1.令和4年(2022年)2月17日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
1番 市 川 しんたろう 2番 竹 村 あきひろ
3番 日 野 たかし 4番 渡 辺 たけし
5番 間 ひとみ 6番 河 合 り な
7番 斉 藤 ゆ り 8番 立 石 り お
9番 羽 鳥 だいすけ 10番 欠 員
11番 加 藤 たくま 12番 吉 田 康一郎
13番 木 村 広 一 14番 甲 田 ゆり子
15番 内 野 大三郎 16番 杉 山 司
17番 ひやま 隆 18番 小宮山 たかし
19番 い さ 哲 郎 20番 小 杉 一 男
21番 内 川 和 久 22番 若 林 しげお
23番 高 橋 かずちか 24番 小 林 ぜんいち
25番 白 井 ひでふみ 26番 いながき じゅん子
27番 山 本 たかし 28番 中 村 延 子
29番 石 坂 わたる 30番 近 藤 さえ子
31番 浦 野 さとみ 32番 大 内 しんご
33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき
35番 平 山 英 明 36番 南 かつひこ
37番 久 保 り か 38番 森 たかゆき
39番 酒 井 たくや 40番 むとう 有 子
41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行
1.欠席議員
な し
1.出席説明員
中 野 区 長 酒 井 直 人 副 区 長 白 土 純
副 区 長 横 山 克 人 教 育 長 入 野 貴美子
企 画 部 長 高 橋 昭 彦 総 務 部 長 海老沢 憲 一
防災危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝 瀬 裕 之
子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小 田 史 子
地域支えあい推進部長 角 秀 行 地域包括ケア推進担当部長 藤 井 多希子
保 健 所 長 佐 藤 壽志子 企画部企画課長 堀 越 恵美子
総務部総務課長 浅 川 靖
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 長 﨑 武 史 事 務 局 次 長 小 堺 充
議事調査担当係長 鳥 居 誠 書 記 立 川 衛
書 記 若 見 元 彦 書 記 鎌 形 聡 美
書 記 松 丸 晃 大 書 記 田 村 優
書 記 細 井 翔 太 書 記 有 明 健 人
書 記 五十嵐 一 生 書 記 髙 橋 万 里
書 記 本 多 正 篤 書 記 金 木 崇 太
議事日程(令和4年(2022年)2月17日午後1時開議)
日程第1 第2号議案 令和3年度中野区一般会計補正予算
第3号議案 令和3年度中野区用地特別会計補正予算
第4号議案 令和3年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算
第5号議案 令和3年度中野区後期高齢者医療特別会計補正予算
第6号議案 令和3年度中野区介護保険特別会計補正予算
第13号議案 中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
第20号議案 明和中学校校舎新築工事等請負契約
日程第2 第7号議案 令和4年度中野区一般会計予算
第8号議案 令和4年度中野区用地特別会計予算
第9号議案 令和4年度中野区国民健康保険事業特別会計予算
第10号議案 令和4年度中野区後期高齢者医療特別会計予算
第11号議案 令和4年度中野区介護保険特別会計予算
午後1時00分開議
○議長(内川和久) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 間 ひとみ
1 「つながる はじまる なかの」にふさわしい産業振興について
2 子どもや若者も活躍できる環境施策について
3 「オールなかの」の地域包括ケアについて
(1)地域共生社会の実現について
(2)公益活動推進について
(3)その他
4 その他
○議長(内川和久) 最初に、間ひとみ議員。
〔間ひとみ議員登壇〕
○5番(間ひとみ) 令和4年第1回定例会において、立憲民主党・無所属議員団の立場から一般質問いたします。
最初に、「つながる はじまる なかの」にふさわしい産業振興について伺います。
これまで中野区は産業振興ビジョンを掲げ、ICTコンテンツ・ライフサポートを重点に置き、産業振興センターでの事業者支援や中野区産業振興推進機構と協定を結び、産業振興拠点ICTCOでのスタートアップ支援を行ってきたところです。来年度、中野区基本計画に基づいた産業振興方針の策定をする予定となっています。
「つながる」という視点から見ると、産業振興ビジョンにも中野区基本計画にも産学公金連携が掲げられているものの、これまで個別の連携はあっても、それぞれが関わり合い、イノベーションが起こるような全体での連携は図られてこなかったと認識しています。新たに産業振興方針を策定するに当たっては、これまでの産学公金連携について総括するとともに、近年の技術革新を踏まえた新たな取組を行っていくべきではないでしょうか。近年では、自治体オープンイノベーションと言われる取組も増加しつつあり、多様なマッチングにより新しい事業が生まれています。これまでのような行政が仕様書を作成し、民間企業がシステム開発を行うというプロセスではなく、自治体が解決したい課題やニーズに対して民間のアイデアを広く募り、マッチングが成立すれば協働して、実証実験を通じて新たなシステムやサービスの開発を行うというものです。
神戸市は2015年にスタートアップ育成を軸にしたイノベーション施策を始め、2018年にUrban Innovation KOBE(アーバンイノベーション神戸)を開始し、スタートアップと市が抱える課題解決のための共同開発を進めています。現在は全国の自治体が参加できる仕組みへと展開しており、12自治体が参加しています。渋谷区は昨年度独自にInnovation for New Normal from Shibuyaを立ち上げました。マッチングしたスタートアップ企業や大学、研究機関などと渋谷をフィールドにした実証実験を行い、その際、区民モニターとして登録した方が参加することも可能です。基本計画の施策9に、商店街の活性化支援によるにぎわい空間の創出がありますが、商店街を実証実験のフィールドとして行うことも可能です。つながる産業振興として中野区もオープンイノベーションを実施してはいかがでしょうか。
「はじまる」という視点から見ると、気になるのは、今後のスタートアップ支援の行く先です。ICTCOに関しては、相談、セミナー等を実施し、ビジネスコンテストの入賞者輩出やビジネスの拡大のためにICTCOから卒業していくなど、一定程度成果があった一方で、我が会派の杉山議員がこれまで指摘したとおり、運営上の課題があったと認識しています。令和4年8月で協定契約を終了することになっていますが、その後のスタートアップ支援をどうしていくのか。令和7年度に旧商工会館跡地に開所予定の新たな産業振興センターではどうするのかなど明らかになっていません。スタートアップ支援といえば、有名なBizモデルが多様な形で全国で展開され、自治体間の連携も図りながら中小企業の支援をしていますが、国や都がやっているスタートアップ支援もある中で「はじまる産業振興」として、区にとってこれから必要なものはどのようなものとお考えでしょうか。
また、スタートアップ支援として地域課題をビジネスで解決するコミュニティビジネスを中心としたソーシャルビジネス支援にも取り組まれてはいかがでしょうか。併せて伺います。
先ほど申し上げたオープンイノベーションの場にスタートアップ支援を行った事業者に参加してもらうことも可能です。スタートアップ支援体制の在り方を再検討するに当たり、面的な支援や連携も見込んだ発展性のある支援を実施することが「つながる はじまる なかの」にふさわしい産業振興の在り方であると考えます。区長が目指す「つながる はじまる なかの」にふさわしい産業振興とはどのようなものなのか、お考えを伺います。
産業のにぎわいを創出していくとともに、既存の区内事業者の発展の下支えも行っていかなければなりません。事業者のDXが求められる中、新型コロナの影響もあり、目の前の仕事をこなすのが精いっぱいという状況の事業者や事業承継が難しい状況に陥っている事業者の存在も見過ごせません。国や都が行っているマッチング支援もありますが、ハードルが高く、制度の利用に至らないことも多いと聞きます。基本計画の中では、「事業承継が円滑に行われるよう支援策を構築する」としていますが、具体的な道筋は明らかになっていません。課題を抱える区内事業者が安心して事業を行っていけるよう、身近な存在である区が寄り添い、伴走支援を行う体制の整備をすべきと考えますが、見解を伺います。
SDGsにおける産業振興の視点では、8番、働きがいも経済成長も、9番、産業と技術革新の基盤をつくろう、12番、つくる責任つかう責任、17番、パートナーシップで目標を達成しようなどがあります。企業がSDGsに取り組むことは顧客からの評価につながり、もはや取り組むのが当たり前であるという考えが社会全体に広がりつつあります。長野県は2019年からSDGsの取組を可視化し、企業同士がつながり、新たなパートナーシップで目標達成に向かっていけるような仕組みとしてSDGs推進のための企業登録制度を開始しました。社内のSDGsの理解促進や意識向上などにもつながっているそうです。横浜市では、SDGs認証制度、Y-SDGsを実施しており、三つのランクに分けた認証を受けた団体のうち、上位または最上位のランクを取得すれば、総合評価落札方式の入札の際に加点を得られるというメリットを持たせることで、企業のSDGsへの取組を効果的に促しています。SDGsの視点での事業者支援も重要です。中野区もSDGsの登録・認証制度を参考にされてはいかがでしょうか。
次に2番、子どもも若者も活躍できる環境施策について伺います。
これまでも申し上げてきたとおり、SDGsを学ぶ子どもたちや若者たちの環境問題への視線はとても熱く、大人の心を動かすすばらしい力があります。その子どもたち、若者たちが学びを生かし活躍できる場を区が積極的につくっていくことは、従前とは異なる環境施策の展開、そしてゼロカーボンシティ中野の達成につながるのではないでしょうか。今年度2年ぶりに実施できたなかのエコフェアは、出展団体31団体、来場者数2,800名と、コロナ禍でも多くの方に御参加いただきました。今年度はハイティーン会議の展示コーナー、そして新渡戸文化中学校・高橋ラボのブースが設けられ、動画を視聴することができました。中学生たちにとっていい経験になり、ブースに立ち寄られた方も中学生の熱意を受けて環境に対する行動変容の意識が高まったのではないでしょうか。
そこで伺います。子どもたちが学んだ環境やSDGsについての発表ができ、フィードバックを受けられる機会はそう多くありません。区が主催するなかのエコフェアやシンポジウムといった環境イベントにおいて、子どもや若者にもブース等の参加の間口を積極的に広げ、子どもから大人まで一緒に環境について考える機会を創出してはいかがでしょうか。
区内でも子どもたちや高校生、大学生、活動団体、企業などが様々な取組、環境活動を行っていますが、区民には知られていないものがほとんどです。そういった取組を可視化するため、国や自治体がSDGsやサステナブルな取組に対して独自の賞の授与を行っている事例があります。
伺います。ロールモデルとなり得るSDGsやサステナブルな取組を可視化し、より多くの関心を集め、環境に優しい取組を増やしていくためにも中野区でも賞の授与を行ってはいかがでしょうか。
厚木市では2012年から、小学校4年生から6年生を対象としたジュニアエコリーダー環境学習講座を実施し、子どもたちが環境について学び、ここで得た知見を友達や家族などに広めてもらうという取組を行っています。令和元年度の開催後のアンケート結果を見ると、「地球を守るために、できそうなことはみつかりましたか」という問いに対し、回答者全員が「けっこう、できそうなことがある」と答えており、「地球を守るために、行動してみようと思いますか」という問いに対しても、全員が「かんたんそうだから、やってみる」と回答し、講座が子どもたちの環境への意識を高めたことが分かります。中野区でも子どもエコ講座を実施しているところですが、子どもたちが環境に関するリーダーとして活躍できる講座などの展開も新たに検討されてはいかがでしょうか。
次に3、地域で支え合うオールなかのについて伺います。
(1)地域共生社会の実現について。
この2月に地域包括ケア総合アクションプランが策定されていますが、いよいよ子どもも含めた全ての区民を対象とした地域包括ケア体制の実現に向けて動き出します。この総合アクションプランには、庁内の各部署の事業だけでなく、関係団体もその役割とともに掲載され、「できることから始めよう!“オールなかの"の地域包括ケア」というスローガンを掲げています。これは、制度や分野ごとの縦割りや支え手、受け手という関係を超え、また地域の多様な人々が世代や分野を超えて丸ごとつながることで、区民一人ひとりの暮らしと生きがいをともに創る共生社会の実現にも資するものです。地域包括ケアの考え方に、自助・共助・公助・互助がありますが、総合アクションプランの中では、個人が家族や近隣の方と支え合うことを意味する互助に対しての区民意識向上への取組は示されていません。
令和2年度暮らしの状況と意識に関する調査によると、「地域包括ケアシステムを知っていますか?」の問いに対し、回答者の86.1%が、すこやか福祉センターについても80.5%の方が「知らない」と答えており、区や関係団体との認識の差があるのが現状です。関係団体の方ですら、「総合アクションプランを読んでも理解できない」との声があります。多くの区民に地域包括ケア、地域共生社会という聞き慣れない概念を知ってもらい、支え合いの輪の中で日々の声のかけ合い、そして必要な相談支援への接続の一助になっていただくためにも、分かりやすい区民目線のハンドブックを作成されてはいかがでしょうか。また、区民が親しみやすい副題をつけてはいかがでしょうか。見解を伺います。
外国人コミュニティとの連携も必要です。区は、外国人向けに多言語ややさしい日本語での広報を行っている一方で、多言語情報がたくさん出されていても、当事者の元に届いていないという声があり、さきに述べたとおり、身近な相談窓口であるはずのすこやか福祉センターの存在も知らない方が多いのが現状です。外国人の方にも地域包括ケアの輪の中に入っていただくためには、情報が素早く伝わるよう、外国人コミュニティとの連携の在り方を考えなければならないのではないでしょうか。
そこで伺います。フェイスブックグループなど、外国人の各コミュニティには独自のつながりがあります。区の情報発信以外に、各コミュニティにおけるキーパーソンとの連携を図り、一人でも多くの方に確実に情報を伝える仕組みを構築してはいかがでしょうか。外国人も含まれる地域包括ケアにおける区の課題認識と併せて答弁を求めます。
区は現在11の事業者と高齢者等の見守りに関する協定を結んでいます。これまでは高齢者の見守りが中心でしたが、全ての区民が対象となる地域包括ケア総合アクションプランの策定とともに、子どもや障害者も含めた支援につながるよう協定先を拡充していく必要があるのではないでしょうか。また、他自治体では様々な連携・協定の結び方をしています。天理市では、医療法人や社団法人と三者でのICTを活用した地域共生社会の実現に向けた包括連携協定を結び、みまもりあいアプリの情報配信機能やチャット機能を活用した高齢者とボランティアのマッチング、音声配信機能を活用した認知症当事者や家族の居場所づくりとしてのオンラインサロンなどの取組を推進していくとしております。また、国内外で介護問題を解決するためのAIやIoTを活用した実証実験が進んでおり、次々と新しいサービスが生まれています。民間企業もオールなかのの一員です。地域包括ケア体制、そして地域共生社会の実現に当たっての課題を民間との連携により解決する方法も検討されてはいかがでしょうか。
(2)公益活動推進について伺います。
オールなかので心を一つにして支え合っていくためには公益活動の推進が必須です。区有施設整備計画では、産業振興の機能が商工会館跡施設へ移転した後、現在の産業振興センターに公益活動を主体とした複合交流拠点を設けるとしていますが、どのような交流を生み出し、活動支援をするのかによって、ただのミーティングスペースになるか、公益活動を下支えし、イノベーションを起こす場になるのか未来が大きく変わります。武蔵野市の武蔵野プレイス内にある市民活動フロアは、登録した市民団体が簡単な打合せや軽作業に使えるワークラウンジや市民活動の書籍などもある情報コーナー、ロッカーやメールボックス、相談窓口などの機能を持ち、大変参考になる事例です。最大限区民の利益につながるような施設にしていただきたいと思います。様々な意見を聞きながら、公益的な活動をしている団体や思いのある区民が活用しやすく、必要な情報や支援が得られる機能を持った施設としていただきたいと考えますが、区の見解を伺います。
閉会中に開かれた厚生委員会では、公益活動に対する中間支援の役割を担う団体や人材、つまりコーディネーターとなる方がスキルを習得するための研修やネットワークづくりを行うと報告されました。活動団体の高齢化や地域資源の活用が十分にできていない現状など、課題が多い公益活動推進ですが、地域ごとのコーディネート力を高め、適切な伴走支援がなされることで、区内全体の公益活動の活性化につながることを期待しています。コーディネーターがスキルを習得しながら地域で実践していく中で、既存の団体から新たな団体まで幅広いつながりが生まれると思います。プロボノや企業のCSR活動として公益活動支援に携わりたいという方ともつながるかもしれません。様々な団体や人材の情報はコーディネーターが活用するためにも共有できる形で蓄積する必要があります。令和3年第2回定例会において、情報を集約化したプラットフォームの形成について質問し、検討する旨の御答弁をいただきましたが、さきに述べた交流拠点、つまり場所、そしてコーディネーターの育成、そして誰もが活用できるプラットフォーム、これらを一体的に考え、公益活動の支援機能を強化すべきではないでしょうか。区の見解を伺います。
区はこれまでも地域の担い手の育成の必要があるとしてきました。10年先、20年先もオールなかので支え合うなかのの実現には、今後いかに多くの子育て世代や若い世代に地域に関心を持ってもらい活動していただくかが重要になってきます。しかし、現状は、区有施設を利用するに当たってのルールが複雑なため、同じ条件でも施設によっては部屋の使用を許可されないこともあるなど、区民目線で見ると運用に差があるように感じられ、度々相談を受けます。中野区構造改革実行プログラムの中で、区民活動センター運営の在り方の検討がなされることになっていますが、子育て世代や若い世代の利用がなぜ少ないのか。ルール等、どのような課題がありどのような伴走支援が求められるのかを整理して、誰もが使いやすい環境の整備を早急に進められることを求めます。施設利用のハードルの高さは区民活動センターに限ったものではなく、区有施設全体の課題とも言えます。区は、子育て世代や若い世代の伴走支援や区有施設の利用促進を重点的に行い、担い手づくりへの投資を行うべきではないでしょうか。
そこで伺います。区内の子育て支援、若い世代に対しての公益活動支援の強化を促すために、区の認証制度や登録制度を設けるなど具体的な施策を進めてはいかがでしょうか。また、新たな機能を備えた児童館に関する子ども文教委員会の報告の中で、団体支援やネットワーク支援の機能強化が報告されているものの、前定例会において中野区児童館条例の一部を改正する条例の否決により、予定していた手厚い人員配置ができない状態であることは承知しています。しかし、その中でも、可能な限り、児童館条例で定める目的と一致する公益活動団体の活動場所としての支援は実施していただき、子育て世代などのネットワーク支援の強化につなげていただきたいと考えますが、見解を伺います。
以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 間議員の御質問にお答えいたします。
一つ目に、自治体オープンイノベーションの実施についてでございます。東京都が支援する未来を拓くイノベーションTOKYOプロジェクトをはじめ、神戸市や渋谷区など自治体が主導するオープンイノベーションが近年増加傾向にあることは認識をしております。商店街の活性化の一つの手段として、実際に独自のオープンイノベーション事業に取り組んでいる商店街もあり、その成果には注目しているところであります。中野区でも多様な主体が連携したオープンイノベーションによるスタートアップ支援や商店街を含めた地域活性化の在り方について検討してまいります。
次に、スタートアップ支援についてでございます。区ではこれまで産業振興拠点での支援のほか、産業振興センターにおける創業セミナー、認定特定創業支援等事業による登記や融資における優遇措置などにより、区内で創業する事業者への支援を行ってきたところであります。はじまる産業振興としては、スタートアップに限らず、中野区の産業及び経済活性化に向け、誰もがチャレンジできる環境を整備することだと考えておりまして、そのために区としてできる支援を検討したいと考えております。また、ソーシャルビジネスはこれからの地域課題解決の方法の一つとして重要なものだと考えておりますので、必要な支援の内容等について検討してまいります。
「つながる はじまる なかの」にふさわしい産業振興についてでございます。
中野区が目指すべき産業振興は様々な主体が協働し、連携し合いながら持続的な地域経済の成長と区民生活の質が向上しており、誰もが生き生きと働き続けられる環境が実現している状態でございまして、商店街は、高齢者等の見守りや地域住民同士のコミュニケーションの場となるなど、地域コミュニティの核として多彩な社会的役割を果たしつつ、魅力的な店舗やサービスを集積することでより魅力あるものになると考えております。その実現のためのスタートアップへの支援も含めた様々な施策について積極的に展開を図ってまいりたいと考えております。
