23区中9位となっている状況であります。 しかし、先ほどありましたように、学校の建て替えにより教育費の平均値を大きく押し上げることから、実際の教育へのソフト面への投資の数値を見ることは難しく、施設整備に大きく左右される数値を追いかけるのはどうなのかなとも悩みました。しかし、美鳩小学校、みなみの小学校の内覧にお邪魔し、すばらしい校舎に感動し、改めてハード面、ソフト面の両方の整備を推進していかなければならない、そして、この数値を追いかけていきたいとも感じました。引き続きこの教育費の増額を要望するとともに、この教育費の構成比は折に触れ、追いかけてまいりたいと思います。 そこで、この項の最後に、GIGAスクール構想についてでありますが、質問します。もう説明は不要だと思います。ICT環境の向上を図り、教育効果を最大限発揮させなければなりませんが、本格的なICT活用は、教育現場において初めての取組ともなります。学校任せにするのではなく、教育委員会が各学校、そして教員によって、ICTの活用に格差が生まれないよう支援していかなければなりません。そこで、ICT支援員についてどのようにお考えかお聞きします。 ○板垣学校教育課長 今年度配置しておりますICT学習支援員ですが、新型コロナウイルス感染症対策として、学校休業中にオンライン学習を進めるに際し、機器の設定や操作等の支援を行うために配置したものでございます。支援員は、在宅学習の機材の設定、オンライン学習として導入したグーグルクラスルームやおまかせ教室の利用の支援、教職員への操作説明等を担っており、学校への支援として有効であると考えております。 ○酒井委員 今後、GIGAスクール構想の中、ICT支援員に関してはどのようにお考えですか。 ○板垣学校教育課長 ICT支援員は今12名おりまして、配置している学校からは引き続き配置してほしいという要望が寄せられております。また、配置できていない学校からは、ICT支援員を当然配置してほしいという要望がありますから、今この12名をなるべく配置していない学校へ配置をし、今年度中に機器の設定、操作等について一定の支援ができるよう準備を進めているところでございます。来年度以降につきましては、小学校から各校に1人ICT支援員を配置してほしいといった要望もありますが、引き続き検討していきたいと考えております。 ○酒井委員 区として来年度はどう考えているんですか。 ○板垣学校教育課長 ICT支援員につきましては、各校に1人という配置ではなく、教育委員会に数名程度配置して学校を支援したいというふうに考えております。 ○酒井委員 その数名というのが、小学校、中学校、現場からは各校に1人と言っているんです。当然それは難しいのではないのかとは思うんですけれども、そうであるならば、例えば今中野は小・中連携を推進もしておりまして、中学校区に二つの小学校があるような状況です。そういう中で中学校区に1名のICT支援員を配置することこそが、迅速柔軟な対応ができ、ICTに関しても小・中連携が進むのではないかと考えておるんですけれども、お考えはいかがですか。 ○板垣学校教育課長 今御説明したように、来年度につきましては基本的に各校に配置ということではなく、教育委員会等に配置をして、要請のある学校に派遣したいと考えております。また、小・中連携ですけれども、ICTに関しましては、教員間の連携が重要であると認識しておりまして、ICT支援員が何かを担うということは、今は想定をしておりません。 ○酒井委員 教員間の連携が必要と考えるんだったら、そういう形でICT支援員を中学校区に配置する、支援する必要が僕は効果があると思います。もう時間がありませんので、これは結構です。 これは、先ほど申し上げたとおり、中学校区への1名の配置というのもぜひ検討していただきたいと思っております。教育現場におけるICT化を支援するために、これまで我が会派は、教育委員会にICT担当課の整備、それからまた、ICTの専門性を持った人材の教育委員への登用なども提案させていただきました。また、今定例会の森議員の一般質問では、都の元ヤフーの社長の副知事への登用などを例に出し、行政のデジタルシフト化についても提案させていただきました。政府も今デジタル庁新設の考えを示しており、その考え方であるデジタルニューディール、そこにはGIGAスクール構想の考え方もあり、ICT人材の育成についても触れておるところであります。 このデジタル庁新設により、新政府による中央省庁のデジタル化が当然進むと思います。そういう中でデジタル化の波が地方自治体に押し寄せるんだろう。地方行政のデジタル化に早期に取り組むことこそ、行政サービスの向上と事務作業の効率化や財政効果など、将来の大きな効果が期待できます。財政は厳しい状況だからと取組を先送りするのではなく、国の支援も期待できるかもしれません。中長期的な視点を持って、早期にデジタル化、ICT化の推進に取り組むべきです。お考えをお聞きします。 ○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) デジタル化についての御質問でございます。区としましても、来るべきSociety5.0の時代に向けた区政のデジタルトランスフォーメーションを強力に推し進め、全職員が一丸となって取り組んでいくための職員の意識改革などに早急に取り組んでいきたいと考えております。また、デジタル化の推進に当たりましては、国の補助制度などの活用も図ってまいりたいと考えております。 ○酒井委員 ありがとうございました。以上で私の全ての質問を終わります。 ○山本委員長 以上で酒井たくや委員の質疑を終了します。 次に、木村広一委員、質疑をどうぞ。 ○木村委員 令和2年第3回定例会におきまして、公明党議員団の立場で総括質疑をさせていただきます。 総括質疑は、いつもその前の土日というのは、毎年うちの地元での祭礼が行われておりまして、いつも体はぼろぼろで総括質疑を受けるというのが、何人か同僚議員も一緒だと思うんです。今年は残念ながら祭礼がなくて、体調は問題ないんですけれども、大変寂しさを感じるところでございます。来年度は、コロナの感染状況が抑えられ、また、区民の安心・安全がしっかり守られる区政であって、祭礼ができるような年にしていきたいと思っていますので、そういった取組を区政としてもぜひ取り組んでいただければと思っております。 それでは、質問をさせていただきます。質問は通告どおりで、その他はありません。これまでの質疑で重複するところがありますが、角度を変えたり、また、一部省いて質問をさせていただきます。 初めに、令和元年度決算についてお伺いいたします。 令和元年度決算はおおむね良好と見えますが、一方で、実質単年度収支が2年連続でマイナス、また、実質収支比率は2.9%で、23区中2番目に低く、また、基礎的財政収支、プライマリーバランスが5億円と、特別区平均の61億円よりも大幅に低い水準であることから、財政や補助金などの収入に見合っていない可能性があると財政白書で指摘をしております。認識だけ確認をさせていただきますが、今も同じ認識でよろしいでしょうか。そうなのかそうでないのかをお答えください。 ○森財政課長 今委員が挙げられました三つの指標でございます。実質単年度収支につきましては、基金からの繰入れを活用した関係がありまして、マイナスとなっているということでございます。また実質収支比率につきましては、標準財政規模に占める実質収支額の割合が小さくなったということで、一般に望ましいとされる3から5%の範囲を外れていることになってございます。また、プライマリーバランス、こちらにつきましても、それぞれの活動収支で収入は増加しているものの支出の増加が上回る結果となって、基礎的財政収支、プライマリーバランスを下げる要因となったということでございまして、直ちにこれらの指標が健全性を欠くことにつながるということまでは捉えておりませんが、今後の歳入状況は楽観できるものではございませんので、事業見直しを徹底いたしまして、歳入に見合った歳出規模とする必要があると考えております。 ○木村委員 同じ認識か認識でないかを聞いているんですけれども、財政状況がいいか悪いか、そういう質問はしておりません。ですので、財政白書に書いているとおりなのかどうかということを聞いたんです。一応もう一回伺います。イエスかノーかです。 ○森財政課長 財政白書はこちらで出しておりますので、そういう可能性はあるということでございます。 ○木村委員 財政白書に書いていることは当然否定はできませんので、否定というか、当然同じ認識かと思っております。要は、事業規模が区の身の丈に見合っている、見合っていないという指摘があります。これは、今後の各質問のベースになりますので、後ほど詳しくお伺いいたします。 事業の詳細を伺います。令和元年度は、酒井区政となって初めて編成された当初予算に基づき区政が進められた年度でありました。総務資料109番、子育て先進区に向けた取組に関わる新規拡充事業一覧を作成していただきました。ありがとうございます。酒井区政の一丁目一番地である子育て先進区に向けた取組から、令和元年度決算を見ていきます。まずは、当初予算額に対して執行率が70%未満の新規事業について、順にお伺いいたします。 まず、区立幼稚園での幼稚園型一時預かり事業、執行率が64%の理由をお伺いいたします。 ○渡邊保育園・幼稚園課長 区立幼稚園における幼稚園型一時預かり事業につきましては、保育士2名と臨時職員1名の計3名で実施する予定でいましたけれども、事業が6月の開始であり、利用人数が少なかったことや、幼稚園教諭の応援等もあり、臨時職員の勤務日数が予定よりも少なかったことなどが不用額が生じた主な理由でございます。 ○木村委員 次に、子ども・子育て施策充実に向けた実態調査執行率57%の理由をお伺いいたします。 ○青木子ども政策担当課長 実態調査の執行率の理由でございますが、予算計上時におきまして、複数の事業者から見積りを聴取したところ、事業者によってばらつきが見られたため、高いほうの見積りに基づき予算計上を行いました。このため執行率が低くなったものでございます。 ○木村委員 次に、区立保育園での使用済みおむつ処分執行率30%の理由をお伺いいたします。 ○渡邊保育園・幼稚園課長 令和元年度から園児の使用済みおむつの回収処分委託を開始したところでございます。予算編成において使用済み紙おむつの一つの重さを300グラム、処分枚数を1万5,860枚と想定して委託料を積算いたしました。使用済みの使用枚数やおむつの重さは、おむつを使用する子どもの人数や水分量によって変わりますが、使用済みおむつの総重量が当初の見込みよりも少なかったため、執行率が30%にとどまったものでございます。今後は実績等を踏まえ、予算を精査してまいります。 ○木村委員 次に、不妊検査等助成事業、特定不妊治療費助成事業の執行率26%の理由をお伺いいたします。 ○古川子育て支援課長 不妊検査等助成事業及び特定不妊治療費助成事業に関しましては、平成31年4月から事業を開始したところでございます。この事業の広報につきまして、なかの区報及び中野区ホームページ等の掲載によりまして周知を図ったところでございますけれども、新しい事業であったことから、区民の方への周知が行き届かなく、執行率が上がらなかったのではないかと考えているところでございます。 ○木村委員 では次に、子ども食堂推進事業執行率9%の理由をお伺いいたします。 ○細野育成活動推進課長 多くの団体は社会福祉協議会の助成制度や民間団体の助成制度を活用して事業を実施しているところです。当時、子ども食堂の運営助成につきましては、東京都の助成制度を活用しており、他の助成制度を受けている場合は申請できないという利用上の制約もございました。区といたしましては、本事業の実施に当たっては、制度の説明を複数回行うとともに、申込み期限の延長なども行ったところでございましたが、申請は1団体にとどまり、執行率が9%になったということでございます。 ○木村委員 最後に、認可保育所等安全対策強化事業については補正予算が組まれました。最終的な予算現額と執行率をお伺いいたします。 ○渡邊保育園・幼稚園課長 当初予算額は1,005万円、補正予算額を加えた最終的な予算現額は4,000万円でございます。執行率は40.4%でございます。 ○木村委員 補正予算が組まれたにもかかわらず執行率が40.4%ということですが、その原因をお伺いいたします。 ○渡邊保育園・幼稚園課長 認可保育所等安全対策強化事業補助金は、乳児の午睡中の死亡事故を防ぐため、乳児の呼吸やうつ伏せ寝状態などを感知する機器の導入経費を補助するものでございます。令和元年度予算編成におきましては、国の補助基準に沿って1人当たり3万円、需要調査から必要個数335個分の予算額1,005万円を計上したところでございます。その後、国及び都の補助基準が1園につき100万円に変更されたため、改めて需要調査を行い不足が見込まれたため、2,995万円の補正予算を計上したところでございます。予算の執行段階におきまして、各保育園が機器のテストなどを行った結果、乳児一人ひとりに機器を取り付けることなど、使い勝手やランニングコスト等の面から、約半数の事業者が導入を見送ったため不用額が生じたものでございます。 ○木村委員 令和元年度の子育て先進区に向けた取組とは、目的を持った全庁的なプロジェクトなのか。また、それとも子育てに関する事業を一くくりにしただけのものなのかお伺いいたします。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 要求資料の総務109で取りまとめました子育て先進区に向けた取組でございますけれども、まず、この子育て先進国に向けた取組ということですが、平成31年度、令和元年度及び令和2年度の予算において、基本計画が策定されるまでの間の四つの重点事項の一つとして取りまとめたものでございます。総務109については、それに該当する事業を取りまとめたものでございます。子育て先進区につきましては、今後の中野を形づくる区政の中核となる方向性、区政の運営の柱でございまして、一つひとつの事業が子育て先進区の実現に貢献するものと捉えております。 ○木村委員 資料に載っていない新規拡充事業以外にも、子育て先進区に向けた取組の事業はあるのでしょうか、お伺いいたします。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 平成31年度、令和元年度の事業につきましては、子育て支援策の拡充の取組や学校教育の充実に向けた取組を中心に掲載したものでございます。このほか子育て環境の充実につながるものとして、ユニバーサルデザインのまちづくりや公園整備などが関連事業に該当すると考えております。 ○木村委員 改めて伺いますけれども、子育て先進区に向けた事業の子育て先進区という定義というのはどういったものですか。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 子育て先進区につきましては、中野区において子どもを産み育てる環境、それをよいものとしていくということでの政策の方向性でございます。 ○木村委員 方向性というだけですね。分かりました。 では、令和元年度の一般会計決算は、予算現額1,560億円余に対し、執行額1,416億円余で、執行率は90.8%です。