1.令和2年(2020年)9月17日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(41名)
1番 市 川 しんたろう 2番 竹 村 あきひろ
3番 日 野 たかし 4番 渡 辺 たけし
6番 河 合 り な 7番 斉 藤 ゆ り
8番 立 石 り お 9番 羽 鳥 だいすけ
10番 高 橋 かずちか 11番 加 藤 たくま
12番 吉 田 康一郎 13番 木 村 広 一
14番 甲 田 ゆり子 15番 内 野 大三郎
16番 杉 山 司 17番 ひやま 隆
18番 小宮山 たかし 19番 い さ 哲 郎
20番 小 杉 一 男 21番 若 林 しげお
22番 内 川 和 久 23番 いでい 良 輔
24番 小 林 ぜんいち 25番 白 井 ひでふみ
26番 いながき じゅん子 27番 山 本 たかし
28番 中 村 延 子 29番 石 坂 わたる
30番 近 藤 さえ子 31番 浦 野 さとみ
32番 大 内 しんご 33番 伊 藤 正 信
34番 高 橋 ちあき 35番 平 山 英 明
36番 南 かつひこ 37番 久 保 り か
38番 森 たかゆき 39番 酒 井 たくや
40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦
42番 来 住 和 行
1.欠席議員(1名)
5番 間 ひとみ
1.出席説明員
中野区長 酒井 直人
副区長 白土 純
副区長 横山 克人
教育長 入野 貴美子
企画部長 高橋 昭彦
企画課長(企画部参事事務取扱) 石井 大輔
情報システム課長(企画部参事事務取扱) 平田 祐子
基本構想担当課長永見 英光
財政課長 森 克久
広聴・広報課長 高村 和哉
業務改善課長、ユニバーサルデザイン推進担当課長 藤永 益次
総務部長 海老沢 憲一
危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝瀬 裕之
総務課長、特別定額給付金担当課長 浅川 靖
職員課長、人材育成担当課長 中谷 博
経理課長 吉沢 健一
危機管理課長、新区役所整備課長 中村 洋
区民部長 青山 敬一郎
文化国際交流担当課長 矢澤 岳
戸籍住民課長 伊藤 正秀
税務課長 矢島 久美子
保険医療課長 伊藤 廣昭
産業観光課長 堀越 恵美子
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 戸辺 眞
子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小田 史子
子ども・教育政策課長、学校再編・地域連携担当課長 永田 純一
子ども政策担当課長 青木 大
保育園・幼稚園課長、保育施設利用調整担当課長 渡邊 健治
幼児施設整備課長藤嶋 正彦
指導室長 宮崎 宏明
学校教育課長 板垣 淑子
子ども教育施設課長 塚本 剛史
子育て支援課長、子ども家庭支援センター所長 古川 康司
児童相談所設置調整担当課長 半田 浩之
地域支えあい推進部長 鳥井 文哉
地域包括ケア推進担当部長 藤井 多希子
介護・高齢者支援課長、高齢者支援担当課長 葉山 義彦
北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 滝浪 亜未
鷺宮すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 大場 大輔
保健所長、地域医療連携担当課長事務取扱 向山 晴子
福祉推進課長 石崎 公一
スポーツ振興課長古本 正士
生活援護課長、生活保護担当課長 中村 誠
保健企画課長 鈴木 宣広
保健予防課長 只野 孝子
環境部長 朝井 めぐみ
環境課長 波多江 貴代美
都市基盤部長 奈良 浩二
道路課長 井上 雄城
交通政策課長 村田 賢佑
住宅課長 池内 明日香
まちづくり推進部長 角 秀行
中野駅周辺まちづくり担当部長 豊川 士朗
まちづくり事業課長 川野 英明
街路用地担当課長長沼 彰
新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 荒井 弘巳
防災まちづくり担当課長 森 眞一郎
中野駅新北口駅前エリア担当課長 小幡 一隆
中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 石原 千鶴
会計室長 吉村 恒治
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 長﨑 武史
事務局次長 小堺 充
議事調査担当係長 鳥居 誠
書 記 立川 衛
書 記 若見 元彦
書 記 野村 理志
書 記 鎌形 聡美
書 記 松丸 晃大
書 記 細井 翔太
書 記 有明 健人
書 記 五十嵐 一生
書 記 髙橋 万里
書 記 本多 正篤
午前10時00分開議
○山本委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。
認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。
昨日、9月16日の理事会の報告を行います。
初めに、本日の委員会運営について、総括質疑は1番目に羽鳥だいすけ委員、2番目に渡辺たけし委員、3番目に高橋ちあき委員、4番目に中村延子委員、5番目に日野たかし委員、6番目に小杉一男委員の順に6名の質疑を行うことを確認しました。
次に、要求資料の配付について、お手元の資料要求一覧(追加分)のとおり、新たに1件の資料要求について整理をしました。資料につきましては後ほどアップロードされますので、御覧ください。
以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議ありませんので、そのように運営します。
ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は、答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。
それでは質疑に入ります。羽鳥だいすけ委員、質疑をどうぞ。
○羽鳥委員 おはようございます。昨日に引き続き、総括質疑を行います。
2番の区民に寄り添う対応と職員体制について、コロナに係る国民健康保険の傷病手当金について、まずお尋ねをいたします。
国民健康保険被保険者の給与所得者に対し、コロナにかかって休業を余儀なくされた場合、傷病手当金を支給するという制度が始まりました。同じく保険料を支払っている健康保険については、国民健康保険とは違って、傷病手当金が支給されるということで差があったわけです。格差解消の一歩として重要だと考えます。まず傷病手当金について、区が当初見込んでいた人数と実際に支給した人数をお答えください。
○伊藤保険医療課長 区が当初見込んでいた傷病手当金の人数につきましては、320人でございます。実際に支給した人数については9人でございます。
○羽鳥委員 傷病手当金、実際に支給した人数は2桁にもいかない、10人にもいかないと。そういった結構見込みよりもかなり低い数なんだなというふうに驚きを覚えます。傷病手当金の問題では、対象となるのが給与所得者だけで、事業所得など、それ以外の方は含まれません。同じコロナにかかり、同じ保険制度に入っているのに、一方は対象となるのに他方は対象とはならない。これは新たな格差ではないかなと思います。事業所得の方も対象とするべきではないでしょうか。また、対象を事業所得まで拡充する場合、何人見込まれ、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。推計があればお答えください。
○伊藤保険医療課長 国からは、給与所得者のみを対象とする給付金として制度設計されたものを提示いただいておるため、事業所得の方を対象とする考えは現時点ではございません。当初、支給対象となる給与所得者の方に絞って、人数や支給額を算出するための資料を準備しておりました。その積算の経過がございますので、事業所得のある方の人数、支給額の推計については積算してございません。
○羽鳥委員 昨日も話をしたコロナに係る国民健康保険の減免制度と違いまして、これはコロナにかかった人の中で対象とされるわけですから、事業所得を対象とした場合でも、そんなに人数は膨れ上がらないんではないかなというふうに思います。ぜひともこれは対象とはしていただきたいんですけれども、税務課長に確認をいたします。確定申告を行った区民のデータ、これは税務署から回ってきますでしょうか。
○矢島税務課長 確定申告を行いました申告者データは、国税連携により区に送信されてまいります。
○羽鳥委員 それはそのとおりで、国税のほうからデータが来るからこそ、区は区民税とか保険料とかそういったものを判定できるわけです。例えば事業所得を365で割って、休業せざるを得なかった日数で掛けるなど、工夫をすれば給与所得者と同様に傷病手当金を支給することはできるのではないかと思います。この傷病手当金の支給実績、これを見ても本当に9件ということで、事業者を入れたからといって大幅に増えることは考えにくい。重ねて制度の適用を求めておきます。
また、区民の生活がこんなに苦境にあるときに保険料を上げるべきではないと考えます。現在、区は9年間の赤字解消計画に基づいて、毎年度一般会計からの繰入れを減らし続けてきています。今年度こそ3分の2の被保険者の保険料が下がりましたが、基本的には増額の方向です。赤字解消計画についてさらなる期間延長を行い、区民の保険料負担を軽減すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○伊藤保険医療課長 今年度中に東京都が運営方針を見直す予定でございます。その運営方針と今後の収納率の状況等を勘案しながら考えていきたいと思ってございます。
○羽鳥委員 区民の暮らしの困難さを思えば、ぜひとも保険料を何とか引き下げられないかという方向で検討をしていただきたいというふうに思います。
外国人対応についてもお尋ねをいたします。8月25日の区民委員会報告、令和元年度までの区債権の状況と令和2年度における収入率向上に向けた取組についての中では、中野区の現状として、外国人の収入率が低いことが挙げられていました。私はこの間、ネパール人のAさんの生活相談に乗っています。Aさんは区内でカレー屋さんを営んでおりますが、コロナウイルスの感染拡大によって売上げは激減。そうした中で、お困り事はありませんかと尋ねたことがきっかけで相談に乗るようになりました。この間創設された様々な制度はほとんど知りません。そして日本語の読み書きが十分にできない中で、各種給付金の申請は本当に苦労があります。そして、コロナ減免の申請を行うとき区に問い合わせると、何とかなりの額の滞納があり、御自身は資格証明書になっていることが分かりました。さらなる滞納額の増加を防ぐという点でも、コロナ減免は申請しようとは思いますが、まず僅かな額でも分納して短期証に切り替えよう。このように相談をしたのですけれども、彼から同意は得られませんでした。生活困窮者としての困難に加え、外国人としての困難も加わり、問題解決の大変さを実感しております。まず、区として外国人対応としてどのようなことをしているでしょうかお答えください。
○伊藤保険医療課長 何点かございますけれども、まず1点目としましては、英語、中国語、ハングル、ベトナム、ネパール語の5か国語に対応しました国民健康保険外国語ガイドブックを発行し、国民健康保険の窓口で希望者に配布してございます。
次に、外国語版ガイドブックにつきましては、転入時や国保加入時に配布する日本語版みんなの国保ガイドや、催告書に印刷されたQRコードから閲覧、印刷することができることとなってございます。また、保険料納入通知書の読み方についても、5か国語のQRコードで閲覧、印刷できるような形にしてございます。催告書などを郵送する際には、封筒の表紙に英語、中国語、ハングルに加え、易しい日本語で開封を促す注意喚起も行ってございます。
また、窓口に来庁した方で日本語以外の言語での会話を希望する方につきましては、12言語に対応したAI多言語通訳システムを用いて対応してございます。
○羽鳥委員 滞納者の方には電話もかけていると思いますが、外国人の方にはきちんと対応ができているのでしょうか。
○伊藤保険医療課長 電話催告につきましては委託してございますけれども、日本人、外国人を問わず、電話番号を登録している滞納者の方について電話催告を実施してございます。外国人の方にも当然分かりやすく丁寧に説明してございます。特に英語圏につきましては、簡単な英語のコミュニケーションを取っている。また、英語圏以外の方についても易しい日本語にて対応をしているところでございます。
○羽鳥委員 いろいろと御苦労をされて、本当に相談に来ていただけるように工夫されているところだとは思うんですけれども、やはり外国人の方が日本語を理解できない、分からないというふうになってしまうと、なかなかそこから対応を進めるというのが難しいのが現状ではないかなと思います。
先ほど催告書のところに5か国語の国保ガイドのQRコード、これを載せているとおっしゃっていました。私も今この手元に取材の過程で見本をお示しいただいてみたんですけれども、これを読んで相談に来るのかなということはちょっと思いました。QRコードを読み込んでみて、じゃ、実際にどういうところにつながるのかなというのも資料で取材の中でお示しいただいたんですけれども、この目次を見てみますと、1番は国民健康保険制度とは何か、2番は国民健康保険制度の仕組みから始まって、滞納については8番、もしあなたが保険料を支払わない場合は、ここまで行かないと出てきません。これで言葉が通じるかも分からない外国人の方がわざわざ区役所に納付相談に来たいと思えるかなと。私は率直に言って厳しいんじゃないかなというふうに思います。ここでも区民に寄り添う対応が重要です。大事なのは、あなたの困っている状況の相談に乗ります、乗れますと。こういう姿勢を見せることであると思います。
先ほどの方との相談では、私はグーグル翻訳を使っているんですね。スマートフォンの音声認識の機能と併せれば、私がしゃべった中身をネパール語に変換してくれるんですね。私、ネパール語を全く読めないし、出てきたのが本当に正しいのかちょっと不安には思うんですけれども、そのAさんにはどうやら伝わっているようです。区はAI翻訳機を導入しておりますし、また、従来からの三者通訳もあります。先ほどもおっしゃったように、来ていただければ外国人の方の相談には乗れる体制を区はつくっていると思うんですよね。例えば催告書に、お困り事はありませんか、何でもお話しください、通訳機械もあるので相談に乗ります。こういった文言などがあれば、相談への障害はぐっと下がるのではないかなと思います。区民のお困り事に寄り添うという新たな記述を検討するよう求めますが、いかがでしょうか。
○伊藤保険医療課長 今年度の督促状、催告書の委託契約の仕様変更というのは大変困難でございますので、ちょっと難しいわけではございますけれども、来年度以降につきまして、委託仕様の内容に変更が生じない、例えばお知らせの中で易しい日本語等を記載するなど、相談機能の案内表記が可能かどうか検討させていただきたいと考えてございます。
○羽鳥委員 催告書の中を見てみますと、結構ぎっちりいろんなことが書かれているんですよね。だから、記述をどう変更するかというのはなかなか難しい側面はあるとは思うんですけれども、ぜひとも記述を改善していく、より区民の方が相談に来ていただけるような中身をお考えいただければ、検討いただければというふうに思います。
また、税や保険料を滞納されている方は、一つだけ滞納しているということは考えにくいことです。先日、浦野委員が対応した実態はまさにそうした事例でした。40代女性のBさんは、税と国保合わせて未納分が延滞金も含めて約200万円ありました。また、年金加入期間のうち約2割の月しか納めることができていませんでした。コロナの影響により仕事の収入の減少もある中、今年6月に給与が差し押さえられるということで相談があったそうです。複数のサラ金業者からの借金もあり、もう自己破産するしかないというところまで追い詰められていました。しかし、税務課で調べていただいたところ、数年間確定申告をしていないことが判明し、それを行うことで130万円近い還付金が発生することが分かりました。その還付金を税と国保の未納分に充て、また生活再建の視点で御対応いただき、何とか税と国保の納入をしたそうです。迅速に御対応いただきました税務課と保険医療課に感謝申し上げます。そのほか、家賃負担を軽減するための転居の際には緊急小口資金を充て、不動産屋さんも含め、約1か月半、様々な方の御尽力で何とか再スタートを切ることができたとのことです。大事なことは、税だけ、国保だけということで見ることではなく、生活状態全体を丁寧に把握し、一つひとつの改善につなげていくことだと思います。この方の例から明らかなように、債権全体で対応することが区民の暮らしの困難解決に不可欠だと思いますが、区の認識はいかがでしょうか。
○藤永業務改善課長 区民税を滞納している区民の方が、国民健康保険料のほか重複して債権を滞納している場合が見受けられるところでございます。このため、生活に困窮する区民に対応するためには、対象となる区民の全ての債権情報を把握した上で適切な収納確保に努めるとともに、生活再建の視点に立って必要な支援につなぐことが重要であると認識してございます。
○羽鳥委員 浦野委員が第1回定例会の予算特別委員会総括質疑において、特別区長会調査研究機構の調査研究に、債権管理業務における生活困窮者支援・外国人対応に中野区が応募したことを取り上げました。それから半年がたち、何回かの研究会が行われたかと思いますが、現段階でどのような認識が共有されているでしょうか。
○藤永業務改善課長 今年度既に4回の特別区長会調査研究機構の研究会を実施してございまして、研究会においては生活困窮者支援・外国人対応を有効に行うためには、債権管理業務の一元化や相談連携機能の強化などについて検討を進めるところでございます。
○羽鳥委員 また、今後の予定、議会への報告などについてはどのように考えているでしょうか。
○藤永業務改善課長 当該研究会におきましては今後、他自治体の先進事例の聴取のためのアンケートを実施するなどをして、最終的に来年3月に研究結果を取りまとめる予定でございます。議会への報告につきましては、研究結果を取りまとめ次第、速やかに御報告する予定でございます。
○羽鳥委員 この研究が区民に寄り添った債権管理の実践につながることを期待しております。
産業振興分野についても何らかの対策が必要と考えます。区は、今年度実施予定であった事業承継支援施策立案のための区内企業状況調査委託を来年度以降に延期しました。コロナウイルスの感染拡大により、今後の事業の在り方への先行きの見えなさがあったことを考えれば、あのときには仕方がなかったとも思います。同時に今、持続化給付金など各種給付金を受け取った事業者の苦境が深刻化していると思います。債権の課題なども顕在化しているのではないでしょうか。それだけに区が新たな施策転換を行うためにも、区内中小企業等の現状について調査する必要があるのではないでしょうかお答えください。
○堀越産業観光課長 中小企業等の現状把握についてお答えいたします。中小企業等の事業活動に係る承継調査は来年度以降に延期する予定でございますが、区内の経済団体等において、この秋以降、中小企業の現状等を把握するため実態調査を行う予定であると聞いております。この調査結果等を今後の中小企業等への支援策を考える際の参考としてまいりたいと考えております。
○羽鳥委員 やはり承継とともに1代限りの飲食店など、様々な事業者が集っているということが中野のまちの魅力をつくっていると思います。幅広い施策展開につなげていくことを期待いたします。
コロナウイルスの感染拡大によって、自粛や緊急事態宣言の発動によって経済に多大な影響が出始めたころ、生活保護への申請が伸びました。3月から5月の月ごとの生活援護課への相談件数及び生活保護開始の件数は何件でしょうか。
○中村生活援護課長 生活相談の件数は、3月は369件、4月は425件、5月は483件でございました。生活保護の開始件数でございますけれども、3月は81件、4月は82件、5月は105件でございました。
○羽鳥委員 6月以降は、相談及び開始の件数は落ち着いてきたというふうに聞いておりますが、8月には自殺者が前年同月比で大幅に増え、新型コロナウイルス感染拡大との影響が調査をされています。また年末にかけ、新型コロナウイルス関連の倒産・廃業が急増するのではないかということも心配をされています。もともと中野区の1人のケースワーカーに対する手持ちの件数は、国基準の1人80件を上回っていますが、今以上に担当件数が増えることには耐えられるのでしょうか。現段階で1人のケースワーカーは何件受け持っているのかお答えください。
○中村生活援護課長 各地区の訪問を担当するケースワーカーでございますけども、1人当たり平均で155世帯を担当してございます。
○羽鳥委員 現業の職員数で割ると、もうちょっと低くなるというふうには資料では出ているんですけども、実際に地区を回られる方では本当に大変な数を担当されているわけです。職員の健康にも大きな心配があります。また、生活援護課の中で激増したのが住居確保給付金です。同じく3月から5月の月ごとの申請数はどのように推移しているでしょうか。
○山本委員長 委員会を休憩します。
午前10時20分休憩
午前10時20分開議
○山本委員長 委員会を再開します。
○羽鳥委員 住居確保給付金は、今、答弁保留したんですけども、ごめんなさい。ひょっとしたら通告していなかったかもしれないんですけども、調整がし切れていなかったかもしれないんですけども、件数としては大幅に増えている。本当に1か月の申請数が昨年の1年分に相当するような申請数が来ておられるわけです。対応にも苦慮されたことだと思います。職員課に対して応援職員の要望は出したのでしょうか。
○中村生活援護課長 相談や申請の件数増への対応のため、職員課へ応援の要請を行いました。
○羽鳥委員 職員課長にお聞きをいたします。生活援護課から出された要望についてどのように対応をされましたか。
○中谷職員課長 生活保護課で増加している業務の量と必要な人員を確認するとともに、生活援護課の職員の超過勤務や休暇の取得状況を確認いたしました。その上で、他の所属からの応援体制を組むのではなく、生活援護課の中での応援体制で十分対応できるものと判断したところでございます。
○羽鳥委員 私もいろんな部署の残業、超過勤務の状況を見させていただきましたけども、この生活援護課は確かに数字の上では突出をされているわけではありません。しかし、ある職員は、この生活援護課の超過勤務について、そもそも生活保護のこの仕事というのは、日常的に暴力や脅迫にもさらされている。その対応に本当に心身を削られている。だから、とてもじゃないが、残業を目いっぱいすることなどできない。残業時間だけでは大変さははかれない。このようにおっしゃっていました。こうした訴えを職員課は把握されているでしょうか。また、生活援護課に出向くなどをして実態を把握するように努めているでしょうかお答えください。
○中谷職員課長 直接、生活援護課の職員からダイレクトにお話を伺ったことはございませんが、生活援護課長からの話としては聞いているところでございます。
○羽鳥委員 ぜひともそうした訴えに耳を傾けて、応援も組んでいただけたらなというふうに思います。生活援護課では、心身に不調を来している職員も多くいると聞いています。根本的には職員増を図るしかないと思います。
昨年度の訪問実績、この生活援護課の訪問実績についてお調べいただきました。生活保護世帯への訪問は通常6か月に1回となっていますが、早急に解決すべき課題があり、常に指導等を要する世帯には2か月に1回訪問をすることになっています。しかし、昨年度、この区分の世帯に対して実際に訪問できた数は、基準の5分の1にとどまっています。職員が頑張っていないのではなくて、職員が足りなくて訪問すらできない。これが今の実態ではないでしょうか。そして都の福祉保健局からは、生活保護法施行事務に係る指導検査の結果についてという通知の勧告事項5、実施体制の整備についてにおいて職員数の不足を指摘されています。生活援護課のケースワーカーを増員する必要があるのではないですかお答えください。
○中谷職員課長 生活保護のケースワーカーが配置基準を満たしていないということは、課題として認識をしてございます。できるだけ早く配置基準を満たす職員定数の配分をしたいと考えているところでございます。一方で、毎年度様々な行政需要がある中で、生活援護課の職員数のみ急激に増やすということは難しいということから、少しずつではありますが、毎年度着実に定数を増やしているところでございます。
○羽鳥委員 計画的にということですが、現状でも本当に大変な状況にあるわけですから、早くに対応していただきたいと思います。
先ほど紹介をしました令和元年度までの区債権の状況についての報告の中では、2015年度からの生活保護費返還金の収入未済額が載っていますが、2015年度の6億4,000万円から2019年度は8億2,600万円と一貫して増加をしております。収入未済額の一貫した増加は、人手不足による十分なケースワークができないことによるものだということも考えられないでしょうか。来年度に当たってこれまで以上の取組を求めます。
最後に、環境基本計画の改定についてお尋ねをいたします。
世界気象機関、国連環境計画、気候変動に関する政府間パネルなどが共同で作成した報告書「科学で団結して2020」は、新型コロナウイルス感染拡大防止のための行動制限、操業停止の影響で、4月のCO2排出量は昨年比で17%減少したものの、6月には排出量が前年比95%程度まで回復し、減少は一時的なものであったことを指摘しました。あんなに経済が落ち込んだのに一時的だったんですね。2015年のパリ協定は、世界的な平均気温の上昇を産業革命以前から2度未満、そして1.5度未満に可能な限り近づけることを求めています。しかし現状、各国の温室効果ガスの削減目標は、この目標を達成するものになっていません。昨年のCOP25では、世界中で多くの若者が気候危機に立ち上がれ、科学者の声に耳を傾けてほしいと行動に立ち上がりました。IPCCは、平均気温の上昇を1.5度未満はもちろん、この2度未満にするためにも2030年までの対策が決定的に重要だと発表しています。折しも中野区は、来年度に向けて2021から2030年度を計画期間とする環境基本計画の改定作業を行っています。こういった区の環境政策を基本づける政策であり、ここでどういった目標を定めるかが重要です。区が定める目標は、このパリ協定で掲げられた目標との整合をどのように考えているでしょうかお答えください。
○波多江環境課長 国がパリ協定への対応として、地球温暖化対策計画の基本的な考え方や、令和元年のパリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略の中で示している目標は、温室効果ガスに関する中期目標として2030年度までに26%削減、長期目標として2050年までに80%削減とするとしております。この国の目標は、世界の平均気温上昇を1.5度に抑えるという努力目標を含むパリ協定の長期目標の実現にも貢献するとされております。区の環境基本計画においても国の目標との整合を図る必要があると考えてございます。
○羽鳥委員 貢献はすると。やれば確かにこの緩和には役立ちます。しかし、実際は足りないんですね。そっちの国の目標に整合を取るんじゃなくて、そういう科学のほうにちゃんと整合を取ってほしいと思います。日本政府の定める目標は、このパリ協定の水準から大きく立ち後れています。そして、東京都の掲げる目標も、パリ協定の目標を達成するには不十分だと指摘せざるを得ません。東京都は温室効果ガスの2050年排出実質ゼロを宣言しており、そのことは非常に重要であります。しかし、先ほども述べたように2030年度までにどこまで削減するかが極めて重要です。
IPCCの特別報告書は、世界中であとどのくらいCO2が排出できるのかということをカーボンバジェット、炭素予算と言いますけども、こう述べています。産業技術総合研究所の歌川学さんは、それを日本に当てはめた場合どうなるかということについて述べています。毎年同じ割合で削減をした場合、1.5度未満に抑制するには2030年から40年で排出をゼロに、2度未満の抑制でも2040年から43年にゼロにしなければならないと試算をしています。中野区が立てる目標は、この1.5度目標に見合うものにするのでしょうか。
○波多江環境課長 区の環境基本計画は、地球温暖化対策地方公共団体区域施策編として位置付けておりますので、国の地球温暖化対策計画において掲げられた目標を踏まえ、適切な目標を設定し、CO2削減、CO2排出量削減を目指していきたいと考えております。
○羽鳥委員 このまま削減がその目標に足りないとどうなるか。幾つかの研究では、既に温暖化の現状が帰還不能限界点、ポイント・オブ・ノーリターン、もう幾ら対策をしてもこれ以上の緩和は無理だという点に達していると。到達しているのではないかと指摘をしています。高い目標を先送りにすれば、後の世代がより大変な目標を設定せざるを得なくなります。未来に責任ある目標設定を求めます。CO2排出の徹底削減のためにも、このCO2の排出が少ない電力に切り替えるエネルギーシフトが重要です。そのことについて区の認識はいかがでしょうか。
○波多江環境課長 中野区では、エネルギー消費の約5割を民生家庭部門が占めており、家庭での電力の消費に関してはエネルギーシフトが大変重要であると考えてございます。このことから、区は、家庭や小規模店舗にエネルギーシフトを拡大させる取組の一つとして、東京都の再生可能エネルギーグループ購入促進モデル事業への広報協力を実施しているところでございます。
○羽鳥委員 エネルギーシフト、非常に重要であります。今何か原発があるとかという声が聞こえたんですけれども、この原発をつくると結局これをベースロード電源にしないといけないというふうなことで、裏側として火力発電とか、そういうCO2を排出する発電が必要になってくるわけで、原発をつくって、ある段階ではCO2排出削減というのはできないわけですよね。再生可能エネルギーの大幅な普及というのが重要であるというふうに思います。家庭や業務から出る排出量を減らすためにも、区が主導して、次期環境基本計画に当たっては、CO2排出係数ゼロの電力への切替えを大規模に目標を持って進める必要があるのではないでしょうかお答えください。
○波多江環境課長 中野区の第3次環境基本計画においては、エネルギー消費量の削減目標やCO2排出削減の参考指標を設定し、地球温暖化対策を中心に目標の達成に取り組んできたところです。第4次の環境基本計画では、区民に向けて環境に配慮したライフスタイルを浸透させ、家庭等において再生可能エネルギーの活用を促進するなど、戦略的な取組によりCO2の排出量を削減していきたいと考えてございます。
○羽鳥委員 ぜひその際には、目標を持って戦略を持って取り組んでいただきたいというふうに思います。
○中村生活援護課長 失礼いたしました。先ほど答弁保留させていただきました住居確保給付金の申請件数でございます。3月が3件、4月が36件、5月が690件でございました。
○羽鳥委員 ありがとうございます。大変な数ということで、先ほど質疑をさせていただいたとおりであります。
以上で私の全ての質問を終わりとさせていただきます。ありがとうございました。
○山本委員長 以上で羽鳥だいすけ委員の質疑を終了します。
次に、渡辺たけし委員、質疑をどうぞ。
○渡辺委員 令和2年第3回定例会におきまして、都民ファーストの会中野区議団の立場から総括質疑を行います。
昨年の決算特別委員会ではちょっと理性のたがが外れて、発言の一部を削除するというような事態を引き起こしたわけでありますが、今回はそういったことがないようにしっかりとした質疑を行っていきたいなというふうに思っております。
まず、新型コロナウイルス感染拡大対策においての都と区の連携について伺います。
この項の質問に先立ちまして、このたびの新型コロナウイルス感染拡大に伴い、お亡くなりになられた方々に心からお悔やみを申し上げます。また、感染された方々へ心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い回復をお祈りいたします。そして、新型コロナウイルス感染拡大防止の最前線で御尽力いただいておられる医療従事者、介護スタッフ、保健所の皆様に心からの感謝と敬意を申し上げます。
東京都では、新型コロナウイルス感染拡大防止策として、2020年度の補正予算を6回編成しており、合計金額は約1兆3,500億円に上っております。主たる財源は国費でありますが、東京都独自の支援策として、国の家賃支援給付金の上乗せ補助、休業要請に応じた事業者への協力金の支給、そのほかにも、都民ファーストの会が求めてきた新型コロナウイルス感染拡大による患者の急増に備え、新型コロナウイルス専門病院を渋谷区と府中市に開設することを決定いたしました。都心部での感染拡大の状況が続く中で、都と区の連携は必要不可欠であります。中野区でも現段階で6回の補正予算が組まれ、財源の内訳を見てみますと、都の支出金が様々な項目で活用されているところですが、ウィズコロナの生活環境のもとで幾つか課題も出てきております。
都議会第3回定例会において、感染拡大を阻止する対策の一つとして、在宅要介護者等の受入体制整備事業に3億円の予算がつきました。1区市町村1,000万円を基準として、都の補助率10分の10、一時保護委託として1日当たり1人3万6,000円、こちらは全額国庫で補助率10分の10となっております。家族や保護者が新型コロナウイルスに感染した場合の要介護者や児童の受入体制を整備する区市町村を支援するほか、医療機関における児童の一時保護委託を推進するものです。中野区でも在宅で家族が介護を行っていたり、医療的ケアを行っているケースがあるかと思われます。重症患者になりやすいと言われている80代以上の高齢者、基礎疾患がある方や透析を受けている方などと同居している家族がコロナウイルスにかかると、家庭内クラスターを防ぐために、共に生活することができなくなり、家庭内で様々なケアをする人が不在となると、家族の支えを必要としている人たちの生活に支障が出てまいります。
他の委員からも同様の質問がありましたが、中野区でも在宅要介護者等の受入体制整備事業の制度を活用して、同居している人がコロナに感染したとしても、その際に在宅でのケアを必要とする方たちのための宿泊施設を準備してはいかがでしょうか。
○葉山介護・高齢者支援課長 在宅で高齢者を介護している家族等が新型コロナウイルスに感染した場合に、在宅の要介護高齢者を一時的に受け入れる施設などを確保することは、必要な介護等を維持するとともに、介護者である家族などが安心して療養に専念できるために必要であり、検討を進めていきたいと考えております。御指摘の都の事業につきましては、補正予算案の段階であり、詳細につきましてはこれからというところでございますが、その活用についても検討していきたいと考えております。
○渡辺委員 ぜひ前向きな検討をお願いいたします。ちなみに、宿泊施設のめど、こういったものはついていらっしゃいますでしょうか伺います。
○葉山介護・高齢者支援課長 現在、検討段階でありまして、具体的な開始の時期や内容につきましては決まっておりません。今後、様々な可能性を探っていきたいと考えております。
○渡辺委員 あらゆる可能性を模索して、よりよい環境整備を整えていただきたいと思います。最近では、家庭内クラスターのケースが増えているという報道もされています。区の財源を投入しなくても利用できる制度なので、ぜひ活用して家庭内クラスターの防止策として区に導入していただくことを要望いたします。
都と区の連携は、保健所の中でも行われております。保健所では日々、コロナの問合せについての電話対応、区内在住者のコロナウイルス感染者に対するPCR検査も含めた対応処置など業務が山積みとなっており、都の職員が臨時の応援として中野区の保健所にも入り、事務作業などの仕事を手伝っております。しかし、2週間サイクルで入れ替わるため、せっかく仕事を覚えて業務に慣れてきたタイミングで人員が入れ替わり、そこからまた別の都から派遣された職員に新たに仕事を覚えてもらわなくてはならず、都の職員の長期派遣を望む声が現場から上がっておりました。都民ファーストの会はこれまで、小池百合子東京都知事に新型コロナウイルスの感染拡大防止対策についての要望を、30回以上にわたり要望書という形で出してまいりましたが、その中の一つに、短期間の人的支援にとどまらず、各区市町村の依頼に基づき、長期にわたり安定的かつ確実に業務に従事可能な人材の確保が図られるように都に求めております。中野区でも保健所へ都の職員が派遣されているかと思いますが、このような課題は上がっておりましたでしょうか伺います。
