令和2年11月09日中野区議会区民委員会

中野区議会区民委員会〔令和2年11月9日〕

 

区民委員会会議記録

 

○開会日 令和2年11月9日

 

○場所  中野区議会第4委員会室

 

○開会  午後1時00分

 

○閉会  午後3時22分

 

○出席委員(8名)

 羽鳥 だいすけ委員長

 市川 しんたろう副委員長

 木村 広一委員

 いさ 哲郎委員

 石坂 わたる委員

 近藤 さえ子委員

 伊藤 正信委員

 森 たかゆき委員

 

○欠席委員(0名)

 

○出席説明員

 区民部長 青山 敬一郎    

 区民文化国際課長 辻本 将紀

 文化国際交流担当課長 矢澤 岳

 環境部長 朝井 めぐみ

 環境課長 波多江 貴代美

 

○事務局職員

 書記 野村 理志

 書記 有明 健人

 

○委員長署名


審査日程

○議題

 区民相談及び消費生活について

 戸籍及び住民基本台帳等について

 区税について

 国民健康保険及び後期高齢者医療等について

 産業及び観光について

 文化、生涯学習及び国際化について

 環境及び地球温暖化対策について

 清掃事業及びリサイクルについて

○所管事項の報告

 1 中野区文化施設指定管理者候補者の選定について(文化国際交流担当)

 2 旧中野刑務所正門の取扱い方針(案)について(文化国際交流担当)

 3 令和元年度森林環境譲与税の使途の公表について(環境課)

○その他

 

委員長

 定足数に達しましたので、区民委員会を開会いたします。

 

(午後1時00分)

 

 本日の審査日程ですが、お手元の審査日程(案)(資料1)のとおり進めたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

 

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 御異議ありませんので、そのように進めます。

 なお、審査は5時を目途に進め、3時頃に休憩を取りたいと思いますので、御協力をお願いいたします。

 それでは、議事に入ります。

 区民相談及び消費生活について、戸籍及び住民基本台帳等について、区税について、国民健康保険及び後期高齢者医療等について、産業及び観光について、文化、生涯学習及び国際化について、環境及び地球温暖化対策について、清掃事業及びリサイクルについてを議題に供します。

 所管事項の報告を受けます。

 それでは、1番、中野区文化施設指定管理者候補者の選定についての報告を求めます。

矢澤文化国際交流担当課長

 それでは、中野区文化施設指定管理者候補者の選定につきまして御報告いたします。(資料2)

 中野区の文化施設におきましては、令和3年3月をもって現行の指定管理者の指定期間が満了するため、このたび令和3年度からの新たな指定管理者候補者の選定を行ったところでございます。

 1、指定管理者候補者選定までの経過についてでございます。今年6月26日に公告、区のホームページに募集記事を掲載しまして、8月3日から7日の期間で応募申請を受け付けました。8月25日から10月15日の期間で書類審査及びヒアリングを実施しました。財務診断におきましても9月5日から10月6日の間で行っています。なお、7月13日に予定していました公募説明会、それから7月15日に予定していました施設説明会につきましては、新型コロナウイルス感染拡大により中止したところでございます。

 2、応募状況についてでございます。こちらにつきましては3事業体の応募がございました。そのうち1事業体につきましては応募申請受付後に辞退をされたところでございます。

 3、選定方法についてでございます。庁内に設置した文化施設指定管理者選定委員会におきまして提案書類の審査及びヒアリングを行った上で指定管理者としての適性を審査し、指定管理者候補者を決定したところでございます。

 4、その選定結果についてですが、選定した結果、株式会社JTBコミュニケーションデザインと野村不動産パートナーズ株式会社の共同事業体となりました。5、指定管理者の指定期間についてでございます。こちらの期間につきましては令和3年4月1日から令和8年3月31日までの5年間を予定してございます。

 6、今後の予定についてでございます。令和2年12月第4回定例会におきまして指定管理者の指定に係る議案を提出する予定でございます。

 簡単ですが、御報告は以上でございます。よろしくお願いします。

委員長

 ただいまの報告に対し質疑はありませんか。

石坂委員

 こちらの事業者は現在受けている事業者が引き続きという形の理解でよろしいでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 はい、現事業者ということで引き続き担っているということでございます。

石坂委員

 引き続きということなので、逆に言うと、これまでやってきた結果があると思うんですけど、その辺りというのは、もちろん選定に当たっては新たな提案等も含めて考えるわけですけども、これまでのこちらの事業者が行ってきた事業の把握をしてしっかり評価をするということはこれまでしっかりと行ってきているんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 これまでも現事業者におかれましては、毎年度、いわゆる業務評価という形で、その年にやったいわゆる事業ですとか、あるいは施設維持管理に関する評価を適切に行ってきたところでございます。今後につきましてもそれに合わせた形で適正なる評価を毎年度行った上で指定管理者として担っていただくという予定でございます。

石坂委員

 ありがとうございます。

 区民の方から聞くところによると、どうしても区の所管している担当の行政の職員の方が、やはり以前と比べて、特に以前は中野区は社会教育主事の方もいましたが、今はいない中で区のほうが把握する力が落ちているんじゃないかという御心配の声をいただいたりですとか、区の職員に聞いてもしっかりした答えが返ってこないということも聞いたりするんですけども、その辺りは社会教育主事の方がいなくなった状況でありますけども、しっかりと把握を今後もしていけるという理解で大丈夫なんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 社会教育主事におきましては一応うちの区民文化国際課に1名いるところでございまして、いわゆる文化施設で行っている生涯学習事業ですとかについての適切な把握ですとか助言もいただいているところでございますので、そういった不安というのはないのかなというふうには思っております。ただ、一方で、やはり区民からの声ですか、そういったものを真摯に受け止めながら指定管理者の適切な運用に際して気をつけなければならないというふうに考えてございます。

森委員

 御報告ありがとうございます。幾つか伺いたいと思うんですが、新型コロナがあって、文化施設の状況も通常とは違う運用が続いているかと思うんですが、そういった中で、この募集要項というんですか、条件みたいなところというのは何がしかその点を考慮したりしたものになっているんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 募集要項におきまして、いわゆる参考予定価格というんですか、そういったものを提示させていただいておりますが、当初6月の下旬にその予定価格を出したときに、やはり新型コロナウイルスの影響がどのように生じるのかまでは把握はできていなかったので、コロナの影響を無視ではないですけども、そういったものを抜いた形での参考予定価格ということで募集要項には表示させていただきました。そのほか新型コロナウイルスの影響もありますので、予定価格のほかに、そういった感染症対策の記載ですとか、あるいは提案、その感染症対策をした事業の展開ですとか、そういったものは今上がってきた中で、例えば現事業所であればそういった提案をいただいたところでもございます。

森委員

 参考予定価格のほうは変わっていないということなんですが、仮に新型コロナの影響を見込むとするんであれば、この金額というのは上がるということになるんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 新型コロナウイルスの影響を踏まえると、いわゆる利用料金収入が落ちるので、その分に伴って指定管理料は上がるというふうに見込んでおります。

森委員

 そうですよね。そうなんだけど、それをやらなくても今回手が挙がったということなんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 委員おっしゃるとおり、今回一応3事業者からそういったものを踏まえた上で手が挙がったということでございます。

森委員

 ありがとうございます。

 それから、応募状況のところに1事業体については受付後に辞退ということが書いてあって、この理由等は把握されていますか。

矢澤文化国際交流担当課長

 理由につきましては私どもは把握はしてございません。

森委員

 これに限らずいろんな公募とか入札とかで同じような辞退というケースがいろんなところで目につくんですね。果たして手だけ挙げておいてすぐ辞退ということでいいんだろうかというふうに思っています。これについては当然ここだけの話ではないので、契約のほうとかともよく状況を共有して今後の在り方を考えていただければと思っています。

 それから、先ほど石坂委員の質疑の中で事業評価をやっているという話がありましたが、これは実際どういう観点で評価というのはされるんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 例えば幾つか項目があるんですけれども、施設の維持管理ですとか、実際に指定管理者さんが行っている指定事業、あるいは自主事業といった、そのほかにも項目はあるんですけども、そういった項目に応じて指定管理者さんがまず自己評価をします。それに応じて区の内部のほうでその自己評価が果たして適切なものだったのかというのを内部で検討して、その結果を指定管理者さんに対して評価として下すということを行っております。

森委員

 それはやったものベースの評価なんですよ。この間ICTCO(イクトコ)のところでも少しお話をしたんですが、これだけ財政が厳しいというような話をしている中で、施設が本来持っているポテンシャルというのを100%生かし切れているのかという観点で評価していくことが必要なんじゃないかなというふうに思うんですが、今後の評価の在り方等、少し考える余地があるかなと思っているんですが、その辺りいかがでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 御指摘のとおり、やはり今までにつきましてはやった部分につきましての評価を下してきたところでございます。今後につきましては、指定管理者を受け持っている業務改善課の指示といいますか、そういった形で、外部評価ではないんですけども、そういったモニタリングを指定管理者のこの5年間あるうち1回か2回ほどやって、より第三者の目で適切に評価を下すとともに、今足りないもの、そしてポテンシャルの部分を引き出していきたいというふうに考えております。

近藤委員

 報告ありがとうございます。今お二人の委員からもあったんですけれども、この3事業体が応募されて今までやっていたところに決まったんですけれども、何が勝っていたかというところを教えてください。

矢澤文化国際交流担当課長

 評価をする上で、企画の提案ですとか、あるいは実際にその熱意の部分ですとか、独自性があるのか、そういうのをヒアリングで聞いたわけでございます。大きく差がついたのが、いわゆる施設の適切な維持管理の部分と、あといわゆる魅力的な事業展開のところでもう一社のほうと差がついたものではないかなというふうに我々としては考えております。

近藤委員

 指定管理者を指定するのというのはとても難しくて、指定管理者はどこが、どういう点がよかったんですかとほかの事業やなんかにもお聞きすると、熱意とかいう答えをおっしゃるんですけれど、熱意というのはどうやって分かるんですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 我々のほうでの審査項目としましては、指定管理者総体としてその業務に対する意欲というんですか、そういったものと仕事に対する姿勢というものをこのヒアリングという場で熱意という項目で評価させていただいたというところでございます。

近藤委員

 本当に選定委員の方はとても責任が重大で、その熱意的なことを面接で測って採用されるんですからとても責任重大な役だなということは感じます。それで、事業展開がよかったということは、もちろん事業の内容がとてもいいということが一番やっぱり区民が求めているところだと思うんですけれど、事業の内容がこちらが勝っていたということはどういうような、もう一社出したところよりも事業の内容的なことがよかったのか、いろいろなレパートリーがあったのかとかそういうところは答えられますか。

矢澤文化国際交流担当課長

 その事業展開のところで差がついたと私は先ほど申し上げましたけれども、もう一社のほうですと、例えばユニバーサルデザインに配慮したイベントですとか、よりその伝統芸能に特化した形の事業展開ということで今回提案いただいたところでございます。一方、今回私どもが選定という形でさせていただいた業者におかれましては、それらはもちろんのこと、いわゆる感染症対策に伴った形での収益の上げ方、具体的に申し上げますと、来ていただくのもそうなんですけど、オンライン講演ですとかオンライン講座ですとか、そういったいわゆるアーカイブ配信を今回の業者さんとしては提案をしてきたといったりですとか、あるいは子ども向けの事業ですとか、そういったものが落ちてしまった業者と比べてやはり勝っていたのかなというふうには捉えております。

