令和3年09月21日中野区議会決算特別委員会
令和3年09月21日中野区議会決算特別委員会の会議録

.令和3年(2021年)9月21日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。

.出席委員(40名)

  1番  市  川  しんたろう       2番  竹  村  あきひろ

  3番  日  野  たかし         4番  渡  辺  たけし 

  5番  間     ひとみ         6番  河  合  り  な

  7番  斉  藤  ゆ  り        8番  立  石  り  お

  9番  羽  鳥  だいすけ       10番     欠  員

 11番  加  藤  たくま        12番  吉  田  康一郎

 13番  木  村  広  一       14番  甲  田  ゆり子

 15番  内  野  大三郎        16番  杉  山     司

 17番  ひやま      隆       18番  小宮山   たかし

 19番  い  さ  哲  郎       20番  小  杉  一  男

 21番  内  川  和  久       22番  若  林  しげお

 23番  高  橋  かずちか       24番  小  林  ぜんいち

 25番  白  井  ひでふみ       26番  いながき  じゅん子

 28番  中  村  延  子       29番  石  坂  わたる

 30番  近  藤  さえ子        31番  浦  野  さとみ

 32番  大  内  しんご        33番  伊  藤  正  信

 34番  高  橋  ちあき        35番  平  山  英  明

 36番  南     かつひこ       37番  久  保  り  か

 38番  森     たかゆき       39番  酒  井  たくや

 40番  むとう   有  子       41番  長  沢  和  彦

 42番  来  住  和  行

.欠席委員(1名)

 27番  山  本  たかし

1. 出席説明員

 中野区長    酒井 直人

 副区長     白土 純

 副区長     横山 克人

 教育長     入野 貴美子

 企画部長    高橋 昭彦

 構造改革担当部長、構造改革担当課長事務取扱 石井 大輔

 企画課長、ユニバーサルデザイン推進担当課長 堀越 恵美子

 財政課長    森 克久

 広聴・広報課長 高村 和哉

 情報システム課長白井 亮

 総務部長    海老沢 憲一

 防災危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝瀬 裕之

 総務課長、特別定額給付金担当課長    浅川 靖

 職員課長、人材育成担当課長       中谷 博

 防災危機管理課長田邉 敏幸

 防災担当課長  吉澤 直樹

 新区役所整備課長中村 洋

 区民部長    鳥井 文哉

 区民文化国際課長辻本 将紀

 税務課長    竹内 賢三

 保険医療課長  伊藤 廣昭

 産業振興課長、マイナンバーカード活用推進担当課長 平田 祐子

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長  青山 敬一郎

 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小田 史子

 子ども・教育政策課長、学校再編・地域連携担当課長 濵口 求

 子ども政策担当課長           青木 大

 保育園・幼稚園課長           渡邊 健治

 保育施設利用調整担当課長、幼児施設整備担当課長 藤嶋 正彦

 指導室長    齊藤 光司

 学校教育課長  松原 弘宜

 子ども教育施設課長           塚本 剛史

 育成活動推進課長細野 修一

 地域支えあい推進部長          角 秀行

 地域包括ケア推進担当部長        藤井 多希子

 地域活動推進課長高橋 英昭

 区民活動推進担当課長          宇田川 直子

 地域包括ケア推進課長          小山 真実

 介護・高齢者支援課長          葉山 義彦

 高齢者支援担当課長           落合 麻理子

 中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 阿部 正宏

 南部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 村田 佳生

 鷺宮すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 大場 大輔

 健康福祉部長  岩浅 英樹

 保健所長、地域医療連携担当課長事務取扱 佐藤 壽志子

 スポーツ振興課長古本 正士

 保健企画課長  鈴木 宣広

 環境部長    朝井 めぐみ

 環境課長    波多江 貴代美

 都市基盤部長  奈良 浩二

 都市計画課長  安田 道孝

 公園緑地課長  林 健

 住宅課長    池内 明日香

 まちづくり推進部長           豊川 士朗

 中野駅周辺まちづくり担当部長      松前 友香子

 まちづくり計画課長           千田 真史

 野方以西担当課長工藤 虎之介

 中野駅周辺まちづくり課長、中野駅新北口駅前エリア担当課長 小幡 一隆

 中野駅地区・周辺基盤整備担当課長    石原 千鶴

 中野駅周辺地区担当課長、中野駅周辺エリアマネジメント担当課長 石橋 一彦

 会計室長    吉村 恒治

.本会の書記は下記のとおりである。

 事務局長     長﨑 武史

 事務局次長    小堺 充

 議事調査担当係長 鳥居 誠

 書  記     立川 衛

 書  記     若見 元彦

 書  記     鎌形 聡美

 書  記     松丸 晃大

 書  記     田村 優

 書  記     細井 翔太

 書  記     有明 健人

 書  記     五十嵐 一生

 書  記     髙橋 万里

 書  記     本多 正篤

 書  記     金木 崇太

1.委員長署名


午前10時00分開議

○ひやま委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。

 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。

 9月17日(金曜日)の理事会の報告を行います。

 初めに、本日の委員会運営についてです。本日の総括質疑の順番は、1番目に来住和行委員、2番目に内野大三郎委員、3番目に斉藤ゆり委員、4番目に高橋かずちか委員、5番目に日野たかし委員の順で5名の総括質疑を行うことを確認しました。

 次に、要求資料の配付について、お手元の資料要求一覧(追加分)のとおり、新たに1件の資料要求について整理しました。資料につきましては、後ほどアップロードされますので、御覧ください。

 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○ひやま委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ひやま委員長 御異議ありませんので、そのように運営します。

 

令和3年(2021)9月21日

決算特別委員会

 

決算特別委員会資料要求一覧(追加分)

 

追加分 

◆子ども文教分科会関係

90 児童館の行政コスト(前年度までの3年間)     <公>

 

 ただいまから総括質疑を行います。答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。

 それでは、質疑に入ります。来住委員、質疑をどうぞ。

○来住委員 おはようございます。金曜日に続いて総括質疑を行いたいと思います。

 新型コロナウイルス感染症対策ということで、続けますが、上高田にお住まいの3人家族の家庭で、40代の2人が先に陽性者となり、自宅での療養となったため、それに遅れて3日後に80歳代の母親が陽性と診断されました。母親は3日後には症状が重くなり救急車を依頼しました。車内で救急隊員が126か所の病院と連絡を取り、4時間後に入院先が決まり、あなたは運がよかったと、救急隊の方も安堵したそうです。国の方針が中等症者は自宅での療養という方針を変えない限り、守れる命も守れないということになります。

 お聞きします。医療を備えた臨時の施設を検討するとともに、東京都の宿泊施設も17か所と不足しており、国や東京都にしっかり求めるべきではないでしょうか。お答えください。

○鈴木保健企画課長 新型コロナウイルス感染対策としての宿泊療養施設や臨時医療施設の確保などの医療体制の整備につきましては、都が実施をしてきたものでございます。今後も必要に応じまして都に要望を伝え、適宜、情報収集を行うとともに、区医師会等とも連携を図り、区としてできることを検討してまいります。

○来住委員 しっかり検討いただきたいと思います。

 公開されたドキュメンタリー映画「終わりの見えない闘い」は、中野保健所の昨年5月から今年3月までの10か月間の奮闘、葛藤、苦難を描いたものです。新型コロナウイルス感染症の第5波以前でありながら、現場の緊張感が伝わって、こみ上げるものがありました。私の感想としては、3月段階で起きていた第一線の危機モードが、区行政をはじめ、区民全体で共有されていたのだろうかという疑問が残りました。墨田区のように、感染拡大の初期の段階で、新たな災害警戒レベル5、最大級の災害と捉えて取り組んだところとの違いはなかったのか。今後に備えて、危機管理対策本部設置の在り方も含めて検証が必要ではないでしょうか。お答えください。

○田邉防災危機管理課長 来住委員の感染拡大時の対応についてということで、御質問にお答えしたいと思います。墨田区の取組については私も注視しているところでございます。これまで中野区といたしましても、感染者が急増した際には、保健所の実績に応じた機動的な応援職員の配置を行ってきたところです。また、ワクチン接種事業での受付事業や会場管理、自宅療養者の支援事業など、全庁を挙げて取り組んできたところでございます。今後も、感染状況に応じて臨機応変に対応を図るためにも、危機管理対策会議で協議の上、全庁を挙げて迅速・適切に新型コロナウイルス感染症対策に取り組んでまいりたいと考えております。

○来住委員 他自治体の先進的な経験なども含めて、学びながら検証しながら、次に備えていただきたいということを申し上げておきます。

 先日の特別委員会学習会の講師の方も、災害救助法適用の段階だと明言されていました。私もそのとおりだと思います。災害レベルの評価と認識が、その後の対策に影響が及ぶことを教訓としておくべきではないでしょうか。

 次に、子どもを感染拡大からどう守るかについてお聞きします。

 東京都モニタリング会議は、16日に、新規感染者に占める10歳未満の割合が、7月は4%台、9月に入り9%を超えて増加しており、専門家は改めて保育や教育現場での感染防止対策の徹底を呼びかけています。

 そこで伺います。保育園、学童クラブ、学校での児童の新型コロナ陽性者数は、7月から9月の直近でどうなっているのでしょうか。感染状況での違いについて特徴がありましたらお答えください。

○渡邊保育園・幼稚園課長 私からは保育所についてお答えいたします。保育園児の新型コロナウイルスの陽性者数は7月が17名、8月が29名、9月が10日現在で11名、計57名でございました。特徴でございますけれども、保育園の職員を含めました感染者数は7月が34名、8月が62名で約2倍に拡大いたしましたが、8月の中旬以降は園児の感染が多く確認されました。

○細野育成活動推進課長 それでは私から、学童クラブにおけるお子さんの新型コロナ陽性者数についてお答えいたします。7月から9月16日現在ですが、学童クラブ在籍児童の陽性者は計16名でございます。7月は4名、8月は8名の状況があり、区内の感染拡大と同様に8月の陽性者が多かったものと認識してございます。

○松原学校教育課長 私からは、区立小学校の児童・生徒の状況についてお答えいたします。区立小・中学校の児童・生徒の新型コロナウイルス感染症陽性患者数でございますが、7月が11名、8月が71名、9月が10日現在で24名、計106名であり、8月に大きく増加をしたというものでございます。

○来住委員 ありがとうございます。

 デルタ株によって子どもへの感染をめぐる状況は大きく変わりました。保健所が業務逼迫により疫学調査が限界となったことから、文部科学省は8月27日、陽性者が出た場合、現場がよく分かっている学校などが接触者の範囲を判断し、保健所に連絡して検査の対象を特定すれば、社会的検査が受けられるとしました。陽性者が出たクラス全員を検査の対象とできる、これはこれまでにない定義となっています。中野区では、保育園、学童クラブにおいて陽性者が出た場合は積極的疫学調査によって、濃厚接触者に加え、接触者を特定し、PCR検査などを行っていると聞きます。まず、保育園における検査の特徴的な例はどういうものがありましたか。

○渡邊保育園・幼稚園課長 今月、某認可保育所におきまして、園児1名に新型コロナウイルスの陽性が判明した際には、濃厚接触者として園児16名、接触者として園児28名を特定しPCR検査を実施したところでございます。

○来住委員 学童クラブにおいての検査の例はありますか。

○細野育成活動推進課長 最近の事例といたしまして、濃厚接触者は特定されないものの、陽性者が5名になったという事例がございました。そういったところでは感染が広がっている状況が見られましたので、一時休館をした上で、保健所と連携して希望者に検査を実施するなど状況の確認を行いました。また、その施設においては児童の健康観察を強化し、感染拡大防止に努めているところでございます。

○来住委員 感染拡大の防止には、徹底したPCR検査が欠かせません。先ほど紹介のあったように、中野区でも陽性者の中で、濃厚接触者プラス接触者ということでの検査も行われています。既に足立区などでは、学校におけるクラスの陽性者発生に対し、クラス全員のPCR検査などが実施できるように、検査の範囲を拡大しています。

 そこで伺います。公立学校の保護者有志の皆さんからの要望へ教育委員会は、学校におけるPCR検査の必要性などについて、所属部と相談の上、対応していくと回答されていますけども、学校での検査体制の強化についてはどのように行われるでしょうか。

○松原学校教育課長 学校で新型コロナウイルス感染症が確認された場合の対応につきましては、本年8月27日付の文部科学省ガイドラインに準拠して行っているところでございます。学校におきましては、日常の感染対策を徹底し、濃厚接触者として特定されない体調不良の児童・生徒については出席しないよう注視し、教職員においても出勤しないことを徹底しているところでございます。また、学校内で体調不良を来した者が発生した場合は速やかに帰宅し、医療機関を受診させているところでございます。現在のところ、学校独自の検査体制の拡大といったことは考えてはございませんが、今後とも保健所や学校医と密接に連携いたしまして、感染対策の充実につなげてまいりたいと考えております。

○来住委員 先ほど紹介したデルタ株の状況によって、子どもたちへの感染が一層拡大する今後の予測も十分出されております。子どもたちを感染症から守るためには、感染者が下火になっている今、検査とワクチン接種の加速化で感染の火種を消すことです。第6波に備え、学校などの子ども施設では、濃厚接触者に限定せず、PCR検査を拡大し、検査キットを家庭で配るなどして、子どもたちを感染から守ることにしっかり取り組んでいただきたいということを申し上げて、この項の質問を終わります。

 次に、保育行政について伺います。待機児ゼロ目標達成について伺います。

 前区長が待機児童をなくす宣言をしたのが2002年の区長就任の所信表明です。中野区は、そこから全ての区立保育園を対象に、民営化を推し進めてきました。民営化に反対する声が根強い中で、民営化だけでは待機児の解消はできないと、認可保育所を増設することが待機児ゼロ目標にかなうと、認可保育所の増設が求められてきました。この間、待機児童ゼロ目標は未達成のままでした。それから19年、待機児は昨年が73人となり、この4月に25人まで減少しました。

 そこで伺います。来年4月の認可保育所における定員増は予算ベースで何人増えるのか。待機児ゼロの達成は見通すことができるのか、お答えください。

○藤嶋保育施設利用調整担当課長 来年度の定員でございますけれども、認可保育所の新規開設等によりまして、572名増える見込みでございます。このように保育定員を増やすことによりまして、待機児童数につきましても今年度より減少するものと見込んでおります。地域の保育需要に見合った整備を今後も進め、待機児童の偏在を解消し、待機児童ゼロを目指してまいります。

○来住委員 認可保育所の増設は区民の要求であり、議会からも求め続けてきたものです。区が積極的に認可保育所の誘致を行ってきた結果であります。待機児ゼロの達成は区民からも評価を得られるというふうに思っています。

 さらに伺います。3月に公表された2021年度中野区認可保育所開設事業者募集要項では、中野区の現状についてどのように示しているんでしょうか。

○藤嶋保育施設利用調整担当課長 3月に公表した要項でございますので、昨年度4月の状況について記載しております。待機児童数につきましては73名で、年齢別でいきますと、1歳、2歳、0歳の順に待機児童が多いということを記載しております。

○来住委員 低年齢児の待機が多いということを踏まえて募集をかけているということが募集要項の中身になっています。直近の4年間で見てみると、2018年の93施設から21年には112施設と19園が増え、定員も1,711人増となっています。その多くは、区の誘致募集に応えて参入をしてもらえたものだというふうに思います。

 伺いますが、この4月と8月のゼロ歳児、1歳児、それぞれ認可保育所の空き状況はどうなっているでしょうか。

○藤嶋保育施設利用調整担当課長 4月の空き状況は、ゼロ歳児89名、1歳児25名となっております。8月になりますと、ゼロ歳児38名、1歳児9名となっております。

○来住委員 やはり保育園という施設上、年度途中からも入園できなければ、保育園の存在そのものが問われます。1年を通して定員に対し空きがあってこそ、安心して出産・子育てができます。一方で事業者にとっては、年度初めに定員に見合う保育士を確保しなくてはなりません。ゼロ歳児の1人の公定価格は平均約20万円の運営費補助です。現在入園している子どもの数で委託費が支払われる現員現額制に問題があります。定員に応じて支払う定員現額制とすべきだと考えます。

 そこで伺います。中野区では、今年度から小規模保育園、家庭的保育園、認証保育園での減収補填を行っていますが、予算ベースでの保育所数と補填額は幾らになりますか。

○渡邊保育園・幼稚園課長 減収補填の対象施設数と補填額につきましては、予算ベースで、対象施設数が17施設、補填額は1,845万7,000円でございます。

○来住委員 私立保育園園長会からも減収補填の強い要望が出されています。紹介したように、中野区の募集要項にある低年齢児の待機児解消に応えてきた事業所です。今まさに保育所の継続的な運営が困難な状況に陥っていることの訴えがなされています。減収補填の具体策を私立保育園についても示すべきではないでしょうか。練馬区や目黒区なども減収補填を行っています。中野区も早急に結論を出すべきだということを申し上げておきます。

 次に、保育の質について伺います。

 保育園待機児童が解消されても、保育の質がどう担保されているかは子どもの成長にとって重要な要素です。園庭のない保育園が44%にもなっています。これも規制緩和によるものです。保育士の確保と、保育士自身の専門職としての技術レベルの向上、処遇改善は保育の質向上の要です。区は、保育の質ガイドラインで、保育者などは子どもにとって最大の人的環境と位置付けています。ならば、保育士の専門職としての正当な評価に基づく賃金の保障が大切です。

 そこで伺います。保育の質を向上させるために、そこで働く職員全体の処遇が改善されるよう、区として体制を確保し、保育の質ガイドラインの実現を図る取組が必要ではないでしょうか。お答えください。

○渡邊保育園・幼稚園課長 区といたしましては、保育事業者への保育の質ガイドラインの周知のほか、指導検査を実施するなど、保育士の処遇改善にも努めてまいりたいと考えております。

○来住委員 ぜひ実態を、きちんとそれぞれの園の実態を把握しながら、処遇改善に区としても努力をしていただきたいと思います。

 さらにガイドラインでは、研修についても、保育者の質向上の取組として、研修に参加しやすいように体制を整え、積極的に研修に参加できるよう努めますとしています。

 そこで伺いますが、体制の保障がなければ、研修に出す側も出る側も気持ちよい関係は生まれません。体制の保障を何らかの形で行う必要があります。どのような支援を行っていくのか、お答えください。

○渡邊保育園・幼稚園課長 保育士等の研修への参加につきましては、研修計画から保育士等の参加状況を把握し、参加が少ない場合は必要なアドバイスをしております。また、保育士が研修に参加しやすいよう、園長等に対して研修に参加できるシフトを組むよう要請するほか、オンラインでの研修も取り入れ始めたところでございます。

○来住委員 はい、しっかり取り組んでいただきたいと思います。

 私立保育園からは、事務職員の配置、夏のプールの監視員の配置などの要望が寄せられています。一昨年の私の事務職員の配置の求めに対し、全体的な中で検討するとの答弁でした。どのような検討が行われたのでしょうか。

○渡邊保育園・幼稚園課長 各種給付や補助金の申請手続の際に、各園で作成いただく書類の押印省略や枚数削減などを検討しているところでございます。事務職員の配置等に要する経費の補助につきましては、これら事務負担の軽減と併せて総合的に検討していく必要があると考えております。

○来住委員 事務職員については、長い私立保育園からの要望でもありますので、急ぎ結論を出して支援をしていく必要があると思います。区立保育園では用務職など、子どもの成長と安全にとって必要とされる職員配置が行われています。区立保育園は保育の水準の基準であり目標です。私立保育園でもそれは同じです。要望に応えていただくことを強く求めておきます。

 さらに保育の質の向上には安定的な保育士の確保が重要です。宿舎借り上げはその一つです。昨年から宿舎借り上げについての負担割合が事業者に8分の1求められました。

 そこで伺います。事業者の負担額は予算ベースでの負担総額と、事業者数は幾らになるでしょうか。

○渡邊保育園・幼稚園課長 予算ベースで事業者の負担額は1億60万円、対象施設数は104園でございます。

○来住委員 予算ベースでありますが、1億60万円の負担を余儀なくされるという点では、深刻に受け止めて対策が必要だというふうに思います。保育園事業者にとって来年の保育士をどう確保するか迫られています。宿舎借り上げのこの制度が来年も実施されるのか。事業者へ負担を求めないことと併せて、早期の決定が待たれています。

 伺います。宿舎借り上げの事業者負担をなくすことについて具体的に検討しているのでしょうか。お答えください。

○渡邊保育園・幼稚園課長 先頃、国は、令和4年度保育関係予算概算要求の概要を公表したところでございます。保育士等の宿舎借り上げ補助につきましては、引き続き予算化が見込まれるところでございます。区は国の補助を活用して、本事業の継続について事業者負担を含め検討していく考えでございます。

○来住委員 事業者の負担がない形での事業継続を具体的に進めていただきたいと。4月以降の保育士確保等、保育所運営にも影響が大きいだけに、少なくとも事業の継続については早急に決めて知らせることを求めて、次の質問に入ります。

 次に、「貧困・孤立」への支援について伺います。

 まず、暮らしの状況と意識に関する調査報告書に関連して伺います。この調査は、調査対象を現役世代の15歳から64歳以下としたこと、抽出者が1万人、調査期間は昨年12月から1月にかけて、新型コロナウイルス感染症第4波の中で行われたという点においても画期的な調査となりました。まず最初に、調査結果の回答に照らして、新型コロナウイルス感染症が、働いている方の収入や就業状況にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。生活水準別にどのような変化になっているのでしょうか。お答えください。

○小山地域包括ケア推進課長 まず、新型コロナウイルス感染症の影響による収入の変化でございます。以前と変わらないと回答した方が57.1%、少し収入が減った、大幅に収入が減ったを合わせますと39.5%でございました。

 生活水準別の変化でございますけれども、「失業した」の回答率が高かったのは、生活水準で下の中と答えた人で10.6%、下の下で9.2%となっております。生活水準が厳しいと回答した人ほど、新型コロナウイルス感染症の影響による就業状態の変化が大きいことがうかがえます。

○来住委員 影響が及んでいる方々、特にその約40%の方々が大変になっているという状況が表れていると思います。

 さらに調査の狙いとして、SOSを発信できないリスクの高い人の分析を、統計的な判断を行っています。そこに調査の光を当てた目的と結果の分析、さらに結果を今後どう生かしていくのか、お答えください。

○小山地域包括ケア推進課長 自らSOSを発信できないリスクが高い人は、そもそもどのような属性の人が多いのか、また、そのような人はどのような悩みを持っているのかなどの生活実態は、これまで不明でございました。必要な支援の方向性や効果的な相談窓口の周知方法について検討する必要があることから、調査を行いました。

 結果といたしまして、家族類型別では一人暮らしが最も多く、暮らし向きが厳しかったり健康状態が悪いほど、出現率は高くなっております。調査の結果でございますけれども、これらを見える化することで、まずは相談窓口に関する効果的な周知方法の検討や、行政の施策立案だけでなく、民間の活動団体の取組にも生かしていただくことで、オール中野の地域包括ケアを実現していきたいと考えております。

○来住委員 リスクの高い人が誰にも相談しない理由として調査の中で出てきているのは、相談しても解決できない、誰に相談してよいか分からないという回答になっています。そこで、相談の窓口となる施設の、区民の認知度はどうなって調査の中では出てきているんでしょうか。

○小山地域包括ケア推進課長 地域包括支援センターとすこやか福祉センターについて御回答いたします。地域包括支援センターの認知度は、「名前を聞いたことがあるが、ほとんど知らない」と「知らない」の答えを合わせますと、88.2%でございました。一方、「よく知っている」は10.5%となっております。なお、60歳から64歳では2割強が「よく知っている」と答えております。次に、すこやか福祉センターの認知度でございます。「名前を聞いたことがあるが、ほとんど知らない」と「知らない」を合わせると、80.5%でした。一方、「よく知っている」は18.0%となっております。なお、子育て期である30歳代では、約3割が「よく知っている」と答えております。

○来住委員 相談にどこに行ったらいいかということが、地域の中でもなかなか認知されていないというのは、全体で言えると思います。その上で、社会的孤立により、相談窓口にたどり着けない人たちの生活をどう支えるかということになりますが、相談にどうつなげていくのか、行政や専門機関と地域のネットワークとの連携を生かした取組が求められます。コーディネートの役割を担うのがアウトリーチチームの存在です。

 伺います。アウトリーチチームとしての存在と役割はどこに、どのような形で位置付けられているのでしょうか。お答えください。

○村田南部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 アウトリーチチームにつきましては、平成29年3月に策定した中野区地域包括ケアシステム推進プランにおきまして、地区担当アウトリーチチームを設置すること及び潜在的な要支援者の発見、継続的な見守りなど、七つの役割を明記しているところでございます。15の区民活動センター圏域ごとに、一人ひとりの区民や世帯が抱える様々な課題に包括的に対応するため、区民活動センター配置の職員2名と、すこやか福祉センター配置の福祉職1名、保健師2名の計5名でチームを構成しております。

○来住委員 内部的にはアウトリーチチームのマニュアルであるとか、職務規定などで規定していると思いますけども、少なくとも、要綱での根拠を明確にしておく必要があるんではないかということも私は思います。最近、私が地域で聞いたケースですが、アウトリーチチームの連絡によって、社会福祉協議会と保健師が情報交換の場を持って連携しながら継続した支援を行ったと聞きました。いろんな変化をお互いに情報交換しながら統一的な対応をすることが、さらに複数で関わることが、当事者にとって、地域の中で見守られているということを感じてもらうということで大切だと聞きました。一つひとつのケースには解決までに時間が必要です。アウトリーチチームとして適切な支援につながった実績と、その支援の特徴は何かありますか。

○村田南部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 2020年度にアウトリーチチームが把握できた要支援者数は389件で、そのうち支援につなげられた件数は305件であり、この3年間で微増となっております。各年度ともに支援の対象者といたしましては75歳以上の後期高齢者が多く、相談内容では健康医療の問題や近隣の問題についてが多いという特徴が見られるところでございます。

○来住委員 アウトリーチチームの日常業務をこなしながらやる仕事ですから、負担やストレスも極めて重いというふうに思います。今後さらに区民活動センター単位での支援会議を立ち上げるということですが、日常業務との相互の関係をどう図っていくのか、新たな負担にならないのか、担当者や現場での議論を尽くすことが重要だということを申し上げておきます。さらにチームとして関わったケースや経験の蓄積をどうやって継承していくのか。お互いに啓発し、高め合う場が保障されているのでしょうか。チームとしての交流や研修を行っているのでしょうか。伺います。

○村田南部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 それぞれのアウトリーチチームでは、定期的な連絡会や必要の都度開催するケース検討会議により情報共有を行うほか、すこやか福祉センターごとに連絡会議や地域ケア会議を開いて、課題検討や意見交換などを行っております。また、全てのアウトリーチチームが参加する事例発表会では、個別相談支援活動などの取組について情報共有を図り、相互に意識を高め合う機会としているところでございます。そのほか、東京都が実施する生活支援コーディネーター研修や部内研修を受講して、アウトリーチ活動のスキル向上に努めております。

○来住委員 新型コロナ感染症の中で地域の自主団体の活動が制限されています。そういう中だからこそ、頼れる行政の役割が求められており、誰一人取り残さないとの強い思いを持った行政であることを区民は求めています。この項の最後に、部長お答えください。

○藤井地域包括ケア推進担当部長 暮らしの状況と意識に関する調査では、自らSOSを発信できないリスクが高い人は全体の6.2%いることが分かりましたが、これを区の年齢別人口に当てはめると、区全体では約1万6,000人にも上ります。8050問題や生活困窮など課題の複合化が進む中で、全ての人を対象とした地域包括ケア体制を構築していくためには、これまで以上に地域の関係機関との連携が重要になると考えており、どこが入り口になっても必要な支援につなげることができる体制づくりが必要であると考えております。今後とも関係機関との連携を強化しながら、相談支援体制をより一層充実させ、誰一人取り残されることのない安全・安心な地域社会をつくってまいりたいと考えております。

○来住委員 区民の期待に応えて、しっかり取り組んでいただきたいと思います。

 この項の二つ目として、「中野区子どもと子育て家庭の実態調査」から伺います。実態調査は子育て家庭の生活実態を把握・分析することを目的として、2019年8月から9月にかけて、中野区在住のゼロ歳から14歳の保護者、さらに対象の児童を含む約1万8,000世帯を対象に実施したものです。

 まず伺います。実態調査を分析し、子どもの貧困対策に、具体的施策にどのように反映してきたのでしょうか。お答えください。

○青木子ども政策担当課長 「子どもと子育て家庭の実態調査」についてでございますが、調査結果を踏まえ、子どもの貧困対策の考え方を取りまとめまして、区の取組の方向性等を明らかにいたしました。この考え方に基づきまして、子ども食堂運営助成金の拡充や子ども配食事業の実施などの食の支援や、区有施設における学習スペースの確保などの学びの支援などの取組を充実させてきたところでございます。

○来住委員 そこで、子どもの学びの場について伺います。実態調査から、子どもの成長にとって欠かせない学校や家庭の学びの場における生活困難がどのような形で及んでいるのか、どのように結びついているのか、その関係性について、調査から何が見えてきたのでしょうか。

○青木子ども政策担当課長 実態調査の結果、学校の授業の理解度につきましては、生活困難度が高くなるほど、授業が分からないと答えている子どもの割合が高い傾向が見られました。特に中学生になるとその傾向が強まり、授業が分からないと答える子どもの割合が、一般層では2割弱であるのに対し、生活困窮層では半数を上回っているという結果でございました。