次に、区内事業者への伴走支援についてです。区内事業者の中には後継者の不在や経営悪化などの理由で事業承継が思うように進まず廃業に至ってしまうケースもございます。そのような事業者に対してどのような支援を行っていくべきなのかは、産業振興における重要な課題であると認識をしております。現在も融資や経営相談などの対応は行っているところでありますが、それだけでは不足していると感じております。困っている事業者に寄り添った伴走型の支援が必要であると考えております。具体的な事業スキームについては、今後先進自治体の事例なども参考としながら検討してまいります。
次に、SDGs登録認証制度についてでございます。区内事業者に対するSDGs推進のための支援も、区内の産業振興にとっての支援策の一つであると捉えております。他自治体の事例なども参考にしながら、中野区としての事業者支援の在り方及び契約手続における評価への活用について検討してまいります。
次に、子どもや若者も活躍できる環境施策についてで、環境学習等の成果を発表する場の提供でございます。若者世代の環境意識は高くなっていると言われておりまして、中野区においても中学生などによる環境やSDGsに関する様々な活動がなされております。子どもや若者による環境活動を広く情報発信してもらうことによって、親や大人世代に対して共に環境について考えるきっかけづくりとなると考えます。そのため今後も環境に関するイベントでは、子どもも含め、若者世代の発表の機会を増やすよう考えてまいります。
次に、自治体独自のSDGs取組の表彰についてでございます。環境に優しい取組を増やす方策として、子どもたちの活動などに着目して、その活動を広く周知することによって、環境活動への関心を高めることは効果的であると認識をしております。今後、賞の授与も含め、環境配慮行動の促進に向けてPR効果の高い取組を検討してまいります。
次に、子ども向け環境リーダー講座についてでございます。厚木市では子ども向けに自然体験やエコクッキング、科学館での実験等、環境問題を幅広く捉えた上で生活の中での環境に資する行動を学べる講座を実施しております。区においても子どもエコ講座を実施しておりまして、さらに楽しく学び、体験を通し、生活の中で環境行動を率先して実践できるようになる講座としていくことを検討してまいります。
次に、オールなかのの地域包括ケアで、区民目線のハンドブックの作成と親しみやすい副題についてでございます。中野区の地域包括ケアにつきましては、「できることから始めよう!“オールなかの"の地域包括ケア」、これを合い言葉に、区民や関係団体等が身近な地域に目を向け、できることから進めていけるよう働きかけを強化することとしております。そのためには、地域包括ケアや地域共生社会の理念、目指す姿、具体的な取組などを知っていただくことから始めていきたいと考えております。ハンドブックの作成や総合アクションプランの副題をつけることも含めて、効果的な広報に努めたいと考えております。
次に、外国人の各コミュニティにおけるキーパーソンとの連携についてでございます。区内には外国人住民が多く住み、コミュニティが形成されている地域があるということは承知しております。外国人住民が地域で安心して暮らすことができるよう、区内における外国人のコミュニティの実態を把握するとともに、キーパーソンとの連携の可能性についても今後検討してまいります。
外国人も含む地域包括ケアにおける区の課題認識についてでございます。子育ての悩み、生活困窮、生きづらさを感じている人に対する支援は、国や地域にかかわらず、共通する生活課題だと考えております。それに加えて、外国人の場合には、言語や文化、生活習慣の違いによる孤独や孤立した状況があることも課題として認識をしております。中野区に暮らす外国人は、平成27年を境に急増しており、外国人が多い地域におきましては、鷺宮西住宅におけるお仕事相談、生活相談、フードパントリー等のように、外国人の生活を支える取組も進んでおります。外国人の方々も安心して住み続けることができるよう、中野区の状況に即した地域包括ケア体制を推進してまいります。
次に、見守り協定の拡充についてでございます。高齢者等の見守りに関する協定における見守り対象者は、高齢者、障害者、子どもでございまして、高齢者のみに限定したものではございません。協定による見守り活動の内容も、事業者の日常業務において高齢者をはじめとする見守り対象者の何らかの異変に気づいた場合に区に連絡をいただき、区はその状況を確認し、速やかに関係機関等と連携して支援を行うというものであります。支援が必要な全ての人を対象とする見守り支援を強化していくに当たり、協定の名称の見直しについて検討してまいります。
次に、民間との連携による課題解決についてでございます。複雑化する住民の課題を解決するためには、多様な主体が地域包括ケア体制に参画することが重要であると認識しております。区と民間の事業者が互いの強みを生かした連携ができるよう、協定の締結や地域ケア会議への参加なども推進してまいります。
続きまして、公益活動を主体とした複合交流拠点についてでございます。複合交流拠点の具体的な検討はこれからではありますが、オールなかのの地域包括ケアの実現に向け、地域課題の解決につながる公益活動を行う様々な団体や人材がつながり、さらに多彩な人材が参加して新しい活動を始めることができるような中間支援の機能を強化することが必要と考えております。
次に、今後の公益活動の支援機能の強化についてでございます。令和4年度、新たな取組として地域で公益活動の中間支援の役割を担う人材を対象に共通研修を行うことで、ネットワークづくりとコーディネート力の向上を目指してまいります。この取組を通じて支援に必要な知識、スキルに関する情報や支援事例のほか、公益活動を担う団体や人材をはじめとする社会資源情報等の共有や蓄積を進めることも考えております。今後公益活動を担う団体や人材をつなぐ情報や活動の活性化につながる情報等を集約して発信する仕組みづくりについて検討を進めてまいります。
次に、子育て世代等への活動支援です。子育て世代や若い世代のライフスタイルが多様化していることから、これらの世代の子育て支援活動への参画を促進し、地域の担い手づくりにつなげていくためには、これらの世代のニーズを踏まえた活動の支援が必要であると認識をしております。子育て世代等を含む子育て支援活動を行っている方々と意見交換を進めているところでございまして、その際の意見も含め、子育て世代や若い世代のニーズを広く捉え、区の施設の利用方法の改善等を含め、具体的な支援策を検討してまいります。
次に、児童館における公益団体の活動場所としての支援についてでございます。児童館条例では、児童を心身ともに健やかに育成するために、必要と認める場合には、地域団体が児童館を集団的に利用することができるとの定めがございます。社会ニーズや地域の課題を踏まえ、広く区民の公益に資する活動を行う団体を支援するとともに、連携協力に努め、地域における支え合いのネットワークの充実を進めてまいります。
○議長(内川和久) 以上で間ひとみ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 伊 藤 正 信
1 施政方針説明について
2 令和4年度予算の概要について
3 新型コロナウイルス感染症対策について
4 鍋横区民活動センターの移転整備等について
5 その他
○議長(内川和久) 次に、伊藤正信議員。
〔伊藤正信議員登壇〕
○33番(伊藤正信) 施政方針説明について伺います。
区長は、「区政の構造改革は、財政体力を高めることばかりが注目されがちですが、社会や経済などの状況変化が不可避な中でも新たな行政需要に応じた効率的かつ効果的なサービスを提供し、基本構想で描くまちの将来像を実現していくために、取組を進めていきます」とあり、令和4年度の予算編成に当たり、私たちはこれまで懸念してきた歳出の抑制に努めた予算編成を進めるべきであるとの経常的な事業を見直してさらなる歳出削減を図り、その上で真に必要な事業のみを進めるべきであるとの考えに反するものであり、とても残念に感じております。
既存事業の見直しを徹底的に整理し、歳出削減を図るとともに、新規拡充事業を行う際にも、その内容を十分精査して、真に必要なもののみに実施内容を絞るといった工夫が必要だと思いますが、令和4年度の予算の概要については後ほど伺いますが、このような予算編成になったことについて区長の率直な見解をお聞きいたします。
予算編成過程においては、新規事業と既存事業の見直しを一体的に行うビルド・アンド・スクラップを行ったとありますが、取り組んだ内容を見ても、とても構造改革とは言えず、単なる事業見直しのレベルに収まっている印象を受けます。令和4年度の予算編成に当たり、具体的にどのようなビルド・アンド・スクラップの検証を行ったのでしょうか。また、仮に見直しの内容をスクラップであるならば、ビルドの内容も併せて示すべきだと考えますが、伺います。
次に、令和4年度の予算の概要について伺います。
令和4年度の一般会計予算規模は1,579億3,500万円で、前年度に比べ106億9,400万円、7.3%の増であります。歳入については、一般財源は前年度比で15.9%、129億3,000万円余の増になっており、その中でも区の基幹収入である特別区税と特別区交付金が5割近くの47.3%を占めております。特別区税については2.4%増を見込み、約8億1,000万円余の増となっておりますが、税収増の見込みをどのように行ったのか伺います。特別区交付金は23.9%の増、78億円の増を見込んでおります。東京都の財政調整フレーム案では1兆1,093億円で、3年ぶりに増で過去最大となっております。新型コロナの影響で予想された厳しい状況とは裏腹に、市町村民税法人分が40.9%増と大幅に増加したこととされております。このように調整税の増収が要因だと思いますが、具体的にどのように見込んだのか伺います。
歳出については、義務的経費が昨年度より3.1%の伸びであり、公債費は計画的な償還により元金償還分が減少したため12%の減でありましたが、人件費と扶助費が伸びておりますが、人件費については2.6%増の218億3,000万円余で、5億5,000万円余も増えております。その要因は何か伺います。また、今年度の令和3年度は昨年度の令和2年度より3.7%減で、212億7,000万円余でした。年度でこのように人件費が減ったり増えたりするものなのでしょうか、伺います。
次に、扶助費についてはこれまでも一貫して増加しており、令和4年度は476億2,000万円余で、前年度より17億6,000万円余の3.9%の増であります。今年度の増の要因は何か伺います。扶助費は社会保障制度の一環として新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、生活困窮者や高齢化の進行などにより増加が見込まれますが、区の財政運営に大きな影響を及ぼすものであり、その動向を十分に把握して財政運営を行っていくことが必要と考えます。義務的経費の歳出抑制をどのように考えているのか伺います。
新型コロナウイルス感染症の収束がいまだに見通しすることができず、経済状況が不透明な中では、PDCAサイクルをしっかりと機能させて、経常経費の削減に努め、構造改革実行プログラムに基づく取組の財政効果だけではなく、行財政の構造的な改革を集中的に進め、持続可能な区政の運営を確立していかなければならないと考えております。
次に、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
ワクチン接種について伺います。新型コロナウイルス感染症は、オミクロン株の感染が広がり、いまだ収束の方向が見えない状況にあります。現在3回目接種も開始され、接種券が区民の方に届く中で1日も早い接種を望むところであります。3回目接種については、65歳以上の方は2月10日から、2回目接種から6か月に変更することとしたものの、64歳以下の方には引き続き7か月のままとしております。現在の対応の状況を伺います。その際、ワクチン接種希望がファイザー社製に偏り、武田/モデルナ社製の接種が進まない状況があるなら、区はワクチンが有効に活用されるように積極的広報を行うべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
次に、小児ワクチンの接種について伺います。小児用のワクチンの接種を控え、不安を抱えた保護者の方がたくさんいらっしゃると思います。接種方法については、区内約40か所の医療機関で個別接種を行うとしております。接種場所は、小さいお子さんを連れていかなければならない保護者にとっては大変重要であり、特に兄弟のいる家庭では複数で接種に行かなければならず、その負担も考慮した想定が必要であります。その具体的な医療機関名は明らかになっておりませんが、地域に偏りがなくスムーズな接種ができる体制になっているのでしょうか。また、40か所で十分な接種体制が取れるのでしょうか、伺います。また、待合室の混雑などの対策など、医療機関に対して区はどのような安全対策を考えているのか伺います。
次に、事業継続計画について伺います。区職員も多くの方が感染されている中、区は保健所をはじめ、やめることができない事業も多く抱えており、現在でも保健所にはこれまで想定していた以上の職員を配置しているということです。区のホームページでは、「新型コロナウイルス感染症対策に伴う保健所業務等への支援に、応援職員を派遣しています。そのため、しばらくの間、各種窓口やサービスをお受けいただくのにお時間をいただく場合があります」との案内が掲載されております。
そこで伺います。現在区の職員の何人が罹患し、何人が保健所応援に行っているのか伺います。
「オミクロン株感染拡大に係る事業継続計画の緊急点検等について」で、区は、事業継続計画緊急点検を行ったとあります。点検期間が2月1日から3月31日まで。点検結果は、感染状況を踏まえつつ、臨機応変かつ適切に事業実施に反映していくとなっております。職員が限られている中で、事業の実施体制の見直しを行い、区民対応に影響が出ないようにしていくのは当然です。今回のホームページでの広報は、区は区民に直接影響のない事業を見直した上でのものだったと思いますが、どのような事業を見直し、どのように公表していくのか伺います。区民に混乱がないよう、適切な広報を行い、少しでも不安のない生活が送れるよう、区には最大限の努力をいただきたいと思います。
最後に、鍋横区民活動センターの移転整備等について伺います。
令和5年度開設予定として計画されましたが、区民活動センターの規模や施設の配置など様々な意見があり、地域の合意が得られなかったことや新型コロナウイルス感染拡大の影響で見直しを行うことになりました。昨年の第4回定例会の厚生委員会で、基本計画策定以降の事業の進行が止まっている状態にあるが、分室を含めた現施設の老朽化が進行していることから、早期移転の整備を進めていく必要があり、一方で整備開始までの間、整備用地の有効活用を図る必要もあることから整備を進めていく考えが示されました。そして、先日の15日より民間による時間貸し駐車場として活用されております。
鍋横区民活動センター整備の移転先は鍋横地区の中心であり、新しいセンターを多様な地域住民の方によって活用されると期待しております。また、現在運営委員会では様々な事業を行っており、その中でも地域のお母さんと未就学児に対しての防災講座は10年前から行っている事業で、今年1月に東京消防庁が主催する第18回地域の防火防災功労賞最優秀賞(消防総監賞)の表彰を頂きました。今の鍋横区民活動センターは多くの団体の皆さんが利用されて、手狭で老朽化が進んでいることは確かであります。南部地域には、ホールといった文化施設がありません。100席程度規模のホールや音楽活動、スポーツもでき、レイアウトが自由に変えられるスペースも必要ではないかと考えます。そして区民活動センターと高齢者会館機能を設けた単体の施設でよいのかと思っておりますが、区の考えを伺います。
また、区有施設整備計画では、新しい鍋横区民活動センターの開設時期、令和8年度から令和12年度の長いスパンで示されております。開設時期については、1日でも早く開設していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
お伺いしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 伊藤議員の御質問にお答えいたします。
初めに、令和4年度予算編成を終えた見解についてでございます。令和4年度予算は、重点事項として掲げた新型コロナウイルス感染症対策と様々な活動の支援策、基本計画で掲げる重点プロジェクト、区有施設整備計画に基づく施設整備、構造改革実行プログラムに基づく取組及び新庁舎移転を見据えた業務改善等に対して限られた財源を優先的に配分したところであります。一方で、経済状況の先行きが不透明であることから、中長期的な視点を持ちながら、経常経費の削減や歳入確保、将来に備えた基金への積立てと起債発行の抑制にも取り組んだところであります。新型コロナウイルス感染症との闘いを乗り越え、活動を力強く再開し、未来へつなげる予算になったものと考えております。
次に、ビルド・アンド・スクラップの検証についてでございます。令和4年度予算編成に当たり、構造改革の視点から新規拡充事業の要求に伴う既存事業の見直しを行いました。見直しについては、各事業の執行方法の工夫などにより財源を捻出し、また行政評価結果を踏まえた事業の廃止などを行いました。ビルド・アンド・スクラップの対象となった事業や削減額については、令和4年度当初予算案の概要と併せて説明してまいります。
次に、令和4年度の税収増の見込みについてでございます。特別区税のうち約94%を占める特別区民税の収入見込みにつきましては、区の1月1日現在の15歳から64歳までの生産年齢人口に過去5年の生産年齢課税率の平均値を乗じて、当初課税所得割納税義務者を令和3年度当初課税に比べ2,946人の増、19万4,157人と見込みました。それに1人当たりの平均総所得金額を乗じ、所得控除及び税額控除を差引き、税率を乗じた調定額に対して目標収納率を乗じて推計した結果、約321億1,000万円、前年度比2.7%の増となったところであります。特別区税全体では、令和3年度当初予算と比較し、約8億1,000万円余の税収増の見込みとなったものであります。
特別区交付金の見込みについてでございます。普通交付金につきましては、令和4年度の東京都の調整税等の見込みが、令和3年度当初と比較して全体で2,062億円、11.6%増の1兆9,797億円となっていることから、この調整税等のフレームを基に過去の中野区のシェア等を勘案し算出しているところであります。特別区交付金につきましては、令和3年度は10億円を見込みましたが、調整税等の増を踏まえ、令和4年度は15億円といたしました。その結果、特別区交付金は令和3年度予算から78億円、23.9%増の405億円を見込んだところであります。
次に、人件費の主な増減要因でございます。人件費が前年度から増加している主な要因としては、退職手当が約4億2,000万円余の増、児童相談所の開設や教育相談員、スクールソーシャルワーカー等の拡充、児童館職員の欠員補充等に伴って、会計年度任用職員等の報酬が約1億5,000万円余の増、超過勤務手当が約6,000万円の増となった一方、期末手当が約1億円の減となったこと等によるものでございます。
次に、人件費の年度ごとの増減についてでございます。年度ごとに退職者数の違いによる退職手当の増減や給与改定や職員の年齢構成の変化等に伴う給料や各種手当の増減等が生じるため、人件費の額は年度ごとに増減をいたします。
次に、扶助費の増要因についてでございます。主な増要因として、教育保育施設給付費が約12億円増、児童入所施設措置費が約6億円増、介護給付費・訓練等給付費が約3億円増などが挙げられます。
次に、義務的経費の抑制についてでございます。義務的経費のうち公債費につきましては、中野区方式の公債費負担比率をおおむね10%以内で運用できるよう起債活用を慎重に行っていくことにより抑制していく考えであります。
人件費と扶助費につきましては、区民サービスに直結することから抑制することは難しいと考えますが、今後の動向についてしっかりと注視し、財政の硬直化につながることのないよう健全な財政運営を進めてまいります。
私からは最後に、持続可能な区政運営の実現に向けての御質問です。構造改革実行プログラムに基づく個別プログラムについては、令和5年度までの間、集中的に取り組んでまいります。また、次年度はさらなる事業の見直しに向け、行政評価と連動した取組を進めていく考えでございます。
〔保健所長佐藤壽志子登壇〕
○保健所長(佐藤壽志子) それでは、新型コロナウイルスワクチン接種についての御質問にお答えをいたします。
64歳以下の3回目接種についてですが、18歳以上64歳以下の区民については、当初2回目接種から8か月以上経過後に3回目接種を実施することとしておりましたが、順次前倒しを図っているところでございます。中野サンプラザでは、2月16日までに6か月以上経過後の区内の保育施設従事者等約50人、当日受付として一般区民約500人の方に接種をいたしました。また、3月1日以降は全ての医療機関で2回目接種から6か月以上経過後に3回目接種が受けられるように変更いたします。
次に、武田/モデルナ社製ワクチンのPRについてでございますが、3回目はファイザー社製、武田/モデルナ社製のいずれを接種しても安全性が確認されており、予防効果も見込まれております。また、武田/モデルナ社製の3回目のワクチン接種量は、2回目接種に比べると半分であるため、発熱や疲労など接種後の症状が少ないことなど、国からの最新情報に基づき、適宜区ホームページを更新し、広報の充実を図ってまいります。
