令和3年11月25日中野区議会本会議(第4回定例会)の会議録 1.令和3年(2021年)11月25日、中野区議会議事堂において開会された。 1.出席議員(40名) 1番 市 川 しんたろう 2番 竹 村 あきひろ 3番 日 野 たかし 4番 渡 辺 たけし 5番 間 ひとみ 6番 河 合 り な 7番 斉 藤 ゆ り 8番 立 石 り お 9番 羽 鳥 だいすけ 10番 欠 員 11番 加 藤 たくま 12番 吉 田 康一郎 13番 木 村 広 一 14番 甲 田 ゆり子 15番 内 野 大三郎 16番 杉 山 司 17番 ひやま 隆 18番 小宮山 たかし 19番 い さ 哲 郎 20番 小 杉 一 男 21番 内 川 和 久 22番 若 林 しげお 23番 高 橋 かずちか 24番 小 林 ぜんいち 25番 白 井 ひでふみ 26番 いながき じゅん子 27番 山 本 たかし 28番 中 村 延 子 29番 石 坂 わたる 31番 浦 野 さとみ 32番 大 内 しんご 33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき 35番 平 山 英 明 36番 南 かつひこ 37番 久 保 り か 38番 森 たかゆき 39番 酒 井 たくや 40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行 1.欠席議員(1名) 30番 近 藤 さえ子 1.出席説明員 中 野 区 長 酒 井 直 人 副 区 長 白 土 純 副 区 長 横 山 克 人 教 育 長 入 野 貴美子 企 画 部 長 高 橋 昭 彦 総 務 部 長 海老沢 憲 一 防災危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝 瀬 裕 之 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 青 山 敬一郎 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小 田 史 子 企画部企画課長 堀 越 恵美子 総務部総務課長 浅 川 靖 1.本会の書記は下記のとおりである。 事 務 局 長 長 﨑 武 史 事 務 局 次 長 小 堺 充 議事調査担当係長 鳥 居 誠 書 記 立 川 衛 書 記 若 見 元 彦 書 記 鎌 形 聡 美 書 記 松 丸 晃 大 書 記 田 村 優 書 記 細 井 翔 太 書 記 有 明 健 人 書 記 五十嵐 一 生 書 記 髙 橋 万 里 書 記 本 多 正 篤 書 記 金 木 崇 太
議事日程(令和3年(2021年)11月25日午後1時開議) 日程第1 第70号議案 令和3年度中野区一般会計補正予算
午後1時00分開会 ○議長(内川和久) ただいまから令和3年第4回中野区議会定例会を開会いたします。 本日の会議を開きます。 会議録署名員は会議規則第128条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。 15番内野大三郎議員、27番山本たかし議員にお願いいたします。 次に、会期についてお諮りいたします。本定例会の会期は、本日から12月10日までの16日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(内川和久) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。 この際、申し上げます。令和3年11月1日付をもちまして、お手元の文書のとおり、委員会参与に人事異動がありましたので、念のため御報告いたします。
○議長(内川和久) この際、お手元の一般質問一覧表のとおり、山本たかし議員、大内しんご議員、白井ひでふみ議員、長沢和彦議員、渡辺たけし議員、森たかゆき議員、若林しげお議員、南かつひこ議員、いさ哲郎議員、間ひとみ議員、加藤たくま議員、木村広一議員、杉山司議員、むとう有子議員、近藤さえ子議員、いながきじゅん子議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員、竹村あきひろ議員、立石りお議員、吉田康一郎議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。
中野区議会議員 山 本 たかし 1 中野区基本計画の実現に向けた取り組みについて (1)令和4年度予算編成について (2)重点プロジェクト1 子育て先進区の実現について (3)重点プロジェクト2 地域包括ケア体制の実現について (4)重点プロジェクト3 活力ある持続可能なまちの実現について (5)職員の働き方について (6)その他 2 新型コロナウイルス感染症対策について 3 子どもたちの多様な学びのあり方について 4 中野区地域防災計画について 5 その他
○議長(内川和久) 最初に、山本たかし議員。 〔山本たかし議員登壇〕 ○27番(山本たかし) 令和3年第4回定例会に当たり、立憲民主党・無所属議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告のとおりです。その他はございません。 1、中野区基本計画の実現に向けた取り組みについて、(1)令和4年度予算編成について伺います。 区長就任から3年半を経て、本年10月に中野区基本計画が策定されました。この基本計画には、我が会派が長年求めてきた施策も多く盛り込まれています。この基本計画を実現することによって区民の福祉の向上につながっていくため、今回第4回定例会において、会派4名、皆、最初の質問タイトルに「中野区基本計画実現に向けた取り組み」と題し、質問させていただきます。 現在、区は令和4年度予算編成を進めておりますが、半年後には区長選挙を控えております。区は来年度予算編成について「今後の経済情勢に緊張感を持って臨みつつ、区民生活にとって欠かすことのできない事業を滞りなく継続性を持って着実に予算に反映させることが区民にとって最も重要なことだ」としております。4年前我が会派は、「どなたが区長に当選されたとしても、子育て支援施策、地域包括支援、また国や都で進めている事業など、区民生活に直結する事業は構わないが、当初予算で編成すべき」と申しました。しかし、例えば4年前はグローバル戦略について指摘しましたが、「議会の議論の積み重ねも乏しく、多額のコストがかかり、区民の評価が二分するような事業で、区民生活に直ちに影響のない施策については、選挙の結果を受けて対応するべき」との見解は変わってはいません。現在進めている来年度予算編成についての区の検討状況についてお聞かせください。 一昨年前からの新型コロナウイルス感染症により、区民は地域での様々な活動を含め、多くの日常活動の制限を伴いました。休校や各イベントの中止など、友人とも思うように集えなかった子どもの体験機会の損失は大人の1年、2年とは違い、今後にわたり大きな影響を及ぼします。また、高齢者においても、外出するのもはばかられ、地域で集うことがなくなることで、フレイル状態に及んでしまうケースや認知機能の低下など大きな影響がありました。現状、地域は復活しているとはとても言いがたい状況です。そうした中、区は予算編成方針にて、注意を払いながらも活動の再開に向けた様々な支援策を打ち出すとあり、こうした考えを重点事項の1番地に挙げていることは歓迎し、評価いたします。 そこで伺いますが、現在活動の再開に向けた支援策として現在何を検討されているのでしょうか、お示しください。 今年度、区は経常経費の5%のシーリングをかけておりますが、経常経費の削減には限界があります。削減した部署には削減に見合った新規施策のための予算付けをインセンティブとする方法も考えるべきではないかとの質問も以前させていただきましたが、強い削減方針のみが続いている中で、そもそも施策を生み出すためには、各部署にインセンティブを与えることだけでは新たなものは生み出されず、施策を立案する職員のモチベーションアップにはつながりません。予算を削ることも大切ですが、職員のモチベーションを高め、新たな取組を考えることにより組織の力を高め、成果につなげられるようにしていくことが重要であり、こういった組織こそが評価されていることが必要ではないかと考えます。区の見解を伺います。 来年度予算については、この基本計画の実現に向けて、特に区が重点と設定した三つのプロジェクトに対し、どう取り組んでいくのかが肝要であり、提案も含めて伺っていきます。 まず(2)重点プロジェクト1 子育て先進区の実現について伺います。 重点プロジェクト、子育て先進区の実現に向けた取組の一つとして掲げられ、区の子ども政策を進めていくに当たり大きな役割を果たす取組が子どもの権利に関する条例の推進であると考えます。区で検討が進められている子どもの権利に関する条例は、まち全体で子どもの成長を支え、子どもの権利を保障する子どもにやさしいまちづくりを推進することを目指すものです。子どもにやさしいまちづくりは、子どもを真ん中に置いた地域づくりであり、子どもの最善の利益のために社会の在り方を見直していくという取組であると理解しています。また、子どもの権利条例だけでなく、子どもの貧困対策の推進や教育相談体制の充実、教育環境のICT推進、子どもの居場所づくりや読書活動の推進、妊娠・出産・子育てへの切れ目のない支援体制など、これまで求めてきたこうした施策を推進することは子育て先進区として重要です。 一方、国では、子どもを真ん中に置いた社会づくりを目指し、こども庁の創設に向けた検討が進められています。残念ながら設置時期については令和5年度以降となることが報道されていますが、政府はこども庁の創設に向けて9月に子どもに関する政策や予算を一元的に把握し、強力な機能を持たせるため、基本理念を議論する有識者会議を立ち上げました。政府は報告書を踏まえて、年末までにこども庁の在り方に関する基本方針を策定することとしています。こども庁を創設し、子どもを真ん中に置いた社会づくりを実現するという国の動きは、区が目指す子育て先進区の実現と共通する部分も多いと考えますが、区の見解を伺います。 こども庁の専任閣僚には子どもに関する政策について他省庁に要請できる勧告権を与え、強い司令塔機能を持たせることが検討されており、こども庁設置法案にも明記する方向で検討されていると聞いています。また、子どもや家庭環境に関する情報を横断的に把握するためのデータベースを構築し、データ収集、分析により、必要な施策の検討を行うことも検討されています。 今後、区では、制定予定の子どもの権利に関する条例に基づき、子どもを真ん中に置いた社会の実現のために、これまでの子ども・子育て支援施策のみでなく、健康・医療、スポーツ振興、文化振興、公園・道路などの都市基盤整備、まちづくりなど様々な施策領域において子どもを中心に据えて、子どもに関する政策として総合的に進めていくことが必要になります。そのため、子ども政策に関する司令塔機能の役割がこれまで以上に重要になってくると考えます。こども庁創設に向けて中心的役割を担ってきた一人である山田太郎参議院議員と話したところ、こども庁から地方自治体に何かを下ろすとは考えないでほしい。自治体のよい取組事例を横展開していくので意欲的に取り組んでもらいたいと伺いました。つまり、基礎自治体の政策形成力がますます重要になるということです。 国ではこども庁の議論がなされ、今後具体化されていく。また、区では子どもの権利条例が制定され、これを今後推進していくというこの状況を踏まえ、区の子ども政策に関する司令塔機能を強化し、子ども政策を総合的に進めていく組織の在り方を検討する必要があると考えますが、区の見解をお伺いします。 一方で、子どもにやさしいまちづくりを実現するためには、教育の果たす役割は大きなものになると考えます。これまでも会派として教育大綱を策定し、今後の区の教育に関する方針を示すべきということをお伝えしてきました。現在の検討状況はどのようになっているのでしょうか。策定までのスケジュールについても併せてお伺いします。 また、教育大綱の具体的な中身については、今後総合教育会議などで教育委員会と議論しながら検討を進めていくことになるかと思いますが、現時点で区長が教育大綱に盛り込みたいと思っている公教育に対するお考えについてお伺いし、次の質問に移ります。 次に(3)重点プロジェクト2 地域包括ケア体制の実現について伺います。 区は今後、全ての人を対象に地域包括ケア体制を構築していくに当たって、人と人とが無理なくつながることができる仕組みづくり、支える側と支えられる側という垣根を超えて、全ての人に居場所と出番ができる環境づくりを整えようと目指しており、地域包括ケア総合アクションプラン作成を進めていますが、この理念の実現に一翼を担える可能性が高い労働者協同組合法が昨年12月に全会一致で国で成立しました。これは、働く人が自ら出資して運営に携わることができる協同労働という新しい働き方を実現する法律で、この法における労働者協同組合は、所轄庁の許可や認証なしに3人以上の発起人で設立することが可能となり、これまで地域事業を担ってきた企業組合やNPOよりも手続が簡単となっているため、広く活用されることが期待されています。また、まだ施行はされておりませんが、公布後2年以内に施行予定であり、来年には施行されることになります。もともと協同労働は、失業者や中高年者の仕事づくりとして生まれたもので、今では障害や働きづらさを抱える人が就労に必要な能力を身につける自立支援の場であったり、ひきこもりやニートの若者などを受け入れる若者自立支援の場にもなっているところが多くあります。区が策定した再犯防止計画などの刑務所を出所された方の就労先を生み出すなどの活用も期待できるのではないでしょうか。 これまで長年、日本労働者協同組合連合会、略称ワーカーズコープが中心となって全国各地で様々な協同労働による福祉事業を立ち上げから伴走・自立まで関わってきました。近隣区でも児童館・高齢者会館・若者支援センター・自立支援センターなど多くの事業に関わっています。当区でも就労機会の創出であったり、設立団体との連携を通した協同労働という考え方を地域包括ケア体制構築に向けて多いに活用を検討すべきではないでしょうか。区の見解を伺います。 次に、若年女性支援についてです。若年女性を取り巻く状況は、新型コロナウイルス感染症の拡大などによりさらに厳しいものになっており、以前よりメディアでも多く見聞きするようになりました。生活困窮などにより、若年女性が性犯罪に巻き込まれることやJKビジネスなど性に関する問題が顕在化する中、保護するNPOの活動などがあります。例えば、繁華街で声かけし、シェルターで一時保護するNPO法人Colabo(コラボ)や歌舞伎町レスキュー・ハブ、妊娠SOSなどがあります。以前団体の夜の声かけなどのフィールドワークに同行しましたが、信頼関係を築けなければ本音の相談は来ないとの思いから、何年もほぼ毎日夜回りを続け、相談があれば関係機関につなげ、行政がアプローチできないところを補っておられました。こうした状況を見て、行政からもそうした若年女性に効果的なアプローチができないものかと感じたところです。 本人からインターネットなどで困り事について類推されるワードを検索した際に、その方の居住地を分析し、住んでいる自治体の相談先などが上位でヒットするようなサービスもあります。区も啓発活動などは行っているようですが、このような今の時代に合わせたより積極的かつ工夫した取組も必要で、困難な状況にある若年女性などの現状を認識し、支援する仕組みに区はきちんとつなげていくべきです。女性支援の観点から、こうしたインターネットを活用した時代に合わせた支援やNPO法人と連携した新たなアプローチによる支援を行っていくべきと考えますが、いかがでしょうか。また、地域包括ケア総合アクションプランにも課題としてしっかり明記すべきではないでしょうか、区の見解を求めます。 社会的養護の現状についても伺います。ついに区に移管された児童相談所開設の4月までもう間もなくとなりました。これまで開設に向けて準備に当たられてきた職員の皆様に敬意を表します。そうした時期にあって、社会的養護に向けた体制づくりについて質問いたします。 私は、令和2年第3回定例会で、できるだけ家庭的な環境で児童の養育ができるよう、グループホームのような小規模施設の誘致なども検討すべきではないかと質問し、社会的養護に必要な施設は不足しており、総合的に検討していくとの答弁でしたが、その後、検討状況はどうなっておられるのか伺います。 区が児童相談所を設置することに伴い、児童養護施設や乳児院などの設置認可については区が行うこととなります。これを機に、児童養護施設や乳児院、さらには区内にあるグループホームなども含め、例えば、児童福祉に関する研修を共同で実施することや職員に対するケアに関する情報交換を行うなど、関係施設などとの連携を深めていくべきではないでしょうか、伺います。 また、18歳以上となり、児童相談所の措置が解除された方に対する支援、アフターケアについては関係団体と連携して行う必要があると考えます。18歳以上の方に対する支援窓口や支援団体のネットワークを構築する必要があるのではないでしょうか、伺って次の質問に移ります。 次に(4)重点プロジェクト3 活力ある持続可能なまちの実現について伺います。 この中で文化芸術について伺います。一昨年の文化芸術活動に係る実態調査の結果では、文化芸術活動の重要性は「大切だと思う」が92.5%、区の文化芸術の振興に大切なことでは「まちなかどこでも気軽に文化芸術を鑑賞できる環境づくり」が38.7%でトップと区民ニーズがかなりあることが見てとれます。この調査の後、コロナに覆われ、表現する機会、体験する機会が激減しました。今、新型コロナへの警戒と同時に中野のまちを明るくする取組が求められています。そうした中、区はまちでアートに自然に触れられる豊かな中野を目指し、中野ミューラルプロジェクトと題し進めていた2か所が完成いたしました。鷺宮小学校の周年事業として、地域と子どもたちと関わり合いながら、地域の歴史文化、学校での特色ある取組を基に図案を決め、体育館の外壁を子どもたちとともに絵を描いて飾りました。私も見に行かせていただきましたが、地域としてのとても思いの籠もったデザインであり、アートであり、すばらしい取組でありました。また、JR中野駅北口の壁画も披露され、以前の絵から長年たち老朽化していた壁から生まれ変わり、通行する方々にアートに親しんでもらえていると感じています。この中野ミューラルプロジェクトは、まちを明るくする力を持っていると感じます。ぜひ区内に広げていってはいかがでしょうか、伺います。 一方、区内には落書きが見受けられる壁も見られます。落書きは放置するとさらに落書きが増え、まちが荒れると言われる、いわゆる有名な割れ窓理論がありますが、渋谷区では区民の快適な生活環境の実現とまちの美観を維持するため、区内の建物、そのほか工作物、土地、立木及び看板などの公衆の目に触れる部分に、その管理者または所有者の承諾なく書かれた落書きを業者に委託して消去する落書き消し事業を行っております。落書きを放置すると、さらに落書きが増えることから、例えば、地域や団体が落書きを消すなどに取り組む場合、区として支援をしてほしいと考えますが、いかがでしょうか、伺います。 さきのアンケートでは、中野らしさを感じる文化芸術のジャンルの問いに「音楽」が21.5%で2位でした。まちを明るくする取組としては、全国各地で広がっているストリートピアノも一つとして挙げられると考えます。ピアノについては、区内にも名もなき達人は多くおられるはずです。区内においてストリートピアノを工夫して設置できるよう検討してはいかがでしょうか、伺います。 今年度、大妻中野中学校と高校の合唱部が東京都合唱コンクールでどちらも優勝いたしました。昨年の区内の和太鼓5団体が集う第1回和太鼓フェスは、区も間に入り開催できたことは記憶に新しいところです。区が間に入って関わることでの信用力も大きかったと思います。このように、区が区民の活動の接着剤となって間に入ることにより大きなイベントができると考えます。新型コロナウイルス感染症によって表現したい方が発表の機会を失ってしまっております。なかのZEROでの音楽祭だけでなく、野外にも広げたまち全体が音楽であふれるまち中野といった全ての世代が楽しめる音楽フェスティバルを行ってはいかがでしょうか、伺います。 東北復興大祭典なかのは盛況でありました。区民からの愛着も肌で感じおり、いいイベントであると感じます。ただ、予算や職員の人員などコストをかけ過ぎている点や区民が主体性を持てるイベントになればもっとよくなると感じます。10年の節目を経て、運営の在り方に工夫が必要だということを指摘しておきます。 この項の最後に平和の門の活用について伺います。11月5日、6日の金曜日、土曜日で開催された旧中野刑務所正門公開見学会ですが、私も参加いたしました。これまでの見学会では集まっても40人程度でしたが、それを軽く超える多くの人でにぎわっており、区民の関心の高さがうかがい知れました。2日間で何人の方が来場されたのかお示しください。 また、当日、来場者向けにアンケートを取っておられました。どちらからお越しになられたのか。区内か区外か。また、見学会を何を媒体としてお知りになったのかなどの結果についてお示しください。 また、アンケートの最後に、将来的に一般公開するに当たってのアイデアについてもありましたが、主にどんな意見が寄せられていたか、併せて伺います。 当時、この正門のはす向かいには、子どもが怖がるような場所にしてはいけないとの思いから遊園地も併設されておりました。旧中野刑務所正門は、今後も地域に愛される施設となるため、その歴史的価値や地域特性を踏まえて保存・活用を進める必要があると考えますが、区の見解を求めます。 次に(5)職員の働き方について伺います。 第3回定例会の総務委員会で、中野区人材育成基本方針(素案)について報告がありました。その中で、副業や兼業の推進について記載があります。これは地域に飛び出す職員を育成したいという区長の考えによるものなのか、まず伺います。 また、先行自治体では、許可基準の公表や周知などの取組がありますが、職員の兼業や副業を推進する効果について区の考えをお示しください。 また、職員が萎縮せずに副業や兼業の許可の申出がしやすい環境をどのようにして築いていくのか、区の考えを伺います。 区が今後予定している人材活用システムについては、こうした職員の兼業・副業も要素の一つとして組み込むことが組織における人材の生かし方に幅と厚みが出ると考えますが、いかがでしょうか、見解を伺い、次の項に移ります。 次に2、新型コロナウイルス感染症について伺います。 まず第6波への備えについて伺います。第6波に備えるに当たって、区はこれまでで一番大きい波である前回の第5波での対応について検証することが必要です。区は第5波での対応をどう検証し、それを受けて第6波はどの程度の規模感を想定して備えようとしているのか伺います。また、第6波に対応するため、応援体制やそれに伴う業務の継続性の課題などを踏まえた機動的に庁内で人材を拠出できる体制づくりが必要だと考えますが、区の見解を伺います。 第5波の際には、医師による夜間・休日対応などが想像以上に大変だったと聞いています。この夜間・休日対応に区はどう対応されたのか。また、今後に向けて区と東京都でどのような協議をしているのか伺います。 第6波が相当規模であった場合、ワクチン証明書などの扱いを踏まえながら、区内の施設利用の制限などについて区はどのように考えているのか伺います。 新型コロナワクチンの3回目接種について伺います。3回目接種の対象者は、厚生委員会では、全ての2回目接種者を対象との報告がありましたが、国からの通知を受けてどうなっているのか確認を求めます。 また、3回目接種に使用するワクチンは何を予定しているのか伺います。 接種間隔について6か月との報道がありましたが、区はどう判断しているのかも伺います。 また、ワクチンの確保はどういう見込であるのかお示しください。 進めている12歳以上から15歳以下の接種について、接種者数と接種率はどういう現状であるかお示しください。 5歳以上11歳以下の接種についても伺います。