令和3年03月23日中野区議会総務委員会(第1回定例会)【2回目】
令和3年03月23日中野区議会総務委員会(第1回定例会)【2回目】の会議録

中野区議会総務委員会〔令和3年3月23日〕

 

総務委員会会議記録

 

○開会日 令和3年3月23日

 

○場所  中野区議会第1委員会室

 

○開会  午後4時56分

 

○閉会  午後6時57分

 

○出席委員(9名)

 山本 たかし委員長

 内野 大三郎副委員長

 立石 りお委員

 内川 和久委員

 小林 ぜんいち委員

 白井 ひでふみ委員

 浦野 さとみ委員

 大内 しんご委員

 酒井 たくや委員

 

○欠席委員(0名)

 

○出席説明員

 副区長 白土 純

 副区長 横山 克人

 企画部長 高橋 昭彦

 企画部企画課長(企画部参事事務取扱) 石井 大輔

 企画部基本構想担当課長 永見 英光

 企画部財政課長 森 克久

 総務部長 海老沢 憲一

 危機管理監 志村 和彦

 危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝瀬 裕之

 総務部総務課長、総務部特別定額給付金担当課長 浅川 靖

 総務部危機管理課長、新区役所整備課長 中村 洋

 

○事務局職員

 事務局長 長﨑 武史

 事務局次長 小堺 充

 書記 鎌形 聡美

 書記 五十嵐 一生

 

○委員長署名


審査日程

○議案

 [1]第13号議案  中野区基本構想

 

委員長

 定足数に達しましたので、総務委員会を開会します。

 

(午後4時56分)

 

 [2]第13号議案 、中野区基本構想についてですが、3月15日の当委員会で、賛成多数により閉会中も継続審査すべきものと決しました。その結果を本会議に申し送り、本日の本会議で採決を行ったところ、起立少数で継続審査に付すことを否決されました。

 その後、議会運営委員会での協議を経て、会議規則第45条第1項の規定に基づき、本日中に総務委員会で審査を終了するよう本会議で期限を付されました。そのため、緊急で招集させていただいた次第です。

 お手元の審査日程(案)(資料1)のとおり、[3]第13号議案 の審査を行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

 

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 御異議ありませんので、そのように進行します。

 議事に入ります。

 [4]第13号議案 、中野区基本構想を議題に供します。

 これより本件に対する質疑を行います。質疑はございませんか。

内川委員

 質疑に入る前に、先ほどの議運でも確認されましたけれども、今まで所管の委員会で、議案が継続審査すべきものと上がってきたものが本会議でそれが否決されて、また、総務委員会に、当委員会に戻ってきたと。これは私も初めての経験で、中野区は委員会主義を取っていると私はずっと思っていましたが、こういう事態になったということは、これからもこういったことが、委員会で決まったことが、本会議の場でひっくり返されて、また、委員会に戻ってくる、こういったことが多々これからも出てくるのかなと。非常に私は不安を抱かざるを得ないです。

 それから、先日の総務委員会で、この議案を上程して一旦休憩にして関連の報告、二つの計画ですよね、この関連の報告がなされました。これ、なぜ区側は基本計画、区有施設整備計画、これを議案の関連報告としたんですか。まず、その理由をお聞かせください。

永見企画部基本構想担当課長

 基本構想の関連の報告ということで、報告させていただいたわけでございます。

 まず、基本計画につきましては、基本構想を実現するための区としての基本的な施策等を定めるものであるということで、中野区自治基本条例第8条においても定められてございます。

 また、区有施設整備計画につきましても、いわゆるその基本計画の施策を進めていくに当たって強く関連するということで、併せて報告をさせていただいた次第でございます。

内川委員

 そうですよね。基本構想を実現するため、基本計画と区有施設整備計画がある。まず、一旦議案を保留にして、前回の総務委員会ではその二つの計画の報告を受けました。それで、その二つの計画の報告上、問題とされる部分が多々散見されるということで、これは議案の採決まで行かないな、一旦継続審査だなと、そういうふうに私は理解しているんですけれども、それで間違いないですか。

委員長

 休憩します。

 

(午後5時00分)

 

委員長

 委員会を再開します。

 

(午後5時02分)

 

内川委員

 前回の総務委員会で、この基本構想に関連する二つの計画、基本計画と区有施設整備計画、これはまだ素案なので、次の委員会でも報告があるのか確認したんですが。まずそこを確認させてください。

永見企画部基本構想担当課長

 スケジュールの予定でもお示しをしてございましたが、第2回定例会で素案から案にということで、議会の御意見や区民の御意見などを踏まえた上で、一定の修正をして御報告する予定でございます。

内川委員

 ですので、次の委員会で案の質疑があって、その報告が終わってからこの議案の審査、それが通常の進め方かなと私は理解していますが、それはいかがですか。

委員長

 休憩します。

 

(午後5時03分)

 

委員長

 委員会を再開いたします。

 

(午後5時08分)

 

内川委員

 なかなか理解しづらい部分もありますけれども、今日、この総務委員会ではっきり採決しなければいけないということで、じゃ、具体的なその中身についてちょっと聞かせていただきたいと思います。

 議案のページ数が振っていないので、何ページと言えばいいんですか、表紙があって、改定の背景があって、次のページのまた次ですね、「つながる はじまる なかの」というのが中段にあって、その次のページのところなんですけれども、一番上です。ライフスタイルや関心に応じて、場所や時間を選ばず気軽に地域で関わりを持てるような、ゆるやかなつながり。この「ゆるやかな」という表現に関しては、多分、これはどこか、前回の委員会で質疑があったと思うんです。今、各町会・自治会も、町会の加入率が低くて、なかなか地域の人でやってくれる人が少なくなってきた。その中で、区としては積極的にそういったものをバックアップしていく、そういう必要性があると思うんですが、この「ゆるやかな」というのは、ちょっと区側の姿勢をあまり見受けられない。これに関してはいかがですか。

永見企画部基本構想担当課長

 この「ゆるやかなつながり」でございますけれども、まず、基本構想審議会のほうで様々御審議をいただきました。そういった中でもお話があったところではございますけれども、今、委員からもございました町会・自治会など、そういった活動、そういったものが地域をこれまで支えている。これからも支え続けていただきたいというところではございますけれども、その一方で、人々のライフスタイルであったりとか、様々な変化があると。そういった中で、これまでのつながりだけにとらわれず、様々な形での活動であったりとか、時間や場所を選ばずの、例えばインターネットなどを使用したつながりであったりとか、そういったような気軽なつながり方も大事になってくるのではないかと。そういったご意見もございまして、そういったところも踏まえて、このような表現を使用しているところでございます。

内川委員

 区のはっきりした姿勢というか、前向きな姿勢がなかなか示されていないなと思うところがもう一つありまして、その次のところです。これは近藤さえ子議員も指摘しているんですが、「遊び心あふれる文化芸術をまち全体に展開します」、この「遊び心」という部分に関しては、やはり違和感、嫌悪感を感じるという議会からの意見もありました。これに関してはいかがですか。

永見企画部基本構想担当課長

 こちらの「遊び心」に関しましては、文化芸術に触れたり、取り組んだりする中で得られる心のゆとり、満足感であったりとか、基本構想の議案の本文にもありますけれども、豊かな発想、そういったところも踏まえて「遊び心」という表現を用いているところでございまして、様々な受け止め方があるかとは思いますけれども、御理解いただけるように努めていきたいというふうに考えているところでございます。

内川委員

 今、御担当が無理やり「豊かな」とか、「遊び心」を結びつけたような気がするんですが、全然意味が違いますよね。この議案なんですけれども、これ、文言をもし変えるとしたら、これは採決されちゃうとこのままなわけですよね。この文言を変えるとしたら、私たちはどうすればいいんですか、これから。

委員長

 委員会を休憩します。

 

(午後5時13分)

 

委員長

 委員会を再開します。

 

(午後5時14分)

 

内川委員

 分かりました。改めてこの議案に目を通すと、表現がちょっと納得できないなと思う部分があります。

 それから、ページを進めて、3に「基本構想を実現するために」というところがあるんですけれども、特に、持続可能な財政運営を進めると、そういう文言があるんです。ここには、「最少の経費で最大の効果を挙げる持続可能な財政運営を基本とし」とか、あと、「安定的な財政基盤を構築していくため」とあるんですけれども、特にこの令和3年度予算に関しても、当初、区側は20%シーリングを目指していたと、経常経費を、区長が不退転の決意でこれは削っていくんだということがありましたけれども、結局、9%の削減にすることしかできなかったと。さらに、義務教育施設整備基金に関しても、私たちは、これはもう計画的に積んでいくべきだ、今までは10億円ずつ学校改築のために計画的に積んできたんですけれども、これもないがしろにしてしまった。

 こういったこともあって、この「持続可能な財政運営を進めます」も全く信頼できないな、この文言はと思うんです。これに関しては、先日の総務委員会でも議論が出ましたけれども、基本計画の素案たたき台から素案になった段階で、財政フレーム、これが人件費を再計算したら10年間で120億円削減することができましたと。たった短い期間で再計算したら120億円ですよ、削減することができましたと。これは本当にもう信じられないですよ、正直言って。そういった財政フレームの上に基づいたこの基本構想、これにはやっぱり問題があると私は考えていますけれども、答弁があったらお願いします。

