令和3年11月26日中野区議会本会議(第4回定例会)の会議録 1.令和3年(2021年)11月26日、中野区議会議事堂において開会された。 1.出席議員(40名) 1番 市 川 しんたろう 2番 竹 村 あきひろ 3番 日 野 たかし 4番 渡 辺 たけし 5番 間 ひとみ 6番 河 合 り な 7番 斉 藤 ゆ り 8番 立 石 り お 9番 羽 鳥 だいすけ 10番 欠 員 11番 加 藤 たくま 12番 吉 田 康一郎 13番 木 村 広 一 14番 甲 田 ゆり子 15番 内 野 大三郎 16番 杉 山 司 17番 ひやま 隆 18番 小宮山 たかし 19番 い さ 哲 郎 20番 小 杉 一 男 21番 内 川 和 久 22番 若 林 しげお 23番 高 橋 かずちか 24番 小 林 ぜんいち 25番 白 井 ひでふみ 26番 いながき じゅん子 27番 山 本 たかし 28番 中 村 延 子 29番 石 坂 わたる 31番 浦 野 さとみ 32番 大 内 しんご 33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき 35番 平 山 英 明 36番 南 かつひこ 37番 久 保 り か 38番 森 たかゆき 39番 酒 井 たくや 40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行 1.欠席議員(1名) 30番 近 藤 さえ子 1.出席説明員 中 野 区 長 酒 井 直 人 副 区 長 白 土 純 副 区 長 横 山 克 人 教 育 長 入 野 貴美子 企 画 部 長 高 橋 昭 彦 総 務 部 長 海老沢 憲 一 区 民 部 長 鳥 井 文 哉 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小 田 史 子 地域支えあい推進部長 角 秀 行 健康福祉部長 岩 浅 英 樹 環 境 部 長 朝 井 めぐみ 都市基盤部長 奈 良 浩 二 中野駅周辺まちづくり担当部長 松 前 友香子 企画部企画課長 堀 越 恵美子 総務部総務課長 浅 川 靖 1.本会の書記は下記のとおりである。 事 務 局 長 長 﨑 武 史 事 務 局 次 長 小 堺 充 議事調査担当係長 鳥 居 誠 書 記 立 川 衛 書 記 若 見 元 彦 書 記 鎌 形 聡 美 書 記 松 丸 晃 大 書 記 田 村 優 書 記 細 井 翔 太 書 記 有 明 健 人 書 記 五十嵐 一 生 書 記 髙 橋 万 里 書 記 本 多 正 篤 書 記 金 木 崇 太
議事日程(令和3年(2021年)11月26日午後1時開議) 日程第1 第70号議案 令和3年度中野区一般会計補正予算
午後1時00分開議 ○副議長(酒井たくや) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 森 たかゆき 1 中野区基本計画の実現に向けた取り組みについて (1)区政運営の基本方針について (2)子育て先進区実現に向けた施設整備について (3)すべての人を対象とした地域包括ケア体制の構築について (4)脱炭素社会の実現とまちづくりについて (5)その他 2 新型コロナウイルス感染症対策について 3 その他
○副議長(酒井たくや) 最初に、森たかゆき議員。 〔森たかゆき議員登壇〕 ○38番(森たかゆき) 令和3年第4回定例会本会議におきまして、立憲民主党・無所属議員団の立場から一般質問を行います。 質問は通告のとおりで、その他はございませんが、持ち時間が想定より少し少なくなりました。幾つか質問を飛ばせていただきます。御準備いただいた理事者の皆様には申し訳ございませんが、またの機会に質問させていただきたいと思っております。 まず1番、中野区基本計画の実現に向けた取組についての中で、まずは(1)区政運営の基本方針についてお伺いをいたします。 基本方針の冒頭には、対話・参加・協働に基づく区政と掲げられています。対話は酒井区政のキーワードであり、酒井区長の区長選挙時からの一貫した姿勢です。その姿勢を区政運営全般に反映すべく、区民に対する情報発信を適宜適切に行うとされています。情報発信は、酒井区長になり大きく改善した分野の一つであると評価をしていますが、まだ改善すべき点も多々ございます。特に区の情報発信のプラットフォームであるホームページは、前回の大規模リニューアルから既に12年がたち、時代に合わなくなってきています。いまだにスマートフォン、タブレットへの対応、SNS連携等が不十分である点などを考えると、早急なリニューアルが必要と考えますが、まずは必要性についてお伺いをいたします。 災害時の対応も重要です。今は、発災時の第一報をSNS等に投稿する作業など、職員が手作業で行っている部分も多いと聞いています。これでは時間がかかりますし、担当職員の被災状況などによる不確実性もあります。さらには作業ミスの可能性もありますし、実際ミスと思われる投稿がされたこともありました。こうした点も改善し、即時性と正確性の高い情報発信ができるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。 民間においては、ホームページのログ解析等を行い、次の施策に生かすことは常識となっています。各所管が必要に応じてアンケートページを作成できるようにすることもできるでしょう。この点の改善は対話の部分だけではなく、同じく基本計画に位置付けられているEBPM、様々な情報やエビデンスの収集、分析、活用の実現にもつながることが期待できます。こうした機能の導入も積極的に取り組むべきと考えますが、見解をお伺いいたします。 次に、組織運営に関連して職員定数について伺います。基本計画の当該部分には、計画的な採用を行うことで職員定数を一定に保つこと、少数精鋭の組織を築くこととされていますが、職員定数の具体数については明記されていませんし、前回の一般質問で取り上げた際にも具体的な答弁はありませんでした。区政の状況については前回述べましたので繰り返しませんけれども、私は地方公務員の人数についての社会全体の考え方は、かつて公務員バッシングがはやった頃とは変化してきているように感じます。 昨年末に総務省が作成した自治体DX推進計画には、自治体にまず求められることとして、デジタル技術やAI等の活用により業務効率化を図り、人的資源を行政サービスのさらなる向上につなげていくことが挙げられていますが、かつてであれば、「業務効率化を図り」の後は「定員の削減につなげていく」と続いたのではないかと思います。後で触れる新型コロナウイルス感染症対策関連経費の執行率の低さの原因の一つとして、総務省は自治体職員の人手不足を挙げているそうです。年度途中に新規事業を次々に押しつけておいて、十分な執行のできなかった原因を自治体の側に求めるような物言いは承服しかねますが、見方を変えると、総務省が危機対応に十分でないほど自治体職員を減らしてしまったことを事実上認めたと言うこともできます。 さらに象徴的なことは、上山信一慶應大学教授が「月刊ガバナンス」本年5月に寄せた論文で、自治体が民営化・委託化を進め過ぎて、行政内部にノウハウがなくなっている。ガバメントの空洞化が進んでいると指摘していることです。この上山教授は、大阪府市特別顧問として行政の民営化、委託化を進めてこられた張本人です。おまえが言うなと言いたくもなりますが、しかし、上山氏が自ら進めてきた改革の弊害を語り始めていることが現状をよく表しているのではないかというふうに思います。 大規模な自然災害の頻発や現下の感染症の流行、そして、その対応の最前線で働く自治体職員の姿から、住民の地方公務員に対する見方も変わってきているように感じます。こうした社会の変化と前回述べた区政の状況から、私は職員定数の増はきちんと説明すれば、十分区民に御理解いただけると考えておりますが、区長はどうお考えでしょうか。 前回の質問では、児童相談所設置市事務に必要な職員については対応していただけるということです。しかし、区全体で担うべき事務量が増大することには変わりありません。来年度、様々な職場に無理が生じることを懸念しています。年度途中での柔軟な人員の調整や、メンタルケアも重要と考えます。認識をお伺いいたします。 (2)子育て先進区実現に向けた施設整備について。 まずは児童館についてお伺いをいたします。 酒井区政となり3年半、児童館を一定数残すことを前提に、残す館の数と具体的な場所、残る館が担うべき新たな機能、閉館する施設の跡地利用等々について様々な検討、議論を進めてきました。そして、区は児童館9館を存続すると判断され、今定例会には閉館となる児童館4館の廃止条例が提出される運びとなりました。 以前の区政では児童館は全廃が前提だったため、建物の減価償却費相当の経費を基金に積むこともしておらず、また、職員の採用、育成もしてこなかった状況から、9館を存続させるだけでも相当な努力が必要です。他方、児童館閉館は、利用者や地域住民にとっては大きな関心事です。職員の皆さんが地域に出て説明に回っているというふうにお伺いをしていますが、児童館に限らず公共施設の跡地利用については、これまで利用されてきた方々の意見も尊重すべきではありますが、行政の公平性という観点からは特定の団体等に偏ることのなく、幅広い意見聴取に努めるべきと考えます。現在の取組状況といただいた意見にどうお応えになっていくのかお伺いをいたします。 児童館全廃の方針を転換したことで児童館職員のモチベーションにも変化があるのではないかと思われます。現場の児童館職員は、9館の児童館を残すという現在の方針をどのように受け止めているのかお伺いをいたします。 近年の行政の説明や議会での議論では、児童館は利用者から評価されているということが当然の前提とされているような向きもありますが、実際に利用者から意見を伺うと評価には幅があります。子どもが小さい頃からよく面倒を見てくれて、一緒に子育てしてきた気持ちとおっしゃる方もいれば、いつ行っても職員は事務室にこもっていて、ほとんどつながりがなかったとおっしゃる方もいます。新たな機能を備えた児童館の運営を担う職員には、高いレベルでの対応の標準化を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。 これまで繰り返し述べてきましたが、私は急激なスピードで進行する少子化に大いに危機感を持っており、これに歯止めをかけるためには、未来への投資として子育て支援へ大胆に財源を振り分けなければならないというふうに考えています。子育て先進区の実現を掲げる酒井区長が児童館を一定数残すと判断されたことも、私はこうした観点から評価をしていますが、しかし、財源に限りがあるということも事実です。児童館を残すにしても、その中で運営の効率化、経費の抑制には努めなければなりません。当面は区直営による運営を行うにしても、例えば事務的な作業や児童館の管理については委託化するなども選択肢としてあっていいのではないかと考えます。今後の運営の効率化、経費の抑制策についてどのようにお考えかお伺いをいたします。 児童館の在り方は児童館単体だけではなく、地域の子どもの居場所として、子育てひろばや学童クラブ、キッズ・プラザと併せて考えなければなりません。子育てひろばについては、河合議員が前定例会の総括質疑で地図に落としてお示しをしたとおり、現在計画されているだけでも、児童館が9館になった時点で区内21か所につくられ、半径500メートル圏でいうと、二、三か所気になるエリアはありますけれども、ほぼ区内全域をカバーできる配置となっています。 学童クラブ及びキッズ・プラザについては、放課後、子どもたちが学校という安心できる居場所で過ごすことができるということから、私の周囲では高く評価をされています。今年度は、利用児童と保護者に初めてインターネットを用いたアンケートが行われました。事業者に渡さないといけない紙媒体のアンケートよりも率直な意見が聞かれそうですが、結果はどのようなものであったか。お伺いをいたします。 学童クラブについては待機児童の問題も深刻です。まず、現在深刻になっているエリアがどの辺りなのか。お伺いをいたします。待機児童の解消に当たっては、単に需要に応えるというだけではなく、需要を正確に見定める必要があると考えます。私も昨年度当事者として経験して感じましたが、保育園の子が小学校になったら行くのが学童クラブと言われると、当然自動的に学童クラブに申込みをする方が多く、そしてそれが需要のように見えます。他方、放課後の居場所という意味だけでいえば、キッズ・プラザでも対応可能な家庭も多いはずです。一方で、学習の時間を取ってほしいというような保護者のニーズもあります。こうした需要を丁寧に分析し、必要な整備量を見定めるべきと考えますが、いかがでしょうか。 放課後のキッズ・プラザを幾つか見る機会がありましたが、どこもかなり混み合っている様子でした。ある学校では、キッズ・プラザが混み合う一方で、地域開放型学校図書館はがらがらでした。現在では地域開放型学校図書館は、キッズ・プラザの子どもたちが使えるように改善していただいているようですが、より使いやすくする工夫や、学校の他のスペースが使えるような協議を行うなどして、子どもたちの遊びのスペースの確保を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。 地域開放型学校図書館そのものについてもお伺いをいたします。来年度の令和小学校への整備については、先行する3館のアンケート調査の結果等も踏まえて検証を行うとの説明がありましたが、現在の状況はどのようになっていますか。令和小学校については、上高田図書館が近くにあります。ここは乳幼児親子や小学生を中心とした子ども館のような形で整備し、先行館との利用状況や評価の比較を行い、今後の判断の材料とすることがあってもよいのではと考えますが、いかがでしょうか。 先日見学させていただいた子ども・若者支援センター等複合施設「みらいステップなかの」について伺います。非常に立派な施設が整備されましたが、実際に利用されることになる現場職員の中には、例えば箱庭療法を行うのに十分なスペースが取れるのか、田の字型にくっついている相談室の防音性能は十分かなど、幾つかの懸念があるようです。そこでお伺いします。施設整備に当たって現場の声はどのように聞き取り、計画に反映してきたのでしょうか。いずれにしても、使ってみて不具合が生じるようであれば、現場に無理な工夫をさせるのではなく、多少経費をかけてでも改善を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。相談に来た児童・生徒などが音漏れを気にして、本当は話したいことがあっても話せないといったことがないように取り組んでいただきたいと思います。 中野区助産師会から要望の出ている区南部エリアへの産後ケア施設整備の支援に関連して伺います。この要望について、実際に新生児訪問等をされている助産師の方とお話をしました。要望の背景には、単に区内施設の配置に偏りがあるということだけではなく、コロナ禍で外出をためらう方が増え、心身の状態に課題がある産婦、乳児が閉じ籠もりがちになってしまっていることへの懸念があると伺いました。そうした方々が外出するきっかけをつくり、レスパイトケアや悩み相談などができるような場所が欲しいとのことでした。複数年単位で時間がかかるであろう本格的な施設整備ではなく、区有施設の空きスペースなどの活用、あるいは一度廃止された中部、南部のすこやか福祉センターでのデイケア事業の現在の需要に合わせた事業への衣替えしての再開など、何がしか当面の対応が必要ではないかと考えます。既存の産後ケア事業新型もコロナ対応で利用可能人数を減らしていることに加え、9月末頃から急に申込みが増えているとのことで、ある施設の方からは、ピーク時には1日で30人ほどのキャンセル待ちが発生していたというふうにも伺っています。区としてでき得る対策をすべきではないでしょうか見解を伺います。 (3)全ての人を対象とした地域包括ケア体制の構築について伺います。 今月4日に開会された厚生委員会で、地域包括ケア総合アクションプラン中間まとめの報告をいただきました。その前段の地域包括ケア総合計画の策定に当たっては、行政計画ではないので、自治基本条例上の意見交換会等の実施義務はないとのことでしたが、特別委員会で求めたとおり、区民意見の聴取なども行いながら作成していただきました。また、この中間取りまとめについても、区民と区長のタウンミーティングのテーマとするなどの取組もしていただいています。こうした取組は重要で評価もしていますが、区民と区内関係機関と区が一体となって進めるものであるという以上、どこかのタイミングで区民の意見を聞けばそれで終わりなのではなく、広く区民の参加を得るための継続した取組が必要です。その必要性と具体的な取組の在り方についての考えを伺います。 地域包括ケアが掲げる誰一人取り残さない地域社会の実現のためには、自らSOSを出しづらい人に対してどうアプローチしていくのかが重要です。特に中野は人口の入れ替わりも多く、また、強い地域のつながりを避けて引っ越ししてくる方も多く住んでいます。基本構想にある「ゆるやかなつながり」という言葉は、そうした区民の気質の一面をよく表していると思いますが、それは支え支えられる関係性づくりという点では難しさもあるということでもあります。中間まとめの中には、繰り返し相談窓口や居場所などの情報を発信していく必要があるとありますが、広く区民全体を対象とした広報には限界もあります。 先日、藤井地域包括ケア担当部長が生涯学習大学で講師を務められた際に作成した、「中野を知ろう!~統計からみる中野~」と題した資料を見せていただきましたが、1万人アンケートの結果分析などを基にして、SOSを出しづらく、リスクが高い層というのはどういった特性を持った方々なのかを明確に分析されていました。こうしたデータ分析の結果がせっかくあるのですから、リスクの高いクラスタごとに合わせたアプローチの仕方も考えるべきと考えますが、いかがでしょうか。 (4)脱炭素社会の実現とまちづくりについて伺います。 基本計画では、脱炭素社会の実現を見据えたまちづくりを展開しますと定められ、また先月には、中野区ゼロカーボンシティ宣言も行われました。当然今後の区有施設の整備はこれを前提に進められることになりますが、民の分野への支援も必要です。特に日本の住宅の熱効率の悪さは世界的にも際立っていると指摘をされており、改善が必要です。住宅の熱効率に大きな影響があるのが窓などの開口部ですが、近年、熱伝導率が極めて低く、断熱性能の高い木製サッシが製品化され、注目を集めています。区民が自宅の改修などに際して木製サッシを採用した際、森林環境譲与税を財源に充て、補助を行ってはいかがでしょうか見解を伺います。 次に、ゼロカーボンシティ宣言とまちづくり計画について伺います。宣言を受け、既存のまちづくり計画にも見直しをすべき点、新しく対処すべき点が出てくるのではないでしょうか。ゴールが定められている以上、早急に既存計画の総点検を行い、必要な変更を加えるべきと考えますが、見解を伺います。 中野駅新北口駅前エリア再整備についても、ゼロカーボンシティ宣言を受けて、事業者の提案に変更を加えるべき点が出てくることが考えられます。当再整備事業については、企画提案により事業者が選定された経緯がありますが、そうであったとしても当該エリアの脱炭素化を進めなければ、目標の達成は困難になります。中野駅新北口駅前エリア再整備についても必要な対応を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。 2番、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。 感染症の今後の流行状況については見通しが立てづらいところでありますが、来年度予算についても一定の対策経費を計上することになろうかと思います。今年度予算では、当初予算には半年分のみの計上を行い、第3回定例会の補正予算で年度後半分を追加計上するという対応をされました。来年度については、事務負担を軽減し、担当所管に対策に集中してもらうことを優先し、当初予算に通年分を計上すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、現在のところ経費の予算化はどのようなものを考えているのか伺います。 国費に関連してお伺いをいたします。昨年度の国の新型コロナウイルス感染症対策事業の執行率の低さが会計検査院から指摘をされています。この中には当然地方自治体が行う新型コロナ対策事業への財政支援として予算化されたものも多く含まれています。自治体が自由に使えるという触れ込みだった地方創生臨時交付金の執行率も約33%と低調でした。現場として制度的に使いづらいということはなかったでしょうか。改善すべきと感じた点はどのようなものがありますか。また、それについては区長会を通じ、国に改善を促す必要があると考えますが、いかがでしょうか。 地方創生臨時交付金については、特別区については23区を一つの自治体とみなして交付額を算定しているという問題がありました。特別区各区の自治を軽視するような対応であり、会派として改善を求めてきました。今後さらに6兆円程度増額されるとの報道もありますが、この算定方法については強く改善を求めてほしいと考えますが、いかがでしょうか。 最後に、学校現場における新型コロナウイルス感染症の影響で失われた様々な体験機会を取り戻す取組について伺います。山本議員の質問でも触れましたが、この点が予算編成方針に盛り込まれたことを評価しています。学校現場においても様々な機会をぜひつくっていただきたいと思いますが、学校ではこれまで当たり前のように行われていた人と関わる部分の活動が制限されてきました。どうしても運動会や修学旅行といったところに目がいきがちですが、日常的な部分にも目配せをしながら取り組んでいただきたいと考えておりますが、いかがでしょうか。 この点を伺い、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 森議員の御質問にお答えいたします。 最初に、区ホームページの早急なリニューアルについてです。区のホームページは情報が整理され、以前より見やすくなったという声がある一方で、スマートフォンでは見づらいという御意見や、気象警報発令時に手動でSNSによる情報を発信している非効率性、また、ログ解析を基にしたホームページの戦略的な活用ができていないなど、様々な課題があると認識しております。今後デジタル化がさらに進んでいく中で、ホームページは区の情報発信のプラットフォームとして一層重要になるため、中野区構造改革実行プログラムや第2次中野区地域情報化推進計画に基づき、令和5年度にホームページをリニューアルする考えでございます。 次に、区のホームページとSNSの連動でございます。現在、気象警報の発令時に区ホームページには自動的に警報情報が掲載されるようになっておりますが、ツイッターやLINEなどのSNSとは連動しておらず、発令された情報を基に職員がSNSで情報を発信しているところであります。緊急時には即時に正確な情報を区民に伝える必要があり、今後も一層危機対応が増えることも予想されることから、区ホームページのリニューアルに当たっては、ホームページとSNSを連動して情報発信できるようにします。 次に、ホームページのログ解析や、アンケート機能利用によるEBPMの実現です。ホームページのログ解析等を行うことで、どういった対象がいつ当該ページにアクセスしたかなど詳細が明らかになるため、広報の効果測定ができることはもちろん、その結果により仮説を設定できることで施策や事業の効果分析にもつながるものになると考えております。さらに、ホームページのアンケート機能を利用して満足度調査などを適時実施できるため、事業の評価を適切に行うことが担保されることで事業の見直しや改善につながるなど、EBPMの実現に寄与するものになると考えております。 次に、職員定数の増についてでございます。職員定数については、児童相談所の開設や生活保護のケースワーカーの増員のほか、新たな行政需要に対応していく必要がある中、定年年齢の引上げ等もあり、令和5年度以降も2,000人体制を維持するのは難しい状況にあると認識しております。一方で、DXの推進やさらなる業務委託の推進など業務改善を行い、職員定数を一定抑制していく取組も必要です。これらを総合的に勘案して、適切な職員定数を見極めていきます。 次に、年度途中の人員調整やメンタルケアでございます。