令和4年02月24日中野区議会予算特別委員会の会議録 1.令和4年(2022年)2月24日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。 1.出席委員(39名) 1番 市 川 しんたろう 2番 竹 村 あきひろ 3番 日 野 たかし 4番 渡 辺 たけし 5番 間 ひとみ 6番 河 合 り な 7番 斉 藤 ゆ り 8番 立 石 り お 9番 羽 鳥 だいすけ 10番 欠 員 11番 加 藤 たくま 12番 吉 田 康一郎 13番 木 村 広 一 14番 甲 田 ゆり子 15番 内 野 大三郎 16番 杉 山 司 17番 ひやま 隆 19番 い さ 哲 郎 20番 小 杉 一 男 21番 内 川 和 久 22番 若 林 しげお 23番 高 橋 かずちか 24番 小 林 ぜんいち 25番 白 井 ひでふみ 26番 いながき じゅん子 27番 山 本 たかし 28番 中 村 延 子 29番 石 坂 わたる 30番 近 藤 さえ子 31番 浦 野 さとみ 32番 大 内 しんご 33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき 35番 平 山 英 明 36番 南 かつひこ 37番 久 保 り か 38番 森 たかゆき 39番 酒 井 たくや 41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行 1.欠席委員 18番 小宮山 たかし 40番 むとう 有 子 1.出席説明員 中野区長 酒井 直人 副区長 白土 純 副区長 横山 克人 教育長 入野 貴美子 企画部長 高橋 昭彦 構造改革担当部長、構造改革担当課長事務取扱 石井 大輔 企画課長、ユニバーサルデザイン推進担当課長 堀越 恵美子 財政課長 森 克久 広聴・広報課長 高村 和哉 情報システム課長白井 亮 住民情報システム担当課長、特別定額給付金担当課長 伊東 知秀 総務部長 海老沢 憲一 防災危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝瀬 裕之 総務課長 浅川 靖 職員課長、人材育成担当課長 中谷 博 区民部長 鳥井 文哉 区民文化国際課長辻本 将紀 戸籍住民課長 伊藤 正秀 税務課長 竹内 賢三 保険医療課長 伊藤 廣昭 マイナンバーカード活用推進担当課長、産業振興課長 平田 祐子 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 青山 敬一郎 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小田 史子 子ども・教育政策課長、学校再編・地域連携担当課長 濵口 求 保育園・幼稚園課長 渡邊 健治 保育施設利用調整担当課長、幼児施設整備担当課長 藤嶋 正彦 指導室長 齊藤 光司 学校教育課長 松原 弘宜 子ども教育施設課長 塚本 剛史 子育て支援課長 滝浪 亜未 育成活動推進課長細野 修一 児童相談所設置調整担当課長、子ども・若者相談担当課長 半田 浩之 地域支えあい推進部長 角 秀行 地域包括ケア推進担当部長 藤井 多希子 地域包括ケア推進課長 小山 真実 北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 原 拓也 健康福祉部長 岩浅 英樹 保健予防課長 関 なおみ 新型コロナウイルスワクチン接種担当課長 瀬谷 泰祐 環境部長 朝井 めぐみ ごみゼロ推進課長永見 英光 都市基盤部長 奈良 浩二 建築課長 小山内 秀樹 まちづくり推進部長 豊川 士朗 中野駅周辺まちづくり担当部長 松前 友香子 野方以西担当課長工藤 虎之介 1.本会の書記は下記のとおりである。 事務局長 長﨑 武史 事務局次長 小堺 充 議事調査担当係長 鳥居 誠 書 記 立川 衛 書 記 若見 元彦 書 記 鎌形 聡美 書 記 松丸 晃大 書 記 田村 優 書 記 細井 翔太 書 記 有明 健人 書 記 五十嵐 一生 書 記 髙橋 万里 書 記 本多 正篤 書 記 金木 崇太 1.委員長署名 午前10時00分開議 ○ひやま委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会します。 第7号議案から第11号議案までの計5件を一括して議題に供します。 総括質疑一覧がタブレット型携帯端末等で閲覧できますので、参考に御覧ください。
令和4年(2022年)2月24日 予算特別委員会
総 括 質 疑 一 覧
○ひやま委員長 本日は総括質疑の1日目となります。1番目に山本たかし委員、2番目に加藤たくま委員、3番目に白井ひでふみ委員、4番目に羽鳥だいすけ委員の順に4名の総括質疑を行います。 次に、要求資料についてですが、前回の委員会で要求した資料229件、全て資料が提出され、タブレット型携帯端末等で閲覧できるようになっております。資料作成に当たられた職員の皆さん、ありがとうございました。 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は発言前に大きな声で職名を述べるようにお願いをいたします。 それでは、質疑に入ります。 山本たかし委員、質疑をどうぞ。 ○山本委員 おはようございます。本日から4日間の総括質疑となります。昨年までこの委員会の委員長でありましたので、前回私が登壇したのは、前区政時代の平成30年3月でしたので4年ぶりということになり、いささか緊張しております。理事者、委員の皆様、どうぞよろしくお願いをいたします。 令和4年第1回定例会におきまして、立憲民主党・無所属議員団の立場から総括質疑を行います。通告のその他の項目はございません。 まず1、区長公約の達成状況について伺います。 先ほども申し上げたとおり4年ぶりの予算総括質疑ですが、その直後の区長選挙において酒井区政が誕生し、早くも4年目と任期を迎えております。区長は今定例会で2期目に出馬の意欲を示されました。区長のホームページに掲載されている選挙時の政策、いわゆる公約があります。拝見すると、この4年間で実現できたもの、取りかかっている最中のもの、平和の森公園の300メートルトラック中止といった実現できなかったものがあり、また、公約としては載っておりませんが、すこやか福祉センターの8館構想の見直し、哲学堂公園の観光拠点化の見直し、グローバル戦略の見直し、中野刑務所正門の保存など、この4年間のかじ取りとして我が会派として評価するものが多くあります。 そこで、今期、手をつけていないように思えるものについて伺いますが、まず公開政策提案イベントの施策というものがありました。これに関してはいかがでしょうか。 ○酒井区長 公開政策提案イベントの開催につきましては、2019年に東京都のアイデアソンの取組制度を活用し、観光とオープンデータを組み合わせ、公開型イベントを実施したところであります。今後も様々なデータを示しながら、区民の皆さんの意見を積極的に聞く必要があると考えておりまして、検討を進めていきたいと考えております。 ○山本委員 やったということですね。 次に、教育長の民間人の登用や学校長の公募という政策に関しては手つかずだったと思いますが、区長はこの公募の政策に関して、どう受け止めておられますか。 ○酒井区長 教育長選任時につきましては、議会の同意も頂き、現在の中野区の教育現場にも精通していらっしゃる入野教育長に着任をいただきました。学校長の公募につきましては、今後の課題と捉えております。 ○山本委員 学校長の公募は今後の課題ということで、意欲がかいま見えました。 我が会派としては、この4年を総合的に振り返り、区政は多くの区民の声を伺い、対話の区政を進め、住民福祉の向上に取り組まれたと評価をしております。議論中のものもでき得るだけ多くの声を伺い、施策をブラッシュアップし、区政を前に進めていってほしいと思いますが、区長としては区長公約の達成状況について、どう自ら評価をしておられますか。 ○酒井区長 私が掲げてきた政策のうち、特に子育て先進区の実現につきましては、力を入れて取り組んできたところでございまして、子どもの権利条例の制定など、考え方の整理・土台となる部分の整備を進めているところであります。具体的な政策の展開につきましてはみち半ばと捉えておりますが、区民の皆さん等との対話を徹底し、現場主義で政策を立案し、進めることができたと実感をしております。 ○山本委員 いまだ区政改革はみち半ばであるとの認識と受け止めて、意気込みを確認いたしました。 次の質問に移ります。 次に、2番、令和4年度当初予算(案)について伺います。 来年度予算案は一般財源規模940億円余で、前年度から約130億円増となりました。内訳を見ますと、まず特別区税は8億円余の増となっておりますが、理由を伺います。 ○竹内税務課長 特別区税のうち、約94%を占める特別区民税の収入見込みについては、区の1月1日現在の15歳から64歳までの生産年齢人口に過去5年の生産年齢の課税率の平均値を乗じまして、当初課税所得割納税義務者数を令和3年度当初課税に比べて2,946人の増、19万4,157人と見込みました。それに増加が見込まれます1人当たりの平均総所得金額を乗じまして、所得控除及び税額控除を差し引き、税率を乗じた調定額に対して収納率を乗じて推計した結果、約321億1,000万円余、前年度比2.7%の増となりました。特別区税全体では、令和3年度当初予算と比較し、約8億円余の税収増の見込みとなったものでございます。 ○山本委員 納税義務者数、所得が増えた方がいるとのことでしたが、本来なら新型コロナウイルス感染症の影響が出るはずと考えましたが、むしろ増額になっております。この辺はどう分析されておりますか。 ○竹内税務課長 令和4年度の特別区民税についても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を目的としました緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令などによる景気活動の低迷の影響を大きく受けると予想しております。しかしながら、令和3年度当初予算よりも上振れすると予想しておりまして、税収増の見込みとなったものでございます。 ○山本委員 令和3年度当初予算では、特別区民税を前年比約18億円の減を見込んでおりましたが、結果として今年度の第11次補正において約24億円増額補正もしております。特別区民税は大切な区の基幹収入であり、令和3年度の決算においてしっかりと検証し、今後の歳入見通しの確実性を向上させていただきたいと考えております。 次に、一番影響額が大きい特別区交付金ですが、令和4年度は78億円の増ですが、令和2年度と比較しても37億円の増となっております。この伸びの理由は何だと考えておられますでしょうか。 ○森財政課長 特別区交付金の伸びの要因でございますが、その財源となります東京都において積算されました調整税等、こちらが全体のフレームで言うと11.6%増となっている、そういった増となっていることから増加を見込んだところでございます。 ○山本委員 中野だけこんなに乖離が大きいのでしょうか。他区との乖離の場合と比べて、ちょっと教えていただければと思います。 ○森財政課長 中野区の特別区交付金の令和4年度の積算については、前年度比23.9%ということで伸びを見込んでおりまして、近隣区、第4ブロックを調べましたところ、10%から13%の増というような伸び率というのが確認できたところです。具体的に申し上げると、杉並区が13.8%増、豊島区が12.4%増、練馬区が10.8%増、板橋区が12.1%増という、このような状況になってございます。 ○山本委員 かなり他区も増になっているなというような状況ではありますが、それではどうやって見積もっているのか、教えていただけますか。 ○森財政課長 特別区交付金の積算方法でございますが、まず普通交付金につきましては、先ほど申し上げた東京都から示される調整税等のフレームを基に過去の中野区のシェア等を勘案しまして算出をしているといったところでございます。特別区交付金につきましては、令和3年度については10億円を見込んだところですが、調整税等の増を踏まえまして、令和4年度は15億円を見込みました。その結果、合わせまして特別区交付金について405億円ということで見込んだところでございます。 ○山本委員 都が歳入を予測する根拠というのは何としておられますか。 ○森財政課長 先ほど申し上げた調整税等の積算について、詳細について東京都は明らかにしていないところでございますが、報道によりますと特別区交付金の原資となります法人住民税の増、こちらについては企業収益の持ち直しといったようなことが報道されておりまして、そういったところで捉えているところでございます。 ○山本委員 都が示した調整税などのベースを基に予測しているため、難しい面があるということでもありました。今年度の第11次補正では歳入を約100億円増額され、当初予算編成時の見込みと大きな乖離がありました。年度途中でそれだけ起きたことの反省が来年度予算編成に生かされておられるのか伺います。 ○森財政課長 令和3年度の当初予算編成におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を踏まえまして一般財源を68億円の減で見込んだところですが、特別区税、特別区交付金等、想定より上振れしたため、今お話しあった増額の補正をしたといったところでございます。令和4年度の当初予算につきましては、納税義務者数や1人当たりの給与収入、また、東京都の調整税等、現状把握できるデータのほか、令和3年度の決算見込みを踏まえながら歳入の見込みを立てまして、積算をしたというところでございます。 ○山本委員 伸びも含めて難しい面もありますが、しっかりと予測していっていただければなと思っております。 次に、株式譲渡所得割交付金も3億円から5億円に伸びましたが、これまで伸びたことはあったのか、履歴と伸びた理由を確認いたします。 ○森財政課長 株式等譲渡所得割交付金の伸びについてでございますが、過去を遡ってみますと、平成26年度、こちらが前年度比1億6,000万円増で2億円を計上したと。また、平成27年度、前年度比1億円増で3億円を計上したといったような例がございます。令和4年度については、今お話があったように2億円増で5億円を計上したといったところでございます。増要因といたしましては、株式投資によります課税所得が増加したことによるものが大きいと考えているところでございます。 ○山本委員 コロナ禍で巣ごもり投資が増えたという報道もされておりましたけれども、野村総合研究所の調査では、未経験者ではなく経験者が追加的に投資信託へ資金投入したためと判断されておりました。つまり資産がある者がより資産を生むといった状況もかいま見えます。この交付金について、区の使途はどうなっておりますか。 ○森財政課長 こちらは一般財源でございますので、使途は定まっていないところでございます。 ○山本委員 一般財源なので、ないですよね。来年度より高校の家庭科の授業では資産形成の内容も加わります。少子化によって年金だけでは生活が厳しい側面もあって、国を挙げて投資などによる資産形成に力を入れており、株式譲渡所得割交付金や配当割交付金は今後も増となるのではないかと考えます。貴重な一般財源なのは理解しますが、これらの一部を子どもたちのために積み立てられないかと考えるところでもあります。財政調整基金の年度間調整分は、令和4年度177億円あり、150億円としている危機のための基金を超えております。財政調整基金で見ても令和4年度で約292億円あります。財政調整基金も上振れしている、構造改革実行プログラムでは25%減価償却費を積むことにしました。すなわち必要な分は積んでいるんですね。児童相談所が4月から始まりますが、養護施設を出た後の進学や生活でのサポートが必要な場合は多くあります。例えば、世田谷区、新宿区、大田区、足立区、豊島区、文京区、こうした区は子どもたちへの基金を積んでおります。今後の新たな歳入増要因を見極めるとともに、財政調整基金の考え方を定めて、子育て先進区として子どもたちを応援する夢ある基金を積み立てることはできないでしょうか、伺います。 ○森財政課長 未来ある子どもたちのために必要な財源を確保するということにつきましては、重要だと考えておるところでございます。子育て先進区を推進していくに当たりまして、どのような財源確保ができるのか、検討していきたいと考えております。 ○山本委員 次に、ふるさと納税の令和3年度の歳入予算額は3,000万円が見込まれています。現在のふるさと納税による寄附金額の状況はいかがでしょうか。 ○高村広聴・広報課長 1月末現在でふるさと納税額は約1,050万円で、前年同月比約78%でございます。感染症の拡大に伴い、寄附の返戻品人気順位を占める中野サンプラザの食事券の利用が見込めない時期があったことが大きな要因だと捉えてございます。 ○山本委員 それでは、令和4年度にふるさと納税額を増やすために考えておられる取組は何でしょうか、伺います。 ○高村広聴・広報課長 今年度新たに実施した地元金融機関や事業者と区が共同でふるさと納税の返礼品に関わる説明会や返礼品開発の協議を実施いたしました。これを拡充して実施するとともに、現在のふるさとチョイスに加え、新たにポータルサイトを増やしたいと考えてございます。 ○山本委員 ポータルサイトを増やしていくということでありました。中野サンプラザは区民にかなり愛されておりますし、区外住民にも愛着のある方が多くおられます。中野サンプラザの解体が早ければ2024年から始まります。中野サンプラザを解体したときに生じる、出た備品ですね、これに価値を感じる方は多くおられるのではないかと考えます。例えば、区内事業者によって加工してキーホルダーをつくるなど、ふるさと納税の返礼品にすることは考えられないでしょうか、伺います。 ○高村広聴・広報課長 現在、返礼品の人気上位を占める中野サンプラザの備品などを区内の事業者と共同で加工して返礼品にすることは魅力と可能性があると認識しておりまして、今後検討してまいります。 ○山本委員 モノ消費だけじゃなくて、体験などのコト消費も増やしていただきたいなと思っております。しかし、返礼品には限界がありますので、区長には区長会を通して国に引き続きこの不合理な制度の改善を求めるよう、改めるよう訴え続けていただくことをお願いいたします。 平成20年のリーマンショックの際は、翌年52億円減収見込みで、実際は22億円でした。社会状況が危機のときに、3年分の150億円を財政調整基金に積み立てるとの区の考え方で言えば、今回のコロナ禍では、当初68億円の減収を見込んでいたため、204億円を積み立てることになります。しかし、リーマンショックの際も反動は起きず、コロナ禍においても想定を超える持ち直しでありました。余裕のあるときに財政をある程度、中長期予測でため、危機のときに財政出動する、これなら区民感覚として話は通じますが、危機であるときに施策展開をして財政出動しないのであれば、一体何のために集めている税金なんだろうと考える区民は多いと思います。それであれば税金を下げてほしいと考える区民もいて私は当然だと思います。 今定例会の本会議における一般質問で、我が会派の中村議員から、財政的な非常事態の認識の質問について、「当初の想定よりも上振れの見通しであり、当時の状況より好転している」や「実態に即した有効な財政規律を確立させるため、新たな財政運営の考え方について検討を行い、基本計画の中間見直しを待たずに示すことも考えたい」と答弁があり、我々としては財政非常事態は脱したと判断しております。国も都も手当が賄えないところには区が手を差し伸べる、それが基礎自治体の役割です。新しい財政規律については、できるだけ速やかに考え方をまとめ、議会に示していただくようお願いをいたします。 コロナ禍が起きる前から、我が国・日本では非正規雇用が4割、シングルマザーの貧困率が5割、そこにコロナ禍が来てしまった。自殺者数もコロナ禍前と比べて高止まりしています。いつかコロナ禍以上の危機が来るかもしれないと一抹の不安がよぎる気持ち自体は否定はしませんが、今回もリーマンショックのときの反省から、それ以上に国や都が補助金の手を打っています。そうした危機の際には、国や都がこれまでのように支援に乗り出さないわけがなく、今を必死に生きる人にまだまだ還元されていないと考えます。今後の事業者への補助金がとまった際の返済や苦しい家計状況の家庭への支援対策を予測して動いていっていただきたいと考えますが、いかがですか。 ○堀越企画課長 事業者や家庭への支援対策を予測し、講じることについてでございますが、今後の社会や経済の情勢変化、また、新型コロナウイルス感染症の影響などを見据えまして、基礎的自治体として時機を逸することなく、地域経済の再生に向けた事業者への支援やセーフティーネットなど、生活支援を行えるよう準備をしてまいりたいと考えております。 ○山本委員 よろしくお願いします。財政状況を見れば、中野区にはその体力があると見ざるを得ません。決断し、説明を尽くして、実行していくのが首長の最も大切な仕事だと考えます。 歳出として予算編成項目における重点項目として位置付けている新庁舎移転を見据えた業務改善について伺います。新庁舎における共通発券機の一部先行導入として2,450万円余がついています。先日の一般質問で我が会派の中村議員から、区では全庁共通の発券機を導入し、マルチ連携に係る統計情報の収集により業務改善が期待できるとのことでした。まずは国民健康保険窓口と戸籍住民窓口に先行導入を行い、得られた統計データを分析し、窓口サービスのさらなる改善につなげていくとのことでした。一応確認いたしますが、この統計データの分析を行うのは、区民部のどこが担いますか。 ○辻本区民文化国際課長 戸籍住民課及び保険医療課の両課におきましてデータを収集・分析する考えでございます。これらを基にいたしまして総合的に検証し、新庁舎移転後に発券機を円滑に運営できるようにしたいと考えているところでございます。 ○山本委員 窓口サービスの6割程度が区民部とのことですから、中心となってしっかり分析をし、改善を行っていただくことをお願いいたします。また、おくやみ窓口についての検討状況についても質問をさせていただきますが、おくやみ窓口等の設置については、弁護士の専門相談、団体の相談会においても相続をやっており、これらの取組を進める中で必要があれば検討していきたいと答弁されておりますが、この活動をやっているのはもう知っております。その上で質問をさせていただいておりました。それで、来年度から検討を始めなければ、新庁舎には到底間に合いません。やられるのであれば、ワンストップでやられていくのか、それとも丁寧に取り次いで進めていくのか、こうしたいろんな選択肢があるかと思うんです。こういった選択肢を検討していくのは、始めていかなくてはもう間に合いません。なので、いずれにせよ、おくやみ窓口実施のための窓口の在り方、ロードマップを描いて検討を来年進めるという理解でよろしいですか。 ○辻本区民文化国際課長 ただいま委員、現状認識ということで御案内かと存じますが、改めまして現在の取組状況ということでございますが、現在、御遺族の方への対応につきましては、関係する窓口等を掲載したチラシを用意いたしまして案内しているところでございます。来年度に向けまして、死亡後の諸手続の内容、また、担当窓口等をまとめました冊子の作成を検討しているところでございます。また現在、委員御案内のとおり弁護士等による区の専門相談のほか、宅地建物取引士等の団体の協力によりまして実施してございます相談会におきましても、相続等の相談を受けているところでございます。加えまして、中野区法曹界との共催によります終活セミナーをはじめ、消費生活センターによるエンディングノートの講座など、いわゆる終活支援というものも実施しているところでございます。これらを充実させることによりまして、御遺族の方々の負担軽減、トータルに取り組んでいるところでございます。 さらに、新庁舎におきましては、来庁者が迷わない、動かない、待たない、書かない窓口サービスの実現を目指しているところでございまして、おくやみ窓口等の設置につきましても、これらの取組を進める中で検討してまいりたいと考えてございます。 ○山本委員 様々な施策をやっているということは分かりましたけども、おくやみ窓口、相談窓口は事後のことでありますので、事前の取組も大切だと思いますが、今、新庁舎というところの大きい、一世一代の絶好のチャンス、この機会を逃してはいけませんということをお話ししておりますので、ぜひやっていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。 次に、区長の目指す子育て先進区について、(1)組織体制について伺います。今定例会の中村議員の、令和5年にこども家庭庁が船出をし、各自治体に支援メニューが下りてくることも想定されるため、そのための人員と予算をつけるべきではないかとの質問に検討するとの答弁でした。先月、デジタル庁も教育データ利活用ロードマップを公開しました。教育分野のプラットフォームの在り方なども示され、教育DXを進めていくにはかなり構造転換を図る必要性を受けましたし、今後、自治体の教育現場に下ろされた際に、負担によって逆に子どもたちの学びに影響があってはなりません。こうした動向を見定めながら体制を整えていくべきですが、それだけではなく、区政の一丁目一番地である子育て先進区を前に進めていく足場の環境がいよいよ整ってきております。つまり正しい調査なくして効果的な施策は打てないとの考えから行った中野区子どもと子育て家庭の実態調査、今定例会で議案提出されている子どもの権利条例、検討中の教育大綱、それにひもづく教育ビジョン、子ども・子育て計画、また、職員によるアウトリーチの現場や11月から始まった子ども・若者支援センターで捉えた状況や情報も効果的な施策には重要です。 昨年9月に中野区基本計画が策定され、重点プロジェクトに位置付けましたが、調査や条例、計画ができた後、それを補完する施策や具体的な施策に入っていくものも多くあろうかと思います。子育て先進区を進めていく体制づくりには、職員、予算、皆が共有できる区長の想いなくして船はスムーズに進みません。来年度の子育て先進区を進めていくに当たり、政策能力の高い職員の配置などが必要になると考えますが、区の見解を伺います。 ○中谷職員課長 子育て先進区の実現は中野区基本計画の重点プロジェクトの1番目に掲げられており、全庁を挙げて実現を図っていく必要がございます。重点プロジェクトに掲げられた各施策の実現のためには、政策立案能力や企画力の高い職員を配置し、体制強化を図るとともに、全庁の協力体制を築いていく必要があると考えてございます。 ○山本委員 また、子育て先進区を目指すと公約にして区長は当選をされましたが、これまで4年間の議会で、事あるごとに飛んでいた質問が「区長の目指す子育て先進区とは何か」でありました。区の目指す子育て先進区は、答弁によれば、子どもが健やかに育ち、子育てをする上で必要な環境が整っているまちであるとともに、その子育て環境が広く認知され、子どもと子育て家庭から選ばれるまちであると答弁されておりますが、大きな概念で分かりにくく、腑に落ちていない方もいるのだと思います。区の基本計画が策定され、経済的に困窮した家庭への支援、教育や学力の向上、子育て環境の整備など、様々な施策が示されてきましたが、その中で区長自身が一番大切にしていきたい思いは何なのか、区長の見解を伺います。 ○酒井区長 今、委員御指摘の子どもが健やかに育ち、子育てをする上で必要な環境が整っているまち、そして、その子育て環境が広く認知され、子どもと子育て家庭から選ばれるまちということでございますけれども、特にその中でも、ひとり親家庭や生活困窮世帯などの困難を抱えやすい家庭において経済格差が世代間に連鎖し、子どもの学力にも影響を及ぼすとされていることを重視しております。貧困の連鎖を断ち切ることが子育て先進区のための重要な取組であり、力を入れて取り組みたいと考えているところでございます。 ○山本委員 ひとり親を支援したいという思いは伝わりました。子どもたちは本当に、どこの家庭に生まれてもしっかり育っていけるような、社会に送り出していける、そうしたことが行政の仕事だと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。 次に、中野区立学校における働き方改革推進プランについて伺います。2019年3月に職業職員の働き方プランが示されました。このプランのスケジュールを見ると、2021年までの取組を示していて、遅れる報告があったものの、計画上では今年度までの計画でした。学校経営支援体制の整備、ICT推進に係る支援体制整備、私費会計などへの支援体制の整備、地域との連携体制の充実と四つのテーマを設定しておりましたが、現在の取組の状況をまず伺います。 ○松原学校教育課長 新型コロナウイルス感染症の影響によりまして検討が延期となっているものもございますけれども、おおむね計画どおり進捗していると考えてございます。 ○山本委員 おおむね計画どおり進捗しているということでありました。令和2年に共同事務を予算化いたしましたが、全額未執行にいたしました。この理由と、今年度予算にそれが入っていないのはなぜでしょうか、伺います。 ○松原学校教育課長 新型コロナウイルス感染症の影響、こちらもございますが、教育情報化の推進が急務であったために、学校事務の改善、学校事務の共同化でございますけれども、こちらに係る検討を延期したものでございます。財政基盤が安定するまで、学校事務の改善などに関する情報収集などの研究に努めてまいりたいと考えております。 ○山本委員 情報収集ということで、引き続き効率的な在り方を模索して検討を進めていってほしいと思います。 このプランでの会計事務のテーマの最後では、給食食材の公会計が予定されており、議会・区民への透明性を図る観点からとても大切です。まずは私費会計からとのことでしたが、次の森委員からも詳しく質問があると思いますが、私からも少し伺います。保護者負担には様々ございます。学校から準備として求められるものの中には、給食食材費やドリルなどがあり、これは学校が取りまとめて保護者口座から引き落としをしている流れですが、ランドセルや制服、裁縫セットや書道セットなど、都度保護者が用意すべきものとして学校現場の私費会計事務には入っていないものもございます。さらに、各学校で違うものもあります。私費会計以外にも、こうした都度学校から求められて保護者が用意しなければならない隠れ教育費と言われるものも含めて、一度、全体を情報把握して、保護者負担の実態として整理する必要があると思いますが、いかがですか。 ○齊藤指導室長 標準服や裁縫セットなどは、保護者が業者から購入したり、使えるものがあれば一部のみ購入したりする保護者もおり、購入する物や金額がまちまちであるため、保護者負担の全体を把握することは困難であります。しかし、教材費など学校が業者から一括で購入しているものについては把握しております。 ○山本委員 新型コロナウイルス感染症対応もあって、GIGAスクール構想やコミュニティスクールの検討など、遅れた事情は理解いたしますが、教職員が子どもたちと向き合える時間が足りない、また、教職員の成り手の減少、この大きな2問に歯止めをかけるには環境の改善しかありません。また、先ほど申し上げたとおり、デジタル化ロードマップも公開されております。現場への導入などについての負担に対しては、しっかり対応してほしいことは強く要望しますが、来年度予算の概要に採点システムを導入すると記載があります。この採点システムとはどういったものでしょうか。 ○松原学校教育課長 複数回答を一括採点し、あるいは記号問題の自動採点、記述問題の部分点の配点、また、テスト返却の個票を印刷、PDF出力などの機能を持っているほか、誤りなく正確に処理をして、結果分析もしやすく、事業改善に結びつけることが容易となるものでございます。 ○山本委員 これは学校現場からの声で採用に至ったという理解でよろしいですか。 ○松原学校教育課長 中学校校長会のほうからの要望がございました。 ○山本委員 そういった声を採用したことは大切で、評価いたします。機械で代用して負担軽減につながるものは積極的に導入すべきと思いますが、いかがですか。 ○松原学校教育課長 令和4年度は全中学校に採点システム、全小・中学校に大型多機能印刷機を導入するものでございます。今後もICT機器を活用した教育活動の充実や教員のワークライフバランスを図るために、中野区教育の情報化推進計画に基づき、導入を検討してまいります。 ○山本委員 積極的に導入してほしいと思っております。こうしたことをしっかり校長会で、必要なものがあれば声を上げやすい環境をつくっていただきたいと思います。要望にしておきます。 このプランの策定からの数年の間にも、どんどん環境改善の新しいシステムが誕生しております。現場の声だけではなく、教育委員会の皆さんも注目の環境が並ぶ教育事務の展示会などにも足を運ぶなど情報収集に努めて、プランの改定とともに、教職員の働き方改革に全力で当たっていただきたいと思いますが、最後伺います。 ○入野教育長 学校、そして一人ひとりの教員の取組、区による様々な環境面の改善により、教員の意識を含め、学校における働き方改革は少しずつ進んできておりますが、劇的な改善にはつながっていないと認識しております。学校教員が担うべき業務である学習指導や生徒指導のため、児童・生徒と向き合う時間をこれまで以上に確保するため、新しいシステムを含め、学校の環境改善に有効な情報の収集や研究を進め、区立学校の働き方改革により一層努めていく所存でございます。全国的な教員不足の大きな要因の一つとして、働き方があるとの分析がございます。今後の学校教育を考えるとき、合わせて社会全体で取り組むなど、より広い視点からの取組も急務であると捉えております。 ○山本委員 しっかりと取り組んでいただきたいと切に要望いたします。 次に、不登校対策について伺います。