11月17日の国からの説明会で、11歳以下の接種についてはファイザー社ワクチンを用いるが、12歳以上とは希釈濃度や移送温度、接種量などが異なるとのことでした。もはやこれまでとは別物で取扱いには注意が必要ですが、どのように準備に取り組んでいくのでしょうか、伺います。くれぐれも打ち間違いの事故が起きぬよう、医師会と密に連携することを求めます。 12歳以上15歳以下のときに学校における集団接種は推奨されませんでした。11歳以下の場合はどう考えているのでしょうか。併せて11歳以下の接種には保護者への適切な説明が必要ですが、どう考えておられるのか伺います。 ワクチン接種証明書について伺います。海外渡航者向けのワクチン接種証明書を取り組み始めましたが、現在どの程度発行しているのか伺います。国は12月中にマイナンバーカードを用いて電子版のワクチン接種証明書を取得できるようにすると聞いております。中野区のマイナンバーカードの取得状況はどの程度であるか伺います。マイナンバーカードを取得していない人は紙による証明書が必要になりますが、その証明書の発行はどのように対応するつもりなのか併せて伺います。 子育て世帯への臨時特別給付金について伺います。18歳以下の児童がいる世帯のうち、主たる生計維持者の年収が960万円を超えない世帯が対象となっています。報道によれば年内の給付開始を求めているようであり、そうなった場合の区の事務処理体制についてどのように考えているか伺います。また、これまでの給付金と同様に職員の超過勤務分と会計年度任用職員の人件費などは補助金の対象となると思いますが、どうしても関わらざるを得ない職員の正規就業時間における人件費は対象外であり、また通常業務をこなしながら並行して短期間で準備をしなければならない職員の業務負担増は配慮されておりません。区長は特別区長会を通して声を上げていくべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って次の項に移ります。 次に3、子どもたちの多様な学びのあり方について伺います。 令和2年度の当区の不登校の児童・生徒数が前年比較で約2倍になったことが決算要求資料で明らかになりました。増加のトレンドはあったものの、新型コロナウイルス感染症による学校休校の影響も大きかったのだと考えます。子どもたちへの学びと居場所の確保を最優先に取り組んでいただきたいと思っています。区はコミュニティスクール導入の検討を進めていますが、地域での連携体制の充実、また子どもたちがそこで包摂されるところまでいくには時間を要します。まず、今後コミュニティスクールの導入に向けてどのように進めていこうとしているのか伺います。また、今回教育センター分室ができ、公設フリースクールとも言える適応指導教室に転用を図ったことは評価しているところですが、今後の不登校対策に向けて分室などの必要性をどう認識しておられるのか、教育委員会の見解を伺います。 保健室登校など、不登校まではいかないケースでは、先生がそうした子どもたちと関係づくりや、まずは学校に顔を見せに来てもらえたらとの思いで学校自体の中の自習室を設けている取組やグーグルクラスルームを用いて、教員がそうした状態の子どもとの専用のネット上の部屋をつくって緩やかに声をかけている取組などが始まっている学校があり、効果が出ていると伺っております。そうした効果のある取組は素早く横展開していくべきと考えますが、いかがでしょうか。また、教員同士が不登校に関する現状の共有、ケースの検討・対応の勉強会など研究活動をされているのか、併せて確認いたします。 学校だけでなく家庭にも入っていける権限のあるスクールソーシャルワーカーが果たす役割はさらに重要になっており、以前にも増して学校現場からの信頼も厚くなっていると伺っております。配置人数について見ると、近隣区の杉並区は10名、練馬区では16名、板橋区では6名、豊島区では5名となっていて、中学校2校にスクールソーシャルワーカーが一人充てられている状況で、いずれも4区とも全て16日の勤務となっております。現在中野区のスクールソーシャルワーカーの配置は月12日勤務のチーフスクールソーシャルワーカーが1名、そのほかに月8日勤務で働くスクールソーシャルワーカーが3名の計4名体制となっており、人数、勤務日数ともに少ない状況にあり、この不登校数が大幅に増えている中にあって対応が難しい状況に陥っていることは想像にかたくありません。スクールソーシャルワーカーの増員並びに勤務日数を増やすべきと考えますが、いかがでしょうか、区の見解を伺います。 川崎市は、川崎市子どもの権利に関する条例に子どもの居場所の確保及び存続を盛り込んだことにより、川崎市子ども夢パークを設置し、その後学校復帰にこだわらず、生涯学習の視点に立った無料で通える不登校児童・生徒のための学校外の居場所、学び場をつくろうと公設民営のフリースクールをパーク内に設置しています。以前視察に伺いましたが、中野区でも公設民営のフリースクールを整備する必要があるのではないでしょうか、区の見解を伺います。 また、八王子市にある小中一貫校の高尾山学園のように、調布市、大田区、世田谷区と不登校特例校に手を挙げる自治体が増えています。不登校特例校は、不登校の児童・生徒の社会的自立に向けた学びの場で、少人数制や授業時間数の低減などの特徴を持ち、八王子では開校から17年経て児童・生徒数は増え続けておりますが、需要が高く効果も発揮している特例校です。開校するには場所や教員の確保など負担も大きいため、特例校本校への移行を前提とした分教室型の東京版不登校特例校の設置を促進しております。不登校特例校を中野区でも設置して活用すべきではないかと考えます。区の見解を伺います。 場面緘黙症という症状があります。場面緘黙症は、家などでは普通に話せるのに特定の場所で話せなくなるといった、話す意思はあるが話せないという症状で、主に幼児期に発症し、少なくとも500人に一人いると言われております。関わる学校関係者がこうした症状の子どもに限らず、思うように言葉にできないことは大人でも多々あるとの認識を持って、子どもたちとの丁寧な関わりが重要です。学校現場にて教員のみならず、関係者に対し場面緘黙症そのものの周知、配慮の必要な子どもたちとの関わり合い方の認識について教育委員会に確認いたします。 最後に、世田谷区では課題や対策を不登校対策アクションプランで整理した上で進めています。不登校対策といっても子どもたちの状態のレベルや家庭のことなど個々に様々です。だからこそ各校ではなく、教育委員会として不登校対策についてさらに研究し、抜本的に対応していく必要があると考えますが、教育長の見解を伺って、この項の質問を終わります。 最後に中野区地域防災計画について伺います。 今年3月、国と静岡県・山梨県・神奈川県の3県でつくる富士山火山防災対策協議会は、富士山の噴火想定のハザードマップを17年ぶりに改訂しました。次の噴火は、1707年江戸中期の宝永噴火以来となり、300年間ため込んだエネルギーが一気に解放され、非常に深刻な被害をもたらすことが予想され、東京都など首都圏にも火山灰が降り積もり、首都機能に影響が出ると予測されています。東京都や他区では、地域防災計画において火山・原子力災害編を作成しているところもあります。中野区地域防災計画の中に項目として検討し、反映すべきではないでしょうか、伺います。 改訂までの間、地域防災計画に記載がなくともできることは実施すべきです。火山灰はガラス片であり、水に溶けずいつまでも消えることがありません。乾燥すれば何週間も舞い上がり、雨が降るとまるでセメントや城の壁に使われているしっくいのように硬化する特徴があります。水で洗い流そうとしてもなかなか流れていかず、火山灰を排水口に洗い流すとすぐに詰まってしまい、濡れても乾いても始末に負えないのが火山灰と言われています。火山灰はシャベルですくって土のう袋に詰めてほかの場所へ持っていくしか処理する方法はなく、灰の処分は大問題となります。火山灰の降灰対策に水中ゴーグルでも十分有効だそうですが、災害が起きてから物資を調達することは皆が殺到し困難です。火山灰の降灰に対する物資の備え、降灰への対応方法を周知すべきと考えます。簡単なパンフレットを作成し、防災リーダー、町会・自治会、消防団、学校、未就学施設などに普及する必要があるのではないでしょうか、区の見解を求めます。 以上で私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 山本議員の御質問にお答えいたします。 初めに、中野区基本計画の実現に向けた取り組みについて。初めに、来年度予算編成に当たっての見解についてでございます。 令和4年度予算編成においては、一般財源について想定よりも上振れが見込まれるところでございますが、新型コロナウイルス感染症の収束はいまだ見通せない中、区財政の今後も不透明な状況であり、引き続き緊張感を持って財政運営を行っていく必要があると考えております。 一方で、多くの日常活動が制限されてきたことから、今後は感染防止対策に十分注意を払いながらも、様々な活動を力強く再開させていくことも必要であると考えておりまして、基本計画の重点プロジェクトなどを重点事項とし、財源を優先的に配分したところでございます。 次に、活動再開に向けた施策の検討内容についてでございます。令和4年度の予算編成におきましては、新型コロナウイルス感染症対策や新しい日常の定着化、経済再生に向けた取組について検討を行っております。具体的な事業内容等につきましては、今後御報告予定の検討中の主な取組案の中でお示ししていく予定でありますが、命と健康を支えるための感染症対策、DX推進による利便性向上も視野に入れた生活支援や地域の活動支援、デジタル化の視点からの商店街や各事業者への再生支援等の検討を進めているところでございます。 続きまして、職員のモチベーションアップと組織力の向上についてでございます。職員が新たな施策や事業の企画立案に意欲的に取り組むように、職員の政策形成能力や課題解決能力を高めるとともに、そうしたことに対するモチベーションを高めていくことによって区民から評価される組織づくりが必要であると認識をしております。職員が新規事業の企画立案や事業の見直し・改善等に積極的に取り組み、成果を上げた場合には、適正に人事評価に反映させていくことなどによって職員のモチベーションの向上を図っていきたいと考えております。こうしたことによって職員が新たな取組にも積極的かつ意欲的に取り組む組織風土を醸成してまいります。 続きまして、こども庁創設に向けた国の動向です。国は経済財政運営と改革の基本方針2021において、困難を抱える子どもへの支援等が抜け落ちることのないような行政組織の創設を掲げ、子どもの命や安全を守る施策を強化し、子どもの視点に立って子どもをめぐる様々な課題に適切に対応するための子ども政策の方向性について有識者会議を設置し検討を進めているところであります。区は子育て先進区の実現に向けて、子どもの権利に関する条例を制定し、子どもの権利を保障する子どもにやさしいまちの実現に向けた取組を進めていくこととしておりまして、このことはこうした国の動きと同様の方向性である考えております。 次に、子ども政策を総合的に進めていくための組織でございます。子育て先進区の実現につきましては、組織横断的かつ重点的に取り組むものでございまして、この実現に向けて子どもの権利に関する条例に基づき、子どもの権利保障の観点から区の政策を進めてまいります。こうしたことから、子ども政策を総合的に進めていく役割はより一層重要になると認識をしているところであります。子育て先進区実現に向けた推進体制の在り方について、国のこども庁の創設に向けた動向にも注視しながら検討を進めてまいります。 次に、教育大綱の検討状況と策定スケジュールについてでございます。教育大綱は現在、中野の教育の在り方などをテーマとした総合教育会議の開催に向けて教育委員会と事前調整を行っているところであります。教育大綱は来年度中の策定を想定しております。 公教育に対する私の考えについての御質問です。教育大綱において公教育、中でも学校教育に関わる内容は最も重要なものだと考えております。学校教育におきましては、中野区基本構想等で掲げている誰一人取り残されることのない状況とするための一人ひとりの学力向上や、そしてコミュニティスクールをきっかけとした地域と学校との関係づくりを行っていく必要があると考えております。 続きまして、地域包括ケア体制における協同労働の考え方の活用についてでございます。新型コロナウイルス感染症の影響により雇用状況は大きく変化をしていることから、地域包括ケア体制の推進に向けた取組におきましても、就労支援を大きな柱のうちの一つとしております。協同労働という考え方は、多様な就労の機会を創出すると同時に地域における多様なニーズに応じた事業を生み出すことにつながると考えておりまして、地域包括ケアの取組をさらに進めていくために重要な仕組みだと認識をしております。また、協同労働は創業支援という側面を持っているため、その視点も踏まえて取組を進めてまいります。 続きまして、若年層の女性に対する支援についてでございます。若年層の女性が対象となる性的な暴力については、区のホームページに無料の相談先などの記事を掲載するとともに、パンフレット等により啓発を行っているところであります。若年層の女性が相談しやすい環境を整えるためのアプローチ方法につきましては、支援団体の活動内容等を参考にするとともに、インターネットのさらなる活用など女性相談の状況等も踏まえ、有効な手だてを考えてまいります。 総合アクションプランに明記することについてでございます。総合アクションプランの取組は、地域包括ケア体制の八つの柱に沿って、中野区基本計画の施策を基にした行政の取組と民間の取組をまとめたものでございます。若年層の女性に対する支援につきましては、具体的な政策課題を明らかにした上で記載方法や内容について今後検討してまいります。 続きまして、社会的養護施設の誘致についてでございます。より家庭的で適切な養育ができる機能を持つ施設等の確保につきまして、基本計画では前期に誘致に向けた検討の開始、後期には誘致に向けた具体的な検討としているところであります。将来的な誘致も見据え、社会的養護施設の誘致を行っている先行区などから情報収集を行っております。令和4年度に児童相談所が開設した後、社会的養護施設に係る実態なども確認の上、誘致に係る優先順位や具体的な誘致方法などについて検討してまいります。 続きまして、社会的養護施設との連携についてでございます。児童が地域で継続して生活するためには、できるだけ区内や近隣の施設に入所するべきであると考えておりまして、区内の児童養護施設や乳児院、グループホーム等とは常日頃から連携し関係を強化する必要があります。区が実施する研修を関係施設の職員に提供したり、区と施設等が人材育成や専門的知見に係る情報共有や意見交換を行う場を設けたりすることなどによって、区職員及び施設職員のスキルアップにつなげ、児童の最善の利益が達成できるように努めてまいります。 次に、措置解除後の支援に関わるネットワークの構築についてでございます。令和3年11月29日に開設する子ども・若者支援センターの若者支援事業では、措置解除後の方も含めた義務教育終了後から39歳までの若者に対する支援を行います。措置解除後の方に対する支援を行う上で、関係機関とのネットワークは非常に重要であり、今後具体的な相談例などを通じて関係機関との連携構築に努めてまいります。 次に、中野ミューラルプロジェクトの推進についてです。御指摘のとおり、本年度、事業者、アーティスト、中野駅、区立小学校と連携した壁画事業につきましては、事業者の経費により共同で実施したところでありますが、地元町会や商店街からも好評でございまして、さらに壁画制作を区内で展開してほしいとの声が区に寄せられております。これらを踏まえて、次年度に向けて、信金中央金庫の寄附事業の提案も受け、その申請手続を進めているところでございます。その活用も含め、区内で壁画制作を広げていけないか検討、調整してまいります。 次に、地域や団体が落書きを消すなどに取り組む場合の支援です。区は区民による公益的な活動の支援として相談を受け、地域や団体の活動状況や意向などを踏まえ、関係団体、機関と連携しながら必要な支援を行っております。現在、こうした新たな取組の立ち上げ支援機能を充実するため、区や関係機関等の職員の地域コーディネーターとしてのスキルアップを図る取組について検討を進めております。また、区民による公益的な活動については、区として広く広報してまいります。 次に、ストリートピアノの設置です。中野区基本計画では、誰もが身近に文化芸術に親しめる環境づくりとして、区有施設を活用した文化芸術空間の創出や区民が主役の文化芸術活動の活性化を主な取組として挙げております。区内においてストリートピアノを設置する場合、設置場所や管理方法、運営主体、感染症対策などの課題があることから、様々な角度で今後研究してまいります。 続きまして、音楽フェスティバルの開催についてでございます。昨年度なかのZEROにおいて区民文化祭、中野和太鼓フェスタ、ライブ・フェスティバルを一つにまとめ、なかのZERO区民フェス2020秋を開催し、日本の伝統芸能や音楽、ダンス、舞台、太鼓など多様な活動をする団体がそれぞれの演目を披露いたしました。今年度は開催時期を分散し、9月4日に区民芸能祭を開催し、また来年2月13日に中野和太鼓フェスタ、2月23日には中野で活動する音楽・文化団体が集まり演奏や舞台を披露するなかのZEROライブ・フェスティバルを開催する予定でございます。今後もより多くの区民団体が参加し、老若男女問わず多くの区民が楽しめるような音楽フェスティバルを開催してまいりたいと考えております。 続きまして、旧中野刑務所正門公開見学会の参加者についてでございます。旧中野刑務所正門は今年6月に区の文化財に指定されましたが、区民や来街者に対し広く見学する機会を設けるため、11月5日及び6日に公開見学会を実施しました。11月5日(金曜日)は910名、6日(土曜日)は4,658名、合計で5,568名の方にお越しいただきました。また、今後の参考とするため、当日来場された方に対してアンケートを行い、2,946名の方に御回答いただきました。その集計によると、区内の方が53.8%、区外の方の割合が45.7%ということでございました。 次に、旧中野刑務所正門公開見学会を知った広報媒体活用のアイデアについてです。当日のアンケートによりますと、順に、11月5日のNHKニュース、なかの区報、中野区掲示板、中野区ホームページで知ったという回答が多かったです。旧中野刑務所正門を今後一般公開するに当たっての活用アイデアにつきましては、刑務所全体の模型やジオラマの作成・展示、正門に関する展示室・資料室の併設、ライトアップイルミネーション、さらには曳家する際の公開見学などといった声が寄せられました。 次に、旧中野刑務所正門の保存・活用です。旧中野刑務所正門につきましては、我が国のれんが造り建築の技術的・意匠的到達点を示すものとして極めて重要であり、また、関東大震災や第二次世界大戦の戦災をくぐり抜け残されていることも地域の遺産として貴重であるものと考えます。現在正門の文化財的価値に基づく保存や活用を検討しているところでありますが、公開見学会で来場者からいただいた正門の活用アイデアも踏まえて保存・活用に向けた計画を今後策定してまいります。 次に、職員の働き方について、副業や兼業の推進に関する区の方針でございます。私が区長に就任して1年目に、目指すべき中野区職員の姿を策定し、その中で、地域に飛び出し多様な人々と積極的に関わり信頼関係を築くことや、多様な地域の人材をコーディネートして地域の課題を解決することを掲げてきたところであります。職員が副業や兼業を通じて地域活動等にも積極的に関わることによって、職員の人材育成や地域課題の解決を推進していきたいと考えております。 次に、副業・兼業の許可基準の公表の効果でございます。職員が副業や兼業を行う際の許可の基準につきまして、職員に分かりやすく周知することによって職員が副業や兼業について必要以上に萎縮し、法制度上認められることにまで消極的になってしまうことを防止する効果があると考えております。職員が副業や兼業に関する法制度を正しく認識し、積極的に地域活動等に関わることができるように支援してまいります。 次に、副業や兼業の許可申請がしやすい環境の構築です。副業や兼業の許可基準につきまして、具体的な事例等を挙げて職員に分かりやすく周知するとともに、他自治体で実績を上げている職員の事例なども紹介し、組織として職員の副業や兼業を推進することによって職員が申請しやすい職場風土を醸成してまいります。 次に、職員の副業や兼業に関する情報の活用についてです。人材情報活用システムの導入に当たりましては、職員が副業や兼業により身につけたスキルや実務能力などの情報につきましても職員が積極的にアピールできるようにすることで人材の育成や活用等に幅広く生かしていきたいと考えております。 続きまして、新型コロナウイルス感染症対策についてでございます。第5波における保健所業務の人員体制や感染者への対応、医療体制などにつきましては現在検証を行っておりまして、本定例会中の常任・特別委員会において報告を予定しております。この中で第6波に対しては、1日の新規陽性者の最大発生数が第5波の2倍相当となる500人となることを見据え体制を整備していくこととしております。 続きまして、第6波に対応した体制づくりでございます。新型コロナウイルスの感染者数が減少している今のうちから第6波に備えて職員体制を準備しておく必要があります。新規感染者数の規模に応じて段階的に応援体制の規模を設定し、各部に割り当てを示して感染者数が増加する前からあらかじめ応援体制に従事する職員を選出しておくことで、感染者数が急増した場合にも機動的に対応できる体制を構築してまいります。 次に、夜間・休日対応についてでございます。第5波のピーク時におきまして病床の逼迫から自宅での入院待機者が急増し、夜間に救急隊から保護所への連絡回数が増大したため、当番・当直体制を導入し、職員の負荷を分散しました。都は保健所からの要望を受け、消防庁との協議において、中等症Ⅱ以上の患者は救急隊が保健所の判断を経ずに医療機関に搬送する体制に変更しました。第5波を踏まえ、全ての陽性者について保健所の判断を経ずに救急隊が速やかに医療機関に搬送する体制に変更いただけるよう、引き続き都へ要望してまいります。 感染拡大時の区内の施設利用についてでございます。11月19日に国が公表したワクチン・検査パッケージ制度要綱は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置等において課される行動制限の緩和について示したものとなっております。要綱におきましては、仮に感染が急速に拡大し、医療提供体制の逼迫が見込まれる場合等においては、政府・都道府県の判断でワクチン・検査パッケージ制度を適用せず、強い行動制限を要請することがあるとしていることから、今後の区有施設の利用に係る制限等については、この要綱や国や都の措置や要請等を踏まえて適切に対応してまいります。 続きまして3回目接種についてです。3回目接種の対象者は、国からの通知に基づき2回接種を完了した18歳以上の方となっております。使用するワクチンは、1・2回目に用いたワクチンの種類にかかわらず、メッセンジャーRNAワクチンを用いることとされておりまして、当面は薬事承認されているファイザー社製ワクチンを接種することになります。接種間隔は2回目接種を完了した日から原則8か月以上経過した後となります。国は2回目の接種状況を踏まえてワクチンを配布すると聞いておりますから、必要なワクチン量は確保できると考えております。 12歳以上15歳以下の接種状況についてでございます。11月22日時点での対象者は6,449人でありまして、1回目接種完了は65.1%、2回目接種完了が60.1%でございます。 次に、5歳以上11歳以下の接種準備についてでございます。5歳以上11歳以下の子どもへの接種について、国からの通知内容等については、既に中野区医師会と情報共有を始めているところであります。引き続き情報収集と情報共有に努めながら、医療機関への接種意向の聞き取り、適切な移送など実施体制を構築していく考えでございます。 