次に、小児接種の体制についてでございますが、小児接種を実施する医療機関は、区内各地域にバランスよく立地しており、接種体制は十分と考えております。また、小児接種の安全対策についてでございますが、5歳以上11歳以下用のワクチン接種に当たりましては、保護者等と接種を受ける子どもが一緒に来院し、接種後に15分程度の経過観察をすることも踏まえる必要がございます。このため、小児接種を実施する医療機関に対しては、予約枠の設定において、時間当たりの受付人数をゆとりを持つように求めております。
〔総務部長海老沢憲一登壇〕
○総務部長(海老沢憲一) 私からは、職員の罹患状況と保健所への応援職員の人数についてお答えいたします。
2月15日現在で新型コロナウイルスに罹患している区の職員は約50人でございます。また、保健所への応援職員は1日当たりの新規感染者数が500人を超えたときには最大で26人の応援体制をしいてきたところでございます。
〔防災危機管理担当部長滝瀬裕之登壇〕
○防災危機管理担当部長(滝瀬裕之) 私からは、事業継続計画緊急点検等についてお答え申し上げます。
今般のホームページの広報は、オミクロン株の感染急拡大に伴う保健所応援体制の強化により、一時的に窓口等で区民をお待たせすることも考えられることから実施したものでございます。また、緊急点検は、職員が各所属において20%不足した場合を前提に、あらかじめ各部の事業の休止・縮小等を想定の上、可能な限り必要な区民サービスを確保・継続させるため、事業実施方法の工夫や見直しを行ったものでございます。今後区民生活に大きく影響を及ぼすような状況が生じた場合は、危機管理等対策会議で決定の上、速やかに区民周知を図るなど、適切に対応してまいります。
○議長(内川和久) 質問時間が過ぎておりますので、御答弁は結構です。
以上で伊藤正信議員の質問は終わります。
中野区議会議員 むとう 有 子
1 「中野区物品の蓄積等による不良な生活環境の解消に関する条例」について
2 新型コロナウイルスワクチンについて
3 その他
○議長(内川和久) 次に、むとう有子議員。
〔むとう有子議員登壇〕
○40番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただきました御意見を基に質疑をいたします。
「中野区物品の蓄積等による不良な生活環境の解消に関する条例」についてお尋ねをいたします。
この条例の第10条第1項に規定する命令に従わない場合は、第2項に基づき、氏名、住所、不良な生活環境の状態にある私有地の所在地等、区長が必要と認める事項を公表することができると規定されています。しかし、公表の方法については規定されていません。
1月21日、区のホームページで、本条例に基づく氏名等の公表がなされました。氏名と住所のこの場での私からの公表は控えます。所在地は、「命令に従わない者の自宅の敷地内及びその周辺」。命令内容は、「命令に従わない者の自宅の敷地内及びその周辺における鳩への給餌を直ちに中止すること」。公表に至った理由は、「命令送達後も、鳩への給餌を行っており、不良な生活環境が解消されていないため」。公表方法は、「中野区ホームページへの掲載による」とのことです。公表された氏名と住所から、この事案は何度も私が議会で取り上げてきた事案です。担当が公園課から環境課に替わり、担当課長が替わるたびに一からの証拠集めとなり、その都度「やります。やります」と答弁しつつも進まず、5年以上が経過しました。本条例が施行されて4年半を費やし、やっと氏名が公表されました。私には環境課長から氏名公表の連絡があったので、区のホームページで確認できましたが、私を含め多くの区民の方々は日常的に区のホームページを見ることはないので、公表を知った区民は非常に少ないと思います。現に長年この発生者によるハトへの餌やりにより感染症の原因となる大量のふん尿と羽毛と悪臭に苦しめられている近隣住民の方々も知りませんでした。私からの知らせで区のホームページを見た方々は、この程度の公表では効果がないという御意見でした。発生者にとっても、ホームページだけでの氏名公表は痛くもかゆくもなく、相変わらずハトへの餌やりは続いているようです。
そこでお尋ねをいたします。本条例の第10条第2項に規定する氏名公表の意図と目的をお答えください。
多くの区民の方々に知らしめる方法としては、ホームページだけではなく、区報や区のお知らせ掲示板、さらには、この事案であれば、発生所在地である区立公園に設置されているハトへの餌やり禁止看板への掲示、地域の協力が得られれば、地域ニュースや町会の掲示板や回覧板等も考えられます。条例に公表方法の規定がない中で、公表をホームページへの掲載のみとした理由をお答えください。事案に応じた効果的な様々な、かつ複数の氏名公表方法の検討を求めます。区の見解をお答えください。
さらに、本条例の第19条第2項で、命令に違反した者に対して5万円以下の過料を科すことができると規定されています。氏名公表後も残念ながらハトへの餌やりは続いています。明らかに命令に違反していますが、過料を科したのでしょうか、お答えください。過料が支払われない場合は、どのような対処になるのか。また、支払われても、命令に違反し続けた場合はどのような対処になるのかお答えください。
本条例に基づき、氏名公表や過料を科すとの手続を経てもハトへの餌やりをやめず、不良な生活環境が改善されない場合、区道や区立公園を含め、近隣住民の良好な生活環境が脅かされていることの損害賠償請求も含め、次なる方策についてのお考えをお答えください。
時間がかかり過ぎましたが、条例に基づき氏名公表に至ったことは評価しますが、これで終わることなく、そこに暮らす近隣住民の生活環境が改善されるまで粘り強い取組を求め、次の質問に移ります。
新型コロナウイルスワクチンについてお尋ねをいたします。
新型コロナウイルス感染者が急増する中、国民の8割弱がワクチン接種を2回終えましたが、日本は3回目の接種が遅れたこともあり、医療の逼迫が日ごとに高まっています。一方で、これまでの接種で発熱や倦怠感を経験した人も多く、3回目の接種をためらう人もいらっしゃいます。接種が原因で死亡したと国が認定した場合、予防接種法に基づく救済制度により、遺族に4,420万円と葬祭料21万円が支払われます。1級の障害となると、年額約505万円の年金が支給されます。副反応による医療費の自己負担分の給付もあります。1回目の接種を始めるときには、このような救済制度があるので安心して接種するよう呼びかけていました。
1月21日に開催された厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会の資料によれば、新型コロナワクチン接種後に死亡した人は、ファイザー製が1,372人、武田/モデルナ製が65人、アストラゼネカ製が1人の合計1,438人です。案の定、死亡した1,438人のうち、ワクチンと死亡との因果関係が認められないとしたものが10人、情報不足等で評価できないとしたものが1,428人です。医師が報告を上げているにもかかわらず、99%以上の死亡報告は評価できないとして、因果関係の判断を棚上げしているのは国の怠慢です。情報不足であれば、すぐに情報収集するべきです。給付の認定は厚生労働省の新型コロナウイルス感染症予防接種健康被害審査部会が決定します。1月28日現在、新型コロナワクチンで給付が決まったのはアナフィラキシーや急性アレルギー反応などの副反応で医療費を申請した969人のうちの515人のみで、1,438人の死亡者で給付に至った人はまだ一人もいません。厚生労働省が、接種が原因で多くの人が亡くなったということはないとの立場を貫いており、遺族は割り切れない思いを抱えています。薬害問題に詳しい水口真寿美弁護士は、「若くて健康な男性が接種後に心筋炎を起こして亡くなった事例など因果関係が強く疑われるものも認めておらず、疑問がある」と指摘しています。そもそも新型コロナワクチンは特例承認で、安全性を確認する手続を大幅に省略し、感染拡大防止のために国が接種を勧奨してきた以上、救済の在り方も、これまでの予防接種と違う基準をつくるべきであり、因果関係が否定できない限りは救済するとの方針を取るべきだと考えます。
救済制度の申請受付と給付事務は区が担っています。2021年3月の予算特別委員会総括質疑で、因果関係が適正に認定されるよう、責任ある申請受付の実施を求めたところ、被害者に寄り添い、丁寧な受け付けを行うとの答弁でした。区における救済制度の申請件数は、ひやま議員への答弁で6件とのことですが、その内容と内訳件数と受付日をお答えください。
区は申請を受理し、区の予防接種健康被害調査委員会の調査を経て、東京都へ上げ、都から国へと上げられるため、給付に時間を要します。最初の申請受付で時間をかけることなく、迅速に都に上げるべきですが、いまだに調査委員会は開催されず、申請書が区にとどまっていると聞きます。なぜ速やかに調査委員会を開催しないのか。なぜ都への進達が遅れているのかお答えください。
区のホームページの誤情報に注意を呼びかけるQ&Aでは、厚生労働省のホームページから一部抜粋とした上で「新型コロナワクチン接種が原因で多くの方が亡くなっているというのは本当ですか」との質問に、「ワクチン接種が原因で多くの方が亡くなったということはありません」と回答しています。しかし、正しくは、「接種後に1,438人の方が亡くなっていますが、情報不足等でワクチンとの因果関係が評価できない」とするべきです。安易な抜粋は、誤情報に注意を呼びかけておきながら、さらなる誤情報となる危険性をはらんでいます。誤解を生まない正確な情報提供となるよう、記載の変更を求めます。お答えください。
救済制度の迅速かつ丁寧な受付給付事務を求めるとともに、簡潔明瞭な答弁を求め、質問を終わります。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) むとう議員の御質問にお答えいたします。
「中野区物品の蓄積等による不良な生活環境の解消に関する条例」について。
まず最初に、条例による氏名等公表の目的でございます。条例に基づく命令に従わない者の氏名等の公表により、不良な生活環境を解消させることを目的としております。
次に、ホームページ掲載理由と他の公表手段についての御質問です。給餌が中止されるまで継続して公表できること。また、区民等が公表内容をいつでも参照でき、広く周知ができること。さらに、給餌が中止された場合に掲載を削除できることなどを勘案した結果、ホームページ掲載が最良の方法であると判断したものでございます。他の方法による公表についても引き続き調査し、研究をしてまいります。
次に、過料処分の有無でございます。過料の行政処分は命令に違反した者に対して科すものでございますから、公表しないこととしております。このことから処分の有無については答えられません。
次に、未納付や給餌継続の場合の対応でございます。過料を科した場合に、納期限までに納付がなければ督促を行います。督促しても納付がなかった場合は強制徴収をすることになります。過料が支払われた後も、ハトへの給餌が中止されない場合は、改めて条例に基づく処分について検討してまいります。
次に、ハトのふんによる損害賠償についてでございます。区では、区道や区立公園の清掃は通常の内容と頻度で行っております。ハトのふんのための特別な清掃費用は現在のところ生じておりません。このため、この点については損害賠償は難しいものと考えております。
次なる方策についてでございます。今後も条例に基づき厳正に対応し、様々な方策を講じながら不良な生活環境の解消に向け、努めてまいりたいと考えております。
〔保健所長佐藤壽志子登壇〕
○保健所長(佐藤壽志子) 新型コロナワクチンに係る健康被害救済制度についての御質問にお答えをいたします。
日付は、令和3年10月下旬から令和4年2月1日までの間に6件の申請を受け付けております。申請内容の内訳といたしましては、死亡に伴う葬祭料請求が1件、医療費及び医療手当請求が5件となっております。
次に、予防接種健康被害調査委員会の開催についての御質問でございますが、調査委員会は、中野区医師会長が推薦する医師や発生した症状等に関する専門分野の人により構成されており、委員の選任や委員会開催に向けた日程調整に時間を要しております。健康被害救済制度は、予防接種と健康被害との因果関係が認定された方を迅速に救済するものであり、できるだけ速やかに開催したいと考えております。
次に、誤情報に関する質問と回答の表現についてでございますが、新型コロナウイルスワクチン接種に係る誤情報に関する質問と回答については、厚生労働省の考えを引用したものでございます。回答部分には詳細を掲載した厚生労働省のページへのリンクを設定しており、ワクチン接種後の死亡事例が報告されているものの、現時点でワクチン接種との因果関係があると判断された事例はないとされております。今後も最新の情報を確認しつつ、区民の皆さんに誤解が生じないよう、区ホームページの更新を行っていく予定でございます。
〔むとう有子議員登壇〕
○40番(むとう有子) 1点再質問をさせていただきます。
条例で様々やってもだめな場合に、今後、次にどんな方策をやってくださるのかというふうに伺ったところ、様々な策を講じるとおっしゃったんです。様々な策とは何でしょうか。お答えください。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) むとう議員の再質問で、条例に基づき厳正に対応し、様々な方策を講じながらという私の説明についての具体策ということで御質問がありました。今回、この過料も含めて条例に規定しているものについては、区としては可能性あるものについては追求していくということでございまして、それについてまだ改善が見られない場合は、条例の手続の中でできることを尽くしていくという意味でございます。
○議長(内川和久) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 近 藤 さえ子
1 新庁舎への移転に向けた業務改善について
2 不登校の子どもたちへの対応について
3 その他
○議長(内川和久) 次に、近藤さえ子議員。
〔近藤さえ子議員登壇〕
○30番(近藤さえ子) 無所属の近藤さえ子です。
新型コロナウイルス感染症対策に日々忙殺されている医療関係者の皆様、職員の皆様、全ての関係する皆様に感謝を申し上げて質問に入らせていただきます。
1、新庁舎への移転に向けた業務改善について。
先日、区役所で行われた業務改善運動OneUp↑チャレンジ(ワンナップチャレンジ)を拝見しました。これは業務改善運動の機運を高めるために、各所属で定められた改善プランを他自治体のゲスト、区長、各部の部長等の前で職員たちが発表する取組です。コロナ禍で激務を強いられている保健所の取組について、新型コロナ対応で保護者や家族との交流方法等を工夫した本町保育園の取組、新庁舎への移転を見据えて倉庫の整理等を行った交通政策課など、八つの職場の取組の事例が発表されました。いずれの職場もパワーポイントやオンラインなどを駆使し、それぞれの職場の取組を分かりやすく発表していました。それぞれの職場の皆さんが業務改善に熱心に取り組んでいる様子、また、その様子を伝えるために工夫した演出、どんなことがどのように改善したのかが分かりやすく楽しく拝見することができました。
他自治体の職員等の投票の結果、サンプラザ5.4個分のペーパーレスの取組を行った総務部が優勝しました。昨年私も総務部の新庁舎へ向けてのモデルルームを実際に見学させていただきましたが、目に見える形でペーパーレスの成果を出した総務部の取組は評価に値すると思いました。
現在、区全体で区役所新庁舎への移転を見据えてデジタル化やペーパーレス推進、働き方改革などの業務改善を進めていますが、今回総務部で効率的にペーパーレスの取組が推進できたのはどのような手法だったのでしょうか。
発表会で優勝した総務部の職員は、「今後は総務部長率いる総務部の職員が他部署へ赴き、ペーパーレスの取組を全庁的に促進していく」と話されました。しかし、各部署の仕事内容は様々で、区民と向き合いながら日々仕事に追われている部署、令和2年度一人1か月平均超過勤務状況が総務部と比べると5倍以上も多い部署など、業務改善、ペーパーレス等の業務に時間をかけることが難しい部署もあると思いますが、どのように取り組むのでしょうか。
業務改善運動の発表会は、職員がより働きやすい環境を自らつくり、仕事の効率を上げるために役立ち、職場間でレベルアップへの刺激となるのであればよい取組であると思いますが、来年度は全国大会まで行うと言います。これまで他の自治体の取組を学び、中野区で取り入れたことはあるのでしょうか。
新型コロナウイルス感染症への対策、多種多様な課題を抱える区民への対応、庁舎移転に向けてのデジタル化、ペーパーレス推進、業務改善を求められて多忙を極める職員たちにとって、改善運動大会を開く意義は何なのでしょうか、お答えください。
今年から業務改善運動が企画部から総務部の新区役所整備課に事務移管されたそうですが、新区役所整備課ではどのような工夫をして取組を進めているのでしょうか。新庁舎は来庁する区民にとって使い勝手のよい場所になることはもちろんですが、職員一人ひとりにとっても生き生きと働ける場所であってほしいと思います。職員のアイデアを新庁舎での働き方に積極的に取り入れるなど、職員のモチベーションが上がるような取組を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
この業務改善運動は「OneUp↑チャレンジ(ワンナップチャレンジ)」という愛称で呼ぶそうですが、以前は「おもてなし運動」と呼んでいました。私はおもてなし運動も何回も拝見させていただきましたが、今回の発表は、以前よりも目に見えて業務改善が進み、発表会もオンライン参加、スマートフォン端末でのアンケート参加など、デジタル化、ペーパーレスに取り組んでいました。しかし、一番大事なことは、以前の業務運動からなくなった言葉「おもてなし」、区民のサービス向上が業務改善の最大の目的であることを忘れないでいただきたいと思います。
また、この発表会の中で、戸籍住民課が作った広告、マイナンバーカードを使い、コンビニエンスストアで印鑑証明や住民票を取ると区役所や地域事務所の窓口よりも100円安くなることを周知するポスターが分かりやすく目につき、すばらしいと評価されていました。確かに上手にデザインされたよい広告物となっていることは認めますが、私はこのポスターが貼ってあるのを一度も見たことがありませんでしたし、チラシを手にしたこともありませんでした。
私はよく住民票の写しや戸籍謄本などの証明書類を地域事務所に取りに行きます。年金に使用する住民票の写しは、これまでコンビニで取得するほうが値段が高かったこともありましたが、そのときそのときの事情で地域事務所とコンビニを使い分けてきました。地域事務所の窓口の職員はいつも温かな対応をしてくれます。戸籍などの証明書類は、人の死亡のときの添付書類として必要になる場合が多いものです。そんなとき窓口の職員の「お疲れさまです」や「大変ですね」などの温かい言葉が書類に添えられると、つらい作業に追われている遺族の心は少し癒やされます。また、窓口の職員は、コンビニでマイナンバーカードを使うと手数料が100円安くなることも伝えてくれています。特に高齢者は、マイナンバーカードを持っていても、コンビニの手数料が100円安いことが分かっていても、職員が丁寧に必要書類を確認してくれて、自分で機械の操作をしなくて済む窓口で証明書を取る人が大勢いると思います。今後、新庁舎への移転を契機にデジタル化、ペーパーレス化が進み、業務が改善され便利になることは望ましいことですが、区役所を訪れた区民、特に高齢者や障害者にとって親切な職員がいて、安心して手際よく手続ができる温かい中野区新庁舎であってほしいと私は思いますが、区長の見解をお聞かせください。
次に、不登校の子どもたちへの対応について伺います。
現在、新型コロナウイルス感染症の拡大から発生する学級閉鎖などもあり、通常の状態ではない学校関係者は大変厳しい状況で子どもたちの学校生活を支えていると思います。学校関係者の皆様に感謝を申し上げます。令和4年度当初予算(案)の概要によると、教育相談体制の充実・拡充の中に、急激に増加している不登校傾向や不安感を持つ児童・生徒にきめ細かな支援を行うための人材増員等の記載があります。現在、不登校傾向や不安感を持つ児童・生徒は急激に増加しているのでしょうか。現在の不登校傾向、不安感を持つ子どもたちの現状を教えてください。
教育相談員、スクールソーシャルワーカーを増員して相談・巡回支援体制を強化するとされていますが、どんな取組にされていくのでしょうか。
先日、私は不登校のお子さんを持つ家族から相談を受けました。その方は、学校以外どこに相談すればいいのか分からない状態でした。中野区子ども・若者支援センターや教育センターが入る総合施設みらいステップなかのの存在は全く知りませんでした。せっかく相談機関があっても、不登校の子ども、またはその家族に学校外の相談窓口、勉強場所などが周知されていなければ利用することはできません。現在行っている相談機関、体制を周知させ、不登校の子どもたちに届く支援をしていくことが大事であると思いますが、どのようにお考えでしょうか。
せっかく子どもたちのために準備したみらいステップなかのは、北部地域の子どもたちが足を運ぶのには遠く、その存在さえも知られていません。区長は、「中野区の財産は人であり、これからの職員は地域に飛び出していき、区民との関係性をつくる」と言われています。職員が地域に飛び出していって、不登校の児童・生徒を見守ることができる仕組みも考えられるのでしょうか。
不登校の問題は様々な視点から検討されていると思いますが、何かの原因で傷つき、あるいは他人との違いに悩み、集団の中に入っていけない子どもたちは、自分を迎えてくれる人がいない場所に勇気を出して飛び込むことはできません。私自身が子育てをしていたとき、またその後の不登校の子どもたちや親たちを見て相談を受けてきた多数の経験から分かることは、子どもの育ちに添いながら見守り続けた大人の存在があったケースにおいては、不登校だった子どもたちがその後大きく成長する場合が多いということです。担任の先生が何度も不登校の子どもたちの家を訪ね、学校で待っているからと言い続けたケース、学校に行けない子どもが児童館の先生たちに自分の悩みを話していたケース、家庭や地域で見守り続けたケースなど、多少時間はかかり、保護者もその当時は精神的にきつい時間を過ごしていても、振り返って、「あの時期があったことがあの子の成長にはよかったかもしれないです」とまで言える成長の大事なプロセスとなっている場合も少なくありませんでした。