近藤委員

 私は決算のときもちょっと申し上げたんですけれど、やっぱりこのホールを使う利用率みたいなものを見ると、指定管理者がやっている事業というのはかなり少なかったんですね。区民が申し込んで自由に使えるということはこういうホールのとてもいいことですけれども、指定管理者が指定管理事業というのを展開するのも、やっぱりいろいろな事業を工夫してやっていただかないと、せっかくこうやって事業までも任せてやるという、建物の管理だけではなくて事業をやっていただくというところを一緒に選定するわけですよね。ですから、そこのところをしっかり見極めてやっていただきたいんですけれども、そこら辺というのはどういうふうにお考えですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 まさに委員御指摘のとおり、指定管理者の業務内容としましては、建物をただ単に維持管理するだけではなくて、それを適切に維持管理した上で、いかに魅力的な事業を構築することができるのか。そして区民にとって、区民の声を聞きながらより事業を展開することができるのか。そして、働いている指定管理者さんの皆さんの労働条件、そういったものも総合的に見て我々としては指定管理者を選定したところでございます。

近藤委員

 先ほど石坂委員、森委員がおっしゃって、評価をされる仕組みを今年度ぐらいから入れていくみたいなお話があったんですけれど、これは今までの指定管理者と同じところがやっていて、これからも5年間指定管理者が指定されるというと、やっぱり競争的なことが働くのかなと思います。よりいいものにしていただくために、常にやっぱり民間企業は競争の原理の中にあったほうが私はいいと思うんです。ただ、しっかりと指定管理という枠で守られてしまって5年間取ったみたいな、例えばコロナですから、ちょっとそれは利用者が多い少ないというのはうまく評価できないかもしれないですけれど、やっぱりいいものをしっかりとやっていただく、事業のレパートリーを広げてやっていただくということをしっかりこれから見ていっていただきたいと思いますけれど、その辺はいかがですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 先ほど森委員の話にもありましたとおり、実は前回の選定のときには説明会のときには9社あったものが、実際には応募した事業者は1社だけでした。ところが、今回につきましては、こういったコロナ禍の状況にもかかわらず一応3事業体ということで応募が上がってきましたと。そういった点で競争性、あるいは中野区のZEROを指定管理する上で魅力というんですかね、そういったものはやはり他社さんからも一定程度関心があるのかなというふうに私のほうでは思っております。今後につきましても指定管理者さんにいわゆる丸投げするということは決してなくて、より区民にとって使いやすく、そして文化、それから生涯学習事業をより実りあるものとするために、我々としてもおかしいものといいますか、評価をした上で指定管理者さんにも物を言っていきたいというふうには思っております。

近藤委員

 指定管理者さんは一度中野区のこの文化施設を管理し、事業をやってみたらいいんでもう一回やってみようという、中野区のこの管理と事業が自分たちにとってよかったんだと思うんですよね。それはそれでいいんですけど、やっぱり区民にとってここが本当にいい事業になるようにというところに観点を置いていただいて、指定管理者にとっていいということよりも区民にとっていい事業になるようにぜひ展開をお願いいたします。

委員長

 他に質疑はありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告について終了いたします。

 それでは、次に、2番、旧中野刑務所正門の取扱い方針(案)についての報告を求めます。

矢澤文化国際交流担当課長

 それでは、旧中野刑務所正門の取扱い方針(案)につきまして御報告いたします。

 なお、本件は、当委員会のほか、子ども文教委員会におきましても所管分の報告をしてございます。

 旧法務省矯正管区敷地内にある旧中野刑務所正門につきまして区として取扱い方針(案)をまとめましたので報告するものでございます。

 1、経過でございます。旧中野刑務所正門――以下正門とします――の取扱いにつきましては、平成31年1月、現地での保存として決定しましたが、曳家移築を含めた多角的な検討をするべきではないかという議会での御議論がございました。その後、令和元年度に実施しました旧中野刑務所正門学術調査によりますと、曳家については技術的に可能であることが分かり、当初の方針決定に係る前提の一部に変更が生じ、取扱いにつきまして再検討を行うこととしました。令和元年12月、区長は、正門に係る文化財的価値並びに保存及び公開につきまして教育委員会に対し意見の聴取を行い、教育委員会は、区からの意見聴取を受け、令和2年1月に文化財保護審議会に対し、正門の文化財的価値並びに保存及び公開につきまして諮問を行い、今年7月に答申を受けたところでございます。そして、令和2年9月、教育委員会は文化財保護審議会の答申を踏まえまして区長に対し回答を行ったところでございます。

 2、取扱いの考え方についてでございます。

 区は、文化財保護審議会の答申における文化財的価値並びに保存及び公開の考え方、教育委員会からの正門の取扱いに係る意見などを踏まえ、正門の取扱いについて再検討をこれまで行ってきました。その結果、正門の保存及び公開、そして平和の森小学校新校における良好な教育環境の確保との両立を図るため、正門は曳家により移築し、旧法務省矯正管区敷地内の西側(道路予定地の西側)におきまして保存と公開を行っていくことといたします。

 次ページを御覧ください。3、保存及び活用についてでございます。正門につきましては、基本計画及び保存活用計画を策定した上で、基本設計・実施設計を経て旧法務省矯正管区敷地内の西側へ移築(曳家)するとします。公開及び具体的な活用の方法につきましては保存活用計画策定時に検討していきます。参考までに図の曳家先として示したところでございます。

 4、旧中野刑務所正門と平和の森小学校新校の整備スケジュール(予定)と概算経費についてでございます。

 (1)整備スケジュール(予定)についてでございます。

 まず曳家移築についてですが、今の想定ですと、令和3年度は基本計画、保存活用計画の策定でおよそ10か月から12か月、令和4年度は基本設計でおよそ6か月から10か月、令和5年度は実施設計でおよそ6か月から10か月、令和6年度から令和8年度の途中までで曳家関連工事を約30か月行い、令和8年度の途中から公開開始を予定しております。

 なお、注釈もつけましたが、曳家関連工事につきましては、曳家に伴う仮補強、曳家準備工事、曳家工事、新規基礎工事、耐震補強、劣化修理、復元工事を想定してございます。

 続きまして、平和の森小学校新校についてでございます。今の想定ですと、令和3年度に平和の森小学校新校に係る基本計画、令和4年度、5年度に基本設計・実施設計、そして令和7年度の途中から校舎新築工事を開始しまして、令和9年度途中から供用開始を予定してございます。

 続きまして、(2)概算経費についてでございます。移築曳家関連工事等で約4億9,600万円と見込んでございます。この中には、先ほど申し上げました移築曳家関連工事のほか、正門に係る基本計画、保存活用計画、基本設計・実施設計業務を含めた形で4億9,600万円と見積もってございます。

 5、今後の予定についてでございますが、令和2年11月、平和の森小学校保護者及び近隣住民に対する説明を行いまして、12月、第4回定例会常任委員会におきまして、旧中野刑務所正門の取扱い方針について案が取れた格好で御報告をする予定でございます。

 報告は以上でございます。どうぞよろしくお願いします。

委員長

 ただいまの報告に対しまして質疑はありませんか。

いさ委員

 改めて10月5日の区民委員会で報告された文化財保護審議会の答申について私は再度目を通してみたんですけれども、2年前に学術専門家の3人の方にお聞きしたあの中身よりも深まっているのかなと改めてちょっと見直していたところなんです。それで、最初に確認したいのは、こうした方針が示されたというのは、この門の文化財的な価値、歴史的な価値について認めて、これは保存すべきだと、そういうことを確認した上で保存するということになったということでよろしかったでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 委員御指摘のとおり、私どもとしましては、主にその文化財保護審議会から出された答申に書かれてある文化財的価値、その中でもいわゆる後藤慶二が設計したものであること、それから技術意匠、いわゆる覆輪目地というすばらしい工法を用いてこの門が設計されていること、それから地域の遺産、近代遺産として哲学堂公園ですとかそういったものと並んで戦災をくぐり抜けて保存してきたこと、それから建築史上の位置付け、いわゆる関東大震災ですとかそういった震災があったにもかかわらず、ほぼ無傷の形でレンガ造りとして残されている。以上の観点でいわゆる文化財的価値があるということを踏まえて今回このような方針を案ということで示したものでございます。

いさ委員

 様々な角度からすばらしい価値があると認められた上で保存することになったというお話だったと思うんですけれども、それで、ちょっと前回のその審議会の資料の中から確認なんですけれども、前回の審議会資料の答申の4ページのところに修復に関わることというのが出ていて、こんなことが書いてあったんです。大正期のレンガ造り建築物の修復は、その希少性から今後の近代建築物の保存、修復の指標となる可能性も高く、工法などに専門的関心が寄せられることが考えられると。そのため、その作業工程を映像で記録して残すとともに、記録を有効活用することが必要と考えられるということでは、門の価値そのものもそうですけれども、そこの修復の作業に当たっても大きな注目を集めるだろうというようなことであると思うんですね。その修復に当たっての記録みたいなことについては現時点では何か議論されていますか。

矢澤文化国際交流担当課長

 この正門を文化財的価値として、例えば曳家をするならするで、そういった作業過程を記録で残すとか、そういったものにつきましては今後の検討課題にはしておりますが、やはり曳家という工程、かつ、このレンガ造りを動かすというものにおかれましては、やはり多方からも大変高い関心が寄せられるだろうという期待の下、こういった映像媒体、例えば逐一DVDとかで保存して、それを広く一般区民の方に公開するといったことも今後の検討課題には入ってくるのではないかと考えております。

いさ委員

 まさしくそれ自身が一つの価値を生み出すということだと思うんで、ここはしっかり検討していただきたいなということになるかと思います。

 それで、改めて探してみたものの一つに、美術評論家連盟というところから意見書が出ているんです。2年前ですね。2018年10月19日、区長と文化財担当宛て。この美術評論家連盟というのが、国際美術評論家連盟という国際団体、NGOの日本支部ということなんですけれども、なかなかの議論をしていて、この団体は、芸術家と公衆に関する責任や美術史に関する貢献に対する性格づけ、そんな話をしていると。美術品を専門家だけのものにするのではなくて広く敷衍していくということを目的としている団体だと思うんです。そこから出てきたこの意見書の中身を改めて見直したところ、大事なことが書いてあったんですね。建築史的価値のところでは、旧中野刑務所は日本の建築史に刻まれたフランク・ロイド・ライトの帝国ホテルや世界遺産であるル・コルビュジエの国立西洋美術館などにも劣らない建築史的価値を持っていたと言えますと。大変なことが書いてある。

