令和2年11月30日中野区議会本会議(第4回定例会)
令和2年11月30日中野区議会本会議(第4回定例会)の会議録

.令和2年(2020年)11月30日、中野区議会議事堂において開会された。

1.出席議員(42名)

  1番  市  川  しんたろう       2番  竹  村  あきひろ

  3番  日  野  たかし         4番  渡  辺  たけし

  5番  間     ひとみ         6番  河  合  り  な

  7番  斉  藤  ゆ  り        8番  立  石  り  お

  9番  羽  鳥  だいすけ       10番  高  橋  かずちか

 11番  加  藤  たくま        12番  吉  田  康一郎

 13番  木  村  広  一       14番  甲  田  ゆり子

 15番  内  野  大三郎        16番  杉  山     司

 17番  ひやま      隆       18番  小宮山   たかし

 19番  い  さ  哲  郎       20番  小  杉  一  男

 21番  若  林  しげお        22番  内  川  和  久

 23番  いでい   良  輔       24番  小  林  ぜんいち

 25番  白  井  ひでふみ       26番  いながき  じゅん子

 27番  山  本  たかし        28番  中  村  延  子

 29番  石  坂  わたる        30番  近  藤  さえ子

 31番  浦  野  さとみ        32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  平  山  英  明       36番  南     かつひこ

 37番  久  保  り  か       38番  森     たかゆき

 39番  酒  井  たくや        40番  むとう   有  子

 41番  長  沢  和  彦       42番  来  住  和  行

1.欠席議員

      な  し

1.出席説明員

 中 野 区 長  酒 井 直 人      副  区  長  白 土   純

 副  区  長  横 山 克 人      教  育  長  入 野 貴美子

 企 画 部 長  高 橋 昭 彦      総 務 部 長  海老沢 憲 一

 区 民 部 長  青 山 敬一郎       子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小 田 史 子

 地域支えあい推進部長 鳥 井 文 哉    健康福祉部長  岩 浅 英 樹

 都市基盤部長  奈 良 浩 二      企画部企画課長(企画部参事事務取扱)  石 井 大 輔

 総務部総務課長  浅 川   靖      代表監査委員  髙 橋 信 一

1.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  長 﨑 武 史      事 務 局 次 長  小 堺   充

 議事調査担当係長 鳥 居   誠      書     記  立 川   衛

 書     記  若 見 元 彦      書     記  野 村 理 志

 書     記  鎌 形 聡 美      書     記  松 丸 晃 大

 書     記  細 井 翔 太      書     記  有 明 健 人

 書     記  五十嵐 一 生      書     記  髙 橋 万 里

 書     記  本 多 正 篤

 

 議事日程(令和2年(2020年)11月30日午後1時開議)

日程第1 第83号議案 令和2年度中野区一般会計補正予算

     第84号議案 令和2年度中野区用地特別会計補正予算

     第85号議案 令和2年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算

     第86号議案 令和2年度中野区介護保険特別会計補正予算

     第87号議案 中野東中学校新校舎用什器類の買入れについて

     第88号議案 中野東中学校新校舎給食室厨房機器の買入れについて

     第89号議案 平和の森小学校移転用地及び道路用地の買入れについて

     第103号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

     第104号議案 中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

     第105号議案 中野区会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正 する条例

日程第2 第90号議案 指定管理者の指定について

日程第3 第91号議案 指定管理者の指定について

     第92号議案 指定管理者の指定について

     第93号議案 指定管理者の指定について

     第94号議案 指定管理者の指定について

     第95号議案 中野区旅館業法施行条例の一部を改正する条例

     第96号議案 中野区住宅宿泊事業の適正な実施の確保に関する条例の一部を改正する条例

日程第4 第97号議案 中野区自転車駐車場条例の一部を改正する条例

     第98号議案 中野区自動車駐車場条例を廃止する条例

     第99号議案 中野区中野四丁目地区における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例

日程第5 第100号議案 指定管理者の指定について

     第101号議案 指定管理者の指定について

     第102号議案 指定管理者の指定について

     第106号議案 中野区立小学校及び中学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正す る条例

日程第6 議会の委任に基づく専決処分について

日程第7 令和2年特別区人事委員会勧告等について

追加議事日程

日程第8 第103号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

     第104号議案 中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

     第105号議案 中野区会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正 する条例

     第106号議案 中野区立小学校及び中学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正す る条例

 

午後1時00分開議

○議長(高橋かずちか) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 11月27日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 加 藤 たくま

 1 行財政の構造改革について

  (1)施策について

  (2)施設について

  (3)組織について

  (4)その他

 2 新型コロナウイルス感染拡大による社会変革を踏まえた今後のまちづくりについて

  (1)テレワーク普及に対応したまちづくりについて

  (2)都市計画マスタープラン・住宅マスタープランについて

  (3)その他

 3 その他

 

○議長(高橋かずちか) 初めに、加藤たくま議員。

〔加藤たくま議員登壇〕

○11番(加藤たくま) 自民党の立場から質問いたします。

 その他で、ドローンの実証実験、旧中野刑務所正門について、伺います。

 1、行財政の構造改革について。

 さきの決算特別委員会総括質疑において行財政の構造改革は5年程度かけるべきと私から区に提案させていただきまして、その辺意識を共有できたと思いますので、その上で質疑します。

 (1)施策について。多くの議員が取り上げましたので、1点のみ質問します。

 区有施設整備計画は、今定例会で提示とのことですけれども、財政の裏付けなしでは絵に描いた餅です。施設に関する財政計画はいつ示されるのか、お伺いいたします。

 続きまして、(2)施設について。施設の幹となる新区役所整備について、伺います。

 新区役所のシステム、レイアウトは、コロナショックを契機としたデジタルシフトの推進を勘案する必要があります。中野区においてマイナンバーカードを利用した証明書のコンビニ交付サービスは、これまでの住民票の写し、印鑑登録証明書に加え、来年1月18日よりさらに拡充し、証明書交付で役所に来る必要がなくなります。2021年3月からは健康保険証との一体化が開始します。平井卓也デジタル改革担当相は、11月17日の記者会見で、将来的に保険者の判断で保険証発行の停止も選択肢との考えを示しました。

 そこで伺いますが、中野区は、マイナンバーカード普及を含むデジタルシフトによって生まれる業務削減量、財政効果をどのように見込んでいるのか、伺います。

 古代ローマの作家、ユウェナリスが唱えた「健全なる精神は健全なる身体にこそ宿るべし」、スポーツウエアメーカーのアシックスの社名の由来となっていることですけれども、中野区は、新庁舎を健全な身体とし、そこに健全なる精神を宿した業務体制とすべきです。構造改革5年間で、3年後に控えた新庁舎完成は絶好の機会です。厳しい財政状況ですが、新庁舎開設から逆算すると業務改善、システム検討は今すぐ取りかかるべきです。

 先日、会派で23区内最新の渋谷区役所を視察しました。渋谷区では、仮庁舎に移転し、業務改善やペーパーレス、テレワークなど実証実験を行い、新庁舎に移転しましたが、中野区は現庁舎から新庁舎へそのまま移転するということで、現庁舎内で実証実験をし、そこから得られた知見を新庁舎全体に生かすべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。

 渋谷区役所では、2階に福祉手続き・相談フロアに四つの部署、社会福祉協議会があり、個別ブースに担当者が入れ替わりで対応するワンストップサービスが確立されております。3階の暮らしの手続きフロアには、住民戸籍課、国民健康保険課があり、住民票の異動にひもづく登録をサポートし、関連窓口は同じフロアにあり、スムーズに完了いたします。庁内テレワークが確立し、窓口とバックヤードの執務室のフロアを分けることでワンストップは可能としました。

 現在、中野区は、庁内と庁外とのテレワーク環境づくりに注力しておりますが、そもそも庁内同士のテレワークさえできなければ、新庁舎移転後に使いこなせるのか、疑問であります。庁内におけるテレワーク、ペーパーレス、フリーアドレスを強力に推進するためには、強いリーダーシップの下、例外を認めないルールの徹底、早期のスケジュールの提示など、推進体制の構築が必要ですが、区はどのようにお考えか、伺います。

 また、テレワーク推進にはICT整備と業務改善がセットです。現在、ハードは総務部、ソフトは業務改善課、システムは企画部と、異なる部署で検討しておりますが、ばらばらでよいものができるわけではありません。ハード、ソフト、システムを一体で検討すべきと考えますが、区の見解を伺います。

 非常に細かい話ですが、新区役所に移転するまでに消耗品の購入や在庫管理等の庶務的な業務を各所管ではなくフロアごとに共同化する必要があると考えます。私の公務員のつたない経験上ではありますが、職員によっては在庫数の維持に情熱を持ち、常に棚卸しをしたいというような方もおり、非効率です。細かいことの積み重ねですが、これも現庁舎における実証実験の実施、そして新庁舎における消耗品の管理方法をどのように考えているのか、お伺いいたします。

 (3)組織については、ドラスチックな改革を求めます。各係の職員数は繁忙期に必要な人数を念頭に2,000人が配置されており、区が定める事業概要の事務分掌以外を行うことは越権行為となりかねず、積極的に他部署の手伝いをすることはありません。行政が縦割り組織と言われるゆえんではありますが、税金から給料が出ている公務員の業務所掌を明確にする必要があります。

 田中区政では、課を分野という名称にし、人事の縦割りを緩めたものの、結果としては実らず、区民から分野とは何か理解されず、酒井区政で名称を戻したことは評価いたします。それら経緯を踏まえ、一部係員を係ではなく、課の直属の職員にし、所掌を広げることで係の所掌事務を超えた事務分担や協力・連携を可能とし、業務の効率化を図り、超過勤務の縮減や定数の削減を実現すべきです。新庁舎のフリーアドレスと相まって、常に全体を見渡せる職員が増え、区の底力を上げ、繁忙期対応、トラブルシュートをスムーズに行える体制とすべきと考えますが、区はどのようにお考えか、お伺いします。

 組織改編には、区の外郭団体、関係団体の統廃合も必要と考えます。各団体の創設当時の事業内容が変わり、財源が先細りする中で事業全体の見直しが考えられます。例えば、中野区国際交流協会と公益社団法人中野教育振興会、国際交流と教育という親和性が高い事業の統合はいかがでしょうか。社会福祉協議会の新庁舎移転後に空く社会福祉会館に移転し、大学やブロードウェイなどと連携することで国際交流がより円滑になり、大学との強い連携は、現在、区職員約3名でフルの直営で行っている生涯学習大学などを外部委託する受皿となり、業務負担の軽減にもなります。あくまで一案ですが、中野区は構造改革で関連団体を再編すべきと考えますが、区はどうお考えか、伺います。

 以上で本項目の質問を終えます。

 2、新型コロナウイルス感染拡大による社会変革を踏まえた今後のまちづくりについて。

 JR東日本によると、2020年8月の中央線快速、中野から新宿駅間の終日の利用率は昨年度比で35%減っております。各家庭でオンライン会議をしようにも、子どもの声などの生活音があり、もう一部屋欲しいと切望し、中には車でオンライン会議をするような家庭もあります。ライフルホームズの今年8月の調査によると、「コロナ禍での借りて住みたい街ランキング」では、準近郊・郊外エリアに位置するまちのランクが上がり、中野区は12位から22位、同じ中央線の立川は46位から23位になりました。コロナショックで中野区の都心に近いメリットが著しく損なわれ、現在のテレワークしづらい環境を打開しなければまちとしての活力を失います。このピンチを、短期的及び中・長期的な観点で分別し、対応する必要があります。

 そこで、短期的な戦略として、(1)テレワーク普及に対応したまちづくりについて、伺います。

 中野がコロナ期にむしろ発展するためには、5Gなどの情報通信技術による在宅勤務スタイル、自宅の近隣にシェアオフィスやコワーキングスペース、それに付随した子育て施設やカフェなどがある新しい生活様式に対応したまちづくりをする必要があります。中野区では手狭と感じている方々を早々に救い出さなければ転出を決意されかねません。これまで都心部を中心とした勤め先周辺で落とされていたお金を中野区に落としてもらうことになれば、中野区に新しい消費活動や産業ビジネスの活性化も望めますが、テレワーク普及に対応したまちづくりについて、区はどのようにお考えか、お伺いいたします。

 次に、中・長期的な観点から、(2)都市計画マスタープラン・住宅マスタープランについて、伺います。

 都市計画マスタープラン及び住宅マスタープランの改定を行っており、都市計画マスタープランはおおむね20年後、住宅マスタープランが10年後の中野のまちの姿を描いた、すなわち中・長期的な視野での検討で、区が進める都市計画・都市基盤整備、住宅や住環境施策の根本的根拠となるもので、まちづくりにおいては基本構想・基本計画よりも重みのある方針と言えます。新しい生活様式等の考えを盛り込むにも非常に重要な改定作業です。コロナ禍で本来では家族間でもマスクの着用が推奨されますが、事実上、家族間ではマスクを外す場合が多いです。今、社会コミュニティの最小単位である家族が見直され、核家族化と逆行し、親子2世帯もしくは3世帯家族など、昔ながらのスタイルに回帰することも考えられます。家族同士が力を合わせることで保育、医療・介護等の問題が少なからず緩和につながり、行政としても願ったり叶ったりで、地域包括ケアシステムにも資することです。そのため、全世代的に過ごしやすいまちづくりを推進させる必要があります。手狭と思われている住環境の改善、生活インフラの拡充、自然や広場が多いまちづくりが必要になると考えますが、中野区の今後のまちづくりの方向性についてどのようにお考えか、伺います。

 また、例えば、住生活基本法に定められている最低専用面積25平方メートルに、中野区の条例で容積率などにインセンティブを持たせながら面積の上乗せなどをし、中野区全体の住宅及び生活の質の向上をさせる転換期だと考えます。この点、都市計画マスタープランや住宅マスタープランにおいて、今回の新型コロナウイルス感染症の経験について、改定作業の中でどのように対応するのか、お伺いいたします。

 6月5日、国土交通省は、公道におけるテラス席や機材の設置などのルール緩和を行い、中野区にもこの制度を使った店舗ができました。公共空間の利活用はエリアマネジメントの基本であり、小さい一歩でありますが、中野区にエリアマネジメントののろしが上げられました。西武新宿線の連続立体交差事業の沼袋駅バス通りをはじめとした再整備、弥生町・大和町防災まちづくりなどにおいて公共空間活用の緩和をインセンティブとすることで、特に商店街では道路幅員拡大によるにぎわいの創出を懸念する方々に対して安心材料になるとも考えられます。

 また、5月20日、国土交通省は、歩行者利便増進道路制度を創設しました。これら制度が地域の不安を緩和させる一助となりますが、都市計画マスタープラン改定ではどのようにお考えなのか、区の見解をお伺いいたします。

 (3)その他で、公道の活用について、お伺いたします。公共空間の活用ならば、行政が公道にベンチを設置することで一定の効果が得られ、高齢者・障害者の方たちの休憩場所にもなり、ユニバーサルデザインに資するものです。例えば、歩道の広い山手通りにおいて、公共施設や店舗の前、あるいはバス停前などにベンチを設置していただけないか、東京都へ働きかけていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

 以上でこの項の質問を終えます。

 その他で、ドローンの実証実験について、お伺いいたします。

 中野区が未来都市として社会・経済ともに成長するために、スーパーシティ法案、国家戦略特区法案などを活用した事業を立案すべきだと考えます。中野区としては、国立研究開発法人建築研究所との実証実験が今その可能性がある事業と考えます。同研究所は、ドローンを活用した外壁点検などを中心とした建物診断技術の研究開発の実証実験をするために、中野区に区役所庁舎と中野サンプラザのフィールド提供を依頼しました。人口過密都市における同実験は日本初の試みであり、中野区で先進事例が生まれました。中野区からの費用は一切なく、フィールド提供のみで区の関連施設の診断が行われました。今後、高度成長期に建設された建物に一気に老朽化の波が訪れ、建物診断技術が注目されていきます。同研究所は、今後、様々な建物診断の実証実験を行うために中野区とさらなる連携を図りたいと打診しているようですが、区はいかがお考えか、伺います。

 最後に、旧中野刑務所正門について、伺います。

 区は、我が会派の要望を聞き入れない形式での関係者への意見聴取、アンケートをした結果、現地保存しかないという認識を示しました。我が会派は、小学校建設を考えると現地保存が合理的な判断ではないと再三申しましたが、区は、専門家の意見、アンケート結果が現地保存方針のエビデンスであると主張していたにもかかわらず、このたび一転して、区民に何の説明もすることなく、移築と判断いたしました。これまで区は、ボトムアップ区政ということで意見聴取やアンケートを活用したEBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング)を説いてきましたが、一体何だったのか、伺います。答弁によっては、これまで中野区が意見聴取、アンケート結果を基にしたエビデンス作成手法を自ら否定することになりますので、御留意ください。

 平成31年2月1日、区長記者会見で、2023年度に平和の森小学校の供用開始と発表されました。今回の判断で2027年度の供用となり、早期の新校開校から程遠い結果となりました。また、せめて早々に移築を選択していれば、当初の学校敷地には影響が出ないために、今年度中に平和の森小学校の基本構想・基本計画が完成し、来年度から実施設計に入れ、工期を1年間は少なからず短縮できたはずです。区は、しっかりとした調査を行わず、決断できず、工夫も努力もなく、平和の森小学校の完成がいたずらに遅れ、子どもたちにしわ寄せが行っている点についてどうお考えか、伺います。

 区の恣意的とも受け取られるアンケート方法、そしてその結果のみをエビデンスとし根拠とするのではなく、現地周辺にお住まいの方々の声を聞くことが本当のボトムアップとなると考えます。先日行われた保護者、地域住民の方々への説明会でどのような意見があったのか、伺います。

 移築は、現在においてはあくまで案ですが、改めて方針が変わる可能性があるのか、移築で決定なのか、伺います。

 以上で私からの全ての質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 加藤議員の御質問にお答えいたします。

 初めに、行財政の構造改革について。施策についての施設更新経費の推計についてでございます。区有施設整備計画につきましては、計画に盛り込む区有施設配置の考え方を今定例会中の常任委員会においてお示しすることとしております。今後10年間の施設更新に係る経費につきましては、基本計画における財政見通しと併せて検討を進めているところでございまして、来年1月に策定する区有施設整備計画(素案)の中でお示しする予定でございます。

 次に、施設について。デジタルシフトによる効果についての御質問です。平成29年度に行った新庁舎に向けた調査では、来庁者のうち約46%が諸証明取得目的となっております。このことから、マイナンバーカードの取得率向上によるコンビニ交付の普及、あるいはさらに進んでデジタルシフトに伴って各種手続における証明書添付の省略等が進むことによって、諸証明発行に係る職員の業務量の削減、来庁者対応の削減等を見込むことができると考えております。

 続きまして、新しい働き方の実証実験についてでございます。新庁舎整備に伴う新たな執務環境への移行は、可能な限り現庁舎のうちから課題を発見し、トライアンドエラーを繰り返しながら移転までに効率的かつ最適な解決策を検討・検証していくことが必要であると考えております。来年度はパイロットオフィスの整備を検討しておりまして、無線LANやタブレット端末といったICT環境や、多様な打合せができ職員の席を固定しない執務環境の整備、さらにペーパーレスを前提とした働き方などの実証実験を行う予定でございます。

 次に、新庁舎に向けた推進体制についてでございます。新庁舎の整備を契機とし、区民サービスや職員の生産性を向上させるためには、これまでの区職員の働き方に対する意識を大きく変えていく必要があると認識をしております。新庁舎では場所を選ばない働き方やペーパーレスなどによる効率的な執務環境の確立を目指しており、その実現に向けて、既存文書の電子化やICTを活用した紙の使用を前提としない新しい働き方を浸透させていくことが重要であると考えております。こうしたことから、今年度中にペーパーレス推進体制を構築し、基本方針の策定や既存業務の見直し、改善を全庁的かつ強力に進めていく考えでございます。

