令和3年02月09日中野区議会区民委員会
令和3年02月09日中野区議会区民委員会の会議録

中野区議会区民委員会〔令和3年2月9日〕

 

区民委員会会議記録

 

○開会日 令和3年2月9日

 

○場所  中野区議会第4委員会室

 

○開会  午後1時00分

 

○閉会  午後6時48分

 

○出席委員(8名)

 羽鳥 だいすけ委員長

 市川 しんたろう副委員長

 木村 広一委員

 いさ 哲郎委員

 石坂 わたる委員

 近藤 さえ子委員

 伊藤 正信委員

 森 たかゆき委員

 

○欠席委員(0名)

 

○出席説明員

 区民部長 青山 敬一郎

 区民文化国際課長 辻本 将紀

 文化国際交流担当課長 矢澤 岳

 戸籍住民課長 伊藤 正秀

 税務課長 矢島 久美子

 保険医療課長 伊藤 廣昭

 産業観光課長 堀越 恵美子

 環境部長 朝井 めぐみ

 環境課長 波多江 貴代美

 ごみゼロ推進課長、清掃事務所長 伊東 知秀

 

○事務局職員

 書記 野村 理志

 書記 有明 健人

 

○委員長署名


審査日程

○議題

 区民相談及び消費生活について

 戸籍及び住民基本台帳等について

 区税について

 国民健康保険及び後期高齢者医療等について

 産業及び観光について

 文化、生涯学習及び国際化について

 環境及び地球温暖化対策について

 清掃事業及びリサイクルについて

○所管事項の報告

 1 中野区基本構想検討案に係るパブリック・コメント手続の結果について(区民部、環境部)

 2 中野区基本計画(素案たたき台)について(区民部、環境部)

 3 中野区区有施設整備計画(素案たたき台)について(区民部、環境部)

 4 旧中野刑務所正門の取扱いについて(文化国際交流担当)

 5 令和3年度国民健康保険料率算定の考え方について(保険医療課)

 6 中野区産業経済融資における新型コロナウイルス対策緊急応援優遇の実施状況について(産業観光課)

 7 ゼロカーボンシティ宣言の考え方について(環境課)

 8 中野区の森林環境譲与税の活用の考え方について(環境課)

 9 中野区災害廃棄物処理計画(案)について(ごみゼロ推進課)

10 その他

(1)コンビニ交付サービスの拡充について(戸籍住民課)

 (2)令和2年度「子どもエコ講座」の中止について(環境課)

○その他

 

委員長

 定足数に達しましたので、区民委員会を開会いたします。

 

(午後1時00分)

 

 本日の審査日程ですが、お手元の審査日程(案)(資料1)のとおり進めたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

 

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 御異議ありませんので、そのように進めます。

 なお、審査は5時を目途に進め、3時頃に休憩を取りたいと思いますので御協力をお願いいたします。

 それでは、議事に入ります。

 区民相談及び消費生活について、戸籍及び住民基本台帳等について、区税について、国民健康保険及び後期高齢者医療等について、産業及び観光について、文化、生涯学習及び国際化について、環境及び地球温暖化対策について、清掃事業及びリサイクルについてを議題に供します。

 所管事項の報告を受けます。

 委員会を休憩いたします。

 

(午後1時00分)

 

委員長

 委員会を再開いたします。

 

(午後1時11分)

 

 所管事項の報告を受けます。

 最初に、1番、中野区基本構想検討案に係るパブリック・コメント手続の結果についての報告を求めます。

辻本区民文化国際課長

 それでは、中野区基本構想検討案に係るパブリック・コメント手続の結果につきまして、資料(資料2)に基づき御報告申し上げます。

 なお、本件につきましては閉会中の全常任委員会におきまして共通の資料により御報告をさせていただくものでございます。

 初めに、意見募集期間でございます。令和2年12月6日から令和2年12月28日まで実施をいたしました。

 2番の提出方法別意見提出者数でございますが、記載のとおり23人の方から頂いたものでございます。

 3番、提出された意見の概要及びそれに対する区の考え方でございますが、恐れ入りますが別紙1を御覧いただきたいと存じます。この中で、当委員会に関連する部分ということで御報告をさせていただきます。

 (2)の左側に書いております№2でございます。提出された意見の概要でございますが、「多様性により新たな価値をつくります」という表現、文言につきまして、多様性をさらに生かしていくという趣旨からは、「多様性を生かし新たな価値をつくります」という文言にしたほうがよいのではないかという御意見がございました。これにつきまして、区の考え方でございますが、御意見の趣旨を踏まえ、記述を見直すこととしたものでございます。

 続きまして、3ページをお開きいただきたいと存じます。個別の施策内容等に関する意見ということで記載をさせていただいてございます。この中で当委員会に関連する部分ということでございますが、左側ナンバーで申しますと、№1、文化芸術活動の場を整備してほしい、また№2では、商店街の活性化の取組を進めてほしい、また、№9でございますが、生涯学習大学について継続してほしい、また、11番でございますが、多様な区民の方の関わる機会、場を整備してほしいといった御意見でございました。これらの御意見についてでございますが、具体的な取組内容につきましては、基本計画等の中で検討していく考えでございます。

 恐れ入りますが、鏡文にお戻りをいただきまして、4番、提出された意見等により変更した箇所でございます。先ほど申し上げましたとおり、「多様性を生かし新たな価値を生み出します」といったことで記載内容を変更させていただきたいということでございます。

 なお、パブリック・コメント手続を踏まえ変更いたしました中野区基本構想文案につきましては、別紙2のとおりございますので、後ほど御確認をいただければと存じます。

 最後に、5、今後のスケジュール(予定)でございます。本年第1回定例会におきまして、議案を提出する予定でございます。

 報告は以上でございます。

委員長

 ただいまの報告に対し質疑はありませんか。

いさ委員

 提出されたその意見の中で幾つか気になることがあるのでちょっとそれをお聞きしたいんですけれども、別紙1の1ページめ、№4、ここ、今までもやり取りしている中で……。

委員長

 №4となると、「子どもの命と権利を守ります」のところですね。

いさ委員

 ごめんなさい。じゃあ、いいです。そこは意見として言っておきたいんですけど、御意見の趣旨は含まれますというのはまた言っているので、この趣旨が含まれるという話は駄目だろうと改めてちょっと指摘をしておきたいんですけれども。

 じゃあ、今の3ページのところ、施策に対する意見のところ、幾つか出ているんですけれども、「まちづくりの進展にあわせ、文化芸術の場を整備してほしい。」という意見については、どのようにこれは咀嚼、解釈、そして区政に反映させていくのか、どうでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 これまで区の文化芸術活動の拠点につきましては、なかのZEROを中心とした文化施設において文化芸術活動を展開してきたところでございます。今後、まちづくりの進展に合わせということで、中野サンプラザ一帯の開発に合わせた形で文化芸術活動の場も整備する方向で今のところ区として考えているということを聞いております。

いさ委員

 この文化芸術に関わるやり取りって、この委員会では何回かやっていると思うんですけれども、区が文化芸術活動というものをどう捉えるのかということがここで問われているんだと思うんです。この間も、例えば今みたいにZEROホールがありますだとか、新しい施設を造りますという話になっているんですけど、文化芸術にどうやって関わっていくか、特に文化芸術活動と言ったときには、単にお客として鑑賞するというだけじゃないでしょうということだと思うんですよ。自らが表現する側に立って芸術活動に関わっていく、そういう区民もたくさんいて、そういう場所が求められているんじゃないかというのも、この間の委員会でやり取りしていたんだと思うんですけれども、そういう区民の文化活動というものを、担当としてはどのように捉えていますか。

矢澤文化国際交流担当課長

 委員御指摘のとおり、いわゆる文化芸術を鑑賞する、あるいは実際にやられる区民の方、あるいは団体の方に対する支援、特にその活動をされている団体に対する支援というのも、これから区としてはやはり何らかの形で支援をしていかないといけないだろう。それよりも以前に、やはり区としての明確なその文化芸術活動に関する指針なるものを策定して、そこからやはり区としての文化芸術の発信ですとか、そういったものをやはり展開していく必要があるというふうに考えてございます。

いさ委員

 まさしくそこでは僕も同じ御意見です。結局区にしっかりした指針がなければ、ここに対する答えは出せないだろうと思っているんです。申し訳ないですけど、だからアニメ、漫画という話がいつもポンって出てくるわけであって、中野イコールアニメ、漫画はもうやめようよとこの間も言ってきたわけなんですけど、まさしくこういうことに関わってくるんだと僕は思うんですよ。サブカルだったりみたいな発信も含めてですけれども、中野区が文化芸術というものをどう捉えているのか、どういう指針としていくのか。

 結局、ここに「場を整備してほしい」とあるのが、これはすごく大事な御意見だなと思っているんです。この間も、今もお話あったけど、ZEROホールがありますだとか、あそこがありますという話じゃなくて、関わり方が多様なのだから多様な施設があっちにもこっちにも要るんだという話なんだと思うんですよ。そうなると、今ある民間も含めた施設を活用していくという話も当然出てくるんだと思うんですけれども、担当としては、そういう区内の文化施設リソースみたいなものは調査したりみたいなことはしていますか。

矢澤文化国際交流担当課長

 昨年度、文化芸術活動実態調査ということで、いわゆる区民それから活動されている団体の方に対し、そういった一般的な、どういった文化活動をされていますかとか、どこを拠点にして芸術活動をやられていますかとか、そういった調査をしたところではございます。あくまで条例上は、やはり文化施設の拠点となるのはZEROホールですので、そこを拠点としつつも、やはり今後は新型コロナウイルスの、いわゆるウィズコロナの状況を見据えた形でのやはり文化施策の展開というのも考えていきたいというふうには思っております。

いさ委員

 おっしゃりたいことも分からないことはないんですが、文化の在り方も多様だし、関わり方も多様なのだから、ZEROホールでは吸収できない人たちがいるよという話はしていたような気がするんです。例えばライブハウスで言っても区内幾つかあるわけなんですよ。100人ちょっとぐらいのところでも多分3か所以上あります。もうちょっと規模が小さいともっと数が増えます。それから何でも使えるイベントスペースみたいのもありますでしょう。それから、南口に劇場がたくさんあるところも皆さん御存知ですが、それ以外の小さな劇場も実はあっちこっちにあるわけなんです。こういうところをどう活用していくのかという話にも、当然僕はなってこなきゃいけないと思うんですよ。ここで、とにかく文化芸術の場が必要なんだと言っているわけなんです。であれば、区が持っている、区有している施設以外のところについても何らか支援するというようなことも必要になってくるんじゃないのかと思うんですけど、この点いかがでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 委員おっしゃるとおり、区内にはライブハウスですとか映画館ですとか、様々区が管理していないそういった民間の施設もあるというふうに聞いてございます。そういった方々を支援する策については、やはり今後検討していくとともに、こういった文化芸術活動の場を整備するということも意見はいただいているところでございますけども、こういったことのほかに、やはり文化という枠が非常に広いといいますか、文化財の振興ですとか保存ですとかそういったこともありますので、そういったことを一体的に、全体の中で見た中でそういった指針の中に落とし込んでいきたいというふうには考えております。

いさ委員

 これでやめにします。結局必要なのは僕も文化芸術に関わる場だと思うんです。それを区が全部整備するという話じゃない方法もあるよということだと思うんです。つまり、区がどういうふうに腰を据えてこの文化芸術というものに対する方針を持っていくのか、区民の関わりを考えていくのかというところに関わってくる話だと思うので、とにかくその場をどうやって提供するのかというところは、区民の活動との関わりでアンケートも取ったわけですから、ちょっとこだわって検討してほしいなということです。加えて、やはり区内に民間も含めたどんなリソースがあるのかというのは1回調査してほしいなと思うんですが、これはいかがでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 文化芸術活動の場につきましては、今、拠点となっているなかのZEROホールのほかに、いわゆる今後そういった、ほかにも活用できる場がないかということで検討していきたいと思いますし、ただ一方で、やはり財政状況のこともございますので、なかなか全て民間のそういったところに支援をするというところは難しいかも分かりませんけれども、併せて検討していきたいというふうに考えております。

いさ委員

 今のはやめるんですけど、もう一個、11番のところ、「多様な区民が区政に関わることができる機会・場を整備するなど、人を中心とした住民参加型のまちづくりを進めてほしい。」、この部分ですけれども、やっぱりこれってどこでも言われることじゃないですか。今までも言われてきたことだし、住民の声をちゃんと聞いてくださいよというのはずっとテーマになっていると思うんですけれども、こういうことについては、基本構想検討案、この中ではどういうふうに扱われていくんでしょうか。

辻本区民文化国際課長

 この項につきましては、区民部とともに企画部が所管しておりまして、区民参加の内容ということと重なりまして、区民部におきましては多様性を生かしということで、年齢、性別あるいは国籍等を問わずということで、例えば4ページでございますが、「多様性を生かし新たな価値を生み出します」といったところで、区民部としては、そのような視点で多様性のある考え方を受け入れていくと、基本的な姿勢ということでございます。

いさ委員

 多様性、大事だと思います。それはそのとおりなんですが、様々な方の属性であったりという部分の多様性と別の話として、区民が、例えばこうしたこの基本構想検討案にどう関わっていくのか、中野区の政策にどう関わっていくのかというところをどのように保障していくのかという話だと思うんですが、この点はいかがでしょうか。

辻本区民文化国際課長

 繰り返しになりますけども、自治基本条例等で区民参加を保障していこうというのが区全体の姿勢ということでございますので、差別なく、広く多様性を生かしながら取り組んでいくという考えでございます。

いさ委員

 これでやめますけども、ここに、この意見が同趣旨2人と書いてある。何かやるとこういう意見が出てくるというところは重く捉えてほしいなというふうに思います。やっぱり区民の声が反映されていないんじゃないかと思っている人はいるんだと思うんですよ。それを仕組みとしてどうやっていくのかというところまで問われているんだということなんだと思うので、これから先、これ自身のスケジュールの中でも問われてくることだということで重々、ちょっと重く捉えてほしいと思います。もうやめておきます。以上です。

石坂委員

 まず、最初に1ページの2と3のところで、ここを見てすごく感じたことなんですけども、別紙2のほうの丸ポチの中で、「多様性を生かし新たな価値を生み出します」の「国籍や文化」で文化という言葉が入っていて、「遊び心あふれる文化芸術をまち全体に展開します」の中の「伝統・文化」という言葉は、恐らくこの二つの文化の意味が違うということが区民の方にうまく伝わっていないんではないかと思うんですけども、その辺りが大丈夫なのかということと、念のため、この「国籍や文化」の場合の文化と、「伝統・文化」の文化についての用語の説明をしていただけますでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 委員、御指摘のありましたのは、4ページの「伝統・文化」の文化と「国籍や文化」の文化でしょうか。

石坂委員

 別紙2の4ページの「多様性を生かし新たな価値を生み出します」の中にある「国籍や文化」の文化と、「遊び心あふれる文化芸術をまち全体に展開します」の「伝統・文化」の文化の、それは意味が違うと思うんですね。

青山区民部長

 まず、「国籍や文化」のほうなんですけれども、こちらの意味での文化というのがどちらかというと私どもの担当の所管、今の、ここで多様性等で問われているところのものかというふうに思っております。これについては、例えばある国ですとか地域、それから民族、そういった方たちが歴史的に持っているような生活習慣ですとか習俗、そういったようなものを表す意味でここで文化という言葉を使っているのだというふうに思っております。

 もう一つの「伝統・文化」等のほうについては、例えば芸術とか歴史に関係のあるような、伝統的に受け継がれてきた民俗習慣――民俗習慣というんですかね、伝統芸能といいますか、そんなような意味での文化というような捉え方をしていまして、ですから、同じ文化という言葉を使っていても全然、この基本構想等の中で入ってくるカテゴリーといいますか、それが違っているものだというふうに考えております。

石坂委員

 この3で問われている方って、恐らく前者の「多様性を生かし新たな価値を生み出します」の「国籍や文化」のこの文化というキーワードを見て、恐らく後段のほうの「伝統・文化」の文化を想像してしまったがゆえに多分こういった質問になっているかと思うんです。

 恐らくこういう捉え方をしてしまう人が少なくないような感じがしていて、私、ほかの場面とかでよく質問させていただくのが、外国籍の方もそうですけども、帰化された方、海外で生まれ育った日本人の帰国子女の方だとかいろんな方がいる中で、恐らくそうした部分が、この言葉の中ではこの「国籍や文化」の文化の中の、国や地域、民族、種族というところの中に恐らく含まれてくると思うんですけども、でもこれって、うまく説明をしないと区民の方に伝わっていかない。区がもちろん先導していく部分もあるとは思いますけれども、区民がこれを読んでやっぱり伝わらなければ意味がないので、やはり用語の使い方を考えるですとか、あるいは今回の基本構想が表に出る際にはそこをかなり気をつけて説明をしないと区民の意識から抜け落ちてしまう心配があるんじゃないかと、今回のこの出された意見を見て感じたんですけど、その辺りというのが、この基本構想の中で何かしら手を加えるのか、あるいはこれを発表するときの工夫が必要だと思うんですが、そこってどのようにされていきますでしょうか。

青山区民部長

 確かに今、御指摘のあった、別紙1の1ページ目の3のところですけれども、区の考え方として、「地域愛と人のつながりを広げます」という項目のほうにこの御趣旨が含まれているということで、これ自体は間違いないと思っていたんですけど、実は私自身も、なぜこの意見を言われた方がこういう誤解といいますか、こういう認識を持たれたのかというのがちょっと分からなかったんですけれども、今の委員の御指摘で、そういう受け取り方をすると確かにこういうふうに誤解されるんだなというのが分かりましたので、その辺は基本構想の担当のほうに伝えて、本文の中身をどうするかというのは担当のほうに任せるんですけれども、確かに文化という同じ言葉でも、軽々しくいろんなところで意味をあまり考えずに使うといろんな誤解を招くこともありますので、その辺も含めて担当のほうには話をしたいと思っております。

森委員

 第4回定例会のときに、多様性のところ、変更したところの御意見を申し上げましたけれども、あのとき多分私の言葉足らずだったところも含めて、よりいい意見が区民の方から出てきて変更になったというのはいいのかなというふうに思うんですけれども。この多様性が新たな価値を生むというのは、区としてそういうものなんだと思っているというか、どういうプロセスを経て多様性と新たな価値というのが結びついていくとお考えになっているのか、その辺りちょっとお聞かせください。

辻本区民文化国際課長

 今回、当初の「多様性により」というのを「生かし」という言葉に変更させていただいたところなんですけども、委員からの御指摘もございましたけども、「多様性により」ということになると、多様性があると受動的に新たな価値が生み出されるような表現というふうに取られかねないということで、受動的にこうなるものではなくて、今、委員がおっしゃいましたとおり、多様な方たちが集い、あるいは話し合い、そういった融合の中から新たな価値が生み出されていく、ある意味能動的な部分があるのではないかということで、今回文言を修正させていただいたところでございます。

森委員

 そういう御認識に立っていただきたかったなと思ったので非常にいい答弁だったなと思うんですが、今、私、オードリー・タンの著作を読んでいまして、台湾のIT担当大臣。あの方がこの辺の話をしていて、ここに書いてある国籍とか文化とか年齢とかが違うということ自体も多様性、いわゆる今世の中的に言われるダイバーシティみたいな話というのはここにフォーカスしているんですけど、人間はそれぞれ多様ですから、例えば30代男性、東京在住みたいなカテゴライズしたときに同じところに行く人だって、物事の見方というのはいろいろあるわけですよ。特に多くの人と違う物の見方をするのは芸術家だという話をしていて、それは確かにそうだなというふうに思うんですね。そうすると、多様性を大事にしながら新たな価値を生み出していくんだというところと、文化芸術活動を支援していくというところは、実は密接に結びついているんじゃないかなというふうに思うんです。基本構想の中にも、「多様性を生かし新たな価値を生み出します」というところの二つ後に、「遊び心あふれる文化芸術をまち全体に展開します」と、二つ書いてあるわけなんですけれども、この二つの関係性というのは今後施策を打っていく上でどのように考えておられますでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 今回基本構想で示している、いわゆる多様性により新たな価値をつくります。委員御指摘のとおり、ステークホルダーではないですけどもいろいろ抱える方がいらっしゃる中で、例えばそういった方々が一堂に会して地域の課題解決に向けたものを進めていくということも当然ございますし、この遊び心あふれる文化芸術――文化芸術活動自体は、おっしゃるとおり非常に多様性にも、間接的にではないですけど結びついていく部分もございますので、そういったことをこの文化芸術活動の指針の中で改めて整理して、そして示していきたいというふうには考えております。

委員長

 他に質疑はありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告について終了いたします。

 次に、2番、中野区基本計画(素案たたき台)についての報告を求めます。

波多江環境課長

 それでは、中野区基本計画(素案たたき台)について、資料(資料3)に基づき御報告させていただきます。

 それでは資料を御覧ください。区では、中野区基本計画について、中野区基本構想の改定に向けた検討を踏まえながら、策定に向けた議論を進めております。このたび素案を作成する前に、素案たたき台として取りまとめましたので御報告いたします。このたたき台につきましては、素案に盛り込むことを想定している内容について取りまとめたものであり、今後、議会の意見を踏まえ、さらに検討を深め、素案を作成していきたいと考えております。

 中野区基本計画(素案たたき台)、1のところを御覧ください。中野区自治基本条例に基づき、基本構想の実現を図るため、基本計画を策定し、総合的かつ計画的な行政運営を行ってまいります。基本計画は、基本構想を実現するために区が取り組む基本的な方向性を示すものであり、計画期間は令和3年度から令和7年度までの5年間といたします。

 (1)構成及び概要でございます。第1章、計画の基本的な考え方では、策定の趣旨や位置付け、構成、計画期間、進行管理について整理しております。

 2章は策定の背景でございまして、注視すべき区を取り巻く社会状況等の変化や人口動向・将来人口推計、基本計画を踏まえた財政見通しを示しております。

 第3章、重点プロジェクトでは、政策及び施策を効果的かつ効率的に推進していくため、組織横断的に対応することが必要な政策課題に対して「重点プロジェクト」を設定しております。

 第4章、基本目標別の政策・施策では、基本構想において描く目指すまちの姿の実現に向け、区が取り組む基本的な方向性を示すため、四つの基本目標の下、政策・施策を体系的に整理しております。各施策においては、現状と課題を踏まえ、「施策の方向性」を明示するとともに、施策の達成状況の目安となる「成果指標と目標値」を設定しています。また、「主な取組」を示し、「事業の展開」を前期おおむね2年、後期おおむね3年に分けて設定しております。

 5章でございます。これは区政運営の基本方針でございまして、持続可能な区政運営を実現するための基本方針を示してございます。

 (2)の中野区基本計画(素案たたき台)、別紙を御覧いただければと思いますが、別紙のほうに参ります。表紙をおめくりいただきますと、第1章、計画の基本的な考え方について記載がございまして、2章、8ページに参りますと、策定の背景に関する記載がございます。

 なお、基本計画骨子でお示しした事項に加え、素案たたき台では、区を取り巻く社会状況等の変化の11ページのほうに、下のほうなんですけど、(6)のところにSDGsの推進という項目を設けまして、12ページにわたって記載を盛り込んでございます。13ページのほうには人口推計や財政見通しもお示しをしてございます。

 ちょっと飛んでいただいて、33ページなんですけれども、こちらが重点プロジェクトの記載をしてございます。この重点プロジェクトの考え方でございますが、基本構想で描く10年後に目指すまちの姿の実現に向けて、政策及び施策を効果的かつ効率的に推進していくために、組織横断的に対応することが必要な政策課題に対して重点プロジェクトを設定し、基本計画の期間内において重点的に取り組んでいくものでございます。限られた財源や人材を効率よく配分するため、重点プロジェクトとして設定した取組に関する事業については、組織・人員体制の整備と予算の計上を行いながら着実に推進をしていきたいということでございます。

 また、重点プロジェクトを設定する上では、早期に対応が必要となる「誰一人取り残さない」という視点と、中長期的に対応が求められる「将来を見据えた投資」の視点を重視して設定をしてございます。

 基本計画の骨子で既にお示しをした子育て先進区の実現や地域包括ケア体制の実現に加えて、再検討した上で、3番目のプロジェクトとして、活力ある持続可能なまちの実現を盛り込んでございます。

