1.令和2年(2020年)9月23日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(41名)
1番 市 川 しんたろう 2番 竹 村 あきひろ
3番 日 野 たかし 4番 渡 辺 たけし
6番 河 合 り な 7番 斉 藤 ゆ り
8番 立 石 り お 9番 羽 鳥 だいすけ
10番 高 橋 かずちか 11番 加 藤 たくま
12番 吉 田 康一郎 13番 木 村 広 一
14番 甲 田 ゆり子 15番 内 野 大三郎
16番 杉 山 司 17番 ひやま 隆
18番 小宮山 たかし 19番 い さ 哲 郎
20番 小 杉 一 男 21番 若 林 しげお
22番 内 川 和 久 23番 いでい 良 輔
24番 小 林 ぜんいち 25番 白 井 ひでふみ
26番 いながき じゅん子 27番 山 本 たかし
28番 中 村 延 子 29番 石 坂 わたる
30番 近 藤 さえ子 31番 浦 野 さとみ
32番 大 内 しんご 33番 伊 藤 正 信
34番 高 橋 ちあき 35番 平 山 英 明
36番 南 かつひこ 37番 久 保 り か
38番 森 たかゆき 39番 酒 井 たくや
40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦
42番 来 住 和 行
1.欠席委員(1名)
5番 間 ひとみ
1.出席説明員
中野区長 酒井 直人
副区長 白土 純
副区長 横山 克人
教育長 入野 貴美子
企画部長 高橋 昭彦
企画課長(企画部参事事務取扱) 石井 大輔
情報システム課長(企画部参事事務取扱) 平田 祐子
基本構想担当課長永見 英光
財政課長 森 克久
広聴・広報課長 高村 和哉
業務改善課長、ユニバーサルデザイン推進担当課長 藤永 益次
総務部長 海老沢 憲一
危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝瀬 裕之
総務課長、特別定額給付金担当課長 浅川 靖
職員課長、人材育成担当課長 中谷 博
施設課長 高田 班
経理課長 吉沢 健一
防災担当課長 山田 健二
区民部長 青山 敬一郎
文化国際交流担当課長 矢澤 岳
戸籍住民課長 伊藤 正秀
税務課長 矢島 久美子
保険医療課長 伊藤 廣昭
産業観光課長 堀越 恵美子
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 戸辺 眞
子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小田 史子
子ども・教育政策課長、学校再編・地域連携担当課長 永田 純一
保育園・幼稚園課長、保育施設利用調整担当課長 渡邊 健治
学校教育課長 板垣 淑子
育成活動推進課長細野 修一
地域支えあい推進部長 鳥井 文哉
地域包括ケア推進担当部長 藤井 多希子
地域活動推進課長小山 真美
地域包括ケア推進課長 高橋 英昭
介護・高齢者支援課長、高齢者支援担当課長 葉山 義彦
鷺宮すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 大場 大輔
健康福祉部長 岩浅 英樹
保健所長、地域医療連携担当課長事務取扱 向山 晴子
スポーツ振興課長古本 正士
生活援護課長、生活保護担当課長 中村 誠
保健予防課長 只野 孝子
環境部長 朝井 めぐみ
ごみゼロ推進課長、清掃事務所長 伊東 知秀
都市基盤部長 奈良 浩二
道路課長 井上 雄城
公園緑地課長 林 健
住宅課長 池内 明日香
まちづくり推進部長 角 秀行
中野駅周辺まちづくり担当部長 豊川 士朗
中野駅新北口駅前エリア担当課長 小幡 一隆
会計室長 吉村 恒治
監査事務局長 石濱 良行
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 長﨑 武史
事務局次長 小堺 充
議事調査担当係長 鳥居 誠
書 記 立川 衛
書 記 若見 元彦
書 記 野村 理志
書 記 鎌形 聡美
書 記 松丸 晃大
書 記 細井 翔太
書 記 有明 健人
書 記 五十嵐 一生
書 記 髙橋 万里
書 記 本多 正篤
午前10時00分開会
○山本委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。
認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。
9月18日の理事会の報告を行います。
初めに、本日の委員会運営についてですが、総括質疑は、1番目に杉山司委員、2番目にむとう有子委員、3番目に近藤さえ子委員、4番目にいながきじゅん子委員、5番目に石坂わたる委員、6番目に小宮山たかし委員、7番目に竹村あきひろ委員、8番目に立石りお委員、9番目に吉田康一郎委員の順に9名の質疑を行うことを確認しました。
また、本日は総括質疑最終日であり、午後5時を過ぎる場合も質疑を続行し、委員長判断で休憩を入れることを確認しました。
以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議ありませんので、そのように運営します。
ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は、答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いいたします。
それでは質疑に入ります。杉山司委員、質疑をどうぞ。
○杉山委員 皆様、おはようございます。先週に引き続き総括質疑をさせていただきます。映像のつなぎ目があるかと思いまして、ネクタイもマスクも眼鏡も全部本日は一緒にしてまいりました。ネクタイの長さと顔色は同じかどうか分かりませんが、最後までよろしくお願いします。
先週の最後ですね。3番と4番を入れ替えて、4番とその後3番とお話をさせていただきます。
4番、JR東中野駅西側線路沿い桜並木の整備と将来についてお話しいたします。JR東中野駅西側線路沿いの桜並木整備の件でございます。地域の人だけでなく、鉄道ファンなどの観光客にも人気のこの桜並木、菜の花が咲かなくなってから3年となります。かつては10月ぐらいには雑草駆除などの整備がされ、菜の花の種もまかれていたと思いますので、近隣住民や私の一般質問でも、以前のように美しい菜の花も見られるように作業を早めてくださいと再三再四お願いさせていただいているにもかかわらず、昨年度のJR東日本との契約が2月14日、作業が3月となったのはなぜでしょうか。
○林公園緑地課長 平成30年度まではJR東日本と年間協定を結び、JRが作業日程を決めて維持管理を実施していたところでございます。昨年度から年度ごとに維持管理の業務内容や作業体制などを調整してから協定を締結する方法に変更になったところでございます。昨年度はこの調整に時間を要したため協定が2月になったところでございます。
○杉山委員 昨年度に締結された締結書を見ますと、植栽地管理245万円、樹木管理が100万円、管理費34万5,000円、作業費の10%となっております。決算説明書509ページ、東中野駅構内樹木維持管理費等552万円余、樹木の枝折れに伴う対応50万円弱とありますが、契約書と決算額の差額があるのはなぜでしょうか、伺います。
○林公園緑地課長 JR東日本との協定金額は、概算額で417万5,000円でございますが、実際にかかった作業経費は409万8,028円でございます。これ以外に樹木診断委託や道路側からの剪定作業などを行って143万1,800円支出しているため差額が生じたところでございます。
○杉山委員 植栽地管理費など、ちょっと高い感じが私としてはしております。特殊な作業エリアではありますが、大体あの面積ですと、一般的には100万円程度で除草や樹木管理ができるかもしれないという見方もございます。現在は中野区がJR東日本に作業を委託し、かかった分だけ請求が来るという方式だと思いますが、区側が業者を提案したり、JR側が現場監督をする形など、本件に関してのコストややり方の提案はJR東日本に対してそもそも行えるのでしょうか、伺います。
○林公園緑地課長 東中野駅構内の桜につきましては、JR東日本の鉄道用地内にあるため、用地内での作業についてはJR東日本が発注し、請け負った業者しか作業ができないところでございます。JR東日本と協議を行い、昨年度からJRの用地に入らず道路上からできる樹木の剪定や枯れ枝の除去については区が選定した業者が行っており、経費の削減に努めているところでございます。
○杉山委員 何はともあれJR東日本と対等に交渉を行いながら調整して、しっかりと整備を行っていただきたく思います。雑草が巻きついてると、桜の栄養を雑草が奪っているようで桜の寿命を全うできませんし、近隣の住民の方が心配します。しっかりと早々にのり面整備を行っていただき、菜の花の種もまいてください。強く要望したいと思います。
区民の方々は中野区とトラブルになることはもう望んではおりませんで、その桜並木を中野区と一緒になって次の世代にどのようにつなげていくのかを考えていきたいと思っている方が多くいらっしゃいます。これから中野区は、区民の皆様と一緒にその桜並木の将来について考えていくべきだと思います。
先日、桜山町会と東中野西口の桜並木を守る会の連名で区長宛て及びJR東日本宛てに要望書が提出されました。JRには私も同行させていただきましたが、9月3日付で区長名の要望書に対する回答が届きました。そこには、枯れ枝及び菜の花については鋭意努力する。桜並木の将来については、JR東日本との話が進展しないために話合いの場を設けるのは難しいとの回答でした。区長は、東中野駅の桜を守っていきたいということに関してお気持ちは変わっておりませんよね。最後に区長にお聞きします。
○酒井区長 町会をはじめ、地域の人たちが桜のある町並みを大切にしていることは十分承知をしております。東中野の桜を維持していきたいという私の気持ちは今も変わっておりません。JRに住民との話合いの場に参加するよう引き続き働きかけていきたいと考えております。
○杉山委員 ありがとうございます。最近、JR東日本の駅のスタンプが変わったことは御存じでしょうか。東中野のスタンプは、以前は電車と満開の桜というデザインでございましたが、今回リニューアルされたスタンプには、桜と菜の花がデザインされております。このスタンプのように、まずは菜の花の咲く桜並木を復活していただくことを願いまして、この項の質問を終わります。
次に、最後になりますが、庁内情報システム環境の改善とこれからの対策について伺います。
まず(1)ITベンダーとの契約内容の妥当性について伺います。昨年12月4日、中野区は大規模なシステム障害に見舞われました。ウェブページの閲覧、戸籍証明の発行など、統合仮想サーバー環境上に持つ22もの大切なシステムが使用できない状態となった大きな事象です。これは、中野区の発注先である日本電子計算、以後Jip(ジップ)と言いますが、Jipのデータセンターにサーバーを預け、その中でシステムやサーバーネットワークなど二重化をしていたが、データセンター側のファームウェアの不具合で二重化が全く意味をなさず、復旧までにも多くのリソース、人的リソースと長い時間がかかりました。バックアップされているはずのデータも全てがそろわず、100%完全な状態での復旧はなりませんでした。Jipは今年の5月にもシステム障害を起こしたり、最近もメールが使えなくなるなど、小さな問題もちょこちょこと起こしております。
自治体の情報サービスは情報をタイムリーに伝える、ハッカーに侵入させない、役所側の業務効率が上がる、そしてサービスを止めないことであると考えます。サービスが止まらないという様々な仕掛けを施したネットワーク機器やサーバー群に多くの費用を投じたにもかかわらず、このような事態を招いたのは、ベンダー選定の妥当性から始まり、設計やテストの甘さ、役所側の受入れスキルのなさ、危機管理の未熟さなど反省すべき点が多くあるはずです。
そこでまずはJipとの統合仮想サーバーのクラウドサービス契約書について伺います。平成28年10月7日に、契約金額は税込で2億8,673万円余、契約期間は2021年9月末までの約5年間、委託者中野区、受託者Jipで契約を締結した委託契約書、内容はどのようなものなのか簡潔に教えてください。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 委員御質問の契約書の内容でございますが、インターネット接続及び強靭性向上サービスの提供に係る契約でございまして、インターネットデータセンター機能とそれからマイナンバー、LGWAN、インターネット系のネットワークを分離する仕組み、また、インターネットの無害化の仕組みの提供の契約でございます。
○杉山委員 契約書に添付されているシステム構成図などを見ますと、データベースやサーバー構成など一昔前どころか二昔前のシステム構成だったり、過剰なCPUが搭載されているマシンが見受けられるなど、本当にこれが最適なコストパフォーマンスのよいシステムなのか疑問が大きくなるばかりですが、それはさておき、その契約内容はネットワーク構築やサーバー調達などの初期費、回線利用料などを含めたデータセンター利用費、システム運用や保守費用を全てひっくるめた1本の契約書になっております。通常、せめてイニシャルとランニング、開発と保守などは契約の範囲を明確にするために分けて契約するのが当たり前だと思うのですが、なぜこのような大きな委託契約書がまるっと1本で契約されたのか理由をお聞かせ願えますでしょうか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 導入当時でございますが、区はインターネットデータセンター機能の確保と、また国が求めていたインターネット分離、三層分離と呼ばれるものですが、こちらの強靱化対応の実現を図る必要がございました。この二つはインターネットのセキュリティ確保の仕組みのために併せて構築することが、経費的にも時間的にも効率的であったことから一括調達をしたものでございます。
○杉山委員 いろいろな理由があるにせよ、初期開発とデータセンター利用、保守、運用や常駐委任などを混ぜこぜにした契約には無理があると考えます。開発には開発の、データセンターにはデータセンター利用の、保守には保守のそれぞれの記載すべき、守られるべき内容が盛り込まれていないとおかしい。この1本の契約書の中には、秘密保持、いわゆるNDAに関しましてはちらっと記載してある部分はございますが、いわゆるSLA、サービスレベル・アグリーメントの略で、利用者とサービス提供事業者との間、つまり、中野区とJipとの間で結ばれるサービスレベル水準や品質を定義するものですが、そのSLAはこの契約書内にはございますか。もしくは、契約書とは別にSLAの契約を締結しているのでしょうか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 契約書の中には明示的にSLAという定義はしてございません。仕様の中でティア3に対応した設備であることを入れているものでございます。
○杉山委員 今、ティア3というお話が出ましたが、今回契約書の中にデータセンターのファシリティースタンダードによりますと、ティア1からティア4までデータセンターのレベルがある。それは周知の事実でございます。今回の契約はティア3。ただ、ティア3の想定するエンドユーザーの稼働信頼性というのは99.98%のレベルが求められております。これは日本データセンター協会によるところでございますが、冒頭にも少し触れましたが、基礎自治体の情報サービス、サーバーは止まってもサービスは是が非でも止めてはならないはずです。Jipのデータセンターがティア3基準を大きく逸脱していると感じておりまして、これは完全な契約不履行であると考えておりますが、いかがでしょう。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 御指摘のとおり、昨年度の障害時におきましては、99.98%の稼働率を満たしておりませんでした。そのために、システム停止期間分の使用料減額を行うという措置を行ったところでございます。
○杉山委員 今、減額分のお話が出ましたね。やはり、限られたリソースの中で、委託業者と中野区でサービスレベルを協議して、共有してできることをしっかりと行っていただきたいです。できればその契約書内にも、実は基本設計、詳細設計という上流工程、それから開発とテスト、開発系、それからドキュメント類整備、そこら辺も細かく分けていただいたほうが、やっぱり中野区として守っていけるのかなと思っております。
契約書の中で、受入検査は中野区の職員が十日以内に行うとあります。テスト仕様書は、通常ITベンダーが作成するはずですが、発注側である中野区がしっかり内容を把握できていなければなりませんよね。テスト仕様書はイレギュラー処理をどれだけ想定できるか。精度や品質が上がってきます。それは行政業務に精通して、システム開発運用実績が豊富なテスト仕様の設計者がプロジェクトにいて初めて成り立つことだと思っております。テストとは、単体テスト、結合テスト、機能負荷、ボリュームテスト、セキュリティテスト、受入れテスト、リグレッションテストいろいろありますが、かなり幅広い考えを持って臨まなければならないと思います。この大型システムの受入検査が十日間で、しかも職員が行うということが本当に可能なのかどうか。情報政策官もしっかり関わっていただいたと思いますが、この手のシステム把握を全てできているとは思えません。平成28年に遡った質問ですが、どんな受入れテストをしたのか。システムとネットワーク構築、こちらも教えていただけますでしょうか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 構築時のテストでございますけれども、担当の職員が現地での確認、また、区での稼働確認を行っているところでございます。また、テスト仕様も設計の中ではつくってございまして、それに沿ったテストを行って動作確認をしたところでございます。
○杉山委員 分かりました。先日日野委員もおっしゃっていましたが、今回のJip-Baseのサービス契約はIaaS、それなのにサーバーのスペックとかOSなどは記載されていないですが、そのマシン名や型番記載がないのはなぜでしょうか。詳細情報がないことは何か意味がございますでしょうか。教えてください。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 委員御指摘のようにIaaSの契約でございますので、提供事業者がマシンを提供して、区はそのサービス提供を受けるというものでございます。一般的にIaaSにおきましては、マシンの型番などは提供を受けないということが一般的だと聞いてございます。
○杉山委員 実際はでも知っていらっしゃるんですよね。分かりました。あと、回線に関して、中野区庁舎とiDCは1Gbpsの帯域保証で契約されていると思います。DCと自治体クラウド間は100Mbpsと決められています。これは帯域が狭いと感じるんですが、問題というのはございませんでしょうか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 回線も同時に契約しているので、毎月使用状況の報告を受けているところでございます。現在の使用率は平均で二、三割ということで推移しておりますので、現状では問題ないと考えております。
○杉山委員 現状で問題ないということは、将来的には何か、懸念点がもしあれば教えてください。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 最近動画の利用が増えているということがございますので、将来的には帯域の逼迫ということも出てくる可能性があると考えてございます。
○杉山委員 発注額そのものが大きいですけど、妥当かどうか。あと、今見ている資料が契約書だけでいろいろと判断がつかないところもあります。契約書の内容があまりにも煩雑過ぎるかなと思いますが、この契約書は中野区全体のシステムのうちどの部分の契約内容なのか。そしてどんなサブシステムがこのデータセンターで運営されているのか一目では分からない。我々が見ても分からない状態になっています。契約書は発注側も受託者側も自分たちの主張を守る基になるものですので、どの範囲を幾らで契約したかを明確にした上で、そこから逸脱する部分を極力少なくして、システムもサービスもより詳しく、そして分かりやすく明記した契約を締結してください。強く要望しておきます。
続きまして、(2)大規模システム障害の撲滅について伺います。12月4日の大規模システム障害は、なぜ障害発生時にサーバーが切り替わらなかったのか、なぜ切り替わらなかったことが長く続いたのかを冒頭で少し触れさせていただきました。大規模システム障害はシステムベンダー起因、データセンター起因、そして大規模災害発生時にも起こり得ることですが、今回はデータセンター起因は明白でございます。先ほどもお話ししましたが、完全な契約不履行で、区としても月額使用料を幾らかペナルティーとしてお支払いは止めたということで先ほど報告いただきました。平成26年8月の中野区情報システム調達ガイドラインにおける障害項目はどのように記述されておりますでしょうか。今回の大規模システム障害に関して、情報政策官はどのように関わっていたのか教えてください。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 調達ガイドラインにおける記述でございます。システム導入の検討を行う際に、情報提供依頼書、RFIと呼ばれる書類になりますが、こちらにより事業者各社から入手した情報、またほかの地方自治体の事例を基にシステム要件を実現可能な要件に整理するプロセスがございます。その中で情報セキュリティの項目も定義することになってございます。
また、情報政策官でございますが、障害発生時から深く関わってございまして、障害発生後の12月9日、また12月12日の2回、直接日本電子計算を訪問しまして、対応状況の聞き取りと迅速な対応を要望してきてございます。また、2回目の訪問につきましては、CIOであります白戸副区長への同行でございます。
○杉山委員 何度かやっぱり深く関わっていただいた。ただ、中野区としてやっぱり情報政策官にもっと頼りたいところもあったと思います。実際に長くサーバーが止まってしまったこともありまして、それを回避するためにも情報政策官の役割を一部見直していく必要があるかと思います。同じ業者に35ものシステムを今回預けている。大変なリスクだと思いますが、区としてどのようにお考えでしょうか。
○平田情報システム課長(企画部参事事務取扱) 国からも指摘されているところでございますが、重要なシステムと重要度の低いシステムが同じサービスレベルで運用されていると。また構築もされているというところに課題があると考えております。こちらについては見直しをかけていきたいと考えております。
○杉山委員 そろそろ時間がなくなってきました。データセンターの簡易的なディザスターリカバリーとかそういうところも実は考えていただきたいですし、それからJipをこれから使っていく、使っていかない、そこら辺の吟味というのもしっかりと練っていかないといけない。様々な視点で二度とサービスを止めない仕組み、やり方を、Jipとともになのか、独自なのか分かりませんが、一緒に検討しまして、契約を含めて盤石なシステムに修繕していただきたいと思っております。
続きまして(3)ICT-BCP中野モデルの早期実現につきましては、日野委員からも質問がございましたので割愛させていただきますが、中野区民のために先進事例として、他の自治体のためにも、早急のICT-BCP中野モデル策定を進めていただきたく強く要望します。
もうあと1分ですね。大規模基幹システムや業務システム、コンテンツ制作やデータセンターの運営を、私も大手ベンダーに17年間在籍しまして営業統括部長を拝命しておりました。業者の気持ちが手に取るように分かります。区民サービスレベルを向上させるために大事な税金を使わせていただくわけですので、ITベンダーにうまいこと口車に乗せられたりだまされないようにしていただきたいと心より思います。今までも、そしてこれからも結ぶ様々な契約もだまされないように、そして損しないように、自ら守るという意味でもしっかりとサービス内容を両者で取り決め、詳細内容がひもづけられた契約を締結していただくことを願いますとともに、さらには今回の大規模システム災害では多くのことを中野区としては学んだと思います。中野区独自のICT-BCPが先進事例となることを心から願いまして、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
○山本委員長 以上で杉山司委員の質疑を終了します。
次に、むとう有子委員、質疑をどうぞ。
○むとう委員 区民の方々からお寄せいただきました御意見を基に質疑をいたします。持ち時間は30分です。機敏な行動と簡潔明瞭な御答弁の御協力をお願いいたします。なお、順番を変えて3の清掃事業についての質問を最後にいたします。
2019年度予算は、酒井区長初の予算だったこともあり、大盤振る舞いの過去最高額となり、懸念もありましたが、区民の期待もあり、私もささやかな期待を持ち、賛成いたしましたので、しっかり判断したいと思います。
財政指標による分析では、実質収支比率や経常収支比率などが前年より悪化し、区財政の健全性に懸念を生じさせる兆しが見られるとの指摘が監査委員からなされています。その兆しが現実化しつつあり、予期せぬ新型コロナ感染拡大による社会経済への影響が猛スピードで襲い、区長は行政報告の中で財政的な非常事態との認識を示されました。さらなる堅実な無駄のない区政運営が求められています。
そこで、区長車についてお尋ねをいたします。区長車については、これまでも他の議員の方が質疑されていますが、財政的な非常事態との認識が示されましたので、私からもお尋ねいたします。
前区長は区長車を廃止し、必要なときはタクシーやハイヤーを使用していました。酒井区長も1年目の2018年度はそれを踏襲され、予算化されていたにもかかわらず、区長車運行管理委託等未執行により824万7,000円を残し、タクシー・ハイヤー使用料24万1,000円の支出でした。しかし、2年目の2019年度からは予算化し、決算説明書159ページ、区長車雇上げ980万4,250円が支出され、さらにタクシー・ハイヤーも使用し、8万4,050円が支出され、移動のための足代は合計988万8,300円でした。中野区の納税者1人当たりの所得額は395万4,000円です。区長車は納税者2.5人分の年収額に相当します。これまでの答弁から、区長車を利用することの利点として、1.時間の効率化、2.安全性、3.車内での打合せ等が挙げられていました。それなりに利点は理解しますが、タクシー・ハイヤーを活用することで、区長車がなくても公務が果たせることを前区長が証明してくれました。前区長の4期16年間のタクシー・ハイヤー使用料の合計額を総務課に調べていただきましたが、残念ながら2002年度から2004年度の決算書には記載がなく3年分は不明ですが、記載のある2005年度から2017年度の13年間の総額は636万4,528円でした。1年間の平均は48万9,579円です。3年間の不明分に平均額約50万円を当てはめますと、16年間のタクシー・ハイヤー使用料の合計推定額は約800万円となります。仮に前区長が16年間区長車を900万円で雇い上げたとすると、1億4,400万円ですので、そこからタクシー・ハイヤー使用料の合計額約800万円を引くと1億3,600万円となり、何と1億円以上の削減に貢献していたことになります。これは、前区長が区長車を雇い上げず、必要に応じてタクシー・ハイヤーを使用して公務を遂行したことで成し得た成果と言えます。推定約1億3,600万円の削減額は、当たらずも遠からずの数字ではないかと思いますが、私の推定額について区の見解をお答えください。