○来住委員 中野区は貧困対策に取り組む方向性として、学び・体験の支援を挙げています。授業が分からない、理解できない中で過ごす学校での時間がどんなに長く感じられてしまうのか、想像ができます。義務教育における授業の理解度を上げるのは、学校と教育委員会の責任に負うところが大きいと私は考えます。しかし、学校の現場では授業の準備や子どもたちと向き合う時間が厳しいのが実態です。だからこそ、余裕を持ったカリキュラムと少人数学級が求められています。

 伺います。小学校、中学校の学習環境はどうなっているのか。実態調査から子どもたちの育ちに行政として何を準備して、何を急ぎ整えていかなければならないのか。その必要性を分析からどのように受け止めているんでしょうか。

○青木子ども政策担当課長 子どもの学習環境につきまして、実態調査の結果からは、生活困難度が高くなるほど学習環境が欠如している割合が高い傾向が見られました。具体的には、自宅で勉強できる場所がないので、欲しいと回答した子どもの割合は、一般層に比べ、困窮層では小学生では約4倍、中学生では約6倍でありました。この結果を踏まえ、家庭の経済状況等により学習の機会が奪われることのないよう、自宅以外で子どもが安心かつ集中して学習できる場所等の確保に努めていく必要があると考えてございます。

○来住委員 困窮層の実態が調査からかなり浮き彫りになったというふうに思います。区では夏休みに中央図書館会議室、児童館の一部を活用し、夏休みの勉強対策を行いました。私も中央図書館での生徒の学習状況をのぞいてみましたが、中学生らしい五、六人の生徒が集中している様子を伺いました。この夏の取組の結果についてどのような成果だったのか、伺います。

○青木子ども政策担当課長 子どもの学習スペースにつきましては、特に学校が長期休業になり、自学自習の増える夏休み期間には、一定の学習環境を確保する必要があると考えまして、既存の区有施設の中で利用可能なスペース等を取りまとめ、周知を行ったところでございます。夏休み期間の利用実績としましては、図書館及び児童館の計9か所において、延べ1,331人の子どもの利用があり、利用した子どもたちからは、静かな環境で夏休みの宿題や受験勉強に集中できた等、好評でありました。なお、夏休み以降も、一部施設につきましては、引き続き学習スペースの提供を行っているところでございます。

○来住委員 結果として成果が出ているということだと思います。来年2月にオープンの予定である中野東図書館には、7階に学習できるフリースペースが確保され、9階には学習室が準備もされています。一方、10月に図書館としての機能が閉館となる東中野図書館、本町図書館については、地域交流の場所として生かしてほしいと、地域からの強い要望が出されています。そこで、閉館となる地域図書館なども地域の生徒の学習の場として、臨時的に提供するなど含めて拡充していくことを検討すべきではないでしょうか。伺います。

○青木子ども政策担当課長 子どもの学習スペースにつきましては、今回の夏休み期間中の取組の成果と課題を踏まえまして、今後の方向性を検討してまいります。学校教育外の学習の場は、生活困窮層に限らず、子どもたちの利用意向が高いところであり、地域バランス等も踏まえ、ニーズに対応した規模を確保できるよう、段階的に検討してまいりたいと考えております。

○来住委員 実態調査では6割の子どもが、家で勉強できないとき、静かに勉強できる場所を使ってみたい、興味があると答えているわけですから、家庭での学習環境が整っていない状況を放置せず、場所確保の対策をしっかり進めていただきたいと思います。

 次に、食への支援について伺います。子どもの心身の成長に欠かせない食への支援は必要不可欠です。昨年来の新型コロナウイルス感染症拡大の中で、さらにその必要性が浮き彫りになってきました。本来、行政の責任でやるべき支援ですが、しかし、子どもの成長は一日といえども立ち止まることはできません。子どもへの食への支援を地域から始めようと、自主的に団体やグループが立ち上がり、子ども食堂や食を通して世代間の交流の場となっています。そこで、区内の子ども食堂を運営する団体も増えております。支援の在り方も豊かになってきています。中野区の子ども食堂運営助成金申請は、この3年間で団体数はどうなっていますか。予算額はどうなっているのでしょうか。区では子育て家庭の日常生活を応援する事業として位置付けています。今後の支援についてどのように考えているのか、伺います。

○青木子ども政策担当課長 中野区子ども食堂運営助成金の当初予算額につきましては、令和元年度及び令和2年度は240万円、令和3年度は360万円となっております。区の助成金等の支援を受けまして、子ども食堂を実施する団体については増加しておりまして、社会福祉協議会のこどもほっとネットに登録されている数としましては、平成30年度末で9団体、令和元年度末で13団体、令和2年度末で19団体と推移しています。今後は引き続き支援を実施し、食の支援に関するネットワークを強化していくとともに、子ども食堂が実施されていない地域における立ち上げ支援等も検討してまいりたいと考えてございます。

○来住委員 中野区の社会福祉協議会の協力もあり、支援物資の調達や運営団体間の交流も活発に取り組まれています。新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言によって、食事が提供できないことから、食材の配布に切り替えて活動を継続している団体もあります。配布する食材も内容も、米や野菜、缶詰などですが、バナナやミカンの果物が提供されるときは、生活費を切り詰めているので果物を子どもに与える機会が少ないということで、大変喜ばれていると聞いております。

 そこで伺います。子ども食堂の基本となる運営費は助成金です。本年度の助成金の振込がまだ行われていません。東京都の制度が変更されることによって、決定や振込に時間がかかります。その間の運営にも何らかの支援の検討が必要ではないでしょうか。お聞きします。

○青木子ども政策担当課長 子ども食堂運営助成金は、都の補助制度を活用し実施しているものでございます。都の制度変更の状況によっては、事業の開始時期に遅れが生じることがございますが、子ども食堂を実施する団体の負担を極力減らせるよう、迅速に事務処理を行ってまいりたいと考えております。なお、今年度の申請に対する助成金の支払いについては、順次、支払いに関わる事務処理を行っているところでございます。

○来住委員 もう9月になって、10月に差しかかりますので、運営する方々にとっては、皆さんボランティアでもちろん関わっておられるわけですから、区として、東京都の制度がそういう形で示されるのが遅いということはあったとしても、対応をぜひしっかりとしていただきたいと。貧困対策に係る取組の方向性としては、子どもの成長を支える団体への支援の充実を示しています。地域で取り組まれている子ども食堂などは、本来、国や自治体が行うべき事業です。地域の善意に頼っているのが今の現状です。必要な支援を引き続きしっかりと進めていただきたいことを申し上げて、この項を終わります。

 次に、駅周辺のまちづくりについて伺います。

 まず最初に、囲町東地区再開発について伺います。現在、囲町東地区では、昨年9月の組合認可を前に、12名の方が組合からの同意書撤回を求めたにもかかわらず、認可申請の同意者として組み込まれたことから、これを不服として、7月、東京都に対し14筆、21名の権利者が不服審査請求を行っております。

 まず伺います。同地区では9月2日、都市再開発法60条に基づいて、測量調査などのための土地立入り許可が区長から出され、再開発組合から測量対象者に届けられています。区がこれまで関係してきた市街地再開発で土地立入り許可を出した例はあったのでしょうか。伺います。

○石橋中野駅周辺地区担当課長 都市再開発法60条に基づく区の組合に対する許可でございますが、区内の再開発事業では初めてのものでございます。

○来住委員 権利変換計画認可に必要な測量段階において、測量調査などのための土地立入り許可が必要となるようでは、住民合意が得られているとは言いがたい状況だと思います。少なくとも、不服審査請求の結論が出ていない中での強引な用地測量や、権利変換同意書への捺印行為は中止をすべきだと思います。

 伺います。住民合意がどのように図られてきたのか。遡って、2011年9月の準備組合結成時の権利者数と同意者数は、そのさらに比率はどうだったんでしょうか。

○石橋中野駅周辺地区担当課長 2011年9月の準備組合設立時の準備組合の加入者数は50件で、当時の総権利者数75件に対する割合は66.7%でございます。

○来住委員 準備組合の結成時、それまでこの囲町地域では、まちづくりのそれぞれの団体はありますけども、勉強会などが行われてきた地域だというふうに認識をしております。今、答弁あったように、準備組合結成時の権利者が75人。しかし、その同意できない、同意しなかった方々が25人も数で言うといらっしゃる。66%の比率で準備組合の結成ということですけれども、その時点でもかなり無理があったんではないかと、そこにかなり大きな問題があったんではないかというふうに考えられます。本組合認可の2020年9月には、権利者が89人に対し同意者は62人で、法定ぎりぎりの70%ということであります。同意撤回を求めた12人の方が不同意となれば、56%にすぎません。説明では、同意書撤回者が12名に対し、個別に訪問し確認をしたとされていますが、確認の訪問を受けていない方もいると聞きます。法定の数をクリアしているからよしでなく、行政は、まちづくりは住民合意が大前提と、この立場を貫くことが大切だと思います。12人の権利者が同意書の撤回を求めた2020年9月14日の組合理事会の議事録が開示されていますけども、審議の内容、その部分は非公開とされて、必要な情報は隠されたままです。

 お聞きします。関係者に等しく情報を開示し、不信を取り除くことが大切ではないでしょうか。さきに紹介した理事会に中野区から出席し、挨拶を行っています。再開発は住民合意が前提の立場で、求められる情報は提供する、全てを提供するということでなくてはなりませんけども、このことについてお答えください。

○石橋中野駅周辺地区担当課長 組合の情報公開の扱いにつきましては、組合員には公開が原則であるというふうに聞いてございます。一部、個人情報や個人に関連する議事内容については非公表とする判断がなされることがあるというふうにも聞いてございますが、情報公開に対する一般的な考え方というふうに認識してございます。

○来住委員 こういう組合の中でもちろん起きていることでありますけど、区として、そういう情報については積極的に開示して理解を求める、そういう立場をしっかり持って取り組んでいく必要があると思います。本理事会には10人の理事者の方々と、当時の事業者の大成建設、三井レジデンシャルなどの多数の企業関係者が参加しています。このことからも、組合施行とはいえ、ディベロッパー主導の再開発であることがうかがえます。

 そこで、囲町東地区再開発がスケジュールどおりに進まないということになれば、今後の中野駅周辺の再開発にも影響がどういう形で及ぶというふうに認識をされているんでしょうか。

○石橋中野駅周辺地区担当課長 囲町東地区再開発における現時点の事業完了は2025年度が予定されてございます。事業のスケジュールに遅れが出た場合、再開発と併せて取り組む都市計画道路である補助221号線の整備が遅れることをはじめ、囲町地区が抱える交通、防災、環境といった諸課題の解決が遅れることとなり、中野駅周辺全体の安心・安全、活力向上に影響を与えるものというふうに考えてございます。また、地区内の権利者の中には、既に明渡しを想定し、地区外に転居されている方が複数ございます。事業の遅れにより、転居された方の仮移転期間が長期化するなど、生活再建の実現に影響が生じることや、また補償費や事業費等総事業費の増大にもつながることが考えられます。

○来住委員 それだけの規模の再開発ということですから、合意を前提にして進めるということがなしには、これは大きな影響が及んでくるということをしっかりと受け止める必要があると思います。今現在、隣の囲町西地区においては、既に補助221号線の道路拡幅反対ののぼり旗が掲げられています。今後の中野駅周辺の再開発計画に影響が及ぶことなどを懸念し、スケジュールありきで進めるなら、住民合意の前提が壊され、住民の不安や不信感が増すこととなります。慎重で丁寧な説明がより強く求められるというふうに思います。

 そこで、今の現状を打開するために、中野区としては、関係者間を取り持って協議の場を用意し、合意が図られるよう役割を果たすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○石橋中野駅周辺地区担当課長 区はこれまでも権利者の要望に応じて権利者と、あるいは権利者と組合の話合いの場に立ち会うなど、区として必要と考える対応を取ってきたところでございます。今後も行政としての適切な対応を図っていく考えでございます。

○来住委員 結果として行われる状況にないわけですから、区の役割は一層求められるというふうに思います。

 居住者の方々の話も伺っております。囲町を誇りとしてきた、生涯ここで暮らし続けたいと考えてきたなどの声です。この地区がまちづくりの名による再開発の波に飲み込まれることへの不安だと思います。そのことを行政は生存権の問題として捉え、住民の皆さんの思いに寄り添うことが必要です。そのことを求めながら、次の質問に入ります。

 次に、東中野駅周辺のまちづくりについて伺います。

 東中野駅東口のまちづくりには、長年にわたり中野区は調査を繰り返してきました。地域では、いまだまちづくりについての話題はなく、東口のバリアフリーの早期の実現を求める声が依然として切実な声です。東中野四丁目のムーンロード商店街の一角では土地の買収が一部進み、一部では立ち退きをめぐる裁判が行われてきました。既に原告側の勝訴で裁判は決着を見ていますが、中野区は、東口の今後のまちづくりの重要な位置を占めるこの一角について、どのように現状を認識されているのでしょうか。伺います。

○千田まちづくり計画課長 ムーンロード一角は、狭隘な道路にしか接道しない細分化された土地が多いことから、低未利用地が広がっており、個別の建て替えでは東中野駅のポテンシャルや駅前の立地を生かせない状況にあります。このため、それを改善に導くまちづくりが必要であると認識しております。

○来住委員 最近この地域では活発な土地買収の動きが見られています。地域ではそのことに不安の声も高まっています。東口の最大の課題は駅舎のバリアフリー化です。中野区のこの間の調査では、現状の駅舎においてはエレベーターなどのバリアフリー化は困難との判断を示しています。今後のまちづくりの中で解決していくとの考えのようですが、そのことも地域には説明や報告がなされていないと思いますが、いかがでしょう。

○千田まちづくり計画課長 東中野駅東口のバリアフリー化については、既存駅舎を活用した対策が困難であることから、駅舎改修の可能性について、民間開発の誘導と活用によるまちづくりを検討する中でJRと調整し、実現化の方策に関する検討を行いたいと考えております。

○来住委員 もう何年も検討を重ねた末に、今まさにまた、まちづくりをどういう形で進めるかを検討していくという状況だという点では、地域の方々の失望は本当に大きなものがあります。加えて、しっかり現状を地域の方々に報告するべきだと思います。

 そこで具体的に、いつまでに、どのような手法で東口のバリアフリー化を実現していこうとしているのか、具体的にお答えください。

○千田まちづくり計画課長 東口のバリアフリー対策等につきましては、やはり住民参画のまちづくりを進めるというところが重要になってまいりますので、今後そちらの取組を進めながら、住民との協働の機会を模索していきたいと考えております。

○来住委員 これまで区はまちづくりの一体的解決を言いながら、何一つ前に進めることができませんでした。ディベロッパー頼みのまちづくりでは、地域住民の理解や協力は得られないでしょう。地域を信頼して、地域と共に考える行政の在り方が、ここでも強く求められています。地域と住民を信頼して、そのまちの歴史や文化を取り込み、全国一律の駅前や駅周辺とは違うまちづくりを地域と共にゼロから知恵を出し合う。東中野の新しいまちづくりを東中野駅東口では行うべきだと求めますけども、これまでも求めて来ましたが、今、今後さらにそのことを強く求めているところですが、御見解をお聞きします。

○千田まちづくり計画課長 まちづくりは、まちの特徴や成り立ちを踏まえ、行政と区民、事業者・企業者が三位一体となって取り組むことが重要です。このため、東中野駅東口周辺に有効な市街地整備手法の整理が進んだ段階で、意見交換会や検討会などを実施し、区民と行政の協働によるまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。

○来住委員 ぜひ地域との協働でのまちづくりをゼロから地域に投げかけて、しっかりと区民、地元の声を聞いて取り組んでいただきたいということを申し上げておきます。

 その他について、2点伺います。

 区立学校に常備すべきことについて。その一つは、感染防止に欠かせない不織布マスクの配布についてであります。教育委員会は、マスクを忘れた場合、汚損した場合などに支給するとしていますが、教育の中でマスクの必要性を学ばせると同時に、生徒が自らの判断で手に取れるように常備をしておくということが必要だと思いますが、いかがでしょう。

○齊藤指導室長 学校では、新型コロナウイルス感染症の知識やマスクの種類、着用方法などの感染予防の指導を通して、児童・生徒が正しく理解し、主体的に健康管理に取り組むようにしております。児童・生徒が登校後にマスクが必要になったり、様々な家庭の状況でマスクを着用できなかったりした際には、学校は不織布マスクを配布する準備をしております。マスクにつきましては、各学校から原則、予備も含めて家庭で御準備いただくようお願いをしておりますが、子どもたちの状況に十分配慮しながら対応していくよう伝えてまいります。

○来住委員 必要な児童が、必要なときに手に取れるような、そういうクラスの中に置くと、常備をするということで整えていただきたいということを重ねて申し上げます。

 二つとして、生理用品について伺います。現在、小学校、中学校の学校保健室に常備されている生理用品は借りることになっています。生理の貧困が社会問題になっているだけに、必要とする生徒は必要なときに使用できるようにすべきではないかと思いますが、さらに具体的には、トイレなどに常備しておくということも必要だと考えますが、いかがでしょう。

○松原学校教育課長 生理用品につきましては、養護教諭などが必要とする児童・生徒の心身の状況などを把握いたしまして、十分な配慮のもとに、保健室に置いて渡しているところでございます。今後とも児童・生徒の健康面や指導面など様々な観点から、学校と相談しながら適切に対応してまいりたい、このように考えております。

○来住委員 必要なときに、必要な児童が利用できるように、具体的な、置く場所も含めてしっかりと検討していただいて、そういう保護者の皆さんの声に応えていただきたいということを申し上げておきます。

 私の質問はこれで全て終わります。

○ひやま委員長 以上で来住和行委員の質疑を終了します。

 次に、内野大三郎委員、質疑をどうぞ。

○内野委員 令和3年第3回定例会決算特別委員会におきまして、会派を代表して質問させていただきます。

 総括質疑2年半ぶりで、2期目に入って総務委員会の副委員長をやりましたので、長らくやっておりませんでした。そして、初めての60分の時間ということで、気合を入れて項目を出したら少し細かくなり過ぎて、ちょっと時間の使い方が難しいと思いますので、理事者の皆様にも御協力をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 早速一つ目、令和2年度決算について、歳入について伺います。

 特別区税は、特別区民税、軽自動車税、特別区たばこ税で構成されております。ちょっとこれはニッチなので質問しませんけれども、軽自動車税が1年間で少し増えているように思っておりますが、私も原付を持っているので、軽自動車税というのは非常に価格が安いので、これがどれだけ増えたのかというのはまた今後詳しく検証していただきたいと思いますけれども、これはやはりコロナ禍の影響で電車、公共交通機関を使わずに、バイクや車を買ってなど、そうした通勤が増えたのではないかと。そのあたりの分析をまた今後していっていただきたいと思いますけれども、その中で特別区民税の伸びがかなりあると認識しております。特別区民税の伸び率の推移はいかがでしょうか。

○竹内税務課長 特別区民税の伸び率について、5年間の推移を申し上げます。平成28年度は2.78%、平成29年度は2.5%、平成30年度は1.7%、令和元年度は1.4%、令和2年度は4.1%となってございます。

○内野委員 その要因についてはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

○竹内税務課長 主な要因といたしましては、納税義務者数の増加によるものと考えてございます。

○内野委員 納税義務者数も、納税者1人当たりの所得額については一時的に下がったときもあったようですけれども、これらが増えている要因は、恐らく長い年月をかけて計画してきた都市計画の決定やまちづくりが寄与していると考えられます。先人の皆様の御苦労が今まさに花開いていると感じており、自分も次の世代に残せるものは何かと、いつも自問をしております。

 その要因について伺います。

○竹内税務課長 こちらのほうが伸びている要因といたしましては、人口の増加や、また景気の好調、こういったものが考えられるところでございます。

○内野委員 景気の好調というのは、コロナ禍で、短期間とはいえ、令和2年度も影響があったと思いますけれども、やはりある一定の財政出動の効果があったのではないかと思っております。

 「街間格差」という中公新書ラクレの本があります。これには中野区のことを、中野は東京中の変化をいち早く適合した成功例と評価しております。ただ一方で、再開発で古い町並みと新しい街区が混在していて、その変化の速さに新興の居住者がついてきているだけで、中野区の北部の評価はあまり高くはありません。西武新宿線の地下化などで、これからそのポテンシャルを発揮するエリアであると思いますが、ソフト面での仕掛けが何か必要なのではないかと思っております。幸い中野駅周辺は担税力の強い住民を受け入れるだけの住宅ストックが生まれております――生まれる予定になっております。子育て先進区をもっと強力に推し進めるインパクトが必要かと考えておりますが、その対策はいかがでしょうか。

○堀越企画課長 子育て先進区を進めるインパクトについてでございます。子育て先進区の実現につきましては、基本計画案におきまして、重点プロジェクトに設定しているところでございます。重点プロジェクトにおいては、魅力ある公園や屋内施設の充実、子育て関連店舗や委員のおっしゃる住宅の普及促進なども含めまして、ソフト、ハード両面から、子育て家庭にとって魅力的な環境の整備を推進するものとしております。今後、重点プロジェクトを推進していく中で、中野駅周辺におけるまちづくりの進展等も見据えながら、より効果的、効率的な事業展開について検討を深めてまいりたいと思っております。

○内野委員 ありがとうございます。インパクトある施策は、着実に重点プロジェクトの中で進められるということでありますけれども、ワンフレーズでもキャッチフレーズを、私も再三いろんな場でお願いしておりますけれども、やはりそういう世帯、担税力のある世帯が入ってくるのに、ちょっと刺激的なフレーズは必要かと思っております。常にそういう視点で考えていただければと思います。以上で歳入は終わります。

 歳出についてお尋ねいたします。初日に平山委員が質問されておりましたけれども、いま一度確認させてください。

 私が初当選の頃、平成27年の頃ですが、歳入歳出の総額が過去最高と言われて驚いていた記憶があります。令和2年度の決算額はそれをさらに上回っておりますけれども、これは国からの特別定額給付金の皆増などが影響していると思われますが、新型コロナ関連費用の総額についてはどのぐらいになっておりますでしょうか。

○堀越企画課長 新型コロナウイルス感染症の関連経費の総額でございます。総務114の資料にございます、当初予算以外で新型コロナウイルス感染症対策として実施した事業とその財源一覧(前年度)におきましてお示ししている決算額で、377億6,641万4,691円となってございます。

○内野委員 特別定額給付金支給や新型コロナ関連事業に伴い、一般財源から持ち出しとなった金額は幾らでしょうか。

○堀越企画課長 関連事業の一般財源についてでございます。各事業に充当が完了していない未充当がありますものの、先ほどお答えいたしました事業費から、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金及び国・都補助金等の額を差し引いた一般財源の額といたしましては、4億5,493万9,470円となってございます。

○内野委員 これは資料欄外にあるとおり、臨時交付金にはまだ未充当部分があるとなっておりますけれども、この額は幾らでしょうか。

○堀越企画課長 臨時交付金の未充当についてでございます。未充当部分でございますが、これは充当部分について、まだ東京都への最終報告前でございますため、各事業への充て込みのみが完了していないものでございます。歳入決算額自体には影響がないものでございます。充当の報告手続が完了しない理由といたしましては、国や東京都の補助金等で対応できないことが分かった経費部分につきましても臨時交付金の対象とするなど、再調整を行っているためでございます。

○内野委員 つまり臨時交付金はお金を既にもらっていて、決算額には影響はない。この約6,500万円だけ、どの事業に充て込むかを最終調整中ということで、この資料の一般財源の各欄にもまだ充て込めていないということです。制度がいろいろあって、それぞれの手続も違い、報告にも時間がかかると、そういうことだと思います。これだけの国や都からの補助事業が、たったこれだけの短期間でこれだけの金額があったということは、今までなかったことではないでしょうか。受給する側の手続もさることながら、交付支給する側の御苦労もただならぬものだったと拝察します。事業執行に当たられる皆様の御苦労に心から感謝を申し上げます。

 以前、質問原稿をつくるに当たり、リーマンショック時の補正予算額と今回の新型コロナウイルス感染症の補正予算額とを比べてということをお尋ねしたことがありましたが、こちらは補正予算での額の積み上げなので、それほどの御苦労ではなかったかもしれませんが、この資料114は、当会派からの資料要求ではございませんでしたが、出来上がりを見て大変な御苦労だったと思います。感謝しつつ、次の項目へと移ります。

 次に、新型コロナウイルス対策について、特に経済対策についてお尋ねいたします。

 令和元年末から今日に至るまで約2年の間、行事の中止、延期で、中国・武漢から世界にパンデミックを起こしたウイルスも形を変えて世界中でいまだに猛威を振るっております。この間、区内事業者も相当の苦労をして、ポストコロナや、コロナ明けにはという合い言葉でお互いを励まし合ってきたと認識しております。新型コロナで落ち込んだ経済を立て直すために、どんな経済対策を考えていらっしゃいますでしょうか。

○平田産業振興課長 新型コロナ対策の経済対策についてでございます。区による経済対策といたしましては、まず、令和2年度に新型コロナウイルスに関する緊急経済融資、また商店街のキャッシュレス化推進事業、オンラインによる「コロナに負けない!中野の逸品グランプリ」、中野緊急応援プレミアム付商品券事業などを実施したところでございます。また今年度につきましては、当初予算で商店街のキャッシュレス化推進事業及び新型コロナの緊急融資の継続をしてございます。また第2回定例会の補正予算におきましては、オンラインの経営相談、商店街感染症対策緊急支援事業、QRコード決済を活用したキャッシュレス決済推進事業などを予算化いたしまして、それぞれ実施しているところでございます。

○内野委員 そうしますと、今まで商店街振興や金融政策などが中心というふうに認識しております。その他の対策として、例えばオフィスの空室率の懸念、これは都心部では深刻化しておりますけれども、中野でもそういう懸念があると思いますけれども、どのような対策、対応する策はありますでしょうか。

○平田産業振興課長 現在、区では、区内のオフィスの空室率等は直接調査しているところではございませんが、民間の調査では都心5区の空室率が6.3%なのに対しまして、中野地域につきましては1.9%となっているところでございます。都心部と比較するとそれほど大きくない状況ではございますが、中野駅周辺以外の近隣地域にも大型開発が予定されているということもございまして、楽観視はできない状況と考えてございます。

○内野委員 改定された中野区基本構想にある「つながる はじまる なかの」は、この中野をスタートアップの地にして新たな活力を生み出そうとしております。そのためのコワーキングスペースを生み出し、郊外に移転するオフィス市場を中野で受け止めることができないでしょうか。新たな発想での施策はありますでしょうか。

○平田産業振興課長 若者の創業を中心としました創業支援などのスタートアップ支援は重要だと考えてございます。現在の産業振興センターでの講座や経営支援のほか、コワーキングスペースなど事業創出のための施設整備など、あらゆる可能性について研究してまいりたいと考えてございます。

○内野委員 スタートアップの地として、都心にほど近いこの中野は、リモートでもリアルでも、住みやすく働きやすい環境が整っていると思います。起業を引き起こし、事業を育てる母なる大地としての中野区というイメージアップをしてみてはどうでしょうか。今後は起業のきっかけとなるような、そのきっかけづくりをしてみてはどうかと御提案いたしますが、いかがでしょうか。

○平田産業振興課長 中野区の産業振興のためには、区内で起業した若者など、スタートアップの皆様がそのまま区に定着することが望ましいと考えてございます。今後、支援策につきましても研究してまいりたいと考えております。

○内野委員 ありがとうございました。

 続きまして、中野区の教育大綱についてお尋ねいたします。

 中野区基本構想が改定されました。基本構想は様々な区の事業計画とひもづき、現在改定作業中の中野区基本計画がその実現に向けた計画として位置付けられています。一方、中野区の教育行政においても、同じように基本指針となる教育大綱があります。教育大綱は教育ビジョンと整合を持たせ、各事業ごとの計画に展開されています。令和元年6月7日における中野区総合教育会議において、その位置付けとして以下の発言がありました。「中野区におきましては、教育大綱を、区政運営の最も基本的な指針である基本構想を踏まえた教育に関する指針として整備いたしまして、教育の具体的な取組を定める教育ビジョンは、この教育大綱を踏まえて策定されています。こうした位置付けを踏まえ、基本構想との整合に留意するとともに、国の教育振興基本計画を参酌し、教育大綱を策定する」としています。つまり、基本構想と教育大綱とは別個独立のものではなく、相互に関連性があるものであるということです。

 そこでお聞きします。基本構想が改定された今、教育大綱の改定を考えていらっしゃいますでしょうか。いらっしゃるとしたら、改定の時期はいつになりますでしょうか。

○堀越企画課長 教育大綱の改定と改定時期についてでございます。教育大綱は改定を考えてございまして、基本構想が改定されたことにより、現在、教育委員会と検討を進めているところでございます。総合教育会議で教育委員と今後の中野の教育の在り方についての議論を深めていく予定でございます。新たな教育大綱の策定時期は、教育ビジョンの改定スケジュールとも調整を行いながら、決定してまいりたいと考えております。

○内野委員 23区の教育大綱を比較したところ、教育大綱という名前を使っていないものもあれば、教育ビジョンと併せて一つの指針としているものもあります。世田谷区のように287ページもあるものもあれば、台東区のように1ページで完結しているものもあります。この教育大綱と教育ビジョンの23区の比較をすると、非常に研究対象としては面白いというか、やりがいのある調査だと思います。今回この質問をつくるに当たり、23区の教育大綱を全部プリントしてみたらこんなに厚くなって、非常に中身もバリエーションに富んでいるもので、これはぜひともちょっと区長にも様々勉強していっていただきたいと思っております。

 教育ビジョンも併せて改定予定であるならば、改定時期は、これはいつ頃になりますでしょうか。

○濵口子ども・教育政策課長 教育大綱の改定に伴いまして、大綱の趣旨を踏まえ、教育ビジョンの改定も進めていくと考えてございます。

○内野委員 子育て先進区としての大胆なメッセージ性のある教育大綱をつくっていただきたいと思っております。基本構想では、10年後に目指すまちの姿の未来ある子どもの育ちを地域全体で支えるまちとして、社会の変化に対応した質の高い教育を実現しますとあります。中野の最大の財産は人であると宣言している以上、その人につながっていくためには、やはり、ここ中野の子どもたちをしっかり育て、この中野に大人になっても戻ってきてもらう、こういう情熱を持った教育をすべきと考えております。