 各プロジェクトの構成については、それぞれ三つの推進するプロジェクトを設けて、詳細は34ページから記載をさせていただいてございます。

 続いて、40ページのほうに移らせていただきますが、こちらが区民委員会所管のものとして、プロジェクトの三つ目、活力ある持続可能なまちの実現ということになりますが、新型コロナウイルス感染症による地域経済の低迷を踏まえ、地域経済の回復、活性化、さらには中長期的な視点に立ち、各地区のまちづくり、脱炭素社会の実現を見据えたまちづくりなどを進めていきます。推進するプロジェクトは、①地域経済の回復とまちのブランディングによる産業の活性化を進めます。41ページの②のところで、活力の再生と創出に向けたまちづくりを進めます。それから、次のページに渡っていただきますと、42ページの③のところで、脱炭素社会の実現を見据えたまちづくりを展開しますという記載となってございます。各プロジェクトにつきましては、プロジェクトの設定の背景の下、推進するプロジェクトに対応すべき課題と取り組む内容をそれぞれ示しておりまして、詳細につきましては後ほどお読み取りいただきたいと思います。

 43ページからは第4章になります。基本目標別の政策・施策についての記載になります。

 まず、45ページを御覧いただきますと、基本目標・政策のページの見方を記載しておりますが、政策の構成につきましては、基本構想の文案でお示ししております10年後に目指すまちの姿の下、まちの姿の実現に対する区民の実感を図るための成果指標、政策の実現のために取り組む施策の構成を記載しております。

 1枚めくっていただいて、46ページと47ページ、これがページの見方でございますが、現状データ、現状と課題、施策の方向性等々の見方を示しているものでございます。

 ここから、具体的に環境部に関する項目について報告をさせていただきます。

 218ページをお開きください。218ページに、施策43といたしまして、災害に強い体制づくりとなってございますが、この施策の中の、ちょっと離れますけど221ページのところに、⑥といたしまして、災害廃棄物処理を円滑に進めたるための体制整備、この取組を掲載しております。

 次に、248ページを御覧いただきたいんですが、こちらが政策19になるんですが、環境負荷の少ない持続可能なまちをつくるというところで、この部分での施策51、52を御覧いただきたいと思います。51のところを御覧いただきますと、脱炭素社会の推進と気候変動への適応の取組について書いてあるページですけれども、250ページを御覧いただきますと、主な取組のところですね、こちらのほうに、①脱炭素社会へ向けた地球温暖化対策の推進というところと、それから、②区有施設や行政活動における脱炭素化の推進、③環境配慮行動を促す意識の啓発、④環境に関する連携・協働に向けたネットワークづくりの記載をしてございます。

 次に、253ページになりますけれども、施策52、ごみの減量やリサイクルの推進。この中で、254ページのところで主な取組を記載しております。①ごみ減量・リサイクルの推進、②資源とごみの正しい分別・排出の推進、③食品ロス削減の推進、これを掲げてございます。

 次に、政策20になりますけれど、これが266ページに飛んでいただきますと、安全・安心な生活環境の確保、施策56のところの中に、268ページ、生活環境の維持のための対策ということで環境公害の関係のことを記載させていただいております。

 簡単ではございますが、環境部所管の基本目標別の政策・施策については以上になります。

辻本区民文化国際課長

 続きまして、区民部所管分の御説明を申し上げます。

 恐れ入ります、56ページをお開きいただきたいと存じます。施策2、多文化共生のまちづくりの推進でございます。主な取組といたしまして、57ページでございますが、①では外国人住民等が暮らしやすい生活の支援、また、②では多様な文化を受け入れるための意識の啓発、さらに、58ページでございますが、③外国人住民等が活躍できる場の創出ということで掲げているところでございます。

 続きまして、70ページをお開きいただきたいと存じます。施策6は、誰もが身近に文化芸術に親しめる環境づくりということでございます。主な取組でございますが、71ページを御覧いただきたいと思います。①では、総合的な文化芸術施策の展開、②では、誰もが身近に気軽に親しめる文化芸術の環境づくり、さらに72ページでございますが、③では、子どもたちが文化芸術に触れる機会の充実、④区民が主役の文化芸術活動の活性化、⑤では、歴史・伝統文化の保存・継承・活用といった内容で取り組んでまいります。

 続きまして、74ページをお開きいただきたいと存じます。施策7、魅力的な地域資源の発掘・発信でございます。主な取組でございますが、75ページでございます。①では、魅力的な地域資源の発掘と発信、②では、地域イベントの支援と集客力・発信力のあるイベントの創出でございます。

 続きまして、78ページをお開きいただきたいと思います。持続可能な地域経済の成長と働き続けられる環境づくりでございます。主な取組でございますが、79ページでは、新たなビジネスの創出支援、また、80ページでございますが、②販路拡大と生産性向上の支援、③では中小企業者の事業活動・経営の支援、④では、就労・求人支援の拡充ということで取り組んでまいります。

 続きまして、お隣、81ページでございますが、施策9は、商店街の活性化支援によるにぎわい空間の創出でございます。主な取組でございますが、82、83ページでございます。まず①は、個店経営支援の充実と商店街組織力の強化、また、②では、空き店舗活用の促進。83ページ、③では、商店街におけるデジタル化・IT化の促進、④では、なかの里・まち連携自治体との連携の推進、⑤では、まちづくりと連携した商店街の活性化に取り組んでまいります。

 続きまして、86ページでございます。施策10は、中野駅周辺におる新たな魅力や価値の創出・発信でございます。主な取組といたしまして、88ページをお開きいただきたいと存じます。③でございますが、公共空間等を活用した、にぎわい、文化・芸術事業の誘導ということで、まちづくり所管とともに取り組んでまいります。

 飛びまして、167ページをお開きいただきたいと存じます。施策30、多様な交流・つながりを育み、いつまでも活躍できる環境づくりでございます。主な取組でございますが、168ページをお開きいただきたいと存じます。このうち、①就労や地域活動を通じた社会参加の促進ということで、地域活動推進所管とともに取り組んでまいります。

 次に、208ページでございます。施策41、生涯にわたり学び続けることができる環境づくりでございます。主な取組でございますが、209ページ、①生涯学習の機会の充実でございます。

 続きまして、260ページでございます。施策54、犯罪や事件・事故の防止と消費生活の安全の推進でございます。このうち主な取組でございますが、262ページでございます。②安全・安心な消費生活の確保ということで取り組んでまいります。

 区民部所管分につきましては以上でございます。

波多江環境課長

 それでは、続きまして269ページなんですけれども、こちらの第5章、区政運営の基本方針、ここは総務委員会所管になりますのでお読み取りいただきたいと存じます。

 初めの鏡文のほうの資料にお戻りいただきたいんですが、鏡文の2ページ、裏面のほうです。2の今後のスケジュールでございますが、基本計画につきましては、令和3年3月に素案を作成した後、4月以降に意見交換会等を実施したいと考えております。その後、6月に案として取りまとめ、パブリック・コメント手続を経た後、8月に策定を予定しているところでございます。

 御報告は以上でございます。

委員長

 ただいまの報告に対し質疑はありませんか。

近藤委員

 この中野区基本計画(素案たたき台)というのは、ちょっと私の経験から、たたき台みたいなものがこういうふうに出てきたというのはあまりないような気がするんですけれど、これはちょっとどういうことなのか教えていただけますか。

波多江環境課長

 内容的には素案にかなり近い形まで盛り込んでおりますけれども、このたび閉会中の委員会で区議会の皆さんからの意見を頂いた後、素案を策定して正式な形で素案にして、第1回定例会中に御報告をしていく、そういう意味のたたき台でございます。

近藤委員

 そうしますと、より丁寧に議会の意見とかを聞いてくださるという解釈でよろしいですか。

波多江環境課長

 はい、そのとおりでございます。

近藤委員

 改定検討素案ですか、このときに検討案に対して区民の声を、意見を聞きましたよね。それでこの委員会で、私はその意見を基にして、「遊び心あふれる」という表現はちょっと違和感があるなって、この区民の方もおっしゃっているし、中野区らしい表現にしてほしいという意見なども出ていて、この意見についてちょっと検討していただけないかなということを申し上げたんですよ、前の委員会で。そうしましたら69ページに、もう政策3に「遊び心あふれる文化芸術をまち全体に展開する」という大きな項目になって、より何かこの項目が表面に出てきたというか、政策3ですから、今までは文化の中に「遊び心あふれる」という表現があって、それだけでもちょっと違和感があったんですけど、中野区のこの政策3という大きな項目に、大きな字で「遊び心あふれる文化芸術をまち全体に展開する」となってしまっているんですよね。これは私が、ちょっと違和感があるのではないかって、何か中野区の文化芸術を語る中でとても軽いイメージがあるので、これは検討してくださらないですかって聞いたときに、部長は検討しますということをおっしゃってくださったと思うんですよね。その後、検討はされたんでしょうか。

青山区民部長

 せんだって委員から御指摘あった際に、議会の場においてもそういった御意見もありますし、また、中間時点で区民の方の御意見を聞いた際にも複数御指摘があるということで、この基本計画を担当している所管に、もう当初から、最初の検討段階から「遊び心」という言葉については所管としての意見を伝えているところですけれども、せんだっての委員会の御質疑があった後にも改めて伝えたところです。ただ、全体の検討の中では、この言葉はそのまま生きてきているという状態ですので、区としての方針はこの言葉を入れていくということになっているということでございます。

近藤委員

 そうしますと、区としての文化芸術というところが、大々的にこの「遊び心あふれる文化芸術をまち全体に展開する」という方針で、文化芸術の方針はいいんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 はい、そのとおりでございます。

近藤委員

 71ページなどを見ると、「中野らしい歴史・伝統文化の保存、継承及び活用を進め」と、そういう文章も書いてあるんですけど、「中野らしい歴史・伝統文化の保存」、これは「中野らしい歴史」というのはどういうことですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 ここで表記しております「中野らしい歴史・伝統文化」という言葉の解釈ということでは、今、中野区で、例えば登録指定文化財になっているものが幾つかございますし、例えば鷺宮囃子ですとか、江古田の獅子舞は東京都の文化財指定ですけれども、そういったものをはじめとした中野区を代表する、いわゆるそういった文化財に対する保護、保存の継承というものを、ここでは一応「中野らしい」ということで表現をしているところでございます。

近藤委員

 そういう中野にはすばらしい歴史や文化があると思うんですね。それを継承して保存していくということはとても大事なことだと思うんですが、それと、このにぎわいやカルチャー、産業ですね、みんなが喜ぶような、楽しめるような産業とこれが一緒になっちゃって、先ほどから石坂委員やいさ委員もおっしゃっているけど、文化と産業的な楽しみとが一緒になっちゃっているような気がするんですよ。今おっしゃった中野の歴史やなんかって全然遊び心あふれていないですよね。まちいっぱいに展開していくといったって、遊び心なんて一つもない歴史的な風格を持つきちっとした文化、そういうものを保存していくのと、この遊び心というのと一緒に、何かぐちゃぐちゃになっちゃっている感があるんですよ。

 私はこの言葉に違和感がありますけど、違和感がない方もいるし、それは区民の方、いろんな方がいるから、楽しく遊び心満載でやって結構ですけれど、中野区のプロジェクトというのがぐちゃぐちゃになってしまって、71ページで「中野区の文化的環境に満足していると思う区民の割合」というのが現状で16%なんですよね。だけれども、その前のページの「文化・芸術活動が活発に行われ、にぎわいにあふれている」と思う区民の割合は46.7%なんですよ。この「にぎわいであふれている」というところにおいては中野区は結構やっているなって、やっぱりサブカルチャーみたいなものとかよくやっているんじゃないかなという方が半分ぐらいいらっしゃるんですよ。でも、文化芸術的な環境に満足しているという方は16%なんですよ。それを目標で、2025年には目標値を50%にしていこうとしているんですよ。だから、このにぎわいやなんかと同じぐらいにしていこうって、目標を御自分たちで立てているんですよね。そうすると、この取組といいますか、政策的な掲げ方というのがいかがなのかなと私は思ってしまうんですけど、その辺はどう理解したらいいんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 今回お示しさせていただいているものは、あくまでも基本計画の素案たたき台ということですので、今日の委員会での議論を踏まえまして、また我々としてもしっかりと検証をして、それで基本構想担当には話を伝えていく予定でございます。

 こちらの71ページに書かれています成果指標、こちらの「中野区の文化的環境に満足していると思う区民の割合」、こちらは、いわゆる昨年実施しました文化芸術活動実態調査の項目を基に成果指標として掲げているところでございます。委員おっしゃるとおり、確かに69ページのものと、ここで言う71ページの文化的環境というのはあくまでハード的な部分というところが多いので、やはりその調査結果から上がってきたその現状値としては非常に乏しいものかなというふうには捉えているところでございます。そういったことも含めまして、今後素案の中で、改めて報告するに当たりましては、きちんとまた精査、検討をしていきたいというふうに考えております。

近藤委員

 ですから、とても楽しくやる部分と、あと、しっかりと伝統文化を継続させていくという、それはやっぱり中野区の役割だと思いますので、そういったところをきちっと分かるように、これは区民の方もやっぱり分からないからこういうふうに意見を出してきたんだと思うんですよ、この間の改定検討素案に対してね。それはやっぱり分からないし、先ほど石坂委員が言ったみたいに、文化という言葉も何か整合性が取れていないし、やっぱり分かりやすく、きちっとどういうことをやっていくかという目標に対しても、ただぱっと見、言葉がいいみたいなことで終わらせないでいただきたいんですけれども、どうですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 72ページに書かれているとおり、歴史・伝統文化の保存・継承・活用、今ある区の登録指定文化財をしっかりと保存、継承、そして活用していくことはもちろんこの中に含まれておりますけれども、あとは、例えばこの政策3、遊び心あふれる展開ということで、いつでもどこでもより親しみを持てるような文化財の継承ということで、例えば今後、伝統芸能とのコラボですとか、そういったことも考えながら、我々としてはしっかりこの政策に基づいた形で、既存の文化財の保存・継承にとどまらない形での活用、政策展開ということを目指していきたいというふうに思っております。

近藤委員

 私、基本構想のところで言おうかなと思ったんですけど、やっぱり基本計画のところでこれは言わせていただいて、やっぱり計画ですから、きちっとそういった具体的なものを出していっていただきたいし、やっぱりこの遊び心あふれる文化芸術だけではなく、そこのところをしっかりやっていただきたいと思いますけれどいかがですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 今回、素案たたき台ということで、本日出た議論を参考にしながら素案にしっかりと反映できるものは反映していきたいというふうに考えております。

近藤委員

 文化芸術の担当の方はある程度頑張っていらっしゃるということも分かっていて、またこれについては別の機会で質問させていただきます。

石坂委員

 幾つか伺いますが、まず、最初に冊子のほうで、中野区基本計画(素案たたき台)のほうの57ページのところから伺います。外国人のところですね。ここから離れちゃいますけども、令和2年度の予算特別委員会のときの資料とかでも出てきますけども、また、あるいはこの冊子だと56ページの左ページの右上ですか、国籍別外国人住民数、いろんな外国人の方がいらっしゃるわけですが、一方で、先ほど述べました予算特別委員会の資料ですと、やはり中国、韓国、台湾などの方というのは永住者、特別永住者がかなりいらっしゃっていて、いろんな国籍の永住者の方が中野区内で2,842人、特別永住の方が989人いらっしゃるという状況になっていて、コロナ禍でも外国住民数は一定数いるわけですけども、そうした上で57ページから58ページの主な取組を見ていくと、①の外国人住民等が暮らしやすい生活の支援ですとか、③の外国人住民等が活躍できる場の創出、とてもすばらしいことではありますが、中身を細かく見ていくと、①は、やさしい日本語の普及であるとか言葉の問題、③のほうも、日本語の支援といった言葉の問題なんですよね。また、③の中の外国人住民の活躍というのが、地域社会の一員として様々な活動に参加し活躍できる場ということですので、日本の社会にいかに溶け込ませていくのかという視点が強く出ている感じがあります。②のほうは、多様な文化を受け入れるための意識の啓発とあって、これは外国人の住民のことも受け入れるのかなと思って読んでいくと、これはあくまでも姉妹都市とかで連携しているところとの交流の話になってしまっているんですね。やはり中野に住んでいる外国人の方、あるいは外国から日本に帰化した方、また帰国子女の方も含めて、中野に住んでいる外国にルーツのある方との交流という視点がもっと入るべきだと思うんですが、そこはいかがお考えでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 委員、まさに今おっしゃったとおり、中野区の外国人の在留資格別に見ますと、やはり留学が多数を占めているところでありまして、先ほど委員おっしゃるとおり特別永住者ですとかが後に続くと。この間、コロナの影響を踏まえまして、外国人が2万人から今1万7,800人ほどに減ったわけでございます。その内訳としましてはやはり留学の部分が実は多用に占めていたところで、そこが減少しているにもかかわらず、それ以外の永住者ですとか、実はそこは減っていないというのが現状でございます。ということも鑑みまして、やはり我々としましては、主な取組の①外国人住民等が暮らしやすい生活の支援と、③のところで活躍できる場の創出ということで、今までになかった、いわゆる外国人住民だけではなく日本人にとっても、あらゆる皆様が生活しやすいという支援を盛り込んだところでございます。

 それで、②のところで、いわゆるこういった今までの国際交流事業のほかに、区として考えておりますのが、外国人と日本人との交流の場の創出もやはり今後、国際交流協会を中心として今やっているところではございますけども、例えば、それこそ先ほど多様性の話にも出てきたとおり、ただ単に日本人と外国人が交流するだけではなくて、例えば日本の伝統文化を取り入れた形での交流という場の創出も今後考えていきたいというふうに思っております。

石坂委員

 日本の文化を知ってもらうのも必要ですし、あとは海外にルーツのある中野に住んでいる方のことを、中野区民の日本にルーツのある日本人の方が知っていくということも当然含まれているという理解で大丈夫ですね、一応確認してください。

矢澤文化国際交流担当課長

 我々としては、そのような認識でございます。

石坂委員

 先に聞くべきだったかもしれませんけれども、外国人住民等とあるので、一応「等」のところを確認させておいていただければと思うんですけれども、ここはもちろん帰化された方であるとか、親御さんの一方が外国籍である日本人であるとか、帰国子女の方だとか、海外にルーツのある方全てが含まれるという意味で「等」が入っているという認識でいいか、一応確認させておいてください。

矢澤文化国際交流担当課長

 たしかせんだっての常任委員会の場でも石坂委員からまさに指摘を受けたところでございますので、我々としましては、この「外国人住民等」という形で、この「等」の中には、委員おっしゃるような、例えば日本語ができない日本人ですとか、帰化された方ということも含まれているという認識で理解していただいて結構でございます。

石坂委員

 その辺がうまく伝わらないといけないので、どうしても計画の中で書けることは限られていますので、取組の中で、普及していく際にはそうした様々な方が含まれていることも明示的に示していっていただければと思います。これは要望で結構です。

 それから79ページ、新たなビジネスの創出支援ということが書かれています。今回の基本計画は、2021から2025年ということなので、5年間と考えたときに、やはりまだしばらく新型コロナの影響とかが残ると思われます。そうした中で、こうした新たなビジネスを創出支援をする際には、ウィズコロナの視点であるとか、あるいはこれは特に明示されていませんが、恐らく中身的には入ると思いますけれども、中野区の重点産業のライフサポートビジネスとかICTコンテンツと言いますけども、そうしたものの中でもやはりウィズコロナに強いものってあると思いますので、そうしたウィズコロナの視点をやはりもうちょっと盛り込むべきなのかなと思うので、その辺というのは、ウィズコロナに限らず、感染症とか社会変動に強い新たなビジネスという視点も必要だと思うんですが、その辺はいかがお考えでしょうか。

堀越産業観光課長

 委員のお話いただきましたウィズコロナの視点でございます。この個別の主な取組には書いてございませんけれども、その背景といたしまして、大本の重点プロジェクトですか、こちらのほうに、コロナ感染症の拡大のことについて冒頭に触れてございますので、ベースの中には、当然ウィズコロナの視点、方策というものを見据えながら事業を行っていくように計画を考えてございます。

石坂委員

 安心しました。あとはしっかりと進めていただければと思います。

 それと、251ページの②の区有施設や行政活動における脱炭素化の推進というのがあります。ここを見ていくと、省エネ化の推進ですとか再生可能エネルギーという視点は入っていて、環境性能の高い建築物とありまして、環境性能の高い建築物とか環境負荷の少ない建築物という場合に、建物の中をどうするのかもそうなんですけども、やはりCO排出に寄与しないというか、COをあまり出さず、なおかつ環境負荷の少ない資材を使った、建材を使った建築物というのも昨今いろいろと言われていますけども、そうした視点は、今回はこの中で、文言で見る限りは見えないので、その辺りっていかかでしょうか。

波多江環境課長

 この区有施設という表現の中に、区有施設を新しく整備していくということが当然これから、計画も今出来てきているところもありますので、法律的なそういう基準も含めて、今後区が率先して区有施設をそういう環境性能のよい建物にすることが、やはり事業者さんや区民の方に対する一つの大きいアピールになるということですから、何らか、まだちょっとそこははっきりと定め切ってはおりませんけれども、関係する所管に対して、区有施設を造っていく所管、あるいは全体に対して、一定程度の建築をする場合の基準みたいなものを定められたらいいんじゃないかという検討は、現在はしております。

石坂委員

 これを見ても、この部分で環境課、施設課、経理課ほかとありますけども、施設を造る部署であるとかお金を捻出する経理などが絡んでくると思うんですが、やはりこれって、環境によいものってどうしてもコストが必ずしも安くなかったりしますけれども、ぜひ環境部のほうでイニシアティブを取っていただきながら働きかけていただければと思います。これは要望で結構です。

森委員

 これは総合計画ですから、280ページぐらいありますから、聞きたいことを全部聞くと1人で5時までやっちゃいそうなんですが、ただ、素案になるまでに言っておきたいことというところに限って言おうかと思うんですが、1個重点プロジェクトの話で、ここに環境の話が入ったのは非常によかったかなというふうに思っています。前回もいろんな会派の方から御意見があって、そういったことも聞いていただいたのかなと思うんですが、この環境の話と地域経済、まちづくりの話とが一緒になって一つの重点プロジェクトになるという想定はしていなかったので、あ、こうなったんだと思ったんですけど、これはどういう議論を経てこうなったんですか。

波多江環境課長

 環境基本計画をつくるに当たってもそうなんですけれど、気候変動への適応なんかを考えたときに、建物の外性をよくするとか、要するに壁面を緑化したり様々なやり方で環境に対する配慮をしていくという建て方がまだ浸透しておりません。区有施設の中では、もちろん再生可能エネルギー、太陽光発電を屋上に設置するというのは基本的には了解をされているんですけれど、あまり面積が広くない太陽光発電だったりという制約があったりとかもしているんです。意識啓発だけではなくて、やはり技術革新によって環境性能がこれから格段によくなるという見込みも立ってきているわけですから、そういう観点についてはしっかりと入れていきたい、環境所管としては入れていくべきだというふうには思っております。

 先ほどの指摘のとおり非常に経費がかかるということも想定はされますけれども、国もそういった方向に乗り出して様々な補助金を打ち出してきたり、支援を打ち出してくる、そういったこともございますので、前向きに関係所管としっかり、都市基盤部であるとか、まちづくり推進部との連携が大切だというふうに感じておりますし、以前からもそういう考えは持っておりましたけれども、重点プロジェクトに入ることによってしっかり進めていきたいということで、どういうプロセスかというふうに言われると、基本構想や基本計画の会議の中に私が入っていたわけではないんですけれど、いろんな形で企画を通じて調整をする中でこういった形になっていったというのが経過でございます。

森委員

 今のお答えは非常に納得できる話で、日本の建物ってめちゃくちゃ熱効率が悪いというのはずっと言われているんです。木製サッシとか二重窓とかにするだけでも建物の熱効率って格段に上がるわけで、そういう意味で言うと物すごく改善できる余地はあるんだと思うんです。そういったところを多分今おっしゃっていただいたんだと思うんです。

 それは納得しましたが、他方の、まちづくり系の部署の人たちにそこまでちゃんと伝わっているかなって、企画を通じてという御答弁があったから、そこはやっぱり直でやり取りしていく必要が今後出てくるんじゃないかなと思うんですがいかがでしょうか。

波多江環境課長

 都市計画マスタープランであるとか、住宅マスタープランが出来つつあるところもあって、意見交換は所管の課長とはしてございます。経費が物すごくかかるというところもあるので、打ち出しとしていつできるかというのは別としても、所管としては環境性能に対して追求していかなければならない時代になっているという考え方は持っているというところまでは、所管同士の意思位置というか、環境性能を上げていく、環境に資する区有施設の整備という姿勢としては共有しているところでございます。

