1.令和3年(2021年)9月17日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(40名)
1番 市 川 しんたろう 2番 竹 村 あきひろ
3番 日 野 たかし 4番 渡 辺 たけし
5番 間 ひとみ 6番 河 合 り な
7番 斉 藤 ゆ り 8番 立 石 り お
9番 羽 鳥 だいすけ 10番 欠 員
11番 加 藤 たくま 12番 吉 田 康一郎
13番 木 村 広 一 14番 甲 田 ゆり子
15番 内 野 大三郎 16番 杉 山 司
17番 ひやま 隆 18番 小宮山 たかし
19番 い さ 哲 郎 20番 小 杉 一 男
21番 内 川 和 久 22番 若 林 しげお
23番 高 橋 かずちか 24番 小 林 ぜんいち
25番 白 井 ひでふみ 26番 いながき じゅん子
28番 中 村 延 子 29番 石 坂 わたる
30番 近 藤 さえ子 31番 浦 野 さとみ
32番 大 内 しんご 33番 伊 藤 正 信
34番 高 橋 ちあき 35番 平 山 英 明
36番 南 かつひこ 37番 久 保 り か
38番 森 たかゆき 39番 酒 井 たくや
40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦
42番 来 住 和 行
1.欠席委員(1名)
27番 山 本 たかし
1.出席説明員
中野区長 酒井 直人
副区長 白土 純
副区長 横山 克人
教育長 入野 貴美子
企画部長 高橋 昭彦
構造改革担当部長、構造改革担当課長事務取扱 石井 大輔
企画課長、ユニバーサルデザイン推進担当課長 堀越 恵美子
基本構想担当課長永見 英光
財政課長 森 克久
広聴・広報課長 高村 和哉
情報システム課長白井 亮
総務部長 海老沢 憲一
防災危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝瀬 裕之
総務課長、特別定額給付金担当課長 浅川 靖
職員課長、人材育成担当課長 中谷 博
防災危機管理課長田邉 敏幸
新区役所整備課長中村 洋
区民部長 鳥井 文哉
文化国際交流担当課長 矢澤 岳
税務課長 竹内 賢三
保険医療課長 伊藤 廣昭
産業振興課長、マイナンバーカード活用推進担当課長 平田 祐子
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 青山 敬一郎
子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小田 史子
子ども政策担当課長 青木 大
保育園・幼稚園課長 渡邊 健治
保育施設利用調整担当課長、幼児施設整備担当課長 藤嶋 正彦
指導室長 齊藤 光司
学校教育課長 松原 弘宜
子育て支援課長 滝浪 亜未
育成活動推進課長細野 修一
地域支えあい推進部長 角 秀行
地域包括ケア推進担当部長 藤井 多希子
区民活動推進担当課長 宇田川 直子
地域包括ケア推進課長 小山 真実
介護・高齢者支援課長 葉山 義彦
南部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 村田 佳生
鷺宮すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 大場 大輔
健康福祉部長 岩浅 英樹
保健所長、地域医療連携担当課長事務取扱 佐藤 壽志子
福祉推進課長 石崎 公一
障害福祉課長 河村 陽子
生活援護課長 中村 誠
生活保護担当課長只野 孝子
保健企画課長 鈴木 宣広
保健予防課長 関 なおみ
新型コロナウイルスワクチン接種担当課長 瀬谷 泰祐
環境部長 朝井 めぐみ
環境課長 波多江 貴代美
清掃事務所長 藤永 益次
都市基盤部長 奈良 浩二
都市計画課長 安田 道孝
道路課長 井上 雄城
公園緑地課長 林 健
建築課長 小山内 秀樹
交通政策課長 村田 賢佑
住宅課長 池内 明日香
まちづくり推進部長 豊川 士朗
中野駅周辺まちづくり担当部長 松前 友香子
まちづくり計画課長 千田 真史
まちづくり事業課長 川野 英明
中野駅周辺まちづくり課長、中野駅新北口駅前エリア担当課長 小幡 一隆
中野駅周辺地区担当課長、中野駅周辺エリアマネジメント担当課長 石橋 一彦
会計室長 吉村 恒治
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 長﨑 武史
事務局次長 小堺 充
議事調査担当係長 鳥居 誠
書 記 立川 衛
書 記 若見 元彦
書 記 鎌形 聡美
書 記 松丸 晃大
書 記 田村 優
書 記 細井 翔太
書 記 有明 健人
書 記 五十嵐 一生
書 記 髙橋 万里
書 記 本多 正篤
書 記 金木 崇太
1.委員長署名
午後10時00分開議
○ひやま委員長 おはようございます。定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。
認定第1号から第5号までの計5件を一括して議題に供します。
総括質疑一覧がタブレット型携帯端末等で閲覧できますので、御参考に御覧ください。
令和3年(2021年)9月17日
決算特別委員会
総 括 質 疑 一 覧
順
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氏名・会派等
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質
疑 項
目
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1
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中村 延子
(立 憲)
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1 令和2年度決算について
(1)財政指標について
(2)歳入について
(3)新型コロナウイルス感染症対策について
(4)予算の執行見直しについて
(5)施設マネジメントについて
(6)構造改革、行政評価、業務改善の連携について
(7)その他
2 公衆衛生について
(1)コロナ禍を経た公衆衛生への認識について
(2)ワクチンで防げる感染症(VPD)について
(3)HPV感染について
(4)その他
3 その他
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2
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加藤 たくま
(自 民)
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1 令和2年度決算について
2 新区役所整備を奇貨とした働き方改革・業務改善・DX推進・組織改編について
3 中野区都市計画マスタープランについて
4 ガバメントクラウドファンディングについて
5 その他
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3
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平山 英明
(公 明)
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1 区民に開かれた区役所新庁舎について
2 新型コロナ対策と令和2年度決算について
(1)新型コロナの影響を踏まえた令和2年度決算について
(2)新型コロナへの対策について
(3)債務負担行為について
(4)その他
3 今後の財政運営について
(1)区財政の現状認識と構造改革について
(2)新庁舎への移転とデジタル化について
(3)行政財産の利活用について
(4)その他
4 子育て支援施設の再編について
5 様々な区民の利用に資する公園再整備について
6 その他
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4
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来住 和行
(共 産)
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1 平和行政の推進について
2 新型コロナウイルス感染症対策について
3 保育行政について
(1)待機児童ゼロ目標について
(2)保育の質について
(3)その他
4 「貧困・孤立」への支援について
(1)「暮らしの状況と意識に関する調査」について
(2)「中野区子どもと子育て家庭の実態調査」について
5 駅周辺のまちづくりについて
(1)囲町東地区再開発について
(2)東中野駅東口について
6 その他
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5
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内野 大三郎
(都ファ)
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1 令和2年度決算について
2 新型コロナウイルス対策(経済対策)について
3 中野区教育大綱について
4 子供の視力について
5 専門相談について
6 成人歯科健診について
7 学校行事予算について
8 樹木管理について
9 新区役所のデジタル化について
10 保育の質向上について
11 区内遊休地の利活用について
12 東京オリンピック・パラリンピックのレガシーについて
13 その他
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6
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斉藤 ゆり
(立 憲)
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1 令和2年度決算について
(1)基金と起債について
(2)教育費について
(3)その他
2 公教育について
(1)コロナ禍の教育活動について
(2)地域学校協働活動について
(3)教育大綱について
(4)その他
3 「つながる」地域コミュニティについて
(1)地域連携について
(2)居住支援について
(3)その他
4 区民参加のまちづくりについて
(1)西武新宿線沿線まちづくりについて
(2)景観まちづくりについて
(3)その他
5 その他
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7
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高橋 かずちか
(自 民)
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1 都市計画マスタープラン及び住宅マスタープランについて
(1)都市計画マスタープランについて
(2)住宅マスタープランについて
(3)環境に配慮した住宅について
(4)その他
2 中野駅周辺開発について
(1)基盤整備について
(2)その他
3 中野駅周辺の賑わい・経済活性化施策について
(1)中野駅新北口駅前エリア拠点施設整備の解体・建設工事期間中について
(2)アニメ戦略について
(3)旧商工会館跡地の活用について
(4)その他
4 学校における動物飼育について
5 公園整備について
6 その他
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8
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日野 たかし
(公 明)
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1 令和2年度決算について
2 中野区の教育行政について
3 中野区のデジタル推進について
4 災害対策について
5 その他
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9
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浦野 さとみ
(共 産)
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1 2020年度(令和2年度)決算の特徴と今後について
2 生活保護行政の改善について
(1)制度の周知について
(2)家庭訪問の状況について
(3)ケースワーク業務の外部委託問題と人員体制について
(4)新庁舎での生活援護課のあり方について
(5)その他
3 その他
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10
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河合 りな
(立 憲)
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1 令和2年度決算について
(1)財政指標について
(2)就学援助について
(3)ひとり親支援について
(4)障害児支援について
(5)その他
2 児童館について
3 保育の質と待機児童について
4 広報について
5 通学路の安心安全について
6 その他
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11
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市川 しんたろう
(自 民)
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1 令和2年度決算について
2 身近な都市計画手法としての地区計画について
3 今後の保育行政について
4 職員の危機管理意識について
5 その他
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12
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木村 広一
(公 明)
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1 令和2年度決算について
2 新型コロナウイルス対策について
3 環境施策について
4 防災対策について
5 地域のデジタル化について
6 認知症施策について
7 その他
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13
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間 ひとみ
(立 憲)
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1 妊娠・出産・子育てトータルケア事業について
2 保育行政について
(1)保育士の処遇改善について
(2)保育園への検査・巡回指導について
3 環境施策について
4 その他
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14
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伊藤 正信
(自 民)
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1 令和2年度決算について
2 区長の政策進捗状況について
3 新型コロナウイルス感染症対策について
4 中野区区有施設整備計画(案)について
5 鍋横区民活動センター整備計画について
6 その他
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15
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むとう 有子
(無所属)
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1 財務指標について
2 公園の環境改善について
3 ブックスタート事業について
4 清掃事業について
5 保育園経費について
6 公衆トイレにトイレットペーパーを設置することについて
7 民間学童クラブについて
8 その他
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16
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近藤 さえ子
(無所属)
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1 新型コロナウイルス感染症対策について
(1)窓口職員を感染症から守る対策について
(2)スポーツ施設の対応について
(3)その他
2 新たな機能を備えた児童館について
3 高齢者等の人権擁護について
4 その他
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17
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いながき じゅん子
(無所属)
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1 なかの生涯学習大学について
2 区有施設の予約方法について
3 その他
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18
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石坂 わたる
(無所属)
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1 子どもの人権ついて
(1)国のこども庁創設の動きについて
(2)(仮称)中野区子どもの権利に関する条例について
(ア)条例の位置づけについて
(イ)子どもの意見を聞くしくみと社会的マイノリティへの配慮について
(ウ)子どもが受ける暴力やマルトリートメントなどについて(不適切な養育・育児)
(エ)その他
(3)その他
2 誰もが受けとりやすい生理用ナプキンの無償配布などについて
3 犯罪防止・再犯防止と更生支援について
(1)多問題家族・機能不全家族とアダルトチルドレン(ACOD/ACOA)について
(2)初犯及び再犯の防止について
(3)その他
4 その他
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19
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小宮山 たかし
(無所属)
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1 河川の利活用について
2 緑化推進について
3 生涯学習について
4 その他
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20
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竹村 あきひろ
(無所属)
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1 中野区基本計画と多文化共生のまちづくりについて
2 中野区あんしんすまいパックの活用について
3 その他
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21
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吉田 康一郎
(無所属)
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1 中野区基本計画について
2 中野区国民保護計画について
3 都市計画マスタープランについて
4 住宅マスタープランについて
5 商業振興政策について
6 基金について
7 その他
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○ひやま委員長 本日は総括質疑の1日目となります。1番目に中村延子委員、2番目に加藤たくま委員、3番目に平山英明委員、4番目に来住和行委員の順で4名の総括質疑を行います。
次に、資料要求についてですが、前回の委員会で要求した資料323件、全ての資料が提出され、タブレット型携帯端末等で閲覧できるようになっております。資料作成に当たられた職員の皆さん、ありがとうございました。
ただいまから総括質疑を行います。答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いいたします。
それでは、質疑に入ります。
初めに、中村延子委員、質疑をどうぞ。
○中村委員 おはようございます。令和3年第3回定例会決算特別委員会におきまして、立憲民主党・無所属議員団の立場から、総括質疑を行わせていただきます。
総括質疑のトップバッターという初めての経験で、少々緊張しておりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、1番、令和2年度決算についてお伺いいたします。
この1年半、見通しが不透明な中で、補正予算も第11次まで組んでいただきました。保健所はもちろんのこと、区の職員の皆さんには精いっぱい区民のために取り組んでいただき、心から感謝をしております。
令和2年度普通会計の歳入総額は1,959億6,224万円余、歳出総額は1,902億6,951万円余となりました。財政白書の中には、経年比較のグラフや前年度比という言葉もありますが、特別定額給付金事業336億5,000万円余を含む新型コロナウイルス対策費が膨大になったため、この数字を見てもなかなか決算がどうだったのかという比較は難しいのかなというふうに思います。
すみません、通告で(1)財政指標についてというふうに通告をしていたんですが、そこはまたの機会にさせていただきたいと思います。
(2)から始めさせていただきます。特別区民税は、前年度比14億円増の341億円となりました。財政白書には、納税義務者数の増や納税者1人当たりの所得額の増によるものと記載をされています。令和2年度も新型コロナウイルスの影響が出てくるのでは考えていましたが、納税義務者数の増加をどう分析されているでしょうか。
○竹内税務課長 お答えいたします。令和2年度における納税義務者数は、前年度比5,640人増の20万4,098人でございました。特別区民税は、前年の所得に対して賦課するため、新型コロナウイルスの影響はそれほどなかったと考えてございます。
○中村委員 特別区民税については、収入未済額も減少しており、令和2年度特別区民税全体の収入率は0.7ポイント増の96.6%となっております。この要因をどう分析されていますでしょうか。
○竹内税務課長 お答えいたします。令和2年度の特別区民税全体の収入率は0.7ポイント増の96.6%でございまして、その伸びは23区中1位でございます。その要因については、現年度分収入率、滞納繰越分収入率ともに増加しておりまして、その結果、全体の収入率も増加したと分析してございます。
○中村委員 伸び率が23区1位ということは本当にすばらしいです。ありがとうございます。
一方で、23区平均はまだ下回っている状況です。滞納繰越分の収入率は8.2ポイント増の40.8%となりましたが、昨年度取り組んだ滞納対策を教えてください。
○竹内税務課長 お答えいたします。区では、滞納繰越分28万円以上の高額滞納者に対しまして、個別に担当者を配置いたしまして、滞納整理専門員と協力して積極的に滞納対策に取り組んだところでございます。
また、令和2年度に新たに普通徴収督促状の発布の時期の繰上げや納税案内センター事業の拡充、ショートメッセージサービスを活用した納付勧奨などを行いました。このような取組により、大きく収入率を伸ばすことができたと考えております。
○中村委員 高額滞納者対策を実施した成果とも言えると思います。今後の課題は、小額の滞納者と外国人なのかなというふうに思っております。外国人の対策については、さきの一般質問で我が会派の杉山議員が様々提案させていただきました。小額の滞納者の対策について何か考えているものはあるんでしょうか。
○竹内税務課長 高額滞納者に対しての滞納整理強化に取り組んだ結果、現在、区の小額滞納者の割合は9割を超えている状況でございまして、その対応が急務であると認識してございます。現在行っている調査や滞納処分の件数を増やすとともに、キャッシュレス決済の拡充など、新型コロナウイルス感染症予防も見据えた納付環境の整備を併せて行っていく、そういう考えでございます。
○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。新型コロナの感染拡大で経済活動が抑制され、収入が減少する納税者が相次いだことを踏まえ、国は地方税法を改正し、猶予できる特例措置を導入いたしました。この制度による区への税収の影響はどう考えていますでしょうか。
○竹内税務課長 徴収猶予の特例措置は、総務省から令和2年4月30日付で、地方自治法第245条4、技術的な助言に基づく通知が発せられておりまして、中野区でも対応したところでございます。ただ、この制度は減免ではなく先延ばしであるため、繰越しの影響が単年度であるとはいたしましても、全体としての区税収への影響はそれほどないと考えてございます。
○中村委員 分かりました。令和3年度予算編成時の特別区民税の予算額は313億円でした。令和2年度当初予算の331億円よりも減少する見込みです。さらに、新型コロナの影響で収入率が落ちることも考えられるかと思いますけれども、今後の見通しはどう捉えていらっしゃいますでしょうか。
○竹内税務課長 お答えいたします。現時点において、新型コロナウイルス感染症の税収への影響は想定よりも小さいと捉えておりまして、令和3年度税収も当初予算額よりも上振れする状況も見込まれるところでございます。ただ、リーマンショックの影響も複数年続いたことから、新型コロナウイルス感染症の影響も複数年続くと予想されます。こういった動向につきましては、注視してまいりたいと考えてございます。
○中村委員 よろしくお願いいたします。先ほど申し上げた猶予できる特例措置の、その猶予は後年に影響が出てくる可能性もあるのかなというふうにも思います。もちろん支払えなくなってしまった方々に関しては、支援につなぐことも必要になってきます。国で確定申告の締切りを後ろ倒しにした影響も、恐らく事務負担としてあったのではないかなというふうに思います。今後も区の歳入確保のために取り組んでいただければと思います。
次に、特別区交付金について伺います。総額360億2,000万円余で、前年度と比較して24億4,800万円余の減となりました。この要因をお聞かせください。
○森財政課長 特別区交付金の減の要因でございますが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響ですとか法人住民税国税化の影響により、交付金の財源であります調整税等が減になったことが大きな要因であると考えております。
○中村委員 令和2年度から財調の配分割合が44.9%対55.1%に、0.1%変更されております。この配分割合はどのような理由で増えたのでしょうか。
○森財政課長 令和2年度に3区が児童相談所の開設を予定していたということから、特別区から要請を行いまして協議を行い、児童相談所の運営に関する都区の連携、協力を一層円滑に進めていく観点から、特別区の配分割合が令和2年度から0.1%増えたということでございます。
○中村委員 この配分割合については、今後も協議していくという理解でよろしいでしょうか。
○森財政課長 令和4年度に改めて協議することになっておりまして、今後も協議を続けていくというふうに考えております。
○中村委員 児童相談所分については、財調算定の中でも見られているのかなというふうに思います。令和2年度は、先行3区が既に設置をしておりまして、その際の財調算定の児童相談所分はどのようになっているのでしょうか、教えてください。
○森財政課長 児童相談所や一時保護所の運営に係る人件費また管理費、それから児童相談所の設置市事務に係る経費、それから施設の改築、大規模改修に係る経費などが財調においては対応補正で、児童相談所を開設した区に算定されているというふうに捉えております。
○中村委員 この児童相談所分が見られているということは、逆に言えば、ほかの部分の割合が減ってしまっているということなのかなというふうに思います。こうした面からも、配分割合の見直しに向け、引き続き都への働きかけと強い姿勢での交渉を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
○森財政課長 特別区の配分割合が、令和2年度0.1%増になったところでございますが、区側の主張とは乖離があるものと認識をしておりまして、引き続き他の区と歩調を合わせまして、区側の考えに沿った形で配分割合の変更が行われていくよう、強く求めていきたいと考えているところでございます。
○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。
次に、国の税制改正による影響を伺います。まず、法人住民税の一部国税化の令和2年度影響額は幾らでしょうか。
○森財政課長 法人住民税の一部国税化の影響額については、約21億円減の影響があると、特別区長会の推計によりされているところでございます。
○中村委員 それでは、法人住民税の一部国税化の影響が平年度化されるのは、いつになりますでしょうか。
○森財政課長 令和3年度に平準化されると認識をしております。
○中村委員 次に、地方消費税交付金の清算基準の影響額は幾らだったでしょうか。
○森財政課長 特別区長会の推計によりますと、令和2年度においての地方消費税交付金の影響額については、約13億円減の影響があるとされております。
○中村委員 こちらは平年度化されたのでしょうか。
○森財政課長 こちらも令和3年度に平準化されているというふうな認識でございます。
○中村委員 ということは、二つとも令和3年度において平年度化されるということなので、ここから、制度が変わらない限りはずっとこの金額がかかってくるという、減になってくるという理解ですね。
21億円と13億円ということで、合計34億円の減ということで、本来入ってくるはずの税金がこういった理不尽な税制改正によって入ってきていないということ。政治的な判断でこのような税制改正が行われているわけではありますけれども、改めて、行政側も議会側もしっかりと協力して働きかけをしていかなければいけないと考えています。区としては、どのように捉えていますでしょうか。
○森財政課長 不合理な税制改正によりまして、区の貴重な財源が奪われているという、そういう状況でございます。国の責任において措置すべきものが、地方に負担転嫁されることは、そういった状況であるわけでございますが、それがされることのないように、引き続き都と区が一丸となりまして、また議会とも連携をいたしまして、改善を強く求めていきたいと考えているところでございます。
○中村委員 よろしくお願いいたします。令和2年度のふるさと納税の影響額は12億円で、これを足すと46億円になります。本来は入ってくるはずだった歳入がこれだけあったという事実は、改めて念頭に置いておかなければいけないなというふうに思います。
次に、財政白書10ページに性質別歳出構成比があります。人件費が10.6%、扶助費が23%、公債費が0.9%、投資的経費が22.2%、物件費が10.9%、そして、その他が32.4%となっていますが、単純に特別定額給付金を抜いた形ではどのような構成比になっていますか、教えてください。
○森財政課長 特別定額給付金事業については336億5,000万円余ということでございまして、その額を抜いた性質別の歳出構成比については、人件費が12.9%、扶助費が28.0%、公債費が1.1%、投資的経費が27.0%、物件費が13.2%、その他が17.8%となります。
○中村委員 ありがとうございます。こうやって抜くと、大分数字が変わってくるなというふうに思います。人件費は、前年度より職員数は4名少ない1,971名ですが、3億円増の203億円となりました。この要因を教えてください。
○中谷職員課長 令和2年度の人件費が前年度よりも増となった主な要因としましては、退職手当が2億6,200万円余の増となったほか、会計年度任用職員の報酬等が人件費として計上されるようになったことなどによるものでございます。
○中村委員 ありがとうございます。
森議員の一般質問でも取り上げた退職金の推移について伺わせていただきます。定年制度について、令和5年度から10年かけて段階的に定年を引き上げる制度改正を予定しています。その10年間、1年ごとに定年退職者のいない年が出ることになり、その年は、当然退職金の支出が大幅に減ります。財政白書にもこういうグラフが載っています。令和2年度の決算時では年間23億円かかっていた退職金が、令和5年度には6億円、6年度には25億円と、この2年度を平均しても15.5億円と、今の水準までは行きません。これはどういったロジックになるんでしょうか、教えてください。
○中谷職員課長 令和4年度までは定年が60歳ですが、令和5年度から令和6年度までは定年が61歳に引き上げられます。以後、令和7年度から令和8年度までは定年が62歳といったように、2年に一度、定年の年齢が1歳ずつ引き上げられることになります。令和4年度中に60歳になる職員は、令和4年度末に退職手当が支給されますが、令和5年度には定年が61歳に引き上げられることから、令和5年度中に60歳になる職員が定年を迎えるのは翌令和6年度となります。また、令和5年度に61歳になる職員は、既に令和4年度末に定年引き上げ前の60歳の定年退職を迎え、退職金の支給も受けてございます。そのため、令和5年度には定年退職者がおらず、定年退職に伴う退職金の支払いは生じないということになります。以後、2年に一度同様のことが生じますので、隔年で定年退職に伴う退職金の支払いが生じない年度が来ますが、退職金の支給対象となる定年退職の時期が後年度にずれることにより、退職金を支払う年度が後ろにずれるということでございます。一つの年度に定年退職の対象となる年齢は一つだけですので、後ろにずれた分、退職金の支払い総額が2倍になるような年度が発生するといったことはないというものでございます。
○中村委員 これが、なかなか言葉で聞いても、やっぱり理解ができなくて、図を見てもなかなか理解ができないんですけれども、要は後ろ倒しになっていくので、また制度改正をしない限りは永遠にその金額を払わなくてよくなるというか、言い方はあれなんですけれども、その支払いがなくなるということなんですよね。ちょっと私も、なかなかやっぱり理解がすごく難しいなというふうに思っていますが、そういうことみたいです。
そして、この10年の経過措置が過ぎたところには、人数の多い年代の退職が進み、一時に退職する職員の数が今より減ります。現在、区として、この経過措置が終わった後の退職金はどのように試算しているのでしょうか、教えてください。
○中谷職員課長 定年が65歳に引き上げられるのが令和13年度ですが、その後の10年間では、現在40代後半の職員が定年を迎えることになります。年齢構成上、職員数の少ない世代が退職を迎えることになりますので、年度ごとの退職金の総支払い額は大幅に減少していく見込みでございます。
○中村委員 具体的な数字はあれなんですよね。分かりました。中野区の人件費は、近年、おおむね200億円程度ですが、退職金はそのうちの1割ほどを占めています。今後、その支出が減るということは、200億円程度という今の水準を大きく動かすことなく、一定数職員を増やす余地が出てくるのかなというふうに考えますが、それはいかがでしょうか。
○中谷職員課長 人件費の削減部分を短期的に見れば、その部分の職員の増加をした場合には、長期的に見た際に後年度の人件費の負担になり得ますので、世代間の負担を平準化するといった観点からは、なかなかその部分を短期に、採用者数を増やすというのは難しいのではないかというふうに考えてございます。