これまでも新型コロナウイルス感染症対応や定額給付金の交付など、年度当初には想定されていない業務量の増加が大幅に見込まれる場合には、年度途中に全庁的な応援体制の構築や人事異動等を行い、可能な限り負担を平準化するよう努めてきたところであります。今後もこうした対応は柔軟にしていくとともに、職員が疲労やストレスの蓄積によりメンタル不調を起こさないよう、必要なサポートを実施していく必要があると考えております。 続きまして、地域説明と要望への対応についてでございます。区有施設整備計画の素案、改定素案の段階から児童館が閉館となる地域につきましては、利用者のみならず児童館運営協議会や町会長会議などに地域子ども施設の展開について説明を行い、様々な意見を伺ってまいりました。区有施設整備計画に基づく施設の閉鎖等の際には丁寧な説明に努めるとともに、区施設として地域の状況に応じた活用を図っていく考えでございます。 続きまして、児童館職員のモチベーションについてでございます。新たな機能を備えた児童館の具体的取組につきましては、児童館長等によるプロジェクトチームによる検討や職員の研修会の実施など、職場全体で実現に向けた取組を進めております。子育て支援施策全体のさらなる質の確保向上を目指すという児童館職員の役割が職場内に醸成されつつあり、職員の意識の変化も見られ、新たな機能を備えた児童館の事業に意欲的に取り組んでいけるものと考えております。 続きまして、児童館職員のスキルアップについてでございます。これまでの経緯と福祉職としての専門性を発揮して、新たな機能を備えた児童館の事業に児童館職員には取り組んでいってもらいたいと考えております。いじめ、不登校、貧困、虐待等、子どもと子育て家庭における社会的課題に対応できるよう、関係機関との連携の在り方や地域の子育て支援拠点として児童館の果たすべき役割、相談対応についての研修も予定しておりまして、職員体制見直しの効果も生かし、全体のスキルアップを図ってまいります。 続きまして、児童館の運営についてでございます。令和4年度より子どもの居場所、交流等の基本機能に加え、子育て支援や地域の見守り、ネットワーク支援機能を強化した新たな機能を備えた児童館としてまいります。区有施設整備計画に基づく施設の集約・複合化、転用を進めながら、より効率的な運営方法の在り方を検討していく考えでございまして、将来的には民間活力の導入等も検討してまいります。 次に、学童クラブ、キッズ・プラザ利用の児童と保護者へのアンケートの結果についてでございます。インターネットによるアンケートは、対面で紙文書にして依頼するアンケートと比較して回収率は低いものの、自由記述欄への記載が多く、率直な意見や要望をいただいていると考えております。内容は、子どもをきめ細かく、よく見てもらっているとの記載が多数ある一方、感染症対策の徹底や、遊びや体験の幅を広げてほしい。学童クラブの保護者からは、子どもの様子をもっと知らせてほしいという要望もいただいております。いただいた意見や要望については各施設と共有し、今後の運営に生かしてまいります。 次に、学童クラブの待機児童問題についてでございます。令和3年度当初に待機児童が多かった学童クラブは、谷戸学童クラブ、塔山学童クラブ、桃花学童クラブ、美鳩学童クラブでございます。これらの学童クラブは、いずれもキッズ・プラザ併設の学童クラブでございまして、近くに民設民営学童クラブや区立学童クラブを開設しても、キッズ・プラザ併設の学童クラブを希望して待機児童となっている傾向にございます。今後、保護者に放課後の居場所としてのキッズ・プラザ活用への説明に努めるとともに、学童クラブとの違いも理解していただきながら、適正な利用を促してまいります。 次に、キッズ・プラザの活動場所についてでございます。キッズ・プラザは、小学生が伸び伸びと学年を超えて交流し、豊かな体験ができるよう、小学校の校庭や体育館を利用して展開している遊び場でございます。現在でもキッズ・プラザの活動室や校庭、体育館だけではなく、特別教室の活用など、遊びの場の確保に努めております。地域開放型学校図書館につきましては、放課後、キッズ・プラザにランドセルを置いて直接利用できる等、各施設においてルールを工夫しながら利用を進めております。さらに子どもたちの声を聞き、より使いやすい運用を検討してまいります。 続きまして、全ての人を対象とした地域包括ケア体制の構築についてで、区民参加を得るための継続的な取組についてでございます。地域包括ケア総合アクションプランは、区と区内関係団体及び区民が共に行動するためのプランでございます。地域包括ケア体制をより一層発展させ、オール中野の取組にするための活用本としたいと考えております。策定後も支援が必要な状況や取組の把握、意見聴取は継続して行う必要があると認識をしております。具体的にはすこやか福祉センター圏域における活動団体の交流会や区民との意見交換、中野区全域を対象とするシンポジウムを開催し、取組の輪を広げてまいります。 続きまして、ターゲットに合ったアプローチの仕方についてでございます。SOSを発信できないリスクが高い人は、どの年代でも男性が多いことのほか、一人暮らしやひとり親家庭の親、両親と暮らす子などに多いことが明らかになっております。その方々が抱える悩みや地域で利用している施設についても調査により明らかになっているため、相談窓口や支援サービスなどの情報の周知方法や、新たな居場所づくりなどの新規事業について、ターゲットに合った事業を展開してまいりたいと考えております。 -----(発言取り消し)----- 続きまして、脱炭素社会の実現とまちづくりについてでございます。まず高断熱窓の助成への森林環境譲与税の活用についてでございます。区は、今年2月に中野区の森林環境譲与税の活用の考え方を作成し、子どもや地域住民向け施設、中野区を象徴する施設の内装に森林環境譲与税を活用し、森林環境保全の意義を普及啓発することとしております。現在検討しております家庭の窓の断熱性向上のための助成について、窓枠を国産木材にした場合に森林環境譲与税を充当することは考えておりません。 次に、ゼロカーボンシティ宣言に伴うまちづくり関連計画の対応についてでございます。今後策定される地区計画やまちづくり方針などのまちづくり関連計画は、ゼロカーボンシティ宣言の理念に沿った取組を織り込むことが重要になると考えております。既に策定済みのまちづくり関連計画については、その改定、変更のタイミングで適宜点検し、ゼロカーボンシティ宣言による取組を新たに織り込んでまいります。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私からは、子育て先進区実現に向けた施設整備についてのうち、地域開放型図書館についてお答えをいたします。 初めに、検証結果についてです。利用人数、貸出し冊数等の実績や、8月から9月にかけて実施した利用者アンケートの意見などを基に検証を進め、教育委員会でも議論を進めているところでございます。12月中旬の教育委員会を経て、できるだけ早い時期に議会へ報告する予定でございます。 次に、令和小学校の地域開放型学校図書館についてですが、令和小学校については、地域開放型学校図書館の検証結果により、その方向性を示したいと考えております。地域開放型学校図書館は乳幼児親子や小学生の利用が多く、蔵書についても十分活用されていることから、そのような特性を生かした運用も選択肢の一つとして検討してまいりたいと存じます。 次に、新しい教育センターにおける相談室の活用についてです。新しい教育センターをつくるに当たっては、教育センターの職員等の要望などを聴取し、図面に反映してきております。現在も相談者のプライバシーに関しては十分な配慮を行っております。新しい教育センターでも、相談時間の設定や待合場所の工夫により相談者同士の接触を少なくすることで、安心して相談することができるようプライバシーに十分配慮してまいります。新しい教育センターでも施設設備を十分に工夫、活用し、教育相談を適切に実施してまいります。 最後に、新型コロナウイルス感染症拡大で失われた教育活動についての御質問です。中野区では、新型コロナウイルス感染症拡大の中においても、行事や体験活動などについては安全に配慮し、できる方法を考え、各学校で取り組んできたところでございます。今後も新型コロナウイルス感染症の感染拡大等には十分に配慮し、対策をしっかりと取りつつ、子どもたちの学びが充実するように学校を支援してまいります。 〔地域支えあい推進部長角秀行登壇〕 ○地域支えあい推進部長(角秀行) 私からは、子育て先進区実現に向けた施設整備のうち、リスクの高い妊産婦のための場所づくりについてお答えいたします。 特にリスクの高い妊産婦や乳児が新型コロナウイルス感染症拡大により閉じ籠もりがちにならないよう、参加、利用しやすい場所を確保していくことは重要な課題だと認識してございます。現在、妊娠・出産・子育てトータルケア事業の中で実施しております産前産後サポート事業、産後ケア事業や、こんにちは赤ちゃん訪問事業などでは、主に助産師に委託して妊産婦や乳児への心身のケア、保健指導、相談支援等を行っております。今後も助産師と連携を密にしながら事業の改善充実を図り、リスクの高い妊産婦や乳児がより参加、利用しやすい場所の確保ができるよう努めてまいります。 〔中野駅周辺まちづくり担当部長松前友香子登壇〕 ○中野駅周辺まちづくり担当部長(松前友香子) 中野駅新北口駅前エリア拠点施設整備についてお答えいたします。 当該拠点施設整備につきましては、現在、各地権者及び関係機関と協議を進めながら、施設計画の詳細について検討を進めているところでございます。環境の視点におきましても、区の環境施策、ゼロカーボンシティ宣言を踏まえ、環境性の向上を図ることとしており、今後引き続き詳細の検討を進めてまいります。 〔企画部長高橋昭彦登壇〕 ○企画部長(高橋昭彦) 私からは、新型コロナウイルス感染症対策の御質問のうち、初めに、令和4年度予算における新型コロナウイルス感染症対策経費についてでございます。 令和4年度予算においては、事務負担軽減の観点に立ちまして、PCR検査センター関係経費、患者移送費、人材派遣経費など、今年度予算で措置している新型コロナウイルス感染症対策経費につきまして、通年で想定される経費を計上する方向で検討してございます。 続いて、国の新型コロナ対策事業の補助スキームについてでございます。国の補助事業については手続が複雑な面もあり、また、臨時交付金が段階的に交付されたこともありまして、事業の立案や財政負担の見通しが立てづらい面がございました。新型コロナウイルス対策の国に関する要望については、特別区長会の要望の中で区の主張をしていきたい。このように考えてございます。 もう一つ、コロナ対策事業の算定方法の見直しについてでございます。臨時交付金の算定については、人口、感染者数、事業所数、財政力及び保健所設置有無などの要素を取り入れ、決定されるということでございますが、特別区につきましては市町村と異なりまして、地方交付税の算定が都と合算されていることなどの理由から、一括して東京都に交付されているところでございます。このような一括での算定方式につきましては、課題として認識しているところでございます。特別区全体の課題としても主張していきたい。そのように考えてございます。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) -----(発言取り消し)----- ○副議長(酒井たくや) 以上で森たかゆき議員の質問は終わります。
中野区議会議員 若 林 しげお 1 政策の立案・策定過程とその合理性について 2 なかの生涯学習大学について 3 地域開放型学校図書館について 4 児童・生徒一人一台貸与のタブレット端末の活用状況について 5 その他
○副議長(酒井たくや) 次に、若林しげお議員。 〔若林しげお議員登壇〕 ○22番(若林しげお) 令和3年第4回定例会において、自由民主党議員団の立場から質問をさせていただきます。 質問は通告どおりで、1番、政策の立案・策定過程とその合理性について、2番、なかの生涯学習大学について、3番、地域開放型学校図書館について、4番、児童・生徒一人一台貸与のタブレット端末の活用状況について、5番、その他で、桃園第二小学校拡張用地取得について伺います。 まず初めに、政策の立案・策定過程とその合理性について伺います。 酒井区長が就任されてから強く推し進めようとしている子育て先進区の実現について伺います。中野区基本計画重点プロジェクトの一つでもあります。しかし、数多くの議員が指摘しているように、子育て先進区と誇らしげに言えるようなことが見当たりません。子どもの権利条例にしても、児童相談所にしても、子どもの貧困対策にしても、他自治体より早く行っている施策とは言えません。子どもの権利条例はある意味、国連の児童の権利に関する条約をなぞっただけとも言える、この目新しくない権利条例の策定が果たして先進区という一つの看板に最もふさわしいものなのでしょうか。 子どもの権利を守ること、意見表明を尊重することは大変重要なことです。しかし、せっかく出された子どもたちの意見が様々な場面で取り入れられていくのか、具体的な道筋はまだ明確に示されておりません。また、いよいよ開設となる児童相談所とこの条例との関係性も十分説明されているように感じられません。重点プロジェクトと重点プロジェクトのセーフティネットとして、この条例の内容と児童相談所、また各種の相談や児童館を含めた見守りネットワークなど、その効果や連携などについて、ぜひ分かりやすい整理と説明をお願いしたいと思います。 児童館は、重点プロジェクトで進める「地域全体で子育てを応援するための体制整備」においても、地域の協働や協創体制の拠点と位置付けられています。このような位置付けがありながら、子どもの居場所の一つである18館ある児童館を9館にするということは、やはり十分なサービス提供につながらず、逆行しているようにも見えます。中野本郷小学校整備、平和の森小学校整備、桃園第二小学校整備など、児童・生徒の教育の場の整備を遅らせてしまったことも、子育て先進区としては真逆の展開です。このような状況下でありながら、子育て先進区の実現を目指す具体的な施策は果たしてどのようなものがあるのでしょうか。お聞かせください。 今年の9月に策定された基本計画の重点プロジェクトに位置付けられたものではありますが、これから新たにスタートするものではないはずです。重点プロジェクトの一つ目である子育て先進区について改めてお尋ねします。このプロジェクトには、設定の背景として「少子高齢化の進展や、今後迎える人口減少による地域活力の低下は、区政運営の大きな課題となっています」との書き出しの後、区の出生率・合計特殊出生率は2016年をピークに減少傾向に転じているとの記載があります。区長が公約として掲げてきた子育て先進区であるならば、たとえ短期間でも成果が現れないと、公約をきちんと果たされているとは言えないということになります。 また、出生率だけでなく、出産後も中野区に住み続けてもらう状況をつくること、しっかりと地域社会で安心して子育てのできる環境を整えていくことによって、ファミリー層の定住を図っていくことも大変重要な施策であり、そのためのファミリー層の現状や動きをしっかりとつかんでおくことも大切です。この3年間、この子育て先進区の取組を進めてきたことによる成果はどのようなものがあるでしょうか。また、重点プロジェクトでいう中野区の合計特殊出生率の変化とファミリー世帯の動向を併せてお聞かせください。 中野区基本計画の重点プロジェクトの二つ目の地域包括ケア体制の実現は、次の加藤議員が詳しく質問しますが、1万人アンケートを行った、これから各団体と相談するといった状況で、最も重要な政策課題に挙げていながら、3年たっても成果が見えてきておりません。政策の立案・策定を行う過程において、現場である担当所管において十分な課題整理等がなされないまま、合理性に乏しいまま、トップダウンのような形で政策が決定されているように感じます。 また、トップダウンに近い方法で決められたものとして、構造改革実行プログラムがあります。区は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響下において、財政の健全化を図るために構造改革実行プログラムの策定をしたはずです。最優先で行う新型コロナウイルス感染症対策と同時に、この検討を進めてきました。現場にどのような負担がかかるかも想定せず、十分な合理性も持たぬまま進められてきたように感じております。 つまり、耳触りのよい大きな施策を上げ、後づけで内容を考えているように見えています。構造改革実行プログラムには、予算編成の中でビルド・アンド・スクラップを行いながら対応しており、基本指標なども掲げていますが、その効果については甚だ疑問を感じております。現場、つまり所管との調整や検討が不十分なまま、議会や区民に突然内容が示されたものです。後ほど質問させていただくなかの生涯学習大学の再編や地域開放型学校図書館などの見直しについても、その方針の決定過程に疑問を感じております。なかの生涯学習大学の課題は、現状、構造改革実行プログラムには載っていませんが、当初、現状の把握もせず、議会への説明等も不足しているにもかかわらず、短期的な見直しの中に浮上してきたものであり、提案は唐突でありました。 現在の構造改革実行プログラムに入っているものでも、調整が不十分なものがあります。構造改革実行プログラムの図書館の在り方検討について、当初案には10年から20年後には図書館機能は3館から5館程度に集約されているとありましたが、最終的にはニーズ等も見極めつつ、適正配置を検討などと修正をされております。 想定する成果の中で、区立図書館は地域開放型学校図書館の効果を検討し、在り方を検討していくとしていますが、本来の図書館機能の考え方が、根拠も示されず数字で一旦出される。そして、その理由も示されずに修正が行われています。このようなことは区民の区政への信頼を失うこととなり、あってはならないことだと考えております。 各所管で大きな課題があるにもかかわらず、区民生活に大きな影響があるにもかかわらず、整理されないままトップダウンのような形で見直しの方向性が決められ、区議会などに示されています。政策の決定方法、執行に向けた進め方として、そのような方法を取ることがいかがなものかと思いますが、区の見解をお聞かせください。 次に、なかの生涯学習大学について伺います。 先ほど申し上げたとおり令和2年12月4日、令和3年度予算で検討中の主な取組案で、構造改革の八つの視点を踏まえ、令和3年度予算編成において事業見直し等検討を行っていくものの中に、なかの生涯学習大学の再編が突然現れ、令和5年度になかの生涯学習大学をシニア対象とした生涯学習事業と地域での活躍応援事業に再編する方向で検討を進めるとし、新入生の募集は令和2年度をもって終了するとしました。 さらに、令和2年12月20日、なかの区報の新入生募集を今年度で終了し、検討を進めると、区民や議会に理由や問題点も明らかにされないまま掲載されました。受講料で運営していて、大幅な財源効果が見られない、見込めないこのなかの生涯学習大学を再編として、構造改革の八つの視点を踏まえた事業見直し等の対象となったのか、まず疑問を感じております。突然記載されたなかの生涯学習大学再編は、区民に、そして議会にも衝撃を与えました。そこで伺います。なかの生涯学習大学の再編を構造改革の項目として上げた理由をお聞かせください。 所管が後づけと見られるように出されたことは、地域の担い手の育成を推進するなかの生涯学習大学でありました。それを受け、令和3年2月3日に陳情第2号、なかの生涯学習大学の再編についての陳情が区民から出されました。令和3年3月23日、全会一致で採択をされました。その後、なかの生涯学習大学の再編は、構造改革実行プログラムの個別プログラムとならず、事業見直しとして取り組む事項となりました。 令和3年10月6日、厚生委員会において、なかの生涯学習大学の再編の考え方についてが報告されました。区が区民と意見交換をしながら進めているものと思っておりましたが、違う方向に進んでいるようです。現状の分析、課題の確認、改善の方法など、ステップを踏まずに突然再編の考え方が示されました。なかの生涯学習大学に関係する方々と一緒に相談しながらつくり上げていくべきものであると考えます。陳情者の意向、区民の意向は取り入れられているのでしょうか。お聞かせください。 我が会派としても、これについては地域の担い手を育成するという区の勝手な都合で、区民の学ぶ場を奪っているようにしか見えないと考えております。変更する必要もないなかの生涯学習大学が構造改革の名の下に巻き込まれ、犠牲になっているとしか見えません。教育文化の観点からも、学びの大切さ、地域愛を持っていただくこと、まして交流の場であり、生きがいを見つける場、文字どおり生涯学ぶ場として、なかの生涯学習大学をなくすことなく、今までどおり継続していくべきと考えます。 今後、地域の担い手を区が求め、必要であるということは分かります。ですが、本来、区の都合で育成するというものではないと考えます。区は、地域で活動できるように受皿をつくる。そして、つないでいくことが重要であると考えます。なかの生涯学習大学のプログラムを通して、地域の担い手を育成するという考え方をなくし、仲間づくりの期間も考慮して、3年制のまま存続していくべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。 次に、地域開放型学校図書館について伺います。 平成29年5月に策定した中野区子ども読書活動推進計画(第3次)では、地域における子ども・親子読書活動を推進し、読書活動を通した子ども・親子ボランティア交流の地域拠点づくりや、放課後、学校休業日における子ども・親子の読書活動を通した居場所づくりを進めるため、地域開放型学校図書館の整備をしていくとしていました。 平成30年7月、新図書館及び地域開放型学校図書館等の検討に係る専門会議が設置され、地域開放型学校図書館の在り方と地域との連携などについて検討が進められ、その結果、同年12月に示されています。地域開放型学校図書館については、学校図書館に隣接する形で区立図書館の分室部分を設置することを基本に、学校開校中は区立図書館の分室のみ開館、土・日、祝日は学校図書館と併せて開館することが、教育課程とも整合しやすいとの見解が出されております。また、開館時間については9時から20時、蔵書数も3,000から5,000冊とされていました。 しかし、令和元年7月に設置された今後の図書館サービスのあり方検討会での議論を経て、令和2年1月に突然、地域開放型学校図書館の利用に係る一部見直し案が示され、開館時間の短縮と蔵書数2,000冊とする等の縮小案が示されました。このあり方検討会が出した結果に対して、どの立場になって物事を考え、結論を出しているのか疑問を感じております。開館時間を長く、蔵書数を増やすというなら、区民サービスの向上につながるのではないかと理解できます。しかし、開館時間を短く、蔵書数を減らすということは真逆の結果です。それを受ける区の体制にも疑問を感じております。職員の就労時間、予算で判断したのでしょうか。区民サービスを削ることに憤りさえ感じております。 この報告を受け、子ども文教委員会の議論となり、今後開設する3施設の運営状況などを検証して、今後の方向性を改めて確認することとなりました。中野区子ども読書活動推進計画(第3次)に基づき、令和3年4月20日、みなみの小学校、美鳩小学校、中野第一小学校にそれぞれ地域開放型学校図書館が開設されました。このような施設が身近な地域にあることは、子どもや乳幼児親子に加え、広く区民の利便性向上につながるものと考えます。新型コロナウイルス感染症の影響がある中においても、地域開放型学校図書館は乳幼児親子や小学生を中心に利用されているようです。 構造改革実行プログラム戦略Ⅲ、施設の在り方検討と適正な配置・管理では、今後の図書館の在り方の検討について記されています。地域開放型学校図書館を含む図書館の今後の方向性が検討をされているわけですが、以前のように方針がぶれ、突然計画が見直されることのないよう、しっかりと検討していただきたいと指摘をしておきます。 その上で、来年4月に新校舎が完成する令和小学校については、既に学校内に地域開放型学校図書館の整備が進み、令和3年度予算には開設準備のための予算も計上されております。また、令和3年3月、予算特別委員会子ども文教分科会の質疑では、教育委員会として令和小学校に地域開放型学校図書館を開設していきたいとの答弁がありました。 この令和小学校地域開放型学校図書館についても、方針が二転三転したことの影響を受け、図書館利用者、学校関係者、地域住民に不安を与えていることは間違いありません。