 続きまして、新庁舎に向けた一体的な検討体制についての御質問です。新庁舎移転はこれまでの働き方を見直す好機であり、建物の整備はもとより、ICTやペーパーレス環境の整備など、生産性を高め、効率的に働ける執務環境を確立することが重要であると認識をしております。こうしたハードやソフト、システムの整備は密接な関係にあることから、一体的にこれらの業務を推進する体制について今後検討を進めていく考えでございます。

 続きまして、消耗品の一括購入・集中管理についてでございます。構造改革において生産性の向上につながる事務執行の改革を検討する必要があると考えておりまして、その一つの取組として、現状各課で個別に購入・管理している消耗品につきまして一括購入し、集中管理とすることなどが挙げられます。新庁舎では、原則として一括購入、集中管理とすることで業務を効率化し、余剰在庫及び設置スペースの削減を行う計画でございまして、開設までには様々な課題が想定されることから、来年度からの一部部署などにおける試行について検討してまいります。

 続きまして、係を越えた協力・連携体制についての御質問です。区民にとって分かりやすい組織とするため、平成31年度の組織改正によって一般的な組織名称である課と係を改めて設置いたしました。現在の体制でも、課の重点課題について必要に応じて担当係長を配置するなど、実質的には課直属となるような体制を取っているところでございます。また、課の中で係を越えて繁忙期の対応や協力をすることは可能でございます。臨機応変に各所属で対応しているところであります。長期的には、より効率的な事務分担によって超過勤務の縮減や定数の削減につながるような人員配置ができないか、検討していきたいと考えております。

 続きまして、関連団体の再編についての御質問です。区としては、各団体が自主的・自立的な経営改善に努めていくことが基本だと捉えております。仮に団体間の調整の中で統廃合の可能性が選択として提案された場合には、区としても検討に加わっていきたいと考えております。

 続きまして、新型コロナウイルス感染拡大による社会変革を踏まえた今後のまちづくりについてでございます。

 1点目に、テレワーク普及に対応したまちづくりについて。新型コロナウイルス感染症の影響によってリモートワークなどの新しい生活スタイルが広がってくると、産業の分野においてもこれに対応した施策が必要となってくると考えております。今後の感染症の状況とそれに伴う消費行動や働き方の変化による区民のニーズを踏まえて、中野のまちの経済活性化を図ってまいりたいと考えております。

 続きまして、新型コロナウイルス感染症を踏まえたまちづくりの方向性についてでございます。新型コロナウイルス感染症の対応に向けては、いわゆる3密を回避した新しい生活様式が求められ、通勤スタイル、テレワークの普及、オープンスペース等の活用など、区民の住生活や都市整備の在り方に大きな影響を及ぼしていると考えております。都市計画マスタープラン・住宅マスタープランの改定において都市の将来像を描く際には、区民のライフスタイルの変化や都市活動・社会状況の変化をしっかりと踏まえ、良質な住環境の形成や新しい生活様式に対応した都市基盤の整備など、持続可能な都市づくりに向け検討を進めてまいりたいと考えております。

 次に、新型コロナウイルス感染症対応と都市計画マスタープラン・住宅マスタープランの改定についてでございます。都市計画マスタープランや住宅マスタープランの改定においては、都市活動の変化に対応した住環境整備、オープンスペースや都市交通の在り方、また複合災害を踏まえた防災まちづくりなど、学識経験者からの意見も踏まえ、課題整理を行っております。今後、国や東京都の検討状況も踏まえて改定作業を進めてまいりたいと考えております。

 次に、にぎわいある歩行者空間の形成についてでございます。都市計画マスタープランにおいては、改定中の基本構想が示す「快適で魅力ある住環境」の実現に向けて、国が推進する「居心地が良く歩きたくなるまちなかづくり」、これを都市整備の方針の一つとして盛り込む予定でございます。この中で、街路を使った歩行者滞在空間の創出や官民連携によるにぎわいあるオープンスペース設置など、人々が出かけたくなるまちづくり・都市づくりについても検討を進めているところでございます。

 続きまして、歩道へのベンチ等の設置についてでございます。新型コロナウイルスを契機としたまちづくりの方向性について公表しており、この中で歩道等へのベンチやオープンテラスの設置など、歩行者滞在空間の創出に向けた支援策や規制緩和等を国は示しております。本趣旨を踏まえ、区としても歩道空間の活用について検討を進めるとともに、東京都に対して連携協力を求めるなど、良好な街路空間形成に向けて取り組んでまいります。

 続きまして、旧中野刑務所正門について。曳家移築の判断についてでございます。旧中野刑務所正門の取扱いについて、当初、現地での保存と決定しましたが、曳家移築を含めた多角的な検討するべきではないかという議会での御議論がございました。その後、昨年実施した学術調査によりますと、曳家が技術的に可能であることが分かり、また正門の公開活用と良好な教育環境の両立が難しいことから、文化財保護審議会の答申や教育委員会からの正門の取扱いに係る意見等を踏まえて再検討を行い、先日の常任委員会において正門の取扱い方針(案)として曳家による移築を報告したところでございます。結果として、平和の森小学校開校スケジュールに影響が生じ、遅れにつながってしまったことについてはおわびを申し上げたいと考えております。

 次に、旧中野刑務所正門の取扱い方針(案)に係る説明会についてでございます。旧中野刑務所正門の取扱い方針(案)に係る地域住民に対する説明会につきましては、11月29日、昨日に開催したところでございます。この中で、正門に文化財的価値があるのは分かるが、現在の子どもたちの環境を考えると、一日も早い新平和の森小開校を願うなどの御意見をいただきました。

 また、11月20日に開催した、平和の森小保護者説明会におきましては、同校学区域内の未就学児の保護者などが出席できる説明会を開いてほしいとの意見がございましたので、これらの保護者を含めた地域住民に対する説明会を12月中に実施することといたしました。その後、これらの説明会や議会での意見などを踏まえて、正門の取扱い方針を決定し、議会に報告してまいります。

〔企画部長高橋昭彦登壇〕

○企画部長(高橋昭彦) ドローンの実証実験について、お答えいたします。区としては、中野区の地域資源を最大限に生かし、様々な社会実験を誘導・促進することで区の持続的発展につなげていきたいと考えており、ドローンについても、過去の経緯を踏まえ、活用可能性を検討してまいりたい、そのように考えてございます。

〔加藤たくま議員登壇〕

○11番(加藤たくま) 旧中野刑務所正門について、再質問させていただきます。

 私、当時、現地保存、移設等、案が出ているときに、アンケート結果によって現地保存というふうになっていて、当時から残すというのがありきでアンケートが取られていたように感じますし、その前の選択肢の時点で移設というものもあって、学術調査を経る前から移設というものも既に案があった。なので、当時から移設というものも選択肢にあったので、学術調査前後で考えが変わるというのが、ちょっとそういうわけではないと思う。つまり、当時、委員会では、そのアンケート結果によって、現地保存しかない、これがエビデンスなんだと言ってきたにもかかわらず、今回、そのエビデンスを覆す形で、結局移築にしますというふうに言っていた。区がこれまでアンケートでボトムアップだと言っていた、そのエビデンスベースだと言っていたものを自ら否定するようなことが今回の決断だと思っておりますけれども、その辺についてちょっと詳細に語られていなかったように感じますので、再質問とさせていただきます。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 加藤議員の再質問にお答えいたします。

 旧中野刑務所正門についてということで、最初に現地保存を方針として決定したというときの、そのエビデンスについての御質問だったと思います。現地保存についてということでは、当時の有識者に聞いた意見等で現地保存をしない、移築をすることによって文化財の価値が損なわれるという、そういう判断があったこと、それからタウンミーティングなどを開催していろんな区民の皆さんの意見を伺いました。そのときに様々学校の教育環境をよくするという声をたくさん聞きましたし、また門をそのまま現地保存してほしいという声もたくさん聞きました。その中で、早く教育環境を改善するために、現地保存にして、学校の改築を急ぐという結論を一旦出したわけでございます。その後、議会から御意見等をいただきまして、多角的な検討するということで、その中で移築というものの可能性があるということと、また文化財の価値というものも直ちに損なわれるわけではないというような状況が生まれてきたことによって、今回判断を変更したということになります。

〔加藤たくま議員登壇〕

○11番(加藤たくま) 同じ旧中野刑務所正門について、再々質問させていただきます。

 今の御説明から行くと、議会からの意見もあった、当時のアンケート結果、タウンミーティングなどの結果などもあって、あの時期ではそういう判断があったということでありますけども、当時やはりいろいろと、曳家というものは電話1本したら、そんなものはできますよと、割と曳家業者ができると、技術的に不可能ではないと言っていたにもかかわらず、なかなか難しいというような意見があると、当該委員会でそんな答弁もあったようにも記憶しております。そういった中で、当時しっかりと調査をしていなかったというのが一つの原因になっているのかなというふうに考えております。タウンミーティング等の意見交換やアンケート結果、それも区が掲げる中ではエビデンスというのかもしれませんけど、そもそもできるかどうかというような技術的な見地とか、あと合理的な判断というものが今回の判断に至るまでちょっといろいろと不足していたのではないかなというふうに考えるわけですけれども、その辺はどのようにお考えなのか。

 そして、これまでいろいろとアンケート結果など、区民のボトムアップと言っていた中で意見を集めていくというふうには言っておりましたけども、それだけではなかなか判断をつけてはいけない、もっと総合的に判断して、合理的な判断というものがあるのではないかなというふうに、その辺のところを区長はどのようにお考えか、再々質問をさせていただきます。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 加藤議員の再々質問にお答えいたします。

 当時、曳家については、文化財的な価値が失われるということを専門家からの意見として聴取した結果、曳家についての可能性というものがそこではないというふうに判断したところは否定できません。なお、現地保存したとしても、学校の教育環境というものがこれは両立できるのではないかというところで私としては考えていたところでございますけれども、結果的に教育環境の両立と現地保存というものはなかなかこれは両立し難いということが判明した時点で、私としても考え方を変えたということでございます。

○議長(高橋かずちか) 以上で加藤たくま議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 間   ひとみ

 1 すべての妊産婦を支援する産前産後ケアについて

  (1)一人ひとりに寄り添った支援の在り方について

  (2)父親の育児参画の推進について

  (3)その他

 2 自治体デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進について

 3 その他

 

○議長(高橋かずちか) 次に、間ひとみ議員。

〔間ひとみ議員登壇〕

○5番(間ひとみ) 令和2年第4回定例会において、立憲民主党・無所属議員団の立場から質問させていただきます。

 質問は通告どおり、その他はございません。

 まず、すべての妊産婦を支援する産前産後ケアについて、伺います。

 (1)一人ひとりに寄り添った支援の在り方について。

 筑波大学の調査において、新型コロナウイルスの影響により産後鬱のリスクが倍増していることが分かったそうです。この結果に大きくうなずけるのは、私自身もこのコロナ禍で妊娠・出産を経験したからです。妊娠中は、区の妊婦向け講座が一定の制限のもと開催されているため、参加してもママ友は一人もできませんでした。両親学級は定員制限の影響で参加できず、準備が不十分なまま育児のスタートを切るしかありませんでした。妊婦健診時の家族の付添いも、予定していた出産の立会い、面会も全て禁止となり、マスク着用での出産。大変だった妊娠期が終了したと一息つく暇はなく、ぼろぼろに傷ついた体での24時間対応の母親業は容赦なく始まりました。産後すぐにショートステイ制度を利用し、一定の心身の回復をしましたが、コロナ禍で遠方に住む家族にも近くの友人にも支援をお願いすることがはばかられ、帰宅後は自分が主に家事・育児をするしかなく、一時は立ち上がるのもつらい状態になりました。そんな時期を乗り越えて、ようやく少しずつ生活のペースをつかめてきた頃、誰かとつながりたいと思っても、まだコロナ禍、いつまで我慢を続けたらいいのかと思うと気がめいりそうでした。コロナの影響は、妊産婦の孤立に拍車をかけ、ただでさえ誰にでも起こり得る産後鬱がこれまで以上に子育ての隣り合わせにあることを実感しました。

 令和3年度より施行される母子健康法の改正に伴い、産前産後ケア事業が努力義務とされる中、区がこれまで先行して手厚い支援を行ってきたことは評価いたします。区民の方に産後ケア事業の利用についてお話を聞いてみると、助産師さんの温かい関わりに救われた。子育てがつらくて区役所に相談したところ、デイケアを勧められたので、利用したら元気を取り戻せたなどの声がある一方で、そもそも制度を知らなかった。目の前の我が子の相手をするのにいっぱいいっぱいでわざわざ出向いて利用しようという考えに至らなかった。上の子がいるからデイケアしか利用できなかったなどという声もありました。個々の事情により制度の利用のしやすさにばらつきがあり、利用回数が決まってしまっている現状では全てを活用し切れないと感じている方が多くいらっしゃいます。このままお一人おひとりの状況に寄り添った支援の形を提供できなければ、制度を利用可能な状況の方のみに支援が届くことになり、支援が必要なハイリスクやグレーゾーンの妊産婦に届けるという本来の目的が果たせません。今後もハイリスク妊産婦の増加が十分に考えられる中、いつでもSOSを出せる環境の整備が求められます。

 日本産婦人科医会の妊産婦メンタルヘルスケアマニュアルによると、産後は10%から15%前後に鬱病が見られ、産後数か月以内に発症し、好発時期は産後4週以内であるとされています。中野区の令和元年度の産前産後ケアの利用実績を見ると、ショートステイの利用率は9.5%、デイケアは23.3%、ケア支援者派遣は8.4%で、一定程度支援が届いているとも言えますが、大切なのは、産後鬱の方の支援と併せて、産後鬱と常に隣り合わせにある全ての産婦を包括的に支援し、心身ともに健やかに子育てができる環境の下支えをしていくことではないでしょうか。特に初めて出産を迎える妊婦にとっての産前と産後はまるで別世界であり、産後、自分の身に起こるかもしれない心身の不調をはじめ、産後の生活を想像することは実に困難です。そのため、区のホームページやかんがるーブック等冊子、かんがるー面接において事業内容の説明がなされるだけでは産後ケアの必要性を理解しづらいという現状があり、私自身も利用イメージをつかみ切れませんでした。また、実際に子どもが生まれてからでないと、何がどう大変なのか。どんなタイミングでどんな支援を必要とするかは、妊婦本人にも予測ができません。

 そこで伺います。かんがるー面接は、産前産後ケア事業の説明だけではなく、つらいと感じたら利用できる制度を区が用意していること、すこやか福祉センターにいつでも連絡してほしいという区からのメッセージをしっかりと伝えることにも重点を置き、お一人おひとりの妊婦に寄り添うことで、本来必要とする方にしっかりと情報と支援が届くよう改善すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 また、ショートステイ、家事育児支援は、それぞれの利用上限回数が都の「とうきょうママパパ応援事業実施要綱」により決められていますが、デイケアを含め、妊産婦それぞれの状況に寄り添った利用プランを組めるよう、横断利用を可能にすることを都に求めてはいかがでしょうか、お答えください。

 第5次補正予算で可決されたファーストバースデーサポート事業において、アンケートを実施すると聞いております。区は、これまで年に一度、産前産後ケア事業の利用者に対してのみアンケートを行ってきましたが、ファーストバースデーサポート事業のアンケートは、産前産後ケア事業を利用されなかった方の御意見をいただき、課題やニーズを把握できるチャンスです。アンケートも活用することで現状の課題をしっかりと把握し、既存の制度に妊産婦が合わせるのではなく、妊産婦に制度が寄り添う形を実現すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 また、ファーストバースデーサポート事業では、送付したアンケートの回答者にカタログを送付すると聞いています。3~4か月児健診と3歳児健診の間の子どもが1歳になるタイミングで、疎遠になってしまった親子とすこやか福祉センターが改めて関係性を構築できるきっかけになります。来年度以降は、例えばすこやか福祉センターに足を運んでいただくなど、この機会を活用すべきと考えますが、答弁を求めます。

 次に、父親の育児参画の推進について、伺います。

 令和2年版少子化社会対策白書によると、男性の育児休業取得率を2025年に30%とする目標を達成するための施策について検討を進めており、令和2年5月29日に閣議決定された少子化社会対策大綱では、男女がともに子育てしていく観点から、男性の育児休業取得や育児参画を促進するための取組を総合的に推進する方向性が示されています。その具体的な例の一つに、妊婦と父親になる男性がともに妊娠・出産への理解を深め、協力して子育てに取り組めるよう、両親学級や育児参加促進に関する講習会の実施状況についての好事例の収集、横展開などを通じ、両親共に参加しやすい日時設定、子どもの誕生や産後の子育てをイメージできるプログラム構成などに配慮しつつ、地方公共団体における両親学級などの開催を促進するとあります。区は、これまで両親学級やパパのための離乳食講座を通して男性の家事・育児参画を促してきましたが、単発の講座では理解を深められず、結局手探りの状態のため、なかなか思うように育児ができなかったり、理由も分からず涙が止まらないなど、産後にホルモンバランスが崩れ、感情のコントロールが利かなくなってしまうパートナーの心に寄り添うことは困難です。

 そこで伺います。現在、両親学級で行っている沐浴指導や妊婦体験などに加えて、父親目線の子育てや家事のコツを学べたり、産後の母親の状況の理解を深められるような内容の連続講座等をオンラインも視野に開催し、父親の育児参画を後押しする仕組みを構築してはいかがでしょうか。

 また同時に、同じ地域で暮らす子育て世帯が何度も顔を合わせる機会をつくることで、お住まいの地域での仲間、コミュニティづくりを後押しすべきと考えますが、答弁を求めます。

 厚生労働省の令和3年度の予算概要要求には、父親のピアサポートや産後鬱に関しても明記されています。産後鬱は母親だけの問題ではありません。パートナーが産後鬱を患ってしまったり、子育てがうまくいかないと感じたり、子どもの成長に不安を感じることで発症するリスクがあります。今後、父親の産後鬱への支援も整えていく必要があると考えますが、区の見解を伺います。

 産前産後ケアの充実により、中野で子どもを産み育てたいという妊産婦が増えることを願いまして、この項の質問を終了します。

 次に、自治体DXの推進について、伺います。

 DX(デジタルトランスフォーメーション)への取組は、Society5.0の実現にとっても欠かせないことであり、区としても今後全ての事業を下支えしていくデジタル土台の構築には全力で取り組むべきです。令和2年10月5日の総務委員会で報告された地域情報化推進計画の骨子でもDXの推進に触れており、その取組に期待を寄せます。デジタル化による庁内の業務の効率化や区民サービスの利便性の向上はもちろんですが、DXの推進において同時に意識しなければならないのは、組織の在り方をも柔軟でイノベーティブなものに変革していくというDXの本質の部分です。デジタル化の先にあるSociety5.0社会において、デジタルを活用して地域課題を解決していけるようなDXリテラシーを持つ組織への変革が求められます。自治体DXの推進に関しては、対応が急がれるものの、全国的に見てもまだ先行事例が少ないのが現状ですが、身近なところで言えば、東京都の宮坂副知事が中心となり、スマート東京(東京版Society5.0)の実現に向けた活発的な議論や、職員採用にICT職を新設するなどの前駆的な取組を行っています。また、福島県の磐梯町では、2019年11月に、現職の神奈川県議会議員でもある菅原氏をCDO(最高デジタル責任者)として設置し、DX推進プロジェクトを発足。会議や企業との包括連携協定を結び、職員向けの研修や説明会を経て、2020年7月にはDX戦略室を設置しています。DX戦略室は、室長、係長以外にほかの業務と兼務の職員や学生インターンからなり、外部人材が本業を複数持つパラレルワークという形で参画できる環境を整えています。また、各課から若手の職員がデジタル活用推進員として参画することで行政の横串を刺し、組織の変革を促進する狙いも持ち合わせています。磐梯町のように、DXが単なる行政のデジタル化だけでなく、同時に組織の変革も推し進めていくためには戦略と強力な権限、適切な人員の確保が不可欠です。

