令和3年03月01日中野区議会予算特別委員会の会議録 1.令和3年(2021年)3月1日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。 1.出席委員(42名) 1番 市 川 しんたろう 2番 竹 村 あきひろ 3番 日 野 たかし 4番 渡 辺 たけし 5番 間 ひとみ 6番 河 合 り な 7番 斉 藤 ゆ り 8番 立 石 り お 9番 羽 鳥 だいすけ 10番 高 橋 かずちか 11番 加 藤 たくま 12番 吉 田 康一郎 13番 木 村 広 一 14番 甲 田 ゆり子 15番 内 野 大三郎 16番 杉 山 司 17番 ひやま 隆 18番 小宮山 たかし 19番 い さ 哲 郎 20番 小 杉 一 男 21番 若 林 しげお 22番 内 川 和 久 23番 いでい 良 輔 24番 小 林 ぜんいち 25番 白 井 ひでふみ 26番 いながき じゅん子 27番 山 本 たかし 28番 中 村 延 子 29番 石 坂 わたる 30番 近 藤 さえ子 31番 浦 野 さとみ 32番 大 内 しんご 33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき 35番 平 山 英 明 36番 南 かつひこ 37番 久 保 り か 38番 森 たかゆき 39番 酒 井 たくや 40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行 1.欠席委員 な し 1.出席説明員 副区長 白土 純 副区長 横山 克人 教育長 入野 貴美子 企画部長 高橋 昭彦 企画課長(企画部参事事務取扱) 石井 大輔 情報システム課長(企画部参事事務取扱) 平田 祐子 基本構想担当課長 永見 英光 財政課長 森 克久 広聴・広報課長 高村 和哉 業務改善課長、ユニバーサルデザイン推進担当課長 藤永 益次 総務部長 海老沢 憲一 危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝瀬 裕之 総務課長、特別定額給付金担当課長 浅川 靖 職員課長、人材育成担当課長 中谷 博 経理課長 吉沢 健一 危機管理課長、新区役所整備課長 中村 洋 防災担当課長 山田 健二 区民部長 青山 敬一郎 文化国際交流担当課長 矢澤 岳 税務課長 矢島 久美子 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 戸辺 眞 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小田 史子 子ども・教育政策課長、学校再編・地域連携担当課長 永田 純一 指導室長 宮崎 宏明 学校教育課長 板垣 淑子 子ども教育施設課長 塚本 剛史 育成活動推進課長 細野 修一 地域支えあい推進部長 鳥井 文哉 地域包括ケア推進担当部長 藤井 多希子 地域活動推進課長 小山 真実 北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長、トータルケア調整担当課長、北部すこやか福祉センター所長 杉本 兼太郎 区民活動推進担当課長 宇田川 直子 地域包括ケア推進課長 高橋 英昭 介護・高齢者支援課長、高齢者支援担当課長 葉山 義彦 鷺宮すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 大場 大輔 健康福祉部長 岩浅 英樹 保健所長、地域医療連携担当課長事務取扱 向山 晴子 生活援護課長、生活保護担当課長 中村 誠 保健企画課長 鈴木 宣広 環境部長 朝井 めぐみ 環境課長 波多江 貴代美 ごみゼロ推進課長、清掃事務所長 伊東 知秀 都市基盤部長 奈良 浩二 公園緑地課長 林 健 交通政策課長 村田 賢佑 住宅課長 池内 明日香 まちづくり推進部長 角 秀行 中野駅周辺まちづくり担当部長 豊川 士朗 まちづくり計画課長 千田 真史 野方以西担当課長 狩野 純一 1.本会の書記は下記のとおりである。 事務局長 長﨑 武史 事務局次長 小堺 充 議事調査担当係長 鳥居 誠 書 記 立川 衛 書 記 若見 元彦 書 記 野村 理志 書 記 鎌形 聡美 書 記 松丸 晃大 書 記 細井 翔太 書 記 有明 健人 書 記 五十嵐 一生 書 記 髙橋 万里 書 記 本多 正篤 1.委員長署名 午前10時00分開議 ○山本委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会いたします。 第6号議案から第10号議案までの計5件を一括して議題に供します。 前回、2月26日(金曜日)の理事会の報告を行います。 初めに、本日の委員会運営についてです。本日の総括質疑の順番は、1番目にいさ哲郎委員、2番目に内川和久委員、3番目に間ひとみ委員、4番目に久保りか委員、5番目に浦野さとみ委員、6番目に若林しげお委員の順で6名の総括質疑を行うことを確認しました。 以上が理事会の報告ですが、質疑はございませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○山本委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようにお願いいたします。 それでは、質疑に入ります。いさ哲郎委員、質疑をどうぞ。 ○いさ委員 おはようございます。週またいで私からまた質問をさせていただきます。ちょっと順番が変わっています。今日は2番の文化芸術の振興についてというところから質問します。 最初に、区内の文化芸術に関わる区民の活動についてお聞きします。この間、区は、文化芸術に関わるアンケートを実施しています。中野区がこうしたアンケートを実施したのは初めてのことで、大いに評価したいと思います。その結果も示唆に富むものでした。実施対象は、区有施設に登録している区民や区内団体とのことですが、このアンケートの中にはどんな声があったでしょうか。 ○矢澤文化国際交流担当課長 昨年度実施しました文化芸術活動実態調査につきましては、幅広い区民や団体の意見を伺い、同様の調査を行っている他自治体との比較等を勘案して調査を行ったものでございます。その中で、文化と芸術の力を生かした子どもたちなどの次世代育成や、まちなかどこでも気軽に文化芸術を鑑賞できる環境づくり、そして市民が主役の文化芸術活動の活性化と支援といったことが、区の文化芸術を振興するに当たり大切であるなどの意見が寄せられたところでございます。 ○いさ委員 そうしたアンケートから何を知ることができたでしょうか。今後そうした区民や団体にはどんな支援が必要と考えているでしょうか。 ○矢澤文化国際交流担当課長 同様の調査を行っている国や東京都などと比較しますと、中野区民は日常的に文化芸術に触れる機会が非常に多いこと、それと同時に、文化に対する意識が高いこともあり、区の文化的環境に満足いただけていない方も多いことが調査を通じて分かったところでございます。本調査の結果を踏まえ、中野区基本計画(素案たたき台)の施策6におきまして、主な取組として、子どもたちが文化芸術に触れる機会の充実や、区民が主役の文化芸術活動の活性化など、今後の方向性を示したところでございます。 ○いさ委員 このアンケートの対象は区内の登録団体、そして登録している区民ということなんですが、しかしながら、中野区で文化芸術に関わっているのは、こうした登録した区民、団体だけではありません。これは区民委員会でも指摘させていただきましたが、区内には多くの劇場やライブハウス、イベントスペースがあります。東中野にはミニシアターもあります。基本構想(素案)や基本計画(素案たたき台)で示される文化芸術の施策には、こういった分野も盛り込まれているのか、改めてお聞きしたいと思います。こういった分野というのは、具体的にはライブ、演劇、映画、ダンス、DJなどを指しています。いかがでしょうか。 ○矢澤文化国際交流担当課長 中野区基本計画は、区が取り組む方向性に沿って必要な政策及び施策を体系的に示しており、区内で活動されていらっしゃる文化芸術の分野を広く含んでいるものであると認識してございます。 ○いさ委員 先ほど担当のほうから施策6の中の話が出てきました。区民が主役の文化芸術活動という言葉も書いてあります。この視点、非常に大事だと思っています。区のアンケートに表れない皆さんも、この施策の主役だということです。 さて、幅広く文化芸術という分野を捉える、そして推進する上で、その取組を支える柱が必要になると考えます。他自治体を見てみると、23区のうち12区で文化芸術を推進するための条例を持っています。23区の中ですから過半数ということです。今、私が質問してきたような登録団体以外のジャンルについても、区として支援、振興していく対象とすることを方針上も明確化する必要があると思っています。中野区としても文化芸術の推進に当たり、他区のような文化芸術の条例制定を検討するべきではないでしょうか。 ○矢澤文化国際交流担当課長 区の文化芸術推進に係る条例につきましては、基本構想・基本計画策定状況を踏まえ、文化芸術に係る区の考え方を整理した上で、条例制定の要否も含めて検討してまいりたいと考えてございます。 ○いさ委員 個人的な思いとしては、現在の区は文化芸術という分野の扱いについて、しっかりした背骨がないのかなというふうにも見えます。区が文化芸術をどう位置付けるのか、その交通整理のためにも、文化芸術分野を民間も含め支援する根拠として、条例は必ず必要になるものと私は思っています。 さて、区は文化芸術を推進するという立場をより明確にはしているわけなんですけれど、この先の文化芸術の振興のためには、現在コロナ禍で苦境に立たされている文化芸術に関わる事業者を支援することが求められています。最初に確認しておきます。憲法25条には、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とあります。人間的な生活というのは、文化的でないといけない。つまり、衣食住だけでは足りませんよというのがこの条文の趣旨かと思います。人はパンのみにて生きるにあらずということです。このコロナ禍で外出が抑制され、必然的に家に籠もらなければいけなくなっているという状況です。当たり前の日常が崩れ、新型コロナ感染症の不安にさいなまれ、知人、友人とも会うことができない、こういう状況は精神的にも非常にきついということなんですが、こういうときに絵を描いたり好きな音楽に没頭したり、人間的な生活を維持するために文化芸術との関わりが大きな意味を持ってくるんだと思いますけれども、担当の認識はいかがでしょうか。 ○矢澤文化国際交流担当課長 文化芸術は老若男女問わず、心の豊かさや創造性を育むものであるとともに、多くの人を引きつける魅力を持っており、人と人とのつながりを強め、また、まちの魅力を高める上で大きな効果を期待できるものと認識してございます。 ○いさ委員 先ほどからも述べていますが、中野区基本構想の素案や中野区基本計画(素案たたき台)の中で、区は文化芸術に関わる方針を示していますが、ここで考えなければいけないのは、区内の文化芸術に関わる区民の活動を守ることと、区内の民間も含めた文化芸術に関わる施設を守ること、具体的にはこの二つだと思っています。最初に伺った登録団体へのアンケートでは、区民活動センターなどを利用しやすくすることが区内団体の要望の柱の一つとなっています。文化芸術活動には場が必要であって、その場の提供に工夫や改善の余地がまだまだあるのかなということだと思います。 では、登録団体ではない文化活動をしている区民にとっての場はどういうところになるのか。次にお聞きしたいのがこの部分になります。例えば、バンドという観点で見ると、区内には100人以上収容できるライブハウスが少なくとも3か所あります。中野駅周辺には音楽の練習スタジオが3か所、機材レンタルやイベントでの音響に関わる事業者は、私が知っているだけでも2事業者あります。これだけ施設、事業者がいるということは、当然それだけバンド活動に関わる区民がいるということです。こういう層が利用するのは区有施設ではありません。バンドが表現の場として利用するのは、ライブハウスや野外ステージです。劇団であれば、劇場か、劇場として利用可能なイベントスペースということになります。こうした文化芸術に関わる民間の施設が区内のどこにどれだけあるか、調査したことはありますか。区は何か数字を持っているでしょうか。 ○矢澤文化国際交流担当課長 区内にあるライブハウスや民間の劇場の実態につきまして、これまで調査を行ったことはございません。 ○いさ委員 劇場で言えば、この四つの劇場が集積した中野三丁目のポケットスクエアが有名ですけれども、それ以外にも独立系の小劇場というのは実は区内に点在しています。ライブを行う店がありますけど、そういう中には飲食店とライブハウス、ライブスペースと半々のような業態もあります。こういうところも駅周辺に数か所あります。フリーで使えるイベントスペースなども含めると、広い意味で文化芸術に関わっている多くの団体、事業者、表現者は既に中野区内至るところに存在するわけです。飲食店の中には店の一部でライブ、DJ、イベント、落語会などをやっているところも多数あり、こういうところも含めると、区が認識できていない文化芸術に関わる場というのも、そういうところを利用する表現者もかなりの数になるということです。 登録団体がなぜ区有施設を使っているかといえば、それが表現の場としてその人たちにはかみ合うからということだと思います。つまり、区有施設ではかみ合わない層があるということです。そういう皆さんが使っている施設、表現の場を支援しないと、ライブや演劇といったジャンルそのものを守ることができません。中野区基本計画(素案たたき台)の施策7では、魅力的な地域資源の発掘・発信ともあります。こうした文化芸術に関わる民間の施設がそうした魅力的な地域資源そのものではないでしょうか。文化芸術を守るという観点から、そうした区内の民間文化芸術施設の実態調査をするべきではないでしょうか。伺います。 ○矢澤文化国際交流担当課長 現時点で、区が把握していない民間文化芸術施設などを対象とした実態調査を行うことは考えておりませんが、実施の要否につきましては引き続き検討してまいりたいと考えてございます。 ○いさ委員 区は、他の事業では民間の活用というものを推進しています。こういう分野こそ民間活用するべきではないでしょうか。区がライブハウスや劇場などを自前でつくるというのはちょっと考えにくいことです。こういうときこそ民間活用すべきだと思います。 民間の施設の実例を紹介します。取材してきた例があります。一つ目はライブハウスA、ここは最大200人収容で、コロナ禍前は月20回、25回のイベントを実施していましたが、昨年、多くて月1回、2回、ゼロ回の月もあったということです。店長さんも雇われなので、今は介護のアルバイトをしながら再起を目指していると、こういう場所です。 もう一つ、イベントスペースのB、ここは客席が24人収容で、主に演劇で利用されているイベントスペース、そのイベントは月に4回ぐらいやっていたそうです。昨年は新型コロナの影響で2月から7月までの予約が全てキャンセルになった。その後もあまり入ってこないということですね。コロナ禍後は密を避けるために収容を最大8人ということで3分の1に抑制したそうですが、8人では興行が成り立たないという理由から、今まで使っていた団体も離れてしまった。今のところは給付金でぎりぎりしのいできたけれど、この春が限界なんだという話を伺ってきました。 こういう状況を放置して、中野区が文化芸術を推進などと計画を進めていいのかということだと思います。まずは区内の文化芸術施設の調査を行い、その上でしかるべき支援を区として検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○矢澤文化国際交流担当課長 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、様々な文化芸術活動が活動の機会の制限を余儀なくされていることは認識しているところでございます。繰り返しの答弁になりますが、現時点で区が把握していない民間文化芸術施設を対象とした実態調査を行うことは考えておりませんが、民間文化芸術施設に対する支援につきましては、国や東京都、他自治体等の動向も踏まえまして、今後も検討してまいりたいと考えております。 ○いさ委員 今、担当は他自治体というお話をされました。文化芸術を守る他の自治体の実例が幾つかあるんですけど、この場で特に紹介したいのは、船橋市まちかど音楽ステージ事業です。これは新型コロナ対策じゃなくて、以前から取り組まれている事業なんですが、この事業というのは、演者を募って船橋駅のコンコースを使ってライブを行うというものです。音響も含めて、全て出演者の持参、自前ということで、現場を管理する委託事業者に委託しているんですけれども、この予算が年間で50万円ぐらいということです。この事業の肝というのは、自治体が地域住民のための表現の場をつくっているということにあると思うんです。要求資料の区民34には、23区の文化芸術支援策が出ています。これ以外にも、調べてみたら全国に実例がありますが、いずれも表現の場を自治体がつくっている、この点では共通しています。民間施設に対して直接補助をするのではなくて、そこで行われるイベントに対して補助をする。こうした手法により表現者側は場所を得る、施設側はイベント開催の機会を得る、双方を同時に支援するということができると思います。中野区が地域資源を活用しながら中野区らしい場をつくる、こうした支援策を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○矢澤文化国際交流担当課長 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、新たな生活様式の下で継続的な文化芸術活動を行うことができる環境を整備する必要があると認識してございます。今後も国や東京都、23区等の動向を踏まえまして、区有施設を活用した文化芸術空間の創出や、新しい生活様式に対応した取り組み、そして区立文化施設の利用に係る効果的な支援の在り方などについて検討してまいりたいと考えてございます。 ○いさ委員 その区有施設に対する支援というところを乗り越えてほしいという気持ちで今質問をしているところです。文化芸術の支援というのは、そうした表現の場の保障にほかなりません。その場についてですが、過去に中高生向けのロックフェスのために区役所前広場を貸し出したことがあります。正式タイトルが中野フレッシュロックフェスティバルですけれども、このイベントは区と教育委員会が後援していたと聞いています。後援の理由は何でしょうか。 ○細野育成活動推進課長 主催者より、区及び教育委員会に後援等名義使用承認申請があり、後援等名義使用基準を満たすものとして承認したものでございます。なお、その基準の内容については、区と教育委員会は同一のものでございます。その承認申請書に添付された事業計画書には、中野区近隣地域の中高生ふれあい及び交流創出、高校生の音楽活動に通じた健全育成、高校生の音楽部演奏による中学生へ向けた啓発活動、中野区における音楽振興、中野区におけるクリーンアップ活動などが趣旨、目的として記されておりました。 ○いさ委員 つまり、中野区と教育委員会が後援したのは、公共性という観点からだったと思うんですよ。つまり、その公共性という概念そのものを適用する範囲というのをもう少し広げれば、現在の区役所前広場を活用する文化芸術イベントを広げることができるんじゃないでしょうか。チャランケ祭など、今でも区役所前広場を使ったイベントは存在しますけれども、そうした既存のイベントも含め、その場所を使いやすくする努力というのもあるかと思います。先ほどのロックフェスについては、音響機材は全て主催者負担とお聞きしました。1回200万円もの負担になるそうです。こういうところを区が支援するということは考えられないでしょうか。音響レンタルや当日の音響スタッフの費用を補助する、その音響は地元事業者に依頼する、こういう支援の仕方もあるかと思います。区役所前広場の活用と支援の拡大、これについては検討できないでしょうか。 ○矢澤文化国際交流担当課長 民間が行う文化芸術イベントにおける区役所前広場の活用につきましては、区の主催または共催事業など公益性が高いと認められる事業に使用許可を出していると聞いてございます。今後もこの基準に従いつつ、区役所前広場で行われる文化芸術イベントにおける支援の在り方について検討してまいりたいと考えてございます。 ○いさ委員 その公益性、公共性という概念を広げましょうよという今提案だったんですけれども、ぜひこれは検討してほしいなと思うんですよ。この間、ライブハウスの老舗である新宿ロフトをはじめとしたロフトグループの社長、加藤梅造さんという方が、とあるインタビュー記事で大事なことをおっしゃっていました。今、文化を守らなければいけない理由について、一つは、文化芸術に関わる事業者の生き死にが関わっているということ、もう一つは、今、文化芸術を失ったら簡単には取り戻せないということです。このロフトが創業した50年前には、ライブハウスという言葉自体なかった。それが今では全国に5,000から6,000のライブハウスがあると言われるまでになったわけです。今、手を打たないでこうしたものを失うと、ライブハウス、劇場、ミニシアターといった文化芸術のこの一定の分野を半世紀というスパンで喪失するかもしれないということです。文化芸術の担い手を守ることは、文化芸術を守ることそのものです。それは人間らしい生活を守ることでもあります。中野区が文化芸術を守る事業に本気で取り組むことを重ねて求めます。これ、要望としておきます。 次に、4番、旧中野刑務所正門について伺います。区はこの間、旧中野刑務所正門の保存について方針を定めました。ここに関わって少しお尋ねします。 最初に、門の保存方針については区はどのような道筋でいつ決定したのか、お聞きします。 ○矢澤文化国際交流担当課長 旧中野刑務所正門の取扱いにつきましては、文化財保護審議会の答申や教育委員会からの意見、さらに説明会での区民の意見などを踏まえて再検討を行ってきたところでございます。その結果、正門の保存及び公開、そして平和の森小学校新校舎における良好な教育環境の確保との両立を図るため、正門を曳家により移築する旨について、令和3年1月18日に区長決定し、先日の常任委員会におきまして報告したところでございます。 ○いさ委員 2020年11月9日の区民委員会で検討案を図った。その後に1月18日に区が方針を決定して、2月4日に記者会見を行ったということですよね。区民委員会には記者会見前の2月2日に報告予定だったものが、新型コロナの影響で1週間ずれて2月9日になった、そういうことです。そもそも、当初は中野区議会第4回定例会で決定するという予定だったはずです。これが1月18日になったのは、地元からの要望で12月に説明会を増やしたからです。対応としては丁寧だったと思います。平和の門を考える会の皆さんにより、今、中野駅ガード下の展示スペースを使って、旧中野刑務所正門の資料展示が都度行われています。こうした取組を区が行っていくことが大事かと考えます。工事の完了を待たず、旧中野刑務所正門について広く区民の皆さんに知っていただく機会を設けてはいかがでしょうか。例えば、歴史民俗資料館に協力してもらって特別展を開催するなど、工事期間においても区民の皆さんの理解を得る努力を続けていくことが重要ではないでしょうか。区の見解はいかがでしょうか。 ○矢澤文化国際交流担当課長 旧中野刑務所正門の保存活用計画策定時に、文化財的価値に基づく管理や環境保全、活用等を検討する予定でございますが、正門に関する効果的な周知の在り方につきましても、併せて検討してまいりたいと考えてございます。 ○いさ委員 それと、この先の見通しについてもお聞きします。第4回定例会での補正予算において、土地の購入について可決しています。現在これ、契約はどうなっているでしょうか。もう済んだんでしょうか。 ○吉沢経理課長 令和3年2月18日に土地売買契約を締結したところでございます。 ○いさ委員 2月18日に契約を結んだということですが、そうなると、遠からずこの支払いを済ませて、晴れて区の所有ということになるかと思います。その先はとにかく区の文化財指定を急ぐことです。改めてこの点の認識を伺います。 ○矢澤文化国際交流担当課長 旧中野刑務所正門の区文化財指定につきましては、旧法務省矯正管区敷地の用地を区が取得した後、速やかに検討してまいりたいと考えてございます。 ○いさ委員 区は旧中野刑務所正門について、保存の前提として文化的な価値、建築物としての価値について大きく取り上げてきました。この立場に立ったことそのものは非常に重要ですが、もう一つ、歴史的な価値があることも忘れてはいけません。旧中野刑務所の前身である豊多摩監獄は、多くの思想犯を収監していた。このことは近代史を知る上で大変重要です。これは単にその地域や中野区の文化資産としての価値だけでなく、この国の歴史を語る上で大きな価値があるということです。言わば、歴史の証人です。この先の保存活用計画策定においては、こうした歴史的価値も大切にして進めてほしいと思います。中野の子どもたちが未来にどんな社会をつくるのか、その道しるべとなる施設として旧中野刑務所正門が活用されることを願って、次の質問に移ります。 5番、無料低額診療についてお尋ねします。 このコロナ禍で職を失い、若い方でも路上に出てしまうケースが増えています。自殺も増えていますけれども、これは経済的な要因が大きなファクターであることは異論がないかと思います。新型コロナ感染症拡大により、区民の生活状況が急速に悪化していることを踏まえ、質問したいと思います。 最初に、社会福祉法第2条で規定される無料低額診療とはどんな制度でしょうか。厚生労動省はどのように説明をしていますか。 ○中村生活援護課長 無料低額診療制度についてお答えいたします。委員おっしゃるとおり、社会福祉法第2条第3項第9号に規定するものでございまして、生計困難者のために無料または低額な料金で診療を行う事業でございます。厚生労働省が都道府県等に宛てた通知では、医療保険や生活保護など各種制度につながりづらい生計困難者について広く対象としているものであり、いわゆるホームレスの方、DV被害者、刑務所から出所した方、外国人、人身取引被害者、災害被害者などを対象とした例があると示してございます。 ○いさ委員 今、担当から説明があったように、広く困窮している皆さんが使える制度が無料低額診療です。無料低額診療の実例について、区内でこの無料低額診療を実施している医療機関から少し聞き取りができたので、紹介します。70代の女性、Aさんのケース。年金額が生活保護基準を少しだけ上回っているという方です。脳梗塞の後遺症で医療にかかっていたけれども、国民健康保険の自己負担2割が苦しいということで来院されました。生活保護基準を上回って、ちょっとでも上回っちゃうと、この医療費の部分が逆に負担が大きくなるということですよね。 80代男性、Bさんのケース。年金なし、アルバイトで月数万円の収入。気管支ぜんそくなどがある方です。後期高齢者医療保険の1割負担も苦しく、無低診で負担ゼロで受診しています。この方の場合は、明らかに生活保護を受けるレベルなんですが、実は、実のお子さんから生活保護は絶対やめろと言われている。こういう方です。こういう方もいらっしゃるということです。 30代男性、Cさんのケース。急な解雇で無保険になってしまった。バイクを使ってウーバーイーツを始めたが、そのバイクが故障してしまった。それで自転車に乗り換えたところ、持病のぜんそくが悪化して働けなくなり、お薬も切れてしまった。で、国保への切替えの手続の中で無低診を紹介されたわけです。国保に切り替えた後も負担が大きい。2割負担ですから、その負担が大きいことから、引き続き無低診で受診をしている。この30代のような方でもこういうケースがあるということです。 皆さんそれぞれ事情があります。そのそれぞれの事情の下で困っています。あの制度、この制度がかちっとはまらないということも間々あります。そうした皆さんの健康を支えるため、無料低額診療の果たす役割がますます大きくなっているということだと思います。 新型コロナウイルス感染症が拡大し、区民生活に大きな影響を及ぼしている状況です。無料低額診療制度はもっと活用されるべきと考えます。そもそも、この制度は区民にあまり知られていないのではないでしょうか。区民の健康を、命を守るためにも、区が広く周知することが必要ではないでしょうか。無料低額診療制度のある他自治体では、自治体ホームページでも積極的に情報を発信しています。先ほどの厚生労動省の通知なんかでも、自治体が積極的に発信することが推奨されているわけです。区報やホームページ、公式ツイッターなどを使い、区内の無料低額診療について積極的に情報を出していくべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○中村生活援護課長 医療費に困る方の多くは生活費にも困っている場合が多いため、要件に合う場合には生活保護をお勧めしております。状況をお聞きした上で、生活保護を利用できない方につきましては、無料低額診療を実施している医療機関を紹介してございます。この無料低額診療制度の運用につきましては東京都の所管でございまして、区ホームページでの周知は今のところ考えてございません。 ○いさ委員 これ、今も私、申し上げたんですけど、実際に実施している自治体のところでは都道府県じゃないところ、市区町村でも自治体のホームページなんかで紹介しているわけなんです。それ、そんなに難しいことじゃないと思うんですね。相談に来た方だけじゃなくて、もうちょっと広く呼びかける。こうした努力、本当に前向きに検討してほしいなというふうに思います。 そして、これは前にも聞いていることなんですが、改めてお尋ねします。この無料低額診療の仕組みには薬局が含まれていません。無料低額診療を実施している医療機関では、無低診の分だけ院内処方に切り替えるというイレギュラーなやり方でしのいでいます。医薬分業の観点からも、医療機関に薬剤をストックする負担を強いるのは正しくありませんし、投薬の説明なども本来薬剤師の仕事ですから、やっぱりこれも医薬分業に逆行します。また、薬袋への記載、お薬手帳への記載なども、医科のところではシステム化されていませんので、事務手続、事務作業としても手間となります。こうした矛盾を解消するには、薬剤部分についても無料とするしか方法はないと思うんです。 例えば、高知県高知市、青森県青森市、沖縄県那覇市、北海道の旭川市などでは、処方箋調剤の部分について、自治体として上乗せして無料低額診療に含める努力をしています。中野区も同様の上乗せを検討すべきではないでしょうか。 ○中村生活援護課長 この無料低額診療制度でございますけれども、繰り返しになるところもございますけれども、国の制度でございまして、運用は都の所管でございます。現在のところ、区として対応することは考えてございません。委員のお話にもございましたとおり、薬の処方が必要な場合には無料低額診療を行っている医療機関が院内処方で対応する例があり、そのように対応していると聞いてございます。 ○いさ委員 今も紹介しましたけれども、実際にそうやっている自治体が存在するということ、それから、医薬分業には逆行するということ、医療機関の負担になるということ、ここらあたりはよく考えてほしいという点だというふうに思っています。これ、国や東京都っておっしゃいますけど、中野区で今、中野区内においても、このコロナ禍で経済的に困窮する方が増えている。そういう方であっても、安心して医療を受けられる体制をつくらなければならないという認識が僕は重要だと思っています。当面は、しばらくの間、新型コロナ感染症と闘わなければいけません。そこもちょっと踏まえてほしいというところです。 それともう1点、これは強調しておきたいんですけれども、昨年の一般質問で、国民健康保険の資格証、短期証について、せめて新型コロナウイルス感染症を克服するまでは発行を見合わせようと、そういうふうに求めました。そのときには、それはしないという答弁でした。