令和3年06月02日中野区議会本会議(第2回定例会)

.令和3年(2021年)6月2日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(42名)

  1番  市  川  しんたろう       2番  竹  村  あきひろ

  3番  日  野  たかし         4番  渡  辺  たけし

  5番  間     ひとみ         6番  河  合  り  な

  7番  斉  藤  ゆ  り        8番  立  石  り  お

  9番  羽  鳥  だいすけ       10番  内  川  和  久

 11番  加  藤  たくま        12番  吉  田  康一郎

 13番  木  村  広  一       14番  甲  田  ゆり子

 15番  内  野  大三郎        16番  杉  山     司

 17番  ひやま      隆       18番  小宮山   たかし

 19番  い  さ  哲  郎       20番  小  杉  一  男

 21番  いでい   良  輔       22番  若  林  しげお 

 23番  高  橋  かずちか       24番  小  林  ぜんいち

 25番  白  井  ひでふみ       26番  いながき  じゅん子

 27番  山  本  たかし        28番  中  村  延  子

 29番  石  坂  わたる        30番  近  藤  さえ子

 31番  浦  野  さとみ        32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  平  山  英  明       36番  南     かつひこ

 37番  久  保  り  か       38番  森     たかゆき

 39番  酒  井  たくや        40番  むとう   有  子

 41番  長  沢  和  彦       42番  来  住  和  行

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  酒 井 直 人      副  区  長  白 土 純

副  区  長  横 山 克 人      教  育  長  入 野 貴美子 

企 画 部 長  高 橋 昭 彦      総 務 部 長  海老沢 憲 一  

防災危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝 瀬 裕 之     子ども教育部長、教育委員会事務局次長 青 山 敬一郎  

子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小 田 史 子  地域支えあい推進部長 角   秀 行

環 境 部 長  朝 井 めぐみ            都市基盤部長  奈 良 浩 二 

まちづくり推進部長 豊 川 士 朗           企画部企画課長  堀 越 恵美子

総務部総務課長  浅 川   靖

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  長 﨑 武 史      事 務 局 次 長  小 堺   充

 議事調査担当係長 鳥 居   誠      書     記  立 川   衛

 書     記  若 見 元 彦      書     記  鎌 形 聡 美

 書     記  松 丸 晃 大      書     記  田 村   優

 書     記  細 井 翔 太      書     記  有 明 健 人

 書     記  五十嵐 一 生      書     記  髙 橋 万 里

 書     記  本 多 正 篤      書     記  金 木 崇 太

 

 議事日程(令和3年(2021年)6月2日午後1時開議)

日程第1 第38号議案 塔山小学校体育館冷暖房化改修等工事請負契約に係る契約金額の変更について

 

午後1時00分開議

○副議長(酒井たくや) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 渡 辺 たけし

 1 新型コロナウイルスのワクチン接種予約について

 2 区におけるICT化推進の具体的な施策について

  (1)ICT人材の民間登用について

  (2)行政におけるオンラインサービスの推進について

  (3)区内飲食店事業者、個人店へのキャッシュレス化の取組みについて

  (4)その他

 3 昭和地域における区有施設の在り方について

  (1)桃園第二小学校について

  (2)昭和区民活動センターについて

  (3)文園児童館について

  (4)その他

 4 子育て先進区を目指す区の在り方について

  (1)校割予算について

  (2)中学校総合体育大会の開催場所について

  (3)給食費の公会計化について

  (4)その他

 5 その他

 

○副議長(酒井たくや) 最初に、渡辺たけし議員。

〔渡辺たけし議員登壇〕

○4番(渡辺たけし) 令和3年第2回定例会におきまして、都民ファーストの会中野区議団の立場から一般質問を行います。

 まず初めに、新型コロナウイルスのワクチン接種予約について、伺います。

 新型コロナウイルスの騒動から1年以上がたち、ようやく国内においてもワクチン接種ができるようになってまいりました。この間、国の動向を見てまいりましたが、緊急事態宣言を発令するも、憲法の中で非常事態宣言など個人の行動を抑制する規定が決まっていないため、宣言の効果は限定的なものでありました。また、外国からの入国制限についても強制的な隔離ができないため、インド株などの変異種が首都圏で広まっている状況となっております。水際対策の強化、緊急事態宣言下での外出規制など、人の行動の制限ができない部分が今回の騒動で浮き彫りとなり、コロナと闘う中で日本国内において改めて憲法改正の必要性を感じているところです。

 このような状況下で、各自治体のワクチン接種の対応についても区民の方々から注目されていることを肌感覚で感じております。私も区民の方からワクチン接種の予約についての問合せを受け、予約受付の翌日には電話がつながらなかった、予約画面にログインができなかった、画面が固まって受付画面に進めなかったといったような苦情が寄せられました。私が予約受付前の時期に、担当所管へ、予約が殺到した際サーバーが固まったりダウンするなど支障がないような対策は取っているのかという確認をした際には、その点はしっかり対策を取っているので大丈夫ですという回答をいただいていたところであります。中野区のワクチン接種のスピードは他の自治体と比べて極めて優秀であると報道されておりますが、一方で想定以上のアクセス数があったという事実を素直に受け入れて、早急に改善を図らなくてはならない部分もあります。今後予約人数が順次拡大していく中で、予約日当日のウェブへのアクセス、コールセンターの受信数はさらに増大してまいります。コールセンターは、40人の受付体制から70人から80人へ拡大するとのことでしたが、サーバーや回線の状況については委託事業者が契約の窓口になっているとのことで、これから事業者への改善要請をかけるという話でありました。私は、膨大なアクセス数に耐え得るためのサーバーのスペックアップ、回線の増強こそが早期に取り組む作業であり、委託事業者に改善要請をするだけではなく、区も委託事業者とともにシステム事業者との交渉の場に出向き、早期の改善を促すべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解を伺います。

 また、区が当初作成したワクチン接種実施計画について遅れが生じるのではないかという不安の声も聞いております。もし遅れが生じているのであれば早急に計画を見直すべきであると考えますが、いかがでしょうか。6月末までのワクチン供給量は16万875回以上を予定しているようですが、その数字に変更はないのでしょうか。お答えください。

 政治や行政と日常生活の間には密接な連動性があるということを今回のコロナ騒動で実感された方々も多いのではないでしょうか。ワクチン接種予約初日のトラブル対応について、一部区民から自治体に対する信頼を失うような行動を取られたという声もいただいております。ワクチン接種に関わることに区民は常に敏感に反応するということを改めて強く意識して業務に取り組んでいただくことを要望いたしまして、この項の質問を終わります。

 続きまして、区におけるICT化推進の具体的な施策について、伺います。

 コロナ禍の中、世間ではテレワークの加速化が進んでおります。私は、第1回定例会の総括質疑の中で、中野区でもITに強い民間人材の登用を速やかに行うべきであるという要望を区に伝え、前向きな答弁をいただきました。ICT人材の民間登用については、具体的な計画は立てられているのでしょうか。進捗具合について、伺います。

 続きまして、行政におけるオンラインサービスの推進について、伺います。

 庁内のICT推進のためにも、区は現場の要望や民間事例などを参考に具体的なビジョンを早急に示すべきであります。例えば、各小・中学校の校長会などで学校長へタブレット端末などを配付して、オンラインで校長会を開催することなどを検討してみてはいかがでしょうか。多忙な学校長の移動時間を短縮、書類の電子化によるペーパーレス化など、オンライン会議のメリットは区と学校現場の双方にあります。また、介護サービス事業所連絡会など、区の事業に関わっている事業者からは、区と会議をオンラインで行いたいという要望もいただいております。さらには、様々な区が主催する協議会のメンバーからもオンライン会議の要望をいただいております。オンライン会議を希望する各種団体、組織、メンバーへ区が積極的に支援・サポートをすべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解を伺います。

 また、区民に対するICT化推進による行政サービスの向上に着手することも今後の必須課題と言えます。例えば、要介護認定後に新規でケアマネジャーがついた際に、区民が提出する居宅サービス計画作成依頼届出書のオンライン申請化を検討してみてはいかがでしょうか。現在は区の窓口で直接提出するか、郵送のみの受付となっておりますが、要介護認定を受けた方が区の窓口へ来るのは非常に困難であります。郵送であっても、書類の不備など修正箇所があった場合、また郵送のやり取りなどで対応することになり、効率が悪く、作業も増えて不便な部分があります。電子申請手続の仕組みを構築することで利便性の向上を図ることが可能になるのではないでしょうか。区の見解を伺います。

 この項の最後に、区内飲食店事業者、個人店へのキャッシュレス化の取組みについて、伺います。

 ICT推進の一環で、都はキャッシュレスの取組についても行っております。私も、第1回定例会の総括質疑において、都の補助金を活用した電子版のプレミアム付き商品券の発行を提案しましたが、ポイント還元という形で実行することになり、約5億円の金額が今定例会の補正予算に計上されました。プレミアム率30%部分に5億円の費用が投入されるということは単純計算で総額20億円以上のお金が区内で動く計算となり、コロナで苦しんでいる事業者への大きな支援になることが期待されます。今後の課題としては、キャッシュレスの会計システムが構築されていない個人店への対応であります。事業が始まる前に現金対応のみのお店をいかに減らしていくのか、区の今後の対応についてお聞かせください。

 今回のポイント還元事業は、ポイント部分の利用に制限がありません。本来は中野区内に利用を制限して、ポイント還元分のお金も区内事業者のみで利用できるようにするべきではありますが、残念ながらそのような仕組みがまだ構築されていないとのことでした。将来的にはマイナンバーカードとひもづけた地域通貨という仕組みも視野に入れたデジタル化の推進を要望いたしまして、この項の質問を終了いたします。

 続きまして、昭和地域における区有施設の在り方について、伺います。

 JR中野駅北口の改札を出たところに、「桃二小は今年100才」という横断幕がつい最近まで掲げられておりました。サンモール商店街の中にも桃園第二小学校100周年を祝福したタペストリーが今も掲げられております。このような風景を見ておりますと、桃園第二小学校100周年の行事は、今までの卒業生や地域の方々にとって今年は特に特別な思いがこみ上げてくる周年行事になるのではないかと感じているところであります。

 今回新たに示された区有施設整備計画(素案)の中で、桃園第二小学校の建替え計画の具体的な内容が示されました。旧中野中学校を仮校舎として活用する案は地域の要望を受け入れた形となっており、地域の方々や保護者の方からも安堵の声を聞いております。一方で、桃園第二小学校の建替え工事はコロナの影響で延期になっている状況であります。財政が厳しい状況ではありますが、地域コミュニティの中心となる学校の建替え計画の再開は早期に行うべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 桃園第二小学校の体育館の隣にある昭和区民活動センターの建替えも近隣住民の方々の長年の悲願であります。こちらの建替え計画もコロナの影響により一旦停止になっておりますが、再開時期はいつになるのでしょうか。また、その際、建替え期間中の代替施設をどのように検討しているのか。当初環境リサイクルプラザを代替施設にする計画でありましたが、5番目のすこやか福祉センターの早期開設を行うため、昭和区民活動センターの代替施設案も一旦白紙になるのではないかという話も聞いております。今後の計画案について、お聞かせください。

 続きまして、文園児童館について、伺います。

 「児童館は中学校区に一つ」という新たな指針を区は出しておりますが、中野東中学校の校区には、城山ふれあいの家と文園児童館があります。どちらを残すのか、区は明確な答えを示しておりません。区有施設の廃止は地域に少なからず影響を及ぼす話なので慎重に話を進めていかなくてはならないということは理解できますが、やはり期限を切って進めていくことが地域の方々にとって誠実な対応と言えるのではないでしょうか。いつまでに決断を下すのか、お聞かせください。

 桃園第二小学校が新校舎になると、キッズ・プラザや学童クラブが併設され、児童館の機能の一部が移管されます。もし仮に文園児童館を廃止するという判断を区がした場合、文園児童館跡地に昭和区民活動センターを移転するという考えがあってもよいのではないでしょうか。現在の敷地面積より広い場所で学校に行けない子どもたちの受入れ場所としての機能も兼ね備えた、今より規模の大きい区民活動センターをつくり、児童館施設の機能の一部が補填できれば地域の方々も前向きに検討してもらえるのではないでしょうか、区の見解をお聞かせください。

 るる申し述べましたが、昭和地域は、小学校、区民活動センターの建替え、そして児童館の在り方についてなど、様々な課題があります。区もそれぞれの施設の担当所管が別々であり、連携をしながら進めていくことが重要であります。また、地域の方々の合意形成を重ねていくこと、そのための信頼関係を構築していくことにも取り組んでいかなくてはなりません。私は、そのためにも区のそれぞれの担当者や地域の代表の方々が定期的に集まって協議していく場をつくることが必要であると考えております。所管が違うと区の中でも連携が取りづらいのではないかという不安の声も地域の中から聞こえております。今後はコミュニティスクールも区は導入していくことになっております。昭和地域の個性を生かすための学校の在り方検討会、区民活動センターや児童館の在り方を考える区有施設協議会といったような、地域住民とそれぞれの施設担当者が一堂に集まって協議することができる組織体をつくることを検討してみてはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 昭和地域の区有施設は、文園町会のエリアの中で建替えや存続の有無についての検討が同時期に行われております。地域住民に寄り添う姿勢を示し、あらゆる可能性を考慮するための情報を開示し、地域住民の方々の意見を尊重する姿勢を持ち続けて取り組んでいただくことを強く要望いたしまして、この項の質問を終わります。

 最後に、子育て先進区を目指す区の在り方について、伺います。

 令和3年度予算は、新型コロナウイルスの影響により、全事業を見直し、無駄な予算を削減するという方針で作成されました。その中で各学校に配分される校割予算を見てみますと、今年度は今回のコロナショックにより昨年度と比較して減額されたと聞いており、学校現場からは失意の声がこちらにも伝わっております。聞いたところによりますと、小学校1校につき昨年度は約750万円だったところが今年度予算では約730万円、中学校1校について昨年度は約910万円だったところが今年度予算では約870万円となっておりました。果たして校割予算は削らなくてはならない無駄な予算だったのでしょうか。旧中野刑務所の門の曳家におよそ5億円の予算を投入する方針を固め、さらに具体的な計画もないまま、日本銀行洗心寮の跡地購入に用地特別会計を使い、約17億円で購入する決定をしている一方で、子育て先進区を掲げながら、前年度と比較しておよそ10%減、年間約2,300万円の金額が無駄と言える根拠はどこにあるのか、私はどうしても理解することができません。校割予算については、昨年度に上乗せしたのですが、他区と比べてもまだまだ少ないという声を聞いております。来年度の予算には最低でも前年度並みもしくはそれ以上の予算を積み上げ、区長自身が掲げた子育て先進区を目指している自治体にふさわしい予算を計上すべきではないでしょうか、区長の見解を伺います。

 続きまして、中学校総合体育大会の開催場所について、伺います。

 昨年10月に完成したキリンレモンスポーツセンターは、区民の新たなスポーツ施設として、コロナ禍の中でも感染症対策を徹底しながら区内の様々なスポーツ大会などが既に開催されております。私もバスケットボールの区民大会に参加したことがあるのですが、新しい体育館でプレーしたチームメンバーも大変満足しておりました。この区有施設の新体育館で区内中学校の部活動の大会を行うことはできないかという要望が学校関係者から上がっております。校長会からも既に区へ要望が上がっていると聞いておりますが、区内の部活動に励む子どもたちに新しい体育館で試合をやらせてあげたいという思いに共感する方は多いのではないでしょうか。ましてや3年生の子どもたちは中学校最後の思い出となる大会であります。共に苦労を分かち合ってきた同級生や後輩たちと一生の思い出となるであろう最後の試合を新しい体育館でやってもらいたいという提案に表立って反対する方はいないかと思います。区は、子どもたちのために新体育館で大会を行うことができるように働きかけるべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。

 23区調査をかけたところ、中学校総合体育大会を区有施設の体育館で使用している区は11区ありました。中野区も卓球の大会のみ1日だけ使用しておりますが、そのほかの競技は中学校の校庭や体育館を利用して開催している状況であります。中学生の子どもたちが新体育館を使用することで、今まで体育館を使用していた団体が使用できなくなる、この調整を行うのが行政の役割であります。子どもたちのために新体育館を確保する分、今までそこで大会を開催していた団体に各中学校の体育館を使用してもらうような働きかけを行う、または中野区体育協会からの要望を受けて旧中野中学校や旧沼袋小学校などの施設を一般開放するなど、区内のスポーツ施設拡充のための具体的な検討を行ってみてはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 大会予選の決勝の舞台が新しい体育館で行われ、優勝した子どもたちに区長が優勝旗とトロフィーを手渡す、そういった光景が現実になることを期待いたしまして、この項の質問を終わります。

 この項の最後に、給食費の公会計化について、伺います。

 教員の負担軽減策の一つとして、給食費の公会計化の導入が各自治体で進んでおります。給食費関係の事務処理や給食費未払いの督促業務から教員が解放されることで、教員は本来の仕事である日々の授業の準備に一層専念することができます。給食費を私費会計から公会計化にすることで区職員の負担が発生するわけですが、世田谷区は90校、4万9,000人分の給食費の事務処理を5名体制で行っております。私は中野区でも給食費の公会計化の導入について前向きに検討すべきと考えますが、区の見解をお聞きいたしまして、私の全ての質問を終わります。何とぞ子育て先進区にふさわしい答弁をお願いいたします。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 渡辺議員の御質問にお答えいたします。

 まず、新型コロナウイルスのワクチン接種予約についてで、初めに予約システムの改善についての御質問です。ワクチンの予約システムは、これまでの予約受付状況において瞬間的にサーバーが混み合う状態が生じましたけれども、おおむね順調に稼動しているところでございます。しかしながら、今後ワクチン接種予約の対象に16歳から64歳までの方が加わることに伴って対象者数が大幅に増加するとともにウェブの予約が中心となることが見込まれるため、サーバーの増強については事業者と改善に向けた協議を現在行っているところでございます。

 続きまして、接種計画の進捗とワクチン供給量の見通しについてでございます。現時点において新型コロナウイルスワクチン接種実施計画で定めたスケジュール等に影響は出ておりません。また、ワクチン供給量につきましては、6月末までに154箱以上、接種回数に置き換えますと17万7,255回分以上供給されることが確定しております。

 続きまして、区におけるICT化推進の具体的な施策についてで、民間登用についてでございます。中野区では、これまで情報政策官やIT専門支援員の採用を通じて民間企業の経験者の中からICTスキルの高い職員を採用し、活用してきたところでございます。今後のICTスキルの高い人材の確保につきましては、特別区の人事担当課長等で構成する人事福利問題等検討委員会において検討を進めているところでございまして、今後特別区におけるICT人材の確保策について方向性を決定することとされております。区としても、新庁舎への移転を見据えて行政サービスのデジタルシフト、これを推進する絶好のチャンスであると考えております。期間を定めた外部人材の登用については、手法を検討し進めてまいりたいと考えております。

 続きまして、オンライン会議開催に係るサポートについてでございます。昨年度より段階的にウェブ会議ができる環境を整備しまして、子どもの権利擁護推進審議会をはじめとした区主催の審議会や新区役所整備等事業に関連する事業者との打合せなどで活用を図っているところでございます。これまでの活用実績を庁内で共有するとともに、関係団体などにオンライン会議開催の必要性を打診するなど、活用範囲を広げる取組を検討してまいります。

