令和3年09月22日中野区議会決算特別委員会の会議録 1.令和3年(2021年)9月22日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。 1.出席委員(40名) 1番 市 川 しんたろう 2番 竹 村 あきひろ 3番 日 野 たかし 4番 渡 辺 たけし 5番 間 ひとみ 6番 河 合 り な 7番 斉 藤 ゆ り 8番 立 石 り お 9番 羽 鳥 だいすけ 10番 欠 員 11番 加 藤 たくま 12番 吉 田 康一郎 13番 木 村 広 一 14番 甲 田 ゆり子 15番 内 野 大三郎 16番 杉 山 司 17番 ひやま 隆 18番 小宮山 たかし 19番 い さ 哲 郎 20番 小 杉 一 男 21番 内 川 和 久 22番 若 林 しげお 23番 高 橋 かずちか 24番 小 林 ぜんいち 25番 白 井 ひでふみ 26番 いながき じゅん子 28番 中 村 延 子 29番 石 坂 わたる 30番 近 藤 さえ子 31番 浦 野 さとみ 32番 大 内 しんご 33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき 35番 平 山 英 明 36番 南 かつひこ 37番 久 保 り か 38番 森 たかゆき 39番 酒 井 たくや 40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行 1.欠席委員(1名) 27番 山 本 たかし 1.出席説明員 中野区長 酒井 直人 副区長 白土 純 副区長 横山 克人 教育長 入野 貴美子 企画部長 高橋 昭彦 構造改革担当部長、構造改革担当課長事務取扱 石井 大輔 企画課長、ユニバーサルデザイン推進担当課長 堀越 恵美子 基本構想担当課長永見 英光 財政課長 森 克久 広聴・広報課長 高村 和哉 情報システム課長白井 亮 総務部長 海老沢 憲一 防災危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝瀬 裕之 総務課長、特別定額給付金担当課長 浅川 靖 職員課長、人材育成担当課長 中谷 博 経理課長 吉沢 健一 防災危機管理課長田邉 敏幸 防災担当課長 吉澤 直樹 新区役所整備課長中村 洋 区民部長 鳥井 文哉 税務課長 竹内 賢三 保険医療課長 伊藤 廣昭 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 青山 敬一郎 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小田 史子 子ども政策担当課長 青木 大 保育園・幼稚園課長 渡邊 健治 保育施設利用調整担当課長、幼児施設整備担当課長 藤嶋 正彦 学校教育課長 松原 弘宜 子育て支援課長 滝浪 亜未 育成活動推進課長細野 修一 子ども特別支援課長 石濱 照子 地域支えあい推進部長 角 秀行 地域包括ケア推進担当部長 藤井 多希子 地域活動推進課長高橋 英昭 地域包括ケア推進課長 小山 真実 介護・高齢者支援課長 葉山 義彦 高齢者支援担当課長 落合 麻理子 鷺宮すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 大場 大輔 健康福祉部長 岩浅 英樹 保健所長、地域医療連携担当課長事務取扱 佐藤 壽志子 福祉推進課長 石崎 公一 障害福祉課長 河村 陽子 生活援護課長 中村 誠 生活保護担当課長只野 孝子 保健企画課長 鈴木 宣広 保健予防課長 関 なおみ 環境部長 朝井 めぐみ 環境課長 波多江 貴代美 ごみゼロ推進課長伊東 知秀 都市基盤部長 奈良 浩二 都市計画課長 安田 道孝 道路課長 井上 雄城 建築課長 小山内 秀樹 住宅課長 池内 明日香 まちづくり推進部長 豊川 士朗 中野駅周辺まちづくり担当部長 松前 友香子 中野駅周辺まちづくり課長、中野駅新北口駅前エリア担当課長 小幡 一隆 中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 石原 千鶴 会計室長 吉村 恒治 1.本会の書記は下記のとおりである。 事務局長 長﨑 武史 事務局次長 小堺 充 議事調査担当係長 鳥居 誠 書 記 立川 衛 書 記 若見 元彦 書 記 鎌形 聡美 書 記 松丸 晃大 書 記 田村 優 書 記 細井 翔太 書 記 有明 健人 書 記 五十嵐 一生 書 記 髙橋 万里 書 記 本多 正篤 書 記 金木 崇太 1.委員長署名 午前10時00分開会 ○ひやま委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。 総括質疑に入る前に、委員会運営について御相談したいことがございますので、委員会を一旦休憩し、理事会を開会したいと思います。 委員会を暫時休憩いたします。 午前10時00分休憩
午前10時07分開議 ○ひやま委員長 委員会を再開します。 9月21日及び先ほどの理事会の報告を行います。 本日の委員会運営についてです。本日の総括質疑の順番は、1番目に日野たかし委員、2番目に浦野さとみ委員、3番目に河合りな委員、4番目に市川しんたろう委員、5番目に木村広一委員の順で5名の総括質疑を行うことを確認しました。 次に、先ほどの理事会においてお手元の正誤表のとおり、建設分科会13番、18番及び21番の要求資料について、理事者より訂正の申出があり、これを了承し、差し替え資料をタブレット型携帯端末等で閲覧できるようにすることを確認いたしました。差し替え資料につきましては、後ほどアップロードされますので御覧ください。 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○ひやま委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○ひやま委員長 御異議ありませんので、そのように運営します。 次に、報道関係者から、当委員会の様子を写真撮影したい旨の許可願がございましたので、御相談のため委員会を暫時休憩いたします。 午前10時08分休憩
午前10時10分開議 ○ひやま委員長 委員会を再開いたします。 報道関係者から写真撮影の許可を求める申出については、これを許可することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○ひやま委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。 報道関係者の方に申し上げます。許可の申出の際にお示ししていただいた目的以外に撮影したものを使用しないこと、また、休憩中の撮影は認められていませんので、休憩になりましたら撮影はやめてください。 それでは、ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。 それでは、質疑に入ります。日野たかし委員、質疑をどうぞ。 ○日野委員 おはようございます。昨日に引き続きまして総括質疑を行わせていただきます。 項目の3番、中野区のデジタル推進について伺います。現在、新庁舎におけるネットワーク環境の検討が行われております。ネットワーク環境構築を必要とする理由としまして、職員が効率的に働ける環境を整備し、業務の生産性が向上することで区民サービスの向上が図られるよう構築する必要があるというふうにされております。これまでの総務委員会や情報政策等調査特別委員会でも検討案について議論されてきましたが、今後の新庁舎での業務に大きく影響する重要なものであること、多額の費用を要するものであることなどから、ここで改めて確認をさせていただきます。 検討されている内容は大きく二つ、一つはユニファイドコミュニケーションを導入し、業務の効率化、働き方改革を図るということ、もう一つは、LGWAN接続系ネットワーク内のPCからインターネット接続の高速化やファイル無害化の高速化を図るために、インターネットデータセンターの機能強化をするということです。インターネットデータセンターの機能強化については、今年の11月から12月にかけてプロポーザルをかけて事業者選定を行うとされております。その後、令和4年4月から10月にかけて構築、12月から運用開始とのスケジュールが示されております。環境構築後のインターネットデータセンターが運用開始となった場合、インターネットへの接続時間、ファイル無害化に要する時間が劇的に変わることになると思います。現状と比較して業務効率を数値化して示していただくことは可能でしょうか。 ○白井情報システム課長 機能強化後のインターネットセンターでは、例えばでございますが、インターネットへの接続時間が現状の約1分かかっている状況から約30秒に、また、ファイルの無害化処理につきましては、およそ7分から2分程度に短縮できると想定してございます。現在の利用実績からの概算ではございますが、インターネットへの接続時間等では年間で5,833時間、ファイル無害化処理におきましては7,708時間程度、処理時間が短縮できると見込んでございます。 ○日野委員 このインターネットデータセンターの機能強化だけでも、かなりの業務効率を図ることができるということですね。 続いて、ユニファイドコミュニケーションの導入について伺います。新規に導入するシステムは、本来であれば費用対効果も含めてじっくり検証する必要があると思っております。さらには、他自治体の検討状況も参考にしながら、利用実績等を見て判断するということが本来は望ましいと考えます。しかしながら、新庁舎建設のスケジュールに影響してくるという理由で、今年中に導入方針を決定しなければならないということをこれまでの委員会で伺いました。スケジュールに間に合うように方針を決める必要があるというのは分かります。その上で、仮にじっくり検証する時間を取るために、例えばネットワーク環境は現状のまま新庁舎に移転して、そこから新たなネットワーク環境に構築し直した場合、費用面はどうかあれですけれども、どの程度影響があるか、その辺いかがでしょうか。 ○白井情報システム課長 ユニファイドコミュニケーションの導入を前提とせずに新庁舎のネットワーク設計を行いますと、ユニファイドコミュニケーションにおきまして電話機能等の統合を検討していますことから、一度現庁舎と同程度の電話機の導入や電話配線からネットワーク配線への入替え、機器の設定変更等が発生するなど、様々な箇所で二重の経費が発生することになると考えてございます。 ○日野委員 ということで、やはり今年中に方針は決めなければならないということですね。 全庁に関わるシステムを導入して、今回のように働き方改革につながる業務改善を行うような場合、二つの大事な視点があるというふうに私は考えております。一つは、そもそもこれまでの業務を効率的に行えていたのかどうか。それから、以前委員会でも言いましたけれども、現状の業務フローのようなものが存在しているのかどうか。人によって手法が異なっていて、これまで効率的な考え方ができていたかどうか。こういったことを検証する必要があるかと思っております。ユニファイドコミュニケーションの導入によって、利便性は確実に上がるとは思います。しかしながら、これまでの業務が見直せていなければ、根本的な業務改善とはならないかと思います。そのために、まずは現状の業務を業務フロー等で確認、見直ししてはいかがでしょうか。業務の見直しをした上で業務効率化のツールを導入することにより、導入効果が見やすくなると考えます。いかがでしょうか。 ○中村新区役所整備課長 新区役所整備を契機とした職員の働き方、業務改善については、新庁舎でのフロアごとの運用を検討するプロジェクトチーム(PT)や職員の働き方を検討するPTを設置し、現状の業務フローの見直しも含めた検討を進めているところでございます。ただいまユニファイドコミュニケーションの導入方法については検討してございまして、場所にとらわれない柔軟な働き方の実現や、様々なコミュニケーションツールを用いた情報共有の最適化などを図ることとしてございまして、さらなる利活用についても今後検討を進めてまいります。 ○日野委員 こういったタイミングで、しっかりと業務の見直しというのを行っていく必要があると思います。 二つ目の視点として、ユニファイドコミュニケーションを導入して業務効率を図るということが、庁内全体で同じ方向を向いているかどうか。せっかく費用と時間をかけてシステムを構築、導入しても、使用するメリットを感じていないとか、現在の業務にそぐわない等の理由で、庁内全体が同じ方向に向いていないことがあれば、業務改善のシステム自体がマイナスになってしまう可能性もあるかと考えられます。この点も踏まえて、新庁舎におけるネットワーク環境の検討については、情報システム課が主体で進めているものですけれども、新区役所整備担当としてはどのような役割を担っているんでしょうか。 ○中村新区役所整備課長 現在、新区役所整備課では、各プロジェクトチーム(PT)で検討した内容を取りまとめるなど、新庁舎における職員の働き方を検討し、情報システム課が検討を行っているユニファイドコミュニケーションの仕様に検討結果を反映できるよう、連携を取って進めてございます。 ○日野委員 それから、構造改革実行プログラムは、今定例会で「案」が取れたものが出てくる予定になっておりますけれども、今年度から3年間集中的に取り組むとされております。地域情報化推進計画素案にも、構造改革実行プログラムとして取組を集中的に進めますというふうに記載をされております。新庁舎におけるネットワーク環境の検討を進めるに当たり、現状の庁内全体の方向が同じ方向を向いているかどうか、構造改革担当としては現状どのように見ておられるでしょうか。 ○石井構造改革担当課長 構造改革におけます戦略の一つとして、デジタルシフトによる区民サービスの向上と効率的な行政運営を位置付けております。区民生活や経済活動におけるデジタル化の潮流をつかみながら、政策形成やサービス展開を図っていく考えでございます。新庁舎に向けたネットワーク環境の整備は、全庁的に取り組むべき課題として共有されていると認識してございます。 ○日野委員 構造改革実行プログラムでは、基本計画や個別計画を下支えするとしております。改めて伺いますが、下支えというのはどういうことを言うのでしょうか。 ○石井構造改革担当課長 基本計画や個別計画を推進するに当たりまして、ヒト・モノ・カネなどの経営資源が必要でございます。構造改革における選択と集中、効率化、合理化によって経営資源を確保することが下支えになると考えております。あわせて、職員の意識改革も必要でございまして、人材育成や組織の再編にも取り組んでいく考えでございます。 ○日野委員 それでは、構造改革担当として、このユニファイドコミュニケーション導入など、新庁舎のデジタル推進についてはどのような下支えをするというおつもりなのでしょうか。 ○石井構造改革担当課長 デジタルシフトの推進におきまして、ユニファイドコミュニケーションソフトの導入は必須のものと認識しております。一方、イニシャルコストやランニングコストの負担増が見込まれておりまして、業務の効率化や区民サービスの向上にどのように貢献するか、これを見定めていく必要があると考えております。導入時において適切に判断ができるよう、構造改革の視点から分析をしていきたいと考えています。 ○日野委員 デジタル推進というのが、今後の自治体においてかなり重要な役割を担うことになっていくと思います。まさに中野区においては、この新庁舎建設にも向けましてこのデジタル推進というのがかなり重要な役割を担うと思っているんですね。まさに今このスタートをするというところで、この構造改革実行プログラムの戦略1に、デジタルシフトによる区民サービスの向上と効率的な行政運営とあります。今まさにこの改革を行おうとしているところです。また、構造改革の八つの視点のうちの一つに事業手法の選択とあり、事業に係る運営コストの最適化を図る、組織横断的な管理業務や情報システムなどについて統合することで、管理コストや余剰物品を縮減するというふうにされております。御担当も今答弁していただいたとおり、しっかりその役割というのを担っていただきたいと思っております。 地域情報化推進計画素案の目標と取組には、七つの具体的な取組が挙げられています。その中で、コロナ禍である今現在、特に必要に迫られているのが、オンラインを活用した申請手続や相談支援などであると感じます。今年の1月からすこやか福祉センター等でのオンライン相談を開始しましたが、実績がなく、7月に行われた厚生委員会で見直しが示されました。今年度になってからの利用状況について、まずは伺います。それから、かんがるー面接のオンライン化も始まったとのことですが、オンライン面談を利用するには事前に書類が整っていなければならないということを聞きました。現状は希望する方がオンライン面談を受けられているようになっているのでしょうか、併せて伺います。 ○大場鷺宮すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 本年6月までの利用実績はございませんでしたが、本年7月以降、継続して相談される方への周知や各種事業での案内を強化するなどの改善に努めたところでございます。また、本年7月以降の感染状況などの影響もあり、本年9月15日現在、かんがるー面接で9件、子育て専門相談などの相談で5件の、計14件の利用がございました。オンラインでかんがるー面接を実施する場合に必要な書類につきましては、事前の来所による受渡しや郵送など、対象者の状況を踏まえ対応しているところでございます。 ○日野委員 少しずつ実績が出てきたりということで、今後、より充実したサービスを伸ばしていただきたいと思います。書類についても、今後はデータ化するなど、より区民目線でユーザビリティーを充実していただきたいと思いますけれども、こちらはいかがでしょうか。 ○大場鷺宮すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 面接で使用する書類につきましては、事前の来所や郵送などで対応しておりますが、今後ホームページにおいて事前にダウンロードできるようにするなど、区民サービスの向上のため工夫をしていきたいと考えております。 ○日野委員 ありがとうございます。 それでは、介護サービスのICT化についても伺います。介護サービスでは、昨年度から研修や会議などをオンラインで実施しているというふうに伺いました。まずは、現在の実施状況について教えてください。 ○落合高齢者支援担当課長 介護サービス事業所研修については、昨年度2月以降はオンラインで実施しており、令和3年度は全てオンラインで実施する予定となっております。また、地域包括支援センターとケアマネジャー等が参加するケアプラン質の向上検討会についても、今年度から会場とオンラインを併用して実施し、オンラインで傍聴することができるようにしているところでございます。 ○日野委員 今後もさらに皆さんが活用しやすい在り方というのを工夫していただきたいというふうに思います。 それから、介護サービス事業所連絡会から区に指定権限のある地域密着型の小規模デイサービスやグループホーム、小規模多機能型居宅介護施設において、訪問看護ステーションからオンラインで確認できるよう検討していただきたいという旨の要望がありました。もしこうしたことが可能になれば、看護師の負担軽減にもなるかと考えます。厚生労働省が示す基準には、事業所に置く従業者として看護師の配置が定められております。この基準に示された「置く」という意味は、施設に常駐しないといけないと捉えるべきか、オンライン等でも対応可能と解釈できるのか、区としてのお考えを伺います。 ○葉山介護・高齢者支援課長 地域密着型サービスの各事業ごとの人員配置につきましては、条例を定める際に区が従うべき基準として国が定めております。小規模多機能型居宅介護では、看護師は事業所の従業者でなければなりませんが、常勤の必要はございません。認知症対応型共同生活介護、グループホームにおける加算時や、地域密着型通所介護、デイサービスでは、病院や訪問看護ステーションとの連携により看護師を確保することも認められておりますが、利用者の健康状態の確認について国からオンライン活用の見解が示されていないため、区では対面で行うものと考えております。 ○日野委員 今後、国の方向性、さらに利用者目線と看護師の負担軽減というのを踏まえながら検討していただきたいなと。よく見ていただきたいなというふうに思います。 また、介護サービス事業所の指定申請、方針変更、加算等に係る届出については、今年度より押印の廃止やメールでの電子申請が行えるようになったと聞いています。今年度の電子申請の状況について伺います。 ○葉山介護・高齢者支援課長 介護サービス事業所の指定変更等の届出につきましては、区のホームページや問合せの際にメールまたは郵送での提出を御案内しております。今年度8月までの届出は約1,000件ございました。そのうちメール提出が49%という状況でございます。 ○日野委員 今御答弁いただいたように、電子申請は徐々に進んでいる状況だと思いますけれども、居宅サービス計画作成依頼届出書については、いまだに郵送か、直接窓口に提出するようになっています。これについては電子申請にできない理由があるんでしょうか。 ○葉山介護・高齢者支援課長 居宅サービス計画作成依頼届出書は、介護保険制度上、ケアマネジャーにケアプランの作成を依頼したことを要介護被保険者が区に届け出るものでございます。被保険者証の添付を必要としてございます。電子申請の導入に当たりましては、申請者の本人確認や添付書類などの扱いについて課題があると考えてございます。 ○日野委員 という添付書類等の課題があるということですね。こうした庁内全体でオンライン化できないというのがどの程度あるのか。また、それらをどう解決していくか。こういったことをどこかが把握して取りまとめるというところはあるんでしょうか。 ○石井構造改革担当課長 縦割りの組織に横串を刺すということ、これ自体が構造改革担当の役割と認識してございます。庁内全体のデジタルシフトを進めるに当たりまして、各部と密に連携をしながら課題を把握し、次のフェーズへの展開へと導いていきたいと考えております。 ○日野委員 まさに今、デジタルシフトをしていく一番最初というフェーズだと思いますので、しっかりと今おっしゃったように横串を入れていただいて、推進していただきたいというふうに思います。 続きまして、テレワークについて伺います。現在、J-LISが提供する自治体テレワークシステムを予定し、検討されているというところです。既に情報システム課のほうでは実際に試行中とのことで、操作性や実際の活用についてある程度手応えをつかんでいる状況かと思います。ここでは今後の検討内容について3点だけ伺います。 1点目は、テレワークの運用ルールについてです。テレワークといっても、自宅で業務を行う在宅勤務や自宅外の民間施設や公共施設で業務を行うサテライトオフィス勤務、それから、外出先や移動中に業務を行うモバイルワークというように、使うPCやモバイルルーターは同じでも、勤務方法は幾つか考えられると思います。現時点でテレワークの勤務形態についてはどのように検討されていますでしょうか。 ○中谷職員課長 現在、暫定的に実施している在宅勤務の制度では、自宅での勤務に限定した運用としているところでございます。テレワークの本格実施に当たりましては、自宅に限定せず、事前の届出によりサテライトオフィスのような自宅以外の場所においても勤務できるような制度にしていきたいと考えてございます。また、出張先や移動中のモバイルワークにつきましては、情報セキュリティー対策を十分講じた上で、テレワークシステムを有効に活用できるようにしていきたいと考えてございます。 ○日野委員 今後の本格運用に向けて、そういったルールづくりをまたしっかりと進めていただきたいと思います。 2点目は、テレワーク用に持ち出すPCとモバイルルーターのセキュリティーについてです。PCのセキュリティー対策はもちろん必要ですけれども、持ち出しをするということになると、ノートPCと、それからモバイルルーター、どちらも紛失する可能性を考慮した対応が必要かと思います。どのような検討がされているでしょうか。 ○白井情報システム課長 テレワーク用端末につきましては、遠隔管理ソフトを導入することで、持ち出し用端末の一括管理を行っていく想定でございます。不要なアプリケーション等のダウンロードを禁止することや、当該パソコンを紛失した際には遠隔管理ソフトを用いて端末内の情報を第三者に見られないよう、暗号化や消去を行い、不正利用を防止することを考えてございます。モバイルルーターを利用したネットワーク接続に当たりましては、ID及びパスワードを必要としてございます。また、紛失した場合は直ちに通信事業者に連絡をしまして、ネットワーク接続を停止するという運用を想定してございます。 ○日野委員 既にこう検討されているということですが、しっかりとセキュリティー対策を行っていただきたいと思います。 3点目としまして、災害時のテレワークの活用について伺います。現在はコロナ禍をきっかけにテレワーク活用について検討が行われてきましたが、今後、様々な自然災害を想定したテレワークの活用についても検討されてはいかがでしょうか。 ○白井情報システム課長 様々な自然災害時におきましても、テレワークシステムの活用は可能だと考えてございます。例えばでございますが、被災後、交通機関が正常に戻るまでの間、職員が自宅や避難先などで業務を行う、または、被災した施設が復旧するまでの間に他の施設等において業務を継続するといった運用を検討してまいりたいです。 ○日野委員 それと、これまでの質疑の中でも、コロナ禍に対応するためのBCPの改訂の必要性も言われてきました。テレワークが導入された際には、災害時に事業継続をするためのテレワーク活用についても定めるべきと考えますが、こちらはいかがでしょうか。 ○田邉防災危機管理課長 災害時のテレワークシステムのBCPに関してお答え申し上げます。災害時等における優先業務の事業継続を確実に行っていくためにも、テレワークシステムの活用を今後検討していきたいと思っております。 ○日野委員 ぜひともよろしくお願いいたします。ちょっと時間がないので急ぎます。 この項の最後に、マイナンバーのぴったりサービスについて伺います。中野区では、現在、児童手当に係る申請手続のうち、5種類のみぴったりサービスからの電子申請が行えるようになっています。国では現在、既にプリセット済みの手続を含め、令和3年度中に35種類の手続がプリセットされる予定になっております。これまでぴったりサービスで申請された申請データは、LGWAN接続端末からデータをダウンロードして、それを紙に印刷してからそれを人が読み取って区の基幹システムに打ち込む、こういうやり方となっていました。なので、特別定額給付金の際にもこういう運用をしたので、かなり人手を必要としました。令和3年5月からは、マイナポータルに自治体向け申請データダウンロード機能の実装等、LGWANとの接続が可能となり、ぴったりサービスから申請されたデータが直接自治体の基幹システムに連携することが可能となっています。中野区地域情報化推進計画素案においても電子手続の拡充を進めるとしておりますが、現在マイナポータルとの連携システムについて検討している内容があればお聞かせください。 ○白井情報システム課長 令和4年度中にマイナポータルから各業務システムまで電子申請書データの自動連携を可能とするシステムの導入を行うことについて、現在検討を行っております。現時点で詳細の仕様が国から示されていない状況ではございますが、導入スケジュールにつきましては、令和4年度に構築を開始し、令和5年1月以降段階的に運用を開始することを想定してございます。 ○日野委員 このシステム構築においては補助金が出るとのことですが、補助金の内容について伺います。 ○白井情報システム課長 国の補助金でございます。デジタル基盤改革支援補助金の対象となってございます。補助率は2分の1、補助基準額の上限は、概算でございますが5,000万円余となってございます。補助に当たっての条件としましては、令和5年4月までにぴったりサービスで既に対応しております5手続も含めまして、国の指定する子育て関連の13手続、介護関連の11手続、合計24手続のオンライン接続を完了していることが必要となってまいります。 ○日野委員 デジタル基盤改革支援補助金の補助金要綱では、特にこの国民の利便性向上に資する手続のうち、今御答弁いただいた24以上のサービス拡充が条件になっているということですね。そもそも行政手続のオンライン化の推進を行うには、ユニファイドコミュニケーション導入の箇所でも述べたように、庁内全体が同じ方向を向いて取り組んでいくということが何より重要なことと考えます。各部署の方向性の違いなどを調整していくことが必要と考えます。オンラインによる行政手続を拡充していくことは、中野区のデジタル推進を進める上で欠かせない取組です。御担当としてサービス拡充の調整についてはどのように取り組まれるおつもりでしょうか。 ○白井情報システム課長 ぴったりサービスにおけます手続の拡充等におきましては、まず現在対応していない19手続について、令和5年4月までに該当の全手続を開始できるよう、全庁的に調整を図りながらサービスの拡充に取り組んでまいりたいと考えてございます。 ○日野委員 先ほども何度も申し上げたとおり、このデジタル推進というのは全庁的な取組が重要です。構造改革としての役割も大きく、先ほど御答弁いただいておりますけれども、最後にCIOとしてデジタル推進の意思をしっかりと示していただくことが必要と思います。最後にいかがでしょうか。 ○白土副区長 新区役所整備を契機といたしまして短期集中的にDXを推進していくためには、組織の強化や全庁的、横断的な推進体制の構築が必要であるというふうに考えております。また、スピード感を持ってデジタル推進に取り組んでいくためには、全庁的な基本方針や全体のスケジュールを定めまして、ゴールから逆算して進捗や成果の管理をしていくことが必要であるというふうに考えてございます。CIOといたしまして、これらに先頭を切って取り組んでいく決意でございます。 ○日野委員 ぜひともよろしくお願いします。国でもデジタル庁が創設されまして、ますます自治体のデジタル推進というのが、区民サービスの充実ですとか、それから、働き方改革にもつながっていくことにもなっていきますので、しっかりとこれからの着実な推進を期待して、この項の質問を終わります。 最後に、災害対策について伺います。ここでは大きく2点伺います。一つは在宅避難について、もう一つは避難所の密を避けるための対策についてです。 一つ目の在宅避難については、令和2年の第4回定例会での一般質問、それから、令和3年の第1回定例会の一般質問でも取り上げてきました。災害発生時に避難する場所として最も多い避難が在宅避難と考えられます。現在では、自治体で在宅避難の備えや在宅避難ガイドブックなどを作成しているところも多くあります。中野区では、今年度、地域防災計画(第42次修正)が出されましたが、この中で在宅避難について触れられているのはごく僅かです。そこで、初めに、区の在宅避難に対する認識について伺います。 ○田邉防災危機管理課長 在宅避難の考え方についてお答えいたします。避難とは難を避けることで、自宅で大丈夫であれば自宅にいていただくことになり、少しでも不安なことがあれば避難所や安全な親戚、知人宅に避難していただくこととなると思います。新型コロナウイルス感染拡大の中で、避難所として自宅避難は大変重要な意味を持つと考えております。 ○日野委員 これは、新型コロナに限らず、やっぱり在宅避難の考え方というのをしっかりと示していく必要があると思って、ここで質問として出させていただいております。今年の第1回定例会の一般質問で、在宅避難への備えやどんな支援物資をどこで受け取れるかというような内容を防災ハンドブック等にまとめて掲載するようにしてはどうかと質問しました。そのときの答弁は、「今後は中野区民防災ハンドブックをはじめ、中野区ハザードマップやホームページ等を通じて、自宅で備えていただく備蓄品などと併せて掲載するなど、区民に分かりやすい周知方法を検討してまいります」とのことでした。それぞれについて現在の検討状況を伺います。 ○田邉防災危機管理課長 在宅避難者に対する支援物資の配布場所や受け取り方法は、中野区地域防災計画や避難所運営管理マニュアルに記載しているものの、中野区民防災ハンドブックには記載がなく、広く区民が目にする媒体での周知が必要であると認識しております。また、中野区民防災ハンドブックや中野区ハザードマップについては、次回改定時に併せて明記していきたいと思っております。また、ホームページについては、課内でPTを立ち上げ、適宜見直しを行い、改善していくところでございます。 ○日野委員 次の質問でこのホームページのことも伺うんですけれども、他自治体を見ると、この在宅避難をメインとしたページが幾つもあります。当区のホームページにも在宅避難の記載はあるんですけど、「新型コロナウイルス感染症の流行中における災害時の避難行動について」の中に一部記載があるのみです。在宅避難に特化したページがあってもいいかと思いますが、こちらはいかがでしょうか。 ○田邉防災危機管理課長 在宅避難に必要な、備えていただく内容や耐震等についてはホームページに記載しているものの、在宅避難に特化したページは現在作成しておりません。今後は、中野区民防災ハンドブックをはじめホームページにも自宅で備えていただく備蓄品など、あわせて区民に分かりやすいページの作成に心がけていきたいと思います。 ○日野委員 この質問項目の冒頭で述べたとおり、地域防災計画には、現在、在宅避難についてほとんど触れられていません。在宅避難についての項目も設けるべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○田邉防災危機管理課長 今回の中野区地域防災計画(第42次修正)における在宅避難に関する記載については、必要な箇所を限定し修正したところでございます。