であれば、その代わり、代案として、無料低額診療を充実させる必要が出てくるんじゃないかと思うんです。資格証や短期証の方が医療機関への受診が抑制的になるということは以前質問でも述べました。どちらもやらずということでは、国民の命と健康を守れません。区民の命と健康を守れません。区民の命を、区民が誰もが安心して医療を受けられるような努力、区はこの努力を惜しむべきじゃないと思うんです。区民一人ひとりの命を守り抜くという姿勢で、このこと、検討を改めてしていただきたいなと要望としておきます。 以上で全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○山本委員長 以上でいさ委員の質疑を終了いたします。 次に、内川和久委員、質疑をどうぞ。 ○内川委員 自民党3番目です。よろしくお願いいたします。 質問は通告どおりで、3のその他のところで、行政評価を一つ入れていきたいと思います。 質問も一通り出切った感がありまして、他の委員さんとなるべくかぶらないようにしたいと思いますので、取材の段階とは、ちょっとその質問のニュアンスとか内容が少し変わると思いますけれども、臨機応変に答えていただければなと思いますので、よろしくお願いいたします。 それでは、令和3年度予算について聞いていきたいと思います。まず、目標とした20%シーリング、この20%という数字の根拠についてお答えをいただきたいと思います。 ○森財政課長 今お尋ねの20%の削減目標の根拠でございます。新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、令和3年度の予算における一般財源というのはかなり大きく減少が見込まれたというところでございます。漫然と例年どおりに事業を進めていては経費も削減される、基金の枯渇も想定したということでございまして、一般財源の減収の見込み、そこから経常経費の20%削減ということの目標を設定しまして取り組んできたというところでございます。 ○内川委員 その20%という数字の実現性、これに関しては、各部と事前にちょっとヒアリングしたのかなと。調整はしたのかな、そこら辺はどうですか。 ○森財政課長 この設定については企画部のほうで、先ほど申し上げたとおり、一般財源の減収見込みですね。そこから経常経費はどれだけ削減するのかということで調整をして出しておりまして、あと最終的には区長調整で決めているわけでございますが、細かく事前に各部とヒアリングをしていたということはございません。 ○内川委員 発信元は企画部さんということなんですが、企画部としては20%実現、これはできるというふうに考えていたわけですよね。 ○石井企画課長 企画部におきましても、20%というものが示されましたので、業務委託を職員による検討に切り替えるなど、構造改革の短期的取組による事業執行の方法の見直しですとか、事業の休止、廃止、事業の見直し等によって経費削減に努めたところでございます。 ○内川委員 結果、企画部としては11%ぐらいでしたかね。ちょっと確認させてください、削減率。○石井企画課長 企画部といたしまして、基準額が示されたものに対して、要求額ということで出した金額がございます。その基準額と要求額の関係で申しますと、6.2%でございます。 ○内川委員 すいません。大きく勘違いしておりました。実際には6.2%。これは発信元の企画部としては、もう何としてでも20%、この数字というのは実現するべきだったんじゃないですか。 ○石井企画課長 目標に向けてということで削減に取り組んでまいりましたけれども、実際、経常的に行うべき業務もございまして、こういった結果になったものでございます。 ○内川委員 結果として、全体で20%の半分の9%、半分にも及ばなかったということなんですね。これについて、なぜできなかったんですか。企画部として、その理由というのをきちんと検証していますか。 ○森財政課長 構造改革の取組ですとか、また、各部におけます事業執行の方法、事業の見直しと経常経費の削減に努めて、その目標に向けて取り組んできたところではございます。一方で、様々他の例えば産業経済融資等の利子補給ですとか、ごみの回収経費といった経常経費で見たときでも一方で増要因もあったということでございまして、削減の目標は、削減で取り組んできたところでありますが、結果として20%の削減には至らなかったということでございます。 ○内川委員 早い段階から、これ20%って無理なんじゃないかっていう声がちらほら聞かれていたんですね。これ、最初から分かっていたんじゃないですか、無理だっていうことは。そこら辺はどうですか。 ○森財政課長 先ほども申し上げましたが、令和3年度予算においては一般財源が大きく減少する見込みだったということでございます。ですので、経常経費の20%削減ということは目標を掲げ、取り組む必要があったということで予算編成は進めてきたところでございます。 ○内川委員 通り一遍の答えで、本当に何か誠実さというのは伝わってこないなというふうに思うんですね。これ今、大変危機的な状況なんでしょう。もう少し真剣に真面目にこれから取り組んでもらいたいと思うんですけれども。期待させておいてね、結果できない、結果裏切る、こういったことが最近ちょっと散見されるなと思っています。例えば、取崩しを前提としないとした基金も、結果、取崩しになった。それと、令和3年度予算に関しては、構造改革も期待ほどの実績が出ていないのかなというふうに見ています。こういったことを考えると、この令和3年度当初予算、これも、過去に類を見ない削減率というふうに豪語していますけれども、これだけやると言ってできないことが続いていると、行政としての信頼度の低下にもなるし、強いて言えば執行機関の信頼度の低下にもつながると思っているんですよ。そこら辺はいかがですか。 ○森財政課長 目標を掲げまして取組を進めてきたというところでありますが、結果としては9%ということで、今御指摘のとおり半分以下ということであったところではございますが、繰り返しなんですけども、構造改革の取組ですとか、各部の事業見直しによって削減の取組はしてきたということでございます。一般財源の充当の事業費といったところで見れば、昨年度よりも下がっておりますし、予算規模自体は全体で上がっているんですけども、一般財源充当事業費ということは削減、下がっておりますし、一定の取組の成果というものはあったものと考えております。 ○内川委員 一定の取組の成果があったと思うのは、それは区側だけだと思いますよ。私たちはそう思っていないので。 それから、今、予算規模の話がありましたけれども、ここ数年ではどのぐらいのレベルだったのかな、予算規模、令和3年度は。 ○森財政課長 一般会計の予算規模で申し上げますと、1,172億4,100万円ということでございまして、過去最高という規模は令和元年度ですね。おととし、令和元年度の1,521億7,200万円という規模でございました。それに次ぐ、令和3年度の予算の規模というのは、令和元年度に次ぐ規模だと捉えております。 ○内川委員 ここ数年、過去においてもかなり予算規模としては大きくなってしまった。私達も、令和2年度予算よりも少ない額が提示されるのかなと。20%削減すれば必然的にそうなると思っていたんですけども、結果、令和2年度予算よりも上がってしまったということは、やっぱりちょっと残念に思っていまして、こういったことも踏まえて、御担当がさっきおっしゃった一定の効果、これはあったと思いますか、本当に。 ○森財政課長 御指摘のとおり、令和2年度と比較いたしますと、予算規模は増となっているということでございます。こちらは中野駅周辺のまちづくりですとか新庁舎整備など、そういった進行によって増となったわけでございますが、先ほど申し上げたとおり、一般財源を充当した事業、一般財源をどれだけ使ったかといったようなことで申し上げれば、令和2年度と比べれば8億円減となっております。ですので、削減の取組ですね。構造改革にしろ、見直しの取組など、一定のそういった部分については成果があったというふうに捉えているところでございます。 ○内川委員 一定の成果もあったとおっしゃるのであれば、これからの令和3年度、令和4年度、令和5年度、そこら辺の予算をしっかりと、これはもう注視していく必要があるなと思っています。 当面、2030年までは、基準となる一般財源規模は687億円を維持するということでよろしいんですね。確認させてください。 ○森財政課長 現時点においては、その規模を維持していくという想定でおります。 ○内川委員 その現時点においてはという答弁が最近どこでも多いんですよ。2030年までやるんですね。続けるんですね。 ○森財政課長 今後、令和4年度以降、一般財源も微増傾向は一応予測はしておりますが、なかなか経済状況不透明でございます。ですので、687億円は基準となっていくと、基本になっていくということは、そこは想定はしているところでございます。 ○内川委員 令和3年度予算は一般財源の充当事業費は736億円で、もう既に基準とした687億円から49億円超過しています。この歳出超過の状況がいつまで続くのか、いつには改善させたいのか、そこをちょっとお答えください。 ○森財政課長 今おっしゃられたように、歳出超過の状況でございます。当然、安定的に基金に積立てをしていくとか、そういったことも含めて将来的に見ていけば、歳出超過よりも歳入超過のほう、それが望ましいと。当然そういう形の運用をしていく必要があるということで考えております。令和4年度に向けまして、何度も申し上げておりますが、構造改革の取組も進めていくわけでございまして、なるべく歳出超過を歳入超過に変えていくというところでございます。ですので、いつまでというところはなかなか申し上げにくいところではございますが、とにかく歳入超過の状態に近づけていきたいということでございます。 ○内川委員 今後3年間、来年度から3年間は集中的に構造改革を行っていくということです。そうすると、4年後、3年間は集中的に構造改革をやるんですから、4年後からは財政が好転していくのかな、そのように予測はできるんですけれども、それでも、先ほどおっしゃった基準となる一般財源規模、これは変えない、そういった考えでよろしいですか。 ○森財政課長 基準となる一般財源規模については、現時点においては687億円ということで見ていくところでございます。今お話があった構造改革を3年間集中的に取り組んでいって、じゃあ、4年後からは好転するのかといったところでございますが、構造改革を進めるに伴って、歳出削減ということには当然努めていくということでございます。あとは経済の状況はどういうふうになっていくのかといったところもしっかり見定めながら、実際の財政運営はしていく必要があると考えております。 ○内川委員 いつも最後の語尾がちょっと聞き取りづらいので、はっきりちょっと最後まで答えてもらいたい。 義務教育施設整備基金について聞きたいと思っています。たたき台の段階では、前半も後半もたしかゼロだったのかな。これ、森委員も南委員も質問されていましたけれども、この義務教育施設整備基金が急に3億円とか4億円とか積み立てるふうに示されてきたんですが、その金額のお金の出どころをちょっと説明してもらいたいと思います。 ○森財政課長 御指摘のとおり、先日お示しした基本計画の素案たたき台におきましては、義務教育施設整備基金への積立てというのは、定期的な計画的な積立てというのはできていなかったというところでございます。今回お示しした当初予算(案)の概要におきましては、4億円から5億円ということで令和4年度以降の積立てを計画しております。ここの金額の、積立ての考え方なんですが、一応そのベースとしたのは、その該当の施設の減価償却費、当該年度に発生する減価償却費をベースに、それを基本に計算をして、この基金計画のほうに充て込んでいったというところでございます。 ○内川委員 たたき台から急に金額が示されるようになって、そんなに簡単に予算って変えられちゃうのかなと思って、確かにびっくりはしていますよ。で、今御担当がおっしゃった減価償却費をベースに云々という話がありましたけれども、これって新たな考えですよね。これからもそれを踏襲するつもりですか。 ○森財政課長 基金の積立て計画をどう考えていくのかといったところについては、これまでも検討はしてきたところでございます。ここ一つの考え方として、今回当初予算(案)の概要のほうでお示しをさせていただいたところなんですが、減価償却費を毎年毎年一定ずつ積立てをしていくと。当然起債とか国庫支出金とか、あるいは物価の上昇とか、そういったところも考慮はする必要があるんですが、毎年毎年積立てをしていけば、現行施設と同等の施設を更新する、最終的にですね。耐用年数が過ぎて更新するに当たっては、一定額の基金が確保できるだろうといったような考えがございます。ですので、一つ今回の義務教育施設整備基金への積立てについては、そこをベースに考えてきたというところでございます。 ○内川委員 これ、一般質問でも質問しましたけれども、やっぱり計画的に義務教育施設整備基金とか積み立てていくべきだと思うんですよ。先ほど言った発生する見込みの減価償却費、見込みは見込みなので、これは確定のものじゃないんですね。ですから、きちんと計画を持って、毎年決まった額の基金積立てを行ってもらいたい、そのように思っています。 それから、積立ては一定の考え方を持ってという文言があったんですが、一定の考え方って、これは何ですか。 ○森財政課長 一般質問のほうで御答弁させていただきました一定の考え方というのは、今、御説明した、例えば減価償却費をベースに基金の積立額を計画化していくといったような、そういった基金の積立て計画を立てるに当たっても、何らかの根拠なり考え方を持って計画を立てていく必要があるということでのお答えをしたということでございます。 ○内川委員 御答弁を聞いていると、一定の根拠ってなかなかちょっと分かりづらいんですけれども、学校の改築、50年を70年に延ばす。これなんかも文科省の指針ということでしたけれども、急にこのタイミングで中野区として50年を70年に延ばしたその理由って何ですか。 ○塚本子ども教育施設課長 学校施設の改築を70年とした理由でございますが、今後の財政見通しを踏まえまして、学校施設の改築、こちらが単年度に集中してしまうことを避けるために、1年に1校を原則として計画的に改築を進めていくことといたしまして、改築時期についての見直しを行ったものでございます。なお、今後改築が必要となる学校施設のうち、現時点で築50年を既に経過している、そういった学校施設が10校ございます。10年以内に50年を経過する学校がその他9校ある、そういったことなども考慮いたしまして、今後は建築後70年まで、こちらをめどとして計画的に改築を進めていく、そういった考え方でございます。 ○内川委員 財政難を理由に毎年1校しか改築ができない。この70年に延ばしたというのは後からつけた理屈かな、そのようにしか思えないんですね。70年、学校をもたせるということなんですけれども、各学校の耐震、これはもうきちんと調べてあるんですか。 ○塚本子ども教育施設課長 各学校施設につきましては、点検等を毎年行っておりまして、必要な改修等も順次行ってございます。現時点において耐震上、構造上、問題が全てないということを確認してございます。 ○内川委員 大規模な東北大震災レベルの地震が来ても大丈夫だということですね。 ○塚本子ども教育施設課長 はい、大丈夫でございます。 ○内川委員 その言葉、忘れないでほしいなと思います。 それから、先ほどから財政の話が出ていますけれども、これ、構造改革をしっかりやって、財政が好転してきたという場合には、今言った年1校という改築計画を、じゃあ、年2校ぐらいできるかな、もう少しできるか、そういうふうに変更する可能性というのはありますか。 ○塚本子ども教育施設課長 学校の改築時期の見直しということでございますが、現在改定に向けて検討を進めてございます中野区立小中学校施設整備計画、これにつきましては、改定後5年後をめどに、その時点における社会情勢等も反映した上で、必要に応じて学校の改築時期等についての見直しも行っていきたいというふうに考えてございます。 ○内川委員 計画を持ってしっかりとやっていただきたいと思います。 それから、用地特別会計の質問に移りたいと思います。18億円ですよね、用地特別会計。起債ということなんですが、この日銀さんが持っている不動産に関して、オープンスペースという表現が使われているんですが、具体的にどういったことなんでしょうか。 ○狩野野方以西担当課長 現時点で想定しておりますオープンスペースにつきましては、広場などを考えてございます。 ○内川委員 広場ですね。これ、まだ用地特別会計で買ってどういうふうにするかって決まっていないわけですよね。そういう時点での用地特別会計への計上というのは、これは問題ないんですか。 ○森財政課長 用地特別会計でございますが、公用または公共の用に供する土地を円滑に取得しまして、施設整備の促進を図るために設置をしているものでございます。公共用地先行取得債の活用を前提として、10年度以内に事業化するものを計上しているということでございます。今回、当該用地、こちらについては道路用地及びオープンスペースで活用するという想定、予定をしておりまして、それで購入するということでございますので、用地特別会計で計上するということについて、問題があるとは考えていないところでございます。 ○内川委員 将来的に全く利活用について、今の時点で考えていないというわけではないと思うんですね。具体的な利活用の方法をちょっと聞かせてもらえますか。 ○狩野野方以西担当課長 こちらの土地につきましては、補助第227号線の都市計画道路用地及び広場などへの利活用を考えてございます。 ○内川委員 広場というのは公園のことですか。 ○狩野野方以西担当課長 公園も候補の一つでございますが、地域意見も踏まえて、今後検討していきたいと考えてございます。 ○内川委員 道路拡幅に伴う、要するに撤収しなきゃいけない方もいると。それに代わる代替地という考え方はないんですか。 ○狩野野方以西担当課長 もちろん生活再建のための用地としても想定はしておりますが、こちらについても今後検討していくものと考えてございます。 ○内川委員 聞いていると、広場か公園か代替用地、この三つに絞られてきたということでよろしいですね。 ○狩野野方以西担当課長 こちらにつきましては、現時点では広場や生活再建のための用地ということで考えてございます。 ○内川委員 何回聞いても同じ答弁だと思いますので。これ、基本計画重点プロジェクトにおける対応すべき課題として、オープンスペースの確保による防災性向上と地域活性化とあります。今後こういったところを取得するに関して、敷地面積ですとか、都道、区道との接道の関係ですとか、その地域の災害危険度、こういった条件はどのように考えていくんでしょうか。 ○狩野野方以西担当課長 当該不動産周辺の若宮一丁目・二丁目及び三丁目、この地区につきましては、不燃領域率が低い、また木造住宅密集地域に指定されており、災害時において火災による延焼の危険性が高いことから、防災性の向上が求められている地域でございます。当該用地につきましては、このような地域課題を解決するために予算要求を行ったものでございます。 ○内川委員 18億円ぐらいになっていましたかね、これ。それで、今言った防災性向上と地域活性化を兼ね合わせるのであれば、財政状況に関係なく、条件に合うような物件が今後出てきた場合、買うということでよろしいんですね。 ○狩野野方以西担当課長 今後そのような用地が出てきた場合につきましては、例えば形式、形状、利用状況、また地域課題などを踏まえて、個別に検討していきたいと考えてございます。 ○内川委員 当然そうですよね。今回の用地特別会計に上がっているところだけというわけにはいきませんよね。そこら辺、よろしくお願いしたいと思います。 それでは、基本構想・基本計画、区有施設整備計画について聞いていきたいと思います。 一般質問でもしましたけれども、真に必要な区民サービスの実施のためとしていますけれども、いまだにそれがよく分からないんですよ。定義、基準、決定過程など明確な答弁がなかったので、もう一度御答弁をお願いしたいと思います。 ○石井企画課長 今後、構造改革を進めていくということでございますけれども、その中で、やはり区民の命、あるいは財産、それを守るもの、そういったものを最優先に取り組んでいくということでございます。一方で、今後の効率的な行政運営、そういったものを目指しまして、必要なものには投資をしていきますが、一方で効率化を図っていくと、そういったものがこれからの取組でございます。 ○内川委員 必要なものって、人によっても考え方が違うと思うんですね。区側の考え方、議会側の考え方、そこら辺がきちんと示されていないので、なかなかちょっと分かりづらいんですよ。その真に必要な区民サービスを実施するに当たっては、取崩しを前提としない基金を取り崩すことに結果つながってきたのかなと思っています。これは、これも一般質問でやりましたけれども、行政報告のときには、なるべく基金を取り崩さずとしたことと、やっぱり私は矛盾すると思うんですけれども、そこら辺はいかがですか。 ○石井企画課長 基金、特に財政調整基金といったものにつきましては、年度間調整といった意味合いもございます。やはり行政として継続していくという中で必要な財源を確保していく。そうした中では基金を活用するという考えを持っているところでございます。 ○内川委員 基金の取崩しを前提としないという行政報告にはやっぱり期待はしたんですよ。でも、結果できませんでした。先ほども言いましたけれども、やると言って、結果できませんでした。そういったことが続くと、やはり信頼性の低下につながっていくと思うんです。そこら辺、御担当としてはどうなんですか。 ○石井企画課長 やはり財政規律を確保していくということはまずは非常に重要なことだと考えております。そのような中でも行政を継続していく。この中で我々が真に必要なサービス、これを提供していく中で信頼を得ていきたいと考えております。 ○内川委員 次の質問をちょっと飛ばして、政策体系の話なんですけれども、政策体系は目的と手段の関係で成り立つと過去に区長も答弁しております。基本計画の冒頭には、基本計画、これはまだ素案たたき台なんですけれども、これを開くと、現行の10か年計画では区長のコメントが載っているんですね。それが載る予定でよろしいですか。 ○永見基本構想担当課長 基本計画の冒頭の区長のコメントということでございますけれども、計画の策定後、実際に冊子を印刷する際には、そういった内容を付して作成するという考えでございます。 ○内川委員 先ほど言った真に必要な区民サービスとは何か、そこら辺のことを明確に、最初に見開きのところに区長のコメントとして載せてほしいな、そのように思っています。それから、ちょっと質問を飛ばしますね。2019年6月付の「政策決定過程の公表について」によると、政策企画会議の構成は、区長、副区長、企画及び総務部長、必要に応じて他の部長、課長を呼ぶことができるとしております。所掌事項として、基本構想・基本計画に関することとあります。その政策決定過程の公表内容には、いつやったか、日時、議題、担当部署、事案の概要、主な意見、今後の方向性、そして結論とあります。例えば、今回、曳家に関する方針決定内容は、これに基づいて区のホームページに公表されたのかどうか、それをちょっとお聞きしたいと思います。 ○石井企画課長 政策企画会議で旧中野刑務所の正門の曳家についての内容でございますが、これは区のホームページに掲載しているところでございます。 ○内川委員 先週、御担当と取材をやったときにはまだこれはアップされていなかったんですよね。聞いたら、先週の金曜日に慌ててアップしたということなんですけれども、これ、指摘をされたからアップしたのか忘れていたのか、それはどうなんですか。 ○石井企画課長 政策企画会議が開かれましたのが1月14日でございます。基本的には会議の開催後1か月までに公表するということになっておりまして、また、ただし区議会の報告を含む場合は、議会の公表後ということでございます。本来でしたら、やはり速やかに公表するといったことをすべきだったと考えておりますし、議会の報告後に速やかに掲示する必要があったというふうに思っております。実際ちょっと事務が遅れたということでございまして、そのような事態となったところでございます。 ○内川委員 先週の金曜日にアップされたということで、私も区のホームページをちょっと見てみたんですけど、なかなか今のところまでたどり着けないんですよね。できれば本当にトップページのお知らせぐらいのところにあってもいいのかな、そのように思いました。 それから、ちょっと曳家の話題になってしまうんですけれども、曳家、この方針を決定したというのは、いわゆる区長のリーダーシップなのか、それともトップダウンだったのか、そこら辺のことをちょっと聞きたいと思いますけど。 ○石井企画課長 この刑務所の正門については、区の考えで進めてきたということでございます。様々その経緯があって、最終的には曳家にするということでございました。最終的には区長の判断ということで、こういった決定をしたということでございます。 ○内川委員 最終的には区長の判断ということなんですけれども、区長さんとしては、区民の声を聞く、よくおっしゃっております。説明会を何回かやっていただいたんですが、そこで曳家にしてくれ、そういった意見が多かったんですか。調査をしろと言ったんだよ。 ○矢澤文化国際交流担当課長 旧中野刑務所正門の取扱いにつきまして、令和2年11月と12月に計3回説明会を行いました。その中におきまして、正門を残してほしかったので、曳家という手法にせよ、保存するという案が出されたことに感謝するといった声はございました。 ○内川委員 何件ぐらいあったんですか、そういった声。 ○矢澤文化国際交流担当課長 11月20日の平和の森小学校保護者説明会で1件と、12月23日の近隣住民説明会で1件、それぞれございました。 ○内川委員 合計2件。それで、ほとんど大多数の意見というのは、現地保存とか除却だったんじゃないんですか。 ○矢澤文化国際交流担当課長 11月20日の平和の森小学校保護者説明会におきましては、いわゆる、今の平和の森小学校の環境をよくしてほしいという意見、それから12月23日の近隣住民説明会におきましては、なぜ曳家にするんだという理由説明、それから、戻ってしまいますけれども、11月29日の近隣町会向けの説明会につきましては、平和の森小学校を何とか整備するために門は要らないという、そういった声はございました。 ○内川委員 結果、区長さんのリーダーシップというよりは、トップダウンだったのかな、そのように私は思っています。対話の区政を進めるとありますので、これは実行できていないな、そのように私は考えています。 次に、重点プロジェクトに関して聞きたいんですが、活力ある持続可能なまちの実現、これは議会からの意見を踏まえた上で後から追加をされたと。骨子の段階で入っていなかったことも理解できないんですが、これを、重点プロジェクトを二つから三つ追加したことによって、基本構想や区有施設整備計画への直接の影響はないということなんですが、それでよろしいですね。 ○永見基本構想担当課長 重点プロジェクトにつきましては、政策・施策を効果的かつ効率的に推進していくために、組織横断的かつ重点的に対応していくために設定したものでございます。組織、人員体制や予算の計上、そういったところにつきましては、重点プロジェクトの実現に向けまして、関連部による推進会議を設置して、効果的かつ効率的な事業展開について協議を進めていくという考えでございますけれども、現時点で重点プロジェクトに設定したことによる財政フレームへの影響を想定してございません。 ○内川委員 財政フレームのことを言っているんじゃなくて、例えば地域包括ケアの推進、これも重点プロジェクトになっていますよね。それは担当の部長さんを置いているんですよ。じゃあ、この活力ある持続可能なまちの実現、これはどういった組織体制でやっていくのか。今までのままなのか、そこら辺ちょっと教えてもらえますか。 ○永見基本構想担当課長 こちらにつきましては、組織といいますか、関連する部が参加する推進会議というものを設置いたしまして、その推進会議の中で効率的かつ効果的な展開について協議をしながら進行していくと、そのような考えでございます。 ○内川委員 特に企画部さんにとっては重要な案件がもう随分山積しちゃっていて、中野区基本構想・基本計画、区有施設整備計画、さらにそこに構造改革も加わってきて、きちんとその間の調整ができているのかな、ちょっと不安に思います。 それから区有施設整備計画、これ、素案たたき台のときには調整中、検討中となっているところが多かったんですが、これは今定例会中にしっかりと示されるんですね。 ○石井企画課長 今定例会中にお示しする区有施設整備計画の素案におきまして、計画期間に改築工事に着手する小・中学校の改築時期、児童館の具体的な配置についてはお示ししたいと考えております。 ○内川委員 児童館の具体的な配置、これは最終的に9館残すという方針ですが、その9館全部、具体的な名前が出るんですね。 ○石井企画課長 素案たたき台におきまして、5年後の展開ということでお示ししていたところでございます。素案のたたき台の時点では、立地、築年数、規模などを総合的に勘案して検討するというふうにしておりましたけれども、今回の素案では5年後の配置につきましては具体的にお示ししたいと考えております。 ○内川委員 10年後まではどうなんですか。 ○石井企画課長 10年後につきましては、またその後の検討ということにもなりますので、その内容については検討したいと思っております。 ○内川委員 その後の検討って、何か変わるんですか。その検討の材料というのは、検討の内容というのは。 ○石井企画課長 この施設、特に児童館につきましては、配置をほかの施設、地域の状況ですとか、そういったものを勘案して検討を進めていきたいという考えでございます。 ○内川委員 やっぱり地域にとっては、これは結構重要な注目される課題だと思うんですね、特に児童館は。これは今定例会中に各委員会で示されて、その後、地域説明会等を行うと思っているんですけれども、そこで調整がつかない、議会でも調整がつかないといった場合には、8月の策定って、これどうなりますか。 ○石井企画課長 今後、計画につきましては、意見交換会を行いまして、またパブリック・コメントを経てやってまいります。そういった過程の中で区としても十分に考えを説明し、意見を交換し、策定するという方向で進めたいと考えております。 ○内川委員 基本計画も区有施設整備計画も、基本構想を実現するためとありますので、密接にこれは関連していると思いますし、相互補完するものかなと思っています。それで、この区有施設整備計画、これはなかなか地域の調整もできない。そして議会でもなかなか納得してもらえないとなった場合には、本当に心配ですけれども、基本構想、これ議決は今定例会ですよね。そこにも影響してしまうんじゃないかなと思うんですけど、どうですか。 ○石井企画課長 今回、本定例会におきまして基本構想については提案をさせていただきます。あわせて、関連する基本計画、あるいは区有施設整備計画の素案をお示しするということでございますので、この間、様々議論ございました。この議論を踏まえまして、我々としてはその素案を説明し、またさらにそこで議論した上で御理解いただきたいと考えております。 ○内川委員 ちょっと時間がなくなってきました。医療機関誘致のところにちょっと飛びますけれども、結局、医療機関誘致は今回プロポーザルに行かなくて、今、棚上げ状態になっているんですが、その医療機関誘致をされる予定となっていた旧中野中学校跡地のことに関して聞いていきたいと思います。 旧中野中学校の建物は、1966年に建築され、もう築55年もたっているんですね。しかも、これは今の予定では、小学校の改築時の代替校舎として予定をされているということなんですが、今、中野中学校というのは中学校仕様、これを小学校仕様に変えるですとか、雨漏り、そういった問題も多々あります。代替校舎として使うにはどのぐらいの改修費用が見込まれているんでしょうか。 ○塚本子ども教育施設課長 旧中野中学校校舎でございますが、こちらを小学校の代替校舎として今後活用していく。そのためには屋上ですとか外壁の防水改修をはじめ、各種設備機器の取替え、そういった改修が様々必要になるものというふうに考えてございます。実際には令和3年度に中野区立小中学校施設整備計画、こちらを改定した上で、旧中野中学校校舎の関わり方をしっかり定義した上で、次年度以降に改修工事に必要となる設計業務、それを実施しまして、詳細な改修計画、そして見積りを作成していきたいというふうには考えてございます。 ちなみに、改修の費用でございますが、設計作業を実施した上でないと正確な費用がなかなか見定めることができないものでございますが、現時点の想定としましては、おおよそ数億円から10億円程度必要になるものというふうに考えてございます。 ○内川委員 旧中野中学校の校舎も、あと15年ぐらいすると改築しなきゃいけないと言われる70年に達してしまいます。その後15年ぐらいの間に、予定されている桃園第二小学校、桃花小学校以外に、あの近くにはまだ小学校、改築予定の学校があるんですけれども、そこら辺はどういうふうに考えていますか。 ○塚本子ども教育施設課長 現在、改定に向けた検討を進めてございます中野区立小中学校施設整備計画、こちらは令和3年度から令和12年度までの10年間という形で考えてございます。その期間中におきましては、桃園第二小学校、そして桃花小学校、こちら2校について、改築時における代替校舎としての旧中野中学校校舎、こちらの活用を考えているところでございます。それ以降の、今御紹介がありました塔山小学校ですとか谷戸小学校、そういった近隣の小学校の改築においては、それは令和13年度以降の改築と考えてございますので、それぞれの学校の改築時期ですとか、代替校舎の活用について、今後、小中学校施設整備計画を見直ししていく際に、その時点における社会情勢等を反映しながら、反映してまいりたいというふうに考えてございます。 ○内川委員 先ほど、下手したら10億円ぐらい改修費用がかかってしまうのではないかという御答弁がありました。そういった改修費用が無駄にならないように、ある程度長期的な計画を立てていただきたいと思います。 それから、次の質問に行きたいと思います。 ちょっと構造改革に触れたいと思うんですけれども、構造改革は行財政の在り方を抜本的に見直すと位置付けてあります。これ、私たちもよく分かっていないんですが、区の言う構造改革と行財政改革、この違いというのは簡単に言うと何なんでしょうか。 ○石井企画課長 構造改革につきましては、これまで区政の構造改革ですとか、あるいは行財政の構造改革ですとか、そのようにお伝えしていたところでございまして、行政、あるいは財政、これらの構造改革を進めていくものと考えております。 ○内川委員 少なくとも、私は構造改革というのは、既存のものにすぱっとメスを入れていく、既存の計画を大胆に変えていく、そのように私は考えています。今年の8月には大胆な構造改革実行プログラム、これが示されるということなんですが、そのような考えでよろしいですか。決して期待を裏切らない、そういったことでよろしいですか。 ○石井企画課長 構造改革の実行プログラムにつきましては、本定例会中の総務委員会におきまして、この検討状況を報告する予定でございます。その時点で大枠はお示しできると考えております。その後には、6月には案、8月に策定するということで考えております。 ○内川委員 期待していますので、裏切らないでほしいと思います。 次に、職員定数の質問をしようと思ったんですが、時間がないので、すみません、飛ばします。 それから、その他の行政評価もまた別の場所でやりたいと思います。 3番目の事務の執行の質問に移りたいと思います。 この事務の執行という質問なんですけれども、大内委員も触れておりましたけれども、例のテレワーク、これは私も補正予算で未執行になったというのは過去に経験がないので、これはやっぱり聞いておく必要があるなと思っています。昨年5月の末から半年間、何の報告もなく、結果、現段階で未執行、今定例会の総務委員会でまた新たな報告があると思うんですけれども、結局、担当としては当初50台のパソコンの購入も難しかったということなんですが、Jipさんとの和解、これが延びたこともやっぱり影響があった、そういうことでよろしいですね。確認です、これは。 ○平田情報システム課長 テレワークシステムの構築の遅延につきましては、委員御指摘のとおり、パソコンの購入が難しかったということに加えまして、テレワークシステムの構築が統合仮想サーバーの障害を起こしましたJipという事業者のデータセンターに構築するということを想定していたためもございます。 ○内川委員 だから、関連があったということですよね。よろしいですね。 ○平田情報システム課長 はい、関連がございました。 ○内川委員 それと、情報システム課でもう一つ補正があったんですけれども、これが第8次補正、12月の補正なんですが、住民情報システムの改修、これは330万円ぐらいかけてやったんですけれども、実際運用しようとしたら不具合が生じてできなかった。当初は事務処理の変更で何とかなると思ったけれども、結果、何ともならなかったということです。結果、去年の6月ぐらいには不具合が分かったんですけれども、12月の補正まで延びてしまった。問題は、先送り体質がどうもやっぱり見えてしまうんですね。それで、正確かつ迅速な当初課税をするために改修をしたということなんですけれども、当初課税への影響は今ないですね。それを確認させてください。 ○矢島税務課長 例年1月から6月は、当初課税として決められた期限内に大量の事務処理を正確かつ迅速に行わなければなりませんため、当初課税を開始するまでにシステム改修、テスト、チェックなどの準備を終わらせておく必要がございます。しかし令和3年度、今年度の当初課税は、住民情報システムの改修を行いながら当初課税を進めている状況にございますため、スケジュール管理が難しいことや事務量の増などの影響はございますが、当初課税事務処理計画に基づき、適宜適切に対応し、取り組んでおるところでございます。 ○内川委員 システム改修と当初課税を同時期にやっているので、御担当としても大変だと思います。基幹収入ですので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 それから、もう一回ちょっとJipの話題に戻りますけれども、Jipさんによるシステム障害の規模ですとか重要性を考えると、このまま同じ事業者で継続させるのは問題があると多くの議員から指摘がありました。新庁舎に移るタイミングとともに、システムの新たな仕組みを再構築するべきと考えますけれども、いかがですか。 ○平田情報システム課長 現在、区が契約しているデータセンターでございますが、改めてクラウドサービスにつきましては、契約内容及び契約相手の再検討が必要だと考えてございます。しかし、一方で現在のデータセンターでは多くの重要なシステムが稼働していますので、急な変更は難しいというふうに考えてございます。新庁舎移転に間に合わせるように、データセンターの見直しは行いたいと考えているところでございます。 ○内川委員 新庁舎への移転タイミングと同時にこれは見直していくんだと理解していいのかなと、そのように思っています。多分、システムですから相当な費用がかかると思うんですね。でも、これは必要経費であるし、ほかに無駄な、無駄にお金をかけるところも散見されるので、これは構造改革につながるし、ぜひ進めてもらいたい、そのように思っています。ありがとうございました。 それから、監査報告について、最後ちょっと触れていきたいと思います。これ、むとう議員も一般質問で触れておりました。監査報告の内容に入る前に、事務処理における事件・事故とはどういう意味なんでしょうか。 ○中村危機管理課長 事件・事故についてでございますが、事案に応じて様々な状況がありまして、明確な定義は難しいところでございますが、一般的には、事件とは意図的に起こした犯罪性のある事案であり、また、事故とは意図せず起きた事案であると認識してございます。 ○内川委員 この定期監査結果報告書を見た方も多いと思いますけれども、びっくりするような内容が本当にいっぱい書かれてあります。例えば、契約締結せずに工事を実施しちゃった、予算流用をしてしまった、例えば区営住宅の滞納使用料の収納委託は、実績がないのに、催告も行わずに委託料を支払ってしまった、不要な経費の支払い、仕様書に基づかない単価での支払い、これは毎年のように行われていると。さらに誤った報告書による検査合格、こういったことでいっぱい書いてあって、本当に私もびっくりはしています。なぜこのようなことが起こってしまったのか。このような事態が発生したことについて、全庁の内部統制を所管する担当として、どのように認識していますか。 ○中村危機管理課長 こちら、今回の指摘事項でございますが、内部統制を所管する危機管理課としては、今回の指摘を受けまして、職員が日頃から契約、会計事務についての知識を深め、適正な執行手順を遵守することが重要だと考えてございます。 ○内川委員 一般質問のむとう議員の答弁では、区長は、事件・事故や各種監査指摘事項を取りまとめて全庁に周知しているとのことですけれども、構造改革も大事ですけれども、その前に、こういった職員さんの規範意識、法規をきっちり守る、そういったことをするのがまだ先決じゃないかなと私は考えています。最後に区長の見解をお聞きします。 ○酒井区長 委員御指摘の監査の指摘事項につきましては真摯に受け止めておりまして、チェック体制の充実強化など、適正な事務執行の確保に向けて全庁に周知して、具体的に再発防止策の徹底に努めてきたところでございます。職員の意識改革に当たりましては、まず職員一人ひとりが常日頃から公務員としての高い自覚の下、文書、会計、契約などの事務処理の知識の習得など自己研さんを積み重ねるとともに、組織としても計画的かつ継続的な職務研修やOJTなどを通じた職員の育成・支援によって、着実な職務執行体制を確立していくことが重要であると考えております。 ○内川委員 ありがとうございました。これで全ての質問を終わります。 ○山本委員長 以上で内川和久委員の質疑を終了いたします。 次に、間ひとみ委員、質疑をどうぞ。 ○間委員 令和3年第1回定例会予算特別委員会において、立憲民主党・無所属議員団の立場から質疑させていただきます。 初めての予算特別委員会での質疑です。大変緊張しておりますし、ちょっとお作法が分からないところもあり、戸惑うこともあると思いますけれども、温かく見守っていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。(「頑張れ」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。 通告した質疑の中の3番、区有施設整備計画についてと、4番、新型コロナウイルス対策について、そして5番、その他については、時間の関係で取りやめさせていただきたいと思います。 まず最初に、令和3年度当初予算(案)について伺います。 ふるさと納税について伺います。 新型コロナの影響で、これまで以上に歳入の確保の重要度が増しています。川崎市に次ぎ、全国で2番目にふるさと納税による流出の多い世田谷区では、2019年度の流出額は約54億円と、4年間で約20倍にも増加しました。その3年後には減収額が100億円を超えると見込んでおり、区有施設整備にも影響が出てくるとして、ふるさと納税事業の充実や区民への呼びかけに取り組んでいます。特別区のような不交付団体は地方交付税の交付団体が受けられる75%の補填がないため、税収の純減となるわけですから、交付団体よりも人一倍真剣に取り組まなければ、ただただ流出するのを指をくわえて眺めるだけになってしまいます。令和2年第2回定例会の一般質問において、流出による影響について、区民への周知を求めましたが、ホームページにしっかり周知してくださってありがとうございました。できることを一つひとつやっていくことが大切だと思います。 ここでまず、区のふるさと納税による特別区民税の流出額、過去3年間の流れを確認させてください。 ○石井企画課長 特別区民税の過去の3年間の寄附金税額控除額でございますが、平成30年度が8億9,000万円余、令和元年度が11億9,000万円余、令和2年度は12億円余となっておりまして、増加傾向にございます。 ○間委員 今年度も当初予算案の中には、令和3年度14億5,000万円もの影響があるとなっていて、年々増え続けているということだと思いますが、昨年度と比べると5,000万円ほど少ないというふうになっております。この規模ですと、4年ほどで学校を一つ建て替えられるということになります。そのぐらい大きな金額だと思います。 では、ふるさと納税事業の予算と、ふるさと納税事業による歳入の過去3年分を伺います。 ○石井企画課長 まず予算額でございます。平成30年度が2,080万9,000円、令和元年度が1,554万8,000円、それから令和2年度が1,497万7,000円でございます。ふるさと納税の寄附額でございますが、平成30年度が2,422万3,000円、それから令和元年度が996万5,000円、令和2年度でございますが、2月末の時点で1,299万5,000円となっております。 ○間委員 事業費に対して大変入ってくる歳入が少ないという状況があります。新型コロナの影響で、これまで以上に歳入の確保が重要となってきます。令和3年度予算は20%シーリングをかけられ、全庁を挙げて歳出の抑制に努められました。一方で、歳入の確保に直結するふるさと納税の令和3年度の予算規模は、今年度とほとんど変わっておりません。今こそ力を入れるべきではないでしょうか。令和2年度第2回定例会において一般質問の中で、ふるさと納税の返礼品で区内事業者の販路拡大をと訴えましたが、あれから増えた返礼品は七つです。区内に眠っているすばらしい返礼品候補の商品と結びついていないと感じます。ガバメントクラウドファンディングに取り組み始めたことは評価いたしますが、てこ入れが必要ではないでしょうか。 次に、寄附の使い道について伺います。子ども関連の寄附の使い道といえば、文京区のこども宅食が有名ですが、世田谷区でも昨年度、医療的ケア児ときょうだいにキャンプを贈ろうプロジェクトを寄附の使い道にしたところ、目標額を達成したそうで、2021年も引き続き実施しています。そして新たに医療的ケア児のための災害時のつながりをつくりたいという寄附メニューをつくり、世田谷区も子ども関連に力を入れている様子がうかがえます。 中野区は子育て先進区を目指していますが、寄附の使い道にも、返礼品や寄附メニューにも子ども関連のものがありません。いま一度、中野区らしい、共感が寄附につながるような寄附メニュー、その使い道を検討されてはいかがでしょうか。 ○石井企画課長 区では子ども関連につきましては、ふるさと納税の寄附の使い道として、学校図書の充実ですとか、義務教育施設の整備への活用ということでは設けてきたところでございます。今後はクラウドファンディングの活用も含めまして、子育て先進区の実現に寄与する取組などについて、その使い道を検討してまいりたいと考えております。 ○間委員 ぜひお願いします。 ふるさとチョイスアワード2020でベストインベスト賞を取った鹿児島県錦江町では、ふるさと納税の寄附の使い道を町民が考え、コンテストで選ばれた事業にも使っているそうです。中野区も積極的な返礼品の開発のために、産官学民一緒になって取り組んでみてはいかがでしょうか。 ○石井企画課長 今年度は中野区シティプロモーション事業助成で民間団体や事業者が開発した商品を、ふるさと納税の返礼品として採用したところでございます。今後、返礼品の開発や寄附の使い道の検討に当たりましては、区民や区内の産業、大学などと連携し、まちを元気にし、より多くの寄附につながるよう工夫してまいります。 ○間委員 つながりをつくり、そしていろんな商品が生まれ、区にもふるさと納税の寄附金が入ってくる、とてもプラスになることだと思いますので、一生懸命取り組んでいただけたらと思います。 広域連携ガバメントクラウドファンディングという制度ができました。様々な立場を持った自治体が連携して行うクラウドファンディングなのですが、例えば、厳しい生活環境の子どもたちを応援するプロジェクトでは、15の自治体が参加し、最終的に4億4,853万1,597円の寄附があり、達成率は126%だったそうです。この広域連携ガバメントクラウドファンディングへの参加も検討されるべきと考えますが、参加資格などはどうなっていますでしょうか。 ○石井企画課長 広域連携ガバメントクラウドファンディングでございますが、各自治体が企画実施するクラウドファンディング事業をサイト運営事業者が選定し、パッケージとして公開をしているものでございます。既に区は新型コロナウイルス対策プロジェクトのパッケージには加わってございまして、こうしたプロモーションとしては非常に有効だと考えております。今後もこのようなサイト運営事業者の創意工夫を活用して連携を図ってまいりたいと考えております。 ○間委員 このプロジェクトの内容によっては、達成率が高いもの低いもの様々ありますので、それで選ぶわけじゃないんですけれども、寄附メニューや使い道を選ぶ際に、決める際に参考にしていったらいいのではないかと思います。歳入を増やす、歳出を防ぐ、双方の観点から、ふるさと納税事業の活躍を期待しています。 次に、DXの推進について伺います。 区では、令和6年度の新庁舎移転がDXの推進においても大きな転換期となると思います。来年度策定される地域情報化推進計画の推進の中で解決すべきペーパーレスやデジタル化に向けた課題解決に取り組んでいくことになりますが、DXの推進に当たって、取組ができていないところはどういったところなのか伺います。 ○平田情報システム課長 DXの推進についてでございますが、国の示している自治体DX推進の中で大きな動きがございまして、それはシステムの標準化、共通化、またガバメントクラウドへの移行の考えが示されているところでございます。一方で、まだ国も検討段階にあることから、詳細な情報が示されていない状況でございます。そういった状況から、具体的な検討に着手ができていない状態となっているものでございます。 ○間委員 具体的なところに着手できていないというところがありますが、DXの推進に当たり、職員はデジタルを使いこなし、区民サービスの向上や課題の解決をしていける発想力が今後求められていくと思います。今後どのような研修を考え、令和3年度はどのような内容のものを実施しようとお考えでしょうか。 ○平田情報システム課長 職員研修でございますが、区としましては、これまでも職員のICTスキルの底上げを図るために、職員へのICT研修を行ってきたところでございます。令和3年度につきましては、オンラインでの研修を中心に考えているところでございます。内容としましては、データ解析やエクセルの初級プログラミング、情報セキュリティなどを予定しているところでございます。 ○間委員 民間IT研修受講料65万9,000円と事務費が書かれているわけですけれども、この中で研修できるということなのでしょうか。必要な研修がちゃんと行われるだけの研修費が用意されているのかなというところがとても心配なんですけれども。 ○平田情報システム課長 構造改革の見直しの中で、令和3年度は研修費の削減を行ってございますが、オンライン研修など執行方法の工夫により、研修の量質ともに保ってまいりたいと考えているところでございます。 ○間委員 今年度はそのようにされるということですが、もし令和4年度予算のほうで、ほかにもしっかりとした研修というのが必要になった場合は予算を取っていただきたいなと思います。 次に、庁内のWi-Fi環境の整備について伺います。Wi-Fi環境の整備、こちらのほうは待ったなしだと思います。新庁舎移転までの間はどのように運用されていくのか伺います。 ○平田情報システム課長 委員御指摘のとおり、ウェブ会議などの需要が高まっているということがございますので、今年度、区の三層分離を通さないインターネット環境としまして、ウェブ会議用のモバイルルーターを導入してきたところでございます。そのほかの現庁舎におけるWi-Fi環境の充実に向けた取組としましては、来年度前半を目途に会議室などへ有線によるWi-Fi環境の整備を行う予定でございます。 ○間委員 ありがとうございます。 すこやか福祉センターでは、オンライン相談窓口の運用が始まりました。今後、かんがるー面接でも活用され、様々な事業においての展開が期待されます。荒川区ではオンライン教育相談、埼玉県吉川市ではオンライン子育て相談が実施されています。区は今後のオンライン相談窓口の運用をどのように考えていらっしゃるのでしょうか。 ○平田情報システム課長 すこやか福祉センターでは、1月29日からオンラインによる1対1の対面型の相談を開始しているところでございます。今後、区民等が手続や相談のためにわざわざ来庁しなくても済むように、テレビ会議システムを活用した遠隔相談やウェブ会議など、区民の利便性向上に向けた取組に推進してまいりたいと考えているところでございます。 ○間委員 新区役所移転時に、区役所に行かなくても手続等できるバーチャル区役所も見据えているわけですので、オンライン相談窓口も全庁的に滞りなく運用できるよう、可能なところから取り入れていただきたいと思います。 今年度、区の公式LINEアカウントの運用が始まったり、スマホで税や保険料が支払えるようになったりと、デジタル化に向けた区の姿勢が見える一方で、時代の流れから取り残されてしまっているのが往復はがきの存在です。高齢者の方からの申込みの受付としては一定数求められている一方で、往復はがきを見たことのないデジタルネイティブ世代が対象の講座であっても、往復はがきのみ申込みを受け付けているという事業がいまだに存在します。改善を求めてきましたが、個人情報保護の観点から改善できないという回答でした。改善できないというのはどういう理由なんでしょうか。 ○平田情報システム課長 区の事業におきまして、メールによる募集ではなく、往復はがきによる方法で募集を行っている事業がいまだに若干存在しているところでございます。その理由としましては、区が2012年に発出した内部向け通知の中で、インターネットメールについて公印の押印を省略した文書であることや、生年月日その他の記述により個人を特定できる情報がないもののみを送付できるということを条件付けていることでございます。なお、この通知につきましては、区民の利便性向上の観点から関係所管と調整の上、見直しを図っているところでございます。 ○間委員 往復はがきは必要な方の申込み手段として残しつつ、メールやオンライン上での申込みも選択できる環境を整えるため、原因となっている文書の取下げは早急に御対応をお願いいたします。 個人情報というとセンシティブな領域であるため、これまで立ち入った調査などは行われにくかったかもしれません。しかし、庁内も今後急速にデジタル化が進んでいくことを考えれば、これまでは何となく違和感を感じていたものに対しても、しっかりと向き合うことが求められると思います。 デジタル化と個人情報保護はセットであり、DXをテンポよく推進していくためには、今後情報システム課と総務課の個人情報に対する役割分担の整理をしていくことも必要なのではないでしょうか。 ○平田情報システム課長 これまで個人情報保護に関しましては総務課、ISMS認証取得及び情報資産の管理等につきましては、情報システム課において行ってきております。そのため、類似の通知が総務課、情報システム課の双方から出ているケースもございました。またそういった状況から、職員から見て分かりにくい場合もございます。DXの推進のためには、情報セキュリティに関する正しい知識及び理解が不可欠でございまして、現在少しずつルールの統一化などを行ってきているところでございますが、引き続き事務分担の整理をはじめとして、DX推進に向けた環境整備を行ってまいりたいと考えております。 ○間委員 職員の方にも分かりやすいルールづくり、ぜひ行っていただきたいと思います。 またこの件を通して、組織を横断した議論が適切になされていないのではと感じました。今後DXを推進していく上で大きな足かせになるのではないかと懸念します。令和2年度第4回定例会の一般質問において、DXが単なる行政のデジタル化ではなく、同時に組織の変革も推し進めていくためには、戦略と強力な権限、適切な人材の確保が不可欠と述べさせていただきましたが、言い換えれば、DXの推進とともにしっかりと構造改革をすることだと思います。その辺はどなたがしっかりと先導されていくのでしょうか。 ○石井企画課長 構造改革の方向性の一つとして、デジタルシフトの推進を掲げてございます。組織の再編も含めて取り組んでいく考えでございます。この推進に当たりましては、区長をはじめ幹部職員によるリーダーシップが不可欠であると考えておりまして、全庁的な取組として推進体制を構築してまいります。 ○間委員 区長が語られるように、中野の財産は人であり、庁内の財産も人であると思います。職員の皆さん一人ひとりがデジタル化の流れに乗り、前向きな思考でやりがいを持って仕事ができる、それが結果として区民サービスの向上につながっていく、そんな環境をつくるようなDXの推進と構造改革でならなければならないと考えます。しっかりと取り組んでください。 DXは広い視野を持って進めていく必要がありますので、CDO候補など、ICTに精通した外部の方も上手に活用していただきたいです。対象となるような人材からお話を聞くと、異動が不要なオンラインの環境でなら関わってもよい、拘束が少なくてよいという方ばかりでした。それで20の自治体と関わっていますという方もおられました。そういったトレンドの感覚を持ち合わせ対応していかなければ、よい人材もつかまえられないと思います。区としてはどのように外部の人間を巻き込んでいくとお考えでしょうか。 ○平田情報システム課長 DXの推進については、対象となる範囲が大きく、またスピード感を持って取り組んでいく必要があるということもございます。そのために外部人材の活用などを含めまして、今後の体制充実について検討しているところでございます。 ○間委員 来年度はデジタル庁も設立され、どの自治体も人材の確保に動いているため、奪い合い状態です。行政のこともITのことも分かっている人はそれほどたくさんいらっしゃいません。人材確保は急務であることを訴え、質問を終わります。 ○山本委員長 間委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。 13時まで委員会を休憩いたします。 午前11時57分休憩
午後1時00分開議 ○山本委員長 委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き総括質疑を行います。 間委員、質疑をどうぞ。 ○間委員 次に、基本計画について伺います。 ちょっと順番を変えて、環境についてから聞かせていただきます。質問させていただきます。令和2年6月12日に閣議決定された令和2年版環境白書において、「今後、豪雨災害時のさらなる頻発化、激甚化などが予測されており、もはや単なる気候変動ではなく、私達人類や全ての生き物にとっての存在基盤を揺るがす気候危機である」と示され、この白書を契機として、環境省は気候危機を宣言。10月26日には菅総理が2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を宣言いたしました。環境省の気候危機宣言前に、既に99の自治体が2050年カーボンゼロ表明をしておりましたが、本年2月26日時点で289の自治体が表明している状態であり、今後もその数の増加が予想されています。国や都とも連携を図りながら、その目標を達成すべきと考えております。 令和3年度の環境予算ですが、財政面が困難であるとはいえ、中野区基本計画(素案たたき台)の中の重点プロジェクトにもかかわらず、目玉と言えるものが蓄電システムの導入支援のみ、しかも、昨年度執行できなかったものであるというのは、物足りなさを感じずにはいられません。この蓄電システムの導入支援の内容について教えてください。 ○波多江環境課長 お答えします。この助成制度につきましては、太陽光発電設備と連携する4キロワットアワー以上の蓄電容量を有する蓄電システムの導入経費の一部を補助するものでございます。太陽光発電設備と蓄電システムの連携により、日中に太陽光により発電された余剰電力を夜間にシフトして使用することが可能となりますので、電力事業者からの購入電力を減らし、再生可能エネルギーを最大限に活用することとなります。区内の民生家庭部門における二酸化炭素排出量の削減、脱炭素社会の実現に貢献するものと考えております。補助対象は区民及び集合住宅等の管理組合、地域団体でございまして、令和3年度は1件当たり補助額は10万円、助成件数125件を見込んでいるものでございます。 ○間委員 こちらについては、想定以上の申込みがあった場合はどのように対応していくお考えでしょうか。 ○波多江環境課長 補助金は予算の範囲内で執行する原則ではありますけれども、年度半ばで予算の枠を超えることが見込まれた場合は、補正予算の提案について検討する可能性もございます。 ○間委員 重点プロジェクトの一つとして、必要があればそういったことも対応していただけるといいなと思います。名ばかりの重点プロジェクトにならないよう、環境政策を執行していただきたいと思います。私としては、重点プロジェクトとしてやっていただくべきことが多々あると思いますので、伺っていきます。 ゼロカーボンシティの実現について伺います。令和3年8月に策定予定の第4次中野区環境基本計画の中でカーボンシティ宣言をするとのことですが、今定例会ではその素案が報告される予定となっています。その中で重点プロジェクトらしい施策を示していく必要があり、そして脱炭素社会の実現に向けた取組を実行していく必要があります。第4次中野区環境基本計画の策定後、区がゼロカーボンシティを実現するためのシナリオはどのように描いているでしょうか。 ○波多江環境課長 これから改定する環境基本計画は期間を10年間と想定しておりまして、5年ごとに見直しをすることとなっております。区有施設の脱炭素化を進めるとともに、現状の環境の実情を把握しながら、中野区の特性を十分勘案し、区民、事業者との連携・協働の下、取組を進めていくという考えでございます。 ○間委員 ゼロカーボンシティの実現は自治体のみで達成することは不可能です。これまで区は、環境分野に関して、区民や民間企業、団体等との議論の場を設けたことはありますでしょうか。 ○波多江環境課長 平成22年の4月に区民や民間企業、団体との連携による中野地球温暖化対策地域協議会を設けたことはあります。改定について検討中の環境基本計画では、環境保全について産学官民での連携・協働に向けたネットワークづくりについて検討することとしております。 ○間委員 先ほどの会議が10年ぐらい前だと思うので、大分たっているなと感じます。区民や民間企業、団体としっかりと議論し、一緒になって取り組むことが達成への近道だと思いますので、よろしくお願いいたします。 札幌市では気候市民会議さっぽろ2020を実施し、無作為抽出で募った市民と一緒になって、具体策について議論しました。中野区でも区民や民間企業、団体等と具体策を議論する場として、気候市民会議中野の開催を検討されてはいかがでしょうか。 ○波多江環境課長 中野区基本計画の素案たたき台には、施策として、脱炭素社会の推進や気候変動への適応を掲げており、気候変動への適応に関する意識の浸透を進めていくためにも、議論の場をどのように設定していくべきか調査研究し、検討を進めてまいりたいと思います。 ○間委員 様々な方法があると思いますので、具体策の議論を重ねていってほしいと思います。 区はこれまで環境アドバイザーの育成と派遣を行ってきましたが、育成の内容と現在の登録者数、活動状況について伺います。 ○波多江環境課長 学校や団体など地域で環境講座や簡易な省エネルギー診断ができる人材を育成する講座として、地域環境アドバイザー育成講座を平成18年度から平成20年度にかけて実施いたしました。