 そこで伺います。中野区のDX、デジタル変革を推進するに当たり、まず外部人材によるCDOを設置し、デジタル化とともに組織の在り方そのものが柔軟でイノベーティブなものに変容していくDXのビジョンと戦略を掲げてはいかがでしょうか。その上で、各部署がばらばらにデジタル化を推進していくのではなく、全庁を横断的に指揮し、執行する権限を持つ組織を設置するべきと考えます。区のDX推進をどう担保していくのか、見解をお聞かせください。

 自治体におけるCDOは、単にITに精通しているだけでなく、庁内の調整に加え、戦略的に様々な人や企業等を巻き込んでいくコミュニケーション能力、国や自治体への一定の知見が求められます。そのような人材の確保は容易ではなく、区として求める人材を明確にし、早急に確保に乗り出す必要があります。東京都がICT職を募集しているように、中野区独自の対策が求められると考えますが、DX推進における人材の活用に対する考えを伺います。

 最後に、DXを通して何を実現していきたいのか、区長のお考えをお聞かせください。

 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 間議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初に、すべての妊産婦を支援する産前産後ケアについて。

 1点目に、かんがるー面接の改善についてでございます。全ての妊産婦が安心して出産し、子育てできるよう、サービスの必要な方に事業の内容を知っていただくとともに、すこやか福祉センターにいつでも相談できることを十分に理解していただくことが重要であります。産後のサービス利用時のイメージがより伝わるようにかんがるーブックなどの広報物の充実を図るとともに、統一的な説明を行えるようマニュアル化を図るなど、面接時により丁寧な説明ができるよう改善してまいります。

 次に、産後ケア事業の横断利用についてでございます。産後ケア事業につきましては、令和2年秋に支援内容の拡充を図ったところであります。都の要綱によって利用回数が定められている事業の横断的な利用を都に要望することについては、今後の事業実績や利用者アンケート結果を踏まえて検討してまいります。

 続きまして、ファーストバースデーサポート事業のアンケート調査の活用についてでございます。ファーストバースデーサポート事業でのアンケート調査は、各種サービスを利用した感想や利用しなかった理由等を含め、1歳児を育てる保護者の方から意見を聞くことができる貴重な機会と考えております。アンケート結果から課題を把握し、今後の事業構築に活用してまいります。

 続きまして、ファーストバースデーサポート事業におけるアンケートの回収方法についてでございます。子育て家庭の養育状況や子育て支援のニーズを把握するためには面接による手渡しが望ましいと考えておりますが、1歳前後のお子さんを育てる家庭に来庁を促すことは負担が大きいということから、郵送によるアンケート方式による状況把握を考えております。このアンケート調査の実施に当たりましては、乳幼児親子が気軽にすこやか福祉センターへ相談できるよう周知を図ってまいります。

 次に、父親向け事業の充実についてでございます。父親の育児参加を促す取組につきましては、必要性を十分に認識しており、内容の充実を図ってきたところであります。連続講座とすることで事業効果が高くなる一方で、参加が難しくなる側面もあると考えておりまして、繰り返しての参加や仲間づくりにつながるよう、講座の実施方法、内容や参加しやすい日時設定などについて工夫をしてまいりたいと考えております。

 続きまして、父親の産後鬱への対応についてでございます。いわゆる父親の産後鬱への対応も必要と考えております。男性向けのピアサポート事業や産後鬱への支援につきましては、他区の事例など情報収集を行い、必要な支援を検討してまいります。

 続きまして、自治体トランスフォーメーションの推進について。

 初めに、CDOの設置と区のDXビジョンについてでございます。区では、現在、情報化推進計画の改定作業を行っているところでございまして、その中で中野区としてのDXの在り方についても示してまいります。また、計画の実現に向けて推進していくためのCDOの設置など、外部人材を活用した仕組みづくりを含め、組織の在り方などの実現に向けた戦略についても検討してまいります。

 次に、DX推進における人材活用についてでございます。東京都を含め、先進自治体でのCDOの位置付けなどにつきましては、様々な形態が取られているところでございます。DX推進の中心を担う人材確保の方法につきましては、先進自治体の事例も踏まえながら様々な可能性について検討してまいります。

 次に、区がDXで実現したいことについての御質問でございます。これからの区政におきましては、デジタルトランスフォーメーションへの取組を通じて効率的に価値のある行政サービスを提供することのできる組織へと変容していくことが重要だと考えております。自治体として、中野区がDXを目指していくのは、自治体業務のデジタル化によって可能となる、区民にとって使いやすい行政サービスへの再構築と様々な新しい可能性の創出であると考えております。

○議長(高橋かずちか) 以上で間ひとみ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 むとう 有 子

 1 情報通信技術(ICT)教育の課題について

 2 一時保護所について

 3 その他

 

○議長(高橋かずちか) 次に、むとう有子議員。

〔むとう有子議員登壇〕

○40番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただきました御意見を基に質疑をいたします。

 情報通信技術(ICT)教育の課題について、お尋ねいたします。

 時代の進化や感染症の蔓延に伴い、人間の暮らし方が変わり、区役所に求められる仕事内容も変化しています。職員の方々は御苦労されていることと推測いたします。その上、前区長の職員退職不補充方針による2000人体制のひずみが大きく影を落とし、失礼ながら職員の能力不足が垣間見える場面もあります。そんな中で専門性が必要な分野での外部人材の活用は理解できますが、活用するのであれば、その能力を十分に生かし、次のステップにつなげていくべきです。その場しのぎの安易な外部人材の活用で終わらせてはならないと考えます。

 そこで、お尋ねいたします。予期せぬコロナ禍による学校休業は3月2日から始まり、いつ解除されるのか見通しがつかない中、結果的には5月31日まで3か月近く続きました。中野区では、学校休業中の在宅学習支援を目的に、ICT学習支援員が、中学校6校、小学校6校に一人ずつ配置されました。当初は半年間全小・中学校への配置予定でしたが、応募がなく、かないませんでした。区は、これまでICT教育の環境整備を積極的に行ってきたわけでもなく、学校休業に慌ててタブレット端末やルーターの貸与を行い、ICT学習支援員を募集しました。果たして支援員の配置でどのような成果があったのでしょうか。残念ながら学校休業中に在宅学習に活用できた学校はほとんどなかったと聞きます。学校再開後、もともと情報通信技術にたけている教師がいる学校では様々な工夫や改善を行って成果を上げている一方で、実際には授業でパソコンを使おうとしても、途中でネットワークが切れて使えなくなったり、グーグルクラスルームを使ってオンラインでミーティングをしていると音声が途切れたり、生徒用のパソコンに不具合が出るなど、様々な問題があると聞こえてきています。パソコンの不具合による授業の中断は生徒のやる気をそぐ結果となります。現在、各学校に配備された端末の保守はF委託事業者が担当し、各学校と区インターネットをつなぐ回線はS委託事業者が担当しているため、保守範囲も区の所管も異なり、ネットワークが切れてつながらない原因の解明も改善もできず、ICT学習支援員はむなしさを感じながら6か月を終えられるのではないでしょうか。各学校では、グーグルクラスルームの使い方やパソコンの不具合についてはF委託事業者のヘルプデスクに問い合わせる仕組みとなっていますが、回答が遅く、忘れられていて、再度問い合わせることも多々あるそうです。ヘルプデスクについては、契約時に、例えば即答率60%とか、2時間以内回答率100%とか、月ごとの解決レポートの提出等々のサービスレベル契約・SLAを締結し、ヘルプデスクのサービス品質を確保するのが一般的であると言われています。総務省の公共ITにおけるアウトソーシングに関するガイドラインの中でも、サポートサービスについてサービスレベル契約を締結するようにと書かれています。教育委員会はヘルプデスクとサービスレベル契約は結んでいないということですが、授業の円滑化を図るためにもヘルプデスクのレスポンスの改善を図るべきではないでしょうか、お答えください。

 また、総務省の教育ICTガイドブックには、ICT支援員の業務として、活用事例や発生した不具合等について日報などで教育委員会に報告する、他の支援員との情報交換を行うことが示されていますが、6か月契約のICT学習支援員の方々には日報の提出を求めず、情報交換もなされなかったようですが、それはなぜなのでしょうか、お答えください。

 来年度は、ICT支援員を教育委員会事務局に4人配置して、要請のある学校に派遣するとのことです。4人で対応し切れるのかと不安ですが、せめて6か月で終了したICT学習支援員から各学校での実情や支援内容、経験から見えた課題等を報告書などの形で今さらですが集約し、来年度のICT支援員に引き継ぎ、次のステップにつなげていくべきと考えます。見解をお答えください。

 8月24日の子ども文教委員会で、GIGAスクール構想の推進についての報告がありました。2020年度中に児童・生徒1人1台の学習用端末を整備し、校内のほかのネットワーク環境を最適化するために、校内及び学校間のネットワーク及びインターネットの環境を再構築する。2021年度中に再構築について検討し、2022年度の長期休業期間等を利用して整備するとのことです。

 11月6日の子ども文教委員会で、ICT教育を先進的に進めている渋谷区を視察し、遅まきながら気づいたことがあります。それは、ネットワーク環境が最適化されていない中で機材だけを配置して効果が上がるのかという素朴な疑問です。当然のことながら、渋谷区ではネットワーク環境を整備すると同時に1人1台の運用を開始したとのことです。ネットワーク環境が再構築されないまま、中野区では今年度中に1人1台の学習用端末が整備され、今年度から中学校で、来年度から小学校で運用が開始されます。最適化されない中で端末が整備されれば、使え、使えの大合唱となり、現場の教師の負担が増大することは目に見えています。まず、ネットワーク環境の最適化を構築した上で運用開始とするべきではないでしょうか。お答えください。

 2021年度中の再構築を検討するに際し、学校現場の意見や課題を十分に聞き取り、反映させる必要がありますが、どのように検討をするおつもりなのか、お答えください。

 ICT教育は、あくまでも学習の一つの手段であり、学習用端末としての整備であることを忘れてはなりません。学校休業中の授業の遅れを取り戻すのに必死で努力している現場の教師に、ネットワーク環境の問題解決を後回しにして、端末だけを配布するのは本末転倒であるということを指摘し、次の質問に移ります。

 一時保護所について、お尋ねいたします。

 2016年、児童福祉法が改正され、23区にも児童相談所の設置が可能となりました。私は、根本的には23区がそれぞれゼロからスタートするより、東京都がこれまでの実績を生かし、充実・拡充したほうが増え続ける虐待等の課題に対応できる力があるのではないかとの思いを払拭できませんが、中野区では児童相談所と付随する一時保護所も2022年2月に開設予定で準備が進められています。

 そこで、一時保護所について、お尋ねいたします。

 一時保護所とは、虐待や非行などで家庭から保護する必要があると児童相談所が判断した子どもが次の行き先が決まるまでを過ごし、傷ついた心と体を安心して癒すことができる生活の場です。そこでは常に子どもの生きる権利、守られる権利、育つ権利、参加する権利が保障されなければなりません。ところが、11月16日付、東京新聞によると、一時保護所ごとに生活ルールが違い、入所経験のある高校生が「二度と入りたくない。刑務所みたいで、大人が信じられなくなった」と述べています。虐待だけではなく、非行で保護される子どももいるため、管理的で理不尽な厳しいルールがあるところもあるようです。中野区は、どのような一時保護所を目指し、どのような生活ルールを考えているのでしょうか。また、一時保護所での生活を経験された方の御意見を伺うなどの対応も視野に入れた検討を求めます。お答えください。

 区は、子どもの権利擁護推進条例の制定に向けて動いています。全ての子どもの権利が守られる区政となるよう、誠実な答弁を求め、質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) むとう議員の御質問に、私からは、一時保護所についての御質問にお答えいたします。

 一時保護所の在り方についてでございます。区は、厚生労働省が作成した一時保護ガイドラインを踏まえ、できるだけ家庭的な環境の中で子どもの権利が尊重され、安心して生活できるような体制を確保した上で、一人ひとりの子どもの状況に応じた適切な支援を実施していくこととしております。一時保護所内のルールにつきましては、現在、各地の一時保護所で派遣研修を行っている職員に子どもが要望していることなどを聞き取ってもらい、それを区一時保護所のルールに反映するなど、子どもの権利を尊重した運営を行っていきたいと考えております。

〔教育長入野貴美子登壇〕

○教育長(入野貴美子) 私からは、情報通信技術(ICT)教育の課題についての御質問にお答えいたします。

 初めに、保守委託契約についてですが、学校のICT機器の保守委託契約は、タブレット端末及び校内無線LAN環境の保守に関するもので、部品交換が必要な場合を除き、原則即日対応とすることになっております。さらに、委託事業者に徹底してまいります。

 なお、インターネットへの接続に不具合があるケースなど、原因が保守委託の範囲外の場合もあるため、ネットワークシステム全体の最適化の中で改善してまいります。保守委託の中で対応可能かどうか、確認に時間がかかる場合もありますが、速やかに学校及び教育委員会に情報提供することを再度徹底いたしします。

 次に、ICT支援員についてです。ICT支援員は、会計年度任用職員であり、委託事業者とは異なり、日報などは義務付けておりません。適宜校長に口頭報告する運用を行っております。また、ICT支援員はそれぞれ出勤する曜日が異なることから、定期的に情報交換する場を設定することは難しいため、教育委員会でICT支援員が閲覧できる共有ホルダーを設定し、作業をしていく際のマニュアルや機器の使用に関するQ&Aなどの情報を共有できるようにしております。

 ICT支援員の引継ぎについてでございますが、今年度各校に配置したICT支援員は機器の使用に関するマニュアルやQ&Aへの追加記載、各学校での取組状況などを共有ホルダーにまとめております。こうした情報は、来年度の支援員に引き継ぎ、有効活用していく所存でございます。

 次に、ネットワーク環境の整備についてですが、1人1台端末の配置に合わせて、今年度は校内LANを更新するとともに、無線アクセスポイントも増設し、校内ネットワークの高速化を図る予定でございます。この整備により、学習系のサーバーに蓄積された教材や動画などの情報については、各学校からより円滑にアクセスできるようになります。インターネットへの接続環境や学校内の他のネットワーク環境の最適化に向けた検討には時間を要することから令和3年度に行い、令和4年度に整備する予定でございます。

 最後に、ネットワークの再構築への学校の意見反映についてでございます。教育委員会の教育用情報システムを円滑に運営するために教育委員会情報システム委員会を設置しております。小・中学校の校長、副校長がメンバーとして参加しております。教育委員会情報システム委員会での検討状況、校長会などを通じて情報共有し、学校の意見をしっかり踏まえて、丁寧に進めてまいります。

○議長(高橋かずちか) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 近 藤 さえ子

 1 児童相談所の設置について

 2 その他

 

○議長(高橋かずちか) 次に、近藤さえ子議員。

〔近藤さえ子議員登壇〕

○30番(近藤さえ子) 無所属の近藤さえ子です。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応や、他にも、区民の生活を守るために日々激務をこなされている職員や関係者の皆様に感謝を申し上げ、質問をさせていただきます。

 1番、児童相談所の設置について。

 2016年の児童福祉法の改正において、特別区も独自で児童相談所――以後、児相と言います――を開設できることになりました。中野区にも2022年2月の開設を目指して、他自治体の児相へ区の職員を派遣する、児相経験者を採用する等、開設に向けての準備を進めているところです。地域包括ケア推進調査特別委員会でも議題として報告を受け調査をしていますが、改めて児相を中野区に設置することについて、関連事項も含めて質問させていただきます。

 まず、児相の体制について、伺います。

 先日の総務委員会で示された「区政構造改革の基本方針について」には、「区政構造改革は、財政的な非常事態に対処するとともに、新たな行政需要に応じた効率的かつ効果的なサービス展開を図るため、行財政の構造的な改革を集中的に進め、持続可能な区政運営を目指すものである」。また、組織の再編の部分では、「新型コロナウイルス感染症対策のほか、児童相談所の開設など主要な行政課題に注力していく必要があるが、それと並行して、ウィズコロナ時代への対応や業務改善の観点から、あらゆる業務、手続き、施設の管理・運営方法などの効率化や省力化、デジタル化を推進して業務量を削減し職員配置を見直す」としています。現在、区には様々な行政課題がありますが、新型コロナウイルス感染症対策と並んで、あえて児相の開設を主要な行政課題として挙げている理由をお聞かせください。

 区に児相を設置することによって、これまでの都児相と区の子ども家庭支援センターではできなかった一元的な運用の展開ができることがメリットとして挙げられていますが、児相を区に設置することによる最も大きな利点について、お聞かせください。

 業務改善の観点から、あらゆる業務、手続、運営方法等の効率化や業務を削減していくことが今後一層求められます。現在すこやか福祉センターに子どものための相談機能があり、さらに新しい児童館機能施設にも相談機能を持たせる予定となっています。相談機能の場所が広がることはありがたいですが、運営方法と効率化、省力化で全体の適正な定数管理を実現していくとする区の構造改革の方針とは矛盾しているように思います。児相設置後、地域の連携によるさらなる有効的な相談体制をどのように構築していくのでしょうか。法定で定められた職種の専門家、研修を受けた職員、他自治体から来た児相経験者等、多くの職種の専門家により児童相談所が設置される予定ですが、その専門家集団の有効活用が図られる体制整備の検討を進めていただきたいと思います。現在、児相内部の相談体制整備の準備は順調に進んでいるのでしょうか。

 先日、地域包括ケア推進調査特別委員会で講演いただいた明星大学の川松亮教授の資料によると、全国の児童相談所の相談種類別相談対応件数割合、2018年度厚生労働省福祉行政報告例を見ると、虐待相談が全体の32%、虐待を除く養護相談13%、非行相談3%、障害相談37%となっており、障害の相談の比率が最も高いことを示していました。これは、愛の手帳(療養手帳)の申請事務が児相にあり、相談から申請手続の流れで相談件数が多いということで、区の児相設置後は手帳申請・更新事務等の区の事務的な負担は増えるものと思われます。それでも、地域資源を把握する区がその後スピード感を持って支援に結びつけてくれるのであれば、利用区民にとってはサービスの向上につながります。障害のあるお子さんを育てている方にとっては便利になると考えてよいのでしょうか。

 次に、虐待対応について、伺います。

 11月19日の読売新聞によると、厚生労働省が11月18日発表した2019年の虐待件数、児童相談所の虐待対応件数は19万3,780件で、学校、幼稚園、教育委員会からの児相への相談・通報件数は前年度比で3割増えたとあります。しかし、連携不足により対応が遅れるケースが後を絶たないと書かれていました。

 子ども家庭支援センターの子ども家庭相談事業新規相談件数を見ても、昨年度は2017年度、2018年度と比べて約1.5倍と増え、その経路は全体の76%が関係機関からの相談となっています。子どもの暮らす地域で虐待が早期に発見され、速やかな連携体制が取られ、子どもたちが守られることが大事なのです。これまで児童館が担ってきた地域の様々な年代の区民と児童福祉の専門家である児童館職員が子どもたちを見守り、毎日の生活の中で虐待や子どもの課題等を早期に発見してきた機能がなくなり、学校の中のキッズ・プラザと学校の中の学童クラブに移行していくことになると、子どもの成長を地域で見守る力、共助の部分が低下してしまわないかと危惧しています。お考えをお聞かせください。