 このセンテンスの最後がこんなことも書いてあるんですよ。建築の全体が保存されていれば、富岡製糸工場や軍艦島と並んで世界遺産になれるほどであったでしょうが、正門だけであってもその重要性と価値は劣るものではありませんと。美術の専門家の団体がこういう評価をしているわけなんですね。また、この次のところでは文学史との関わりで芥川龍之介がこの建物に言及しているものがあるそうなんですよ。「都会で-或いは千九百十六年の東京-」というものの中にこんな文章が紹介されています。「僕に中世期を思い出させるのは厳めしい赤煉瓦の監獄である。若し看守さえいなければ、馬に乗ったジアン・ダアクの飛び出すのに遇っても驚かないかも知れない」。ジアン・ダアクというのはジャンヌ・ダルクのことですけれども、芥川龍之介をもってこんなことを言わしめる。文化的な価値もあってそこに足跡も残しているという場所なわけですよね。本当にこういったものが今まで壊されずに残っていること、本当に僥倖だと私は思うんです。担当は今の日本評論家連盟の意見書に目を通されていますか。御覧になっていますか。

矢澤文化国際交流担当課長

 すみません、私としては初めて伺ったところでございます。

いさ委員

 これは区長と文化財担当宛てということになっているので、後ででも結構です。ぜひ目を通していただきたいと思います。言いたかったのは、やっぱりこの門の価値というのは知れば知るほどいろんなことが出てきて、私たちはまだまだ学び足りないということなんじゃないかなと思うんです。ぜひとも担当を含め、区の職員もこれから先もこの門の価値ということについては継続して学んでいく必要があるなと思うんですけれど、担当はいかがお考えですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 一般的に文化財的価値としましては、ただ単にその建物が残っているですとか、現地性があるとか、そういったものではなくて、総合的に判断されるものであると考えます。例えば委員おっしゃったように、まさに建物の構造的な部分ですとか、あるいは建物が建てられた経緯、それから土地が置かれているその歴史の部分の形状ですとか、特に私が先ほど申し上げた2点につきましては今後変わることもなく、未来永劫文化財的価値のものとして残していかなければならないものとして捉えております。担当としましては、そういった総合的に判断される文化財的価値というものを今後区民ですとかそういった方に広く周知をしていきたいというふうには考えております。

いさ委員

 じゃ、最後にこの資料の中で1点だけ、今日出された資料の2ページ目、概算の経費について出ていますが、この4億9,600万円、この費用というのは年度ごとにかかっている費用を積み重ねたものということで単年度の収支ではないですよねということの確認ですけど。

矢澤文化国際交流担当課長

 委員おっしゃるとおり、単年度ごとではなくて、様々な工程、いわゆる正門に係る基本計画、保存活用計画、基本設計・実施設計、それからこの曳家関連工事等を含めた形でのいわゆる概算経費として計上してございます。

伊藤委員

 これまで様々な議会での議論とか、また近隣との意見交換などやってこられたと思うんですけども、そもそも10月5日の旧中野刑務所正門取扱いに係る意見についてという報告、いさ委員もちょっと言われておりましたけども、そこの中では、今後のスケジュールの予定として12月にこの正門の取扱いに係る方針の案について議会に報告するということですよね。そういう報告でしたね。12月と。今日11月9日ということで、恐らく前倒しで報告があるんですけども、そういった経緯、この取扱いに係る案というのはどうして早まったわけですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 10月5日の区民委員会の報告の中におきましては、確かに委員おっしゃるとおり、第4回定例会のところで正門に係る方針案を報告する予定でございました。しかし、この正門の扱いにつきましては、そこの旧法務省矯正管区敷地の土地購入にも非常に係る案件でございます。その案件の用地売買契約の議案が第4回定例会を控えているということから、前倒しして正門の取扱い方針(案)を報告させていただいたところでございます。

伊藤委員

 この土地購入の件だって、いずれ12月の第4回定例会でお示しするということことはもっと前から知っていたことですよね。この報告の10月頃にも知っていたわけでしょう。そうすると、このスケジュールの示し方はやっぱり変じゃないですかね。その辺いかがでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 実際その旧法務省矯正管区敷地の売買購入の考え方につきましては10月5日の総務委員会で報告されたというふうに聞いております。その中で全庁的な議論の中で、やはり旧中野刑務所正門の取扱い方針(案)につきましては閉会中で報告したほうがよいだろうという意見もありまして、そういったものを含めまして今回この場で取扱い方針を報告させていただいているところでございます。

伊藤委員

 前回の区民委員会でもなるべく早く報告を下さいというお話をしていると思うんですけども、その辺どのように捉えておりますか。

矢澤文化国際交流担当課長

 我々としましても、やはりこういった区民委員会の意見、それからそのほか子ども文教委員会に出された意見ですとか、そういったものを含めまして今回この閉会中で早々に取扱い方針を報告させていただいたところでございます。

伊藤委員

 早くお示ししていただくのはいいんですけども、何か手続的にちょっと疑問もあるんですが、今申し上げたように、これは全庁的な課題ですよね。そうすると、取扱いの方針(案)を決めるときには庁内ではどういった議論が行われてきたのか。また、どういう方々、所管の関係の部署が集まってお話しされた、また何回ぐらいやっていろんな議論が出たのかというのはお示しできますか。いかがですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 この旧中野刑務所正門の取扱い方針(案)を議論するに当たりまして、全庁的な会議の場としまして計四、五回ほど開かせていただいたところでございます。その中のメンバーとしましては、やはりこの旧法務省矯正管区敷地に係る用地の部分、いわゆる経理課ですとか、あとはこの新平和の森小学校に係るので子ども教育施設課の部分、それから財政的な部分もありますので財政課、全庁的にまたがるので企画課、それから道路の予定地、いわゆる区画道路2号の話もありますので、まちづくりの部門ですとか、あとは解体工事の話もありますので施設課の部分、そういった職員が一堂に会した形で全庁的会議を開いてきたところでございます。

伊藤委員

 本当に全庁的に今言ったように、経理、子ども教育、財政、企画、まちづくり、また施設課、もちろん文化施設担当の部長、青山さんだっているかと思うんですけれども、それにあと区長、副区長は参加されているんですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 失礼いたしました。区長、それから副区長、そして教育長もその中には含んでございます。

伊藤委員

 そこでどういった議論がされたのか。メモ書きなのか、ちゃんとした議事録というのが取ってあるのか分からないですけども、その辺はどのような議論が交わされたのか、伺います。

矢澤文化国際交流担当課長

 その中におきましては、この取扱い方針を決定するに当たっての視点、例えば財政的な視点ですとか、我々としたら文化財的価値があるので残していきたいという視点、一方で教育的観点から言うと、あの場にあると、やはり良好な教育環境の確保が保たれないので移ってほしいという視点ですとか、そういった様々な議論が全庁的な会議の場でなされたというふうに私は記憶してございます。

伊藤委員

 もう移築する方向で大体議論が固まってきたということですか。それとも様々な意見があった。何か今御報告、答弁いただくと、最初から移築するような方向といったような感じですけども、もう少し具体的に、例えば財政課が入ってますよね。財政課がこの関連経費、5億円近い経費をかけて移築することに何ら意見がなかったのかどうかというのはどうなんでしょうか。その辺いかがでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 例えば財政の視点で申し上げますと、現状構造改革を進めていまして、いわゆる92億円の減収が見込まれることに伴って、やはりこういったものの扱いも、例えば一等最初の現地保存の案ですとか、あるいは一部を残したりですとか、あるいは解体ですとか、そういったものも視野に入れるべきではないかという議論が実際あったことは事実としてあります。

伊藤委員

 当然そうですよね。来年度の予算が92億円減収するに当たって、来年度の予算編成も今やっていると思いますけども、逆に構造改革の経常経費を20%シーリングしていかなきゃいけないという通達が出ていて、各部、各所管もいろいろ苦労している中で、じゃあ、この正門の取扱い、移築に関してはコロナの影響で税収が減少するに当たって全然関係ないのかなというふうに捉えられちゃうんですけども、その辺、あまり聞いてもあれでしょうけども、いかがでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 そういった全庁的な議論で財源を捻出しなければいけないということは当然私としましても重く受け止めているところでございます。一方でこの旧中野刑務所正門の保存につきましては、文化財保護審議会から出された答申、そして教育委員会から出された意見、こちらについても重く受け止め、尊重をする格好としまして、その立場に立つのであれば、やはり文化財的な価値があることについては、そのための保存、そしてこれからの公開、活用について経費を捻出しなければ、私としては、やはり文化財的価値がなくなってしまうのであれば、それはよくないというふうに思っておりますので、そういった覚悟の下、今回こういった方針案を下したところでございます。

伊藤委員

 そもそも先ほど言ったように2年前ですけども、平成30年12月にはたしか正門は現地保存だということで案が示されて、現地保存、移築、一部保存、記録保存などを検討してきたんですが、費用や議会での議論及び区民等の意見を総合的に判断し、現地保存とした上で東京都の文化財指定を目指すと。また、安全性に配慮し、必要な耐震補強等を行うということで決定されましたよね。今いろいろ御報告があったように経過報告があったようなんですが、そもそもその当時は移築できない、1ミリも動かせない、動かしちゃうと価値がなくなるんだという話で一方的に区が、そのときの担当者が答弁されておりますけども、その辺はどのように捉えているのか伺います。

矢澤文化国際交流担当課長

 通常政策決定をするプロセスを踏むのであれば、まずこういった正門の学術調査を行って、それで曳家が本当にできるかどうか、技術的にできるかどうか検討した上で、ただ、一方で新平和の森小学校の開設にも影響があるので、それがいわゆる文化財的価値の部分と良好な教育環境の確保の部分が果たして両立できるのかどうか、教育委員会に事前に意見を聴取する。そしてその上で文化財保護審議会の答申が下されて教育委員会として回答すること、こういったプロセスを事前に踏むべきではなかったかなというふうに私のほうでは考えております。

伊藤委員

 議会での意見で曳家できるかできないか調査をしたほうがいいんじゃないかということで調査をされて、可能だということなんですけども、さっき言ったように曳家でも価値はあるということの見解でしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 当然その文化財的価値という観点からすると、一番はやはり現地性があること、それから構造的な部分も含めて文化財的価値があるということですので、曳家をすると、その現地性の部分が一定程度減少はするという答えにはなるかと思います。ただ、先ほど申し上げましたとおり、現地性だけではなくて、いわゆる地域性ですとか、土地の歴史性、それから建物自体の構造的な部分、そういったものを含めまして文化財的な価値があるということになるかなというふうに思っております。

伊藤委員

 当初移築したらほとんど価値がないという話を聞いたのでそのように申し上げたんですけども、今回曳家を100メートル西側にされるということで、この用地、平和の森小学校の建設予定地として取得することですよね。その辺を確認したいと思いますが、いかがでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 この曳家移設予定である西側も含めて学校予定地として購入するということで経理課からは聞いてございます。

伊藤委員

 当初この西側、道路予定地から左の部分はまちづくり用地としてという話も聞いていたんですけども、その辺はどうなんでしょうか。まちづくり用地として購入するんじゃなくて、この辺を含めて学校用地として取得するということなんですが、いわゆる学校用地の中に門が結局移設、移築するわけですよね。その辺の教育委員会の見解なんかもどうなんでしょうかね。その辺お分かりでしたらお答えいただきたいと思います。

矢澤文化国際交流担当課長

 あくまで教育委員会から聞いている話ですと、この大きな部分、大体1,300平米ぐらいあるこの土地を学校建設敷地として活用するということは教育委員会から聞いているところでございます。ただ、その西側の部分についてもやはり学校用地として購入すると聞いておりますので、今後教育活動に支障がない形で正門を保存、活用するよう検討していきたいというふうに考えております。