 次に、居宅サービス計画作成依頼届出書などのオンライン申請についてでございます。居宅サービス計画作成依頼届出書は、介護保険制度上、ケアマネジャーにケアプランの作成を依頼したことを要介護被保険者が区に届けるものでございます。被保険者証の添付を必要としているものでございます。電子申請の導入に当たりましては、申請者の本人確認や添付書類などの扱いについて課題があると考えております。現在、介護分野の文書に係る負担軽減につきましては国で検討を進めておりまして、制度改正や情報通信技術の進展などの情報収集に努めながら、区民の利便性向上が図られるよう、電子申請化の可能性について研究してまいります。

 次に、区内商店へのキャッシュレス化の取組についてでございます。今回のキャッシュレス決済によるポイント還元事業では、特別な設備投資が不要なことからキャッシュレス決済未対応の店舗も取り組みやすいものとなっております。各店舗への事業の周知方法といたしましては、区のホームページによる広報、中野区商店街連合会を通しての加盟商店街・加盟店への周知のほか、区職員や委託事業者による個別商店街・商店の呼びかけ等を予定しておりまして、事業参加に向けて積極的な働きかけを行う予定でございます。今回の事業をきっかけに区内商店のキャッシュレス化に向け、弾みをつけていきたいと考えております。

 続きまして、昭和地域における区有施設の在り方についてで、昭和区民活動センター建替え計画についてでございます。昭和区民活動センター整備につきましては、隣接する桃園第二小学校の改築計画を勘案しつつ最適な整備方法を検討していきますが、その再開時期については現在のところ決まっておりません。また、建替え期間中の代替施設につきましては、現地整備を軸に検討してまいります。今後とも地域の皆様と話合いを行いながら整備を進めてまいりたいと考えております。

 続きまして、文園児童館についてでございます。区有施設の配置は少なからず区民にとって影響を与えるものでございますので、丁寧な説明に努めてまいりたいと思います。中野東中学校の区域の児童館につきましては、今定例会で報告する中野区区有施設整備計画改定素案において区の考え方を示す予定でございます。跡施設活用につきましては、区有施設整備のほか、地域交流、多世代交流や子ども・子育て家庭の居場所などの機能を備えた民間の児童福祉、介護、障害福祉等、施設の誘致を検討しております。

 続きまして、昭和区民活動センターの移転先についてでございます。文園児童館が仮に廃止した後の跡施設について、同敷地内において区民活動センターに適した施設規模を確保しての整備は困難であると認識しております。昭和区民活動センターの建替えに当たりましては、隣接する桃園第二小学校の改築に合わせて最適な整備方法の検討を進めていきたいと考えております。

 次に、地域住民と協議できる組織についてでございます。昭和地域における今後の学校、区民活動センター、児童館などの区有施設の配置整備等につきましては、関連部署が情報共有等を行って検討を進めるところでございます。現在、区が地域住民と協議する組織を設置することは考えておりませんが、今後、学校の整備や施設配置等の検討を進めていく中で地域への情報提供を行う機会を設けるなど、丁寧な調整を行っていきたいと考えております。

 続きまして、校割予算についてでございます。校割予算は、学校運営や教育活動に係る様々な経費について学校長の裁量で執行でき、有効に活用できる予算と認識しております。令和3年度の予算編成に当たって新型コロナウイルス感染拡大等の影響によって一般財源が大きく減収すると見込まれる中、教育委員会にも御協力いただき、時限的な措置として校割予算を10%削減としたところでございます。令和4年度の校割予算につきましては、子育て先進区実現に向けた取組を見据え、今後の財政状況も踏まえて対応してまいります。

 最後に、中学校総合体育大会の開催場所についてでございます。学校関係者からの要望を踏まえて、来年度以降中学校の部活動の大会に総合体育館が使用できるよう、中野区体育協会をはじめとした区内のスポーツ団体等との調整に努めてまいります。また、スポーツ活動を行う場所の確保のため、総合体育館以外の区立スポーツ施設の提供や学校関係の所管部署との連携等を進めていきたいと考えております。

〔教育長入野貴美子登壇〕

○教育長(入野貴美子) 初めに、オンラインによる校長会の開催について、お答えいたします。定例校長会は、教育委員会事務局からの事務連絡などのほか、各学校の情報交換の場としても有意義なものとなっております。しかし、毎月開催している定例校長会に出席することは校長の負担となっている部分もあることから、今後オンラインによる校長会の開催も検討してまいります。

 次に、桃園第二小学校の改築について、お答えいたします。現在検討を進めている中野区立小中学校施設整備計画改定版の素案では、令和4年度から桃園第二小学校新校舎の基本計画作成に着手することとしております。関係する他の部署とも十分に連携しながら桃園第二小学校の改築整備に向けた取組を進めてまいります。

 最後に、給食費の公会計化導入の検討についてです。文部科学省は、中央教育審議会の答申を受け、令和元年7月に学校給食費徴収・管理に関するガイドラインを公表し、学校給食費の徴収・管理に関する教員の業務負担を軽減する取組を推進しております。本区におきましては、学校における働き方改革の推進の観点から、学校給食費の公会計化の導入に向け研究を進めているところでございます。教員が本来担うべき業務である子どもとしっかりと向き合った教育活動を行えるよう、今後も検討を進めてまいります。

〔渡辺たけし議員登壇〕

○4番(渡辺たけし) 再質問いたします。

 昭和区民活動センターの建替え、現地での建替えということですが、代替施設を環境リサイクルプラザにするかどうか、その辺どのようにするかという答弁がなかったので、そこをお聞かせ願いたいということが一つと。

 校割予算についてなのですが、これは気合の問題だと思うんですね。練馬区とかはリーマンショックのときとかに教育費だけは削っちゃいけないというような、そういった強い気持ちを持って聖域化した、それぐらいの気持ちでやったということがあるんです。区長のその辺の強い気持ちというものをちょっと伺いたいので、それだけお願いいたします。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 渡辺議員の再質問にお答えします。

 1点目の昭和区民活動センターの現地建替えについて、御指摘の温暖化オフィス跡地の施設については、すこやか福祉センターの5番目の施設をそこにつくるということを優先的に考えるということなので、現地建替えということを中心に考えているところでございます。

 校割予算につきましては、御指摘のとおり、子育て先進区に向けた中で校割予算についても大きな役割を持っていると思いますので、財政状況にもよりますけれども、なるべく優先的につけてあげたいと考えております。

○副議長(酒井たくや) 以上で渡辺たけし議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 若 林 しげお

 1 中野区基本計画について

 2 第4次中野区環境基本計画について

 3 中野区公園再整備計画について

 4 コロナ禍における地域活動推進について

 5 その他

 

○副議長(酒井たくや) 次に、若林しげお議員。

〔若林しげお議員登壇〕

○22番(若林しげお) 令和3年第2回定例会において、自由民主党議員団の立場から質問をさせていただきます。

 質問は通告どおりで、1番、中野区基本計画について、2番、第4次中野区環境基本計画について、3番、中野区公園再整備計画について、4番、コロナ禍における地域活動推進について、5番、その他はございません。

 引き続き、緊急事態宣言下での長期にわたる献身的に尊い使命と責任を果たしていただいていらっしゃる全てのエッセンシャルワーカーの皆様に心から敬意と感謝を申し上げます。また、新型コロナウイルスによりお亡くなりになった方の御冥福をお祈りするとともに、新型コロナウイルスワクチンの効果が進み、一日も早く以前の日常生活を取り戻しますよう願い、質問に入ります。

 まず初めに、中野区基本計画について、伺います。

 第1回定例会で議決されました基本構想と、そのビジョンを実現する基本計画、区有施設整備計画、及びそれを実現するための財源を確保する構造改革実行プログラムは、一体的に十分な整合性を持って進めていく必要があると思います。これまで区は、基本構想と基本計画は整合性を持たせて検討を進めていくとして、基本計画の内容を示しながら基本構想の検討も進め、本年3月に基本計画の素案を取りまとめました。しかし、基本構想議決後の5月の総務委員会では、議会や区民意見交換会等での意見を踏まえて基本計画の素案を一部変更し改定素案を作成するとして、同時に策定時期を10月に延期しました。中野区基本構想が賛成多数で可決された際、賛成に投じた議員の中には、基本計画をこれ以上遅らせるわけにはいかないので賛成すると決めた方々もいらっしゃいました。にもかかわらず、基本構想が可決して間もなく、基本計画が2か月遅れますとの報告は、基本構想の議決の際に既に基本計画が遅れる想定であったのではないかと疑われるタイミングです。基本計画策定を2か月遅らせると判断したのはいつになりますか。お聞かせください。

 総務委員会の報告では、素案の見直しに当たっては、基本構想の議決の際に様々な議員から指摘を受けたことを検討するとしていますが、既に議決された基本構想との整合性が取れなくなってしまうのではないかと心配になります。基本構想で記述されていない内容などが基本計画に出てくるのは説明できるのでしょうか。基本計画(素案)に大きな変更がある場合、基本構想を書き換える必要も出てくるのではないかと思いますが、区の見解をお聞かせください。

 また、さきの基本構想議決に当たっては、基本構想と基本計画との整合性を図る必要があることから、基本計画(素案)等の内容が議会で十分議論されずに基本構想の議決を先行してしまうことへの懸念がありました。結果的に基本構想は先行して議決されましたが、その後、基本計画策定時期を遅らせてしまっては区民生活へ影響は及ばないのでしょうか。最上位計画の中野区基本構想、それを進めていく中野区基本計画、それを下支えすると説明があった中野区構造改革、それをさらに細かく進めていくための各種の個別の計画があります。個別計画によっては、国や東京都の法令等の関係で先に改定を進めたり、策定している計画があります。また、基本計画の改定に直接影響のない計画は淡々と進めているものもあると考えます。その中で、各委員会で報告があった第4次中野区環境基本計画や中野区地域福祉計画など、基本計画と併せて8月に策定としているものは影響が出ないのでしょうか。8月策定予定であった基本計画が2か月遅らされて10月策定に変更されたことによって、個別計画においても策定時期を併せて遅らせる計画が出てくるのではないかと考えますが、どのようなものがありますか、お聞かせください。

 基本計画が遅れ、さらに個別計画も遅れるとすれば、区民に与える影響が出てくるのではないかと懸念しています。基本計画の遅れと併せて、区民により近い個別計画も遅れてしまうとすれば、事業の開始時期など区民にどのような影響を及ぼすと考えているのか、区の見解をお聞かせください。

 また、2か月遅れるのであれば、誰も想定していなかったコロナ禍において目標値の想定が変わっていくものがあると考えます。例えば、多文化共生まちづくりの推進においての国際交流の目標値や地域における人のつながりと愛着が生まれる環境づくりの地域活動を行っている区民の割合の目標値、また建設委員会で指摘した中野駅の乗車人員の目標値など、新型コロナウイルス感染拡大防止の影響を受けると思われる数値においては、策定までの間に改めて検証した上で見直しする必要があると考えます。区の見解をお聞かせください。

 区側の都合で計画が遅れていて、区民のことを考えるという大前提が欠落しているのではないかと感じます。計画を立てるための計画、スケジュールをこれ以上遅らせることのないように強く要望し、次の質問に入ります。

 次に、第4次中野区環境基本計画について、伺います。

 政府は、地球温暖化対策推進本部で2030年度までに温室効果ガス排出量削減目標を2013年度比46%減とする新目標を発表しました。パリ協定後に国連に提出した削減目標の2013年度比26%減から大幅に引き上げることとなりました。東京都は、2030年までに温室効果ガスを2000年比で現行の30%削減としていた目標を50%削減に引き上げました。区では、第4次中野区環境基本計画の策定を控えており、素案には、温室効果ガスの9割以上を占める二酸化炭素削減率を2013年度比で2030年度までに46%削減と、国と同様の水準になっています。長野県のゼロカーボン戦略(案)においては、温室効果ガス削減目標として2010年度比で2030年度までに48%削減を目標と定めました。パブリックコメントを行い、日本の脱炭素化をリードする野心的な削減目標として行政が60%削減に引上げを行ったそうです。国が46%二酸化炭素排出削減目標を掲げながらも、50%削減を視野に入れて取り組むとしております。まず、中野区の削減目標の46%はどのように算出したか、お聞かせください。

 中野区は、さらに削減目標を上げていくのか。また、今後パブリックコメントを行っていくということですが、それによっては削減数値目標を変えていく考えはありますか。お聞かせください。

 二酸化炭素排出削減目標を区が定め、目指すとしているのであれば、まず自ら行政が目標に向かって動き出さなければ区民に示しがつかないと考えております。現在策定中の第3次中野区地球温暖化対策地方公共団体実行計画の事務事業編における区有施設の温室効果ガス排出削減目標はどのようになっていますか。区は、大規模事業者として姿勢を示すため、使用する電力を再生可能エネルギーにしていくスピードを速めるべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 また、削減目標に向けて取り組む事業を区民に示すべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 中野区環境施策に関心のある区民が少ないのが現状です。区民の意識実態調査において、環境事業を知っている、参加したことがある人の割合は約3%であり、特にないと答えた人が70.5%を占めており、環境への関心が高いとは言えない状況にあります。また、環境に係る各計画とゼロカーボンシティ宣言文案に関する意見交換を行ったところ、参加者が非常に少なかったと聞いております。区民向けの啓発活動を効果的に進める必要があると考えます。住宅の多い中野区では、家庭における普及啓発が重要であり、環境基本計画策定後の各世帯で取り組んでほしい具体的な事例などを盛り込んだPRが必要と考えますが、区の見解をお聞かせください。

 葛飾区の取組で「フラワーメリーゴーランド」という事業があります。かつしか花いっぱいのまちづくり推進協議会で、どこでも水やりおまかせ型立体花壇というものです。民間の協力を得て具体化したものです。これまで区民が活動主体となり、花壇やコンテナなどに花いっぱいのまちづくり活動に加え、新たな手法による公共空間への展開を図ったものです。太陽光により自動で水やり、回転して満遍なく日が当たる立体花壇です。中野区にも自主的に花壇やコンテナを利用して花を栽培されている方も多くいると考えます。このような方々に興味を示してもらい、環境につなげていくことも一つの方法であると考えます。区の見解をお聞かせください。

 様々なことを申し上げましたが、これらを踏まえて、中野区ならではの第4次中野区環境基本計画になることを願い、この項の質問を終わります。

 次に、中野区公園再整備計画について、伺います。

 過去の私の一般質問で、年間を通して利用の少ない中・小公園をキャッチボール程度ができる公園として再生すべき、また親子でキャッチボールやサッカーのできる公園を整備するべきと質問させていただきました。現在策定中の公園再整備計画の中で、キャッチボールやサッカーのパス練習など、球技ができる公園を区が増やしていく考えはありますか。お聞かせください。

 また、各公園の老朽化したトイレの更新も環境に配慮した整備が必要であると考えます。以前、同僚議員から一般質問や総括質疑で公園のトイレの環境整備について質問がありましたが、様々なことを踏まえ公園再整備計画に盛り込んでいくのか、区の見解をお聞かせください。

 コロナ禍において不要不急の外出自粛要請がある中、多くの区民が家にいる時間が増えています。家に閉じこもり体を動かさなくなることにより引き起こされる健康上での疾患や、閉じこもることに伴うストレス増加による心身への影響が心配されます。いつまでも室内に閉じこもっていられるわけでもなく、公園に繰り出し時間を過ごす方が増えております。緑を基調とするオープンスペースである公園では、室内空間とは違い3密にもなりにくいという考えからです。大規模公園は人が多く集まるので、今まで利用の少なかった小規模公園を活用し始めているのが見受けられます。コロナ禍において、時間を公園で消費するという新たな利用方法が出てきたのだと考えます。公園は、子どもたちがのびのびと遊んだり、運動したり、休憩したりするほか、環境を守ったり、防災に役立つ場所です。より多くの、全ての区民が訪れ、安全で過ごせることのできる公園が必要であると考えます。例えば、コロナ対策として、公園のベンチは限られた場所に固定され、僅かに設けられているだけですが、地面から切り離され、移動可能な石等がたくさんあるだけで、ソーシャルディスタンスを保ちながら多くのアクティビティ、時間を公園で担うことができるようになります。公園再整備計画を策定していく上で、新型コロナウイルス感染拡大防止やアフターコロナを見据えた公園利用の在り方についても考慮すべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 中野区公園再整備計画は、12月頃策定と伺っています。今の環境に合った公園整備が計画されることを願い、この項の質問を終わります。

 最後に、コロナ禍における地域活動推進について、伺います。

 新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から大きく影響を受けているものの一つに地域活動の停滞があります。これは、地域のコミュニティが失われていく懸念のある重要な課題であると考えます。昨年は、これまで毎年行われてきた様々な地域の行事やイベントなどが中止・延期となりました。1年以上経過して、現在も感染が終息しない状況が続き、活動再開のめどが立たない団体も多くあり、地域活動の衰退がとても気がかりです。感染対策や経済対策とともに、地域活動への支援が喫緊の課題であると考えます。令和2年第3回定例会では、行事やイベントを中止する前に、規模の縮小や実施方法の変更など工夫をしてでも続けていくべきという思いから、公益活動団体向け新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインに基づくチェックシートや事例集の整備とともに、区内で活動する団体の相談を受け、アドバイスのできる窓口の開設を提案しました。区としては、ガイドラインの活用を進め、新しい生活様式による地域活動応援窓口を開設するなど支援してきたと思いますが、ガイドラインの活用状況や応援窓口の利用状況について、お聞かせください。

 政策助成を活用している団体をはじめ、地域で公益的な活動を担ってきている団体の状況についてもお聞かせください。

 新型コロナウイルス感染拡大の不安が続く中、活動停止、イベントを中止した団体の多くがどう活動を再開し、イベントなどを実施するか、悩み迷っている現状があります。一度止まってしまった地域の活動を再開させるには時間的にも労力的にも大きな負担が強いられます。止まっている期間が長くなれば長くなるほど、その負担は増し、活動の再開が難しくなります。そこで、行政としてできることは、感染防止の安全確保のためのアドバイスをし、形式や規模、実施時期を変えてでも活動できるよう後押しをすることだと考えます。例えば、年度初めの春先の桜に関するイベントを中止していることがほとんどだと思います。この予算を使って、感染対策を講じた新しい形で年度末の3月に実施できるようにアドバイスすることも考えられます。実際に行おうとしている子どもたちを対象とした活動として、かまどをつくり、火を起こし、飯ごうで御飯を炊く体験をする、デイキャンプのような行事についても、今までは班をつくり、班ごとに協力して一連の作業を体験することを重視してきましたが、密を避けるために実施方法を変え、できる限り個別に体験させるなどの工夫をし、感染予防対策をして実施を試みるなどしている団体もあります。また、地区運動会なども開催時間を短縮し、種目も変更するなどして実施を試みようとしている団体もあります。どのような形でも開催し、実施することが大切であり、そのアドバイス、後押しが必要であると考えます。こうしたアドバイスは、もはや相談窓口で相談に乗る体制でできるものではありません。

 そこで伺います。地域で活動する各団体が長年行ってきた活動に対し、感染防止策を講じて安全に安心して実施できるように、アウトリーチチーム職員など、団体に対して支援のできる職員が連携して各団体へ個別に出向くなどし、団体と一緒に考えながらその団体の状況に応じた必要なアドバイスをするような体制をつくることは考えられないでしょうか。社会福祉協議会等との連携なども含め、区の緊急課題として検討すべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 このコロナ禍、アフターコロナにおいて感染拡大防止を踏まえた新たな活動として少しでも地域活動が再び動き出すことを願い、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 若林議員の御質問にお答えいたします。