○中村委員 もちろん、RPAとかAIとかの活用を含めて、DXの推進などによって、今後、常勤職員を減らす余地のあるところについては、引き続き効率化の努力も必要だと思います。また、今、新卒採用数を増やす等、年齢構成のいびつさに拍車をかけてしまうという問題も、また発生をしてくるのかなというふうに思います。条例定数を100人増やしたから、すぐにどんどん採用していいということではありませんけれども、児童相談所でかなり増えることも踏まえて、我が会派としても職員定数は増やすべきだなというふうに考えております。今後の定数の在り方は、こうした人件費の推移も踏まえて検討していただきたいなというふうに考えますが、そこはいかがでしょうか。
○中谷職員課長 今後の職員定数を検討する際には、職員の年齢構成の平準化や中長期的な観点から、人件費の世代間の負担をできるだけ平準化するといった観点も踏まえて、職員定数の適正な規模や職員の採用計画などを検討していきたいと考えてございます。
○中村委員 分かりました。
公債費については、次の斉藤委員がお聞きをいたしますので、次に物件費について伺います。物件費は、前年度より4億円増の207億円となりました。その中の委託費だけを見ると、前年度140億円から令和2年度は9億円増の149億円となりましたが、前区政では、委託を増やしていくことで人件費を削るということを進めていましたが、委託費はこの10年間で67億円も増えております。平成30年度と令和元年度は、区立保育室事業7園の影響で委託費が肥大化しておりました。令和2年度は1園だけ残す判断をしましたが、この年度の委託費はどうなっていますでしょうか。
○青山子ども教育部長 ただいまお尋ねの年度の委託費でございますが、1億183万8,000円でございます。
○中村委員 ありがとうございます。令和2年度は、平成30年度や令和元年度よりも委託費が大きくなっていますが、区立保育園民営化委託料は4園で計6億2,000万円余となっています。大和東保育園、あさひ保育園、もみじやま保育園、仲町保育園です。3年度は大和東保育園のみで2億1,500万円となっていますが、令和4年度はどうなっていく見込みでしょうか。
○青山子ども教育部長 現在、大和東保育園民営化後の区立保育園民営化の予定はございませんので、令和4年度の委託費は発生しないという見込みでございます。
○中村委員 ありがとうございます。委託費の中に新型コロナウイルス感染症蔓延に伴い、文化施設やスポーツ施設等の利用制限に伴う指定管理者に対する補償は含まれているのでしょうか。
○森財政課長 指定管理者への補償でございますが、指定管理料の増額という形で補償を行っておりまして、委託費に含まれていることから物件費の中に入っているということでございます。
○中村委員 この指定管理者の補償の合計額はどうなっていますでしょうか。
○森財政課長 2億4,466万円余でございます。
○中村委員 これ、調べさせていただいたんですけれども、文化施設だけで1億8,900万円を超えている状況です。令和3年度はこの補償は行っているのでしょうか。
○森財政課長 令和3年度の当初予算におきましては、令和2年度の状況を踏まえながら、指定管理者と調整の上、指定管理施設の歳入と歳出の見込みを立てまして、指定管理料を積算して、予算計上しているということでございまして、現時点において、補償という形で追加の支出等は行っていないということでございます。
○中村委員 分かりました。ほかに増要因となったものはありますでしょうか。
○森財政課長 増要因の大きなところで申し上げますと、ほかには高齢者インフルエンザの予防接種の委託が1億6,000万円余ございます。
○中村委員 財政白書だけを読んでも、こうした要因があまり見えてこないなというふうに思います。もちろん、一番大きいのは区立保育園民営化委託料なんですけれども、今後、その書き方についてはぜひ工夫をしたほうがいいのかなというふうに思っております。
次に、構造改革の八つの視点の5番です。事業手法選択では、職員自ら運営する直営と委託、指定管理者制度、人材派遣、任期付職員、PFI等の事業手法を比較し、事業に係る運営コストの最適化を図るとあります。これまでは、人件費を削るために委託費を増やしてきた経緯がありますけれども、直営で実施することによって委託経費を抑えるという考え方も出てきました。これについて御説明いただけますでしょうか。
○石井構造改革担当部長 職員採用ですとか、働き方が多様化する中で、専門的人材の確保や会計年度任用職員の活用などによって、結果的に委託料を抑えることができる場合も想定されるところでございます。直営か委託か、それぞれのメリット、デメリットを整理し、業務の性質やボリュームを見極め、より最適な手法を選択していくことが求められると認識してございます。
○中村委員 事業単位で委託をすると、人が減るぐらいの業務量が減るんだと思うのですが、委託している中のその個別の業務でいえば、直営で引き取り、その分の委託を減らしたほうが効率的ということもあるのかなというふうに思うんですが、今後は全ての委託について精査をしていくのでしょうか。
○石井構造改革担当部長 予算編成に当たりましては、事業の見直しを求めております。とりわけ継続して委託している業務につきましては、漫然と継続をするのではなく、委託内容の精査が必要であると考えております。
○中村委員 分かりました。とはいっても、委託にも契約期間があるので、契約更新とか見直しの際にこうしたところを精査していくということでよろしいでしょうか。
○石井構造改革担当部長 契約更新は委託内容の見直しのタイミングの一つと考えております。また、現行の行政評価は事業レベルの評価でございますので、行政評価を活用した事業の見直しも促していきたいと考えております。
○中村委員 分かりました。
次に、財政調整基金についてです。令和元年度の279億円から令和2年度は287億円と8億円増えています。これまで区は、財政調整基金を積み上げている理由として、リーマンショック並みの緊急事態が起きた際に、年に50億円、3年間で150億円、区民への影響を最小限にするためと御答弁をされてきました。現在、その考え方についてはどうなっているのでしょうか。
○森財政課長 令和2年度につきましては、当初の想定より歳入が上振れしたことなどの理由によりまして、財政調整基金の残高は前年度より増となったということでございますが、歳入の大幅な回復が難しい現在の状況では、基金からの繰入れを前提とした予算編成となりまして、当面の間、基金残高は減少していくと、そういう見通しを立てているところでございます。基金残高の回復には年数を要するところでございますが、年度間調整分の150億円の確保という考え方を取りまして、不測の事態が生じた場合でも、区民サービスに影響を与えないよう財政運営を行っていきたいと考えております。
○中村委員 いや、昨年度、財政の非常事態ということもおっしゃっている中で、やっぱり増えてしまっているというところは、やっぱり腑に落ちないですし、この150億円の考え方は何だったのかなって、やっぱり思ってしまうわけなんです。経常収支比率も77.1%で、23区で経常収支比率が下がっているところは2区です。下げ幅が突出しております。公債費が減ったからという理由をつけておりますけれども、令和2年6月に行った予算執行見直しをはじめ、絞り過ぎてしまったのではないかなというふうに考えてしまうんですけれども、区はどう捉えていますでしょうか。
○森財政課長 経常収支比率につきましては、計算する際の分子でございます経常的な一般財源を充当する経常経費、こちらが前年度に比べて約15億円減しているということでございまして、そのうちの公債費については約16億円減ということになりまして、経常収支比率が下がった要因としては、大きなところだというふうに捉えているということでございます。予算の執行見直しにつきましては、先が見えない、見通せない状況下におきまして、危機意識を持って財政運営を進める観点から、必要かつ適切な対応であったと考えているところでございます。
○中村委員 森議員の質問で、歳入が一定程度維持できた要因の一つが消費税だとすると、特に低所得者や新型コロナで困窮している人たちにきちんと還元をしないといけない。現状を見ると、改めてそのための一定の余力はあると言いたくなるがどうかと質問をさせていただきました。その答弁が、区財政の今後も不透明な状況であることから、引き続き緊張感を持って令和4年度予算編成に臨む必要があると考えており、余力のある状態とは捉えていないとの御答弁でした。ただ、この決算状況を見ると、低所得者や新型コロナで困窮している方々に、例えば、単発で支援策を打つというようなことはできる状況なんじゃないかなというふうに思っておりますし、そういった趣旨の質問だったんですけれども、そこはいかがでしょうか。
○森財政課長 歳入については、現状、想定よりも上振れの状況ということが見込まれる、そういったところでございますが、V字回復で急激に回復していくというような状況ではなく、緊張感を持って財政運営を進めていく必要があるという考えに変わりはないところでございます。一方で、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた区民の方々の生活を支えていくということについては、当然、区の責務でございまして、区民や現場の声ですとか、生活の実態をしっかり把握しまして、適時適切な政策については、しっかり打ち出していきたいと考えております。
○中村委員 この後の新型コロナウイルス感染症対策の項でも、さらに丁寧に聞いていきますけれども、今後の対策の中では、こうした観点もしっかりと踏まえた上で、今後の予算編成を行っていただきたいと申し上げまして、この項の質問を終わります。
(3)新型コロナウイルス感染症対策について。
今回、総務110、令和2年度新型コロナウイルス感染症に係る医療・生活・経済支援対策事業の予算額及び決算額一覧という資料を出していただきました。ありがとうございました。この資料を見ても、令和2年度に本当に多くの事業を実施していただいたのかなと思っております。この1年半、医療従事者をはじめ、保健所をはじめとする職員の皆さんには、先行きが不透明な中で精いっぱい取り組んでいただきました。
まず、保健所の体制について伺います。令和2年度は、未知のウイルスに対応していかなければいけなくなり、保健所としてこれまでにない働き方をしなければならず、この1年半は本当に激務であり、関係職員の皆さんには心から感謝を申し上げます。昨年度当初は、時間外労働が過労死ラインを超えている100時間を超過する職員もいたと認識をしています。東京都からの応援や全庁応援体制、今年度に入ってからは派遣の看護師や保健師の活用と、柔軟に対応してきているかと思いますが、その後の保健所職員の超過勤務はどのように推移しているでしょうか、教えてください。
○中谷職員課長 保健所全体の職員の超過勤務時間は、1人1か月当たりの平均で、昨年度が18.8時間、今年度の4月から8月までの間が18.1時間で、若干減少してございます。しかしながら、課別の内訳では、保健企画課が1人1か月当たりの平均で、昨年度から13.3時間の減となっているのに対して、保健予防課では11.2時間の増となってございまして、人材派遣や業務委託の活用など、様々な負担軽減策を講じてきているものの、新型コロナウイルス感染症対策の防疫業務やワクチン接種関連業務の負荷が高い状況にございます。
○中村委員 突出している方というのはいらっしゃらないんでしょうか。
○中谷職員課長 何人か、やはり長い、負担の重い人はいますけれども、1人だけとか、2人だけとかということはないというふうな状況でございます。
○中村委員 分かりました。今年度に入ってからはワクチン対応もしている状況です。また、まだ収束はしていませんが、第5波はこれまでにない感染者数の増加もありました。超過勤務には換算されませんが、公衆衛生医師である保健所長や保健予防課長の勤務状況も気になるところです。夜間対応等もあると伺っております。現在の勤務状況について教えてください。
○関保健予防課長 お答えいたします。公衆衛生医師として保健所に配属されております保健所長、保健予防課長につきましては、現場の指揮官として対策を取るとともに、医療機関との調整や陽性者への説明など、医師の業務の実務などにも当たっているところでございます。現在は、日中の業務に専念するために、夜間の救急隊とのやり取りにつきましては、委託の看護師を活用しているところでございます。
○中村委員 かなり感染者数が増えたときには、大変だったというふうに伺っているので、すごく心配をしておりました。中野区保健所のドキュメンタリー映画のタイトルにもなっておりましたけれども、この終わりのない闘いに対応するためには、適宜休息も必要です。今回の緊急事態宣言は、7月12日から始まっております。9月末で解除されたとしても、2か月半かかっておりまして、宣言自体にはほとんど効果がありませんでした。保健所の職員の皆さんは、この間、夏季休業も含めお休みを取ることができているのでしょうか、伺います。
○関保健予防課長 保健所職員につきまして、年次有給休暇の取得につきましては、感染状況を見ながら取得するよう促しているところでございます。
また、今年度の夏季休暇につきましては、おおむね取得できている状況でございます。
○中村委員 それはよかったです。ありがとうございます。
8月31日に行われた危機管理・感染症対策調査特別委員会には、新型コロナウイルス感染症の発生状況についての報告の中で、対応体制という資料を出していただきました。週の平均感染者数に応じて、フェーズ1からフェーズ5と定め、保健所の応援体制を示しているものです。昨年度当初は、五月雨式に応援体制を組んでいたと思いますけれども、保健所としても、こうした体制を決めておくことで機動的に動くことができます。応援する側の整理も必要かと思いますが、現状はどこの部署から応援が入ることになっているのか、伺います。
○中谷職員課長 特にどこの部署からというふうに決めているわけではありません。基本的には、全庁を対象と考えてございますが、その時に必要な人員の規模や、また応援する側の規模、これまでの応援の実績、また経常業務の負荷など総合的に勘案して、可能な限り各部などの実情を踏まえて、実質的にできるだけ負担を平準化できるように、応援職員の派遣を依頼してきたところでございます。
○中村委員 これが次の質問にもつながるんですけれども、応援する側の職務をどうするのか。事業を一部中止するのかも含めて、整理をしておく必要があるのかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○田邉防災危機管理課長 お答え申し上げます。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う保健所の業務の逼迫状況についてです。危機管理等対策会議において応援体制を整備し、各所管がそれぞれの状況に合わせて事業の休止、縮小等について対応してきました。今後も、感染状況や保健所業務との関連を踏まえつつ、区民サービスの影響を最小限にできるように、各所管と連携しながら適切な対応をしていきたいと考えております。
○中村委員 分かりました。ありがとうございます。
次に、危機管理体制について伺います。第1波においては、国の緊急事態宣言により中野区政のBCP(新型インフルエンザ編)が適用され、必要に応じて通常業務の休止また実施規模の縮小等を実行しました。その後の第2波から第5波においては、BCPに基づいた対応はされていたのでしょうか、伺います。
○田邉防災危機管理課長 お答えいたします。新型コロナウイルス感染症発生当初から、中野区政のBCPに基づき、区民生活を維持するために必要不可欠な非常時の優先業務の継続の観点から、各所管において業務の中止、縮小について対応してきたところでございます。
○中村委員 区の危機管理体制も、最初は健康福祉部が中心となり、健康危機管理対策本部で全庁的な調整や情報共有を行っていましたが、想定を超える広範囲な庁内調整が必要となったことなどから、危機管理等対策会議を通じて、危機管理課が中心となって全庁的な調整等を行うように変更しました。その後、経済対策を行う際には、企画部の緊急経済対策推進室で調整を行ってきています。もともとこの危機管理課というのは、防災危機管理を想定して設置されたポジションかと思いますけれども、いかがですか。
○田邉防災危機管理課長 お答えさせていただきます。防災危機管理課の事務分掌については、災害対策のほか、全庁的な危機についての調整も担っております。これに基づき、震災、風水害の対応はもとより、今般の感染症拡大といった区民の生命や財産に重大な被害が生じるような想定外の事態についても、全庁的な調整を図ることとなっております。
○中村委員 100年に一度と言われるレベルで、世界中でこれだけ健康危機が起きてしまったことはなかなか想定ができなかったと思います。危機管理とはいえど、防災危機管理と健康危機管理では所掌も違う中で、本当に機能していたのかという検証は必要なのかなというふうに思うんですけれども、そこはいかがでしょうか。
○田邉防災危機管理課長 お答えします。防災危機管理課は、危機管理等対策会議の事務局として、新型コロナウイルス感染症の健康危機管理に関わる課題や経済対策及び区民生活支援の政策など、それぞれの所管部と共に会議において全庁的に協議、確認し、進めてきたところです。御案内の検証につきましては、関係部署と連携しながら、適切に進めていきたいと考えております。
○中村委員 危機管理課では、保健所の状況を把握することはなかなか難しいのではないかと思います。また、予算は財政課が、人の配置は職員課が行っています。危機管理課が指令系統にはなっていないのではないかなというふうに思いますが、今回の危機管理体制の中での役割はどのようなものだったんでしょうか。
○田邉防災危機管理課長 お答えさせていただきます。防災危機管理課は、新型コロナウイルス感染症に関する予算や人事について直接所管してはいませんが、国や都の動向や各所属の要請に基づき危機管理等対策会議を開催するなど、各所管が感染症対応に関わる業務を迅速かつ適切に実施できるよう、調整を図ってきたところでございます。
○中村委員 分かりました。ぜひ検証はしていただきたいなと思っていますので、よろしくお願いします。
昨年度の危機管理体制の中では、在宅勤務も行われました。最初の緊急事態宣言が終了した後も、在宅勤務を続けていた部署もあったかと思います。保健所のように逼迫していた部署もあり、応援体制も組んでいた中で、全庁的に様々な偏りがあったことは否めないかと思います。
一方で、現在もBCPに基づいた対応をしているのであるとするならば、また、国や東京都が民間にも在宅勤務をお願いしている中で、区としてはどのような状況になっていたのか、伺います。
○中谷職員課長 在宅勤務の実施状況としましては、昨年度の4月や5月には、全庁で1か月当たり延べ6,000件程度の実績がございましたが、ICTを活用したテレワーク環境も整備されていない中で、在宅で勤務するには限界もあり、現在では1か月当たり十数件程度で、ほとんど実施されていない状況でございます。
○中村委員 昨年度の在宅勤務の総括は必要ではないかなと思いますし、また、テレワークの推進が急務だということも思います。働き方改革の観点もそうですが、早急に取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○中谷職員課長 現在、情報システム課が中心となって、テレワークシステムの本格的な導入に向けて検討や準備を進めているところでございます。できるだけ早く必要な環境を整え、テレワークの本格実施を開始し、働き方改革を推進していきたいと考えてございます。
○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。
次に、医療従事者との連携について伺います。この1年半、新型コロナウイルスに対応していただいた医療従事者の皆さんには、心から感謝をしております。中野区では、昨年4月29日にPCR検査センターを医師会の御協力で設置、今振り返ると非常に早い段階で設置ができましたが、その要因をどう捉えて、どう考えていらっしゃいますでしょうか。
○関保健予防課長 都は、昨年4月に、各自治体におけるPCR検査センターの設置につきまして、都医師会を通じて地区医師会へ協力要請を行い、その設置について国の補助の対象となることを周知いたしました。区は、平時より区医師会との意見交換を行っておりまして、また、各種検診事業の委託などで良好な関係を築いてきたところでございます。PCR検査センターの設置に当たりましても、このような関係性をもとに直ちに情報共有を行い、区民のために検査体制を整備する必要があるとして、速やかに実現したものと考えてございます。
○中村委員 ありがとうございます。昨年度末からワクチン接種の準備も始めてきました。ワクチン接種担当も新設し、国の動向が見えない中で、スピード感を持って接種を進める準備ができたことは、大変評価をしております。146か所の医療機関にも御協力をいただきまして、医師会館及び15か所の区民活動センターの集団接種とあわせ、体制整備ができました。また、接種券の送付も他自治体と比べ非常に早く進めることができた要因をどう考えていますでしょうか、教えてください。
○瀬谷新型コロナウイルスワクチン接種担当課長 令和3年1月から中野区医師会などの関係機関との相談や事前協議を重ねてきたことにより、早期に接種体制を整備することができたと考えております。また、接種体制の準備状況やワクチンの供給見込みを踏まえまして、16歳以上64歳以下の方の接種券を一斉に送付し、その中で優先予約の日程を設定したことにより、早期に接種券を送付できたと考えております。
○中村委員 ありがとうございます。
それから、5月から東京都の事業で、東京都医師会経由で中野区医師会の先生方に、自宅療養者への在宅診療をしていただいております。どれぐらいの医療機関に御協力いただいているのでしょうか。また、8月には自宅療養者が急増しましたが、実績はどうなっているのでしょうか、教えてください。
○関保健予防課長 都は、地域における自宅療養者等に対する医療支援強化事業といたしまして、地区医師会による医療支援に対して補助事業を実施しておりまして、現在、中野区医師会では63の医療機関が参加しております。区は、本事業を活用して自宅療養者への医療支援を実施しており、8月11日から9月15日までの実績は、往診が48件、電話診療が72件となってございます。
○中村委員 ありがとうございます。本当に御協力をいただいていて、ありがたい限りだと思います。
それから、先日、中野区薬剤師会と懇談をさせていただきました。自宅療養者への配薬事業を行っていただいておりますけれども、中野区から何らかの支援を行っていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
また、ほかにもこのようにボランタリーで御協力をいただいているところがないかの精査も必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○鈴木保健企画課長 お答えいたします。新型コロナウイルスの在宅療養者にとって、発熱等の緩和のために、症状に合わせて服薬することは重要なことであると認識をしております。配薬に関しまして緊急的な対応を行っている薬剤師会等への支援について、現在、検討を行っているところでございます。
○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。それから、このボランタリーで御協力いただいているところがないかの精査も、ぜひよろしくお願いいたします。
ワクチン接種も進みまして、区民全体の50%以上の2回目接種が終わりました。現在は感染状況もピークアウトしつつありますが、第6波も起きないとは言えません。今後も医療従事者の皆さんとの連携は必要だと考えます。場合によっては、区として、必要な支援を行っていくことを考えていただくことも検討をしていただきたいと思います。
次に、給付金関係の質問をさせていただきます。
令和2年度は、特別定額給付金事業336億5,000万円余をはじめ、特例給付金、ひとり親世帯への給付金2回、子育て世帯への給付金、新生児特別定額給付金と様々な給付金がありました。まず、特別定額給付金については、決算説明書の執行率を見ると99.9%となっております。対象者数と実際の給付数がどうだったのか、教えてください。
○浅川特別定額給付金担当課長 特別定額給付金の対象者は、国の基準によりまして、令和2年4月27日現在、中野区に住民登録のある方でございましたが、申請書の様式を発送した対象世帯は21万233世帯、給付金を支給した世帯は約98.6%に当たる20万7,361世帯、人数としては33万4,682人でございました。
○中村委員 ありがとうございます。特別定額給付金については、他区とも比べ非常に早く対応していただき、区民の皆さんにも好評でした。このような対応ができたことに対して、区はどう総括しているのでしょうか、教えてください。
○浅川特別定額給付金担当課長 本区におきまして、給付金をスムーズに区民にお届けできた要因といたしましては、申請から給付に至るまでの業務フロー全体を直ちに分析いたしまして、システム導入から申請する様式の作成、封入封緘、コールセンター、受付入力業務など、様々な委託業務について、迅速、的確に処理できる事業者をそれぞれ選び出して、素早く給付体制を立ち上げられたことが大きいと認識してございます。
○中村委員 ありがとうございます。
一方で、この特別定額給付金を入院、施設入所、外国に行ったことなどの理由で受け取れなかった方に対して、区は特例給付金という制度をつくりました。こちらの執行率は15.7%となっております。予算段階での見込みはどうだったのか、教えてください。
○浅川特別定額給付金担当課長 特例給付金につきましては、50名の見込みのところ、実際の支給は8名でございました。平成21年度リーマンショック時の国の特別定額給付金の際も、区として特例給付金を支給いたしましたが、このときの給付実績25人を踏まえつつ、今回、新型コロナウイルスが感染拡大している状況から、海外から帰国できない等の事情のある方も多いと考え、2倍に当たる50人を見込んだところでございます。リーマンショック時と比べ、国の特別定額給付金の1人当たり給付額が高かったことなどから、代理申請等も含め、本来の国の特別定額給付金の申請率が約98%と高かったことが、区独自の特例給付金の申請が少なかった原因になったと推測しているところでございます。
○中村委員 代理の申請もあったということで、分かりました。
次に、新生児特別定額給付金については、区の独自事業として特別定額給付金の支給対象日以降に生まれた子どもに対して5万円支給されたものです。こちらも執行率が60.7%となっています。年度末に生まれた子の対応と、翌年度繰越しもありますけれども、不用額も出ております。こちらについては、1,789人に対して支給したとありますが、見込みはどうだったのか、教えてください。
○浅川特別定額給付金担当課長 新生児特別給付金は、今お話のございましたとおり、国の特別定額給付金の基準日となった令和2年4月27日の翌日以降に生まれ、同じ学年となる新生児を育てる世帯の経済的支援を図る目的で給付したものでございます。当初、対象となる新生児を2,800人と見込み、うち令和3年度に繰越しとなる人数を800人と想定したものでございます。令和2年度中には、出生届が出された1,954人のうちの91.6%に当たる1,789人分の支給を行いました。
なお、令和3年度支給分と合わせた全体といたしましては、当初見込みの2,800人のうち、実際の支給対象者は2,018人であり、このうちの2,006人に支給したため、ほぼ100%の方に給付を行ったことになります。
○中村委員 ありがとうございます。出生率の問題も出てくるのかなとは思いますけれども。ありがとうございます。
子育て世帯への臨時特別給付金については、執行率98.8%でした。受給児童人数は2万2,607人で、児童手当受給世帯への給付となっております。
次に、ひとり親世帯臨時特別給付金については、昨年度2回実施をされております。この対象者をまず教えてください。
○滝浪子育て支援課長 対象は、三つのうち、いずれかに該当する方となります。令和2年6月分の児童扶養手当の受給者、公的年金等の受給者で令和2年6月分の児童扶養手当が制限額超過により全額停止されている方、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて家計が急変し、収入が児童扶養手当の受給水準内になった方でございます。
○中村委員 児童扶養手当を受給されている方に関しては自動的にというか、申請せずに受け取れたと思うんですけれども、そのほかの方に、一部対象者については申請をする必要がありました。決算説明書を確認すると、1回目と2回目はともに1人目が1,238人、2人目以降は453人と、同じ数になっております。対象となっていた方々は、2回とも受け取れたという理解でよろしいでしょうか。
○滝浪子育て支援課長 1回目の給付を受けた方に対して2回目を給付しているため、給付を受けた方は漏れなく2回受け取っていることになります。
○中村委員 ありがとうございます。区はもともと、この申請期限を12月としていたところを2月まで延長をしました。その際にもかなり広報に力を入れていただきましたが、どういった対応をしたのか、対策をしたのか、教えてください。
○滝浪子育て支援課長 区報や区のホームページ、SNSのほか、チラシを生活援護課の自立支援窓口に掲示するほか、すこやか福祉センターだったり社会福祉協議会に協力していただき、フードパントリー、子ども食堂や貸付相談窓口での配布をしていただきました。
○中村委員 ありがとうございます。本当に、くまなくというか、すごくたくさん力を入れていただいて、対応をしていただきました。この期限延長により、申請はどれくらい増えたのか、教えてください。
○滝浪子育て支援課長 1月以降には87世帯、児童数にして133人分を支給いたしました。
○中村委員 なかなか申請する必要がある給付金については見落とされてしまって、必要なところに必要な支援が届かないことがあります。支援が必要なほど情報格差もあったりすることもあります。今回は、担当課が様々な工夫をして、対象者に届けることができたと思いますので、非常に高く評価をさせていただいております。ありがとうございました。
次に、新型コロナウイルス感染症拡大により影響を受けた困窮者支援について伺います。
まず、生活保護費について伺います。昨年度は、予想に反して生活保護費が減となりました。まず、この要因をどう捉えていますでしょうか。
○只野生活保護担当課長 昨年度は、新型コロナウイルスの影響で生活保護の申請が増加したものの、医療扶助費の減少が大きく、全体として生活保護費が減となりました。
○中村委員 ありがとうございます。資料で出していただいている厚生36番、生活保護の相談件数、受給実数、保護率の一覧では、令和2年度の生活相談件数は、前年度の3,625件から増えて4,350件となり、保護世帯数も6,773世帯から6,867世帯と、94世帯増えております。厚生42番、生活保護費執行内訳とその推移を見ると、保護費合計は158億8,799万4,404円となっており、前年度から7,965万9,893円減っています。その内訳を見ていくと、医療扶助が1億5,027万901円減っており、医療費以外の生活、住宅、教育、介護扶助費、全てが増えている状況です。昨年度は新型コロナウイルスの蔓延により、手術等が先延ばしにされたり受診控えもありました。では、今年度の状況はどうなっていますでしょうか。
○只野生活保護担当課長 今年4月から8月までの生活扶助費、医療扶助費は、令和2年度の同時期と比較すると減少しておりますが、住宅扶助費、教育扶助費、介護扶助費は増加している状況でございます。
○中村委員 医療扶助費はどうなっていますでしょうか。
○只野生活保護担当課長 医療扶助費は、比較すると減少している状況でございます。
○中村委員 ありがとうございます。昨年度の医療扶助費は、先延ばしにすぎず、今後の財政に影響を与える可能性も高いと見ておりますけれども、区の見解をお聞かせください。
○只野生活保護担当課長 新型コロナウイルスの感染が収まってきた頃に、延期されていた入院、手術が行われた場合は、一時的に医療扶助費が増加するものと考えております。生活保護受給者の高齢化が進むため、長期的には医療扶助が増えていくと予想しておりますが、今は新型コロナウイルス感染症の影響をはっきりと見通せる状況ではございません。
○中村委員 分かりました。さきに述べた各種給付金もそうなんですけれども、昨年度は新型コロナの影響を鑑みて、国が生活困窮者自立支援法施行規則の一部を改正して、住宅確保給付金の支援対象が拡大されました。期間の延長や特例再支給等、続けての改正もありました。このほかにも自立支援のための貸付けもありました。これらの施策が生活保護費に与えた影響を区はどう捉えていますでしょうか。
○只野生活保護担当課長 住宅確保給付金や総合支援資金貸付の拡大など、国の経済対策の規模がリーマンショック時を大きく上回ったことで、生活保護受給世帯数は微増にとどまっております。国の経済対策が生活保護費の増加を抑制していると捉えてございます。
○中村委員 ありがとうございます。こうした取組を行ってきた中でも、生活保護費の相談件数や生活扶助等は増えている状況であります。様々な貸付けの支払い期限が来た段階で、倒産件数も増える可能性も言われております。こうした影響を踏まえながら、区としても生活困窮者に対して必要な支援を行っていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○中村生活援護課長 国の制度といたしまして、住居確保給付金、新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金、そして生活保護制度がございます。これらは、生活に困窮された方が生活を立て直すためのセーフティーネットとして存在する制度であり、まずは、これらの利用を知っていただきたいと考えております。必要な方に支援制度の情報がきちんと届き、躊躇されることなく申請いただけるよう、周知に力を入れてまいりたいと存じます。
○中村委員 生活援護担当としては、そのようなお答えになると思うんですけれども、ぜひ区側に対しても、しっかりとした、その生活困窮者に対しての必要な支援というところを考えていただきたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
困窮者支援のところで、女性施策についても取り上げたかったんですけれども、時間の都合上、先に進ませていただきます。コロナ禍で課題が浮き彫りになった女性支援の必要性など、第2回定例会の一般質問でも取り上げましたので、その趣旨を踏まえて、今後進めていっていただきたいということをお伝えをさせていただきます。
この項の最後に、ワクチン接種体制について伺います。一般質問でも多くの議員の皆さんが取り上げていましたので、2点だけ。
まずは、3回目接種、いわゆるブースター接種についてです。アメリカでは、2回目の接種から8か月後に3回目の接種を開始をされています。3回目接種については、厚生労働省が月内にも、本日という報道もありましたけれども、専門家による議論を始めるとのことです。追加接種の可否や重症化リスクが高い高齢者に限定するかどうかなどを判断をされるそうです。
一方で、権威のある医療誌「Lancet」にイギリスの研究者たちが投稿した論文では、ほとんどの人にブースター接種は必要がないという論文でした。テレビの報道等を見ていると、全員が3回目接種を行わなければいけないという論調であります。どうなるかは分からないんですけれども、国の動向を見ながらにはなると思うんですけれども、区には、今後のブースター接種の準備と、正しい情報の発信をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○瀬谷新型コロナウイルスワクチン接種担当課長 ワクチン接種に当たっては、区民が安心して接種を受けることができるよう、正しい情報の発信が重要であると考えております。今後とも厚生労働省からの通知等に基づきまして、区民広報の充実や工夫を図っていきたいと考えております。
○中村委員 現在、アメリカでは、生後6か月から11歳の子どもたちの治験が行われております。治験結果が10月頃に出てくる見込みと言われております。一説では、次に承認されるのは6歳から11歳とも言われております。12歳から15歳の治験結果が出てきた直後に日本でもワクチン接種が承認されたため、11歳以下も同じように承認をされるであろうと想定をされます。
一方で、11歳以下に対する接種はワクチン量も変えています。12歳以上と同じスキームにはならないのかなというふうに考えています。もちろん、国の決定により区へ通知が出た段階で、具体的なスケジュールや接種スキームは検討することになると思うんですけれども、ブースター接種よりも難しいスキームになる可能性があるため、できる準備を進めていく必要があるのではないかなというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○瀬谷新型コロナウイルスワクチン接種担当課長 現時点では、国から11歳以下の方へのワクチン接種に関する通知が届いていないため、国や東京都、ほか自治体の動向など、情報収集に努めているところであります。今後とも、中野区医師会や薬剤師会など関係機関との情報共有と協議を行いまして、ほかの市区町村での事例等も踏まえまして、準備を進めていきたいと考えております。