一方、資料にある子育て先進区に向けた取組では、当初予算額は201億円余、執行額は144億円余、当初予算との差額は56億円余で、当初予算に対する執行率は72%です。区政運営の柱と位置付けながら、このような低い執行率となったことをどのように分析しているんでしょうか、お伺いいたします。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 当初予算と決算額の差のうち大きな要因は、学校再編に伴う施設整備でございまして、工事内容の変更による工事費を翌年度に繰り越したものや、契約落差による執行残によるものでございます。予算額が大きい学校施設の整備における未執行の額が大きいことが全体の執行率を大きく下げる要因になったと認識しております。 ○木村委員 ここに、総務の109番にそれを書いていますか。ちょっと確認です。どこに書いてありますか。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 執行率ということでございますと、先ほど各事業……(「資料の執行率を聞いているんです」と呼ぶ者あり)私が答弁する前に、各事業についての執行率の質問についてお答えしたわけですけれども、それぞれ執行率の低い事業といったものがございましたので、そうしたものの積み上げということで、全体的に執行率が下がっているというふうに認識しております。 ○木村委員 私が聞いたのは、これに対する執行率が悪いということで、新規事業です。今答弁を変えられて答えられた。一応確認ですけれども、お願いします。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 個別の事業につきまして一つひとつ見ていきますと、事業で執行率の低いものがございます。ただ、全体の金額で言いますと、学校の整備といったことも要素としてはあるというふうに考えております。 ○木村委員 学校の整備の話はしていません。新規事業の中で少なくとも学校の整備は入っていないです。それは除いて、執行率が悪いということを言っているので、学校整備の話は原因とは全然関係ないんですけれども、それを除いた上でどういうふうに分析しているかを伺っているんです。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) この資料の中でも、学校再編に伴う施設整備といったものが項目として入ってございまして、それらも要因としてあると考えております。 ○木村委員 分かりました。ちょっと続けてもあれなので。 区長は、令和元年度の施政方針で、この資料にある事業の幾つかを子育て先進区に向けた取組と紹介されましたが、その後の行政報告では、子育て先進区を実現させるためには、「これまでも力を入れて取り組んできた教育・保育、子育て支援等の取組のために、住宅、商店街、公園などの子育てしやすい環境を充実させるという視点から、全庁をあげた検討を行い、最先端かつ独自性のある取組を生み出していくことが必要です」、また、「子育て環境や子ども・子育て家庭の生活実態を把握するための調査を実施するとともに、子育て家庭の生の声を伺っていきたいと思います。これらを踏まえて、子育て先進区を戦略的に実現していくための方策の検討を進めていきます」と述べられています。 全庁を挙げた検討や戦略的な実現の方途の検討とは、まさに現在策定中の子育て先進区の実現に向けた基本方針や新たな基本計画に基づいて行われることと思います。子育て先進区は区長が新たな区政運営の柱とされた区の施策の方向性であることは確かですが、いまだその計画や方針がない中で、現在は助走期間、また、計画策定のための準備期間であり、令和元年度に本当の意味で子育て先進区に向けた取組というのが、子ども・子育て施策充実に向けた実態調査だけにも見えますけれども、御見解をお伺いいたします。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 令和元年度の事業の執行率はまちまちでございますけれども、数多くの新規拡充事業に取り組んできたといったことにつきましては、子育て先進区の実現に向けた第一歩としては大きな成果であったと捉えております。子ども・子育て施策充実に向けた実態調査でございますが、この結果も踏まえまして、一つひとつの事業につきましては検証を加えながら、真に必要とされる子ども・子育て施策や事業を構築し、現在検討している新しい基本計画に反映させていきたいと考えております。 ○木村委員 子育て先進区に対して明確な目標や戦略的な施策がないまま、それぞれの所管が子育て先進区実現と取り組んだ結果が、この執行率の低調であったとの事実、つまり、ちゃんとした方針とか計画がなくて寄り集めたというにふうも見えますので、それをしっかりと事実を受け止めるべきであると思います。来年度の予算編成に向けて、非常事態とも言える財政状況であると認識をされているのであれば、方針や計画策定後に本格的な子育て先進区実現のスタートを切るべきではないでしょうか、お伺いをいたします。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 厳しい財政状況の中でも選択と集中を図りながら、子育てや教育にしっかりと投資していくということは、長い目で見れば持続可能な区政運営の実現に寄与していくものと考えております。子育て先進区の実現に向けた歩みをこのまま進めるべきと考えております。 ○木村委員 一丁目一番地であれば、この子育て先進区というのはどういうものなのかというのをはっきりさせるべきというふうには思いますので、しっかりと取り組んでいただければと思っております。 次に、行政報告について伺います。 初めに、行政報告にあります基金と起債について、9月1日に総務委員会で報告がありました現時点での歳入歳出の見込みを入れた財政フレームに基づいてお伺いいたします。財政フレームによると、特別区債が、令和3年度が104億円、4年度が105億円、5年度が159億円とピークを迎え、8年度には155億円ともう一つの山を迎えます。この3年度から5年度と、8年度の主な起債の内容は何か、お伺いいたします。 ○森財政課長 令和3年度から5年度につきましては、区立学校施設整備、中野駅周辺まちづくり、区役所新庁舎建設、こういったところが主な起債予定となってございます。令和8年度につきましても、区立学校の施設整備が主な起債予定ということでございます。 ○木村委員 一方で、基金の繰入れは、3年度に93億円、4年度で92億円、5年度で167億円とピークを迎えて、令和6年度以降は繰入れを抑えぎみとなっています。それに伴い、基金残高も3年度が503億円、4年度が455億円、5年度が345億円となり、6年度以降は、減債基金、まちづくり基金以外の積立てがあまり行われない予定となっています。これはピークとなる令和5年度まで基金を使い切り、それ以降は財政調整基金、特定目的基金をほぼ活用しないように見えますが、その理由を教えてください。 ○森財政課長 令和3年度以降につきまして、現時点でお示ししました把握している歳入歳出見通しにおきましては、歳出超過が続いているということでございます。そのため基金の積立財源の確保も難しいということで想定をしておりまして、基金活用事業は予定しているところでございますが、御指摘のとおり、基金が底をつくといったとこところで、それ以降については繰入れができていないということでございます。 ○木村委員 また基金残高は、6年度、7年度がピークの585億円となって、5年度以降は基金残高が500億円を超える状態が続きます。これにより、公債費負担比率(中野区方式)は7年度の8.3%をピークに高い水準が続くことになります。起債が大幅に増加、これがここ数年の傾向ということになりますが、これは予定されている事業費の大きさもありますけれども、一方で、公債費負担比率(中野区方式)の10%を下回るという、この公債費負担比率を守るためとも見えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。 ○森財政課長 おっしゃられるように、公債費負担比率(中野区方式)をおおむね10%以内で運用するという財政規律を意識しまして、計画のほうは立てているところでございます。 ○木村委員 ここで明らかになったのは、公債費負担比率を守るために、起債を抑えて、基金を使い果たすという状況をつくるという財政フレームになっているということです。本来は基金と起債をバランスよく活用すべきであり、基金が枯渇して起債しか方法がなくなるということは、その先を考えていないということも言え、避けるべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。 ○森財政課長 今後予想される複数年度にわたる大幅な歳入減を乗り切り、また後年度の施設更新などを見据え、当然のことながら、基金と起債をバランスよく活用できるように適切な財政運営を進めていく必要があると考えております。 ○木村委員 この起債と基金の予定の中に入れていない施設改修の予定はあるでしょうか、お伺いいたします。 ○森財政課長 規模の大きな施設更新経費は、お示しした資料の中で全て含めていると考えております。 ○木村委員 分かりました。そういった今基金と起債のバランスの話ですけれども、今の原因が、事業が一定の時期に集中していることが大きいとも考えます。それであれば、事業の削減を考えるか、もしくは先送りするしかないと思いますが、いかがでしょうか、お伺いします。 ○森財政課長 一時的に事業が集中することによりまして過度な財政負担が生じないようにするためには、今後の財政見通し、フレームを踏まえまして、事業実施の可否ですとか、実施時期の見直し等による分散化の検討はする必要があると考えております。 ○木村委員 基金と起債のバランスをしっかりと図り、持続可能な財政にすることが必要です。来年に示される本当の財政フレームでは、こういった財政規律を守るために、基金と起債のバランスを崩すといったような、そういった内容にしてはいけないと思いますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。 ○森財政課長 直近の区立学校の再編整備や区役所新庁舎の建設だけでなく、後年度の施設更新経費なども見据え、財政負担の平準化と世代間負担の公平化を図る意味からも、基金と起債を計画的にバランスよく活用していく考えでございまして、基本計画の検討も踏まえながら、持続可能な財政フレームのほうをお示ししていきたいと考えております。 ○木村委員 よろしくお願いいたします。 次に、基金と起債以外の財政の見通しについてお伺いします。行政報告では、新型コロナウイルスの影響から、内閣府が発表した今年4月から6月期の国内総生産(GDP)速報値は、前期から年率換算で27.8%減り、リーマンショック後の17.8%を超える戦後最大の落ち込みとなり、「基幹収入である個人住民税や、特別区財政調整交付金の財源である法人住民税等への影響を免れることはできません。感染収束の見通しが持てず、経済や雇用状況の低迷が続くことは、感染拡大防止対策経費や扶助費などの歳出の増加も想定されるところであります。変動する様々なリスクもあり今後の財政見通しは大変厳しい状況にあります」とし、「経済の状況についてもV字回復とはいかず、3年から5年をかけてようやく元の水準に戻るという予測もあり、極めて慎重な財政運営が必要です」との認識を示しています。そして、令和3年度の一般財源は、「現時点で今年度当初と比較して約92億円の減収を見込んでいます。令和3年度については、現時点における一般財源の収入見通しにより基準額を定め、これを歳出の基準として予算編成を行ってまいります」としています。 それを踏まえて、来年度の予算編成に対する考え方を確認したいと思います。まず、残り半年あります本年度、令和2年度の財政状況の見通しについてお伺いいたします。行政報告では、「財政調整基金の令和元年度末残高は279億円、そのうちの年度間調整分は165億円」とのことですが、景気の後退を受け、特に特別区交付金、地方消費税交付金の本年度の歳入の減収も想定されています。令和2年度の歳入の減収見込みをどのように想定されていますか、お伺いいたします。 ○森財政課長 現時点におきましては精緻な分析等をできていないところでございますが、リーマンショック時の例を参考に想定いたしますと、リーマンショックが発生した翌年度、平成21年度の予算編成においては、一般財源が約30億円減収した。その当時と比べると、現在の財政規模は1.4倍になってございますので、リーマンショック時を踏まえた想定になりますと、今年度の減収規模は40億から45億円程度になるということでございます。 ○木村委員 減収が40億から45億円ということですね。通例であれば、決算が終わり、この第3回定例会で決算剰余金の補正が組まれると思いますが、今年度の決算剰余金はどれぐらいになるでしょうか、お伺いいたします。 ○森財政課長 決算剰余金の積立てということへの補正の金額につきましては、令和元年度については22億7,935万5,000円でございます。 ○木村委員 剰余金が22億円ということで、新型コロナウイルス感染対応地方創生臨時交付金は2度にわたって交付されていますが、その総額と、その対象となる事業の一般財源ベースでの現在までの総額は幾らになるでしょうか、お伺いいたします。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金でございますけれども、第1次交付限度額が2億5,548万5,000円、第2次交付限度額が9億4,362万7,000円となっておりまして、総額は11億9,911万2,000円でございます。対象となる事業の一般財源ベース総額でございますが、令和2年度第6号補正予算の成立時点で11億9,451万2,000円となっております。 ○木村委員 ちょっと最後が聞こえなかったんですけれども、最後は第4次、第5次。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 令和2年度の第6次補正の予算の成立時点でございます。(「金額は」と呼ぶ者あり)11億9,451万2,000円でございます。 ○木村委員 ということは、今交付額と対策費がほぼ同じということですか。分かりました。ですから、ほぼ交付金は使い切って、これからの支出というのは当然一般財源を切り崩すという話になるかと思います。今後のコロナ対策も、国や都の事業でなければ、財政調整基金を繰り入れて一般財源を使うことになると考えます。年度間調整分165億円と先ほどありましたけれども、現段階の試算から考えますと、今年度の減収分が40億から45億円、コロナ対策としてほぼ交付金を使い切っている。それに決算剰余金の22億円を積み上げても、本年度の財政調整基金の年度間の調整分の年度末の残高というのは、多く見積もっても150億円とか、それから今後補正を組むに当たって、もしかしたらどんどん減少していく、そういった状況にあるということが見えます。 次に、令和3年度の翌年、令和4年度の見通しをお伺いします。