次に、5歳以上11歳以下の学校集団接種については、保護者への説明機会が乏しくなることや、接種に対する同調圧力を生みがちであること。接種後の体調不良へのきめ細やかな対応が難しいといったことから推奨されておりません。このため、区としては5歳以上11歳以下についても学校集団接種を実施することは考えておりません。 5歳以上11歳以下の接種の案内についてでございます。ワクチン接種に関する説明資料を分かりやすく作成し、接種券に同封するとともに、区のホームページに掲載するなど丁寧な説明に努めてまいります。 次に、海外渡航者向けのワクチン接種証明書についてでございます。本年7月26日に申請受付を開始して以来、11月19日までで約3,800枚を発行しております。 そして、マイナンバーカードの取得状況についてでございます。令和3年11月1日現在、中野区におけるマイナンバーカードの交付枚数は13万7,503枚、交付率41.1%です。 次に、マイナンバーカードを取得していない方の接種証明書発行についてでございます。海外渡航者向けのワクチン接種証明書と同様に、原則として郵送による申請交付とすることを考えております。しかしながら、こうした証明書の発行を受けなくても、接種の際に受け取った接種済証や接種記録書が日本国内では接種を受けていることを示す資料として十分通用することとなっているため、その点についてもしっかり広報してまいります。 次に、子育て世帯への臨時特別給付金の事務処理体制についてでございます。子育て世帯への臨時特別給付金につきましては、年内の給付開始ができるよう準備を進めているところであります。第6波と時期が重なった場合であっても、区民が必要となる給付金を滞りなく給付できるよう、全庁で応援体制を築くなど状況に応じて体制を整えてまいります。 最後に給付金の業務実態についてでございます。子育て世帯への臨時特別給付金など臨時に実施を決定した国等の事業は、必要経費に補助金が交付されますが、職員の正規就業時間の給与は対象外でございます。事業実施に当たっては費用の面だけでなく人や時間も必要ですが、短い準備期間で実施するには人も時間も確保が難しいため、職員に非常に大きな負担がかかっております。これらの状況につきましては他区とも情報を共有しておりまして、国や東京都への対応については今後検討してまいります。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私からは、子どもの多様な学びのあり方についての御質問にお答えいたします。 まず、コミュニティスクール導入に向けた取組についてです。教育委員会では、来年度からの導入に向け小・中学校校長の代表をメンバーとする検討会を立ち上げ、モデル校の指定を目指して検討を行っております。来年度モデル校導入に当たっては、事前に地域への説明等を丁寧に行い、理解を得ながら取組を進めるとともに、その結果等を確認し、検証し、全校での導入に向けて課題を解決してまいります。 次に不登校対策に向けた分室等の必要性についてです。学校に行きづらい児童・生徒にとって安心して相談や学習、体験活動などが行える場を確保することが重要であると考えております。これまでも区立図書館、区民活動センターに教育センターとは別に教育支援室の分室を置くことで、児童・生徒の特性や通いやすさに応じて分室を選択できるようにしてきております。新たな日常への不安と不適合により不登校傾向の児童・生徒数が、令和元年度の246人に対して令和2年度は312人と急激に増加しており、一人ひとりの児童・生徒の状況に対応できる教育支援室分室は重要性が増していると考えております。 次に不登校児童・生徒に対するグーグルクラスルームの活用についてです。不登校傾向の児童・生徒に対し、学校は個別のグーグルクラスルームを作成しており、全校朝会や授業に参加したり、個別の学習課題等の提供を受けたりすることにより、学校生活に対する不安を解消できるようにしています。併せてグーグルクラスルームを使って様々な相談もできるようになっております。各学校は効果的な実践事例を蓄積しており、研修等において全校で情報共有して広めてまいります。 次に、不登校対策における教員の勉強会についてです。各学校は毎週、生徒指導に対して教員が情報共有できる場を設けております。また、区の生活指導主任会では各学校の取組や課題について情報交換も行っております。不登校の対応は多様化しているため、教員自身がそれらの状況に応じた新たな対応を考えていけるような実践的な研修をさらに強化し、教員一人ひとりが複雑化した不登校に対応できるようにしてまいります。 次にスクールソーシャルワーカーの増員についてですが、不登校対応に限らず福祉的な支援を要する児童・生徒や定期的な訪問が必要な家庭が増加しており、スクールソーシャルワーカーの重要性が増してきております。現在のスクールソーシャルワーカーの実情では、増加している不登校児童・生徒等へのきめ細やかな対応を行うことが難しい状況となりつつあるため、増員や勤務日数の増加などが必要であると考えております。 次に公設民営のフリースクールの設置についてです。中野区では、教育支援室において子どもたちが自分に合った学習を行ったり、都内や区内の公共施設等を活用した体験活動を行ったりしており、今後も活動の充実を図っていく所存でございます。また、民間のフリースクールに通う子どもたちについては、各学校でフリースクールでの学習状況等を把握するなど連携を図っております。 不登校特例校の設置についてです。不登校特例校は学校であるため、通学を希望する児童・生徒はその学校に在籍し、その学校の教育課程に基づき個々の学習状況に合わせた教科指導を受けることになります。現在中野区では教育支援室で不登校児童・生徒一人ひとりに対して教育相談員による学習指導と心理職による相談・カウンセリングを行っており、不登校特例校については他区市の状況を踏まえて今後研究してまいります。 場面緘黙児の対応についてです。学校は保護者と連携し、スクールカウンセラー等の助言に基づき、無理に話させようとせず、表情から本人の思いを酌み取るなどしており、児童自身も様々な方法でコミュニケーションが取れるようにしております。場面緘黙に限らず、子どもたちが抱える不安等を起因とした課題については、最新の知見を研修等を通して周知してまいります。 最後に教育委員会としての今後の不登校対策についてでございます。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、社会情勢も急激に変化する中、不登校に限らず、子どもたちの状況は大きく変わってきていると実感しております。今後の不登校対策等につきましては、区の状況をさらに分析し、体制を見直す検討に入ったところでございます。今後より子どもたちの思いや学び方に沿った体制強化を図ってまいりたいと思っております。 〔防災危機管理担当部長滝瀬裕之登壇〕 ○防災危機管理担当部長(滝瀬裕之) 私からは、中野区地域防災計画についてお答えいたします。 まず、火山編や原子力災害編の記載についてでございます。一部の区では、地域防災計画に火山編や原子力災害編を掲載し、各対応への取組を定めていると認識してございます。現在の区の地域防災計画では、火山編及び原子力災害編に関する記載はしていないため、次回修正時には東京都や他区の動向を踏まえ適切な記載内容等について検討してまいります。 続きまして、降灰に対する対策についてでございます。降灰の影響につきましては、都の地域防災計画でも示されている富士山の噴火を想定し、検討すべき課題と認識してございます。降灰に対する物資の備えや火山灰の処理方法など、対応方法につきましては東京都の動向を踏まえ、次期修正に向けた準備を進めてまいります。 ○議長(内川和久) 以上で山本たかし議員の質問は終わります。
中野区議会議員 大 内 しんご 1 中野区構造改革実行プログラムと来年度予算編成について 2 中野区基本計画の重点プロジェクトについて 3 自治体DXの推進と職員の働き方改革について 4 地域子ども施設の充実について 5 新型コロナウイルス感染症対策について (1)対応の検証と今後の対応について (2)ワクチン接種について 6 その他
○議長(内川和久) 次に、大内しんご議員。 〔大内しんご議員登壇〕 ○32番(大内しんご) 令和3年11月25日、中野区議会第4回定例会におきまして、自由民主党議員団のトップバッターとして質問をいたします。 質問の順番を変えて、最初に4番目の地域子ども施設の充実についてを質問いたします。以下は順番どおりでございます。 地域子ども施設の充実について。 新しい中野をつくる10か年計画(第3次)では、子育てをしている保護者の孤立感や不安解消のため、乳幼児親子のための子育てひろば事業を身近な場所を活用して展開するとしています。区は、10月に策定した区有施設整備計画に基づき、子どもの成長に応じたニーズに対応した地域子ども施設の整備を行うとしており、子育てひろば事業をすこやか福祉センターや民間施設のほか、学童クラブ施設に転用する児童館において行うとしています。また、これまでどおりキッズ・プラザの整備は進めるが、児童館については順次各中学校区に1館の配置としていくとしています。学校の再編が進む中、小学校は29校から20校になっていきます。中学校は14校が既に9校となっております。区有施設整備計画を進めていくと児童館は9館ということになり、当初28館あった児童館が3分の1となってしまいます。区は乳幼児親子の居場所として、児童館や子育てひろばを開設していますが、施設の老朽化やおもちゃの古さなど、子育て先進区にふさわしい環境を整備しているとは言えないのではないでしょうか。 そこで伺います。学校再編が進む状況の中、各小学校にキッズ・プラザの整備が完了したとしても、児童館を利用していた乳幼児親子にとっては児童館が中学校区に1館では、距離が遠く、あまりにも不便だと思います。小学校区に一つくらいは未就学児の集える場所を整備していくべきではないでしょうか。区の見解を伺います。 次に、区有施設整備計画では、児童館を中学校区に1館としていますが、このことが地域子ども施設の充実につながるとは考えられません。また、いまだに中学校区に1館とする効果が明確になっていないまま、乳幼児親子の居場所を奪い、児童館を再編してしまうことは時期尚早な政策ではないでしょうか。地域子ども施設の整備についてはまだまだ議論が必要と考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。 第3回定例会にて報告された構造改革実行プログラムによれば、児童館について今年度中に次年度の新たな運営体制の構築を行い、さらに今後の運営形態を検討するとしています。構造改革は、財政的な非常事態に対処するため3年間集中的に取り組むものです。区有施設整備計画に基づく地域子ども施設整備は、財政上の効果は本当にあるのでしょうか、お伺いをいたします。 次に、中野区構造改革実行プログラムと来年度予算編成についてを質問いたします。 1年前、令和3年度の予算編成に当たり、一般財源は昨年度当初と比較して約92億円の減少を見込み、一般財源規模を3年前、平成30年の規模の687億円まで引き下げるとして、一般財源の収入見通しにより厳しく基準額を定め、これを歳出の基準として予算編成を行っていくとしていました。 酒井区政が始まった最初の年、令和元年度はこの基準となる一般財源規模を中野区の財務体質、日頃より行うべき行政改革を怠り、景気の上昇による税収の増額だけを見て予算規模を膨らませ20億円増額し710億円。さらに令和2年度の予算編成においては40億円を増額し、750億円にしてしまいました。この点は、議会から厳しく指摘してきたところであります。 私たちはどんなに苦しくても安易に区民サービスのカットに走らず、身を削ることで区民サービスを守ることが責務です。税収増により増えた税金をあれもこれもとなかなか効果の上がらない施策にばらまいた結果、放漫経営により一気に予算規模を拡大し、財政を逼迫させた責任は大きいと考えます。例えば、昨年の夏から基本設計を行う予定でした中野本郷小学校の建て替え計画は、将来の財政不安から突如として議会への何の相談もなく延期にしました。どのような会議で中止とされたのかいまだに分かりません。議決されている中野本郷小学校の基本設計を勝手に止める権限、正当な理由はどこにあったのでしょうか。 令和3年度の予算編成の方針で、既存事業の統合・再編・見直し等、事業のスクラップによる経費を生み出す。エビデンスベースの議論を経て、効果の上がっていないものについては、事業の廃止・統合・縮小・休止、執行方法の変更等について検討を行うとしていました。しかし、令和3年度の当初予算では、編成当初に削減目標額としていた79億円には遠く及ばず、一般財源充当事業費は前年度と比べ8億円の削減にとどまり、49億円余りを貯金である財政調整基金から繰り入れることになりました。令和3年度の予算編成を振り返ってみて、現在のところどのような認識を持っているのか、まずお尋ねします。 区は現在、来年度予算、令和4年度の予算の編成作業に取り組んでいると思います。令和4年度の予算は、まちのにぎわいを取り戻す経済対策などに財源を振り向けながらも、いつ来るか分からない新型コロナウイルス感染症の再拡大に対応して突発的な歳出にも耐え得る備えをつくり出すことが求められています。 昨年、区長が行政報告で述べられたように、財政調整基金に頼った予算編成を行うのではなく、基金の取崩しを前提とせずに、歳出の抑制に努めた予算編成を進めるべきであると思います。経常的な事業を見直してさらなる歳出削減を図り、その上で真に必要な事業のみを進めるべきで、まさにスクラップ・アンド・ビルドが求められています。 さきの第3回定例会の常任委員会において、中野区構造改革実行プログラムを策定したとの区からの報告を受けました。この構造改革実行プログラムは、取組内容を短期的なものと中長期的なものに分け、短期的な取組としては、まず初めの取組として令和3年度予算編成において事業を見直し、歳出削減をしました。しかし、削減目標額に届かなかったことについて、区は、令和3年度当初予算の財政運営の考え方の中で、歳出超過の状況であり、基金の取崩しに頼る財政運営が続くといずれ基金が枯渇する可能性があり、行財政の構造的な改革を集中して進める必要があるとの認識を示しています。構造改革実行プログラムでは、この事業見直しの取組は、財政運営が安定するまでの間、継続していくことになっています。 そこで、まず、現時点の歳入状況について質問いたします。第3回定例会の一般質問で、その時点での歳入状況について質問したのに対し、区は、令和3年度における新型コロナウイルス感染症の財政への影響は想定よりも小さく、歳入も上振れする見込みであるとの答弁がありました。その見込について現在も認識に変化がないのかをお伺いいたします。 併せて、区は現在、令和4年度の予算編成に当たり、歳入がどのように推移すると予測しているかについてもお伺いをいたします。 また、区は、同じく第3回定例会の一般質問で、歳入が上振れする予測の下であっても、新型コロナウイルス感染症の収束がいまだ見通せない中で、財政非常事態との認識には変わりがないとし、令和4年度の予算編成は構造改革の視点から既存事業の見直しに取り組むと答弁をしています。現時点において、この考えにも変化がないのかをお伺いいたします。 令和4年度予算の編成に当たり、歳入の上振れが見込まれるのであれば、まずその財源を取り崩した財政調整基金への積立てに回し、先行き不透明な新型コロナウイルス感染症対策等に備えるなど、将来に向けた余力を確保すべきであり、安定的な財政運営に努める必要があると思います。 区は、第2回定例会の一般質問で、予算編成に当たっては、歳出の一般財源充当事業費を基準となる一般財源規模に近づけるように努めると答弁しています。令和4年度の予算編成に当たり、前年度予算の経常経費の5%削減を目標とし、編成を進めるということですが、その程度の削減目標額で令和4年度の予算が基準となる一般財源規模の範囲内に収まるのか疑わしいと思います。一体、令和4年度予算における基準となる一般財源規模を幾らに定めて予算編成を進めているのか。現実的に歳出がその範囲内に収まる見込みがあるのかについてもお伺いをいたします。 また、構造改革実行プログラムによる既存事業の見直しを継続的に行い、歳出削減を図るとともに、新規拡充事業を十分精査して財政体力を高めることが今最も求められていると思いますが、見解をお聞きいたします。 次に、中野区基本計画の重点プロジェクトについてお伺いいたします。 今年9月に2021年から2025年までの5年間を計画期間とする新しい基本計画が策定されました。この9月に策定された新しい基本計画では、今年3月に策定された基本構想で掲げるまちの将来像「つながる はじまる なかの」を実現するために、10年後に目指す四つのまちの基本目標を描いて取組を進めるとしています。新しい基本計画には、組織横断的で重点的に対応する三つの重点プロジェクトが掲げられており、子育て先進区の実現、地域包括ケア体制の実現、活力ある持続可能なまちの実現について設定され、計画期間において全庁を挙げて取り組むとしています。この重点プロジェクトを進めるに当たっては、限られた財源、人材等を効率よく配分するため、組織・人員体制の整備と重点的に予算の計上を図って着実に推進するとあります。これまでの区の基本計画の中にも重点プロジェクトが存在しました。しかしながら、しっかりと進行管理されてきたというイメージは持っておりません。しっかり総括されず、成果が見えないうちに終わってしまったものもあったのではないかと思います。基本計画の中ほどには、各部の円滑な連携を図り、かつ進捗管理を行っていくために庁内に推進会議を設置するとしています。 そこで質問します。この推進会議設置はどのように行い、具体的にどのような進め方でこのプロジェクトを進めていくのかお伺いいたします。 また、区長の公約であるプロジェクト1の子育て先進区の実現では、児童相談所の開設など早期に取り組んで行わなければならず、プロジェクト2の地域包括ケア体制の実現も喫緊の課題であるため、民間から部長職の採用をしたにもかかわらず、調査に時間がかかり、なかなか具体的な推進体制が見えてきません。事業への投資であったとも言えますが、その意味での費用対効果が見えてきません。さらに、プロジェクト3の活力ある持続可能なまちの実現では、重要な課題が様々盛り込まれておりまが、多くは数年程度で達成できる内容ではありません。三つ目のプロジェクトは、まちづくりから文化や環境まで様々な領域が入っており、共通して物のイメージが持ちにくく、実現に向けた姿が一つにまとまっていくようには感じられず、実現する期間や取組の進捗が見られないものがあり、それぞれ全く違う進め方が必要になるのではないかと思います。 そこでお聞きしますが、それぞれのプロジェクトは全く違う進め方が必要になると思いますが、それぞれどのような推進体制で進めようとしているのか。それぞれのプロジェクトは実際に効果的に進めていくことが可能なのかお伺いをいたします。 次に、自治体デジタル・トランスフォーメーションの推進と職員の働き方改革についてお伺いいたします。 昨年12月に示された国の自治体DX推進計画では、自治体システムの標準化、マイナンバーカードの普及促進、行政手続のオンライン化、AI・RPAの利用促進、テレワークの推進、セキュリティ対策の徹底を重点取組事項として、住民の利便性の向上と行政の業務効率化を国が指導的な役割を果たしつつ、自治体全体で足並みをそろえて取り組んでいくとされています。計画期間は2026年3月までであり、国を挙げて加速度的に行政のデジタルシフトに取り組んでいくことになると思います。 区の構造改革実行プログラムにおいても、デジタルシフトによる区民のサービスの向上と効率的な行政運営を五つの戦略の1番目に掲げており、窓口サービスや手続のスリム化、効率化を図り、効果的・効率的な行政サービスを目指すとしています。 今年7月には、各自治体がデジタルシフトを着実に推進するため、国から自治体DX推進手順書が示されました。この中で、特に全国統一的な取組となる自治体システムの標準化・共通化や行政手続のオンライン化の取組については個別に作業手順が示され、計画期間内での具体的な工程検討が求められています。区においてデジタルシフトの紛れもない転換点となるのが新区役所への移転であることは明らかです。新区役所への移転を機としてデジタルシフトを強力に推進していくことは、区民サービスの向上や業務の効率化を行うための千載一遇のチャンスであると言えます。まず、新区役所への移転を控えて国のDX推進計画で全国統一的な取組とされるシステムの標準化や共通化、行政手続のオンライン化についてどのような工程で進めることを考えているのかお伺いをいたします。 デジタルシフトによる区民サービスの向上や業務の効率化は、区の職員の働き方を大きく変えるとともに、職員の事務作業時間の大幅な短縮につながると思います。デジタルシフトを推進するために大きな財源投入が必要になります。導入に当たり投じた経費に見合った区民サービスの向上や業務の効率化を本当に生み出すことができるのか。将来像も含めしっかり評価した上で新区役所への移転というタイミングを逃さずに進めていく必要があると思います。業務の効率化によって生み出された職員の余剰時間を今後どのように活用していくのか。また、職員定数の削減につなげていくのかなどを明確にする必要があります。デジタルシフトによって生み出される成果、効果を定量的に把握し、デジタルシフトによる果実が霧散しないよう計画的に進めていくことが必要であると思います。 区は新庁舎への移転に向けて文書の電子化によるペーパーレス化の推進や業務用のチャットやウェブ会議、外線電話などの連絡手段を統合した連携システムであるユニファイド・コミュニケーションツールの導入によって職員の働き方の改革を打ち出しています。区はこれらのデジタルシフトの取組によってどのような職員の新しい働き方を目指しているのか改めてお伺いいたします。 現在区は、職員2,000人体制を維持しつつ区政運営を進めていますが、将来的な事務量の増加を鑑みて、職員を増員する考えも示しているところです。今後進められるデジタルシフトによって業務の効率化が図られることから、定数増員を抑制していくという考えはないのでしょうか。今後の職員定数にどのように影響すると見込んでいるのかお伺いいたします。 ユニファイド・コミュニケーションツールの導入に当たっては、今後二つの案のうちから決定するとのことですが、二つの案のうち、より高い効果が見込めるほうの案では、年間で職員の時間にしておよそ5万時間、職員数にして約27人分の労働時間が生み出されるとの報告があったところです。このユニファイド・コミュニケーションツールは、庁内外の様々なコミュニケーション手法に対応しており、この導入よって、これまでできなかった多様な職員間のコミュニケーションが実現でき、新区役所のコンセプトとして区が掲げている場所にとらわれない働き方を実現するためのツールになるということです。このシステムの導入には、初期投資で約5億円、ランニングコストで年間約3億円の財源投入が必要との報告もあり、今後、金額の精査を必要としても導入経費に見合った成果があるのかしっかりと判断する必要があると思います。 導入よる成果を十分に上げるためには、職員が基本的なシステムの使い方を熟知することはもちろんのこと、新しい機能を十分に活用して今までにない区民サービスをつくり出していく創造力も必要であると思います。使い初めから、現状の職員の力のみでこれを実現するのは難しいのではないかと考えます。国の自治体DX推進計画においても、全庁的な推進体制の構築が求められており、デジタル人材の確保・育成を重要課題と掲げて、外部人材の活用や職員の育成を必要としています。システム導入の実効性を確保するためには十分な庁内体制をつくるとともに、例えば、システムに精通した民間企業に支援を仰ぎ、職員の働き方を具体的に変えていくなど、推進体制をつくる必要があるのではないかと思います。 そこで質問いたします。区は、デジタル・トランスフォーメーション推進に当たって、どのような推進体制をつくっていくつもりなのか伺います。 また、財源投入に見合う業務効率化などの十分な成果を上げるためには、外部の力も借りる必要があると思いますが、見解をお伺いいたします。 