不登校児童・生徒に対する研修なども行うということですが、先生はまず不登校の子どもたちが学校に帰ってこられる学級づくり、不登校の子どもと家族たちとの信頼を築いていただくこと等、子どもと親双方に安心感を与えられるように取り組んでいただきたいと思いますが、見解をお聞かせください。
不登校の子どもたちが発信している様々な問題、いじめ、暴力、学力不振、家庭の問題、ヤングケアラーの問題等、決して見逃してはならない問いかけが見えてきます。子育て先進区を目指す中野区は、まずこの問題を注視していかなければならないと思いますが、御意見をお聞かせください。御清聴ありがとうございます。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 近藤議員の御質問にお答えいたします。
まず最初に、総務部のペーパーレスの取組についてでございます。総務部では、ペーパーレスによる業務改善を部の経営戦略に位置付けて、各課の現状把握と年間目標を課ごとに設定し、3か月ごとに進捗状況を確認することで成果を上げることができました。具体的には、文書削減量を指標化するとともに、クリアデスクの意識付けを継続・反復したことが奏功したと考えております。
次に、ペーパーレスを進めていくための課題と庁内への働きかけについてでございます。新庁舎への移転が2年後に迫る中、全庁的に意識を持って取り組む必要があるため、計画的に進め、競争性を持たせるなど、取組を加速していく必要があります。職場の状況は様々でありますが、今後も全庁で情報共有しながらペーパーレスを推進してまいります。
次に、他自治体での取組の活用についてでございます。他の自治体で実践されている改善事例を取り入れることは、区の業務改善にも有効であると考えております。具体的には、横浜市の事例から広報物への広告掲載の手法を取り入れたことや、新庁舎に向けては鹿児島県出水市の電子文書のデータ整理による新たな電子文書の管理方法、渋谷区の消耗品の一括管理による事務の効率化などを参考に検討を進めてまいります。今後とも他自治体と連携を取りながら、改善情報の共有化を図り、区の業務効率化や区民サービスの向上につなげてまいります。
次に、新庁舎移転を見据えた改善の取組、職員アイデアの活用についてでございます。各部で取り組む業務改善プランについては、メインテーマをペーパーレス推進や移転に向けた働き方に資する取組等に設定し、改善内容をお互いに取り入れやすい内容とする工夫を行いました。職員のアイデアが実際に生かされるよう、効果的な提案については関連所管と調整し、新庁舎における働き方の標準となるよう検討を行っております。また、フロアごとに設置されているPTでは、各課から選出された職員同士が業務改善の視点で活発な議論を重ねており、よりよい区民サービスの在り方や働き方の検討を進めております。
OneUp↑チャレンジ(ワンナップチャレンジ)発表会開催の意義についてでございます。業務改善は日常業務の一部であり、職員一人ひとりが改善の意識を持って日々の仕事に臨むことが大変重要です。こうした意義を踏まえ、より多くの職員が改善の成果を共感・共有し、各職場で改善につなげていくため、OneUp↑チャレンジ(ワンナップチャレンジ)発表会を開催しております。職員のモチベーションやプレゼンテーション能力を高める貴重な機会として、人材育成の側面からも重要だと思っております。
最後に、区民の皆様に身近な新庁舎についてでございます。デジタルシフトなどの取組によって業務の効率化を進める一方で、区民の皆さんが安心して手続・相談ができ、職員が市民に応対する区役所であることが何よりも重要なことであると認識をしております。新庁舎では丁寧で細やかな対応が行えるよう、相談しやすい環境を整備するなど、区民に寄り添った満足度の高い区民サービスを提供してまいります。
〔教育長入野貴美子登壇〕
○教育長(入野貴美子) 私からは、不登校の子どもたちへの対応のうち、区立小・中学校の不登校児童・生徒数についてまずお答えをいたします。今年度の4月から12月末までに20日以上欠席した不登校傾向の児童・生徒数を令和2年度の同時期と比べますと、今年度は小学校で1.4倍、中学校で1.2倍となっており急増していると捉えております。
次に、不登校傾向の児童・生徒に対する取組についてです。不登校傾向の児童・生徒や福祉的な支援が必要な家庭には、スクールソーシャルワーカーが直接家庭へ訪問し、児童・生徒本人や保護者への支援を行っております。来年度は、急増している不登校児童・生徒等へきめ細かな対応を行うため、スクールソーシャルワーカーを増員し、さらに支援を充実していく予定でございます。
教育支援室での不登校児童・生徒の支援についての周知です。教育支援室での支援の情報につきましては、主に学校や区の教育相談室を通じてお知らせしてきたところでございます。また、みらいステップなかのに教育センターが移転した際に、各機関を紹介した教育センターだよりを作成いたしました。各学校には、保護者会などの機会にこれを活用していただくようお願いしてきているところでございますが、今後様々な方法で周知してまいります。
次に、教育センター外での支援についてでございます。中野区教育支援室の分室を中野区立教育センター分室や南部すこやか福祉センター、野方図書館の中に設置し、児童・生徒の特性や通いやすさに応じて分室を選択できるようにしてきております。また、現在通室が難しい児童・生徒に対しましては、保護者や学校の要請により、家庭や学校に支援員を派遣し、教科学習の指導や教育相談などを行っております。
○議長(内川和久) 質問時間を過ぎておりますので、御答弁は結構です。
以上で、近藤さえ子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 いながき じゅん子
1 子育て支援策の所得制限について
2 中野区改善運動について
3 その他
○議長(内川和久) 次に、いながきじゅん子議員。
〔いながきじゅん子議員登壇〕
○26番(いながきじゅん子) 無所属のいながきじゅん子でございます。質問は通告どおりです。その他はございません。
コロナ禍における経済対策として、18歳以下の子ども1人当たりに臨時特別給付金として10万円を支給することが昨年末に国会で決定されました。それを受け、中野区でも区議会の議決を経て、児童手当の受給対象世帯の中学生以下の子どもに対し、年内に10万円が一括で支給されました。それ以外の対象となる子どもにも年明けから順次支給をされています。今回、目安として扶養親族が3名いる場合、年収が960万円を超える養育者がいる子育て世帯が、この特別給付金の支給対象外となりました。扶養家族の人数によって所得制限の対象となる年収は多少上下しますが、例えば、世帯主の収入が970万円で子どもが二人、配偶者の収入がゼロの場合、今回の給付金は支給されません。その一方で、例えば夫婦の年収がそれぞれ900万円あり、世帯年収が1,800万円で、同じく子どもが二人いるケースでは支給されることとなり、公平性の点で疑問が残ります。
さて、中野区は、これから子どもの権利条例を制定されようとしています。この条例では、子どもの権利条約の精神にのっとり子どもの権利を保障するとのことです。その子どもの権利条約第2条では差別の禁止ということで、「児童又はその父母若しくは法定保護者の財産にかかわらず、いかなる差別もなしにこの条約に定める権利を尊重し、及び確保する」とされています。そして、区の条例案でも、子どもはあらゆる場面において家庭の状況や経済的な状況により差別されない権利が保障されていると明記されています。今回の給付金支給の対象外となった世帯は区内で3割ほどあるということですが、子育て先進区を目指す自治体として、また、このような条例をあえてこれから制定しようとしている自治体として、国が実施しないのであれば区独自で、対象外になった子どもたちにも給付金を支給してはいかがでしょうか。
区長は施政方針説明で、「子育て先進区を目指す中野区が国や東京都をリードしていく決意です」とおっしゃいました。それならばまず中野区が子どもの権利を保障するという観点から、23区の先陣を切って、区内の全ての子どもたちに給付金を支給し、家庭の経済環境で子どもを差別するのはおかしい、親の収入に関係なく全ての子どもを支援するべきだと区長が国に訴えリードしてはいかがでしょうか。御見解を伺います。
昨年の一般質問でも申し上げましたが、年収2,000万円以上の子育て世帯の数は、当時の数字で区内全体の3.9%しかありません。子どもの数にもよりますが、生活コストが高い特別区では、世帯年収1,000円台であっても、累進課税制度によって日頃から少なくない税金や社会保険料を納めていることもあり、子育て世帯がそこまでゆとりのある生活を謳歌できるわけではありません。子ども子育てを本気で応援するのであれば、子育て支援策については、所得制限は極力かけるべきではないと考えます。親の所得に関係なく、子ども子育てを分け隔てなく応援するという姿勢をアピールし、中所得以上の層にも中野区の魅力を感じてもらえれば、結果的に税収が増え、持続可能な区政の実現にもつながっていくのではないでしょうか。区長は、子育て支援策に所得制限を設けることの是非についてどのように考えていらっしゃるのか伺います。
続いて、中野区の改善運動OneUp↑チャレンジ(ワンナップチャレンジ)について伺います。
先月26日、庁舎内で中野区改善運動OneUp↑チャレンジ(ワンナップチャレンジ)の発表会が開催されました。しかし、都内では、同月21日から既にまん延防止等重点措置が適用されており、24日の総務委員会でもオミクロン株の急速拡大により保健所業務の逼迫や区職員の感染、濃厚接触者等により区民サービス等業務の継続に影響を及ぼす事態が切迫している状況であるとの報告があったばかりでもありました。26日当日、御案内をいただき、私も出席してみましたが、会場となった会議室にはかなりの人数が集まっており、換気も悪かったため短時間で退室をさせていただきました。1月中旬から、職員の新型コロナウイルスへの感染が急増し始め、年明けから昨日までの職員の感染者数の累計は134人に上っています。もちろん、発表会の開催と職員の感染拡大との因果関係は不明ですが、このタイミングで他県の自治体からゲストまで呼んで開催すべきイベントであったのか大いに疑問であります。各発表内容を録画したものを後日配信し、審査してもよかったのではないでしょうか。発表者の中には、保健所勤務の職員もおり、トップと組織の危機管理意識の薄さに驚きました。この日に発表会を3時間もかけて現地開催したことは本当に適切な判断であったのか、御見解を伺います。
時代の変化に合わせ、常に商品やサービス、業務の改善に取り組まなければ、会社の存続・発展が危うくなる民間企業とは異なり、そのような努力を促すインセンティブが生じにくい役所において、職員の意識や行動を変えていくこと自体、非常に難しいと認識しています。ただ、改善運動をするにしても、単に成果の発表や事例の情報提供だけでは不十分です。今年の発表会の優勝は、総務部のペーパーレスの取組で、41%もの紙の削減に成功されたそうですが、その具体的な手法についての情報が他部署で認知、共有、実践されておらず、部署単独の成果を発表しただけで終わってしまっているのは大変もったいないことです。発表会を実施し、結果を伝えて終わりではなく、優れた取組については、他部署でも同じ成果を上げられるようになるまで、担当部署がしっかりと支援することが必要なのではないでしょうか。
また、各部署から集めた過去の改善プランを見ても、「笑顔で挨拶」や「机上の書類整理」、所管の業務内容をただなぞって頑張りますと言っているだけのものなど、残念ながら区が掲げる区政運営に対する職員の自由な発想と創意工夫を生かした改善とはほど遠いレベルのものが多くを占めております。募集時に内容をチェックしないのでしょうか。そもそも区民のためによりよい区政を実現するための改善なのですから、日頃の区民の要望にダイレクトに応えた内容が高く評価されるべきです。発表会についても一般区民の方に審査員として入っていただき、忌憚なき御意見を頂戴するのも職員の緊張感を高め、意識改革にもつながるのではないでしょうか。
しかし、それ以前の問題として、多忙な現場からは、余計な仕事を増やさないでほしいという切実な本音も漏れ伝わってきております。発表会本番に出場したくないがために、あえてレベルの低い内容でエントリーしているという声すらあり、発表会の廃止を含め、その在り方を抜本的に見直すべき時期に来ていると考えます。区の見解を求めます。
なお、発表を強制されなければ改善できないという区役所であるとすれば、その体質自体を改善しなければなりません。常日頃から業務改善に積極的に取り組み、部課内においてチームの生産性向上や目標達成に向けて、目に見える成果を出した職員が組織の中で認められ、管理職の主観ではなく、エビデンスに基づいて正当に評価されることが重要です。また、自由な発想で改善に意欲的に取り組む若手職員等に対し、「余計なことはしなくていい」といったような上司の圧力がなく、みんなで協力、応援するような職場風土の醸成も必要です。現在の中野区役所には、職員の改善マインドが遺憾なく発揮され、組織や区政の活性化につながるような仕組みや職場風土はあるのでしょうか。それらがあれば、発表会に頼る必要もなくなると考えます。
以上で私の全ての質問を終了いたします。ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) いながき議員の御質問にお答えいたします。
臨時特別給付の支給対象外世帯への給付についてでございます。国は新型コロナウイルス感染症の感染拡大が長期化し、その影響が様々な人々に及ぶ中、子どもたちを力強く支援し、その未来を切り開くという観点から、子育て世帯への臨時特別給付を実施することとしました。今回の臨時特別給付は、新型コロナウイルス感染症の影響をより深刻に受けている世帯に対して重点的に支援するという考えの下に実施しておりまして、現時点において所得制限により支給対象外となる世帯へ区が給付を行うことは考えておりません。
次に、子育て支援策における所得制限についての見解に対するお尋ねです。現在区が実施している子育て支援に関する事業やサービスにつきましては、事業の目的や内容などを総合的に判断し、事業ごとに所得に応じた負担を求めております。一方で、今後の子育て支援の在り方について、所得制限をなくすという議論があることは承知しているところであります。所得制限の在り方については、今後の国や都の動向も見据えながらも、区として議論する必要があると考えております。
〔新区役所整備担当部長滝瀬裕之登壇〕
○新区役所整備担当部長(滝瀬裕之) 私からは、中野区改善運動につきまして、まずOneUp↑チャレンジ(ワンナップチャレンジ)発表会の開催についてでございます。今回のOneUp↑チャレンジ(ワンナップチャレンジ)発表会につきましては、まん延防止等重点措置のイベント等の開催要件に沿った形で開催をし、消毒や検温、換気の徹底など、万全な感染防止対策を講じた上で実施したものでございます。また、このような状況下で単に中止するのではなく、工夫して事業を実施することも業務改善を進めていくために大切なことと認識してございます。今後とも職務のモチベーションを高める意味でも開催は必要であると考えてございまして、状況を見極めつつ事業を継続してまいります。
続きまして、OneUp↑チャレンジ(ワンナップチャレンジ)発表会の在り方についてでございます。業務改善は、一度改善することにより継続して業務が効率化されることから、各職員がこの意識を持って日々の業務を実践していくことは何よりも重要であると考えてございます。業務改善の取組は、様々な媒体、場面で情報共有を行っておりますが、より多くの職員が改善の成果を体感・共有し、各職場での改善につなげていくため、OneUp↑チャレンジ(ワンナップチャレンジ)発表会を開催してございます。ペーパーレスの取組につきましては、全庁を挙げて行っているものでございまして、各部それぞれの工夫を参考にして、各部が自立的に展開していくことが必要であるため、OneUp↑チャレンジ(ワンナップチャレンジ)発表会を活用するのは必要なことであると認識してございます。
今後の発表会の実施に当たりましては、一般区民の参加や庁内への周知・共有の方向なども含め、よりよい内容となるように検討してまいります。
〔総務部長海老沢憲一登壇〕
○総務部長(海老沢憲一) 私からは、業務改善を進める職場風土と人事評価制度についてお答えいたします。
OneUp↑チャレンジ(ワンナップチャレンジ)運動や職員の年間目標における業務改善の目標の設定などを通じまして、職員が業務改善に積極的に取り組むことができるような職場風土の醸成に努めているところでございます。
また、業務改善に取り組み、成果を上げた職員につきましては、人事評価制度の中で適正かつ公正に評価をいたしまして、職員のモチベーションの向上につなげているところでございます。
○議長(内川和久) 以上でいながきじゅん子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 石 坂 わたる
1 憲法擁護・非核都市の宣言40周年について
2 新区役所庁舎等のくらし・文化・芸術面での利活用について
(1)新区役所でのギャラリー・展示について
(2)中野の歴史と文化資源について
(3)区所有の国内外の美術品・工芸品について
(4)新区役所の区民交流スペースとその活用について
(5)その他
3 児童館、ふれあいの家と子どもの福祉の向上について
4 その他
○議長(内川和久) 次に、石坂わたる議員。
〔石坂わたる議員登壇〕
○29番(石坂わたる) 質問いたします。
1点目として、憲法擁護・非核都市の宣言40周年について伺います。
この宣言が擁護している憲法の前文では、恐怖と欠乏から逃れて平和に生存する権利を全世界の国民が持つことや地上全体の平和を維持し、隷従や偏狭などを永遠に除去する取組について触れています。また、宣言にひもづく条例に、中野区における平和行政の基本に関する条例があります。この条例第2条は、「区民が平和で安全な環境のもとに、人間としての基本的な権利と豊かな生活を追求できるよう、平和行政を推進するものとする」としています。そこで、この平和の定義についてまず伺います。
平和学で、単に戦争がないという消極的平和に対し、戦争がなく貧困・抑圧・差別など社会構造に起因する間接的な暴力、すなわち構造的暴力もない状態を指す積極的平和という考え方があります。中野区の宣言や条例における「平和」とは積極的平和を意味し、恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利、専制と隷従、圧迫と偏狭から人々の暮らしを守り、区民が平和で安全な環境の下に人間としての基本的な権利と豊かな生活を追求することを目指すものであるという理解でよいでしょうか。
戦争経験者が大きく減る中、中野区では、空襲や原爆の体験談を学校教育で直接聞けたり、動画も作成していること、この宣言の「世界中の人びとと手をつなぎ 核をもつすべての国に 核兵器をすてよ と訴える」の文言の具現化として、核実験を行った国に区議会議長名や区長名で抗議文を送付すること。さらに区内の戦争の遺恨のマップ製作や戦争で亡くなった方々の遺品の収集・展示、戦時中の写真パネルの活用、また、現在行われておりますけども、NPOの協力での世界の難民についての平和企画展示が中野体育館内の平和資料展示室で開催されています。これらはとても意義のある取組です。しかし、中野区は人口の流動が激しく、これらを見聞きしたことがなく、宣言を目にした記憶がないという区民もいます。
宣言の40周年に当たり、いつでも動画を通して戦争体験者の語りに触れ、今も残る爪痕や遺品や記録の写真に触れられるようにすることや、核実験に対する中野区の抗議の状況について、すぐに一覧で分かるように区のホームページで伝える工夫が必要ではないでしょうか。また、そのホームページの内容を外国人の人にも分かりやすいものにするとともに、戦争体験者の語りの動画について外国語の字幕をつけるか、語られている内容に関する外国語訳のホームページ掲載が望まれると思われますが、いかがお考えでしょうか。
加えて、宣言の40周年に合わせて行われる来年度の平和事業では、現在も残る世界各国の戦争と未来の平和について人ごとではないものと考えられることが必要です。これまで長年使われ続けてきたパネルだけではなく、海外の戦争や紛争、平和に生きる権利を奪う人権の弾圧、その前後の平和な暮らしについての写真展示や戦争を防ぐ平和をどうつくっていけばいいのかを考えることができる展示について、その在り方としてPR性の高い展示の工夫などを考えるべきと思いますが、いかがお考えでしょうか。
2点目として、新区役所庁舎等のくらし・文化・芸術面での利活用について伺います。
まず初めに、新区役所でのギャラリー・展示について伺います。新区役所内に設置される区民交流スペースでは、区内活動団体や区民の芸術・文化活動グループの作品や成果物の展示・発表等のイベント利用への対応が必要です。そのため、展示や発表等を行う団体が、その効果的な展示や発表の手法について、区の社会教育主事や学芸員に相談をしたり一緒に考えたりできるようにすべきではないでしょうか。また、そうした利活用を想定して、社会教育主事や学芸員も関わってスペースや壁の形状、備品等を考えて整備をすべきではないでしょうか。
次に、中野の歴史と文化資源について伺います。中野区役所の現庁舎には、江戸時代の生類憐みの令に伴って造られた犬屋敷の存在を伝える犬の銅像があり、区役所1階には、モザイク画の大家・矢橋六郎氏の壁画「武蔵野に想う」があります。犬の像は市川区議も委員会の質疑で取り上げていますが、犬の像や壁画など、こうした文化資源をしっかりと保存・展示すること。特に壁画は現庁舎から取り外して保存をし、新たに文化施設などに取り付ける必要がありますが、いかがお考えでしょうか。