○浅川総務課長 あえて16年間を尺度とするならば計算上はおおよそそのとおりとなっておりますが、区長の移動時間の効率性や安全面等のメリットを含めると、単純に金額だけで両者を比較することはできないと考えております。
○むとう委員 おっしゃることはそういうことかなと思っておりました。酒井区長も1年目の2018年度は824万7,000円の削減に貢献しました。2019年度は残念でした。2020年度も区長車運行経費等で1,241万円が予算化されています。財政的な非常事態の中で区長自らができることとして、2021年度は区長車の雇上げをやめて、必要なときにタクシーやハイヤーを使用するという合理的なお考えはお持ちではないでしょうか。区長に答弁を求めます。
○酒井区長 私は自治体の長として公務のための時間を効率的に使って移動に伴うリスクを回避することによって、区民から託されたトップマネジメントの仕事を最大限のものとし、その成果を区民の皆様に還元したいと考えております。そのために機動性やセキュリティの面で大きな優位性を持つ区長車を公務に活用していくことが真の合理性だと考えております。ただし、新型コロナウイルス感染の収束が見えず、厳しい財政状況下において、最低限のコストで目標を達成するために工夫はしていきたいと考えております。
○むとう委員 どんな工夫を予定されていますか。
○酒井区長 区長車の使用時間の見直しか、それからシェアリング等いろいろ考えていきたいと思っています。
○むとう委員 これ以上言っても行き違うことだと思うので言いませんけれども、私は基本的には、区民サービスを切る前に区長サービスを切っていただきたいと願いつつ、次の質問に移ります。
認知症高齢者施策についてお尋ねをいたします。私自身認知症の義理の母を見送り、間もなく実母が認知症となり在宅での介護を経て、今はグループホームでそれなりに平穏無事な生活を送っています。認知症の初期は本人も家族もつらい生活でした。プロの介護士の方でも介護力に差があり、認知症の方のそれぞれの性格や認知能力に合わせた介護の難しさがあります。家族も介護士も介護力を高める施策が必要です。申し訳ありませんが、時間の都合で1問目を取りやめさせていただきます。
決算説明書の355ページ、認知症施策推進、認知症講演会事業未執行による残33万円とあります。予算化していたにもかかわらず、なぜ実施しなかったのでしょうか、お答えください。
○高橋地域包括ケア推進課長 認知症講演会事業は、認知症介護技法について取り上げる予定でございましたが、事業委託先として考えておりました団体と契約条件が折り合わず、実施に至らなかったものでございます。
○むとう委員 どういう内容が折り合わなかったんでしょうか。
○高橋地域包括ケア推進課長 認知症介護技法の普及の方法でありますとか、そういったことにつきまして考え方が折り合わなかったというところでございます。
○むとう委員 他の事業者は探されなかったんでしょうか。
○高橋地域包括ケア推進課長 ほかの認知技法につきましても様々調査いたしましたけれども、認知技法に関しましては様々な種類がございまして、それを区民の方に伝えることによりまして、その技法だけを区のほうで推奨しているということも考えられるという観点からも検討しましたところ、ほかを選択するということはなく、認知機能の介護技法につきましては今後もどういった形での周知、普及がいいかということを引き続き検討していくということで、別の事業者に委託するということにはなりませんでした。
○むとう委員 本当に認知症の方への介護というのは大変で、技法というのが必要なことだと思っております。予算化したということは、それなりに検討して、これでやろうということで予算化したはずだと思いたいのですけれども、つまり、予算化する段階での様々な検討が甘かったからいろいろ違っていて実施できなかったということでよろしいですかね。
○高橋地域包括ケア推進課長 介護技法につきまして様々なやり方があり、それぞれそれを推奨されている団体でありますとかそういうところがございます。その辺の考え方というのを事前にもっと調査するべきであったとは考えてございます。
○むとう委員 本当に予算化する際に、予算化の段階での甘さがほかの事業でも見受けられます。きちんと精査して検討して予算化していただきたいと思いますので、次に続けて介護について講演会をぜひやっていただきたいと思います。
次に、主要施策の成果の30ページ、地域支えあい推進部の成果として、区が保険業者と契約し、保険加入手続をした認知症高齢者等が、日常生活における偶発的な事故によって法律上の賠償責任を負った場合に、補償を受けられる認知症高齢者等個人賠償責任保険事業を開始したことを挙げています。この事業は、当時、認知症高齢者が徘徊中に列車にはねられて死亡し、鉄道会社が遺族に損害賠償を求めた裁判が社会問題となったことを受けて、区が突然提案した事業でした。当時私は厚生委員会にいたので、審議の中で制度設計の甘さが気になったことを記憶しています。予算が62万1,000円、支出済額23万4,690円、執行率37.8%です。1人当たりの保険料や賠償金額等の契約内容を端的に短くお答えください。
○葉山介護・高齢者支援課長 お答えします。第三者に対して法律上の賠償責任を負った場合に3億円を限度にこれを補償するというものでございます。保険料につきましては、1人当たり年額1,810円、区が保険契約者として保険会社と契約し、保険料の全額を負担しております。
○むとう委員 私は多くの方が申し込まれ、予算が不足することを逆に心配していたのですが、実績は17人、区民ニーズにはなかったということなのか、その理由をどうお考えでしょうか。また、新規事業にもかかわらず登録申請受付開始が年度末に近い2月1日となってしまったのはなぜなのでしょうか、お答えください。
○葉山介護・高齢者支援課長 お答えします。実績が少ないのは、事業の開始が2月と遅くなりました。ということが一番大きい理由と捉えております。現在は32名と一定のニーズには応えられており、今後の推移を見ていきたいと考えております。
また、事業開始が遅くなったことの理由でございます。事業立ち上げに必要な事務執行体制を整えるのが遅れたという所管部署内の統括管理上の問題と捉えております。
また、実現しませんでしたが、既存の徘徊高齢者探索サービスなどの認知症施策とのパッケージ化を検討していたことも要因の一つでございます。
○むとう委員 新規事業で区がこの成果として挙げているわけですけれども、新規事業を立ち上げる際に、どうして執行体制が不十分だったということになるのか。十分検討した上で体制を整えて新規事業に取り組むべきではなかったんでしょうか。そのための予算化だったと思うんですけれども、これについてはどうしてなんですか。簡潔にお答えください。
○葉山介護・高齢者支援課長 その辺につきましても力不足であったというふうに反省しております。
○むとう委員 力不足を認められましたけれども、どうぞ力をつけてやってください。
日本で認知症高齢者は年々増加しており、2025年には730万人、高齢者の5人に1人が認知症と予測されています。認知症施策の推進を願いまして次の質問に移ります。
保育経費についてお尋ねをいたします。2018年、2019年の決算総括質疑でも質疑しましたが、毎年の状況確認をさせていただきたく、今回もお尋ねいたします。
決算説明書267ページ、私立保育所保育経費と地域型保育事業保育経費の合計87億151万9,957円を173施設に給付しました。使途は人件費と事業費と管理費です。毎回言います。国は、この経費の7割を人件費と積算していますが、人件費を上限なしで他への流用や同一法人が運営する他の福祉施設への資金流用や積立ても可能とする規制緩和を行ったため、保育士の賃金が上がらず、他の業種よりも保育士の年収が低い原因となっています。人件費が50%以下はブラック保育園と言われています。私の質疑で保育園・幼稚園課長は、50%を目安に人件費に充当するよう働きかけたと昨年の答弁でした。
決算説明書271ページ、人件費比率を明示した財務情報の公開を義務付けた保育士等キャリアアップ補助金3億8,234万5,000円を70園に支給しました。この補助金で人件費比率が分かります。2017年度は、区が把握する株式会社16園中4園が50%以下でした。2018年度は、株式会社園21園の人件費比率の平均は54.9%、50%未満は6園、最低は36.8%と悪化しました。区長からも改善に努めるとの答弁をいただいておりますが、改善はできたのでしょうか。2019年度の区が把握できる社会福祉法人と株式会社園、それぞれ別の施設数、それから人件費比率の平均50%未満の施設数とそれぞれの比率をお答えください。
○渡邊保育園・幼稚園課長 認可保育所のうち人件費比率を把握している保育所は、社会福祉法人が運営する保育所は23園、株式会社が運営する保育所は35園でございます。把握している範囲では、人件費比率は、社会福祉法人が運営する保育所は平均71%、株式会社が運営する保育所は平均54%でございます。人件費比率が50%未満の保育所は、社会福祉法人が運営する保育所は0園、株式会社が運営する保育所は12園でございます。また、12園の人件費比率は36%が1園、39%が1園、41%が1園、42%が1園、43%が1園、44%が2園、45%が1園、46%が2園、49%が2園でございます。
○むとう委員 昨年度伺ったときよりもさらに悪化している状況かと思います。50%を目安に人件費に充当するようにとの働きかけも効果が見られず、世田谷区のように人件費が50%未満の施設には事業加算をしないとの策も講じず、どのような改善策を講じられているのかお答えください。
○渡邊保育園・幼稚園課長 国の通知では私立保育所に対して支払われる委託費は人件費、管理費、事業費に区分されますが、職員の配置、給与規程の整備、必要な施設の整備等の要件を満たせば、区分に関わらない弾力的な運用も認められているところでございます。一方で、保育所の職員にとって適正な処遇改善が図られ、生活が充実し、やりがいを持って職務に当たることで区内の保育の質の確保向上が図られるものと認識してございます。現在、保育所に対する指導検査の結果をホームページで公表してございますが、今後人件費率の低い保育所に対する指導検査状況を公表するなど、保育所職員の賃金改善に向けて徹底した指導を行ってまいります。
○むとう委員 人件費率の低い園名を公表するということですが、50%以下ということでよろしいですか。
○渡邊保育園・幼稚園課長 指導検査の結果について公表するというものでございます。
○むとう委員 じゃあ、人件費率は公表しないということですか。
○渡邊保育園・幼稚園課長 指導検査の結果で検討してまいりたいと考えてございます。
○むとう委員 ぜひ公表していただきたいと思います。お給料の低さは保育の質に大いに影響します。人件費比率にもしっかりと着眼した指導検査を要求して、次の質問に移ります。
旧中野刑務所正門についてお尋ねをいたします。正門については、2018年10月、文化財としての価値について3人の学識者に意見聴取を行い、同時に現地保存、曳家、記録保存の手法別に外観からの概算見積りを区内の文化財修復の専門業者から取りました。この概算見積りの中で、移築は約5億円との数字も既に出ていました。それを基に12月、現地保存として東京都の文化財指定を目指す、門の保存に必要な土地は最小限となるよう工夫し、公開と活用方法は検討する、まちづくり用地を平和の森小学校拡張用地とするとの取扱い案が報告されました。翌2019年1月、教育委員会からの意見及び平和の森小学校の保護者の意見を受け、再度区として総合的に判断した結果、案のとおり、現地での保存とするとの報告がありました。2月1日には、現地で保存する、外部のみの見学とする、今後中野区の文化財指定を経て東京都の文化財指定を目指していくと区長が定例記者会見で表明しました。2019年度に安全性の確認のための学術調査を委託する予定だったものが、2月27日の予算特別委員会厚生分科会で健康福祉部副参事が、今回の調査は構造調査等を想定しているが、その中で移築した場合の構造への影響も併せて調査し、様々な可能性も含めて調査したいと答弁し、調査項目に変更がありました。現地保存という区長会見から僅か26日後、総合的に判断したはずの現地保存の結果はどこに行ってしまったんでしょうか。現地保存であるならば、移築した場合の構造影響調査は不要のはずです。区長の決定は26日間で変わるほど軽いものだったのでしょうか。区長に答弁を求めます。
○酒井区長 旧中野刑務所正門の取扱いにつきましては、平成31年1月に現地での保存の決定をいたしましたが、議会において曳家移築を含めた多角的な検討をするべきではないかという議論がございました。その後、昨年の旧中野刑務所正門学術調査によりますと、正門の曳家については技術的に可能であることが分かり、取扱いについて今再検討を行っているところでございます。
○むとう委員 区長は、総合的に判断をして2019年2月1日に現地での保存と記者会見しているんですよね。これは、そこの記者会見に至る間に様々な意見なり調査の結果なり総合的に判断した結論でしたよね。それが、26日間の間にどうして変わってしまったんでしょうか。そこがとても謎です。さらなる答弁があればお願いいたします。
○酒井区長 議会において曳家移築を含めた多角的な検討をするべきではないかという議論もございました。そして現地保存としたときの校舎の設計、この公開性についても、やはりもう一度判断したほうがいいんじゃないかという考えもございました。
○むとう委員 議会の中では、区長が記者会見する前から、曳家とか門を壊したほうがいいとか様々な意見があったはずです。それを総合的に判断して記者会見までしておいて、26日間の間に考え方を変えてしまうというのは、区長決定がいかに軽い判断なのかということを物語っていると私は受け止めています。ともあれ、今区長のほうから御答弁がありましたけれども、決算説明書の245ページ、旧中野刑務所正門学術調査委託等385万8,540円が支出され、10月調査報告書が納品されました。この調査でも文化財としての価値の高さにお墨付きが出され、曳家が技術的に可能だが、約5年と5億円を要することが報告されました。しかし、建物の保存は文化財の保存原則である真正性の視点から現地保存を原則とする考え方が前提であり、曳家は歴史の継承といった現地保存の価値は失われ、その必要性について慎重な判断が求められると記されています。現地保存が原則との言葉は目に留まらず、曳家が技術的に可能であるとの部分に飛びつき、振出しに戻し、12月、再度教育委員会に対して意見聴取を行いました。これを受けて、教育委員会は翌2020年1月、中野区文化財保護審議会に諮問し、7月、審議会からの答申を受け、それを踏襲する形で9月4日、教育長が区長に、1.地域の近代遺産としての価値がある、2.平和の森小学校新校舎建設に影響が出ない範囲での保存、3.随時見学、正門内部の空間の有効活用、十分な面積を建物周辺に確保し整備、4.保存公開の場所は学校予定地以外、新校舎開設時期に影響が生じないよう配慮との意見を提出しました。現在この意見を考慮し、区長が再決定する段階かと思います。この意見は、繰り返しになりますけれども、2019年1月の現地保存、土地を最小限、外部の見学とした区長決定を覆すものです。
なお、文化財担当に調べていただきましたが、中野刑務所廃止決定後の1983年、1984年の委員会議事録で、正門については法務省は移転したいようだが、保存を中野区が強く申し入れたとの記録が残っていることを申し添えておきます。
区長決定と違う今回の教育委員会の意見をどのように受け止めていらっしゃるのか、区長の見解をお答えください。
○酒井区長 区として改めて方針を決定するに当たって、文化財保護審議会で出された答申、教育委員会からの意見回答文、そして議会の意見などを踏まえて、今後第4回定例会において旧中野刑務所正門取扱い方針をお示しする予定でございます。
○むとう委員 第4回定例会で方針を再度決定し直すということですね。その方針については、今後揺るぎないということで変わりはないんでしょうか。また26日後に変わったということには、なってもらったら困るんですけれども、その辺の決意はどうなんでしょうか、お答えください。
○酒井区長 様々な意見を伺いまして最終的に決定したいと考えております。
○むとう委員 文化財としてはお粗末な扱いの現地保存から、痛みを伴うが、丁重な扱いの曳家保存へと方向が示されているかと思います。私は学校と融合した丁重な扱いの現地保存が望みです。いずれにせよ、中野区が保存を申し入れて、現在現地で保存されている経緯も踏まえて、文化財を壊すという後世に恥じる選択を間違ってもなさらないよう強く求めて、3の質問に戻ります。
清掃事業についてお尋ねをいたします。主要政策の成果38ページ、環境部の成果として、陶器・ガラス・金属ごみの全量資源化を進めたことを挙げています。支出済額3億2,007万6,387円という多額の数字にびっくりしました。決算説明書485ページを見ると、陶器・ガラス・金属ごみの選別及び再資源化委託1億3,884万1,935円とあります。つまり、収集のための雇上会社への委託費を含めた金額だと思います。収集の経費は、資源化しなくてもかかる経費なので、委託化の金額として記載するのは誤解が生じると思います。記載方法を改めるべきではないでしょうか、お答えください。
○伊東ごみゼロ推進課長 今後につきましては、資源化にかかった費用のみを記載するか、もしくは収集運搬経費も含まれている旨を記載するかなど分かりやすい内容となるよう工夫していきたいというふうに考えてございます。
○むとう委員 ぜひお願いします。資源化に3億円もかかるというのと、やっぱり1億円というのは全然違いますので、そこは誤解が生じないような記載の工夫をお願いしたいと思います。
何度も繰り返し質疑をしておりますが、清掃工場常時搬入物検査で、2018年度は不適正ごみの混入率が38.7%でした。その都度分別の徹底を求めてきましたが、さらに悪化し、2019年度は41.2%でした。悪化の原因についてとさらなる分別の徹底策をお答えください。
○伊東ごみゼロ推進課長 不適正搬入率につきましては、この3年間、例えば平成29年度が39.0%、平成30年度は今委員から御紹介ありましたように、若干改善しまして38.7%、そして昨年度が若干悪化しまして41.2%と各3年間については40%前後というふうに推移してございます。この対策でございますけども、防止対策としまして、まずは区民等に対するごみ等の分別や排出ルールの周知啓発、この徹底が重要だと考えてございます。そのために区報やホームページ、あと昨年度から発行していますごみ減量・リサイクル情報誌での啓発、さらにはごみ分別アプリのさらなる普及、そして集積所での排出指導、あと特に小規模集合住宅の管理会社の指導等を継続的に行ってまいります。
また、これまでも行ってきていますけども、収集職員に対する研修、事例検討等研修がございますけども、例えば研修の頻度を増やしたり、テーマを不適正排出物の防止に重点を置くなどの工夫によりまして、さらなる不適正搬入の防止に努めていきたいと考えてございます。
○むとう委員 搬入率、一番いいところは何%ですか。端的に数字だけお答えください。
○伊東ごみゼロ推進課長 一番いいところは0%という区が1区ございました。
○むとう委員 0%の区もあるんです。中野区は41%も不適正なごみが入っている。このごみによって清掃工場の安全操業に支障を来すというような状況が続いておりますので、ぜひきちんと指導、徹底をしていただきたいと思います。コロナ禍において、より一層の衛生的な生活環境を守る清掃事業となるよう願い、全ての質問を終わります。ありがとうございました。
○山本委員長 以上でむとう有子委員の質疑を終了します。
次に、近藤さえ子委員、質疑をどうぞ。
○近藤委員 無所属の近藤さえ子です。よろしくお願いいたします。質問の2番と3番を入れ替えますので、よろしくお願いいたします。すみません。
まず、学校施設と区有施設の複合化についてお聞きします。区は、中野区公共施設総合管理計画(建物編)に基づき、新しく整備する施設は複合化・集約化を進めています。複合化・集約化自体はよいのですが、区民にとって優先順位が高い事業が展開される施設となっているかという点で疑問が残る学校施設と区有施設について質問させていただきます。
3年前の2017年第4回定例会で、私は美鳩小学校における学童クラブの需要が年々高まっていることを取り上げて、学童クラブの総合振興対策をしっかりと考えていかないと、学校外に何か所もの民間学童クラブに子どもたちが分散されていかなくてはならなくなってしまうことを質問しました。そのときの区のお答えは、統合新校にキッズプラザを併設して学童クラブを設置し、統合により廃止する旧学区内に民設学童クラブを誘致し、ニーズに対する定員を確保するとおっしゃって、何も問題がないように答えていました。そして、子育てひろばも展開するとしていましたが、統合新校には子育てひろばはありません。子育てひろばはどうなったのでしょうか。
○細野育成活動推進課長 昨年8月の子ども文教委員会に報告申し上げましたが、近年学童クラブの利用者数が増加しており、キッズプラザ併設の学童クラブ定員を60名から100名に増やすために、従来乳幼児室の予定がありましたが、そちらの乳幼児室を学童クラブとして活用することとしたものでございます。
○近藤委員 では、美鳩小学校地区の子育てひろばどこにあるんでしょうか。
○細野育成活動推進課長 児童館において乳幼児事業をやっておりますので、児童館の事業を御利用いただければと考えております。
○近藤委員 そもそも3年前は前区長の下、児童館全廃の方針で進められていたので、キッズプラザ、学童クラブ、子育てひろばを学校の中に入れていくとおっしゃっていて、児童館で行ってきた機能のほとんどを学校の中に入れようとしていました。区長が酒井区長に替わって新しい児童館が存続することになったことは大変喜ばしいと思いますが、新しい児童館には学童クラブは入れない方針です。やはり前区長と同じキッズプラザと学童クラブを学区内に設置し、学区内の学童クラブに待機児童が出たときは、学区内に民間学童クラブを誘致するとしています。せっかく児童館施設を残すのですから、学校内の学童クラブに収まらなかった児童を分散させ、商店街の飲食店の上の学童クラブに通わせるなどとするよりも、新しい児童館に学童クラブを設けたほうが区民ニーズも高く、財政的にも抑えられるのではないでしょうか。
○細野育成活動推進課長 国で新・放課後子ども総合プランというものをつくっております。その中で放課後児童クラブと放課後子供教室の小学校の中での一体的な実施というものを推進しているところでございます。中野区でも全小学校内にキッズプラザとそれに併設する学童クラブの整備を進めているところでございます。学童クラブはキッズプラザと一体的に運営することを基本といたしまして、待機児童が発生する場合は民間学童クラブを誘致して対応していく考えでございます。
なお、民間学童クラブの誘致が困難な場合もございます。そういった場合においては、児童館施設など区有施設も暫定的に活用させていただいて、放課後の保護に欠ける小学生の生活の場を確保していきたいと考えております。
○近藤委員 さんざん私が言ってきたんですけれども、ちょっと進歩して、児童館も使うということを今回初めておっしゃられました。統合新校は100人規模の学童クラブを整備しても待機児童が出てしまい、美鳩小学校の近隣の民間学童クラブを探すことも困難です。それはもう初めから言っていました。このまま既存の大和西児童館で学童クラブの場所として使い、新たな児童館ができたときはそこに学童クラブを入れるのが財政的にも効率的にも一番よいと思います。まだ、そばに児童館があるにもかかわらず、職員の労力を使い、別の場所に民間の施設をまだ探し続けるおつもりなんでしょうか。どのように考えているのでしょうか。
○細野育成活動推進課長 児童館の配置や在り方については、まだまだ議論の最中ですので、今後計画を定めていきたいと考えております。学童クラブの誘致ですが、民間が参入できる場所とそうでないところもございます。様々な地域の事情もあるので、場所がなければ学童クラブはやっていけませんので、その地域、地域においての事情を考えて一番効率的な方法を考えていきたいと考えております。
○近藤委員 それをずっと言ってきたんですけれど、やっと統合新校ができて、100人規模を造ってやっと気づかれたというのは本当に遅いのかなと思います。やっぱり造る前に気づいていただかないと、本当に計画とは違ったことになっていくんだと思います。
そして、学校に入ることになった地域開放型学校図書館についてもお伺いします。子ども文教委員会でも議論があったと思いますが、統合新校において3校に地域開放型学校図書館が設置される予定です。新校スタートの時期と遅れてスタートとなるそうですが、地域開放型学校図書館を学校の中に設置するということは、安全性、新型コロナウイルスの流行拡大の点からも心配との声があります。先日来住議員からも一般質問で質問されていましたが、今後の図書館サービスのあり方検討会でも、学校関係者に伺っても地域開放型学校図書館を歓迎する声は聞こえてきません。誰が学校の中に地域開放型図書館が必要であると希望して造ることになったんでしょうか。
○永田子ども・教育政策課長 地域開放型学校図書館の設置につきましては、新しい中野をつくる10か年(第3次)や中野区教育ビジョン(第3次)などに基づきまして、家庭・地域・学校の連携による子どもたちの自主的な読書活動の推進や乳幼児親子の読書活動の支援などを目的として整備をするものでございます。
○近藤委員 すみません、1問飛ばしますので、ごめんなさい。複合施設をそうやって造っていくということは何も反対はしていないのですけれど、学校の限られたスペースをそこに通う児童のニーズを最優先に考えると、地域開放型図書館は優先順位が低いように思います。新たな事業を始めるに当たっては、区民のニーズをしっかり聞いていく必要があると思いますけれど、いかがですか。
○永田子ども・教育政策課長 来年4月に開設を予定してございます三つの地域開放型学校図書館の運営におきましては、利用者数や図書の貸し出し数を集計するとともに、利用者アンケートによりまして区民の要望を把握するなど検証を行ってまいります。