 一方、将来社会の役に立つ子どもを育成することも大切でありますが、障害を持った子どもに対する配慮も必要であり、社会になじめない子どもたちも一定数いるわけで、そうした一人ひとりに寄り添った教育をしていく考え方も持つべきであります。中野で育ち、中野で学んだ子どもたちが学習指導要領にあるように、郷土を愛する心を育み、またこの中野に戻ってきて社会貢献してくれることが、目指すべき姿かと思っております。教育に熱心になればなるほど、子どもたちから学ぶことがたくさんあることに気がつくと思います。そうした意味では、教育ビジョンでは、家庭も中野の教育を担う一員として位置付けられており、家庭に対しても、改定後の新しい教育大綱や教育ビジョンを広く知らしめてはいかがでしょうか。

○堀越企画課長 周知についてでございます。その前、メッセージ性についてもお答えさせていただきたいと思います。教育大綱は、改定されました基本構想の内容を踏まえまして、教育委員会と議論を重ねながらつくり上げてまいりたいと考えております。基本構想にございます、未来ある子どもの育ちを地域全体で支えることにつきまして、地域と学校とのつながりを生かすなど、人生100年時代を見据えまして、区に関わる全ての人が共通認識を持てるようなものとしてまいりたいと思います。印象に残るメッセージ性の高い教育大綱にしてまいりたいと考えておりまして、周知につきましても、教育大綱が改定されました際には、新たな教育ビジョンの内容と併せまして、教育委員会と共に様々な方法を考え、周知を図ってまいりたいと考えております。

○濵口子ども・教育政策課長 教育ビジョンの改定に当たりましては、家庭、学校、地域の意見を十分に反映していく必要があると考えてございまして、教育ビジョンの改定後、周知につきましても、家庭、学校、地域に対して十分に行ってまいりたいと考えてございます。

○内野委員 ありがとうございました。特に教育については、日本は国是というか、非常に熱心に民間の力も含めてやってきた歴史的経緯もありますので、中野区の公教育の底上げという意味でも、指針がしっかりできれば、それに基づいた教育環境をつくっていく能力のある職員の多いところだと思っておりますので、ぜひとも力を入れてやっていただきたいと思っております。

 続きまして、区内の子どもの視力についてでございます。

 ICT教育やGIGAスクール構想が急速に進んでおります。それ以前からスマホやタブレット端末や携帯ゲーム機などで、家庭内でのディスプレイインフレと言われているものが起こっているように感じております。調査によると、20代から40代のスマホの普及率は90%を超えており、保護者とともに、子どももデジタルデバイスに囲まれて生活するようになってきております。こうした機器と子どもの視力の関係では、やはり近視の進行、ドライアイ、それから、両目で一つのものを見ようとしないで片方ずつで別のものを見てしまう例、いわゆる斜視の発症や悪化が見られるようでございます。

 令和元年3月に、公明党の久保委員が決算特別委員会総括質疑で携帯型レフラクトメーター、いわゆるスポットビジョンスクリーナーの導入を提案して、その後、実際に3歳児健診などで運用が始まっていると聞いております。この機器については、買取りなのでしょうか、リースなのでしょうか。幾らの初期費用がかかったのか、お知らせください。

○阿部中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 携帯型レフラクトメーター、この機器は3年間、2台をリース契約しております。リース料につきましては、月8万4,150円で、年間で100万9,800円でございます。

○内野委員 こうした機器の他区での導入状況を教えてください。

○阿部中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 導入を検討しました令和元年度では、千代田区、練馬区で導入しております。令和3年度の途中から荒川区が、令和4年度から世田谷区と品川区が導入予定と伺っております。また、同様な機器でございますが、視能訓練士が操作する据置き型レフラクトメーターを杉並区、港区、千代田区で導入しております。

○内野委員 ありがとうございました。だんだん広がっているというふうに認識しております。公益社団法人日本眼科医会の3歳児健診における視覚検査マニュアルというのを御存じでしょうか。

○阿部中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 こちらのマニュアルにつきましては承知してございます。ただし、こちらは本年、令和3年7月発行のため、令和2年7月からの導入に当たりましては、日本弱視斜視学会の資料を参考としたところでございます。

○内野委員 このマニュアルはかなり、この7月にできた日本眼科医会のマニュアルは保護者向けにも分かりやすいイラストだとか、ペーパーなんかつくりやすい内容になっておりますので、ぜひともこれも今年度以降、活用していただければと思います。

 幼児の視覚の感受性は3か月から1歳半までが最も高く、3歳頃にピークを迎え、6から8歳ぐらいで感受性が低下して、そのまま大人になることが一般的と言われております。弱視の子どもは50人に1人と言われております。つまり、生後3か月から3歳頃までに視覚の異常が見つかり早期に治療することで、視覚異常が完治する確率が非常に高いです。3歳児健診での視覚検査の実施状況を教えてください。

○阿部中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 検査の対象者は2,352人おりまして、そのうちの2,192人が検査を受けております。

○内野委員 そのうちの弱視の陽性者数は何人ぐらいでしょうか。

○阿部中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 弱視陽性のおそれのある幼児を把握しまして、眼科医への受診を促しております。令和2年度は150人の紹介状を発行しました。

○内野委員 150人の紹介状を発行して眼科医につなげて、それが恐らく、その結果については承知しているかどうか分からないんですけども、随分よくなっているという理解でよろしいんでしょうか。

○阿部中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 眼科医のほうへも紹介状を送りまして、受診状況は把握しておりますが、その後の結果というものにつきましては、細かく報告は受けておりません。

○内野委員 2,352人のうち2,192人が視覚検査を実施されたということでありますけれども、この受診できなかった方々についてはどのようなフォローをするのか。受診できなかった子どもについては、保育園などへ補足の受診を促すなど、受診率は100%にするべきだと思っております。また、障害児の検査についてはかなり困難を伴う事例が多いようでございます。これについての実施状況はいかがでしょうか。

○阿部中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 集団検診を2か月連続して受診のなかった方へは、受診勧奨通知と併せて医療機関の受診票も送付しております。なお、保育園におきましては、受診勧奨ポスターの掲示を行っております。それと、障害のあるお子さんにつきまして、目のチェックシートによる検査が困難な発達の遅れのある幼児につきましては、短時間で検査が可能なこちらのレフラクトメーターにより効率的な検査が可能となりました。それでもなお検査が困難とされる方につきましては、医療機関での受診を勧めているところでございます。

○内野委員 数字が出ているのであれなんですけど、早期発見の確率や、発見後の治療による完治の率などというのは把握できていますでしょうか。

○阿部中部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 御質問は、どれくらい発達の遅れがあるお子さんに……(「全体でいいです」と呼ぶ者あり)よろしいですか。どれくらいのお子さんがまだ必要かという質問でよろしかったでしょうか。(「はい」と呼ぶ者あり)そちらにつきましては、すみません、把握してございません。

○内野委員 ちょっと質問も細かくなり過ぎちゃうので、この辺にしておきますけれども、できるだけ100%を目指すように、例年、実施率を上げていっていただきたいと要望いたします。

 続きまして、学校教育においての視力についてでございます。

 コロナ禍で子どもの視力が心配になっております。産経新聞の5月8日では、オンライン授業などで近視が増えたという記事がございました。小・中学生の視力について国が実態調査を開始したと記事にはありましたが、御認識はありますでしょうか。また、中野区でも実態調査をしておられますでしょうか。

○松原学校教育課長 裸眼視力1.0未満の児童・生徒が過去最多を更新し続けているという中で、健康診断では裸眼視力のみ測定し、詳しいデータが存在しないのが現状であるということから、令和3年度に文部科学省が医療関係者等の協力の下に、測定装置を使った詳細な視力の実態把握の大規模調査を初めて行い、有効な対策を検討することになったというようなものでございます。この調査は全国の小・中学生9,000人規模で実施をしたものでございますけれども、昨年度、中野区もこの調査の参加の意向を表明いたしましたけれども、対象校には選ばれませんでした。

○内野委員 どういう基準で選ばれたのか選ばれなかったのか、ちょっとよく分からないですけれども、積極的にそうした実態調査に手挙げをするというのはいいことだと思っております。

 毎年6月末までに定期健康診断を実施していると聞いておりますけれども、昨年と比べて子どもたちの視力に変化はありますでしょうか。

○松原学校教育課長 令和元年度と2年度における定期健康診査、こちらの結果を比較いたしますと、小・中学校の男女別の裸眼視力の測定者、この割合でございますが、1.0以上の割合、これは全てにおいて低下をいたしまして、0.3未満のほうにつきましては、横ばいもしくは増加をしている、そういった状況になってございます。

○内野委員 それは小学校、中学校、男女で具体的にはちょっとどのようになっておりますでしょうか。

○松原学校教育課長 御指摘のとおりでございます。

○内野委員 小学校、中学校の男子、女子、それぞれということですね。それぞれ悪くなっているということでよろしいですね。

 家庭内での端末の数がこの数年で一気に、スマホの普及率も含めて増えたような感じがいたします。また、3歳から4歳で頭の形が大きくなってくることによる目の視力の調整というのが結構課題になっているにもかかわらず、あまりそこにはスポットが当たっていないので、端末を見るドライアイとか、そういう視力のあれだけではなくて、その時期に応じたチェックというのも大切になっていくと思いますので、その点も注視をしていっていただきたいと思っております。また、大人と違って子どもは時間の管理が自分でしにくい対象でもありますので、やはり大人から啓発するような、子どもに対して注意喚起をするような啓発というのも大事になっていくというふうに思っております。その辺も併せてやっていただきたいと思いまして、要望といたしまして、次の質問に移ります。

 続きまして、専門相談員についてでございます。

 先週土曜日、18日に、新宿西口にあるイベント広場で10士業よろず相談会というものが開催されていました。26年続けており、昨年初めて新型コロナの影響で中止になったものの、今年は予約制にしたところ、早々に予約が埋まり、1日限りの開催にも関わらず、当日も台風でキャンセルが出た枠がすぐに埋まり、そして立ち寄りの方々もひっきりなしに相談に訪れるというふうに聞きました。これをぜひ中野でもやりたいと思い、質問いたします。区が士業の団体の協力を得て実施している専門相談は幾つありますでしょうか。

○辻本区民文化国際課長 士業団体の皆様の協力を得て実施している専門相談でございますが、法律、不動産、登記、税務、社会保険・労務管理、暮らしの手続と書類の相談の6件でございます。

○内野委員 団塊世代の大量退職に次いで、その大量相続が発生しているように感じております。そうした相談はもう私のところにもかなりたくさん来ております。士業のワンストップサービスとして、団塊ジュニア世代が仕事で相談に行きやすい平日夜間や休日相談の体制を整えるべきと考えますが、いかがでしょうか。

○辻本区民文化国際課長 いわゆるワンストップの御提案ということでございます。現在、登記相談につきましては、東京司法書士会中野支部及び東京土地家屋調査士会中野支部の皆様の協力を得まして、合同で登記に係る相談を実施しているところでございます。また、平日夜間や休日相談等の体制づくりについてでございますが、現在、法律相談につきまして、相談者のニーズ等を勘案し、中野区法曹会の協力の下、月1回、日曜日の枠を設けているところでございます。ただいま委員御提案のような内容につきましては、引き続き相談者の利用状況、士業の団体の皆様の意向、さらには相談場所の確保など、様々な観点から総合的に研究してまいりたいと存じます。

○内野委員 弁護士会なんかも日曜日、休日増やしたりしていると思いましたので、各団体の皆様と一緒に協議をしながらやっていっていただければと思います。

 専門相談の予約の段階である程度の相談内容を聞き、士業を集めるなどコーディネートしてみてはいかがでしょうか。

○辻本区民文化国際課長 コーディネートの件でございます。専門相談につきましては、それぞれの相談の曜日や時間帯を固定し、予約制で実施しているところでございます。また、相談者から予約を受ける際には、相談事項の概要を聞き取った上で、個々の事情に合った相談先を、区以外の窓口も含めまして案内をし、相談に結びつけるよう配慮しているところでございます。御提案をいただきました個々の相談内容に応じて、その都度、同一日時に相談の受け手を集めるような仕組みを直ちに導入することは難しいと考えてございますが、今後とも区民の利便性向上のため、どのような手だてが可能か、研究してまいりたいと存じます。

○内野委員 受けた段階で、振り分けや新たな関係部署にきちんとつなげるように御対応されているということで、職員の専門性の高さもかいま見れて心強いと思いました。

 現在行われている士業による専門相談については、実施は同じ曜日でも、第1週と第2週とに分けて実施している異業種の相談を試験的に同時開催して実績を検証してはいかがでしょうか。

○辻本区民文化国際課長 御提案をいただきました同時開催でございますが、現在1件実施をしているところでございます。その内容でございますけども、毎月第3金曜日に東京都社会保険労務士会中野杉並支部の皆様によります社会保険労務管理相談と、東京都行政書士会中野支部の皆様によります暮らしの手続と書類の相談を同じ時間帯で実施しているところでございます。これら以外の専門相談は同時開催はしていないところでございますが、引き続き区民ニーズ等を勘案いたしまして、研究してまいりたいと存じます。

○内野委員 ありがとうございます。区が実施する防災講演会などにおいて、災害時の復旧相談、人的にも物的にもついて、経験値の高い専門職の方に講師を依頼して、オンラインの講演などでもしてもらってはいかがでしょうか。具体的には、例えば行政との関わりが強い士業の方々で、実際に被災をしながらも、公益活動としての士業相談会に関わった方々を想定しています。

 一例ですが、例えば東日本大震災の際には、行政書士会では罹災証明発行の手続や、廃車となった車の証明書発行業務などを担った実績があります。窓口の方だけ手続があると言われているので、災害時や日常の業務の肩代わりをこうした士業の方々に担ってもらうことにより、役所のほうでは緊急時に必要なBCPの実行を着実に進めるべきであると考えておりますが、区の見解はいかがでしょうか。

○吉澤防災担当課長 区といたしましても、被災地への派遣経験が豊富な講師の講話は、区民の災害に対する知識の習得や理解の促進に資するところと考えております。避難所生活の実態や、被災時に必要になる法律相談事例等を幅広く講演できる講師の招聘について検討してまいります。

○内野委員 ありがとうございます。そして、その講演会の広報など、講演会をやるとなったときには、その各士業の団体に様々周知をして参加を促してもらうよう要望して、次の質問に移ります。

 続きまして、成人歯科健診についてです。成人歯科健診については既に一般質問で立憲民主党のひやま議員がお尋ねしておりますので、重ねての内容ですが、違った角度からお尋ねいたします。

 20代、30代はそもそも健康診断に行かなかったり、適切なブラッシング指導を受けていない率が高く、虫歯で歯を失う場合が多いです。一方、40代はこれに歯周病も発生しやくすくなっていて、さらに20代、30代で歯の管理を怠っていると、40代、50代で発症する歯周病が悪化しやすくなります。その結果、40代から50代にかけての現在歯数、現存している歯の数が急激に減る事例が増えております。

 ここ数年の研究結果から、歯と口の健康が全身の健康に大きく寄与することが分かりました。食べること、話すこと、笑うことといった豊かな人生を送ることにつながる機能は、区民が生活する上で基本となる要素です。ちょっとした入れ歯の調整をしただけで、元気のなかったお年寄りが食事の際に元気になったなどという話は、身近によく聞きます。中野区では現在、成人歯科健診を行っていますが、他区と違い、ただ虫歯のあるなし、歯周病になっているかいないかのチェックだけではなく、かむ力を測定したり、口の中に炎症があり出血していないか調べることが健診内容に入っております。昨年はコロナ禍であり、期間が2か月短縮した分、40歳から50歳の区民の方に区から受診票を送付したことで、受診率が格段に増加しました。40歳から50歳は全身疾患、例えば高血圧、糖尿病、生活習慣などの症状が進み、重篤な疾患につながる分岐点でもあります。そして、この時期に口腔内の健康に気がつくことで、例示した基礎疾患の重篤化を防ぐ最後のとりでにもなります。来年度もこの40歳から50歳の成人歯科健診票の送付を継続することが、区民の健康を守ることはもちろん、超高齢社会の中で削減できた医療費を他の健康事業へ回すことにもつながることと考えます。40歳から50歳の受診率の向上に向け、継続して受診券を送付するべきと考えますが、いかがでしょうか。

○鈴木保健企画課長 区はこれまで、前年度もしくは前々年度に受診歴のある区民や、35歳から75歳までの5歳刻みの年齢に該当する区民に対しまして、受診券を送付してきたものでございます。令和2年度は、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえまして、受診率向上対策として、40歳から50歳までの区民に対し受診券の追加送付を行ったものでございます。歯科疾患の予防と口腔の健康のためには、40歳から50歳への取組が重要であると考えておりますので、今後も受診勧奨に努めてまいります。

○内野委員 ぜひまた引き続きよろしくお願いいたします。

 続きまして、学校行事予算についてでございます。

 我が会派では一般質問で、校割予算を前年度並みに戻す要望をいたしました。校割予算は毎年ぎりぎりで自校のために自由に使えるものなので、できるだけ多いことが望ましい。一般質問での答弁もよい御答弁をいただきましたこと、感謝申し上げます。ただ一方で、例えば周年行事や閉校・開校式典など、学校にとっての特別な行事がある際に配分される費用があるかと思います。その算定基礎はどのようになっておりますでしょうか。

○濵口子ども・教育政策課長 周年行事の予算配分の算定基礎につきましては、当該校の児童・生徒数、教職員数等に周年の年数に応じた単価を乗じた額となってございます。また、閉校式・開校式の予算配分の算定基礎につきましては、児童・生徒数、教職員数等に単価を乗じた額に、閉校式の場合は22万円、開校式の場合は7万円を足した額となってございます。

○内野委員 金額は学校規模やその年数によってそれぞれだということは、公平の観点から一定程度は理解せざるを得ないかと思います。学校規模が大きければ大規模イベントが可能、小規模だとそれなりのものしかできないというのは、それはそれで本当に公平なのか難しいところだと感じておりますけれども、先ほどお示しいただきました算定基礎による金額で、子どもたちの思い出に残る企画が十分できるとは思いません。公平性も大切ですけれども、数年に一度、また10年に一度の行事に当たって、子どもたちの思い出づくりを後押しするために、配分予算の増額が必要であると考えますが、いかがでしょうか。

○濵口子ども・教育政策課長 周年行事や閉校式・開校式につきましては、学校や地域の特性に応じて実施しているところでございます。周年行事等に追加で必要な費用につきましては、教育委員会といたしまして、学校運営や教育活動など、学校長の裁量で執行できる校割予算を令和4年度予算につきまして、令和2年度予算規模まで増額してまいりたいと考えてございます。

○内野委員 分かりました。考え方を変えて、例えば、お金があまりかからない工夫をしてみてはいかがでしょうか。周年行事や閉校・開校式典において、中野区の誇る偉人、有名人、スポーツ選手などをリスト化して、各行事への参加について区が学校と協議して連携し、子どもたちの思い出づくりに寄与してはいかがでしょうか。

○齊藤指導室長 地元の先人の努力などを知ることは、中野区を愛することにもつながり、学校教育としても価値のあるものと考えます。周年の年や開校記念日などに身近な先輩に話を聞く機会を設けることが多く、児童・生徒にとって効果的であったと聞いております。誰を招聘するかは各学校の判断となりますが、希望があった際は必要な支援を行ってまいります。

○内野委員 そうですね。そうした地元の出身の人たちというのが、また地元に還元したい。これはもう教育大綱でも申し上げましたけれども、そうしたよいサイクルがこの中野で生まれるように、いろんな工夫をしていっていただきたいと思います。例えば、大学のOB会などでは、その卒業生のリストを各OB会にお渡しをして、この中から講師として招聘する人はただですよと。この人たちは費用はかかりません。どんな有名人でも協力してくれますというようなものを出しておくと、気軽に呼びやすい。この人はちょっと無理かもしれないけれども、これだけ出せばできるよっていうような、そんな一覧表みたいなものをつくってみたらいいんじゃないかなというふうに思って御提案をしておきます。どうもありがとうございました。

 続きまして、樹木管理について伺います。これは何度も質問しておりますけれども、造園の価値を生かしたまちづくりを行って、税金をより適切に有効に使い切るか、その観点でお尋ねいたします。

 昨年11月26日に一般質問しましたが、その後、具体的に区はどのような活動を進めていくお考えでしょうか。本年7月と9月に、区と民間研究団体、アグリアブルグリーン研究会というところで合同研究会が開催されました。アグリアブルというのは、賛同できる、アグリアブルという意味で、お互いが緑に対して共通の認識を持ち、賛同しながら、緑がその価値をよりよく発揮でき、住民が緑を愛する提案をしていこうという有志と有識者の集まりでできた団体です。そうした民間団体が紹介した仙台市の緑について、区は、仙台市と中野区の道路幅員や電線の有無など、環境が違うので参考にならないのではとお考えのようでした。コロナ禍でもあり、今のところは仙台市への視察は難しくても、23区内で同様の厳しい条件でも参考になるところがあれば積極的に視察に出向くことを検討していただきたいと思います。

 また、公園の樹木管理についても同様で、23区内の良好な緑のある区立公園の研究や、他区の公園課との意見交換なども考えられます。中野区民が中野の緑の在り方に変化を感じ、緑が丁寧に扱われ、中野の緑はすてきになってきていると感じてくれるようなまちになるためどのように進めていくのか、お尋ねします。

○林公園緑地課長 区の管理する公園樹木や街路樹を適正に管理していくためには、新たな知見や優良事例を参考にすることも一つの方法であると考えてございます。そのために、民間団体等との意見交換の機会も必要であると考えているところでございます。今後も緑豊かなまちの実現を目指し、みどりの基本計画の取組を着実に推進してまいりたいと考えているところでございます。

○内野委員 ありがとうございます。昨年視察した仙台市は、いずれ区長、都市基盤部長、公園緑地課長など関係者にぜひ見てもらいたいと思っております。区側の部署横断的な担当者のマインド醸成が目的です。

 仙台市では、道路課がちょっとした樹木をいじる際にも公園課に相談をして、よりよい道路と樹木との関係を構築する工夫をしている上に、相互に関心を持ち合っているようで、とても部署間での関係が良好であると聞きました。とかく日常の仕事に追われ、余計な仕事が来ると殺伐とするいわゆるお役所仕事という発想は全くなくなったとも聞きます。こうした発想の転換をするととてもいい機会になるので、季節のよい時期を選んで視察に行きたいと思っております。仙台市は我が国の街路樹管理のお手本とも言われております。23区内の街路樹視察もよろしいかと思いますけど、私が見て感動した、輝きのある仙台市の緑の町並みを視察されることを提案いたしますが、いかがでしょうか。

○林公園緑地課長 公園の樹木や街路樹の管理方法について、ほかの事例を学ぶことは有意義であると考えているところでございます。遠距離の視察は新型コロナウイルス感染症の影響で難しいと考えておりますが、近隣自治体で優れた街路樹管理等ありましたら、視察等を行うことを考えているところでございます。

○内野委員 ありがとうございます。ぜひとも、百聞は一見にしかず、現場での説明を聞きながら、中野区の樹木政策を新しいステージに持っていっていただきたいと思っております。

 以上でこの項の質問は終わります。

 新区役所のデジタル化についてでございます。

 国においては、今月1日にデジタル庁が設置され、デジタル社会形成の司令塔として、未来志向のDXを大胆に推進し、デジタル時代の官民のインフラを今後5年間で一気呵成につくり上げることを目指しております。徹底的な国民目線でのサービス創出やデータ資源の利活用、社会全体のDXの推進を通じて、全ての国民にデジタル化の恩恵が行き渡る社会を実現すべく、取組を進めていくこととしております。よく耳にするマイナンバー、マイナポータル、サイバーセキュリティ等の取組は、デジタル推進のほんの一例にすぎず、政府は今年をデジタル元年と位置付け、来月10日と11日を「デジタルの日」と定めることとしました。また、デジタルデビューの機会を形成し、民間企業や地域のデジタル活用の支援を打ち出し、着実に産業の活性化の取組を後押しすることとしております。

 一例ですが、このデジタル庁で、「引越しワンストップサービスに向けて」という勉強会も開催していると聞きました。また東京都においては新たにデジタルサービス局を設置し、デジタルの力を活用した行政を総合的に推進することで、都政のQOS、サービス品質を飛躍的に向上させることを目指しております。中野区においても新庁舎への移転を目前に控えている中で、デジタルシフトや自治体DXを推進し、業務効率化や行政サービスの向上を実現していくためには、DXを推進するための組織を新設し、職員を配置して取り組んでいく必要があると考えますが、いかがでしょうか。

○中谷職員課長 令和6年度の区役所新庁舎への移転を控え、残された期間の中で様々な業務改善を行うとともに、新たなシステムの導入に向けた準備などを短期間で進めていく必要があると認識してございます。そうしたことから、区の業務におけるデジタルシフトやDXを推進するための組織や人員配置につきましても、検討を進めているところでございます。

○内野委員 たくさんの人員配置は必要なくて、優秀なスーパーマンというか、数人でもいいので、小さな組織から始めて、その組織を強化していくということは大事だと思っております。今後の取組では東京都や国の動向をよく見極め、民間サービスの費用対効果とセキュリティ等をよくよく勘案して、区民サービスにとって最適なシステムを導入していかれることを要望して、次の項の質問に移ります。

 次に、保育の質向上についてでございます。

 ZEROホール向かいにできたアルテ子どもと木幼保園が人気を博しております。保育園をつくって待機児童解消を目指す時代から、競争原理が働いた良質保育園をつくる時代へと変遷していると感じております。ただ、区内で新たな保育園を開園する場合、1都3県で3年以上の運営実績がある園しか応募できないとなっております。その根拠は何でしょうか。そして、なぜそのような規定があるんでしょうか。

○藤嶋幼児施設整備担当課長 1都3県の条項につきましては、中野区独自に設けている条件でございます。また、その条件を設けている理由でございますけれども、やはり中野区で円滑に保育園を開設運営していくためには、保育環境が中野区に近い1都3県の開設経験や運営実績が必要と考えてのことでございます。

○内野委員 東日本大震災時に職員派遣した岩沼市で60年以上モンテッソーリ教育をしている法人が区内で開園するに当たり、この条件がハードルで開園できないとの陳情を受けました。保育の質向上を各自治体で競い合っている現状を考えれば、こうした園が他の自治体に流れるのは中野にとっての損失になりかねません。質を競い合い、お互いに切磋琢磨することで緊張関係が生まれ、ひいては子どもたちにとって良質の環境をつくっていくことができると考えております。例えば、開園の条件に、「その他、上記に類する実績を重ね、区長が適切と認める園」などと加筆をして、参入障壁を下げてみてはいかがでしょうか。

○藤嶋幼児施設整備担当課長 地方にも数多くの優良な保育事業者がいるということは承知しております。過去には、1都3県の保育実績を持たなくとも開設を認めていた時期もございましたが、しかし、地方と大きく保育環境が異なる中、近隣との調整や都市部での保育の適合面で難航したという事例もございまして、一定の地域の条件は必要と考えております。

○内野委員 地方で運営実績のある園に運営実績要件を外すことによって、応募条件は現在区内で運営している園の新規開園よりも条件面で厳しくしたとしても、地方から優良な保育園が都心に入ることによって、適切な競争が行われ、質の向上に資すると考えておりますけれども、いかがでしょうか。

○藤嶋幼児施設整備担当課長 今、委員がおっしゃったとおり、広く事業者を募ることで、より多くの事業者に応募していただけるようになるというふうにも考えております。一方で、繰り返しになりますけれども、保育の質を確保する点からも、一定の条件を付することも必要でございますので、どのような条件であれば、より多く優良な事業者に参入してもらえるのか、今後も検討してまいりたいと思います。

○内野委員 保育の質を上げるための提案なので、ぜひとも前向きに検討、研究をしていっていただきたいと思います。

 文科省の令和4年度予算の概算要求で、幼児教育スタートプランの実現に向けて200億円以上の予算要求が出されました。そもそも、今年の5月の政府の経済財政諮問会議において提唱されたこの幼児教育スタートプランは、学びや生活の基礎を支える幼児期からの教育の充実を図り、施設類型や地域、家庭の環境を問わず、全ての子どもに対して格差なく質の高い学びを保障することを推し進めるためのもので、教育という言葉を使っているものの、このプログラムの基本は、子どもたちに遊びを学ばせることを主軸にしております。また、こうした質の高い幼児期からの教育が、その後の人生において大きな影響をもたらし、ひいては生活保護受給を減らし、大学進学率を上げるなど、こうした教育経済学が研究の成果を上げているのは皆様御承知のとおりでございます。この幼児教育スタートプランには、幼児教育の質の向上を支える自治体への支援も盛り込まれております。こうした最新の情報を常につかみつつ取りこぼしのないように、積極的に活用していくべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。

○渡邊保育園・幼稚園課長 幼児教育スタートプランは、幼稚園、保育所、認定こども園の施設の違いや家庭の経済状況などを問わず、全ての幼稚園や保育所などの教育・保育を小学校の学習につなげる一体的な仕組みであり、全ての5歳児に生活・学習の基盤を保障することを目的としております。地域全体の幼稚園、保育所、認定こども園の幼児教育の質の向上を図る自治体への国による支援なども計画されていると聞いております。幼児教育スタートプランの詳細が示された際には、その活用について検討していきたいと考えております。