森企画部財政課長

 基本計画の素案のたたき台から素案の間においての様々な案件について、再計算ということで変わってきたというところは、御指摘のとおりでございます。それはそのとおりでございますが、令和3年度予算の編成の内容も踏まえまして、しっかり精緻なものとして、今回、素案のところで10年間の財政見通しをお示しさせていただいたというところでございます。

 それで、新型コロナウイルスの影響がまだまだ不透明なところがございまして、歳入の状況というところも一応微増傾向は見込んではいるところでございますが、なかなか楽観視はできないというような状況ということは、認識はしているところでございます。認識しているところでございますが、今後さらに構造改革も進めていく中で、歳出抑制、また、歳入確保といったようなところで、しっかりと財政のほうは取り仕切っていきたいというふうに考えておりまして、基本構想を実現するために基本計画を定めるわけでございますが、しっかりとしたその基盤の上で、取組は進めていきたいというふうに考えているところでございます。

内川委員

 それともう1点、やはりその3の「基本構想を実現するために」のところの一番最初の丸に「区民に信頼される対話と参加の区政を進めます」とあります。これはほかのページのどこを見ても、議会との良好な関係を進めていく、そういった表現がないんです。予算特別委員会の全体会でも話題になりましたけれども、区のテレワークシステム、これに関しては去年の5月の補正で議決されたにもかかわらず、その後、半年放置されて、結局いろいろな問題が発覚して、その補正予算が未執行に終わってしまった。この中においては区の隠蔽体質も指摘をされているんです。そういった議会との信頼関係をどう構築するか、それがどこにも書いていないんですけれども、それに関してはいかがですか。

高橋企画部長

 今、御指摘のあった点については、これまでのやり取りの中で、我々の側のちゃんと時期を見た、丁寧な説明に欠いたところがございました点についておわびしているところでございます。ここについては、今後、今回の点を踏まえまして改善を図っていきたいというふうに考えてございます。

 議会との良好な関係、我々がしっかりと情報を提供し、そして、その情報に基づき御議論いただくというところについては、当然にやっていく話でございますし、今回、この基本構想についても、議決をもって成立するというところで、直接の表現はここではしておりませんが、当然、前提となるということで捉えているところでございます。

白井委員

 それでは、まず、これまで我が会派として、総務委員会でもそうですけれども、本会議や総括質疑を通して様々基本構想、基本計画、それから、先ほど来、内川委員からの質疑もありましたけれども、一連の関係性が強い形として、施設の整備、それから財政フレーム、さらには構造改革、この総務委員会でも、私、何回もこの関連性について確認してきたところです。本来であれば、議決案件というと基本構想だけなんでしょう。しかしながら、先ほど来、質疑があったように、関係性が強いと、これは役所側の方から答弁があったものです。この話も何回もしているんですけれども、コロナ禍の中、なかなか先行きの見通しが示せないので、財政フレームを示す、今後5年間、10年間の計画を示す中で非常に見通しが暗くなると。そこへ、基本構想と合わせた基本計画だとか財政フレームを描くというのは、なかなか難しいでしょうと。だからこそ、二、三年間の緊急計画、財政運営のフレームを描いて、別途、財政フレームを固める、基本構想は基本構想だけで描いた上で、落ち着いてから実際に物事を動かす計画を定めたらどうですかって、助け舟のつもりで言いますよって話をしたんです。だけど、理事者側からは、結構ですという話でした。一体でやると言ったんです。本当に大丈夫なんですかと。自治法上だとか、中野区自治基本条例だとか、自治法上のやつはなくなりましたけれども、本来は、基本構想で描くもの、その計画に当たってはきちっと裏付けがなければ駄目なわけですよね。それは非常に難しいから、あえて緊急事態の取扱いにしたらどうなんですかという話もした。では、いいんですねと。そこまで言うんですから、助け舟のつもりで言いましたけれども、この基本構想、基本計画、それから財政フレーム、後からこれも自分で言われたんですよね、構造改革もそうですよ。これらを一体としてちゃんと示すというところから計画がずるずる遅れて、基本構想の議決がここまでずれ込んでいるという状態なわけです。一度に出すのはやめてくださいよという話も何回もした、だけど、最後にどばっと全部出てきた、と私は認識しているんですけれども、まずここを確認させてください。

永見企画部基本構想担当課長

 基本構想と基本計画、また、区有施設整備計画ということでございますけれども、先ほどの質疑でもございましたが、中野区自治基本条例のほうに基本構想の実現を図るために基本計画を策定してと、そういったところがございますので、基本構想と併せて基本計画、また関連の強い施設整備計画のほうをお示しをさせていただいたということでございます。

 構造改革につきましても、そういった基本計画を下支えするということで、そのような関係性だというふうに考えてございます。

白井委員

 要するに、今確認したのはこういうことですよ、別物じゃないと。基本計画も、施設整備も、財政フレームも、構造改革も、一連の関係性が強いものだと言ったのは、我々議会からこうだろうと言ったのではなくて、理事者側の答弁から来た話ですから。本当は、分けたらどうですかという話までしたぐらいですから、私は。ここからスタートですから、確認させてもらいました。

 本来、基本構想、区の最優先の計画ですよ、最上位の計画。賛否を割るものではないなというのが正直な考えです。しかしながら、今言ったみたいに、一連のものですよと言われてしまえば、基本計画が具体的にどのような計画が示されるのか。また、その財政フレームの裏付けがどうなっているのか。さらには、その財政フレームの中で一番ウエートを占めるのは施設ですよと、この話もしてきたわけです。それを一連で示すとなったときに、この間、一番思っているのは、施設の配置、1回も区民の意見だとか関係者の意見の聴取の場なんて持っていないですよね。議決の後に、今後のスケジュール感で言うと、基本計画と施設の配置について、これから区民説明会を行うというのは、これは順番が逆じゃないですかと。何も生涯学習大学だけじゃないですよ、利用者の意見を聞けばいいというのは。この施設の配置についてなんかは、区報にも載っていないことがいっぱい出ている。それを、関係者の意見も聞かずにこんな乱暴なやり方でいいのかというのを、総務委員会の中でも、各所管の委員会の中でも、たくさん意見を言ってきている、と私は思っている。変更すべき点はたくさんある、だからこそ、この中でというので継続審査を判断させていただいたと、自分では認識しているんです。

 まず、その意見聴取のことを確認しておきましょう。これは、要するに、役所で机上で組んだだけで、関係所管だとか関係団体の意見の聴取の場なんて持っていないですよね。

石井企画部企画課長(企画部参事事務取扱)

 区有施設整備計画につきましても、これまで検討を進めてまいりましたけれども、基本的に区民の意見を聞いて何かつくったということではないのでございます。これから素案をお示しして、それに基づく意見交換会、これによって区民の意見を伺い、それで案にしていくという考えでございます。

白井委員

 要は、コロナ禍だという言い方もできるかもしれないですけれども、基本構想は、それこそ区民の人たちから様々な募集をしながら組み上げてきている。ところが、コロナ禍であった後は、もう計画の変更すら、ここも実は区民の意見を聞いていない、勝手に組み上がっている。そうですよね。パブリック・コメントをやったといっても、オンライン中心ですよ。その後の基本計画だとか施設の配置に至っては、もはやもうそれすらできていないと。あまりにも後ろが詰め込み過ぎているんです。これってものすごく大きい、施設の配置に関しては。だから、我が会派として、いの一番に言わせていただいたのは何かと。区役所ですよ。新区役所の生活保護、生活援護の窓口のレイアウトについて、この話をさせてもらった。基本設計が終わって、その後にもかかわらず実施設計に入るタイミングでいきなりレイアウトを変更しているんですよ。じゃ、何のために基本設計をやったんですかという話になるんです。

 その前には、将来的な窓口のレイアウトについて、約3年間で1億円弱ぐらいコンサルタントにお願いしている。しかしながら、この窓口の利用についてというのは、生活援護の窓口は対象としていませんと言う、じゃ、一体何のためにこのコンサルタントが必要だったんだって思うところはいっぱいある。

 さらには、この事実というのが3月ぐらいに決定しているんだけれども、議会に報告して、総務委員会に出てきたのは10月ですよ。この間、何回も定例会もあったし、臨時会もあったし、1回も報告がなかった。こんなやり方があるのかと。施設の配置の直前に出てきただけじゃないですか。だから、強い意見を言わせていただいているんです。言われなければ言わない。聞かれなければ答えない。ましてや総務委員会で追及があった上で、言われて出てくるような話って、これだけじゃなかったですよね。また、こんなことをやっているんですかという思いがあるんですよ。だからこそ、本当はちゃんと関係者の人に意見を聞くというのが筋じゃないですかともお話をさせていただいているんです、と思うんですけれども、どう思われますか。

石井企画部企画課長(企画部参事事務取扱)

 今回の区有施設整備計画につきましては、関係者のお話を伺う機会ということも、やはり必要だと考えておりますし、また、区民の意見を聞く機会も必要だというふうに考えております。