森委員

 ありがとうございます。

 それと、政策というところをそれぞれ見ていくと、事業の展開というところがあって、前期・後期って分かれているんですね。後期のほうはほとんど矢印が引いてあって、推進がほとんどなんですよ。総合計画としてこれでいいのかなと単純に思うんですけど、これは現時点ではこれ以上書けないということなんですかね、区民部も環境部も。その辺どうなんでしょうか。

波多江環境課長

 全体として確かにその傾向があることは私も感じておりますけれども、5年間の計画で、今、社会状況としてもすごくいろんな要素で変動が大きいところもありますので、財政状況もある程度制約がかかってくる可能性というのは非常に高いと思われる。そういったところから、なかなか2年間でここまで達成できるかどうかというようなこと、前期で達成できるのかどうなのかというところは、各所管とも見極めづらいところがあってそういう書き方になっているんではないかというふうに感じております。

森委員

 多分そうなんだと思うんですよ。区長も、いつかどこのタイミングだったかな、今後3年は耐え忍ぶ時期というような御発言もあって、だからなかなか新しい展開は考えづらいというのもあるんだと思うんですが、だとすると、やっぱり2年か3年のタイミングで、これはローリングをかけたほうがいいんじゃないかなというふうに思うんです。これは書き方が非常に微妙なんですが、5ページの計画期間のところ。計画終了までに必要な見直しを行い、次期――をつくりますが基本方針なんですね。そうすると、これは基本的にはローリングをかけない、後にいろいろ状況変化があったら考えますよは書いてあるんですが、基本的には5年間これでいくということなんですよね。そういう理解でいいですか。

波多江環境課長

 5ページの4の計画期間の3行目、「ただし、区を取り巻く社会経済状況が大きく変化した場合や、財政状況等を踏まえ計画の変更が必要と判断した場合などには、必要に応じて改定します。」というふうに書いてございます。ただ、原則は5年間ということで考えているということです。

森委員

 計画を改定する、しない、でやると所管外になっちゃうので、ここまでにしておきますが、いろいろ話を聞いていると、やっぱりどこかのタイミングでローリングかけたほうがいいんじゃないかなというふうな気がします。

 それから、事業の展開で後期がすごくフワッとしているところが多いんですが、その中でも具体的なのが入っているのが、例えば76ページなんですが、地域イベント等推進事業ということで、アニメコンテンツを生かしたブランドづくり、イベントや情報発信の強化というのが、これは後期のほうにも入っているんですね。これは、私の趣味はともかくとして、行政としていつまでやっていくんですかという話をずっとしていて、自走化できるようにしていきたいというような御答弁もいただいていたかと思うんですが、これは、ここに載るということは、今後5年間は今みたいなイベント事業を区がやっていくということなんでしょうか。

堀越産業観光課長

 以前の分科会でしたか、委員の御質問に対しまして私もそのように、いずれ民間の力を生かして自走的なイベントなり、アニメ産業の事業というようなことでお答えしたかと思っております。実際、この5年間のスケジューリングの中で、区の施策というような形で取れるような中身で書いてございますけれども、基本的に東京都の補助金というものの継続年数ですとか、そういったものを見据えまして公でやったほうがいいというような状況も継続を見込んでございますので、この5年間の中に、いろいろな国や都の施策も含めまして、そのアニメなりいといったものの支援策とも照らし合わせながら、適切な時期に見直しを図っていく方向を見定めていくということは必要かと思ってございます。

森委員

 必ずしも5年間ずっと区でやっていくということではないということで理解をしました。

 また鬼滅の刃の話をするんですけど、富岡義勇というキャラクターが中野区野方出身だということで、私、今日の朝知ったんですけど、これを活用していろいろまちおこししようとか、そういう動きもあるそうです。でも、こういうのは民間でやってくれているんですよ、やっぱり。しかも、こういうのは区で限る話じゃなくて、映画で大人気になった煉獄さんは世田谷の出身らしくて、区内にとどまらないんですよ、やっぱりこういうのって。だと、やっぱり関わり方というのは、民間でできるところは民間でやっていっていただくということが大事なのかなというふうに思っています。

 それから、84ページで、また堀越課長のところで申し訳ないんですが、ここも幾つか後期の事業が入っているんですが、電子商品券事業というのがあって、私どもの会派からも、私もこの間のプレミアム付商品券発行のときには、電子化できないのかという話をさせていただいたんですが、それはプレミアム付商品券を区として発行するならなんですよ。要するに、これをやるということはプレミアム付商品券の発行自体が前提になっているわけですね。その上で電子にするかどうかを試験的にやりますよが前期というふうに見えるわけです。そうすると、じゃあ、今回の商品券事業自体の効果とかそういったものの検証というのは既に終わっていて、やっぱり効果があるから今後もやっていきましょうという話に、これはなっているのでしょうか。

堀越産業観光課長

 このたたき台にございます電子商品券というのは、必ずしもプレミアム付だけを想定しているものではございませんで、一般的な今議決いただいて進めておりますブロードウェイのキャッシュレス化推進ですとか、そういった区内全体の電子化というようなところを踏まえまして計画の中に一旦位置付けているものでございますので、昨今のコロナ禍におけますプレミアム付商品券では、確かに電子化も進んでいる自治体もございますけれども、委員おっしゃいますように経費ですとか効果そういったものは、まだ今のところ事例を参考にまさにしている途中でございますので、こちらの計画としては、あくまでも想定中の計画ということでございますので、電子化の流れの中のスケジューリングとしているものでございます。検証はまだ行っている途中でございます。

森委員

 ありがとうございます。

 それから、産業振興関連でもう1点なんですが、これは私が見つけられていないだけなのかどうかで教えていただきたいんですが、いわゆるこれまで言ってきたICTコンテンツ、ライフサポートの重点産業という言い方をしていたんでしたっけ、あの考え方というのは残っているんですか、どうなんですか。

堀越産業観光課長

 先ほどの石坂委員の御質問にもライフサポートビジネスのサポートというようなお話がありました。今回、重点産業とか、ライフサポートという言葉は使用しておりませんけれども、今までの流れを汲みまして、コロナ禍におきましても必要である内容といたしまして、79ページの新たなビジネスの創出支援というところの1行目に、区政課題である子育て、地域包括ケアなど、こういったところに今までのライフサポートと同じような視点も持ちながらビジネスの創出を図っていきたいというような視点は持ってございます。ICTに関しましては、特にICTを重点化するということは書いてございません。現在、こちらもやはりコロナ禍におきましてリモートをはじめICT化というもの、あるいはデジタル化というものが必須となってございますので、そういった全体の産業構造の中、支援の中で捉え直していこうというものでございます。

森委員

 そこをはっきりさせておいたほうがいいと思うんですけど。要するに、重点産業だからといって優遇しているような施策を今後、相変わらずライフサポート、ICTコンテンツに限定してやっていくのか、それともそういうことじゃなくて、区内産業全体でやっていくのか、あるいはその取組自体をやめるのか、ライフサポート、ICTコンテンツを特出しして何がしかの取扱いをしていくかどうかって、何か今の御答弁を聞いていてもあまりよく分からなくて、はっきりさせておいたほうがいいと思うんですが、その点いかがですか。

堀越産業観光課長

 いわゆる重点産業の二つでありますICTですとかライフサポート、そういったものに直接投下してやっていくというような計画ではないというふうに捉えてございます。ただ、今の産業構造変化の中におきましての目指していく姿、取組といったものをこの文章の中に表しているところでございます。

森委員

 そうすると、じゃあ、産業振興ビジョンというのは今後どうなっていくんですか。

堀越産業観光課長

 産業振興ビジョンというものの策定につきましても、まだ今のところ策定する計画はございません。一旦この計画を踏まえまして御意見いただきながら、そのビジョンについて、あるいは考え方を示すというようなところからまず検討していこうかなと思ってございます。

伊藤委員

 さっき森委員も最初に重点プロジェクトに触れておりましたけれども、たしか第4回定例会でも、基本計画の骨子の報告でいろいろと議員から――重点プロジェクトが、最初の骨子の中では二つしかなかったんですよね、子育て先進区の実現と地域包括ケア体制の実現ということで。これは酒井区長の選挙公約だと思っておりますけれども、重点プロジェクトがこの二つしかないのは寂しいねという議論を、たしか木村委員もされたと思いますけど、私もさせていただいて、何かまちづくりだとかいろんな総合的なことを、いわゆる33万7,000人が住んでいるこの中野区のまちで、やっぱり基本の計画ですから全体的な区民に関わることを重点にしなきゃいけないのかなとは思っていたんですけども。今回は、活力ある持続可能なまちの実現ということで記載されておりますけども、この素案のたたき台に記載された経緯というのは、どのような経緯で記載されたのかお伺いいたします。

波多江環境課長

 基本的には企画部においてプロジェクトを設定したということではございますけれども、当委員会でも御指摘がございましたとおり、区の内部というか、所管のほうからも、環境の問題というのをやはり組織横断的に進めていかないことにはこれまでもなかなか難しい面があったというようなこともお伝えをしながら、企画のほうでやはり総合的に判断をして、重点プロジェクトとして一つ立ち上げたという経過だと思っております。

伊藤委員

 この基本計画は企画が中心にやっているんだと思いますけれども、我々の委員会での質疑なんかもお伝えしていただいたんだと思うんですよね。そういったことが実ったり、またこのたたき台、骨子から素案のたたき台になって素案になるまでに、我々議会の意見や、また区民意見なども踏まえて変更がされていくんだと思いますけども、そういったことを、やっぱり区民の意見、区議会の意見をどんどん吸い上げていただきたいなと思っていますし、重点プロジェクトが増えたのは大変いいことだなとは思っています。

 ただ、この重点プロジェクトが今後、基本計画は5年ですよ、基本構想は10年ですけども、それに沿って本当に実現していくのかということがやっぱり問題で、ただ絵に描いた餅にならないようにしていけたらと思うんですけども、その辺はどのように考えていますでしょうか。

波多江環境課長

 やはり環境の課題は地域の防災にも深く関わりますし、まちづくり全体を通して建物を断熱化するというようなことでヒートアイランド現象を防いでいくであるとか、あとは一人ひとりの御家庭の省エネ、それから再エネや蓄エネの採用というようなところでも、そこは意識啓発になりますけれど、非常に総合的に多岐にわたったところで、横断的に、政策的な課題のその重点を置いて取り組んでいかないとなかなか前に進んでいかないところがございますので、この重点プロジェクトに据えられたというところの区政の中での重み、そういったものを所管としてはしっかり前に出しながら、中心になって進めていこうというふうに今は考えております。

伊藤委員

 政府のほうも2050年までには二酸化炭素排出ゼロなんていう大変厳しい条件がある中で、中野区もそれに沿って自治体として役割を果たさなきゃいけないんだろうと思いますけども、ぜひこの重点プロジェクト、10年後には近づくように努力していただきたい。もちろん我々も、区民の一員として取り組まなきゃいけないということをしっかりと肝に銘じていかなければいけないなと思っております。

 それから、先ほど意見のところで、ちょっと戻りますけども、意見の概要で、3ページ、2番、「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえると、インバウンド需要の喚起に頼ることはできない。中野ならではの魅力を高め発信するとともに、商店街を活性化させる取組を進めてほしい。」という意見があって、この3ページの意見の概要は、区の考え方というのは示されておりませんけども、基本計画等の中で検討していくということで先ほど説明がありましたよね。その基本計画の中で検討していくということは、この素案のたたき台にも反映されているということでよろしいでしょうかね。地域経済活動を活性化する施策4の中にどのように反映されているのか、それとも、このたたき台じゃなくて、今度素案になったときに掲載されるのか、どの辺のことを指しているのか教えていただけますか。

堀越産業観光課長

 委員おっしゃいます、意見の2番にも出てございますが、魅力の発信という部分につきましては、このたたき台の中の74ページ、施策7に地域資源の発掘・発信というのがございますのと、あとは、商店街の活性化につきましては、施策9、81ページからの商店街の活性化支援によるにぎわい空間の創出、こういったところに反映をされてございます。あとは、ここの所管部といたしまして、区民部のみではなく、情報発信ということで企画部、また、まちづくり推進部というのも所管になってございますので、こちらの産業観光関係の施策のみではなく、まちづくりも絡めた中で施策の中に方向性として同じ方向で形づくられているものというふうに認識しております。

伊藤委員

 商店街を活性化させる取組を進めてほしいという意見でありますので、商店街、かなり今コロナ感染症の拡大で、また今ちょうど緊急事態宣言の最中で、商店街の中には小売さんも、また飲食店もあろうかと思うんですよね。大変厳しい状況であると思うんですね。そういったときに、この商店街を活性化させるためには、やっぱり区の取組、区の支援、先ほども言ったプレミアム付商品券の関係だとか今、2月までやられておりますけども、そういったことも含めて、区として商店街をどのように――これを見ますと、事業所も含めて、かなり目標値、事業者数も目標として増やしているし、従業員数も増やしていますけども、この辺の関係というのはどのようになっているんでしょうか。

堀越産業観光課長

 施策8が主に産業系でございまして、施策9が商店街ということで、御質問の中心といたしましては商店街の支援ということかと捉えてございます。先ほど施策名しか申し上げませんでしたけれども、こちらの施策9の中の82ページに主な取組がございまして、①番に個店の経営支援、あとは組織力の強化というものを挙げてございます。あとは、②番といたしまして空き店舗活用の促進といったものがございまして、84ページに、事業の展開といたしまして具体的な事業についてお示しをしているものでございます。たたき台でございますので、こういった中でまた御意見をいただきながら精査をしてまいりたいと思っております。

伊藤委員

 商店街というと、どうしても中野区内、中野駅周辺の商店街が活性化しているんですけども、中野は南から北まで商店街が幾つあるのか、60近くあるのかな、どうしてもこの辺に集中しちゃっていますし、南のほうでは鍋横商店街、またさらには南台商店街、川島商店街なんかもありますし、中野全体の商店街が活性化になるような取組というのは区としてはどのように考えているのか。この基本計画のたたき台でそれぞれ示されておりますけども、駅周辺の商店街、確かに駅があれば商店街が活性化するというのは分かりますけども、駅のない商店街というとなかなか厳しいですよね。その辺の取組なんかはどのように考えているのか伺います。

堀越産業観光課長

 先ほどまちづくり推進部との協力ということも申し上げましたけれども、商店街自体は、確かに委員おっしゃいますように様々な地域にあるわけでございます。こういった中野駅周辺だけではなく、地域にいろいろな貢献をしていただいております地域の商店街といいますか、そういったところとも協力体制を築きながら、きちんとフォローさせていただきながら、相談機能も高めていきながら、存続あるいは、もちろん発展ということについてサポートを強めてまいりたいと思ってございます。

いさ委員

 幾つかお聞きをします。まず、最初に今たくさん議論が出てきた重点プロジェクトの3番目のことなんですけれども、一つ増えたその中で、森委員がおっしゃったような疑問を僕も持っていて、これは①から③まであると。その中で、1番目が商店街、地域経済のこと、2番目が中野駅周辺のまちづくり、西武新宿線の立体交差、この大きな開発の話、3番目で脱炭素社会の実現というのが出てくる。これが並列になっているというのはちょっとすっきりしないなという思いなんです。というのは、環境の面で見たら、今のこの温暖化の話というのは人間の経済活動により進行しているわけですよ。さりとて僕たち、その経済活動を止めるわけにはいかない――にしろ、これは相反する考え方だと思うんですよ。それが並列になっている。少なくとも力関係としては、脱炭素社会、その環境配慮というのが大前提になっている上で、じゃあ経済をどうしていくの、どう回していくのという話のつくりになっていないと整合が取れないなという思いがあるんですが、これは所管としてはいかがお考えでしょうか。

波多江環境課長

 なかなかこの並び方についてしっかりと説明し尽くすことは難しいかもしれないんですけれども、私どもは、この重点プロジェクトもそうですけれど、環境の計画の中でも議論がありまして、経済と環境と社会が統合して発展していくという考え方、いわゆるSDGsの考え方を取るということがありまして、どちらか一方だけ発展していくであるとか、どちらかを大事にしていくということではなくて、都会でありながら、よりよい生活環境とか、環境、住環境も含めヒートアイランド現象も防ぎ、温暖化による暑熱とか熱帯夜が増えているとかそういった課題がたくさんありますけれども、技術革新や住宅の更新、それからビルを建てるときにしっかりとした断熱性のあるものやエネルギーの融通ができるような最新のビルを建てていくことによって温暖化が防げるという、そういう道筋を描いておりますので、そのバランスをきちんと取って経済発展と環境負荷の低減が両立するような、そういった考え方でこういったプロジェクトを考えていくという、そういう姿勢でございます。

いさ委員

 今のお話を直ちに否定するつもりもないんですけれども、率直に言えば環境の問題というのは本当に厳しいことを突きつけられているわけで、果たしてそれがいいのかというのは引き続き問われるなというふうに思っています。これはもうここではやめます。別の機会にもう少し聞こうと思います。

 次に、さっきから文化芸術の話は、前の基本構想のところでも聞いていたんですけど、今のやり取りを聞いていてちょっと僕も聞きたくなってしまったので、もう一度こっちの文化芸術の辺りのところをお聞きしたいんですけれども。結局この施策をこれから考えていくときに必要になるのは、今、区がつかんでいない文化芸術に関わっている人たちの思いなんじゃないかなと思っているんです。少し前にやったアンケートは本当に大事なものだったと思うし、あの中身は生かしてほしいと思いつつ、今まだ区側がつかんでいない文化芸術に関わっている人たちにどうここに入ってもらうのか、意見を出してもらうのかというところは大きな課題だと思うんですけれども、これは具体的には、こうした人たちの思いをどうやってここに入れていくかという道筋みたいなものはどのようにお考えでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 今回の基本計画の素案たたき台の中でも幾つか主な取組を掲げているところではございますけれども、区がつかんでいないそういった団体ですとか、あるいは先ほどいさ委員から指摘もありましたライブハウスなどの、いわゆる民間施設などの実態把握、現時点では基本計画のこの計画たたき台をつくるに当たっての反映というのはする予定はない状況でございます。

いさ委員

 これが基本計画に限らず、これからの中野区のこの文化芸術施策に一番求められている部分じゃないかなと思うんです。だから基本計画で何か表現できなかったとしても、そこはちょっと考えていってほしいなという気持ちがあります。

 加えて、今このコロナ禍で文化芸術のその拠点、ライブハウスや劇場なんかは窮地に陥っているわけですよ。当然こうしたところ、中野区の文化を守るためにも、今困っているこの文化施設をどうしていくんだというのが同時に出てくるお話だと思っているんです。それはちょっと所管違いかもしれませんし、その担当するところとこういうことも話してほしいなという気持ちと、また別の機会にもお聞きをしたいなというふうに思います。取りあえず今のところは要望ということにしておきます。

 それと多文化共生のところ、施策2、57ページのところですか。先ほどから幾つか議論があるんですけど、外国人の方に活躍してもらうだとか、暮らしやすいというのが何回か出てきます。こうしたときに、前提として、今ある差別みたいなことに対して中野区はどういうスタンスを取るのか、当然突きつけられていると思うんです。この間もこの差別の問題って議会で取り上げてきたんですけど、中野区からあまりはっきりした答えは出てこなかったと思っているんです。この間も社会情勢の中でいろんな話が出てきていると思うんですよ、BLMの運動だとか。中野区がこの多文化共生、ダイバーシティを掲げるのであれば、中野区はそういうまちなんだってはっきりしたメッセージをそろそろ出す必要があるんじゃないかと僕は思っているんですが、所管としてはいかがでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 私どもとしましては、外国人住民の支援ですとか、国際交流の場の創出ですとか、今、委員おっしゃった、いわゆる外国人差別に係る問題につきましては、所管としてはいわゆる企画の人権担当のところで持っておりますので、本日頂いた意見は所管に申し伝えていきたいというふうに思っております。

いさ委員

 また別のところで、82ページ、施策9のところで、商店街の活性化というところが出てきます。ほかのところにもあったと思うんですけど、個店経営支援という言葉が出てきますよね。これは具体的にどういう取組をしていくのかというのは本当に大事になってくるんですけど、他方、そういう個別のお店のニーズをつかむ、41ページ、重点プロジェクトの3のところに、「区内中小企業及び商店街各個店へのニーズを捉えた支援」と書いてあるんですね。これはこの間も指摘してきたと僕は思っていて、商店が今どんな支援を求めているんだってまずつかまなきゃいけないということだと思うんですが、これは具体的にはどのようなというか、その個店の、個人経営のお店、区内の商店のニーズをどうやってつかんでいくという道筋を考えているのかちょっとお聞きしたいんですが。

堀越産業観光課長

 商店街におけます個店の支援のニーズの把握についてでございますけれども、現在のところは、中野区商店街連合会を通じまして各商店会の意見を吸い上げていただくというか、そのいわゆる区商連からの聞き取りということで対応してございます。あとは商店街に、例えば補助金の説明会ですとか、そういったところで直接コンタクトさせていただく機会もございますのでそういったところ、あとは随時御連絡頂いたりですとかということもしてございます。あとは、小さな事業者さんになるかと思いますけれども、いろんな経済団体も調査を行おうとしているところでございますので、そういった区商連に限らず、いろいろな団体からの調査など聞き取った意見なども、ヒアリングといいますか聞きながら調査をしていまいりたいと思ってございます。

いさ委員

 以前もたしかそのようなお答えはあったような気がしたんですけど、商店街の支援と商店の支援というのは重なる部分もあればそうでない部分もあると思っているんです。商店街から聞き取ることもすごく大事、だけれども、個別のお店から一つひとつ意見を拾っていくということってやっぱり必要なんじゃないかと思っているんです。今このコロナじゃなかったら割と簡単というか、そこの商店街に飲みに行ったらいいんじゃないかなというぐらいの話だと思うんですよ。今コロナが感染している状況下でそんなことも簡単にはいきませんから、ここがすごく大事だと思うんです。せっかくこういう方針を出したならば、個別の商店のそれぞれのニーズ、全部違うと思うんですよ。それぞれのニーズをどうやってつかんでいくかというところは、ちょっと思いとして持っていてほしいんです。これから具体的に方針化するときに、これは何らかやらなきゃいけないというふうに思っているんです。そこはこれからの施策になっていく上でぜひ忘れないでほしいと思うんです。これは要望としておきます。

委員長

 委員会を休憩いたします。

 

(午後2時59分)

 

委員長

 委員会を再開いたします。

 

(午後3時20分)

 

木村委員

 極力はしょって質問したいと思うんですけども、ただ全体の話からいくと、次の報告で区有施設整備計画(素案たたき台)がありまして、基本計画とある意味では財政フレームという意味ではセットの話かと思うんですけども、ただこの整備計画も肝腎なところは調整中みたいな形で、財政フレーム的には本当にちゃんとしたエビデンスをもってつくっているのかどうかというのは少しどうかなというふうには思っております。そういった意味では、今回両方とも素案のたたき台ということですので、その素案の中に議会からの意見とか要望というのはしっかりと取り組んで適切なエビデンスのある計画というか、素案というのをつくっていただきたいというふうに思っております。

 財政のことで少し関連するところだけ伺いたいんですけども、まず23ページです。財政フレームが出ていますけども、この中で特別区民税というのがございます。今後10年間の見通しというのを出しているんですが、これというのは、これまで示してきた特別区民税の見通しと、今回この中で示した見通しというのは大きく変わっています。よくなっているのか、悪くなっているのか、どういうふうに見通しを今回立てたのでしょうか。

矢島税務課長

 こちらにつきましては、令和3年度は、歳入をベースに人口の増減が――人口でございますね、人口の増減から納税義務者を算出して、それが各年度に数字が落ちているような形になっております。ですので、令和3年度をベースにしまして、中野区の人口の増減があると思うんですけれども、そちらから納税義務者を算出して推計しております。

木村委員

 具体的には、昨年の9月とかその辺で、今後の財政フレーム10年間のそれを示しているところが総務委員会とかであるんですけども、その中で今後、特別区民税は10年後はこういうふうになるというのをある程度示しているんですね。今回のこれと比べて、明らかに10年後の特別区民税というのはある意味では落ちているというふうに見通しを、今回見ている限りではなっているんですけども、そういった認識でよろしいということですね。