○中村委員 よろしくお願いいたします。この間、国からのワクチン供給量が不安定な中で、ワクチン接種担当職員には、できる限りのことをしていただいていると思っております。今後もよろしくお願いいたします。
(4)予算の執行見直しについて伺います。
令和2年度は、6月に予算の執行見直しを行いました。区は、新型コロナウイルス感染症の影響により区財政に与える影響を鑑み、令和2年度の事業実施に当たっては、事業の規模や時期、方法について十分に検討し、見直すべきものは見直し、歳出の抑制に努めることとしました。財政課として予算を厳しく見るということは、非常に大切なこととは思いますけれども、6月の時点で100億円以上の減収を想定した対応が必要だとしていたことはどうだったのかなという、よく検証が必要だというふうに考えております。
まず、執行見直しをされたところの中で、研修費について伺います。講座研修費等で執行見直しが行われました。昨年度は、新型コロナウイルスの影響で中止せざるを得なかった時期もあるかと思いますが、研修費が削られている状況を非常に懸念しております。定数改定までの間、2,000人体制を維持していく中では、職員一人ひとりのスキルを上げるためにも、また、20代の職員割合が増えているという観点からも、研修は非常に重要だと考えております。人材育成担当もなくしてしまいました。令和3年度の職員研修費はどうなっていますでしょうか、伺います。
○中谷職員課長 令和3年度の職員の人材育成に関する予算は2,186万円余で、前年度から533万円余の減となってございます。主な削減要因としましては、聴覚障害のある職員の研修受講に必要なパソコン要約筆記の経費や、特別区共同研修の分担金を実績に合わせて見込みを精査したほか、委託により実施している一部の研修について、回数や参加者数の規模を精査したことによるものでございます。より効率的に研修を実施できるように、金額の精査をしておりますが、職員の人材育成に必要な予算は、しっかりと計上しているものと認識をしてございます。
○中村委員 予算審議の中でも、分科会の中でも様々な研修費が、どれも前年度比で半分となっていたことをすごく懸念をしておりました。分担金の負担だけで効率よく参加できる、特別区職員研修所が行う研修への参加はどうなっていますでしょうか。
○中谷職員課長 特別区の共同研修につきましては、戸籍や税務、保健衛生、福祉、まちづくり、児童相談所関連など、様々な専門研修に参加をしているほか、新任研修や係長、管理者などの職層研修、自治体経営研修など、幅広いメニューの研修を活用し、職員が参加をしているところでございます。
○中村委員 ありがとうございます。こうした活用も含めて、職員の研修機会の確保はしっかりやっていただきたいと思いますけれども、いかがですか。
○中谷職員課長 特別区の共同研修を活用するとともに、区直営の実務研修や職層研修などを併せて実施し、職員の育成に必要な研修を職員が効率よく受講できるように、研修機会を確保していきたいと考えてございます。
○中村委員 ありがとうございます。児童相談所設置に伴う人員確保だったり、生活保護のケースワーカー、それから、先日補正予算で審議したICT人材など、定数の中で増やさなければいけない人員が、これからかなりの人数来ます。どの部署も人は足りていない状況の中で、しわ寄せも来ます。定数の見直しもそうですが、人材育成も同時に非常に重要な役割だと考えております。来年度予算に当たっては、この点をしっかりと考慮していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
○中谷職員課長 職員の人材育成は、非常に重要な課題であると認識してございます。そのために必要な経費は、来年度予算の中でもしっかり計上できるようにしていきたいと考えてございます。
○中村委員 ありがとうございます。
次に、人事評価システム1,975万1,000円について伺います。予算の執行見送りは妥当だったという内部評価の記載を読みまして、ちょっと驚愕をしました。まず、令和2年度にこの人事評価システムを入れる目的、効果はどう考えていたのでしょうか、伺います。
○中谷職員課長 令和2年度予算に人事評価システムの導入経費を計上した際には、職員の職務経験や適性、キャリアプラン、職務意向、人事評価等に関する情報をデータベース化し、各種帳票の作成や提出をシステムで行うことにより、人事異動や人事評価に関する業務の効率化を図るとともに、職員に関する各種情報を活用することによって、効果的な人材育成や適切な人員配置を図るといったことを、目的や効果として考えていたものでございます。
○中村委員 様々な効果が期待できると思っていた中で、今年度も見送られております。今後、導入の見込みはどうなっていますでしょうか。
○中谷職員課長 所管といたしましては、来年度予算に計上し、構築していきたいというふうに考えてございます。
○中村委員 ありがとうございます。来年度予算化したとしても、2年先送りになってしまったことになります。今、2,000人体制の中で、人材を適材適所に配置するために非常に有効だったのではないかと考えます。執行見直しをしてから、この間どのような検討を行ってきているのでしょうか、伺います。
○中谷職員課長 この間、民間企業や他の自治体で導入実績のあるシステムやサービスをさらに調べてきたところでございます。より効率的かつ効果的に、人材育成や人事異動に活用できると期待できる製品を導入できるように検討を進めていきたいと考えてございます。
○中村委員 もちろん、システムの分野は、毎年毎年新しい機能が増えたりとか、アップデートされていく部分もあると思うので、先送りにしたことにメリットがないとは言いませんけれども、あの内部評価はないなと思いました。後の項で行政評価については聞きますが、これこそ内部評価しかしないことの弊害じゃないかなというふうに、私自身は思ってしまいましたので、そこも申し添えさせていただきます。
次に、移動教室、修学旅行について伺います。昨年度は、移動教室も修学旅行も中止となりました。これは、予算の執行見直しというよりは、安全確保のために実施できなかったものだと考えております。各学校の今年度の状況を教えてください。
○松原学校教育課長 今年度につきましては、4回目の緊急事態宣言が発令されるまでに実施予定でありました移動教室及び修学旅行につきましては、実施済みでございます。
○中村委員 ありがとうございます。子どもの体験機会の損失というところです。未知のウイルスに対抗するには、致し方ない部分もありますけれども、大人の1年半と子どもの1年半では全く違う1年半なのかなと思っています。様々な変異株が出現する中で、そしてまた、まだ収束が見えない部分もありますけれども、収束後の子どもの体験機会の確保は優先的に進めていくべきと考えます。区としてどう考えているのでしょうか、教えてください。
○松原学校教育課長 移動教室や修学旅行などの学校行事につきましては、子どもたちの学校生活に潤いや秩序等や変化を与え、思い出に残るなどの有意義な教育活動であるため、可能な限り確保すべきものと考えております。今後の感染状況を踏まえまして、児童・生徒の安全のため、保護者の理解、協力を前提といたしまして、実施時期、実施場所、実施方法などについて十分に考慮し、安全確保の対策を徹底した上で実施に向けて努力してまいりたいと考えております。
○中村委員 安全確保は大切なことだと思いますけれども、ぜひそこの観点は持ちながら、お願いをいたしたいなと思っております。
次に、(5)施設マネジメントについて伺います。
現在、中野区は区有施設整備計画の策定作業を進めております。この中に示されているものは、計画のとおり進んでいくものと思いますけれども、この中に示されていない施設やスペースについても有効活用を図り、区民に還元していくことが大切だと考えております。現在、産業振興センターの飲食スペースで試行的なテレワークの実施を行っております。カフェが撤退してからテレワークとして使うまでの間、どれぐらい空きスペースとなっていたのか、教えてください。
○平田産業振興課長 産業振興センターの飲食スペースでございますが、平成30年6月末にそれまで営業していたカフェ事業者が営業を終了したということがございまして、約3年間、空きスペースとなってございます。
○中村委員 ありがとうございます。
それでは、なかのZEROのレストランは昨年度閉店し、今年度はそのスペースは何も使われていない状況です。この跡地の活用も考えていかなければいけないと思いますけれども、現在どうなっていますでしょうか。
○矢澤文化国際交流担当課長 なかのZEROレストラン跡スペースにつきましては、区の文化振興や利用者サービス等の観点から、現在、活用方法を検討しているところでございます。
○中村委員 この二つ以外にも、例えばですけれども、じゃぶじゃぶ池は、年間、夏季の1か月しか使われていません。学校の給食室は、平日の給食のためだけにしか使っていません。区民活動センターやすこやか福祉センターの会議室も空いている時間帯があります。こうした施設やスペースは、所管や指定管理で管理をしております。ほかにも、例えばですけれども、区役所正面玄関を入ったところは、大きな宣伝効果があるスペースになるかと思います。庁舎正面玄関前広場も、区の後援があれば使えます。例えばですけれども、新たにレストラン事業を始める事業者支援として、キッチンカーを出すなど、産業振興課が後援を出して活用することも考えられるのかなと思います。区議会の本会議場は、年間約20日しか使われていませんが、他自治体ではほかの活用をしているところもあります。こうした施設やスペースのマネジメントが必要になってくると思いますけれども、区有施設全体の中で、こうした空いているスペースの把握はしているのでしょうか、伺います。
○石井構造改革担当課長 施設の空きスペースでございますが、各施設を所管する担当課では把握をしてございますが、全体としての取りまとめは行っておりません。
○中村委員 ありがとうございます。まずは把握をして、どう活用していくか、方針を打ち出すべきじゃないかなと思っています。財源を生み出すのか、それとも区民のために活用するのか、いずれにしても、区民のためとなる運用、活用をしてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
○石井構造改革担当課長 共用している施設の空きスペースの活用につきましては、施設管理などの制約もあって、実際進んでいないと認識をしております。まずは実態を把握し、課題を整理した上で、財源確保や区民サービス向上の観点から、施設の有効活用の方策を検討してまいります。
○中村委員 ぜひ把握をしていただきたいなと思います。
また、今後は、中野駅南口開発や新北口駅前再開発の権利床のこともあります。今後、閉館する児童館の跡施設や学校跡地も出てくる予定です。都内の一等地で使用せずに遊ばせてしまっていることは、損失とも言えるのではないかなと思います。こうした観点を持ちながら、区として保有する資産の活用を図っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○石井構造改革担当課長 区有施設整備計画(案)におきましては、資産の有効活用として未利用となる土地、施設についての考え方を整理したところでございます。有効活用に当たりましては、未利用となる土地、施設の状況やサウンディング型の市場調査を行うなど、利活用の可能性を整理してまいりたいと思っております。
○中村委員 お願いいたします。
関連して、区有施設整備計画(案)で示された生活援護課事務室の配置について伺います。この件については、私たちもいろいろな方々から御意見を頂いてまいりました。現行案は、生活相談は新庁舎、保護決定後は社会福祉会館という形になっております。利用者の利便性を損なう形にならないか、懸念をしております。また、生活援護課が二つの場所に分かれることで、現場の方々も大変困惑しているという声も漏れ聞いております。
さらに、受給者増に対応するため、人員増を検討していると思いますけれども、そもそも現在、検討の人員数が、社会福祉会館の3、4階では、作業するスペースとしては大変厳しいようにも見えます。職務の業務効率や士気が落ち、結果として区民サービスも低下することを心配しております。事務室が分離されることによる課題について、今定例会でも様々な質疑がありました。改めて、コスト面や実務上の課題を洗い出して、現場職員の意見を確認しながら、検討を進めていただきたいと思いますが、これまでの議論を踏まえ、区長の現在の率直なお考えをお聞かせください。
○酒井区長 生活援護課の配置につきましては、今定例会でも事務所が2か所になることによる課題や財政負担等、様々な御意見を頂きました。これまでも区民のプライバシーの保護や利便性の問題、将来のケースワーカーの増員の可能性、事務処理の問題など、様々な角度から検討してまいりましたが、議会での御指摘や区有施設整備計画(案)についてのパブリック・コメントの結果、事務処理の問題に関する職員の検討結果なども踏まえて、総合的に判断していく考えでございます。
○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。検討を進めていただきたいと思います。これまでにも増して事務改善が進み、職員も働きやすく、区民サービスの向上につながる内容となることを期待をしております。
(6)構造改革、行政評価、業務改善の連携について伺います。
中野区は、構造改革実行プログラムを8月に策定しました。プログラムの目的としては、財政的な非常事態に対処するとともに、新たな行政需要に応じた効率的かつ効果的なサービス展開を図るため、行財政の構造的な改革を集中的に進め、持続可能な区政運営を目指すためとしております。行政評価の結果でも、それぞれの事業で行った業務改善が、記載はありませんでした。業務改善がどこまで実施されているのか見える状況ではありません。業務改善も評価をされるべきだと考えております。
業務改善も行政評価も構造改革も、関連している中では連携をしていかないと非効率だと考えております。今年度から行政評価を構造改革担当が担うこととなり、行政評価と構造改革は連携がしやすくなりました。一方で、昨年度までは行政評価担当と業務改善担当が一緒でしたが、今年度からは新区役所担当が業務改善担当を担っています。実務での業務改善も行政評価と連携をしていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○石井構造改革担当課長 業務改善につきましては、新庁舎移転に向けたペーパーレスやデジタル化などの観点から、新区役所整備担当が担っているところでございます。
一方、行政評価につきましては、PDCAサイクルの観点から企画部で担い、さらに構造改革の取組と連動させていく考えでございます。業務改善、行政評価、構造改革、相互に関連をしておりまして、それぞれの取組を効果的に進めていくため、連携は不可欠だと認識をしております。
○中村委員 予算の見直しも、予算編成過程の中で12月に報告されてきていますが、行政評価に基づいているわけではありませんでした。令和2年度から、行政評価制度が事務事業点検方式に変わり、施策の評価ではなく事業評価になったことで事業の効果が見えやすくなりました。一方で、施策、政策に点検結果がつながっていない状態で、今後の課題となっております。事業の効果が見えるということは、その事業が区の政策、施策に資するものなのかの判断もしやすくなったと思いますけれども、そこはいかがでしょうか。
○石井構造改革担当課長 令和2年度から事業レベルの行政評価に変わりまして、事業の実績や成果、コストなど、評価の根拠が分かりやすくなったと捉えてございます。
一方、施策は複数の事業で構成されておりまして、単体の事業評価だけでは施策の評価はしにくく、今後も工夫の余地があると認識をしております。
○中村委員 構造改革実行プログラムでは、職員の意識改革が必要であると言われています。業務改善運動はそのきっかけになると考えます。業務の見直しと人材育成を一体的に行うということが、構造改革の近道であると思いますけれども、現在は連携があまりないように感じております。構造改革と業務改善の連携も今後必要になってくるのではないでしょうか、伺います。
○石井構造改革担当課長 構造改革の推進におきまして、職員の意識改革は大変に重要であると認識しております。業務改善運動は、自らの業務や職場の課題を自分事として捉え、主体的に動いているものでございまして、こうした取組を構造改革における個別のプログラムにつなげ、業務改善の視点を持ちながら、着実な推進を図っていく考えでございます。
○中村委員 構造改革の中では、今後の行政評価の在り方についても議論をしていく予定です。昨年度の行政評価は、もともと実施予定だった内部評価の数を絞って提出されましたが、今年度は各部が選定する48事業と企画部が選定する9事業の結果が、決算資料としても提出されています。昨年度は予算の執行見直しがあったこともあり、中には事業自体を実施していないものもありました。現在の内部評価対象事業の選び方は、どのように行っているのでしょうか。
○石井構造改革担当課長 各部選定事業につきましては、令和2年度当初予算の概要における新規、拡充・推進事業を中心に各部にて選定をいたしました。
また、企画部選定事業につきましては、重点的に評価すべき項目として、今年度は外部委託を活用している事業を選定したところでございます。
○中村委員 今、御答弁でも新規、拡充事業を中心にというふうにおっしゃっていたんですけれども、やっぱり見てみると、新規事業も多く含まれておりました。そのために、執行統制で実施していないものも含まれています。そもそも新規事業だと、年度途中でスタートしたものも含まれているために、効果が見えない中での評価が必要になってくるものもあるのかなというふうに思っています。こうした観点からも、新規事業を含むのはあまり適していないと感じておりますけれども、区はどのようにお考えでしょうか。
○石井構造改革担当課長 即効性のある事業でありましたら、新規であっても評価になじむと言えますけれども、通常1年足らずで、なかなか評価をするということは難しいと認識しております。今後の評価対象事業の選定に当たりましては、事業の内容ですとか取組の経過などを考慮していきたいと考えております。
○中村委員 ありがとうございます。ぜひそこは精査をしていただきたいなと思います。
さらに言うと、先ほど指摘をした人事評価システムについては、先送りをしたのが妥当だというものになっていました。やっぱり内部評価だけでは限界があるのかなと思っています。早急に外部評価の在り方を決める必要があると思いますが、そこはいかがでしょうか。
○石井構造改革担当課長 外部評価を活用することで、より実効性のある行政評価にしていきたいと考えておりまして、構造改革推進アドバイザーの助言を参考にしながら、外部評価の進め方についても検討してまいりたいと考えています。
○中村委員 本当に、早急に外部評価の在り方を出していただきたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、2番、公衆衛生について伺います。
(1)コロナ禍を経た公衆衛生の認識についてです。
公衆衛生パブリックヘルスは、人間社会の健康に関わる諸問題に集団的に対応することとされて、人々を集合として捉え、市レベル、まちレベル、場合によっては国レベルで対応策を考えることを言います。国民の健康を保持、増進させるため、公私の保健機関や地域・職域組織によって営まれる組織的な衛生活動と言えます。具体的には、日本では母子保健、伝染病予防、生活習慣病対策、精神衛生、食品衛生、住居衛生、上下水道、し尿塵芥処理、公害対策、労働衛生などです。公衆衛生といっても幅広いわけですが、公衆衛生の成り立ちは国によっても違います。結構面白くて調べたんですけれども、ここで紹介するとすごく長くなってしまうので、今回は割愛をさせていただきます。
区では、東京都から保健所長と保健予防課長が公衆衛生医師として派遣されていますが、公衆衛生医師の役割を教えてください。
○関保健予防課長 東京都の募集要項でも述べられておりますけれども、公衆衛生医師とは、公衆衛生予防医学の視点に立って、地域住民の健康を支える行政職の医師でございます。現在、都庁や都内の保健所等に勤務し、新型コロナウイルス感染症対策のほか、地域住民の健康増進や健康危機管理に関わる様々な業務に従事しております。
○中村委員 ありがとうございます。コロナ禍になるまでって、公衆衛生医師ってどういう人たちなんだろうと、なかなか見えてこない部分もあったんですけれども、今、本当に活躍をしていただいているので、御紹介をさせていただきたいなと思って、質問に入れさせていただきました。
アメリカでは、新型コロナワクチンの義務化の議論が進んでおります。私自身、アメリカに留学をしていたんですけれども、アメリカへ留学する際には、法で定められた予防接種を済ませていない場合は就学できないということも経験をしました。ワクチンに対する意識は、日本とは全く違うと感じてまいりました。新型コロナワクチンについては、あくまでも希望する方が受けるというスタンスが守られておりますけれども、今後、海外との行き来が再開した際には、ワクチン接種済みでないと入国できないという状況が起こる可能性があるのではないかと考えますが、保健所の認識はいかがでしょうか。
○瀬谷新型コロナウイルスワクチン接種担当課長 外務省の海外安全ホームページなどで、入国する際にワクチン接種の証明書が必要な国があることは承知しております。区でも、渡航予定のある方からの申請に対しまして、接種証明書を交付しているところです。
○中村委員 ありがとうございます。先日、新生児科医であり公衆衛生医師でもある大阪母子医療センターの今西洋介先生からお話を伺いました。日本は、ほかの国と比べるとワクチン忌避の傾向があるということです。ワクチンにより免疫を獲得することができない人が存在することや、ワクチン自体が体質的に打てない人もいる中で、打てる人たちがワクチン接種するということは、社会としても非常に重要なことだと考えております。新型コロナワクチンにおいては、打てない世代の子どもたちを守るためにも重要だと思っておりますが、区としての考えはいかがですか。
○瀬谷新型コロナウイルスワクチン接種担当課長 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止し、区民の生命及び健康を守る上でワクチンの接種は非常に効果的であると認識しております。引き続き、体質的に接種できない方などへの配慮をしつつ、接種の勧奨を行っていきたいと考えております。
○中村委員 ありがとうございます。8月12日に、これはアメリカなんですけれども、デジタルヘイト対抗センターというのがあるらしいんですけれども、そこの調査によると、SNS上で新型コロナウイルスワクチンに反対し、誤情報を広げる中心的な12人は、少なくとも計3,600万ドル、約40億円の収益を上げているとの報道がありました。日本でも、反ワクチン、ノーマスク運動が繰り広げられておりまして、定期的にデモも行われており、感染を拡大させるおそれもあり、非常に危険な行為だと感じています。また、その先導をされている医師が出された反ワクチン本は、某通販サイトの売上げ1位にもなっておりました。
また、9月6日には、SNSを中心に広がる反ワクチンのデマについて、鳥海不二夫東大教授が分析したところ、その発信源の大部分は29アカウントが占めるという報道もありました。一人ひとりがデマに惑わされないためにも、行政として正しい情報の提供というのは非常に重要な役割を担っていると考えます。これは、保健所と広報担当がしっかりと連携を取り、取り組まなければいけないと考えますが、いかがでしょうか。
○瀬谷新型コロナウイルスワクチン接種担当課長 委員おっしゃるとおり、引き続き広聴・広報課と連携いたしまして、正確な情報の発信に努めていきます。
○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。
次に、(2)ワクチンで防げる感染症(VPD)について伺います。
健康福祉部事業概要には、予防対策の中に予防接種法第2条の定期予防接種と任意予防接種費用助成、そして予防接種法第6条の臨時予防接種というカテゴリーに分けられています。
まず、定期予防接種について伺います。毎年の定期予防接種の接種率等を記載していただいております。定期予防接種には、A類疾病とB類疾病と分類されておりますが、A類疾病とB類疾病の違いを教えてください。
○関保健予防課長 予防接種法に基づく定期予防接種は、A類疾病とB類疾病に分類されております。A類疾病は、主に集団予防、重篤な疾病の予防に重点を置いており、対象者やその保護者に努力義務があることから、国は接種を積極的に勧奨しております。B類疾病は、主に個人予防に重点を置いており、対象者に努力義務はございません。
○中村委員 ありがとうございます。努力義務があるものがA類疾病ということで、これ、厚生労働省のホームページにも記載されているのを見たんです。A類疾病の予防接種は、誰もが受けるべき予防接種ですというふうに記載があります。A類疾病はたくさんあるんですけれども、例えばジフテリア、百日咳、破傷風、麻疹、風疹、日本脳炎、BCG、Hib、肺炎球菌感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、水痘、B型肝炎、ノタウイルス、風疹抗体検査、風疹5期などがあります。このA類疾病の予防接種のほとんどは、1歳までの間に打ち終わります。生後2か月から始まる予防接種スケジュールは本当に目まぐるしくて、私自身も経験しましたが、発熱などで停滞すると、また組み直しをするのも本当に大変です。昨年度はコロナ禍の中で、緊急事態宣言の影響などで、一時期ワクチン控えも起きました。令和2年度の接種率はどうだったのでしょうか、伺います。
○関保健予防課長 1歳までに打ち終わるスケジュールとなってございます定期予防接種の接種率でございますが、ほぼ100%となっておりまして、例年と同様の傾向でございます。A類疾病全体の接種率は82.4%であり、令和元年の81.1%と比較し、微増してございます。
○中村委員 そうなんですよ、微増しているんですよね。ちょっとこの結果には、私も驚いております。中野区では、定期予防接種の延長措置も適用されておりますが、このことへの広報や医師会との連携も、今後も取り組んでいただきたいと思っております。
中野区で助成をしている任意予防接種は、おたふく風邪ワクチンとインフルエンザワクチンがありますが、任意予防接種というのはどういう位置付けなのか、伺います。
○関保健予防課長 予防接種法の定期予防接種に規定されていない予防接種を、一般的に任意接種と呼んでおります。これらは、本人やその保護者と接種医の相談によって判断されて行われると認識しております。
なお、定期予防接種として行われるワクチンであっても、予防接種法上規定されている接種年齢、接種時期、接種回数などから外れた場合には、任意接種として扱われます。
○中村委員 ありがとうございます。この質問を取材していく中で、任意接種というのは法的にはないということを初めて私も知りました。
メディアでは、新型コロナウイルスワクチンは任意接種だからというような報道もされていますが、位置付けを教えてください。
○瀬谷新型コロナウイルスワクチン接種担当課長 新型コロナウイルスワクチン接種は、予防接種法附則第7条第2項の規定により、同法第6条第1項の臨時接種として実施するものであり、接種を受けるよう努めなければならないという予防接種法第9条の規定が適用されております。接種の対象となっている方につきましては、妊婦の方を除き接種を受けることが努力義務となっているところです。
○中村委員 ありがとうございます。新型コロナワクチンは臨時予防接種とのことですが、定期予防接種と同じレベルで推進をされて、努力義務とされています。過去の健康福祉部の概要を見ても、臨時接種という位置付けがされたワクチンはなくて、新型コロナウイルスは、やっぱり100年に一度のパンデミックを起こしたという認識を改めて持ちました。ありがとうございます。
次に、(3)HPV感染について伺います。
HPV感染については、子宮頸がんということを起こすものでもあります。年間約3,000人が子宮頸がんにより死亡されています。年間約1万人が子宮頸がんに罹患をしています。罹患というのは患うことです。罹患したことにより、子宮を全て摘出してしまわなければいけなかった方、また、がん化した部分だけ円錐切除、部分切除をして、済んだけれども、それにより不妊になってしまった方、切迫早産で妊娠中ほとんどの期間を病院で過ごした方、がん化する前の段階、前がん病変と言われる細胞が異型性をしている状態が分かる人の人数は把握していませんが、その何倍もいらっしゃいます。実際に、子宮頸がん検診で再検査になり、婦人科に定期的に通わなければいけなくなった人は、私の知人でも片手だけでは収まりません。もちろん、早期発見のために定期的な検診も非常に重要ですが、根本的な予防は、初めての性行為の前のワクチン接種が非常に重要です。この数年で接種率は上がってきてはいるものの、対象者にまだ情報が十分に行き届いていないのではないかと思っております。
さきにA類疾病の話の中で述べたとおり、HPV(ヒトパピローマウイルス)はA類疾病であり、誰もが受けるべき予防接種です。2013年4月に定期接種と位置付けられましたが、副反応疑いから6月に積極的勧奨が差し控えられています。積極的勧奨とは、具体的にどういったものなのか、御説明ください。
○関保健予防課長 積極的勧奨とは、区が対象者や保護者に対して、標準的な接種期間の前に接種を促す通知を個別に送付することにより、積極的に接種することを促す取組のことを示してございます。
○中村委員 積極的勧奨がストップしているということは、その情報がやっぱり行っていないということなんですよね。
先日、日本思春期学会の市民公開講座「子宮頸がん予防国民会議~子宮頸がん予防先進国への変貌を目指して」という講演を拝聴しました。その中で、2020年11月に発表されたWHOの子宮頸がんの排除に向けた世界戦略についての話を伺いました。排除の定義というのは、年齢調整罹患率が年間10万人に4人となっています。2030年までの目標として、90%の女子が15歳までにHPVワクチンの接種をすること、70%の女性が35歳及び45歳までに精度の高いがん検診を受け、90%の子宮頸部病変の指摘をされた女性が治療を受けることを掲げています。日本の現状はというと、ワクチンは1%以下、検診受診率は44%、治療率は公にはなっていませんが、生存率が高いということから、治療を受けている率は高いと推察されます。それでも年間1万人が罹患し、2,800人が死亡しており、若い世代では増加傾向にあります。
過去のHPV感染歴を調べてみると、結構、これ、驚愕だったんですけれども、女性では、通算パートナー数が1人の人でも、約半分の人がハイリスクHPVに感染したことがあり、通算パートナー数が3人の人は、ほぼ100%感染したことがあることが分かっています。男性なんですけれども、男性では40%の人が常に感染をしている状態です。そういう状態なんですけれども、ほとんどの人が感染を自覚をしていません。感染歴があるからといって、全てががん化するわけではありませんが、継続感染からがん化してしまうかどうかは、運でしかなく、言葉を選ばずに言えば、ロシアンルーレットのようなものです。この子宮頸がんの排除に向けた世界戦略には、日本も先進国として責任があります。国に一義的な責任がありますが、自治体も例外ではないはずです。区としても、できることをやる必要があると思いますが、区として、この世界戦略を認識されていたのでしょうか、伺います。
○関保健予防課長 子宮頸がんは、ワクチン接種により罹患率が低減するがんの一つとして、WHOの世界戦略となっていることについては認識してございます。
○中村委員 ありがとうございます。2028年には、オーストラリアで排除が見えてきております。世界では、111か国がHPVワクチンを採用しています。途上国でも、HPVワクチンは推進されておりまして、アフリカのルワンダでは、10歳と14歳の集団接種が行われています。35歳までの検診により発生を抑えることができているそうです。昨年10月と今年1月に、HPVワクチンに関する厚生労働省通知が出ています。対象者にお知らせを配付するというもので、これを受けて、中野区は3月に、次年度高校1年生の女子を対象に個別通知を送ったと認識しています。また、昨年6月の一般質問のときに、保健所長から御答弁いただいたとおり、DT2期の予防表送付のときにお知らせをお送りいただいているとのことでした。これらの通知の効果をどのように認識していますでしょうか、伺います。
○関保健予防課長 HPVワクチン予診票の申請件数につきましては、この国の通知を受け区が行った対応で以前よりも増加しており、効果があったと認識してございます。
○中村委員 ありがとうございます。具体的に令和元年度と令和2年度の接種率を比較するとどのような状況か、教えてください。
○関保健予防課長 令和元年度の接種率は4.3%、令和2年度は11.5%となっております。
○中村委員 倍に。恐らく昨年度は、まだ対象者に対しての送付はできていなかったと思うんです、ほとんど。なので、この通知の効果というよりは、社会的な認識が広がってきているというところもあるのかなと思っています。
それでは、今年度の4月から6月の接種状況はどうなっているか、教えてください。
○関保健予防課長 令和3年4月から6月の接種件数は181件となっており、令和2年度の同じ時期の22件よりは大きく上回っている状況でございます。
○中村委員 ありがとうございます。具体的に効果が出てきているなというふうに感じます。
昨年度は、12月に区報に記載をしていましたが、今年度の区報掲載の予定はあるんでしょうか、伺います。
○関保健予防課長 令和3年10月5日号の区報に周知の記事を掲載する予定でございます。
○中村委員 ありがとうございます。医療従事者の団体「みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト」が、全国の中学校及び高校に啓発ポスターやチラシの送付を無料で行う旨、お知らせをお送りしています。中野区内で採用した学校があるのか、教えてください。
○松原学校教育課長 御案内の啓発物についてでございますが、区立各中学校に確認をいたしましたところ、現時点において採用した実績はないと聞いてございます。
○中村委員 ちょっと、この件については残念だなと思っています。いろいろ通知が来る中で、一つひとつ確認して採用するのもなかなか難しいのかなと思っておりますので、送る側の工夫もぜひして、頼んでいきたいなと思っています。
コロナ禍における定期予防接種の延長措置では、新型コロナ収束後2年は定期予防接種が受けられるというふうになっていたかと思います。HPVワクチンについては、高校1年生の3月までが対象ですけれども、この延長措置により、現在の高校2年生も対象となるというふうに理解していますけれども、保健所の見解はいかがでしょうか。
○関保健予防課長 御認識のとおり、対象となります。
○中村委員 ありがとうございます。ぜひ区報等でお知らせする際には、この情報も一緒に載せていただきたいなと思っております。
8月28日の報道で、製薬会社が厚生労働省に抗議文を送っていたことが分かりました。ガーダシルを販売するMSDは、今年10月の積極的勧奨再開、2022年4月までのキャッチアップ接種の開始を前提に、厚生労働省予防接種室からの要請を受けて、接種率が回復しても支障を来さない程度の量のワクチンを日本向けに確保したとしております。積極的勧奨を再開するには、公式には厚生労働省の有識者会議、予防接種ワクチン分科会副反応検討部会の承認を受け、厚生労働省から通知を出す手続が必要ですが、8月の終わりに近づいても、副反応検討部会での議論も始まらないことにしびれを切らしたMSDは、文書の中で、世界的な需要の高まりの中、日本を優先して確保したワクチンを廃棄せざるを得なくなるリスクがあると、懸念を表明。早くて2022年4月から順番に廃棄処分が始まる見込みです。現在、HPVワクチンは、その有効性と安全性の高さから、世界中で接種が進み、現在までに8億回以上打たれている状況です。需要の高まりとともに、世界中でHPVワクチンの争奪戦が起きており、2019年の段階では、世界中で2,900万本のワクチンが足りなくなると予測されておりました。こうした状況がある中で、日本で大量に破棄をするようなことがあれば、日本は世界から批判されると、MSDは指摘をしています。日本は、現状のままでは、ワクチンを打ちたくても入ってこなくなってしまう可能性があるということです。この現状を保健所は把握しているんでしょうか、伺います。