伊藤委員

 ここをいわゆるまちづくり用地として種地に、この近隣の道路の拡張もそうですが、南のほうに延伸するという話も聞いてます。その辺を所管、まちづくり計画課なのか、都市計画課になるのか、所管との確認というのはここに移設するということでできているんですか。いずれここまで学校の用地で買うんですが、道路予定地から左側はいずれ移築するから公園、都市計画公園になるのか、平和の森公園の一部拡張になるのか分かりませんけども、その辺の移築してもいいという所管での確認というのはできているんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 今おっしゃったように、その道路予定地の部分につきましてはまちづくり計画課です。そこのところでいわゆる区画道路2号と呼ばれるところの今後整備を行っていくというふうに聞いておりますし、ここの正門を西側に曳家移築することに伴う影響ですとか、そういったものは当然こういったまちづくり計画課ですとか建築課ですとか、そういった所管との調整をしているところでございます。

伊藤委員

 調整しているんですね。これは建築物というんでしょうか、構造物、どういうふうに言ったらいい、建築物として正門がこの用地に移設されるということは、公園になった場合ですよ。公園になった場合、何%というのはあると思うんですよね。2%以内とか、その辺の確認もできているということですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 いわゆる建築物として保存、活用を考えておりますので、公園であれば例えば2%ですとか、2%以上ですとか、そういったものの確認を今調整を進めているところでございます。

伊藤委員

 調整を進めている、ですから、大丈夫ですよという確定なものはないんですか、どうなんですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 今聞いている話ですと、いわゆる建築主事、建築課の課長のところで相談を常々行っておりますが、一応建築物として設置するときに支障は今のところないというふうには聞いております。

伊藤委員

 要は、ただ正門が移って、現地保存と違って、前は現地保存だと、柵を40メートルの38メートルぐらいは必要だとかいうんですけども、この移築した場合の保全方法、保存活用計画になるんだろうと思うんですけども、その辺やっぱり囲いをつけたり柵を作ったり、そういうこともしなきゃいけないということなんですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 あくまで門の公開に向けた活用という点におきましては、今後保存活用計画の場で検討をお示しすることにはなりますが、やはり文化財保護審議会の答申を踏まえますと、柵ですとかそういったことは設けずに、例えば門のところを場内整備、随時見学可能とできるような形での保存を検討していきたいというふうには考えております。

伊藤委員

 それと、関連工事なんですけども、30か月かかるんでしょうかね。曳家に伴う仮補強、当然移築する前に補強しなきゃいけないだろうし、あと曳家準備工事、曳家の工事、新規基礎工事とか関連の工事がありますけども、それぞれの予算というのはどのぐらいかかるのか。先ほど基本計画、保存活用計画、それから基本設計・実施設計も含まれていると。この4億9,600万円の中にありますというんですけども、細かく積算というのはできているんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 今回概算経費として載せたこの4億9,600万円の内訳についてでございますが、昨年度実施した学術調査を基に経費を試算しているところでございます。例えばそれぞれの内訳としまして、基本計画が、これは税別ですけども、1,150万円、基本設計・実施設計でおよそ3,000万円、それから工事費のところでは3億5,600万円というふうにその中では一応うたっているところでございます。

伊藤委員

 この仮補強、曳家準備の工事、曳家の工事、新規の基礎の工事という細かい部分の内訳というのは出てこないんですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 こちらもあくまで税別でございますが、今の見積りですと、例えば曳家に伴う仮補強が400万円、新規基礎工事で1,200万円、曳家工事で1億530万円、耐震補強で800万円、劣化修理で4,000万円、復元工事で、こちらもまだ想定の部分でありますけれども、(「曳家準備工事」をもう1回と呼ぶものあり)曳家準備工事が4,650万円です。曳家工事が1億530万円、耐震補強が800万円、劣化修理で4,000万円、そして復元工事で、屋根の部分を今のところ変えるというふうには想定しておりますけれども、それで2,000万円というふうには見込んでおります。ただし、こちらにつきましてはあくまで現時点での見積りでございますので、いわゆる基本計画の段階でより期間ですとか経費が詳細になるというふうに見込んでおります。

伊藤委員

 これは保存の維持管理費は入っていないわけですよね。あくまでも移築をして完了しましたというまでの関連工事の費用なんですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 整備を終えて公開に資する経費ですとか経常経費、ランニングコストと言われるものにつきましてはこの概算経費の中には含まれておりません。

伊藤委員

 それはどのぐらいかかるという概算はあるんですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 ランニングコストの見立てとしましては、例えば警備ですとか清掃の費用で年当たり大体100万円程度を想定しております。

伊藤委員

 新規基礎工事が1,200万円というんですけども、この移築したところの場所、ここの用地自体が中野水処理センター、水道局の処理センターがあって、地盤が大丈夫かなというものもあるんですよね。この辺の移築する場所の地盤というのはボーリングして強度を調べるじゃないですか。そういう予算というのもこの新基礎工事の中に入っているんでしょうかね。どうなんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 いわゆる一等最初の基本計画のところでそういった地盤調査ですとか耐震補強の部分ですとか、いわゆるボーリング調査、そういったのを見込んでおります。

伊藤委員

 基本設計の中ではもうできていると、それまでには調べているということなんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 今の見立てですと、基本計画の中でそういったボーリング調査でしたり、あとは正門のレンガのコア抜き調整、門の強度を調べる調査、そういったものをこの基本計画の中で一応見込んでいるところでございます。

伊藤委員

 基本計画の経費というのは1,150万円と言っていましたよね。だから、例えばそのボーリングをやる工事、地盤が非常に軟弱だということが分かった場合、ボーリングしなきゃいけないですよね。そういった経費はまた追加工事になっちゃうんで、この予算では経費が収まらないんじゃないかなと心配なんですよ。その辺どのように捉えていますか。

矢澤文化国際交流担当課長

 あくまでこちらにつきましては概算経費として見込んでおりますので、例えばそういった追加工事ですとかそういったものは見込んでおりません。

伊藤委員

 本当にこの経費で済むのかというのが心配なんですよ。正直言って、あくまでも概算概算といっても、いろんな経費がまたかさんじゃって、5億円近く、4億9,600万円ではもうできないということがもし分かって、1億円、2億円も足さなきゃいけないとなった場合はどのように検討されるのか伺います。

矢澤文化国際交流担当課長

 あくまで今後実施する予定の基本計画の中でその曳家に伴う工期ですとか経費が出てくるところでございます。その中で改めて経費が新たに発生する部分についてですとか、あるいは工期の話ですとか、極力その新平和の森小学校開校に向けて我々としましても鋭意努力をしてまいりますが、やはりその都度そういった事態が発生した場合につきましては、区民の代表である議会においてお話をさせていただかなくてはならないなと、こういうふうには思っております。

伊藤委員

 大変懸念するところがたくさんあって、この移築するに当たってトータルで基本計画から何年かかるんでしょうかね。5年8か月ぐらいかかるんでしょうかね。そうすると、今言ったように、平和の森小学校の新しい学校も遅れるわけですよね。子どもたちによりよい教育環境を提供するには、やっぱり一日も早く平和の森小学校ができることが望ましいんですが、移築する間はそういったことでできない。その辺の関連ですよね。そこが問題になってくるんじゃないかなと思いますし、また、平和の森小学校の今後の予定で保護者及び近隣住民に対する説明というのがあるんですけども、11月中にはやっちゃうと。議会報告してから。今日も子ども文教委員会を一緒にやっていますから説明されると思うんですが、どういう方法でどんな説明会を行っていくのかというのがちょっと心配なんですけども、その辺どのように捉えていますか。

矢澤文化国際交流担当課長

 こちらの今後の予定で示しております平和の森小学校保護者及び近隣住民に対する説明につきましては、今の想定ですと、それぞれを同時に集めて行うのではなく、別々に、保護者は保護者向けで行う、そして近隣住民に対する説明はそこで完結して行うということを想定しております。説明の時期、それから方法につきましては今後早急に詰めていきたいというふうに考えております。

伊藤委員

 いつ頃、11月というと、もう下旬になっちゃうんですかね。どうですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 今の予定ですと、11月、早くて中旬、そして遅くとも下旬には実施したいというふうに考えております。

伊藤委員

 それから、近隣住民に対する説明ということですけども、この辺の左隣が、西側が小学校ですからあれですけども、主に南側の方が中心になってくると思うんですけども、かなりの世帯数がこの南側にいると思うんですよね。その辺、当然所管が説明会をやるんですよね。どういう方が説明されるのか、多岐にわたって所管の部署の方というのは、出席メンバーというのはどのようにされるのか、伺います。

矢澤文化国際交流担当課長

 こういった近隣住民に対する説明の方法、具体的に申し上げますと、やはりこういったメンバー、当然私は参加いたしますけども、それ以外の関係が、例えば小学校の関係ですとか用地の関係ですとか多岐にわたりますので、その辺も含めた形で今後早急に検討していきたいというふうに思っております。

伊藤委員

 やっぱり近隣住民は非常に不安な部分もあると思うんですよね。それと学校の保護者さんなんかはいろんな面で遅れる遅れるで不安があっていろんな意見が出ると思うんですよね。そういった意見も踏まえて、これはあくまでも案ですよね。また今後変わる可能性があるのかないのか、それ次第なんですけど、議会でもいろんな意見があってあれなんですけども、この門の取扱いの方針が決定する場合に我々議会として賛否というんでしょうかね、採決する場面というのは、今これは所管の報告ですから、どういうところで賛否の表決態度というのが出るんでしょうか。予算を組むときには当然議会が予算を審議することができるんですけども、その辺の表決態度というのはどうなんでしょうか。どの辺の場面になってきますか。

青山区民部長

 区民の代表である議会の御意見を伺っていくということでございますが、先ほど伊藤委員がおっしゃってましたように、この門の取扱いということだけに関して申し上げますと、議決事項という形ではありませんので、やはり予算の議決をいただく際にこの門の関連経費が上がってきます。ですから、それに対する賛否で御判断いただくというような形になろうかというふうに思っております。

伊藤委員

 先ほどもいさ委員の質問というか、この関連の経費というのは、それぞれ基本計画、保存活用計画に幾ら、それともそれはまとめて出てくるんですかね。どうなんですか。

青山区民部長

 仮に本日私どもがお示ししている移築という案で最終的に確定した際には、このスケジュールで言いますと、来年度の予算に基本計画、それから保存活用計画の策定の予算が出てくるというような、ですから、年度ごとにその年度に必要な予算を出させていただくと、そういうような形になります。

伊藤委員

 そうすると、先ほどお示しいただいた基本計画では1,150万円が来年度からですから、令和3年度ですから来年度の当初予算に出てくるということでいいのか、また、基本設計は令和4年度に出てくるのかということなんですけども、その辺いかがですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 あくまで議会にこの予算の議決をいただいたらという仮定ではございますけれども、来年度基本計画と保存活用計画の経費をそれぞれ見込んで、それのとおり、令和4年度以降は基本設計・実施設計という経費を今後計上していく予定というふうに考えております。