○只野保健予防課長 令和2年4月1日から保健所支援のために延べ15名の東京都職員が交代で派遣されておりますが、1か月程度の短期派遣となる場合がございました。短期の交代は業務の継続に支障があることから、同じ職員の継続派遣を都に要望し、1名については5か月の派遣となったところでございます。
○渡辺委員 実現されたということで、次の質問が実現されたという質問だったんですけど、実現されたというふうな答弁で受けますので、この質問はちょっと飛ばせていただきます。今後も都と区の連携を密にしていきながら、現場の最前線として保健所の機能を強化して、新型コロナウイルスの感染拡大防止に御尽力いただくことを要望いたします。
続きまして、オンライン教育の基盤整備について伺います。
今年の2月27日に国が発令した全国の小中高などの休校要請を受け、今年の卒業式、入学式は規模が縮小され、新年度が始まっても学校に通うことができず、子どもたちが自宅待機を余儀なくされ、長期間に及ぶ休校措置の影響で学力の格差拡大や生活習慣の乱れなどへの不安が広がりました。その中で東京都は、GIGAスクール構想との絡みもありますが、休校対策として小・中学校のオンライン教育、ICT教育を進めるための施策を打ち出し、令和2年度までに全ての区市町村学校における教育現場でICT教育を行える環境整備に着手しました。具体的な中身として、都の10分の10の補助で、オンライン授業を受ける環境が整っていない各家庭へのWi-Fi環境整備を進め、子どもたちの学習や見守りにつながるオンライン教育の基盤整備を都内の各自治体へ促しています。中野区でも休校中の緊急対応として、受験生である中学校3年生から端末支給やWi-Fi環境整備を進めておりましたが、区で都の補助金を活用した部分についての事例を具体的に幾つか教えてください。
○板垣学校教育課長 在宅学習支援に関する東京都の補助金のうち区が活用したものとしては、家庭でのオンライン学習のためのネットワーク環境が整っていない児童・生徒の世帯にモバイルルーターを貸与する経費として1台につき1万円、モバイルルーター等の通信に要する経費として月額5,000円、これは6か月分、いずれも家庭にネットワーク環境が整っていない世帯への支援ということで、児童・生徒の20%を上限で補助されるというものです。
また、学習クラウドサービスの導入経費、それから学習クラウドサービス等導入支援員、こちらはいわゆるICT支援員、こちらの報酬として、いずれも6か月分、10分の10が補助されるというものでございます。
○渡辺委員 幾つか挙げていただいた中で、本当に都のほうからの補助を十分に活用していく必要がこれからもあるのかなということを感じております。今挙げていただいた中にICT支援員への人件費、こちらは他の委員からの質問にもありましたが、このICT支援員の主な仕事はどういったものがありますでしょうか伺います。
○板垣学校教育課長 児童・生徒に貸し出す在宅学習用のタブレット、モバイルルーターの貸出しの管理、機器の設定、操作等の支援、それから在宅学習で使用するGoogle
Classroom、Google Meet、おまかせ教室など利用支援や教職員への操作説明など、学校設置のICT機器に関する設定・操作の支援、こういったものでございます。
○渡辺委員 区は、6か月の人件費の補助期間が終わった後でもICT支援員は必要と考えていますでしょうか伺います。
○板垣学校教育課長 ICT学習支援員は、当初の予定では全校に配置するための人員が必要としておりましたが、こちらは全部採用できていないということで、配置できていない学校があることから、引き続きICT支援員は必要と考えております。
○渡辺委員 都からの補助金がなくなった後も必要ということでありましたが、ICT支援員を区独自で確保していくための施策は検討しているでしょうか伺います。
○板垣学校教育課長 ICT学習支援員に対する東京都の補助金ですが、中野区の場合、ICT支援員を配置した日から6か月間補助が受けられるということの確認ができております。例えば8月に採用した支援員につきましては、採用期間は2月までということになります。今後、今まで配置できていない学校に配置するなどの検討をしているところです。また来年度につきましては、補助金がない場合でもICT支援員の配置は必要と考えており、検討を進めているところです。
○渡辺委員 今年度は何とかしのぎ切れるけども、来年度をどうするかというところが課題なのかなということがうかがえるわけであります。そのための施策としてもいろいろ検討していく必要があるかと思いますが、例えば中野駅前にも大学のキャンパスなどがあるわけですが、人員確保のため学生の有償ボランティアなど大学との連携、こういったものも考えてみてはいかがでしょうか伺います。
○永田子ども・教育政策課長 区内の大学とは協定に基づきまして、外国人留学生が外国人児童・生徒の支援を行う事業などを実施しているところでございますが、ICTに関する支援につきましては、教職員への操作説明など一定水準のITスキルが求められることなどから、現時点では難しいと考えているところでございます。今後も大学と連携したICTボランティアの確保につきましては、工夫してまいりたいというふうに考えてございます。
○渡辺委員 ちょっと難しいということではありますけれども、人件費をどうやって捻出するかというところで、また一般財源を投入するというのも非常に大きな問題かと思います。なるべく一般財源を投入しないような形でやっていく。そういった工夫がこういうところで求められていくのではないのかなと感じているところなんですけど、例えばコミュニティスクールの制度を活用していて、地域ボランティアからICT支援員を確保しているという事例もあるということを聞いております。中野区のコミュニティスクール導入の進捗状況、現状どのようになっているでしょうか伺います。
○永田子ども・教育政策課長 幅広い地域の方々に学校の教育活動などに関わっていただく仕組みといたしまして、区が推奨する地域学校協働本部の取組が有効と考えてございまして、コミュニティスクール、学校運営協議会制度と併せて、現在、課題整理をしているところでございます。コミュニティスクールの導入によりまして、学校と地域のより一層の連携・協働も期待されますことから、今後、コミュニティスクールの導入に向けた検討の手順など一定の整理を行い、議会にもお示しをしてまいりたいというふうに考えてございます。
○渡辺委員 ICT教育の本格導入に伴って、教員のスキル向上も求められてきます。良好な教育環境を確保するためには、教員の質の向上を図っていくこと、教員の負担軽減につながる支援、こういったものを引き続き東京都からも得られるように都民ファーストの会からも要望してまいりますので、教育委員会からもしっかり教員をサポートしていただくことを要望いたします。というか、本当にこのコミュニティスクールって、そんなに予算もかかる話でもないので、早急に進めていく必要があると思います。最終的には人とお金がどうするかというところが課題になる話だと思いますので、できるところは本当に迅速に来年度の予算の中にも反映される、そういったことをちょっと期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
この項の最後に、シェアサイクルについてお伺いします。中野区でも今年度からドコモのシェアサイクルが実現されました。中野区でもこのシェアサイクルを導入するように、去年の第3回定例会の一般質問において我が会派の内野委員からも区に対して導入の要望を行っており、今年の7月20日から中野区でもドコモのシェアサイクルの利用が実現されました。コロナ禍の中で、現在は電車やバスの移動に不安を持っている方の利用ニーズにも恵まれ、朝の通勤ラッシュの混雑緩和に一役買っているという状況となっております。こちらのシェアサイクルの導入については、自転車やポート代などの初期費用について都の補助金が2分の1使われております。こちらのシェアサイクルですが、維持管理などにかかるランニングコストについての負担、どの程度発生しているのでしょうか伺います。
○村田交通政策課長 シェアサイクル事業の運営では、ポートごとの自転車を適正な台数に整理するための再配置や、パンクや破損に対する自転車の修繕など適切に維持管理する必要がございますが、これらに必要なランニングコストについては事業者が負担することとしておりまして、区の負担は生じてございません。
○渡辺委員 ランニングコストは事業者負担ということなんですが、利用率の高い場所、あと新たな場所にポートを増やす。こういったところの費用負担はどのようになっていますでしょうか伺います。
○村田交通政策課長 区は今年度、自転車200台分を配備するための費用負担を行っておりまして、その範囲内でサイクルポートを展開してございます。来年度以降につきましては、自転車台数及びサイクルポートを新規に増やす場合は、広域連携に関する協定ルールに基づきまして、ほかの自治体と同様に中野区が一定程度負担することとなってございます。
○渡辺委員 今後利用状況を増やしていくというような展望であるわけですが、その予算も確保しているということで、その範囲内でやっていくということですので、ちょっと次の質問は同じようなことになるので飛ばせていただきます。
シェアサイクルの利便性向上のポイントとしては、そういった区内でポートを増やしていくということもそうではあるんですが、区またぎで利用できる範囲が広がっていくことというのも重要なのかなと思っております。現在、中野区は渋谷区と新宿区は隣接区として乗換えが、乗り降りができるわけですが、練馬区、杉並区、豊島区などでは、そこの区またぎでの乗換えができないというような状況となっております。今朝ほど私、荒木代表と朝の御挨拶を中野駅でやっていたわけなんですが、そのときにこういった話をしたところ、豊島区だったら任せてくれというような言葉をいただきました。池袋から中野、これを自転車で行けるということは、非常に中野区の利便性の向上にもつながるわけであります。荒木代表の力がどの程度かちょっと見ていきたいと思いますけども、こういった都の本当にどこまで力を持っているか、こういうところもちょっと私自身、見ていきたいなということを感じました。――――(発言取り消し)――――
続きまして、コロナ後の中野区の財政について伺います。
内閣府が9月8日発表した2020年4月から6月期の国内総生産の改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比7.9%減、この成長ペースが1年間続いた場合の年率換算では、28.1%減という数値でありました。新型コロナウイルス感染拡大の影響で設備投資が急減速し、8月発表の速報値、年率27.8%減を下方修正した結果、リーマンショック後の2009年1月から3月期の年率17.8%減を超える戦後最悪の下落幅は拡大し、コロナによる経済の落ち込みの大きさを改めて示したものであります。
これらの影響は中野区でも様々な形で現れております。3月1日から7月31日までの期間で、税務相談が9,687件と前年度のおよそ1.5倍、保留・猶予件数が303件となっており、前年度の同時期と比べて約5倍に膨れ上がっております。生活保護申請受理件数も4月から6月にかけて前年度のおよそ1.5倍となっており、今後の社会保障費の増大は避けられない事態となっております。
行政報告にも、次年度の一般財源は、現時点で今年度当初と比較して約92億円の減収を見込んでいる。区有施設の改築や改修に関する財政負担は今後の区財政に大きな影響を及ぼすため、当面の間は区有施設の新規整備やスケジュールの見直しの検討を行うほか、基金、起債の活用によって財政の平準化を図ってまいりますと記載されており、今後、危機的な財政状況が訪れることに強い警戒感を示していることがうかがえます。
まず、区有施設のスケジュールの見直しについての詳細を改めて確認したいのですが、各委員会で報告された予算執行の見直しの中に入っていた桃園第二小学校、本郷小学校、鍋横区民活動センター、温暖化対策推進オフィス以外で、ほかにもスケジュールの見直しを検討している施設などがあるのでしょうか伺います。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 今後、多くの区有施設が更新時期を迎えることにより区財政に大きな影響を及ぼすため、主に改築を要する施設の整備スケジュールの見直しの検討を行っているところでございます。
○渡辺委員 見直しを検討しているということでありますが、どのような施設のスケジュールの見直しの検討を行っているんでしょうか伺います。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 区立小・中学校などの大規模施設の更新をはじめ、全ての施設を対象として施設の再編なども視野に入れて検討をしているところでございます。
○渡辺委員 ちょっとはっきりと分からないんですけど、今後も小・中学校とかも含めて検討しているということですか。もう一回聞きます。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 区立小・中学校など大規模施設も含めて、全ての施設を対象として検討しているところでございます。
○渡辺委員 子育て先進区を目指すというところでの学校の建て替え計画のスケジュールの延期、こういったものを見直す。大変な状況ではありますけども、そういうところを見直していくというのはやはりいかがなものなのかなということを感じております。ほかにも鍋横区民活動センター、区内で5か所目のすこやか福祉センターになる予定であった温暖化対策推進オフィスの整備スケジュールの延期についても区民サービスの低下に直結します。今回の施設整備スケジュールの見直しに伴って、各地域で説明会、そういったものの説明を行っていくことかと思うのですが、私は今後のスケジュールの見通しや区の考え方について、区民の側に寄り添った丁寧な説明を行っていくべきと思うのですが、区の見解をお聞かせください。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 区有施設整備計画の策定に当たりましては、意見交換会やパブリックコメント手続といった区民等の意見を聞く機会を設けていく考えでございます。また、御案内にあったような個別の施設の説明会におきましても、丁寧な説明と御意見を聞く機会を設けて対応してまいります。
○渡辺委員 コロナによる影響ということを理由ということで、ある程度住民側としても致し方ないと思う気持ちはあるのかなと思うんですけれども、今後は早期の再開につながる道筋をちゃんと示して提示しながら、区民への丁寧な説明を行っていただくことを要望いたします。
続きまして、既存事業の統合、再編、見直しについて伺います。既存事業の統合、再編、見直しというのは、口で言うのは簡単ですが、実際に行う際は合意形成を積み重ねていきながら、慎重に進めていかなくてはならない大変厳しく困難なものだと思います。私は前回の予算特別委員会の場で、事業の統合、見直しについての成果を提示してもらいたいという質問をしたところ、外国人向け広報を廃止するとともに、区の広報番組の「ピックアップなかの」を休止する一方で、区報について10か国語対応アプリを導入し、また点字版を発行するということを行ったという答弁をいただきました。事業の統合、見直しについては間違いないわけではありますが、事業規模が小さいため、新たな財源確保までには至っていない状況であります。他の委員からも同様の質問がありましたが、今後、仮に大規模な事業の見直し、再編ができなかった場合、区は基金の取崩しを行うことになるわけですが、今の状態のままのペースでいくと、基金の底が尽きるのは何年後になりますでしょうかお答えください。
○森財政課長 今後の財政見通しにつきましては、9月1日の総務委員会で資料のほうはお出ししたところでございますが、仮に事業の見直しができず、現時点での歳入歳出の見通しのまま推移し、歳出の超過分を基金から繰り入れたと。そうした場合、3年後、令和5年度に財政調整基金の年度間調整分については底をつくということになります。
○渡辺委員 令和5年ということですね。仮に、仮にですけど、令和5年以降に基金が底をついた際に、区は職員の人件費削減についても検討しますか伺います。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 現時点で職員の給与の減額を行うことは考えておりませんけれども、業務の効率化や働き方改革を進めて生産性の向上を図ることや、中長期的には施策、施設、組織の再編によって職員人件費の適正化を図る必要があると考えております。
○渡辺委員 人件費が削減されるということも検討せざるを得ないというような答弁だと受け止めておきますけれども、仮にそういうことを行ったとしても、税収92億分、今年度だけで足りないということで、それを補えるかというと、それもまた難しいのかなと思っております。それでも足りない場合、じゃ、どうするかというと、社会保障費、扶助費削減を考えなくてはいけないという事態も本当に真剣に検討しなきゃいけない時期が来るのじゃないのかなということを私自身は感じているところであります。じゃ、それを避けるためにどうするか。数億円単位の事業の統合、見直しを検討するしかないということなんですけども、数億円単位の事業の見直し検討、そういったものはありますか。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 事業規模の大きい事業は存在しますけれども、見直しをする場合の影響は大きいと思われますので、大きな事業の統合や見直しにつきましては、構造改革の観点から政策の優先度や貢献度を見極めて、慎重に方向性を定めていくことが必要だと考えております。
○渡辺委員 だから、具体的なものがないということの答弁としかやっぱり感じられないんですよね。私が思いつく限りの中での数億円単位の事業の見直しでも、施設の統合、集約であったり、区立保育園・幼稚園の民営化であったり、児童館をまた民営化していくというような、もうそれぐらいしかないのかなというふうに思うんですよ、私は。ただ、それは区長の公約として一定程度残すというようなことを掲げているということであるので、そこに踏み込むかどうかという話にもなっていくんじゃないのかなと私は考えております。一応念のため確認しますが、区立の保育園、児童館、幼稚園の民営化について検討する予定はありますか。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 保育園や新たな児童館、こうした施設の区が果たすべき役割の整理はしてきたところでございます。区有施設の適正配置の検討におきましては、事業主体や運営方法などの在り方についても具体的な手法について議論をしているところでございます。
○渡辺委員 いや、その見直し検討に入るんですか、入らないんですか。そこだけちょっともう一度答えてください。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 事業主体や運営方法ということとして考えておりますので、様々な手法、それを検討しているところでございます。
○渡辺委員 何か答弁の答えがよく分からないので、もういいです。多分やらない、やらないというふうに私は思っているんですけど、これは公約ですからね、区長の。もういいです、それは。ただ、億円単位の事業、じゃ、それもないとなったら、本当に新庁舎の整備事業を見直すぐらいしかないんじゃないかと私は思っているんですよ。そちらも内野委員からの質問に対しては、やる気満々で進めていくということなんですけども、これ、来年、本当にこのままだったら92億円、何にも削減できないまま基金を使うんじゃないのかなということが、私はもう今の答弁を聞いている限り、それが見えちゃうんですね。既存事業の統合、再編、見直しって本当に大変なことだと思うので、必死にやったところで、ものすごい区民の方からの反発だって当然あるわけだし、それでも推し進めなきゃいけない大変なことなんですけども、それをやっていく覚悟というのが本当にあるのかなというのを、この答弁のやり取りでも感じてしまうんですよ。本当に命がけでやらないと、ものすごい批判を浴びながら進めていくことなわけですし、私も議会は短いですけども、その間、区立の幼稚園をやめる、廃合するというようなときとかでも、ものすごい人が押し寄せてきたわけですし、区立保育園を民営化にするとき、区長が何か公約で残すというときにも、それでもやむを得なくて仲町保育園とか民営化するときも、私のほうにもやっぱり区民の方から何とかならないのかという電話とかも来たりとか、あったりとかもしたんですけど、大変なことをこれからやらなきゃいけないと、92億円という財源というものを確保するというのは、私はもうできないんじゃないかなと思うんですね。その中での覚悟というか、やる気というのをやっぱりもうちょっと何らかの形で見せてもらいたい。それは言葉だけじゃなく、本当に行動でしっかりとそういったところを区の執行部の方々には見せていただきたい。そういったことを最後に申し添えておきます。
続きまして、税外収入を稼ぐ自治体経営について伺います。数億円単位の事業の見直し、再編が困難であれば、不足分を稼ぐしかないのではないか。私は以前から、税収以外の財源をつくることが今後の財政運営の健全化につながることを区へ要望してまいりました。今回の新型コロナウイルス感染拡大に伴う区政運営において、税外収入を獲得する必要性はますます高まってきたのではないでしょうか。当然稼ぐことも再編、見直しと同じくらい大変なことではありますが、財政状況が逼迫している状況下において、区はあらゆる可能性について検討していくべきと思います。改めて伺いますが、区は積極的に税外収入を獲得していく必要性を感じていますかお聞かせください。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 令和2年度、本年度でございますが、クラウドファンディングによる寄附やネーミングライツの付与などを実施して、新たな歳入確保にも取り組んできたところでございます。今後も、これら以外の税外収入の獲得につきましては、他の自治体の事例を参考にしつつ取り組んでまいります。
○渡辺委員 前向きに進めていきたいという答弁だと思いますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。区有地や区有施設を活用した税外収入の確保手段など、既に他の自治体では駅前の一等地などの商業施設にある公共用地を定期借地権などで民間事業者に貸出し、地代収入を得ている事例も以前から見受けられます。例えば東京都ですと、新宿のモノリスビルなども都有地を活用しているわけであります。その中で先ほど答弁にもありましたが、中野区立総合体育館へのネーミングライツの導入による税外収入の獲得を今回、中野区は得たわけであります。私も厚生委員会で報告を受け、中野区として新たな税外収入を納めたという部分においては評価すべきことと思います。ただし、今後の民間事業者との交渉部分については、改めて検証する必要があるかと思います。今回の事業者との交渉において、区は年間500万円の収入を得たわけですが、事業者との交渉の中で区が想定していなかった事業者側からの提示された契約条件などはありましたでしょうか伺います。
○古本スポーツ振興課長 ネーミングライツの導入は区として初めての取組でありましたため、他の自治体の例を参考に事業者の公募や選定などを行ったところでございます。区といたしましては、建物の命名権にどのくらいの金額や期間が提示されるのかという部分を中心に考えてございましたが、事業者のほうでは、区が想定していた以上に施設をどのように使用するのかという点が重要視をされていたということでございます。
○渡辺委員 具体的には自動販売機の契約のことが条件に出されたというところかと思うんですけれども、実際に事業者側の要望を受け入れたという報告は委員会でいただいたわけですが、そのような条件をのむ代わりに、例えばネーミングライツの値上げ交渉など、引換えとなる区や区民サービスの向上につながる提案を逆に区は提案されたりしましたでしょうか伺います。
○古本スポーツ振興課長 まず状況から御説明をいたしますと、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、企業を取り巻く環境が変化いたしましたことから、ネーミングライツ契約の中身につきましても、繰り返し交渉を重ねたところでございます。区の利益となるよう交渉をいたしました結果、契約金額や期間など、区が当初考えておりました水準を確保することができ、また、当該パートナー企業からは、中野区の活性化に貢献をしていきたいというようなお話もいただいたところでございます。
○渡辺委員 民間事業者は少しでも自社の利益につながるための事業提案を考えながら、そういった実現に向けての行動を取ってくるわけであります。区も民間事業者に対して譲れるところ、譲れないところをしっかりと事前に把握して、想定外の要望が出た際も柔軟に対応できる事前準備をしっかり行って、交渉に臨むべきであるかと思います。区は、今後の税外収入獲得に向けて、PDCAサイクルのCの部分である効果検証部分をしっかりと行い、さらなるブラッシュアップをしたり、様々な税外収入のアイデアを実現するための新たな部署など、こういったものも庁内でつくっていくべきと考えますが、いかがでしょうかお答えください。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 新たな歳入確保につきましては、令和3年度予算編成方針の中でも示しているところでございます。今後も各部における検討を促すとともに、企画部で全体調整しながら推進していく考えでございまして、新たな部署を設置する考えはございません。
○渡辺委員 簡単に新しい部署をつくるということも答えられないと思いますけど、要は何らかの形で民間事業者との交渉技術というか、そういったものを上げていくというスキルアップ、それをやってもらいたいということなんですね。本当に何と言いましょう、民間事業者にいいようにやられちゃっているというようなイメージを、私はどうしても今までの区のやり取りを見ていると感じてしまうところがあったんですけども、それも踏まえながら、本当にきちんと区にもプラスになる、民間事業者にとっても利益につながる、そして区民サービスの質の向上にもつながるといったような、そういった提案というものを出し続けていってもらいたい。こういった思いで聞いた質問であります。私は、こういったこれからの税外収入を獲得していくためにも、税外収入を獲得するためのアイデアや企画をどんどん職員の方々にも立てたり、事業者との交渉を行って、きちんと成果を出した人には、その部分においてきちんとした人事評価を与えるなり、賞与やその税外収入の一部をインセンティブとして、成果を出した人に還元するような仕組みも考えるべきと思いますが、区の見解をお聞かせください。
○中谷職員課長 税外収入獲得の成果を上げた職員につきましても、人事評価における業績評価や能力態度評価の中で適正に評価される仕組みとなってございます。高い成果を上げた場合には、人事評価の結果が昇給や勤勉手当に反映されることとなるというものでございます。報奨金のような金銭をインセンティブとして職員に支給する仕組みの導入につきましては、現在のところ考えてございません。
○渡辺委員 税外収入とはいえ、公務員の方々に賞与、インセンティブを出すというのも、それはもちろん賛否のある話だと思いますが、それぐらいやる気を引き出していくためのアイデアとか、そういったものも考えながらやっていかないと、92億円の削減、それ以上の収入を確保するということも難しいのではないか。こういったことで提案をさせていただいたわけであります。改めて申し上げますが、この92億円の不足分の税収を補う、もしくは削減するというのは、本当に本当に大変なことだと思いますので、そのところを肝に銘じて、これからの区政運営に努めていただきたいと思います。
続きまして、職員の在宅ワークについて質問いたします。コロナ禍の状況にあり、庁内でも在宅ワークの推進が図られました。往復の通勤時間がなくなり、庁舎に来なくても家で仕事ができる環境を構築することが実現されれば、今後の職員の職場環境や生活スタイルが大きく変わってくるかと思います。臨時の補正予算でも在宅ワークの推進に係る予算が出されておりましたが、まず改めて確認しますが、今回の在宅ワーク推進に伴う初期費用、年間のランニングコストをお聞かせください。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 在宅ワークの費用についてお答えいたします。補正につきましては1億3,000万円余の予算でございました。現在、複数の方法を比較しながら、性能と効果の見合いも勘案いたしまして、積算をしているところでございます。
○渡辺委員 総額で1.3億円ということですけども、ランニングコストって当初どの程度の金額を予定していたか。ちょっとそこをもう一回教えてもらっていいですか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) ランニングコストにつきましては、方法によってかなり異なってまいります。当初の積算によりますと、年間4,000万円ほどを予定してございました。
○渡辺委員 当初の積算予算で、ランニングコストが年間4,000万発生するということで予算組みをしたということなんですけれども、ぱっと見た金額としては随分かかるなという印象が受けられたわけであります。当然そこからどれだけ削減していくかということを努力していかれるものかとは思うんですけれども、そこはちょっとぜひ頑張ってもらいたいと思います。
在宅ワークの対象に会計任用職員、こちらも含まれるのかちょっとお答え願います。
○中谷職員課長 職務の内容に応じて在宅勤務が可能な業務の場合には、所属長の判断により在宅勤務を対象とすることができることとしてございます。
○渡辺委員 在宅ワークの環境が整った際に期待されるメリットやコスト削減部分、ここもちょっとお聞かせください。
○中谷職員課長 テレワークの環境が整備されることによりまして、職員の自宅や出張先などの庁外から区のグループウェアや文書管理システム、財務会計システムなどの内部事務管理システムにアクセスできるようになるというものでございます。これによりまして、メールの送受信やスケジュール管理、起案の決裁などができるようになりますので、庁外で処理できる業務が増え、テレワークが推進されると考えてございます。勤務場所の制限がなくなることによりまして、移動時間の節約など、業務効率の向上が期待できるというようなメリットがございます。コストの削減について具体的にお示しするのは難しいと思いますけれども、業務効率の向上に伴う超過勤務の削減などが考えられるものでございます。
○渡辺委員 業務効率がよくなることは、私はいいことだとは思うんですけど、やっぱり大事なのはコスト削減がどれだけできるかというところだと思うんですね。民間事業者の場合は、在宅ワークを進めることによって、例えば交通費が削減できる、電気代が節約できる、オフィスの場所も人が少なくて済むから、ちょっと狭い場所でもいいから地代が下がるというような何らかの費用がこっちの在宅ワークのほうに投資した分、こっちで削減がちゃんとできて、それでやる価値があるなというような、そういった判断をしていくわけなんですけども、そういったものがやっぱり区役所の場合って、見せるのが難しいのかなとは思うんですが、それでも示していただきたいんですね。当初予算で4,000万のランニングコストがかかった分、あまりコスト削減の部分がないとなったら、職員の業務効率をよくするためにお金をかけただけですよと。こんな財政状況が厳しい中で、そこにそんなお金をかけちゃって大丈夫なのかというふうに言わざるを得なくなるんですね。在宅勤務とかにすることによって、職場にする出勤時間がなくなるということで、メンタルの不調の方とか、いろんな事情でストレスで何か大変な人が、在宅でちょっとそういうとき休んで仕事ができるとか、休む分、なくなった分、そこで削減ができるという言い方もできると思いますが、とにかく何らかの形で在宅ワークを推進するのであれば、その分の削減できる部分というものをしっかり提示していただきたいなと思います。
この項の最後に、プレミアム付商品券について伺います。こちらについては、他の委員からも同様の質問が既に出ておりますが、私も違った観点から幾つか御質問したいと思います。中野区の財政が逼迫している状況の中で、区はこれから様々な事業計画の見直しを行っていくわけですが、一方で、今回のコロナ禍の中で区内の商店街や、特に飲食店事業者は軒並み経営難に陥り、経済的に生きるか死ぬかの戦いに直面しております。毎年、中野区商店街連合会からもプレミアム付商品券発行の要望をいただいておりますが、消費喚起の一助となるこの事業は一般財源を投入しても今やるべきと考えますが、いかがでしょうか伺います。
○堀越産業観光課長 新型コロナウイルス感染症対策としてのプレミアム付商品券事業につきましては、他区での実施状況や効果などを注視しているところでございます。中野区商店街連合会からの要望もありますことから、その実施について検討を行ってまいりたいと考えてございます。
○渡辺委員 今回の目的は、飲食店業界を少しでも救済するという目的で、私は行うべきだと思っております。商品券の利用範囲をある程度限定して、飲食店でなるべく使ってもらうような仕組みなど、そういった工夫を取り入れるべきではないでしょうか伺います。
○堀越産業観光課長 飲食業への支援策として有効な事業となりますよう、商品券の利用範囲についても商店街連合会等と検討を行う項目の一つとしていきたいと考えております。
○渡辺委員 いろいろ相談して、様々な工夫を盛り込んでいただければと思います。そして、今回のプレミアム付商品券をもし仮に行うとした場合、いっときのばらまきということじゃなく、それをきっかけに飲食店や商店街を支援する新たな一つのきっかけとなるような、そういったものにしてもらいたいと思っているのですが、そういった飲食店や商店街を支援する新たな施策を展開してみてはいかがでしょうか伺います。
○堀越産業観光課長 飲食店の支援策といたしましては、区は4月からお持ち帰り&出前推進事業、そして現在、区民にホームページ上で投票していただく中野の逸品グランプリオンライン版の事業を進めているところでございます。これらの事業との相乗効果も視野に入れつつ、検討を行ってまいりますプレミアム付商品券事業など、今後の事業展開においても工夫してまいりたいと考えております。
○渡辺委員 最終的には個人店の努力によるところも大きいかと思いますが、区も飲食店や商店街に寄り添ったサポートをしていただきながら、国が行っているGo
To Eatとの相乗効果につながるような救済策を考えていただくことを要望いたします。
続きまして、コロナ後の中野駅周辺のまちづくりについて伺います。
東京都は5月5日、中央区の築地市場跡地など再開発事業や都営住宅の建て替えなどは優先度が低いとして休止を発表しました。新型コロナウイルス対策による財政支出に伴い、東京都区部では公共事業や開発事業の計画そのものを見直す動きも出てきております。足立区では、本庁舎の大規模改修計画を見直すほか、荒川区は自らが地権者として参画する再開発事業でホール整備を断念する方向となりました。世田谷区も庁舎の整備計画を一部見直して、事業費をおよそ15億円削減することを発表しております。コロナによる景気悪化、感染拡大防止策に伴う緊急の財政出動などを理由に、今後も様々な再開発事業が見直される可能性がある中、一般質問において我が会派の内野委員から新庁舎整備事業の延期の可能性について質問したところ、中野区はコロナ前と変わらず、新庁舎の整備事業、新北口再整備事業を進めると答弁されました。まず、新庁舎建設においての財政面の観点からお聞きします。今回の新庁舎建設で起債する金額、償還される予定の一般財源の部分を教えてください。
○森財政課長 新庁舎建設で予定しております起債の金額は約141億円でございます。元利償還及び利息を含めて全体の金額ということになりますと、163億円というふうになるものでございます。
○渡辺委員 一般財源の部分、どこを使うかというのをちょっと答えていただいていないんですけども、教えてください。
○森財政課長 いわゆる一時的な対応ということになるわけでございますが、その163億円については、一時的には一般財源ということであります。