 以前、私は、東京保護観察所の所長と会談する機会がありましたが、所長は、地域には要保護児童対策地域協議会があり、その存在が大事であると語られていました。児相設置後は、児相が中心となり、約250の団体で構成されている要保護児童対策地域協議会を最大に活用して、子どもたちと育児に不安を抱える保護者、孤立している家庭などを早期に発見し、対応していかなくてはならないと思います。地域連携の核となる要保護児童対策地域協議会の在り方について、児相の設置を機に、これまでの検証を行う必要があると考えますが、区は検証を実施しているのでしょうか。

 児相設立まで1年強となりました。川松教授の資料にもあるように、児相を設置しても、それを取り巻くネットワークが成熟しなければ十分な支援体制にはならないと危惧します。虐待などで支援が必要な子どもたちを見逃さず、しっかり支えることができるよう、区が運営する児相の組織はもちろんのこと、さらに地域の子育て環境とネットワークを実効性のあるものにする必要があると考えます。区はどのようにリーダーシップを発揮していくのでしょうか。

 その他で、保健所の体制について、伺います。

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。11月21日、東京都内の感染者数は539人、全国で連続過去最多を更新しました。27日にはさらに増えて、東京の新規感染者数は570人に上りました。

 私は、第2回定例会で、新型コロナウイルス感染症に対応するための保健所の職員体制について、質問しました。その中で、第2波、第3波の流行に備えて職員体制を整備しておくことが必要であると申し上げました。その時点での区のお答えは、今後、第2波、第3波の感染拡大に備え、これまでの経験を生かし、速やかに応援職員を配置できる仕組みが必要であると考えているとの答弁でした。今、まさにその第3波が来ていますが、現在保健所の職員体制はどのようになっているのでしょうか。

 新型コロナウイルス感染症に対応する職員は、連日残業や休日出勤等で肉体的にも精神的にもぎりぎりの状態で仕事をされていると思います。11月23日のテレビでは、中野区の保健所では相談が多く、スタッフを2倍にしても鳴りやまない電話の対応に追われていると報道されていました。保健所は、すこやか福祉センターや本庁、委託事業者等から応援を受けていますが、それでもまだ厳しい状態が続いています。すこやか福祉センターの側でも絶えず職員を派遣しているので、もうこれ以上保健所への応援に人を回せない状態のようです。これから本格的な冬に向かい、新型コロナウイルス感染症はさらに拡大し、さらにインフルエンザの感染も広がる可能性もあります。もし新型コロナウイルスのワクチンができて接種へと進んでも、そこで仕事がなくなるわけではなく、保健所の業務はむしろ増えていくと考えられます。本来ならば正規職員を採用するのがベストですが、それがかなわないのであれば、委託事業者等の派遣職員を増員して保健所の体制を強化するべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 もし保健所の、この厳しい状況の原因が人材不足だけではなく、体制に問題があるのであれば、仕事の検証、改善に早急に取り組む必要があります。新型コロナウイルスに対応する職員体制の改善を求めます。いかがでしょうか。

 御清聴ありがとうございます。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 近藤議員の御質問にお答えいたします。

 私からは、児童相談所についての項でお答えいたします。

 まず最初に、区が児童相談所を設置する意義についての御質問について、まとめてお答えします。区は、多様化、複雑化する子育てや教育の問題に総合的な対応を図るため、児童相談所機能を含む子ども・若者支援センターを整備することといたしました。児童相談所を設置し、子ども家庭支援センターと一体で運営することによって通告窓口が一本化され、継続的な対応が可能になります。また、必要に応じて介入、措置等の専門的アプローチも一体的に行うことによって一貫した支援を行うことができると考えております。さらには、基礎自治体としての強みを生かし、関係機関と連携することによって地域の社会資源を生かした支援を行うことができると考えております。

 続きまして、子どもと子育て支援家庭に関わる相談支援体制の再構築についてでございます。すこやか福祉センターは、子育て世代包括支援センターとして妊娠期から子育て期にわたる総合的な相談や支援を、児童相談所、子ども家庭支援センターでは虐待のようなハイリスクケースに関わる支援をそれぞれ実施いたします。新たな児童館では、地域の子育て支援活動の拠点として、日常的な見守りの中から支援対象者を発見し、必要な支援につなげてまいります。これらの各機関の連携によって相談支援体制の充実を図っていくことを考えております。

 続きまして、障害児に関わる相談窓口についてでございます。児童相談所では、愛の手帳に関わる相談をはじめとした障害に関する相談を行っております。区では、児童相談所に児童精神科医や児童心理士を配置し、高い専門性を必要とする相談について対応することができる体制を構築する予定でございます。障害福祉課及びすこやか福祉センターと連携をし、相談者が適時適切な支援を受けることができるような体制を整備してまいります。

 次に、共助、地域との連携についてでございます。キッズ・プラザには保護者や地域の育成団体の方々、当該小学校長等をメンバーとした運営委員会を設置し、年間の事業計画や子どもたちの様子などを共有しております。また、児童館と同様に、地域と連携した行事等に取り組むとともに、日々の活動から子どもの状況の把握に努め、適切な対応も行っているところでございます。今後は、児童館やキッズ・プラザ、学童クラブなど様々な場所で地域と連携を深め、共助を高めてまいりたいと考えております。

 続きまして、要保護児童対策地域協議会の在り方に関わる検証についてでございます。子ども家庭支援センターでは、要保護児童対策地域協議会の調整機関として、各種会議の開催、ケース検討会議等を行っております。地域連携の核である協議会の重要性は認識しており、現在も運用に関わる課題整理などを行っているところでございます。区が児童相談所を設置し、子ども家庭支援センターと一体で運営することを機に、協議会の効果的な運用について工夫してまいります。

 最後に、子ども・若者の支援に関わる区のリーダーシップについてでございます。支援を必要とする子ども・若者及びその家族に対する支援は、子ども・若者支援センター、すこやか福祉センター、地域の関係機関などが連携し一体となって行っていく必要があります。区がそれらのネットワークの中心となってリーダーシップを取って、各関係機関との連携をより実効性のあるものにしていきたいと考えております。

〔総務部長海老沢憲一登壇〕

○総務部長(海老沢憲一) 私からは、保健所の応援体制についての御質問にお答えいたします。

 各すこやかセンターと子育て支援課から応援の保健師を1名ずつ合計5名の固定メンバーを年度末まで派遣しているほか、人材派遣を活用してコールセンター業務や疫学調査を行う看護師を確保しているところでございます。感染拡大のピーク時に新規陽性者数が増加した場合には、地域包括ケア推進課や障害福祉課の所属する保健師の協力も得て、さらなる応援体制を構築したところでございます。

 続きまして、保健所業務の持続可能な体制の構築についてでございます。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う保健所の業務の増加に対しては、保健師や事務職の職員による応援体制を構築していたほか、業務委託や人材派遣、会計年度任用職員の採用など様々な手法により対応してきたところでございます。今後見込まれるさらなる業務量の増加に対しまして職員による応援体制が限界に達しつつあるため、人材派遣の規模の拡大を図っているところでございますが、人材派遣を通じても看護師等の確保をするのは困難な状況が続いているところでございます。今後とも人材確保の努力を継続するとともに、業務の効率化や優先順位付けにより人員を捻出する必要があるというふうに考えてございます。

○議長(高橋かずちか) 以上で近藤さえ子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 いながき じゅん子

 1 ふるさと納税について

 2 区民や事業者との協働による美しいまちづくりについて

 3 旧中野刑務所正門の保存について

 4 その他

 

○議長(高橋かずちか) 次に、いながきじゅん子議員。

〔いながきじゅん子議員登壇〕

○26番(いながきじゅん子) 無所属のいながきじゅん子でございます。

 今回、時間の関係で、2番目の質問は別の機会とさせていただきます。その他はございません。

 まず、ふるさと納税について、伺います。

 昨年度のふるさと納税制度による中野区への寄附件数は337件で、総額1,000万円余、そのうち返礼品等の経費を差し引いた残りはおよそ500万円でした。逆に、他の自治体に寄附をした区内の納税者の割合は全体のおよそ11%の2万2,767人。寄附金税額控除はおよそ11億7,000万円で、最大でこの額が中野区の税収から区外に流出したことになります。11億円以上の減収は決して少ない数字ではありません。他の特別区では、区長自ら危機感をあらわにし、まち中の掲示板などでふるさと納税制度が区の財政に与えるマイナスの影響を積極的にPRするなどして、税収減を食い止めようとしている区もあります。中野区も、この制度が区財政に与える影響について、具体的な数字を示しながら区報等で分かりやすくお知らせする必要があるのではないでしょうか。見解を伺います。

 また、昨年度の寄附額や返礼品等の数について、23区の中で比較をしてみますと、中野区は返礼品の数では23区中4番目に多いものの、実際受け入れた寄附額では23区中16番目でした。また、返礼品がゼロであるにもかかわらず、中野区よりも多くの寄附金を集めた区が6区ありました。現在の返礼品については、体験型のものを増やすなどもう少し工夫する余地があるのではないでしょうか。例えば、中野サンプラザでは、このコロナ禍でコンサートが軒並み中止や延期になったことを受けて、コンサートホールの舞台でスタンウェイのピアノが弾けるというプランを販売したところ、予想以上に好評で、8割くらい予約が埋まっている状況とのことです。有名アーティストも多数使用してきたこのホールの舞台を活用し、例えばステージ上で歌を歌えるなどの返礼品をサンプラザと提携し、企画してはいかがでしょうか。

 また、物品についても、区にゆかりのある著名人や企業のブランド力を生かした区オリジナルのコラボレーション商品を企画・生産することについて検討の余地はないのでしょうか。お聞きします。

 直近の総務委員会では、今後のガバメントクラウドファンディングの展開について御報告がありました。ガバメントクラウドファンディングの実施自体には賛同いたします。ただ、区が今年6月から8月末までに行ったクラウドファンディングでは、新型コロナウイルス感染症対策と称し、医療機関の支援など、とてもざっくりしたタイトルで寄附を集めていました。例えば、文京区の子ども宅食のように、できるだけポイントを絞った具体的な寄附メニューを示し、どのようなことにお金が使われるのかをより明確にして寄附を募るほうが、寄附する側も迷わず納得して寄附ができるのではないでしょうか。

 また、子育て先進区を目指すというのであれば、その関連の事業やプロジェクトへの寄附を積極的に募るお考えはないのでしょうか。伺います。

 次に、旧中野刑務所正門の保存について、伺います。

 今月、旧法務省矯正管区敷地内の西側に門を曳家し、保存と公開を行っていくとの委員会報告がありました。前区政の方針では解体だった門が、酒井区政になってから現地保存となり、そこからおよそ2年が費やされた後、今度は移築保存に方針が変更されたことになります。また、最初に門を現地保存すると決定された際には2023年度中とされていた平和の森小学校の新校舎の供用開始時期は、4年遅れて2027年度中となることも報告をされました。さきの決算特別委員会の総括質疑でも申し上げましたが、今回の方針決定はエビデンスに基づき適切な手順を踏んで行われたとは到底言い難く、保存の意義についての区民への説明も十分とは言えません。また、様々な理由で先延ばしされてきた平和の森小学校新校舎の開校時期が今回の方針転換によってまた再び遅れることとなり、狭い校舎・校庭でずっと我慢してきた学校関係者の落胆は大きく、区への不信感も高まっています。

 まず、なぜ最初からこの曳家による移築保存という結論に至ることができなかったのか、伺います。

 現地保存で方針決定後に行った文化財保護審議会への諮問や現地での学術調査をなぜ最初から行わなかったのでしょうか。土地の取得前に関東財務局と交渉して有料の立入り調査ができたのであれば、なぜ最初からそれをせず、外からの目視調査で済ませたのでしょうか。最初から曳家が可能か否かについて適切な調査を行い、可能な場合はその概算経費を算出し、文化財保護審議会の答申を受けるというプロセスを踏まえていれば、途中で方針転換をすることなく、時間を無駄にせず済んだはずです。また、議会で多角的な調査・検討が必要だという議論があったことを方針見直しの理由として挙げられていますが、最初から適切なプロセスを踏まえた上で現地保存の方針を決定したのであれば、議会からそのような意見もつかなかったはずです。さらに、現地保存決定の直前に臨時で開かれた教育委員会の議事録によれば、4名の委員のうち、現地保存することについては2名が反対、残る2名も新校舎整備への影響について強い懸念を表明されており、現地保存すべきだと明言された委員はいらっしゃいませんでした。今回の問題は、門を残すか否かという単純なものではありません。この地域のまちづくりや区の財政、さらには平和の森小学校に現在通っている、またこれから通うことになる児童をはじめとする学校関係者など多方面に影響を与える非常に複合的な問題です。文化国際交流担当課単独で判断できるものではなく、急ぐ中でもエビデンスに基づいた全庁的に慎重な議論や丁寧な説明が必要でした。しかし、区は、初期段階において実施すべきであった調査や諮問を行わず、教育委員会の意向も尊重せずに、現地保存という結論ありきで押し切ろうとしたことが、今回の曳家保存という決定に最初から至ることができなかった大きな要因なのではないでしょうか。区長の見解を伺います。

 この門については、お金と時間がかかっても何としても残してほしいと強く主張される方々がいる一方で、記録を残して解体すべきだというお考えをお持ちの方々もいらっしゃいます。また、この問題の詳細について御存じない、そもそもこの門の存在自体を御存じない区民の方々も大勢いらっしゃいます。このような状況において、門の取扱いについては、解体という選択肢も含め、多角的に比較検討した上で結果についての説明責任を真摯に果たすのが区の責務であり、再検討の際に最初から解体という選択肢を完全に排除し決定してしまうという姿勢はいかがなものかと思います。区の見解を伺います。

 その上で、今回の方針案を出された意義について、伺います。

 この件は、文化財的価値のほかに、三つの観点から総合的に検討することが必要です。その三つとは、費用、土地活用の有効性、平和の森小学校新校舎の開校時期です。

 1点目の費用については、さきの委員会報告で、曳家保存するに当たっての経費が少なくともおよそ5億円、曳家後は年間100万円の維持管理経費がかかることが示されました。コロナ禍で今後財政状況が非常に厳しくなる中で区の歳出として優先すべきものか否か、十分な議論はなされたのでしょうか。

 2点目の土地活用ですが、門の曳家予定地は広さ1,897平方メートルで、今後財務省からおよそ13億9,000万円で取得する予定となっております。この土地は、以前、地域の防災まちづくり用地として活用予定だったわけですが、ここに門を曳家し、保存と公開をする場合、文化財保護審議会の答申内容に従えば、このうちの80%以上のスペースを門のために確保しなければならなくなります。何らかの補助金を活用できたとしても、14億円近くの税金を投入し、取得する土地の活用法として最も適切と言えるのでしょうか。

 3点目、平和の森小学校の新校舎の供用開始が最短で2027年度中になってしまうということで、そこまで先送りして本当によいのかという議論も必要です。また、文化財的価値についてですが、今回、国は、門が残存する土地を中野区に売却するに当たり、他の施設の解体費用と合わせ、門の解体費用も負担すると言っています。つまり、この門は、保存せずに解体してよいというのが国の意思であり、この時点でこの門が国の文化財指定を受けられる可能性は極めて低いということになります。また、東京都の文化財指定を受けるかどうかも定かではありません。

 以上の点を総合的に考えますと、中野区が文化財的価値を認めているという理由のみで保存を決定してしまうことに対して、果たして問題はないのか、疑問を感じます。

 そこで、改めて伺います。門を現地保存した場合、曳家保存した場合、解体した場合にそれぞれ要する経費と平和の森小学校の新校舎供用開始までの期間をお示しの上で、曳家して門を保存することの意義について、改めて御説明を願います。

 なお、今回出された方針案どおり曳家保存する場合は、委員会で示したスケジュール内で工事を確実に終了させ、2027年度中には必ず平和の森小学校の新校舎が供用開始となるよう、この場でお約束していただきたいと思います。それくらいの覚悟を持って取り組んでいただかなければ、保護者をはじめとする学校関係者は納得できません。これまでの一連の区の発言・対応は、門保存の賛成派、反対派を問わず、この問題に関心を寄せる方々の思いをあまりに軽く見過ぎているように感じてなりません。

 以上で私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) いながき議員の御質問のうち、旧中野刑務所正門についての御質問にお答えいたします。

 まず最初に、旧中野刑務所正門を曳家移築する理由についてでございます。旧中野刑務所正門の取扱いについて、当初曳家移築の手法では文化財的価値が大きく損なわれてしまうといった認識があったため、現地での保存と決定をいたしましたが、曳家移築を含めた多角的な検討をするべきではないかという議会での議論もございました。その後、昨年実施した学術調査によると、曳家が技術的に可能であることが分かり、また正門の公開活用と良好な教育環境の両立が難しいことから、文化財保護審議会の答申や教育委員会からの正門の取扱いに係る意見等を踏まえて再検討を行い、先日の常任委員会において、正門の取扱い方針(案)として曳家による移築を報告したところでございます。

 次に、旧中野刑務所正門を残す意義でございます。旧中野刑務所正門については、文化財的価値があると認識をしておりまして、解体については想定をしておりません。曳家移築する場合の経費につきましては、関連工事等の総計で約4億9,600万円でございます。平和の森小新校の開設時期は令和9年度、2027年度中を予定しております。一方、文化財保護審議会の答申を踏まえた現地保存の経費については約4億円でございます。平和の森小新校の開設時期は、令和8年度、2026年度中を想定しております。旧中野刑務所正門は、文化財保護審議会の答申及び教育委員会からの意見等を踏まえ、正門の保存及び活用と平和の森小新校における良好な環境の確保との両立を図るため、曳家移築により保存活用することを考えております。

 最後に、平和の森小学校新校スケジュールへの影響についてでございます。曳家移築を実施するに当たっては、想定外の事情により遅れる可能性はあるものの、平和の森小新校に係る工事と同時に進められるものは並行して実施するなど、可能な限り工期の短縮に努め、平和の森小新校の早期開校につなげていきたいと考えております。

〔企画部長高橋昭彦登壇〕

○企画部長(高橋昭彦) ふるさと納税についての御質問にお答えいたします。

 初めに、ふるさと納税制度の財政的影響の周知についてでございます。ふるさと納税については、地方の創生・活性化に資する制度である一方で、他自治体に寄附した場合には区の税収減となり、区に影響を及ぼすことになることの理解を促すことも必要だと考えてございます。財政的影響については、例年ふるさと納税が増える12月に間に合うよう区のホームページでの発信を予定しており、今後も効果的な周知を図っていく考えでございます。

 続いて、返礼品の工夫についてでございます。ふるさと納税の返礼品開発は区内産業や地域の活性化につながるものと捉え、区内事業者への働きかけなどに取り組んでいるところでございます。今後も総務省が示す地場産品基準や返礼割合基準を遵守しつつ、より多くの方から共感を得て寄附していただけるよう、中野区の特徴を生かした魅力ある返礼品を加えていきたいと考えてございます。

 最後に、クラウドファンディングについて、お答えいたします。クラウドファンディングは、区民等の区政への関心や区の取組への理解を深めるとともに、区民のシビックプライド醸成につながることが期待できるため、使い道を明確にして募集していく考えでございます。今後、子育て関連を含め、クラウドファンディングとの親和性が高い事業については積極的な活用を図っていきたいと考えてございます。

○議長(高橋かずちか) 以上でいながきじゅん子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 石 坂 わたる

 1 子どもの権利擁護と家庭支援について

  (1)出生について

  (2)障がい児、LGBT児童、外国籍児童などのマイノリティの児童について

  (3)多様な家族・家庭で育つ子どもについて

  (4)障がい児の兄弟などのヤングケアラーについて

  (5)その他

 2 児童養護について

 3 その他

 