伊藤委員

 その4億9,600万円は年度年度で内訳として出てくるということで理解をいたしました。

 それと、どこまでが答えていただけるのか分かりませんけど、用地について、たしか100億円以上、110何億円ぐらいかかるということも聞いています。それと、現在の平和の森小学校、聞くところによると、売却をして、その売却の収益で用地の返済に充てるということを聞いているんですが、その辺というのはお答えになれるのかな。どうでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 今の平和の森小学校の売却につきましては、申し訳ないです。私のほうではちょっと答えられないのかなというところです。ただ、そういった話を、売却という話は聞いてはおります。

伊藤委員

 庁内での議論、曳家にするときに、学校用地は学校用地なんだけど、そういった先ほど4回から5回やっている中で、もちろん青山部長も出ていらっしゃるんでしょうか。もちろん区長も出ている。副区長も出ている。様々な所管がいろんな意見を持って出ている。そこでの議論、教育委員会も出ていますから、企画課も出ていますから、財政課も出ていますから、そういった議論というのはなかったんですか。

青山区民部長

 この平和の森小学校の予定地の購入経費をどのように捻出していくかということで、現在の平和の森小学校の移転後の跡地を売却して、その売却したお金を購入費用に一部充てていく方針であるということは聞いてございます。今までの議論の中でその他特定財源的なものが入るかという話は特に聞いておりませんので、現時点では一般財源で充てていくというようなことで聞いているところでございます。

伊藤委員

 今回取得するに当たっては用地特別会計でお買いになるということだと思うんですけども、いずれ小学校の建物を建築するに当たっては一般会計で買い求めなきゃいけないし、また返済方法もそれぞれ考えていくんだろうと思いますけども、私はそうやって聞いているんですけども、それは変わりないですよね。その辺確認いたします。

青山区民部長

 委員のおっしゃるとおりでございます。

伊藤委員

 いずれにしても、これだけのお金をかけて、先ほども申し上げました来年度の予算が最低でも92億円は減収になるということで、各所管にそれぞれ経費計上の削減を要求していながら、この門に関しては5億円もかけて、なおさら維持管理費は最低100万円かかると。10年で言うと1,000万円以上かかる。例えば各部から捻出した削減がもう本当にそのまま行っちゃうんじゃないかというのも気になりますし、本年度だって削減とか見直しでやっと10億円捻出したということで、例えばいろんな計画が中止されましたよね。中野本郷小学校の基本設計・実施設計、また桃園第二小学校の計画、また鍋横区民活動センターとか昭和区民活動センターの工事、それも全部ストップしているんです。その辺を考えると、どうもこの門に5億円もかけてやる必要があるのかなと思いますけど、全庁的なことであれなんですけども、文化財の担当としては価値があって、移築して保存したほうがいいという考えでしょうけども、その辺改めてもう一度、部長、伺えますか。いかがですか。

青山区民部長

 先ほど来伊藤委員からお話がありましたように、区の構造改革ということでいろいろな削減を今考えているというところでございます。一方では、私ども文化財を所管している担当としましては、やはり門の関係は保存していく価値があるということで区の内部の意思決定の中ではそういった主張を行って、全体的な判断の中で保存していくという、今の時点では案でございますけれども、保存していくという方針が決まったというところでございます。ただ、先ほどお話のあった休止、中止が予定されている他の施策との関係について御意見があったということについては財政課の担当等とも共有してまいりたいというふうに思っております。

近藤委員

 今いろいろ御意見が出たんですけれど、この委員会としては中野区文化財保護審議会から大変貴重なものだという答申をいただいて、この文化財を何とか大切に守っていくという立場だと思うんですね。ですけれど、全庁で4回、5回の会議をされたという中で、教育委員会としてはこの小学校の新校に対して環境をよくしていくということだと思いますし、財政課のほうでは財政を抑えたいという、みんなそれぞれの立場があると思うんですね。ですけれど、それをどうやってこの案件に最高にうまくやっていくかというか調和していくかというところが一番大切なところだと思うんですけれども、この2ページの3の保存及び活用についてのこの図というのは、もうこれは決定ということで説明会などに説明していくんですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 こちらで示しております曳家の図におきましては一応案としては文化財担当として決定したところでございますので、こちらを用いて説明をしていく予定でございます。

近藤委員

 先ほどからの伊藤委員の御質問などからちょっと想像するには、平和の森小学校を売却して、そこから出た利益で保存ですとかここの平和の森小学校に関して設備していく的なお金の充て方というのを取っていくのかなとちょっと想像するんですけれども、これはまちづくり用地の問題ですとかいろいろあると思うんですけれど、この曳家を今ある正門から100メートルも引いてまちづくり用地に持っていかなくても、この敷地内のどちらかといえばこの矯正会館のほうに持っていく、そして、これが100メートルも引きずらないで、もうちょっと短い距離にすれば、曳家というのは引くのが1メートル幾らみたいな単位だということも伺ったんですけれど、もうちょっと安価で、それで教育環境はこのまちづくり用地を取得するんですから、少なくならずに、値段も抑えて、費用も抑えて正門を移動させるという方法もあるんではないかと思うんですけど、そういったような財政負担をなるべく抑えて、それでいてこの文化財を守っていくという検討は何かされたんですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 まさに今委員がおっしゃいました曳家の場所についてもこれまで検討してきたところでございます。例えば東側に置いたほうが、おっしゃるように、曳家の距離ですとかという点については確かにそうなのかなと、御指摘のとおりかなとは思いますが、一方で、やはり文化財保護審議会の答申に出されておりますように、公開のスペース、そういった観点、矯正会館にも非常に隣していることと、あと、この旧法務省矯正管区敷地は、例えばですけども、目の前の道路ではなくて、これが下水道局の通路という扱いになっておりますので、そういった建築上の要件をなかなか満たし切れないのではないかということでは教育委員会からもそういった判断が、校舎設計をするに当たって判断があったのでこういった西側に曳家をするという判断を取ったところでございます。

近藤委員

 そうしますと、矯正会館のほう、こちらの道路側に出てくるというのは建設としてできないということなんですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 私どもが教育委員会から聞いている話ですと、そういった検討を教育委員会の中でしたところ、そういうふうな判断を取ったというふうには聞いております。

近藤委員

 教育委員会は、やはりもともとの敷地、ここを確保したいと思うと思うんですよね。計画を崩すことなくここに建てられるから、そして、良好なこの敷地の中でまちづくり用地以外の敷地の中で収めることができるので、教育委員会としてはその方向がいいと思うのは無理もないなという感じがするんですね。ただ、この曳家でお金がかなりかかってしまう。そしてその引いていくのもそんなに引かなくてもいいところがあるならば、短い距離のほうがいいと思うんですよね。そして、この大きな道路に面しているそばから来れば、文化財的な観点からもここに文化財があるんだというアピールにもなりますし、こちらのほうに50メートル移動したほうがいいのではないかと思うんですけれど、教育委員会が言っていたからという理由で諦めてしまうにはこの大きな予算は少し早く諦め過ぎという感じであるんですけど、その辺はいかがですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 9月4日に教育委員会からの意見回答の中でも学校予定地以外で確保されたいということで出されました。我々としましてはそういった意見も重く受け止めておりますし、また、実際曳家関連工事を行う上で、曳家工事自体はやはり大体100メートルで、今の想定ですと3、4か月というふうには聞いております。ですので、距離が短くなれば、当然その分工期は短くなるとは思いますけれども、そういったものも総合的に踏まえましてこういった決断をさせていただいたところでございます。

近藤委員

 ですけど、今おっしゃった曳家のメートルが短くなれば予算は減るのかなと私は思ったんですけれども、時間的にも短縮されるということであれば、教育委員会にとっては子どもたちが早く新しい学校で生活するという意味では短いほうがいいと思うんですけれど、その辺は教育委員会と話されたりはしましたか。

青山区民部長

 先ほど来近藤委員がおっしゃっているこの東側の矯正会館の隣の辺りの土地でございますけれども、例えばこの辺りに正門を持ってきた場合に、建築上の問題もございますし、それから新校に通う子どもたちが入ってくる入り口が制限されるといったような学校側の事情もあるというふうに聞いております。

 また、曳家の関係の工事でございますが、一番時間とお金がかかりますのが実際に引っ張る前の事前準備の工事にお金と時間がかかるということで、確かに距離によって期間は多少違いは出てくるんですけど、そこの部分はあまり大きく変わらないというようなこともございますので今のような案になっているということでございます。

近藤委員

 平和の森小学校を売却して、教育委員会は、門はここにあるのはもちろん、真ん中は邪魔であるということからまちづくり用地に持っていってという、すごく単純な構造で今の門がまちづくり用地の中のここの場所に決まっているように感じるんですね。やはり財政的な観点からもどのようにしたら一番いいのかという、何通りかの、別に入り口のところ、矯正会館のそばというわけでなくても何かほかに検証はしたんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 当然我々としましても曳家の場所につきましては、西側、あるいは東側ですとか、あるいは現地保存した場合ですとか、そういった様々シミュレーションした上での結果となっております。

近藤委員

 やはり予算的なことというのは今のコロナ禍でとても大変な状況の中で考えなくてはいけないので、それぞれ教育委員会もここの区民委員会も譲らなくてはならないところは譲り合って、本当に最終的にどういったものにすればいいのかというところを出していかなきゃならないと思うんですね。それにはやっぱり様々な施設の、平和の森小学校の跡地のことだってどうなっていくんだろうと。売却なのか、本当にここを売らないで、もっと平和の森小学校に何か関連してつくっていければ、この門はここをどかさなくていいのかという、当初のもう壊すしかないとか現地保存から変わったんですから、曳家という選択に変わったんですから、やっぱりもう少し選択の幅を広げて、本当にどうしていくのが予算的にも、そして教育委員会、子どもたちの環境にもいいんだろうかというところを、これは住民説明会などもありますけれど、しっかりと区民の声も聞いて、今後全庁的にきちっとした議論をしっかりされて考えていっていただきたいと思うんですけれど、いかがですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 本日のこの当委員会で出ました意見を踏まえまして、また全庁的に議論を重ねて、期間が短い中でですけれども、方針として決定していく次第でございます。

森委員

 御報告ありがとうございます。曳家により移築ということでありますが、前回の復習もかねてなんですが、前回出していただいた資料に保存・公開必要面積というものが示されていて、結局この面積を確保することと学校環境の共存というのができないという御判断だということでよろしいんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 今、森委員まさにおっしゃるとおりでございまして、文化財保護審議会の答申としましては、東西41メートル、南北39メートルの用地確保が望ましいという一方で、やはりこれをそのまま今の平和の森小学校新校の建設に充てると良好な教育環境が確保されないという意見も出ましたので、我々としてはその両者を重く受け止めてこういった取扱い方針(案)とさせていただいたところでございます。

森委員

 それで、現地に保存をする場合に比べて、曳家をするとその分当然時間がかかりますね。平和の森小学校の新校の開校というのはどのくらい影響が出るんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 つまりそれは曳家をした場合とこれまでの案との比較ということでございましょうか。こちらにもお示ししておりますように、曳家をした場合の平和の森小新校のスケジュールにつきましては令和9年度の途中からとしておりますが、仮にその文化財保護審議会の答申を踏まえた上での現地保存とした場合のスケジュールの差はそこまで実はないものというふうに見込んでおります。