 実際、意見交換会ももう既に予定をしてございますけれども、問合せも入っているという状況でございまして、区民の方々の関心も高いだろうというふうには思っております。その中で、しっかりとその意見を受け止めて、この区有施設整備計画の案を作成していきたいという考えでございます。

白井委員

 あまり長々とやるとあれなので、論点を変えていきます。

 次に、重点プロジェクトについてもお伺いしたいと思います。

 基本構想を受けて、その中で最優先に取り組むべきものだというのは、初め二つでした、子育てと地域包括ケア。さらには、まちづくりが追加になったと。それもぎりぎりですよね。もうほとんど議案が示された後に出てくるという、こんな順番の報告の仕方があるのかと思うんです。ただ、まちづくりの計画は、もともと個別の計画を組み上げているので、実は、三つ示した重点プロジェクトの中では一番充実している、中身が見えやすいという形かもしれないと、私は捉えています。

 その中で非常に不透明だったのが、地域包括ケアです。この総務委員会で言わせてもらいました。地域包括ケアと言ったときに普通は何と言うか。医療と介護の連携と言うんです。ところが、基本計画の中に「医療」という言葉が何回出てきますかと。ごくごく僅かしか出てこない。端的に言うと、地域医療機関の誘致という言葉が個別の施策にはあるにもかかわらず、重点プロジェクトからわざわざ外されている。一体、中野区の地域包括ケアってどういう描き方をしているんですかという話もした。

 さらには、当該委員会ではありませんけれども、特別委員会では、この地域包括ケアについての計画の位置付けすら曖昧、体系図の中で範囲で示すと言うんです。もはや関連図しかないと。2年間やってこのレベルですかと考えると、今後、本当に重点プロジェクトとして地域包括ケアが進みますかと思う。我が会派としては非常に大事だと思っている。2025年、2030年、そして2040年、これから住宅街のど真ん中に構える中野区において、高齢化で、在宅の高齢者をどうやって支えていくんだという仕組みが、今後10年間、20年間の計画に描かれていない、こんな計画でいいのか、ぜひ検討してくれと言っているわけです。これについても、この間、医療機関について答弁をもらいました。「検討」というお言葉を頂いたと思っているんですけれども、いかがでしたか、総務委員会のときに。

永見企画部基本構想担当課長

 今、委員からございました総務委員会での医療に関する質疑、また、地域包括ケア推進調査特別委員会の質疑などもございました。そういったところも踏まえまして、所管と今調整を図っているところでございまして、案の中で一定の修正を図っていきたいというふうに考えてございます。

白井委員

 議事録を検索してもらえば分かるんですけれども、なぜ重点プロジェクトに医療という言葉、もっと言うと、地域医療機関の誘致という政策がないのかと言ったときに、答弁が保留になっているんです。これは保留すべきような話じゃないって、根幹ですよねという話までしましたから。その上でよく検討してくださいという話だったので、私の中では、計画はまだ見直すところというふうに認識しています。

 さらに、話題を変えます。1個目の子育てのやつです。論点が、はっきり言うと児童館について、一番これがおかしいなと思っています。

 施設というのは、そもそも今回の目的というのは、財政上、持続可能たらしめるためにはどうしても構造改革が必要なのであって、その上で施設の配置を検討していくという話ですよね。まず、ここを確認させてください。

石井企画部企画課長(企画部参事事務取扱)

 区が持続可能な区政運営をしていくという中では、区有施設は非常にコストのかかる話でもございますし、非常に重要な点だと考えています。

白井委員

 基本構想は10年、基本計画は5年間で今回定めてあるけれども、じゃ、施設の配置についてというのはどういう計画のスパンで描かれたかというと、今後の20年間を見据えて――見据えながら10年間の計画を示すということでいいですよね。

石井企画部企画課長(企画部参事事務取扱)

 計画の期間ということでお示ししたとおり、今、委員、御指摘のとおり20年間を見据えて、10年の計画という考えでございます。

白井委員

 今のは冒頭に書いてある言葉をそのままなぞったつもりです。にもかかわらず、児童館については何年示されていますか。

石井企画部企画課長(企画部参事事務取扱)

 計画そのものは、全体としては10年の計画でつくっておりますけれども、児童館の展開というところ、そこは表記の仕方ではありますけれども、それは5年後の児童館の配置ということでお示しをしました。

白井委員

 学校再編計画の学校は何年で描かれていますか。

石井企画部企画課長(企画部参事事務取扱)

 10年でございます。

白井委員

 そういうやり取りを、実は総務委員会でやったんです。要は、20年間を見据えながら10年間描くよと。学校は10年間で描くよと言っておきながら、一方で、学校の中にキッズ・プラザと学童クラブが入っていたら、その中での地域の児童館は廃止されますよというふうに大前提でうたっておきながら、どうして5年間なんですかと。これって、子どもが地域に展開すると、非常にハレーションが起きるって。そんなに出したくないんですか、そんなに説明回避したいんですか、というふうに見えますけれどもと言いました。一貫性がない。

 逆手に取ると、こういう言い方です。学校の中に学童クラブやキッズ・プラザが整備されると、その地域の児童館がなくなるんだったら、うちの地域に新しく学校をするときには、キッズ・プラザや学童クラブを整備しなければ児童館は残るって、こんな逆説的にも見えますよという話をしたんです。既に地域で整備するところもあるって、やっぱりこういうところってきちっと示す必要があるんじゃないですかと。何も減らせと言っているんじゃない。曖昧に、出すところと引っ込めるところが、あまりにも恣意的ではないですかと。もっと合理的に示さないと、地域の混乱を招くって。これもよく検討してくださいねというので、検討で引き取ってもらっていると思うんですけれども、いかがでしょうか。

石井企画部企画課長(企画部参事事務取扱)

 この間、様々御意見を頂きましたので、区としてはそれを踏まえて検討していきたいという考えでございます。

白井委員

 私もそこは宿題のつもりで、大いに検討してもらっているものだと思っています。

 本文については、今回あえて質問しませんでした、基本構想については。なぜか。今言ったみたいに一連の中で、基本計画や施設の配置、様々財政フレームの話もしましたけれども、たくさん宿題があっていいと思っている。だからこそ、まずは地域の説明会を受け、さらには、その検討を見た上で判断させてもらえれば十分だと思ったので、今回の総務委員会ではしていません。しかしながら、この基本構想に至っては、もう1年以上どころか2年ぐらいずっと、本文のやつは検証あるんですよね。この間もたくさん議事録出てくると思う。

 まず、ゆるやかなつながりというのは、それが本当は人と人と支え合うというのに当たって、区がお願いしなければならないもので、もう少し真剣なお願いのスタイルでもいいのではないかと。どこから見てなんだという話もしました。

 「遊び心」のやつも、それは遊び心あふれる文化芸術もあるでしょう、だけど、文化芸術が全て「遊び心」と捉えるわけではなくて、真剣に、寄せ書きでやっている人たちもいるわけです。文化芸術の捉え方ももっと幅広くていいのではないかと。少なくとも、私の知っている人たちは本気でやっていますよと。ちょっとこの表現は、あなたのやっている文化芸術は「遊び心」だと、僕は絶対に言えないという思いもある。こんな話もしてきたところです。

 本文のところは、ニュアンスが違う、感覚が違うと言うかもしれないですけれども、「遊び心」ではなくて、僕は言葉遊びが過ぎるというふうに思っています。ただ、本文の内容については議案ですから、ジャッジしようとすると継続審査にして、御本人で理事者側が見直してもらうか、否決しかないんですよ。ただ、冒頭申し上げました。基本構想って、本当はみんなで何とか丸く収まるというほうがきれいですよ。ただし、あまりにも、ちょっとぶら下がり過ぎている基本計画や施設の配置、ましてやこれは御自身で出されたんですよ、構造改革も。財政フレームも疑問符がいっぱいあって、ましてやこの間にそれらの施設について1回も地域の意見をくぐっていないというのは、これはさすがに我々としてはジャッジできないなと、私は判断させてもらいました。だから、継続審査でというふうに申し添えたところです。

 最後はちょっと、我が会派の見解になりましたけれども、一応ここで質疑を終えます。

大内委員

 基本構想を読んでみると、主語が明確じゃない。区がやる仕事なのか、区が責任を持って推し進めていこうとしているのか、区民にそういったものをお願いするというか、そういう区民の中で醸成というか、盛り上がってきてそういうものにしたいのか、あるいは、全くこれは民間でやる話なのか、ちょっと主語がはっきりしないところが何か所かあるんですけれども、それについてはお気づきですか。

永見企画部基本構想担当課長

 基本構想につきましては、区民の皆さん、また、区の共通の目標というふうに考えておりまして、共にこういったまちの姿を目指していくと、そういった部分が、主語といえば主語であるというふうに考えてございます。

大内委員

 当然、区民と協働して進めるというのは分かります。ただ、これは区が責任を持ってやる話なんじゃないのかなと。区がお金も人もかけて、しっかりとつくっていかなければいけないものなんじゃないのかなというものと、そういった地域で盛り上がっていますというような文章とかが、もうごちゃごちゃに、ちょっと一緒になり過ぎてしまっていて、これをつくるときに、もうちょっと、これは区の責務です、これは区民にお願いをするんです、あるいは、これは区がいろいろな形でお手伝いをお願いしたから助成をしていくんですというのが、ちょっと一番最後のところを読むと。じゃ、例えば、一番最初で言うと、3ページ目、「新たな活力が生み出されるまち」は分かります、「地域の特色や今までにない新たな価値が生まれています」、これは誰が主語で、どういうことを言っているんですか。