 まず1点目に、中野区基本計画のスケジュール変更を判断した時期についての御質問です。基本計画及び区有施設整備計画の策定時期につきましては、第1回定例会における議会からの御意見を受けて、3月24日に政策調整会議を開催し、8月から10月にスケジュールを変更する方向性について確認をしたところでございます。

 続きまして、基本構想の改定の必要性についてでございます。基本計画改定素案における見直しは、基本構想に描く10年後に目指すまちの姿の範囲内で一部改定することを想定しております。改定素案の作成によって基本構想の改定を行う必要はないものと考えております。

 続きまして、個別計画のスケジュール変更についてでございます。基本計画の策定時期の変更を踏まえて、策定時期を変更する個別計画は、中野区立小中学校施設整備計画、中野区地域福祉計画、中野区成年後見制度利用促進計画、中野区スポーツ・健康づくり推進計画、中野区環境基本計画等を予定しております。10月の策定であれば、計画の内容を令和4年度予算案に反映することができますので、事業の開始時期を変更する必要もなく、大きな支障は生じないものと考えております。

 続きまして、目標値の設定についての御質問でございます。新型コロナウイルス感染症の影響を受けて社会状況が大きく変化していることから、施策における指標や目標値の設定においてもその影響を踏まえたものになっている必要があると考えております。これまでも新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて検討を進めてきたところでございまして、また5年後の目標値ということで、新型コロナウイルス感染症の一定の収束を見込んで目標値は設定しているところでございますが、計画の策定に向けて社会の動向を踏まえながら必要な見直しは行っていきたいと考えております。

 続きまして、区の二酸化炭素排出削減目標についての御質問でございます。2013年度の区における二酸化炭素排出量105万9,000トンを2050年度にゼロとするため、毎年度2万8,621トンずつ減少させるべきと考えまして、2030年度までには約48万トン減少させることとして、これが46%の削減目標となりました。区は、2050年度に二酸化炭素排出量実質ゼロを実現する目標値としているため、現段階では区において目標値を変えることは考えておりません。

 続きまして、区有施設の温室効果ガス削減の目標と取組についてでございます。2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロの実現に向けて、温室効果ガス排出量の目標を2030年度までに2013年度比で46%の削減を目標としているところでございます。区内の大規模事業者である区が環境への取組を率先して行っていくことは重要であると考えておりまして、スピード感を持って環境負荷の少ない電力への切替えを進めていきたいと考えております。また、電力の切替えだけではなく、区有施設における省エネルギー設備の導入や電気自動車への更新などの様々な取組を区ホームページへの掲載など工夫しながら情報発信もしてまいりたいと考えております。

 続きまして、区民への普及啓発でございます。令和2年度に区は、地球温暖化防止啓発パンフレット「えこライフのすすめ」を作成いたしました。この中で地球温暖化を分かりやすく説明し、家電製品等の省エネ性能や省エネによる年間の電気料金の節約額などを区民に向けて具体的にお示ししたところでございます。今度も分かりやすく具体的に役立つ情報を伝えてまいります。

 続きまして、区民の活動につなげていくことについての御質問です。区民がこれまで趣味や自主活動として地道に行ってきた活動のうち、環境の観点から取り組める活動につきましては、区として活動団体との連携を検討してまいりたいと考えております。

 続きまして、中野区公園再整備計画についてで、最初に球技ができる公園についてでございます。現在策定中の公園再整備計画では、中野区を七つの地域に分けて、その地域区分ごとに中規模公園を中心としてボール遊びができる機能を持つ公園を配置することを検討しているところでございます。また、様々な公園利用に対応するために利用ルールの見直しなども検討することとしております。公園の規模や特性、周辺環境を考慮し、利用者と住民の双方が理解し合える柔軟な利用ルールなどを検討してまいります。

 次に、トイレの環境整備についてでございます。きれいで快適なトイレは、公園の魅力を高めていくために必要であると考えております。策定中の公園再整備計画では、トイレの老朽化ドアや利用状況などを踏まえてユニバーサルデザインに配慮したトイレの整備を順次進めていくことを検討しております。

 最後に、コロナの影響を見据えた公園利用の在り方についてでございます。新型コロナウイルス感染症の影響を受けてこれまでの生活様式が変化する中、身近なオープンスペースである公園の利用が増えてきていると感じております。公園利用者の安全性はもとより、憩いの場や体を動かすことにつながるような快適な公園環境を提供できるよう、公園再整備計画を策定してまいりたいと考えております。

〔地域支えあい推進部長角秀行登壇〕

○地域支えあい推進部長(角秀行) 私からは、新型コロナウイルスの感染拡大時におけます地域活動推進について、お答えいたします。

 初めに、感染症対策ガイドラインの活用状況、地域活動応援窓口の利用状況及び地域団体の状況についてでございます。ガイドラインにつきましては、区のホームページをはじめ、区民活動センター運営委員会や社会福祉協議会の協力を得ながら地域で活動する団体に広く周知することができました。このことによりまして、継続または再開した活動については、ガイドラインを踏まえた感染対策が講じられて、実行したものと認識してございます。応援窓口につきましては、令和2年10月に開設し、3月末までの利用団体は13団体です。グラウンドゴルフや子ども食堂などこれまでの活動を継続するための工夫のほか、キッチンカーによる軽食提供など、集まる活動に代わる新たな活動の立上げなどについて必要な情報提供や助言を行いました。地域団体の状況につきましては、どの団体もイベントの実施に伴って感染が広がることへの不安を抱えております。多数の参加者が集う活動については、その継続や再開に向けた具体的な対応が難しい状況もあると認識しております。

 次に、一度止まってしまった地域の活動再開支援についてでございます。新しい生活様式によります地域活動応援窓口は、それぞれの団体に応じまして関係部署の職員が連携するほか、区民活動センターや社会福祉協議会の協力も得て助言や支援を行うために開設したものでございます。関係部署や関係機関等との連携協力体制をさらに強化しながら、地域で活動いたします団体がその活動の継続や再開に向けて抱えている不安や課題などをアウトリーチにより急ぎ把握したいと考えております。これらを踏まえまして、新型コロナウイルスワクチンの接種が進み、感染拡大が終息した後を見据えながら、より早い時期に活動が再開できるよう、取組事例なども含めて必要な情報提供を行うとともに必要な支援を行っていきたいと考えてございます。

〔若林しげお議員登壇〕

○22番(若林しげお) 再質問を2点させていただきます。

 まず、基本計画を2か月延ばすと決めたのはいつですかという質問に対してもう一度お聞かせいただきたいのですが、3月24日、3月23日に本会議が行われ、基本構想の議決をした次の日、舌の根も乾かないうちの決断だったのか、判断だったのか、もう一度お聞かせください。

 あともう1点、基本構想は10年後を目指すまちということで一部改定することを想定しているという話の中、改定素案、今回の基本計画において大きな変更があった場合は行う必要がない。もともと基本構想を改定する前提でつくっている、だから今回も大きな変更があった場合は変えない。その違いがちょっと自分には、ごめんなさい、分からないので、もう一度そこを御答弁いただきたいと思います。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 若林議員の再質問、1点目です。基本計画のスケジュール変更を判断した時期についてでございますけども、先ほど申しましたとおりに、第1回定例会における議会からの御意見を受けて3月24日に政策調整会議を開催して、8月から10月にスケジュールを変更する方向性について確認をしたところでございます。これについては、翌日ということでございますけれども、それまでの議会からの御意見も踏まえながらということで判断させていただきました。

 そして次に、基本計画の素案の、改定素案の作成によって基本構想の改定を行なわないのはなぜかという御質問だったと思いますけれども、これについては、基本計画というものは定めていただいた基本構想を実現するための計画でございまして、その変更についても当初定めた基本構想の範囲内で改定の素案を作成したと考えているところでございまして、それについては、基本構想の改定は行う必要がないと考えております。

○副議長(酒井たくや) 以上で若林しげお議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 ひやま   隆

 1 新型コロナウイルス感染症対策について

  (1)検査体制について

  (2)在宅療養者に対する支援について

  (3)後方支援医療機関への支援について

  (4)その他

 2 子どもの貧困対策について

  (1)コロナ禍における子どもの生活実態について

  (2)「子どもの貧困対策計画」について

  (3)その他

 3 西武新宿線沿線まちづくりについて

  (1)西武新宿線(中井駅~野方駅間)連続立体交差事業について

  (2)新井薬師前駅・沼袋駅周辺地区まちづくりについて

  (3)区画街路整備のための執行体制について

  (4)その他

 4 羽田空港の新飛行ルート問題について

 5 その他

 

○副議長(酒井たくや) 次に、ひやま隆議員。

〔ひやま隆議員登壇〕

○17番(ひやま隆) 令和3年第2回定例会に当たりまして、立憲民主党・無所属議員団の立場から一般質問をいたします。

 質問は、通告のとおりです。その他はございません。

 初めに、新型コロナウイルス感染症対策について、質問いたします。

 1点目は、検査体制についてです。

 厚生労働省や東京都のデータからは、第3波において死者が急増した背景には高齢者施設や医療機関といった場所での感染拡大が主な要因として挙げられています。高齢者施設は、ひとたびクラスターが発生すると重症化しやすい方が非常に多く、早期に陽性者を発見し、感染の拡大を防ぐことが重要であると考えます。高齢者施設を対象とした検査については、現在、東京都のほか、民間団体で高齢者施設・介護サービス従事者への無料PCR検査事業を実施していると聞いております。対象となる施設について確認するとともに、対象から漏れてしまう高齢者施設については区として対応する必要があると考えますが、区の答弁を求めます。

 また、区内の高齢者施設における定期的な検査の実施状況についても併せて答弁を求めます。

 区内の高齢者施設の関係者からはそうした事業の存在を知らなかったという声も寄せられております。さらなる周知が必要であると考えますが、区の答弁を求めます。

 次に、在宅療養者に対する支援について、質問します。

 第3波においては、感染拡大により病床が逼迫し、中野区においても中等症以上の患者であっても病床の確保が極めて困難な状況になり、自宅待機となるケースが続発しました。第3波における流行地域の実態を見ると、感染拡大期に保健所だけで在宅療養者の健康状態をフォローするのは難しく、変異株の流行がさらに状況を困難にする可能性もあります。さらなる流行も予想される中、中野区としても保健所、訪問医療、看護、薬剤師会等による在宅療養者に対するさらなる支援体制づくりが必要であると考えます。在宅療養者に対する支援について、現状と併せて今後の取組について、区の答弁を求めます。

 次に、後方支援医療機関への支援について、質問します。

 第3波における都内のコロナ病床が逼迫した背景には、病状が改善したにもかかわらず転院先が見つからず、新たな重症者を受け入れられなかったという実態があります。こうした中、厚生労働省は、昨年6月、新型コロナウイルス感染症の退院基準を改定し、発症から10日間かつ病状が治まってから3日経過すればPCR検査を受けなくても退院可能としました。しかし、区内の医療機関の関係者からは、陰性確認がなければ職員の不安は拭えないといった声が寄せられております。特に重症化リスクの高い基礎疾患を持つ患者を抱える医療機関では患者や家族の不安感は強く、風評被害の懸念もあることから、協力したいものの二の足を踏んでしまうという実態があります。さらには、コロナ禍における医療機関同士のコミュニケーションが取りにくい状況がこれに拍車をかけています。こうしたことからも、後方支援を検討している医療機関等に対して退院基準について丁寧に説明する仕組みが必要であると考えますが、現状と併せて今後の取組について、区の答弁を求めます。

 次に、子どもの貧困問題について、質問します。

 新型コロナウイルスの感染拡大は、低所得層や一人親世帯といった、コロナ禍以前から困難を抱えている人たちの生活を直撃し、子どもの貧困問題はかつてない危機的な状況を迎えています。この問題に関して、中野区では、令和元年8月から9月にかけて、子どもと子育て家庭の実態を把握するための大規模な実態調査を実施しました。この調査からは、カップ麺、インスタント麺を週に2日以上食べていると答えた困窮層の割合が一般層に比べて約2割高くなっていることや、授業が分からないと答えた困窮層の割合が一般層に比べて、小学生で約1割、中学生で約4割高いといった、子どもの健康や生活、学びの状況に関わる様々な実態と課題が明らかとなりました。ただし、この調査はコロナ禍以前の生活実態を反映したものであり、コロナ禍において事態はさらに深刻化していることが予想されます。世田谷区では、子どものいる生活困窮世帯を対象に、新型コロナウイルス感染拡大による影響等の実態を把握するためのアンケート調査を実施しました。生活困窮世帯のうち、約2割から3割がコロナ禍において世帯収入がほぼゼロになった、半分に減ったと回答し、約4割が過去1年間に食料が買えなかった経験があると回答しています。世田谷区の調査からは、コロナ禍における生活困窮世帯の極めて深刻な生活実態が明らかとなりました。中野区においても、コロナ禍の長期化による子どもたちへの影響が大変危惧されるところです。コロナ禍における子どもと子育て家庭の生活実態について、中野区としては現状をどのように認識しているのか、またどのような手段により把握しているのか、答弁を求めます。

 コロナ禍が長期化し、子どもと子育て家庭を取り巻く環境が一層の厳しさを増す中で、中野区では令和3年度予算において、就学援助の拡充や子ども配食事業の推進、子ども食堂運営助成金事業の推進といった事業が盛り込まれました。この問題に積極的に取り組む中野区の姿勢を高く評価します。今後、より実効性のある対策を進めていくことを期待するところです。令和元年6月、子どもの貧困対策法が改正され、子どもの貧困対策に関する計画の策定が市区町村の努力義務として課されました。現在、多くの自治体において計画の策定が進んでおり、中野区としても速やかに計画を策定し、それに基づいた、より実効性のある対策を進める必要があります。中野区では、中野区基本計画(素案)の中で、子どもの貧困対策の推進を施策として位置付け、主な取組の中で子どもの貧困対策に関する計画策定を挙げておりますが、今後の策定に向けた進め方について、区の答弁を求めます。

 中野区基本計画(素案)では、子どもの貧困対策の推進の主な取組で、困難を抱える子どもの学習の機会の確保が示されております。貧困の連鎖、格差の固定化、これらを断ち切るためには学力というものは大変重要であり、子どもの貧困対策を推進するに当たっては、教育、学びを最重要の施策として位置付けるべきであると、これまで繰り返し申し上げてまいりました。中野区では、学習意欲の向上と学習習慣の定着を図ることを目的として学習支援事業を実施しております。現行では小学校6年生及び中学校1年生から3年生が対象となっていますが、小学校4年生や5年生といった低学年でのつまずきが学力の遅れにつながっているという点も指摘されており、対象者のさらなる拡充を検討する必要があると考えますが、区の答弁を求めます。

 対象となる学年を拡充していくことと併せて、受講率を上げていくことも重要です。令和2年度の参加実績では、対象者数1,022名に対して参加者数は192名、参加率は2割程度にとどまっております。中野区では、今年度から就学援助認定基準を拡充したことにより新たに学習支援事業の対象者となる子どもたちがいます。そうした新たな対象者も含めた対象世帯に対してさらなる周知やアプローチが必要であると考えますが、区の答弁を求めます。

 学習支援事業に関連して、ライフステージや組織等の境目で支援が途切れてしまわないよう、子どもの成長、発達段階に合わせた切れ目のない施策も推進する必要があります。学習支援事業を利用していた高校生へのフォローアップは現状どのようになっておりますでしょうか。今後の取組と併せて、区の答弁を求めます。

 中野区基本計画(素案)では、困難を抱える子どもの学習機会の確保に向けた取組の中で自習できるスペースの確保が示されております。中野区子どもと子育て家庭の実態調査の結果では、自分専用の机が欲しいのにないと答えた子どもの割合は、小学校高学年で約2割、中学生で約1割となっており、東京都に比べて高くなっています。生活困難度が高くなるほど、「ない」と答えた割合が高くなっており、家庭の学習環境を整えることは区の大きな課題です。基本計画(素案)の自習できるスペースの確保についてどのように進めていくのか、現状と併せて区の答弁を求めます。

 子どもの貧困問題は、失業、離婚、孤立、病気、虐待など、様々な要素が絡み合った複合的な課題であるがゆえに、施策の推進に当たっては全庁的かつ行政、地域、民間をはじめとした横断的な推進体制の構築が重要であると考えます。中野区基本計画(素案)では、主な取組として総合的な子どもの貧困対策の展開とありますが、子どもの貧困対策を推進していくに当たっての体制の構築について、今後どのように進めていくのか、区の答弁を求めます。

 私は、かねてから子どもの貧困問題を考えるに当たって、作家司馬遼太郎氏の不朽の名作「坂の上の雲」の次の一節を紹介してまいりました。「社会のどういう階層のどういう家の子でも、ある一定の資格をとるために、必要な記憶力と根気さえあれば、博士にも官吏にも軍人にも教師にもなり得た。この時代の明るさは、こういう楽天主義から来ている」。翻って、今日の日本はどうでしょうか。最新の国の調査では、貧困状態にある子どもは約7人に1人、一人親世帯にいたっては約2人に1人、生活保護の御家庭に生まれ育った子どもは大人になっても生活保護から抜け出せない、生まれ育った環境によって学校の成績や大学の進学率、将来の所得にも差が出てしまう、こうしたデータもあります。そうした格差の固定化と貧困の連鎖、さらには新型コロナウイルス感染拡大による悲観主義が社会を覆っているように感じます。しかし、このような不安定な時代だからこそ、子どもたちの将来が生まれ育った環境によって左右されることなく、全ての子どもたちが夢と希望を持って生き生きと育つ社会、そうした新たな時代の坂の上の雲が必要です。今こそ区長には未来への責任を果たしていただくとともに、子育て先進区、中野区としての本領を発揮していただきたいと思います。

 この項の最後に、この問題に取り組むに当たっての区長の決意を改めてお聞きいたします。

 次に、西武新宿線沿線まちづくりについて、質問いたします。

 まず、西武新宿線連続立体交差事業についてです。中井駅から野方駅間の開かずの踏切の解消に向けては地下化に向けた工事が進められております。当初の計画では令和3年、今年3月31日までに事業完了の予定でありましたが、事業期間が6年延長されることになりました。地域住民にとって期待の大きい事業であるからこそ多くの落胆の声が寄せられました。国土交通省のデータによると、平成19年度から平成21年度までの間に竣工した連続立体交差事業の場合、踏切除去までに要した期間は平均約16年、一方で中井駅から野方駅間については、当初のスケジュールで平成25年4月1日から令和3年3月31日までの8年。環境や条件も違う中で一概には言えませんが、国土交通省の数字を鑑みれば、当初の事業スケジュールは果たしてどのような根拠を持ってつくられたのか、疑問が残るところです。事業主体は東京都ではありますが、当初の事業スケジュールに見込みの甘さはなかったのか、改めて区の認識について、答弁を求めます。

 また、今回の事業期間の変更の理由について、用地取得の遅れとのことでしたが、その後の進捗状況はどのようになっているのか、現在の状況について、答弁を求めます。

 踏切自体は存置したままで行う、開かずの踏切対策は速効対策と呼ばれるものですが、これまで議会の場において速効対策の必要性を繰り返し求めてまいりました。令和元年第2回定例会における私の一般質問で、区長からは、完成までの間、引き続き速効対策やソフト対策でできることがないか、検討を進めてまいりますとの御答弁をいただきましたが、これまでの検討状況と今後の取組について、区の答弁を求めます。