森委員

 でも、それはできないということなんですよね。これまでもこの門というのは残しておくべきなのだろうと私も考えていましたし、大石会長をはじめとした文化財保護審議会の権威の方の御意見などを見ていても、やはり壊すという選択肢はないだろうと思います。その上で現地に残せないというのであれば、時間とお金がかかっても移築をするしかない。だけれども、やっぱり子どもたちに影響が出てしまうところは物すごく心に引っかかるところではあるんですね。その間の対応をどうするかというのは多分今まさに子ども文教委員会のほうでやっているんだと思うんですが、文化財の担当としては、この間いろんな議論がありましたけど、結果、移設して、残って公開をされたときによかったねとみんなに言ってもらえるような保存の仕方、活用の仕方というのを考えていかないといけないんだと思うんですが、その辺りのお考えをお聞かせください。

矢澤文化国際交流担当課長

 当然その文化財として保存、残すだけではなくて、我々としましてはむしろその活用、公開方法、区民にとっていかにこの歴史性も含めてやはり価値があるものだよということで周知することこそが私ども担当としては大事なことだろうというふうには思っております。ですので、こういった保存活用計画の中で公開の在り方については詳しくは議論はさせていただく予定ですけれども、やはり結果としてそういった曳家をして、こういった正門の歴史ですとか、移築してよかったねと思えるような公開と活用を目指していきたいというふうに考えております。

森委員

 そこはぜひお願いをしたいと思います。

 それから、経費というか、財源の話なんですが、ここで出ている概算の移築の関連工事等で約5億円弱というのは全て一般財源なんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 今のところ全て一般財源による持ち出しを考えております。

森委員

 保存の必要性を考えたときに一定負担が出るのはやむを得ない部分もあると思うんですが、財源の確保についてはいろんな可能性を検討してほしいと思っています。今の文化財保護法が改正をされたときも、平成30年5月18日の衆議院文教委員会では附帯決議がついています。これは非常に面白いのは、7項目あるんですが、その三つ目に、国及び地方公共団体は文化財継承のための必要な支援を行うこと、また、文化財の修理においては国が必要な予算を安定的に確保し、努めることとなっているんです。曳家を修理と呼ぶのかどうかは専門的には私はよく分かりませんが、しかし、いずれにしても、予算措置については国が責任を持つべきだという附帯決議が国会でなされています。残念ながら全会一致ではないんですが、それでも大多数で可決をされた附帯決議であって、こういったところも、現行使える補助等がないからといってそれで終わらせるんじゃなくて、いろんな可能性を追求してほしいと思っています。また、いろんな歴史を背負っている門ですからいろんな思いを持っている方々もいらっしゃいます。何がしかの形で御協力いただける部分もあるかもしれません。いろんな可能性を含めて考えていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 先ほど、今の時点では一般財源による持ち出しというふうに話をさせていただきました。今の見込みですと、確かにそういった国ですとか東京都の補助金ですとかそういった見込みはないにしても、今後やはりこういった財政状況を考えると、常にそういった財源の確保については検討しなければならないものとも考えております。今後そういった財源の確保について引き続き何らかの形で補助金等が得られるかどうか努力してまいりたいというふうに思っております。

木村委員

 さっきの森委員の質問をもう少し詳しくお聞きしたいんですけれども、曳家と答申を受けた現地保存の比較の話なんですけども、経費の上の比較ということなんですけども、曳家の場合は4億9,600万円ということなんですが、答申を受けた現地保存の場合は引き上げをしなきゃいけないかと思うんですけども、その経費はどれくらいを見込んでいたんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 こちらにつきましてもあくまで概算ということですけれども、文化財保護審議会の答申を踏まえた上での現地保存となると、やはり上げ家という手法を取るのであれば、今の見積りですと、税別で約3億6,000万円、大体税込みで4億円ぐらいというふうに見込んでおります。

木村委員

 では、経費的には1億円ぐらいの違いがあるということですね。

 スケジュールというか、期間のほうですけれども、先ほど曳家と現地保存はそんなに大差はないというお話ではあったんですけども、ここに書いてある、2ページの平和の森小学校の新校のところですね。令和6年から令和7年で移築の関連工事がというところが大体1年と半分ぐらいかかっているかと思うんですね。これが1年と6か月が正確かどうか分からないんですけども、仮に先ほど言った答申を踏まえた現地保存だった場合の期間というのは、移築の場合、1年6か月ですけど、もうちょっと具体的にはどれくらい違ってくるんですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 あくまでこちらも概算といいますか、事業者から聞いている限りの話でしか答えることはできませんけれども、大体3か月ほど、実際にその引く工事が3、4か月かかりますので、それを差し引いた形で上げ家工程をするとなれば、ここの部分が大体1年3か月ぐらいになるのかなというふうには聞いております。

木村委員

 じゃ、大体曳家と現地保存、3か月ぐらい、あくまでもまだ想定という話です。そういった意味では今後検討する中でいろいろ比較していかなくてはいけないですし、やはり平和の森小学校の新校の開設というのにいかに影響を少なくするかという話が大事かと思っております。

 曳家の場合の話なんですけども、令和4年度が基本設計6か月から10か月、令和5年度が実施設計6か月から10か月と書かれております。基本計画も10か月から12か月と書かれておりますけれども、仮にですけども、6か月ということは基本計画とか実施設計が半年で終了する可能性もあると。これが半年ずつで終わった場合は、要は曳家の関連工事が1年早まるというふうにも見ていいということでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 こちらにつきましても、あくまで基本計画を来年度予算の議決を経た上で策定した後にはなりますけれども、そこの中で今後のスケジュールが詳細になりますけれども、今の見立てですと、委員御指摘のとおり、最短で例えば基本設計6か月、実施設計6か月、あるいはこれらを組み合わせて債務負担行為でという手法も当然方法の一つとしてはあるのかなというふうには思っております。

木村委員

 ということは、ここに平和の森小学校の新校の移設関連工事が令和6年度からスタートということになっていますけども、これが要は前倒しになってくると。仮に基本設計・実施設計が6か月、6か月、1年に短縮した場合は、令和5年度からこの平和の森小学校の移築関連工事がスタートできる。それに合わせて、当然今の予定ですと平和の森小学校の新校というのは令和9年度に供用開始となっていますけども、それも1年繰り上がる可能性もあるという認識でもよろしいですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 委員おっしゃるとおり、この基本設計・実施設計のスパン、それからその前の基本計画、保存活用計画のスパンが短くなればなるほど曳家関連工事を前倒ししてやるということも考えられると思っております。

木村委員

 先ほど来お話ししておりますけども、今後の課題としては、やはり平和の森小学校への影響をいかに最小限にしていくかというのが一番大事かというふうに思っておりますので、そういった意味では、基本設計・実施設計を例えば一体でやるとか様々な工夫をした中で曳家の工事というか、その計画の期間、スパンを短くして、可能な限り平和の森小学校の新校の開校を早めていく努力をやっぱり教育委員会としっかり連携しながらやっていってほしいと思うんですけども、いかがでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 当然我々担当としましては、正門を文化財的価値があるとして残す、曳家移築するという観点のみにかかわらず、この新平和の森小学校の一刻も早い開設、それからそれぞれ道路の話ですとかそういったこともありますので、そういった関係する庁内部署と連携しながら、いかに新平和の森小学校開設を目指すことができるか、常に検討してまいりたいというふうに考えております。

石坂委員

 ありがとうございます。こちらの場所というのが、やはり歴史的な価値、特に町並みは変わりつつも、この門の立つ場所について、ひんやりとした風が武蔵野の林から遠くそよぐような雰囲気の中に立っていたものであるという雰囲気を残すこと、また、建築としてもそうですし、日本の文学史、司法の歴史としての活用も考えていくべきである場所であると考えています。

 この件について御報告いただいた中で取り壊しという話が出ないことはほっとしております。しかし、当時の状況をいかに残すのか、現地が望ましいのは望ましいと考え、その趣旨から、またその当時の担当者の当該委員会での説明を踏まえて、「平和の森小学校新校舎の早期建設・完成について」という陳情、これの第4項に関して、旧中野刑務所正門の解体もしくは学校敷地外へ移築することとあった部分に関しまして、私は賛成せず、また議会の総意としてもこの項目は不採択となりました。その後、区長の記者会見もあり、これは現地保存でいくんだろうなと思っていたところではありました。今回こういう形になっているわけですけども、今回この道路を挟んだ西側に曳家をする案になっていますけども、この部分というのはこの曳家がなかったとした場合にもともとどう使われる予定だった場所であったのかと、あとここに関して曳家をする場合、その門以外の敷地の部分はどう変わるのかを教えてください。

矢澤文化国際交流担当課長

 もともと平成31年1月、現地での保存を決定したときにおかれましては、西側の部分、旧まちづくり用地の部分につきましては学校用地として使うというふうに聞いておりました。ただし、今回の方針の変更に伴って、そういった学校の機能として使うことは今のところ想定しないということも教育委員会から聞いているところでございます。

石坂委員

 これは敷地としては学校の敷地の一部なのか、あるいは全く違う土地になるんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 経理課の所管にはなるんですけども、用地売買契約で旧法務省矯正管区敷地を購入するに当たりましては、学校用地として既に財務省の国有財産関東地方審議会ですとかやり取りがあったものというふうに聞いておりますから、学校用地として買うということでは聞いております。

石坂委員

 そうした場合に、用地は学校用地ということではあるんですけども、やはりその門があった場所の雰囲気ですとかどういった意義があるのかということに関しては、先ほどほかの委員の質問の中でも活用を考えていくという話ではあったんですけども、その道路の西側の土地に関して、その門の活用という観点からこの敷地を使うことはできるようになるんでしょうか、どうなんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 現時点におきましては、教育活動に支障がない形で学校用地として購入するわけですから、そういった教育活動に支障がない範囲で正門保存及び公開できるように検討していきたいというふうに考えております。

石坂委員

 そうした意義がある形でやっていっていただきたいと思うところではあります。

 あと、今回この場所にということでありますが、先ほどほかの委員の質問への答弁の中でほかの場所も現地保存を含めてシミュレーションしたということではありましたけども、そのことに関して、まず前段階として伺いますけども、旧中野刑務所正門に関する文化財保護審議会答申の中で、保存、公開に必要な面積として40.27メートル掛ける38.45メートル、面積にしたら1,550平方メートル足らずの用地になるかと思うんですけども、この道路の西側の土地に関して、形はちょっと変則的な形ではあるんですけども、この面積とか長さとかというのを考えた場合にはこれはどうなるんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 この文化財保護審議会答申で出されております公開、活用に必要な面積をこの西側のところに当てはめますと、南北38.45メートルは当たるのかなとは認識してございますが、東西につきましてはちょっとそれがそのまますっぽり収まるというふうには考えておりません。しかし、あくまで答申の中でも用地確保が望ましいと。実際の審議会のやり取りの場でもそういった話で言っておりましたので、極力公開、活用に当たりましてはこれを最大限確保するように区としては考えております。

石坂委員

 取れないということでありましたが、東西というのは実際に何メートルぐらいあるのかですとか、あるいはこの敷地の面積というのは分かりますでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 今の予定地……。