○議長(高橋かずちか) 次に、石坂わたる議員。

〔石坂わたる議員登壇〕

○29番(石坂わたる) 質問いたします。

 1点目として、子どもの権利擁護と家庭支援について、伺います。

 (1)として、出生について、伺います。

 厚生労働省によると、2013年からの5年間で87万人以上が人工妊娠中絶を行い、経済的余裕がない、相手が出産に同意しなかったなどの理由が多くなっています。また、NIPT(新型出生前診断)について、2013年4月から4年半に5万人超が診断を受け、染色体異常陽性が933人、うち97%を占める907人が中絶を選択しています。また、親の、「障害の有無に加え、勉強や運動や外見も優れた子が欲しい」というパーフェクトベビー願望は中絶に加え、虐待にも影響を与えると言われています。妊娠や染色体異常に直面した際にどうするのか、妊娠前から考えられることが大切です。昨今、出生直後に子を殺す痛ましい事件がありました。妊娠・出産・子育てが安心な環境整備は当然ですが、妊娠届を出さない妊娠や高校生の妊娠を含めてどうしても我が子が育てられない場合に殺すことなく、乳児院や特別養子縁組など、自分以外の人の手で育ててもらうことも可能としていることも必要ではないでしょうか。そして、障害児の中絶において、周囲や社会から中絶に追い込まれることなく、自己決定できたのかも重要です。どんな親も子も完璧な人はいないという認識、健常児や障害児の子育ての知識、社会的な支援やサービスが確保、周知され、子どもの未来に希望が持て、子育てに安心ができなければ、障害児の中絶の増加は止まりません。安心できれば失われずに済む命が現に失われているならば、その責は不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供ができていない行政側にもあると言えます。そのため、一つ目として、学齢期から成人期に障害児者と触れ合うだけでなく、障害児の両親に話を聞ける機会を設けること。二つ目として、妊娠が分かった際の情報に、障害に関する情報を盛り込むこと。三つ目として、ある程度障害のある子どもが大きくなって落ち着いた親御さんの声を聞きながら、妊娠前から欲しかった情報や妊娠後に得たかった支援についての体験を聞き、それを行政施策に盛り込むことが必要ではないかと思われますが、いかがお考えでしょうか。

 (2)として、障がい児、LGBT児童、外国籍児童などのマイノリティの児童について、伺います。

 児童の権利条約は、第2条第1項で、子どもやその親や保護者の人種、性、言語、意見、財産、障害などによる子どもへの差別の解消を求めています。中野区での教育や児童福祉サービスなどを含む行政のサービス、取組は、日常生活で障害児、LGBT児、外国籍児を含む海外にルーツを持つ児童などのマイノリティ児童、生活困窮児童などが差別なく権利を尊重され、必要な支援が確保されると理解してよいでしょうか。

 また、科研費事業の性的マイノリティについての意識調査2015年全国調査で、同僚や近所の人がLGBTであっても「嫌ではない」、「どちらかといえば嫌ではない」と答える人が過半数なのに対し、我が子や兄弟がLGBTであるのは「嫌だ」、「どちらかといえば嫌だ」と答える人が6割超の状況があります。また、親のマイノリティへの無理解が虐待同様の影響を子に及ぼす場合もあります。先ほどの出生前診断やパーフェクトベビー願望などもある中、家庭の中に様々な子どもがいることが当たり前という啓発もすべきではないでしょうか。

 (3)として、多様な家族・家庭で育つ子どもについて、伺います。

 民法第820条は、「親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う」とあります。さらに、障害者権利条約第23条は、障害者が家族を築く権利を保障し、養育の責任を遂行するための援助を与えられることを定めています。親の一方あるいは双方がLGBTや障害者や外国人の場合も、その子たちが自らの家族に劣等感や恥などの意識を持つことなく育ち、いじめや差別、偏見にさらされないようにする必要と、保護者も社会的配慮や生活の困窮の状態に追いやられることなく適切な援助を受けながら子どもを育てる責務を果たすようにする必要があると思われますが、いかがでしょうか。

 (4)として、障がい児の兄弟などのヤングケアラーについて、伺います。

 ヤングケアラーは、ケアや介助、サポートを父母や兄弟などの家族にしばしば定期的に提供する18歳未満の子どもであり、埼玉県ではヤングケアラーが一クラスに一人はいるとしています。例として、障害のある親の入浴やトイレ介助、家事、兄弟姉妹の世話、依存症の親の飲酒や薬物摂取後の世話、日本語が理解できない親の付添いや通訳などがあります。

 三菱UFJリサーチコンサルティングの調査では、学校等に行っており、学校生活に支障が見られないとするヤングケアラーが29%であるのに対し、休みがちなど学校等にもあまり行けていないが31%、授業に集中できない、学力が振るわないが12%、友達との関係が思わしくないが7%などとなっています。また、私自身、元ヤングケアラーで就職活動の制約を受けた区民の話も耳にしました。子どもの権利擁護の観点から、全てのヤングケアラーが個人として尊重され、家庭に縛りつけられないことが大切です。そうした観点で、ヤングケアラーが社会の中で自立的に生きる基礎を養い、適切な教育の機会を確保し、かつ心身の健やかな成長や発達や自立が図られるようにすべきと思われますが、いかがでしょうか。

 また、ヤングケアラーは、自治体がネグレクトなどと把握をしている場合もあります。ヤングケアラーの概念の普及と状況の把握を行うこと、要保護児童対策地域協議会と構成機関、あるいは学校や教育委員会との情報共有と支援の連携、さらに子ども教育部という枠組みを超えた養育支援訪問事業による家事援助や介護保険サービス、障害福祉サービスなど適切な支援に家庭をつなぐよう、各所管と連携すべきと思われますが、いかがでしょうか。

 (5)その他で伺いますが、今回触れた、障害、外国籍、LGBTを含む様々なマイノリティ性の有無にかかわらず、子どもやその家族が差別、偏見にさらされたり、仕組みの不備の犠牲とならずに、適切な支援やサービスを受け、心身あるいは社会的に健康な生活ができるようにすることが必要です。今回取り上げた事柄も子どもの権利擁護に係る条例に盛り込むべきと思いますが、いかがですか。

 次に、2点目として、児童養護について、伺います。

 児童相談所の移管、設置によって虐待対応やその他様々な役割を区が担います。

 まず、虐待について。現在は、虐待の発生した世帯や要支援家庭の支援を子ども家庭支援センターとすこやか福祉センターが担っていますが、同センターは親を含めた家庭全体の支援や子どもの成人後も関与できる特徴があります。児童相談所設置後の虐待発生世帯や要支援家庭の家庭全体への支援の在り方やすこやか福祉センターとの連携はどうなりますか。

 先日、新宿区内の都立児童相談センターと同区内の放課後等デイサービス「アトリエたいよう」の代表の方の話を伺う機会がありました。この放課後等デイサービスの代表は、児童相談所が親子を分離する方向で話を進めるよりも先に、親が子に手をあげそうになったときや実際に手をあげてしまったときに24時間いつでも電話してもらい、親の話を熱心に聞き、未然に虐待を防いだり繰り返すことを防ぐ支援を行っているとのことでした。もちろん児童相談所への通報が望ましい場合もありますが、まず親や家庭に寄り添い支える観点から、機関や支援者も合わせて設ける必要がありませんでしょうか。

 次に、養育家庭について、伺います。

 児相設置により、虐待対応だけでなく、療育家庭の取組も始まります。多くの子にとって家庭の環境で育つことは重要です。大阪市や東京都での流れと同様に、中野区でも同性カップルの里親登録も可能な制度とすべきではないでしょうか。また、同性、異性を問わず、カップルである里親が子育てに不安や困り事があった際、里親を継続する前提で安心して相談ができる支援体制も必要となりますが、いかがお考えでしょうか。

 私の質問は以上です。答弁のほどお願いいたします。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 石坂議員の御質問にお答えいたします。

 私からは、児童養護についてでございます。

 まず初めに、児童虐待や要支援家庭の対応についてでございます。現在、児童虐待がある家庭や支援が必要な家庭に関しましては、子ども家庭支援センターを事務局とした要保護児童対策地域協議会の枠組みの中で、すこやか福祉センターをはじめとした関係機関が連携しながら支援を行っているところであります。来年度、児童相談所が開設された後においても、児童相談所及びすこやか福祉センターが互いの情報を共有し連携していく中で、育児支援のみならず、虐待の未然防止や早期発見・早期対応が図られるよう、現在の取組を継続して行ってまいります。

 次に、児童虐待寄り添い型の支援についてでございます。児童虐待対応におきましては、児童相談所として子どもの命と安全を最優先にしなければいけないこともございます。時には子どもや保護者の意思に反して危機に介入せざるを得ない場合があります。しかしながら、子どもの夢と希望を実現するためには、家族の力を信じて、家族と一緒に子どもの安全をつくり、夢と希望を実現していくことも児童相談所の重要な役割であると考えております。家族と協同し、すこやか福祉センターなど地域の関係機関と連携しながらその役割も果たしていきたいと考えております。

 続きまして、同性カップルの里親登録についてでございます。東京都は、里親認定基準を改正し、平成30年10月から配偶者がいない場合の要件を緩和いたしました。その結果、同性カップルも里親申請を行うことができるようになりました。東京都及び特別区が協議した結果、児童相談所設置区の里親認定基準は東京都の里親認定基準と同一の内容とすることとされました。区は、協議結果に基づいて、東京都の里親認定基準にのっとって里親認定を行う予定でございます。

 最後に、里親のバックアップ体制についてでございます。里親が養育に悩みを抱えた際に孤立化することのないよう、区は、里親に対する研修や里親同士の相互交流などの里親支援を進めるとともに、子どもの養育に関する相談を受け付け、その相談に応じることのできる体制を整備することとしております。里親の不安をできるだけ和らげることができるよう、適切な指導や助言を行うことができる体制を構築してまいります。

〔地域支えあい推進部長鳥井文哉登壇〕

○地域支えあい推進部長(鳥井文哉) 私からは、子どもの権利擁護と家庭支援の御質問の出生についての一部にお答えいたします。出産後の子育てが困難な方への情報提供につきましては、必要と認識をしてございます。区では、妊婦の方に対しましては妊娠届の提出の際やかんがるー面接の際、さらに産婦の方に対しましては乳児健診やこんにちは赤ちゃん訪問の際など、様々な機会を捉えて妊産婦の方の心身の状況などを伺ってございまして、この中で養育が困難な方に対しましては乳児院や特別養子縁組などの情報を含めた御案内を行っているところでございます。このほか、望まない妊娠など相談にいらっしゃることが困難なケースもあることから、妊娠に関する様々な相談や若年層への啓発等に取り組んでいるところでございます。

〔子ども家庭支援担当部長小田史子登壇〕

○子ども家庭支援担当部長(小田史子) 私からは、子どもの権利擁護と家庭支援についての御質問にお答えさせていただきます。

 初めに、出生についての御質問のうち、障害児の理解促進についてのお尋ねです。障害の有無にかかわらず、地域で共に生活していくためには、地域の方々の障害や合理的配慮に関する理解や取組を促進することが大切であると考えてございます。地域共生社会の実現に向けて、障害児を育てている保護者の体験や当事者の声などを区民の方が知ることは重要であると考えておりまして、ペアレントメンター事業における研修会などの取組を引き続き推進してまいります。

 続きまして、障害児、LGBT児童、外国籍児童などマイノリティの児童に関する御質問です。

 初めに、生活に困窮している児童などの権利についてです。区は、全ての子どもはいかなる理由によっても差別されず、その権利を尊重されるべきであると考えておりまして、夢と希望を持って成長できる社会の実現に向けて必要な支援を検討してまいります。

 次に、様々な子どもがいることの親への啓発についての御質問です。多様な生き方、個性や価値観を受け入れることができる地域社会の実現に向けて、誰もがLGBTや障害者などについて正しい知識と理解を持つことが重要であると考えております。保護者がLGBT児童や障害児などについて正しい知識と理解を持ち、子どもたちが育ってよかったと思える環境を目指し、マイノリティの児童についての理解促進に努めてまいります。

 次に、多様な家族・家庭で育つ子どもについてです。LGBTや障害者、外国人などのマイノリティの保護者も含め、全ての子どもと子育て家庭が地域社会に支えられ、安心して子育ち・子育てができる環境を整えていきたいと考えております。

 次に、障害児の兄弟などのヤングケアラーについてです。ヤングケアラーと呼ばれる子どもも含め、全ての子どもが尊重され、教育の機会を確保し、心身の健やかな成長や発達を地域全体で支えるまちを築いていくことが子どもの権利擁護の観点からも重要であると考えております。

 次に、ヤングケアラーへの支援についてでございます。ヤングケアラーと呼ばれる18歳未満の子どもが存在しておりますことは、子ども家庭支援センターやすこやか福祉センターの相談支援の中で認識しているところでございます。子どもが本来大人が担うような家族の介護や世話を行うことで子ども自身の生活に悪影響が生じてしまうことを、要保護児童対策地域協議会の構成機関に対しまして機会を捉えて改めて周知いたしまして、子どもの状況を早期に把握できるよう努めてまいります。また、各種福祉サービスを利用するなど、包括的な支援を行うことで過度な負担が子どもにかからないようにしていきたいと考えております。

 最後に、子どもの権利擁護に係る条例の検討についての御質問でございます。児童の権利に関する条約において規定される子どもは、障害、外国籍、LGBTなどのマイノリティの児童も含めた全ての子どもでございます。この条約の趣旨を踏まえた上で、子どもの権利擁護に係る条例の制定に向け、検討を進めてまいります。

○議長(高橋かずちか) 以上で石坂わたる議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

午後2時57分休憩

 

午後3時15分開議

○議長(高橋かずちか) 会議を再開いたします。

 この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 小宮山 たかし

 1 基本構想検討素案について

 2 その他

 

○議長(高橋かずちか) 小宮山たかし議員。

〔小宮山たかし議員登壇〕

○18番(小宮山たかし) ただいまより、小宮山たかしの一般質問をさせていただきます。

 まず、その他から、新型コロナウイルス感染症対策について、質問します。

 区内のコロナ感染状況を情報公開せよと、予算特別委員会総括質疑で私が求めたのは今年2月のことでした。その時点では公開はしませんという答弁をいただきましたが、結局、4月になってから、東京都の公開を後追いする形で中野区も区内の感染状況を公開するようになりました。どうせ公開をするのであれば、あれこれ言わずにほかの区のようにもっと早くしておけば区民の信頼を得られたのに、鶏口となるも牛後となるなかれと、そういう気持ちを私は今も感じています。その際に必要なのは、科学的、医学的、疫学的な判断よりも、むしろ区民が求めるものを提供していく。それによって、デマや社会不安を抑えていく、政治的な判断であります。中野区のコロナ対策については、公開すべき情報をきちんと公開したり、必要以上の丁寧な対応をすることによって、感染はもちろん、社会不安を抑えていく、政治的な判断がいま一つ欠けているのではないか、私はそんなふうに受け止めています。情報発信を控えることによって社会不安を抑え込もうと区が考えているのだとしたら、それは大きな間違いです。間違っている。隣の小・中学校で感染者が発生したという情報はあっという間に広がっていますよ。それを見て見ぬふりをしているのは中野区だけです。

 先日、中部スポーツ・コミュニティプラザのジム等を担当する職員がコロナに感染したという情報を私は区のホームページで知りました。その職員の感染が発覚する前にも後にも私はそのジムを利用しています。そして、コロナ対応の書類を毎回毎回受付で書かされた。その書類を使って利用者に連絡が来るのかなと思ったら、来なかった。私が見落としていただけかもしれませんけれども、現地の目立つ場所に感染者発生を知らせる張り紙はありませんでした。ジムのマシンを使う際にはマスクをつけない人も少なからずいます。多少の消毒はしますが、不特定多数が同じ道具を使い回している。そんな環境で職員が感染したのに利用者に何の知らせも来なかったこと、本当に大丈夫なのかな、そういう不安を私は感じました。

 夏休み明けの9月以降、中野区の小・中学校及び関連施設でコロナの感染者が確認されたのは計8件ありました。その8件の全てで区は、「濃厚接触者なし」という判断をしています。そして、ほとんど全てのケースで、最終出席日から日数がたっているため、閉鎖も消毒もしないという判断をしています。濃厚接触はなかったそうですけれども、給食や体育や音楽の際にはマスクを外すこともあるでしょうし、低学年児童がマスクをきちんとかけなかったり、放課後や休日の子どもたちがマスクなしで活動したりとか、いろんな例外はいろんな場面であると思われます。新宿区では、中野区と同様に9月以降8件の感染が確認されていますが、8件中2件では施設の閉鎖と消毒を行ったそうです。また、杉並区では、濃厚接触者はいなかったけれども、PCR検査を実施したというケースが過去複数回あり、その結果、合計12名の感染が新たに確認されたということもありました。これが中野区であれば、濃厚接触者はいませんでしたとして済まされてしまったケースではないだろうかと心配になります。ほかにも、墨田区など検査や消毒に対して積極的な区も中にはあるようです。そうした他区の対応を見ていると、中野区の小・中学校と関連施設で8件連続して濃厚接触者はいませんでした。日頃やっていますから、消毒もしません。施設の閉鎖も必要はありません。本当にそうなら本当によかった。感染者が出たことは大変でお見舞いを申し上げますけれども、それが拡大しなかったことは不幸中の幸いであると思うんです。本当にそうなら本当によかった。でも、本当にそうなんですか。区の公式発表、公式ホームページだけを情報源にしていると、本当にそうなのかなという疑問がどうしても拭えない。

 今、挙国一致してコロナに立ち向かっている中で、保健所に1議員が問合せをしてコロナ対応業務を妨げることもはばかられるムードにあり、議員としての調査権も行使しにくいため、詳しい状況もよく分からない。一般の区民が感じるのと同じ疑問や不安を私も感じています。今、区民も非常にナーバスになっています。小学生が時として大人の想定外の行動を取ることもあるということは小学生の親なら誰でも知っている。小学生の親でなくても、かつて小学生だったことのある人なら分かるはずです。その小学生や中学生が集団生活をしていて、8件のケース全てにおいて濃厚接触者がいませんでしたと言われ、しかも消毒も検査もしませんと言われ、はい、そうですか、よかったですねとはなかなか言えないんです。消毒や検査など、疫学的、医学的、科学的には不必要なことであっても、区民の不安を抑える不安解消という意味で、政治的には意味があるかもしれない。今までは本当の本当に検査や消毒の必要がなかったのかもしれませんけれども、もし今後、検査や消毒をやるかやらないか迷ったときにはぜひやっていただきたいと思うんです。墨田区のようにとにかくPCR検査を積極的に進めていくというところまでは今の中野区には期待しませんけれども、せめて杉並区のように、「濃厚接触者はいませんでしたが、検査をします」という柔軟な姿勢を必要に応じて時には見せていただけると、区民としては安心ができるんです。保健所のスタッフにどれだけ余力があるのかないのかも、区のホームページを眺めているだけの私にはよく分かりませんけれども、科学的見地のみならず、政治的な見地から、区民の不安解消のためにもより積極的にPCR検査や情報公開をしていくべきであると思いますが、いかがでしょうか。

 次の質問です。

 アメリカ大統領選の争点の一つが環境エネルギー政策です。地球温暖化対策のため、脱炭素社会をいかにして実現するかということでありました。ここ中野区も地球温暖化対策とは無縁ではいられないはずです。中野区は、環境基金をつくり、区民からの寄附金を募り、そして区民から寄せられた大事な寄附金を使って、なぜか群馬県に中野の森をつくっている。その一方で、平和の森公園ではトラックをつくるからと言っては木を切り、江原公園では保育園をつくるからと言っては木を切り、さらにブランコを作るからと言っては木を切っている。群馬県に木を植えて、中野区では木を切っている。一体何がしたいのか、よく分からない。中野区の環境行政に対する哲学のなさがこうした事態を招いていると思うんです。