 次に、連続立体交差事業と併せて、まちづくりの柱となる交通広場を含む区画街路整備の本格化に伴い、地権者をはじめとする地元区民からは生活再建への対応とともに明確な整備スケジュールの提示が求められています。

 そこでまず、新井薬師前駅周辺地区まちづくりに関して、区画街路第3号線(交通広場)の整備について、質問します。

 西武新宿線沿線まちづくり推進プラン(新井薬師前駅周辺地区編)において、交通広場整備のスケジュールについては令和4年度事業完了と示されておりますが、連続立体交差事業の事業期間の変更は交通広場の整備スケジュールにどのような影響があるのか。また、用地取得の進捗状況についても、区の答弁を求めます。

 次に、沼袋駅周辺地区まちづくりについて、質問いたします。

 西武新宿線沿線まちづくり推進プラン(沼袋駅周辺地区編)において、交通広場整備のスケジュールについては令和3年度から令和4年度にかけてとあります。その後、昨年の第2回定例会建設委員会において、今後の交通広場の整備工程については令和5年度から令和7年度にかけてを目途に整備を進めていくとの御報告がありましたが、交通広場の現在の用地取得の進捗状況について、区画街路第4号線の商店街部分と併せて答弁を求めます。

 また、沼袋四丁目地区の防災まちづくりに関して、区では、地元の検討組織の立上げを区画街路第4号線の整備の進捗が一定の軌道に乗る段階まで延期としていましたが、現在の進捗状況について、答弁を求めます。

 次に、区画街路整備のための執行体制について、質問いたします。

 新井薬師前駅及び沼袋駅周辺地区の交通広場部分も含めた区画街路整備のスケジュールに関して、現在の進捗状況を鑑みるとかなりタイトな印象を受けます。街路整備の加速化のためには、用地測量、物件調査等の執行体制の拡充が急務であると考えます。これに関して区では、執行体制の在り方について検討し、部内における配置転換も含めた執行体制の強化を図ってこられたと聞いております。しかし、その後、新型コロナウイルスの感染拡大による保健所の業務量増加に対応するため、中野区では全庁的に職員を派遣し、コロナ対策に当たってきました。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う区画街路整備のための執行体制の影響について、答弁を求めます。

 新型コロナウイルスの感染拡大がまちづくりに与える影響について、さらに懸念されるのが用地取得への影響についてです。新井薬師前駅、沼袋駅の両駅の周辺地区まちづくりが本格化する中、用地測量や物件調査といった用地の取得に向けた取組が進められています。しかし、感染拡大防止のため、人との接触が著しく制限されるコロナ禍にあって、実際に地権者の方とお会いして現場に立ち入るということはかなりハードルが高い業務であると推察されます。平時におけるまちづくりにおいても相当なエネルギーを要する用地取得がコロナ禍にあってどのような状況にあるのか、現在の状況と今後の見込みについて、答弁を求めます。

 コロナ禍にあって23区においても区税の減収等によりまちづくりに様々な影響が出ています。しかし、連続立体交差事業をはじめ、地域にとって必要なまちづくりは遅滞なく着実に進めていかなければならないと考えます。

 この項の最後に、コロナ禍における中野区のまちづくりの進め方について、改めて区の答弁を求めます。

 次に、羽田空港の新飛行ルート問題について、質問いたします。

 国は、羽田空港機能強化の名の下に、都内上空を超低空で飛行する新ルートの運用を昨年3月から開始しました。この新飛行ルートには、南風の場合の15時から19時までの約3時間について中野区上空を通過するものが含まれております。新ルートによる飛行が始まって以来、地元の皆様からは、飛行機の音がうるさい、予想以上の大きさに圧迫感を感じる、子どもが怖がっているといった多くの声が寄せられております。この問題については、これまで議会の場において取り上げ、また我が会派としても要望書を提出するなど、一貫して計画の見直しを求めてまいりましたが、運用から1年が経過し、改めて区の考え方をお聞きいたします。

 まず、騒音の問題についてです。令和元年決算特別委員会における私の質問に対する御答弁では、機種によって異なるという前提で、航空機が中野区上空を通過する際には58デシベルから70デシベル程度の騒音が発生するとのことでしたが、この間の事前の説明を上回る騒音が発生した事例の有無について、またそれらは環境省が定める航空機騒音に係る環境基準に合致したものなのか、答弁を求めます。

 次に、ルートの問題です。この間複数の区民の皆様から、説明会で示された飛行ルート図の真下に自宅がないはずなのに自宅の真上を飛行機が飛んでいるといった声が寄せられました。国は、羽田空港の新飛行経路の運用に伴う事項等について、新飛行経路の航跡図も含め、ホームページで公表するとしておりますが、中野区上空を通過する飛行ルートの実態はどうなっているのか、答弁を求めます。

 今回の新飛行ルートは、騒音のほかにも落下物や万が一の重大事故など様々な懸念が指摘されております。今年2月にはアメリカのコロラド州で航空機のエンジントラブルによって巨大な落下物が次々と住宅街に落下するという事故が実際に発生し、後に我が国の大手航空会社においても同じタイプのエンジンを搭載した航空機があることが明らかとなりました。また、航空機が離陸してから上昇中の3分間、そして着陸に向けて降下中の8分間、これらを合わせた11分間は、航空機事故の大部分がこの時間帯に発生していることから「魔の11分」と呼ばれています。中野区上空を通過する時間帯はまさにこの「魔の11分」に含まれております。コロナ禍において多くの区民が様々な困難や不安を抱えながらの生活を余儀なくされる中、それに追い打ちをかけるような現在の新飛行ルートは到底受け入れられるものではありません。新飛行ルート開始以来、区にはどのような問合せがこれまで何件寄せられたのか、答弁を求めます。

 国土交通省は、騒音軽減に向けた有識者会議を立ち上げ、議論を進めるとのことですが、人口が密集している市街地をここまで低空で飛ぶのは世界に例がなく、中野区としては現在の新飛行ルートの見直しあるいは中止を改めて国に求めていくべきであると考えますが、区の答弁を求めます。

 以上で私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) ひやま議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初に、新型コロナウイルス感染症対策について。1点目の高齢者施設等でのPCR検査についてでございます。現在実施されている無料PCR検査は、入所系・居住系施設につきましては東京都が実施をしております。また、ショートステイやデイサービスなど他の全ての介護サービス事業所につきましては民間団体が実施しておりまして、無料PCR検査の対象から漏れる施設はないと認識をしております。東京都が実施している検査につきましては、対象になる54の区内施設のうち、52施設が検査実施の登録をしております。未登録の2施設につきましては、区としては検査登録を促しているところでございます。また、民間団体による検査の実施状況につきましては、現在把握に努めているところでございます。こうした検査事業の存在を知らずに活用していないということがないよう、改めて区内事業者に周知をしてまいりたいと考えております。

 続きまして、新型コロナウイルス感染症在宅療養者に対する支援の現状と今後の取組についてでございます。現在、中野区では、東京都が東京都医師会へ委託し実施する、地域における自宅療養者等に対する医療支援強化事業、こちらによって感染症在宅療養者支援を行っているところでございます。本事業は、東京都医師会が中野区医師会と連携をし、自宅療養者等が自宅で体調が悪化した際に適切な医療支援を受けられるよう往診等を行うものでありまして、区では5月18日より開始しております。支援件数は、5月31日時点では1件でございます。今後は、感染症在宅療養者数や医療提供体制の状況等を踏まえて、必要に応じて保健所、医療関係者とともに支援策を検討してまいります。

 次に、新型コロナウイルス感染症患者の退院基準の説明についてでございます。新型コロナウイルス感染症患者の退院基準につきましては、WHOの基準を踏まえて科学的な知見に基づき設定されているものでございまして、その都度国や都が医療機関等に対して周知・説明をしてきたところであります。今後、退院基準に関する病院の理解をさらに促進するために説明を行うよう都に働きかけるとともに、区も適宜医療機関に対して情報提供を行ってまいります。

 次に、子どもの貧困対策についてで、新型コロナウイルス感染症の生活実態への影響についてでございます。区は、福祉や子育て支援等の各窓口のほか、子ども食堂等の地域団体の活動支援を通じて子どもと子育て家庭の生活実態を把握しているところでございます。新型コロナウイルスの感染拡大が長期化する中で生活困窮世帯や一人親世帯への影響は深刻なものとなっており、食事の確保などの生活支援、子どもの学びの支援について、早急に対応を図る必要があると認識しているところでございます。

 次に、子どもの貧困対策計画についてでございます。令和3年2月に子どもの貧困対策に係る考え方、こちらを取りまとめ、これに基づいて学びや体験の支援、生活の支援、体制づくりと連携促進などの取組を現在進めているところでございます。これらの取組の充実を図るとともに、今後策定予定の基本計画と整合を図りつつ、子どもの貧困対策に関する計画の策定を検討してまいります。

 次に、学習支援事業の対象拡充についてでございます。生活困窮世帯の学習支援事業につきましては、学習習慣の定着と学力の向上を目的として、現在、就学援助認定世帯の小学6年生及び中学1年生から3年生の児童・生徒を対象に実施しているところであります。生まれ育った環境によって学力格差が拡大し固定化することを防ぐためには、より早い時期に学習習慣を身につけられるよう学習支援を行うことが重要であると考えております。生活困窮世帯の子どもの学習環境等を踏まえ、対象学年の拡充も含め、事業の充実・強化に向けて検討してまいります。

 次に、学習支援事業の対象世帯への周知でございます。学習支援事業につきましては、対象となる就学援助認定世帯に対して十分に周知が行き渡るよう、対象世帯全てに募集案内を郵送するとともに、希望する全ての児童・生徒が受講できるような規模で実施しているところであります。なお、今年度は就学援助世帯の認定基準の拡充に伴って、新たに就学援助認定世帯となった家庭等に対し個別に案内を送付することを検討しております。支援を必要とする子どもに必要な学習支援が届くよう、引き続き対象者に対する周知方法等について工夫をしてまいります。

 次に、学習支援事業における高校生のフォローアップでございます。子どもの貧困対策につきましては、子どもの成長、発達段階に合わせた切れ目のない支援が重要であり、特に高校への進学後は中途退学等によって就学や生活の場面で困難を来たすことも少なくないことから、社会的自立が確立されるまで継続的に支援をしていくことが必要であると認識をしております。学習支援事業の利用者につきましては、現在も進学先の高校等を把握しているところでございますが、その後の継続的な支援体制の構築に向けて検討してまいります。

 次に、自習スペースの確保です。家庭の経済状況によって学習の機会が奪われることのないよう、子どもの学習環境の整備は重要でございます。子どもの学習スペースにつきましては、まずは一定のスペースの確保に向けて、図書館や児童館等の既存の区有施設の中で利用可能なスペース、利用時間等について取りまとめ、周知することを検討しているところでございます。子どもの学習スペースの確保・充実に向けて、引き続き取り組んでまいります。

 次に、子どもの貧困対策推進体制の構築でございます。子どもの貧困は、家庭の経済状況のみでなく、学力や健康等の様々な要因が絡み合う課題であるため、行政や地域、民間事業者の連携を強化し、区全体で包括的に対策に取り組んでいく必要があります。取組の推進に当たりましては、庁内の組織体制の強化を図るとともに、地域民間事業者等との意見交換、研修等を実施するなど、ネットワークの構築を目指して検討を進めてまいります。

 最後に、子どもの貧困対策に当たっての決意でございます。子どもの現在及び将来が生まれ育った環境に左右されることなく、全ての子どもが夢や希望を持って成長できる社会を実現することは、区民に最も身近な基礎自治体にとっての重要な責務でございます。また、こうした社会を実現して子どもの権利を保障することは、区政運営の柱として掲げている子育て先進区を実現するための基礎となる取組であると認識しております。新型コロナウイルス感染症による生活環境の影響にも配慮し、全ての子どもの心身の健やかな成長が保障されるように、子どもを主体として捉えて、学び・体験の支援、生活支援などの子どもの支援に尽力してまいりたいと考えております。

〔まちづくり推進部長豊川士朗登壇〕

○まちづくり推進部長(豊川士朗) 西武新宿線沿線まちづくりについて、お答えいたします。

 まず、連続立体交差事業のスケジュール及び進捗状況についてでございます。東京都によりますと、中井・野方間の連続立体交差事業に係る当初の事業認可期間については、事業規模を勘案し、用地取得や工事に必要な期間を設定したとのことであり、区としては問題がなかったものと認識をしてございます。事業認可期間につきましては、令和2年4月に変更が行われまして、令和8年度末まで6年間延伸されました。東京都によりますと、現在、西武新宿線の中井駅から野方駅間の連続立体交差事業の進捗状況につきましては、事業に必要な土地について面積ベースで約9割の権利者の協力が得られた状況であり、引き続き用地未取得箇所については早期の取得を目指すとのことでございます。

 それから、開かずの踏切の速効対策についてでございます。西武鉄道株式会社におきましては、踏切対策として、踏切警報時間制御装置の導入によりまして踏切遮断時間の短縮に努めていると聞いてございます。また、踏切支障報知装置、踏切支障検知装置の設置や工事状況に応じた踏切付近のガードマンの配置といった安全対策も行っていると聞いてございます。区といたしましても、西武鉄道株式会社と協議の上、歩車道を分離するための歩道部分のカラー化を実施するなど、踏切横断者の状況を踏まえた安全な通行の確保に努めてございます。開かずの踏切問題の抜本的な解決策は道路と鉄道の立体交差化であることから、引き続き東京都、西武鉄道株式会社と連携し、早期完成に向け取り組んでまいります。

 次に、連続立体交差事業の事業期間の変更によります交通広場整備スケジュールへの影響と現在の進捗状況についてでございます。西武新宿線連続立体交差事業では事業期間が延伸されましたが、交通広場の区画街路第3号線におきましては、令和4年度末までの用地取得完了に向けまして、現在各権利者と交渉を進めてございます。用地取得の進捗は、現在取得面積ベースの進捗率が約12%でございまして、隔地ベースでは約30%でございます。

 次に、区画街路第4号線の用地取得進捗状況でございます。現在の沼袋駅南側交通広場部分の面積ベースの進捗率は約50%、沼袋駅北側商店街部分は約1.7%となってございます。なお、商店街部分における物件等調査を昨年10月以降本格的に着手しておりまして、今年度の上半期中には一部更地化を予定してございます。一方で、区画街路第4号線の整備につきまして、より着実に取り組むために令和2年度より庁内執行体制を整備してきたところでございます。沼袋四丁目周辺地区の防災まちづくりを進めるための地元検討組織の立ち上げにつきましては、区画街路第4号線整備の進捗を見据えながら慎重に検討してまいります。それから、新型コロナウイルス感染拡大による区画街路整備の執行体制への影響及び用地取得の現在の状況と今後の見込みについてでございます。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、全庁的な職員派遣等に対しては最大限対応しつつ、執行体制等を工夫しながら区画街路整備が着実に進むように今後も権利者交渉を進めてまいります。用地取得におきましては、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、権利者宅内の物件調査を一時的に中断するなど、緊急事態宣言期間中は業務が一部困難な事例がございました。一方、権利者対応においては、対面からメール、手紙等へ方法を変更して用地取得交渉を継続してございます。

 最後に、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた中野区のまちづくりの進め方についてでございます。西武新宿線沿線の新井薬師前駅及び沼袋駅周辺まちづくりにおきましては、都市計画道路整備事業を引き続き進めるとともに、市街地再開発事業等の実現に向けた検討を進めてまいります。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、権利者対応など少なからず影響はあるものの、感染対策を実施しながら着実にまちづくりを進めてまいります。

〔環境部長朝井めぐみ登壇〕

○環境部長(朝井めぐみ) 私からは、羽田空港の新飛行ルート問題についての御質問にお答えいたします。

 まず、環境省が定める環境基準についてでございます。区内の騒音測定における実測値の平均は、令和3年2月までの実績で64.3デシベルから71.1デシベルであり、中型機については推計値を1デシベルから4デシベル上回っています。航空機騒音の環境基準値は用途地域によりまして57デシベル以下または62デシベル以下となっていますが、測定評価に当たっては1日に発生した全ての航空機騒音の暴露量に夜間の時間帯は重み付けした上で平均する方法を用いています。中野区上空を航空機が通過する時間帯は15時から19時までに限定されており、令和3年2月までの平均は39.3デシベルであることから、環境基準には適合しています。

 次に、中野区上空を通過する飛行ルートについてでございます。新飛行経路は、基本的に南風時にA滑走路またはC滑走路に着陸する航空機が中野区上空を夕方3時間程度飛行しています。この経路以外に、今年4月に北風時にC滑走路から北向きに離陸した航空機が北区辺りから西側を飛行し、中野区の上空を飛行したことがあったことを国土交通省に確認をしております。

 続いて、新ルート運用開始以降のお問合せについてでございます。令和2年3月29日の新ルートによる運用開始以降、令和3年5月末までの間、区には61件の問合せや苦情が寄せられております。内容は、騒音に対する苦情や落下物への不安、航空機の飛行高度、新ルートの問合せなどでございます。

 最後に、新飛行ルートに関する国への見直し等の要望についてでございます。国は、新飛行経路の運用に当たって騒音の測定を行い、落下物の防止に努めていることから、区としましては、現在国が実施しています、羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会の動向を注視していきたいと考えております。

○副議長(酒井たくや) 以上でひやま隆議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

午後2時47分休憩

 

午後3時10分開議

○議長(内川和久) 会議を再開いたします。

 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 久 保 り か

 1 社会的孤立対策について

 2 中野駅周辺まちづくりについて

 3 西武新宿線沿線まちづくりについて

 4 生活保護行政の推進について

 5 児童相談所について

 6 保育ソーシャルワーク事業について

 7 区営住宅について

 8 その他

 

○議長(内川和久) 次に、久保りか議員。

〔久保りか議員登壇〕

○37番(久保りか) 令和3年第2回定例会に当たり、公明党議員団の立場で一般質問を行います。

 質問は通告どおり、その他はございません。

 区長並びに理事者の皆様には明快で前向きな御答弁をお願いいたします。

 初めに、社会的孤立防止対策について、伺います。

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響が長引く中、子どもや若者、女性の自殺が増え、DV、虐待、鬱、ひきこもり、孤独死など、社会的孤立の問題は深刻化しています。また、既存の制度のはざまで新しい生活困難層が増え、地域には帰属先を失った人々の孤立が広がっています。社会的孤立は、様々な問題を生み出すだけでなく、健康悪化や経済の不安定化、社会保障給付費の増大等、社会に大きな影響を及ぼすことが懸念されています。また、今般、厚生労働省の調査で、社会的に孤立している人が18歳以上の12%に上るとの推計が示されましたが、コロナ禍でもっと高い数字になる可能性が指摘されています。