永見企画部基本構想担当課長

 こちらにつきましては、10年後のまちの姿ということでございますので、10年後のまちの姿がこのような状態になっていると。地域の特色や今までにない新たな価値が生まれているという、そういう状態になっているという、そういった文章でございます。

大内委員

 次の丸、次のページ、「地域の課題を住民同士が協力しながら解決しています」、これは住民が主語ですか。

永見企画部基本構想担当課長

 こちらにつきましては、そうですね、解決するという部分に関しては住民同士ということになろうかと思います。

大内委員

 今度はその下で、(2)未来ある子どもの育ちを地域全体で支えるまち。チャレンジしながら、「地域全体で支えるまちを築いていきます」、これは誰が主導するの。地域で考えるんですか、これは区がやるんですか。

永見企画部基本構想担当課長

 こちらについては、先ほど冒頭に申し上げました、区民と区の共通の目標ということでございまして、協働しながら築いていくということでございます。

大内委員

 さらに次のページの丸の一番上、「社会の変化に対応した質の高い教育を実現します」、「家庭や地域と連携し、協働しながら、特色のある教育が生まれています」、これは学校の話――その前に幼稚園とか出ているんだけれども、これは地域で、町会で、あるいは地域のグループでという意味ですか。

永見企画部基本構想担当課長

 こちらにつきまして、そうですね、家庭や地域と連携し、協働しながらということで、学校、家庭、地域、そういったところが協働しながら特色のある教育が生まれているという、そういったことです。

大内委員

 その下の、今度は、まち全体の子育ての力を高めます。「安心して子どもを産み、育てられる体制が整っています」、これは区の施設の話ですか。地域の話、地域で見守るという意味ですか。

永見企画部基本構想担当課長

 区としてのサービスもございますし、地域としてそういった活動をされている方もいらっしゃいますので、そういったところも含んだものでございます。

大内委員

 じゃ、その下の若者のチャレンジ支援もそうだと。最後、「一人ひとりの課題の解決に向けて支える体制が整っています」、これは区が整えるんですか。区民の人がそう思う。要するに、意味がちょっと分からない。

永見企画部基本構想担当課長

 こちらの体制についても、区として、今度、子ども・若者支援センターであったりとかもございますし、そういった活動に取り組んでいる団体とか、そういったところもございますので、共に取り組んでいくということで体制が整っているということでございます。

大内委員

 今度、その下に、(3)誰もが生涯を通じて安心して自分らしく生きられるまち。ここに、「オール中野で築いていきます」という言葉が出ています。次のページのところにも、「最期まで自分らしく生きることができるオール中野の体制が整っています」と。でも、オール中野の体制って、ここで使うんじゃないんじゃないのかな。このことにかけるんじゃなくて、今、僕は、幾つかこれって主語はどうなんですかと。そうしたら、やっぱり区も参加しているけれども、当然、区民のほうでも、そういうのを醸成して、オール中野の体制をつくっていくというふうに僕は取れるんだけれども、ここだけでオール中野、ちょっと使い方がね、本来で言うと、オール中野って全体にかけていいんじゃないのかなと。やっぱりなかなか、課長もここまでは区がやって、ここから先は区民なんですよと。あるいは、ずっと一緒にやっていくものなんですよと。あるいは、途中で、ここからはもう地域で支えてもらうんですよと。いろいろな、多分、今、言い方をされていたんだけれども、本来で言うとオール中野、これは全部にかけたほうが文言的にきれいなんじゃないのかなと。ここの部分だけオール中野という表現を使うと、ほかのところはオール中野じゃないのかなというふうに取れちゃうんですけれども、どうですか。

永見企画部基本構想担当課長

 委員の御指摘というところも理解するところでございます。こちらにつきましては、地域包括ケアということがございまして、この三つ目のまちの姿は、地域包括ケアのところを主に描いているというところもありまして、強調してといいますか、オール中野という言葉を用いたというところでございます。

大内委員

 今、地域包括ケアと出たので。中野区は、地域包括ケア、子どもからお年寄りまでと。でも、それは近隣区、要するに、広域自治体でいう新宿区あるいは杉並区、それ、当たり前なんです、別に高齢者だけじゃないんですと。子どもから高齢者までやるのが地域包括ケアなんですよという考え方を、ほかの区なんか、当たり前ですよという概念でやっているので、中野だけ殊さらそういうふうに言われても、そもそも地域包括ケアってそういうものなんじゃないですか。広域医療体制をつくっていくという中で、そういったこともあるので、別に、だから、ここでオール中野という言葉はちょっと、わざわざ使わなくてもほかの言葉で、今の地域包括ケアでもいいんだけれども、使ったほうがよろしいんじゃないのかなと。それはもう、これ、出ているので、今さらあれですから、言いません。

 それと、次に、今日の本会議で採択された陳情、なかの生涯学習大学の再編について、あれについてそういった記述というのは、今までの基本構想においては、文化芸術が保護され、生涯を通じての学習の機会が地域の中に広がり、一応そういったことが今までの基本構想の中で書かれていた。それを現実に移すために、そういった、なかの生涯学習大学というものをやっていたと私は思っていたんですけれども、今回はそういった記述がちょっと薄いのかなと思うんですが、どうですか。

永見企画部基本構想担当課長

 生涯学習というところで申し上げますと、三つ目のまちの姿のうちの最後、「生涯を通じて楽しく健康に過ごせる環境をつくります」という中に、「自分が関心のある運動・スポーツや学びなどに楽しみながら取り組んでいます」ということで、そこの部分が、生涯学習という意味では該当するのかなというふうに思います。

 一方で、新たな地域の担い手づくりとかそういったところで言いますと、そういった役割もあろうかと思いますが、一つ目のまちの姿の中で、「地域愛と人のつながりを広げます」というようなところが、基本計画の中でもそういった事業とひもづいているというようなつくりになっております。

大内委員

 それは表現の仕方が違うと言われればそうなんですけれども、ただ、今まで生涯を通じて学習の機会という言葉はしっかり文言に残っていたんです。今回、この基本構想の文言にないから、申し訳ないけれども、昨年12月の新しい取り組みの中で、生涯学習大学、大きく変換させようとした。今年、当初は、令和3年度はもう募集しないといった説明もあった中、いろいろ区民の意見を聞いて、議会の意見も聞いたとは思いますけれども、変更があったと。令和3年度は募集しないんですよというのが、定員が200人のところ80人しか募集がないので、その枠はせめて入れてあげましょうよということでやったんですけれども、やっぱりこういうのが出ちゃうと、そもそも今年度の取組で、そのときは、基本構想はまだ素案の段階だったから、案だったかも分かりませんけれども、ちょっと欠けているのかなと。しっかりとこういうのは盛り込むべきだと思いますけれども、どうですか。

永見企画部基本構想担当課長

 生涯学習というところで言いますと、言葉としては短いかもしれないんですけれども、先ほど御紹介いたしました「自分が関心のある運動・スポーツや学びなどに楽しみながら取り組んでいます」ということで、表現しているものと考えております。

大内委員

 いや、取り組んでいくというのは区が取り組んでいくの、区民が取り組んでいくの、今の表現だと。それもちょっと明確じゃないんだよね。区が取り組んでいきますと言っているのか、区民が自主的に取り組んでいきますと、どっちとも取れるんですよ、今の話だと。だから、そういうのをちゃんと明確に、区も取り組んでいきますけれども、区民も取り組んでくださいとか、例えばだよ。そうじゃないと、都合のいいと言っちゃ悪いけれども、これからの10か年とかの施策が出たときに、ここにこう書いてあるんですよと、これは区民が主体でと言われちゃうと、行政じゃないんですよと言われちゃうと、生涯学習大学もどうなるか分からない。やっぱりこういうところはしっかりと、今までみたいに生涯を通じての学習の機会を区が出すということをしっかりと書いたほうが、分かりやすいのかなと思います。どうですか、もう一度聞きます。

永見企画部基本構想担当課長

 こちらにつきましては、まちの姿ということで楽しみながら取り組んでいますということで、区民の皆様が取り組んでいるということで表現をしております。

 一方で、基本計画については区が取り組むことでございますので、そちらの中で区が取り組むことについては明確にさせていただいていると、そのような整理で考えてございます。

大内委員

 いや、だから、その基本計画になると、生涯学習大学が令和4年度は募集しないとか、そういうふうになっていっちゃうじゃないですか、よく聞いていくと。そうならないために、こういうところに文言でちゃんと入れるべきなんじゃないのかなと。ただ、今の時点でもう入っていないから。今から入れろって言ったって無理でしょう。そう答えるしかないんだけれども。今から入れろというのは無理。