講座修了者を地域環境アドバイザーとして認定し、現在の登録者数は14名でございます。令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、派遣は実施はしてございませんが、昨年度は2回の派遣の実施がございました。 ○間委員 育成の講座を受けてから活動し続けてくださっている方もいらっしゃると思います。SDGsをはじめ、ゼロカーボンシティを区民や民間企業、団体と共に実現していくためには周知や勉強会が必要です。環境アドバイザーを活用すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○波多江環境課長 ゼロカーボンシティの実現のためには、区民、事業者との連携・協働が必要でございます。今後、区内の環境に関心のある区民に対して、身近なところで環境保全活動や関連情報等を提供するなど、効果的な環境アドバイザーの活用についても検討してまいります。 ○間委員 よろしくお願いします。 御家庭や事業所向けの環境関係の補助制度等を紹介した「エコサポート2020」という冊子に、東京都の予算を活用できるメニューがたくさん掲載されています。こういった広報物は冊子としては数に限りがありますが、オンライン上でも公開されており、広く区民に周知すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○波多江環境課長 区民並びに事業者に対する国及び都の脱炭素社会の実現に向けた補助制度などについては、区のホームページにおいて掲載済みでございます。スマホなどからも情報収集が容易になるように、多様な情報提供のあり方についても検討してまいりたいと思います。 ○間委員 こちらはお金をかけずに取り組めることですので、周知をお願いいたします。 神奈川県では、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、通称ZEH(ゼッチ)の普及を促進するため、県内で住宅を建設する工務店向けの研修会を行っております。ZEH(ゼッチ)の普及は脱炭素社会の実現に欠かせない取組であります。今後は環境配慮なしの仕事は難しくなってくるでしょうから、知識を身につけなくてはなりません。区内事業者支援の一環として、区でも工務店向けのZEH(ゼッチ)セミナーを開催されてはいかがでしょうか。 ○波多江環境課長 御指摘の事業者支援につきましては、中野区基本計画の重点プロジェクトに掲げた活力ある持続可能なまちの実現において、脱炭素社会の実現を見据えたまちづくりへの組織横断的取組を行っていく中で、区内事業者支援のためにどのような事業ができるのか、調査研究をしていきたいと考えております。 ○間委員 ありがとうございます。 次に、地域循環共生圏について伺います。 平成30年4月に閣議決定された第5次環境基本計画では、今後の目指すべき社会像として、地域循環共生圏が掲げられました。地域循環共生圏とは、各地域が足元にある地域資源を最大限活用しながら、自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し合うことにより、環境・経済・社会が総合的に循環し、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考えであり、地域でのSDGsの実践、ローカルSDGsを目指すものです。 例えば、昨年度行われた「なかのエコフェア2019」にて、区内企業がCSR活動の一環として、木材パレットのブースを出展してくださいました。ブースはとてもにぎわっており、子どもたちが楽しそうに遊んでいました。区内にある企業が地域資源として活用される場をつくり出していくことも、地域循環共生圏の考えです。今やCSR、企業の社会的責任が求められる時代です。区内企業にCSR活動の一環としての協力をお願いすることで、企業価値を高めることにつながれば、それは事業者支援にもなります。全ての事業において言えることではありますが、今後、環境分野においても、そういった考え方からも民間との協働の機会をつくっていくべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○波多江環境課長 平成31年度のエコフェアにおいて、木製パレットでつくられた迷路コーナーなど、企業の環境保全に資する取組の紹介や、様々な子ども向けの体験の提供を通じて、森林の保護や地球温暖化防止への関心を高めることができたと考えております。このほかにも、民間企業が実施した衣料のリサイクルにより150件程度実績がございました。今後も脱炭素社会の実現に向けた啓発を推進するために、区内企業との連携・協働を積極的に行っていきたいと考えております。 ○間委員 地域循環共生圏の地域間で補完し支え合うという考え方は、中野区で言えば、例えば里・まち連携のことです。今回初めて森林環境譲与税を活用して、区役所3階にキッズコーナーが整備され、配置された木製品は、里・まち連携自治体であるみなかみ町の木材を活用しております。令和3年度は学校や図書館、一時保護所施設などが対象となっているようですが、森林環境譲与税も、地域循環共生圏を意識して、その使い方、引き続き考えながら行っていただきたいと思います。 再生可能エネルギーについて伺います。 再生可能エネルギー由来の電力を使う場合で、例えば、世田谷区は長野県との連携によって、水力発電所から再生可能エネルギー由来の電力を購入し、保育所、保育園の施設に導入していますが、こういったことも地域循環共生圏の考え方です。中野区においても、里・まち連携自治体である喜多方市やみなかみ町にも電力会社がありますし、連携自治体で発電された再生可能エネルギー由来の電気を仕入れることも可能かと思います。既に区役所本庁舎と幾つかの施設は再生可能エネルギー100%であり、それ以外にも、小学校など清掃工場の焼却熱を利用した二酸化炭素排出係数の低いものを使っている施設があるということですが、これまでは高圧電力、低圧電力の関係や、安定供給が可能かどうかの観点から、一部区有施設では再生エネルギー由来の100%の電力への切替えが難しいという判断をしていたと思います。脱炭素社会を目指す流れの中で、状況が変わっている場合もあるかもしれません。切替えを推進していくべきではないでしょうか。 ○波多江環境課長 現在、本庁舎など11か所の施設において再生可能エネルギー100%の電力を、また小・中学校46か所では二酸化炭素排出量の低い電力を選択しているものでございます。今後、これらの施設以外においても、再生可能エネルギー由来の電力など、二酸化炭素排出係数の低い電力を選択していきたいと考えてございます。 ○間委員 次に食品ロス、ごみの削減について伺います。 家庭から排出される燃やすごみのうち、未利用食品は年間でどれぐらいの量となっていますでしょうか。 ○伊東ごみゼロ推進課長 区では毎年度、ごみの組成分析調査というものを実施してございまして、昨年度の調査では、燃やすごみの中の未利用食品は3.7%でございました。年間の燃やすごみ量が5万4,088トンであったため、これに3.7%を乗じますと、昨年度は年間で約2,000トンもの未利用食品が廃棄された試算になります。 ○間委員 2,000トン、かなりの量だと思います。ある食品会社の調査によると、フードロスの中で最も捨てられがちなのは野菜類とのことです。しかしながら、区が今年度から事業を開始したフードドライブ事業では、お米以外の生鮮食品は対象外となっており、野菜などは受け付けていません。区として何らかの対応は検討していくことが求められると思います。家庭で使い切れない野菜ごみなどにしないためにも、生ごみの削減につながるコンポストは有効手段の一つと思います。最近は社会課題を解決するためのソーシャルビジネスの開発が盛んで、見た目がおしゃれで、都会のベランダにも置きやすいコンポストも開発され、若い人を中心に流行しています。区はコンポストのあっせんを行ってきましたが、助成制度もあってもいいのではないかと考えますが、見解を伺います。 ○伊東ごみゼロ推進課長 生ごみコンポストにつきましては、ごみの減量に効果があると考えてございますので、区としても区民にあっせんを行っているところでございます。今後も生ごみコンポストの効果などをさらにPRしていくとともに、あっせん品目の充実を検討していくことを考えてございますけれども、現段階では購入費用に対する助成を行うことは考えてございません。 ○間委員 今後御検討いただけたらと思います。 令和2年度から始まったフードドライブ事業は、若い人や子育て世代の興味・関心も高く、SDGsの取組を広げていくきっかけにもなり得ると考えています。現在、フードドライブの受付窓口は区役所8階の環境部と――区内2か所のみです。もっと身近なところで区民がこの事業に参加できるよう、受付窓口はもっと増やすべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○伊東ごみゼロ推進課長 区民にとって身近な場所でフードドライブ事業に参加することができるよう、現在の2か所以外の場所での受付について、今後検討していきたいというふうに考えてございます。 ○間委員 他自治体も最初は少なかった窓口を増やしていると思います。子どもたちも含め、多くの方に事業に協力していただきたいと思っております。 区はこれまでごみ減量、リサイクルについては、リデュース・リユース・リサイクルという3Rを推進してきましたが、昨年7月にレジ袋の有料化が始まったこともあり、ごみになるものを受け取らずに断るというリフューズが区民にとって生活の一部になっていることもあり、リペアも含めた5Rというように、より広く捉えた取組を行っていくべきと考えますが、見解を伺います。 ○伊東ごみゼロ推進課長 ごみ減量、リサイクルにつきましては、基本的にはリデュース・リユース・リサイクルのいわゆる3Rを今後、区として推進していくこととなりますけども、今、委員の方からあったように、リフューズですね。事前に断るとか、リペアという取り組みもごみ減量につながると考えてございますので、これらについても様々な機会を捉えて周知啓発を行っていく考えでございます。 ○間委員 ありがとうございます。以上で環境についての質問を終わらせていただきます。 次に、若者政策について伺います。 若者に関する事業のうち、ハイティーン会議の令和2年度の実績について伺います。 ○細野育成活動推進課長 令和2年度は6回ワークショップを行いました。そのうち2回はウェブ会議で行わせていただきました。 ○間委員 緊急事態宣言など様々影響がある中、オンライン会議等を取り入れるなど、最大限工夫して取り組んでいただきたいと思います。令和3年度のハイティーン会議の予算が半減していますが、予算が少ない中でどのように事業を行っていくのでしょうか。 ○細野育成活動推進課長 回数を減らして予算の削減ということをさせていただきましたが、その中で工夫した、実際に集まらない形でも、今後のハイティーン会議の在り方や、若者政策の考え方など様々な議論を進めていきたいと考えております。 ○間委員 来年度も実施回数が少なくなるわけですよね。来年度はハイティーン会議の拡充のための事業の見直しを行うとのことですが、これまでのハイティーン会議の流れを見ると、初期は区政とのつながりがあったものが、いつの間にか中高生版調べ学習のような形になり、どこかで区政とひもづけてはならないというような思い込みが区側に生まれてしまっていたように感じます。中高生が気になるテーマというのは、日常生活で違和感のあるものも多く、昨年度の校則なんかは違和感があるがゆえ選ばれたテーマだと思います。ハイティーン会議が中高生が自由に表現できる場でもあり、中高生の意見を区政へ届けることができる場へとシフトチェンジしていくことが、今後、若者にしっかりと目を向けていこうとする区が行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ○細野育成活動推進課長 見直し、拡充の視点としては、これまで18年間のハイティーン会議の活動について、学識経験者やNPO団体から意見聴取をし、またメンバーやOBさんたちとも共に今後の課題や今後の方向性についても検討していきたいと考えております。これまで確かに調べ学習ということに言われることもあるんですが、中高生が自由に表現し、そして意見を区政に届けるといった、この会議のその後の発信や、その後のことについて課題があったというふうに認識しております。その辺についても、次年度検討していきたいと考えてございます。 ○間委員 令和2年度予算に計上された若者施策についての調査研究費について伺います。どのように活用したのでしょうか、また、その結果はどう生かしていくのか伺います。 ○細野育成活動推進課長 調査研究費を活用し、学識経験者からの意見聴取を3回、それから他自治体への視察を2回、あと庁内の検討会議を3回実施いたしました。検討の結果については、総合的な若者政策の推進をするために、今後の方向性の考え方を取りまとめていく予定ですが、そこに生かしていきたいと考えてございます。 ○間委員 限られた予算の中でできる限りのことを行っていただき、ありがとうございました。行政のヒアリングなどは費用をかけずにやっていけるので、引き続きお願いいたします。 私が故郷で若者政策に携わっていた頃と比べても、後回しにしがちな若者政策に目を背けず取り組む自治体が増えてきたと感じます。23区は若者の減少による危機感を肌で感じることが難しく、特に中野区においては20代から30代の単身者が多いため、楽観視してきた部分もあるように思います。全国的に若者政策の取り組みが広がっている今、調査研究で得たものを生かし、中野区としての若者政策の形を早期に確立することが求められます。そのためには、そもそもどういう理念を掲げて若者政策に取り組むのかということがないといけないわけですが、その考え方はもう決まっているのでしょうか。 ○細野育成活動推進課長 中野区基本計画(素案たたき台)において、総合的な若者施策の推進というものを掲げています。そのための主な事業として、中野区子ども・若者計画――仮称ですが――の策定を検討しているところです。今後、議会でも御議論いただきたいと考えておりますので、一定程度考え方を取りまとめて御報告させていただきたいと考えております。 ○間委員 つくりたい中野の未来につながる理念となるよう、必要があれば手を加え、それを基に取り組む内容等を検討していただきたいと思います。 区有施設整備計画では、産業振興センターに中高生の居場所をつくるとしており、そのほかシルバー人材センターや教育振興会等が入り、複合交流拠点として転用するとしています。これが実現すると、これまで地域とつながってこなかった若者と地域の方々がつながるきっかけになり得ますが、単にそれが同じ施設内で活動するだけでつながりが生まれるわけではありません。若者と関わることにたけているNPO等の団体がその場に入り、若者同士の交流を活性化させること、そしてほかの世代の方々と交流し、そこで化学反応が起きるような関わりをしていただくことが複合拠点の肝となると考えますが、見解を伺います。 ○細野育成活動推進課長 全ての若者が自分らしく生き生きと成長できるよう、また仲間との交流によって社会性や他者への思いやりを育むことができるような、若者が幅広い交流できる場の提供は大変重要であるというふうに考えてございます。施設の運営に当たっては、若者政策に精通したNPO法人さん等の力も活用することも含めまして検討していきたいと考えております。 ○間委員 中野区の未来につながる中高生の居場所づくりのためには、意見聴取をするだけではなく、若者によるワークショップ等、継続した議論の場が必要ではないでしょうか。ハイティーン会議も活用できると思いますので、そういった議論の場が可能か、検討していただきたいと思います。若者政策で大切なことは、大人が若者の可能性に目を向けることです。支援しなければならない弱い存在でもなく、分かり合えない存在でもありません。今の若者は常に他人と比べられ、自分の価値が分からないという人が多いです。若者一人ひとりが、自分は価値のある人間で、このまちにとって必要とされている存在であると感じられるような居場所づくりや、意見を反映させられる若者政策の構築をお願いして、この質問を終えます。 次に、満足度の高い公園づくりについて伺います。 最初に、公園の禁煙化について伺います。1月から公園禁煙化、分煙化をいたしました。その後、3月末で昼間も見回り、4月から夜間も見回りをされるということなんですが、そのうちの分煙について伺います。一定規模の大きな公園の中で囲われた喫煙所というものがありますが、公園利用者と一定の距離があるとはいえ、風向きによってはにおいがし、分煙になっているとは思えないという御意見も聞きます。分煙の方法については検討の余地はありますでしょうか。 ○林公園緑地課長 1万平米以上で分煙化した公園につきましては、厚生労働省で定める特定屋外喫煙場所の考え方を基に、植栽等で区分した喫煙場所を設置しているところでございます。今後、利用実態や状況を見ながら、よりよい分煙方法について研究してまいりたいと考えているところでございます。 ○間委員 喫煙者が悪いというわけではなく、喫煙者、非喫煙者が共存し、互いに気持ちよく暮らせるまちというのも実現することが必要だと思います。今後も分煙の方法に関しては研究、検討していただきたいと思います。 次に、プレーパークに関して伺います。 区におけるプレーパーク設置の期待がされています。昨日は上高田台公園のプレーパーク、草っパラダイスの開催日でしたので行ってみましたが、ものすごい数の子どもたち、保護者や地域の方であふれていました。ほかの公園では味わえない遊びを求めて、南台や鷺宮からもわざわざ訪れた親子もおられました。プレーパークが区民から求められていて、それは親子だけではなく、地域の方、祖父母にとってもかけがえのない場所であるということを強く感じました。さて、中野区基本計画(素案たたき台)の中でプレーパークについて示されていますが、施策25の事業の展開に、プレーパーク活動支援事業とあります。プレーパークの活動を支援するんですか。 ○細野育成活動推進課長 基本計画に掲げたところでは、区では地域の団体から提案を受け、放課後子ども教室推進事業を委託して実施しておりまして、実施団体の活動を支援しているところでございます。 ○間委員 活動の支援、もちろん大切なことです。ですが、この活動の支援だけということでありますと、やりたい人がいたら区が協力しますよという姿勢になってしまいます。それをすると、例えば地域間の格差が生まれてしまうと思います。例えば、各すこやか圏域ごとにプレーパークをつくり、常設、移動式など様々なプレーパークの形式を取り入れて特色を出し、こういう団体に運営を依頼してといった構想を考えて進めていくものと思います。そのために各所管が連携して進めていくべきと考えますが、育成活動推進課と公園緑地課のそれぞれの役割は何なんでしょうか。 ○細野育成活動推進課長 区として、子どもたちが遊び、学び、体験できる機会や場を充実させることを目指しております。育成活動推進課は区民等の団体が実施するプレーパーク活動の支援を行っているところでございます。 ○林公園緑地課長 公園緑地課としましては、公園を活動の場として利用したいというプレーパーク運営団体がある場合は、公園の占用申請をしていただき、その活動内容を精査した上で許可をするということになるところでございます。 ○間委員 公園緑地課は占用許可を出すだけということなんでしょうか。 ○林公園緑地課長 まずはそのとおりでございます。 ○間委員 公園再整備計画が策定されるということで、プレーパークの件についても進めていただけると大変期待しておりました。ところが、プレーパークの活動の支援、そして公園緑地課としては、公園再整備計画の中でどういった公園をつくり、プレーパークはどのように取り入れていくか、そういった考えも出さずに、ただ占用許可を出すとおっしゃっているということでよろしいですか。 ○林公園緑地課長 再整備計画、今後お示ししていくんですけれども、その中でも、一応プレーパークの活動の支援ということで、占用許可等で公園緑地課としては支援していきたいというふうに考えているところでございます。 ○間委員 占用許可を出すだけだったら、別に誰でもできると思うんですね。やっぱり、どういう公園をつくりたいっていう考え方ありきでプレーパーク事業を進めていく必要があると思うんですけれども、いかがでしょうか。 ○林公園緑地課長 あくまでも都市公園というのは子どもからお年寄りまでを対象とした公園でございまして、特定の子どものみを、子どものみを対象とした常設のプレーパークというのはちょっと考えていないところでございます。 ○間委員 プレーパークは子どもだけの場所ではなくて、地域の方や祖父母の方も御利用になる場所です。そういったこともしっかりと勉強していっていただかないと、理想とするプレーパーク、中野区の未来の中でいい公園というのはつくっていけませんので、そこら辺のこと、区長にお伺いします。どんな公園をつくっていこうとお考えでしょうか。 ○酒井区長 子育て先進区の実現というのは、基本計画においても重点プロジェクトとして位置付けていることでございます。プレーパークの設置については、そのためにも大変重要だと認識しておりますので、積極的に検討してまいりたいと考えています。 ○間委員 ありがとうございます。 渋谷区ではパークPFIにより、飲食、売店などの収益施設を設置するとともに、特定公園施設としてプレーパークに適した公園や広場を整備するとしています。様々な取組がありますので、中野区として本当に皆さんに満足していただける公園、自慢したくなる公園というのがどんどん増えていくということを期待しておりますので、よろしくお願いいたします。 すいません。ちょっと飛ばして産前産後ケアについてちらっと聞かせていただけたらなと思います。申し訳ありません。 まず、かんがるー面接について伺います。かんがるー面接で産前産後ケアの利用登録をさせてもらえなかったり、登録はできてもネガティブな態度を取られたという声をいまだに耳にします。確認ですが、かんがるー面接における産前産後ケアの利用者登録の対象か否かを決める基準はどんなものがありますでしょうか。 ○杉本北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 家族等から十分な家事、育児などの援助が受けられない妊婦、褥婦及び産婦並びにその新生児及び乳児であって、産前産後の心身の不調や産後の育児不安等がある方や、特に支援が必要な方を対象としているものでございます。 ○間委員 かんがるー面接時には家族のフォローが得られるということで判断されるかもしれませんけれども、様々な状況で、出産後状況が変わってしまい、いざ支援を利用したい、ショートステイしたいと思ったときに、利用登録カードがないがゆえにその制度の利用に至らないという、実際にそんな声も聞きました。これまでもかんがるー面接について様々改善をお願いしてまいりましたが、ここで改めてお伝えし、本当に産前産後ケアで妊婦や産婦が健やかに暮らせる社会をつくっていただきたいと思います。どうもありがとうございました。 ○山本委員長 以上で間ひとみ委員の質疑を終了いたします。 次に、久保りか委員、質疑をどうぞ。 ○久保委員 令和3年予算特別委員会において、公明党議員団の3番手として総括質疑に立たせていただきます。久保りかです。 質問は通告順を変えまして、介護施設基盤整備につきましては、2番の(2)の中で関連してお聞きいたします。どうぞよろしくお願いいたします。 それでは初めに、令和3年度当初予算案について伺います。 財政運営について伺ってまいります。 新しい基本計画でも10か年計画の財政運営の考え方を踏襲されるのはなぜか、伺います。 ○森財政課長 10か年計画でこれまでお示ししてきた財政運営の考え方でございますが、自治体が財政運営を行うに当たって、普遍的で基礎となる考え方を示している、そういったことが多いということでございまして、新しい基本計画においても、ベースとなる考え方については変わるものでないと考えているところでございます。基準となる一般財源規模の設定の中野区独自の指標についても財政運営の考えでお示ししているところでございます。そういった部分につきましては、新型コロナウイルス感染症への状況によりまして、経済状況も不透明だといったようなこともございます。区の予算対応も刻一刻と変化する中におきましては、新たな基準の設定は行わずに、これまでの基準にのっとって財政運営を行っていくと。それで喫緊の課題に速やかに対応していくというふうに考えたところでございまして、これまでの考え方を踏襲するということでございます。 ○久保委員 普遍的で基礎となるものということでございまして、踏襲される。行財政における構造改革は財政運営の考え方、こちらには反映されないのか、伺います。 ○森財政課長 現時点におきましては、素案たたき台から財政運営の考え方を変更するというようなことについては想定はしていないところでございますが、今後、構造改革の実行プログラムを検討していく中で、財政運営の考え方に反映すべき事項が出てきた場合など、そういった場合については整合を図っていく必要があると考えております。 ○久保委員 そのタイミングというのが、今の時点では見定められないところなのかなと。基本計画はこれから、新しい中野をつくる10か年計画の財政運営に基づいて策定されますので、その後、財政運営の考え方を新たにお示しになられる場合は、基本計画を今度また改定されるようなときなのかなと思います。令和3年度予算には新しい基本計画の主立った施策は反映されているのでしょうか、伺います。 ○永見基本構想担当課長 中野区基本計画(素案たたき台)でお示ししている施策でございますが、従前から取り組みの充実を図っている事業につきましては、令和3年度当初予算にも計上しているところでございます。新たに取り組むこととしている事業については、令和4年度以降に取り組むものが主となってございます。 ○久保委員 令和3年度予算の中にはほぼ反映されていないという状況かと思います。令和3年度は債務負担行為の新規設定で21件、限度額148億1,710万9,000円、前年度から106億7,760万2,000円の増。お聞きするところによると、過去4番目の額とのことです。債務負担行為の令和3年度以降の総額は幾らになるのか、伺います。 ○森財政課長 令和2年度までに債務負担行為を設定した継続分の令和3年度以降の支出予定額は537億4,259万5,000円ということでございまして、今、委員お話しございました新規設定ですね。令和3年度新規設定の限度額は148億1,713万9,000円ということでございまして、これらを合計いたしますと、685億5,973万4,000円となります。 ○久保委員 今るる伺ってまいりまして、令和3年度予算は今まで様々に計画してきたこと。今、債務負担行為のお話も伺いましたけれども、既に計画を実行せねばならない段階において、決定していないことがあまりにも多い。また、新型コロナの対策というようなところで、新しい基本計画のものはほとんど反映されることができない状況でありますし、今後もなかなか難しい状況があるのかなというところを感じております。 多くの同僚議員が基金と起債についてを質問されておりますので、少し絞ってお聞きします。起債には政府債と民間債がありますが、政府債と民間債の違いについて、また利率についてお答えください。 ○森財政課長 まず政府債でございますが、財政融資資金など公的資金を財源としていくと。民間債は銀行等の引受資金など民間資金を財源としているというところでございまして、対象となる事業については、おおむね国庫補助がある事業については政府債の対象となりまして、それ以外が民間債の対象になって、大きくそう捉えているところでございます。 利率に関しましては、様々状況によって変化はいたしますが、政府債はおおむね年0.1%以内、民間債は0.5%から0.7%程度というような状況でございます。 ○久保委員 令和3年度予算の政府債の額と利息、民間債の額と利息はそれぞれ幾らかお聞きいたします。また、今後の10年間で予定されている政府債、民間債の総額と利息についてお聞きします。 ○森財政課長 令和3年度の一般会計の予算におきましては、政府債については79億4,000万円、民間債については12億9,600万円の借入れを想定しているというところでございまして、これをそのまま借りまして利息を払っていくということになりますと、政府債分が総額で約7億円、民間債分が約5,000万円というふうに見込んでいるところでございます。 今後、令和12年度までの10年間で実際に起債を発行していくといった場合の総額になりますが、政府債については約750億円、民間債については約199億円を見込んでおりまして、利息総額については政府債が約46億円、民間債が約7億円を見込んでいるところでございます。 ○久保委員 年度末の補正では毎年度のように財源更正が行われています。さきの補正予算でも8事業について財源更正が行われました。このうち中野駅周辺まちづくりの中野駅周辺基盤整備は繰入金と特別起債を変更し、財源更正を行いました。この財源更正について御説明ください。 ○森財政課長 令和2年度の第10号補正ですね。これにおきます中野駅周辺基盤整備の財源更正でございますが、中野駅西側南北通路・橋上駅舎整備におきまして、国庫補助金の内示が予定しているよりも少なかったといったようなことになりまして、起債対象額が減少したということでございます。それによって財源更正を行って、まちづくり基金を活用したということでございます。 ○久保委員 政府債が活用できない場合に基金を繰り入れることは多いのでしょうか、伺います。 ○森財政課長 昨年度の第6号補正、これは最終でしたけども、こちらで学校施設整備に関しまして政府債を活用できなかったことから、起債を取りやめまして、義務教育施設整備基金を繰り入れて財源更正をしたといったような事例がございます。ただ事例として、全体としては多くないと捉えております。 ○久保委員 事例としては多くないということですけれども、今後この国の補助金の割り落としでありますとか、また財源更正における一般財源の活用というのも行われてきているんですよね、今回の補正の中でも。そういったことも厳しい状況も想定されるのではないかなというふうに思います。だとすると、今、まちづくり基金、それから義務教育施設整備基金のこともありましたけれども、しっかりと積み上げておく必要があるのではないかと考えます。また、今後の基金と起債の計画についても、事業の進捗等により大幅に変更になる可能性があるのか、伺います。 ○森財政課長 まちづくり基金につきましては、特別区交付金の財産費相当額、起債を活用しなかった分でございますが、それを毎年積立てをしていると。これを今後もしていくということでございます。義務教育施設整備基金についても、毎年度発生する減価償却費相当額をベースに計算しまして、令和4年度以降については積立てを計画しております。事業の進捗等に変化がございましたら、当然基金、起債の計画にも影響が及ぶということは、それは想定されるところでございまして、そこについては当然適宜対応していく、見直しをしていく必要があると考えております。 ○久保委員 適宜見直しをされるということですけれども、義務教育施設整備基金については、南議員の質疑に対し、区民生活に必要な財源を縮小することなく施設整備を進められるよう、状況に応じて適宜基金計画を見直していく必要があると考えているというふうにお答えになっておられます。適宜見直しではなく、計画的な基金の積立てを行うべきではないかというふうに御質問させていただいているのですが、改めて御見解を伺います。 ○森財政課長 義務教育施設整備基金については、先ほど申し上げたとおり、一定の考えで積立てを計画はしているというところでございます。それで、先ほど申し上げたとおり、当然事業の進捗等状況が変化すれば、その計画した基金計画についても適宜対応、見直しをしていくということでございまして、まず、積立ては一応計画はしているということでございます。 ○久保委員 積立ては一応計画はしているということですね。 