○関保健予防課長 現在、日本国内で使用されているHPVワクチンは、海外で製造されている輸入ワクチンであり、そのような状況があることにつきましては、報道により認識してございます。
○中村委員 ありがとうございます。多くの医療従事者は、この現状に非常に強い危機感を持っておりまして、具体的に啓発活動をされております。積極的勧奨が止められたことにより、お知らせが手元に届かなかった世代の大学生で成る「HPVワクチンfor Me」という団体があり、政府にもキャッチアップ接種を求めています。青森県平川市では、令和3年度に限り、17歳から19歳の3学年に対してキャッチアップ接種の助成を実施しています。本来は国がやるべきことではありますが、こうして動いている自治体もあるということです。先ほど述べた延長措置も使えるため、中野区では、実質17歳は接種ができますが、こうした取組の検討もあってもいいのかもしれないかなと思っております。
いずれにしても、積極的勧奨の再開が始まれば、保健所の本来業務ではありますけれども、さらなる業務がのしかかることにもなります。キャッチアップ接種もということになれば、対象人数が倍以上になります。こうした体制も組んでいかなければいけないと思います。また、医師会との連携も不可欠だと考えておりますが、いかがでしょうか。
○関保健予防課長 過去にも、他の定期予防接種ワクチンにつきまして、積極的勧奨が再開された際には、段階的な延長措置が行われたこともありまして、今回についてもそのような状況になった場合には、区として適切に対応してまいります。積極的勧奨が再開された際には、必要な方が確実に接種できるよう、国や都の最新の動向を注視し、区医師会とも連携を密にしてまいります。
○中村委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。失われなくていい命が守られるよう、早期の積極的勧奨再開を願いまして、私の全ての質問を終わります。
ありがとうございました。
○ひやま委員長 以上で中村延子委員の質疑を終了します。
次に、加藤たくま委員、質疑をどうぞ。
○加藤委員 自民党の一番手として質疑をさせていただきます。
令和2年度予算は、酒井区政3年目となり、区長のカラーが色濃く出た内容でありました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大によりまして、それを起因とした感染拡大予防事業、医療体制の構築、特別定額給付金の事業など、様々な新規事業が国からなど発生しまして、一部事業を中断せざるを得ない、イレギュラー続きの区政運営となりました。そういった中で、最前線で執務を行われた職員の皆様方には、本当に感謝いたします。
しかし、その令和2年の区政運営がよいものであったかというのは、その新型コロナのために分析が困難であり、中村委員もいろいろ新型コロナと一般事業で分けてやられておりましたけれども、新型コロナによって相当大変だったということは、分かったところでありますので、我が会派としては、限られた予算、職員、技術などの中で妥当な運営ができたかどうかを指摘させていただきたいと思います。
そして、来年度予算は、その中でどうするべきであるかという総論を申し上げていきたいと思っております。
それでは、1番、令和2年度決算について伺います。
まず、定型的でありますけれども、歳入について触れます。特別区民税、先ほどもありましたけれども、増加の原因はどう分析されておりますでしょうか。
○竹内税務課長 お答えいたします。令和2年度の特別区民税の収入額は340億6,285万7,000円でございまして、前年度と比較して13億4,579万円増加してございます。これは、納税義務者数の増加や納税者1人当たりの所得額の増によるものと分析しております。
○加藤委員 来年度以降はどのようになると予測されていますでしょうか。
○竹内税務課長 国は、景気回復にはなお時間がかかるものと見ておりまして、過去の類似事例でございますリーマンショックにおいても、影響が複数年続いたことがございます。新型コロナウイルス感染症の影響も複数年続くと予想されておりまして、その動向には注視してまいりたいと考えてございます。
○加藤委員 リーマンショックのときは、東日本大震災の影響もあって、かなり長く、5年ぐらい影響が続いたというようなこともありましたけれども、新型コロナはリーマンショック以上のものだと言われている中で、どういったことになるかということでは、予断を許さない状況が続くものだと思います。
そうしましたら、次は特別区交付金のほうを伺いますけれども、当初予算より減少しまして、昨年度予算よりも減額となっておりますけれども、その要因についてお伺いいたします。
○森財政課長 特別区交付金の減要因でございますが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりまして、また、法人住民税の国税化の影響もありまして、交付金の財源でございます調整税等が減になったことが、減少の要因というふうに捉えております。
○加藤委員 その法人住民税等が減少した理由は、どう分析されているんですか。
○森財政課長 一つは、税制改正の影響がございます。
もう一つは、大きなところですが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりまして、法人に影響があったということで、減少したというふうに捉えております。
○加藤委員 一般的に経済状況がよくないだろうというところは、イメージできるところでありますけれども、来年度以降はどうなると予測されておりますでしょうか。
○森財政課長 令和2年度の決算状況ですとか、現時点での令和3年度の歳入見込みということからすると、上振れの状況でございます。ですが、経済状況は不透明でございますので、しっかりその辺りは注視していく必要があると考えております。
○加藤委員 上振れって、上に上がっていくと予測されているということでよろしいんですか。
○森財政課長 そういった傾向もあると考えておりますが、しっかり経済状況等、そこは注視していきたいと考えております。
○加藤委員 そうしましたら、今後の歳入全体としての見通しで、中野区はどのように予想されていますでしょうか。
○森財政課長 一般財源の歳入全体としまして、令和2年度の歳入状況というのが想定よりもよかったということでございます。また、令和3年度も想定より上振れの状況も見込まれるというようなところでございますが、繰り返しになりますが、経済状況等、しっかりその辺りは注視していきたいと考えております。
○加藤委員 そうしましたら、次、歳出のほうを伺います。
生活保護については、先ほど質疑で取り上げられておりましたので、質問は割愛いたしますけれども、生活、住宅、介護扶助とかが増加しているものの、医療扶助が減少したということで、全体としては生活保護費が減ったということですが、あまり増えなかったというところは、政府・与党の新型コロナの緊急対策で、住宅確保給付金、総合支援資金貸付けの拡大だったり、特別定額給付金などがあったというふうにも、理由として挙げられるのではないかということは思います。しかし、今後、新型コロナの影響で見通すことはできないというような答弁であったと思います。
そうしましたら、次は国民健康保険事業特別会計繰入金等について、その令和2年度決算と今後の傾向について伺います。
○伊藤保険医療課長 令和2年度におきましては、被保険者数の減少などの影響に伴い、国民健康保険事業特別会計への一般会計繰出金は38億3,349万5,000円で、令和元年度から6億59万3,000円の減となってございます。今後、国民健康保険の被保険者数は、令和2年度の約7万7,000人から減少すると見込まれるため、一般会計の繰出金も減少すると見込んでございます。
○加藤委員 続きまして、後期高齢者医療特別会計の広域連合納付金などについて伺います。同様に、令和2年度決算と今後どうなっていくかという予測についてお伺いします。
○伊藤保険医療課長 令和2年度におきましては、新型コロナウイルス感染の拡大などの影響から医療給付費が減少し、広域連合への納付金は、令和2年度、69億2,195万5,000円で、3,901万2,000円の減となってございます。しかし、団塊の世代が75歳を迎える来年1月以降、被保険者数は現在の3万4,500人から2%あるいは3%増加することが想定されてございます。今後、広域連合への納付金及び一般会計の繰出金は増えていくと見込んでございます。
○加藤委員 令和4年10月以降には、後期高齢者、現在、1割負担のところが2割負担へと変わっていくということですけれども、区財政への影響についてどのように予想されているか、お伺いします。
○伊藤保険医療課長 自己負担額が1割負担から2割負担に変わる方につきましては、必要な医療受診が抑制されるといった事態が生じないように、2割負担施行後の3年間は、外来患者の1か月の負担増が最大でも3,000円に収まるような措置がなされることとなってございます。広域連合納付金及び一般会計の繰出金が減少すると考えられるのは、令和7年度以降と考えてございます。
○加藤委員 続きまして、介護保険の特別会計について伺います。
今年度はどんな傾向だったのか、今後どのような予想をされているのか、お伺いします。
○葉山介護・高齢者支援課長 お答えします。介護保険特別会計全体の歳出につきましては、微増、僅かに増ということになっております。高齢者人口はほぼ横ばいでございますけれども、その中でも高い年齢層の人口の増加が反映しているものと見ております。新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、通所系のサービスは減、訪問系のサービスは増といった傾向は見られますが、特別会計全体の数字には表れていないという状況でございます。今後の見通しといたしましては、微増傾向が続くと考えているところでございます。
○加藤委員 ありがとうございます。
そうしましたら、歳出全体としての見通しについてお伺いします。
さきの一般質問で若林議員より質問で、来年度予算は骨格予算にはしないということでした。その答えの中で、引き続き緊張感を持って区政運営をされるような趣旨の御発言がありましたけれども、来年度以降の歳出についてどのような方向で考えられているのか、お伺いします。
○森財政課長 まず、来年度予算編成に当たっての考え方でございますが、新型コロナウイルスの感染症対策と様々な活動の支援、それから基本計画で掲げる重点プロジェクト、区有施設整備計画に基づく施設整備、構造改革実行プログラムに基づく取組及び新庁舎移転を見据えた業務改善等、これら5項目を重点事項としまして、限られた財源を優先的に配分するということで、予算編成をこれから進めていくという考えでございます。
来年度予算については、基本計画策定後、初年度の予算編成ということでございまして、新たな基本計画を踏まえながら、中長期的な視点を持ちながら編成を進めていきたいということで考えておりまして、そういった形で、来年度以降、検討しているところでございます。
○加藤委員 今後の区政運営で、そういった方向性であるということですけれども、いろいろと歳入の見通しが変わってきたという中で、基本計画の財政フレームとかが変わってくるぐらいのインパクトがあると思うんですけれども、その辺は変更が出てくるんでしょうか。
○森財政課長 基本計画の改定素案ということで、現在お示ししております財政フレームから、その後、事情の変更等あったものにつきましては、職員の退職金の見通しが変わったことによっての人件費の変更ですとか、令和2年度決算が確定したことによる基金残高の変更といったようなものは想定しているところでございますが、基本的には歳入歳出とも大きく変わるものではないと考えておりますので、財政フレームについても大きな変更があるとは考えていないところでございます。
○加藤委員 それは、もう施設整備とかの変更が出ない程度の影響ということですか。つまり、そこまで財政が楽観的な状況にはなっていないという状況のままだという認識でよろしいですか。
○森財政課長 施設整備計画についても、改定素案等、検討してまいりまして、それを踏まえた形で基本計画の財政フレームの中にも落とし込んでいるというような状況でございます。ですので、そういったことからすると、この間の検討の状況によって、大きく財政フレームに影響を与えるような変更があった、変化があったということでは捉えていないということでございます。
○加藤委員 財政的に厳しいという見通しは変わらないままという認識でいいんですか。
○森財政課長 歳入のところでも申し上げましたが、全体としては厳しい状況にあるということについては変わっていないところでございます。
○ひやま委員長 加藤委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。1時まで委員会を休憩します。
午前11時59分休憩
午後1時00分開議
○ひやま委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。
加藤委員、質疑をどうぞ。
○加藤委員 お昼を挟んで続けてやらせていただきます。
先ほど最後にお伺いしましたけれども、来年度以降も区政の財政運用的にはかなり厳しいものがあるということを最後にお聞かせいただきました。我々会派といたしましては、新区役所整備を進めるために必要な業務改善に注力すべき時期だと考えております。そのため会派としては、新型コロナ対策、災害対策だったり、将来的に財政負担が減っていくような事業以外の新規予算に関しては控えていくべきだろうと考えております。
ちなみに、骨格予算とは何なのかというのをこの機会にちょっと伺ってみたいと思っていますけれども、財政担当としてはどのように考えておりますか。
○森財政課長 骨格予算についての考え方でございますが、新規事業等の経費は計上せず、法律等に基づく義務的経費や既存施設の維持管理経費など、基本的な行政運営を行っていくための経費、それのみ計上するものが骨格予算であると考えております。
○加藤委員 令和2年度におきましては執行統制をかけたわけですけれども、それによって新規予算等がかなり削られましたけれども、これはかなり骨格予算に近づいたと認識するものなんですか。
○森財政課長 確かに令和2年度予算の執行に当たりまして、新規事業、拡充事業について一旦立ち止まって、どうしていくのかということを検討してやったわけでございます。ですので、実際、当初予算の段階ではそういった政策的な経費、新規事業の部分については計上しないというのが骨格予算の考え方でありますので、近づいたというところまではなかなか言いづらいところがありますけれども、新規事業を立ち止まって見直したということについては、一つそういった要素もあったかなと思います。
○加藤委員 よしんばの話ですけれども、例えば予算が否決されて義務的経費だけでやっていかないといけないというような状況になった場合の予算と骨格予算というのはニアリーイコールになるものなんですか。
○森財政課長 例えば義務費について計上していくといったようなことと骨格予算がどうなのかということなんですけれども、なかなか骨格予算というのは、その時々の状況によって変わってくるところがあります。義務費については、当然、本当に必要な人件費ですとか法的に支出していかなければならない義務的経費とかというようなことで、結構ありますので、完全なイコールにはならないかなと思います。
○加藤委員 ないとは思いますけれども、そういった事態があったとしても、頭の体操として、区としては何が本当に必要というか、最低限運用するための予算とは何なのかというのをちょっと研究はしていただきたいなと思っております。
これまで令和2年度決算から見て、令和4年度の予算についてマクロ的な視点から指摘させていただきました。続いて、ちょっと事業別にミクロな視点から質疑を行います。
まず、備品の区分が3万円以上から10万円以上に上がったわけですけれども、この点については令和2年の第1回定例会で立憲民主党の酒井議員からも予算総括質疑等で挙げられ、多くの議員がその消耗品の購入について真っ当に行われているかということで懸念を示されておりました。それは、その質疑において、どのように運用されるか明確な答弁がなかったからだと思っております。鉛筆やボールペン1本の消耗品を業務の流れから持ち帰ることもひょっとしたらあるでしょう。では、電卓とか工具とか5万円の消耗品とかを持ち出していても鉛筆と同じような扱いだったら分からないようなこともあるだろうということで、疑義も生じるわけです。制度を変えた中で、結果的に消耗品はどのように運用管理されているのかお伺いいたします。
○吉村会計室長 お答えいたします。従前より、備品に限らず消耗品についても物品管理規則等に基づき適切に運用管理を行っているところであります。各課には部長が指定しました物品出納員と物品管理者がおりまして、購入した物品の保管、使用状況について相互にチェックを行う体制を取っております。消耗品となる基準単価が変更された後も、この体制に変更はございません。会計管理者としましては、これらの物品管理を適正に行うために、毎年、同規則第47条による自己検査で重点項目を各部に示すとともに、所属から定期的に報告を求め、必要に応じて調査を行うなど、指導を徹底しているところでございます。
○加藤委員 要求資料総務112の備品点数の推移(前年度までの4年間)というものを作成していただきました。令和元年度まで6万件余りあった物品数が令和2年度から2万点以下になっておりますが、購入時3万円から10万円までの金額であった備品を全て消耗品扱いに切り替えたということですかね。また、そうだとしたら、4万件ほど差があるわけですけれども、どういったものが消耗品に管理替えをされたんでしょうか。
○吉村会計室長 令和2年4月1日付で、購入時3万円以上10万円未満の備品約4万4,000点余り、これを全て消耗品に組み替えたところでございます。このうち特に多かった品目についてはスチールキャビネット、折りたたみ机、スクールロッカー、いずれも1,000点以上でございます。それに物品棚類でございます。
○加藤委員 今の時代、PCとかタブレットに関しては10万円以下で買えるわけですけれども、その辺もどのように管理されているのかお伺いいたします。
○白井情報システム課長 PC、タブレットといった情報機器等の調達に当たりましては、中野区調達ガイドラインによりまして、その必要性や費用等効果について評価した上で調達を行うこととしてございます。また、情報機器等の運用管理につきましては、情報機器等を執務室の外に持ち出す場合などに当たりましては、情報安全保護担当者として各課長の事前の許可を得た場合に限り利用可能とするなど、区の情報安全対策におけます情報セキュリティポリシー及び各情報システム実施手順の遵守により運用管理を行っているものでございます。
○加藤委員 新庁舎におきましては、新たに机とか椅子などの什器を大量に購入するわけですけれども、これらはもちろん値段の感覚からすれば消耗品の扱いになってくるわけですけれども、どのように管理されるのか。また、文具とかも消耗品で一緒ですけれども、どういうふうに新庁舎では管理していく予定なのかお伺いします。
○中村新区役所整備課長 新庁舎における机、椅子については、共通仕様となるものを基本とすることにより、全庁的に効率的に管理していく想定でございます。また、文具等の消耗品については、一括調達を行い、フロアごとに集約して配置することで、在庫管理等を効率的、適正に行うことを検討してございます。
○加藤委員 あまり細かいところをこの総括質疑の中で見ることはできないですけれども、一応、運用上は備品の管理というのはされているんだなというのは確認させていただきましたが、議会としてはその辺、これからも注視していくことだと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、執行統制についてお伺いいたします。まず、執行統制の目的と目標についてお伺いします。
○森財政課長 昨年度実施いたしました予算の執行の調整、統制でございますが、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして厳しさが増すことが予想された区財政に鑑み、区民生活を停滞させることなく安定した持続可能な財政運営を進めていくため、区民に対して安心な未来を提示できる財政基盤を構築することを目的としまして、執行調整を行ったというところでございます。
○加藤委員 事業を実施するか否かの判断や線引きというのはどうだったのか、また、誰がそれを判断したのかお伺いします。
○森財政課長 区民生活に大きな影響を与えない範囲で事業の規模や時期、方法について十分に検討して見直すべきものは見直したというところでございます。見直しに当たりましては、各部の検討結果を政策調整会議で議論いたしまして方針を決定したものでございます。
○加藤委員 そうしましたら、個別にちょっと聞いていきたいと思いますけれども、決算説明資料128ページの教育大綱パンフレットについて、なぜ執行統制をかけられたのかというのと、今後事業を復活する可能性があるのかお伺いいたします。
○堀越企画課長 教育大綱の執行停止と今後の事業化についてでございますが、教育大綱につきましては、その内容の周知のため配布するパンフレットの作成経費等を予算化していたものでございました。昨年度、新たな基本構想等の策定時期の変更もございまして、教育大綱自体の改定時期を延期する見込みとなりましたため、経費を執行しなかったものでございます。教育大綱の改定は行っていきたいと考えておりますが、今後、改定の時期に合わせまして効果的に内容を周知するための方法についても改めて検討を行っていきたいと考えております。
○加藤委員 役所としてはペーパーレス化を進めるとかそういったこともある中で、必ずしも印刷物にはしないということも踏まえているという認識でよろしいですか。
○堀越企画課長 紙による効果も検証しながら効果的な周知方法を併せて検討してまいりたいと思ってございます。
○加藤委員 続きまして、UDフォントについてお伺いしますけれども、なぜ執行停止されたのか、また、今後事業を復活させる可能性があるのかお伺いします。
○中村新区役所整備課長 令和2年度に導入を検討してございましたUDフォントにつきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況を踏まえ、歳出抑制のため執行を見送ったものでございます。UDフォントの今後の活用につきましては引き続き検討してまいります。
○加藤委員 UDフォントは無料でも使えるものもあるというところでしたけれども、その後、検証というのは行われているんですか。
○中村新区役所整備課長 区のほうで現在、無償のUDフォントのほうの活用は行ってございまして、有償のものも含めまして今後改めて検討してまいります。
○加藤委員 決算説明資料140ページ、広聴一元管理システム導入に向けた試験的導入ですけれども、これも執行停止されたわけですけれども、なぜ執行停止されたのかと今後について展望をお伺いします。
○高村広聴・広報課長 執行統制の考えに基づき、必要性はあるが緊急性が高い取組ではないこと、また、感染症拡大に伴い、区民の声など、即時対応しなければならない広聴業務が増大していることを踏まえ、執行を停止したところでございます。このシステムの有効性そのものは認識しているところです。ですので、今後改めてシステムの導入について研究していきたいと考えております。
○加藤委員 先にどんな内容だったかを聞くべきだったと思うんですけれども、一元と言っているぐらいですから、ばらばらなものを一つにするということだと思うんですけれども、中身を教えてください。
○高村広聴・広報課長 各課に寄せられた意見と、その回答や対応、これをシステムに入力することで、それらを庁内で共有できると。さらに、内容を分析できるものなので、職員の対応力向上や事務の効率化を図ることが可能なツールというものです。
○加藤委員 止めるべきものだったのか、入れたときの作業効率とかが上がる可能性があったと思うんですけれども、止めなきゃいけなかったというところをどうやって認識されていますか。
○高村広聴・広報課長 確かに入れたときの効果は高いものだというふうに思うんですけれども、一方で課題もありまして、対応しなきゃいけない数が多い現場で入力をしなきゃいけないということがあります。ですので、試験的導入というふうにしました。なぜ止めたかというのは先ほどお話ししたとおりで、必要性は感じているんですけれども、緊急性という点で高い取組ではないということと、感染症等の当面の対応があったということで見送ったものでございます。
○加藤委員 結局、システムを導入するためにはまだ検証が少し足りなかったなということだったということですね。分かりました。
続きまして、同じ140ページで、オーラルヒストリー作成事業ですけれども、これは広域行政でもそんなものがあったと思うんですけれども、これと連動したものなんですか。
○高村広聴・広報課長 このオーラルヒストリーの作成なんですけれども、地域団体等に対して委託という形で予算を組んでおりました。ただ、この業務は緊急性が高いものではないという判断をして執行停止したところです。ただ、当初委託先として想定していた団体が自主的な活動として規模とか対象を大幅に小さくしてオーラルヒストリーを作成するということを企画され、当課の区のシティプロモーション事業助成に応募して、審査の結果助成を受けたということで、シティプロモーション事業の助成を受けたものです。
○加藤委員 こういったものをボランタリーだったり──オーラルヒストリーというのは時間がかかる作業だと思いますから、こういったものがアウトソーシングできるというのは結果的に執行統制の中でよかったことなのかなということで評価させていただきたいと思います。
続きまして、166ページの人事評価システムの導入開発委託で、先ほども取り扱っていましたけれども、補正予算で減額されていましたけれども、もう一度、これはどんなシステムだったかお伺いします。
○中谷職員課長 令和2年度予算に人事評価システムの導入経費を計上してございますが、これは職員の職務経験や人事評価等に関する情報をデータベース化して各種帳票の作成や提出をシステムで行うことによりまして、人事異動や人事評価に関する業務の効率化を図るとともに、職員に関する各種情報を活用することにより、効果的な人材育成や適切な人員配置を図ることを目的としたものでございます。
○加藤委員 令和2年度は、その減額補正で丸々なくなったわけですけれども、その後、今策定中、策定し終わった──構造改革実行プログラムの中で、人事評価や人事異動等の人事情報の集約や活用を効率化するため、人事情報活用システムを令和4年度に構築することとしていますけれども、これは同じなんですよね、結局。
○中谷職員課長 基本的には、その人事評価システムと同様のシステムでございます。効果的な人材育成や適切な人員配置を図るという目的や効果を重視した導入を進める予定でありまして、まだ仮称の段階ではありますが、名称の表記を「人材情報活用システム」に改めたというものでございます。
○加藤委員 令和2年度の予算の執行統制でなくなったものの、区を構造改革していくという中でやはり必要だと判断されて、結局、令和4年度に同様のシステムを構築するというのだと、先ほども指摘がありましたけれども、2年間遅れた。これを入れることによって、構造改革実行プログラムは歳出の抑制とかそういったところが目的になっているわけですから、将来的には入れたほうがいいというシステムだったにもかかわらず執行統制をしたということになるわけですけれども、その辺はどういった認識なんですか。
○中谷職員課長 令和2年度の予算編成時から現在に至るまで、所管としましては効果的な人材育成や適正な人員配置を進めていくために必要性の高いシステムであるという認識に変わりはございませんが、予算の執行統制をしたときには、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う財政の影響がまだどの程度になるか想定できない初期の段階であったということで、予防的に導入時期を延期したということはやむを得なかったものであり、当時の判断としては妥当なものであったというふうに認識をしてございます。
○加藤委員 結局、でも、構造改革でやるぐらい必要なものだったということで、その時の執行統制として判断が正しかったのかというのは疑問が残ります。
次へ行きます。次は決算説明書316ページ、キッズスペースの木製おもちゃについてですけれども、この事業はどういったものでしょうか。
○滝浪子育て支援課長 この事業は、3階の総合窓口のキッズスペースに木製おもちゃを配置するものでございます。
○加藤委員 現在、机とかそういったものはありますけれども、積み木も入っていたと思うんですけれども、現在はしまわれてしまっています。恐らく消毒が必要だというところで。ですけれども、そうなると、何で購入したんだみたいな話になるんですけれども、その辺は正しいのか。正しいんだったら、その認識はどう考えているか、見解を伺います。
○滝浪子育て支援課長 こちらのおもちゃは、子育て世代を中心に木材利用の普及啓発を図り、持続可能な森林整備に寄与するとともに子どもたちの遊びに係る環境を整備したものでございます。感染防止の観点を踏まえ、抗菌対策とともに拭き取りや日常的なメンテナンスが容易な物品を購入いたしましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大状況を鑑み、利用できるおもちゃを限定しているものでございます。
○加藤委員 これを事業として始めたのは、いきなり4月から、もうそういった契約に入っていたんですか。いつ頃始まったんですか。つまり、新型コロナによって、そういった消毒が必要だという認識が既に生まれていた時期に契約に入っているんじゃないかなと思ったときに、そのタイミングというか判断が正しかったのかなという疑問が残るんですけれども、いかがですか。
○滝浪子育て支援課長 これは令和2年度の当初予算にのせているものでございますので、新型コロナが始まったときには既に予算化していたものですけれども、特にこのキッズスペースに限りましては、先ほど申し上げた理由で必要ということで、当初予定どおり導入したものでございます。
○加藤委員 いや、当初予算に入っていたけれども契約がいつだったかという話ですよ。執行統制に間に合うタイミングじゃなかったかどうかということですよ、簡単に言えば。
○滝浪子育て支援課長 時期的には年度当初ではなく途中ですので、執行統制の状況下の中で、これについては実施したものでございます。
○加藤委員 途中でいろいろ減額しないといけない中で判断材料には入ったわけですよね。その辺はちょっと指摘させていただきます。
同様に、児童館への木製おもちゃですけれども、これも同様に執行停止をなぜされたか、今後復活する可能性があるのか伺います。
○細野育成活動推進課長 木製おもちゃの選定でございますが、児童館の利用者の声を聞きながら進めることといたしておりました。しかしながら、新型コロナの感染拡大の状況があって、児童館の臨時閉館等があり、意見募集や意見聴取の機会を設けることができなかったというのが一つの理由です。また、子どもが直接触れるものであること、それから、利用者が密集状態をつくるおそれがあることから、感染予防の観点から配置を見送る判断をさせていただきました。
本事業については、森林環境譲与税の目的にもある、自然への親しみの醸成や木育に資する取組というふうに認識してございますが、利用者からの意見聴取の実施にめどが立たないことから、3年度の予算の計上は見送ったところでございます。今後につきましては、利用者の声も踏まえながら、木製おもちゃの配置について検討してまいりたいと考えてございます。
○加藤委員 執行統制をかけたものに関していろいろとありますけれども、止めるべきだったのか進めるべきだったのか、ちょっと当時の状況はあっただろうとは思うんですけれども、いろいろとそれが正しかったのかなというのが散見されるという指摘をして次へ行きます。
個別の事業ですけれども、決算説明書264ページ、給付システム賃借料について伺います。令和元年、2年度の予算決算にはあるんですけれども、令和3年度から、この給付システム賃借料というのがなくなっているんですけれども、やめたということでよろしいですか。
○渡邊保育園・幼稚園課長 令和元年度と令和2年度につきましては、本システムの本格運用を目指し試験運用を行ったところでございますが、課題が判明したため、令和3年度は本システムの使用契約を見送ったものでございます。
○加藤委員 そもそも何をするシステムなのかというのと課題は何だったのかを教えてください。
○渡邊保育園・幼稚園課長 本給付システムは、各保育園が情報を入力し、区に給付費や補助金を申請するためのシステムでございます。本システムは、セキュリティを確保しながら区と事業者の双方向での個人情報を交換することが難しいこと、また、事業者にとってはシステム入力のほか紙ベースでの手続も残ることから、事業者の事務負担の軽減につながらないことが判明したため、令和3年度予算には本システムを使用する経費を計上しなかったところでございます。
○加藤委員 そのやめたとかというのは委員会とかで報告はされているんですか。
○渡邊保育園・幼稚園課長 委員会に対する報告はしておりません。
○加藤委員 PDCAサイクルでその事業をやっぱりやめるという判断はよかったと思うんですけれども、予算を立てて、結局結論としてやめるというそういったところというのは、議会に対して説明があってしかりだと思うんですけれども。あと、そのシステムというのは、いわゆるパッケージのものなんですか。
○渡邊保育園・幼稚園課長 パッケージシステムでございます。
○加藤委員 先日、情報政策等調査特別委員会の学習会で講師の方がおっしゃっていたんですけれども、他自治体でパッケージソフトを導入してうまくいったなんて話で、それをうちで使ってみようなんていっても、仕事のやり方が全然違うから、人がパッケージソフトに合わせて仕事をしようとしたら結局無理が生じるみたいな事例がある。簡単にパッケージソフトを入れるべきじゃないなんていうことを講師の方はおっしゃっていたんですけれども、やってみてそういう感じだったのか、その辺、見解を教えてください。
○渡邊保育園・幼稚園課長 やはり現実に合わせる部分はパッケージシステムの場合は難しい点もあるというふうに感じたところでございます。
○加藤委員 現在自分たちが抱えている業務というのはどういうものなのか、業務改善しようとしたらどういったシステムが必要なのかというのを一から、別にこの話だけではなくて役所全体で考えていくべきなのかなという、その一例だと考えています。
続きまして、決算説明資料370ページ、すこやか福祉センターにおけるオンライン相談事業について伺います。なぜ実績がゼロだったのかお伺いします。
○大場鷺宮すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 お答えします。導入を検討していた昨年5月ごろは、すこやか福祉センターの事業の中止など、来所を制限しており、一定の利用があると想定しておりました。しかしながら、昨年6月以降、感染対策を徹底した上で来所等による事業や相談を再開したため、本年6月までの利用はございませんでしたが、本年7月以降の感染状況であったり、区の改善策を踏まえ、相談の利用実績が出てきたところでございます。
周知につきましては、これまでも区のホームページや窓口等で周知に努めてまいりましたが、継続して相談される方への周知や各種事業での案内を強化しているところであり、広報アドバイザーも活用して周知を強化していくところでございます。
○加藤委員 役所の事業がうまく数字が出てこないとき、広報が、周知が足りなかったという言い訳になって、その広報費にまたチラシを入れて、結局利用者がほとんど増えないでという悪循環を繰り返すみたいなところで、PDCAサイクルとして広報が足りなかったという言い訳ではなくて、運用の仕方として何が問題だったか、どう考えているんですか。
○大場鷺宮すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 まず、オンライン相談を開始して数か月経過したときに、実際に実績がなかったというふうなところでございますので、その部分でどういったところが課題になっているのかというふうなところをきちんと見直し、検証を図っていくことが必要だというふうに考えております。その中で、妊産婦や子育て世代の保護者をターゲットにした周知であったり各種事業における個別案内の強化を図っていくというふうなことが必要だということでございますので、きちんとPDCAサイクルに従って効果を測っていきたいというふうに考えております。