方針を決定したのなら、様々な御意見を踏まえつつ、地域住民の方々と意見交換をするなどして、理解を得ながら進めていくべきと考えます。 区は、今後、地域開放型学校図書館について、開設した3施設の利用状況等、事業効果を検証していくとしていますが、既に計画的に施設整備や予算措置がされている令和小学校については、当初の予定どおり当然、地域開放型学校図書館を開設するものと考えていますが、区の見解をお聞かせください。また、今後、地域開放型学校図書館をどのように展開していくのか、併せて区の見解をお聞かせください。 以上でこの項の質問を終わります。 次に、児童・生徒一人一台貸与のタブレット端末の活用状況について伺います。 令和元年補正予算案への対応として、文部科学省から、義務教育段階において令和5年度までに全学年児童・生徒一人ひとりがそれぞれ端末を持ち、十分に活用できる環境の実現を目指すこととしていました。しかし、令和2年度補正予算において、令和5年度に達成するとされていた端末整備の前倒し支援として、文部科学省は一人一台端末の早期実現を通達しました。 これに対し、中野区は令和5年度までに全児童・生徒用のタブレット端末を貸与する予定であり、まず小学校5年生から中学校1年生用のタブレットを先に貸与するとしました。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、令和2年度補正予算案への対応について、改めて文部科学省より新型コロナウイルス感染症緊急経済対策において、一人一台端末の早期実現や、家庭でつながる通信環境の整備等、GIGAスクール構想におけるハード、ソフト、人材を一体とした整備を加速することで、緊急時においてもICTの活用により、全ての子どもたちに学びの保障ができる環境を早急に実現することとありました。 これに対し、中野区は新型コロナウイルス感染症対策として臨時休業になったこともあり、令和2年度中に補正予算を組んで、年度末までに小学校1年生から中学校3年生までタブレット端末を確保できるように準備を行いました。 この際、我が会派から、タブレット端末の貸与というハード面は進めても、肝心な中身、どのように使われていくのかというソフト面が見えていないと指摘をさせていただきました。その結果、活用できる学校、できない学校の格差があり、配るだけ配り、使われていない学校が存在したと聞いております。 区としても、この時期にネットワーク環境整備としては、校内LANを整備し、校内のアクセスポイントを増設したとありますが、その後、令和3年4月以降、全児童・生徒へのタブレット端末を貸与したところ、実際に使用すると容量が少なく、各クラスが一斉にインターネットにアクセスできる状況にはないものだったと聞いております。この通信環境で、授業で十分に活用することが困難であることは容易に想像できたと考えますが、全児童・生徒にタブレットを貸与することを最優先にするあまり、そのほかの整備が追いつかず、結果的には使い勝手の悪いものになってしまった気がいたします。 その後、新型コロナウイルス感染症が拡大したこともあり、緊急通信環境整備としてオンライン配信用に各学校にモバイルルーターを配備し、授業に活用していくとのことです。現状の各学校のタブレットの活用状況をお聞かせください。 幸い、緊急通信環境整備として配備されているものはモバイルルーターであり、移動も可能です。あえて移動というものを活用し、例えば外での体育の授業での活用や、小中連携授業での活用など考えられると思いますが、区の見解をお聞かせください。 そこで心配なのは、タブレットを使った授業の学級格差や学校格差です。先生によってはフル活用できる先生と、できない先生がでてきてしまうことを懸念しております。今後、新型コロナウイルス感染症の第6波、第7波が来た際に、オンライン授業にすぐ移れるように準備も兼ねて、中野区の全児童・生徒がクラス、学校に関わらず等しく受けられるよう早急に進めていくべきと考えます。今現状のクラスの格差、学校の格差は生じていないのかお聞かせ下さい。また、今後どのようにタブレット端末の活用を充実させていくのかお聞かせください。 第3回定例会での第6次補正予算において、DX推進担当の任期付職員を派遣会社により募集するとし、そのうちの2人を教育委員会に配置するとしています。教育委員会から要請したものではないと聞いています。DXを推進していくに当たり必要な人材であるかもしれませんが、しっかりと各部、現場と話し合いながら進めていくべきだったと考えます。果たしてどこが必要と考え要請したのか、どこが決めたのか分からない状況にあります。区の見解をお聞かせいただくとともに、2人の活用方法をどのように考えているのかお聞かせください。 所管の部局が知らず、政策として相談なしに進めようとしていることが散見されています。実現性を求めるのであれば、筋の通る進め方をすべきであると考えます。立案の内容よりも進め方に問題があると指摘をさせていただき、この項の質問を終わります。 その他として、桃園第二小学校拡張用地取得について伺います。 令和3年度第7次補正予算で、子ども教育施設整備費が出されました。当初予算の増額によるものということですが、令和3年度当初予算書に拡張用地取得の項目がなく、学校再編等に伴う小・中学校施設整備のうち、物品移送、事務費等に含まれていることが分かりました。学校の拡張用地取得は大きな政策的課題であり、議会にも報告せず、予算に含まれ取得しようとしていたことになります。予算書の記載の仕方もそうですが、勝手に進めようとしていたのではないかと思ってしまいます。なぜ説明もなく、予算書にも載せなかったのか、区の見解をお聞かせください。 また、桃園第二小学校だけ拡張用地を取得しようとしているのに疑問を感じております。学校の拡張用地取得において取得する基準があるのか。また、ほかの学校は拡張用地取得を予定しているのか、お聞かせください。 幾つかの質問をさせていただいたとおり、施策立案がトップダウンのものは後づけで内容を構築していく進め方、また、報告、相談することなく進めようとしているものなど、幾つか目につくようになってきております。今後、施策立案において十分に配慮して進めていただくことを強く要望し、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 若林議員の御質問にお答えいたします。 1点目、子育て先進区の実現に向けた施策です。 子育て先進区の実現は、組織横断的かつ重点的に取組を進めていくことが必要な政策課題であり、基本計画における重点プロジェクトの一つとして設定をしております。重点プロジェクトの内容として、子どもと子育て家庭に対するセーフティネットの強化、子育て・子育ち環境の整備、地域全体で子育てを応援するための体制の整備を掲げておりまして、保護者の育児不安の解消につながる子育てサービスや相談支援の充実、子どもの経験・体験・学びの機会の確保、子育てひろばや児童館、キッズ・プラザ、中高生向け施設など、子どもの成長に合わせた多様な居場所づくりなどを進めているところでございます。 次に、子育て先進区の成果についてのお尋ねでございます。直近の数値はまだ公表されておりませんが、東京都人口動態統計によりますと、中野区の合計特殊出生率については、2019年現在0.93となっております。また、2015年の国勢調査によりますと、区内のファミリー世帯の割合は約2割となっております。これまでの3年間は子育て先進区の実現に向けた基礎づくりとして、子どもの貧困対策に係る考え方の取りまとめや、それに基づく生活支援の充実、(仮称)中野区子どもの権利に関する条例の検討、新型コロナウイルス感染症による生活環境の影響への対策などに取り組んでまいりました。さらに、子育て家庭と区長のタウンミーティングでの要望が多かった一時預かりの拡充や区立公園の原則禁煙化などを実現してきたところでございます。 次に、政策決定過程のプロセスについてでございます。政策決定を行うに当たっては、庁内で議論を重ねるとともに、議会や区民への積極的な情報提供を果たすため、可能な限り早期の段階から課題や検討状況をお示ししてきたところでございます。今後も議会との議論や区民への情報提供を行う際には十分に現状を分析し、課題を整理した上で、政策決定までの過程や客観的な根拠を示すように努めていこうと考えております。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私からは、まず令和小学校の地域開放型学校図書館開設についてお答えをいたします。 地域開放型学校図書館については、利用人数、貸出し冊数等の実績や、8月から9月にかけて実施した利用者アンケートの意見などを基に検証を進め、教育委員会でも議論を進めているところでございます。令和小学校につきましては、地域開放型学校図書館の検証結果により、その方向性を示したいと思っております。 次に、今後の地域開放型学校図書館の展開についてでございます。利用状況等を見ますと、乳幼児親子や小学生の利用が多く、蔵書についても十分活用されておりますが、蔵書数の少なさや学習調べ物への対応に課題があるという声もございます。それらも踏まえ、区立図書館全体の配置、在り方については、構造改革実行プログラムにおいて検討することとしております。今後、地域開放型学校図書館の展開についてもその中で決定してまいります。 次に、児童・生徒一人一台貸与のタブレット端末の活用状況についての御質問です。 まず、現在のタブレット端末の活用状況ですが、今年度、全小・中学校は、ICTの活用に関する指導について計画を作成し、授業で計画的に活用しております。特に小学校高学年や中学生の授業においては、児童・生徒相互の意見を共有したり、様々な動画を資料として学習を進めたりするなどの場面で活用されております。また、9月に行った調査では、各学校は登校していない児童・生徒の実態に合わせて、Google Meetで授業配信を行ったり、Google Classroomで学習の指示を出したり、質問を受けたりするなど、タブレットを効果的に活用していることが確認できました。 次に、モバイルルーターと配信用タブレットの活用についてです。モバイルルーター配備の第一の目的は、今後、新型コロナウイルス感染症が拡大した際に、Google Meetを活用した授業配信を滞りなく行うことでございます。一方、新型コロナウイルス感染症の拡大が落ち着いている状況においては、校庭や体育館での授業や行事等で活用したり、校外学習などで校外に持ち出し、活用したりすることも考えられております。また、小中連携の連携校同士でモバイルルーターを持ち寄り、複数の学年にまたがってタブレット端末を活用した授業を行うことで、中学校における新たな取組を生み出すきっかけをつくることもできると考えております。 次に、今後のタブレット端末の活用についてです。学校間で活用状況に大きな差は見られないものの、各校にICTを苦手と考えている教員が存在している状況は把握しております。各学校でのICT教育リーダー教員を中心とした校内研修や、リーダー研修会で学校間の情報共有、ICTに関する研究校の実践の共有化に加え、今後、教員一人ひとりのスキルに合わせて選択できる研修を行うことを通して、タブレット端末の有効活用をさらに進めてまいります。 次に、その他の中の桃園第二小学校拡張用地の取得についてです。 本件につきましては、拡張用地取得に向けた所有者との交渉過程であったため、予算説明書においては、用地購入費や建物補償費に関する予定額を直接的に示さない表現としていたものでございます。しかしながら、今年度当初予算案の審査時におきましては、質疑の中でより丁寧な説明を行うなどの工夫はできたのではないかと考えております。今後同様の案件があった際には、十分に議会と調整を行いながら進めてまいります。 最後に、学校敷地の拡張についてでございます。学校敷地の拡張用地取得に関しての基準や取得計画は特に設けてございません。現在、多くの区立小・中学校において敷地が手狭な状況となっていることから、学校敷地に隣接した土地の所有者に売却の意向がある場合などにおいては、学校敷地の拡張に取り組んでいきたいと考えております。 〔地域支えあい推進部長角秀行登壇〕 ○地域支えあい推進部長(角秀行) 私からは、なかの生涯学習大学についてお答えいたします。 初めに、構造改革の検討項目になった理由についてでございます。地域包括ケアシステムを推進するため、地域で様々な活動を担う団体や人材への支援が急務となってございます。また、人生100年時代にあって、シニア世代の活躍支援のニーズは多様化してきております。こういった状況を受け、これまでなかの生涯学習大学が担ってきた生涯学習を支援する機能と、地域での活躍を応援する機能がそれぞれ多様なニーズに応じて効果的に機能するよう、再編することにより充実を図ることを目的といたしまして、令和元年度から検討を進めてまいりました。こういった経緯を踏まえ、令和3年度の予算編成において、構造改革の八つの視点のうち、公民役割分担の明確化等に該当する検討項目としたものでございます。 次に、再編の考え方への区民意見の反映についてでございます。再編の考え方につきましては、なかの生涯学習大学の在校生や卒業生の状況や課題、中野区基本構想や基本計画等を踏まえつつ、中野の生涯学習大学の目的を効果的に達成できるよう検討したものでございます。また、2月に開催いたしました説明会や陳情審査の際に伺った陳情者の方々の意見のほか、地域で広域的な活動をしている団体の意見等も踏まえて検討を行ってきております。今後も、なかの生涯学習大学の在校生、卒業生をはじめ、広く区民の皆さんに意見を伺いながら検討を進めてまいります。 最後に、地域の担い手を育成する考えをなくすことについてでございます。区といたしましては、再編によって生涯学習を支援する機能と、地域での活躍を応援する機能をそれぞれ充実するとともに、受講者の意向に応じて選択できる仕組みを導入することを基本として、再編の考え方をまとめてございます。また、現在のなかの生涯学習大学の目的を踏襲することとしており、地域で活動したいという方の地域デビューや活躍を応援する機能を充実し、地域への主体的参加の促進を図っていきたいと考えております。令和4年度に予定しております学識経験者を交えた検討会において、学びを通じて地域への主体的な参加の促進が図れるよう、仲間づくりを支援する手法やカリキュラムとともに、学びの期間について今後具体的な検討を進めてまいりたいと考えてございます。 〔総務部長海老沢憲一登壇〕 ○総務部長(海老沢憲一) 私からは、児童・生徒一人一台貸与のタブレット端末の活用状況につきましてのうち、学校教育課に配置するDX推進担当の任期付職員についてお答えいたします。 DX推進を担当する任期付職員の募集に当たりましては、職員課は情報システム課や学校教育課と協議を行い、それぞれの意見や現在の職員配置の状況を勘案した上で、学校教育課にもITスキルの高い即戦力の職員が必要と判断いたしまして、予算要求や募集手続を行ってきたものでございます。採用予定数の人員を確保できた場合には、学校における各種情報システムやネットワーク環境の管理運用に関する業務に活用していく予定でございます。 〔若林しげお議員登壇〕 ○22番(若林しげお) 再質問を2点させていただきます。 先ほど区長から御答弁いただいた子育て先進区による成果の中に、子どもの貧困対策とか、あと権利条例に関するものとか、一時預かりの拡充、また区立公園の原則禁煙化など含まれておりましたが、これは子育て先進区に当たるものとは考えがたい。子育て先進区としてどんな成果を上げたのか。これは、ほかの自治体も同じようにやっていることであると思っているんですが、そこの御答弁をもう一度お願いできればと思います。 あと、生涯学習大学について、いみじくもなかの生涯学習大学の在校生、卒業生をはじめ、広く区民の皆さんの意見を伺いながら検討を進めていくという答弁をいただきました。その中でまた、学識経験者を交えた検討会というものを行っていくお考えとありますが、先ほど御答弁いただいた皆さんの意見を伺いながら、検討を進めていくということをしっかりとやっていただきたいと思いますので、もう一度そこの御答弁をいただければと思います。よろしくお願いします。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 若林しげお議員の再質問にお答えします。 子育て先進区について、条例の検討や貧困対策の調査、そして一時預かりの拡充、区立公園の原則禁煙化など、これは他区でもやっているというような御指摘だったと思いますけども、この子育て先進区というものは重点プロジェクトの内容として掲げておりまして、子どもと子育て家庭に対するセーフティネットの強化、子育て・子育ち環境の整備、地域全体で子育てを応援するための体制の整備ということで重点的に取り組むということで、その中できめ細やかな数々の施策を打っていくということで、先ほど例に挙げたものでございます。今後についても、その重点プロジェクトの内容に従って進めていく次第でございます。 〔地域支えあい推進部長角秀行登壇〕 ○地域支えあい推進部長(角秀行) 再質問にお答えいたします。 再編の考え方への区民意見の反映についてでございます。なかの生涯学習大学の再編につきまして区議会に報告するとともに、在校生、卒業生をはじめ広く区民の皆様とも意見交換等、意見を伺いながら検討を進めてまいります。 ○副議長(酒井たくや) 以上で若林しげお議員の質問は終わります。
中野区議会議員 南 かつひこ 1 西武新宿線連続立体交差事業と沼袋駅周辺まちづくりについて 2 中野区区有施設整備計画について (1)北部すこやか福祉センターの建替えとその課題について (2)障害者福祉会館の移転とその課題について (3)地域公共交通ネットワークでの不便性の解消について (4)その他 3 空家対策について 4 成年後見制度の充実について 5 買物弱者支援における公営住宅での移動販売について 6 その他
○副議長(酒井たくや) 次に、南かつひこ議員。 〔南かつひこ議員登壇〕 ○36番(南かつひこ) 令和3年第4回定例会において、公明党議員団の立場から一般質問を行います。区長並びに理事者におかれましては、明快で前向きな御答弁をお願いいたします。 質問は通告の順番で行います。なお、6のその他はございません。 初めに、西武新宿線連続立体交差事業と沼袋駅周辺まちづくりについて伺います。 初めに、西武新宿線連続立体交差事業について伺います。西武新宿線中井駅・野方駅間連続立体交差事業の事業認可の変更については、令和2年6月8日の建設委員会で、6月12日には交通対策調査特別委員会で報告がされました。事業施行期間の変更としては6年延伸され、変更後の期間は平成25年4月1日から令和9年3月31日までとなりました。変更理由としては、事業用地の取得の遅れとのことでした。以前の確認段階では、連続立体交差事業に関わる事業用地の取得については、面積ベースで9割の権利者の協力が得られているとのことでありました。期間の延伸が報告されてから1年半ほどたちますが、現在での事業用地の取得状況はどのような状況であるのかを伺います。 事業用地の取得の遅れに伴って、工事も必然的に遅延が生じていると思われますが、沼袋駅、新井薬師前駅の工事状況については、駅利用者や駅周辺の居住者の関心も高くなってきています。沼袋駅と新井薬師前駅の地下駅部については開削工法により進められているところですが、開削工事を行う範囲としては、沼袋の駅部では沼袋第1号踏切の西側から氷川神社の東側までとなっており、新井薬師前駅の駅部では駅西側の哲学堂通り付近から駅東側の上高田中通り付近までとなっています。現在での沼袋及び新井薬師前の地下駅部の進捗状況はどのようになっているのか。また、シールド工事も今後始まると思われますが、どのような段階でシールド工事が始まるのかと、併せて工事状況について伺います。 西武新宿線中井駅・野方駅間連続立体交差事業により創設される鉄道上部空間の活用整備については、10月11日に開催された中野駅周辺整備・西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会で報告がありましたが、総延長2.4キロの連続立体交差事業区間のうち、上部空間の活用を検討する範囲等については、今後、東京都、西武鉄道株式会社と協議・調整を行っていくとの内容にとどまった状況でありました。 公共の用に供する施設の設置において、都市における道路と鉄道との連続立体交差化に関する要綱及び同細目要綱において、高架下貸付可能区域のうち、15%は地方公共団体が公租公課相当分として公共の用に供する施設の設置ができる旨が定められています。鉄道上部における公共の用に供する施設の設置については、15%の確保を基本として検討していくことになりますが、中野区としての上部利用可能区域の特定など、今後どのように進めていかれるのかを伺います。 鉄道上部の活用については、かつて我が会派で小田急電鉄の地下化事業で下北沢まちづくりを視察に行ってきましたが、上部活用では駅ビルや様々な商業施設などが整備されており、とても興味深く参考となりました。鉄道上部の活用をする際には、商業施設などを整備するに当たっては、どの程度の荷重制限が必要であるかを把握に努めなければなりません。上部活用の検討を進める上で荷重制限がどのように影響すると考えているのかを伺います。 駅部の上部については、西武鉄道からは駅ビルについての考え方はいまだに示されておりません。特に沼袋駅の上部は広い面積を保有しており、沼袋駅周辺の玄関口となる場所です。新井薬師前駅をはじめ、沼袋駅の駅部の上部空間には駅ビルがなくてはならないと考えます。鉄道上部空間の駅部はその活用が特に重要になってきますが、どのような活用方法を検討していくのかを伺います。また、中野区として駅ビルの整備を西武鉄道に働きかけるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 次に、沼袋駅周辺まちづくりについて伺います。初めに、区画街路第4号線の拡幅事業について伺います。平成29年8月の事業認可以降、交通広場部分の第Ⅰ区間での用地取得を先行してきましたが、令和元年8月より新青梅街道から南へ105メートルの第Ⅱ期区間の手続保留を解除して用地交渉を進めて、さらに土地収用法に基づく手続を保留していた第Ⅲ期、第Ⅳ期区間の約350メートルを令和2年8月12日付で解除して用地交渉を進めてきています。 現在の区画街路第4号線の第Ⅱ期区間から第Ⅳ期区間の間は約455メートルあり、各区間での用地取得に至るまでの進捗を伺うとともに、各区間における権利者との契約件数、また、建物調査である物件調査の進捗状況を伺います。沼袋駅南側から妙正寺川に至る2,800平米となる交通広場の整備については第Ⅰ期区間に当たりますが、その交通広場整備の権利者との契約件数や物件等調査の進捗状況を伺います。 区画街路第4号線の拡幅事業では、用地交渉の中野区の担当部署も増員して地権者との合意形成に力を注いできたことで、用地取得がかなり進んできているとのことですが、今後、各地権者で建て替えが進むにつれて課題となるのが、用地取得によって更地になって虫食い状態になってくることです。仮に先行して建て替えたとしても、4メーターセットバックして建て替えることになるため、商店街の店舗の並びに凹凸が生じてきます。区画街路第4号線の拡幅事業での用地取得過程における更地での虫食い状態や、商店街の店舗の並びの凹凸などの課題に対して、商店街機能の維持と活性化策についてどのように考えているのか区の見解を伺います。 次に、沼袋駅北側地区の駅前拠点空間整備について伺います。令和7年度に区画街路第4号線の整備事業が完成予定となっており、令和8年度には中井駅・野方駅間の西武新宿線連続立体交差事業が地下化事業として完成予定となっています。沼袋駅北側地区の駅前拠点空間整備は、駅前のにぎわい拠点空間整備のため、建物の共同化や再開発による街区の再編を行うものであり、また、沼袋駅周辺の顔となるまちづくり事業となっていくものと考えます。区画街路第4号線の整備事業と重なる部分があるなど複雑な要素を備えた区画でありますが、現在での駅前拠点空間整備の進捗状況について伺って、この項の質問は終わります。 次に、中野区区有施設整備計画について伺います。 初めに、北部すこやか福祉センターの建て替えとその課題について伺います。中野区区有施設整備計画では、旧沼袋小学校跡地に北部すこやか福祉センターを移転させ、整備することが示されています。旧沼袋小学校跡地の一帯は第一種低層住居専用地域となっており、用途地域による制限がかかることになります。