矢島税務課長

 総務委員会でお示しされた数字というのがあるかと存じますけれども、税務課のほうでは、先ほど御説明しました令和3年度をベースにして人口の増減から納税義務者を算出したものを一応財政課のほうに税収見込みという形でお出ししているところでございます。

木村委員

 そうなると細かいことを多分ここでは聞けないので。一般財源のその隣のところを見ても、基準となる一般財源も含めて、明らかに今後税収はこれまでの見込みとは大分落ちてくるというのを、この財政フレームの中では示しているというふうに思います。そういった意味では、それも踏まえてこの基本計画をどうするかという話になるかと思います。

 あとは、財政の中で、例えば29ページで起債・基金を活用する主な事業というのがあるんですけれども、例えば文化・スポーツ施設で、いろいろ基金繰入とかあるんですけども、これは文化なのかスポーツなのかどっちですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 こちらにつきましては、スポーツ施設というふうに伺っております。

木村委員

 同じページ一番下で旧中野刑務所正門というのがございます。これが後期に事業費が3億円、基金繰入が1億円となっていますけども、この基金繰入1億円というのは、この根拠はどういった根拠ですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 財政課によると、いわゆるこの後期1億円の繰入は、財政調整基金を繰り入れるということで伺っているところでございます。

木村委員

 それは分かるんですけど、なぜ財政調整基金を繰り入れなきゃいけないのかという理由でございます。

矢澤文化国際交流担当課長

 あくまでこの基本計画が素案たたき台ということですので、今後財政課と調整、協議していくことになりますが、恐らく旧中野刑務所正門は、この後報告しますけれども、曳家するための工事のことで、いわゆる財政調整基金を繰り入れるというふうに考えてございます。

木村委員

 結局根拠を示せないという、なぜ基金を繰り入れなきゃいけないかという理由は、特に所管のほうでも恐らくまだ把握していないという今答弁かなと思うんですけども。今、一つ見ても、所管と企画の調整というのが、そもそも財政も含めてなんですけども、できているのかどうか。所管の意見をちゃんと企画が反映して、また企画が示したのを所管がちゃんと納得してこの計画がつくられているのかどうかという意味では、全般的にはそうなんですけど、非常に怪しいとこがあるかというふうに思っていますので、今後の素案の中ではしっかりと、そこの所管というか企画との連携というのはやっていただきたいというふうに思っております。

 あと、重点プロジェクト、様々な御意見がございました。脱炭素社会の実現ということは要望させていただき、プロジェクトに入ったのは大変歓迎するところでございますけれども、先ほど来ございましたが、この重点プロジェクトというのは、ここに書いているとおり組織横断的な取組ということになります。そういった意味では、この組織横断的というのは単に、先ほどありましたけど、ちゃんと所管と連携を取りますという、今までも同じようなことを言ってきたような感じがするんですけども、今回本格的重点プロジェクトというふうに掲げるのであれば、具体的にどういった仕組みをつくるのか、横断的な取組をするというのであれば。そういった意味では今回、一つは今、脱炭素社会の実現というところで、これまでもやってきたんでしょうけれども、具体的に各所管とどうやって連携というか、むしろもっと厳密に言うとルールづくりというか、会議体というか分からないんですけれども、これまで以上のことをやらないと、単なるここは言葉遊びになってしまうというふうに思うんですね。そういった意味で、横断的な取組という意味では今後どういったことをしていきたいのかというのを所管のほうはどういうふうに思っていますか。

波多江環境課長

 環境に関する連携の会議としては、現在、環境施策の調整会議というのがあって、環境基本計画にアクションプログラムが掲載されている所管を集めて進捗管理の会議はしてございます。ただ、今回の重点プロジェクトに関連する所管というのは、ちょっと環境施策の関連のその会議のメンバーとは違っておりますし、こういった括りでのプロジェクトというのは今までなかったことでございます。企画のほうからは、この重点プロジェクトごとの推進会議のようなものを立ち上げるようなお話も少し出ておりますので、進捗管理をしていく上では必要なことではないかなというふうに所管としては考えておりますから、ぜひそういった方向でちょっとできないのかなということはこちらとしても考えていきたいと思っております。

木村委員

 せっかくですので、これまでと何が変わったかというところが明確に分かるような、また取組が変わっていくような仕組みというのを、このときなのでぜひつくっていただきたいですし、企画も含めて全庁的なところでアピールというんですかね、やっていただきたいというふうに思っています。

 併せて、同じように推進プロジェクトに、区内商店街、中小企業の経済回復とか、例えば魅力的な地域資源ということが一緒に書かれております。ここが、要は組織横断的な取組ということとこれまでの取組とどう違うのかというところ。組織横断的な取組としてここに掲げてきているのであれば、実際これまでとやっぱり取組がどう変わっていくかということになってくるかと思うんですけども、これはまだ変な話、今回何か取ってつけたような取組なので、まだ所管で検討をよくされていないかと思うんですけども、所管として、全庁的な組織横断的な取組をできるのであればこういうふうにやりたいとか、そういった要望をぜひ持っていただきたいですし、それをアピールしていただければと思っているんですけども、これまでと違った、組織横断的だったらこれもできるんじゃないかという何かそういった考え方とか取組とかございますか。

堀越産業観光課長

 委員のおっしゃいます組織横断的な取組についての考えでございますが、御存知のとおり、かつては都市政策推進室というところで、まちづくりと産業振興あるいは観光というものは一緒でございました。現在、環境部とは区民委員会で一緒でございますけれども、まちづくりと少し委員会も違っておりますし、そういった一堂に会するといいますか、同じ議論のデスクを囲むということも必要なことかと思ってございます。具体的にはまだ想定できてはおりませんが、今後まちづくりが進む中で産業振興の役割というのもまた変わってきたり、違う重みが出てくるかと思ってございますので、こちらからも、企画が一義的には調整とは思いますが、まちづくりとも連携し、先ほど波多江課長のおっしゃいましたSDGsのような考え方、こちらは対企業という取組でございますので、そういった関連部署と同じ座に就くというようなことも、仕組みをつくるように企画部のほうにはお願いをしていくべきかなというふうに考えてございます。

木村委員

 ありがとうございました。

 もう一つのその下の、魅力的な地域資源を活用した地域ブランドづくりにおける産業の活性化と、アニメ、サブカルチャーとかありますけども、これも横断的な取組ということであれば、こっちも一緒ということですね――分かりました。ぜひ、先ほど環境のほうでも言いましたけども、具体的にそれが横断的に進むような仕組みというのも、今回いろいろ検討、これを機にやっていただければと思います。この間も議論になりましたたけど、重点プロジェクトが、単なるその後に続く施策を集めただけというんじゃなくて、本来は、重点プロジェクトであれば基本計画をつくる段階で最初に決めて、決め打ちして、ここを重点にするんだというのが本来の在り方でしょうから、そういった重点プロジェクト並みに資するような取組というのをしっかりとやっていただければというふうに思っております。

 あと、細かいところをちょっとだけ伺いますが、250ページ、環境施策のところで成果指標と目標値というのがございます。区内の二酸化炭素排出量というところで、現状値と2025年度の目標値というのが掲げてありますけれども、その2025年の目標値というのが、現行の第3次環境基本計画に基づいた数値ということでしょうか。それともある意味では、後で報告ありますけども、ゼロカーボンシティ宣言の2050年ゼロを、それを目指す上でのこの数値ということのどっちになるんでしょうか。

波多江環境課長

 現状ここに掲げてある数字につきましては、国のほうの地球温暖化対策計画などに掲げられている2030年度までに25%削減であるとか、2050年度までに80%削減という目標があるんですけど、それを基にはじき出した数値になっております。

 ただ、1月の下旬に東京都知事が2030年までに二酸化炭素の50%削減ということを発言したりしておりますので、中野区も東京都の中の一つの自治体ということもございますから、またゼロカーボンシティ宣言に向けても、ここの数字に関してはもう少し精査をする方向で考えております。

木村委員

 ぜひその精査をしっかりと取り組んでいただければと思います。東京都と中野区の事情も違いますし、単純に横引きして同じような目標というか考え方というのをやっていいかどうかというところもあるかと思うんですけども、今回、この基本計画と一緒に同じタイミングで策定される環境基本計画では、多分2030年までどうするかという話も出てくるかと思うんですね。その中でしっかりと、今の2050年までにゼロを目指すという前提での目標値というのは、これまでから随分目標数値を上げて取り組まなきゃいけない目標値を掲げなきゃいけないと思うんですけども、それはしっかりと策定していただければというふうに思いますし、当然その根拠になる政策というのをこれから考えなきゃいけないのかもしれないんですけども、そこをできる限りやはり詰めていただければというふうに思っております。

 あと最後に一つだけ。278ページ、ちょっとこれはよく分からないので聞くんですけど、下から4行目、自然エネルギーなどを活用したCASBEEのSランクの実現を目指しますと。これは新庁舎の取組かと思いますけども、これも環境施策といえば環境施策なんですけども、これはどういった取組なんですか。

波多江環境課長

 ビルを建てるときの環境性能のことを言うということなんですけど、建築環境総合性能評価システムというのがCASBEEのことを言っています。Sランクというのはたしか一番高い目標になっているということで、例えばなんですけれども、真ん中が吹き抜けになっていて太陽光を取り入れるとか、高効率な照明器具を多く取り入れる、屋上緑化、壁面緑化、雨水利用とか、あと地中熱の利用であるとか、そういったものが盛り込まれているのが新庁舎の仕様になっているということで聞いてございます。

木村委員

 これは、新庁舎以外の今後の区有施設の中での考え方としてこういった取組もしていくのか、ちょっと吹き抜けというのはほかの施設でできるかどうか分からないんですけれども、これは新庁舎に限っての話なのか、今後、先ほど来ちょっとお話出ていますけども、区有施設を新しく造っていく中で、その環境施策というのをどういうふうに取り入れていくかというところをやはり主導的に環境課がやっていかなきゃいけないというところになるかと思うんですけども、例えばこれは一つの例ですけども、こういったのも、また区施設の今後の建て替えの中で取り組んでいくようなものなのかどうかお伺いいたします。

波多江環境課長

 当然、環境性能に関して法律が平成28年の4月から厳しくなっております。建物の環境性能についての決め事が厳しくなったり、東京都は独自に環境性能を高めて、2000年比ですけれども、東京都のCO排出量30%削減という目標に資するために、東京都の建てる建築物についての基準をつくったりしていますので、できればですけれども、新庁舎はもうほぼ決まりつつあって、大体この方向でいくということが決まっていますけど、これから建てる区有施設に対して考え方というか基準というようなものをつくれればいいなというふうには考えてございます。ただ、まだちょっとそこまで具体性を持った現状体制がつくれているわけではありませんけれど、当然それが求められているというふうに考えております。

委員長

 他に質疑はありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告について終了いたします。

 次に、3番、中野区区有施設整備計画(素案たたき台)についての報告を求めます。

辻本区民文化国際課長

 それでは、中野区区有施設整備計画(素案たたき台)につきまして、資料(資料4)に基づき御報告いたします。本報告は、閉会中の委員会におきまして共通の資料により御報告するものでございます。

 本報告につきましては、昨年12月に報告をいたしました区有施設配置の考え方などを踏まえ検討を進めてきたところでございますが、このたび、別紙のとおり中野区区有施設整備計画(素案たたき台)として取りまとめましたので御報告をさせていただくものでございます。

 まず、1、計画(素案たたき台)の概要でございます。

 【第1部 総論】(1)では、策定の目的ということで記載をしてございます。本計画は、基本構想において描く「10年後に目指すまちの姿」と長期にわたる都市構造の変化を見据え、区が所有する施設に係る再編、整備、利活用等の計画及び施設の更新・保全の方針を示したものでございまして、基本計画における施策展開に当たり、区有施設整備を財産経営の観点から取りまとめた総合的な行政計画でございます。

 次に、(2)計画期間でございます。令和3年度から令和12年度までの10年間を計画期間といたしまして、基本構想・基本計画と整合を図り、社会経済情勢の動向を見定めながら必要に応じて見直しを行っていまいります。また、今後おおむね20年間を見据え、新設・改築・大規模改修等の施設を対象に検討を行っているところでございます。

 次のページでございます。【第2部 施設再編・管理の基本的な考え方】でございます。初めに(1)区有施設の再編及び更新・保全の基本方針でございます。区有施設の再編及び更新・保全を進めるための基本方針を定め、取組を進めていまいります。基本方針の内容でございますけども、記載のとおり5点を掲げているものでございます。

 次に、(2)施設更新経費及び延床面積の考え方でございます。計画的に財源を確保し、適切に更新・保全を進めていくために経費を試算するとともに、長期的な視点を持ちながら延床面積の適正化を図っていまいります。施設更新経費の将来推計でございますが、記載のとおり今後20年間に必要となる更新経費は1,911億円、1年平均96億円となることを見込んでございます。総延床面積の考え方でございますけども、区有施設の総延床面積は、新たな行政需要に対応するため、子ども・若者支援センター等複合施設、また総合体育館、区役所新庁舎等を新たに整備するなど、特に直近5年間におきましては大幅に増加する見込みでございます。その後も施設更新期を迎える施設が数多くございますけども、未利用施設は速やかに売却及び貸付を検討するなど、総延床面積の増加を抑制してまいる考えでございます。

 次に、【第3部 各施設の配置・活用の考え方】でございます。まず、(1)今後想定する区有施設数でございますが、後ほどお読み取りをいただきたいと存じます。

 また、次のページ、(2)でございますが、主な施設の配置・活用の考え方として、7点ほど掲げてございます。こちらにつきましても、詳細は後ほどお読み取りをいただきたいと存じます。

 また、最後に【第4部 今後10年間の想定スケジュール】でございます。こちらにつきましても後ほど御確認をいただければと存じます。

 ここで、別冊、計画冊子の29ページをお開きいただきたいと存じます。施設分類ごとの配置の考え方ということで、当委員会に関連する施設につきまして、今後、おおむね10年間の配置活用の考え方につきまして御説明をさせていただきます。

 初めに、区民部の所管施設でございます。30ページをお開きいただきたいと存じます。一番上が文化施設ということで、現在の配置で引き続き活用していまいります。また、一番下でございますが、歴史民俗資料館につきましても、現在の配置で引き続き活用してまいります。

 続きまして、31ページでございます。下の行でございますが、産業系施設ということで、産業振興機能につきましては、商工会館跡地に誘導する民間施設の一部に移転をいたします。その後、産業振興センター跡施設につきましては他の用途に転用いたします。

 次に、39ページをお開きいただきたいと存じます。2段目でございますが、地域事務所でございます。こちらにつきましても、現在の配置で引き続き活用していまいります。

 区民部所管施設につきましては以上でございます。

波多江環境課長

 環境部所管の施設に関しましては、39ページに記載をしてございますが、清掃事務所・リサイクル展示室につきましては、10年間、特に整備計画はございません。

 南中野事業所につきましてもございません。

辻本区民文化国際課長

 最後でございますが、鏡文の3ページにお戻りをいただきまして、2、今後の予定でございます。基本計画と合わせました策定スケジュールとしてございます。本年3月に計画素案を公表し、4月に意見交換会等を実施いたします。その後、6月に計画(案)を公表し、パブリック・コメント手続を経まして、8月に中野区区有施設整備計画を策定する予定でございます。

 御報告は以上でございます。

委員長

 ただいまの報告に対し質疑はありませんか。

森委員

 御報告ありがとうございます。これは区民部と環境部の所管の施設で、前回の御報告と変わったところというのはあるんですか。

辻本区民文化国際課長

 ございません。

波多江環境課長

 こちらもございません。

森委員

 ありがとうございます。

 それから、これは更新経費の将来推計と書いてあるんですけど、先ほどから出ているように、公共施設の脱炭素化をやっていかないといけませんというところの中で、ただそれをやるにはお金がかかりますという分の上振れの経費というんですか、そういうのは更新経費の推計には見込まれているんでしょうか。

辻本区民文化国際課長

 企画所管におきまして一定のルールに基づき積算をしたと聞いておりまして、委員御指摘の部分につきましても含まれているとは存じますけども、すみません、詳細につきましてはこちらではお答えしかねるところでございます。

いさ委員

 ちょっとここでお答えいただけるか分かりませんけれども、頭書きの裏側の【第2部 施設再編・管理の基本的な考え方】というところに、(1)に区民の日常生活圏域等を踏まえた適正配置というふうにあります。ここは答えられますか。適正配置って何なのというところが、どういう議論をされているのかを知りたかったんですが、答えられない――ですね。分かりました。

 これも答えられないかな。今後20年間で1,911億円かかりそうだと、1年平均96億円というところも、これは所管では答えにくいところかな。分かりました。

伊藤委員

 区民部所管の施設というと、先ほども説明がありましたように、具体的に言うと42ページですね。2-2、旧商工会館・産業振興センター等の再編ということで、前回も区有施設の考え方のときにいろいろ議論させていただいたんですけども、今、企画が中心にいろいろ調整されているというふうなことであったと思うんですけども、その後、この旧商工会館の跡地、担当としてどのように捉えられているのか、また企画との調整。たしか部長がお答えになっていたと思うんですけども、企画が率先してやって、ほとんど調整ができていないような御答弁だったんですけれども、その辺いかがでしょうか。

青山区民部長

 旧商工会館、御存知のとおり産業施設としての機能を廃止しておりますので、その後の活用については企画課のほうで検討しているところでございます。その後、前回の御報告の後に、ここの活用手法ですとか、そういったことについての調整は一度もございません。ただ、今後の活用案の中に、現在の産業振興センターの経営支援機能ですとか、それから今入っている経済団体の事務所を移転するという案になっておりますので、どのような運営手法でどのような施設を建てるかということを企画課のほうで決めた暁には、その中にこういった機能をどうやって入れていくかということについて、それは私どもが所管ですので、いろいろと課題ですとか意見というのは言っていかなければいけないというふうには思っております。

伊藤委員

 何か民間活力を活用して、ある経済団体の人たちにも意見を聞いたりだとか、そういった情報とかはつかんでいないでしょうか。

青山区民部長

 以前議会のほうでサウンディング調査を行って、民間活力を活用した運営方法についても検討すべきであるという御意見をいただきました。その当時、私、企画課長をやっておりましたので、サウンディング調査に必要な予算を翌年度に予算計上したということがございますけれども、その後、その調査が行われたかどうかというのは、ちょっと申し訳ありませんがつかんでおりませんで、経済団体に対して何らか意見を聞いたということは、少なくとも私どもは聞いておりませんし、何らか経済団体の意見を聞くとか、あるいは区の案を示すに当たっては、私どもが産業の所管ですので当然私どもが窓口になるべきものだと思っておりますので、その私どもが聞いていないということは、調整は行われていないのではないかというふうに所管としては思っているところでございます。

伊藤委員

 地域の経済団体の人たちは、ここを拠点にして、立地条件も非常にいいですし、新井という中野ブロードウェイを出ますとすぐ旧商工会館があったりして、また地域のまちづくりにもかなり影響してくるんだということで、非常にここは注目されているんですよね、経済団体の人たちは。それに沿って早く、この旧商工会館の建て替えというんでしょうかね、新しく建物にしたいという、そういった動きがあるやにも聞こえているんですよね。その辺の情報というのはしっかりと担当として捉えていかなきゃいけないんだろうと思うし、やっぱり企画部との調整もしっかりとやってもらいたいんですけども、その辺はいかがでしょうか。

青山区民部長

 もし今お話のあったことが事実だとすれば、私どもとしても所管として責任を持って情報収集はしたいと思っておりますし、万が一本来担当である私どもの部分を飛び越えて何らかの調整が行われているのだとすれば、そこは強く抗議をしたいというふうに思います。

伊藤委員

 やっぱり庁内調整というのは非常に大事だと思いますし、所管が企画であるから今企画がやっているんだという、それは分からないことはないんですけども、やっぱり担当としてそういった情報も、ただ待っているだけじゃなくて、やっぱり調整をしていろいろ進めていただければなと思うんですよね。その辺しっかりと取り組んでいただきたいと思いますが、再度いかがでしょうか。

青山区民部長

 ただいま御意見ありましたとおり、特に経営支援機能、それから経済団体の事務所等の関係につきましては、これまで運営してきた所管として責任を持って様々課題、意見等を言っていきたいというふうに思っております。

伊藤委員

 一応ここの旧商工会館、経済団体の拠点として区内経済の活性化につながっていくんだろうと思いますし、私どもも旧商工会館が新しく生まれ変わって、またこの地域の発展の拠点になればなと思っていますのでぜひお願いしたいと思います。要望で結構です。

近藤委員

 先ほど来議論していた中野区基本計画(素案たたき台)などでも、重点プロジェクトにやっぱり環境のことが入ってきたというところですよね。ですけれど、今、中野区で環境の建物が何があるかというと、この39ページの清掃事務所とリサイクル展示室、ここしか今、環境部門が取り扱っている建物はないということでよろしいですよね。

波多江環境課長

 取り扱っているというか、事業を行うために使っている庁舎が3施設ということです。

近藤委員

 今事業を行うために使っているのはここで、現在3施設で、5年後、10年後もこの3施設で行っていくと。新しいほかの建物には、新しく学校ができるのには太陽光を入れていったりとかいろんな環境施策をやっていくけれど、この今の三つのところをやっぱりどうこれから活用していくかって、今までのこの形態でいいのかということをきちっと考えていかないと、環境施策を進めるのに、やっぱり区民が環境について学べるところであったり、いろいろな環境についての発信場所というのを、やっぱりこの三つでいくのでしたら、きちっとこのリサイクル展示室とかをもっと有効活用するとかそうやっていかないと環境活動とか広がりもないですし、そこは前々から言っていますけれど、この三つが環境の拠点と言っちゃおかしいですけれど――なんですから、しっかりと、10年後もこの3施設でやるなら、リサイクル展示室の活用のところをもう少し有効に活用できるようにしていただきたいと思いますけれどいかがですか。

朝井環境部長

 施設の数については、環境部所管についてはこの三つということになりますので、頂いた御意見も踏まえて有効活用に努めていきたいと思っております。

石坂委員

 30ページの歴史民俗資料館のところで、現在1施設、5年後1施設、10年後1施設、展示するところとしては当然といっては当然なんですけども、区民の方から貴重なものなので寄贈しようとしたときに、区の歴史民俗資料館の収蔵スペースのほうの問題で受け取ってもらえない場合があるような話なんかも聞くところではあります。もちろんこうしたものって、何が必要か必要じゃないかとか、何を残すか残さないかという様々な判断がある中で、必要がないものという判断ももちろんあると思うんですけども、必要なものをやはり保存していくということを考えると、やはり一定の収蔵スペースって今後も増えていかざるを得ないかなと思うところでもあります。

 41ページのほうのその他施設というところで未利用施設とか出てくるわけですけども、こうした施設、今後直接区民部の所管ではない形ではありますけども、その他施設の跡地のところで、今後何かしら施設が造られる、そうしたところに複合化施設が入ってくるなどというときに、今回の施設の話の中でも複合化とかといろいろ言われている中で、やはり場合によっては一画を借りて収蔵可能なスペースとかもさらに確保していくとかということを、その跡地管理をしている部署に対して、あるいは今後施設を造るところの部署に対して話合いをしていくとか、働きかけをしていくということなんかも必要になると思うんですけど、その辺って、収蔵スペースに関しては何かしらお考えがあるのかどうか教えてください。

矢澤文化国際交流担当課長

 今、歴史民俗資料館におきまして、いわゆる区民の皆さんから頂いた寄贈の収蔵品ですとかそういったものを管理しているところでございます。他方、やはり年間を通じて多く収蔵をいただいているところでもございますので、委員御指摘のとおり、そういった収蔵スペースの確保に課題があるといったことも認識してございます。今後こういった未利用施設活用のところで、大きくは企画課のほうで取りまとめているところでございますので、所管としましても、今後もそういった収蔵スペースの確保については訴えていきたいと考えております。

石坂委員

 割と今結構いろんなところで、企画のほうが先行して決めてしまってなんて話も聞くところですけど、こうしたことは区民部あるいは担当の課のほうから、しっかりと企画担当や企画部のほうに連携してもらって確保していくようにお願いできればと思います。

 それから63ページの、これも環境になりますけど、清掃事務所・リサイクル展示室の中の清掃事務所やリサイクル展示室、これは清掃事務所、特に1968年ということでかなり古くなっている中で、備考に建替検討とありますが、この建替検討というのは、検討した結果、この2030年までの間に改修・改築というものが入る可能性があるのか、あるいは30年よりも先に向けての検討なのか教えてください。