来年度、スクールソーシャルワーカーを拡充するようですが、詳細を伺います。 ○齊藤指導室長 不登校対策にしっかりと取り組んでいけるよう、スクールソーシャルワーカーは5名増員し、9名になるよう、現在、予算に計上しているところでございます。 ○山本委員 大変意欲的で、すばらしいと思います。それほど現場からもニーズが高いのだと理解をしております。増員して9人ということになりますと、中学校区単位に設定したという理解でよろしいですか。 ○齊藤指導室長 スクールワーカーにつきましては、文部科学省が目標としている全中学校区への配置を予定しているところでございます。来年度当初は、区内を3地区に分け、3人チームで担当することを検討しており、段階を経て中学校区に1人の配置にしていくことを考えております。 ○山本委員 段階を経てということでありました。4年前に予算総括質疑で、大阪の大東市というところの取組を紹介し、提案をいたしました。スクールソーシャルワーカーをグループリーダーとして、民生・児童委員、主任児童委員、青少年指導員などを当事者性、地域性、専門性を意識してバランスよく配置して、家庭の子育ての悩みを何でも相談できる家庭教育支援チームを校区ごとにつくり、寄り添っております。スクールソーシャルワーカーを中学校区に1人配置できる、今後、段階的にということでもありましたが、環境にもなりますので、こうした家庭教育支援チームをつくって、地域での顔の見える関係をつくっていってはいかがでしょうか、伺います。 ○齊藤指導室長 担任やスクールソーシャルワーカーが不登校児童・生徒の支援を行う際は、地域の民生・児童委員や主任児童委員とも連携を図ってまいります。 ○山本委員 よろしくお願いをいたします。実際、私が伺った話として、子どもたちの中でも、小学校1年や中学校1年といった仲間をつくる機会が大切な時期にコロナ禍に見舞われてしまって、自分でも理由がよく分からないけれど学校には行けないといった子どもが増えていると感じております。小学校1年生、2年生の不登校状態にある子どもは、区の適応指導教室、フリーステップでの枠ではありません。これはなぜでしょうか。 ○齊藤指導室長 小学校1年生、2年生の支援につきましては、保護者や学校からの要請により、家庭や学校に教育支援室の支援員を派遣し、教科学習の指導や教育相談などを行う巡回を行っているという理由によるものです。 ○山本委員 巡回を行っているということですが、児童館ないし、より保護者の安心に寄り添えるようであれば、予算が必要なことではありますが、キッズ・プラザを活用して、そこに通うという選択肢もあったりしますが、いかがですか。 ○齊藤指導室長 不登校児童・生徒の支援は、教育センター以外の選択肢として、北部に野方図書館、中部に旧教育センター、南部に南部すこやか福祉センターを教育支援室分室として活用しております。その他の場所につきましては、今後検討をしてまいります。 ○山本委員 ぜひ計画をしていただきたいなと思っております。3年前から広島県内の小・中学校では、校舎の中に子どもが自分のスペースで学べる部屋である学校内のフリースクール、スペシャルサポートルームというものを、まだ県内全てではないものの、設置して対応しており、少人数で人目も気にならないと子どもたちの評判もよく、効果を上げております。この取組は注目を浴び、他自治体にも広がりを見せております。フリーステップの利用率を上げる取組も評価はしておりますが、自宅からの距離の問題などもあり、全体母数としては利用率は高くありません。所属の学校内にある緩い教室に通うといった学校教室と適応指導教室の中間に位置付けられ、効果があるのではないかと考えております。こうした動きも教育委員会としては検討してはいかがでしょうか、伺います。 ○齊藤指導室長 区内の学校におきましても、登校はできるが教室に入ることができない児童・生徒に校内の空き教室などを利用して対応している例がございます。今後の不登校対策につきましては、子どもたち一人ひとりの状況をさらに分析して、子どもたちに合った支援体制について検討してまいります。 ○山本委員 これまで公設民営フリースクールであったり、不登校特例校であったり、様々な提案を議会で申し上げてまいりました。この問題、不登校児童・生徒が急増している、子どもや家庭の事情は個々に様々、親も子どもも現場もつらい、まずはスクールソーシャルワーカーを9人に増やし、対応に当たろうとしていることからも切迫性を感じております。子どもたちの居場所や学びについて、選択肢を用意することが行政の仕事だと私は考えております。これまでの対応を改善・増強し、対応に当たることも大切ですが、抜本的に教育委員会として、世田谷区や大田区のように不登校対策計画を策定することがまずは必要ではないでしょうか、見解を伺います。 ○齊藤指導室長 来年度、本区では各学校に不登校対応担当教員を指名してもらうこととしており、学校の不登校対策について整理してもらう予定でございます。教育委員会は、新しく策定していく教育ビジョンの中で不登校対策を検討していく予定でございます。 ○山本委員 分かりました。ぜひよろしくお願いをいたします。 次に、子ども・若者支援センターの活用について伺います。11月から子ども・若者支援センターでフリースペースを設け、常勤職員と会計年度任用職員により若者支援事業を始めておりますが、若者の来訪者など、現状について教えてください。 ○半田子ども・若者相談担当課長 令和3年11月29日に子ども・若者支援センターが開設してから令和4年1月末までの若者相談の新規相談受付件数でございますけれども、11月が1件、12月が3件、1月が6件の合計10件でございます。 ○山本委員 早くも利用されているということです。徐々に伸びてもおります。フリースペースでは高校中退者に対する支援も行うという理解でよろしいですか。 ○半田子ども・若者相談担当課長 子ども・若者支援センターの若者相談フリースペースの利用者でございますけれども、義務教育修了後から39歳までの方を対象としておりまして、高校中退者の方も利用することができるものでございます。 ○山本委員 ありがとうございます。支援内容として、高校中退者へのアプローチ、つまり高卒認定試験やフリースクールなど、進学の情報支援や進路に係る案内なども行っていただけるのでしょうか。 ○半田子ども・若者相談担当課長 子ども・若者支援センターで行う若者支援では、若者が社会に復帰できるよう継続的な支援を行ってまいります。進学・進路に係る相談もお受けいたしまして、相談員が若者と一緒に進路について考えていくものでございます。 ○山本委員 ありがとうございます。私自身の高校中退の経験から、これまで議会で行政からのサポートをお願いしてきており、まずは都任せではなく、区独自で取組が始まったことをうれしく思うと同時に感謝申し上げます。ありがとうございます。 以前視察に伺った板橋区のまなぶーすでは、小学生や中学生だけでなく、高校に行っていない18歳までの方に対しても学習支援を行っており、学びの継続を心理面からもサポートしておりました。子ども・若者支援センターでも高校生に対する学習支援も行うべきではないでしょうか、伺います。 ○半田子ども・若者相談担当課長 若者の抱える困難は多岐に分かれておりまして、様々な悩みに対する相談に対応する必要があるというふうに考えてございます。現時点でフリースペースで高校生に対する学習支援を行うことは予定してございません。 ○山本委員 今現在はないということでありました。1月の子ども文教委員会の報告で、若者相談事業の拡充として区のフリースペースの管理運営を民間事業者などに委託するとありました。受託先が学生ボランティアを活用するといったことなどによって、高校生に対する学習支援を行うことができるのではないでしょうか、伺います。 ○半田子ども・若者相談担当課長 受託者を決定するための企画提案型事業者選定におきましては、どのようなプログラムが実施できるかにつきまして、応募事業者から提案を受けるような形となってございます。学習支援につきましても、プログラムの一つとして提案があった場合には、学生ボランティアの活用も含めて、受託事業者の決定後に協議していきたいというふうに考えてございます。 ○山本委員 始まったばかりということもありますが、高卒認定試験の塾代というのは安くないんですよね。子どもたちに金銭面で諦めるような状況にはさせたくないと考えております。しっかり社会につなげていくためにも高校中退者への学習支援は大切ですので、そこのところは強く要望をしておきます。 また、こちらも要望にしておきますが、中学校にいる外国ルーツの子どもたちへの進学への情報支援も、しっかりアウトリーチで届けていけるようにお願いをいたします。 次に、小・中学校での子どもたちの教育環境について伺います。区は小学校6年生へのアンケートから、2020年から区立中学校の制服を性別に関係なく選択できるようにしました。区長や学校長や周りの大人たちが子どもたちの訴えを受け止めたことは、とても意義があります。2019年度と今年度のハイティーン会議では、校則をテーマに選び、仲間たちと考え、2019年度の報告書では、校則に対するなぜを話し合い、校則の民主主義化が必要であるとまとめております。この民主主義化とは、現在ある制度を問う権利、生徒たちが意見を言う権利が守られていることと説明書きがありました。意見を言う権利を学校は用意しておられるし、あれば受け止める環境にあると私は思っておりますが、一人で声を上げても変えられるとは思えないと思う子どもたちのほうが多いのではないでしょうか。子どもたちの主体的な学びの素材として、校則を在学中の3年間に各学校で一度は生徒自身で考えてもらうきっかけが大切ではないでしょうか、伺います。 ○齊藤指導室長 学校での決まりは、学校が教育目標を達成するために必要かつ合理的と認められる範囲で校長が制定する権限を持っております。生活の決まりの見直しは、区内の全中学校が毎年生徒会などの活動や生徒アンケートなどを通して、生徒自身が主体的に生活の決まりについて考える機会を設けております。 ○山本委員 やっているという答弁ではなくて、やっぱり自分で、全生徒が考えるきっかけが必要だと私は思っておりますので、ハイティーン会議を見ても、要らないと思っていたこの校則はやっぱり要るんだというような感想も多くありましたので、そういったことが必要じゃないかなと私は思ったもので質問させていただきました。引き続き検討していただきたいので、要望しておきます。 それから来年度、夏休みに学校図書室を開放し、子どもの居場所確保と読書推進を予算計上しております。現状は50年前の古い本も多くあり、子どもたちは古い本は手に取らない状況もあります。古い本を捨てたいが、図書購入費がないので、捨てると蔵書が減ってしまう、だから捨てられないとの声も漏れ聞きます。来年度の学校図書購入費に関しては、これまでと比べ幾ら増額したのか、伺います。 ○齊藤指導室長 令和4年度は、校割予算で配当している図書購入費に加えて、新書の購入費に各校に50万円と、さらに教育委員会が選定している中野の100冊の購入費用として、小学校に52万7,160円、中学校に24万4,593円を予算に計上しているところでございます。 ○山本委員 これによって、これが多いかどうかということなんですが、23区で比較すると、これまでの順位と増額後の順位はどうなりますでしょうか。 ○齊藤指導室長 これまでは23区で最下位層だった学校図書購入費は、令和4年度については23区で最上位層になる見込みでございます。 ○山本委員 はい。最上位層になるということでありました。長い間、低予算であった分、まだ足りないのではないかなとも感じております。今後も毎年着実に新しい本を導入できるようにしていってほしいと思いますが、いかがですか。 ○齊藤指導室長 着実に新しい本が購入できるよう、学校図書購入費については今後も計画的に予算化していきたいと考えております。 ○山本委員 よろしくお願いします。 区は現在、令和2年度に新型コロナウイルス感染症流行下における子どもたちの学びの環境を支えるため、家庭学習でも活用できる学習ソフト、おまかせ教室を導入しておりますが、現在はどんな活用をされているんでしょうか、伺います。 ○齊藤指導室長 学習ソフトのおまかせ教室は、家庭学習や授業時間内での演習問題として活用しております。また、各校の放課後学習教室や教育支援室フリーステップルームでも一人ひとりの学習状況に応じた指導に活用しております。 ○山本委員 自習にも使えるため、不登校対応にも効果が高いのかなと考えております。試験的な意味合いも今回あったんだと思いますが、他区では、よりAIによる個別最適な学びにつながる高機能の優良なサービスを使っているところもあります。今後、学校現場の声を聞いて切り替えるなど、改善を図っていってはいかがでしょうか、伺います。 ○齊藤指導室長 今後のAI機能があるソフトの導入につきましては、その効果や使いやすさと先進自治体の活用事例も含めて今後検討・研究してまいります。また、導入する際には、これまで同様、学校現場の意見を聞いてまいりたいというふうに考えております。 ○山本委員 ぜひよろしくお願いをいたします。 次に、学校給食食材の有機野菜の活用に関して伺います。子どもたちにより安全で健康な給食を提供したいと、全国で有機野菜を学校給食食材に使おうという動きが強くなっていると感じています。国もみどりの食料システム戦略を策定し、自治体主導での有機農業産地づくりを推進し、学校給食での消費を事業イメージとするなど、大きな流れも感じています。まず栄養士があらかじめ限られた予算の中で食材について検討しますが、今年度、区内で有機野菜の使用状況はあったのか、確認いたします。 ○松原学校教育課長 令和2年度でございます、小学校7校、中学校2校で有機農産物を使用したという報告が上がってございます。 ○山本委員 半分以下ではありますが、年に、多分値段から言うと1回ないし2回程度、数字は分からないとは思いますけれども、その程度であるが機会は設けている学校があるということでした。有機野菜食材を使った給食の際には、子どもたちの食育の観点で学ぶことも行われているのでしょうか。 ○松原学校教育課長 有機野菜食材を使った給食を提供した際には、学校栄養士が説明を加えるなど、食育の機会として活用しているところでございます。 ○山本委員 黙食でビデオを流している例なんかも伺っておりますけれども、とてもすばらしい取組で、子どもたちの食育の観点からも大切だと考えます。こうした取組を区内中の学校に広げていけるのでしょうか、伺います。 ○松原学校教育課長 動画を活用した食育の取組、これは各栄養士間で情報共有をいたしまして順次進めているところでございます。 ○山本委員 全校となるとコストの増とか、様々な面、課題はあるんだろうと思いますが、先行して導入している自治体では、農産物の買い入れ価格と有機給食食材費の間に発生する価格差、これは自治体が補填しております。地産地消という観点から東京都内産地の食材、あるいは里・まち連携自治体の食材を使うといった選択肢も我が区にはあるのではないかと考えております。先行している取組の方に伺うと、根菜が安定供給しやすいとのことでした。まずは年に1回からでも、子どもたちに有機野菜や食材などを使った学校給食を提供できる仕組みを検討してはいかがでしょうか、伺います。 ○松原学校教育課長 食育の観点から都内産農産物を積極的に活用しているところでございますけれども、今後は食育の観点から可能な調達の方法・範囲について、様々研究してまいりたいと考えております。 ○山本委員 保護者のニーズもあるんだと思いますので、ぜひよろしくお願いをしたいと思っております。 最後に、清掃事務所とごみゼロ推進課の体制について伺います。現在、清掃事務所で取り扱う業務では、ごみ収集として燃やすごみ、陶器・ガラス・金属ごみ、容器リサイクルプラスチックごみ、粗大ごみがあり、区内事業者への適正排出調査指導業務があります。ごみゼロ推進課では、資源である集団回収の古紙、びん・缶・ペットボトル、これに含まれないその他の回収と併せて、ごみ減量の普及啓発があります。これまでこの体制で進めておりますが、調査したところ、幾つか課題があると考えております。現在、燃やすごみの中に、特に段ボールですが、大量の古紙やペットボトルの混入があると現場職員から伺っており、ごみの減量、資源化の促進を図っている状況において大きな課題です。また、古紙回収においては事業系資源が混入されている場合もあるようで、さらに回収拠点場所に目印のオレンジ旗がない、曜日や品目が雨で消えて表示されていない場合があり、区民や収集職員が古紙回収などの拠点を把握できない場合があるようです。ごみ減量資源化施策は、清掃事務所によるごみ排出の状況やごみゼロ推進課による資源化の状況を一体のものとして捉え、施策の検討・実施をすべきと考えております。 さらに申し上げれば、区民に対する窓口がごみと資源で担当部署が分かれており、ワンストップになっておりません。また、土曜・祝日は古紙、びん・缶・ペットボトル回収に関わる窓口であるごみゼロ推進課が閉庁しており、清掃事務所は開庁しております。区民にとっては、ごみと資源は家から出すときには同じものであり、担当部署が分かれているのは行政の都合ではないかと考えます。窓口のワンストップが必要です。ごみの適正排出とごみ減量普及啓発は対をなすものであることから、清掃事務所にごみゼロ推進課のごみ減量分野である資源業務を組織統合し、ごみゼロ推進課はごみ減量の普及啓発の業務を力強く推進する体制が合理的と考えます。見直してはいかがでしょうか、伺います。 ○永見ごみゼロ推進課長 現在、ごみの収集・運搬につきましては清掃事務所が担当いたしまして、資源回収につきましてはごみ減量施策の推進と併せてごみゼロ推進課が担当して、連携しながら業務を遂行しているところでございますが、区民サービスの観点などから、より効果的・効率的な連携に向けて工夫の余地もあるものと認識をしております。今後、さらなる区民サービスの向上や効率的な業務の遂行のために、ごみゼロ推進課と清掃事務所の業務について一定の整理を行い、より適正な分担と配置を図っていくための検討も必要であると考えております。 ○山本委員 大変かと思いますが、よろしくお願いをいたします。 粗大ごみについても伺います。コロナ禍で家の不用品を処分する方が増えたことにより、粗大ごみも急増しております。これまで、粗大ごみを受け付けてから回収日までの期間が長過ぎるのではないかとの区民の声が多くあり、区は改善を重ねようとしてきたと認識しております。改めて、現在の状況と来年度予算でどう改善していかれるのか、伺います。 ○永見ごみゼロ推進課長 粗大ごみの収集につきましては、本年度予算におきまして収集班の体制を1日4台から5台体制として強化したことなどにより、現在、受付から回収日までの期間はおおむね4週間となっております。来年度につきましては、収集班の体制を1日5台から6台に強化するとともに、区内の集積場から処分施設までの輸送車両を増車するなどして、受付から回収日までの期間をおおむね4週間から3週間へ短縮することを計画しているところでございます。 ○山本委員 車も増やすということで、4週間が3週間になるということでありました。ぜひこうしたことは、区民にはかなりメリットがあるというか、区民サービスに影響があるところでありますので、周知も含めて考えていっていただければなと思っております。 そしてまた、世田谷区や府中市など都内の自治体では、まだ使える家具や家電製品などの粗大ごみの引取り手を民間の不用品売買仲介サービスと連携して探す動きが広がっております。居住地を問わずに引取り手を探せるメリットがあり、世田谷区では粗大ごみとして出される前に再利用したい人に引き渡せるよう、区内に区民が使わなくなった家具や家電を無料で持ち込めるスポットを設け、2か月で6,498品持ち込まれ、93%が引き取られたそうです。ごみ減量施策として不用品売買仲介サービスとの連携を検討されてはいかがでしょうか、伺います。 ○永見ごみゼロ推進課長 区は現在、粗大ごみの中から、まだ使用できる家具などを選び、リサイクル展示室において抽選を行い、希望する区民に提供する取組を実施しております。他自治体におきまして、不用品売買仲介サービスと連携して粗大ごみの引取りを促進する、そうした実証実験を実施しているということは認識をしてございまして、費用対効果等も含め、引き続き情報収集をしていきたいと考えております。 ○山本委員 ありがとうございます。ぜひ検討もよろしくお願いをいたしたいと思っております。 以上で、私の全ての質問は終わります。ありがとうございました。 ○ひやま委員長 以上で山本たかし委員の質疑を終了します。 ○加藤委員 おはようございます。自由民主党議員団のトップバッターといたしまして総括質疑をさせていただきます。 令和4年度の予算は、ウィズコロナ、アフターコロナ、そういったことを見据えた上での編成としなければならないということで、歳入歳出におきましてもきめ細かい精査をしたいと思い、ここに立つまでに質問検討をしてきたんですけれども、結局、最後まで予算の説明書だったり、補助資料を1ページも開くことがありませんでした。というのは、令和4年度当初予算案の概要を見たところ、非常に大問題、財政フレームにおきまして大問題を発見したからです。そのため、個別政策の各論ではなく、財政全体の総論で質疑を進めさせていただきたいと思います。私の質疑を聞いていただける議員・理事者の皆様には、要求資料、あとフリップも委員長の許可を得まして作成させていただきましたので、その辺よくそれぞれの資料を見ていただければと思います。理事者の方々には、財政フレームの信頼性を損ねる資料にもかかわらず、作成に御協力いただきまして本当にありがとうございます。 先ほどの山本委員からの質疑の中で、財政非常事態宣言というのはもう抜けたんではないかということでしたけども、むしろこれから継続していかなければ本当に危ないんではないかということをそれらの資料で示していきたいと思っております。フリップ、またかなり高額で、4枚で数万円くらいかかって、安くはないですけれども、これから説明する何百億円という見込み差によって生じる向こう10年間の中野区政のダメージを抑えると考えるならば安いものだと考えます。様々説明させていただきますが、普段よりもゆっくりと時間をかけて、皆様に御理解を得ながら質疑させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 では、1、令和4年度予算について、まずは社会情勢から推測される今後の国や地方の財政のことについて触れさせていただきたいと思います。新型コロナウイルス感染症によって経済は悪化し、2020年度の名目GDPは335兆円と前年比3.9%減で、かなりの落ち込みにもかかわらず、収益が上がっている企業も多かったようです。国の税収は消費税増税もあり、令和元年度58.4兆円だったものが令和2年度60.8兆円となり、予想外にも過去最高を記録しました。また、2021年度はGDPを2.6%増加させ、税収は63.9兆円となり、これまた最高となっております。しかし、GDP、2019年から2020年の間に3.9%減して、その次に2.6%増なので、まだコロナ禍前のGDPには戻っていないということを理解していただきたいと思います。 税収が増加した原因といたしましては、2020年度の国家予算で新型コロナウイルス問題の対応に力点が置かれ、3回にわたって合計76.8兆円の補正予算が編成されたことが大きいです。当初予算の一般歳出規模を74.8%も増加させました。この補正予算によりまして、皆さんよく御存じですけれども、新型コロナウイルス感染症に対応した医療機関等への支援、そして1人10万円の特別定額給付金、雇用調整助成金、持続化給付金、新型コロナウイルス対応地方創生臨時交付金、GoToトラベル・イート事業、自治体によっては感染拡大防止協力金などにそれを充てたりもして、国民の生活の下支えを行いました。しかし、その国の補正予算70兆円以上のうち、2020年度内に使い切れず、2021年度に繰り越された繰越金が30兆円に達しております。 これまで繰越額が最も大きかったのは東日本大震災直後の2011年度の7.6兆円だったので、この数字は異例のことであります。70兆円を超える補正予算を2年間かけて、それら生活の下支えにされたということで、令和元年度から比較しまして、税収は令和2年度2.4兆円、そして令和3年度は5.5兆円が増えましたが、はっきり言って、これら補正予算によって経済へのドーピングとも言える財政出動を国はしてきたわけですけれども、こういった財政の出動というのは、国はいつまでも続けられるわけではありません。コロナ禍が落ち着けば、これほどの財政出動をすることはないでしょう。 ここで伺いますが、区のこういったところの御担当は、現在日本が置かれている社会情勢及び財政について、どのような御見解を持っているか、お伺いいたします。 ○森財政課長 内閣府作成の中長期の経済財政に関する試算におきましては、経済対策を迅速かつ着実に実施することなどによりまして、次年度の実質GDPの成長率は3.2%程度が見込まれるというふうにされております。国の令和4年度予算におけます税収入も過去最高の65.2兆円とされておりまして、こういった景気としては上向き状況だというところなんですが、新型コロナウイルス感染症の拡大による下振れリスクも当然ありますので、楽観視できる状況にはないと考えております。 ○加藤委員 そうですよね。来年度においては、先ほども東京都との調停というか、協議の中で数字が見えてくるところですけども、令和5年度以降というのは全く、先行き不透明感があるということですよね。旅行関連、飲食関連など、対人接触型のサービス消費は大幅に悪化しました。国・都道府県の補助によりまして、多くの企業が休業しながらも収益を得る形になりました。例えば、東京都の飲食店においては、休業することによって感染拡大防止協力金を東京都から補助してもらい、それが店の売上げとして計上されることになります。通常であれば、お客様からいただいた勘定を売上げとして、そこから材料費だったり、そういったところを経費として引いて、それが利益となるわけですけども、店を開いていないために、開店しなければ生じない材料費だったり、光熱費、人件費などの経費は生じないということで、ありません。店によっては、その協力金をもらって収益はありますけど、全体的に収益が下がっているにもかかわらず、利益が上がっています。日本の企業の7割が赤字企業と言われておりますが、実態としては経費などを多く積算して赤字決算として、納税は均等割、義務として最低払わないといけない7万円のみを支払うケースが多いわけであります。しかし、コロナ禍における決算は、必要経費が少なくなった、店を開いていないので食材費だったり、店を開いていれば生じる光熱費だったり、人件費、こういったものが積算できないために赤字の決算にできなかったわけで、黒字の企業が増えてしまった。黒字の部分に対しては法人税率がかけられて、法人住民税が増額したと考えられます。コロナ禍でいびつな法人税収となっておりますけれども、中小企業の経済実態を区はどのように考えられているか、お伺いいたします。 ○平田産業振興課長 区内中小企業の経済実態でございます。現在集計中ではございますが、東京商工会議所中野支部等と協力して実施しました区内事業者に対するアンケート調査によりますと、今期と比較した来期の利益見通しにつきましては、厳しい、または同水準との回答が過半数を超えておりまして、急速な回復は見込めない状況でございます。また、調査に回答した区内中小企業全体の約62%が何らかの雇用調整助成金や一時支援金などの補助金を受けていることから、これらの国や都の公的補助が直ちに終了した場合につきましては、業況の回復していない企業にとっては打撃となりまして、収益状況の悪化は避けられないと考えてございます。 ○加藤委員 今後、先行き不透明というよりも、その補助金がないと危ないというふうに言っている企業が多いということですよね。このドーピング的な補助金がなくなったときに、ドーピングが切れたときに、やっている最中もですけど、やっぱりなくなったら、切れた途端に廃人になるような、そういった事を考えれば、この補助金が切れれば、そのはね返りで税収というか、法人税が減って、そのまま今見込んでいる額ほどのことが入ってこないというふうに推測できると思いますか。感触でしかないでしょうけど、御担当の考えをお伺いいたします。 ○平田産業振興課長 委員御指摘のとおり、業況が悪化した場合は収益が少なくなってまいりますので、やはり法人税等には影響が出るかと考えてございます。 ○加藤委員 それでは、全国の税収の動向について資料がありますので、見てください。予算要求資料総務86、皆さん、ちょっと開いていただきたいんですけれども、「特別区交付金の将来見込み方法(次年度から10年間)」の資料を御覧ください。 まず、この資料について御説明いただきますでしょうか。 ○森財政課長 総務86「特別区交付金の将来見込み方法」でございます。特別区交付金につきましては、令和4年度、405億円と見込んでいるところなんですが、これにつきまして、財産費を除く交付金と財産費ということで内訳を設定しまして計算をしているところでございますが、財産費を除く交付金については、ほぼほぼ地方の税収等の伸び率を踏まえて伸びていくだろうということで、欄外に書いてございますが、経済財政諮問会議の「中長期の経済財政に関する試算」のうち「地方の普通会計の姿」の、地方税の税収等の伸び率を掛けてということで、下の「対前年伸率」のところを掛けているところでございます。財産費につきましては、都市計画交付金の対象事業が関係していますので、それをベースに推計しているというところでございます。 ○加藤委員 財産費は特別区交付金ではあるけれども、道路の改修などのひもつき予算であるから、一般財源として見づらいというような解釈でよろしいですか。 ○森財政課長 そのように捉えております。 ○加藤委員 この財産費を除く交付金というところの伸びというところが今回私が大きく指摘させていただきたいところですけども、その辺は後で説明するといたしまして、ここの1に書いてあります経済財政諮問会議資料の「中長期の経済財政に関する試算」のうち「地方の普通会計の姿」を参考としているというふうに書いてありますけれども、この数字というものを図面化したものを用意させていただいております。地方の普通会計の税収ということで、「地方の普通会計の姿」という内閣府の資料に載っているものをプロットしたのが青い線であります。平成28年82.4兆円、これは普通会計、全国を足し合わせた数字ですね、82.7兆円、83兆円、84.4兆円と横ばいに、ちょっと微増な数字を描いております。赤い枠のところが決算値で、令和3年度におきましては、これは補正予算の額であります。令和2年度が109.8兆円、令和3年度が102.9兆円であります。来年度予算、令和4年度、ここでガクッと下がって86.9兆円となります。つまり令和元年度から、このベースラインとも言える、こういった線に乗って戻るというのが国の試算であります。この辺は理解していただけますかね。結局、法人税とか、そういったところが急にドーピング的な財政出動によって伸びたというのが、この証左なわけであります。来年度も、あくまでこれは見込みではありますけれども、ベースラインに戻ってくるというのが国の指標なわけであります。 このオレンジのラインは、前年度からの変化率になっております。例えば平成29年度の0.4%と示しているポイントは、前年度82.4兆円から82.7兆円、ここからここが増えたら0.4ポイント上がっているというふうに示されるわけです。こういうふうに、前年度からどのぐらい変化したかという数字がこのオレンジのラインなわけですけれども、ここに書いてある令和5年度から令和13年度、このラインの数字、微増で0.3、1.9、1.6、0.3、0.4、0.5、0.7、0.8、0.8と増えているわけですけども、この数字が総務86の「対前年伸率」の数字です。100足さないと、この数字にならないんですけど。この数字を使って特別区交付金の推定をしているということでよろしいですよね。 ○森財政課長 そのとおりでございます。 ○加藤委員 つまり区はこの資料をかなり信頼した上で使っているということであります。この国が示す10年後の予測を使っているので、財政フレームを作成する際には一定程度の信頼が置ける資料ではあります。この図で言いたいのは、その伸び率を使っているということと、ドーピング的に令和2年度と令和3年度は非常に数字が上がってきているということを皆さんには御確認していただきたいと思います。 続きまして、特別区税の見込みについてお伺いいたします。次に、総務88、41の資料を使って作図しましたので、まずは総務88の資料を見ていただければと思います。総務88、「令和2年度予算編成時における10年間の財政フレームと主な基金の積立・繰入計画」であります。総務41は令和2年度と同じものでありますので、まず総務88を見ながらというところですけれども、この数字を使って特別区税についてグラフ化しました。横軸が令和元年度から令和13年度で、縦軸が一番下が340億円から360億円であります。黒い実線が決算と、この前、第11次補正でやった補正予算額であります。青い色が令和2年予算編成時の特別区税の予算のラインです。オレンジが今回示したところでありまして、令和4年編成時のラインであります。 決算から見ていきますと、令和元年347億円だったのが、そこから11億円増えまして、令和2年で358億円となっております。令和3年度も、この前の補正だと同額ぐらいの358億円ぐらいであります。青いラインは令和2年度のときに編成したものでありますけれども、先ほども話がありましたけども、予算で見立てていたよりも決算額が増えているというところがここで示されているわけであります。この理由について改めてお伺いいたします。 ○竹内税務課長 特別区税の約94%を占める特別区民税については、前年の所得に応じて課税されるものでございまして、令和4年度の特別区民税は令和3年度における新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を目的としました緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令などによる景気活動の低迷の影響を大きく受けると予想しております。