○近藤委員 ありがとうございます。次に、区民のニーズをしっかりと聞いて計画を進めたにもかかわらず、計画が前に進まない鍋横区民活動センターの整備についても伺います。伊藤議員からも質問がありましたけれど、鍋横区民活動センター等の整備については、区民が建設検討委員会を立ち上げ、他施設を見学、外部専門委員からのアドバイスを受ける、区民活動センター利用者へのアンケート、地区まつりでのアンケート、町会でのアンケートを取り、10回以上も建設検討委員会を開くなどして丁寧に地域の合意、区民の要望を区に伝えてきました。しかし、区が示した計画案は、この土地の最大の魅力である商業地であること、駅が近いなどの利便性の高さなどには考慮されていない複合施設になっていました。商店街の好立地の場所、交通量のある場所に、なぜわざわざ看護小規模多機能型居宅介護や都市型軽費老人ホームを整備する必要があるのか。何よりもこのような施設を入れ込んだ複合施設のためにエレベーターや階段等が広く配置されたため想像以上に場所を取り、肝心の区民活動センターの区民の活動場所が狭くなり、区民活動には欠かせない団体が使う倉庫やロッカーの設置もできないと伺っています。区民が丁寧に地域の方の声を聞き、議論を重ね、区民ニーズを区にお伝えしたにもかかわらず、肝心の区民の地域活動に支障が出そうな状態や土地や利便性が十分に生かされない計画になるなど計画案に対して地域の合意が得られていないと聞いています。執行時期を見直すということですが、理由を教えてください。
○小山地域活動推進課長 執行時期を見直すことにつきましては、新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う経済活動の停滞が区財政に与える影響について検討した結果、判断をしたものでございます。
○近藤委員 今回の鍋横区民活動センター等の整備については、地域の方も区に丁寧に議論を重ねてきました。それでも中野区のような狭小な土地に、できるだけいろいろな機能を盛り込みたいと考える区と地域の特性を生かした地域の拠点として地域の交流の場、地域の活性化に寄与する施設としたいと考える地域区民との間で合意を取りながら複合施設を整備することはとても難しいことだと感じました。しかし、このことを踏まえて、今後他の施設に関しても、複合施設の整備を進めるには、地域の要望をよく聞き、耳を傾け、地域に必要な施設を最優先して、地域住民の合意形成に努めるべきと思いますけれど、鍋横区民活動センターの見直しはなされるんでしょうか、教えてください。
○小山地域活動推進課長 現在は執行時期や併設する施設の見直しも含め検討を進めているところでございます。
○近藤委員 ぜひこの鍋横区民活動センターで区民の活発な活動と地域の活性化に応援できるような区民活動センターの計画案の再考をお願いしたいと思います。
そして今、ちょっと繰り返しになってしまうんですけれど、今後の施設に関しても複合施設の整備を進めるというのは、本当に地域に必要な施設というのをまず最優先に考えていただきたい。地域住民の合意形成に努めていただきたいと思いますけど、それは施設全般としていかがでしょうか。
○石井企画課長(企画部参事事務取扱) 今後の区立施設の整備に当たりましても、複合化や集約化も視野に入れてございます。その設置目的を地域、関係者の皆様のまずお話を伺い、十分に説明をし、理解を得ながら、その立地条件にふさわしい施設機能の導入を進めていきたいと考えております。
○近藤委員 ぜひ応援してくれる区民、区に寄り添っている区民の一生懸命やっていることを無駄にしないで、地域の活性化に資する施設としていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、令和元年度事業の行政評価(内部評価)、96ページ、地域スポーツクラブ運営、スポーツ・コミュニティプラザ指定管理(中部)について伺います。私は、2019年決算特別委員会総括質疑と今年の予算特別委員会総括質疑において、中部スポーツ・コミュニティプラザが区民にとって使いやすいとは言えない施設である現状や教室事業メニューが体操に偏っていて参加者があまりにも少ないことを指摘しました。改善を求めましたが、改善はされましたか。改善された点を教えてください。
○古本スポーツ振興課長 お答えします。利用者数の少ない教室事業を廃止いたしますとともに、新たな教室を追加するなど利用者数増加のための見直しを行ってございます。
○近藤委員 2020年度版中野区保健福祉事業概要を見ますと、昨年私が指摘させていただいた記載方法についても改善されていました。そして今年度、事業の内容も改善していただいたということです。何度も質問をしたかいがありました。これはありがとうございました。しかし、まだダンス・体操のメニューが多く、利用者の少ない事業も少なくないと思います。教室事業を少し整理していただいて、空いている時間は区民が利用できるようになったのでしょうか。
○古本スポーツ振興課長 教室数を見直すことによりまして一般利用可能枠は増加してございます。
○近藤委員 一般の利用枠が増加したということはとてもよかったと思います。
もう一つ、問題点なんですけれど、区民が体育館やグラウンドを借りたいと思い予約システムで予約をしようとすると、使えないことを示すバツが表示されます。そして区民は、それでもういっぱいだと思って諦めます。しかし、当日行ってみると、予約済みの体育館もグラウンドも使われていないということが何度もあったそうです。このような苦情が届いていますが、区には区民から苦情は届いていませんか。
○古本スポーツ振興課長 キャンセル対応との関係からシステムで予約することのできる期限を利用日の三日前までと設定させていただいております。その後利用者の操作ミスを防ぐために入力できない設定となってございます。御質問のような苦情は区へも指定管理者へも来てございません。
○近藤委員 区へも、指定管理者にも苦情が届かなくて私のところに苦情が来るというのは、どうなんでしょうね。その苦情を言いにくいシステムになっているんでしょうかね。やっぱり区民の声が届かない場所になってしまっているとしたらちょっと問題があります。
同じ施設予約システムを使い予約する哲学堂上高田運動場のテニスコートはいつも予約でいっぱいです。そしてもちろんバツになっています。キャンセルするときは、当日大雨でもない限り、施設にキャンセルを入れるように言われます。使いたい多くの区民が待っているので、ぎりぎりまで別の人が使える体制を用意しています。三日前にキャンセルが分かっているのに、それをそのままにしていくというのは完全に問題があると思います。何日も前にキャンセルが分かっているのでしたら、予約システムのバツを空きにしておくべきです。使っていない場所が度々予約済みになっている原因が分かれば教えてください。
○古本スポーツ振興課長 電算システムの運用につきましては先ほど御説明したとおりでございます。ただ窓口では利用日の前日まで予約を受け付けております。施設予約システムの運用につきましては指定管理者とも相談していきたいと思います。
○近藤委員 ほかの運動場でできていることができないというのはおかしいですし、一人でも多くの方が、使いたいと言っている方が使えるように改善をしていただきたいと思います。
そのように、相変わらず中部スポーツ・コミュニティプラザは区民にとっては使いにくい施設のようです。地域スポーツクラブの団体の数も増えず、僅かにある地域スポーツクラブの団体のメンバーは、区外から通う指定管理者の従業員の方がほとんどであると聞きます。そのような状態にもかかわらず、保健福祉部が評価した内部評価の適正性の欄には、「スポーツ・コミュニティプラザの施設管理及び地域スポーツクラブ事業運営については、指定管理者の専門性を活かした官民連携による手法として妥当である」と評価しています。指定管理者の専門性を生かしたとはどのような専門性を生かしたのですか。確かに体操を教えることが得意な方が体操の専門性は発揮しているようですけれど、そのほかにどのような専門性が発揮されているのでしょうか。
○古本スポーツ振興課長 委員御紹介の行政評価につきましては、スポーツ・コミュニティプラザの維持管理と地域スポーツクラブ事業を評価したものでございます。指定管理者は、スポーツ施設の管理や教室の運営といったような専門性を有しておりますほか、地域スポーツクラブの事務局という役割も担ってございます。効率的なクラブ運営や利用者の満足度の向上に一定の成果を上げているというふうに考えてございます。
○近藤委員 先ほどから申していますけれども、区民がグラウンドを使いたいときに取れず、苦情も言えず、そして整理は少ししてくださいましたけれど、体操・ダンスが多過ぎる。それが指定管理者が専門性を生かして発揮しているというのは、とてもちょっと、この評価はどうなのかなと思います。そして内部評価には、23区では指定管理者制度で管理運営している区はないと書かれています。そもそも地域スポーツクラブはスポーツ、健康づくりを通して地域住民の交流を図るための拠点であり、他区では地域住民が多様な団体、地域スポーツクラブを立ち上げ、地域で気軽にスポーツを楽しめる環境をつくっています。その団体が学校の部活を支援したり、住民が自分たちの力で取り組んでいます。中野区も設立当初はそのように試みましたが、住民だけの力では難しいと区が判断し、途中から指定管理者にお願いすることになりました。中野区だけが本来の地域スポーツクラブの趣旨とは違うやり方をしているのであって、決して褒められたことではないのです。指定管理者が専門性を発揮して運営するのであれば、中野区立総合体育館とどこが違うのでしょうか。
○古本スポーツ振興課長 地域スポーツクラブの事業は、運営委員会などの場で利用者等の御意見を伺いながら指定管理者の創意工夫ができる仕組みとなってございます。今後も利用者にとって使いやすい事業としていきたいというふうに考えてございます。
○近藤委員 ちょっと勘違いされていて、指定管理者が創意工夫するのではなくて、住民や地域の方の声が指定管理者に伝わり、きちっと住民が使いやすい施設になるということが一番の目的であって、指定管理者が創意工夫するとか指定管理者にお願いをしっ放しという状況というのはちょっといかがなものかと思います。地域スポーツクラブの目的は住民主体ということもありますが、文部科学省が始めた総合型クラブ創立の経緯からすると、大人のクラブ活動の延長に子どもたちも指導したりする。極力行政コストをかけずに地域で気軽に運動ができる場を提供する内容です。行政コストも、中部・南部で1億900万円が指定管理者に区から物件費で支払われ、教室事業も別に利用者から指定管理者に支払われます。財政的に厳しい非常事態の中野区です。コストの削減と区民がもっと気軽に立ち寄り、健康づくりやスポーツができる場所を目指して、中部スポーツ・コミュニティプラザのさらなる改善を求めますが、いかがでしょうか。
○古本スポーツ振興課長 地域スポーツクラブは、運営委員会での意見を、事務局であります指定管理者がクラブ運営の改善につなげているというふうに考えてございます。クラブの運営に指定管理者や区がどのように関わっていくかにつきましては今後も検討をしていきたいと思います。
○近藤委員 本当に何度も何度も質問しているんですけれど、使いやすい、区民が気軽に立ち寄れる、指定管理者の方の影響力というのがかなり大きいというそういう施設ではなくて、地域スポーツクラブのクラブ員もやっぱり増えていかないと、指定管理者の従業員が楽しんでいる場所を、それも他区からの人という状態というのはちょっと特殊だと思うんですね。ぜひその辺は改めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に集団回収、古紙の回収について伺います。平成18年度(2006年度)、まだ行政と集団回収による実践団体の両方が古紙を回収していた頃の、それぞれの行政回収費と集団回収報奨金の額を教えてください。
○伊東ごみゼロ推進課長 平成18年度におけます古紙の行政回収経費でございますが、1億428万1,080円、集団回収報奨金の額は7,891万6,266円でございました。
○近藤委員 平成19年から行政回収を停止し、区内全域で集団回収へ移行しましたが、そのとき集団回収で幾らかかったのでしょうか。増加額も教えてください。
○伊東ごみゼロ推進課長 集団回収に一本化しました平成19年度の集団回収報奨金の額でございますが、1億799万1,402円でございまして、前年の平成18年度と比べまして約2,900万円増加いたしました。
○近藤委員 平成18年度以降、町会・自治会など、集団回収実践団体の数はどのように推移してきたんでしょうか。
○伊東ごみゼロ推進課長 まず、平成18年度でございますが、集団回収の実践団体は211団体。5年後の平成23年度は223団体、10年後の平成28年度は232団体ということで、おおむね5年ごとに10団体ほど増えてございまして、昨年度はさらに増えまして259団体となってございます。
○近藤委員 実践団体の数は順調に増えているということですね。この実践団体の内容はどのようになっているのでしょうか。
○伊東ごみゼロ推進課長 実践団体につきましては、町会・自治会のほか、集合住宅のマンション等の管理組合等でございますけども、町会・自治会の数は年によって異なりますけども、おおむね105から107で推移してございますので、町会・自治会以外は、先ほど言いました大規模集合住宅の管理組合等の団体でございまして、こちらが増加してきたというものでございます。
○近藤委員 町会はあまり変わらないけれども、ほかのマンションですとかそういうところが増えているということですね。区が古紙の回収を全域集団回収に移行するに当たって、平成19年第4回定例会の区民委員会で議論がありました。古紙の市場価格が下がったときなどどのように対応するのか。ということは、安定性・継続性に問題・課題があるということを、その当時から区は認識していました。区内全域集団回収を始めてから10年以上が経過しましたが、事業を開始する前から課題とされてきた安定性・継続性に対してこの間区はどのように取り組んだでしょうか。
○伊東ごみゼロ推進課長 当時、集団回収の今後の課題としまして、市況に左右されない、つまり、古紙の相場に左右されないような安定的・継続的な仕組み、こうした仕組みをつくっていかなければならないという課題認識を持ってございまして、ただ、しばらくは古紙の市況価格が、制度発足後安定してきたため、この間特段、制度変更の対策等を行う必要もなく、制度を安定的かつ継続的に行うことができてございましたが、昨今の中国の古紙等の輸入制限ですとか、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響によりまして古紙の国外への輸出が困難となってございまして、古紙の国内価格の相場がかなり下落し続けてございまして、そのために、集団回収をこれまでどおり維持継続していくために、集団回収事業者を支援する集団回収維持対策事業を本年5月から実施したものでございます。
○近藤委員 今年の5月、第2次補正予算で集団回収を維持するために古紙相場の下落の収益が悪化する区内回収業者に5,968万3,000円の支給をしました。集団回収は行政にとっては経費削減、住民のリサイクル意識を高めることに寄与することなど利点があります。実践団体にとっては活動資金を得られることなど利点があります。しかし、今年はコロナウイルス感染症の影響で海外市場への輸出が困難になってしまったのでやむを得ないかもしれませんが、デジタル化が進み、区民の新聞購読量の減、新聞販売店によるトイレットペーパーとの交換の仕組みなど、目に見える形で集団回収の量は減っています。今後も集団回収を維持していくためには、事業者を守っていかなければならない集団回収維持対策事業を実施しましたが、実践団体、特に町会にとっても地域活動を支える貴重な財源となっています。平成31年度は平成19年度と比べると30%も減ということです。若林議員からも報奨金の見直しの質問がありましたが、もちろんそこは検討していただきたいと思いますが、別の観点で長期的な視野で考えていく必要があると思います。私は、集団回収によって、区民の古紙に関するリサイクル推進はほぼ成果を上げたと思います。今後ますますデジタル化が進む中で、価格の安定しない古紙回収の報奨金だけに頼るのではなく、町会の活動を支援するという意味では、それぞれの町会には環境部があり、地域の美化、集積所の清掃など私たちの生活環境を整えてくれる活動も行っています。今年はパートナーシップも締結しました。町会と区民が一緒に取り組める環境施策はほかにもたくさんあると思います。古紙回収だけに特化しない環境全体の課題解決に寄与できるような取組を町会と進め、そこに環境補助金のような持続性のある応援の仕組みをつくっていくことも必要ではないかと思います。すぐにお答えは出ないと思いますからお答えは結構ですけれど、ぜひ環境課題にも取り組んでいけるような支援の在り方も考えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
これで質問を終わります。ありがとうございます。
○山本委員長 以上で近藤委員の質疑を終了します。
次に、いながきじゅん子委員、質疑をどうぞ。
○いながき委員 無所属のいながきじゅん子です。
まず、新庁舎整備について伺います。このまま進めた場合、新庁舎の整備費用、およそ213億円は、令和5年度中の完成までに全額払い込まなくてはなりません。現計画では、中野駅北口の再開発で生み出す予定の転出補償金をこれに充当することとなっています。また、それが入ってくるまでに支払わなくてはならないこの213億円については、基金と起債で賄うというのが今の区の計画です。まず伺いますが、庁舎整備のために、来年度から取り崩す基金は総額幾らでしょうか。
○森財政課長 新庁舎整備費につきましては、約47億円を財政調整基金の施設改修分から充当する予定にしております。
○いながき委員 この47億円には含まれていませんが、庁舎の整備費用213億円のほかに、引っ越し費用や什器代など庁舎開設のための経費が恐らく億単位で必要となってきます。その費用もまた基金に頼らざるを得なくなる可能性も大です。
さて、この47億円は、財政調整基金の施設改修分から繰り入れるとのことですが、この施設改修分の今年度末の残高の見込み額は幾らでしょうか。
○森財政課長 施設改修分の令和2年度末残高見込み額は85億円余でございます。
○いながき委員 来年度以降令和6年度までに施設改修分として新規に基金を積み立てる予定はあるのでしょうか。
○森財政課長 9月1日の総務委員会におきまして報告をしました現時点におけます歳入歳出の見通しでは、令和3年度以降歳出超過となっていることから、基金への積立てということについては想定できていない状況でございます。
○いながき委員 基金の名目は施設改修分となっていますが、新庁舎整備は改修ではなく改築であります。令和6年度までに同じようにこの施設改修分を使って改築を予定している施設はほかにあるのでしょうか。また、そこへの基金充当額は幾らになるのでしょうか。
○森財政課長 鍋横区民活動センターの整備が該当しておりまして、建設工事などで15億円ほどを予定しております。
○いながき委員 昨年度は高齢者会館、区民活動センターの改修だけでおよそ5億円かかっています。令和6年度までは施設改修分に新規に基金を積み立てる予定はないとのことですが、今後財政状況の悪化が見込まれる中で、本来この基金を充てるべき大規模、小規模の施設改修への影響はないのでしょうか。
○森財政課長 ほかの施設の修繕に影響がないように安定的に財政運営を図ってまいりまして、堅実な財政調整基金の運用に取り組んでいく考えでございます。
○いながき委員 転出補償金が実際に入ってきた際、庁舎整備として取り崩した額を施設改修分に再積立てはするのでしょうか。
○森財政課長 はい、そのように考えております。
○いながき委員 庁舎整備のために発行する区債額についても改めて伺います。
○森財政課長 起債額につきましては約141億円を予定しております。
○いながき委員 令和6年度までの償還額は幾らになりますでしょうか。
○森財政課長 利子も含めまして令和6年まで8億4,000万円という予定でございます。
○いながき委員 当然ながらこの償還額も今後の一般財源に影響を与えます。また、これから財政が最も苦しくなるであろう令和6年度までの間に47億円の財政調整基金の取崩しに加え、もろもろの費用が庁舎整備のために、一時的にとはいえ発生することになります。そもそも論になりますが、区の条例に基づけば、財政調整基金とは年度間の財政の調整を図る基金です。しかし、区は勝手にといいますか、本来の財政調整基金の目的である年度間調整分のほかに、今回区役所の新庁舎整備に充てる施設改修分と退職手当分という枠組みを別途設けて運用しております。通常はこのような施設改修分や退職手当分は特定目的基金として別途積み立てるべきものです。そもそも区の財政調整基金条例において、施設改修分や退職手当分という枠組み自体が存在しておらず、これらを年度間調整分に充てることは条例上は可能です。来年度は92億円の減収が見込まれ、経常経費の2割カットを区が打ち出すくらいの大変厳しい状況です。年度間調整分の枯渇という最悪の事態も想定し、庁舎整備を一旦中止することで、47億円の財政調整基金は確保しておくべきではないでしょうか。
区長は行政報告の中で、これまで積み立ててきた財政調整基金については取崩しを前提とするのではなく、歳出の抑制に努めた上で、真に必要な区民サービスを実施するために活用を図ることが必要とおっしゃっています。向こう数年間は財政難が確実に見込まれる中、いつ幾ら入ってくるかも不明な転出補償金を当てにして貴重な財政調整基金を取り崩し、区債を発行して庁舎整備に充てるというのは、このコロナ禍における真に必要な区民サービスの実現と言えるのでしょうか。見解を求めます。
○森財政課長 厳しい財政状況下ではございますが、新庁舎整備につきましては着実に進めていくべき事業であると考えているところでございます。
○いながき委員 区は、中野駅北口の再開発で生み出した財源を新庁舎整備に充てるため、財政的な問題は存在しないと主張してきました。しかし、新型コロナウイルス感染症が発生し、今や状況は当時と大きく変わりました。これから秋冬にかけまた感染者数が増加することが予測されています。経済状況もすぐに好転するとは思えません。今、基金を含めた貴重な税金の使い方として、何を最優先すべきなのか、改めてよくよく考えていただきたいと思います。
次に、中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画について伺います。この計画策定時に事業協力者を選定した際、審査委員を務められた建築家内藤廣氏は、今年6月発売のムック本「アフターコロナ」の中で、仕事がオンラインに切り替わっていく中で、何で超高層のガラスの箱の中に入って仕事をしなければならないのか、完全空調の密閉空間で過ごさなければならないのかと考える人が増えれば、超高層を中心とした再開発そのものの是非に発展していくだろう。再開発事業が一定程度うまくいっていたのは、超高層に対してかっこいいという憧れや企業ブランドにつながる価値や需要があったから。それがよいと思われなくなれば、値段は下がる。床貸しの値段が下がれば、ディベロッパーのビジネスモデルは壊れる。この価格崩壊の流れに歯止めがかからなければ、今既に動いている案件の中で失敗する巨大開発が出てくる可能性があるとおっしゃっています。
中野区の新北口駅前エリアで予定されている再開発は、容積率を緩和して超高層ビルを建て、保留床を売却し、床貸しして賃料を得るという、まさに内藤氏がおっしゃっているビジネスモデルであります。今の状況で突き進めば、内藤氏がおっしゃっているように失敗する可能性もあります。そのようなリスクのある計画内容で再整備事業を遂行することに問題はないのでしょうか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画は、区として求める都市機能や事業化に向けた基本方針を示したものでございます。区としては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響や終息後の経済社会状況を考慮しても、基本的には本事業計画が長期的に目指すべきまちのあるべき姿であると考えております。今回、民間事業者を選定いたしまして、新型コロナウイルス感染症拡大の影響や今後の経済社会状況を見極めながら具体的な事業計画を民間事業者とともに取りまとめてまいります。
○いながき委員 さきの一般質問でも申し上げましたが、区役所の現庁舎とサンプラザの貴重な土地を手放して再開発をし、新庁舎整備のための現金を得るというのであれば、そのタイミングというのは非常に重要であり、可能な限り土地価格が最も高く評価される時期に権利変換をすべきです。今のところ区は、権利変換の時期を2023年と想定しています。既に地価が下がり始めているとも言われていますが、現計画どおりこの時期に権利変換することが区民の財産を最も有効活用するのにふさわしい時期だと考えていらっしゃいますでしょうか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 新北口駅前エリア再整備につきましては、中野駅西側南北通路橋上駅舎整備や新区役所整備など関連各事業と整合を図りスケジュールを想定しております。区としましては、本スケジュールを基本としまして、今後の経済状況や社会情勢を注視しつつ、適切に事業計画案の作成を進めてまいりたいと考えております。
○いながき委員 時期的にふさわしいかというふうな質問をさせていただいたんですけれども、ちょっと答えが違うような気がします。新型コロナウイルスが発生する前から、民間企業が大規模なホールやアリーナを造り利益を上げることは難しいとされてきました。再整備事業計画で掲げられている最大収容人数7,000人の多目的ホールについて、この状況で民設で整備できると区として考えていらっしゃるのでしょうか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 再整備事業計画では多目的ホールの整備・誘導方針としまして、民間事業者による整備・所有・運営とし、民間の創意工夫により、さらなる集客力・発信力の向上を図るとしております。民間事業者募集では、再整備事業計画等の遵守を求めており、区が示す条件や考え方に沿った提案が出てくるものと考えております。