 公明党は、これまでも社会的孤立の問題に取り組んでまいりましたが、コロナ禍においてさらに深刻化している事態を把握し、迅速に国・地方で対策を講じていくため、本年2月16日、公明党内に社会的孤立防止対策本部を立ち上げ、国会議員、全国の地方議員が有識者や民間支援団体等から計9回のヒアリングをオンラインで行うとともに、3月14日から4月末まで全国各地で、社会的孤立の実態や孤立防止のための方策について、NPOなど民間団体などからヒアリング調査を実施いたしました。今回のヒアリング調査等を通じ、地域には社会的孤立の問題が多数存在し、コロナによってさらに深刻化していることを再認識したと同時に、支えるための制度や仕組みだけではなく、支援する側も分野ごと、事業階層ごとに分かれ、孤立をしていることが判明しました。こうした現状を一刻も早く改善していかなければならないことから、内閣総理大臣、孤独・孤立担当大臣に対し、5月21日、公明党社会的孤立防止対策本部として、「誰も孤立させない、ひとりぼっちをつくらないための提言~つながり、支え合う社会の構築へ~」を提言いたしました。こうした党としての取組を踏まえ、社会的孤立対策について、質問いたします。

 初めに、生理の貧困問題など、ジェンダー平等の実現について、伺います。

 今、世界各国で生理の貧困が問題となっています。生理の貧困とは、生理用品を買うお金がない、また利用できない、利用しにくい環境にあることを指し、発展途上国のみならず、格差が広がっている先進国においても問題になっています。この問題は、日本でも無関係ではなく、任意団体である「♯みんなの生理」が行ったオンラインアンケート調査によると、5人に1人の若者が金銭的な理由で生理用品を買うのに苦労した、他の物で代用しているなどの結果が出ています。また、貧困で購入できないだけでなく、ネグレクトにより親などから生理用品を買ってもらえない子どもたちがいるとの指摘もあります。また、中野区においては、これまで防災備蓄の生理用品を3年間で入れ替え、その後廃棄していたことから、廃棄されてしまう災害備蓄品の生理用品を利活用し、必要な方に配布できる取組を進めるべきと考え、3月15日、公明党の中野総支部は、中野区に対し「コロナ禍における女性の負担軽減に関する緊急要望」を行いました。一つは、防災備蓄品の生理用品を社会福祉協議会などと連携を図り、必要な方に配布できるよう取り組んでいただくこと、二つ目は、区内の小・中学校や公共施設などの個室トイレで生理用品を無償で提供することを検討してくださいというものです。この緊急要望を受け、区が防災備蓄の生理用品の無償配布を迅速に進めてきたことは高く評価をしています。また、4月28日の区長記者会見では、民間事業者との連携による、中野区役所における生理用品の無償配布を発表されました。自治体が永続的に生理用品を無償で配布するのは全国初とのことです。まさしく我が会派が求めてきた、個室トイレで無償提供を可能とする仕組みであると考えます。区長が記者会見で述べられた、民間事業者との連携による中野区役所における生理用品の無償配布とはどのようなスキームで行われる予定なのか、お聞きいたします。

 また、当該事業は、どのような政策的根拠に基づくものなのでしょうか。私は、一つには、さきの要望で我が会派が示したように、生理の貧困などの女性の負担を軽減するための助成支援であると考えます。今後進められる民間事業者との連携による事業は、子育て中の母親の支援との課題もあり、子育て支援課が担当されると伺っています。しかし、生理用品の無償提供を必要とするのは必ずしも子育て中の母親に限定されるわけではありません。この事業をスモールスタートに、様々な悩みを抱える女性への支援につなげていくことが重要なのではないでしょうか。例えば、生理用品が個室トイレで配布されるのであれば、その際に「何か御相談のある方はこちらに」と記し、QRコードを読み込み、相談先にスマートフォンからすぐにつながる仕組みも検討すべきと考えます。今後の女性相談など、支援の展開について、お考えをお聞きします。

 現在、学校では保健室で必要なときに生理用品をお借りできるとのことですが、個室トイレでの無償配布についても検討されるべきではないでしょうか。区役所庁舎内で行われる新たな取組は民間事業者との連携とのことですが、学校で使用するのにふさわしい仕組みに再構築し、事業を進めることも検討されてはいかがでしょうか。お伺いいたします。

 この事業には、ジェンダー平等の視点があることも重要であると考えます。女性は、生理があるだけでも負担なのに、生理用品を購入しなくてはなりません。今やトイレットペーパーは、公共施設と個室トイレにはほとんど当たり前のように設置されています。管理の面からの課題はありますが、生理用品も当たり前に手に入るという発想の転換が重要です。この事業が展開されることで、ジェンダーギャップの解消の一助になることを期待します。区長の見解を伺います。

 次に、中野で暮らす外国人家庭の支援について、お聞きします。

 区内で暮らす外国人の御家庭から様々な御相談をお受けしています。お子さんの障害のこと、保育園や学校生活のこと、コロナ禍で職を失い生活困窮に陥っていること、近隣とのトラブル、一つの家庭で幾つもの課題を抱えています。この問題を解決する以前に、言葉の違い、習慣の違いなどの壁があり、本来の課題を解決するための事業につながれず、事態の悪化を招いてしまうケースもあります。現在、タブレットを使用した多言語の通訳が窓口でも行われるようになってきていますが、全ての窓口ではありませんし、どの窓口に行ったらよいのかさえも分からない場合もあります。中野区内で暮らす外国人の方の相談を一元的に受け止める仕組みが必要ではないでしょうか。AI多言語タブレットの活用、ANIC(アニック)での相談、そして本来の相談が分断されています。昨年の第1回定例会の私の質問に対し、区長は、近年中野区では外国人人口が急速に増加しており、在住外国人への生活支援の必要性が高まっています。在住外国人に対する医療、福祉、出産、子育てなどの総合的な相談機能の在り方につきましては、今後、他の区市町村の取組も調査しつつ検討してまいりますとお答えになっています。その後どのように検討が進んでいるのでしょうか、伺います。

 外国人の相談をワンストップ窓口で受け止め、必要なサービスや支援につなげていく仕組みを構築すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 つながり支え合う体制整備として、国でも重層的支援体制が進められています。中野区では、国の重層的支援体制整備事業の予算が地域支えあい推進部の区民活動センター運営についていることから、職員体制の強化やオンラインでの相談体制、また社会福祉協議会などとの連携も必要であり、区民活動センターにおける相談体制について前向きに検討すべきこと、まずは地域支えあい推進部が中心となり、早急に全庁的なPTを立ち上げ、重層的支援体制整備事業への移行準備事業を進め、断らない相談窓口の構築に向け、取り組むべきこと予算総括質疑で質問をさせていただきました。重層的支援体制整備については、その後どのように進められているのか、お聞きします。

 今回、新型コロナウイルスワクチン接種が15の区民活動センターで行われていますが、このことからも、やはり区民が生活圏域の中で身近な施設といえば区民活動センターなのだと実感しています。15の施設を活用した機能の在り方を再構築することも検討すべきときではないかと考えます。一方、地域の住民が運営する区民活動センターは定着し、地域の特質を生かした事業が行われ、役割を担ってくれています。その事業は事業として、15の区民活動センターの圏域を生かし、断らない相談窓口機能を開設し、すこやか福祉センターの連携による地域における包括的支援体制を構築すべきと考えます。御見解を伺い、社会的孤立対策を進め、様々な悩みに寄り添い、誰一人取り残すことのないための重層的支援体制の構築を求め、この項の質問を終わります。

 次に、中野駅周辺まちづくりについて、伺います。

 初めに、中野駅周辺の環境・防災都市づくりについて、伺います。

 区は、平成29年12月、中野駅周辺におけるスマートな環境・防災都市づくり戦略を示しています。この戦略の位置付けとして、「本戦略は、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)や中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3、第3次中野区環境基本計画に基づき、中野駅周辺における災害時業務継続地区の形成を見据えた低炭素まちづくりの指針として定めるものであり、都市の低炭素化の促進に関する法律第7条に規定される低炭素まちづくり計画の性格を有するものとします。なお、公共交通の利用促進に向けた交通結節点の機能強化等による低炭素化など、交通関連施策については、総合的かつ戦略的な交通施策の推進を図る中野駅周辺地区総合交通戦略と連携し、整合を図ります」と示されています。しかし、この戦略から5年が経過し、地球温暖化対策推進法が改正され、低炭素から脱炭素での環境対策も変化し、新型コロナウイルスの影響により社会の動きも大きく変わっています。また、当戦略の上位計画については、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)において、中野駅周辺を世界に開かれた経済活動とにぎわいの拠点となるための施策展開の一つとして、エネルギーマネジメントや災害時の業務継続など、高度で最先端なインフラを備えた都市づくりに取り組んでいくこととしています。既に上位計画の見直しが行われていることから、スマートな環境・防災戦略についても見直す必要が出てきているのではないでしょうか。環境・防災戦略について見直されるおつもりなのか、お伺いいたします。

 また、戦略の実現に向けた施策展開にあっては、中野区や各地区の地権者、大学、民間開発事業者、エネルギー事業者、鉄道・バス等公共交通事業者など、関係者とともに将来像を共有し、環境性向上や防災性確保について検討する場づくり、仕組みづくりを推進していきますとも示されています。これまで委員会などで推進体制に関する報告はなされておりません。今後の中野駅周辺まちづくりの環境・防災戦略を進める上で推進組織の構築を図ることは重要であると考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 5月6日、中野区と野村不動産株式会社を代表とするグループは、中野駅新北口駅前エリア拠点施設整備事業において基本協定書を締結されました。5月11日に開催された特別委員会の中で行われた学習会資料には、先導的技術と地域連携活動により100年持続可能な環境・防災の拠点を形成と示されています。太陽光発電・蓄電池の設置、感染症対策などに配慮した先導的技術の導入が期待されます。新北口駅前エリア拠点施設整備を契機に、中野駅周辺を環境・防災に資するモデルエリアと位置付け、SDGs未来都市なかのを目指すことを提案いたします。国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)達成に向け、優れた取組をしている自治体を国が選定する「SDGs未来都市」に、2021年度は墨田区と江戸川区が選定されました。また、SDGs未来都市の中でも、特に先導的な取組として、毎年度10都市のみ選定される「自治体SDGsモデル事業」にも墨田区は選定されています。墨田区では、働きがいを生きがいと暮らしにつなげるデザイン、庁内に仮称区SDGs推進本部を設置し、全庁で推進。江戸川区では、「海抜ゼロメートルのまち江戸川区が目指す『SDGs=共生社会』先進都市」、都内初の気候変動適応センターを核に温暖化対策などを強化し、脱炭素社会の実現に向けた取組を推進、水辺の環境を生かした集客施設の誘致などで持続可能な都市モデルを構築するとのことです。例えば、民間企業や教育機関との連携により中野二丁目や四季の森の区の権利床などを活用しSDGsセンターを開設、中野駅周辺のステークホルダー、エリアマネジメントの核にも資する取組を推進するなど、SDGsを柱に中野駅周辺の環境・防災まちづくりを推進してはいかがでしょうか。SDGs未来都市を目指すことについて、御見解を伺います。

 また、地方創生SDGs官民連携プラットフォームの登録も検討すべきと考えます。内閣府では、SDGsを共通言語として、課題解決に取り組む多様なステークホルダーの連携を促進し、官民連携による先駆的取組の創出を図り、SDGsの達成と持続可能なまちづくりによる地方創生を実現するとしています。既に国内904の都道府県、区市町村が会員となり、東京都では、東京都、千代田区、豊島区、墨田区、江戸川区など24自治体が会員に、全国4,407の民間団体などが会員登録をしています。これまで区では、官民連携プラットフォームの登録を検討された経緯はあったのでしょうか。私は、プラットフォームへの会員登録をすべきと考えますが、区の取組への検討状況と登録についての御見解を伺います。

 次に、中野駅西側南北通路・橋上駅舎等について、伺います。

 中野三丁目の中野駅西口広場については、南北通路供用開始と同じく、事業完了は令和8年度ですが、中野駅新北口駅前広場については事業完了が令和11年の予定です。西側南北通路の完了から3年遅れで事業が完了することになります。西側南北通路供用が開始されても広場整備は完了していません。この間、南北通路の北側を利用する際、四季の都市(まち)への歩行者動線についてはどうされるのでしょうか。四季の都市(まち)方面への安全な歩行者動線の確保について計画を示されるべきと考えます。御見解を伺います。

 また、「乗降客数が多い割にバリアフリー化が図られていない駅」としても今や有名な中野駅でありますが、ホームドアの設置も遅れています。令和元年7月、国土交通省は、「ホームドアのさらなる整備促進に向けた提言」を発表しています。また、東京都でも令和3年度予算のホームドアなど整備促進事業が拡充され、ホームドア設置の動きが国でも都でも加速しています。JR東日本では、平成30年に東京圏におけるホームドアの整備促進についてを示し、70駅のホームドア整備を計画し整備を進めているとのことで、今後、整備対象駅を拡大するとともに整備のペースアップを図り、2032年度末頃までに東京圏在来線の主要路線全駅に整備をしていくこととしています。現在、駅舎のバリアフリー工事が進められる中でホームドアを優先し設置するというのは難しいと思いますが、中野駅西側南北通路・橋上駅舎等の事業完了時に併せてホームドアも設置されることが望ましいと考えます。ホームドア設置について、JRとはどのように協議をされているのでしょうか。自由通路や駅舎工事の事業主体者である中野区とJRが互いに協力しながらホームドアの設置を可能にすべきと考えます。区の御見解をお聞きし、この項の質問を終わります。

 次に、西武新宿線沿線まちづくりについて、伺います。

 初めに、野方以西の連続立体交差事業の進捗について、伺います。

 平成31年第1回定例会の野方以西の連立事業の構造形式や踏切解消に対する区の考え方について、私の質問に対し、区長は、環状七号線が既に鉄道と立体交差化していることを踏まえて区間設定をされているため、東京都からは野方1号踏切についても除去に様々な課題があると聞いている。しかし、区としては、野方駅周辺一帯のまちづくりを考える上で、鉄道による分断を解消する野方1号踏切の除却はまちづくりの生命線であると考えており、除却可能な方策を検討し、東京都と意見交換を行っていると答弁されています。質問から2年が経過いたしましたが、除却可能な方策の検討状況はどうなっているのか、お聞きいたします。

 また、連立事業の進捗状況についての区民への情報提供については、野方以西区間の沿線にお住まいの皆さんの生活再建に配慮し、それぞれの構造形式についての特徴なども含め、適切なタイミングで必要な情報を分かりやすくお届けできるよう、区としても事業主体である東京都や鉄道工事を担う西武鉄道とともに丁寧な対応を行ってまいりますとお答えになっています。同じく2年が経過しておりますが、適切なタイミングとはいつなのでしょうか。お聞きいたします。

 これまで何度も沿線まちづくりの課題として、鷺宮小学校・西中野小学校の統合に当たっての通学路安全対策についてお聞きしてまいりました。鷺宮小学校・西中野小学校の統合に当たっては、教育委員会は、子どもたちが西武新宿線の踏切を渡って登下校することになるなど、通学路の安全確保が課題と認識をしており、西武新宿線に跨線橋を設置する可能性を検討している。将来踏切除去を目指している連続立体交差事業との関係について整理し、西武鉄道との話合いを進めていきたいとの考えを示されています。鷺宮小学校・西中野小学校統合新校の新校舎整備期間が延長され、令和6年度の新校舎等供用開始になりましたが、通学路の課題における具体的な解消策は示されておりません。今年度、跨線橋や地下通路などの技術的な検証を行うための検討委託を行うとお聞きしています。検討状況について、お聞きいたします。

 次に、中井駅から野方駅間の連立事業を進める際の土地収用の状況と課題について、お聞きいたします。

 現在、西武新宿線連続立体交差事業中井駅から野方駅間は、事業用地取得の遅れのため事業期間が延伸され、令和9年3月末までの事業完了を目指し、整備が進められています。今後、用地取得の状況によっては工事の進捗に影響が及ぶことも想定されますが、用地取得と工事の関係について、現在どうなっているのか、伺います。

 次に、街路事業と沿道まちづくりについて、伺います。

 区画街路第4号線の事業概要によれば、本路線は、商店街が形成されており、歩行者が多いことや、地域からはにぎわいを喪失しない道路構造とする要望があるため、歩行者、自転車の交通機能を重視していますと示されています。新型コロナウイルスの影響により、ネットでの買い物の増加、飲食店のデリバリーなど、この1年で消費者の動向には大きな変化がありました。また、デジタル化推進により電子マネーの普及も進められています。これらは今後の町並み形成にも大きな影響を及ぼすことが予想されます。今後の西武新宿線の沿線まちづくりでは、連続立体交差事業と沿線のまちづくりを一体的に進めていくことになりますが、様々な変化に対応した柔軟性を持ったまちづくりが大きなテーマになるようにも思われます。今後の街路事業と沿道まちづくりについて、地域の声を聞くとともに、産業振興や他の庁内組織と連携を強化し、現状の課題を明確にした上で20年、50年先のまちの在り方を見据え、沿道まちづくりを推進していくことが重要と考えますが、御見解を伺います。

 次に、生活保護行政について、伺います。

 本年3月31日付で厚生労働省社会・援護局保険課より、保護の実施機関における業務負担軽減に向けた方策についてとの事務連絡が出ています。現在、国は、生活保護の実施機関における業務負担軽減に向けた方策として、地方公共団体の意見を踏まえつつ、外部委託を可能とすることについて検討を進めています。一方、中野区では、高齢者居宅介護事業について、自立支援プログラムを活用して外部委託を行っています。区の自立支援プログラムと、現在国が検討している取組との違いについて伺います。

 また、区は、高齢者居宅介護事業に11年間取り組んできていますが、どのような効果があったと評価されているのか、お聞きいたします。

 長きにわたり、高齢者居宅介護事業に取り組んできた中で当制度について改善することも出てきているのではないかと考えます。区として改善すべき課題は何か、また改善にどう取り組まれるのか、お聞きし、この項の質問を終わります。

 次に、児童相談所について、伺います。

 一時保護所の職員による児童へのわいせつ行為などによる問題が明るみになり、職員が逮捕されるというケースが頻繁に報道されています。一説には児童相談所の職員増加に対応するための研修不足なども指摘をされておりますが、児童相談所職員による事件は児童相談所の信頼を著しく損なうものであり、決してあってはならないことです。区として、職員による犯罪防止のために職員研修についていかに取り組んでいくのか、伺います。

 また、一時保護所の職員体制について、円滑な運営を行うための体制構築を図ることが求められますが、区の体制構築についてはどうなっているのか、お聞きいたします。

 令和元年度中に全国215か所の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は19万3,780件で過去最多となり、児童虐待を防止する体制強化が求められます。特別区では、令和2年4月には世田谷区と江戸川区、7月には荒川区が児童相談所を設置いたしました。江戸川区では、三つの一元化の実現を目指し、取り組んできたとのことです。指揮系統の一元化、支援対応の一元化、窓口の一元化の三つです。痛ましい過去の教訓から、子ども家庭支援センターと児童相談所の二元体制を1機関に集約することが命題であったとのことです。また、基礎自治体であることを生かし、母子保健や子育て支援、学校教育、地域住民や関係機関との連携強化による虐待発生の防止、以前は、子ども家庭支援センター、虐待専用ダイヤル、児童相談所、189の四つの電話番号があり、相談者から分かりづらい状況であったものを、189のほか、総合相談窓口の電話番号の一つのみとし、児童相談所に関するあらゆる相談を受け付けているとのことです。私は、かつて虐待に関する地域住民からの相談を受け、子ども家庭支援センター、学校、民生委員の方たちと見守りを進めてきた家族を児童相談所が取り扱うケースになった途端、情報共有が途絶え、地域での見守りが難しくなったという事例に関わりました。区に児童相談所が移管されることで、江戸川区のように三つの一元化が図られることに期待をするものです。また、京都府南丹市では、要保護児童対策地域協議会の情報連携システムとしてクラウドサービス・kintone(キントーン)を導入し、要保護児童に関わる多職種の連携をITで迅速化しています。各地で児童虐待防止の取組が様々に進められておりますが、中野区での児童相談所設置ではどのような取組により児童虐待防止を進めるのか、お考えを伺います。