○加藤委員 そもそも、表現は悪いですけれども筋が悪い事業だったんじゃないかと考えるわけです。区民ニーズがあったのか、現場窓口の声があってつくったのか、もしくはトップダウンでこんなものをやってみたらという状態だったのか。少なからず区民ニーズはなかったんですよね、ゼロ件ですから。現場はニーズがあったかもしれないけれども、区民とはマッチングしなかったかもしれない。その辺はどうやって分析されているんですか。
○大場鷺宮すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 昨年3月以降、すこやか福祉センターにおける事業を中止や延期した際におきましては、外出を自粛されている妊婦の方から、電話の説明では分かりづらいというふうな声が聞かれたということもございます。また、その時期に助産師会においてオンライン相談を実施しているというふうなところを、相談しやすいというふうな声も聞いており、一定のニーズがあるというふうに考え、導入したところでございます。なお、導入に当たっての必要性の検討につきましては、部内の職員の意見というものを反映して実施決定したところでございます。
○加藤委員 結局、現状としてはゼロではないけれども、当時始めたときにゼロ件だったというのは、何が合わなかったかというのが結局あんまり見えてこないんですけれども。それが制度のつくり方に問題があるのかというところで、緊急でいろいろと予算を組んだ割にはそのニーズがあんまり感じられなかったというところで、その辺は指摘させていただきます。
続きまして、決算説明書242ページの経営相談オンラインについて実績をお伺いいたします。
○平田産業振興課長 オンラインビジネス相談でございます。こちらにつきましては、中小企業診断士会に委託して行っている事業でございますが、今回、9月現在で計4件の相談予約という実績でございます。事業を開始して2か月ということもございまして、これから件数としては伸びてくるものと考えてございます。
○加藤委員 これも件数がちょっと少ないというところで、広報が足りないとかそういう言い訳ではなくて、制度設計について考えていただきたいと思います。
ちなみに、これは経費は幾らなんですか。
○平田産業振興課長 今年度につきましては、限度額契約でございますが、160万円余でございます。
○加藤委員 今のままだと、ちょっと単価が高く感じられますよね。
続きまして、決算説明書532ページの自転車シェアリング事業実証実験業務委託について伺います。自転車シェアリングの4,240万円の事業ですけれども、補助金等の特定財源を抜いても一般財源が1,761万円となっていますけれども、この事業は、一般財源をそこまで投入してまで中野区にどんなメリットがあるのか伺います。
○村田交通政策課長 多様な交通環境が整うことで区民の移動に関する選択肢が広がり、利便性が高まるため、区としても新たな交通環境を育てる必要があると考えております。その中で、区内だけでなく自治体間の広域連携を活用できるシェアサイクルは、公共交通の補完、区民の移動利便性の向上というメリットがあると考えてございます。令和2年度の利用状況や利用者アンケート等から、現時点での事業の有効性は確認をさせていただいておりまして、引き続き検証していきたいと考えてございます。
○加藤委員 他区で補助金対象となりながらも実施しなかった自治体というのは幾つぐらいあるんですか。
○村田交通政策課長 シェアサイクルに活用できる補助金としまして、東京都環境公社の東京都区市町村との連携による地域環境力活性化事業補助金がございますが、この補助金を活用している区は中野区を含む広域連携区及び練馬区の12区でございまして、残りの11区は活用していないと聞いてございます。
○加藤委員 使っていないところもあるということですよね。すみません、質問はほかにもお願いしていたんですけれども、ちょっと時間の関係上割愛しますけれども、例えばソフトバンクグループが実施するハローサイクリング、中野サンプラザのところにありますけれども、実はハローサイクリングのポートの第1号がサンプラザだということですけれども、この事業は公金がほとんど注がれていなくて、先日、JR東日本と資本提携もして拡大が見込まれる上に公金がほとんど必要ないというような事業だということです。今回のシェアサイクル事業、東京都の補助金があるからといって、じゃあ乗ってみようというんじゃなくて、もう少し政策判断というのをしっかり見極めていただきたいなと思っております。この項は終わります。ありがとうございます。
では、続いて中野サンプラザについて伺います。令和2年度の中野サンプラザ全体の連結決算では当初純損失がおよそ4.5億円、つまり営業で赤字になっているわけですけれども、令和2年度の純資産は前年度に比べて約4.4億円の資産が目減りしていると思いますけれども、区がまちづくり中野21の100%株主であることからすると、その減った額がそのまま区の資産が減少したと見てよろしいですか。
○浅川総務課長 株式会社まちづくり中野21の連結決算におきまして純資産が減少したことで区の資産が減少したと言ってもいいかということについては、あながち間違いではないと考えてございます。と申しますのも、株主資本合計は期首残高26億2,539万円から期末残高21億7,809万2,000円に減少しておりまして、株主資本は4億4,729万8,000円減少いたしました。また、1株当たりの純資産額も令和2年3月期の10万4,704円84銭から令和3年3月期の7万1,800円68銭に減少したものでございます。株式会社まちづくり中野21の純資産は、運営会社である株式会社中野サンプラザの営業が新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け低迷したことによりまして大きく減少したものでございます。
○加藤委員 中野区の隠れた赤字があったということで認識が必要なんだなと思います。ちなみに、サンプラザ解体に伴って従業員の多くが退職されるわけですけれども、退職金というのはまちづくり中野21の資産から負担するものなんですか。確認です。
○浅川総務課長 株式会社中野サンプラザは中小企業退職金共済制度、中退共に加入してございまして、従業員の退職金は中退共から支払われることになります。
○加藤委員 この項は終わります。
新型コロナによって組織体制がいろいろ変わっているなと。そもそも特別給付金とかでかなり職員が使われたとか、もちろんワクチンの接種だったり、いろんなところでありますけれども、そういったところで要求資料総務113の新型コロナウイルス感染症対策に伴う職員人事異動発令一覧というものをつくっていただきましたけれども、保健所等への応援とかでも人員が割かれているということで、新型コロナが収まるまで、いつ何どき職員の異動をさせなければいけないのかというのは予想もつかないところでもあります。そんなさなか、これから年末にかけて予算要求が始まっていくわけですけれども、予算があまりないというような印象を受ける財政でもありますし、職員体制もかなりつらいというところ、そして業務改善というのも質問項目2で挙げますけれども、その辺も求められているという状況の中で、我々自民党といたしましては、新型コロナ対策、災害対策、将来の財政負担の減少に資する事業であればやっていくべきだと思いますけれども、新規予算はそのほかでやっていくべきではないんじゃなかろうかなというふうに考えております。もし何か予算的に余裕があるといっても、それは小中学校の再整備スケジュールを大きく遅らせて、年に二、三校と言っていたものを年に1校に変えた、こういったところによって余裕が多少できたかもしれませんけれども、結局ここでお金を使うというのは、将来の子どもたちに借金をして何か事業をするということで、そのお金の使い方というのはしっかりと見極めてやっていただきたいなと思うということで、この1の項を終えます。
それでは、2の新区役所整備を奇貨とした働き方改革、業務改善、DX推進、組織改編についてお伺いいたします。
まず、JR東日本の企画系の職員から聞いた一昔前のDXの事例というのを挙げます。乗降客数が世界一であるJR新宿駅、自動改札機の導入前、新宿駅中央口の有人改札の職員は、切符を切ったりとか、その切符の日付だったり、搭乗駅、値段とかを瞬時にチェックしていたわけですけれども、この作業は本当に集中力が必要だったそうです。この通勤ラッシュピークの時間帯に有人改札ボックスに入っていた職員が入っていられる時間は皆さんどのぐらいか分かりますか。15分ぐらいだったらしいんですね。相当な集中力だったと。大変な業務であるために自動改札機の導入を検討したところ、今度は、仕事がなくなるといって労働組合から猛反対があったそうです。しかし、自動改札機を導入して、そのできた余力はホテル事業や不動産、キヨスクのような小売業を展開して、国鉄負債の返済の一助となりました。結果的に、有人改札にいた職員たちは地獄から解放されたと言ったそうです。切符の処理は人間がやるような仕事ではなくて奴隷みたいな作業だった。現代においてはあんな仕事は多分もうできないと思うんですけれども、そういう話です。
おとぎ話のような話ですけれども、機械が導入できる仕事は機械に任せて、ルーチンワークから人々を解放することによって新しいアイデアを想像したり仕事ができる余力をつくっていくべきだと思います。この新庁舎に移転することによって様々なことが検討できるわけですけれども、そういった中野区政が生まれ変わるチャンスが巡ってきたと思っております。現在、中野区では中野区構造改革実行プログラムを実行するなど、構造改革に取り組んでいるところですけれども、この状況をどのように担当として捉えているのか伺います。
○中村新区役所整備課長 お答えします。現在、区では区政の構造改革の取組を進めているところでございますが、同時に新庁舎移転のタイミングも重なりますことから、それを契機として効果的に業務改善を進め、働き方を見直す絶好の機会であると認識してございます。
○加藤委員 7月21日の情報政策等調査特別委員会における学習会で講師の高橋邦夫さんに「加速する行政のデジタル化 庁舎移転を契機とした変革」というタイトルで、豊島区の事例を中心に講義していただきました。冒頭では、働き方改革の本当の意味ということで、自治体業務のクオリティについて考え方を示されて、要するに庁内におけるDX推進というのは働き方改革の1ツールにしかすぎないということでした。新庁舎整備を3年後に控えて、中野区政の働き方、業務改善の臨むべき展望がなければ、結局DX推進というのは、ある所管から無理やり各所管に押しつけられたものにすぎず、逆に業務の効率性が落ちる可能性すらあります。現在の中野区の働き方改革の検討状況についてお伺いします。
○中村新区役所整備課長 新庁舎整備を契機とした働き方、業務改善については、新庁舎でのフロアごとの運用を検討するプロジェクトチーム(PT)や職員の働き方を検討するPTを設置し、課題検討を進めているところでございます。
○加藤委員 働き方PTで検討を行っているということですが、どのようなテーマ、職員体制で行っているのでしょうか。
○中村新区役所整備課長 こちらの働き方PTでは、消耗品の一括管理、複合機の機能向上等をテーマにしまして、PTのリーダーでございます総務部長の指揮の下、総務部内の各課から職員を選出し検討を行っているものでございます。
○加藤委員 聞いている検討内容ですと、働き方改革というよりは一般職員だけがちょっと頑張って検討しているというぐらいで、業務改善どころか事務のちょっとした改善のレベルにすぎないという印象です。職員が効率的に働くような検討はもちろん大切ですけれども、同時に区民サービスを向上させていく具体的な取組を検討推進していくことも重要なテーマです。
一例を挙げますと、区民の方が役所に来ることなく用事を済ませられる仕組み、行政手続のオンライン化に集中的に取り組んでいく。その効果を区民が実感できる実効力のあるものにするためにはオンライン化はもちろん前提ですし、その前にも、ペーパーレス化というのも計画的に進めることが必要です。手続書類の簡素化などの見直しにより区民の負担、区職員の負担も減らしていくといった大所的な視点に立って、抜本的に事務内容を見直していくことが大切です。
先日、本会議の一般質問で、ペーパーレス化推進により文書の6割減という野心的な目標を掲げておりましたけれども、そのために現在の書類が本当に必要なのか抜本的に見直す必要があります。まず、6割減というものの定義を教えてください。
○中村新区役所整備課長 区では令和2年12月にペーパーレス推進基本方針を定めまして、紙文書の削減目標として、申請書や起案文書など組織で共有している文書について現状から6割を削減することを目標としまして定めてございます。
○加藤委員 その6割というのは、保管文書が6割減るということですよね。手続上の書類が6割減るのか。何が6割減るのか伺います。
○中村新区役所整備課長 執務室で保管している文書も含みますし、手続で行っている文書も含めたものになります。
○加藤委員 業務フローで出てくるのを6割減らすか、区の保管している保管庫にあるものを6割減らすのかとか、存在している紙自体を6割減らすという認識でいいんですか。
○中村新区役所整備課長 ペーパーレスの対象でございますが、主には執務室等で普段使っている文書が対象になりまして、保管庫等で保管している文書につきましては、また別の削減の内容を検討しているところでございます。
○加藤委員 庁舎内にある書類の量ということで、ウェブ申請とかデータファイルで保存することで紙を減らす、ペーパーレス化につながると思います。例えば国や東京都から標準フォーマットが送られて、そのまま準拠して書類がいたずらに増えているということもあろうかと思います。区民の皆様、区内事業者からの要望で、書類の簡素化というニーズが非常に高いです。代表的な事例に関して各所管の対応が可能か伺います。
まず、区民サービスに直結する保育園の入園申込みに関わる書類について、昨年10月より電子申請による受付を開始したということですけれども、利用率を伺います。
○藤嶋保育施設利用調整担当課長 入園申請全体におけます電子申請の割合ですけれども、令和2年10月から3月、昨年度の分で4%、令和3年4月から現在までで6%というふうになってございます。
○加藤委員 すごい低い数字だと思うんですけれども、その原因は何でしょうか。
○藤嶋保育施設利用調整担当課長 制度開始当初、電子申請に対応していたのが入園の申請書類の一部にとどまっていたこと、また、申請書類を申込者の方がPDFファイルで添付する必要があるなど、利便性の面でまだまだ課題があったというふうに考えてございます。
○加藤委員 改善は可能なんですか。
○藤嶋保育施設利用調整担当課長 申請書類につきましては、今年10月より一部の書類を除きましてほぼ全ての申請書類に対応できるようにする予定でございます。また、さらに利便性向上というところで、引き続き検討のほうを進めてまいりたいと思います。
○加藤委員 ある程度画像ファイルというのが必要になると思いますけれども、今、新型コロナウイルスの感染拡大協力金ということで、飲食業の方々が協力金を得るために画像ファイルを送るわけですけれども、それはPDFではなくて写真のJPEGとか普通の画像ファイルでも申請ができるわけです。PDFは多分一般の方々がスマホでやったところで、かなりハードルが高いんだと思うんです、PDF化するというのが。区としては令和2年ときにAI-OCRを入れていますけれども、多分OCRはPDFしか効かないと思うので、その辺の画像変換とかも含めて利便性を向上させていただきたいと思いますけれども、いかがですか。
○藤嶋保育施設利用調整担当課長 利便性の向上というところでございますので、PDFの部分以外にも、今、委員御指摘のJPEGといった画像ファイルですとか様々なファイル形式に対応していくというところにつきましても今後研究をしていきたいと考えております。
○加藤委員 ありがとうございます。では、私立幼稚園や保育所からも書類の簡素化を求められていますけれども、どのような書類の提出義務があるのか、また、その書類を削減していくことが可能なのか伺います。
○渡邊保育園・幼稚園課長 私立園や保育園につきましては、各種補助金の申請書、実績報告書、請求書、それらの証拠書類を区に提出する必要があります。今後、押印の省略など、事務の簡素化と併せ、オンラインを活用するなどしてペーパーレス化に取り組み、紙文書の6割削減を目指したいと考えております。
○加藤委員 具体的に聞くと時間があれなのであれですけれども、もちろん幼稚園や保育園のそういった事務的な手続で書類のやりとりをしていることによって子どもたちと向き合う時間というのがやっぱり減ってきて、それがすなわち保育・教育の質の低下につながってしまうので、その辺の改善はお願いしたいと思います。
続きまして、工事業者から書類の簡素化を同様に求められているわけですけれども、どのような書類の提出義務があるのか伺います。
○井上道路課長 工事提出書類についてですが、区では請負者提出書類処理基準を定めており、工事に当たっては法令等で定められている書類のほか、安全や品質に関わる必要な書類や適正な執行を確認するための提出書類を求めております。この請負者提出書類処理基準については国土交通省の工事書類の簡素化に合わせて適宜改定を行ってございます。
○加藤委員 業者の事務作業が減るような工夫というのはできるんでしょうか。
○井上道路課長 区が発注する工事の中には国や都の補助金等を活用しているものが多くありまして、適正な執行を確認するために求められる書類があるため、それ以上の書類の簡素化については区が独自に判断できない部分もございます。工事書類の電子化につきましては、工事写真の管理などを専用のソフトウェアを活用することで事務作業の軽減につながると考えてございます。
○加藤委員 国・都からの補助金があると、国・都からの標準フォーマットに乗っからないと提出できないというのもあります。それは区では変えられないですけれども、そういったものを変えていただくような要望というのはちょっとやっていただきたいなと思います。
今、電子化という話もありましたけれども、新庁舎に向けて庁内の書類の削減という話がありますが、工事書類のペーパーレス化や電子化はさらに進めることが可能ですか。
○井上道路課長 工事書類の電子化についてでございますが、請負者、発注者双方にとって、ペーパーレスの推進や業務の効率化の観点から、工事書類の電子化について工事関係団体等と意見交換を実施したいと考えてございます。
○加藤委員 そうですね、現場の方々が電子化に対応できなかったら問題があるので、その辺は現場の方々とコミュニケーションを取っていただければと思います。
質問はしないですけれども、元請業者さんの求めが多いのは、書類が多過ぎて、結局、公契約条例をやめてくれと言っているんですけれども、こういったそもそものところが多いので、まずこういったところを整理しないと、公契約条例にまたプラスになる書類の対応がなかなかできない。また、職員のほうもすごい大変なことになっていくんだなというところなので、まずそういった整備をした上で検討すべきだと思います。これは要望です。
話を戻しますが、現在、区でも働き方改革と言っていますけれども、業務改善に毛が生えたようなものに感じます。もっと庁舎全体でどういうふうにするか、権限を持って区長が直接やるか、新庁舎整備課だけではなかなかできないかもしれませんが、職員に嫌われても言う仕組みというのが必要なんだなと考えております。そのためにも、もっと大きく推進体制を組む必要があると思います。働き方に関するPTの責任部長は総務部長だと伺いましたけれども、その辺、どのようなお考えでどのような体制が必要だと考えておりますか。
○海老沢総務部長 新庁舎への移転を契機といたしまして、今まで以上に職員が効率よく働き、迅速に業務遂行が行え、かつ、区民サービスの拡充を図れるような環境整備をいたしまして、職員の職務意欲をさらに高めたいというふうに考えているわけでございます。そのために、お話があったようなペーパーレス化や押印の廃止など、今までの仕事の進め方と異なる改善に取り組んでいく必要があるというような認識を持ってございます。課題の一つひとつを改善検討していくという地道な作業になるわけでございますけれども、新庁舎移転までの2年半の間に働き方に関する職員プロジェクトチームの検討を踏まえまして、全庁に関わる取組でございますので、部長等で構成された新しい区役所整備検討会議の場で協議をいたしまして、全庁的な推進を図ってまいりたいと考えております。また、実施のための担当所管の体制強化も図ってまいりたいというふうに考えてございます。
○加藤委員 先ほど事例に挙げましたJRみたいに、ある部署が毎日すごい何人もいたのが、もう1人で作業できちゃうようなドラスチックに業務体系を変えてしまうというのは、その担当部署、課室の人から提案するのはなかなか難しくて、大所なところから言っていく必要があるのかなと思います。また、そういうことを言うと必ず抵抗勢力というのが出てきてしまうんですけれども、そこら辺は言われても、将来のために重要なんだという、そういう踏ん張りどころの3年間だと思うんですね。
そこで伺いますけれども、中野区の働き方改革、業務改善、DXを推進する上で、区の検討体制、検討組織はどのようになっているのか、また、働き方改革や業務改善を支える手段としてユニファイドコミュニケーションの導入検討はどのようになっているのか伺います。
○中村新区役所整備課長 新庁舎移転に向けました職員の働き方については新区役所整備課、DX推進については情報システム課、ユニファイドコミュニケーションツールについては新区役所整備課と情報システム課が連携して検討を進めてございます。
○加藤委員 今後は中野区がどういったビジョンを持って区民サービスを向上させていくのかが、DX、テレワーク、データ統合、レイアウト、会議室、内線電話、フリーアドレス、ペーパーレスと、手段を言っても、とてつもない検討量があります。聞いたところ、新区役所整備担当と情報システムがやっているなというところですけれども、そこの部署だけではなかなか実現が難しいだろうなというふうに考えます。これだけ重要な事業にもかかわらず、中野区基本計画では重点プロジェクトにも挙げられておりません。今からでも入れるべきと思いますけれども、いかがですか。
○永見基本構想担当課長 基本計画(案)におきましては、区政運営の基本方針の「持続可能で活力ある組織体制の構築」の中で職員の働き方改革について述べるとともに、「デジタルシフトによる行政サービスの質と生産性の向上」や「利便性が高く、区民に開かれた新区役所の整備」についても記載をしているところでございます。新区役所の整備を見据え、職員の業務生産性と区民サービスをともに向上させるために、基本計画と併せて検討を進めている中野区地域情報化推進計画や新区役所における働き方の検討等を踏まえて全庁で連携しながら取組を推進していく必要があると考えてございます。
○加藤委員 もし基本計画(案)に入れられないというのであれば、働き方改革に関連する部署の組織権限だったり部課長の権限を強く持たせる必要があると思います。現在は手段の検討が先行しているきらいがありますけれども、本来であれば、目的、ビジョンの検討を十分詰めてから手段の検討を行うべきです。さきに述べたように、まさにこの数年が踏ん張りどころなわけですけれども、今こそ国の総力を結集して区民サービスや事務効率を飛躍的に向上させる意気込みを持って業務改善、働き方改革、DXなどを一体総合的に検討する体制整備が必要だと考えますが、事務方のトップである副区長はどのようにお考えか伺います。
○白土副区長 委員御指摘のように、新区役所整備はDXを一挙に進める好機であるというふうに考えております。DXの推進によりまして、区民サービスの向上、働き方改革、業務効率化を強力に推進する必要があるというふうに考えております。現在、ペーパーレス化を中心に全庁的に取り組んでおりますけれども、それ以外にも新庁舎のネットワーク環境の構築や、AI、RPAの導入など、また、マイナンバーの活用、それから統合型GISの活用によるオープンデータの推進、キャッシュレス決済の推進による商店街の活性化など、取り組まなければならない課題は山ほどあるというふうに考えてございます。これらの課題を短期集中的に取り組んでいくためには組織体制の強化も必要であるというふうに考えておりまして、CIO、副区長として自ら先頭に立って総合的に進めていく考えでございます。
○加藤委員 副区長から、全体的にそういった検討をする体制をつくっていただけるというお言葉を頂きましたので期待したいと思います。それでこの項の質問を終えます。
3、都市計画マスタープランについてお伺いします。
都市計画マスタープランは中野区の今後20年間、もっと先を言えば100年ぐらいを見据えた大方針と、それに付随すべき事業について中長期的な観点になってくると思いますが、その辺についてただしていきます。
今、区の最高位の計画である基本構想というのは、かつて地方自治法により、その最高位という計画ではありましたけれども、地方自治法の一部を改正する法律、平成23年の改正によって、基本構想の策定を義務付けていた規定が廃止されて、現在においては基本構想は必ずしもつくらなければいけないというものではないです。一方、都市計画マスタープランは、都市計画法で作成の義務付けがされており、国から自治体を見ると、基本構想よりも都市計画マスタープランのほうが重要視されていると考えられます。
私の話ですけれども、土木工学科に入学したんですけれども、大学1年生の夏休みの宿題は、住んでいる自治体の都市計画マスタープランを読み込んで、現状と課題、自分ならどんな計画にするかというレポートを提出するものがありました。当時、第1次のマスタープランだったそうですけれども、ふわっとした内容で、どんなまちにしたいのかというのが分かりづらい内容でありました。そして、あれから20年余り経過して、自分が都市計画マスタープランについて直接意見が言える立場になったことに対して感慨深いなと思いながら、これまで質疑をさせていただきました。
それではまず、区の都市計画マスタープランの改定の歴史について伺います。
○安田都市計画課長 お答えします。区の都市計画マスタープランは平成12年3月に最初に策定し、平成21年4月に改定されてございます。今回は2回目の改定を行っているところでございます。
○加藤委員 現在改定中の都市計画マスタープランの改定内容の概要を教えてください。
○安田都市計画課長 上位計画の改定を踏まえ、これからの都市づくりの基本的な方針を明らかにすること。これまでの各まちづくりの成果を踏まえ、新たな都市政策を展開する方向性を定めること。社会経済状況や都市整備課題に対応した都市づくりの基本的な方針を定めること。また、個別具体の都市計画の決定や変更に向けた基本的な方向性を位置付けていくことを目標として、これらについて土地利用や都市施設の整備の総合的な都市計画の基本方針を定めているところでございます。
○加藤委員 都市計画マスタープランは法的根拠があるまちづくりの方針なのか確認します。
○安田都市計画課長 都市計画法第18条の2に規定されます区の都市計画に関する基本的な方針でございます。
○加藤委員 そうであれば、区が進める都市計画や地区計画、道路・公園などの都市基盤施設は、この方針に即して計画や事業化されると理解していいのか。
○安田都市計画課長 都市計画法第18条の2の第4項では、区市町村が定める都市計画は都市計画マスタープランに従う旨が示されており、委員御理解のとおりでございます。
○加藤委員 中野駅周辺まちづくりに関しては、都市計画マスタープランと中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3がありますけれども、どのような関係なのか伺います。
○小幡中野駅周辺まちづくり課長 中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3は、2012年(平成24年)に策定をしておりまして、現行2009年(平成21年)策定の中野区都市計画マスタープランの地域別構想、中央部地域のまちづくり方針を踏まえまして、駅周辺各地区の整備に係る基本的な考え方や実現に向けた取組を指針として示したものでございます。
○加藤委員 グランドデザインVer.3というのは、結局、都市計画マスタープランに載っていないところでもこうしたいというところを補完的にするものだと、都市計画マスタープランに欠けている部分を補完する位置付けということでよろしいですか。
○小幡中野駅周辺まちづくり課長 都市計画マスタープランを踏まえまして、そこを補完する形で策定したものでございます。
○加藤委員 そうですよね。だから結局、都市計画マスタープランに載っていないことはできなくて、それをやろうとしたら、また別の都市計画マスタープランに準ずるものをつくらないと、まちづくりというのは進められないということですよね。そうしたら、都市計画マスタープランについて、目標年度はいつ頃としているのか、また、その理由について伺います。
○安田都市計画課長 お答えします。おおむね20年を目標年度としてございます。理由は、上位計画である東京都の都市計画区域マスタープラン等が目標とする年数に合わせてございます。
○加藤委員 中野区の問題を解決するために中野区の特徴を捉えて、その長所と短所を理解した処方箋を都市計画マスタープランで出していかなければなりません。地域によっては用途地域と現状のまちの発展とミスマッチになっており、なかなか身動きが取れないようなところもあります。一つ分かりやすい事例で、その御本人からは承諾も得たんですけれども、東京アスレティッククラブ、TACさんが建設当時の建築条件と現在異なっている、用途地域が細分化されている中で全く同じスケールのものを建て替えることが今できないということで、事業的にどうしていくか非常に悩まれていると。また、このような問題はほかの中野区の経済団体からも要望をもらっておりまして、今、中野区で事業をしているところが、建て替えが困難であるから中野区外で事業を、その建物を建ててやり直そうということも考えたり、建て替えができないことを主要因として事業継承が困難になっているという事業所もあるということです。
都は用途地域の変更に関して地区計画の原則を指標の一つとしています。例えば地域住民が周辺環境との整合や公共性、公益性を備えた地区計画を提案型で策定した場合、用途地域の変更について東京都が考慮する指標となり得るのか伺います。
○安田都市計画課長 都市計画マスタープランでは、土地利用の方針として課題がある土地利用について将来性を定めているところでございます。委員御指摘の用途地域の変更の権限は東京都にございます。用途地域において地区計画の原則化がありまして、地区内のみならず、周辺地区の公共性の高い地区計画等が提案された場合、そうした可能性があると考えてございます。
○加藤委員 地区計画の策定というのが中野区民の意思でつくれるということは非常に重要です。しかし、もちろんまちづくりは区民だけでなく行政サイドも注力しなければなりません。都市計画マスタープランは中野区の20年後の未来が描かれており、都市計画課が関わるのはもちろんですが、多くの所管が関わります。
そこで、代表的な部署と都市計画マスタープランとの関係性について伺いたいと思います。住宅課の事業と都市計画マスタープランの関連性について連携関係を持っているか伺います。
○池内住宅課長 現在策定作業中の住宅マスタープランですが、相互に連携を図りながら取り組んでまいっております。引き続き連携を取りながら取り組んでまいりたいと思っております。
○加藤委員 もちろん住宅は、住宅マスタープランもこれから策定されていく中で重要な位置付けになっていくと思います。
ちょっと時間がないので申し訳ないですけれども、続いて建築課の事業と都市計画マスタープランの関係性、連携関係について伺います。
○小山内建築課長 安全で安心、快適なまちづくりを進める上で重要な指針となる都市計画マスタープランの趣旨を踏まえ、今後も都市計画課と情報を共有し連携を図っていく所存でございます。
○加藤委員 続いて、環境課での都市計画マスタープランとの関係性と連携関係について伺います。
○波多江環境課長 都市計画マスタープランは、環境基本計画との関連計画と位置付けており、環境の計画との整合性を図る必要があるものと認識しております。都市計画マスタープランには都市整備上の主な課題として、都市活動から発生する環境負荷の軽減について、また、脱炭素社会、省エネ建築物や再生可能エネルギー導入促進についても掲げており、環境課としても都市計画課などと連携し、環境基本計画と都市計画マスタープランとの整合性を図っているところでございます。
○加藤委員 これから中野区は環境のCO2排出抑制、温室効果ガスを削減するといって、自動車とかの運輸部門からは、ほとんど乾いた雑巾を絞るような状態なので、住宅におけるCO2排出量を減らすということが大きな中野区の環境目標に資する政策だと思いますので、頑張っていただきたいと思います。
住みたいまちというふうに言われ、そして住み続けたいまちと、中野区のブランドイメージが高まってきたと思いますが、現実としては年間10%の中野区民が転入転出を繰り返しております。ここにいる皆さんには釈迦に説法ではございますけれども、結婚や出産、就職など、様々なライフステージの変化によりまして、中野区に住み続けたいけれども、結果、住み続けられないという実態があります。酒井区長の言葉を借りれば、中野区はスタートアップのまちでありますけれどもステップアップのまちでもあり、ネガティブな表現をすれば踏み台とされてしまうまちでもあります。20代、30代の入れ替わりの激しさは40代以上の区民の人口を尻すぼみとさせ、持続可能な都市の形成がなかなか難しい状況が生まれております。そこで、提言させていただいた「住み続けられるまち」というキーワードが改定都市計画マスタープランの将来都市像として明記される方針であるということを大きく評価させていただきます。
では、具体的にどうすればいいのか。まずは狭小集合住宅が多いことが問題であると考えます。しかし、オーナーとかディベロッパーからすれば、都心へのアクセスがよい中野区に寝に帰るだけの狭小住宅を供給するというのは利益確保をする上ではしようがない観点で、正しいです。オーナーからすれば。しかし、中野区の現状を考えると、こういったものを変えていかないといけないということがあります。自民党の2番手、高橋かずちか委員より詳細な質疑をしますけれども、住宅政策一つにしても、先ほどお答えいただいた都市計画課、住宅課、建築課、環境課が連携して様々なインセンティブを与えながら政策をしていく必要があると自民党は考えます。
まち並みについても重要であります。例えばテレワークが進むと通勤しなくなり、体を動かす機会が激減する可能性があり、不健康な生活にならないか危惧されるところです。例えば骨子には、「居心地が良く歩きたくなるまちづくり」とあり、いわゆる景観行政、バリアフリーなど、あらゆる部署との連携が想定されるわけです。都市計画マスタープランが描く20年後のまちづくりに向けては、区の各組織が連携して土地利用や都市施設の方針を共有して進めなければ、20年後のまちはまとまりのないまちになってしまうかもしれません。そのためにも、区の各組織が連携してまちづくりに取り組む必要があると思いますが、そういった理解でよろしいでしょうか。
○安田都市計画課長 お答えいたします。都市計画マスタープランは、区が進める都市計画の基本的な方針であり、先ほども述べましたように、都市計画法において区が進める各まちづくりや都市整備は、この方針に従って進める必要がございます。この意味から、都市計画マスタープランが描く20年後のまちづくりに向けて各まちづくり計画や都市整備事業が連携して進んでいくものと考えてございます。
○加藤委員 また、緑・防災の観点からお伺いいたします。良好な景観形成に向けて、基本計画の施策47「まちなかの安全性・快適性の向上」の施策の中で示されているように、「周辺の建物等と調和のとれた街並みの形成、地域の特性や歴史的資源を生かした景観の形成、将来に向けた新たな都市景観の創出」がありますが、神社や寺院などの歴史ある空間は、地域の特性を生かした良好な空間にとって重要な地域の資源であると考えます。素案には社寺林──神社の社にお寺の社寺林というキーワードが載っておりますが、区はどういったイメージで明記されているんでしょうか。
○安田都市計画課長 社寺林は、神社や寺院にあるまとまりを持った樹林のことを言います。樹林など、緑が多い歴史ある空間というイメージを持っております。
○加藤委員 それならば、神社や寺院などの樹木や樹林は保護樹林などに指定されていることが多いわけですけれども、そういったことを勘案すると、地域の緑が長く保全できるように定期的に樹木医診断を行い、緑が健康に維持できるよう支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