また、併せて、中野の江戸時代の犬や桃、像といったものに中野がゆかりのある地域であったことや、四季の森公園は陸軍中野学校の跡地であったこと、そして中野の歴史の通史やエピソードなどを歴史民俗資料館と協力しながら、新区役所庁内への移転を機に改めてPRすることや常時区のホームページで歴史や文化資源について知ることができるようにすべきではないでしょうか。
次に、区所有の国内外の美術品・工芸品についてでございます。海外の都市との交流、国内からの寄贈などにより、区が所有する美術品などがあります。これらも区民の財産として新区役所庁舎内に適宜学芸員や社会教育主事の協力も得て、解説文なども付した展示を行うべきであると考えますが、いかがお考えでしょうか。
次に、区所有の区民交流スペースとその活用について伺います。かつて日本エイズ学会が区内で開催された際、学会や市民向けの関連イベントが中野サンプラザ、中野セントラルパークサウス、産業振興センターで行われ、区役所やサンモール商店街、中野駅にバナーの設置もなされました。なお、中野サンプラザも新しく建て替えられますし、新区役所庁舎の区民交流スペースにはWi-Fiが設置されます。区民交流スペースをセントラルパークサウスや新中野サンプラザとインターネットでつなぐことも可能ですし、区民交流スペースは区民の目に留まりやすく、ふらっと立ち寄りやすい特徴があります。今後、区内に学会等を誘致した際に、区民交流スペースで区民向けの学会主催の企画を行ったり、区民交流スペース内で他会場の区民向け企画のライブ配信を視聴したりすることなども可能と想われます。中野区のMICE(マイス)、すなわち講義、研修、セミナーといったミーティング、報奨・招待旅行といったインセンティブツアー、大会・学会・国際会議といったコンベンションまたはコンファレンス、展示会などのエキシビジョンの誘致に取り組み、区内での開催される際には、企画そのものや関連企画などを通して区民に還元することが必要と思いますが、MICEに対して区長はいかがお考えでしょうか。
また、いつの間にか、今後の中野区でのMICEの担当部署がよく分からない状況になってしまっていますが、しっかりと担当を設置すべきではないでしょうか。また、MICEの開催は主催者などと、運営・会場を提供する会社や施設等、開催地の自治体の三者が携わることで成り立つことを申し添えておきます。
3点目として、児童館、ふれあいの家と子どもの福祉について伺います。
先般、児童館の数を削減し、残る児童館の機能を高めるための議案が議会で否決をされましたが、今後の児童館等や子どもの福祉をどう考えるかをしっかりと示すことが必要です。特に、障害者施設である弥生福祉作業施設は、法内サービスへの再整備のため、一旦弥生児童館跡地を使う形での改修が予定されています。弥生児童館と弥生福祉作業施設について今後どのようにお考えでしょうか。
また、今後の児童館の在り方を考える上で、ふれあいの家のような子どもも高齢者もがそれぞれのスペースを守りつつ共存できる施設を一つのモデルとしながら、高齢・障害・児童を包含する総合的な地域包括ケアと児童福祉のありようを考えるべく、児童が高齢者や障害者と触れ合える形や複合的な事業の在り方を模索すべきと思いますが、いかがでしょうか。
そして、そのためにも、児童館を単なる子どもの居場所だけではなく、任用資格「児童の遊びを指導する者」、いわゆる児童厚生員による様々な遊びの指導やイベント的な企画の展開が必要です。また、子どもの地域包括ケアの担い手としての役割も求められます。児童館について、コンクリートの箱物としてのハード重視からソフトとしての人材や児童福祉サービスとしての支援やプログラムを重視する考え方の展開が求められますが、今後どのように児童福祉の向上を図っていくのかお答えください。
私の質問は以上です。明瞭な答弁をお願いいたします。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 石坂議員の御質問にお答えします。
私からは、2番の新区役所庁舎等のくらし・文化・芸術面での利活用について。
1点目、新区役所での区民の展示等に対する専門職員の協力についてでございます。新区役所の1階には芸術作品等の展示ができる設備・備品や様々なイベントが開催できるスペース、環境の整備を職員PTで検討しております。展示や発表等を希望する団体から相談があった場合に、必要に応じて学芸員や社会教育主事も含めて区の職員が相談に乗ることは可能であると考えております。
次に、現庁舎の壁画、犬の像の保存と中野の歴史のPRでございます。現区役所1階の壁画「武蔵野に想う」につきましては、新区役所への移設は考えておりませんが、どのような活用方法があるのか研究をしてまいりたいと考えております。外構の犬の像につきましては、新区役所敷地も含めたこの付近一帯が犬屋敷だったことを史実として伝えるものでございます。新区役所に移設する考えでございます。
区役所を含む中野駅周辺の歴史や文化支援につきましては、これまでもまるっと中野のサイトや歴史民俗資料館の展示を通じ紹介してきたところであります。新区役所への移転を機に区の歴史やエピソードについては改めて情報を整理した上で、例えば、歴史民俗資料館における展示や区ホームページでの発信なども行ってまいります。
次に、区所有の美術品等の新区役所内展示についてでございます。区所有の美術品・工芸品は、日本画や油絵などの絵画や陶器・書画・写真など、海外や国内からの寄贈などにより様々なものが区長応接室等に飾ってありまして、あるいは保管をしております。新区役所移転を機として、これらの美術品や工芸品を区民に広く公開できるよう展示の方法や場所については今後検討してまいります。
次に、MICEの誘致合わせた区民交流スペースでのイベント企画や発信です。今後、中野駅新北口駅前エリアで整備予定のホールや会議室などでの学会や国際会議、展示会の開催を誘致するとともに、それらに関連して区民交流スペースなどでのイベントを企画・実施し、それらを発信することは区のシティプロモーションにもなり得るものと考えております。関係団体や企業とともに今後の方策を検討してまいります。
最後に、MICEの担当部署設置についてでございます。今後、文化芸術振興の基本方針や産業振興ビジョンの検討を進めていく中でMICEの担当部署も明らかにしてまいります。
〔企画部長高橋昭彦登壇〕
○企画部長(高橋昭彦) 憲法擁護・非核都市の宣言40周年についての御質問にお答えいたします。
初めに、中野区における平和の意味についてでございます。基本構想、宣言、条例をはじめとした平和については、区民の暮らしを守り、平和で安全な環境の下に、人間としての基本的な権利と豊かな生活を追求することを目指すということと捉えてございます。
続きまして、中野区ホームページの平和関連情報についてでございます。現在、中野区の平和の語り部記録映像を公式ユーチューブで視聴できるようにしており、区のホームページにリンクを張っているところでございます。また、平和関連の刊行物のPDFデータや核実験に対する抗議の状況や抗議文なども掲載しているところでございます。今後も情報の質・量の向上を図りまして、区民の皆さんが情報を得やすいよう工夫を図ってまいりたいと考えてございます。
続きまして、中野区ホームページ等での外国語による字幕対応についてでございます。平和の語り部の動画につきましては、外国語による字幕対応は現状考えておりませんが、語られている内容の文字情報の掲載などを検討していきたい、そのように考えてございます。また、やさしい日本語を用いて要約した文などの掲載を検討してまいります。
もう一つ、PR性の高い展示の工夫でございます。中野区の戦争被害については、新たな情報等の入手は難しいところでございますが、原爆被害等に関するものにつきましては、平和首長会議からの貸出しなど、多方面の機関等への確認・調査を行った上で展示内容を検討してるところでございます。次世代への引継ぎも重要でございますので、展示物についてもより効果的に周知できるよう工夫を図ってまいりたい、そのように考えてございます。
〔子ども家庭支援担当部長小田史子登壇〕
○子ども家庭支援担当部長(小田史子) 私からは、児童館、ふれあいの家と子どもの福祉の向上についての御質問にお答えさせていただきます。
初めに、弥生児童館と弥生福祉作業施設についての御質問です。児童館条例の一部を改正する条例の否決によりまして、弥生児童館の令和3年度末での閉館は否定されたものと捉えております。弥生児童館跡施設となった場合の中野区やよい荘の通所サービスの代替施設として使用する計画につきましては、今後も検討してまいります。
次に、ふれあいの家の事業の展開についてでございます。ふれあいの家は、児童が居心地よく過ごせる遊び場であるとともに、地域における様々な交流が展開されるような働きかけを行っております。子ども、高齢者、障害のある方など多様な区民が交流を進めるためにも、関係所管との連携を踏まえたふれあいの家の事業の在り方をさらに検討してまいります。
最後に、児童福祉の向上についてでございます。児童館は子どもの遊びの援助や子どもの主体的な成長への支援のほかにも、支援が必要な子どもや子育てに関する相談対応を行っております。児童館職員のさらなる人材育成に努め、一人ひとりに寄り添い、すこやか福祉センターや子ども・若者支援センター、児童相談所と連携した継続的な見守りを行い、児童福祉の向上を図っていきたいと考えております。
○議長(内川和久) 以上で石坂わたる議員の質問は終わります。
議事の都合により、暫時休憩いたします。
午後2時57分休憩
午後3時20分開議
○議長(内川和久) 会議を再開いたします。
この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 小宮山 たかし
1 (仮称)中野区子どもの権利に関する条例と校則について
2 保育園について
3 その他
○議長(内川和久) 小宮山たかし議員。
〔小宮山たかし議員登壇〕
○18番(小宮山たかし) 子どもの健康とすこやかな成長は、区民共通の願いです。それを実現するためには、子どもを含め、区内で活動するすべての人々が、子どもの権利を理解し、あらゆる、あらゆる活動に生かしていくことが大切ですという前置きの下、中野区は今、(仮称)子どもの権利に関する条例の制定に向けて準備を進めております。これはいわゆる理念条例でありますから、条例のできる前後で何かが目に見えて劇的に変わるわけではないし、この条例の理念を実現しないからといって罰則があるわけではありません。その重要性は、分かる人には分かるけれども、分からない人にはあまりぴんとこない。この理念をベースに何かを実現していかなければ、絵に描いた餅、豚に真珠で終わってしまいます。ですから、この理念条例の制定とその理念をベースとした何らかのアクションはセットで進めていったほうがいい。せっかくの子どもの権利条例を絵に描いた餅にしてはならない。酒井区政第1期目の大きな手柄として、理念だけではない何らかのアクションを起こしていくべきではないかと私は考えております。
さて、この中野区の中学校で、男子生徒には許されている白い靴下、白い靴下をはくことを校則で禁じられている女子生徒が何百人もいるということ、皆さんは御存じでしょうか。例えば、第七中学校、ここの男子は白い靴下しかはいてはいけない。黒や紺ははいてはいけないんです。女子は紺のハイソックスしかはいてはいけない。スラックスの女子もハイソックスじゃなきゃいけないんですか。ハイソックスのほうが値段も高いんですよ。何でハイソックスじゃなきゃいけないんですか。どなたかの御趣味ですか。例えば、中野中学校と緑野中学校では、男子には、白と黒と紺の靴下をはくことが許されている一方で、女子は紺色の靴下しか許されていない。緑野中では、紺のハイソックスしか認められていない。21世紀になってからできた中学校の校則で、こんな男尊女卑なことがあっていいんですか。女子生徒の権利は一体どこに行ったんですか。子どもの権利、子どもの権利とか言っている中野区の中学校で、子どもたちは男女平等でない。靴下一つ自由に選ぶ権利がないんですよ。教育長、そして区長は一体どの口で子どもの権利と言っているんですか。
靴下だけじゃないですよ。例えば、北中野中学校では、眉毛に手を加えることを禁止している。私、51歳のおじさんですけども、眉毛たまに手入れしていますよ。手入れしなかったらげじげじになっちゃう。女子生徒だって体質によっては両津勘吉みたいになっちゃいますよ。中学生になれば、ちょっと色気づいてきて、人の目や異性の目を気にするお年頃です。そのお年頃の中学生がげじげじ眉毛だったらかわいそうじゃないですか。自分の体を自分でメンテナンスすることもできないなんて、大人だろうと子どもだろうと人権侵害ですよ。
例えば、とあるA中学校ではソフトモヒカンという髪型を禁止しています。私もかつてソフトモヒカンしていましたけれども、私の知っているとある中学校の副校長先生は、まさにこのソフトモヒカンしているんですよ。A中学校では禁止しているようなけしからん髪型をA中学校の隣のB中学校では副校長先生がしている。これは教育者としてどうなんですか。隣の学校とはいえ、子どもたちに示しがつかないんじゃないですか。副校長先生が間違っているのか、さもなくばルールが間違っているのか、どっちなんですか。ソフトモヒカンは、短く刈り上げて清潔で、昔から中学生に推奨されていたスポーツ刈りと大して変わらない。健康的な髪型だと私は思いますよ。一体何が悪いんですか。
ある中学校ではカーディガンを禁止している。セーターは着てもいいけど、セーターは必ずVネックじゃなきゃだめという学校もある。寒かったらカーディガンだろうが、セーターだろうが、ベストだろうが、体温の自己調節、健康管理のために着たっていいじゃないですか。そうした防寒着やコート類にも、大抵の場合色の指定がある。黒、茶、グレー、紺などは割と認められていますが、何でもいいですよとか、赤や黄色のセーターやコートを着てもいいと書いてある校則は一つもない。黒、茶、グレー、紺は正しい色なんですか。例えば、中学生が水色やピンク色を着たら一体どんな問題がありますか。都知事が公の場で来ているような緑色は何でだめなんですか。中学生は人の目、異性の目を気にするようになるお年頃で、それは正しい成長のあかしです。その正しい成長の過程にある中学生に、何でわざわざ地味な色を強いるんですか。黒い服だって高い服は高いですよ。今どき色によって値段が変わるわけじゃなし、貧しい子が嫌な思いをするとは限らない。小学校のときは服装は何を着ても大体自由でしたけれども、何か問題は起きていますか。中学校に入った途端に地味な服をわざわざ買って着なきゃいけない。色の指定をする意味が私には分かりません。色彩感覚、情操教育、ファッションの教育、今後の人生において身につけておいても決して損にはならない。無駄にはならない。その機会を何で取り上げちゃうんですか。子どもたちに対して、水色やピンク色はなぜ悪いのか、派手になったら何が悪いのか、論理的に説明できるんですか。
とある中学校では、個性を伸ばし、主体性を育むという教育理念を生徒手帳の1ページ目に掲げている。女子には紺色の靴下しか認めていないような中学校が、何が個性だ、主体性だという話ですよ。その中学校では、ブレザーのボタン、常にいついかなるときでも二つともかけなきゃいけないそうです。私はおなかの成長が止まらなくて、ブレザーのボタン、今日は三つボタンですけども、三つともかけられなくなっちゃった。これは校則違反ですよ。この議場の中にも、ボタンを二つもかけていらっしゃらない方、いるでしょう。皆さん、校則違反ですよ。
この三日間、私は、教育長が紺のハイソックスをはいているかどうかまではチェックしていませんけれども、この本会議場で前ボタンを締めていらっしゃるかどうかこっそりチェックしていました。服のデザインとかサイズとかにもよるんでしょうけれども、大変失礼ながら、教育長、前のボタン締めてなかったですよ。でも、締めていなくてもいいと私は思うんです。ちょっとした体温調整をしたいときだってあるじゃないですか。成長期なんだから、制服が窮屈になることだってあるじゃないですか。お金がなくて新しい制服が買えない子どもだっていると思いますよ。ボタンを二つとも常にかけなきゃ何がまずいんですか。誰かに迷惑かかりますか。そもそもファッションのルールとして、シングルジャケットのボタンの下一つは必ず開ける。それがフォーマルな着こなしであるというアンダーボタンマナーというのがあるんですよ。一番下のボタンをかけずに葬式に行ったって何の問題もない。個性を伸ばし、主体性を育むという生徒手帳の1ページ目に載っているせっかくの教育理念が豚に真珠とはこのことだ。フォーマルなファッションのルールも知らない非常識な中学生を、区が毎年毎年世の中に送り出していると思うと、私は恥ずかしくなってきます。
その一方で、中野区の中学校では、なぜか通学かばんだけは大体自由になっています。うちの息子の中学校では、中学生らしいかばんという規則があるようですけれども、うちの息子は3年間赤いかばんで通学しています。通学かばんを自由にして、中には赤いかばんで通学する子もいて、何か不都合が起きているのかどうか。起きているのかもしれませんけれども、私は聞いたことがない。私の息子も優等生です。学校の規則に合致した服や物品を購入するのに新たに余計なコストがかかるというのもよくあることです。今は昔と違って服は安いですから、学校指定の品物を買うほうがより高くつくということは幾らでもある。体操服の学校のマークが小さく入った白い無地Tシャツ、ただの白無地Tシャツならユニクロで600円で買えるじゃないですか。オリジナルTシャツを発注して作ったって、ワンポイントのマークを入れるだけなら1,000円で作れますよ。それなのに学校指定のTシャツは今どき2,000円も3,000円もする。二中の場合は2,700円。ただの白いTシャツに2,700円ですよ。そして学校指定の服を売ってる店は区内で1か所しかない。年に一度ぐらいは学校に来てくれますし、受け取りだけならその辺のコンビニでできたりもしますが、時と場合によっては、わざわざ新井薬師まで買物に行かなきゃいけない。今どき買物するのにわざわざ自転車で何十分もかけて、場所によっては往復1時間もかけて新井薬師まで買物に行かなきゃいけない。Tシャツ1枚2,700円、勘弁してくださいよ。
学校でVネックのセーターが指定されているけれども、Vネックのセーターはユニクロにもあまりないし、わざわざ探すのが大変だと、そういう声もありました。うちだって小学校に入るときに、無地の筆箱を用意してくださいと言われて、うちには安く買ったキャラクター筆箱が既に複数あるのに、わざわざ高い金出して無地の筆箱を用意しましたよ。小学校に入ってみたら、キャラクター筆箱を使っている子たくさんいるじゃないですか。真面目に高い金出して無地の筆箱を買って損しましたよ。
小学校6年生になって息子の水着がサイズアウトしてしまった。ちょうど家には紺色の学校指定水着とよく似た水着があるからそれを使っていいですかと先生に聞いたら、だめと言われた。結局、新しく学校指定の水着を買い直して、そんなの10回も使わないですよ。何のための学校指定水着なんですか。訳の分からないルールは小学校でも中学校でも見直すべきじゃないですか。
世の中にはルールがあるんだから、たとえそれがどんなルールでも悪法も法なり。決められた以上は守らなければならない。それが大人の社会というもので、大人になれば、どんな理不尽なことがあっても唇をかんで涙をのんで泥水すすって耐えがたきを耐えなければならないことだってある。大きな権力に逆らうやつはばかを見る。どんな理不尽なことであっても長いものには巻かれておけ。たった一人で無所属で立ち上がって一体何ができるんだと。大人の社会のルールを何も知らない中学生にたたき込んでやるのも校則の一つの意味だとは思いますよ。あの男塾のように、中学生のうちから理不尽なことをいっぱいいっぱいたたき込んで、根性と忍耐力を鍛え上げてやる。それも今の校則の存在価値の一つなんだとは思いますよ。それにしてもですよ。これから中野区は、子どもの権利を尊重していくんでしょう。そのための宣言を、今まさに高らかにうたい上げようとしている。酒井区政第1期目の金字塔として、子どもの権利条例をぶち上げようとしている。その中野区で、女子生徒が白い靴下をはく権利を持っていないなんて、おかしいじゃないですか。区が子どもの権利、子どもの権利と言うんだったら、今中学生の権利を一番縛っている校則を見直すべきじゃないですか。
私は、子どもたち自身に、生徒自身に校則を決めてもらうのがいいと思いますよ。学校ごとに決める必要はなく、中野区中の中学生に集まってもらって代表会議を開催して、みんなで議論して中野区統一ルールを決めるというのもありだと思います。それこそが子どもの権利じゃないですか。他区にはない中野区の子どもたちの権利じゃないですか。
区がハイティーン会議をやってもたかだか20人ぐらいしか集まりませんけれども、中学生がみんなで校則について考える会や集会をやれば、その何倍もの中学生が集まると思います。中学生にもなれば、それなりの判断力もあるし、自制心もある。私たちの頃と違って柄の悪い中学生もそんなに多くない。話し合った結果として制服がなくなったっていい、私はそう思っています。それが子どもの権利を認めるということじゃないですか。個性を伸ばし、主体性を育むということじゃないですか。理不尽で非合理な校則やルールが各小・中学校に様々ある。これから新しく定められようとしている子どもの権利条例を、絵に描いた餅、豚に真珠にしないために、ナンセンスな中学校校則と、ついでに小学校の各種ルールの見直しを求めますが、いかがでしょうか。
もう1件、保育園の選考について、3年連続、3年連続で同じような質問ですが、簡潔に質問します。
1次選考の応募者総数が1,833人だったと来住議員の質問に対する答弁がありましたが、そのうち一体何人の人が入園決定したのか。まだ発表していないですよね。そういう数字を速報値でいいから迅速に出してくださいと毎年毎年質問しているじゃないですか。待機児童ゼロというのは、酒井区長の公約にも関わる、特に区長選がある今年は区政にとって大きな数字です。そういう数字を出し惜しみしないで、ちゃんと情報公開を迅速にしてくださいと毎年毎年、3年連続で言っている。ぜひ実現をお願いします。