次に、新型コロナウイルス感染症対策についてお聞きをいたします。 新型コロナウイルス感染症対応の検証と今後の対応について。また、ワクチン接種について質問いたします。 今年7月から新規感染者が再拡大したいわゆる第5波は、非常に強い感染力を持つデルタ株への置き換わりなどの影響もあり、過去最大の規模となりました。ピーク時には新規陽性者数の急速な増加により、病床や宿泊療養施設が不足し、入院等調整中で自宅待機となる方の数も急激に増加するなど、首都圏を中心に公衆衛生体制・医療提供体制が非常に厳しい局面が続きました。現在は、感染者数の減少も下げ止まり傾向ですが、海外での感染再拡大の状況もあって、人の流れが増加する年末にかけて第6波が発生するのではないかという懸念も拭えません。今から十分備えをしておく必要があるということは言うまでもないことだと思います。 こうした中、政府は今年の夏のピーク時における急速な感染拡大に学び、今後の感染再拡大に備えるため、医療提供体制の強化、ワクチン接種の促進、治療薬の確保などを柱とする「次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像」を示しました。区においても、区民の生命・健康を守るため新型コロナウイルス感染症対策を最重要事項として推進する必要があります。 そこでお伺いします。今後の感染再拡大に備える上で、第5波までの知見等を生かし、区としての体制や保健所業務の状況、区民生活の安心を支えるための取組などの検証が必要だと思いますが、見解をお聞きいたします。 また、8月に到来した第5波では、中野区においても新規感染者数が過去最大の規模となり、医療提供体制も大変厳しい状況でした。区内医療体制の充実強化を図る必要があると思いますが、お考えをお伺いいたします。 次に、新型コロナウイルスワクチン接種についてお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策としては、3密の回避、人と人との距離の確保や手や指の衛生管理、マスクの着用など、基本的な感染対策と併せてワクチン接種が発症や重症化予防に有効な対策とされており、政府が示した感染拡大に向けた安心確保のための取組においても柱の一つと位置付けられています。中野区では、ファイザー社ワクチンの供給量が減少していたため、中野サンプラザにおいて1万人規模の集団接種を実施していました。また東京ドームにおいて、文京区、新宿区、港区が3区合同で実施していたワクチン接種事業にも加わりましたが、各事業の実施状況はどのようなものになっているのか。さらに区の年代別接種率はどのような状況なのかお伺いいたします。 新型コロナウイルスワクチンについては、追加接種、いわゆる3回目接種を行う必要があるとされています。その接種時期は2回接種完了からおおむね8か月以上後とすることが妥当とされており、区において追加接種実施計画を策定しました。しかし、国はその後、接種時期を状況によっては6か月間隔での接種も可能としました。さらには、これまで一つの接種実施医療機関が取り扱うワクチンは1種類とすることが原則でしたが、一つの接種医療機関が複数の種類の新型コロナウイルスワクチンを取り扱うことが可能となり、5歳から11歳の子どもを接種対象に加える議論も始まるなど、追加接種実施に向けては従前とは異なる点もあります。区はどのような実施体制を築くお考えなのかお伺いいたします。 これで全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 大内議員の御質問にお答えいたします。 初めに、地域子ども施設の充実について、乳幼児親子の居場所の整備についてでございます。乳幼児親子が利用できるスペースは、児童館及びふれあいの家16館で実施しているほか、子育てひろば事業をすこやか福祉センターや民間施設の9か所で実施をしているところであります。また、閉館後、学童クラブ施設に転用する児童館においても実施をいたします。子育てひろばにつきましては、今後乳幼児親子の通いやすい場所での設置を検討してまいります。 続きまして、地域子ども施設の整備時期についてでございます。区有施設整備計画につきましては、2月より素案たたき台をお示しし、素案、改定素案と検討を重ね、説明の機会や意見募集を行ってパブリック・コメント手続も行ってまいりました。地域子ども施設は、キッズ・プラザ、学童クラブ、児童館、中高生向け施設等の整備・再編や子育てひろば事業の充実などを進めて地域の中で安心して子育て・子育ちができるための環境を充実させていく考えでございます。地域子ども施設の整備につきましては、区有施設整備計画に示したとおり進めてまいりたいと考えております。 続きまして、地域子ども施設整備に係る財政効果についてのお尋ねでございます。今後整備する地域子ども施設のうち、キッズ・プラザや学童クラブは、小学校全校に設置するため財政負担は増えますが、学校との複合化による効率的な施設整備がメリットと見ております。また、児童館につきましては、新たな機能の展開や老朽化に伴う改修などの経費は増加する一方、閉館する児童館の維持管理費は年間約670万円程度の削減効果を見込んでおります。老朽化により児童館の建て替えを行う場合には、1館当たり約5億円程度の費用がかかる見込みでございます。 続きまして、構造改革実行プログラムと来年度予算編成について。 初めに、令和3年度の予算編成結果の認識についてでございます。令和3年度予算編成におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響によって一般財源の大幅な減が見込まれたことから、構造改革において短期的に事業の見直しを行う等、歳出の抑制を図ったところでございまして、当初の削減目標額には及ばなかったものの一般財源充当事業費を前年度当初予算と比較して削減したところでございます。 一方で、PCR検査センター事業や自宅療養陽性者緊急支援事業等の新型コロナウイルス感染症対策、区内事業者の経営安定化等を支援するため、融資あっせん、利子補給の拡充など、区民の暮らしを守るために必要な予算を計上し、困難を乗り越え、未来へつなげる予算としたものと考えております。 令和3年度の歳入見込みの認識についてでございます。一般財源の収入状況は想定よりも上振れの状況にありまして、現時点においてもその認識には変わりはありません。 続きまして、令和4年度の歳入見込みについてでございます。現状において大きなところでは特別区税、特別区交付金や地方消費税交付金の増が予想され、令和4年度予算における一般財源は、今年度予算と比較して増を見込んでいるところでございまして、今年度予算編成時の想定よりも上振れの見込みを持っております。 続きまして、令和4年度予算編成における構造改革の視点からの既存事業の見直しについてでございます。令和4年度予算編成におきましては、新型コロナウイルス感染症対策や重点プロジェクトなどに加えて、構造改革を踏まえた取組を重点事項として掲げ取り組んでいるところであります。予算要求に当たりましては、構造改革実行プログラムへの対応はもとより、その他の事業につきましても構造改革の八つの視点に基づいて事業の廃止・縮小、手法の検討、執行体制の見直し等を求めております。厳しい財政状況下にある認識を持ちながら予算編成に当たっておりまして、これまでの考え方に変化はございません。 令和4年度の基準となる一般財源規模についてでございます。令和4年度の一般財源は、現時点において今年度予算より増が見込まれるということではございますが、今後の経済状況は先行き不透明な状況もあることから、令和4年度予算編成における基準となる一般財源規模は今年度予算編成と同様に687億円と設定をしております。基準となる一般財源規模の範囲内で歳出規模を収めることを目標に編成作業を進めているところでございます。 次に、構造改革における事業の見直しについてでございます。構造改革実行プログラムに係る新規拡充事業は新たな投資による効果的なサービスの提供や業務の効率化を見込んでおりまして、財政体力を高めることにつながると考えております。予算編成に当たりましては、計上する経費の妥当性や財政効果の見極めが必要であると認識をしておりまして、適切に対応してまいります。 次に重点プロジェクトの進め方についてでございます。重点プロジェクト推進会議につきましては、私をはじめ、主に部長級の職員で構成され、本年11月に第1回を開催したところであります。重点プロジェクトの着実な推進を図るために重点プロジェクト推進会議を定期的に開催するとともに、プロジェクトごとに部会を設置し、全庁を挙げた検討体制を整えたところであります。今後プロジェクトの進捗状況の共有を図るとともに、課題の整理、プロジェクトの達成に資するための事業の構築や改善、具体的な予算化に向けた検討を行うなど推進会議においてプロジェクトの進行管理を行いながら進めていく考えでございます。 次に、各プロジェクトの進め方についてでございます。各プロジェクトの推進に当たりましては、プロジェクトの達成やその過程を見据えるとともに、それぞれのプロジェクトの特性を踏まえた庁内での横断的な検討が重要だと捉えておりまして、プロジェクトごとにより具体的な検討を行うため、重点プロジェクト推進会議の下に部会を設置いたしました。部会には関係する課長級の職員が出席をし、事業の実施に向けた課題の共有や調整を進めております。当該部会などにおいて各部の主体的な検討を促すとともに、各プロジェクトの共通課題や将来のまちの姿を見据え、一体となって横断的に検討を進めることで効率的かつ効果的に推進をしていく考えであります。 続きまして、自治体DXの推進と職員の働き方改革について。初めに、自治体情報システムの標準化・共通化及び行政手続のオンライン化の工程についての御質問でございます。 まず、自治体情報システムの標準化・共通化につきましては、区としての移行方針を決定した上で、国から示された標準仕様に基づいて対象業務の見直し等を行い、令和7年度までに標準システムへの移行を完了したいと考えております。行政手続のオンライン化につきましては、子育てや介護等に関する手続について、令和5年4月までに順次マイナポータルからオンライン申請を行うことができるよう対応するとともに、令和4年度に予定されています東京共同電子申請・届出サービスの機能改善と併せてオンライン手続の拡充を適宜行ってまいります。 続きまして、新庁舎での職員の新しい働き方についてでございます。これまで職員は紙文書や固定電話を使う働き方を前提として、自席を中心に業務を行っておりましたが、新庁舎では無線LAN環境の下、モバイルPCを活用してペーパーレスにより電子化された文書、どこでも閲覧・修正できる環境を整備する考えであります。また、様々な通信伝達手段を統合して一貫した使用感により利用することができるユニファイド・コミュニケーションを導入することで、相手の状況を確認しながら電話やチャット、ウェブ会議等最適なツールを選択して連絡できるといった庁舎内外で場所を選ばない働き方も可能となります。これによって職員は業務内容に応じた最適な場を選び、いつでもどこでも連絡を取り合うことができるようになるなど、生産性や創造性の向上につながると考えております。職員が効率的に働けるようになることで生み出される時間は、よりよい政策検討や丁寧な区民対応に充てることで区民サービスをさらに向上させてまいります。 次に、DXによる職員定数への影響でございます。今後児童相談所の開設や生活保護のケースワーカーの増員、定年延長等の制度改正の影響などを勘案しますと、令和5年度までに職員定数の上限を見直す必要があると考えております。一方、DXによる業務の効率化や窓口業務等の委託化などをさらに進めていくことによって、職員定数を削減する効果が期待できると考えているところであります。これらを総合的に勘案して、今後の職員定数を見極めてまいります。 続きまして、DX推進体制の構築でございます。区役所新庁舎への移転に向けて様々なDXの取組を短期間で着実に推進していくために、令和4年4月1日に総務部にDX推進室を設置する予定でございます。これに併せて企画部から総務部に情報システム課を移管し、新区役所整備課とともにDX推進室の所掌とする予定でございます。 次に、外部の力を借りたDXの推進についてでございます。令和3年度中に採用を予定しているDX推進に係る任期付職員の活用と併せて、今後は先進事例や専門的な知見を持った民間企業などと協働を図ることなども検討し、システムを最大限に活用できる体制の整備に努めてまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症対策についてで、初めに、区ではこれまで感染状況や国・都の措置内容に応じて区民サービスを極力低下させないよう危機管理等対策会議などにおいて、事業の休止・縮小等や区施設の運営に関する判断を行ってきておりまして、今後もこれらの実施結果を踏まえて感染拡大の際には適切に対応してまいります。保健所の業務につきましては、第5波における人員体制や感染者への対応、医療体制などについて検証を行って、本定例会の委員会で報告を予定しております。 続きまして、区内医療体制の充実強化についてでございます。新型コロナウイルスの第5波の感染拡大時におきましては、これまでに比べて著しく感染症患者が急増して、医療体制の逼迫が顕著でございました。感染症患者の生命と健康を守るためには、入院を必要とする者が入院できる体制等を整備することが重要でございます。このような体制整備は本来都の役割ではございますが、区としても病床確保や在宅診療など、区内医療体制の充実強化に貢献してまいりたいと考えております。 続きまして、ワクチン接種について。中野サンプラザや東京ドームのワクチンの接種状況についてでございます。中野サンプラザの集団接種は1回目と2回目の合計で1万2,675回の接種を行いました。また、東京ドームの集団接種は1回目と2回目の合計で2,590回の接種を行いました。両会場におけるワクチン接種によって接種を希望する区民へのワクチン接種に大きな効果があったと考えております。 続きまして、年代別ワクチン接種率についてでございます。11月22日時点における2回目接種の年代別接種率を見ますと、50歳以上の方は全ての年代で80%を超えております。40歳代で78.3%、30歳代で73.9%、20歳代で69.7%、10歳代で68.3%となっておりまして、対象者全体の78.5%が2回目接種を完了しております。 最後に、追加接種や11歳以下の接種等への対応についてでございます。追加接種、すなわち3回目接種につきましては、国からの通知に基づき、2回目接種からの接種間隔を8か月以上後として接種を進めてまいります。一つの医療機関において複数のワクチンが使用可能となるほか、5歳から11歳までの子どもへの接種など、情報収集やワクチンの確保に努めるとともに、中野区医師会等との関係機関との協議を進め、区民が適切な時期に安心して接種が受けられるよう実施体制を構築していく考えでございます。 〔大内しんご議員登壇〕 ○32番(大内しんご) 2点ほど再質問させていただきます。 最初に、地域子ども施設の充実についてお聞きしました。御存じのように、小学校は29校から今20校になって、非常に一つの小学校の校区も広がっている。まして中学校については14校が9校になり、かなり広い範囲になっております。そういった中で、児童館機能は今現在中学校区に1個ということになっておりますけれども、子ども、乳幼児親子が安心して相談したり遊びに行ける、そういった施設が最低でも小学校区、昔は29校あった学校が20校になっていますから、それでも広いと言えますけども、その辺を充実することについて、ちょっとはっきりした答弁がいただけなかったので。私たちとしては小学校区には最低1館、そういった未就学児の子どもたちが安心して遊びに行ける、あるいは親御さんが相談に行ける場所を考えるべきではないかといったことをお聞きしたんですけども、そこのところの答弁をもう一度お願いいたします。 二つ目に、先ほど述べましたけれども、今年度当初予算では、当初削減目標79億円と見込んでおりましたけども、実質的には8億円しか削減できなかった。そして来年度はまた、この一般財源規模を今年度と同じ687億円にするとしており、この経常経費5%削減を目標としておりますが、これを達成したとして、この687億円の一般財源規模に追いつくことができるのか。その辺のところをもう一度お願いいたします。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 大内議員の再質問にお答えいたします。 まず1点目の乳幼児親子の居場所についてでございます。乳幼児親子が利用できるスペースにつきましては、現在は児童館、そしてふれあいの家16館、そして子育てひろば事業を区全体で9か所実施をしているところでございます。今後、学校の中にキッズ・プラザができて、児童館を順次転換するとして、それに加えて学童クラブ施設として転用する児童館においても今後子育てひろば事業を展開する予定でございます。議員の御指摘のとおり、乳幼児親子の通いやすい居場所という考え方は、私も重要であると考えておりますので、施設についての事業の場所については今後深く検討してまいりたいと思います。 そして2点目の一般財源規模687億円の範囲に、今回の一般財源の5億円の削減で範囲に収まるかどうかどいう御質問でございますけども、この5億円というのは687億円に収まることを目指しての数字でございます。 すみません。発言を訂正します。5億円ではなくて、5%という削減規模については、これは一般財源規模である687億円に収まるために示した目標でございます。 〔大内しんご議員登壇〕 ○32番(大内しんご) 再々質問させていただきます。 687億円という数字が一つあるんですけども、要は、その目標に向かって努力する気があるのかということをしっかりちょっと。要は今年度予算編成ではなかなか、数字は出したけども、目標に達成するには遠く及ばない数字の削減でしたので、来年度予算編成については、その辺しっかりと考慮して予算編成を組むという一応御覚悟というか、ただ単に687億円という数字だけ出しちゃうんじゃなくて、やはりそれにできる限り近づけるための努力をしっかりとしていただきたいと思いますので、もう一度区長のお考えをお聞きしたいと思います。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 議員の御指摘のとおり、687億円は単なる数字ではなくて、これは我々が目指している目標ということで、現在、予算の編成途中ではございますけれども、各所管担当、一生懸命既存の事業の見直しについて今取り組んでいるところでございまして、組織全体でその目標達成を目指してまいりたいと思います。 ○議長(内川和久) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。 議事の都合により暫時休憩いたします。 午後2時43分休憩
午後3時05分開議 ○議長(内川和久) 会議を再開いたします。 この際、申し上げます。 議事の都合上、会議時間を延長いたします。 一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 白 井 ひでふみ 1 新型コロナウイルス感染症対策について 2 コロナ禍で冷え込んだ区内経済の支援策について 3 新庁舎における施設配置の見直しについて 4 予算編成について 5 児童館等地域子ども施設の整備と保育の質の確保について 6 防災対策について 7 その他
○議長(内川和久) 白井ひでふみ議員。 〔白井ひでふみ議員登壇〕 ○25番(白井ひでふみ) 令和3年第4回定例会に当たり、公明党の立場から一般質問を行います。 質問項目は通告順に従い、7のその他はありません。 それでは初めに、1、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。 新型コロナウイルスのここ最近の感染状況は、我が国においては感染者数の減少傾向が続いていますが、海外においてはロシアやイギリスなどにおいて感染が再拡大している状況です。各国の直近のワクチン接種状況を比較すると、中国や韓国、スペインなどの80%を超える高い接種率の国々に次いで、首相官邸ホームページでの11月22日公表によれば、対象者全体の2回目の接種完了者は76.2%となっており、我が国においてもワクチンの接種が進んできた状況です。韓国では、ワクチン接種を終えた人の割合が我が国とほぼ同じ水準ですが、感染が再拡大している状況です。各国での感染再拡大の状況を踏まえ、我が国においても引き続きの第6波の感染拡大に備えた対策が求められています。 中野区におけるワクチン接種の状況については、全国でも早期のワクチン接種の実施が実現し、令和3年4月28日より75歳以上の高齢者から順次接種が開始されました。区民のワクチン接種率の想定を高齢者89%、12歳以上64歳以下80%とし、12歳未満の者を除いた区民全体の接種率を82%としてワクチン接種を進め、11月22日現在、2回目接種完了者の対象者全体では78.5%と全国平均よりは高い接種率となっています。 中野区におけるワクチン接種が始まる当初より、集団接種や指定医療機関での個別接種に対応できない方について、外出することがままならない介護等級の重い方など希望する全ての方々にワクチン接種が行き渡るよう、訪問接種などの配慮ある施策の展開が必要であると求めてきたところです。 11月4日の厚生委員会において、寝たきり等により外出による接種が困難な方への訪問接種を10月28日から12月15日まで実施する旨の報告がありました。もう少し早く体制を整えてもらいたかったとの思いもありますが、区としての取組を評価するところです。訪問接種の対象者の条件として、中野区在住で本人が接種を希望し、在宅療養中で常時寝たきりの状態にある方、また、それと同等の状態にある方、家族または支援者による接種会場への付き添い、移動支援が困難な方、かかりつけ医の往診による接種を受けることができない方、かつかかりつけ医から接種の許可を受けている方の条件に加え、家族または支援者による同席及び接種後の経過観察が可能な方、医師・看護師による接種後の経過観察は原則として行わないとの条件が付されています。 そこで、往診によるワクチン接種が進められてきたと聞きますが、訪問接種の現況を伺うとともに、接種条件である家族や支援者の経過観察の体制が取れず、ワクチン接種ができない事例がないのかお伺いをいたします。 また、同日の厚生委員会の報告に、「新型コロナウイルスワクチン追加接種(3回目接種)について」の報告がありました。令和3年9月、厚生労働省から2回目接種後に8か月を経過した18歳以上の区民に対して、現在は1・2回目とは別のワクチンを選択することも可能となっていますが、区としての追加接種計画が取りまとめられました。3回目のワクチン接種のスケジュールについては、2回目接種後7か月を経過する方に3回目の接種券を順次発送し、予約の混乱を回避しつつ接種を進めると聞きます。 2回目接種後8か月を経過した18歳以上の多くの区民が対象となる事業ですので、区民へのお知らせの意味を込めて、事業概要や接種スケジュール、広報計画について伺います。 また、1・2回目のワクチンの予約コールセンターの体制については、通話のみならず電話がつながるまでの待ち時間も料金がかかるナビダイヤル受付について不満の声が多々ありました。フリーダイヤルの受付体制に変更すべきと要望してきたところですが、電話での予約体制についても確認いたします。 新型コロナウイルスに対する国内での飲み薬の新薬の承認が待たれるところですが、現状では重症化への備えとして、また第6波への備えとして抗体カクテル療法などの治療体制の備えが必要であると要望してきたところです。重症化への備えとして抗体カクテル療法などの治療が受けられる医療体制の医療機関等は何か所確保されているのか、安心への備えのため伺います。 中野区は、新型コロナウイルスの感染拡大の初期段階から、我が会派の要望として、自宅での療養を余儀なくされる陽性者や同居する日常生活に支援を必要とする御家族を含めた方への食料品等の自宅療養セットを届ける事業を東京都に先駆けて実施してきたところです。