○いながき委員 もともと区役所・サンプラザ地区再整備推進区民会議でも、二、三千人規模のホールがよいのではという声が大半でした。しかし、区は、民設民営でホールを整備するためには7,000人くらいが最適であるという理由でその意見を退けてきました。もしも当初計画とは異なった小規模な施設をわざわざ造るということであれば、多くの区民が存続を希望しているサンプラザをしばらく残して使い続けるという選択肢もあるのではないかと思いますが、区の見解を伺います。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 中野駅新北口駅前エリア再整備につきましては、現在進行中の中野駅周辺各地区の整備との関連性、中野サンプラザの施設更新の時期、ユニバーサルデザインのまちづくりといった必要性から、区役所の移転、新北口駅前広場整備などと一体的に推進をすることとしております。こうした考え方につきましては、多目的ホールの規模によって変わるものではありません。区としては再整備事業を着実に推進してまいります。
○いながき委員 東京都では今年の5月、区画整理、市街地再開発などの都市開発の推進について、未着手、未発注、一時停止が可能な事業は、原則延期または中止とすることとするという内容の依命通達が副知事4名の連名で出されています。ほとんどの区民にとっては不急とも言える庁舎の建て替えを急ぎ、再開発を進めるには時期が悪過ぎると言わざるを得ない状況にもかかわらず、区民の愛着も高いサンプラザの解体も含む中野駅北口の再整備事業を何のためらいもなく続行しようとする区の姿勢には賛同をしかねると申し上げ、次の質疑に移ります。
一昨年12月の厚生委員会では、当時の担当課長が、文化財的観点、保存に係る費用、議会での御議論や区民の皆様からの御意見等を総合的に判断して、旧中野刑務所正門を現地保存することとしたと説明をなさいました。また、その翌年の2月1日の定例記者会見では、区長自ら旧中野刑務所正門を現地保存すると発表されました。しかし、メディア発表までされた決定事項はなぜか実行されず、今再び門の取扱いについての議論を行っています。平和の森小学校の新校舎も一体いつ開校できるのか全く分からなくなりました。
まず伺いたいのは、そもそも最初に現地保存と決定する前に、なぜ詳細な学術調査をしなかったのかということです。調査の時間は十分あったはずです。現地保存という結論ありきで進めてきたがゆえにその過程を飛ばしたのではないですか、お答えを願います。
○矢澤文化国際交流担当課長 学術調査につきましては、旧中野刑務所正門がある旧矯正管区用地が国有地であるため、敷地内に自由に立ち入り、門周辺の掘削を要するような本格的な調査は実施できないという認識がございました。その後、関東財務局との交渉を経まして昨年の5月から10月にかけて多角的な学術調査を実施したところでございます。
○いながき委員 最初から関東財務局に頼んで立ち入って調査をすればよかったと思います。門の取扱いの方針は第4回定例会で示される予定とのことですが、その結果が現地保存となるにせよ、そうでないにせよ、最初の決定を見直したことで結果的に2年間という大変貴重な時間が無駄に使われてしまいました。既に統合した平和の森小学校に通う子どもたちは、その数に見合わない狭い校舎を使い続けており、一刻も早い新校舎の開校が望まれています。議会でも全会一致で採択された2023年4月からの新校舎供用開始を強く求めるという陳情もほごにされた形です。区としてこの責任をどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
○矢澤文化国際交流担当課長 平和の森小学校新校舎につきましては、現在建設予定地にある旧中野刑務所正門の取扱いの再検討を行っておりまして、新校舎整備計画の策定作業は中断しているところでございます。旧中野刑務所正門の取扱いにつきましては、文化財保護審議会で出された答申、教育委員会からの意見回答文、そして議会の意見などを踏まえて可能な限り早期に方針を決定していきたいと考えております。
○いながき委員 区としてこの責任をどのように考えているかというふうにお聞きしたんですけれども、今の御答弁ではちょっと趣旨とは全く違う御答弁だと思います。再度お聞きします。
○矢澤文化国際交流担当課長 繰り返しになりますけれども、旧中野刑務所正門の取扱いにつきましては可能な限り早期に方針を決定することで責任を果たしていきたいと考えております。
○いながき委員 区や議会が門の取扱いを検討する際の判断材料として、平和の森小学校の新校舎の開校がいつになるのかということは非常に重要なポイントです。今の状況では、門を解体することが一番早い開校につながるかと思いますが、それと比較すると現地保存した場合、曳家にした場合、それぞれ開校までのスケジュールの差はどのくらいになるのでしょうか。一番早く新校舎が開校できる選択肢は三つのうちのどれになるのでしょうか。
○矢澤文化国際交流担当課長 現地保存の場合、設計修理工事で約2年半の期間を見込んでございます。曳家した場合、基本計画、基本設計、実施設計、曳家移築工事などで5年から5年8か月の期間を見込んでございます。解体につきましては現時点で想定しておりません。この門の取扱いにつきましては、先ほど申し上げました文化財保護審議会の答申と教育委員会からの意見のほか、費用や期間などの条件も検討した上で区として方針案を決定し、報告したいと考えております。
○いながき委員 新型コロナウイルス感染症が発生して状況は当時と大きく変わりました。解体という選択肢はないということですが、この大きく変わった状況の中で、再度検討するのであれば、改めてそれも選択肢に入れ、それから判断をするべきだと思います。曳家の場合、既に委員会で示されたあらあらの工程から少なくとも5年程度かかることが分かっていますが、どの時点で正確な工期が判明するのでしょうか。また、実際に門を動かしてみた後で、工期を延長しなければならないことが分かったという自体が発生することはないのでしょうか。
○矢澤文化国際交流担当課長 正確な工期につきましては、基本計画を策定することである程度正確な工期が判明することになります。工事につきましては、想定外の事情で遅れることもあり得ると考えております。
○いながき委員 曳家の工事期間は30か月と見込んでいらっしゃいますが、平和の森小学校の工事とこの曳家工事期間が重なった場合、両者の工事は同時並行的にできるのでしょうか。曳家工事が完了しないと新校舎の整備工事に取りかかれないということはあるのでしょうか。
○矢澤文化国際交流担当課長 工事の実施に当たりましては、可能な限り同時に進められるものは並行して実施し、工期の短縮に努めてまいりたいと考えております。
○いながき委員 曳家をして門を保存した場合のランニングコストはどのくらいと見込んでいらっしゃいますでしょうか。
○矢澤文化国際交流担当課長 現状の想定ですと、維持するための経費として年間で約100万円前後を見込んでございます。
○いながき委員 旧法務省矯正管区内の土地建物は、門を含めて現在国が所有をしています。用地取得の際、解体作業は国と中野区どちらが行い、その費用はどちらが支払うのでしょうか。
○吉沢経理課長 建物等の解体の工事につきましては区が行うことになりますが、土地の更地価格から解体経費相当額を差し引いた金額が売却予定価格ということになりますので、その解体の経費としましては国が負担するということになります。
○いながき委員 ということは、その解体費用には当然門の解体費用も含まれて国は試算をしているということになりますでしょうか。
○吉沢経理課長 委員御紹介のとおり、当該敷地に存するほかの現況建物や工作物など全てが解体経費相当額として見込まれているため、旧中野刑務所正門についても含まれているというところでございます。
○いながき委員 ということは、国の姿勢としては、門の解体を前提として土地を売却するということになります。もしもこの門について国自身が高い文化財的価値があるとみなしているとすれば、門の現地保存が土地売却の条件となってもおかしくないのではないでしょうか。残念ながら国としては、この門に対し、そこまでの大きな価値を見いだしておらず、国の文化財として指定されるのは相当困難であることがこの時点で明確ではないかと考えますが、この点について区の見解を伺います。
○矢澤文化国際交流担当課長 今回文化財保護審議会から出された答申におきましては、旧中野刑務所正門は文化財的価値があることが述べられてございます。そのため文化財の担当としましては、旧中野刑務所正門は保存の必要があると考えております。
○いながき委員 現地保存、あるいは曳家して保存した場合、観覧者がじかに門に触れられるような状態で保存・公開をするのでしょうか。公開の方法についてどのように考えているのか教えてください。
○矢澤文化国際交流担当課長 区として保存活用の方針を決定した場合には、公開方法につきましても併せて今後検討してまいりたいと考えております。
○いながき委員 この門を現地保存、あるいは曳家で保存した場合、観光資源として活用するお考えはあるのでしょうか。どのように活用することを想定されていらっしゃるのでしょうか。
○矢澤文化国際交流担当課長 あくまで仮定の話ではございますが、旧中野刑務所正門の文化財的価値を観光資源として活用していくことも考えてございます。
○いながき委員 現時点でも外から外観をはっきりと確認できる状況ではありますが、中野区で生まれ育った方を含めて、門の存在自体、またその価値について認識されていない方がほとんどのようです。多くの区民がその存在を知らない、見たことがないという門を観光資源として活用した場合、どのくらいの観覧者が来ると区としては見込んでいらっしゃいますでしょうか。
○矢澤文化国際交流担当課長 仮に観光資源として活用する場合におきましては、現段階では観覧者数の予測はできておりませんが、できる限り多くの方に見ていただけるよう工夫してまいりたいと考えております。
○いながき委員 それでは、最後に人事について伺います。この2年間で門の担当課長が既に2回も替わっています。この事業の継続性を考えますと、あまり頻繁に担当が替わるのはよろしくないかと思うのですが、短期で交代した理由を教えてください。
○中谷職員課長 事業の継続性を勘案すれば、一定の期間は同じ職員が担当するほうが望ましいというふうに認識をしてございますが、旧中野刑務所正門に関する業務につきましては、各年度で組織改正があったことや管理職の人事異動全体の中でやむを得ず異動となったものでございます。
なお、昨年度から部長は替わっていないことや今年度の課長は昨年度に係長として担当していたことから一定程度の継続性は保たれているものと考えてございます。
○いながき委員 ありがとうございました。最初の決定どおりに現地保存とすれば、学校施設そのものに大きな影響が出ます。曳家とすれば、少なくともおよそ5億円の経費及び少なくとも5年間の期間が必要となり、区の財政と学校の整備のスケジュールに影響が出ます。この旧中野刑務所正門の取扱いに関するこれまでの区の決定プロセスは、エビデンスに基づいているとは到底言いがたく、財政難の折、平和の森小学校の新校舎の開校も急がねばならない中で、門を保存することについての合理性や意義についての説明も十分とは言えません。第4回定例会でどのような方針が出てくるのかは分かりませんが、その辺りをぜひ明確にしていただきたいと要望し、私の全ての総括質疑を終了いたします。ありがとうございました。
○山本委員長 以上でいながきじゅん子委員の質疑を終了します。
委員会を休憩します。
午前11時54分休憩
午前11時54分再開
○山本委員長 委員会を再開します。
ここで休憩にしたいと思います。午後1時まで委員会を休憩いたします。
午前11時54分休憩
午後1時00分開議
○山本委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。
次に、石坂わたる委員、質疑をどうぞ。
〇石坂委員 質問いたします。
1として、広報におけるユニバーサルデザインについて伺います。
今回、決算審査を行う平成31年度、令和元年度において、7月5日号から広報がリニューアルされ、カラー化がされました。ユニバーサルデザインの定義は、区のホームページの説明では、「ユニバーサルデザインとは、年齢、性別、個人の属性や考え方、行動の特性等にかかわらず、全ての人が利用しやすいようあらかじめ考慮して都市及び生活環境を設計することです」となっています。「全ての人が利用しやすいようにあらかじめ考慮して」とありますが、印刷物のデザインをしている方や、フォントの事業者などから話を聞くと、ユニバーサルデザインはまだ新しく発展途上である。これという規定、定義があるわけではない。ユニバーサルデザインと銘打っているものも、特定の人にとってのバリアフリーであって、全ての人にとってのユニバーサルデザインとは限らないとも言われます。
高齢者や弱視者、発達障害者によってそれぞれ見やすいレイアウト、色合い、フォントなどが異なります。区報や区のホームページなどを含む区の主たる広報である区報や区のホームページなどにおいて、読み手の層がどの層なのか、あるいは全区民を対象とするものでも、まち全体として高齢者の多いまちなのか、障害者の多いまちなのかによって、対象者や地域に合わせて研究し変えていく必要があります。
広報物は、デザイン全体の見やすさや、読んだ際の疲れにくさによって情報の伝達力が変わります。また、読みやすいと感じるフォントやレイアウトや色と、実際に読みやすいそれらは異なる場合があります。書体や色が人の認知を変えるため、可読性――文章の読みやすさ、視認性――ぱっと見た瞬間の認識のしやすさ、判読性――誤読がないかの視点を含めて、それぞれについて考えることが必要です。
また、フォントにおいては、ユニバーサルデザインフォント、あるいはそれに類する様々なフォントがあり、無償のものも有償のものもありますが、ただならよい、民間が利益を求めるのがいけないという視点だけではなく、コストと効果をしっかり考え、利用者指向で、住民と事業者のトレードオフの最適化を進めていく発想で、有料、無料にかかわらず様々なメーカーの複数のフォントを検証することが必要です。
そして、フォントに関しては、単に読みやすさだけではなく、書体には書体から伝えたい意思があり、フォルムによってかなり変わると言われます。長い文章をじっくり読ませたいのか、短い文字で注意喚起を促したいのか、間違いなく伝えることが重要なのかなど、場面に応じて、文字のフォント、文字のサイズや行間の取り方、地の色と文字の色との関係などの色彩設計、ルビの使い方をしっかりと研究、検討していくことが必要であると思いますが、いかがでしょうか。
〇高村広聴・広報課長 広報物は、見やすさと読みやすさにより伝達力が異なることを認識してございます。区報などの広報に当たっては、中野区情報発信のユニバーサルデザインガイドラインに基づき、文字についても配慮に努めているところでございますが、さらに改善していく必要があると認識してございます。
御指摘のフォントや大きさ、色遣いなどについては、広報アドバイザーの助言なども受けながら、実践的な研究と検討を重ねてまいります。
〇石坂委員 しっかり、さらなる形で進めていっていただければと思います。
また、さらに言えば、読めたことと理解できたことに差がある場合もあります。障害者として、手帳の取得や障害程度区分の認定を受けているかどうか、本人に自分が障害があることについての自覚があるかどうかにかかわらず、知的障害者や発達障害者等の場合には、どんなにデザインが優れていても読み上げることができたとしても、使用している単語の意味が分からない、文章の文意が理解できないということも生じます。
また、生得的な聴覚障害者の場合には、文章を読むことに障害がないように見えても、手話を使った言語環境の中で、主に助詞、副詞等の機能語の習得が容易でなかったことにより、抽象的な思考が十分にできないとか、文章能力を含めてコミュニケーションレベルが成人であっても、普通小学校の3から5年生程度か、それ以下でもある方も少なくありません。
また、障害者でなくても、何らかの理由で義務教育を修了できなかった方や、中学校卒業後に高校に進学をしなかった人、外国人だけではなく、帰国子女で、滞在先の現地学校出身であるために、日本語教育を十分に受けてこなかったという人もいます。こうした方の中には、区報や区から送られてくるものを読んでも理解が難しいという方もいます。
知的障害者に向けた文書、これに関しては、一方では健常者にとっても理解がしやすいと感じることも見られます。障害者等に理解しやすい言い回しや文書についても、併せて研究、検討を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。
〇高村広聴・広報課長 御指摘のとおり、知的障害者に配慮した文書が多くの人にとっても理解しやすい側面があることは認識してございます。日本語に不慣れな外国人向けのやさしい日本語とともに、障害者に分かりやすい文章や表現についても実践的な研究、検討に努めてまいります。
〇石坂委員 ぜひともお願いいたします。現状で、見た目に関しても、理解する面に関しても、十分理解しづらいという方の声がありますので、しっかりと踏まえて進めていくことが必要だと思いますので、ぜひお願いいたします。
なお、検証については、例えば民間の企業の場合はしっかりと使用者にアンケートをし、研究協力をして改善を進めるようにしています。また、行政でも、企業と連携をすることで互いにフィードバックをしたり、市もアンケートをして企業にフィードバックをしたりということを行う例もあります。高齢者はUDフォントではない、ユニバーサルデザインフォントではない教科書体が読みやすいと感じるが、実際に読むとUDフォントのほうが正確に読めたりすると言われることもあります。また、子どもにおいては、フォントによって、「リンゴは黄色い食べ物です」などの正誤問題の正答率が異なると言われます。また、日本語とアルファベットの混ざったもの、数字だけのものなど、日本人と外国人で見え方が違います。いろいろなフォント、配色、レイアウトなどのデザインについて、改めて当事者参加でよい形を模索すべきと考えます。
当事者として、発達障害、弱視など障害者にとってよいもの、高齢者にとってよいもの、日本語を使い始めて間もない外国人によいもの、子どもによいものに違いがある可能性を踏まえて、当事者のヒアリングなどを行ってはいかがでしょうか。
〇高村広聴・広報課長 区は、広報物において、できるだけ多くの方が理解しやすい表現やデザインに一層努めていく必要があると認識してございます。
一方で、全ての方にとって分かりやすいものとすることは難しいとも理解しております。より多くの方が理解しやすい表現やデザインを探るとともに、それらが分かりづらい方にとって、代替する手段、情報伝達方法を検討するためには、各当事者の率直な意見を伺うことが必要かつ有効であると考えておりまして、ヒアリングの実施なども考えてまいりたいと思っております。
〇石坂委員 ぜひ当事者の生の声をしっかりと生かして進めていただきたいと思います。
また、ユニバーサルデザインに配慮したつもりであるものが、一般的な区民にとって見づらくなっていないかどうかの確認も必要です。また、様々な配慮が必要な当事者目線で監修を行ったものについて、多くの区民参加でのさらなる検証や企業などとの研究的な検証に加えて、啓発という意味も含めて、イベントの会場や区役所にて、来場された、区の手続に来られた区民の人に、どの広報紙のサンプルが見やすいのかということについて、実証実験に参加をしてもらうような機会も設けるとよいと思いますが、いかがでしょうか。
〇高村広聴・広報課長 現在も中野区報につきまして、毎年度、文字の大きさや書体などについてアンケート調査を実施し、その結果を参考にして、紙面やレイアウトなどの見直しを検討しているところでございます。区のホームページなどの広報物の表現やデザインなどにつきましても、区民の皆さんの御意見を伺うことは必要かつ有効であると考えてございます。
新型コロナウイルスの感染症防止や、また効率性なども十分に考慮しながら、実証的に意見を聴取する対象や方法を検討してまいります。
〇石坂委員 今、現在の広報について意見いただいているということでありますけども、ユニバーサルデザインに配慮したものの案を、こうした案がいいんじゃないか、ああした案がいいんじゃないかと、考えたものに関して、やっぱりしっかりと比較をして区民の方の意見をもらうことが必要だと思います。なので、通常の区報と同時にアンケートを取るだけではなくて、やはり両方、手に取ってもらって、あっちがいい、こっちがいいというふうに意見をもらう場が必要だと思いますが、その辺はいかがお考えでしょうか。
〇高村広聴・広報課長 そういったことについても、今後意見聴取を考えていきたいと思っております。
〇石坂委員 ぜひお願いいたします。
また、すぐに本格導入するばかりではなくて、試験的な導入、一部導入の例として、広島県発行の県民だよりのような例ですとか、岡山県総社市の原動機付自転車のナンバープレートに使い始めるような例もありますので、まずできるところから始めるとともに、使ってみての検証を続けていくべきです。地域独自のユニバーサルデザインを導入した際にも、その後、当事者の声を聞いて、改良を重ねていくことや、その都度、ベターな形がどういうものであるのかを踏まえて、改めて方針を考えていくべきだと思いますが、これに関していかがでしょうか。
〇高村広聴・広報課長 区の広報における表現やデザインの正解はなく、また常識や傾向などは変化していくものと理解してございます。したがいまして、区の広報物の文字や表現、デザインなどにつきましても、都度ですね、区民の方や各当事者から意見を伺い、それらによる検証に基づいて、基本的な考え方やマニュアルの見直しなど改善に努めていく必要があると考えてございます。
〇石坂委員 さらに、こうした広聴・広報課で進めてもらったその運用状況ですね、それを踏まえて、広聴・広報課からガイドライン的なものを作成したりですとか、各課、各部署の広報物についても広聴・広報課はUDについての実践的な助言をしたり、相談を受けたりしていくべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。
〇高村広聴・広報課長 今後の運用状況を踏まえまして、中野区の情報発信のユニバーサルデザインガイドラインをより実践的なものに改定するとともに、現在実施している各課の広報物のクリニックをより充実して、ユニバーサルデザインについても助言などを行ってまいりたいと考えてございます。
さらに、各課の広報物に活用できるユニバーサルデザインに関する動画の制作や配信など、各課の支援に一層努めてまいります。
〇石坂委員 そのためにも、まず広聴・広報課のほうでしっかりと進めていただき、それを広げていっていただければと思うところです。
また、ユニバーサルデザインにつきましては、中野区だけに限らず、未完成の部分が多分にあります。しっかりとステップ・バイ・ステップで改善をし、向上させていっていただくこと、また広報において積み重ねたものについて全庁的にしっかりと発揮をさせていくことを視野に入れて進めていただけることを期待しつつ、この項の質問を終わらせていただきます。
次に、2点目として、住まいの確保について伺いますが、(2)と(1)の順番を入れ替えさせていただくとともに、(3)は(2)の中に含めて伺います。
先に(2)住み替え支援事業や民賃貸住宅について伺います。
中野区は、20代が転入超過、三、四十代が転出超過で、民間賃貸住宅の出入りが多い自治体です。今は人の移動がしづらい状況ですが、新型コロナウイルス禍の影響から、将来的に大都市圏を避けてテレワーク、在宅勤務が可能な地方での生活を望む人、またその一方で、それに伴い空いた物件を狙って転居をしてくる人が増える可能性もあり、こうした中で、空き家が増えたり、人の移動がさらに増えたりする可能性もあります。
確認のために伺いますが、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律に規定をされている住宅確保要配慮者及び国の見解として対象とされている住宅確保要配慮者について、どんな人がいるか、教えてください。
〇池内住宅課長 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給促進に関する法律及び国土交通省令で定める住宅確保要配慮者は、低額所得者、高齢者、障害者、子どもを養育している者、外国人等となっております。
〇石坂委員 そっちにLGBT等は入っていないでしょうか。
〇池内住宅課長 国土交通省に定めるほうには入っておりません。
〇石坂委員 一般的に、住宅確保要配慮者に対して、解釈の中でLGBTが含まれているという形で国のほうなども、様々な面で出しているところでもあります。そうした中で、住み替え支援物件の情報提供について、区のホームページや、中野区の「すまいのしおり」では、対象として、「65歳以上のひとり暮らしの方又は65歳以上の人を含む60歳以上の方のみの世帯、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳又は愛の手帳を持つ方のいる世帯、18歳未満の児童を扶養するひとり親家庭、その他、自ら物件を探すことが困難な方」となっています。
これまでも、「その他、自ら物件を探すことが困難な方」について、外見と戸籍上の性別が一致しない場合があるトランスジェンダーや、同性のカップルで同居を希望している同性愛者などが含まれると、私の議会での過去の質疑応答により確認をしております。しかし、自分がこの制度の対象であるというふうに認識をしている当事者がまだ少ないようです。しっかりとホームページやしおり、あるいは窓口での案内で、「その他」にどのような人が含まれるのか、LGBT、外国人、生活困窮者などを含めた住宅確保要配慮者に関しては、明示をする形での例示列挙をし、周知をすべきではないでしょうか。
〇池内住宅課長 現在、区で実施しております民間賃貸住宅への住み替え支援事業については、これまでも、住宅に困窮する方全般に関して幅広く住まい探しの支援を行ってまいりました。LGBT、外国人、生活保護受給者等も支援の対象としていること、それについて明示し、より積極的な周知を図ってまいりたいと考えております。
〇石坂委員 すみません、確認で伺いますが、今の御答弁ありましたように、LGBT、外国人、生活困窮者は区の判断として、住宅確保要配慮者に含まれているという認識であるということを確認させてください。
〇池内住宅課長 そのとおりでございます。
〇石坂委員 ありがとうございます。
なお、住み替え支援の登録不動産店において、理解や認識に差がある場合があるとのことを、LGBTの方、障害者の方、御高齢の区民の方から伺うことがあります。しかも、不適切な対応をされた上に、その不動産屋さんから、「ほかの登録不動産店に行ったとしても、不動産店はどこも同じで、うちと同じ対応しかしてもらえませんよ」と言われたという方もいると聞いています。
住み替え支援協力不動産店や、区内の大家さんなどへの各対象者、障害、高齢、LGBT、外国人、生活困窮者、ひとり親家庭等に関して啓発を行うことが必要ではないでしょうか。また、行う場合にどのように行っていきますでしょうか。
〇池内住宅課長 住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への入居促進につきましては、住み替え新事業、協力不動産店を含め、不動産事業者や賃貸人の理解が欠かせないと考えております。