○渡辺委員 分かりました。では、もし仮に新庁舎整備事業を延期して起債を先延ばしにした場合、今後の財政運営において負担は軽減されますか。
○森財政課長 想定はしていないところではございますが、仮に新庁舎整備を延期し、起債を先延ばしした場合、起債償還が発生する令和4年度以降については、一般財源の負担、財政負担の部分は軽くなるということにはなります。
○渡辺委員 数十億円ぐらいの負担軽減になると思うんですね、令和4年度以降。来年度はちょっと難しいとは思うんですけど、そこもやっぱり真剣に検討して、何らかの、一旦止めることができないかどうかという努力はしてもいいんじゃないかなと私は思っております。じゃ、具体的にどういうことかというと、特別委員会で私も質問したんですけれども、実施設計、施工方式一体型の契約を結んだため、延期した場合は契約の見直しに伴い、費用の請求が発生する可能性があるからという理由で、もうできないというふうな答弁が返ってきたんですが、それは議論して、そういうふうになるだろうという話をするのはいいんだけど、実際に事業者に聞いたかどうかというところまでやっぱりやってもらいたいんですね。もっと言うなら、費用が発生するのはどれぐらいかというふうな、そういった可能性についても試算するべきじゃないのかなと思うんですけど、そういったシミュレーションなどはしましたか。
○中村新区役所整備課長 新庁舎整備について、区としては計画どおり整備を進める考えでございまして、計画内容の見直しに伴い発生する費用の想定は行ってございません。
○渡辺委員 新庁舎整備担当者はもうやるという命令というか、それのミッションに従ってやるだけなので、それ以外のことは考えないという立場であることは分かるんですけれども、本当にこの92億円の財源をどうするかというふうに、じゃ、上の執行部の人たちは、そこをどうするかというときに、やっぱりここは一回立ち止まって、何らかの汗をかいたという足跡ぐらいは残してほしいなと私は思うんですね。もっと言えば、契約も当然時間がたてばたつほど、契約の撤回、見直しというのは難しくなるわけであるわけですから、例えば4月、5月のコロナが感染拡大した、緊急事態宣言を国が発令したとかという段階で、まだ契約を結んでそんな日もたっていない。今と比べたら日もたっていないわけですから、その段階で何とかならないかというような、そういったことを議論したり、事業者と相談するとかということもするべきだったと思うんですよ。そういった検討、4月、5月の段階、見直しの検討ってしましたか。
○中村新区役所整備課長 新庁舎整備事業に関連しまして、現庁舎は耐震性能の不足、窓口や待合スペースの不足など様々な課題を抱えており、できるだけ早期に新庁舎の整備が必要であるというふうに考えてございます。繰り返しの答弁になりますが、区としては計画どおり整備を進める考えでございますので、計画の見直しについての検討は行ってございません。
○渡辺委員 その答弁は何回も聞いているので、もういいんですけど、その中の一つのね、理由の一つで、本庁舎の災害対策機能の強化は喫緊の課題であるということも言っていますけど、これも私、委員会で説明を聞いたんですが、明日、今すぐ大規模な災害が起きたとき、今の庁舎は危ないからということで、この災害対策本部が機能しなくなった場合どうするかという、そういった対策、当然していると思って聞いたんですけど、ちょっとよく分からない。防災計画の中に書いているというようなことで書いていましたが、一応改めて聞きますけど、そのときのBCP対策、今すぐ災害が起きて、ここが機能不全になった場合のBCP対策って今どうなっていますか。
○中村危機管理課長 本庁舎被災時の代替施設についてでございますが、現在は中野区政のBCP、事業継続計画により、本庁舎が倒壊するなどをした場合には、非常用電源設備を有するもみじやま文化センター本館及び社会福祉会館を代替施設として活用することを考えてございます。なお、今後は、本庁舎が使用できなくなった場合の災害対策本部は、新体育館に設置する考えでございます。
○渡辺委員 要は、ここが何かあった場合でも、しっかりとしたBCP対策がされているわけだし、中野区立の総合体育館という新しい体育館もできたわけだから、災害対策を理由にというのは、今のこの状況ではちょっと弱いんじゃないかなと私は思うんですね。違いますかね。私、本当に弱いと思いますよ。そんな理由で急がなきゃいけないって。そして、財政92億円、何とか削減しなきゃいけないと言いながら、現庁舎はしっかりBCP体制もされているのに、災害対策が危ないから喫緊の課題だからって、何かちょっとあまり理由としてはなっていないんじゃないのかなと、私は正直思います。もっと言うなら、Is値7.5あるわけですよ、ここは。同じIs値7.5あるほかの学校の校舎建て替えは延期をするというようなことを言っているわけですね。見方を変えれば、小学校、中学校の校舎は崩れても区役所は優先させなきゃいけないからって、そういうふうな見方だってできるわけなんですよ。区民の感情からして到底納得できるような理由ではないということは申し伝えておきたいと思います。
続きまして、中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画について伺います。JR東日本は、来週のダイヤ改正で首都圏の多くの路線で最終電車の時刻を30分程度繰り上げることを決めました。終電後の保守点検に当たる作業員の労働環境改善が目的であります。対象の路線には、平日で終電が午前1時台の山手線や東京都内と隣接県を結ぶ路線が含まれるということですが、一部路線では始発の時間も遅くするという内容でした。線路の保守点検作業は終電から始発の間に実施されており、終電繰上げで作業時間が確保できれば、作業に必要な日数が減り、作業員の休日取得の促進や工事の抑制につながるとのことです。中野駅でも終電が繰り上がり、作業する時間が増えた場合、西口橋上駅舎の竣工が早まる可能性も出てくるわけですが、仮に西口橋上駅舎の竣工が早まった場合、北側の歩行者動線の確保が必要になってまいります。以前からこれも再三私は訴えてまいりましたが、中野駅西口橋上駅舎の竣工時期が早まることを想定して、歩行者動線確保のため仮設のエスカレーターやエレベーターの設置を本格的に検討してみてはいかがでしょうか伺います。
○石原中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 中野駅西側橋上駅舎等の供用開始は2026年を予定しており、これまでに駅前広場の駅舎と接続する部分につきましては整備を完了したいと考えてございます。なお、新北口駅前広場全体の整備完了につきましては2029年度を予定してございます。新北口駅前広場整備は、新北口駅前エリアの拠点施設や駅ビル、囲町東地区再開発事業などの周辺施設等の整備進捗と整合を図りつつ、デッキなどの歩行者動線やバス停留所などの交通広場の段階的な整備を進める必要がございます。仮設施設整備の有無や駅前広場本体の供用開始時期につきましては、今後、工事工程の検討を深度化し、検討を進めることとしてございます。
○渡辺委員 工事の進捗状況によっては検討するという前向きな答弁だと受け止めました。区は以前から、中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画と中野駅西側南北通路・橋上駅舎事業を、歩行者動線を確保するという理由で、これらの事業を一体化して同時に進めようとしてきておりました。区としても橋上駅舎が早くできることでエレベーターが設置されて、バリアフリー化が早期に実現できることになりますし、JRとしても工期が短くなる分、管理費や人件費の負担が減るので、双方にとってもよい話になるかと思います。こちらも以前から再三申し上げておりますが、区はJRのダイヤ改正を機に、中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画とは切り離し、早期の西口改札の開通を目指してJRとの交渉に臨んでみてはいかがでしょうか伺います。
○石原中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 最終電車が早まることによる作業時間の延長等の影響につきましては、具体的な運行計画が決まり次第、JR社内で検討を進めると聞いており、全体の工期短縮につきましても今後検討していくことになります。JRと情報共有を行いながら、区としても南北通路・橋上駅舎整備につきまして、今後も引き続き工期短縮に努め、できるだけ早期の西口改札の開業を目指していきたいと考えてございます。
○渡辺委員 西口の橋上駅舎開設は本当に一日も早くやるべき事業なので、ぜひその交渉をどんどん進めていってもらえることを期待しているところでございます。現在、中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画は、来年の1月以降に事業者を選定するスケジュールで動いておりますが、この事業は新区役所整備事業と連動して動いております。もし仮に何らかの理由で、新庁舎の建設スケジュールが様々な理由で延びてしまった場合、現庁舎の解体が遅れることになりますので、こちらの事業も庁舎建設のスケジュールに合わせて延ばしていかなくてはなりません。こちらの中野駅新北口駅前エリア再整備事業は、新庁舎整備スケジュールに何らかの変更が起きた場合、そのスケジュールに合わせて調整していくことは可能なのでしょうか伺います。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 新北口駅前エリア再整備につきましては、想定スケジュールに示しておりますとおり、新区役所が完成した後、現在の区役所を解体、新北口の拠点施設建設工事に着手する予定としております。仮にですが、新区役所整備のスケジュールが変更となる場合には、そのスケジュールに合わせていくということになりますが、関連する各まちづくり事業との再調整や、工事工程等の再検討が必要となってまいります。
○渡辺委員 ちょっともう時間がないので、この質問で、要は延ばすことができるということは、ここも延ばすことができるんだったら、新庁舎の整備スケジュールも延ばすことは可能だということを伝えたくて、この項の質問をつくりました。ちょっと時間がないので、すみません。ほかの質問をつくっていただいたところで、答弁を書いていただいた方、本当に申し訳ありません。
私は最後に申し上げますけど、まだ新庁舎の整備スケジュールを延ばすということは、やろうと思えばできるはずなので、いま一度諦めずに汗をかいて頑張ってもらいたい。それをやらずして、ほかの施設とかを延期するとなったら、それは区民感情として絶対に納得がいくことができないことなので、そこの工程はちゃんと踏んだ上で行うべきだということを最後に申し伝えまして、私の総括質疑を終わります。どうもありがとうございました。
○山本委員長 以上で渡辺たけし委員の質疑を終了します。
次に、高橋ちあき委員、質疑をどうぞ。
○高橋(ち)委員 おはようございます。大変年を取りまして、息をするのも大変なので、マスクを取って質問させていただきますけれども、昨日、臨時国会におきまして、菅新内閣が発足をいたしました。そして、この新しい内閣は、感染拡大防止と経済活動の両立、そして国民のために働く内閣というフレーズで、これから多くの皆さんに期待を持っていただける内閣だと私たちも心待ちにしているところでございます。
そして、その新内閣のもとに、総裁は、行政の縦割、既得権益、悪しき前例主義を打破し、規制改革を進める。そのようなこともおっしゃっておりました。まさしく今、この中野にとってもそのようなことが同等になってくるのかなという思いがありまして、この決算議会におきまして質疑をさせていただければと思います。
まず、質問は通告どおりにさせていただきます。私はいつも最後だったんですけれども、今回ありがたいことに2番目のチャンスをいただきました。しかし、僅かの時間でございますので、大分はしょるところがあるかもしれませんけれども、御答弁はしっかりと簡潔に分かりやすくしていただければありがたいと思います。
昨日、我が党のトップバッターとして、内川委員が厳しく決算についての質疑をさせていただきましたけれども、私も中身を変えまして、ほんの少しでありますけれども、決算に触れさせていただきたいと思います。
決算は、当初の予測に対する実績を明確にして、これを確定するとともに、財務上の責任を明らかにすることにあると思っております。この令和元年度の決算を踏まえ、次年度の予算編成に生かし、持続可能な区政運営を進めていくことに大きな意義があるものと思います。そこをしっかりと捉えてお答えをしていただきたいと思います。
財政白書の中から、有形固有資産減価償却率というのが記載をされているんですけれども、これは有形の資産、いわゆる学校や公園、図書館などの年数を指標で表すというものだと私は理解しているんですけれども、その減価償却率が高いほど老朽化が進んでいるということを意味していると思っております。この指数を見ますと、近い将来に大規模な修繕や改修が必要になってくる可能性が高いと言えるという指標だと私は思っているんですけれども、中野区の指標は66.6%で、特別区の平均が53.3%。この中野の数値は、大体6割以上は老朽化が進んでいる状況にあるというふうに示しているのではないかなというふうに思うんですけれども、これからの区の財政に非常に重くのしかかってくるものと思うんですけど、現在、区としての認識はどうお持ちなんでしょうか。
○森財政課長 御指摘のとおり、有形固定資産償却率については、施設の老朽化度合いをはかるものでございますが、66.6%だったということで、他区と比較いたしまして区の施設、老朽化が進んでいると認識しているところでございます。
○高橋(ち)委員 多くの議員がこの施設等の配置計画を気にしていらっしゃるところでありますけれども、平成26年の中野区公共総合管理計画建物編というものがあったと思うんですけれども、この中において10年間の更新経費については13%の経費縮減を行いまして、20%の削減となる807億円を歳出目標額としているというふうなことが書かれているんですけれども、これも現在進行中なんですか。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 中野区公共総合管理計画でございますが、平成29年3月に策定したものでございます。そのため、更新経費の縮減や資産活用による財源確保を行う考えに変更はございませんが、削減割合や金額につきましては、対象となる施設の更新や経費算出根拠の見通しなど時点修正が必要であり、検討中の区有施設整備計画との整合を図りながら、改定の作業を進めているところでございます。
○高橋(ち)委員 そうすると、これは今検討している施設配置計画の中には参考とならないという理解でいいんですか。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 区有施設整備計画では同様の考え方を取っていきたいと思っておりますけれども、今後、時点修正をしていく必要があると考えております。
○高橋(ち)委員 様々な委員の皆様から、施設のことは統合とか、それから、これから使わない施設はどうするんだというような御意見が出ていたかと思います。そういうことも様々考えの中に入れながら、やっぱり基本的に考えた建物編ですから、そこは大事に活用していただきたいというふうに思います。
それでは、もう一つ、この財政白書の中には受益者負担率というのがございます。これは単に行政サービスの費用である経常経費がどの程度の使用料とか手数料で賄えているかということを示しているものだと思うんですけれども、これは今後の施設、新施設や使用料、手数料の設定に生かされるものだと、まずは理解していいんですか。
○森財政課長 この受益者負担比率ですね。こちらにつきまして、一定施設使用料ですとか、手数料の算定の一つの参考の数値にはなるかと思いますが、これをベースに、例えば他区と比較してどうだからとかいうことで、それで直ちに見直しに着手するということについては考えていないところでございます。
○高橋(ち)委員 先ほど渡辺委員が熱弁しておりましたけれども、税以外のもので収入をしっかりと考えるべきだとおっしゃっていましたけれども、この指標を見ますと、中野区の場合は3.1%となっていて、特別区の平均が6.3%となっているんですよ。だから、単純に比較はできないでしょうけれども、他区に比べると中野は半分の使用料とか手数料しか取っていないのかなというふうに私は解釈をしちゃったんですけれども、これらの手数料等や使用料を見直すことは今後考えているんでしょうかね。それでなくても区は自前で収入が入ってきていた、簡単に言えば保育園の土地使用料なんかも、もうまるっと100%の減免にしちゃったわけですから、きちんとそういうところからも考えていかないと思いますけど、いかがですか。
○森財政課長 今御紹介があったように受益者負担比率が他区より低い水準だからといって、直ちに使用料や手数料を見直すということについては考えていないというところでございます。施設の使用料については、当該施設の利用を促す側面もあるなど、政策的な検討も必要だと捉えておるところでございます。
○高橋(ち)委員 単純に本当にこの指標で他区より全く安いんだという理解はよろしくはないかと思うんですけれども、今後いろいろな手数料とか使用料とかの策定があるじゃないですか。そういうときには、きちんとやっぱり区としてのスタンスを持って考えていかないと、安ければいいって。それは使う区民はありがたいですよ。だから、区民活動センターにしたって何にしたって、手数料、使用料をいただく場合には、しっかりと計算しながら、中野区は区民に対してのサービスがここまでできるんだけど、この料金は払ってくださいという考え方を持たないと、あまりにも安過ぎてもいけないんじゃないかなというふうに私は思っております。
次の質問になりますけれども、次は、コロナ関連の財政状況について確認をさせていただきます。様々、昨日もこういう質問があったかとは思いますけれども、一応私からも確認をさせていただきます。令和2年度のコロナ関連支出はどれぐらいあったのか。補正予算と予備費について別々に教えてください。
○森財政課長 まず補正予算のほうでございますが、先日議決いただきました第6号補正予算の時点のところで合計約378億円の事業費ベースでございます。予備費につきましては、約2億3,000万円の支出ということで見込んでいるところでございます。
○高橋(ち)委員 国とか東京都の特定財源はどれぐらいかというのは昨日どなたかがお伺いになっていたと思いますので、これは飛ばしまして、そうすると、差し引きして区の持ち出しはどれくらいになっていたんですか。
○森財政課長 コロナ関連の特定財源について申し上げますと、新型コロナ感染症対策の地方創生臨時交付金もありまして、さらに国や都が様々補正予算を組んでおりますので、そういったところの特定財源を含めて差し引きいたしますと、区の一般財源については6億円ということになります。
○高橋(ち)委員 相当な持ち出しがあるわけでございますが、この補正で出したいろいろな事業でありますけれども、本来であれば、補正だから緊急でやらなくちゃいけないというところで補正に出してきたんだと思うんですけれども、現在、全てが100%執行されていなくちゃいけないというふうに考えるんですけど、全て執行をされておりますか。
○森財政課長 これから例えば契約に発注するとかというようなものも当然あるわけなのでございますが、計画を立て、事業着手はしているというところでございます。
○高橋(ち)委員 後の質問にも触れますけれども、先議としてこれは緊急だから急いで審議してくださいということで補正を出してきたわけでありますから、契約等々、様々な段階もあるんでしょうけれども、現在100%に近いぐらいは、これはもうやっている最中ですというふうな状況になっていないと、本来はいけないんじゃないかなと思いますけど、どう思いますか。いま一度聞きますけど。
○森財政課長 おっしゃるとおり、緊急的な対応を要するということで補正予算を組んだり、また予備費を充用したということでございますので、これらの事業については当然スピード感を持って速やかに対応していく必要があると考えておりまして、財政サイド、企画部としても、その進捗状況につきましては適宜確認していきたいと考えております。
○高橋(ち)委員 いろいろと課長はおっしゃいますけれども、私たちから見ると、補正は通しました。なんだけど、現在どうなっているかという状況はあんまり報告がないんですよ。それで、補正を通すときの審議だって、先議だから丸々何時間しかないという、そういうひどいやり方と言ったら変ですけれども、後々触れていきますけれども、そのような形で、しようがないから補正を通しました。でも、その通った補正の予算で実施する事業が現在どうなっているか。ここまでは完了しましたとかいう、そういう報告が議会にないんですよね。それって何かもう通っちゃったからいいんだよ、適当にやればって私なんかは感じちゃうんだけど、どう思っていますか。
○森財政課長 おっしゃられるように、例えば補正予算で組んだ、この事業をいつから実施しますとか、こういう形でスキームで実施していくといったようなことについて、それぞれの個々の事業について適宜議会のほうにも御報告をして、御説明をしていくということについては、そういう必要はあるだろうと考えております。
○高橋(ち)委員 ぜひそのようにやってもらいたいですよね。何か補正を通すときだけは、もう何とかお願いしますよっていらっしゃいますけれども、その後、何か通ったら全然知らん顔をされるというのは、議会を何だと思っているんだって思っちゃいますよ、本当に。ということはまた後で触れますけれども、残っている時間、あとお昼までは10分ですので、ここの時間帯で決算についてのところは終わりにしたいと思うんですけれども、先に進みまして、今度9月1日に行われた総務委員会での報告で若干確認しておきたいことがあります。総務委員会に出ている方たちは分かりますけれども、私たちは総務の委員の方から伺っているから内容が分かるんだけど、全く分からない人は全然分からないんだろうなと思って、すごく心配なんですけれども、令和2年度の都区財政調整の普通交付金の当初算定ね。当初の算定についての報告があったわけでありますけれども、当初の算定額は344億9,000万円、当初予算での算定は353億円、差引き8億1,000万円の減という報告がされているんですよ。これはそうなんですか。本当に8億1,000万円の減になってしまうという理解でいいんですね。
○森財政課長 先日報告させていただきました普通交付金の当初算定につきましては、歳入については基準財政収入額、歳出については基準財政需要額といたしまして、定められた項目の数値を積み上げした結果、事業額に対する収入額の不足額が生じた場合にそれが算定されて、今回の金額が示されているというところでございます。まず現在の当初算定についてはこういう数字で示されているところではございますが、当日の総務委員会でも御説明を少し触れさせていただきましたが、実際、各区のほうに算定した後に算定残というのが241億円ほどございます。通常の年であれば、この算定残の部分を再調整して、各区に割り振るというような作業を年末から年始にかけて行いますので、その再調整の結果、例年であればこの金額は増えるというようなことはあるんですが、一方で、今回この経済状況がございますので、その再調整がどうなるのかというところについてはまだ不透明な状況でございます。
○高橋(ち)委員 じゃ、その再調整がもし全く駄目になって、何も、いや、このとおりですよってなったらどうするんですか。
○森財政課長 普通交付金がこの形に金額、もしかしたら再調整の結果、これよりも減るというようなことも考えられるわけでございますが、そういった場合につきましては、もし財源が不足するということになれば、当然財政調整基金での対応ということになろうかと思います。
○高橋(ち)委員 そういうふうに来ると思ったんですよ。でも、区民サービスは低下させないというようなことをおっしゃっていながらも、行政報告の中には何かもう厳しい状況にあるから我慢してほしいみたいなフレーズが入っちゃっているんですけれども、財政調整基金は繰入れますと今おっしゃいましたけど、繰入れしないでやる予定なんじゃないんですか。違うんですか。基金を取り崩さないとか言っていたんじゃないんですか。
○森財政課長 令和3年度予算編成を進めていくに当たっては、まずは財政調整基金の繰入れを前提とせずに、歳出削減に取り組む方針ということで掲げさせていただいたということでございます。先ほどの今年度の財調の交付金の部分につきましては、もしそこが減になり、歳入不足ということになれば、今年度においては当然に財政調整基金からの繰入れの対応ということは想定するところでございます。
○高橋(ち)委員 厳しい、厳しいと言っている中でとても大変だと思うんですけれども、それではまたまた総務委員会に出された令和3年度予算編成の中について、矛盾しているんじゃないかなというふうに思うので伺います。財政フレームについて資料がついておりましたけれども、歳入においては一般財源では、令和2年の805億から令和3年は713億円で、これは92億円マイナスになっちゃうというふうには書かれていますけど、令和4年は741億円で令和3年よりか28億円増になっている。景気って、令和4年にはもう回復が始まっているというふうに想定してつくっているんですか。
○森財政課長 今、委員がお話しいただいた28億円ということの増については、一般財源がということであると捉えておりますが、この歳入の推計につきましては、今年の7月、国の経済財政諮問会議で提出されました中長期の経済財政に関する試算に示されております地方税収等の伸びを参考に推計をしているところでございます。ですので、国のほうで議論された資料を参考に、この伸びを見たということでございます。特別区税ですとか、財産費を除く特別区交付金については、その資料を基に令和3年度から令和4年度にかけては約1.1%の伸びということで推計をしております。
○高橋(ち)委員 それは国の基準をもってというふうな感じで財政フレームをつくってつけたんでしょうけれども、現状ですよ、9月1日の資料だったかとは思いますけれども、今期の定例会においては、そんな悠長なことじゃなくて大変厳しい行政報告になっているわけですよ。だから、何だか言っていることが本当にちぐはぐでおかしいんじゃないのというふうに感じてなりません。
何個か飛ばしちゃいますけれども、令和3年には区民の収入が増加というふうになっているんですけど、この根拠は何なんですか。
○森財政課長 こちらは、特別区税が増加ということでよろしいでしょうか。(「そうそうそう」と呼ぶ者あり)おっしゃられるように、特別区税につきまして3年度から4年度にかけまして約4億円の伸びを見込んだということで推計をお出ししておりますけれども、こちらについても先ほど御紹介いたしました国の経済財政諮問会議で提出しました試算に基づいて税の伸びも見ておりまして、繰り返しになりますが、特別区税については令和3年度から約1.1%の伸びということで見込んでいるところでございます。
○高橋(ち)委員 甘いなというふうに思います。それであと、幾つか取材していただいたんですけれども、お昼前に最後この項は終わりたいなと思っておりますので、本当に行政報告の内容と総務委員会での報告があまりにもそごがあり過ぎて、僅か本当に数週間しかたっていないのに、こんなに変わっちゃうんだというふうに私は理解ができないぐらいな変わりようだなと思っているんですけど、資料を出すときには基本的な試算というものがあるでしょうけれども、そのときの資料添付についての説明というのは詳しく、現在これでやっておりますけれども、今は大変厳しい状況ですというふうに補足で説明されているんですか。
○森財政課長 例えば先ほど御紹介いただきました令和3年度の歳入減、一般財源約92億円の減ですとか、あと令和4年度以降の歳入の伸びなどにつきましても当然、例えば庁内の議論においては、その根拠、考え方について御説明をして、こういう形で資料としてはまとめているところでございます。
○高橋(ち)委員 大変ね、予算編成をするに当たっては厳しい状況下に置かれていくと思うんですよ。だから、いろんな指標とか試算をしなくちゃならないんでしょうけれども、甘く見込んでつくっては絶対いけないというふうに多くの議員がおっしゃっていると思うんですね。ですので、来年、令和3年の予算編成においては、本当に一丸となって厳しい予算づくりになってしまうかと思うんですけど、区民サービスをいかに低下させないか。そして、収入源もいろいろないかということをしっかりと考えながら、予算編成に向かっていってもらいたいと思います。これは要望としておきます。
ですので、若干半分ぐらい取材していただいたんですけど、この項は抜かしてしまいましたけど、申し訳ありません。以上でこの項は終わりにいたします。
○山本委員長 高橋(ち)委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
午後0時00分休憩
午後1時00分開議
○山本委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。高橋(ち)委員、質疑をどうぞ。
○高橋(ち)委員 先ほどに引き続きまして、次の項目に入りたいと思います。皆さん、お腹もいっぱいでしょうけど、寝ないで聞いていただければと思いますので、よろしくお願いします。
次の項目は危機管理についてです。行政報告の中でも報告されておりましたけれども、新型コロナウイルス感染症対策においての区の危機管理対応について確認をさせていただきます。
区では、2月3日に健康危機管理対策本部を設置したとのことですけど、なぜ全庁的な危機管理対策本部を先に設置しなかったんでしょうかね。この時点では全庁的問題ではないとの認識だったのでしょうか、健康危機管理は単なる所管の問題だったとの認識だったんでしょうかお伺いいたします。
○中村危機管理課長 このたびの新型コロナウイルス感染症への対応については、区の危機管理ガイドラインにおいて健康被害の分類に位置付けられており、早急に防疫業務を実施するため、健康危機管理対策本部を設置したものでございます。
○高橋(ち)委員 そういうお答えが来るとは思っておりましたけれども、では、健康が中心になるという話ですけど、その立ち上げた健康危機管理対策本部とやらのメンバーはどなたで、どのような会議を進めてきたのでしょうか。中心的になっている所管はどこなのか、また、この対策本部の会議がどのように行われていたのかを時系列で教えてください。
○石崎福祉推進課長 健康危機管理対策本部の構成でございます。区長を本部長に、副区長を副本部長といたしまして、関係各部長が本部員となっておりまして、進行管理等につきましては健康福祉部が担当してございます。本年2月3日から5月7日までの間に28回開催いたしまして、健康危機管理に対する基本的な対策などについて協議を行ってまいりました。
○高橋(ち)委員 どのような協議だったんですか。
○石崎福祉推進課長 その中では、国から緊急事態宣言等も発令されたことに伴いまして、区の所管する施設の休業等に関することでありますとか、外出自粛に伴う区の対応とか、そういったことについて議論してまいりました。
○高橋(ち)委員 その議論の中身までは詳しくはお伺いいたしませんけれども、全く私が感じるには、その健康危機管理対策本部というのが何をしているかがよく見えない状況にあったような気がいたします。また、5月15日には危機管理対策会議へ移行したというふうにおっしゃっております。全庁一丸となって感染症対策に取り組んでいるところともおっしゃっているんですけれども、先に立ち上げているこの健康危機管理対策本部との関係性というのはどうなっているんですか。
○中村危機管理課長 健康危機管理対策本部では感染症対策を中心に審議を行ってまいりましたが、感染症の対応が長期間に及ぶ中、経済対策などのより広範囲な事業について庁内調整が必要となったことから、感染症対策を含め全庁的な対応を行うため、総務部が主体となる危機管理等対策会議に体制を移行したものでございます。
○高橋(ち)委員 順序的にね、すごく私はおかしいなと思うんですけど、どっちも区長がいらっしゃるわけでしょう。そうしたら、先にこの全庁的な危機管理対策本部というのを立ち上げて、それから枝葉に分かれていくのが当然じゃないんですか。それで、感染を中心とした健康危機管理からの報告とか、または経済的な問題とかというのは、そういうものを集約するところが本部にあるわけでしょう。立ち上げ方が全く真逆で、何だかおかしいなというふうに感じています。この先まだまだ疑問はたくさんあるんですけれども、さらに感染拡大においても、サーモグラフィーを予備費で導入されました。最初は職員の対応が1か月、そして業務に職員には支障があるとかいうことで、いつの間にか警備会社へ委託というふうになりました。さらにそれが終了すると、感染が拡大しているにもかかわらず、全く何もしていないという、そういう状況が続いていたように感じます。私たちの会派から指摘がありまして、取ってつけたように簡易テントをロビーに置きまして、区民が自主的に検温をするという状況が大分続いていたように感じるんですけど、区民の皆さんからは、これは展示物だというふうに捉えられていたというふうに私は区民の方から聞いています。また、どうしても検温してもらおうという、そういう意思の伝え方が全く伝わってこないということも感じました。これは、またまた我が会派の指摘で、今テントもなくなりまして、中央玄関の手前のところに検温するようにとなっておりますけれども、そして職員にも裏手のほうから毎朝検温するようにと。これもうちが指摘して、そういうふうにしているというのがどうも納得ができません。
また、いっとき防災無線で、不要不急の外出は避けてくださいという放送があったんですけれども、これに対しても区長がいつの間にか名前までおっしゃいまして、再三区民の皆さんからは、もういいかげんにしてほしいんですという苦情がありまして、何度もお願いをしましたけれども、しばらくの間それが続いてしまっていたというのは、私どもに何回も区民の皆さんからお声が来ておりました。そういうところもあったりとかして、やっていることが全くちぐはぐではないかなというふうに感じるんですけれども。そして、サーモグラフィーが私は危機管理だと思っていたのに、何で防災がやっているのか理解できないんですけど、何でですか。
○中村危機管理課長 サーモグラフィーの担当でございますが、感染拡大防止に当たっての全体の役割分担の中で、防災担当と施設課が連携しまして対応いたしました。
○高橋(ち)委員 人数的にもね、人が足りないというのはあるかもしれませんけど、端から見ると、何で防災担当がサーモグラフィーまでやっているんだろうというふうに思われてならなかったような記憶があります。また、全庁一丸となって取り組んでいこうということですけれども、実際現場で対応している保健所のところにはどんな対応をされていたんでしょうか。私は、お盆のときに保健所を訪ねました。所長は休む時間もなく、様々な対応に追われており、また、狭い建物の中に3密を回避することもできないほどの職員の皆さんが、本当に忙しく対応されておりました。大内委員の質問でも、防疫業務は健康福祉部が担っているって、こんな簡単な答弁しかなかったんですけど、全庁的に取り組んでいるというふうな認識をお持ちなのに、何で保健所に対しては全庁で応援体制を組むことができなかったんですか。いや、やっているんだったらそのように言ってください。そして、トップの皆さんも、この保健所で一生懸命対応されている人たちにどういう対応をされてきたんですか。確認させてください。
○中谷職員課長 保健所に対する全庁的な応援体制についてお答えします。すこやか福祉センターや地域包括ケア推進課など、保健予防課以外の職場へ全庁的に配置されているほかの保健師のうち、基礎疾患のある職員や妊娠中の職員を除いて、全ての保健師に保健予防課の兼務発令を行っているところでございます。防疫調査などの業務量の増加に応じて、最大で14名の保健師の応援体制を取ってきてございます。また、人材派遣なども活用して、5名程度の看護師の手配なども行っております。そのほか、事務職につきましても、業務量に応じて全庁から2名から4名程度の兼務職員による応援体制を継続するとともに、東京都の派遣職員も2名から4名程度の応援を受けているところでありまして、そうしたことをもって全庁的な応援体制を取って、保健所の業務量の増加に対応しているところでございます。