○林公園緑地課長 区では、神社や寺院にある樹林、樹木について、条例に基づき一定の要件を満たし特に保護する必要があると認めることができるものを保護指定し、維持管理費の一部を補助しているところでございます。委員御指摘の樹木医診断につきましては、中野区基本計画(案)において検討しているところでございます。
○加藤委員 また、寺院や神社は貴重な緑だけではなくて、災害時に地域にとって安全な空間を提供できる可能性があると考えます。広域避難場所で、お隣、杉並区と中野区では、「コーシャハイム中野弥生町・立正佼成会大聖堂一帯」というのがありますけれども、非常に大きな重要なオープンスペースであり、地区のまちづくりを考える上でも防災性や災害時の避難場所としての活用も考えられる重要なところです。神社とかお寺というところ、緑だけでもなく、オープンスペースの地域の貢献について検討の俎上に、そちらのほうでも上がっているということなので、区との連携をこれから図っていっていただきたいなという要望を申し伝えまして、この項の質問を終えます。
4、ガバメントクラウドファンディングについて。
本格的に中野区も活用すべきと考えます。墨田区では、同区が生んだ世界の偉人、葛飾北斎の作品を集めたすみだ北斎美術館の当初建設費用7.4億円のうち5億円を建設時までにふるさと納税で募金しました。令和2年度末で14億3,000万円を集めており、返礼品を差し引いても1年1億円かかると言われる維持管理費を賄える状況となりました。
私も10年前に、1歳の女の子が海外における心臓移植をするために、費用1億円を御支援者のおかげで10日という短期間で集めることができました。当時まだ普及していなかったSNSを使ったクラウドファンディングを行いました。ファンディングの趣旨、熱意があれば、短期間で募金することも可能だと、経験上、断言させていただきます。
そこで伺いますが、中野区のガバメントクラウドファンディングについて考え方を伺います。
○高村広聴・広報課長 中野区のガバメントクラウドファンディングの活用の目的は、区政の課題に対応する事業にガバメントクラウドファンディングを活用することで、必要な財源の一部を確保するとともに、PR効果が高いことから、区への関心と取組への理解を深め、区民のシビックプライドの醸成を図るものでございます。
対象となる事業は、区政の課題に関連するものであるとともに、区民の共感を呼ぶ内容であること、さらに、当該事業の実施が担保されていることを必須条件としています。また、個別要件として、区民や地域に貢献するものであるか、区民や事業者と連携協力していること、あるいは事業の拡大や新たな展開が期待できるものであること、このいずれかに該当するものとしております。以上の条件に照らし、区としてガバメントクラウドファンディングを活用すべきか否かを判断しているところでございます。
○加藤委員 墨田区のように文化的施設としてクラウドファンディングが見込める施設として旧中野刑務所正門、哲学堂公園、中野サンプラザがあると考えます。まず、旧中野刑務所正門ですが、現状、移設の費用と移設先の土地の購入等に合計約19億円、また、年間の維持管理費は今のところ100万円程度と言われておりますが、区の一般財源から賄わないといけないということです。旧中野刑務所正門の保存には、自民党会派としては、これまでどおり是とはしませんけれども、保存をするというのであれば、その価値があるというのであれば、今後保存や活用、周知をするに当たり、資金の調達の手段としてクラウドファンディングなどを活用してみてはいかがでしょうか。
○矢澤文化国際交流担当課長 旧中野刑務所正門の保存に当たりましては、移築や公開等に係る区の費用負担を見込んでいるところでございます。資金調達の手法につきましては、負担軽減を図るため、ガバメントクラウドファンディングなど特定財源確保の方策につきまして今後検討してまいりたいと考えております。
○加藤委員 次に、哲学堂公園ですが、令和2年3月に国の名勝指定を受けましたが、今後、哲学堂公園保存活用計画を策定する中で、例えば公園内の整備や維持管理費などに係るクラウドファンディングの活用も検討してはいかがでしょうか。
○矢澤文化国際交流担当課長 哲学堂公園が令和2年3月に国の名勝に指定されたことに伴いまして、その文化財的価値を後世に継承し適切に保存、復元、活用することを目的としまして、今後、哲学堂公園保存活用計画を策定する予定でございます。保存活用計画を作成した後、公園等の維持管理や整備を行うに当たりましては、国や都からの補助金を見込む予定でございますが、保存活用計画を作成する段階におきまして、こういったガバメントクラウドファンディング活用の可能性につきましても併せて検討してまいりたいと考えております。
○加藤委員 続きまして、中野サンプラザのデジタルアーカイブ化について、中野駅新北口駅前拠点施設整備における施行予定者が提案していますし、また、ほかの団体からも同様の要望もあると聞いており、その筋がよければ区としても文化振興の観点から関与していくべきと考えますが、こういったデジタルアーカイブの取組についても、区としてクラウドファンディングを活用していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 中野サンプラザのデジタルアーカイブ化につきましては、中野駅新北口駅前エリアの施行予定者が新北口駅前エリアにおけるエリアマネジメントの取組の中で現在内容を検討しております。施行予定者の取組と併せまして、区としてのその取組への関与、取組内容を検討する中でクラウドファンディングの活用についても整理をしてまいりたいと考えております。
○加藤委員 ありがとうございました。いろいろとクラウドファンディングを活用していただければと思います。これでこの項の質問を終えます。
すみません、冒頭で予告していませんでしたけれども、その他で、多様性やエリアマネジメント、基本構想・基本計画について質問させていただきます。
基本構想で多様性がうたわれており、中野区男女共同参画・多文化共生推進審議会を設置し、議論が重ねてこられましたけれども、特に事業と紐づけられることもなく、実効性がない理念条例となるのではないかと危惧します。
私は2017年、当時所属しておりました東京青年会議所の総合政策委員会というところで、「青年が挑む ダイバーシティマネジメント推進 ~混沌とした時代で個性を輝かせるために~」という提言書を取りまとめさせていただき、方々に提言書を出してきた、誰よりも多様性の推進派であると自負しております。ダイバーシティ研究の権威である早稲田大学の谷口真美教授をはじめ、多くの企業のダイバーシティを推進されているヤフーの推進室長だったり、多くの著名人からアドバイスを頂きまして、個性が強いJC(東京青年会議所)という組織の中で、様々、まとまりがつかないのではないかという中で議論をまとめて、1年かけて全員が納得いくという答えを導き出せました。
ダイバーシティ推進には、大きく分ければ、ダイバーシティインクルージョンとダイバーシティマネジメントがあります。ダイバーシティインクルージョンは、差別をなくして共存していこうという、大雑把に言えばそういった概念で、マイナス状態のところをゼロにするようなイメージで、人権擁護を中心とした考えです。一方、ダイバーシティマネジメントは、多様性を強みにしたチームをつくるということです。再三、例で挙げさせていただいていますけれども、多国籍であったラグビー日本代表が最も分かりやすい例だと考えます。
こういったことを踏まえると、基本構想審議会で描かれる多様性のイメージは、ちょっとインクルージョン、人権擁護をメインとした色が強いなと考えて、多様性を強みにするという表記もありますけれども、その実現性が乏しいというふうにも考えられるわけです。ダイバーシティマネジメントを意識し、多様性を強みにした中野区になっていただきたいと思います。
では、どんな提案内容だったかというので、ちょっとフリップを用意させていただきました。ダイバーシティマネジメントを行う上で三つのステップがあると考えております。まず、A、B、Cみたいな価値観がそれぞれ違う人が集まっていくというイメージです。どこに行けばいいか迷っている人、状況によっては世の中で溺れて死にそうな方もいるわけです、そういった個人のところから。そういったところからそれぞれマッチング、ダイバーシティマッチングということで、同じ価値観の人が相集い安心感を与える、この辺は中野区の基本構想でうたわれているところで、ここはインクルージョンとしていいところだと思います。次は、それぞれの立ち位置を、これは座標を描いているわけですけれども、どこに立っているかということをイメージする必要があります。これもインクルージョンのところです。
その次ですけれども、それぞれが手を合わせて頑張っていく、こういったところ、これをやるためにはどうすればいいかといったときに、価値観を共有するのではなくて目的を共有する、これが重要なんです。多様性ということで、価値観は共有できないと言い切ってはあれですけれども、そういうふうに割り切ったほうがいいわけです。つまり、価値観を共有するのではなくて目的を共有する、こういった概念が必要であるという内容で提言をさせていただいたわけであります。
こういった提言をさせていただいて、例えば最後のところ、手を合わせるというところですけれども、技術革新で分かりやすい事例かなと思って言うのが、例えばカーナビゲーションというのはGPSとオートジャイロ、マップマッチングシステムと、各個性を持った技術の融合の賜物です。一つの技術だけでは車がどこにあるかというのを示すことができないんです、実は。それらの技術を合わせたことによって精度が高い場所を維持できるわけです。こういったことを各個性を合わせて一つの目標、車の場所をここだと分からせるという目的を共有するからこそできる技術だと考えるわけです。
提言書はもっといろいろ細かかったんですけれども、大ざっぱに言うとこんな感じです。この提言書は大手広告代理店でも参考にしていただいたという話もあり、JC(東京青年会議所)としても当時、自信作でもありました。今からでも基本的な考え方や条例に盛り込むべき事項としてこういった考えを入れていただきたいと考えますけれども、いかがでしょうか。
○堀越ユニバーサルデザイン推進担当課長 新たな条例に盛り込むべき事項についてでございます。現在検討を進めております新たな条例につきましては、人権や多様性が尊重される地域社会を目指すこととしておりまして、審議会の答申では、社会的包摂、ソーシャルインクルージョンという考え方も重要であると述べられております。委員の示されました活力を生み出していくようなダイバーシティインクルージョンの考え方ですとかマネジメントの姿勢についても、こちらは今後、条例内容の検討ですとかその後の浸透状況を捉える中で、各担当とも調整を図りながら検討してまいりたいと考えてございます。
○加藤委員 またほかのフリップも用意しているんですけれども、先ほど触れましたけれども、基本構想では、「多様性を生かし新たな価値を生み出します」と掲げておりますが、多様性を強みにしたまちづくりを進めるためには、ダイバーシティマネジメントだけではなくて、それをさらに強固に連携し合って高めていくために、エリアマネジメントやイノベーションマネジメント、三つを体系的に進めるべきだと私は考えます。
1番目にダイバーシティマネジメント、そしてエリアマネジメント、これは中野区が今進めていこうとしているものですけれども。あと、イノベーションマネジメント。これは新規事業をつくっていこうという、これはまさに活力の経済部門のところですけれども、例えばダイバーシティマネジメントとエリアマネジメント、これを合わせることによって、それぞれ共感だったり同調できる、そういった関係構築をする、そういったみんなの集える場をつくっていくことができます。ダイバーシティマネジメントとイノベーションマネジメントをやれば、様々なアイデアが、ダイバーシティマネジメントがありまして、こういうものをやりたいといった場合に様々なアイデアができる、多角的な経営戦略みたいなものが築けると考えます。
また、エリアマネジメントとイノベーションマネジメント、こういったところ、実験環境をつくる、こんなことができれば、この中野駅周辺ですごい事業ができるのかなと。中野駅周辺は、新宿を真似ても、中野駅より西にある駅の人たちは、新宿にあるようなものを中野区に来てまで、例えば映画館とかがあっても、新宿のほうが館数が多いので、結局、中野にわざわざ来て見ようという発想にはならないと思うんですね。そうすると、中野区に何の魅力があるかというのをつくり出すために、新たな魅力、新宿にはない魅力をつくっていかないといけないと私は考えます。そういった中で、こういった社会実験ができるような、チャレンジングができるようなまちというのを中野区でできればいいなと考えているわけでございます。
そんなことを踏まえて、中野駅周辺のエリアマネジメントはこういった視点で進めていくべきと考えますが、区の見解を伺います。
○石橋中野駅周辺エリアマネジメント担当課長 今年度、区が設置を予定してございます中野駅周辺エリアマネジメント協議会は、中野駅周辺の各開発地区等の事業者、それから地域団体、公共機関等のまさに多様な主体が結びつくプラットフォームとなることを想定してございます。今、委員が御指摘されたような視点で、新たな価値創造につながるような活動や取組が中野駅周辺で持続的に創出・展開される仕組みをエリアマネジメントの観点からも構築していきたいというふうに考えてございます。
○加藤委員 最後に、基本計画において基本構想に掲げる多様性を生かした新たな価値を生み出すための重点プロジェクトを設定すべきと考えますが、設定されておりません。新たな価値を生み出すためには、今言った三つのマネジメントを一体的に進めるべきと私は考えておりますけれども、そのためには横の連携を深めながら現在の事業を見直していく必要があると考えます。その辺のところ、区の見解をお伺いいたします。
○永見基本構想担当課長 多様性を生かし、新たな価値を生み出すまちづくりを進めていくためには、共通の目的の設定などを通じまして多様な主体との協働、協創を深めていくことも必要でございまして、そうした積み重ねが新しい価値を生み出していくものだと捉えてございます。今後の事業の実施に当たりましては、御意見の趣旨も踏まえながら、組織横断的に取り組んでいく考えでございます。
○加藤委員 ありがとうございました。私の今回の総括質疑におきましては、前半でかなり財政的に厳しい、そしていろいろと各事業がうまくいっていないこともある。今抱えている区の問題というのはかなりいっぱいあって、まず新規事業を立ち上げるべきではなくて、業務改善とかそういったところに注力をすべき時期なのではないかということで質疑させていただきました。ただし、新型コロナだったり災害だったり、今後、財政負担を削減するためにやる事業であればよしとするということで、予算に対しての要望を言わせていただきまして、私の総括質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○ひやま委員長 以上で加藤たくま委員の質疑を終了します。
次に、平山英明委員、質疑をどうぞ。
○平山委員 令和3年第3回定例会決算特別委員会において総括質疑を行います。質問は通告のとおりで、2の(4)と3の(4)、そして、6のその他はありません。久しぶりの総括質疑になりますので、若干緊張しながら行ってまいりますけれども、区長並びに理事者におかれては、誠実で明快な御答弁に努めていただきますように、どうかよろしくお願いいたします。
それでは初めに、区民に開かれた新区役所整備について伺っていきます。
平成28年12月に策定をした新しい区役所整備基本計画では、新しい区役所整備の基本的な考え方として、「新しい区役所は、障害のある方、高齢の方、お子様を連れた方、外国の方など、来庁したすべての方が不自由なく手続きや相談ができる、利便性の高い区役所とします」とあります。現在もこの考えに変更はございませんか。
○中村新区役所整備課長 ただいま御案内いただきました新しい区役所整備基本計画でお示ししてございます基本的な考え方の内容につきまして変更はございません。
○平山委員 本年6月には完成予定とされておりました実施設計、これはできたんでしょうか、お伺いいたします。
○中村新区役所整備課長 新庁舎整備事業におけます実施設計業務につきましては本年6月に完了してございます。
○平山委員 要求資料の総務116、区役所新庁舎各階ごとのレイアウト図というものを作成していただきました。大変ありがとうございます。基本設計が終わって、その後、様々なレイアウトの変更がありながら、全体像というのを我々は一向に示していただけなかったんです。だから、どこがどこに移りますよ、そもそもそこに入っていたものはどこに行くんだろうというものが全く分からないまま議論をするしかない状況でしたので、今日はせっかくの機会ですから、全ての委員の皆さんと共有しながら議論をさせていただきたいと思いまして資料要求をさせていただきました。具体的なイメージができますので大変助かります。
今定例会の一般質問では、多くの議員から新庁舎整備に伴う生活援護課の配置について質問がなされました。様々な課題を踏まえても、生活援護課全てを庁内配置しない、あるいはできない理由、これは一貫して、今後の生活保護受給者とケースワーカーの増という理由でした。要するに新庁舎内でのスペースの問題です。
令和2年第3回定例会の総務委員会での新庁舎整備事業の進捗状況についての報告で、ここで初めて基本設計からの主な変更点として、突如、生活援護課を庁内には配置しないことを決めたとされました。我が会派はこの時から今日に至るまで、本会議や委員会等のあらゆる場面で庁外移転の問題点について指摘し、一貫して当初案に戻すように求め続けてまいりました。本当は今までの質問を全部振り返ってお尋ねをしたいぐらいですけれども、なかなか時間もありませんので、その上で、生活保護行政としての業務機能については一般質問で様々ありましたので、今回は主に、このレイアウトのこと、区が示した新庁舎への配置が難しい理由の中でおっしゃっていたスペースの不足とプライバシーの保護、ここについて、まず伺っていきたいと思います。
まず、プライバシーの保護について伺っていきます。庁外移転を決められた当初、生活保護に関する窓口は、新庁舎では1階以外では高度なプライバシーが守れないとされていました。今定例会の区長の答弁では、このプライバシーの問題は挙げられておりません。そこで伺います。作成していただいた資料では新庁舎4階に生活保護の相談窓口が設置されるようですが、プライバシーの問題はどのような手法で解決されたのでしょうか、伺います。
○中村新区役所整備課長 新庁舎4階の窓口におけますプライバシーの確保でございますが、こちらにつきましては、現在関係部署で検討してございます。その検討の中で、窓口レイアウトの調整や動線の調整をすることで検討をしているところでございます。
○平山委員 まだ解決をしていないということですか。
○中村新区役所整備課長 こちらにつきましては、関係部署で調整検討をしてございまして、一定こちらの内容でできるのではないかという方向性は確認しております。
○平山委員 もともと高度なプライバシーを守るためには庁舎の1階じゃないと絶対駄目ですというふうにおっしゃっていたんです。それを一旦外に出すとおっしゃった。そこから、外に出すとおっしゃったときには場所は決まっていませんでしたので、教育センターに行くと。そこはプライバシーが厳しいんじゃないかというような話もあった。途中で、この教育センターに、よく調べたら、入り切らないことが分かりましたということで、一部を4階に持ってくることになった。この一部を4階に持ってくるようになったことを決められてからは、かなり長い時間があるんですよ。大変心配になるんですけれども、プライバシーの保護は守られる、そういう庁内の工夫というか、そういったものはなされると思っていいんですか。
○中村新区役所整備課長 新庁舎4階のこちらの窓口でプライバシーが確保できますように関係部署のほうで検討してございまして、区民の方が安心して手続が行えるように調整をしてまいります。
○平山委員 1階でしかプライバシーが守れないから、でも、その1階に入り切らないから出すとおっしゃったんですよ。別の見方をすると、4階でプライバシーが守れるような工夫ができるのであれば、どのフロアにだって配置をすることが可能なんです。そこは指摘だけにしておきますけれども。
次に、スペースの問題。基本設計時には生活保護に関する窓口が1階に400平米、執務室を他の階で600平米程度確保されていました。生活保護が入る予定であった1,000平米が実施設計では一体何に変わったのか、資料を基にお答えください。
○中村新区役所整備課長 こちらにつきましては、総務116の資料で御案内させていただきます。総務116の1階の図の資料を御覧ください。こちらの左上になりますけれども、基本設計では生活保護の窓口を配置しておりましたスペースにつきましては、会計室、指定金融機関及び文書集配室等を配置してございます。また、8階のほうの図を御覧いただきたいんですけれども、こちらの図の執務室に総務部等の課の一部を配置いたしました。
○平山委員 ということは、もともと1階と8階の予定であったということですね。じゃあ、その1階には会計室とかが入りましたよね、8階には総務部が入りましたよね。もともと会計室と総務部はどこの予定だったんですか。
○中村新区役所整備課長 ただいま御案内しました会計室につきましては当初4階にございました。総務部等の課につきましては7階にございました。
○平山委員 その7階は今どうなっていますか。
○中村新区役所整備課長 こちらにつきましては、全体的な配置調整を行いまして、現在は他課の執務室になってございます。
○平山委員 基本設計と実施設計で少し変わっているのかもしれませんよ。そこは我々、今日初めて資料を見たので分かりませんけれども、ただ、単純に考えれば、基本設計時に1,000平米、生活保護のためのスペースが用意されていた。窓口、1階が400平米、残りが8階に600平米。これを一旦外に出すということになったけれども、またそのうちのどれくらいかが4階に戻ってくるということになったということなんですけれども、それ以外の部分は空いているはずなんですよ、新庁舎の中で。だって、生活保護窓口が外に出ることによってほかのものが入ってきますという御報告は受けていないから。そこが疑問でならないんですね。
続けて伺います。新庁舎4階と社会福祉会館(スマイルなかの)の生活援護課のスペース、これはそれぞれ何平米ですか、伺います。
○中村新区役所整備課長 新庁舎4階の事務室スペースでございますが、約140平方メートルでございまして、社会福祉会館のスペースでございますが、約550平方メートルを想定してございます。
○平山委員 この二つだけでは入り切らないところがあるわけですよね。それでも、この入り切らない執務スペース、これは資料のどこに配置される予定ですか。
○中村新区役所整備課長 それでも入りきらない職員の方のスペースにつきましては、新庁舎4階以外の設置階も含めまして、現在検討中、調整中でございます。
○平山委員 まだ決まっていないんですか。だって、さっき言ったように、必ず空いているスペースがあるはずなんですよ。そうじゃなかったら、どこかの部署が広く使っているということかもしれない。そうも思えてしまうわけなんですね。移転を決められたのに、私もやりとりをしていてびっくりしたんですけれども、4階とスマイルなかのは何とか決まりましたよと。でも、それでも厚生委員会のやりとり等で、スマイルなかのにも結局入り切らないわけじゃないですか。だから、区が示している計画上分かれるような体制ではなくて、もっと複雑な体制になる。その入り切らない方々は結局庁内ということになっているんですけれども、どうしてそこがまだ決まっていないんですか。決まる予定はあるんですか。要は、空いているところがなかったら、詰めて入れるなんていうことが物理的に可能なんですか、伺います。
○中村新区役所整備課長 現計画案の内容に沿って、現在、健康福祉部等、関係部と調整してございまして、全体調整の中で配置する設置階のほうを決定する予定でございます。
○平山委員 いつ頃決定されるんですか。これだって、おっしゃってからかなりの時間が経過しているわけじゃないですか。いろんな新庁舎に関わることは、もうなかなかこれから変更が難しいとか、早く決めないとなんておっしゃっている状況の中で、これが決まらないと新庁舎の全体レイアウト、そちらの立場で言えばですよ、決まらないじゃないですか。いつ頃決めていただけるんですか、御報告いただけるんですか。
○中村新区役所整備課長 できるだけ早く担当所管のほうと調整いたしまして、議会への報告もいたします。
○平山委員 移転後の生活援護課の執務スペース、これを全て合わせると何平米となるのか、現在の執務スペースの平米数とともにお答えください。
○中村新区役所整備課長 現庁舎の執務室のスペースでございますが、合計約570平方メートルでございます。こちらが移転後は、新庁舎と社会福祉会館に配置いたしまして、合計約830平方メートルを想定してございます。
○平山委員 この830平米のうち、まだ決まっていない部分は何平米あるんですか。要するに、レイアウトが、配置が決まっていない部分というのがあるんですよね。これは何平米なんですか。
○中村新区役所整備課長 こちらにつきましては、これから設置階を調整する執務室につきましては140平方メートル程度でございます。
○平山委員 現在の計画案に10年で20名増員をされると、ケースワーカーをということを区長が先般発表されました。この執務スペースは見込まれているんでしょうか、伺います。
○中村新区役所整備課長 こちらにつきましては現在具体的には見込んでおりませんが、今後の状況に合わせて調整のほうをしてまいります。
○平山委員 もともと生活保護の窓口を外に出す理由というのは、生活保護受給者の増大で対応ができない、スペースが足りないからという理由だったんですよ。ケースワーカーを増やすのは、現状でもそうですけれども、これからも増えていくからということがあるわけでしょう。どうして1階では収まり切らないから出して、たしか本会議の答弁では、そういったものにきちんと対応できるような体制で生活保護受給者の方々への対応をしていきますみたいな答弁が多かったように思ったんですが。この20名が決まっていないというのが何とも信じられない。物理的に考えて、今決まっていないということは、すこやかには入りませんよね。(「社会福祉会館」と呼ぶ者あり)社会福祉会館に。
○中村新区役所整備課長 社会福祉会館に入る人数も決まってございますので、そちらも含めまして全体の中で調整していく考えでございます。
○平山委員 考えられるとすると二つだけなんです。さらに別な区外施設もしくは庁内しかないんですよ。何か破綻しているような気がしますけれどもね。
続けて伺っていきます。続きまして、組織としての意思決定のプロセス、これについても伺います。総務委員会では、生活援護課の庁外移転は令和2年3月の政策調整会議で決まったと答弁されています。これは間違いありませんか。
○中村新区役所整備課長 こちらにつきましては、ただいま御案内いただいた政策調整会議で方向性を確認してございます。
○平山委員 政策調整会議とは正式な会議体なんでしょうか、具体的な位置付けを伺います。
○堀越企画課長 政策調整会議の位置付けについてでございます。政策調整会議は、政策企画会議、こちらは区政の重要方針や重要な施策の企画及び総合調整をし、施策の方向性を明らかにするための会議体で、規則で定めているものでございますが、この政策企画会議の事前調整や政策課題について庁内調整を行う会議として開催をしているものでございます。
○平山委員 であるならば、そこで意思決定が行われるというのはおかしなことですよね。だって、政策企画会議の事前調整のためですから。じゃあ、本番である政策企画会議、本件についての議論をするための政策企画会議はいつ開かれましたか。
○中村新区役所整備課長 本件につきましては、政策企画会議では、諮ってございません。
○平山委員 さっきの答弁と齟齬があるじゃないですか。政策調整会議というのは政策企画会議に向けた調整の場だということを企画課長が答弁されているんですよ。だけども、新区役所整備課長は、意思決定は政策調整会議の場で行いましたとおっしゃっているんです。
区には、事案決定のためのいわゆる規定みたいなものがありますよね。組織としての意思決定というのは、基本的に行政というのは、持っていらっしゃるのは首長、区長だけなんですよね。皆さんは補助機関ですから。だけども、区長が全部のことを判断するわけにはいかないから、事務規定があって、必要であれば起案を起こして、そういった形で組織としての意思決定を行われてきているわけですよね。起案を起こさない場合もあるけれども、せめて会議体で諮るということをしないと、私は意思決定のプロセスとしては極めて不十分だと思うんです。幾ら区長の下だとしてもですよ。そう考えると、政策調整会議で3月に決まりましたという当時の総務委員会の答弁というのがどうも信じられないというか、そういう答弁が返ってくること自体が非常に信じられない。この年の3月の区長の御予定をホームページで全部見ました。ちなみに、政策調整会議というのはどこにも入っていませんでした。あったのは御担当との打合せだけです。3月は打合せが2回だけやられていた。会議なるものは、これに関しては全く見当たりませんでした。
続けます。その後、庁外移転について、政策企画会議には諮っていないというふうにおっしゃったので、庁議で諮られましたか。
○中村新区役所整備課長 こちらの案件につきましては庁議で確認を行ってございます。
○平山委員 庁議は確認の場ですからね。その庁議はいつですか。
○中村新区役所整備課長 こちらにつきましては令和2年9月29日の庁議で確認をいたしました。
○平山委員 3月に決まって、庁議にかけたのが9月なんですよ。定例会で委員会に報告する内容の確認が庁議でなされますから、その時にされただけということになります。
区は政策決定の透明性向上のために、2019年4月に政策企画会議というものを設置されました。だけど、ほぼ重要な政策決定が、今、この政策調整会議で行われているような気がするんです、本件のみならず。ちなみに、政策企画会議も庁議も公開ですけれども、議事録が。政策調整会議というのは非公開なんですよ。透明性を目指して政策企画会議をつくって、政策課題の重要事項はここで検討しようということになっているのに、どうして非公開の場で全てが決まっていくのか。このプロセスというも私は問題があるんじゃないかなとは思っています。
生活援護課以外の庁外移転も検討されたと聞きます。これはどのような会議体でどのような検討だったのか、時期も含めて伺います。
○中村新区役所整備課長 ただいま御案内いただきました内容につきましては、5月頃に関係部が集まった打合せにおいて生活援護課以外の部署についての検討を行いまして、課単位や課の一部、バックオフィス部門を移転することなどについて検討を行ったものでございます。
○平山委員 5月頃に打合せをやって、その5月にやっぱり難しいという結論になったということですか。
○中村新区役所整備課長 検討の結果、御案内のとおりでございます。
○平山委員 そういうことですね。
続けます。移転後の実務上の運用の課題について1点だけ伺います。我が会派の久保議員の質問に対して、「2か所となっても円滑に相談業務が行われ、財政負担や職員負担が抑えられるよう実務上の運用の検討も進めている」と答弁をされています。このことについて詳しいことを今伺っても、これ以上の答弁というのは望めないと思いますので、具体的な質問は避けておきます。しかし、金銭のやりとりも個人情報に係る書類の運搬も、リスクや負担の軽減のために幾らお金をかけてもリスクがなくなるわけではないんです。そもそも分割することで発生するリスクであるならば、分割をやめてしまえば発生しないんです。そういう意味で、リスクを発生させないことを目指すというのが私は本来の危機管理の姿ではないかと思うんですが、偶然、危機管理と新区役所整備、両方を担当されている部長がいらっしゃるので、部長の見解を伺います。
○滝瀬防災危機管理担当部長 お答え申し上げます。各部署の事業実施に当たりましては、様々なリスクや事故が発生しないように対策を講じる必要があると考えているところでございます。委員御案内の内容につきまして、具体的な対応につきましては関係所管で協議検討をしてまいります。
○平山委員 関係所管で協議をしますではなくて、危機管理の部長ですよ。庁内で職員を守らなきゃいけない。区民からお預かりしている税を守らなきゃいけない。そういったことに対して真剣に考えるのであれば、私はそういう観点からは、やっぱり庁外への移転は難しいという声を危機管理からぜひ挙げていただきたいなと思って質問をしましたが、御答弁がありましたので承りました。
建築物には施主とつくり手の思想や哲学が表れると思います。「中野の最大の財産は人であり、すべての人の人権と、あらゆる生き方、個性や価値観を尊重します」という中野区の基本構想の理念を最も体現すべき施設が私は新区役所であるべきで、区長の描く区政の実現のためには、多様な全ての区民にとって誰もが安心して訪れることができる施設であるべきだというふうに思っています。一般質問をお聞きしていると、生活保護行政についての役所の姿勢が問われる場面もありまして、この件についてパブリック・コメント等でも多くの声が寄せられているような答弁もありました。今定例会の議論も踏まえて、完成する新庁舎が目指すべき姿と違ったイメージが区民に抱かれないためにも、生活援護課を分断することなく庁内に配置することを前提に新庁舎の配置の再検討をすべきだと考えます。最後に区長の御見解を伺います。
○酒井区長 御意見は承りました。生活援護課の配置につきましては、今定例会でも事務所が2か所になることによる課題や財政負担等、様々な御意見を頂いたところでございます。これまでも区民のプライバシーの保護や利便性の問題、将来のケースワーカーの増員の可能性、事務処理の問題など様々な角度から検討してまいりましたが、議会での御指摘や区有施設整備計画案についてのパブリック・コメントの結果、事務処理の問題に関する職員の検討結果なども踏まえて総合的に判断してまいります。
○平山委員 区長から御答弁を頂いたので、もうこれ以上質問をすることはありませんけれども、いろんな検討が進む中で、さらに生活保護行政をよりよいものにしていこうという、そういう提案も区側から各所管の委員会ではなされているわけなんです。そういうことを目指されるということは、本当にその部分においては気持ちは同じなんですけれども、まだ再検討していただければ私は庁内に入る余地が十分にあると思っていますし、先ほど冒頭から伺ってきましたように、現状のままで庁外移転をするに当たってプライバシーの問題とスペースの問題、将来の問題、これが現段階で解決していないということは、やっぱり結論ありきのように見えてしまうおそれがあるので、ぜひ再検討をお願いしたいと思います。
○ひやま委員長 平山委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
午後2時58分休憩
午後3時20分開議
○ひやま委員長 委員会を再開します。
休憩前に続き、総括質疑を行います。
平山委員、質疑をどうぞ。
○平山委員 すみません、休憩を挟んで、続けて総括質疑を行わせていただきます。
次に、新型コロナ対策と令和2年度決算について。
まず、新型コロナの影響を踏まえた令和2年度決算について伺います。
新型コロナが令和2年度の区財政に与えた影響は、歳入については2番手の日野委員が、影響の詳細については3番手の木村委員がそれぞれ質問をする予定ですので、私は一般財源の影響を中心にお聞きしたいと思います。
令和2年度決算は、新型コロナの影響により、かつてない異例な決算となりました。特別定額給付金により一般財源に影響がない中で、区の歳入歳出に300億円を超える影響を与えたこと、後年度の区財政の影響を回避するために多くの事業に執行統制をかけたこと、また、コロナ禍の中で予定した事業の執行がままならなかったこと、新型コロナ対策のための様々な事業実施のための歳入が生まれ、また、影響を受けた事業者や区民への支援や補填等が生じたことなど、予算とは大きく異なる決算となりました。
歳出増については、当初予算になかった新型コロナ対策として予備費、または補正予算等で実施された事業、歳出減については、執行統制された事業と、それではないが新型コロナの影響により執行できなかった事業等があります。
そこで、要求資料の総務114と115を作成していただきました。本当に大変な作業だったとお聞きしております。心から御礼を申し上げます。携わった各部の皆様に御礼と、この総括質疑で使い切れない分は必ず分科会で活用させていただきますのでということをぜひお伝えいただければと思います。本当に大変だったみたいで。