次回の中野区地域防災計画の修正時には、そのときの国や自治体の避難の考え方を踏まえながら、在宅避難の項目設定や記載内容について検討してまいりたいと考えております。 ○日野委員 よろしくお願いします。 コロナ禍において、陽性となった方や濃厚接触の方が在宅療養、自宅待機を余儀なくされる状況がありました。区は自宅療養者のうち支援を受けられない人に対して、区独自の自宅療養セットを宅配する支援を行っていました。令和2年第4回定例会一般質問でも取り上げましたけれども、政府の防災対策に関する基本的な計画である防災基本計画には、「やむを得ず指定避難所に滞在することができない被災者に対しても、食料等必要な物資の配布、保健師等による巡回健康相談の実施等保健医療サービスの提供、正確な情報の伝達等により生活環境の確保が図られるように努めることとする」とされていることを取り上げまして、避難行動要支援者が在宅避難されている場合の支援の検討についても質問しました。その際の答弁では、「今後、在宅避難する避難行動要支援者への支援についても検討の必要があると考えてございます」との答弁でした。その後、この検討は行われたんでしょうか。 ○田邉防災危機管理課長 在宅避難をする避難行動要支援者への支援内容については、次回の中野区地域防災計画の修正時に中野区地域防災計画の第4章、避難所等対応の要支援者の支援の項目で記載する考えでございます。また、具体的な内容につきましては、今後、国、他地方公共団体の避難の考え方を踏まえながら、引き続き検討、改善していきたいと考えております。 ○日野委員 それで、特にこのコロナ禍では自宅療養セットの配布ができたということを考えると、被災時に在宅避難をしている避難行動要支援者へも同様な支援が行えると考えますけれども、こちらはいかがでしょうか。 ○田邉防災危機管理課長 在宅避難に必要な備蓄物資等についてはホームページに記載しており、在宅避難している被災者への物資等の配布は、現在のところ避難所で実施する計画となっております。在宅避難している避難行動要支援者への物資等の配布についても避難所で配布することとなっておりますが、何かしらの理由で避難所に来られない場合の物資等の配布手段やその他の様々な支援の方法については、今後検討してまいりたいと考えております。 ○日野委員 ぜひそこは、必ず必要になってくると思いますので、検討をよろしくお願いします。 最後の質問になります。このコロナ禍で避難所の混雑を避けるための取組について伺います。港区では、令和2年9月より避難所開設状況システムを導入しました。これは、災害発生時に避難所が開設された際、区のホームページ上で避難所の開設状況や混雑具合を見ることができるというものです。ほかにも幾つかの自治体で避難所の混雑を避けるための開設状況をお知らせするシステムを導入しております。例えば山形県南陽市では、市が自前で作成した避難所状況ウェブアプリを希望する自治体に無償で提供しているというのもあります。当区においてもこういった避難所での混雑を避けるために、アプリの導入などを検討してはいかがでしょうか。 ○田邉防災危機管理課長 そういった情報は私どももいただいておりまして、避難所アプリの導入につきましては、他自治体の導入事例を参考に今後調査研究してまいりたいと考えております。 ○日野委員 ぜひそういった、こういう非常事態というか、こういう災害を経験して、そういったものをしっかりと生かせるようにしていただきたいなというふうに思います。 以上でこの項の質問を終わります。 今回、2日間にわたって質疑をさせていただきました。今日はデジタル推進と災害対策について、昨日は令和2年度決算について、それから、中野区の教育行政について伺いました。特に中野区の教育行政については、こういった新型コロナになって、さらにその前から現在の教育ビジョンというものが、まず英語教育の必修化の前であるし、プログラミング教育も入っていなかった。そして、今回新型コロナになってGIGAスクールも前倒しになって、新しい学習指導要領が改訂されて、それから、来年度には東京都で小学3年生からの35人学級が始まる。もうがらっと状況が変わって、在宅学習の子も増えて、こういった中で今のままの教育ビジョンのままでいいはずがないと思っております。私、この質疑でも繰り返しましたけれども、1日も早くこの教育ビジョンが改訂されて、学校の環境の場というものが変わっていく必要があると思っておりますので、しっかりとその辺を受け止めていただきたいなというふうに思います。 すみません、超過しましたけど、以上で私の全ての質問を終わります。 ○ひやま委員長 以上で日野たかし委員の質疑を終了します。 次に、浦野さとみ委員、質疑をどうぞ。 ○浦野委員 2021年第3回定例会決算特別委員会におきまして、日本共産党議員団の立場で総括質疑を行います。午前の残り時間との関係で、大きな1番と2番を入れ替えて、初めに2番の生活保護行政の改善についてから伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。 [1]それでは、2番、生活保護行政の改善について、まずお伺いをいたします。 初めに、(1)制度の周知について伺います。生活援護課で受けた生活相談の件数と生活保護の受理の状況についてまず伺いたいと思います。2019年と2020年、そして、今年度4月から8月までの5か月間の状況についてまずお伺いいたします。 ○中村生活援護課長 生活相談の件数でございますけれども、令和2年度の生活相談件数は4,350件でございました。令和元年度は3,625件でございまして、件数としては725件、割合では20%増加いたしました。令和3年度の状況でございますけれども、4月から8月までに1,642件の相談がございました。 ○浦野委員 生活保護の受理件数についてもお伺いいたします。 ○中村生活援護課長 生活保護の受理件数のほうでございますけれども、令和2年度(2020年度)は918件でございました。令和元年度(2019年度)は765件でございまして、件数としては153件、こちらも割合では20%増加したものでございます。令和3年度の状況ですけれども、4月から8月までで128件の申請がございました。 ○浦野委員 今の数字をお尋ねすると、コロナ前の2019年に比べて相談の件数と生活保護の受理件数が、それぞれ2020年度は約20%増加していて、今年度に入っては同月期で見ると減っているという状況だと思います。総務省の労働力調査では、完全失業率が2020年で2.8%、これは2019年度と比較して0.4%増加しています。今年5月には3%となっておりまして、最新のものが8月末に公表されましたが、4月から7月を見ても2.8から大体3%で推移しています。そのため、新型コロナの影響で雇用情勢の悪化が長期化しているということが見てとれると思います。同時に、有効求人倍率を見ても、コロナ前である2019年は1.61という数字でしたけど、今年度は1.09と。これは2020年よりも低い数字になっていますから、2020年に比べても2021年度は改善しているわけではないということが分かると思います。そうなると、やっぱりこの制度の周知を行政としてどうしていくのかということがすごく大事になってくると思います。今年度その相談や生活保護の件数があまり増えていないという状況の背景には、今いろんな貸付けで何とか生活をつなぎ止めている方も多いと想定されます。私も日々いろんな生活相談が寄せられる中で、条件としては生活保護の利用が可能であっても、生活保護だけは絶対に嫌という方や、生活保護を受けたらもう人間として終わりなどと自ら口にされる方も少なくありません。本来はそうではないはずです。こういう状況もある中で、やっぱり行政としての姿勢、どういうメッセージを区民に届けるのか、届けようとするのかということがとても大事だと思います。 そこで伺いたいと思いますが、7月、8月と、鷺宮及び東部地域で行われたフードパントリー、これは、主催は社会福祉協議会さんや地区の町会さんなどが中心となって行われましたが、ここでの生活相談コーナーに中村課長が、中野区が公務として参加したということは、私、非常に大事だと思っています。区の職員として、お困り事はありませんか、こういう制度がありますと、当日支援団体の皆さんとも一緒に、生活保護のしおりなども用意されて制度の紹介をされたとも伺いました。官民連携でこうした取組は初めてだったと思いますが、参加された課長さん、どういう感想を持たれたのか伺いたいと思います。 ○中村生活援護課長 フードパントリーの会場で、ほかの支援情報のチラシとともに生活保護の手引の配布をさせていただき、生活についてお困りの方に対して生活援護課職員と民間の支援団体の方が相談コーナーで相談に応じ、主に生活相談などの支援について御案内を行いました。7月の鷺宮、8月の東部とも、実際に数名の方から御相談がございました。こちらから出ていって生活にお困りの方に情報を届けるということができる機会でございまして、参加した意義があったと考えてございます。 ○浦野委員 今、参加した意義があったと課長自ら御答弁いただきました。この取組、行政として非常に大事だと思いますので、ぜひ継続した関わりを持っていただきたいと思います。 先ほども述べたように、そうはいってもやっぱり生活保護制度自体への様々な偏見や誤解、差別があります。その背景には、政治家などの生活保護のバッシングの影響、これも甚大なものになっています。また、新自由主義の下での自己責任論が蔓延していることも、申請をためらわせている大きな要因にもなっていると思います。今日は詳しく触れませんが、扶養照会の問題もその一つだと思っています。こうしたものの積み重ねが、本来支援が必要な方を追い詰めてしまったり、制度の利用から遠ざけていることにもなっていると思います。 そこで伺いたいと思いますが、同時に生活保護の制度自体をよく知らない、知られていないという状況もあると思います。一度利用したらずっと利用しなくてはいけないという誤解もあると思います。そのため、例えばアルバイトや年金などの収入があっても、それが基準に満たなければ一部生活保護を利用できますということであったり、持家があっても条件によっては利用できること、また、医療扶助などを部分的に利用することも可能です。また、一度利用しても仕事が見つかり収入が基準以上で安定すれば、制度の休止や廃止も可能なわけです。こういうふうに誤解を解いていく、また、今そういう立場に置かれている方がよりアクセスしやすくするように、こういう制度自体を分かりやすく伝えていく工夫が必要だと思いますけれども、お伺いをいたします。 ○中村生活援護課長 生活に困窮し、生活保護が必要な方に実際に御利用いただくためには、生活保護制度についての正しい情報を伝えることが必要であると考えてございます。これまでも区ホームページや区報などでの周知を行ってございますが、分かりやすい説明を工夫してまいりたいと存じます。 ○浦野委員 ぜひ努めていただきたいと思います。 生活保護の、これ、実際の手引としおりというものが援護課にあると思います。これ、かなり中身は、今御説明したような中身も詳しく書いてあるんですけれども、こうした手引とかしおりが目に触れられるところにあることであったり、また、ホームページなどで見られるということも非常に重要だと思っておりますけれども、現在中野区ではどういう状況になっていますでしょうか。 ○中村生活援護課長 生活保護の手引につきましては、これから生活保護を考えている方向けのもの、生活保護のしおりにつきましては、主に受給開始時の説明用の資料として作成したものでございます。生活保護の手引につきましては生活援護課の窓口に置いてございまして、自由に持ち帰ることができるようになってございます。また、現在は区ホームページに掲載はしてございませんけれども、区ホームページの記載の改善と併せて検討してまいりたいと存じます。 ○浦野委員 ホームページに今はないけれども、改善していきたいと思うと御答弁いただきました。ぜひこれはやっていただきたいと思いますし、私、この生活保護の手引、窓口にはあるということでしたが、この裏に非常にいいことが書いてあると思っています。「生活にお困りの方、気軽に御相談を」ということで、この中には、制度の仕組みが大変複雑、細かいので、まず困ったら窓口に来てくださいと。保護に該当するしないにかかわらず、他の福祉施策の紹介も含めて御相談に応じますと。要は、生活保護じゃなくてもほかのサービスにつなげますよというメッセージになっています。相談もどなたでもできますというふうに書いてあるんですね。非常にこれ大事なことだと思いますので、窓口のみならず、いろいろな媒体も使って、ぜひ広く目に触れるようにお願いをしたいと思います。 関連してなんですけれども、本会議の一般質問でいさ区議も触れましたが、札幌市や滋賀県野洲市さんでこのようなポスターを作成しています。ここには、「生活保護の申請は国民の権利です」ということで、いろいろな、先ほど御紹介したような声が事例としても載っていて、お困りのことがあったら御相談くださいというポスターです。野洲市さんでは、このポスターを掲示するとともに、全戸配布でポスティングもしていると伺いました。市のホームページにも大きく掲載されています。区の先ほどの生活保護の手引にもありましたけれども、まずは御相談くださいというメッセージを広く伝える意味で、こういうポスターなど、チラシも検討していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○中村生活援護課長 生活保護制度の周知の必要性については認識してございます。効果的な周知の方法につきましては、他自治体の取組を参考に研究してまいりたいと存じます。 ○浦野委員 これも区が発信するメッセージとしてすごく大事だと思います。先ほどもあったように、仮に生活保護の利用対象にならなくても、相談の結果、国保の減免であったり、住民税の分割納付につながったり、障害や子ども関連の制度でも何か使える制度につながったりすることもあるわけです。滞納したときなどは、逆に税とか保険料は滞納すると繰り返し催告状や督促状が届くわけですけれども、こういう生活保護の制度をはじめ、基本的に様々な支援制度は原則申請主義になっています。そのため、対象となる方に支援制度が行き届いていない。特に日本の場合、生活保護の捕捉率も非常に低いとされております。長引くコロナ禍の中で、生活保護の申請はみんなの権利として憲法で保障された権利であることを、今生きるための権利であるということを、区民の方に区の姿勢として積極的に発信すること。先ほど今後工夫していきたいという御答弁もいただきましたので、ぜひ改善を求めて、充実を求めて重ねて要望したいと思います。 次に、(2)の生活保護利用者の方への家庭訪問の状況についてお伺いをいたします。 まず、生活保護の中での家庭訪問の位置付けについて、生活保護の実施要領もしくは生活保護手帳でも構いません、生活保護世帯への家庭訪問は、少なくとも1年に何回以上訪問することが定められているのか伺います。 ○只野生活保護担当課長 国の実施要領では、原則2回以上訪問することとなっております。 ○浦野委員 原則2回以上ですね。同じく生活保護の実施要領において、訪問の実施に当たってはどのような明記がされていますでしょうか。 ○只野生活保護担当課長 訪問時の訪問調査目的を明確にし、それを踏まえて年間訪問計画を策定の上、行うこととなっております。 ○浦野委員 目的をはっきりさせて、年間計画を立ててということです。中野区でも当然これに基づいて訪問計画を立てて訪問していっていると思いますけれども、その訪問が計画どおりに実施できているのかどうか、それを現在区はどのように管理をしているのか伺います。 ○只野生活保護担当課長 訪問の実施状況は生活保護システムにより管理してございます。 ○浦野委員 そうすると、その管理表を見れば計画どおりに訪問ができているとかできていないとか、実施した場合には訪問実績も入力していくことになると思うので、そうした計画に対して今現状がどうかということを確認していくことになると思います。訪問ができていなければ、福祉事務所として訪問を、その最低定められた回数を促していくことにもなると思うんですけれども、入院をされている方や施設入所中の方以外については、原則本人の家庭、すなわち居住先に訪問しているという認識で間違いないでしょうか。 ○只野生活保護担当課長 原則として生活保護受給世帯の住民票のある居住先に訪れております。 ○浦野委員 原則住民票がある家庭ですね。これ、生活保護問題対策全国会議さんが情報交換請求に対して中野区が提出した資料があります。その中に、平成30年11月までは、訪問時不在のケースで折り返しの電話や来所により訪問目的が実現した場合には実績に計上すると書かれています。つまり、家庭訪問して不在ということは少なくないこともあると思うんですけれども、不在だった場合に不在箋を、来ましたよということで置いていくと思いますが、その不在箋を見た御本人からその後折り返しの電話や直接区役所に来所するなど、こういう場合でも家庭訪問の実績としてカウントするということでしょうか。 ○只野生活保護担当課長 家庭訪問の実績ではなく、訪問活動の実績として計上してございます。 ○浦野委員 訪問活動の実績ということなんですけれども、本来電話や直接の来所は家庭訪問には当たらないと思うんですけれども、本来家庭訪問というのはどうあるべきものですか。 ○只野生活保護担当課長 訪問活動としては、家庭に訪問し、家庭内で面接をすることが望ましいと考えております。 ○浦野委員 そうなんですよね。家庭訪問は、行って家庭内の面接をするということが原則になっていると思います。ですから、国や東京都も、家庭訪問して不在の場合に、仮に折り返しの電話や直接の来所があったとしても、訪問としてみなしてよいということではないと思います。実際に家の中の状況から、生活が不安定になっているかもしれないということであったり、この方、認知症が少し進んでいるのかもしれないと、家の中を見て初めて分かることがたくさんあると思います。その折り返しの電話や来所でも訪問の目的が達せられた場合にはみなし訪問として扱っているとなると、長期間担当ケースワーカーが家に入らない。家庭内の面接をせずに訪問したということも起きてくるのではないでしょうか。 ○只野生活保護担当課長 長期間家庭内での面接ができない世帯はございます。こうした世帯については、受給者と事前に連絡を取り、訪問時間を工夫するなどして、引き続き訪問類型に応じた家庭内面接ができるよう取り組んでまいります。 ○浦野委員 これ、やっぱり大事なことは、その生活保護の利用世帯にきちんと位置付けられた家庭訪問、家庭内面接をきちんと実施していくということだと思います。それを見た状況も踏まえて今後の援助方針に反映させたり、自立助長のための援助をする。また、保護を決定、実施、継続していくかどうかということも続けていく非常に大事な家庭訪問、家庭内面接だと思います。中野区では、今1人のケースワーカーさんが、地区担当のところでは大体150から160世帯を担当していて、本来望ましい数は80世帯ですから、その約2倍を担当していることが続いています。これは生活援護課だけの問題ではなくて、やっぱり慢性的な人員不足が起きていることで生じている問題だと思います。生活援護課・保護担当としては毎年人員要求もしているとのことですけれども、やっぱり根本的なこのケースワーカーの人員不足が問題になっていると思いますので、後で人員体制の拡充のところは触れますけれども、そこも現場としてきちんと求めて、職員課のところはそれを踏まえてケースワーカーの増員ということを行っていただきたいと思います。 関連して、今伺った家庭訪問は生活保護利用の全世帯共通のことですけれども、この間取り上げてきた高齢者保護係担当の家庭訪問について伺いたいと思います。今年の第1回の定例会の予算特別委員会で、総括質疑で、この場で高齢者保護係の家庭訪問の実績について確認をしました。これは生活保護の、今65歳以上の利用者の約半分が高齢者居宅介護支援事業という名前で委託をされていて、約1,650世帯が今対象になっている事業です。これが、実態としてケースワーク業務が丸ごと委託されているのではないかということをこの間問題として取り上げました。その問題をただす中で、この高齢者保護係のケースワーカーさんの訪問件数について、当時把握をしていないという非常に驚く答弁がありました。先ほども触れたように、家庭訪問はこの生活保護実施要領にも定められて、ケースワーク業務の肝となるものです。件数を把握していないということ自体は非常に問題です。同時に、そもそも、そうしましたらこの高齢者保護係について本来定めるべき年間訪問計画は策定をされていたのか伺います。 ○只野生活保護担当課長 高齢者保護係においては、令和2年度までは訪問計画は策定できておりませんでした。 ○浦野委員 計画がされていなかったんですよね。だから、計画もないから訪問も実施していなかった。これ、どうして立てなきゃいけない計画が立てられていなかったのでしょうか。 ○只野生活保護担当課長 ケースワーカー不足により、高齢者保護係にはケースワーカーを十分に配置することができませんでした。このため訪問計画を策定していなかったものでございます。 ○浦野委員 やっぱりここでもケースワーカーが不足していることで、計画も立てられていない、訪問もできていなかったということだと思います。この訪問件数を当時把握していないという答弁だったので、情報開示請求もしたんですけれども、資料として存在しない、文書が不存在という状態でした。つまり、カウントもしていなかった、統計がなかったということになり、これも非常に大きな問題だと思います。その後、専門家の方々とも一緒に調査を重ね、いろいろとやり取りをする中で、ようやくこの数が判明しました。今回、要求資料の中で新規で求めました厚生の資料57で、この高齢者保護係の訪問実績を出していただきました。これを見ると、高齢者保護係、2年分ですね、2019年、2020年度分なんですけれども、資料でも出していただきましたが、正規ケースワーカーさんの単独の訪問、委託専門員さんとの同行訪問、それぞれ数字について伺います。 ○只野生活保護担当課長 ケースワーカー単独の訪問件数はケース記録から集計し、同行訪問の件数は委託事業者が区に提出する月報を基に集計を行いました。2019年度のケースワーカー単独の訪問は30件、同行訪問は99件でございます。2020年度のケースワーカー単独の訪問は15件、同行訪問は88件でございます。 ○浦野委員 この数字自体も非常に衝撃的な数字です。高齢者保護係の委託世帯は、先ほども述べたように約1,650世帯です。冒頭に確認したように、少なくとも年2回の家庭訪問を実施するためには、1,650世帯×2、単純計算でも年間3,300回の訪問が必要となります。しかし、今御答弁いただいたように、正規ケースワーカーさんの単独の訪問はごく僅か、年間30件と15件で、委託専門員さんとの同行訪問を合わせても1年間で100件強、最低限必要な回数3,300回に対して100件前後ですから、2019年度は3.9%、2020年度は3.1%という数字になっています。どうしてこういう事態になったのでしょうか。 ○只野生活保護担当課長 高齢者保護係のケースワーカーは、受給者が亡くなった場合の対応、サービス事業者との打合せ、入退院や施設入所に関わるカンファレンスなど、保護の変更決定に必要な事項のため所外に出かけております。これらは訪問にカウントされません。このためケースワーカーによる受給者宅への訪問数が少なくなったものでございます。 ○浦野委員 そもそも計画も立てられていなかった、訪問もその実績も僅かで、やっぱりこれも緊急時のみというふうに伺っています。そもそも高齢者保護係の正規ケースワーカーが訪問するということが前提になっていなかったと思うんですね。なので、この間指摘しているように、その高齢者保護係については委託専門員に実質丸投げになっていて、訪問計画もない、正規ケースワーカーが訪問するという前提ではなかったという裏返しでもあると思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。 ○只野生活保護担当課長 委託専門員の訪問は、受給者の日常的自立を助長するための自立支援プログラムでございまして、委託専門員の訪問が前提という位置付けではございません。 ○浦野委員 委託専門員の自立支援プログラムが悪いと言っているんじゃなくて、それはあくまでも高齢者保護係の正規ケースワーカーの訪問がきちんと行われていて、それに上乗せをするサービスなわけですよ。だから、自立支援プログラムがあったからやっていなかったというのは理由にならないと思うんですけれども、いかがですか。 ○只野生活保護担当課長 先ほども答弁をいたしましたが、自立支援プログラムとしての委託専門員の訪問は、受給者の日常的自立を助長するために行っているものでございます。ケースワーカーの訪問というのは、ケースワーク業務として行っているものでございまして、ケースワーカーの訪問が位置付けられていないという裏返しという意味ではございません。 ○浦野委員 でも、訪問計画がなくて、実際訪問もできていないということであれば、じゃ、どうやって本人に会わないで、家庭内面接しないでケースワーク業務をするのかということにやっぱりなってくると思います。その観点で、これまで偽装請負の問題であったり、実質丸ごと委託になっているんじゃないかということを指摘してきたわけです。これは、やっぱり至急改善が必要だと思っていますけれども、これまでの指摘も踏まえて今現在改善状況はどうなっているのか伺います。 ○只野生活保護担当課長 令和3年度は、高齢者居宅介護支援事業を実施している世帯について訪問計画を策定いたしました。訪問回数については、個別の自立支援プログラムを活用していることから、国の実施要領に基づき年1回の訪問としております。 ○浦野委員 今、訪問計画、なかったものをつくったということで、これは、本当は当然なくてはいけないものですけれども、訪問計画をつくるようになったということは一つ改善の一歩だというふうにも思います。今あったように、確かに自立支援プログラムを行った場合には、2回目以降の訪問はその委託専門員の方が代替してもいいよという規定がありますね。ただ、それでも年間1回目の訪問については、職員、ケースワーカーが行わなければいけないということにもなっていると思いますけれども、それは今後実施されていくということで、もう一度確認で伺います。 ○只野生活保護担当課長 ケースワーカーによる訪問について、実施できるよう努めたいと思っております。 ○浦野委員 ぜひそれは、実施しなくてはいけないものですから、実施していただきたいと思います。 この流れで、(3)番のケースワーク業務の外部委託問題と人員体制について、関連して伺います。今御答弁、改善していくということであって、8月27日に生活保護問題対策全国会議の皆さんも、この事業に対して見直しを求める要望書を区長に提出しました。東京都や厚生労働省に対しても特別監査の要望をされています。こうしたことも踏まえて、今改善していく旨の御答弁がありましたが、今月2日の区長の定例記者会見でこのことが触れられたということは、非常にこれも重要だと思っています。これまで策定されていなかった訪問計画を立てて、年1回はしていくということですけれども、これもやっぱり計画を立てて、実際にやっぱりケースワーカーさんの訪問が実施されなければ計画倒しになってしまうというか、やはり実態を伴う改善にはならないと思うんですね。現在、この高齢者保護係には5名のケースワーカーさんしか配置されておりませんけれども、高齢者保護係において計画に基づいてこの年1回実施をしていくために、具体的にどういう手だてを取るのか伺います。 ○只野生活保護担当課長 現在のところ、令和4年度は高齢者保護係を増員し、訪問計画に基づいて訪問することを考えております。 ○浦野委員 その、基づくためにはケースワーカーさんの増員が欠かせないと思うんですけれども、その辺りは具体的に何か要求している、改善していくということについては具体的に今考えていることはありますか。 ○只野生活保護担当課長 ケースワーカーの増員については、毎年度職員課に増員を要求しているところでございます。 ○浦野委員 これは、やっぱりケースワーカーを増員しなければ、今の5名でいくというのは、今の5名のままだと1人当たり330世帯担当することになります。それは当然無理なわけですよ。地区担当の方も今150から160持っていて、それでも標準世帯の2倍で無理な状況で、人員が増えなければ1人当たり300世帯以上持つことになりますから、これは人員体制の増がやっぱり欠かせないということになります。今、区のほうでは、今後10年間の中でケースワーカーさんを20名増員していくという計画がありますけれども、これ、あまりにも長過ぎると思うんですね。その上で、この10年で20人というのを見直していく、さらなる対応がやっぱり必要ではないかと思いますけれども、見解を伺います。 ○中谷職員課長 生活保護のケースワーカーの配置が基準を満たしていないという状況につきましては、可能な限り早期に解決すべき課題であると認識してございます。単年度ごとに配置できる人員数には限りがございますので、他の行政需要とのバランスを取りながら、できるだけ配置を早めるように検討していきたいと考えてございます。 ○浦野委員 現場は毎年人員要求を出しているというふうにも先ほどありました。この高齢者保護係については、計画は立てたという改善の兆しがあっても、実際これを実施するための具体的な手だてがなければやっぱりいけないと思うんですね。そうすると、実際にこれまで指摘したような専門員の方が実質ケースワーク業務を担うような、極めて違法性の高い状態が続いていくと思います。ですから、今早急にということがありましたけれども、ぜひ現場の声を伺いながら、職員課としても人員配置を早急に行っていくように、改めてこの場でも要望したいと思います。 その計画は立てたという改善のことと関連して、今年の7月1日時点で、この高齢者居宅支援事業に関する要綱や手順書を一部修正したということを伺っておりますが、何を変更したのか伺います。 ○只野生活保護担当課長 自立支援プログラムとして実施している事業が、職員が行うケースワーク業務と混同されることがないように、高齢者居宅介護支援事業実施要綱中の「中野区高齢者ケースワーク専門員」という用語を「高齢者居宅介護支援事業の実施に当たる専門の職員」に改めました。また、手順書は、区と委託事業者の協議の上、作成するものでありますが、本事業が自立支援プログラムであることを明記し、「専門員」の名称を「高齢者援護専門員」へと修正いたしました。さらに、手順書中の「ケース記録」の表現を「記録」へと変更いたしました。 ○浦野委員 今3か所御紹介いただきましたが、この委託専門員さんの名前、「高齢者ケースワーク専門員」から「高齢者援護専門員」、「ケース記録」を「記録」に変更した。これ、そうしますと、この名称の変更だけじゃなくて、それぞれ業務内容とか、その辺は改善されたんでしょうか。 ○只野生活保護担当課長 自立支援プログラムの内容については、変更はございません。記録内容についても変更はございません。 ○浦野委員 これ、前回のときにも提示をさせていただきましたが、今のこのケースワーク業務の補助業務、これ、介護支援事業の業務手順書ですけれども、ここに、専門員さんが実質記録を書いて作成をして、ケースワーカーさんが記録の内容を確認するとあるんですけれども、やっぱりこれ、実際家庭訪問なりをしてケースワーク業務を行って、本人と対面しなければ記録だってやっぱり書けないわけですよね。そうなると、今名称を変更したというだけで業務内容は変わっていないとなると、やっぱり実際の正規ケースワーカーさんの訪問を、先ほども申し上げたように実施していかなければ、実態としての改善につながっていかないと思うんですけれども、その点もう一度伺います。 ○只野生活保護担当課長 繰り返しになりますが、高齢者居宅介護支援事業が自立支援プログラムであることをより明確化するために、要綱などにおける専門員の名称等を変更したものでございます。高齢者居宅介護支援事業を利用している受給者世帯に対するケースワーカーの訪問については、今後ケースワーカーの増員によりその実施に努めたいと考えております。 ○浦野委員 今、ケースワーカーさんを増員していくとありました。これ、やっぱり増員しないと実態を伴った改善には絶対になりませんから、ぜひ改善をここも含めてしていただきたいと思います。先ほども申し上げましたが、この自立支援プログラムが悪いと言っているわけではないんですね。本来行うべきケースワーク業務ができていて、それの上乗せ部分のサービスなわけですから、それがプラスされるということは、利用者さんにとってもより充実したものに、ちゃんと実施されればなると思います。ただ、現に訪問できていない実態があって、実質丸投げになっているんじゃないかということを言ってきましたので、やっぱり実態を伴った改善を求めたいと思います。これはやっぱり生活保護法や社会福祉法でも定められている、その公権力にしかできない保護の実施決定というものがあるわけですね。これは委託専門員の方にはできないわけです。ですから、そうなると、今まで本当に適切な実施決定ができていたのかということにもつながってくるんですけれども、この点改めて伺います。 ○只野生活保護担当課長 電話による確認ですとか、収入申告書や資産申告書などの挙証資料の確認、生活保護上の調査などを通じ、訪問や対面がない場合であっても保護の実施決定を行うことはございます。ケースワーカーによる計画的な面接は十分ではございませんでしたが、今後は改善に努めたいと考えております。 ○浦野委員 今、本人に会わなくても実施決定していると言ったんですけど、じゃ、本人に会わないでどうやってやるんですか。やっぱりここが非常に疑義が出るわけですよ。法令上、やっぱりこれまで指摘したように疑義が起きていて、これはやっぱり生活援護課・保護担当だけの問題じゃなくて、やっぱり根本的な、先ほども申し上げた人員のところが充足されなければ、ケースワーカーの肝である家庭訪問が実施されていかなければ実施できないことです。