○高橋(ち)委員 先ほど渡辺委員も質問しておりましたけれども、全庁的に応援体制を取っているんだというのであれば、ある程度休息が取れるような形の応援体制ぐらいは考えてあげないと、これ、いつ収束されるかいまだに分からない。いまだかつてない状況でありますから、しっかりと対応してもらいたいんですけど、そこのところをいま一度確認しておきます。
○中谷職員課長 保健所の業務が繁忙な職員につきましても、きちんと休暇等も取れるような形で応援体制の構築をしていきたいというふうに考えてございます。
○高橋(ち)委員 ありがとうございます。トップの方たちって私は今聞いたんですけど、区長は一度たりとも保健所に行っていないんですか。保健所に行きましたか。
○酒井区長 保健所につきましては、視察等で3回ぐらいですけども、訪れております。その場で現場の課題などを聞き、庁内に戻りまして、速やかに改善指示を出しているところでございます。
○高橋(ち)委員 3回と言わずね、極力視察ではなくて、しっかりと業務の皆さんの大変さを把握されて、それを反映できるようにしていただきたいというふうに要望しておきます。また、厚生労働大臣の政務官であります、我が自由民主党の参議院議員、自見はなこ議員が、保健所業務の支援についての意見交換会ということを開きたいということで、厚生労働省の会議室にて4月18日に行われたということを私は聞いております。そのときの状況をお伺いいたします。
この会は、コロナの感染拡大を心配される中、感染者数の多い自治体との意見交換が目的であったというふうに私も確認をしております。中野区も感染者が非常に増えていた状況だったと思いますが、ほかにはどこの自治体が参加されたのでしょうか。また、自治体で参加された方はどんなような役職の方だったのでしょうか。中野区はどなたが出席され、この意見交換会でどのような意見や話があったのかもお伺いしたいと思います。
○石崎福祉推進課長 保健所業務の支援についての意見交換会でございます。出席自治体につきましては、世田谷区、新宿区、杉並区、文京区、港区、中野区が参加してございます。中野区からは健康福祉部長と地域包括ケア推進担当部長の2名が参加してございます。会議は、委員おっしゃったとおり感染者数の多い区が出席してございまして、各区の現状を報告し、厚生労働省からも意見をいただきながら、意見交換会を行うという内容でございました。他区の状況や国の認識などが確認できて、とても有意義な会議だというふうに認識してございます。
○高橋(ち)委員 それは課長が報告を受けて、認識をされているということですよね。他区の方たちはどういう役職の方が出ていたか聞いていますか。
○石崎福祉推進課長 先ほど申し上げた自治体からは、それぞれ区長が出席しているというふうに認識してございます。
○高橋(ち)委員 私が確認しているところでありますと、ほかの5区、今おっしゃった5区の方々は、全てが区長さんであった。保健所の所長さんも来ているところがあったと伺っております。そして、この意見交換ということでありますけれども、今後この感染が拡大されていく中において、どういうことが国としてサポートが必要であるか、その自治体にどういう支援ができるかということを把握されたかったという話を聞いております。そして、そこで、たまたま秘書さんにお会いしたところ、区に対しての支援の体制の強化にもつながることだったはずなんですけれども、うちの区はトップの方がお出にならなかったので、危機管理というものをどのように捉えているのかちょっと心配だったなというお声も聞いて、じゃ、申し訳ありませんでしたというようなことを言っておきましたけれども、何で出られなかったんですか。
○酒井区長 私の所用がございましたということと、あと、前日の夜にファクスでこの会合のお知らせが来ましたけれども、タイトルが保健所業務についての意見交換ということだったので、保健所業務に詳しい直接の担当者に参加してもらったほうがいいという考え等々もございます。
○高橋(ち)委員 それはファクスで来たからとか、保健所業務だからとかいって、分かる人が行ったほうがいいとかいうお話を今お答えになってくださいましたけれども、ほかの区は区長さんが行っていらっしゃるわけですよね。しかも、厚生労働省の会議室で行う。幾らファクスで来たからといっても、あまりにも我が区のトップとしては任せきりじゃないかなというふうに思いますけど、区長としてはいま一度どう認識されていたんですか。
○酒井区長 繰り返しの答弁になりますけれども、前日の夜ということで、次の日の日程の調整ができなかったということと、やはり保健所業務の意見交換ということだったので、それでしたら保健所の担当、詳しいことを分かっている担当に出席してもらおうということで考えました。
○高橋(ち)委員 所用があったということと、前日に来たということ。これね、本当に生意気なことを言うようでありますけれども、トップなんですよ。そのトップの方がたまたま前日で所用が入っていたから、専門的な部署が行けばいいんだって、そういう安易な考えではいけないんじゃないかなと私は思います。今、このコロナというのがどんなものだかもまだ判明していなくて、どんどん中野区なんかも1,000人以上の感染者になっているという、そういう状況の中にいる区長が自ら所用で行かれなかったというのは残念でなりません。本当に。昨日はある会派の方が、区長は悪くない、頑張っているんだというすばらしい応援をしておりましたけれども、私もそのように思っているんですけれども、この点については納得がいかないところがあります。
そして、さらに確認をいたしますが、江古田のほうの病院のクラスターが発生したときは、中野はどのような対応を取っていたんですか。
○石崎福祉推進課長 クラスターが発生したときにつきましては、東京都及び厚生労働省とともに対応してございます。
○高橋(ち)委員 そういうことがあったからこそ、自見はなこさんがわざわざ感染者の多い区を呼んでまでやったんだと思うんです。ですので、その区のクラスターが発生したときの対応は全く悪くはなかったと思いますけれども、現在、区民の皆さんは、中野がどのような対応をしているのか、また区民に何を発しているのかが全く分からないという声をよく伺います。どう思いますか。
○石崎福祉推進課長 このコロナウイルス感染症については未知のウイルスということから、かなり区民の方についても不安が多い状況だと思ってございます。安心するように区としても精いっぱい頑張っていきたいというふうに考えてございます。
○高橋(ち)委員 頑張ってやっていることは、私たちは分かります。しかし、この中野に住んでいらっしゃる方が、自分たちの生命を守ってくれている中野区が一体今何をしてくれているんだろうという発信は必要だと思いますから、きちんとした情報提供はしていっていただきたいというふうに要望をしておきましょう。
私は、昨年も危機管理について総括質疑をさせていただきましたけれども、風水害の自然災害や地震による災害などと、このコロナウイルスに対しての危機管理というものは、全てが同等に考えられるものと思っております。本来であれば、本部長として常に区長が先頭に立って指揮を執ると私は思います。新しい生活様式の定着によって、町なかで感染が拡大しにくい状況をつくり出すため、区民や事業者に対する働きかけや具体的な支援を行っていくことが必要であると考えていますともおっしゃっているわけですから、さらにそれを進めていくためには、危機管理というものを、認識を把握されて、全庁一丸となって考えていかなくてはならないんではないかと思っております。さらに区として的確にこういう行動を行えるように、危機管理部門に人事、そして予算等々の権限といいましょうか、そういうものを持たせるべきだと思いますが、いかがお考えですか。
○中谷職員課長 危機管理部門への人事や予算などの権限の集中についてお答えします。新型コロナウイルス感染症への対応に当たりましては、人事や予算に関する事項につきましても、区長を座長とし、副区長を副座長とする危機管理等対策会議で検討して、区としての判断や全庁的な調整を行っているところでございます。これまでも防疫業務は健康福祉部が、また、経済対策と生活支援は緊急経済対策室が対応してございますが、それらの状況を集約して、全庁的な対応の決定は危機管理等対策会議で行ってきたところでございます。今後もこうした体制の中で組織横断的な対策も決定していくものと考えてございます。
○高橋(ち)委員 今一番大事なときでありますから、これはあっち、これはあっちということではなくて、一つのところで全てがまとまって決定できるようにしていってもらいたいと思います。さらに危機管理の組織についても確認をしますけど、危機管理には予算がないから予備費で何でもやりたいんですって、何か予備費を出しちゃえば全然使えちゃうんだぐらいの認識でやられては困ります。現在は総務部の中において危機の担当部長、管理監、そして危機管理課は課長が区役所整備を兼務している状態なんですよ。こんなので危機管理できると思いますか。これは、私はおかしいと思います。以前から提案している独立した危機管理部というのが必要ではないかと思いますが、いかがですか。
○中谷職員課長 新たな組織の整備につきましては、現在のところ、まだ具体的な案は考えてはございませんが、来年度の組織や職員配置を検討する中で、その必要性などを検討していきたいというふうに考えてございます。
○高橋(ち)委員 職員課長じゃないと思うんですけど、これはやっぱりしっかりと考えていっていただきたいと思います。以前も区長が、いや、危機管理部をつくるんですよと言うから、きちんとしたものだと思っていましたところ、危機管理部長という役職だけでありました。前回の水害のときも質問をしましたけれども、今回の一連の対応を見ても、トップがリーダーシップを発揮しているというのは全く感じられないように私は感じています。一番大事なときに、このトップの方がですよ、10日間も休暇を取られていたという話を聞いておりますけれども、そんな意識でいいんでしょうか。非常時においてこそ、きちんと役所、庁舎内にいらっしゃるのが当然だと思いますが、いかがお考えですか。
○酒井区長 リーダーシップについては、まさしく危機管理体制の中で私がしっかりリーダーシップを発揮していく。これまでもやってきたと思っていますし、これからもやっていきたいと思っております。休暇につきましては、先ほど保健所の話もございましたけれども、私が休暇を取らないと部長以下、職員がなかなか休暇を取れないという状況がもう何年も続いております。その中で、私は基本、都内におりましたけれども、自宅で休養したものでございます。
○高橋(ち)委員 区長のおっしゃるのはね、私が取らなければ職員が取れないって、それはないんだと思いますよ。区長がいても職員に休暇を取りなさいと言えば取れると思います。これ以上のことは言いませんけれども、危機管理意識をしっかりと持っていただきたいというふうに思いますね。
では、次の項目にいきます。議会と執行機関との関係です。これも、前回も総括質疑でお伺いいたしましたが、しつこく今回もお尋ねをさせていただきます。
議会と執行機関は対立であり、いわゆる相互に抑制して、かつ均衡の取れた形で運営をされていかなければならないのが建前であると思います。つまり、トップの行き過ぎを議会がコントロールするし、議会の行き過ぎについてはトップがコントロールをする働きをしながら、ともに政治行政の責任を住民に負う仕組みであると言われています。これは通常、車の両輪と常に言われていますが、両者の守備範囲が壊れて他の範囲にまで介入することや、無意識のうちに介入するとバランスが崩れ、そして全くもってよくないことになっていくと言われております。国との違いは、地方議会は執行機関よりも優位であるかどうか、地方自治法にも何ら規定がありません。両者に優劣の関係はなく、並列対等であるとすることが正しいというふうにも言われております。ですので、相互のコントロールによって公正な行政の確保ができるわけです。このことについて改めて伺いますけれども、今言ったとおりでよいとお考えですか。私は、もうとてもバランスが崩れていると思っております。
○浅川総務課長 区は、区長をトップとした執行機関でございまして、また、区議会は、区の意思を決定する議決機関であるとともに、執行機関の行財政運営を区民の立場に立ってチェックする権能を有していると認識してございます。この両者が緊張感を保ちながらも信頼関係を築き、それぞれの機能を最大限に発揮し、結果としてバランスが取れていることが区民にとって望ましい関係であると思っております。区としては、こうした区議会との信頼関係の構築に心がけてきたつもりではございますが、今般の議会でのやり取り等を踏まえると、さらなる努力が必要であると感じております。
○高橋(ち)委員 いろいろ言いたいことはたくさんございますけれども、もう時間も迫ってまいりましたので、疑問に思っていることを伺います。この頃の定例会においては、行政のほうから議案で先議によることが大変多いと思っております。改めて先議の意味ですけど、議案は、あらかじめ予定されている採決日や定例会最終日に行いますが、その日を待たずに会期の途中で議決することを先議と言います。ざっと調べてみても、平成31年の第1回定例会から今回の令和2年第3回定例会までの間、ずっと初日に補正予算や契約案件などについて先議による審議をお願いされています。通常議案はあらかじめ予定されている常任委員会を経て、最終日に議決をするのが流れだと思うんですが、なぜなんでしょう。このコロナによって補正等の先議がある。ある意味仕方がないというふうに思いますけれども、どう考えてもコロナのこういう状況になる前から、毎回定例会に先議を行ってくださいというのは一体どういうことでしょうか。
○浅川総務課長 災害対応等のほか、今般の新型コロナウイルス感染拡大の状況は、区民の生命や健康、経済、社会生活など、広範囲にわたりまして重大な影響を及ぼし、緊急な対応が迫られているところでございます。これだけにかかわらず、このような状況等に対しましては、機を逸することなく効果的な政策を実施するため、必要不可欠な議案については特に先議という形でお願いしているものでございます。
○高橋(ち)委員 こういうコロナのことに対しては理解を示しますよ。しかし、コロナにおいても先議をやっても、いまだにこれからですというのもあれば、これから契約しますというのもあれば、何の報告もないというのがおかしいんではないかなというふうに感じ取っているわけです。定例会においても、第6次の補正で議決をしました高齢者に対する新型インフルエンザは、これはもう誰しも理解することであります。そして、議案を取りまとめている総務課としては、先議でいいですよ、先議でいいですよというような指導はしていないと思いますけれども、その辺り、各所管に対しての指導はどのように行っているんですか。
○浅川総務課長 それぞれの議会において、総務課といたしましても、先議案件については特に注意事項ということで、特に必要と認められるもの以外は先議の対象とならないと。この辺のところを十分留意するようにということで指導はしているところでございます。
○高橋(ち)委員 もっと厳しく注意、指導をしてほしいと思います。一つ例を挙げますと、今定例会に提案されている中野区立体育館条例を廃止する条例でありますけれども、メモ議運では先議でお願いをしたいということであったような気がしますけれども、様々な議論がありまして、招集議運においては、先議を行わず、通常の議案で審議したいということで、先議を取り下げる形となっておりました。恐らく担当間での改めての協議を行った結果だと思いますが、その辺の経緯を教えていただけますか。
○古本スポーツ振興課長 現在の体育館でございますが、9月末に閉鎖をする予定でございました。しかし、第2回定例会の時点では新体育館の建設が完了しておらず、現体育館の廃止条例を提出することができなかったものでございます。第3回定例会を迎えるに当たりまして、新体育館が完成をいたしましたことから、今定例会で旧体育館の条例の廃止を提案させていただくこととなりました。ただ、議会日程との関係から最終日が10月に入りますので、遡って廃止ということができないということでございまして、9月中の本会議での先議をお願いしたというのが経緯でございます。
○高橋(ち)委員 大体経緯は分かりました。でも、これもそれぞれの所管で協議をしていれば、そんなこともなかったんじゃないかなというふうに思いますので、今後そのようなことのないようにお願いしたいと思います。いろいろ大変苦慮されて、事情は理解しないわけではないんですけれども、先議が全て駄目と言っているわけでもありません。しかし、この刻々と状況の変わる中において、様々な事業の計画も進まない大変さも理解はしておりますけれども、十分に先議というものを理解されて、議会に提案していっていただければなというふうに思いますので、これは要望としておきます。
また、臨時会についてもお尋ねをいたします。臨時会は会期の一種で、常任、特別以外に臨時に招集される議会のことだと思います。臨時会は、議員の改選後や大きな災害など、特に緊急な事案が生じたとき、または議会運営委員会の議決を経て議長が請求したときなどがあると考えますが、この1年を振り返ると、安易に臨時会での対応に持っていこうとしているように感じてなりません。この点についてもどのように捉えているのでしょうかお伺いをいたします。
○浅川総務課長 臨時会につきましても先議同様、区民の生命や健康、経済、社会生活を守るため、区議会の閉会中、緊急の案件として議決いただくことが特に必要だと判断した場合に限って、事前に御説明させていただき、区長が臨時会を招集しているものでございます。
○高橋(ち)委員 臨時会も度々お願いはされていますけど、開かれているのは1回か2回ぐらいかなと思っておりますけれども、振り返って調べますと、この中野区議会で臨時会を行ったのは、議会の改選期とか、よっぽどの議案の提案というときだけしかありませんでした。ですので、臨時会を安易に言えば開けるんだと思われては、私は議会に対して失礼じゃないかというふうに思います。予算のときに区長からいただいた答弁では、議会において適切に審議してもらうための適時適切な情報提供、丁寧な説明というものが必要であり、情報共有や意見交換を十分に行い、意見の相違は丁寧な説明で解消し、区政の充実を図っていくというふうにおっしゃっていたんですよ。それがつい半年前の答弁にもかかわらず、私自身はこのような対応がいつ行っていただけたのか全く覚えがありません。内川委員も同じことを言っていたと思います。要するに、何もそのように感じていない人が多いというふうに私は思います。本当に何というんですか、大事な話を全くスルーされて行っていくことが多いように思えてなりません。そして、特定な会派だけに言っているんだとしたら、これは問題だと思いますが、これは独り言だと思ってください。改めてお尋ねいたしますが、前回いただいた御答弁は今も変わっていない。それとも違うことがあれば、どうぞおっしゃってください。確認させていただきます。
○酒井区長 以前答弁させていただいたことについて、内容は一切変わってございません。今回の定例会での御意見も踏まえながら、改善はしていきたいと考えております。
○高橋(ち)委員 変わっていらっしゃらないのであれば、区長自ら説明に来るわけにはいかないと思いますから、それぞれの所管の大事な役職の方たちにそれなりにお伝えしていただきたいと思います。私は全く何の説明もなく、物事が進んでいっているように感じてなりません。
今、御答弁をいただいた上で、さらにお伺いをいたします。自治体の長と議会は、それぞれが直接区民から選ばれる形を取って、行政と政治の緊張感を持っての関係が求められていると思っております。自治体の長は選挙で選ばれる政治家であると言われますが、同時に執行機関の長としての位置付けが重要です。そっちのほうが多分重いと思います。政策の決定や条例、予算に対しても、忠実に私見を入れずに、私見を入れずにですよ。公平に執行するのが長としての立場であると考えます。そのような立場である長は、執行機関の職員に対しても首長の考えや発言や行動をしっかりした姿勢で伝えていくことが大事だと考えます。議会との関係はもちろん欠かせないことでありますけれども、職員との連携、意思の疎通も怠ってはいけないことだと思いますが、このことについてもどのようにお考えですか。
○酒井区長 私は、中野区の職員行動指針の中で、対話で解決策を考えようということで職員に呼びかけております。組織の縦横の意思疎通を図ることが不可欠で、私としては中野区役所を風通しのよい風土にしていきたいと思っております。そのため、私自身も職員の声に直接よく耳を傾け、ボトムアップが適切に行われるよう、部課長会も含めて指示をしているところでございます。また、区として決定した政策は、確実かつ迅速に区民生活の向上に生かせるよう、職員に対しても的確に指示を行っているところでございます。今後とも組織内の意思疎通に一層留意していきたいと考えております。
○高橋(ち)委員 ぜひ今のお言葉を忘れずに、そのように行っていただければと思います。議会も職員も常に執行機関と一緒に、この中野区をよくしていこうという思いで動いているわけでありますので、必ず区長の思いが通じるように、ぜひともそのような行動を取っていただきたいと思います。
その他でもう一つ質問を予定しておりましたけれども、大分超過してしまいましたので、これは要望だけにしておきます。まず、子育て先進区ということを柱にしながら、区長は当選されてから掲げてまいりました。しかし、今回の行政報告にはその言葉が一言も入っておりません。また、突然たるや、本郷小学校を止めてしまったりとか、施設計画が途中で計画変更になるとか、大変子育て先進区にとっては痛いものではないかなというふうに思っておりますけれども、どこがどう変わってしまったのか、これは不思議でなりません。柱としているものを柱でなくしてしまったら、ただの妄想で終わってしまうんじゃないかなというふうに心配をしてしまいます。そのようなことがないように、もしこれを柱として今後区政を進めていくとしたら、しっかりと御自分の気持ちを反映できるものにつくり上げていくことが必要だと思います。これは質問ではございませんから、答弁は要りません。要望としてお願いで、区長にお伝えしたいと思います。
以上で大分はしょってしまいましたけれども、決算特別委員会の私の総括質疑を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。
○山本委員長 以上高橋ちあき委員の質疑を終了します。
次に、中村延子委員、質疑をどうぞ。
○中村委員 令和2年第3回定例会決算特別委員会におきまして、立憲民主党・無所属議員団の立場で総括質疑を行います。質問は通告のとおりで、その他はありません。
まず1番、令和元年度決算についてお伺いをさせていただきます。
まず、基準となる一般財源規模について伺います。基準となる一般財源規模の考え方は、平成21年度から導入をされています。これまでの質問と重なるかもしれませんが、確認でお伺いをさせていただきます。まず基準となる一般財源規模の考え方を教えてください。
○森財政課長 過去の歳入の推移及び今後の歳入見込みを踏まえて、基準となる一般財源規模を定めまして、これを歳出の基準として、将来の安定的な財政運営を見据えて、予算編成を進めるために設定をしているというところでございます。
○中村委員 制度改正と歳入の状況の変化等により、今までも変更をしてきたというところですね。令和元年度は690億円から710億円の20億円増やしていますが、変更理由はどういったものでしょうか。
○森財政課長 直近5年間の歳入一般財源の決算額の平均が710億円を超過していることから、今後の見込みについても710億円を確保できると見込み、実態に即して変更したものでございます。
○中村委員 では、令和2年度は750億円に増やしております。この変更の理由はいかがでしょうか。
○森財政課長 直近5年間の歳入一般財源決算額の平均が748億円となること、及び消費税率10%に伴いまして、令和2年度の地方消費税交付金が5億円以上見込まれることから、750億円としたものでございます。
○中村委員 では、令和元年度の基準となる一般財源規模は710億円でしたが、実際の一般財源充当事業の金額はいかがでしたか。
○森財政課長 759億円でございます。
○中村委員 では、令和2年度の一般財源充当事業の金額はいかがでしたか。
○森財政課長 744億円でございます。
○中村委員 今の御答弁でも、基準となる一般財源規模が増えたからといって歳出が増えるわけではないということが分かりますが、その理解でよろしいでしょうか。
○森財政課長 基準となる一般財源規模は、安定して収入が見込める一般財源規模を定め、歳出をその範囲内で編成していくというふうにして設定しているものでございまして、この基準が増えたからといって歳出規模が増加すると。増加につながるというふうに考えているところではございません。
○中村委員 令和元年度及び2年度に一般財源ベースで増額幅が大きかった事業を教えてください。
○森財政課長 まず令和元年度につきましては、学校再編に伴う施設整備、幼児教育の無償化、保育人材確保支援、学校教育の充実、ICT環境の推進などがございます。令和2年度につきましては、新井薬師前駅、沼袋駅周辺のまちづくり、区立学校の再編と中野区立総合体育館の開設、区立学校の環境改善に向けた計画的な改修などがございます。
○中村委員 今御答弁いただいた増額幅が大きな事業を伺うと、致し方ない事業とか継続している事業だったりとか、国や東京都の制度への対応というところもあるのかなというふうに思いますが、ちょっと詳しく御説明をいただきたいんですが、まずは幼児教育の無償化について御説明ください。
○渡邊保育園・幼稚園課長 総務委員会資料では、幼児教育の無償化について一般財源ベースで2億782万円の増であるとお示しをしてございます。この数字は、令和元年度予算積算時のもので、制度改正に伴う国や都の負担割合の変更が未確定であったため、特定財源として積算できず、一般財源の増となったものでございます。令和元年度決算では、前年度から保育所が増加しているため、保育所を前年度と同規模に補正して比較した場合、一般財源は1,600万円余の減であったものと見てございます。
○中村委員 ありがとうございます。次、保育人材確保支援はいかがでしょうか。
○渡邊保育園・幼稚園課長 総務委員会資料では、保育人材確保支援について一般財源ベースで1億5,784万6,000円の増であるとお示しをしてございます。この数字は、保育従事職員に対する宿舎借上げ支援事業、就職奨励金事業、保育士確保補助事業の3事業に要する経費でございます。一般財源の増額は、この3事業のうち宿舎借上げ支援事業によるものでございまして、保育所の増加に対応するため、特定財源の増額を見込むとともに、一般財源を増額したものでございます。
○中村委員 ありがとうございます。次に、学校教育の充実とICT環境の推進というのはいかがでしょうか。
○板垣学校教育課長 こちらにつきましては、総務委員会の資料で、学校教育の充実、ICT環境の推進ということで、1億381万8,000円の増というところになっておりますが、内容としましては、ICT機器を活用した授業を展開するための予算として、中学校のパソコン教室や小学校指導用端末を充実させ、新たにデジタル教科書を導入したこと等によるもので、一般財源が増加したものでございます。
○中村委員 では次に、令和2年度の区立学校の環境改善に向けた計画的な改修というのはいかがですか。
○塚本子ども教育施設課長 区立学校の環境改善に向けた計画改修といたしましては、特別教室の冷暖房化工事、トイレ洋式化工事、水飲み栓の直結給水化工事などを平成28年度から5か年計画で継続的に実施してきたものでございます。これらにつきましては、令和2年度でほぼ全ての事業が完了する見込みとなってございます。一方で、令和2年度からは、新たに校庭整備、そして体育館改修について計画的に実施をしていく。そういったこととしておりますことから、前年度と比較いたしまして、一般財源の増額幅が大きくなっているものでございます。
○中村委員 ありがとうございます。これら今聞いてきましたが、我が会派としては、子育て先進区に向けた独自施策というのがあんまり出てこないというのは少し残念なのかなというふうに思うんですが、財政運営としては健全な運営をしているのかなというふうに分かります。昨日の総括質疑の中で、令和3年度の基準となる一般財源規模は687億円となるとの御答弁がありました。これまで歳入の影響額は92億円と御答弁されてきましたが、実際には予算ベースで63億円の歳入減というふうになるのかなというふうに思います。基準となる一般財源規模の考え方を機能させるには、各部が予算編成時に基準となる一般財源規模内に収めるように努めるとは言っても、63億円というのは非常に大きな金額です。過去2年間を見ても、増額幅が大きなものも区独自でやってきたものは非常に少ない状況であります。令和元年度には、基準となる一般財源規模の考え方に歳出の考え方も入れてしまったことに関しては、我が会派としても指摘をさせていただいております。とはいっても、基準となる一般財源規模が増えたからといって歳出が増えたということではありません。これまでも基準となる一般財源規模よりも一般財源充当事業費が上回っていたことがほとんどです。この基準があることによって、執行段階でも工夫、見直しを常に行って、国や都の補助金を獲得するなどをして、執行の中で歳出を抑制し、基準となる一般財源規模内に収めるようにしていくということが大切だと思います。健全な財政運営は大切ですが、必要なところに必要な支援が行き届くよう努めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○森財政課長 厳しい財政状況の中でも必要な区民サービス等に対しましては、財源を投入して推進していく必要があると考えているところでございます。これまでも国や都の補助金については最大限の活用を図ってきたところでございますが、今後の厳しい財政状況を踏まえまして、新たな補助金を獲得できるよう努め、現在実施している事業についても、その事業スキームを見直したり、再構築することで、歳出削減のほうにも努めていきたいと考えております。
○中村委員 よろしくお願いします。
それでは次に、歳入のところで収入未済額についてお伺いをさせていただきます。収入未済額は38億1,332万6,000円で、前年度と比較して6億848万円の増となっています。決算審査意見書の27ページの収入未済額の区分を見ていくと、前年度と比較して大きく増加しているところが幾つかありますので、聞いていきます。まず特別区民税現年課税分は10.7%の増、5億9,369万3,000円です。滞納繰越分も6億7,972万5,000円増えております。前年度に大幅に減らしているので、そことの比較だと増えてしまっていますが、併せて理由をお聞かせください。
○矢島税務課長 特別区民税の収入未済額が現年課税分、滞納繰越分とも昨年度から増加している理由につきまして、滞納額30万円未満の滞納者が増加したことや、新型コロナウイルス感染症の発生に伴い、納税困難者が増えたことによるものと考えております。また、滞納繰越分につきましては、滞納繰越分の決算を5月末までの収入分から3月までに収入した分と2か月分少なく計上したことも一因であると考えております。
○中村委員 ありがとうございます。高額の滞納繰越分というのは、国税OBの活用などで効果が出てきているというふうに聞いています。一方で、今お答えになられました少額30万以下の滞納繰越分が96%にも上るというふうに伺っています。現年度分に関しても少額案件が増えているとのことですが、ここへの対策は現在、区はどのように考えているのでしょうか。
○矢島税務課長 滞納の9割以上を占める滞納額30万円未満の滞納者への対策といたしまして、滞納繰越の圧縮に取り組んでおります。これには、納期限後30日で発布しておりました普通徴収督促状を納期期限後20日で発布するとともに、督促状・催告書の送付に併せ、携帯電話に納付案内や納税相談のショートメッセージを送信するなど、納付勧奨を行っております。また、滞納額30万円未満の滞納者の財産調査や訪問による納付案内地域を拡大いたしまして、中野区の隣接地域から近隣6区全域にするなど、対策に取り組んでおるところでございます。
○中村委員 ありがとうございます。これについてはまた次年度の決算のところで見ていかなければいけないのかなというふうに思っております。特別区民税は、令和2年4月30日の新型コロナ税特措法の成立施行により、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が大幅に減少している方に向けて、納税の猶予の特例が創設をされました。前年度と今年度の比較で、今年度分の影響をどの程度見込んでいらっしゃるのでしょうか伺います。
○矢島税務課長 徴収猶予の前年度と今年度の比較につきまして、分割納付は3,545件から3,998件と453件の増加でございます。保留猶予につきまして、123件から620件と497件増加し、前年度比較で約5倍増となっております。執行停止は105件から317件と212件増加し、前年度比較で約3倍に増加しております。分割納付の増加分のうち約4割、保留猶予の増加分のうち約9割は、今年度中に徴収ができない見込みであると考えてございます。
○中村委員 ありがとうございます。やはり結構この数字を聞いても大変な状況だなというふうに感じます。ありがとうございます。
次に、保育料の1,604万7,000円について伺います。前年度比0.5%増となっていますが、これについて御説明をお願いします。
○渡邊保育施設利用調整担当課長 区は本年3月、新型コロナウイルス感染症対策として保育園の登園自粛及び保育料の日割軽減を実施したところでございます。既に納入いただいていた当該保育料のうち、日割軽減により返還を要する270万円余の還付手続を行いましたが、年度内に還付し切れなかったため、還付未済額が収入未済額1,604万7,000円に含まれていることが前年度より増加した理由でございます。
○中村委員 年度内の還付未済額が発生して、その金額が収入未済額に載っているということですね。年度はまたいでしまったけれど、この還付未済額というのは、全て還付は終了しているのでしょうか。
○渡邊保育施設利用調整担当課長 一部の保護者の方からは還付請求されていないため、18万3,460円の還付が終了してございません。引き続き、未請求者には還付金を請求するよう働きかけてまいります。
○中村委員 そこはよろしくお願いいたします。保育料の現年度分の収入率は非常に高いですが、やはり一定の滞納繰越金は出ております。税も保育料も滞納繰越させないということが非常に重要だなというふうに感じております。必要な方は福祉へつないでいくということも重要だと考えております。
次に、すみません、質問を飛ばさせていただいて、収入未済額の一番大きなものは国庫支出金で、15億2,447万9,000円のうち、14億6,822万2,000円は令和2年度への繰越明許に係る未収入特定財源というふうになっております。前年度も同じく国庫支出金の収入未済額が11億2,708万2,000円で、前年度比293.1%増となっておりました。これもまた繰越明許費に係る収入特定財源でした。繰越明許が増えてしまうということは、計画どおりに事業が進んでいないということに直結をします。前年度は9件、令和元年度は20件も繰越明許が発生しています。オリンピック・パラリンピックの影響と考えられる入札の不調も8件ありました。一方で、計画の遅れによるものも多くありました。計画どおりに事業が実施できないということは、区民への影響、財政への影響も出てくることもあります。様々社会情勢や時代背景に影響を受けることもありますが、計画どおりに事業が進むよう契約の工夫など、一層の努力が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○森財政課長 予算編成に当たっては、工事等、スケジュール適正性や想定されるリスク等を踏まえた事業計画の十分な精査、また予算執行段階におきましては適宜の進捗確認、こういったところは当然各部もそうですけれども、企画部としても全体のマネジメントを行って、事業が適切に執行されるよう努めてまいりたいと考えております。
○中村委員 ぜひそこはよろしくお願いいたします。
(2)歳出に入らせていただきます。まず執行率の悪い事業を見させていただきます。私なりにこの決算説明書を全部読ませていただきまして、未執行事業を数えさせていただきました。もしかしたら数え間違いもあるかもしれないんですが、87件ありました。中には執行するかもしれず、お金をつけておく必要があるものもありました。一方で、毎年未執行になっているような大きな金額の事業も散見されます。幾つか未執行事業や執行率の悪い事業について伺わせていただきます。まず、減額補正の基準について伺わせてください。