基金計画に関連し、区役所・サンプラザ跡地利活用についてお聞きいたします。当該事業で生まれる、予定の財産収入について、50億円は財政調整基金に積むこととしていますけれども、それを超える額についてはまちづくり基金に積まれるのか、現段階でのお考えをお聞きします。 ○森財政課長 今、委員お話しのとおり、区役所の整備に関するもの、そちらについては、一時的には財政調整基金を活用するということでございますので、サンプラザ跡地が今後進んで入ってきた財産収入については、財政調整基金に積み立てるという計画を今しているところでございます。それを超える額が入ってきた場合、ちょっと今後どういうふうになってくるか、またあれですけれども、それを超える額が入ってきた場合についてどうするのかと。当然基金に積み立てると。まちづくり基金など基金に積み立てるという考えもあるわけでございますが、ちょっとその辺については今後さらに状況を見ながら検討していきたいと考えております。 ○久保委員 現段階では明快な御答弁はいただけないかと思いますけれども、区役所・サンプラザ跡地の利活用につきましては、事業の内容、また財政スキームにつきましても注視をしてまいりたいと思います。 次に、特別区民税についてお伺いいたします。 特別区民税については、昨年の行政報告時点で予想されていた大幅な減収を免れているように感じますけれども、予算編成段階で何が変わったのか伺います。 ○矢島税務課長 特別区民税の令和3年度の税収見込みにつきましては、区の1月1日現在の生産年齢人口に過去5年の生産年齢課税率の平均値を乗じて、現年度当初課税所得割納税義務者を見込み、それに毎月勤労統計等を参考に1人当たりの総所得金額を乗じ、所得控除及び税額控除を差し引き、税率を乗じて徴税額に対して目標収納率を乗じて推計してございます。昨年の行政報告の時点では、毎月勤労統計の数値が緊急事態宣言下の5月までの数値でございましたため、大幅な減収見込みでございましたが、予算編成段階で8月までの数値がある程度回復していたため、減収見込みを改めたものでございます。 また、中野区は令和2年度特別区民税の収納実績が現在も堅調に推移しているため、収入率についても小幅な減少としてございます。 ○久保委員 行政報告時点で考えていたそのベースとなっていた数字というのが、ある意味、昨年の底を打っている状況であったということで、しかも、区としてはこの区民税の徴収が好調であるということだと思います。今後、所得が確定し、当初予算と調定との開きが生じてくる可能性はないのか。また、調定額に対する収入率についてはどのように考えているのか伺います。 ○矢島税務課長 当初予算編成に当たりましては、人口や都の就業率、所得金額、土地・株式売買動向などを勘案しておりますが、新型コロナウイルスによる経済状況の変化は過去に例のないものでございますので、当初予算と調定との開きが生じてくる可能性がないとは言えません。収入率につきましては、当初予算見積りまでの経済情勢に基づきまして想定したものでございます。令和2年度同様、生活支援型の納税相談を進めることで、当初予算案に計上いたしました収入率を達成できるよう努力してまいりたいと考えてございます。 ○久保委員 ここ数年は税収も好調でありまして、年度末に増額補正も行われることもありました。過去に減額補正を行ったことはあるのか、また、原因は何であったと分析されているのか伺います。 ○矢島税務課長 過去におきまして、平成23年度に減額補正を行ったことがございます。減額補正の原因は、調定額の減少と収入率の低下でございます。調定額の減少の主な原因は、リーマンショックの影響による平成21年度の急激な景気後退の影響を受けまして、納税義務者数と1人当たりの所得金額が減少したものでございます。収入率の低下の主な原因は、平成23年3月の東日本大震災による景気後退でございます。 ○久保委員 やはりリーマンショックですとか東日本大震災、そういったことが大きく影響されているということかと思いますが、新型コロナによりまして、多くの企業等が打撃を受ける中、好調な業種もあるというふうに聞いております。中野区ではその傾向は見られているのか。区民税徴収への影響についてはどのようにお考えでしょうか。 ○矢島税務課長 中野区の納税相談におきまして、飲食業、イベント業、ホテル従業員などから納税困難の相談が多く寄せられてございます。一方で毎月勤労統計によりますと、中野区に多い情報通信業などで収入が増えていることがうかがわれております。中野区では新型コロナウイルスの影響で経済的に打撃を受けている飲食業などの影響により、調定額や収入率は減少いたしますが、好調な業種による影響も加味いたしまして、令和3年度当初予算を策定してございます。 ○久保委員 次に、新型コロナウイルス関連給付金等について、給付金によっても非課税のもの、課税対象となるものがあるかと思います。個人所得の影響についてはどのようになるのか、お伺いいたします。 ○矢島税務課長 個人向けの課税対象の給付金は、GoToキャンペーンの給付金などがございますが、所得の種類は一時所得となり、50万円の特別控除額があるため、影響は少ないと思われます。一方で事業者向けの課税対象の給付金は、持続化給付金や家賃支援給付金など多様なものがございまして、事業所得や雑所得として課税計算することになり、個人事業主の中には影響の多い方も多くいると思われます。 ○久保委員 都の感染拡大防止協力金や持続化給付金等を受けた個人事業主の場合、売上げ減少額が給付金等よりも少ないときは前年と比べて所得が増えるということはあります。緊急時の支援といっても税務上の取扱いは異なり、支給する行政側には丁寧な説明が求められることになります。現在、税務課としては給付金と課税に関する説明をどのように行っているのか、お伺いいたします。 ○矢島税務課長 持続化給付金等の税法上の取扱いにつきましては、国税庁が税務上の取扱いに関しホームページで周知しておりますが、課税、非課税の区分や収入計上時期の違いなど、個人事業主が申告する際に分かりにくい点が多くございます。税務課では職員に新型コロナウイルス関連給付金等の税法上の取扱いを周知し、電話や窓口における問合せには丁寧な御説明を行うよう努めております。 また今後、区民の方が分かりやすく申告できるよう、課税対象となる給付金及びその取扱い等につきまして、中野税務署と連携し、区ホームページに掲載する予定でございます。 ○久保委員 給付金を受けたけれども、所得が確定し、翌年、課税額が確定した際に住民税を払うことができない等のケースもこれからあるのではないかと思いますけれども、そういった相談についてはどのように対応されるのか、伺います。 ○矢島税務課長 新型コロナウイルス感染拡大の対応を含め、今年度から生活支援型納税相談を一層充実しており、支払い困難の相談を受ける際は、特別区民税を支払う方の資力の有無につきまして判断し、資力がない場合は分割納付や猶予など適切な対応をしており、今後も同様に対応してまいりたいと考えております。 ○久保委員 生活支援型納付については、また後ほどお伺いしたいと思います。 公営住宅にお住まいの方から、給付金等により所得が増加した際の収入の認定はどうなるのかというお問合わせをいただきました。国土交通省の住宅局長通達によれば、過去1年間にあった一時的な収入について、継続的に得る収入でないものは除くとされていますけれども、新型コロナに関する給付金について、都営住宅、区営住宅などの収入の認定には影響があるのか伺います。 ○池内住宅課長 区営住宅におけます使用者の収入額の認定につきましては、中野区営住宅条例第24条に基づき行っておるところです。公営住宅使用者の所得計算に含めますのは、所得税法の例に準じて算出された給与所得、事業等所得、年金所得でございます。事業所得者の場合、新型コロナに関する給付金でも課税対象とされているものについては収入とみなされ、給付額が経費を上回ったり下回ったりすることで所得額の額が変動した際には、収入認定に影響が出るものでございます。 ○久保委員 収入認定にも影響がされるということです。そのほかにも国民健康保険料や介護保険料など影響はあるのか、伺います。 ○矢島税務課長 課税対象の給付金を受け、所得として課税計算されることで、国民健康保険や介護保険料に影響が生じる場合があると考えてございます。 ○久保委員 影響があるということですね。そういった際に、先ほど来、丁寧な説明をしていただけているというところですので、そうしたところにもしっかりアドバイス、また、その方たちが本当にそのことによってまた生活困窮を招くことはないようにしていただきたいと思っています。 納税できなければ差押えなど、納税者に対して厳しいイメージが税務課にはあると思いますけれども、中野区では生活支援型納付相談の体制を早期に整えたということです。生活支援型納付相談体制とはどのようなことなのか、また、その効果についてお伺いいたします。 ○矢島税務課長 税務課では、従来から納税者の生活支援を重視する納税相談を行い、納税者の経済的自立と自主的な納税を推進してまいりました。令和2年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた区民の生活を支援するため、各種貸付金や給付制度等の情報を納税相談の際に御案内できるよう職員研修を行い、緊急事態宣言後の昨年6月に人員を強化して、生活支援型納税相談体制を充実いたしました。 また、ホームページを改善し、電子申請、郵送、電話による相談チャンネルを拡充するとともに、SMSを活用して生活困難な方への納税相談を御案内することにより、例年の1.5倍の納税相談件数に対応いたしました。その結果、1月末現在において新型コロナ関連の相談者の35%の方が住民税現年度分を納期限内に納付し、うち24%の方が現年度分を完納してございます。12月末時点の現年分の収納率は70.68%で、23区中12位となってございます。 ○久保委員 生活支援型納税相談を丁寧に行って、貸付けについても全職員が研修等を行い説明ができるようになっていると。その結果が12位ということで、この厳しい状況下の中でもかなり納付率というのが上がってきているということでございます。課税だけではなくて生活支援につながる税務という、そういった印象かと思いますけれども、納められない状況を納めることができるように立て直す、生活者に寄り添う税務という、そういったふうにイメージを一新していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○矢島税務課長 区民に寄り添いつつ、公平・公正な税務行政を実現するため、生活支援型の納税相談の充実を進め、相談の機会を増やしてまいります。納税困難な資力のない方には分割納付や猶予、滞納処分の執行停止を行うとともに、必要に応じて生活援護課などとも連携して支援を行ってまいります。納税資力がありながら滞納している方につきましては、公平性の確保のため引き続き差押え等滞納処分を行うことで、納税意識を高めてまいりたいと考えております。 ○久保委員 これまで私も税務の質問をかなりしてきて、今までは滞納繰越しをどうにかするようにとか、徴収率を上げるための努力ということをずっと質問し続けてきたわけですけれども、今回こういった形で、生活を応援するという、そういった体制を整えたということが、これはやはりしっかりと納付そのものに大きく影響しているというところが、時代に即した形での税務の体制であるのかなというところを評価しているところでございます。 一方なんですけれども、今、国民健康保険料のことでホームページに出ている、国民健康保険料を滞納すると、滞納処分、差押えなど行いますというタイトルのものがございます。できれば、それも、国民健康保険料を納めるのが困難な方は御相談をくださいという、そういった姿勢にしていただけたらなと思います。これは特に質問というふうにはお伝えしておりませんでしたので、そういった区の、今コロナ禍で本当に厳しい環境下にあります区民の皆様を支えるという姿勢を見せていただきたいことをお願いいたします。ありがとうございます。 次に、新型コロナウイルス感染症対策と今後の課題についてお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症の影響が区民生活の随所に表れております。この1年間、中野区も国や東京都と連携を図り、あらゆる施策を打ちながら、感染症対策や区民の生活支援に取り組んでまいりました。保健所の職員の皆様をはじめとする職員の皆様には、改めて感謝を申し上げます。 最初に、新型コロナと生活支援についてお伺いいたします。 今回のコロナ対策として進めてきたことは、区民生活を守る上で今後も役立つことだと思いますし、これを機に、それぞれに見えてきた課題解決に取り組み、区民サービス向上に生かしていただきたいと願っております。厚生労働省では、制度、分野の枠や支える側、支えられる側という従来の関係を超えて、人と人、人と社会がつながり、一人ひとりが生きがいや役割を持ち、助け合いながら暮らしていくことのできる包摂的なコミュニティ、地域や社会をつくっていく地域共生社会の実現に向け、取組を推進しています。これから重層的支援体制が整備されることにより、どこで相談を受けても、どこから相談がスタートしても、支援に結びつく体制づくりが構築されることは重要であると考えています。 今定例会の木村議員の重層的支援体制整備事業への移行準備事業に関する質問につきまして、区では、既に令和元年度より地域共生社会の実現に向けた包括的支援体制構築事業、モデル事業として補助を受けている。移行準備事業についても実施していきたいと考えているとお答えになられています。 令和3年度は重層的支援体制整備事業への移行準備事業の国庫補助3,300万円は、地域自治推進の区民活動センター運営委員会業務委託に計上されています。なぜ区民活動センター運営委員会業務委託に予算が計上されているのでしょうか。伺います。 ○小山地域活動推進課長 区民活動センター運営委員会へ委託しております地域活動支援業務は、いわゆるモデル事業における地域づくり事業の対象でございます。令和2年度、国庫補助金の歳入につきましては、当該事務事業に計上しているところでございます。重層的支援体制につきましては、これまでのモデル事業の運用を踏まえて進めるものでございます。令和3年度移行準備事業の補助事業につきましては、詳細な内容が明確でない部分もございまして、令和2年度と同様に計上したものでございます。 ○久保委員 令和2年度と同様に計上したということですよね。で、区民活動センターと重層的支援体制はどう関係をしていくのでしょうか。15か所の区民活動センターで相談を受け、すこやか福祉センターなどにつながり、支援体制に結びつくという仕組みをつくることも検討されているのか、伺います。 ○小山地域活動推進課長 職員のアウトリーチ活動は区民活動センター単位で行っており、高齢者への訪問活動など、困ったことの問合せ先を区民活動センターとしております。内容によっては、専門職とともに相談支援を行っているところではございますけれども、重層的支援体制の仕組みづくりにつきましては、今後改めて検討が必要であると考えているところでございます。 ○久保委員 予算がそこについているので、ここでやるのかなというふうに一見見えてしまったんですが、まだそういうふうに決定しているわけではないのだろうと思います。甲田委員からもありましたけれども、一番身近な区民活動センターであれば、高齢者、障害者の誰もが気軽に足を運べるというメリットがあります。職員体制の強化やオンラインでの相談体制、また社会福祉協議会等との連携も必要であると考えます。区民活動センターにおける相談体制について前向きに検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 ○小山地域活動推進課長 令和3年度の移行準備事業の主な取組の内容については、これまでのすこやか福祉センターにおける相談支援体制やアウトリーチ活動の推進強化に加え、移行計画の策定、区の庁内連携体制の構築、多機関協働による包括的支援体制構築の取組などを行う必要がございます。これらと併せまして、区民活動センターの役割につきましても、現状の取組を踏まえて検討していく必要があるというふうに認識をしているところでございます。 ○久保委員 認識はしていらっしゃるというところでございます。今回の予算が区民活動センター業務委託についていることは最適とは言えない気もしますけれども、まずは地域支えあい推進部が中心となり、早急に全庁的なPTを立ち上げ、重層的支援体制整備事業への移行準備事業を進め、断らない相談窓口の構築に向け取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。 ○小山地域活動推進課長 重層的支援体制事業は、介護、障害、子ども・子育て、生活困窮分野の相談支援機関間の連携をさらに推進していくというものもございます。地域支えあい推進部、健康福祉部、子ども教育部などの関連部署との連携や調整を図りつつ、どのような体制で検討を進めるかにつきましては、今後明確にしてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ○久保委員 ありがとうございます。当然のことながら、地域包括ケアとの関連というところもあります。断らない相談窓口というのは、タイトル的には非常に重いものでありますけれども、やはり区民の方がどこに相談に行ったらいいのか分からない。でも、どこに行ってもちゃんと自分の相談に応えてくれる、そういった支援先が見つかるよという、そういう姿勢が重要ではないかと思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいことをお願いいたします。 次に、在宅療養者支援についてお伺いいたします。 コロナ禍でスタートした在宅介護者支援の継続と充実についてお伺いいたします。この点は、さきの一般質問でも白井幹事長から質問をさせていただいております。中野区の自宅療養者セットは、東京都よりも充足した内容であるとも言われておりますが、対象者から要望があった場合は、可能な限り対応していきたいとお答えになっています。東京都のセットにはない日用品などについて、希望があれば併せて活用できるのでしょうか。お伺いいたします。 ○高橋地域包括ケア推進課長 日用品につきましては、自宅療養者からの御希望があった場合には区として対応してまいります。 ○久保委員 自宅療養者セットの準備については、当初、御苦労もあったようですけれども、当事業を進めるに当たりどのような課題が見えてきたのか、お聞きいたします。 ○高橋地域包括ケア推進課長 食料品の内容につきましては、幅広い年齢層や体調に対応できるよう工夫してきたところでございますけれども、レトルト食品など保存が利くものが中心になってまいりますので、対象者にセットの内容をお伝えしたところ、要らないと言われるケースもございました。スピードが大切な事業でございますので、様々な要望全てに対応するのは難しい面もございました。一般食料品は賞味期限の関係で区で大量にあらかじめ購入し、保管しておくというわけにはまいりません。地震などへの備えと同様に、万が一の事態に備えて、各家庭におきまして一定程度の備蓄をしていただくよう普及啓発していくようなことも必要ではないかと考えております。 ○久保委員 今回の自宅療養者セットは保健所との連携により、必要な方に届ける仕組みになっています。今回の取組は、今後も様々な場面で住民支援として活用できるのではないかと考えますけれども、地域包括ケア担当としてどのような見解をお持ちでしょうか。伺います。 ○高橋地域包括ケア推進課長 今回の事業は健康福祉部と地域支えあい推進部が連携・協力して実施いたしました。保健所や自宅療養者から配布を希望するかどうかをお尋ねしまして、すこやか福祉センター、区民活動センターのアウトリーチチームが中心となりまして配送を行いました。地域包括ケア推進課は物品の調達を行うとともに、希望する自宅療養者への詳細な説明と配送のスケジューリング、人手の手配など事業の全体調整を行ったわけでございますけれども、保健所とセンターという現場同士が直接やり取りをする事業形態では、なかなかスムーズにいかなかったのではないかなと思われます。 地域包括ケアは様々な主体によります連携・協力関係が重要であることは言うまでもございませんけれども、連携・協力の要となる部署の重要性、そしてその在り方につきまして改めて認識したところであり、今回の経験を今後の取組に生かしてまいりたいと考えております。 ○久保委員 連携・協力ということが本当に要であるということでございまして、今回はそのことが新たに課題も見えてきたという大変重要な意味もあったと思っています。さきの一般質問では、新型コロナ感染症対策に関する質問の中で、介護する家族などが入院、施設療養となった陰性の要介護者の支援について、高齢者については2月に訪問支援の体制を整えたとお答えになっています。2月からスタートした事業の現状と、令和3年度の事業の継続についてお聞きします。 ○葉山介護・高齢者支援課長 お答えします。現時点では、本事業に該当するケースは発生していないという状況でございます。新型コロナウイルス感染症の区内における発生状況を踏まえますと、令和3年度におきましても、当面の間は本事業を継続する必要があるというふうに考えております。 ○久保委員 まだスタートしたばかりですので、実際にはまだこの事業が行われてはいないということです。コロナ陽性者の入院や入所に対する支援体制が強化されても、本事業が不要となるというわけではないかと思います。この点についてはどのような予測をされているのか、お伺いいたします。 ○葉山介護・高齢者支援課長 新型コロナウイルス感染症の陽性者となった御家族が入院に至って、一人残される要介護者への支援が必要なケースは発生するものというふうに想定されますが、区内における感染症の発生状況やワクチンの接種状況などを踏まえて判断してまいりたいと考えております。 ○久保委員 今回の事業は東京都の10分の10の補助により実施されております。区が単独で事業を行うことは難しいと思いますが、在宅介護においては必要とされる事業であるとも考えます。今回の事業をベースに、在宅介護者支援として新型コロナ以外にも適用できる体制整備を検討する必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。 ○葉山介護・高齢者支援課長 新型コロナウイルス感染症以外で同等の補助がない場合につきましては、今回のような事業を実施することは極めて困難であるというふうに考えております。 ○久保委員 やはり補助なしで、区で単独で行うというのは厳しい状況であるということかと思います。ただ今後、先ほどもお話がありましたけれども、陽性となられた要介護をしている方が入院などをしてしまって、高齢者が1人在宅になってしまうという可能性というのは、ほかの病気ですとか、事故でも考えられる状況でありますので、そうしたときに速やかに手が打てる、そういったことも検討していかなければならないかと思いますけれども、そのあたりではいかがでしょうか。 ○葉山介護・高齢者支援課長 確かにこれまでも緊急で介護されている方が入院なり事故等に遭われて、要介護の方が残ってしまうという状況はございました。その中で地域包括支援センターであるとか、ケアマネジャーさんが尽力されて介護保険の仕組みの中でやりくりをできていたものというふうに捉えております。 ○久保委員 今後も速やかにそういった対応をお願いしたいと思います。 在宅介護者支援に関連し、最後に伺う予定でありました介護施設基盤整備についてお聞きいたします。 今回の在宅介護支援でも、施設入所を待ちながら在宅で介護を受けている方、また、在宅介護を受けている陰性者の一時施設利用にも課題がありました。毎年のように介護施設基盤整備については年度末に減額補正を行っています。計画どおりに事業が進まない理由についてどう分析をされているのか、お聞きします。 ○葉山介護・高齢者支援課長 介護施設の誘導整備につきましては、土地の確保が困難であることが最も大きい原因であるというふうに考えております。 ○久保委員 土地確保が課題というのは、これは今に始まったわけではないと思います。介護施設基盤整備については、かつては福祉推進費に介護基盤整備費として予算化されておりました。当時でも施設整備は順調に進んでいたとは言えません。土地が出てくるのを待っているだけでは、一向、施設整備は進みません。令和3年度は認知症高齢者グループホーム整備1か所、地域密着型サービス等重点整備1か所、都市型軽費老人ホーム整備費補助1か所の都の補助がついております。中野区区有施設整備計画(素案たたき台)では、「未利用施設の活用に介護・障害者施設を検討」の記述がありますけれども、次年度には当然のことながら間に合うわけではありません。甲田委員からも在宅介護にも限界が来たときの老人保健福祉施設、介護医療院は絶対的に不足しているとの指摘がありました。本気で施設整備を進めるのであれば、組織体制を強化して取り組んでいくべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。 ○葉山介護・高齢者支援課長 未利用施設の活用につきましては、区全体の調整の中で行われるものでありまして、介護施設等の誘導整備の必要性を訴えながら、その実現に向けて庁内調整に努めてまいりたいと考えております。それから、介護施設の基盤整備の担当所管といたしましては、業務の改善や効率化に取り組みながら、組織の強化に努めてまいりたいと考えております。 ○久保委員 今、介護・高齢者支援の御担当がそのようにおっしゃっていただいて、しっかり取り組むということではあるのかと思いますけれども、実際にはかなりのオーバーワークなのではないかなというふうに私は思っています。そうした中で、本当に施設整備を本気でやろうということになってまいりますと、そこはなかなか、そこの課が頑張ると言っても難しいのではないかなと思っているところなんですけれども、部長が、ここは地域包括ケアになられますでしょうか。本当にこの組織体制の強化というところについては、必要性を感じておりますけれども、どなたか御答弁をお願いいたします。 ○藤井地域包括ケア推進担当部長 介護・高齢者支援課の介護基盤の組織体制の強化につきましては、介護保険制度の実際の制度運営という非常に大きなものを抱えながら、また基盤を整備するということも非常に、おっしゃるとおりとてもマンパワー的には今とても厳しい状況、オーバーワークぎみではあるんですけれども、新しい年度になりましてから、全体的な業務の見直しとチームワークでしっかり頑張ってまいりたいと思います。 ○久保委員 チームワークでということで、期待していきたいとは思いますが、これは庁内全体で検討しなければいけない大きな課題であると思っております。今、区長も後ろで聞いていらっしゃいますし、ほかの方たちもお聞きいただいているところですけれど、今後、本当に必要とされる施設を整備するという、そういった区の方針をきちっと示していただきまして、体制の強化をしていただきたいことを望みまして、この質問を終わります。ありがとうございます。 次に、デジタル化推進についてお伺いいたします。新型コロナで見えてきた課題の一つに、我が国のデジタル化の遅れがあります。決算総括質疑では様々な手続における押印廃止についてお伺いをいたしました。押印廃止に向けた検討状況について伺います。 ○藤永業務改善課長 押印廃止の取組状況についてでございます。2017年の手続き調査を基にした追跡調査を業務改善課から全庁に対し実施したところであり、現在は全所属から集まった調査内容の精査を進めております。年度内を目途として当該調査を取りまとめる予定であり、その上で区としての取組方針を定め、全庁に示す考えでございます。 ○久保委員 厚生労働省からの通達により、介護事業者との手続で一部押印の省略がされています。これは私は区のホームページを見て、変わっているということを知りました。経緯と開始後の状況、事業者や区の担当のメリット、今後の課題は何か、お聞きいたします。 ○葉山介護・高齢者支援課長 令和2年12月の国からの通知を発端といたしまして、その後の国からの技術的助言を踏まえまして、関係部署と協議をしながら、各様式における押印廃止の手続を順次進めているところでございます。押印を廃止することで、押印という事業者の手間が減るだけではなく、区としても印影の確認が不要になり、書類審査におけるチェックの工程が減るなどのメリットがあると考えてございます。今後の課題といたしましては、押印廃止ができないと判断されたものについても、ペーパーレス化推進の方針に沿って、引き続き庁内調整を行う必要があるというところでございます。 ○久保委員 他省庁における押印廃止を求める手続の見直しなどの改正省令はどうなっているのでしょうか。関係所管には通達があったのか、お聞きします。 ○藤永業務改善課長 他省庁からの押印廃止の通達についてでございますが、厚生労働省はじめ、経済産業省、文部科学省において、押印廃止を求める手続の見直し等の改正省令が発出されており、見直しが進められていると認識してございます。各省庁の改正省令などについては、所管課がそれぞれ受け取ることになるため、情報共有に努め、業務改善課において最新情報を把握できるようにしていきたいと考えてございます。 ○久保委員 所管課のほうに通達ですとか、省庁からの連絡が行く。業務改善のほうにはそれは通っていないんですか、現状では。 ○藤永業務改善課長 現時点では、こちらのほうに直接その所管課から来るようにはなってございません。 ○久保委員 今後は、区は調査した押印手続の状況や事業における見直しの進捗状況について、一元的に情報集約し進行管理を行うべきではないかと考えます。令和3年度からは業務改善課がなくなりますけれども、進行管理はどのセクションで行うのか、お聞きします。 ○藤永業務改善課長 来年度、区として押印廃止の取組方針を定める中で、取組事務の優先順位、庁内の情報共有、進捗状況の管理の手法について定めていく考えでございます。委員御指摘の情報の一元化、区全体の進行管理についても着実に行えるようにしていきたいと考えてございます。令和3年度につきましては、組織改正により新区役所整備課が当該事務を担当することになります。 ○久保委員 分かりました。今、これからというところなのかと思いますけれども、現状ではなかなかこの業務改善課で掌握し切れなかったというところもあり、そうした中で、各所管で取り組まれていたところもあるかと思いますので、今後の新しいセクションの中ではしっかりとその取組についても進めていただきたいことをお願いいたします。 デジタル化が進む一方で、そこについて行かれない高齢者の方たちへのサービス提供についても考えなくてはいけません。コロナ禍で様々な場面でネット申請が進み、利便性が高まる一方で、対応できない、いわゆるデジタルデバイド解消にも取り組んでいく必要があります。中野区高齢者保健福祉計画・第8期介護保険事業計画(案)には、生きがいづくりの支援の主な取組、高齢者の居場所づくり、活動の支援には、高齢者を対象としたICT活用を積極的に支援していきますと示されています。高齢者が自らやりたくなるようなモチベーションを向上する仕組みが大切であります。ポストコロナ時代のフレイル予防として、タブレット端末を利用した取組を進められるべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。 ○葉山介護・高齢者支援課長 今年度、一部介護予防事業の実施に当たりましては、会場に集まって行う代わりに自宅で参加できるように、オンラインでの実施を導入いたしました。あわせて、機器やスマートフォンアプリの使い方等につきまして講座を開催したというところでございます。今後も高齢者を対象としたICT化の手法や可能性を検討し、取組を広げてまいりたいと考えております。 ○久保委員 徐々にですけれども、そういった取組を広げるということで動き出しているということだと思います。高齢者が身近なところでタブレット端末を利用するということによって、デジタルデバイド解消化にもなっていくかと思います。 デジタル化により不利益をこうむることのない、平等な施策として、渋谷区ではスマホ貸出しを次年度からスタート予定とのことです。