 あと、先ほど他の委員もありました。この同じページのところに、「遊び心あふれる文化芸術をまち全体に展開します」、この「遊び心」という言葉を基本構想自体に使う場合、もうちょっと適切な使い方をしたほうがよろしいんじゃないのかなと。いろいろな意味があるんですよ、遊び心。遊び心でちょいとやっちゃった。確かに、あなたたちが考えている「遊び心」はいい意味で、多分、豊かさを持ってみたいな感じで使っているんだろうけれども、しかし、この言葉自体、やっぱりちょっとここに入れるのは不釣合いなのかなと。もうちょっと真摯に、文化芸術について取り組んでいる人たちを支えるみたいな文言でないと、ここで入っていると、どうしても、先ほど白井委員からもあった、やっぱりみんな一生懸命、真剣にやっている人たちに対して、ちょっと失礼なのかなと、文言が。せめて文言を入れ替える等しないと、駄目だと思うんだけれども、今言っても入れ替わらないもんね。だから、今はもうどうしようもないんだけど、入れ替えてもらう。

 そういったことがあるので、もう一度聞きます。この遊び心ある活動が広がり、ずっと読むと、2回ほど言葉が、この場合出ているんだけれども、これは何で入っているの、大体。一般質問でもありました。区長は違う意味で、これからみんなに地域で理解を得てもらいますという、たしかそんなような答弁をされていましたよね、そうならないように。でも、担当はどういう意味で入れたの。

永見企画部基本構想担当課長

 こちら、本文のほうを御覧いただきますと、「中野ならではの伝統文化や豊かな発想から生まれる遊び心ある活動」ということで、二つの文化芸術の取組が書かれているところでございます。こちらにつきましては、先ほどの繰り返しにはなってしまうんですが、文化芸術に触れたり、取り組んだりする中で生まれる心の豊かさであったりとか、新たな発想力とか、そういったところを表現した言葉として「遊び心」というものを用いているものでございます。

大内委員

 いや、それなら、中野ならでは伝統文化や豊かな発想が生まれる活力ある活動の広がりとか、そういう文言じゃないの。それはもう言っても仕方ないけど、おたくらの考え方だから。ちょっと、それもやっぱり使い方については疑問に思います。

 また、これ、もう最後にしますけれども、最後、基本構想を実現するためにということで、一番最初に、「対話の区政を進めます」といきなり出ています。今までも別に、対話の区政を進めてきたと思うけれども、今回陳情に上がったなかの生涯学習大学の再編については、対話の区政を進めていなかったんじゃないですかと。私は、陳情者にもお会いしたけれども、そういった形では、説明会とかも生涯学習大学関係者しか入れない、これから入ろうという人たちは入れなかった。説明といっても、担当者が、来年替わる人はいなかった。担当変わるでしょう、たしか来年から、また所管が。変わるんだよ、多分。だから、そういうのも、これ、書いてあるのは分かるんだけれども、今現在やっていないじゃないか。急に基本構想が通ってからやるという問題じゃないんですよ。対話の区政って、タウンミーティングもいろいろやっているし、その辺は認めます。ただ、そうじゃない、これから基本構想を実現する基本計画、それを1個1個やるときに、先ほど児童館の話も出たし、ほかの話も全部出たんだけれども、いろいろ出ているんですが、あれはしっかりと、対話の区政を進めてもらわなければいけない。だから、この部分に関して否定はしませんけれども、ただ、なかなか、これ書いてあるだけで、やっていないよ、やらないよというものじゃ駄目なんですよ。書いてある以上は責任取らなきゃいけないし。それはしっかり進めていただきたいと。ただ、途中の文言についてはいろいろありますけれども、今言ったところでもう直らないので、もう結構です。

小林委員

 基本構想の議案なので、まず、基本構想について聞きます。

 今回議案になりました。当初、審議会を設けて、そこから素案ができて、これまで、この議案になった基本構想の文は、この素案からどのように変遷しましたか。変わったところはありますか。

永見企画部基本構想担当課長

 素案につきましては、昨年の1月に御報告させていただいておりまして、その後、新型コロナウイルスの感染拡大等を踏まえて、改定検討素案という形で4月にお示しをさせていただきました。そちらに対して意見交換会を実施して、検討案、パブリック・コメントという形で、現在、議案ということでお示しをしているものでございます。

小林委員

 その素案から議案に変わった、付託して変わっているところはどこですか。

永見企画部基本構想担当課長

 素案から改定検討素案というところで、新型コロナウイルスの影響であったりとか、それまでの間に、区民の皆様であったり、議会の意見などを踏まえて修正をしたという内容でございます。

小林委員

 具体的にどの文言を修正しましたか。ちょっと確認したいんです。

永見企画部基本構想担当課長

 改定検討素案の際の修正の箇所でございますけれども、全体で、委員会で報告をさせていただいているところでございます。昨年の第4回定例会のほうで報告させていただいておりますが、改定の背景のところに、水害であったりとか、これまでの対策を実施してきたというところを加えさせていただいたと。

 それから、一つ目のまちの姿のところで、地域への関心や参画、いわゆる地域の皆様の自治の営みというところを表現として加えさせていただいたと。

 それから、多様性により新たな価値をつくりますという中で、地域の一員として安心して暮らすと、「安心して」という言葉を入れたということがございます。

 こちらは改定検討素案から検討案でございましたが、素案から改定検討素案への変更点ということでよろしかったですか。すみません、ちょっとそちらのほうを御紹介させていただきますが、ちょっとこちらは結構いろいろありますので、第3回定例会で報告させていただいておりますが、ちょっと簡潔に申し上げますと、改定の背景の中で、新型コロナウイルスの影響ということで大きな形で一つの段落をつけさせていただいたことでありますとか、デジタル化の進展に関することなどを改定の背景の中で修正をさせていただいております。

 それから、一つ目のまちの姿のところで、つながりの中で場所や時間を選ばないつながりであったりとか、あと、経済活動のところで、新型コロナウイルスの影響なども踏まえて、区内産業の持続的な発展であったり、そういったところを入れてございます。

 それから、中野駅周辺のまちづくりのところで、区全体のまちづくりを牽引するというような表現を入れさせていただいております。

 それから、子どものまちの部分ですけれども、「自分のことを大切にする」という表現だったものを「自分と他者を大切にする」という表現を加えたことでありますとか、あと、幼稚園・保育園などとの連携について、「つながり」という言葉を使っていたところを「接続や交流」というふうに改めたというところがございます。

 それから、三つ目のまちの姿でございますが、高齢者の見守り・支えあいのところに「ICTの活用」というような言葉も入れさせていただいた。

 それから、生涯現役で生き生きと活躍できる環境をつくりますということで、「生き生きと」という言葉を入れさせていただいております。

 それから、安全・安心な生活環境と防災まちづくりの中で、新型コロナウイルスの影響も踏まえまして、感染症に対する意識の高まりに合わせて、行動の変化というようなことも入れさせていただきました。

 基本構想を実現するためにというところでは、行政サービスということで、質の高い行政サービスの提供ということで、表題を変えたということと、あと、デジタル化を加速させていくというような形で表現をさせていただいております。

 それから、「危機の発生に備えた体制を強化します」というところで、「自然災害や感染症などの」ということで、新たな表現を追加したと。

 そのようなところをこの段階では修正いたしております。

小林委員

 まず、素案をつくったのはいつになりますか。

永見企画部基本構想担当課長

 素案については、昨年の1月に検討素案としてお示ししております。

小林委員

 財政的なことを聞きますけれども、昨年の1月に素案ができたときの基になる財政は、どのような状況だったんでしょうか。

森企画部財政課長

 昨年の1月の段階ということでありますと、令和2年度当初予算を編成した直後というような状況でございますので、新型コロナウイルスの件は世界中で広まりつつあったというようなところであったと思いますが、そこの部分については特に反映をしておらず、過去の状況を引き継いで堅調な財政の状況だったと、令和2年度予算編成時は認識しております。

小林委員

 今現在の中野区の財政状況、そして今後の見通しはいかがですか。

森企画部財政課長

 その後の新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、かなり一般財源のほうも減収がありまして、大きく令和3年度予算編成においては減収したということでございまして、かなり厳しい状況であるということでございます。この令和2年度の当初予算編成時の水準に戻るということについても、かなり相当数の時間がかかるということで想定しているところでございます。

小林委員

 この議案に出ている基本構想は、ほぼ2年前につくられたもので、それをそのまま、ほぼ――文言の多少の変更はありました。なぜかというと、中野区自治基本条例、先ほど御担当もおっしゃいましたけれども、基本構想の制定等ということで、第8条になります。第8条、基本構想の制定、「区は、区議会の議決を経て、区政運営の指針となる基本構想を、財政見通しを踏まえた上で定めるものとする」、さっきおっしゃったところです。この基本構想、まず財政見通し、全く変わっていますよね、2年前の素案をつくられたとき。今確認した中で、基本構想の全体は変わっていません。多少の文言が変わった。ただし、コロナ禍が今現在続いているので、去年、ちょうど1年前から始まったこのコロナ禍に関わるところは災害として、また、風水害もそうですけれども、そういったものを踏まえて入れましたということだけでした。

 基本構想で一番大事なのは、「財政見通しを踏まえ」なんです。財政見通しを踏まえた上で基本構想を定めるものとすると言っているのにもかかわらず、財政見通しの部分については何の変更もなされていない。これはどういったことでしょうか。