以上で私の一般質問を終了します。ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 私からは、保育園についての御質問にお答えいたします。
4月入園の1次選考の申請者数は1,833人、利用承諾者数は1,527人ということでございます。これまでは毎年度、各園ごとの申請者数及び空き状況について区ホームページ上で公表しているところでございます。このことに加え、今年度より1次選考の結果を保護者に通知する際、併せて空き状況も知らせることにいたしました。今後も、保育園入園に関し、必要な情報について迅速な公表に努めてまいります。
〔教育長入野貴美子登壇〕
○教育長(入野貴美子) 私からは、中学校校則と小学校の各種ルールの見直しについてお答えいたします。
学校での決まりは、学校が教育目標を達成するために必要かつ合理的と認められる範囲で校長が制定する権限を持っております。区内の全中学校が生徒会等の活動や生徒アンケートなどを通して、生活の決まりについて意見を述べる場を設けて見直しをしてきております。靴下やセーター、コートなどの色についても、生徒会での話合いや生徒と教員との協議を通して決定してきた決まりも多いと聞いております。学校の決まりに対する児童・生徒自身の思いと保護者や周囲の大人の意見に乖離がある場合もあるとも聞いております。小・中学校の取組については、学校が考える教育的意義についても、改めて保護者や地域に、保護者会や学校だよりを通して丁寧に説明していくよう助言してまいります。
○議長(内川和久) 以上で小宮山たかし議員の質問は終わります。
中野区議会議員 竹 村 あきひろ
1 平和事業について
(1)中野区における平和行政の基本に関する条例について
(2)人権問題について
(3)その他
2 その他
○議長(内川和久) 次に、竹村あきひろ議員。
〔竹村あきひろ議員登壇〕
○2番(竹村あきひろ) DX推進、ペーパーレス化に資するよう積極的な姿勢を実践したいと思います。
令和4年第1回定例会に当たりまして、所属政党は国政政党、略称「NHK党」、会派の所属はありません。無所属議員の立場から一般質問をいたします。質問は通告どおりで、その他はございません。
初めに、中野区における平和行政の基本に関する条例について伺います。
今、日本は平和でしょうか。そして、我が中野区は平和でしょうか。防衛省発刊の令和3年版防衛白書によれば、我が国日本の安全保障環境は、「周辺に質・量に優れた軍事力を有する国家が集中。軍事力のさらなる強化や軍事活動の活発化の傾向が顕著」とあります。そして「近年、領土や主権、経済権益をめぐり、グレーゾーンの事態が長期化するとともに、明確な兆候のないまま、より重大な事態へと急速に発展していくリスクを内包」と明記されています。具体的な懸念として、中華人民共和国、北朝鮮、ロシア、各国名を挙げています。
ところで、中野区は毎年平和事業を行っています。歴史をたどりますと、昭和57年(1982年)8月に憲法擁護・非核都市の宣言、平成2年(1990年)4月には、中野区における平和行政の基本に関する条例――以下本条例とします――が施行されました。我が中野区の平和事業は、この条例に基づいて行われていると理解していますが、昨今の安全保障情勢に即した事業になっているでしょうか。
本条例第3条第2号の平和に関する情報の収集及び提供で、区が行ってきた過去の平和事業を見ますと、情報の提供に関しては写真展、資料展示、映画の上映会など活発な一方、内容は極めて限定的ではないかと感じます。中野区、そして我が日本国の平和に関し、最も重要かつ喫緊の課題である北朝鮮の日本人拉致問題、中華人民共和国による我が国固有の領土・尖閣諸島周辺海域への侵略行為、その公表国防予算の規模は、平成3年度(1991年)から30年間で42倍。公表国防予算増加率が経済成長率(GDP増加率)を上回る年も少なくないなど、区民、国民に周知すべき重要な情報が多数あると考えますが、そこで伺います。
本条例第3条第2号の平和に関する情報の収集及び提供に関し、これらの情報の検討はなされたのでしょうか。検討の有無とその結果を伺います。
提供に至らなかった平和の情報として検討に上がった他の情報について具体的に御教示ください。
また、平和に関する情報とは何を対象とするのか、区の考えを伺います。
さて、平和事業の一つに抗議文があります。これは区のホームページに専用のページが設けられていますが、その内容は核実験に対するもののみです。そして出された抗議文中に「報道に接した」との理由が見られますが、それが抗議文を出す理由の全てなのでしょうか。
令和2年(2020年)4月17日、朝日新聞が、中華人民共和国の「爆発を伴う核実験の停止を順守しているか、懸念がある」との米国務省の発表を報じました。基となった米国報告書は、新疆ウイグル自治区ロプノールの核実験場で活発な活動が続いていると指摘。爆発を封じ込める格納容器の使用や広範囲にわたる掘削活動、現地から包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)への観測データの送信が頻繁に遮断されているなどを挙げ、極めて具体的です。
そこで伺います。この報道による中華人民共和国への抗議が確認できませんでしたが、抗議をしたのか、その有無。しなかったのであれば、その理由を具体的にお示しください。
さて、核に関しては重大な懸念を示す資料は複数あります。その一つに、防衛白書令和3年版の中で、中華人民共和国の大量破壊兵器、核戦力に関し記述があります。「30年以上も透明性を欠いたまま、継続的に高い水準で国防費を増加させ、核・ミサイル戦力や海上・航空戦力を中心に、軍事力の質・量を広範かつ急速に強化している」と明記。核戦力に関し、新戦略兵器削減条約(新START)の参加も拒否しているとあります。防衛白書では、令和元年版、令和2年版でも、中華人民共和国の国防費は透明性を欠く旨、記述があり、まさに抗議に値する事態と考えます。
また、区の憲法擁護・非核都市宣言にある「私たちのいのちと暮らしを守るために、核を持つすべての国に対して、核兵器をすてよと訴える区民の率直な願いと崇高な思いが込められています」との文言にもあるように、核兵器に関しても抗議の対象とすべきと考えますが、そこで伺います。
区の発してきた抗議文は、憲法擁護・非核都市宣言によるものと拝察しますが、抗議の対象が核実験に偏っているように思います。これは宣言の趣旨から見て極めて不十分と考えますが、抗議文が核実験に限定されてきた理由を伺います。また、宣言にあるように、核兵器も対象にすべきと考えますが、区の方針など見解を伺います。
区の平和行政において何よりも優先して行うべき重大な事案があろうかと思います。その一つは人権問題です。必ず解決しなければならない、法律を制定してまで解決に取り組んでいる北朝鮮の日本人拉致問題、そして中華人民共和国に強い疑いのあるウイグル人権問題です。中華人民共和国のウイグル人権問題は、世界中で制裁をかける事態に発展。米国、英国、カナダ、そしてEUは、昨年令和3年3月に資産凍結などの制裁を発動。ファイブアイズ加盟の米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドは、新疆ウイグル自治区人権問題について、人権侵害と虐待との共同声明を出しました。日本政府も今月2月1日に人権非難決議を採択。いずれも平和に関する情報に該当するものと考えます。また、日本弁護士会の公表資料に「平和と人権に関する宣言」というものがあり、その中に、「平和は、人間の生存とすべての人権の前提であるとともに、人権の尊重なくして真の平和はありえない」とあります。平和行政には人権は必須のものと考えます。
そこで伺います。このような人権問題は、本条例第3条第2号の平和に関する情報の収集及び提供に該当すると考えますが、区の見解を伺います。また、該当しないとするなら、その根拠、理由をお示しください。
情報のもう一つは、中華人民共和国による我が国固有の領土・尖閣諸島周辺海域への領海侵犯、侵略行為に関する情報についてです。平和に関する情報として取り扱うべきと考えますが、区の見解を伺います。
区のホームページに、人権・男女平等の取組が一覧としてありますが、不思議なことに、我が国最大の人権問題、北朝鮮の日本人拉致問題の掲載がありません。その理由を伺います。また、今後の方針も併せてお答えください。
さて、昨今の世界情勢から、ぜひ平和事業に取り入れるべき内容があります。さきの抗議文の対象に人権問題を加えることです。直ちに抗議すべきは、世界中で懸念される中華人民共和国のウイグル人権問題です。我が中野区議会でも昨年令和3年6月15日に、中華人民共和国による人権侵害問題に対する調査及び抗議を求める意見書を賛成多数で可決しております。区は、報道を根拠に多くの抗議文を世界各国に提出していますが、多くの国が制裁までかけるこの問題に抗議文を発すべきと考えますが、区の見解を伺います。
さて、議会や行政の発信だけで人権問題に関する機運は高まるのでしょうか。区民、国民に広く問題を周知し、知っていただくことが重要と思います。そこで、平和事業として周知すべき貴重な情報があります。我が国日本から発信され、世界12か国語に翻訳され、世界中で知られている清水ともみさんの著作「私の身に起きたこと~とあるウイグル人女性の証言~」という本があります。これは、ウイグル人女性の証言を基に漫画化されたもので、中華人民共和国のウイグル人権問題を世に問いかけた作品です。この書籍の紹介や小冊子版の配布、全ての図書館へ備えるなどの事業を行ってはいかがでしょうか。加えまして、人権問題啓発の一環として、清水ともみさんのウェブサイトから無料でイラストが利用可能です。活用してはいかがでしょうか。
また、この作品以外でも、中華人民共和国のウイグル人権問題を主題とする書籍を、本条例第3条第2号の平和に関する情報の収集及び提供に基づき、提供・周知の対象とすべきと考えますが、区の見解を伺います。
人権問題は様々ありますが、人としての尊厳や命の危険を独裁政権が主導している重大な問題が現実に起こっている今、条例まで定めて平和行政に取り組む区の積極的な姿勢に、なぜか見られなかった北朝鮮の日本人拉致問題、そして現在進行系で進むウイグル、チベット、香港、そして自国人民に対し武力をもってじゅうりんした六四天安門事件を起こした中華人民共和国に対する中野区の毅然とした抗議や今後の平和行政の取組をさらに積極的に進めていただけるであろうことを祈念し、以上伺いまして、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 竹村議員の御質問で、私からは平和事業についてお答えいたします。
平和に関する情報の収集等と情報提供に至らなかった平和の情報についての御質問です。北朝鮮の日本人拉致問題や中華人民共和国による尖閣諸島周辺における行動に関しても、条例の趣旨も鑑み、報道される情報をはじめ、外務省の発表などについては情報を把握しているところでございますが、現時点では区として積極的な情報提供を行うことは考えておらず、検討は行っておりません。ほかには特に検討対象としたものはございませんが、平和に関する情報については常時把握に努めているところでございます。
次に、条例で対象とする平和に関する情報についての御質問です。平和に関する情報につきましては、平和行政を推進するに当たって、世界の平和を求める区民の意思を表明した憲法擁護・非核都市の宣言、この精神に基づいて国内外を問わず平和に関する情報は全て対象であると考えております。
次に、中華人民共和国が行ったとされる核実験についての報道に関する抗議についての御質問です。区は令和2年4月17日付で朝日新聞が報じたこの報道に関して、中華人民共和国に対する抗議は行っておりません。当該報道のほか、国の情報などを確認したものの、抗議を行う根拠となる明確な情報が得られなかったため検討対象としなかったということでございます。
次に、抗議文が核実験に限定されてきた理由についての御質問です。区は、昭和57年8月15日に憲法擁護・非核都市の宣言を行い、この宣言の趣旨に沿って、平成7年から核実験に対する抗議文を発出しておりまして、平成17年にはNPT(核兵器不拡散条約)再検討会議に向け、核兵器廃絶に対する要請を行っております。区の非核都市の宣言に基づき抗議対象としてきたものでございまして、特に対象を核実験に限定しているものではございません。
最後に、核兵器を抗議の対象とすることについてでございます。中野区は、平成17年にNPT再検討会議での核兵器廃絶要請を行ったところであります。近年、他自治体においても核兵器の保持そのものに関する抗議をする例は見当たりませんが、他の自治体の状況も捉えつつ対応を検討してまいります。
〔企画部長高橋昭彦登壇〕
○企画部長(高橋昭彦) 平和事業についての御質問のうち、人権問題についての御質問にお答えいたします。
初めに、北朝鮮の拉致問題と中国の新疆ウイグル自治区の平和に関する情報の該当性についての御質問でございます。北朝鮮の拉致問題、また新疆ウイグル自治区の人権問題につきましては、区としても重要な人権問題として捉えており、国の対応なども踏まえて情報収集に努めるとともに、問題の周知等の対応を行っていく考えでございます。
続いて、中華人民共和国の尖閣諸島周辺海域への領海侵犯を平和に関する情報として取り扱うことについての御質問でございます。中華人民共和国の尖閣諸島周辺海域への領海侵犯についても、中野区における平和行政の基本に関する条例で定める平和に関する情報であると考えており、外務省をはじめとした情報の収集は随時行っているところでございます。
続きまして、区ホームページの一覧に北朝鮮の日本人拉致問題の掲載がない理由についてでございます。区のホームページでは、北朝鮮人権侵害問題啓発週間に紹介ページを作成し、政府のホームページにリンクを張るなど、また、啓発アニメ等も紹介しており、また人権週間等以外もポスター掲示などを行い周知を行っているところでございます。周知方法については、一覧への掲載も含め、今後検討を行ってまいります。
続いて、新疆ウイグル自治区人権問題に関する抗議文の発出についてでございます。現時点では、区として人権問題に関して抗議文を発出することは考えてございません。
最後に、新疆ウイグル自治区の人権問題に関する書籍等についてでございます。区としても、新疆ウイグル自治区の人権問題については、国際社会における人権問題として捉えてございます。区の人権施策を進める中で、当該書籍などについても情報収集の対象になると考えているところでございます。
○議長(内川和久) 以上で竹村あきひろ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 立 石 り お
1 財政運営の考え方について
2 「食の支援」の現状と展望について
3 子どもを包括的に支援するための各種データ共有・連携について
4 その他
○議長(内川和久) 次に、立石りお議員。
〔立石りお議員登壇〕
○8番(立石りお) 令和4年第1回定例会において一般質問をいたします。質問は通告どおり、その他はありません。
初めに、財政運営の考え方についてです。
基準となる一般財源規模687億円は、令和2年度の9月に示された額で、当初は、令和3年度の一般財源歳入が92億円減少し、財政調整基金が令和5年、義務教育施設整備基金が令和8年に枯渇するという見通しの中で設定されたものです。その後、令和2年度の新規拡充事業の執行統制をしたこと、学校をはじめとする施設更新のスケジュールを後ろ倒しにしたこと、歳入見通しが回復したこと、地方創生臨時交付金が入ってきたことなどもあり、財政調整基金については枯渇するどころか、令和2年度並みの水準を維持しています。結果的に見れば、令和3年度の一般財源歳入は令和2年度を上回り過去最高額となりました。令和4年度の一般財源歳入はそれをも上回る見込みです。歳入見通しについては、過去に何度か質問しましたので、また別の機会に伺います。
基準となる一般財源規模687億円と設定されたのは、92億円の歳入減を想定してのことで、現状や今後の見通しから大きく乖離しております。他の議員も指摘されているように、基準となる一般財源規模に代わる財政運営の考え方が必要です。公債費負担比率を10%以内に抑えた上で、景気に左右されず着実に施設更新していくため、将来かかる費用を計画的に積み立てていかなくてはなりません。そういった問題意識から基金の積立計画において課題と感じる点について幾つか質問してまいります。
構造改革の基本指標で財政調整基金施設改修分、義務教育施設整備基金、社会福祉施設整備基金への積立て目標を減価償却費25%としています。減価償却費は累計額で見るべきという御提案は以前しましたが、令和4年度以降の基金積立計画に構造改革の考え方が反映されているのか、具体的にどのように計算しているのかお答えください。
基金積立て目標額が減価償却費25%で、残りの75%を起債で充当するという方針が適切なのか疑問があります。例えば、新庁舎、5番目のすこやか福祉センター、教育センター分室の建て替えなど、新規の区有施設の建設費用が加味されません。また、物価上昇や施設の機能拡充などが影響して、学校の建設費は以前30億円だったのが現在約52億円に膨らんでおり、減価償却費25%で積み立てても実際にかかる更新費用が上回ります。減価償却費累計額25%に新規施設と物価上昇の影響額を足して積立て目標に反映する。または、減価償却費累計額25%以上を積み立てていく必要があると考えます。見解を伺います。
道路・公園整備基金は道路占用料から毎年8億円積立て、主に道路の補修の財源に充てています。まちづくり基金は、都市計画事業の過年度分として入ってくる財産費を積み立てており、いずれも歳入ベースの積立計画となっております。公園については、今後、公園再整備計画が完成後に順次改修していく予定です。まちづくりについては中野駅周辺、また西武線周辺のまちづくり等の財源が今後必要になります。現状の基金積立計画を見ると、道路公園整備基金については、5年間の積立て平均は17.4億円ですが、令和7年度は48億円、まちづくり基金は5年間の積立て平均が34.4億円で、令和7年度は47億円となっています。両方の基金とも令和7年度の積立てで負担の額が大きい計画になっています。道路・公園整備基金、まちづくり基金についても、積立ての新たな基準を設けるか、積立額を平準化していく必要があると考えます。見解を伺います。
持続可能な財政運営を行うため経常経費を抑えていく取組が必要になります。財政フレームで示された一般事業費は経常経費に該当するわけですが、令和4年度から令和8年度まで221億円と据置きになっております。一方で、令和3年に示された財政フレームでは、211億円で据置きになっておりました。1年前に示された額から10億円増額されております。新規事業が増えれば経常経費が増えるわけですが、抑制していくためにどのような取組を行っていくのか見解を伺います。
[1]2、「食の支援」の現状と今後の展望についてです。
コロナ禍で困窮されている中野区民の方々に食料や物品を寄附したいという御相談を受けております。中には大量の食料を寄附したいという申出もありましたが、区の供給体制が追いついていないということで一部お断りすることになりました。今後、こういったミスマッチをなくしていく必要があると考えます。中野区は、この数年の傾向としてどのくらいの食料寄附があって、どのような目的で寄附されているのか把握されていますか、伺います。
環境部のフードドライブの取組については、事業開始から3年目で取組が浸透してきたこともあり、毎年寄附の量が増えております。それ以外にも子ども食堂、フードパントリーなどの取組が浸透しており、区内でも実施団体、実施回数は年々増えてきております。さらにこういった取組を応援いただくため、寄附いただいている状況を広くお伝えして知っていただくことも重要です。お金の寄附については財政課が窓口になっておりますが、食料寄附の場合は、窓口が目的ごとに異なるため、区民の方で寄附をしたいが窓口が分からないという声を聞くこともあります。所管によっては食料寄附をお断りしているケースや部署をたらい回しにするケースがあると伺っています。専用ページがあれば、そちらへ御案内することでミスマッチを防ぐことができます。ホームページなどで目的別に食料寄附などを受け付けられる専用ページを作成してはどうでしょうか。見解を伺います。
区内の子ども食堂の数も増加傾向にありますが、食料寄附よりも必要経費を寄附してもらえるほうがうれしいという声もあります。そういった現状から、子ども食堂の運営費を補助する制度があるわけですが、将来的にはガバメントクラウドファンディングで補助金の原資を募ったり、子どもの事業のための基金を創設するという展望があってもよいと思います。まずはそういった土壌を醸成していくために、区に寄附していただいた食料品、物品、お金が一覧で見られるページを作成してはどうでしょうか。
3、子どもを包括的に支援するための各種データ共有・連携について伺います。
令和元年に中野区が実施した子どもと子育て家庭の実態調査を読むと、一般層と比較し困窮層は、学習理解度、学習環境、虫歯の状況など支援が必要な傾向にあり、子どもたちを取り巻く問題が多様化・複雑化していることが分かります。子どもの貧困や虐待をはじめとした困難を抱えた子ども・家庭については実態が見えにくいと言われております。自分が支援対象であることに気づいていない人、潜在的に支援を必要とする人を含め、必要な支援を十分に行き渡らせるために組織間の連携や子どもの成長に合わせた継続的な支援が必要です。厚生委員会で、中野区地域包括ケア総合アクションプランの案が示されましたが、これに対して区民の方々から、医療・介護のみならず、福祉・保健・子育て等の横のつながりがさらに増えることを期待しているという意見が寄せられています。
令和3年12月にこども家庭庁の創設を含むこども政策の新たな推進体制に関する基本方針が閣議決定されました。その中で、「虐待、貧困、不登校、高校中退、非行といった様々な困難を抱えるこどもや若者、家庭に対し、制度や組織による縦割りの壁や年齢の壁を克服した切れ目ない包括的なアウトリーチ型」の支援体制が示されています。