○内野委員 そもそも、この幼児教育スタートプランは国の経済財政諮問会議において今年の5月に提出されております。この経済財政諮問会議は国の重要な方針を決定する会議でございますので、その会議の場で、幼稚園、保育園、こども園の垣根をなくすべく、このような提案がなされた意義を十分にかみしめて、現場にこの趣旨をしっかりと根付かせ、周知をしていっていただきたいと要望いたしまして、この項の質問を終わります。

○ひやま委員長 内野委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。

 1時まで委員会を休憩します。

午後0時01分休憩

 

午後1時00分開議

○ひやま委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き総括質疑を行います。内野委員、質疑をどうぞ。

○内野委員 休憩を挟んで項目11項目め、区内遊休地の利活用についてお尋ねいたします。

 区民サービス向上や歳入確保のため、区内の遊休地を適切に利活用することが望ましいと考えております。例えば、僅かなスペースで月ぎめの駐輪場を設置できる、バイクですね、業者がいます。設置も清掃管理も全て業者が負担して、区は土地を貸すだけで、地代が定額必ず入ってくる。そうした業者を使って空きスペースを利活用するのも考え方の一つではないかと思っております。そこで、区内の遊休地の利活用について伺います。

 区有施設整備計画(案)によると、未利用施設の利活用では、用途廃止等による未利用施設跡地は、公共施設等の活用のほか、貸付けまたは売却の検討を行うとしている。例えば、貸付けを検討となっている旧鷺宮すこやか福祉センターは、鷺ノ宮駅にも近い立地であり、外構の部分を利用して駐輪スペースとして貸し付けることもできるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○石井構造改革担当課長 旧鷺宮すこやか福祉センターにつきましては、閉館後、工事期間中の仮施設として一時的に民間事業者へ貸していた実績もございまして、条件が整えば貸し付けることも可能でございます。ただし、駐輪スペースということになりますと不特定多数の利用となるため、近隣への配慮や安全面の確保などのハードルが想定されることから、事業者との十分な協議が必要であると考えております。

○内野委員 不特定多数ではなくて、例えば月ぎめであれば特定少数ということになると思います。3年前、道路交通法改正で自動二輪、バイクの駐輪場の、路上駐車の取締りが非常に厳しくなりました。警察庁や国土交通省から様々な通知、通達が出ております。自動二輪車の駐車対策について、各政令都市や都道府県に拡充を求める通知などもありますので、中野区としてもこうしたことを推進していくべきと考えております。それから、自家利用の駐車場を空いているときにシェアするサービスも民間では行われております。区の施設管理の立場では思いつかないところでも、民間活用を行えばさらに空きスペースが見つかるのではないかと思います。土地資産に限らず資産の有効活用には民間のノウハウをもっと使うべきと考えますが、いかがでしょうか。

○石井構造改革担当課長 区が所有する土地の空きスペースにつきましては、管理上支障がない範囲で利活用したいと考えてございます。民間のノウハウを取り入れるなど、様々な手法を検討してまいります。

○内野委員 ありがとうございます。様々な方法で検討していっていただきたいのと、あと、やっぱり財務省が国有財産を処分するときには、貸すのか、売るのか、よくよく検討した結果でなければ手放してはいけないという指針もありますので、同じようにやっぱり貸して収入が入ってくる、そうした策もしっかりと構築をしていくべきである、そういうふうに考えます。中野の土地を売るのは非常に簡単ですけれども、また元に戻したり、大規模な土地を取得するのは非常に困難を伴うので、できるだけそういう発想をどんどん使っていっていただきたいと思います。

 それでは、次の項目に移ります。

 最後に、オリンピック・パラリンピックのレガシーについてお尋ねいたします。

 2012年に開催されたロンドンオリンピック・パラリンピックでは、八つの奇跡を起こしたと言われていたそうです。特にパラリンピックの影響が大きく、イギリスのバリアフリー化の加速、障害者雇用の増加、5年後の2017年、世界パラ陸上の盛況、そしてパラリンピック教育がレガシーとして受け継がれております。ロンドン大会以降によく使われるようになったこの「レガシー」という言葉の定義は、長期にわたる、特にポジティブな影響とされています。そこで、区はオリ・パラレガシーについてどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

○古本スポーツ振興課長 大会後のレガシーにつきましては、中野区基本計画(案)におきまして、区民の健康づくりやスポーツ活動の推進、障害者スポーツ等の普及等を掲げているところでございます。もともと区では平成29年にポスト2020を見据えた中野区の取組を策定いたしまして、スポーツに限定せず、幅広い領域での取組を行ってきたところでございます。

○内野委員 一般質問の答弁などを聞いていると、スポーツ振興に力を入れているというような印象も受けておりましたけれども、多様なまちづくりや各施策について、早くから取り組んでいる姿勢が見て取れました。

 一方で東京都の取組、オリンピック後の、パラリンピック後のレガシーについての取組について、どの程度認識していらっしゃいますでしょうか。

○古本スポーツ振興課長 都が策定しております大会後のレガシーを見据えた東京都の取組におきましては、ハード、ソフト両面から都市のレガシーを発展させていくというような趣旨であるというふうに承知してございます。

○内野委員 ハード、ソフト両面でというのは非常に大事だと思います。区独自で様々な取組をすることで、地元を盛り上げていくことは可能かもしれませんけれども、東京都との連携事業、こうしたものの取組も多様化していってはいかがでしょうか。

○古本スポーツ振興課長 委員御紹介の東京都の取組、計画との整合を図りまして、区独自の取組に加えまして、東京都との連携も図っていきたいというふうに考えてございます。

○内野委員 ありがとうございました。以上で私の全ての総括質疑を終了しますけれども、また来年度予算に向けて様々な取組、今回の質問を含めて、ほかの委員の皆様方の意見もしっかりと反映させながら、よりよい中野区をつくって発展させていただきたいと思っております。

 以上で総括質疑を終わります。ありがとうございました。

○ひやま委員長 以上で内野大三郎委員の質疑を終了します。

 次に、斉藤ゆり委員、質疑をどうぞ。

○斉藤委員 令和3年第3回定例会決算特別委員会において、立憲民主党・無所属議員団の立場から総括質疑をいたします。質問は通告どおりで、その他はございません。

 長く地域で活動してまいりました。こうして今、区の財政について質疑させていただけることに心から感謝しつつ、取り組ませていただきます。よろしくお願いいたします。

 最初に、令和2年度決算について、基金と起債についてお伺いします。

 令和2年度は普通会計で歳入総額1,960億円、歳出総額1,903億円となる、中野区では最大規模の決算となりました。監査委員の報告では、例年と大きく異なる点として2点を挙げています。1点目は財政規模の拡大とそれに伴う指標の変化です。歳入歳出とも新型コロナの影響が大きく、特に特別定額給付金事業費では、その歳入額は歳入の全体のおよそ17%にもなりました。そのため、様々な財政指標について、指標値にとらわれ過ぎることなく検証していかないとなりません。2点目は3年ぶりの特別区債の発行と今後の影響です。発行額は特別給付金を除いた区の歳入額のおおむね1割に当たります。令和2年度の特別区債の発行額は幾らであり、その内訳はどのようになっているのか、教えてください。

○森財政課長 令和2年度の特別区債の発行額と内訳でございますが、総額で166億7,100万円余でございまして、内訳は、みなみの小、美鳩小、中野第一小の施設整備で57億8,700万円、中野駅西側南北通路橋上駅舎整備で1億9,100万円、西武新宿線連続立体交差事業で5億2,000万円、それから用地特別会計で平和の森小学校移転用地及び道路用地の取得で起債しておりまして、101億7,300万円余でございます。

○斉藤委員 今お伺いしましたけれども、平和の森小学校用地取得の金額も合わせますと、主に学校施設整備関係であることが分かります。このたび、この学校施設整備を切り口に、基金と起債についてお伺いしたいと思います。確認します。平成29年度、30年度、令和元年度、区債発行額は幾らだったでしょうか。

○森財政課長 平成29年度におきましては、(仮称)上高田五丁目公園用地の取得で約11億円、区債の発行をしておりますが、平成30年度と令和元年度については発行していないものでございます。

○斉藤委員 2年続けて発行を抑制しております。通常、まちづくり事業や学校再編、区有施設の整備、改修など、一時的に多額な資金を必要とする事業を行う場合、区債を発行します。この間も公園整備のほか、さっきも御紹介ありましたみなみの小ほか学校施設、そして区立総合体育館など施設整備が続きました。区債を発行せずにどのような財源更正で対応されたのか、確認させてください。

○森財政課長 起債を発行しなかった年度におきましても、当初予算においてはその計画をしていたということなんですけれども、その後の一般財源の充足により発行を取りやめているところでございます。起債を発行しなかった場合、その年度における施設整備ですとか、まちづくりにつきましては、基金の繰入れや国・都支出金の活用、そして一般財源により事業を進めたというところでございます。

○斉藤委員 基金が十分あったということで、基金の取崩しをしつつ行ったと伺いました。この間、積立ても行っています。基金残高は、令和元年度決算で幾らありましたでしょうか。

○森財政課長 普通会計ベースでございますが、約613億円でございます。

○斉藤委員 このような判断で、起債をせずに進められたということでございますが、令和2年度は、冒頭に確認したように区債を発行しています。この間、償還もありました。公債費、公債費負担比率を教えてください。

○森財政課長 令和2年度の公債費と公債費負担比率でございますが、普通会計ベースで、公債費については約17億円、公債費負担比率については1.8%でございます。

○斉藤委員 ということで、令和2年度は元金償還も行いましたので、公債費負担比率は、この流れから23区の平均値、平均並みに下がりました。とはいえ、公債費の負担率は低ければ低いほどよいというわけではないとは考えます。御意見はいかがでしょう。

○森財政課長 公債費負担比率がゼロに近づけば近づくほど、財政構造の弾力性が増していくといったような側面があるところではございますが、財政運営といたしましては、財政負担の平準化、それから世代間負担の公平化、それを図る意味で起債を活用しているところでございます。一般会計においては公債費負担比率10%以内で運用しているといったようなこともありまして、基金と起債をバランスよく活用していくことが必要であろうと考えております。

○斉藤委員 今御紹介ありましたように、区債を発行せず、区の財政に負担をかけないでという考えもありますが、学校施設整備などは、後年の世代間負担の公平化という面からも、やはり起債もして、そしてかつ基金も積みつつ計画的に考え、進められるものと思います。また、今回公債費も減少したということでありますので、自由度が高いお金が増えたということになるでしょうか。一部を基金に積み立てるような基準も検討してもよろしいのかと思っております。

 令和2年度の区債の発行は、先ほど確認したとおり、主に再編校の学校施設整備のためのものでした。しかしながら、令和2年度になってすぐ、区は中野本郷小学校と桃園第二小学校の建て替えの予算執行を一旦停止、時期を見直すことといたしました。特に中野本郷小においては基本構想、基本計画が策定され、今年度基本設計、実施設計へと進む段階まで来ていました。児童を含めた関係者には大変な迷惑をかけました。この時期の見直しの理由は何でしょう。

○塚本子ども教育施設課長 令和2年度に予定してございました中野本郷小学校新校舎整備基本設計・実施設計業務委託、そして桃園第二小学校の新校舎整備基本構想・基本計画策定業務委託、これらにつきましては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う今後の区財政への影響を鑑み、予算執行を一旦停止したものでございます。

○斉藤委員 当時、新型コロナの感染状況は今後どうなるか分からない状況でありましたので、その中での判断だったと思いますが、先ほど確認したように基金残高も十分にあったことから、建設は可能であったのではないかと推測されます。今後、学校施設の建て替えが続く中、このような状況、どんな財政局面においても教育施設に使えるお金を保持しておくこと、そういう強固な財政基盤の構築を計画的に進めていくことが必要と考えております。

 令和2年度当初予算では、こちらの予算書、当初予算になりますけれども、財政調整基金への積立てを27億円、義務教育基金への積立てを20億円で計画しておりました。そして令和3年度から6年度までの4年間を足し算してみると、義務教育基金においては140億円の積立てを考えています。決算で積立額はどうなったのか、確認させてください。

○森財政課長 令和2年度におけます積立てでございますが、まず財政調整基金への積立てについては42億1,900万円余、それから義務教育施設整備基金への積立てについては20億2,800万円余でございます。

○斉藤委員 令和2年度当初のほうでは、義務教育基金も20億円で積まれました。では、今度令和3年度の当初予算ではどのような基金計画となっていましたでしょうか。

○森財政課長 令和3年度当初予算におけます財政調整基金への積立てにつきましては33億円余でございまして、義務教育施設整備基金への積立てについては、寄附や基金利子を財源に、300万円余の積立てということで組んでおります。

○斉藤委員 1億円未満ということで、こちらの資料によると、ゼロというふうな数字を見て大変センセーショナルでございました。つまり令和3年度から6年度までの4年間で計算すると14億円にすぎず、この令和2年度当初の計画とこちらの令和3年度を比べると、約10分の1の計算となってしまいます。また、この間、取崩しもする計画で進められていました。そのために令和6年度の義務教育基金の残高は、令和2年度の当初予算では157億円の計画でしたけれども、令和3年度当初の計画では79億円と半分になります。これまで進められてきた中野区立小中学校再編計画(第2次)では、令和2年度、3年度にかけて4校、令和4年度から5年度にかけて5校、その後、令和10年度までに5校、合計14校の新校舎建設という大変なスケジュールでした。このたび、中野区立小中学校施設整備計画(改定版)が策定となりますが、今お話ししたような義務教育基金の積立額の変更と資金計画は、この施設整備計画(改定案)に反映されているのでしょうか。こうした学校施設整備に関する資金計画はどこかで明らかにされているでしょうか。

○森財政課長 小中学校施設整備計画につきましては、基本計画や区有施設整備計画と整合を図りながら検討を進めておりまして、今後の小・中学校の施設整備に当たっての基金や起債の活用計画につきましては、基本計画や区有施設整備計画において明らかにしているところでございます。令和3年度当初予算で、今、委員お話をいただきましたが、その基金への積立てということでお示ししておりますが、それらについても基本計画等への財政計画のところで反映しているところでございます。

○斉藤委員 基本計画後期等で数字を見ることができますが、小中学校施設整備計画のこの中にも、例えば、資金計画は基本計画を参照のことというような記載があると助かると思います。集中した校舎建て替えは、財政においても、区の労力においても、一時的に区には大きな負担となります。この改定では、おおむね1年に1校の建設ということになる。当然の改定かなという気はいたしております。

 少し別な角度からです。学校の施設整備は、おおむね1校当たり幾らで検討されておりますでしょうか。

○塚本子ども教育施設課長 学校の施設整備費でございますが、現在示されております中野区区有施設整備計画(案)におきまして、小・中学校の更新経費は、設計費及び解体費を含めまして、1校当たり52億円としてございます。

○斉藤委員 直近では今年3月に中野第一小学校が竣工しました。内覧会にも参加させていただきましたが、教室、レイアウトにも工夫がある明るい校舎で、教育環境整備の大切さを感じたところです。中野第一小学校の整備費用は幾らだったでしょうか。

○塚本子ども教育施設課長 中野第一小学校、こちらの新校舎整備費でございますが、契約額ベースで、設計費及び解体費も含めまして、約52億円となってございます。

○斉藤委員 検討値と実際の整備費用は、中野第一小についてはおおむね合致したものですが、これは恐らく当時、消費税が8%で計算されておりますので、現時点の10%を考えると1億円のオーバーとなります。算定の52億円には、その他労務単価や資材費高騰など社会情勢の変化は勘案されておりますでしょうか。

○塚本子ども教育施設課長 将来の労務単価でございますとか資材費、これらにつきましては、その時期により上下に変動するものであり、そうした要素も含めまして、総合的に施設整備費を想定しているものでございます。

○斉藤委員 美鳩小、みなみの小などではもう少し安価で済んでいるということで確認をしております。ところが、労務単価等は8年連続して上昇もしていたりしています。こうした社会情勢にも対応した試算をしていただきたいというふうに思います。

 そしてまた、今後の学校施設整備の更新時期は、以前の50年から70年に延長されました。そのため、改築前の校舎に通っている子どもたちと新校舎との教育環境格差が生まれることにもなりかねません。都度都度、適切な改修や維持管理をしていくことも必要になります。今後、中野本郷小のような急遽の社会情勢による計画見直しができるだけないようにするためにも、今申し上げました消費税や労務単価などの上昇といった、また新型コロナなどの社会情勢、社会要因や、また施設の改修費なども勘案して、計画的な義務教育基金への積立ての考え方が必要と思います。施設整備や財政計画と一緒に考えられるべきですけれども、この義務教育基金の積立てについて、お考えをお聞かせください。

○森財政課長 義務教育施設整備基金への積立ての考え方でございますが、構造改革実行プログラムの基本指標におきまして、将来の施設の更新経費に備えまして、区施設の減価償却費相当額の25%分を毎年基金に積み立てていくという考え方を示しているところでございまして、義務教育施設整備基金への積立てについても、その考えに基づいて積立てをしていくというふうに考えております。

○斉藤委員 今お考えをお聞かせいただきましたけれども、ところで、令和3年度は、さきに確認したとおり、義務教育基金の積立て、若干しかございませんでしたが、先日、一般会計第4号の補正予算には基金の積立てが含まれていました。こちらの内容をちょっと御紹介ください。

○森財政課長 まず令和2年度の一般会計の決算剰余金、こちらが33億8,500万円余ございました。そのうち、まず4億円については、当初予算において財政調整基金への積立金に計上していたということでございまして、残りの27億2,100万円余について、補正予算で財政調整基金への積立てということで追加計上しております。それから2億6,400万円について、義務教育施設整備基金への積立てということで補正予算に計上しております。

○斉藤委員 当初少額だった義務教育基金への積立て、この剰余金で積まれたということはよかったのですけれども、そもそも令和2年度の当初の計画では、令和3年度では40億円積むことになっていました。2億円というのはちょっと消極的だったのではないかなと考えます。いかがでしょうか。

○森財政課長 令和2年度当初予算におけます基金積立計画、こちらについては新型コロナウイルスの感染症の影響が生じていない段階で想定していたということでございまして、その後、新型コロナの影響も踏まえて、財政状況を踏まえて基金計画は見直しをしたということでございます。今回の補正予算におきましては、不測の事態による区民サービスに影響が生じないようということで、まず財政調整基金への積立てを行ったと。それから今後の見込み金額の大きい義務教育施設整備基金のほうへ積立てを行ったと。これらの二つの基金への積立てに絞って行ったところでございます。

 それから、義務教育施設整備基金への積立てにつきましては、先ほど申し上げた構造改革実行プログラムでお示しした考え方に基づいて、必要最低限の金額は積立てをしたということでございます。

○斉藤委員 考え方をもって判断して、義務教育基金に積んでいただいた。それは理解をいたしました。ただ、もう一つの考え、提案として、財政調整基金の内訳についてお伺いしたいと思います。財政調整基金には、年度間調整分、施設改修分、退職手当分がありますが、この中で退職手当分についてどのような考え方で積立て、取崩しを行うのか教えてください。

○森財政課長 退職手当分につきましては、21億円を基準に設定いたしまして、退職手当の額が21億円を超過する場合に、その差額を繰り入れる。逆に21億円に満たない場合は、その差額を積み立てているというような考えで行っております。

○斉藤委員 財政白書11ページに、今後10年の退職金の推移が示されています。定年の引上げと退職者数の減により、今後の退職金は減少傾向となります。例えば、現在の退職金の繰入れと取崩しの考え方を適用すると、退職手当分の積立ては今後どうなるのか、ちょっと御紹介ください。

○森財政課長 令和2年度末の退職手当分につきましては9億円でございます。で、今お話しいただいた財政白書でお示しした退職金の推計を基に、これまでの21億円を基準にした繰入れと取崩しを行っていきますと、12年度末には65億円になっていくという推計になります。

○斉藤委員 65億円ですか。じゃあ、ちょっと私、計算56億円になっていました。

 他の基金が厳しい中、この分を財政調整基金の年度間調整分と義務教育施設整備基金に振り分けて積み立てていくというようなことは可能でしょうか。

○森財政課長 退職手当分が今お話ししたように積み上がっていくというような状況でございますので、数字だけを見ていけば、そういった考え方も可能ではあるかなと思いますが、実際の積立ての考え方、積み立てるに当たっては、歳入状況ですとか、基金の残高なども考慮して検討していきたいと考えております。

○斉藤委員 退職金のこの21億円の考え方も検討する必要もこれから出てくるのではないかなとも思うんですけれども、いかがでしょうか。

○森財政課長 21億円の基準につきましては、令和元年度から当時の退職手当の状況から適用しているところでございます。令和5年度以降については、先ほど来お話がありますように、2年置きに退職手当の総額が大きく変わっていき、また退職者数も減少傾向となっていくということでございまして、実態に合わせて基準の見直しの検討も必要であると考えております。

○斉藤委員 何とか義務教育基金にお金を積み上げていく方法はないかなといろいろ考えて、今、何点か御提案をしてみました。

 この項の最後になりますが、区有施設整備計画において、まだ跡地活用は全容が見えていません。学校施設関係で言えば、西中野小学校などの再編後の学校施設活用や、また旧九中――旧中野中の跡地を学校建て替えのために仮校舎にする場合は、多額な改修経費がかかることなどが分かっているなど、課題は多くあります。また、一般質問で森議員が取り上げましたように、借地となっている学校敷地や、近隣の土地の購入の可能性など、この10年以内に考えなければならない大きな動きも検討していかなければなりません。

 また、こちらの今回の財政白書にありますように、有形固定資産減価償却率は62.0%、都平均52.6%より上がっており、全体に老朽化が進んでいます。こちらの数字は東京都の平均で単純比較はできませんが、危機感を持っていく数字と思っております。改めて言うまでもないんですけれども、今あるお金を有効に、そして今必要なことに使えるように起債をし、そして様々な計画を支える基金を積み上げていくこと、こうした財政運営、しっかりとした考えを持って、バランスを持って運営に取り組まれていただきたいと思いますが、決意をお聞かせください。

○森財政課長 施設整備に当たりましては、将来負担の軽減につながる整備手法の検討を行いまして、進捗状況を踏まえながら、計画的に基金と起債をバランスよく活用していくことが必要であろうと考えておりまして、さらに国や都の補助金などのほかの財源確保にも取り組んでいく必要があると、そう考えているところでございます。この先、しっかり中長期的な視点を持って財政運営を行っていく必要があると考えております。

○斉藤委員 ありがとうございました。

 では、次の項、教育費についてまとめてお伺いしたいと思います。

 普通会計によると、令和2年度決算における教育費は幾らになっており、全体のどのぐらいの割合になっているか、確認させてください。

○森財政課長 434億7,300万円余でございまして、構成比については22.8%でございます。

○斉藤委員 前年度比、およそ9倍となっていると思います。教育費がこのように増加した理由は何でしょうか。

○森財政課長 教育費が前年度と比較して増加した要因でございますが、平和の森小学校の移転用地の購入で99億5,000万円余の増、また、小中学校施設整備で74億9,000万円余の増、さらに中野区立総合体育館整備で26億5,000万円余の増といったような増要因がございまして、増加したというふうに捉えております。

○斉藤委員 体育館の整備まで教育費に入っております。体育館というのは社会教育施設ですので、教育費の範疇に入るわけですけれども、ここでまた一つ確認をしたいと思います。そもそも、教育費の定義とは何でしょう。

○森財政課長 総務省の基準によりますと、教育費については、さらに内訳として教育総務費、小学校費、中学校費、幼稚園費、社会教育費、保健体育費に分かれているところでございます。主な経費を申し上げると、教育総務費については教育委員の報酬ですとか、教育委員会の運営に係る経費、小学校費や中学校費については、小学校と中学校の運営経費や施設整備経費、幼稚園費は幼稚園の運営経費や施設整備経費、社会教育費については、社会教育事業や文化財保護に関する経費や、図書館などの社会教育施設の運営経費や施設整備費、それから保健体育費については、体育施設の運営経費や施設整備経費、さらに学校給食に係る経費などを計上するということになっております。

○斉藤委員 そうです。つまり、一般の教育予算という私たちがイメージするものと、教育費の中に社会教育費も含まれ、また学校施設整備があまりにも多額であるために、実際学校、公教育で幾ら使われているか、なかなか見えにくい状況になっているわけです。教育費の普通会計の全体に占める割合は、今年度、その教育施設整備費の増により、中野区は断トツに、23区でも1位となりました。こうしたことで、教育費というのは一体どのくらいだと十分なのかという議論について、指標をどのように考え、評価していくのかということを考えなければならないと思います。通常は他自治体と比較をしたり、取組について何か指標を取り出したりいたしますが、これについては整理が必要と思っております。区としては、このコロナ禍の影響もありますが、どのような考え方を持って検討し、予算額を決めているのか、御紹介ください。

○森財政課長 教育費に限らず、各事業部の予算については、まず予算編成方針のところで、どういった考えで編成をしていくかということを示しているわけですが、その方針に基づいて、各部や各行政委員会で必要な予算を検討、積算して要求してもらうと。で、その要求があったものを企画部のほうで全体的に整理・調整を行って、区長査定を経て予算案ということで決定をしているものでございます。

○斉藤委員 中野区では、今御紹介がありました地方財政状況調査表というものが公開されておりまして、区民は誰でもその内容を見ることができます。令和2年度の決算額はまだ公表はされておりませんけれども、今後、本当に中野区の教育予算をどのように分析して、どのように、どのぐらいの規模が、どのようなことに使い、どのぐらいの金額が適当であるのか。よき分析の方法を私自身も考えてみたいと思っていますが、区としても考えていかれたいと思います。

 中で、ただ分かりやすい指標として、学校割予算が挙げられます。令和2年度に向けてこれまで増額してきておりますが、令和3年度は新型コロナの影響で1割減とされています。これはぜひ元の額に戻していただきたいと要望いたしますが、いかがでしょうか。

○濵口子ども・教育政策課長 学校の校割予算でございますが、教育委員会といたしまして、学校運営や教育活動など、学校長の裁量で執行できる校割予算を、令和4年度予算につきまして、令和2年度予算の規模まで増額したいと考えてございます。

○斉藤委員 ありがとうございます。この質問は何人かの議員からも一般質問でも、また先ほどの総括質疑でもありました。中野区の独自の予算でもあったりします。こちらの校割予算の内容も一度検討しながら、適切な金額ということを考えていっていただきたいというふうに思っております。

 それから、令和3年度の予算では経常経費の一律20%削減を目指しました。実際20%の削減はできませんでしたが、どこの所管もその目標に向けて取り組まれました。しかし、子どもたちの学びのための教育費に関しては、聖域なく一律の経費削減はふさわしくないのではないかと考えております。先ほども、教育費は何かという御質問をいたしましたけれども、何については削減が可能で、何については、時には増額も必要であるといった検討をするべきではないかという議論があってもよかったのではないかと思います。いかがでしょうか。

○森財政課長 最少の経費で最大の効果を上げるためには、経常事業については、毎年度事業の効果を分析しまして、必要に応じて事業と経費の見直しを行う必要があると考えておりまして、一定の削減目標を立てるということは必要なことだろうというふうに考えているところでございます。一方で、予算についてめり張りは当然必要だろうと捉えておりまして、令和4年度の予算編成におきましては、基本計画で掲げる重点プロジェクトなどの5項目を重点事項といたしまして、限られた財源を優先的に配分する考えを持っております。重点プロジェクトの一つであります子育て先進区の実現に向けまして、子育てや教育関連のそういった施策を強く推進していくための予算を計上していくということで検討を進めてまいりたいと考えております。

○斉藤委員 教育を、教育費を含め特別な重点プロジェクトに積んでいくという、何を優先していくのかという再配分については、誰もが納得するような考え方が必要と思います。ぜひ区民に、そして全庁的にも分かりやすい説明をしつつ取り組まれていただきたいと思います。

 決算の項の最後にお伺いします。

 現在構造改革に取り組まれておりますが、施策、施設、組織の再編といった改革だけではなく、やはり新たな歳入ということも注目していただきたいと思います。例えば、商工会館、ICTCO(イクトコ)、中野二丁目サンプラザの権利床の活用など、マネジメントでお金を生み出していく工夫にぜひ取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょう。

○石井構造改革担当課長 区有施設整備計画におきましては、資産の有効活用として、公共公益性や立地条件、保有コストなどを勘案し、行政サービスの財源確保を目的とした利活用も検討しているところでございます。御案内の施設の利活用によって得られる収入が、特定の財源ということでは考えてはおりませんけれども、区全体の収入確保の取組として具体の検討を進めてまいりたいと考えております。

○斉藤委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 では次、2番、公教育について。これから公教育の取り組むべき課題につきまして、幾つか項目をもって質疑を続けたいと思います。

 まず、コロナ禍の学校教育です。

 令和2年度は、3月から継続して3か月もの間、学校休業となる前代未聞の事態となり、その後もコロナ禍の学校は試行錯誤しながら、感染防止と子どもの学びを止めないという相反することに取り組まなければなりませんでした。教育委員会はじめ、学校や学童クラブ等全ての施設の教職員の努力と、家庭や地域の協力のたまものと感謝します。何より子どもたちも頑張りました。科学的に明らかになってきたことや、この1年半の検証を基に今年度の教育活動が進められているのだと思いますが、この保護者や子どもたち、関係の方々の不安解消や、これからの活動に取り組む根拠として、それまでの検証結果、検証内容はもっと保護者や地域に共有されるべきです。

 例えば、消毒の実態や家庭との連絡、カリキュラムマネジメントを含めた授業時間数の確保について、学校間に昨年度差が出たこと、プール授業や行事、体験活動の実施などについてどのように取り組まれ、どのような課題があり、成果はどうだったのか。つまり、PDCAサイクルを回していくことが望まれます。神戸市では、昨年度早々に対応の検証結果をホームページに掲載されていました。保護者の皆様の関心が特に高いであろう3点について――分散登校、給食、オンラインを利用した学習への取組について、昨年度の検証の結果により、今年度どのように取組に反映されたのか、現状についてお聞かせください。