 区が令和3年度中の開設を目指していた児童相談所の開設が、子ども・若者支援センター分室に関わる工事の遅れにより、令和4年度4月の開設に変更になりました。この2か月間の遅れを生かし、さらなる機能強化を図ってほしいと考えますが、区の御所見を伺い、この項の質問を終わります。

 次に、保育ソーシャルワーク事業について、伺います。

 本年4月より、区は、保育ソーシャルワーク事業をスタートさせました。当該事業は、各保育所への新たな支援の一環として、支援拠点を区内の基幹保育所に設置し、各保育園の子どもや保護者の多様化、複雑化する様々な課題について、保育ソーシャルワーカーが専門的な見地から助言を行うものです。スタートされたばかりの事業ではありますが、保育園等巡回訪問指導の廃止や保育所等訪問支援との違いなど、関係者への理解は得られているのか、お聞きいたします。

 また、基幹保育所には、臨床発達心理士、社会福祉士等の専門資格を有する保育ソーシャルワーカーが配置され、園児の発達・養育課題について保育園における適切な対応を助言するとともに、保育ソーシャルワーカーは、訪問相談支援だけでなく、電話・オンラインでの相談支援も実施するとのことです。オンラインの相談支援の体制は整っているのか、伺います。

 さきに述べたように、保育ソーシャルワーク事業と保育所等訪問支援事業は個別の事業であり、併用を避けなくてはなりません。保護者から療育支援施設に保育所等訪問支援の申込みがあり認められた場合、保育ソーシャルワーク事業の相談を停止することになります。両事業がスムーズに運営されるためにも、受託者や利用者が混乱することのないように担当課が連携を図り対応していくことが重要です。保育園・幼稚園課と子ども特別支援課の連携がスムーズに図られているのか、伺います。

 また、現時点では両事業の児童の情報共有はされていませんが、必要に応じて情報共有、連携がされるべきと考えます。御見解を伺って、この項の質問を終わります。

 次に、区営住宅について、伺います。

 これまでも区営住宅におけるバリアフリー化には課題があることを指摘してきました。特に高齢者、障害者にとっては、エレベーターやスロープ設置のされていない住宅での生活に不自由されている現状もあります。現在検討中の施設再配置計画では、区営住宅については建替えのスケジュールが計画期間内ではないことから当該計画には示されていません。区として区営住宅のバリアフリー化について計画を示す必要があると考えますが、現状課題と実現性について、お考えを伺います。

 バリアフリー化がなされていない区営住宅において高齢者が身体的な理由で住みづらさがあったとしても、他の住宅への住み替えには経済的な理由や心身面への負担が大きく、住み替えは容易ではありません。住み替えが困難な高齢者などに対し福祉サービスとの連携が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。お聞きします。

 区営住宅は、都営住宅が東京都から移管されたものであり、建設からかなりの年月が経過していることから建物の老朽化が目立っています。さきに挙げたバリアフリーについては、その傾向が顕著であります。今後、建替えのスケジュールを具体的に示す必要があると考えます。しかし、建替えの際には、現在住宅にお住まいの方の住居の確保という課題も出てきます。建替え時の住居の確保について、東京都と協議し、都営住宅の活用も検討すべきではないでしょうか。都営住宅の活用について、一時的な移転先にとどまらず、正式な移転居住ができるよう、東京都との調整も検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 今後、区営住宅を建て替える際には、区営住宅の機能を残しつつ、民間活力を導入した建設を検討すべきと考えます。お考えを伺い、この項の質問を終わります。

 以上で、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 久保議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初に、女性への支援についてで、生理用品の無料配布のスキームについてでございます。こちらについては、事業者と連携して生理用品を無料配布するシステムを導入する予定というものでございます。広告の映像が流れている機器に利用者が専用アプリを起動させたスマートフォンを近づけることによって生理用品が1個無料で提供されるもので、事業者は広告収入を得ることで生理用品の購入費、機器設置費用等を負担するスキームということで考えております。

 次に、今後の女性支援の展開についてでございます。窓口案内のチラシや二次元コードによる案内を現在進めておりまして、さらにSNSの活用などによって女性が相談窓口等にアプローチしやすくするための工夫を行ってまいります。女性が一人で悩んだり孤立することのないよう、官民の連携・協力を図るなど、区として女性施策のさらなる充実を図ってまいりたいと考えております。

 続きまして、生理用品無料配布の目的でございます。生理用品を無料配布するシステムを導入することで、生理用品を購入する経済的負担の軽減だけではなく、子育て家庭の母親の健康維持やジェンダーギャップの解消を図ってまいりたいと考えております。

 続きまして、外国人の相談窓口についての御質問でございます。在住外国人の日常的な相談は国際交流協会が行っております。区の総合的な相談の在り方につきましては、これまで他区の相談窓口の設置状況を調査するとともに、区の各窓口における、やさしい日本語の活用などを含めて検討を進めているところでございます。区の各窓口では、昨年度より行政手続や各種相談業務に活用できるAI翻訳機を導入しております。また今年度からは、やさしい日本語の習得を目的とした職員向けの研修を実施することで、各職場における在住外国人に対する相談体制の充実を図る予定でございます。現時点では区独自に外国人専用の相談窓口を設置することは難しいと考えておりますが、相談機能を充実する方策の一つとして今後も引き続き検討してまいります。

 続きまして、重層的支援体制整備事業の検討状況についてでございます。重層的支援体制整備事業は、社会福祉法の目指す地域共生社会の実現に向けた取組でございます。区が進める全ての人を対象とする地域包括ケア体制の実現と方向性を同じくするものと考えております。また、重層的支援体制整備事業は、地域支えあい推進部、健康福祉部、子ども教育部などの関係部署との調整、これを図り進める必要がありまして、今年度策定する(仮称)中野区地域包括ケア総合アクションプランの策定過程や基本計画重点プロジェクトの推進とともに検討してまいります。

 次に、区民活動センターとすこやか福祉センターの連携についてです。区民活動センターは、住民主体の活動を推進する単位としての圏域、日常区民活動圏域に設置され、住民自治の拠点であるとともに、アウトリーチチームを配置し、区民に一番身近な相談窓口機能を備えていると考えております。現在策定中の地域福祉計画におきましても、日常区民活動圏域における地域の活動を強化するよう支援体制を充実させていくことを検討しております。社会的に孤立している人など、区民活動センターによって発見された要支援者、地域の課題や情報を専門性を有するすこやか福祉センターにつなげ、連携して課題解決に当たることで、断らない相談窓口機能、包括的支援体制を構築してまいりたいと考えております。

 次に、中野駅周辺まちづくりについてで、最初に中野駅周辺におけるスマートな環境・防災都市づくり戦略についてでございます。中野駅周辺のまちづくりにおいては、平成29年に中野駅周辺におけるスマートな環境・防災都市づくり戦略を策定し、環境性、防災性に優れた持続可能な中心拠点の形成を目指してまちづくりを進めております。具体的には、これまでに駅周辺各地区の事業進捗の中でエネルギー利用の効率化や歩行者優先のまちづくり、緑豊かな都市環境等の取組を進めております。現在は各地区の事業がそれぞれ進んでいることから、今後は戦略を見直すということではなく、各取組についての管理運営や計画的活動を見据えて関係主体が連携するエリアマネジメントの中で新たな環境施策の方向性を踏まえつつ、まちづくりを推進していきたいと考えております。

 続きまして、SDGsを柱とした中野駅周辺まちづくりの推進についてでございます。中野区では、中野区基本計画(素案)や第4次中野区環境基本計画(素案)においても社会状況等の変化の一つとして世界や国の動向であるSDGsの推進の考え方を踏まえて各政策・施策を推進することとしております。こうした上位計画等を踏まえて、中野駅周辺まちづくりにおいてもSDGsにおけるエネルギーの脱炭素化、持続可能な消費と生産、気候変動への適応などの視点は重要だと考えております。現在、各地区の事業はそれぞれ進んできておりまして、今後は駅周辺全体でのエリアマネジメントを推進していくことから、SDGsの視点を踏まえた環境性能の向上も、その取組の一つとして各関係者と連携しながら持続可能なまちづくりを推進してまいりたいと考えております。

 続きまして、SDGs官民連携プラットフォームへの会員登録についてでございます。今後の区政においては、SDGsの達成を意識しながら展開していくことが必要だと捉えております。SDGsの推進に当たっては、多くの自治体がSDGs官民連携プラットフォームを活用していることは認識しております。他自治体の取組状況を収集し、地方創生SDGs官民連携プラットフォームへの会員登録も検討してまいります。

 次に、中野四季の都市(まち)への歩行者動線についてでございます。中野駅西側南北通路・橋上駅舎の供用開始から新北口駅前広場事業の完了までの間についても、中野四季の都市(まち)まで安全かつバリアフリーに配慮した歩行者動線を確保する必要があると考えております。このため、令和11年度新北口駅前広場事業完了より前に、先行して中野四季の都市(まち)につながる歩行者デッキを整備し、安全かつバリアフリーに配慮した歩行者動線の確保を目指しております。今年度、新北口駅前エリアの拠点施設整備や土地区画整理事業の整備工事と調整を図りながら新北口駅前広場の工事展開を検討しているところでございます。工事期間中も歩行者等の安全が確保され、バリアフリーに配慮した動線計画を検討してまいります。

 次に、中野駅のホームドアの整備についてでございます。JR東日本は、2032年度末頃までに東京圏在来線の主要路線全駅にホームドアを整備していこうとしておりまして、中野駅も西側南北通路・橋上駅舎等事業の工事と整合を図りながら、本事業完了に合わせ、ホームドア整備を完了するよう、JR東日本と調整を行っていきたいと考えております。区とJR東日本が協力し、関係機関と協議しながら、ホームドアの設置に向けた具体的な検討を進めてまいります。

 続きまして、西武新宿線沿線まちづくりについてで、野方第1号踏切除却の検討状況についてでございます。野方第1号踏切の除去については、区が過年度に行った鉄道の立体化の検討において、高架形式による除却が優位であると認識しているところでございます。また、一昨年度より2か年にて鉄道事業者の協力によって野方第1号踏切の除却に向けた技術的な実現可能性の検証を行ったところでございまして、除却の実現に向けては、施工性などの技術的な課題の検討が引き続き必要であることのほか、それらを踏まえ、どのような事業の枠組みが最適であるかなどの検討についても引き続き進める必要があります。今後も関係機関と意見交換を行いながら、野方第1号踏切の除却について積極的に取り組んでまいります。

 続きまして、野方以西の連続立体交差事業に関する情報提供についてでございます。連続立体交差事業の構造形式につきましては、都市計画の素案の段階で東京都から説明されると聞いております。そのため、このタイミングで地域の皆様に、沿線まちづくりニュースや区ホームページによる情報発信等、様々な手法によって区民の皆様にお伝えしていきたいと考えております。なお、連続立体交差事業の構造形式については、事業主体である東京都が比較検討を行った上で最適な構造形式を選定するものでございますが、現在構造形式や施工方法等の検討を行っていると聞いております。

 次に、西武新宿線中井駅から野方駅間の事業の用地取得と工事の進捗についてでございます。東京都によりますと、中井駅から野方駅間の連続立体交差事業の工事につきましては、用地取得済みの箇所から順次着手しているとのことでございます。一方で、用地取得できないと次の段階に進めない工種もあるということで、引き続き事業に必要な用地について早期の取得に努めると聞いております。

 次に、新型コロナウイルスによる消費者動向の変化を踏まえた将来のまちの在り方についての御質問でございます。区画街路第4号線等の都市計画道路整備事業では、現在用地交渉を進めております。この用地交渉における各権利者ニーズや消費者の動向の変化などを踏まえ、地域住民、地元検討組織とともに、今後のまちのにぎわい創出を含めた沿道まちづくりを検討してまいります。

 次に、生活保護行政の推進についてでございます。高齢者居宅介護事業については、平成17年の国通知、自立支援プログラムの基本方針についてに基づいて、個別支援プログラムとして65歳以上の生活保護受給者の福祉サービスに係る相談援助やケースワーク補助業務等について外部委託を行っております。一方、国は、平成29年の国と地方の協議の中で、全国知事会が提案した高齢者に対するケースワークの外部委託について、令和3年度中に検討し必要な措置を講ずると閣議決定をしております。区の自立支援プログラムと国の検討している取組とは類似部分があると認識しており、今後国が示す内容を注視してまいります。

 この事業の効果についてでございますが、委託専門員によるケアプランの点検、各種福祉サービスの適正な受給の確認や医療機関の入院・退院の準備に係る事務、医療機関への同行、関係機関との連絡調整等を行っています。これらによって受給者に対して日常的に自立助長を促し、医療や介護に円滑につなぐ効果があると考えております。また、限られた資源の中で福祉事務所の業務負担を軽減する効果もあると認識しております。

 最後に、この事業の改善点・課題についてでございます。本事業は、65歳以上の生活が安定した高齢者世帯受給者を対象として実施しておりますが、区のケースワーカーが直接訪問できていない世帯があることが課題でございまして、改善に向けた取組を進めているところでございます。

〔教育長入野貴美子登壇〕

○教育長(入野貴美子) 私からは、女性への支援のうち、学校におけるトイレでの生理用品の配布について、お答えいたします。現状では、生理用品について必要とする児童・生徒に対しましては、心身の状況などに配慮しつつ、保健室においてお渡ししているところでございます。今後は、児童・生徒の健康面や指導面など様々な観点から学校と相談しながら生理用品の配布について適切な方法を工夫してまいります。

 次に、鷺宮小学校・西中野小学校統合新校の通学路の安全対策について、お答えいたします。鷺宮小学校・西中野小学校統合新校に通学する児童が西武新宿線を横断する際の安全確保策の検討につきましては、今年度専門家による検証作業を実施することとしており、5月27日に業務委託契約を行ったところでございます。本委託業務は、線路上空の跨線橋設置や踏切での誘導員配置等、線路横断時の安全確保策について技術的及び専門的視点から比較検証を行い、西武新宿線連続立体交差事業計画の進捗にも留意しながら、その実現性や効果について総合的な評価を確認するものでございます。今回の検証結果を基に子どもの安全を最優先にした安全確保策について判断していきたいと考えております。

〔子ども家庭支援担当部長小田史子登壇〕

○子ども家庭支援担当部長(小田史子) 私からは、児童相談所についての御質問にお答えさせていただきます。

 初めに、一時保護所の職員に係る研修についてでございます。児童相談所の職員による不祥事は、児童福祉行政に対する信頼を損なうものであり、決して起こしてはならないと考えております。子どもの福祉を守る立場にある児童相談所職員の倫理観の醸成というものが重要であるというふうに考えてございます。児童福祉司の任用に係る法定研修等では倫理に係るカリキュラムが設定されております。区は、独自に一時保護所職員にも同研修を受講させておりまして、こうした取組を推進してまいります。

 次に、一時保護所の職員体制についてでございます。区は、厚生労働省が作成した一時保護ガイドラインを踏まえまして、できるだけ家庭的な環境の中で、子どもの権利が尊重され、安心して生活ができるような体制を確保した上で、一人ひとりの子どもの状況に応じた適切な支援を実施していくこととしております。子どもが安心して生活できるよう、児童指導員、保育士、看護師など必要な職員を配置する計画を持ってございます。

 児童虐待防止の推進についての御質問でございます。児童虐待防止のためには、児童虐待を生まないという理念を地域全体で共有することが重要だと考えております。虐待の未然防止や早期発見、早期対応ができる体制を構築するため、要保護児童対策地域協議会を核とする関係機関と少人数での情報共有や意見交換を行う場や仕組みを設けるなど、改善に取り組みます。また、子ども・若者支援センター開設後は、教育センターも同じ施設内に移転するメリットを生かしまして教育委員会や学校との連携を強化するなど、地域全体で児童虐待予防を進めてまいります。

 最後に、児童相談所開設の遅れにより生じた時間の有効活用についての御質問でございます。児童相談所の開設に向けまして、現在、杉並児童相談所からの引継ぎに係る準備を順次進めているところでございます。開設が遅れたことによりまして生じた2か月間につきましては、より丁寧な準備、引継ぎを行うため、施設訪問の回数を増やし、子どもに直接会い、子どもの話を聞く機会を確保するなどして活用してまいりたいというふうに考えてございます。

〔子ども教育部長青山敬一郎登壇〕

○子ども教育部長(青山敬一郎) 私からは、保育ソーシャルワーク事業についての御質問にお答えいたします。

 まず最初に、事業内容の説明と関係者の理解についてでございます。保育ソーシャルワーク事業につきましては、園長会等の場を通じて各保育所にこれまでの経緯や事業内容などを説明し、理解をいただけているものと考えております。

 次に、電話・オンラインによる相談体制の構築でございます。電話相談につきましては、区内の地域を南北に分けて各地域の保育所専用の相談先電話番号を設けることで、極力電話回線が混雑することのないよう相談体制を整え、実施しております。オンライン相談につきましては、現在、受託事業者が受付体制を構築しているところでございます。

 次に、保育所等訪問支援事業との十分な連携体制でございます。昨年度来、既存事業の廃止と新規事業の立上げに向けて所管同士で連携を図って事業構築を進めてきたところでございます。今後も両事業の検証とさらなる改善に向けて、双方の連携を強化する考えでございます。

 最後に、保育所等訪問支援事業との情報連携・情報共有の検討でございます。保育所等訪問支援事業との連携につきまして、支援が必要な児童に対して適切なサービスを確実に行うためには一定程度の情報連携・情報共有が必要であると考えており、両事業で効果的に情報連携・情報共有が図られるよう検討してまいります。

〔都市基盤部長奈良浩二登壇〕

○都市基盤部長(奈良浩二) 私からは、区営住宅についての御質問にお答えいたします。

 区営住宅のバリアフリー化についてでございます。区営住宅におきましては、東京都から移管された際にバリアフリー設備が設置されていなかった住宅や階段室型の住宅など、バリアフリー設備の設置が構造上困難な住宅がございました。区では、バリアフリー設備の設置が可能な住宅につきましては、平成16年度から平成19年度までの間、エレベーターや1階共用部分へのスロープなどの設置を進めてきたところでございます。バリアフリー設備の導入について、入居者との調整がつかず、未整備の住宅が1棟ございます。今後、設備導入に向けまして調整を図ってまいりたいと考えてございます。

 次に、福祉サービスとの連携についての御質問でございます。バリアフリー設備の設置が構造上困難な住宅にお住まいで転居を望まない高齢者につきましては、入居者の状況に応じた生活支援が受けられるよう、地域包括支援センターなどの福祉部門につないでいるところでございます。引き続き福祉部門との連携を深めながら丁寧に対応してまいります。