納税義務者数、納税者1人当たりの所得額について慎重に見込んでいるものでございまして、今後とも景気の動向等について注視してまいりたいと考えております。 ○加藤委員 今は、令和2年度のときに予算編成したよりも決算で増えてしまったというところを改めて、そのお答えを。 ○竹内税務課長 令和3年度当初予算と、あとはこの前、補正を行わせていただきましたけれども、その額についてはそれほど、新型コロナウイルス感染症の影響は限定的であったというものと分析しております。ただ、今後、先ほど委員もおっしゃられました経済対策等がなくなってしまったときの影響というのを大きく受けると予想しておりますので、慎重に見込んでいるといったところでございます。 ○加藤委員 令和4年度特別区税はかなり下がって、決算ベースでの令和元年度347億円だったところ、それを下回る342億円が予算となっているということで、コロナ禍前のときよりも税収が、特別区民税においては下がるというふうに見込んでるということでよろしいですね。 ○竹内税務課長 委員おっしゃるとおりでございます。 ○加藤委員 この辺は令和2年度、令和3年度においては、納税義務者数が増えたりとか、その辺が増えて要因が、令和2年度、令和3年度で増えているというところですけど、令和4年度でこんな下がってしまうというのは、もう一度、具体的に何でこういうふうに下げた見込みとするのか、教えてください。 ○竹内税務課長 こちらのほうは新聞報道でも報じられておりますけれども、令和3年のGDP、7月から9月期ですが、こちら再びマイナス成長となってございます。そのほかにも、サラリーマンの平均賞与のほうはリーマンショック後に次ぐ大幅減といったことの影響もございますので、景気のほうは先行き不透明というところがございますので、繰り返しになりますけれども、こういったところで区税の収入については慎重に見込んでいるというものでございます。 ○加藤委員 妥当な考えかなと思います、これに関しては。先ほど出した図ですけれども、ここで先ほどの令和2年度、令和3年度だけ上がっているというのは、この図とある程度一致するような傾向で、その後、それ以上に下がってしまうという区の見立てではありますけど、先行き不透明という意味では、国が出している決算額だったり、今後の見通しと合致するところであるかなというふうに考えます。そういう見解でよろしいですね。 ○竹内税務課長 先行き不透明ということでありますので、今回、令和4年度予算につきましては慎重に見込んでいるというものでございます。 ○加藤委員 続きまして、特別区交付金の見込みについて、先ほどの総務88と総務41の要求資料二つに加えて、平成20年度から決算値をかき集めてグラフ化しました。特別区交付金の推移で、横軸が平成20年度から令和13年度までで、20数年間のプロットです。縦軸が、一番下が300億円で、一番上が400億円、これは先ほど言いました特別区交付金の一般財源化できるところの財産費を除いた特別区交付金となります。黒い線が決算とこの前の補正の、令和3年の補正予算で出てきた、ほぼ決算値の補正額、青い線が令和2年予算編成時の予算ラインで、オレンジのところが今回の令和4年度予算編成時の見込みのラインです。緑は後で説明いたします。 まずは実績ベースで見ていきますと、平成20年度、一番左になりますけど、このときが327億円の特別区交付金、財産費除くですけれども、この後、平成21年度、そして平成23年度にリーマンショックと東日本大震災があり、大きく下がりました。もちろん法人税と固定資産税が多くを占める特別区交付金でありますから、景気の動向が大きくここに出てくるというわけであります。そして、持ち直して平成26年度、平成27年度はかなり上がってきて、今度、また一つ下がる、平成29年、下がります。このときは何があったのかなと思ったんですけれども、いろいろと東京都の資料を見ますと、平成29年度は海外経済が回復するもとで、輸出や生産の持ち直しが続くとともに、雇用所得環境の改善が続いたことで景気は緩やかな回復基調が続き、名目経済成長率は2.0%増となった。このような経済情勢のもとで、法人2税は金融証券業を中心に企業収益が低迷したこと等により、平成28年度決算に対して2.2%の減となったものの、雇用環境の改善により都税総額では0.7%の増となった。はっきり言って、素人にはよく分かんないですけど、結局、景気がよくなったことで、なぜか金融と証券業の法人税が下がったということなので、吉田委員とかなら分かるのかもしれないですけども、そういった素人にはできないような減が含まれているわけです。 平成28年度から、そのところから平成29年度で19億円の減となっております。またその後、平成30年度359億円と増えて、令和2年度は345億円、赤丸で示したところですね、左側の。この前の令和3年度の補正予算で、380億円が特別区交付金、財産費除くのところになりました。ここで青いラインを見ていただきますと、令和2年度予算編成時のときは、こういった下降ラインを設定しておりますけど、この理由は何ですか。 ○森財政課長 令和2年度予算編成時に今委員お話があった特別区交付金が下降していくという、右肩下がりと見込んだという理由でございますが、同じように経済財政諮問会議の資料の地方公会計、地方の普通会計の姿、税収等の伸びを財産費を除く普通交付金に掛けてはいるんですが、令和2年度は法人住民税の一部国税化も拡大するというような見通しがありました。そういった影響が翌年度以降も続くであろうという想定をしまして、さらに0.98掛けをしたことによりまして、こういった右肩下がりということになったということでございます。 ○加藤委員 結果的に法人税の一部国税化というところの影響は、今はどのように見ているんですか。 ○森財政課長 結果として、令和3年度の特別区交付金につきましてもそうですし、令和4年度の見立てもそうですが、伸びているといったようなことで、令和2年度当時見込んでいたほど落ち込んではいないというふうに考えております。 ○加藤委員 いずれにせよ、こういった青いラインを危険だと思ったら設定するという過去の事例があったということでよろしいですね。そういう想定をすることもあると。 ○森財政課長 令和2年度当時においては、そういったことも想定をして厳しく見積もったといったような、そういったことでございます。 ○加藤委員 また決算のところに戻りますけれども、令和3年度380億円ぐらいに、最終的に過去最大の特別区交付金になったわけですけど、この理由について、どのようにお考えですか。 ○森財政課長 令和3年度につきましては再調整が行われまして、東京都においても法人住民税など調整税等の増額がされたということでございます。企業収益が堅調に推移したということで、調整税等が全体で1兆9,700億円余ということで増えたといったようなことで、それを踏まえて中野区の特別区交付金についても積算をして、補正予算として計上したということでございます。 ○加藤委員 先ほどから何度か触れているところでありますけれども、その次の3、令和4年度の373億円というのはどのように算出されたか、改めて伺います。 ○森財政課長 普通交付金につきましては、令和4年度の東京都の調整税等のフレームが示されましたので、それをもとに過去の中野区のシェア等を勘案しまして算出したということでございます。特別区交付金につきましては、令和3年度は10億円を見込んだところですが、調整税等の増を踏まえまして令和4年度は15億円を見込んだということでございます。その結果、特別区交付金としては全体で405億円になりますが、財産費につきましては32億円を想定していますので、それを控除すると373億円というふうになります。 ○加藤委員 東京都との調整協議で決まったということですけども、この交付金が先ほどの国全体の地方税の増減のものとちょっとずれている、ベースラインに戻らないってなっているのはなぜか、なぜ戻らないか、そのぐらい下がらないかというか、元どおりになると推定されますか。 ○森財政課長 詳細なところは、東京都が積算しているので把握していませんが、報道によれば企業収益の伸びがあるということで、法人住民税も増収となっているといったことで、特別区交付金の全体の財源についても伸びているといったようなことから下がらず、今委員がお話になったベースラインというところまでは戻っていないということだと考えています。 ○加藤委員 令和4年度だけを考えたら、そういったこともあるかもしれませんけれども、私の見解といたしましては、東京都は、ほかの道府県と比較しまして1兆円の財政調整基金を使って、感染拡大防止協力金などを潤沢に用意しまして飲食店に大量に支給していったわけで、そういったところが結局、経済の冷え込みというのが遅れて出てくるのではないかなというふうに考えております。そう考えると、令和5年度以降にその影響が出てくるかなと考えるわけですけども、令和5年度以降はどのように算定されて、このオレンジのラインが出てきたかをお伺いいたします。 ○森財政課長 先ほど来お話ししている内閣府の経済財政諮問会議の資料の「中長期の経済財政に関する試算」、こちらの税収等の伸び、これを財産費を除く普通交付金のほうに、それを伸び率として掛けまして算出をしているということでございます。 ○加藤委員 先ほどから言っている総務86の「特別区交付金の将来見込み方法」というとおりだと思いますけれども、この計算で伸び率を出していくということですけども、1回もガクンと落ちることなく、堅調にこの交付金が伸びるとお考えなんでしょうか。 ○森財政課長 政府の経済見通しによりますと、新型コロナ対策、新時代開拓のための経済対策、こちらを着実に実施することによりまして、今年度中には経済がコロナ禍前の水準に回帰するという、そういう展望もあるところでございます。令和3年度の決算見込みや令和4年度予算における特別区交付金の状況は、当初の想定よりも上振れの見通しでございまして、そういったところ、経済状況も戻りつつあるといったような、好転しているといったようなこともございまして、今後の特別区交付金につきましても、現時点においてはお示ししたような一定の伸びということで見込んでいるところでございます。 ○加藤委員 先ほどから示していますけど、このベースラインに戻るという概念がこの特別区交付金の計算の中には入っていないのではないかと考えるわけであります。コロナ禍前の比較的安定している状態の経済に戻るとなれば、税収が下がってしまう、つまり交付金とかがなくなってしまうから、そういったふうな状況になるのではないかなと考えるわけですけども、そういうふうな想定はされないのかなと。ドーピングで上がった法人税のまま、そのまま伸びていくという計算方法になっているわけですけども、それが本当に正しいと思うのか、改めて伺います。 ○森財政課長 区が今後の税収等、今回お話がありました特別区交付金の伸びの件でございますが、そういったものを、今後の伸びを見ていくときには、国の経済見通しを一つの参考にして見通しを立てているということでございます。繰り返しになりますけども、それを踏まえて見通しを立てておりまして、現時点においてはそういった形で伸びを見込んでいるということでございます。 ○加藤委員 伸びのところしか見ていないですけど、下がるところを見込んでいないんじゃないかって言っているんですけど、下がることは見込まないんですかって改めて聞きます。 ○森財政課長 いろいろ、様々リスクはあるというのは承知しております。承知はしているところですが、一つの区が参考にしている将来見通しにおいては、今回、国の経済見通しを参考にして伸びを見込んでおりますので、こういう形でお示しをしたということでございます。 ○加藤委員 参考にしていると言うんだったら、この図面で示している下がりが、令和元年度から令和2年度でマイナス6.3%、令和2年度から令和3年度がマイナス0.3%、令和3年度から令和4年度がマイナス15.5%、この資料を参考にしていると言うんだったら、この下がりをどこかで入れないと計算としては成り立たないんじゃないかって言っているんです。もう1回お伺いします。 ○森財政課長 令和5年度以降の伸び率は、経済財政諮問会議の資料で示されているところでございます。ですので、今回の令和5年度以降の見通しについては、その伸び率を踏まえて見通しを立てたということでございまして、それをどう掛けるのかというところはあるので、今回については国のこの伸び率、令和5年度以降の伸び率を踏まえたということでございます。 ○加藤委員 だから、伸び率だけ参考にするんじゃなくて、下がるところは何で参考にしなかったかって聞いているんです。これだけ下がってしまったという現状、元どおりになるという現状は踏まえない想定だったんですかって聞いているんです。 ○森財政課長 今ここで参考にしているのは、伸び率を参考にしておりまして、現状、令和4年度の積算については予算案のところでお示しをしたというところでございます。じゃ令和5年度以降どうなっていくのかといったところについては、この伸び率を踏まえて参考にしていますので、下がるといったところについては国の資料には出てきていませんので、こういう形でお示しをしたということでございます。 ○加藤委員 だから、1年ずれているかもしれないけど下がっている現状があるじゃないですか。何で特別区交付金はこれを見込まないのかって聞いているんです。 ○森財政課長 令和4年度予算については都のフレームを踏まえて積算をしていまして、それでお示ししたとおりでございます。繰り返しになるんですけど、国も経済対策を進めていくと。地方の税収等もこれによって伸びていくということでございますので、令和5年度以降の先についてはそういった見通し、見立てをしたということでございます。 ○加藤委員 特別区税は下げているじゃないですか。そういう見込みをしているじゃないですか。担当部署によって考え方が違うんですか。 ○森財政課長 特別区税は特別区税で、今後の人口見通しとか、収入の状況とか、そういったところは一定見ているというようなことは承知はしております。特別区交付金については、原資は都税でございます。東京都として徴収するということで、そこがどういった伸びをしていくのかといったようなところについては、詳細については区のほうも把握するのは難しいところでございますので、5年度以降の伸びについては、国が示した伸び率を参考に見通しを立てているということでございます。 ○加藤委員 下げを含まないままやってしまったというところはお認めにならないですけど、確実に下がることも想定するということが先行き不透明な状況の中での緊張感を持った財政運営だと思いますけれども、緊張感がないんだろうなというふうに感じ取れます。 2年前は、この青のラインで危機感を持った財政運営というものを実際にやろうとしていたわけであって、このぐらいのフレキシビリティーが区の財政運営の方法としてはあるんだなというのも一つ参考にはなったなという線でありますけども、今回は最大限に楽観視したオレンジのラインを設定したというのが分かっております。このオレンジと青の差、令和4年度で比較すると42億円、オレンジと青の差を引いたらですね。5年後の令和9年度には70億円となります。2年間でこれだけ見かけ上、財政的に余裕が生まれるとしたら、財政規律が緩んで、たがが外れた放漫経営というふうな方針転換になるというのも想像がたやすいわけです。計算ミスではないかもしれませんけれども、結局、総務86の財産費を除く交付金の、令和4年度の財産費を除く交付金の373億円に、ここの数字にエクセルで入れたらパッとその後10年間が出ちゃうという単純なことなわけですよ、はっきり言って。計算ミスとは言わないですけど、入れただけの数字が先に走り、こういったところで数字だけが先に走ってしまって、それで財政フレームを組み直したんだなというところで、青いラインから2年間でオレンジのラインになったということで、それで緩くなっていったんだろうなというふうに感じているわけであります。また、そういうところの想定というのが足りなかったのかなと。 ちなみに、現実的な交付金の金額を自由民主党議員団で試算したのが緑のラインですけれども、これは令和5年度にコロナ禍による財政への影響がなくなったとする、つまり補正予算とかで感染拡大協力金だったり、雇用調整とかがなくなるのが令和5年、それ以降かもしれませんけれども、取りあえず令和5年度にはそういったドーピング的な財政出動がなくなったと仮定した場合、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する前の令和2年度歳入規模に戻ると仮定したのが、この赤丸から赤丸に移ったというところです。そして令和6年度以降は、総務86と同じように、財政経済財政諮問会議の「対前年伸率」というものを掛け合わせていくと、こういった緑のラインになります。そうすると、にわかにリーマンショックの前から、平均値がこういうふうにアップしたら緑のラインぐらいに近づくわけです。でも、このオレンジのラインというのは、最高値をずっと続けているぐらいのラインでやっているわけで、今じゃなくなってしまいましたけれども、当初予算の概要には令和元年度まで年度間調整分のぐにゃぐにゃと波線の図面が入っていたのに、令和2年度からなくなっているんですけれども、そういった変化みたいなものを捉えるというか、一応金額としては年度間調整分とは書いてありますけれども、そういった概念が薄れてしまったのかなというふうに感じるわけですけど、何で図面が令和2年度からなくなったのか、通告していないですけど教えてください。 ○森財政課長 すみません、今のお話のところをちょっと認識は、特に意図的にこれをなくしたかどうかといったことについては、特に認識はしておりませんので、特にこういう目的で、これがあるからからなくしたということは、そこまでは認識はしておりません。 ○加藤委員 そういった年度間調整分という概念が、危機的状況なときに使って、ある意味、来年度、令和4年度においては交付金が大きく入ってきて、その後、下がるというふうに考えたら、お金をためるタイミングなんじゃないかなというふうに、先ほどの山本委員の主張と全く逆になりますけど、令和5年度以降の財政を考えたときには非常に、まだ豊かな令和4年度予算になるのかなというときに、このときに金をためて、令和5年度以降に備えるというのが基本的な考えになると思うわけです。 いろいろ言いましたけど、先ほど危機的状況で一部国税化をするということにおいて、青いラインということも想定された過去があって、今回は一番楽観視しているオレンジのラインをとったということで、今回緑で自由民主党議員団のほうで試算させていただきましたけれども、こういったラインになることもあり得ますよね、想定としては。だって青まで下げたことがあるんですから。考え方によっては、こういった緑になることもあり得ますよね。お伺いします。 ○森財政課長 繰り返し御説明していますが、国の試算を踏まえて令和5年度以降の予測をしているところではございますが、今後の経済状況などにより、予測より伸びが鈍化する、下降する、そういった可能性もあるとは考えています。 ○加藤委員 そうすると、こういった緑のラインというのも想定できないわけではないというか、全て分からないですから、税収は分かんないですけど、仮定としてはそういったラインも、青いラインも考えたことがあることなんですから、取りあえず緑のラインぐらいで考えるのが妥当ではないだろうかということで出させていただいたわけであります。 そうすると、図面化するほどでもないですけど、大体、令和5年度以降は毎年30億円ぐらいが、このオレンジのラインと緑のラインで差が出てきます。毎年30億円ですよ。見込みが30億円足りなくなるんじゃないか、そのぐらいの危機感を持った経営が必要になってくると考えますけれども、そこに対しては、そちらはお答えできないかもしれませんけども、そういったことが考えられると。そういった先行き不透明な想定をしていかないといけないのではないかというふうに思います。 以上、長くなりましたけど、財政フレームの歳入の部分についてまとめさせていただきます。特別区税においては、御担当が先行き不透明である経済状況を勘案して、緊張感を持った来年度以降の試算をしましたが、特別区交付金においては、令和4年度においては東京都との調整の中で出ているので問題ないかもしれませんけれども、令和5年度以降には毎年30億円以上過大に評価しているというのが、その辺が妥当な数字だということを指摘させていただきました。 本定例会一般質問において、我が会派の大内しんご議員の財政的な非常事態であるとの従前の認識について、現時点ではどのように考えているのか伺うとの質問に対して、令和3年度の決算見込みや令和4年度予算における一般財源の状況は当初の予定よりも上振れの見通しであり、当時の状況よりも好転しているものと捉えている、しかしながら新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う景気の下振れリスクは依然としてあり、不透明な経済状況に変わりはなく、引き続き緊張感を持って財政運営に当たる必要があると考えていると答弁されております。確かに令和4年度においては、ある程度見込みがある数字ですけども、令和5年度以降については緊張感が全くないような歳入の値になっていると思いますけども、その辺、答弁の中で、「不透明な経済状況に変わりはなく、引き続き緊張感を持って財政運営に当たる必要があると考えている」というのは、この図面で言ったらどこに反映されるのか、お伺いいたします。どこに緊張感を持っているのか。 ○森財政課長 今の図面は歳入の見通しでございますので、歳入予測は、繰り返しになりますけど国の試算を踏まえて、現時点において適切に見通したということで捉えているところでございます。財政運営全体として見れば、当然毎年の予算編成においては、経常経費を中心とした歳出削減ですとか、あと、債権管理体制の強化などを通じまして歳入確保にも取り組んでいく、また、将来に備えた基金積立や起債の抑制、また、執行段階に当たっては、工夫によりまして執行額の精査をしていくといったようなことなど、全体としてそういった取組をしっかり、緊張感を持って取り組んでいく必要があるということで考えているところでございます。 ○加藤委員 もし30億円足りなかったら、どこのお金が歳出のほうで削らないといけないかといったら、簡単に計算したら基金のところから30億円減ってくわけですよ、入ってこないんですから。緊張感を持つべきは歳入の積算が一番最初なんじゃないですか。そこに緊張感が感じられないんですけど、改めて聞きます。歳入においては、どこに緊張感を持って計算をされたのか。 ○森財政課長 今後の見通しについては、繰り返しになりますが、国の試算を踏まえて積算をしたという見通しを立てたということでございます。当然、毎年毎年の予算編成、それから予算執行の段階、そういったところでしっかり切り詰めていく、また、段階段階で歳入を確保していくと、そういったところが当然必要になってくるということで捉えているところでございます。 ○加藤委員 だから、その歳入のところで、緊張感がない歳入見通しなのがなぜなのかって改めて聞いているんですけれども、全体的な話じゃなくて一番重要なところですよね。入らなきゃ駄目なんですから、ない袖は振れないじゃないですか。入る見通しを何でこんな甘く見ているのかというのを改めて伺います。 ○森財政課長 甘く見ているという認識はございませんで、令和4年度予算の歳入ベースを、歳入の予算を踏まえて今後の伸び率を掛けているわけでございまして、そこのところといったところについては、現時点における見通しとしては適切な見通しだと考えています。 ○加藤委員 一度立てた予算だから、そう言わざるを得ないんでしょうけど、はっきり言って甘い見通し、先ほどから何回も言っていますけど、国全体の地方税はガクンと下がる、ベースラインに戻るという、ここがいつ戻るのかって。ドーピング的に入ってきている法人税をそのまま、今後永劫入ってくると見ているということでよろしいですか、その答えは。お伺いします。増税している理由を踏まえて、今後もそれがずっと入ってくるという見通しであるかというのをお伺いします。 ○森財政課長 国がそういう伸び率を掛けて見通しを立てているということでございますので、そういった形で一定の伸びがあるということでは見ているところでございます。 ○加藤委員 何度も言いますけど、下がったところを見込んでいないので、伸び率は伸び率でいいですけども、これはしつこくなっちゃうので、もうこれ以上やらないですけど、そういったところで過大な積算をしているということで、令和2年度予算編成時、危機的な想定をしたらああいうラインもとれるし、令和4年度の過大な、あの甘々なラインをつくることもできて、財政規律が緩んで歳出が今後、その緩みが歳出にも影響が出てしまっているんじゃないかということです。 ここで終わらせますけれども、午後においては、その財政規律の緩みから歳出の項においても非常に問題があって、それが令和5年度以降にちゃんと反映されていない、令和5年度以降がやっぱりやばいというような状況に対して指摘させていただきますので、お昼休みを挟んで、また後半戦をよろしくお願いいたします。 ○ひやま委員長 加藤委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。 13時まで委員会を休憩にします。 午前11時56分休憩
午後1時00分開議 ○ひやま委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き総括質疑を行います。 加藤委員、質疑をどうぞ。 ○加藤委員 お昼休みを挟んで後半となります。前半では、特別区交付金が令和5年度以降30億円程度、毎年多く見積もっていると想定すべきだということを提言させていただきました。後半では、その特別区交付金が多く見積もられていて、中野区の実力を勘違いして多く見積もっているんではないかということで、それが今度、歳出のほうに影響が出ているということで、ただしていきたいと思います。 それでは、令和4年度の歳出について、歳入と同様に基本的に財政フレームについて伺っていきます。また資料を見ていただきたいんですけど、総務41「令和4年度から10年間の財政フレームと主な基金の積立・繰入計画」を御覧ください。 まず、この歳出のうち、一般事業費とは何か、御説明ください。 ○森財政課長 一般事業費でございますが、経常的経費のうち人件費や公債費、扶助費といった義務的経費、それから特別会計の繰出金を除いた経費でお示しをしているところでございます。 ○加藤委員 義務的経費等を除いた経常経費ということでよろしいですか。 ○森財政課長 そのとおりでございます。 ○加藤委員 そうすると、義務的経費というのはなかなか削りづらいところではありますけれども、経常経費を削ると言っている中で削られるのは、主にここの金額のことでよろしいですか。 ○森財政課長 そのようになります。 ○加藤委員 ここで令和4年度以降、経常経費が214億円を維持し続けるという予算編成となっております。この214億円という金額を皆さん、覚えてください。 次に、総務88を御覧ください。「令和2年度予算編成時における10年間の財政フレームと主な基金・積立繰入計画」であります。 同じく一般事業費を見てみますと、大体150億円と設定しております。一般事業費は令和2年度編成時で150億円としておりましたけれども、令和4年度で214億円として、この2年間で経常経費が年間64億円増額していることが分かります。令和2年度の予算編成時の後年度の歳入見込みが厳し過ぎた反動か、経常経費がとんでもなく膨らんでいるわけですけれども、この2年間で64億円増額した理由は何でしょうか。 ○森財政課長 主な理由、増要因を挙げさせていただきます。GIGAスクール構想の推進、また、清掃事業、予備費、東京二十三区清掃一部事務組合の分担金、それから定期予防接種、図書館指定管理委託料、それから文化施設の指定管理料、産業経済融資の利子補給、それから学校給食調理業務委託や学校用務の業務委託など、こういったところが2年前と比べると大きく増をしているところでございます。 ○加藤委員 資料として要求したんですけど、締切日を過ぎてしまったので、明日以降出てくるということですけど、令和4年度予算において一般事業費が増額した主な要因ということで、致し方ない経常経費もあると思いますけれども、かなり増えていて、今おっしゃった主なところでは、幾らぐらいを計上しているんでしょうか。 ○森財政課長 今申し上げたもので約14億円増になります。それ以外に、令和2年度の時点と令和4年度のところで言うと、新規・拡充事業との入り繰りといったようなものもございます。大きな増要因としては先ほど申し上げた約14億円でございます。 ○加藤委員 64億円増えて、14億円は先ほど主なところと言っていましたけど、50億円、もう1回どういったものが増えたかをお答えください。 ○森財政課長 先ほど申し上げた新規・拡充事業、令和2年度のときは新規・拡充事業に寄せていたものが、しっかり整理したことによって、令和4年度においては経常経費のほうでカウントしたといったようなところで11億円ほどありまして、あとはすみません、細々としたものがありまして、それ以上についてはちょっとつかみ切れていないところでございます。 ○加藤委員 分かっているところで、新規事業でやったものが、新規事業やった翌年からは、令和2年度で新規だったものは、令和3年度以降は経常経費となるということで一般事業費に回る。今分かる範囲でも11億円。先ほど14億円がGIGAスクールとか、そういった致し方なかろう経費増でしたけれども、合わせて14億円と11億円、でも2年間で増えたのは64億円で、差し引きすると39億円、何らかで増え続けている。大体その36億円は何で増えたか、もう1回教えてください。 ○森財政課長 申し訳ないです、それより細かなところについては、ちょっと今調べ切れていないところでございます。 ○加藤委員 結局、経常経費なるものが何で増えたか、すぐには分からないというような感じで、どんどん財政規律が緩んで、経常経費が膨らんでいる、2年間でということだと思うわけですけれども、本当に分かんないですか、分析してそれが。何で30億円以上増えちゃっているか。 ○森財政課長 ちょっと今のところでは分析がし切れていないところです。 ○加藤委員 もう増えてしまっているという、かなり経常経費が増えている事実はそこにあるわけで、切り詰めると言いながらも全然切り詰められなくて、何だかよく分からないで30億円以上が経常経費として増えていっているということであります。増えてしまう部分は構造改革実行プログラムとか財政効果、その辺で埋めていくということですけれども、その辺の進捗具合について伺います。 要求資料、総務85「構造改革実行プログラムに基づく取組の財政効果の内訳」を御覧ください。御担当から総務85の内容について御説明いただけますか。 ○石井構造改革担当課長 総務85「構造改革実行プログラムに基づく取組の財政効果の内訳」ということでございますが、こちらの財政効果につきましては、経費の削減、歳入確保、それから人件費相当額という三つに区分をいたしまして試算を行ったところでございます。内訳といたしまして、業務のICT化の推進による紙文書等の削減など、執行方法の見直しや事業規模の縮小により経費削減が見込まれるものということが経費削減になりますが、これが令和4年度では7,016万円余、それから、口座振替の促進や納付勧奨の工夫による収納率の向上など、新たな補助金や歳入確保等により歳入増加が見込まれるものが、同じく令和4年度として3億1,140万円、それからウェブ会議による移動時間等の削減など、効率化等による労働時間の削減が見込まれるもの、これを人件費相当に換算したものということで、令和4年度が1億6,271万円余ということでございます。 ○加藤委員 財政効果を経費削減と歳入確保と人件費相当というふうに三つに分けておりますけれども、この人件費相当というのは、財政効果は時間を人件費に換算しただけであって、この人件費をカットするわけではないので、予算削減にはならないということでよろしいですね。 ○石井構造改革担当課長 実際、予算そのものでの削減効果ではないものでございます。 ○加藤委員 歳入確保で、Ⅴの安定的な財政運営と財源創出のところで3億1,540万円は、これは何をして生まれたお金ですか。 ○石井構造改革担当課長 主には債権管理体制の強化ということで、税収増によるところが大きいということでございます。 ○加藤委員 よく分かんないですけど、令和5年度にはこれがないわけですか。 ○石井構造改革担当課長 令和5年度は、現時点ではまだ見込めないということで、歳入効果はあるものと見ておりますけれども、現時点では試算はできないというものでございます。 ○加藤委員 そうすると、構造改革実行プログラムにおきまして経常的経費を生むというところは、①の経費削減というところのみになるということが言えます。令和4年度においては7,000万円程度で、令和5年度においては経費削減が2,500万円程度ということで、合わせると9,500万円ぐらいで、予算ベースで言うと、削減するのはそのぐらいの金額ということでよろしいですか。 ○石井構造改革担当課長 実質的に経費の削減ということで、予算額に影響するものはそれに当たると考えております。 ○加藤委員 構造改革実行プログラムが無駄とは言いませんけども、大きな予算削減につながるような財政効果というのは、今のところ見えていないということですけれども、そういった認識でよろしいですか。 ○石井構造改革担当課長 今回のこの資料のとおり、構造改革の実行プログラムに位置付けている事業にも、資料にあるとおり事業費というのもございまして、実行するに当たっても事業費がかかるというものがございます。