総務114は、令和2年度に当初予算以外で新型コロナウイルス感染症対策として実施した事業とその財源の一覧です。新型コロナ対策として投入された事業費は、決算額377億6,641万円余に対して、一般財源は4億5,493万円余、一般財源充当率は約1%です。このうち特別定額給付金を除いた額は、決算額41億742万円余、一般財源額は4億4,604万円余で、一般財源充当額は約11%となります。新型コロナ対策がいかに多額の国費や都費で賄われてきたかが分かります。
少し詳細を見て伺っていきますが、作っていただきましたこの114の資料の中で、一般財源の投入が一番多い事業は、資料No.1-11、新型コロナウイルス感染症対策です。これはどのような事業になりますか。具体的な内容をお尋ねします。
○関保健予防課長 No.1-11、新型コロナウイルス感染症対策は、補正予算により執行した事業でございまして、具体的な内容としては、入院医療費公費負担、PCR検査センター事業、コールセンター人材派遣、対策用物品購入、時間外勤務手当、患者移送費、患者移送車両運行等、新型コロナウイルス感染症対策に係るほぼ全ての事業が含まれてございます。
○平山委員 直接的に新型コロナの対応に携わられた部分での費用ということで、当然額も大きいですし、区として一般財源でそこをしっかり対応されたというのは評価をしたいと思います。
続きまして、No.2-24、高齢者の生活の質(QOL)を取り戻すための活動再開支援は、決算額がゼロ円となっています。この理由を伺います。
○宇田川区民活動推進担当課長 お答えいたします。こちらにつきましては、高齢者の生活の質を取り戻すことを主な目的として、新型コロナウイルス感染症対策を講じて、高齢者会館や区民活動センターにおける活動を継続・再開するためのガイドライン、そして区民公益活動団体向けの新型コロナウイルス感染症対策のガイドラインなどを作成して公表し、これらを活用して活動の再開・継続を支援するというものでございます。
そしてもう一つ、新しい生活様式による地域活動応援窓口を開設して、活動の再開・継続に必要な情報提供ですとか、事業実施に当たっての具体的な対策など、相談を行ったというものでございます。
いずれも特段の予算措置を行わず、執行対応で実施したため、こちらの資料では決算額をゼロとしたところでございます。
○平山委員 ありがとうございます。今お伺いしているのはもともと当初予算にはなくて、新型コロナ対応のために別途なされたものですけれども、執行対応で工夫してやっていただいたということですね。ありがとうございます。
続きまして、No.2-30、社会福祉協議会補助金増額。これも同じく決算額がゼロ円ですが、これも理由を伺います。
○石崎福祉推進課長 社会福祉協議会補助金増の決算額でございますけれども、中野区社会福祉協議会が受け付けております緊急小口資金及び総合支援資金の特例貸付の申請事務につきましては、東京都社会福祉協議会からの委託費により実施してございます。
申請件数が急増し、迅速に対応できますよう5月、8月に窓口機能拡充を図りまして、その費用につきまして、当初の東京都社会福祉協議会からの委託費では賄えなかったため区が予備費を充用し、その費用の補助を行いました。しかし、その後、東京都社会福祉協議会から事業委託費が増額され、年度末に精算を行ったところ、区が補助した全額について賄えることが判明したため、全額戻入を受けました。その結果、決算額についてはゼロ円というふうになったものでございます。
○平山委員 一度予備費で計上したものですけど、これを聞いてしまうと長くなるので聞かないですけど。別に悪いことじゃないですけどね。予備費は予備費に戻せないじゃないですか。だからどういうお金のやりくりだったのかなというのは財政方にまた別途伺いますけど、理由は分かりました。
コロナ禍の中で、区民に対して様々な対応を取っていかなければいけないということで、各部署で工夫をされながら、さっきの執行対応でやりましたということについては、お金をかけずに頑張りましたということでもあるので、一つひとつの事業をまた丁寧に見させていただきたいと思います。
その上で、総務115、これは、新型コロナウイルス感染症の影響により事業を縮小又は執行を取り止めた事業の一覧です。資料にありますこの決算額のうち、一般財源充当額の合計はお幾らになりますか。
○森財政課長 総務115の資料の、最後のほうの決算額の一般財源充当額でございますが、6,446万円余でございます。
○平山委員 基金の活用はありますか。
○森財政課長 基金は活用しておりません。
○平山委員 昨年度取り組んだ執行統制に該当する事業、または補正予算により減額した事業はこの表の中に入っていますか。
○森財政課長 この中では、基本構想のシンポジウムですとか、東北復興祈念展・東北復興大祭典、移動教室、オリンピック・パラリンピック推進などが該当しております。これらについては、補正予算においても減額しております。
○平山委員 当初予算と決算額を示していただいていますが、今おっしゃった執行統制と減額補正分を差し引いた上での差額の合計は幾らになりますか。一般財源分の差額と分けてお聞きします。
○森財政課長 まず事業費といたしましては、差額2億5,046万円余でございまして、一般財源ベースで申し上げると2億634万円余でございます。
○平山委員 昨年度、執行統制による新規拡充事業の一般財源削減見込額を6億3,788万円余、経常事業の同見込額を2億6,915万円余とされていました。決算ベースでの削減結果はどうだったのかをお伺いします。
○森財政課長 まず新規拡充事業につきましては、決算ベースで、一般財源の削減額1億800万円余、それから経常経費については9,800万円余でございます。
○平山委員 今ずっとお尋ねをしてきました数字ですけれども、これを合計しますと、歳出では、一般財源の増減はおおむね5億1,900万円余、先にお尋ねした歳入ベースと相殺をすると、おおむね7,000万円の減という数字になります。これが決算で見る新型コロナで受けた一般財源額の影響額となるんじゃないかなというふうに私は思っていますけれども、しかし、これはあくまで決算に表れている数字だけであって、令和2年度中に執行統制に関わる事業費が10億円程度は削減されているというふうに思っています。予算と対比した場合は、新型コロナの影響は一般財源で、先ほども7,000万円というのは一般財源ですけどね。一般財源でおおむね11億円程度減をしたというふうに見ております。
さらには、令和2年度予算は新規拡充事業における一般財源額が66億8,000万円余、これに対して事業見直しの額が26億4,000万円余の予算でしたので、歳出予算では、一般財源ベースで40億円以上、一般財源の投入が増加するという予定になっていました。この40億円増加する予定だったものが、予算と決算というものを単純に比較するというのは本当はおかしな話ではあるんですけど、決算時には新型コロナの影響により、先ほどの額を引くと29億円程度の増で抑えることができたのかなというふうに分析をしてみました。
これらのことを踏まえると、令和2年度の決算は新型コロナの影響がなければどうなっていたのかなということも含めて考えながら、詳細についてはまた分科会で伺わせていただきたいと思います。
続けて、令和2年度決算について個別の事業を幾つか見ていきます。
子ども教育費、保育園・幼稚園費中、私立幼稚園観劇事業補助金250万円が、新型コロナの影響で全額未執行となっています。来年度こそは開催を望みますが、感染拡大の影響もないとは言い切れません。来年度開催が困難となった場合も想定し、私立幼稚園連合会側からの複数の開催案の検討がある場合、区としても柔軟に対応していただきたいと思いますけど、いかがでしょうか。伺います。
○渡邊保育園・幼稚園課長 本補助金は当該年度内であれば、例えば実施回数などに制限はございませんので、連合会からの提案があれば予算の範囲内で対応したいと考えております。
○平山委員 園児によっては、年中、年長時の貴重な2年間、観劇の体験ができないまま卒園することとなります。うちの娘も2人とも幼稚園でお世話になりました。観劇事業というのは大変思い出になった事業だろうというふうに思っています。
来年度は、その体験ができなかった園児のことを踏まえて対象や規模を拡大して、この2年間の卒園時にも観劇の機会を与えられるように取り組んではいかがでしょうか。もちろん取り組む主体は私立幼稚園連合会側になるとは思うんですけれども、区もぜひその協力をして、そういう取組を目指してはいかがでしょうか。伺います。
○渡邊保育園・幼稚園課長 本事業は私立幼稚園に在籍する園児及び保護者を対象として、私立幼稚園連合会が主催する観劇事業を対象にしているものでございますけれども、卒園児を対象に含めることにつきましては、私立幼稚園連合会の意向も伺ってまいりたいと考えております。
○平山委員 ありがとうございます。簡単に言うと、さっき予算の範囲内であればとおっしゃっていたんですけど、そういうことになった場合は少し予算も増えてしまうかもしれないけれどもという意味で伺っていますので、ぜひよろしくお願いします。
続いて、子ども教育費、学校教育費中、軽井沢少年自然の家は、予算現額4,133万円余、執行額4,111万円余で執行率99.5%です。構造改革実行プログラムで軽井沢少年自然の家が検証対象となっています。現在の委託が終わる令和7年度を見据えてのことと思いますが、東日本大震災の影響で常葉少年自然の家を失い、区が所有する唯一の宿泊施設です。子どもたちや多くの区民にとっても思い出の場であることはもちろん、コロナ禍の現在のような状況では学校教育にとっても貴重な施設です。構造改革の検討の俎上に上がったことに少し懸念をしております。
そこで伺います。昨年度は移動教室が実施されませんでしたが、今年度何とか実施をということで御苦労していただきながら、コロナ禍の中での移動教室等の実施時期の変更に軽井沢少年自然の家の存在が大きいというふうに聞いております。現在どのような調整が検討されているのか、その状況を伺います。
○松原学校教育課長 軽井沢少年自然の家の維持運営につきましては、毎年の指定管理料、施設の老朽化に伴います突発的な破損による大規模修繕など多額の経費を負担しているところではございます。また、学校による移動教室を前提とした施設でありますために、一般の利用者については伸び悩んでいるという状況もございます。
他方、今年度につきましては、新型コロナウイルスの感染状況による移動教室の実施時期や場所の変更におきまして、軽井沢少年自然の家の活用をもって柔軟に調整することができたところではございます。
今後も区が施設を保有する効果があるか、毎年の経費負担あるいは民間宿泊施設等を利用した移動教室の実施可能性と、民間旅行会社委託での実施など、総合的に検討することとしてございます。
○平山委員 前回の一般質問で、修学旅行について、民間の力も使ってということを質問いたしました。今定例会で渡辺議員だったかな、移動教室についても旅行会社を使ってはみたいなことを提案されていて、私もそれは一つのいい案だとは思ってはいるんです。
ただ、やっぱりこういう状況の中で今、軽井沢少年自然の家があるということの重要性というものを改めて再確認をしていただいて、新型コロナの状況があとどれぐらい続くのかというのが分かりませんけど、今年度から3年間の間で検討がなされて一定の結論が出されるということが少し心配なんです。もちろん、なくすという前提で議論はなされないと思うんですけど、ぜひ慎重な検討をお願いします。
続きまして、環境費、ごみゼロ推進費中、使用済み注射針回収容器購入52万8,000円となっています。本事業は、一般ごみとして排出された場合の区民と清掃事務に関わる方の危険回避のために、中野区薬剤師会の事業を支援しているものです。本来は区民と清掃事業者の安全に対して区が責任を負うべき事業でありまして、回収容器購入以外にも廃棄にかかる経費などを薬剤師会が負担していることを考えると、その他の経費も含めた委託事業に変更されるべきではないでしょうか。伺います。
○藤永清掃事務所長 使用済み注射針に係る処分経費についてでございます。在宅医療に伴いまして、家庭で排出される注射針につきましては、薬局が回収し、専門業者へ委託し、処分することとなってございます。区は区民と清掃収集事業者の安全確保を目的としまして、回収容器の購入経費につきましては薬剤師会に支出しているものでございます。薬剤師会が負担する処分委託経費につきましては、区が負担することについて現時点では考えてございません。
○平山委員 ぜひ考えてほしいなと思っています。これは私が1期の頃、一番最初に総括質疑で質問して、区のほうでスタートしていただいたものなんです。ただ、やっぱりまだ薬剤師会さんに負うところが多いと思っていますので、その事業を継続的に実施していくためにはこれは非常に重要な事業ですので、ぜひ前向きな検討をお願いしたいと思います。
「チュウシャバリ」と読むのか、「チュウシャシン」と読むのか、今「チュウシャバリ」と読まれていましたけど、どっちが正しいのか分かりませんが、薬剤師さんとお話しすると「チュウシャシン」とおっしゃっているので、議事録に「ハリ」と「シン」と載っても混乱しないように、今申し上げておきます。
1問飛ばします。粗大ごみ収集緊急対応業務委託は、執行額1億9,676万円余、不用額は20万円余でした。新型コロナによる自粛の影響により増大した粗大ごみの収集が追いつかず、補正予算により対応を行ったものです。粗大ごみのみならず、家庭ごみの排出量は増え続け、清掃事務所や委託先の民間事業者の責任と負担も大きくなっております。令和2年度はバス事業者の要望に応え、社内での感染対策防止のための取組への支援を行いましたが、清掃関係の事業者から区に対し、感染拡大防止のための何かしらの要望というのはありましたか。
○藤永清掃事務所長 清掃事業者に対する感染防止支援の要望につきましては、昨年度、今年度を通じまして、清掃関係の事業者から区に対する感染防止に関しての要望はございません。
○平山委員 ぜひ雇上関係の業者のところに話を聞きに行ってみていただいてほしいんです。あんまりそういうことに慣れていらっしゃらないのかもしれませんけど、実際はコロナ禍の中で業務量が増えているにもかかわらず、いわゆる職員というか、社員で陽性者が出た場合とか、様々なことを想定してかなり御苦労されながら、今、トップ以下は全員現場に出なければいけないような状況もあるというふうにも聞いていますので、何かしらできることをぜひ検討していただければと思います。
続きまして、移動支援について伺います。健康福祉費、障害福祉費中、地域生活支援サービスの令和2年度の執行率は94.2%、移動支援を延べ3,993人、通学等支援を延べ711人が利用されました。現在の区の移動支援は、施設などに入居すると受けられるサービス時間が半減します。これはどのような理由でしょうか。伺います。
○河村障害福祉課長 移動支援についてお答えいたします。国の運営基準によりますと、グループホーム等の事業者は、日常生活上の介護及び家事等のほか、一定程度利用者の社会生活の便宜の供与を行わなくてはならないとされております。このため区では、グループホーム等の事業者には一定程度利用者の社会生活の支援の役割を担うと考え、実家で暮らす障害者とグループホーム等の入居者とでは支給決定の上限時間数に差をつけているところでございます。しかし、週末など定期的に実家に帰る利用者については、必要な範囲で上限時間を超えて支給するなど、個別の利用者の生活状況を勘案して支給しておりまして、今後も引き続き対応していきたいと考えてございます。
○平山委員 そういう定めがあるのは承知しているんですけど、でも他区は同額出していたり、同時間だったりすることが多いんですよ。そういう定めがあるものの、定めは事業者に対してあるわけじゃないですか。ただ実態は送り迎えとかをやっていただけていなくて、御家族が結局施設まで行って、そこから例えば指定の場所まで送っていくということをやられたりしているんです。この現状はやっぱり変えなければいけない。それは事業者側にやっていただくのか、いや、でも私はやっぱりサービス時間を他区同様同じにするべきだというふうに思っていますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。
この項の2番目として、新型コロナへの対策について伺います。
第5波の感染が深刻となる中、我が会派として新型コロナ対策のための緊急要望を行いました。その一つが庁内の事業継続についてです。一般質問で、我が会派の小林議員が感染症対策のためのフェーズごとのBCPの必要について尋ねたところですけど、私からも重ねて伺います。
健康福祉部は、感染拡大に備え、現在は新規感染者250人までを想定したフェーズ5までの庁内応援を含む対応体制をつくっていますが、第5波の中で区に届く1日の発生件数が200人を超えた日もあると聞きます。都は8月5日のモニタリング会議で、1日の感染者が1万人を超える可能性も示しており、仮にそのような事態になれば、区も500人近い感染が出てもおかしくはありません。区の対応体制について、まずは新規感染者500人までを想定したフェーズを早急につくる必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○関保健予防課長 新型コロナウイルス感染症の陽性者急増時には、重症化リスクのある方への対応を重点化し、区民の命を守ることが重要と認識しております。今後はさらなる新規感染者の発生状況に応じた応援体制を検討し、感染された方の健康状態を早期に把握し対応できるよう、時宜にかなった体制を築いてまいります。
○平山委員 実際に東京都で1万人まで行ったということはなかったんですけど、ただ、リスクとしてモニタリング会議が1万人に行く可能性もあるという危機感まで示したところなので、やっぱり次の目指すべきステップの危機管理は、そこになった場合の区の対応に照準を絞ってつくっていくべきだと思いますので、よろしくお願いします。
対応体制では必要とする庁内の応援体制について、職種と人数しか示されていません。フェーズ5以上の体制確保のためには単なる応援体制ではなくて、事前に執行を止める事業等を想定し、人数を確定させておくべきと考えます。対応体制とリンクした臨時的なBCPの作成を求めますが、いかがでしょうか。伺います。
○田邉防災危機管理課長 委員のBCPの作成についてということでお答えさせていただきます。
2020年4月当初、中野区政のBCPに基づき継続の必要性の高い業務を確認し、業務の休止や縮小を適宜行い、新型コロナウイルス感染症に関わる応急対策業務を実施してまいりました。その後、感染拡大に伴い、危機管理等対策会議において調整された保健所からの応援要請に応じて、各所管がそれぞれの実情に合わせて事業の休止・縮小の判断をしてまいりました。
感染状況や各所管の状況が日々変わる中で、臨時的なBCPを作成することはなかなか難しいと考えますが、今後も感染状況や保健所業務との関連を踏まえつつ、区民生活を維持するために必要不可欠な非常時の優先業務の継続の観点から適切に対応していきたいと考えております。
○平山委員 まず前提として申し上げると、今ある区のBCP、ここに書かれてあるものでは対応できないんです。だから申し上げているというのが一つ。
もう一つは、各部署等で休止等を決めてということをおっしゃいましたけど、実際に休止をしているような事業はBCPのためにはありますかというと、恐らくないですよね。BCPのためにはですよ、新型コロナの影響によってではなくて。だから現実にはそうなっていないわけなんです。その上で、500人を超える想定を、これからフェーズを仮に組んだとしたときには、そこへの応援体制というのは、もう今人事がやっている調整だけでは追いつかないんですね。
危機管理等対策会議の中でも各部署に対して、いわゆる非常時に備えてどうやって事業を縮小するか云々を考えるよう指示を出しているということは承知しているんですけど、まだそれに対応ができているのは、私はすこやか福祉センターだけしかないと思っているんです。やっぱり防災危機管理課がイニシアチブを取って調整の役割を果たしていただいてやっていただかないと、各部の皆さんもなかなかどうやってジャッジをしていいか難しいと思いますので、そういう意味で伺いましたのでぜひよろしくお願いします。
続けます。日本郵便が長崎県の佐世保郵便局で、これは今結構ニュースになっていますけど、新型コロナウイルスのクラスターが発生し、これまでに6万通の手紙やはがきを配達できないということを発表しております。全配達員74人が感染者から濃厚接触者に該当し、出勤ができなくなったためで、配達業務が正常に戻るのは今月末から10月初旬になる見込みとの報道がありました。
当区においても、庁舎1階窓口において多数の感染者が発生し、区民サービスに影響を及ぼしました。現在の区のBCPでは、区民サービスの維持のために事業継続が必要な業務の設定は行われていますが、庁内での感染拡大を想定して一つの部や課において多数の感染者が出るという想定はなされていません。要するに、佐世保郵便局のような事態を防ぐためには、さきに伺った臨時的なBCPに庁内での感染拡大が発生した場合に対しての具体的な対応策も加えるべきと考えていますけど、これについても御答弁を伺います。
○田邉防災危機管理課長 庁内での感染拡大時の対応についてということで、お答えさせていただきます。これまで庁内で感染拡大した場合は、区民サービスを後退させないことを念頭に置いて、全庁を挙げて迅速に対応してきたところでございます。感染状況や各所管の状況が日々変わる中で臨時的なBCPを作成することは難しいと考えますが、今後も該当所管の感染状況、業務内容などに応じて、適宜適切に対応していきたいと考えております。
○平山委員 危機管理の本質は、問題が起きてから対応するのではなくて、問題の想定をすることなんですよ。それに対して事前に対応する体制をつくっておくことなんです。これが危機管理の肝なんです。だから今後、事態の変化に応じて対応していくというのでは当然不十分ですし、何というんでしょうか、今の防災危機管理課の陣容でいろいろなことをなされるというのは大変だというのは分かりますけど、ただ、庁内で一つの課が全部感染するということ、あるいは濃厚接触者になるということは、あり得ない話ではないわけなんですね。本当にそうなったときに、その業務が今、区民にとって欠かせない業務だったとしたならばということを考えなければいけない。だから、事業継続しなければいけない百二十幾つのその事業の中からさらに絞り込んで、絶対止めてはいけない事業の応援体制はせめてつくっておいてほしいと思っていますので、よろしくお願いします。
続けます。同じく小林議員の一般質問で、さきの緊急要望の内容でもありました、区内での新型コロナ治療ステーションの設置を求めました。区長からは、医療体制の確保についての困難さを理由に、あまり前向きでないような答弁に思えました。我々が要望した背景には、区が決断をされれば協力を惜しまないとの区内医療関係者の有志の医師の先生方の声があったということもあり、そのことは区も承知をされているはずです。医療体制の確保についての困難とは具体的にどのような理由なんでしょうか。伺います。
○鈴木保健企画課長 お答えいたします。新型コロナ治療ステーションにおける治療対象となりますのは、一定程度の症状が悪化した患者であることも想定され、酸素投与や抗体カクテル療法を実施した場合でも、患者の病態の急変や副作用が生じた場合などの対応に備えまして継続的に患者の状態を確認する必要がございます。そのためには病床や医療従事者の確保が必要でございますが、このような体制を整備するには様々な課題があるものでございます。
なお、新型コロナウイルスの再度の感染拡大に備えまして、区民の生命、健康を守るためには医療体制の確保が重要であるとは認識をしておりまして、都に要望するとともに、区として必要な体制構築について検討を行ってまいります。
○平山委員 もう長くは時間がないのでできませんけど、ぜひ検討を前向きにしていただきたいんです、次に向けて。様々な困難な理由があるというのも分かりますけれども、我々が要望した全くそのままの形をやらなければいけないということも考えていませんし、事態はそれからも状況が変化をしていっています。ただ、本当にこの新型コロナの中で在宅で待機されている、あるいは新型コロナに罹患した場合のことを不安視されている区民の方に少しでも安心していただけるような、中野区独自の取組もぜひ検討いただきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
○平山委員 この項の最後に、債務負担行為について何点か伺います。
まちづくり推進費、まちづくり事業費中、大和地区避難道路1号・2号線の用地取得に係る総合支援業務について、長い名称ですけどね。委託費1,185万円余、契約落差が25万9,180円、委託費残が5,010万円余となっています。どのような事業でしょうか。本事業について伺います。
○川野まちづくり事業課長 大和町地区においては、平成30年11月に策定した大和町防災まちづくり計画において、災害時の避難、消防・救援活動等の機能強化及び良好な住居環境を形成するため避難道路ネットワークを示しております。この避難道路ネットワークにおいて、避難道路1号線・2号線については特に重要な路線として優先整備路線として位置付け、公共主体で先行整備する路線となっております。
本事業は、優先整備路線の道路を6メートルに拡幅し、避難経路の確保、消防活動困難区域の解消を目的としています。令和2年度は、補償算定及び用地折衝業務と用地測量業務を実施しております。
○平山委員 執行率が約19%と低い理由を伺います。
○川野まちづくり事業課長 当初、補償算定及び用地折衝業務と用地測量業務、それぞれ別々に一般競争入札で発注する予定でした。しかしながら、各業務を一括した総合支援業務としてプロポーザル方式による事業者選定に変更したため、必要な手続に時間を要することから、委託契約期間が短くなり執行率が低くなっております。また、権利者敷地内において主に建物調査を実施する段階で、新型コロナウイルス感染再拡大の状況下となり、調査日の延期と中止を希望する権利者が増加したため執行率が低くなっております。
○平山委員 時間がないのでちょっとまとめますけれども、要はもともと入札で単年度ごとにやろうとしていたけども、事業としては5年間の事業であると。しかしながら、事業の性質を考えると、単年度ごとにいわゆる地元の方との交渉をする窓口が替わるというのは望ましくないので、プロポーザルに変えて5年間という中でやっていこうと。ただし、当初予算の段階で単年度分の予算であったということもあって、このプロポーザルの内容については5年間基本は行うんだけども、1年度ごとに随意契約をしていく、このようになったという理解でいいですか。
○川野まちづくり事業課長 今の御質問のとおりであります。
○平山委員 そこで思うんですけど、ただ5年間の事業なんですよ。これ、補正予算をきちんと組んで債務負担をかけるという検討はなされなかったんですか。
○川野まちづくり事業課長 まず、プロポーザルに変更した理由になりますけれども、もともとはそれぞれ別々に発注する予定でした。一方で、街路事業における先行実施中の区画街路4号線において、補償算定や生活再建相談の用地関連業務を一括した総合支援としてプロポーザル方式を採用しておりました。このプロポーザルによる企画提案内容が、4号線のみならず大和町地区避難道路についても効果的な内容であることから、各事業一体的に総合支援事業としてプロポーザル方式による事業者選定を実施し、各年度ごとに随意で契約する方針となっております。
○平山委員 ごめんなさい、年度ごとに随意として契約する方針とした理由は何でしたか。今よく聞き取れませんでした。
○川野まちづくり事業課長 プロポーザルにおいて一番大事なところが、業務内容から権利者との補償算定、用地交渉であることから、関係権利者の信頼関係や用地測量、交渉の実務等、高度な技術力や専門性が重要であり実効性も必要である。このため、単年度における業務の履行状況を評価しまして、そこで良好と判断した場合、かつ翌年度の予算措置が行われた場合において、同一事業者と契約を更新することを基本としております。
○平山委員 私の知る限りで、同じようなものの中で分割して行っているような事例はあんまり見ないんですよ、という気がするんですけれどね。それが悪いと言っているわけじゃないんです。だけども、債務負担をかけることもできるんです。という事案というものが実はほかにもあるんだろうというふうに思っていまして、特徴的な一つなので伺いました。どっちのジャッジもできる、ではどっちが正しいのかというのは法律に基づいた上で、別にかけなくても間違ってはいないということなんですけど、これは区の判断でどちらとも選択ができるということを確認したかったので伺いました。
続けて伺います。令和元年度新庁舎整備事業実施設計・施工業務を限度額277億1,720万円余として債務負担行為の設定がなされました。令和2年度にプロポーザルにより事業者が決定しましたが、同事業の契約額は幾らだったのでしょうか。伺います。
○中村新区役所整備課長 こちらの新庁舎整備事業実施設計・施工業務の契約額は、213億4,512万円余でございます。
○平山委員 債務負担の限度額と大幅に離れているんですけど、60億円ぐらい。これはどうしてこんなに差が出たんですか。伺います。
○中村新区役所整備課長 本件でございますが、契約に当たりまして、261億円余で公告のほうを行いまして、企画提案公募型事業者選定、いわゆるプロポーザルで実施した結果、5事業者からの参加がございまして競争効果が働いたものと考えてございます。
○平山委員 その結果については公表されているので私も見ました。二百六十数億円で公告をかけられている。それに対してかなりたくさんの会社が、ゼネコンさんが競争されていましたよね。でも、その額は低い額なんですよ、ほとんど220億円から200億円ぐらいの間なんです。単純に言うと、260億円、270億円という積算した根拠が本当に正しかったのだろうかと思っているんです。
区役所の基本計画の段階では221億円と言っていたんです。それを面積が増えたり、何が増えたりするので、要するに設計・施工一体の建設費については、平成31年3月の基本設計の策定の報告では280億円に変更しますとおっしゃったんですよ。それで、単純に213億円に落ちている。これはあまりにも開き過ぎている気がして、何で債務負担でお聞きしたのかというと、債務負担が今、限度額としてかかっているから。まだ支出予定額にはなっていませんけれども。なんですけど、こんなに実態とかけ離れた債務負担の限度額をそのまま書類上に置いておくというのは、それはあまりいいことではないと思って調べたら、実は設定した年度でしか減額できないみたいで、減額することは不可能だったみたいです。だけど、そもそも何でという疑問は残ったのでお伺いしました。これはぜひ分科会で、皆さん伺っていただければと思います。
続きまして、3項目めで、今後の財政運営について伺います。
区財政の現状認識と構造改革について、まず伺っていきます。
一般質問での区長の答弁をお聞きしまして、現在の区財政の状況について、新型コロナが当初想定よりも財政に与える影響は少ないが、引き続き緊張感を持って臨むべき状態との答弁が多く聞かれまして、既に財政上の非常事態を乗り越えたかのような印象を強く受けました。
そこでまず、現状認識を確認します。区財政について、現在も財政的な非常事態との認識に変わりはありませんか。伺います。
○森財政課長 区財政の認識でございますが、新型コロナウイルスの感染症の収束がいまだ見通せない中、不透明な状態であるということでございますので、引き続き緊張感を持って持続可能な財政運営に向けて取り組む必要があるという、そういう認識でございます。
○平山委員 その答弁は本会議場で区長もおっしゃっていたんですけど、私が聞いているのは、昨年度、区が自らおっしゃった、しかも異例として行政報告の場を求められて、その行政報告の席上でおっしゃった財政的な非常事態、これが今も変わらぬ認識かというのを尋ねているんです。それに対してのお答えをいただけないと、この先一歩も進めないんですよ。お尋ねします。
○森財政課長 繰り返しになりますが、不透明な状況でございますので、しっかり緊張感を持って持続可能な財政運営に取り組む必要があるという、そういう認識でございます。
○平山委員 繰り返されてしまったら困るんです。認識を、自らおっしゃった認識が今も変わらないかと聞いているんです。あんまり繰り返されると区長に直接お聞きしなければいけなくなるんですけど、そうなるともうこの先詰まってしまいますよ。要するに、我々はこういう状態でした、それに対してどう思いますかと尋ねているのではなくて、区自らが財政的な非常事態だとおっしゃったんです。
何でお聞きしているかというと、財政的な非常事態だとおっしゃったから構造改革推進本部を立ち上げられたんでしょう。構造改革をやられたんでしょう。財政的な非常事態だとおっしゃったから執行統制をかけられて、様々な事業サービスを削られたんでしょう。財政的な非常事態だとおっしゃるから、令和3年度予算が20%もの削減目標をつけられて、区民サービスに影響を及ぼすような事態にもなったわけでしょう。この認識が今もあるかないかということが答えられないということは、その財政的な非常事態がということではなくて、その後に区がやられてきた行為に対して責任を取れないことになるんですよ。だから伺っているんです。どっちでもいいんです、認識は。私の認識はある、でも違うかもしれない、でもどっちかと答えていただかないと前に進めないです。もう一度だけお尋ねします。
○森財政課長 想定よりも、歳入の状況ですとか、上振れの状況も確かにあるところでございますが、そういった状況で改善の状況も確かに見られるところでありますが、不透明な状況でございますので、当然しっかり緊張感を持って進めていく必要があるという、そういうことでございます。
○ひやま委員長 委員会を休憩します。
午後4時06分休憩
午後4時07分開議
○ひやま委員長 委員会を再開します。
○高橋企画部長 現時点では、その認識は変えてございません。
○平山委員 ありがとうございます。それをお聞きしたかったんです。もしそうでなかったら、構造改革は一旦止めていただきたいと思っているんです。というぐらいの話なので。なぜかというと、僅か1年で状況が劇的に変わるはずがないし、まだまだ様子を見なければいけないと思っているからなんです。
続けていきます。現在も財政的な非常事態との認識というのは確認しました。行政報告では続けて、歳出の抑制に当たっては、経常経費の削減に踏み込んでいかなければならない状況にあり、その場合には区民サービスへの影響も避けられない。行財政の構造改革は財政的な非常事態に鑑み、これらおおむね3年間で集中的に取り組み、新しい区政を展開させるための体力を養い、その後については、経済や財政の回復状況を見極めながら、刷新された持続可能な区政を推進していくことを想定していますと述べられています。
この区長の発言は、構造改革を実行する3年間は、緊急対応以外の新たな大型財政出動は行わず、大型ですよ、財政出動を行わないと言っているわけじゃないです。安定的な財政運営のための基盤構築を3年間かけて行うということで理解していましたが、そういう認識でよろしいでしょうか。
○石井構造改革担当課長 令和3年第1回定例会での施政方針説明におきまして、令和3年度予算につきまして、厳しい財政が見込まれる中、事業の廃止、縮小、先送りといった抜本的な見直しを行って歳出の抑制を図る一方で、区民の命と健康を守るための施策は最優先で進めるとともに、基本構想の実現を図るための新たな取組を展開し、区の財政運営を安定的に進めるため、中長期的な展望を視野に入れて区政構造改革の取組を進める考え方を示したところでございます。
構造改革に取り組む令和3年度からの3年間は、こうした考え方を基本に、時宜に応じた区政運営や財政運営を行うことを想定しているところでございます。
○平山委員 時宜に応じたというのが、私は、今は雌伏のときなんだというふうに理解をしたんです。要はきちんと体力を蓄えなければいけないと。景気というのは、これから上向き、下向きになるか分からない。だけど、たった1年、想定していたよりも状況がよかったからといって手綱を緩めないでほしいという質問なんです。
続けます。1問飛ばしますね、時間がないから。構造改革を実行した場合の新たな10年間の財政フレームについても、さきの第2回定例会で、一般質問でお聞きしました。お示しいただけるのかどうか。
そういうお尋ねに対して、構造改革における短期的な取組については、令和3年度予算に反映されております。実行プログラムでは中長期的な取組として実行していくため、直ちに財政フレームに影響のあるものとは考えておりませんが、実行プログラムの検証や計画改定のタイミングなどで整合性を図ってまいりますと答弁されました。中長期的な取組のために、構造改革は、直ちに10年間の財政フレームに影響はないということは、策定した段階では財政効果は見通せないというふうに理解していいですか。