中野区のデジタルデバイド対策はどうなっているのか、お聞きいたします。 ○平田情報システム課長 高齢者のデジタルデバイド対策についてでございますが、高齢者のデジタルデバイド解消につきましては、区としても重要な課題だと認識しているところでございます。今年度は新型コロナのために休止している状態でございますが、これまでシルバー人材センターや東京テクニカルカレッジと協力して、デジタルデバイドを解消するために、パソコン教室やスマートフォン教室を開催しているところでございます。直近の教室では、70歳以上の高齢者の占める割合は約66%となってございますので、ニーズも高いと捉えているところでございます。 高齢者へのデジタルデバイド対応につきましては、渋谷区のような先進事例も参考としながら、充実について検討してまいりたいと考えてございます。 ○久保委員 総務省の示す自治体DX推進計画には、重点取組事項として、自治体DXの取組と併せて取り組む事項に、デジタルデバイド対策が明記されています。現在検討が進められている第2次中野区地域情報化推進計画(基本方針・素案たたき台)には、「デジタルデバイド対策」の文字がありません。中野区地域情報化推進計画の五つの柱には、「少子高齢化に対応したICTの利活用」とありますが、サービスを供給する側の事業展開だけでなく、受ける側の体制を整えることも重要であると考えます。区のデジタルデバイド対策を強力に推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。 ○平田情報システム課長 デジタルデバイド対策でございますが、サービスの提供側と受ける側の双方が体制を整えていくことが必要であることは、区としても認識しているところでございます。デジタルデバイドの解消を図っていくために、改定中の中野区地域情報化推進計画に盛り込みまして、その方向性を明確にした上で具体的な推進を図ってまいりたいと考えてございます。 ○久保委員 現在はその文字がなかったので、これからしっかり地域情報化推進計画の中にも盛り込んでいただくということでございますので、そこの内容につきましてもまた期待しておりますので、よろしくお願いいたします。 次に、学校教育の充実についてお伺いいたします。 最初にデジタル化推進について伺います。 今定例会の日野議員の学習系ネットワークの運用に関する一般質問では、回線速度が改善されない間、学習系ネットワークからのインターネット接続の利用についてはどのような運用をしていくのかという問いに対しまして、整備までの間はインターネットの接続では常時双方向のデータが流れるような場合に、動きが悪くなる場合がある。学校には双方向ではない使い方や、使用する時間帯の工夫、クラウドへ保存したデータを視聴するなどをお願いしているとの答弁がありました。学校での学習活動に制限を設けることにはならないのか、お伺いいたします。 ○板垣学校教育課長 学校におけますインターネットを活用した授業では、グーグルクラスルームに接続するなどして資料を確認したり、グループ学習などに使われているところでございます。こうした使い方においては特に問題なく使用できるというふうに考えております。今後、万が一学校が臨時休業になった場合に、オンラインミーティングやリモートのように常時双方向のデータが流れるような使い方をする場合には、使う時間帯を工夫するなどの対応が必要になるというふうに考えております。 ○久保委員 現状ではそういった制約を設けることにはならないけれども、また前回の緊急事態宣言下の中で双方向が必要になった場合には、今のままでは不十分ということだと思います。他の自治体でも、GIGAスクール構想を推進する過程でインターネット接続の不具合等、中野区と同様のことが起きているのでしょうか。お伺いいたします。 ○板垣学校教育課長 近隣区にインターネット接続の不具合について確認しましたところ、当区と同様にインターネット回線の増強工事をするまでの間は学校に使用の工夫をお願いしているという区がございます。また、中野では学校内にWi-Fi環境を整備することでインターネットへ接続しておりますけれども、学校内にWi-Fi環境を整備することなく、携帯電話用の無線基地局から発信する電波に接続して使用するLTE端末を導入した区におきましては、回線がうまくつながらないなどの状況が生じている区もあるというふうに聞いております。 ○久保委員 どこの区もそんなに順調に進み出したわけではないのかもしれないなと思っています。 2月22日、文部科学省のデジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議は、中間まとめ(案)を公表いたしました。デジタル教科書の普及状況については、令和2年3月1日現在、公立学校全体では7.9%、小学校では7.7%、中学校では9.2%とのことです。中野区におけるデジタル教科書の普及状況についてお伺いいたします。 ○宮崎指導室長 指導者用のデジタル教科書につきましては、令和元年度から全区立小・中学校の全学年に算数・数学を、小学校の5・6学年と中学校の全学年に外国語を導入しているため、この2教科につきましては普及率は100%でございます。 ○久保委員 ちょっと公表されている数値が何をベースに言っているのか分からないところもあるので、区としては、算数・数学ですとか英語ということにつきましては100%というところです。 現状では、公立小・中・高等学校における普及率は低く、デジタル教科書の本格的な導入に向け、全国的な実証的な研究を行いつつ検討することが必要としているということでございますけれども、中野区立の小・中学校において実証的な研究校があるのか、お伺いいたします。 ○宮崎指導室長 学習者用のデジタル教科書の実証的な研究につきましては、国が学習者用デジタル教科書実証事業として、来年度、全国規模の調査研究を行う予定でございます。本区もこの実証事業への参加を申請しているところでございますが、教科や学校数に制約がございますため、現時点ではどの学校がどの教科で選ばれるかは未定でございます。 ○久保委員 手挙げはしているけれども、まだ選ばれるかどうか分からないということです。 これまでも我が会派は、教育ICTを推進する担当の設置と人材確保が重要であることを訴えてきております。来年度の組織改正により、学校教育課に教育情報システムを所掌する担当係長を新たに設置するほか、職員定数を1名増員する予定であり、さらなる体制の強化が必要な場合には、情報システム課の職員に兼務発令を行い、スキルの高い職員を活用することも検討していきたいと、さきの日野議員の質問ではお答えになられております。本来は、教育ICT推進課等を設置すべきと考えておりますが、今後の組織構築についての御見解を伺います。 ○板垣学校教育課長 来年度は学校のネットワーク環境を見直すこととしております。学校からインターネットに接続する回線は一旦区役所のデータセンターで集約してから外部へ接続していることから、ネットワーク環境の見直しに際しては、区全体のシステム担当である情報システム課との連携が不可欠でございます。今後、教育現場におけますICT推進へ対応するための組織形態等につきましては、引き続き関係所管と調整していきたいというふうに考えております。 ○久保委員 関係所管と調整していきたいということですけれども、職員課長に伺います。ICTに関するスキルの高い職員は、現状何名いるんでしょうか。人材確保と人材育成は急務と考えますけれども、御所見を伺います。 ○中谷職員課長 ICTに関してある程度スキルがある職員としましては、情報システム課の職員が24名、各所管で情報システムの管理運用を行っている情報システム担当者が170名程度はございます。ICTに関するスキルにも様々なものがございまして、実務経験に応じて住民情報系のシステムにたけた職員もいれば、内部管理系のシステムにたけた職員もございます。そうした中で、ハードウエアやネットワークの管理運用、情報セキュリティなど技術的な面でスキルの高い職員は人数が限られており、10名程度というふうに私は認識してございます。 人材の確保と育成が急務であるということは認識してございますが、一朝一夕にスキルの高い職員を育成できるわけではございませんので、まずは現時点でスキルの高い職員を必要に応じて兼務発令などにより活用していくとともに、中長期的には情報システムやネットワークの管理運用に関する実務経験を積み上げ、ICTに関するスキルの高い職員を着実に養成できるような人員配置を行っていきたいというふうに考えてございます。 ○久保委員 今、10名程度というお答えでございまして、10名程度ではなかなか教育委員会の中にICTの推進課というようなものをつくって、そこに潤沢な職員を置くというのは難しいのかなというふうに思っております。しかも、そのことについては喫緊の課題だという認識もあるかと思いますので、さらなる充実を図っていただきたいと思っておりますし、また、兼務発令ということなんですけれども、その流れでずっと行くことが本当に最適なのかどうかというところもしっかり検討していただきたいと思っておりますので、今後もまたさらに取り組んでいただきたいことをお願いいたします。 次に、不登校についてお伺いいたします。 令和2年5月8日の教育委員会資料、「臨時休業期間等における在宅児童・生徒のICTを活用した学習支援について」によれば、「学校再開後の活用例により、不登校の児童・生徒が自宅にいながら、学校の指示する学習課題を進めたり、学校の授業を受けたりすることができます」と示されています。現状についてお伺いいたします。 ○宮崎指導室長 学校では、新型コロナウイルスへの感染や濃厚接触による自宅待機、感染への不安による登校自粛を含め、何らかの理由で登校しない、登校できない児童・生徒のうち、希望する児童・生徒には、個々の状況に応じて、ICTを活用した学習支援を行っているところでございます。具体的には、オンラインでの担任との相互連絡や、学習課題等の受取りとその提出、学習コンテンツを活用した個別学習、授業や行事の配信などでございます。今年度中に区立小・中学校全児童・生徒へのタブレットPCの配布が完了するため、不登校に限らず、様々な状況にある児童・生徒への学習支援に広く活用していくこととさせていただいております。 ○久保委員 オンライン化が進み、不登校児童・生徒の学習の遅れや学校との距離を縮めることにつながることを期待しています。しかし、やはり対面でコミュニケーションを取ることが重要であると考えています。不登校の児童・生徒については、教育支援室フリーステップ、巡回指導等もそれぞれ効果を示しているとのことです。特に南北の教育支援室分室の利用は伸びているとのことですが、状況についてお伺いいたします。 ○宮崎指導室長 令和元年度から南部と北部に教育支援室分室が設けられ、通いやすくなったことで、これまで教育支援室につながりにくかった児童・生徒が継続的に教育支援室分室に通室できるようになったり、自宅での巡回支援から分室での支援に移行したりするケースが徐々に増加しております。実際に教育支援室分室を利用している人数は、初年度の令和元年度は4名でありましたが、令和2年度は8名となっております。今後も不登校児童・生徒が通いやすくなるよう、教育支援室の支援体制を工夫し、充実させていく所存でございます。 ○久保委員 中野区教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価に関する報告書には、重点項目、いじめ、不登校の強化に関して、「今後の取組の方向性として、教育支援室の分室の効果的活用とともに、チーフスクールソーシャルワーカーの設置により、不登校児童・生徒への組織的支援をより強化する」としています。これまで我が会派は、学校に行くことのできない不登校の児童・生徒が中野東中学校と隣接し開設される教育センターの教育支援室に通うことは負担が大きく、ハードルが高いことを訴えてきました。そうした意味で、南北の分室の役割は大きいと感じております。今後の新しい教育センターでは、不登校対策についてもICTを活用したセンター機能の充実を図り、組織的支援を強化すべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。 ○宮崎指導室長 ICTを活用したオンライン学習につきましては、現在、学校でも推進しているところでございますが、不登校の児童・生徒にとって、支援の選択肢が広がることは重要であると考えております。新しい教育センターにおきましては、Wi-FiなどのICT環境が整備されていくため、通室できない児童・生徒に対しても、遠隔で学習課題を提示したり、学習コンテンツを活用したオンライン学習などを実施していく予定でございます。 ○久保委員 分室に通える児童・生徒もあれば、そうでない生徒もいるわけなので、そういった両面からしっかりとサポートをしていただきたいと思っています。 不登校の原因は、10人いれば10人それぞれに違い、置かれている環境も違うと考えております。家庭との協力や、時には家庭への支援にもつなげていかなければならない場合もあるかと思います。ケースによっては、教育センターと児童相談所が連携を図り、児童・生徒と家庭を支える仕組みを構築すべきと考えますが、その点についてはいかがお考えでしょうか。伺います。 ○宮崎指導室長 来年度、教育センターが移転する新しい施設には、子どもに関する様々な相談・支援を行う子ども家庭支援センターや児童相談所などが併設されるため、これまで以上に連携が図りやすい環境となると考えております。例えば、児童相談所等との定期的なケース会議を開催し、情報共有や行動連携を図るなどの対応を想定してございます。また、教育センターに配置されているスクールソーシャルワーカーを児童相談所等との連絡調整役として活用し、連携をさらに強化していこうと思っております。 ○久保委員 期待しておりますので、よろしくお願いいたします。 次に、コミュニティスクールについてお伺いいたします。現在文部科学省は、地域とともにある学校づくりと学校を核とした地域づくりを併せて実現することを目指し、コミュニティスクールと地域学校協働活動の一体的な実施を推進していくとしています。令和3年度予算では、地域学校協働活動の制度導入に向けて、関係団体等の意見交換を行い、導入の手順等を検討しますとのことです。平成30年第2回定例会のコミュニティスクールに関する私の質問に対し、区長は、現在の仕組みや地域の状況などを踏まえながら、導入に向けて検討していきたいと考えておりますと述べられております。 過去の教育委員会の議事録を拝見すると、地域学校協働活動の推進に関する教育委員会の検討状況は見えてきません。どのように検討されてきたのか、伺います。導入の手順等を検討すると予算については説明されておりますので、既に導入については意思決定がされたものなのか、お伺いいたします。 ○永田学校再編・地域連携担当課長 教育委員会におきましては、学校運営協議会、いわゆるコミュニティスクールの目的や仕組み、文部科学省が推奨しておりますコミュニティスクールと地域学校協働活動の一体的な推進などにつきまして、外部講師を招いての勉強会などを行ってきたところでございます。教育委員会では、これまでにも学校支援ボランティア制度によりまして、地域の方々に学校の様々な活動を支援していただくなど、家庭・地域・学校の連携による教育を進めてきたところでございます。こうした取組を今後さらに推進するため、令和3年度は地域学校協働活動の制度導入に向けた検討を行うこととしたものでございまして、教育委員会で御説明し、了承をいただいたものでございます。 ○久保委員 了承をいただいたということですね、教育委員会でも。ただ、議事録を拝見したところ、なかなか教育委員会の中でこの議論が活発に交わされているというところを私は見ることができませんでした。勉強会等は行われたというところではあるかと思うんですけれども、やっぱりしっかりと議論を積み重ねていただきたいなということを思っています。 令和3年度にはコミュニティスクール推進員、CSマイスターの文部科学省からの派遣については検討されているのか、お伺いいたします。 ○永田学校再編・地域連携担当課長 地域学校協働活動及び学校運営協議会制度につきましては、全国の自治体や学校におきまして、それぞれの地域の特色などに応じまして多様な形態で運用されておりますことから、他の自治体での取組事例の調査研究が有効であると考えてございまして、その一つとして、文部科学省のコミュニティスクール推進員の派遣制度の活用につきましても検討してまいりたいと考えてございます。 ○久保委員 多様な取組がございますので、様々なところで検討を深めていただきたいと思っています。 地域学校協働活動推進員については、他自治体では非常勤の特別職としている自治体もありますが、教育委員会は地域学校協働活動推進員についてはどのように考えているのでしょうか。お伺いいたします。 ○永田学校再編・地域連携担当課長 地域学校協働活動におきましては、地域と学校との連絡調整等を行うコーディネーターの役割を果たす地域学校協働活動推進員が重要になると考えてございます。地域におきまして、どのような方にどのような形でこの役割を担っていただくのが最もふさわしいのか、地域の御意見も伺いながら検討してまいりたいと考えてございます。 ○久保委員 コーディネーターとしての役割が非常に大きいということでございます。この非常勤の特別職とするかどうかというところも、これは検討に入っているのでしょうか。いかがでしょうか、伺います。 ○永田学校再編・地域連携担当課長 この役割につきましても検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ○久保委員 そこのところについては、まだどういった形になるかは決まっていないということかと思います。お立場によっては、なかなかこの非常勤の特別職ということがそぐわない方もおいでになるようですので、慎重に検討していかなければならないのかと思います。中野区の地域と学校の連携、協働体制の目指す姿についてはどのようにお考えなのでしょうか。お伺いいたします。 ○永田学校再編・地域連携担当課長 中野区教育ビジョン(第3次)の中で、保幼小中の連携と併せまして、子どもたちは家庭や地域の協力で充実した教育を受け、生きる力を育んでいるということを目指す姿としているところでございまして、地域全体で子どもの学びや成長を支え、学校の運営や教育活動を充実・活性化し、地域とともにある学校づくりを推進していく具体的な仕組みとして構築してまいりたいというふうに考えてございます。 ○久保委員 中野区では既に地域が学校を支える仕組みというのがかなり深まっていると思うのですね。なので、この文部科学省が示すパターンと全く同様のことが中野に向いているのかどうかというところもしっかり検討していかなければならないかと思います。そうしたところも含めて、これから地域の方たちの御意見を聞く場もありますし、教育委員会としてもしっかり検討するということで、中野にとってどういったこのコミュニティスクールというのがいいのかということをしっかり議論をしていただきたいと思いますので、これは要望させていただきます。 次に、区内交通環境整備についてお伺いいたします。 今年度は新型コロナの影響により、予定されていた実証実験を行うことができませんでした。今年度は内部での検討を行ってきたとのことですが、どのような協議が進められてきたのか、お伺いいたします。 ○村田交通政策課長 他の自治体で行われているコミュニティタクシーの利用状況などを継続的に調査しておりまして、今年度の利用率は昨年度と比べて減少していること、また、新型コロナウイルス感染症の影響への対策などを確認しているところでございます。このことから、新型コロナウイルス感染症による移動、交通行動の変容も考慮しまして、交通事業者へのヒアリングを行うことも含めて、事業の進め方等について検討を進めているところでございます。 ○久保委員 他の自治体では、コミュニティタクシーの利用がやはりコロナ禍の中での外出控えですとか、またタクシーを控えるというような動きの中で減少してきたというふうに伺っています。令和3年度予算では、新たな公共交通サービスの導入検討調査委託費が計上されています。令和2年度に予定されていた事業と同様のものなのか、お伺いいたします。 ○村田交通政策課長 スケジュールといたしましては、令和3年度に検討を進めまして、その結果を基に令和4年度に実証実験を行うこととして見込んでございます。内容につきましては、アンケートや勉強会などを実施しまして、今年度予定していたコミュニティタクシー以外の手段も含めまして、新型コロナウイルス感染症の影響も考慮した検討を行う予定でございます。また、その検討の過程におきましては、交通事業者、交通管理者、交通に関する学識経験者などの意見も確認しながら進める考えでございます。 ○久保委員 実証実験は令和3年度には行わないということですけれども、令和3年度も対象エリアについては変更がないのでしょうか。また、対象エリア以外で調査を行う必要はないのか、さらには全区的に展開する必要性についてはどのように考えているのか、伺います。 ○村田交通政策課長 対象エリアにつきましては、平成30年度に実施した区民移動実態把握に関するアンケート調査から、交通手段の満足度が比較的低く、導入検討の要望も聞かれております若宮、大和町を中心とした地域で考えておりまして、変更はございません。また、全区的には公共交通ネットワークの充実等を図っていくことについて、交通事業者等との調整も図りながら調査検討していく考えでございます。 ○久保委員 いずれにいたしましても、この令和3年度に行った結果というのは、大きく区内全域にするのかどうするのか。また、ほかのエリアでは、そのエリアごとにもしかしたら違う課題も見えてくるのかと思いますので、ここは今年度のところが重要なのかなと思っています。 これまで委員会の中でも福祉施策とのすみ分けや、福祉施策では補えない公共交通サービスの在り方を関係所管、関係機関と連携し進めることを求めてまいりました。庁内での関係部署や、また関係機関との連携については今後どのように進めていくのか、お伺いいたします。 ○村田交通政策課長 現在進めております交通政策基本方針の策定に向けた検討の中におきまして、健康福祉部などの福祉部門との調整等も図っているところでございます。また、来年度関係者間の調整の場として、学識経験者、関係機関、区民等から構成される会議体を設置する予定でございまして、この中におきまして、誰もが利用しやすく円滑に移動できる交通環境の整備を進めていくこととしまして、福祉政策として実施する移動サービスとも調整・連携を図っていきたいと考えているところでございます。 ○久保委員 ありがとうございます。しっかりと取組をお願いいたします。 質問は以上でございます。 最後に、間もなく東日本大震災より10年を迎えます。私たちはこの大震災で、我が国が多くの生命を失い、大きな被害に遭ったことを忘れてはならないと思っています。また、今また全世界を襲っている新型コロナウイルスとの闘いはただ中にあります。今後も様々な備えを万全にしながら区民生活を守るために、区も議会もそれぞれに力を尽くし、役割を果たしてまいりたいと思っています。 今、区は新しい基本構想の議案をこれから上程される予定ですけれども、本当に様々質問をさせていただきましたけれども、区民生活を守るという、そういうスタンスに立って、安全・安心で住み続けられる持続可能なまち、また誰一人置き去りにしない、そういった支援体制の構築、それをしっかりと進めていただきたいことを望みまして、私の全ての総括質疑とさせていただきます。ありがとうございました。 ○山本委員長 以上で久保りか委員の質疑を終了いたします。 次に、浦野さとみ委員、質疑をどうぞ。 ○浦野委員 2021年第1回定例会予算特別委員会におきまして、日本共産党議員団の立場で総括質疑を行います。質問は通告どおりで、生活保護ケースワークの外部委託問題について伺います。その他はありません。 ケースワークの本体業務を外部委託することは、現在の生活保護法の下では事実上できないことになっています。しかし、幾つかの自治体で違法的・脱法的に行われており、中野区でもそれが行われているのではないかということを昨年の第4回定例会の本会議で取り上げました。その際、各法令にも違反しておらず、また、偽装請負もないとの答弁でしたけれども、改めて三つの観点から伺いたいと思います。 初めに、(1)生活保護法、社会福祉法との関係について伺います。 生活保護法の第1条では、法律の目的が明記されています。まず、内容を確認いたします。 ○中村生活保護担当課長 生活保護法第1条には、「この法律は、日本国憲法第25条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」とございます。 ○浦野委員 今説明いただいたとおり、必要な保護を行って、最低限度の生活を保障する。つまり、保護の決定と実施がそれに当たります。後段の自立を助長するという部分が、自立支援適正化、この二つが明記されていると思います。では、保護の決定、実施については、生活保護法の第19条4項ではどのように明記をされていますでしょうか。 ○中村生活保護担当課長 生活保護法第19条第4項には、「前3項の規定により保護を行うべき者(以下「保護の実施機関」という。)は、保護の決定及び実施に関する事務の全部又は一部を、その管理に属する行政庁に限り、委任することができる」とございます。 ○浦野委員 行政庁、つまり福祉事務所長に限り委任をすることができるとされている、このことが明記されていると思います。そのため、事実上、民間委託へは、外部委託ができないということになります。そのため、生活保護を開始する際、また、その後何か収入があって保護費を減額したり、保護を廃止をしたり停止をしたり、これらの保護の決定行為というのは外部委託できないということで間違いないですか。 ○中村生活保護担当課長 はい、委員お見込みのとおりでございます。 ○浦野委員 今、外部委託できない、そのことを確認しました。 一方で、ケースワーカーが行うべきケースワークの業務について、就労支援など専門的な知識や技能を持つ外部団体等に委託することであったりとか、戸籍の徴収、また銀行などへの資産調査など、ケースワークの補助的、補完的な業務の一部については、非常勤職員等が行う場合にのみ委託が許されている。あくまでも補助、補完的な業務のみ委託が許されている。これも間違いないですか。 ○中村生活保護担当課長 はい、一部委託できる部分があるとは考えてございます。 ○浦野委員 今、前提となる法律を確認いたしました。 では、現在区が行っている外部委託のこの業務について伺っていきたいと思います。予算説明書の248ページ、この中で、生活保護の(2)高齢者保護、この中に高齢者居宅介護支援事業という事業名があります。これがこの生活保護の外部委託の該当部分になります。予算は1年間で約7,600万円計上されています。新年度予算にもそのようになっています。まず、これはどういう事業で、どういう方が対象なのか、説明をお願いいたします。 ○中村生活保護担当課長 生活保護を受けていらっしゃる65歳以上の生活が安定した高齢者の世帯を対象といたしまして、介護サービスの利用に係る指導、援助等、高齢者特有の課題に対する支援、調査等を行う事業を実施することによりまして、高齢者に対する生活保護の適正な実施を図ることを目的として実施しているものでございます。 ○山本委員長 浦野委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。 15時20分まで委員会を休憩いたします。 午後2時58分休憩