財政フレームでは、令和4年度の歳入を特別区税は329億円、特別区交付金は343億円と、令和3年度よりも増収すると見込んでいますけれども、その根拠をお伺いいたします。 ○森財政課長 令和4年度の歳入見込みを含めて今後の歳入の推計につきましては、令和2年7月の国の経済財政諮問会議の提出資料でございます中長期の経済財政に関する試算に示された地方税収等の伸びを参考に推計をしたものでございます。令和3年度からは約1.1%の伸びを見込んでおります。 ○木村委員 それ以外に令和4年度の試算に活用できる根拠はないということでよろしいですか。 ○森財政課長 歳入の推計に係る資料につきましては、民間のシンクタンクが公表している資料など様々なものが存在するところでございますが、今御答弁申し上げた資料につきましては国が示している資料でございますので、区においても試算として活用しているということでございます。 ○木村委員 今根拠として示されました内閣府のデータでございますけれども、令和2年度から3年度はマイナス27%となっておりまして、中野区の財政フレームがマイナス8%の落ち込みと試算をしております。そういった意味では、この内閣府のデータがそもそも中野区の試算の根拠として適切かどうかというのも大変疑問でございます。リーマンショックのときは、中野区でも1年後の平成21年度から2年後の22年度にかけて、特別区民税が313億円から295億円の18億円減、特別区交付金は319億円から314億円の5億円減となって合計23億円が減で、影響は2年後に大きく出ております。リーマンショック以上の影響があるとも言われ、先行きが不透明な状況ですが、令和4年度の歳入が増収に転じるという見込みをうのみにすることはできません。令和4年度が増収になるというよりも、減収になるという見込みを持って令和3年度の予算を考えるべきだと思っております。 令和2年度、4年度の見通しが、今確認したとおり厳しい想定であるということでございます。その上で、令和3年度の取組をお伺いいたします。来年度の一般財源は、現時点で今年度当初と比較して92億円の減収を見込んでいるとあります。この根拠は先ほど内川委員の質疑がありましたので、ここは質問を飛ばします。 令和3年度の基準となる一般財源規模687億円と定めましたが、この歳入、92億円減収に合わせたとのことです。まず、これまで基準となる一般財源規模を守れたことはあるのでしょうか、お伺いいたします。 ○森財政課長 基準となる一般財源規模を導入したのが平成21年度でございますが、それから平成30年度予算までの間においては、財源規模は超過していたということでございます。今年度当初予算においては超過は生じてございません。 ○木村委員 今年度だけということですね。今年度はいろいろ事情があるというか、ほかに財政規模を引き上げたということも原因というふうに思います。本会議で質疑がありました財政調整基金を極力使わず92億円を賄うとしていますが、どのように取り組んでいくんでしょうか、お伺いいたします。 ○森財政課長 新規拡充事業につきましては、真に必要であり優先度の高いものとする。関連する既存事業の統合、再編、見直し等事業のスクラップにより経費を生み出すこととしております。また経常経費につきましても削減を原則とし、全ての事業について事業の効果及びその原因の分析を行った上で、効果が上がっていないものについては事業の廃止、統合、縮小など、見直しの検討を行っていくということで、予算編成の中でそのように取組を進めていきます。 ○木村委員 経費削減に関して伺いますけれども、先ほど内川委員の質疑でありました9月1日の令和3年度予算編成方針における一般財源要求限度額についてという通知が出ております。各部からの要求金額に対し20%のシーリングを行うとしていますが、なぜ20%なのか、その根拠の質疑はありましたので、ここは省かせていただきます。過去にも何度かシーリングを実施したと思いますが、その内容と効果はどうだったでしょうか、お伺いいたします。 ○森財政課長 過去5年で見てみますと、平成28年度予算及び29年度予算においては5%、30年度予算においては20%のシーリングを実施したところです。各年度とも要求限度額に収まって、結果として収まっていないところではございますが、それを目指して各部の取組、予算編成を進め、一定の歳出削減は図られたと考えております。 ○木村委員 これは通告していないんですけれども、過去、最も高かったシーリングというのは、いつが何%でやったんですか。 ○森財政課長 先ほど平成30年度が20%と申し上げましたが、そこが一番高かったものと考えております。 ○木村委員 それは後でまた確認します。 先ほど紹介した通知のほうですけれども、各部から要求があった財産費を除く歳出一般財源規模を782億円として、その内訳を職員給、交際費、補助費などの固定費341億円、1次経費A240億円、1次経費B154億円、2次経費等47億円としています。1次経費A、Bに対して20%のシーリングをかけていますが、1次時経費A、Bの内容を教えてください。 ○森財政課長 各部への通知の中で区分した1次経費Aでございますが、1次経費Aについては、経常的な事業の経費のうち繰出金や一部事務組合の分担金、また債務負担行為の設定の経費などでございます。また、1次経費Bはそれ以外の経費、経常経費のA以外の経費ということでございます。 ○木村委員 2次的経費等47億円とありますが、これは何でしょうか、お伺いします。 ○森財政課長 現時点、フレーム作成時点においての新規拡充事業経費、いわゆる政策的経費の想定される総事業費に起債及び基金を充当した後の額ということになります。 ○木村委員 1次経費394億円にシーリングを20%かけて315億円として79億円の削減、2次的経費は47億円として31億円にして16億円の削減、合わせて95億円を削減し、財産費を除く歳出一般財源規模を687億円としています。要は、この削減が全て達成できて、基準となる一般財源規模の687億円となるということになるかと思うんですけれども、確認ですが、それでよろしいですか。 ○森財政課長 そのとおりでございます。 ○木村委員 あともう一つ、財政フレームでは、義務的経費が406億円となっています。義務的経費に当たる固定費が341億円と先ほどありましたが、約60億円扶助費が入っておりません。この内容はどこに行っているのでしょうか、お伺いいたします。 ○森財政課長 約60億円の差でございますが、保育の給付費、そちらのほうが各部に示した通知の中では1次経費Aのほうに入っているところでございます。 ○木村委員 1次経費Aも同様に20%のシーリングをかけていますけれども、先ほどの答弁では、この1次経費Aというのは繰出金、一部事務組合分担金、債務負担行為、あと長期契約とかもありますでしょうし、今言った扶助費の保育園の給付費等が入っています。どう見ても削減できない事業ばかりでございますけれども、これは削減可能なんでしょうか、お伺いいたします。 ○森財政課長 1次経費Aについても、何らか見直しの工夫により削減できないかということについては検討をするということでございまして、併せて1次経費全体で20%削減を目標とするということでございます。 ○木村委員 当然ゼロではないでしょうけれども、そのAに対しての20%の削減は恐らく難しいであろうということです。であれば、例えばAがほとんどゼロに近ければ、1次経費Bを大体50%ぐらい削減しないと、全体の20%というのは多分守れないということですね。そういった意味で、いかにその1次経費Bが、Bとはいえ、50%の削減をすることがそもそも可能なのかどうか、どう思いますか。いかがですか。 ○森財政課長 繰り返しの答弁になりますけれども、それぞれ事業について見直しできないか、執行方法を工夫できないか検討し、1次経費全体での20%削減を目標にしているということでございます。 ○木村委員 でも、1次経費Bとはいえ、恐らく窓口業務とかそういった委託のほうも入っていますので、そんなのを削ったら、多分職員の負担がどんどん増えたりとか、例えば区民サービスが本当に大きな影響を受けるものがかなり入っていますので、そこを削減するのはかなり難しいかと思っております。また、2次経費等が31億円となっていますけれども、確認ですが、1次経費の20%減ができなかった場合、この政策的な判断を要する新規拡充及び臨時的経費をさらに削減するのか、それとも2次的経費に手をつけずに財調の取崩しをするのかお伺いいたします。 ○森財政課長 これまで積み立ててきた財政調整基金につきましては、取崩しを前提とするのではなく、まずは歳出の削減に努めて予算編成を進めるということでございます。その上で真に必要な区民サービスを実施するために、1次経費、2次経費とも、必要がある場合については基金活用も考えているということでございます。 ○木村委員 行政報告では、新規拡充事業は、「真に必要であり優先度の高いもの」としています。各部の新規拡充事業をしっかり吟味し、行政にとってではなく、区民にとって真に必要で、優先度の高いものに取り組んでいただきたいと思っております。 もう一つ課題として、区民部などの基幹業務が中心で新規拡充事業が少ない部とかがある一方で、ここ2年間で新規拡充事業を大幅に増やした子ども教育部、教育委員会部局があり、各部に均一にシーリングをかけるのはかなり乱暴に見えます。過去に先ほど言いましたシーリングが達成できなかったという状況も踏まえ、今の質疑を伺っても20%のシーリングがかなり難しいと思います。シーリングをかけるのは簡単ですが、再編の苦労を各部に丸投げしただけではないでしょうか。このままだと区民サービスに大きく影響する事業も、単なるシーリングのためだけで削減される可能性もあります。 区長は、本会議で選択と集中を強調していましたが、まず全体を見通して選択と集中を実施した上でシーリングをすべきではなかったでしょうか。その選択と集中の優先順位ですが、本会議では、子育て先進区、全世代的な地域包括ケアシステムという答弁であったと思いますけれども、しかし、2019年の中野区区民意識実態調査では、区の施策への要望の第1位は防災、第2位は子育て支援、第3位は高齢者福祉となっています。2011年の東日本大震災以来、2015年を除いてここ10年間は防災が第1位となっています。これは区民からの要望が続いているということは、達成がまだされていないという評価にもなると思います。また、今の新型コロナウイルス感染が拡大する中で、社会の中で声なく苦しんでいる人が増えております。区民サービスに影響を及ぼさない改革を徹底的に行った上で選択と集中を行うのであれば、区民から要望に応えた防災、また、苦しんでいる人を支援するということを優先に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 基礎自治体として区民の要望に応え、区民の生活と財産を守ることを最優先に取り組み、様々な対策を講じることによって、幾重ものセーフティネットを築いてまいりたいと考えております。 ○木村委員 先ほど言った区民の要望というか、そういうものにしっかり応えていかなければと思います。これこそエビデンスベースで検証するのであれば結果は違ってくると思いますので、本気でエビデンスベースで進めていくというのであれば、しっかりと検討していただきたいというふうに思います。 ○山本委員長 木村委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。午後3時25分まで委員会を休憩します。 午後3時03分休憩
午後3時25分開議 ○山本委員長 委員会を再開します。 木村委員の質疑の途中ですが、理事者側から、先ほどの答弁に対して訂正したい旨の申出がありましたので、これを許可します。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 先ほど木村委員の地方創生臨時交付金の御質問の中で、対象となる事業の一般財源ベース総額についての答弁をしたわけですが、数字が間違っておりましたので訂正をさせていただきます。 先ほど令和2年度第6号補正予算の成立時点で11億9,451万2,000円と答えておりましたけれども、正確には15億2,514万9,000円でございます。 おわびして訂正をいたします。申し訳ありませんでした。 ○山本委員長 木村委員、よろしいでしょうか。 ○木村委員 ということは、交付金の差額と比べれば大体3億2,720万円多く使っているということになります。そういった意味では、先ほどその数字に合わせてお話しいたしましたけれども、財政調整基金の年度間調整分の年度末残高を多く見積もっても145億円になるというふうには思います。この質疑に関しては以上で大丈夫です。 次に、もう一つの取組でございますプロジェクトチームについて伺います。先ほどもちょっと質疑がございましたけれども、確認の意味でもう一度お伺いします。 プロジェクトチームについてのその目的と体制、またスケジュール、計画の詳細をお伺いいたします。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) お答えします。構造改革のプロジェクトチームでございます。構造改革の推進に向けて構造改革の方向性や視点の検討を始めるところでございまして、早急に副区長をリーダーとしたプロジェクトチームを立ち上げた上で、構造改革検討方針として取りまとめ、その後は権限を持った推進体制へと移行させて、構造改革を本格的に実行に移していく考えでございます。 ○木村委員 具体的なスケジュール、いつまで、どうやるというのはございますか。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 令和3年度の予算編成と並行してという考えでございますので、予算編成が本格化してまいりますのがこの10月ということになります。早期にこのプロジェクトチームを立ち上げて、検討方針を取りまとめ、進めていきたいという考えでございます。 ○木村委員 推進体制を立ち上げるという話があったんですけれども、それはいつ頃になるんですか。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) プロジェクトチームではございますが、このプロジェクトチームにつきましては構造改革検討方針を取りまとめるということでございます。その検討方針を取りまとめた後には、推進体制ということで移行させていきたいという考えでございます。 ○木村委員 それがいつ頃になるかというふうに伺っております。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 早急に取りまとめていきたいということで、令和3年度の予算編成に間に合わせていきたいということであります。 ○木村委員 予算編成に影響するということであれば、10月内というふうには思います。メンバーですけれども、副区長という話もありました。それ以外のメンバーはどういったメンバーを考えていますか。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) そのほかのメンバーということで、企画部長、総務部長ということ、それからまた、関連する課長として企画課長、財政課長、それから総務課長、業務改善課長といったメンバーになります。 ○木村委員 構造改革の視点や検討方針を進めて推進体制を立ち上げるということです。この推進体制は令和3年度予算編成に対して具体的にはどのように関わっていくのでしょうか。仮にシーリング効果が不十分だった場合、推進体制はどのように取り組む予定でしょうか、お伺いします。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 構造改革は中長期的な視点から抜本的な改革を目指すものでございます。令和3年度予算編成におきましても、早急に取り組むべき課題として構造改革の視点を整理し取り組んでまいります。構造改革の推進体制につきましては、権限を持った組織体として、令和3年度予算編成に関しまして、施策、施設、組織の再編といった構造改革の観点から関与し、具体的な取組を提示していきたいと思っております。 ○木村委員 仮にシーリングが不十分だった場合というふうにも伺ったんですけれども、そこの答弁をお願いいたします。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) シーリングの効果につきましても、併せて具体の提案をしていくといったことを考えております。 ○木村委員 来年には基本構想・基本計画が策定される予定になっています。その基礎となる財政フレーム、施設配置計画が現在検討中ですが、それに関してはどのような立ち位置で関わるのでしょうか、お伺いいたします。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 行財政の構造改革は持続可能な区政運営の実現に向けて取り組むことから、中長期的な財政フレームの動向を注視するとともに、効率的かつ効果的に区民サービスを提供するための区有施設の適正配置を進めていくことが重要と考えております。構造改革は施策の優先度や貢献度を見極めて、選択と集中によるめり張りのある区政運営を導くことがミッションであると捉えております。 ○木村委員 先ほどメンバーを確認させていただきましたが、企画、総務、ほぼ同じ体制で予算財政フレーム、施設配置計画に当たると思うんですけれども、同じメンバーなのに大なたを振るえるのでしょうか。企画する側と削減する改革側が同じ部署、同じ人というのは、アクセルとブレーキを同時にかけるようなものと思います。別組織として検討すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。 ○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 構造改革の推進体制につきましては、令和3年度予算編成や区有施設整備計画の検討に当たりまして、実効性を発揮できるような体制を構築していきたいと考えております。新たに設置する構造改革の推進体制につきましては、企画や財政の部門といったところとは別の組織として立ち上げて、それぞれの役割を明確にし、取り組んでいくことを想定しております。 ○木村委員 でも、人は同じなんですよね。石井課長も入りますよね。アクセルとブレーキを同時にかければ当然事故になりますので、よくよく考えていただければと思っております。 新型コロナウイルスの感染拡大で課題として浮き彫りになったのが行政のデジタル化です。今後のデジタル化の推進が大きなポイントになります。一方、デジタル化といっても、世界と日本の議論はずれているようです。日本のデジタル化は、インターネットによる情報公開や電子手続を進めていくようなイメージですが、OECDの定義ではデジタル行政です。世界で進む双方向のデジタル政府とは相当断絶があるようです。そういった中で、大事な視点が、行政の効率化のためのデジタル化ではなく、デジタル化においても、誰もが取り残されないようにするということを目指した区民へのサービス向上のデジタル化が必要でございます。 国の取組として、国土全体の通信基盤整備を国の責務として定め、全ての人が情報技術、ITを活用できる環境を保障するデジタルミニマムを基本理念に掲げる法改正に向けた検討に入りました。コロナ禍で、教育や買物など、ふだんの生活でもオンライン化が進んでおり、高齢者や過疎地の住民らが取り残される事態を防ぐ方策を拡充するとのことです。行政のデジタル化の基盤となるのは、まずマイナンバーカードでございますが、来年3月から健康保険証利用はその普及と活用のチャンスでもあります。今後の中野区行政の命運を担うとも思えるデジタル化に対し、こういう分野にこそプロジェクトチームを組んだり、専門家を活用するなどして、積極的にデジタル化を推進してはいかがでしょうか、お伺いいたします。 ○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 行政のデジタル化についての御質問でございます。専門的知見を持ちました外部人材の適切な活用を図るなどしながら、区政のデジタル化、またデジタルを活用した区民サービスの向上に向けて、全庁的に取り組んでまいりたいと考えております。また、具体的な目標を持ってしっかりと体制整備を行い取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。 ○木村委員 プロジェクトチームをぜひ検討していただければと思います。 デジタル化の詳細は、この後の我が会派の日野委員、久保委員が質疑をしますので、よろしくお願いいたします。 行政報告の項の最後に、基本構想・基本計画についてお伺いいたします。基本構想・基本計画の策定に当たって、アフターコロナの社会、また生活をどのようにイメージして検討するのでしょうか、お伺いいたします。 ○永見基本構想担当課長 新型コロナウイルス感染症の感染拡大によりまして、人々の生命や健康に限らず、日常生活における外出や移動、学校教育、地域経済、地域医療など様々な分野にその影響を及ぼしていると捉えております。また、働き方、住まい方、人と人とのコミュニケーションの在り方など、新しい生活様式への移行が進むとともに、家庭や生活を重視する意識の高まりなど、社会全体の価値感や行動の変化が生まれており、区政運営におきましても、そうしたものに対する対応が求められていると考えてございます。 ○木村委員 従来の考え方から具体的に変更になるということはあるんでしょうか、お伺いいたします。 ○永見基本構想担当課長 基本構想につきましては、改定の背景におきまして、新型コロナウイルス感染症の影響による社会状況の変化について記載をするほか、人と人とのつながりの在り方、また地域の見守りの在り方、区内産業の持続的な発展の必要性、また安全・安心な生活環境を守るための行動の変化、行政サービスのデジタル化の推進などについて現在の検討素案を改定する考えでございます。基本計画につきましても、こうした基本構想検討素案の改定内容を踏まえまして、施策に反映していく考えでございます。 ○木村委員 来年の8月には基本計画を策定するとしていますが、コロナの影響が見えてくる来年、再来年度以降の財政の見通しが出てからでなくては現実的なものではないと考えていますが、いかがでしょうか、お伺いたします。 ○永見基本構想担当課長 今後の厳しい財政状況を見据えまして、基本計画の計画期間の前半におきましては、新規拡充事業の実施は可能な限り抑制をいたしまして、財政状況の回復が見込まれる計画期間の後半において、基本構想を実現するための新規拡充事業を実施していくという考えでおります。一方、計画期間の前半におきましても、後半における事業の実施に向けての検討や準備、また、区の財政負担の少ない事業の実施方法の工夫、そうしたことを行い、停滞することなく区政運営を進めていく考えでございます。 ○木村委員 そもそも前半はある意味で様子を見ながらということで計画を立てるということであれば、ここ二、三年はコロナ対策と減収対策に全力を注いではいかがでしょうか。基本計画の裏付けとなる財政フレームやその多くを占める施設再整備計画は、中長期的な見通しが分からないと適切なものはつくれません。基本構想はともかく、基本計画を二、三年先延ばしにして、より確かな見通しを踏まえ、基本計画をつくることも検討すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。 ○永見基本構想担当課長 大変に厳しい状況であるからこそ、区民の共通目標としての基本構想を策定いたしまして、10年後に目指すまちの姿を広く共有するとともに、基本計画において取り組むべき政策施策の方向性とその内容を明らかにすることが必要であると考えております。現在予定しているスケジュールのとおり、来年の8月に基本計画を策定する考えでございます。 ○木村委員 状況を見て柔軟に対応したほうがいいと思いますので、そこはしっかりと指摘させていただきます。 次に、新型コロナ感染症対策についてお伺いいたします。 初めに感染予防についてお伺いいたします。さきの一般質問において、我が会派の白井議員が、新型コロナウイルスの感染予防のために、区が介護事業者に対して利用者の情報を提供することについて質問をしました。そこで個人情報に配慮しながら適切な情報共有に努めていきたいと答弁がありましたが、区はこれまで具体的にどのような情報を提供してきたのでしょうか、お伺いいたします。 ○山本委員長 委員会を休憩します。 午後3時39分休憩
午後3時39分開議 ○山本委員長 委員会を再開します。 ○葉山介護・高齢者支援課長 お答えします。介護サービス事業所は、その利用者が濃厚接触者としてPCR検査を受ける場合、また、検査結果が判明した場合、当該利用者の氏名や検査日、あるいは検査結果や検査判明日などについて、区へ報告を行っております。その際、区からは、当該利用者が利用している他のサービス事業所への連絡を指示しております。一般的に当該利用者のケアプラン作成に携わるケアマネジャーが、利用者のサービス全体、他の利用者、他のサービス事業所を把握しているため、ケアマネジャーを通じて利用者に関わるサービス事業者が情報を共有することになっております。 ○木村委員 今一般的にというお話ですけれども、ケアマネジャーがどこまでやるかというのはケアマネジャーにかかっているというか、ケアマネジャー次第ということになります。区が要望している、指示をしているということで、区は問題ないでしょうが、様々なところによると、事業者間での情報共有がうまくいっていない。コロナ感染に関して、様々課題とか問題が出ているというふうにも伺います。事業者間で情報共有ができるように、事業者に負担にならない程度でルールをつくってはいかがでしょうか、お伺いいたします。 ○葉山介護・高齢者支援課長 介護サービス事業所で新型コロナウイルス感染者が発生した場合の対応につきまして、改めて疫学調査への協力など、発生時に必要となる情報や対応とともに、事業者からケアマネジャーなどへの関連事業所への連絡の徹底について、その内容を整理し、介護サービス事業者への周知を図っていきたいと思います。 ○木村委員 しっかりと周知をお願いいたします。 同様に特別養護老人ホームやグループホームなど居住する利用者がいる高齢者施設では、一般ごみが出されていると伺っております。事業系ごみに関しては、施設の事業者が事業系ごみ回収の事業者に連絡するかどうかになりますが、一般ごみに関しては情報提供がされないという現状とのことです。特別養護老人ホーム、グループホームで新型コロナウイルス感染者が発生した場合、清掃事務所のごみ収集作業員の安全を確保するため、介護事業者と同様に清掃事務所にも情報提供される仕組みを構築すべきと考えますが、いかがでしょうか、お願いいたします。 ○葉山介護・高齢者支援課長 お答えします。感染発生時には、介護サービス事業所が清掃事務所や廃棄物処理委託業者などから廃棄物の出し方あるいは管理等についての適切な指示や助言を受け、廃棄物への対応管理ができるよう、廃棄物のことについて、事業者から清掃事務所等へ連絡することを区から事業所に周知をしていきたいと思います。 ○木村委員 事業者からしっかりと連絡させるという体制をつくるということですね。よろしくお願いいたします。 次に、特例交付金の追加支援についてお伺いいたします。一般質問において、我が会派の南議員が特別定額給付金の未申請者に対して、申請できる期間を延長して救済措置を設けるべきと質疑しました。具体的には、対象者をどうするのか、その場合の想定人数、スケジュールをどうするのか、お伺いいたします。 ○浅川特別定額給付金担当課長 この特例給付金につきましては、現在検討中ではございますが、国の特別定額給付金をやむを得ない事情等で申請できなかった世帯に対しまして経済的支援を行うものでございます。具体的には、福祉施設等に入所していた方、それから入院中の方、また海外に滞在していた方等のうち、代理申請ができる者がいなかった方を対象と考えているところでございます。想定する件数といたしましては50件程度を考えておりまして、できるだけ早い時期に給付できるよう検討しているところでございます。 ○木村委員 予算措置が当然ここから必要となりますけれども、今できるだけ早くというお話ですが、いつ頃、内容を含めて結論を出す予定になりましょうか、伺います。 ○浅川特別定額給付金担当課長 今定例会中に、特例給付金についての補正予算案を提出させていただきまして、御審議いただきたいと考えてございます。 ○木村委員 よろしくお願いいたします。 最後に、防災対策についてお伺いいたします。 初めに、高齢者施設の浸水リスクについてお伺いいたします。近年、大型台風をはじめ線状降水帯発生による大雨により毎年各地で水害が発生するようになりました。特に甚大な生命の危険に脅かされているのが、今年8月の熊本県の特別養護老人ホームで14人の入所者が犠牲になられたように、浸水想定区域にある高齢者施設でございます。中野区地域防災計画第41次では、浸水想定区域の施設に対し、平成29年度水防法及び土砂災害防止法の改正に対応し、浸水想定区域における要配慮者利用施設及び地下空間(地下鉄駅舎を含む)の避難体制確保、土砂災害警戒区域等における避難体制の確保に努めるとしています。その対応のため、施設を具体的に指定して対策に取り組んでいるとのことですが、その指定した施設数と、このうち高齢者施設、また高齢者施設の区有施設と民間施設の内訳をお伺いいたします。 ○山田防災担当課長 お答えいたします。地域防災計画に指定している施設は103施設でございます。そのうち高齢者施設は13施設あり、区有施設については、高齢者会館の7施設、民間施設につきましては、特別養護老人ホームの6施設でございます。 ○木村委員 高齢者施設のほうですけれども、区有施設と民間施設の水害時の避難計画の作成状況はどうなっているでしょうか、お伺いいたします。 ○山田防災担当課長 区有施設の高齢社会館につきましては全て作成をしているところでございます。また、民間施設の特別養護老人ホームについては、6施設中5施設が作成を完了しているところでございます。 ○木村委員 特に民間施設は5施設が作っているということですけれども、計画を踏まえて、避難訓練や情報共有など、区が民間といっても積極的に関与すべきではないでしょうか、お伺いいたします。 ○山田防災担当課長 水防法では、高齢者施設など社会福祉施設の避難確保対策を適切に推進されるよう自治体が必要な指示を行うこととされております。区では指定されている民間施設などに対して、避難確保計画の作成や避難訓練の実施について周知、指導を行っているところでございます。今後は、各施設の避難確保対策をさらに促進するため、避難確保計画の作成マニュアルや避難訓練マニュアルを作成するなど支援体制を強化していきたいと考えております。 ○木村委員 よろしくお願いします。 先ほど高齢者施設で指定済みの高齢者施設が13ということですけれども、指定済み以外で浸水想定区域に高齢者施設はないのでしょうか。あるとしたら、今後の指定を含めてどのような対応をする予定でしょうか、お伺いいたします。 ○山田防災担当課長 老人デイサービスなど未指定になっている高齢者施設が複数あることは認識しているところでございます。現在、東京都から提供を受けた社会福祉関連施設リストを基に、浸水想定区域内にある該当施設を把握するため調査を進めているところでございます。今後、調査結果を踏まえ、改正を予定している地域防災計画にて新たに指定し、避難確保計画の作成や避難訓練の実施など、避難確保対策の推進支援を行う予定でございます。 ○木村委員 来年度の策定に向けてしっかりと取り組んでいただければというふうに思います。 最後に、災害廃棄物処理計画についてお伺いいたします。私も4年前の熊本地震で熊本市に、また2年前の西日本豪雨で倉敷市の真備町に、会派の同僚議員と一緒に災害ボランティアとして活動させていただきました。震災時と水害時の両方の廃棄物の処理の現状を経験させていただきました。今年度、災害廃棄物処理計画を策定、発災後には災害廃棄物処理実行計画を策定することになりますが、どのようなスケジュール、どのような内容になるのでしょうか、お伺いいたします。 ○伊東ごみゼロ推進課長 現在計画策定に当たっての基本的考え方をまとめているところでございまして、その後計画素案の策定及び意見交換会、そして、計画案の策定並びにパブリックコメント手続を経まして、年度内に計画を策定することとしてございます。計画に盛り込む内容についてでございますが、災害廃棄物処理の基本方針、そして対象とする廃棄物の種類、災害の種類や規模、そして発災前、これは平常時でございますが、それと初動期、おおむね1か月程度、応急対応期、これは発災後1か月から3か月、そして、災害復旧復興対策期といった各段階ごとの必要な事項を記載することを考えてございます。この実行計画につきましては、発災後、まず災害廃棄物の発生量を算出いたしまして、初動期であるおおむね1か月程度をめどに策定することとしてございます。 ○木村委員 今23区のほうでも様々処理計画の策定が進んでいるということですけれども、他区の計画を見ても、仮置場の落とし込みがされていない。また、災害時、水害時に分けた対応がされていない区もあります。仮置場、仕分け場所、また、その廃棄物処理の流れを明確にすべきではないでしょうか、お伺いいたします。 ○伊東ごみゼロ推進課長 どのような場所を仮置場の候補地にするかということを明記することは考えてございますが、具体的な候補地を記載するかどうかについては今後検討していきたいと考えてございます。廃棄物の処理につきましては、基本的な流れ、フロー図とかタイムスケジュール等を記載することを考えてございます。 ○木村委員 仮置場というのは、特に震災、水害も発災したときに、どこに指定するかというのを事前にもし決めていない場合、地域の理解が得られるかどうか、周辺の理解が得られるかどうかというのは非常に大きな問題になってきますので、できる限り事前にしっかりと決めていただければというふうに思っております。そういった場合の仮置場の周知とか理解とかが必要でございますので、計画が策定された場合、その概要版というのをしっかりと作って、地域の方の理解を進めていったほうがいいかと思いますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。 ○伊東ごみゼロ推進課長 災害廃棄物を迅速かつ適正に処理するためには、災害時におけます排出方法を区民等に事前に周知、啓発することが非常に重要となってくると考えてございます。そういったことから、計画の策定に合わせまして、概要版を策定したいというふうに考えてございます。 ○木村委員 仮に中野区内で場所を含めた廃棄物の処理能力が不足した場合、ほかの自治体とか東京都とどのように連携、また支援を要請いただくような流れになるのでしょうか、お伺いいたします。 ○伊東ごみゼロ推進課長 仮に仮置場が不足するような場合には、まずはその処理能力を上げるなどの工夫が必要であると考えてございます。ただ、場合によっては資源や人材などの広域的な支援を受けることが想定されるため、平常時から東京都などとの連携体制を築いていきたいと考えてございます。 ○木村委員 防災対策として大変重要な計画でございますので、しっかり取り組んでいただければと思います。 以上で、私の総括質疑を終了とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。 ○山本委員長 以上で木村広一委員の質疑を終了します。 次に、羽鳥だいすけ委員、質疑をどうぞ。 ○羽鳥委員 2020年第3回定例会決算特別委員会におきまして、日本共産党議員団の立場で総括質疑を行います。理事者の皆様には、後ろまでよく声が届くように大きな声で御答弁いただければというふうに思います。私も届くように頑張りたいと思います。 質問の順序を残り時間との関係で少し入れ替えまして、1番の(1)が終わっても5時になっていなかった場合、まず4番からやっていきたいと思います。理事者の方、いろいろと御準備されていることと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。 まず1番、2019年度決算について。 (1)保健所体制とPCR検査について伺います。 まず、この項の質問を行うに当たって、新型コロナウイルスの感染拡大の中で、感染を抑える取組の最前線にいらっしゃる保健所の方々に改めて敬意を表したいと思います。 全国保健所長会が、3月から4月にかけて行った新型コロナウイルス感染症、COVIT-19に関する緊急アンケートでは、休みが取れない、メンタルダウン、そもそも通常事業から定数削減、感染症専門家の育成がなく、自治体の業務負担や人員不足が深刻、診察拒否、入院拒否、保健所に責任を求める患者や医療機関に理解されていない、多くの問合せが自治体や医療機関に丸投げで、市民との板挟み、叱責、罵倒などでモチベーションが保てないなどと切実な実態が寄せられています。そうした中、中野区保健所内の課である保健企画課、保健予防課では、4から6月期の超過勤務が30時間以上に達しており、職員の健康状態について心配をしております。まず、保健所職員の超過勤務について、一番長く超過勤務があった職員はどのくらいの超過勤務時間となっているのでしょうか、お答えください。 ○只野保健予防課長 お答えいたします。最も超過勤務の多い職員の勤務時間は4月と6月に100時間を超えまして、5月と7月にも90時間を超えておりました。 ○羽鳥委員 今1人の方について触れていただいたのですが、ほかにも1か月100時間以上という激烈な勤務実態になっている方も何人もいらっしゃいます。また、この超過勤務の数字は、区役所の様々な部署から応援に来た上での数字だということは注目に値します。まず、保健所には全庁的に最大どの程度の人数が業務支援で応援に来ていたのでしょうか。 また、現在はどの程度の人数が応援に来ているのでしょうか、お答えください。 ○只野保健予防課長 他部署からの応援につきましては、最大、事務職が4名、保健師が14名、保健所の業務支援に入りました。現在は他部署から、事務職3名、保健師8名の業務支援を受けております。 ○羽鳥委員 どうやら一時期に比べては、保健所は落ち着いてきているようです。しかし、ここに来て、8月から漸減傾向に見えていた1人の新型コロナウイルスの感染者が何人に感染させるかを示す実効再生産数が東京で再び1を超え、まさに今が感染拡大に向かうのか、終息に向かうのかの岐路にあると言えると思います。先日、補正予算も可決されましたが、秋冬に向け、インフルエンザとコロナの同時流行による混乱が懸念をされています。感染が拡大してから体制を整えるのでは、対策が後手に回る可能性があります。今から秋冬に向け、感染拡大の規模に応じて、どの程度の応援体制を組む必要があるのかといった検討をしていく必要があると考えますが、区の認識を伺います。 ○中谷職員課長 これまで新型コロナウイルスの感染拡大に伴う業務量の増加に対応して、保健師や事務職の職員の応援体制を講じてきたところでございます。今後もこれまでの経験を踏まえて、新型コロナウイルスの感染拡大の状況などにより増減する業務量を見極め、必要な応援体制を取ることができるように調整をしてまいります。 ○羽鳥委員 保健所の体制が崩壊しないためにも、ぜひとも検討を進めていっていただきたいと思います。 また、この保健所の体制が非常時に即応できる体制を取れる組織になっているかも非常に重要です。まず、コロナウイルス対策ではどの部署が対応することになっているでしょうか。 ○中谷職員課長 組織上の事務分掌としては、感染症対策は保健予防課の中の保健予防係が所掌となってございます。 ○羽鳥委員 その保健予防課保健予防係の職員体制では、職種ごとに何人いるのでしょうか。 ○中谷職員課長 保健予防係の職員は、事務職が5名、栄養士が2名の7名となってございます。 なお、組織規則上の事務分掌では明記されておりませんが、実質的には、結核予防係と精神保健支援係が中心となって新型コロナウイルス感染症対応の業務に従事をしているところでございます。結核予防係の職員は、医師が1名、保健師が4名、診療放射線技師が2名、保健衛生監視が1名、事務職が1名の9名でありまして、精神保健支援係は保健師が2名、事務職が1名の3名でございます。 ○羽鳥委員 この2019年6月の事業概要を見てみますと、結核予防係のところでは、当然のことですが、結核に関することが所掌事務として載っており、感染症対策は載っていないんです。実際にはそこがやられているというふうにお答えいただいたんですけれども、もちろん職員の皆さんは、必要があれば違う部署であっても職務をされているということは、現実に今なされているわけですから理解をしております。しかし、感染症対策を担う保健予防係に保健師が一人もいないというのは問題ではないでしょうか。ほかの係から応援に来てもらうということになると、本来業務から外れて応援に来るということになり、適切ではないと考えます。職員が本来の事務分掌で仕事が行えるよう体制を適切に改めていく必要があるのではないでしょうか。 ○中谷職員課長 新型コロナウイルス感染症への対応に関する業務につきましては、今年度の組織や職員定数、また事務分掌などを検討する際には想定することができなかったことから、全庁的ないし課内の応援体制により対応してきたところでございます。現在、来年度の組織や定数の検討を行っているところでありますので、その中でそうした業務の所管や事務分掌、必要な職員体制などを整理していきたいというふうに考えてございます。 ○羽鳥委員 感染症対策の分野にきちんと保健師が配置をされるということで、ぜひとも改善をしていっていただきたいと思います。 中野区では、この保健所の決算額が少ないことも気にかかるところです。決算の目的別歳出の衛生費、これはさらに細かく分析をしていきますと、保健衛生費、結核対策費、保健所費、清掃費の4区分になります。決算特別委員会、総務分科会資料110、23区の区民1人当たりの保健所費の推移について新規でお出しいただきました。保健所に関わる直接の費用であるこの保健所費は、2017年度、2018年度、2019年度のこの3か年では、それぞれ幾らになっているでしょうか。 ○森財政課長 区民1人当たりの保健所費につきましては、2017年度、平成29年度が619円、2018年度、平成30年度が616円、昨年度が943円となってございます。 ○羽鳥委員 今言われた金額ですが、中野区の保健所費は23区の中でもかなり低位に位置します。この23区の1人当たり保健所費では、この3か年、今言われた額はそれぞれ何位に当たるのでしょうか。 ○森財政課長 まず、2017年度、平成29年度でございますが、23区順位、こちらは22位でございます。続いて2018年、平成30年度については23位、昨年度が20位でございます。 ○羽鳥委員 この低い保健所費が保健所の人員体制に影響を及ぼしているのではないでしょうか。保健所の専門的業務において大きな役割を果たしている医療系職員について、2000年度と2020年度、これを比べると、どのように変化をしているでしょうか。 ○中谷職員課長 2000年4月1日現在の保健所の職員は、生活衛生課が29名、予防一課29名、予防二課25名、南部保健相談所17名、鷺宮保健相談所15名の合計115名でございました。また一方、2020年、今年の4月1日現在の保健所の職員は、保健企画課14名、保健予防課20名、生活衛生課33名の合計67名でございます。 ただ、20年前の当時と現在を比べて、所掌事務の違いや施設配置等の違いもあるので、単純比較はできないのかなというふうに考えてございます。 ○羽鳥委員 保健所としては減っているけれども、20年の具体的な変化でいうと、すこやか福祉センターがつくられたことによって、医療系の職員だった方が、違う部署に移ってしまった。それによって保健所の体制が、見かけ上は減ってしまった。でも、総体としては変わっていないんだということをおっしゃりたいのだというふうに思うんですけれども、しかし、それでも総体を見ても減っているというのは否定しがたい事実であります。 2020年度にかけては、医療系の職員、すこやか福祉センターの保健師を加えても減っていまして、他区では、保健所とその支部としての保健福祉センターとして保健師が配置されていて、保健所長の部下として指揮命令が一本化されていて、今回のような非常時には対応がしやすかったのではないかと思います。この保健所費の少なさというのが、この保健所体制の薄さを表していると言えると思います。来年度に向けてこの保健所費を増やし、保健師を含む体制を増強する必要があると考えますが、いかがでしょうか。 ○中谷職員課長 新型コロナウイルス感染症が今年度中に終息するとは想定しがたいということから、その対応業務は来年度も少なくとも一定の期間は継続すると見込んでございます。可能な限り、応援体制を取らずとも対応できるように、保健所の職員体制を強化していきたいと考えてございます。 ○羽鳥委員 ぜひとも対応をしていっていただきたいと思います。世界では、今かなりの頻度で感染症の爆発的な流行が発生をしております。保健所体制を厚くし、そうした流行に備えるというのは、非常時の一時的な対応ということではなくなってきていると思います。ぜひ積極的な検討をお願いいたします。 新型コロナウイルスの感染拡大により、人々の暮らしは我慢を強いられています。そのことによって、経済も活動量も落ち込み、明日の生活にも困るという方々が多くいらっしゃいます。