伊東清掃事務所長

 1968年度ということでございまして、実際1970年3月31日、もうすぐ52年を迎える施設となってございます。この間、耐震補強工事と、あと施設の倉庫防水工事を行ってきてございまして、先ほどありましたように、この10年間については現状のまま行くところでございますけども、後半の5年で、2030年以降の建て替えについて、この期間で検討していくというものでございます。

石坂委員

 その後に向けて検討していくということですね。その一方で、62ページのほうで、5か所地域事務所が挙がっています。もちろん南中野なんかは、かつて南中野地域センター、区民活動センターと一緒だったものが、南部すこやかが出来たときにそっちに入って新しくなったりしました。ほかの4か所は、結構古いところは70年代に出来ているところなどもあり、また、今、区民活動センターとそれ以外のところと併設になっていますけれども、こうした地域事務所に関して、この30年までに対して、野方地域事務所は改修と入っていますけど、それ以外のところに関しては特に建替検討とかって言葉なども入っていない状態なんですけども、これはどういう感じというか、特にこのままずっといくという感じなんでしょうか。

伊藤戸籍住民課長

 地域事務所に関しては、区民活動センターと一緒ということになりますので、それとの改修工事だったりとか建て替えだったりというのを想定してございます。

石坂委員

 であれば、そこも一緒という形で、やはりここでめどをどうするのかということを書き込むべきですし、あと、南中野なんかみたいに、かつては一緒だったのが別になったケースなどもありますので、その辺のスケジュール感とか、あるいは区民活動センターと一緒にやるにしても検討するべきこととかってあると思うんですけども、その辺りはやはり何かしら書き込んでいくべきだと思ったんですけど、そこというのはどうなんでしょうか。

伊藤戸籍住民課長

 鷺宮地域事務所に関しては将来的な計画はございますけれど、それ以外の部分に関しては特に今、計画はございません。鷺宮に関しては、先ほど申しましたように鷺宮小学校を活用して建て替えをして、その中に移転していくというところでございます。

石坂委員

 そうだと思うんですけど、それというのは、ここにやはり書き込むべき事柄であるように思うんですけど、ここはなぜ入っていないか。これはまだ素案たたき台なので、素案にしていくとか、正式なものにしていくときに、そこはしっかりと書き込むべきじゃないかと思うんでいかがでしょうか。

青山区民部長

 先ほど来の委員からの御指摘についても、これは施設計画全体の考え方の話ですのでちょっと御意見として伝えさせていただいて、各施設所管が計画をどのように入れていくべきかという個別の話でもないかと思いますので、担当のほうに伝えさせていただければと思います。

石坂委員

 それから、こちらは特に話に挙がっていないものであると思うんですが、特にやっぱり古い施設で見ていくと、もみじ山文化センター西館、これも1972年でちょうど50年経っていますよね。10年経ったら60年になるわけですけども、こちらというのも動きがないというか、検討も何もしない形で進んでいく形なんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 もみじ山文化センターの本館につきましては、耐用年数がまだまだ27年ということであれなんですけども、委員御指摘のように西館につきましては49年、48年ということで、今後改修の時期を迎えるに当たって、企画とも調整して、素案にするに当たってどういう方向性でいくのかというのは、十分に調整をした上で盛り込んでいきたいというふうに考えております。

石坂委員

 調整いただいて、調整した結果、なるべくこちらのほうに、素案ですとか正式なものになるときに極力盛り込んでいただければと思います。これは要望で結構です。

木村委員

 先ほどもちょっと触れましたけど、今回の区有施設整備計画の大きな特徴としては、施設の更新経費というか、標準化をかなり進めているところが一番大きいかと思います。具体的には小・中学校、区営住宅は建築後70年で建て替えを基本とするというところを踏まえて、24ページにあるように、20年間と40年間、これを標準化して、ちょっと先送りするというところが出ているかと思うんですけど、ちょっとこのグラフの見方についてお伺いしたいんですが、これは各年で数字が出ているじゃないですか、何億円、何億円って。ということは、この年にこれを建て替えるというほぼ内容が入っていると、計画がされているということですか。毎年何億円って出ていますよね、具体的に。これはどうですか。

辻本区民文化国際課長

 数字が入っているということでは、想定はされているということだと認識しております。冒頭申し上げましたとおり、20年間の施設の更新ですとかそういったことも視野に入れて、こういったフレームにつきましては確定しているというふうに聞いております。

木村委員

 今おっしゃったとおり、数字が入っているということは恐らく想定されているかと思うんですね。ここ、言っていいのかどうか分からないですけれども、各所管、今この所管で関わっているところは、歴史民俗資料館とか文化施設四つとか、産業振興センターとか清掃事務所とか、それがこの中に入っているということなんですよね。要は数字の中に。これって把握していますか。

辻本区民文化国際課長

 すみません、詳細な時期につきましては、今、手元に資料を持ち合わせてございません。

木村委員

 資料を持っていないということは、把握はしているということですか。要は、この年にこれを建て替えるという計画がここに入っているというのを承知しているということですか。

辻本区民文化国際課長

 言葉足らずで申し訳ございません。我々としてはそういった資料は持っておりませんので、そういった意味でございます。

木村委員

 だってこれは一番大事な話だから。どの年に何を変えるというのは、企画部では把握していると、計画をつくりましたからね。所管では把握していないということですか。本来は所管も、このデータを見るのであれば、うちの部の建物はどこに入っているかというのを当然関心というか、知らないとおかしいはずですし、そういう情報共有というのはできていないということですか。

辻本区民文化国際課長

 先ほどもちょっと触れたところではございますけども、何年かおきに、一定の時期には改修なども行うという、機械的にその年度を決めているというふうに聞いております。そういった意味では機械的にこの数字を落としているというふうに聞いておりまして、一定のルールに基づいて積算をしているというふうに聞いております。

木村委員

 ということはさっき言ったのとちょっと違って、具体的にこの年にこの施設というふうにまでは落とし込んでいないということですか。どっちですか。

辻本区民文化国際課長

 そのような一定のルールで積算をしたと聞いているんですけども、その内容につきまして資料は持っていないと。

木村委員

 堂々巡りなんですけど、できれば当然それを把握した上で話ができれば一番いいんですけども、本来は多分、この年にこれというのは大体当然把握しているというか、所管も本来は把握すべき――把握しているかもしれないんですけどね。そういうのも分かっているのであればちゃんと答えていただけると思いますいし、先ほど来、委員からもありましたけれども、大体この年にこの建物というのが一番大事な話になってくるでしょうし、あと、ちょっとさっき触れました駆体の建て替えに関しては、小・中学校と区営住宅に関しては70年ということですけども、じゃあほかの建物、今言った建物は60年ということになるんですね、今の基準からすると。これは、今回改めて考え方を示したと思うんですけども、これはずっと変わらないという方針ですか。どういうふうに聞いていますか。

辻本区民文化国際課長

 今、委員御指摘のとおり、23ページに記載のとおり60年ということで我々も聞いているところでございます。今後につきましては、また再度確認をしていきたいと思います。

木村委員

 これは結構大事なところで、理由がその躯体としか書いてないので、なぜその小・中学校と区営住宅だけが70年で、ほかの施設が60年なのかと。今から、もしこの考え方をずっと続けるのであればいいですよ。ただ、例えば5年後とか10年後とか、やっぱりよく調査すると、今の例えば文化施設とかいろんな施設はやはり70年やんなきゃいけないとか、そういうふうに方針がガラリと変わる可能性もある。そういった場合、本来は長寿命化計画で60年もつものを60年もたすようにやる、また70年もつものを70年もつようにするということをしっかりとやんなきゃいけないのに、その方針が大きく変わったらその取組というのは大分変わってくるわけですよね。そういった意味では、この文化施設とか、区民部が所管する施設というのは、今の考えでいくと全て60年で建て替えると、これが本当そのままなのかどうか、それともこれは変わる可能性があるのか。要は躯体の造りで70年にしたというのであれば、これは絶対変わるわけはないんですよね、理由として。じゃなくて、ほかの理由があって、やはり小・中学校の学校の施設の費用というのは大変かかるから、取りあえずこれだけ70年にした。ほかも、もしかしたらいずれどこかで70年にするかもしれない。この考え方って今どっちなんですか。これは躯体で決めたのか、取りあえず小・中学校だけは延ばしたのか、これは何か聞いていますか。

辻本区民文化国際課長

 区営住宅につきましては、公営住宅法施行令というのがあって、それを根拠にしているということでございます。また、小・中学校につきましては文部科学省からそういった通知が出されていて、現在教育委員会におきましては、区立小・中学校の整備計画の改定に向け検討をしているというふうに聞いております。

木村委員

 二つはそういった根拠があると。じゃあほかの区有施設は、そういう根拠がないから60年。根拠がないから、もしかしたら70年になるかもしれない。これはどっちなんですか。

辻本区民文化国際課長

 ちょっと外れるかもしれないんですけども、更新経費の試算につきましては、一般財団法人地域総合整備財団の単価を用いているということでございます。詳細につきましては確認をしたいと存じますけども、これに基づき一定のルールに基づいて積算をしているということで――すみません、繰り返しの御答弁になってしましました。

木村委員

 所管があれなので、もう要望にしますけど、今言ったように、このルールというのがずっと続けるのであれば分かりますと。ほかの区有施設は全部60年でやるんだったら分かります。ただ、突然70年、やっぱり財政的にその標準化、もう一回、すみません、70年にしますということはないようにというか、やるのであれば今のうちに考え方を示すべきであるし、そういったことをちょっと所管に要望していただければと思いますので、よろしくお願いします。

委員長

 他に質疑はありませんか。(「休憩」と呼ぶ者あり)

 委員会を休憩いたします。

 

(午後4時14分)

 

委員長

 委員会を再開いたします。

 

(午後4時20分)

 

 他に質疑はありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告について終了いたします。

 次に、4番、旧中野刑務所正門の取扱いについての報告を求めます。

矢澤文化国際交流担当課長

 それでは、旧中野刑務所正門の取扱いにつきまして御報告いたします。(資料5)

 なお、本件は当委員会のほか、子ども文教委員会におきましても所管分の報告を行う予定でございます。

 旧法務省矯正管区敷地内にある旧中野刑務所正門に係る取扱い方針をまとめましたので報告するものでございます。

 まず、1、経緯についてでございます。前段、中段の内容につきましては、11月の閉会中区民委員会におきまして既に報告している内容ですのでお読み取りいただければと思います。

 後段の2行目、令和2年11月、「旧中野刑務所正門の取扱い方針(案)」を議会報告の上、同月から12月にかけまして、取扱い方針(案)及び平和の森小学校の新校舎整備スケジュールに関し、平和の森小学校の保護者、近隣町会及び近隣住民に対する説明会を実施したところでございます。

 それぞれの説明会に係る開催日時、会場、参加人数と寄せられた主な質問、意見、それに係る区の考え方につきましては、実施結果ということで別紙1から別紙3までまとめてございます。

 簡単に概要を説明いたしますので、まず別紙1を御覧ください。別紙1、平和の森小学校保護者に対する説明会につきましては、11月20日(金曜日)午後6時半から午後8時まで、会場は新井区民活動センターで行い、当日は9名の参加がございました。

 寄せられた主な質問について簡単に説明いたしますと、①新校舎の完成予定時期が令和5年度から令和9年度へ4年遅れるとのことであるが、平成23年度には新校舎が完成する予定であった。保護者や地域は長い期間待たされており、大きな不信感を持っている。その点について重く受け止めてほしいと意見がございました。これに対し、新校舎の整備について、長い期間お待たせしていることは十分に認識しており、申し訳なく考えている。少しでも早期に新校舎の供用が開始できるよう、調整を進めていくとしております。

 あと、②新校舎の建設が遅れ、現在の狭い平和の森小学校で過ごさざるを得ない多くの児童や先生たちが、少しでも快適に過ごせるような対応をしてほしいとの意見がございました。これに対し、学校との連携を密に行いながら、校舎の改修を進めるなど、引き続き環境改善を図っていくとしております。

 そのほか、④のところで、旧中野刑務所正門には文化財的価値があり、残してほしかったので、曳家という手法にせよ保存をする案が出されたことには感謝しているという意見がございました。これに対し、検討の経緯も含めて丁寧に説明し、周知を工夫していくとしております。

 続きまして、別紙2を御覧ください。別紙2、近隣町会(新井西町会・新井南町会)に対する説明会につきましては、11月29日(日曜日)午後1時25分から午後3時5分まで、会場は中野区役所会議室で行い、当日は8名の参加がございました。

 寄せられた主な質問について簡単に説明いたしますと、例えば、⑤正門の曳家先の敷地の価格は幾らか。解体すればその分の経費がかからないのではないかという質問がございました。これに対し、予算上は約13億8,000万円である。敷地全体を取得するため、解体の有無で経費に増減は生じないとしております。

 それから、次ページ、⑦正門のそばで暮らし、正門の前を通って通学していた者にとって、昭和58年の刑務所の取壊しはつらい経験であった。しかし、それにも増して、子どもたちが新しい校舎に通えない状況のほうがつらい。一刻も早く新校舎を整備することを要望するとの意見がございました。これに対しまして、お示しをした正門のスケジュールにつきましては、可能な限り工期の短縮に努め、平和の森小学校新校舎の早期開設につなげていくよう保存を進めていくとしております。

 そのほか、⑨刑務所には囚人と結びついた負のイメージがあるので、すっかり壊してしまい、子どもたちに広い学びの場を提供してほしいとの意見がございました。これに対し、正門には文化財として価値があるという答申が出たことを踏まえまして、また区民にとっても財産になることから、平和の森小学校新校舎における教育環境との両立を図る必要があると考えているとしてございます。

 続きまして、別紙3、近隣住民に対する説明会を御覧ください。こちらにつきましては、12月23日(水曜日)午後7時半から午後9時10分、新井区民活動センターで行い、当日は24名の参加がございました。

 寄せられた主な質問につきましては、例えば、④教育環境のため曳家をするというが、教育環境とは面積のことなのか、あるいは正門があると子どもの教育環境に悪影響を与えるということなのか、詳しく説明してほしいとの意見がございました。それに対し、正門の公開に必要な面積を移転しないまま確保するとなると、望ましい教育環境が確保できなくなる。ここで言う教育環境とは、望ましい学校活動に必要なスペースのことであるとしております。

 それから、こちらは意見でございますけれども、⑪のところで、正門の歴史を語らなくても、そこに在るというだけで、子どもたちがあの門は何だったのだろうかと感じて成長し、自分の考えを周囲に伝えていく。刑務所のあった敷地内に正門を残すという判断に感謝したいと意見がございました。

 そのほか、詳細につきましては別途お読み取りいただければと思います。

 それでは1ページにお戻りいただきまして、2番、取扱いの方針についてでございます。この間、正門の取扱いにつきまして再検討を様々行っていまいりました。その結果としまして、正門の保存及び公開、そして平和の森小学校新校舎における良好な教育環境の確保との両立を図るため、正門は曳家により移築し、旧法務省矯正管区敷地内の西側、道路予定地の西側におきまして保存と公開を行っていくことといたします。

 続いて、2ページ目を御覧ください。3番、保存及び活用についてでございます。正門につきましては、基本計画及び保存活用計画を策定した上で、基本設計・実施設計を経て、旧法務省矯正管区敷地内の西側へ移築、曳家をします。公開及び具体的な活用方法につきましては、保存活用計画策定時に検討してまいります。併せて、図におきましても曳家先をお示ししてございます。

 4番、旧中野刑務所正門と平和の森小学校新校舎の整備スケジュール(予定)と概算経費についてでございます。

 まず、(1)整備スケジュール(予定)についてでございます。こちらにつきましては、前回お示しした取扱い方針案と変更しているところはございませんが、まず曳家についてですが、今の想定ですと、令和3年度は基本計画、保存活用計画の策定でおよそ10か月から12か月、令和4年度は、基本設計でおよそ6か月から10か月、令和5年度は実施設計でおよそ6か月から10か月、令和6年度から令和8年度途中まで曳家関連工事を約30か月行い、令和8年度の途中から公開開始を予定しております。

 続きまして、平和の森小学校新校舎についてでございます。今の想定ですと、令和3年度に基本計画、令和4年度・5年度に基本設計、実施設計、そして令和7年度の途中から新校舎の新築工事を開始しまして、令和9年度の途中から供用開始を予定してございます。

 それから、おめくりいただきまして3ページ、(2)概算経費についてでございます。こちら、①正門移築(曳家)関連工事等、令和3年度から8年度分ということで約4億9,600万円を今のところ概算経費として見込んでございます。②正門公開開始後の経費、こちらは令和8年度以降ということでございますが、1年当たりのランニングコスト、経常経費ということで、1年当たり約100万円ほどを今のところ想定してございます。

 5、今後の予定でございます。令和3年2月に、今、交渉中でございますが、国と旧法務省矯正管区敷地の売買契約の締結、そして令和3年の4月から旧中野刑務所正門にかかる基本計画・保存活用計画の着手をしていく予定でございます。

 御報告は以上でございます。よろしくお願いします。

委員長

 ただいまの報告に対し質疑はありませんか。

伊藤委員

 報告をお伺いいたしましたけども、冒頭に、休憩中だったんですけども、この報告の前に区長が記者会見されたということで、非常に委員会軽視だな、議会軽視だなということを申し添えておきたいと思います。

 それで、平和の森小学校の保護者に対する説明会、それから近隣町会、新井西町会、新井南町会という2町会に対する説明会、それからまた近隣住民に対する説明会と三度説明会をやられておりますけれども、当初予定していた説明会というのは、このように3回行うということで予定されていたんでしょうか、お伺いをいたします。

矢澤文化国際交流担当課長

 当初の案ですと11月に、この区民委員会でもお示ししましたとおり、平和の森小学校保護者向け、それから近隣住民向けということ、二本立てということで予定しておりました。ただ、平和の森小学校保護者説明会を実施したときに、いわゆるこちらの別紙1にも書いてありますけども、保護者向けの説明会だけではなく、地域向けの説明会もやってほしい、そして、いわゆる保育園・幼稚園の保護者に対しても、今後近隣の保育園・幼稚園に通われている子どもはまさに影響が及びますので、そういった方々に対する説明の配慮もしてほしいという意見をいただきました。そういったことも鑑みまして、近隣町会と近隣住民に対する説明会、合わせて計3回、区としては実施したところでございます。

伊藤委員

 そうですよね、当初は2回開催されるということだったんですけれども、3回になったということで、それぞれ参加する方が違うんでしょうかね、同じ方もいたんだと思いますけども。本当は第4回定例会で示すはずだったんですが、このように遅れたということで、いろんな意見が出ておりますけども、平和の森小学校の保護者の皆さんは、とにかく新しい学校を早期に建設してくれという意見が多いですよね。また、近隣町会、2町会に対する説明会の中ではほとんどが、もうこれを解体して、曳家をやめて、5億かけるのもいかがなものかとか、地域ではもう必要ないんだと、早く学校を造ってほしいという意見が多いように伺えます。それから、12月23日に行われた近隣住民に対する説明会では、本当は現地保存が望ましいんでしょうけども、曳家にして残すことを了とするとか、何か見ますと、残すことに賛成だとかという意見が多いんですけども。この人たちに対して、結果的に、取扱い、曳家にして残すんだということの説明というのはされないんでしょうか、どうなんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 今回、取扱い方針を出す前に当たりまして広く、特に近隣住民、平和の森小学校保護者の方を対象としまして説明会、十分に説明を我々としてはしてきたところでございます。また、今回取扱い方針を決定するに当たりましても、何らかの形で、そういった区として取扱いを決めたことに対しての説明はしていく必要があるのではないかというふうに考えてございます。

伊藤委員

 具体的にどのようにしてやられるんですか。区長の記者会見では、そうやって活用方法を検討する予算も組まれたということなんですけれども、そのほかに、やっぱりもう一度集めて説明会をするとかということなんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 今回の取扱い方針のいわゆる周知方法、説明につきましては今後検討していくことといたしますが、やはりまずは区のホームページ等で公開することを前提としながら、今回説明会に参加してくださった皆様に対する説明についても、手段については検討していきたいというふうに考えております。

伊藤委員

 特に2回目にやられた近隣町会の2町会に対しては、非常に区の方針とは違う御意見が多かったので、こういった人たちの声は、意見は、区は無視したとは言わないですけども、反対の方向に行ったということで、非常にこの2町会の方たちはどんな考えを持っているのか、私は非常にその辺も留意しなきゃいけないし、その辺の反対する方々の意見というのを尊重しなきゃいけないなと思うんですけども、その辺はどのように考えていますか。

矢澤文化国際交流担当課長

 特にこの近隣町会に対する説明と近隣住民に対する説明、こちらの2回におきましては、区長も参加して取扱い方針を変更するということで説明をしてきた経緯がございます。一方で、やはりこの2町会におかれましては、区とそぐわない結果ということで、なかなか納得いただけない部分もあるかなとはある一方、私どもとしましては、やはり良好な教育環境の確保――頂いた意見の中で、平和の森小学校の保護者の中では、早く新しい平和の森小学校を開設してほしいという意見のほかに、今の教育環境を改善してほしい、そういった意見も踏まえまして、あと、我々としましては学術的視点、文化財としてこの旧中野刑務所正門を守っていきたい、この2点を両立させるのに曳家という方針を決定したところでございます。より丁寧な説明が今後求められると思いますので、しっかりとその辺りは納得いただけるまでやはり説明をしていきたいというふうに考えております。

伊藤委員

 本当にその2町会の方々の意見というのは私は大切だなと思っていますし、今後の説明はしっかりとしていただきたいのと、この近隣住民という方々の説明会、本当にこの近隣住民の方が多かったのかというのは疑問に思います。要するに刑務所正門が西側に100メートル移るじゃないですか。これは地図を見ても、この西側に100メートル移動された。この道路予定地からの西側というんでしょうね、この近隣の人たちでこの説明会に来た方というのは何人ぐらいいらっしゃったんですか、分かりますか。

矢澤文化国際交流担当課長

 12月23日に開催した近隣住民向けの説明会、24名参加があったわけでございますが、我々としましては、平和の森小学校保護者に対する文書をお出ししたりですとか、ポスターを区のお知らせ掲示板を使って24か所に掲示、それから区のホームページでも周知を重ねてきたところでございます。しかしながら、やはりコロナの影響等もございまして、参加者の内訳としましては、平和の森小学校通学区域内、いわゆる関連する方々が6名、それで区域外――ただ中野区民ではございますけども、区域外の方がそれ以外ということで実態を把握しているとこでございます。

伊藤委員

 近隣の方々というのが本当に何人ぐらいいたのかというのが疑問に思うんですよね。恐らく説明会をしますよって周知するのにポスティングですか、何らかの方法はしたと思うんですけど、その辺はどうなんですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 説明会の周知方法につきましては、平和の森小学校の保護者に対しまして通知文書をお出ししたことと、あとはポスターを区のお知らせ掲示板24か所に掲示しました。それから中野区のホームページでも掲載したところですし、あとは、新井区民活動センターの窓口、私ども文化財の窓口への設置、それから平和の森小学校区域内の保育園・幼稚園の保護者に対しましても、そういった文書を流させていただいたところでございます。

伊藤委員

 じゃあ、1軒1軒個別にチラシか案内か、そういうことはしなかったということですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 やはりポスティングという手段も検討はしましたが、こちらは、すみません、予算上の問題で、やはりどうしても経費と期間がかかってしまうということで、そちらはしておりません。

伊藤委員

 本当に近隣の世帯の方々が、ここに門が来るということを知っているかどうか分からないじゃないですか。急に門が来るよ、びっくりする。急にというか、もう何年間かかかりますけども、そうなった場合、えっと思う方もいらっしゃるんじゃないかなと思うんですよね。その辺の周知なんかもしっかりとね、もしやるんでしたらしていただきたいのと。あと、この経費、正門移築の場合は4億9,600万円かかりますよ、正門公開開始後の経費が年間100万円かかりますよということで記載されておりますけども、この地図を見ますと、学校用地として第4回定例会で議決されて、113億円でしたっけ、議決されて、用地を2月に買うような、そういう記載されていますけども、売買契約は2月にされると。もうこれ、2月ですから、されたんでしょうか。どうなんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 私どもが聞いている限りですと、まだ締結はされていないというふうに伺っております。