○齊藤指導室長 新型コロナウイルス感染症の状況下における教育活動につきましては、昨年度の中野区教育事務の点検評価に関わる外部評価委員会において評価していただき、その結果は中野区のホームページ等で公表しております。学校におきましては、節目ごとに振り返りを行ったり、保護者や地域の意見を受け止めて改善を図ったりしながら、保護者に伝えてまいりました。これまでの評価や様々な御意見を受けて、9月からは給食ありの午前授業といたしました。また、新型コロナウイルス感染症のために登校していない児童・生徒へのオンライン学習を行っております。

○斉藤委員 ぜひ分かりやすく情報を提供していただけたらと思います。

 少し項目を幾つかもって御質問させていただきます。まず、一人ひとりに寄り添った教育についてです。

 子どもたちは昨年から大変な非日常の日々を過ごしています。東日本大震災の経験を基にした宮城県での調査によっても、不登校、いじめ、ストレスの症状が被災からしばらくたってから見られるケースが多いとのことでした。子どもたち、子どもたちだけではなく、教職員も含めた心のケアが必要と思っております。現在の取組を御紹介ください。

○齊藤指導室長 教育委員会は、区のガイドラインを通して子どもたちの状況把握を行い、寄り添った指導を徹底するように依頼してまいりました。また、教職員のメンタルヘルスにつきましても配慮するよう、管理職に通知しております。子どもたちには、困ったときに周りの大人に相談できるよう、SOSの出し方に関する教育の指導を行うとともに、区内小・中学生に相談窓口一覧を配布し、中学生のタブレット端末に「STOPit(ストップイット)」をインストールするなど、相談しやすい体制を整えております。さらに、今年度から教育相談室の相談員を中学校区に派遣し、不安を抱える児童・生徒の心のケアを行っております。

○斉藤委員 様々取り組まれているということですが、子ども文教の54の資料、不登校児童・生徒の一覧によりますと、この3年間、特に小学生の増加が顕著となっています。不登校の増加は何が影響しているとお考えでしょうか。

○齊藤指導室長 令和2年度長期欠席の幼児・児童・生徒調査用紙から、学校が捉えている不登校の子どもたちの要因を見ますと、生活リズムの乱れ、無気力、不安が増加しております。新型コロナウイルス感染症拡大による生活リズムや環境の変化により、児童・生徒の新たな日常への不安と不適応が影響したと考えております。

○斉藤委員 コロナ禍の対応を先ほど御紹介いただきましたけれども、それと併せて、もとからある対応、しっかり取り組んでいただきたいと思います。

 同じく子ども文教の68の資料から、不登校のきっかけと考えられる状況において、学業の不振などがありますが、ぜひこれは校内で、やっぱり学校は勉強するところ、勉強が分からないと座っているのは苦痛ということがあります。ぜひ校内で取り組んでいただければと思います。

 それから、子ども文教の57の資料で、フリーステップルームの設置は評価すべき点ですが、今、運営上で課題がありましたらお聞かせいただければと思います。

○齊藤指導室長 フリーステップルームの開室場所、在籍者が増えたことにより、現在の指導員の数では、開室日や指導時間に限界があります。一人ひとりの状況に合った対応や、多様な学びの保障のためには、フリーステップルームの指導体制と環境整備が急務であると考えております。

○斉藤委員 では、詳細はうちの会派のほうからも分科会で伺っていきたいと思いますけれども、きめ細かい対応をお願いしたいと思います。そして子どもたちにはたくさんの選択肢があることが大切と考えます。先日も、令和4年度から世田谷区で中学生対象の分教型の不登校の特例校が設置されるという報道がありました。中野区ではフリースクールも他区と比較して少ない状況です。民間のフリースクールに通う児童・生徒について把握していらっしゃるでしょうか。連携が取れているかお聞かせください。

○齊藤指導室長 長期欠席の児童・生徒につきましては、調査でどのような機関と連携しているか把握しており、各校の人数も確認できております。全体では26名となってございます。各学校では、フリースクールをはじめとする関係機関と連携を図っており、児童・生徒の出席状況や学習状況などの把握をしております。

○斉藤委員 また、詳しくちょっと改めてお聞きしたいと思います。「STOPit(ストップイット)」、先ほど御紹介ありましたけれども、こちらの利用状況はいかがでしょう。

○齊藤指導室長 令和元年度の相談件数は58件、令和2年度の相談件数は119件でした。今年度は8月末までに408件あり、利用実績は着実に伸びております。緊急対応が必要な相談内容につきましては、必ず学校に情報提供し、連携をして丁寧に対応してまいります。

○斉藤委員 中学校で不登校だった生徒が、卒業後もすこやか福祉センターのフォローなどをいただく体制ができている。大変安心しておりますが、中学校が私立だったりする場合、その網に漏れることもあります。一人ひとり、不登校の理由は異なりますので、その後の子どもの人生が豊かに過ごせるように、例えばすこやか福祉センター、またその様々な、区の相談の窓口だけではなく、民間支援団体や専門の相談窓口や専門医を紹介できるようなネットワークをぜひ持っていただければと要望いたします。

 次に、決算説明書の中の293ページ、外国籍の児童・生徒就学状況調査事業について調査ができておりません。これはなぜでしょうか。御紹介ください。

○松原学校教育課長 外国籍児童・生徒の就学状況を把握し、適切な就学案内を行うため、業者委託により就学状況調査票の送付、未回答者への督促、住所地への訪問、データ集計などを予定していたものでございます。昨年度における財政状況を鑑みまして、委託事業部分につきましては執行を見合せ、所管からの調査票の送付、回収のみを行ったものでございます。

○斉藤委員 新型コロナで外国人の方が結構国外に出ているという状況は把握しておりますけれども、現在、一体何人の学童期の子どもが日本にいて、学校へ通っていない子どもがいるのか、それを把握していることは本当に大事だと思っています。日本語ができない、そしてまた、その母国語もできない。そのまま成人してしまうと、その双方のどちらの国でも居場所がない、また就労もできないという、これから大変な状況になってしまいます。課題が出てまいります。

 同じく決算説明書285ページに計画されていた外国籍の子どもたちへのサポートの実績はいかがでしょう。

○齊藤指導室長 決算説明書の日本語適応支援スタッフ事業は、区内大学で学ぶ外国人留学生を学生ボランティアとして各小・中学校に派遣し、外国籍児童・生徒の話し相手となったり、学習の補助をしたりすることで、外国籍児童・生徒の心のよりどころとなることを目的としております。令和2年度は新型コロナウイルス感染症拡大の状況下で、大学の意向もあり、本事業は未執行となってございます。

○斉藤委員 状況も状況だったんですけど、全て取りやめるということではなく、モデル事業としてでもスタートさせて、検証してもよかったのではないかなというふうに思います。

 では、ちょっと一つ飛ばしまして、GIGAスクール構想について伺います。決算説明書291ページ、学習用端末機器導入、ここは新型コロナ対応となっていますけれども、新型コロナ対応となさった理由を教えてください。

○齊藤指導室長 決算説明書に記載の学習用端末機器導入はGIGAスクール対応として、令和3年度以降、順次導入する予定でありました。しかし、新型コロナウイルス感染症による臨時休業が想定されたため、令和2年度中に配備することといたしました。そのため、新型コロナ関連費と表示してございます。1人1台端末は、GIGAスクール構想の本来の目的である一人ひとりの能力を最大限に伸ばす個別最適な学びの実現や、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による臨時休業時や、様々な理由で学校に来ていない子どもたちの学びを止めないために活用を進めております。

○斉藤委員 そもそも、きっかけはそうだったんですけれども、もともとは5年計画の国の計画でありました。これは高速大容量のネットワーク整備と、そしてICTを活用して取り組む学習、また、それだけではなく校務事務までクラウド化していくという取組もセットになったものだと理解しております。新型コロナ対応としての取組で分類してよかったのかなということは、ちょっと問題提起をしていきたいと思います。

 例えば、熊本市などでは災害が、2016年に地震があったことから、早くからオンライン環境整備に取り組まれたため、このたびの新型コロナによる学校休業でも対応できたということで報道を聞いたところでございます。現在の取組に当たってボトルネックとなっていることがありましたらお聞かせください。

○松原学校教育課長 回線の環境によりまして、全校児童・生徒が同時にインターネットにつなぐことができないこと、あるいは、4人のICT支援員が巡回支援をしてございますけれども、学校現場からアプリ、あるいはウェブカメラ、マイクなど周辺機器の配備や、その取扱いに関します細やかな人的な支援につきまして、一層の充実が求められているというふうな認識でございます。

○斉藤委員 杉山議員からも、また、ほかの委員からも質問があったと思うんですけれども、校内のインターネット環境整備、これが大変脆弱であり、使いにくいということを聞いております。早い時期に改善されることを期待したいと思いますけれども、いかがでしょう。

○松原学校教育課長 現在、そういった方向でもって検討を進めているところでございます。

○斉藤委員 これは本当に喫緊の課題と思いますので、お願いいたします。そしてまたその支援員についても、機器の相談ができる支援員とともに、教材まで入り込むフォローができるということも必要だと思っています。前から、昨年から申し上げておりますけれども、教育委員会組織において、ICT教育についての体制を強化していただきたいと思います。こちらは要望しておきます。

 あと校務事務におけるICTの活用の視点も大事でございます。これは後で教育、働き方改革のところで伺いたいと思います。

 では次に、外国語活動と英語科について伺います。小学校による外国語科は令和2年度より設置されました。多くの教員は教職課程で外国語指導を学んでいませんので、先生方をサポートするALT――外国語指導助手の配置や先生方の研修、専門性の高いスーパーバイザーなどによる巡回などの仕組みが、取組が必要となります。私も質問させていただきましたが、ALTの配置増を提案いたしまして、令和2年度、初年度は大変に増員をしていただきました。その評価の下だと思うんですけれども、令和3年度は配置数を少なくしています、外国語指導助手のです。その検証結果と評価について、取組についてお聞かせください。

○齊藤指導室長 令和2年度につきましては、学習指導要領の全面実施に伴い、外国語の授業を充実させるため、ALTの時間数を増やしました。併せて、昨年度から全校に導入いたしました教師が使うデジタル教科書の活用が進んでいること、各種教員に対する外国語の研修を充実してきていることから、成果が上がったものと認識しております。そのため、今年度のALTは、平成30年度、令和元年度の時間数に戻しております。

○斉藤委員 教員の全員研修は実施されていませんけれども、研修は実施されていますけど、1人ずつ、全員集めての研修はされていません。これについていかがでしょう。

○齊藤指導室長 小学校の外国語の教科化に向けて、平成29年度、30年度に各校の外国語指導の推進役となる中核教員に対して集中研修を行いました。その中核教員が自校において全教員に対して伝達する研修を必ず行い、教科化に向けて、組織的・計画的に教員研修を行ってまいりました。また、令和2年度から中野区独自に英語教育の専門家をアドバイザーとして各小学校へ派遣することで、全校の教員を対象に研修を行っております。

○斉藤委員 この学習指導要領において、音声を大切に、言語活動を中心にということが示されていますが、この言葉について、書かれてはいますけれども、全部の教員に周知されているとはまだ言えない状況でございます。そのために、これは考え方ではありますけれども、中核教員が研修を受けて、それを学校へ戻しても、その間にクッションが入りますので、研修にも大変な負担がかかってしまうということも考えられます。それを改善するために、スーパーバイザーという専門家4名で年に1回の巡回をしてくださっていると聞いていますけれども、これについて、その1年の巡回でよいのか、4名の先生方の指導方針はどのように共有されているのか。また、中野区の全ての学校の中でのスタンダードな教授法について統一する見解はあるか、お聞かせください。

○齊藤指導室長 英語教育アドバイザーにつきましては、高学年に1回、中学年に1回の計2回、各校に派遣し、授業を通して英語教育の助言・指導を実施しております。併せて、アドバイザー派遣をきっかけとして、各学校は校内での英語の授業の研修を充実させており、成果を上げております。本事業は、各校の英語教育の向上に大いに資するものであります。今後の実施方法や回数については検討してまいります。

 4名の英語教育アドバイザーにつきましては、派遣の前に集まっていただき、担当から事業内容を説明した後、意見交換も行っております。実施後には、次年度に向けた協議を行いました。指導の仕方については、それぞれのアドバイザーの個性や専門性を生かして、学習指導要領の趣旨に沿った指導をしていただいております。

 中野区のスタンダード教授法についての考え方ですが、令和2年度から小学校で外国語が教科化された際に、外国語の教科書を効果的に活用する授業の在り方について研修を実施いたしました。また、中野区学校教育向上事業の指定校による外国語の指導法や評価についての研究や、マイスター教員による模範授業、英語教育アドバイザーの派遣などを通して、外国語の授業の質の向上に取り組んでおります。

○斉藤委員 私が問題意識として持っているのが、4人のすばらしい先生方、それぞれの個性がおありです。その個性が、こちらの学校とこちらの学校で生かされた指導が変わっている。学校ごとで差があるということは悪いことではないですけれども、やっぱり基準となるスタンダードな部分を絶対に保持していただきたい。それはなぜならば、全ての教員の方々が全員、大学で、教職で英語指導を学んでいるわけではない。そしてまた、全ての方はやっぱり自分が学んだようにしか教えられない、教えがちだという、そういう状況もございます。ぜひこちらに関しては、いま一度、中野区全体のスタンダードの考え方――初めで結構です。数年で結構ですので、そちらを検討していただければというふうに思います。

 そして、最後に要望ですけれども、中学校との接続が大切です。中学校の先生方、小学校でどのような英語を学んでこられたのか分からずに、子どもたちを受け入れているという現状があります。中学校の先生が小学校の外国語科を授業参観に行っているという実績はあまり聞いておりません。ぜひこちら、カリキュラムまで入り込んだことを考えていただきたい。これは世界に羽ばたく中野の子どもたちのために絶対に必要なことだと思いますので、検討していただければというふうに思います。小・中学校の連携をお願いします。

 次に、先生の働き方改革についてでございます。中野区立学校における働き方改革推進プランは平成30年度に制定され、令和2年度に達成状況の検証を見直し、改善が行われるはずでしたが、現状をお知らせください。

○松原学校教育課長 一昨年3月に、教育委員会として中野区立学校における働き方改革推進プランを策定いたしまして、今年度に見直すこととしているところでございます。昨年度には出退勤システムが導入されまして、教員の在校時間管理も正確に把握できることになりましたことから、最新の状況を反映した内容を基に、今年度中の推進プラン改定に向けて検討しているところでございます。

○斉藤委員 このプラン、大変具体的な内容が提案されています。一つずつ検証して、これは先生方、本当に子どもたちに向き合う時間をつくるために考えていかなければならないことだと思います。

 2点ちょっと要望がありましたので、お伺いします。高速高性能プリンターの校務補助としての整備と校内LANの活用の状況はいかがでしょうか。

 まとめて聞いてしまいます。ICTを活用した教材活用や採点システムの導入などいかがでしょう。

○松原学校教育課長 まず多機能印刷機でございますが、現在先行して4校に導入してございます。校内LANに接続されておりまして、業務量の節減に役立っているというふうに聞いております。今後導入する印刷機につきましても、同様の設置を考えているところでございます。

 また、ICT機器を活用した教材、あるいは採点システムというところでございますけれども、現在、有用なものの導入に向けまして、学校の意見を聞きながら、指導室、学校教育課で検討を進めているところでございます。

○斉藤委員 その他、他の委員からも提案があった校外学習の旅行手配の業者委託、そしてまた養護の先生は健康カードを入力するにもかかわらず、もう一回手書きをしなければならない。音楽専科の教員の連合音楽会への負担、また就学時健診欠席児の受診対応、夏季のプール対応、プール指導の委託化など、本当にいろいろなテーマがございます。前年度の踏襲ではなく、時には学校管理職を通さずとも、現場の意見を反映して改善の検討に取り組んでいただきたい。そのぐらい、今、先生方の働き方に対する改善は課題と思っております。ぜひ取り組んでいただきたいと思います。

 次に、こうした学校を取り巻く複雑な多様化している学校の課題を解決するために、地域が学校を支えるという視点が一つ大事になると思います。学校運営協議会設置によるコミュニティスクールや、地域学校協働活動を一体的に推進していくため、現在検討状況をお知らせください。

○濵口学校再編・地域連携担当課長 来年度からの導入に向けまして、教育委員会と小・中学校長代表をメンバーといたします検討会を立ち上げ、区の方針や仕組み、導入手順など必要事項の検討を行い、今年度中にモデル校の指定を目指してまいりたいと考えてございます。

○斉藤委員 地域で支える学校は大事なんですけれども、それによって学校がかえって負担にならないような御配慮をぜひお願いしたいと思います。現在も多くの方が地域の学校のために協力をしてくださっています。次世代育成委員や青少年育成地区委員会などが上手にコーディネートをしている場面がたくさんございます。そして私の地元では、なかの生涯学習大学の受講生や地域ことぶき会の方々にも御協力をいただいていたりします。こうした社会教育の取組の中で学んだ方々が、よりスムーズに学校教育に協力していけるような道筋や体制づくり、これを区として考えられてはいかがかと思いますが、御検討をお聞かせください。

○宇田川区民活動推進担当課長 なかの生涯学習大学の卒業生、それから在校生については、既に学校支援ボランティアとして学校教育に協力している事例はございます。受講生や卒業生が知識や経験を生かして活躍できるよう、一層支援の充実が必要と考えているところでございます。

○斉藤委員 この中野区の社会教育事業であるなかの生涯学習大学は、個人の学びと地域の連携が大切にされてきました。学習の機会の切れ目のない提供は大切にされるべきですが、このたび見直しがされている今後の方向性をどのように考えているのか伺います。

○宇田川区民活動推進担当課長 なかの生涯学習大学につきましては、令和3年第1回定例会で採択された陳情を踏まえ、生涯学習を支援する機能及び地域での活躍を応援する機能を充実するということを目的として、再編について検討を進めているところでございます。検討に際しましては、生涯学習を支援する場や地域での活躍を応援する場を継続的に提供できるよう、現在のなかの生涯学習大学との連携も考慮しながら、検討を進めているところでございます。また今後、なかの生涯学習大学の再編の考え方などについて、議会への御報告を予定しております。議会への報告後、なかの生涯学習大学の在校生や卒業生など、陳情者も含めて幅広い区民を対象として説明会等を行うとともに、意見を伺う機会を持ちたいと考えております。

○斉藤委員 こうした社会教育の取組と、そして地域にある学校、この学校教育、これが連携していくこと、学校を中心としたまちづくり、これが実現できたらすばらしいと思っております。

 もう一方で、家庭、地域、学校をつなぐ役割を果たす次世代育成委員という活動がございます。様々、いろいろなコーディネーター役の役割も果たされているところでございますけれども、こちらの次世代育成委員と児童館の館長が事務局となる地区懇談会、昨年度取り組まれていません。これから新たな機能を備えた児童館の配置が検討されているこの時期、ぜひ、オンラインでも可能だと思いますので、開催していただけたらと思いますが、状況をお聞かせください。

○細野育成活動推進課長 地区懇談会の状況と今後の開催についてでございます。これまで全体会の開催を新型コロナ感染症の影響で見送った地域が多くございますが、関係機関が連携を取り合い情報収集して、地域課題の共有を行っているところでございます。地区懇談会の全体会につきましては、対面での開催を希望される意見もございますが、オンラインでの開催も視野に入れて準備を進めているところでございます。

○斉藤委員 こちら中学校区、その中の児童館を中心として活動がされています。新たな機能を備えた児童館についても議題にのせていただきたいと思いますが、いかがでしょう。

○細野育成活動推進課長 今後の児童館の具体的な取組は、その地域の課題の解決ということもございます。そういったことも議論して、具体的な事業を構築していきたいと考えております。

○斉藤委員 ありがとうございます。このように地域とともにある学校、地域で学校を支えていく仕組み、大切にされるべきだと思います。区長は中野の最大の財産は人と述べられています。中野区では今、社会教育の取組と学校教育の連携が要となっていくと考えておりますが、横断的に見る部署がございません。生涯にわたる学びを継続している環境がより充実していく、社会教育の取組を地域活動に連携し、学校教育につなげていくような役割をどこかが果たさなければならないと思っております。中野区の社会教育をどう考えていかれるのか、お聞かせください。

○堀越企画課長 社会教育と学校教育を横断的に見ていく部署についてでございます。現在、社会教育に関する事務につきましては、図書館に関する事務を除き、教育委員会から区長の補助機関に補助執行を行っており、区の生涯学習、スポーツ活動、文化芸術活動などの施策と一体的に進めているところでございます。今後の社会教育施策の展開に向けましては、生涯にわたり学び続けることのできる環境を整備することが必要だと認識しております。学校教育とも連携・連動し、社会教育を効果的に推進していくための組織体制について、今後検討してまいりたいと考えております。

○斉藤委員 組織体制の検討をぜひ進められたいと思います。そして中野区基本構想では、社会の変化に対応した質の高い教育を実現しますとしています。これから教育大綱を準備されていく。先ほども御答弁がありましたけれども、策定スケジュールは先ほどお伺いしたので、今、中野区が目指している教育について、お考えをお聞かせください。

○堀越企画課長 教育大綱におきます教育についての考え方でございます。まず、こちら考え方、新たな教育大綱は、改定されました基本構想の内容を踏まえまして、教育委員会と議論を重ねながらつくり上げてまいりたいと考えております。中野区の教育については、基本構想にございます、未来ある子どもの育ちを地域全体で支えることにつきまして、地域と学校とのつながりを生かすなど、人生100年時代を見据え、区に関わる全ての人が共通認識を持てるような教育大綱としてまいりたいと考えております。

○斉藤委員 ぜひ進めていかれたいと思います。

 では次に、3番、「つながる」地域コミュニティについての質問に移ります。

 地域、本当に地域をつくっていくこと、これがこれからの社会、大事なことだと思っています。高齢化が進み、支援が必要な方が増えていきます。必要な高度の体制整備は大事ですが、その至るまでの地域のつながり、これをつくっていくような仕掛けが大事なんだと思っております。先日の危機管理感染症対策特別委員会で、自治体BCPについての学習会がありましたけれども、講師の方が冒頭で、自助・互助・共助・公助と言うが、互助の部分を「近い助け」と書いて「近助」というふうに表現されていたのが、とても印象に残って聞いておりました。現在、中野区では、全世代型地域包括ケアの取組をアクションプラン策定に向けて準備されておりますけれども、地域ケア会議は各すこやか福祉センターごと――各地域ごとに置かれて活動をされています。その近所のつながりも大事ですけれども、行政として、一つ、支援が必要な方は高い割合で複合的な課題を抱えているということがあります。こうした複雑な問題を抱えているケースにおいて、きめ細やかな多様な仕組みをどのように考えられているか、お聞かせください。

○小山地域包括ケア推進課長 複雑な問題を抱えているなど支援が困難なケースにつきましては、これまで区民活動センターの担当地域で実施してきました個別支援会議において、支援の方針や支援方法を検討し、支援を行ってまいりました。来年度からは地域ケア個別会議として、国が進める重層的支援体制における重層的支援会議として位置付けることといたしました。今までそれぞれに開催されてきました個別支援会議を地域包括ケア体制で進めてきた地域ケア会議の中に位置付けることで、複雑化・複合化した支援が困難なケースへの対応力も高めてまいりたいというふうに考えております。

○斉藤委員 個別支援会議は、言わば閉じた会議となります。困難な事例への対応、取り組まれることを望みます。これまで更生保護の取組こそ本当に大変閉じた中で行われておりました。令和2年度に再犯防止推進計画を策定されたところでございますが、地域包括ケア体制の中に更生保護の取組も位置付けて、保護司の活動支援とともに、立ち直りを支援するまちを目指されたいと思いますが、いかがでしょう。

○小山地域包括ケア推進課長 様々な生きづらさを抱えた人が孤立することなく、必要な支援が受けられる地域づくりを進める取組といたしまして、犯罪や非行防止、犯罪をした人たちの立ち直りを応援する取組がございます。これらも地域包括ケア体制の取組に位置付け、見守り・支えあい・立ち直りを応援するまち、中野を目指す取組を進めてまいりたいというふうに考えております。

○斉藤委員 複雑な問題が表面化して支援困難になる前の予防的な取組としても、ぜひこうした地域体制の取組をつくっていただければというふうに思います。現在、中野区としましては、地域の単位として区民活動センター運営委員会が大きな役割を担っています。運営委員会の構成メンバーは区活ごとに異なっておりますけれども、地域の話合い、地域の課題を解決していくのに当たりまして、この運営委員会の組織について、10年たちましたが、区として何か提案していくことをお考えでしょうか。お伺いします。

○高橋地域活動推進課長 区の構造改革実行プログラムにおきまして、区民活動センター運営の在り方について取り上げ、運営委員会の課題や特性を検証しているところでございます。今後、地域自治をさらに推進するための区の支援の在り方につきまして検討を進めてまいります。

○斉藤委員 資料によると、やはり、どちらかというと世代の上の方の構成メンバーが多いように思います。PTAや、例えば幼児施設など、様々な世代の方がまちを代表するような話合いの場に参加ができるように取り組んでいただけたらと思います。そしていろいろな、地域の中には団体があります。その団体の方々をコーディネートしていく役割として、運営委員会事務局の役割は大きいと思います。こちらに対して、区として、今、地域コーディネートの役割をどのように展開していかれるか、お考えをお聞かせください。

○高橋地域活動推進課長 新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、運営委員会が支援すべき多くの活動団体や、活動団体が活動を停止あるいは縮小し、活動の再開を模索しているところでございます。そのような中で運営委員会事務局の地域コーディネーターとしての役割はますます大きくなっていると考えております。区といたしましては、運営委員会事務局員の地域コーディネート機能の向上を支援していく考えでございまして、その取組の一つとして、地域コーディネーターとしての役割を再認識し、活動の再開や継続のための支援方法を学ぶための研修を8月に実施したところでございます。また、地域コーディネーターとして地域自治を推進していく意欲のある者、または地域福祉や地域コミュニティづくりに関心がある者を広く対象とした講座を10月に開催することを予定してございます。これらの講座は、これからの地域活動の在り方を踏まえてオンラインにより実施いたします。

○斉藤委員 ぜひ学校支援も含めて地域のコーディネート、地域人材をそれぞれの活動に広げていく、そんなつながりを、役割をぜひ大事に思っていただきたいと思います。

 そうしたソフトの面もありますけれども、地域、やっぱり住まいが大事になってくると思います。中野区は令和2年度に居住支援協議会を立ち上げて、住宅確保支援者に対しての民間賃貸住宅への円滑な入居支援を目指すこととしました。住宅確保が難しい方、こちら住宅確保要配慮者としていますけれども、どのような方が対象でしょうか。要配慮者は複合的な課題を抱えている場合が多いです。居住支援協議会は構成メンバーを増やして、また庁内でも様々な、横断的に取り組まれたらよいと思いますけれども、いかがでしょう。

○池内住宅課長 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律及び国土交通省令で定める住宅確保要配慮者という定義が、生活保護受給者を含む低額所得者、高齢者、障害者、子どもを養育している者、外国人等となっております。また居住支援協議会ですが、行政、不動産関係団体、居住支援法人、社会福祉協議会、民生児童委員協議会、地域包括支援センター、障害者相談支援事業所など、住宅部門、福祉部門で構成されている任意団体でございます。庁内では、住宅、地域活動推進課、地域包括ケア推進課、すこやか福祉センター、障害福祉課、生活援護課と横断的な連携体制を取っております。今後は必要に応じ、連携の必要性がある部署、団体に関しましては、居住支援協議会での議論を踏まえまして、参加を促していきたいと考えております。

○斉藤委員 ありがとうございます。その中で、住宅確保要配慮者の中に刑事施設出所者の居住支援が入っていなかったんですけれども、ぜひ行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。また、保護司会も協議会のメンバーに入る議論もあってもよいのかなと思いますが、いかがでしょう。

○池内住宅課長 国が定めています住宅確保要配慮者には、刑務所などの更生施設の出所者も含んでおります。居住支援協議会の取組の中でも、居住支援者の対象として認識しているところでございます。また協議会のほうで協議を図りまして、議論の中でいろんな参加者だったりというところを参加を促していきたいと考えております。

○斉藤委員 ありがとうございます。今、住宅確保要配慮者を対象としたセーフティネット住宅というのもあります。大家と住人双方がなかなか高齢になっていたり、また地域によっては大きな都営住宅に高齢者がたくさん住んでいて、住み替えが必要だったりもいたします。この登録促進のために取り組んでいること、御紹介をいただければと思います。

○池内住宅課長 セーフティネット住宅の登録を促進するため、民間賃貸住宅のオーナー様の様々な不安を払拭することが重要だと考えております。区はセーフティネット住宅に高齢者が入居した際の残存家財の整理費用、居室内修繕費、居室内で死亡したことによる空き室の逸失家賃の補償を含む保険に民間賃貸住宅のオーナーが加入する際、その保険料について補助を行う制度を開始しております。また、セーフティネット住宅の登録に当たってのハード面の整備についてのパンフレットの配布も併せて行っております。

○斉藤委員 居住支援の取組には期待しております。よろしくお願いいたします。

 では、最後に区民参加のまちづくりに参ります。ただいま西武新宿線沿線まちづくり、西武新宿線連続立体交差事業が進んでいるところでございます。ちょっと詳しく聞きたかったんですけど、時間もなくなってまいりましたので、一つだけ伺います。