新型コロナウイルスに感染しても、多くの方が無症状、あるいは軽症で済むことから、コロナは風邪などと不当に軽視をする声も一部にはありますが、京都大学の山中伸弥教授は、ふだんは鳴りを潜めて多くの人に感染し、ところどころで牙をむく非常にこうかつなウイルスですと、重症化の仕方などインフルエンザとは異なる恐ろしさについて指摘をしています。元の日常を取り戻すためにも、何としてもコロナウイルスの感染拡大を抑える必要がある。そのためにはコロナウイルス感染者を明らかにするということ、感染者を隔離し、感染をそれ以上広げないということが重要だと考えます。そのことについて、区の認識をお答えください。 ○只野保健予防課長 新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるためには、一人ひとりが感染予防行動を取るとともに、症状が出現した場合は速やかにかかりつけ医を受診し、早期の診断につながることが必要であると考えてございます。診断等により陽性者が把握された場合は、個々の方の病状に即した適切な入院や宿泊療養とともに、感染可能期間においては、感染症予防法に基づく就業制限を行っていくことが、感染拡大防止のために必要と考えてございます。 ○羽鳥委員 その際、感染者を発見する鍵となるのがPCR検査です。この検査数をどのくらい増やすのかが感染拡大を抑える上で決定的に重要になってきます。現在、中野区PCR検査センターの検査能力はどの程度でしょうか。また、区内では、どのくらいの医療機関で区と連携してPCR検査を行い、全体でどの程度の検査能力があるのでしょうか。 ○只野保健予防課長 現在の中野区PCR検査センターは、最大週300件の検査が可能でございます。また、区の要請に応じてPCR検査を実施している区内医療機関は10か所でございます。東京都では、東京都健康安全研究センターにおける行政検査や各地区のPCR検査センターにおける検査、保険診療での医療機関における検査状況などを全て把握しておりますが、都から区へのデータ還元がないため、区全体のPCR検査能力、実施件数等は把握できない状況でございます。 ○羽鳥委員 区民がどれだけ受けられるのかというのが全体としては分からないというのは少し不安に感じるところです。定例会の行政報告におきまして、酒井区長がPCR検査を拡充したいという方向を示したことは極めて重要だと考えます。そこで言われている地域の身近な医療機関でPCR検査を実施するとは、区内で検査できる医療機関をどの程度にまで増やし、1日当たりの検査能力の目標をどの程度まで持っていくことを考えているのでしょうか。 ○只野保健予防課長 国や都は、帰国者・接触者外来に加え、身近な医療機関においてPCR検査や抗原検査を行う方針を打ち出しておりますが、区としても、できる限り検査ができる医療機関を増やしていきたいと考えているところでございます。東京都医師会は人口1万人につき1か所の医療機関が検査を実施する目標を掲げてございますが、区も当面同様の目標を持っております。 ○羽鳥委員 また、このPCRの検査対象をどのくらいの区民にまで広げるのかが重要です。現在は、国の定める基準に当てはまる濃厚接触者等、かかりつけ医の診断を受け、この医師が検査が必要と認めた人が検査を受けられることになっています。行政報告で示したこの拡充の方針の中で動いて、この基準というものは変えるのでしょうか。 ○只野保健予防課長 現在は感染症予防法及び国の通知に基づきまして、濃厚接触者に対する行政検査や医師の総合判断による保険診療のPCR検査を実施しているところでございます。行政検査につきましては、全国的に国の通知やガイドラインに基づいて基準が標準化されているところでございます。また、保険診療のPCR検査についても算定基準が示されておりまして、かかりつけ医が区内であっても隣接区であっても、地域による違い等はございません。したがって、区として独自基準を定めるという考えはございません。 ○羽鳥委員 国立感染症研究所病原体ゲノム解析研究センターが8月5日に公表した新型コロナウイルスのゲノム分析についての報告文書では、6月の経済再開を契機に、若者を中心にした軽症もしくは無症状患者がひそかにつないだ感染リンクが、ここに来て一気に顕在化したものと推察されると指摘をしています。また、日本医師会COVIT-19有識者会議タスクフォースPCR班責任者の宮地東海大医学部教授は、8月20日の「しんぶん赤旗」のインタビューにおきまして、症状発症前の無症状者から4割の感染が起きています、無症状感染者からの感染拡大を放置したままでは、いろいろやっても感染制御は成功しませんと述べています。基準を変えなければ、こうした無症状感染者を見逃してしまうのではないでしょうか。無症状の感染者が感染を広げる危険性について、区はどのように認識しているのでしょうか。 ○只野保健予防課長 濃厚接触者の中には、無症状であるけれども、PCR検査を実施すると陽性になる場合がございます。PCR検査は有用な検査でございますが、感度は70%でありまして、検査が陰性であっても、後に陽性化する事例も一定の割合で生じます。積極的疫学調査により把握された濃厚接触者に対しては、14日間症状の有無にかかわらず健康観察を行うとともに、本人の同意の上、できる限りPCR検査を受診するよう促しているところでございます。個別には御指摘のような事例が生じるかもしれませんが、現在の感染状況や医療提供体制を考慮すると、現在の全国共通の仕組みは公衆衛生学的に妥当であると考えております。 ○羽鳥委員 個別にそうした事例があると今おっしゃいましたけれども、4割のところが無症状から広がっている危険性があると言われている中で、個別とかそういう問題ではないんです。また、今PCR検査につきましても7割の感度だといって、よくPCR検査を抑制論のところから聞かれるわけですけれども、この7割は何なのかというと、最初に陰性だと判断をされた人が、最終的にコロナウイルスに感染をしている人の割合を比べたとき、最終的にこれが判断された人が10人だったときに、最初にPCR検査で陰性だった人が7人ということで、70%だ、だから、3人見逃すんだ、こういったことで、PCR検査はあたかも精度が低くて信頼性がないかのように言われる大きな原因となっております。 しかし、このPCR検査というのは、輸血とかの血液検査、ウイルスに感染していないかとか、そういうのにも使われている大変確度が高いものでありますし、そんなことは釈迦に説法で、こんなことは御存じだとは思うんですけれども、PCR検査があたかも役に立たないとは言っていないですけれども、精度が低いと言うのは、実態を表してないというふうなことは言っておきたいと思います。 区は今の検査方針が妥当だ、見逃さないとおっしゃりたいと思うんですけれども、中野区感染症発生動向調査情報集計結果によるPCR検査センターの状況というのがどうなっているのかというのを見てみますと、検査数は、8月5日発表の31週目報告の288人をピークに減ってきております。こうした動向をもって、感染のピークは過ぎたと先行きを楽観視する見方も一部にはありますが、先ほど述べたように、これは無症状の人は、濃厚接触者でない限り、検査を基本的には受ける基準に達しないということで見逃される可能性が大いにあるわけで、終息に直接つながるものではありません。 今、世界では、コロナウイルスの感染拡大を抑えつつ経済活動を再開していくためには、社会的検査が必要だということが様々な研究から指摘をされているところです。社会的検査とは、これまでのその人が感染しているかどうかを判断する診断目的の検査ではなく、その人が感染を広げ得る人かどうかを判断する防疫目的で行われる検査です。そのために無症状者まで含めた大規模な検査を行って、感染が明らかになった人は隔離をし新たな感染を徹底的に防ぐとともに、感染していない人は適切な対策を取りつつ活動を活発に再開をしていってもらう、こういった考え、そうした社会的検査、この無症状者からも感染が広がっているんだという状況からすれば、私はやるべきだというふうには思うんですけれども、これについて区はどのような認識をお持ちでしょうか。 ○葉山介護・高齢者支援課長 お答えします。PCR検査につきましては、症状のある方や濃厚接触者に対しては、早期の診断や防疫対応の面からは有効な検査として認識しております。ただ、無症状者も含めた大規模な検査につきましては実施の予定はございませんが、国や都の見解や動向につきまして、情報収集に努めたいと考えております。 ○羽鳥委員 たとえある人が無症状であっても、この唾液の中にウイルスがいれば、会話などでしぶきとなって感染を起こしてしまいます。唾液の中にウイルスがいるかどうかが決定的で、その判定にはこのPCRの検査が威力を発揮します。東京都が750の介護施設と100の障害者施設の職員と入所者15万人に、スクリーニング的にPCR検査を受けられるための予算を提案すると発表されました。この制度の概要についてお答えください。 ○葉山介護・高齢者支援課長 こちらの都の補助事業につきましては、補正予算案の段階であり、詳細につきましてはこれからというところになりますけれども、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院を対象施設としまして、スクリーニングを含めたPCR検査などの感染症対策を実施した場合の経費を都が独自に支援するというもので、補助の内容といたしましては、施設の定員数に応じた基準額を設けた上で、補助率は10分の10ということで聞いております。 ○羽鳥委員 つまり、この検査というものには、無症状者の方を対象にしたものが含まれているわけです。都内のコロナ感染における死亡事例には、院内感染や施設内感染が大変多くあります。こうした施設での感染拡大を抑えることの重要性について、区はどのように認識をしているでしょうか。 ○只野保健予防課長 東京都のモニタリング会議によりますと、新型コロナウイルスに感染した高年齢や糖尿病などの基礎疾患を抱えた方が重症化や死亡事例につながっております。院内感染や施設内感染を抑えるためには、院内や施設にできるだけウイルスを持ち込まない、感染を広げない対策が必要でございます。院内感染におきましては、個人防護服などの資源を活用しながら、医療機関の感染制御チームが中心となり、発熱などの症状に早期に気づき、患者や家族、職員を感染から守ることが必要でございます。施設内感染についても、医療との連携を確保しつつ、同様の対策が求められると認識しております。 ○羽鳥委員 そうですよね。一たび感染が発生をしてしまえば、そこがクラスターになって、多くの死亡事例が発生してしまうというのが大変懸念をされているところです。先ほどの東京都のこの制度、画期的な制度だと思いますが、この対象から漏れる施設があります。例えば認知症グループホームやデイサービスの施設など、高齢者が利用しつつも対象となっていない、こういった施設です。こうした施設で、無症状者も含め定期的に検査をする、こうしたことが必要になってくるのではないでしょうか、お答えください。 ○葉山介護・高齢者支援課長 お答えします。先ほどおっしゃっていただいた高齢者施設等での定期的なPCR検査につきましては、精度の管理や検査の間隔、陽性時の事業継続の問題や防疫業務との連携の在り方など多くの課題を有しているところから、慎重に見極めていく必要があると考えます。 ○羽鳥委員 この質問はほかの方もやっていて、同じ答弁が出ていて、すごく気になっているのが、陽性の場合の事業継続性、これは何を言っているんだろうと思うんです。別に非難をするのではなくて、純粋に疑問なんです。今のやりとりの中で、陽性の場合の事業継続性に課題があるんだと言われると、検査をしていくと、無症状の感染者が見つかるのが困るから検査できないと言っているように私には聞こえるんです。これはどういう意味なんでしょうか。詳しく言ってほしいんです。 ○葉山介護・高齢者支援課長 例えば介護サービス事業所等で、陽性の無症状の方が発生した場合、その方がその後どうやって必要なサービスを受けて生活をしていくかというところが非常に問題になるところでございますので、そこら辺も含めた総合的な判断の中で、検査の必要性については見極めていく必要があるというふうに考えております。 ○羽鳥委員 必要なサービスを受けてコロナに感染してしまったら、これはどうするんですか。報告では、無症状からの感染が結構多く広がると言っているんです。今の発言を聞いても、無症状の人からコロナの感染が広がるということに対して、ちゃんと考えてくれているのかと私はすごく不安になります。 我が党議員団は、今区民に対して区民アンケートを実施しております。返信数は現在400通を超えたところですが、このPCR検査の拡充についての考えを尋ねる質問では、希望する区民はいつでも受けられるようにする、72%、濃厚接触者だけでなく接触があった人まで行う、15%、今のままでよい、13%と、圧倒的多数の区民は検査を拡充してほしいと思っています。秋冬にも、インフルエンザと併せた感染拡大が懸念をされているところです。感染のピークが過ぎたというふうに言うなら、まさに今徹底的な検査を行い、無症状の感染者を見つけ出していく必要があると思います。これまでのPCR検査方針の転換を求めまして、この項の質問を終えたいと思います。 続きまして、順番を入れ替えて、5番の鷺宮西住宅の建て替えについてお尋ねをいたします。 鷺宮駅南側に広がるこのJKKの鷺宮西住宅は1961年に建設され、築60年を迎えようとしています。近代的な公共住宅として整備された同住宅でありますが、近年は老朽化による施設の不備や、エレベーターがないことと、住民の高齢化も合わさり、様々な課題が指摘されているところです。住民からは、早期の建て替えと建て替えに伴う負担の軽減が訴えられています。鷺宮西住宅の建て替えについては、区からは、この間、建築基準法や都市計画法等によって、当該住宅においては、そこに取り付く一定幅員の道路が必要であって、接道要件を満たしていないことが建て替えできない大きな要因となっておりますなどと答弁がされてきました。地元では、具体的には6メートルの道路がないと建て替えができないと理解をされており、鷺宮西住宅の建て替えはすぐには無理なのかという声が聞かれます。このことについて、区はどのような見解をお持ちでしょうか。 ○狩野野方以西担当課長 東京都住宅公社が行う鷺宮西住宅の建て替えにおきましては、開発許可を受けるためには、幅員6.5メートル以上の接続道路が必要となります。 ○羽鳥委員 今の御答弁ですと、やはり建て替えはできないということなのでしょうか。 ○狩野野方以西担当課長 開発許可を受けるには、幅員6.5メートル以上の道路が整備されている必要がございますが、現在そのような道路がないため、建て替えは難しい状況であります。したがいまして、ほかに建て替えができるような方法がないかを検討していきたいと考えてございます。 ○羽鳥委員 開発許可であれば、必要な道路ができないということで建て替えができない。しかし、今、そうではない方法がないかと検討されているということで、検討の進捗を期待したいと思います。 また、建て替えについては、西武新宿線連続立体交差事業の進展と併せた鷺宮駅周辺まちづくりと一体で進めることが意識されていたと認識しています。