永見企画部基本構想担当課長

 今、御紹介いただきました中野区自治基本条例の第8条第1項ということで、基本構想は財政見通しを踏まえた上で定めるものとするということで、こちらについては、基本構想の議案と併せまして基本計画の素案ということで、財政フレームをお示しをして、かつ、その中で取組を御紹介しているということで、そのような考え方で併せてお示しをしているものでございます。

小林委員

 今、くしくも言っていただきました、基本構想、基本計画、財政フレームの話、そして、これまで施設整備のことについてもありました。財政課長は、財政の見通しとして、令和2年度の当初予算を作成したときの概要にあるような財政見通しは、今現在は全く立っていないと。10年間――ごめんなさい、令和2年度のときに750億円だったものを687億円にして、今後10年間、そのフレームでいくんですよと言っている。それほど財政も落ち込んでいる。そして、かつ10年間は、その変化がないと言われている中で、基本構想と財政見通しがセットであると、今も御担当はおっしゃったけれども、セットじゃないじゃないですか、これ。セットになっていない。だって、基本構想をつくったときの財政見通しと今現在の財政見通し、全然違うんです。それなのに中身が全然変わっていない。文言は、それは多少いじったとかという話が今ありましたけれども、それがまず変わっていないという点を一つ指摘させていただきます。

 その上で、一般財源のことについては、基本計画の件がありましたので、前回、前々回と総務委員会の中でも、一般財源の推移のこと、そして、一般財源ベースの財政フレームのことについても、この2年間、次の3年間、そして、この10年間のことについても指摘をさせていただきました。財政がよくならないと言われている中でも、この財政は、人件費のこともありましたけれども、きちんとした見通しが立っていない。そういった中でこの基本構想を進めていくのはいかがなものかということも指摘をさせていただいたところです。

 そして、その上で、詳細になりますけれども、2点あります。

 1点目は、先ほどもありました地域包括ケアと、大きな大きな柱であるところの地域医療体制です。地域医療については、酒井区長は、就任をされた平成30年の第4回定例会ですか、2025年に向けて地域医療の充実をしていきますよと、そして、高齢者のための地域包括ケアとして資する地域医療、回復期、リハビリ、そして地域の中で拠点の推進となってもらえるような地域医療をきちっとつくっていきますよと言われたにもかかわらず、それは今回、全く見通しが立っていないというのが、施設整備計画の中に描かれているたった2行の言葉であります。

 もう1点は、児童館です。児童館については、新たな機能を備えた児童館にしていきますというふうに言われています。これまで、新たな機能って何ということで問いがあったにもかかわらず、一つもそこは内容が出てきていません。しかしながら、キッズ・プラザや中高生向けの施設などは、それぞれ学校の中に併設しますとか、子育てひろばのことですよとか、産業振興センター跡の複合交流拠点を活用した整備を検討していくというようなことでうたわれています。

 しかしながら、新たな機能を備えた児童館については、ただ、館数だけの話、建物だけの話。何館にしますよというだけ。しかし、示された区有施設整備計画では、子育て拠点施設、地域の見守りなどというだけが、新たなところに移っていくのというのであれば、これってすこやかでやっていることと全く一緒じゃない、そうしたら、すこやか福祉センターが充実すれば、別に児童館がなくてもいいじゃないぐらいの話になっています。

 そういうことで、次の話をしたいと思います。

 もう1点、区有施設整備計画の中で、これは基本構想、財政フレーム、その下支えとなるものが、今言った基本計画であり、施設整備であり、構造改革なので、1点確認をします。

 生活保護の件、先ほど我が会派の白井委員のほうからもありました。議会に示されたのは、半年も方向性が決まってから出されて、しかも、少しでも広い、少しでも広い、少しってどのくらい。1平米も少しですし、100平米も少しかもしれない。そういう話はもう既にしてきたところです。そして、この件については、今後、施設整備に関わって見直しを本会議で求めたところです。総務委員会で求め、分科会で求め、そして、意見としてもきちっとついたところです。そうした中で、区民のプライバシーを守る利便性が損なわれないよう、生活保護執務スペースのレイアウトを根本的に見直すことという意見をつけさせていただきました。そして、その見直しを今後進めていくということを、先日の総務委員会で確認をさせていただきました。具体的に、この辺は見直すんですか、見直してみるだけなんですか。もう検討に入っているんですか。それとも、見直したけれども、結局、駄目だという検討をする、答えを出すわけですか。

中村総務部新区役所整備課長

 さきの予算特別委員会のほうで、新区役所整備に当たっては、生活保護執務スペースのレイアウト等について工夫されたいという御意見をいただきました。それを踏まえまして、どのような工夫ができるか検討しているところでございます。

小林委員

 これ一つ取っても、先ほどの件を取っても、財政フレームって変わってくるじゃないですか。施設整備が変わるんだもん。施設整備が変わるということは、見通しが変わるということじゃないですか。その辺はいかがですか。

石井企画部企画課長(企画部参事事務取扱)

 今、生活援護の事務所の検討は進めておりますけれども、実際それが施設の配置ですとか財政フレームに影響するかどうか、そこも今、検討しているところでございます。

小林委員

 検討しているということは、変わっていく可能性があるから検討されていると思うんですけれども、いかがですか。

石井企画部企画課長(企画部参事事務取扱)

 可能性としてはあるものと考えています。

小林委員

 先ほど言いました、基本構想の制定、これは基本構想を財政見通しを踏まえて行っていく。それが踏まえられていない基本構想であり、基本構想の基になっている施設整備や基本計画に基づかれている。セットで出されるとき、そういうことまで見ていかなければいけないですよね。そうであれば、もう1点指摘をさせていただいた、予算の執行に当たっては、コロナ禍による危機的財政を鑑み、危機的財政になったので、それを見ていただいて、鑑みていただいた上で、新型コロナウイルス感染症対策の充実を、予算審議での指摘を踏まえて、予算のときにですよ、法令の定めるところに従い、かつ、合理的な基準により執行されたい。予算はそうであると言っているけれども、これ、それだけじゃないんです。「法令に定めるところに従って」と、この間、私は、この文章は地方財政法から引っ張ってきていますよという話も特別委員会でさせていただいたところです。

 しかしながら、ここで言っているのはそれだけではないんですよ。全体にかかってくるんです、区のこれらの政策についても。予算の概要書の1ページ目に書いてありますよね。令和3年度の予算は、基本構想に基づいてつくっていますよと。四つの柱に基づいてつくっていますよというふうに一番最初にうたわれている。図まで出ている。そこにまで全部かかってきているんですよ、この法令に定めるところに従い、かつ、合理的な基準により執行されたいと。つまり、基本構想も合理的な基準が満たされていない。そう考えますけれども、いかがですか。

森企画部財政課長

 財政見通しにつきましては、確かに、1年前とは状況が大きく変わってきているというところではございますが、現時点においてお示しした素案のそのフレーム、これはそもそも基本構想を実現するために策定をしていく基本計画の事業、施設整備も含めてですけれども、それを踏まえて見通しを立てているということでございます。一定の実現性といいますか、これを基に基本計画を実施していく、施策を実施していくというような形でお示しをさせていただいているところでございまして、全くその基本構想と基本計画、また財政フレームが大きくずれているというようなことの認識は持っていないところでございます。

 ただ、御指摘のとおり経済状況がどうなのかというところで不透明なところもございますので、これはいろいろなところで申し上げているところでございますが、当然、これはこういう形でお示しをさせていただいた、一定の考えの下に根拠のある形で示させていただいたところでございますが、さらに構造改革を進める中で、歳出削減、また歳入確保というようなことも進めながら、しっかりとした基盤をつくって、基本構想の実現に向けて取り組んでいきたいと、そういう考えでございます。

小林委員

 財政フレーム、財政の見通し、中野区の今後の10年間の財政のことを考えて、この基本構想でいいんですかね。財政フレームでいうと、750億円あったときの財政を考えてつくられたこの基本構想。687億円になったときの、この70億円から違ってくる財政状況。それって、この基本構想についての一番最初の位置付けとして、基本構想は、中野区に住む全ての人々や、中野のまちで働き、学び、活動する人々にとって、平和で、より豊かな暮らしを実現するための共通目標である。また、区が区民の信託に基づき区政運営を進める上で最も基本的な指針となるものであると。財政状況も変わりました、だけど、言っている中身は変わっていません。だけど、区民に求めるところは一緒ですよ。財政状況が変わってくるということは、私たちの生活に、区民の生活に、財政に大きく関わってくるところがたくさんありますよ。それでも、区民に、全ての区民ですよ、全ての人々ですよ――に、同じサービスが継続してできるんですか、していけるんですか、10年間。そういう財政状況の下で、そう言うというのは、これだけ落ち込んだ財政状況の下で、基本計画、施設整備の上に――上にというのかな、それをひっくるめた基本構想、方向性を変えないで、こういった最も基本的な指針となるという言い方でよろしいんですか。