建物を建てるに当たっては、延べ床面積として600平米以内とされており、地域住民からの地域の静閑さを遵守することなどが建築審査会などで審査され、手続にのっとって許可された場合には、特例として延べ床面積の増加が認められる場合もあるようですが、簡単に許可されることでもありません。かなり厳しい用途制限がかかってくるために、延べ床面積としては600平米以内となってきます。現在の北部すこやか福祉センターの延べ床面積は1,080平米であり、旧沼袋小学校跡地での建て替えとなれば、かなり規模を縮小した建物にせざるを得なくなります。 現在の北部すこやか福祉センターの機能では、子育てに関する相談や保健・福祉に関する相談、地域のネットワーク活動、障害者相談支援事業所の機能、離乳食等の講座や講習会の開催、乳幼児健診の実施、さらには包括支援センターなど多岐にわたる事業が実施されていますが、延べ床面積が600平米以内となった場合には、事業の選別や縮小を考えなくてはならないと思いますが、いかがでしょうか。伺います。 現在の北部すこやか福祉センターの用途地域も第一種低層住居専用地域となっています。用途制限や交通の利便性の観点からすれば、同条件での現地での建て替えが十分に可能であると考えます。現地での建て替え期間には、旧沼袋小学校跡地で北部すこやか福祉センターの仮設施設を整備して、現地建て替えでの方針に見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 次に、障害者福祉会館の移転とその課題について伺います。障害者福祉会館は、現在の保健所が教育センターでの合同庁舎での整備がされた後、現在の保健所の位置で障害者福祉施設等との複合施設として整備される計画となっています。障害者福祉会館が移転した後には、区民活動センターの機能のみが残ることになります。中野区区有施設整備計画には、障害者福祉会館の移転後の施設の活用法などは明記されておりませんが、区としてどのような方針を持っておられるのかを伺います。 現在の障害者福祉会館の用途地域は近隣商業地域となっており、用途制限もかなり緩和され、幅広い建築物の用途が可能となります。また、障害者福祉会館に接する沼袋商店街通りは区画街路第4号線の整備が進められており、令和7年度の完成予定でおおむね6メーターの道幅が14メーターに拡幅されることになっています。さらに、平成29年5月に策定された西武新宿線まちづくり推進プランには、障害者福祉会館並びに沼袋区民活動センターは築37年、現在では築42年が経過しており、また、施設の使い勝手も十分ではないことから、周辺区有施設の再編も踏まえながら、将来の建て替えや改修の検討を進め、沼袋北部の拠点としての有効活用を図りますとあります。近隣商業地域であり、拡幅事業による商店街の活性化や沼袋北部の拠点としての有効活用など総合的な観点から考えれば、障害者福祉会館の建て替え時には北部すこやか福祉センターや地域包括支援センターを含めた複合施設として整備すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 次に、地域公共交通ネットワークでの不便性の解消について伺います。中野区区有施設整備計画で示された施設の配置において、高齢者やお子様連れの方々にとっては交通の利便性を欠き、使い勝手の悪さなど、各区有施設へのアクセスの課題が見受けられます。特に旧沼袋小学校跡地に整備される予定の北部すこやか福祉センターがそれに当たると考えます。交通の手段を考えると、江古田地域や江原町地域からはアクセスする手段がありません。地域公共交通ネットワークによる不便性の解消のため、中野区区有施設整備計画に明記されているモビリティーの確保、移動の利便性の確保として、どのような施策を考えられているのかを伺って、この項の質問は終わります。 次に、空き家対策について伺います。 空き家の定義については、中野区の条例である空家法には特段明記はされていませんが、空家等対策の推進に関する特別措置法の第2条1項には、「この法律において「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国または地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。」と定められています。空き家と認定するに当たっては、特別措置法で定める空き家の定義に基づくことは当然のことながら、中野区としての空き家を認定する基準とはどのような条件を当てはめて判定されているのかを伺います。また、中野区内での現在の空き家の総件数はどのくらいあると認識されているのかを伺います。 中野区の平成29年3月に報告のあった空き家実態調査では、852棟の空き家があると報告されています。現在、中野区では空き家の実態を分析するに当たって、4段階のランク分けをしていると聞いていますが、そのランク分けの基準を伺うとともに、空き家を解消するために各ランク分けにおいて区はどのような対応をされたのかを伺います。また、その際、空き家の利活用についての事例はあるのかどうか伺うとともに、空き家の利活用についての考え方を伺います。 今年の3月に東京都耐震改修促進計画が、都民の生命と財産を保護するとともに、首都機能を維持するため、建築物の耐震化を計画的かつ総合的に促進することを目的として一部の改定がなされました。 主な改定項目の一つに、戸建ての住宅等に対して老朽化の進行を踏まえ、除却による耐震化を積極的に促進するとともに、区市町村による所有者への積極的な働きかけをさらに推進との方針が示されて、除却による耐震化について、防災都市づくり推進計画における整備地域以外も助成対象に加えるとされました。一部改定された東京都耐震改修促進計画を踏まえれば、戸建て住宅等の除却にも適用できることになると考えます。この改定された制度を活用することで中野区の空き家問題の解決につながると考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問は終わります。 次に、成年後見制度の充実について伺います。 成年後見制度は、2000年に介護保険制度とともにスタートした制度です。判断能力が不十分な方々を法的に保護し、支援していくとても重要な制度ですが、介護保険制度に比べるとまだまだ知られておらず、周知方法に課題があると考えます。中野区では、これまで区報で成年後見制度の特集記事として、2009年9月5日号で1ページ掲載されたのみで、その後は一度も特集として掲載されたことはありません。今後、成年後見制度の必要性がますます高まっていくように啓発活動に力を注いでいかなくてはなりません。 今年の10月に中野区成年後見制度利用促進計画が策定されました。成年後見制度の充実に向けて大きな一歩を踏み出したと評価しております。中野区成年後見制度利用促進計画の策定を機に、成年後見制度の周知について区報での掲載や、成年後見制度に関わる講座などの際には、SNSを活用して積極的に広報に努めるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 中野区成年後見制度利用促進計画では、中核機関と協議会の設置が盛り込まれています。中核機関とは、中野区と成年後見支援センターで構成され、地域連携ネットワークの推進及び相談から成年後見申立て支援、後見人支援等を行うと明記されています。また、協議会では専門職、地域団体、関係事業所等が区の成年後見制度利用促進について協議、検討するとしていますが、この協議会の具体的な構成メンバーとはどのように考えているのかを伺うとともに、障害者の被後見人の障害年金については、専門家である社会保険労務士に担当していただく必要を考えれば、協議会に社会保険労務士会も入れるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 現在、中野区では、市民後見人の養成に力を注いでいるところです。市民後見人の受任については、19名の方が受任経験者となっており、現在10名の方が後見活動をされていると聞いています。市民後見人を目指す方には、会社をリタイアされた方や主婦の方なども多いと聞いていますが、志望動機としては社会に貢献したいとの思いが強くあると思います。市民後見人は、基本的にはボランティア精神で行うことが基本であると思いますが、後見人業務を受任するという責務と今後の担い手不足の解消を考えたならば、後見業務に関わる交通費などの実費を含めてプラスアルファの報酬制度もつくる必要があるのではないかと、これまで議会でも提案をしてきましたが、現状での報酬制度についてどのようになっているのかを伺います。 成年後見人等の報酬に関わる費用助成の報酬助成金は、中野区社会福祉協議会の成年後見人等報酬費用助成事業実施要綱では、助成対象者に支払われるようになっています。身上保護のみの支援の場合には、助成対象者から、助成金は私に支払われているものであるから、後見人である専門職に支払う必要がないなどのトラブルも起こり、報酬助成金の支払いを拒否されるケースも出てきています。そのようなケースを回避するために、大田区や板橋区では助成事業の運用を見直し、報酬助成金を後見人等に直接支払われるようになっています。中野区でも報酬助成金の支払い先を後見人等へと要綱を変更して見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問は終わります。 次に、買い物弱者支援における公営住宅での移動販売について伺います。 中野区における都営住宅や公社住宅、そして区営住宅は築年数がかなり経過しているところが多くあり、必然的に居住者の高齢化が問題となってきております。中でも買い物に行きたくても遠くて行けなかったり、行けたとしてもたくさんの買い物だと持って帰るのが難しいなどの課題があります。このように公営住宅では、いわゆる買い物弱者への支援が重要となってきています。現在、東京都では都営住宅における買い物弱者支援事業を実施しており、日常の買い物が困難な買い物弱者への支援策として、区市町と連携して団地内でのスーパーなどの移動販売サービスを提供しています。 買い物弱者支援事業は、東京都と区市町とが協定を結び、東京都は公営住宅での場所を提供して、区市町では事業者の選定を行うという仕組みになっており、現在では足立区、板橋区などの7区と多摩市、八王子市、三鷹市などの6市で39か所の公営住宅での移動販売サービスが実施されています。 移動販売サービスには、直接品物を見たり、手に取ったりできる利点があり、配達支援や買い物ボランティアなどの支援ではカバーできないこともできます。中野区でも東京都と協定を結び、区内事業者を選定することで買い物弱者支援事業を実施できると考えますが、区の見解を伺います。 また、買い物弱者支援事業では東京都の補助金の活用もできるとのことですが、補助対象となる条件はどのような場合に交付されるのかを伺います。また、商店街の活性化の観点による区内商店街へ制度の周知を積極的に行うべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。 公営住宅での移動販売の取組は、買い物支援だけでなく見守りの支援にもつながると考えます。公営住宅では、一人暮らし高齢者や高齢者のみ世帯も多いことから、買い物弱者支援が見守り支援も併せた重層的な取組になると考えますが、いかがでしょうか、伺います。 買物弱者支援は、場所の提供だけでなく、福祉支援の要素を含めて、今後、関係部署とも連携をして重層的に取り組んでいく必要があると考えますが、いかがでしょうか。伺って、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 南議員の御質問にお答えいたします。 初めに、西武新宿線連続立体交差事業の用地取得状況についてでございます。 東京都によると、西武新宿線の中井駅から野方駅間の連続立体交差事業の進捗状況については、事業に必要な土地について現在、面積ベースで9割を超える権利者の協力を得られた状況であり、引き続き用地未取得箇所については早期の取得を目指すとのことでございます。 次に、立体交差事業の工事状況についてでございます。駅部では可能な箇所から工事を進めており、沼袋駅では地下構造物を構築するための仮設土留め工事や線路を仮受けするための工事桁の仮設工事が段階的に進んでおり、新井薬師前駅では地下構造物の構築に先立つ掘削工事等を進めていると聞いております。シールド工事につきましては、新井薬師前駅及び沼袋駅の掘削工事等が進捗した後にシールドマシンを発進する予定であると聞いております。 続きまして、鉄道上部空間の活用検討の進め方についてでございます。鉄道上部空間の活用検討は、区と都、西武鉄道株式会社、三者によって鉄道施設以外の利用が可能な区域を特定することから始める必要があります。鉄道施設以外の利用が可能な区域につきましては、来年度に設置を予定している会議体において、区と都による公共利用を求める区域のほか、西武鉄道株式会社にまちづくりと連携した土地利用を求める区域、そして、地域貢献に資する利用を求める区域、独自で資産運用を図る区域の特定を行い、その区域の性質に応じて適宜区民意見を収集しながら、鉄道上部利用の検討と協議、調整を進めてまいります。 また、鉄道施設への荷重制限は上部利用の大きな制約になるため、鉄道施設と上部利用施設の両立を可能とする構造検討を並行して行いながら、有効かつ実現可能な鉄道上部空間の活用方針をまとめてまいります。 次に、沼袋駅周辺の活用検討についてでございます。沼袋駅前は、西武新宿線沿線まちづくり整備方針において、にぎわいの核となる中心的な商業地等とするため、建物の共同化や再開発等による街区再編の推進を掲げております。沼袋駅周辺の鉄道上部空間の活用につきましては、それらのまちづくり整備方針と連携した土地利用を西武鉄道株式会社に求めていきたいと考えております。 続きまして、Ⅰ期区間からⅣ期区間の進捗についてでございます。現時点におけるⅠ期区間の権利者ベースでの契約件数は16件で、物件等調査の進捗率は約70%です。以下、Ⅱ期区間は2件で約61%、Ⅲ期区間は2件で約43%、Ⅳ期区間は3件で約15%となっております。今後も沿道権利者の方々の気持ちに寄り添う姿勢を示し、事業に御理解をいただいた上で用地取得交渉及び物件等調査を進めてまいります。 続きまして、事業期間中の商店街活性化についてでございます。区画街路第4号線では、商店街の機能維持等に配慮し、各区間ごとに時期を分け、用地取得交渉を展開しておりますが、今後の用地取得の進捗によっては、道路用地としての空地が点在していく可能性もございます。この状況に応じて、事業期間中の商店街の活性化や新たなにぎわい創出につきましては、権利者を含めた地域住民や各商店街の意向、道路用地の一時的な活用の可否も確認しながら、丁寧に事業を進めていきたいと考えております。 次に、沼袋駅前の拠点空間整備についてでございます。沼袋駅北側地区の地権者を対象としたまちづくり勉強会を平成30年度より開催しております。今後も勉強会を継続すると同時に、勉強会の内容や開催についても工夫を行いながら、まちづくりへの機運醸成や理解促進に努めてまいります。併せて上部空間等の検討と情報共有を図り、お互いに連携しながら駅北側の整備内容に反映してまいります。 続きまして、北部すこやか福祉センター建て替えに伴う課題についてでございます。本年10月に策定した中野区区有施設整備計画では、北部すこやか福祉センターを沼袋小学校跡地に移転整備し、移転後の跡地は売却するものとしております。建築基準法上、すこやか福祉センターは第一種低層住居専用地域では床面積が600平米以下とされているため、制限された面積を超えて建築する特例許可を受ける必要があると認識をしております。本施設をこの地域に整備する必要性や、周辺環境への配慮などを丁寧に説明して地域住民の御理解をいただきながら、すこやか福祉センター建て替えについて検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、北部すこやか福祉センターの現地建て替えについてでございます。現在の土地も第一種低層住居専用地域でございまして、現地建て替えには建築基準法上、旧沼袋小学校跡地と同様の制約があるため、特例許可を受けることが必要となります。また、周辺道路敷地との高低差のある形状や、仮設施設にした場合、2回にわたる移転が必要であることなどを踏まえて、旧沼袋小学校跡地への移転を計画しているものでございます。 続きまして、障害者福祉会館移転後の跡地についてでございます。現在の障害者福祉会館は築42年となり、10年以上先となる移転の時期には建物の更新が必要となります。併設の沼袋区民活動センターを現地で建て替えることを想定しておりますが、更新の時期には区画街路第4号線の整備が進んでいることが見込まれるため、まちづくりやにぎわい創出の観点も含め、有効活用を検討してまいります。 次に、北部すこやか福祉センターの移転先についてでございます。北部すこやか福祉センターは建物の更新時期を迎えており、障害者福祉会館の移転を待つことなく建て替えを行う必要がございます。区有施設整備計画で示したとおりに、北部すこやか福祉センターは沼袋小学校跡地に整備することで検討を進めてまいります。 最後に、区有施設への交通手段についてのお尋ねでございます。区有施設の再編に当たっては、モビリティー、この移動の利便性の確保や交通アクセスなどの観点も含めて検討する必要があると考えております。区内の駅やバス停から施設までのラストワンマイルを安全かつ円滑に移動するための手段や工夫について、沼袋小学校跡地をはじめ今後の施設整備における検討課題としてまいります。 〔都市基盤部長奈良浩二登壇〕 ○都市基盤部長(奈良浩二) 私からは、空き家対策についての御質問にお答えをいたします。 まず初めに、具体的な空き家の判断基準についての御質問でございます。空家等対策の推進に関する特別措置法第二条第1項による空き家の定義は、「居住その他の使用がされていないことが常態であるもの」とされておりまして、直近1年間住居への人の出入りがなく、電気、ガス、水道等ライフラインの使用状況が外観目視等におきまして確認されていない状態のものと考えてございます。 次に、現在の空き家の総数についての御質問でございます。11月1日時点で区が把握する空き家の総数は609棟でございます。 次に、空き家のランクごとの対応についての御質問でございます。ランクA、Bの管理状況が比較的よい空き家等に関しましては、管理不全とならないよう所有者に対しまして適正管理の啓発や不動産市場での利活用を促すため、民間と連携した専門家による空き家相談窓口等へ誘導しているところでございます。ランクC、Dの建物自体に損傷が見受けられ、管理状況に課題がある空き家等に関しましては、ランクA、Bと同様の対応に加えまして、土地や建物の登記簿などによりまして所有者を特定し、管理不全に陥らないよう適正な管理を促すとともに、関係部署と連携しながら除却などに向けた相談指導を行っているところでございます。 次に、空き家の利活用についての御質問でございます。これまで中野区のような都市部における空き家につきましては、おおむね不動産市場で流通をしておりまして、過去に所有者から区への利活用の相談があった案件に関しましては、立地条件等に課題があり、利活用できる案件ではなかったため、区が管理をし、利活用につながった事例はございませんでした。空き家の利活用につきましては、令和3年度より開設をしました空き家総合相談窓口における専門家の相談体制の整備によりまして、不動産市場での流通を促すことを基本としてございます。所有者から区へ利活用の相談等があった際には、空き家の状態を確認し、利活用できるかどうか検討をしてまいります。 次に、木造住宅耐震化事業の活用についての御質問でございます。現在改定された東京都耐震改修促進計画を踏まえ、中野区耐震改修促進計画の一部改定作業を行っているところでございます。その中で木造住宅の耐震改修促進事業の対象範囲の見直しを検討しているところでございます。今後は、空き家であっても昭和56年以前の旧耐震基準の住宅で、耐震診断を実施した場合は、助成事業の対象になると考えてございます。 〔健康福祉部長岩浅英樹登壇〕 ○健康福祉部長(岩浅英樹) 私からは、成年後見制度の御質問に対してお答えをいたします。 初めに、積極的な広報についてでございます。来年度は、中核機関の立ち上げや協議会の設置等、成年後見制度の利用支援に関する取組を充実させることから、適切な時期に効果的な周知ができるよう積極的に取り組んでまいります。 次に、協議会の構成員についてでございます。協議会は、区の成年後見制度利用促進の方向性や関係団体及び関係機関における連携の在り方等を協議するもので、社会保険労務士も含め、専門職や成年後見制度に関する団体から広く委員を推薦いただく考えでございます。 次に、市民後見人に対する報酬でございます。市民後見人に対する報酬は、専門職後見人の場合と同じく、家庭裁判所がその額を審判により決定し、被後見人等が支払うことになっております。被後見人等が成年後見人等への報酬費用を負担することが困難である場合、区では被後見人等に報酬費用を助成する制度を設けているものでございます。 報酬助成を後見人等に直接支払うことについてでございます。報酬助成は、報酬を支払うことが困難な方に助成をするものでございまして、直ちに後見人等に報酬を支払うことは難しいと考えております。これまで区内で報酬の支払いに関するトラブルについては承知しておりませんけれども、他区等のトラブルの状況なども踏まえまして、必要に迫られることがありましたら、改めて検討をしてまいりたいと考えております。 〔地域支えあい推進部長角秀行登壇〕 ○地域支えあい推進部長(角秀行) 私からは、買い物弱者支援におけます公営住宅での移動販売についてお答えいたします。 初めに、都の買い物弱者支援事業についてでございます。都の都営住宅における買い物弱者支援事業は、都が居住者のニーズ把握を行い、区は販売事業者の選定や販売場所の選定を行うものとされてございます。区内の都営住宅はかなりの築年数が経過しているものも多く、居住者の高齢化も進行していると考えられます。同事業の活用についてニーズ調査を行うなどして研究してまいります。 次に、買い物弱者への支援を通じた見守りについてでございます。区では、見守り活動等を推進するために民間事業者と協定や覚書を取り交わし、日常業務において高齢者などに関して何らかの異常に気づいた場合、区に連絡していただくことで早期の対応や安否確認に努めてございます。移動販売サービス事業を実施した場合に、同事業に携わる民間事業者にも同様の役割を担っていただくことができれば、地域における見守りの強化につながると考えております。 最後に、買い物弱者への支援についてでございます。販売場所におきまして、福祉に関する臨時相談窓口を設けたり、情報提供を行うことなどにより、買い物に訪れる居住者を必要な福祉サービス等へつなぐための支援の場として活用できるものでもあります。多様な支援メニューを検討し、用意するためには、関係部署が連携した重層的な取組が求められると考えております。 〔区民部長鳥井文哉登壇〕 ○区民部長(鳥井文哉) 私からは、買い物弱者支援の御質問のうち、商店街に対する補助制度の内容とその周知についての御質問にお答えをいたします。 東京都では、令和3年度に都の単独補助事業でございます東京都政策課題対応型商店街事業として、商店街が行う宅配サービスや送迎サービス、移動販売等に要する経費について、10分の9の補助を行ってございます。なお、補助期間は単年度でございますが、建物や駐車場、駐輪場の賃借料等の一部経費につきましては3年間となってございます。 このほか、東京都と区で補助を行う商店街チャレンジ戦略支援事業がございまして、補助率は3分の2、補助期間は単年度となってございます。これらの制度につきましては、これまでも区が区内商店街向けに毎年度実施してございます商店街活性化支援事業の説明会におきまして、制度の紹介を行っているところでございますが、今後は必要に応じて専用のチラシを作成するなど、さらなる周知を図ってまいります。 ○副議長(酒井たくや) 以上で南かつひこ議員の質問は終わります。 議事の都合により、暫時休憩いたします。 午後3時03分休憩
午後3時25分開議 ○議長(内川和久) 会議を再開いたします。 この際、申し上げます。 議事の都合上、会議時間を延長いたします。 一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 い さ 哲 郎 1 環境施策について 2 コロナ対策について 3 性教育の重要性について 4 地域開放型学校図書館について 5 旧豊多摩監獄表門について 6 その他