設置予定でございます居住支援協議会におきまして、不動産事業者や賃貸人との協議、意見交換を行い、理解を促し、セーフティネット住宅の登録制度の普及をさらに進めてまいりたいと考えております。
〇石坂委員 ぜひ進めていただきたいところです。また、区内在住のLGBTで、身体障害者かつ精神障害者でもあるダブルマイノリティで、生活保護を受けていらっしゃる方からお話を伺う機会がありました。縦割りではなく、住宅担当の住み替え支援の担当、転宅先を探す際の生活保護の担当、居住サポート事業がお互いに連携をしてくれたり、あるいは適宜うまく相談先を紹介してくれていれば、以前、住まいが取り壊しになることに伴う転宅のときのような、あのときの苦労はしなかったのではないかという話を聞くことがありました。
今後の居住支援協議会に期待をしたいところではありますが、住まいに関わる部署や区内の福祉施設等との連携が不可欠ではないでしょうか。今後どのように情報共有や連携、ケースの引き継ぎなどを行っていきますでしょうか。
〇池内住宅課長 住宅確保要配慮者につきましては、入居時の支援にとどまらず、入居中や退去時までの切れ目ない支援が必要となると考えております。行政と民間の住宅部門のハード面と福祉部門のソフト面の双方が横断的に協力し合う体制を居住支援協議会にて構築した上で、住宅確保要配慮者に関わる様々な専門性を生かした相談支援や生活支援体制のネットワークにより、きめ細やかな対応を図ってまいりたいと考えております。
〇石坂委員 ぜひ、縦割りになってしまったりですとか、お互いに見送ってしまって漏れてしまうということがないようにしていただきたいと思います。住まいは人権であり、全ての方が安心して暮らせる住まいを探せるようにすることが必要ですので、しっかりと進めてください。
なお、現在の住み替え支援事業は、住民個人に対する行政サービスとして行われています。一方で、民間でも地域生活、あるいは地域生活への移行を目指す様々な障害者や生活困窮者、住まいを探している個人などをサポートしている支援団体やNPO法人があります。こうした団体や当事者の家族の方から、区内に障害者用の滞在型のグループホームをつくりたい、通過型のグループホームももっと増やしたいという声を耳にします。
また、区内の法人からは、造りたくても物件がなかなか見つからないということを言われます。ほかにも、生活困窮者支援、ホームレス支援のシェルターを運営しているNPO法人や任意団体が、シェルターとして使える物件を中野区内で確保しようと動いていたりもします。こうしたケースについても、従来の住み替え支援で行ってきたことによる経験も生かしながら、支援対象を広げて区がマッチングなども行っていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
〇池内住宅課長 住宅確保要配慮者のグループホームと施設の設備等については、福祉の各担当所管において普及促進や相談を受けているところでございます。居住支援協議会にNPO法人等の支援団体より相談があった際には、福祉の各担当所管と連携し、対応を検討していきたいと考えております。
〇石坂委員 特にマッチングに関しては、福祉的な側面はもちろんですけども、やっぱり大家さんですとか、不動産店との協力が不可欠ですので、しっかりと住宅担当の方でも動いていただければと思います。
また、障害者のグループホームや生活支援のシェルターなどについても、大家さんが歓迎しない、あるいは断ってしまう状況があることを踏まえ、先ほども述べましたけども、区は住み替え支援協力不動産店や、区内の大家さんへの啓発や情報提供を行うことに併せて、障害者のグループホームや生活困窮者のシェルター等に関する情報提供や啓発も行うべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。
〇池内住宅課長 障害者グループホームや生活困窮者シェルター等につきましては、相談者に対し、福祉の各担当所管で支援や情報提供等を行っているところでございます。情報提供の在り方等につきましては、各担当所管と研究してまいりたいと考えております。
〇石坂委員 ぜひしっかりとお願いいたします。
続きまして、(1)のほうになります。区営住宅について伺います。
区民の住まいを守る施策として区営住宅もあります。公営住宅法では、第1条、この法律は、国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸、または転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とするとあります。
この「住宅に困窮する人」の中には、先ほど確認をしましたLGBTも含めて、住宅確保要配慮者が含まれているという認識でよろしいでしょうか。
〇池内住宅課長 はい、そのとおりでございます。
〇石坂委員 そうしましたら、中野区営住宅の方を見ていきますと、第6条のところで、区営住宅の使用を申し込むことができる者を具体的に書いてありますので、そこの中から幾つか抜粋をしますと、(1)として、現に同居し、又は同居しようとする親族(婚姻の届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者その他婚姻の予約者を含む)があること、(3)として、現に住宅に困窮していることが明らかな者であること、そして(8)では、配偶者暴力防止法等で規定する関係にある相手からの暴力を受けた者とあります。
区営住宅条例では、申込み要件として、婚姻の届出はしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者、その他婚姻の予約者を含むとしています。中野区の場合においては、パートナーシップ宣誓を行ったカップルはもちろんのこと、それだけではなく、パートナーシップ宣誓を行っていないカップルもそれらに当たる、すなわち入居するための申込みができるようにすべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。
〇池内住宅課長 区営住宅条例第6条1項1号における婚姻の解釈につきましては、法律上における婚姻としております。
一方、区では、2018年に中野区パートナーシップ宣誓の取扱いに関する要綱を制定し、パートナーシップ宣誓を受領してきたところでございます。ユニバーサルデザイン推進条例の基本理念により、多様な生き方、個性、価値観を受け入れる地域社会の実現のためにも、パートナーシップ宣誓を行ったカップルについても、区営住宅の申込みが可能となるよう準備を進めてまいります。
〇石坂委員 ぜひしっかりと進めていただきたいと思います。
なお、制度の詳細ですとか、開始時期、あるいは明文化をすることについて、今後、居住支援協議会での検討を含めて着実に行い、住宅マスタープランにも、同性カップル等が住まいに困難を抱えていることを盛り込み、条例上もしっかりと明文規定とすべく、区営住宅条例は改正をすべきではないでしょうか。
〇池内住宅課長 パートナーシップ宣誓の趣旨を鑑み、区営住宅の入居資格の整備を進めているところではございます。条例の改正につきましては、入居資格の整備が整った段階で、詳細等についてはお示ししてまいります。
〇石坂委員 ありがとうございます。しっかりとこれ、制度のほうが整っていくことに伴って、やはり人の意識も変わっていくところはありますので、しっかりと進めていっていただければと思います。
なお、先ほど触れましたけども、区営住宅条例では、配偶者暴力防止法等に関しても規定があります。こうした施策を進める先に、今回やり取りさせていただいた居住確保要配慮者への施策を進めていく、さらにその先には、配偶者からの暴力について、同性パートナーシップ制度を利用している、あるいは利用していない同性カップルのDVや虐待被害者の入居に関しても、区営住宅の門戸を開いていくことも今後しっかりと検討していくべきであると考えます。
これに関しては、今回は問題提起と検討の要望をいたしまして、また次の機会に質問したいと思いますので、私の今回の質問は全てこれで終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○山本委員長 以上で石坂わたる委員の質疑を終了します。
次に、小宮山たかし委員、質疑をどうぞ。
○小宮山委員 大変長らくお待たせをいたしました。ただいまより総括質疑をさせていただきます。
こちらの写真は、弥生町にある弥生公園の写真でございます。保育園と隣接している公園ですから、こうした低年齢児向けの滑り台が喜ばれるんでしょうね。非常に素敵な遊具が今回の遊具入れ替えに当たり設置されたと、私も最初は喜びました。
では、こちらにもう一つ、次の写真があります。こちら、同じ公園の写真ではありません。これは弥生公園からグーグルマップの徒歩設定で2分、160メートル離れた多田公園の遊具でございます。2分、160メートルしか離れていない、目と鼻の先にある公園で、どうして同じ遊具を設置してしまったのか、何かのミスやトラブルでもあったのかどうか、教えてください。
〇林公園緑地課長 公園遊具の安全確保に関わる緊急対策事業では、平成30年度に実施した遊具の法定点検で使用不可とされた遊具について、緊急で撤去、更新、補修工事を行っているところでございます。
昨年12月に当時設置されていた遊具と同機能のものや、異なる機能のものなど、複数の候補を現地に掲示し、現地での意見聴取やメール等により希望を募った結果、同じ遊具になったところでございます。
○小宮山委員 アンケートの結果がそうであったからという話であります。遊具を更新するのに、現地の環境や子どもたちのことをあまり考えていない、区役所の机の上で考えているんでしょうかね。
じゃ、ここでもう一つ、弥生公園から徒歩6分、450メートル離れたれんげ公園に新設された遊具の写真、こちらです。さっきからですね、同じ写真を使い回しているわけじゃないですよ。半径500メートル圏内にある三つの公園の古い遊具が、約30年ぶりに新しくなった、その結果がこれですよ。例えアンケートの結果がこれだったとしても、半径500メートル圏内に同じ遊具を三つも置くのは、どう考えてもおかしいでしょう。と思うんですけれども、区としては何も感じないですか。
地域の子どもたちに今後30年間、最大限喜んでもらえる仕事をしたと胸を張って言えるんですか、どうですか。
〇林公園緑地課長 地域の方々に選んでいただき、設置した遊具であり、子どもたちにも喜んで遊んでもらえるものと思っているところでございます。
○小宮山委員 ここで生まれ育った子どもたちは、この滑り台しか知らずに育っちゃうんですよ。今回のような区のやり方と、民意との乖離は今に始まったことではありません。遊具の選定に当たってアンケートを取るようになったことは大きな前進ですけれども、そのやり方があまりにも拙速で、こんな結果になってしまうなら、かえってアンケートなんて取らない方がよかったんじゃないかとさえ思います。
次に、江原公園について質問をします。田中区政の末期、地域の猛反対を押し切って大きな木を何本も切り倒して、江原公園に保育園が造られました。今年春、プレハブ園舎の2年間のリース契約が終わり、園舎が解体され、苗木を植えて原状復帰をしますという当初の約束どおりに原状復帰されたのがこちらの写真です。公園の広場部分は、水はけをよくするダスト舗装という処理がしてあります。本来、植物が育つような土壌ではありません。そこに取りあえず穴を掘って、取りあえず木を何本も植えている、素人の仕事ですよ。放っておけばすぐに枯れてしまいそうなので、近所の人が見かねて水をあげているそうです。
もう一つ、こちらの写真も江原公園の原状復帰の写真です。ヒマラヤ杉の大木があるすぐ近く、一、二メートルしか離れていないところに、また別のヒマラヤスギを2本も密集させて植えてある。そうかと思えば、何も植えてないところ、この辺、何も植わっていません。植わっていないところもあって、とにかく原状復帰しておけばいいんでしょうという投げやりな仕事にしか見えません。
ちなみに、ここ、スロープになっていますけども、スロープの行きあたりに黄色いゲートがあります。このゲート、抜くことができません。固定されています。何のためのスロープなんですか。
江原公園の近隣住民は、公園をもっとよりよいものにしていきたいという希望を皆持っています。今まで以上の公園になるのであれば、原状復帰にこだわることもないと考えています。また、今回の原状復帰をきっかけに、公園をよりよくしていくための話合いを自主的に持っていきたいとも考えているそうです。公助がとんちんかんなんですから、共助していくしかないじゃないですか。
このような公園再生を通じたまちづくり、コミュニティの再生を私は以前から訴えてきました。こうした機運に区がちょっとだけでもいいので関わり、権限を与え、資材や苗木や物置など、小さなコストで賄えるものを提供していけば、公園が再生するだけでなく、公園を通じたコミュニティの再生にもきっとつながるはずです。公園づくりにもっと区民の声を聞く、区民に関わっていただく、そうした哲学や視点が、公園や地域に対する愛が、今の中野区の公園づくりには全く見えない。
アンケートは取れと言われたから取っているんじゃないでしょう。よりよい公園づくりのために取っているんじゃないですか。公園づくりは単なる土木工事ではなく、地域の人たちとともに、住みやすい環境をつくり上げていくまちづくりであるということを意識していただきたい。
区は、これから公園再整備計画を策定するそうですが、本来であれば、公園の遊具をあちこち整備する前に、公園再整備計画を策定するべきでありました。新たにできる公園再整備計画には、公園づくりはまちづくりであるという、骨太の哲学をたたき込んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇林公園緑地課長 現在も利用者の意見や地域の声を聞きながら、公園の整備を進めているところでございます。公園再整備計画を策定する際には、当然にこの考え方を生かしていきたいと考えているところでございます。
なお、江原公園につきましては、保育室の閉鎖に伴う近隣説明会で、地域の方から、同じ位置に同じ樹種を植えるように要望を受け、同じ樹種の苗木を元どおりの位置に、幼児施設整備課において復旧工事を行ったところでございます。
この後、地域の方から将来の樹木の成長を考えると、少し場所を動かしてほしいとの要望を受けたため、10月以降に改めて移植することを考えているところでございます。
○小宮山委員 今までも地域の声を聞いてきたと言っていますけども、地域の声を聞いて、このざまですよ。今までの聞き方が足りなかったと私は思います。
次の質問に移ります。中野区では、もみじ山文化センター、野方区民ホール、なかの芸能小劇場の三つの文化施設を平成18年からJTBと野村不動産の各関連会社に指定管理で5年契約を3回繰り返し、これまで計15年にわたり運営をしてきました。今ちょうど、来年度から先の5年間、どこの事業者に指定管理をするのか、その選定が始まっていまして、2社から応募があったそうです。その第2次審査の審査基準を見ますと、幾つかの基準がある中の一つに、中野区への理解、施設の状況のほか、施設の特徴や区政の現状について理解があることという審査項目がありました。現在の事業者が施設の状況を誰よりもよく知っているのは当然のことです。この審査基準は、現事業者を有利にするものではありませんか。
例えば学童クラブや保育園の指定管理に当たっては、現在の優良事業者が優先的に継続させてほしいという希望が、これまで区民や利用者から度々上がってきました。しかし、そのたびに区は、白紙の状態から選定をします、現事業者を有利に選定することはしませんと、箸にも棒にもかからないような返事を今までしてきたわけです。
にもかかわらず、今回の指定管理に当たり、現事業者有利とも取られかねない規定があるのは、一体どういうことですか、教えてください。
〇矢澤文化国際交流担当課長 御指摘の審査項目につきましては、区の方針や計画等に沿った文化施設の管理運営が必要であることから設定したものでございます。
施設の状況は、施設の設置目的や概要など、現在当該施設を管理していなくても知り得る内容でありまして、審査におきましては現事業者が有利になるとは考えてございません。
○小宮山委員 施設の状況を現事業者が一番よく知っているというのは当たり前のことですから、実際の審査に当たっては公平な審査をしていただきたいと思います。区は、この三つの文化施設の指定管理と同時に、生涯学習の地域団体、人材、ボランティア等の支援とコーディネートをこの指定管理者に委託をしています。中でもその中心にある基幹事業がまなVIVAネットです。なかのZEROホールの1階ロビーの一等地に、いろんなイベントやメンバー募集をできる掲示板があるのですが、ここを利用できるのは、まなVIVAネットに登録をした人だけです。
そして、中野区の文化展という展示会、皆さん御存じですか。中野区の文化展という展示会が毎年開催されているそうなんです。この文化展に出展をするためには、まなVIVAネットに登録をしていなければならない。まなVIVAネットを中心に中野区の生涯学習は回っている。まなVIVAネットこそが中野区の生涯学習の基幹事業と言えると思うんです。
区役所の6階に置いてあるまなVIVAネットのチラシはこちらです。3億3,000万円で指定管理の契約をしている割には、たまたま在庫が切れてしまったんでしょうけれども、わら半紙のチラシで宣伝をしている、これ非常に残念なことだと思ってます。
現地に行くと、カラーコピーのチラシが置いてあります。このチラシを見ると、非常にいいことを言っているもんですから、私も以前、写真の指導者として登録してみようかなと思ったことがあります。しかし、窓口に行って問い合わせてみると、「紙に書いて持ってきてください」と言われました。「ネットでは手続ができません」ということです。何がネットだよって話ですよ。やる気を私はなくしてしまいました。
そして、中野区は写真のまちとも言われていますから、まなVIVAネットの中で、写真、映画カテゴリーの指導者が一体何人いるかなと思って調べてみたら、2人しか載っていない。あれ、おかしいなと思いまして、じゃ、語学だったら需要も供給も多いでしょうから、語学指導者ならたくさん載っているかなと調べてみたら、全部で15人しか載っていない。習い事の王道のピアノなら多いでしょうと思って、ピアノを見たら16人。そして、ホームページへのリンクを載せている人もいました。しかし、そのホームページ、リンクが切れているケースが非常に多かったんですね。なので、私は、指導者紹介に80件リンクが載っていた、そのリンク、全部踏んでみました。すると、80件中32件がリンク切れ、もしくは2年以上更新をされていない使えないページでした。これね、中野区ではもう活動していない人も含まれているかもしれない。ひょっとすると、もっと言ってしまえば、もうこの世では活動していない人も含まれているかもしれない、そんな状態でした。
指導者紹介のほかにサークル紹介のページもありまして、全部で111件のリンクがありました。そのうちの70件のリンクが切れている、もしくは2年以上更新されていませんでした。まとめて言えば、まなVIVAネット上にある190のリンクのうち、100件以上がリンク切れをしている、そのまま何年も放置をされている、そんな状態です。リンク切れなんか、1時間もあれば調べられますよ。ここの指定管理者は、これまで15年間、一体何をしてきたんですか。
指定管理者だけじゃないですよ。区の管理責任、監督責任だって問われますよ。今までそうした区の管理、監督責任、きちんと果たしてこなかったんじゃないですか。
〇矢澤文化国際交流担当課長 文化施設要求水準書におきまして、生涯学習支援につきましては、まなVIVAネット登録サークル、指導者、ボランティアなどの生涯学習団体に関する活動支援のほか、区内の関係団体、機関と連携した生涯学習活動情報の発信などの実施を義務付けておりまして、要求水準を満たしているものと考えております。
○小宮山委員 ここに登録した区民は、サークルや指導者を始めて、ホームページを作ったときは、夢と希望に燃えていたと思うんですよ。夢と希望を持ってまなVIVAネットに登録をして、参加者が連絡してくるのを首を長くして待っていたと思うんです。しかし、いつまでたっても連絡が来ない。当たり前ですよ、半分以上リンク切れしているようなサイト、誰が使うもんですか。
こうして、本来生涯学習や文化芸術を支援すべきまなVIVAネットが逆にそれをつぶしてきた。一見するといいことをやっているように見せて、おびき寄せておきながら、何も与えずにつぶしてきた。中野区は、生涯学習の地域団体、人材ボランティア等の支援とコーディネートをこの指定管理者に3億3,000万円も払ってお願いをしている、契約書にそう書いてあるじゃないですか。
こんな、生けるしかばねのようなサイトを使って、生きているのかどうかさえよく分からないような人たちのリストを基に、一体何のコーディネートができるっていうんですか。
例えば、区内で複数の無料塾が活動していますけれども、これ、生涯学習の一環ですよね。そうした無料塾の情報をここがきちんと持っているとはとても思えない。情報がなければ、コーディネートなんかできるわけがない。私が知っている無料塾の主催者で、ここを頼っている人、1人もいませんよ。
生涯学習に関しては、中野区が施設に関して要求をしている仕様書、水準書の水準に達していない、報告書にも、きちんとやっていますと、うそが書いてある。契約違反じゃないかなと私は思ってます。まなVIVAネットみたいな、なまじこんなサイトがあったばかりに、中野区の文化芸術活動や市民活動、そして生涯学習活動はこの15年間停滞をしてしまった。周りや時代が進歩する中での停滞は、これ、すなわち後退ですよ。ここがもっとちゃんとしていれば、平成31年度文化芸術活動実態調査なんか200万円もかける必要なんてなかったんですよ。
このサイトがこの15年間、どれだけのチャンスをつぶしてきたかと思うと、私は悔しくてたまりません。もうこんなサイトにはてこ入れする価値もありません。まなVIVAネットは跡形もなくスクラップをして、ここが主に扱っている生涯学習活動と、区が主に扱っている公益活動と、社会福祉協議会が主に扱っているボランティア活動、その三つをきちんと整理統合して、できたら一本化をして、市民活動支援や文化芸術活動支援につなげていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
〇矢澤文化国際交流担当課長 区民の情報収集、発信の手段は大きく変化しており、まなVIVAネットも改善の余地があると認識してございます。そのため、文化芸術、生涯学習情報の情報発信の在り方につきましては、今後見直しを図ってまいりたいと考えてございます。
○小宮山委員 このまなVIVAネット、もうほとんど腐ってますから、てこ入れする価値はない、改善する余地もないと思っています。
次の質問に行きます。なかのZEROホールなどの公演の中には、区の指定事業というのがありまして、区民の文化振興に寄与できる文化芸術の鑑賞事業などが指定事業となっているようです。この指定事業に関しては、中野区が施設使用料を負担しているそうであります。
例えば、なかのZEROの大ホールを終日借りる際の施設使用料は63万600円ですから、区としても結構な負担をしているわけです。そうやって区が負担をしながら、会場費の負担をしながら、公演を行うことで、事業者はその利益を自分の懐に入れることができる、そういう契約になっています。
一方、区民にとってはどんなメリットがあるのか。指定事業の中には区民割引が設けられている公演も中にはありますが、一体どれだけの区民がこの区民割引を利用してその公演を見ているのか、データはありますか。
〇矢澤文化国際交流担当課長 指定事業として公演を行うメリットとしましては、より身近に安価で充実した文化芸術事業に触れる機会を提供することが挙げられます。公演に係るチケットにつきましては、なかのZEROチケットセンターだけではなく、様々なプレイガイドでも販売しているため、区民割引価格での購入者数は把握しておりません。
○小宮山委員 割引制度があるのに、それを利用したデータが残っていない、それが分からないっていうのはおかしな話です。税金を投入している施設の事業で、費用対効果の検証ができないというこの状況は改善をしなければなりません。そもそも地方の公共ホールであれば、おらが町のホールに都会の良質な文化芸術を招いて、都会の洗練された文化芸術を提供していくことに意味はあると思うんです。
しかし、ここは中野区ですよ、東京の中野区ですよ。ちょっと移動してお金さえ払えば、超一流の世界的水準の文化芸術に触れる機会は幾らでもある。中野区が、あえて区内の小さな文化施設にわざわざ税金を投入して、良質な文化芸術を提供していく必要はそんなにないと思うんです。そんなところに金を使うならば、たとえクオリティは低くても、もっと区民自身の文化芸術活動に投資をして、第二、第三の棟方志功を育てていくべきじゃないですか。
いつも言っていますけれども、区民主体の音楽活動に対して、杉並区では426万円を出している。これ、たしか平成30年度の話です。426万円を出しているのに、中野区は42万円しか出していないんです。中野区はお金をかけるところを間違えているんじゃないですか。
その3施設の運営に関しては、詳しい収支報告もされていませんので、3施設で3億3,000万円という指定管理料が安いのか高いのかもなかなか判断はつきませんけれども、この事業のスキームは、安い料金で指定管理をしていただいて、事業者はホールで営利活動をばんばん行っていただいて、じゃんじゃん利益を上げていただく。その代わりに、その利益の一部を区民のために、あと指定管理料の一部を区民のために、生涯学習や文化芸術の活性化のために、たとえその部分は赤字であったとしてもきっちり貢献をしていただく、そういうスキームでいろんな歯車が成り立っているんじゃないかと思います。私だって、そういうスキームなのであれば、民間の事業者さんに利益を出すなとは言いませんよ。
しかし、今はどうですか。事業者は、自分の利益になる公演は区民不在のまま、ばんばん行っている。区が発行する区民のための情報紙「ないせす」を使って、宣伝もじゃんじゃんしている。その一方で、区民のためにしかならない、営利には結びつかないまなVIVAネットはほったらかしで、生けるしかばねのようになっている。中野区の文化施設の在り方、生涯学習の在り方は、本当にこれでいいんですか。見直すべきではないですか。
〇矢澤文化国際交流担当課長 指定管理者は、より身近で安価に区民が文化芸術に触れる機会を提供するため、多様な公演や講座を企画し、実施しているところでございます。また、これまで区民や区民文化団体との連携協働により、創作活動発表会や文化展を実施するなど、区民が主体となった事業を展開してきました。
今後も、区民の誰もが生涯を通じて主体的に学習に取り組み、身近に文化芸術活動に親しめるよう、地域に根差した生涯学習、文化芸術活動を総合的に支援してまいりたいと考えてございます。