○森財政課長 減額補正は、基本的に最終補正で対応しているところでございますが、1事業1,000万円以上の不用額が見込まれるものを基本的に減額補正として対応しているということでございます。
○中村委員 ありがとうございます。まず、では、国際交流について伺います。執行率が非常に低い状況です。令和元年度はコロナウイルスとは関係ないと思うんですけれども、どういう理由で未施行だったのか、それぞれ教えてください。
○矢澤文化国際交流担当課長 国際交流事業費の執行率が低い要因でございますが、台湾との交流につきましては、2020年1月の台湾総統選挙を控えているという先方の事情もあり、両国を行き来しての交流はできませんでした。北京市西城区につきましては、昨年10月に中野区へ訪問したいとの打診がありましたが、先方の事情により実現いたしませんでした。また、年度末には中野区からの訪問団を派遣することも検討しておりましたが、新型コロナウイルスの影響により断念したところでございます。ソウル特別市陽川区につきましては、当時の国際情勢や他自治体の状況等を踏まえまして、派遣受入れを行うことができませんでした。
○中村委員 最終補正で減額しなかった理由はどういったものでしょうか。
○矢澤文化国際交流担当課長 国際交流事業費につきましては、昨年12月時点で減額補正することを検討し、財政課とも協議してまいりましたが、一方で、北京市西城区への派遣の可能性も残されたことから、減額補正をいたしませんでした。
○中村委員 北京はそういう状況だったかもしれないんですけど、ほかのところは減額できたのかなというふうに感じます。どこの判断で減額をしなかったのか教えていただけますか。
○矢澤文化国際交流担当課長 先ほど申し上げた事情を勘案いたしまして、私どもの判断で減額補正を行いませんでした。
○中村委員 今後もコロナの状況が世界全体で沈静化しない限り、難しい事業になってくるのかなというふうに思います。令和2年度予算の執行についてという資料が区議会、全委員会に報告されておりますが、その中で削減すべきところに国際交流は含まれていません。これは何ででしょうか。
○矢澤文化国際交流担当課長 新型コロナウイルスの影響により、今年度、諸外国との交流事業を実施することが難しい状況であると認識してございます。今後、事業予算の減額補正等を含めまして、対応を検討してまいりたいと考えてございます。
○中村委員 分かりました。この国際交流事業に関しては、必要がない事業とは全く考えておりませんし、民間交流が行われることは草の根の相互理解のために必要な事業だというふうに思っております。ウェリントン子ども交流は、特に中野の未来をつくる子どもたちにとってはすばらしい経験ができる誇るべきプログラムだというふうにも思っています。何年になるか分からないですけれども、国際交流事業ができない期間で今後の国際交流の在り方を考えていくべきじゃないかなというふうに思っております。ウェリントン子ども交流、これ、自己負担額が22万から23万円ぐらいあります。負担できない家庭のお子さんは行くチャンスすらない状況にあります。これは相互にホームステイをするなど長年の仕組みがあるので、なかなかそのウェリントンのプログラムにその枠をつくるというのは難しいのかなというふうに思います。北京市西城区とも野球交流をしていますが、自己負担額が1人10万円程度あるという状況です。ソウル市陽川区とは行政交流にとどまっていて、民間交流の形をつくることがまだできていない状況です。台湾との交流も模索している中で、今後の姉妹都市や友好都市とは、子ども交流の考え方を入れていくべきだと以前から私はお伝えをしているところなんですけれども、例えば自己負担がない枠をつくって、誰にでもチャンスがある仕組みを考えるべきではないかなというふうに考えますが、いかがでしょうか、
○矢澤文化国際交流担当課長 友好都市交流の目的は、区民相互の交流を通して国際理解を促進することであり、その中にはスポーツ交流や文化交流のほか、子どもたちの交流も含まれるものと考えてございます。今後、諸外国の交流自治体と協議していくに当たりまして、より多くの区民や子どもたちが参加し、交流できるようなモデルをつくってまいりたいと考えてございます。
○山本委員長 委員会を休憩します。
午後2時00分休憩
午後2時00分開議
○山本委員長 再開いたします。
○中村委員 ありがとうございます。ぜひ検討をしていただければと思います。今、中野区にお住まいの外国人はほとんどが、永住志向がある方々であり、多文化共生施策を推進すべきだというふうに考えております。今年度、外国籍児童・生徒就学状況調査委託が新規事業として計上されておりましたが、この事業についてはどうなっているのでしょうか。今こそやるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○板垣学校教育課長 本事業は、区に住民登録がある外国籍児童・生徒で就学状況の確認ができていない方を対象に、多言語により就学状況を調査確認するというものでございます。今年度、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として4月から入国が制限されているなど、外国籍児童・生徒の対象者が少ないことが想定されることと、調査結果の有効性を考えまして、委託調査は実施をしておりません。なお、例年、次年度の小学校1年生、それから区立学校等に在籍している中学校新1年生の学齢となる外国籍児童等の保護者に入学案内を送付しておりますが、今年度は就学状況が確認できていない方に対して状況調査票を送付することを考えております。また、就学状況調査票につきましては、職員で英語版のものを作成して対応するとともに、ホームページのアンケート機能を利用することで簡易に回答を求めることができると考えており、準備を進めているところでございます。
○中村委員 なかなか実態が今、こういった特殊な状況だというところではあるんですけれども、ぜひできることはやっていただきたいなというふうに思っておりますので、そこは工夫をしていただいて、よろしくお願いいたします。
我が会派の山本委員の一般質問で、外国人の相談窓口設置については、現時点では難しいというふうな御答弁がありました。今、国際交流協会で専門リレー相談を年1回やっておりますが、こうしたニーズは高いのではないかなというふうに考えております。相談窓口の設置に関しては難しくても、こうした専門相談会を区で実施するなど検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○矢澤文化国際交流担当課長 日頃、外国人の対応をしている中野区国際交流協会によりますと、日常生活における疑問や相談が多いと聞いてございます。そのため、在住外国人に対する相談機能につきましては、易しい日本語の普及などを含めまして、国際交流協会と連携し、充実を図ってまいりたいと考えてございます。
○中村委員 ぜひよろしくお願いします。
次にいきます。公衆浴場助成事業について伺います。平成30年度は、健康増進型公衆浴場改築助成事業と健康増進型公衆浴場改修助成事業の未執行による残がそれぞれ3,000万円と2,000万円、そして令和元年度は改築助成が未執行で3,000万円と公衆浴場設備改善資金助成金の残が1,600万円余で、執行率は55.4%でした。両年ともに残額が大きい状況です。予算の積算はどうしていらっしゃるのでしょうか。
○石崎福祉推進課長 まず公衆浴場設備改善資金助成事業につきましては、公衆浴場の設備を改善する経費といたしまして、1浴場200万円を限度に助成するもので、これまでの実績を参考に積算しているものでございます。一方、健康増進型公衆浴場改築等助成事業につきましては、健康増進に資する公衆浴場の改築・改修を行う場合の経費といたしまして、改築の場合は3,000万円を限度に、改修の場合につきましては2,000万円を限度に助成するもので、令和元年度につきましては改築・改修いずれも対応できるように3,000万円を予算化いたしました。
○中村委員 昨年度これだけの残額がありましたが、減額補正をしなかった理由を教えてください。
○石崎福祉推進課長 この事業につきまして、申請期間が年度末であるということから、減額補正を行わなかったものでございます。
○中村委員 特に改築助成事業については、利用される場合、実際の改築工事は1億円を超えるようなものになるのかなというふうに思います。それだけ大きな工事は計画的に実施するのではないかというふうに考えられます。それであれば、12月時点でまだ申込みがあるかもしれないということは、相手方に確認をすれば分かるのかなというふうに思うんですが、毎年大きな金額を積みながら使われていないと、必要でないというふうに思われてしまうんですね。相手方があることですが、十分な調整をしてから予算編成をすべきではないかなというふうに考えます。漫然と毎年同じ金額を計上するのではなくて、実施見込みを立てていくべきだと考えますが、来年度予算については改善をしていただきたいなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○石崎福祉推進課長 公衆浴場設備改善資金助成事業につきましては、急な故障等により対応を行うということで助成申請がある場合もございます。助成実績を見ながら、できるだけ執行残を残さないよう積算してまいりたいというふうに考えてございます。一方、健康増進型公衆浴場改築等助成事業につきまして、委員のおっしゃるとおり大きな工事になるものでございます。次年度工事の見込みが立てられるかなど、公衆浴場組合と協議をしながら検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○中村委員 ぜひそこはよろしくお願いいたします。
次に、定期利用保育について伺おうと思っていたんですが、ちょっと時間の関係上、これは分科会に回させていただきます。今回取り上げた、ほかにも執行率が悪い事業はありました。未執行だから、執行率が悪いからというだけで、要らないというふうに言いたいわけではありません。調整もなく漫然と予算計上するのではなくて、点検をしていく必要性、こういったところを考えていただきたいなというふうに思います。その上で、減額も含めて制度設計の変更など、必要な改善はしていっていただくようお願いいたします。
次に、区立保育室事業について伺います。これは、しっかりとした検証が必要な事業ということで伺わせていただきます。平成29年度の補正予算、それから平成30年度と令和元年度の2か年にわたって、緊急対策としてこれは行われました。当初の計画では2年限定でしたが、令和2年度は沼袋三丁目保育室のみ継続をしている状況です。決算の金額としては、平成30年度は16億9,000万円、令和元年度は16億7,000万円、2か年で33億6,000万円もの金額がかかっております。財政白書15ページの物件費の推移を見ても、平成30年度と令和元年度は物件費が突出をしているような状況になっております。当時、補正予算が提出された際には、場所などはまだ全く決まっておらず、議会側としても賛成をさせていただきました。しかしながら、その後に報告された7か所の場所については、必ずしも待機児童が多い地域への設置ではありませんでした。これだけのお金をかけて待機児童解消に至らなかったことは非常に残念です。初年度は特に入所率が低くて、昨年度は運営の工夫をされていたかと思いますが、詳細を教えてください。
○渡邊保育園・幼稚園課長 平成30年度の保育室の定員は7室で合計309名、運営委託料は8億9,916万円余でございました。令和元年度は入所者数も増加いたしましたが、入所率の低い保育室の定員を下げ、266名とし、運営委託料についても1,885万円減額し、8億8,030万円余としたところでございます。
○中村委員 定員を少なくして委託料も抑えられたという理解でよろしいでしょうか。
○渡邊保育園・幼稚園課長 そのとおりでございます。
○中村委員 ありがとうございます。一般財源で区立認可外保育施設と同規模のこういう事業の実施というのは、これまでになかったという答弁を昨年いただいております。各所管では、予算積算する際というのは本当に細かい金額の見直しを行ってきていただいているというふうに思います。新規事業を始めるときも、他区の状況など効果についても検証した上で計上していらっしゃると思います。この件については、議会としてもう少しチェック機能を果たせたのではないかという反省もありますが、区としても検証が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○渡邊保育園・幼稚園課長 区立保育室事業は、待機児童の緊急対策として行ってきたものであり、保育室を速やかに整備できる公有地の活用を優先したため、待機児童の比較的少ない地域にも設置いたしました。今後の新規事業の展開に当たりましては、効果を検証するとともに、他区の事例も参考に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。
次に進みます。新規事業について伺わせていただきます。まず不妊治療助成について伺います。東京都の助成に上乗せして、区も助成をし始めたのがこの不妊治療助成です。この間、多くの議員から要望が上がっておりまして、昨年度念願のスタートとなりました。東京都が、中野区がこの助成事業を始める直前に、従来の助成制度の拡大を行っております。検査助成の年齢を34歳未満から39歳未満に変更したのと、また特定不妊治療助成の所得制限を903万円に上げております。そのため、区としても当初考えていた助成の範囲よりも拡大をした経緯があるかと思います。まず、執行率が悪い理由をどういうふうに捉えているのか伺います。
○古川子育て支援課長 この不妊検査等助成事業及び特定不妊治療費助成に関しましては、平成31年の4月から開始したものでございます。この事業の広報につきまして、なかの区報及び中野区ホームページの掲載等により周知を図ったところでございますけれども、新しい事業であったことから区民への周知が行き届かなく、執行率が上がらなかったのではないかと考えているところでございます。
○中村委員 ありがとうございます。広報の問題というところで、私も実は昨年、区民の女性から特定不妊治療を始めることに関して相談を受けました。助成制度の話をしたところ、御存じなかったんですね。検査については特にどこまで使えるかが分かりにくいことになっていまして、使いにくくなっているんじゃないかなというふうに感じております。検査助成は、最初に行うスクリーニング検査のほかに、タイミング法を行うときの検査等にも使うことが実はできるんですが、あまり知られておりません。特定不妊治療に関しては、専門クリニックに通っていらっしゃる方が多いと思うんですけれども、不妊治療の入り口である不妊検査やタイミング法というのは、産婦人科で行っているケースもあります。例えば中野区内で検査を行っている医療機関にパンフレット等を置いてもらうなど、協力をお願いすることはできないでしょうか。
○古川子育て支援課長 昨年度は新規事業でもございましたので、制度の周知を図るため、事業開始前に不妊検査や特定不妊治療を行う近隣区や、あと区内の産婦人科へチラシの掲示を依頼したところでございます。さらに、事業開始後にも改めて医師会、歯科医師会、薬剤師会を通じまして、区内医療機関や薬局へもチラシの掲示や配布の依頼をしたところでございます。今年度も同様に依頼を行って、周知に努めさせていただいているところでございます。
○中村委員 もう既にやられているということなんですが、やっぱりちょっと目立たないのかなというのをすごく懸念しておりまして、実際、私自身も通っていたんですが、見たことがないんですね。そこら辺はもうちょっと改善が必要なんじゃないかなというふうに感じておりますので、そこは工夫をお願いしたいなというふうに思います。この事業に関してなんですが、今年度の実施状況を教えてください。
○古川子育て支援課長 不妊検査等助成及び特定不妊治療費助成ともに、今年4月から8月まで5か月間の申請状況に関しましては、昨年度の年間の執行率に近づいており、利用されている方が徐々に増えてきているというふうに考えてございます。
○中村委員 ぜひこれ、徐々に届いているのかなというふうに思いますので、引き続き努力をお願いしたいと思います。今回、菅義偉新総理が誕生されましたけれども、総理が総裁選で不妊治療の保険適用の必要性を語られました。この間大きな話題となっております。制度設計にはある程度時間がかかる可能性がありますが、それまでの間この不妊治療助成はぜひ続けていくべきだというふうに私は考えております。担当としてこの事業の意義をどう考えているか教えてください。
○古川子育て支援課長 この助成があることで経済的な負担が軽減され、不妊検査や不妊治療を受けることができると考える区民の方もいらっしゃるというところでございます。また、申請状況から特定不妊治療を受けた方が実際に妊娠、出産につながっていることも確認できてございまして、晩婚化や晩産化が進んでいる中において、こういった助成制度は妊娠、出産の機会を得るために意義ある取組というふうに考えてございます。
○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。
次に進みます。RPAについて伺います。RPAについては、昨年度、職員課で初めて導入をされております。超過勤務月に、35時間超えた際と45時間超えた際に、本人と所属長に自動的に配信がされるシステムを導入されました。まず、その効果について伺います。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 昨年度、中野区として初めてRPAを導入したケースでございます。テストケースとしまして、職員課の長時間労働者注意喚起と年休取得の管理事務にRPAを導入してございます。これまで行えていなかった事務に対する導入でございますので、効果としては、人手で行った場合と仮定しての比較ではございますが、まず長時間労働のほうでございます。職員1人当たり月77時間手作業ではかかるものが2分に、それから、年休取得につきましては、職員が手作業で行いますと月約4時間かかりますものが1分でできるようになってございます。
○中村委員 ありがとうございます。今年度は保育課の業務にRPAを入れています。この内容を教えてください。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 今年度は保育園の入園業務に対しまして、超過勤務の抑制と人的ミスの軽減を目的として、AI-OCR、それからRPAの導入を行ってございます。まず提出された紙の申請書をAI-OCRで電子化しまして、その電子化したデータを保育園システムに入力する作業をRPAに行わせることで自動化しようとしてございます。
○中村委員 委託していたものをRPAに置換えをするということですが、その効果についてどう評価しているのでしょうか。
○渡邊保育施設利用調整担当課長 RPAシステムにつきましては現在構築中であり、今年度は引き続き入園申込書のシステム入力を業務委託しているため、委託料は削減してございません。RPAシステムが本稼働する来年度につきましては、システム入力委託を縮小できる見込みでございます。
○中村委員 今年度導入ということで、まだ効果は見られていないということなんですが、今後しっかりと効果検証していっていただければと思います。RPAは、昨年度、今年度と毎年1事業のみ導入してきておりますが、今後も毎年一つの事業のみ導入となるのでしょうか。効果があるのであれば、年間1事例だけではなくて、他自治体の導入事例も見ながら複数の事業で計画的に採用していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) まずRPAで効果が出る業務でございますが、電子化及び定型化が可能で反復の多い業務でございます。庁内で適切な業務を見極めながら、現在検討中の地域情報化推進計画、そのアクションプランの中で、導入に向けた計画化を図ってまいりたいと考えております。
○中村委員 よろしくお願いします。昨年度は新規事業として会議録自動作成支援ツールも入りました。財政的な効果ばかりに目が行きがちですが、限られた職員の稼働も確保できるようなRPAや自動ツールは、効果見合いで積極的に採用していくべきだと考えております。職員の稼働も財政的な効果もしっかりと見極めた上で、効果のあるものに関してはどんどん取り入れていっていただければと思います。
この項の最後に、職員健診について伺います。職員健診には肺がん検診が受けられるようになっております。一方で、区民健診では肺がん検診は平成25年度に廃止をされています。職員健診のメニューはどのように選んでいるのでしょうか。
○中谷職員課長 職員の定期健康診断の項目につきましては、基本的には労働安全衛生法に基づく診断項目としておりますが、一部肺がん検診や大腸検診など法定外の項目も実施しているところでございます。
○中村委員 職員健診では、御本人が希望すれば肺がん検診が受けられます。本来は、胸部レントゲン検査で影が見つかった場合に喀痰検査を行う手順かと思いますが、最初から喀痰検査を行っているのは何人いらっしゃるんでしょうか。
○中谷職員課長 昨年度は298人に実施をいたしました。
○中村委員 喀痰検査により要精密検査の方はどれぐらいいらっしゃるんでしょうか。
○中谷職員課長 喀痰検査で要精密検査となった職員は、昨年度はおりませんでした。
○中村委員 ゼロということですね。では、レントゲンでの要精密検査はどれぐらいいらっしゃるんでしょうか。
○中谷職員課長 昨年度は11名でございました。
○中村委員 検査はハイリスク者を洗い出すものであって、ローリスク者の不安を払拭するものではありません。なので、レントゲンの結果が出てからの対応でも可能ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○中谷職員課長 喀痰検査もレントゲン検査も、いずれも精密検査が必要となった件数が非常に少ないことから、喀痰検査をやめて、胸部レントゲン検査のみとしても大きな問題はないと考えられます。
○中村委員 こうした検査は保険適用されませんが、レントゲン検査により再検査になった場合は保険適用になります。喀痰検査を希望者全員に実施していますが、なくした場合、幾らの削減になるんでしょうか。
○中谷職員課長 喀痰検査の単価が1,650円、昨年度の受診者が298名でしたので、約50万円程度の削減となります。
○中村委員 現在の職員健診の契約はいつまでになっているんでしょうか。
○中谷職員課長 単年度契約なので、今年度末まででございます。
○中村委員 次の契約をする際には、ぜひここの部分の変更をお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○中谷職員課長 契約は単年度契約なんですが、事業者の選定をプロポーザル方式で行っておりますので、次回の事業者選定を行う際に仕様の見直しをしたいというふうに考えてございます。
○中村委員 区民健診との整合性や健診の効果など、これまで疑問に思っていたので、今回取り上げさせていただきました。細かいかもしれませんが、漫然と続けているこういうお金の使い方はほかにもあると思いますので、区民サービスに影響を及ぼす事業のカットの前に、50万円ですけど、こうした見直しもしっかりと取り組んでいただきたいと思いますので、これは要望とさせていただきます。ありがとうございます。
次に、(3)番、行政評価について伺います。昨年度、行政評価の在り方を変更されました。これまで求めてきた事務事業点検になったことは評価をさせていただいております。また、次年度以降の対応を記載したのもすばらしいと思っております。一方で、事業が施策にもたらす効果を見られていません。今、区の行っている事業数というのは全部で幾つなのか教えてください。
○藤永業務改善課長 令和元年度で実施してございます区の事業メニューの数は、全部で409でございます。
○中村委員 409件で、今回、内部評価が行われたのは、企画部が指定する12事業のみ、409のうちの12事業のみ。この数は何なんでしょうか。
○藤永業務改善課長 本年1月の総務委員会で御報告しましたとおり、区議会での質疑、前年度の予算編成過程、政策企画会議や庁議、基本計画策定等の議論を踏まえまして、各部一、二事業を目安に企画部が指定したものでございます。
○中村委員 409事業の中で限定するのではなくて、全ての事業に対して今回の内部評価のような事務事業点検が必要だというふうに私は考えております。毎年全ての事業に対して実施するのは非常に大変な作業となりますが、例えば3年とか5年とかで回していくなど、計画的に進めていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○藤永業務改善課長 区は本年度から、区のPDCAサイクルの実効性を高めるために、行政評価制度、自己点検、内部評価、外部評価のいずれかの方法により、毎年度全事業を点検評価することとしたところでございます。次年度の内部評価につきましては、今年度実施した企画部の指定する事業に加えまして、予算補助説明資料でお示ししました各部の指定する事業についても併せて評価する考えでございます。今後は毎年約50から60の事業を評価する予定でございまして、区としては実効性ある評価ができると認識してございます。
○中村委員 ちょっと言いたいこともあるんですが、次に進みます。外部評価の対象事業は、企画部が指定した事業について委託による調査分析により実施するとありますが、対象はどのように選択するんでしょうか。
○藤永業務改善課長 外部評価の対象事業の指定基準についてでございますが、外部評価の対象事業については、二つの視点から対象事業を指定するものでございます。一つ目の視点につきましては、基本計画で示されたプロジェクトや予算の主な事業のうち、専門的見地からの評価が必要だと思われるプロジェクトや事業について、もう一つの視点につきましては、区議会での質疑、前年度の予算編成過程、区の政策形成過程における議論を踏まえ、専門的見地から評価が必要だと思われる事業を予算の主な事業以外からも選定するものでございます。
○中村委員 今回、外部委託によって1事業、公園分野だということなんですが、の外部評価を実施する予定です。これまでも外部評価は学識経験者と公募区民により実施をしてきました。また、公開ヒアリングも行い、区民の傍聴も可能でした。今回はどうなっているんでしょうか。
○藤永業務改善課長 学識経験者、公募区民、公開ヒアリングによる外部評価についてでございますが、今年度については専門機関への委託による方法により実施していますが、学識経験者など専門性を有する評価者による実施も想定しているところでございます。一方、公募区民による外部評価や区民による傍聴につきましては、制度改正後の外部評価では想定してございません。
○中村委員 想定していないんですよね。ちょっとそこが。また、外部評価はこれから結果が出てくる予定ですので、今の時点でなかなか評価は難しいところではあるんですけれども、今後報告などをいただいてから、この変更がよかったのかしっかりと評価をしていただければと思います。
今回決算の資料として提出された12事業以外の事業については、自己点検を行っているとの記載がありますが、その評価については、公表はされないのでしょうか。
○藤永業務改善課長 自己点検につきましては、毎年度定める行政評価の実施要領に規定するチェックリストにより実施し、各部で完結するものでありまして、公表する予定はございません。
○中村委員 公表されないんですよね、これ。全事業やっているとは言え、公表されないんですよ。外部評価も、区民公募も区民傍聴もできないんですよ。どういうふうになっているかが分からない状況になっちゃうというところが、やっぱり少し「ん」と思うところがあります。
一般質問で行財政の構造改革についてプロジェクトチームをつくって行うと御答弁されました。これこそが本来の行政評価のあるべき姿なのではないかなというふうに考えております。この事業評価を経常的に行っていれば、事業を継続するべきなのか、縮小するのか、休止するのか、それとも拡大するのかが判断できるのではないかなというふうに思っております。行っている事業が基本構想で描く未来のまちの姿に寄与できるものなのか、政策の方向性は合っているのか、税金で行っている以上、定期的な点検は必須だと考えております。区の考えをお聞かせください。
○永見基本構想担当課長 現在検討中の基本計画におきましては、基本構想で描くまちの姿の実現に向けまして、政策・施策を体系化するとともに、政策・施策のそれぞれに対して指標を設定し、次回の改定時における見直しを見据え、5年間の計画期間のサイクルで達成状況を点検するという考えでございます。こうした政策体系に基づく政策・施策レベルの評価と、毎年実施をする事業単位での行政評価の二つの評価システムを活用することで、区政運営のPDCAサイクルを機能させていく考えでございます。
○中村委員 ぜひそこは検討していただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いします。これまで行ってきた行政評価は、職員の労力も大変で、その割に業務改善につながっているのか分からず、漫然とやっているだけになっているように見えていたため、事業点検に変更されたことに関しては評価をしております。一方で、まだまだ制度設計としては未完成な部分があるのではないかなというふうに思ってしまうところも見受けられます。ぜひそこは随時検証しながら、いい制度にしていっていただけるようお願いをいたします。
次に、児童虐待防止対策について伺います。
国内で昨年1年間に警察が摘発した児童虐待事件は1,972件、被害に遭った18歳未満の子どもは1,991人で、共に前年を約4割上回って過去最多でした。死者は54人、夜間などに警察が一時的に保護した子どもは過去最多で5,553人でした。新型コロナウイルスによる影響で児童虐待がさらに増えている状況というのは御承知のとおりです。まず中野区の昨年度の状況を教えてください。併せて、昨年同月と比べて現在どれぐらい増えているのかお示しください。
○古川子ども家庭支援センター所長 昨年度、子ども家庭支援センターに寄せられた虐待通告は884件でございまして、一昨年度の541件から大幅に増加しているところでございます。また、8月末時点での通告件数でございますけれども、昨年度は376件でございました。今年度は速報値で434件でございまして、引き続き増加傾向になってございます。
○中村委員 かなり増えておりますね。悲しい事件が何度も繰り返されております。この間センセーショナルな事件もありました。今年7月、台東区のマンションで生後3か月が16時間放置され、死亡した事件。その母親は自宅で一人で出産をして、子どもを育てるために仕事に出ておりました。妊娠してから出産まで一度も病院にかからず、ここまで来てしまった。妊娠届も出生届も出していなかったために、行政側からはつながることができませんでした。1月に出産を経験した立場で言わせていただくと、一人で自宅で出産することが、妊婦健診も受けていないような無知の状態で出産することがどんなに怖かっただろうと思うと、とてつもなく胸が痛みます。そして、その子を育てるために直後から働きに出ていた。でも、仕事のために16時間放置をしてしまい、死亡させてしまい、逮捕されてしまった。こうした事件が起きるたびに、父親の存在は何も報じられず、罪にも問われないことに対しても憤りを感じるところですが、今回はこのことについては触れません。やはりこうした痛ましい事件が起きないようにしていくしかありません。
第1に、予期せぬ妊娠を防ぐことが非常に重要だと考えます。虐待死事件の90%はゼロ歳児、その中でも生後ゼロか月、ゼロ日が一番多い状況です。コロナ禍で妊娠、出産に関する10代の相談件数が伸びているという報告が様々な支援団体から出されています。こうした状況は、区は把握しているのでしょうか伺います。
○大場鷺宮すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 報道等におきまして、10代の妊娠、出産に関する関係団体への相談件数が増加傾向にあるという記事については承知しているところでございます。すこやか福祉センターや子育て支援課において、10代の予期せぬ妊娠に係る相談について、少なくとも今年4月以降は聞いておりません。
○中村委員 厚生労働省にも問合せをしました。こうした数は把握していませんでした。実際に相談を受けているNPOや社団法人からお話を伺ってまいりました。一般社団法人小さないのちのドアで受けたこれまでの相談件数は、1か月の平均がこれまでは大体20件から30件でしたが、3月が46件、4月89件、5月120件、6月120件と急増しております。その中でも10代のLINE相談が8割となったそうです。NPO法人ピルコンが行っているメール相談の年間相談件数は、2018年で179件、2019年で463件、2020年8月17日現在で682件と、かなりの件数に上っています。月間の相談件数も、2月までは50件から70件だったところ、3月以降は毎月100件を超えている状況だそうです。
予期せぬ妊娠は勝手に減ってくれるものではありません。性教育が非常に重要な役割を果たします。性教育というと非常にセンシティブなトピックだと思われがちですが、性教育は性器教育ではなく人間教育なんだということを言われている先生がいらっしゃいました。性教育は性行為を教えるだけという思い込みを取っ払って取り組んでいかなければいけません。日本の性教育は世界でも最低レベルです。ユネスコの国際性教育ガイダンスというものがあります。これは、どの年齢で何を教えるべきという国際基準ですが、日本ではレベル1、これは5歳から8歳なんですが、これを中学生で教えている状況です。性教育は、これまで様々な政治的背景でこのような状況に陥っていますが、本来は生きるためのすべを学ぶ人権教育、人間教育、防犯教育であるべきで、政治に左右されるべきものではありません。学習指導要領に制限があるため、学校現場ではなかなか難しい判断もあるかとは思いますが、進めていくべきです。
昨年8月に、性教育の先進事例と言われる秋田県を視察しました。医師会との連携で性教育を行った結果、10代の中絶件数が大幅に減ったという成果を上げています。昨年4月には、東京都の性教育の手引が改定をされました。区立中野東中学校では、昨年11月に東京都のモデル事業が行われております。この事業について教育委員会はどう評価しているのでしょうか。
○宮崎指導室長 中野東中学校で行われた性教育の授業の実践は、保健体育科の教員が性に関する授業を行った上で、外部講師である産婦人科医が専門的な講義をするというものでございました。学習指導要領にのっとった保健体育科の授業では、指導する保健体育科の教員が、性教育の手引に基づき、性教育の意義を十分に理解した上で授業を展開したため、子どもたちの学習意欲を高めました。講義におきましては、産婦人科医の講師が生徒の発達の段階を踏まえて分かりやすく説明したため、子どもたちは性に関する知識を高めるとともに、今後の生活で直面する性に関する諸課題についても考える機会となったと思います。
○中村委員 ありがとうございます。子どもたちの反応についてはどう把握されているでしょうか。
○宮崎指導室長 講義では、どの生徒も講師の話を真剣に傾聴し、講義後に生徒向けに行ったアンケートでは、ほぼ全員が知らなかった内容を教えてもらった。間違って理解していたことを正しく理解することができた。授業の内容は今後に役立つと思うと回答しておりました。こうしたことから、本事業は非常に子どもたちにとって意義深いものであったと考えます。
○中村委員 ありがとうございます。このほかにも医師会に委託している妊娠出産支援事業のライフプラン講座を活用している中学校や、助産師会にお願いをして行っていただいている性教育があるかと思います。以前伺った際は、1校を除く全ての中学校で何かしらの性教育講座を行っておりました。昨年度末はコロナの影響で学校が急遽休校となりました。外部講師を活用した性教育の授業は年度末に行われることが多いと伺っていますが、各校での実施状況を教えてください。
○宮崎指導室長 昨年度、助産師や産婦人科医などを講師とした授業を計画していた中学校は6校ございましたが、中野東中学校を除く5校は新型コロナウイルスの感染症の蔓延により実施ができませんでした。
○中村委員 休校措置の影響で様々な授業ができなくなっている状況は理解をしております。しかしながら、人権人間教育、防犯教育となる性教育は非常に重要だと思います。妊娠出産に関する相談が増えているコロナ禍だからこそ推進しなければいけないというふうに考えております。今年度の実施予定についてお聞かせください。