○議長(内川和久) いさ哲郎議員。 〔いさ哲郎議員登壇〕 ○19番(いさ哲郎) 2021年区議会第4回定例会におきまして、日本共産党議員団の立場で一般質問をいたします。 最初に、環境施策についてお聞きをします。 私たち日本共産党はこの間、気候変動の問題に対する政策「気候危機2030戦略」を発表しています。気候変動の問題では一層厳しい目標が求められており、次の世代が生きていける世界を残すために果たす政治の役割はますます大きくなっています。地球温暖化を食い止め、破局的な気候変動を回避するためには、2030年までの9年で、全世界で二酸化炭素、CO2排出を50%から60%削減していくことが求められていますが、この戦略の中で十分に達成可能であることを数字で示しました。再生可能エネルギーには大きなポテンシャルがあります。原発を直ちに廃炉にし、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換を抜本的に行うこと。その上で、GDP205兆円、雇用にして245万人を新たに創出することが可能であることもこの政策で明らかにしています。脱炭素、省エネ、再エネを進める社会システムの大変革は可能ですし、やらなければいけない課題です。世界では、「気候正義」という言葉が使われています。気候変動の問題は、いよいよ正義や公正という文脈で語られるテーマとなっています。 さて、当区の環境基本計画では、CO2の削減について2030年までに46%という目標が定められたところです。さきの第3回定例会では、提出されていた「2030年における中野区のCO2削減目標の早期達成とさらなる削減努力について」という陳情が採択されています。この陳情では、区の目標を早期に実現し、上回ることを求めています。こうした陳情が採択されたことについて、目標との関係で区はどのように考えているのか、伺います。 また、この9年が問われているということでは、これから先、毎年度の具体的な取組が必須となってきます。来年度予算においては、CO2削減に結びつくような具体的な取組はあるのでしょうか、伺います。 区は、今年度の取組で蓄電システム設置の助成制度を設けました。これそのものは大事な取組ですが、持ち家かつ太陽光パネルの設置が前提となっており、どのように拡大させていくのかが課題です。このシステムは、管理組合のある共同住宅にこそかみ合うのではないかと考えます。蓄電池で共用部分の電気を賄うことができれば、共益費を低減させる可能性もあります。東京都の事業である太陽光パネル設置も、中野区の蓄電池設置も、どちらも助成対象に管理組合が含まれます。共同住宅向けに太陽光パネル設置では都の制度を紹介し、同時に蓄電池の設置を提案するパッケージとして施策を検討することはできないでしょうか。 次に、ヒートアイランド現象について伺います。地球温暖化とヒートアイランド現象は別の事象です。地球温暖化はCO2など温室効果ガスの排出によるもので、地球規模の事象であるのに対し、ヒートアイランド現象はビルやアスファルトなど人工構造物、エアコンや車両の集中による排熱、建物の密集による風通しの悪さなどを要因として、都市部で局所的に温度が上昇するもので、機序が異なります。日本の都市部では、この100年で2度前後の気温上昇が観測されており、地球温暖化による気温上昇よりも急激な変化が起きています。したがって、ヒートアイランド現象に対しては、地球温暖化対策とは別の施策が必要になるということです。ヒートアイランド対策については、中野区基本計画案でも中野区環境基本計画でも具体策について何も示されていません。至急具体策を検討するべきです。伺います。 ヒートアイランド現象については、その発生のメカニズムから都市開発の在り方そのものに根本原因があることは明らかです。したがって、ヒートアイランド現象を本気で抑制するには、新しいビル建設や道路設置の抑制が必要になってくるわけですが、ここでは別の視点からお聞きをします。都市構造物がヒートアイランド現象を促進させる主要な原因は、太陽光を吸収し蓄熱することです。これを和らげるのが土と樹木による熱の放散です。中野区みどりの基本計画では、みどり率など緑地を増やす指標が示されています。しかし、この指標は、緑色であれば草地でも構わないというもので、樹木を切って草地だけになっても比率が変動しないというものです。現実には樹木により生まれる木陰の効果と草地が同等とは考えられません。樹木でも草地でも構わないという指標ではなく、樹木を増やすと明示する目標を掲げるべきです。伺います。同時に、今ある樹木をいかに切らないか。安全性などの理由から切らねばならない場合には、代替の樹木を用意するなどの努力が必要です。この点もお答えください。 樹木をいかに増やすかについて、今年6月のナショナルジオグラフィック日本版に大変興味深い記事がありました。日本の植物学者、宮脇昭氏の提案するミニ森林が世界で増えているという記事です。オランダでは既に144か所のミニ森林が造られ、これを200か所にする計画を持っているそうです。ミニ森林は、テニスコート1面程度の敷地にその地域で自生している樹木を植えるというものです。個人向けには6平方メートルというさらに小さな面積に対応した超ミニキットも安価に販売されています。このミニ森林づくりは、現在44か国の都市で行われています。このミニ森林の目的は、地球温暖化対策ではありません。土壌の保水力を復活させ、都市部の気温を下げることです。世界にはこうした具体的なヒートアイランド対策があります。中野区においても、公有地の利活用や公園再整備に当たり、ミニ森林のように樹木を増やす具体策を念頭に置いて検討を進めるべきです。伺います。 次に、コロナ対策についてお聞きします。 最初に、ワクチン接種について。11月22日現在の当区のワクチン接種状況は、2回接種で75.8%、1回接種で80.5%となっていますが、65歳以上で2回目接種88.5%となっていることに対し、20代以下では2回目接種率が60%台であり、若い世代ほど接種率が下がっているのが数字上も見てとれます。接種そのものは個人の選択であり、強要されることがあってはいけないと考えますが、他方、ワクチン接種に関わる正確な情報が区民に対し伝わっているのか。特に接種をしていない比率の高い若い世代がどうなのか気になるところです。ワクチンについては、ネットを中心に不正確な情報や明らかに間違った情報も多く、まずは区が正確な情報を届けることが肝要です。区は、LINEやツイッターの活用をして接種の勧奨を行っているとのことですが、より活発に移動する若い世代のワクチン接種についてどのような認識なのか。この先、どのように情報を提供していくのか、伺います。 次に、ワクチン予約システムについて。第3回定例会にて、中野区で採用したワクチン予約システムの問題点について指摘をし、システムの変更を求めました。11月の閉会中の厚生委員会にてシステムの変更が報告されていますが、この変更により、さきの一般質問にて指摘をした点についての改善がなされるのかお聞きをします。具体的には3点です。1回目、2回目のワクチン接種の履歴はデータベースに入るのか。接種予約の入力の際に個人情報の再入力はしないで済むのか。3回目接種に対応しているのか。お答えください。 第6波に備えるに当たり、改めてPCR検査の重要性を訴えます。これまでも会派として何度もただしてまいりましたが、検査を増やし、地域での感染状況を把握することが新型コロナ対策の基本です。報道が途絶えているデルタ株以降の変異株の拡大も懸念材料です。本日先ほどですが、南アフリカで新たな変異株が確認されたとの報道がありました。免疫機能を回避する性質や高い感染力を持つおそれがあるとのことで、警戒が必要です。 政府はこの間、PCR検査実施の検討という方針転換を初めて示しました。しかし、健康上の理由からワクチン接種をしていない人を対象とするもので、医師会など専門家が求める大規模検査からは程遠い内容です。国や東京都に対し広範なPCR検査の実施を求めるとともに、区民の安全安心のために区としても独自のPCR検査体制を確立する努力をすべきです。伺います。 区内事業者の支援策についてもお聞きをします。これまでも都度、地元商店への区独自の支援策について求めてきました。区は商店街への支援は行っているものの、中小事業者、個人商店や個人事業主に届いているとは言いがたい状況です。この自治体独自の支援について実施している自治体があります。板橋区では、事業継続支援金という事業を行っています。売上げの減少をした区内事業者と個人事業主が対象で、コロナ前に比して売上げ減少20%以上で最大30万円、30%以上で最大40万円、40%以上で最大50万円と段階的に支援する制度となっています。国や都の支援を受けていることを前提とせず、給付する業種も限定されません。個人事業主を対象としていることから、様々な業種に幅広く存在するフリーランスへの支援にもなります。この制度のために板橋区は3,000件の申請を想定し、補正予算で12億6,000万円を計上したとのことです。 三鷹市の中小企業等特別給付金では、給付額は10万円、470件を想定し、補正予算で4,700万円を計上しています。これまでの国や都の給付制度を利用したことを条件としているものの、売上げ減10%以上と対象をさらに広げています。既に申請は始まっており、市の担当のところには続々問合せが来ているとのことです。当区でもこうした自治体に学び、区独自の中小企業者支援事業を行うべきではないでしょうか。 次に、性教育の重要性についてお聞きをします。 性教育とは、児童・生徒の人権に関わるテーマです。ヨーロッパ諸国では、早いところでは5歳から性教育を始めます。水着や下着で隠れるところは他人の自由にさせてはいけない。自分の体は自分のものである。こうした教育の積み重ねこそが子どもを守る一番の方法です。 我が会派の長沢議員がただしたリプロダクティブ・ヘルス・アンド・ライツ、性と生殖に関わる権利の教育やジェンダー平等の教育と併せ、早急に取り組むことが求められています。特に強調したいのは、ネット利用が当たり前になった時代においては、これまでとは異なる取組が必要だということです。中野区でも児童・生徒にタブレットの配布を行っていることから、避けて通れないテーマとなっています。端末のフィルタリングソフトだけでカバーできるものではありません。現在、中野区では児童・生徒に対し、学校教育の中でも警察による指導とともに、SNS東京ノートという補助教材を活用していると伺いました。この教材は、具体的にどのような授業の中でどれぐらいの頻度で活用されているのでしょうか。 このSNS東京ノートという補助教材は、SNS東京ルールの改定を受け、東京都教育委員会とLINE社による共同プロジェクトで制作されたもので、小学生から高校生まで段階に合わせた資料となっており、SNSいじめなど現実に起きている問題についても盛り込まれたものとなっています。しかし、ここには明らかに不足しているものがあります。それが性に関する教育です。 性をめぐる問題には、「寝た子を起こすな」という議論が昔からあります。これは、性教育を実施することで逆に性の乱れが起きるという考え方で、ネットなどを通じて簡単に性的なコンテンツにたどり着くことができる現在の状況にはかみ合わなくなっているのではないでしょうか。この点について認識を伺います。 ネット社会における性教育には二つの目的があると考えます。第一に、性犯罪から児童・生徒を守ること。11月4日放送のNHKクローズアップ現代では、SNSを通じてどのような手口で子どもたちが性的な犯罪に巻き込まれるのかということについて、一度信用を得た上で心をコントロールする「グルーミング」と言われる手法などが具体的に紹介されていました。また、性暴力被害者の支援に取り組むNPOぱっぷすでは、調査のため、「甘い物好きの14歳」という設定で架空のツイッターアカウントを作成したところ、2か月で170件以上の大人からのメッセージが届き、その大半が性的な行為を求めるものだったとのことです。こうした現実があるという前提で教育を行う必要があります。 第二の目的は、正しい知識を身につけることそのものです。文部科学省は、命の安全教育を推進するための教材の中で、「性犯罪・性暴力の加害者にも、被害者にも、傍観者にもならないように」と指摘しています。性に関する学びを得る前にネットにあふれている性的コンテンツに触れると、誤った性の知識が蓄積されていきます。その結果、例えば避妊具を使わない性交により望まない妊娠や性病をうつされるなどの被害に遭うことや、男子児童・生徒においては、アダルトビデオのようなフィクションの性行為から暴力性を学んでしまうことで、加害者の側に回る懸念もあります。痴漢やセクハラが性暴力であること、スカートめくりのような行為も単なるいたずらでは済まされない性暴力であることを知ることができなければ、性行為だけでなくデートDVなど日常の性暴力に気づくことができません。 偏見に基づく誤った考え方が爆発的に拡散するのもネットの特徴です。早い段階で性とジェンダーに関わる正しい知識を身につける必要に迫られています。学校教育の場ではこれまでも性教育は行われていますが、世の中の変化は急速です。現在の性教育の年間指導計画は、ネット社会を前提とした内容に刷新する必要があるのではないでしょうか。区の認識を伺います。 こうした施策を進めるに当たり、ALTやIT支援員に相当する専門の教員が必要になってくることも併せて指摘をし、次の質問に移ります。 地域開放型学校図書館についてお聞きします。 図書館法によれば、図書館とは、「図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設」とされています。中野区区有施設整備計画には、施設の目的として一字一句そのまま記載されています。また、文部科学省の示す「これからの図書館像」には、図書館の基本は施設・職員・資料の3要素がそろうことと示され、「中学校区など生活圏に図書館を整備することが必要である」と述べられています。我が会派は、地域要求とともに、こうした原則的な視点から地域図書館の廃止に反対し、地域開放型学校図書館について見直しを求めてまいりました。 地域開放型学校図書館については、この間の委員会質疑で、運営した結果に基づいて検証すると区は答弁しています。この検証は、中野区構造改革実行プログラムによれば、2021年から2023年までの3年間にわたるものとなっていますが、本年8月5日の子ども文教委員会での質疑では、本年度のアンケート調査などで検証するとしています。アンケート調査の内容や時期を含めた検討はどうなっているのか。それを受けて、いつどうやって検証するのか、現在の状況を伺います。 また、区有施設整備計画には、地域開放型学校図書館は美鳩小学校、中野第一小学校、みなみの小学校の3か所の記載があります。しかし、令和小学校、鷺宮小学校、西中野小学校といった統合新校には地域開放型学校図書館の設置が示されています。まず令和小学校についてお聞きをしますが、ここは来年4月開校予定です。全体の検証とは別に令和小学校での個別の検証が必要です。先ほどの子ども文教委員会での質疑では、令和小学校について、学校の検証については早急に詰める必要があると答弁をしています。この検討状況についてはどうなっているのでしょうか。また、鷺宮小学校、西中野小学校についても同じことをお聞きします。検討状況についてお示しください。 地域開放型学校図書館については、何年にもわたる議論の中で位置付けが二転三転しています。これまで会派で何度も質疑してきたように、タブレット等によるリファレンス機能は図書館に求められる機能の一部でしかないこと、蔵書そのものが非常に少ないことなど、地域開放型学校図書館は地域図書館の代替施設とはなり得ないということを再度指摘しなければなりません。地域開放型学校図書館については、この機会に改めて位置付けを整理する必要があるのではないでしょうか。伺います。 こうした位置付けの検討では、例えば学校図書館としての機能を中心に見直しを図るということも考えられます。検討においては固定的に考えず、区民要求をしっかり酌み取って反映させることが重要です。その区民要求を酌む手段として、アンケート調査以外の方法も必要であることを述べて、次の質問に移ります。 旧豊多摩監獄表門についてお聞きします。 本年6月4日に中野区有形文化財に指定された旧豊多摩監獄表門ですが、11月5日、6日の2日間に開催された公開見学会では、合計で5,500人以上の参加者がいたとのことです。NHKで報道したことで、私が見に行った土曜日には区外からも多くの方がお見えになった模様です。改めて門の価値が多くの皆さんのところで共有されているのだと実感しました。これまで門については、刑務所跡地であることのネガティブな側面を気にされるという向きも一部にありましたが、やはりそういうことではない。門の文化的、歴史的、教育的価値について、区内、区外、多くの皆さんの知的好奇心に応える遺構であるということがいよいよはっきりしたということです。 中野区は、本年度中に門の保存活用計画を策定する運びとなっています。この計画策定に当たっては、区の文化財として指定されたわけですから、近隣地域に限らず中野区全域の皆さんから広く御意見をいただく必要があるのではないでしょうか。この保存活用計画策定に当たって、区民の皆さん、区内関連団体の皆さんを対象としたシンポジウムの開催などは検討できないでしょうか。伺います。 また、移設が完了し、活用が始まるまでの期間においても、区内外の皆さんの関心に応える継続的な取組が求められているものと思います。歴史民俗資料館との連携については以前の質問で提案いたしました。それ以外にも、例えば後藤慶二その人や明治・大正期のれんが建築というふうにテーマごとにスポットを当てた学習会、門とともに区内の戦跡を巡るダークツーリズムなど、知的好奇心にかみ合うイベントについては、やれることはたくさんあると思っています。 ICTを活用した方法としては、VRやARという方法もあるのではないでしょうか。VRは、施設展示の目玉になり得ます。ARは、現地周辺のまち歩きのような観光ツアー化も検討できるかと考えます。ICT活用という点では、スマホ用の地図アプリも話題づくりの可能性を秘めています。山口県観光連盟の「こちずぶらり」、埼玉県行田市の「今昔マップ」、そして東京の「大江戸今昔めぐり」というように、各地で昔と今の地図を重ね合わせて確認できる地図アプリが開発されています。公開見学会では、門のそばに刑務所があった当時の航空写真も展示されており、多くの方の注目を集めていました。地図アプリにはその他の区内観光スポットも落とし込めることから、現地を見てみたいだけでなく、中野に行きたいという希求力につながると考えます。改めて、こうした取組の可能性について区の認識を伺います。 6番、その他です。 その他の最初に、視覚障害者の安全についてお聞きをします。この間、中野駅南口の信号で白杖を持った視覚障害者の方が、歩行者信号が青でも立ち止まったままという状況に何度も出会いました。この場所は、中野通り北側から左折してくる車両との交錯もあり、危険な場所です。音響信号については過去に議会でも取り上げ、音量を上げる対策をしたはずですが、今回改めて中野署に相談し、音量を最大まで上げてもらう対策を取りました。しかし、この対策後も交通量の多さからか、ほとんど聞き取ることができませんでした。音響信号は、ボタンを押すと青になったタイミングを教えてくれますが、そもそも押しボタンの位置が分からないのでは意味がありません。この方がふだんどうやってこの信号を渡っているのかお話を伺ったところ、周りの人が動き出すのを察知して一緒に渡るようにしているとのことでした。 こうした状況で助けとなる機器が「シグナルエイド」です。シグナルエイドは、少し厚みのあるカードサイズほどの装置で、音響信号に接近すると音で知らせてくれ、スイッチを押すことで信号機を作動させることができます。つまり、音響信号のリモコンのような役割を果たすものです。中野区内には78か所の音響信号があり、うち4か所はボタンなしでも常に鳴り続けるもので、中野駅南口の当該の音響信号を含む残り74か所は、シグナルエイドに対応した押しボタン式です。シグナルエイドは、日常生活用具給付等事業のメニューの中の音響信号装置に該当し、当区でも障害者手帳1級で5万1,800円、2級で1万1,500円が助成されることになっています。お聞きをします。中野区において申請ができる対象者は何人いるでしょうか。また、これまでの申請件数は何件でしょうか。 日本視覚障害者団体連合のホームページでは、この装置は1万1,000円で販売されています。つまり、2級であっても限度内ですので、自己負担なしで購入が可能です。中野区は手帳の発行や更新の際に、どのような助成が受けられるかについてアナウンスを行っていますが、助成のメニューは多岐にわたり、かなりの情報量です。視覚障害者の外出において命を守るシグナルエイドについては、対象者に紹介する際に工夫が必要ではないでしょうか。申請方法の簡易化の検討も含めて伺います。 区内78か所あるという音響信号ですが、そもそも設置数がこれで足りているのか、ほかにも必要な場所があるのではないかなど、視覚障害者の方からの聞き取りを行い、増設を警察に要望することも必要ではないでしょうか。伺います。 この音響信号設置については、今後の中野駅周辺まちづくりの中でも問われるテーマであることを述べておきます。 その他の2点目で、学童保育についてお聞きします。先日、区民の方から、リモートワークを理由として学童申込みの際の点数が低く算定され、入ることができなかったとのお問合せをいただきました。改めて担当に確認をしたところ、同様のお問合せをいただいているとのことでした。リモートワークはコロナ対策をきっかけとして事業者に広がっている働き方です。在宅であっても働いているのですから、子どもの面倒を見ながらというわけにはいきません。学童保育利用に当たり、このような点数の算定については改める考えはないでしょうか。伺って、全ての質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) いさ議員の御質問にお答えいたします。 最初に、環境施策についての二酸化炭素削減目標についてでございます。第4次中野区環境基本計画では、二酸化炭素排出量について2030年度で2013年度比46%削減を目指しておりますが、採択された陳情ではその目標を早期に達成することを求めております。アクションプログラムに沿った区の施策を着実に推進し、中野区基本計画に定められた重点プロジェクトの脱炭素社会を見据えたまちづくりの展開などの施策を全庁を挙げて推進することにより、目標の早期達成を目指していきたいと考えております。来年度は、既存住宅の断熱性の向上に向けた助成制度や区有施設における再生可能エネルギー電力への切替えを検討しているところでございます。 次に、共同住宅向けの太陽光パネルと蓄電システムのパッケージについてでございます。太陽光発電は、東京都の制度により初期費用なしで共同住宅に設置が可能でございまして、中野区の蓄電システムの助成については、共同住宅の管理組合も対象としております。共同住宅の共用部分などの電力を再生可能エネルギーにより賄うことは、区内の二酸化炭素排出量の削減と相まって、居住者にとっても光熱水費の負担の削減が図られるなどのメリットがあるため、都の制度とセットでPRすることも含めて検討してみたいと思います。 次に、ヒートアイランド対策の具体策でございます。ヒートアイランド対策として考えられることは、地表面の保水化、省エネルギー化、断熱化、屋上緑化や街路樹整備などであり、第4次中野区環境基本計画のアクションプログラムに定めた環境形成型のまちづくりや建物の断熱化促進を着実に推進することによって、ヒートアイランド対策を進めていく考えでございます。 続きまして、ヒートアイランドを防ぐ樹木についてでございます。ヒートアイランドを防ぐ方法の一つとして、樹木があることで一定の効果があることは認識をしております。公園整備におきましては、公園面積の3割を植栽地とするなど、計画的に樹木を増やしております。やむを得ず樹木を伐採しなければならない場合には、できる限り代わりの樹木を補植しております。現在、中野区みどりの基本計画においては、目標としてみどり率や緑地の面積などを設定しております。今後、樹木を増やす目標の設定の在り方についても研究してまいります。 次に、公園再整備時におけるミニ森林整備についての御質問です。