 まちづくり整備方針策定後、都の計画、都市計画策定準備に入るまでの期間がありますけれども、まだ野方以西に関しては構造形式も決まっておりません。こんな中、やはり区民自体がしっかりとその状況について把握していくことが、これからのまちづくりに求められると思います。区民活動の支援について、何か、ぜひその種まきをしておくということが、その後のまちづくりに必要になってくると思います。御担当の、この区民活動への支援についてのお考えをお聞かせください。

○工藤野方以西担当課長 区民と活動してまちづくりを進めていくには、まちづくりに関する区民活動に区が支援していくことが大切であると考えております。区としましては、区民の活動に対して、まちづくりに関する情報提供や相談を受けるなど、必要な支援を行えるよう努めてまいります。

○斉藤委員 都市計画の基準だったり工事の仕様だったり、そういうことが正確に知識があることで、区民もまちづくりに参加しやすいということがあります。ぜひこちら、支援をお願いしたいと思います。

 では、最後になりましたけれども、景観まちづくりについて伺います。

 どなたも中野セントラルパーク付近を散策するときは、緑が多くきれいに整備された空間を心地よく感じられることでしょう。こちらは、東京都のしゃれた街並みづくり推進条例の補助制度を利用したものです。区内の他所でもこのような空間が広がるといいなと思っております。これまで区は景観施策には取り組んできておりませんでしたが、景観方針、そしてガイドラインの策定を、令和2年度、進めるというふうにしております。ところが、こうした景観の美しさというような概念は主観的であって、一体誰の感性で魅力を決めていくのかという問題が生まれます。結局は地域住民が共に考えて、行政との合意のもとに基準を設けていくという手法を取ることになるのではないかと思います。区民に広くこうした景観に関しての共通の価値観を見出す作業において、専門家を交えたワークショップやアンケート調査など、取組が必要と考えますが、いかがでしょう。

○安田都市計画課長 景観方針をまとめ、今後、景観行政団体になっていく予定でございますが、この中で区民への啓発・支援や参加や協働のための制度を設けていく予定でございます。これによって、区民や事業者等の景観まちづくりへの関心や気運を高めていく。また、自主的な景観まちづくり活動とともに、区と連携したそういったまちづくり活動の支援を考えていきたいと考えてございます。

○斉藤委員 現在、区の景観行政は東京都が実施しております。これから中野区が景観行政に移行していくということの御報告が令和2年度末の建設委員会でありました。この景観行政が区へ移行されることにより期待される効果について確認させてください。

○安田都市計画課長 景観行政団体となることで、区の責務と権限において総合的な景観行政を進めることができます。区は、区民と愛着と誇りを持ち、来街者をも引きつける魅力ある都市景観を実現する責任ある行政主体となっていく予定でございます。これによって、区民、事業者、区の協働により、歴史的・文化的資源や、水辺や緑を生かした景観づくり、周辺と調和した町並み形成への誘導及び駅周辺のにぎわいや活気を目指した新たな景観の創造などを推進していくことが可能となると考えてございます。

○斉藤委員 区が景観行政団体になることで中野独自の風景が大事にされていく。そしてまた、区全体で景観について考えていこうという取組が進むこと、活動が増えていくのだなと思いますし、ぜひ増えていってほしいと願います。

 2004年に景観法が制定されて時間がたちました。景観に対しては、保全か破壊か、また規制誘導か自主改善かといった、言わば二元的な議論がこれまでずっと続いていたと思います。しかし、今この時代は、景観マネジメントの考え方に移っていくのではないかと思います。つまり区民や事業者、行政など関係者が一体になって我がまちをデザインしていこう、同じテーブルで話し合い、まちのよさは何であるかから始まり、議論していく。そんなまちづくりをこれからマネジメントしていくことが大事なのではないかと私は考えております。中野駅周辺地区もそうですし、西武新宿線沿線地区、これからまちづくりが始まっていきます。そんな中、今、私、様々なまちづくりについて話をしてまいりましたけれども、大変手間がかかることではあります。だからこそ、景観がマネジメントされた都市は質が高く、お、中野、すごいじゃんというようになるのではないかなと思います。

 これから区民による自主的な景観まちづくりの活動が生まれていってほしいと思いますが、専門家を派遣したり学習会の支援を行うなど、区民活動への支援も必要と思いますが、区として御支援いただけますでしょうか。

○安田都市計画課長 良好な景観形成に向けては、区民等が主体となって進める景観まちづくり活動が重要と考えてございます。どのような景観資源を生かすのか、どのような手法で地域特性に合った景観形成ルールを適用するのかなどについて、やはり専門的な知識等が必要になると思います。景観アドバイザー等の専門家の派遣や学習会開催等の支援が必要であると考えてございます。

○斉藤委員 ありがとうございました。このたび私の総括質疑では、地域がつながり合うことの大切さ、そのための取組について考えを示させていただきました。みんなでみんなのまちをつくっていく、そんな中野であってほしいと考えます。

 以上で私の総括質疑を終わります。ありがとうございました。

○ひやま委員長 以上で斉藤委員の質疑を終了します。

 次に、高橋かずちか委員、質疑をどうぞ。

○高橋(か)委員 令和3年第3回定例会決算特別委員会の総括質疑ということで、自由民主党の立場から質疑をさせていただきます。質疑、2年ぶりということで、大変楽しみにしてまいりました。どうぞよろしくお願いいたします。質問項目は通告のとおりです。

 まず最初に、都市計画マスタープラン、住宅マスタープランについて、住宅マスタープランから環境という流れをメインに質問させていただきます。

 中野区は基本構想、そして、それからの基本計画という形で今策定を進めているところでございますけれども、こうした動きに合わせて、都市計画の基本的な方針であります都市計画マスタープラン、また、住宅政策の基本方針となります住宅マスタープランの改定が進められているわけであります。この二つのマスタープランは、区が進める様々なまちづくり、都市基盤整備や住宅環境整備に大事な指針となるマスタープランと言えます。今回のマスタープランの策定に当たっては、社会の大きな変化も影響していると考えております。少子高齢化、また高齢者や障害者の方々が安心して暮らせるユニバーサルデザインの思想のまちづくり、また住宅環境、これには地球温暖化に対応した脱炭素といいますか、環境に配慮した住宅、また災害想定の基盤整備、社会の大きな課題を濃縮したようなテーマになっていると思っております。こういう変化の中で、安全に暮らせるまちづくりという視点、こうした観点から、都市計画マスタープラン、住宅マスタープラン、環境に配慮した住宅政策についてお聞きしたいと思います。

 初めに、都市計画マスタープランについて伺います。

 マスタープランの改定は、上位計画として東京都の都市計画区域マスタープランなどを踏まえて策定しているということだと思いますけれども、この中には、東京都はゾーニングとなる新たな地域区分として、区内に関しておおむね環状7号線の内側は中枢広域拠点域として、また環七の外側からは新都市生活創造域を設定して、それぞれのゾーニングにふさわしい土地利用を進めていくということでございます。東京都はこれに合わせて、こうしたゾーニングの目標にふさわしい、例えばですけども、環境とか防災とか福祉、こうしたことに資するものについての都市開発や建築上のインセンティブを用意しているのでしょうか。お聞きいたします。

○安田都市計画課長 東京都は、都市づくりのグランドデザインや、いわゆる都市計画区域マスタープラン等の上位計画に合わせ、新しい都市づくりのための都市開発諸制度活用方針等、示しているところでございます。この中で東京都は、目的とする都市の形成に資するような、例えば環境都市づくり、防災都市づくり及び福祉の都市づくりなど公共貢献に応じ、総合設計や再開発事業等の一定の割増し容積などのインセンティブを示しているところでございます。

○高橋(か)委員 ありがとうございます。こうした都市政策的な上位構想というか上位の思想を基に、住宅マスタープランについて伺います。東京都の上位計画改定を受けて、中野区の都市計画マスタープラン、そして住宅マスタープラン、こうした新たなステージに入っているということだと思っているんですけれども、特に環境施策の連携について配慮していくという住宅マスタープランについて伺います。

 まず、第3次マスタープランの期間、平成30年までとなっており、策定から既に10年が経過しております。改定が遅れた原因と、第4次マスタープランの策定までの考え方、またその位置付け、策定に係る予算の執行状況などについてお答えをお願いいたします。

○池内住宅課長 第4次住宅マスタープランの策定は、上位計画でございます基本計画の策定に合わせ、内容の整合を図るため策定スケジュールを調整しており、それに伴い第3次住宅マスタープランの計画期間を延長し、切れ目のない住宅施策の推進を図っております。住宅マスタープランは、住生活の向上に資する施策について、基本計画のほか、都市計画マスタープランをはじめ、耐震改修促進計画など関連部門の計画と相互に連携を図りながら、総合的かつ計画的に推進するために策定されるものでございます。令和2年度の予算としましては、主に住宅政策審議会の委員の報酬となっております。

○高橋(か)委員 今後策定に向けて、また新たなテーマごとというんですかね、住宅の施策展開に向けて、また今後、新しい年度には予算を積み上げていくということになると思うんですけれども。この住宅マスタープランを拝見していますと、区営住宅のところなんですけども、公営住宅14か所ほどなのでしょうか、有効活用するための計画修繕とともに、将来的な建て替えに向けての検討では、民活の導入を図っていく、検討していく。またその機能は、環境、共生、地域貢献、景観、子育てしやすい機能充実の検討を進めるという形で、文言については、いいキーワードというんですかね、それが散りばめられているんですけども、ただ具体的な表現はなくて。スケジュール感というんですか、そういうのが全く触れられていないというふうな表現になっているんですけども、こうした検討というのは、これから第4次マスタープラン策定時から、具体的にスケジュールを示しながら進めていかなければ、言葉だけの、実現しない、何ていうんですかね、せっかく大切な区の資産なわけですから、その辺をしっかり明示していただかなきゃいけないと思っているんですよね。

 例えば隣接地の共同化であったりとか、用途地域の規制というものに配慮しながら容積アップの手法を検討する。環境へも配慮した上で高度利用を図るとか、低層階には収益施設を入れて維持管理コストを賄うとか、また、住宅マスタープランの策定の目的にある子育て世代であるとか高齢者への対応、こうしたものへの配慮とかニーズというもの、こうしたものが必要だと思っていますし、子育て世代、高齢者のニーズに応えた施設を組み入れるとなると、区の基本計画の重点プロジェクトへも具現化する内容になっていると思うんですよね。こうした区営住宅の建て替えについて、今回、区有施設整備計画にも書かれていないということなんですけれども、この辺、住宅マスタープランの施策展開と区有施設整備計画、いわゆる計画年限の仕切りというか、その制限というのはあるにしても、その辺はどういうお考えなのかを教えてください。

○池内住宅課長 区営住宅は、一定の所得基準以下の住宅困窮者向けの住宅としまして、セーフティネットの機能を果たしております。耐用年数70年を見据え、計画修繕を適切に実施しながら管理運営を進めております。現時点で建築後の年数が最も経過している住宅は53年ほどということがあることから、区有施設の整備計画には建て替えの記載はしてございません。区営住宅の今後の在り方につきましては、関係部署と連携をしつつ、地域の特性や各住宅の耐用年数などから建て替えすべき時期や手法を考慮した上で、他の自治体の事例も研究しながら検討を進めていくこととしてございます。

○高橋(か)委員 そういう方向性で間違いないと思うんですけどね。ただ、今この年限の中に載っていないという話がありましたけども、そういういろんな事例研究であったりとかがまずあって、具体的な構想というか施策を、基本的な枠組みを考えたりしていくときに、特に、この後、環境とかの話になっていくんですけど、住宅部局だけで完結する話じゃなくて、非常に他部署間、まさに重点プロジェクトに表現されているように、部署間をまたがる形で調整していかなきゃいけないってなったときには、やはりもう今の段階からある程度の方向性なり考え方なりを議会に示しながら、で、具体的な展開はその先でもいいにしても、その辺はきちっと進めていただかなきゃいけないと思うんですけども、その辺はいかがでしょうか。

○池内住宅課長 委員がおっしゃるとおり、今回は掲載しておりませんけれども、区有施設の整備計画だったりというところは、関係部署等は密に連携を取りつつ、この間いろいろ関係部署も計画を作成が進んでおりますので、それも連携しつつ、研究を重ねながら検討をまず進めてまいりたいと考えております。

○高橋(か)委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 続いて、住宅マスタープランに掲げているSDGsについて、この取組とか考え方、またその検証方法はどういうふうな形でお示しいただけるのかをお願いいたします。

○池内住宅課長 第4次住宅マスタープランにつきましては、脱炭素化の達成に向けた取組や、緑が多く、景観に配慮された良好な町並み、誰もが暮らしやすい住宅の整備などを目指すこととして、SDGsの達成目標としましては、目標7、「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」、それから目標11、「住み続けられるまちづくりを」、が該当しております。目標達成に向け取り組むこととしております。検証方法としましては、住宅マスタープランの進捗確認を行う際に、SDGsの達成状況につきましても、併せて関係所管に確認していく所存でございます。

○高橋(か)委員 その辺、ぜひ検証して、きちっと議会でも議論していけるような形にしたいと思いますので、まとめて報告とかじゃなくて、ちゃんとそれぞれの課題ごとにきちっと議会にお示しいただくようにお願いをしておきます。

 次に、体が不自由になったり、あるいは高齢化したとき誰でも暮らしやすい住宅、それこそが中野のあるべき住宅施策だなと思っておりまして、医療の考え方も、やはりかかりつけ医、いわゆる住まいできちっとケアをして、そこにずっと住んでいただく。住み続けられるそういう魅力的な安心したまちづくりというのがテーマだと思いますので、こうした観点から、SDGsの推進のために住宅施策として、バリアフリーはもちろんですけれども、ユニバーサルデザインを推進していく必要があると思うんですけども、この辺は具体的にどう考えているのか、お示しください。

○池内住宅課長 バリアフリー、ユニバーサルデザインに配慮した住宅が普及することで、誰もが暮らしやすく、住み慣れた地域や住まいで長く住み続けられると考えております。区内建設事業者団体によるリフォーム相談会も通しまして、バリアフリー、ユニバーサルデザインを取り込みました住宅改修につなげられていると思っております。さらには、リフォーム相談での事例や居住支援協議会での相談事例等を情報共有し、より効果的なバリアフリー、ユニバーサルデザインの推進に向け、団体等と連携し進めてまいりたいと考えております。

○高橋(か)委員 ユニバーサルデザインに関しては、施策を発信して展開していくというのと同時に、同じぐらい重要な、いわゆるきちっと検証をして、スパイラルアップというんですかね、次に生かしていくという、ここが一番みそだと思っていますので、その辺についてどうお考えか、お聞かせください。

○池内住宅課長 先ほどのSDGsの検証の方法と一緒なんですけれども、こちらもやはりスパイラルアップだったり検証だったりというところが大事だと思っておりますので、その都度報告をさせていただければと考えております。

○高橋(か)委員 ありがとうございました。

 次に、住宅マスタープランの中から、先ほど申し上げた環境に配慮した住宅についてということでお聞きしたいと思います。住宅マスタープラン、この辺、環境というテーマで結んでいこうと思っておりまして、六つ、七つぐらい検討してきたんですけど、ちょっと御担当と意思疎通がうまくいかないというか、意思疎通が全くできなかったので、部長にちょっとトータルな話をお聞きしたいなというふうに思っております。

 質問をやっていると時間ばっかりかかっちゃうので、自分のほうで申し上げます。環境という形で、国も東京都も支援をしているということだと思うんですけども、国は断熱性を考慮した形での高効率な設備導入での補助制度がありますし、東京都は太陽光発電システムの普及を進めているというところがあります。また、イニシャルコストがかからずに太陽光を設置するというのも含めて、今推進しているというふうに聞いておりますし、中野区としては太陽光発電システム、これに連携する蓄電システムを設置した場合、10万円を補助するという話があります。環境に配慮した住宅を普及させるという制度設計については、省エネ、再生可能エネルギーや断熱化や環境施策における住宅の在り方、これは行政が積極的に推進して普及していくべきだと考えているんですよね。

 片や、やはり個人の財産に当たる住宅にどれだけ資金を投入できるのか。これは大変難しいところで、現実的には、だから中野区は今、例えば蓄電システムに10万円という話があると思うんですけども。ただ、中野区の基本計画にも、住み続けられる、そうした重点プロジェクトの中にも、しっかりとした環境施策であったり、何よりも、住み続けるということが一番大事だと思いますので、その辺が述べられていると思いますし、SDGsの目標の達成のためにも、この環境に配慮した住宅、こういうものをしっかりと考えていかなきゃいけないと思うんですよね。

 こうしたなかなか制約がある中で、ただ、今、日立が、全生産ラインや取引先業者、3万社に及ぶ取引先まで含めてその環境施策を、COゼロを進めるとか、あるいは金融大手が自分らだけじゃなくて、融資先のそうした環境施策にも取り組んでいくとか、こういうもうまさに国の施策が大きく反映している話であって、これはやっぱり多分、自民党の総裁選が今開かれているんですけれども、こうした中でも大きな議論になっているというのを報道で耳にしております。これを受けて多分、国とか東京都も環境に対する大きな施策展開といいますかね、一歩を踏み出す新しいのも出てくるんじゃないかと思うんですよ。そうするとやっぱり区としてもきちっとその辺を先取りしたり、あるいは、何よりもさっき申し上げた部署間の連携というものが非常に大事ですし、そういうものをしっかりと進めていかなければいけないと思うんですけど、環境部長としてのコメントをお願いいたします。

○朝井環境部長 中野区は二酸化炭素の排出量が、半分が家庭部門からの排出ということになっております。このため、二酸化炭素を削減するためには、やはり環境に配慮した住宅、高断熱の住宅、また省エネルギーの進んだ機器への導入、切り替え、そういったものが非常に重要であるというふうに考えております。御指摘のように、脱炭素に関しましては、国や都も次々と新しい方針を出しているところでございまして、中野区といたしましては、区内の状況をまずしっかりと把握した上で、効果的な脱炭素に向けた住宅の高断熱化等を進めていきたいと考えております。また、建て替えなどの場面が非常に二酸化炭素削減のいいチャンスになるというふうに思っておりますので、住宅政策やまちづくり政策との連携、ここをしっかりと進めていきたいというふうに考えております。SDGsも絡めて、しっかりPRしていくとともに、必要な区としての施策もやっていきたいというふうに考えております。

○高橋(か)委員 部長が今おっしゃったとおり、ぜひ推進していただきたいということ。とにかく環境というのはね、何で部長が答弁しているかというのは分かっていますよね。15日に質疑通告をして、私が住宅から環境の大事さというのをきちっとコメントとして述べて、そして、住宅と環境担当とで最初にキックオフやりました。でも、そのとき環境、さっき僕が申し上げたとおり、なかなか現状難しい。きちっと答えられるものがないというようなネガティブな反応があって――ネガティブというのは施策じゃないですよ。私にその環境を具体的にぼんぼん推進していくような具体的な球が今見つからないと。それはそうなんですよ。私もそれを否定するわけじゃなくて、だから、そこからどうするのかというのを質疑調整の中で議論したかったわけ。

 だけど、15日のその最初のメモのやり取り以外、メールから電話1本、今日に至るまでなかったわけだ。3連休私は出ていたけど、一切連絡なかったわけ。で、質疑と答弁をすり合わせて、ここで出来レースする話でもないし、この質疑というのが決算の状況を調べる、そういう今回は決算特別委員会という場ではあるけれども、やはり我々の日頃抱えている個人的な議員としてのテーマであったり、あるいは施策であったり、そうしたものを理事者側にぶつけて、理事者は理事者で区の施策があって、そこでうまくかみ合わないことがあったとしても、僕なんかはゼロ回答でも全然いいと思っているんですよ。それだったらそれで僕もさらに研究を進めていくわけだから。そういう大事な議会とのコミュニケーションを取るというのが基本だろうし、環境施策なんてまさに部署間で連携を取っていくわけでしょう、今後あらゆる施策について。そうすると、そういうコミュニケーションを取る素養というものが大事じゃないのかなということを、僕は強く申し上げておきますので。

 本当は区長にコメントを求めたいんだけど、区長もいろいろ大変で御苦労されているだろうから、申し上げないけども、ただ、こういう組織とか事業というのは区長がつくっているんだからね。その辺はぜひチェックをして指導していただくようにお願いしたいというふうに思っております。部長、ありがとうございました。

 環境の最後にまちづくり、面的な整備についてお聞きします。

 基本計画の重点ポイントに、活力ある持続可能なまちの実現というふうに挙げておりますけど、そこには脱炭素社会実現を見据えたまちづくり展開とあります。環境に配慮したまちづくりの推進、具体的なものはどういう取組なのか、簡潔にお示しください。

○千田まちづくり計画課長 国では、持続可能なまちづくりや地域活性化に向けた取組の推進に当たり、政策の全体最適化と地域課題の解決の加速化の相乗効果が期待できる地方創生SDGsや、環境、社会、経済の三つの価値を創造することで、誰もが暮らしやすいまち、誰もが活力あるまちを目指す環境未来都市構想を掲げており、そこでは、持続可能な低炭素社会の実現に向けた環境モデル都市への取組が有効とされています。それらの構想や取組を踏まえ、総合的な面的対策が可能なまちづくり手法による環境貢献の高い市街地環境の形成について検討し、取り組んでいきたいと考えております。

○高橋(か)委員 個別の環境に配慮した住宅展開も大事ですし、こうした面整備の中で、より具体化しやすいと思いますので、いろいろな手法を考えて、ぜひまた議会にお示しいただきたいと思います。

 とにかく住んでいくこの中野、新しい方が移り住んで中野を選んでいただくためにも、あるいは区の政策展開として、環境をアピールした住宅施策というのを、なかなか難しいことではありますけど、国とか東京都の情報、先ほど申し上げたとおりしっかりと吸い上げて、先取りをして、新たな中野の展開、中野が、環境すごいね、こういうふうになってくれるような、そういう展開をぜひ研究して議会にお示しいただくのを要望して、この項の質問を終わります。

○ひやま委員長 高橋委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。

 3時20分まで委員会を休憩します。

午後3時01分休憩

 

午後3時20分開議

○ひやま委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き総括質疑を行います。高橋かずちか委員、質疑をどうぞ。

○高橋(か)委員 それでは休憩を挟みまして、次、2番の中野駅周辺開発関連についてお聞きします。

 初めに基盤整備について。中野四丁目北口駅前土地区画整理事業において、交差点の移設などの道路線形変更、また、上下水道の地下埋設物の移設工事を行うということです。施行者はUR都市機構ということでありますけれども、新庁舎の計画地で土壌に鉛が検出されたとかですね、そうしたアクシデントというか、予想外の事象もあるということも踏まえまして、地下埋設物の移設など、工事のスケジュール管理や土壌汚染が出た場合の影響など、区はどのように本事業に関与して、区が示しているスケジュールに合わせていくのかということをお聞きしたいと思います。

○石原中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 新北口駅前エリアの基盤整備を適切に進めるため、区、UR都市機構及びインフラ関係事業者などと定期的に調整会議を開催し、工事の進捗状況や課題の確認、埋設管移設のスケジュール調整などを行っております。区も積極的に関与することで、適切にスケジュール管理を行ってまいります。

○高橋(か)委員 想定外の事象が出た場合とか、早めに対処していただいて、また議会にも報告するようにお願いいたします。また、このエリアについては再開発土地区画整理、駅前の広場整備、いわゆる複数の工事が同時に行われているという状況になります。現在の新北口エリアは、中野四季の都市(まち)の、あるいは囲町方面などに向かう主動線となっているということもあり、バス利用者も多く、区内交通の要となっているということでお聞きいたします。新北口駅前広場が完成するまでの間、歩行者動線やバス停位置を変更しながら工事を行うということになると思うんですが、いつから現在の歩行者動線やバス停の位置が変更になるのかをお聞きします。

○石原中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 新北口駅前広場が完成するまでの工事期間中は、歩行者動線の切替えや仮設バス停を整備しながら工事を進めていくことになります。中野四季の都市(まち)や囲町方面への歩行者動線の切替えにつきましては、拠点施設整備事業者や土地区画整理事業者などと協議しながら検討しているところであり、現時点で令和5年度なか以降を想定してございます。また、現バス停の移転につきましては、区役所現庁舎を解体した後に仮設バス停の整備を予定しており、令和7年度頃を想定してございます。変更時期については引き続き検討を進めてまいります。

○高橋(か)委員 担当も、工事する業者というか事業者はスケジュール、自分の工期といいますか、その工程管理のところで目いっぱいになると思うので、ゲートの前の安全対策とか、それはもう当然やるのは当たり前なんだけども、いわゆる歩行者動線、今、土日とか休みの日とか、四季の森公園なんかすごいじゃないですか、家族連れも、あるいは高齢者の方も。万が一のことが起こらないように、ぜひ工事期間中も歩行者の安全性、また利便性というのを最優先に考えていただいて工事を進める、これが非常に大事だと思うんですけども、安全な歩行者動線確保ということについて、何かあれば教えてください。

○石原中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 新北口駅前広場が完成するまでの間の工事期間中も、歩行者の安全性や利便性に十分配慮しながら工事を進めていく必要があると考えてございます。今年度、新北口駅前広場追加基本設計の中で工事展開を検討しているところであり、新北口駅前エリア拠点施設や土地区画整理事業の工事展開と調整を図りながら、安全な歩行者動線を検討してまいりたいと思います。

○高橋(か)委員 このエリアでは、南口の駅前広場とともに、主要なバス交通機能を担っております。工事期間中もバス事業者の意見を聞きながら、バス機能や利用者の利便性確保ということについて考えていく必要があると思います。工事期間中のバス機能や利用者の利便性確保、また、バス事業者との連携についてはどのように考えているのか、教えてください。

○石原中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 現在、バス事業者も含めた工事事業者などと定期的に会議を開催しており、新北口駅前エリア工事期間中のバス交通の課題についても検討しているところでございます。工事期間中におけるバス交通機能の確保や利用者の利便性に配慮した仮設バス停計画など、バス事業者の意見を聞きながら検討を進めてまいります。

○高橋(か)委員 バス事業者は、この駅周辺のまちづくり、大変営業損益っていうんですか、顧客が逃げていったりというその営業的なダメージを負いながらも、区のまちづくりに理解を示して協力をしているわけですから、ぜひ丁寧な対応をして、寄り添っていただくようにお願いいたします。

 ちょっと確認ですけど、自転車駐車場というのは中心の外側に配置するということで、工事中の錯綜もそうですけども、センターエリアにはいわゆる自転車動線がないということでよろしいんですよね。

○石原中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 中野駅周辺は歩行者優先とした公共志向のまちづくりを目指しており、歩行者空間の確保や動線整備を行っていくこととしてございます。自転車駐車場につきましては、中野駅中心部への自転車の流入を抑制し、安全な歩行者動線を確保するため、外周部へ分散配置することとしてございます。

○高橋(か)委員 とにかく安全第一で、また歩行者といいますか、行き交う人たちの視点でぜひ整備を進めていただくようにお願いいたします。ありがとうございました。

 その他としまして、新北口駅前エリアの拠点整備について、施行予定者と5月に基本協定を締結し、事業者からの提案内容をベースに、施行予定者と事業化に向けた検討調整を行っているということでございます。後ほどにもいろんなスケジュール感が出てくるので、今、聞いていいですかね。今の現状を教えていただけますか。

○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 現在の検討状況でございますが、新北口駅前エリアのユニバーサルデザインや利便性に配慮した歩行者ネットワークの検討としてのデッキの接続であったり、地下の都市計画駐車場、地域荷さばき駐車場等の詳細を検討しております。また施設計画としては、建物の用途ごとの詳細の検討や、環境性、防災性の向上に向けた具体的な取組について詳細を検討しております。また、新北口のエリアマネジメントにつきましても、長期的なロードマップ、短期的な活動計画を作成しております。

○高橋(か)委員 ありがとうございます。進捗状況はそれぞれまた個別といいますか、その委員会等に報告いただけると思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

 この新北口のまちづくり方針では、中野のシンボル空間となる拠点の形成というのを方針として挙げています。中野のシンボルとなっていく、東京西部都市圏のシンボルというんですかね。こういう拠点施設という形で考えておりますけれども、建物の規模とか高さというんですか、これは大変注目を集めると思うんですよね。いろんな議論はあるとしても、やはり今、日本一はあべのハルカスでしたっけ。あべのハルカスで300メートル、東京で言うと、現状だと虎ノ門ヒルズが255メートル、ミッドタウンが248メートル、いずれコマーシャルでも出ていますけど、三菱地所が常盤橋のプロジェクトってなると、390メートルというのが2027年に竣工。これは都心のまさにそのスーパー都心区といいますか、森ビル、三菱地所というところが会社の命運をかけて進めるんですけど。この中野というのも、実は都市計画的にも、西東京との結節点といいますか、非常に重要なポジションにいますし、今後、可能性というんですかね、非常にあると思うんですよね。ですから、ここにどういう建物が出るかというのが、僕は非常に楽しみにしているんですよ。

 例えば、にぎわい・交流ということで区民の拠点というのもありますし、来街者、ランドマークというんですかね、そういう位置付けも当然、このぐらいの規模になると出てくると思うんですよね。上海に上海タワーがあって、台北に台北タワーがあって、広州に広州タワーがあって、やはりそこがシンボルになって、それがそのまちの区民、もちろん地域の人もそうだけど、活性化につながっていく。とにかく話題性が出ていくということの中で、中野の発展にもつながっていると思うんですけど、その辺は今どういう状況なんでしょう。

○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 拠点施設の施設計画につきましては、住宅・業務・商業等、建物の用途ごとに現在詳細を検討しております。こうした施設の計画の検討と併せまして、建物の規模などについても、関係機関と現在協議を進めているところでございます。