石坂委員

 はい、今の予定地。

矢澤文化国際交流担当課長

 そこまでは今想定は、これから具体的にシミュレーションしていく予定です。

石坂委員

 そうした場合、その範囲に関しましては、門そのものもですけども、その範囲の部分に関しては文化財の御担当のほうで当時の面影を残していくとか活用していくという形でちゃんとしっかりと責任を持って見ていく土地になるという理解でいいんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 文化財的価値そのものの根源に立ち返って、やはり当時の状況にできるだけ望ましい形での復元、保存、それから公開に当たりましてもより多く区民の方が見ていただけるような形で用地確保、それから場内整備を検討してまいりたいというふうに思っております。

石坂委員

 それから、ほかに何か所かシミュレーションしたという話でありましたけども、全部とはいかないかもしれませんけど、ほかにこんな場所に設置しようと思ったけど、この場所と比べたらメリット、デメリット、こうであったというようなことなんかは可能な範囲で教えていただくことはできますでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 これは実際先月の全庁会議の場では出してはおりませんけども、内部の中で検討したときに、例えば平和の森公園の中での設置ですとか、そういったことも考えましたが、平和の森公園も一部になっております。ただ、平和の森公園の入り口の辺りになりますと、当然木を切ってしまう。それから曳家の距離が長くなってしまうということで、こちらについては可能性から除外したところでございます。

石坂委員

 ありがとうございます。

 それから、今回100メートルの曳家ということで、これは30か月という形で書かれていて、よく曳家で100メートルは5年ぐらいかかるんじゃないかという情報もあちこちで耳にしていたんですね。実際この工事というものが、平成元年10月に委員会に出している旧中野刑務所正門学術調査報告書の中で、仮設工事、仮補強工事、曳家準備、曳家、新規基礎工事、耐震補強、劣化修理工事、復元工事、外構工事というものがかかっていくという形であるようなんですけども、これは30か月、もちろん状況によって前後することはあると思うんですけども、この工事をしっかりと積算していった結果、30か月でクオリティ的には問題なくできるという認識でよいのでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 こちらのスケジュールにつきましては、昨年度まさに実施しました学術調査の中で、曳家をするに当たっての準備工事ですとか実際に曳家を動かす工事、そして動かした後の復元工事、そういったものを現時点で想定しているものをこちらに落とし込んでいったということでございます。

石坂委員

 あと、安かろう悪かろうというんじゃないですけども、その分30か月で通常よりも早く進む、早く進むにこしたことはもちろんないわけですけども、早くすることによって何かしら無理が生じてしまうということもなくできるという認識でいいか確認させてください。

矢澤文化国際交流担当課長

 当然我々としましても、あくまで今曳家全体の工事で約30か月かかるということで、早くしろとお願いすることは現実には難しいのかな。委員おっしゃるとおり、早くすることによって逆にその門が壊れてしまったりですとか様々ほかのところに影響を及ぼしかねないということもありますので、そこについてはやはり約30か月今のところ見込んでいるということにはなっております。

伊藤委員

 何点か聞き忘れたところがあって再度質問しますけども、今回東京都の文化財指定を目指すという文言がないんですよね。たしか前回の現地保存のときにはあったように聞いておりますけども、今回は東京都の文化財指定というのを受けるつもりはないんでしょうか。その辺いかがでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 平成31年1月に示した現地保存の決定では、確かに委員おっしゃるとおり、都の文化財指定を目指すという文言が記載されておりました。ただし、都の文化財指定につきましては、東京都の教育委員会が文化財保護審議会を設置して、それでまず指定について、都の指定を受けられるかどうかの諮問を行って、その審議会において審議した上で都の教育委員会に改めて建議を行うというのが手続になっております。最終的には都の教育委員会が議決して東京都の指定に値するかどうかというのを決める制度になっておりますので、あくまで東京都の文化財指定につきましては東京都さんが、都の教育委員会が判断するものとしておりますので、区がどうこう言うものでもないのかなというふうに思っております。

伊藤委員

 じゃあ、区から申請はしないと。当然今移築しても価値はあるということで、区の文化財指定というのは区長さんが判断するのか、文化財保護審議会で一応判断して、最終的には区長さんが認めるということで取れないことはないんでしょうけども、以前東京都へ文化財指定を目指す、指定を申請して受けたいということで東京都から注意されたという話もありますけども、その辺はいかがでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 これにつきまして、東京都に限らず、国もそうですけども、文化財指定につきましては、申請、区が手を挙げれば、東京都が手を挙げればというものではありませんので、あくまで都の判断、あるいは国であれば国の文化庁の判断というふうになっておりますので、そこについて手挙げをするかどうか、そういうことにはないかなというふうには思っております。一方で中野区の文化財指定につきましては、こちらは中野区の教育委員会として判断するものでありますけれども、当然区の文化財保護審議会においてこういった答申が出されている以上は、やはり区の文化財指定に値するものではないかなというふうにも考えております。

伊藤委員

 そうすると、東京都の、あと国と、文化財指定を受けないとやっぱりそういった財源というのは入ってこないと思うので、維持費というのはまた一般財源でやっていくんだろうから、これもまた大変だなと思っていますし、また、財源のことですから、用地も含めて曳家の財源がいろいろと示されたわけですけども、当然第4回定例会前の他の所管の委員会、関係する委員会だと、財源だとやっぱり総務委員会になると思うんですよね。当然総務委員会でもこの正門の取扱いの案というのは、先ほどそちらのほうからも意見が出たということなんですけども、当然報告があるんでしょうね。いかがでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 現時点におきましては、今後17日ですか、行われる総務委員会において所管事項を報告しないということは私は聞いておりますが、こういった本日の議会から出た意見を踏まえて、より強く企画課ですとか総務課に話をしていく予定でおります。

伊藤委員

 当然110何億円の用地を買うのにやっぱり正門の取扱いの協議なんかもいろいろ出ると思うんですよね。当然していかなければいけないと思いますので、その辺はきっちりとお伝えしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。(「はい」と呼ぶ者あり)

委員長

 他に質疑はありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告について終了いたします。

 それでは、次に、3番、令和元年度森林環境譲与税の使途の公表についての報告を求めます。

波多江環境課長

 令和元年度森林環境譲与税の使途の公表について報告をいたします。(資料4)

 この報告につきましては、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律34条に規定されているように、自治体は森林環境譲与税を活用した事業について公表することになっております。

 1番目に令和元年度森林環境譲与税の額ですけれども、1,263万9,000円でございました。

 2番目に、使途及び事業内容でございます。これは、それぞれの事業ごとに令和元年度の決算額を一般財源と特定財源に分けて内訳を示しておりまして、一般財源の内訳としてさらに森林環境譲与税の額を示したものになっております。事業の項目といたしましてはカーボン・オフセット事業と環境基金積立金となっております。

 まずカーボン・オフセットの事業のほうですが、事業内容を一番右側の欄に記載をしております。なかの里・まち連携自治体である群馬県みなかみ町における中野の森の森林整備委託経費等が充てられていますということでございます。

 令和元年度の決算額といたしましてカーボン・オフセットのほうですけれども、507万4,740円で、財源別に申し上げますと、一般財源が327万5,198円、そのうち森林環境譲与税は294万7,234円、特定財源のほうが179万9,542円でございました。

 下の欄ですけれども、環境基金積立金ですが、決算額は3,537万8,053円でございます。一般財源といたしましては3,469万1,766円でございます。このうちの森林環境譲与税は969万1,766円でございました。特定財源といたしましては68万6,287円ということになっております。積立金のほうの森林環境譲与税の969万円ですけれども、これは令和元年度に予算化されておりましたが、平和の森公園に木製ベンチを整備するための費用が未執行となった分でございます。

 ※印のほうにカーボン・オフセット事業の内容について説明してございます。区内で努力しても削減できない二酸化炭素を区外の植林や間伐による二酸化炭素吸収量で埋め合わせる事業のことを言います。

 今後の予定でございますけれども、この区民委員会での報告を終わりましたら、11月に区のホームページに公表する予定にしてございます。

 簡単ですが、報告は以上です。

委員長

 ただいまの報告に対し質疑はありませんか。

森委員

 ごめんなさい、これは何でこのタイミングでこれを抜き出して御報告があるんでしょうか。

波多江環境課長

 報告の仕方として主要施策の成果のほうに入れるような形も考えられたんですけれども、初めて報告するということですのでそういう形ではなくて、決算の終わった後に委員会報告をするということで考えたものです。

森委員

 令和元年度決算は審査をして認定をされたのに、その後にこれが出てくるというのはかなり違和感があります。

 森林環境譲与税は目的税ですか。

波多江環境課長

 一般財源なので目的税ではないと思います。

森委員

 消費税もそうなんですけど、普通税なのに目的税のように振る舞うお金というのがどうも目につくんですよ。地方財政の物の本なんかを読んでも、基本的に特定の収入と特定の支出を結びつけてはいけないというのが予算の大原則だという話があって、これはもう法律で使途を公表しなさいとなっているから出さないといけないという背景は理解をしますが、わざわざこうやって抜き出して、しかも決算の認定が終わった後に御報告をするというやり方までは必要ないんじゃないかなというふうに思います。ちょっと今後の報告のほうについては予算の財政のほうの担当も関わってくるんでしょうから、少し庁内で相談をして検討していただければと思いますが、いかがでしょうか。

波多江環境課長

 委員おっしゃることにつきましては財政のほうとも相談をしまして、今後の報告の仕方については違和感のないような形で進めてまいりたいと思います。

いさ委員

 ちょっとこれはもう出てきちゃったから僕も聞かざるを得ないかなという感じなんですけれども、前の委員会の中でも僕は聞いたかと思うんですけど、例えばこのカーボン・オフセット事業、ここには、「区内で努力しても削減できない二酸化炭素を」と前段で何か結論の先取りをしているように見えるんですよ。ここはこれでいいのかな。全体としては削減のための努力をする、その中で植林ということも改めて考えなきゃいけないんじゃないかな。区内に緑を増やすということですよ。中野区では無理だから、みなかみの山のところに、群馬の山のところに木を植えて措置で差し引きする、ルール上そうなっているとしてもですという話です。結論をこの先取りでいいのかというのを改めてちょっと聞きたいんですけど。

波多江環境課長

 このカーボン・オフセット事業について記載しましたのは、やはり言葉の意味というか、そもそもどういうことかというのを記載したほうがいいと思いましたのでこういう記載をしておりまして、他区の公表した事例なんかですと、やはり中身が分かるような記載をしてホームページに公表している区もございますので、その言葉が分かるような形でということで、先取りした書き方というよりかは言葉の定義のような形で書いたつもりでございます。

いさ委員

 ここでの文章はそうだったとしてもなんですけど、結局この使い道についてはどんな話し合いがあって、どこでどんな方針の下に決められていったのか、その辺りというのは何かありますか。どういう方針があってこれが使われていくような道筋になっていたのか。

波多江環境課長

 森林環境譲与税の検討の過程といたしましては、木材の利用推進方針を策定しながら森林環境譲与税の活用事業について委員会に報告するなど、一定程度令和元年度の予算化が終わった後にそういった検討を進めていった過程がありますので、少し変則的だったかなというふうには感じております。