 次に、区営住宅建替えの際の東京都との調整についての御質問でございます。東京都の都営住宅特別区移管実施要綱では、区に移管した住宅の建替えに際し、従前居住者の仮移転先住宅として都営住宅の使用に協力するものと規定されてございます。将来区営住宅を建て替える際、入居者が都営住宅への移転居住を希望する場合、借移転ではなく、正式に移転できるよう東京都と調整を図ってまいりたいと考えてございます。

 最後に、建替えの際の民間活力の導入についての御質問でございます。区営住宅の建替えに当たっては、住宅セーフティーネットの機能を確保するとともに、地域特性を踏まえたまちづくりの視点を持って対応することが必要だと考えてございます。建替え検討の際は、民間のノウハウや資金など民間活力の導入を視野に入れ、検討していくことになると考えてございます。

○議長(内川和久) 以上で久保りか議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 羽 鳥 だいすけ

 1 新型コロナウイルス感染症対策について

 2 区政への区民参加について

 3 校則について

 4 災害時の避難について

 5 環境基本計画について

 6 児童館について

 7 その他

 

○議長(内川和久) 次に、羽鳥だいすけ議員。

〔羽鳥だいすけ議員登壇〕

○9番(羽鳥だいすけ) 2021年第2回定例会におきまして、日本共産党議員団の立場で一般質問を行います。

 質問は通告どおりで、その他で1点、妙正寺川河川整備工事に関連して質問いたします。

 初めに、新型コロナウイルス感染症対策について、伺います。

 世界的規模での新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大はいまだ収まることもなく、東京、そして日本においても第4波と言われる状況が続いています。我が党は、感染を終息させるためには無症状者も含めた検査の徹底が重要であることを指摘し、昨年から一貫してPCR検査の拡充を求めてまいりました。しかし、政府は、PCR検査を広く実施すれば擬陽性が非常に多くなり、医療崩壊を招くなどとして、検査を広げることが有害であるかのような、事実に反する文書まで作成して検査拡充を妨害してきました。そうした誤った検査拡充有害論を乗り越え、ようやく少しずつですが、検査は拡充されてきています。東京都においては、特別養護老人ホームや軽費老人ホーム、認知症グループホーム、有料老人ホームで施設の全職員に対して週1回のPCR検査を実施するまでになってきています。まず、これらの対象施設が区内で何施設あり、そのうち何施設でこの事業を実施しているのか、お答えください。

 今回、東京都によって検査の方針が示されたのは居宅系の施設だけであり、通所・訪問系の事業者は対象に入っていません。墨田区では、区内のヘルパー、103施設6,100人を対象としたPCR検査を実施するとのことです。日本財団が8月31日までを実施期間として無料PCR検査を行っていますが、区は都の対象外となったこうした事業者の検査の実施状況について把握していないと言います。しかし、クラスターの発生や感染を防ぐためにはこうした事業者に対する定期的な検査も必要ではないでしょうか。検査については、PCR検査のほかにも抗原検査を組み合わせるやり方も普及しつつあります。区として、こうした施設に対する検査戦略を持つべきではないでしょうか。お答えください。

 また、重症化リスクのある家族を持つ方々へ検査を行うことも重要です。千代田区では、65歳以上の基礎疾患を持つ区民及びその家族を対象にPCR検査費用を補助する事業を始めています。中野区でも同様の事業を行い、家庭内感染を防ぐ取組が必要ではないでしょうか。お答えください。

 現在、国内では変異株が流行の主流となっており、各種の変異株は子どもに対しても従来株以上の感染力があるのではないかと懸念されています。都内でも変異株によるクラスターが発生するとともに、全国でも次々と発生しています。これまで中野区内の感染状況を見れば、園児・児童・生徒の感染は家族からの感染によるものが多いとはいえ、保育園では既にクラスターが発生しているとともに、これからも発生することは想像に難くありません。大阪府寝屋川市では、教員が感染した場合、子どもや家庭に大きな影響が生じ得ることから、子どもへの感染防止を図るため、寝屋川市立小・中学校の教職員、保育所、幼稚園等の業務従事者を対象にワクチン接種完了が見込まれるまでの間、定期的にPCR検査を始めるとしています。中野区の保育園、学校で定期的な検査を行い、感染拡大を未然に防ぐ取組を行うべきではないでしょうか。

 3度目の緊急事態宣言は、2度目の延長が決まりました。この緊急事態宣言によって、多くの方の生活は深刻な打撃を受けています。我が党は、単に緊急事態宣言を発令し人の流れを抑制するだけでは感染を抑えることはできず、その間に検査の拡充など具体策がなければ意味がないと訴えてきました。この主張の確かさはもはや誰の目にも明らかではないでしょうか。中野区保健所が発表している感染症発生動向調査週報によれば、現在の区内の感染者は20代、30代、次いで40代といった現役世代が多くを占めています。今後、ワクチン接種を進めていくことはもちろんですが、接種計画がうまくいっても集団免疫を獲得するほどまでに接種率を引き上げるにはかなりの時間がかかります。その間にも感染者を抑える具体策を講じなければ、変異株によって抗体の効果が薄れるというワクチン接種計画の前提を根底から覆す事態も生じかねません。現在、市販の検査キットなどを使えば1回当たりの費用もかなり軽減できます。松戸市では、全市民を対象としたPCR検査への補助事業を今年度も引き続き実施しています。区は、無症状の感染者からの感染拡大を防ぐ目的で行う大規模な検査についてどのような認識を持っているでしょうか。また、区民が安価もしくは無料で検査を受けられる体制をつくるべきではないでしょうか。お答えください。

 現在の変異株の流行の中心は、イギリスで確認されたアルファ株ですが、今後インドで確認されたデルタ株に急速に置き換わる可能性があります。従来株に感染し、軽症、無症状だった人のうち、約2割は変異株に対する十分な量の抗体を保有していなかったとする研究結果も発表されています。変異株の発症状況の検査が必要です。変異株についての中野区の検査状況及び発生状況について、お答えください。

 ワクチン接種とともに、大規模な検査実施を同時並行で行う立場に中野区が立つことを求め、この項の質問を終えます。

 続いて、区政への区民参加について、伺います。

 酒井区長は、区長選において、政策決定過程からの区民参加という公約を掲げてきました。住民自治を推進し、中野区への愛着を育む上でも区の政策に区民が関わる取組を充実させていくことは極めて重要だと考えます。区長が就任されてちょうど3年がたちました。政策決定過程からの区民参加という公約についての現段階での評価と課題について、伺います。

 中野区基本構想と中野区基本計画の改定作業においては、無作為抽出での区民アンケート、区民と区長のタウンミーティング、区民と職員のワークショップなどが実施されてきました。その後、審議会答申を受け、基本構想の改定に係る検討骨子、検討素案を議会に示すという丁寧な取組を重ねてきました。先日行われた基本計画の意見交換会においては、1回当たり400通の参加勧奨の封書を送付し、幅広い年代の多くの区民が参加したと聞いています。この意見交換会においてこうした取組を行ったこと、その結果についてどのように評価をしているでしょうか、お答えください。

 子どもの権利擁護に係る条例の検討に当たっても、審議会の開催とともに、子どもたち自身に子どもの意見を教えてくださいという取組を進め、学校を訪問しての意見募集を含めて、多くの子どもたちから意見を寄せていただいていると伺っています。基本構想・基本計画策定の取組と並んで、区政の区民参加の取組として高く評価いたします。基本計画についての意見交換会にはこのように多くの区民の参加が見られた一方、この間行われてきた各種の計画についての意見交換会は参加が低調となっているものも散見されます。そもそも意見交換会の存在を知らないという区民も多くいらっしゃると思われます。区民と区長のタウンミーティングの際だけでなく、他の意見交換会の開催の際にも、どういった計画なのか、いつやるのか、ぜひとも来てほしいといった参加勧奨のはがきを送付してはいかがでしょうか。

 また、区政への区民参加といったときには、素案以前の段階から区民に意見を伺うことも非常に重要かと考えます。そもそも素案の段階までまとまっていると、そこから大幅な構成の変更などはかなり困難で、区民の意見を反映するにしても、区が出した素案に対する修正という性格とならざるを得ません。例えば、ある計画をつくるにしても、どんな点を重視してほしいか、課題だと感じていることは何かなど、区民が素案以前の段階から計画策定により関われるような取組が必要ではないでしょうか。また、計画策定後の評価に区民の意見を反映することも重要だと考えます。区民が答えやすいように配慮しつつ、区が実施した重点事業の結果や取組の満足度などを図れば行政評価につなげられるのではないでしょうか。こうした取組について実施を検討すべきではないでしょうか。区の見解を伺います。

 政策決定過程からの区民参加に関連して気になるものがあります。区は、現在、若宮・大和町地域の交通空白地域について移動支援対策を講じようとしており、来年度には実証実験を行いたいとしています。そして、今年度にはそれに向け、勉強会を開催すると述べています。この間、私は、地域公共交通施策の実施には地域住民の理解と協力が不可欠であることを指摘し、ルートの検討や運行の在り方などに区民が関われる仕組みづくりを求めてきました。こうした勉強会の開催に当たっては公募区民を入れるように求めてきましたが、区は勉強会の参加対象者は町会・自治会のみとかたくなに拒否しています。これは、政策決定過程からの区民参加と逆行するものではないでしょうか。昨年、交通対策調査特別委員会で視察に伺った西東京市では、現在、移動支援の在り方を考える勉強会で検討を重ねており、そこに参加する市民委員は9人全員が公募です。区は、勉強会の開催に当たって公募区民を入れるべきです。見解を伺います。

 中野区が政策決定過程からの区民参加の取組を様々な施策において推進していくことを求め、この項の質問を終えます。

 次に、校則について、伺います。

 今、全国各地で学校の規則である校則が話題になっています。主な論点は、校則の中身が時代にそぐわなくなってきているのではないか、児童・生徒の基本的人権を侵害する中身になっているのではないかというものです。日本共産党都議団が都議会で行った、黒染め強要、ツーブロック禁止などの中身は、当事者である高校生を含めて大きな反響を呼びました。規範、決まりというものは大事ですが、その前提となるのは、なぜその規範・決まりがあるのかという合理的な根拠が説明できるということではないでしょうか。そうした視点から中野区立中学校の校則を見てみると、疑問に思うものが幾つもあります。男子生徒と女子生徒で指定されている靴下の色が違う、ダッフルコートは可だがダウンコートは不可、タイツは可だがストッキングは不可、ほかにも下着のシャツは白色とする、髪型や装飾品についてなど、事細かに規定されています。一つひとつについて考えれば過度な規制と言えるものも多くあるのではないでしょうか。まず、校則について、これは基本的人権の尊重に合致したものでなければならないと考えますが、教育長の見解をお答えください。

 区内のある中学校では、生徒からの申出に基づき、校内で生活安全委員会を開催し、靴下の色について、時計や帽子についてなどの決まりを変更したそうです。さきの定例会で来住議員の質問に対し、区は、子どもの意見を反映することは重要と述べました。校則については、当事者である中学生・高校生自身からも声が上がっています。2019年度中野区ハイティーン会議のテーマの一つは校則でした。1年かけて話し合われた結果、出てきたメンバーによる校則改革の具体案は、校則の民主主義化が必要であるというものでした。細かな意見を見ていくと、生徒から積極的に声を出していくことが大切と感じるが、その声を出せる環境がないという学校が多いと感じる。一方的に決められた校則を生徒が守るのではなく、校則の意義などを1から示し、生徒の意見も反映させることが大切だと思うなどの意見が出されています。区は、学校生活に対する意見や要望を表明する機会を設けているとしていますが、取組が十分ではないのではないでしょうか。より積極的に生徒とともに校則について話し合う機会を設けるべきではないでしょうか。お答えください。

 制服についての記述で1点伺います。

 一昨年、酒井区長は、区立中学校の制服について性別を問わず選べると発表しました。子ども自身の声を受けてこれまでの規定を見直したものであり、多様な生き方や個性、価値観を受け入れられる地域社会の実現のためにも重要なことであったと評価いたします。しかし、生徒手帳の記述を見ると、多くの学校で男女別の記述となっています。こうした中学校にお話を伺ったところ、事前の学校案内では、男女ともどちらでも着用してもよいと説明しているとのことで、記述が追いついていません。来年度へ向け、記述を改めるべきではないでしょうか。お答えください。

 校則にとどまらず、学校の様々な場面に生徒の意見を反映させる仕組みをつくること、それ自体が民主主義を育てることにつながります。中野区の積極的な取組を期待し、この項の質問を終えます。

 続いて、災害時の避難について、伺います。

 昨年度の日本のジェンダーギャップ指数は、世界156か国中120位と世界でもかなり低い位置にいます。性別役割分担の意識が強く、家事や子育ての負担が女性に集中しがちで、意思決定権者として女性が力を発揮する場面が限られています。また、こうした格差が経済的な力の差となり、社会的な立場の格差にもつながっていくことは日本の現状が示しています。

 災害時においては、こうした格差がよりはっきりとした形で現れます。避難所では、男性がリーダーになることが多く、女性が困っていることや要望を言いにくいということも多く指摘されていることです。現在、区は、災害時避難所の運営マニュアルのひな形の作成を進めていると聞いています。そうしたときに女性の視点、ジェンダー平等の視点を入れることが極めて重要と考えますが、区の認識を伺います。

 我が会派が昨年度行った、2020年中野区民アンケートでは、女性を中心に多くの方から、災害時避難所について、女性専用区画を設定してほしい、災害時に性暴力が起きないようにしてほしいという声が寄せられました。昨年放映されたNHKのドキュメンタリー「埋もれた声 25年の真実~災害時の性暴力~」では、膨大な証言記録を基に被災地の性暴力の実態を克明に報道しています。避難所のリーダーに「大変だね。タオルや食べ物をあげるから、夜に取りに来て」と言われ、取りに行くと、あからさまに性行為を強要された。複数の男性に暴行を受けたが、騒いで殺されても、海に流され津波のせいにされる恐怖があり、誰にも言えなかったなど、とても直視できないような実態です。そうした恐れから避難所に行くことにためらいを持ち、適切な支援を受けられなければ、これはもう一つの災害であり、絶対に発生を防がなければなりません。災害時の人道支援に関する国際的なスフィア基準では、女性や子ども、障害者など、声を上げにくい人たちの意見の尊重や性暴力、DVの防止と支援についても明文化し、支援者が暴力に加担しない、見過ごすことも許さないなど、暴力を根絶する強い姿勢を求めています。さきに紹介したNHK番組では、東日本大震災において、福島県最大の避難所で倉庫を改造して女性専用スペースをつくったこと、そしてそこを着替えや授乳だけでなく、地元の女性の支援活動に取り組んできたベテラン相談員が常駐するようになり、悩み事や相談の場として活用された経験が語られています。東日本大震災女性支援ネットワークが2013年に発表した「東日本大震災『災害・復興時における女性と子どもへの暴力』に関する調査報告書」では、どういった場面で暴力が発生したのかの実態が報告されています。そして、女性や子どもが安全に暮らす権利、生存権を守るために、避難所でのつい立てや間仕切りを利用したプライバシーの確保、女性のためのスペースの必要性が指摘されています。

 私の手元にある、この「中野区避難所運営管理マニュアル 武蔵台小・上鷺宮小共通」には、学校施設等利用計画図において、女性更衣室は明記されているものの、女性専用スペースは明確化されていません。改定する避難所運営マニュアルにおいても女性専用スペースは必置とすべきではないでしょうか。また、この報告書では、対価型、地位利用型の暴力が複数あったと報告が上がっています。加害の相手は、裁量権のある避難所のリーダー格の男性だったということです。そして被害を受けていたのは6歳未満の子どもから70代までの幅広い年代、経済的基盤の弱い単身女性も多く被害を受けていたことが報告されています。性暴力の被害に遭うのは若い女性という社会通念を捨て、立場の弱い人全般に対して暴力が発生しているという認識を共有することが大事です。こうした事態を防ぐためには、防災会の人々や防災リーダーなど地域の避難所運営に携わることになる方々に対し、加害を起こさないための研修や被害相談を聞いたときに適切な対応を取れるようにする研修を意識的に取り入れる必要があるのではないでしょうか。見解をお伺いいたします。

 また、女性が相談につながりやすくするために、東日本大震災の避難所では、女性向けの支援物資は女性が配布するようにし、相談窓口の連絡先を示したカードをその場に忍ばせておくといった工夫もされていたところもあったそうです。備蓄物資の配布の際にこうした取組が行われるようにすることが必要ではないでしょうか。お答えください。

 避難所の役割分担の際にも注意が必要です。責任ある地位に多くの女性が加わっている状態にすることとともに、避難所の食事づくりやトイレ掃除などケア労働に女性を押し付けることになっていないかなど、ジェンダー平等の観点での取組に気をつける必要があると考えますが、いかがでしょうか。お答えください。

 また、避難所運営において子どもの意見を反映することも重要です。東日本大震災下での避難所において、多くの中学生や高校生がボランティアに従事し活躍したことが報告されています。避難所をはじめとした多くの場面で子どもたちが活躍したにもかかわらず、災害復興の分野では子どもの意見が聞かれることはなく、経験や考えが計画に反映されることもありません。例えば、東日本大震災時には支援物資として服が届いたものの、それは成人の男性用か女性用、もしくは幼い子どもの物が多かった。特に思春期の女の子が着たいと思うようなものはほとんどなかったということや、生理用のショーツが足りないという声が2か月もたってから教員を通じて出てきたことなどがあったそうです。避難所に粉ミルクと紙おむつと生理用品を置いたら終わりとしないためにも、子どもの声が運営本部に届く仕組みづくりが必要ではないでしょうか。

 最初に紹介した区民アンケートでは、避難所について一番望むことには「トイレの確保」がありました。これまでの震災でも、トイレになかなか行けないことから水分補給を控え、結果として体調不良につながった事例も数多くあったと報道されています。区は、現在、備蓄物資として25万回分を確保していると言います。しかし、それで十分でしょうか。4月21日に放映されたNHKの番組「明日をまもるナビ あなたの自宅を最高の避難所に!今すぐ準備したい10の備蓄品」では、在宅避難者の備蓄目安として1人1日5回、1週間分で35回分の備蓄が必要と紹介されています。しかも、私自身も盲点でしたが、食料など食べるほうの備蓄は行っていても、トイレの備蓄を行っていない方は多くいるとのことです。もちろん自分で準備ができる方には最大限自分で準備してもらうことを呼びかけることも必要とはなってくると思いますが、水道が止まり、携帯トイレを求めて多くの区民が避難所へ受取りに来るということは容易に想像ができます。各避難所で備蓄する便袋の数を引き上げる必要があるのではないでしょうか。お答えください。

 また、さきの区民アンケートで2番目に多かったものが、「プライバシーに配慮した空間の確保」でした。これは、さきの女性専用スペースの確保にとっても重要になります。区の現在の備蓄は体育館を間仕切りするには十分としていますが、今後、感染症の蔓延を考慮に入れた間仕切りをつくるためには教室の活用も視野に入れなければならないと考えます。そうした場合でも十分に間仕切りが行える備蓄量とはなっていません。間仕切りについても、各避難所の備蓄量を引き上げる必要があるのではないでしょうか。発災後の被災者の苦難を軽減するため、区の取組の施策の前進を求め、この項の質問を終えます。