鷺宮西住宅の建て替えとなれば、鷺宮のまちの姿にも大きく関わることですから、まちづくりとの整合を意識されるのは避けられないと思います。同時に、このことによって、鷺宮西住宅の建て替えは立体交差事業の後、早くても同時、このように理解をされており、自分の生きているうちに建て替えはされないと、こういった落胆の声も聞かれます。しかし、施設や住民の状況を見ても、建て替えは喫緊の課題と考えます。鷺宮西住宅の建て替えについて、立体交差事業と切り離して考えることはできないでしょうか。区の見解をお答えください。 ○狩野野方以西担当課長 本年4月に策定いたしました鷺宮駅周辺のまちづくり整備方針におきまして、広域避難場所である公社鷺宮西住宅一帯の防災力の機能強化の検討を進めているところであり、鷺宮西住宅の建て替えは、区が行うまちづくりの中で進めていくことが望ましいと考えておりますが、必ずしも連続立体交差事業と一緒に進めていく必要はないと認識してございます。 ○羽鳥委員 一定そういう整合は取りつつも、切り離して考えるということができるのであれば、建て替えについても少し光が見えてきた思いがいたします。時期や、どういった方策なら建て替えが可能かということなどについて、区とJKKで協議をしていく必要があると考えますが、区の見解をお答えください。 ○狩野野方以西担当課長 建て替えの時期や方法につきましては、東京都住宅供給公社の計画とも整合性を図るなど、引き続き検討を進めていきたいと考えてございます。 ○羽鳥委員 ぜひとも取組を進めていただければと思います。 以上で、この項の質問を終わります。 続きまして、1番の(2)区財政運営について伺います。 区長は行政報告で、財政的な非常事態にあると述べました。過去最大のGDPの落ち込み、税や国保の減免申請、融資の激増などを見れば、来年度の区の一般財源が大きく減るということは予想されることです。その上で来年度予算編成に当たり、緊張感を持って臨むことは重要と考えます。同時に、コロナ禍で区民の生活困難が増している今、住民の福祉を増進する役割を持っている中野区は、必要な施策を打ち出していかなければなりません。そのためには区の財政状況については冷静に見ていかなければいけません。まず、2019年度、令和元年度決算についてですが、歳入歳出決算額、経常収支比率、実質収支額についてお答えください。 ○森財政課長 2019年度、令和元年度決算でございますが、普通会計ベースで、歳入総額は1,498億130万円、歳出総額は1,415億534万1,000円、経常収支比率は80.3%、実質収支額は22億7,935万5,000円でございます。 ○羽鳥委員 その結果、この2019年度決算における財政調整基金と基金残高の合計は幾らになったでしょうか。 ○森財政課長 令和元年度末、昨年度末基金残高、普通会計ベースでございますが、財政調整基金については279億4,882万6,000円、全体では613億2,450万7,000円でございます。 ○羽鳥委員 基金残高合計は2年連続の減少となったものの、コロナウイルスによる影響はまだ見えず、全体として財政はかなりの健全性を保っていると言えます。そのような状況にあるわけですが、区長は財政的な非常事態であると述べられました。多くの同僚議員が質問されたところではありますが、私もこの根拠について質問をしたいと思いますので、ぜひお答えください。 ○山本委員長 委員会を休憩します。 午後4時34分休憩
午後4時34分開議 ○山本委員長 委員会を再開します。 ○森財政課長 区長が述べた財政的な非常事態と言わざるを得ないと行政報告で述べたその考え方に至ったものでございますが、リーマンショック後の予算編成におきましては、一般財源が平成21年度予算編成において前年度比約30億円の減、平成22年度予算編成において前年度比約54億円となったところでございます。現時点において、令和3年度の一般財源については、今年度当初予算と比較しまして約92億円の減少を見込んでおりまして、リーマンショック以上の影響があると見込んでいるところでございます。 事業の見直しを行わないまま予算編成を行い、歳出超過分を財政調整基金の繰入れで対応するといった基金の取崩しを前提とした財源対策には限界があると考えております。新型コロナウイルス感染症対策経費や高齢化の進展に伴う扶助費や繰出金の増、新庁舎、学校施設整備などの投資的経費など、歳出の増加が想定される中、限られた財源を必要な事業に選択と集中を図る必要があり、危機的意識を持って令和3年度予算編成に臨む必要があると考え、このような財政的な非常事態という認識となったものでございます。 ○羽鳥委員 今は大丈夫だけれども、今後大変になるかもしれないから、財政非常事態だと宣言をされているわけです。非常事態だと言うには、根拠は薄弱だと言わなければなりません。この間、一部で、酒井区長が就任されてから財政規律が緩んだとか、放漫だとか、たがが外れたなどと非難する声が聞かれます。果たしてそれは実態に即しているでしょうか。そのような声は、酒井区長になってから、基準となる一般財源規模を増額したことを一つの根拠としているようです。この基準となる一般財源規模とはどのようなものでしょうか、お答えください。 ○森財政課長 過去の歳入の推移や今後の歳入の見込みを踏まえまして、基準となる一般財源規模は定めてきたところでございます。これを歳出の基準として、将来の安定的な財政運営を見据えて予算編成を進めるために設定をしておるものでございます。 ○羽鳥委員 こういった考えから、区は見込まれる歳入に見合うよう歳出の枠を決めてきたわけですが、それでは、この枠を超える歳出というのはどういった扱いになるのでしょうか。 ○森財政課長 一般財源規模については、予算編成に当たっての歳出の基準ということで設定をしているものでございまして、区民サービスを実施し、区政運営をしていく上で、真に必要な経費があり、それが基準額を超過した場合については、財政調整基金から繰入れをしてきたというところでございます。超過した額がそのまま例えば臨時的な経費だとかいうようなことで整理をしているところではございます。 ○羽鳥委員 我が会派は、これまでも、その額は本当に臨時的な支出に当たるのか、そもそも必要な区民サービスなのではないかと指摘をしてきました。それは基準となる一般財源規模を750億円に引き上げた今年度、令和2年度の予算まで、経常経費充当のこの事業費が実際には毎年度この枠を上回っていたからです。2019年度までの過去5年度にわたる超過額、これをお示しください。 ○森財政課長 基準となる一般財源規模を上回った超過額につきましては、平成28年度が23億円、平成29年度が21億円、平成30年度が51億円、令和元年度が49億円、今年度については超過額はございません。 ○羽鳥委員 こうした基準となる一般財源規模と経常経費充当事業費のこの乖離について、区はどう課題として認識をしていたのでしょうか。 ○森財政課長 基準として設定したということでございますので、基準内に収めるということを目標として予算を編成してきたところでありまして、規律としては適正な財政運営に一定の役割を果たしてきたところであると認識をしているところでございます。一方で、結果として一般財源充当事業費が超過するといったようなことが続いてきたところでございますので、基準内に収めるといった金額の設定といった部分については、若干の困難性があったかなというふうには考えております。 ○羽鳥委員 つまり、今年度の予算編成に当たって、基準となる一般財源規模を引き上げたのは、財政規模を膨らませたという性質のものではなく、これまでの乖離を改める、実態に合わせたという認識でよろしいでしょうか。 ○森財政課長 最近5年間については、基準となる一般財源規模を上回る歳入があり、それに相応して歳出も伸びている。予算編成時には基準を上回った歳入を基金に積み立て、基準を超えた歳出分を基金から繰り入れるという状況でございました。このため実態を踏まえた基準となる一般財源規模の設定が必要であると判断をして変更したところでございます。 ○羽鳥委員 つまり、酒井区長が財政規律を緩めたというものではなく、必要なものをきちんと経常的な経費として認めるようになったということが言えると思います。また、財政運営がメタボだという声がありました。メタボと、別にそう表現されるのはいいんですけれども、メタボというのは、いきなりメタボになるわけではありません。その前に暴食だとか、生活習慣の乱れだとか、そういったものがあるからメタボになるわけです。前年度に比べて財政が膨れ上がったというこの指標を見るものに、単年度収支と実質単年度収支があります。2018年度、2019年度の額をお答えください。 ○森財政課長 まず、単年度収支でございます。平成30年度につきましては1億4,255万円、令和元年、昨年度の決算についてはマイナスの3億3,656万7,000円でございます。実質単年度収支でございますが、平成30年度決算においてはマイナス26億8,277万3,000円、令和元年度決算におきましてはマイナス24億9,580万8,000円でございます。 ○羽鳥委員 これだけ見ると、その繰入れなどをして、酒井区長になってから財政規模が膨らんだと、こういうふうに言うことも可能かもしれません。また、実質単年度収支が赤字のこの2年間で投資的経費は約100億円伸びています。この伸びは何によって引き起こされているのでしょうか。 ○森財政課長 小・中学校の施設整備費ですとか、中野区立総合体育館整備、また、平和の森公園再整備などにより増加しているところでございます。 ○羽鳥委員 同じくこの間伸び続けている債務負担行為額はどうでしょうか。2019年度末時点における債務負担行為額とその主な中身はどのようなものでしょうか。 ○森財政課長 2019年度末、昨年度末においては約616億円ということでございますが、金額が大きいものとしましては、新庁舎の実施設計・施工一体整備、中野駅西側南北通路・橋上駅舎本体工事、中野東中学校校舎等建設工事などがございます。 ○羽鳥委員 ほかにも学校再編経費はいろいろと含まれているから出てこなかったと思うんですけれども、あとは投資的経費の伸びを見ても、区立総合体育館ではすごく大きい費用だったのではないかと思います。今挙げてもらいましたものを見ても、田中前区長の時代に道筋がつけられたものというわけです。我が会派は、平和の森公園再整備や学校再編に伴う経費など、個々の経費について批判すべきものは批判をしてきました。また、新区役所整備については、現下の情勢を考えれば延期をすべきではないかとも主張しております。しかし、それとは別としても、これは酒井区長のせいでは全くないわけです。もし、これまで様々な施策を賛成して進めながら、今酒井区長の財政運営を批判するなら、何よりもまずこれまでの反省と一体に語るべきであって、専ら酒井区長だけを批判するのは、天に唾するものであって、全くの的外れであると指摘をしておきます。 さて、その上で、来年度以降の予算編成の在り方についてお尋ねしますが、財政的な非常事態というのは財政を膨らませたからというわけではなく、コロナウイルス感染症の感染拡大による急速な経済縮小、それに伴う財源的な見込みの厳しさであるという認識でしょうか、お答えください。 ○森財政課長 新型コロナウイルス感染症による経済状況悪化の影響によりまして、現時点における令和3年度の一般財源は、今年度当初予算比で92億円減少を見込んでいるということでございます。これまで区が経験したことのない一般財源の減収が、財政非常事態ということで一つ認識するに至った原因でございます。 ○羽鳥委員 そうした認識である下で、来年度予算編成に当たって、各部に予算要求の削減を求めていると聞きます。その中身をお答えください。 ○森財政課長 経常経費の20%削減ということで、各部に目標ということは立てているところでございます。 ○羽鳥委員 ほかの方の質疑の中でも触れられていたんですけれども、かなりの削減率であります。その根拠は何でしょうか。 ○森財政課長 歳入見通しから、基準となる一般財源規模、財産費を除く一般財源の歳入見通しから687億円という基準を設定いたしました。その中に収めていくということでございまして、現段階の調査で想定される各部での歳出の見込み、そういったところ全体から、人件費などの義務的経費ですとか新規拡充経費、政策的経費を除いた額、いわゆる経常経費、そこが各部が要求できる限度額となるということでございます。この経常経費を20%削減ということにするということは、687億円を目指していくということで設定をしたということでございます。 ○羽鳥委員 これは財政調整基金の繰入れについてはどのような考えになるのでしょうか。 ○森財政課長 財政調整基金については、まずは繰入れを前提とせず取組を進めていくということでございます。 ○羽鳥委員 財政調整基金で対応しないということになると、この目標に収めて予算を組んだ場合、2021年度、令和3年度末の財政調整基金は減らないといった予算編成になるのではありませんか。 ○森財政課長 まずは経常経費を20%削減したということ、もう一つ、新規拡充の事業費、政策的経費を30億円程度、約31億円ですけれども、その辺りに抑えられれば、687億円という基準と、あと一般財源規模に収まりますので、財政調整基金を取り崩すことはないということになります。 ○羽鳥委員 区民の生活がこんなに大変なときに、区の基金は減らさないと、こういったことにつながる方針を出すというのは、区民の生活について一体どう思っているのかと疑わざるを得ません。20%削減によって何が起こるのでしょうか。例えば健康福祉費はどうでしょうか。2019年度のこの健康福祉費の決算額についてお答えください。 ○森財政課長 326億996万7,991円となってございます。 ○羽鳥委員 この健康福祉費の中で、義務的経費に当たる人件費や生活保護費、自立支援給付費、こういった扶助費を足し上げるだけで240億円、こういった額になって、これだけで部の決算の70%以上に達してしまいます。また、ここに区の業務の多くを担っている委託費などを加えていけばどうなるでしょうか。来年度、健康福祉部は実施している事業のほとんどを廃止しなければならない、こんなことにつながるのではないでしょうか。また、逆に事業費を削らないために、義務的経費を20%も削減する、そんなことは可能でしょうか。本当に20%削減を実現できるとお考えですか、見解をお尋ねします。 ○森財政課長 一般財源につきましては、先ほど来申し上げているとおり、約92億円の減収だと。令和2年度と同水準になるまでには複数年を要すると想定しているところでございます。このため財政調整基金について取崩しを前提とするのではなく、まずは歳出の抑制に努めた上で、真に必要な区民サービスを実施するために基金活用を図ることが必要であると考えているところでございます。まずは社会状況の変化を捉え、これまで漫然と進めてきた事業についても見直しを行い、決算状況も踏まえた上で、各部の工夫を促し、歳出削減を進める必要があると考えているところでございます。 ○羽鳥委員 この方針が貫徹をされるなら、本当に区民のための新しい施策を実施したいというふうに言う職員の気持ちも萎えさせてしまうのではないでしょうか。今、金がかかるからと、区民のためを思って提案した様々な施策がお蔵入りをしてしまっているとも聞いています。