 また、平和の森公園に行くと、ドジョウとかモツゴとかスジエビとか、そこにいもしない生物をあたかもいるかのように解説、説明する看板を堂々と掲げている。そんなことして恥ずかしくないんですか。

 以前から私が申し上げているように、中野区の行政組織の中に生物多様性に関して取り扱う部署や担当者が事実上存在していない状態です。23区ほとんど全ての区において区内の生物多様性について調査をしたことがあるというのに、中野区では区政発足以来、区として公式に区内の多様な生物に関して調べたという記録は一つも残っていない。今、この中野区でどんな動植物が増えているのか、減っているのか、そうした記録が一つも残っていない。区内在住の民間の昆虫研究者が区内の888種の昆虫を10年以上かけて記録した貴重な研究資料を数年前に自費出版したんですけれども、中野区の図書館にはこれが3冊しか収蔵されておらず、うち2冊は貸出し禁止になっている。この貴重な資料を区内の全ての学校や図書館で買い上げるべきではないですかと、私は公式・非公式に区の当時の担当者に働きかけたこともあったのですが、定価のない本を大量に購入するのは問題があると、箸にも棒にもかからない、木で鼻をくくったような返事でありました。今回発表された中野区基本構想検討素案においても、生物多様性については一言も言及されておりません。

 いいですか。人間は、人間のみで生きているわけではないんです。地球上にいる生きとし生けるもの全てが食物連鎖や光合成による二酸化炭素と酸素の循環によって生きている。まず何よりも、生物多様性の保全なくして我々は生きていけないんです。

 新しい基本構想検討素案においては、「環境負荷の少ない持続可能なまちをつくります。環境負荷の少ないライフスタイルや緑化推進などが区民の生活や企業活動に根付き、脱炭素のまちづくりが進んでいます」とあっさりと述べられていますが、ここにある脱炭素のまちづくりが群馬県に木を植えることだとしたら、とんでもない話ですよ。お隣の練馬区は、基本構想の下に「みどりの風吹くまちビジョン」というタイトルの総合戦略を掲げている。杉並区では、基本構想に掲げた5大目標のうちの一つを「みどり豊かな環境にやさしいまち」と据えている。中を見ると、「豊かな緑を守り育て、うるおいのあるまちを目指します」とか、「自然環境と人の営みが共存するまちの形成」とか、「水辺環境を守り育み、それらをつなげたみどりのネットワークづくりが進んでいる」とか、すてきなフレーズがたくさん並んでいる。平和の森公園の再整備をきっかけに、区民の意識が環境を守ること、緑と自然を守ることに大きく傾いている。区長選の前に平和の森公園近くで見つかったカワセミの亡きがらに心を痛めた区民も多かった。それが酒井区政誕生の原動力の一つであったことを決して忘れず、基本構想にきちんと反映をしていただきたいんです。

 また、ここ中野区は、実は川のまちでもあります。江古田川、妙正寺川、桃園川、神田川など複数の河川が区内を貫流している。その川に沿って古代の遺跡も存在している。白鷺とか鷺宮とか水鳥にちなんだ町名もある。にもかかわらず、今、川と区民との距離が非常に離れてしまっている。学校の校歌にうたわれている川の水に一度も触れることなく育つ子どもたちが区内には大勢いる。そして、今回の基本構想検討素案において「川」という文字が1文字もない。神田川では、新宿区まで鮎が遡っていることが確認されています。杉並区では鮎の確認をされていません。中野区では調査をしていないので、何にも分かりません。さて、新宿区の鮎は一体どこで消えてしまったんですか。どう考えても中野区じゃないですか。川は、どちらかといえば都が所管し、改修工事等をすることは私も承知しておりますが、杉並区の神田川には鯉や鮒や亀や水鳥がうようよしている。そんな生き生きとした川をつくるために区ができることだってあるはずなんです。川は時として氾濫を起こす、災害・水害を起こすこともありますが、河川は活用できる土地の少ない中野区に残されたラストフロンティアであると私は考えております。

 今まで私が述べた部分が、今回の基本構想検討素案にはほとんど反映されていません。改めて見直し、検討をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 以上で私の質問を終了します。御清聴ありがとうございます。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 小宮山議員の御質問のうち、基本構想検討素案について、お答えいたします。

 現在、検討を進めている基本構想では、四つ目のまちの姿である「安全・安心で住み続けたくなる持続可能なまち」、こちらにおいて環境の保全や安全・安心な暮らしを支える都市基盤などまちづくりの方向性を整理しており、緑や水辺等の自然に関する考え方もここに含んでいると考えております。基本構想の改定を踏まえて、都市の生態系を含めた自然との共生や河川空間の活用につきましては、個別の計画等において検討することとしております。

〔健康福祉部長岩浅英樹登壇〕

○健康福祉部長(岩浅英樹) 私からは、積極的なPCR検査や情報公開について、お答えいたします。

 新型コロナウイルス感染症に関する区内の感染状況につきましては、区内の感染拡大防止を目的に、感染者のプライバシー保護等に配慮した、区内における感染者発生時の公表の考え方を定め、これに基づき公表を行っているところでございます。今後も適切な情報発信を行ってまいります。

 PCR検査は、発熱患者や濃厚接触者など、検査前確率の高い集団で検査を受ける必要性が高い方に対して遅滞なく実施することが肝要であると考えております。疫学調査におきましては、行動履歴や施設の状況などを踏まえ濃厚接触者の特定や消毒の必要性を判断しており、重症化リスクの高い集団やいわゆる3密の業態などクラスター化しやすい活動場所におきまして陽性者が発生した場合には濃厚接触者以外にも幅広い検査を優先的に実施しているところでございます。

○議長(高橋かずちか) 以上で小宮山たかし議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 竹 村 あきひろ

 1 区の設備管理体制について

  (1)区庁舎内の放送受信設備の管理について

  (2)災害発生時における情報収集、放送受信設備の管理・利用について

  (3)その他

 2 経常経費削減について

  (1)NHK受信契約が不要な設備について

  (2)情報収集の手段について

  (3)その他

 3 その他

 

○議長(高橋かずちか) 次に、竹村あきひろ議員。

〔竹村あきひろ議員登壇〕

○2番(竹村あきひろ) 令和2年第4回定例会に当たりまして、所属政党は国政政党・NHKから国民を守る党、会派の所属はありません。無所属議員の立場から一般質問いたします。

 質問は、2の(2)情報収集の手段については機会を改めることとしまして、今回は行いません。また、3、その他はございません。

 初めに、新元号令和の2年目である今年は、新型コロナウイルスが猛威を振るい、日本をはじめ世界中でその脅威が払拭されず、いまだ社会生活に強い影響を与えております。経済にも大きなダメージを与えたこの感染症は、我が中野区においても行財政面に大きな負の影響が懸念されます。

 このような状況下の中、来年度の予算編成については、歳入減が見込まれ、関係各所におかれましては様々な財政努力のまさにその最中と拝察いたします。地方自治体である中野区の予算執行は、その原資である区民・国民の税金が有効にかつ区民のため、ひいては東京都、そして日本国のために使われるべきものです。ところが、その税金を使って運用、活用されるべき区の設備が適切に管理されていないとなれば、大きな問題です。

 そこで、中野区所管の施設における放送受信設備、いわゆるテレビにつきまして、その管理は、購入の基準は現場の判断、視聴実態の把握がなされていない、まさに管理がされていないと言わざるを得ない状況と考えます。日本放送協会、以下NHKと称しますが、NHKが主張するところの受信料支払義務が発生するテレビを中野区がこれからも設置継続するのであれば、区民の税金を使う受信料負担とテレビ設置のその必要性について、具体的に説明する義務があると考えます。

 そこで伺います。区が主張するところ、テレビは業務上必要不可欠。しかし、その視聴実態を把握していない。見ているか見ていないか分からない。どの程度見ているか、いつ見ているかも分からない。でも、必要不可欠。これは、主張が矛盾しているのではないでしょうか。視聴しているかが不明であるなら、必要不可欠か否かも分からないと思います。根拠も示さず、必要だからと強弁するのでなく、必要不可欠と主張するなら、使用の目途、実態、実績が伴って、初めて必要だ、不可欠だと判断できるものかと思います。区が主張する必要不可欠の根拠を具体的にお示しください。

 また、今後も受信料の発生するテレビの設置を継続するのか、中野区の見解を伺います。

 テレビは、中野区に必要な緊急情報をリアルタイムで報じているのでしょうか。緊急性や必要性の不明確なテレビによる事件・事故報道などは区行政に本当に必要でしょうか。ほかに情報の入手方法は幾らでもあります。今は、放送より通信の時代。ネット環境が整備されている今、身近で即応性のよい、かつ信頼のおけるネット情報やよいアプリケーションは豊富です。例を挙げれば、警察関係では防犯アプリ・デジポリス、気象庁では気象庁レーダーJMAなど、情報入手の方法を工夫し、無駄な受信料負担は削減できると確信しますが、検討してはいかがでしょうか。視聴実態の詳細不明なテレビ設置で年間1台につき1万数千円、本庁舎内だけでも約31万円の支払いが適切なのでしょうか。区の見解を伺います。

 次に、災害発生時における情報収集、放送受信設備の管理・利用について、伺います。

 災害情報は、気象庁発表や東京都、総合防災部受信設備、また災害情報共有システム、Lアラートなどによって情報収集が可能であり、テレビからの情報は一切不要であると考えますが、一方で中野区の認識では情報収集にはテレビが必要不可欠であるとのことです。放送法の規定により、テレビは設置するだけで受信契約義務が発生し、それに伴う受信料は中野区が設置するテレビにおいて区民の税金で負担します。しかし、今の時代、情報収集の手段は多岐にわたり、テレビを視聴せずとも十分な情報の把握は可能と考えます。

 そこで、中野区では、災害発生時、テレビ視聴によらない情報収集の手段を講じる予定はあるのでしょうか、伺います。

 インターネットでの情報収集は課題が多いとのことでありますが、信頼できる発信元、例えば警視庁、気象庁など、官公庁発表はリアルタイムで信頼のおける情報であり、テレビ報道より正確かつ確実と考えますが、これらネット情報に対する区の見解を伺います。

 また、情報の入手手段、方法を例示しましたが、区行政において官公庁発表などの自治情報を利用する際に費用、設備などの追加の負担増は見込まれるでしょうか、併せて伺います。

 [1]次に、経常経費削減について、伺います。

 歳出の抑制を改めて申すまでもなく、経常経費の削減にも言及されている今、まさに削減すべき、そして削減可能なものが中野区所管の施設に設置されているテレビとそれが元となるNHK受信料と考えます。改めて申し上げますが、NHKは国営放送ではありません。国が運営する国営ではなく、公共放送。しかも、それはNHKの自称公共放送であって、法律的に公共放送の定義は存在せず、法解釈でしかありません。また、運営に関わる予算などは、放送法第70条により国会の承認を受けることが規定されておりますが、基本的には税金は使われておらず、その運営は全て区民・国民の負担する受信料で賄われております。一方、中野区所管の施設に設置されているテレビの受信料は当然に中野区が負担し、その原資は全て区民の税金です。区庁舎内におけるテレビ設置の主な目的は、議会中継の視聴である旨、回答をいただいております。また、受信料は、放送法第64条に規定される契約が根拠となりますが、そのただし書に、放送の受信を目的としない受信設備――以下省略しますが、を設置したものについてはこの限りでないと規定され、受信契約は不要であることが明記されております。放送の受信を目的としない受信設備とは何を具体的に指すのかについては、幾つかある裁判判決の一例を紹介しますと、東京地方裁判所令和元年5月15日判決にて、放送の受信を目的としない受信設備か否かは、当該受信設備が設置されている目的が客観的に放送の受信を目的としているか否かによって判断すべきであって、設置者の主観的な目的によって左右されるものではないと解すべきとされています。すなわち、テレビを見られる機能があれば受信契約対象であるというものが我が国司法の判断です。

 さて、テレビを見られる機能とは、テレビ本体に加えてテレビアンテナ、そしてテレビとアンテナをつなぐケーブルなどによって主に構成されます。したがって、区本庁舎内においては、その設備の一部を排除すれば受信契約対象外に該当すると考えられ、またテレビ設置の主目的が議会中継の視聴であるなら、そもそも受信契約は必要なく、当然に受信料負担は不要となります。過去、情報収集にテレビが活躍した時代のその設備が今も残り、形式上の設備が整っている現環境が必要のない受信契約の元となっていると推測します。テレビを見られる機能があれば受信契約対象であるという我が国司法の判断を尊重するならば、この設備環境の整備改廃によって、中野区の負担するNHK受信料は削減可能と考えられます。

 そこで伺います。区庁舎内の設備において、受信設備の一部排除などの加工が可能であるのか。例を挙げるなら、テレビアンテナの撤去は可能であるのか、区の見解を伺います。

 また、NHK受信契約は削減対象とすべきと考えますが、これらを目標にした既存設備の改修等に関し、区の見解を伺います。

 以上、伺いまして、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 竹村議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初に、区庁舎内の放送受信設備の管理についてでございます。テレビ視聴は、迅速対応を図るための情報収集手段の一つと位置付けており、現在のところ業務遂行のために必要不可欠であると考えております。したがって、今後もテレビの設置を継続することに変わりはなく、受信料の支払いは適切であると考えております。

 続きまして、テレビの代替の手段についてでございます。区は、災害に備え、迅速に情報を収集するための手段として東京都災害情報収集システムをはじめ、防災行政移動系無線設備、高所カメラ、インターネットを介したパソコンや携帯端末、ファクスなどを配備していることから、代替手段の確保については今後研究をしてまいります。

 次に、インターネット情報についてでございます。区は、インターネットを介して東京都災害情報収集システムや気象庁の気象情報をはじめ、ウェザーニュースなど、東京都や各防災関係機関から、綿密な連携の下、正確な情報を収集していると認識しているところでございます。費用負担は、ウェザーニュースなど一部民間企業からの情報取得に発生しているものの、東京都や気象庁など官公庁が提供する情報の取得には発生をしておりません。

 最後に、NHK受信契約が不要な設備についてでございます。区本庁舎内におけるテレビは、議会中継の視聴だけでなく、台風等の災害情報など放送の受信を目的としても使用しているところでございます。このため、受信設備の一部撤去や改修は考えておりません。

〔竹村あきひろ議員登壇〕

○2番(竹村あきひろ) 再質問いたします。

 設備の管理に関してですが、今ほどの答弁で必要であるという旨の御回答をいただきましたが、それであるのであれば、視聴の実態、それからその管理に関して、今後区は、それをなさらないでも必要であるとお考えになるのか。私は、区民の皆様に対して、こういうふうに使っているので、だから必要なんですよと、そういう回答があってしかるべきと考えています。その管理、確かに皆様の御家庭の視聴を考えたら、テレビを何時間、いつ見たかなどははっきり言えば、そんなの取っていられないのではないのかと考えるのが通常だと思います。しかし、中野区が設置しているテレビのその原資は全て区民・国民の皆さんの税金です。そして、その視聴の目的は、災害時の情報収集であるとか、はっきりしております。であるのであれば、少なくともどういうときに、いつ、そしてどれくらいという把握はしてしかるべきと考えております。その部分に関し、見解を伺います。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 竹村議員の再質問にお答えいたします。

 視聴の実態ということで詳しくは記録を取っているわけではございませんけれども、例えば、昨年度の台風、そしてこれまでもあった震災、東日本大震災をはじめとする大震災、熊本地震もございました。そのような災害時に、我々としてはテレビを使って情報収集をするのも一つの必要不可欠な手段であるというふうに考えております。御指摘のとおり、区民の皆さんの税金を原資として視聴料というものを払っているわけでございますので、区としても必要性についてはしっかり説明していく必要があるとは考えております。

○議長(高橋かずちか) 以上で竹村あきひろ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 立 石 り お

 1 構造改革について

 2 自治体DXの推進について

 3 区有施設の新型コロナウイルス感染予防対策について

 4 空き家対策について

 5 その他

 

○議長(高橋かずちか) 次に、立石りお議員。

〔立石りお議員登壇〕

○8番(立石りお) 令和2年第4回定例会において、一般質問をいたします。予定していた質問4の空き家対策については取り下げ、その他として、地域活動推進について、質問いたします。

 まず、構造改革について。

 11月17日の総務委員会で、区政構造改革の基本方針についての報告があり、その中で事業の再編、組織の編成、施設の統合などが示されました。理事者の答弁の中で、令和3年度の予算編成において、構造改革の一環として官民の役割分担など八つの視点を設け、予算査定を行っているという話がありました。こういった視点を予算査定時に提示できるのであれば、普段から行政評価に落とし込みオープンしていくべきと考えます。また、これらは、構造改革の取組というよりも区政のPDCAを機能させるために本来行うべき評価改善機能と認識をしております。構造改革として取り組むべきことは事業の廃止、再編であり、これらについて、令和3年度の予算編成においてどのように検討しているのか、伺います。

 区政構造改革の基本方針についての中で、令和2年度中は庁内に設置した区政構造改革プロジェクトチームにより令和3年度予算編成における構造改革の取組検討と各部調整、中・長期的課題の洗出しや検討を行い、令和3年度から構造改革を推進するための組織を新設するとありました。構造改革を推進する組織が予算をつかさどる企画部に所属していてはアクセルとブレーキを同時に踏むようなものですから、別の部署に新設する必要があると考えます。企画部のほかの全庁的な業務を所管する部署に総務部があります。総務部には、人事を通して組織の再編、働き方改革を担う職員課、用地取得を通して施設再編に関わる用地経理課、新庁舎整備を通してDXに関わる新区役所整備課がありますので、組織・事業・施設の再編にも関与することが可能です。業務改善と債権管理の機能を総務部へ移管し、構造改革推進組織としてはどうでしょうか。見解を伺います。

 また、構造改革を推進するためには、予算、人事などに介入する強い権限や実行力が必要になるわけですが、それらをどのように担保する方針なのか、見解を伺います。

 東京都は、11月28日から12月17日までの営業時間短縮要請を再び発令しました。緊急事態宣言が発令された今年4月、5月は地元商店や施設など多くが休業し、経済活動、区民活動は大きく停滞しました。地元の飲食店にお話を聞くと、近頃ようやくお客さんがコロナ以前にまで回復してきたが、再び営業時間の短縮要請が出たので先行きが分からず不安とおっしゃっています。以前から、冬場はコロナウイルスの感染者が増えると言われておりましたので、状況の変化を注視しつつ、迅速な対応が求められます。現状、区外から観光客などインバウンドを誘発する状況ではなく、飲食店のテイクアウトやデリバリー情報など、地域資源を積極的に広報していく体制が必要です。区の広報支援は、既存の媒体で発信していく限りでは新たな予算は発生しませんし、また区内に制作会社があるアニメコンテンツなど、コラボレーションして訴求力を高めるなどの工夫も検討していただきたいと思います。現状の産業観光は、融資やプレミアム付商品券の事業に忙殺されており、機動性が失われています。一方で、経済対策の必要性が高まっていることから、観光は地域資源の収集と発信に集中させ、機動的に動きつつある広報シティプロモーションと統合し、取組を推進するほうが効果的と考えます。地域資源の情報を区内に周知する体制を強化するために観光の機能をシティプロモーションへ移管すべきと考えますが、見解を伺います。