○宮崎指導室長 今年度は、中学校5校が助産師や産婦人科医を招いての授業を計画しているところでございます。
○中村委員 5校ということで、ほかにも実施はできないところもあるのかなというふうに思います。もしどうしても今年度の開催も難しいのであれば、来年度は必ず実施していただきたいというふうに思います。3か年連続で性教育を行うことができなくなるという事態はぜひ避けていただきたいなというふうに思っております。来年度に向けて調整をぜひ行っていただきたいのでありますが、東京都助産師会中野支部の皆さんは、オンライン対応での授業の実施もできるというふうに伺っております。こうした開催方法の工夫も含めて検討をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○宮崎指導室長 性教育につきましては、その重要性を認識し、各校では今後も教科等において学習指導要領に示された内容を確実に指導していきます。外部講師を招聘した授業やオンライン授業につきましては、現時点では想定される感染症拡大に対応した教育課程の編成や授業時数確保の問題から、性教育に限らず、その実施が難しい状況もございます。今年度、都の性教育の授業実施校では、都からの講師派遣が受けられないため、現時点では映像資料を活用して授業を行うこととなってございます。来年度以降につきましては、感染症や授業時数確保の状況を見ながら開催方法を工夫し、性教育をはじめ、自他の尊厳や命の大切さを考えることにつながる授業の実施を推進していきたいと思っております。
○中村委員 ぜひよろしくお願いします。先ほど御答弁いただいた中野東中学校でのモデル事業は非常に意義深いものだったというふうに受け止めました。こうした外部講師を活用した学習指導要領に示されていない内容を含む授業も、ぜひ区内全体に広げていっていただきたいなというふうに考えております。教育委員会としてはどうお考えでしょうか。
○宮崎指導室長 中野東中学校で行われた授業には、学習指導要領が示していない性に関する踏み込んだ内容も含まれておりましたが、人間関係や直面する性に関する諸課題に対して適切な意思決定や行動選択ができるようにすることを目指す性教育の意義に照らして、価値のあるものであったと考えております。今後は、各校における児童・生徒の発達段階や児童・生徒を取り巻く地域の実態、授業時数の確保等を踏まえながら、性教育を含めた命の授業として外部講師などを活用した授業の実施について各校に働きかけてまいりたいと思います。
○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。本来は、学校教育の中で性教育がしっかりと教えられることが大切なんですが、先ほども御紹介したとおり、学習指導要領の制限があるため現状は難しい側面もあります。そんな背景から、全国の学校で性教育の講師をされているNPOや助産師さんたちは、幼少期からの性教育講座を始めておられます。大阪市では平成29年度に家庭教育推進事業として、「おうちで伝える性のお話」という講座を2回、1回目は保護者向け、2回目は親子向けに行っております。事業目的は、現在、性に関する情報があふれ、インターネットなどを使って子どもたちが容易にアクセスできることで、子どもが性被害者や加害者になるといった痛ましい事件が多数起きている。こうした状況の中、家庭において適切な性教育が行えるよう、保護者として知っておくべき性についての知識(性の多様性も含む)や、子どもへの伝え方などについて学ぶことが必要である。子どもたちが性について正しく学ぶことで、自分の体や心を大切にすることを知り、性被害を避ける力を身につけ、将来自分が親になった場合にも命を大切にした子育てができる一助とするとされております。「寝た子を起こすな」論は通用しない状況になってきております。子どもが自分で選択をしなくても情報が入ってきてしまう現状がある中で、知識の予防接種が必要だと考えます。5歳までに85%の子どもが赤ちゃんのことを聞いてくるというデータもあります。先ほども御紹介した中野区でのライフプラン講座では、保護者対象に行っているものもあるかと思いますが、何件行っているのか、対象はどういう方なのか教えてください。
○古川子育て支援課長 昨年度実施いたしましたライフプラン講座のうち、保護者の方に参加いただいたものは5回でございます。小学校4校及び中学校1校の保護者の方に御参加いただいたところでございます。
○中村委員 大阪市のような講座を広く保護者や親子向けに開催することも大切だと考えますが、いかがでしょうか。
○古川子育て支援課長 ライフプラン講座でございますけれども、主に若年層に対して妊娠出産を通じたライフプランを考えるための講座として、中野区医師会に委託している事業でございます。医師会の先生方が対象者に合わせて内容の工夫を行っているところではございますけれども、講座の対象者を拡充していくことに関しましては、ライフプラン講座の中ではちょっと難しいというふうに考えてございます。
○中村委員 ライフプラン講座の中では難しいというふうにおっしゃいましたけれども、中じゃなくても、ぜひここは検討はしていただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いします。
幼少期で必要なのは、子どもたちが水着で隠れる自らのプライベートゾーンを大切にすること、また自分だけの場所だということを理解することです。さらにプライベートゾーンのことは簡単に外では話さないというマナーについても教える必要があります。まずこの2点だけでも教えるべきだと思います。家庭にだけ頼るのではなく、例えば保育園や幼稚園でも教えられるのではないでしょうか。区内の保育園でこのような教育をしていると耳にしたことがありますが、保育園や幼稚園でプライベートゾーンを教える教育をしているのでしょうか伺います。
○渡邊保育園・幼稚園課長 区立保育園では、ゼロ歳児のおむつ替えのときにおきましても、衝立などで目隠しをするなどの配慮をしてございます。3歳児以上の幼児に対しましては、健康教育の一環として、プライベートゾーンについて紙芝居などのイラストを使って児童に教えるとともに、保護者に対しても保育園での取組を説明してございます。私立保育園におきましては、保健衛生研究会において同様の取組事例が紹介されており、同様の取組が行われていると認識してございます。区立幼稚園でも生活指導の中で教えております。
○中村委員 ぜひこれを全ての保育園・幼稚園に広げていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○渡邊保育園・幼稚園課長 プライベートゾーンを幼児期の子どもに教えていくことは大切な取組であると考えてございます。今後とも区内の保育園や幼稚園に対し、体の仕組みや性に関する絵本などを紹介するなどをし、取組を広めていきたいと考えてございます。
○中村委員 ありがとうございます。先日、ユニセフが世界の子どもの幸福度ランキングを発表しましたが、日本の子どもの幸福度は38か国中37位でした。自己肯定感を高める教育の必要性が求められていると考えます。性教育や性知識の充実は防犯意識を高め、自己肯定感を高めます。こうした小さい頃から大人になるまでの継続した取組が非常に重要だと考えます。最後に、区長のお考えをお聞かせください。
○酒井区長 委員の御指摘のように、就学前から性に関する正しい知識を身につけていくことは極めて大切なことだと考えております。区の各関係機関がそれぞれの機会も捉えながら働きかけていくことが重要であると考えておりまして、区としても可能な限りこういった働きかけに努めていきたいと考えております。
○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。
次に進みます。(2)の妊娠・出産・子育てトータルケア事業について伺います。ちょっと時間がないので、はしょりながら質問をさせていただきます。
児童虐待を未然に防ぐ防止対策として中野区が進めている妊娠・出産・子育てトータルケア事業は非常に有効だと考えます。いい取組をしているからこそ、必要な方々に使っていただくことが重要です。産後ケア事業には、ショートステイ、デイケア、ケア支援者派遣と、これまで3種類の事業がありました。宿泊までは必要ないけれど、日中の時間帯だけでも使いたいという方向けのデイケアについては助産院にお願いしている以外に、昨年度まで中部と……。ごめんなさい。これ、ちょっとはしょりますね。
南部地域には現在、産後ケアを受けられる施設がありません。今回、第5次補正予算に訪問型の産後ケア事業について盛り込まれました、移動の負担がないことで、多胎児家庭や南部にお住まいの御家庭など、これまで産後ケアを使いたいけれど、使い勝手がよくなかった方々のニーズに応えられることになればと、うれしく思っております。御家庭によって使いたい産後ケアのニーズは違います。ショートステイを使いたい方もいらっしゃれば、ショートステイは必要がなく、デイケアを使いたい方だったり、訪問型のみが使いやすい方も出てくるでしょう。これだけ地域偏在もある中で、今はそれぞれの事業に使える回数上限がありますが、ポイント制などにしていくとか、運用を緩和していくことも必要ではないかと考えますが、いかがですか。
○滝浪北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 妊娠期から出産・子育て期については、妊産婦の体調、家庭状況や周囲の支援状況などにより、必要なニーズが異なるものと認識してございます。このため、妊娠期の相談支援や乳児家庭への全戸訪問事業などを通じて、産前産後のサポート事業や産後ケア事業など、個々のニーズに応じた切れ目のないトータル支援を展開してございます。これまでの事業実績や利用者アンケート結果などから、各事業に利用回数などの上限を設けておりますが、利用回数のポイント制なども含め、制度の改善については今後検討してまいります。
○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。産後家事・育児支援事業については、今回訪問型と同じく産後1年に変更されていますが、デイケアについても1年間に変更してもよかったのではないかなというふうに思いますが、ぜひ来年度の予算に向けては検討していっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○滝浪北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 産後ケア事業の利用期間につきましては、利用者へのアンケート結果から、サービスを主に利用する期間は、ショートステイが生後から2か月まで、デイケアが生後4か月から6か月頃までとなっておりますことから設定したものでございます。利用期間の変更は、受け入れる施設の設備やスタッフの体制整備も必要となりますので、今後の検討課題としてまいりたいと思っております。
○中村委員 ありがとうございます。あと3問ほどあったんですが、ちょっとここでこの質問は終わらせていただきます。
第2回定例会の一般質問でも申し上げましたが、産後は誰もが産後鬱を発症してもおかしくなく、それは虐待へとつながってしまう危険性もあります。お母さんの命も赤ちゃんの命も守っていく必要があります。その大きな役割を中野区の産前産後ケア事業は担っているということをぜひ念頭に、今後も取組を進めていただければと思います。
次に、(3)の児童相談所の設置について伺わせていただきます。中野区は、令和3年度に児童相談所を設置予定でございます。これまで人材確保ができないことなどを理由に、中野区と同じ年度に児童相談所を目指していた新宿区などが計画を延期されております。こうした状況を見ると、中野区は本当に計画どおり設置できるのか心配になるところではあります。中野区はこれまで計画的に児童相談所を設置する他自治体に職員を派遣し、人材育成を行ってきたほか、専門職の積極的な採用も行ってまいりました。児童相談所開設時には専門職や事務職は何名必要で、何名確保しているのか、まず教えてください。
○半田児童相談所設置調整担当課長 児童相談所開設に必要となる専門職といたしましては、児童福祉司が20名、児童心理司が10名、一時保護所が17名を配置する計画でございます。そのうち児童福祉司につきましては16名、児童心理司につきましては9名、一時保護所につきましては16名を確保済みのところでございます。なお、事務職につきましては現在、業務内容及び事務量のほうを精査中でございまして、必要人数を積算しているところでございます。
○中村委員 専門職の人員配置の基準を教えてください。
○半田児童相談所設置調整担当課長 まず児童福祉司の配置基準につきましては、人口3万人につき1名ということで11名、里親養育支援担当が1名、また虐待通告件数の加算がございまして、こちらが8名となっておりまして、合計で20名となってございます。また、児童心理司につきましては、児童福祉司2名につき1名以上配置という基準がございます。
○中村委員 通告件数は近年ずっと右肩上がりの状況が続いております。通告件数が増えれば、人員配置をさらに行う必要も出てまいります。今後の児相職員の推移についてどのように見込んでいるのでしょうか。
○半田児童相談所設置調整担当課長 虐待通告件数が増加した場合には、虐待通告件数による加算のほうが増となりますので、児童福祉司、児童心理司ともに配置数が必要となるというふうに考えてございます。新たに必要となった職員につきましては、経験者採用ですとか人事異動等で確保していきたいというふうに考えてございます。
○中村委員 次に、設置市事務の移管について伺わせていただきます。令和3年4月開設予定の港区は設置市事務業務でも職員派遣の研修を行っています。中野区ではまだそのような研修は行われておりません。実際に設置市事務が下りてきた際に、各所管で対応ができるんでしょうか。
○半田児童相談所設置調整担当課長 児童相談所設置市事務につきましては、令和元年5月から庁内での調整を開始したところでございます。児童相談所設置調整担当が中心となって情報交換等を行っておりますけれども、各業務は専門性の高いものが多いということもございまして、基本的には各所管で準備を進めているところでございます。現在は特別区長会を通じまして、東京都及び先行3区から情報提供を受けているところでございます。また、東京都による説明会なども順次開催されているところでございます。今後も各所管と情報交換を行いながら、引き続き準備を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○中村委員 職場によっては、現在の仕事量でいっぱいいっぱいのところに、初めて行う設置市事務業務が下りてくることになるのかなというふうに思います。研修にも参加が義務づけられているようです。設置市事務量の把握と職員課と連携した人員配置が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○中谷職員課長 児童相談所の設置に伴いまして、都から移管される設置市事務につきましても、増加する業務量を見極めて、必要な人員を配置していきたいというふうに考えてございます。
○中村委員 毎年通告件数が右肩上がりの中に、さらには設置市事務も増えます。児童相談所事業は小さなミスが子どもの命に直結する事業であります。今の職員定数で今後の児童相談所職員体制を確保できるのか、少し不安な状況になるんじゃないかなというふうに心配しているんですけれども、現在でもぎりぎりの状態の中、翌年に対応が必要になるのであれば、事前に対応していく必要性はないのでしょうか伺います。
○中谷職員課長 現在の職員定数の中で児童相談所の人員を確保していくのは難しい状況になってきておりますが、来年度の定数配分に当たりましては、他の新規事業を精査するとともに、事業者の廃止縮小、組織の統廃合、職員の適正配置などにより人員を捻出することで対応できないか検討していきたいというふうに考えてございます。
○中村委員 そこはしっかりと検証していただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、3番で南部地域のまちづくりについて、弥生町の防災まちづくりについて伺おうと思っていたんですが、時間がないので、これは建設分科会に託しますので、すみません。取材を行っていただいた担当理事者の方、申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。
最後に、(2)の神田川護岸整備について伺わせていただきますが、これも少しはしょりたいなと思いますが、神田川の護岸整備事業は東京都の事業として進んできております。平成24年の中野新橋完成から8年がたっております。令和2年3月からは本郷橋に着手しており、本郷橋が終わると次は寿橋になります。寿橋は中野通りになりまして、緊急輸送道路ということもあり、かなり大がかりな工事になるのかなというふうに思います。本郷橋の工事終了見込みというのが令和5年ということで伺っているんですけれども、令和5年度に完了見込みということは、次の寿橋についてはそこから間もない時期に着手するのかなというふうに思います。住宅地の中の橋については、これまでその橋を封鎖して工事を行ってきておりますが、一方で寿橋については封鎖をすることは不可能です。今、中野区が把握している寿橋の工事について御説明をお願いします。
○井上道路課長 寿橋の架け替え工事についてですが、寿橋については、中野通りに架かる都道の橋であり、交通量も多いことから、架け替え工事期間中も通行止めにすることが難しいとのことを聞いております。このため、周辺の用地買収や借地を実施することによって、迂回できる仮橋の整備を検討していると東京都から聞いているところでございます。
○中村委員 仮橋の整備をするということは、かなり大がかりな事業になるのかなというふうに思います。すみません。1問飛ばしますね。南中野エリアにお住まいの方々には非常に影響の大きな工事になります。東京都の工事だからといってお任せするのではなくて、なるべく早い情報提供に努めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○井上道路課長 河川改修工事の情報提供についてですが、区としても河川の安全性向上のためには必要な事業であるとともに、区民の影響が大きい工事であるというふうに認識しております。これまでも東京都と協力して、できるだけ早い段階で周辺の区民への情報提供に努めておりまして、今後も引き続きそのように取り組んでいく考えでございます。
○中村委員 ぜひそこはよろしくお願いいたします。
以上で私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。
○山本委員長 以上で中村延子委員の質疑を終了します。
委員会を休憩します。
午後2時54分休憩
午後3時15分開議
○山本委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。次に、日野たかし委員、質疑をどうぞ。
○日野委員 令和2年第3回定例会決算特別委員会に当たり、公明党議員団の立場で総括質疑を行います。質問は通告のとおりで、その他はありません。
この総括質疑、私、今回で3回目になるんですが、予算特別委員会も含めて。毎回ここに立つのは非常に緊張しまして、1期目の1年目の予算特別委員会のときはあまりにも緊張し過ぎて声が大きくなって、そのとき伊東しんじ先生に声がうるさいとちょっと怒られまして、今日は適度な適切な声でボリュームで質問したいと思います。(「そんなことないよ、大丈夫」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。
また、その2年後の決算特別委員会でも非常に緊張しまして、今度は理事者の答弁がどの質疑の答弁だったか分からなくなって、非常に混乱したというのがありましたので、今日はしっかり冷静に質疑していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それで、今日は決算特別委員会2日目で5番手となりますので、様々重なる部分もありますけども、改めて質疑を行っていきたいと思います。
初めに、令和元年度決算について伺います。
令和元年度決算は、酒井区政最初の予算編成の執行に対する決算審議となります。その前年となる平成30年度の予算の財政運営の考え方の中では、今後の学校改築に当たっては、起債を活用せずに建て替えを進めることを目標として財源の計画をするとされていましたが、酒井区政となった令和元年度予算の財政運営の考え方では、昨今の労務単価の見直しによる建設経費の大幅な増加などの事業費の状況変化や、経済状況の不確実性に対して留意が必要とされている中で、まちづくりや新区役所建設などを進めていくには、より柔軟な財政運営が行えるよう、一定程度の余裕ある基金計画としておく必要があります。そこで、学校施設の建て替えに当たっても起債を活用することとし、基金を計画的に保持していくこととしますというように方針転換をされました。ところが、令和元年度補正予算第6次では、予定していた特別区債のうち、約58億6,800万円分の起債を取りやめており、結果として令和元年度決算書を見ると、最終的に特別区債としての借入れは行っていないということでした。そこで、まずは令和元年度決算において基金と起債について伺っていきます。
初めに起債について、令和元年度予定していた特別区債については、公的資金での借入れができず、利率の高い民間資金での借入れになってしまうため、起債を取りやめたということでした。令和元年度予定していた起債総額と、そのうち公的資金での借入れを想定していた起債額、民間資金での借入れを予定していた起債額はそれぞれ幾らだったでしょうか。
○森財政課長 令和元年度予算におきまして起債予定額につきましては、総額、一般会計102億1,900万円でございました。内訳でございますが、公的資金を想定していたものが約66億円、民間資金を想定していたものが約36億円でございます。
○日野委員 公的資金で借入れができるものと民間資金で借入れができるもの、これはどのような条件で分かれているでしょうか。
○森財政課長 事業区分や事業内容ごとに若干の条件が異なる場合もあるわけでございますが、おおむね国庫補助がある事業につきまして、公的資金の対象となり得ると理解しております。
○日野委員 公的資金での借入れを想定していた66億円のうち、第6次補正の時点で公的資金から借入れできないと判明した事業と、その額は幾らだったでしょうか。
○森財政課長 公的資金から民間資金へ振替が発生した事業については、学校施設の整備事業ということでございました。金額でございますが、予算額ベースで約45億円でございます。
○日野委員 学校施設に関しては約45億円、全て公的資金での借入れができなかったということです。では、公的資金での借入れができなかった理由というのは、どういったものが考えられるのでしょうか。
○森財政課長 資金配分については、国の地方債計画において定められておりまして、地方債計画を上回る公的資金の要望が全国からあったということで、民間資金への振替が発生したということになるわけでございますが、その理由につきまして、国や東京都からは明らかにされておらず、詳細については不明ということでございます。
○日野委員 平成30年度決算においても、当初予定していた起債を最終的に取りやめていました。ただし、このときは一般財源が増収であったため、起債を行わなかったという判断でした。ちなみに、このときは当初公的資金での借入れを想定したけども、実際は公的資金では借り入れなかったというのはあったのでしょうか。
○森財政課長 そのようなものはなかったというふうに理解しております。
○日野委員 総務省から出されている令和元年度地方債計画を見ると、平成30年度の公的資金計画額は4兆5,848億円となっており、令和元年度の公的資金計画額は5兆5,121億円、比較すると1兆円近く増額されていました。国の計画なので、1兆円が多いのか少ないのかというのはちょっと分かりませんけども、それでも中野区としては公的資金を借りられなかった事業もあったということについては、これはよく検証してみる必要があると思います。これについてはいかがでしょうか。
○森財政課長 先ほども御答弁しましたが、公的資金を活用できなかった理由につきましては、国や都から情報は得られていないところでございます。ですので、検証ですとか詳細な分析ということについてはなかなか難しいかなと考えております。
○日野委員 でも、今後のことを考えて、しっかりとここの部分は今後も検証していただきたいというふうに思っております。それから、もともと民間資金で借入れを行おうとしていた事業もありました。起債額の合計は、先ほどありました36億円ほどとのことですが、これはどういった事業があるでしょうか。
○森財政課長 区役所の新庁舎整備、中野区立総合体育館整備、歴史民俗資料館の再整備、また哲学堂公園の野球場の改修でございます。
○日野委員 このうち令和元年度第6次補正予算のときに起債をやめたものと、その後、最終的に起債をやめたものというのがありますけども、それぞれの理由について伺います。
○森財政課長 第6次補正予算で、区役所の新庁舎整備と歴史民俗資料館再整備について起債を取りやめております。この理由なんですが、利率の高い民間債での借入れということであるとともに、起債額がほかの事業に比べて少額だったといったようなことを勘案したということでございます。最終的に中野区立総合体育館整備や哲学堂公園の野球場整備についても、出納整理期間中の判断で起債を取りやめたわけでございますが、こちらは利率の高い民間債での借入れであるということが一つ、また、令和2年の4月時点での一般財源の収入状況ですとか、歳出の執行見込みなども勘案しながら、最終的には取りやめたということでございます。
○日野委員 一方で、公的資金での借入れができるとなっていた事業もありましたけども、これはどんな事業だったでしょうか。また、これらの公的資金による借入額は合計幾らになるでしょうか。
○森財政課長 平和の森公園の再整備、西武新宿線連続立体交差事業、中野駅西側南北通路・橋上駅舎整備ということでございまして、当初想定していた、予定していた借入れの額については約11億円ということでございます。
○日野委員 これらは学校施設整備とは異なり、公的資金での借入れができるというふうになったはずです。しかしながら、最終的に起債を取りやめていますが、これはどういう理由からでしょうか。
○森財政課長 こちらにつきましても、一般財源の収入状況ですとか歳出の執行見込みを勘案しまして、後年度負担の軽減を図るということも考えまして、起債を取りやめたということでございます。
○日野委員 そうすると、仮に今回、公的資金の借入れができなかった学校施設整備の約45億円、これがもし借入れができるというふうになった場合には、起債はかけますか。いかがでしょうか。
○森財政課長 公的資金でありましても、元金や利息の支払いということで後年度負担が発生するということでございます。令和元年度については、ほかの起債のところでも御説明しましたように、一般財源の歳入状況ですとか歳出の執行状況から、一般財源が充足する見込みになったということでございまして、後年度負担を考慮し、基金からの繰入れを行うこととしたことから、仮にこの学校施設整備が公的資金活用可能だったとしても、区債発行は取りやめたと考えております。
○日野委員 そうすると、今度は逆に、先ほど増収だった場合には、税収が増だった場合には、起債を取りやめるという判断もあったということですけども、減収だった場合で、公的資金の借入れが一切できなかった。こういった場合は、基金、起債、どのような適用をされる想定になるでしょうか。
○森財政課長 公債費、起債の活用ということにつきましては、公債費が区民サービスに影響を及ぼさないよう、公債費負担比率(中野区方式)をおおむね10%以内で運用しているということでございまして、今お尋ねの例であるならば、当然基金と起債をバランスよく活用して、財政運営を進めていく必要があると考えております。
○日野委員 素朴な疑問なんですけども、基準というのがどうなっているのかというのがちょっとよく分からなくて、今おっしゃったように一つの基準としては公債費負担比率10%以下というのがあって、あとはその年の税収がどうなのかというのがある。一方では、予算編成時に財政運営の考え方というのがあるけど、この令和元年度で言うと、その考え方とは違っている。基準というものがもしあるのであれば伺います。
○森財政課長 明確に基準といいますか、一つの指標として定めているのは、先ほど申し上げた公債費負担比率(中野区方式)をおおむね10%以内に収めるということでございますので、当然起債活用に当たっては、そこを一つ指標として捉えるということがございます。あともう一つ、基金については基金残高を見ながらというところでございますが、そういったところで基金と起債については、基本はバランスよく活用していくということで、一方で、起債の使用については10%以内といったところが一つございますので、そういったところを意識して、予算編成に当たってはそういうところで取り組んでいるということでございます。
○日野委員 その基準というのがなかなか分かりにくいなというのと、今おっしゃいましたけど、バランスとおっしゃっていました。令和元年度当初予算については、我が会派として、未来に負担を先送りする財政運営となる懸念があります。財政規律の観点から、基金と起債のバランスの取れた予算とは言い難く、後年度の区の事業を圧迫しかねませんと申し上げてきました。結果として、起債を活用せずに基金を取り崩すということになったわけですけども、これは計画的な財政運営とは言い難く、当初の区の方針とは180度変わる結果となりました。先ほどおっしゃっていました基金と起債のバランスについてはどのようにお考えでしょうか。
○森財政課長 当然多額の費用を必要とする施設建設については、基金と起債を計画的にバランスよく活用していく必要があるということを考えています。そこは基本的なところだと考えております。先ほど申し上げたように起債については公債費負担比率の10%以内ということで、一つそこを目標としているといったことで、そういったところを踏まえながら基金計画、起債計画は立てるようにということで検討しているところでございます。
○日野委員 またちょっと素朴な疑問なんですけど、平成30年度と令和元年度ともに起債はゼロで、令和元年は基金を取り崩している。予定よりも多く取り崩している。これがバランスの取れたというふうには、ちょっとどうしても理解し難くてですね。例えば後年度にわたる世代間負担の公平性という考えで言うと、これはどのようにお考えでしょうか。
○森財政課長 世代間負担の公平性、世代間負担を考えていくということについては、一定起債を活用するということも一つ考え方としてあるということは認識しておりますが、繰り返しになりますけれども、後年度に多大な負担を生じさせないように公債費負担比率は10%を押さえていくといったようなことが一つございますので、起債を活用する際にも当然そこは意識しているということでございます。
○日野委員 この基準というのも公債費負担比率というところが出てくるんですけど、バランスについてもどうなのかなというのは、ちょっとなかなか理解できない部分ではあります。令和元年度一般会計補正予算に対しては我が会派から、基本構想改定の検討に当たっては、現状で想定される10年間の財政フレームを議会に示されたいなどの三つの意見を付しました。このたび9月1日に行われた総務委員会の令和3年度の予算編成についての報告では、令和2年度から令和12年度までの10年の財政フレームが示されました。これを見ると、今のままでは基金や起債での財政運営はもちませんというのを表しているようにしか見えません。特に義務教育施設整備基金は令和8年まで積立てをせず、基金を取り崩し、令和8年度以降は基金を活用しないように見えます。社会福祉施設整備基金も積立てはせず、令和5年で基金を取り崩すように見えます。新たに示された財政フレームの主な基金の積立て、繰入れ計画について御説明ください。
○森財政課長 基金の積立てということにつきましては、前年度の繰越金ですとか、ふるさと納税等の寄附金、また利子、それから道路公園整備基金などについては道路占用料の積立て、また減債基金ですとか、まちづくり基金については財産費の積立てといったようなことで、積立てのほうは記載をしているところでございます。繰入れについては、財政フレームを作成した時点においても把握している新規拡充経費、政策的経費の総事業費に充当した基金の額を入れているところでございます。
○日野委員 財政フレームとは、中長期的な財源の裏づけをする非常に重要な試算だと思っています。財政運営のために、これから事業の見直しもしっかり見極めて行ってもらいたいと思います。新型コロナウイルスの影響により厳しい財政状況が見込まれる中だからこそ、的確に先を見通して計画策定に臨んでほしいと思います。また、その際にも計画倒れとならないような試算をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○森財政課長 おっしゃられるように今後の10年間、財政フレームということについては、区の行財政運営を進める上での重要な要素でございます。適切なフレームとなるようにしっかり様々な情報を収集して、推計をしていきたいと考えております。
○日野委員 よろしくお願いします。
それでは次に、令和元年度決算のうち、繰越明許について伺います。令和元年度の繰越金は約50億円となり、前年度比で57.8%増となりました。繰越しとなっていた事業としては、中野駅南北通路・橋上駅舎実施設計、大規模公園整備、中野区立総合体育館整備など大規模事業が多くあります。平成30年度から令和元年度に繰越された事業については、当初見込んでいた特定財源の分は獲得できたのでしょうか。
○森財政課長 国庫支出金については、未収入特定財源ということで繰越財源となっているところでございまして、翌年度に交付を受けているということで認識をしております。また、その他の特定財源についても、繰越した事業費に基づき翌年度に申請をし、交付を受けているということで認識しています。
○日野委員 また、令和元年度の事業において令和2年度に繰越しとなった事業は20事業、繰越事業の総額は約75億円となっています。これらの事業についても、当初見込んでいた特定財源が獲得できる見通しがあるのか伺います。
○森財政課長 繰越財源としております特定財源については一定収入の見込みがあると、確実なものというふうに考えております。当然その他の特定財源についても獲得できるように努めていくということで考えてございます。
○日野委員 特定財源については、特に都からの補助金というのが出るのかどうかというところが非常に心配なところでもありますけども、今回の繰越された75億円のうちに、都費というのは、都の特定財源というのは含まれていたんでしょうか。
○森財政課長 都市計画事業などは都の支出金が該当する話でございますので、当然そういった都支出金の対象事業については今年度申請を行っているものと、獲得に向けて動いているということで認識をしております。
○日野委員 ちゃんと獲得できるということでよろしいですね。それで、これら繰越となった20事業について、繰越となった主な要因について伺います。
○森財政課長 事業の進捗の遅れですとか、工事の入札不調によるものなどが主な要因でございます。
○日野委員 契約不調となった事業費の合計額は幾らだったでしょうか。契約不調の主な要因についても伺います。
○吉沢経理課長 繰越事業20件のうち、契約不調となりました8件の事業費の合計額につきましては、2億2,200万5,000円でございました。主な要因としましては、市場での資材不足や労働力不足、またオリンピック需要の影響を受けているというふうに考えてございます。
○日野委員 さらに、昨年度契約不調となった事業のうち、今年度繰り越されて、現在までに契約に至った事業というのは幾つあるのか伺います。
○吉沢経理課長 昨年度契約不調になりまして、繰越しとなりました事業8件のうち、現在までに契約締結したものについては4件でございます。