感染者数の減少傾向にありますが、今後の対策においても自宅療養者への食料品等の療養セットを東京都と連携しながら引き続き実施するのか、確認のため伺い、この項の質問を終わります。 次に、コロナ禍で冷え込んだ区内経済の支援策について伺います。 本年の9月の1か月間、中野区はキャッシュレス決済推進事業として、区内商業のデジタル化の推進と地域経済の活性化を図ることを目的として、区としては初めての電子マネーを活用した区内経済対策を実施いたしました。キャッシュレス推進事業の東京都の補助金の仕組みである東京都生活応援事業を活用すべきであると本年の第1回定例会において提案してきたところです。今月11月の区民委員会において、9月時に実施されたキャッシュレス推進事業の実施状況の報告とともに、事業化されていた予算額にまだ相当の残額があることから、来月の12月の1か月間、さらに追加のキャッシュレス決済推進事業を実施する旨の報告もありました。 そこでまず、9月の1か月間実施した中野区として初の電子マネーを活用したキャッシュレス推進事業である区内経済対策について区としての総括を伺うとともに、12月に予定されているキャッシュレス推進事業の追加実施について改善や改良された点をお伺いいたします。 電子マネーによるキャッシュレス決済の利用を推進する場合、スマートフォンなどの操作に不慣れな方への支援が必要となります。いわゆるデジタルデバイドについての問題であり、課題です。情報技術を利用する能力や技術などの支援策について区の取組を伺います。 国においては、コロナ禍の支援策として大規模な経済対策や給付事業の検討がなされているところです。中野区においてもこの機を逸することなく、年内12月のキャッシュレス推進事業のみならず、さらに区内事業者を支援するため、追加の経済対策を実施すべきと考えますが、区の見解を伺います。 これまで中野区は、区内商店街の支援のため、紙ベースのプレミアム付商品券事業の実施を行ってきたところです。電子マネーを活用したキャッシュレス推進事業では、スマートフォンを持っていない方などの支援策として引き続きのプレミアム付商品券事業の検討もすべきと考えますが、お伺いいたします。 また、今後の展望として区内商店街の支援策としてプレミアム付商品券事業に代わる新しい仕組みについての検討も進めるべきと考えますが、併せてお伺いいたします。 国においてマイナンバーカードの普及促進と生活支援のためにマイナポイントを最大2万円給付する事業の検討がなされているところです。スマートフォンなどの扱いに不慣れな方への支援策として、区としてデジタルデバイド対策に取り組むことは必要な取組です。そもそも論となりますが、マイナンバーカードの取得や関連付けにより付与された最大2万円のマイナポイントを使うためには、スマートフォンを持っていなければどうしても使えないのかとの疑問があります。総務省のマイナポイントの案内には、スマートフォンを持っていなくても付与されたマイナポイントを使用してキャッシュレス決済できるカードの仕組みの案内がなされています。決済事業者の中には、自社の決済サービスの申込み支援を積極的に行っている事業者もあります。スマートフォンを持っていなくてもマイナンバーカードの取得や関連付けにより付与されたマイナポイントをスマートフォンを使用しない決済サービスを選択すれば使用できることとなります。このことを御存じの方はまだまだ少ないと感じます。特に御高齢者の方から、「スマートフォンを持っていないので私にはできない」とのお声を多々お伺いするところです。スマートフォンがなくてもマイナポイントを使える仕組みがあるということを区民に広くお知らせすることも大事であると考えますが、区の取組を伺って、この項を終わります。 次に3、新庁舎における施設配置の見直しについて伺います。 生活援護課を新庁舎の外に置くとしてきた施設整備の計画をようやく見直し、新庁舎の中に残す計画とする旨の報告が10月の末の閉会中の総務委員会にありました。中野区全体の区有施設整備計画の策定についても、この段階になっての修正です。経緯として、生活援護課を基本設計時には新庁舎に配置するとしていた計画を昨年の3月に、当初案とは異なる新庁舎の外に置くとの変更を行い、既に区として決定していた計画を7か月間委員会への報告を行わず、10月になって報告を行ったものです。また、庁舎外に移すその理由が、今後の生活保護の受給者増に対応できるようスペースを柔軟に変更できる施設に移すとの今頃になっての理由は理解に苦しむ内容でありました。この間、生活保護受給者をないがしろにするかのような区の姿勢に対し、我が会派として厳しく計画の見直しを求めてきたところです。 閉会中の10月のタイミングで見直しの発表を行いました。本来、新庁舎の施設配置という区政の大きな課題を閉会中の委員会に報告案件として行うことは、事の大きさに対して扱いが軽過ぎると感じます。改めて生活援護課を新庁舎の外に置くとしてきたこれまでの経緯についての見解、そしてようやくこのタイミングでの見直しに至った説明を区長御自身が出すべきことであると考えますが、説明を求めます。 また、この1年と半年の間、区の態度に振り回されてきたのが社会福祉協議会であると思います。生活援護課を新庁舎内に残す代わりに、社会福祉協議会の一部を新庁舎内に残し、大半を外に移すとした決定について、10月末の閉会中の総務委員会において、検証ではなく決定のみの報告が行われました。この間、何の検証が行われたのか。検証や報告についても扱いが雑過ぎると感じます。改めて、社会福祉協議会の大半を新庁舎外に移すとした説明についても、同じく区長御自身がなすべきものであると考えますが、説明を求めます。 次に4、予算編成について伺います。 現在中野区は、令和4年度予算の編成段階にあります。令和3年度の中野区予算編成方針と令和4年度の予算編成方針を対比してみると、総論として、令和3年度は未聞のコロナ禍の影響を、区はリーマンショック後の影響であった平成21年度の歳入約30億円の減収、平成22年度は約54億円の減収であったことを考慮し、令和3年度は約92億円の歳入の減収と見込みました。対して、令和4年度の予算編成方針では、令和3年度の歳入の見通しをその後変更し、前年度比約68億円の減収と見込み、令和4年度は令和2年度の予算水準には遠く及ばないものの、令和3年度からは一般財源の微増を見込んでいるとしています。新型コロナウイルス感染症の動向が国内外の経済に与える影響に十分に注意する必要があり、引き続き緊張感を持って財政運営を行っていかなければならないとしています。令和3年度の予算編成方針と令和4年度の予算編成方針を対比して、区の財政見通しや考え方について区としての認識を改めて尋ねます。 中野区は、持続可能な区政運営について、コロナ禍で大きく区の歳入が落ち込み、中長期の予算編成が困難となることを想定し、そのためには3年間の集中的な構造改革に取り組む必要性を強調してきたところです。中長期にわたる持続可能な区政運営のために、コロナ禍の影響だけではなく、区財政の立て直しが必要であることは、元来の区財政の課題であると考えます。また、中野区は、今後10年間の財政見通しを見定め、客観的なデータを基に区民ニーズを的確に捉え、必要な事業に選択と集中を図り、将来に向けた行政需要と負担額を的確に把握していかなければならない。さらに、構造改革の取組としてビルド・アンド・スクラップの考え方に基づく見直し等による経費の削減や効率化等による労働時間の削減で得られる財政効果を事業計画として明確に示すとも述べられています。構造改革実行プログラムにおいても、経費の削減や効率化等による財政効果の区財政の収支については、今後の課題として明らかになっていません。区財政の収支の考え方や財政効果をどのように明示されるのかお尋ねいたします。 令和4年度の予算編成方針は、令和3年度と比較し、中長期的な引き続きの区財政への注視を促す一方、短期的には区財政への注視が薄れているのではないかと感じます。予算編成方針の言葉をなぞれば、客観的なデータに基づく区民ニーズの把握、そして中長期の財政見通しからの選択と集中の考えが令和4年度の予算編成に生かされているのか。また、各種事業における予算査定や事業の検証のあり方についての区の取組を伺って、この項を終わります。 次に5、児童館等地域子ども施設の整備と保育の質の確保について伺います。 来年度の4月時の入園児の申込みが、この11月2日に締切りとなり、在園児の延長保育の申込みが本日25日に締切りを迎えています。中野区内の待機児童数は、中央線沿線地域ではいまだ待機児童があるため、保育園の新設・増園を進めるものの、北部や南部地域においては保育定員に空きのある状態、欠員のある保育園が増えてきました。保育園の待機児童の問題解消が見えてきたことは喜ばしいことですが、それは保育園の経営や保育士の処遇などが苦しくなることを意味し、厳しい言い方をすれば、保育園淘汰の時代を意味すると考えます。区内の待機児童数がピークから減少に向かい始めたころに新規の保育園の新設・増園に努めるとともに、出口戦略を考えながら整備を行い、いかに保育の質を担保していくのかを考える必要があると述べてきたところです。今年は、2園の保育園の廃園が決定されたところです。特に本年は小規模園や認証園、私立保育園の先生方より強い要望をお受けしているのが、定員割れのある保育園についての支援策です。今年度より始めた認証保育園、小規模保育園における定員割れのある保育園への支援策の拡充とともに、私立の認可保育園においても定員割れ保育園の支援策の実施を強く求めますが、区の見解をお伺いいたします。 一方、保育園では、定員割れで保育士が過剰となる中、区は新たに児童館で一時保育事業を実施するとしています。児童館での一時保育事業の入札不調により、再入札によって予定より1か月遅れの本日より3か月間の事業を実施し、検証を行うとしていますが、事業実施前に既に来年度の事業として複数の児童館で事業を実施する計画があるとお聞きします。そもそも区は、私立保育園での定員を利用した一時保育事業がどの保育園で実施されているかとの全容を把握しておらず、実態把握の調査の求めに応じて行った調査の結果、複数の園で実施していることが分かったとのお粗末な報告が子ども文教委員会でありました。一時保育の案内や申込みに至っては、区は保育園による一時保育事業の全体の広報を行わず、各園に利用者のそれぞれが確認し、申込みを行う体制しか取ってこなかった状況です。一時保育の充実を唱えるのであれば、既存の民間保育施設による案内や空き状況、一時保育のネットでの申込みなど優先して取り組むべき課題はここにあると考えますが、お伺いいたします。 また、私立保育園を活用した既存の一時保育事業の利用については、区は急な利用に対応できないとしていますが、私立保育園の園長会の方々からは、区の基準に準じるように言われており、基準に自由度があるとの説明を受けていない。各園が一律の基準で実施しているとの御意見を伺い、区と相違があることも確認をしています。私立保育園における既存の一時保育事業の充実のため、安全性を最優先としながらも、利便性の向上に努めることはまだできることがあると考えます。私立保育園における一時保育の受入れ条件の見直しに取り組むべきと考えますが、区の見解を伺います。 私立保育園における既存の一時保育事業の検証もないまま、さらに新規の事業についての試験的な検証もないままでの事業展開では、保育園の経営や保育士の処遇を後退させ、廃園に追い込まれる保育園が増えてしまいます。児童館での一時保育事業のしっかりした検証、見直しを求めますが、区の見解を問います。 また、区立の認可保育園の定員の削減や廃園により、保育定員全体の調整弁として機能させることにより民間の保育園を守るとする考え方について、区はどのような条件が整えば実行するのか。事前に条件や計画を明示すべきと考えます。区立の認可保育園の定員の削減や廃園について区の考えを問うとともに、一時保育事業や子育てひろば事業などを含めた区の保育全体の質をどのようにして担保していくのか、区の全体政策を示すべきと考えますが、お伺いいたします。 この項の最後に児童館について伺います。現在18施設ある児童館を新たな機能を備えた9施設の児童館へ整備する計画が進められています。児童館の廃止後の跡地に新しく学童クラブを設置した場合、同施設を学童クラブ以外の他の目的で一定の利用を認めるとの答弁が子ども文教委員会においてありました。では、既に開設している民間の学童クラブを廃止が予定されている児童館の跡地へ移設すれば、同施設を学童クラブ以外の他の目的で一定の利用が認められることとなるのかとの問いには明確な答えはなく、地域の実情を考慮するとの答弁の繰り返しとなりました。児童館廃止後の跡地施設の活用は、新規の学童クラブの開設によるとの判断では、もはや施策の整合性が失われ、中学校区域に一つの新しい機能を備えた児童館を設置するとの施策は崩れていると考えます。性急過ぎる中学校区域に一つの新しい機能を備えた児童館の設置との計画をいま一度見直すべきであると考えますが、区の見解を求めます。 次に6、防災対策について伺います。 中野区の地域防災計画第42次の修正がこの夏数年ぶりに行われました。主な変更点として、国の要請による風水害に対するタイムラインやコロナ禍での感染症対策や複合災害への備えに加え、里・まち連携都市における被災した中野区民の受入れを可能とする遠隔避難所とその協定の締結、また圧倒的な人数となると思われる在宅での被災者の項目が防災計画に欠如していることを指摘し、新たに避難所外被災者・在宅避難等被災者などが盛り込まれたことを提案者として感謝するところです。災害時における被災者への迅速な情報伝達は、まさに大切な命綱となります。中野区の区民への情報提供体制は、パンザマストによる防災行政無線や防災情報メールマガジン、緊急速報のエリアメール、音声自動応答サービス、全国瞬時警報システムのJアラート、区のホームページやSNS、緊急情報電話伝達システム等々がありますが、複数の伝達手段を後から後から付け加えたことにより、一部の伝達手段は一斉配信するシステムに統合されていますが、複数の伝達手段とその方法が混在している状態です。東日本大震災の記録をとどめた手記には、一つの作業で複数の伝達手段を可能とするシステムがなかったため、電力の供給停止に幾つもの伝達作業ができなかったとの記録があります。複数の情報伝達手段の合理化を図るとともに、より少ない作業で複数の情報発信が行えるように、情報発信のシステムの一元化をさらに進める検証をすべきと考えますが、伺います。 また、避難所外被災者・在宅避難等被災者などへの情報伝達は特に大事な手段となります。防災行政無線のデジタル化に伴い、地域防災会に設置されていたアナログの個別受信機を改め、緊急情報電話伝達システムが導入されましたが、その後対象者を広げ一定の支援を必要とする方への伝達手段としても活用されているところです。この緊急情報電話伝達システムの新しい検証を進め、より多くの方への情報伝達手段とする検討を行うべきと考えますが、伺います。 最後に、主要交差点に設置された116台の防犯カメラについて伺います。町会や自治会、商店街などが設置主体者となる防犯カメラの設置について、安全対策強化のため、区は設置費用の助成や維持管理費用の助成についても推進してまいりました。助成により区内の防犯カメラの設置台数が飛躍的に増加しましたが、地域によっては防犯カメラの設置台数に偏りが生じ、防犯カメラの空白地域が生じることとなりました。防犯カメラの空白地域を解消し、区民の安心・安全に寄与するため、都内では初となる区が設置主体者となっての区内幹線道路の主要交差点77か所、計116台の防犯カメラが設置されました。この116台の防犯カメラは、ネットでの接続が可能な仕様となっており、災害時など区の防災センターへライブで映像を送信できる仕組み、防犯カメラを防災カメラとしても活用する仕組みについて提案してきたところです。この防犯カメラのうち、5台、3か所についてはネットワークカメラとして試行し、安全性や費用面、またネットワーク化に伴うライブ映像の接続、閲覧条件などについての検討・検証を行っているところですが、現在の進捗状況を伺って、私の全ての質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 白井議員の御質問にお答えいたします。 初めに、新型コロナウイルス感染症対策についてで、訪問接種についてでございます。11月15日までの第1次締切りでは3名の方から申請がございました。現時点では接種時の同席や経過観察に関する御相談は来ておりませんけれども、相談があった場合は、できる範囲で柔軟に対応していきたいと考えております。 続きまして、追加接種の概要等についてでございます。12月1日から各医療機関におきまして、まずは医療従事者等の3回目接種を実施いたします。一般区民への接種は1月下旬から75歳以上の方への3回目接種を開始する予定でございます。個別接種と並行して中野サンプラザでの集団接種も実施いたします。2回目接種完了後7か月経過した方に接種券を送付することと併せて、区報、ホームページ、SNS、転入時の窓口などを組み合わせて広く周知してまいります。 次に、コールセンターについてでございます。12月31日にナビダイヤルによるコロナワクチンのコールセンターの運用を終了いたします。令和4年1月4日からはフリーダイヤルに変更して、各月の接種者想定を踏まえて回線数を調整していく予定でございます。 続きまして、抗体カクテル療法の実施医療機関についてでございます。抗体カクテル療法につきましては、受付から実施まで東京都が管理をしております。都内における実施医療機関等の数でございますが、11月12日時点で約220か所と聞いております。 次に、新型コロナウイルス陽性者への自宅療養セット配送についてでございます。当該事業の東京都補助、東京都新型コロナウイルス感染症区市町村緊急包括支援事業、こちらにつきましては、令和3年12月までの対応となっておりますけれども、中野区においてはこれまで同様、継続して実施をしていく予定でございます。 続きまして、コロナ禍で冷え込んだ区内経済の支援策について。 初めに、キャッシュレス決済推進事業の結果と改善点についてでございます。本年9月実施のキャッシュレス決済推進事業は、キャンペーン期間1か月、ポイント付与率30%で行いました。キャンペーン実施前の8月に比べてPayPayのみの比較ではございますが、総決済金額、総決済回数、ともに3倍以上となっておりまして、一定の区内消費喚起効果があったと考えております。そのような中で、前回実施時に店頭にポスターが貼り出されておらず、対象店舗なのかが分かりづらいといった声をいただいたことから、店外から見たときにキャンペーン対象店舗であることが明確になるようポスターの掲示場所の工夫などについて加盟店に対して区から依頼文の送付を予定しております。また、飲食店が再開していることなどを勘案して、より高い経済効果を生み出すために、第2弾としましては、1決済当たりのポイント還元額の上限を2,000ポイントから3,000ポイントに引き上げるということで考えております。 続きまして、デジタルデバイドへの取組についてでございます。高齢者等をはじめとしたスマートフォンを使えない、いわゆるデジタルデバイドへの対応として、本年9月の本キャンペーン実施に当たりましては、利用者向け説明会を区民活動センターや高齢者会館で催したほか、受託事業者の既存制度を活用して相談窓口やコールセンターも設置いたしました。また、本年10月には、東京都の制度を活用したスマートフォン利用の個別相談会も中野ブロードウェイ商店街の協力を得て実施をしております。今回の第2弾実施に当たっても区役所で利用者説明会を開催するほか、区に問合せがあった場合は丁寧に対応するとともに、引き続き受託事業者の相談窓口やコールセンターを活用してまいります。 次に、追加の経済対策の実施についてでございます。行動規制が緩和され、飲食店などもようやく本格的に営業を始めつつあるものの、宴会需要が低迷するなど、コロナ前の水準に戻るまでにはまだ長い時間がかかる状況であります。また、その中でウィズコロナを前提とした新たな生活様式に沿った事業展開をしなければならず、行政による継続した区内事業者への支援が必要であると考えております。国においても追加の経済対策が閣議決定され、臨時交付金が増額されるとの報道もありますので、今後の区内事業者支援の経済対策については、国や都の動向も踏まえつつ検討を急いでまいりたいと考えております。 次にプレミアム付商品券や今後の商店街支援の検討についてでございます。紙の商品券につきましては、お釣りが出ない、購入場所が限られている、印刷などに多額の経費がかかる、余剰金が発生する、生産等に係る事務が膨大であるなど多くの問題がございます。そのため商品券事業につきましては、新型コロナウイルス感染症対策としての必要性からも電子商品券化の検討を優先することとしたいと考えております。今後の商店街支援につきましては、電子商品券事業も含め、商店街の将来を見据えた総合的かつより効果的な支援策としての新しい仕組みを検討してまいります。 次に、マイナポイント事業の広報についてでございます。マイナポイント制度の実施に当たりましては、御自身でマイナポイントの予約・申込みを行うことが難しい方、これを対象に区役所1階に設定支援窓口を設置しておりまして、これまで区報、ホームページへの掲載などにより広報を行っております。今後国が予定しているマイナポイント事業について広報していく際には、これまでの周知に加えてスマートフォンを持っていなくても申請が可能であることも含めて積極的に広報してまいります。 続きまして、新庁舎における施設配置の見直しについてで、初めに生活援護機能の配置の検討経緯と見直しについてでございます。 生活援護機能の配置につきましては、今後の生活保護受給者増に対応できるようスペースを柔軟に変更できる施設へ移転する方針とし、配置場所の検討を行ってきたところでございます。本年6月には生活援護課を新庁舎と社会福祉会館の2か所に配置する案をお示しいたしましたが、事務所が分かれることによる課題や財政負担等、様々な御意見をいただきました。その後、議会から御意見や区有施設整備計画(案)についてのパブリック・コメントの結果、事務処理の問題に関する職員の検討結果、これらなどを踏まえて総合的に判断をし、生活援護機能を一体的に新庁舎に配置することとしたものでございます。本件につきましては、いただいた意見を真摯に受け止め、早急に課題を整理し、可能な限り迅速に区民の皆様、議会へ報告すべきと考え、検討経過を同10月末の総務委員会において報告させていただいたところでございます。 次に、社会福祉協議会の配置についてでございます。このたびの配置方針の変更に伴って、生活援護機能を一体的に新庁舎に配置した場合の運用を早急に検討し、それに併せて区の業務と関連性の高い業務、機能を新庁舎に一部配置すること等の検証を行いました。その一部機能につきましては、社会福祉協議会と協議・調整をし、新庁舎へは成年後見支援機能及び権利擁護事業を配置することとしたものでございます。社会福祉協議会には、今回の変更により御迷惑をおかけしたところでございますが、今後も区と緊密な連携協力体制の下、よりよい区民サービスが提供できるように取り組んでいきたいと考えております。 〔企画部長高橋昭彦登壇〕 ○企画部長(高橋昭彦) 私からは、予算編成についての御質問にお答えいたします。 初めに、予算編成方針の前年度との変更点についてお答えいたします。令和3年度予算編成方針においては、新型コロナウイルス感染症の影響により一般財源の大幅な減が見込まれたことから、事業の抜本的な見直しを行って歳出の抑制を図るとしたところでございます。一般財源の収入状況につきましては、想定よりも上振れの状況にありますが、新型コロナウイルス感染症の収束がいまだ見通せない中、区財政は今後も不透明な状況であり、引き続き緊張感を持って財政運営を行っていく必要があると考えてございます。令和4年度予算編成においては、新型コロナウイルス感染症の影響による経済状況の先行きが不透明であるとの認識は持ちつつ、感染防止対策に十分注意を払いながら、様々な活動を力強く再開させていくことも必要であると考えており、基本計画の重点プロジェクトなどを重点事項とし、財源を優先的に配分することとしてございます。 