 続いて、2、自治体DXの推進についてです。

 総務省は、デジタル技術で既存制度を変革するデジタルトランスフォーメーションを各地方自治体で推進するための計画を年内に策定する考えを明らかにしました。新型コロナ感染拡大の中で自治体のデジタル化の重要性が改めて認識されていることから、今後は行政手続のオンライン化やシステム標準化などの取組が加速していきます。また、総務省は、自治体システム標準化を進めるべく検討会を立ち上げ、住基システムに関しては既に仕様書が公開されております。ほかには税務など17分野の自治体システム標準化が検討されています。一方で、自治体のクラウドシステム共通化により、一元管理という方向性が新たに出てまいりました。自治体のクラウド共通化に関して詳細はまだ出てきておりませんが、国と地方の在り方を根底から覆すおそれがあるとも指摘をされています。いずれにしろ、2025年までに自治体システムの大幅な変更が発生します。また、2022年にはマイナンバーカードがスマートフォンに搭載され、2026年には普通免許証と一体化される予定であり、公的個人認証の在り方と自治体事務の在り方は今後大きく変化します。2024年には新庁舎への移転も予定されているわけですから、システムの切替え時期やベンダーとの契約更新も無駄が発生しないよう、動向を注視していただきたいと思います。

 以下、3点伺います。

 一つ目、中野区は、令和3年度6月に地域情報化推進計画の改定を予定しています。計画は2021年から2025年の期間で、自治体のシステムの方向性によっては計画の内容と大きなそごが生じるおそれがあるため、改定のスケジュールに柔軟性を持たせる必要があると考えるが、いかがでしょうか。

 二つ目、2025年の標準化またはクラウド化に移行するに当たり、新しいシステムと逆行するシステム改修をするとダブルコストになってしまうわけですが、中野区としてダブルコストが発生しないようマネジメントすることは可能なのか、見解を伺います。

 三つ目、2022年のマイナンバーカードのスマホ搭載により公的個人認証など行政サービスのフロントの部分の利便性が向上します。区民ニーズに沿ったきめ細やかなサービスをスピーディーに提供していくためには業務データの活用とデジタル化が必要になります。そして、この部分は、システムが共通化・標準化しようと地方自治体の役割として今後も残り続けるため、より重要になります。中野区として今後どのように取り組んでいくか、見解を伺います。

 次の質問です。区有施設の新型コロナ感染予防対策についてです。

 今後も新型コロナウイルスの感染者数は推移していくため、国や都の判断だけに頼るのではなく、区内の感染状況なども分析した上で区有施設利用など予防対策を講じて安心して利用できる環境を整備していく必要があります。

 私事ですが、最近なかのZEROホールで行われた伝統芸能のイベントにお手伝いとして参加する機会がありました。なかのZEROホールの現状の感染予防対策は、施設を予約する段階で「ホールを利用する皆様へのお願い」という書面と説明があり、感染予防対策についてのチェックリストが配布され、それに基づいて主催者が対策をしながら運営するという内容です。私がお手伝いしたイベントの主催者及び協力者はインターネット配信や感染予防対策のノウハウや経験を持っていたので滞りなく運営ができましたが、こういった経験やノウハウ、備品を持っていない方々の場合は利用のハードルが高くなってしまうと感じました。

 文化施設は、令和3年4月1日に指定管理者の更新を控えており、新しい生活様式を踏まえた対応として感染予防対策など前向きな提案があったと区民委員会で報告がありました。指定管理者が行う事業に関しては、インターネット配信、感染予防対策を徹底するということでした。文化施設での催しは伝統芸能、文化芸能関連、これらが多く、これらをアーカイブしたインターネット配信を促進できれば、文化の保全、啓蒙用のコンテンツとしても再活用ができます。また、区としても、シティプロモーションとして情報発信をサポートすることもできるのではないでしょうか。現状は、指定管理団体のみがインターネット配信や感染予防対策を行う内容になっておりますが、新たに予算が発生しない形で対象を区民団体にまで拡大できないのか、検討していただきたいと思います。

 以下、3点伺います。

 文化施設を利用する一般団体に対して、検温機器、アクリル板など消耗品以外の備品を貸し出すことは可能なのか、見解を伺います。

 二つ目、有料となっても、一般団体に対してインターネット配信をサポートする体制を構築することが可能なのか、見解を伺います。

 三つ目、指定管理者が利用者の負担を軽減するため、国や都の補助金を活用し感染予防やインターネット配信に必要な備品の調達が可能であれば、区としても補助金の活用を勧奨していくべきと考えますが、見解を伺います。

 最後に、地域活動の推進についてです。

 10月5日の厚生委員会で、新しい生活様式の中での地域活動推進の取組について報告があり、相談体制の構築、ガイドライン、事例集などを基に助言を行うなどサポート体制を強化していくとありました。令和2年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で町会など地域団体は軒並み活動停止または規模を縮小している状況にあります。私が所属する町会では、運動会は中止、ラジオ体操は日数と参加者を大幅に制限しての開催、祭礼に関してはおはやしの公開稽古という形で行われました。公開稽古を終えた後の振り返りの際、関係者から、今年はおみこしを出せなかったけども、おはやしの車を地域に循環させていればお家の人もお祭り気分を味わえたかもしれないねという話がありました。今年は実現に至りませんでしたが、行事やイベントも工夫の余地がたくさんあると気づかされました。中野区は事例集を作成しているということですが、新しい生活様式の地域イベント、行事を開催するに当たってのアイデアなどもぜひ募っていただきたいと思います。地域活動は、地域課題の解決に寄与し、コミュニティを維持する大事な要です。行事やイベントがなくなってしまうと、そこに集う人々の関係性が切れてしまいます。現状は営業時短要請も出ていますから、区としては活動を推奨するのは難しい状況です。しかし、コロナウイルスが終息した後に担い手がいなくなり、行事が開催できないという状態を回避するためにも、区としても活動ノウハウを蓄積し、サポート体制づくりを進めていただくようお願いいたします。

 以下、3点伺います。

 地域団体が行事の開催を断念せざるを得ない理由として、感染のリスク、予防対策に伴うノウハウ、人的リソースの不足などが考えられますが、中野区としてはどう考えているか、見解を伺います。

 二つ目、地域団体が抱えている課題を解決するために、今後どのような支援の取組を予定しているか、伺います。

 三つ目、政策助成の追加募集を実施しているが、新型コロナウイルス感染拡大防止対策を講じたイベントのモデルとなる事業などを積極的に募集してはいかがでしょうか。見解を伺います。

 以上をもちまして私の全ての質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 立石議員の御質問のうち、構造改革について、お答えいたします。

 最初に、令和3年度予算編成における構造改革の検討についてです。構造改革は、持続可能な行政運営を実現していくため、行財政の在り方を抜本的に見直すことを目的としています。検討に当たっての構造改革の八つの視点については、本定例会中の常任委員会で報告を予定しております。令和3年度予算編成においては、主な取組の検討と併せて構造改革の視点から見直しを行っており、これまでの実績等を検証するとともに事業の再編や見直し等に努め、予算に反映させてまいります。

 次に、構造改革推進組織の設置です。組織については、来年度の組織の中で設置する予定でございます。全庁横断的な政策の調整、運営管理は総務部、企画部の所掌事務であり、効率的・効果的に執行できるよう分担を検討してまいります。具体的な内容につきましては、現在検討を進めているところであり、来年の1月中には令和3年度の組織改正案を明らかにしたいと考えております。

 次に、構造改革を推進するための権限でございます。予算や人事に関する権限は、本来その権限を有する財政課や職員課に帰属するものであります。構造改革を推進する組織を設置した場合もそれらの権限を直接付与するわけではございませんが、区長や副区長のトップマネジメントによって構造改革推進組織で決定した内容については全庁的に推進できるような体制を考えてまいります。

 最後に、観光機能の広聴・広報課への移管についてでございます。来年度の組織と定数について、現在、各部とのヒアリング等を行い、検討を進めています。観光機能の広聴・広報課への移管についても効果的な事業執行の観点から検討を行っていきたいと考えており、全体の組織と定数を決定する中で判断していきたいと考えております。

〔企画部長高橋昭彦登壇〕

○企画部長(高橋昭彦) 自治体DXの推進について、お答えいたします。

 一つ目に、地域情報化推進計画の改定についてでございます。地域情報化推進計画は、中野区全体の情報化の方向性を示すものであり、これまで改定されてこなかったことから、できるだけ早期の改定が必要であると考えてございます。国の検討状況によっては、策定後の次の改定時期の前倒しや、アクションプランについては来年度の改定によって対応する必要もあるかと考えているところでございます。

 続きまして、システム改修に係るダブルコスト発生の防止についてでございます。今後、国の方向性を確認した上で標準化または共同クラウド化の想定されるシステムについては、法改正の対応や区民サービスへの影響が発生する場合を除き、原則として改修を抑制していくことを考えてございます。

 最後に、業務データの活用とデジタル化についてでございます。DXの推進においては、デジタル化による業務の効率化やデータの利活用による区民サービスの向上が大切だと考えており、ここは自治体の責務として今後も変わらない部分と捉えてございます。区としては、DXを推進していくことで業務の改善を図り、区民の利便性向上とともによりきめ細かな職員によるサービス提供など、区民への総合的なサービス向上を目指していきたい、そのように考えてございます。

〔区民部長青山敬一郎登壇〕

○区民部長(青山敬一郎) 私からは、区有施設の新型コロナウイルス感染予防対策について、お答えいたします。

 最初に、文化施設利用団体に対する感染症予防の支援でございます。文化施設の利用に当たっては、チェックリスト等を使用して講演主催者への感染防止対策の周知と協力をお願いするなど、感染防止の取組を実施しているところでございます。区民や団体が安心・安全に施設を利用できるよう、インターネットでの配信が実施できるような環境の整備や、検温器などの備品の貸出しなど新しい生活様式に対応した取組を検討してまいります。

 次に、感染症予防に係る補助金活用の勧奨でございます。文化施設においては、文化庁が緊急経済対策として5月から6月に実施した文化施設の感染症予防対策事業を活用し、アクリル板や非接触型体温計などを購入し、感染予防対策を講じているところでございます。今後、国や都において感染症予防対策等に係る補助事業が実施される場合には、指定管理者へ周知を行い、補助金の活用を推奨してまいります。

〔地域支えあい推進部長鳥井文哉登壇〕

○地域支えあい推進部長(鳥井文哉) 私からは、地域活動の推進について、お答えいたします。

 地域団体が行事の開催を断念せざるを得ない理由についてでございますが、現在、私どもは地域活動応援窓口で状況を把握してございます。行事の開催を難しくしている主な理由の一つは、安全・安心に行事を行うための感染拡大防止策について十分に情報が行き届いていないことが挙げられます。また、新型コロナウイルスの感染についての不安の度合いが人によって異なることも理由と考えてございます。これらの課題を解決するための支援でございますが、区では、7月にガイドラインを作成するとともに、10月に地域活動応援窓口を開設してございます。また、特に感染リスクが高いと言われている活動について、10月に歌に関する事例集を作成し、現在食事を伴う事業や不特定多数に対応する事業の事例集の作成準備を進めてございます。今後はこうした情報をきめ細かく届けるとともに、応援窓口におきまして感染への不安の解消につながるよう、各団体の支援を行ってまいります。

 政策助成の追加募集を活用したモデル事業の募集でございますが、追加募集で出てまいりました申請事業についてはいずれも感染拡大防止策を取り入れた事業計画になってございまして、今後、他の地域団体の参考としていただくため、新たな形で実施する事業のモデル事例として紹介していきたいと考えてございます。

○議長(高橋かずちか) 以上で立石りお議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 吉 田 康一郎

 1 押印の廃止について

 2 平和基金について

 3 食中毒への対応について

 4 プレミアム付商品券事業について

 5 監査のあり方について

 6 その他

 

○議長(高橋かずちか) 次に、吉田康一郎議員。

〔吉田康一郎議員登壇〕

○12番(吉田康一郎) 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会、吉田康一郎です。よろしくお願いいたします。

 まず、押印の廃止について、今回中野区の取組を伺う準備をいたしましたが、さきの日野議員の質問で、区が今年度内を目途に調査結果を取りまとめることが分かりましたので、この調査結果が示された後に改めて伺うことといたします。

 次に、平和基金について、伺います。

 中野区の財政について、区長は「非常事態にある」と表明し、来年度の予算編成に当たり一律経常経費20%削減というなかなか例を見ないシーリングを設定し、経費削減に取り組んでいます。

 そこで、財政的手法という側面から、特定目的基金について、区長に伺います。

 まず、平和基金について、現在1億円の基本額とした基金が設置されていますが、平和基金の設置当初からこれまでの運用益の推移を伺います。

 次に、特定目的基金のうち、平成10年以降廃止となった四つの基金、すなわち中野刑務所跡地防災公園建設基金、施設建設基金、災害対策基金、少子化対策基金について、廃止の理由を伺います。

 そして、基金の造成により事業費の財源を確保するという手法は、かつてのような恒常的な高金利を前提とした手法です。金融が国際化し、様々な要因から、先進国では超低金利が基調となるように経済の構造、金融の制度が大きく変わってしまった今日では、基金を積んでいても僅かしか金利は得られず、行える事業も僅かです。言い換えれば、同じ額の事業を行うのに多額の資金を寝かしておかなければならない基金は他の手法と比較して非効率だということになります。したがって、非常事態であるならば、基金を原資とした事業は一般財源で行い、基金自体は過去に廃止した四つの基金と同様に廃止し、一般財源に繰り入れて活用すべきと考えます。今後、金利がかつてのように高くなることはないと考えますが、今後の平和基金事業の在り方について、伺います。

 次に、中野第一小学校での食中毒への対応について、伺います。

 本件について、子ども文教委員会で質疑をしたところ、区が給食事業を委託した事業者について、教育委員会事務局は開会中に答弁することを避け、休憩中に事業者名を説明しました。しかし、区内の給食事業の受託事業者の情報は、中野区も参加している東京電子自治体共同運営協議会の東京電子自治体共同運営現地調達サービスのサイトにおいて公開されている公開情報であり、中野第一小学校の給食の受託事業者であるフジ産業も当然に公開されています。そして、そもそも「中野第一小学校」と「給食」とネット検索すると、最初と二つ目に表示されるのがフジ産業自身のサイトです。子ども文教委員会では、食中毒の原因が断定されれば事業者名を公表する等の趣旨の答弁がありましたが、いまだ原因が特定されないまま、事故から一月以上が過ぎており、この間、教育委員会事務局から保護者や地域への説明はありません。これでは逆に憶測による不正確、不適切な情報が流布される可能性すらあります。公開されている事業者名を伏せるのではなく、事業者は公開されているとおり、どこそこだが、その事業者の行為が原因であったと特定されているわけではなく、事業者とともに原因究明と特定に向け調査中であり、再発防止に努めていくと、丁寧に説明することが適切な対応であると考えますが、いかがでしょうか。

 次に、中野区緊急応援プレミアム付商品券事業について、伺います。

 第3回定例会一般質問において、コロナ禍の下、深刻な影響を受けている区内の事業者への支援策としてプレミアム付商品券事業について提案し、短期間の準備の中で実施していただくこととなり、高く評価しています。その上で、周知期間も短い中、どの程度の申込みがあり、現時点でどのように評価しているのか。また、今後どのように事業を進めていくのか、伺います。

 そして次に、今回、A飲食店のみで使用できる券が設定され、飲食店における商品券の利用を促しているが、A券が使用できる店舗には飲食店ではない食品販売店やドラッグストア等も対象となっています。A券の区分の考え方について、伺います。

 次に、これまでのプレミアム商品券事業と比べ、今回は申込期間が約2週間、有効期間が約3か月と短いとの声もあります。この理由を伺います。

 そして最後に、同様の事業を実施している他の自治体では、商品券の販売所に購入者が殺到し、武漢発生ウイルスの感染リスクが高まったため、販売中止となるなどの事例もありました。中野区では、感染リスクに対してどのような対策を講じているのか、伺います。

 次に、会計監査について、伺います。

 昨年第3回定例会一般質問において、区の平成30年度定期財務監査結果報告書を見ると、個別の指摘事項は記載されていますが、年間の指摘件数、指摘全額の総額等についての記載がなく、監査結果の全体像が分かりやすく公表されていない。明快さ、区民にとっての分かりやすさ、説明責任を果たすという観点から、またより積極的な監査の契機となる期待も含めて、指摘事項の算出とその公表の在り方について検討していただきたいと質問したことに対し、今後、監査結果がより区民に分かりやすいものになるよう工夫や研究をしてまいりたいと、代表監査委員から答弁がありました。その後、この件についてどのように検討してきたのか、伺います。

 その他の一つ目を伺います。親水施設の整備。今定例会に妙正寺川江古田川合流部擁壁補修工事に関する案件が提出されています。この機会に、河川の親水施設の整備について、伺います。

 中野区には、数少ない河川の親水施設として、妙正寺川に白鷺せせらぎ公園の親水デッキ、上高田の親水テラスがありますが、実は護岸の階段を下ると川の水に少し近づけるだけで、本来の川の水に触れて親しむことができるという意味の本当の親水施設とはなっていません。中野区の下流の新宿区では、高田馬場付近の神田川に親水施設があり、子どもたちが川底まで下りていき水遊びができる場所があります。この親水施設は、区有施設に近接しており、利用時間帯にはスタッフが常駐し、安全を監視しながら管理しています。安全な管理の人員を確保するため、区有施設の近接が必要なのであれば、例えば妙正寺川に近接する区有施設としては、鷺宮体育館、野方図書館、哲学堂公園、上高田運動施設等、候補地は幾つもあります。今後、区有施設に近接して親水施設を整備することはできないか、伺います。

 最後に、人権行政について、伺います。

 北朝鮮人権侵害対処法は、拉致問題に関する国民世論の啓発を図るよう努めるなど、国及び地方公共団体の責務等を定めています。昨年度、第3回定例会において、拉致問題解決に向けた区民への啓発について伺ったところ、区としても工夫しながら啓発に努めていくとの答弁をいただきました。事態は少しも進んでおらず、6月5日に拉致被害者家族会初代代表の横田滋さんが87歳で亡くなるなど、無念さが強まるばかりであります。拉致被害者家族会の方を講師として招聘する講座を開催するなど、区民への啓発を一層充実させるべきだと考えます。区の啓発状況について伺い、簡潔明瞭かつ建設的な答弁をお願いし、私の質問を終わります。ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 吉田議員の御質問のうち、私からは、プレミアム付商品券事業について、お答えいたします。

 まず最初に、申込み状況等についてでございます。申込み人数は3万5,320人で、最大発行数11万セットに対して20万253セットの購入希望がありました。今回は、全ての区民を対象とし、全戸配付の区報にチラシを挟み込むなど、期間は短いながら可能な限り周知を行ったため、広く区民に利用していただける申込みをいただいたと認識しております。今後は全ての申込者が購入できるよう調整し、順次申込者へ通知をする予定でございます。

 次に、商品券の区分についてでございます。新型コロナウイルス感染症について、いつ感染拡大の波が起こるか分からない中、商品券の区分を厳密にすると券の利用機会が減り、結果として商店街の支援につながらないおそれもございました。商品券の区分につきましては、中野区商店街振興組合連合会と協議し、特にA券については利用者の利便性も考慮し食品を扱う店舗等も含めた区分としております。

 次に、申込み期間及び有効期間についてでございます。申込み期間は申込者が年末商戦の時期に商品券を利用できるよう設定したものであります。また、商品券の有効期間は、商品券を短期間に利用することを促すことで消費を集中させ、現在逼迫した状況にある商店街に対しより早く事業の効果が現れるよう設定したものでございます。

 最後に、新型コロナウイルス感染症の対策についてでございます。今回販売を行うに当たっては、申込みの際に購入を希望する場所を記入してもらいました。今後発送する通知において、特定の期間や場所に購入者が密集しないよう購入期間と購入場所を指定します。また、通知の発送時期も複数回に分けることで、購入者が密集するリスクを極力排除するよう対策を講じる予定でございます。