○日野委員 今年度においては、新型コロナウイルスの影響により感染症対策費や資材調達の遅れ、密を避けるための対策など、区内事業者からも様々な声を伺っています。今年の3月には総務省から、地方公共団体の調達における新型コロナウイルス感染症への対応についてという通知が発出されています。これは、新型コロナウイルス感染症の罹患に起因した地方公共団体の調達における工期または納期への影響や事業者の支払いへの配慮など、当面の新型コロナウイルスによる影響を受けることが考えられる入札及び契約について配慮を要請しているものです。中身としては、新型コロナウイルス感染症の拡大により影響を受けている需要と供給の状況、原材料費及び輸送費等の最新の実勢価格等を踏まえた積算に基づき、適切に予定価格の見直しを行うものとすることや、令和元年度の歳出予算の経費のうち、新型コロナウイルス感染症の影響に起因して、年度内の支出が困難となったものについては、地方自治法第213条の規定による繰越明許費または地方自治法第220条第3項の規定による事故繰越の手続を適宜取ること。なお、繰越すことができる経費については特に限定されていないことから、公共事業の事業費に限らず、調査設計業務や物品の購入等についても広く適用することができることなどの5項目について要請をされています。区としては、入札でのこれらの配慮は通達どおりに実施されているのでしょうか。
○吉沢経理課長 総務省の通知によりまして、区としましても新型コロナウイルス感染症の影響に伴いまして、事業者からお申し出があった場合について、必要に応じて工期の見直しを行っております。また、緊急の調達が求められる場合につきましては、地方自治法令に基づきまして随意契約によりまして、迅速に発注をしております。また、入札におきましては実勢価格を踏まえました予定価格となるよう最新の見積もりを複数徴取し、また納期への影響を勘案するために事業者に対してヒアリングを行うなど、適切な発注に努めております。
○日野委員 通達にもあるように、年度内の支出が困難となったものについては、繰越の手続を適宜取るよう要請されていますが、来年度への繰越明許はどの程度見えているでしょうか。
○森財政課長 現時点におきましては、繰越となる事業については把握していないところでございますが、新型コロナウイルス感染症の影響に起因いたしまして、年度内の支出が困難となったものにつきましては、通達の趣旨も踏まえながら適切に対応していきたいと考えております。
○日野委員 新型コロナの影響により、来年度以降の歳入の大幅な減少が見込まれています。一般質問で我が会派の白井幹事長からは、区内事業者を優遇する入札制度の拡充を実施すべきとの質問をし、一定の競争性を確保できるか等を勘案しながら、区内事業者の受注機会の拡大を検討したいとの答弁がありました。区内事業者の受注機会を増やすために、区内業者制限の予定価格の引上げなどが考えられると思いますが、区として現状どのような方策を考えておられるのでしょうか。昨日の総括質疑においても内川委員から同様の質問がありましたが、改めて伺います。
○吉沢経理課長 今後、景気の低迷が見込まれる状況におきまして、区内事業者の履行力の向上や災害の緊急対応の確保という観点からも、区内事業者を優先した入札制度を継続していく考えであります。業種ごとに適正な競争を確保しつつ、区内事業者の工事実績等を勘案しまして、区内業者制限の価格を引き上げることの検討も含めまして、区内事業者の受注機会の確保を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
○日野委員 ぜひよろしくお願いします。また今後、他区の状況等も見ながら、区内事業者を守るためにも、さらに配慮をお願いしたいと思います。
次に、区のIT施策についてのうち、システム障害について伺います。
昨年12月に統合仮想サーバークラウド環境のJip-Baseにおいて、ファームウェアを起因とする障害が発生しました。障害の事象については、昨年度からこれまで委員会や一般質問、総括質疑で質疑と説明がされてきましたので、詳細については触れません。また、障害による損害額や損害賠償請求などについても触れませんが、これまで都度委員会で報告されてきました。私も議事録をよく読みましたが、区が受けた損害というのは非常に大きなものです。ここでは、統合仮想サーバークラウド環境を利用する計画を進めていた当時の契約内容や要件定義、運用方法について伺っていきます。
統合仮想サーバークラウド環境で動くシステムは、24時間365日稼働のミッションクリティカルのシステムです。そのため、障害対応やバックアップリストア、インシデント管理などの仕様については当然十分な取決めがされていたと思います。まず、バックアップには大きく分けて2種類あり、システムバックアップもしくはイメージバックアップ、それからデータバックアップがあります。それ以外にも、アクセスログや業務ログ、システムログ、データベースログなど、ログやファイルのバックアップなども必要なバックアップです。それぞれのバックアップ要件はどのように決められていたのか伺います。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) バックアップについてお答えいたします。昨年度の契約におきましては、データセンターにある仮想統合サーバーにおけるバックアップは、イメージバックアップとデータバックアップでございました。まずイメージバックアップでございますが、契約上は月次、実際は2週間に1回やっておりましたが、こちらは日本電子計算が行うことになってございます。また、データバックアップにつきましては、各業務システムで決めた周期で日本電子計算が提供する領域に格納することになってございました。ログファイルなどもこちらに含まれてございます。
○日野委員 バックアップの保存には、ディスクからディスクに保存する1次バックアップと、ディスクからテープ媒体等へバックアップする2次バックアップがあります。1次バックアップ、2次バックアップの要件はそれぞれどうなっていたのでしょうか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) まず1次バックアップでございますが、こちらは各業務システムベンダーが行いまして、バックアップ領域は日本電子計算の用意する領域を使うことになってございます。また、外部媒体を個別に用意した場合にのみ、バックアップ領域から外部媒体への2次バックアップを行うことになってございますが、現在使用しているシステムはございません。また、行う場合は別途費用が発生いたします。
○日野委員 そもそも2次バックアップの機能については把握されていたんだと思うんですけども、まず把握されていたのか。それから、契約時に2次バックアップの検証をされていたのかどうか伺います。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) まず2次バックアップでございますが、もともと統合仮想サーバーは庁内に設置してございました。その当時は2次バックアップを行っていたものでございます。データセンター移設を機に、2次バックにつきましては停止して、やめたということでございます。もともと外部保管である2次バックアップでございますが、震災対策としてやっていたという経緯もございまして、データセンターが震災対策、電源対策も施された強固な建物であること、またデータを退避して外部保管する必要が薄れたと判断したことから、2次バックアップについてはやめたものでございます。
○日野委員 庁内の統合仮想サーバーでは、2次バックアップはやっていたんですよね。震災対策だったために、今回はクラウドではやめたということですけども、そもそもテープに保存するという必要性というのは、その当時どのように認識されていたんでしょうか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) まずテープへの退避でございますが、データセンターの仮想サーバー自体が大変膨大なデータ量を持っていること、それで、テープへの退避に非常に時間がかかるということがございました。それもございまして、データセンターでは、イメージバックアップという短期間で取れるバックアップ方法を導入したということもございました。そういうことがございまして、外部媒体への保管というものをデータセンターでは行わないこととしたものでございます。
○日野委員 もし各システムで2次バックアップが取れていたら、このときの障害発生時もすぐに復元できたはずだったんです。2次バックアップの契約をしていなかったのは、これは区に責任があると思います。Jip-Baseは、あくまでもクラウドサービスのIaaSとしてのインフラ提供なので、データの保全に関しては区に責任があるはずなんです。2次バックアップがあれば復元できたというのもそうなんですけども、そもそも障害が発生したストレージにバックアップが取られていたためにリストアできなかったということでしたが、ウェブサーバー、APサーバーなどのミドルウェア、それから別でDBサーバーのミドルウェアとデータベースのインスタンスなどというのは、別建てに筐体が分かれているのが普通だと思うんですが、Jip-Baseでは、この構成というのはどのようになっていたんでしょうか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) まず契約は、IaaS、ストレージですとか、サーバーですとか、そういったインフラを提供する契約でございました。ですので、その構成について区としては特に指示をするということはございません。そういった契約でございます。また、事故当時でございますけれども、ミドルウェア、DBなどは同じ筐体に入っている状態でございました。一般的にIaaS契約におきましては、どの仮想サーバーをどの筐体に格納するということは、契約の中では指定できないことになってございます。
○日野委員 指定できないとありましたけども、やっぱり自治体のシステムですので、データの管理というのは、それは慎重にやらなきゃいけないと思うんです。この構成で問題ない。これしか提供されないから、しようがないというふうに判断したのは何でなんでしょうか。リスク想定というのはされていましたか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) まずIaaS、そういったインフラ提供の契約ということがございまして、構成につきましては、データセンターの事業者がほかの利用者とのシステム構成などを勘案しながら決定するということもございまして、中野区として仮想サーバーを保存する筐体を指定することはできないというような契約でございます。
一方、昨年度大規模障害が発生したということもございまして、日本電子計算と協議の上、今年度の契約においては、バックアップの保存領域の筐体を分けることを仕様に盛り込んでございます。リスクにつきましては、バックアップが二重化されているということがございまして、ああいった障害は回避できると考えていたところでございます。
○日野委員 今、今回のがあってバックアップの筐体を分けると言いましたけど、そういうところが最初にやはり確認すべきだったというのが一つあると思うんです。それから、クラウドサービスは、大きく分けてIaaSとPaaSとSaaSというこの3種類があります。簡単に分けると、IaaSは先ほどおっしゃったようにインフラ環境、インフラが提供されて、その上にミドルウェアが選択できて、ソフトウェアの開発が自由にできるというような環境です。PaaSは、インフラとミドルウェアまでが提供されて、その上でソフトウェア開発ができるもの、SaaSは、ソフトウェアが提供されて、それを利用できる。このように三つに分かれています。JipとはIaaSでのクラウドサービスで契約していますが、このときの障害はIaaSクラウドサービスのみで発生しています。計画段階でPaaSを使う選択肢というのは検討されていたのでしょうか。IaaSを選択した理由について伺います。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 委員御案内のようにPaaSにつきましては、OS、ミドルウェアまでが提供される仕組みとなってございます。区で仮想統合基盤の導入に当たりましては、目的として可用性の向上とマシン利用の効率化ということが目的でございました。そういった形で区の既存のシステムを集約することで費用負担の低減も図るということを目的としたものでございます。また、業務システムリプレースのタイミングで集約を徐々に行ってまいりました。そのため、PaaSにおきましては、様々なシステム集約に当たっての制限事項が多くなるということから、IaaSを選択したということでございます。
○日野委員 それでは、リストアについて伺います。システム障害が発生した際、バックアップデータからシステムデータ、あるいはデータですね、あるいはその両方を復元することをリストアと言います。このリストアについてはどのような要件となっていたんでしょうか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) リストアにつきましては、契約内容に含まれておりました。また、リストアが必要となる状況については様々ございますので、個別判断が必要となるということから、区と協議の上、必要に応じて実施するという契約になってございます。昨年の12月の障害時におきましても、リストアが可能なシステムがございまして、そのシステムにおきましては、サーバーやデータにおいてリストアを実施してございます。
○日野委員 今、リストアができたものもあったとおっしゃっていましたけども、リストアはバックアップしたときの状態に戻すものですけども、障害発生直前の状態に戻すリカバリについて伺います。バックアップ取得時から障害発生時までの更新を補完するためには、例えばOracle
DatabaseのREDOログから戻すというような方法もありますけども、このリカバリについては契約の中に盛り込まれていたのでしょうか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) まずリカバリにつきましては、繰り返しになりますが、発生の都度協議する内容となっておりまして、具体的にOracleの機能を使用する契約にはなってございません。また、現在使用しているOracleでございますけれども、Standardを利用しておりますので、REDO機能はございません。
○日野委員 一般的にシステムでバックアップを取るときは、夜間のバッチ処理なんかが走って、夜中2時だったりぐらいから始まって4時とかに終わって、そこから業務が始まるんですよね。例えば端末から入力されて、データが入る、更新される。夕方ぐらいにシステムが障害を起こして、データが全て吹き飛びました。でも、バックアップを取っていたから大丈夫だ、リストアして戻そうと言っても、結局朝の4時にしか戻らないんですね。この日中入れたデータというのは全て失われてしまうんですね。OracleのREDOログなんかを使うと、日中入れたデータなんかも全て補完することができる。完全バックアップというんですけども、こういったものは確かにおっしゃったとおり、Oracleのバージョン、Standardではできなくて、Enterprise
Editionとか、ちょっとやっぱり価格が高くなるので、費用面というのはあると思うんですけど、そもそもこういったことを導入時に検討されていたのかどうかというのが問題だと思うんです。こういったことは検討されていましたか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) Oracleの機能を使用するということは、検討はしておりませんでした。
○日野委員 Oracleの機能をということもそうなんですけども、今回で言うと、戻せたものはあったわけですよね。リストアできたものはあったけど、結局それはバックアップを取った時点までしか戻せなかった。それ以降のデータというのは、やっぱりトランザクションデータ、失われたものはつくり直したわけですよね。そういったことというのがまず考えられていたのかどうかというところもあると思うんです。その辺はいかがですか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) イメージデータバックアップ、イメージバックアップにつきましては、システムごと全てのバックアップとなってございます。また、データバックアップにつきましては、先ほども委員御案内のとおり、データ、それからログ等のバックアップとなってございます。そちらの両方を合わせることでリカバリはできると考えていたものでございます。
○日野委員 やっぱりこういう自治体の非常に大事なシステムにおいて、そういうリカバリがちゃんと想定されていなかった、想定されていないというか、検討されていないということが問題だったと思うんですね。要は費用として、コストとしてしようがなかった。検討したけど、しようがないならいいんですけども、結局、今回の障害では、もしバックアップが取れていて、全部リストアできたとしても、失われたデータもあったわけなんです。今後はしっかりその辺を検討していく必要があると思うんですけども、その辺はいかがですか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 今回の障害を受けまして、リストア、それからデータバックアップについては非常に重要なものと考えております。その辺りはしっかり検討してまいりたいと思っております。
○日野委員 リカバリについてもちゃんと機能としては導入できなかったとしても、その辺どうするのか。要は、それぞれの各システムの業務ベンダーはリストアまでしかできない。日中入れたデータは失われるというのが分かっていたとしても、各所管は分かっていなかったりすると思うんです。バックアップがあるから大丈夫。だけど、実は消えているデータもあった。それはいけないことだと思うので、しっかりとそこは情報システムのほうで、どこまでデータ保全はできますというのはちゃんと通知する必要はあると思っています。その辺ぜひよろしくお願いします。
それから、昨年12月の障害において、ここまでの内容を今伺う限り、システム環境の構成に一つ確認ができていなかった問題、それからバックアップリストア、リカバリについても課題があると思います。特に2次バックアップについては、この契約ができていれば、昨年12月に発生した障害で長期間にわたるシステム停止の事態は防げたはずなんです。しかも、テープバックアップであれば、現在1世代しか管理されていないシステムバックアップも複数世代の保管が可能となります。自治体システムとして、こうしたデータ保全のための管理、運用は絶対に必要な措置だと思います。
12月の障害はシステムそのものよりも、区民サービスや区の業務に非常に大きな影響を出しました。影響のあった組織は、戸籍住民課、保険医療課、保育園・幼稚園課、学校教育課、子育て支援課、育成活動推進課、地域活動推進課、各すこやか福祉センター、各区民活動センター、各地域包括支援センター、介護・高齢者支援課、障害福祉課、生活援護課、職員課、その他区ホームページ、メール、内部事務管理などにも影響がありました。特にシステム停止による影響が大きかったと思われる戸籍住民課、学校教育課、介護・高齢者支援課について、それぞれ額面では表に出ていなかったこういった影響もあると思いますので、その辺も含めて教えていただければと思います。
○伊藤戸籍住民課長 戸籍住民課では、令和元年12月4日午前11時から12月5日まで戸籍情報総合システムに障害が発生し、戸籍に関する証明書の発行及び戸籍届出の受理等に影響が出てございます。そのため、パスポート申請が当日必要な方については、東京都旅券課に連絡し、個別対応したほか、証明書の交付については郵送対応や電話連絡の上、区民に再度来庁していただき、発行するケースがございました。また、戸籍業務では時間外勤務により対応したケースも多く、ホームページが閲覧できなかったため、電話等による問合せも多数ございました。
○板垣学校教育課長 学校教育課では、就学事務システムにより学齢簿管理、新年度入学分の就学通知打出し、就学援助の支払い等の事務を行っております。システム障害が発生した際、その原因や復旧時期等が不明であったため、これらの事務については発送や支払いの時期を迎えていたことから、Excelシートに手作業で支払いデータを作成するなど、就学システムによらない対応を余儀なくされたというところでございます。
○葉山介護・高齢者支援課長 介護保険業務につきましては、介護システム再構築に伴う経費などが大きな金額として表れている部分でございますけれども、それ以外にも介護認定審査の遅れや高額介護サービス費の支給遅れ、認定に係る主治医意見書作成料、認定調査委託料の支払い遅れ、保険料賦課通知の遅れなど、区民の皆様への影響は大きく、それに伴い増加したお問合せへの対応、おわび文の送付や事業者向け説明会の開催を行いました。
○日野委員 一部ですけども、これだけの被害、損害に比べて損害賠償額というのは微々たるものでした。今回の障害は、多くの業務をシステムに依存する自治体にとって、過去に類を見ないほど大きなシステム障害でした。また、そういったさなか、本年5月にも再びJip-Baseにて障害が発生しました。このときの事象は、ストレージ制御を行う基盤装置であるコントローラに障害が発生し、本来であればスタンバイ側のコントローラにフェイルオーバーするように冗長化されていましたが、スタンバイ側のコントローラについても別の障害によりフェイルオーバー、自動切替えがされなくて、ストレージへのアクセスができなかったというものです。6月8日の総務委員会では、昨年12月と今年5月に発生した障害について、Jip側から提示された再発防止策についての報告がなされました。ここからは、この再発防止策について一つずつ確認していきます。
1点目に、ストレージの障害に関する再発防止策です。この中で仮想環境管理サーバー、保守操作環境、バックアップ管理サーバーの配置を見直し、可用性の向上を図るとありますが、具体的にどのような対策が取られるのでしょうか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 日本電子計算自身が行う再発防止策といたしまして、委員御案内のように保守操作環境、バックアップ管理サーバーの配置の見直し等が述べられております。具体的には、危機管理構成ツールの見直しによる管理品質の向上、それから管理系サーバーを独立した筐体に置く。また、障害発生時の影響範囲やバックアップ取得状況の見える化による対応の迅速化を行うということでございます。このうち、バックアップの取得先を別ストレージにすること、このことにつきましては今年度の契約の中で既に対応済みでございます。
○日野委員 もう一つ、別拠点に存在するデータセンターにバックアップを保存するなど、安全性向上に資するサービスをオプション提供するとありますが、これは現在検討されている内容があれば教えてください。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 日本電子計算からは、三通りの追加機能を提案されてございます。一つ目は、大阪にあるデータセンターにOSイメージや業務データの退避を行う。二つ目は、大阪のデータセンターまたは庁内のサーバー室に縮退環境と申しまして、全ての機能ではないんですけれども、コアな部分の機能を使えるような環境を構築する。こちらは庁舎・大阪間の回線またはリージョン間、データセンター間の同期手法の検討などが業務システムごとに必要になってまいります。3点目は、庁舎内を含め複数の拠点に退避環境を構築するというものでございます。こちらはそれぞれに同じものを構築するということになりますので、費用負担が大きいということがございます。現在、3番目を除く一つ目のデータの退避、二つ目の縮退環境について検討しているところでございます。
○日野委員 なかなか構築に費用がかかりそうな感じなんですが、この内容を実施する場合に別途費用が発生することだと思いますけども、その場合の導入費用、ランニングコストはどの程度になると見ていますか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 見積りにつきましては、現在、日本電子計算からの提示待ちとなってございます。
○日野委員 なかなか障害が起きて、その対策として、オプションでお金を出せば対策ができますよというのもちょっと難しい話なのかなとは思います。それから、ストレージの障害に関する再発防止策として、続けて、使用しているハードウェアやファームウェア等について、月2回程度点検を行い、不具合修正プログラム適用のための更新用ファームウェアが存在する場合は、緊急度に応じて適用の判断を行うとあります。ここにあるように不具合修正プログラムの適用のための更新用ファームウェアが存在する場合は、緊急度に応じて適用の判断を行うとなっていますけども、これまではこの対応というのは行っていなかったんでしょうか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) これまでも必要に応じて対応してきたところではございます。今回の対応につきましては、日本電子計算と各機器の保守ベンダーとの契約内容を見直すというものでございまして、これまでより密に連絡を取り合って迅速な情報提供を受けたり、パッチ当てについての協議もこれより密に行うというものでございます。
○日野委員 今年の5月に発生したコントローラの障害では、障害発生直前にソフトウェアのアップデートの通知が来ていたということでした。しかしながら、優先度はあまり高くないという判断と、来たばかりでまだ検証ができていない。こういうことからアップデートの適用は見送ったものと認識しています。この判断については、私個人としては仕方がないというか、誤っていないと思っていました。そのため、今後同じような状況になった場合には、障害は発生するんだというふうには思っています。思っていたほうがいいんだと思います。障害の発生は100%防ぐことはできなくても、障害発生後の対応を的確にどのように行っていくか。これが最も大事な対策だと思っております。
続けます。再発防止策の2点目として、バックアップの失敗に関する再発防止策とあります。この中で、バックアップ用ソフトウェアの変更、バックアップスケジュールの見直し、バックアップ保存期間の変更などにより、バックアップが確実に取得、保存されるようにするとなっています。中野区においては、12月の障害発生時やその前後においても、バックアップ自体は正しく取られていたと思いますけども、その認識で合っていますか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 日本電子計算からの報告によって確認してございまして、中野区が使用している仮想サーバーのバックアップは正しく行われていたものと考えております。
○日野委員 バックアップは業務システムの各ベンダーのほうで行われた。イメージバックアップはJipのほうで、それから、データバックアップのほうは業務システムの各ベンダーのほうで行われていたということだと思いますけども、ベンダー側からすると、これまでと運用が変わっていくというふうなことになるんでしょうか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 業務システムによりましては、バックアップデータの置き場所が変わる可能性がございます。運用自体に変更は生じないものと思っております。
○日野委員 Jipとしては、再発防止策の対策ですが、バックアップの仕様、運用が変わることで逆に支障が出ないように、これには十分注意していただきたいと思います。また続けて、バックアップに関する再発防止策に、バックアップの管理等に使用するサーバーを独立した領域に作成し、障害復旧が確実に行えるようにするとあります。これ、先ほどおっしゃっていたことだと思いますけども、この内容について現時点で決まっていることがあれば教えてください。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 繰り返しになりますけれども、こちらは日本電子計算の行う対策でございまして、ストレージの障害によって保管されているデータの抽出に支障が来さないよう、管理領域を別の領域に取るということで障害の影響が及ぶことを回避する措置でございます。
○日野委員 それで、この対応をすることによって、バックアップ用の環境を使用することによって、区が費用を負担することはあるんでしょうか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) こちらは日本電子計算が自ら行うことですので、利用料には反映いたしません。
○日野委員 次に、再発防止策、管理及び体制の強化について伺います。この中に、障害からの復旧計画の策定、復旧訓練用環境の構築及び復旧訓練の実施により復旧の迅速化を図るとあります。これが今回の再発防止策の肝だと思います。先ほども述べましたが、防げる障害を防ぐ。これは当然だとして、それでも障害を100%防ぐということは難しいと思います。その上で、障害発生後の復旧対応を確実かつ迅速に行うことが、システム運用をする上では非常に重要な部分だと思っております。これら復旧計画や復旧訓練の実施内容については、区にも提出されるのでしょうか。また、CIOやCIO補佐官もこの内容についてはしっかり確認されるということでよろしいですか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 日本電子計算の復旧計画、復旧訓練計画につきましては、総務省の確認を受けているというふうに聞いております。また、提出された内容につきましては、CIO及びCIO補佐官も確認しておりまして、疑問点のやり取りなども行っているところでございます。
○日野委員 CIOやCIO補佐官においても、しっかりこれらの内容を確認していただきたいと思います。そして、指摘すべき点はしっかり指摘や改善を求めるように徹底してもらいたいと思います。一方で、これまで区はシステム障害を受けて、その対策として、データセンターの二重化ということについても検討されていたと思います。仮にデータセンターを二重化した場合、費用はどの程度になると見込んでいますか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 現在、他の事業者からの見積り待ちでございますけれども、構築当初の費用を勘案しますと、新たに構築した場合、数億円程度の費用が必要になる見込みでございます。
○日野委員 二重化となるともう1個同じものをつくるということで、相当な費用がかかるということですね。実際に今の区財政からすると、現実的ではない額だというふうに思います。担当としては、これらの検討結果についてはどのようにお考えですか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 現在は、日本電子計算のデータセンターで35のシステムが稼働してございます。これらのシステムを安全かつ安定的に運用するために、現在最善の方法を考えたいと思っているところでございますが、財政負担的には継続利用も選択肢の一つとして検討しなければならないと考えてございます。リプレースまでの時間で、さらにほかの方法も含めて検討してまいりたいと思っております。
○日野委員 現在の契約についても改めて確認をして、見直す点があれば随時見直しもかけながら、二度とこのようなインシデントを起こさないとの覚悟で臨んでいただきたいと思います。
ここまでは、障害が発生した統合仮想サーバークラウド環境、Jip-Baseについての確認をさせていただきました。現在、区のシステムの2割弱ほどがこのJip-Baseで稼働しています。残りの8割程度は別の環境で動いているとのことです。中野区役所内にある統合仮想サーバー環境に残っているシステムもありましたけども、これが昨年度末をもって全てのシステムがJip-Baseに移管されたということです。これはまだ障害が発生して、障害の損害賠償だったり、障害状況がまだ完了していないという中での移動になったんですか。すみません。ちょっと通告していないんですけど。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 二つか三つぐらいたしかまだ庁内のシステムで動いていたんですが、そちらのサーバーのリース期限が来たということがございまして、どこかに動かすか、機器を新たに調達しなければならないということがございましたので、データセンターのほうに移行したということでございます。
○日野委員 これは障害のさなかだったわけなので、本来は委員会等で報告なんかというのもあってもよかったと思うんですけど、委員会では報告はされていないんですか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 特に委員会報告はしてございません。
○日野委員 ちょっとこういうのも含めて、これまで区全体のシステムについてというのは、あまり議会側に報告がされていなかったと思います。セキュリティの問題等もあるので、なかなか報告できる部分とできない部分があると思うんですけども、今回に関しては、やっぱりこういう大きな事件というか、出来事があったわけですので、しっかり報告するべきだったんじゃないかなというふうには思います。
それで、現状でJip-Base以外の区のシステム状況、それからシステムの配置についての考えを伺いたいと思います。Jip-Base以外のシステムとしては、今どのような形態で幾つのシステムが稼働しているのでしょうか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) まずJip-Baseで35システム、それから庁舎内にサーバーなどを置くオンプレミスと呼ばれるシステムが9システム、そのほかサービス利用というものが58システム、スタンドアローンのPCのみなどが89システム、合計191システムでございます。
○日野委員 それでは、庁内設置サーバーのサーバーですね、庁内設置にあるやつ、このサーバー構成というのはどのようになっていますでしょうか。例えばWebサーバーとDBサーバーの筐体が別建てになっているとか、バックアップの保存先がどうなっているか、バックアップリストアの運用などというのはどのようになっているか、まとめて伺います。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 複数ございますので、一番大きい新しい住民情報システムでお答えしたいと思います。まず住民情報システムにつきましては、WebサーバーとDBサーバーの筐体は別になってございます。それぞれアクティブ・アクティブで冗長化されてございます。また、バックアップでございますが、バックアップは、1次バックアップは毎日ストレージ内、2次バックアップは週次でLTO、そのほかLTOにつきましては外部保管を行ってございます。また、データセンター、Jipでございますけれども、Jipのほうに日次バックアップを退避してございます。
○日野委員 それから、先ほどサービス利用があるとおっしゃっていましたけども、クラウドのSaaSだと思うんですが、区ではこのSaaSで幾つかのサービスを利用していると。仮にこの利用しているSaaSのデータセンターで障害が発生して、システムダウンがあったと。同じように区のサービスに大きな影響が出た場合、ここのデータセンターにおけるサーバー管理、データ管理、それからバックアップリストア運用など、問題ないということを確認しているんでしょうか。インシデント発生時の契約というのはどのようになっているのか伺います。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) まずSaaSによるサービス利用につきましても、各業務で取り扱う情報に応じたサーバー管理、データ管理、またバックアップリストアなどについては確認してございます。一方で、インシデント発生時の契約につきましては、一部を除きまして契約に盛り込んでいないという状況がございましたので、現在策定中のICT-BCPの中で検討いたしまして、必要に応じて仕様に盛り込んでいきたいと考えております。
○日野委員 先ほども言いましたけども、SaaSだから安心ということも全くなくて、データの保全というのはやっぱり区の責任にあって、データ自体は区の財産ですので、それをどう守っていくかというのはしっかり検討して、手を打っていただきたいというふうに思います。