○小宮山委員 私も、そういった文化芸術には非常に関心あるものですから、文化展が中野区でやっていたら、きっと情報はキャッチできるはずなんですよ。しかし、そのなかのZEROの文化展、私は知らなかった。私だけじゃない、ほかの皆さんも、なかのZEROで中野区の文化展をやっていたということを御存じですかね。これ、2日間しか年間のうち、やっていないんですよ。区民の文化芸術をまとめた発表の場、集大成の場所で、それが2日間しかない。営利活動はばんばんやっているくせに、区民に与えるチャンスはたったの2日間、こんなの絶対おかしいじゃないですか。
ここに、さっき話に出ました区の文化学習スポーツ情報紙「ないせす」がございます。これを発行しているのは、指定管理者ではなくて、「中野区(文化国際交流課)」とこちらに書いてあります。書いてありますが、実際にこれを編集しているのは、区から先ほどの文化施設の業務管理とは別に業務委託をされているのは、先ほどのなかのZEROと同じ指定管理者であるそうです。決算説明書を見ますと、三つの文化施設の指定管理料とは別に、1,800万円で「ないせす」発行の業務委託、これがされているように見えます。
この最新号を見ると、特に今、新型コロナ禍ということもあって、民間の広告がほとんどなく、なかのZEROの指定管理者によるお手盛りの広告なのか、記事なのか、よく分からない内容が非常に多い。今は民間の広告、なかなか出ないから、それしようがないと思うんです。
例えば、このイベントの中には、今回一番高いのは5,900円、区民割引を利かせて5,100円。過去には1万円のイベントの記事なのか、チラシなのか、広告なのか、よく分からないものがここに載っていました。1万円のイベントですよ。これ、広告なのか、記事なのか、よく分からない。そういった結構な値段のするイベントの宣伝を、税金を使ってしているかのように見えるんですけども、この「ないせす」は税金を使って区が発行している媒体だと思うんですけれども、なかのZEROの営利活動のイベントの記事なのか、広告なのか、よく分からない内容がたくさん載っている。これは一体どういうことなんですか。
〇矢澤文化国際交流担当課長 「ないせす」につきましては、区の生涯学習事業のほか、区内団体や指定管理者が行う事業について掲載しているところでございます。
「ないせす」への記事及び広告への掲載につきましては、文化施設の指定管理者が区から一括して購入した上で、記事や広告の掲載者から収入を得ているところでございます。
○小宮山委員 1,800万円でお願いをしている。それで、事業者が広告を一括して購入しているという話ですよね。その購入しているのは、一体幾らで買っているんですか。
〇矢澤文化国際交流担当課長 広告収入として区へ入ってくる金額は、約1200万円程度となってございます。
○小宮山委員 たくさん広告代、頂いているそうですから、だからといって、記事なのか、広告なのか、よく分からない部分を放っておいていいのかどうか、私はちょっと疑問に思います。だから、そうやって、記事なのか、広告なのか、よく分からないものを残しておくことによって、区が発行主体ですよ、区が発行主体の媒体を、あたかも民間の営利事業のための広告かのように使っている、ひさしを貸して母屋を乗っ取られたようなもんじゃないですか。これは区が発行主体の中野区生涯学習スポーツ情報紙ですから、そのあたりの性格をきちんと情報紙の在り方も見直していただきたいと思います。
指定管理者が、自らの営利活動のために会場を優先的に押さえてしまうことで、区民が会場を押さえられない、そんなこともきっとあると思うんです。施設使用料金は区が決めることですけれども、区民だからといって特に減免があるわけではなく、中野区民で構成されるアマチュアやセミプロの劇団や楽団とかがここの施設を使って利益を上げたり活動を続けていくのはとても大変な料金設定になっている。区民の文化芸術活動の支援として、区民がここを使うことにメリットがあるように、指定管理者が稼ぐためのホールではなく、区民が区民による区民のためのホールになるように、どうせ金をかけるなら、民間の営利企業にかけるのではなく、区民にかけていきましょうよ、ぜひ見直しをしていただきたいと思います。
田中区政は4期16年続くうちに、よいところはよくなっていったけれども、悪いところはどんどん駄目になっていきました。このなかのZEROの運営も、これまで3期15年、営利事業を一生懸命やっていただいたことは分かりますよ。それはとてもよく分かります。しかし、区民との有機的なつながりや関わり、顔の見える関係、そういったものを全然築いてこなかった。それどころか、半分腐ったようなまなVIVAネットを放置して、区民の生涯学習や文化芸術振興のチャンスをことごとくつぶしてきた。新しく決まる事業者には、今まで述べたような問題点をぜひ改善をしていただき、また担当課におかれましては厳しくチェックをしていただき、管理監督責任を果たしていただきたいと思います。まだ時間があるので、今私が述べたことに関して御意見あれば伺いたいと思います。
〇矢澤文化国際交流担当課長 今後も区民の誰もが生涯を通じて主体的に学習に取り組み、地域に根差した生涯学習、それから文化芸術活動を区として総合的に支援してまいりたいと考えてございます。
○小宮山委員 まだ時間がありますのでもう1問、また1番に戻りまして、公園についての質問を追加いたします。
中野区公園再整備計画の策定に向けた考え方が、今年3月に公表されましたが、私が今回の質問に取り上げたような生物多様性や、緑の保全に関する考え方についての言及がほとんどありません。生き物や植物が暮らしやすいまちは、人間が暮らしやすいまちですから、ぜひ生物多様性や緑の保全について、公園再整備計画に盛り込んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇林公園緑地課長 緑の保全や生き物の生息、生育できる場の保全整備につきましては、みどりの基本計画でうたっているところでございます。公園の整備に当たりましては、その視点を持って進めてまいりたいと考えているところでございます。
○小宮山委員 みどりの基本計画にも、生物多様性という単語、ほとんど出てこないんですよ。中野区の緑の定義の中には、生きるもの全てが含まれているとか言っているんですよ。その中には植物も含まれて――植物だけでなく、動物や昆虫とかも含まれているとか、そういった訳の分からない緑の定義を使って中野区はごまかそうとしているんです。ちゃんと生物多様性について、そして、緑です。緑は当然ですけども、生物多様性についてもきちんと今度の公園再整備計画には盛り込んでいただきたいと訴えまして、私の総括質疑終了とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。
○山本委員長 以上で小宮山たかし委員の質疑を終了いたします。
次に、竹村あきひろ委員の質疑を行います。竹村あきひろ委員、質疑をどうぞ。
〇竹村委員 令和2年第3回定例会決算特別委員会に当たりまして、所属政党は、国政政党NHKから国民を守る党、会派の所属はありません、無所属議員の立場から、総括質疑をいたします。
質問は通告どおりで、2、その他で、転出者情報をNHKに提出した事案について、それからその2、生活保護受給申請者に渡すNHK側の用意した書類について、書式についてを伺います。
また、特別委員会では今回が初めての質疑で、これでも大変緊張しております。理事者の皆様にしっかり伝わりますよう、簡潔明瞭な質疑を心がけたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
早速、項目の1、中野区と日本放送協会、以下「NHK」と称しますけれども、放送受信契約について伺います。
一般質問では、世の中はNHKどころではないと申しましたが、部分的に見れば、確かにそのとおりで、事実、今年の新型コロナウイルス感染症による影響は、区議会関連を見ましても、補正予算や酒井区長の行政報告、同僚議員の質疑などが区民、国民生活や、区財政への急迫した現状を裏付けていると考えます。
そして、このようなときこそ、見直せる部分は大胆に見直し、まさにスクラップ・アンド・ビルドならぬビルド・アンド・スクラップ、経済収縮を招くことなく、新たな取組、新たな区行政に取り組んでいくことが緊急時の今、最も必要なことと考えます。
区行政においても、技術の進歩や、法改正に応じたシステムの導入、制度改革をいま一歩進めるときであり、当然にNHKの放送受信契約、すなわち中野区の負担する受信料に関し、事実確認と議論の積み上げが必要なときと考えております。区政において、なぜNHKかとお思いの御臨席の方もいらっしゃることとは思いますが、先ほど申し上げたとおり、昨今の緊急事態における見直しに加え、そういった疑問解消、問題点への理解促進や、今現に起こっている区民、国民の皆様がお困りの問題解決が区政を通じてより進むよう、質疑を深めたいと思います。
中野区とNHK受信契約の実態につきましては、提供頂きました資料、令和2年決特、総務112、NHK放送受信契約の施設別内訳によりますと、中野区所管の区有施設において、中野区が契約している受信契約総数は、本委員会対象年度において776件、受信料総額は161万1,040円となっています。
そこで、NHKとの契約が必要なテレビを買うとき、購入時に、必要可否の判断を担当するのはどなたが行っていますか。また、購入が必要と判断する基準があるのか。契約件数の多い部署、区役所本庁舎、区民活動センター、小・中学校について、それぞれ伺います。
〇高田施設課長 テレビの購入に当たっての判断は、各所属で行っております。必要と判断するための統一した基準は設けておりません。区役所本庁舎のテレビの設置の判断は、各所属で行っておりますが、受信契約の締結事務は総務部施設課が所管しております。
〇大場鷺宮すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 テレビの購入が必要かどうかの判断につきましては、区民活動センターが行っております。また、区民活動センターにおいて、テレビの購入が必要かどうか判断する基準は、特別な基準はございませんが、個々の案件で必要性を判断しているところでございます。
〇永田子ども・教育政策課長 区立小・中学校におきましては、教育活動に使用するテレビとは別に、現在各校2台ずつ、校長室、職員室、または事務室などにテレビを配置してございます。必要性の判断につきましては、各校2台を上限といたしまして、各学校長が判断しているものでございます。
〇竹村委員 次に、NHK視聴の実態ですが、区役所本庁舎の令和元年度におけるNHKの視聴内容及び視聴時間について伺います。
〇高田施設課長 主に区議会の会議内容の傍聴や台風などの災害情報の収集のために使用しており、各所属のNHKの視聴時間については分かっておりません。
〇竹村委員 次に、区民活動センターの令和元年の分、NHKの視聴内容及び視聴時間について伺います。
〇大場鷺宮すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 区民活動センターにおけるテレビ設置の目的は、区民活動センター利用者の視聴及び台風等の災害対応時における職員による情報収集でございます。区民活動センター利用者は、適宜使用しており、NHKに限らず、視聴内容や視聴時間は記録してございません。また、職員などが災害情報を収集する際も同様でございます。
〇竹村委員 小・中学校において、受信料の支払い対象の受信機、テレビでの令和元年の分、視聴内容及び総視聴時間について伺います。
〇永田子ども・教育政策課長 小・中学校におきましては、児童・生徒の安全を確保するため、大雨や台風などの気象情報や地震などの災害情報、その他緊急事態に関する情報収集を行うことなどを目的として設置してございます。テレビの視聴の状況につきましては、各学校において適切に管理されているものと考えてございます。
〇竹村委員 詳細にありがとうございます。NHK受信契約の判断は、イコール受信設備設置の必要性の判断と思うのですけれども、必要性についてはこの後質問といたします。
区有施設でのNHKやテレビ視聴の目的が主に気象情報や災害発生時、それから区民サービスに行われているということが確認できました。区議会の中継が視聴されていることも極めて有用だと思いますが、テレビである必要はないんじゃないかと、これは本音のところで思っております。
一方で、NHKをはじめ地上波、一般放送の視聴時間の統計などの把握がなされていないことはいかがなものかと思いますが、それはこの後の指摘で、区有施設ごとに確認したいと思います。
では次に、区有施設におけるNHK放送受信契約の必要性を問う前に、私の所属する政党、NHKから国民を守る党は、「NHKをぶっ壊す」のスローガンを掲げてはいるものの、物理的に破壊するとか、NHKを解散させるなどと考えているものではありません。
NHKは、昭和25年に公布された放送法に基づき運営され、技術進歩に応じた変革はあったものの、基本制度の変更は70年以上、一切見直されないまま現在に至り、特に受信料に関しては各種の問題を引き起こしていることは、国会にて度々質疑に取り上げられ、国民生活センターに寄せられる苦情の件数増加、そして何よりNHK問題を公約とした政党、私の所属するNHKから国民を守る党が国政政党の要件を十分に満たす得票をお預けいただいたことからも、区民、国民の皆様の切実な現状、不満に満ちたNHKの在り方が明らかになったと言えるのではないでしょうか。
とはいうものの、当然、基礎自治体である中野区と区民、国民、個々人のNHKとの関わりは異なりますので、純粋にNHK受信契約の必要性、区民の税金を使ってまで行う視聴の目的や実態をお尋ねしたいと思います。
では、本庁舎におけるNHKの視聴目的に関し、その前提として、区の情報把握の実態について確認したいのですが、気象情報や地震情報の一次情報はどこが発信しているんでしょうか、伺います。
〇山田防災担当課長 気象情報、緊急地震情報などの防災気象情報は、気象庁が発信し、東京都総合防災部の送受信設備を経由して都内の各市町村長に送信されているものでございます。
〇竹村委員 土砂崩れや堤防の決壊など、災害発生時の一次情報発信はどこが行っているでしょうか、伺います。
〇山田防災担当課長 気象庁等の発表や、発生地域の自治体の発表に基づき、総務省が普及を進める災害情報共有システム、Lアラートを通じて情報提供されるほか、報道発表されているものと認識しております。
〇竹村委員 電気やガス、ライフラインに関わる事故や危険度のレベルは異なりますが、国外勢力などからの軍事侵攻の手段の可能性があるミサイル攻撃など、事故及び緊急事態情報などの発信元はどこでしょうか、伺います。
〇山田防災担当課長 各企業や各省庁が情報発信するものと認識しております。
なお、ミサイル攻撃など国民保護に関する情報は、内閣官房から総務省の発信設備を経由して、全国の都道府県、市区町村等に通知される仕組みとなっております。
〇竹村委員 これから台風シーズンを迎えるわけですが、令和元年度のLアラート、すなわち災害情報共有システムが機能した事例はありますでしょうか、伺います。
〇山田防災担当課長 昨年の10月に発生した台風19号の対応時には、区から避難所の開設情報などを発信した事例がございます。
〇竹村委員 災害情報などの収集、情報の受信に使用する機器の現状についてはどうなっているでしょうか、具体的な手段、使用機器について伺います。
〇山田防災担当課長 防災情報や関係機関などの災害対応情報については、東京都の災害情報システムをはじめ、防災行政無線、移動系システム、インターネットを介したパソコン、携帯端末、電話、テレビなどを活用しております。
〇竹村委員 耳慣れない言葉かもしれませんが、Lアラートによれば、多様で身近なメディアを通じ、いつでもどこでも確実、迅速に情報入手が可能、災害緊急情報のリアルタイムな受信が可能とありますが、災害発生時に区が視聴するとされるテレビ視聴と比較し、Lアラートの優れた点について区の御認識を伺います。
〇山田防災担当課長 Lアラートは、区民向けに避難情報や避難所開設情報などをテレビのデータ放送を通じて発信しているものでございます。広範囲の情報を包括的に放映するテレビ報道と異なり、情報を収集したい自治体を指定することで、中野区に特化した情報を迅速に確認するなどの利点があると認識しております。
〇竹村委員 はい、よく分かりました。ありがとうございます。
特に、地域での災害発生時の一次情報は基礎自治体、つまり我が中野区が発信源でもあり、情報、災害情報共有システム、Lアラートの活用など、国及び地域の防災情報発信、伝達は迅速に、極力人手を介さずに行われているというシステムが改めて確認できました。
一例ではありますけれども、豊かな資源を持つ日本国土の特徴でもある河川氾濫について、河川監視カメラによる氾濫情報は、皆さんがお持ちのスマホなど、携帯情報端末でどこにいても確認できるよう整備され、防災の観点から非常に有効と考えます。
さて、次に情報収集、すなわちNHK視聴、個々の実態を確認しますが区本庁舎のNHK受信契約件数43件、受信機の設置台数も、過去の一般質問により43台とお答えいただいていますが、主な設置部署と設置台数を伺います。
〇高田施設課長 区役所本庁舎内で設置台数が多い部署は、区議会議会棟が14台、施設課が4台、防災センターが3台となっております。
〇竹村委員 NHK、またはテレビの視聴の目的は、主に災害発生時の情報収集ということでしたが、区議会事務局の部分に関しましては、立法機関であるところの区議会事務局に設置してあるものは除き、本庁舎、部署の視聴実態の内容、いつの災害発生時に何時間程度視聴したか、NHK視聴の実態を伺います。
〇高田施設課長 主に区議会の会議や、台風等の災害情報などを視聴していますが、各部署のテレビ視聴内容、時間等の実績については把握しておりません。
〇竹村委員 確かにテレビの、どれだけ見ているかっていう視聴実態の記録は難しいと思います。そもそもNHKの受信料は、テレビなど受信設備の設置のみで契約の必要が生じます。
一方で、使わないものから発生する費用負担は、歳出削減対象と考えますが、NHK視聴の実態、テレビ視聴の実態、どの部署で何を視聴したのか、必要として視聴した、NHKや民放を見た実績、要は現場でテレビを見た、その様子を、具体的な事例を伺います。
〇高田施設課長 各部署の活用実績は把握しておりませんが、災害時の情報の収集など、円滑に業務を行うためには必要不可欠であると考えております。
〇竹村委員 大変厳しい言い方で恐縮なんですが、利用時間は分からない、利用の実態は詳細に説明されないのであれば、必要か否かの判断ができないものと言わざるを得ないと思うんです。邪推するわけではありませんが、まさか区庁舎内でのテレビの視聴の実態が、個々人がプライベートな理由で、自宅でテレビを流し見、すなわち集中してテレビを見るのではなくて、つけっ放しにして、災害情報が報じられたときだけ、そのときだけ「あっ」と見るような、そういうことはないと思うんですけれども、各部署のテレビは主にどなたが視聴するのか、伺います。
〇高田施設課長 台風等の災害情報など、各所管の多くの職員が必要に応じて視聴しております。一刻を争う情報の把握を行わなければならないため、テレビや必要不可欠な情報を共有するための機材であると考えております。
〇竹村委員 率直に申し上げて、答弁を聞く限りでは、ラジオの視聴で十分ではないかと思えるんです。個人のテレビ、NHKの視聴と異なって、受信設備の設置で生ずる契約、それによって区が負担する受信料は、言うまでもなく区民、国民の税金です。その使途は明確でなければならないと思うんです。その受信料を区が負担してまで視聴する、その実態が不明瞭、かつ得ようとする災害、防災情報の、その一次情報そのものは、先ほど御答弁いただいたように、例えば天候であれば、気象庁などのホームページで最新の情報が確認できます。テレビの情報は、NHKも含め、一次情報発信元から情報を得て、編集して報道します。であるなら、基礎自治体である我が中野区の情報収集と変わらないんじゃないんでしょうか。つまりNHKと中野区は同様の情報を得ることができる状況にあるということです。変わるのは、暴風雨や冠水などの現地被災状況が映像として見られる程度だと考えます。しかもその情報、その映像は編集による人の手を介した情報です。そんなような人の手を介した、言わば選別された情報、映像を業務上視聴する必要があるのか。業務中の視聴が区行政、防災活動にどの程度有効なのか、区のお考えを伺います。
〇高田施設課長 映像による視認は情報量が圧倒的に多いため、情報共有には有効だと考えております。
〇竹村委員 本庁舎内のテレビの視聴の視聴時間は、先ほどの回答により、統計に残していないということでしたけれども、その視聴実態であるならば、ホームページなど、各省庁が発信するインターネットの情報で、ほかの方法で情報収集が可能な時代です、今。テレビを視聴する必要はないと思うんです。テレビ以外の方法、代替手段への移行に対して、ほかの手段で情報を収集することに対しての問題点、または懸念することは何かありますか、伺います。
〇高田施設課長 インターネットでの情報収集は、信頼性に欠けることや、情報の収集にタイムラグが生じるなど、課題が多いと考えております。
〇竹村委員 映像による情報収集は、河川カメラや防犯カメラの普及などからも分かるように、情報把握においては一部秀でていることは確かです。加えて、各省庁のホームページや、自治体の発信、防災目的の一例ではありますけれども、河川監視システムの拡充など、中野区が入手、利用可能な一次情報は極めて豊富な現在です。
一方で、受信設備の設置のみで義務となる契約に基づいて発生するNHK受信料は、映像情報の入手手段が多様な現在、NHK、すなわちテレビのみが映像情報の入手手段とは思えません。区の受信料負担が最適とは到底考えられないんです。
国が推進する情報通信技術、ICT環境が拡充する我が中野区においても、これら情報の利活用は、これからの区行政に求められるものであって、必要かつ迅速な情報収集、発信が可能な環境はもうすぐそこまで来てます。それは皆さんが整えてくださっているものです。
情報収集のためのテレビ視聴、テレビを見ること、テレビ映像での災害情報視聴が、それほど必要であるならば、民放のネット同時配信が実は今年10月から全国ネットの某局で開始される予定となっています。
それから、ネットのテレビ視聴に関しては、現在TVerという、在京民放キー局5局が中心となって運営するテレビ番組の広告つき無料配信サービスなどにより視聴が可能です。これらの情報収集により、やっぱりテレビは要らないと思うんですけども、区の見解を伺います。
〇高田施設課長 現在のところ、ネット配信の信頼性や即時性が不足しているため、代替手段とは考えておりません。
〇竹村委員 私の質疑は、テレビをなくすイコールNHKの受信契約不要という結論ありきでやっているんではないと思っています。事実の積み上げによって導き出された結果、理論構成に基づき、テレビは要らないんじゃないかっていうものにたどり着いたと思ってます。そして、その裏付けの一端は、さきの一般質問でも資料としましたけれども、総務省公表の情報通信白書や民間企業の研究機関などによって明らかとなった、現代社会における情報との関わり合い、情報ツール利用実態という事実などによるものであります。
通信と放送の融合などといった言葉が、総務省研究会の資料でも散見されるようになっています、今。新しい時代に向けた危機管理、情報との接し方が必要と考えます。現在の技術、国が進める情報通信技術、ICT政策などから、ネット環境はさらに充実していきますけれども、この条件下で、年間ほとんど視聴せず、情報収集の手段としても有用性に疑問が残るテレビ設置、それに伴うNHK受信契約について、今後の対応など、見解を伺います。
〇高田施設課長 テレビ視聴による情報収集は、国や他の自治体においても用いておる手法でございます。安定性、即時性からいっても有効な方法と考えているため、現在のところテレビの設置を廃止する考えはございません。
〇竹村委員 明解な答弁を求めることは難しいことかもしれませんけれども、受信料の原資は、区民、国民の税金です。その税金が有用に区民サービスに還元されない状況は、やっぱり見逃せないんです。高額の受信料を払ってまでテレビを設置する必要性を感じませんが、見解を伺います。
〇高田施設課長 テレビ視聴による情報の収集は、迅速な対応を図るためにも必要な手段であり、現在のところ業務を遂行する上で必要不可欠であると考えております。
〇竹村委員 詳細にありがとうございました。情報収集の手段をネットの利用を述べてきましたけれども、中野区はほかに、地域ケーブルテレビサービスのジェイコムの利用もあります。ジェイコム中野は、その経緯から中野区との関わりもとても深いと存じております。通信とケーブルテレビの活用を同時に行うための機器や各種整備、受信設備であるテレビではなくて、受信専用、映像専用のモニター、ネット環境など様々な確認事項に関してはほかの機会に質疑を譲ることとしたいと思います。
では、その他に入りまして、その他の1、転出者情報をNHKに提出した事案についてお伺いをします。
私のところに、区民からの苦情で、引っ越してもすぐにNHK訪問員がやってくる、自治体が転居情報をNHKに提供しているのではないか、本人の同意なく転出情報をNHKへ提供することは、何らかの法律に触れるのではないかという問合せがあります。中野区においてそのような事実はありますか。また、法的に問題とならないのか、区の見解について伺います。
〇伊藤戸籍住民課長 お答えします。住民基本台帳法第12条の3、第1項に基づきまして、過去にNHKから住民票の写しを請求されて交付した事案がございました。
〇竹村委員 この決算特別委員会の対象年度である令和元年度、それからその前年度の実績はどうでしょうか。
〇伊藤戸籍住民課長 今年度、昨年度については、NHKからの請求はございません。
〇竹村委員 これ、NHKの訪問員というのは、今は委託、要はNHK職員ではない、全く関係ない企業の皆さんと契約をして、皆さんの御自宅に回っているのが実情です。
一方で、自治体に回ってくるNHKの関係者の方は、本社職員が法律に基づいてお伺いしていると認識しておるんですけれども、そのときに、NHK職員の者が転出者情報を求めてきた場合に、身分確認などはどのようになさっておりますか。ちょっとこれ、細かく通告していないんで、分かる範囲で結構です。
〇伊藤戸籍住民課長 実際、窓口に来るケースがあれば、もちろん本人確認を取らせていただくというところと、それと、郵送申請が基本的に多いというところでございます。
〇竹村委員 重ねて大変恐縮なんですが、郵送申請というのは、NHKのほうから書類が送られてきて、それを所管が確認して、そのうちに書面でもって情報を提出するということで、その解釈でよろしいですか。
〇伊藤戸籍住民課長 はい、書面で確認いたします。