○高橋(か)委員 ありがとうございます。

 新区役所整備の総事業費についてですけれども、拠点施設整備と、いわゆるサンプラザ・区役所跡地の再開発と新庁舎というのは、これは事業スキームが一体化しているという意味では不可分ということで、新庁舎のことについてもちょっと触れてまいります。

 事業費について、要するに設計・建設費と什器・備品・移転費というのも含めたものに総事業費というのはなると思うんですけど、まだ、さきの本会議の時点では、議会にいわゆる什器・備品・移転費というのは示されていなかったと思います。総事業費の算定というのは、区役所・サンプラザの再開発での権利変換手法の選択や事業費の財源確保など、非常に規模が大きいために、今後の区政の財政運営にも大きな影響を及ぼすと思いますけど、まず、区はその辺をどうお考えですか。

○森財政課長 新区役所整備に当たりましては、一時的に多額の経費が発生するため、権利変換までの経費につきましては、起債及び基金の活用を行う考えでございます。権利変換後につきましては、転出補償金を財源に、整備に係る起債の償還ですとか、基金への積立てを行う考えではございますが、全体的な事業規模が大きいものですから、様々なリスクも想定しながら財政運営を行っていきたいと考えております。

○高橋(か)委員 什器・備品・移転費用などの事業費についてですけれども、この総括質疑の初日、平山委員から同様の質問がありました。改めて確認します。どの程度の額を考えていらっしゃいますか。

○中村新区役所整備課長 新庁舎整備に係る本体工事費以外の経費としては、主に什器購入費、移転作業費、別途工事費等を想定してございまして、費用は精査中でございますが、おおむね50億円程度を見込んでございます。

○高橋(か)委員 ちょっと確認したいんですけど、今申し上げた平山委員の総括質疑の中で、50億円という課長答弁をされたということでよろしいんだと思うんですけど、この回答について、さきの本会議一般質問で我が会派の高橋ちあき議員の質問では、再質問がありまして、そこでも聞いたところ、答えが検討中という答えだったわけですよね。3日間で50億円という莫大な事業費の算定がいきなり出てきたんですか。僕の考えている認識では、いわゆる事業精査をする中で、事業費というのが非常にポイントになっていて、そういう移転費用とか、あるいは什器・備品、どのぐらいかかるんだというのを、いろんな場面で各委員が気にされていたと思うんですよ。そうすると、3日で出るんなら、もっと早く出せたんじゃないかと思うんだけども、その辺どういうことになっていますか。

○中村新区役所整備課長 ただいま御案内の費用、経費でございますが、こちらにつきましては現在も引き続き精査中でございまして、本会議の段階ではどこまで金額をお示しできるか、確認ができてございませんでした。その後、総括質疑においては、精査中ではございますが、改めて概算金額を確認いたしましてお答えしたところでございます。本会議の段階で金額をお示しすることができずにすみませんでした。

○高橋(か)委員 その超概算50億円というのは、いつ数字が出てきたんですか。

○中村新区役所整備課長 あくまでも概算でございますが、夏頃でございます。

○高橋(か)委員 ちょっと待ってよ。精査して最終概算額が50億円、たまたま3日間の間の中で出て、それで委員会に報告をしたという、そこもちょっとおかしいと思うんだけどね。流れとしては、説明の仕方としては。だけど、超概算という話の中で、平山委員が聞いた50億円も超概算、で、あなたが今僕の質問でいつその数字50億円が出たのかと言ったら、夏だという話だった。じゃあ、何で本会議のときにその超概算の数字を出さなかったのかという話。総括質疑って、事業権限というか部長権限で答弁やるんでしょう。部長、どうなっているのか教えてもらえますか。

○滝瀬新区役所整備担当部長 今、課長から、夏頃に概概算で把握をしていたというふうな御答弁を申し上げさせていただきました。概概算で把握した後、私も本会議の段階では、念頭にその概概算の額がございました。一方で、その本会議の再質問のところで、どこまで金額をお示しできるかについて、実際の内部調整を私のほうが不足しておりまして、再質問の段階では積算中と、検討中というお答えを申し上げたところでございます。その後、総括質疑におきましては、課長から今御答弁申し上げましたとおり、確認をした上でお答えをしたといった流れでございます。本会議の段階で金額をお示しできなかったことについては、改めて深くおわびを申し上げます。

○高橋(か)委員 ちょっと待って。そもそも、夏に超概算50億円という数字が出ていました。で、本会議で高橋ちあき議員の質問で、そのときの質問調整をやったわけでしょう。当然、本会議の答弁調整をやったわけでしょう。あなた、その超概算の50億円というのを、平山議員の総括質疑のところで出したけども、それはあなたの判断で出したんだと思うんだけど、それって、本会議のときに超概算50億円というのがあるのに、そもそも、その質問が出ているのに出さなかったというのは、それ、知っていたのに出していないということじゃない。答弁調整は、区長、副区長を交えて、部長全部居並んで、全員そろってか、あるいは関係部長もそろって、そこで区長の意思決定として、区の意思決定として答弁が調整されて、答弁書をつくられるわけでしょう。そうすると、あった情報を隠していたということなの。虚偽答弁じゃないの。そういうことでもないの。ちょっとその辺が分からないんだけど。

○滝瀬新区役所整備担当部長 繰り返しのことになりますが、高橋ちあき議員の本会議の答弁につきましては、区の質問検討会で検討して、この答えで行くといったところで、そのお答えの内容につきましては、概算の額はそこにはなかったわけでございます。で、再質問の中で金額の具体的なところにお尋ねをいただいたと、こういう流れだったかと思います。で、私のほうで再質問する段階で、金額の認識はございましたけれども、事前にどこまでお示しをさせていただけるかというような内部調整を、私のほうで不足していましたことから、再質問のお答えに対しては、積算中というふうなお答えをしたといったところでございます。

○高橋(か)委員 大事な過程で、議会への説明責任であったり、議会への調整というのがいろんなところで今疑義が出ているわけですよ、今回のこの件だけじゃなくて。そうしたときに、やはりその意思決定の過程であったり、あるいは議会への説明の過程であったり、その辺というのは誤解を招かないように、きちっとしてもらいたいと。これは強く要望しておきますので、よろしくお願いしますよ。

 では、次に行きます。この什器・備品などというのは、とにかく早い段階でその大枠を示して検討を進めるというのが本来の姿だと思うんですよね。ちょっと心配なのが、近未来のあるべきオフィスの姿とかいう、そういうイメージというか、そういうものにとらわれて、オフィスとか什器・備品の整備について、実際、設計とかその辺を落とし込んでいくと思うんだけど、業者の提案を、何ていうのかな、うのみにするというか、結局、そのオフィス事業者に丸投げになっているんじゃないのというところが非常に気になるんですよ。だって、オフィス業者というのは、そういう新庁舎整備とか、新築あるいは移転、そういうところに営業してきて、そこでいろんなプランとか、事業者サイドに寄り添う形で入ってきて、ずっとそうやって自分の営業につなげていくというのも当然あるわけですよ。だって民間の営利会社なんだから。そうすると、AかBか、いいほうはどっちという、そういう中でどんどんコストが上がっていったり、そういうふうになっていくというのはもう目に見えているわけで、そこはやっぱりきちっと事業費を抑えて、大枠を、上限をきちっと踏まえた上でそういう話を聞いたり、どういうプランにしたらいいかという、そういうのを進めていかないととんでもない額に。結果的に積み上げていったら、想定よりはるかに超えて、とんでもない額になるということになりかねないので、その辺は大丈夫なのかというのがあるんですけど、その辺どうですか。

○中村新区役所整備課長 ただいま御案内いただきました什器・備品の購入に当たりましては、必要な機能や性能をしっかりと確認し、コスト意識をしっかりと持って内容を精査してまいります。また、什器・備品費などの費用の概算につきましては、精査中ではございますが、一定程度まとまった段階でお示しできればと考えてございます。

○高橋(か)委員 ちょっと疑問を抱かせるような、そういう進め方というのは非常に心配でね。何でかというと、新庁舎の建設というだけじゃなくて、今回のその事業費というのは、事業スキームとして、新北口の拠点整備事業に直結するわけですよ。そこのいわゆる権利調整の交渉にも、あるいは事業の成立性にも影響していくわけなので、その辺、スケジュールについてもちょっとお聞きしたいと思うんですよね。新区役所というのが2024年、令和6年竣工で、同年移転ということになると、その備品購入の契約というのは前の年の2023年、令和5年というふうになると。ということは、2022年、令和4年度の来年度には議会にその辺の予算、協議契約の中身の予算を提示してもらわなきゃいけないと思うんですけど、その辺は間違いないですか。大丈夫ですか。

○中村新区役所整備課長 新庁舎でございますが、令和6年2月に竣工を予定してございまして、令和6年5月の開設までの間に什器の納品を行うことになりますので、令和5年度には什器の発注を行う予定でございます。このため、令和4年度中には什器の購入について計画をお示ししたいと考えてございます。

○高橋(か)委員 拠点施設整備の権利変換スケジュールを確認します。事業認可はいつですか。

○石井構造改革担当課長 市街地再開発事業の事業認可でございますが、2023年度、令和5年度を想定しております。

○高橋(か)委員 ということは、事業認可に向けた都市計画手続に入るのはいつになりますか。

○石井構造改革担当課長 都市計画手続に入るのは2022年度、令和4年度を想定しております。

○高橋(か)委員 そうすると、権利変換の最終フィックスというのは、いわゆる事業認可後の権利変換計画の認可というのが多分出てくると思うので、それに向けての権利変換計画が示されたときだと思うんですよね。事業認可であったり、その前の都市計画手続、そのたびごとに、やはり関係権利者間では事業計画の合意を得なければいけないと思うんですけれども、この関係地権者は、施行予定者との事業計画の合意をいつまでに行わなければいけないんでしょうか。

○石井構造改革担当課長 法で定められました権利変換計画への同意手続自体は、2023年度、令和5年度のその事業認可後になりますけれども、都市計画の手続に入る前に、権利変換計画の基となる事業計画等の大枠について合意形成を図ることを想定しております。

○高橋(か)委員 それには、先ほど申し上げた新区役所などの整備に充てる転出補償金の確定とか、当然、区役所整備の総事業費が分からなければ確定しないわけですよね。施行予定者とのタフな交渉、権利調整ができないんじゃないかと思うんですよ。例えば、事業費が膨らんじゃったとなると、いわゆる床の面積とかにも違いが出てくると。そうなると、うちサイドの話だけじゃなくて、向こうのほかの再開発の事業者にしてみると、資金計画が、いわゆるFSが狂ってくるわけですよね。プロジェクト自体の大事な要素というか、中野のそういう総事業費だったりスケジュールにかかってくるんだと思うんですけど、その辺はどうでしょうか。

○石井構造改革担当課長 転出補償金については、施行予定者の公募の段階におきまして、新区役所整備費用や株式会社まちづくり中野21の精算費用に充てるということで、転出補償金の金額を400億円と仮で設定してございました。今後、実際の転出補償金の金額につきましては、新区役所整備課ですとか、あるいは施行予定者と密に連絡を取りながら、この検討を進めていきたいと考えております。

○高橋(か)委員 新区役所整備が予定どおり進むのかという、いわゆるオフィスレイアウトの問題も出てきたりした場合、もっと、ちょっと一部の設計のやり直しとか、そういう話も出てくるだろうし、非常に心配なんですよね。拠点施設整備計画の事業計画に与える影響が本当にないのか、本当に大丈夫なのかというのをもう一回確認しておきますけど、どうですか。

○石井構造改革担当課長 新区役所整備と中野駅新北口駅前エリア再開発事業につきましては、財源の確保や整備スケジュールなど互いに関連しておりまして、さらには、まちづくりにおけるシンボル空間の形成やエリアマネジメントを見据えていかなければならない、このように考えております。これら一連の事業を総合的に捉えて、施行予定者との協議調整を含め連携を図りながら、着実なプロジェクトマネジメントを行っていきたいと考えております。

○高橋(か)委員 ぜひプロセスがきちっと進むように、また節目節目で議会にきちっと報告をいただくように、情報共有をしたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

 時間がなくなってまいりまして、次に、中野駅周辺のにぎわいというんですかね。いわゆるサンプラザが解体しているところからのことについて質問しようと思ったんですけども、ちょっと時間が足りないようなので、その次のアニメ戦略についてを含めて、本会議の場で質疑をしようと思います。アニメを産業として位置付けるべきだという話、その空白期間をきちっとにぎわいをつないでいかなきゃいけないという、その辺の話について、本会議で質問をさせていただきます。

 そこのにぎわい・活性化の中で、旧商工会館跡地の活用についての質問に行きたいと思います。これは私も質問しましたし、当時、いでい議員、また内川現議長からも一般質問で、要は経済活性化に資する拠点として整備すべきという会派の質問をしてまいりました。ちょっと急ぎますが、今定例会で森議員の一般質問においても、サウンディング型市場調査という質疑がございました。この概要、どういう会社が、どんな業種の事業者が伺ったと、どのような内容が提案されたのかというのを簡単に教えていただけますか。

○石井構造改革担当課長 旧商工会館の跡地のサウンディング型市場調査でございますが、7の事業者の参加がございました。業種は不動産業、いわゆるディベロッパーですね――や、建設業者でございました。民間が扱う部分の提案ということですが、住宅用の提案がほとんどでございました。

○高橋(か)委員 ここも中野の一等地でね、にぎわいの拠点になり得るところであって、もともと経済団体がいましたけれども、これはサンプラ・区役所跡地の長い年月をかけて確定していった事業スキームと全く違っていて、中野のいわゆる区有施設の土地の有効活用という側面もあると思うんですよ。そうしたときに、例えば、あそこで住宅を建てればすぐ埋まりますよ。だけど、中野二丁目、三丁目、それから新しいサンプラザシティと言っていいのかはあれだけど、その書いてあるまちづくり。そこに住宅がびっしり張り付いて、何千戸って入ってくるわけですよね。そうしたときに、またここで住宅、しかも、区の権原を失うというんですかね。きちっとした権原を確保した中で有効活用していくというのが、ここの場合は筋だと思うんですけど、その辺、どうお考えなんでしょうか。

○石井構造改革担当課長 今回のこのサウンディングの調査では、事業の手法、これの提案もございました。で、等価交換方式や定期借地権方式の提案がございました。等価交換ですと、賃貸住宅との組合せが比較的多かったですし、定期借地権ですと分譲住宅の組合せということの提案がございました。こうした建物の用途や事業手法とともに、管理運営の方法も聴取をしてございまして、区にとって最善の選択となるようにこれらの結果を見極めて、今後活用方針を検討してまいります。

○高橋(か)委員 とにかく権原を手放さずにきちっと有効活用ができて、しかも、いわゆる産業活性化に資する、あるいは経済団体で経済の顔になるというのがベストだと思うので、ぜひその辺、研究をしていただきたいと思うんですよね。今言った産業振興課を、例えば経済支援であったり、経済活性化という中では、経済団体が入ったり、そこに産業振興課を配置するとか、より現場感覚というものを施策形成に生かしていきたいという考えを持っているんですけど、その辺はいかがでしょうか。

○平田産業振興課長 産業振興課の所在でございます。仮に産業振興課を(仮称)新商工会館に配置した場合でございますが、官民連携したワンストップ機能の一層の強化ですとか、経済団体等の密接な連携を行いやすくなるなど、そのメリットは大きいと考えてございます。

○高橋(か)委員 こうした機能によって、区内あるいは区民の方、また商店街、いわゆる区内の事業者が利活用する中野区の経済支援の司令塔として、地域活性化、にぎわい施策の発信地というふうな形で、中野がきちっと発信できるような形、いわゆる現在産業振興センターにある経済団体もここに戻ってくるということになれば、対外的な中野のポテンシャルがあるこの地域に、対外的なアピールできる中野の経済の、何ですかね、聖地というか顔というか、そういう形になると思うので、ぜひ強力に具体的に推進していただきたいと思います。これは要望にしておきます。

 すみません。じゃあ、サンプラ解体の空白地域やアニメについては、ちょっと先送りをさせていただきます。

 4番目、学校教育における動物飼育についてということで、私もかつて質問いたしましたし、我が会派の高橋ちあき議員も質問をしております。今回の本会議では甲田議員が質問をされております。そこを受けまして、また改めて質問をさせていただきたいと思います。

 東京都の教育長もこの学校飼育について、非常に価値がある重要なことであるというコメントをいただいているのは御承知のとおりだと思っております。今回、甲田議員も質問されました白桜小学校で東京都教育委員会が進めている事業について、動物飼育を通した心の教育について、これはポイントは、いわゆる動物飼育を通して生命の大切さを理解させる、また継続的な動物飼育を行う、また専門的な知見のある獣医師との効果的な連携を行う、これがポイントだと思うんですよね。

 今回、甲田議員の質問の答弁の中で、長期休暇時の世話であったりとか、アレルギー、衛生面での問題を気にして、なかなか各学校で展開していくのが難しいというような話もちょっと触れてあったように思うんですけども。これは獣医師会が動物教育について、フルスペックで今対応している状況であります。学校単位の飼育動物の教育、触れ合い授業に関して、例えば児童がアレルギーを持っている場合、こういう場合に備えて事前にしっかり把握して、対象者へはほったらかさないように別メニューのケアをしっかりと行っているとか、怖がる子どもに対応して独自の対応をするとか、また学校側の要望を受けて、メニューもフレキシビリティを持たせているとか。また、授業として時間枠がない場合でも、飼育状況の確認とか、担当教諭への個別レクチャーを行っております。また、学校飼育に関して細かいメニュー、そのメニューに対応した獣医師の応援体制も構築している。勉強も東京都獣医師会の中で定期的に行っているようですし、何といっても、国家資格取得の過程で獣医師さんというのは公衆衛生の基礎的知識を究めた公衆衛生の専門家として、COVID-19だけじゃなくて、今後危惧される感染症にも大いに知見を活用できるというところがあると思うんですけれども。

 この白桜小の反応は非常によろしいようで、その効果を認めて、今後も継続して動物飼育を進めたい意向であるというふうに現場は感じているようです。この2年間の継続事業で、例えばチャボのみだったのがモルモットを増やすとか、環境整備も進んでいるということですが、この事業は今年度で終了してしまいますけれども、この研究成果をどう生かすのか。

 また、併せて聞いてしまいますけども、命の教育と公衆衛生を教育の場で進めていくということが非常に重要であるということで、1回限りのイベントでは、なかなかその効果、成果は達成できないという話も、先ほど申し上げた継続的な取組が大事というのがあります。ですから、教育部局として、専門的知見のある獣医師会と連携して、都の事業へ来年度も手を挙げて参加するということを促すと同時に、今回の白桜小モデルの成果を区の小学校に普及啓発して、独自の区の事業として来年度進めるべきと考えますが、その辺はいかがでしょうか。

○齊藤指導室長 白桜小学校では20匹ほどのモルモットを用意し、低学年の児童が、五、六人で1頭のモルモットを飼育しております。児童が自分たちのモルモットを決めて継続的に飼育することで、責任感を養うことにつながっており、生命の大切さはもちろん、様々な効果を上げていると認識しております。また、今年度末に白桜小学校は2年間の飼育活動の成果をまとめ、東京都に報告をいたします。白桜小学校の成果につきましては、報告書などを通して区内の全小学校にも還元し、他校でも広く活用できるようにしてまいります。

 小学校動物飼育推進校は東京都教育委員会の事業のため、今後募集があった際は積極的に申し込むよう学校へ働きかけてまいります。動物飼育につきましては、児童・生徒の状況や学校の環境、保護者の理解などを踏まえ、各学校が判断していくものでありますが、学校運営や教育活動など、校長の裁量で執行できる校割予算を令和4年度予算について増額する予定でございますので、活用してもらいたいと考えてございます。

○高橋(か)委員 さっき総括質疑でも校割予算の話で増額という話が出ましたよね。ぜひ、いろいろ入り口は大変だと思うんですよ。やっぱり親御さんにしてみると、アレルギーであったりとかそういうのがあると思うんだけど。でも、やってみると、こういう専門家が関わっていくということになれば、不安とかも溶けていくし、何よりもやっぱり子どもたちの命というものに対する接し方というんですか、それを学ばせるいい機会ですので、ぜひ進めていただきたいと思って。室長がやれと言っても、校長は言うこと聞かないの。なかなか校長会で説明しても、いろいろな雰囲気何となく分かるんだけど、やっぱりそのよさを説明するのにしっかり時間をとって、限られた時間の中でやるんだろうから、何かポジティブな提言としてぜひ取り上げて、報告するのがゴールじゃなくて、展開していくのが大事なので、展開していくような工夫を、専門家の指導室長に僕が申し上げるのは僭越だけども、校長が具体的な校割予算を活用できるように、ぜひ差し向けてやってくださいよ。議会としては、私なんかもしっかりと進めていく。努力があれば何でもやりますので、ぜひお願いいたします。

 それでは、公園整備について、時間が超過しておりますので、ちょっと一、二点だけにさせていただきます。

 四季の森公園について、サウンディングの市場調査をしたという話でありますけども、要は、さっき申し上げたけど、すごくいい公園で、平日もそうだけど、休みなんか特に皆さん集まって、いい雰囲気を醸し出しているじゃないですか。やっぱりその質の維持と、あと、そのにぎわいでもっともっと区が工夫してやっていくというのが非常に大事だと思うんですよ。そのためにサウンディングをやったんだと思うんだけども。そこでちょっと気になる点を申し上げます。民間活力を導入していくという形でサウンディングということだったと思うんですけど、簡単に、何かありますか。ちょっとサウンディングのことで。

○林公園緑地課長 サウンディング型市場調査により、現在の緑を含めた維持管理水準の向上、イベントによる年間を通じた定期的なにぎわいの創出や、民間事業者によるカフェなどの魅力的な公園施設の設置などの提案があったところでございます。こうした提案について検討し、公園の魅力がさらに高まるような管理運営手法について考えているところでございます。

○高橋(か)委員 イベント広場でのにぎわい創出というのも非常に魅力的だし大切だけども、同時にやっぱり区としての負担も軽減していくということが大事。だからサウンディングでいろいろヒアリングしながら、民間の活力を導入していこうということだと思うんですけど、ただ、公園の維持というか、スペックの維持というか、公園の環境維持は絶対条件だと思うわけですよ。例えば民間に、あるいは指定管理に委託して、向こうが営利でやっていって、結果的に公園の緑が荒れていくとかね、そんなことはあっちゃいけないし、ごみとかそういうものが散らばって汚くなれば魅力の低下にもつながるわけだし、やっぱりそういう維持をするところと、にぎわい、あるいは収益を上げていくところというのをきちっとすみ分けて、守らなきゃいけないところについては区が責任を持ってきちっとケアしていくべきだと思うんだけど、その辺はどうですか。

○林公園緑地課長 中野四季の森公園につきましては、公園の樹木だけでなく、区画街路の街路樹や事業者が整備した公開空地の緑などと一体的に四季の都市(まち)の景観を維持していくことが重要だと考えてございます。また、芝生広場を使用させながらの芝生の維持管理だけでなく、樹木の特性を生かした樹形の形成や、景観の全体的な調和を高めていくためには、経験豊富な専門的技術が必要であると考えてございます。委員の御指摘なども踏まえながら、現在の維持管理水準をさらに高めていくような方策について検討してまいりたいと考えているところでございます。

○高橋(か)委員 四季の森の話は終わるんですけど、ちょっと時間がないので先へ進みます。

 1月からは区立公園で禁煙区域を設定しているじゃないですか。そういう形で禁煙の、あるいは逆に喫煙スペースを設けたりしているんだけども、江古田の森公園とかで、たばこを吸っている人のマナーが悪くて、注意したら、えらい住民間のトラブルになったという話があるわけ。やっぱりそういうのというのは、吸う人の権利も確保しなきゃいけないわけだし、お互いが気持ちよく利用していくためには、注意喚起というので、看板、見に行ったらちゃんとあるんだけども、江古田の森公園だけじゃなくて、看板がどれだけあるのというぐらい乱立していて、昔、サイン計画とかやるという話の中で、新しい公園は整備されているんだろうけども、古い公園とかというのは、その都度看板がにょきにょき立っていて、僕なんかも入って、どれを見りゃいいのかみたいな話になっていくわけですよ。だからその辺、今後その看板整備も分かりやすく、きれいに、使いたくなるような、そういうのにしてもらいたいし、そういう住民トラブルにならないような配慮というのをしていただきたいと思うんですけど、その辺はどうでしょうか。

○林公園緑地課長 江古田の森公園の住民間のトラブルについては承知しているところでございます。現在、警告札の掲示を行うだけでなく、公園の巡回警備を行い、指導を行っているところでございます。今後の状況の変化を確認しながら、のぼりを立てるなど、新たな対応策も検討してまいりたいと考えてございます。また、既存公園のサイン表示につきましては、今後、計画的な更新を検討してまいりたいと考えているところでございます。

○高橋(か)委員 ありがとうございました。

 時間を超過いたしましたので、ここで私の質疑を締めたいと思います。

 サンプラザ跡地の解体空白期間でのにぎわい創出と、アニメを産業化して進めていくということについては、ぜひ本会議でやらせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。取材を受けていただいた方、ありがとうございました。以上で私は終わります。

○ひやま委員長 以上で高橋かずちか委員の質疑を終了します。

 次に、日野たかし委員、質疑をどうぞ。

○日野委員 令和3年第3回定例会決算特別委員会に当たり、公明党議員団の立場で総括質疑を行います。質問は通告のとおりで、その他はありません。

 質問の前に、今日9月21日は今年の……(「満月」と呼ぶ者あり)中秋の名月なんですね。ごめんなさい。緊張して出てこなかった。中秋の名月なんですけど、今日はあいにく、夜の予報が曇りになっているので見えないかもしれないんですが、昨日はきれいな月が見えていました。私、勘違いしていたんですが、中秋の名月って必ず満月かと思っていたら、そうではないということなんですね。満月と重なるときもあるけどもということで。以前の満月と中秋の名月が重なったのが8年前だったということで、この8年前の9月には、中野区では、新しい中野区歌が作成されるということが報道で発表された。そういうときだったんです。

 この新しい中野区歌ですね。私も初当選させていただいて覚えたんですが、ほとんど、小・中学校の入学式だったり卒業式だったり、周年行事だったりというところで何度も何度も歌わせていただく中で、自然に覚えたというのがありました。今、学校においては、もう2年近く、子どもたちがそういうみんなで大勢で元気に歌うということができない状況が続いています。今回の質問でも、2番で中野区の教育行政について伺いますけども、今後、一日も早くこの新型コロナが終息して子どもたちが元気に歌える、そういったことを願いながら質問を行わせていただきます。すみません。長くなりました。

 まず初めに、令和2年度決算について伺います。ここでは主に歳入について伺ってまいります。

 令和2年度決算は、当初予算に含まれていなかった新型コロナ対策関連費用による増額が大きな割合を占めました。特に国庫支出金や都支出金では特別定額給付金や子育て世帯等への給付金、新型コロナウイルス感染症対策費など、国費、都費合わせて355億円余の補助金等が増となりました。これまでの質疑の答弁でもあったとおり、令和2年度決算は想定よりも上振れの決算となり、普通会計決算の歳入から、単純にこの新型コロナ対策関連費用の355億円を引いたとしても、前年度の令和元年度よりもプラスとなります。一般財源に絞ってみた場合、中野区の基幹収入である特別区交付金は、前年度と比較して6.4ポイント減の24.5億円のマイナスとなりましたが、同じく基幹収入の特別区税は前年度と比較して3.9ポイント増の13.5億円のプラスとなりました。また地方譲与税や株式等譲渡所得割交付金、地方消費税交付金についても前年度よりプラスとなっており、一般財源の合計で比較しても、前年度よりプラスとなっています。

 そこで、まずは一般財源における新型コロナウイルス感染症の影響について伺ってまいります。一般財源だけ見ても、歳入決算における影響は見えにくくなっています。一方で、令和2年度には、新型コロナウイルス感染症の影響で特別区民税の納税が困難な方に対し、分割納税や猶予が行われておりますが、決算書からではその状況が判別できません。要求資料区民35、新型コロナの影響により減免等となった歳入一覧を作成していただきました。ありがとうございました。この資料によると、令和2年度の分割納税額は3億6,490万9,000円、保留・猶予額は3,912万7,000円、執行停止額は1,830万円となっています。

 順番に伺います。令和2年度の分割納税申請額は、令和元年度と比較してどの程度増減があるのでしょうか。また、分割納税者のうち、新型コロナを理由とした方の割合はどの程度で、その額は幾らでしょうか。併せて伺います。

○竹内税務課長 令和2年度の分割納付の申請額は7億2,458万円でございまして、令和元年度と比較いたしますと、5,820万9,000円増加してございます。そのうち新型コロナウイルスの影響を理由とした方の割合は約35%でございまして、申請額は3億6,490万9,000円でございます。

○日野委員 次に、保留・猶予の額は令和元年度と比較してどの程度増減があるでしょうか。また、保留・猶予のうち、新型コロナを理由とした方の割合はどの程度で、その額は幾らでしょうか。こちらも併せて伺います。

○竹内税務課長 令和2年度の保留・猶予の申請額は7,669万円でございまして、令和元年度と比較しますと、5,580万2,000円増加してございます。そのうち新型コロナウイルスの影響を理由とした方の割合は約39%でございまして、申請額は3,912万7,000円でございます。

○日野委員 次に、執行停止件数となった額は、令和元年度と比較してどの程度増減があるでしょうか。また、執行停止件数のうち、新型コロナを理由とした方の割合はどの程度で、その額は幾らでしょうか。こちらも同様に伺います。

○竹内税務課長 令和2年度の執行停止額は5,538万円でございまして、令和元年度と比較しますと、1,113万6,000円減少してございます。そのうち新型コロナウイルスの影響を理由とした方の割合は約14%でございまして、その額は1,830万円でございます。