〔教育長入野貴美子登壇〕

○教育長(入野貴美子) 私からは、食中毒への対応についての御質問の食中毒に関する議会での答弁について、お答えいたします。食中毒等の食品衛生法違反者に対する名称の公表期間は、区要綱で7日間と規定してございます。議会における食中毒の報告については、営業停止処分を受けた者の名称が長く議事録に残ることから、改善措置を講じた被処分者に対する風評被害等の影響を考慮し、被処分者名を伏せて報告したところでございます。中野第一小学校の食中毒事故については、被処分者が区長であり、委託業者ではございません。委託業者は給食調理における調理技術を提供するものであり、被処分者ではないものの名称が議事録に残ることの影響を鑑み、委員会の休憩中に報告したものでございます。

〔代表監査委員髙橋信一登壇〕

○代表監査委員(髙橋信一) 私からは、監査のあり方について、お答えいたします。

 定期財務監査の結果の公表に当たっては、区民から見てもより分かりやすいものになるよう表現等の工夫をしているところでございます。定期財務監査の指摘事項に対応した累計金額等を算出して公表することについては、十分に検討を重ねた結果、一概に指摘事項の金額の累計だけでは監査の結果を表せるものではないということから、直ちに累計金額等を算出して公表することは考えてございません。

 議員から提案があった、より分かりやすい監査結果の公表につきましては、他区の公表状況も参考に、今後も研究や工夫をしていきたいと考えます。

〔企画部長高橋昭彦登壇〕

○企画部長(高橋昭彦) 平和基金についての御質問にお答えいたします。

 初めに、平和基金の運用益についてでございます。基金を設置した平成2年度の平和基金運用益は約1,435万円であり、その後、金利の影響を受け、本年度予算については98万円となってございます。

 続きまして、基金の廃止理由についてでございます。中野刑務所跡地防災公園建設基金については、長期にわたり公園の整備予定がなく、基金活用の見通しがないことから、義務教育施設整備基金に積み替えることとしたものでございます。施設建設費については、平成13年度において、当時、当面使途のない施設建設基金を廃止し、財政調整基金に積み立てたものでございます。災害対策基金については、特定の基金だけでなく、区の基金全体を活用した災害対策を図るよう見直しを行い、平成24年度の基金廃止後は義務教育施設整備基金に積み替えることとしたものでございます。少子化対策基金については、交付金の交付対象事業が平成13年度末までに支出することを目的として設置する基金とされていたことに合わせ、時限的な基金としていたものでございます。

 もう一つ、今後の平和基金の在り方について、お答えいたします。今後の財政状況については、非常に厳しい状況でございますが、直ちに平和基金を廃止することは考えてございません。一方で、近年の基金運用の利回りは現在運用している公募公債のような高利の利回りではないため、こうした状況も加味しながら今後の平和基金の在り方については検討したい、そのように考えてございます。

 最後に、その他の御質問のうち、拉致問題解決に向けた啓発について、お答えいたします。今年度につきましては、12月上旬からの人権週間及び北朝鮮人権侵害問題啓発週間において中野駅ガード下ギャラリー及び中野駅周辺の区内掲示板にポスターを掲示します。また、ホームページによる周知をするなど啓発を充実する予定でございます。

〔都市基盤部長奈良浩二登壇〕

○都市基盤部長(奈良浩二) 私からは、親水施設の整備につきまして、お答えいたします。中野区内の河川は都市型河川であり、集中豪雨等はもちろん、中野区内で雨が降っていなくても上流部で雨が降ると水位が急激に上昇することがございます。したがって、親水施設を設置する場合には安全に河床まで下りられる階段や監視員の配置等、十分な安全管理体制を整える必要がございます。親水施設の整備につきましては、今後、河川改修が進められていく区間で実現可能か研究していきたいと考えてございます。

○議長(高橋かずちか) 以上で吉田康一郎議員の質問は終わります。

 以上をもって質問は終了いたしました。

 これより日程に入ります。

──────────────────────────────

 第83号議案 令和2年度中野区一般会計補正予算

 第84号議案 令和2年度中野区用地特別会計補正予算

 第85号議案 令和2年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算

 第86号議案 令和2年度中野区介護保険特別会計補正予算

 第87号議案 中野東中学校新校舎用什器類の買入れについて

 第88号議案 中野東中学校新校舎給食室厨房機器の買入れについて

 第89号議案 平和の森小学校移転用地及び道路用地の買入れについて

 第103号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

 第104号議案 中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

 第105号議案 中野区会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例

 

○議長(高橋かずちか) 日程第1、第83号議案から第89号まで及び第103号議案から第105号議案までの計10件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長白土純登壇〕

○副区長(白土純) ただいま上程されました第83号議案から第89号議案まで及び第103号議案から第105号議案までの10議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第83号議案、令和2年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ5億1,292万3,000円を追加計上するものです。これにより既定予算との合計額は1,877億6,610万7,000円となります。

 初めに、この補正の歳出予算の内容を説明いたします。

 まず、税務費ですが、住民情報システムの改修に係る経費336万6,000円及びキャッシュレス収納環境の拡充に係る経費106万3,000円を追加計上するものです。

 次に、保険医療費ですが、税制改正に伴う後期高齢者医療管理システムの改修等に係る経費550万円、キャッシュレス収納環境の拡充に係る経費9万1,000円及び国民健康保険事業特別会計への繰出金3万9,000円を追加計上するものです。

 次に、学校教育費ですが、修学旅行の代替事業実施に伴い、保護者が負担することとなる経費に対する補助に係る経費1,281万4,000円を追加計上するものです。

 次に、子育て支援費ですが、子ども家庭支援センター分室の職員増に伴う什器購入等に係る経費276万7,000円を追加計上するものです。

 次に、介護高齢者支援費ですが、介護保険特別会計への繰出金2,666万5,000円及び在宅要介護者受入体制整備に係る経費398万1,000円を追加計上するものです。

 次に、スポーツ振興費ですが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための施設利用制限等に伴う補償に係る経費1,290万5,000円を追加計上するものです。

 次に、障害福祉費ですが、見込み差により障害者手当等を増額するための経費845万5,000円及び在宅要介護者受入体制整備に係る経費624万5,000円を追加計上するものです。

 次に、保健企画費ですが、新型コロナウイルス感染症対策経費206万4,000円を追加計上するものです。

 次に、生活衛生費ですが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う保健所のガス料及び水道料を増額するための経費155万円を追加計上するものです。

 次に、ごみゼロ推進費ですが、集団回収の回収量増加に伴う報奨金の増額に係る経費522万5,000円、瓶、缶、ペットボトル等の回収量増加に伴い委託料等を増額するための経費4,219万8,000円及びプラスチック製容器包装の回収量増加に伴い委託料を増額するための経費1,509万1,000円を追加計上するものです。

 次に、まちづくり事業費ですが、平和の森公園周辺地区及び南台一・二丁目地区の地区施設道路に係る用地取得費を増額するための経費1億245万3,000円、避難道路用地に係る用地取得費及び老朽建築物の建替え等助成制度の申請件数増加に伴い補助金を増額するための経費2億5,832万8,000円を追加計上するものです。

 次に、用地特別会計繰出金ですが、用地特別会計への繰出金12万3,000円を追加計上するものです。

 この補正の歳入予算といたしましては、国庫支出金1億2,152万6,000円、都支出金1億1,761万5,000円、繰入金2億5,091万8,000円及び諸収入2,286万4,000円追加計上するものです。

 続きまして、繰越明許費の補正について、説明いたします。

 これは、今年度内にその支出が終わらない見込みである妙正寺川江古田川擁壁補修工事費に係る経費1,476万4,000円について、翌年度に繰越しを行うため計上するものです。

 続きまして、債務負担の補正について、説明いたします。

 住民情報システム改修委託について、期間が2年度にわたるため、令和3年度分経費1,322万7,000円及びキャッシュレス収納環境の拡充に伴うシステム改修委託について、期間が2年度にわたるため、令和3年度分経費16万5,000円を計上するものです。

 第84号議案、令和2年度中野区用地特別会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ113億6,112万3,000円を追加計上するものです。これにより既定予算との合計額は118億7,312万3,000円となります。歳出予算の内容は、平和の森小学校移転用地及び道路用地の取得に係る経費113億6,112万3,000円を追加計上するものです。歳入予算といたしましては、一般会計からの繰入金12万3,000円及び特別区債113億6,100万円を追加計上するものです。

 第85号議案、令和2年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ3万9,000円を追加計上するものです。これにより既定予算との合計額は328億3,178万8,000円となります。歳出予算の内容は、キャッシュレス収納環境の拡充に係る経費3万9,000円を追加計上するものです。歳入予算といたしましては、一般会計からの繰入金3万9,000円を追加計上するものです。

 第86号議案、令和2年度中野区介護保険特別会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ3,346万5,000円を追加計上するものです。これにより既定予算との合計額は240億2,046万5,000円となります。歳出予算の内容は、介護保険システムの改修に係る経費3,342万9,000円及びキャッシュレス収納環境の拡充に係る経費3万6,000円を追加計上するものです。歳入予算といたしましては、国庫支出金680万円及び一般会計からの繰入金2,666万5,000円を追加計上するものです。

 第87号議案、中野東中学校新校舎用什器類の買入れについては、財産の取得に当たり、議会の議決をお願いするものです。取得する財産は中野東中学校新校舎で使用する什器類で、取得に要する金額は9,405万円です。

 第88号議案、中野東中学校新校舎給食室厨房機器の買入れについては、財産の取得に当たり、議会の議決をお願いするものです。取得する財産は中野東中学校新校舎給食室で使用する厨房機器で、取得に要する金額は2,175万1,400円です。

 第89号議案、平和の森小学校移転用地及び道路用地の買入れについては、財産の取得に当たり、議会の議決をお願いするものです。取得する財産は平和の森小学校移転用地及び平和の森公園周辺地区地区計画区画道路第2号用地で、土地の所在は中野区新井三丁目45番1、土地の種類及び面積は宅地、1万5,584.53平方メートル、取得価格の限度額は113億6,112万3,000円です。

 第103号議案、中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例は、職員の期末手当の年間支給月数を引き下げるに当たり、規定を改めるものです。この条例の施行時期は公布の日で、一部は令和3年4月1日です。

 第104号議案、中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例は、幼稚園教育職員の期末手当の年間支給月数を引き下げるに当たり、規定を改めるものです。この条例の施行時期は公布の日で、一部は令和3年4月1日です。

 第105号議案、中野区会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例は、会計年度任用職員の期末手当の年間支給月数を引き下げるに当たり、規定を改めるものです。この条例の施行時期は公布の日で、一部は令和3年4月1日です。

 以上10議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(高橋かずちか) この際、申し上げます。第103号議案から第105号議案までの計3件につきましては、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、お手元の文書のとおり、特別区人事委員会の意見を聴取いたしましたので、さよう御了承願います。

 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。

 

02特人委給第542号

令和2年11月26日

 中野区議会議長

    高橋 かずちか 様

特別区人事委員会   

委員長 中山 弘子

 

「職員に関する条例」に対する特別区人事委員会の意見聴取について(回答)

 

令和2年11月26日付2中議第1098号により意見聴取のあった下記条例案につい

ては、異議ありません。

 

 

 第103号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

 第104号議案 中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

 第105号議案 中野区会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例

 第106号議案 中野区立小学校及び中学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例        

──────────────────────────────

 第90号議案 指定管理者の指定について

 

○議長(高橋かずちか) 日程第2、第90号議案、指定管理者の指定についてを上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長白土純登壇〕

○副区長(白土純) ただいま上程されました第90号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。

 第90号議案、指定管理者の指定については、もみじ山文化センター、野方区民ホール及びなかの芸能小劇場の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。指定管理者として指定する団体はJN指定管理者共同事業体で、指定の期間は令和3年4月1日から令和8年3月31日までです。

 以上、本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(高橋かずちか) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、区民委員会に付託いたします。

──────────────────────────────

 第91号議案 指定管理者の指定について

 第92号議案 指定管理者の指定について

 第93号議案 指定管理者の指定について

 第94号議案 指定管理者の指定について

 第95号議案 中野区旅館業法施行条例の一部を改正する条例

 第96号議案 中野区住宅宿泊事業の適正な実施の確保に関する条例の一部を改正する条例

 

○議長(高橋かずちか) 日程第3、第91号議案から第96号議案までの計6件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長白土純登壇〕

○副区長(白土純) ただいま上程されました第91号議案から第96号議案までの6議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第91号議案、指定管理者の指定については、社会福祉会館の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。指定管理者として指定する団体は社会福祉法人中野区社会福祉協議会で、指定の期間は令和3年4月1日から令和6年3月31日までです。

 第92号議案、指定管理者の指定については、中部スポーツ・コミュニティプラザ、南部スポーツ・コミュニティプラザ、鷺宮スポーツ・コミュニティプラザ及び鷺宮運動広場の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。指定管理者として指定する団体はなかの未来グループで、指定の期間は令和3年4月1日から令和8年3月31日までです。

 第93号議案、指定管理者の指定については、中野上高田公園、哲学堂公園及び妙正寺川公園の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。指定管理者として指定する団体は日本体育施設グループで、指定の期間は令和3年4月1日から令和8年3月31日までです。

 第94号議案、指定管理者の指定については、仲町就労支援事業所の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。指定管理者として指定する団体は社会福祉法人東京コロニーで、指定の期間は令和3年4月1日から令和8年3月31日までです。

 第95号議案、中野区旅館業法施行条例の一部を改正する条例は、旅館業を営もうとする場合の周辺住民に対する周知、許可申請に係る添付書類、標識の掲示等について定めるとともに、簡易宿所営業の施設の構造設備の基準を改めるものです。この条例の施行時期は令和3年4月1日で、一部は公布の日です。

 第96号議案、中野区住宅宿泊事業の適正な実施の確保に関する条例の一部を改正する条例は、住宅宿泊事業を営もうとする場合の周辺住民に対する周知を行う区域の範囲を改めるものです。この条例の施行時期は令和3年4月1日で、一部は公布の日です。

 以上6議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(高橋かずちか) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、厚生委員会に付託いたします。

──────────────────────────────

 第97号議案 中野区自転車駐車場条例の一部を改正する条例

 第98号議案 中野区自動車駐車場条例を廃止する条例

 第99号議案 中野区中野四丁目地区における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例

 

○議長(高橋かずちか) 日程第4、第97号議案から第99号議案の計3件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長白土純登壇〕

○副区長(白土純) ただいま上程されました第97号議案から第99号議案までの3議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第97号議案、中野区自転車駐車場条例の一部を改正する条例は、中野南自転車駐車場及び中野西自転車駐車場の位置を改めるとともに、中野けやき通り自転車駐車場を廃止するものです。この条例の施行時期は令和3年4月1日で、一部は公布の日です。

 第98号議案、中野区自動車駐車場条例を廃止する条例は、自動車駐車場の廃止に当たり、自動車駐車場条例を廃止するものです。この条例の施行時期は令和3年4月1日です。

 第99号議案、中野区中野四丁目地区における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例は、中野四丁目地区地区計画の変更に伴い、適用区域、建築物の用途の制限等について規定を整備するものです。この条例の施行時期は公布の日です。

 以上3議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(高橋かずちか) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、建設委員会に付託いたします。

──────────────────────────────

 第100号議案 指定管理者の指定について

 第101号議案 指定管理者の指定について

 第102号議案 指定管理者の指定について

 第106号議案 中野区立小学校及び中学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

 

○議長(高橋かずちか) 日程第5、第100号議案から第102号議案まで及び第106号議案の計4件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長白土純登壇〕

○副区長(白土純) ただいま上程されました第100号議案から第102号議案まで及び第106号議案の4議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第100号議案、指定管理者の指定については、南部障害児通所支援施設の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。指定管理者として指定する団体は社会福祉法人正夢の会で、指定の期間は令和3年4月1日から令和8年3月31日までです。

 第101号議案、指定管理者の指定については、図書館の指定管理者を指定するに当たり、議会の議決をお願いするものです。指定管理者として指定する団体はヴィアックス・紀伊國屋書店共同事業体で、指定の期間は令和3年4月1日から令和8年3月31日までですが、中野東図書館については令和3年11月1日から令和8年3月31日まで、本町図書館及び東中野図書館については令和3年4月1日から同年10月31日までです。

 第102号議案、指定管理者の指定については、軽井沢少年自然の家の指定管理者を指定するに当たり、議題の議決をお願いするものです。指定管理者として指定する団体は株式会社フードサービスシンワで、指定の期間は令和3年4月1日から令和8年3月31日までです。

 第106号議案、中野区立小学校及び中学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例は、小学校及び中学校教育職員の期末手当の年間支給月数を引き下げるに当たり、規定を改めるものです。この条例の施行時期は公布の日で、一部は令和3年4月1日です。

 以上4議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(高橋かずちか) この際、申し上げます。第106号議案につきましては、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、お手元の文書のとおり、特別区人事委員会の意見を聴取いたしましたので、さよう御了承願います。

 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、子ども文教委員会に付託いたします。

 

02特人委給第542号

令和2年11月26日

 中野区議会議長

    高橋 かずちか 様

特別区人事委員会   

委員長 中山 弘子

 

「職員に関する条例」に対する特別区人事委員会の意見聴取について(回答)

 

 令和2年11月26日付2中議第1098号により意見聴取のあった下記条例案につい

ては、異議ありません。

 

 

 第103号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

 第104号議案 中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

 第105号議案 中野区会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例

 第106号議案 中野区立小学校及び中学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

 

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

午後4時39分休憩

 

午後5時35分開議

○議長(高橋かずちか) 会議を再開いたします。

 お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第8、第103号議案から第106号議案までの計4件を一括先議するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

──────────────────────────────

 第103号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

 第104号議案 中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

 第105号議案 中野区会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例

 第106号議案 中野区立小学校及び中学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

(委員会報告)

 

○議長(高橋かずちか) 日程第8、第103号議案から第106号議案までの計4件を一括議題に供します。

 

令和2年(2020年)11月30日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 山本 たかし

  (公印省略)

 

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

 

議案番号

件    名

決定月日

103

中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

1130

104

中野区立幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

1130

105

中野区会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例

1130

 

令和2年(2020年)11月30日

 

中野区議会議長 殿

 

子ども文教委員長 高橋 ちあき

(公印省略)

 

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

106

中野区立小学校及び中学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

1130

 

○議長(高橋かずちか) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案は、委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(高橋かずちか) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

──────────────────────────────

 議会の委任に基づく専決処分について

 

○議長(高橋かずちか) 日程第6、議会の委任に基づく専決処分について、報告いたします。

 本件については、地方自治法第180条第2項の規定に基づき、11月26日付をもって区長からお手元の文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。

──────────────────────────────

 令和2年特別区人事委員会勧告等について

 

○議長(高橋かずちか) 日程第7、令和2年特別区人事委員会勧告等について、報告いたします。

 本件については、地方公務員法第8条、第14条及び第26条の規定に基づき、10月23日付をもって特別区人事委員会から、一般職の職員の給与について、お手元の文書のとおり報告があり、併せて勧告がありましたので、さよう御了承願います。

 次に、陳情の常任委員会への付託について申し上げます。

 お手元の陳情付託件名表(Ⅰ)に記載の陳情につきましては、記載のとおり、所管の常任委員会に審査を付託いたします。

 

令和2年第4回定例会

令和2年11月30日付託

陳情付託件名表(Ⅰ)

《総務委員会付託》

 第14号陳情 「日本政府に核兵器禁止条約の署名と批准を求める意見書」の提出を求める陳情

 

○議長(高橋かずちか) 本日はこれをもって散会いたします。

午後5時36分散会

 

 

 

会議録署名員 議 長 高橋 かずちか

       議 員 羽鳥 だいすけ

       議 員 大内 しんご