それから、庁舎内PC、個別に稼働しているサービスについても伺います。これらのPCは、各所管で管理運用していると思いますけども、システム担当のほうで全体の管理体制を把握した上で障害対策、インシデント対応も一括して行うべきと考えます。現状はどのようになっているでしょうか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) これまでも各システムごとに情報安全実施手順というものを作成してございまして、この中で障害対応についても一定程度の記述は行ってございます。現在、ICT-BCPの策定準備を進めているところでございますので、この中でシステムごとに対応体制を含めた障害対応マニュアルを作成するということも検討してございます。このマニュアルにつきましては、ICT-BCPとして集約して管理していきたいと考えております。
○日野委員 次に、中野区のホームページについて伺います。ホームページのシステムもJip-Base内で稼働しているシステムですが、ここでは別の観点から伺います。昨年12月の障害では、区のホームページも閲覧できない状況が続きました。災害時や緊急時、必要な情報を発信する際に、ホームページは大きな役割を果たしています。そういった意味でも、区のホームページは特に24時間365日閲覧できる状態にあるべきサイトです。幾らサーバーを増やして回線やロードバランサーを冗長化しても、5月に発生した障害のように多重障害により切替え自体が正常に動作しない。あるいは昨年の台風15号、19号のようにアクセスが集中して高負荷となってしまうという事態も想定されます。
このたび、区ではコンテンツ・デリバリー・ネットワーク、CDNと言いますけども、このCDNを導入して、災害時などの状況でもホームページが閲覧できるようにしたと伺いました。このCDNは、キャッシュサーバーを利用して、アクセス元から見て距離的に一番近い場所にあるサーバーを自動で選択して、ページを閲覧させるというもので、高速化と負荷分散ができるようになります。キャッシュサーバーは、インターネット上の各種サーバーのデータを一時的に保存しておき、ユーザーからの要求に応じて、本来のサーバーの代わりにデータを送るサーバーのことです。例えばJip-Baseで稼働している中野区のホームページを複数のキャッシュサーバーに複製して、分散して応答することで性能を高めることができ、オリジナルのサーバーが停止しても代わりに応答することができます。昨年の台風発生時にホームページが閲覧できなくなった状況から、御担当には個別にこのCDNの導入について御提案させていただいておりましたが、今回導入されたということで賢明な判断であったと思います。今のホームページも既にCDNになっていて、皆さん、意識せずにキャッシュサーバーのホームページを見ていると。
ただし、デメリットについても検証が必要と考えます。オリジナルのコンテンツを更新してから、キャッシュサーバーの更新にはタイムラグが発生すること、それから、アクセスログを取得できない可能性があるなど、運用開始前にこれらの検証はされていたのでしょうか。
○高村広聴・広報課長 CDNの導入に当たりましては、想定し得る問題点を洗い出し、検証と確認を行いました。御指摘の更新のタイムラグにつきましては、キャッシュサーバーの更新を通常3分ごとに行う設定としております。さらに、災害時など危機時においては頻繁に情報を発信する必要があるため、より短い時間で更新する設定とし、それが可能であることを確認してございます。また、CDN上のアクセスログについても取得可能であり、40日間参照できることを確認してございます。
○日野委員 また続けて、複数のキャッシュサーバーという配信拠点が増えることで、障害発生時に原因切り分けが難しくなるということも考えられます。CDNがダウンした場合など、いざというときに対応できる対策も検討しておく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○高村広聴・広報課長 CDNがダウンする可能性は低いと言われておりますが、御指摘のとおり万が一ダウンしたときには、その仕組み上、障害の原因を究明するのにかなり時間を要するものと認識してございます。その際は、ホームページの閲覧者が従来どおり都のセキュリティクラウドを経由して、区のホームページにアクセスするように切り替える必要がありますが、それには時間を要することも確認しています。ですので、切替えが完了するまでの間の代替措置として、今協定を締結しているヤフーのキャッシュサイトや国会図書館のホームページから閲覧できる区のホームページのアーカイブ、これをツイッターやフェイスブックで御案内することを想定してございます。
○日野委員 今、デメリットというか気をつけるべき点について挙げましたけども、このCDNの導入はメリットのほうがはるかに大きいと思います。ただ、これを導入したからよしとするのではなくて、継続してリスク管理をしっかりと行っていただきたいと思います。
続いて、今年度策定予定のICT-BCPについて伺います。ICT-BCPの策定については、我が会派の平山副議長が6年前に決算特別委員会で、ICT-BCPの策定が必要ではないかと提案しているのを過去の議事録で見ました。そのちょっと前に石坂委員のほうが提案していたんですけどね。この間、残念ながらICT-BCPが策定されることはなく、昨年の重大インシデントが発生してからやっと今年度策定するということになりました。まず、このICT-BCPの策定はいつになりますか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) ICT-BCPにつきましては、策定の考え方につきまして、第3回定例会の総務委員会での報告を予定しております。まず、ICT-BCPの基本方針とデータセンターの対応部分につきましては、今年度末までの決定を予定してございます。そのほかの業務システムにつきましては順次策定を予定してございまして、一部は来年度になる見込みのものもございます。
○日野委員 それでは、ICT-BCPは何をベースに策定を進めるのでしょうか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) まず基本は、中野区のBCPを基準としてございます。またそのほか、総務省の地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドラインなども参考として策定を進めております。また、三鷹市、葛飾区など先行して策定している自治体のICT-BCPも参考としてございます。
○日野委員 中野区のBCPをはじめ、それぞれ他区のBCPも参考にされる。もう一つ、地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン、これも参考にされるということですけども、これは平成13年に策定されて以降、新たな技術革新やそのときの情報システムの情勢に応じて都度更新されてきたものです。区としてもICT-BCPを策定したから終わりではなく、都度見直して更新をかける必要があると思います。さらに、ICT-BCPの更新をかけたら、改定内容に合わせて区内システムを全て見直しをする必要もあると思います。この辺りもしっかり行っていただけるということでよろしいですか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 委員御指摘のとおり、ICT-BCPにつきましては、状況変化に確実に対応する必要があるということもございますので、原則として1年に1回、そのほか必要に応じて見直しをかけていきたいと考えております。
○日野委員 進化し続ける高度情報化社会において、自治体においても情報システムは欠かせない存在です。今後もますます技術は高度化していき、利便性が高まる反面、セキュリティ対策や管理運用についてもコストがかかり、計画もより慎重に行う必要があります。区民サービスに影響を与えないように、また中野区の信頼を損ねることがないように、今後も計画から運用に至るまでより賢明な対応をお願いいたしたいと思います。
次に、区のIT施策についてのうち、令和元年度の新規事業について伺います。令和元年度の新規事業の中から、IT施策に関わるものから幾つかピックアップして伺っていきます。まずは昨年度、住民情報システムが新たに構築され、今年の1月より運用開始となっております。住民情報システムの機器及びソフトウェアの賃借料、保守委託費は、平成30年度で9,800万円余、令和元年度は9,600万円余でした。昨年12月まで運用していた住民情報システムは、区が自前で開発構築したもので、新住民情報システムはパッケージ製品を導入したものです。これにより、年間の機器及びソフトウェアの賃借料、保守委託費はどのように変わるのでしょうか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 住民情報システムでございますが、比較につきましては、旧システムは年度ごとの費用の増減が大きいということもございますので、この5年の平均で比較させていただきます。まず、機器、ソフトウェア賃借料、保守委託料、それからシステム開発運用等の合計で比較いたしますと、ここ5年の平均金額といたしましては、旧システムが1億6,000万円余、それから新システムが3億円余となってございます。ただし、旧システムを使い続けますと、このほかに5,500万円ほどの新しいソフトウェアの費用が必要となりますので、比較としましては2億円と3億円というふうになってございます。
○日野委員 リプレース前の住民情報システムと比較して保守委託費が上がっていますが、どのような契約になっているのか、この中身について教えてください。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 新しいシステムでございますけれども、パッケージ使用料は利用料方式となってございますので、この運用保守経費に含まれているためでございます。
○日野委員 これまでは区の職員が行っていた部分があって、額面上は表に出ていなかった。だけど、今度は委託費の中に含まれているので、額面として増額されたというふうに見えるということですね。住民情報システムは、区が抱える重要な情報システムです。システム障害でも言いましたが、保守運用については委託するものの、データの保全については区に責任があります。契約内容や運用についても都度確認をしながら、リスク対策を行っていただきたいと思います。
次に、オープンデータについて伺います。区では昨年9月より、区が保有するデータの一部をオープンデータとして公開しました。昨年9月の公開時には13種類のデータを公開していましたが、今年の4月時点では28種類のデータに増えています。オープンデータについては、一般質問においても他の議員から質疑がありましたので、基本的なところだけ伺います。昨年9月にオープンデータを公開してから、これまでにどのような利用状況があったのか、把握されているものがあれば教えてください。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 区のオープンデータにつきましては、データの公開を主としておりまして、基本的にデータの利用については自由となってございます。そのために、特に区への連絡を求めていないので、把握はしてございませんが、民間事業者のAEDマップに利用されている例などを一部確認してございます。
○日野委員 それでは、今後公開するデータについてはどのような拡充がされていくのでしょうか。公開するデータの考え方について伺います。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) まず公開の開始に当たりましては、国の取りまとめた推奨データ設定というものがございまして、そちらを基本として整備を行いました。また、今後の拡充につきましては、取組可能な範囲から順次進めていく予定でございます。また、公開の御要望なども受け付けてまいりたいと考えております。
○日野委員 オープンデータについては今後、区内産業の活性化等に向けて、中野区内をフィールドとして先端技術を利活用した実証実験なども誘致していきたいと考えているということもおっしゃっておられました。この実証実験について、その後検討は進んでいるのでしょうか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) こちらにつきましては、地域情報化推進計画の検討の中で官民データ活用推進計画も位置付けていくことを考えております。こちらの仕組みの一つとして、先端技術の活用による実証実験なども誘致していきたいと考えております。現在は、先進事例の情報収集や計画への落とし込み方法などの検討を行っているところでございます。
○日野委員 オープンデータは、民間等に活用されなければ意味のないものになってしまいます。オープンデータの拡充と活用に向けた取組を引き続きお願いいたします。
次に、電子マネー決済の導入について伺います。戸籍住民窓口では今年の3月より、住民票の写し、印鑑証明等の手数料について、Suica、PASMO等の交通系電子マネーでの決済が行われるようになりました。また、今年の1月6日からは、住民税普通徴収、軽自動車税、国民健康保険料での非対面式のキャッシュレス納付として、ペイジー納付、モバイルクレジット納付が開始されています。電子決済については、コロナ禍においてますます必要性が高まっているということもあり、区で始めた事業の状況についても伺っていきたいと思います。戸籍住民窓口に導入された交通系電子マネーでの決済について、現在までの利用実績を伺います。
○伊藤戸籍住民課長 電子マネー決済の利用率でございますけれども、8月末現在、平均6.7%でございました。導入当初の3月は5.4%でございましたが、8月は8.1%となっており、利用率は上がってきてございます。
○日野委員 6%、8%という値ですけども、これは他区においても同様に交通系電子マネー決済を導入しているところがあると思いますけども、その他区と比較して利用率はどうだったのか伺います。
○伊藤戸籍住民課長 以前から電子マネーを導入しております千代田区、渋谷区の利用率は約5%となっており、中野区の利用率のほうが高くなっております。
○日野委員 他区と比較して若干いい数値ではあると思いますので、なぜ中野区では交通系電子マネー決済の利用が高いのか、ニーズに合わせてより改善できるところはないかという点についても検討していただきたいと思います。
それから、今後の窓口業務について考えると、昨日の内川委員の質疑の中にもありましたが、新庁舎の窓口業務の改善についてです。コンサルに8,000万円かけたというのは、これはやり過ぎだと思います。しかし、もう使ってしまっていますので、せっかく新庁舎の窓口業務ですので、区民の満足できるものにしないといけません。そこで、特に新庁舎の窓口業務についてどのような業務改善が見込まれているのか。また、都庁ではバーチャル都構想に向けた動きも始まりました。来庁しなくても様々な手続ができる時代も見据えた考えなど、今後の展望についても伺います。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 新区役所についてでございます。区のデジタル化への取組につきましては、新区役所の窓口業務においても例外ではございません。新庁舎では、区民の利便性を向上するために、公開型GISや電子申請の拡充などにより、簡単な手続ですとか問合せ、それから諸証明の取得などのために来庁しなくても用件が済むような仕組みについて構築していることを検討してございます。また、RPAやAIなどのICTを活用いたしまして、窓口業務の効率化やスピードアップなどのサービス向上も図ってまいりたいと考えております。
○日野委員 システム障害のところでも言いましたけども、デジタル化が進めば利便性が高まる分、システムにかかるコストやセキュリティ対策、リスク管理もより慎重に行わなければならなくなります。安全性を確保しながら区民に喜んでいただけるサービスの構築をお願いして、この項の質問を終わります。
次に、コロナ禍における教育環境について伺います。
学校教育現場では、4月の緊急事態宣言が発出される前の3月2日より、全ての区立小・中学校で休業となりました。学校の休業は春休みを挟んで5月いっぱいまで続きました。コロナ禍での3か月という長期にわたる休業により、子どもたちの不安や学校現場での教員の負担、精神的な疲労も大きかったものと感じています。区では昨年度、新規に導入された事業が複数あり、コロナ禍においてこれらの事業がどのような役割を果たしてきたのかを伺っていきます。
まず初めに、SNSへの通報・相談事業について、学校におけるいじめやトラブルの早期発見を図るため、SNS相談アプリを活用して、匿名での通報や夜間対応を実施するとして、令和元年の夏から始まっています。令和元年度の利用実績、利用状況、今年度現在までの利用実績、利用状況について伺います。
○宮崎指導室長 本事業は、区立学校の中学生が相談事業者から派遣された講師のSOSの出し方に関する講義を受講した後に、自分のSNS端末からシステムに登録し、相談を開始することになってございます。昨年度は夏季休業中の8月19日から相談が開始され、講義はその後になってしまったため、中学生の登録数は41名、そのうち相談者は17名、延べ相談数は58件でございました。今年度は新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴う臨時休業により、事業開始は6月となりましたが、6月から8月の3か月で登録者は80人、そのうち相談者は21人、延べ相談件数は83件でございました。
○日野委員 実績としてはまだ開始して1年、そのうち今回、新型コロナでなかなか予定していたものができなかったということもありますけども、まだまだこれからだと思いますけども、大事なことは子どもたちが今までできなかった相談をできたり、そこまで深刻ではないということも気軽にSNSで相談できるということが大事だと思います。こうした子どもが一人でも増えて、一人に焦点を当てていければ、それが何より大きな成果だと思います。SNS相談事業は、我が会派として要望してきたものですが、コロナ禍のようないつもの日常と違う状況だからこそ、少しでも子どもたちの声が届けられる仕組みが必要というのと、中野区内の子どもたちの状況を把握できるということが利点だと思います。御担当としてこの事業をどのように評価しているでしょうか。
○宮崎指導室長 本事業実施前、本区においては電話相談だけでございましたが、電話や面談によって直接話すことに抵抗を感じる子どももいたため、自分に合った相談方法を選べるという意味からも有効であると考えております。また、事前に講師によるSOSの出し方に関する講義を実施するため、子どもにとってはSOSを出すことの大切さを理解した上で相談ができること、そして相談する相手が事前に分かるので、安心して相談できるという利点もございます。昨年度も今年度も年度当初から開始することができませんでしたが、相談件数も少ないながら、区独自の相談チャンネルとして少しずつ定着してきているところでございます。
○日野委員 子育て先進区を標榜するのであれば、コロナ禍のようなこうした状況の中、中野区の子どもたちのために、このSNS相談事業をより活用できる方策を検討していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○宮崎指導室長 子どもたちにとっては、悩みや不安を感じやすい状況であるため、教育委員会は区や都の相談先の一覧を繰り返し児童・生徒全員に配布したり、区のホームページで紹介したりしております。今後は、繰り返しSNSや電話での相談先を紹介していくとともに、各校で運用が始まりましたGoogle
Classroomを活用し、教員との相談体制も整えていくつもりでございます。
○日野委員 次に、学校における働き方改革について伺います。学校における働き方改革を推進するため、活動計画作成や大会引率等も担うことのできる部活動指導員を配置し、活動の充実及び教員の負担軽減を図るとし、令和元年度より新規事業として始まりました。また、教員の詳細な勤務時間の把握と勤怠事務の軽減を図るため、出退勤システムも導入されています。部活動指導員が配置されたことによるこれまでの状況と効果を伺います。
○宮崎指導室長 昨年度8月から事業が開始され、今年度は各校一、二名の部活動指導員が配置されているところでございます。配置人数にかかわらず、各校最大月16日、各日3時間以内で子どもたちの部活動指導に従事しているところでございます。子どもたちにとっては、部活動指導員から専門の指導が受けられるとともに、教員にとっては部活動指導の負担が軽減され、働き方改革につながっていると考えております。
○日野委員 それでは、出退勤システム導入によるこれまでの成果、効果についてはいかがでしょうか。
○宮崎指導室長 教員本人にとっては自らの勤務実態を把握できるとともに、管理職にとっては教員全員の勤務実態が一目のもとに把握でき、教員に対して状況に応じた指導がしやすくなるなど、働き方改革への意識づけに役立っていると考えます。また、これまで副校長の大きな負担になっていた勤務時間や休暇、旅費などの集計作業が容易にできるようになってきているところでございます。
○日野委員 コロナ禍において、オンライン授業やICT活用が急務となりました。区ではICT支援員も導入し、オンライン学習をスムーズに行うために教員の支援をしてもらっています。一方で、今後GIGAスクールが進み、ツールを活用した授業準備や個別指導の在り方も変わってくると思いますが、教員の支援についてはどう取り組んでいくのか伺います。
○宮崎指導室長 今年度は中学校を中心にICT学習支援員を配置し、各校においてICTスキル面での支援を行っているところでございます。来年度は、ICT支援員を教育委員会に配置し、引き続きICTスキル面等の支援を行う予定でございます。このほか、教育委員会では、オンライン学習に係る実践的な研修や、先進的に取り組んでいる学校の事例を紹介する機会をつくっていますが、今後も教員の具体的な授業実践に効果のある研修等を企画していく所存でございます。
○日野委員 教員の支援、それから教育委員会と学校、そして子どもたち、ここの連携をしっかり取って、子どもたちの環境を守っていただきたいというふうに思っております。
次に、体育館の冷暖房整備について伺います。ちょっとコロナとは違うんですが、体育館の冷暖房化について、こちらも我が会派として要望してきたものです。新たに改築された学校、既存校舎を含めて、現在までの区立小・中学校体育館の冷暖房整備状況について伺います。
○塚本子ども教育施設課長 現在、区立小・中学校全ての体育館におきまして、冷暖房設備の設置が完了してございます。
○日野委員 コロナ禍において、現状は体育館の利用も密を避けて、換気を行いながら、また全校生徒が集まるということもできない。そういう状況と思いますけども、この夏も非常に暑い夏となりました。猛暑の中での学校現場での体育館の利用状況と冷暖房の効果についてどのように見ているでしょうか。
○塚本子ども教育施設課長 現在、体育館でございますが、新型コロナウイルス対策といたしまして、体育館の窓ですとか外部扉を開放し、換気を行いながら体育館を利用しているところでございます。その際には併せて冷房も運転をさせて、館内温度の上昇を抑えること、そうしたことによりまして、体育館内の適切な温度環境を保っていることができるものというふうに認識してございます。
○日野委員 このコロナ禍の中で換気をよくしなきゃいけないという部分で、冷暖房がなかなか効きにくいというのもあったりするので、しっかりとこの暑さ対策、猛暑対策というのを行っていかないといけないと思います。その中で最後一つ、令和小学校の新校舎では、校舎にミストシャワーが整備されることになっています。また、美鳩小やみなみの小でも今後、ミストシャワーを設置することが可能となっているということです。近年、夏場は異常な猛暑が続き、室内の冷房は必須ですけども、屋外においても校庭など、熱中症対策としてのミストシャワーの設置というのは必要と考えます。最後に、学校施設におけるミストシャワーの設置の考え方について伺います。
○塚本子ども教育施設課長 ミストシャワーにつきましては、既にミストシャワーが設置してある学校の運用状況ですとか効果、そういったものを確認しながら、今後のミストシャワーの設置については検討を続けていきたいというふうに考えてございます。
○日野委員 ぜひともよろしくお願いいたします。環境も含めて、今こういうコロナ禍の中で子どもたちの状況を見ながら、しっかりと支えていける状況をつくっていただきたいというふうに思っております。
以上で私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。
○山本委員長 以上で日野たかし委員の質疑を終了します。
次に、小杉一男委員、質疑をどうぞ。
○小杉委員 日本共産党議員団の小杉一男です。2020年の第3回定例会決算特別委員会において、日本共産党の立場で、そして区民の要求、疑問を踏まえて総括質疑を行います。質問内容は通告どおりです。その他の項はございません。2日にわたりますが、よろしくお願いいたします。
子どもの人権に関わる条例についてです。
皆さん、手話で人権とどうやって表示するか御存じでしょうか。体の前で「人」と書いて、ここに力こぶをつけて、矢印をすると人権だそうです。まさに人権というのは人が生きる力、これを保障することだと思います。子どもたちにもそういう生きる力を保障していく、そういうことが今回の一つ目に取り上げました子どもの権利に関わる条例についてでございます。
現在、子どもの中には、いじめや暴力行為の認知件数が増えて、不登校や自殺も増加傾向にあります。これらは表面化されなくても子どもたちの低層に流れています。児童虐待による死亡事件も頻発しており、今、子どもたちの権利が揺らぎかねなくなっています。
児童の権利に関する条約(以下、「子どもの権利条約」と言います)の批准がされて26年経過し、2016年に児童福祉法等の改正で、一部を除き、同条約の趣旨が踏まえられました。いじめ防止対策推進法を受けて、中野区の対応もいじめや不登校のガイドラインの策定などの対策を進められてきています。
さて、8月24日に子どもの権利擁護に関わる条例の検討についてが子ども文教委員会に報告されました。そこで伺います。区が(仮称)子ども権利条例から子どもの権利擁護に係る条例に名称を変更しました。「擁護」という言葉を挿入したことで、子どもを主体として見る姿勢が弱まったのではないかという心配の声を伺いました。その理由はどのようなものでしょうか。
○青木子ども政策担当課長 条例の名称についてでございますが、今後設置する予定であります審議会での議論も含め、条例の内容を検討していく中で名称についても検討していくことを想定してございます。子どもを主体として捉えるという趣旨につきましては、これまでと変わらないものであると考えてございます。
○小杉委員 児童福祉法の第1条では、冒頭の主語は「全て児童」です。「全て児童は、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、適切に養育されること、その生活を保障されること、愛され、保護されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉を等しく保障される権利を有する。」とあります。同法第2条では、冒頭の主語は「全て国民」です。「全て国民は、児童が良好な環境において生まれ、かつ、社会のあらゆる分野において児童の年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮され、心身ともに健やかに育成されるよう努めなければならない。」と書いてあります。
そこで伺います。子どもの権利擁護だと、児童福祉法第2条に重きを置いているように感じます。同法第1条の子ども主体でも検討を進めていくということでよろしいでしょうか。
○青木子ども政策担当課長 条例の検討に当たりましては、児童福祉法の内容を踏まえる必要があると考えております。法第1条については、児童の福祉を保障するための原理について規定されておりまして、子どもを主体として捉えるという趣旨を踏まえて、条例の検討を行っていく考えでございます。
○小杉委員 子どもの権利条約では、生命、生存及び発達に対する権利、子どもの最善の利益、子どもの意見の尊重、差別の禁止を掲げています。既に条例を制定している世田谷区、豊島区、目黒区の各区、小金井市、西東京市の両市など、児童福祉法はもちろん子どもの権利条約、憲法、国際人権規約などの理念を高々と掲げています。国連子ども権利委員会は、子どもの権利条約を批准した日本政府に定期的に勧告を行っています。それは日本の教育と子どもの状況が条約の理念にふさわしいものとなっていないためです。内容を紹介すると、競争的な社会から子ども期を守り、子どもがその子ども期を享受することを確保するのに必要な措置を取るべき。また、子どもの力を伸ばすような参加を積極的に促進させ、子どもの意見表明権を可能にする環境を提供すべきなどとの勧告です。こうした世界の先進的な知見もぜひ踏まえてほしいと思います。
そこで伺います。児童福祉法の第1条の趣旨や、子どもの権利条約などの理念を踏まえながら進めていくということでよろしいでしょうか。
○青木子ども政策担当課長 児童の権利に関する条約、いわゆる子どもの権利条約につきましては、児童福祉法改正の前提になるものであるため、児童福祉法とともに条約の趣旨も踏まえ、検討を進めていきたいと考えてございます。
○小杉委員 子ども文教委員会の資料にある検討の方向に、権利擁護の考え方や区、地域団体、事業者等の役割、相談支援の仕組みなどの検討を行うとしてあります。区としてどのような審査を期待していますか。
○青木子ども政策担当課長 審議会におきましては、区民、有識者などを委員として想定しておりまして、区における子どもの生活実態、また専門的な見地からの審議をしていただくことを想定しております。
○小杉委員 また、相談支援の仕組みについて、他の自治体ではどのようなものが多いでしょうか。オンブズパーソン制度や人権擁護委員、幅広い相談の体制などがあるようですが、いかがでしょうか。
○青木子ども政策担当課長 他自治体におきましては、オンブズパーソン制度や子どもの権利擁護委員の配置など、子どもの権利を守るために相談窓口を設けて、子どもに対して寄り添い、支援を行う仕組みを整備しているケースがあると認識しております。
○小杉委員 そういう他の自治体の先進例を踏まえ、そして子どもたちの生活実態をしっかり調査していただきたいと思います。今年の第1回定例会においても、不登校児童・生徒のある保護者の方からのお話を紹介しました。この方は、子どもの権利条例というものがあったなら、どれほど早くに親子の精神的苦痛が和らいだものかと思います。ぜひその条例は必要だと思いますと期待を込めていました。審議会では、先行実施されている地方自治体への現地調査や、様々な子どもたちとその保護者にも聞き取りを実施することを期待したいです。
そこで伺います。第1回定例会の一般質問でも申し上げましたが、審議の過程の中で常に子どもの目線を忘れずに、時には子どもの声を聞きながら進めていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○青木子ども政策担当課長 条例の検討過程で、子どもの意見を聞く機会を確保するということは非常に重要であると考えております。審議会での議論も踏まえまして、その方法について検討していくことを考えております。
○小杉委員 残念ながら、困難を抱えた子どもや保護者はまだまだおられるというのが現状です。現在の子どもたちの声に耳を傾け、実態をつぶさに把握し、しっかりとした実のある条例としていただくことを願っております。
○山本委員長 委員会を休憩します。
午後4時55分休憩
午後4時56分開議
○山本委員長 委員会を再開します。
○小杉委員 続きまして、児童相談所や児童養護施設等についてであります。児童相談所については、年間に約70人の子どもたちが虐待により亡くなっている事実があります。都内での児童相談所における虐待相談対応件数も毎年増加し続けています。そうした中で現在、児童相談所は、杉並児童相談所が中野区、杉並区、武蔵野市、三鷹市を所管していますが、2022年2月に中野区の児童相談所が設置される予定となっています。あと1年5か月と迫っています。児童相談所は、子どもに関する家族からの相談に応じ、ニーズや状況を踏まえ、効果的援助を行い、子どもの福祉を図り、権利を擁護する公的な機関です。そうした機関が中野区に開設されることをしっかり受け止めていくべきだと思います。
そこで伺います。基礎自治体である中野区に児童相談所を設置する意義やメリットはどのようなものがあるでしょうか伺います。
○半田児童相談所設置調整担当課長 区が児童相談所を設置いたしまして、児童相談所と子ども家庭支援センターを一体で運営することにより、3点のメリットがあるというふうに考えてございます。1点目は、虐待通告の窓口を一本化することによりまして、初期対応を迅速かつ的確に行うことができること。2点目は、通告から支援、指導、措置、家庭復帰までを一つの機関で一貫して実施することができるようになること。また3点目に、区民に身近な行政機関であることを生かし、地域と連携し、地域資源を最大限に生かした支援を行うことができるようになること。以上でございます。
○小杉委員 野田市の虐待死亡事件などを振り返ると、虐待のケースが増加する中で、児童相談所の児童福祉司が専門性を保ちながら適切に業務を行い続けることが必要です。中野区で児童相談所設置が行えるようになることは、関係機関同士がネットワークを通してつながり、また、地域環境の実情に即した支援計画の立案、実施を進めていく上で重要です。地域資源を十分に活用した取組や迅速な対応も求められています。区にある区民情報をしっかりと活用しながら、区と児童相談所が連携していってほしいと思います。
そして、職員体制について伺います。現在、児童福祉司、児童心理司は何人確保されていますか。
○半田児童相談所設置調整担当課長 現在、児童福祉司につきましては20名中16名、児童心理司につきましては10人中9名を確保しているところでございます。
○小杉委員 開設時には、今言われたように児童福祉司が20名と児童心理司が10名を確保する目標としています。そこまで今途中の経過として16名と9名を確保しているということです。全国的には児童福祉司、児童心理司の3年未満の職員は49%、41%で、新規開設するには、この経験をどのように積むのかが大事だと思います。児童福祉司、児童心理司は東京都での研修などで経験を積んでいると思いますが、経験年数が3年未満の職員はどの程度の割合でしょうか。
○半田児童相談所設置調整担当課長 既に確保しております職員のうち、児童福祉司につきましては16名中15名、児童心理司につきましては9名中8名につきましては、児童相談所勤務が3年未満となってございます。
○小杉委員 かなりの、そうですよね、3年未満が大半だというところでありますよね。なかなか難しいところですよね。今後増員も図られれば、一時的に経験年数が少ない方の割合が高まることも留意すべきだと思います。経験年数については、既にある児童相談所の平均レベルまで持っていってほしいと期待はしていますが、なかなかこれからの話ですので、難しいかと思います。
そこで伺います。東京都への長期や短期の派遣研修を受けていると伺っていますが、東京都などの現場の経験を積む研修の状況はどのぐらい進んでいますでしょうか。
○半田児童相談所設置調整担当課長 東京都をはじめといたしました児童相談所に派遣された職員につきましては、派遣先の児童相談所の職員の一員といたしまして、児童福祉司や児童心理司の業務全般を学んでいるところでございます。習得した知識や経験につきましては、毎月1回実施しております帰庁報告日に報告を行ってもらいまして、職員間で情報共有をするとともに、児童相談所開設に向けた準備作業においてマニュアル作成などに反映しているところでございます。
○山本委員長 委員会を休憩します。
午後5時01分休憩
午後5時02分開議
○山本委員長 再開します。
小杉委員の質疑の途中ですが、5時になりましたので、今後の運営について協議するため、理事会を開会します。
委員会を休憩します。
午後5時02分休憩
午後5時05分開議
○山本委員長 委員会を再開します。
ただいまの理事会の報告をします。
小杉委員の質疑の途中ですが、本日は終了し、次回、小杉委員から始めることを確認しました。
以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議ありませんので、そのように決定し、本日の総括質疑を終了します。
次回の委員会は、9月18日(金曜日)午前10時から当委員会室で開会することを口頭をもって通告します。
以上で本日の決算特別委員会を散会します。
午後5時05分散会