この動きと連動して、デジタル庁では、子どもを包括的に支援するために必要なデータ連携、プッシュ型でサポートできる体制の検討を始めています。これにより、住民基本台帳、税、保険、福祉、健康、子育てなど部門間の情報共有と児童相談所、学校、保育所、医療機関、NPOが保有する組織を超えた横の情報共有を想定しています。また、妊娠、未就学、小学校、中学校、高校、大学など、学齢期をまたいだ縦の連携による切れ目のない支援も可能になります。例えば、相談先が分からない、SOSが発信できない、社会との関わりを求めていない親などに対して必要な情報を届けることができ、潜在的に支援が必要な子どもや家庭に情報を届け、支援につながることが期待できます。
こういった情報共有の体制を中心となって推進する司令塔が必要です。中野区では、高齢者、子どもと子育て家庭、障害者など、支援が必要な全ての人を対象とした地域包括ケアを掲げておりますが、子どもを包括的に支援する各種データ連携、共有はどの部署が推進していくとお考えでしょうか、伺います。
社会福祉法の改正に伴い、支援会議の構成員であれば、区は学校や保育所との情報共有は可能になります。中野区としても、令和4年度から地域共生社会の実現を目指した重層的支援体制の準備が始まります。情報の取扱い方法など、セキュリティや社会通念の観点から、共有する情報、共有しない情報を見極めなくてはなりません。現状では、子どもを包括的にケアする上で、組織横断的に共有できている情報、反対に共有できていない情報にどのようなものがあると認識されていますか、伺います。
デジタル庁は、2月4日に実証事業自体の公募をスタートしております。応募は間に合わなくても、近いうちには大枠の改正案やロードマップが示されることになります。自治体情報システムの標準化にしてもそうですが、基礎自治体は人口規模によって事務事業の実態が異なるため、中野区としてもボトムアップで検討していく必要があると考えます。中野区は子育て先進区を掲げておりますので、支援が必要な子どもを取り残さないよう、関係者間でデータを共有しながら対応できる体制を整備する必要があると考えますが、見解はいかがでしょうか。
以上で全ての質問を終了いたします。ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 立石議員の御質問にお答えいたします。
まず、財政運営の考え方について。
施設整備に係る基金の積立計画についてでございます。令和4年度以降におきましては、財政調整基金の施設改修分、義務教育施設整備基金及び社会福祉施設整備基金へ基金充当の対象となる施設の減価償却費相当額の25%を積み立てる計画を立てておりまして、既存施設のみならず、今後整備予定の施設についても現在想定される整備費により減価償却費を算出し、積立計画に反映しております。また、基金残高についても、減価償却費累計額の25%を保てるよう、適宜積立額を調整し基金計画を立てております。
次に、物価上昇等を考慮した基金の積立計画についてでございます。減価償却費相当額の25%を毎年積立てしていくという考え方は、耐用年数経過後、起債を75%充当すれば、建設当時と同じ経費での施設更新が可能な財源確保ができているという考え方によるものであります。しかしながら、この考え方に物価上昇等が考慮されていないのは御指摘のとおりであります。物価上昇等を考慮した基金の積立計画につきましては、今後の施設整備計画や歳入状況などを踏まえながら、考え方を整理してまいります。
次に、道路・公園整備基金及びまちづくり基金への積立計画についてでございます。これまで道路・公園整備基金には道路占用料の一部を、まちづくり基金には特別区交付金の財産費相当額の一部を積み立ててきたところであります。今後、公園再整備計画に基づく公園整備や道路舗装改良補修、中野駅周辺まちづくりや西武新宿線沿線まちづくりなど、事業の進展に伴い基金活用が増加していくことが想定されることから、歳入状況や他の基金とのバランス、基金活用事業の進捗も踏まえながら、道路・公園整備基金及びまちづくり基金の適切な積立計画について検討してまいります。
次に、経常経費を抑えていく取組についてでございます。PDCAサイクルを回していく中で、行政評価や決算分析による事業の効果検証を行い、新規事業と既存事業の見直しを一体的に行うビルド・アンド・スクラップを徹底し、経常経費の抑制に努めてまいります。
次に、「食の支援」の現状と展望について。
区に対する食料寄附の量と主な目的についてでございます。区への食料寄附の代表的なものとして、例えばお米では、令和元年度はゼロだったものが令和2年度は約66キログラム、令和3年度は1月25日現在で約293キログラムの寄附がありました。また、レトルト及びインスタント食品では、令和元年度48個だったものが、令和2年度には385個、令和3年度は1,375個と、いずれも増加傾向にあります。寄附目的で多いものとしては、広く未利用食品の有効活用、いわゆるフードドライブ、子どもの貧困対策、自宅療養中の新型コロナウイルス感染者への支援、社会福祉事業、地域交流事業等が挙げられます。
次に、区への寄附受付専用ページの作成についてです。現在区のホームページは、寄附ごとに各所管課がそれぞれページを作成しておりますが、寄附の種別や項目が一覧できるページは作成しておりません。区における各寄附の受付先が一覧できるインデックス的なまとめページを作成してまいります。
最後に、区へ寄附をいただいた内容が一覧できるページの作成についてです。感染症が長期化する中で、御好意で様々な方や企業の皆様から区へ寄附いただいておりまして、大変ありがたく、また心強く感じているところであります。寄附いただいた方への感謝とともに、「つながる はじまる なかの」を掲げる区政を示す意味でも、寄附の受付先のまとめページと併せて、区へ寄附いただいた内容が一覧できるページを作成してまいります。
〔地域包括ケア推進担当部長藤井多希子登壇〕
○地域包括ケア推進担当部長(藤井多希子) 私からは、子どもを包括的に支援するための各種データ共有・連携についてお答えいたします。
初めに推進所管についてです。複雑で複合的な生活課題のある子どもや子育て世帯への支援には関係者間の連携のための情報共有は必須であると考えているところでございまして、現在は主に支援検討会議等において、相談の履歴の有無や家族構成、利用しているサービス等を情報共有しているところでございます。支援に必要な情報は、子ども本人だけでなく、世帯や所得に関する情報なども含まれることがございますが、現在では複数の部において、それぞれのシステムにおいて管理をしているところでございまして、地域包括ケア体制のためのシステム活用については、今後推進部署も含めて検討が必要と考えております。
次に、組織横断的に共有できる情報と共有できない情報についてです。個人情報は、中野区個人情報保護条例により、各所管において目的に応じて取得するものとされておりまして、ほかの所管と共有することは、目的外利用として法令の定めがある場合などを除き原則禁止されております。ただし、ほかの事業で個人情報を活用することが効果的な場合は、個人情報保護審議会に諮り、目的外利用が適当である旨の答申を得て共有することが可能となります。これまでの事例を基に共有するべき情報については精査が必要であると考えております。
最後に、支援が必要な子どもを取り残さない体制整備についてです。中野区が令和4年度から始める重層的支援体制整備事業では、支援検討会議等における個人情報の共有についても考え方が示されているところでございます。具体的な支援につながる取組を行う中で、システム活用によるデータ連携や共有についても視野に入れながら、体制整備の在り方を検討してまいります。
○議長(内川和久) 以上で立石りお議員の質問は終わります。
中野区議会議員 吉 田 康一郎
1 育児支援政策について
2 緑と水のまちづくりについて
3 国民保護施策について
4 人権行政について
5 自治施策について
6 その他
○議長(内川和久) 次に、吉田康一郎議員。
〔吉田康一郎議員登壇〕
○12番(吉田康一郎) 育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会、吉田康一郎です。よろしくお願いいたします。
まず育児支援政策について伺います。
昨年9月に区が策定した中野区基本計画において、私が繰り返し指摘した出生率の向上を図ることが盛り込まれました。この出生率の向上について、なかなか記載すらしようとしなかったという過程について理解に苦しんでいましたけれども、実際に中野区の過去3年間の出生率を調べると、過去の定例会で申し上げたとおり、平成29年に23区内で豊島区と同率で下から2番目、翌平成30年は単独で最下位から2番目、そして令和元年では単独最下位になりました。酒井区政になってから子育て先進区を掲げていながら、出生率はどんどん下落し、順位も下落し、最下位になったわけであります。そして、社会動態については、0歳から9歳については転出が超過、区外に出て行く人が多いとなっています。
経済紙系の調査で、2021年版「共働き子育てしやすい街ランキング」で6位になったと指摘する向きもありますが、それはあくまで共働きのランキングであって、子育て世帯全体の評価ではない上に、実際の出生率とその順位が下落しているのに、子育てしやすいというのは、使いにくい商品の売上げが落ちているのに顧客満足度ナンバーワンと宣伝しているようなものです。
これまで3年半の区政について、出生率が下がって、結果として子育て後退区になったというのにもかかわらず、10日の施政方針演説においては、この点についての反省は一切ありませんでした。これまでの施策が失敗であったということを認め、それを転換する、こういうことがなければ未来において子育て先進区ということは実現できません。
令和4年度予算において子育て支援の中心を担っている子ども教育部では、出生率の向上に向けてどのような事業を実施する予定なのか。それはこれまでと同じなのか。変わるのか。新規、拡充、廃止によって、これまでの事業の継続と比較して、出生率が何ポイント向上する見込みなのか。そして子ども関係の予算は令和3年度よりも減少しているけれども、これは事業も予算も拡充すべきなのではないか。そして、これまで繰り返し指摘しましたが、我が国の育児関連政策は、フランスや北欧などに比べて育児世帯への手当の支給が極めて低い。国の児童手当と別に区として手当金を支給するなど思い切った施策が必要だと考えますが、見解を伺います。
次に、産後ケアについて伺います。2月4日の読売新聞に「妊産婦孤立させない 中野の助産院拡大移転へ 来院殺到 安らげる場所に」という記事が掲載されました。概要は、「新型コロナウイルス感染拡大による母親学級の休止・縮小などの影響で、出産や子育てに不安を募らせる妊産婦が増えている。中野区のしらさぎふれあい助産院には昨年暮れ頃から、相談に訪れる妊産婦たちが殺到。支援体制を整えようと、近くの施設に拡大移転することを決めた」という内容で、私も院長にお話を伺いましたが、現在クラウドファンディングで整備費を募っているとのことです。
自治体の産後ケア事業を受託している施設の修繕等に対する国・都の補助制度として、妊娠・出産包括支援緊急整備事業がありますが、この制度は区市町村や委託先の施設が所有している施設が対象で、賃貸で運営している施設は対象となっていません。中野区は、この補助事業を活用した事業を実施していないと聞きます。
そこで伺います。都内でこの制度を活用した事業を実施している市や区はあるのでしょうか。
そして次に、区内の産後ケアを行う施設に対して、国や都の制度を活用できない場合でも、中野区が子育て先進区を標榜するのであれば、このような助産院などを支援する事業を行うべきではないんでしょうか。中野区は南部で施設の整備を検討しているやに伺っていますが、北部においても、この助産院を含め支援の検討を行うべきと考えます。また、国や都に対して、賃貸で運営している施設に対しても補助できる制度の整備を働きかけるべきであると思いますが、見解を伺います。
次に、緑と水のまちづくりについて伺います。
これまで私は、中野区には公園面積が非常に少ないことが問題であることを繰り返し指摘し、1人当たりの公園面積が23区内で下から2番目、緑豊かな公園やオープンスペースを増やし、人々が憩え安らぎを持てる空間づくりが大事だと要望してまいりました。そして緑とともに重要なのは、水辺のある空間であります。水辺は人々に潤いと憩いを与え、良好な都市景観を形成する上でも極めて重要な要素であります。魅力ある水辺空間、さらには多様な生物の生息できる環境に配慮したまちづくりを積極的に進めることが、魅力と価値を格段に高める都市形成になっていくことは言うまでもありません。
そこで伺います。区内の公園で池や湧き水、噴水など水辺を生かした公園は幾つあるのか。具体的に公園の名称を挙げていただきたい。
次に、公園以外の、例えば昔から自然に湧き水が出ている水辺や池、沼などが現在の中野にどれだけあるのか伺います。神社仏閣などにあるものは、一部私、思い浮かびますけれども、例えば観光資源や歴史的資源として区内にどれだけあるのか、区は把握しているのか伺います。そして把握していないのであれば、これからは把握し、公表すべきであると思いますが、見解を伺います。
さらに、こうした緑や水を生かしたまちづくりについて、改定中の都市計画マスタープランでは、どのような方針を盛り込んでいるのか伺います。この水辺空間を生かしたまちづくりを積極的に進めることを強く要望します。
次に、人権行政について伺います。
去る2月1日、衆議院において「新疆ウイグル等における深刻な人権状況に対する決議」が可決されました。参議院も北京五輪後に決議採択を目指しているとのことであります。共産党独裁体制下の中国の新疆ウイグル、チベット、南モンゴルなどにおけるジェノサイド、これについては多くの国が中国への非難と制裁を始めています。そして、北京五輪についても多くの国がボイコットを行い、我が国も事実上の外交ボイコットを行いました。このような中、我が中野区が北京市西城区との友好事業を行うことは、中野区が中国政府のジェノサイドを問題視しないと表明するに等しい行為です。西城区はその区内に人民大会堂など中国の政府、共産党、軍の重要機関が密集し、中国共産党高級幹部専用住宅街である中南海などが位置し、まさに中国共産党独裁の中枢であり、人権侵害政策の中枢であります。
私は昨年12月20日、竹村あきひろ区議とともに、このような趣旨でこの友好区35周年行事の中止を申し入れましたが、区長は行事を行ったようであり、残念に思います。今年は日中国交樹立50周年に当たりますが、到底これを祝うような状況にはありません。中国独裁の人権状況について、そして我が国国会の決議について、区長の見解を伺います。
そして次に、北朝鮮拉致問題です。北朝鮮人権侵害週間には、昨年も人権週間と重なる期間のみポスター掲示を行い、そして一つよかったことは区のホームページに、「12月10日から16日は北朝鮮人権侵害問題啓発週間です」と題するページを作りました。これは国や都のページともリンクを張るなどいい内容でありましたが、なぜか今は影も形もなくなっています。現在、区のホームページの人権啓発活動というページを見ると、人権週間については詳しくコンテンツが掲載されていますが、北朝鮮拉致問題については1件も掲載されていません。そして「北朝鮮」と検索しても、拉致問題について1件もヒットしない。気持ち悪さすら感じました。北朝鮮人権法に定められた自治体の責務、これは拉致問題が解決するまで、北朝鮮に拉致された国民の最後の一人が帰ってくるまで恒常的に掲示、啓発を続けることが責務となっているのではないでしょうか。見解を伺います。
自治体によっては、幹部職員にブルーリボンバッジの着用が呼びかけられ、全幹部職員が着用している自治体もあります。区長の人権に対する認識が偏り、そして低過ぎると思います。ぜひこのジェノサイドなどの問題、あるいは北朝鮮拉致問題、このような問題について積極的に区としても広報や啓発を行うべきと考えます。令和4年度予算に盛り込んだものは何なのか見解を伺います。
そして啓発に当たっては、これは昨年の第4回定例会で伺いましたが、時間切れで答弁をいただけなかったので改めて伺いますが、中野駅ガード下ギャラリーの壁が老朽化しており、掲示効果を低下させています。ここを塗装や改修、補修など壁面の改修を行い、そしてこの啓発事業を行うべきだと考えますが、見解を伺います。
最後に、町会・自治会の支援について伺います。
中野区は、区内の町会・自治会、そして町会連合会に対し、長年にわたり防災や防犯、交通安全、福祉活動、古紙の集団回収など、様々な地域の公益活動を依頼し、協力を得ています。改めて頭の下がる思いであります。しかし、武漢から始まった新型ウイルス感染症により、活動の抑制、縮小を余儀なくされ、その状況が長引くにつれ、活動の再開と活性化に苦心、苦労する状態になっている町会の活動に対し、区が評価し、再開を期待していることを示す意味からも、財政的支援があれば激励されるとの要望をお聞きします。このような新たな財政的支援措置を検討すべきと考えますが、見解を伺い、全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 吉田議員の御質問にお答えします。
まず最初に、令和4年度予算における育児支援政策についての取組についてです。
令和4年度予算におきましては、子どものセーフティネットを強化するとともに、子育て・子育ち環境や地域全体で子育てを応援するための体制の整備に向けた予算案を編成しております。具体的には、(仮称)中野区子どもの権利に関する条例に基づく救済機関などの設置、教育相談体制の充実、子どもの貧困対策の推進、児童相談所の設置及び子ども・若者支援センター等運営、児童館での一時預かり、ベビーシッター利用支援など実施を予定しております。こうした事業の実施を通じて、中野区基本計画の重点プロジェクトの一つである子育て先進区の実現を図ってまいります。
次に、合計特殊出生率の向上についてでございます。区は、基本計画において、子育て家庭の定住を促進していくために、子ども女性比の増加を目指すことを掲げております。近年、区の子ども女性比は横ばいから減少の傾向にあることから、今後は増加傾向に転じていくことを目指し、安心して子どもを産み、育て、住み続けられる環境の整備を進めてまいります。
次に、子ども関連予算の拡充についてでございます。令和4年度の予算案におきましては、基本計画で掲げる重点プロジェクトなどを重点事項とし、限られた財源を優先的に配分し、子育てや教育関連などの施策を強く推進していくための予算を計上したところであります。今後は、基本計画で示す重点プロジェクトに基づき、子ども関連施策のさらなる充実を図ってまいります。
過去の子どもの関連施策と現金給付についてでございます。過去3年間の子ども関連予算では、様々な新規拡充推進事業に取り組んでいるところでございまして、令和元年度から令和3年度までの3か年で、新規拡充推進事業は74件、予算ベース約618億円、一方、廃止した事業件数は1件で768万円でございます。一律の現金給付などの経済的支援につきましては、その効果や公平性、財政負担などを総合的に勘案していく必要がありまして、今後他自治体の取組等も研究してまいります。
次に、国・都の補助制度活用による産後ケア施設の修繕事例についてでございます。令和3年度に三鷹市と府中市において、妊娠・出産包括支援緊急整備事業を活用した施設の修繕等を実施しており、いずれも委託先の法人が所有している施設の一部改修工事であると聞いております。
次に、施設整備に関する補助制度の検討と要望についてでございます。産後ケア事業を行う施設については、区内における偏在の解消を含め、適切なサービス提供を図ることができるよう、どのような支援が可能か検討を進める考えでございます。また、施設整備に関する補助制度の充実につきましては、賃貸物件も補助対象となるよう、国や都へも働きかけてまいります。
次に、緑と水のまちづくりについて、区内の池や噴水を生かした公園についてで、じゃぶじゃぶ池を除き、池や噴水などがある区立公園は、新井薬師公園、哲学堂公園、紅葉山公園など9公園ございます。
次に、区内の池や沼の把握についてでございます。民有地について、例えば大和町の蓮華寺の池など公開されているものは一定程度把握しているところであります。
次に、都市計画マスタープランと緑と水のまちづくりでございます。改定中の都市計画マスタープランでは、基本的な都市構造として、まちを守り、うるおいを生み出すグリーンインフラの育成強化を図ることとしております。この中で、みどりと防災の環境軸、水とみどりの親水軸の形成など、緑や水辺を生かした都市整備の在り方を示しております。
次に、人権行政についてで、衆議院における新疆ウイグル自治区等の人権状況に対する決議についてです。衆議院において人権状況に対する決議が行われたことは承知をしております。国からの正式見解はまだ示されておりませんが、政府の今後の動向を注視していきたいと考えております。
最後に、北京市西城区との交流についてでございます。北京市西城区とは、1986年の友好区関係締結以降、行政間交流のほかに文化の分野では書道や茶文化など、スポーツの分野では少年軟式野球などを通じた民間レベルでの交流がこれまで行われてきたところであります。昨年12月には、友好区関係締結35周年記念交流事業をオンラインで実施し、その中で友好関係の継続発展に関する覚書を交わしたところでありまして、今後も引き続き交流関係を継続してまいります。
〔企画部長高橋昭彦登壇〕
○企画部長(高橋昭彦) 人権行政のうち、国際社会の人権問題についての御質問でございます。
北朝鮮の拉致問題の恒常的な啓発についての御質問でございます。北朝鮮拉致問題につきましては、北朝鮮人権侵害問題啓発週間にポスター掲示のほか、区ホームページでの周知を行ったところでございます。北朝鮮拉致問題につきましては、政府の拉致問題対策本部が設置され、恒常的な広報が行われていることを鑑み、区としても恒常的な啓発に取り組んでいきたい、そのように考えてございます。