続いて、構造改革実行プログラムにおける区財政の収支の考え方や財政効果についてでございます。令和4年度の予算編成では、構造改革実行プログラムに係る事業の予算要求も含まれており、可能なものは財政効果の試算を行っているところでございます。現時点は予算編成作業を進めている段階でございますので、予算案がまとまった時点で区の財政状況や財政効果の考え方について示したい、そのように考えてございます。 もう一つ、予算査定や事業の検証の在り方についてでございます。区では今後の財政見通しを踏まえて、基本計画に基づく政策、施策、事業の着実な推進を図るため、政策マネジメントサイクル、PDCAサイクルによる進行管理を行い、必要な事業に選択と集中を図っているところでございます。令和2年度の行政評価から事業評価とし、事業のコスト分析を取り入れながら事業の方向性を評価し、既存事業の予算査定に当たっては、行政評価の評価結果や予算の執行率分析を踏まえて査定を行っているところでございます。新規拡充事業については、事業の企画段階から現状の課題や事業を実施することによる効果などを定量的・定性的なデータを踏まえて検討し、予算積算、予算査定を行っているところでございます。 〔子ども教育部長青山敬一郎登壇〕 ○子ども教育部長(青山敬一郎) 私からは、保育所の定員割れに対する補助の拡充についてお答えいたします。 認証保育所と小規模保育事業所につきましては、入所率が大きく減少している状況を考慮し、期間を半年間に限定して相当額を補助しておりますが、空き定員全てに対する補助への拡充等は予定していないところでございます。また、認可保育所の令和3年4月の入所率は約90%と比較的高い水準でございまして、今年度から実施しております小規模保育事業所等への減収補填と同様の補助制度を創設したとしても、対象となる認可保育所はほとんどないと推測しているところでございます。本来、園児の減員数に応じた給付は公定価格の原則でございますが、この公定価格の増額につきまして国に対して働きかけてまいります。 続きまして、区立保育園の在り方と保育の質の確保についてでございます。区立保育園は、将来的に少子化が進行し、保育需要が減少した場合、保育の質の維持・向上、障害児保育など公立施設としての機能・役割を果たすために必要な園数を存続させる考えでございます。現在は、保育需要のより精緻な推計方法を研究しているところでございまして、地域ごとの保育需要数や施設の耐用年数も考慮して今後の計画について検討してまいります。 また、区内保育所の保育の質を担保するために、今後も引き続き区立保育園の保育現場で豊富な経験を重ねた職員が定期的な指導検査や巡回による助言等を行ってまいります。さらに、来年度は保育の質ガイドラインに実践例を加えるなどの改定を予定しておりまして、これを活用した研修なども行う考えでございます。 〔子ども家庭支援担当部長小田史子登壇〕 ○子ども家庭支援担当部長(小田史子) 私からは、児童館等地域子ども施設の整備と保育の質の確保についての御質問のうち、一時保育と児童館に関する御質問に対してお答えをさせていただきます。 初めに、一時保育事業で取り組むべき課題についてでございます。民間保育施設で実施している一時保育事業につきましては、区のホームページで御案内をしているところでございます。空き情報の提供やインターネットを活用した予約申込みにつきましては、区民の利用の利便性の向上を図る観点から必要性を認識しておりまして、区立保育園の一時保育の空き情報については、区のホームページへの掲載を7月から開始いたしました。一時保育も含め、優先順位の高いものから取組を進めておりまして、民間保育施設の予約状況の情報提供やインターネットを活用した利用予約につきましても、各施設の御協力を得ながら段階的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、私立保育園の一時保育の利便性向上についての御質問でございます。一時保育事業には、保護者の急な入院等の際の預かりを行う短期特例保育と保護者の用事やリフレッシュ等の際の預かりを行う一時保育がございます。専用室型で行っている私立保育園等の短期特例保育は、区が利用児童のあっせんを行っていることから、事業内容の統一を図るため、受入れ時間等の基準を設けております。専用室の有無にかかわらず、私立保育園等の一時保育は各園の自主事業でございまして、区の実施内容を参考基準としてお示ししておりますが、法令を遵守した上であれば、利用者の要望等に応じて園ごとに異なる対応が可能となっております。短期特例保育と一時保育の取扱いの違いにつきまして私立保育園等へ改めて説明していくとともに、今後一時保育に関する予約の受付期間、預けたい年齢と受入れ可能な年齢のずれ、登録面接のタイミングなど、区民の方からの意見や要望につきまして情報を提供しながら、一時保育の利便性向上に向けて働きかけを行ってまいります。 続いて、一時預かり事業の検証・見直しについてでございます。児童館における一時預かり事業につきましては、本年度実施の利用者等の声も踏まえまして事業内容を検証する予定でございます。私立保育園における一時保育の改善も併せまして、一時保育に対する保護者側のニーズと私立保育園側の供給体制などにつきましても検討を行ってまいります。 最後に、中学校区に一つの児童館の設置についての御質問です。閉館する児童館の跡地活用につきましては、学童クラブ需要が大幅に上回る地域におきましては、学童クラブ施設として転用するほか、未利用地活用や跡施設における子育て支援、地域交流の確保を検討してまいります。児童館は、中学校区に1館の配置とすることで、人的資源等を集約し、子どもの居場所・交流等の基本機能に加え、子育て支援や中学校単位での地域の見守り、ネットワーク支援機能を強化した運営を行ってまいります。 〔防災危機管理担当部長滝瀬裕之登壇〕 ○防災危機管理担当部長(滝瀬裕之) 私からは、防災対策についてお答えいたします。 まず、防災情報発信手段の合理化、一元化についてでございます。区が災害時の情報提供体制として整備をしている媒体サービスにつきましては、計10ツールございます。これらにつきましては、区の職員が一つひとつ手入力を行って発信しなければならないなど、区民への迅速な情報提供といった点では課題がございます。現在これらを一部統合し、1回の入力作業で様々なツールから同時発信が可能とのシステムの導入検討を進めているところでございまして、今後お示ししていきたいと考えてございます。 続きまして、緊急情報電話伝達システムの検証についてでございます。緊急情報電話伝達システムは、防災行政無線のデジタル化に伴い、主に避難所の開設状況などについて防災会長等宛てにお知らせすることを目的に平成30年に導入したものでございます。現在、視覚障害者団体等と協議をするなど、対象者の拡大やさらなる活用などについて検討を進めているところでございます。今後も必要な情報が区民に提供できるよう、さらに調査研究を進めてまいります。 続きまして、防犯カメラのネットワーク化についてでございます。ネットワーク型カメラのメリットは、警察等からの閲覧要請に迅速に対応できることや災害発生時にライブで状況が把握できることでございます。一方、初期費用が高額であることや年間の維持費が現在の約5倍になること。また、災害時停電になった場合に、カメラ自体が作動せず閲覧できない可能性があることがデメリットとして考えられるところでございます。今後の災害発生時など、その都度検証を行い、ネットワーク化の検討を進めるとともに、安全・安心なまちづくりに向けた取組を継続していく考えでございます。 ○議長(内川和久) 以上で白井ひでふみ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 長 沢 和 彦 1 区長の政治姿勢と区政運営について (1)コロナ禍から見えてきた政治と行政の役割について (2)区財政について (3)職員体制について (4)区有施設の貸付について (5)中野区地域包括ケア総合アクションプラン(中間のまとめ)について (6)その他 2 公文書管理と情報公開について 3 「(仮称)中野区人権及び多様性を尊重するまちづくり条例」及び男女共同参画基本計画につ いて 4 児童相談所における一時保護所運営と設置市事務について 5 私立保育園について 6 その他
○議長(内川和久) 次に、長沢和彦議員。 〔長沢和彦議員登壇〕 ○41番(長沢和彦) 2021年第4回定例会本会議に当たり、日本共産党議員団を代表して一般質問を行います。 なお、2番の公文書管理と情報公開については別の機会に質問することとし、今回は割愛をさせていただきます。 初めに、区長の政治姿勢と区政運営について。 1番、コロナ禍から見えてきた政治と行政の役割について伺います。 新型コロナウイルス感染症第6波に備えた対策が求められています。今月16日の危機管理・感染症対策調査特別委員会で、新型コロナウイルス感染症に係る今後の医療機関への支援の考え方についての報告がありました。感染拡大に備え、医療機関が新型コロナウイルス感染症患者の病床を追加で確保した場合、東京都の病床確保補助金に上乗せして区の補助金を支給するというものです。医療機関において、これまで最大確保した1日当たりの病床数を超えて増床することや、医療逼迫の状況レベル3相当であるなどの要件を満たす必要はありますが、大切な取組です。また、区として一定の条件の下、在宅療養中の方を対象にワクチン接種の実施が行われています。こちらも大事な取組ではありますが、これまで医療機関任せになっていたことで対応が遅いようにも感じています。今後、3回目のワクチン接種についても集団接種場所が中野サンプラザだけとなることで、個別接種を行う医療機関に負担がかかることになります。感染症拡大は、感染症患者受入れの有無にかかわらず、区内医療機関での診療や経営に少なくない影響を及ぼしました。新型コロナウイルス感染症については、現在感染拡大が減少しているこの時期に、区のこれまでの保健医療分野の対応について検証しておく必要があるのではないですか、伺います。 東京都は、2018年3月に策定した保健医療計画について今年7月に中間見直しを行いました。計画策定時には出現していなかった新型コロナウイルス感染症を踏まえた感染症対策を見直しの視点として掲げ、主な見直し内容では、第4章健康危機管理体制の充実、新型コロナウイルス感染症対策における取組を検証し、検査・医療提供体制を整備との記載があります。しかし、新型コロナウイルス感染症の1年半に及ぶ実態、地域医療に及ぼした影響などの記述は見当たらず、都民、区民、そして地域医療にとって焦眉の課題である新型コロナウイルス感染症への対応・対策について十分とは言えません。地域保健医療計画は2023年までであり、今後2年間の地域医療において十分な対策に言及しないのでは、命と健康に責任を持った計画とは言いがたいと思います。感染症拡大の下で、区内医療機関での病床の維持・確保と体制強化が切実に求められていることが明らかになりました。中野区では今後、地域医療機関の誘致を進める際に、その医療提供の規模と機能に係る第8次東京都保健医療計画の改定を踏まえて検討することになると思われますが、同計画についてどのように捉えているのか、見解を伺います。 コロナ禍で深刻な事態に直面しているのが介護分野です。介護の社会化を理念に介護保険制度が始まって22年目を迎えていますが、この間は給付抑制の連続でした。介護保険料と給付費が直接結びつく仕組みのため、介護保険施設や高齢者のサービスの利用が増え、介護報酬を引き上げると介護費用が増大し、介護保険料の引上げにつながります。介護報酬の引上げは利用者負担の増大にも跳ね返ります。また、予防重視が標榜される下で、介護保険法は改正を繰り返してもきました。介護報酬改定でいえば、報酬引下げが続けられて介護現場で働く介護職員の賃金の抑制をもたらしています。当然の帰結として、介護現場の深刻な人手不足を加速し、労働を過酷なものとし、介護職員を疲弊させ、働き続けることを困難にしている状況であり、そこにコロナ感染症が襲いました。 人手不足が深刻なのは在宅介護の要であるホームヘルパーです。高齢化が進む一方、若手のヘルパーのなり手がいません。厚生労働省集計によると、ヘルパーの有効求人倍率は2019年の平均で全産業平均の約15倍と異常な水準に達しています。このままでは10年もたたないうちにヘルパーが枯渇していく可能性があります。介護報酬の引上げは必須です。しかし、介護報酬改定は3年ごとのために待たなければなりません。制度の枠外により介護職員の処遇改善を図ることが必要と考えます。 以下3点について伺います。1点目、中野区の高齢者介護の実態についての認識について。2点目、課題解消のための国への働きかけについて。3点目、区としては介護保険制度内だけでなく、介護職員の処遇改善に取り組むことを検討していただきたい。答弁を求めます。 二つ目に区財政について。財政的な非常事態の認識について伺います。 区長は2020年第3回定例会の行政報告で「財政的な非常事態と言わざるを得ないと認識している」と述べられました。さきの区議会で、区としては今も財政的な非常事態であるとの認識が示されたところです。旧区政時代には、想定を超えた収支不均衡、今日ではこれまでのような財政規模を維持できないと行政需要の増大に比して収入見通しが明るくなく、財政調整基金の取崩しによって財政運営を成り立たせていることがそのような認識へと導いているようです。 昨年からの財政状況については、新型コロナウイルス感染症の拡大があり、それゆえに新規・拡充事業の中止・延期をはじめ、事業によっては執行見直しが行われてきました。同時に、感染拡大防止の対策を講じてもきました。しかし、昨年の決算において、我が会派としても指摘したところですが、中野区がコロナ対策に区独自の財政支出した額は他区と比べても少額です。財政的な非常事態との認識が、本来財政出動を図るべき事業に対して踏み出すことができず、過剰な執行統制となってしまったのではないでしょうか。今後、中野区に限らず、都内だけでも多くの自治体で保有する施設の改築・改修が迫られます。どこでも増大する行政需要から見て、財政状況は必ずしも余裕があるとは言えません。だからといって、他の自治体が非常事態に言及しているわけではありません。問題は、財政的な非常事態という認識は誤ったメッセージの発信として受け取られかねず、そのことが区民要求と区民施策の維持向上を抑制し、区民サービスの削減と過剰な執行統制にならないかということです。見解を伺います。 予算編成について伺います。2022年度予算の編成に当たっては、今年度予算額にマイナス5%シーリングをかけることにしています。来年度は特別区税については納税義務者数の増が見込まれており、予算編成においては今年度以上の増収になると思われます。都区財政調整交付金についても、法人住民税の伸びにより今年度当初予算額を上回る金額となるでしょう。にもかかわらず、何ゆえに5%削減を各部に要請しているのでしょうか、理由をお聞きします。 また、今年度の予算においては、基準となる一般財源規模を687億円に定めましたが、2022年度については幾らに設定されようとしているのか2点伺います。 都区財政調整交付金についても伺います。都区の合意では2022年度に2021年度決算状況を踏まえての配分に係る都区の協議が行われることになります。児童相談所の運営等に係る経費をめぐって焦点となっていますが、それだけではないと考えます。特別区の行政需要は年々増え続けています。今年度の協議に当たっては、基準財政需要額にそのことも踏まえた対応と算定をさせることが必要であることはもちろんですが、配分割合の変更がないままでは、他の事業の見直し・廃止を行うことにもなり財政調整交付金の額に変動はありません。都区配分割合の協議は来年度に行われる予定ではありますが、今年度の都区協議の場から積極的に主張することを求めます。お答えください。 国への働きかけも重要です。特別区長会は10月に「不合理な税制改正等に対する特別区の主張」を公表しました。国による法人住民税の一部国税化や地方消費税の清算基準の見直し、加えてふるさと納税による減収による影響は深刻です。中野区においても、昨年度には46億円にも上る減収の影響を受けています。本来国は財源保障と財政調整のために地方交付税の拡充を図らなければなりません。それを特別区から財源を奪うことで補完しているのです。不合理な税制改正の是正と地方税財源総体の拡充を実現するために、特別区長会が一致協力して臨むことが重要です。見解を伺います。 三つ目に職員体制について。職員の増員配置について伺います。 会派としてこれまでにも必要な職員増、適正な職員の配置についてただしてきました。来年度に向けて具体的に2か所の職場での職員体制についてお聞きします。 1点目に生活援護課について。既に会派として繰り返し指摘をしてきたところですが、業務委託している高齢者居宅介護支援事業があります。大勢の高齢者を見ていますが、本来のケースワーク業務は職員でなければ実施できません。高齢者の利用が増えており、今後も増えていくことから、また相談・支援などは寄り添った対応が必要になることからも、ケースワーク業務を担う高齢者保護係の職員増員を求めてきました。区当局からは増員するとも言われていますが、では、来年度には何名の増員を図るのか、伺います。 もう1点、児童館への職員配置についてです。中野区基本計画及び中野区区有施設整備計画では、子どもの居場所・交流等の基本機能に加え、子育て支援や地域の見守り、ネットワーク支援機能を強化した新たな機能を備えた児童館とするとあります。新たな機能を強化する児童館の運営については、居場所・遊び場や活動と乳幼児期の子育ての支援や地域の見守り・相談対応など事業の強化を図るとともに、開館日の拡大、福祉職員を配置して区直営での運営としています。既に職員の増員については会派として議会の場で求めてきましたが、増やすとの答弁はないままです。来年度を初年度として新たな機能を備えた児童館が展開される予定です。既に直営での実施が明言されてもいます。新たな機能の強化などに言及しながら、職員体制は現行どおりでは掲げた事業の実施はできないことになりかねないのではありませんか。児童館職員の増員をはじめとした体制強化について改めて伺います。 四つ目に区有施設の貸付について伺います。 一つ目に、中野セントラルパークの賃借床について伺います。区有施設整備計画では、「中野四季の都市(まち)の特性などを踏まえた賑わいに資する機能を誘導するものとし、現行の産業支援機能からの転換を検討する」としています。2013年度に中野区産業振興拠点(ICTCO)を開設し、現在まで貸付けによる活用を行ってきました。同計画では転換を計画することにしていますが、もともと広義な意味では産業支援機能もにぎわいに資するためであったと思われます。セントラルパークのサウス、イーストとも区が賃借している施設であり、賃借料の出費は毎年発生するため、放置しておくわけにはいかないと考えます。活用の検討に当たっては、四季の森公園に隣接している好条件を生かした活用検討をしてはいかがか、伺います。 二つ目に、中野駅新北口駅前エリア再開発権利床について伺います。民間事業者への貸付けなど、行政サービスの財源確保を目的とした資産の有効活用を図るとしています。保有する資産は1万平米以上になり多額の賃借料が区の収入となることが見込まれます。行政サービスの財源確保を目的とするとありますが、いかなる区民施策に活用を図るのか、区民に分かるような仕組みが必要になると考えます。 東京・日の出町には、2008年にオープンしたショッピングモールの誘致を行ってきました。町民の理解を得るために歳入として毎年度入ってくる固定資産税や都市計画税は、一般財源ではありますが、中学校終了までの子ども一人につき月額1万円のクーポンを支給するなど、主に子育て支援に充てて活用しています。区においては、中野駅新北口駅前エリアの再開発事業による権利床の活用で得られた収入は、例えば、新たに子育て事業に資する特定目的基金を創設して活用を図るなど検討すべきではないですか、伺います。 5番目に、中野区地域包括ケア総合アクションプラン(中間のまとめ)について伺います。2017年3月に策定された中野区地域包括ケアシステム推進プランとの関係で伺います。 推進プランでは、「区がめざす地域包括ケアシステムは、高齢者だけでなく、障害者や子育て世帯など対象を全世代、全区民に広げて、段階的に取り組む」としていました。総合アクションプランは、そうした位置付けにあると理解します。であれば、策定から5年目を迎えている推進プランでの取組の到達や課題等の抽出などが行われることが必要だと考えます。例えば、推進プランでは、「住まい・住まい方」を柱に掲げ、空き家の活用検討への記述がされていました。総合アクションプラン(中間のまとめ)においても記述されていますが、現在までの取組状況は示されていません。また、高齢者の住まいの確保でいえば、中間のまとめでより具体的な事業の検討と展開を図らなければ、常に大きな課題として放置されかねませんが、踏み込んだ記述は見当たりません。さらに、推進プランで、「安全で快適に利用できる交通環境の整備」、区の取組として「交通弱者の移動環境の改善」が記述され、現在区では交通不便地域の解消に当たり検討がなされています。しかし、中間のまとめにおいてはこの記述は見当たりません。これらの点については、総合アクションプランの策定に当たって検討すべきではないですか、伺います。 中間のまとめでは、包括的相談支援体制の整備・強化の必要性に言及しています。「子ども、障害者、高齢者など課題を抱える本人、さらには家族や生活環境、病気や困窮などの状況が重なり、ひとつの機関だけでは対応できなくなっている」との記述があり、社会福祉法の一部改正により据えられた重層的支援体制整備事業に触れています。このことは大事ではありますが、中野区での現況から見て、さらに据えるべきは生活困窮者への支援ではないでしょうか。ここへの支援を切り口として生活援護や自立支援事業との関連性及び当該部署との連携などを地域包括ケアシステムに位置付けることが大切であると考えます。見解を伺います。 次に、「(仮称)中野区人権及び多様性を尊重するまちづくり条例」及び男女共同参画基本計画について伺います。 「(仮称)中野区人権及び多様性を尊重するまちづくり条例の考え方について」が第3回定例会中の総務委員会で報告されました。来年の第1回定例会で条例案を提出する予定にしています。条例制定後に施策としてシンポジウムの開催を検討しているとも聞きます。考え方では、中野区、区民及び事業者が基本理念に基づき人権及び多様性を尊重するまちづくりを推進し、心豊かに安心して暮らし、共に新たな価値を生み出していくことのできる中野のまちを実現するとあります。差別構造の解消に向けた連帯と実践が強く意識されることが望まれていると考えます。そのために区が率先してあらゆる場において適宜適切にメッセージを発信していくことが大切であると考えますが、いかがですか、伺います。 中野区基本計画では、「多様性を生かした新たな価値を生み出す」政策を掲げ、施策1「人権と多様性の尊重」に続き、施策2で「多文化共生のまちづくりの推進」について述べています。現在コロナ禍の影響で外国人数は減っているようですが、収束した後には増えていくことになるでしょう。多文化共生のまちづくりの推進では、事業の展開の中で、「多文化共生の推進に向けた基本指針の策定」の記述があります。レイシズムばかりか外国人住民に対する無意識のバイアスが存在する昨今、区が「人権と多様性の尊重」を意識し、社会の前向きな変化に応えていく方針の策定と事業の展開を期待したいと思いますが、見解を伺います。 中野区では、2018年3月に男女共同参画基本計画(第4次)が策定され、来年度は5年ごとの見直し年度となります。第5次計画の策定に当たっては、現行第4次計画で掲げた将来像や施策の方向性、成果指標、事業などの検証、目標に比しての到達点の分析、社会経済情勢とジェンダー平等の視点及び国等の制度改正並びに今後の動きなどにも注視した分析・検証を行うことが必要であると考えます。 昨年の12月に国が「第5次男女共同参画基本計画~すべての女性が輝く令和の社会へ~」を策定しました。