○石井構造改革担当課長 構造改革実行プログラムの個別プログラムにおきましては、3年間で財政的な効果が見込まれるものと、在り方の検討を行った上でさらに長期的に効果を見込んでいるものもございまして、プログラム全体としての財政効果は示しておりません。そのため、基本指標と目標を設定し、統制を図っていく考えでございます。
今後、個別プログラムを具体的に進めていく中で、それぞれの財政効果を見積もり、財政フレームとの整合を図っていきたいと考えております。
○平山委員 ありがとうございます。ここは認識の確認だけだったので、3番に続きますから、そこでまたよろしくお願いします。
続いて、新庁舎への移転とデジタル化について伺います。新庁舎への移転時期をいつ想定しているのか伺います。
○中村新区役所整備課長 新庁舎への移転時期でございますが、令和6年5月の大型連休で移転作業を行うことを想定してございます。
○平山委員 ちょっとなかなか難しい時期だと思いますけどね。
新庁舎用の什器などの購入費用や移転作業などに要する費用の現在の想定額を伺います。
○中村新区役所整備課長 お答えいたします。御案内いただきました本体工事費以外の経費としては、主に什器購入費、移転作業費、別途工事費等を想定してございまして、費用は精査中でございますが、おおむね50億円程度を見込んでございます。
○平山委員 50億円程度ですね。これ、本会議で、自民党の高橋ちあき議員が再質問で質問されているんですよ。そのときに部長が答弁をされて、まだ精査中ですみたいな御答弁だったんですけど、答えられるのであればそのときも答えていただいたほうがよかったんじゃないかなと思います。
この50億円というのは財政フレームに見込まれているのかどうか、見込まれているのであれば見込まれている額は幾らですか。伺います。
○森財政課長 現在お示ししております、基本計画(案)におけます財政フレームにおいて、今お話しの経費につきましては、移転作業を除きまして入っておりまして、約28億7,000万円余でございます。
○平山委員 ごめんなさい、何を除いてですか。
○森財政課長 移転作業を除いてでございます。
○平山委員 28億円は財政フレームには見込んでいると。財政フレームに見込んでいるだけで、結局一般財源でやるしかないですからね。補助金が使える基金があるというわけではないので。
新庁舎に向けた新たな庁内ネットワークの構築については、先日、総務委員会で、ユニファイドコミュニケーションを導入する方向で検討するということで報告がなされました。その費用は、現在二つの案で検討中ですが、これは結構幅があって、構築費用が1.8億円から14.4億円のものと2.1億円から13.6億円、運用費用が、要するにランニングコストですね、1.5億円から5.2億円のものと2.9億円から6.9億円のもので、これはどっちにぶれるのかというのは今の時点では分からないというふうに言われておりますが、構築費用は令和4年度予算に、運営費用は令和5年度予算の導入以降にランニングコストとして毎年度必要となっていきます。それぞれについて活用可能な補助制度はあるんでしょうか。伺います。
○白井情報システム課長 ユニファイドコミュニケーションの構築運用及び運用経費に対する国や都の活用可能な補助制度につきまして、現在、予算編成等に向けまして調査等を行っている段階ではございますが、現在のところ、活用可能な補助制度に該当はございません。
○平山委員 続けて伺います。GIGAスクールについて。来年度、通信環境の整備を行う予定と聞いていますが、整備後、本格運用されるGIGAスクールのランニングコスト、これは毎年幾らと見込んでいらっしゃいますか。伺います。
○松原学校教育課長 現在、学習用ネットワークの高速大容量通信環境を目的とした整備について検討を進めているところでございます。現時点におきましては、整備後に本格運用された場合のランニングコストとして、学習用端末のリースと保守、ネットワーク機器のリース、回線利用料等の合計により、5億3,000万円程度を見込んでいるところでございます。
○平山委員 5億3,000万円、想定より多かったですね。要は、今お聞きした二つは新しい固定費なんですね。これがずっとランニングコストとしてかかり続けていくけど、現行、補助金としてはない。この額が、今お聞きした限り、ユニファイドコミュニケーションのほうは分かりませんが、想定でいくと、毎年7億から10億円程度、一般財源を投入し続けていくという形になります。いい悪いではなくて、そういう状況だということですね。
さらに懸念されるのは、令和5年度の財政支出で、現在の財政調整基金の年度間調整分はおおむね150億円程度というふうに聞いておりますが、新しい基本計画では、基準となる一般財源規模を687億円としておりまして、令和5年度には現在の試算では37億円の財政調整基金の繰入れが必要となります。新庁舎の引っ越し費用に50億円、システムの構築費用が安く見積もっても2億円程度、これに37億円を加えると89億円になり、財政調整基金の繰入れに大きく影響を及ぼします。さらに、現在の計画では、区役所新庁舎建設に5年間で50億円の財政調整基金の活用を予定しています。
こうなってくると、令和6年度以降には、大きな痛みを伴う削減なしには予算編成すら危なくなるんじゃないかということを本当に危惧しております。今述べたことは、起債やその他の事業を含まない一面的な影響であって、現在の財政見通しでは、歳入は微増を続けるとの予測ですけど、新型コロナの影響が続き歳入が伸び悩む、あるいは減少する状況となれば事態はもっと深刻です。財政担当の認識を伺います。
○森財政課長 行政需要が多様化、増大する中で、今、委員も御指摘ありましたが、経常経費化するものも多くある状況だということでございます。歳入が大きく増えることは見込めない状況下でありまして、効果が上がっていない事業の見直しを進める必要がございます。その上で必要な財源を確保する。それから対応すべき課題を整理して必要な事業に選択と集中を図っていくといったようなことで、中長期的な視点を持って財政運営を進めていく必要があると考えております。
○平山委員 さらに加えて危惧するのは、国と東京都の補助金なんです。新型コロナの対策のために都も国も多額の財政出動を行って、財政的な余力はかなり落ちてきていると。特に東京都は厳しい状況じゃないかと思います。多面的にまちづくりを行う当区は補助金への依存度が高く、他区と比べても影響は大きいと考えます。今後の補助金の認識についても伺います。
○森財政課長 今お話にございました、東京都においては令和4年度の予算の見積りに当たりまして、区市町村財政支援の見直しを図っていくといったような考えも示されております。ですので、しっかりそこのところは動向を注視していく必要があるということで捉えております。
これまで国や都の補助金により執行してきた事業については、補助金等の廃止や縮小、そういったものがあった場合については、当然代替となる新たな財源を調査して獲得に努めるということが必要だと思います。その獲得、新たな財源確保が見込めない場合、そういった場合については事業の廃止や休止、縮小等の見直しについても当然検討していくということが必要だろうと考えております。
○平山委員 中野の場合は、例えば国からの補助金の多くは、まちづくりに使われています。まちづくりが止まるということになればなかなかのことですから。もう一つ、東京都からの補助金というのは、福祉や様々なサービスに出されているものが多いんですね。こういったものは、やっぱり東京都が補助をやめたとしても、だからといって中野区がやめてしまうと区民サービスに影響しますので、何とか維持していこうと思うと、一般財源の出動しかなくなってくるわけなんです。そういったことを見据えた上で、この一、二年、慎重に見極めていただきながらの財政運営に努めていただきたいと思いますけど、これを最後の質問にします。
○森財政課長 そういったところもしっかり様々動向を注視して、財政運営等、取組を進めてまいりたいと考えております。
○平山委員 続けて、この項の最後に、行政財産の活用について伺います。
行政財産の活用ですけど、主に権利床について伺います。
まず1番目、中野セントラルパークの賃貸床について、政策目的を持って活用しているものですが、区有施設整備計画(案)の中では今と異なる活用目的を示されていらっしゃいます。要は、現状取り組んでいるこのICTの取組が税を投入しているわけですから、どうなのかという評価なしに簡単に政策目的を変えていいとは思いませんけれども、どうでしょうか。伺います。
○石井構造改革担当課長 中野セントラルパークの賃借床でございますけれども、にぎわいに資する機能を誘導するとした本来の目的は変えず、現在区が転貸している事業者の状況を踏まえつつ、その後の活用を検討する考えでございます。
○平山委員 当初の目的はそれだけではなくて、もっと具体的なわけですから、そこはそういう答弁だとちょっと悲しいなと思いますけど。その上で、現在、中野セントラルパークの床の一部が政策目的と関係ない企業に転貸されている、あるいはここの床に対して登記を行う利用者がいるというふうに聞いていますが、詳細を伺います。
○平田産業振興課長 セントラルパークの床についてでございますが、イースト棟とサウス棟の賃貸借につきましては、区は中野区産業振興推進機構に対しまして、定期建物賃貸借契約によって転貸を行っているところでございます。サウス棟につきましては、当初から中野区産業振興推進機構が同機構の共同運営である株式会社構造計画研究所へ転々貸していたものでございますが、こちらが令和2年6月に退去してございます。その後、新たな転々貸先としましては、同6月より賛助会員であるキリンホールディングス株式会社への転々貸を開始したものでございます。
また、機構の会員にはランクがございまして、プラチナ会員につきましては、契約上、機構の審査を受けた上で、施設を所在地とした法人登記ができるとされていることから、この所在地で法人登記をしている利用者もございます。
○平山委員 床の持ち主は区なんですよ。区が権利を持っているわけですよね、床に対して。権利床ですから。区ではなくて、そこを借りているところがさらに貸している方々に登記を行うなんて、登記を認めるなんていうことは、私はあってはならないことだと思いますよ。もう一つは、転貸の話も全く、当初の転貸もあまりいいものだというふうには思っておりませんでした。なぜ言っているかというと、旧桃丘小学校跡地の二の舞にしたくないんです。失敗しているんです、うちの区は。うちの区は行政財産を貸し付けて成功した事例が、私は見当たっていないんです。だから、これから権利床がここでたくさんできるというときに、床がたくさんできるから、それをどういうふうに活用しようというふうに前向きに考えられるのは分かるんですけど、その前にきちんと方針を定めるべきだと思いますけど、どうですか。
○平田産業振興課長 現在のこちらのセントラルパークの活用につきましては、以前の産業振興ビジョン等に基づいて行っている事業でございますが、今後につきましては、新しい産業の方針につきまして検討して、議会と御議論しながら定めてまいりたいと考えているところでございます。
○平山委員 そのことについては、一度総括をしてください。これまでの取組がどうだったのかということ。
今のは、すみません、追加の質問でやったつもりなんですけど、御担当に。権利床自体についての今後の活用についてまず方針を定めて、きちんと議会にも示していただきたいと思っているんですけど、どうですか。
○石井構造改革担当課長 区有施設整備計画(案)におきまして、資産の有効活用として、未利用となる土地施設につきましては、利活用の方針、方向性を示しているところでございます。行政財産や普通財産の貸付け、使用許可に当たりましては、基準や条件、リスク評価、役割分担などのガイドラインが必要であると考えてございます。作成には一定の時間を要すると考えておりますので、進行中の案件と並行して検討してまいりたいと考えております。
○平山委員 よろしくお願いします。
以上でこの項の質問は終わります。
時間を少しいただきましたので、あと2項目あります。若干削っていきながら伺っていきたいと思います。
4番目として、子育て支援施設の再編について伺います。
学童クラブ館について。新たに学童クラブ館に切り替わる3館のエリアは、今後10年間、学校内と民間の学童クラブだけでは収容できないという、こういう想定なんでしょうか。伺います。
○細野育成活動推進課長 人口推計や利用率によって推計しておりますが、その推計に基づいて、委員おっしゃった、学区内については民間の学童クラブだけでは収容できない見込みでございます。
○平山委員 それ以外のエリアで、今後新たに学童が、学校内の学童クラブでは吸収できないことが生じた場合、例えば学校の建て替え等も含んだり、あるいはこのエリアの開発等ですよね。そういった新たな需要が生まれて生じた場合、新たに学童クラブ館、これを設置される予定はあるんですか。
○細野育成活動推進課長 学童クラブ館を造るという想定は、現時点ではございません。学校内の学童クラブで吸収できない場合は、民間学童の誘致等を検討していく考えでございます。
○平山委員 そうなってくると、今の3館の学童クラブ館は何が違うのか。要するに全体のバランスを公平よくやらないといけないわけじゃないですか。今あるところは守ります、だけど新しいところを造りませんというのだと、私は方針としては不十分なのかなと思ったのでお尋ねしました。これは答弁はいいです。
一般質問で、我が会派の甲田議員が、新しい機能を強化した児童館について、今後3年間の構造改革の中で委託も含めて検討すると答弁していますが、結局3年後になったら委託する可能性もあるということでしょうかということを問いました。これに対して区長が、3年後すぐに委託することはないと答えられました。これは極めて重い発言のように思います。3年後直ちに委託はしないという決定はいつなされたのですか。伺います。
○細野育成活動推進課長 これまで児童館は区により運営をしてきており、新たな機能を備えた児童館における職員の役割から、引き続き区による運営を行っていくという考えでございます。今後も効率的な事業運営に努め、委託も含めて検討を進めてまいりますが、現時点で3年後直ちに委託することは難しいというふうに考えてございます。
○平山委員 そういう答弁になってしまうんですね。まあいいです。これは子ども文教委員会でやっていただきますけど、ちょっと前提がいろいろ変わってくるんですよ。ついこの間まではそうではなかったんです。だって、構造改革実行プログラムの中で検討するんでしょう。
3年以上直営の運営を決定されたということであれば、児童館職員は少なくとも3年間維持を決定されたということで、仮に3年後に委託を決定したとしても実際の切り替えにはそこから少なくとも一、二年は要するんじゃないかなと思います。3年以上現状の職員数を維持されるのであれば、現状のままの児童館体制を少なくとも3年を目途に維持できるのではないでしょうか。どうして新しい機能を備えた児童館への移行を急ぐ必要が出てくるのでしょうか。職員体制がそのままであれば、現状のままなら、例えば陳情が出ている大和西児童館をはじめとする学童クラブが入った児童館も、職員を残したまま、そのまま運営を継続することが可能となります。
令和元年度10月の子ども文教委員会で、初めて新たな児童館の配置の考え方の報告がなされ、配置を中学校区に一つ、つまり9館とすることが伝えられました。そこから2年が経過した本年9月の子ども文教委員会で、やっと新たな機能を備えた児童館の具体的な中身が示されました。
当初、児童館の配置や在り方は新しい基本計画で示すとされていましたが、新型コロナなどの影響により基本計画の策定に遅れが生じなかったとしたら、新たな児童館の具体像は示すことはできなかったんじゃないかなというふうに思っています。基本計画の遅れの本当の理由は、子ども施設の再配置を含む政策決定の遅れにあったのではないかなというふうにも思えてしまいます。
そこで伺います。運営体制を構造改革の中で決定するまでの間は現状のままの児童館を残し、引き続き子育て支援施設の再編についての議論を続けるべきではないでしょうか。伺います。
○細野育成活動推進課長 子どもの居場所、交流等の基本機能に加えて、子育て支援や地域見守りネットワーク支援といった機能の強化が喫緊の課題であるというふうに認識してございます。
したがいまして、区有施設整備計画に基づいて令和4年度より児童館を再編し、様々な資源をそこに集約することで、新たな取組を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○平山委員 新たな取組と現状のままと、この二つを純粋に区民に問うてみてほしいんですよ、しばらくの間。その猶予が3年は間違いなくそのままです、委託はしませんとおっしゃるのであればあるわけですから、そういう選択肢はあるのではないかと思ったので、お尋ねしました。あとはまた分科会等で質疑をさせていただくことになるかと思います。
以上でこの項の質問を終わります。
最後に、様々な区民の利用に資する公園整備について伺います。
本年1月の定例会の建設委員会で、中野区公園再整備計画の基本的な考え方についてが報告なされ、委員会でも闊達な議論が交わされていました。まず、スケジュールを確認します。ストレートに、スケジュールが遅れている理由と今後の予定を伺います。
○林公園緑地課長 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、予定どおりの内部での検討体制が組めなかったことですとか、中野区基本計画(案)の重点プロジェクトの取組との調整や整合を図りながら進めているところでございまして、スケジュールが遅れているところでございます。
今後の予定としまして、12月に素案を報告し、年度内を目途に計画を策定していきたいと考えているところでございます。
○平山委員 1問飛ばします。今回抽出した公園の前提となる条件には、「多世代のニーズを把握するため実施した、意識調査での「緑豊かな景観」「休憩できる場所」「幼児・児童向け遊具」「自由に遊べる広場」など世代による幅広い意見に対応した機能の配置を検討するため、中規模の公園を対象とする」とありますけれども、再整備を機に想定される五つの機能のオプションに示されたのは、水遊び施設と幼児向け施設、複合遊具、イベントなどのできる空間整備、その他です。想定のオプションはほぼ子どもに関することで、それ以外は(4)イベントなどのできる空間の①キッチンカーと、その他で例示されているもののみです。世代による幅広い意見に対応した機能の配置としながらも、子ども関係に偏った機能の表記となっているのはなぜでしょうか。伺います。
○林公園緑地課長 都市公園は、子どもから大人まで誰もが自由にいつでも使えるオープンスペースでございます。公園再整備計画では、時代やニーズの変化に対応し、あらゆる世代の誰もが利用しやすい魅力的な公園環境づくりの推進を目的としているところでございます。
再整備を機に想定される五つの機能オプションにつきましては、意識調査において要望が多かった機能を例示しているところでございます。五つの取組だけではなく、今後、公園利用者や地域等の幅広い意見を取り入れながら、新たな機能についても検討してまいりたいと考えているところでございます。
○平山委員 問題があると言っているのではなくて、区が言っている前提と違うんですよ。前提にきちんと合わせられるべきだと思うので。その上で、機能というのは、建造物や構造物のみならず、樹木などの景観や草木などの自然も私は含まれるのではないかなと思っていますけど、そういったものも機能として加えてはいかがかと思いますが、どうでしょうか。
○林公園緑地課長 公園再整備計画の施設の配置・改修の基本的な考え方では、主な取組として、「みどりの潤いが感じられるとともに、人々のくつろぎや、地域交流の場として活用される空間を確保します」としているところでございます。委員御指摘の点も踏まえまして、そうした機能オプションの追加も検討してまいりたいと考えているところでございます。
○平山委員 子どものためにもという意味で、なぜかというと、練馬区のこどもの森があります、区立の。これはほかに行かれている方も多いと思いますけど、私も随分以前に行かせていただいて、運営の方とも話をさせていただきました。ここはプレイパークではありますが、基本、遊具がないんです。もう一つ、ここはぜひ御担当に行ってみていただきたいんですけど、武蔵野市の吉祥寺西公園というのがあります。シンボルツリーがあって、遊具は一つもありません。地域に大人気の公園です。そういったものもよく見ていただいて、中野区の公園の在り方というのをぜひ検討していただきたいと思います。
最後の質問です。第2回定例会の一般質問で、公園再整備計画でのペットの位置付けについてお尋ねしましたが、利用ルールの見直しの中で検討するという答弁でした。利用ルールの見直しではなくて、機能オプションの中で検討していただきたいなと思いますけど、どうですか。
○林公園緑地課長 公園再整備計画では、公園の利用ルールの中で、犬の散歩やペットを同伴した公園利用の在り方について検討しているところでございます。公園の規模や特性、周辺環境にも考慮する必要がありますが、施設の配置・改修の機能オプションの中でも検討してまいりたいと考えているところでございます。
○平山委員 ありがとうございます。今の利用ルールの中だけで検討されてしまうと、ちょっと違った話になってきてしまうので、今の御答弁を聞いて安心しました。
15分ほどオーバーしてしまって、同僚から時間をいただきましたので、心から感謝を申し上げます。
以上で私の総括質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○ひやま委員長 以上で平山英明委員の質疑を終了します。
次に、来住和行委員、質疑をどうぞ。
○来住委員 日本共産党議員団を代表して、2021年第3回定例会決算特別委員会においての総括質疑を行います。
2020年度の決算については、浦野委員が区長公約に照らして質疑をさせていただきます。新年度の予算編成に当たっては、新型コロナの収束がいまだ見通せない中で、区民の暮らしと中小業者の商いが非常事態という状態に陥っておりますので、そのことをしっかりと認識をして、新年度の予算編成に取り組んでいただきたいということをまず申し上げて質疑に入ります。
まず、平和行政の推進について伺います。
中野区は憲法擁護・非核都市宣言から来年で40周年を迎えます。再び戦争をしない、広島、長崎を繰り返さないと、全国の自治体に先駆けて1982年に憲法擁護を冠した非核都市宣言が出されました。中野区の施設などに掲げられている、ちょっと小さいですがお持ちしました。憲法擁護・非核都市宣言ということで、改めて読んでみましたけれども、「まちにはこどもの笑顔がある」から始まって、最後、「この区民の声を憲法擁護・非核都市中野区の宣言とする」ということでうたい上げております。
昭和57月8月15日、まさに終戦記念日に宣言が発せられたということで、皆さんもちょっと区の区有施設に、ちょっと色があせてきているような状況がありますけれども、まだ掲げられておりますので、ぜひ見ていただきたいと思います。
原爆投下から76年目を前にしたこの7月には、84人の被爆者の方々による黒い雨訴訟判決が出されました。黒い雨を浴びた原告全員を被爆者と認め、被爆者健康手帳が交付されることになりました。区内には被爆者健康手帳を交付されている方は何人いらっしゃるでしょうか。さらに被爆者の方々の人数の変化について、まずそれを1点伺います。
○堀越ユニバーサルデザイン推進担当課長 被爆者健康手帳の区内交付者数と推移についてでございます。被爆者健康手帳は東京都が交付しているものでございますが、令和2年度末時点では111人とのことでございます。推移でございますが、平成28年度は147人、平成29年度は134人、平成30年度は123人、令和元年度は118人となってございまして、徐々に減少しているところでございます。
○来住委員 被爆者の方には中野区から見舞金が支給されております。繰り返しになりますけれども、私がこの原爆被爆者見舞金の区のデータを見ますと、2010年が205人、2020年が118人ということで、答弁いただいたように毎年少なくなり、10年前からすると100人も数が減っているという状況です。
二つ目に、この見舞金の支給については金額の変更がなされてきていますけれども、どのような状況に今、中野はなっているんでしょうか。
○堀越ユニバーサルデザイン推進担当課長 被爆者見舞金の支給状況と支給額の推移でございます。原爆被爆者見舞金につきましては、昭和47年、1972年に2,000円の支給から始まっておりまして、6回の改定を経て2万円となりましたが、平成13年、2001年8月の改定によりまして1万円に支給額を抑えているところでございます。
○来住委員 行財政5か年計画だったかなと記憶している、平成13年に、それまで2万円まで引き上がったものが半額になりました。既に近隣の区を調べてみましたが、例えば杉並区は見舞金が2万1,000円、渋谷区は5万円の支給が行われています。渋谷の場合は、特に渋谷区社会参加奨励金という形で、見舞金ではなくて社会参加を激励するかのような形で、8月にしかも支給されているということを伺いました。広島で被爆された白鷺にお住まいのKさんにも話を伺ったんですが、かつて見舞金は2万円だった。しかし、区の財政事情があって半分に削られたと。仲間の被爆者も毎年10人ほど亡くなっているというお話でした。
これらの近隣区の状況や中野区がかつてそうだったことを考えますと、財政事情を当時と比べても、十分新年度の予算の中で、少なくとも元に戻すような検討はぜひしていただきたいということをここでお願いしておきたいと思います。
区内の被爆者の方々の実態を、中野区はこれまでもある程度把握してきたと思います。中野区でどのように被爆者の実態を捉えているのか。また、数少なくなっている被爆者の体験や記憶を次の世代にどのような形で引き継いで残していくのか。これが今、被爆者の方が少なくなる中で、行政としても取り組むべき大きな課題だと、大事な分野だと思いますけれども、いかがでしょうか。
○堀越ユニバーサルデザイン推進担当課長 被爆者の方々の実態把握や体験記憶の引継ぎについてでございます。今までの取組といたしましては、各種刊行物で多数の方に御協力いただいておりますほか、平成27年度からの中学校への語り部派遣事業の実施、感想文集の作成に当たりましては、被爆体験者の方を含む8名に、翌年度からの語り部募集におきましては32名の方の応募がありまして、こちらは平和活動団体にも御協力をいただいて進めたところでございます。
これらの体験者や活動団体の方々には、語り部の映像記録作成時などにも御協力をいただいておりまして、この映像は現在、平和資料展示室で常時上映しておりますほか、YouTubeの中野区公式チャンネルでも提供しているところでございます。
本年度は、小学生の親子を対象といたしまして、平和のつどい for Familyと題しました催しを11月に開催予定でございまして、今後も戦争の体験や記憶、次世代へ平和の大切さを引き継ぐための事業の実施を検討してまいります。
○来住委員 証言できる方々が激減してきておりますので、非常に数年の、証言をいただく活動は貴重な時期に入ってきているというふうに思います。新しく平和資料展示室での提供も含めて、しっかりと取り組んでいただきたいということを申し上げておきます。
核兵器の廃絶に向けては、世界が今大きく動き始めています。1月には核兵器禁止条約が発効され、核兵器は国際法上初めて違法化され、条約署名国は既に86か国となりました。中野区においても区長が替わり、23区では最後となりましたが、平和首長会議へ加盟されました。
平和首長会議は2021年から2025年の行動計画を決定し、その計画によりますと、核兵器禁止条約への未参加国への働きかけを行うということなども掲げておられます。同時に、加盟都市自治体の役割として、核兵器を廃絶する目的を次の世代に継承するための行動を提案しております。
首長会議は、首長会議が所有する原爆ポスター展の開催も促しております。憲法擁護・非核都市宣言の来年40周年ということにも当たりますので、平和資料展示室などでのポスターの展示会の開催も検討してはいかがでしょうか。
行動計画ではさらに、被爆樹木の種や被爆2世の苗木の配布・育成についても提供するとなっています。公園や子ども施設などへの被爆樹木の種や、また被爆2世の樹木の植樹など、これらも子どもたちの参加を得ながら検討してはいかがでしょうか。答弁ください。
○堀越ユニバーサルデザイン推進担当課長 憲法擁護・非核都市宣言40周年についてでございます。
憲法擁護・非核都市宣言20周年のときには、被爆クスノキ2世を長崎市から、被爆アオギリ2世を広島市から、また4年後の平成18年には、広島市の市民グループから戦災復興のシンボルでございますポプラの寄贈を受けておりまして、それぞれ平和の森公園西側へ植樹をしているところでございます。
憲法擁護・非核都市宣言40周年に向けました事業の中で、平和首長会議の行動計画の内容も含めたポスター展示等、平和企画展示を考えているところでございます。御提案の内容も参考として検討を進めてまいりたいと考えております。
○来住委員 ぜひ検討を具体化していただきたいと思います。かつては中野区は、親子で広島などを訪問して、被爆者から直接親子で話を聞ける、そういう取組も行ってきました。コロナ禍でありますけれども、この状況を見ながら、ぜひ親子のそういう取組を再開していただきたいということも重ねてお願いします。
憲法擁護・非核都市宣言後に、中野区立公園では66か所に記念碑が建てられています。平和宣言の記念碑を建ててから年月が経過しているために、記念碑の文字などが読み取れないものもあります。何らかの手だてを講じて、この記念碑を生かしていく方向が求められているというふうに、公園を回りながら常々思っておりますけれども、今後の対応についてお答えをいただきたいと思います。
○堀越ユニバーサルデザイン推進担当課長 区立公園にございます憲法擁護・非核都市宣言の記念碑についてでございます。今のところ、直ちに修繕が必要とまでの認識はございませんが、今後の検討課題として捉えさせていただきたいと考えております。
○来住委員 66か所ではありますけれども、ぜひ今の公園の碑の状況をまずしっかり把握した上で、何ができるのかということを、検討を深めていただきたいということを申し上げておきます。
先ほど紹介した行動計画では、さらに文化、芸術、スポーツを通して、大人から子どもに平和の取組を継承していくとしています。各地の学校では中学生や高校生を対象にした被爆者の苦しみや願いを継承する演劇鑑賞の活動も取り組まれています。首長会議では、子どもたちによる絵画を通した平和絵画コンテストの実施も行うとあります。
そこで伺います。中野区が首長会議に加盟して3年ですかね。来年は首長会議の活動をさらにしっかりと取り込んで企画を具体化してほしいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○堀越ユニバーサルデザイン推進担当課長 平和首長会議の活動を取り込んだ事業についてでございます。憲法擁護・非核都市宣言40周年に合わせまして、御提案の内容も含め次年度事業の中で対応を検討してまいりたいと考えております。
○来住委員 よろしくお願いします。被爆者の方々の声や平和の活動に取り組んでこられた区内の団体、個人の方もいらっしゃいます。こういう方々の直接の声、直接の御提案もいただく場が必要ではないかなというふうに思いますし、そういうことを願っておられる団体もいらっしゃいます。
新しく稼働している平和資料展示室の企画なども、これから40周年を来年に控えて行われると思いますので、それらの企画の提案の中でもぜひ被爆者の方々、団体の方々のそういう提案やお気持ちも反映した展示室での企画になるような、そういう検討の仕方がこれから大事じゃないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○堀越ユニバーサルデザイン推進担当課長 被爆体験者や平和活動をされている区民の方の声を聞くことについてでございます。平和活動を行っております団体等の意見を聞く場は設けておりまして、今後も続けていきたいと考えてございます。また、区民や団体の方との展示に関する企画への御提案等の機会につきましても検討してまいりたいと思ってございます。
○来住委員 平和資料展示室を区民の皆さんが直接身近に感じていただく、活用をしていただく、せっかく出来上がった展示室を多くの方に見ていただく、活用していただくという点でも、行政として関係者の声を企画の中で取り込んでいくということが大事だろうということを申し上げておきます。憲法擁護・非核都市宣言から40周年にふさわしい企画を来年の中でぜひ取り組んでいただきたいということを申し上げておきます。
平和については以上です。
次の、新型コロナウイルス感染症対策についてお聞きいたします。
緊急事態宣言が再び延期され、依然として収束の見通しは立っていません。感染防止対策は、いつでもどこでも何回でもできる検査と、それをセットで十分な補償とワクチン接種の加速、このことについては、会派としても区長や教育長にも要望を重ねてまいりました。ワクチン接種については、全国に先駆けて65歳以上の対象者への取組が先行して進められたことによって、地域からはかかりつけ医のお医者さんにやってもらえた、区民活動センターでできてよかったなどの声を多く聞きました。
まず第1点として、ワクチン接種の開始当初における中野区の取組の成果は何か、今後に生かすべき教訓はその中にあるのか伺います。
○瀬谷新型コロナウイルスワクチン接種担当課長 ワクチン供給の見込みや中野区医師会や中野区薬剤師会などとの事前協議を行いながら準備を進めてきたこと、また、区内146の医療機関の個別接種と中野区医師会館や区民活動センターでの集団接種を早期に実施したことにより、多様なニーズに応えられたことが成果であると考えております。また、集団接種において、予約システムの障害や空の注射器による接種事故を発生させてしまったことにつきましては、教訓として今後に生かしてまいりたいと考えております。
○来住委員 保健所をはじめ職員の皆さんの協力や努力が、区民の直接、この接種を受ける高齢者の皆さんにとっては先行されたことについて、そういう感謝の声を聞いてうれしく思っています。
予約時のトラブルや国からのワクチン供給の削減などもあって、今後に生かすべき教訓だというふうに思います。全体として先行した区のワクチン接種の取組は、先ほど申し上げたように、地域での評価は高くあります。しかし一方、暮らしと事業者への支援はどうだったかということで見ますと、PCR検査、医療機関への支援金であるとか、就学援助世帯への昼食費の補助であるとか、子ども配食事業支援などもありましたが、子育て世代や事業者の困窮度合いに応じた支援策がもっと必要だったというふうに思います。
杉並区では医療逼迫を予測し、早い段階で医療機関に直接、総額二十数億円を超える減収補填を行って、医療関係者からもとても励みになったと高い評価を受けていると伺いました。
そこでお聞きします。医療機関への減収補填については、国や東京都にしっかり求めるべきだと思います。また区としても、以前行った各医療機関への直接支援、これらについても、次の波を予測し、今の逼迫状況も含めて検討を区としてもすべきではないでしょうか。お答えください。
○鈴木保健企画課長 お答えいたします。医療機関への減収補填など、経営支援に関する御要望につきましては、これまでも国や都にお伝えしているものでございます。また、区はこれまで、区内の医療機関に対しましてPCR検査を実施する際の準備金や支援金を交付するとともに、当時入手困難でございましたマスクや手指消毒剤を支給してきたものでございます。
今後も新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況等を踏まえまして、区の対応については検討してまいります。
○ひやま委員長 来住委員の質疑の途中ですが、5時になりましたので、今後の運営について協議するため理事会を開会します。
委員会を休憩します。
午後4時59分休憩
午後5時03分開議
○ひやま委員長 委員会を再開します。
ただいまの理事会の報告をします。
来住委員の質疑の途中ですが、本日は終了し、次回、来住委員から始めることを確認しました。
以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○ひやま委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○ひやま委員長 御異議ありませんので、そのように決定し、本日の総括質疑を終了します。
次回の委員会は、9月21日(火曜日)午前10時から当委員会室で開会することを口頭をもって通告します。
以上で本日の決算特別委員会を散会します。
午後5時03分散会