これは担当課だけが悪いんじゃなくて、やっぱり前区政時代に職員定数の大幅削減が招いた弊害でもあります。改善に一歩を踏み出したことはよかったと思いますけれども、ただ、これが小手先では絶対に駄目だと思いますし、繰り返し申し上げているように、実態を伴ったものでなければ本当の改善にはならないと思いますから、先ほど職員課長の答弁でも10年待たずに改善していきたいとありましたので、ぜひここは改めてその改善のための人員要求を含めて、中身の実質の部分での改善を改めて最後に求めたいと思います。 それでは、この項の最後に、(4)新庁舎での生活援護課・保護担当の配置についてお伺いいたします。今定例会では本会議一般質問でも多くの議員からありました。また、先週の総括質疑でも、中村委員、平山委員からも質疑がありました。一部重複する部分もありますけれども、とても大事な問題なので、改めてこの場で私からも伺いたいと思います。 まず、経過についてです。新庁舎建設に当たり、当初の計画では生活援護課・保護担当は新庁舎に入る予定でしたが、2020年10月の総務委員会で庁外移転することが明らかになりました。区としてこの方針決定をしたのは2020年3月に行われていたということですが、当時の総務委員会の他の委員の質疑の中でも、実際には総務委員会、10月でしたから、半年以上報告されていなかったことになります。改めて確認しますが、このときどういう場で意思決定がされたのか、また、庁外移転をすることになった理由について伺います。 ○堀越企画課長 生活援護課の配置の意思決定の場についてでございます。2020年3月に政策調整会議を開催いたしました。この会議の開催理由といたしましては、新庁舎のレイアウト案の検討と併せまして、仮に生活援護課事務室を新庁舎以外に移転する場合に、区有地または未利用となる施設を利用することができるかどうかということの方向性を確認するためのものでございました。 ○浦野委員 当時、総務委員会で、この庁外移転することになった理由が委員会資料にも示されていたと思いますけれども、それはどういう理由がありましたでしょうか。じゃ、こちらで述べます。そこには高度なプライバシーであったり、今後の利用者増への対応ができるスペースを柔軟に変更できる施設、窓口と執務スペースが近接配置できるということが当時理由として述べられました。この後、2020年12月の厚生委員会の報告で、移転先が教育センター跡地に、保健所と生活援護課事務室を併せてという報告になりましたが、この際、移転理由がもう一つ、総務委員会のときに加わったと思います。その加わった内容、どういう内容か伺います。 ○中村生活援護課長 保健所との複合施設として整備することにより、施設維持管理に係るコストを低減できるというものでございます。 ○浦野委員 コストの低減ということが加わりました。その後、今年の2021年6月に教育センターではなく社会福祉会館、以後「スマイルなかの」と表現しますが、ここと新庁舎に分けて別案を検討していることが示されて、今年の7月30日、厚生委員会でその内容が示されました。教育センターからスマイルなかのへと変更することが意思決定されたのはいつか、また、どういう会議体だったのか、併せて伺います。 ○石井構造改革担当課長 中野区区有施設整備計画の改定素案でございますが、中野区議会での御意見、高度なプライバシー性の確保、関連窓口との連携強化、新庁舎との接近性による区民の利便性等を考慮し、生活保護窓口の移転先を教育センター跡から社会福祉会館に変更したものでございます。本内容を含んだ中野区区有施設整備計画の改定素案は5月に、案は7月に、それぞれ政策企画会議で確認をし、決定したものでございます。 ○浦野委員 それぞれ政策会議ということですね。この会議体のメンバーですけれども、ここには生活援護課・保護担当に関わる部長さんや課長さんはいたのでしょうか、伺います。 ○堀越企画課長 生活援護課に関わる部長や課長の出席は、いずれもございませんでした。 ○浦野委員 なかったということですね。 次に、区民の利便性と業務の効率性、課内係間の連携や他課との連携について伺います。今確認したように、この教育センターからスマイルなかのへの変更決定の場には、現場の部課長さんはいない中だったということですけれども、私は現在の計画、スマイルなかのと新庁舎に二分することについては、区民の方にとっても職員の方にとっても、本来この生活援護課・保護担当が果たすべき役割が果たせないと思っています。デメリットしかないと思っています。そのことを具体的に確認していきたいと思いますが、まず、生活援護課・保護担当は1日にどのくらいの方が来庁するのか伺います。 ○中村生活援護課長 1日の来庁者でございますけれども、その日にもよりますが、200人から300人程度でございます。 ○浦野委員 200人から300人ということです。日常的に同じ課内でどういう連携がされているのか伺います。 ○中村生活援護課長 まず、生活相談係で受けた生活保護申請を新規調査係へ引き継ぎ、その後、生活保護の決定・開始がされれば、諸手続の後に地区担当ケースワーカーに引き継ぎます。保護開始後はケースワーカーが自立支援係の就労支援員と連携しながら就労支援を行ったり、受給者の親族調査や年金の受給権の調査などを新規調査係の職員と連携して行ったりしてございます。そのほか、生活保護医療介護係や給付第一係、給付第二係など、各係の分業により適正な保護の決定や生活保護受給者の支援を行ってございます。また、住居確保給付金の利用者が困窮の度合いが高まった場合には、生活保護の利用のため、自立支援係から生活相談係へつないでございます。 ○浦野委員 今御説明いただいたように、非常に同じ課内の中だけでも様々な連携があるということが分かったと思います。こうした課内での様々な連携に加えて、日常的に、今の中でも一部ありましたが、他の部署との連携もまた非常に多い部署だと思います。庁内の他の部署とのやり取りや連携はどのようなものがあるのか、幾つか御紹介いただきたいと思います。 ○中村生活援護課長 生活保護の開始時には、国民健康保険や後期高齢者医療の脱退の手続で保健医療課、住民税に係る手続は税務課、高齢者や障害者の場合などは介護・高齢者支援課、障害福祉課、子育て中の世帯の場合には子育て支援課での手続が必要になります。受給開始後にも、介護・高齢者支援課や障害福祉課、子育て支援課等のサービスを利用される場合には各所管、また、税務課などでの手続が必要になる場合がございます。 ○浦野委員 課内だけでなく、他部署との連携もやっぱり非常に多いということが分かりました。月初めに支給日というものがあって、1か月の中でも最も多く来庁もあって、支給日に直接窓口で振込じゃなくてお渡ししする方もいらっしゃると思いますが、その方は大体どの程度いらっしゃいますか。 ○中村生活援護課長 現在は150人程度でございます。 ○浦野委員 150人ぐらいということでした。支給日に限らず、生活援護課・保護担当は日常的にも現金を扱う部署だと思います。庁内の他部署の中で、生活援護課・保護担当以上に区民との現金のやり取りが発生する部署はないというふうに思います。 現在の計画について伺っていきますが、現在の計画では、新庁舎及びスマイルなかのに配置する職員の数はそれぞれどの程度を想定しているのか伺います。 ○中村生活援護課長 新庁舎に80人、社会福祉会館に70人と想定してございます。 ○浦野委員 それぞれ80人、70人ということですが、このケースワーカーさんはどちらかのみに収まるんですか。 ○中村生活援護課長 各地区のケースワーカーは社会福祉会館に、高齢者保護係のケースワーカーは新庁舎に配置する計画になってございます。 ○浦野委員 収まらないわけですよね、実際には。区は、今言ったように、新規相談、暮らしサポート、自立支援などは新庁舎、保護利用開始となった方はスマイルなかのへと一応分けていますが、ケースワーカーさんは現在の計画でもスマイルなかのだけに入り切らない計画です。そのため保護が利用開始となった方でも、スマイルなかのに行く方もいれば、新庁舎に行く方もいるということになります。そうなると、保護を開始した利用者でも、それぞれ担当がどちらにいるかによって行き先が分かれるということになるのか、確認のため伺います。 ○中村生活援護課長 地区担当のケースワーカーとの面談は社会福祉会館で行いますけれども、御要件によっては新庁舎においでいただく方もいらっしゃいます。 ○浦野委員 7月30日の厚生委員会の場では、先ほど取り上げた高齢者保護係は、スマイルなかのに入り切らないので新庁舎に置く。そうすると、高齢者保護係、65歳以上の方でもスマイルなかのに行く方、新庁舎に行く方がいるというのは委員会の場でも明らかになりました。なので、利用開始になっても行き先が分かれるということになると思います。そうすると、利用開始になった方からすれば大混乱することが想定されます。生活保護利用世帯の方の約8割は高齢者世帯や障害者・傷病者世帯です。仮にスマイルなかのにその地区担当のケースワーカーさんがいて、行ったとしても、そのときに必要な手続があればその都度新庁舎にも行くことになります。保護費の受け取りやケースワーカーさんへの相談、また、申請書類の提出など、要件によっても行き先が異なることになってしまうと思います。これは明らかに区民の利便性の観点では後退するのではないのか、伺いたいと思います。 ○中村生活援護課長 内部の連携ですとか、来庁しなくても手続ができる方法を検討することにより、利便性の向上を図ってまいりたいと存じます。 ○浦野委員 本会議でも、これ、いさ議員が聞いたときに、今御答弁あったように、区民サービスが低下するのではないかという指摘に、区民が新庁舎とスマイルなかのを行き来しなくても済むように、ICT活用や関係部署の連携を強化するとあったんですけれども、来庁しなくても手続ができる、これってどのような方法で実際に行っていきますか。 ○中村生活援護課長 オンラインでの面談ですとか、申請書や申告書の提出方法を考えてございますけれども、具体的には今後検討してまいります。 ○浦野委員 それ、具体的に今後なんですよね。ケースワーカーさんは、今でも利用者さんと一緒に各窓口に同行することも少なくないわけです。それは、やっぱり1人で行くことが難しい方がいるわけです。サポートがやっぱり必要だから、そういうふうに今でもなっているわけです。そうすると、加えてですけれども、その生活保護の利用の方が、例えば医療券を受け取ったり、収入申告に関する書類を持参したりする際に、書類をやり取りして終わりではないわけですね。そのときの表情とか体調とか近況なども確認しながら、担当ケースワーカーさんはケースワークも一緒に行っていると思います。本会議答弁の中でも、今もあったように関係部署との連携を強化していくとあったんですけれども、そうであれば、わざわざ庁外に出した上で連携強化をするのではなくて、新庁舎内にあるということが一番の連携強化になるのではないかと思いますが、この点いかがでしょうか。 ○中村生活援護課長 1か所になるのが望ましい状況ではございますけれども、現在の計画は全体調整の結果であり、利用者に御不便をおかけしないよう、課内及び庁内の連携に最善を尽くしてまいりたいと存じます。 ○浦野委員 今想定されるだけでも、やっぱり課内の連携、他部署との連携がたくさんあって、利用者さんもサポートの必要な方が多いという中では、やっぱり二つに分けるというのは非常にデメリットしかないというふうに私は思います。 次に、コストや現金、書類の移動リスクについても伺いますが、冒頭に確認しましたが、教育センターへ変更を最初決めた際に、その一つの理由に、先ほど答弁いただきましたようにコストの低減というものがありました。このコストについても本会議で伺った際に、新庁舎とスマイルなかのに、二つに分けた場合の費用について積算しているのかといさ議員が問うた場合に、これから明らかにしていくということだったんですけれども、これは積算自体がこれからということなのか、それとも、検討しているものをこれから示していくということなのか、その点伺います。 ○中村生活援護課長 現在、それぞれの事項について見積書を徴取しているところでございまして、これらを精査して積算してまいります。 ○浦野委員 これもこれから積算なんですね。これは、やっぱり1か所にすることよりも当然費用がかかることは間違いありません。公金を2か所で扱うことでの管理費用もかかる。公文書の行き来がやっぱり多いと思いますから、その警備を含めたコストも必要になってくる。現金や機密性の高い書類が施設間を頻繁に移動するということになります。そうすると、移送を専門業者に委託するという必要さえ出てくるのではないかと思いますが、この点いかがですか。 ○中村生活援護課長 警備のほか、現金や機密性の高い書類の移送を専門業者に委託することを想定してございます。 ○浦野委員 想定しているということ。でも、それは、それ自体やっぱりリスクが非常に、庁舎の中にあれば施設間を移動する必要がないわけですから、これも他の委員の質疑でありましたが、リスクをつくってしまうことにもなると思います。 また、現在の計画では、新庁舎が完成した後にスマイルなかのが社会福祉協議会から新庁舎に移転しますので、社会福祉協議会、生活援護課の仕様に改修する期間が一定必要になります。これは、そうすると新庁舎の完成後になります。そのため旧庁舎、この現在の庁舎に一定期間生活援護課・保護担当の一部が残ることになります。基本的には他の部署は新庁舎への移転が完了していると思われますので、2階の今の場所以外は真っ暗になっているということも想定されます。その中で2階の奥だけが通常業務を数か月間しなくてはいけないということは、これは職員の方にとっての執務環境や保護利用者にとっての環境、これもデメリットしかないというふうに思いますけれども、安全性の観点で非常に問題があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○石井構造改革担当課長 社会福祉会館への移転までの間、現庁舎を使用するとなりましたら、職員や利用者にとって問題がないように環境整備や安全確保を行う考えでございます。 ○浦野委員 それが非常に難しいんじゃないかということを指摘しています。社会福祉協議会が仮に新庁舎に入らず今のままに残れば、スマイなかの自体の改修も必要ない。そうすれば、コスト自体も抑えられるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○石井構造改革担当課長 仮に社会福祉協議会がそのまま社会福祉会館にいるとすれば、改修のコストは発生しないと考えております。 ○浦野委員 今、経過と区民の方の利便性、働く職員さんの業務効率、生活援護課・保護担当の課内、そして他部署との連携やコストや安全管理の観点で伺ってきましたが、どの点を見てもやっぱりデメリットしかないというふうに感じます。 次に、経過とも関連しますが、現在の計画が、冒頭で確認したように、本来教育センターにすることでメリットがあるんだということも述べられていましたけれども、そもそもその教育センター、現在の案が変更になったときに、いざ図面を引いてみたら、詳細を詰めていく中で、その教育センターの躯体などの構造上の問題で、そもそも教育センターは無理という判断になったのではないでしょうか、伺います。 ○中村生活援護課長 調査の結果、建物の構造上、除去できない柱や壁があり、当初考えておりました受付カウンター、相談室及び事務室スペースの配置が困難であることが判明したものでございます。 ○浦野委員 そうなると、教育センターがそもそも適切だったのかということにもなってしまうわけですね。そうすると、教育センターが、じゃあ、無理となった時点で、生活援護課・保護担当以外の他の部署を庁外に移転することは考えなかったのか。考えたのであれば、それはどの部署なのか。検討されたという部署がもしあるなら、それはどういう理由でその部署は庁外は駄目と判断したのか、併せて伺います。 ○中村新区役所整備課長 ただいま御質問いただいた内容でございますが、関係部が集まった打合せにおいて生活援護課以外の部署についての検討を行いまして、課単位や課の一部、学校オフィス部門の移転などの検討を行いました。検討の結果でございますが、全体調整の中、現計画の内容となったものでございます。 ○浦野委員 全体調整、全体調整というんですけど、じゃあ、生活援護課・保護担当が分かれることのデメリットがこれだけあるという中で、じゃ、どうしてほかのところが駄目だったのかということはすごく疑問になるわけです。社会福祉協議会をそもそも新庁舎にというのは、これは社会福祉協議会さんから何か要望等があったんですか。 ○中村新区役所整備課長 こちらにつきましては、社会福祉協議会さんの具体的な要望については確認できてございませんが、社会福祉協議会が新庁舎に配置されることによりまして、区と連携し、多様なサービスや支援を進めることができると考えたものでございます。 ○浦野委員 社会福祉協議会さんの要望はなかったということですよね。連携はあると思います。場合によってはあると思います。ただ、生活援護課の中で実際いろんな連携があって、他部署とも連携があって、何でわざわざ生活援護課を出すのかというところはやっぱりすごく腑に落ちないわけですね。それで、先ほど新庁舎に入るのが80人、スマイル中野が70人ということでしたけれども、仮に社会福祉協議会さんが新庁舎に入らず今のままとなった場合、新庁舎に入る予定の社会福祉協議会さんの分のスペースというのが今あると思いますけれども、ここに援護課の職員の方は何名くらい入れることになりますか。 ○中村新区役所整備課長 ただいまの御質問の内容につきましては、具体的な検討は行ってございません。 ○浦野委員 検討していないということなんですけど、これ、ぜひ検討してほしいんですよ。やっぱりこの間の経過を見ると、あらゆる議論が尽くされていないというふうにすごく思うんですね。であれば、例えば区民との接点がない部署を庁外に移転するということの検討だってできると思うんですけれども、もう一度伺います。 ○中村新区役所整備課長 こちらにつきましては、生活援護課以外の部署につきましても検討を行いましたが、先ほどの答弁のとおり全体調整の中、現計画の内容となったものでございます。 ○浦野委員 やっぱり納得がなかなかいかないわけです。新庁舎の設計の中で、今マグネットスペースというのがあるというふうに聞いているんですけれども、それはどういうスペースですか。 ○中村新区役所整備課長 ただいま御質問いただきましたマグネットスペースでございますが、フロアごとに複合機や事務用品、打合せテーブル等を集約しているスペースでございます。こちらのスペースを各課共用とすることで、磁石に引き寄せられるように職員が集まり、コミュニケーションが活性化される効果等を期待し設置するものでございます。 ○浦野委員 そのマグネットスペースというのは、現在の計画ではどこの階にあるんですか。また、各階にもし配置するのであれば、それは各階に必要なものなのか、併せて伺います。 ○中村新区役所整備課長 こちらのスペースにつきましては、区の執務スペースを配置するフロアには原則として配置する計画でございます。こちらのマグネットスペースには、複合機、事務用品、打合せテーブル等、業務上必要な機能を配置するため、各階への設置が必要であると考えてございます。 ○浦野委員 会議室とかはほかにあるわけですよね。これ、生活援護課・保護担当の現場の職員さんからは、このようなマグネットスペースをつくることで生活援護課が入れないのであれば、それは本末転倒ではないかという声も伺っています。また、新庁舎に関する職員アンケートが行われているとも聞いていますが、その中でこのマグネットスペースに置く共有の消耗品などはどんなものがいいかとか、また、キッチンスペースというのがほかにあると思うんですけれども、そこに置く用品は電子レンジや冷蔵庫以外どういうものがいいかというアンケートがされているというふうにも聞いているんですけれども、これ、援護課の、今新庁舎に入るとされている80名のうち、まだ今40名分しか4階に、実際図面上落とされていないわけですね。残り40名がどこに行くのかさえも今分からなくなっている中で、職員さんからはこの優先順位が違うんじゃないか、今のような、まず各職場の配置、生活援護課・保護担当、どういう形にするのか、しっかり示してほしいということも伺っています。スペースに余裕があるなら、そういうマグネットスペースというのもあってもいいと。別にマグネットスペース自体を否定するものじゃないですけれども、ただ、一つの職場を二分させてまで本当につくる必要があるのかなというところは非常に疑問なんですけれども、その点はいかがでしょうか。 ○中村新区役所整備課長 こちらのスペースでございますが、現庁舎では課ごとに設置している複合機や打合せテーブル等を新庁舎ではフロア単位で集約する計画でございまして、スペースの効率利用の観点からも必要であると考えてございます。 ○浦野委員 そのことによって援護課が入らないというのは、非常に私は理解しがたいと思っています。区民サービスを低下させないとか、利便性に配慮するとか、連携を強化するということがその都度言われるんですけれども、何かその言葉がやっぱり都合よく使われているようにしか思いません。教育センターに移転する計画のときも、現在のスマイルなかのと新庁舎に分ける計画も、やっぱり私、これ、現場職員さんが考えたものとは思えないですよ。机上で生活援護課・保護担当のその業務を十分理解していない方が考えたんじゃないかなとさえ思いますし、先ほど来確認しているように、窓口を訪れる方も多い部署、区民との現金やり取りも多い部署、連携が最も必要な部署をわざわざ分けるということには納得がいきません。 かつ、ケースワーカーさんの業務を考えれば、先ほど生活援護課長からもあったように、やっぱり様々連携が必要なわけで、やっぱり課内一体でないといけないと思います。当初、そうすると、区は、教育センターに行くから一体的になるから便利になるんだ、職員対応も十分できるんだということを言っていたと思うんですけれども、その当初言っていた説明すらも今の計画では破綻していると思います。現在の計画で、スマイルなかのに入る方、70名想定されていますが、援護課の一部をスマイルなかのに入れることで、今後の利用者増に対するケースワーカー増にも対応していくとも言っているんですが、現段階でもこの70名は入らないということになっているのに、どうやってケースワーカーの増員に対応していくのか伺います。 ○中村新区役所整備課長 ただいまの御質問につきましては、現在具体的には見込んでおりませんが、今後の状況に合わせて調整してまいります。 ○浦野委員 これも全部今後、今後で、本当に様々な議論が尽くされていないということをつくづく感じるわけです。生活援護課・保護担当だけを出すということだけを決めて議論しているから、区が当初説明していた理由にも矛盾が生じているし、こういうおかしな事態になっているんじゃないかなと私は思います。 今回の計画については、たくさん私たちのところにも声が届いていますが、9月1日が締切りだった中野区区有施設整備計画(案)に関わるパブリック・コメントが行われました。パブリック・コメントの中でも、この配置のことで意見が寄せられていると伺っていますが、どの程度意見が寄せられたのか伺います。 ○石井構造改革担当課長 区有施設整備計画(案)に対するパブリック・コメントにつきましては、全体で60件の意見が寄せられております。そのうち生活援護事務所の配置に関する御意見は34件でございます。 ○浦野委員 非常に多く寄せられている。全体の半分ぐらいということ。私たちのところに届いている声で、生活保護利用者が新庁舎に来てほしくないという差別的な意図があるのではないかと疑ってしまうという意見も届いています。現在、生活保護を利用している方からも、自分たちは新庁舎に来てほしくないという意味なのかねというふうな声も伺っています。区にこうした考えというのはありますか。 ○石井構造改革担当課長 パブリック・コメント手続でございますが、生活援護課の配置案が差別的ではないかという批判も寄せられております。生活保護を希望する区民がためらわず来庁でき、安心して相談支援を受けられるような体制整備をしていくことが区の責務であると考えてございます。 ○浦野委員 やっぱりこういうメッセージは、こちら側がなかったとしても、そういうメッセージとして受け取られたら、それはないことにはならないわけです。現に紹介したような意見も届いているし、これまで確認してきたような二つに分ける合理的な理由も説明もありません。現場職員さんからも生活援護課・保護担当だけが庁外移転の議論の対象になっているんじゃないかという声も届いています。誰もが立ち寄りやすく、ここに来れば何とか生きていける、助けてくれる、働く職員さんも誇りを持って働ける、そういう区役所でなければ駄目だと思います。誰もが訪れていい場所だし、区民の方にとってやっぱり助けてくれる、そういう場所でなくてはいけないと思います。 この間の質疑でも確認したように、経過も不透明でありますし、区民の利便性、業務の効率性、いろんな連携やコスト、現金、書類移動リスクや安全性などから見ても問題しかないと思います。これらを現場の職員の意見を聞かずに進めてきたということも非常に問題だと思います。生活援護課を出すことありきで議論を進めるのではなく、現在の計画は見直し、生活援護課・保護担当は全て一体として新庁舎に配置することで再考すべきだと思いますが、最後に区長の見解を伺います。 ○酒井区長 生活援護課の配置につきましては、今定例会で事務所が2か所になることによる課題や財政負担等、様々な御意見をいただいたところでございます。これまでも区は、区民のプライバシーの保護や利便性の問題、将来のケースワーカーの増員の可能性、事務処理の問題など、様々な角度から検討してまいりましたが、議会での御指摘や区有施設整備計画(案)についてのパブリック・コメントの結果、事務処理の問題に関する職員の検討結果などを踏まえて、総合的に判断していく考えでございます。 ○浦野委員 中野区内に拠点を置くつくろい東京ファンドのスタッフの小林美穂子さんが、「近年新庁舎を建設しながら福祉事務所機能を外に出す自治体に通底しているのは、いかなる理由を幾つ並べたところで、本音は生活困窮者を見えなくしたいという差別意識であるように感じる。差別する気はないとどんなに訴えても、実際には排除のメッセージにしかなっていない。見えなくしてはいけないし、隔離してはいけない。分断こそが無理解、差別の入り口だから、差別の旗振りを区役所がしては絶対にいけない」とも述べています。今回のこの問題は、これからの区の行政運営を進めていく上で、私は非常に大きな岐路に立っているというふうにも思います。今、区長からも答弁ありましたが、現在の計画を見直して、生活援護課・保護担当は全て一体として新庁舎内に配置する計画での再考を改めて強く求めて、この項の質問を終わりたいと思います。 ○ひやま委員長 浦野委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。 午後0時00分休憩
午後0時59分開議 ○ひやま委員長 委員会を再開します。 浦野委員の質疑の途中ですが、理事者から先ほどの答弁について訂正したい旨の申出がありましたので、これを許可します。 ○中村生活援護課長 先ほどの浦野委員からの御質問に対する答弁で、今年4月から8月までの生活保護申請件数を128件とお答えいたしましたが、正しくは323件でした。答弁訂正させていただきます。大変失礼いたしました。 ○浦野委員 今年度の4月から8月までのところで、今、件数が違ったということで承知しました。4月から8月を見たときに、やっぱりでも2020年度と比べると、同月比で見ると、相談も申請も減っているということだと思いますので、そういう意味で、先ほど質疑させていただいたような周知を広くしていくというのがより大事になってくると思いますので、その点重ねて要望します。 ○ひやま委員長 それでは、質疑を続行します。 ○浦野委員 それでは、午前中に続きまして、午前中1番と2番のところを入れ替えて質疑をさせていただきましたので、1番の2020年度(令和2年度)決算の特徴と今後についてお伺いをしていきたいと思います。 他の委員からもこれまで質疑がありましたけれども、2020年の、まず、予算編成過程がどういう状況だったかというところで何点か見ていきたいと思います。2020年度の予算編成は、酒井区長として2回目の本予算の策定年度でもあったと思います。我々の予算の討論の中でも触れさせていただきましたが、広範な区民要求の実現にどう応えていくのかという観点で、この取組に新規で盛り込まれた事業があったと思いますけれども、区長の公約と照らしてどうだったのか。まず、予算編成のところを確認いたします。 ○森財政課長 区長の公約と照らし合わせて2020年度の新規事業について申し上げますと、(仮称)子どもの権利条例制定に向けた検討、男女共同参画・多文化共生等の推進、公契約条例制定に向けた検討、また、蓄電システムの導入、木造住宅耐震改修助成等、これらが盛り込まれたところでございます。 ○浦野委員 区民要求との関係、また区長公約との関係でも、その点が予算に反映されたというのは、会派としても評価をしております。一方、当該年度のもう一つの視点で、予算編成過程において2019年の秋からの消費税の10%増税がありました。この影響で経済が落ち込むことが想定される中で、区民の暮らしを守るという予算も一方で求められていたと思います。この点について、予算策定の過程ではどう考慮されたのかお伺いいたします。 ○森財政課長 消費税10%への影響によりまして歳出規模が増大するということを踏まえまして、区民サービスに影響が生じないよう内部管理コストの削減を図るなど歳出抑制、節減に努めたところでございます。具体的な事業については、子どもの貧困対策の方針の検討ですとか、区内事業承継支援ですとか、また、債権管理と生活困窮者支援の連携強化に向けた検討なども経費として計上しているところでございます。 ○浦野委員 今述べていただいたところも、区民の暮らしを守るという観点で非常に大事な取組として予算化して、この部分も評価をいたしております。ただ、一方で、この年度、影響があったのは、他の委員の方の質疑や、また各資料でも触れられているように、やっぱり新型コロナウイルス感染症が年度を通して拡大をしたということだと思います。ただ、2020年度の予算編成時には、新型コロナ感染が広がる前で、2020年度の当初予算を審査するときには、ちょうど感染拡大の兆候が見られていて、新型コロナ対策での費用というのは、本予算の中には反映をされていなかったというふうに思います。また、歳入や歳出も、2019年度と比べても状況がやっぱり大きく異なる、特別定額給付金だけでも340億円近いお金があるということで、やっぱりそこを除いた形での決算として見ていく必要もあるというふうに思います。 2020年度は、本予算にはなかったですけれども、新型コロナの感染が広がる下で、新型コロナ対策の関連での補正予算を組まれていったと思いますけれども、補正予算、第何次まで行ったか。また、予備費の活用と併せて、その総額について確認をいたします。 ○森財政課長 補正予算につきましては第11次まで組んだところでございまして、新型コロナウイルス感染症対策の経費については、補正予算と予備費を合わせまして404億円余ということでございます。 ○浦野委員 この11次まで組んだ補正予算の中で、中野区独自として対策を行ったものもあると思いますけれども、どういうものがあったのか代表的なところを御紹介いただきたいと思います。 ○堀越企画課長 新型コロナウイルス感染症対策におけます区の独自対策についてでございます。主なものは、特別定額給付金の特例給付金や新生児特別定額給付金、プレミアム付商品券事業、緊急応援資金融資のあっせん拡大などが挙げられます。その他、PCR検査センターの設置、区内施設等の感染症対策への支援、びん・缶回収緊急対策、就労援助世帯への昼食費補助など、様々な区民、事業者等の支援対策に取り組んでまいったところでございます。 ○浦野委員 区としてもいろいろ検討されながら組んできたと思います。歳入を見ていくときに、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金や国や都の補助金も当然そこにあてがわれていったわけですけれども、地方創生臨時交付金が第何次分までで、総額およそ幾らだったのか。都や国の補助金の総額について併せてお伺いをいたします。 ○堀越企画課長 地方創生臨時交付金の総額につきましては、18億2,752万4,000円でございました。 ○浦野委員 今、18億円ということですけれども、コロナ禍で、先ほど区独自で対策をしたものであったり、東京都や国の補助金も使って補正予算を組んでいったものの中で、当然、後に実際出たときと後の財源更正の中で充てていったものとあると思うんですけれども、区の一般財源として区独自の支出としてはどの程度だったのか。他の委員の質疑でもありましたが、改めて確認をいたします。 ○堀越企画課長 区独自のものについては、このうちの……。恐れ入れます。ちょっと答弁保留させていただいてよろしいでしょうか。申し訳ございません。 ○ひやま委員長 答弁保留ですね。 ○堀越企画課長 一般財源の額ということで、大変失礼いたしました。約4億5,000万円でございます。 ○浦野委員 4億5,000万円ですね。この決算年度に2020年度の途中、第3回定例会の初日に区長から、経済の状況についても、V字回復とはいかず、3年から5年かけてようやく元の水準に戻るという予測もあると。極めて慎重な財政運営が必要ですとありました。財政調整基金の令和元年度末の残高279億円、そのうちの年度間調整分165億円であり、基金を活用した財源対策は限界も見えていることから、これまでのような財政規模を維持していくことは難しい状況である。財政的な非常事態と言わざるを得ないという認識という旨の行政報告もありました。冒頭で触れたように、区長公約との関係や区民の暮らしを守る立場での新年度予算に盛り込まれた新規拡充事業が多々あったわけですけれども、これが中止や時期の見直し、また、既存事業の見直しも含めて年度途中行われていったと思いますが、主としてどういうものがあったのか確認をいたします。 ○森財政課長 執行の見直しということでございますが、新規拡充事業におきましては、人事評価システムの導入ですとか、学校再編等に伴う施設整備、鍋横区民活動センター等整備、温暖化対策推進オフィス跡施設再活用整備、蓄電システム導入支援などがございます。また、経常事業についても、講座や研修、イベントなどについて見直しを行ったものでございます。 ○浦野委員 一定の部分は致し方ないところもあったかもしれませんが、ただ、行政報告のときとか定例会前に総務委員会でもそうした考え方が示されたときに、当区議団としては、やっぱりきちんと決算ベースで見ていくことが必要ではないかということも当時指摘をしました。実際にこの年度の決算を見て改めて思うんですけれども、財政的な非常事態と言わざるを得ないという認識は、やはり拙速だったのではないかなという側面もあります。このことについての認識を伺います。 ○森財政課長 その当時でございますが、先が見通せない状況でございました。また、これまでに経験をしたことがない一般財源の減資を想定せざるを得なかったといったようなことから、危機意識を持って予算編成を進める観点から財政上の非常事態という認識に至ったものでございまして、適切な判断だと考えております。 ○浦野委員 リーマンショックのときもそうだったんですけれども、枯渇するとまで言われた財政調整基金が、むしろこのときは減るどころか増えたわけです。もちろん新型コロナの影響は2020年度だけじゃなくて、今年度、来年度以降も当面出てくるところはあると思いますけれども、ただ、実際に2020年度の決算で見たときに、経常収支比率が2019年度比でも下がりました。つまり、財政構造にも弾力性がある、ゆとりがあったということも示しているのではないかと思いますけれども、この点についての見解を伺います。 ○森財政課長 経常収支比率が下がったということについては、前年度より財政構造の弾力性が増したという、そういう側面はあるというふうには捉えてはおります。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響による経済の状況というのは不透明でございまして、引き続き緊張感を持って財政運営に当たる必要があると考えております。 ○浦野委員 財政調整基金を見ても、2019年度から2020年度で8億円の増、特別区民税でも13億円の増加がありました。行政報告の中で同じく次年度、今令和3年度ですけれども、令和3年度についての一般財源は、当時その時点で、令和2年度当初と比較して約92億円の減少を見込んでいるとも言っていたわけですね。ただ、実際2021年度、今令和3年度を見たときに、そのときの見込みが、今当初予算編成時及び今現在年度途中であるわけですけども、その点の違いというか、その見通しも含めて確認をいたします。 ○森財政課長 令和3年度当初予算について、結果として前年度より68億円の一般財源の減を見込んで予算を組んだところでございます。現時点の状況を申し上げると、一般財源については当初予算時よりも上振れの見込みも考えられるというふうには捉えておりますが、不透明な状況でもございますので、引き続きそういった経営状況については注視していきたいと考えております。 ○浦野委員 やっぱり当時の想定していたことと比べても、今決算ではそこでずれてきているわけですし、やっぱり決算できちんと見ていくということが必要だと思います。当時、行政報告で触れられていた真に必要な区民サービスであったりとか、基礎自治体としての注力すべき公助、この部分が非常に大事だと思っています。2020年度、この決算年度、当区議団としても新型コロナ対策関連での要望や申入れも5回行ってきましたが、これも他の議員からも紹介がありましたけれども、例えば、杉並区では2020年に区内の基幹病院4病院に対して、職員さんが感染をしたり濃厚接触となって休むことを余儀なくされた場合に、損失の穴埋めでの補助制度がありました。また、2020年11月から2021年3月に新型コロナの入院患者さんを受け入れた場合には、1日につき患者さん1人当たり1万円という助成も実施がされてきました。墨田区でも、濃厚接触者以外での積極的なPCR検査等も行うなどして重症化を防ぐ取組を独自にも行ってきています。そのため、財政的側面から見ても中野区としての独自の支援や独自対策がやっぱりもっとできたのではないかなというふうにも感じるんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。 ○堀越企画課長 区独自の支援対策についてでございます。区では、区民の命を守る取組につきまして財源を集中的に投じていく中で、セーフティネットの取組といたしまして、特例給付金、新生児特別定額給付金の支給事業を、地域経済の再生に向けた取組といたしまして、プレミアム付商品券事業、緊急応援資金融資のあっせん拡大など、独自支援として行ってきたところでございます。 ○浦野委員 いろいろ検討して実施してきたものもあると思うんですけれども、ただ、行政報告の中で述べられていた財政的な非常事態と言わざるを得ないというその認識が、大胆な財政出動にもストップをかけてしまった側面もあるのではないかなというふうにも思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。 ○堀越企画課長 昨年度の状況からして、そのような区としての判断を行ったところでございます。今後様々効果的な取組をさらに検証してまいりたいと思ってございます。 ○浦野委員 やっぱり実際に区民の方々の暮らしが、午前中の質疑でも触れましたが、どうだったかというところも具体的に見ていって、そこにきちんと公助としての支援、財政出動がやっぱり必要だというふうに思います。昨日、来住委員の質疑でも触れましたが、中野区が昨年、この当該年度、決算年度に行った暮らしの状況と意識に関する調査報告書からも、区民の方の生活苦という部分がうかがえるものがあります。また、この間、区として実施してきたところで幾つかちょっと数字でお聞きしていきますけれども、まず、国民健康保険料の減免制度、新型コロナ減免のところで、これは2019年分の最後の9期と10期部分と2020年度分が対象になったと思いますけれども、それぞれの申請件数、承認件数、減免額、それぞれ総数でまず確認をいたします。 ○伊藤保険医療課長 令和元年度相当分保険料及び令和2年度保険料を合わせて申請件数が4,941件、承認件数が4,725件、減免額が5億2,798万4,000円でございます。 ○浦野委員 ありがとうございます。かなりやっぱり対象になった方がいたと思います。一方、社会福祉協議会が窓口となった貸付けについて、緊急小口資金、総合支援資金の申請件数についても併せて伺います。 ○石崎福祉推進課長 令和2年度緊急小口資金は7,254件、総合支援資金貸付は、延長貸付、再貸付を含めまして、1万418件の申請がございました。 ○浦野委員 これもやっぱり2020年度、かなり申請して利用された方がいたということだと思います。また、家賃補助となる住居確保給付金、これについても申請件数を併せて伺います。 ○中村生活援護課長 令和2年度の住居確保給付金の新規申請件数は2,596件でございました。 ○浦野委員 これはなかなか、2019年度と要件が変わっていますから、比較としてはちょっと難しいと思いますが、やっぱりこれも利用された方が相当数いらっしゃったということだと思います。午前中の質疑で伺いましたけれども、生活援護課で受けた生活相談の件数は、2019年度と比較しても約20%、2020年度は増えました。生活保護の受理件数も、やはり2019年と比較して約20%増えたという御答弁を午前中いただきました。いずれもやっぱり2019年度と比べると増えているということ。今、いろいろ答弁いただきましたいろんな支援制度も2020年度多くの方が利用されてきたということが分かりました。実際、こうした支援制度につながらない方、対象とならない方というのも当然いらっしゃったと思います。そういう方々は、こういう指標には出てきませんけれども、例えば、就職先の、今は飲食店なんかもずっと時短営業や休業になっていますから、そこに勤務しているパートやアルバイトの方の収入が大幅に減少しているという状況も生まれていると思います。 二つ御紹介しますが、50代で百貨店にパート勤務しているAさんは、やっぱりシフトが減らされて、月の収入が5割以上減ったと。僅かな貯金を切り崩しながらしのいできたけれども、いよいよやっぱり限界に来ているというお声であったり、区内の飲食店店主のBさんは、東京都協力金を申請し、それを受け取っていますけれども、やっぱり経営としてはランチのみの営業で赤字が続いていて、今年いっぱいで閉店も考えないといけないなどの声も寄せられています。そうなると、自助や共助というのはかなり限界に達してきていて、区が言う公助としての役割発揮がますます求められていくと思いますけれども、そこの認識についてお伺いをいたします。 ○堀越企画課長 区の公助としての役割についてでございます。少子・高齢化の進展や新型コロナウイルス感染症拡大によります社会経済状況などの影響により、区民生活における問題が多様化、複雑化していることは認識をしてございます。公助として取り組むべき多様なニーズに対応するため、行政におけます公的支援の在り方、課題ごとの支援の在り方について検討してまいりたいと考えております。 ○浦野委員 やっぱりすごく大事にしていただきたいと思いますので、ぜひ積極的な施策展開も含めて検討していただきたいと思います。 あと、区が取り組む債権管理対策が今ありまして、2020年度に23区特別区長会の調査研究機構でも、研究テーマとして区としても検討を重ねてきたテーマだと思います。今年6月の総務委員会で、研究報告も委員会に報告もされました。これまでの質疑でも、先ほど御紹介した滋賀県野洲市さんなども例に挙げさせていただきながら、住民のその滞納を一つの大事な機会と捉えて生活再建につなげていく視点での債権管理が必要ではないかということも、委員会の場などで提案をしてきましたけれども、現在区として、研究報告を一定程度まとめてこれから進んでいくことになると思いますが、現在の区の検討状況と進捗状況についてお伺いをいたします。 ○森財政課長 構造改革の実行プログラムにおきましても、債権管理体制の強化を個別プログラムの一つに挙げておりまして、生活再建を視野に入れました債権管理についても、令和4年度に向けまして、関係所管による検討を行っているところでございまして、債権管理対策会議におきましても検討を進めているところでございます。議会に対しましても、一定の方向性が出た段階で検討状況の報告もしたいと考えております。 ○浦野委員 今、答弁いただいた、今の区の構造改革でも生活困窮者支援の中でこの問題を取り組んでいく課題にもなっていると思います。当然、これは財政課だけじゃなくて、いろんな横断的な関係が非常に大事にもなってくると思いますが、税と国保などとの連携も欠かせないと思いますので、それぞれの担当課に現状と今後の取組についてお伺いをしたいと思います。 ○竹内税務課長 現在、税務課の窓口においては、失業あるいは収入の減少により納付困難となった納税者に対して生活支援施策の案内を行うなど、よりきめ細かい相談を行っているところでございます。今後とも納税者の状況を丁寧に聞き取りを行い適切な案内を行っていく、そういう考えでございます。 ○伊藤保険医療課長 国民健康保険料につきましては、支払いに支障を来すといった区民の方からの相談を適時適切に対応してございます。また、新型コロナウイルス対応としまして、国の制度を活用した新型コロナ減額減免制度により、外国籍を含めた区民に対し、令和2年度より国民健康保険料の減額免除を実施してございます。さらに、構造改革の一環として、令和4年度に保険医療課の所管である国民健康保険料と後期高齢者保険料の一部の滞納繰越分について事務処理の一元化を検討しているところでございます。この中でも生活再建を視野に入れた対応を行ってまいりたいと考えてございます。 ○浦野委員 なかなかちょっと税のところは、今現状の取組と今後のところは御答弁はなかったのかなと思うんですけれども、今、課長からあったように、その生活再建での取組、非常にこれからますます大事になってくると思います。午前中の質疑でも触れましたが、生活保護にしてもやはり、行政のその姿勢というものが現れてくる部分だと私は思っています。財政危機の名による区民施策の切り捨てはすべきではありませんし、もちろん、これは中野区だけではなくて、東京都や国が主体となって新型コロナ関連の支援が必要なことは、これは言うまでもありませんけれども、やっぱり区民の方にとって一番身近な基礎自治体として、ぜひ今年度後半のところでの補正予算や新年度に向けて公助としての役割をしっかりと発揮をして積極的な施策展開を、区民の方の命と暮らしを守る立場での施策展開を最後に重ねて要望して、私の全ての総括質疑を終わりたいと思います。ありがとうございました。 ○ひやま委員長 以上で浦野さとみ委員の質疑を終了します。 次に、河合りな委員、質疑をどうぞ。 ○河合委員 令和3年第3回定例会決算特別委員会において、立憲民主党無所属議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。質問は順番を変えて3番を最後に回します。そのほかはありません。 1、令和2年度決算について。 令和2年度を語る上で避けられないのが新型コロナウイルス感染症です。影響は甚大で今も続くかつていない危機の連続、区民も行政も初めての対応に追われました。ウイルス特性が明らかになり、ワクチンが進み、できる活動も増えましたが、今年になって初めて学校プール体験をした去年1年生だった子どもたちの話、決算書の不用額に並ぶ移動教室など、令和2年度が失われた日常の連続であったことを改めて感じました。ここまで支えてくださった医療従事者をはじめとしたエッセンシャルワーカーの方々、そして新型コロナウイルス感染症の対策に奔走してくださった職員の皆様に感謝を申し上げます。 会派としてはこれまで、公助により必要な方に着実に届く支援を求めてまいりました。また、我が党では、所得の低い人ほど可処分所得のうち消費支出に充てられる消費性向が高く、その方々をきちんと支援することが経済対策の一面もあると訴えております。まだ困難の中にいる区民の日常を取り戻すためにも、区は支援の手をしっかりと伸ばすべきです。多くの同僚議員よりここまで決算質疑があり、歳入が予測より大幅な上振れとなったことを指摘してきました。しかし、令和2年度の税収予測は誰にも正解は分からず、それに基づき予算執行するのは困難であったと考えます。それを踏まえて、財政指標を基に確認していきます。 (1)財政指標について。まずは歳入の特別区税について。コロナ禍では小規模事業従事者、非正規労働、ひとり親家庭など、もともと何とか生活を維持していた方に大きく影響が出たと言われています。財政白書の6ページ、特別区税のうち、特別区民税を見ますと、大きな影響は見られないように感じます。どの収入層の方が幾ら課税されているかを示す課税標準額の前年度との比較推移から区の見解を教えてください。 ○竹内税務課長 お答えいたします。令和元年度と令和2年度の7月1日現在の課税標準段階別納税義務者数及び1人当たり所得割額を比較いたしますと、課税標準額200万円以下の納税義務者数は891人減少、700万円以下の納税義務者数は2,576人増加、1人当たり所得割額は1,635円増加してございます。特別区民税は前年の所得に対して賦課されるものでございまして、令和2年度の課税について、納税義務者数及び1人当たりの所得割額は増加してございますので、新型コロナウイルスの影響はそれほどなかったと分析してございます。 ○河合委員 課税状況の変化をお伺いしました。納税においては決算要求資料区民6によると、比較的少額滞納の課税額45万円以下の滞納者数が前年度よりも851人増え、1万9,775人となっております。今後も新型コロナウイルス感染症によって令和3年度の税収に強い影響はありますか。滞納者数も踏まえて区の見解を教えてください。 ○竹内税務課長 令和2年度の滞納額は17億1,812万5,996円でございまして、令和元年度と比較して約2億4,000万円減少してございますが、滞納者数は2万124人と969人増加してございまして、特に少額滞納者層の増加が見てとれるところでございます。リーマンショックの影響も複数年続いたことから、新型コロナウイルス感染症の影響も複数年続くと予想されておりまして、滞納者数についても影響が及ぶおそれがございます。税収の動向については引き続き注視していきたいと考えております。 ○河合委員 ありがとうございました。さて、ここからは新型コロナウイルス感染症の影響で前年度の数字と比較しづらいので23区比較で話させていただきます。 財政白書の20ページ、図28、特別区債残高の推移について、23区平均はほぼ横ばいに対し、中野区は大幅に伸び、当初予算よりも多くなりました。用地取得など区債発行のためと書かれていますが、新型コロナウイルス感染症の影響について区の見解を教えてください。 ○森財政課長 令和2年度が特別区債残高、前年度より大幅に増加したということでございますが、今お話ございましたように、平和の森小学校移転用地及び道路用地の取得に当たって101億円余の特別区債を発行したということが一つございます。それから、学校施設整備やまちづくり事業についても、先行き不透明な経済状況ということもございまして、特別区債の発行により財源を確保したということで、残高が伸びているということで捉えております。 ○河合委員 ありがとうございます。22ページ、図32、実質収支比率5.5%、例年23区平均より低く、数字の動きは連動していますが、望ましいとされるのは3から5%の範囲ですが、要因をどう分析していますか。 ○森財政課長 実質収支比率でございますが、分母であります標準財政規模、それから分子であります実質収支、これらはともに前年度より増となっているところでございますが、標準財政規模、いわゆる一般財源ベースでの財政規模、これの伸びよりも、実質収支、いわゆる黒字部分ですね。こちらの伸び率のほうが大きかったということで、前年度より2.6ポイント増となったということでございます。 ○河合委員 5%を超えることは適切な財政運営ができていないとみなされることもありますが、見解を教えてください。 ○森財政課長 5%が一つの目安となって、これが標準財政規模に対して黒字部分が大きいといったような指標の一つの判断基準になっているところでございますが、数値としては5.5%ということでございますし、また、ほかの指標も含めて全体として捉えるとすると、おおむね適切な財政運営だったと考えております。 ○河合委員 23ページの図34、経常収支比率の推移では77.1%と柔軟性を担保した数字に見えます。公債費の減が影響と書かれていますが、果たしてそれだけが理由ですか。公債費の影響を、例えば前年度と同じと見立てると数字はどうなりますか。 ○森財政課長 公債費が仮に前年度、令和元年度と同じ数値だった場合、分子であります経常的な一般財源を充当する経常経費については約16億円増えると。結果636億1,300万円余となります。これを分母であります経常的に収入される一般財源である804億円余で割りますと、試算ですが、79.1%という数字になります。 ○河合委員 やはりそれでも下降線をたどります。23区平均と比べ中野区は絞り過ぎてしまったと思っておりますが、区の見解をお聞かせください。 ○森財政課長 予算執行の見直しを行った事業のうち、施設設備ですとかまちづくりの経費などは臨時的経費でございまして、経常収支比率の算定には影響を与えないものも多くあるということでございまして、執行調整を行ったことが直接経常収支比率の低下につながったということは、なかなか一概には言えないかなというふうに捉えております。予算執行の見直しにつきましては、先が見通せない状況下におきまして、危機意識を持って財政運営を進める観点から必要かつ適切な対応であったと考えております。 ○河合委員 ありがとうございました。構造改革において、「行政運営にあたり、経常的な行政コストを極力抑えていくことは、将来の発展に向けた政策的な展開や時機に応じた弾力的な対応がしやすくなります。ひいては区民の区政に対する満足度や納得度を高めることにつながります」と書かれています。しかし、我が会派としましては、区民への支援策を打てているのかを大いに懸念しているところをお伝えして、次に参ります。 就学援助について。生活援護などについては、他の同僚議員からも質疑がありましたので、私からは、会派からも毎年要望し、令和3年度に子どもの貧困対策として拡充いただきました就学援助についてお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症が一気に広がった年度当初、一斉休校などで大きな影響を受けたのが子育て世帯でした。日中の生活費、昼食費支出の増もあり、子育て世帯臨時特別給付金が支給された中、就学援助への影響を決算説明書を使ってお伺いします。 まず、293ページ、就学援助費について。認定者数に対して小中学生の内訳、予算時と実績の見込み差と見解を教えてください。 ○松原学校教育課長 認定者数2,435人の内訳でございますけれども、小学生が1,624人、中学生が811人となってございます。予算における認定者数の見込みにつきましては、在籍者数の見込みと認定率の見込みを乗じて得た人数によって算出し、小学生は1,683人、中学生で836人を見込んでいたところでございます。令和2年度の認定率を予算時において見込んだ認定率と比べますと、それぞれ小学校では1.11ポイント、中学校では1.75ポイント下回り、それゆえ見込み差として生じたものでございます。 ○河合委員 令和2年度は離職など年度中の急激な収入変化の特例措置がありました。新型コロナウイルス感染症を影響とする認定者の増加数と周知方法を教えてください。 ○松原学校教育課長 令和2年度から就学援助が非認定だった保護者のうち、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた世帯に対する特例措置を設けたものでございます。解雇、倒産、休業などによって家計が急変し、世帯収入が著しく減少した世帯について、再審査申請によって非認定から認定に変わりました世帯は30世帯でございます。 特例措置の周知につきましては、非認定通知に特例措置の手続について表記するとともに、区のホームページにも掲載したものでございます。 ○河合委員 就学援助世帯には、295ページ、区立学校臨時休業中の昼食費補助があり、全ての児童・生徒を含めた休校対策としては、291ページ、在宅学習支援、機器端末、Wi-Fiの貸出しがありました。詳細は分科会でお伺いします。特に就学援助世帯においては、経常的な支出の増加が困難な中、区では令和3年度より就学援助費支給の中でのオンライン通信費の拡充を行ったことを評価いたします。引き続き来年度もコロナ禍が続く中、丁寧に支援につないでいく必要があると考えますが、見解を教えてください。 ○松原学校教育課長 令和3年度から就学援助の認定基準につきまして、令和2年度までの生活保護基準の1.15倍から1.3倍まで拡大するとともに、支給費目としてオンライン学習通信費を新設いたしまして、年間1万円を加えたところでございます。今後とも就学援助に関する丁寧な周知を行い、経済的理由によって就学が困難な保護者への支援に努めてまいりたいと考えております。 ○河合委員 ありがとうございました。学びの視点で学習支援についても一緒に質疑したかったのですが、こちらは分科会でお伺いさせていただきます。 (3)ひとり親支援について。 319ページ、児童扶養手当について、ひとり親家庭の生活の安定と自立の促進に寄与し、児童の福祉の増進を図ることを目的として支給される国からの支援です。延べ受給者数が令和元年度より減っている理由をお聞かせください。 ○滝浪子育て支援課長 令和元年11月から支払い回数が年3回から6回になったことにより、令和元年度は経過措置として15か月分の支給となりました。延べ受給者数としては3か月分例年よりも多くなりました。令和2年度は12か月分に戻ったため、元年度と比較すると大幅に減ったように見えるだけでございます。 ○河合委員 ありがとうございます。前年の収入要件がある児童扶養手当ですが、令和2年度は急激な収入の落ち込みに対応していましたか。 ○滝浪子育て支援課長 児童扶養手当は国の制度でありまして、法令や国の通知にのっとって手当を支給しており、その年の収入減少に対する対応は、手当については特段行っておりませんが、児童扶養手当受給者を対象としたひとり親世帯臨時特別給付金が支給されております。 ○河合委員 ありがとうございました。次に、子育て世帯臨時特別給付金とひとり親世帯臨時特別給付金については、会派の中村委員から質疑させていただきましたので、私からは、令和2年度より拡充予算がついたひとり親支援の内容についてお伺いします。 まず、実際に行われた事業詳細を決算説明書を使って教えてください。 ○滝浪子育て支援課長 母子生活支援施設でのアフターケア事業といたしまして、臨床心理士などによる子育て相談会や子どもとの接し方についての講演会を合わせて3回実施いたしました。また、見守りが必要な母子等への子育て相談や育児、家事などの生活支援を行う母子等一体型ショートケア事業を4月から開始いたしました。そのほか、ひとり親、または離婚を考えている方を対象として養育費や子どもとの面会交流についての内容や手続などについて弁護士の方による講演会と相談員の方による個別相談会を8月の児童扶養手当現況届の提出時期に合わせて区役所で実施いたしました。 ○河合委員 今のお話は、329ページのさつき寮指定管理業者経費の中に含まれているものも多かったかと思います。こちら329ページ、母子家庭等に対する緊急一時保護事業、母子一体型ショートケアは、もう少し利用が伸びてよかったのではないかと思っております。昨年度と比較しましてそう思いました。接続はどこからの案内、判断になりますか。 ○滝浪子育て支援課長 母子家庭等に対する緊急一時保護事業及び母子一体型ショートケア事業に係る利用案内は、すこやか福祉センターや子ども家庭支援センター、女性相談のケース対応の中で利用や支援が必要と思われる方に対して行っております。母子・父子自立支援員がすこやか福祉センターなどから利用相談を受け、利用要件や支援内容を確認の上、子育て支援課で利用決定を行ってございます。 ○河合委員 一斉休校などの影響で働きながら子どもの世話をし、見えない不安を抱えた御家庭も多くあったと聞いております。支援を求めてきた方には丁寧な説明、支援が届くように御案内いただきたいと考えておりますが、いかがでしょうか。 ○滝浪子育て支援課長 ひとり親家庭の方の個々のニーズに応じて、母子・父子自立支援員がひとり親支援の制度の情報提供であったり、住宅、仕事、生活などについての相談に応じております。相談時には、支援を求める方の状況に応じて、丁寧な説明と御案内を今後も徹底していくほか、ひとり親に向けたサービスや就業支援講座などの案内、掲示などについても分かりやすく改善してまいりたいと思います。 ○河合委員 ありがとうございました。そのほかの事業詳細のほうは分科会にてお伺いさせていただきます。特にひとり親家庭では、金銭不安だけではなく、日常分散されていた向き合う時間と責任の重圧をたった独りで背負うこととなりました。327ページのひとり親家庭ホームヘルプサービス事業、小学生以下の子どもを持つひとり親家庭で一時的な病気などで家事や育児ができない場合にホームヘルパーに来てもらえる支援です。経年数字を追っていても伸びていきません。対象者と予算時と実績の見込み差、見解を教えてください。 ○滝浪子育て支援課長 ひとり親ホームヘルプサービス事業の対象者は、区内在住で小学生以下の子どもを扶養し、かつ、親族その他の援助が受けられないひとり親家庭の方でございます。令和2年度の予算のときには、年間78日分の利用を見込みましたが、実績としては48日分の利用となりました。保育所などの整備や病児・病後児保育など、他の子育てサービスの充実が図られたことにより、利用者が減少傾向にあると考えております。また、昨年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大状況下での就労形態などの変化により、保護者の方がお子さんを見ることができる状況が増えたことも一つの要因であると考えております。 ○河合委員 ありがとうございます。私の周りには、対象者が広いにもかかわらず、こちらの事業を知らない方もたくさん見受けられます。私は周知の方法にまだ課題があると考えておりますが、こちらの改善をお願いしたいのですが、いかがでしょうか。 ○滝浪子育て支援課長 ひとり親ホームヘルプサービス事業につきましては、区ホームページや区報、児童扶養手当の現況届郵送時やすこやか福祉センターで「ひとり親家庭のしおり」を配布するなどして周知をしております。ひとり親ホームヘルプサービス事業を含め、ひとり親家庭への支援施策の周知につきましては、ホームページの内容を分かりやすく整理するとともに、個別相談の機会などにおいても周知を図ってまいりたいと思っております。 ○河合委員 ありがとうございます。こちらにおいては、児童扶養手当を支給されていない方も対象になっておると聞いておりますので、一層の丁寧な周知をお願いいたします。 さて、ひとり親家庭で多く問題になっているのは、仕事と住むところです。令和2年度杉並区ひとり親家庭実態調査報告書によりますと、必要な支援の1番は経済的支援、2番に住宅の確保が入っております。仕事においては、327ページ、母子家庭等高等職業訓練促進給付金等事業で内容が拡充されました。詳細は分科会でお伺いします。住居におきましては、令和3年度居住支援協議会がつくられ、ひとり親や子育て家庭は住宅確保要配慮者としてその中に位置付けられています。実際に区では、ひとり親家庭が利用しやすいような工夫はされておりますか。 ○池内住宅課長 住まいに困窮している低額所得者、高齢者、障害者だけでなくひとり親世帯など、いわゆる住宅確保要配慮者の属性ごとに不安を感じる民間賃貸住宅のオーナーは入居を拒む場合もございます。ひとり親の方も含め、子育て世帯の方に向けて居住支援協議会の専用ホームページのトップ画面に「子育て世帯の方へ」のメニューボタンがございます。関連リンクから必要な支援につながる仕立てとなってございます。 ○河合委員 ありがとうございます。現在、居住支援協議会の中には子育て支援課が関わっておりません。居住支援協議会への参加、窓口でさらにアピール、接続を案内するなど連携を取っていくべきと考えます。住宅課と子育て支援課、両課にお伺いしますが、いかがでしょうか。 ○池内住宅課長 居住支援協議会は、住宅部門と福祉部門が連携し、住宅確保要配慮者に対し、入居前から退去までの生活支援を継続して行うことで民間賃貸住宅への円滑な入居を目指していくものでございます。現在は、住宅に関する相談や課題が多く寄せられています低額所得者、高齢者、障害者への対応を中心に居住支援協議会の体制基盤を固めているところでございます。ひとり親世帯の相談窓口である子育て支援課は、居住支援協議会の構成員ではございませんが、情報提供や窓口にパンフレットを設置するなど、日常より連携した取組をしてございます。居住支援協議会の構成員につきましては協議会で議論されることとなりますけれども、区としても、子育て支援課も参加できるように働きかけをしていきたいと考えております。 ○滝浪子育て支援課長 ひとり親世帯についての手続や相談を受けた際には、パンフレットを活用して住宅についても聞き取りながら、住宅確保支援策について住宅課と連携を密にし、ひとり親家庭への事業周知を図ってまいりたいと思っております。 ○河合委員 経済対策として都の養育費確保支援事業検討を機会があることにお願いしていますが、令和3年度より都内で導入した区も増えました。今後のひとり親への拡充策を含めて検討状況を教えてください。 ○滝浪子育て支援課長 令和2年度から養育費支援事業といたしまして弁護士を講師に招き、子どもの養育や養育家庭の生活などについて考える機会を提供し、養育費の支払いや面会交流に関する取決めについての講演会及び相談会を実施しております。ひとり親への支援についてアンケート調査を実施し、必要な支援策の分析を現在行っているところでございます。 ○河合委員 ありがとうございました。そのように区内のひとり親家庭に支援が行き届いているか、どんなお困り事があるか、接点が増えた分、ニーズの把握と支援の充実をお願いいたします。 障害児支援についてお伺いします。 323ページ、児童育成手当(障害手当)受給者特別臨時給付金ですが、予算時と実績の見込み差と見解を教えてください。 ○滝浪子育て支援課長 特別臨時給付金につきまして、補正予算の際に見込んだ対象者数は150名でしたが、実際に支給した世帯数は115件、児童数としては117名でございました。月の平均受給者数及び遡及認定の受給者数を踏まえて不足することがないよう見込み数を積算しており、対象者には漏れなく支給ができたと考えてございます。 ○河合委員 こちらの児童育成手当は区が設定する支援施策です。就学援助のように柔軟に新型コロナウイルス感染症の影響で困難になった方の対応はございましたか。 ○滝浪子育て支援課長 毎年6月分から前年度の所得状況により支給対象となるかどうかを判断しておりまして、特段新型コロナウイルスの影響につきましては、制度変更などの対応はしておりませんでした。 ○河合委員 こちらに関しましては、人数もそう多くない中で苦しい状況を勘案しますと、支援策を拡充して丁寧な対応をされてもよかったのかなと考えます。 次に、医療の進歩によって以前よりも重度の障害を持つ方や医療的ケア児と呼ばれる子どもが在宅で過ごせることも増えました。337ページ、医療的ケア児及び重症心身障害児への消毒・衛生用品購入等、413ページ、重度障害者、在宅人工呼吸器使用者等への衛生用品購入ですが、令和2年5月頃の最も物品が手に入らない時期に予備費を使っての速やかな対応を評価いたします。