永見企画部基本構想担当課長

 委員、御指摘いただいているとおり、財政状況については厳しい状況が当面続いていくという、そういった認識は持ってございます。

 その一方で、財政状況が悪いことをもって、10年後に目指すまちの姿を変えていくというよりは、こういったまちの姿を目指していくに当たっての様々な事業の執行の工夫であったりとか、効果的・効率的な執行の仕方、そういったところを着実に実施していく中で、姿というものは変えずに実現を図っていくと、そのような考えで進めていきたいと考えております。

小林委員

 最後にしますけれども、基本構想について、このたび、区の将来を見据えた10年後に目指すまちの姿を新たに定め、基本構想を改定すると言っています。10年後の姿、目指す姿、そのために基本構想はつくっているんですよと。でも、その基本構想は、財政状況の豊かだったときにつくったものですよ。大きなところは変えていません。文言、いいんですよ、てにをはでも何もいいんです、変えたけれども、全体は変えていない。一緒にセットとして出されてきた基本計画や施設整備、10年後に目指すまちの姿はこれでいいんですかね。区民にとって一番大事な全ての人たちというところでの基本構想、そういったことでいいんですかね。

高橋企画部長

 御指摘、参考にさせていただきたいというふうに思いますが、区の捉えといたしましては、基本構想については、最初のページの改定の背景の後半にございますけれども、今般のこのコロナ禍の状況を踏まえて、今後10年後を見据えていくということを基本に据えてございます。

 その中では、ここにも書いてございますけれども、御指摘のあった経済状況、それから、新しい生活様式の移行というところも意識しているところでございまして、そういうところも踏まえました上で、内容については提案をさせていただいているところでございます。

 財政フレーム等につきましては、今、基本計画のほう、素案という段階でございます。今、素案をつくっている段階で、今、想定し得る一番新しい情報も得て、先々の見通しを立てているところでございます。ですので、区の捉えとしては、今時点で、基本構想というのは、今の時期にふさわしい内容だというところで捉えて提案しているところでございますので、その点は御理解をいただければと思います。

小林委員

 終わりますけれども、今の段階でふさわしいなんていう言葉を聞いて、これでいいですよなんて言えますか。区民が聞いたら、いや、区民の皆さんが、これが今ふさわしい基本構想なんですよ、新型コロナウイルスのことを付け加えてうたってあるから、これでそういうことを賄っているんですよなんて、よく言えると思いますよ。本当に、そう思いませんか。私、そう思いますよ。

 財政状況が悪くなってきているんだったら、それを見通した財政――今後の10年間の財政見通しが出ているんだから、それに基づいて、内容を、もっともっと区民の声を聞いて、私、基本構想の地域での説明会に行きましたけれども、区民の皆さんはもっとシビアですよ。こんな夢物語を望んでいませんよ。窓を開けて、間隔を取って、そこで聞いている、説明を受けている、やり取りをしている。基本構想はそんなに甘くないですよ。これで一番いいものができていると思いますって、いやいや、よく言えるなと。最後は感想にして終わります。

酒井委員

 端的にお尋ねします。平成30年10月に基本構想を改定しますよと区長が表明されて、これまで様々な区民参加の下、この条例案に練り上げてきたのかなというふうに思っています。これまでの経緯に当たっては、平成17年に基本構想、前回は策定されておるんですけれども、かなり区民参加を行ってきたと思っておるんです。例えば、職員のプロジェクトチームであったりだとか、それからワークショップですか、それからタウンミーティング等々、こういった、審議会もそうですね、かなり多くの区民の方に入っていただいて、そしてこれを練り上げてきたんだと思っているんですけれども、そういった区民参加のところを簡潔にちょっと教えてください。

永見企画部基本構想担当課長

 今、委員に御紹介いただきましたように、基本構想審議会において公募の区民であったり、関係団体の区民の皆様に御参加いただいたことであったりとか、無作為抽出の形式で区民の皆様に参加していただくワークショップ、これは新しい取組でございます。

 また、2,000人の方にアンケートをお送りさせていただいて、320名程度の方から御返信をいただいたりなど、多くの区民の皆様に御意見をいただきながら、今回の議案として御提案させていただいているものでございます。

酒井委員

 これまで多くの区民に参加をいただきながらつくり上げてきたこの形なんだと思います。コロナ禍で厳しい中、やっぱり区民の皆さんと一緒に、共通の目標を持って、この厳しい状況下を乗り越えていくというのは、私は必要なのかなというふうに思っております。

 それで、ちょっとお尋ねしたいんですけれども、平成17年、前回基本構想が策定されました。そのときに、この基本計画や施設整備計画に類するものというのは、区の最上位計画であります、新しい中野をつくる10か年計画だったんだと思います。基本構想が策定されたときと、新しい中野をつくる10か年計画が策定されたとき、その時期をちょっと教えてください。

永見企画部基本構想担当課長

 基本構想につきましては、平成17年3月に議決をいただいてございます。

 基本計画につきましては、翌年平成18年1月に策定をしてございます。

酒井委員

 1年弱経過して策定されたというところですよね。そうすると、なかなか施設のところもちょっと見えなかったのか。当時、区長が替わってのところで大変だったところもあったのかななんて思いますが。

 それから、ちょっと10年間の財政フレームについてお尋ねします。基本計画は5年ものであるにもかかわらず、この10年間の財政フレームを示されている理由というのを教えてください。

森企画部財政課長

 基本構想は、10年後の目指すまちの姿を描いているということでございまして、中野区自治基本条例においても、財政見通しを踏まえての策定という記述でございますので、基本構想が目指すその10年間、そこをベースに財政フレームも10年間を設定してお出ししているところでございます。

酒井委員

 基本構想は10年後を目指しますので、中野区自治基本条例には、財政見通しを踏まえた上で基本構想は策定しなければなりませんよというのがあるんです。ちょっと気になるのが、先ほどの平成17年のときの基本構想と新しい中野をつくる10か年計画というのは策定時期の乖離があったんですよね。そういうときの財政フレームというのはどういう見通しだったかという記憶はございますか。

森企画部財政課長

 すみません、詳細なところは把握していないところでございますが、当然、中野区自治基本条例ができたのが平成17年4月ということでございますので、当然、その当時の財政フレームと言えば、平成17年度予算をベースにした財政フレームが、一つそこで最新のものだったというところにはなろうかなというふうには思いますけれども。すみません、詳細のところはちょっと申し訳ございません。

酒井委員

 当時は、その平成17年度予算のところですか、それで10年間の財政フレームを示していましたか。答えられればで結構です。

森企画部財政課長。

 すみません、ちょっと申し訳ございません、詳細は把握してございません。

酒井委員

 ありがとうございます。そういう中で、今回、基本計画には10年の財政フレームが示されています。もちろん、人件費が10年間で約百二、三十億円動いたりだとか、こういうことがあってはならないんですけれども、一定、あくまで10年間なので、それは当然、将来的には大きく動くところがあると思うんですが、示しているところもあるのかなというふうにも考えております。

 これまでの基本構想と、最上位計画と、今回のことでちょっと比較をさせていただきました。議論の中で、「遊び心あふれる」というふうな記述についてであったりだとか、様々、今般、同僚議員から、それぞれの立場の中でいろいろな指摘がありました。区としては理解をしてもらうんだというふうな表現があったかと思うんですけれども、これ、やっぱりこの議案の文言を変更していくというのは難しいと思うんですけれども、例えば、最上位計画で施策を執行していく基本計画の中で、そういった声は十分に踏まえる必要があるんだと思っておるんですけれども、その点、最後に確認させてください。

永見企画部基本構想担当課長

 御指摘を受けまして、「遊び心」という言葉の意味するところであったりとか、そういった区民の皆様に分かっていただくための記述については、一定の工夫の必要があるのかなというふうに考えてございます。

浦野委員

 ちょっとスケジュールのところで伺いたいんですが、本来、基本構想は、当初予定していた議案として提出する時期はいつでしたか。

永見企画部基本構想担当課長

 一番最初ということでございますが、昨年、令和2年6月、第2回定例会で御提案する予定でございました。

浦野委員

 変更になりました。基本計画、区有施設整備計画は、当初の予定ではいつ策定をする予定でしたか。

永見企画部基本構想担当課長

 当初は施設の計画を分けてという想定ではありませんでしたけれども、基本計画ということで、昨年の第3回定例会で、10月に策定する考えでございました。

浦野委員

 そうすると、基本構想、基本計画、区有施設整備計画、当初の予定より今遅れていると思うんですけれども、今遅れている理由というのはどういったことですか。

永見企画部基本構想担当課長

 基本構想に関しましては、素案に対する意見交換会を実施している途中で新型コロナウイルスの感染拡大もありまして、意見交換会が実施できなくなったことと併せて、内容についてもそういった新型コロナウイルスの影響なども踏まえたものに書き換える必要があるという判断でございました。

 基本計画につきましても、そういった新型コロナウイルスの影響もありまして、財政の状況の見通しであったりとか、そういったものを踏まえた施策の内容についても、一定検討し直す必要があるということで、現在のスケジュールになっているものでございます。