いさ委員

 以前はもう少しこの使い道について豊かな議論をしていた気がするんですよ。こんな使い方もあるよ、こんな使い方もあるよねということでね。それがそのカーボン・オフセットと積立てに戻っているのは何でかなと出てきたから僕はまた疑問になっちゃったんですけど、この先は来年度以降だと何か方針というのはあるんですか。

波多江環境課長

 令和3年度の予算に向けてはちょっと今まだ検討している最中なので申し上げられないんですけれども、所管といたしましては、様々令和元年度から令和2年度にかけて、本会議も含めて、総括質疑も含めて御意見をいただいております。活用の方向性であるとかそういった議論も踏まえて検討していきたいとは思っておりますが、コロナの感染症の状況もありますから、そういった意味でいろんな施設整備もどうなるかというところもあるし、実際には学校の施設整備の考え方については、今までの学校関係の整備計画が区施設の整備計画と一緒に見直されていくというところもあるので、ちょっと令和3年度について森林環境譲与税を活用するというのが現実的には今のところ難しいのかなという感触は持っております。

いさ委員

 予算も全体で削減しろと言われている中でもあると思うんですけど、やっぱりここだけはちょっと引っかかる。そのカーボン・オフセットという考え方そのまま丸のみでいいのかなと。今の中野区内で緑をどうやって増やすかという普遍的な話としてここの部分でもう少し議論があってもいいんじゃないかなと僕は思うんです。議題がちょっとあっちこっちへ行くけど、ヒードアイランドのこととか、これからいろいろなまちづくりが進んでいく中でも絶対問題になってくるんだから、今の計画以上に緑を増やすにはみたいな議論だって当然あっていいんだと思うし、ちょっとその辺りはこの環境部のことだけじゃない話じゃないかなと私は思うんで、そういう議論ができるならぜひ今後お願いしたいなという要望としておきます。

石坂委員

 今回これもホームページに公表するということで、もちろんこの文言がそのまま出るとは思っていませんけども、ここでカーボン・オフセット事業に関して説明を受けているので、ホームページでも恐らくその説明書きがカーボン・オフセット事業はこういうものですよというのが書かれるんじゃないかと思うんですが、そもそも区民からすれば、恐らく森林環境譲与税がどういうふうに区民が負担していて、どのようにまた区民のメリットになっているのかというのは分かりにくいものでもあると思うので、その辺りは丁寧に説明するとともに、今回のこの環境基金積立金の中に森林環境譲与税が969万1,766円入る形になりますけども、これに関しても単に一緒くたに扱うだけじゃなくて、たしかこうやって別立てにするという話もありましたし、その別立てにしたお金で何ができるのか、これは実際何をするかというのはまだ決められない部分はあると思いますけども、法の趣旨から考えればどんなことができ得るのかということがある税だと思いますので、その辺りをしっかりと書かないと、それは区民からすれば突然出されても何だという話になっちゃうと思うので、その辺りのホームページの載せ方というのはかなり気をつける必要があると思うんですが、その辺りお考えでしょうか。

波多江環境課長

 基本的にはこの形で報告をしたいと思っておりますけれども、確かにどういった事業に使うべきなのかということについては、森林の整備に関する施策であるとか、森林整備を担うべき人材の育成、確保、森林の有する公的機能に関する普及啓発、木材の利用等が定められておりますので、その法律の趣旨も含めてきちんとお伝えをしていくべきかなというふうには考えてございます。

近藤委員

 私もいさ委員と全く同じ意見で、このカーボン・オフセット事業、これはこれでいいんですけど、環境譲与税はこれに使われちゃったのかなというところなんですよね。やっぱりこれは、例えば東北の復興税とかいって確定申告のところに出ると、復興に自分も役に立っているんだなと思うわけですよ。だけど、この森林環境譲与税が自分たちの税金から払っているということはなかなか皆さんも認識していなくて、それが自治体に皆さんの税金が振り分けられてくるわけですよ。それがこのなかの里・まち連携の自治体である群馬県のみなかみ町に中野の森を森林整備する委託経費になってしまったというと、何かとても不思議な感じで、税金を払った人たちはこういうところに使っているのかと思うと思うんですよ。思うし、森林環境譲与税の使い方がまだうまく分からないということは仕方がないし、どうやって活用していいか分からないというのは考えていくことで仕方がない部分もあると思うんですね。ですけど、このカーボン・オフセット事業で区内で努力しても削減できない二酸化炭素をと、これは区内で努力をそんなにしている様子が見られないんですよ。今、ごみゼロ推進課の伊東課長がいないからそこに言ってもしようがないのかもしれないですけど、区内で二酸化炭素削減に努力をすごくしているかなとすごく思うんですけど、その辺はいかがですか。

波多江環境課長

 まず一つ目の御質問で、カーボン・オフセット事業につきましては森林環境譲与税は令和2年度に関しましてはもう充てていなくて、環境基金のほうを財源といたしました。ある意味区内で緑を増やせないのかという、そういう御意見もたくさんいただいておりますけれども、それに関しましては、従来からなんですけれど、環境課の中に緑化推進があったときからそうなんですけれど、保護指定樹林の助成であるとか保護指定樹木に係る経費については環境基金を充てている経過がございまして、そこはそれほど額も変わっておらず助成をして、区内の緑については環境基金で守る、増やすまではいっていないかもしれませんから守る形にはなっております。

 それから、区内で努力している様子ということでございますけれども、それはなかなか測ることが難しい意識の問題もありますけれど、環境行動コースを平成30年度から設けましたところ、いろいろな形で廃食用油を持ってきていただくというようなことが令和元年度の実績から比較するとかなり令和2年度になっても伸びていたり、食品ロスを削減するという意味で未利用食品を寄付していただくということももう実績としても伸びてきているところもありますので、それがどれくらいのCOの排出量の削減になったのかとか緑化に対してどうなのかというところで言うと直接結びつかないんですけれど、区民の皆さんはしっかり努力をしていただいているということで、区としても様々取組を進めていきたいと考えているところです。

近藤委員

 分かってはいらっしゃるんだと思うんですけど、今最後に、区民の皆さんは努力をされていると思うんですけどとおっしゃられましたけど、本当に私なんか努力しているんですよ。本当に努力していて、まず緑を保つために自分の家の庭の植木の剪定とかにもう本当に何万円もかかるんですよ。保護樹林じゃなくてもお金を出してもらいたいぐらい緑を保っていくというのはすごく大変なんですよ。そういうおうちはいっぱいあります。ですから、家を建て替えるときとか管理が大変だからみんな切っちゃうんですよ。それでもやっぱり個人が緑を一生懸命保存しているんですよ。そういったこともあるし、今、伊東課長がいらっしゃらないけど、ごみだってもう絶対生ごみは出さないようにダンボールコンポストで一切生ごみは出さない活動をしているんですよ。そして二酸化炭素を出さないように区民は一生懸命やっているんですよ。ダンボールコンポストで作った肥料で堆肥化して公園の花を育てているんですよ。学校の花を育てたりしているんですよ。そういうことに対して、じゃあ、区が何かしてくださるかといったら、区民はよくやっています、私たちは食品ロスをなくしてと、そういう区民が一生懸命やっていることに対してどう協力していくかとか、そういうことから区民の団体を広げていくとかそういう活動をして、それでも区民全体頑張ったけど、二酸化炭素はなかなか減らす、削減することはできないし、緑を増やしていくこともなかなか厳しい、だから、里・まち連携自治体の群馬県みなかみ町で森林整備をやっていこうとなるなら分かるんですけど、区民は努力している、でも、それはなかなか削減できないんでというんでは、やっぱり区がもうちょっとこういう二酸化炭素削減に向かってさらなる努力を重ねる必要が、いつも食品ロスとか同じことをおっしゃっているんですけど、もっと二酸化炭素を削減するような、ここの部署じゃないかもしれないですけど、緑を守っていったり植林したり公園を造っていったり、そういういろんなことをやっぱり広げていって、それを税金を少しでも投入してみんながやりいいやり方でできるような仕組みを築いていっていただきたいと思うんですけど、どうでしょうかね。

波多江環境課長

 区内のCOの排出量は中野区の場合は家庭から排出されるものが5割以上ということですから、区民一人ひとりの皆さんが緑化をいろいろとやっていただいたりとか一人ひとりの方の努力が実を結んでいけば、少しでもCOが減っていったり緑が増えていったりということがあると思うんですけれど、区といたしましても、環境基本計画のまとめをいたしまして、大規模公園なんかはきちんと整備をされてきておりますし、ある意味個人の大きなお宅が売却をされて緑が減っていくということが致し方ない現象としてはあると思うんですが、その中でも区として、環境課が公園整備をしていませんけれども、区全体として努力をしていくというところでは、しっかり庁内でのアクションプログラム等の議論を通じて総合的に進めていけるように今検討をまさにしているところですので、しっかりそこはやっていきたいと考えております。

近藤委員

 本当に区民の方はこの緑を守るということにもうくたびれちゃって大変なので、大変過ぎるんですよ。お金はかかるし、手間暇はかかるし、それを一生懸命やって、それで国から自分たちも払っている税金が来たときに、その使い方というのが、まずは自分の区を通り越しちゃってみなかみ町や何かに行っちゃうというのは、やっぱり、えっ、私たちこんなにやっているのに、何かもっと具体的に自分たちの目に見える形だったり、私たちが活動しているのを助けてくれる何かになったり、そういうふうに一生懸命やる区民をやっぱり応援するような形で、環境というのは本当に行政だけがやるものじゃなくてみんなに意識づけて守っていくものなので、ぜひそういう使い方ができるように、これから森林環境譲与税にしても環境基金の積立金の使い方にしても、きちっとそういう次につながって区民が環境に対して頑張っていこうなというものになるような使い方をしていただきたいと思いますけれど、いかがですか。

朝井環境部長

 区内で努力しても削減できないというふうに書いてあるところは、まさにこれは言葉の説明でございまして、中野区内でも実質的に二酸化炭素の排出がゼロになるように、そういう環境政策を進めていかなければいけないと思っていますので、区としては庁内を巻き込んでそういう政策を進めていきたいと思っております。

 また、森林環境譲与税につきましては、二酸化炭素の排出を削減していくことももちろんですけれども、日本の林業を守って森林の環境を守っていく、そういった意味での譲与税でもございますので、森林がない中野区ではございますけれども、区民の方が木材に触れる機会をつくるなどしながら税の趣旨をしっかり生かしながらやっていきたいと思っています。まずは環境基金に積み立てているところが多くなってきている状況ではございますけれども、この基金に積み立てたお金の使い道につきましても公表していくことによりまして使い道をしっかり明らかにしていきたいというふうに考えております。

委員長

 他に質疑はありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告について終了いたします。

 次に、4番、その他で何か報告はありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 委員会を休憩いたします。

 

(午後3時17分)

 

委員長

 委員会を再開いたします。

 

(午後3時22分)

 

 休憩中に御確認いただきましたとおり、次回の委員会は第4回定例会中とし、急を要する案件が生じた場合は正副委員長から招集させていただきたいと思いますが、御異議ありませんか。

 

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 御異議ありませんので、そのように決定いたします。

 以上で本日予定した日程は終了いたしますが、委員、理事者から何か御発言はありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 以上で本日の区民委員会は散会いたします。

 

(午後3時22分)