これまでも公有地や公園の整備に当たりましては、中野区の環境に適した樹木を計画的に植栽してきておりまして、今後も新たな知見や他の自治体の様々な事例を調査研究しながら、整備に生かしてまいります。 次に、コロナ対策についてで、若い世代へのワクチン接種についてでございます。行動範囲の広い若い世代への接種促進としては、中野サンプラザの集団接種において区内在勤在学の方も含めた当日受付を実施し、区内の大学や専門学校にも周知の御協力をいただきました。また、区のホームページでもインターネット上の誤情報に関する質問回答を紹介するなど、正しい情報発信に努めているところでございます。若い方の健康、生命を守るとともに、高齢者や持病のある方、家族を守ることにもつながるため、引き続きホームページやSNS等により正確な情報を分かりやすく発信し、接種率の向上に努めてまいります。 次に、ワクチンの予約システムについてでございます。現行の予約システムは12月で運用を終了し、令和4年1月から新しい予約システムを稼働させます。新システムを利用する初回のみ、メールアドレスなどの個人情報の入力が必要で、以降はログインすることで再入力することなく、2回目、3回目も予約できるようになります。新しいシステムには、区がVRS、ワクチン接種記録システムから区内での接種履歴を事前登録することによって、2回目接種から8か月経過後の日程で3回目接種を予約できるようにする予定でございます。 続きまして、PCR検査についてでございます。国や都が行っている広範囲のモニタリング検査については第5波以降も実施されておりまして、区は本事業を活用し、効果的と思われる事業所等を中心に定期的な検査をお願いしております。11月には、都が中野駅北口広場においてモニタリング検査を実施しております。区のPCR検査センターでは、濃厚接触者や医療機関で医師が検査が必要と診断した者を対象とした検査を実施しておりまして、今後も福祉施設等での発生時に実施する、濃厚接触者に限らない幅広いスクリーニング検査にも対応してまいります。 次に、区独自の中小企業者支援事業についてでございます。中小事業者への支援は重要だと考えております。新型コロナウイルス感染症拡大の影響に対する区独自の経済対策としては、融資実行時の自己負担軽減のため、産業経済融資への全額利子補給などを行っているところでございます。また、区内商店街に対しては、今年度新型コロナウイルス感染症への対策費として、区が全額を補助しております。中小事業者のための支援金につきましては、国や都の制度がありますことから区独自の補助は現在考えておりませんが、対象となる事業者がきちんと受給できるよう、区内中小事業者に対する効果的な周知を図ってまいります。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) まず、性教育の重要性についての御質問にお答えいたします。 SNS東京ノートの活用状況についてですが、全小・中学校の全学年で年平均3回程度活用しております。情報モラルについて、実際に巻き込まれるトラブル等の具体例を通して、児童・生徒が主体的に考えられるような教材として、道徳や特別活動の中で活用しております。また、SNS東京ノートの作成に携わった方をゲストティーチャーに招いて、セーフティー教室等を実施した学校もあり、効果的な学びになったと伺っております。 次に、性教育の現状についてです。インターネットやSNS等の誤った活用により、児童・生徒が性に関わる加害者にも被害者にもなり、大きな危険に巻き込まれる可能性もあることから、児童・生徒の発達の段階に合わせた情報モラル教育の中でも、生活指導の際やセーフティー教室等の機会を捉えて指導を行っております。 また、性教育は学習指導要領に示された内容を確実に指導しております。性情報の氾濫等の課題を踏まえた学習指導要領に示されていない内容を含む授業を行う場合には、保護者の理解、了解を得て、子どもたちの実態に合わせた指導を行うなど、丁寧に対応しているところでございます。 性教育年間指導計画の刷新の必要性についてです。本区においては、東京都が実施している現代的な課題を踏まえた性教育の授業を、保護者への事前説明を行った後、令和元年度に中野東中学校、令和2年度に北中野中学校で実施いたしました。2校の取組等も参考に、毎年、全体計画や年間指導計画を見直し、全校に提出してもらっており、教育課程の編成の際には区として各校へ助言もしているところでございます。 次に、地域開放型学校図書館についての御質問です。検証結果についての御質問ですが、地域開放型学校図書館については、利用人数、貸出し冊数等の実績や、8月から9月にかけて実施した利用頻度など、利用者アンケートの意見などを基に検証を進め、教育委員会でも議論を行っているところでございます。今後については、12月中旬の教育委員会を経て、できるだけ早い時期に議会へ報告する予定でございます。 次に、令和小学校など地域開放型学校図書館についてでございます。令和小学校については、地域開放型学校図書館の検証結果により、その方向性を明確にしたいと考えております。鷺宮、西中野統合新校の地域開放型学校図書館を含む区立図書館全体の配置、在り方については、構造改革実行プログラムにおいて検討することとしており、今後その検討の中で決定してまいります。 最後に、地域開放型学校図書館の位置付けについてでございます。地域開放型学校図書館が地域図書館の代替になるとは考えておりません。利用状況を見ると、乳幼児親子や小学校の利用が高く、蔵書についても十分活用されておりますが、蔵書数の少なさや学習、調べ物をする際には課題があるという声もあります。区立図書館全体の配置、在り方については、構造改革プログラムにおいて検討することとしており、今後、地域開放型学校図書館についてもその中で決定してまいります。 〔区民部長鳥井文哉登壇〕 ○区民部長(鳥井文哉) 私からは、旧豊多摩監獄表門、旧中野刑務所正門の保存活用に関する意見聴取についてお答えをいたします。 この正門の保存活用計画でございますが、曳家、移築、保存の前提となります建物の構造や地盤等の諸条件を定める基本計画、これに基づきまして、学識者の意見も聴取しながら、その修復や曳家の方法、文化財の保護と安全性への配慮などについて技術的な方向性を定めるものでございます。こうしたことから、保存活用計画を今年度中に策定した後、正門を曳家、移築後の公開の在り方につきまして、公開見学会で代表者の皆様からいただいた正門の活用アイデア等も踏まえ、引き続き検討を進める予定でございます。その中では、シンポジウムを含め、区民の皆さんや区民団体などから意見をお伺いする方法についても今後検討してまいります。 次に、正門の公開に当たってのICT技術の活用などについての御質問です。御質問にもございました、例えばAR、現実の空間映像とデジタル情報を合わせたものをリアルタイムにスマホなどの画面に表示する拡張現実といった技術や地図アプリなどは、正門にまつわるこれまでの歴史や姿勢を知る上で有効な手段の一つであると考えてございます。区民をはじめ、より多くの皆様に対し、正門への興味や関心を持っていただく取組として、ARなどのICT技術などを活用した公開の方法については今後検討してまいります。 〔健康福祉部長岩浅英樹登壇〕 ○健康福祉部長(岩浅英樹) 私からは、視覚障害者の安全についての御質問にお答えをいたします。 令和2年度末の身体障害者手帳1級、視覚障害による手帳1級所持者は127人、2級取得者は195人の計322人でございます。音響案内装置の給付は、令和2年度までの10年間で7件となっております。装置の給付以外にも、同行援護などの支援を利用して外出されているとの認識をしているところでございます。 シグナルエイドの給付に当たりましては、本人の了解を得て、ケースワーカーが申請書を代筆したり、見積書を区が取り寄せるなど、必要に応じて対応しているところでございます。新規に手帳を取得した際には、視覚障害のある方への周知につきましてしっかりと行ってまいります。 音響信号の増設につきましては、視覚障害者の方からのニーズを把握し、適切に対応していきたいと考えております。 〔子ども家庭支援担当部長小田史子登壇〕 ○子ども家庭支援担当部長(小田史子) 私からは、学童クラブ利用のリモートワークの指数についての御質問についてお答えをさせていただきます。 学童クラブの利用は、保護者の就労、就学、疾病、看護、介護、休職の場合における児童の保護ができない状況の度合いに応じまして指数をつけ、指数の高い順に利用承認を行っております。在宅でのリモートワークは、自営業で自宅で働く方と同じ居宅内の就労に当たり、居宅外の就労より低い指数としております。就労の状況にはあるものの、保護者の方が在宅していることで、居宅外就労の御家庭と比べて緊急時の対応等がしやすいものと認識しております。 ○議長(内川和久) 以上でいさ哲郎議員の質問は終わります。
中野区議会議員 間 ひとみ 1 中野区基本計画の実現に向けた取り組みについて (1)SDGs達成のための取り組みについて (2)職員研修について (3)障がい者支援について (4)その他 2 ヤングケアラー支援について 3 若者政策について 4 その他
○議長(内川和久) 次に、間ひとみ議員。 〔間ひとみ議員登壇〕 ○5番(間ひとみ) 令和3年第4回定例会において、立憲民主党・無所属議員団の立場から一般質問をさせていただきます。 質問は順番を変えて、2番から行います。その他はありません。時間の関係で、一部の質問は別の機会にさせていただきます。 まず初めに、ヤングケアラー支援について伺います。 厚生労働省は、令和4年度から3年間をヤングケアラー支援の集中取組期間とするとしており、令和4年度予算概算要求を見ても、国が真剣に取り組む姿勢が見られます。 令和3年第2回定例会において区の現状を伺ったところ、ヤングケアラーと想定される子どもが一定数見られるとのことでした。また、区としてのヤングケアラー支援に対する考え方、担当部署、支援の方法などを早急に議論し、示すべきではという質問に対し、組織横断的な連携が重要であると認識をしており、今後その体制について検討を進めていくとの答弁をいただきました。現在の検討状況はどうなっているのか、伺います。 ヤングケアラーの負担を軽減するとともに、学習支援や就労支援など必要な支援につなげることが求められます。まさに複雑化、複合化した課題がその家庭に存在する可能性が高く、重層的支援の対象者と考えるべきです。また、厚生労働省は11月12日に開いた中央社会保険医療協議会で、医療機関が自治体の支援窓口などに連絡したヤングケアラーを支援につなげた場合、診療報酬を加算する方針を固めました。こうした取組も追い風になり、多方面からヤングケアラーの発見につなげることが可能になるわけですから、区は早急に体制を整え、ヤングケアラーの発見に本腰を入れるべきです。お考えを伺います。また、中野区地域包括ケア総合アクションプラン(中間まとめ)には、ケアラー支援に関するアクションの記載がありません。明確に位置付けるべきではないでしょうか。併せて伺います。 厚生労働省のヤングケアラー支援に向けた令和4年度予算概算要求の概要によれば、訪問支援やヘルパー派遣など、様々なメニューやモデル事業が計上されています。群馬県高崎市は、ヤングケアラー支援として、令和4年度から市内在住の中高生を対象とし、週2日、1日2時間を上限に、2人1組の民間ヘルパーを無料で家庭に派遣し、家事や兄弟の世話などの生活援助のほか、高齢者や障害者の介護なども手助けすると発表しました。区としてもモデル事業に手挙げをし、ヤングケアラーに対する無料のヘルパー派遣を検討されてはいかがでしょうか。 高崎市では、支援の申出は各学校で受け付け、生徒と保護者が希望するケースに加え、生徒の状況を把握している担任が校長に申し出ることも可能で、申出を受けた学校が市教育委員会に申請、市教育委員会はヤングケアラー支援推進委員会を設置し、認定と支援内容の検討を行うとのことです。他自治体で支援メニューの充実が図られる中、対象となるヤングケアラーの把握に関しての学校の役割をどうお考えでしょうか。伺います。 ヤングケアラーの支援体制構築モデル事業として、地方自治体に関係機関と民間支援団体等とのパイプ役となるヤングケアラーコーディネーターの配置、ピアサポート等相談支援体制の推進、オンラインサロンの運営・支援に対して、それぞれ10分の10の補助率が厚生労働省の概算要求に計上されています。令和3年第2回定例会の私の一般質問において、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラー、教員、子どもたちが利用する区有施設の区職員をはじめとする子どもに関わる大人のための勉強会や、対象となる子どもたち自身がヤングケアラーについて知り、学ぶ機会が必要ではないかと質問しましたが、これに対しての2分の1の補助金も厚生労働省の概算要求に計上されています。これらを活用して、令和4年度から早期発見と支援への接続の取組を実施すべきと考えますが、見解を伺います。 次に、中野区基本計画の実現に向けた取り組みについて伺います。 (1)SDGsの達成のための取り組みについて。中野区基本計画では、持続可能な社会の達成と区政運営を目指し、SDGsが位置付けられました。2030年まで実施していく全ての政策、施策とSDGsの17の目標がひもづけられています。令和2年第2回定例会の私の一般質問において、いわゆるSDGsウォッシュは最も避けなければならないことであると訴えました。基本計画とSDGsの単なるひもづけに終わらず、17の目標と中野区の地域課題との関連性を区と区民、事業者が理解し、一丸となって持続可能な社会、中野区政の実現に向けて行動できるよう有効活用すべきです。他自治体ではSDGsの専門部署をつくり、住民や事業者を巻き込んだイベントや広報にも力を入れているところが多数存在します。 伺います。中野区では、SDGsの旗振り役となる部署はどこになるのでしょうか。また、中野区基本計画を自分ごととして、まちぐるみで取り組めるよう、SDGsを有効活用するためにSDGs担当課長を設置してはいかがでしょうか。 ゼロカーボンシティ宣言もなされ、環境施策の拡充が求められるのは言うまでもありません。SDGsの達成とゼロカーボンシティなかのの実現は密接な関係にあります。令和3年第1回定例会の予算特別委員会において、ゼロカーボンシティなかのの実現のためのシナリオについて質疑した際、区有施設の脱炭素化を進めるとともに、区民、事業者との連携、協働の下、取組を進めていくとの御答弁でした。その際、気候市民会議中野の開催の検討を提案したのに対し、議論の場をどのように設定していくべきか調査研究し、検討を進めてまいりたいとのことでしたが、区報などで中野区がゼロカーボンシティ宣言をしたことへの周知は図っているものの、ほとんどの区民、事業者はそのことを認識していないのが現状です。来年度は、ゼロカーボンシティなかのの実現のために、シンポジウムなど何らかの形でイベントを開催し、SDGsへの理解促進も併せて図ることで、区民や事業者、環境関連団体などが一体となって環境政策に取り組んでいける足がかりとなる機会を創出してはいかがでしょうか。伺います。 区内小・中学校でのSDGsの学習も盛んに行われています。SDGsの取組は、子どもたちが社会や地域の課題を自分ごとと捉え、社会や地域の一員として参画することを促すことと直結しており、主権者教育の観点からも推進する価値のあるものです。豊島区では今年度、SDGsの担い手育成のために全区立小・中学校に300万円ずつ、総額1億円の予算を割り当てました。今月8日には区立全30校が参加するSDGsフェスティバルが行われ、各校の取組が会場とユーチューブのライブ配信により共有、発信されました。子どもたちがSDGsに取り組むことは、学校内にとどまらず、保護者や地域住民にも影響を与えるため、予算をかけて質の高いSDGsの学習とプロジェクトの実行ができる環境を整えることは有意義なことです。そこで、まず区立小・中学校でのSDGsの取組の現状について伺います。 私がNPOの活動の一環として、中野本郷小学校や南台小学校で行っているSDGsの授業においても、子どもたちのほうが大人よりもSDGsに関心があり、とてもよく調べ、自分に何ができるのかを考えている様子がうかがえました。子どもだからこその発信力があるよと伝えると、大人にも伝えていきたいと意気込んでいました。SDGsの学習は、それ自体を学ぶのではなく、SDGsを通して学校や地域課題に目を向け、自分たちにできるアクションを見出して実行していくことです。それは行く行く区の課題である担い手不足の解消や、家庭から排出されるごみの減量などにつながっていくのです。中野区でも区立小・中学校にSDGsの学びや発表の機会を設けるための予算づけを検討されてはいかがでしょうか。 次に、(2)職員研修について伺います。基本計画の実現に向けて、並行して着実に推進していかなければならないとしているデジタルトランスフォーメーション、DXにおいて、外部人材の活用や新庁舎完成を待たずに、随時新たなシステムを導入していくことが示されているところです。一方で懸念されるのが、デジタル化と併せた組織の変容という点です。区民の利益につなげるための組織の変容を促すには、クリエイティブな発想でデジタルを活用したアイデアを創出し、政策形成に生かすポジティブな発想のできる職員を増やしていくことが求められます。また、新たな時代に通用する人材育成が鍵となってきます。 人材育成における一つの手段が研修ですが、実務中心の座学研修ばかり行っては、職員のモチベーションやスキルアップに限界があるのも当然です。学んだことを現場で実践するOJTをより効果的にする研修を行うことで、庁内における課題を解決につなげることも可能です。まずは課題を徹底的に洗い出し、計画的な人材育成計画と、OJTも含めた計画的な研修設計を行う必要があると考えますが、いかがでしょうか。また、必要な研修は経費削減の対象とせず、未来への投資として予算をかけていく必要があるのではないでしょうか。併せて見解を伺います。 第3回定例会の総務委員会において、中野区人材育成基本方針(素案)が示されました。その中では、職員の働き方やキャリアデザイン、自己啓発についても触れられていますが、現在の職域研修や実務研修の中で自分自身の生き方について見つめる機会はありません。人生100年時代とも言われる中、ライフイベントに加え、退職後のことも含めたキャリアデザインを構築するための時間が必要です。自分の人生をどう生きたいのか、大切にしたいことは何か、仕事上では何を果たしていきたいかなどを明確にし、求められる職員像ではなく、自分がありたい職員像を見出すことで、中野区職員としての働きがいを感じることができるのではないでしょうか。気持ちの余裕ができることで相手に心から寄り添え、対話力やさらなるパフォーマンスの向上につながっていきます。人材育成というと、スキルアップにばかり注力しがちですが、自己研鑽ではなく自己啓発、つまり、実務を学ぶこと以外に精神的な成長も併せて図り、基本計画を実現するために必要な人材育成をすべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、求められる役割が変化し続ける中で持続可能な区政運営を実現するためには、民間の専門性や官民連携でのコーディネート力の習得も求められます。民間企業の社員とともに行う異業種交流研修を行っている自治体もあり、参考にできる事例は多々あります。人材不足で職員を研修に出したがらない環境や、対象者である本人が研修に意味を見出せず、参加したがらないという話も耳にします。次世代に戦力となる人材育成のためには、研修の在り方の見直しの必要性を感じますが、併せてお考えを伺います。 民間企業との人事交流について伺います。出向についても改革が必要です。中野区人材育成基本計画(素案)の具体的な取組の項目の中にも、他都市や民間企業への研修派遣と記されてはいますが、現在の区職員の出向先は他自治体か中央官庁またはその関連機関などです。民間企業への出向は、企業としてのガバナンスや経営理念の社員への伝え方、管理職のマネジメント方法、問題解決に向けた仕事の進め方、意思決定の進め方やスピード感、費用対効果の視点など、行政が参考にできる生の事例に接することができ、貴重な経験となります。そのほか、墨田区や川崎市、埼玉県などは、民間企業からの出向受入れを行っている自治体もあります。中野区も今後は、まずは自治体間の研修派遣を活性化させ、将来的な民間企業への研修派遣の検討や民間からの出向受入れも行うなど、人事交流を着実に実施すべきと考えますが、見解を伺います。 次に、(3)障がい者支援について行います。厚生労働省は2018年4月、工賃が高いほど障害者の自立した生活につながるとして、利用者に支払う工賃の平均額に応じて国からの給付金が変動する仕組みを導入しました。それ以前の給付金の額は、利用者や職員の人数に応じて決まっていましたが、障害者の稼ぎも評価されるようになりました。事業者からは、もっと工賃を上げられるよう仕事の受注拡大や自主生産品の開発に取り組んできたものの、自主生産品開発に関しては、利用者一人ひとりの作業能力の違いがあることや、重度化、高齢化していること、事業所職員のスキルにもばらつきがあることなどに課題を感じている。新型コロナの影響でイベント等での販売ができなくなり、販路が大幅に縮小し、困っているとの声を聞いています。 工賃アップが重要である一方で、利用者の支援や居場所としての機能の充実も事業の目的であるため、単純に一般企業のように生産性を追求するわけにはいかず、その板挟みで苦しんでいる事業所が多数存在します。区はこの現状をどう捉え、どのような支援を行ってきたのでしょうか。伺います。 台東区では、事業所に対する経営コンサルティング派遣に加え、デザイナーに商品自体やパッケージのデザイン指導などを受けることができる事業を行っています。これにより、経営面と自主生産品開発、両面から見直しができ、一般市場でも十分に販路を拡大していける商品の開発につながり、支援を受けた事業所の職員も利用者もこれまで以上に働きがいを感じ、自信を持って作業をされているそうです。利用者一人ひとりの特性を生かした魅力的な商品化を実現している平塚市の事業所、スタジオクーカさんにお話を伺ったところ、自主生産品開発に関する相談が後を絶たないとのことでした。区の取組としては、いま一歩踏み込んだ支援が求められます。具体的な支援策として福祉作業所の自主生産品開発支援を行ってはいかがでしょうか。また、民間との連携も含め、販路拡大の支援も行ってはいかがでしょうか。伺います。 障害者をはじめ、誰も取り残さない社会の実現のためには、ユニバーサルデザインの推進が重要です。練馬区では、「みんなのUDパーク」という子どもから大人まで誰もが楽しみながらユニバーサルデザインを知り、体験することができる参加型のイベントを行っており、行政だけでなく社会全体で障害者を支援していけるよう取り組んでいます。中野区基本計画の施策36の中にあるように、多様な障害の特性や合理的配慮についての理解促進を目的として、多様な障害について子どもから大人まで誰もが楽しみながら知り、体験できるイベントも積極的に行ってはいかがでしょうか。 次に、若者政策について伺います。 今年度も無事、ハイティーン会議の報告会が終わりました。事業の拡充が検討されていますが、来年度は本格的な若者政策の実施に踏み出し、中野区の若者が活躍する基盤が築かれていくことを期待しています。豊橋市で誕生した豊橋わかば議会では、若者の防災意識・知識の向上を目的とした「アオハル防災キャンプ」を企画提案し、高校生の実行委員が中心となって今年度実施されました。意見が実現するという経験は非常に重要な意味を持ちます。区における事業の展開に当たっても、意見表明の機会を大切にするとともに、若者の意見を区が受け止め、施策に反映したり、中高生のアイデアを形にするためにサポートするなど、予算措置を含めて区が若者を応援し、支援する体制を検討してはいかがでしょうか。また、まちや地域のために関わっていこうとする若者を増やす主権者教育としての側面は大切にすべきと考えますが、見解を伺います。 現在、中高生の居場所づくりが検討されています。自分たちの意見が反映されながらできる施設は愛着が湧くとともに、主体的に関わることにつながります。伺います。数年後に設置が予定されている産業振興センターの中高生の居場所づくりに向けては、中高生によるワーキングチームの設置やイベントの開催を検討してはいかがでしょうか。また、それとは別に、身近にも居場所が欲しいという声も多くあります。