伊藤委員

 今月中にされるんだろうと思うんですが、特にこの学校用地として取得されたこの土地に正門が移築されると。これは2町会のときにそういう質問があって、正門の曳家先の土地の価格は幾らか、解体すればその分の経費はかからないのではないかという質問に対して、13億8,000万円、全体113億円のうちの13億円がこの敷地なんだと。そうすると、これは学校用地として取得したのに学校としての用地じゃなくなっちゃいますよね、学校の施設はこの東側になっちゃうんですから。そうすると、やっぱり正門を移築するには土地代も、これは含めなきゃいけないんじゃないかと思うんですけど、その辺どのように考えておりますでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 12月の総務委員会の所管にはなりますけども、こちらの旧法務省矯正管区敷地を取得の議決をしたときは約113億円、そのうちこの西側部分の用地、約1,897平米と聞いておりますけれども、この平米単価を掛けますと約13億8,000万円余りということで伺っております。あくまで、この西側の部分だけではなくて、一括して取得したということで伺っておりますので、そこを全体として学校用地として取得したというふうに聞いております。

伊藤委員

 でも、学校用地として取得したんですけども、今は校庭、仮の校庭で使っていますけれども、実際に移築されたら学校としては使わないでしょう。公園か、都市計画公園になるのかちょっと分かりませんけれども、今後の予定、この土地をどうやって活用していくのかというのも今後検討しなきゃいけないだろうし。そうすると、門を移設するのに土地代が13億8,000万円もかかるんですよということもやっぱり周知しなきゃいけないと思うんですよね。ただ移築する、公開する、5億円かかる、年間100万円かかる、これだけで本当に済むのかな、土地代もこれだけかかっていますよっていうこともやっぱり懸念されると思うんですよね。これから厳しい財政難で、構造改革も進めていかなきゃいけないし、これだけの土地代と経費とをかけてどうのかなというのも、前にも申し上げましたけどもどうでしょうか。部長、どうでしょうか。結局決めたんでしょうけども、その辺いかがでしょうか。

青山区民部長

 この移設を予定しているところの用地の代金でございますけれども、先ほど担当課長のほうから御答弁申し上げましたとおり、全体として学校用地として購入するので予算上は学校用地の取得経費ということになっておりますが、ただ確かにこの部分の用地が、事実上学校の敷地として使えなくなるというか、使わなくなるという形でございますので、事実上の経費としては、この約13億何千万円かの土地代というのも、この正門を保存するための経費の一部になるということではあると思います。そのようなことになりますので、今後どのようにこの場所を整備して保存活用していくかというのは検討させていただきますけれども、私どもとしましても様々財源、特定財源等を得る道がないかというようなことなども探らせていただいて、トータルのコストができるだけ少なくなるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。

伊藤委員

 来年度予算でも、もう活用に向けた検討の費用として2,900万円、3,000万円近くかかるわけですよね。それで曳家だなんだかんだって、その年、その年で、基本計画、基本設計、実施設計などでどんどんかかっていくわけですけれども、先ほどなるべく経費をかけないで、いろんな手法を考えて、補助金なんかも考えているというんですけども、本当にそうやって見込めるのかどうかというのも心配ですし、私どもはこの正門に関しては少し疑問を持っていますし、また今後の、来週から始まる定例会でも、違った形で議論させていただきたいなと思っておりますのでお願いしたいなと思います。

いさ委員

 この間、説明会を3回やったということで、私も皆さんの声を直接聞きたくて、この12月23日のところは空きがあるということをお聞きしたのでお邪魔させていただきました。そこで話を聞かせてもらってよかったなと思ったのは、結局この地域の皆さん、いろんな御意見がある中でも、残してほしいと思い入れのある方はすごくたくさんいらっしゃるというのが実感として分かったのは本当によかったなというふうに思っています。

 その中で幾つか大事な御指摘があったんです。というのは、結局この門の文化的な価値について、区民にもよく知られていないよねという御意見が幾つか出てきたんです。これは僕は大事な指摘だったと思うんです。結局、今この議論をする中では、ここの委員会においては、特にこの3年ぐらいは、専門家の学識の評価が出てきたりする中で、知見というか、ああ、そんなに価値があったんだ、すごいねという議論になっていると思うんですけど、それは区民全体の中で共有されているかというと必ずしもそうではない。それは住民の皆さんの中からそういう声が出ています。やっぱりこれは、区もこれまでの在り方には反省する部分はあったんじゃないかなというふうに思うんです。だからこそなおさら、これから先のこの保存活用というのは大事な話になってくるんじゃないかなというふうに思うんですけど、その御意見の中で、12月23日の6番か、ここがちょっと気になりました。ここでちょっとお伺いしたいんですけど、正門はいつ区の文化財に指定するのかという御意見に対して、現時点では国が所有しているため時期については明言できないというふうな区からの答えがあります。今でもこれは変わっていないということでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 こちらにつきましても、現時点ではやはり国が矯正管区敷地を所有しているため、いわゆる区がいつ文化財指定するのかにつきましては明言することができない状況でございます。

 また、国と売買契約を締結した後に、こういった文化財指定について速やかに検討してまいりたいというふうに考えております。

いさ委員

 分かりましたけど、この計画全体のスケジュールで考えてもなかなか厳しいスケジュールになっている。これをいかに短くしていくかというのが課題だと思うんですね。小学校のことも遅れが出ているわけですから。それを考えたら、何しろ真っ先にやらなきゃいけないのは、区の文化財指定だと思っているんです。それが今あんまりはっきり言えないということであれば、聞き方を変えて、一般的にはどんな流れになっていく、どんなスケジュール感になっていくものなんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 あくまで一般的な文化財指定に至るまでのスケジュールでございますけれども、教育委員会が、いわゆる文化財保護審議会に対しまして文化財の指定に係る諮問をまず行います。それを受けまして、文化財保護審議会のほうを一、二回ほど開催して、文化財としてふさわしいかどうか調査審議した後に答申ということで答えを出して、それを教育委員会に対し答申いたします。それを受けて教育委員会が、区の指定の議決を図るというのが一般的な流れになるのではないかというふうに考えております。

いさ委員

 そのやり取りをするのに、どのぐらいかかるものなんですか。半年、3か月、1年。

矢澤文化国際交流担当課長

 こちらも、あくまで一般的なスケジュールの話にはなりますが、おおよそ二、三か月ほどかかるのではないか、あくまで見込みですけども、考えています。

いさ委員

 一般的にはそのぐらいだということなんですけど、今回急がなければいけない事情もあるということでは、その期間もできることなら縮めていく努力というのが必要かなと思うんです、速やかに区の文化財指定をするためにも。そういったことは検討はできますか。

矢澤文化国際交流担当課長

 こちらのスケジュール短縮につきましては、今後、教育委員会との調整を図りながら検討してまいりたいというふうに思います。

いさ委員

 最後にします。重ねて、速やかに区の文化財指定を行うこと、そのスケジュールをできるだけ短く持っていくことということについては、重ねての要望としておきます。

近藤委員

 この説明の実施結果を読ませていただくと、やっぱり期間が長くて待つのは大変だなということと、お金のことというのは出ているのかなと思います。ちょっと今になって確認させていただきたいんですけれども、この長くなってしまった――今からですから、本当に先が長いなという感じなんですけれども、初めは現地保存だということで始まってしまったんですよね。それは本当に何も確認もしないで始めてしまったというところで、そこから、文化財保護審議会、ここからの答申を受けて始まったんですけれども、この現地保存というのが無理だって判断したのは一番はどこだったんでしたっけ。

矢澤文化国際交流担当課長

 令和元年度から学術調査を基に曳家の技術的可能性についてですとかそういったものを様々調査してきたところでございます。我々の今回方針の変更をする一番の決め手となりましたのは、やはり文化財保護審議会から出された答申、それから教育委員会から出された意見、こちらがやはり主立ったところではなかろうかというふうに考えてございます。

近藤委員

 文化財保護審議会は重要なものだとおっしゃって、それを皆さんが見るためには面積も大きく確保しなきゃならないということをおっしゃったんですよね。それなんかもかなり決め手なんですか、その現地保存できなかったという。

矢澤文化国際交流担当課長

 委員おっしゃるとおり、公開スペースの確保、現地保存のままだと活用という点ではやはり難しくなる。それから、やはり平和の森小学校の教育環境、いわゆるハード的な部分もそうですけれども、そういった教育環境の確保に支障が生じてしまうといった教育委員会からの意見も尊重した上での結果というふうに思ってございます。

近藤委員

 初めの現地保存と言っていたときのスペースから3倍ぐらいの面積を確保することになりましたよね。この3倍ぐらいの面積というのの根拠というのも、この面積を文化財保護審議会が出されてきたんですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 文化財保護審議会答申の中で公開するに当たり必要なスペースということで出されてきたということでございます。こちらにつきましては、法的な根拠といいますか、一定程度その正門が一望できるような環境ということで、従来の現地保存のときのスペースよりも大きく捉えたということで認識してございます。

近藤委員

 数字的なことは、この文化財保護審議会が別に提言してきたわけではないんですよね。

矢澤文化国際交流担当課長

 数字の部分も、この文化財保護審議会の答申を後ほどお読みいただければ、そこに正確な縦何メートル、横何メートルということで記載はしてございます。

近藤委員

 もうきっかり答申には、その面積までも示されて、こうしなさいという形が出ているということなんですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 あくまで文化財保護審議会で出された答申は、確保することが望ましいということでうたっているところでございます。

近藤委員

 これだけの時間をかけて曳家するということと、あと、お金もかなりかかるということはやっぱりちょっと胸が痛い部分があるわけですよ。現地保存でしたらそんなに教育的な環境を脅かすことになるのか、本当にそんなにスペースを取らなきゃいけないのかって、そういうような検討というのはされたんですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 あくまで文化財保護審議会――我々というか文化財保護審議会、それから教育委員会という、それぞれ中立的なところで出された意見ということを、私どもとしてはやはり十分に尊重するに値する案件であるというふうに考えてございます。

近藤委員

 もちろん尊重はするし、この文化財保護審議会がもう絶対重要なものだとおっしゃるから、やっぱり反対の方たちも押し切ってこれを保存していくということなんだと思うんですけれども、今この西側にまちづくり用地だったところを学校用地として取得していくということが決まって、そうなると、今までの学校を、これから決めるんですから、例えばキッズ・プラザや体育館みたいなものをそっち側に建ててという、形が変わって、門のやり方も変われるんじゃないかって、そうすればお金もかからないし、年月もかからないしって、多くの区民が言われている部分もあるんですよ。そういう検討はされたんですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 いわゆる新平和の森小学校のスペースということになりますと、子ども文教委員会の所管のほうの子ども教育施設課のほうで具体的には検討がされたということでございますので、我々としましては、全庁的な調整の中でそういった意見も出たというふうには聞いております。

近藤委員

 もちろんそれは教育委員会が検討されて、どういう学校にするかというのは、慎重に子どもたちの環境をいいのにしていくのは当然のことなんですけれど、でもこの年月やお金のことやいろいろ考えて、そしてこの答申も、今までと状況は違う、そうしたら一番いい案はどこだというところで、この文化財を担当している課長のところで何か話を持っていくということはなかったんですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 もちろん我々としましては、文化財として価値があるというふうに答申でもうたっておりますので、旧中野刑務所正門を残したいということは、現地保存だろうが、曳家であろうが変わりはありません。ただ、やはり教育委員会から出された意見で、平和の森小学校新校における良好な教育環境の確保というところを、いわゆる新校舎を建設するための校地面積及び事業が確保できないということでは適切な教育活動を遂行することが難しくなるといった意見がやはり出されている、こういったいわゆる教育的な視点も鑑みた上での曳家の決定というふうに考えております。

近藤委員

 教育的な視点といっても、土地の面積が広がって、そこに教育的なこととは違うキッズ・プラザみたいなところというのは持っていけるわけじゃないですか。そうすると、工夫して建てれば年月もかからないし、お金的にも一番いいということになるんですけれど、そこら辺は教育委員会がもう絶対駄目というところなんですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 あくまで子ども教育施設課のほうで検討した結果だと、そういった案は、やはり良好な教育環境の確保のためには難しいだろうという話は頂いたところでございます。

委員長

 委員会を休憩いたします。

 

(午後5時00分)

 

委員長

 委員会を再開いたします。

 

(午後5時14分)

 

石坂委員

 今回の御報告ありがとうございます。別紙3の1ページのほうで、「現地性ということを考えると、平和の森小学校を移転し、正門はそのまま現地保存とし、矯正管区敷地を広場にしてはどうか。」という質問があり、区のほうの回答として、「現地性ということは重要だが、教育環境との両立を考えると難しく、刑務所があった敷地内での正門の移動であれば、場所の記憶を留めるという点で許容範囲と考えた。また、矯正管区敷地は学校用地としての取得を国に申請している。」と回答されています。

 中野区文化財保護審議会の令和2年7月30日に出された答申のほうで、建物の四面が目視でき、映像媒体等による撮影が可能であることも必要である。特にこの正面館はこの建築物の価値を象徴している部分であり、これらを勘案すると門の保存と公開のためには、少なくとも周囲東西約41メートル、南北約39メートルの土地確保が望ましいという形で出されていますけども、これはちなみに、この41メートル・39メートルということに関して、文化財保護審議会中の議論として、これ一択だったのか、あるいはほかの選択肢とかもあってこの面積に決まったのか分かれば教えてください。

矢澤文化国際交流担当課長

 文化財保護審議会の議論の中で、こういった建物の四面が目視でき、映像媒体による撮影が可能である、この公開の用地確保につきましては、実際に現地を訪れて、これぐらいのスペースが望ましいのではないかという議論もございました。

石坂委員

 議論があったということなですけれども、ほかに幾つか案があって、これにまとまった感じなんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 細かい数字の調整はしたものの、おおむね周囲東西約41メートル、南北約39メートルで言っていたというふうに把握しております。

石坂委員

 現地保存という方の気持ちも分かるところではあり、また、過去にというか、日付は正確に覚えていないんですが、区議会のほうに陳情が出されたときに否決となった部分、否となった部分、不採択となった部分のところが、取壊しや敷地外への曳家というのは取り除いた形という中で、敷地内での移転という形で曳家という形で考えてくださって、ぎりぎりのところで進めてくださっていると思う中ではあるんですけども、この辺り、改めてこうした声があることを踏まえたときに、区の考え方を示すときに、やはりこの説明だとちょっと丁寧さがどうかなと思うところがあります。やはり文化財保護審議会のほうでどういうふうに話し合われてどういうふうに落ち着いたのかという話だとか、議会の議論とかも含めてしっかりと考え方を示していかないと不十分というか、丁寧さに欠けるような感じがするので、今回はこういう形で意見や質問が出て考え方を示しているわけですけれども、その辺りというのもしっかりと伝え方を考えていただければと思うんですけれども、そこっていかがでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 こういった説明会の場でもそうですし、区民から寄せられた意見の中でも、やはりそういった、そもそもこの門があることは知らなかったとか、そういった意見も通常業務の中で多分に聞いているところでございます。

 今までは矯正管区敷地内にこの門があったということで、なかなか区としても周知することが難しい、そもそも取扱い方針を決めていなかったのでそういったことはできませんでしたけども、やはり区として正式に物になって以降は、こういった区として取扱い方針を決めました。これに至るまでの経緯、そして今後の文化財としての活用については、近隣住民をはじめ中野区民の皆様に対してやはり十分丁寧に説明をしていく義務があるのではないかというふうに考えてございます。

石坂委員

 私もできることなら現地保存がいいけど、もちろんこうした状況の中で、曳家で、取りあえず壊すということはなくしていくということがまず最優先なのかなと思うところではあります。そうしたときにやはり問題なのは経費の部分で、今回の資料の3ページ目のところに概算経費という形で金額が出ています。単純に同じようにいかないとは思うんですけども、同じ文化財という観点でいくと、例えば新宿区なんかですと、ふるさと納税で夏目漱石記念館施設整備基金であるとか、墨田区が北斎美術館に関して寄附を受けたりとかしています。特に墨田の北斎美術館なんかですと、平成26年に寄附をスタートして、令和2年3月31日段階で14億3,175万7,259円の寄附を集めているんですね。もちろん同じようにいかないと思います。北斎美術館と大分違うと思うんですけれども、ただ、ここにある金額、もちろん集まらなければ区のほうで責任持ってやる必要があるわけですけども、方法として、少しでも足しになれば、あるいは場合によってはかなりの金額になるところを一応目指しながら、ふるさと納税、直接担当はこちらじゃないわけですけど、ただ調整をしながら寄附を募るということも併せて行っていくという方法も考えられると思うんですが、そこはいかがでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 旧中野刑務所正門を曳家という形で保存していくに当たり、やはりこれだけの経費がかかるということで何らか、先ほど申し上げましたとおり特定財源というのを、例えば補助金を通じた確保ですとか、そういったことは当然考えなければならないことであると考えております。

 委員おっしゃった、例えばクラウドファンディングの基金の確保ですとか、そういったことは企画課が所管しておるところでございまして、その必要性については企画課のほうで判断するものではございますが、現時点では、私のほうではそういった基金の確保はちょっとなじまないのかなというふうには考えております。

石坂委員

 なじまないと言われてしまうとあれですけれども、やはり少しでも区民の税金での支出の負担を減らしていく、また、このふるさと納税であれば区外の方にも負担していただく。それというのは、やはりこの文化財的価値、それこそ今、区のほうから、今回の近隣町会への説明会の中で、文化財として残す場合に国や都の補助があるのかという話の中で、まずは中野区の文化財に指定してから都、そして国の指定と段階を踏むことになる。仮に都の指定を得られることになれば――仮にという話ではあるんですけども、やはり都とか国の文化財指定を目指すのであれば、それってやっぱり区民の財産というだけではなくて、都民あるいは国民の財産ともなり得るものであるので、そこはやはり気持ちのある方、中野区民に限定せずに幅広く負担していただくということもやはり一つの在り方であると思いますし、最終的に区民部の判断じゃないにしても、区民部のほうから企画等に対して提案をしていく、検討してもらうということも考えていくべきだと思うんですが、そこというのは、なじまないというのはよく分からなかったんですけれども、その辺っていかがなんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 あくまで、なじまないということは、現時点ではこれから企画課と調整していく話になりますので、それ以外の方法でも補助金の確保ですとかそういったことを優先にしながら、一般財源による支出だけではなくて、こういった特定財源の確保は全力で確保していきたいというふうには考えております。

石坂委員

 国の補助も国民の財産ということでもあると思うので、国の補助、都の補助を活用しながら、なるべく一般財源の支出を極力――もちろんそれで足りないからやらないということじゃなくて、やるけれども極力減らしていくという形で、いろいろ検討、様々な形を考えていただければと思いますので、これは要望としておきます。お願いいたします。

森委員

 御報告ありがとうございます。報告の手続についてはいろいろ議論がありましたけれども、議会の都合で本日の委員会日程が変わっていて、議会の都合というのは、これはちょっと誰のせいでもない、致し方ない日程変更だったとは思うんですが、ただそれによって皆さんにちょっと難しい判断を迫っちゃったところはちょっと心苦しく思っているところでもあります。

 また、この説明会の出た意見を見させていただくと、本当に相反するような意見がいろいろある中で決定をしていかないといけない、そして決定したことについて説明責任を果たしていかないといけないということで、大変な中取り組んでいただいていることには感謝したいというふうに思います。

 そうやっていろいろ意見があるんですが、ただ、いろいろ意見がある中でも、子どもたちに良好な学習環境、学校生活を早く送らせてあげたいというのは共通しているんだと思うんです。それに向けての御努力というのは、前回もお伺いしましたけれども、していっていただけるんだろうというふうに期待をしているんですが、ここに書いてあるスケジュールが、ここも地下埋設物があって非常に遅れた経緯もありますよね、この間。今後そういうふうにまた大きく遅れちゃうようなリスク要因というのは、この中にどこかあるんでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 今回の矯正管区敷地の購入が遅れた要因としては、委員おっしゃるとおり地中埋設物、ガラがあったということで遅れたというふうに聞いております。例えば基本計画の段階で、ある程度今の旧中野刑務所正門が曳家に耐え得るかどうか、いわゆる門のコア抜き調査を行う予定ではございますけれども、そこで思ったよりも強度が弱かったとか、あるいは強かったとか、そういったところでの今後のスケジュールの遅れというのは十分に考え得るのかなとは思っております。

森委員

 そういうところを、出てしまったら早めに近隣の方あるいは当該校の保護者の方等々には情報提供をしていって、密なコミュニケーションを取りながら進めていっていただきたいというふうに思いますが、その辺りいかがでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 所管外にはなりますけれども、平和の森小学校の開校の遅れにつきましては、これまで遅れに遅れを重ねたということで聞いているところでございます。今回、この旧中野刑務所正門の取扱いが決定したことに伴って、平和の森小学校保護者の皆さん、近隣住民の皆様、そして何よりも議会の皆様に対しまして、誠意ある対応、説明責任をしっかりと果たすことで、やはりこの門の取扱いについては責任を持っていきたいというふうには考えております。

いさ委員

 聞き漏らしがあったので1点だけ。11月9日だったと思うんですけれども、前のここの区民委員会で取扱い方針(案)というのが示されて議会に報告されて、そこでもんで、それが実際にその(案)が取れて区の方針として決定されたのはいつですか。

矢澤文化国際交流担当課長

 取扱い方針として決定したのは、今年の1月18日でございます。

市川委員

 すぐ終わらせます。1点だけお伺いをさせていただきたいんですが、西側用地に移設をするというところで、先ほど伊藤委員からもお話があったんですが、いわゆる目の前に門が移設してくるということになると思うんですよ。ここの人たちにとっては、それが何年後になるか分かりませんけど、2027年度もしくは2026年度、この辺ではもう毎日その門が目の前に建っていると、日常になっていくわけであります。この人たちに対して、こういうものが来ますと、ここについては工事説明会等々あるんだと思うんですけども、この辺については担当からどういうふうな御説明を、先ほど説明責任というお話もございましたけども、これは極めて丁寧な説明が必要だと思うんですね。これについてはいかがでしょうか。

矢澤文化国際交流担当課長

 この西側用地、ここのところにはやはり幾つか近隣の戸建てがあるというふうに私どもでも把握しているところでございます。説明の方法につきましては、例えば実際にここの所管をしているのは新井西町会でございますので、そこの町会長ともお話をしながら、どういうふうに説明をしていけばよいのか十分に協議を重ねて検討していまいりたいというふうに思っております。

市川委員

 それはぜひお願いをしたいんです。今回、12月、年末、3回に分けて説明会をしていただいたと。それは大変ありがたかったと思うんですが、それに対する先ほど冒頭の休憩中のお話の中にもあったんですが、しっかり今後、そういった決定を下したのであれば、その説明をしっかりしていくべきだろうと。今日、記者会見が先なのか、議会報告が先なのかという、その手続論の話もございましたけども、今回、今日区民委員会でこういう報告がされた後に、しっかり地元に説明をしていく必要があると思います。この地域住民の方の中から、僕もここで育った地元ですから、親しい方から、説明会を行った後に、その日に来た部長からも課長からもお話がないと、誰とは言いませんけれども、そういったことを言われました。これはしっかり、いつまでにやるのか、今は緊急事態宣言中でございますので、いわゆる不要不急な――不要不急とは言いませんけれども、そういった人を密をつくる環境というのは防がなければならない。それが3月7日なのかいつなのか分かりませんけども、それが明けた後にいつまでに行うというのをしっかり示していく必要があると思うんです。これについていかがですか。

青山区民部長

 このたびの区の方針決定の御説明でございますけれども、まず平和の森小学校の保護者の皆さんには、これは教育委員会から学校を通して情報提供と御説明という形になろうかと思います。近隣の皆様には、先ほど担当課長からも申し上げましたとおり、まずはこの二つの町会の町会長さんたちに、私と担当課長のほうで、先日説明会に御出席していただいたことに対するお礼も兼ねて御説明に伺って、その他の町会内のエリアの近隣の方に対する御説明をどのような方法でやっていくかということも御相談させていただいて、早急にやっていきたいというふうに考えております。

市川委員

 この門について、この中でもいろいろ、先ほど森委員の話からもありましたように相反する、本当に両極端な意見が寄せられている中で、本当に二分しているわけです。これはもう感じ方というのは人それぞれ。先ほどお話がありましたけど、文化ということに対しても感じ方は人それぞれなわけです。それぞれの見地に立ってしっかり説明していくということが重要であって、また、先ほどの基本計画を見ても一丁目一番地が多様性なわけですから、それについてはしっかり配慮をしてやっていただくことを要望して終わりたいと思います。