続きまして、国際社会におけます人権問題に係る予算についてでございます。世界で起きております人権問題については、国の動向を把握しながら情報収集に努め、必要な対応について検討していきたいと考えているところでございます。令和4年度予算に国際社会の人権問題に特化した予算は盛り込んでございませんが、ホームページ掲載等、広報手段を工夫してまいりたい、そのように考えてございます。
もう一つ、ガード下ギャラリーの壁面改善についてでございます。平成9年にガード下ギャラリーについては、JRが壁面塗装工事を実施しておりますが、時間の経過により塗装が劣化してございます。掲示効果を高めるためにも、壁面の改善が必要だと認識しているところでございます。令和4年度予算案では、壁面工事の経費は計上しておりませんが、例えば、今年度区内事業者、JR中野駅と区が連携して、中野駅北口広場前に制作した壁画と同様の手法をガード下で実施できないかなど、壁面の改善に関係機関とともに検討していきたい、そのように考えてございます。
○議長(内川和久) 質問時間は過ぎておりますので、御答弁は結構です。
以上で吉田康一郎議員の質問は終わります。
以上をもって質問は終了いたしました。
議事の都合により、暫時休憩いたします。
午後4時28分休憩
午後4時29分開議
○議長(内川和久) 会議を再開いたします。
これより日程に入ります。
――――――――――――――――――――――――――――――
第2号議案 令和3年度中野区一般会計補正予算
第3号議案 令和3年度中野区用地特別会計補正予算
第4号議案 令和3年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算
第5号議案 令和3年度中野区後期高齢者医療特別会計補正予算
第6号議案 令和3年度中野区介護保険特別会計補正予算
第13号議案 中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
第20号議案 明和中学校校舎新築工事等請負契約
(委員会報告)
○議長(内川和久) 日程第1、第2号議案から第6号議案まで、第13号議案及び第20号議案の計7件を一括議題に供します。
令和4年(2022年)2月10日
中野区議会議長 殿
総務委員長 ひやま 隆
(公印省略)
議案の審査結果について
本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。
記
議案番号
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件 名
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決定月日
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第2号
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令和3年度中野区一般会計補正予算
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2月10日
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第3号
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令和3年度中野区用地特別会計補正予算
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2月10日
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第4号
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令和3年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算
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2月10日
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第5号
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令和3年度中野区後期高齢者医療特別会計補正予算
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2月10日
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第6号
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令和3年度中野区介護保険特別会計補正予算
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2月10日
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第13号
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中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
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2月10日
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第20号
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明和中学校校舎新築工事等請負契約
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2月10日
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○議長(内川和久) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(内川和久) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。
これより討論に入ります。平山英明議員から討論の通告書が提出されていますので、通告議員の討論を許します。平山英明議員。
〔平山英明議員登壇〕
○35番(平山英明) 上程中の第2号議案、令和3年度中野区一般会計補正予算に対し、公明党議員団の立場から賛成討論を行います。
今回の補正は、主には、例年同様、年度末に事業の進捗と予算の執行状況を踏まえ、予算の減額と税収や補助金の見込み差から財源更正を行うものです。必要な補正と考えますが、2点指摘をさせていただきます。
一つ目は、大幅な歳入の見込み差が生じたことです。
補正予算によると、歳入では全体として100億円を超える見込み差があり、特に特別区民税は、当初予算312億7,000万円余に対し、補正予算額が24億9,000万円余と当初予算比8%、特別区財政調整交付金の普通交付金に至っては、当初予算317億円余に対し、補正予算額が62億8,000万円と当初予算比約20%の見込み差が生じています。特別区民税と普通交付金を合わせた87億7,000万円余の見込み差はリーマンショック時にも見られず、比率で見ても過去最高と言えるものと思われます。
地方財政法第3条の2には、「地方公共団体は、あらゆる資料に基いて正確にその財源を捕そくし、且つ、経済の現実に即応してその収入を算定し、これを予算に計上しなければならない」とあります。逐条解説では、「経済の現実に即応すべきこととは、主として税収入に関して」であろうとした上で、「地方公共団体の収入が国民経済の動向なり地域の経済の象徴と密接な関連を有し、少なからずその影響を受けて変動するものであるのに鑑み、予算の編成に当たっては、経済の推移には特に注意して、収入の見積りを誤らないよう心がけねばならない」と解釈されています。
一昨年から、区は財政予測について不透明を繰り返してきました。来年度以降の見通しも、施政方針でも、一般質問でのやり取りでも、やはり不透明との分析のままです。しかし、不透明であったとしても、経済の現実に即応して、その収入を算定せよというのが法の趣旨です。
税収の予測が難しい不安定な経済状況は、コロナ禍の今のみならず、過去にも幾度も体験してきていることです。過大な予測に基づき歳入不足に陥ることは厳に慎まなければならず、むしろ厳しく見込むぐらいが正しい在り方とは思います。しかし、なぜこれだけの予測違いが生じたのかが疑問です。令和3年度は、当区のみならず他区でも同様の事態が生じているのか。理由のいかんによっては、次年度予算の信頼性にも影響する問題であり、早急に分析を行い、結果を議会に示していただくことを求めます。
二つ目は、方針にのっとった基金への積立てが行われなかったことです。
歳出の補正予算では、資源回収推進費中のびん・缶・ペットボトル等の回収では2,470万円余を一般財源から諸収入へ財源更正を行い、特定目的基金積立金として、環境基金へ4,000万円を積み立てることとしています。この積立ての原資も諸収入です。ここでの諸収入とは、アルミ缶・スチール缶の売却益のことです。基金の積立てについては一定の方針があり、森林環境贈与税とアルミ缶・スチール缶の売却益、環境目的の寄附金の中から一定額を環境基金へ積み立てることとしています。しかし、令和3年度は緊縮財政として、当初予算ではアルミ缶・スチール缶の売却益から環境基金への積立ては見込まれておらず、予算書には具体的な記載がないため、今回の補正予算でそのことが分かりました。直近では令和2年度には当初予算でこれらの売却益から環境基金への積立ては2,000万円でした。
補正予算の提案説明に当たり、財政当局からは、当初予算で積立てを行わなかったことには触れられず、売却益の額が想定以上だったため補正を行うとの説明を受けました。歳入見込みでは、令和2年度に比して令和3年度の売却益は高く見積もられているにもかかわらず、環境基金への積立てを止めたこと、しかも、予想を大幅に上回る売却益となったため、改めて環境基金へ4,000万円を積み立てるとしたことをきちんと説明していただくべきでした。
本気で環境対策に取り組めば多額のコストを要します。区は昨年9月、第4次中野区環境基本計画を策定し、中野区ゼロカーボンシティ宣言を行っています。むしろ積極的に基金への積立てを行うべきだったのではないでしょうか。令和4年度の予算の審査はこれからですが、環境に対しての区の姿勢が当初予算に表れているか、方針に基づき基金に積立てが見込まれているか心配です。
今後の財政見通しが不透明なのであればこそ、重要な事業の推進には着実な基金の積立てが必要であることを申し上げ、また、中野区ゼロカーボンシティ宣言が有名無実とならないことを願い、賛成討論といたします。
○議長(内川和久) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。
これより採決いたします。
上程中の議案は委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(内川和久) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
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第7号議案 令和4年度中野区一般会計予算
第8号議案 令和4年度中野区用地特別会計予算
第9号議案 令和4年度中野区国民健康保険事業特別会計予算
第10号議案 令和4年度中野区後期高齢者医療特別会計予算
第11号議案 令和4年度中野区介護保険特別会計予算
○議長(内川和久) 日程第2、第7号議案から第11号議案までの計5件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長白土純登壇〕
○副区長(白土純) ただいま上程されました令和4年度各会計予算に係る第7号議案から第11号議案までの5議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
初めに、第7号議案、令和4年度中野区一般会計予算について説明いたします。
令和4年度予算は、新型コロナウイルス感染症との闘いを乗り越え、活動を力強く再開し、未来へつなげる予算とするため、新型コロナウイルス感染症対策と様々な活動の支援策、基本計画で掲げる重点プロジェクト、区有施設整備計画に基づく施設整備、構造改革実行プログラムに基づく取組及び新庁舎移転を見据えた業務改善等を重点事項とし、新たな基本計画を踏まえながら、中長期的な視点を持って編成を行いました。
第1条は、歳入歳出予算です。
歳入歳出予算の総額は、1,579億3,500万円で、前年度に比べ106億9,400万円、7.3%の増となりました。
学校施設整備や児童相談所設置準備等の投資的経費が減となったほか、民間保育施設の新規開設支援や小・中学校新校舎への移転等の準備経費等が減となりました。
一方で、中野駅周辺地区の市街地再発事業経費、教育・保育施設給付費、子ども・若者支援センター、児童相談所の運営経費や新型コロナウイルス感染症対策経費等が増となったほか、基金積立金等が増加し、前年度を上回る予算となりました。
それでは、まず、歳入予算から説明いたします。
特別区税は、納税義務者数や所得の増を見込み、前年度に比べ、金額で8億1,600万円余の増、率で2.4%増の342億4,500万円余を計上しました。
特別区交付金は、前年度に比べ、金額で78億円、率で23.9%増の405億円を計上しました。
その他の交付金は、総額で87億2,900万円を計上しました。
前年度に比べ、金額で11億700万円の増、率で14.5%増となっています。
地方消費税引上げ分の増収は、一般財源として、医療、介護、子ども・子育て等の社会保障施策に要する経費に充てています。
分担金及び負担金は、新区役所整備に係る負担金の増など、13.9%増の12億7,700万円余を計上しました。
使用料及び手数料は、道路占用料の増など、7.2%増の20億4,900万円余を計上しました。
国庫支出金は、中野二丁目地区市街地再開発事業関連経費などの増から、4.6%増の316億9,900万円余を計上しました。
都支出金は、参議院議員選挙の実施等により、2.4%増の133億3,600万円余を計上しました。
財産収入は、前年度と比較し、21.0%減の1億6,400万円余を計上しました。
寄付金は、前年度と同程度の3,700万円余を計上しました。
繰入金は、財政調整基金などからの繰入れが増加したことから、11.9%増の177億6,800万円余を計上しました。
繰越金は、前年度と同額の4億円を計上しました。
諸収入は、29.9%増の17億9,200万円余を計上しました。
特別区債は、新庁舎整備など合計7件、35.7%減の59億3,500万円を計上しました。
続いて、歳出予算の説明をいたします。
まず、議会費ですが、議場システム整備工事の皆増等から、13.7%増の9億9,200万円余となりました。
企画費は、情報システム費の総務費への移管や観光事業の見直しを行ったことなどから、66.6%減の6億7,700万円余となりました。
総務費は、情報システム費の受入れや区役所新庁舎整備が進んだことなどから、44.3%増の126億3,400万円余となりました。
区民費は、後期高齢者医療特別会計への繰出金や文化施設の改修及び休業補償に関する経費が増加したことなどから、2.3%増の117億1,300万円余となりました。
子ども教育費は、教育・保育施設給付費が増加しましたが、学校施設整備や区立保育園民営化の経費が減少したことなどから、17.7%減の454億6,700万円余となりました。
地域支えあい推進費は、区民活動センター等の整備・改修などに係る経費が増となったことなどから、12.3%増の78億5,900万円余となりました。
健康福祉費は、子ども教育費からの障害児通所・入所給付の事業受入れや新型コロナウイルス感染症対策を推進していくことなどから、8.0%増の340億5,600万円余となりました。
環境費は、東京二十三区清掃一部事務組合への分担金や粗大ごみ収集に係る経費が増となったことなどから、7.8%増の56億9,200万円余となりました。
都市基盤費は、耐震化促進経費やLED街路灯灯具交換工事の経費が増となったことなどから、18.9%増の76億8,300万円余となりました。
まちづくり推進費は、中野二丁目地区市街地再開発事業を進めることなどから、29.0%増の127億2,800万円余を計上しています。
公債費は、元金償還金などが減少したため、11.1%減の13億円余となりました。
諸支出金は、財政調整基金等の積立てが増加したため、145.4%増の166億2,900万円余となりました。
予備費は、5億円を計上しています。
以上の歳出予算を性質別に見ますと、義務的経費は708億2,800万円余となり、前年度より21億3,200万円余、3.1%の増となりました。これは公債費が減少した一方、扶助費が大きく増加したためです。
投資的経費は、中野駅周辺地区の市街地再開発事業関連経費や区役所新庁舎整備費などが増加しましたが、学校施設整備費等が減少したことから、13.6%減の250億2,700万円余となりました。
その他の経費につきましては、積立金や物件費などが増加したことにより、25.2%増の620億7,900万円余となりました。
以上が第1条歳入歳出予算の説明となります。
第2条は、債務負担行為について定めるものです。これは新庁舎整備事業議場システム整備工事や公式ホームページリニューアル委託など、翌年度以降にわたる債務の負担について、その期間及び限度額を定めたものです。36件の事業について新規に債務負担行為を設定しました。
第3条の特別区債は、起債の目的、限度額などを定めるもので、総額59億3,500万円を計上しました。
第4条の一時借入金は、その最高額を100億円としました。
第5条の歳出予算の流用は、職員の人件費に過不足が生じた場合、同一款内の各項間で流用することを御承認いただくものです。
以上が第7号議案、令和4年度中野区一般会計予算の概要です。
続きまして、第8号議案、令和4年度中野区用地特別会計予算について説明いたします。
第1条の歳入歳出予算の総額は、3億400万円で、前年度に比べ、金額で15億5,500万円減、率で83.6%の著しい減となりました。日本銀行が所有する若宮一丁目用地を取得するための経費が皆減となったことから、前年度と比べ大幅な減となっています。
歳出は、公共用地先行取得債の償還金として、公債費3億400万円を計上しました。
歳入につきましては、財産収入2億3,100万円余、一般会計からの繰入金7,200万円余を計上しました。
続きまして、第9号議案、令和4年度中野区国民健康保険事業特別会計予算について説明いたします。
第1条の歳入歳出予算の総額は、325億5,300万円で、前年度に比べ、金額で5億800万円増、率で1.6%の増となりました。
歳出のうち、国保運営費は5.1%減の7億8,400万円余、国保給付費は1.0%増の196億8,600万円余、国保事業費納付金は3.1%増の115億9,200万円余を計上しました。
歳入のうち、国民健康保険料は2.0%増の85億700万円余を計上しました。
都支出金は、1.0%増の196億6,400万円余を計上しました。
繰入金は、2.4%増の42億7,300万円余を計上しました。
第2条は、債務負担行為について定めるものです。国民健康保険被保険者短期証更新業務委託など3件について、その期間及び限度額を定めるものです。
第3条の一時借入金は、その最高額を10億円としました。
続きまして、第10号議案、令和4年度中野区後期高齢者医療特別会計予算について説明いたします。
第1条の歳入歳出予算の総額は、75億8,500万円で、前年度に比べ、金額で4億4,200万円増、率にして6.2%の増となりました。
歳出のうち、広域連合納付金は6.2%増の74億7,400万円余、保険給付費は3.9%増の9,700万円余を計上しました。いずれも東京都後期高齢者医療広域連合の推計に基づくものです。
歳入のうち、後期高齢者医療保険料は7.5%増の42億7,400万円余、一般会計からの繰入金は4.6%増の32億円余を計上しました。
続きまして、第11号議案、令和4年度中野区介護保険特別会計予算について説明いたします。
第1条の歳入歳出予算の総額は、240億3,400万円で、前年度に比べ金額で7億5,600万円増、率で3.2%の増となりました。
歳出のうち、保険給付費は、介護サービス費給付などの増を見込み、4.2%増の219億9,800万円余を計上しました。
地域支援事業費は、13.0%減の12億3,900万円余を計上しました。
歳入のうち、介護保険料は2.1%増の48億1,900万円余を計上しました。
国庫支出金、支払基金交付金、都支出金、繰入金等についてもそれぞれ増額を見込みました。
第2条は、債務負担行為について定めるものです。
介護保険料通知書等作成等業務委託について、その期間及び限度額を定めるものです。
以上、5議案につきましてよろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(内川和久) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(内川和久) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の第7号議案から第11号議案までの計5件は、議員全員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに審査を付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(内川和久) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
本日はこれをもって散会いたします。
午後4時52分散会
会議録署名員 議 長 内川 和久
議 員 小宮山 たかし
議 員 小林 ぜんいち