○日野委員 ちなみに、ここの執行停止に該当するというのはどういった場合があるんでしょうか。

○竹内税務課長 執行停止に該当する場合といたしましては、例えば、処分する財産がない場合などがございます。

○日野委員 詳細はちょっと分からないですが、この分納件数とか保留・猶予件数が増えているということを考えると、本来、執行停止件数も増えると思うんですけども、ここについては今後検証していく必要があるのではないかというふうには思います。

 続けまして、全体の納税相談件数は令和2年度ではどの程度あったのでしょうか。また、同じく令和元年度と比較してどの程度増減があったのでしょうか、伺います。

○竹内税務課長 令和2年度の全体の納税相談件数は3万9,383件でございまして、令和元年度と比較いたしますと、1万2,370件増加してございます。

○日野委員 これらの件数と額というのが、全てこの新型コロナの影響によるものかどうかというのは分からないところもありますけども、昨年度と比較する限り、相談件数や分納額、保留・猶予額が増えているということは分かりました。決算の特別区民税、歳入額からは判断できないところでしたけども、実際にはやはり区民への影響がこれだけ出ているというふうに思われます。これらの数値を見て、税務課の御担当から見て、納税の影響というのはどのように見られているでしょうか。

○竹内税務課長 令和2年度の特別区民税全体の収入率は96.6%となっており、前年度より0.7ポイント増加している中、納税相談件数も増加しておりまして、分納、保留・猶予、執行停止となった額は、前年度よりも1億287万5,000円も増加してございます。新型コロナウイルスを理由に分納、保留・猶予、執行停止となった金額は、総額で4億2,233万6,000円となったことも鑑みれば、納税において影響は一定程度あったと推測されます。

○日野委員 かなりの影響があったということですね。

 ちょっと一般財源からはそれますけども、この要求資料には国民健康保険料の減額と免除額というのもまとめていただいています。ここからも新型コロナによる影響があったと見られると思います。ちょっとここの詳細は割愛しますが、国民健康保険料には減免と減額以外に、国民健康保険の被保険者が新型コロナウイルス感染症により陽性となった場合の傷病手当金の支給があります。中野区の新型コロナ陽性者は累計で1万人を超えました。この中で国民健康保険加入者がどの程度いたのかというのは分かりませんけども、傷病手当を受けられる対象の方は一定程度いらっしゃったかと思います。この対象者への周知というのはどのように行われたのでしょうか。

○伊藤保険医療課長 区報やホームページで周知を図ってございます。さらに、毎月のレセプトから一定の要件で支給対象となる可能性のあるものを抽出し、世帯主宛に傷病手当金申請の勧奨通知を送付してございます。

○日野委員 それでは、国民健康保険の傷病手当金の対象者はどのくらいいたのでしょうか。

○伊藤保険医療課長 令和2年度につきましては、勧奨通知の対象者として627世帯を把握してございます。

○日野委員 では、そのうち傷病手当金を支給されたのは何人だったでしょうか。

○伊藤保険医療課長 令和2年度は46件の申請があり、約420万円を支給してございます。これは都内自治体でも支給件数4位、支給決定額2位の実績でございます。

○日野委員 実際に申請されなかった方がいたかどうか、正確な対象者がどの程度だったかということは分かりませんけども、実際の対象者627人に対して、給付された方が46人と、1割に満たないというのはちょっと少ないのかなと思っています。ただ、都内では上位のほうにいてということを考えると、しっかり対応された部分もあるかと思うんですが、ただ、やはり影響はどのぐらいあったかというのは、今後しっかり検証していただく必要はあるかと思います。

 では、質疑を一般財源のほうに戻します。現時点において、令和3年度における特別区民税の納税状況はいかがでしょうか。また、令和2年度と比較していかがでしょうか、伺います。

○竹内税務課長 令和3年度の特別区民税全体の収入率につきましては、7月末現在で29.3%となってございます。前年度の令和2年度の同時期と比較いたしまして、0.3ポイントほど上昇してございます。

○日野委員 要求資料区民8、特別区民税における普通徴収と特別徴収の割合の推移を見ると、特別区民税における納税義務者数はここ10年間の平均で、年間5,000人程度のペースで増加しております。1人当たりの納税負担額も微増しているという状況です。特別区税全体としても、この10年間毎年増加し続け、10年間で69億円ほど特別区税が伸びている状況です。

 そうした中、新型コロナの影響を受けた方が一定数いても、増収分が多ければ影響を受けた方というのが見えにくい状況だろうと。先ほど御担当の方もおっしゃっておりましたけども、そういう状況なんだと思います。こうした方々をしっかり把握していくことと、支援の手がしっかり届くように努めることが今後求められていくと思います。ありがとうございます。

 次に、特別区交付金について財政課に伺います。特別区交付金の令和2年度の配分割合は、前年度までの55%から55.1%と0.1ポイント増えたものの、市町村民税法人分の減収により、前年度と比較して24.5億円の減収となりました。ただし、当初予算と比較した場合は7.8億円の減収となります。財政課としては、この減収分をどのように捉えているでしょうか。

○森財政課長 特別区交付金の減収についてでございますが、令和2年度の当初予算の段階から法人住民税の国税化の影響が予想されまして、交付金の減というのは見込んでいたところでございます。さらに当初予算より実際計算値というのは減となっているわけでございまして、御指摘のとおり7.8億円減となっているわけですが、これについては新型コロナウイルス感染症の影響が大きいかなというふうに捉えております。

○日野委員 リーマンショックの際の特別区交付金は、前年度と比較すると約34億円の減でした。この後、緩やかな回復、増加傾向が少しずつ続いていきました。令和3年度以降、リーマンショック時と同様に特別区交付金は、この下がった水準がしばらく続く、また同じように緩やかな回復傾向になっていく、このように考えてよろしいでしょうか。

○森財政課長 特別区交付金につきましては景気の影響を受けやすいことから、経済動向を注視していく必要があるところではございますが、令和3年度につきましては、当初予算額よりも上振れの状況も見込まれているところでございまして、今後については微増傾向で推移するんじゃないかということは捉えているところでございます。

○日野委員 この特別区交付金は、これまでの10年間を見ると、当初予算に対して、大体20億円前後の上振れが出ていました。プラスになっていた。令和3年度予算の特別区交付金は令和2年度決算と比較して約33億円の減としています。令和2年度も減収になると見込んだにもかかわらず、さらに減だったという状況もありました。今後、当面この水準が続いていけば、これまで決算余剰金を財政調整基金だったり、それから義務教育施設整備基金に積み立てていたということも単純にできなくなってくる。そういうことを考えると、より計画的な基金の積立てが必要になると思います。当初予算でもシビアにこの特別区交付金というのを見ていくとなると、これまでのような余剰金が出てこなくなるというふうに考えられますので、しっかりとした計画が必要になってくるのかなというふうに思います。

 続いて、歳出についても少し伺います。歳出の抑制を図らなければならないという中で、令和2年度は9億円ほどの事業の執行統制をかけました。しかしながら、今後持続可能な財政運営を行うには、経常経費についても見直していかなければならないというふうに、これはもう財政白書にも書かれているとおりです。経常経費充当一般財源については、令和2年度は前年度よりやや減少したものの、年々増加傾向にはあります。経常経費充当一般財源について、まず、このうち人件費については、今、科目の見直しというのも行われていまして、令和4年度よりこの歳出縮減を図るということが御報告にもありました。扶助費については、これは社会保障の一環でありまして、区民サービスに直結するものですので、ここの抑制というのはなかなか難しいだろうというふうに思われます。公債費については、令和2年度は、公債費負担比率が前年度より減少したものの、特別区債を新たに167億円発行しました。区債残高は240億円になりましたので、今後もこの公債費負担比率10%以内に収めるということはもとより、適切に基金と起債のバランスを取っていくことが求められると思います。

 最後に、この経常経費の中の物件費についてなんですけども、物件費については、保育園の民営化による委託費の増など、こちらもやはり毎年増加傾向にあります。この物件費については、削減の見直しができる要素というのはあるんでしょうか。

○森財政課長 令和2年度の物件費については207億円でございまして、約72%の149億円が委託料というところでございます。ここ数年の物件費の増というのは委託料の増によるといったところが大きいかなと捉えております。委託料についてですが、施設運営ですとか窓口業務など、固定費化しているものが多くございまして、大きな削減というのはなかなか難しいところであると捉えているところでございますが、構造改革実行プログラムに基づいて、施設管理業務ですとか廃棄物処理業務などの区有施設で共通して発生する経費の比較分析ということにも取り組んでいるところでございまして、少ない経費で効果が上げられるよう、取り組んでいきたいと考えているところでございます。

○日野委員 現状、経常経費について、見直しをしなければならないとはなっていますけども、実際には今すぐなかなかできる見込みというのはないと。人件費の部分だけというのは、現状見えていますけども、それ以外は今後の構造改革でも様々見直しをする必要があるということですね。

 もう一点、不用額についても伺っていきます。令和2年度の歳出における不用額は74.8億円ほどに膨らんでいます。ここには執行統制をかけた9億円のうち、減額補正していない分も含まれていると思います。まず、この減額補正された額は幾らだったでしょうか。

○森財政課長 その9億円のうち、減額補正したものにつきましては約8億円でございます。

○日野委員 この減額補正されていない残り1億円ですね。9億円から8億円を引いて、残り1億円というのがこの執行統制の未執行分となるため、それを74.8億円の不用額から引いて、73.8億円が執行統制以外の不用額となります。この内訳について、執行残であったり未執行だったり契約落差、それぞれの割合というのは、これはお示しいただくことはできるでしょうか。

○森財政課長 今お話しいただいた不用額の詳細の内訳といったところについては、分析というところはできていないところでございます。

○日野委員 執行統制の分、1億円を除いたとしても、この不用額というのは前年より約5億円多くなっています。不用額も年々増加しているんですが、この増加している要因は何であるとお考えでしょうか。

○森財政課長 例年、予算現額に対しまして不用額の割合というので計算しますと、大体4%から5%であります。ですので、予算現額が前年度から増えていくと、それに伴って不用額が増えていくということはある程度想定はできるところでございますが、例えば、令和元年度から2年度に不用額は幾ら、どういう要因で増えたのかといったところの詳細な分析というところまではできていないところでございます。

○日野委員 歳出の抑制をするに当たって、経常経費はなかなか削減が難しいところもあると。であれば、年々増加しているこの不用額についてもしっかり分析を行っていくべきかというふうに思います。その上で、不用額削減の目標値というのも定めるようにしてはいかがでしょうか。

○森財政課長 不用額が生じた要因等を分析しまして予算編成につなげていくということは必要なことであると考えております。ですので、分析の手法については今後検討していきたいと考えております。不用額の目標値につきましては、あらかじめ定めるということはなかなか難しいと考えているところでございますが、不用額の要因分析を行い、さらにエビデンスを基にした需要推計を行って適切な予算規模とすることで、決算時のその見込み差といったものを縮減できるよう取り組んでいきたいと考えております。

○日野委員 まずは、その分析をしっかり行っていただきたいなと思います。財政非常事態宣言を発令して歳出削減をしていくというのであれば、まずはどういったところから削減ができるか。一つひとつ、不用額に限らずですけども、分析を行っていただきたいと思います。以上でこの項の質問を終わります。

 次に、中野区の教育行政について伺います。ここでは大きく2点について伺っていきます。一つは中野区の教育方針について、もう一つは学校のネットワーク環境についてです。

 初めに、中野区の教育方針についての中で、教育大綱について伺っていきます。教育大綱は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改定により、地方公共団体の長に策定が義務付けられたものです。中野区では平成29年3月に教育大綱が策定されました。この教育大綱を定める場合には、総合教育会議で協議することとされております。

 そこで伺います。現区長になってから総合教育会議は何回開催されたでしょうか。

○浅川総務課長 総合教育会議につきまして、酒井区長の就任以来ということでございますと、令和元年6月と同年の10月、合計2回開催しているところでございます。

○日野委員 では、そのうち教育大綱についてどの程度議論が行われたんでしょうか。

○浅川総務課長 令和元年6月には、教育大綱改定の方向性について、また10月には、教育大綱に掲げるべき中野の教育が目指す人物像についてといった事柄を中心に、区長と教育委員とが協議を行ったものでございます。

○日野委員 地教行法の第1条4項の3には、総合教育会議は、地方公共団体の長が招集するとされています。教育大綱の議論について、次の会議はいつを予定されているでしょうか。

○堀越企画課長 総合教育会議におけます教育大綱についての検討予定でございますが、教育委員会及び総合教育会議の主催者であります総務部とも開催時期の検討を含めまして随時調整を行い、会議の開催依頼等を行ってまいりたいと考えております。

○日野委員 過去の質疑の中で、当初、基本構想が令和2年の第2回定例会に議決される予定だったため、教育大綱は令和2年度の前半に策定される予定だったというふうに認識しております。また、基本構想改定後、速やかに教育大綱も改定するという旨を言われておりました。しかしながら、いまだ改定の予定は示されておりません。で、区長は基本構想改定と整合する形で教育大綱の議論も進めていくと言われておりましたが、今後の教育大綱の改定スケジュールと、これから教育大綱を改定するとなれば、改定版が示されるのはいつごろになるのかを伺います。

○堀越企画課長 教育大綱の改定スケジュールと改定版をお示しする時期でございますが、基本構想が改定されたことによりまして、現在教育委員会と検討を進めているところでございます。総合教育会議で教育委員と今後の中野の教育の在り方について議論を深めていく予定でございます。新たな教育大綱の策定時期は、教育ビジョンの改定スケジュールとも調整を行いながら決定してまいりたいと考えております。

○日野委員 まだ具体的なスケジュールというのはお示しできないというところですね。本来であれば、この教育大綱を踏まえて教育ビジョンを改定するという、こういう必要もあるかと思います。中野区教育ビジョンは2005年に策定され、そこからおおむね5年ごとに改定をされてきました。現在の教育ビジョン(第3次)も5年間の取組について示されており、2017年に改定されているので、来年度が本来の更新タイミングとなります。これまでのように教育大綱の改定後に教育ビジョンを改定するとなれば、大幅に遅れてしまいます。教育ビジョンは、教育基本法第17条第2項に基づく、中野区における教育振興基本計画として位置付けられています。現在の中野区教育ビジョンは、平成29年に改定された第3次版です。このときの計画は、国の定めた第2期教育振興基本計画、東京都の東京都教育ビジョン(第3次・一部改定版)、また、区の計画体系の最上位に位置する中野区基本構想や、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)及び中野区教育大綱と整合性のあるものとして策定したとされています。一方で、国の教育振興基本計画は平成30年6月で第3期に改定され、東京都教育ビジョンは平成31年3月に第4次に改定されました。中野区の基本構想や基本計画も改定される中、現在の教育ビジョンは、上位計画と整合性の取れる内容に今なっているのでしょうか。

○濵口子ども・教育政策課長 区の基本構想、基本計画の改定に伴い、教育大綱は改定されると考えておりまして、教育ビジョンにつきましては、教育大綱の趣旨を踏まえて改定する予定でございます。現在の教育ビジョンは、教育理念である「一人ひとりの可能性を伸ばし、未来を切り拓く力を育む」の実現に取り組んでおり、基本構想、基本計画が改定されても、その趣旨が大きく変わるとは考えてございません。一方で、子どもを取り巻く社会状況や教育環境の変化に適切に対応するために、教育ビジョンについては改定の必要があると考えており、改定に当たっては、新たな上位計画と整合性を図りながら進めてまいりたいと考えてございます。

○日野委員 そうですね。今、御担当もおっしゃったとおり、様々な状況が変わりました。この新型コロナになって、新型コロナウイルスが感染症の第1波のときに学校休業になって、自宅学習というのがしばらくの間ありました。学校の行事、イベントなんかも中止になって、運動会なんかも開催方法が変わったりと、様々な影響が出ている状況です。御家庭の方針から、現在でも、極力学校で密を避けるということをするために、家庭学習を続けているという児童・生徒もいるというふうに伺っています。子どもたちがこういう我慢を強いられる中で、こういう中での学校教育を受けているのに、中野区の教育の在り方、それから計画というのが示されないということは問題であるというふうに思います。この間、区からは学校教育について何らかの方針を示されているのでしょうか。

○齊藤指導室長 緊急事態宣言が発令された際や、長期休業明けの教育活動については、区立幼稚園、区立小・中学校に通知を発出することによって教育委員会の方針を示してまいりました。子どもたちが安全・安心を最優先とすることや、学びを止めないという方針と併せて、修学旅行、移動教室などの体験活動、運動会などの学校行事はできる方法を探るという考え方に基づき対応を進めてまいりました。指導室と各学校とで話し合い、新型コロナウイルス感染症防止対策、安全対策を講じながら、様々な工夫を行い、運動会や体験活動などを実施してまいりました。また、ホームページによる情報発信やグーグルクラスルームを活用するなどして、教師と子どもがつながる工夫など、学びを止めないことや、学校と子どもたちがつながることを進めてまいりました。

○日野委員 様々、個別の対応をしていただいたということで、そこは本当にありがたい部分ではあると思います。ただ、子育て先進区として中野区が子どもたちの学習環境を守っていくというには、まだまだメッセージが弱かったのかなと、熱が伝わらなかったのかなというふうにも感じています。子どもたちが中野区で公教育を受ける期間というのは限られています。人生の基盤をつくるこの大事な時期をしっかりつくってあげられるように、今後も努めていただきたいと思います。

 次の話になりまして、今年の4月には教育の情報化推進計画というのが策定されました。この計画は、まず何に基づいて策定されたのでしょうか。

○松原学校教育課長 中野区教育ビジョンの第3次の中で、今後5年間の取組の方向性の教育目標の一つといたしまして、ICTを活用した学習指導の推進があり、この教育ビジョンに基づいて、教育の情報化を推進するための具体的な計画として策定したものでございます。

○日野委員 では、何を目的に策定されたのかを伺います。

○松原学校教育課長 全ての児童・生徒に向けて、多様なニーズに応えることができる学習環境の整備を実現し、教育委員会や学校など学校教育に関わる人材が一丸となって教育の質の向上を目指すことをこの計画の目標としてございます。

○日野委員 学校の現場では、新しい学習指導要領、昨年度小学校、今年度中学校も改訂されまして、またGIGAスクールも早まってですね、学校現場ではどんどんと状況が変わっていく。そういった現在の課題に取り組むために策定されたのだろうなというふうにも思っております。で、その現場の課題、状況に取り組むためにやったというのであれば、この中野区教育ビジョンの改定というのは、教育大綱改定を待つことなく、すぐに改定に向けて取り組むというふうにしたほうがいいんじゃないかと個人的には思うんです。このまま区の方針とか計画を示すことがないままでいいとはとても思えないです。いかがでしょうか。

○濵口子ども・教育政策課長 中野区の教育行政を推進していくためには、区長部局と教育委員会が効果的に連携して取り組んでいく必要があり、教育ビジョンの改定に当たっては、教育大綱の趣旨を踏まえ、変えていきたいと考えてございます。教育委員会といたしましては、教育大綱改定後、直ちに教育ビジョンを改定できるよう、教育大綱の改定前から情報共有準備し、検討を進めていく予定でございます。

○日野委員 教育大綱は、総合教育会議で議論が必要なわけですよね。最初の教育大綱を策定した際には2年ほどかかった。最初の策定なので大分時間がかかったというのはあったと思うんですけども、改定するに当たっても、何回かやっぱり総合教育会議を経て、それから素案、案、策定と、教育大綱はそういうスケジュールで行くと思います。そこからさらに、その後で教育ビジョンを策定するというのは遅いんじゃないかというふうに私は思うんですね。なので、教育大綱を待つことなく、しっかり現場の課題を捉えて先に進めていく必要があるんじゃないかというふうに申し上げました。今もちょっとおっしゃっておりましたけども、今の私の話も踏まえて、教育ビジョンを改定するというふうになれば、最短でどういうスケジュールで改定されるのか、もう一度伺います。

○濵口子ども・教育政策課長 教育ビジョンの改定時期につきましては、教育大綱の改定時期と調整しながら、改定に向けて検討したいと考えてございます。

○日野委員 繰り返しになりますけども、教育ビジョンはなるべく早くにですね、教育大綱を待つことなく改定するというのはやっぱり必要だというふうに私は思います。その改定される間、子どもたちとか学校、保護者に向けても、区としての教育に対する姿勢というのは示していくべきだと思いますけども、そこはいかがですか。

○齊藤指導室長 教育委員会では、中野区の教育大綱や教育ビジョン、学習指導要領などに基づいて、毎年、中野区立学校における学校教育の指導目標を学校に示しております。この指導目標は、その時宜に合った様々な教育課題にも対応できるように、毎年改定を行い、各校に示しております。各校は、これに基づいて教育課程を編成しているところでございます。今後も、教育ビジョンや学習指導要領に基づき、教育を取り巻く状況の変化に対応した方針について、適宜、各校に示してまいります。

○日野委員 先ほども申し上げましたけども、子どもたちがもう中野区の中で公教育を受けられる期間というのは本当に限られていますので、いざというときに区としてちゃんと方針を打ち出せる、ちゃんとメッセージを出していける、そういった区であっていただきたいというふうに思います。

 次に、学校のネットワーク環境について伺います。

 今年の第1回定例会一般質問において、学校のネットワーク環境の質問をしました。学校でのインターネットが複数接続や同時接続などができず、困難な状況である。で、データセンターから外に出るバックボーン回線を改善しなければならないというような答弁がありました。今回の一般質問で、我が会派の久保議員から、ネットワーク環境の改善をどう検討されているかと、こういう質問に対して、学校から直接つなげられるインターネット回線の検討をしている旨の回答がありました。現在はオンライン授業は行っておらず、区立小・中学校の児童・生徒は直接学校に通っていますけども、現在の検討では、どのような用途向けの対応を考えていらっしゃるのでしょうか。

○松原学校教育課長 不登校や新型コロナウイルス感染症の感染不安などのために登校できない児童・生徒などに対する授業の同時配信や、双方向通信による活用といったものが考えられるところでございます。

○日野委員 現在、在宅で、自宅で学習されている児童・生徒向けということで、その在宅で学習されている児童・生徒数というのは現在どの程度いらっしゃるのでしょうか。

○齊藤指導室長 9月当初、新型コロナウイルス感染症予防の観点から登校を控えていた小学生は2.4%、中学生は1.2%であります。

○日野委員 すみません、人数で出せますか。

○齊藤指導室長 人数といたしましては、小学生で、クラスで1名程度でありました。9月当初です。中学生のほうにつきましては、各学年で1名程度ということで報告をもらっております。

○日野委員 そうすると、小学校だけでも、6学年で21校、それぞれさらにクラスってなると、300とか、そんなぐらいになるんですかね。かなりの数になるということですよね。そういった在宅で学習している児童・生徒たちへの支援に向けてということでの検討をされていると。この具体的なスケジュール、それから手法などについて、現状検討されている内容を伺います。

○松原学校教育課長 インターネット回線の増強及び接続方式の変更につきましては、できるだけ早期に対応すべく検討しているところでございます。

○日野委員 まだ現状では具体的にはスケジュールはお示しはできないということで、検討中だということですね。今後は、さらにオンライン等、今、在宅で学習している生徒以外にも対応できるような様々な検討が必要だと思うんですけども、今、各学校で複数でのオンラインによる双方向通信とか、そういった学校側が求めているトラフィックというのはどの程度のものが求められているんでしょうか。また、その求められているトラフィックに対応する環境が整備されるというふうに考えてよろしいですか。

○松原学校教育課長 文部科学省によります学習系ネットワークにおける通信環境最適化パンフレット、こちらを基に、1人1台端末利用の場合で算出いたしますと、1校当たり2ギガbps程度の通信帯域が必要となるということでございます。現在検討している対応によって、必要な量の通信帯域が整備されるものと考えております。

○日野委員 私も、この各校から直接インターネットに接続できる環境というほうが、学校教育におけるICT活用にとっては望ましいものだというふうに考えます。一方で、イニシャルコストとランニングコスト、これがどの程度になるかというのは気になるところなんですが、ランニングコストについては、先日の平山委員の質疑の答弁でお答えいただいております。さらに、このイニシャルコストと含めて、改めてこの現在の費用想定というのを伺います。

○松原学校教育課長 学校から直接インターネットに接続する、この方式に変更する場合のイニシャルコストでございますが、1,200万円程度、それに伴いますランニングコストとしては、年間3,000万円程度を想定してございます。

○日野委員 小・中学校合わせて30校分のネットワークを各校で行うとなると、今御答弁いただいたとおり、かなりコスト、固定費もかかっていきます。これは今後も恒久対応として整備して、この対応で行くというふうに今お考えでしょうか。

○松原学校教育課長 委員御指摘のとおり、恒久的なものだと考えてございます。

○日野委員 この学校のネットワーク環境を改善されるというのは、私も望んでいることでもありましたし、しっかりと学校のICT教育というのが進んでいただきたいというふうには思うんですが、やっぱり今後の固定費の改善についてというのは、これからも課題として手法の変更なども、今後出てきたらそういったところも検討していただきたいなというふうにも思います。

 インターネットに接続するネットワークは、現在この学習系ネットワークだけかと思うんですが、セキュリティの対策というのはこれまでと同様の対応でいいのか、もしくは、何かほかに考慮していることはあるんでしょうか。

○松原学校教育課長 インターネットとの直接接続を検討してございますネットワークは、学習系のものでございます。セキュリティ対策といたしましては、新たにファイアウォールを各校に設けるなど、ネットワークの安全対策を確実に行う予定でございます。

○日野委員 学習系ネットワークの場合は、個人情報等が載ったりすることもなく、授業のアプリとか、そういったもので使うということから、安全性はそこまで厳重にする必要はないということなのかなというふうに思います。当初は統合ネットワーク環境から外に出る回線の回線改修工事を行うというふうに、私の質疑の答弁で伺っていました。学習系ネットワークについては検討していただけるということなんですけども、一方で、この校務系ネットワークについての環境改善というのは現在どのような検討が行われているんでしょうか。こちらは教職員の働き方改革にも直結する話になるかと思います。伺います。

○松原学校教育課長 教育の情報化推進計画において掲げました目標の4番目の主な取組といたしまして、校務系を含めました校内ネットワークの再構築を予定してございます。詳細については今後検討を進めてまいります。

○日野委員 現状では、中野区で教育情報化専門員が1名、ICT支援員が4名、委託されて巡回しております。ほかにヘルプデスクも利用できるようになりましたが、学校現場ではこれらの体制で十分な支援が行き届いているでしょうか。

○松原学校教育課長 こちらのほうにつきましては、今御指摘のとおり巡回をして、教育情報化専門員、それからICT支援員のほうでもってそれぞれ対応しているところでございますけれども、学校から様々要望をお受けしておりますので、必要な工夫をしてまいりたいと考えております。

○日野委員 ありがとうございます。今定例会の補正予算には、ITスキルの高い外部人材を学校教育にも5年間の期間で2名採用するための予算が盛り込まれました。先日の総務委員会では、ITスキル標準レベル3相当以上の人材を確保するというふうに答弁をされておりました。これらの外部人材をどのように活用していくんでしょうか。また、今回は5年間の採用としていますが、それ以降は人が足りている状況なのでしょうか。伺います。

○中谷職員課長 今回、外部人材を活用して採用する予定の任期付職員は、情報システム課や学校教育課におけるマンパワー不足を解消するためのものでございます。情報システム課の情報基盤係や学校教育課の学校経営支援係、教育情報システム担当の職員と一緒に、各種情報システムやネットワークの導入、構築、運用等の実務を行う想定でございます。今後5年間は、特に新庁舎への移転や小・中学校の新築工事が複数ありまして、ネットワークの設計や工事の仕様の検討、施工の管理等業務が発生することから、短期的に特にマンパワー不足になると想定してございます。現状の人員配置や職員のスキルなどを勘案すると、即戦力の外部人材を活用して、期間を限定して一時的なマンパワー不足を解消する必要があるというふうに考えてございます。

○日野委員 それでは、今年度初めに全生徒に1人1台の端末が貸与された際には、小学校の低学年の端末の初期設定を教職員が大変苦労して作業を行ったというふうな話を聞きました。この時点では、既にICT学習支援員が配置されていましたけども、契約の内容的にICT支援員が個々の端末の初期設定を行うことができなかったということだそうです。各学校で今後、全生徒の端末設定作業等、そういったことが必要になった場合には教職員が作業することがないように、ICT支援員の活用範囲を事前に検討し、契約の見直しなど抜かりなく行っていただきたいと思いますが、そこはいかがでしょうか。

○松原学校教育課長 卒業によりまして児童・生徒から回収いたします学習用端末の新入生用としての設定変更作業につきましては、現在の保守契約とは別に新たな作業委託を行うことで、学校現場での負担軽減を検討しているところでございます。

○日野委員 今、これまで質疑してきましたけれども、学校現場が、このコロナ禍にあってかなり大変な状況があります。子育て先進区とおっしゃるのであれば、区の熱意がしっかり伝わるように学校現場、子どもたち、教職員の支援をしていく中で、そういった熱意を、姿勢を示していただきたいというふうに思います。以上でこの項の質問を終わります。

○ひやま委員長 日野委員の質疑の途中ですが、まもなく5時になりますので、今後の運営について協議するため、理事会を開会します。

 委員会を休憩いたします。

午後4時58分休憩

 

午後5時01分開議

○ひやま委員長 委員会を再開します。

 ただいまの理事会を報告します。日野委員の質疑の途中ですが、本日は終了し、次回、日野委員から始めることを確認しました。

 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○ひやま委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ひやま委員長 御異議ありませんので、そのように決定し、本日の総括質疑を終了します。

 次回の委員会は、9月22日(水曜日)午前10時から当委員会室で開会することを口頭をもって通告します。

 以上で本日の決算特別委員会を散会します。

午後5時01分散会