国の第5次計画の基本的な方針では、日本国憲法の個人の尊重と法の下の平等、女性に対する暴力の根絶、男性中心型労働慣行の脱却などの文言が加わり、新型コロナウイルス感染症拡大の取組については、新たな項目が起こされました。緊急避妊薬を処方箋なしで薬局販売することの検討、就活中の学生に対するセクハラの実態調査など、若い世代の強い要望が盛り込まれたことは前進です。一方、ジェンダー平等度121位という国際的な遅れを底上げする抜本策が示されないばかりか、「指導的地位を占める女性の割合を2020年までに30%に」の目標は未達成のまま実現時期を先延ばしされ、選択的夫婦別姓の文言が削られるなど、大幅に後退もしました。 さて、中野区での第5次計画の策定に当たっては、民法や刑法などいまだ改正がされていない事項への記述は難しくても、今後、ジェンダー平等の視点から法改正や社会と世論の動向などについては触れる必要があると考えますが、いかがですか、伺います。 今般の新型コロナウイルス感染症拡大で浮き彫りとなった女性をめぐる労働実態と労働条件・環境の改善などは、第5次の計画にしっかり位置付けて取組の方向性を示すとともに、施策・事業についても検討することが求められます。また、性暴力などについても把握に努め、その解消に向けた方針や取組について研究していくことが必要ではないでしょうか。さらに、女性相談の窓口については、独立したものとして設置し、相談事業の充実とともにアクセスしやすい環境整備についても整える必要があると考えます。見解を伺います。 次に、児童相談所における一時保護所運営と設置市事務について伺います。 初めに一時保護所運営について伺います。子ども家庭支援センターに寄せられた昨年度の虐待相談数は1,056件と2019年度の約1.2倍、2018年度の約2倍にも増えています。来年4月開所の児童相談所の役割とともに、一時保護所での役割が重要であると考えます。運営上で特に心配される一つは職員の体制ですが、12名定員に対して有資格者等による職員配置はきちんとされる予定だと伺っています。児童が一時保護所で生活するに当たり、3点伺います。 1点目に、児童相談所と一時保護所とは緊密な連携が必要ですが、中野区では少々離れているために連携などきめ細かい対応をスムーズに取ることができるのかお聞きします。 2点目に、小中学生に支給されている情報端末使用のための環境は整っているのでしょうか。また、情報端末の使用に当たっては、生活の場での利用であるために配慮が必要と考えますが、いかがですか。 3点目に、一時保護所に関する文献を読むと、一時保護所の変遷の過程で管理的な指導手法の側面が強い時期があったことがうかがえます。しかし、今日は子どもの権利条約や児童福祉法改定、国の一時保護ガイドライン等の趣旨を盛り込んだ取組として安心が実感できる環境づくり、学習環境の充実、個別的な支援、余暇活動・外出の充実、私物所持の在り方など検討され進められていると聞きます。このような点を踏まえ、区が一時保護所開所・運営に当たり検討している点について伺います。 設置市事務についてもお聞きします。本定例会で東京都から中野区に移管となる設置市事務に係る条例改正等が予定されています。児童相談所の設置に伴い、16事業を来年度から中野区で処理していくことになります。児童相談所や一時保護所に必要な職員増に加えて、それぞれ担当する部署では業務量が増えることでその業務を円滑に行うための職員配置が必要になると思われます。移管される16事業に対する職員増は何人を予定しているのか伺います。 設置事務の一つである児童福祉施設及び認可外保育施設に関する事務についてお聞きします。認可保育所については、東京都から認可権限が中野区に移ることになります。認可外保育施設についても、区には指導・監督・検査などの権限が付与されることになります。現在では認可で区立11園、私立で75園、小規模は15園、認可外は認証保育所を含めて35園が指導・監督・検査等の対象となります。現在のように権限が東京都にある場合は、全ての施設を巡回し、実態を把握することができなかったと聞きます。中野区に移ることで指導・監督・検査はもとより、現状の把握、課題抽出、支援の在り方などきめ細かな対応が期待されるところです。見解を伺います。 次に、私立保育園について伺います。既に繰り返し求めてきている私立保育園の支援についてですが、この機会に改めて伺います。 保育については、新型コロナウイルス感染症拡大による保育現場での困難さとともに、その重要性が浮き彫りになりました。根本的には保育制度や基準の改定及び公定価格引上げによる処遇の改善が求められています。岸田首相は総選挙前の10月8日の所信表明演説で、公定価格の抜本的見直しを明言しました。しかし、公定価格の見直しが保育制度や基準の改善につながるのかは予断を許しません。かつて、処遇改善等の加算が導入された際に、保育所職員のごく一部しか恩恵を受けられない仕組みであったことに見られるように、部分的・限定的な見直しで済ませてはならないと考えます。同時に、前項の設置市事務で触れた区が認可権限を得ることにより、すぐにでも改善・拡充を検討していただきたいことに絞って伺います。 一つは、宿舎借り上げによる補助金です。今年度は事業者の負担が8分の1発生しました。区内では保育園運営を展開していく事業者にとっては、保育士を確保する上で宿舎借り上げの事業は欠かせません。23区でも少なくない自治体で保育士の確保・定着を目的に様々な形で補助が講じられています。中野区でも2020年度まで実施していたように、区として補助金の増額を検討すべきではないですか、伺います。 二つ目に、定員割れに対する認可保育園に対しての補助についてです。中野区では、今年度より認証保育所と小規模保育事業所に対して現員数に定員割れが生じた際に補助を行っています。これ自体は高く評価します。同時に私立の認可保育園においても同様の補助が必要であると考えます。私立保育園の定員割れに対する補助の実施を検討すべきではないですか、伺います。 この項の冒頭触れたように、保育運営については、そもそもの制度における問題及び公定価格が適正とは言えない問題が根底にあります。今年度の人事院勧告でも、月例給は据置きですが、賞与については2年連続で削減勧告となりました。公定価格を規定していくことになるため、国が何らかの措置を取らない限り、公定価格の人件費単価は減額となるのは必至です。区内の私立保育園は、中野区からの委託を受けて保育を実施しているのですから、国等での動きに注視し、しっかりとした対応をするとともに、改善についても要請していただくことを強調し、私の全ての質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 長沢議員の御質問にお答えいたします。 最初に、これまでの区の新型コロナウイルス感染症対応の検証についてでございます。第5波における感染者への対応、保健所業務の人員体制、医療体制などについては現在検証を行っているところで、本定例会中の常任・特別委員会において報告を予定しているところでございます。これを基に、さらなる新規陽性者の発生状況に応じた応援体制や医療体制を検討し、感染された方の健康状態を早期に把握し、適切に対応できるよう時宜にかなった体制を築いていこうと考えております。 次に、東京都保健医療計画の改定についてでございます。令和3年7月に公表された東京都保健医療計画の中間見直しでは、感染症医療体制の強化等について記載をされておりまして、感染症の脅威への対応の必要性が明示されているものと考えております。令和6年度に予定されている同計画の改定におきましては、新興感染症等の感染拡大時における医療について追記をされる予定であることから、区としては今回の新型コロナウイルスの感染拡大の教訓を踏まえて、今後の地域医療の在り方が示されるものと考えております。 続きまして、介護を取り巻く課題や区としての取組でございます。初めに介護サービス利用の増加傾向は今後も続くものと想定をしております。介護人材の確保は介護保険制度の円滑な運営に欠かせないものの一つと捉えております。国に対しては特別区長会からの要望として介護人材の確保・定着及び育成に関する継続的な施策の実施を求めているところであります。介護従事者の給与引上げなどの処遇改善に対する直接的な取組については、区としては考えておりませんけれども、引き続き介護福祉士受験費用や研修受講費用の助成などによる介護従事者の定着支援、介護の魅力発信、介護に関する入門的研修の実施などによる介護人材の確保に努めてまいります。 続きまして、財政的な非常事態の認識の影響についての御質問です。令和3年度予算編成に当たり先が見通せない状況であり、また、一般財源の減収を想定せざるを得なかったことから、危機意識を持って予算編成を進める観点から財政上の非常事態との認識に至ったものであります。令和4年度予算編成を進めている現在におきましては、一般財源の収入状況は想定よりも上振れの状況にはございますが、新型コロナウイルス感染症の収束はいまだ見通せない中、区財政の今後も不透明な状況でありまして、引き続き緊張感を持って財政運営を行っていく必要があると考えております。一方で、必要な事業、必要な区民サービスには財源を投入していく考えでございまして、区民ニーズをしっかり把握し、適時適切な予算措置を行ってまいります。 次に、次年度予算編成における5%削減目標についてでございます。来年度予算編成開始時点において、その時点で想定した歳入と歳出の見通しでは、来年度においても歳出超過の状況が見込まれるところでございました。このため、経常経費につきまして、今年度予算をベースに算定した基準額から5%削減の目標を掲げて歳出抑制に取り組んでいるところであります。 令和4年度予算編成における基準となる一般財源規模についてでございます。令和4年度の一般財源は現時点において今年度予算より増が見込まれるところでありますが、今後の経済状況は先行き不透明な状況もあることから、令和4年度予算編成における基準となる一般財源規模は今年度予算編成と同様687億円と設定しております。 次に、都区財政調整協議についてでございます。今年度におきましては、決算状況等を踏まえ、各事業の算定内容の見直しを中心に協議が行われる予定でございまして、区側提案事項の実現に向けて特別区一丸となって協議に臨む考えでございます。配分割合の変更につきましては、令和4年度の協議事項として区と合意が既にされており、令和3年度の都区協議で具体的な議題とすることは難しいと考えておりますが、来年度の協議における区側の考えに沿った形での配分割合の変更の実現に向けて区長会において理論構築を進めているところでございます。 次に、不合理な税制改正への対応についてでございます。不合理な税制改正によって区の貴重な財源は奪われ続けている状況にあります。本来地方財源の不足や地域間の税収等の格差につきましては、国の責任において措置すべきものであり、地方税を国税化して再配分する手法などは、地方税の本旨を無視したものであると考えております。地方に負担転嫁されることがないように、引き続き都と区が一丸となり、議会とも連携をして国に対して改善を強く求めていきたいと考えております。 次に、生活援護課の増員についてでございます。生活援護課のケースワーカーが配置基準を満たしていない状況については、できるだけ早くに改善する必要があると認識をしております。単年度ごとに配置できる人員数には限りがあり、他の行政需要とのバランスを取りながら配置するため、短期間で全て配置するのは難しい状況にあると考えております。そうした中、来年度は生活援護課で2名の増員を予定しているところでございます。 続きまして、児童館職員の増員についてでございます。児童館に配置する職員につきましては、常勤職員のほか会計年度任用職員等も活用して効率的に新たな機能を備えた児童館の運営を着実に行うことができる体制を確保することによって、当面は直営で児童や保護者の方が安心して児童館を利用できるようにしていく考えでございます。 次に、中野セントラルパークの賃借床についてでございます。中野セントラルパークの賃借床については、中野区産業振興推進機構の退居が予定されておりまして、その後の活用の検討を行っているところでございます。中野四季の都市(まち)は、オフィスワーカーや大学生に加え、ファミリー層の利用も多く、賃借床の活用に当たっては、立地条件や利用者の属性などを踏まえ、区民に親しまれる用途を考えてまいりたいと思います。 次に、中野駅新北口駅前エリア再開発権利床についてでございます。中野駅新北口駅前エリア再開発における権利床の活用の方策の詳細は定まっておりませんが、貸付けを行う場合には貸付料の収入が想定されます。その貸付料収入をどのように管理するか、さらにどのように活用するか、課題を整理しているところでございまして、基金の活用も含めて研究してまいります。 続きまして、地域包括ケア総合アクションプラン(中間のまとめ)についてで、初めに、住まいの確保等の改善策の取組等を総合アクションプランへ記載することについての御質問です。総合アクションプラン(中間のまとめ)の取組は、地域包括ケア体制の八つの柱に沿って中野区基本計画の施策を基にした行政の取組をまとめたものであります。高齢者の住まいの確保に関しましては、今年3月に中野区居住支援協議会が設立するなど、成果がございました。また、安全で快適な交通環境の整備や移動弱者への支援につきましては、区や民間事業者、関係団体とともに推進していく視点から、総合アクションプランの具体的な取組の記載方法や内容について今後検討してまいります。 続きまして、生活困窮者支援の地域包括ケアシステムへの位置付けについてでございます。区は、生活困窮者自立支援事業や就労支援事業等を通じ、関係機関と連携しながら生活困窮者や生活保護受給者に対する経済的・社会的自立を包括的に支援してきたところであります。中野区地域包括ケア総合アクションプラン(中間のまとめ)では、こうした区の取組をセーフティネット機能として明確化し、地域包括ケアシステムの一つとして位置付けております。今後、地域ケア会議に自立相談支援機関である中野くらしサポートも参加することを考えておりまして、アウトリーチチームにより新たに把握・発見された生活困窮者に対する支援を行うことで、地域包括ケアの機能をさらに発揮してまいります。 次に、中野区人権及び多様性を尊重するまちづくり条例及び男女共同参画基本計画についての項で、まず新たな条例の周知についてでございます。条例内容の浸透には区民等への効果的な周知を行うことが不可欠であると考えております。令和4年度は各種広報媒体の活用のほか、大学等と連携したシンポジウムや様々な活動の場を通して広く周知を図りたいと考えております。 続きまして、多文化共生に関する指針の策定についてでございます。中野区基本計画では、政策1「多様性を生かし新たな価値を生み出す」を実現するため、多文化共生のまちづくりの推進を施策の一つとして掲げております。その主な取組の事業として多文化共生推進に向けた基本指針、これを計画前期の期間中に策定するとしております。今後制定する予定の(仮称)中野区人権及び多様性を尊重するまちづくり条例も踏まえ、多文化共生の推進に向けた基本指針を策定し、事業を展開することで、外国人住民が地域で安心して暮らすことができ、また地域においても様々な参画や交流が生み出されるまちをつくってまいります。 次に、中野区男女共同参画基本計画の見直しについてでございます。現在中野区は第4次中野区男女共同参画基本計画に沿って、ジェンダー平等などの取組を進めておりますが、令和4年度はこの基本計画の見直し年次に当たります。第5次となる計画の策定に当たりましては、現在記載している指標などの検証を行うほか、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた独り親などの女性を取り巻く課題が深刻化したり、配偶者等からの暴力が増すなど、ジェンダー平等となっていない実態や国の第5次男女共同参画基本計画の策定など、国や東京都の動きなども踏まえて見直しを行っていきたいと考えております。 最後に、女性をめぐる諸問題、諸課題についてでございます。女性の労働条件の改善等については、第5次となる中野区男女共同参画基本計画で目指すべき方向等を示したいと考えております。性暴力に対する取組は、相談事例等からの研究を行うほか、窓口相談等につきましては現在策定を行っています(仮称)中野区人権及び多様性を尊重するまちづくり条例でも機能の充実を図っていくこととしておりまして、女性をめぐる諸課題についても相談しやすい環境を整えるための対策を検討してまいります。 〔子ども家庭支援担当部長小田史子登壇〕 ○子ども家庭支援担当部長(小田史子) 私からは、児童相談所における一時保護所運営と設置市事務についての御質問のうち、一時保護所運営の御質問についてお答えさせていただきます。 初めに、一時保護所との連携です。一時保護の決定をはじめ、一時保護中のケースワークの進行や子どもの生活場面についての行動観察及び観察に基づく行動診断を行う場合などにおきまして、一時保護所職員と児童相談所の児童福祉司、児童心理司等が多角的に連携し、きめ細かいスムーズな対応を図ることが重要であると考えております。物理的な場所は離れておりますが、システム上での情報共有やオンラインによる会議開催なども含め、適切な連携を行うことができるよう準備を進めているところでございます。 次に、一時保護所での情報端末の使用についての御質問でございます。一時保護所は秘匿施設である性質上、情報端末の使用につきましては、管理者側が一定の制限をかけ、子どもの安全を守る必要があると考えております。こうした状況を踏まえた上で学習アプリの導入や在籍校との連携等、できる限り学習内容の継続が図られるよう、情報端末を用いた学習環境の整備を行う予定でございます。また、子どもが実際に使用するときには情報リテラシーについても丁寧に伝えてまいります。 最後に、一時保護所運営の検討についてでございます。一時保護所は子どもの最善の利益を守るため子どもを一時的にその養育環境から離すものですが、そうした中でも子どもの権利擁護が図られ、安全・安心な環境で適切なケアが行われることが求められております。区としては、安全・安心な環境の整備、子どもの権利保障と個別的ケア、子どもの思いを受け止め寄り添うことなどを一時保護所運営の基本としております。こうしたことを踏まえまして、小規模で家庭的な雰囲気を大切にした施設整備や個々の状況に応じた学習や生活のケア、子どもとともに過ごし方を考える手法など、運用面での準備を進めているところでございます。 〔総務部長海老沢憲一登壇〕 ○総務部長(海老沢憲一) 私からは児童相談所設置市事務についてのうち、児童相談所設置市事務の増加に伴う職員定数の増についてお答えいたします。 児童相談所の設置に伴いまして、児童福祉審議会の設置・運営や保育所の認可、認可外保育施設等の指導検査、小児慢性特定疾病の医療給付などの事務が増加することになりますが、これらの必要な人員は着実に配置していく予定でございます。増加する事務量の想定から、子ども・教育政策課に1名、保育園・幼稚園課に3名、子育て支援課に2名の計6名を増員する予定でございます。 〔子ども教育部長青山敬一郎登壇〕 ○子ども教育部長(青山敬一郎) 私からは、まず最初に、児童相談所設置市事務移管後の保育施設に関する区の対応についてお答えいたします。 児童相談所設置市事務の移管により指導・監査・検査体制を充実するとともに、保育施設への巡回・支援等を通じて区との連携を強化することで地域における保育の実情や課題に即したきめ細やかな施策の展開を図ることができるものと考えております。 続きまして、私立保育園についての御質問のうち、まず宿舎借り上げ補助の増額についてでございます。宿舎借り上げ補助につきましては、令和2年度まで23区で中野区のみが事業者の負担相当分を補助してきたところでございます。区の財政状況を鑑み、今年度より国と東京都の制度に従って、事業者に本来の8分の1相当を御負担いただいており、現時点では補助の増額は難しいと考えてございます。 最後に、私立認可保育所の定員割れに対する補助についてでございます。認証保育所と小規模保育事業所につきましては、入所率が大きく減少している状況を考慮し、期間を半年間に限定して相当額を補助しているものでございます。一方で、認可保育所の令和3年4月の入所率は約90%と比較的高い水準でございまして、今年度から実施しております小規模保育事業所等への減収補填と同様の補助制度を創設したとしても、対象となる認可保育所はほとんどないと推測してございます。本来園児の現員数に応じた給付は公定価格の原則でございますが、この公定価格の増額について国に対して働きかけてまいります。 ○議長(内川和久) 以上で長沢和彦議員の質問は終わります。
中野区議会議員 渡 辺 たけし 1 令和4年度の予算編成の方針について 2 なかの生涯学習大学の再編計画について 3 中野駅新北口駅前エリア再整備の在り方について 4 その他