財政調整基金をほとんど使ったこの東京都でさえ、来年度予算編成に当たっての予算要求の削減率目標は事務費で10%です。この20%削減、この方針は見直すべきではないでしょうか。 ○森財政課長 経常経費につきまして、削減を原則として全ての事業について事業の効果及びその原因の分析を行った上で、効果が上がっていないものについては事業の廃止、統合、縮小、休止、執行方法の変更など見直しの検討を進めていくということで予算編成を進めているところでございます。20%削減についても、これを目標に予算編成を進めていきたいと考えております。 ○羽鳥委員 20%削減の方針は、苦境に置かれている区民に対して、さらにその困難を助長するものだと言わなければなりません。また、この方針は大きな矛盾なんです。一方では、財政調整基金が尽きる見込みだからとして、財政的な非常事態にあると宣言をし、他方では、20%削減を実現すれば財政調整基金は減らない。つまり、財政的な非常事態ではないわけです。どっちか一方にしてください、どっちもやるというのはおかしいのではないんですか。 今、様々な自治体が持続化給付金などの対象外になった事業者への独自の給付や給付型奨学金の実施など、施策を展開しています。こういうときにこそ、これまでためてきた財政調整基金を使い、区民の困難に寄り添うべきです。また、今後の社会の在り方を見据え、巨額を使うことにつながる再開発などは適切に見直すことなども行うべきです。「そうだ」の声が今ないんですけれども、以上を述べまして、この項目の質問を終わります。 続きまして、2番、区民に寄り添う対応と職員体制についてお尋ねします。 新型コロナウイルスの感染拡大は、今まさに区民の生活を直撃しています。先ほど紹介した区民アンケートにも、この1年であなたの暮らし向きはどうなりましたかという質問に、46%の区民が、悪くなったと回答し、仕事がない、今後の見通しが立たないことが不安など、生活の苦難を訴える声が数多く寄せられています。今こそこれまで以上に区民に寄り添った対応を行うことが求められているのではないでしょうか。 まず、国民健康保険からお尋ねします。例年、国民健康保険料の当初賦課決定通知の発送直後には、被保険者から多くの問合せがあると聞いています。今年度はコロナウイルスの影響もあり、数とともに、中身が心配です。区に寄せられている相談件数は、昨年度と今年度の同時期を比べてどう変化しているでしょうか。また、問合せの主な内容は何でしょうか、お答えください。 ○伊藤保険医療課長 国民健康保険料の当初賦課決定通知の発送に係る問合せ件数でございますけれども、発送の翌日、令和元年度につきましては、6月19日から7月1日の間につきまして2,357件、令和2年度につきましては、6月18日から7月1日の間につきまして3,033件でございます。主な内容といたしましては、保険料の金額についてでございます。加えて、令和2年度につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した世帯等の国民健康保険の減免について、減免の制度の概要であるとか、減免基準の詳細についての問合せがございました。新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した世帯等の国民健康保険料の減免に関する問合せ件数につきましては407件でございました。 ○羽鳥委員 今答弁で御紹介があったように、今年度、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した世帯等の国民健康保険制度の減免制度が始まりました。まずは、この制度について簡単に御紹介ください。 ○伊藤保険医療課長 まず、コロナ減免制度の対象となる国民健康保険料は、令和元年度分につきましては、第9期、納期限が令和2年3月2日以降のものでございます。令和2年度分につきましては、第10期、納期限が令和3年3月31日までのものでございます。 コロナ減免制度の対象となる世帯につきましては2種類ございまして、まず、新型コロナウイルス感染症により主たる生計維持者が死亡し、または重篤な傷病を負った世帯、この場合につきましては、対象保険料を全額免除するものでございます。 次に、新型コロナウイルス感染症の影響により主たる生計維持者の収入減少が見込まれる世帯、この場合につきましては、対象保険料の一部を減額するといったようなものでございます。 ○羽鳥委員 これまでの国民健康保険のこの減免というのは、所得がなくても、均等割保険料の7割減額にとどまるとともに、免除に至っては、事業の廃止や災害、病気など、特別な事情により著しく生活が困難になり、生活保護基準とほぼ同水準にまで下がらないと利用できないというような制度で、この受け皿が大変小さかったと思います。そうした点で、このコロナの減免の制度は画期的な制度です。この制度を国民健康保険料の支払いに苦しむ制度の対象となる区民に一人でも多く利用されることが重要です。新たな制度ですから、多くの区民はその中身を知りません。そのため、どれだけ多くの区民に周知を行うのかが重要になります。区は、このコロナ減免について、どのような周知を行ったのでしょうか、お尋ねします。 ○伊藤保険医療課長 なかの区報、令和2年6月20日号及び同年の7月5日号に案内文を掲載してございます。中野区ホームページに、令和2年6月17日から専用案内ページの掲載を開始してございます。併せてなかの国保だよりに案内文を掲載し、令和2年6月17日付発送の国民健康保険料の当初賦課決定通知に同封をいたしました。 ○羽鳥委員 6月に国民健康保険料の当初の通知がやってきて驚きました。私の元に区から来たものを持っていますけれども、これは何が入っているかというと、保険料の賦課決定の通知、そして、国保のガイド、そして、国保だより、あと、いつ振替をしますかと、これが入っています。この国保だよりも、新型コロナウイルスによる影響についてという欄は後ろにあるんですけれども、その中身は、住民税の申告期限が延長されたので保険料判定に影響が出るかもしれないということ、窓口に来なくてもできる手続があるということ、納付が困難な方は相談してくださいという極めて一般的な相談案内、これだけです。コロナ減免については一切の記述がありません。国保だよりに記載は検討しなかったのでしょうか、お答えください。 ○伊藤保険医療課長 委員がおっしゃるとおり、国保だよりにつきまして掲載してございますけれども、1点目が紙面スペース、これにつきましては、紙面構成につきましては、既に約2か月程度前に構成をしてございます。そちらにつきまして工夫をいたしまして、コロナ減免についての記事を記載したものでございます。 もう一点につきましては、国の制度が詳細が示されていなかったといったようなところもございまして、そちらについても時期的に間に合わなかったといったようなものでございます。 ○山本委員長 羽鳥委員の質疑の途中ですが、5時になりましたので、今後の運営について協議するため、理事会を開会します。 委員会を休憩します。 午後5時00分休憩
午後5時04分開議 ○山本委員長 それでは、委員会を再開いたします。 理事会の報告をします。 午後5時を過ぎましたが、羽鳥委員の質疑時間は、きりの良いところまであと10分ほどとのことなので、そこまでの質疑を続行することを確認しました。 以上が理事会の報告ですが、質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○山本委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○山本委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。 それでは、休憩前に引き続き総括質疑を行います。 羽鳥委員、質疑をどうぞ。 ○羽鳥委員 委員の皆様、御協力大変ありがとうございます。 この国保について引き続き聞いていきます。この制度の中身が今定まっていないということでおっしゃったと思うんですけれども、4月7日には、新型コロナウイルス緊急経済対策の中で、感染症の影響により一定程度収入が下がった方々等に対して、国民健康保険、国民年金等の保険料の免除等を行うと閣議決定がされ、翌4月8日には、事務連絡によって国が全面的な財政支援を約束しました。その際には、確かにまだ制度概要は分かりませんでした。しかし、5月1日には新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した被保険者等に係る国民健康保険料(税)の減免に対する財政支援の基準についてという通知が出されています。国保だよりも中身を検討するには十分な時間があったのではないでしょうか。また、仮に国保だよりに載せられなかったとしても、1枚紙でも制度をお知らせするチラシは同封できなかったのでしょうか。そのような検討は保険医療課の中でなかったのでしょうか。 ○伊藤保険医療課長 繰り返しになりますけれども、コロナの減免制度につきましては、委員のほうからしていただけると簡単な形になるかもしれませんけれども、記載はしてございまして、案内文を掲載し、当初決定通知で出したというところでございます。仮に案内文を同封するといった場合につきましては、国民健康保険料の賦課決定通知書の作成封入封緘等につきましては外部委託をしているといったようなところでございます。また、本件の委託契約につきましては、3か年の債務負担行為といったようなところがございまして、変更契約をすることは困難でございました。 ○羽鳥委員 ただいま文京区では、国保だよりに載せるだけでなく、8月に入って、コロナ減免の申請書、申請書のひな形、フローチャートに返信用封筒までつけて、前年度所得がゼロや1,000万円以上など、明らかに対象外になる人以外の加入者全員に送付しています。区民への周知という点では、これ以上の方法はないのではないでしょうか。今からでも国保加入者に対し申請書などを送付すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○伊藤保険医療課長 中野区では、なかの区報、中野区ホームページ及びなかの国保だより等によりまして、コロナ減免制度については周知を行ってございます。申請用紙がホームページから印刷できるようになってございます。申請用紙等の個別送付につきましては、実際には対象にならない世帯も多く含まれることが見込まれるといったようなことから、かえって混乱を招くことが懸念をされるために行ってございません。 なお、9月9日現在、コロナ減免の申請受付につきましては1,019件でございまして、一定程度の問合せ件数及び申請件数を受け付けており、必要な周知はできていると考えてございます。また、なかの区報の令和2年10月5日号に再度案内文の掲載は予定してございます。 ○羽鳥委員 文京区以外でも、他区はどんな状況にあるのかを聞いてみました。すると、多くの区が国保だよりに載せるか、お知らせを同封しています。紙面検討の時期との関係で載せられなかった、あとは債務負担行為の関係で、1枚紙すら入れることができないというのは、ちょっと本当なのかなというふうな思いもいたしますが、そのようにお答えになりました。しかし、それは対応として本当によかったのかなというふうに思います。 例えば目黒区では、制度概要の発表後、区に問い合わせてきた区民の方々、5月に制度概要が発表されてから、250人の方から問合せがあったそうです。そして、その250人の方々のリストを作って、職員が申請書と書き方、フローチャートに返信用封筒をつけて、当初賦課決定通知の発送より前の5月29日に発送しています。また、申請書の送付は、台東区や江東区でも行っています。加入世帯数が6万9,300世帯と中野区とほぼ同じ江東区では、現時点で3,000件の申込みが来ているそうです。これが区民に寄り添う対応というものではないでしょうか。 また、これから中野区に転入し、新たに国保に加入する区民がこの制度を知らない、このことは十分に考えられます。国民健康保険証を渡す際に、コロナ減免のお知らせなどを一緒に渡すべきではないでしょうか。 ○伊藤保険医療課長 中野区への転入時も含め、国民健康保険の加入手続を窓口で行ったときにつきましては、手続の窓口で、小冊子「みんなの国保ガイド」を渡してございます。また、国民健康保険の加入手続を郵送の方法で行ったときにつきましては、国民健康保険証を郵送する際に小冊子「みんなの国保ガイド」を同封してございます。この小冊子にコロナ減免制度について案内文を挟む方法などにより、転入者等の新加入者については周知を図ってまいりたいと考えてございます。 ○羽鳥委員 ぜひとも対応していただきたい、このように思います。 ただ、現段階で滞納がある世帯は、今年度の保険料も滞納してしまうおそれがあります。コロナ減免が適用となれば、滞納額の増加に歯止めをかけることにもつながるのではないでしょうか。督促状や催告書を送る際、または既に送った世帯に対して、コロナ減免のお知らせを送ることも必要ではないでしょうか。 ○伊藤保険医療課長 繰り返しになりますが、督促状、催告書の送付につきましては、複数年度の債務負担行為に基づきまして、委託や手続を行った上で業務を実施してございます。よって、委託契約の仕様変更については大変困難でございます。督促状や催告書の送付済み世帯へのコロナ減免制度につきましては、督促状や催告書の送付対象者に限らず、区報やホームページ等でコロナ減免制度について周知を実施しているところでございます。 ○羽鳥委員 区民の多くはこの制度を知りません。制度を知って申請しないことと、制度を知らずに申請できないことには天と地ほどの差があります。この減免に伴う中野区の財政負担はないわけです。徹底的な周知が区民を救います。ぜひ周知にも力を入れていただきたいと思います。 画期的なこのコロナ減免の制度ですが、大きな穴があります。それは、減少した収入として認定されるものの中に雑所得が入っていないことです。これにより個人事業主やフリーランスの少なくない人たちが制度から漏れてしまっています。私は、7月、浦野委員と練馬区の共産党の区議と共に、この問題で厚生労働省に制度の対象とするよう申入れを行ってきました。厚生労働省の担当者はこのことを問題として認識をしておりまして、実施については否定はしませんでした。地方自治体が国に対して声を上げていくことが必要です。特別区長会や市長会など他の自治体とも共同して、雑所得をこの制度の対象とするよう国に求めるべきではないでしょうか、お答えください。 ○伊藤保険医療課長 こちらにつきましては、東京都を通じて、厚生労働省から示された見解につきましては、コロナ減免制度では雑収入の減少を対象とする予定はないといったようなことが出てございます。厚生労働省から現時点におきましては明確な見解が示されているといったようなこともございまして、当区から国への要望ということは現時点では考えてございません。 ○山本委員長 羽鳥委員の質疑の途中ですが、以上で本日の総括質疑を終了します。 次回の委員会は、9月17日(木曜日)午前10時から当委員会室で開会することを口頭をもって通告します。 以上で本日の決算特別委員会を散会します。 午後5時14分散会 |