〇竹村委員 詳細にありがとうございます。法律に基づいて、その情報がNHKのほうに提供されているということが確認できました。しかし、これ、苦情は私のところ、それから党の開設しているコールセンターにも同じようなものが寄せられております。それから、細かい実績は、相談元といいましょうか、例えば消費生活センターなどから、その細かい文言だけの情報を得るというのはなかなか難しいことらしいのですけれども、そういう苦情がないように、これから建設的な提案が区のほうにできるように、私もいろいろな知恵を出したいと思いますので、できれば御協力のほどお願いしたいと思います。
NHKのことに関していろいろ聞いてきましたけれども、受信料に関しては、利用状況を把握して、ぜひ必要性を精査していただきたいです。区役所新庁舎に向けた情報の発信、集約に関わる環境整備などの課題は山積していると思います。新たな時代にふさわしい環境整備、情報通信技術、ICT環境の拡充を期待して、かつ要望して、質疑を終了したいと思います。
その他の2番の項目は、またの機会に譲りたいと思います。
御清聴、また真摯な御対応、ありがとうございました。
○山本委員長 以上で竹村あきひろ委員の質疑を終了します。
次に、立石りお委員、質疑をどうぞ。
〇立石委員 令和2年決算特別委員会において総括質疑をいたします。
ウィズコロナにおける区政運営、(1)財政運営についてです。
9月1日の総務委員会で、令和3年度予算編成方針について報告されました。その中で、別紙扱いの参考資料ですが、財務フレームのような推計が示されました。それによると、財政調整基金は令和5年、義務教育整備基金は令和8年に枯渇するという見通しです。令和3年の予算編成の経常経費と新規拡充事業を687億円に収めて、基金の繰入れを行わないという方針と、令和5年に財政調整基金が尽きるという計算には矛盾があるように感じます。しかし、基準となる一般財源規模を予算編成前に公開している点や、今年度も含め、税収の見通しが困難な状態ですから、仕方がない点もあると思います。
一般財源92億円減収という数値に関してですが、様々な委員が質疑をされております。この数値は上振れ、または下振れするか、令和3年度の決算が締まらないと分かりません。リーマンショックとの対比が参考値として用いられていますが、金融危機を発端とした不況と感染症を発端とする不況で原因が異なるため、令和元年並みの歳入に戻るまで何年かかるか、予想が困難な点があります。
都内では飲食店の時短営業要請が解除されたこともあり、新型コロナウイルスがピークを越えた感がありますが、一方で、9月13日にWHOの集計によると、新型コロナウイルスの1日当たりの新規感染者数は過去最多となる30万7,930人を記録するなど、予断を許さない状況です。先の見通しが不透明な状態ですから、今回の慎重な予算編成方針を支持したいと思います。その上で、歳入見通しを立てる際に必要と思うことを質疑いたします。
令和3年度都区財政調整普通交付金は48億円減見込みということですが、当初予算額が分かるのはいつ頃になりますか。
〇森財政課長 都区財政調整普通交付金、特別区の交付金のフレームの提示でございますが、例年12月末頃に特別区長会を通じまして、情報提供を受けているというところでございます。
〇立石委員 予算編成前に分かるということだと思いますが、令和3年度特別区民税については26億円減と見込まれており、5月の勤労統計調査の前年比を踏まえて算定されております。ただ、業種によって、5月以降、6月、7月のほうが落ち込んでいる業種もあります。ただ、全体で見れば、5月から6月、7月ですね、合計すれば回復しているということで、単純に5月の勤労統計調査、前年比で特別区民税を算定するのは実態とかけ離れると危惧しています。5月以降も勤労統計調査結果など指標を定点観測し、最新データを参考に税収見込みを算出すべきと考えますが、いかがでしょうか。
〇矢島税務課長 今回の税収見込みは、令和2年5月分と、令和元年5月分の数値を基に算出を行ったものでございます。今後、令和3年度予算編成のスケジュールに合わせ、再度税収見込みを算出する場合には、その時点での最新データを参考にするとともに、新型コロナウイルス感染症の影響などを踏まえて税収を見込んでまいりたいと考えております。
〇立石委員 定点観測をお願いします。その上で、特別区民税については、12月の確定申告のタイミングで所得が決まってくると思います。予算編成前に把握するのは困難ですが、勤労統計調査、2か月のタイムラグがあるので、事前に察知しようとしても10月までの推計までしか、数値までしか参考にできないと思うんですが、課税対象者数ですとか、収納率ですね、徴収率、そういったものも定点観測するようお願いいたします。
続いて、令和3年度の予算は1月下旬に作成をされます。景気の動向が不安定な状況で歳入の見積り精度を上げるのは困難ですが、特別区民税の推計については、緊急事態宣言下の数値を参考にしている点、実際にはもう少し回復してくると思いますが、一般財源の歳入総額は687億円で組むのでしょうか。
〇森財政課長 基準となる一般財源規模については、今委員お話あったように、基準額を687億円と定めて、予算編成を行っていくところでございますが、実際に提案いたします令和3年度予算における一般財源の歳入総額につきましては、特別区民税や特別交付金、地方消費税交付金など、来年1月までに把握した情報を基に御提案するということでございまして、必ずしも687億円になるとは限らないと考えているところでございます。
〇立石委員 経済動向などを踏まえ、実態に合わせて精緻な見積りを行っていくということだと思います。
ただ、地方消費税交付金などは毎年6月、9月、12月、3月に交付をされます。予算編成直前の12月に交付される額は、4月から6月の決算を迎えた企業の納税額を精算した額になりますの、精緻な推計を出すために、7月から12月の消費者物価動向指数なども参考にできると思います。見積りに当たって工夫をお願いできればと思います。
続いて、令和3年度以降の財政フレームは、経済財政諮問会議の推計を反映しており、令和3年度の成長率は前年比3.4%になっています。しかし、この推計は、IMFが2019年10月に出した世界経済の見通しなどを基に作成しています。海外貿易収支やオリンピックの開催の可否によって状況は変わりますし、GDP速報値の4月、6月期の落ち込みも考慮されておりません。経済諮問会議の推計は1月に更新されます。その際には財政フレームへの反映をお願いいたします。
令和4年以降の事業計画を作成する際には、経済財政諮問会議の推計値が妥当なのか、その他経済指標も定点観測してください。その上で重要な指標は、常任委員会で報告する際に添付資料として添付すること、参考資料として添付することを要望いたします。
基準となる一般財源規模が687億円で、内訳として、経常経費656億円、新規拡充事業が31億円となります。令和4年以降、一般財源充当の新規拡充事業の実施について、基金の残高に応じて時期を判断することになります。基金残高や歳入、経済の見通しなど、状況に応じて進める事業の優先順位やシナリオを作成する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
〇森財政課長 新しい基本計画の検討を進める中で、様々なデータを活用しながら、一般財源の推計につきましても、複数の案を比較検討するとともに、事業の優先順位を行いまして、必要な事業に選択と集中を図り、持続可能な行財政運営につなげていきたいと考えております。
〇立石委員 シナリオの作成については、予算特別委員会においても私は質疑をさせていただきましたので、その際の議論も参考にしていただければと思います。
また、三菱総合研究所の内外経済見通しでは、コロナウイルスの感染状況に応じて三つのシナリオを提示しています。感染拡大をした場合、現状維持の場合、ワクチンが開発されて終息した場合に備えて、GDPの伸び率を試算しています。コロナウイルスの感染拡大と経済は連動しますので、こういったシナリオもぜひ参考にしてください。
1月に基本計画案が出てくるタイミングで、予算編成の一般財源の見積りが財政フレームに反映されることになります。財政フレームは基本計画の策定スケジュールに合わせて、令和3年1月に素案、6月に案が出てくる予定です。令和3年の6月の時点で、令和2年決算の速報値によって決算剰余金が明らかになり、当初課税の算定で令和3年度の特別区民税の見通しが立つようになります。財政見通しが明らかになるタイミングに合わせて、このようなスケジュールを組まれているのだと思います。
ただ、今後も景気の見通しは不透明なので、施設整備に関しては、配置の在り方や具体的な場所と優先順位を定めて、整備時期については、年度ではなくステップで示すなどの工夫が必要だと考えます。令和3年度の予算編成、その先の基本計画の策定に当たって、財政状況の見通しが立たない中、区民の暮らしを守っていくためにどのように取り組んでいくのか、区長の覚悟をお伺いいたします。
〇酒井区長 厳しい財政状況の中でも、必要な区民サービスに対しては財源を投入し、推進していく必要があると考えております。この厳しい財政状況を乗り越え、新しい区政を展開するために行財政の構造改革を進め、基本計画を作成していく所存でございます。
〇立石委員 御答弁ありがとうございます。見通しが立てづらいこの状況ですから、先ほどのお話に出てきた経済指標等も参考にして、複数シナリオをつくりながら、時には柔軟な対応、決断もしていただければと思います。
続いて、行政評価についての質問です。昨年の決算総括質疑において、行政評価の仕組みを見直すことを指摘させていただきました。項目としては、予算額やアウトプットの数値は、数値が見やすく改善されていると思います。
基本計画の作成が遅れていることから、政策、施策及び目標の体系と指標の設定ができておらず、完成とは言えない状況です。行政評価は、事業予算や活動量を見える化することで議会での議論を活発にする効果があります。しかし、今年度は、大幅に評価対象の事業を減らしております。コロナウイルスの影響で緊急対応などにリソースが割かれたことなど、一定仕方のないことだとも思います。
しかしながら、昨年の質疑の際、行政評価は時間がかかるという課題を指摘した際に、評価の対象とする事業の優先順位、事業の特性による指標の設定、事業の性格による評価基準の設定などを検討する、これ自体が効率化につながると御答弁いただいております。その際に私から、内部管理事務、法定受託事務、区独自の事業、中長期的な取組、その他などで事業を分類した上で評価指標を変えたり、入力項目を減らす提案をしました。令和元年度の行政評価を見ると、その他が一つ、中長期的な取組が一つ、ほかは区独自の事業となっており、内部管理事務、法定受託事務に関してはゼロです。これら二つについては改善できる幅が少ないということで、評価対象から見送るのでしょうか。
〇藤永業務改善課長 内部管理事務、法定受託事務に関しましても、有効性や効率性を主眼に評価を行うことは有効でございまして、事務執行方法や、区民の利便性などの改善につながるものと考えてございます。
今回は絞り込んだ形での行政評価を実施しましたが、次年度以降は評価対象事業として検討していきたいと考えてございます。
〇立石委員 今回、対象数自体を減らしているということで、あふれてしまったということだと思います。個人的には、内部管理事務に関しては、デジタルシフトなどにより効率化できる余地があると思っておりまして、その際に、既存の人件費などよりシステム導入費、保守費が安いかを見極める必要があります。その判断材料を提供するのが行政評価だと私は思っております。来年度以降の取組についてはどのように考えていますか。
〇藤永業務改善課長 令和3年度以降の行政評価対象事業につきましては、各部が選定する事業と、企画部が選定する事業を考えてございます。企画部としましては、区議会での質疑、予算編成過程などの議論を踏まえて、各部から一つから二つの事業を選定することとしておりまして、システム導入により効率化を図るなどの内部管理事務についても、選定の視点として検討していきたいと考えてございます。
〇立石委員 ありがとうございます。行政評価に関しては、時間がかかるとも言われておりますが、区民の血税を基に事業を行っているわけですから、説明責任を果たしていく必要があると思っています。民間では、四半期に一度事業を振り返ることも、当たり前に行っております。普段から意識していれば、行政評価の時間自体も圧縮できると私は考えておりますので、ぜひ工夫をお願いいたします。
続きまして、主要施策の成果、83ページ、海での体験事業についてです。令和元年度は、参加対象を4年生まで拡大したことにより、参加人数が増えて、1人当たりのコストが低下しているなど、改善が見られます。この事業費の多くは人件費ですが、児童の安全を守るために必要経費と言えるため、安易な削減は危険です。しかし、一般財源で4,000万円かかっている事業で、1名当たりの単価が8万4,000円となっており、参加費も徴収している状況ですから、事業経費の精査は今後の課題とも言えます。
行政評価の内容を見ると、定員増加に伴い経費が増えているとあります。児童5人に対して指導員が1名ついているということですが、指導員の人件費は定員数ではなく、参加人数に対して支払われているという認識で間違いないでしょうか。
〇板垣学校教育課長 海の体験事業に要する経費ですが、定員数が参加するということで、実施するために必要な経費として契約し支払っております。定員数が増加すると経費も増加するということになります。経費を定員数でなく参加人数分とできない理由は、実施日ごとに参加人数が増減して、指導員の数が増減してしまうと、委託事業者が指導員を適切に確保できない、こういったことを予想するためでございます。
〇立石委員 事前に人を確保するのが大変ということで、定員数の人数、人件費がかかっているということですね。
1グループ80名で、8クール開催しておりますが、開設数が増えれば、宿やバスの手配など工数が増えて手数料も増えます。7月から8月上旬にかけて、夏期講習やクラブ活動などがあり、5、6年生の参加率が上がらないという指摘が行政評価の中にあります。8クール開催していますが、日程によって参加人数、ばらつきが生じていないのでしょうか。
また、その場合、参加人数の少ない日程をなくして、ほかの日程に寄せるなど、工夫によって効率化は図れないのでしょうか。
〇板垣学校教育課長 海の体験事業の実施に当たりましては、過去の実施クールや参加人数などを参考にして、学校の実施日やクールを組む学校を変えながら、実施クールを決めているところでございます。その上で、事業の実施期間を通した宿舎の確保、実施事業者の指導員の確保、友達同士で参加しやすい環境とするため、学校ごとに実施日を指定して募集をしております。
なお、募集に際しては、より多くの児童に参加してもらうための工夫として、学校ごとに実施クールを指定した最初の募集申込みで定員に余裕があるクールにつきましては、再度学校ごとの指定クールを解除した上で、希望するクールへの申込みを受け付けているところでございます。最終的な参加申込み人数によって、参加の少ないクールを取りやめ、ほかのクールに変更させることは、参加者世帯の予定もありまして、難しい状況にあると考えております。
〇立石委員 分かりました。参加者が増えれば、1名当たりのコストが下がりますし、4,000万円と大きな予算がついているわけですから、今後も参加者を増やす工夫をお願いいたします。
昨今では、プラスチックごみによる海洋汚染問題が注目されております。日本財団の海と日本人に関する意識調査結果によると、海へ行きたいという気持ちは、子どもの頃の海体験の有無が関係しております。「また海へ行きたい」と回答したグループは、海の豊かさを守ることを意識する行動として、「浜辺で自分たちが出したごみを持ち帰る」、あるいは「生活排水に配慮している」と回答した比率が、「海へ行きたくない」と回答したグループよりも20%程度優位に出ているとなっております。
さらに、自分の子どもに海体験が提供できない親の理由としては、「海まで時間がかかる」、「忙しくて休みが取れない」という理由が多いことから、保護者に代わって海体験を提供する本事業には意義があると私は考えます。
近年、世界的な海洋危機が叫ばれる中、子どもたちの海体験は、環境教育にも効果的です。しかし、区財政を取り巻く環境が大きく変化していることから、外部のリソースを活用していく必要もあると考えます。日本財団は、子どもたちが海で遊ぶ機会の提供や、環境教育に関する事業の補助をしております。補助率は80%以内で、上限はありません。自治体であっても、実行委員会として開催すれば費用の助成対象となります。実行委員会形式とすることでいろんな人の意見が入るので、深みが出るとも言えます。今年度、当該事業の執行は停止しているわけですが、来年度以降、さらに教育効果と財政効果を高めるべく研さんしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇板垣学校教育課長 海の体験事業は、実施規模が大きいこともあり、財政負担も大きく、1人当たりのコストも高いため、行政評価で改善を要するとの評価でありました。このため、教育効果の向上と効率的な実施について検討しておりますが、その中で日本財団の助成事業についても研究してまいりたいと考えております。
〇立石委員 前向きな御答弁ありがとうございます。ぜひお願いいたします。
ほかにも監視カメラの事業を触れたいと思ったんですが、こちらは分科会で質疑をいたします。
続いて、(3)広報についてです。今定例会の一般質問でも、財政が厳しい中で、予算がなくても外部資源などを活用した工夫が必要と指摘させていただきました。今年度予算に子育て世帯向けの紙媒体「おひるね」の作成経費が計上されていました。しかし、この事業は、執行統制の対象となりました。子育て世帯向けの情報提供に工夫が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
〇高村広聴・広報課長 区の広報において、紙媒体などのデジタルツールを利用しない情報伝達と、デジタルツールを活用した情報発信をどのように組み合わせて提供していくことが効果的で、訴求力が高いかについては、課題だと認識してございます。子育て世帯に対する情報提供については、分かりやすい内容とするとともに、子育て世帯がよく利用するツールで、タイムリーに情報発信するよう工夫してまいりたいと考えてございます。
〇立石委員 今、子育て世代がよく利用するツールで、タイムリーというお話がありましたが、民間のサービスで「Shufoo!」というスーパーのチラシのなど電子データで配信するサービスがあります。こちらは約1,000万人が利用しており、ユーザー層の中心が乳幼児、未就学児を持つ30代、40代の子育て主婦が中心です。通常は有料なんですが、こちら、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、自治体に関しては永年で無料サービスが提供できるようになりましたとあります。現在、区内のサミットで、各店舗に新型コロナウイルス感染症に対する支援策のチラシが置かれていますが、これに加えて「Shufoo!」のサービスなどを利用すべきと考えますが、いかがでしょうか。
〇高村広聴・広報課長 子育て世代への情報発信としては、LINEの公式アカウントを活用する準備を進めているところでございますが、御指摘の「Shufoo!」の利用層が子育て世代であること、また、PDFファイルを運用したり送信するだけで手間がかからず、プッシュ通知などのオプションをつけなければ無料であること、さらにページの閲覧数をレポートで確認できることから、さらに情報収集しながら検討してまいります。
〇立石委員 前向きな御答弁ありがとうございます。当然、無料なので、使えるサービスも絞られますよということだと思いますし、そちらの対応する人件費もかかってくるわけですから、効果も計測していただいて、仮に効果がないとあれば見送っていただいたり、柔軟な対応をお願いいたします。
ただ、「Shufoo!」は、未就学児を持つ主婦層はよく利用しているので、保育園の情報提供なども効果的と考えられます。実際の利用は永年無料ということですが、万が一有料になることなど、状況が変わった場合には速やかに議会への報告を求めます。よろしくお願いします。
最後に、GIGAスクール構想に向けたガバナンス体制についてです。コロナウイルスの感染拡大に伴い、令和5年に予定されていたGIGAスクール構想を令和3年度に前倒しをして、現在中野区としても検討を進めている状況です。
一方で、端末やネットワーク環境などを並行して整備しているため、教育委員会事務局は、機器の調達、学校現場との調整に追われています。GIGAスクール構想では、児童・生徒の個人情報を取り扱う機密性の高い校務系のネットワーク、児童・生徒が学習で利用する学習系ネットワークの構築など、インフラ設計に関する提案事項も多数あります。中野区の情報基盤の在り方について何度か指摘をさせていただきましたが、システムの利便性と安全性を両立するインフラ設計、ガバナンス体制の構築は、GIGAスクール構想へ移行した後に必ず課題となります。
学校教育課に伺います。現在、教育委員会事務局におい、GIGAスクール構想の検討及び端末の調達、学校現場の調整はどのような体制で行っていますか。
〇板垣学校教育課長 GIGAスクール構想に向けて、現在どのような端末を導入するのか、校内ネットワーク環境をどのように整備するのか、検討しております。検討は、小・中学校の校長、副校長及び指導室長等で構成されております教育情報システム委員会において行っております。職員体制としましては、情報システム課に在籍経験のある職員2名を兼務職員として配置したところでございます。
〇立石委員 ありがとうございます。先日、児童・生徒1人1台当たりICT端末を整備する補正予算が議決されましたが、ネットワーク環境の整備に4億5,000万円、さらに端末等リース料で、経常的に多額の費用が一般財源としてこれからかかってきます。端末のセキュリティ対策や値段が妥当かどうか、区長部局のIT専門支援員や情報政策官を入れるなど、チェックするなどして最大限効果を発揮できる体制も構築していただきたいと思っております。
前橋市で、教育ネットワークへの不正アクセスにより児童・生徒の個人情報が流出しました。その際、市はベンダー側を訴えました。しかし、ベンダーは市側に非があるとして反訴しました。前橋市の事例では、ベンダーがセキュリティ対策を講じるべき市側の担当者とマネジメント会議等を開くはずが、市の担当者と連絡がつかず、開催ができない、必要な情報を請求しても反応がないなど、教育委員会事務局の対応が不十分だった点を責められています。
中野区のシステム障害では、ベンダー側の過失が明らかになりましたが、適切な対応ができなければ、区側が逆に訴えられることもあります。
情報システム課に伺います。現状では、暫定的に校務系と学習系のシステムが区長部局のサーバーにありますが、GIGAスクール構想がスタートした場合には、どうなりますか。
〇平田情報システム課長 GIGAスクールがスタートした場合のシステムでございますが、現在も区と学校とではセキュリティポリシーが異なることから、区のネットワークと学校のネットワークは仮想分離をしてございます。帯域は共有しているということもございますので、GIGAスクールの展開によりましては、容量が不足するということも見込まれることでございます。学校用のネットワークを別途整備して、区のネットワークとの物理分離を検討しているところでございます。
〇立石委員 GIGAスクール構想がスタートすると、容量不足ということで移行していくということだと思います。
続いて、学校教育課に伺います。現状の中野区のセキュリティポリシーでは、GIGAスクール構想が進んだ場合、教育委員会事務局がベンダーとのやり取りなど、ガバナンスを担わなくてはならなくなります。教育委員会事務局としてはどのようにガバナンスを取っていくつもりでしょうか。
〇板垣学校教育課長 現在も学校全体に関わる部分についてのベンダーとのやり取りなどは、教育委員会事務局が担っております。また、校務系のネットワークと学習系のネットワークは分離されており、かつ学習系ネットワークは、区の仮想統合サーバーを利用しているため、個人情報保護に関わるセキュリティ対策は取られていると認識しております。
来年度以降、学校全体のネットワーク環境等を再整備することを考えており、情報資産の管理及び適正かつ効率的な運用管理のため、ガバナンス強化は必須であり、そのための体制強化について検討してまいります。
〇立石委員 ありがとうございます。GIGAスクール構想、これからということで、これから検討していく課題だと思うんですが、現状、教育委員会のネットワークは、区のネットワークと違う帯域に入っているということで、ただ、仮想分離されているということでセキュリティ上問題ないだろうということだと思いますが、東京都のセキュリティサーバーの保護下にないということがあったり、運用レベルで言えば、部分的には区長部局以上に脆弱性や不正アクセス対策に敏感にならなくてはならないのかなとも考えております。現状では、教育委員会のCISOは教育長となっておりますが、児童・生徒の個人情報が漏えいしたときに指揮を執れるかがちょっと疑問です。恐らく有事の際には、区長部局の危機管理対策本部が中心となって事態収拾に当たると思うんですけども、普段から連携体制が取れていなければ、初動が遅れることは間違いありません。現状では、教育委員会において、インシデントが発生した場合、危機管理対策会議が立ち上がります。情報連絡体制はあるが、実行部隊やふだんの連絡体制の在り方に課題がありそうです。
教育長に伺います。GIGAスクール構想がスタートするまでに、教育委員会事務局には、規模を小さくても情報システム課のような機能を設置するか、今以上に情報システム課や区長部局との連携強化が必要と考えます。御見解を伺います。
〇入野教育長 GIGAスクール構想を含む教育情報化を推進するための組織や人材につきましては、高い教育についての専門性を有する人材だけでなく、ICTに対する高い専門性を有する人材を最大限に活用することで対応していかなければならない状況でございます。
教育情報化推進に向けましては、教育情報資産の管理運用が適正に、また学校、子どもたちにとって効果的に行われるよう、区長部局とこれからも密に連携を取ってまいります。
〇立石委員 今、区長部局と連携を取っていくという答弁をいただきましたが、ガバナンス体制の在り方について、区長部局のCIOのお考えをお伺いいたします。
〇白土副区長 区長部局のCIO、CISOとしてお答えいたします。
教育委員会を含めた区全体の情報セキュリティポリシーを定めるかどうかにつきましては、教育現場での情報システム機器の使い方が、通常の事務職と異なるという教育現場の特殊性もございまして、長年の課題になってきたところでございます。しかし、GIGAスクール構想を契機に、教育の分野でも、情報システム機器の活用が大幅に進んでいくということが見込まれることから、情報システムを安全に活用していくことが、以前にも増して求められていくものと考えております。このため、教育現場の特殊性も踏まえた上で、区全体として基本方針を定め、統一的な運用を図っていくことが大切であると考えております。そのような方向で今後検討してまいります。