あの時期は、感染不安からマスクが手に入らず、店頭からアルコールも消えました。心細い中での支援に感謝の声も届いております。御要望があっての対応でしょうか。 ○石濱子ども特別支援課長 当時の状況を踏まえまして、区としてできるだけ早く対応すべきということで、障害福祉課やすこやか福祉センターの協力を得て、日常的に消毒や衛生材料を頻繁に使用する、いわゆる医療的ケア児(者)や重症心身障害児(者)に向けて優先的に対応することとしました。日常的に医療的ケア児や重症心身障害児への関わりがある区内医療機関に協力を要請いたしまして、必要物品のリストを整え、調達につきましては、医療機関限定の販売ルートの協力をいただき、早期に配布が可能となったものでございます。 ○河合委員 コミュニケーションが取れて支援につながったこと、区としてあるべき対応であり、困難に寄り添われたことは大いに評価したいと思います。日頃からきちんと顔が見える関係を築くことが特に緊急時に生きてきます。スピード感を持った事業構築で困難を抱える人へ手厚い支援がつながりますよう強く要望いたします。 災害時は、障害を持つ方や子どもたちは要配慮者とみなされており、より困難な状況になります。特に人工呼吸器などの医療的ケアを必要とする方にとっては非常電源の確保は命に関わります。そのための発電機の配備はすこやか福祉センター4か所に限られており、令和3年度は避難所に蓄電池が置かれましたが、主に一般の方や現場で使われることが想定されているため、災害時には遠くてすこやか福祉センターにたどり着けない。また、このコロナ禍で感染不安から自宅避難を選択される方が増えることも想定されます。障害を持った方の自宅避難支援を検討してはいかがでしょうか。 ○河村障害福祉課長 人工呼吸器等の医療的ケアを必要とする障害児(者)にとって、非常用電源の確保は生命の維持に直結する重要な課題であると考えております。令和4年度から東京都の在宅人工呼吸器使用者療養支援事業では、人工呼吸器の外部バッテリーを充電するための蓄電池を対象品目に追加する方向で検討がなされてございます。都の補助事業の方向性を見据え、人工呼吸器使用者の非常用電源の確保について検討してまいりたいと考えてございます。 ○河合委員 ありがとうございました。障害を持つ方や子どもたちも外に出る機会や場所が増えてきております。ライフスタイルや障害の傾向も制度が考えられた当初とは様々変わってきておりますので、事態と状況に合った事業への変更という視点を持って改善に努めていただくことを要望いたします。 この項の最後にお伺いします。令和2年度コロナ禍の予算執行では国や都の事業が中心で区独自施策は少ないと感じました。92億円の減収という報告に萎縮し、各課はもっと有効な手だてを打てたのではないかと考えます。今後、区独自施策をどう取り組まれていくのか教えてください。 ○堀越企画課長 新型コロナウイルス感染症対策の今後の区独自施策についてでございます。今後の医療、生活、経済支援対策事業につきましては、国や東京都の動きを見定めつつ、地域の特性や実情、また感染状況や各事業の経過等も捉えながら各担当と調整を行いまして、効果的な対策等について検討を進めてまいりたいと考えております。 ○河合委員 ありがとうございました。我が会派としては、財政面において現状の収支を見ると改めて影響が大きかった方への支援の手を伸ばすための一定の余力はあると考えております。新型コロナウイルス感染症は数年の影響が続くと言われる中で、決して財布のひもを緩めろというわけではございませんが、引き続き真にお困りの方はいないのか、丁寧な対応を求めまして、この項を終わります。 2番、児童館について。 閉会中9月2日の子ども文教委員会で、新たな機能を備えた児童館についてが報告されました。酒井区政が児童館に向き合って様々検討を進めていると捉え、報告を聞きながら、一利用者としても児童館の機能が拡充されるのを楽しみに感じました。期待感を寄せている子育て世帯の声も聞いております。 さて、質疑を始める前に、まずは前段として児童館について整理させていただきます。まず、同日の子ども文教委員会で、私の児童館は区は廃止として動いてきたのではとの質問に、不明確であるという答弁がありました。そもそも前区政で平成17年、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)で児童館全廃が示されましたが、平成22年の第3次には、児童館廃止の言葉自体がなくなったこと、平成30年2月20日の一般質問の再活用をとの質問に、現児童館を含め活用と前区長の答弁があったことを根拠としているためと考えます。では、この二つ、計画と特徴、前区長答弁についてひもといていきます。 新しい中野をつくる10か年計画(第3次)、最初に報告された際の常任委員会の議事録を確認すると、質疑は全て児童館廃止を前提に行われております。要するに、当時は、児童館全廃方針は第2次と変わらず、全てキッズ・プラザに整備していくという扱いでしたね。 ○細野育成活動推進課長 新しい中野をつくる10か年計画(第2次)において、児童館は9か所のU18プラザと全ての小学校に設置するキッズ・プラザに再編することとして、U18プラザとして展開しない児童館はキッズ・プラザ整備後に廃止する方針といたしました。そして第3次においては、U18プラザを廃止することとし、キッズ・プラザについては第2次と変わらず全ての小学校に整備していく方針といたしました。 ○河合委員 ありがとうございます。議事録に残っている部分より、書かれていないから計画上で廃止でないとは言い難いかと思います。 前区長答弁についてお伺いします。一般的に計画上に書かれていないことを区長が答弁した場合、その後の事業実施のためのプロセスはどうなりますか。 ○永見基本構想担当課長 本会議等におけます区長答弁につきましては、その時点での区の考え方を示すものでございます。一般的には、その考え方を具体化した案を作成いたしまして区議会に示した上で、事業の内容に応じて実施に必要となる手順を進めていくものでございます。 ○河合委員 であるならば、本来なら、前区長答弁を受けて区としては事業実施に動いているはずです。平成30年は区長選挙がありました。それまでに何回常任委員会が行われ、そこで児童館関連の報告はされていますか。報告がなくとも再検討に向けて動いた何かがあるようでしたら教えてください。 ○細野育成活動推進課長 平成30年3月から5月までに開かれた常任委員会は、総務委員会で3回、区民委員会で4回、厚生委員会で3回、建設委員会で4回、そして子ども文教委員会で3回ございましたが、この間、児童館関連の報告はありませんでした。それから、児童館廃止の再検討に向けた取組としては、平成30年10月、中野区の新たな区政運営方針の骨子(案)の中で、地域の子育て支援拠点の充実、また、同年10月19日の区長定例記者会見の中で、児童館の見直しの方針を示し、検討を進めてきたところでございます。 ○河合委員 ありがとうございました。先日の森議員の一般質問においても、酒井区長は順次廃止していく方向であったと答弁されています。以上を踏まえますと、区は前区長答弁後も児童館廃止の方針は変更をしていないということです。 本題に入ります。児童館が子どもの放課後の居場所であると考えると、代わりに整備されてきたキッズ・プラザ抜きでは考えられません。これまでの計画は、児童館を全廃、キッズ・プラザを建て替えの学校に順次整備することになっていました。理想だけの話をすれば、現状の児童館は全館残り、新しい機能を備えた児童館になって、キッズ・プラザを整備していただければ子育て世帯としては歓迎したいところです。しかし、それをするとどうなるのでしょうか。児童館の機能拡充分の施設改修などやキッズ・プラザが増える分だけ経費が増えます。キッズ・プラザについて1館当たりのおよその経常経費と将来整備する数を教えてください。 ○細野育成活動推進課長 令和2年度のキッズ・プラザの行政コストは11か所で10億5,541万円ほどでございました。1か所当たりということですと、平均経費は約9,500万円ということになります。そして、令和4年度に令和小学校に設置をいたします。その後全ての小学校にキッズ・プラザを設置していく計画でございます。 ○河合委員 すみません、将来整備する数は全部で幾つになりますか。 ○細野育成活動推進課長 全小学校にということですので、将来的には、現在小学校は20校なので、全部の小学校に設置していく計画でございます。 ○河合委員 こちら、単純計算してざっくり20億円ぐらいと考えまして児童館の改修経費などを含めましたらかなりの額になります。財政白書の92ページ、96ページで、施設別財務書類の児童館とキッズ・プラザについてのグラフを見ても分かるように、どちらも一般財源の割合が多い事業です。利用状況のバランスを考えると、子どもたちの環境を過分に整え過ぎることは、結果、残念ながら、その子どもたちへの将来負担を大幅に増加させることになります。では、今の区の計画について、現状は児童館16館、キッズ・プラザ11館、合わせて27館。それを全廃予定であった児童館を9館残し、機能強化を図り、キッズ・プラザは将来的に20館に増やし、数も合計29館。放課後の居場所の役割を整理し、機能も拡充していくということです。区財政的に大きな負担であろうとも、その決断をしていただいたことには改めて評価をいたします。 次に、例えば、この児童館を全館残して学童クラブとキッズ・プラザを学校内に整備しなくていいのではという考え方もあります。それでは、児童館は誰のための施設でしょうか。 ○細野育成活動推進課長 児童館の対象についてです。児童福祉法に基づく児童厚生施設でございまして、0歳から18歳までの児童を心身とともに健やかに育成するための施設でございます。乳幼児親子、小学生から中高生までに御利用をいただいております。 ○河合委員 児童の放課後の居場所として学童クラブとキッズ・プラザを学校内に順次整備しますが、そうなると児童や保護者のニーズなどに変化はありますか。 ○細野育成活動推進課長 児童館の利用児童につきましては、キッズ・プラザ利用に移行しているというふうに認識してございます。キッズ・プラザについて学校内で安全・安心に過ごせる場として周知が進んでおり、活用されていると考えておりまして、現在登録率については96%ほどでございます。また、キッズ・プラザ併設の学童クラブについて、ほぼ定員の99.9%の利用となっておりまして、学校内の学童クラブの需要が高いというふうに分析してございます。 ○河合委員 児童や保護者のニーズは学校内に集中しているようです。一方、乳幼児を含めました児童館利用者である乳幼児親子の利用に変化はありますか。 ○細野育成活動推進課長 既に学校内に学童クラブが移転した児童館については、旧学童クラブ室を乳幼児親子が使いやすいように遊具等を配置したり、中高生が過ごせる居場所となるように各室で工夫してございます。新型コロナウイルス感染拡大の影響も考えられ、利用数については正確な分析はできませんが、学童クラブが学校内に移った児童館の利用者については減少傾向が見られます。 ○河合委員 ありがとうございます。では、児童館から学童クラブが抜けた後の主な利用者と今なっている乳幼児親子ですが、現状の児童館をどう思っているのでしょうか。区内の子育て中の有志の方々が子育て・子育ち環境向上のために集まって運営されている子育て環境向上委員会が令和3年6月に作成した中野区立児童館利用状況&利用希望アンケートを参照し、子育て世帯の声として一部紹介させていただきます。建物が古い、日曜閉館で使いにくい、職員の対応がよい、いつも行ける場所にあるのは心理的に助かる、先生が変わっていまいち、U18がよかった、スタッフが少なくて遊んでもらえない、機能が充実していない、ずっと事務所にいて関わろうとしない。児童館への満足度は、やや満足を含めれば70%近くなっていますが、現状のままでいいと思っている方は少なく、職員の関わり方、事業内容は評価が低めです。 例えば、決算要求資料子ども文教46、他区に比べ利用できる日が少ないことを示しています。実際に区内児童館を利用せず、自転車で近隣区のもっと親切できれいな施設の児童館を利用しているとおっしゃっている方もいます。 一方、私もこれまで何度か職員の方の話を聞かせていただきました。今の人員配置では自分たちでも満足のゆく関わり方ができない、児童館の廃止の方針から、自分たちの仕事は不要だという思いで働いてきた。機能を強化し、もっとよいものにしたい。お話を聞けた方は一部の方ですが、児童館機能の拡充に希望を抱いていらっしゃる中、全館現状のまま維持することは、結果、乳幼児親子のニーズも満たせないままになります。 私は、前回の子ども文教委員会にて、保護者は学校に学童クラブとキッズ・プラザが入ることを歓迎しているとお話しさせていただきました。そもそも学童クラブとキッズ・プラザが学校に入ることになった経緯を教えてください。 ○細野育成活動推進課長 学童クラブとキッズ・プラザを学校に設置した経緯でございますが、新しい中野をつくる10か年計画において、学校内で豊かな体験ができる放課後の子どもたちの安全・安心な遊び場として全小学校に整備をし、学童クラブを併設することといたしました。キッズ・プラザは小学校内において校庭や体育館を活用した居場所、遊び場を提供しているというふうに考えてございます。 ○河合委員 こちらは国の方針がまずあって、キッズ・プラザと学童クラブは校内に入るという話になったかと思うんですけれども、そちらを含めてもう一度御答弁いただけますか。 ○細野育成活動推進課長 国の放課後子ども総合プランというのがございまして、そういった考えにも沿って、中野区として安心・安全な遊び場として学校内に整備をしていく方向性ということで進めてまいりました。 ○河合委員 すみません、国がそれを提示した理由があったと思うんです。それをお聞かせください。 ○細野育成活動推進課長 安全・安心ということを先ほど申し上げましたが、学校内において安全・安心な場所を確保していくという方向性、それから放課後学童クラブと放課後児童クラブを一体的に運営していくという方向性、それらを受け、区としては学校の中にキッズ・プラザを整備して、それを全校に広げていくと、そんな方向性を定めたものでございます。 ○河合委員 お答えいただけないので私のほうから申し上げますと、この時期には、池田小の事件があって、学校の外を歩くのがやはり危険だという話がまず議論にあって、国がこういう方針を出して、そして私たちの子どもたちが、学校にクラブが入っているというのがいいなという動きがあったと思うんです。発表された当時は反対の声も多かったと聞いていますが、先ほどの答弁どおり、現在の保護者ニーズでは学校内が高くなっています。なぜ学校内の需要が高いのでしょうか。多くの保護者は、大切に手をつないで育ててきた幼稚園・保育園を卒業したばかりのまだ御家庭で向き合ってきた子どもと手を離して初めて一人で歩かせる。親として子どもを一人立ちさせていく、その移行段階の低学年時に、なるべく子どもを危険から排除してあげたいと考えています。学校内に学童クラブやキッズ・プラザがあれば、外に出るのは登下校のときだけで、多くの保護者にとって安心・安全に勝るメリットはないからです。当然、様々総合的検討の中から民間学童クラブを選択している方を否定するものではありません。新しくなる学校内に学童クラブとキッズ・プラザを入れないとなると、現在の利用者である子どもと保護者たちのニーズは満たせなくなると考えます。 さて、ここまでは放課後の子どもたちの居場所としてお話をさせていただきました。次は、お寄せいただいている、歩いて行ける範囲に子育て施設がなくなると不安に思ってらっしゃる乳幼児親子の声に、果たしてそうなのか確認していきます。中野区がこれまで乳幼児親子の居場所として用意されてきた施策を教えてください。 ○細野育成活動推進課長 乳幼児親子の居場所についてです。保育園等、子育て関連施設において子育てひろば事業を実施しております。乳幼児親子の交流の場として提供しておりまして、現在区内に9か所開設しております。また、児童館において乳幼児親子が気軽に利用できる交流の場として、乳幼児親子ほっとルーム事業を実施しております。 ○河合委員 子育てひろば事業は、すこやか福祉センター、児童館、民間、保育園と様々なところで実施されており、分かりにくい状態です。それで、パネルを用意したので御覧ください。 こちら、子育てひろばとともに、現状の児童館と新たな機能を備えた児童館が9館となった時点の地図です。子どもを連れて動ける範囲やベビーカーを500メートルと捉えますと、このようになります。実はそこまで変更なくカバーできています。地図化すると非常に分かりやすいかと思います。丁寧な説明や情報の出し方が重要です。ひとまず現状のホームページの子育てひろばの名前と住所だけの羅列を集約化し、地図を載せていただくことはすぐ実行していただけませんか。 ○細野育成活動推進課長 現状、委員おっしゃるような文字の情報の域を脱していないので、今きれいに見せていただいているフリップのような、見やすいホームページを検討してまいります。 ○河合委員 ありがとうございました。さて、さきの子ども文教委員会では、児童館における一時預かり事業についても報告されております。区内の子育て世帯から一番要望がある事業といっても過言ではありません。決算説明書327ページ、一時保育事業補助金等について、実施施設は増加しましたが、利用者が減っております。分析はどうされていますか。 ○滝浪子育て支援課長 東京都の通知に基づいて、昨年は4月から5月の緊急事態宣言期間中は保育を縮小して実施していたこと、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う利用自粛があったこと、また、待機児童の解消に向けた保育所などの整備が進んだことが利用者が減った理由であると考えております。 ○河合委員 昨年は新型コロナウイルス感染症の影響があったため分かりづらいので、決算要求資料子ども文教40で、過去数年を見ますと、年度によって増減があるようです。預かる部屋が用意されている専用室型一時保育の代表として区立保育園の利用率をそれぞれの年度で教えてください。 ○滝浪子育て支援課長 令和2年度の区立保育園の利用率は56.0%、令和元年度は76.4%、平成30年度は75.2%でございました。 ○河合委員 ありがとうございます。こちらは年間を通して春から冬にかけて需要の高さに変化はありますか。 ○滝浪子育て支援課長 令和2年度の年度当初につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、利用者数は少なかった時期がございましたが、例年は年間を通じて大きな変化はございません。 ○河合委員 ありがとうございます。こちらは年度の中でもあまり利用率の変更はないことから、専用室型の枠は一定上限であるのではないかと考えております。今年度認証保育園の一時保育実施園の情報が整理されました。拡充されていくことを感謝いたします。しかし、専用室型ではなく、認証保育園などで実施されている定員の空きに応じて預かり人数に変更のある欠員利用型一時保育では、預かり枠が変動します。年度の中での空きの人数の変化を決算要求資料子ども文教18で御覧ください。およそ4月入園までの間に年度末に向けて入所率が上がり一時保育の枠が減るということです。対して、子どもの総数は、毎日産まれ増えていくので、年度末に向けてより一層一時保育は利用しにくくなっていきます。残念ながら、欠員型の拡充がまだまだ利用できないという声の大きい一時保育を拡充しなくていい理由にはなりません。このコロナ禍、明らかにDVや虐待の数字は伸びています。令和2年度児童虐待相談件数は過去最多を記録しました。既に待ったなしの状態です。区内に児童相談所もできる中、そこに至る前の施策の充実は、ほかの議員の方からも要望があります。一時保育の拡充は、誰もが思いがけず踏み込んでしまうDVや虐待を立ち止まらせる一歩にもなるはずです。過去、一般質問で、保育園型一時保育だけが区で実施されている問題点を指摘いたしました。需要の高い一時保育事業の改善と拡充検討のために、試験的な今回の柔軟性の高い一時預かりが実施、効果が検証されることは重要と考えます。区の見解を教えてください。 ○細野育成活動推進課長 令和3年度に、乳幼児親子にとって身近な施設において当日利用枠も設定した一時預かり事業を児童館において行う予定でございます。現在、事業実施に向けた準備を進めているところでございます。この当該事業の利用者の声も踏まえまして、保育園における一時保育事業も含めて、区として一時保育事業全体の考え方を取りまとめて、令和4年度の事業内容を検討していく考えでございます。 ○河合委員 ありがとうございます。次に、私は子どもたちが育ち合う世界がボーダーレスでインクルーシブな多様性を認め合う社会に近づいてほしい、障害を持つ子が、それだけが理由で排除されることがなくなってほしいと思っております。では、区内の一時保育は、障害を持つ子の受入れについて現状どのような対応になっていますか。 ○滝浪子育て支援課長 区立保育園の一時保育におきましては、集団保育ができることを前提として受け入れておりまして、職員の加配対応が必要となる児童につきましては、対応職員の配置が困難であることから、登録申込みがあった段階で利用が難しいことをお伝えしております。 ○河合委員 私のほうには、申込みですらさせてもらえなかったというお話が来ております。例えば、障害者手帳をお持ちの方であっても、障害は人それぞれ、穏やかに過ごす子もいます。板橋区では、預かり前の面談で受け入れられると判断すれば、障害を持った子どもも受け入れているそうです。検討してはいかがでしょうか。 ○滝浪子育て支援課長 お子さんを預かる際の面接は、現状予約日が決まった利用者につきましては、障害の有無に関わらず全員実施をしているところでございます。障害のあるお子さんにつきましては、区の受入れ体制上の課題もあることから、現場の保育園の状況を踏まえながら、実施可否を検討してまいりたいと思っております。 ○河合委員 ありがとうございます。今のことは御相談いただいた方にしっかりとお伝えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 関連しまして、327ページ、病児・病後児保育について大幅に利用が減っております。理由を教えてください。 ○滝浪子育て支援課長 令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大状況に伴いまして、子どもの医療機関受診が減ったことや、インフルエンザなどの感染症の流行がなかったことなどが利用者数が減った主な理由と考えております。また、病児保育は実施施設である総合東京病院が新型コロナウイルス感染症の治療対応を行っていることから5月以降休止しておりまして、それも利用者数が減った理由の一つと考えております。 ○河合委員 ありがとうございます。総合東京病院の病児保育の再開見込みはありますか。 ○滝浪子育て支援課長 現在事業者と再開の要件や時期などについて協議を進めているところでございます。 ○河合委員 ありがとうございます。区内には働きながら子育てしている方が半数を超えております。緊急時にどうしても仕事を休めない方のセーフティネットとしては、病児保育は必要な事業です。早期再開が見込めないようであれば代替手段を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○滝浪子育て支援課長 就労家庭を支援する事業といたしまして、病児保育事業のニーズが高いことは区としても認識をしてございます。ファミリーサポート事業でも病児の預かりは実施しておりますが、施設型病児保育の早期再開が見込めない場合の代替事業といたしまして、訪問型などを含め検討してまいります。 ○河合委員 ありがとうございます。最後に、先ほど子育てひろばのホームページ改善を要望しましたが、実はこちらは一時保育の情報が散見しています。ショートステイやトワイライトステイなどの緊急性が高い方のための支援、子育て支援課での一時預かり事業など、実は多様な預かりの場があることは一見して分かりにくくて、必要な方に届いていないことを懸念しております。こちらも情報の集約化、地図化などを利用者視点でホームページ掲載を改善していただけませんか。 ○滝浪子育て支援課長 一時的な預かり事業につきましては、毎年区報にて様々な事業を一覧にして広報を行っております。区のホームページにつきましては、広聴・広報課と連携いたしまして集約したページを作るなど、区民にとって分かりやすい情報発信となるよう改善してまいります。 ○河合委員 児童館と一時保育について、今、様々意見を述べさせていただきました。子どもの成長は早く1年があっという間です。また来年検討する、また来年実施する、そうしているうちに子どもたちは大きくなり、子育て世帯は中野区を諦めて転出してしまうでしょう。区が真の子育て先進区になっていくためには、子どもと子育て世帯向け施策のスピード感が必要です。区長の見解をお伺いします。 ○酒井区長 子どもは成長の過程にあり、その1年1年が貴重なものとなるため、子どもの今を大切にするという視点から迅速に子育て環境を整備していくことが重要であると考えております。新たに策定する中野区基本計画におきましては、子育て先進区の実現を重点プロジェクトの一つとして位置付け、限られた財源、人材を効率よく配分し、組織横断的かつ重点的に取組を進めていくこととしております。私は、区長就任以来、子育て先進区の実現を区政運営の柱として掲げてまいりました。子どもの今と未来に責任を持つ一人の大人として不退転の決意の下、リーダーシップを発揮し、子育て先進区の実現に向けてスピード感を持って取組を進めてまいりたいと考えております。 ○河合委員 ありがとうございました。コロナ禍でも議論を止めずに、子どもたちにとってよりよい今と未来を残していけることを要望しまして、この項を終わります。 広報について。まず、令和2年度からの広報アドバイザーについて。昨年も質疑いたしましたが、改めてお伺いします。 決算説明書139ページ、会計年度任用職員は広報アドバイザーのことですよね。予算時と実績の見込み差と見解を教えてください。 ○高村広聴・広報課長 予算編成時は月五日の勤務を想定していまして、実際最初は、アドバイザー自身が広報物の作成や動画の制作をする方が多かったところですが、当課の職員がアドバイザーから指導助言を受けていく中で、職員が作成したものを監修することができるようになるなど、指導助言の比重が高くなっていったことで、アドバイザーと当課双方で月四日程度の勤務がちょうどよいという認識に至ったことによるものです。また、新型コロナウイルス感染症の影響により、当初想定より出張が少なかったことも一因です。令和3年度は、令和2年度の運用実績を踏まえ、月四日勤務の想定で予算を編成しております。 ○河合委員 特に特別定額給付金、災害情報発信など、ここまで総括質疑を聞いても分かるように、令和2年度は情報発信の価値が見直された1年でした。また、様々な面での広報アドバイザーの活用、広報意識の浸透が見られた部分も多く、1年でこの金額は費用対効果として非常に高いものだと感じております。 次に139ページ、多言語対応アプリについて、主要施策の成果の60ページからも、十分な効率化と区民サービスにつながったことを評価いたします。中でも具体的に大きな効果があった部分を教えてください。 ○高村広聴・広報課長 なかの区報に10か国語アプリを導入したことで、年4回4ページで3か国語の外国人向け区報を発行したときと比べ、対応言語、それから提供できる情報量が格段に増えたところでございます。一方、経費は98万円余ほど減少し、費用対効果が向上したと評価しているところでございます。 ○河合委員 事業見直しにつながったことは加えて評価いたします。日本に来ている外国の方は、生まれた国の方との連絡手段の多くが主にインターネットを介したものと想定される中で、アプリの活用は大変親和性が高いと考えます。今どのように周知されていますか。 ○高村広聴・広報課長 多言語アプリの導入につきまして、複数言語に対応している区ホームページで周知するとともに、案内チラシを作成し、このチラシも多言語アプリで閲覧できるようにし、区のSNSで周知したところでございます。 ○河合委員 ありがとうございます。印刷物を集めてくる趣味がありまして、こちらは、去年令和2年度のチラシです。見やすく大変分かりやすいものになっておると思っております。これは広聴・広報課で作られましたか。 ○高村広聴・広報課長 そのとおりでございます。 ○河合委員 広報アドバイザーの方はうまく活用されて、職員の方がここまでできるようになったというのはすごいことだなと評価いたしたいと思います。 子育て世帯に向けて実施されている子育て情報LINE発信は評判がよいようです。見る側に向けたメディア特性を生かすことが情報伝達においてはかなり重要です。また、点字区報を行ったことで情報が一人でも多くの方に伝わるようになったことを加えて評価いたします。今後も多様な方にしっかりと情報が届くよう、一層工夫と周知をしていただきたいと考えますが、いかがですか。 ○高村広聴・広報課長 伝達する内容や対象により情報発信の方法などを常に工夫しているところでございますが、区全体としては、区民に届く広報という点で改善の余地が大きいとも認識しているところでございます。情報の受け手である区民の方などの意見も一層伺いながら、また広報アドバイザーの指導助言を受けながら、分かりやすい情報発信に努め、工夫してまいります。 ○河合委員 ありがとうございます。情報整理、見せ方などは、各課の広報物を改善していただきたいものがまだまだ見受けられます。そもそもほかの課に広聴・広報課が関わる基準はありますか。 ○高村広聴・広報課長 情報の整理、見せ方については、当課で広報ガイドラインを策定し、庁内へ周知しているところでございますが、まだ十分に浸透していないと認識してございます。広聴・広報課が各課の広報に関わる基準は特になく、各課から広報クリニックの依頼を受けて対応するか、危機情報など緊急性の高い情報発信について、当課から各所管課へアプローチし、支援しているのが現状でございます。 ○河合委員 ありがとうございます。私の今質疑の中だけでも、ひとり親ホームヘルプサービスや子育てひろば、一時保育のホームページ改善などを指摘しています。このような課題がある部分を見つけて広聴・広報課が当初から編集的視点を持って一緒に関わり、見せ方を再構築していく必要があると考えますが、いかがですか。 ○高村広聴・広報課長 子ども・子育てサービスは多岐にわたり、また内容の理解が容易でないものも多く、情報の受け手である親や子どもに届く情報発信という点で課題があると認識してございます。子ども・子育てサービスに関しては、当初から担当課と当課で協議して広報物を作成するとともに、例えば動画を活用するなど、その情報伝達の方法も含めて分かりやすい広報となるよう努めてまいります。 ○河合委員 ありがとうございます。様々ホームページが見えにくいという指摘は今までも多数受けておりますので、ぜひ改善のほうを、よろしくお願いします。 次に決算説明書141ページ、区政情報誌発行で、転入者向けパンフレット、執行停止された「わたしの便利帳」と「おひるね」の代わりに印刷されたものだと思います。こちらもやっぱり現物があります。去年のものです。二次元コードでホームページが案内される工夫がされており、若い世代の流入が多い中野区では有効と考えます。こちらの制作意図を教えてください。 ○高村広聴・広報課長 感染症の影響などを鑑み、便利帳の発行を取りやめたところですが、その代替として転入者用のパンフレットを作成したところでございます。委員の御指摘のとおり、中野区への転入は若い世代が多いところですが、インデックス的なパンフレットがあれば、デジタルツールを使いこなす世代にとってもサービスが一覧でき、有効であること。また、より詳しい内容を知りたい人にはホームページ等で確認できるようにすることで、最低限必要な情報を届けることができると考え作成したものでございます。 ○河合委員 ありがとうございます。このツール自体は大変意義があるなと思ったんですけど、同じ工夫を活用されて今年度、令和3年度は「なかの生活ガイド」が作られました。こちらは外に出して作りましたか。広聴・広報課で、皆さんで作られましたか。 ○高村広聴・広報課長 広聴・広報課で作成したものです。 ○河合委員 ありがとうございます。そういうふうに外出しを今までしていたものが内製化できていくということにおいても、広報アドバイザーは大変意義があったものだと感じております。そういう形で皆さんが一生懸命中で作ってくださるのは、本当にすばらしいことだなと思っております。 同じ工夫をして作られました。しかし、たどり着いた先のホームページ、今せっかくQRコードを載せましたが、こちらホームページのほうにはまだまだ改善の余地があるようです。以前、防災についての一般質問でも指摘しましたが、庁内で実施している業務は網羅されていますが、例えば、困り事から検索するときや所管がまたがると情報が散見するなど、利用者視点で情報が整理されておらず、情報にたどり着けず、結果、知っている人だけが得をすることが出てしまう状態です。サービスの公平性、利用者への配慮が不足しています。今後ますますインターネット上での情報発信が中心になる、重要になる中、2009年に見直し、2014年にトップページを変更したところと聞いておりますが、ホームページ全体をスマホ対応を含めて再構築し直してはいかがでしょうか。 ○高村広聴・広報課長 区ホームページは、都度改善を重ねているところでございますが、根本的にはスマートフォン対応になっていないなど、利用者にとっての見やすさや使いやすさという点で限界を感じているところでございます。委員御指摘のとおり、今後より一層ホームページやそれにひもづくSNSでの情報発信が重要となることから、基本計画の案でもお示ししましたように、令和5年度に向けてホームページを全面的に再構築したいと考えております。 ○河合委員 ありがとうございました。業務をしっかり見直していただいた分は、必要なところの改善にぜひつなげていただきたいと思っております。何度もお伝えしますが、どんなによい支援をつくっても、必要な方に届かなければ全く意味がありません。引き続きの広報の活躍を大いに期待し、広報アドバイザーの最大限の活用、丁寧な情報発信と改善に努めることを要望し、この項を終わります。 通学路の安心安全について。 まず、決算説明書293ページ、通学路児童見守り業務委託の金額が増えています。見解を教えてください。新型コロナウイルス感染症の影響はありますか。 ○松原学校教育課長 見守りを行う交通安全指導員についてでございますが、令和元年度以前は、年間35日配置でございましたが、令和2年度から通年の225日配置を行うべく予算措置をしたため決算額が増加したものでございます。 なお、令和2年4月、5月は、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして学校が臨時休業をしたため、見守り時間が計画時間よりも減少したものでございます。 ○河合委員 ありがとうございます。先日の補正予算にて、千葉県八街市の事故を受け、スピードが出過ぎる通学路のカラー化などが示されました。今回の緊急対応では、道路課予算での職員の方が気になる箇所の対応と聞いておりますが、これから学校の通学路点検においても確認されていくと話を聞いています。通学路の見守り予算を増加していただいたところですが、今回の視点を持って見直すべき場所が増加することも懸念されます。他区に比べて額も少ないと聞いておりますし、さらなる拡充はPTAからも要望がございます。スクールゾーンの啓発も含め、今後も十分な子どもたちの安心・安全を守っていけるよう検討してはいかがでしょうか。 ○松原学校教育課長 交通安全指導員はシルバー人材センターに委託しており、主に当該地域の会員が従事をしてございます。御指摘のとおり、見守りポイントの増加を要望している学校もございまして、現在シルバー人材センターにも会員の確保などについて相談をしているところでございます。スクールゾーンの規制は警察署により管理をされてございますが、啓発などにつきましては、十分に連携を図り、通学路におけるより一層の安心・安全に努めてまいりたいと考えております。 ○河合委員 ありがとうございました。529ページ、ブロック塀撤去助成について。こちらも大阪府北部地震にてブロック塀の倒壊で事故が発生したことから緊急点検が行われていたと聞いております。平成30年11月、建築物の耐震改修の促進に関する法律施行令の一部を改正する政令が閣議決定、自治体が耐震改修促進計画に記載する避難路の沿道の既存耐震不適格のブロック塀等は耐震診断が義務付けられましたが、区の現状はどうなっていますか。 ○小山内建築課長 耐震診断が義務付けられるブロック塀等の東京都における基準でございますが、特定緊急輸送道路に面する旧耐震基準の建築物であること、長さが8メートルを超える塀であること、高さが塀から道路の中心線までの距離を2.5で割って得た数値を超える塀となっております。区内には、この基準に該当するブロック塀等はございません。 ○河合委員 ありがとうございます。令和元年の把握調査の後はどのように動いていますか。 ○小山内建築課長 区が委託しましたブロック塀調査に基づき、特に危険性の高い避難路及び通学路に面するブロック塀等について職員が再調査を行い、指導の優先順位を決めて、安全管理に関する文書とブロック塀等の改修事業の案内など、訪問の際、不在の場合は郵送で送付し、周知を図っているところでございます。 ○河合委員 指導には効果が出ておりますか。数値目標など、時期を定めてはいかがでしょうか。 ○小山内建築課長 幅員4メートル以上の道路に面するブロック塀等の単独除却については少しずつ実績が上がっておりますが、セットバックが求められる狭隘道路沿道では指導が厳しい状況がございます。特に危険とされた1,718件のブロック塀の所有者に対する啓発については、個別の状況を把握し、事情に応じた取組ができるよう丁寧な対応を進めてまいりたいと考えております。 ○河合委員 いまだブロック塀の危険については区民の方よりお声を寄せられております。来年度はさらに所有者の方への支援を強化していただきたいと思いますが、いかがでしょう。 ○小山内建築課長 これまでも住宅の耐震化事業を進める中で、ブロック塀等の除却費用を加算するなどの措置を講じてきております。現在検証中の耐震化促進計画の中で、ブロック塀等については重点的に取り組むべき施策としての位置付けを検討しているところでございます。 ○河合委員 ぜひ検討が進みまして、より安全な、防災と安全な環境がつくっていけるように引き続きの取組を要望いたします。 3番に戻りまして、保育の質と待機児童についてお伺いします。 幼児教育の無償化が令和元年度10月より始まり、令和2年度は通年で適用になった1年です。詳細は分科会のほうでお伺いしますが、保育においては様々変化がありました。 決算説明書147ページ、保育園入園申請入力業務の自動化の導入について、主要施策の成果の94ページも十分な効率化と区民サービスにつながったことを評価いたします。詳細は分科会でお伺いしますが、具体的に効果があった分、ぜひ教えてください。 ○藤嶋保育施設利用調整担当課長 効果についてでございますけれども、令和2年度は、申請書類の一部のみ自動入力の対応となっておりましたが、500時間の作業時間の削減につながっております。また、この自動入力の導入に伴いまして、令和2年度から申請書の簡略化、削減を行いまして、7種類あった申請書を4種類に削減したことで、申込者の方の負担の軽減も実施いたしました。今年度は、申請書類全て自動入力の対応とし、さらなる作業効率化を図っているところでございます。 ○河合委員 ありがとうございます。次に、待機児が減っていることに対して区の努力を評価いたします。一方、263、267、299ページより、入所率は下がっており、定員に空きのある園もあります。構造改革実行プログラムにおいては、「区立保育園10園は、保育需要の調整機能を担っており、今後の保育需要に対し供給過剰になった場合、定員の調整や廃園を検討することとなる」と書かれています。しかし、決算要求資料子ども文教28、2歳以上児の面積基準は、日本最低基準が1.98平方メートル、区内の区立認可園平均は2.9平方メートル、私立認可園平均は2.61平方メートル。一方、世界基準においては、フランスで3.1平方メートル、スウェーデンで7.5平方メートルです。0歳児の面積では、日本の最低基準は3.3平方メートルで、認証保育所は都から認められているため下回るところが見受けられます。また、国では待機児童解消のために、定員以上を入園させる弾力化が認められており、面積基準など一定条件をクリアすると、定員を最大25%まで増やすことができます。区内に弾力化の適用園はありますか。 ○藤嶋保育施設利用調整担当課長 認可保育所12園、認定こども園2園の合計14園で定員の弾力化を行っております。 ○河合委員 次の質問を飛ばします。希望園が集中している園には子どもが多い状態が恒常であることが解消し、真に必要なときに柔軟に運用できる状態になることが保育の質を担保することにつながります。区立を定員調整弁とのことですが、例えば空きが多くなる0歳・1歳の区立保育園の定員を調整すれば私立の空き補充になると考えますが、いかがでしょう。 ○渡邊保育園・幼稚園課長 今後、少子化に伴い保育需要が減少する局面では、区立保育園の定員縮小等により区全体の保育定員の調整を行っていく考えでございます。 ○河合委員 園庭のない施設型の認可は85園中36園と44%近く、小規模や認証、無認可保育施設のほとんどには園庭がありません。保育者たちは公園などを活用し様々工夫をしています。待機児の数だけを見て容易に区立の廃止議論をする前に、まずこの中野区で育つ子どもたち一人ひとりの安心・安全のための環境を整え、保育の質を担保していくことが区の責務と考えますが、見解をお知らせください。 ○渡邊保育園・幼稚園課長 区内保育所の保育の質を確保、向上させていくことは区の重要な役割であると認識しております。区内の土地事情から園庭つきの園を整備することは困難な状況ではございますが、区として事業者に対して園庭の設置が難しい場合でも、夏場にプールや水遊びができる程度のスペースは設けるよう求めております。また、令和元年3月には保育の質ガイドラインを作成するとともに、保育の質の向上につながる研修も行っているところでございます。今後も保育の質を担保するための取組を進めていきたいと考えております。 ○河合委員 ありがとうございます。医療的ケア児の話や保育所等の御案内の話、ベビーシッター助成のことをちょっとお伺いしたかったのですが、時間の都合上、割愛させていただきます。 ありがとうございました。保育においては、かなり改善が進んだ1年だと思っております。執行の見直しがあった中、様々工夫されたことを評価し、容易な廃止の議論の前に、区内で育つ子どもたちのための保育の質の向上への取組を強く要望いたします。 これにて私の全ての総括質疑は終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○ひやま委員長 以上で河合りな委員の質疑を終了します。 次に、市川しんたろう委員、質疑をどうぞ。 ○市川委員 自由民主党の市川しんたろうであります。令和3年第3回定例会総括質疑におきまして、自由民主党議員団の立場から総括質疑をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。 質問は通告どおりで、その他の項目はございません。他の委員と重なる質問もあるかと思いますが、どうぞ御容赦いただきたいと思います。 最初に、令和2年度決算について伺ってまいります。先輩議員、同僚議員からも様々な質問がございました。私は歳入の部分の起債の分について伺ってまいりたいと思います。 それでは、まず、歳入の財政調整交付金というものがございます。この中で施設に係る交付金、起債の元利償還金も含まれていると思いますが、この財政調整交付金の活用の仕方次第で、区有施設整備計画や財政フレームなど、こちらに大きな寄与があるんではないのかなと、そういった観点で質問をさせていただきます。 初めに、中野区では区有施設整備計画の策定がされますが、財政フレームの中で、一般財源、特定財源、どれだけ見込まれているのか教えてください。 ○森財政課長 令和3年度から12年度までの10年間で、一般財源においては171億6,300万円余、それから基金、起債を含む特定財源については1,053億4,500万円余となっております。 ○市川委員 例えば、起債は区で償還するとは思うんですけども、都区財政調整交付金をどれだけ算定してもらえるのか。現状と今後の見込み、教えていただければありがたいです。 ○森財政課長 都区の財政調整交付金で算定されます起債の償還の経費でございますが、義務教育施設整備事業のうち、統廃合のために新たに校地を取得する場合を除いた用地取得事業に係る地方債が対象になってくるということでございます。区におきましては、現時点で対象となる区債を発行していない、保有していないということでございまして、これについては算定されていないということがございまして、また今後につきましても、現時点においては対象となる起債の発行を予定していないことから、この算定の対象となることについては見込みをしていないということでございます。 ○市川委員 今あった話だと、学校施設については用地代への算定が行われ、かつ統廃合の学校については対象にならない、こういった御説明でございました。これは、今見込みとしてはないというんですけども、ほかの施設について適用ができるのかできないのかはどうでしょうか。 ○森財政課長 先ほどお答えしましたように、起債の償還ということでいいますと、財政調整交付金においては、義務教育の用地費のみということでございまして、他の施設の建設等に当たっての起債の償還、そういった部分については財調算定はされないということでございます。 ○市川委員 すみません。それではちょっと変えて、これについての算定方法ですね。これは年ごととか時期によって変更されるものなのかどうか教えてください。 ○森財政課長 財政調整交付金の算定方法につきましては、毎年度都区により協議が行われておりまして、見直しはされているというところでございます。 ○市川委員 それというのは、東京都からその変更をしますよというふうに、都区と今協議とおっしゃいましたけども、東京都のほうから変更しますよと言うのか、それとも特別区のほうから、その要望をするのか、どちらなんでしょうか。 ○森財政課長 東京都は東京都で当然その状況を見て都側の提案というのもありますし、当然区は区で実際に財調の算定の内容と実際の区の取り組んでいる事業、そういうものを見て区側の提案としてまとめ、それぞれそういったものを出し合って協議を行っていくということでございます。 ○市川委員 ありがとうございます。それで、こういうことを聞いているのは何でかというと、この質問をするに当たって先輩議員から、平成5年に野方WIZが普通交付金の元利償還金で全額算定してもらった経緯があると、こういうふうに聞いたことがございます。このような活用の仕方ができることによって施設の考え方とか財政に対する考え方、こういうものに大きな寄与をするんではないのかなと思うんですけども、そういう事業が考えられるかどうかというのを教えてください。 ○森財政課長 まちづくり事業の中で、そういった区有施設整備の位置付けをしまして、包括的に全体としてまちづくりを進めていくと。その中で施設整備も位置付けるというようなことで対応することによりまして、算定の可能性はあるものと考えております。 ○市川委員 ということは、施設の単独事業ということではなくて、まちづくり等の面整備、一つの施設ということではなくて、面整備の中にその施設の位置付けがあると算定がされやすいという解釈でよろしいですか。 ○森財政課長 その可能性が広がっていくというふうに捉えております。 ○市川委員 それでは、そういった計画の中に位置付けできる施設はどのくらいあるのか精査をしているでしょうか、教えてください。 ○石井構造改革担当課長 都区の財政調整交付金におけます基準財政需要額は、経常的経費と投資的経費それぞれで算定をされております。投資的経費におきましては、施設整備の実績に応じて算定されるものもあると認識してございます。 ○市川委員 つまり、現時点での施設整備計画とか財政フレームの中には反映されていないということでよろしいですよね。考え方として。 ○石井構造改革担当課長 特に計画の中ではそういったものは見てはおりません。 ○市川委員 今後計画を更新したりとか、さらにつくっていくという過程の中で、財政調整交付金の算定をしっかりした上で施設に関する計画策定をしていくことは重要かと僕は思うんですけどね。それはいかがでしょうか。 ○石井構造改革担当課長 施設整備を計画する際には、財源の確保に関する視点は非常に重要であると考えております。国や東京都の補助金を確保することはもちろんでございますけれども、一般財源が財政調整交付金でどのように算定されるか、こういったものをきちんと把握しておく必要があると考えております。 ○市川委員 これは今お話があったように、補助金などの活用をしていくことも重要だと。これは分かります。財政調整交付金は一般財源に組み込まれると思うんですけど、他の自治体との競争の上で交付されるものですので、性質上、見えない特定財源という見え方もあるんだろうと思うんですけども、すなわち有効な財源確保であるんじゃないのかと。歳入部分ですね。例えば、これまでもいろいろ先輩議員の御質問の中で、収納率を上げていくとか様々あったんですけども、こういう見えないものというものを獲得していくということが重要だと思っているんです。そういった財源確保をしっかりしていく上で、今日申し上げている交付金も含めてですけど、それをしっかり研究とか調査が今施設整備のほうでされているのかどうか教えてください。 ○石井構造改革担当課長 これまでに都市計画事業ですとかまちづくりの事業につきましては、財政調整交付金の算定ですとか、あるいは都市計画交付金の確保に向けた事業計画を仕立ててきたところでございます。そうしたインフラ整備以外の施設整備につきましても、財政調整交付金の算定を視野に入れながら計画していきたいと考えております。 ○市川委員 ということは、今構造改革とか企画部のほうでいろいろ計画をつくっていると思うんですけど、そういう面整備とか、今、インフラ整備というお話があったんですけど、そうすると組織横断的な検討がないと、そういうものは検討できないということですか。 ○石井構造改革担当課長 今、御指摘あったように、組織横断的な計画として考えていく必要があると考えております。 ○市川委員 ありがとうございます。先ほど答弁でいただいた内容でも、年ごと、時期によっても、その算定方法が変わるということもありますので、東京都の動向を注視して、組織を横断的に研究調査をする必要があると思いますので、まちづくり、都市基盤部の方もいらっしゃると思いますので、ぜひ御協力いただけたらと思います。しっかり要望させていただいて、この項の質問を終わります。 次に、身近な地区を単位とした都市計画手法としての地区計画の活用についてということでお伺いをさせていただきたいと思います。 現在区内では、中野駅周辺の各まちづくり事業、基盤整備事業、旧中野体育館跡地には新庁舎の建て替え、西武新宿線沿線では連立事業に伴う新井薬師前駅や沼袋駅周辺などの沿線まちづくり、そういった多岐にわたる整備事業が行われております。これらまちづくりには、大規模な再開発事業や土地区画整理事業、都市計画道路の整備や橋上駅舎をはじめとした南北通路や歩行者デッキの整備など、都市計画や都市整備事業がいろいろ駆使され進められているところです。このように現在区が進めているまちづくりは、駅前広場や歩行者デッキ等の基盤整備に始まり、都市計画道路や防災機能を有する公園整備、建物の不燃化促進など、その多くは安全性、利便性、公共性、そして防災性を高めていく行政主導の公共事業という性格が強いかと思っています。このこと自体を否定するものではないんですけども、国や都の補助金を最大限活用して、中野区にとっての公共性の高いまちづくり、都市基盤整備を展開することは非常に重要であると思います。 私は、公共事業という性格が強いまちづくり手法はもちろん必要でありますけども、区民がもっと自分たちのまちに関心を持って、権利者や地域の人々が一緒になって身近な視点から自分たちの住むまちの環境を良好なものにしていく、そういった地区レベルのまちづくりが必要だと思っています。地域の人々が身近な視点から都市計画手法を使い、地域の課題を共有し、安全な建物への建て替えルールを考えたり、道路や公園を整備し、緑を増やしていく。良好な景観やまち並みづくりもこれに入ってくると思います。そうした住民たちの進める身近な都市計画手法として、住民合意による地区計画という都市計画手法がございます。住民たちが自分たちの住まう街区レベルで住環境形成や地区の公共施設の整備を考え、行政に提案していく。都市計画にもこういう地区の制度があると。その一つが地区計画ということであると思いますが、そもそも地区計画、一般的にはどのような計画手法なのか、まず教えてください。 ○安田都市計画課長 お答えいたします。都市計画法第12条の5では、地区計画は、建物の建築形態、公共施設その他の施設の配置等から見て、それぞれの区域の特性にふさわしい態様を備えた良好な各街区を整備し、開発し、及び保全するための計画と規定されます。良好な住環境形成に向けた一般型の地区計画のほかに再開発等の土地の高度利用や防災街区の整備、歴史的風致維持向上や、及び幹線道路の沿道整備に関する計画など様々な種類がございます。 ○ひやま委員長 市川委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。 午後2時58分休憩
午後3時20分開議 ○ひやま委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き総括質疑を行います。 市川委員、質疑をどうぞ。 ○市川委員 休憩前に引き続き質問をさせていただきたいと思います。 休憩前に御説明をいただいた地区計画でございますが、区内に都市計画決定されたもの、これが何か所あって、大体どのようなところにあるのか教えてください。 ○安田都市計画課長 お答えいたします。区内には現在13地区ございます。主に中野駅周辺まちづくりの関係で5地区、南台では防災街区整備地区計画を含めると2地区、その他、中野坂上地区、弥生町三丁目地区、平和の森公園周辺地区、大和町中央通り沿道地区、沼袋区画街路第4号線沿道地区及び環七沿道地区計画がございます。 ○市川委員 地区計画を策定するときは、例えば地区内の住民、権利者、町会・自治会、防災会のメンバーなどでまちづくり協議会を立ち上げて、議論や意見交換会を行ったり、地区内の全住民に対してまちづくりニュースを配って、まちづくりの方針や考え方を説明し、周知し、そして例えば区が整備する地区施設等の計画では、区は全ての権利者に職員が何度も足を運び、必要性を説いて合意形成を行っていると各担当者からも聞いております。例えば、こうした地区計画を地域住民や権利者をはじめ、町会・自治会、地元商店街などが一緒になって地域で計画案を考え合って区に提案していく制度も都市計画マスタープランの内容に従って策定されるべきものなのか教えてください。 ○安田都市計画課長 委員の御理解のとおりでございます。区民等の提案による地区計画も都市計画である以上、東京都の都市計画や都市計画法第18条の2第4項の規定に基づき、区の都市計画マスタープランを踏まえて策定していくべきものと考えてございます。 ○市川委員 都市計画マスタープランに示さないとなかなか進めることができないということだと思います。もちろん地区計画は都市計画制度の一つであって、地区の防災性や住環境を高める公共性の視点は不可欠であって、その地区のみならず、周辺地区にも公共性・公益性をもたらす道路や公園、その他公共施設を含む地区施設整備計画が必要であると考えます。こうした公共性のある都市計画は、これまで区が主導してきたものが多くて、住民提案を行うものが少ないような気がしております。地域住民がもっと自分たちのまちに関心を持って地区計画等を提案していくよう、都市計画マスタープランの考え方に盛り込んではいかがでしょうか。 ○安田都市計画課長 都市計画マスタープランにおいては、身近な地区を単位としたまちづくりの推進について現在も規定しているところでございます。さらに改定都市計画マスタープランでは、これらをより実行化するための考えを示すこととしてございます。この中で、地区まちづくりの推進を図るため、住民等の合意形成の促進や身近な地区を単位としたまちづくりが活発化するよう、啓発や専門家派遣などの支援などの必要性について盛り込んでいく考えでございます。 ○市川委員 例えば、23区内では、用途地域の変更は東京都に権限が預けられていると。東京都は用途地域の指定方針の一つとして、地区計画の原則を挙げている、こういうことです。これは恐らく一定の地区内の面整備手法として地区全体の良好な住環境形成に向けた建て替えルールや生活道路や公園等の公共施設の整備、周辺環境にも配慮した建物用途の制限など、小さな範囲でも都市計画として方針が定まり、公共性・公益性が備わっているからだと考えております。区の都市計画マスタープランとの整合を図られているという前提ですが、都市計画担当の考えを伺います。 ○安田都市計画課長 東京都の用途地域等に関する指定方針及び指定基準の中では、地区計画の原則が示されており、「用途地域の変更に当たっては、都市機能の更新、住環境の保全、住宅の質の向上、みどりの保全・創出など地区の課題にきめ細かく対応し、地区の特性に応じた目指すべき市街地像を実現するため、必要な事項を原則として地区計画に定める」ことが示されてございます。このように、地区施設の配置や周辺環境への配慮も含む公共性の高い地区計画策定が認められているところでございます。 ○市川委員 地区計画と用途地域の変更に絡めてもう1点お伺いをさせていただきます。ICTの発展や新型コロナウイルス感染症の流行によって人々の都市生活の在り方も大きく変わってきております。これによりリモートワークは飛躍的に進展し、都心の会社に通わなくても自宅で仕事ができる生活スタイルとなってきました。通勤がなくなる人々が増えて、平日でも自宅周辺で仕事や買物のみならず、子育てのスタイルなど新しい生活スタイルに変わってきております。自宅でワークスペースを確保できない人は、駅近くのカフェやレンタルスペースで仕事をして、子どもを預けたり、食事、買物をしたりするなど生活スタイルに多様性が出てきてまいります。こうした中、まちの機能も、特に区内の各駅周辺では、利便性や機能性を伴った多様な用途の建物や商店など、にぎわい、憩える複合的な空間への社会的要請の変化、そういったところの変化が生じてきているかと思います。言わば新しいライフスタイルに対応した地域特性を踏まえた用途地域の活用などが地区計画という面的整備手法とセットで積極的活用ができないのか。そうした生活スタイルに対応した用途地域の見直しも必要であると考えております。例えば、区内の住居系の用途地域は、ほとんどが第一種低層住居専用地域及び第一種中高層住居専用地域で構成されており、二つの用途地域については、先ほど申し上げたような時代に即した面整備をする上で制限が多く、整備の方向性を大変狭めてしまうんではないかなと考えております。今後どのように用途変更し、土地利用を進めていくのかは、先ほど来申し上げているように地区計画の活用、つまり地域住民との協議、検討の先に、住民とともにまちのデザインを決めていくことが重要だと私は考えております。しかし、地区計画を活用し、将来のまちのデザインをすることも重要ですが、現在の中野区内における用途地域をどう工夫し、活用するかも同時に検討、研究しなくてはならないと思っています。新しい生活スタイルを考慮した多様な用途の建物を考えたときに、現在区ではあまり注目されていない第二種中高層住居専用地域や第一種住居地域等の住居系の用途は、事務所や病院などの土地利用の可能性も広がってくると思います。また、区内では、若干の準工業系の用途地域がございますが、もともと工場や会社があった地域で、最近は大規模マンションに建て替えられたりしていますけども、こうした用途地域の活用の可能性についても、現状維持のままではなくて、都市計画マスタープランの土地利用方針を検討しておくべきだと考えています。都市計画マスタープランにおいても、新しい生活スタイルに適用したソーシャルミックスの土地利用の可能性についても言及すべきだと考えていますが、いかがでしょうか。 ○安田都市計画課長 都市計画マスタープランの改定に当たっては、中野のまちの現状と課題に関する分析を行ってございます。この中で、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた新しい生活スタイル等について学識経験者の意見やアドバイス等を受けているところでございます。この中で、時代の変化に対応する土地利用や都市基盤の形成に関して、新型コロナウイルス感染症拡大の対応を踏まえた新しい都市づくりの方向性や、区民が生活し、働き、憩う空間としての居心地がよく歩きたくなるまちづくりについても盛り込むことと考えてございます。 ○市川委員 中野区といえば、都心に近い場所にあるわけですから、そういうヒト・モノ・カネが集まりやすい都心に近い中野区ならではのポテンシャルを生かしていきたいと、そういうような考えだと思うので、ぜひ進めていただきたいと思います。 一方で、他区を見てみると自由が丘や青山などでも住居地域となっている地域に、魅力的な個店を誘導してにぎわいを生み出すような取組が行われております。中野区としてもしっかり検討を進めていただきたいと思います。また、こういった取組、検討が以前から区内で大きな課題となっている既存不適格の問題の解決の糸口、こういうものも見いだせるのではないかなと考えています。我が会派の加藤たくま委員からも先日総括質疑でございましたけども、用途地域の変更以前からその土地で御商売されている方たちが、その土地で建て替えができなくなっている。そういった問題で事業承継の観点から考えても、これまで中野区で本当に長い間地域の一員として汗を流してこられた会社、そういう企業さんが区外へ出なきゃいけない、こういう現状について産官学連携と中野区はよく言うんですけど、本当の意味で事業者を助けるということは何なのかと深く深く検討していただきたいと思います。区民等が自分たちの住まう身近な地区のまちの環境を日常的考えて、地区計画等の手法を使いよりよい環境に改善していくまちづくりの取組は非常に重要ではないかと考えております。 最後に、こうした考えの前提に立ち、中野五丁目のまちづくりについて質問したいと思います。 中野五丁目地域は、中野駅周辺まちづくりグランドデザインバージョン3において、安心して楽しめるにぎわい空間として、商業エリアには防災性・安全性の確保や環境対策など、商業環境を向上させる基盤整備、サンモール、ブロードウェイを軸とした商業、アニメ、安心して楽しめる飲食店など個性的なにぎわいやまちの魅力形成が求められています。区においては、中野五丁目のまちづくりに関して、既存商店街の魅力向上と防災性・安全性の確保の両立に向けて、具体的にどのようなまちづくりを仕掛けていくのか。こういう考えを持つのかが重要で、既存商店街のにぎわいを生かし、地域の防災性・安全性を高めるという非常に難しい課題を抱えております。サンプラザ跡地の再開発という大規模な新北口駅前エリアの拠点施設整備事業が隣接してある中野五丁目のまちづくりにどのようなインセンティブを与えるのか教えてください。 ○小幡中野駅周辺まちづくり課長 中野四丁目新北口地区のまちづくり方針では、中野五丁目など周辺地区との関係も含めて、中野駅周辺の回遊性を高めるための歩行者ネットワークの形成や周辺市街地と連続するにぎわいの形成などを掲げております。新北口駅前エリアの拠点施設整備が進むことによりまして、駅北側がにぎわいと交流に満ちた居心地がよく歩きたくなるまちとなりまして、これが中野五丁目のまちづくりにも波及をしていくというふうに考えております。 ○市川委員 これまでサンモール、ブロードウェイ一帯を中心とした中野五丁目地域については、中野通り沿道にはビルが並んでいて、接道要件が満たせずにまちづくりをしていくことがなかなか難しかった、こういった経緯がございます。そこで何をまずしていくのか。中野五丁目全体のまちづくりの入り口はどこにあるのかを考えてみると、サンプラザの後継施設と中野五丁目をつなぐところ、いわゆる歩行者デッキの着地点から始まっていくものであると考えております。中野五丁目の商業エリア全体でまちづくりの基本方針を策定していくと常任委員会や特別委員会で示されておられますけども、歩行者デッキの着地点をどう起爆剤として位置付けていくのか。中野四丁目からの着地点を事業提案者とどんな検討をしているのか。つまり、その着地点をどんな機能を誘導して整備する必要があるのか御担当の考えを教えてください。 ○小幡中野駅周辺まちづくり課長 中野四丁目、五丁目を結ぶ歩行者デッキにつきましては、中野四丁目側の新たなにぎわいと中野五丁目側の既存のにぎわいを結ぶ重要な歩行者動線であると考えております。新北口駅前エリア拠点施設の商業・業務施設や多目的ホールなどの来街者を中野五丁目側へとつなぎ、さらに中野五丁目地区内に降りた後もスムーズに回遊できるような動線としたいと考えております。また、災害時には、中野五丁目から中野四丁目側の広域避難場所につながる主な動線となることも期待しているところでございます。 ○市川委員 今、お話をされたわけですけども、その中でも、商業エリア全体の中でも課題についてはそれぞれ街区というか、場所ごとによって様々ございます。今後サンモール、ブロードウェイを中心とした地権者の皆さんとともにまちづくりを進めていくことを中野区は多分考えていくと思うんですけども、地域の皆さんと勉強会を開くことが重要かと思うんですけども、中野区にそのような考えはございますでしょうか。 ○小幡中野駅周辺まちづくり課長 区がまちづくり基本方針の検討を進めております商業エリアには、様々な特性を持つ街区がありまして、今後、アンケート調査等により御意見を伺いながら、丁寧にまちづくりを進める必要があると考えております。まちづくりの理解を深めるため、例えば防災性の向上、にぎわいの維持といった各テーマごとに勉強会を開くことはとても有効であるというふうに考えておりまして、今後進めるまちづくりの検討の中で開催も検討していきたいと考えております。 ○市川委員 今、アンケートというお話があったんですけども、今は新型コロナで、勉強会とか意見交換会とかなかなか難しいというふうに思うんですけども、このアンケートはいつ頃から皆さんにする予定なのか、もう一度教えてもらえませんか。 ○小幡中野駅周辺まちづくり課長 まさに今アンケートを作成しておりまして、今後、町会、商店街の方々に御協力をお願いして進めていきたいというふうに考えております。 ○市川委員 勉強会といっても、地域の皆さんだけではなくて、その皆さんだけで勉強会を開いてくださいと言っても、なかなかどこから手をつけていいのかが分からないということもあるかと思いますので、中野区としても担当課長、今でいうと小幡さんになるわけですけども、そういった課長の参加、もしくは学識者、民間事業者の方にも参加してもらうように働きかけていただきたいと思いますが、そちらはいかがでしょうか。 ○小幡中野駅周辺まちづくり課長 今後検討を進める中で専門家の御意見を聞きながら、また専門家にも参加していただきながら、皆さんと勉強会を開くこと、そういったことを考えていきたいと考えております。 ○市川委員 そういったこともしっかり進めていただきたいと思います。それで、今、サンモール、ブロードウェイという話をしていたんですけども、サンモールよりもさらに東側に目を向けてみると、多くの建物が密集していて、災害時の避難経路や商店街の荷物搬入、荷さばきですね。