○議長(内川和久) 次に、渡辺たけし議員。 〔渡辺たけし議員登壇〕 ○4番(渡辺たけし) 令和3年第4回定例会に当たりまして、都民ファーストの会中野区議団の立場から一般質問を行います。 まず初めに、令和4年度の予算編成の考え方について伺います。 第3回定例会において審議された令和2年度決算の中で、法人住民税減収などの影響により、特別区交付金が前年度と比べおよそ25億円の減となったことは、今後の新型コロナウイルス感染拡大による本格的な税収減となる予兆を感じさせるものであります。令和3年度の決算においては、その影響が一般財源の数値に反映されることも予測されており、令和4年度の区の予算編成においても考慮していかなくてはならない重要な課題であると区も認識していることと思われます。 そのような中で、我が会派も10月29日に区長へ、令和4年度の予算要望を提出いたしました。例年各種団体から多くの予算要望をいただく中で、限られた財政状況の下、必要性、実効性、効果予測など様々な観点から議論し、取捨選択していく作業は非常に重要であります。特に令和4年度の予算編成については、先ほども申し上げましたとおり、コロナ後の経済状況から見て、例年以上に厳しく査定していく必要があると考えます。 そのような状況を鑑み、我が会派では、来年度の予算編成に当たり、全体を通じて4点の重点要望を示し、個別の予算要望について反映していくことを区へ求めました。 まず1点目に、各種団体からの切実な要望に応えるべく前向きに検討いただくと同時に、コロナ禍による税収減を見据えての緊縮財政の方針を堅持することを要望しております。今後の見通しについても、慎重に景気の動向を見定めながら判断していく必要があることは区も認識されていることと思います。既に区からも緊縮財政にする方針は述べられておりますが、区が分析している今後の景気動向、それに伴う令和4年度の予算編成方針について改めて区の見解を伺います。 2点目に、コロナ禍による不況の影響を受けた区内事業者、区民に対しての緊急措置的な支援に係る予算については必要な措置を重点的に施すことを求めております。例えば、小規模事業者経営改善資金融資への利子補給の継続や小規模企業者向け融資の利子補給制度の補給率の引上げ及び融資の返済据置き期間の延長を求める声が区内事業団体から上がっております。経営が厳しい区内事業者への事業継続に必要な措置は継続して行うべきと考えますが、区の見解についてお聞かせください。 また、11月2日の区民委員会の報告で、キャッシュレス決済推進事業の追加実施についての報告がありました。9月に行われた1回目のキャッシュレス決済推進事業の執行率が30.9%となったことから追加実施を行うということでしたが、区の報告では、執行率が伸びなかった主な要因は、飲食店の休業や酒類提供の自粛などによる影響が大きいという分析をしておりました。私はそれ以外にも、昨年度行われたプレミアム付商品券のときと比較し、使用可能な店舗の減少、限られた決済方法による使いづらさなども要因として考えられると思っております。区内におけるキャッシュレス決済可能な店舗増加の促進、技術的には困難かもしれませんが、PayPay以外のクレジットカードやパスモ、スイカなどもポイント還元の対象となるような汎用性の拡充を推進すべきと考えますが、区の見解を伺います。 プレミアム付商品券やキャッシュレス決済推進事業は、区内経済の活性化につながることが過去に実施した結果から実証されたわけですが、定期的に行うためには、国や都の支援がなくては継続的に続けることは困難であると考えます。区内での経済効果に大きな成果があるというエビデンスを提示し、都や国へ継続的に事業を実施できるような補助制度を求めていくべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。 3点目に子育て先進区を掲げる中野区においては、学校教育関連におけるICT教育の推進に伴う環境整備、教員の質の向上、コロナ対策にかかる経費など、子どもの安心・安全な環境の構築、教育の質の向上につながる予算については必要な措置を施すことを要望しております。以前から我が会派は、校割予算の増額を要望してきておりましたが、コロナ対策にかかる費用を鑑みると、やはり令和2年度校割予算と比較してさらなる拡充が必要であると考えますが、いかがでしょうか。同時にGIGAスクール構想の前倒しで、小学生1人1台のタブレット端末を渡し、ICT教育の本格的な導入が進んだわけですが、既に取り組んでいる各小・中学校のインターネットアクセス回線の増強に加え、教員の質の向上を図るためのICTスキル向上に向けての研修制度の推進などを推し進めていくべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。 続きまして、児童相談所の設置について伺います。今月、練馬区虐待対応拠点を視察しました。練馬区の子ども家庭支援センター内に東京都児童相談所のサテライトオフィスを設けたもので、ドア1枚を隔てて児童相談所の職員が常駐する体制を整えており、今まで電話やオンライン通信のみでの児童相談所への応答と比較して、顔や名前をお互いに認識しながら仕事をする環境は、虐待などが伴う重篤な案件に対して従前よりはるかにスムーズな対応を取ることができるようになったという話を伺いました。一方で、一時保護の判断については、サテライトに常駐している職員に権限がないため、今までどおり東京都の児童相談所へ判断を委ねることが課題となっており、サテライトオフィスの限界がここにあるということを強く感じました。 同時期に令和4年度の4月から開設される中野区の児童相談所の内覧会に参加し、施設についての説明を受けました。練馬区虐待対応拠点と比較して、施設内に設置された面談室の数が多いこと、面談室ごとに椅子や机の形を変えて部屋の雰囲気を変える工夫をしていること、また、虐待や事件の被害の疑いのある子どもから情報を聴取するための録音・録画できる機材を整備した司法面接ができる面談室の設置など、一時保護の決定権を持つことの責任の重さを施設の造り方で感じたところであります。 23区で5番目に開設される予定である中野区の児童相談所ですが、人員の配置についても職員の増員、一時保護所の運営費、児童養護施設へ子どもを預けた際に発生する費用など、児童相談所設置とともに発生するランニングコストは億単位で中野区の財政に降りかかってまいります。例えば、中野区では、職員の人件費が一人1,000万円で試算した場合、専門職60人の人件費だけで年間およそ6億円、一時保護施設などの運営費がおよそ1億円、一時保護施設から児童養護施設などへ預けた際に発生する費用がおよそ3億5,000万円と試算されており、概算でおよそ10億5,000万円の児童相談所の運営に関わる費用が毎年一般財源に含まれてきます。一方で、児童相談所の権限を区へ移すことを名目に令和2年度から都区財政調整の配分割合が55%から55.1%に変更となりましたが、中野区へ実際に配分される金額はおよそ1億円程度であり、まだまだ金銭面で児童相談所を持つ区は大きな負担を背負う状況が続いているところです。年々児童虐待に関する相談案件は、中野区内でも増えております。一方で、一時保護件数の数値は横ばいとなっておりますが、これは一時保護施設の受入れ体制が飽和状態となっているためであり、まだまだ一時保護をしたくてもできない案件が潜在的にはあるはずであります。児童の命を守るために、都と区が一丸となってこの課題に取り組んでいかなくてはなりません。実際に区が児童相談所を持つことにより都内の人員や一時保護施設の数は増えていくことになり、慢性的な人員不足や一時保護施設の不足部分については、解消されていくことになります。令和4年度に都と区は改めて配分割合の在り方について協議することとなっておりますが、区は特別区への配分割合を増やすための要望を、根拠となるエビデンスを提示しながら23区長会で訴えていくべきと考えますが、いかがでしょうか。区長の見解をお聞かせください。 最後の4点目に、我が会派は、未来の投資に向けての新規拡充事業に関する予算については、財政効果が生じるよう、コスト削減につながるエビデンスを示し、議会に対して丁寧な説明を行い、理解を求めることを要望しております。来年度に新規案件で計上されるであろう予算の一つに、ユニファイド・コミュニケーションの導入経費があります。情報政策等調査特別委員会でも、ランニングコストが導入に伴うコスト削減よりも上回るものであれば、上回った費用に値する区民サービスの向上となるところを示してもらいたいと質疑をしておりましたが、残念ながら明確な回答を得ることはできませんでした。区の答弁は、業務効率の軽減に伴う職員の労働時間の削減が主な効果であり、その時間を区民からの相談や対話などに充て、区民サービスの向上を図るというものでありました。 では、今区民サービスが人員不足で手薄になっている部署はどこか。何人の職員が増員されれば人手の足りない部署が解消されるのか。そもそも区が目指している区民サービスとはどのようなことを指しているのかなど、具体的に一つひとつ丁寧に説明していくことで新庁舎のDX化が評価されていくのではないでしょうか。改めてランニングコストを増やしてまで得られる区民目線から見た効果についてお聞かせください。 今年度も各団体から多くの予算要望をいただいたわけですが、厳しい予算査定を経て税金の配分を行っていくことと思われます。その中で、新庁舎へ導入する新たな機能の運営コストが職員の負担軽減の効果のみで終わり、区民への還元が全くなされていないという評価をされないように、議会や区民に対して理解を得られるための丁寧な説明を行うことを最後に要望いたしまして、この項の質問を終了いたします。 続きまして、生涯学習大学再編の在り方について質問いたします。 令和3年3月23日に区議会本会議にて、生涯学習大学再編の見直しを求める陳情が全会一致で採択されました。その後、陳情団体から再三にわたり意見交換会の開催を区へ求め、10月の第3回定例会後に再編案を区から提示し、その後意見交換会を行うという約束を交わし、現在に至っているところであります。区が厚生委員会で示した再編案の資料を見てみますと、区が示している再編案は、学習を希望する方と地域活動を希望する方のコースをつくり、それぞれのニーズに合わせた講座を用意する内容となっております。 一方で、陳情団体が生涯学習大学の再編で求めている主な要望は、仲間づくりをしながら共に学んでいくことであります。区が主に求めている地域の担い手を育成するための意欲を培う地域社会への主体的参加の促進を図るという部分において、説明会や意見交換会などの発言から、興味・関心を持っている方は非常に少ないという印象を私自身も持っているところであります。国立研究開発法人日本医療研究開発機構の地域づくりによる介護予防を推進するための研究では、サロン参加や人との交流がもたらす健康効果について数々の実証データが紹介されています。 一つ目は、高齢者のサロンに参加している人は、要介護認定率が非参加者と比べて約半分に抑制されているというデータです。2007年から2012年までの5年間の要介護認定率を参加群と非参加群で比較した結果、5年間で要介護認定率は約半分に抑制されていました。 二つ目のデータは、人との交流の多さが要介護、認知症、死亡にどのように関係するかを実証したデータです。毎日頻繁に人と交流している人に比べて、そうでない人は総じて健康リスクが高く、要介護、認知症、死亡に至りやすいということが明らかになりました。毎日頻繁に人と交流している人に比べて、月1回未満しか人と交流しない人は1.5倍認知症に至りやすく、1.4倍死亡に至りやすいということが分かったわけであります。仲間とともに過ごす時間が健康促進につながるというエビデンスを基に、区が生涯学習大学を通して仲間をつくっていくことを支援することは、介護予防の支援であり、将来的な医療費や介護費の削減につながることでもあります。 そこで伺います。私は、地域の仲間をつくる、仲間と生きがいを持って楽しく健康に過ごせる場をつくるという目的を大々的に掲げ、生涯学習大学の再編案を示すべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、講座の中身についても、仲間意識を高めるためのゼミ方式や講座とは別に懇親会の場や趣味に合わせたサークル活動、課題を与えたオリエンテーリングなど、仲間づくりを行いやすいカリキュラムをつくることを軸に検討してみてはいかがでしょうか。区の見解を伺います。 「仕掛学」の著書である大阪大学教授の松村真宏氏が本の中で提唱する仕掛学では、仕掛を生み出す発想法について幾つか紹介しています。例えば、男性用の便器に的を設置することで利用者は意図していないけれども、的を狙って用を足す行為に促され、結果的にトイレをきれいに利用することにつながり、設置者の意図に沿った行動を取ってしまいます。特に説明がないにもかかわらず、利用者は的を狙って用を足す。この一連の行動において誰も不利益を被っていない構造が生み出され、便器の的は仕掛けとして機能しています。 仕掛けは新たな行動の選択肢を提示します。例えば、いつもはエレベーターやエスカレーターを利用している人がピアノの鍵盤のように塗装された、踏むと音が鳴るという仕掛けが設置されている階段に直面したときどのような行動を取るでしょうか。おもしろそうなので今日は階段を使ってみようかという動機を引き起こして実際に階段を使うかもしれません。あるいは、これまでどおりエレベーターやエスカレーターを使うことを選択する場合もあると思います。ただし、この仕掛けがあることによって階段の利用者が増えることになり、結果として運動不足の解消や省エネといった個人や社会の問題解決につながります。 こうした仕掛けの機能は健康のために階段を使いましょうという標語であったり、エレベーターやエスカレーターを使用禁止にしたりするやり方とは本質的に異なっています。ふだんから運動しない人にとって、階段を使いましょうというメッセージはほとんど効果がないのではないでしょうか。また、強制的に階段を使わせるというやり方は利用者に不便を強いるため不満を誘発することにつながります。 翻って、なかの生涯学習大学が掲げている目的について考察してみます。再編前も再編後も、区が掲げる目的の中に、「地域のために活動する意欲を培う」、「地域社会への主体的参加の促進を図る」と記載されています。地域デビューを目指して入学してきた方に対しては、そのようなカリキュラムを構築して提供すれば問題はありませんが、地域のことに興味・関心がない人にとっては、地域のことに関心を持ちましょうと強制的に言っていることに等しく、不満を誘発することにつながるのではないでしょうか。区は生涯学習大学が掲げる「地域社会への主体的参加の促進を図る」という項目を外し、仲間づくりの場を生涯学習大学の中でつくることに専念し、粛々と生涯学習大学の学生の意向に沿った支援に徹するべきと考えますが、いかがでしょうか、区の見解を伺います。 行政の立場として、地域社会への主体的参加の促進を図る人材育成を行いたいという思いは理解するところであります。しかし、それは区の一方的な思いであり、相手目線の立場で発している言葉ではありません。地域に住むシニアの方々の健康寿命の促進を進め、生き生きと明るい長寿社会を実現することに区は注力すべきではないでしょうか。そのための仲間づくり、生きがいづくりを支援する場、共に学び合う場として生涯学習大学の存在意義を示すことが陳情団体の方々が求める生涯学習大学であると私自身は考えております。 今回の件で図らずも陳情団体の方々が区に対して意見をぶつけ続けていく中で、仲間意識が強くなってきたという話を伺いました。ここで区が陳情団体の要望に寄り添った方針を示すことで、さらに仲間意識は深まることと思われます。区が賢明な判断をすることを期待いたしまして、この項の質問を終了いたします。 最後に、中野駅新北口駅前エリア再整備の在り方について伺います。 令和3年5月6日に施行予定者候補と中野区で、中野駅新北口駅前エリア拠点施設整備の事業化推進に関する基本協定書を締結いたしました。これにより施行予定者となった野村グループは、令和4年度末の都市計画決定を目指し、区と事業化に向けた検討、協議及び調整を行うこととなったわけであります。 事業化の概要については区から報告を受けましたが、審査会で審議された詳細な内容、数値について、区は公表しないという方針を示しております。私が総括質疑や建設委員会で野村グループが出した提案書の従前試算額、補助金の割合、新たに建てられるビルの総延べ床面積に対するレジデンスとオフィス面積の比率や住宅戸数などについての数値ついては、情報公開請求をしたにもかかわらず、いまだに情報が開示されていない状況であります。これから修正案が出てきたときに、議会や区民は、区と施行予定者が協議をした結果についてどのように評価すればよいのでしょうか。 行政機関の保有する情報の公開に関する法律第5条において、開示請求があったときは、行政機関の長は、不開示情報が記録されている場合を除き、行政文書または法人文書を開示しなければならないこととされています。不開示情報の中にある法人の正当な利益を害する情報についても、次点候補者が、私が求めている全ての数値を開示しているため、該当することもないと考えられます。本来、区は情報開示を拒む事業者に対して開示請求をする姿勢を取るべきかと思うのですが、逆に情報開示をしないという方針を示しているということは、事業者側の立場に立って情報を隠そうとしているという見方をされても致し方ないのではないでしょうか。私が求める審査会の中で、事業者が示した従前試算額、補助金の割合、総延べ床面積に対するレジデンスとオフィス面積の比率や住宅戸数などについて、区が情報を開示しない理由はどこにあるのでしょうか。区の見解をお聞かせください。 7,000人の多目的ホールを設置することがこの計画の大きな足かせになっていることを、私は様々なところへ訴え続けてまいりました。土地を売却することになったのも、野村グループが提示した資金計画の中身を審査会から指摘されたことも、収益性の低いホール運営が大きく影響していることは明らかであります。7,000人の多目的ホールを駅前に造ったところで、区民がその恩恵に授かるものは限られた範囲に限定されます。区は施行予定者との交渉の過程で、もしも仮に、当初の計画と修正計画の中身に大きな変更点が出てきて、それが区にとって損失が大きくなる話になるのであれば、計画を白紙に戻し、募集要綱の見直しから行うための決断をすることも検討するべきではないでしょうか。 区の見解を伺いまして、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 渡辺議員の御質問にお答えいたします。 最初に、令和4年度の予算編成の方針についてで、初めに今後の景気動向分析と予算編成方針についての御質問です。 令和4年度予算編成におきましても、新型コロナウイルスの影響による経済状況の先行きは不透明であるということで、引き続き緊張感を持って財政運営を行っていく必要があると考えております。 一方で、これまで教育活動、地域活動、経済活動などが制限を余儀なくされてきたことから、感染防止対策に十分注意を払いながら、様々な活動を力強く再開させていくことも必要であると考えておりまして、基本計画の重点プロジェクトなどを重点事項とし、財源を優先的に配分するとしたところでございます。 次に、区内事業者への支援措置の継続についての御質問です。中小事業者につきましては継続した支援が必要だと考えておりまして、小規模事業者経営改善資金への利子補給については継続を予定しております。また、新型コロナウイルス感染症に対応するための利子補給率の引上げにつきましては、令和2年度、令和3年度において新型コロナウイルス対策緊急応援優遇として産業経済融資の一部資金を対象に無利子とする優遇措置を設けてまいりました。同制度は、国のセーフティネット保証を前提としていることから、国制度が存続をしている間は継続してまいります。産業経済融資の一部資金につきましても、令和3年度より国の制度に合わせて返済据置き期間を6か月から1年に延ばしているところでございます。 次に、キャッシュレス決済可能店舗の拡大とポイント還元の汎用性拡充についての御質問です。キャッシュレス決済の対応可能店舗増加促進につきましては、都の補助制度を活用し、区が上乗せ補助をすることで、商店街の負担なく、商店街単位でのキャッシュレス決済導入を進めているところでございます。また、今年9月のポイント還元キャンペーンでは、新たに60店舗ほどがPayPayに加入したと聞いております。今回のキャッシュレス決済推進事業実施に当たりましては、事業実施が可能な期間、費用対効果、消費者の利便性、区内店舗の対応のしやすさなどを考慮し、PayPayによるポイント還元事業としたところであります。今後同様のキャッシュレス決済事業を推進する場合は、様々な方法について検討してまいります。 次に、都や国への継続的な補助制度の要請についてでございます。9月のPayPayによるキャッシュレス決済キャンペーンでは、PayPay単独の数字ではありますけれども、前月比3.6倍の区内消費があったことから、区内消費喚起に一定の貢献をしたものと考えております。新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって最も影響を受けたとされる飲食店の営業もようやく本格稼働し始め、区内経済の回復はまさにこれからでございます。さらに、新しい生活様式に対応して事業も変化させていく必要がありまして、その道のりは長期にわたることが予想されます。区としても今回実施しているキャッシュレス決済推進事業や昨年度のプレミアム付商品券事業の実施結果などを踏まえ、国や都に対してあらゆる機会を捉え、効果的な支援の継続を要請してまいります。 続きまして、コロナ対策経費と校割予算の拡充についてでございます。令和3年度の予算編成に当たりまして、新型コロナウイルス感染拡大等の影響により、一般財源が大きく減収すると見込まれる中、教育委員会にも御協力をいただいて、時限的な措置として校割予算を10%削減したところではございますが、令和4年度の校割予算につきましては、令和2年度の規模まで増額をしていきたいと考えております。また、新型コロナウイルス感染症対策につきましては、令和4年度についても引き続き対応する必要があることから、校割予算の拡充とは別に令和3年度と同規模の予算を令和4年度予算に計上して必要な対策を取ってまいります。 次に、都区財政調整配分割合の要望についてでございます。配分割合の変更は、区にとって貴重な財源確保の手段でございまして、引き続き他の区と歩調を合わせ、区側の考えに沿った形で配分割合の変更が行われるよう強く求めてまいりたいと考えております。 次に、ユニファイド・コミュニケーションの導入についてでございます。ユニファイド・コミュニケーションの導入によって緊急時や災害対応時において、24時間365日の体制構築が可能となるほか、政策立案の迅速化やモバイルワークによる自宅からの会議への参加など、場所や時間にとらわれない働き方を実現したいと考えております。また、定量的効果の一部としてコミュニケーション手段の多様化を図ることでの会議参加にかかる移動時間の削減など、年間でおよそ2万4,000時間から5万時間の勤務時間の削減を見込んでおります。これによって職員の超過勤務の低減や職員定数の削減のほか、生み出された時間を窓口や相談など対面による区民サービスの充実に充てるなど、区民サービスのさらなる向上につなげてまいりたいと考えております。 次に、なかの生涯学習大学の再編計画についてで、1点目、再編案で地域での仲間づくりを目的に掲げることについてでございます。区は、なかの生涯学習大学の再編によって、生涯学習を支援する機能と地域での活躍を応援する機能をそれぞれ充実し、受講者の意向に応じ選択できる仕組みを導入することを基本とし、再編の考え方をまとめました。この中で示した新たな事業の必修講座と地域で学ぶコースは、いずれも仲間とともに学ぶことを支援することを目的としたプログラムであります。再編に先立って、令和4年度、これからの中野区の生涯学習の在り方について、専門的な知見を持った学識経験者も交えた検討会を設け、改めて検討することを考えております。 次に、仲間づくりをしやすいカリキュラムの導入についてでございます。現在の100人規模で一斉に行う講義形式の講座で受講者の意向に応じた対応や仲間づくりにつながる支援を行うには限界があると考えております。令和4年度中野区のこれからの生涯学習の在り方について学識経験者を交えて検討する中で、学びを通じた仲間づくりの支援を効果的に行う手法やカリキュラムについても検討していきます。 最後に、なかの生涯学習大学の目的の見直しについてでございます。再編の考え方では、現在のなかの生涯学習大学の目的を踏襲することとしておりまして、「地域への主体的参加の促進を図る」という目的を外すことは考えておりません。また、学びを通じて地域への主体的な参加の促進が図れるよう、仲間づくりを支援する手法やカリキュラムについては、今後具体的な検討をしてまいります。 次に、中野駅新北口駅前エリア再整備の情報公開についてでございます。本情報公開請求に当たりましては、請求情報に第三者に関する情報が含まれており、公開の可否の決定に当たって当該第三者への意見照会の結果を踏まえて、区として公開範囲を精査いたしました。施設計画に関する数値、詳細図面、資金計画に係る数値、算定根拠、考え方などについて、応募者の企業ノウハウに関わる情報が含まれており、当該情報を公開することは事業活動の正当な競争が損なわれるとの理由から、区として公開することができないと判断したものであります。施行予定者の提案内容については、これまでに区民説明会を行っておりまして、区として今後も本計画の内容を丁寧に説明しながら事業を進めてまいります。 最後に、中野駅新北口駅前エリア再整備の計画変更についてでございます。中野駅新北口駅前エリア再整備においては、再整備事業計画により多目的ホールの整備・誘導方針を示し、施行予定者から、最大収容人員7,000人規模のホールが提案されております。区としては施行予定者に提案内容の検証を求めており、施行予定者は現在このホール規模を前提に施設計画全体の詳細検討を進めております。区としては事業を当初の予定スケジュールどおりに進めることとしておりまして、計画の検討状況については、随時区民や区議会に報告しながら進めてまいります。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私からは、教員のICT研修についてお答えをいたします。 これまで区が指定したICTに関する研究校の実践と各校のICT教育推進リーダー教員の研修などを各学校で共有することを通して、学校全体の授業力やICT活用能力の向上を図ってきており、一定の成果を上げてきております。今後は、民間事業者等の協力も得ながら、教員が一人ひとりのICTスキルに合わせて選択できるオンラインやオンデマンドを活用した研修などを実施し、さらなる充実を図ってまいります。 〇議長(内川和久) 以上で渡辺たけし議員の質問は終わります。 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(内川和久) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。 本日はこれをもって延会いたします。 午後5時11分延会
会議録署名員 議 長 内川 和久 議 員 内野 大三郎 議 員 山本 たかし |