したがいまして、予算削減に直結するというところは、先ほどの経費削減の部分ではございますけれども、今後、構造改革の取組につきましては、中長期的に財政効果が上がるものと考えております。 ○加藤委員 来年度までに完成させなくて、中長期的にということですか。今年度と来年度、再来年度の3か年って言っていましたよね。それで、中長期的というのはいつぐらいの年月を言っているんですか。 ○石井構造改革担当課長 この構造改革実行プログラムは令和5年度まで、3か年で計画をしておりますけれども、その先、5年、10年という単位で、これは中長期的に財政効果が上がるということは考えております。 ○加藤委員 いずれにせよ、今は検討中ということで、中身が出せないから、ここには数字として現れないということでよろしいですね。 ○石井構造改革担当課長 現時点で、まだなかなか見込めないものもございますけれども、今後、取組を進める中で、財政効果も見ながら推進していきたいと考えております。 ○加藤委員 それでは、次に総務84「次年度予算で計上した新規・拡充事業に係る経常経費の見込み」を御覧ください。総務84です。よろしいですか。 では、御担当からこの資料について御説明してください。 ○森財政課長 総務84でございますが、令和4年度予算に計上しました新規・拡充事業のうち、経常経費化する事業につきまして、経常経費と臨時経費に分けて記載したということでございます。令和5年度につきましても、経常経費と臨時経費の見込みの経費を記載しております。今後、後年度にわたって、単年度に見込まれる経常経費と見込まれるものが一番右端の列、後年度における単年度の経常経費ということで整理をしております。 ○加藤委員 経常経費ということで、後々、後年度に関わる経常経費も出していただいたということで、この臨時経費というのはいわゆるイニシャルコストという認識でよろしいですか。 ○森財政課長 そのようになります。 ○加藤委員 ここで重要なのは後年度における単年度経常経費ということですけれども、これの2ページを見てください。2ページの一番右下、後年度における単年度経常経費の合計値が出ていますけれども、10億4,500万円余、10億円以上が後年度における単年度経常経費として出てくるということですけれども、今度の新規・拡充事業をやると、後々10億円以上が経常経費化する、令和5年度以降は経常経費化していくということでよろしいですね。 ○森財政課長 そのように経常経費として見込んでいく、見込まれるということでございます。 ○加藤委員 先ほども令和2年から令和4年において、経常経費化したものが64億円あって、致し方ないものも含めて、新規事業をやることによって、それが経常経費化いずれしていくという中でどんどん予算が増えていく、年間で必要なお金が増えてくるということで、これも同じような状況になっていくということでよろしいですか。 ○森財政課長 この事業を進めていけば、そのようになっていくということでございます。 ○加藤委員 ちなみに、この新規・拡充事業の中に児童相談所の経費が入っていないように見えますけれども、どうなんでしょうか。 ○森財政課長 児童相談所の運営に係る経費につきましては、当初予算案の概要での整理、記載はしているところなんですけれども、推進事業として整理をしているところでございまして、この総務84につきましては、新規・拡充事業で整理をしている事業をまとめておりますので、この資料にはお示しをしていないということでございます。実際かかってくる経費については、令和4年度に12億6,000万円余、一般財源ベースで7億8,000万円余を計上しておりまして、これがほぼほぼ、翌年度以降も経費として見ていく必要があるということでございます。 ○加藤委員 そうすると新規・拡充事業のほかに推進事業というのもあるということで、それは新規・拡充等事業の「等」に入るということなので、その推進事業をまとめると幾らになるんですか。 ○森財政課長 先ほど一般財源ベースでは児童相談所について7億8,000万円余ということで申し上げましたが、それ以外の推進事業を合わせますと8億1,000万円余となります。 ○加藤委員 そうすると新規・拡充事業に係る経常経費が10億4,000万円で、推進事業は8億1,000万円ということで、後方年度の単年度経常経費はそれら事業を始めると10億5,000万円になるということでよろしいですか。 ○森財政課長 新規・拡充事業の後年度負担、単年度経費が10億4,500万円余で、推進事業の経常経費が8億1,000万円余でございますので、合計しますと18億5,000万円余、約19億円になるということでございます。 ○加藤委員 計算をミスしました、18億5,000万円が経常経費として後年度負担していかないといけないということですね。改めまして、総務41「令和4年度から10年間の財政フレームと主な基金の積立・繰越計画」を御覧ください。 経常経費が後年度18億5,000万円、約19億円ということですけれども、その金額が令和5年度以降に、義務的経費だったら一般事業費に加えられるべきだと思うんですけれども、その19億円程度の金額はどこに入っていくんですか。この総務41を見ると、一般事業費が令和4年度で214億円で、令和5年度も同じ214億円になっていますけれども、この辺の経常経費がどこに加わるんでしょうか。 ○森財政課長 令和4年度の新規・拡充事業や推進事業で翌年度以降に経常経費化していくもの、19億円余と申し上げたところでございますが、当然それはかかってくるというところなんですが、一方で、PDCAサイクルを回していき、行政評価や決算分析による事業の効果検証を行って、新規事業と既存事業の見直しを一体的に行うビルド・アンド・スクラップを徹底しまして、既存の経常経費については当然抑制していく必要がある、努めていくということでございまして、令和5年度以降の一般事業費については横引きということでしたところでございます。 ○加藤委員 令和5年度は、その19億円の経常経費を削れると今おっしゃったんですけど、本当ですか。今まで削れないじゃないですか、ビルド、ビルドばっかりで。スクラップやっていないじゃないですか。19億円のスクラップをするって今言ったわけですよ。ただ、構造改革実行プログラムでは、ほぼほぼ0円。19億円、令和5年度の予算で削れるって、どこにこれまでの区政運営の中で証明できるんですか。どうやって19億円削減するか、おっしゃってください。 ○森財政課長 繰り返しになりますけれども、行政評価や決算分析の事業効果検証、当然ビルド・アンド・スクラップも徹底していく必要があるということで、そういった中で既存の経常経費についてはしっかり抑えるということでございまして、令和5年度予算以降についてもそういう形で進めていくということでございます。 ○加藤委員 今まで、そのスクラップをやってきたなら、それも信じられますけど、今までやれていないじゃないですか。どうやって急にできるんですか、19億円もスクラップが。もう一度伺います。どうやって具体的に進めていくのか、教えてください。 ○森財政課長 繰り返しになりますが、当然、行政評価や決算分析、そこのところでしっかりチェックをし、効果検証を行っていくと。その中で削減できるもの、経費を抑えていけるもの、見直ししていくもの、そういったところはしっかり整理をする、そういうところで既存の経常経費は抑えるということで、取り組みを進めていくということでございます。 ○加藤委員 繰り返しになっちゃうので、次に行きますけれども、本定例会の一般質問において我が会派の大内議員が、区民の暮らしを守るため、財政運営のため、令和4年度予算で最も優先すべきことは何と考えているか伺うとの質問に対して、新型コロナウイルス感染症の影響による経済状況の先行きが不透明であることから、中長期的な視点を持ちながら経常経費の削減や歳入確保、将来に備えた基金への積立と起債発行の抑制にも取り組んだところであるとの答弁がありました。中長期的な視点とはどこら辺に持たれているのか。本当に経費削減や歳入確保とか、その辺のところの中長期的な戦略というのが見えてこないですけど、改めて伺います。 ○森財政課長 当然、新規・拡充事業を計画する際、そういった際には事業の目標年度、どこに置き、事業展開をしていくか、また後年度負担、どういった形で軽減をしていくのか、そういったところを踏まえた事業構築、そういったところは議論したところでございます。また、歳入確保につきましては、債権管理体制の強化などを踏まえての取組、それから将来に備えた基金への積立や起債発行の抑制といったようなことも当然取り組んできたところでして、中長期的な視点ということについて、そういったところを見て予算編成を行ってきたというところでございます。 ○加藤委員 その答弁でなかったわけですけれども、結局、新たに生まれる経常経費というのを考慮していなかったというだけだと思うんですけども、その辺、削減するといってもなかなかできない中で、新たに生まれる経常経費というものにどういう考えがあったのか、そこをお伺いいたします。 ○森財政課長 先ほども少し御答弁申し上げましたが、事業計画を立てる際は、当然後年度負担の経費も明らかにするようにいたしまして、後々の経常経費化ということについて議論をしたといったところはまずございます。当然、先ほども御答弁したとおり、ビルド・アンド・スクラップ、PDCAサイクルをしっかり回していくと、そういったところでの既存事業の経費削減、それから経費抑制、経常経費の抑制ということが必要であると考えておりまして、今後もそういう形で進めていきたいと思っているところでございます。 ○加藤委員 内示のときの話をするのがありか分かんないですけど、予算内示のときに、新規予算を出すけれども、その分歳出抑制できるのかという、新規予算でどういった後年度予算が生まれるのかって質問に答えられなくて、今後整理していきますというふうに言って、それでこの資料、これら資料を作ってもらっているわけですよ。ということは、予算を編成するときには後年度どのぐらいの予算が生まれてくるかというのを、そのときには積算していなかったということじゃないですか。後年度予算がどのぐらい増えるかというのを考えないで新規予算をつくったということですよね。その辺、どうなんですか。 ○森財政課長 予算編成過程において、事業計画を立てる際は当然後年度負担の経費も含めて議論はしているところでございます。今回改めて資料の作成に当たりまして全体を整理しまして、こういう形でお示しをしたということでございます。 ○加藤委員 いや、内示のときには、そういうのはやっていないと言っていたんですよ。予算編成のときに、そういう後年度、後々のことを考えないで新規予算を作っているようにしか思えないわけですよ。歳入が増えそうだからといって、そういうところにバンバンお金を使って、後年度の負担のことまで考えていないというのが今回の財政フレームだと言っているわけです。 時間もあれなので、ここでおさらいというか、まとめますけれども、まず歳入は年間30億円少なくするべきだと見込むべきだと考えています。そして、構造改革実行プログラムによる歳出の抑制は難しくて、ほぼ金額的に言ったらゼロと見ていいと考えております。それに加えて、令和4年度からの新規・拡充推進事業を始めることによりまして、後年度経常経費が約19億円増額されます。そして財政フレームに、経常経費が令和5年度以降入っていないというような財政フレームになっている、削れないと言い切ってしまうのは申し訳ないですけど、今までのことから考えればそうです。そうすると、歳入が30億円少ない、支出が19億円多いってなると、大体49億円、年間不足していくんじゃないかなということが推測されるわけです。しかも10年間。これは、大体50億円ですけれども、小学校1校建て替えるのに必要と言われているのが今52億円と言われていますけれども、それ相当の金額になるわけです。今後1年間に1校建て替える予算、ちょうど小学校の予算というのがないもんだと考えたほうがいいのかなと考えるわけですけれども、新規・拡充事業をやっている場合ではなくて、令和4年度はそれらの計画をある程度見直して、基金をため込むべきだったんじゃないかなと思うんですけども、その辺、中長期的な戦略はどう考えていますか。 ○森財政課長 令和4年度予算で計上いたしました新規・拡充事業は、新型コロナウイルス感染症との闘いを乗り越え、活動を力強く再開し、未来へつなげる予算とするために計上したものでございまして、必要な事業であるということで認識をしているところでございます。将来的には、基金への積立につきまして、将来の施設更新に備えての減価償却費相当、25%相当額を関係する基金に積み立てたほか、財政調整基金への積立も行っているところでございまして、後年度負担も踏まえながら、基金の残高確保にも努めたところでございます。 ○加藤委員 仮定の話もありますけれども、50億円ぐらい見込み差があるんじゃないかというところをしっかりと肝に銘じた予算編成であったべきだと我が会派としては考えているところであります。その辺は、歳入に関しては令和5年度から見込みが甘かったということで変えることは可能かもしれませんけど、来年度予算で始めてしまった新規事業、始める、ものによっては減らせられないんですけれども、児童相談所の8億円というのは削れる費用ではないですし、経常経費として使わないといけないものももちろんありますけれども、それに対して、そういうのも含んだ上で新規予算というのを抑制して、後年度経費というのを減らすべきだったと思うわけです。その辺のところを皆さんには理解していただいて、予算に対する質疑を終了いたします。 それでは、中野区のDX戦略についてお伺いいたします。ちょっと時間の都合上、どこかで変わっちゃうかもしれませんけど、よろしくお願いします。 戦略という言葉を使わせていただいているので、戦術的な細かい話ではなくて、抜本的にどうやって改革をしていくかというような観点から質問をさせていただきます。 まず、働き方改革やMS365の活用についてお伺いします。新庁舎整備を契機とした行政事務のDX推進を実現するためにMS365の導入が令和3年12月に決定しました。MS365については、民間企業や自治体においても導入が広がっており、私自身も個人的に使用しておりますけれども、保有する機能面において、チャット・ウェブ会議などによるコミュニケーションの円滑化、ペーパーレスの推進、ファイルの共同利用や会議メモの自動作成、音声認識機能など、主たる機能だけ考えても業務の効率が上がっていくと想像できます。一方、構築経費で約5億円、年間ランニングコストで約3億円を見込んでいるところです。これだけのコストをかけてMS365を利用する以上、期待する効果は行政事務の効率化のみならず、やはり職員の働き方改革に資するものでないといけないと捉えております。DXの推進は、あくまで働き方改革の一手段にすぎず、DX推進が目的になってはいけません。 そこで、区はMS365の利用について、働き方改革の視点で見たときに、どのようなメリットが生まれると考えているか、お伺いします。 ○白井情報システム課長 新庁舎におきましては、MS365の導入やネットワーク環境、端末類の整備と併せまして、端末で電話を受発信できる機能を実装することにより、ウェブ会議によるコミュニケーションの迅速化・円滑化やテレワークの推進による柔軟な働き方の実現等のメリットが生まれると考えております。また、職員は組織横断的なプロジェクト型の働き方を実践することで、これまでの業務にかかる時間を縮減させ、生み出した時間は直接の支援を必要とする区民へのより丁寧な対応や政策の充実に向けた検討に充てるなど、さらなる区民サービスの向上につなげることができると考えてございます。 ○加藤委員 いろいろメリットはあるとは思いますけれども、職員等いろいろ取材している中で、MS365日って何ですかとか、何だそれみたいなぐらい、MS365が庁内でこれから使われるということを認識していない理事者もいらっしゃるようなので、担当課だけじゃなくて、全庁的にしっかりと普及をするというプロモーションをかけてもらわないと、変わったときに大混乱が起こる、もしくは全くツールを使いこなせないということが想定できますので、しっかりとやってください。 先般の我が会派、大内議員の一般質問における答弁において、DXを進めるに当たって専門的な知識や様々な経験を持った先進的な事業者と区とのDXを推進することを目的に協定を締結することを検討しているとの区側の答弁がありました。情報政策等調査特別委員会にて12月に行った愛知県の視察においても、先進企業と組んでDXの推進を図っていくことは、行政側、事業者側、双方にメリットのある取組であると感じるところです。しかしながら、DXの推進を目的に協定を結ぶに当たっては、区のDXを共に進められる事業者でなければ、その意味もなく、行政事務の効率化のみにとどまらず、区民サービスの貢献もままなりません。 そこで、具体的にどのような内容を盛り込んだ協定とすると考えているか、伺います。 ○白井情報システム課長 協定の締結に当たりましては、効果的な内容を盛り込む必要があるということは認識をしてございます。詳細につきましては、相手先となる事業者との今後の協議などを踏まえたものにする必要がございますが、行政事務のデジタル化や業務改善、職員のICTスキルの全体的な底上げや専門人材の育成と確保、ICTを活用した区民サービスの向上などをテーマとした協定を結びたいと考えてございます。具体的には、モバイルワークの環境の構築と窓口や現場での活用、職員の働き方改革への意識向上に関する取組や行政分野におけますICT人材の育成と確保、情報発信における多様性の対応などの分野で協働できる事業者との協定を考えてまいりたいと検討してございます。 ○加藤委員 MS365の導入がDXの推進だけではないんですけれども、新庁舎において、庁舎を一から建設整備をするため、この機会に最適なネットワーク環境や会議環境を整備することが可能であると考えます。一方で、全庁でDXを進めていくという観点からすると、環境整備が新庁舎内にとどまってはいけないと考えます。区全体で取り組むことが可能な環境整備が必要となります。庁外施設においてはMS365を導入するのか、また、庁外施設のネットワーク環境についてどうやって整備を進めていくのか、伺います。 ○白井情報システム課長 庁外施設におきましても、新庁舎整備と同時期にMS365や対応端末の導入を行い、環境整備を進めていく考えでございます。なお、外線電話に関しましては、庁外施設につきましては従前の電話機での対応となることや、当面は有線LAN環境での運用となりますことから、新庁舎における環境とは違い、固定電話であったり、固定席の義務となるなどの制約は発生するものと想定をしてございます。当面は各庁舎に既に配備しております環境の活用やモバイルルーター等を活用しつつ、新庁舎移転後の検証等も踏まえまして、庁外施設のネットワーク環境の在り方については引き続き検討してまいりたいと考えてございます。 ○加藤委員 令和3年の第4回定例会の私の一般質問で、各所管でテレワークを推進し、BCP、出産・育児、条件付き病気休暇について、在宅勤務がしやすい環境をつくるべきだと考えるとの質問をしました。区の答弁は、テレワークの本格実施に向けて推進していきたいとのことでしたけれども、あまり具体的な答えではなかったんです。このたびMS365を導入するとしたことで、テレワークが可能な執務環境は一定整備されると考えますが、一方で、テレワークが可能な環境にするという道具がそろったとしても、区の職員が使いたい、使うという職員の勤務に関する制度がないということで、活用しようがありません。今後、区としてはテレワークを推進していく中で、さらに活用を図ろうとした場合、現在の区の制度面ではどういったことが課題となっているのか、また、新しい働き方に対する制度の検討についての進捗状況についてお伺いいたします。 ○中谷職員課長 テレワークの本格実施に向けて推進をしていくに当たりまして、制度面の課題としては、半日単位の取得を認めるかといったことや、超過勤務や通勤手当の取り扱いをどうするかといったことが課題となってございます。東京都など、既にテレワークの実績が多い自治体の制度を参考にして検討は進めているところでありまして、ハード面の環境が整い次第、本格実施を開始できるように制度面の整備も進めているところでございます。テレワークの有効な活用が進むように、職員が利用しやすい制度とするよう検討を進めていきたいと考えています。 ○加藤委員 例えば、半育休みたいな質問を前回定例会でさせていただいたんですけど、そういったものもできるんですか。半分働いて、半分育児しているみたいなことは、なかなか難しいんですか。 ○中谷職員課長 休暇との組み合わせみたいなことはできるかとは思うんですけれども、半日単位の取得の場合には、通勤時間と勤務時間をどういうふうに認めるのかとか、管理上の難しさといった課題があるので、なかなか実現は難しい部分もありますが、検討は進めていきたいというふうに考えています。 ○加藤委員 先ほど東京都の事例を挙げられましたけど、東京都は緊急事態宣言時のときに求められた4割出勤みたいなところを実現したわけで、制度的に既にあったのか、どうやって運用していたのか、ちょっとその辺のところを教えてください。 ○中谷職員課長 制度上、詳細の部分の整備は進まない中でも、運用上、取得しやすいような半日勤務のようなものも認めていたというふうに聞いてございます。 ○加藤委員 なかなか難しいでしょうけど、運用の範囲でいろいろできるように制度のほうをつくっていただきたいと思います。 次に、令和4年度から総務部内にDX推進室を設置することになっています。働き方改革に資する道具の面については、新庁舎のレイアウトや窓口配置、MS365の導入など、方向性が示されておりますが、一方で、これを活用するための区の制度面については、その変化があまり外からは見えません。先般の一般質問において、中村議員の多岐にわたる横断的な区のDXの取組について、どのような検討・実施体制で進めていくのかとの質問に対して、新庁舎整備を契機としたDX推進による働き方、行政事務の効率化については、総務部内にDX推進室を組織して推進していくとの答弁がありました。働き方改革の視点で見たとき、総務部にDX推進室を設置することはどのような効果を見込んでのことなのでしょうか。また、区の目指す働き方改革とはどういったものなのか、総務部長にお伺いします。 ○海老沢総務部長 業務の効率化を進める上でペーパーワークを削減していく、職員の移動時間を削減していく、組織横断的なコミュニケーションを円滑にしていくと、主にこの3点が大きな要素になるというふうに考えるところでございます。業務の効率化は、職務が増加する中で職員定数を一定維持していく上でも大変重要なことだというふうに認識を持っております。例えばでございますけれども、立案から契約、実施、検査、支払い、そして監査と、こういった一連の業務の流れについてでございますが、複数の組織が連携して行っているというところでございまして、これをペーパーレスで事務処理ができるとなれば、多くの職員の作業時間の削減につながるというふうに認識を持っています。新区役所の移転を契機といたしまして、これを推進していくに当たりまして、業務の執行を統括する総務部が中心となってDXの改革を担っていくということが必要だというふうに考えております。 また、先ほどお話がありましたテレワークの推進などによる移動時間、職員の移動時間の効率化につきましても、システムの導入と職員課が担う職員管理制度を一体的に進める必要があるというふうに考えておりまして、職員が働きやすい取組を目指してまいりたいというふうに考えております。 ○加藤委員 まだ何も組織ができていないので、具体的なところまで言及できないとは思いますけれども、新区役所ができるまでにしっかりと整備、その辺、進めていただきたいと思います。 ここまでは区の働き方改革やDXの推進体制について伺ってきましたけれども、先ほど予算のところでもお話ししましたけれども、構造改革実行プログラムにおいて、令和4年度は人件費相当として1億3,000万円余りが見込まれるということを紹介させていただきましたけれども、あくまでデジタルシフトによって生まれた時間を人件費相当に換算しただけで、予算上その分が削減できるわけではありません。なので、そこでしっかりと財政効果として生まれた時間というのがどういうふうに生かされるのか、デジタルシフトによって生まれたこの果実をどのように働き方改革として生かしていくのか、構造改革の担当からお伺いいたします。 ○石井構造改革担当課長 構造改革実行プログラムにおけますデジタルシフトの取組によりまして、今御案内のあったとおり人件費相当の財政効果、これが見込まれます。主に、ペーパーレスの推進と、また、区立保育園におけるICT化、こういったものが挙げられるところでございます。まず、ペーパーレスにつきましては、各種の申請手続や庁内事務におけるペーパーレス化、これによって業務が効率化されますので、職員は政策や事業の企画立案に注力ができるということもあります。また、超過勤務の縮減という実質的な削減効果もあるというふうに見込んでいるところでございます。また、区立保育園のICT化につきましても、登校園の時間管理等の電子化によって業務の負担軽減を図るというものでございますので、生み出された時間につきましては園児と接する時間に充てるといったようなことで、さらなる区民サービスの向上につながるものと考えております。 ○加藤委員 通告はしていないですけど、言ってもやっぱり予算に反映できない、つまり人件費を削減できないのは分かるんですけど、新規の職員の採用数を抑えるとか、そういうふうには変わっていかないんですか、ここの財政効果というのは。 ○中谷職員課長 財政効果といいますか、改善によって生み出される効果を積み上げていくことで、超過勤務の削減とかという部分には割と分かりやすく反映できると思うんですが、具体的に採用者数の減少までというところまで直接的にできるかというと、なかなか難しい部分があるのかなと思います。要は全庁的に、例えばDXの効果というのは、2,000人で生み出していくものだとすると、1人当たりに貢献できる業務量の削減効果というのは少しずつになってきますので、それを寄せ集めれば何人分となりますけれども、単純にその分、定数削減できるかというと、なかなか難しいのかなというふうには考えています。 ○加藤委員 ある係で人一人分をなくすほどの効果はないということですかね。ちょっと時間がないので次へ行きます。ありがとうございます。 次に、自治体の情報システムの標準化・共通化についてお伺いします。今年2月の読売新聞によると、令和4年2月8日、公正取引委員会は国や自治体が発注する情報システムに関する調査報告書を公表しました。既存のIT事業者がデータ引き継ぎなどを拒否するなど、新規業者の参入を妨害する契約の囲い込みが独占禁止法に抵触するおそれがあるとの指摘でした。行政システムで特定業者が受注を繰り返すことが問題となっており、国や自治体の約99%がシステムの改修や更新時に既存業者と再契約をしたと答えました。そのうち約半数が既存の業者しかシステムの詳細を把握することができないと回答しております。行政のデジタル対応が求められる中で、公正取引委員会はほかの業者の参入を妨げるベンダーロックインと呼ばれる状況を問題視し、業者にとっては一旦受注すれば保守や修理時でも稼ぐことができるといった記事です。独占禁止法に抵触するおそれがあるとの内容でもあります。 中野区においても、基幹システムの標準化・共通化を約20のシステムについて令和7年度までに進める必要がありますが、対象となるシステムが同様の状態になっていると考えますが、いかがでしょうか。また、情報システムの標準化・共通化をすることで、そのベンダーロックの状況を打破できると考えますが、いかがでしょうか。 ○伊東住民情報システム担当課長 住民基本台帳や児童手当、国民健康保険など、基幹系の業務に関わるシステムにつきまして、区では原則としてオープン調達を行っており、ベンダーロックインの状態になっているとの認識はございませんが、国が示しております自治体情報システムの標準化・共通化の意義や効果は、行政サービス及び住民の利便性の向上、行政運営の効率化、コスト削減、そして委員御指摘のベンダーロックインの解消でございまして、区としてもそのようなことを踏まえまして標準化・共通化の取組を行っていく考えでございます。 ○加藤委員 ちょっと私の昔話になっちゃうんですけど、国土交通省に勤めていたときにCommonMPというシステムの構築業務をやっていました。CommonMPというのは建設業界において気象・河川・上下水道をモデル化して洪水の予測化とかをするんですけれども、そういったもののシステムの標準化・共通化を狙ったものでした。河川の計画を作成する場合には、統計学上から想定される降雨、雨を設定して、洪水予測モデルで河川流量、被害想定などを算出します。しかし、この洪水予測モデルは建設コンサルタント、事業者によってそれぞれ独自に開発しておりまして、完全にブラックボックスで、同じ想定の降雨を入れても、コンサルがつくるモデルによって答えが異なるというのが大問題でした。コンサルの計算結果によって国家予算1兆円規模の河川整備事業費の109ある一級河川の割り振りが変わってしまうからです。そこでシステムの標準化・共通化のためにシステム開発をしたんですが、結果的に失敗に終わりました。というのは、最大の要因が、ベンダーロックが発生する理由がコンサルの事業者、囲い込み側の話だけでなくて、その事業者と慣れ親しんでしまった行政サイドの職員が、事業者を変えたくないという身内の問題だったからです。新たな事業者と洪水予測のモデルをやって、違う答えが出てしまって、例えば過去の計画を再現できないまま新たな計画を作っても、その新しい計画に対して信憑性がなくなってしまうから、住民に対して説明責任が果たせなくなると考えたからです。ほかにも、著作権の問題などもありましたけれども、本省からかなり圧力がかかったにもかかわらず、変わることはなかったです。発注担当者がプロポーザルで事業継続性に焦点を当てた技術提案をさせれば、結局、ほぼ間違いなく同じ業者が取れることになります。 話を戻しますけれども、せっかく自治体の情報システムの標準化・共通化を国が進めて、ベンダーロックを外すチャンスができても、担当職員自体が新たなロックを自らかける可能性もあるわけです。というのは、国の標準とは関係なく、例えば保育園の利用調整基準とか、中野区独自で試算するシステムを設ける必要は今後も続くわけで、区独自のシステムをつくり続ける限りはベンダーロックがかかる可能性があるわけです。はっきり言って、そんなシステム、大したものではないですけれども、事業者によってはこのシステムをブラックボックス化されると、情報システムに弱い発注担当者によっては、そこに恐怖を感じて、新たな事業者に入られることを拒むようになることも考えられます。結果的にシステム関連に関する費用の圧縮できるチャンスを自らつぶす可能性すらあります。 話が長くなりましたけど、システム構築、維持管理の発注する際に、ベンダーロックがかけられないように情報システム課等の職員によくよく仕様書などを精査してもらう制度が必要と感じますが、区はいかがお考えでしょうか。 ○白井情報システム課長 区では情報政策の推進に係る規則におきまして、情報システムの管理を計画的・効果的及び効率的に行うためにCIO体制を整備し、調達ガイドラインにのっとり運用をしているものでございます。導入するシステムで実現すべき機能要件を備えているか、構築・運用経費の妥当性、情報安全の確保等の視点を持って確認するとともに、ベンダーロックインとならないよう、競争性を確保した仕様書となっているか、新規・リプレイスの案件にかかわらず、システムの調達時においては必ず精査を行う運用としているものでございます。 ○加藤委員 こういったシステム構築業務は仕様書が命ですから、その辺の仕様書にいろいろな成果物だったり、プログラム総数がちゃんと見れるような形でやってくように、仕様書策定に努めていただきたいと思います。 次に、マイナンバーの普及についてお伺いいたします。 令和3年度区民部の事業概要を見ますと、マイナンバーの交付は平成30年度1万2,000件余り、令和元年度13万件余り、令和2年度35万件程度、そしてマイナンバーを使った証明書のコンビニ交付は、平成30年度2万8,000件余り、令和元年度2万5,000件余り、令和2年度4万1,000件余りとなっております。これらの数字から、もしマイナンバーカードを80%ぐらい取得した場合に、証明書の発行数が14万件ぐらいになるかなというふうに私のほうで試算しましたけれども、区が現在発行する証明書全体が40万件なので、3分の1ぐらいをコンビニ交付でカバーされるのかなというふうに考えます。8割というのも、ワクチンの取得と、その辺の数字が妥当かなというので勝手に決めた数字ですけど。なので、コンビニ交付の認知度が高まれば、さらにそのカバー率は増えるのかなと思います。どう考えても、明らかに事務作業が軽減することは分かっておりまして、委託の人件費を圧縮し、予算削減できる、財政効果が見込めると考えられます。マイナンバー取得率を向上させることで財政効果が生み出せるのであれば、国が交付事業を進めている中で、マイナポイント最大2万円のキャンペーンに、さらに中野区が上乗せで何かできないかなというふうに考えますけれども、そこで伺いますけど、マイナンバー普及による財政効果について算定されているようだったら、お聞かせください。 ○伊藤戸籍住民課長 マイナンバーカード交付率の伸びに伴いまして、コンビニでの証明書交付数は飛躍的に増加し、令和3年度の交付数は1月末現在、約5万6,000枚となってございます。一方で、無料による証明書の発行のほか、相続に伴う除籍謄本の発行や郵送による証明書の発行など、コンビニ交付サービスでは対応できない証明書の申請も依然として残ってございます。また、令和5年度には戸籍証明の広域交付も開始される予定でございます。今後、コンビニでの証明書交付数が伸びていけば、必然的に窓口業務量が減っていくことが想定されるため、委託業務において必要な見直しを検討してまいりたいと考えてございます。 ○加藤委員 窓口の業務量が減るということで、その辺は検討すべきところだと思います。もしその財政効果、積算して、その効果が大きいというのであれば、その財政効果に生まれてくる経費削減の、生まれてくるお金の中で区独自の交付キャンペーンなどを打ってもいいのかなと思います。昨年12月に情報政策等調査特別委員会で行った袋井市では、マイナンバーカードを取得すると抽選で5,000名が5,000ポイントもらえるキャンペーンを自治体独自にやっていました。結果的に5,000円当たるというところだったんですけど、3,800人ぐらいだったかな、全員行かなかったので抽選することはなかったですけども、自治体がそういった抽選をするということも一つの手法であるということを学ばせていただきました。そもそも国のほうで2万ポイントあげると言っているので、ここで5,000ポイント加えたところで、なかなか伸びはないだろうなというところで、思い切って10万ポイントぐらいつけて、それが抽選で当たるぐらいのことを考えてもいいのかなというふうに考えております。その際には、不公平感を与えずに、取得というよりは、コンビニ交付した証明書を送ると当たるとか何か、コンビニの利用も実際に行ってもらった人に当たるような、そんなキャンペーンもやってもいいのかなと思います。これは質問にしませんけれども。 新庁舎では、訪問した区民が受付を1回で済ませられるように共通発券機を設置するということですけれども、区民が各フロアに移動しなければならないため、結局はワンストップとは言いがたい状況になっております。最近、新庁舎を建てた渋谷区では、ワンフロアとはいきませんけれども、2フロアで完結するように設計されております。ワンフロアがめちゃくちゃ広いというわけではないですけれども、一つの課の窓口業務をそれぞれ窓口とそれをフォローするバックヤードの業務に分けて、フロアを窓口とバックヤードをする階を変えているということで実現しているわけです。DX推進がなされれば、同じフロアにおわらずともできることは増えるということで、そういったことを踏まえてのレイアウトというのも考えられると思います。現在の体制だと、結局その課でまとまって仕事をやりたいという職員側の意思、職員ファーストの体制が区民に負担を強いているとも言えるわけです。現在、中野区の戸籍住民課の窓口では、窓口の後ろの2列目の職員が証明書の申請書、手書きで書いてもらった申請書を2列目の人に入力してもらうという業務があると聞いていますけれども、そこで担当にお伺いしますけど、窓口やバックヤードの改善について他自治体などの先進事例がどんなものがあるか、お伺いいたします。 ○伊藤戸籍住民課長 他自治体での先進的な事例については、御紹介の渋谷区のほか、会津若松市やつくば市の事例を把握してございます。会津若松市やつくば市では、市民にタブレットやスマートフォンでの申請を行っていただくことで、市民は申請書を書かずに証明書の交付を受けられてございます。また、これらの市では、申請書データを電子データとしてシステムに取り込むことで、手入力の業務を不要にしてございます。 ○加藤委員 2列目というのをタブレットで入力してもらうことで、書いているものを入力する2列目みたいなのは要らなくなる、かつ3列目とでも言えばいいですかね、奥のほうで確認作業というのもありますよね。それもMS365を入れれば、ある程度、作業を減らせられるのかなと。つまり、2列目、3列目をわざわざ窓口に置かなくてもできるんじゃないかなというふうに考えられるわけですけれども、そういったいろんな事例を含めて、中野区は今後どうやって取り組んでいくか、お伺いいたします。 ○伊藤戸籍住民課長 区でもこのような先進事例を研究しながら、様々なシステムを活用して、区民サービスの向上と効率的な業務に向けた改善への取組を行ってまいりたいと考えてございます。 ○加藤委員 こういった取組は戸籍住民課以外でもいろいろと、他自治体の事例を含めて進めていただきたいと思います。この項については終わります。 最後に、統合型GISオープンデータについてお伺いいたします。令和5年度に向けて、区では統合型GISを構築します。GISとは地図データをベースに、図面情報や位置情報を地形図や住宅地図などに組み合わせて、用途に応じて必要な形で参照や抽出が可能となるものです。主にGISによって管理するデータは、都市計画図、道路現状平面図、道路判定図など多岐にわたっています。一方で、中野区の保有するデータは都市計画図や道路判定図を中心に、いまだ紙媒体での運用となっております。現在、紙媒体で運用しているデータは今後デジタル化をしていくわけですが、都市計画課、道路課、建築課などが抱えている情報は、紙媒体が何十万枚にもわたる膨大な量になっていると聞いております。これまでに当該の原図を何度か私、拝見させていただいたことがありますけど、かなりの量の変更点や注意点など、その地図の上に書き込みがなされているわけですね。これらの附帯的な、かつ継承が必要な情報もデジタルデータに変換がしっかりとなされるのか、非常に不安に感じるところであります。また、今後生き字引とも言える職員の方の退職も控えているとも聞いております。建築許可や道路判定といった業務は、長年の経験に裏打ちされた部分が強くあると思っていますが、行政である以上、定年退職等による人材の流出は避けられるものではなく、積み重ねてきた技術や知識の継承が必要となってきます。統合型GISへのデータ取り込みは、ただ行うのではなく、これまで職員が連綿とメモなどをしてきたその内容や更新履歴などの保有も必要になります。次年度以降、統合型GISへの取り込みを前提とした各種紙データの電子化をかなりの予算を持って行うこととしていますが、こういった課題に対応する内容となっているか、お伺いいたします。 ○小山内建築課長 道路判定については、僅かな違いでも問題化することがあり、根拠を示すため、これまで蓄積された資料やメモ等を保存してきたところでございます。今後、統合型GISの導入に当たり、これらの電子化された資料等をきちっとひもづけることにより、これまでの経験や知識が活用されていくことと考えております。 ○加藤委員 引き継ぎをしっかりとできんのかなという、誰とは言いませんけど、いなくなることを本当に懸念しているわけですけども、本当に大丈夫ですかね。 ○小山内建築課長 今回の例えばひもづけのデータにつきましては、私ども建築課としては数年前から準備を進めておりまして、きちっと整理された資料で、きちっとひもづけをしていきたいということで、来年度の予算の中でもそういったことができるよう、きちっと仕様書をつくっているところでございます。 ○加藤委員 ありがとうございます。またちょっと国土交通省にいたときの話になっちゃうんですけど、10年前に気象レーダーシステム開発をしておりました。この気象レーダーの情報は、皆さんが今多く使われているスマホアプリの雨雲レーダーなんですけれども、厳密に言えば、私が開発していたのは気象レーダーで、1分ごとに250メーターメッシュで観測された降雨、雨の情報で、この予測、その後、何分後にこのぐらい降るという予測のところに関しては、とった降水量観測データを基に気象庁が気象モデルで予測したもので、この観測データと予測データを合わせて高解像度ナウキャストという形でデータセットになっております。このデータは一般社団法人をかまして国が販売しているものです。国土交通省は、この情報を当初、自前で情報発信しようとも考えたんですけど、これだけいい情報だったら民間が勝手に広めてくれるんじゃないかなということで販売にいけました。自前で情報発信を試みようとも考えて、私もやっていたんですけど、レーダーで得られた情報はあくまで、その座標情報と降雨の情報だけで、ここから地図と重ね合わせたり、いろいろ、すごい大変だというのが分かったんで諦めました。情報公開をしたんですけれども、ちょっと時間はかかりましたけど、今、スマホの所有率が向上したり、民間の御努力もありまして、誰もがスマホで見れる情報になっていったという話です。 何が言いたいかというと、今後の統合型GISやオープンデータの充実に当たって、自治体のシステムの標準化・共通化で整理させた区民情報のデータベースなど、その辺は個人情報をマスキングする前提ですけれども、官民データ活用推進基本法に基づいた運用も可能になると考えています。これらが実現すると、すごいことになるのかなと。中野区もうこういった売り物にするぐらい、いいオープンデータをつくろうという気概が必要なのかなというところで、その辺のオープンデータに、ビッグデータを整理することによって、例えばこういった情報が医療の政策に役立つとか、そういったことも誰かが研究してくれるかもしれないというふうに考えます。 そこで、戦略的にオープンデータの開発をすることが必要と考えますけれども、区はどのように考えているか、お伺いします。 ○白井情報システム課長 令和5年度の公開型GISの構築・運用開始に向けまして、オープンデータの種類でありましたり、システムでより活用が図りやすいデータ形式の拡充を考えているところでございます。国が示す推奨データセットにつきましては、既に区としては公開済みでございます。段階的にデータの公開数を現在は増やしているところでございますが、今後につきましては区民や事業者の利用実績でありましたり、ニーズを把握・検証しながら、需要の高いデータを中心に、さらなるオープンデータの充実を検討してまいりたいと考えてございます。 ○加藤委員 ありがとうございました。最後に、また予算の話を言いますけれども、歳入の見込みが甘いということと、そして経常経費がこれから増えるような新規・拡充推進予算があるにもかかわらず、しっかりとその辺の経費削減についての検討がなされていないということを非常に危惧しているということをお伝えさせていただきまして、私からの総括質疑を終了させていただきます。ありがとうございました。 ○ひやま委員長 以上で加藤たくま委員の質疑を終了します。 次に、白井ひでふみ委員、質疑をどうぞ。 ○白井委員 令和4年第1回定例会予算総括質疑におきまして、公明党の立場から総括質疑を行わせていただきます。質問項目は通告順に従い、2の施政方針説明についての(5)のその他についてはありません。最後の6のその他については、東中野駅西口線路沿いの桜並木についてと上高田四丁目の上高田団地の建てかえについてを予定していますが、残時間で判断したいと思います。恐らくなかなか難しいかと思います。 それでは、今回は前振りなしで、時間がいっぱいですので、伺ってまいりたいと思います。 1、令和4年度予算案について伺ってまいります。 私のほうでは、先ほど加藤委員のほうから細々とデータの、いわゆる財政分析を中心にお話がありました。もっとシンプルにお伺いしてみたいと思います。予算規模、財政認識、構造改革、この点に絞ってです。この項では、総論として予算規模を中心に伺ってまいりたいと思います。続いての各論については、我が会派の久保委員に引き継いでまいりたいと思います。 まず、コロナ禍において、初めて議会において行われた区長の令和2年の行政報告を振り返ってみたいと思います。内容は皆さん、こちらの内容です。それと今回の施政方針説明、これを対比すると、一体何の変化があるのかというと、区がどういう認識なのかっていうのが見てとれるかなと思っています。 新型コロナウイルスの猛威は、遡ること令和元年の年末から我が国に既に不安の影を落としていました。年が明け、令和2年の年始段階から、中野区においても感染拡大の影響が見られるようになり、その後、感染拡大の度合いが一気に増す深刻な状況となりました。令和2年の春には中野区内の医療機関において、陽性者の感染率ではこの段階では国内最悪の院内感染の事例、クラスターが起こり、我が会派として都議会公明党と連携して都へ医療支援チームの派遣要請や、東京都選出の公明党国会議員と連携し、厚生労働省へクラスター班の早期の派遣要請を行ってきたところです。未聞の危機的な感染拡大の状況の中、中野区議会において区長が非常時にある区政運営について正式な説明がなされないのはいかがなものか、区政運営についての報告をすべきであると主張してきたところです。 秋になり、9月の中野区議会第3回定例会において、ようやくコロナ禍の感染拡大状況下の区政運営についての行政報告が行われました。それが先ほどの報告内容です。この9月の行政報告の中において、経済の状況についてもV字回復とはいかず、3年から5年をかけてようやく元の水準に戻るという予測もあり、極めて慎重な財政運営が必要です。 財政調整基金の令和元年度年末高は279億円、そのうち年度間調整分は165億円であり、基金を活用した財源対策の限界も見えていることから、これまでのような財政規模を維持していくことは難しい状況であり、財政的な非常事態と言わざるを得ないと認識しますと、ここで財政的な非常事態との認識を示されました。区はその後ずっと財政的な非常事態との認識を継続されているところです。2年です。 また、同行政報告では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う社会経済情勢の変化に適応した行財政運営を実現するためには歳出の抑制が不可欠、経常経費の削減に踏み込んでいかなければならない状況にあり、その場合には区民サービスへの影響も避けられない、行財政の構造そのものを見直していく必要がある、また、何度も何度も行財政運営のために構造改革が必要であると訴えられていたのがこの行政報告です。 今般の施政方針と読み比べ、令和4年度の予算案を見たときに違和感を私は覚えました。一番は財政認識です。それから、令和4年度の予算規模です。そして構造計画、この三つについて示されていますけれども、この点についてもう少しお話を伺っていきたいと思います。 初めに、中野区の財政認識からお伺いしたいと思います。中野区の財政認識、今申し上げました財政の非常事態と言わざるを得ないというお話が続いております。今も変わらず、この認識なのでしょうか。何度も質疑はされていますけれども、改めてお伺いをいたします。 ○森財政課長 財政認識でございますが、令和3年度の決算見込みや令和4年度予算におけます一般財源の状況は、当初の想定よりも上振れの見通しであって、好転しているものと捉えているところでございますが、しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う景気の下振れリスクは依然としてありまして、不透明な経済状況には変わりないところでございます。引き続き緊張感を持って財政運営に当たる必要があるという、そういう認識でございます。 ○白井委員 不透明、今も表現がありましたけれども、今回のこの施政方針説明にある財政の非常事態という言葉が一言も出てこないんですよね。だけど認識は今も、繰り返しますけど、変わっていないんですか。歳入が増えたけど変わったのか、歳入が増えても先行きが不透明だから変わらないというのか、どちらになりますか。 ○森財政課長 不透明な経済状況に変わりないということでございますので、そういった認識は変わっていないということでございます。 ○白井委員 先に結論を言うのもあれなんですけど、先行き不透明なんていうのはいつの時代でもそうなわけで、どこかで判断基準を設けていかないと、一体どこで財政認識というのを見直すこととなるのかなと思います。最終的にここをもう1回聞きたいと思います。 経済の、このときにもここを言っていますね、先ほども言いましたけど、経済の状況についてもV字回復とはいかず、3年から5年をかけてようやく元の水準に戻るという予測もあり、極めて慎重な財政運営が必要です。このときも財政運営、極めて慎重なとまで表現されているんですよ。今、同じ表現ですよ、前回と。財政調整基金の戻り高の話も先ほどしました。この状況の中で、必要だって言われたのが構造改革のお話です。 今回は、景気の先行きは不透明である、また、緊張感を持った区政運営が求められていると言うんですけども、比較すると、本当に財政の非常事態という言い方にはたがが緩んできているんじゃないかなと思います。 一方、令和2年度にはこうも言っていました。財政的な非常事態と言わざるを得ない、財政的な非常事態にかんがみ、この財政的な非常事態を乗り切るためにはというふうに、財政の非常事態、何回も何回も言葉だけでも出てきます。今回、一度もありません。財政認識を変えないというのはどうかなと思うところです。 次に、予算規模について伺っていきたいと思います。令和4年度予算案の一般会計の予算規模の総額を中野区始まって以来の過去最高の予算規模とした理由を伺います。積算、積み上げたら過去最高になったじゃなくて、何でこんな財政の非常事態だという宣言をされておきながら、継続されておきながら、過去最高の予算規模となっているのでしょうか、お尋ねいたします。 ○森財政課長 令和4年度予算につきましては、重点事項といたしまして新型コロナウイルス感染症対策と様々な活動の支援策、基本計画で掲げる重点プロジェクト、区有施設設備計画に基づく施設整備、構造改革実行プログラムに基づく取組及び新庁舎移転を見据えた業務改善等に対しまして、限られた財源を優先的に配分したところでございます。一方で、経済状況、先行き不透明ということで、中長期的な視点を持ちながら、経常経費の削減や歳入確保、将来に備えた基金への積立と起債発行の抑制にも取り組んだところでございます。新型コロナウイルス感染症との闘いを乗り越え、活動を力強く再開し、未来へつなげる予算とするため編成を進めてきたところでございまして、そういったことで過去最高になったということで考えています。 ○白井委員 予算規模をなぜ過去最高としたのかという質問になると、やっぱり積み上げるとこの数字になった、これが必要だとおっしゃるんでしょう。僕から言うと、非常に厳しい財政非常事態と言っておきながら、何で過去最高規模の予算を組むんだろうとシンプルに疑問です。 ちなみに、当然それだけでは予算が組めなくて、一応財政運営上のルールがあるので、この4年間は特に歳入一般財源規模と歳出、それから基準額、財政調整基金からの繰入金額について、私は取組が迷走しているって、こういうふうに思っています。4年間、コロナ禍前からのを含めて、この区の財政運用の取組についてを一つひとつ事例を挙げてお伺いしたいと思います。 ○森財政課長 過去4年分につきまして、歳入一般財源規模、それから歳出、基準となる一般財源規模の基準額、財政調整基金からの繰入金額について申し上げます。平成31年度につきましては、歳入が774億円、歳出のほうは759億円で、基準額は710億円ということで、財政調整基金からの繰入れは49億円でございました。令和2年度につきましては、歳入のほうが784億円、歳出のほうが744億円、基準額は750億円でございまして、基金からの繰入れはございませんでした。令和3年度につきましては、歳入が712億円、歳出が736億円で、基準額は687億円でございまして、財政調整基金からの繰入れは49億円でございました。今回お示ししております令和4年度でございますが、歳入が803億円、歳出のほうが761億円、基準額は687億円でございまして、基金からの繰入れは74億円でございます。 ○白井委員 今、令和2年度だけ聞いていると、いわゆる基準額が750億円と定めて、歳出が744億円だから、さも収まったかのように聞こえるんですけども、前年度の基準額が710億円としたものをいきなり750億円にしたんですよね。しかも、これは後から報告があった、委員会に。本来であれば、財政規律だというのであれば、基準額を明らかにした上で予算を組んで、さあ歳入歳出、どう調整するのかだと思うんです。予算が決まってから委員会報告されたら、それって後出しじゃんけんと同じで、絶対収まりますよね、基準額に。あらかじめ決めていたんだよって言われても、はてはて本当に決まっていたかなって思います。一方、翌年、今度は750億円はやめちゃうわけですよ。令和3年度は680億にガクンと下げてしまう。そうすると、また同じような財政調整基金からの繰入れが始まって、今御説明だと令和4年度、今回はこれまでにない財政調整基金の繰入れを行っています。74億円です。こんなに繰入れをもはややるとなると、適正な予算規模とか基準というのが、もしくは財政運営上のルールというのが本当にあるんでしょうかって言いたくなります。それでも、区が自ら決めたルールというのを私たちはちゃんと適正に守っていると言える財政運営となっているのか、区の見解をお伺いいたします。 ○森財政課長 今回の財政運営につきましては、まず基本計画のほうでお示しをしております新型コロナウイルス感染症の影響によりまして経済状況が不透明であると。また、一般財源の見通しも令和2年度当初予算の水準に戻るまで10年以上を要するといったようなことで、基本計画のところでは、これまで同様、基準となる一般財源規模を設定して歳出の削減に努め、財政運営を行っていくということでお示しをしたというところがまずございます。来年度、令和4年度予算編成におけるいう基準となる一般財源規模につきましては、予算編成開始時において歳入の見通しを立てるということはなかなか難しかったということもございまして、令和3年度予算編成と同様の687億円を設定したところでございます。一般財源規模に基づく財政フレームによって予算編成を行ったことから、歳出の抑制には一定つながったものとは捉えておりますが、歳入規模の上振れ、この幅が大きいものということでございます。また、基本計画でお示しした財政見通しについても、大きな変化が見られるというようなことがございますので、今後は実態に即したより有効な財政規律を確立させる必要があると捉えておりまして、新たな財政運営の考え方についても検討を行っていきたいと考えているところでございます。 ○白井委員 冒頭申し上げた財政認識が非常事態だって、この考え方を変えないにもかかわらず、過去最大規模の予算を組んだ、財政調整基金の繰入れも70億円をはるかに超えてしまっている状態ですよ。にもかかわらず、今後どうするんだと言われたら、一般財源規模を変えて、さらに財政運営上のルールも変えると言われれば、もはや歯止めがかからなくなっているんじゃないかな、こういうふうにも感じます。本当に財政運営のルールになるのかどうかというところもあるんですけど、きちっとここはたがを締めないと、やりたい放題になっているんじゃないかと思います。 ちなみに、今年度の当初予算の概要の22ページ、皆さん、お手元にあったら見てください。気になったのが、毎年毎年、一般財源規模についての記載があるんです。21ページの、いわゆる今お話ししたところ、財政調整基金の繰入れの図というのが、今年はこうですよという話がされています。22ページです。こんな図、今まで見たことないんですよ。これ、どうなっているか。早い話が歳入と歳出の比較で単年度収支を表していますよね。この図って何でついているんでしょうか。どういう意味なんでしょうか、教えてください。 ○森財政課長 令和4年度予算におけます一般財源の状況は、基準となる一般財源規模の687億円を116億円超過することとなりまして、超過分を財政調整基金等への積立ということになってございます。一方、歳出の一般財源充当事業費は761億円でございまして、687億円を74億円超過しておりまして、財政調整基金からの繰入れで対応しているというようなことでございます。このように基金への積立額と繰入額の規模が大きくなりましたことから、実質的にはその差、いわゆる歳入超過分42億円を基金へ積立をする、その財源になるといったような、その旨を端的にお示しをするため、この図のほうを掲載したところでございます。 ○白井委員 要約になるか分からないけど、私の解釈でいくと、あまりにも財政調整基金を取り崩したので、いやいや、歳入が増えているから、今年もちゃんと財政調整基金には積み増しているんですよという、歳入が増えたから問題ないというような記載のために、わざわざつけたんじゃないか。今までこんな図、一度もなかったですよって理解しています。財政認識の、やっぱり現状認識、ここから見直さないと、どうもつじつまが合わない上に、さらにつじつまが合わない話を重ねているように感じます。財政認識の見直し、必要だと思いますけども、さらに、今後どういう状況になれば区の財政認識を変えるおつもりなのか、その要件、条件があればお伺いいたします。 ○森財政課長 経済状況については、歳入等上振れの状況で、好転の状況もあるわけでございますが、繰り返しになりますが、不透明な経済状況に変わりはございませんので、緊張感を持って引き続き進めていく必要があると捉えているところではございます。この認識の見直しといいますか、新たな、今後の考え方でございますが、一つの判断基準といたしましては、新型コロナウイルス感染症が収束をいたしまして、経済活動が戻ってきて、実際の経済状況とか、そういったところを見定めた上で、そういったところが一つのタイミング、判断基準になるものかなと捉えております。 ○白井委員 細かい要件を話すと切りがないんですけど、今この歳入が増えている状況の中、まだ見直さないとなると、これから景気の落ち込みなどが、歳入の落ち込みって十分予測されるわけですよ。むしろ、この間かなり好調かもしれない。国の財政出動や都の基金をはたいての、いわゆる何とか生計を維持できるような取組が進んでいる中ですから。ただ、限界があるって。そしたらね、財政非常事態の中のさらに財政非常事態ですって二重の宣言でもなさるおつもりかなって思います。冷静に判断をしておかないと、タイミングを見失うと、私はそう思います。 さて、次、この財政状況下の中、たくさん基金を切り崩しておられるんですけども、構造改革、必要だって何度もおっしゃっています。今回もそう書いている。ただし、令和2年の先ほどの比較と今回の比較では、構造改革、大分トーンダウンしているように思う。何度も何度も令和2年のときには、やらなきゃもはや予算が組めないんだとまでおっしゃっていた。ところが、今回の記載内容というのは「財政的な危機感をきっかけ」、さらにはこんな表現あるのかと思うんですけど、「財政体力を高めることばかりが注目されがち」とまで書いてある。こんな程度の構造改革なんでしょうか。まさに中長期的な課題は、これまでもずっと中野区にあるんですよ。本当にやらないと厳しいって。じゃ何のために構造改革をやるんですかって、もう一回ここで確認をしたいと思います。 ○石井構造改革担当課長 構造改革の実行プログラムにはその目的を示してございますが、財政的な非常事態に対処するとともに、新たな行政需要に応じた効率的かつ効果的なサービス展開を図るためとしてございます。その目的については変わっていないところでございます。 ○白井委員 目的は変わっていないけども、そうすると位置付けが変わってきているんですかね。しかも、その効果に関しては非常に、先ほど来質疑がありましたけど、なかなか見えない状況です。難しいといつもおっしゃるんですけど、将来的な、中長期的な負担をどう減らしていくかが課題だって、それをやらなきゃいけないって何度も何度もおっしゃる。目的も変わっていないと言う。じゃ本当に効果を出さなきゃいけないわけでしょう。どうするんですか。1億円減らすのか、10億円減らすのか、100億円減らすのか、幾ら減らすのか分かんないけど構造改革が必要で、行政コストを下げていく必要があるんですって言われても、どこまで本当に取り組むんですかと思う。いくら構造改革を示した上でも、施設の再整備を示した上でも、どのぐらい減らすのかというところを明示しない限り、我々見えないんですよね。例えば予算規模を示すだとか、目標値を示すということをしていかない限り、どこまでの削減を行ったのかすら見えない、何を目指しているのかすら見えないと思うんですけれども、必要であり、目的も変わっていないというのであれば、それをどう証明なさるおつもりなのかというのをもう1回確認させてください。 ○石井構造改革担当課長 構造改革の実行プログラムにおきましては、取組の成果を図るために六つの基本指標とそれぞれの目標を設定しております。一方で、毎年度の予算編成に当たりましては、財政フレームに基づきまして予算要求限度額を設定して目標としているところでございます。そのようにして、その年度のフレームに合わせた目標を設定して財政運営を行っているところでございます。 ○白井委員 それはそうでしょう。予算フレームまで用意しているのは当たり前ですよ。だけども、そのフレームに収まっていないから、こうなっているんでしょう、過去最高の予算で。しかも決算数値でも効果が見れるか、結局効果がなかったという状態になるんじゃないですか。だから言っているんですよ。財政の非常事態との認識も、今もおっしゃったとおり、まだまだ継続されるような感じですし、過去最高額の予算規模の予算編成を行って、歳出削減の必要性を訴えられている構造改革は削減目標の大枠すら掲げられていないって、私はこう認識しております。どうも、おっしゃっていることとやっていることが違うんじゃないかって。こういう区政運営になっていませんか、整合性があるのかと思うんですけども、いかがでしょうか。 ○石井構造改革担当課長 構造改革の実行プログラムでございますが、持続可能な区政運営を実現するために中長期的な視点から今取り組むべき区政運営上の課題を取りまとめたものでございます。計画期間である令和5年まで集中的に取り組んでいく考えでございます。 ○白井委員 多分ここまで言うと水かけ論になるんでしょうね。言っていることはそのとおりなんですよ。ただ、実際できていないから言っているわけで、その場しのぎの取り繕いにならないように、持続可能な区政運営が本当にできるように求めて、この項の質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。 次に、2、施政方針説明について伺ってまいります。この項では、新型コロナウイルス感染症について伺うとともに、施政方針で述べられました三つの柱について、第1の柱、子育て先進区の実現に向けてより、児童館、保育園、図書館をお伺いしたいと思います。第2の柱、地域包括ケア対策の確立に向けては南委員に、第3の柱、活力ある持続可能なまちの実現に向けては久保委員に引き継いでまいりたいと思います。 それでは、(1)新型コロナウイルス感染症対策について伺ってまいります。オミクロン株の爆発的感染拡大のピークがようやく過ぎたように感じますが、依然として感染拡大の状況は高止まり感があります。報道によりますと、新型コロナウイルスに感染して亡くなったと発表された人の数は、2月22日現在、全国で322人と初めて300人を超え、今年に入ってから感染の第6波で亡くなった人の数を合わせて3,905人と、約4,000人となっています。デルタ株が広がった去年の夏、第5波では新型コロナに感染して亡くなった人は、去年8月から10月までで3,073人、第4波で感染した後亡くなった人も含まれていると見られますけども、去年7月の発表分を合わせても3,483人で、今回の第6波のほうが実は多くなっているという状況です。現在広がっているオミクロン株は、デルタ株に比べて重症化するリスクは低いと言われていましたけれども、感染者数が第5波の去年7月から10月の4か月の間で92万人余りだったのに対し、第6波では2か月足らずで289万人となって、桁違いに多く、当然亡くなる人も多くなっているという状況です。死者数の増加により、オミクロン株の致死率の数値が上がっていることもあり、引き続きのワクチン接種の体制が重要となると考えます。 未聞の取組となった全国民へのワクチン接種体制の構築については、我が会派として何度も要望書を提出するとともに、特にワクチンの接種券の郵送については、自治体間の競争であり、23区で一番となるように体制を整えていただきたいと事細かに提案を繰り返してきたところです。 1・2回目のワクチン接種券の発送については、中野区は早いと言われましたが、問題・課題もありました。現在も進行中ではありますが、3回目のワクチン接種券の郵送とワクチンの予約、接種についても、いいところと悪いところがあります。国の前倒し接種の打ち出しによる混乱や区としての独自判断による混乱もありました。現場の職員の皆さんの御尽力に感謝しつつも、ワクチン接種券の郵送、予約、接種についての取組の検証をお伺いしたいと思います。 ○瀬谷新型コロナウイルスワクチン接種担当課長 3回目接種については、国の接種間隔の変更に伴いまして、高齢者等への接種を推進することと併せて、接種間隔の前倒しに順次対応してきたところであります。このため、接種券の発送や予約開始日、予約方法などに変更が生じ、区の接種間隔の前倒しについての情報がホームページやSNSによる情報発信が中心となり、分かりにくくなってしまったところは否めないところであります。今後は国の方針が変更された場合でも、できるだけ分かりやすくお知らせする方法が必要であると考えております。 ○白井委員 なかなか説明が足りないところだとか、郵便物が間に合わない等々、たくさん事情があったんでしょうけど、よくよく頑張っていただいていることに感謝しつつも、改善できる点、まだこれで終わりではないかもしれません、またもう1回同じように接種券の郵送、予約体制を整えなきゃいけないかもしれません。反省すべき点は反省をして、ぜひ前向きに取り組んでいただければと思っているところです。 さて、次に、子どものワクチン接種についてお伺いをしてまいりたいと思います。現在12歳から17歳までの子どもたちの3回のワクチン接種についてはどのようになっているのでしょうか、お伺いをいたします。 ○瀬谷新型コロナウイルスワクチン接種担当課長 12歳以上17歳以下の方の3回目接種につきましては、薬事承認がまだされていないという状況でありまして、現時点では18歳以上の方しか3回目接種を受けることができない状況でございます。 ○白井委員 ありがとうございます。そうですよね、そもそもそうなんです。ただ、分からないから私も問合せを何件か受けたこともありまして、区のホームページを見ても、この記載がないって、こんなお声もありました。大々的に広報するのはどうかとは思うんですけども、探したときに、なるほど、まだなんだなというのが分かるぐらいあればいいと思います。