情報システムを運用するのは、言うまでもなく人であり、情報セキュリティを確保していくためには、情報システムを活用する上で重要な部署にICTの専門知識を持った職員を配置していくことが必要であるというふうに考えてございます。
今後は、長期的視点に立ったICT人材の育成や情報システム課との兼務体制など、ICT人材の全庁的なマネジメントを図るとともに、様々な形で外部人材の活用などについても検討してまいりたいと考えております。
〇立石委員 ありがとうございます。基本方針を定めて、教育委員会とも連携を深めていくと。人員については、これからやっぱり育てていかないとということでローテーションをしたりとか、民間人材も活用していきますということだと思います。今、やはりどの部署も人が足りないと言われている状況の中ですから、すぐに課のような機能を設置するというのは難しいと思うんですが、中長期的な目線で、そちらも検討していただければと思います。
GIGAスクール構想について、やっぱり授業の中身が肝になってくるわけですが、児童・生徒が安心して便利に学習できる環境を整えるのは大前提だというふうに考えております。教育長と副区長から力強い御答弁頂きました。これからも連携強化を図って、対策に当たっていただければと思います。
ただいまをもちまして、私の全ての質疑を終了いたします。
御清聴ありがとうございました。
○山本委員長 以上で立石りお委員の質疑を終了します。
ここで休憩にしたいと思います。15時15分まで委員会を休憩します。
午後2時55分休憩
午後3時15分開議
○山本委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。
吉田康一郎委員、質疑をどうぞ。
〇吉田委員 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会、無所属の吉田康一郎です。本日、最後の発言者であります。よろしくお願いいたします。
まず、私からも、打ち続く自然災害、そして武漢ウイルス、あるいは新型コロナにより亡くなられた方に謹んでお悔やみを申し上げ、また、被害を受け苦しまれている方々にお見舞いを申し上げ、また社会の機能を維持するため、今も最前線に立つエッセンシャルワーカーの方々、区役所の職員の皆さんも含みますが、感謝を申し上げます。また、区民のために活動するこの中野区議会における各議員の皆様の真摯な御議論にも感銘を受けつつ、なるべく重複を避けて質疑をしてまいります。
まず、PCR検査とその情報公開について伺います。先日の一般質問で、私の要領が悪く、時間切れで御答弁を頂けなかった項目がありましたので、決算に関わることでもありますので、改めてお聞きをいたします。
読売新聞から、各自治体のPCR検査陽性率について取材があった際に、区は公表していないと回答したとの答弁がありました。しかし、中野区のホームページでは、区民の感染者数、区内医療機関から届け出られた週ごとの感染者数、中野区PCR検査センターで実施した検査数、陽性者数を公表しており、センターの検査における陽性率は算出が可能です。この陽性率はグラフで示されており、陽性者の年代分布も示しています。
今回、資料要求をしたところ、この陽性率を数値で御報告を頂いたところであります。区民に対しても同様に、グラフだけではなく、グラフの元の数字も公表してよいものと考えますが、見解を伺います。
〇只野保健予防課長 令和2年8月26日から、区はPCR検査における週ごとの検査数などを公表しているところでございます。御指摘の陽性率については、令和2年9月16日から公表しているグラフの中に表示しているところでございます。
〇吉田委員 今、質問申し上げたんですけども、グラフで示しているんですけれども、このグラフの棒のところですね、自分で、8%ぐらいかなとか見なきゃいけない。でも、数値を見ると、割り算をすれば、具体的な数字が出るわけで、また区議会にも示していただいているので、これもうぜひ透明で公開性、分かりやすくということで示していただくべきではないかなと思います。
そして、東京都が公表している新型コロナウイルスモニタリング調査で、検査の陽性率は、8月31日現在4%、中野区PCRセンターにおける検査数、これを陽性者数から割り算して計算すると中野区における陽性率は東京都全体より高いと思われます。この理由について伺います。
〇只野保健予防課長 中野区PCR検査センターにおける陽性率が東京都全体よりも高いのは、濃厚接触者の検査が含まれる一方で、区内医療機関で保険や自費で実施されたPCR検査数が含まれないためでございます。このため、陽性率は高めに出る傾向がございます。
〇吉田委員 よく分かりました。そういうことであれば、区内の医療機関で実施したPCR検査数を含めて、検査数、陽性者数、陽性率を公表して、区民に分かりやすく公表していくことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
〇只野保健予防課長 保険診療でPCR検査を実施する医療機関は、検査状況などを東京都へ報告するよう、東京都と契約を結んでおります。このため、東京都は医療機関で実施したPCR検査数を把握していますが、区への還元がないため、区内医療機関で実施したPCR検査数の全ては把握できない状況でございます。
なお、都知事と区長の意見交換の中で、市区町村ごとのデータの還元を行うよう要請することとしております。
〇吉田委員 これ、ぜひ都が持っている、区から吸い上げたデータ、ちゃんと区に還元してもらうように、私からもぜひ要望してくださいとお願いをいたします。ありがとうございます。
次に、深刻な影響を受けている業種の事業者への支援について伺います。
区内の飲食店等の業種が武漢ウイルス感染症により深刻な影響を受けている詳細については、繰り返しません。せんだって、中野区商店街連合会から強い要望が寄せられたプレミアム付商品券について、複数の議員の質問に対し、前向きな答弁を頂いており、私も区商連加盟の1商店会長として心強く受け止めております。
コロナの影響で、多くの商店街イベントが中止となるなど、当中野区において、チャレンジ戦略支援事業における相当額の残額が見込まれていると思います。毎年度、減額補正なども行っていると思いますが、補正後の金額でよろしいので、昨年のチャレンジ戦略支援事業補助費の不用額、それから今年度の分のおおよその残額について伺います。
〇堀越産業観光課長 令和元年度の商店街チャレンジ戦略支援事業費補助金の不用額は806万5,000円でございました。令和2年度の8月時点での残額につきましては、区の一般財源部分自体は1,300万円程度で、未申請部分もありますものの、歳出予算の全体としていたしましては3,100万円程度が残額となっているところでございます。
〇吉田委員 ありがとうございます。今の緊急時において、地域商業の活性化のための予算でありましたこのチャレンジ戦略の補助金を実質的に主な財源として、プレミアム付商品券事業など、商店街、特に飲食店等、深刻な影響を受けている業種を支援する事業をぜひしていただきたいと思います。改めて見解を伺います。
〇堀越産業観光課長 新型コロナウイルス感染症対策としてのプレミアム付商品券事業につきましては、他区での実施状況や効果などを注視しながら、中野区商店街連合会からの要望もありますことから、その実施について検討を行っているところでございます。
その際、飲食業への支援策といたしましても、有効な事業となりますよう、また財源等についても十分調整を図りつつ、検討を進めてまいりたいと思ってございます。
〇吉田委員 ありがとうございます。ぜひお願いいたします。
次に、育児支援政策について伺います。
私、学生の頃に、我が国の出生率が低いことを知り、それが国と社会そのものの存立に関わる最重要な問題であることを学んで以来、一貫して子育て支援の必要性を訴えてまいりました。この区議会に議席を頂くに当たっても、そして頂いてからも、区長も最重要政策の一つと掲げられている子育て先進区の実現に向けて、フランスやイギリス、スウェーデンといった先進諸国を見習って、育児支援政策にもっと予算を投じていくべきことを訴えてまいりました。特に現金給付、いわゆる児童手当、子ども手当等による支援が他国に比べて著しく少ない現状です。
この点について、先般、区から示された新型コロナウイルス感染症に係る医療・生活・経済支援対策事業の今後の取組において検討中の主な対策事業として、新生児特別定額給付金や児童育成手当受給者臨時特別給付金という独自の現金給付による支援策が示されたことを評価いたしております。
しかし、何をどこまでやれば十分であるのか、必要な成果を上げたと言えるのか、そのための判断には、この成果を正確に把握するための客観的な指標が必要です。国が希望出生率1.8の実現を掲げ、様々な少子化対策に取り組んでいます。我が区では、平成28年度に策定した現行計画10か年計画や、まち・ひと・しごと創生総合戦略の中で、合計特殊出生率について、令和2年度に1.12、令和7年度に1.26を達成することを目標値として掲げています。
これ、非常に消極的で不十分な目標だと思いますが、ともあれ現在策定に向けて検討を進めている新しい基本計画や総合戦略においても現行計画と同じく、しかも、子育て先進区を訴えるにふさわしい合計特殊出生率の目標値を掲げていくべきと考えます。区の見解を伺います。
〇永見基本構想担当課長 少子高齢化が進展をする中で、今後も地域の活力を維持していくためには、多くの子どもたちが中野で生まれ、また育っていくことが大切であり、そのために子育て世帯が暮らしやすい環境づくりが必要であると考えてございます。都市としての中野区の特性も踏まえながら、その状態を測るために適した指標について、現在検討を進めているところでございます。
〇吉田委員 合計特殊出生率、もう基本の基本の数字ですので、ぜひこれを掲げていただくようにお願いをします。ありがとうございました。
次に、公園政策について伺います。
改めて、公園緑地は市街地の活力、ゆとりを与えるにぎわいと潤いの場であるとともに、東京のような都市生活の場では、都市のヒートアイランド現象の緩和、雨水の浸透、貯留による都市型水害の緩和、震災時の避難場所、生物種多様性の保全や自然による憩いと癒やしの場の提供など、区民の良質な生活空間の形成に向けて欠くことのできない施設であり、都市のインフラとして非常に重要であります。近年、近隣区でも、豊島区の南池袋公園や渋谷区の新宮下公園など、民間開発や民間活力を使った魅力と特色ある公園整備がなされています。
中野区の課題は、区民生活に必要な憩いと安全を提供する公園の面積が非常に少ないことです。区では、様々な公園整備を進めてきましたが、昨年度の公園整備は何か所で、どのくらいの面積の公園が増えたか、伺います。また、区の人口も増えていますが、これによって1人当たりの公園面積はどのように変化しているか、伺います。
〇林公園緑地課長 公園数は1か所増え、187公園となったところでございます。公園の面積につきましては、1万571平米増加し、46万7,054平米となったところでございます。区の人口は3,467人増加しているところであり、区民1人当たりの公園面積は0.02平米増加し、1.39平米となったところでございます。
〇吉田委員 区民1人当たりの公園面積は、昨年、23区で22位と答弁頂きましたが、昨今の、最近の公園整備によって現在中野区は何番目になったのか、伺います。
〇林公園緑地課長 区民1人当たりの公園面積の23区内の順位につきましては、昨年度と比較して23区中22番目というところで、変わらないところでございます。
〇吉田委員 努力はしているけれどもということですね。
中野区には、国立公園も都立公園もありません。このため、最近弥生町六丁目、南台二丁目、本町三丁目、本町二丁目など、区としては比較的広い公園が整備されましたが、これらを足しても、23区内の順位は変わらない。区の公園面積やみどり率をさらに増やす抜本的な施策が必要と考えます。
昨年1月に策定されたみどりの基本計画では、民間施設等の緑地や緑化も積極的に推進していくことが示されました。まず、既に区内で都市計画決定され、まだ実現していない、あるいは白鷺せせらぎ公園のような、老朽化した都営団地や東京都住宅供給公社等の大規模団地の建て替えの際などに、公共的な空間やオープンスペースなどを設置するとか、あるいは中野駅周辺など、民間再開発事業に伴う公共の利用に供する公開空地、広場等を積極的に増やしていく必要がまずあります。
都や民間事業、関係機関の協力や誘導を行い、公園や緑地広場等を積極的に増やしていくべきであり、より前向きな施策を展開すべきと考えますが、いかがでしょうか。
〇林公園緑地課長 みどりの基本計画に示されますように、公園以外にも、緑地となるオープンスペースや広場等の設置に向け、民間事業者による再開発事業や大規模団地の建て替え等の機会に合わせ、都、民間事業者、関係機関などに協力を求めてまいりたいと考えているところでございます。
〇吉田委員 そのような施策とともに、私は中野区全体の骨格として、神田川、妙正寺川沿いの遊歩道など、みどりの環境軸の形成を活用した公園緑地の整備等を積極的に進めるべきと考えます。
最近発行のハザードマップでは、河川沿いに浸水危険地域が示されています。過去の様々な水害の教訓を真摯に受け止め、こうした場所に住む人々を安全な高台等に移転誘導し、水害の危険性の高い河川流域を居住地から浸水機能と貯水機能を併せ持つ公園区域にしていくという発想、構想が必要と考え、強く要望したいと思います。
これまで区長には、今後も新たな大規模公園の整備に当たっては、引き続き国や都と連携しながら進めていきたいと考えております、このような答弁を頂いております。今回の決算において、なかなか進まない現状をお聞かせいただきましたが、積極的な公園整備をお願いしたいと思います。ありがとうございました。
次に、道路政策について伺います。中野区道路のバリアフリー化についてです。
昨年の第3回定例会で、商店街のにぎわいとバリアフリー化について、道路の整備が重要な課題であり、もっと道路に投資すべきだと指摘をさせていただきました。本年の一般質問でも取り上げましたが、道路は基本的に屋外にあり、今、コロナ禍を契機として、歩行者にとって過密の回避、ゆとりある空間へのニーズが高まると考えられます。商店街のにぎわい、活力を創出するような、また高齢者、子ども、障害者の全ての人に優しい、そして三密を避ける道路は重要なインフラであります。
区はこれまで新井薬師柳通りなどを整備してこられましたが、今年度は宝泉寺の前の通りを予定しているということをお聞きしました。宝泉寺の前から青梅街道までの延長と完成はいつか、お伺いをいたします。
〇井上道路課長 宝泉寺前の区道のバリアフリー化についてですが、宝泉寺前の区道23-560号線のバリアフリー化の工事の延長ですが、約80メートルでございます。完成につきましては、令和2年度末の完成見込みでございます。
〇吉田委員 ありがとうございます。これ、歩道の広さはどれぐらいか、今回の整備で広がるのか、また歩道はどういった仕様で整備するのか、伺います。
〇井上道路課長 現況の歩道につきましては、約2.5メートルから3メートルの幅員があることから、拡幅は行いませんが、有効幅員につきましては、植樹ますがあるところでも2メートルを確保するように整備いたします。歩道部分につきましては。透水性インターロッキングブロック舗装で整備をいたします。
〇吉田委員 限られた環境の中で積極的にやっていただいているというふうに理解しております。
歩道の隅フラット化、バリアフリー化の推進について、今後、さらにどのように進めていくのか、伺います。
〇井上道路課長 今後の区道のバリアフリー化についてですが、中野区バリアフリー基本構想に基づき、駅周辺の道路、歩道について、利用しやすく、景観にも配慮したバリアフリー化を進めていきます。
〇吉田委員 ありがとうございます。これに関連して、併せて狭隘道路の整備についてもお訴えをしてまいりました。中野区は狭隘道路が多く、幅員4メートル以上の道路に面していない住居が約4割以上もあり、道路率も全国最低水準であります。消防車や救急車といった緊急車両が入れない道もあり、狭くて危ないということであります。道路率は僅か1年で劇的に状況が変わるわけはありませんが、狭隘道路の整備がどの程度進んでいるか、伺います。
〇井上道路課長 狭隘道路の整備状況についてですが、令和元年度の狭隘道路の拡幅整備件数は521件、整備延長は約5,222メートルでございます。区内全体の狭隘道路に占める整備率は31.3%でございます。
なお、平成30年度は30.4%だったところから、0.9%上昇をいたしました。
〇吉田委員 500件、5キロ、1%の前進と。千里の道も一歩からでありまして、引き続き一生懸命取り組んでいただきたいとお願いをいたします。
次に、地籍調査について伺います。
昨年の決算特別委員会の総括質疑でも、地籍調査の進捗と道路台帳の整備について伺いました。コロナの状況にあっても、首都直下型地震をはじめとする地震の大規模災害の発生を想定し、対応していかなければなりません。地籍調査が進み、土地の境界が明確になれば、震災後の復旧復興などだけではなく、土地の売買や登記の円滑化、効率化が現れて、民間の活動にもメリットがあります。中野区では平成19年からスタートし、昨年までの進捗状況は10%とのことでしたが、全国の進捗率、あるいは東京都全体と比べても若干遅れている状況であります――若干というか、相当遅れている状況です。
地籍調査をしっかりと進めていくべきですが、現在の進捗状況をお伺いします。
〇井上道路課長 地籍調査事業の進捗率についてですが、令和元年度末で松が丘一丁目地区が完了し、区内の11町丁が完了しました。実施面積は1.86平方キロメートルで、進捗率は12%でございます。
〇吉田委員 10%という前の報告から12%と、これも地道に地道に進めていただいていると。この地籍調査が進めば、道路台帳の整備にもつながりますが、道路台帳の電子化について、国でも菅新総理、行政デジタル化を推進するため、デジタル庁が創設されるということであります。
そして、コロナの感染拡大予防の観点からも、ICTの活用が必須であります。地籍調査の早期完了、様々な意味で望まれますが、区の見解を伺います。
〇井上道路課長 地籍調査の早期完了についてですが、地籍調査の成果を活用することで、道路台帳を整備することができると考えています。現在、地籍調査が完了した地区においては、地籍調査に合わせて作成した管理区域図を道路台帳として窓口で提供をしております。
道路台帳の整備のためにも、引き続き現在行っている官民境界等先行調査を、地籍調査を着実に進め、可能な限り早期に終わらせたいと考えています。
〇吉田委員 進めていただいておりますが、同時に窓口からネットに、またそのシフトも必要であります。地籍調査の成果はGIS、ジオグラフィック・インフォメーション・システムのベースの地図情報となります。昨年も指摘しましたが、道路台帳が電子化され、それがホームページで公開されることが望まれますが、区ではどのように取り組んでいくのか、伺います。
〇井上道路課長 道路台帳の電子化についてですが、道路に関する情報をどのように公開していくか、新庁舎での全庁的な統合型GISの導入について検討しているところでございます。
〇吉田委員 ぜひ新庁舎、こういうときに切りよく、また提供できるようにお願いしたいと思います。ありがとうございます。
次に、住宅政策について今年も伺います。
昨年、住宅政策について、総務省の統計で、全国で空き家率800万戸、東京都で80万戸、空き家率は10%を超えるということを申し上げ、区営住宅についても、官で造ってというよりは、民を活用してというふうにシフトすべきである旨を申し上げました。これに対して、住宅マスタープランで検討を進めるということを伺ったわけですが、現在の住宅マスタープラン改定の進捗状況、現在の進めている政策についてお伺いします。
〇池内住宅課長 住宅マスタープランの改定に当たりましては、平成30年7月に中野区住宅政策審議会へ諮問しました。新たな住宅マスタープランに盛り込むべき事項について、本年7月に中野区住宅政策審議会より答申を受け、現在、住宅マスタープラン作成に向けた準備作業を始めたところでございます。
その他の取組としましては、居住支援協議会の年度内設置に向け、関係団体等の調整を進めているところでございます。
〇吉田委員 この居住支援協議会でありますが、今般の武漢肺炎、新型コロナ感染拡大に伴って、経済的、社会的に影響を受け、職や住所を失うおそれのある方も、今後増加する傾向にあると考えます。一方で、賃貸住宅の大家さんにおいても、空き室の長期化により安定した家賃収入が見込めず、経済的な打撃を受けるということも考えられます。今後、住宅セーフティネットとして、積極的に民間の空き家につないでいく体制構築が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
〇池内住宅課長 住み替え支援相談窓口としまして、高齢者や障害者など、御自分でお住まいを探すことが困難な方に対しまして、民間賃貸住宅等への入居相談を行っているところでございます。また、設置を検討している居住支援協議会は、低額所得者、高齢者、障害者、子育て世帯等、様々な住宅確保要配慮者が円滑に住宅の確保ができるよう、入居支援等を行っております。現在の住み替え相談窓口と居住支援協議会が連動し、さらに民間賃貸住宅へつないでいけるよう、協力し合う体制を構築してまいります。
〇吉田委員 ありがとうございます。特に、安定した住居の確保によって就労につながる方もいらっしゃいます。しかし、大家さんの場合も御心配でありまして、なかなか賃貸契約につながらず、住居が確保できないという状況もあるようであります。この大家さん、賃貸者が快諾し、賃貸契約がスムーズに行えるための体制構築が必要であると考えますが、この点についていかがでしょうか。
〇池内住宅課長 住宅確保要配慮者の住まい探しに関しましては、入居時の支援にとどまらず、入居中や退去時までの切れ目ない支援を必要としている方もおり、福祉部門と連携を図りながら、横断的に協力し合いながら対応しているところでございます。
居住支援協議会の設置に当たりましては、様々な住宅確保要配慮者の入居促進支援を行うとともに、賃貸人が安心して居住を提供してもらえるよう、入居者、賃貸人の双方に対し、切れ目ない支援を行う方針としております。
〇吉田委員 ぜひきめ細かく、よろしくお願いします。
時間も限られていますので、一つ飛ばして、生活保護行政について伺います。
昨年の質疑で、国の通知に基づきまして、これは外国人の保護、援護といった生存権の保障の責任は第一義的にその属する国が負うべきであると、そして区もそのように認識していると答弁を頂きました。そして、この中で、外国人から生活の擁護、保護の要請を受けた区市町村は、都道府県知事に報告すること、そしてこの報告を受けた都道府県知事は、その該当要保護者が属する国の代表部、あるいは領事館、それらのあっせんによる団体等から必要な保護、または援護を受けることができないことを確認し、その結果を保護の実施機関、区市町村に通知することとありますが、昨年お聞きした段階では、区はこの報告をしていない、東京都も行動を取っていないということでした。今年はどうなっているんでしょうか。
〇中村生活援護課長 東京都への報告でございますけれども、昨年度分につきまして、既に東京都へ報告済みでございます。
〇吉田委員 私の質疑を受けて、迅速に行動を変えていただいて、ありがとうございます。
この結果、東京都から照会の結果の通知を受けましたか。
〇中村生活援護課長 これまでには受けてございません。
〇吉田委員 区はなすべきことをしたが、都はなすべきことをしていないということが分かりました。
いろいろ質問はございますけれども、これは飛ばして、次に、国民健康保険行政について伺います。
昨年、保険証の外国人の方の使い回し、これは区は防ぐことができないと、このように御答弁頂きました。そして、国等にこの制度の改善を求めるということも御答弁頂けたわけですが、本年度、この保険証の使い回し、これは見破れるようになったんでしょうか。
〇伊藤保険医療課長 保険証の使い回し防止の可否につきましては、昨年も同様の答弁をさせていただいてございますが、医療を提供するのは医療機関であり、保険証の使い回しを区が防止することは難しいと考えてございます。
区は、国民健康保険団体連合会とともに、診療報酬明細書の点検を行ってございます。不正請求が行われた場合につきましては、本人に医療給付費の請求を行ってございます。
〇吉田委員 国等への対応についてはどうお考えですか。
〇伊藤保険医療課長 被保険者の資格の適正な管理につきましては、特別区長会の令和2年度の要望事項として、国保制度や運用の改善を東京都などに要望しており、国に対しては、全国市長会の令和2年度の要望事項として、国保制度や運用の改善などを要望してございます。
次年度以降につきましても、東京都及び国への要望につきましては、引き続き特別区長会、全国市長会を通じて要望していきたいと考えてございます。
〇吉田委員 ありがとうございます。引き続きお願いします。
海外出産における出産一時金の不正ということについても、昨年指摘をさせていただきました。例えば海外で病院が偽の出産証明書などを出して、それを元に出産の一時金を要求してきた場合に、中野区がこの偽の証明書を見破ることができますでしょうか。
〇伊藤保険医療課長 海外出産における出産一時金につきましては、現在職員が旅券やビザの確認、妊娠届の提出や母子手帳の交付などの確認を行ってございます。可能な限り適正な審査と執行に努めているところでございますが、海外の出生証明書が巧妙に偽造された場合には、それを見抜くことは難しいと考えてございます。
〇吉田委員 今後の対応をお聞かせください。
〇伊藤保険医療課長 平成31年4月に、国から海外出産に係る出産育児一時金の不正請求対策を講じるよう、都道府県に宛てた通知が発出してございます。出産育児一時金につきましては、現地医療機関への照会の委託等について研究してまいりたいと思います。
東京都及び国への要望につきましては、引き続き特別区長会、全国市長会を通じて要望してまいりたいと考えてございます。
〇吉田委員 なすべきことをやっていただいていると思います。国に問題がありますので、ぜひお取組をお願いします。
ほかにも、るる御質問したいことがありますけれども、質問の時間が尽きましたので、これにて私の総括質疑を終了いたします。
ありがとうございました。
○山本委員長 以上で吉田康一郎委員の質疑を終了いたします。
以上で総括質疑を全て終了します。
明日9月24日からは各分科会が予定されています。本日の委員会終了後、会場設営を行いますので、持参された資料等は机の中のものを含め全てお持ち帰りいただくようお願いいたします。
次回の委員会は、9月30日(水曜日)午後1時から当委員会室で開会することを口頭をもって通告します。
以上で本日の決算特別委員会を散会いたします。
午後3時46分散会