新たな機能を備えた児童館をはじめ、タイムシェアリングなど中高生の居場所機能を確保できそうな施設を早急に洗い出し、地域ごとにワークショップを行うなど、利用対象者に参画してもらいながら、中高生が利用したくなる魅力的な居場所づくりを行ってはいかがでしょうか、併せて伺います。 若者向け事業を行う上で必ず課題となるのが情報発信です。中高生を中心に区政の情報が欲しいと思っている若者はほとんどいません。ホームページも区報も見たことがないという若者も多くいます。その現状を受け止めた上で、既存の広報の仕方に捉われず、どう工夫すれば若者に情報を届けられるのか。戦略的かつ効果的な情報発信を検討する必要があると考えますが、見解を伺います。 区内に大学が誘致され、およそ2万人の大学生、専門学校生がいるというのに、そのポテンシャルを生かし切れていないということも過去に指摘しました。大学との包括連携協定を結んでいても活用し切れていないように思います。また、区内に多く在住している単身の若い世代へのアプローチもほとんど行われていません。中高生への施策を充実させる方向に動き始めていることは歓迎しますが、一方で、大学生や若い世代を地域に巻き込んでいくような事業はいまだ存在しません。地域に目を向ける機会を創出することで、中野を活動拠点とする若者を増やしていくことが必要だと考えますが、いかがでしょうか。 また、中野区の人口割合の最も厚い層である大学生や若い世代に対しても、区に対して提案のできる機会を提供し、今、彼らが求める施策を協働してつくれる体制を構築してはいかがでしょうか。 以上で私の全ての質問を終えます。御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 間議員の御質問にお答えいたします。 初めに、ヤングケアラー支援に対する組織体制についてでございます。ヤングケアラー支援については、福祉、介護、医療、教育等、様々な分野が連携した支援が求められ、組織横断的な連携が必要であると認識をしております。現在、地域包括ケア総合アクションプランの検討を進める中で、ヤングケアラーに関して福祉、介護等の関係所管や区内関係団体等との課題共有を進めてまいりました。重点プロジェクト推進会議等において組織体制も含め、ヤングケアラー支援の在り方について引き続き検討を進めてまいります。 次に、ヤングケアラー支援体制の整備と総合アクションプランへの記載についてでございます。ヤングケアラーについて民間の調査では、世話をしている家族がいる中学2年生は5.7%、全日制高校2年生では4.1%となっており、中野区においても同様で、中には様々な課題を抱えている子どもたちがいると考えております。教育機関や地域における見守りや支え合い活動者と連携し、対象者の把握や支援に結びつける取組が必要であると考えております。アクションプランにおきましては、複雑化・複合化した課題に対応する重層的支援体制における包括的相談支援を整備推進するとともに、ヤングケアラーに関する今後の取組の方向性などを明記してまいります。 次に、育児支援ヘルパー派遣についてでございます。厚生労働省の調査研究等を踏まえながら、ヤングケアラーの実態把握を進めているところでありますが、ヤングケアラーは複雑化・複合化した課題が多く、学校や関係機関と連携した子どもの状況把握や各種福祉サービスの利用などの包括的な支援を行っていく必要があると考えております。ヤングケアラーへの支援の在り方を検討する中で、育児支援ヘルパー派遣についても併せて検討してまいります。 続きまして、ヤングケアラーの支援策でございます。ヤングケアラーについては、早期発見・把握を行い、適切な支援につなげていくことや、社会的認知度を高め、理解促進を図ることが重要であると認識をしております。国のヤングケアラーコーディネーターは、ヤングケアラーを適切な福祉サービスにつなぐことを目指したものでありますが、今後こうした国等の補助事業の活用も含め、早期発見・把握や支援サービス、普及啓発などの取組について様々な観点から検討してまいります。 続きまして、SDGsの旗振り役についてでございます。区では、基本構想の誰一人取り残さないという考え方や、協働・協創の推進などがSDGsに掲げる目標や方向性と同じくするものであることから、区の重点プロジェクトや各施策の取組を着実に推進していくことがSDGsの推進につながると考えております。これについては企画部が中心となって、区全体でSDGsの推進に取り組んでいきますが、現時点においては専任の担当課長を設置することは考えておりません。 次に、ゼロカーボンシティ実現に向けたイベントについてでございます。区としては、ゼロカーボンシティ宣言を広く周知するとともに、区民、事業者、環境団体などのゼロカーボンに向けた機運を高め、連携を進めていくため、シンポジウムを開催することを検討しているところでございます。 続きまして、職員研修についてお答えします。人材育成計画と研修経費についてでございます。基本構想に定める10年後のまちの姿や、基本計画に定める政策や施策を実現するために必要となる職員の能力やスキルを向上させるため、人材育成のカリキュラムを見直していく必要があると考えております。また、職場での実践を通じた人材育成が重要と考えておりまして、職員の育成ポイントを把握して、チャレンジングな職務目標を設定し、それを達成させることによって計画的に成長を図ることが必要でございます。来年度に導入を目指している人材情報活用システムによって職員それぞれのデータを分析し、人材育成にも活用してまいります。職員の人材育成に必要な研修経費については、着実に予算に計上していく必要があると考えております。 続きまして、職員のキャリアデザインについてでございます。職員のキャリアデザインにつきましては、採用4年目の職層研修や主任昇任時の研修などで、職員がそれまでの職務経験を振り返り、自立的なキャリア形成の実現に向けて意識を高めることができるような内容の研修を行ってきたところでございます。 職員が実務能力やスキルを向上させるだけでなく、キャリアアップや仕事の業績も向上させることができるようなキャリアデザインを描けるようにしていく必要があります。研修やOJTのほか、上司による指導助言や人材情報活用システムの活用などによって職員を支援していきたいと考えております。 次に、研修の在り方の見直しについてでございます。基本構想や基本計画に定める政策や施策を実現できる職員を育成するため、職員の政策立案能力や課題解決能力、ファシリテーション能力、コーディネート能力などを向上させる研修や教育等が必要であると考えております。研修の実施に当たりましては、人材情報活用システムを通じて職員が自己情報を把握して自分自身を振り返り、今後必要となる能力を把握することによって能力の向上に対する意欲を高め、自立的な学習を促すようにしてまいります。 続きまして、民間企業への派遣研修等でございます。中野区ではこれまでも国や他の自治体のほか、特に技術職につきましては首都高速道路株式会社へ職員を派遣するなど、人事交流を進めてきたところであります。国や他の自治体、民間企業等への研修派遣では、区の中にいたのでは得られない貴重な経験ができ、他団体からの派遣の受入れでは職場の活性化が図られるなど、人材育成の観点から様々な効果が期待できるため、積極的に推進していきたいと考えております。 次に、障害者支援についてで、障害者の就労支援についてでございます。障害者就労継続支援事業所では工賃向上等の取組に加え、新型コロナウイルス感染症の影響により様々な工夫をしながら支援を継続していると認識をしています。区は、希望のあった事業所2か所に経営コンサルタントを派遣したほか、物品や役務の調達に当たり、障害者就労支援施設等への優先的な発注や民間企業等への営業活動により受注した仕事を各事業所が共同で請け負う共同事業において安定的な受注や販売機会を確保するなど、工賃向上につながる支援を行ってまいりました。自主生産品の開発や販路の拡大につきましては、区内事業所の意見を伺いながら必要な支援を検討してまいります。 最後に、障害理解を促進する取組についてでございます。これまでも区では合理的配慮や理解、啓発に関わる講演会の開催、障害者スポーツを体験する機会を提供するなど、障害者の理解促進に取り組んでまいりました。今後はさらにオンラインによる講演会の開催や、小・中学校への障害関係団体による出前講座、障害の有無に関わらず参加できるイベントの実施など、交流機会の充実を図ってまいりたいと考えております。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 私からは、学校におけるヤングケアラー支援についてお答えいたします。ヤングケアラーは家庭内のデリケートな問題であることや、本人がヤングケアラーとは思っていないといった理由などから、表面化しづらいのが現状でございます。教員は子どもと接する時間が長く、子どもの日々の様子や変化に気づきやすいことから、ヤングケアラーを発見しやすい立場にあると思います。学校は、ヤングケアラーと思われる児童・生徒に気づいた際には、該当の子どもに寄り添うとともに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等を活用して状況を把握し、適切な支援機関につなげることとしております。 次に、区立小・中学校でのSDGsの取組の現状についてお答えいたします。既に子どもたちはSDGsの内容等について各教科の学習の中で学んでおります。また、中野区の全小・中学校では、持続可能な社会の担い手を育む教育、ESDを教育課程に位置付け、SDGsを進めるための取組を実践しております。学校教育向上事業研究校の中野本郷小学校では、SDGsの視点に立ったESDについて3年間研究をしてきており、その成果を各校は今後共有してまいります。 SDGsの学びのための予算づけについて、最後にお答えいたします。SDGsを進めるためのESDの取組については、各学校の特色ある教育として取り組んでおり、校内予算で対応しております。子どもたちの問題解決の学習の過程の中で、学級内や学校内、学年内で報告会や発表会を行うということになった際には、保護者や地域の方に参加していただく場合もございます。 〔子ども家庭支援担当部長小田史子登壇〕 ○子ども家庭支援担当部長(小田史子) 私からは、若者政策についての御質問にお答えさせていただきます。 初めに、中高生施策の展開についてです。ハイティーン会議は、中高生が自らの意見を表明する場であるとともに、中高生が自主性、自発性を持って取り組む活動への支援や、地域参加へつなげられる支援を行っていくため、見直し、充実をしていく考えでございます。若者支援への予算措置につきましては、事業の実施を踏まえ、今後検討してまいります。地域のために関わっていこうとする若者を支援することは、若者施策の展開において重要なものだと捉えております。 次に、中高生施設整備検討への中高生の参画についてでございます。中高生利用の施設整備に当たりましては、事業構想段階からの当事者である中高生の参画による検討を予定しております。複合交流拠点の整備スケジュールに合わせまして、中高生へのアンケート調査や機運醸成のための取組を進めてまいります。 続いて、中高生に魅力的な居場所づくりについてでございます。次年度より展開する新たな機能を備えた児童館におきましては、インターネット環境の整備や学習スペースの設置などを予定しているところでございます。また、児童館を利用する中高生のニーズに応えるため、ワークショップ等による居場所作りも検討し、魅力的な居場所づくりを進めていきたいと考えております。 若者への情報発信の方法についての御質問です。現在、区のホームページや区報または区内各学校への広報チラシの配布などにより情報発信を行っておりますが、若者に向けた事業の経過や開催の情報などを積極的に発信することで区の若者施策の認知度を高め、若者の参加を促していく必要があると考えております。若者が利用するSNSの活用を含め、若者に届く効果的な情報発信の方法につきまして検討を進めてまいります。 最後に、大学生や若い世代に向けた事業の実施についての御質問です。大学生や若い世代に向けた施策の必要性は認識しておりまして、実施に向けて検討を進めているところでございます。区の地域課題などについて議論し、区へ提案を行うことは、若者の自主的な地域での活動や、区と協働する若者の育成につながるものと考えており、ワークショップなどの実施や、その効果の検証を踏まえまして、事業を展開していきたいと考えております。 ○議長(内川和久) 以上で間ひとみ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 加 藤 たくま 1 BCP・半育休・創造力向上等を勘案した働き方改革の推進について 2 「にぎわい」に着目した施策展開について (1)中野区景観方針について (2)道路占有による非日常の創出について (3)エリアマネジメントについて 3 中野区地域包括ケア総合アクションプランについて 4 環境・防災・住み心地を総合的に考慮した野心的な住宅政策について 5 その他
○議長(内川和久) 次に、加藤たくま議員。 〔[1]加藤たくま議員登壇 〕 ○11番(加藤たくま) 自由民主党議員団の立場から質問をさせていただきます。 質問は通告どおりで、その他はございません。 それでは、1番、BCP・半育休・創造力向上等を勘案した働き方改革の推進について。 本来であれば、新しく中野区役所移転を契機とした働き方改革のため、どのようなDX推進、デジタルトランスフォーメーションが必要か議論すべきではありますが、現状としては新たなツール、アプリケーションを活用し、どんな働き方改革ができそうかという検討となり、手段と目的が逆になりがちです。そこで、本一般質問では、働き方改革のうち目的とすべき項目について触れていきます。 まずはBCP。さきの定例会で平山議員が決算総括質疑で取り上げましたが、長崎県の佐世保郵便局で新型コロナウイルスのクラスターが発生し、日本郵便が6万通の郵送物の期日中の配達ができなかったとの報道がありました。中野区においても、庁舎1階マイナンバーカード窓口で多数のコロナ感染者が発生し、濃厚接触者の職員も出勤停止とし、窓口を1週間閉鎖する非常事態となりました。 このようなリスク回避には、同じ部署の職員全員、そして同時出勤を避けるしかありません。そのためにも各所管で常に誰かが在宅勤務をする体制を構築し、当該所管の職員全員が罹患もしくは濃厚接触する事態を回避すべきと考えます。そこで伺いますが、BCPの観点から、各部署でテレワークの職員枠を設けることを義務づけるべきと考えますが、いかがでしょうか。 続いて、半育休を含めた日常の観点から、例えばテレワークする職員の率を10%とします。そうすると、職員は平均10営業日に1度、つまり2週間に1回程度在宅勤務となります。テレワークできる業務を10%まで高めておけば、例えば足をけがして病気休暇を取得すべき人が在宅勤務であれば働ける場合に、テレワークを選択できます。 最近では、育児休暇を取得しつつもテレワークで在宅勤務を実現する半育休という言葉があるそうです。また、妊娠初期は不安を抱えた生活を送る人が多いわけですが、日本においては一般的に安定期になるまで周りに報告しない人が多いようです。産婦人科学会の統計データによりますと、30歳以上になると20%以上の方が流産になり、20歳代ですら8%以上あります。妊娠初期12週以下の流産の原因のほとんどが胎児の染色体異常であり、受精卵の段階で流産は運命づけられているということです。しかし、妊娠初期は誰にも妊娠に気づかれない中、体調が優れない状態が続き、挙げ句の果てに悲しい結果となった場合、親として全力を尽くせていなかったのか自責の念に駆られる人もいると聞きます。プライバシーに関わることで、上司への報告さえもなかなか難しいですが、上司へ報告し、庁内全体でつくり上げたテレワーク業務を自宅で担ってもらうことで、精神的、体力的にもサポートできないかと考えます。そこで伺いますが、各所管でテレワークを推進し、妊娠・出産・育児、条件つきの病気休暇において在宅勤務がしやすい環境をつくるべきと考えますが、見解はいかがでしょうか。 10%の職員が出勤しない体制を構築できれば、机と椅子を10%削減できます。新庁舎においては、生活援護課、社会福祉協議会などの配置に関する議論があるわけですが、テレワークの実現により各所管の執務スペースの削減が可能となります。テレワーク推進、マイナンバーカード普及により執務スペースを縮小し、将来的に空いたスペースをほかの用途に活用できるよう検討すべきと考えますが、区の見解をお伺いいたします。 次に、創造力向上について。自民党会派で福岡県古賀市のフリーアドレスのオフィスを視察させていただきました。机を自由に使えるフリーアドレスとなり、職員たちが、例えば来週はプロジェクトチームのメンバーが同じ島の机なり、仕事がしたい、一人で集中させてもらいたい、テレワークがしたいなど、ある程度の要望を組み込んだ後、残りの席はくじ引きなどで決めるそうです。席が変わることで様々な会話ができ、新たな創造的なアイデアが生まれるそうです。また、必ずテレワークの職員枠があるそうです。もし職場内に苦手な方がいても固定席ではないため、そのリスクも軽減し、ストレスが著しく下がるようです。現在、中野区の新区役所整備課は、新庁舎に先立ち、モデルオフィスとしてフリーアドレスにも対応できる執務環境としましたが、これまでの検証内容、また今後の展望をお伺いいたします。 11月29日から子ども・若者支援センター、児童相談所の内覧会に伺いましたが、机はフリーアドレス仕様で、個人ロッカーがあり、新庁舎と同様の什器がそろっています。同施設の業務は特殊ですが、仕事の引継ぎ、継続性の重要性はほかの業務よりもなおのこと高く、フリーアドレスのオフィスの考え方は重要だと考えます。新庁舎が完成する前に、新施設におけるフリーアドレスに関するノウハウのフィードバックが必要だと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。 新庁舎移転に向けて、区では区民サービスのさらなる向上、職員の生産性を向上させる取組としてペーパーレス推進基本方針を策定し、2年半後に迫る新庁舎移転に向け、全庁的に効果的なペーパーレスを進める必要がありますが、具体的にどのような手法で紙を削減していくのか伺います。 また、部署、所属によって業務内容も様々で、紙文書の書類や取扱いは異なりますが、成果にばらつきが出ることを是とはできないため、全庁的に足並みをそろえるために、進捗が芳しくない部署への対処方針などをどのように行うかを伺います。 ユニファイド・コミュニケーションを活用し、自席以外の様々な場所でも業務を行える新しい働き方を進めるということですが、現庁舎ではまだまだ紙ベース、手元の紙資料で作業することが多いです。現庁舎のうちからペーパーレスし、生産性を高め、スムーズに新庁舎での執務が始められるよう工夫、実施をすべきと考えますが、その点について伺います。また、新しいコミュニケーションツールについても現庁舎から徐々にならしながら、これからの働き方の検証、検討を進めていく必要があると考えますが、区の見解を伺います。 新庁舎における行政と議会の情報共有の在り方についてもお尋ねいたします。区議会としても、議場システム、新庁舎における議会運営方法などの検討を進めておりますが、区のDXの進捗状況についての情報共有を図り、区と区議会で認識を合わせながら調整を進める必要があると考えます。今後導入を考えているコミュニケーションツールやICT機器について議会とも連携する必要があると考えますが、区の見解はいかがでしょうか。ちなみに、本原稿はMS365のディクテーション、音声認識を使って取材をしておりますけれども、この原稿を作るのにふだんの半分ぐらいの時間で済んだかなということで、コミュニケーションツールの在り方、よくよく考えていただければと思います。 続きまして、2、「にぎわい」に着目した施策展開についてのうち、(1)中野区景観方針について。よい景観をつくりましょうとなれば、一般的に自然あふれ、テーマ性のあるまち並みというような表現になるかと思います。例えば東京駅周辺や西新宿の高層ビル街は看板の設置が禁じられ、スマートなまち並みです。自然との調和であれば、雪国のコンビニの看板が茶系になっている事例があります。景観とは地権者と相互努力が必要不可欠で、話合いで景観のテーマが決まらないと何も前に進みません。そして、決まらないことがほとんどで、多くの場合、防災面からまちづくりが進められ、特徴のないまちが出来上がっていきます。 以前、私は景観デザインの学会に論文を出したこともあり、景観について多少学びましたが、今も昔もキーワードは緑と水辺とにぎわい、この三つ。場所によっては歴史や文化というキーワードも加わります。中野区景観方針骨子においても、目指す景観もそのキーワードを軸に構成されております。桜並木で有名な中目黒の目黒川沿いなどが分かりやすい理想像の一つになるのでしょう。 私は様々なまちでどんな風景、景色、デザインがいいか、勉強会、パネルディスカッション、ワークショップなどを実行する企画運営メンバーとなり、時にはファシリテーターも務めたことがあります。参加者と議論をすると多種多様の価値観があり、参加者の中には、川の中には珍しいミジンコがいるため、川の改修は断じて認めないなどの意見もあり、なかなか統一見解を見出せず、最後やっつけの結論として、緑と水辺とにぎわいが調和するまちにすべきとまとめると、その場は一旦落ち着きます。しかし、これは具体的な方針が全く定まらないわけです。 時代にそぐわない表現かもしれませんが、一つ思い出しました。三島由紀夫の書籍で「文章読本」というのがありますけれども、「あなたが小説を書くとき、彼女は絶世の美女だと書けば、それで、そのままその人は絶世の美女となるのです。」という一節があります。しかし、映画などで映像化されると個々のイメージと異なってくるということも述べられております。景観も同様で、個人が描く理想はそれぞれ異なります。多様性があるまちにすると掲げ、具体性がないということと同様です。 また、ワークショップという手法は、東日本大震災後の復興方針について議論する場合は、早く結論を出さなければ自分たちの住む場所も描けないため、具体的な結論を導くことができました。しかし、切迫感がないワークショップは参加者のガス抜きを一定程度するだけの手法であり、それには限界があります。区はこういったところを丸投げするのではなく、最終的には腹を決めるしかありません。そこで伺いますが、景観方針で示される良好な景観を区内各地域で実現していく際には、どのようなスキームで構築していくのか伺います。 例えば具体的にスカイライン、屋根の高さの統一、沿道の緑化などを義務づけしようというのは簡単ですが、民有地での計画策定、実施は困難を極めます。また、小宮山議員が主張される神田川などの水辺空間を最大に生かすことも重要な視点です。しかし、川沿いには建物が張りつき、コンクリート三面張りの川の中で親水空間を造ろうにも、気候変動に伴う降雨の激甚化、ゲリラ豪雨による洪水リスクが年々上昇し、区民の命を守る観点から行政はゴーサインを出せません。河川災害があった場合、自己責任論では済まされず、行政側が裁判で負けるケースが多いからです。ICTを活用した緊急避難手法の確立でこの状況も打開できると期待はしておりますが、即座にできるものではありません。 何が言いたいかといいますと、先ほど挙げました緑と水辺とにぎわいのこの三つのうち、緑と水辺は地権者の合意形成、行政的な了承を得るのが非常に困難です。となると、緑、水辺、にぎわい、三位一体の理想的な景観方針を策定しても、道路の計画線を引いて30年間何も進まない事例と同様な形になっていくことが想定されます。 景観方針を活用した事例は、にぎわいを主とすることが現実的には推進しやすいです。簡単に言えば、もうかるからです。住居エリアを除いた市街地に限定すれば、もうけ話に賛同する人は多いはずです。新しい中野サンプラザを含めた中野通りの景観は、区民のみならず全国的に興味を持たれる話です。東京駅周辺のように看板をなくし、かつ四季の森と連動性のある空間、それとも中野らしくアジアンチックに看板がたくさんあるまち並みにするのか。中野四丁目、五丁目で二面性をつくるのか。はたまた統一性を持たせるのか。中野通りの桜並木へのライトアップ、照明をつくるのか。特徴ある道路タイル、中野区の中心とも言える中野駅ガード下の整備、エリアマネジメントなど、様々にぎわいツールを景観の観点からは考える必要があります。 