 続いて、環境基本計画について、伺います。

 さきの第1回定例会では、中野区環境基本計画(素案)が発表されました。これまでの目標より大幅に引き上げ、2050年度排出量ゼロとなるように2030年度目標を設定したことは、温暖化に大きな責任を負っている先進国の自治体として最低限の目標を設定したものと評価いたします。一方、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、1.5度上昇を転換点と位置付け、これを超える温度上昇は洪水などの危険性が急激に高まるとの見方を示しています。さきの定例会でも述べましたが、2050年度までに中野区が排出できる二酸化炭素量を上限に考える、炭素予算の考えからは、気温上昇を2度未満に抑え、1.5度上昇に十分に近づけるようにするには2030年度までにより高い目標を掲げる必要があります。46%削減では2度上昇を避けられない可能性が高まります。目標を引き上げるべきではないでしょうか。お答えください。

 脱炭素を進めるためには、中野区の二酸化炭素排出量の64%を占める電力以外の排出を減らすことが不可欠です。区として、エネルギーシフトの目標もすべきと伺った第1回定例会の質問時、区は、再エネ導入率の把握は困難という答弁をしました。しかし、現段階では難しくても、区民にアンケートを行えばある程度の推計はできるのではないでしょうか。環境基本計画では、1年目で区民2,000人にアンケートを取ることになっています。その際に自宅の電力契約について質問を行ってはいかがでしょうか。実態把握を行うことと、改めて次期の改定までにどの程度エネルギーシフトを進めるかという計画を策定する必要があると思いますが、区の見解をお答えください。

 また、エネルギーシフトについていえば、大規模事業者としての中野区のエネルギーシフトはやる気さえあればすぐに可能です。区は、環境負荷の少ない電力調達の推進という項目で二酸化炭素排出係数の少ない電力を選択するとしていますが、2030年度までに再生可能エネルギー100%の電力を調達すべきではないでしょうか。お答えください。

 ごみ排出量を削減することも重要です。その中でも、今日はペットボトルごみの削減について、提案いたします。ウォーターサーバーを供給するウォータースタンド株式会社が市内に本社を置くさいたま市では、同社の年間30億本のペットボトルごみを減らすという課題を共有し、庁舎内にウォーターサーバーを設置する実証実験を行ったところ、ペットボトルごみが1割から3割減少したそうです。2019年度に連携協定を締結し、現在市内100か所に設置しているそうです。また、京都市では、同社と連携協定を締結し、リース料の割引を受け、市の施設100か所への設置を目指しているとのことです。庁舎や区民活動センター、図書館などの公共施設に面的に整備ができれば、ごみの削減とともに、熱中症予防、健康増進にも役立つのではないでしょうか。ウォーターサーバー設置について検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。

 続いて、児童館について、伺います。

 現在、中野区区有施設整備計画の検討が行われており、その中では今後の児童館の整備方針についても示されています。児童館は、現在18館あるものを、中学校区である9館に整備すること。その際、機能を増強した新たな機能を備えた児童館とすることとされています。田中前区政が最終的には児童館、U18プラザを全廃しようとしていたものを、酒井区長が全廃撤回を公約し、それを形として示したことは重要であると考えますが、小学生、乳幼児親子の利用が圧倒的多数である児童館を中学校区で整備するという方針には違和感を覚えます。児童館は、児童、乳幼児親子にとっても身近な居場所であり、保護者にとっても子育ての悩みなどを交流できる場所が身近にあることが重要です。新しい児童館が中学校区で整備される方針では、児童館は子どもたちにとって縁遠いものとなってしまいます。この齟齬について、区はどのように認識しているのでしょうか。お答えください。

 昨年の第4回定例会で来住議員が、今後さらに児童館機能を高める職員体制の強化を図るためにも児童館職員の新規採用を行うべきと質問いたしましたが、区は、子育て支援施策全体のさらなる質の確保・向上を図ってまいりますと、採用について明確に答弁がありませんでした。現在、児童館職員は、長期の未採用によって年齢構成がいびつになっており、事業の継承に困難を来たしています。そして、そのこと自身が職員の事業に対する思いを傷つけています。今後、区として児童館事業を行っていくためにも職員の採用を継続的に行っていくべきではないでしょうか。お答えください。

 そして、子どもたちの日々の細かな変化に気づくためには、長年の経験と豊かな研修、自己研鑽などが必要です。そうした体制をしっかり保障できるのが直営の児童館として残す意義と考えます。区は児童館を直営で残すべきと考えますが、いかがでしょうか。お答えください。

 最後に、その他で、妙正寺川河川整備工事について、伺います。

 現在、丸山橋の架け替えを含む上下流部分について整備工事が行われています。工事自体は洪水対策として必要であることは認識していますが、コロナ禍で説明会も中止されてしまい、工事概要の紙が近隣に配られただけになってしまっています。また、当初工事説明会は美鳩小学校体育館で行われることとなっており、工事地域の住民にとっては遠いという問題もありました。十分な広さが取れないなどの懸念もあるかと思いますが、鷺宮区民活動センター分室で複数回かけて行うなど、地域住民が参加しやすい取組を東京都に求めるべきではないでしょうか。お答えください。

 この問題にかかって、地域の方からは、両岸の河川管理通路が同時に通行止めとなるのは何とかならないかといった、通行の不便についての御意見もお寄せいただいております。区としては、こうした区民の声を丁寧に拾い上げ、都に伝えていってほしいと思います。

 以上で私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 羽鳥議員の御質問にお答えいたします。

 初めに、新型コロナウイルス感染症対策についてで、高齢者施設等でのPCR検査についてのお尋ねです。東京都が実施している無料PCR検査の対象施設は区内に54施設、そのうち52施設が検査実施の登録をしております。未登録の2施設については、検査登録を促しているところでございます。また、ショートステイやデイサービスなど他の全ての介護サービス事業者については民間団体が実施しておりまして、無料PCR検査の対象から漏れる施設はないと考えております。こうした検査事業の存在を知らずに活用していないということがないよう、改めて区内事業者に周知をしてまいります。

 続きまして、重症化リスクのある家族を持つ方々への検査についてでございます。家庭内感染を防ぐためには、第1に感染を家庭に持ち込まないことが重要であり、日常生活において予防策を取ること、体調管理や症状出現時に速やかな受診等、様々な機会を捉えて周知・啓発をしております。また、陽性者が発生した際には、着実な積極的疫学調査によって速やかに入院や宿泊療養の調整を行うとともに、家族等の濃厚接触者に必要な検査を行うことで感染拡大を防ぐ取組を行っているところでございます。

 次に、学校及び保育園職員へのPCR検査についてでございます。学校や保育園では日常の感染対策を引き続き行い、体調不良の職員は出勤しないことを徹底するようにしているところでございます。現時点では、学校教職員や保育所職員への定期的なPCR検査の実施は考えておりません。

 次に、大規模検査の実施及び自費検査の無料化についてでございます。国は、基本的対処方針において、緊急事態宣言が解除された後に再度の感染拡大の予兆や感染源を早期に探知するため、無症状の方へのモニタリング検査の必要性を指摘しておりまして、区としては、流行状況を踏まえて、国や都と連携しながら実施について検討していくこととしております。社会経済活動のために本人等の希望で行う検査につきましては、ニーズに応じた頻度や方法において対応可能な民間検査機関等も選択していただき、自己負担によって適切に実施されるものと認識しているところでございます。

 次に、変異株に対する検査体制についてでございます。区のPCR検査センターや医療機関での陽性検体につきましては、民間検査機関を通じて主に英国系統の株に見られるN501Y変異株の検査が実施されておりまして、区のPCR検査センターにおける5月の変異株の割合は77.6%でございました。インドで増加しているL452R変異株については、本年4月から健康安全研究センターや一部の民間検査機関等でスクリーニング検査が開始されておりまして、5月31日現在、都内で14例が確認されているところでございます。変異株の感染性やワクチンの効果、重症度については不明な点が多いことから、今後とも国や都の最新の動向を注視しつつ効果的な対応に努めてまいります。

 次に、区政の区民参加についてで、最初に区民参加についての見解でございます。区民と職員のワークショップ、区民アンケート、区民と区長のタウンミーティング、さらには区内団体からの意見など、様々な機会を通じて多くの区民参加を得ながら取り組んできたところでございます。基本構想の改定に当たりましては、基本構想審議会において約半年にわたって区民の視点と専門的見地から活発な議論をいただき、区の基本計画の策定においても区民参加を実施してきたところでございます。今後につきましては、行政評価の取組でユーザー視点による評価をするなど、評価・改善のサイクルにも区民参加を進めてまいりたいと考えております。

 次に、意見交換会への区民の参加勧奨についてでございます。区民と区長のタウンミーティングとして実施する意見交換会では、無作為に抽出した区民宛てに開催の御案内をしているところであります。今回の参加者のうち、この案内をきっかけに参加した方は約3割いらっしゃいまして、子育て中の方や在宅勤務の会社員、外国人の方など、はがきでの案内によりテーマ等に関心を持ち参加したという方も多かったと認識しております。幅広い区民参加を得るためには様々な媒体や手段による周知が必要であり、案内文の送付は有効な手法の一つと考えております。

 次に、各種計画の策定時における参加勧奨の封書の活用についてでございます。区民意見の聴取に当たりましてはより多くの区民参加を求めたいと考えておりまして、計画等の内容に応じて方法を検討し、工夫しながら実施していくことが必要であります。意見交換会において、区民と区長のタウンミーティングで実施している無作為抽出による案内文の送付は有効な周知方法の一つと考えておりますので、他へも広めてまいりたいと考えております。

 次に、素案作成前の段階からの区民参加についてでございます。区の政策決定において、計画などの素案の作成段階から区民の意見を取り込んでいくことは非常に重要だと考えております。政策の企画立案、検討の段階においても、区民に対する情報発信を適時適切に行って区政への関心を高めていくほか、タウンミーティングなど対話を行える場も活用し、より多くの区民の積極的な参加を促してまいりたいと考えております。

 次に、行政評価における区民意見の反映についてでございます。現行の行政評価制度は、事業の効果を実績・コストから評価することによって事業の継続・改善・統廃合等の判断を行い、次年度の予算編成につなげることを目指すとともに、行政サービスの提供を受ける顧客としての区民満足度の向上を図ることを目的としております。行政評価において区民意見を反映するため、内部評価対象事業のうち一部を対象として、利用者アンケートの結果等からサービス利用者による満足度の分析を今年度試行的に実施することとしております。

 次に、若宮・大和地域における公共交通の勉強会等についてでございます。若宮・大和町地域での公共交通の検討におきましては、利用する地域の方の意見を適切に確認する必要があると考えているため、地域との勉強会を実施します。勉強会は、広いエリアでの公共交通であることを踏まえ、地域的な偏りがないよう御意見を伺うことや、勉強会での内容等を地域に周知していただくなど御協力いただくことも考慮し、公益的活動を行っている町会・自治会から参加していただくことで考えております。また、アンケート調査も行う予定でございまして、勉強会以外にも広く地域の意見を確認してまいります。

 次に、環境基本計画についてでございます。二酸化炭素排出量の削減目標の引上げについてです。区は、2050年度に二酸化炭素排出量実質ゼロを実現するため、2013年度の区における二酸化炭素排出量105万9,000トンを毎年度2万8,621トンずつ減少させるべきと考え、2030年度までに約48万トン減少させることとして、46%削減としました。このため、目標値を変えることは考えておりません。

 次に、エネルギーシフトの調査です。中野区環境基本計画改定に伴う区民・事業者意識調査では、無作為抽出による区民・事業者への環境に関するアンケートを行っており、各家庭や事業者に対して電力の契約に関する項目を加えて調査することを検討したいと考えております。エネルギーシフトの計画を策定するに当たっては、エネルギーの利用状況を的確に把握できる仕組みが必要であります。九都県市首脳会議では、国へ再生可能エネルギーの主力電源化やエネルギー供給事業者からの地方自治体へのデータ提供についての法的な義務付けなどを要望しているところでございまして、今後の国の動向を見ながら検討します。

 次に、区有施設における再生可能エネルギー100%の電力調達についてでございます。区内の大規模事業者である区が再生可能エネルギーへの切替えを率先して行っていくことは重要であります。2030年度を待たずに切替えを進めてまいります。

 最後に、ウォーターサーバーの設置についてでございます。新区役所の整備に向けてペットボトルの使用を減らしていくためにもウォーターサーバーの設置を検討しているところでございます。区の公共施設への設置につきましては、他の自治体における効果などを調査し、検討してまいりたいと考えております。

〔教育長入野貴美子登壇〕

○教育長(入野貴美子) 私から、校則についての御質問にお答えいたします。

 校則に対する見解についてでございますが、子どもの権利条約にも定められてございますが、基本的人権の尊重は学校教育でもその根幹をなしているものでございます。その上で、児童・生徒が精神の発達の過程にあることや学校が集団生活の場であることなどから、学校には一定の決まりが必要であると考えております。学校の決まりは、その内容・運用において合理的と認められる範囲であることが重要と考えております。

 次に、生徒と教員が話し合う機会についての御質問ですが、区内の中学校では、生徒会活動の取組の一環として、生徒に意見を聞き、生活の決まりの改定に反映しております。今後も話合いの機会を充実させるとともに、その中で決まりの目的や意義についても生徒にしっかりと伝えていくよう、学校に働きかけてまいります。

 最後に、生徒手帳への標準服に関する記述でございますが、生徒手帳への標準服に関する記述につきましては各学校の判断によるものでございます。しかし、記述の仕方については、今後も必要に応じて検討していくよう、学校に働きかけてまいります。

〔防災危機管理担当部長滝瀬裕之登壇〕

○防災危機管理担当部長(滝瀬裕之) 私からは、災害時の避難について、お答えいたします。

 まず、女性の視点・ジェンダー平等の視点についてでございます。避難所運営におきましては、女性やジェンダー平等の視点を持つことはプライバシーや衛生問題、女性ならではの悩みなどへの対応や必要な生活物資、空間などの確保の観点からも大変重要なことと考えてございます。今後の避難所運営管理マニュアルへの反映につきましても、関係団体への相談や意見を踏まえつつ、よりストレスのない避難所生活の確保に向け取り組んでまいります。

 続きまして、避難所の女性専用スペースについての御質問です。区が現在検討中の避難所運営管理マニュアルのひな型には、女性に配慮した区画の設定や更衣スペース、授乳室、トイレ、洗濯物干し場などの設置を盛り込んでいるところでございます。今後も避難所運営会議などの意見を踏まえつつ、適宜見直しを図ってまいります。

 続きまして、避難所運営に係る研修についてでございます。現在、各避難所において実働リーダーを担う中野区防災リーダーに対しまして、避難所生活において暴力を受ける可能性のある子どもや女性など、いわゆる立場の弱い人に対する暴力などを防ぎ、安全に生活できる環境を実現するため、人権・男女共同参画の視点を踏まえた避難所運営につきまして外部講師を招いて講習会形式の研修を実施しているところでございます。今後は、研修を修了した防災リーダーに避難所運営会議や防災訓練の積極的な参加を促しつつ、誰もが安全・安心な避難所生活を送れるよう、適切な避難所運営について避難所運営管理マニュアルへの記載や周知を図っていきたいと考えております。

 続きまして、女性への配慮についてでございます。避難所における物資の配布は各避難所の物資調達部が行うこととなってございますが、例えば女性向け物資の配布には女性が当たるといった配慮につきましては、避難所運営管理マニュアルの記載などを今後検討してまいります。避難所における子どもや女性など声を上げにくい方への相談対応につきましては、相談窓口の連絡先を記したカードを女性用トイレや授乳室などに配置し受け取りやすくするなど、女性の目線に立った方法を併せて検討してまいります。

 続きまして、女性の参画についてでございます。現在、区では、避難所運営会議や訓練などにおいてなるべく女性にも御参加いただくようお願いしているところでございます。5月上旬に行われました7町会自治会合同の防災訓練では39人中15人の女性の参加が見られたところでございまして、実施後のアンケートでも着替え場所や生理用品、安全面などについて女性視点での御意見が寄せられたところでございます。今後も可能な限り避難所運営や各種訓練など様々な場面において女性の参加が得られるよう取り組みつつ、避難所運営における差別や労働負担などの偏りが生じないよう、関係団体などと協議してまいります。

 続きまして、子どもの声についてでございます。区が避難所に配備しております物資は、生活に必要な水や食料など、定型的かつ定量的なものとなってございます。それ以外の物資は、必要に応じて東京都物資調達・輸送調整等支援システムを活用し支援要請を行うほか、区の協定団体より区が購入するなどを想定してございます。一方で、避難所生活におきまして子どもなど声を上げにくい方などからの意見や要望への対応につきましては、避難所運営会議の役員であるPTAや保健師の巡回時、ボランティアなどの活動中での声の吸い上げを想定するほか、いわゆる意見箱の設置やSNSによるメッセージなど様々考えられるところでございまして、今後検討を進めながら関係団体等にも相談してまいります。

 続きまして、備蓄の携帯トイレでございます。在宅避難者のトイレにつきましては、自助で備蓄していただくよう避難所運営訓練などで広報しているところでございますが、今後は在宅避難を考慮した備蓄数を加味するなど、避難所のトイレ用品などの備蓄数の見直しも検討してまいります。

 最後に、間仕切りの備蓄量についてでございます。体育館などで利用する間仕切りにつきましては、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、布製間仕切りを各避難所に40区画分配備したところでございます。教室の活用に係る間仕切りにつきましては、教室は区画がなされていることからソーシャルディスタンスや避難スペースのゾーニングの工夫などで対応する予定でございますが、今後必要に応じて検討してまいります。

〔子ども家庭支援担当部長小田史子登壇〕

○子ども家庭支援担当部長(小田史子) 私からは、児童館についての御質問にお答えいたします。

 初めに、中学校区に1館の配置についてでございます。全小学校に、小学生が学年を超えて交流し、豊かな体験ができる場としてキッズ・プラザを整備し、放課後の身近な安心・安全な居場所を確保していく計画でございます。児童館は、中学校区に1館配置いたしまして、子育て支援や地域の見守り、ネットワーク支援機能を強化していく考えでございます。児童館、キッズ・プラザ、学童クラブや子育てひろば事業の連携を図り、地域の中で安心して子育て・子育ちができるための環境を充実させてまいります。

 次の児童館職員の採用についてでございます。児童館において新たな取組を進めていくために、知識・技能の承継などを見据えた職員の集約化を図るとともに、福祉職のジョブローテーション等によりまして子育て支援施策の全体のさらなる質の確保・向上を図っていきたいと考えております。職員体制につきましては、児童館の具体的な事業内容の構築とともに最適な体制を検討してまいります。

 最後に、児童館の運営体制についてでございます。児童館は、子どもの居場所、交流等の基本機能に加えまして、子育て支援や地域の見守り、ネットワーク支援機能を強化してまいります。今後、民間活力を活用した運営も検討してまいりますが、これらの機能強化のためには、現時点では運営主体は区が担うべきものと考えております。

〔都市基盤部長奈良浩二登壇〕

○都市基盤部長(奈良浩二) 私からは、工事説明会などに対する東京都への要望についての御質問にお答えいたします。丸山橋架け替え工事に伴う工事の説明会などにつきましては、工事主体である東京都が行うべきものであると認識しているところでございます。東京都に対してしっかりと丁寧な対応を行うよう求めていきたいと考えてございます。

○議長(内川和久) 以上で羽鳥だいすけ議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(内川和久) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

午後4時52分延会

 

 

 

会議録署名員 議 長 内川 和久

       副議長 酒井 たくや

       議 員 木村 広一

       議 員 石坂 わたる