委員長

 他に質疑はありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告について終了いたします。

 次に、5番、令和3年度国民健康保険料率算定の考え方についての報告を求めます。

伊藤保険医療課長

 それでは、令和3年度国民健康保険料率算定の考え方につきまして、資料(資料6)に基づき御報告いたします。

 初めに国民健康保険料率の算定についてでございますが、国民健康保険料率は、平成30年度の制度改革から、東京都が「国民健康保険事業費納付金・標準保険料率」を算定し、区は東京都が算定した納付金を納付するとともに、標準保険料率を参考に保険料率を決定する仕組みに変更いたしましたけれども、このたび東京都から「令和3年度国民健康保険事業納付金・標準保険料率」が示されましたので、中野区の保険料率算定の考え方を御報告いたします。

 なお、こちらの(1)納付金の算定方法についてでございますけれども、こちらにつきましてはこれまでと変更ございませんので、お読み取りをいただきたいと存じます。

 次に、令和3年度国民健康保険事業費納付金でございます。こちら納付金の金額につきましては、中野区で比較したものでございますけれども、令和2年度と令和3年度を比較した表でございます。医療費分と支援金分につきましては減額してございます。介護分については増額してございます。合計額として約6億240万円の減額でございます。

 その理由でございますけれども、ページをおめくりいただきたいと思います。2ページ、被保険者数の比較表でございますけれども、その一般被保険者数の減少により、医療分と支援金分が減額、介護保険を担っている2号被保険者の減少により、1人当たりの負担金額が増加したことにより介護分が増額したといったようなものでございます。

 次に、令和3年度標準保険料率と令和2年度標準保険料率の比較でございますけれども、こちらにつきましては、保険料率の比較及び1人当たりの保険料の比較となってございます。こちらにつきましてはお読み取りいただきたいと思います。

 続きまして、中野区の令和3年度保険料率算定における基本的な考え方でございます。先ほどの3の比較表にございますように、東京都が算定しました令和3年度標準保険料率と中野区の令和2年度の保険料率には所得割で1.41%、均等割額で1万4,981円、1人当たり保険料は2万8,045円の乖離がございます。令和3年度の保険料算定に当たっては、前年度同様、低所得者及び多子世帯の保険料負担に配慮いたしまして、保険料が急激に増加しないよう激変緩和措置を講じながら、段階的に決算補填等目的の法定外繰入金の削減に向けた取組を引き続き進めていまいりたいと考えてございます。

 なお、国保財政健全化計画、こちらにつきましては、平成29年度に策定してございますけれども、国保会計の規模が縮小したこと、達成目標としていた目標収納率と決算収納率の乖離が大きくなっていることから、今年度変更をいたしました。変更点の主な内容としましては、激変緩和措置の期間を、これまでの9年間から3年間延長して12年間に、目標収納率の見直し、それに伴う赤字削減予定額の見直しを行ってございます。後ほど別添の国保財政健全化変更計画書、こちらがその内容になってございますので、お読み取りいただきたいと思います。

 なお、3ページの図でお示ししています激変緩和措置の考え方につきましては、これまでと変更がございませんので、お読み取りをいただきたいと存じます。

 また、4ページに激変緩和のイメージをお示ししてございますけれども、こちらにつきましても、新計画の内容で作ったものでございますのでお読み取りをいただきたいと存じます。

 次に、5ページをお開きいただきたいと思います。こちらにつきましては、モデル世帯別の保険料の前年度比較でございますけれども、四つのモデルを作成してございます。ここの(1)(2)(3)が介護保険料の負担がないモデルということで、保険料の額は減額となってございます。(4)につきましては、2号被保険者がいらっしゃる世帯でございまして、介護保険料があるモデルということになってございます。こちらについては保険料額が増額となります。1人当たりの保険料額で見ますと、4,129円の増額といったような数字になってございます。

 終わりに、今後の予定でございますけれども、第1回定例会で中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例を提案させていただく予定でございます。

 報告は以上でございます。

委員長

 ただいまの報告に対し質疑はありませんか。

いさ委員

 今回、激変緩和というのを従来の9年から12年に変えたということについては評価をしたいなというふうに思います。中野区がこの方針を取るということで、東京都の国保運営方針との関係では何か影響というのはあるんでしょうか。

伊藤保険医療課長

 今回、こちらの計画を変えた内容としましては、3年に一度、東京都の国保の運営方針のほうの変更に伴いまして行ったものでございます。初めの運営方針につきましては、東京都のほうから人口規模に基づいた設定値が示されたものでございますけれども、今回新たに、いわゆる前年度の収納率実績ベースでといったようなところが示されたものですから、今回改定したものでございます。

いさ委員

 そこが考慮されるということになったというのはよかったことだと思うんですけれども、それにしてもその収納率自身を向上させていくということはこれからもやっていくということだと思うんですが、そうは言っても、今後うまくこちらが思ったように上がらないということは当然想像されるわけなんですけれども、もしそうであった場合、今後、赤字解消計画の計画期間、その12年からさらに見直しということはあり得るでしょうか。

伊藤保険医療課長

 今回変えたばかりですので、そういったことは現時点では想定してございませんけれども、ただ、今やはり保険料の収納率が低いというのは、前々からお話させていただいていますように、やはり中野区は若年者層が多いと、それから移動が多いと、外国人の方々、それも若年者層が多いと、そういったところについて対策を十分に取っていって、収納率、収納額を上げていくといったようなところで今のところは御答弁をさせていただきたいと思います。

森委員

 御報告ありがとうございました。一般被保険者数が1年間でかなり落ちている。前年の資料を見ると、前年度比98.1%だったので、なんかガクッと下げ幅は大きくなっているように見えるんですけど、これは今後こういうトレンドになっていくという見込みなんでしょうか。

伊藤保険医療課長

 これにつきましては、当然被保険者の数ということで人口の比率が減っているというところがございますけれども、今年度は、それと併せてコロナ減免というのがございましたので、外国人が戻って、戻ってこられないというのも、それが全てではないんですけど、一つの理由かなというところでは分析しているところでございます。

森委員

 ありがとうございます。それで、いさ委員からもあった激変緩和措置の期間の延長は、多分どこかで必要になるんだろうなと思っていて、ああ、このタイミングでなったかというふうに受け止めているんですが、今後このコロナの影響というのがどういうふうに出るのかなと思っていて、つまり外国人の方に制度の理解からしていただかないといけないからなかなか収納率向上が難しいという中で、コロナで入ってくる外国人の方がいないとなると、そこの割合が減るから全体としては収納率が上がってくるのか、あるいは収入のきつい人が増えちゃって払えないという人たちが出てきてというような影響があるか、今後の見通しについてはどのように見ていますか。

伊藤保険医療課長

 今、外国人の区民の方に関してなんですけれども、かなりベトナム、ネパールの住民の方が増えてきているといったような実態がございます。これは当然国保料だけではなくて、税のほうも同様なのでございますけれども、今そういったところが、例えば今、東中野エリアというのがそういった方々が住んでいるエリア、そこだけではないんですけれども、そういったところをちょっと把握をしましたので、そちらのほうに働きかける、あるいは杉並のほうにネパール人学校というのがございまして、そちらのほう、あるいは飲食店でも働いているというようなところで、例えば具体的に言いますと牛丼屋さんであったりとか、そういったところがどうも多いようなので、近々にそういったところへ働きかけ、町会のほうにも御相談しながらといったようなところで、そういったところを考えているところではございます。そこだけで全て解決するわけではないんですけども、一つひとつ地道に潰していければなと考えてございます。

森委員

 ありがとうございます。特定の地域に外国人の方が多いというような状況も多分あるんだと思うんですね。この間、NHKのドキュメンタリーなんですけど、新大久保の話をやっていたんです。新大久保も御承知のとおり外国籍の方が非常に多くて、ある国の出身の方が、その同じ国の出身の方向けにいろんな支援制度の説明をするというようなところをやっていたら、いろんな国の方が結果としては来たというような話もあって、その外国人同士の助け合いみたいなのもやっぱりあるわけですよね、特定の規模になってくると。なかなか行政だけではアプローチできないようなところも、そういうコミュニティと連携していくことでつながっていける部分もあるんじゃないかなと思うので、そういったところも目を向けていただければと思うんですが、いかがでしょうか。

伊藤保険医療課長

 ただいま委員おっしゃったように、そういったところについては、できるだけ情報を取りながらやっていきたいと考えてございます。

木村委員

 一点だけ伺います。昨年度との比較で被保険者数の比較の話があったんですけども、1人当たりの保険料――保険料という言い方か分からないんですけど、要は令和2年度と、昨年度は平成31年度ですか、この医療費というのは、1人当たりのかかった医療費ですね、それの比較というのはされていますか。

伊藤保険医療課長

 比較してございます。やはり多少上がっているといったようなところでございます。特に介護の部分がやはり上がっているというところで、減少よりも、その上がり部分というんですか、そちらが大きいといったようなところでございます。

木村委員

 介護の部分は除いて、単純に医療というところだけですると、それでも上がっているということですか。

伊藤保険医療課長

 例えばなんですけども、高額療養費なんかを見ますと、金額がやはり上がっているといったようなところでありますので、費用として見ると、やはり昨年に比べると、1人当たりの金額を比較すると多少――数字として今手持ちではございませんけども、そういった形になります。

木村委員

 ちょっと生活保護のほうなんですけれども、比較で。要は今回、今年度コロナの影響で、いわゆる医療扶助というか、そっちのほうが下がっているみたいなんですよね、昨年度と比べて。というのも、コロナの影響で、要はお医者さんに行く人が少なくなっているということもあって、同じような現象が、国保のほうでも1人当たりという意味では影響があったのかどうかというのをちょっと確認したかったんですが、それはどうですか。

伊藤保険医療課長

 医療機関の受診控えというのも確かにあるかとは思いますので、そこについては、すみません、付け加えさせていただきたいと思います。というのは、やはり医療控えもその原因として保険料の金額の算定には影響しているといったようなことでございます。

石坂委員

 資料の見方なんですけども、別添資料の国保財政健全化変更計画書という形で書かれていて、下のほうに年度別の赤字削減予定額って、千円単位で書いてあるものの括弧内のパーセンテージって、これは何なんでしょうか。パーセントとかで数字が入っているべき部分ということではないのか教えてください。

 要は1年次、2年次、3年次、4年次、5年次、6年次という形で書かれている表がありまして、その中にそれぞれ金額で「0千円」とか数字が入っているわけですけれども、括弧でパーセンテージとあって、このパーセンテージが何もないというか、「千円」の横にパーセンテージがついているんですけど、これは何パーセントとかという数字が本来入っているべき箇所ではないかなと思ったんですけれども、これは違うんですか。

伊藤保険医療課長

 すみません、これは東京都と調整して作成して既に完成したものなんですが、そこの部分については特に指摘がなかったものですから、この内容で確定してございます。

石坂委員

 指摘がなかったからいいという話なんですかね。本来これって、何か具体的にパーセンテージを記入すべきであって、逆にそれが分かったほうが本当はこのやり取りともかもしやすいのかなとも思うところでもあったんですけれども、これというのは本来やっぱり入れてもらったほうが、東京都はオーケーでも、委員会資料としては入れていただきたかったなと思うんですけど、今回は配付してしまったんですけど、今後はやっぱりそこは入れていただきたいなと思うんですけど、そこはどうでしょうか。

伊藤保険医療課長

 すみません、その内容については確認しまして、きちっと適正な内容にしたいと考えてございます。

石坂委員

 今回目標の数字を加えられている部分、令和2年度に変更したとかという形にもなっていますけれども、この健全化計画書の中の令和17年度に92.78%を目標としとあります。一方で、激変緩和措置で考えていくときの、3ページの②のところで94.15%の数字を使われています。もちろんこれって根拠が違う形で使っている数字なんですけども、やはりここに出ている94.15%が一つの目安だと思うところで、令和17年度は傾向としてそこまでいかないんでしょうけども、最終的にはこれ以上のところを目指していくところの、その令和17年度は過程であるという理解でよろしいでしょうか。

伊藤保険医療課長

 委員おっしゃるとおり、これは一応この目標に向けて数字として作ってございますので、当然これ以上の数字を目指していきたいと考えてございます。

 一点だけ先ほどの内容なんですけれども、今確認しましたところ、パーセントで出すか金額で出すか、どちらかで出せばいいということでありましたものですからこういった数字を出してございますけど、そこは東京都ともう一度調整をさせていただきたいと思います。

石坂委員

 調整いただくとともに、委員会は委員会資料なので、東京都に出したものをそのまま丸っと出せばいいという話ではないと思うので、やっぱりそこは分かりやすい作り方を工夫していただけばと思いますので、よろしくお願いいたします。

委員長

 他に質疑はありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告について終了いたします。

 次に、6番、中野区産業経済融資における新型コロナウイルス対策緊急応援優遇の実施状況についての報告を求めます。

堀越産業観光課長

 私からは、中野区産業経済融資における新型コロナウイルス対策緊急応援優遇の実施状況について御報告いたします。(資料7)

 中野区では、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によります、区内事業者の経営状況の悪化に対応するため、中野区産業経済融資におきまして、「新型コロナウイルス対策緊急応援優遇」を実施しております。実施状況について御報告をいたします。

 一つ目の利用条件でございますが、事業資金または小規模企業特例資金(中野小口)の利用要件を満たすこと。次に、最近1か月間、あっ旋申込みをする月の前月または前々月の売上高等が、前年同月に比べまして5%以上減少していること。三つ目といたしまして、資金の用途が運転資金のみであること。

 二つ目の利子補給率でございます。こちらは1.9%を補給してございまして、本人負担率は0%でございます。

 受付期間でございますが、令和2年4月1日から令和3年3月31日までとしてございます。

 実績といたしましては、1月22日現在、あっ旋件数が987件、実行件数が853件でございます。

 最後に、融資あっ旋額でございますが、こちら、同じく1月22日現在、総額が117億9,653万円、平均あっ旋額が1,195万円となってございます。

 令和3年度におきましても、事業者におけます利子負担がゼロとなる同様の制度を実施する予定としてございます。

 御報告は以上でございます。

委員長

 ただいまの報告に対し質疑はありませんか。

いさ委員

 手短に聞きます。今のこのコロナの経済的な影響なんですけど、いろいろな見通しがあって、少なくとも三、四年は経済的には難しいとか、それは10年だとかいろんな議論があるんですよね。この中で、この融資の仕組み、7年がその返済の猶予期間だったと思うんです。それを、その期間を迎えてもまだ経済的には立ちいかない、うまくいかない、むしろ悪化しているかもしれないみたいなことは現時点で想定されているかどうか、そのときにどう手当てが考えられるかみたいなことはありますか。

堀越産業観光課長

 委員おっしゃいますように、三、四年程度の影響があるのではないかというふうに報道なり見解が出ているところでございます。その3年後とか7年後の状況については、現状でそこまでの細かい想定というのはしてございませんが、業態や業種にもよると思ってございます。ただ、区といたしましては、今回こういった制度融資の優遇措置を取りましたけれども、そのときの社会状況ですとか、事業者様の状況によりまして、きちんとした相談体制を強化いたしまして、倒産ですとか廃業といったようなことにならないような支援をきめ細かく継続して行っていきたいと思ってございます。

石坂委員

 説明のときに、私、聞き間違えでなければ、この2の利子補給率のところ、1.9%で本人負担率ゼロとなる予定とか見込みでございますとおっしゃったかと思うんですけど、これは確定した数字ですよね。

堀越産業観光課長

 利子補給率の区が支給するのが1.9%ということで、本人負担率がゼロというような内容の現状の状況でございます。

委員長

 委員会を休憩いたします。

 

(午後5時57分)

 

委員長

 委員会を再開いたします。

 

(午後5時58分)

 

石坂委員

 こちら延長となるという話ですが、これは、すみません、現状借りている方が借り続ける場合というのも同じ――要は、これはまた新たに借りる方のみが対象になるのか、今借りている方がまたさらに借りた場合はどうなるのかというのは分かりますでしょうか。

堀越産業観光課長

 委員の御質問は来年度の内容ということで……(「はい」と呼ぶ者あり)予算審議の前ですのであまり詳しくは申し上げにくいところでございますが、基本的には新しく借りる方のことを想定してございます。今借りていらっしゃる方は7年間、最長借りられますので――という状況でございます。

 あと、枠につきましても、その事業者様の状況によりますけれども、また予算審議の中で詳しく御説明差し上げたいと思います。

委員長

 他に質疑はありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告について終了いたします。

 次に、7番、ゼロカーボンシティ宣言の考え方についての報告を求めます。

波多江環境課長

 ゼロカーボンシティ宣言の考え方について御報告させていただきます。

 中野区におけるこれまでの環境負荷低減への取組みです。これまでの経過を記載しておりますが、中野区は住宅が密集した小規模事業者の多い、生活利便性に優れたまちであって、住民の生活や経済活動によるエネルギー消費量や二酸化炭素排出量に関しましては、区全体の5割以上を民生家庭部門が占めているという特色がございます。

 区は、環境負荷の少ない低炭素なまちづくりを進めてきておりますけれども、2019年度には区民1人当たりのごみ排出量が23区で最少となっているなど、区民、事業者のリサイクルへの積極的、効果的な取組によって大きな成果が上がっているところでございます。こうした実績を踏まえながら、地球温暖化防止に向けた普及啓発を通じて、資源を無駄使いしない新たな生活スタイルへの理解を深め、行動変容に結びつくことを区は目指しております。

 今後も地域経済の発展と快適な生活環境の実現を両立させ、エネルギー消費において高効率な建築物への更新を通じ、環境負荷の少ない地域社会を創造していくことが必要であると考えております。

 2番目に、脱炭素社会の実現とゼロカーボンシティ宣言についてです。平成27年の「パリ協定」の中では、世界の気温上昇を1.5度に抑える努力を追求する目標が盛り込まれておりまして、気候変動に関する政府間パネルでも、平成30年には気候変動に関する世界的な影響が公表されるなどの動きがあります。

 国は、そうした気候変動に関する世界的な危機意識の高まりの中で、2050年に二酸化炭素排出量を実質ゼロとする目標を掲げ、自治体にもゼロカーボンシティ宣言を推奨するに至っております。

 環境省では、「第5次環境基本計画」において「持続可能な開発目標」が掲げている環境と経済と社会の統合的向上を具体化するとしておりまして、区では、中野区の環境審議会において、「脱炭素型社会」への推進を重点的に取り組むものとして答申を受け、現在、環境基本計画の改定に向けた検討を進めているところです。

 都市における快適で持続可能な生活環境を次世代に引き継いでいくために、中野区は区、区民、事業者との連携の下、脱炭素社会の推進及び気候変動への適応の課題について果敢に取り組み、2050年に向けてゼロカーボンシティを宣言することとする、これが考え方でございます。

 3、今後のスケジュールですが、3月に区民委員会報告「ゼロカーボンシティ宣言について」の報告をさせていただき、4月に環境基本計画の素案と合わせて意見交換会の実施をし、6月に意見交換会の結果を区民委員会で報告をして、その後パブリック・コメント手続、これも環境基本計画(案)と合わせて実施をしていきたいと考えております。最終的には8月に区民会報告、パブリック・コメント結果報告とともに中野区のゼロカーボンシティ宣言をしたいというふうに考えております。

 報告は以上です。

委員長

 ただいまの報告に対し質疑はありませんか。

石坂委員

 環境基本計画も改定期になっている中でのゼロカーボンシティの宣言をされるという形で、そのゼロカーボンシティの宣言と環境基本計画との関係性、上下の関係とかあるいは同等なのかであるとか、あるいは別々に――例えばですけども、同じような形で、まとまった形で冊子的なものが作られるのかどうかを教えてください。

波多江環境課長

 今般の環境基本計画の改定とともに宣言を盛り込む形での表現で考えてございます。

石坂委員

 この宣言のほうは、環境基本計画のほうは期間があるものですけども、このゼロカーボンシティはゼロになればあれですけれども、同じ冊子に入るけど、ゼロカーボンシティのほうの宣言というのは環境基本計画の期間にとらわれずにずっと続いていく宣言になるという理解でいいでしょうか。

波多江環境課長

 はい、委員おっしゃるとおりです。

いさ委員

 このゼロカーボンシティ宣言をすることで、国から何か支援みたいなことは望めるのでしょうか。何かあるんでしょうか。

波多江環境課長

 国のほうは、ゼロカーボンシティ宣言をした折には、様々な自治体に対してその取組を支援するような予算を既に公表しておりまして、いわゆる自治体の域内で再エネを調達して、その自治体の中でそういった事業化をするような形を取った場合の委託経費などをその自治体に補助するというようなことだったり、幾つかそういう支援をすることをもう既に表明をしております。

伊藤委員

 このゼロカーボンシティ宣言を8月にはされるということでありますけども、宣言をしたからいいというわけじゃなくて、やっぱりどうやって取り組んでいくかが課題になってきますし、区は区民と事業者との連携の下、脱炭素社会の推進及び気候変動への適応の課題について果敢に取り組むということで申し上げているんですけれども、具体的にどうやって取り組んでいくのかが必要だと思うんですね。その辺、今現在考えている構想、どうでしょうか。

波多江環境課長

 具体的なこれからの施策等については、環境基本計画の中で反映をしていくというふうに考えておりますので、確かに宣言をするだけでは不十分という御指摘はもっともですので、第1回定例会中に環境基本計画の素案を、こちらの委員会のほうに報告もさせていただく予定でございますので、ちょっとそれまで具体的にということはまだ申し上げられないところと、まだ検討過程のところもありますので、その素案の報告の中でさせていただきたいと思います。

伊藤委員

 中野区の場合は、半分が家庭内の二酸化炭素排出ということでありますけれども、やっぱり区民の理解が大変必要だと思うんですよね。その辺も含めて積極的に取り組んでいかなければいけない。ただ宣言しただけでは絵に描いた餅で、先ほども言いましたけど、まして重点プロジェクトの取組にも入っているんですから積極的に取り組んでいただきたいと思います。これは要望です。

森委員

 御報告ありがとうございます。基本計画の重点プロジェクトの位置付けから宣言する方向ということで歓迎したいというふうに思っているんですが、これは、手続的には今後のスケジュールのところに書いてあるこの手続を踏まないといけないんですか。宣言をするのに、意見交換会、パブコメ等というのは、これは環境基本計画が同じタイミングであるからやるのか、宣言として必要だということでやるのか、その辺りはどうなんでしょうか。

波多江環境課長

 自治基本条例の中に、宣言をする場合に区民参加の手続等が定められているものですので、第14条の1のところに、区の基本構想及び宣言等の策定または改廃の際には意見交換会やパブリック・コメント手続を経るという記載になってございますので、それにのっとって手続を踏んでいくということでございます。

森委員

 そうすると、宣言の具体的な文面というのはどの辺りで出てくるんですか。

波多江環境課長

 この3月の第1回定例会中に素案と一緒に文案というか宣言文というか、そういったものを報告させていただいてから手続に入っていくという段取りになると思います。

森委員

 それで、ゼロカーボンシティ宣言と別にというか、一緒になっているところもあるみたいなんですけど、気候非常事態宣言をしている自治体もあるじゃないですか。この二つの関係ってどういうものだと理解すればいいのか。

 それから、中野区として気候非常事態宣言をするというところ、これ問題意識は一緒だと思うんですけど、そこのところのお考えがあるのかないのか、その辺りはどうなんでしょうか。

朝井環境部長

 世田谷区は気候変動という形で宣言をしているんですが、環境省のほうの届出としては、あれも一つのゼロカーボンシティ宣言になっている状況なんですね。世田谷区は多摩川の水害など、それがあった時期にそういった気候変動も含めた形での宣言をされたのかなと思いますけれども、中野区の場合は、もちろん水災害についても備えは十分にしていく必要がありますけれども、やはり二酸化炭素を減らしていく、実質ゼロを目指していくというところに重点を置いた形での宣言を現在は考えております。

森委員

 ありがとうございます。

 それから、これを宣言するといろんな補助制度があって、国の補助が受けられたりなんだりってあるじゃないですか。これは8月の宣言ということに今のスケジュールでなっていますよね。そうすると、宣言をしたことを受けてのそういう自治体としてのメリットみたいなところは、それ以降に出てくる。つまり、来年度の予算案は粗々固まっているわけですよね、そろそろ審査に入るところです。補正予算とかでこういうところは年度内に対応していっていただける、それを期待していいものなんでしょうか。