浦野委員

 コロナ禍の影響を踏まえて、それぞれ時期を遅らせて、そこの部分も踏まえて今検討してきているということを今確認させていただきました。

 もう1点なんですけれども、前回、児童館の議論のところで、現在の第3次のところには児童館の廃止のことが明記されていないんじゃないかというやり取りがあったと思います。ちょっとこれは確認なんですけれども、10か年の第2次のところで、児童館についてはU18プラザ9館と全ての小学校に設置するキッズ・プラザに再編をしていきますという記述がされていて、第3次のところでは、U18プラザを廃止するという記述なんです。第3次のところは、確かに「児童館を」という記述はないんですけれども、第2次のところで、今の児童館をU18プラザ9館と、小学校に設置するキッズ・プラザに再編とあって、第3次で、U18プラザを廃止という記述なので、そうすると、この当時のところでは児童館は全廃をするという計画だったということで、そこは間違いないですか。そこが前回、若干曖昧になっていたと思うので、ちょっとそこを確認いたします。

委員長

 休憩します。

 

(午後6時32分)

 

委員長

 再開します。

 

(午後6時34分)

 

石井企画部企画課長(企画部参事事務取扱)

 10か年計画の第3次の記載ということでございますけれども、児童館については、記載はないということでございます。

立石委員

 ちょっと確認なんですが、最初、2018年10月に基本構想の改定方針というものが公表されておりまして、ホームページにも今載っているんですが、こちらの方針というものは現在も生きていると、そちらに基づいてこの改定作業が行われてきたという認識でよろしいですか。

永見企画部基本構想担当課長

 そのとおりでございます。

立石委員

 今回改定するに当たって、基本計画については、計画期間は5年間に変更していると思うんですが、その理由は何でしょうか。

永見企画部基本構想担当課長

 今、御紹介もありましたとおり、これまで10年間の計画ということで策定してまいりましたが、より実現性のある計画とするということで、5年間とするものでございます。

立石委員

 社会情勢の変化が激しいというところで、10年間の見通しというものを持つのが難しいということで5年にしたのかなというふうに思っているんですが、その基本計画の中に、財政フレームが5年間というふうに書かれているんです。こちらの今の素案のほうには10年間の財政フレームが示されているわけですけれども、この方針の中では、5年間の財政見通しを踏まえて計画をつくっていくというふうにも読み取れるんですが、そちらについてはいかがですか。

永見企画部基本構想担当課長

 当初御報告した中にはそのような形でお示しをしておりますが、その後、何度か議会等の質疑なども踏まえまして、10年間のフレームとしてお示しをするという考えになったものでございます。

立石委員

 このコロナ禍の状況の中で、特にこの二、三年というのは、歳入の見通しというのを立てるのが非常に難しい中で、かつ、施設の継続的な更新を考えると、10年間の見通しというものも必要ということで、こちらの計画の中では10年間、見通しを示されたということですか。

永見企画部基本構想担当課長

 そのとおりでございます。

立石委員

 基本構想は中野区政における最上位概念というわけですけれども、こちらが仮に今回否決をされてしまったりした場合というのは、それ以外の計画、基本計画もそうですし、個別計画については基本計画、基本構想策定後に、各自見直しをしていくというふうにあるんですけれども、個別計画への影響というのはどういうふうになるんでしょうか。

永見企画部基本構想担当課長

 現在、基本計画を最上位計画としつつ、個別計画の策定に取り組んでいるところでございますが、一定、例えば法に定めがある個別計画とかそういったものについては、基本計画に先んじて策定を進めているというようなところもございます。

 そういった個々の計画によって状況は異なるかとは思いますけれども、基本計画につきましては、基本構想が議決されないということであれば、ちょっと策定することはできないということはあるかと思いますので、他の計画について一定の調整を図る必要はあるのかなと考えております。

内野委員

 ちょっと今、多くの委員から指摘があったので、簡潔に二つだけお聞きしますけれども、多くの議員が「遊び心」という言葉ですごく引っかかっていたんです。近藤議員が質問のときに、犯罪被害者にとっての言葉としては非常に痛いという質問があったんですが、それを聞いたときにどのように思われましたか。

永見企画部基本構想担当課長

 御自身の経験からもそのような感じ方をされるということで、伺ったところでございます。

内野委員

 やっぱり多様性ということを標榜しておきながら、やはり配慮に欠けた言葉を使うというのは、非常に言葉のセンスの問題なんですけれども、ちょっともったいないなと。今さら変えられないのであればしようがないんですけれども、やはり言葉選びというのはものすごく大事ですし、10年間まさに変えないのであれば、もっと慎重にやってほしかったと。

 それから、「遊び心」というのは、こちらから発信するものではなくて、評価される、評価する側のほうが使う言葉のような気がするんです。使い方としては、遊び心のある芸術作品だねとかと言われるものではあるけれども、積極的にそれを、その文化芸術で使うというのは、その言葉の使い方のセンスの問題なので、私は真剣にやっている、文化芸術作品を作っている人たちには響かないんじゃないのかなというふうに思います。

 あと、もう1点なんですけれども、我が会派がやはりこだわっているのは、基準となる一般財源規模、財政見通しの部分なんです。この部分は、もう今後10年間、687億円ということで一切動かすつもりはない、見直しもされない、基本計画の部分ですね――という考え方でよろしいんでしょうか。

森企画部財政課長

 状況が不透明な状況のところでございますので、当然、景気の下振れリスクというものもございますので、この基準である一般財源規模の687億円というところについては、当面はこれで考えていくというところで、それに基づいて財政運営を行っていくということでございます。

内野委員

 平成31年、令和元年の財政運営の考え方では、2020年以降の基準額については710億円を基本としつつ、今後の歳入の動向等を注視し、検討していきたいと。また、新しい基本計画策定に際して、財政運営の指標についても検証し、検討しますというふうになっているんですけれども、その結果としてもこれは動かさないという考え方で変わりないですね。

森企画部財政課長

 その当時と現在、財政状況が変わっておりますので、その当時、歳入の状況の伸びがあったといったような状況のときはそういう形で、平成31年度当初予算を組むときですね、そういう形で記述をさせていただいたというふうには考えているところでございますが、その後、状況が変化しておりまして、かなり厳しい状況であるということでございますので、基準については687億円ということで、当面はそこを一つ基準としてということでお示しをしたというところでございます。

高橋企画部長

 区としては、厳しい状況をやはり抑えつつ計画を立てていかなければいけないということで考えておりまして、今、財政課長のほうからございましたけれども、当面の間については、先ほどの一般財源規模を踏まえてということで考えてございます。

 一方で、基本計画の計画期間のところで記述してございますように、今後の区を取り巻く社会経済状況が大きく変化することも考えられます。恐らく変わるほうの可能性も高いと思います。その場合には、そういった状況を踏まえまして、見直す必要があると判断した場合には改定を行うということで、厳しいところを抑えつつ、かつ、柔軟に捉えて、今後の捉え方を検討していかなければいけないというふうに考えてございます。

内野委員

 もう最後にします。やっぱりこだわっているのは、現実に即した数字を出してもらいたいというところなんです。やっぱり達成可能な目標というのを、本当にこれでできるのかどうかというところに非常に大きな不安があるので、その部分を何らかの形で担保してもらえたらいいんですけれども、もう本当、現実に即した数値目標というのが非常に大事になっていくと思います。これはお答えがあればいいんですけれども、要望にしておきます。御答弁あればお願いいたします。

高橋企画部長

 区としては、先ほど申し上げましたが、やはり厳しいほうの数字というところで今後の見通しを立て、仮に好転した場合には余力ができるというところで組み立てるべきというふうに考えてございますところから、現時点では687億円ということで算定したものを使うことが適切かと捉えてございます。今後、そこについては、財政状況また社会状況を見ながら、常にその適正さということを検討していく必要があると考えてございます。

委員長

 他に質疑はございませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、取扱いを協議するため、委員会を暫時休憩いたします。

 委員会を休憩します。

 

(午後6時44分)

 

委員長

 委員会を再開します。

 

(午後6時55分)

 

委員長

 質疑はありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 なければ、質疑を終結します。

 次に、意見の開陳を行います。意見はありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 なければ、意見の開陳を終結します。

 次に、討論を行います。討論はありませんか。

大内委員

 今回の基本構想ですけれども、先ほど御指摘したように区が行うべきものなのか、区民が率先して行うべきなのか、協働して行うべきかといった記述が非常に不明確で、なかなか区民に対して示すときに分かりづらい文章が多い。また、この文言の中に、「遊び心あふれる」とした文言に対しても、やはり配慮に欠けている文言が入っている。また、「オール中野」という言葉を使うときにも、ちょっと使う場所が違うというようなこともありました。また、今までの基本構想にあった「生涯を通じて学習する機会を設ける」、そういった文言が今回はかなり薄まって入っている。そういったことから、今回、この議案に対して反対の立場で討論させていただきました。

委員長

 他に討論はありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 なければ、討論を終結します。

 これより[5]第13号議案 について挙手により採決を行います。

 お諮りします。[6]第13号議案 、中野区基本構想を原案どおり可決すべきものと決することに賛成の委員は挙手願います。

 

〔賛成者挙手〕

 

委員長

 挙手少数。よって、本件は否決すべきものと決しました。

 以上で[7]第13号議案 の審査を終了します。

 以上で本日予定した日程は終了いたしますが、委員、理事者から何か御発言はありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 なければ、以上で本日の総務委員会を散会します。

 

(午後6時57分)