こういったスペースも少ないと、こういうことだと思うんですね。こうした地区の課題解決に向けては、密集した商店街と防災性の向上を両立させた中央区の月島地区の地区計画が参考となると私は思うんですけども、中野五丁目では地区計画による面整備は有効な手段だと思うんですけど、御担当のほうはいかがでしょうか。 ○小幡中野駅周辺まちづくり課長 区では現在検討を進めているまちづくり基本方針によりまして、まずはエリア内の方々とまちの将来像を共有し、その後に各街区ごとの特性を踏まえながらまちづくりの手法を検討し、進めていきたいと考えております。今後、まちの課題解決のために地区計画を活用することも考えておりまして、委員お話しの中央区月島地区の地区計画など、中野五丁目地区と同様な課題を抱える地区の取組を参考に検討を進めてまいりたいと考えております。 ○市川委員 月島地区の地区計画では、街区を一つの敷地と捉えて、その外側の幹線道路を生かして、またその敷地の中の3項道路を残しつつ、建て替えに合わせた不燃化などの取組、要するに内側と外枠の取組の強弱がついているような地区計画だと思いますので、これは非常に中野五丁目に合っていると私は思っていますので、ぜひその検討も併せて地域の皆さんに御提示をいただきたいと要望してこの項の質問を終わります。 次に、今後の保育行政について伺ってまいります。 昨今、待機児童対策を国と中野区と一体となって進めてまいりましたが、今後の保育行政を担う中野区として待機児童解消一辺倒の考え方から脱却をして、保育園の数が飽和になる状態を防いで、適正な施設配備の検討をし、計画化していくことは今後の中野区の財政にも大きく寄与するものだと思っております。 まず初めに、区立保育園の現状について伺いますが、今後、現在進めている民営化が完了すると区立保育園が10園になり、将来的には6から7園にすると昨年の子ども文教委員会において報告がされて方針が示されております。そこで伺いますが、この方針の下、10園から6園にする際にはどういった基準で数を減らしていくのか教えてください。 ○渡邊保育園・幼稚園課長 区立保育園の配置につきましては、園舎の耐用年数も考慮しながら将来的な保育需要に応じて検討していく考えでございます。 ○市川委員 耐用年数に重きを置くと、区立保育園が偏在化する可能性も出てきますので、総合的に判断をしていただきたいと思います。 あと、残していく保育園の長期的な施設計画についても触れさせていただきますが、中野区の保育の供給数は今後減っていく中で、区立園だからできる保育というものがあるんではないかということについては、我が会派の高橋ちあき議員が一般質問の中でもさせていただきました。区立保育園の役割というものを中野区も、先ほど触れた昨年の子ども文教委員会の報告では、指導検査、就学前教育の充実、医療的ケアが必要な子どもへの対応、民間保育の施設との連携という四つを示しております。そういった意味では、今後の少子化の影響で全体的な保育需要が減少したとして、中野区の担うべき求められる保育行政というものは現状から大きく変わることがないんではないかなと考えております。 また、今後の幼稚園需要というものも念頭に入れていく必要があるかと思います。幼稚園需要については、今後の少子化、女性の就業率が高まることもあって、大きな減少が見込まれているところであります。その減少した幼稚園需要の受け皿をどうしていくのか。幼稚園の減少スピードよりも保育需要の減少スピードが緩やかなことから考えても、区立幼稚園の、保育園・幼稚園両方の需要対応が可能な認定こども園化が検討されていると聞いておりますが、現状の検討状況を改めて教えてください。また、区立幼稚園の在り方についても早急に検討していく必要があるかと思いますが、いつまでに方向性を示していく必要があるのか、認識も併せて教えてください。 ○渡邊保育園・幼稚園課長 区立幼稚園の認定こども園化につきましては、教育委員会において、区立幼稚園の設置の経緯、認定こども園の種別ごとの比較、他区の幼稚園や認定こども園の設置状況を確認し、今後の方向性を検討いたしました。その結果、かみさぎ、ひがしなかの幼稚園は当分の間区立幼稚園として存続いたしますが、利用者の様々なライフスタイルに対応できる区立の幼稚園型認定こども園の検討を続けることといたしました。また、かみさぎ幼稚園の園舎は築53年、ひがしなかの幼稚園の園舎は築50年が経過しております。園舎の耐用年数を60年とした場合、新園舎の建築には一定の期間を要するため、建て替えの計画を策定するまでには方向性を示す必要があると考えております。 ○市川委員 区立幼稚園の認定こども園化に関する検討というお話があったんですけど、これは具体的にはいつ頃から検討されておられましたか。 ○渡邊保育園・幼稚園課長 教育委員会におきまして、区立の幼稚園型の認定こども園につきましては、令和2年12月以降集中的に検討を進めたものでございます。 ○市川委員 検討を続けていて、現状、先ほど伺った方向性について、認定こども園化が決定できていない。決定できていないというか、その方向性がまだ決められていないということでございますけども、これは所管課でどんな課題をお持ちなのか教えていただけませんか。 ○渡邊保育園・幼稚園課長 区立幼稚園に子どもを通わせている保護者の中には、区立幼稚園が認定こども園化することで、幼児教育の質が担保できなくなるのではないか。保護者の幼稚園への関わりや保護者の活動が停滞してしまうのではないか。また、支援が必要な子どもを受け入れている幼稚園が減ってしまうのではないかと心配する声がございます。区としましては、保護者との対話を丁寧に継続することで区と保護者相互の理解を深めていきたいと考えております。 ○市川委員 その意見交換、区とそういう利用者との意見交換というのは、どれぐらいの頻度で行われているものなのかもう一度教えてください。 ○渡邊保育園・幼稚園課長 今年7月にひがしなかの幼稚園とかみさぎ幼稚園におきまして保護者との懇談会を行ったものでございます。 ○市川委員 今区立幼稚園の、先ほど耐用年数のお話もございました。7年とか10年とか。そういった耐用年数を鑑みますと、残されている時間は決して多いわけではないと思います。その施設を将来利用する予定を持っている区民、こういった皆さんもおりますので、できるだけ早期に、そして明確に施設の方向性を示すように要望したいと思います。そして、中野区全体として保育需要をどうしていくのかは、中野区の区立保育園や区立幼稚園だけではなくて、私立園、つまり、民間事業者との調整を中長期的に図っていく必要があるんではないかと。そして共に検討していく必要があるかと思います。 そこで伺いますが、現在、民間事業者の定数、そして充足率についてどんな協議をされているか教えてください。 ○渡邊保育園・幼稚園課長 今年度から小規模保育事業、家庭的保育事業、認証保育所のうち、入所率の低い保育所に対しましては減収補填を開始したところでございます。これらの保育所の中には、保育事業者からの申請等に基づきまして定員を減らしたところもございます。今後、区立保育園の配置計画の作成に当たりましては、民間事業者の状況も把握して検討していく考えでございます。 ○市川委員 小規模に対しての定員調整というものが行われているという答弁でございましたけども、保育需要の推移を見ながらではあると思うんですけども、今後、将来的に、すぐではなくて今後の話ですが、中規模、大規模な園についても定員調整の可能性については検討されているんですか。 ○渡邊保育園・幼稚園課長 将来的に少子化が進行し保育需要が大きく下がる局面においては、区立保育園が調整弁の役割を果たしていきますが、保育需要がさらに下がるなど、状況によって私立保育園の定員調整等が必要になる可能性もあると考えております。 ○市川委員 その検討を進めていただく上で、現在経営が立ち行かなくなった小規模保育事業所では閉園する園もあると聞いております。将来15年、20年、30年とたったときに現状のそういった定員調整といった微調整の域を出ない対策しか取っていないと、そういう経営難に陥るような園が増えてしまうんじゃないかなと、そういう危惧を僕はしているんですね。そうすると、将来区にとって必要な保育園の数というのが担保できない。そういうことがあり得るんではないかなと思っています。そういったことから考えても、区立園の数とか立地の検討を今後していく。今だからこそ、共に私立園の在り方とか、施設の集約化についても、複数の園を経営している民間事業者をはじめとした中野の保育行政に協力をいただいている皆さんとともに、将来の保育需要について検討、研究、協力していただく必要があるんではないかと思います。 それで、民間事業者の運営について、中野区として口を出すということはなかなかできないと思うんですけども、そういった、例えば同じ地区に二つの私立園があった場合に、民間事業者同士でどちらが中野区に協力するのか。そういった施設の集約化に協力するのかということを考えた場合、なかなか交渉が進まない可能性があると思うんですね。協力してくれた事業者が経営しているほかの園に対して運営支援をしたりとか経営支援をしたりとかというインセンティブを与えるということを考えたりしたらどうなのかなと思うんですが、区の所管はいかがでしょうか。 ○渡邊保育園・幼稚園課長 将来、保育所の閉園等によって保育所に子どもを預けている保護者等が混乱することがないよう対策を講じることはとても重要な課題であると認識しております。民間事業者の状況等も踏まえながら、最善の対策を研究してまいりたいと考えております。 ○市川委員 量的ニーズの減少を質向上の契機と捉えて、大小100園ある私立園の集約化を進めることによって、現在、保育業界の大きな課題となっている保育士の不足、そういった課題解決に寄与するんではないのかなと思います。しかし、ただ協力を求めるということではなくて、事業者がその協力したことをきっかけに新たな業態にチャレンジする。そういったチャレンジできるようなチャンスに変えていくことも必要なのかなと思います。例えば、保育園として使わなくなった土地とか建物を活用して、民間事業者に対して業態転換を促し、サポートすることの検討も併せてしていただければと思います。いずれにせよ、少子化という大きな社会課題について、早期に研究して検討していく必要があると考えておりますので、御担当の所管課の皆様におかれましては、よろしく御検討をお願い申し上げて、この項の質問を終わります。 次に、職員の危機管理意識についてお伺いをさせていただきます。 昨今、異常気象による風水害の発生頻度が大変高くなってきております。先々月、熱海市伊豆山地区において発生した土砂災害や8月の全国的な記録的な大雨なども記憶に新しいところでございます。また先週末にも台風14号による被害が出ていたところです。これは、ここにいる皆さんは御承知のとおりで、温暖化の影響によるものではないのかなと言われております。先日9月13日に、気象庁も異常気象分析検討会を開いて、会長の中村東京大学教授が、地球温暖化の影響で大気中の水蒸気量が増えて、これまでにない雨量が各地で観測される可能性が高まっていると指摘しております。「これまでにない雨量」という表現は強い危機感を感じるものでありますが、今後も9月、10月と台風が発生しやすいものと、そういう時期が続くと思います。中野区においても、防災的観点から危機管理意識というものを徹底するのが重要であります。 まず初めに伺いたいのは、中野区では風水害が起きた際に、職員の皆さんに役所に参集していただいていると聞いておりますが、その詳細について教えてください。 ○田邉防災危機管理課長 委員の御質問に対してお答え申し上げます。風水害の対応に当たっては、夜間・休日連絡態勢から始まり、第3次非常配備態勢までおおよそ7段階の態勢となっております。一般的には、大雨注意報が出た段階で防災危機管理課職員による夜間・休日の連絡態勢で対応することになっています。その後、河川の状況や雨量などの想定の下、早期監視態勢や初動配備態勢を取る仕組みとなっています。最終的には、第3次非常配備態勢で総勢891名の職員が対応することとなっております。 ○市川委員 分かりました。それでは、まず、7段階あるという段階で早期監視態勢から情報連絡態勢に切り替わる基準、こちらを教えてください。 ○田邉防災危機管理課長 早期監視態勢から情報連絡態勢に切り替わる基準についてでございますが、早期監視態勢から情報連絡態勢への切替えには、風水害に対する注意が必要になった場合に変更し、気象情報や河川水位情報の収集とともに地域本部に職員を参集させ、応急班の活動拠点を準備し、万が一の住民避難を可能とする態勢となっております。 ○市川委員 分かりました。では、お聞きしますけども、6月16日に大雨による参集をかけたと聞いております。早期監視態勢を取る前に情報連絡態勢を取ったのはなぜでしょうか。どのような状況からその対応を取ったのか教えてください。 ○田邉防災危機管理課長 お答え申し上げます。6月16日は急激な雨量の変化があり、地域本部に職員を参集させ、応急班の活動拠点を準備し、万が一の住民避難を可能とする態勢を取ることとしたことから、早期監視態勢は取らず、直ちに情報連絡態勢を取ったという経緯がございます。 ○市川委員 では、当日、情報連絡態勢で何人に連絡するべきところを何人に連絡し、参集すべき人数が何人で何人参集したのかも教えてください。 ○田邉防災危機管理課長 お答え申し上げます。参集メールで情報連絡態勢への移行を考慮して、情報提供も含め208名に発信しました。そのうち、情報連絡態勢対象者は127名となっております。参集災対従事は98名でありました。 ○市川委員 一方、8月15日にも大雨によって参集がかかったわけでございますが、その際に、6月のときよりも参集人数が少なかったと聞いております。先ほどと同様に、何人に連絡すべきで、何人が参集したのか。連絡した数と参集した数、これを教えてください。 ○田邉防災危機管理課長 お答え申し上げます。127名中、参集できたのが88名の参集でありました。約70%の参集率となっております。 ○市川委員 ちなみに、その応答が完全にない職員とか、そういった方にはその後どのような対応をしているのか。例えば、口頭で注意をするのか。それとも文書等々で注意をするのか。それはどういうふうにされていますか。教えてください。 ○田邉防災危機管理課長 お答え申し上げます。参集に当たっては、基本的に災害時に各職員の携帯に参集メールを発信し、呼びかけているところでございます。現状ですと、災対人員の参集については各災対部で管理を行っていただいており、部によっては、参集できない理由の確認などを行っていると聞いてございます。 ○市川委員 理由を聞くのはもちろん分かるんですけども、例えば、完全にその理由を示さない方は中にはいるんでしょうか。 ○田邉防災危機管理課長 理由を示さない方というのはおられないとは思うんですが、その理由が妥当なものかどうかというのは、各課、災対部で吟味して今後の職務の姿勢に対して注意喚起していくというようなことはあると思います。 ○市川委員 分かりました。ただ、その理由というのも判断も、各災対部ごとに違うということでございますので、もしかしたらその対応がばらばらになっている可能性があるので、そこについては、防災危機管理課のほうで各災対部と調整をして、不平等感が発生しないようにするべきだと思うんですよね。こちらはいかがでしょうか。 ○田邉防災危機管理課長 細かく聞き取りまして、不平等感がないように公平に皆さんが納得できるような対応をしていきたいというふうに考えております。 ○市川委員 先ほど伺った人数とかあったんですけども、ここで一つ疑問なのが、6月の際と8月の際で対応にちょっと差があるわけですね。早期監視態勢というものを入れるか入れないか。そういう対応がその都度違うというのは、危機管理をつかさどる防災危機管理課としてどう考えているのか教えてください。 ○田邉防災危機管理課長 8月と6月、違った対応になってしまったんですが、6月の際は、夜間・休日連絡態勢から洪水警報の発令やその後の雨量の予測を踏まえて住民避難に備える必要性があることから直ちに情報連絡態勢に変更したものであり、8月の状況とは状況が異なっていたということでございます。雨量の予測や河川情報により段階的に態勢を上げていくのではなく、その状況に合った態勢に移行していくということになっておりますので、そういった対応を取らせていただきました。 ○市川委員 初期に早期監視態勢をしかなかったということなんですけども、そうすると、幹部職員や管理職の皆さんに対して連絡が行ったのがほかの一般職と同じタイミングになってしまうんじゃないのかなと思うんですけど、こちらはいかがですか。 ○田邉防災危機管理課長 6月の雨のとき、短時間で雨量が急増したことから、早期監視態勢を取らず情報連絡態勢を取ったものでございますが、幹部職員への連絡については適宜行っておりました。 ○市川委員 それは、管理職の皆さんに対しても同様でございますか。 ○田邉防災危機管理課長 適宜管理職、直属の総務部長、危機管理部長は、早い段階で相談させていただいていますし、そのほかの管理職については随時対応させていただいております。 ○市川委員 その次に、先ほど人数をお伺いしたんですけども、6月の際にも、8月の際にも、参集した人数が必要な参集数から見ても少ないと感じるんですよ。70%とおっしゃっていたんですけどね。70%を多いと見るか少ないと見るかはあると思うんですが、この人数で対応に不安はないんでしょうか。 ○田邉防災危機管理課長 御案内の2回の参集についてでございますが、結果として被害はなかったことになります。動員をかける際は、最悪の事態を想定していることから、想定外の被害も近年増えてきておりますので、職員参集率については今後は上げていく必要があると考えております。 ○市川委員 今、日頃の職員の参集率を上げていきたいという御答弁がございましたけども、参集率を上げるために担当としてどんな対策をされておられますでしょうか。 ○田邉防災危機管理課長 お答えします。毎年職員課に実施していただいている新任研修の中で、職員としての防災への心構えを防災危機管理課職員が説明をさせていただいております。また、防災危機管理課では、定期的に参集メールやLINE WORKSを使用した通信訓練を行って職員に周知しているところでございます。 ○市川委員 今、新人研修というお話があったんですけども、それは職員課が新人というか、新しい役所の職員の方にされるものだと思います。これは職員課にも聞きますが、職員課が行っている職員を対象にした研修の中で、危機管理については、先ほど言った新人研修以外にございますでしょうか。 ○中谷職員課長 新任研修のほかには、実務研修の中で係長級の昇任者や管理職候補者などを対象として危機管理・コンプライアンス研修を実施してございますが、その内容は、自然災害だけではなく、事件や事故も含む危機に関して法令遵守や内部統制、リスク管理などについて幅広く学ぶ内容となってございます。新任研修の中で防災に関する職員の役割についてカリキュラムに組み込んでいるほかには、災害対策本部の参集基準や参集の必要性を学ぶような研修は、現在は実施していない状況でございます。 ○市川委員 新人研修以外ではそういう研修はしていないということでしたけども、今後そういった研修を行う予定はございますでしょうか。 ○中谷職員課長 災害対策本部の体制や各部の所掌事項、参集基準などについて定期的に説明会などを開催し、職員に周知徹底していくことが災害発生時にスムーズに対応していく上で非常に有効であると考えてございます。防災危機管理課と協力をして、そうした説明会のような場を設けることができないか検討していきたいと考えてございます。 ○市川委員 ただ、現実的には70%ということなので、参集率が100%というのはなかなか難しいのかもしれませんけども、なかなか80%、90%というところに至っていないと。他の委員からもございましたけど、危機管理というのは事が起きてからでは遅いわけですから、そういったものをしっかり考えていくということだと思うんですね。それで、災害時における危機管理の重要さを職員の皆さんに明確に認識してもらう、理解をしてもらうということが職員課がすることなのか、防災危機管理課がすることなのか。これは責任の所在を明確にするべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。 ○田邉防災危機管理課長 委員の御質問に対して回答させていただきます。防災危機管理課は、災対本部の主管としての立場として、それから職員課は職員全体の服務の主管としての立場としてどちらにも責務があると考えております。また、職員が自ら考え行動する教育が必要とも認識しております。今後は他自治体の取組などを調査研究しまして、改善できる点は改善していきたいというふうに考えております。 ○市川委員 他区の先進事例、そういうことも研究するというお話だったんですけども、職員課と防災危機管理課における担当所管との協力をしっかり行っていただくことを要望いたします。 先ほど申し上げた6月、8月の件は、当日の対応には問題はなかったとのことですが、もし仮に、この項の冒頭に申し上げたこれまでにない雨量といった異常気象が中野区において発生した場合に、本当に大丈夫なのか、これは不安に思うわけです。先ほど伺ったように、それぞれ第3次非常配備態勢までフェーズが上がると当然必要な職員数が増えていくわけですけども、第3次非常配備態勢レベルになると、必要な職員数は891名となっているわけであります。仮に8月の情報連絡態勢の参集率で見込むと、足りない職員数は200人超えます。そうなった場合、本当に自信を持って区民の命を守ると、そういった体制が取れていると言えますでしょうか。 ○田邉防災危機管理課長 お答え申し上げます。大きな災害に対して、職員の教育だけではなく、ハード面や住民の地域防災力の向上に向け取り組んでいこうと考えております。また、繰り返しになりますが、職員の参集への指令についても工夫を凝らし、職員の参集率を上げていきたいと考えております。 ○市川委員 しかし、災害が起きたら、役所に行きたくても来れないという職員の方もいらっしゃると思うんですよね。そういった方たち、中野区外に住んでいる職員の皆さんが、役所までどうやって来るのかということも、これは大きな課題になると思うんです。そちらに関しての対策は、今されているものがあったりとか、今後こうしていくというのがあったら教えてもらえませんか。 ○田邉防災危機管理課長 お答え申し上げます。夜間など交通機関が止まってしまった場合については、必要があればタクシーなどの活用も可能となっております。また、一般的には、徒歩や自転車などでの登庁が想定されております。今後、他の自治体などの取組なども研究いたしまして、これも改善できる点があれば改善していきたいと考えております。 ○市川委員 すみません、今、タクシーというお話があったんですけど、これはタクシーを利用すると利用額の制限とかはあるんですか。 ○田邉防災危機管理課長 利用額に制限はないと聞いております。 ○市川委員 これは職員の皆さんに周知されていますか。その利用額の上限がないということ。 ○田邉防災危機管理課長 認識されているかどうかはちょっと定かな情報がありませんけれども、私は若い頃から知っていたところでございます。職員にも知らない者が数多くいるかと思いますので、今後広報はしていきたいなと考えております。 ○市川委員 もしかしたら、タクシーを使えるということを知れば来れる方が増えるのかもしれないんですよね。最悪の事態に備えてと先ほどおっしゃっていたんですけども、やはりそういった意味で考えるんだったらば、公共交通機関が使えなくなっている可能性が非常に高くなっていることもあると思うんですね。そういうことのためにタクシーを使う。こういったことも周知していただきたいと思います。 幹部職員の皆さんは別として、取る態勢ごとにリストアップの仕方を流動的に変更して、態勢のリストに入れる一般職員の皆さんは、どこの部署にいるかということよりも、どこに住んでいるのかということを基準にするべきだと思うんですけど、いかがでしょうか。 ○田邉防災危機管理課長 お答え申し上げます。職員の参集について、各災対部での名簿作成に当たっては、住所地を一定考慮していただいていると認識しております。特に、避難所班長につきましては、近隣の在住職員を充てていることを確認しております。 ○市川委員 最後に確認をさせていただきたいと思うんですけども、先ほど冒頭申し上げたように、9月の後半から10月にかけて台風が発生しやすい時期が来ます。そうすると、風水害の参集をしていただかなきゃいけない局面がまた近いうちに来るかもしれないんですよ。だから早急に、検討だったり対応をしなきゃいけないと思うんですけど、改めて決意というか、教えていただけませんか。 ○田邉防災危機管理課長 改めて、こういった台風シーズンになってきておりますので、職員への参集への呼びかけ、それから事前の対応をしっかりしていきたいというふうに考えております。 ○市川委員 ぜひ検討を進めていただきたいと思います。中野区の職員の皆さんには、区民から求められているものは何かというと、やはり区民サービスということもあると思うんですけど、究極的には、安全と安心を確保して区民の命を守っていく、そういったことなんだと思います。ですので、どうかその観点を忘れずに、災害対策、危機管理に臨んでいただければと思います。あらかじめどれだけ備えることができるのか。そういったことが非常に重要で、危機管理体制をいま一度引き締めるべきだと申し上げて、私の質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。 ○ひやま委員長 以上で市川しんたろう委員の質疑を終了します。 次の質疑に入る前に、先ほどの河合委員の質疑に対しまして、理事者より訂正したい旨の申出がありましたので、これを許可します。 ○細野育成活動推進課長 大変失礼いたしました。先ほど河合委員の質疑の中で、2番、児童館についての中で、キッズ・プラザの経常経費について質疑をいただきました。その際、私から、令和2年度のキッズ・プラザの行政コストは11か所で10億5,000万円ほど、1か所当たりの平均経費は9,500万円ほどであるという答弁をさせていただきました。こちらに計算の誤りがございまして訂正をさせていただきたく存じます。正しくは11か所で、5億4,616万3,000円。1か所当たりの平均経費は4,965万2,000円でございました。大変失礼いたしました。 ○ひやま委員長 河合委員、よろしいでしょうか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
それでは、質疑を続行します。 次に、木村広一委員、質疑をどうぞ。 ○木村委員 令和3年第3回定例会におきまして、公明党議員団の立場で総括質疑をさせていただきます。質問は通告のとおりで、その他はございません。公明党のアンカーとなりますけども、会派の前の質問者が中秋の名月というすばらしい話をしまして、時間を目いっぱい使っていただきましたので、私は余計な話をせず、説明不足の箇所があるかもしれませんが、御了承をお願いしたいと思います。 初めに1、令和2年度決算についてお伺いいたします。 まず、新型コロナ対策の影響についてお伺いいたします。新型コロナ対策の財政的な影響については、我が会派の平山委員、日野委員からも質疑がありました。私からは、臨時交付金について伺います。 令和2年度の新型コロナ対策は、多額の国費、都費で賄われました。国や都が決定した事業の事務を担うに当たっての補助のほかに、臨時交付金のように包括的なメニューの中から基礎自治体が事業を決定し活用できるものもありました。臨時交付金は、名称にあるとおり、臨時的なものの可能性があり、新型コロナとの戦いに終わりが見えない中で、来年度以降も同規模で交付されるか、あるいはそもそも交付されるか分かりません。よって、臨時交付金を充てた事業を今後どうするのか。今後の区財政に影響を与えることになりますので、ポイントを絞って伺っていきます。 まず、新型コロナ対策として、予備費を充当した額は幾らになるでしょうか、お伺いいたします。 ○森財政課長 新型コロナ対策への予備費の充用額でございますが、3億2,700万円余でございます。 ○木村委員 我が会派の要求で作成していただきました総務114「当初予算以外で新型コロナウイルス感染症対策として実施した事業とその財源一覧」ですが、その中で一般財源に予備費を充当した事業は入っているのでしょうか、お伺いいたします。 ○堀越企画課長 予備費を充当した一般財源の事業でございます。総務114の資料に挙げる事業のうち、保健所体制強化に伴う人材派遣、保健所や他の区立施設などの感染症対策などの経費の一部は予備費を使用し、一般財源により支出を行ったところでございます。 ○木村委員 予備費を充当した事業に臨時交付金を充てることができるんでしょうか、お伺いいたします。 ○堀越企画課長 臨時交付金の対象となります事業は、令和2年度補正予算に計上され実施される事業、または令和2年度予算に計上される予備費により実施される事業となっておりますことから、臨時交付金を充当することは可能となってございます。 ○木村委員 一般財源を充当するか、臨時交付金を活用するかというのは、どのような基準で分けたのでしょうか、お伺いいたします。 ○堀越企画課長 臨時交付金の活用基準でございますが、臨時交付金の対象となります事業のうち、規模の大きい事業や国・都補助事業のうち、区負担分のあります事業を優先的に財源を割り当てているところでございます。 ○木村委員 総務114の中で、臨時交付金の活用の対象とはならず一般財源で行った主な事業とその総額をお伺いいたします。 ○堀越企画課長 現在の集計では、一般財源が使用された事業は計46事業でございまして、一般財源の合計は約4億5,000万円となっております。臨時交付金でも賄い切れず一般財源も使用した主な事業は、在宅児童・生徒ICT支援、生活困窮者住居確保給付金、GIGAスクール構想の推進などでございます。また、この46事業のうち一般財源のみで実施されました事業は20事業でございまして、一般財源の合計は約1億円でございました。主な事業としましては、びん・缶・ペットボトルの選別や集団回収事業者の支援などでございました。 ○木村委員 臨時交付金を活用した事業の総額は17億7,000万円余でありました。臨時交付金を活用した事業は、令和2年度では全て区が必要とした事業でありまして、一般財源で実施しなくてはいけなかった事業とも言えます。しかし、今後交付がなかった場合は、全ての事業を行うか総括が必要でございます。臨時交付金を充当した事業を今後優先すべき事業、また継続すべき事業など、次年度以降の対策のために総括はされたのでしょうか。されていなければ、総括をする必要があると考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。 ○堀越企画課長 臨時交付金の総括でございますが、区がこれまでに取り組んでまいりました感染症対策や区民の生活支援、経済対策などの令和2年度の実施結果につきましては、今定例会中の常任委員会等で報告を予定してございます。今後の取組につきましても、令和2年度の取組状況の結果を参酌し、感染状況の場面に合わせまして対策を講じていきたいと考えておりまして、優先すべき事業を見極めて取り組んでまいりたいと考えております。 ○木村委員 よろしくお願いします。総務114を苦労して作っていただきまして、本当にありがとうございました。本当によくできた資料と思います。この資料を見ると、昨年度は未知のウイルスから区民の健康と生活を守るために、正解が分からない中で奮闘されていたことがうかがえます。11次に及ぶ補正予算を編成し、国の交付金がなくても、先に区単独で実施を決めたもの、また後で財源構成を変更し交付金を活用したもの、また交付金のメニューを最大限に区民に還元しようとしたものなど様々ありました。役所の側でもこの資料を活用して振り返りを行うべきと考えます。個々の事業に対しては、今後の区における優先性、また必要性に関して様々意見はありますが、まず区が総括をして、それを予算編成に反映することが、今回の令和2年度の決算を分析する重要性の一つと考えます。そのことを指摘させていただき、この項の質問を終わります。 次に、財産収入についてお伺いいたします。 令和2年度中野区各会計歳入歳出決算説明書95ページ、15款財産収入、2項財産売払収入の中野四丁目2番194、3億6,270万円の説明をお願いいたします。 ○吉沢経理課長 こちらにつきましては、中野駅新北口交通広場整備用地としまして150平米の土地をJR東日本へ売却したものでございます。 ○木村委員 これはいつ契約して売却し、どのように処理されたんでしょうか、お伺いします。 ○吉沢経理課長 令和3年3月17日付で土地売買契約を締結しまして、3月25日に売買代金の支払いがありました。同日付で土地の所有権移転に係る登記手続を行ったものでございます。 ○木村委員 では、この事業の内容で、その経緯を簡単に御説明をお願いいたします。 ○石原中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 JR東日本は、中野駅西側南北通路・橋上駅舎等事業に関する基本協定に基づく協議により、駅前広場区域面積のうち約2,800平米を保有することとしてございます。JR東日本は、中野駅現北口広場、南口駅前広場に合わせて約2,650平米を保有しており、不足する約150平米につきましては、同協定に基づき区からJR東日本へ有償譲渡することとしてございます。 ○木村委員 この歳入、財産収入ですけども、当初予算にはなくて補正も行われておりません。この売却益は翌年度繰越金に入ることになります。これまで多額な売却益を得たことが予算に示されなかったケースはあるのでしょうか、お伺いいたします。 ○森財政課長 当該案件につきましては、売買契約が3月になったということでございまして、補正予算のタイミングに間に合わなかったということで、補正予算の計上をしていないところでございますが、同様のケースといたしまして、過去10年間を遡ってみますと、平成28年度に旧本郷保育園、また職員寮に係る用地の売払いを行ったところでございますが、こちらも3月に契約をされているというようなことで、補正予算は計上していないところでございます。この際の財産収入については3億7,800万円余ということでございます。 ○木村委員 年度末で間に合わなかったということですけども、本来、さっきの本郷保育園の跡地の売却も含めて、こういったものはまちづくり基金に積むべきではなかったでしょうか、お伺いいたします。 ○森財政課長 こちらについては、先ほど委員からも少しお話がありましたが、令和2年度の決算剰余金のほうに含まれて、結局今年度に繰り越されてきたというようなところでございまして、決算剰余金については、従来財政調整基金に基本的には積立てをしてきたというところでございまして、そういった措置を取ってきているところでございます。剰余金の一部については、今回については義務教育施設整備基金も積立てはしているところでございますが、基本的には財政調整基金への積立てというところでございました。 ○木村委員 確認ですけど、もしこの歳入というのが適切な時期に歳入というのが分かっていれば、まちづくり基金に積んでいたということでしょうか、お伺いいたします。 ○森財政課長 こちらについては、中野駅周辺まちづくりを進めるに当たって生じてきたものでございますので、適切に補正予算に歳入計上したということでありましたら、まちづくり基金の積立てということになろうかと思います。 ○木村委員 時期の問題とはいえ、この事業の効果が明らかにならないような手法でもありますので、今後所管との連携をよく検討すべきと考えます。 続きまして、用地交換について。JR東日本との協定の位置付けというのはどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。 ○石原中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 JR東日本は、新北口駅前広場内に自社敷地を確保した上で、駅ビルの附置義務駐車場を新北口駅前広場の地下に整備することとしてございます。中野駅西側南北通路・橋上駅舎等事業に関する基本協定の第9条周辺まちづくり事業と駅ビル建設の調整において、区は、JR東日本が駅ビル建設に伴い必要となる駐車場の確保について必要な協力をすることとしています。これに基づきまして、基本協定書に関する覚書におきまして、用地交換に係る処理内容を定めてございます。 ○木村委員 用地交換の手続の進捗状況に関しては、速やかに議会に報告されるべきではないでしょうか、お伺いいたします。 ○石原中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 用地交換の内容につきましては、令和元年10月第3定例会で報告をしているところでございます。現在用地交換に必要となる道路区域の変更手続を行っているところであり、道路区域を変更した後にJR東日本と用地交換に伴う手続を行う予定です。進捗状況につきましては、用地交換も含め、中野駅西側南北通路・橋上駅舎等事業全体の進捗状況として適切に報告させていただきます。 ○木村委員 よろしくお願いいたします。また一方、中野四丁目のまちづくりが進みまして、市街地再開発事業で転出補償金が得られた場合、歳入は一般会計で諸収入に示されるのでしょうか、お伺いいたします。 ○森財政課長 御指摘のとおりでございます。 ○木村委員 財産収入も諸収入も使途が決まっておりませんけども、中野駅新北口駅前エリアで得たこの諸収入というのは、区役所新庁舎の建物の財源に充てられる予定ではありますが、その関係性が見えにくい状況となっております。区役所新庁舎の財源や新北口駅前エリアで得た諸収入の関係性について、財政調整基金から繰り入れた50億円の補填分の財政調整基金に積み、それ以外は特定目的基金に積むなど見える化をすべきではないでしょうか、お伺いいたします。 ○森財政課長 転出補償金につきましては、新庁舎整備に係るものについては財政調整基金への積立て及び起債の繰上償還ということを予定しておりまして、基本計画のほうでもお示しをしているところでございます。それ以外のものにつきましては、まちづくり基金への積立てを基本に検討していきたいと考えております。 ○木村委員 よろしくお願いいたします。今回こういった歳入の扱いが、決算でこちらが指摘をしないと報告もなかったかと思います。しっかりと見える化を進めるよう要望し、この項の質問を終わります。 次に2番、新型コロナウイルス対策についてお伺いいたします。 まず、自宅療養セットについてお伺いいたします。自宅療養セットは、陽性者のうち無症状者を含む軽症者で、自宅待機を余儀なくされる方の生活を支援するために、食料品や日用品などの無償提供をする新型コロナウイルス自宅療養者用緊急支援として令和2年5月からスタートいたしました。これは、当時中野区の独自政策で、23区でも先駆的な取組でありました。対象は、自宅療養者陽性者のうち、家族等の支援を受けられず、食料品等の調達が困難な方及び同居の子や介護が必要な家族がいるために宿泊療養が困難な方、希望者のみ。それで陽性と判明したときに、自宅療養セットを希望するかどうかを確認するなど、また療養セットの内容は、食料品、御飯パック、レトルト食品など、日用品、マスク、ごみ袋などで、支援期間は保健所から自宅療養を指示された日の翌日から解除の日までということでした。まず、この内容で間違いがないか確認をさせてください。 ○小山地域包括ケア推進課長 内容については間違いございません。 ○木村委員 その後、令和3年1月25日から東京都の自宅療養者の支援体制を拡充して、飲食料品の配送事業を中野区でも行うことになりました。それに伴って、中野区がそれまで自宅療養者支援の運用を変更し、1、食料品の配送においては原則として都による飲食料品の配送に切り替える。2、日用品の配送は原則として終了する。3、区は都の支援対象とならない短時間の自宅療養者及び入院待機者に対し、食料品の支給等の支援を引き続き行うこととなりました。そのことは2月12日に事後報告として厚生委員会で報告され、我が会派の南議員も詳細を確認し、翌本会議においても白井議員が、日用品の配布は原則終了の「原則」の意味を確認したのに対し、区長は、食料品の内容は、「対象者から御要望があった場合には可能な限り対応してまいりたいと考えております。また、日用品につきましても、御要望があった場合には対応してまいります」と答弁されました。つまり、東京都の配送事業を組み入れるものの、自宅療養セットのスタート時に設定された食料品・日用品を保健所から自宅療養を指示された日の翌日から解除の日まで支援することには変更はないということは確認をさせていただきました。そういった中、第5波の新規陽性者の増加がピークとなった8月、どれぐらいの方が東京都の対応と併せて自宅療養セットを希望されたのか。また、日用品を原則終了してから日用品を配布した実績を併せてお伺いいたします。 ○小山地域包括ケア推進課長 8月の中野区の食料品等の配布実績は112件でございました。東京都の事業に関しましては、現在問合せをしているところでございますけれども、把握は難しいというふうに受け止めているところでございます。 また、日用品の配布でございますけれども、原則配布が終了した以降、御要望があり配布した実績は11件でございます。 ○木村委員 その希望に対して、中野区は自宅療養セットを希望者に希望どおりに配布できたのかどうかお伺いいたします。 ○小山地域包括ケア推進課長 保健所の調査に基づき、区の支援事業の対象になる方につきましては、食料品等の支援が必要かどうかを聞き取り、希望する方へは原則当日、もしくは翌日までに配布をしているところでございます。 ○木村委員 今、希望どおり配布できたということですけども、これは調査の聞き取りの段階で希望を伺って最短で配布できたという意味かと思います。しかし、ピーク時には、保健所の勧告から療養方針の調査連絡までの時間がかかり、その間、感染者は自宅で外出もできず待機をすることになりました。また、東京都の食料品配布を選択した場合、さらに配布が遅れ、結果的に勧告から食料品を入手するまでに数日かかっていたという状況にもなっていました。さらに、時間がかかるが、1週間分の都の配布を選ぶのか。また、すぐに配布されるが、3日分となる区の配布を選ぶのか。こういった選択を自宅療養者に選択させるケースもあったと伺っています。感染者は食料品が入手できないと、当然感染者が買物に外出して感染を拡大する状態となります。なぜピークのとき、勧告から食料品の配布まで数日かかるという事態を招いたのかお伺いいたします。 ○関保健予防課長 第5波のピーク時には、陽性者の急増によりまして、勧告や疫学調査の連絡が発生届出受理の翌日以降になることがございました。また、繰り返しお電話をしても応答がなく、なかなか連絡が取れないといった状況も生じておりました。このため食料品配布の支援を希望する方をタイムリーに把握することができず、対応に遅れが生じたと考えております。都の事業の食料品配送につきましても、自宅療養者の急増によりまして配送に遅れが生じていたと聞いてございます。 ○木村委員 先ほど紹介したとおり、区は食料品・日用品を保健所から自宅療養を指示された日の翌日から解除の日まで支援することに変更はないと委員会や本会議で答弁をしてきました。食料品の配布を都か区のどっちを選んだとしても、自宅療養を指示された日の翌日から解除の日まで支援するということにはなりません。区の答弁と異なる状況があったということになります。東京の対象者となった場合、4日以上の自宅療養が必要な方、また東京の自宅療養セットの配布の遅れによって区の3日分の自宅療養セットを希望した場合、解除日までの支援はできていたのでしょうか。また、今回のように、勧告から調査まで日数を要した場合に、この間の支援についてどのように対応したのかお伺いいたします。 ○小山地域包括ケア推進課長 東京都の食料品等の配送の遅れは把握をしていたことから、保健所におけます調査時におきましても、当面の食料品等がない方に関しては臨機応変な対応を行い、区の自宅療養セットの配布をしていたところでございます。区の自宅療養セットの配布を希望した方から追加のお申出があったというような御報告はございませんでした。一方、勧告から調査まで日数を要した場合でございますけれども、陽性者の体調等を考慮いたしまして個別に判断をいたしまして、自宅療養セットの御案内をしていただいたというふうに聞いているところでございます。 ○木村委員 要は、告知から調査のときまで一番時間がかかって、そこの支援ができなかったということでございます。ある意味では、自宅療養者にとっては一番大変なときに支援が受けられなかったということになります。自宅療養セットが東京都の食料品配布と併せて行われることに変更されていたことは、区のホームページで広報されていたのでしょうか、お伺いいたします。 ○小山地域包括ケア推進課長 自宅療養セットの支援に関しましては、保健所の調査時の判断が伴うこと、それから対象者へは個別に御案内をするということから、事業開始時の令和2年5月からホームページの広報は行っておりませんでした。そのため、今年の1月の事業変更時の際も、ホームページでの広報はしていないところでございます。 ○木村委員 じゃあ、現行の体制というのはホームページでは分からないと。区のホームページでは、これまで新型コロナ対策の情報はできる限り、分かりやすく広報する取組をしてきたと思いますが、感染して自宅療養になって一番大事な情報が正確に広報されていなかった。新型コロナ対策の広報というのが、ある意味では大事なところに後手後手に回っている感もございます。また、症状が改善されず、自宅療養が長引いて、東京都の1週間分の配布の後、食料品が不足していないのか追加の確認をしているのでしょうか、お伺いいたします。 ○小山地域包括ケア推進課長 陽性者が東京都のフォローアップセンターの対象となった場合、食料品等の配布の対象者につきましては、中野区には情報提供はされておりませんので、区としては追加希望の確認はしてございません。自宅療養者御本人から保健所へ希望があれば状況に応じて対応は可能でございます。安心して自宅療養が継続できるよう、食品等の支援が必要な方は御要望をお申出いただけるように丁寧に案内をしたいというふうに考えております。 ○木村委員 そうですね。結局、希望があれば、希望があればという話なんですけど、その希望を聞ける状況にあったかどうかというのが一番大きな課題であると思います。区の自宅療養セットの財源ですけども、これは一般財源ですか、それとも補助金でしょうか、お伺いいたします。 ○小山地域包括ケア推進課長 財源は10分の10の東京都の補助金を充ててございます。日用品に関しましては、東京都の補助対象外でございますので、一般財源で対応しているところでございます。 ○木村委員 食料品に関しては補助金であれば、全て中野区が十分支援をしても、中野区には負担にはならない。まして、仮に全額が区の一般財源になったとしても、こういうのはしっかりと実行すべきだと思います。いずれにしても、区は自宅療養者に対して、食料品も日用品も支援するというスタートをしたわけですから、最初の体制に戻すべきと考えます。先日補正予算で補充分を通しましたが、あくまでこれは現行の補充というふうに考えております。第6波に備えて、東京都の支援と重複する部分があったとしても、また東京都の支援が終わった後も、食料品や日用品の不足により自宅療養者が外出する必要がない十分な自宅療養セットの支援をすべきではないでしょうか。また、都の支援は陽性者本人のみであります。支援を要する同居の家族も支援すべきではないでしょうか、併せてお伺いいたします。 ○小山地域包括ケア推進課長 東京都フォローアップセンターにおける食料品等の配送の遅れがあった際には、区においても御要望や状況に応じて区の自宅療養セットを配布していたところでございます。また、このような状況における区の対応につきましては、東京都の事業のつなぎ支援ということで、補助の対象になる旨も東京都の担当者に確認をしているところでございます。また、東京都の補助事業の状況を注視しながら、中野区の陽性者の状況を把握しまして、自宅療養者が安心して継続できるような迅速な対応をしてまいりたいというふうに考えております。 ○木村委員 先ほど伺ったときに、8月の東京都の支援の状況も把握できていないということでありました。そういった意味では東京都との連携、また、中野区の行政の保健所とか担当所管との連携がしっかり取れていないというのもかなり大きな課題であるというふうに思っております。しっかりそういったことを取り組んでいただき、先ほど言ったように、全て、ある意味ではフルスペックでしっかりと支援していくと。第6波が来たとき、そういったときにも対応できるような準備をしっかりとしていただければと思います。 また、若い人が、症状が軽い方でも自宅療養中で状態が急変することが多発をしております。パルスオキシメーターは、その急変をキャッチする自宅療養の命綱です。東京都でもパルスオキシメーターの貸与を行っていますが、調整のずれか、パルスオキシメーターを希望しても貸与されなかったということを何件か聞いております。この東京都の取組と調整し、希望する自宅療養者には必ずパルスオキシメーターが貸与できる体制にすべきではないでしょうか、お伺いいたします。 ○関保健予防課長 都は、自宅療養者フォローアップセンターの健康観察対象となった方などに対し、パルスオキシメーターを貸与しております。区は、都の貸与の対象とならなかった方に対し、発生届出の情報や陽性者御本人からの聞き取り内容を基に、必要な方へパルスオキシメーターを貸与しておりまして、今後とも柔軟に対応していきたいと思います。 ○木村委員 まず、先ほどもありましたけども、東京都の対応とそれをしっかりと情報共有して、そこの不足というのも区のほうで対応していただくということで、希望者にはしっかりとパルスオキシメーターが貸与されるようにお願いしたいというふうに思います。中野区で支援を充実させたとしても、自宅療養者に情報が提供されなければ意味がありません。現在は、食料品や日用品、パルスオキシメーターなどの情報提供は、いわゆる調査のときの電話のみというふうに伺っております。中野区独自の支援とか情報を記載したハンドブックを自宅療養者がすぐ入手できるようにホームページで公表するなど、自宅療養者への情報提供を迅速に実施すべきではないでしょうか、お伺いいたします。 ○小山地域包括ケア推進課長 陽性者になった方やその御家族の御不安を軽減するために、区は個別に御案内をしてまいりました。しかし、8月のような感染者数が急増した際には、区の個別の御案内や情報提供に不足も生じることがございます。ホームページ等による自宅療養者への情報提供は必要であるというふうに認識をしているところでございます。自宅療養者に対し、中野区の食料品等の支援があることにつきましては、現在の区のホームページの中の「新型コロナ感染症と診断された方へ」のページに追記をするとともに、分かりやすく表示ができるように工夫をしたいというふうに考えているところでございます。 ○木村委員 ぜひよろしくお願いいたします。 次に、抗体カクテル療法についてお伺いいたします。9月3日時点での東京都の分析によると、抗体カクテル療法の投与から14日以上経過している420人のうち400人、95.2%の症状が改善したということであります。同療法は、発症の早い段階で実施すればより効果が高いとされていますが、投与後の副反応に対応できる入院患者への使用に限られていることが課題となっています。抗体カクテル療法ですが、投与はどのような過程を経て決定をされるのでしょうか、お伺いいたします。 ○関保健予防課長 抗体カクテル療法については、新型コロナウイルス感染症を診断した医師が陽性者の御本人の重症化リスク因子の有無、発症、発現からの日数等を踏まえ、対象となるかを決定するものと認識しております。 ○木村委員 今の話で、陽性者の希望というのが、その医師の判断もあるんですけども、希望がなければ抗体カクテル療法が検討されないのでしょうか。抗体カクテル療法の効果が実証されつつある中で、保健所が感染者に推奨するということはないのでしょうか、お伺いいたします。 ○関保健予防課長 陽性者が抗体カクテル療法を希望した場合は、医療機関や保健所等が都の調整窓口を経由いたしまして、治療実施医療機関を紹介し、適用を踏まえて治療が実施されることとなってございます。また、陽性者から申出がない場合でも、診断した医師が陽性者の状況を踏まえて治療の適否を判断し説明するなど、適切に対応している状況と認識しております。 ○木村委員 医師がそこまでちゃんと説明しているかどうかもありますし、また、そもそも抗体カクテル療法がまだ一般的に認知されていない中で、感染者の希望がなければ実施されないというのは、お医者さんの対応も含めてちょっと適切な対応ではない。やはり極力推奨していくという体制を組むべきというふうに考えております。今区内で自宅療養を余儀なくされている方のために抗体カクテル療法は効果的な手段であります。抗体カクテル療法を活用できる区の体制を整えるべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。 ○鈴木保健企画課長 お答えいたします。新型コロナウイルスの再度の感染拡大に備えまして、在宅療養者に対する対応など必要な体制を整備することは重要であると認識をしております。今後も抗体カクテル療法など有効な治療方法の活用につきましては適宜情報収集を行うとともに、区内の医療機関と協議をしていきたいと考えております。 ○木村委員 今区内で自宅療養を余儀なくされている方のためにという話で要望でございますので、しっかりと早期に対応できるように検討していただければと思います。 9月15日に菅総理が自宅への往診でも抗体カクテル療法が使えるように、厚生労働省に検討を指示したということを明らかにしました。自宅療養者の重症化を防ぐ手段として効果が高いこの療法を往診の際に処方できる道をつくることは重要な方向性と思います。処方して経過観察をしても、医師が去った後に副反応や副作用などが出た場合、医療機関につなぐフォローアップをきちんとできる訪問医療チームによる往診の事例が増えております。第6波の感染拡大、抗体カクテル療法の認知度が高まるにつれ、投与を希望する感染者が急増することが想定されます。抗体カクテル療法を希望する全ての区民に応えるために、医療機関での抗体カクテル療法の拡充に加え、訪問による投与の体制も医師会等と検討してはいかがでしょうか。その際、24時間の経過観察の支援も検討してはいかがでしょうか、併せてお伺いします。 ○鈴木保健企画課長 お答えいたします。抗体カクテル療法につきましては、往診による治療というものが可能となり、他自治体におきまして試行的に実施されていることは承知をしているものでございます。抗体カクテル療法の実施に際しましては、副反応等に対応できるように、患者の安全性を担保する体制を整備する必要がございまして、医療従事者の確保や緊急時の対応などが不可欠となっております。今後区は、他自治体における試行的な取組や国・都の動きを注視しつつ、24時間の経過観察など抗体カクテル療法の治療提供の在り方について医師会等と検討を行ってまいります。 ○木村委員 よろしくお願いします。いずれにしても、第3波、第4波のときには、こういった第5波のような感染拡大を想定していなかったと思います。この反省をしっかりと受け止めて、こういった今落ち着いているときに第6波が仮に第5波を上回る感染拡大になったとしても、しっかりと区民の命と生活を守る区政運営を要望し、この項の質問を終わります。 ○小山地域包括ケア推進課長 大変失礼いたしました。先ほど木村委員の東京都の支援は陽性者本人のみということで、支援を必要とする同居の家族も支援をすべきではないかという御質問にお答えを漏らしてしまいました。お答えでございますけれども、これまでも同居の家族に対しては、家族の状況を聞き取り、自宅療養セットの配布している事例もございます。引き続きそのような対応をしてまいりたいというふうに考えております。大変失礼しました。 ○ひやま委員長 木村委員、よろしいですか。 ○木村委員 すみません、私も聞き漏らしました。ありがとうございます。 次に3、環境施策についてお伺いいたします。 初めに、第4次環境基本計画(案)について伺います。第4次環境基本計画(案)では、「2050年にCO2排出量実質ゼロの実現に向けて、2030年度において、CO2排出量を2013年度比で46%削減を目指します」としています。国や都の動向に連動し、野心的な目標を掲げたことは高く評価いたします。実現可能な目標、取組になるように幾つか確認をさせていただきます。 目標となるCO2排出量というのは、電気やガスのエネルギー使用量にCO2排出係数を掛けた数字となります。火力発電の場合は係数が高く、再生可能エネルギーであれば係数が低くなりますので、同じ電気使用量でも再生可能エネルギーであればCO2排出量は少なくなります。国の定めるCO2排出係数について、2012年度から2019年度までの推移はどうだったのでしょうか、お伺いいたします。 ○波多江環境課長 お答えします。電力のCO2排出係数につきまして、2012年度から申し上げますが、こちら電力1キロワットアワー当たりの値となりますが、キログラムになっておりまして、2012年度は0.518キログラム、2013年度は0.522キログラム、2014年度が0.498キログラム、2015年度が0.492キログラム、2016年度が0.478キログラム、2017年度が0.471キログラム、2018年度は0.464キログラムという推移になってございます。 ○木村委員 2012年と2013年がCO2排出係数が高かった理由は何でしょうか。 ○波多江環境課長 2012年度と2013年度は、東日本大震災の影響で原子力発電所が停止をしており、電力の電源構成のうち、原子力発電の割合が減ったことで、石炭や石油による発電が増加したため、電力のCO2排出係数が高くなったとされております。 ○木村委員 同じ傾向かもしれませんが、中野区においても同じ期でCO2排出量が多かったのが2012年度、2013年度でありました。これは同じ理由からでしょうか。 ○波多江環境課長 同じ理由からでございます。 ○木村委員 では、その基準となる2013年がCO2排出係数が高かったので数値が高い状況となるということになります。今は係数の話でしたけども、エネルギー消費量に関しては、2012年度から2019年度までの推移はどうなっているんでしょうか、お伺いいたします。 ○波多江環境課長 まず、2012年度に関しましては1万863テラジュール、2013年度は1万607テラジュール、2014年度が1万404テラジュール、2015年度が9,788テラジュール、2016年度が9,660テラジュール、2017年度は9,981テラジュール、2018年度が9,576テラジュール、2019年度はまだ出ておりません。 ○木村委員 ということは、係数と比較して微減というか、僅かずつ減っているということになります。このエネルギー消費量の推移があまり変わらなかったのであれば、この目標の基準となっている2013年度からCO2排出量が下がったのは、CO2排出係数が下がった、つまり再生可能エネルギーの供給が高まったからと言えます。今後2030年度、その目標の年までですけども、CO2排出係数というのは下がるような見込みはあるのでしょうか、お伺いいたします。 ○波多江環境課長 経済産業省は、第6次のエネルギー基本計画の案の中で、2030年度までに全電源構成のうち、原子力発電が20%から22%程度、再生可能エネルギーが36%から38%程度と示しました。これによりCO2排出係数については今後2030年度に向けて下がっていくと考えられます。 ○木村委員 今の数値も恐らく見込みというか、努力目標に近い形かというふうに思っております。そういった意味では、CO2排出係数は大変重要なファクターでありますけども、ただ、どこまで下がるかという見込みは定かではない。そういった意味では、このCO2排出量を実際下げていくというのであれば、まず区の努力でCO2排出係数というのは下げることはできないので、区の取組の効果というのを明確にするためには、まず当然区内のエネルギー消費量を下げる取組が重要であるというふうに思います。このエネルギー消費量は部門別では、削減のイメージというのはどのように考えているのでしょうか、お伺いいたします。 ○波多江環境課長 まず、業務部門や家庭部門、区内の二酸化炭素排出量、あるいはエネルギー消費量の割合の高いところについては、高効率省エネ設備や機器の利用を促進すること、それから建物の高断熱化や地産地消型の再生可能エネルギーの導入を図っていくというイメージ、それから運輸部門については、公共交通機関の利用促進やカーシェアの利用などを促進していくことが必要だと考えております。 ○木村委員 今のイメージというのはイメージであって、今後はできる限り数値に基づいた削減に取り組むことが重要というふうに考えております。エネルギー供給事業者から地方自治体へのデータ提供というのが、法的な義務付けをするように国に要望している自治体もあります。そういった情報開示の進展も迅速に対応して、より精密な計画作成に生かしていただければと思います。 一方で、今後中野区はまちづくりが進む予定でありますけども、一般的にまちづくりによって建て替えが進んだ場合、CO2排出量というのはどのような影響を及ぼすとされているのでしょうか、お伺いいたします。 ○波多江環境課長 建て替えが進むことに伴って、技術革新による環境負荷の低減が図られることで、CO2排出量の削減につながるものと考えております。 ○木村委員 一般的なイメージは、まちづくりというか、建物が建てば、住む人も増えて、床面積も増えて、CO2が増えるかというイメージがあるんですけども、実際、技術革新に基づいた建て替えが進めば、当然その効率も上がって、基本的には下がっていくという、今、方向性というか、イメージというふうに理解をいたします。 今までいろいろ確認しました。環境基本計画(案)のアクションプログラム、基本計画(案)に入っていますけども、2030年度で46%のCO2削減目標というのは、その中では積算根拠は当然示していません。積算根拠と言えるものをしっかりと今後の2030年度までにどういうふうにやっていくかというのをロードマップで示していくべきではないでしょうか、お伺いいたします。 ○波多江環境課長 区においては、46%の削減目標ということで、2030年度までの目標を46%、段階的に2050年にゼロカーボンとなるように定めたという経過がございます。先ほど申し上げましたとおり、CO2削減につきましては、技術革新による影響も大きいということで、国のほうで部門別に設定する削減目標がございますので、それを参考にすることも必要であると考えておりますし、今後、区としても、部門ごとの削減目標を検討することも必要だと思っております。生活様式の変化及び環境行動の変容などを見込んでロードマップがつくれるかというところについても検討していきたいと考えております。 ○木村委員 ぜひ検討をよろしくお願いいたします。今おっしゃったように、段階的にという話がありますけども、できれば年次で各数値目標というのを設定して、そういった取組というのが必要であるというふうに思いますので、ぜひ御検討をお願いいたします。 次に、第3次中野区地球温暖化対策地方公共団体実行計画(事務事業編)(案)についてお伺いいたします。 17ページに、中野区が電力を調達している電力会社各社ごとにCO2排出係数が掲載されています。2019年度の実績値で計算して、東京電力からの電力を全て出光グリーンパワーに変えたときの温室効果ガス排出量はどのくらいになるのでしょうか。また、電力の再生可能エネルギーの転換だけで、温室効果ガスの排出量の削減がどれくらい図れるのでしょうか、お伺いいたします。 ○波多江環境課長 2019年度の実績値を基に算定いたしますと、東京電力の電力調達による温室効果ガス排出量は3,096トンであり、それを出光グリーンパワーに変えたときには906トンになるということでございます。それから、電力の再生可能エネルギー転換では2,190トンの削減が図られるものと見ております。 ○木村委員 約2,190トンの削減ということであれば、2013年度の実績と比較して9,460トンの温室効果ガス排出量が削減されるということになります。2030年度の目標値9,160トンから見て、残り何トンの温室効果ガス削減が必要となるのでしょうか、お伺いいたします。 ○波多江環境課長 温室効果ガスの削減については、目標値に達するためには、残り約300トンの削減が必要となると見ております。 ○木村委員 2030年度まで300トンであれば、目標達成が見えてくる状況になっていると思います。ただ、東京電力を全て再生可能エネルギーに変えた場合の仮定の話ですので、今後再生可能エネルギーの供給確保というのは自治体間の競争になると考えております。中野区としても、区を挙げて再生可能エネルギーの供給確保に取り組むべきではないでしょうか、お伺いいたします。 ○波多江環境課長 早期に再生可能エネルギーの供給確保ができるように、電力契約についての検討を進めているところでございます。 ○木村委員 それを踏まえて、また2030年度までの事務事業編における温室効果ガス排出削減目標達成における課題はどのように考えているでしょうか、お伺いいたします。 ○波多江環境課長 各施設におきまして、空調機器の動力として都市ガスを使用していますが、これらの温室効果ガスの排出削減も課題と認識しております。また、環境負荷の少ない電力調達が温室効果ガス排出削減に最も効果的な手段、手法であることから、指定管理施設やかみさぎ特別養護老人ホームなどの貸付け施設における電力の切替えも進めていく必要があると考えております。 ○木村委員 今のガスの話ですと、恐らくエアコンをどうするか。つまり、エアコンのガスの排出量を下げるんであれば、使用時間をどうするかという多分話になるかと思います。それをどうするかというのがここの検討になるかと思うんですけども、2030年度までの事業事務編における温室効果ガス排出削減目標を具体的に数値によって計画を作成して早期に達成を目指すべきではないでしょうか、お伺いいたします。 ○波多江環境課長 温室効果ガス排出削減に向けて様々な角度から取組を進めて、示せる数値を可能な限り検討して削減目標を早期に達成できるよう努力をしていきたいと考えております。 ○木村委員 中野区地球温暖化対策地方公共団体実行計画(事務事業編)においても、エネルギー使用量の削減の目標が達成されれば、排出係数が今後、上がることはないでしょうから、下がるということによって、より早期に目標が達成されることになるかと思います。区が範を示して脱炭素社会実現に向けて推進していくように重ねて要望をさせていただきます。 ○ひやま委員長 木村委員の質疑の途中ですが、間もなく5時になりますので、今後の運営について協議するため、理事会を開会します。 委員会を休憩します。 午後4時58分休憩
午後5時02分開議 ○ひやま委員長 委員会を再開いたします。 ただいまの理事会の報告をいたします。 木村委員の質疑の途中ですが、本日は終了し、次回、木村委員から始めることを確認いたしました。 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○ひやま委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○ひやま委員長 御異議ありませんので、そのように決定し、本日の総括質疑を終了します。 次回の委員会は9月24日(金曜日)午前10時から当委員会室で開会することを口頭をもって通告します。 以上で本日の決算特別委員会を散会いたします。 午後5時02分散会
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