波多江環境課長

 補正を組むような形で、例えばゼロカーボンに向けての具体的な事業を起こしていくというようなことについては、できればいいかもしれないんですけど、ちょっと補助の中身を見ますと、今、最初に申し上げたような気候変動対策の基盤整備事業だとか、人材育成がある程度大きい規模での助成制度なんです、県単位とか都道府県なり、ある程度大きい規模の自治体が手をつけるような事業なのかなというイメージがあるんです。避難所施設の自立・分散型エネルギー設備などの導入推進とかというとことであれば少し考えられるかなという目算も、今のところ少しイメージができるかなと思っているんですけれども、事業者を巻き込んで再エネの電気会社を立ち上げて、そのエリア一帯全部をその電気事業者が再エネに変えるとか、規模が大きいものですので、聞く限り、目線に入れて活用できるようにしていきたいんですけれども、ちょっとそこのレベル感が合わないようなので、勉強して、きちっとできることを構築できれば進めていきたいと思っております。

木村委員

 ちょっとはしょって質問しますけど、ゼロカーボンシティ宣言というのは多分、今、世田谷区と葛飾区がやっているんですかね。特別区区長会のほうでもいろいろ調査研究をされている状況だと思うので、ほかの区も同じような宣言をする動きはあるかと思うんですけども、そういった把握、ほかの区でもやるのか、また宣言するとしたらいつ頃ほかの区は考えているのかという、そういったことは聞いていますか。

波多江環境課長

 今、委員おっしゃったように、葛飾区が既に令和2年2月に宣言して、世田谷区が令和2年10月なんですけれども、課長会で、そういう宣言を独自に自治体がしますかって手挙げをちょっとしてもらったときには、あんまり手が挙がってなかったです。環境基本計画についても、国のそういう計画が、これから計画が変わるという時期にかかっているので、計画自体も後ろ倒しにしている自治体もあったりして、そうなると、その各区の課長さんたちがちょっとおっしゃったのは、何をやるかがきちんとできないうちだとなかなか宣言するのも難しいというのは本音としてはどうもあるようで、私のほうにはゼロカーボンシティ宣言をしますという、その情報は入っていないです、今のところは。

木村委員

 今お話があった国の動向というか、いつ頃そういった国の態度というか数値というんですかね、そういうのが示されるというふうに伺っていますか。

波多江環境課長

 国のほうは、令和3年11月にCOP26が予定されていて、それでIPCCであるとかそういったところから早くその削減目標について引き上げるような形の要求というかされているんですけど、今年の11月ぐらいまでには地球温暖化対策計画を改定するという動きは聞いていますが、いつというのはちょっと教えてもらっていません。

木村委員

 今の話からすると、国の動向が大体今年の11月ぐらいとして、恐らくほかの自治体はそれを見て環境基本計画なりカーボンシティ宣言をするというところなんでしょうけども、うちは多分基本計画が8月ぐらいになるので、それに合わせて、国の動向を見る前にというか、数値目標とか様々な取組を決めなきゃいけない。ただ、ある意味では方向性は出ているので、それに取り組む、野心的なという言い方は変ですけれども、数値をしっかりと入れていくと、国の数値が出る前にという認識でよろしいですか。

波多江環境課長

 はい、おっしゃるとおりで、上位計画ができるというタイミングでもありますので、数字を出すのは、なかなか説得力のある数字になるかどうかはちょっと別としても、区の態度として、区の姿勢として、ゼロカーボンシティの宣言をしていきたいというところでの考え方でやっていこうと思っております。

委員長

 他に質疑はありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告について終了いたします。

 次に、8番、中野区の森林環境譲与税の活用の考え方についての報告を求めます。

波多江環境課長

 中野区の森林環境譲与税の活用の考え方について御報告を申し上げます。(資料9)

 区は令和元年度に「中野区公共建築物等における木材利用推進方針」を定め、国産木材の利用を進めていまいりました。国産木材の利用に当たり、以下の考え方により森林環境譲与税を活用することといたしたいと思います。

 1番目に、森林環境譲与税活用の基本的な事項です。区の施設を新築及び改築する際、内装への木材の利用や木製備品等の整備に活用していく。それから既存施設であっても、備品等の買換え時等に木製備品等の整備に活用をしていきたいと考えております。

 2番目に、森林環境譲与税を活用する施設についてですが、まず1番目、子どもが利用する施設等における活用です。学校施設などの教育施設や子どもを対象とする施設等において、木材を活用することによって環境保全に関する意識を醸成する教育的な効果を高めるとともに木育を推進していきたい。それから(2)で、地域住民に向けた施設における活用です。地域住民向けの施設整備の際にも木材を活用して、利用者の快適性を高めるとともに、森林環境保全の意義を効果的に普及啓発していきたいと考えております。3番目に、中野区の新庁舎など中野区を象徴する施設、多くの区民が利用するエリア等において木材を活用することによって森林環境保全への区の姿勢を示すとともに、幅広い区民への効果的な普及啓発を図っていきたいということでございます。

 3番目に、森林環境譲与税の活用額についてですが、今後の施設整備や備品購入等の計画によるとともに、施設の特性などを勘案し、毎年度の活用額を決定していきたいと考えております。なお、東京都の「公共施設への多摩産材利用促進プロジェクト」による補助制度の活用など、施設整備等に係る財源確保にも努めていくつもりでございます。

 4番目に、参考として「中野区公共建築物等における木材利用推進方針」を添付してございます。

 報告は以上でございます。

委員長

 ただいまの報告に対し質疑はありませんか。

石坂委員

 今回こうした形で多摩産材等々、森林環境譲与税を使って木材を様々な場所に使っていくという話ですけれども、ただ単に使ったというだけではそれで終わってしまうので、やっぱり普及をしていくという意味で、この場所にこう使われているんですよ、これはどういった意義があるんですよ、どういったよさがあるんですよということをしっかりと考えながら打ち出していくことが必要であると思うんですけども、その辺のことは今の段階ではお考えがあるんでしょうか。

波多江環境課長

 令和2年度におきましても、区役所3階のキッズ・スペースのほうで木材を利用することになっております。その折にきちんとした啓発物を壁に掲げるとか、ちょっとそこはまだ決まっていないんですけど、そういうパネルのようなものを貼り出すとかそういったことを考えております。あとは、今後購入する、あるいは整備する施設においても、どういう経緯でこの木材の製品があるとか、木材を使った教室なりなんなりになっているということが分かるような表示をするような形で、今検討をしてございます。

石坂委員

 区で扱っているのを知ってもらうと同時に、その家庭とかでも使ってみようと思っていただくような感じで工夫していただければと思います。これは要望で結構です。お願いします。

木村委員

 東京都の補助制度を活用とありますけども、これは具体的にどういった内容でありますか。

波多江環境課長

 東京都の補助制度の内容ですけれども、平成30年から令和4年度までの5年間の間に、1自治体当たり1,500万円までを上限に、多摩産材の木材を活用した場合に2分の1補助をするということで、1自治体当たり合計で1,500万円までの補助金になっております。ちなみに、令和3年度と4年度にその金額が上がるということを聞いております。限度額が3,000万円まで引き上がるということを聞いております。

木村委員

 ということは、今後結構長期間にわたって補助制度が適用されるという認識だと思うんですけど、大体1年間当たり4,000万円ぐらいでしたっけ、今回の環境譲与税というのは。それを使えるという、年度によって若干違うんでしょうけども、ざっくり言うとそれぐらいの金額というか、使える分というのはあるということでしたっけ。

波多江環境課長

 5年間で1,500万円だったものが使えますよということなので、今、中野区はまだ全然使っておりませんので……(「環境譲与税の話。補助金じゃなくて」と呼ぶ者あり)ごめんなさい。譲与税は令和2年度と3年度が2,700万円入ってきます。4年度と5年度が3,500万円、6年度以降が4,300万円で、ずっと同じ金額が入ってきます。

木村委員

 ということは、補助金はかなり――要は中野区が2,000万円、3,000万円使うとして、それに上乗せされるということは、倍までいかないんですけど、それぐらい活用できるというぐらいの補助金ということになりますか。

波多江環境課長

 5年間で、上限が1,500万円使えます。だから、ならすと300万円ぐらいなので。しかも2分の1補助なのでということなので、施設の規模で考えるとどれくらいのものかはちょっと今すぐには答えられませんが、そんなに大きい金額ではないということです。

木村委員

 すみません、ありがとうございました。ということは、今、中野区が大体森林環境譲与税が年間何千万円入ってくるというのは計画的には分かっているので、東京都から多少上乗せされるといっても、10年単位、20年単位で考えてもそれほど、多少上乗せはあるかもしれないんですけども、区としては年間これぐらい使えるとか、様々計画がつくれるという状況かと思うんですけど、ここの基本的な事項の中で、区の施設を新築及び改築する際に内装への木材の利用とか、木製備品等の整備に活用するとあります。1番に子どもの利用する施設等に活用と書いているんですけども、子どもの主に学校とか様々なものだと思うんですけども、逆に言えば、これは新設及び改築するところにしか、そういった内装の利用とかというのを使わないのか。また、例えば新築も改築もしない学校もしくは施設があるわけじゃないですか、そういったところには、ここにも書いているとおり木製備品等の整備をする。要は、ちゃんと平等に扱いとしてやるような計画なのかどうかというところを確認させていただきたい。

波多江環境課長

 基本的には平等に学校に整備できるようにしたいと考えてはいます。ただ、それが備品の入替え時期などの時期とどんなふうにマッチングするかというところはまだ分からないこともあるし、それから区有施設の整備計画も固まるのがこれからなので、ちょっとまだそこが具体的に全部平等になるんですということは言い切れないですけれど、方向性としてはそういう考えでおります。

木村委員

 最後にします。先ほど言ったとおり、森林環境譲与税というのがずっと続くということであれば、長期間の計画、今言ったように施設整備計画に合わせた部分とか、そうじゃないところはどういった備品を入れるかという話になるかと思うんですけども、恐らく来年度の予算のほうでまずスタートすると思うんですね、どういった取組をするかとか。そういった意味では、さっき言ったように平等というところをちゃんと踏まえた上で来年度の予算というか、幾ら充てるかとか、そういったところがちゃんと積算されて策定というか、来年度予算には入ってくるという認識でいいということですか。

朝井環境部長

 おっしゃるとおり新築のところのみならず備品の入替えなどで、なるべく多くの区民の方に森林環境譲与税で作った木材を使っていただくことが森林保護をPRしていくことの意義になると思っていますので、なるべく多くの施設に使いたいと思っています。そのため、新築であっても、全体を見渡すとそんなにたくさんは使えないという部分も考えつつ配分を決定していきたいというふうに考えております。

委員長

 他に質疑ありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告について終了いたします。

 次に、9番、中野区災害廃棄物処理計画(案)についての報告を求めます。

伊東ごみゼロ推進課長

 それでは、中野区災害廃棄物処理計画(案)について御報告いたします。(資料10)

 本件につきましては、昨年12月の第4回定例会におきまして素案を御報告させていただきまして、その後、意見交換会を実施し、このたび案をまとめましたので御報告するものでございます。

 それでは、まず1番目、意見交換会の実施結果でございます。令和2年12月22日(火曜日)午後7時から8時15分まで行いました。会場は中野区役所でございます。参加者は1名でございました。

 意見交換会で出された意見・質疑と区の見解・回答の概要は別紙別添1のとおりでございますので御覧ください。計画全体の考え方ですとか火災廃棄物の処理対応策ですとか、仮置場の設置運営について様々意見、御質問等ございました。

 計画全体の考え方につきまして、まず1番目でございます。まず御質問につきまして、意見がございまして、発災後に廃棄物の量を確認して「災害廃棄物処理実行計画」を作成するとのことだが、今回策定する「災害廃棄物処理計画」では具体的なフローを定めないのかという質問がございまして、区の見解としましては、具体的なフローは、発災後に定める実行計画において、災害の規模や廃棄物の量に合わせて定める。今回策定する計画は、最大の被害を想定して、発災後に速やかに対応できるよう、平常時から取り組むべき災害協定の締結をはじめ、発災時の各段階の取組などを定めたものであるという回答でございます。

 次に、災害廃棄物処理対応策について、4番目でございますけども、区民の方からは、生ごみは時間が経過すると腐敗が進み、臭気の発生や衛生面での問題がある。清掃工場への搬入が滞るという最悪のケースを発災前から考えてほしい。清掃工場への円滑な搬入が困難で仮置場の公園等から速やかに搬出されない場合、近隣への臭害等の影響を防ぐため、清掃事務所や清掃事務所南中野事業所等に一時的にストックしておくなど、公的な施設のストックを検討してはどうかという意見に対しまして、区の見解としましては、仮置場に搬入された廃棄物は、優先順位をつけて速やかに処理していく予定である。仮に清掃工場が稼働しない場合には、特別区全体で東京都とも連携し、他府県等を含む広域処理が速やかに行われるよう求めていくと回答いたしました。

 続きまして、仮置場の設置・運営等につきまして、5番目を御覧ください。区民にとって一番の関心は、自分自身がどのようにごみを出すのかということである。7か所のがれき置場が指定されているとのことだが、災害廃棄物は誰が持っていくのか。高齢者の独り暮らし等の世帯も多いと思うが、自分で仮置場にごみを出せない方については、区が代わりに搬入することになるのかという御質問に対し、実際の仮置場の設置については、発災後に廃棄物の量を推計して決定する。7か所のがれき置場は地域防災計画で定められているものだが、それだけでは不足が見込まれており、区民の方が自ら直接搬入する応急集積場所については、基本的にはお住まいの近くの公園等のオープンスペースに設置することを想定している。自ら搬入を行うことが難しい方への対応としては、社会福祉協議会とも連携して、ボランティアの方の協力も得られるようにしていきたいというふうに回答してございます。

 それでは、また元の資料にお戻りください。2番目でございます。素案からの変更点でございます。下記2か所、同じ内容でございますが、意見交換会で出された意見等による変更ではございませんが、昨年第4回定例会の素案の御報告の際、木村委員から御指摘頂いた点について追記をさせていただきました。まず、20ページでございます。第1章第8節の2、表の1-12、発災後の時期区分と特徴のところでございます。右側が素案、左側が案でございます。上から三つ目の丸でございます。「○応急集積場所の選定、設置・運営」、こちらについて一時仮置場については記載があるけども、こちらには応急集積場所の記載がないという御指摘に合わせまして、こちらを追記させていただきました。

 続きまして、34ページも同様でございます。上記の表を抜粋した表2-13に、2ページ目でございますけども、同様に「○応急集積場所の選定、設置・運営」を追記させていただきました。

 3番目、この追記を行った後の計画案につきましては、別添2(本冊)のとおりでございますので、後ほど御覧いただければと思います。

 最後、4番目、今後の予定でございます。先週の金曜日、2月5日から既にパブリック・コメント手続の実施をさせていただいております。今月25日までの日程で行ってございます。3月に計画を策定する予定でございます。

 報告は以上でございます。

委員長

 ただいまの報告に対し質疑はありませんか。

石坂委員

 区民の方から頂いた意見の5番目のところのやり取りですね。高齢者の独り暮らし等の世帯も多いと思いますが、自分で仮置場にごみを出せない方については、区が代わりに搬入することになるのかというところの中の回答は、区の見解・回答の中の後段に、自ら搬入を行うことが難しい方への対応としては、社会福祉協議会とも連携して、ボランティアの方の協力も得られるようにしていきたいとあります。現状で、高齢者や障害者の方でごみ集積所に出せない方に関して訪問収集をされているかと思います。訪問収集をされている方のリスト的なものも恐らくあると思うんですが、これというのはこうしたときに活用することができるのかどうか気になったんですけども教えてください。

伊東清掃事務所長

 委員御指摘のとおり、現在高齢の方、障害をお持ちの方、自ら集積所にごみを出せない方について訪問収集を行っていますけども、そういったリストの活用も含めて今後検討していきたいと考えてございます。

石坂委員

 もちろん災害になったときの状態で新たに発生する方もいると思いますけども、日頃から訪問収集を使われている方は、こうした場面で支援が必要な方かなと思われます。もしですけれども、これはボランティアとか社会福祉協議会とも連携する中で、個人情報の問題がもし生じるようであれば、あらかじめそうしたときに情報提供をしてよいのかどうかということの確認も平常時からしておくことが生じるのかなと思ったんですけど、それというのはいかがでしょうか。

伊東ごみゼロ推進課長

 今、委員御指摘の個人情報の取扱いについては、今後検討していきたいというふうに考えてございます。

いさ委員

 過去にちょっとこのことがやり取りがあったか記憶にないので聞くんですけれども、このコロナが感染しているという状況でこういうことが起きるようなケースというのは、ごみ収集というのはかなり気をつけなきゃいけない部分もあるんじゃないかと思うんですが、そういうのというのはこの案には盛り込まれているか、もしくは考慮されているんでしょうか。そういった、別に今回のコロナに限りません。これは克服した先に同様の大きな感染症が拡大している中で災害が起きるみたいなケースというのは想定されていますか。

伊東ごみゼロ推進課長

 そういった場合については、実際に災害が発生した後に実行計画をつくりますので、その中で、その際にこういった感染症が出ているかとか、そういったことを考慮して計画を作っていきたいというふうに考えでございます。

近藤委員

 これは意見交換会を実施したんですけれど、1人の方しかいらっしゃらなかったんですよね。コロナのせいなのか何か分からないですけれども、1人の参加というのは、どういう方というのは言えないのかもしれないですけれど、1人しか来なかったというのはどういう状況だったんですか。1人しか来ないというのはあまりにも寂しいんですけど、どういう状態というかなんというか、説明してください。

伊東ごみゼロ推進課長

 実は第4回定例会で素案を御報告させていただいた後に、区内全域に関わることでございますので、町会連合会の常任理事会に概要版を使いまして御説明させていただきまして、併せて意見交換会の御案内もさせていただいたところでございます。ただ年末ということもあったり、今ありましたコロナの状況もあったり、そういったこともあったのかなということで、結果としては1人の方でございましたけれども、参加された方は廃棄物行政にかなり御熱心といいますか、そういった方でいろいろ意見、御質問があったというところでございます。

近藤委員

 また、このパブリック・コメントももう始まってやっているんですけれど、これも何かたくさんパブリック・コメントが来る感じがちょっとしないんですよね。というのは、この問題が区民に、直接意見をすごく出そうというか、なんか関心度とか、どう出していいかとかが分かりにくい問題なような気がするんですよ。そうすると、一般的なパブリック・コメントを求めるよりも、今、でも町会の方っておっしゃったから、そういうところには意見を聞いているならいいんですけれど、やっぱりリーダーになるようなところの方からの意見を聞いたほうが、区民にパブリック・コメントですよって言っても、この問題というのはなかなか集まらないんじゃないかな、私はちょっとそんな気がして、この区民意見交換会にも1人という状況から見てそんな気がするので、意見をいろいろ聞きたいというなら、やっぱり区民のリーダー的なところに話を伺うとか、そういった意見の聴取がいいのかなってちょっと思うんですけど、その辺はいかがですか。

伊東ごみゼロ推進課長

 確かにこういった計画につきましては、専門的な部分もありますし、なかなかなじみがないといいますか。ただ、被災地に行かれた経験のある方については、かなり詳しかったり、関心があるというところがございますけども、そういった状況で、なかなか区民の方から意見というのは、確かに委員御指摘のとおり難しいのかなということがございますが、肝腎なのは、この計画をつくって、いざ災害が発生したときに、例えばごみ出しの優先順位とか、さっき言ったように仮置場がどういうところにあるとか、その後の処理の方法とか、フローとか、そういったことを事前に、発災前に、平常時から区民の方に周知啓発をするということが大事だと思ってございますので、なかなかパブリック・コメント、意見がどれぐらい来るかちょっと見通しが立ちませんけども、計画をつくった後の区民への周知はしっかり行っていきたいと考えてございます。

近藤委員

 できればせっかくパブリック・コメントとかもやるんですからたくさんの意見が来るといいなと思っていて、もうやり出してしまったことですけど何か工夫ができないかなと思って、ちょっとこの人数が少ないのでは、せっかくやっているので寂しいなという思いなので言ったんですけど。もちろんその後の周知はたくさんしていただきたいし、なるべく多くの人からの意見も、その前に入るようでしたら受けていただきたいなと思って申し上げたんですけど、その辺はいかがですか。

伊東ごみゼロ推進課長

 確かに意見募集の在り方についてはいろいろあると思いますけど、今回、既にパブリック・コメントを実施させていただいておりますので、頂いた意見については、反映できるものは反映してよりよい計画にしていきたいというふうに考えてございます。

木村委員

 以前ちょっと伺ったんですけど、この計画を何年に一度見直すというのは特に明記はされてないんですが、中野区の地域防災計画、3年に1回改定するときに、当然被害想定が変わるとこれも変わるということの話があったと思うんですけども、上位計画として東京都の災害廃棄物処理計画があると思うんですけども、これとの整合性ももちろん取りながらになると思うんですが、それが何年に1回改定されるのかちょっと分からないんですけども、その地域防災計画と別に、やはりこの廃棄物の在り方として、新しい取組というか、やっぱりそういうのも取り組まなきゃいけないと思うんですけども、そういった定期的な見直しというのはあるんですか、その上位計画に定めていればそれでいいんですけども、いかがですか。

伊東ごみゼロ推進課長

 この計画は、ほかの計画のように何年ごとに見直すとかそういったことは明記してございませんけども、今、委員御指摘のように上位計画ですとか、国の指針ですとか、あと今おっしゃった災害関係の廃棄物関係のいろんな制度とか、そういったものが変わったときに合わせて改定できるものは改定して、常に見直しは行っていきたいというふうに考えでございます。

木村委員

 今言ったように、東京都の上位計画というのは、何年に1回改定とかそういった決まりはないということですか、縛りとして。

伊東ごみゼロ推進課長

 私が承知しているところでは何年に1回改定するというところは把握してございません。

委員長

 他に質疑はありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告について終了いたします。

 次に、10番、その他で理事者から何か報告はありますか。

伊藤戸籍住民課長

 私のほうから、コンビニ交付サービスの拡充について口頭にて報告させていただきます。

 今年度、コンビニエンスストアで取得できる証明書の種類を増やすためにコンビニ交付システムの構築を行っていまいりました。このたびシステム構築が終了したことにより、令和3年1月18日(月曜日)より、住民票の写し、印鑑登録証明書に加え課税証明書、納税証明証などの税証明及び戸籍謄抄本、戸籍の附票などの戸籍証明の交付サービスを開始いたしました。

 簡単でございますが、報告は以上でございます。

委員長

 ただいまの報告に対し質疑はありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告について終了いたします。

 他に報告はありますか。

波多江環境課長

 私のほうから、子どもエコ講座について、中止の御報告をさせていただきます。

 本来夏休みに予定しておりました夏休み子どもエコ講座を、2月20日と2月21日に予定をして実施をすることで12月2日に口頭報告させていただいておりましたけれども、緊急事態宣言によって、やはり開催することは難しいと判断いたしまして、子どもエコ講座について、令和2年度に関しましては実施ができないという判断をいたしましたので、口頭にて報告をいたします。

委員長

 ただいまの報告に対し質疑ありませんか。

石坂委員

 今年度は中止ということですけれども、来年度はどうするのかというとき、やっぱりこれはコロナの感染者数が増えやすい時期とかそうでない、割と、発生しているけどもそれほどでもない時期があったりしますし、また場合によってはオンラインのやり方などもあると思うので、来年度また改めて考える際には、いろんな状況を勘案して実施できる方向性を考えていただければと思います。これは一応答弁をお願いできますでしょうか。

波多江環境課長

 私どもも感染対策を十分した上でという前提で令和3年度については考えていきたいと思いますし、また、ウェブで何らか実施ができるような工夫ができれば、ぜひそういった形での実施も想定に入れていきたいと思っております。

委員長

 他に質疑はありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告について終了いたします。

 他に報告はありますか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 以上で所管事項の報告を終了いたします。

 審査日程のその他に入ります。

 委員会を暫時休憩いたします。

 

(午後6時46分)

 

委員長

 委員会を再開いたします。

 

(午後6時47分)

 

 休憩中に御確認いただきましたとおり、次回の委員会は第1回定例会中とし、急を要する案件が生じた場合は正副委員長から招集させていただきたいと思いますが御異議ありませんか。

 

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 御異議ありませんのでそのように決定いたします。

 以上で本日予定していた日程は終了いたしますが、委員、理事者から何か発言はありませんか。(「委員長、休憩してくれる」と呼ぶ者あり)

 委員会を休憩いたします。

 

(午後6時47分)

 

委員長

 委員会を再開いたします。

 

(午後6時48分)

 

 他に委員、理事者から何か発言はありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 では、以上で本日の区民委員会を散会いたします。

 

(午後6時48分)