そこで伺いますが、景観施策の中で緑、水辺、にぎわいを生かした景観形成が最も典型的だと考えますが、区は現在策定中の景観方針の中でにぎわい形成についてどのように位置付けていくのか伺います。また、具体的ににぎわいの実現に向けてどのような景観誘導手法があると考えられるか伺います。 続きまして、(2)道路占有における非日常の創出について。なぜアミューズメントパーク、テーマパークなどに行きたいかと理由を問われましたら、根底は非日常を味わいたいからではないでしょうか。中野区にはアミューズメントパークの誘致は非常に困難でありますけれども、にぎわいを生み出す非日常空間をつくり出すことはできると考えます。例えば中野区の神社祭礼において、青梅街道南台交差点などを一時的に封鎖する神輿の渡御があり、鍋屋横丁、川島通り、南台商店街などを封鎖したお祭りも盛況です。四季の森公園沿道で東北復興祭のねぶた、ランニングフェスタなど、道路占有によって生まれた非日常空間には多くの笑顔があふれており、臨時的なアミューズメントパークが生まれます。無論これらイベントは関係者の長年による御努力によって実現したものです。 余談ではありますが、私がタイに行ったときの話をします。現地の国土交通省の職員からレストランに招待されて、大学の後輩20人と幌なしの軽トラの荷台に乗せられました。そのまま移動して、すぐ近くのお店に行くと思ったんですけど、軽トラは一般道から高速道路に乗ってしまって、非常に興奮したことを覚えました。窓もドアもないトゥクトゥクと呼ばれるタクシーがあるように、実はこれは問題ないらしいんですね。こういった日本の法律という一般常識が身についていることでイメージしづらいですが、イベント利用や特区制度を活用して道路交通法を一時的に緩和させることで、どこでもアミューズメントパークをつくることを理解していく必要があると思います。このような道路上でのイベントなど、にぎわい創出の観点から道路占有の取扱いについて区の見解を伺います。 ところで、沼袋の区画街路第4号線は道路拡幅により新たに生まれ変わる商店街です。国土交通省で昨年の5月に歩行者利便増進道路制度を創設しました。これは、にぎわいのある道路空間を構築するための制度であり、区画街路第4号線におけるにぎわいの創出として道路上でのテラス席など、一つの重要な切り口となると考えますが、区として今後どのように展開していくのかをお伺いします。 (3)エリアマネジメントについて伺います。第2回定例会一般質問で取り上げましたが、コロナ禍でキッチンカーが増えました。資金面、能力面などで自信がない方が飲食業にチャレンジできるということで人気が出ました。将来的に新区役所前に位置する四季の森公園イベント広場及び周辺道路を活用し、キッチンカー事業者に期間限定で場所の無償提供ができれば、区の職員がお弁当を買い求めやすく、好循環が望め、新たなにぎわいが創出できます。事業者は中野で商売を始め、お客さんがつけば中野で店舗を持ちたいと考え、空き店舗対策につながる可能性があります。サンプラザ解体中の中野駅北口のにぎわいの一助となることが考えられます。ほかのエリアマネジメントの対象となり得る地区においても同様のことが期待できます。エリアマネジメントで生まれた活力を区全体に広げるためにも、このような空間活用があってもよいと思いますが、区の見解をお伺いいたします。 オンラインショッピング、スーパー、コンビニで買えないものはない時代になりました。中野区商店街連合会からのお話ですと、現在、商店街の個店で生き残りができるのは、サービスを受ける本人が来店する理美容、マッサージ、飲食店とのことです。区としては、キッチンカーの創業の後押しで飲食店を盛り上げていくことができると考えます。 続きまして、(仮称)中野駅周辺エリアマネジメント協議会設立について伺います。いよいよ協議会が設立されますが、中野駅周辺におけるエリアマネジメントの取組の進捗状況を伺います。また、協議会の主体は中野区民間事業者、経済団体、地域団体となりますが、中野駅周辺のエリアマネジメントはどこがハンドリングするのか伺います。 続きまして、3、中野区地域包括ケア総合アクションプランについて伺います。 令和2年第3回定例会地域包括ケア推進調査特別委員会において、地域包括ケアに向けての区民1万人アンケートの内容が出てきましたけれども、生活実態、意識の調査に偏った内容であり、施策につながらないと私は指摘させていただきました。そして、令和3年第2回定例会で令和2年度暮らしの状況と意識に関する調査の一次処理データが報告されましたが、案の定、施策につながる調査結果ではありませんでした。また、11月4日の厚生委員会で報告された中野区地域包括ケア総合アクションプラン中間のまとめについてで、アンケート調査結果として、孤立感を感じていない人たちは趣味、生きがいがある。要介護度が上がると外出していない割合が増える。SOSを発信できない人たちはスーパー、コンビニ以外にあんまり行かない。自分のスキルを地域に生かしたいが、やり方が分からないなど、こういった概略が書いてあったわけでありますけれども、当たり前の事実が、アンケートを取らなくても分かるような当たり前の事実が挙げられていたわけであります。生きていればスーパー、コンビニぐらい行くのは当たり前で、わざわざ1万人にアンケートをして出てきた結果がこれなのかなと残念に思うところであります。実態把握は重要ではありますが、その生活苦に対して何ができるか、その施策を導けないものでありました。一般質問というよりは一般的な疑問ではありましたが、640万円の予算、多大な時間をかけてあれだけ大々的に実施したアンケートで知り得た事実は何だったのか。また、そこから見出した施策は何かを伺います。また、アンケート結果からアクションプランに反映する取組は何になるのか伺います。 地域包括ケアシステム推進プランでは認知症対策が柱8にありましたけれども、総合アクションプランでは認知症対策は権利保護に含まれることになり、特出しの施策ではなくなり、認知症発症と歯周病の因果関係も指摘されるなど、これから予防手法の確立がされていく中で、中野区のそういったところの積極的な施策展開を期待していたので、残念でなりません。トーンダウンした感がありますが、認知症対策について区はどのような施策を展開されるおつもりなのか伺います。 認知症や不慮の事故で自分の意思が表示できない、表明できなくなることがあります。私ごとではありますが、私の父が生活習慣病を患い、入院し、その病院でコロナのクラスター感染し、コロナ病棟から戻ったら終末期医療の病院行きとなりました。現在、本人の意思を確認できない状況です。ぎりぎり会話ができたとき、父は家に帰りたいと連呼しており、最後の希望と思い、医師に自宅での尊厳死、看取りを希望したら、あり得ないと一喝されまして、現在ほぼ寝たきりの状態が続いております。家族としてはあらゆる可能性を模索し、悔いが残らないように今もしているだけです。 先日、特別養護老人ホームの入居相談を受け、相談者に今のエピソードを話しましたら、要介護者及び家族同士の未来についてしっかりと話すきっかけができ、情報共有をさらに深め、ケアマネジャーさんに状況をしっかりと伝えることになりましたら、要介護度が変わるなどして状況が改善していったそうです。地域包括ケアの構築も非常に重要ではありますけれども、家族でそういったことを話し合う風土をつくり上げていくということが最優先事項だと実感しました。ずっと父と終活について話そうと考えていた時期もありましたけど、私自身が転職、結婚、出産など目まぐるしいライフステージが変化する中で、気づいたらこういった手遅れの状況になっておりました。言霊信仰、滅相もない、縁起が悪い、腫れ物に触るなど言いますけれども、手遅れになる前に腹を割って家族で様々話すべきだと考えます。 成年後見人制度の利用促進、介護や医療が必要になったときに、自身が望むケアを受けるために、ACP、アドバンス・ケア・プラン、人生会議の普及を推進し、特に自助の大切さを芽生えさせることも必要だと考えます。超高齢化社会を迎えるに当たり、例えば60歳、65歳、70歳等の節目の年に成年後見制度やACPについての利用や理解促進を推奨すべきと考えますが、区の見解はいかがかお伺いいたします。 最後に、4、環境・防災・住み心地を総合的に考慮した野心的な住宅政策について。 11月に中野区はゼロカーボンシティとして、2050年までのカーボンニュートラルを目指し、本格的に脱炭素施策を進めることを宣言しました。また、様々な社会情勢も踏まえて、基本構想が示す安全安心で住み続けたくなる持続可能なまちの実現を目指すことが求められ、災害にも強く、バリアフリー、ユニバーサルデザインに配慮した住み心地のよい住環境の形成が必要です。環境、防災、コロナに伴う新しい生活スタイルなどの変化を鑑みた良好な住環境形成に向け、区は国や都の補助事業やインセンティブ等を活用して、相当野心的かつ斬新的な住環境施策を展開すべきと強く感じております。例えば環境、防災、福祉に配慮したマンション建設などに関して、土地利用の観点でこうした施策に対応した緩和策、容積率アップなどのインセンティブ政策があるのか伺います。 また、現在、区では建築課で対応している集合住宅条例は、一定規模以上の集合住宅に対してワンルーム住宅のみの設置を規制し、一定割合のファミリー住宅の誘導や自転車駐車場の設置、ごみ置き場等の設置など、周辺環境に配慮した建築を誘導しております。区の集合住宅の建築等の条例では、一定規模の住宅に対してファミリータイプの誘導を図っておりますけども、誘導居住水準を満たして居住をもっと増やす。最低床面積を増加させるなど、もっと誘導を図っていくと考えますが、いかがでしょうか。あるいは耐震耐火、良好な居住水準を満たした優良マンションの建設を誘導する制度はあるのか伺います。 カーボンニュートラル実現に向けて野心的な住環境施策が求められ、これまで以上に環境配慮への規制・誘導が必要ですが、かなり厳しいと言えます。エコや脱炭素へ向けたインセンティブによる積極的な誘導が必要と考えますが、区の見解を伺います。 また、区はゼロカーボン社会の実現に向け、環境配慮型の住宅建設や住環境形成等に関して具体的にどのような誘導策等を検討しているのか伺いまして、私からの全ての質問を終えます。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 加藤議員の御質問にお答えいたします。 初めに、BCP・半育休・創造力向上等を勘案した働き方改革の推進について。 初めに、テレワークをする職員枠の義務づけについての御質問です。BCPの観点からも、一定の規模の職員がテレワークできる体制を構築することは有効であると認識をしております。現在、テレワークの本格実施に向けた検討を進めているところでございますが、テレワークに必要な端末の台数や、テレワークにより自宅等で処理できる業務の量、これに制約があることから、枠を設けて義務づけるのは現在のところ難しいと考えております。業務の内容によっても、テレワークの実施しやすさが異なるため、それぞれの職場によってテレワークの可能性について積極的に検討するように促してまいりたいと考えております。 続きまして、テレワークの推進についてでございます。BCPの観点のほか、職員が出産や育児、介護、病気やけがなどで通勤困難な場合等にも働きやすい環境をつくるために、テレワークの本格実施に向けて、これを推進していきたいと考えております。 テレワークの推進に伴って、将来的なスペースが生まれるということについての活用についてでございます。新庁舎につきましては、レイアウト変更等が柔軟に行えるように間取りや内装を更新しやすい構造としておりまして、可動式の窓口カウンターも想定しております。将来的に来庁者や新庁舎で働く職員数が減少した場合には、空いたスペースを他の用途としても活用できるものと考えております。 続きまして、モデルオフィスの検証内容、今後の展望についてでございます。庁内4階に設置しておりますモデルオフィスでは、新庁舎で導入を検討している什器及びICT環境を一部先行して導入し、新庁舎で目指す職員の働き方を実際に試行しております。これまで複数モニターやPCのペンタブレット機能を活用したペーパーレスの効果、それから、椅子の機能性や個人ロッカーの使い勝手等の検証を行ってきたところでございます。現在、同一係内におけるフリーアドレスも実践しておりまして、従来型の固定席方式との比較検証を行っております。今後はモデルオフィスで検証した内容をまとめて、什器やICT機器の発注や働き方のルールづくりに活用してまいります。 次に、子ども・若者支援センターでの取組の活用についてでございます。子ども・若者支援センターにおきましては、業務内容や職員育成の観点から、当面席を固定化する予定でございます。子ども・若者支援センターで行っている取組や什器類の使い勝手等の内容については、新庁舎の検討に反映をしてまいります。 次に、全庁を挙げてのペーパーレス推進の取組についてでございます。ペーパーレス推進は、継続的な文書量調査を行うとともに、電子申請及び窓口対応、電子化の推進等の観点から、業務特性に応じて各部で対象文書を選定し、電子化作業を民間事業者の知見も活用しながら効率的に進めていく必要があります。こうした考えの下、区では現在、副区長をトップとしたペーパーレス推進本部を設置して、各部の進捗状況の確認や優良事例、改善点の共有等を行っております。進捗が芳しくない部署につきましても、推進本部での確認や課題の洗い出しを通じて削減に向けた取組を進めておりまして、今後も全庁を挙げて着実にペーパーレス環境の実現を図ってまいります。 次に、新庁舎に速やかに移行できる取組についての御質問です。新庁舎では執務環境に合わせてペーパーレスや場所を選ばない働き方の実現等、職員の働き方も大きく変わることになります。現庁舎のうちから紙を使用せずに、資料を見比べられるようなサブモニターの設置や、画面上で複数の電子ファイルを閲覧しやすい仕組みの導入など、ペーパーレスで業務を行える環境を現段階からできるだけ整えていくことで、新庁舎での働き方に速やかに移行したいと考えております。 次に、新しいコミュニケーションツールの段階的な導入と新しい働き方の検証、検討についてでございます。新しいコミュニケーションツールに関しましては、新庁舎移転と併せて実施する本格運用に先行して、現庁舎にて業務用チャットやスケジュール管理、資料作成等、利用できる部分について段階的に利用開始をし、操作の習熟及び新しい働き方への活用を行うとともに、導入による効果を検証してまいります。 次に、コミュニケーションツールを活用した議会との連携についてでございます。新庁舎における議会との連携については、お互いに情報共有を行いながら、一体となって検討を進めていくことが重要であると考えております。現在、区ではユニファイド・コミュニケーションの活用による情報伝達の円滑化や、ICT機器の導入による区政資料のペーパーレス化等の具体的な内容について検討を進めておりますが、これらの検討の内容についても適宜議会に情報提供してまいります。 次に、中野区景観方針についてでございます。初めに、良好な景観形成に向けた手法についてでございます。景観方針では、区が目指す良好な景観形成に向け、区民参加の仕組みづくり、景観に取り組む区の体制づくり、景観形成事業の推進などを示すこととしております。この方針を踏まえ、区は今後、景観法に基づく景観計画を策定し、この中で景観計画区域、建築物の形態、意匠等の規制、誘導手法など、良好な景観形成に向けた様々な手法を示すとともに、区民参加と協働のための仕組みづくりを進めていく考えでございます。 続きまして、景観方針におけるにぎわいの形成についての御質問です。景観方針の中では、暮らしの中のにぎわい、潤い、個性を育てる景観形成についての基本方針の一つとして示し、活気や親しみのある商店街、多くの人々が集まり、交流する場の形成、居心地がよく、歩きたくなるまちなかの実現など、活気や地域の魅力を高める景観形成を目指すこととしております。にぎわいを高める景観誘導手法としては、身近な景観資源を生かし、地域の自主的な合意形成により良好な景観づくりを目指す景観協定や建築協定制度、建築物の形態、意匠等の規制や壁面位置の後退等により、にぎわい空間づくりを目指すまち並み誘導型地区計画などの手法がございます。 続きまして、道路占用の取扱いについての御質問です。区では地域の活性化やにぎわいの創出等に寄与する道路空間を活用した路上イベントの実施等の取組について、国土交通省の道を活用した地域活動の円滑化のためのガイドライン改定版、こちらに基づいて一般交通の確保とともに、公共性、公益性と地域における合意に配慮しながら占用許可を行っております。また、中野区内の道路は狭く、歩道のない道路が多いことから、交通管理者である警視庁と連携しながら検討していきたいと考えております。 続きまして、区画街路第4号線におけるにぎわい創出についてでございます。区画街路第4号線沿道は、現在、商店街でございます。道路拡幅後も店舗やテナント等の活用が見込まれます。道路拡幅後の道路空間の活用に当たりましては、商店街の活性化や新たなにぎわいの創出に向け、地域住民や各商店街の意向を確認してまいります。国土交通省が創設した歩行者利便増進道路制度につきましては、地域の意向に沿った活用が見込まれる場合に、道路管理という視点も含めて交通管理者と協議するなど、地域を下支えしていきたいと考えております。 続きまして、公共空間を活用したにぎわい創出、区内経済活性化についてでございます。中野駅周辺が再開発等によって変わりゆく中で、いかにこれまでのにぎわいをつなぎ、さらに発展させていくのかということは大きな課題であると認識をしております。公共空間を活用したにぎわいの創出は、エリアマネジメントの主たる取組の一つでございまして、地域経済の活性化にも寄与するものと考えております。まずは先行する中野駅周辺におけるエリアマネジメントの取組を試金石として、同様の課題を抱える区内各地区に展開していきたいと考えております。 そして、中野駅周辺のエリアマネジメントの進捗状況についてでございます。現在、中野駅周辺エリアマネジメント協議会、この設立に向けて組織の制度設計の検討や、構成員となる関係者の調整を進めているところでございます。協議会の設立後は、中野駅周辺のまちの将来像等について、にぎわいや安心安全といったソフト的な観点から描いたエリアマネジメントビジョンを協議会として策定したいと考えております。 続きまして、エリアマネジメント協議会の主たる担い手についてでございます。エリアマネジメント協議会の設立に向けた具体的検討や関係者調整のほか、設立後の事務局運営については区が担うことになります。今後、まちづくりが進展する中で、より発展的な取組が求められる場合は、適切な組織の在り方や役割分担等を協議していくものと考えております。 続きまして、中野区地域包括ケア総合アクションプランについて。 初めに、アンケート結果から把握できた事実や施策についてでございます。調査結果として、これまで主に社会的孤立や孤独、SOSを発信できないリスクの高い区民、地域の担い手に関する結果について報告をしております。社会的孤立や孤独、SOSを発信できない人については、地域で利用している施設や抱えている悩みなどの生活実態が把握できたことにより、調査結果を活用し、これまで十分ではなかったひきこもり支援などについて取り組んでいく予定でございます。ひきこもり支援の取組は総合アクションプランにも掲載しておりまして、令和4年度からはプラットフォームの立ち上げや本人、家族支援のための事業を実施する予定でございます。 続きまして、認知症施策の展開についてでございます。総合アクションプランの柱につきましては、支援の対象者が広がったこと、若年性認知症への対応もあることから、権利擁護に変更いたしましたが、認知症施策については引き続き力を入れて取り組んでいるところであります。具体的な施策としては、従来の取組のほか、認知症本人や家族支援の場として運営するオレンジカフェについて、今年度新規開設支援を行うとともに、令和4年度については認知症検診の実施と地域における認知症地域支援拠点、これの設置を目指しております。これまで実施してきた取組や成果、今後の取組について総合的に発信をしてまいります。 最後に、成年後見制度やACPの理解や利用促進についてでございます。節目の年や定年、あるいは介護保険制度への加入等のタイミングで、成年後見制度やACPについて理解を深め、御自身のその後の生活や望ましい医療、介護のケアについて考える機会を持つことは重要だと考えております。これまで区民や事業者に対する講演会等については実施しているところでございますが、節目の年に一斉に集中することも効果的であり、今後の取組に生かしてまいりたいと考えております。 〔都市基盤部長奈良浩二登壇〕 ○都市基盤部長(奈良浩二) 私からは、環境・防災・住み心地を総合的に考慮した野心的な住宅政策についての御質問のうち、初めに、新しい生活スタイルなどを考慮した土地利用のインセンティブについての御質問にお答えをいたします。 東京都は、新しい都市づくりのための都市開発諸制度活用方針を策定し、この中で多様なライフスタイルやライフステージに応じた質の高い居住環境形成に資する総合設計や、市街地再開発事業等に対しまして、環境、防災及び福祉の都市づくりなど、公共貢献に応じて一定の割増し容積などについても示しているところでございます。区はこうした制度の活用等を前提としまして、改定中の都市計画マスタープランでは、良好な住環境を提供する都市づくりの基本方針を示し、時代の変化に対応した良質な住宅の建築による居住水準の改善、多様な世帯が暮らすことができる住宅供給、安全安心な住環境の確保等を目指すこととしてございます。 続きまして、集合住宅条例に基づく規制・誘導等についての御質問でございます。条例は最低限の基準を示したものでございまして、ファミリー世帯の誘導や居住水準の向上につながる手法への誘導に当たっては、事業者や個人の建築主への過度の負担とならないよう慎重に対応していきたいと考えてございます。 また、耐震耐火及び良好な居住水準を満たす建物に対しましては、税制面の優遇等が受けられる長期優良住宅認定制度がございます。今後もこうした制度が十分活用されるよう周知を図り、良好な住宅が確保できるよう積極的に取り組んでまいります。 〔環境部長朝井めぐみ登壇〕 ○環境部長(朝井めぐみ) 私からは、環境配慮型住宅建設の誘導についての御質問にお答えいたします。 区内の二酸化炭素排出量は、家庭における電力やガスの消費によるものが約半分を占めていることから、ゼロカーボンシティを実現するためには住宅の環境性能の向上が不可欠であると考えております。来年度は既存住宅の断熱性向上に向けた助成制度の実施を検討しておりますが、その後も国や東京都の助成制度なども勘案しながら、新たな助成制度を創出するなどによりまして、環境配慮型の住宅を増やし、地域の脱炭素化を強力に進めていきたいと考えております。 〔[2]加藤たくま議員登壇 〕 ○11番(加藤たくま) 4番の環境・防災・住み心地を総合的に考慮した野心的な住宅政策についてお伺いいたします。 中野区におきましては、狭小住宅を建てることが一番利益が生まれるというような、交通の便というところもありまして、これを解決するためには、最低床面積を強引に増やす。しかし、その代わりに容積率をアップするとか、そういった野心的な住宅政策がない限り、国の制度のままやっていくと、それをクリアできない。中野区独特の課題に対してクリアができないんじゃないかということを考えているんですけれども、その辺、積極的な政策を御検討されるおつもりがあるかというのを再度お伺いしたいと思います。 〔都市基盤部長奈良浩二登壇〕 ○都市基盤部長(奈良浩二) 加藤たくま議員の再質問にお答えいたします。 先ほど御答弁申し上げましたとおり、現在におきましては集合住宅条例に基づく規制・誘導ということで最低限の基準を示してございます。御指摘にありましたような点につきましては、今後研究してまいりたいと考えてございます。 ○議長(内川和久) 以上で加藤たくま議員の質問は終わります。 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(内川和久) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 次の会議は、11月29日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。 本日はこれをもって延会いたします。 午後5時27分延会
会議録署名員 議 長 内川 和久 副議長 酒井 たくや 議 員 内野 大三郎 議 員 山本 たかし |