午後3時20分開議 ○山本委員長 それでは、委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き総括質疑を行います。 浦野委員、質疑をどうぞ。 ○浦野委員 休憩前の質疑で1点だけ訂正いたします。この事業の予算説明書該当箇所を御説明したんですが、予算説明書ではなく、予算説明書の補助資料の248ページです。ここだけちょっと訂正いたします。 では、休憩前に続けて質疑をしますが、休憩前のところでは生活保護法の第1条と第19条4項を確認し、保護の決定行為は外部委託できないことを確認しました。で、区が行っている高齢者居宅介護支援事業のどういう方が対象かというところまで説明をいただきました。 それでは、現在生活保護利用世帯の方のうち、この委託事業に何世帯の方が委託をされているのか、その件数と、あと生活保護利用者全体に占める割合、併せて伺います。 ○中村生活保護担当課長 本事業でございますけれども、1,650世帯を上限として本事業の対象としてございます。令和元年度には高齢世帯は年間平均で3,654世帯でございましたので、高齢世帯の45%ほどになってございます。 ○浦野委員 高齢者、65歳以上で生活保護を利用している方の45%、約2人に1人の生活保護利用者の高齢者の方が委託対象になっているということです。この委託で関わる方は、高齢者ケースワーク専門員と呼ばれています。以後、委託専門員と呼びます。この委託専門員が所属するのは、生活保護担当課の高齢者保護係というところです。この係は全体で20名で、そのうち3分の2に当たる14名がこの委託専門員です。ほか6名が区の職員ですけれども、係長、査察の方を除いて、5名の正規ケースワーカーが所属していることになっています。 昨年、第4会定例会の本会議質問でこの問題を取り上げた以降に、65歳以上の生活保護利用者の方から、自分の担当は区の正規のケースワーカーではなかったのかと驚きの声が寄せられています。まず、この高齢者保護係の中で5名の正規ケースワーカーと14名の委託専門員のそれぞれの役割の違いについて伺います。 ○中村生活保護担当課長 委託事業者の専門員は、仕様書に基づきまして、保護の決定を伴うものを除いた事実確認等の業務、つまり訪問や相談・助言、書類の受取り及びシステム入力等を行います。これに対しまして、区職員であるケースワーカーは決定を伴う対応、例えば生活保護受給者の安否確認ですとか、亡くなった場合の対応、施設入所に係る対応などを行ってございます。 ○浦野委員 決定の部分は正規ケースワーカーですよ、そこは委託専門員はできませんという御答弁だったと思います。 では、これから三つの業務について伺いますので、実際にそれを行っているのは誰か、主として行っているのは誰か、正規ケースワーカーなのか、委託専門員なのか、どちらかで御答弁をお願いいたします。 まず初めに、保護の決定、変更に当たり、必要な申請書を受理し、その内容をケース記録に記入し、保護費を算定するための保護決定調書の入力処理を行う業務は、どちらが行っていますか。 ○中村生活保護担当課長 委託事業者の専門員が書類を受け取り、内容をケース記録としてシステムに入力してございます。 ○浦野委員 委託専門員ですね。 次に、保護の決定及び算定に当たり、必要となる収入や資産の状況を把握するための収入申告書、資産申告書を受理し、ケース記録作成をする業務はどちらですか。どちらかだけでお答えください。 ○中村生活保護担当課長 委託事業者の専門員でございます。 ○浦野委員 委託専門員です。 三つ目、保護世帯の自宅などへ訪問するための訪問計画を作成する業務、あわせて、通常の定期の家庭訪問を行い、その内容をケース記録として作成する業務はどちらですか。 ○中村生活保護担当課長 委託専門員でございます。 ○浦野委員 今確認した三つについて、委託専門員が行っているという答弁でした。で、この委託専門員が入力作成した後、保護決定調書やケース記録について、それを最初に確認する業務は誰が行っていますか。 ○中村生活保護担当課長 委託事業者の従事職員、専門員の中から選任された責任者、または主任が確認してございます。 ○浦野委員 委託専門員の方の主任ということですね。で、委託専門員が行っています。そうすると、今確認した四つ、つまり、この委託事業の対象の保護決定、実施に必要な書類の徴取、受理業務、保護費の算定のためのシステム入力業務、対象世帯への通常の定期の家庭訪問や、そこで得た内容をケース記録に記載する全てをこの委託専門員が行っているということで間違いありませんか。 ○中村生活保護担当課長 はい、委託事業者でございます。 ○浦野委員 こちら、情報開示請求で確認した資料になります。これは2020年10月19日付高齢者居宅介護支援業務等の履行評価に伴う資料の提出についてというものです。この中に、平成31年、令和元年度の委託事業者の業務報告書があります。その中で、保護費の変更決定に関わる事務処理を行った実績がこのように一覧で掲載されていますが、例えば、この色で塗ったところ、一時扶助3,234件、収入認定4,449件、基準変更349件の処理など、1年間で8,000件以上もの保護決定調書の作成を委託専門員が行っております。これは補助業務ではなくて、保護の決定に関する業務ではありませんか。 ○中村生活保護担当課長 委託の専門員は仕様書に基づいて決定調書のデータ入力作業を行ってございます。その後、ケースワーカーが確認した後に配付をいたしまして決裁を行っているものでございます。決定に関することは区の職員が行っております。 ○浦野委員 じゃあ、具体的にちょっとケース記録について伺っていきます。ケース記録は、家庭訪問によって調査をされた保護の支給要件の確認であったりとか、生活上のニーズを確認を記録して、保護の適正な実施を行う根拠となる重要な公文書です。例えば、高齢の利用者が認知症の傾向があって、そうした場合には介護保険の利用にも今後つなげていくことになりますから、ケース記録はそうした根拠となる非常に重要な役割を持つものだと思います。 これ、同じく情報開示請求で、この委託事業の業務手順書を確認しました。先ほど御答弁があったように、まずケース記録を作成するのは委託専門員、そのケース記録の内容確認も委託事業者の主任、責任者が行っている。それは先ほど答弁がありました。この手順書では、正規のケースワーカーのところにも、ケース記録の内容確認、起案という業務があって、係長、査察が決裁をするというふうになっているんですね。ただ、これは実態として記録そのもの、下書きなどではなくて、本文を委託専門員が書いているんではないでしょうか。 ○中村生活保護担当課長 こちら、単純にシステム入力を行う作業でございまして、委託の仕様書に定める範囲で行っているものでございます。システムに入力いたしますので、紙に書いたものを清書する場合と異なり、下書きと本文という区分はございませんけれども、委託業者が入力したものを責任者が確認して、区が使用しているものでございます。 ○浦野委員 今、委託専門員が書いたものを、区の正規のケースワーカーが確認していますよということでしたけれども、これ、委託専門員が担当している生活保護利用の方に協力いただいて、自己開示請求で実際のケース記録を確認しました。委託専門員が訪問した記録が書かれていまして、最後に、記録した方のサインを書く欄と、確認した方のサインを書く欄があります。これ、それぞれ黒塗りになっているところですね。この記録と確認、これはそれぞれどなたがサインをしていますか。 ○中村生活保護担当課長 事業責任者またはそれに準じる者による報告記録、データ入力等の確認が委託の仕様書に明記してございまして、そのように履行されているものでございます。 ○浦野委員 今ちょっとはっきりあれしなかったんです。これ、それぞれ記録も確認も委託専門員の方ですね。間違いないですか。 ○中村生活保護担当課長 委託事業者でございます。 ○浦野委員 いずれも委託専門員です。これは、そうすると保護の決定調書や作成のケース記録の作成確認は、あくまでも専門員がやって、それを区のケースワーカーが決定しているということなんですけれども、そうすると、記録を起案しているというのは名ばかりで、実質、正規ケースワーカーは最後にサインをするだけ、判こを押すだけの役割になっているのではありませんか。 ○中村生活保護担当課長 入力作業までは委託事業者が行いますけれども、入力された記録に基づきまして、区のケースワーカーとして必要な対応は判断してございます。 ○浦野委員 なかなか、ちょっと苦しい御答弁になってきましたが、先に進みます。 今度、援助方針について伺います。さらに問題なのが援助方針なんですね。援助方針の策定というのは、ケースワークの中で核となる行為です。これは生活保護手帳の第12の4に記載されています。では、この援助方針を最初に立ててケース記録に記載するのはどなたが行っていますか。 ○中村生活保護担当課長 専門員が訪問等により得た情報に基づきまして、区のケースワーカーが、係長である査察指導員と相談の上、援助方針を立てております。それを高齢者保護係の係長、査察指導員から委託事業者の責任者に伝え、専門員が生活保護システムのケース記録に入力する作業を行っております。 ○浦野委員 そうしますと、ちょっと次のパネルを確認しますが、これも同じく情報開示請求で、高齢者居宅介護支援運営会議議事録を確認しました。ここには訪問記録や援助方針について話し合われた議事録が掲載されています。この中で、今後、援助方針は2回目の訪問時に合わせて作成をすると記載されています。つまりこれは、委託専門員が年2回行っている訪問によって、その2回目の訪問時に合わせて援助方針を立てているということの裏付けだと思います。ケースワークの中心となる意思決定、援助方針の策定や見直しを委託専門員が行って、実際のケース記録にも、訪問に行った委託専門員が援助方針の見直しを立てて記載しているということになりませんか。 ○中村生活保護担当課長 今、委員がおっしゃいました2回目の訪問に合わせて作成するという議事録についてでございますけれども、援助方針の入力はそれなりの作業量が発生するものでございます。定期訪問は年2回でございますので、援助方針に係る作業は年度の後半になるということになります。その時期に入力作業があるということをあらかじめ専門員に周知したものでございます。 ○浦野委員 なかなか厳しい御答弁だと思うんですが、じゃあ、もう一つ、家庭訪問について伺います。家庭訪問は、ケースワーカーの仕事のまさに核とも言える業務です。生活保護の実施要領には、ケースワーカーの訪問計画に基づく家庭訪問について、1年間で少なくとも何回以上実施するように義務付けられていますでしょうか。 ○中村生活保護担当課長 家庭訪問は年2回以上行うこととされてございます。 ○浦野委員 年2回ですね。 それで、この定期の年2回の家庭訪問を行うのは、通常は社会福祉法の第15条4項で、現業を行う職員、つまりケースワーカーだけと、正規のケースワーカーだけというふうになっています。かつ、この訪問は、福祉事務所の長の指揮監督を受けて行わなければいけませんので、指揮監督は委託専門員には及びません。よって、これは正規ケースワーカーだけに限られます。冒頭に確認したように、この高齢者保護担当係の中の区の正規のケースワーカーは、20名中5名です。5名なので、委託の上限数、若干、年によって変動はありますが、上限数1,650世帯を、この5名の正規ケースワーカーで割ると、1人当たり平均で330世帯を担当することになります。これ、多い方は、現在350世帯を超えて担当しています。 では、この正規ケースワーカー5名の方々の2019年度1年間の訪問計画数と実際に家庭訪問した件数について伺います。 ○中村生活保護担当課長 高齢者保護係のケースワーカーの定期訪問というのは想定してございませんので、ございません。 ○浦野委員 正規ケースワーカーの定期訪問、想定していない。これは非常に問題です。 訪問計画数はないということですね。では、実際に家庭訪問した件数は、2019年度1年間、何件になりますか。 ○中村生活保護担当課長 統計を取ってございませんので、数値としては持ってございません。 ○浦野委員 2019年度の件数もありませんか。もう一回伺います。 ○中村生活保護担当課長 数字として持ってございません。 ○浦野委員 これは非常に問題です。年2回、しかも正規のケースワーカーだけにしか行えないこの家庭訪問が、義務付けられている年2回、何回行っているかという数がないということになります。ちなみに、この5名の正規ケースワーカーの中で、全く訪問をしていない方は2019年度いらっしゃいますか。 ○中村生活保護担当課長 区職員ケースワーカーに確認したところ、ケースワーカーで訪問を一度も行っていない者はございません。 ○浦野委員 5名の方、1人もいないということで、それは間違いないですか。 ○中村生活保護担当課長 5名それぞれ訪問を実施しているものでございます。 ○浦野委員 そうすると、訪問しているけれども、その訪問件数は把握していないということですか。 ○中村生活保護担当課長 はい、おっしゃるとおりでございます。 ○浦野委員 いや、普通ね、もし訪問していれば、システム上に訪問した記録を残さなきゃいけませんから、逆に、ケース記録はどうなのかという話になりますけれども、いかがですか。 ○中村生活保護担当課長 ケース記録としては記載をいたしますけれども、それを何件訪問したということが抽出できませんので、個々の世帯のケース記録には訪問した記録はございますけれども、それを抽出して数値としては持ってございません。システム上できない仕様になってございまして、持っておりません。 ○浦野委員 いや、そのシステム、そうしたら大問題ですよ。だって、義務付けられている年2回の訪問をしているけど、算出できなくて、しかも回数は分からないというのは、これ、監査で指摘されることになると思いますよ。で、この1人のケースワーカーの標準数は80世帯ですから、平均で330世帯、多い方で350世帯を超えていますから、ケースワーク業務できないのは当たり前なんです。 今、ケース記録と援助方針、家庭訪問の状況を確認してきましたが、ケースワーカーの仕事を委託専門員が行っているというのは、これ実態として間違いないんですよ。補助業務どころか、ケースワーク業務そのものを委託専門員が行っている。実質、この委託専門員がケースワーカー、ケースワーク業務をしているということになりませんか。 ○中村生活保護担当課長 委託事業者の専門員は委託仕様書に基づきまして限定的な業務を行っているものであり、ケースワーカーとは役割が異なるものであると認識してございます。 ○浦野委員 先ほど来、委託専門員は補助で、決定しているのは区の正規ケースワーカーですよと言っているんですけれども、ただ、その保護の決定、実施は委託できないという最初に確認した前提の法律を脱法するような答弁なのかなと思います。 それで、これも情報開示請求で事業者の自己評価報告書、利用者の満足度実施状況というものを確認しました。ここに書いてあるとおり、収入認定や一時扶助支給の処理などを速やかに行い、遅滞なく保護費を支給していると書いてあります。これ、補助業務とすら書かれていません。これは委託事業者の報告書です。核となる定期の家庭訪問がどれだけ行われているかも分からない。訪問しなければ援助方針は立てられません、絶対に。記録も当然書けません。つまり、ケースワーク業務そのものを委託専門員が丸ごと行っているということが、この点からも明らかだと思います。 進みます。次に、(2)と(3)を入れ替えて、先に、(3)の人員・雇用体制、専門性の確保について伺いたいと思います。 区は、この事業の導入当時、2010年ですね、財政的効果があると言って導入しました。こちらも同じく情報開示請求で、高齢者居宅介護支援事業の実施についてというものになります。この中で、財政効果についても触れられております。ここに書かれているように、これ読みますけれども、現在委託をしている1,650世帯に正規ケースワーカーをきちんと配置しようとすると、ケースワーカーの1人80世帯を基本とすれば、25名の正規職員が必要である。しかし、本事業の実施で区職員の配置は6名――査察1名、ケースワーカー5名、つまり現在の体制ですね――で業務の実施が可能となるというふうに記されています。では、ここに記載されているように、委託専門員を導入した場合、本来必要な計25名の正規職員を現在の体制、つまり6名――ケースワーカー、うち5名ですね ――に減らしてよいという法的根拠は何ですか。 ○中村生活保護担当課長 委員おっしゃるような法的根拠はございません。 ○浦野委員 そうですね。法的根拠はありません。そもそも、財政的効果のために、この委託事業を導入して、正規ケースワーカーを減らしてよいということはないんです。法的根拠はありません。つまり、ここで25名必要だけれども、6名というふうになっています。これは同時に、今までの答弁とも矛盾していることになると思います。先ほど来御答弁があるように、委託専門員はあくまでも補助的業務、決定は区の正規ケースワーカーが行っているから、生活保護法や社会福祉法にも違反していません、委託専門員は補助の役割ですということをずっと御答弁されているんですけれども、この記載では、区が自ら、「区職員の配置は6名で業務実施が可能」と書いてあるんです。つまり、そうすると委託専門員がケースワーカーの役割を果たしていますよということを言っているんではありませんか。 ○中村生活保護担当課長 専門員は業務の一部を担っているものと認識してございます。 ○浦野委員 業務の一部とおっしゃいましたけど、いや、この文面を読み取ると、先ほど来言っている一部というのと、でも、ここには実際6名で業務が可能ですと書かれているんです。本来25名必要だけども、6名で可能だ。それ、矛盾しませんか。 ○中村生活保護担当課長 委託事業者によりまして年2回の訪問等を行い、状況の把握はできていると認識してございます。それに基づき、区のケースワーカーが決定して業務を行っている、できていると認識してございます。 ○浦野委員 委託専門員が年2回訪問していますね。それはしています。ただ、それは、今の法律では家庭訪問、正規の家庭訪問には駄目と書いてあるんですよ。正規のケースワーカーが行わなきゃ駄目ですよって書いてあるんです。委託専門員がしているのは、あくまでも補助であって、援助方針を立てたりする上で、また核となる定期訪問は正規のケースワーカーじゃなきゃ駄目なんですよ。委託専門員が行ってもいいですよ。でも、それはあくまでも補助なんですよ。これ、そうすると、どちらに転んでも問題だということがはっきりしたと思います。 私、この専門性という観点で見ても、この14名の今委託専門員のうち、社会福祉資格を持っている方は4名、社会福祉主事任用資格は2名で、専門資格がない方は5名います。やはり専門職できちんとケースワーカーを配置することが、これ絶対に必要不可欠です。中野区は、この高齢者保護係に限らず、ケースワーカーの人員配置は都内でも有数の劣悪状態です。脱法、違法の可能性が濃厚な委託事業を取り入れて、現在に至るまで11年間続けてきた背景には、旧区政時代の2,000人体制に向けた大幅な人員削減があったからです。これを成果という方々もいますが、生活保護利用者はもちろん、働く職員の方々にもしわ寄せが行っています。ケースワーカーの人員不足にもつながっています。 現場の方々、私、必死で働いていると思います。この財政的効果を強調しますけど、でも、だから減らしていいという法的根拠はさっきないとおっしゃいましたよね。ないんですよ。委託できることと、やっぱりできないことがあって、これは委託してはいけないんですよ。これは職員課としても、今指摘してきたこの事業の実態を踏まえて、今後の人員配置や増員について、早急に見直し検討すべきではありませんか。 ○中谷職員課長 生活保護のケースワーカーの配置が基準を満たしていないということは、できるだけ早く解決すべき課題であるというふうに認識してございます。これまでも少しずつではありますが、徐々に定数を増やしてきているところでございまして、今後も、他の行政需要とのバランスを取りながら、着実に増員していく予定でございます。 ○浦野委員 さきの総務委員会で職員定数についてが報告されて、その中でケースワーカー20名増員が示された。私、このことは本当に重要だと思っています。しかし、先週、他の委員の質疑でもあったように、現場では現在でも二十数名のケースワーカーが足りていませんね。それは今、職員課長も認識しているという御答弁でした。また今後、コロナ禍でさらに生活保護利用者が増えていくことも想定されています。今、出されたさきの委員会のは、早くても3年先の計画になります。生活援護課の課長も、今、生活保護の課長と生活援護の課長と両方兼務されていますよね。これ、本当大変だと思います。現場で踏ん張っている職員の皆さんもたくさん知っていますし、本当にこれは粘り強い関わりが必要ですし、大変な仕事だと思います。だからこそ、やっぱり現場の職員の状況を踏まえて職員配置の拡充が急がれると思います。 かつ、今、区が行っている委託事業でこうした事態が起きています。先ほども指摘したように、1,650世帯を5名のケースワーカーで担当している。1人80世帯の基本を4倍以上もオーバーしているんですね。これは、実質的にやっぱり業務としては不可能ですし、この職員配置の在り方の見直し、検討、重ねて求めたいと思います。 最後に、(2)偽装請負の可能性について伺います。 本会議で偽装請負について問うた際に、偽装請負には当たらないとの御答弁でした。しかし、同じ職場に正規の職員と委託職員がいて、正規職員が委託職員に直接の業務指示をすれば、その時点で偽装請負になります。 これも同じく情報公開請求で、高齢者の居宅介護支援運営会議議事録を確認しました。この会議は、中野区の高齢者保護係、係長、査察の方1名と、区の正規ケースワーカー5名と、委託事業者の責任者と主任、計8名で構成されている会議です。これ、かなり生々しい議事録になっています。今年度5月26日の会議で、「ケースワーカーと委託専門員それぞれの役割について」というのが議題に上がっています。ここでケースワーカーの役割は何と書かれているか。1行で書かれているので、該当箇所を読んでいただきたいと思います。 ○中村生活保護担当課長 御覧になったものは議事録とございますけれども、要録でありまして、一言一句をそのまま記載したものではございません。委託事業であり、ケースワーカーから専門員への直接の指示はできないため、責任者を通じて専門員へ連絡しているところでございます。該当部分でございますけれども、「ケースワーカーの役割は、専門員への指示、援助、連携を取ること」とございます。先ほど申し上げたとおり、一言一句そのまま記載したものではございません。 ○浦野委員 そのまま記載したというわけではないと言いましたが、「ケースワーカーの役割は、専門員への指示、援助、連携」と書かれています。指示って明記されています。これ、明らかに直接の指揮命令であり、偽装請負の証拠にもなるんではないかなと思っていて、この会議録は課長まで供覧決裁をして、かなり全体としてその実態を認識していると判断せざるを得ないと思います。 それで同じ、別の日の会議で、専門員とケースワーカーの分担についてというのが議題になっています。ここでは、「委託という性質上、ケース対応、処理方針についての疑義は、一旦事業者の中で検討の上、方向性を出す。また、ケースワークという仕事の性質上、個別案件が多く、物理的な業務量も多いことから、困難であることは承知しているが、原則は認識してほしい」とあるんですね。これは、委託業務が必然的に偽装請負となっていることを区として認識している証拠、ある意味、本音の部分ではないかと思いますが、いかがですか。 ○中村生活保護担当課長 議事録に記載されております当該部分でございますけれども、区職員と委託事業者の間で注意喚起のために発言したものでございまして、偽装請負状態が発生しているものを示すものではございません。 ○浦野委員 先ほど御紹介したとおり、新年度予算でもこれまでと同じ委託費が計上されています。私、ここで働いている委託専門員の方の雇用条件も非常に心配しています。こちらの手元にある資料では、委託事業者が中野区に提出した人件費の見積りと実際の事業報告書での人件費分には、約3,400万円ほどの大きな乖離があります。これは事業者自身が中抜きをしているのではないか。働いている方々がワーキングプアになっているのではないかということを昨年の本会議で指摘しました。その際、御答弁として、調査をするという御答弁でしたけれども、調査はされましたでしょうか。 ○中村生活保護担当課長 専門員の処遇等につきまして、委託先、NPO法人に資料の提出を求めました。資料の提出はございましたが、不明な点がございましたので、理事長に説明を求めておりまして、現在日程調整中でございます。 ○浦野委員 日程調整中なんですけれども、私、質問したのは11月27日なんですよ。もうそれから3か月以上たっています。これ、やっぱり契約自体が本当にどうなのかって言わざるを得ないと思います。だって、実際の事業報告書にはかなり乖離がある記載――これお見せしたと思うんですけれども、今、この事業は11年間同じ事業者が受けてきていて、新年度は5年契約の3年目に当たります。これ、早急に調査をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ○中村生活保護担当課長 日程調整しておりまして、できる限り早く実施したいと存じております。 ○浦野委員 もう一刻も早くやってください、本当に。生活保護ケースワークの外部委託問題について、三つの観点で伺ってきましたけれども、これ、やっぱり絶対に見直しが必要だと思います。必ずこれは都や国の監査で問題になると思います。今日指摘してきた点を踏まえて、見直しを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○中村生活保護担当課長 限られた資源の中で生活保護業務を適切に実施していくために、補助的な業務の一部を委託しているものでございまして、現在のところ、見直すことは考えてございません。 ○浦野委員 見直ししないということでしたけど、これ、絶対監査でかなり問題になります。だって、正規ケースワーカーにしかできない家庭訪問をやったものがシステム上も集計できなくて、じゃあ、年2回の義務付けられている訪問、どうするんだという話になります。 現在の生活保護法の立法担当者、当時の厚生労働省の保護課長であった小山氏が、先ほど前段で確認した生活保護法第19条4項の趣旨について、福祉事務所において行われるところのこの関係業務、現業業務、つまりケースワーク業務ですね。これと保護の決定は、実施の権限との行使と有機的に一致することをもって本法を実施する。運営の効率化を期し、その円滑適正を図ると説明しています。つまりこれは、適正に保護を実施しようと思えば、ケースワークの業務と保護の決定、実施業務を一体的に福祉事務所が担う必要があって、このケースワークの部分だけを切り分けて外部委託するということは、法の趣旨に反するというふうに言っているわけです。 実はこれ政府が2019年の末に、生活保護におけるケースワーク業務の外部委託化方針を閣議決定して、来年度、2021年度中に結論を得るって今しています。今年度中に必要な措置を講ずるとされてきましたが、これ驚くことに、この外部委託化方針の検討も外部委託の予定だったんですね。だけど応募がなかったというふうに聞いています。このままこの方針は撤回していただきたいと思いますし、そもそも、やっぱりケースワーク業務の負担軽減などが委託業務導入の理由にされていますが、委託によって負担軽減にはなっていないんですよ。偽装請負が横行する。こうしたことは中野区の状況からも明らかだと思いますし、そもそも十分な人員体制、専門性を確保して予算を充てる分野だと思います。一番は利用者の方にしわ寄せが行きます。 このケースワークの民間委託は小泉政権時代からのアイデアで、公務労働の人員抑制、非正規化、外部委託推進で、働く委託職員の雇用条件も悪化しています。コロナ禍で一層このことが問題になっていますし、政治の在り方そのものが私は問われていると思います。中野区が悪い自治体の見本とならないように、改めて見直しすべきことを求めて、私の総括質疑を終わります。ありがとうございました。 ○山本委員長 以上で浦野委員の質疑を終了いたします。 次に、若林しげお委員、質疑をどうぞ。 ○若林委員 令和3年第1回定例会において、自由民主党の立場で総括質疑をさせていただきます。 まず初めに、1年以上続いております新型コロナウイルス感染症に感染された方々の一日も早い回復をお祈りしております。また、携わる医療関係者をはじめ、全てのエッセンシャルワーカーの皆様に心から敬意と感謝を申し上げます。 今月の初めに、私にとって大切な方が新型コロナウイルス感染症が引き金となり、亡くなりました。新型コロナウイルスワクチン接種が大きな一歩として、一日も早い日常生活回復を願い、質問に入らせていただきます。 質問は順番を変えて、2番、災害対策について、3番のその他で公契約条例について、最後に、1番の区長の政治姿勢について伺います。よろしくお願いいたします。 初めに、災害対策について伺います。 2月13日に起きた福島県沖最大震度6強の地震が起き、東北だけでなく、北海道から中国地方の広い範囲で体に感じられる揺れが観測されました。この際に、揺れで東日本大震災のことが頭をよぎったのは私だけではないと思います。震度6強を記録した福島県相馬市では、地震発生から約1時間で避難所が開設されたと言います。新型コロナ対策もしっかり取られていたようでございます。中野区で避難所が開設された際、自然災害と感染症被害を考慮した複合災害対策はどこまで進んでおるでしょうか。お聞かせください。 ○山田防災担当課長 進捗状況でございますが、区では、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた避難所運営を適正に行うため、避難者の受付要領、避難スペースのゾーニング方法や、発熱者などに対する対応要領を盛り込んだマニュアルを新たに作成するとともに、避難所の運営に必要なマスク、消毒液の増強をはじめ、非接触型体温計、防護衣や布製間仕切りなどを新たに配備したところでございます。 ○若林委員 中野区として、避難所開設は想定しにくいでしょうけど、例えば、地震発生からどれぐらいで開設可能だと考えていらっしゃいますか。 ○山田防災担当課長 開設の所要時間でございますが、避難所開設までの所要時間は、周辺地域の被災状況や避難所の被害状況にも左右されますが、避難所が使用できる状態であれば、おおむね1時間程度と考えております。 ○若林委員 これはもうあくまでも想定の話であって、どんな状態であるか、それによって影響は出てくると思いますが、1時間程度でできるということであれば、さらに細かく進めていただければと思いますが、複合対策で講じた新たな運営、先ほどあるとおっしゃいましたが、今年1年はほとんど地域の防災活動や災害訓練は行われていないと思われます。この新たな複合災害を考慮した避難所運営、どのように周知してきたのか。また、していないのであれば、今後どのように周知していくお考えなのか、お聞かせください。 ○山田防災担当課長 周知の状況でございますが、現在、避難所運営会議や防災会の会長会などを通じて、マニュアルの概要や避難所の運営方法について周知を進めているところでございます。一方、避難所開設訓練など実践的な訓練は、新型コロナウイルス感染症拡大により実施できていない状況でございます。今後は感染症対策を講じた屋外での訓練や、中野区公式ユーチューブによる視覚教材を活用した訓練など、新たな訓練方法を取り入れるとともに、地域防災会の意見を踏まえつつ訓練を推進していきたいと思っております。 ○若林委員 今回、新型コロナウイルス感染症拡大によって、持続可能な地域防災、これはまさに死活問題となっており、現状を打開して地域防災活動を継続していかなければならないと考えております。提案させていただいた、誰でも見れば分かる各避難所の環境に応じた避難所開設マニュアル、この進捗状況をお聞かせいただけますか。 ○山田防災担当課長 マニュアルの進捗状況ですが、現在、中野区地域防災計画の改定作業を進めており、その内容や感染対策防止対策などを踏まえ、各避難所の避難所運営管理マニュアルの見直しを検討しているところでございます。マニュアルの見直しに当たり、各避難所の環境などを踏まえ、誰もが容易に開設運営できるように写真や図面を盛り込むなどの工夫を行うとともに、避難所の運営の役割に応じた行動フロー、避難所開設用品などをパッケージ化した避難所開設キットの製作を今進めているところでございます。 ○若林委員 今こういった状況下の中で新たな避難所設営というのが求められている中で、この開設キットですかね、そういったものが役に立ってくるのかなと思っております。ぜひ早急に進めていただければと思っております。 先ほど、周知についてお伺いしましたけれども、収録した動画を流したり、またウェブ会議などをうまく利用して周知されるということで、ここは質問にしていましたけど、答弁をいただいたということで、省かせていただきます。 3密をできる限り回避するために、従来避難所となる学校の体育館だけでは収容し切れないのではないか、他の教室なども活用できるようにしてみてはと提案させていただきましたが、その状況というのはどうなっていますか。 ○山田防災担当課長 体育館以外の避難所の利用についてでございますが、災害状況や避難所によって運営方法が異なるものの、体育館のほか、校舎の一部を活用した発熱者専用スペースなどの確保や、避難所1人当たりのスペースを広く確保することとしており、使用するスペースや目的を図面に落とし込み、施設管理者をはじめ、運営する区職員、また防災会に対して説明し、理解を得ているところでございます。 ○若林委員 教室を使うことによってプライバシーが侵害されるなど、そんな問題も多少なりあったと思いますけれども、そういったものもいろいろ考慮しながら、対策を練りながら、ぜひ広げていって、この収容スペース、かなり不安に思っておりますので、進めていただければと思いますが、国や東京都の示す防災計画において、1人当たりの面積というものはどういうふうに指定されていますか。 ○山田防災担当課長 国の指針では、1人当たりの避難スペースを3.5平米以上、都の地域防災計画では1.6平米以上を確保することとしております。 ○若林委員 中野区の避難所で体育館、そしてまたほかの教室を活用した際の1人当たりの面積、また、状況によってこれも変わるかもしれないですが、避難者数の想定とはどれぐらいの考えですか。 ○山田防災担当課長 中野区の避難所での他の教室を活用した際の1人当たりの面積は約2.2平米、避難者は約5万人を想定しているところでございます。 ○若林委員 一応東京都の面積というのは、中野区として確保していけるだろうというところで、想定人数に関しては、災害の状況によって変わるので、それは参考という形になりますが、現時点で中野区の避難所、これ、また大きな、どんなものが来るか分からないので、かなりいろんな想定をしていなきゃいけないと思いますが、足りるかどうかというのがちょっと不安になっております。そこら辺はいかがですか。 ○山田防災担当課長 体育館以外の校舎の活用、また、都が示す避難所の新型コロナウイルス感染症ガイドラインに基づくパーティションを活用した避難スペースの確保により、想定している全ての人を収容する予定でございます。 ○若林委員 分かりました。感染症二次被害を鑑み、各ほかの議員も提案させていただいたとおり、今後は自宅避難が最良と思われます。日頃から備蓄を促していくことはしっかりと進めていかなければならないと思います。自宅避難ができない方、また、一人暮らしで不安な方々は避難所を利用されると思います。先ほど想定もいろいろありましたけれども、災害の規模によっては、現在想定されている避難所の収容人数を超えてしまう場合があると、それも考えていかなきゃいけないと思っています。他の区有施設も開放するということも想定すべきと考えますが、いかがですか。 ○山田防災担当課長 他の施設の開放についてでございますが、避難所は避難者の一時的な生活の場、また情報提供の拠点や在宅生活者支援の拠点など様々な役割を担っており、その運営は地域防災会、また施設管理者や区が組織する避難所運営委員会が総力を挙げて行うこととしております。他の区有施設の活用については、現行の避難所機能を分散することとなり、避難所の運営体制の確保など様々な課題が生じることから、今後、地域防災会の意見や他自治体の取組を踏まえ、開放できる施設などについて研究していきたいと考えております。 ○若林委員 いろいろ人員が分散されるというお話でしたが、町会の防災会や地域の防災会、そして研修を受けた防災士などに運営を任せてみてはいかがでしょうか。 ○山田防災担当課長 人員の確保についてですが、避難所は地域防災会を中心に施設管理者や区職員などが運営する計画となっております。防災士の避難所運営の参画については、地域防災会の意見を踏まえつつ検討していきたいと考えております。 ○若林委員 研修を受けて防災士というのはそういったことを勉強されていると思いますので、ぜひ検討を進めていただき、大きな災害が起きたこと、最悪のことを考えていかなければいけないので、ぜひ検討をお願いいたします。 2011年東日本大震災、また、2016年熊本震災でも、避難所の過密の回避やプライバシーの確保、建物の安全性の不安、ペット避難といった様々な要因から、指定避難所以外に独自に設置した避難先への避難や、車中避難、またテント避難といった多様な避難形態が発生しております。いわゆる指定外避難所というものです。いい悪いはともかく、今年度は新型コロナの影響により、屋外で過ごすキャンプが多く行われていると聞いております。テントを購入した方々も多いと思われます。避難所からあふれる、また、プライバシーの確保が困難、特に女性への配慮が難しい避難所には足が進まない方々もいるのではないかと思われます。災害が起きた際、中野区においても指定外避難所を独自で開設してしまう区民が出てくると考えられますが、指定外避難所の把握において、区としてどうお考えですか。 ○山田防災担当課長 指定外避難所の把握についてでございますが、災害発生時の被害状況に応じた区民の避難行動は、在宅避難や軒先避難、車中泊など様々であると考えております。指定避難所に避難されない方が相当数発生すると想定しております。こうした方々の把握は、区職員による巡回や区民からの情報提供、避難所で食料や物資配給時に記載する管理簿などによる把握を考えております。 ○若林委員 指定外避難所の様々な発生要因を解決し、制御する取組を進めつつ、指定外避難者が発生した場合でも、可能な限り迅速に把握し、支援することができる取組が必要であると考えます。自由に指定外避難所を開かれてしまうのであれば、避難所となる学校の校庭や、117か所もある公園などにルールを定め、テント避難等のスペースを確保するなど、開設場所を指定してみてはいかがでしょうか。 ○山田防災担当課長 テントのスペースについてでございますが、避難所である学校の校庭は火災などが発生した場合の一時避難スペースとして活用する予定でございます。また、区立公園の一部は広域避難場所、災害時廃棄物の一時置場や仮設住宅の建設予定地として計画しております。こうした計画などを踏まえ、テントが利用できる避難スペースの確保について、木造密集地域などの火災危険度や防犯面の安全性を考慮し、区立公園などの区有施設の利用について研究していきたいと考えております。 ○若林委員 今お話があった仮設住宅設置予定、また私どもが行った、災害ボランティアで伺った館山市の事例を取り上げて、廃棄物処理、がらの処理ですね。そういったものに使われる公園というものは理解しましたが、廃棄物においては回収を考えたとき、回収車が入りやすい道路に面した公園でなければならないのではないかなと思っております。廃棄物がらを置く公園を事前に指定しておく必要があると考えますが、いかがでしょうか。 ○山田防災担当課長 廃棄場所の指定についてですが、現在改正を検討しております中野区地域防災計画や、現在策定中の中野区災害廃棄物処理計画において指定する予定でございます。 ○若林委員 そういったものを事前に指定してあるのであれば、できれば、それ以外の公園、また民間施設、お寺や神社など事前に協定を結び、指定外避難所として開放していただくよう進めていくのはいかがでしょうか。 ○山田防災担当課長 指定外避難所としての土地利用については、過去の災害事例からも必要性について認識しているところでございます。一方で、管理形態や防犯面など様々な課題が生じることから、過去の災害などで開設されたお寺や神社などの指定外避難所の運営状況や先進区の取組を踏まえつつ、研究していきたいと考えております。 ○若林委員 ぜひ検討してみて進めていただければと思います。このような状態の災害というのはあってはならないと考えますが、最悪の状態を想定しながら、やはり進めていかなければいけないと思います。さらなる災害対策を進めていただきたいと思います。ありがとうございました。 次に、その他として、公契約条例について伺います。 さきの決算特別委員会で加藤委員が取り上げたように、2000年頃、最低賃金が生活保護支給額より低くなるなどの官製ワーキングプアにより問題があり、ただ、現在は最低賃金の引上げにより、大部分が解消されております。そして、後の品確法、品質確保が求められ、そのためには賃金引上げが必要、また、下請に仕事を回すたびに中間搾取がされるのではないかという懸念から、公契約条例の議論が始まっております。公契約条例に関して関係団体から意見聴取されたとの報告が総務委員会でなされましたが、その概要についてお伺いします。また、反対意見についてはどのようなものがあったのか、担当者としてはどのようにお考えなのか、お聞かせいただけますか。 ○吉沢経理課長 公契約条例の制定に反対する事業者の主な意見としましては、労働台帳の作成に係る膨大な事務量や、事務費等が発生すること、職人の技能レベルに合わせた技術向上に対する正しい評価や適正な賃上げが妨げられること、条例の目的は理解できるが、仕組みや事務作業が煩雑な割にその目的が把握しにくく、成果が見えにくいこと、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、経済が落ち込み企業の収益も減る中で、条例の導入は今やるべきではないなどの意見がありました。このような意見を踏まえますと、公契約条例に対し理解・協力を深める取り組みがさらに必要であると認識しているところでございます。 ○若林委員 課題としては、やはり事務作業の増加であると思っております。国立国会図書館調査及び立法考査局がまとめた公契約条例の現状、制定状況、規定内容の概要には、公契約条例等の名称を持つ条例、平成30年7月末現在、47自治体を例に取り、一定額以上の賃金支払いを受注者に義務付ける規定の有無等によって四つの類型に分類し、その概要を整理したとありました。公契約条例を一定額以上賃金支払いを義務付ける規定の有無及び義務付けの方法、労働者の適正な労働条件の確保に関する規定の有無によって、大きく分けて二つ、賃金条項型と基本条例型、いわゆる理念型の2種類に分類されております。 公契約条例では受注者が支払うべき賃金の下限額を設定する際の基準は、公共工事に関しては、公共工事設計労務単価の約80%から90%程度とすることが一般的とされているそうです。一方、業務委託等については様々な基準が使用されており、結果として時給で地域の最低賃金から数十円高い金額が条例で設定されております。 例えば、渋谷区の公契約条例で業務委託は東京都の最低賃金に40円程度プラスした金額としております。例えば、月に150時間程度の労働をするとなると、月額でプラス6,000円確保してもらうための条例となります。この金額を守るために費やす事務作業が生じ、また、その労働者一人ひとりの労働台帳を作成しなければならなくなります。この事務量を考えたとき、公共事業においても少しでも事務作業を少なくするため、元請はまとめて事務作業ができるよう考え、人員をより多く抱えた事業者へ下請することとなり、一人親方、小規模事業者が公共事業を請け負う可能性が少なくなると考えられますし、また中野区として事務費用に関して予定価格に加える必要があり、職員の事務作業も莫大になると考えておりますが、このあたりの懸念についていかがお考えですか。 ○吉沢経理課長 以前、加藤委員からも同様に御指摘いただいております公契約条例の導入に伴う課題等の対応につきましては、実態がまだ把握できていないところもありますので、今後、既に条例が制定され、施行されております近隣区等の動向を分析し、検討してまいりたいと考えております。 ○若林委員 さらに、最低賃金を定めることにより、元請は公契約条例で定められた賃金だけ支払えばいいと考えてしまいます。つまり、中野区が最低賃金を指定することで、元請、事業者はぎりぎりの支払いしかしなくなる可能性があるのではないでしょうか。そこら辺はどうお考えですか。 ○吉沢経理課長 公契約条例におけます労働報酬下限額の設定は、これ以上の賃金の支払いを契約上義務付けることで労働者を保護し、公共サービスの品質を確保するための仕組みでもあります。条例の趣旨が適切に生かされているかどうかにつきましても、先行自治体の状況を調査分析しまして、実態を把握するよう努めてまいりたいというふうに考えてございます。 ○若林委員 その先行自治体、実態把握、しっかりとやっていただきたいと思います。 そもそも、最低賃金が下回る場合、労働基準法に反するものであり、労働基準監督署マターであり、区として条例ではなく、労働基準監督署とつなぐ相談窓口を設置するほうが現実的ではないでしょうか。また、これまでに社会保険労務士の方々に行っていただいている労働環境モニタリングのような第三者にしっかりと現場を見てもらうことで、区が目配りをすることが必要であると考えます。懸念点を幾つか挙げさせていただきましたが、区はこれらについてどのようにお考えでしょうか。 ○吉沢経理課長 公契約条例は、事業者が果たすべき責務等を条例の中で定めまして、適正な賃金の支払いを担保させるために制定するものであります。工事請負契約については、指定管理と違いまして期間が長期に及ぶことは少なく、工事が終わりましたら、下請は元請との関係が切れてしまいます。そのため、労働環境モニタリングのような継続性が必要な調査は難しいというふうに考えておりますが、委員のほうから御紹介がありました相談窓口の設置や下請の労働者も含めました現場の労働実態調査ができるか等については、今後研究してまいりたいというふうに考えてございます。 ○若林委員 窓口を設置することにより、この窓口に関しては請負のほうの相談が、もし設置するのであれば、そちらのほうが多いと感じております。また、労働環境モニタリングとは違いますけれども、必ず第三者の目を入れていただくような、まあ、抜き打ちではないですけどね。チェックを入れていただくようなことがあれば、こなすことも可能なのかなという提案の一つであります。 この項の最後に、公契約条例を制定するに当たり、賃金について具体的に制定する、先ほど申し上げた賃金条項型と、努力義務に近い基本条例型、いわゆる理念型、どちらで進めていくかお考えか、お聞かせいただけますか。 ○吉沢経理課長 現在、条例制定に反対する意見や事務負担増を懸念する意見が多数寄せられていることから、まずは事業者の協力と十分な理解を求めることが非常に重要であると考えております。また、公契約条例の内容や類型につきましては、まだ定めているわけではございませんが、先行自治体の実施状況も分析し、事業者等の事務負担も考慮しながら、条例の実効性を担保できる型を検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ○若林委員 公契約条例を制定するという宣言がある中で、いろいろ質問させていただきましたけれども、果たしていいものなのかどうなのかも含め、それこそ事業者の方々の御意見、また、そんなアンケートなどもしっかりと吟味し、そして、他自治体の今の現状というものをしっかりと見極めていただいて進めていただければと思います。ありがとうございました。 次に、区長の政治姿勢について伺います。 施政方針説明には、区政の構造改革や持続可能な区政、中長期的な取組、過去10年に遡っても前例のない削減率など、耳触りのいい言葉を連ね、他自治体でも問題がないような施政方針説明になっているのではないかなという率直な私の感想であります。言っていることとやっていることが違うのではないかと疑われるようなことが起きております。大内委員から指摘がありましたように、この財政非常事態宣言発令は、自ら一般財源規模を上げたことが原因となっているにもかかわらず、まるで新型コロナだけのせいにして、他人事のように示されているように感じております。リーマンショックのような事態があってはならない、耐えられるのかと我々があれだけ指摘してきたにもかかわらず、平成31年度、令和2年度に基準額を上げてしまったことに対する財政の読み間違いに対して、今のお考えをお聞かせください。 ○森財政課長 平成31年度、また令和2年度、基準となる一般財源規模の変更をしたということで、それに当たりましては、過去の歳入の状況ですとか将来の歳入見通しを踏まえておりまして、その時点においては当然実態に即した変更だったということでございます。で、基準となる一般財源規模を上げて、それが直接すぐ歳出増に結びつくということ、そういうことは限らないわけでございまして、先の読み間違いというふうになったということは考えていないところでございます。 ○若林委員 読み間違いがないと言いましたけれども、我々ずっと、やっぱりいざというときのために備えておくものが必要であるだろうということをさんざん指摘してきています。で、たまたまというか、偶然というか、新型コロナウイルスが今回感染症拡大ということで財政に響きが出ております。これは今までどおり基準規模をしっかりと守って、積立てをしっかりとしていれば、第1波、第2波ぐらいは越えられた、楽に越えられた、そう私は今でも思っているんです。そこら辺は読み間違いというか、将来を、考えが浅かったということは思われないですかね。 ○森財政課長 先ほども御答弁申し上げましたが、令和元年度、平成31年度、また令和2年度、それぞれ実態に即した形で基準となる一般財源規模の変更をしたということでございます。当然、繰り返しなんですけども、基準を上げたからといって、すぐそれが歳出増に直接は結びついてはいないわけでございまして、当然その都度その都度、歳出削減には努めております。で、必要な基金積立ても行ってきたところでございまして、この間の財政運営において読み間違いがあったということについては考えていないところでございます。 ○若林委員 やはり小さな自分の家庭であっても、収入が多いから何でも使っちゃおう、それではいけないと思っているんです。読み間違い、先に間違え、やはり区の税金、区民の方々が出していただいた税金をしっかりと将来に結びつけていくということが必要だと思うので、私は、これは読み間違いと思っております。財政が厳しくなるということで、来年度予算、いろんな議員も指摘していますが、20%シーリングをかけてきました。その発案している企画部が20%カットできていないのが現状でありますが、先週に渡辺委員も、そして今日は内川委員も根気よく質問しておりましたが、20%シーリング、これはそもそも可能だと本当にお考えだったのか。はいか、いいえでお答えいただけますか。 ○森財政課長 当然これ削減目標を立てているわけでございまして、当然実現させるという考えで取り組んだところでございます。 ○若林委員 できないとは言い切れない話なので、私も質問がちょっとおかしいなと自分でも思いつつも、やっぱりそれをはっきり聞いておきたいのが、これ、やっぱり見込みが完全に厳し過ぎる話であると思っております。過去、事業見直しを行われたシーリングを見れば、大体どこまで目標ができるのかなというのは、たやすいことだったのかなと思っております。ただ、私は20%シーリング、これ、もう何か言葉のあやというか、何かパフォーマンスに見えて仕方がないんです。一定の成果とも言っておりましたが、歳出を抑えて、支出を増やして、8億円程度の成果となるのがこの一定の成果だと思っております。大内議員からも指摘があったように、目標というものは、やはりしっかりと持っていかなきゃいけないな。その場限り、その場だけの勢いで言うものではないなと考えております。 次に、財政の基金中に年度間調整分が足りなくなっていくことは、様々な議員のほうから指摘をされております。年度間調整分にとらわれ過ぎて、当初予算(案)の概要にしか載っていない財政調整基金に含まれる施設改修分は大丈夫でしょうか。区有施設整備計画(素案たたき台)によると、再編平準化検討後も、今後20年間の平均96億円であり、現予算で既に83億円と、平均に満たない額となっております。年度間調整優先で、今後、中野区の安全確保のための区有施設整備は進めていけるのでしょうか。お聞かせください。 ○森財政課長 区有施設の更新に当たりましては、起債を活用できる施設については、起債も含めて考える必要があると考えております。ですので、基金と起債をバランスよく活用しながら取り組んでいくということでございます。当然、今御指摘のあった財政調整基金の中の施設改修分につきましても、そういう将来の施設更新を踏まえて、残高の確保には当然努めていくという考えでございます。 ○若林委員 後回しにすればするほど、この区有施設というのはやはり老朽化していく、当たり前ですけれども。それこそ、未来の方々にその尻拭いをさせるわけにはいかないと考えております。やはり先ほども話したとおり、将来を見据えて、あるから使うのでなく、しっかりとためていくことが必要であると思います。 今定例会で同僚議員の皆様が指摘してきたことは、ほぼ同じ箇所、ほぼ同じ内容で、一般財源基準額を立て続けに変更されていることや、一般財源基準額の算出方法、基本構想・基本計画、構造改革の整合性は取れるか否か、財政調整基金、義務教育施設整備基金は将来大丈夫なのか、区有施設整備計画は大丈夫なのかなどなど、ほぼほぼ同じような指摘が多くされておりますが、ここで各議員が様々指摘させていただいたことは、今後の基本構想・基本計画、また区有施設整備計画などに反映をしっかりとされるのでしょうか。お聞かせください。 ○石井企画課長 基本計画、区有施設の整備計画につきましては、閉会中の委員会におきましても素案たたき台の下に御議論をいただいたところでございます。また、本定例会の一般質問、また、この総括質疑の場におきましても、様々御意見をいただいたところでございます。こうしたことを区として受け止めて、今後、素案として取りまとめていくという考えでございます。 また、さらに素案の段階におきましても、区議会での議論、その後に行う区民との意見交換会における意見を踏まえまして案を作成し、パブリック・コメント手続を経て、8月には策定したいと考えております。 ○若林委員 この場で質疑をさせていただいたこと、言い方が大変よくないかもしれないですけど、ガス抜きじゃなくて、しっかりと我々の意見というものを取り入れていただいて、よりよいものをつくるべきだと思います。ぜひよろしくお願いします。 次に、2月4日に開かれた記者会見について伺います。 まず初めに、来年度予算に対しての取材であり、各自治体で調整して行っているものとは聞いております。しかし、たとえ予算の記者会見とはいえ、直前の2日前に発覚した区立中学校における教員の不祥事について、コメントを区長はしませんでした。その理由をお聞かせいただけますか。 ○高村広聴・広報課長 委員も今御指摘がありましたが、予算プレス発表は毎年度、新年度当初予算の主な事業について会見を開き、報道機関に対して説明している場でございます。また、御指摘の不祥事につきましては、子どもや保護者への影響も鑑み、会見でのコメントを避けたところでありまして、2月3日に中野区のホームページに教育長のコメントとともに掲載し、報道機関へ情報提供したところでございます。 ○若林委員 子どもの教育環境を守るという意味での話は分かりますけれども、教育長、その場にいらしたと思いますが、教育長は謝罪というか、コメントをホームページで記載されたと先ほど言いましたね。これ、区長は何かコメントをされていますか。 ○高村広聴・広報課長 先ほどお話ししたとおり、区長としてはコメントは出しておりません。 ○若林委員 では、もう一つ、昨年の10月に起きた区立小学校の食中毒に対して、区長はコメントされていますか。 ○高村広聴・広報課長 教育長がおわびのコメントをしておりますが、食品衛生法により不利益処分を受けた立場ということもありまして、これまでの例を踏まえて区長としてはコメントは発しなかったところでございます。 ○若林委員 これまでの例ってどんな例ですか。 ○高村広聴・広報課長 同様に、以前にあった食中毒に関して、区長からのコメントを出していないという説明でございます。 ○若林委員 以前にあった食中毒で、同じようなことがあったの。 ○高村広聴・広報課長 過去に遡って、食中毒があった場合について、区長からのコメントを発した例がなかったということでございます。 ○若林委員 いつの食中毒の話か分かりますか、今。 ○高村広聴・広報課長 過去の6年程度ですけれども、そこまでは確認できていますが、そこまでにあったものについては、区長としてのコメントは出しておりません。それ以前については確認できておりません。 ○若林委員 6年前程度しか調べていないということなんですが、どちらにせよ、過去に経緯がないといえども、やはり区立学校設置者は区長であり、何のコメントもしないというのはどうかなと思います。責任を感じられないと疑念を抱いてしまいます。まして、子育て先進区と高らかにおっしゃっている話ですから、やはり区長としての責任というのを見せていただければなと思います。もう結構です。 旧中野刑務所正門保存活用に向けた検討案、これ、報告を区民委員会ではされていましたが、 伊藤委員も話したとおり、案を取った状態で新規事業として委員会に説明がなされていないまま記者会見を行っております。委員会報告がないものを、目立つように、丁寧に図面まで添えて、なぜそのまま記者会見に臨んだのか、お聞かせいただけますか。 ○高村広聴・広報課長 予算プレスということで、予算の主な事業の一つとして、報道機関に対して分かりやすく説明すること、また、案の段階でもお示しした内容とも同じであったというところから、資料に記載したところでございます。 ○若林委員 ほかの物事に関しては、図面とか寄せていなかったんだけど、どちらにせよ、案を外したものに関して、委員会で――今回いろんな事情により委員会と前後してしまったってある答弁をいただいているんですけど、その委員会前後したのであれば、やはり記者会見どうかな、委員会でしっかり審議されていないのに、出すのはどうかなと思っているんです。過去にも、やはり委員会を通さずに先回りして記者会見を行った経緯があると思われるんです。やはり、決まることありきで事を進めてもらうと、大変遺憾に思います。議会で議論をしっかり進めてもらえずに、進めていただくことを議会でやっていないにもかかわらず進めていくことが多い。例えば高橋ちあき委員が指摘した、基本構想が議決されていないのに当初予算の概要に使われているとか、また、組織編成の報告がないままに予算書に反映されているとか、物事の内容よりも、進め方、議会に対しての対応がおかしいのではないかという話なんです。車の両輪でなかったのか、お聞かせいただけますか。 ○石井企画課長 区民の代表である議会と行政とがそれぞれの立場で緊張感を保ちながら、協力して自治体運営に当たってこそ、健全な区政が成り立つと認識してございます。今定例会を通じまして様々な御指摘を受けたことも踏まえまして、今後、区議会への適時適切な情報提供と丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。 ○若林委員 言葉遊びじゃなくて、しっかりと、やはり議会と向き合ったものを進めていただきたいと思っております。 子育て先進区について伺います。 子育て先進区を高らかに宣言していながら、令和元年度の決算で、区独自の子育て事業は一つもありませんでした。さらに、子どもたちの教育環境充実を整えるために、中野本郷小学校、桃園第二小学校の改築に向けた計画策定作業を、財政が厳しいからと言って真っ先に一旦停止。結果、この2校の建て直しが当初から大きく遅れることとなりました。予定が変わってしまい、この2校の教育環境の充実が遅れてしまったことに対して、どうお考えですか。 ○塚本子ども教育施設課長 中野本郷小学校、そして桃園第二小学校、これらの改築時期につきましては、当初の予定から遅れることとなりましたが、それぞれの学校におきましては、必要な改修などを適切に実施しまして、良好な教育環境をしっかりと確保していきたいというふうに考えてございます。 ○若林委員 先ほど来からも話があったとおり、以前は建築後50年をめどに建て替えを行う。それが70年に変わりました。安全性に疑問を感じております。子どもの教育環境を第一に考えるとするならば、建て替えの先送りはすべきでないと思いますが、いかがですか。 ○塚本子ども教育施設課長 今、委員御案内がございましたが、今後の財政見通しを踏まえまして、学校施設の改築、これらが単年度に集中しないように、1年に1校を原則として計画的な改築を進めていくというふうに見直しを行ったものでございます。各学校施設におきましては、改築までの期間においても適切な維持管理、そして改修を計画的に実施しまして、安全性をしっかり確保する。そして良好な教育環境も確保していきたいというふうに考えてございます。 ○若林委員 大内議員の一般質問の再質問で、区長の答弁の中に、マンパワーの問題があるという答弁をいただいているんですけど、これはどういうことになりますか。 ○塚本子ども教育施設課長 財政的な平準化を図る、そういった目的がございましたが、それと同様でございまして、学校施設整備に関わる職員数でありますとか、業務量においても平準化を図って、計画的・効率的な人員配置を進めていきたいという、そういった考え方でございます。 ○若林委員 そもそも、財政が厳しいと安易に真っ先にとめてしまった中野本郷小学校を先送りにしたことによる、学校改築の玉突きをごまかすために行われた検討であるように感じられます。また、今のマンパワーのお話もそうですけれども、後からつけてきたものみたいに思ってしまいます。義務教育施設整備基金の積立てがなくなったことで、再編平準化検討で50年から70年に、それも後から出てきた話のように感じてならないんです。やってしまった、また言ってしまったことへの後づけ――言葉は悪いですけどね――そんなように見えてしまうんです。だから、しっかりと将来を見つめて目標を立てて実行していく、当たり前のことが言葉遊びのように見える進め方と疑問を感じてしまいます。 次に、平和の森小学校についても、現在の平和の森小学校の児童数は多く、とても良好な教育環境が確保されているとは言えず、一刻も早い新校舎整備が必要であると考えます。そのような状況にもかかわらず、区は旧中野刑務所正門の取扱い方針を二転三転させ、その結果、新校舎整備を大きく遅らせてしまっています。しかも、今回示された考えでは、旧中野刑務所正門を曳家による新校舎整備は、さらに1年半も遅れてしまうということです。旧中野刑務所正門の曳家関連工事は約4億9,600万円となっています。が、経費はこれだけではありません。曳家の土地の部分が約13億8,000万円、維持費は年間約100万円かかると聞いております。 平和の森小学校校舎は1957年度に建築され、中野区の小・中学校の中でも一番古い校舎であり、また、財政が厳しいと言いながら、平和の森小学校の開校を遅らせてまで、旧中野刑務所正門の曳家に財源を使うことが、子育て先進区が目指している区が行うことなのか、疑問を感じております。平和の森小学校の児童のことを真剣に考えて、少しでも早く新校舎を整備しようとしているとはとても思えません。子育て先進区を目指す区として、平和の森小学校に対する考えを改めてお聞かせください。 ○塚本子ども教育施設課長 平和の森小学校でございますが、新校舎の整備が遅れていることにつきまして、児童だけでなく、学校の教職員の方ですとか地域住民の方々に対しまして、申し訳なく考えているところでございます。現在の平和の森小学校校舎につきましても、今後必要に応じまして近隣施設を活用するなど、教育環境の充実をより一層図っていきたいというふうに考えているところでございます。新校舎整備におきましては、今後実施されます旧中野刑務所正門の曳家に関する基本計画策定作業、こちらと十分に連携、そして調整を行いながら、新校舎の整備期間の短縮を図り、可能な限り早期に新校舎の供用開始が実現できるように取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。 ○若林委員 よろしくお願いします。 その他として、総括というか、いろいろ言わせていただきたいと思います。 仲町保育園、中野サンプラザ、平和の森公園トラック整備、旧温暖化対策推進オフィス、鍋横区民活動センター、そして先ほど言った中野本郷小学校、平和の森小学校、様々なことに対して、場当たり的な判断をしているのではないか。賛成の方は失望し、反対の方は期待を抱いてしまう。区民が振り回されているような気がいたします。また区民、それだけでなく、それに携わる区の職員も振り回されているのではないかと思います。区職員のやる気を損なうのではないかと心配しております。職員のモチベーションを上げるために、ボトムアップという言葉を使っておりますが、成り立っているのか、疑問を感じております。そのことについて、いかがお考えですか。 ○石井企画課長 政策形成に当たりましては、日頃から窓口や現場で区民に接している職員による提案を反映したいとの思いから、ボトムアップの区政を進めてきたところでございます。直近の例でございますと、新型コロナウイルス感染症対策におきましても、職員提案を求めたところでございます。区民との協働・協創の実現に向けましては、職員の企画力やモチベーションを高めるため、ボトムアップは一層重要になると認識しているところでございます。様々な機会で積極的に設けていきたいと考えております。 ○若林委員 もう時間がないので、まとめてお話をしてしまいますけど、組織編成においても、会議体、同じ顔ぶれで会議をすることになります。例えば、予算編成と構造改革が同じメンバーであったり、これはアクセルとブレーキを同一に押しているような話になります。とても、目線を変えて進めていかなければ、取り組んでいく変化の振り幅というものが全然なくなってしまうと考えております。 また、例えば行政評価。行政評価についても、今年度の改正では専門性の観点からという理由で、外部評価から区民の視点をなくしてしまっています。さらに、来年度はその外部評価もなくしてしまっている。そもそも外部評価、言い方は悪いですけど、お手盛りだったと思いますが、やはり評価をしていただくのは区民であり、一番のチェック機能を果たさなきゃいけないのが議員であると思います。その議員に対して情報が提供されなければ、チェックのしようがありません。様々なことを申し上げましたけれども、今後、区政運営を取り組むについて、この総括質疑で様々な議員がお話をさせていただいたものについて、区長、どのように今後の区政をお進めいただくか、お聞かせいただけますか。 ○酒井区長 今定例会を通じまして様々な御質疑をいただく中で、対話やボトムアップの必要性、それから、協働・協創による区政課題解決の重要性を改めて認識しているところでございます。また、現場の職員の声を受け止めて、ボトムアップによる政策形成や業務改善を進めて、正確な現状分析に基づく的確な意思決定、成果を上げていくためのマネジメントというものを行っていきまして、リーダーシップを発揮いたしまして、力強く区政を前進させていきたいと考えております。 ○若林委員 毎回同じような御答弁をいただいているのであれなんですけど、しっかりと区政、我々と一緒に進めていただけるように、しっかりと議員のこのチェック機能を生かしていただければと思います。今後、いい中野区をつくるために御努力いただければと思います 以上で私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○山本委員長 以上で若林しげお委員の質疑を終了いたします。 また、以上で本日の総括質疑を終了いたします。 次回の委員会は、3月2日(火曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。 以上で本日の予算特別委員会を散会いたします。 午後4時56分散会
|