何でこんなことをわざわざ取り上げているかというと、12歳から17歳の人たちがワクチン2回目まで打ってしまうと、何年も実は3回目、ずっと打てないという状況になるんです。この子たちが実はちょっと谷間に挟まってしまうかなと思うところです。ただ、これは区で勝手に打てるわけじゃないので、せめてお知らせは丁寧にやっていただく必要があるかと思います。 そして次、今回から初めての取組となります5歳から11歳の1回目、初めてのワクチン接種体制についてお伺いしたいと思います。 5歳から11歳までの子どもたちのワクチン接種がいよいよ始まります。中野区の子どもたちのワクチン接種の概要やスケジュールについて、ぜひここで広報をお願いしたいと思います。 ○瀬谷新型コロナウイルスワクチン接種担当課長 5歳から11歳以下の区民の方につきましては、2月25日に約1万4,000人に接種券を発送いたします。3月12日からの接種開始を予定しているところです。3月中に供給される小児用ワクチンの量は少量であるため、3月4日から基礎疾患のある方など、早期接種を希望される方の予約受付を開始しまして、3月9日から一般の予約受付を開始する予定です。 ○白井委員 今回の5歳から11歳までの子どもたちに使用されるワクチンは、大人用をさらに希釈して使用するのではなく、小児用ワクチンとして別物であると聞きます。子どもたちへのワクチン接種について不安を抱える保護者の方も多くおられますので、この子ども用のワクチンについて、概略で結構です、御説明をお願いいたします。 ○瀬谷新型コロナウイルスワクチン接種担当課長 5歳以上11歳以下のワクチンにつきましては、同じファイザー社製の12歳以上用と有効成分は一緒でありますが、含有量やパッケージ、摂取量などが異なります。小児用のワクチンにつきましては、1.3ミリリットル入りの薬液が入った1バイアル、一びんを1.3ミリリットルの生理食塩水で希釈して、0.2ミリリットルずつ、10回分を採取して接種することになります。 ○白井委員 子ども用のやつは、1バイアルから10人分取れる、たくさん取れる、こんな状況ですよね。希釈後12時間の使用制限があるので、1回薄めてしまうと、皆さんの予約が埋まっていないと無駄が出るようになってしまいます。また、保護者の同伴が必要となるため、経過観察の待合室が本当に整っているのかなとか、さらに、大人用とは今御説明いただきましたように別物です。ワクチンの接種間違いのない体制の確保、さらには万全な小児ワクチン体制の接種となっているのか、また、小児へのワクチン接種は初めての取組ですので、保護者の不安を拭えるような工夫を凝らしていただきたいと思いますけども、どのような取組をなさるのでしょうか、お伺いをいたします。 ○瀬谷新型コロナウイルスワクチン接種担当課長 小児接種では、予約枠設定において時間当たりの受付人数にゆとりを持つ必要があります。また、複数種類のワクチンを扱う場合には、接種日時などを区分けすること、保管トレイなどを明確に区別化すること、複数者での確認を行うことなどの対策が必要であります。接種を行う全ての医療機関に対しまして注意喚起を行い、防止策の徹底を図っていきます。なお、小児用の接種券に同封するお知らせには、保護者向けのお知らせと子ども向けのお知らせを同封し、不安の解消にも努めてまいります。 ○白井委員 初めての取組となります。ぜひお子さん、また保護者の方に寄り添った取組となるよう期待をしております。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございます。 続いて、自宅療養者支援についてお伺いをしてまいりたいと思います。 我が会派からの強い提案推進として、区は都に先駆け食料や日用品、後にパルスオキシメーターを提供する自宅療養セットの配送事業を行ってきました。対象者や対象とする期間も広く設けて、自宅療養セットやパルスオキシメーターの配送を行ってきたところです。第5波においては、都との役割分担により、都の体制が間に合わなかったことにより配送が滞った例があり、今後の支援体制については都の体制に不備があった場合でも、区は配送体制を整えるように要望してきたところです。こたびの感染爆発状態にあった第6波においては、療養セットの配送状況は遅滞なく対応できたのか、また、自宅療養サポートセンターに自ら連絡をして食料やパルスオキシメーターの支援を受けられることとなっていますが、都の支援が受けられなかった場合にも区の支援は行うとしてきているところです。その際の連携や窓口の対応について、どのようになっているのか、お伺いをいたします。 ○小山地域包括ケア推進課長 この1月、2週間程度、東京都の配達が滞った時期がございました。この時期につきましては、区の事業において10数件ほど対応させていただいたところでございます。現在、うちさぽ東京の稼働後につきましては、東京都の食料配達について遅延は、生じているというような連絡は受けておりません。また、区民からの問合せもありません。遅滞なく対応できているというふうに認識をしているところでございます。また、今後、遅配等の状況が発生する場合もございます。現在は東京都の食料配達の状況を、自宅療養状況を注視しておりまして、うちさぽ東京の事業が滞った場合を想定いたしまして、そのようなことが発生しそうな場合にはホームページ等で周知をいたしまして、個別に対応したいというふうに考えているところでございます。 ○白井委員 ありがとうございます。 次に、傷病手当金の制度についてお伺いをしたいと思います。健康保険等の被保険者が業務災害以外の理由による病気やけがの療養のために仕事を休んだ場合に、所得補償を行う制度に傷病手当金制度があります。新型コロナウイルスに感染し、その療養のために働くことができない方も利用することができますけども、傷病手当金の制度について、概要で結構です、御説明をお願いいたします。 ○伊藤保険医療課長 給与等の支払いを受けている国民健康保険の被保険者が新型コロナウイルス感染症に感染した、または発熱等の症状があり、感染が疑われる場合に傷病手当金の支給対象としてございます。 ○白井委員 ありがとうございます。ちなみに、今回みなし陽性というのが出てきました。このみなし陽性となった方と自己判断した方も、この傷病手当金、ちゃんと申請ができるようになっているのでしょうか、お伺いをいたします。 ○伊藤保険医療課長 1月28日から東京都は一定の要件はございますけれども、PCR検査を受検しなくても医師の診断があれば陽性扱いとする、みなし陽性を開始してございます。その場合におきましても、事業主が新型コロナウイルス感染症により勤務することができないと判断し、勤務をさせなかった場合には傷病手当金の支給対象となってございます。 ○白井委員 ありがとうございます。全員は無理でしょうから、中野区ですので、国民健康保険について、ちなみにこの傷病手当金、今、支給状況はどのようになっているのでしょうか、お伺いをいたします。 ○伊藤保険医療課長 令和3年度につきましては、令和4年1月末現在で支給件数は101件、支給総額は699万21円となってございます。 ○白井委員 ちなみに、この支給対象者の方に区はレセプトをお送りになっていますよね。他の自治体がどのように取り組んでいるのか分からないんですけど、非常に丁寧な取組だと思います。今、現状はどのようになっているんでしょうか。 ○伊藤保険医療課長 委員おっしゃるように、国民健康保険の傷病手当金制度につきましては区報及びホームページで周知を図っており、さらに、毎月のレセプトから一定の要件で支給対象となる可能性のある者を抽出し、世帯主宛てに申請の勧奨通知を発送してございます。 ○白井委員 国民健康保険料被保険者の方に関しては丁寧な対応をしていただいていると思います。ただ、国民健康保険料被保険者の方だけが対象では当然ありませんので、いわゆる社会保険対象者の方も含めて、引き続き傷病手当金、使えるんだということをぜひ広報として努めていただきたいと思いますけれども、お伺いをいたします。 ○伊藤保険医療課長 今後につきましては、国民健康保険料被保険者に加え、申請先の御案内等、社会保険の被保険者についてもホームページ等で広報をしてまいりたいと考えてございます。 ○白井委員 ありがとうございます。 次に、(2)児童館についてお伺いをしてまいりたいと思います。1月31日に子ども文教委員会が行われまして、令和4年度の児童館の運営についてという報告がありました。また、せんだっての一般質問において、我が会派の平山議員から、この児童館についての質問をさせていただいているところです。その内容は、いわゆるさきの議会におきまして児童館廃止条例の否決、議会において否決されたところです、その区の認識をお伺いしたんですけれども、何とお答えになったんでしょうか、改めてここで確認をさせていただきたいと思います。 ○細野育成活動推進課長 さきの一般質問におきまして、平山議員の質問に対しまして区長より、今回の児童館条例の一部改正条例の否決により示された議会の意思については、令和3年度末をもって4館の児童館を廃止することについては否定するものというふうに捉えて、したがって令和4年度は否決という議決結果を受けて、現在の児童館数を維持して運営していくものとした、令和5年度以降どうするかについては今後改めて検討を進めたい、このように申し上げました。 ○白井委員 答弁書を平山議員からいただいているので、確かにそのとおりなんです。ただ、これをよく見ると、こう捉えます。令和3年度末をもって4館の児童館を廃止することについては否定するものと捉えている、いわゆる廃止を引き継いだ認識です。令和3年度末をもってと言うと、タイミング、時期だけに見えるんです。さらに、冒頭申し上げました1月31日、子ども文教委員会の報告です。これは皆さんの手元にあるので後で確認しておいてもらえばと思うんですけど、令和4年度の児童館運営についてというので、本体ではありません。頭紙の部分の2行目に、ちらっとこの否決についての記載があります。4館の否決について、「4館についてはその時期を見直すこととし」というので、あとは児童館運営、通常どおりやりますよと、この報告が続くんです。議会での否決を受けて、これだけですか。また、時期だけになるんですか。これって限定的に議案の否決を解釈している、こういうことにならないんでしょうか、お伺いをしたいと思います。 ○細野育成活動推進課長 区は区有施設整備計画を策定し、そのスケジュールに基づいて第4回定例会に中野区立児童館条例の一部を改正する条例を議案として提出させていただいたところでございます。議案の否決という議会の意思につきましては、提案した4館廃止そのものと廃止の時期について否定されたものと認識しております。子ども文教委員会で申し上げた令和4年度の児童館の運営についてという報告についてでございますが、議案の否決に対して令和3年度末をもって4館の児童館を廃止することを改め、令和4年度はこれまでどおり16館の児童館と2館のふれあいの家を運営していく、このようなことを報告したものでございます。 ○白井委員 今、追加で答えられましたよね。児童館4館そのものの廃止、また廃止時期の否定、こんな話なんでしょう。これって、答弁を変えられましたか。解釈を変えられましたか。いやいや、部分解釈ではありませんっておっしゃるのか、部分解釈はしましたとおっしゃるのか、まずここから。否決についての解釈、どのようにされたでしょうか。 ○細野育成活動推進課長 部分的な解釈ということではなく、4館の廃止そのものと廃止の時期について否定されたものというふうに認識してございました。委員会の資料の記載につきましては、そういった4館の廃止を前提として、それ以降の4年度の運営については今年度と同じように運営をしていく、このように申し上げたところでございます。 ○白井委員 あまりここで長くやりたくないんですよね。もうかなり時間おしているんですけど、要は地方自治法の解釈とか議会運営の解釈で、議案の否決については一般的な地方議会の中でも取り決めというのがあるんです。議案として否決されたときというのは、それそのものが否決されたのであって、一体不可分として扱わないと解釈上の間違いになるんですよ。中野区議会だけ特殊なルールがあるというんだったら、その根拠を示していただきたいと思うんですけども、これは成り立たない。いや、やっぱり一体不可分として解釈したんですとなると、時期を見直すなんていう言葉は使っちゃいけないんですよ、本来。そういう部分じゃ助け船ですよ、説明不足で直すとおっしゃるのか、解釈が間違っていたとおっしゃるのか分かりませんけども、修正の必要があるんじゃないかと思うんですけども、いかがですかね。 ○細野育成活動推進課長 そういったこちらの認識は変わってはございませんが、説明の不足や分かりにくさ等につきましては今後改めていきたいと考えます。 ○白井委員 他の議員が一般質問でされていますから、私がここでここだという話にしません。あくまでもこの総括質疑で聞いたところの中での話にしておきますね。これまでの説明に追加で、時期ではなくて全体として解釈をする、これでいいですね。となってくると私も子ども文教委員会なんです。既に1月31日、質疑をしています、この件について。委員会資料、冒頭申し上げました、明確に時期って書いてある、資料に。委員会報告、これでやっているんですよ。資料と委員会報告はやり直していただかないと、これはまかり通らないんじゃないかと思うんですけど、いかがですか。 ○細野育成活動推進課長 これまでの御説明で足りなかったところにつきましては、今後の委員会でも改めて御説明させていただきたいと考えます。 ○白井委員 分かりました。一応ここで矛は収めたいと思います。 続いて、今度は児童館その2です。まだ児童館、続きます。児童館での一時預かり保育事業についてお伺いをしてまいりたいと思います。この事業について、これまでの検討状況、経過についてお伺いしたいと思います。 ○細野育成活動推進課長 児童館の一時預かり事業についてでございます。子育てカフェ等の場で、身近な場所で短時間に直前の利用が可能な一時保育の実施について御要望があり、保育園で実施をしている一時保育事業を補完するものとして、利用日直前の申し込みにも対応でき、短時間でも預けやすい一時預かりの事業を実施することといたしました。その実施場所となる児童館の選定については、学童クラブや専用室の有無等を考慮して、南中野児童館で実施することというふうにいたしました。 ○白井委員 本当はもっと長く説明してもらいたかったんですけど、私のほうで、令和2年度の当初予算には含まれていなかったのがこの児童館での一時預かり事業です。これを復活予算で入れて、主な取組として当然発表もなかったわけです。最終的には当初予算となったんですけども、年度内は結局、この予算は未執行のままです。令和3年度の当初予算では、現行の一時預かり事業の検証のないまま、新たな事業スキームの説明も当然なくて予算をつけられました。事業スキームがなかったので、年度の後半、事業スキームを発表して事業者募集を行ったんですけども、当て込んでいた事業者との契約が不調となって、再募集をかけて検証のためのモデル事業を始めるんですけども、結局、事業を始める前に令和4年度の予算の主な取組の中には、さらに1園増やして2園で行うとなったのが、私はこの流れだと思っているんです。では、この流れの中で、モデル事業をやって検証すると言ったんですけども、一体どこで検証したんですか。事業も始めていないのにどうやって決定したのか、説明をしてください。 ○細野育成活動推進課長 始めるに至った経緯は先ほど申し上げた形でございますが、昨年11月から児童館における一時預かり事業を開始しております。その中で、利用者の声はおおむね好評であったため、事業を拡大して行っていくということにいたしました。本年度の事業については、周知や事業の浸透の課題によって利用者数が伸びていないというふうに認識してございまして、令和4年度、次年度については改善を図っていきたいというふうに考えてございます。 ○白井委員 政策決定の過程が非常に不透明だと言わざるを得ないと思います。 今回、子ども文教分科会の資料をつくっていただきました。子ども文教58の資料です。一時保育事業をそれぞれの施設でどういう取組をやっているのか、要件等々を一覧にしていただいています。後ろに本当はもう一つ付け加えていただきたいのがあります。それぞれの行政コストが見えるんですね。園一つひとつ聞いていると大変なので、それぞれの保育園でどういう取組をなさって、1回1人当たり幾らなのか。今回取り上げました児童館での一時保育、一時預かり事業というのは1人当たり幾らなのか、コストを教えてください。 ○細野育成活動推進課長 今年度の予算額を利用者数で割ると、1人当たり10万円を超える金額となります。 ○白井委員 今のは児童館での話ですよね。保育園での専用室はどうなりますか。1個1個聞くとあれなので、上が幾ら、下が幾らで結構です、ざっくりと教えてください。 ○滝浪子育て支援課長 保育園1園当たりの専用室型一時保育の単位ですけれども、1人当たりということで答えますと、約70万円程度……、すみません、違います。1人当たり、すみません、ちょっと計算の時間をいただければと思います。 ○白井委員 じゃ時間がもったいないので、あらかじめ実ははじいていただいています。令和3年度は事業の途中で、まだ終わっていないからというので概算です。ただ、これを見ると一つずつの園、出ているんですけど、一番安いところで言うと単価は5,572円から、一番高いところでも1人1万2,000円ぐらいです。先ほど10万弱ぐらいという話があったんですけど、1人預かるのに児童館では10万円ですよ。それらの園においては今言った金額なんです。さらには、下についてファミリーサポートなんかの場合は1,500円ぐらい、1,579円ぐらいではじかれています。詳細に検討する必要があると思うんですけど、やっぱり一時保育だとか一時預かりの充実は大事なんです。だけど、ここはコスト意識を持たないと、もはや制度的に非常に苦しい状況だと私は思っているんですけども、お伺いをしたいと思います。 ○細野育成活動推進課長 事業を進める上で、先ほど1人10万円ということを申し上げましたが、費用対効果については大切なことだというふうに考えております。今年度は保育に適した施設において利用日直前の申し込みにも対応でき、短時間でも預けやすい一時預かり事業を目指して児童館でも実施したところでございます。新型コロナ感染症の影響もあり、事業が浸透しなかったために利用者数が課題であるというふうに認識してございます。次年度については、2施設においてというふうに申し上げましたが、企画提案公募型事業者選定により周知活動や利用促進策の提案も受け、よりよい事業運営に努めていくというふうに考えてございます。 ○ひやま委員長 白井委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。 15時20分まで休憩にします。 午後3時01分休憩
午後3時20分開議 ○ひやま委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き総括質疑を行います。 白井委員、質疑をどうぞ。 ○白井委員 次に、(3)保育園についてお伺いをしてまいります。 1月31日、同じく子ども文教委員会において、専用室型一時保育事業の受け入れ促進についての報告がありました。私立保育園等の専用室型一時保育事業への支援として、受け入れ実績に応じた補助金を交付している、しかしながら令和2年度の受け入れ人数が年間100人以下という園がある一方、区民からは充実させてほしい、人数を増やしてほしいという声がある。このため、以下のとおり専用室型に対する一時保育事業の補助における年間受け入れ児童数基準の階層を改めることにより、私立保育園等における受け入れ促進を図ることとする、こういう対応です。さて、この専用室型の一時保育事業の助成制度をどのように変えたのでしょうか、お伺いをいたします。 ○滝浪子育て支援課長 令和4年度より私立保育園専用室型一時保育の補助金につきまして、年間受け入れ児童数基準の階層を2階層から4階層に改定し、受け入れ実績に応じた補助内容の拡充を図っております。また、1日6名定員を設定している児童受け入れ園への加算補助につきまして、区の会計年度任用職員の単価に基づき補助額を整理いたしました。 ○白井委員 先ほどの項でも例示しましたけども、要はこの子ども文教58、これが見比べていただける資料です。制度の概要についてなんですけど、端的に言うと420人未満の受け入れ児童数が一律270万円だったところ、300人以下の受け入れ園は180万円の補助に下げちゃうというのは、ここが一番大きいところです。一方、先ほど触れました児童館での一時預かり事業は、費用対効果が非常に悪い。同じ日に報告された案件もかかわらず、保育園での一時保育については受け入れ人数児童が少ない園の補助金は減らす、受け入れ促進を図るという内容だと言っている割には整合性、合理性に欠けると思うんですけども、いかがでしょうか、お伺いをいたします。 ○滝浪子育て支援課長 それぞれの目的、あとは利用者の利便性を向上させるために、それぞれのものについて、児童館の開催のときには当日受け入れがあり、今実施している専用室型では前日の12時まで、前日までの受け入れ予約となっておりますので、それぞれのものについて意義があるものと考えてございます。 ○白井委員 本当は突っ込みたいんですけど、次にいきますね。 改定すべきは、利便性を高めるための一時保育の空き状況についてお知らせする周知方法、それから、それぞれの園ごとに申し込むこととなっている申し込み方法を、例えばシステムを導入するなど、こういう改めるほうが本当は利便性に資するんだと思います。区の見解をお伺いいたします。 ○滝浪子育て支援課長 区立保育園の空き状況につきましては、現在、区のホームページにおきまして直近1週間分の空き状況を公表してございます。申し込み方法につきましては、区民の利便性向上に向けまして、予約システム導入の検討を進めてまいりたいと考えております。また、私立保育園につきましても、区立保育園の手続方法などの情報を共有するとともに、予約システムの導入を含めまして、空き状況の周知につきましても御協力いただけるよう、課題などを聞き取りながら、利便性の向上に向けた取組を進めてまいりたいと考えてございます。 ○白井委員 区立保育園だけ、しかもそれ、1週間ですよ。明日預けられるかなというニーズには全然応えていないと思いますね。やっぱりここ、よくよく検討してください。 次、各園が独自に設定できると区は主張していますけども、一時保育の受け入れのための要件は区立園に準ずるものとなっています。受け入れる私立保育園側とよく懇談して、この要件をそもそも整備すべきと考えますけども、お伺いをいたします。 ○滝浪子育て支援課長 私立保育園の受け入れ要件につきましては、区立保育園の要件を参考に各園に定めていただいているところでございます。受け入れに係る課題などを共有し、解決していくために、実施園同士が一時保育事業の好事例を共有できる仕組みを整えまして、利用者にとって利便性が向上する取組を今後進めてまいりたいと思います。 ○白井委員 保育園の園長会の方々からは、区立はこうなんだから、これに準ずるようにと言われているんだって、独自で決めていいなんて話は聞いていないというお声も上がっています。だから、最後にこう言っているんです、よく懇談してくださいって。かなり溝があるように思います。区からは一方的な通知だけしか来ないとかって話もありますから、改めてですよ。どうやったら本当に利便性が高められるか、よくよく懇談をお願いしたいと思います。 次に、開設後賃借料補助制度についてお伺いしたいと思います。中野区は待機児童解消のために保育園の誘致に努めてきたところです。具体的には、中野区で保育園を開設してもらえるならば、保育園の開設から一定の期間を定め、保育園への補助を区独自の加算を行うという、これが誘致施策の中身です。この補助制度である開設後賃借料補助制度についての概要をお伺いいたします。 ○藤嶋幼児施設整備担当課長 開設後賃借料補助制度につきましては、保育事業者が保育園の建物を賃借して保育園を開設する場合に、開設後の一定期間、建物賃借料に対し補助を行う制度でございます。保育園の開設時期によりまして、補助対象期間、補助率は異なっておりまして、平成27年度から平成29年度に開設した保育園につきましては、補助対象期間が開設から5年、補助率は4分の3、平成30年度から平成2年度に開設した保育園につきましては、補助対象期間は開設から10年、補助率は8分の7、令和3年度以降開設する保育園につきましては、補助対象期間は開設から10年、補助率は開設から1年目から5年目までにつきましては8分の7、6年目から10年目につきましては4分の3というふうになってございます。 ○白井委員 これ、事前に御説明の資料を頂きました。ようやく理解できました。要は平成30年4月から令和3年3月までに開設した園は10年間、区が8分の1をさらに上乗せをする形で4,500万円の補助をもらっている、ただ、これ、もう去年で終わっているんですよ。この報告、委員会にもなかった。私立保育園の園長会の方からは、待機児の解消による欠員が増えてきていることと、また、補助金がなくなることで園の経営が苦しくなるという声がたくさんあったんですけども、それぞれどのタイミングで園を開設したか、そのタイミングによって何年補助がもらえるのか、その金額が大きく違ったんです。それぞれの園は、自分の園はどのぐらいもらえるかって分かっているんでしょうけども、おしなべてみんながどうなっているかって、状況なんて分かっていなかったんですよ。苦しい苦しいという状況だから、一覧を示してもらったら、よく理解できました。これ、かなり差がある、この制度自体が。特に5年で切れてしまって全く補助がなくなる園、10年で切れてしまって、なくなってしまう園がたくさんあるんです。今年から実は切れてしまっている園が出てくるので、この後たくさん出てくるんですよ。この金額は相当大きい、園の経営においても。今から全部なかなか改めては言えないんですけども、これなかなか、経過措置もないまま、このまま行くというのはどうかなと思うんですけども、改正は難しいんでしょうか、いかがでしょうか、お伺いをいたします。 ○藤嶋幼児施設整備担当課長 開設後賃借料補助制度につきましては、保育園の経営安定と併せて、保育施設誘致促進のためというところで実施してきたものでございます。補助内容は、その時々の保育の需要などを踏まえました誘致の緊急性や必要性に応じて見直してきたものでございまして、現在の内容につきましては適切なものと考えてございます。 ○白井委員 制度の改正が難しいのであれば、じゃ新しい制度をつくれないかな、普通にこうやって思ってしまうんです。園側からたくさんお声が上がっています。待機児の解消のめどが見えてきたかのように、欠員が非常に増えている園が増えている。この経営が苦しいというのであれば、では定員割れ保育園の支援制度をさらに拡充できないかというふうに思います。賃借料補助が切れてしまって負担が重くなる園がこれからますます増えます。さらに一時保育、この二つ、今挙げてきましたけども、どうやったら促進となるのか、さらには子育てひろば事業の拠点となるような、こんな取組として推進になるような補助制度、助成制度をぜひ考えてもらいたいと思いますけども、いかがでしょうか、お伺いをいたします。 ○渡邊保育園・幼稚園課長 近年の認可保育所の在園状況につきましては、年度当初は保護者の育児休業の取得との関係で定員割れが生じておりますが、年度途中から入所率が徐々に定員近くまで上昇する傾向にございます。定員割れの保育所への支援につきましては、保育需要の将来推計も踏まえ、空き定員を活用した一時預かりの新たな事業展開も含め、区の総合的な子ども・子育て支援策として研究していく必要があると考えてございます。 ○白井委員 渋めの制度で、他の委員の質疑の中には、ここには法定価格で国がやるべきものなんていう答弁もあったところです。ただ、何ていうんでしょうか、そもそもの金額の設定というのは確かにそうかもしれません。ただし、それぞれの自治体ができないわけじゃないんですよ。上乗せ助成だってできるわけで、現に港区では、この欠員に限って、わざわざ助成制度をやるんだという特別実施助成要項というのをつくっています。これに見習って、ぜひ同じような制度をつくってほしいという声もたくさん上がっています。区として、どうやったら本当に保育の質を担保できるのか。ガイドラインの話をしているんじゃない、中野区の保育行政として、どうやったら安定的に持続可能な体制が整えられるかというところをよくよく検討していただきたいと思います。 残余の時間があるので、ここまでとします。ありがとうございます。 ○藤嶋幼児施設整備担当課長 すみません、先ほどの答弁で一部誤りがございましたので、修正をさせていただければと思います。先ほど開設後賃借料補助の概要の御説明の中で、平成30年度から平成2年度に開設した保育園については補助対象期間10年というふうに御説明差し上げましたが、正しくは平成30年度から令和2年度の誤りでございました。申し訳ございませんでした。 ○白井委員 次に、(4)図書館についてお伺いをしてまいりたいと思います。中野東の複合施設内にある中野東図書館が過日、2月2日に開設されました。待望の図書館の完成です。かつて子ども文教委員会の視察で訪れた富山市にある、とやまこどもプラザの子育て支援センターと併設された子ども図書館に私は非常に感銘しまして、ぜひ中野区においても開設できないかと。この子ども図書館が開設できないかと主張してきたところです。子育て相談ができる、飲食もできる、寝ころんでもいい、おもちゃ箱をひっくり返したようなレイアウト、こんな創意工夫ができないかと求めてきたところですけども、中野東図書館の開設後の反響、特に子どもフロアの開設後についての反響をお伺いいたします。 ○濵口子ども・教育政策課長 開設から2月20日までの間、来館者の半数以上が子どもフロアを利用してございます。また、中野東図書館全体の図書の貸し出しに占める児童図書の貸し出し割合は43.8%と、他の図書館の3倍近くになっており、子ども・子育て支援のコンセプトが生かされているものと考えてございます。 ○白井委員 ありがとうございます。 次に、1月31日、またも子ども文教委員会において、地域開放型学校図書館の運営状況並びに今後の検討の方向性についてという報告がありました。みなみの、美鳩、中野第一の三つの地域開放型学校図書館でのアンケートを実施して、これを取りまとめた報告なんですけども、このアンケートの概要、そして地域開放型学校図書館について、区の見解をお伺いいたします。 ○濵口子ども・教育政策課長 地域開放型学校図書館に対します区の認識でございますが、乳幼児親子と小学生の利用が大人の方の利用とほぼ同数であることや児童書の貸し出し冊数が順調であること、また、近くに区立図書館のない美鳩ライブラリーでの貸し出し冊数が多いことなどから、地域開放型学校図書館は地域の身近な図書館として十分な成果が得られているものと認識してございます。 ○白井委員 非常に評価をしているというふうに捉えていいんですかね。ただ、次の質問なんですけども、この4月に開設する令和小学校における地域開放型学校図書館の取組、現在どのようになっているんでしょうか、お伺いをいたします。 ○濵口子ども・教育政策課長 令和小学校に整備予定としてございました地域開放型学校図書館につきましては、他の地域図書館、区内の全体の在り方と併せて今後検討してまいりたいと考えてございます。 ○白井委員 開設するかしないか分からない地域開放型学校図書館を整備して、その後、利用をどうするかって宙ぶらりんなんですよ。という状況ですよね。これ、だけど、令和小学校だけじゃなくて、この後、学校の再編・建て替えで影響する学校がたくさん出てくるんですよね。ちなみに、その学校名、これ、予算に影響すると思っているんですけども、見解をお伺いいたします。 ○塚本子ども教育施設課長 現在、新校舎整備を進めてございます小学校は、鷺宮小学校、西中野小学校の総合新校、そして南台小学校の2校ございます。またその後、中野本郷小学校、平和の森小学校、これら2校につきましても今年度中に新校舎整備の基本計画を策定する予定でございます。今挙げました4校、小学校の新校舎につきましては、地域解放型学校図書館として利用可能なスペース、こちらを確保してございますが、地域開放型学校図書館以外の活用も可能でございますので、整備費に係る予算上の影響はないものと考えてございます。 ○白井委員 先ほどのアンケートから、区側としては評価しているって、利用者からもおおむね好評だと言っているんですよ。ただ、と言っておいて、アンケートを取りまとめておきながら、地域開放型学校図書館、この後2年以上も検討するって言っているんですよ。これまでだって幾らでも検討できたのに、使うか使わないか、開設するかどうか分からないのに整備してみて、今後さらに2年間もとなると、当然整備するわけですよ。予算に影響ない、それはほかに使えばと言うんでしょうけど、これ、外部の方が直接入れるように出入り口を別に設けるわけでしょう。スロープも設けるわけでしょう。ほかの用途に使えるのであれば、学校の校庭だって、幾らだって広くできるんですよ。このことを予算だって言っているんですけども、さて、区の見解をずっと構造改革の施設整備に合わせるというところから教育委員会では動いていません。こんなことをやっているから、いい加減な整備になるんだと思っているんです。構造改革に合わせると言うんですけども、この位置付け、明らかにおかしいですよ。端的に言うと、2年なんてかけるんじゃないって。あらかじめ、3年で設定するからこうなるんですよ。もっと短縮すべきだと思うんですけども、お伺いいたします。 ○酒井区長 構造改革実行プログラムは令和5年度までの3か年を計画期間としておりますが、地域開放型学校図書館をはじめとする諸課題につきましては、区民サービスへの影響を踏まえ、できる限り集中して検討して方向性を導き出すことが必要であると考えております。今後の進捗管理を徹底するように各部にも指示をしてまいります。 ○白井委員 最後に区長にお伺いしますと言い忘れましたね。ありがとうございます、御答弁いただいて。突然出てきたので、私のほうがびっくりしてしまったんですけど。でも、教育委員会だけでは非常に難しい話ですよ。学校全体を整備していくし、何校も該当するのがあるんだから、本当に子どもたちに直接影響するんです。何のために整備するか、余計分からなくなりますから、ぜひぜひ早期に結論を導いていただきたいと思います。 続いて、本当は3番の表彰についてと思うんですけども、残時間が非常に不安になってきて、恐らく最後の障害者までも行けないかもしれないと思います。そこで、順番を入れ替えて、4番、高校3年生(18歳)までの医療費の無償化についてを先にお伺いしてしまいたいと思います。 次に、4番について、高校3年生(18歳)までの医療費の無償化についてお伺いをいたします。 中野区においては、平成19年10月から中学3年生までの医療費の無償化が実施されてきたところです。中学3年生までの医療費の無償化の施策について、区はどのように評価をなされているのでしょうか、お伺いをいたします。 ○滝浪子育て支援課長 中野区では平成19年10月から小学生及び中学生の入院・通院に対象を拡大いたしまして、所得制限なく、0歳から中学3年生までを対象とした医療費助成制度を現在実施しております。子どもの保健の向上及び児童福祉の推進を図ることを目的としまして助成しておりまして、令和2年度決算では9億3,589万円余りとなっておりますが、保護者の経済的負担を軽減し、子育て支援に寄与しており、必要な施策だと考えてございます。 ○白井委員 ありがとうございます。東京都は現在、子育て世帯に所得制限を設けた上で、未就学児については医療費の自己負担額の半額を、小学生と中学生については自己負担額から200円を引いた額の半額を助成していると。残る半額を中野区が負担することによって、自己負担分の200円や所得制限により対象外となった世帯も助成対象に加えて、23区の全ての特別区においてなど、中学3年生まで医療費の無償化が実施されている状況です。東京都が今回示した高校3年生までの医療費の無償化の助成制度の方向性は、令和5年度から無償化を実施する場合、中学3年生までの医療費の無償化と同じく960万円未満の所得制限内においてはその費用の2分の1を都が助成すること、また、高校3年生までの無償化を実施する自治体においては、令和4年度においてシステム改修費用の全部を都が負担する内容であると聞いています。960万円までの所得制限を導入する高校3年生、18歳までの医療費の無償化を実施した場合の概算での費用、どのくらい区が負担することとなるのか、また、所得制限を導入せず、中学3年生までの医療費の無償化と同じく、全ての高校3年生、18歳までの無償化を実施した場合、どの程度の費用負担が見込まれるのか、費用の概算についてお伺いをいたします。 ○滝浪子育て支援課長 令和2年度の中学3年生までの医療費助成費用を基に試算いたしますと、16歳から18歳まで医療費の助成額は、今回、児童手当の特例給付と同様の所得制限を設けた場合、約1億1,000万円となります。また、所得制限を設けなかった場合は約1億6,000万円と試算いたしております。 ○白井委員 ありがとうございます。大きい費用ですよね。しかしながら、今回、東京都が医療費の無償化の助成制度の方向性を発表したことにより、俄然注目されるのはそれぞれの各区の取組となりました。各区で一体これについてどういう検討がなされているのか、どういう結論を導くのかというところが大きく注目されているところです。中学3年生までの医療費の無償化の取組と同じように、既に独自財源で実施している中央区を除いて、他の区においては、どこの区が一番早く決断を下すのか、こういう競争に入ったと言っても過言ではないと思っています。23区において、中野区が一番遅い決断とならないように、取組を強く願いますけども、今度はちゃんと区長に決断をお願いしたいと思います。 ○酒井区長 現在、中学3年生までの医療費につきましては、東京都では所得制限を設けておりますが、23区では一律、所得制限なく医療費助成を行っているところであります。高校3年生までの対象拡大や所得制限については、現在、都から何も説明がまだない状況でございます。詳細な事業設計が今後示される予定でございますので、区の方針につきましては、都の動向も注視しながら検討してまいりたいと考えております。 ○白井委員 ありがとうございます。ちなみに、都道府県単位で、ちょっと古いデータになるんですけども、既に高校3年生まで実施している自治体もあります。福島、茨城、静岡、鳥取が該当するというふうに聞いているんですけど、詳細はちょっと、ここは詳しくは調べていません。恐らくこの地域内での助成制度は間違いなくあるというところです。子育て先進区を目指す中野区にとって、ふさわしい決断となるよう願って、この項の質問を終わります。 続いて、戻って、次に3、表彰についてお伺いしたいと思います。 中野区では毎年度1回、自治の発展や福祉の向上のために御尽力された方を表彰しています。表彰の根拠となっているのは昭和50年12月13日に制定された中野区表彰条例です。表彰の詳細は、同じく昭和50年12月13日に制定された中野区表彰条例施行規則に示されています。ちなみに、表彰の種類としては、表彰状、感謝状、賞状の3種類となっています。この中野区の表彰について、昭和50年の条例制定以来、これまでに表彰された方の人数と、区内の人なのか、区外の人なのか、人数の内訳についてお伺いをいたします。 ○高村広聴・広報課長 中野区表彰では、本年1月末までで7,042名の方を表彰しております。内訳は、全ての年度の確認まではできておりませんが、ここ5年間の表彰者245名のうち、約1割に当たる23名の方が中野区民以外の方でございます。 ○白井委員 実は一覧としていただきました。ありがとうございます。これ、まとめるだけでも相当大変だったと思うんですけども、ここで確認したいのは、中野区は区内の人であろうとも区外の人であろうとも、区のために貢献していただいた方には表彰しているというところです。ありがとうございます。 さて、一方、中野区の教育委員会における表彰についてお伺いしたいと思っています。教育委員会の表彰も年に1回行われてきましたけれども、こちらは昭和53年3月18日に定められた中野区教育委員会表彰規則です。これに基づき、中野区の教育文化の振興発展に関し、功労のあった者を表彰するとしていまして、表彰の種類は、表彰状、顕著な功労があり広く区民に顕彰するに値する者、感謝状、顕著な功労があり委員会として感謝の念を表するに値するもの、褒状、区内の小・中学校に在籍する児童・生徒で他の模範とすべき功労のあったもの、賞状、委員会が主催または開催する行事において優秀な成績を修めたものとなっており、詳細は同じく昭和53年3月18日に制定された中野区教育委員会表彰事務取扱規程に定められています。さて、昭和53年のこの規則制定以来、中野区内在住で区外の幼稚園や小・中・高学校に通う子どもたちが表彰された例があるのか、お伺いをいたします。 ○濵口子ども・教育政策課長 過去の事例全てを把握しているところではございませんけれども、把握できております平成15年度以降で、御指摘のような区外の学校等に通う対象となる表彰は、該当事例がございません。 ○白井委員 先ほどの区の表彰は中野区民じゃなくてもいいわけですよ。中野区のために貢献してくれた人。一方、これ、中野区に住んでいる中野の子どもたちなんですよ。ところが、区外の学校に通っている子どもたちって、今言ったみたいに規則制定以来、昭和53年ですから、もう45年、44年、半世紀近く1回もないって、こういう状況なんですよね。これ、そもそも中野区外に通う子どもたちは対象となっているんでしょうか。どのような扱いをされてこられたんでしょうか、お伺いをいたします。 ○濵口子ども・教育政策課長 教育委員会表彰の候補者とするためには、区立の小・中学校長等から推薦書を提出していただいているところでございまして、この点から区外の私立の学校に通う児童・生徒は対象外という運営をしてございます。 ○白井委員 残時間が少ないので、ちょっと飛ばしながら行きますね。ちなみに、中野区において、小学校で区外の学校に通っている、もしくは中学校で区外の学校に通っている、なかなかこの数字といっても難しいでしょうから、一般的に私立で結構です。当然、中野区内にある私立もあるんでしょうけれども、どのくらいの割合になるのか、教えてください。 ○松原学校教育課長 2月22日現在でございますけれども、区立以外ということでお答えをさせていただきます。区立以外の小・中学校に通う児童・生徒は、小学校が941人、中学校が1,713人でありまして、全体に占める割合といたしましては、それぞれ8.3%と33.9%でございます。 ○白井委員 ありがとうございます。今の数字そのものではなくて、当然、中野区にある私立も含まれているんでしょうけども、ただ、やっぱり高いですよね。有無を言わせず条件から外すというのはいかがなものかなって思います。 教育委員会ですから、どこまでが本当の守備範囲なのかと思うんですけども、現状の規約を細かく読んでみると、幼稚園は対象のように見えるんですよ。一方、保育園児というのは対象になっているんでしょうか、お伺いをいたします。 ○濵口子ども・教育政策課長 保育園につきましては、これまで表彰の対象となるような事例はございません。 ○白井委員 さらに、上、高校生も入るんですよね。今、小・中をお伺いしたので、これって恐らくデータは出せないんでしょう。ただし、区外に通っている高校生って、割合を聞いたら、この数字を当然超えてしまうんだと思います。高校生は対象となっていますか、お伺いします。 ○濵口子ども・教育政策課長 高校生につきましては、区内の高校のみ対象としているところでございます。 ○白井委員 非常に、もはや、中野区内で通っている子どもたちも入るんでしょうけども、中野区で区外に通っている高校生のほうが絶対多いですよね、恐らく。なんちゅう狭いところの対象を範囲にしたんだろうというふうに思ってしまいます。るる指摘しましたけども、中野区教育委員会の表彰規則及び事務取扱規程については、表彰の対象の範囲の明確な改正、または現行規則に基づくのであれば、運用面での大幅な改正が必要であると考えます。規則の改正により、区外の学校等に通う中野の子どもたちなどに表彰を実施すべきと考えますが、どのように考えておられるのでしょうか、お伺いをいたします。 ○濵口子ども・教育政策課長 教育委員会表彰は現行、学校長等から推奨を原則としているところでございますが、他区の多くが同様の運営をしているというところでもございます。しかしながら、表彰制度には自己推薦はなじまないものと考えますけれども、区内に居住する児童・生徒の方々が優秀な成績を修めた場合、表彰することも必要であると考えられることから、推薦方法も含め、検討してまいりたいと考えてございます。 ○白井委員 前向きな御答弁を頂いたところなんですけども、教育委員会の表彰です。最後に教育長に、この表彰について、ぜひぜひ改正をしていただきたいと思うんですけども、決意のほどをお伺いいたします。 ○入野教育長 様々な分野で一生懸命努力した結果や輝かしい成績を修めた児童・生徒、学校教育の運営や発展に御貢献いただいた方々などを表彰することは教育委員会の務めであると認識しております。これまでも社会や教育の状況により一部、推薦の目安や表彰内容の明確化や見直しなどを行ってきております。区立学校のみならず、区外の学校に通う児童・生徒の表彰につきましては、教育委員の皆様とも議論し、表彰基準の見直しを含めて検討してまいりたいと存じます。 ○白井委員 ありがとうございます。 ちなみになんですけど、冒頭、区の表彰をお伺いしました。教育委員会でも表彰するけども区としても表彰する、いわゆるダブル表彰なんていうのは可能なんでしょうか、お伺いをしておきたいと思います。 ○高村広聴・広報課長 中野区表彰、中野区教育委員会表彰、ともに中野区の教育文化に功労があった方などを表彰の対象としている一方、両表彰は異なる表彰制度であることから、それぞれの表彰要件を満たす場合は、双方で表彰することを妨げるものではないと認識してございます。 ○白井委員 ありがとうございます。教育委員会のほうがないから区がやるよというやり方もあるんですけど、やっぱり先に教育委員会のほうを整備していただくのが当然の取組かなと思います。 さらに、この表彰をされた方、副賞というのがあるんですね。規定にも書いてあります。実は私が子ども文教委員会の委員長をやっているときに気になりまして、この委員会表彰に参加をさせていただいたことがあります。子どもたちから副賞について、えっ、こんなのっていう声が結構ありました。そうか、こんなのなのかと思って、ちなみに23区って、そもそも副賞を出しているところってあるのかなというのと、一体何を出しているんだろうと。最終的には幾らかけているんだろうというのを当時、子ども文教委員会の事務方をやっていただきました書記さんに全部調べていただいたことがあって、ちょっと古い例だったんですけど、昭和30年ごろのやつ、これは所管に渡してあるので、後で目を通しください。お世辞にも中野区、頑張っているなとはなかなか言いづらくて、子どもたちからはこんな声があります、ぜひもっといいものが欲しいというストレートな要望です。ぜひこの表彰規定を改めるとともに、副賞についてもさらなる充実をしていただきたいと思いますけども、これは予算が絡みますからね、担当所管がお答えいただくのもいいんですけど、ここはやっぱり区長にお答えいただけないですかね、どうでしょう。 ○酒井区長 すみません、私もちょっと副賞がどういうものか、存じ上げないものですから、教育委員会表彰の副賞は、子どもたちに記念としての残るものとして、すみません、ペン立てやフォトフレーム、木製のボールペン等、同じものとならないように工夫をしているそうです。副賞の充実については、他区の状況もちょっと調べながら、参考に検討したいと思います。 ○白井委員 ありがとうございます。教育長にも最後に聞いて、表彰規程の話をしたんですけど、副賞の話をしていると、どうしても予算が絡むのでと思って、突然すみません。先ほどは区長と言い忘れたんですが、今度は通告なしに区長と言いました。 ぜひ、中野の子どもたちです、区外の学校に通っているからといって、初めから除外する必要は何もないわけで、むしろ、ここに力を入れてあげないとかわいそうかなって思います。何でこんなことを取り上げたかというと、実は御相談を受けました。あるお父さんからの相談を受けたんですけども、お子さんが、区外の私立に通う男子小学生のお父さんからの相談です。学校が進学校なんです。某進学校に通っておられて、こういう賞を受けたんだけどという話なんですね。名前を言うとあれなので、某大会なんですけども、NHK杯で小学校の部、優勝したそうです。特定になるので、これは言いません。学校に喜んで言ったら、学校が塩対応ですね、クラブ活動でもない、個人的な活動については学校として表彰しないと言われてしまったらしくて、子どもが落ち込んで、私も何とかならないんですかねと言われて、そもそも中野区の規定ってどうなっているんだろうと思って、事細かに実は聞いていただいた次第です。規則制定以来、教育委員会のほうは44年ですかね、半世紀弱にわたって1回も対象にしていないというのはどうかなと思います。これを機に大いに改正していただいて、中野区の子どもたちの応援になるような取組を願って、最後まで行きませんでした、以上で私の質問を終わりといたします。ありがとうございます。 ○ひやま委員長 以上で白井ひでふみ委員の質疑を終了します。 次に、羽鳥だいすけ委員、質疑をどうぞ。 ○羽鳥委員 2022年第1回定例会において、日本共産党議員団の立場で予算特別委員会総括質疑を行います。本日の残り時間との関係から、一部の質疑を入れ替えまして、1番の後ろに4番、西武新宿線連続立体交差事業について質疑をいたします。よろしくお願いをいたします。 初めに、1番、2022年度予算案について、(1)財政運営の考え方についてお尋ねをいたします。 2022年度予算案は酒井区長が基本計画を定めてから初めてとなる予算編成となります。子育て先進区や誰1人取り残さない社会の実現といった酒井区長が訴えてきた公約を実行する上でも非常に大事な予算となります。同時に、新型コロナウイルス感染症対策も欠かすことはできません。施政方針説明の中で、区長が「新型コロナウイルス感染症の長期化により貧富の格差が大きくなったことを実感しています。子どもの貧困対策を充実する一方で、子どもを分断・孤立させずに、教育機会や体験の格差の解消に努めてまいります」と述べたことは、区民一人ひとりに目を配るものとして非常に大事な姿勢だと評価をいたします。 予算案では、我が会派もかねてから求めてきました子どもの権利に関する条例に基づいた施策の展開、また、学習支援事業の内容の拡充や子ども食堂への支援など、子どもの貧困対策の推進、子育て先進区の実現に向けて多数の新規・拡充事業が盛り込まれました。区民の声を受け止め、見直しの方向に進んだ哲学堂公園保存活用計画の策定や旧中野刑務所正門を文化財として指定し、保存をする方針を決め、事業展開に進んだことも重要です。債権管理体制の強化では、より滞納者の生活状況に寄り添った対応となるよう、事業執行、事業実施を求めます。環境基本計画の策定を受けて、2030年に向け、二酸化炭素排出削減を具体的に進める第一歩として評価をいたします。そのほかにも様々な施策が計上されました。 まず、2022年度予算案における新規・拡充事業について、区長の選挙公約との関わりから中身をお答えください。 ○森財政課長 来年度予算におけます新規・拡充事業につきましては、(仮称)子どもの権利に関する条例の推進、(仮称)中野区人権及び多様性を尊重するまちづくり条例の推進、(仮称)公契約条例の推進、また、公園再整備計画に基づく再整備を行う公園の基本設計など、これら公約実現に向けた取組を着実に進めていくための事業を盛り込んでいるところでございます。 ○羽鳥委員 区長は施政方針説明の中で、「歳入減少の懸念とともに、現在、区は扶助費や施設の更新経費の増加などの課題を抱えており、緊張感を持った財政運営を求められています」と述べていますが、財政の状況とは関わりなく区民の暮らしの苦難はあり続けます。財政上の懸念というものは、理解はしますが、一方で必要な区民サービスが削られるようではいけないと思います。2022年度予算案において、この区民サービスの見直し、削減項目について、その中身をお答えください。 ○森財政課長 来年度予算におけます見直し事業でございますが、区民へ一定影響があると考える観光事業の見直しなどを実施したところでございますが、これらのほか、事業の実施方法の見直しなどによりまして経費の削減を図ったところでございます。 ○羽鳥委員 こういう中身を聞きますと削減がないじゃないかというふうな、こういうことを言う人たちもいますけれども、私はこの中身というのは区民の願いとか、実態に沿った見識ある判断だというふうに思います。歳入に合わせて歳出の規模を考えなきゃならないということは、一面ではもちろんそのとおりでありますが、だからといって、歳入が減ったら自動的に区民の要求もなくなるわけではありません。全体として区民の願いに寄り添い、考えられた予算があると評価をいたします。 2022年度一般会計予算は、前年度当初予算に比べ106億9,400万円、7.3%増の1,579億3,500万円となりました。当初予算額は2019年度の1,521億7,200万円を上回り、過去最高となっています。区長は施政方針説明において、2021年度、今年度予算について、「特別区税、特別交付金等一般財源について、前年度からの大幅な減を見込みましたが、決算では前年度を超えることが想定されます」と述べました。この特別区税、2021年度当初の計上額と現時点での見込みをお答えください。 ○竹内税務課長 2021年度における特別区税の当初予算額は334億2,858万8,000円でございます。現時点での見込みは358億2,358万8,000円となってございます。 ○羽鳥委員 併せて、特別区交付金の2021年度の当初予算額と現時点での見込みをお答えください。 ○森財政課長 特別区交付金の今年度の当初予算額でございますが、327億円でございまして、見込みは389億8,000万円でございます。 ○羽鳥委員 当初予算と比べて、かなりの増額が現時点でも見込まれているということだと思います。 区債の発行状況については、同じように2021年度の当初と現時点での計上見込みの額というのはどうなっているでしょうか。 ○森財政課長 今年度予算におけます特別区債の当初発行見込み、予算額は92億3,600万円でございましたが、補正で全額減額いたしましたので、決算見込みとしてはゼロになります。 ○羽鳥委員 区債の発行が取りやめとなったのは、2019年度以来2年ぶりのことになります。それによって基金積立はどうなっているでしょうか。2021年度当初予算の概要では、年度末現在高として、財政調整基金は前年度比約36億円減の約242億円、基金総額は前年度比約92億円減の約492億円になると見込んでいると記されていました。現時点での2021年度末の財政調整基金と基金総額の年度末現在高の見込みはどうなっているでしょうか、お答えください。 ○森財政課長 今年度末におけます財政調整基金の残高見込みは278億円でございまして、一般会計の全部の基金を合わせた残高見込みは588億円でございます。 ○羽鳥委員 特別区税や特別区交付金など、税収の見込みの上振れにより区債を発行しなくてもよくなり、基金残高も想定より大幅に増加をしています。財政調整基金では36億円、基金総額で言いますと96億円もの増加になっています。2021年度当初に想定されていた大幅な税収減は、事実としてはなかったということです。では、今後はどうでしょうか。好調なのは2021年度だけで、来年度は苦しくなるのかと思いきや、そうではありません。今後の歳入について、当初予算案の概要でも、「令和4年度の歳入一般財源は令和3年度当初と比較して大幅な増収を見込みました」と述べられています。2022年度の歳入の特徴について、お答えください。特別区税、また、特別区交付金はどのくらいを見込んでいるでしょうか。また、過去と照らし合わせて、どのくらいの水準となっているのでしょうか。 ○竹内税務課長 2022年度の特別区税予算額は342億4,545万7,000円を見込んでございます。こちらは過去10年間の予想額と比較して、第3番目の水準でございます。 ○森財政課長 来年度予算におけます特別区交付金の予算額は405億円でございまして、こちらは過去最高額になったものと捉えております。 ○羽鳥委員 大変好調な、そういった中身となっています。さっきいろいろと歳入の見込みがどうなんだというふうなこともありましたけれども、誤りというふうな、そんなこともあったけども、ちょっと推測に推測を重ねたものなんじゃないのかなというふうなことを私は思いました。これは感想です。 一昨年、私が決算特別委員会の総括質疑で財政的な非常事態についての認識を伺った際に、基金の取り崩しを前提とした財源対策には限界があると考えていると述べられていて、それに対して、私は根拠は薄弱じゃないかと、薄いんじゃないかというふうなことを言いました。会派としても、決算ベースで見るべきじゃないかということを指摘をしてまいりました。今回のこうした財政の見込みなども見てみますと、こういった財政的な非常事態にあるという、この認識はやっぱり改めるべきなんじゃないかと、そういう状況は言えないんじゃないかというふうに思うんですけども、いかがでしょうか。 ○森財政課長 先ほど来、御質問いただいていますように令和3年度の決算見込み、それから令和4年度予算における一般財源の状況、これらは当初の想定よりも上振れの見通しでございまして、当時の状況よりも好転はしているというふうには捉えているところでございます。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う景気の下振れリスクというのは依然あるわけでございまして、不透明な経済状況に変わりはなく、引き続き緊張感を持って財政運営に当たる必要があると、そのように捉えているところでございます。 ○羽鳥委員 今後も不透明というふうなこととか、それは推測としていいとしても、緊張感を持って財政運営に当たるとかというのは、これは当然のことで、別に財政的な非常事態にあるというふうなこととは全く状況が違うと思うんですよね。今こんな状況でも財政的な非常事態にあるというふうなことを言っていますと、本当に大変になったときに、じゃ何て表現するんだろうって思ってしまう。区がこれから施策を展開するときに、この認識を維持するというふうなことが施策展開を妨げるような、やっぱり自縄自縛に陥るようなことになるんじゃないかと私は大変危惧をしております。ちゃんとした根拠を持った金額に基づいて、認識を改めていくというふうなことを改めて求めたいというふうに思います。 ほかの方も何人も聞いていらっしゃるんですけども、やっぱり私が改めて自分でも聞いたのは、この財政的な非常事態という認識が施策展開にやっぱり大きな影響を与えているのではないかというふうに考えるからです。この当初予算案の概要の2ページには、予算編成の方針の概要が載っています。ここには、「事業計画を立てる際は、新しい基本計画の策定に向けた議論を踏まえながら、目標達成の時期を見定め、事業終了の時期をあらかじめ想定し、計画作成を徹底すること」とあります。事業終了の時期をあらかじめ想定をしている、なかなかどういったことなんだろうというふうに思うんですけども、この記述の意味について詳しくお答えください。 ○森財政課長 今御紹介いただいた記述の意味でございますが、新規・拡充事業につきましては、事業計画の策定時におきまして、指標なども含めて目標達成の時期を設定し、また、事業終了時期を想定すると、こういったことによりまして効果的・効率的な事業スキームを構築して、後年度負担を軽減していくと、こういった趣旨でございます。実際に事業終了をあらかじめ設定したその時期が、事業終了の時期が到達した際には、それまでの成果等を検証しまして、これは費用対効果も含めて、そういったことを見まして、事業継続ということの判断ということも併せて行っているところではございます。 ○羽鳥委員 つまり、今のお答えというのは、事業終了の時期になったから自動的にやめるという、そういう意味ではないということですよね。 ○森財政課長 すぐそのまま、機械的にやめるという趣旨ではございません。 ○羽鳥委員 また、この予算編成方針の概要のもうちょっと下の部分には、「これまで特定財源により執行してきた事業のうち、補助金等の廃止や縮小があるものについては、代替となる新たな財源を調査し、財源確保に努めること。それが見込めない場合は、事業の廃止・休止・縮小等の見直しをすることを原則とする」とあります。財源確保ができなければ事業を行わないということなのでしょうか。この記述の意味についてお答えください。 ○森財政課長 こちらの趣旨でございますが、特定財源の確保を徹底すること及び特定財源の見込みがなった場合の事業見直しを行うことによりまして、一般財源の負担抑制を図っていくと、そういった趣旨で記述している、そういった運営をしているということでございますが、実際の対応といたしましては、それまでの成果等を検証しまして、特定財源の確保の見込みがなくなったとしても、一般財源を投入してでも実施するべきかどうか、そういう事業なのかどうかということの検討は行っているところでございます。 ○羽鳥委員 やはりこの部分でも、財源が確保できないから自動的になくす、事業をやめるとか、そういったことではないということですよね。 ○森財政課長 機械的にスパッとやめるということでの対応はしておりません。 ○羽鳥委員 お答えがあったように、そういった記述と実際に区が考えていることに、やっぱりそごがあるように感じるんですよね。年度を決めて事業効果を見極めるというふうなことですとか、国や都の財源確保に力を尽くしたりする、これもまた当然のことであると思います。こんなに記述があると、逆に国や都から財源が確保されれば、自動的に実施するんですかというふうに言いたくなっちゃうわけです。我が会派が再三求めている高齢者補聴器購入助成については、高齢社会対策区市町村包括補助事業という東京都からの補助金があって、23区ではもう補聴器購入助成を実施している区のほうが多いにもかかわらず、区からはそれを利用して補助を実施しようという動きは、残念ながら見えてきません。ぜひともこれは来年度以降に向けて研究し、実施していただきたいというふうに、この場でも求めておきます。 こういうように実態と違うのだから、やっぱりそのように、実態と合わせて記述を改めてもらいたいと思うんです。この二つの記述というのは、一つは昨年、もう一つは今年新たに増えただけに、区の財政的な非常事態にあるという認識がこういった記述に反映されたのじゃないかなと。厳しいから、お金がなければやめざるを得ない、新規事業もあらかじめ事業終了の年度を決めざるを得ないというふうに反映されてしまったのではないかなというふうに読み取れるんです。これについて、考え方と記述が合っていないわけですから、来年度の予算編成方針作成の際には、この記述を改めるべきじゃないかなと思うんですけども、いかがでしょうか。 ○森財政課長 予算編成方針の記述、内容につきましては、区が主体的に活用できる一般財源の負担抑制とともに、将来にわたる経常経費の抑制を図る趣旨のものでございまして、これにより財政の硬直化を防ぐことで新たな区民ニーズにも柔軟に対応できるというふうには考えているところでございます。今御紹介いただいた方針について、これを大きく変更するということは考えていないところでございますが、記述内容については、より分かりやすい表現とすることについては検討したいと考えております。 ○羽鳥委員 ぜひとも実態と合わせた記述への改善を改めて求めます。 今後の財政運営の考え方で、基準となる一般財源規模についてお尋ねをいたします。当初予算案、概要の21ページでは、「安定的な歳入確保の見通しを立てづらかったことから、令和3年度と同様の687億円を基準となる一般財源規模として定め」としています。それに対して、2022年度当初予算の歳入一般財源は803億円、歳出における一般財源充当事業費は761億円となっています。そのため、財源超過分である116億円は基金に積み立てる一方、74億円を財政調整基金から取り崩すという運用になっています。過大な基金積立になってしまっているのではないでしょうか。本年度の歳入も上振れしている中で、2022年度は687億円しか見込めないと本当に考えているのでしょうか、お答えください。 ○森財政課長 今、委員お話しあったように、来年度予算におけます財産費を除く一般財源は803億円を見込んでいるところでございまして、基準となる財源規模で設定した687億円は超過する見込みでございます。 ○羽鳥委員 そうですよね。基準と実態が本当に乖離してしまっていると思います。他の委員も指摘しているところですが、この基準となる一般財源規模については、僅かな期間で何度も基準自体が変わっており、基準と言いつつ、基準として機能していないのではないかという問題があります。私は区が2020年度の当初予算編成で出した一般財源充当事業費の750億円というのは、従来からの経費を引き継ぎつつ計上をしたというふうなことで、一定の妥当性があるものだというふうに思っています。これも一昨年の決算特別委員会でお尋ねいたしましたが、そもそも基準となる一般財源規模というふうなこの考え方が、歳入一般財源では大体この水準で推移するというふうに想定をされて、その水準に歳出を合わせていこうというふうな考えに基づくだけに、やはりこのやり方は、基準となる一般財源規模のこの歳入からはみ出た部分を臨時的な支出として扱ってしまうことになりかねないと思います。こういう基準にもなっていない基準となる一般財源規模の考え方は改める必要があるのではないでしょうか、答弁を求めます。 ○森財政課長 実態に即した有効な財政規律を確立させるため、新たな財政運営の考え方についても検討を行っていきたいと考えています。 ○羽鳥委員 実態に合わせた改善をするように、改めて求めたいと思います。 続いて、(2)新型コロナウイルス感染症対策と区民の暮らしを守ることについてお尋ねをいたします。我が党は、新型コロナ感染症対策としてワクチン、補償、検査の拡充をこのコロナ対策の3本柱として求めています。この3本柱を仕立てることにこそ、コロナ禍を抜け出す鍵があると思います。先ほど特別区税収入の全体のところはお聞きをいたしました。全体としては増加をしているというふうなことなんですけれども、税収の中身というふうなのを見ると、また区民の置かれた状況の違った側面が見えてくるかなと思います。まず2022年度の特別区民税について、当初予算案の見込み額に対して納税義務者数の推移、これはどうなっているでしょうか。また、その中身について、どのように分析をされていますか。 ○竹内税務課長 納税義務者数の推移の分析についてお答えいたします。令和4年の当初所得割納税義務者数についてはは19万4,157人と見込んでございます。こちらは令和3年度と比較して2,946人の増となってございます。令和3年度の当初所得割納税義務者数は19万2,661人となってございまして、こちらは令和2年度と比較して2,130人の増となってございます。一方で、令和3年1月1日現在の人口につきましては33万4,632人となってございまして、令和2年度と比較しまして602人の減となってございます。このことから分析いたしますと、今まで納税義務者数でなかった人たちが納税義務者数となったと推測されております。 ○羽鳥委員 また、さらに課税標準額で分けていくと、より詳しい区民の状況が分かってきます。階層ごとの増減について、数とその分析についてお答えをください。 ○竹内税務課長 令和3年度の課税状況から分析いたしますと、令和3年度と令和2年度の7月1日現在の課税標準段階別納税義務者数を比較したところ、課税標準額200万円以下の納税義務者数は1,925人の増加、700万円以下の納税義務者数は316人の減少、700万円超の納税義務者数は521人の増加となってございます。課税標準額200万円以下の納税義務者数が最も多く増加していることにより、新型コロナウイルス感染症の影響が少なからず存在していると分析してございます。 ○羽鳥委員 また、1人当たりの所得金額の推移について、どのように分析をされていますか。 ○竹内税務課長 令和3年度の課税状況から分析いたしますと、令和3年度と令和2年度の1人当たりの所得割額を比較したところ、令和3年度が16万7,432円となっているのに対しまして、令和2年度の1人当たり所得割額は16万9,246円となってございます。こちらは1,814円の減少となってございます。全体の納税義務者数が増加している一方で、1人当たり所得割額が減少していることについて、こちらも新型コロナウイルス感染症の影響が少なからず存在していると分析してございます。 ○羽鳥委員 200万円以下となる方々が1,925人増えて一番増加していると。一方で、700万円以下の納税義務者は減っていて、所得全体も減っている。これが新型コロナウイルス感染症の影響に区民がどう対応したのかなというふうなのを今の御答弁を聞いて考えますと、世帯全体が収入減少していって、それを補うために、少なくない区民が新たに働き始めるというふうな姿が現れてくるんじゃないのかなと思うんですね。全体として、この特別区民税の税収が高い水準というふうに言っても、一人ひとりの区民の暮らしを見たときに、こうした苦境にあえぐ区民の姿が浮かび上がってくると思います。ここにやはり区として手を差し伸べることが必要ではないかということを感じます。 足立区では、世帯所得が200万円以下で住民税課税対象世帯に独自で給付金を配付する予算を計上しました。世帯所得が同じ200万円であったとしても、共稼ぎで、それぞれの所得が100万円ずつならば国の非課税世帯への給付金の対象となる一方、一方の所得のみで200万円となった場合、課税世帯となってしまい、国の給付金の対象外となってしまいます。足立区の制度は、この対象外となった世帯へ給付金を支給するものです。世帯所得が同じならば救済をしよう、手を差し伸べようという、この考えは非常に理にかなったものではないかなというふうに思います。こうした措置と同様の給付金を検討してみてもよいのではないでしょうか、お答えください。 ○伊東特別定額給付金担当課長 国は新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、様々な困難に直面した人々に対し、速やかに生活・暮らしの支援を行うという観点から住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付を実施することとしたものでございます。今回の臨時特別給付金は、新型コロナウイルス感染症の影響をより深刻に受けている住民税非課税世帯及び住民税非課税世帯相当の家計急変世帯に対しまして重点的に支援を行うという考えのもと、国の基準にのっとって実施しているものでございまして、現時点においては支給対象外となる世帯に対して区が独自に給付を行うということは考えてございません。 ○羽鳥委員 独自に考えていないということですけども、非常に残念であります。私たちの会派でも、いろいろと区民に対してもそうだし、事業者に対してもそうだし、家計急変というだけじゃなくて、本当に今この、新型コロナの前から苦しんでいる人たちに対して手を差し伸べるというふうなことが大事じゃないかというふうなことを述べてきました。この財政のもとで、やっぱりそういう決断だって、私は一定できるんじゃないのかなというふうに思います。ぜひとも検討していただきたいと思います。 小学校に通うお子さんがいる家庭では、学校が休校したり、子どもが新型コロナに感染したりする中で、仕事に行きたくても行けない、しかし休むと、その分賃金が減ってしまう、そんな板挟みの状況も発生しているとお聞きします。それに対して、小学校休業等対応助成金を活用することで保護者が安心して有給を取得できるよう制度としては整えられています。しかし、この制度はこれまで事業者から休業の確認がとれなければ個人では申請が受理されず、本来制度の対象となる人が救済されないという問題がありました。これについて、2月16日から事業者の確認を得ずに保護者が申請できるように制度が改善をされています。この変更の中身について、事業者に対して周知をするとともに、個人で申請ができることを区のホームページなどで周知をするべきではないでしょうか。 ○高村広聴・広報課長 事業者に対しては、令和4年3月31日までの間に感染症の影響により子どもの世話を保護者として行うことが必要となった労働者に対して、有給休暇を取得させた場合、助成金が支給されることについて、また、個人で申請する場合の手続が改善されたことについて、区ホームページのほか、随時、区が作成更新している事業者向けの感染者の支援に関するチラシにおいて周知したいと考えてございます。一方、当制度を個人で申請する場合の手続が改正されたことについては、区ホームページの感染症の個人支援のページに掲載し、周知を図ってまいります。 ○羽鳥委員 今回の制度改善のポイントは、やはり個人が申請をできるというふうなことですので、ここに大事な点がありますので、ぜひともこの改善は大事だと思いますので、早速やっていただきたいというふうに思います。 新型コロナウイルスのワクチン接種について、1点お尋ねをいたします。ワクチンのブースター接種としての3回目接種が行われていますが、日本の接種率はOECD諸国の中でもダントツの低さとなっています。3回目のワクチン接種のこの状況について、65歳以上と18歳から64歳までについて、接種率をお答えください。 ○瀬谷新型コロナウイルスワクチン接種担当課長 ワクチン接種記録システム、VRSの速報値では、令和4年2月21日午前9時時点で、65歳以上の国民の54%、18歳以上64歳以下の区民の6.1%が3回目の接種を完了しているところです。 ○羽鳥委員 そういった接種状況にあるということで、この状況になっているのは、やっぱり多くの専門家の指摘も受け止めず、3回目接種の間隔を2回目接種後8か月としたために、現在の第6波の感染拡大にワクチン接種が間に合わないというふうな事態を引き起こしてしまった岸田政権の責任というのは極めて重いと言わざるを得ないと思います。区においては、確保されているワクチンはできるだけ迅速に接種されるよう、無駄にならないよう、区民への情報提供を行うことを求めます。 検査の拡充について求めたいと思います。私自身、このことを議会での質問のたびに求めてきました。しかし、PCR検査をはじめとする検査の拡充は遅々として進まず、今回オミクロン株が主体となった第6波の中では、必要な検査すら行えない状況が広がってしまっています。いつでもどこでも誰でもPCR検査を受けられる体制を整えて、無症状の感染者を把握してこそ、この流行を抑える条件ができてくると思います。国においても、中野区においても、そうした体制がとられることなく今日を迎えてしまっていることを本当に残念に思っています。せめて今からでも中野区が検査の拡充に足を踏み出してもらいたいと思います。 まず区内での新型コロナウイルス感染症の発生状況についてお尋ねをいたします。1月以降の感染症発生動向調査手法で報告されている陽性者数について、また、1月末までの区内の死亡者数についてお答えください。また、現在の感染状況をどのように評価をされていますか。 ○関保健予防課長 週報による区の陽性者数は、1月第1週の246名から急増し、1月末の第5週で3,338人と最大になった後、減少傾向となり、直近の第7週では2,147人となっております。また、区として把握している新型コロナウイルス感染症発生当初から1月末までの累計死亡者数総数は71人となっております。これまでの経験から、陽性者数が減少した後もしばらくは患者の重症化などにより、医療が必要な状況が続くことが予想され、区としても区民の健康と生命を守るため、陽性者への迅速な対応を継続してまいります。 ○羽鳥委員 高齢者の感染もやはりまだ広がっていまして、死亡者数については減少の兆しも見えてきません。オミクロン株が軽症だというふうに言って、楽観論を振りまいてきた責任というのも大変重いものがあると思います。 我が会派が2020年に行ったアンケートでは、コロナウイルス感染症への対策として求めることの第1位は、医療・保健所体制の強化でした。今年度は保健所次長の設置や保健所の保健師の定数の増加を行っています。我が会派も保健所の体制強化とともに、感染拡大に備えた応援体制の強化を求めてきました。この感染状況を踏まえた保健所体制の強化について、この中身をお伺いいたします。 ○関保健予防課長 区は検証を踏まえ、昨年8月に到来した第5波の2倍規模相当の感染状況に対応できる体制を整備いたしました。一方、今般のオミクロン株感染拡大においては想定を超える状況となったため、全庁応援体制を強化し、都の自宅療養者サポートセンターなど、新たな事業も活用しながら対応しております。 ○羽鳥委員 これまで準備はしてきたけども、今回の感染拡大はそれを超えるものだったということで、保健所の職員の皆さんには大変な苦労、負担がかかったかと思います。新型コロナウイルスの陽性者が確認されたならば、通常は濃厚接触者の特定を行うという流れになっていますが、現在の第6波の感染拡大はこれまでにない規模となっているだけに、濃厚接触者の特定や陽性者への連絡について、実施ができていたのでしょうか、状況をお答えください。 ○関保健予防課長 都は感染急拡大時において、保健所の業務を陽性者の状況把握、体調急変への対応に重点化することとし、疫学調査は対象者の優先度を考慮し、陽性者本人から濃厚接触者へ連絡することや所属団体の健康管理者等による調査や健康観察を活用し、効率化するよう依頼しております。これに基づき、区は病状に応じた陽性者への対応を優先し、疫学調査については高齢者施設など重症化リスクの高い集団に重点化を図っております。現在は、発生届出を受理後、その情報に基づき陽性者を分類し、速やかに個々のリスクに応じた対応を行っております。 ○羽鳥委員 そうした状況ですと、本当に感染が広がったときには、学校で陽性者が発生した場合、濃厚接触者の特定はやはりできていなかったのではないかなと思うのですけれども、状況としてはいかがだったでしょうか。 ○関保健予防課長 感染急拡大時においては、全ての施設において保健所が濃厚接触者の特定を迅速に行うことは難しいため、重症化リスクの高い集団を優先として対応しております。そのため、学校においては、文部科学省の示す学校で児童・生徒等や教職員の新型コロナウイルスの感染が確認された場合の対応ガイドラインを参照しながら対応いただくこととしております。陽性者が複数同時に発生した場合など、対応に関する判断が困難な場合については、保健所へ個別に御相談いただいております。 ○羽鳥委員 個別に相談というふうなことですから、発生した場合は、大体は保健所による調査というのは行えないというふうなことだったのだなと思います。 全庁的な応援体制も組んで対応されたところだと思うんですけれども、やはり様々な部署から人員をとっていることによって、それはそれとして対応しなくちゃいけないので批判をするつもりは全くありませんが、かなり無理が、全庁的にもやっぱり無理が生じていたのかなというふうにも思います。保健所の人員体制自体のさらなる強化が必要ではないかなということも考えます。 今回の第6波の感染拡大に当たって、区内の小・中学校においても多数の感染者が発生しており、学級閉鎖なども生じていると聞いています。1月以降の児童・生徒の陽性者数と学級閉鎖の発生状況についてお答えください。 ○松原学校教育課長 今年1月5日から2月18日までということで申し上げます。陽性者が延べ982人でございます。学級閉鎖でございますが、幼稚園が2園2学級、小学校が19校80学級、中学校5校11学級となっております。 ○羽鳥委員 半分以上で、本当に多数の学級が閉鎖をされているというふうな状況だなということが分かります。先ほど保健予防課長から御答弁があったんですけども、学校における濃厚接触者の特定というふうなところで、学校の場で実際にどうしていたのかということなんですけれども、年明け以降、行えていたんでしょうか。 ○松原学校教育課長 1月21日以降でございますが、各学校におきまして行動記録を作成し、学校医と相談をして濃厚接触者特定を行ってきたところでございます。 ○羽鳥委員 校医と相談をしというふうなことですけれども、実際に児童・生徒と関わっているのは先生なわけですから、やっぱり先生がこの子はどうだろうというふうに見ざるを得なかった。実際の判断は校医だとしても、先生がかなり濃厚接触者の特定を行わざるを得ない状況になっていたというふうなことか、確認です。 ○松原学校教育課長 行動記録を作成する際に、当然直接関わっていた先生がその記録をしたためますので、その内容に基づいた形で学校医と相談をしていたというようなことが実態となります。 ○羽鳥委員 大変な負担が先生にもかかっていたのかと思います。この中で濃厚接触者の特定が保健所の判断ではなかなか、個別に判断が難しい場合には保健所ということですけれども、それはあくまでそういう場合なわけで、そうじゃない場合については、自ら判断をせざるを得なくなってきているのかなと思います。学級閉鎖を行う基準と解除というのは、どのように判断をされていたんでしょうか。 ○松原学校教育課長 学級閉鎖を行う場合、これは学校の感染状況、それから体調不良者等の状況を踏まえて、その状況を学校医と相談して判断をしているところでございます。また、解除の際ですけれども、解除の前に子どもの健康状態を把握いたしまして、必要に応じて学校医と相談の上、決定しているところでございます。 ○羽鳥委員 東京都教育委員会は1月25日に各教育委員会に向けて、オミクロン株の流行拡大を踏まえたPCR検査の実施についての通知を出しました。この通知では、学級閉鎖が行われた際に従来よりも柔軟にPCR検査を行えるようになったという中身になっています。しかし、この新型コロナウイルス感染症が流行してから、いまだに根強く存在している検査の抑制論や実際問題として大規模なPCR検査を行って、その結果を即時に明らかにする体制というのが全く整えられていないというふうなことなど、本当に政府の怠慢としか言いような事態に、今回質問を作成するに当たって直面をしました。検査能力の拡充がきちんと行われなかったために、この第6波に本当に全く対応できずに、学級閉鎖の解除について健康状態の把握で判断をするしかないというふうなことになっているのは今御答弁があったとおりで、定期的なPCR検査はおろか、定期的な抗原検査すら行われていない。2年もたって、こんな状況になっているというので、本当に何をやっていたのかと、政府は。憤りを覚えます。根本的には政府の責任ではありますが、そのような状況にあって中野区にはやはり検査の拡充で感染拡大を抑える立場にぜひ立ってもらいたいというふうに思います。大人は子どもよりも行動範囲が広く、それだけに感染の危険性も増します。感染拡大を防ぐ上で、教職員への感染、教職員からの感染を防ぐことも非常に重要です。2月2日、東京都教育委員会の通知によって、現在、今年度中で定期的な検査が実施されているところです。その中身について、また、この検査の意義・目的についてお答えください。 ○齊藤指導室長 感染者を早期に発見し、感染拡大・集団感染を防止することを目的として、区立学校の無症状の教職員を対象とした検査で、週1回程度、定期的に行うものでございます。 ○羽鳥委員 まさに無症状の方も対象にしているというふうなことで、スクリーニング的にやって、無症状からの感染を防ぐというふうなことでやっているわけですよね。確認です。 ○齊藤指導室長 学校での感染拡大を防止するということを目的に、無症状の方も対象になっているということでございます。 ○羽鳥委員 この検査なんですけれども、3月までというふうに通知ではなっています。4月以降も実施を私はしていくべきだというふうに思います。東京都に求めるとともに、仮に東京都がやらなくても、中野区独自で実施する体制を整えるべきではないでしょうか。 ○齊藤指導室長 次年度以降の東京都の事業継続見込みにつきましては、現在把握はしておりませんが、これまで同様に周知などは適切に対応を行ってまいります。 ○羽鳥委員 自分たちがやるというふうなことはないのが、ちょっと頼りないなというふうに思ってしまいます。ぜひとも、東京都に求めるというのもそうだし、今私が言ったように無症状からの感染拡大を防いでいくというふうな点でも、ぜひとも中野区独自で判断をして、実施をしていただきたいというふうに思います。定期的な検査で新型コロナから学校をしっかり守っていただきたい、そういった判断を求めます。 以上で、この項の質問を終えます。 次に、4番の西武新宿線連続立体交差事業についてお尋ねをいたします。現在、区内では西武新宿線、中井・野方駅間に地下化による連続立体交差事業が行われており、区内では野方・井荻駅間の事業進捗も待たれているところです。まず、連続立体交差事業の目的についてお尋ねをいたします。 ○工藤野方以西担当課長 連続立体交差事業につきましてですが、都市部における道路整備の一環といたしまして、道路と鉄道との交差部において、鉄道を高架化、または地下化することによりまして、多数の踏切を一挙に除却し、踏切対策、事故を解消するなど、都市交通を円滑化するとともに、鉄道により分断された市街地の一体化を促進する事業であります。 ○羽鳥委員 この踏切対策として、道路事業として実施をされているわけですけれども、中野区においては、この踏切対策を早期に実現をしようということで、区は区民・区議会と一体となって西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟を結成しています。連続立体交差化による踏切渋滞解消は長年にわたる区民の悲願であり、一日も早い事業の完了が求められています。中井・野方駅間に次いで事業の実施が望まれている野方・井荻駅間についての現在の検討の状況、区の事業進捗に向けた準備はどのようになっているでしょうか。 ○工藤野方以西担当課長 野方駅・井荻間における区内のまちづくりの検討状況についてでございますが、令和2年4月に都立家政駅周辺地区及び鷺宮駅周辺地区のまちづくり整備方針を策定してございます。現在は野方駅周辺地区のまちづくり整備方針の策定に向けた手続を進めております。 ○羽鳥委員 来年度以降は基盤計画についても検討されていくと思うんですけれども、どういったスケジュールなのか、分かる範囲でお答えください。 ○工藤野方以西担当課長 まず今年度は整備方針の策定ということをいたしまして、引き続きまして関係調整機関と具体的な駅前広場の位置ですとか、そういったことの検討を進めてまいります。 ○羽鳥委員 この事業についてですが、中野区は2014年に、東京都は2017年に構造形式の比較検討報告書を出し、いずれも高架案、高架仮線施工が最適との評価を出しています。なぜ高架案が最適と判断をされているのでしょうか。 ○工藤野方以西担当課長 2014年の検討についての御質問でございますが、そちらにつきましては高架形式や地下形式等の4案につきまして、地形的条件、計画的条件、費用等の事業的条件や駅周辺のまちづくり等への影響、これらを総合的に判断した結果でございます。 ○羽鳥委員 この中野区が2014年に出した報告書、用地買収の面積、高架案と地下案でそれぞれお答えください。 ○工藤野方以西担当課長 2014年の検討における用地買収の面積についてのお尋ねございますが、連続立体交差事業の構造形式につきましては、現在、都において検討中でございます。このため、区で検討している内容につきましては回答を控えさせていただきます。なお、連続立体交差事業の構造形式につきましては、事業主体である東京都が比較検討を行った上で最適な構造形式を選定するものでございます。 ○羽鳥委員 お聞きしたのは、2014年に中野区が出した報告書について、用地買収の面積をどうやって見積もりましたかというふうなことなんですけど。 ○工藤野方以西担当課長 面積についての御質問でございますが、繰り返しになりますが、過年度の報告について、連続立体交差事業の構造形式については、現在、東京都において検討中でございます。そのため、区で検討している内容につきましては回答を控えさせていただきます。 ○羽鳥委員 分かりました。東京都の調査報告書でも、鉄道用地の買収面積及び買収費用に大きな違いが出ているわけですね。東京都の場合は、それぞれ高架仮線方式において1,587平米で40億円、高架直上施工において2,094平米で50億円なのに対して、地下方式では、なんと1万169平米で170億円と見積もられています。こうした違いというふうなのは、何で発生してしまっているのか、見解をお尋ねいたします。 ○工藤野方以西担当課長 東京都の検討内容についての御質問というようなことかと思いますが、そちらにつきましても、事業主体である東京都が検討しているものでございまして、中野区としてその内容についてお答えすることは控えさせていただきます。 ○羽鳥委員 結局、お答えできないって言っているけど、それぐらい事業のどうなるかって関わるものですから、ちゃんと調べて、お答えできるようにしてもらいたいものです。単線シールドでやっているから、現状の鉄道用地をはみ出してしまって、地下方式なのに鉄道用地として買収をしなくちゃいけない、それで買収面積がはね上がっているわけです。昨年も本会議質問でお聞きいたしましたが、中野区の検討、中野区の2014年の検討においても、これは単線シールドで検討しているわけですが、なぜ複線シールドで検討をしないのか。中野区の検討ですから、お答えください。 ○工藤野方以西担当課長 中野区における2014年の検討についての、構造形式についての御質問でございますが、2014年に報告した内容につきましては、現在、事業中の中井駅から野方駅間の連続立体交差事業が単線シールドを予定しているということから、野方駅から井荻間についても単線シールドにおいて検討をしてございます。 ○羽鳥委員 そうなんですよね、昨年もそういう答えだった。ちょっと思考停止じゃないかなというふうに思うんですよね。単線シールドで買収面積が増えて、事業の早期実現が大変になってくるというのが分かりきっているのに、中井・野方間は単線のシールドだから、複線シールドでは検討しない、単線シールドである、ちゃんと真剣に検討しているのかなと。区民のために早期に実現しようというふうに思っているのかなというふうに疑ってしまいます。単線シールドというふうなことで検討されているわけですけれども、例えば横浜市では、相模鉄道本線の鶴ヶ峰駅付近の連続立体交差事業におい地下方式を採用して、その際には複線シールドを選択しています。そのことは承知をしておりますか。 ○工藤野方以西担当課長 複線方式の検討ということでございまして、横浜市のほうでそのような検討をしているということについては承知をしてございます。 ○羽鳥委員 しかも、横浜市は複線シールドだけでも三つの形で比較検討しているんですよ。そういった真剣さが東京都にも中野区にも全く感じられません。さらに、横浜市はまちづくりや騒音などの環境面、地元要望などの比較もあります。こうした検討を加えれば、構造形式の優位は変わったのではないでしょうか。 ○工藤野方以西担当課長 構造形式の優位性についてでございますが、連続立体交差事業の構造形式につきましては、事業主体である東京都が比較検討を行った上で最適な構造形式を選定するものでございます。 ○羽鳥委員 だから、2014年のあなたたちの検討でそういうふうに言っているでしょうという話なの。それは東京都が決めるというふうなのは、それは最後だけれども、2014年の検討は中野区がやったじゃないですか。何でそういう答弁になるんですか。 ○工藤野方以西担当課長 2014年につきましては、もちろん区で検討しているということでございますが、その際につきましても構造形式4案を比較した上で、先ほど申し上げたとおり総合的な判断をした結果でございます。 ○羽鳥委員 総合的な判断の中身がさっぱり見えないわけですよね。横浜市に比べても、やっぱり中身が大変雑だと思うんですよ。東京都のことについて言いますから、これは別に答えなくていいです。東京都の検討では、高架案も地下案も、例えば騒音について、評価はマルで同じなんですね。なぜかというと対策できるから地下化も高架化も同じだって言うんです。でも、中井・野方駅間の比較検討は違うんですよ。記述の中身は全く同じなのに、こちらの場合は地下案に二重丸がついているんですね。騒音の駅はほとんどないというふうなことで二重丸がついている。記述は同じなのに中井・野方駅間は二重丸がついていて、野方・井荻間は二重丸じゃない。どっちも同じマルなんです。これでどちらが優位かというふうな判断が変わってきている。事業期間についても、横浜市や他の鉄道高架化の事例を分析して、実際に買収に長い期間がかかると見込んで想定をしています。 また、ここに来て、私は新たに判断材料に加えるべきものも出てきたというふうに思います。西武鉄道新宿線野方駅・井荻駅間連続立体交差事業に関連する特別区道42-90、野方第一号堀切道との立体交差にかかる検討調査、2か年にわたって検討され、報告書にまとめられています。まず、この報告書はどういう目的を持ったものなんでしょうか。 ○工藤野方以西担当課長 一昨年度まで委託調査したことについての目的ということでございますが、こちらにつきましては技術的な踏切除却の実現可能性を検証するものでございます。 ○羽鳥委員 この検討結果について、区は現時点でどのように評価をしているのでしょうか。 ○工藤野方以西担当課長 検討調査の結果についてでございますが、この結果を基に東京都と踏切の除却を含め、鉄道の立体化について意見交換を行ってまいります。 ○羽鳥委員 中身を見ますと、平面図で見ますと野方駅を西に約140メートル移動させるとともに、線路を南側に移動させているんですね。このことによって、これまで想定されていなかった立ち退きが新たに発生するんじゃないでしょうか、想定件数はどうなっていますか。 ○工藤野方以西担当課長 用地買収の過年度の検討状況ということでございますが、繰り返しになりますが、連続立体交差事業の構造形式については、現在都において検討中であるため、区で検討している内容については回答を控えさせていただきます。検討途中のものにつきましては、やはり区民の無用な混乱を招くということもございますので、回答を控えさせていただきます。 ○羽鳥委員 情報開示請求で出されている平面図を見ますと、住宅の数を数えると大体出てきますよ。30軒から40軒くらいなのかなというふうに見えますよ。こういう明らかになっている資料があるわけですから、積極的に開示していただきたいなというふうに思います。住民の立ち退きには大変長い時間がかかります。中井・野方駅間の連続立体交差事業においても、6年も事業期間が延伸されたことの理由として、用地買収が想定どおりに進んでいないということが挙げられていました。今回のこの報告書は、野方第一号踏切除却は技術的には可能だが、事業完了において新たな困難も発生するということが分かったのではないでしょうか。この野方一号踏切除却のための事業をやると幾らになるんでしょうか。 ○工藤野方以西担当課長 事業費についての御質問でございますが、連続立体交差事業の構造形式につきましては、現在都において検討中であるため、区で検討している内容については回答を控えさせていただきます。 ○羽鳥委員 数字が書いてあるんですよ、開示された資料に書いてあるんです。見れるんです。お答えできるんじゃないですか。 ○工藤野方以西担当課長 繰り返しになりますが、検討途中のものを開示するということにつきましては、事業主体である都の検討においても影響を与えますし、地域の方におかれましても無用な混乱を招くということでございますので、回答は控えさせていただきます。 ○羽鳥委員 じゃ開示資料なので、言います。事業全体では227億円、そのうち野方・井荻連立と重複する工事費の概算は65億円、すると差し引き162億円が野方第一号踏切除却のために新たにかかる工事費として概算ができるわけです。すると、東京都の比較検討の高架仮線施工との費用というふうなところで、また考えが変わってくるんじゃないかなと思うんです。東京都の比較検討の高架仮線施工、高架直上施工、地下化での、3案での概算事業費、これをお答えください。 ○工藤野方以西担当課長 東京都の検討調査につきましての御質問でございますが、構造形式につきましては東京都が検討しているものでございまして、区としては把握してございません。 ○羽鳥委員 判断するということと、出ている数字を言うということは違うでしょうと。高架仮線施工で850億円、高架直上施工では1,020億円、地下化では1,070億円となるんですね。最適とした高架仮線案、この検討というのは、東京都の検討調査報告書を基に、そこから技術的に除却が可能かどうかというのを調べるというふうな形になっているんですね。すると、最適とした高架仮線案に足すと1,012億円というふうになって、地下案との差は58億円にまでなるんですね。しかも、この地下案は単線シールドでやっているために、買収面積が過剰に算出をされていると思います。地下案の鉄道用地の概算事業費は170億円もあって、複線シールドになれば大幅に低減する可能性もあるのではないでしょうか。重ねて求めますが、複線シールドについて改めて検討するべきではないですか。 ○工藤野方以西担当課長 野方一号踏切の除却に当たりましては、区が2014年に行った鉄道の立体化の検討において、高架形式による除却が優位であると認識してございます。なお、連続立体交差事業の構造形式につきましては、事業主体である東京都が比較検討を行った上で最適な構造形式を選定するものでございます。 ○ひやま委員長 委員会を休憩します。 午後5時01分休憩
午後5時02分開議 ○ひやま委員長 委員会を再開します。 ○羽鳥委員 ありがとうございます。全線地下化をした場合となると、工事費にかかる国庫負担金の返還を求められる可能性があるというふうなことも、いろいろと区は言われるわけですね。どういった規定に基づくものでしょうか。 ○工藤野方以西担当課長 国庫補助金の返還につきましては、補助金等に関わる予算の執行の適正化に関する法律に基づき対応することとなります。 ○羽鳥委員 その法律に基づく財産処分の承認基準を見ると、例えば補助対象財産、施設の使用をやめ、取り壊す場合というのが載っているんですね。その額をどう算出するのかといえば、その部分の工事に交付した国庫補助金の額に処分制限期間、耐用年数みたいなものです、その期間に対する残存年数の割合で返してもらうことになっています。簡単に言うと、50年間使ってねというふうなことで補助金を交付したけども、10年で壊すことになったと。それなら、交付した補助金の40年分に当たる5分の4を返却してねというふうなことです。これはつまり初めの工事費を縮減して補助金額を減らすとかというふうな工夫が可能なことを意味すると思います。開口部など該当部分を仮設のつくりしておくなどして、工事費の低減を図ることなど、様々な方策が可能であると思います。こうしたことも真剣に検討して、区内全線地下化の可能性について調査をするべきではないですか。 ○工藤野方以西担当課長 繰り返しになりますが、区が検討いたしました検討では、高架方式の優位性が高い結果となっております。連続立体交差事業の構造形式については、事業主体である東京都が選定するものでございます。 ○羽鳥委員 もうその部分はいいです。今回、私は区自身が作成した資料を用いて、区内全線地下化は事業費の面でも地域環境の面でも、何より早期実現という面でも新たな可能性が出てきたことを区の資料で示したつもりです。それを区は調査もしないという、結局、東京都の単線シールドがいいんだというふうな、この流れに引っ張られているんじゃないですか。少なくとも説明会について、この報告書、せっかく2か年、2,000万円以上も費用をかけて報告書をつくったわけですから、野方の皆さんに説明会を開くべきじゃないですか。 ○工藤野方以西担当課長 調査の結果の地元説明会についての御質問でございますが、連続立体交差事業の構造形式については、東京都が都市計画の手続の際に公表するということになってございます。東京都が都市計画の手続の各段階において説明会や意見書の提出など、区民の皆さんに意見を表明していただける機会を設けてございます。このため、構造形式について区が独自に地域に対して説明する場を設けることは考えてございません。 ○羽鳥委員 区長は一昨年の第1回定例会の大内議員の質疑に対して、「野方駅周辺地区まちづくりについての御質問で、野方駅直近の踏切除去についての検討状況でございます。野方駅直近の踏切除却は、野方駅周辺地区のまちづくりの生命線であると私どもも考えております」と答弁をされています。生命線がどうなったのか説明されるのは、私は大事なことではないかなというふうに思います。様々な情報を区民に提供し、共に考えるのは区長が言ってきた政策決定過程からの区民参加なのではないかなというふうに思います。改めて説明会を開くべきではないかと思いますが、区長、いかがですか。 ○酒井区長 今、担当から何度も説明しているとおり、事業主体である東京都がやるべきことがあると思います。区としても、できる限りの説明責任を果たそうということは考えているところでございます。 ○羽鳥委員 先ほどから担当課長が述べられているのは、都市計画決定の際とか、そういったもう大体決まってしまっている段階なんですね。それじゃ遅いから、今から区民と一緒に考えるべきではないかというふうなことを私は言ってきたつもりです。せめて説明会については考えていただきたいと思います。 以上で、この項の質問を終わります。 ○ひやま委員長 羽鳥委員の質疑の途中ですが、今後の運営について協議するため理事会を開会します。 委員会を暫時休憩いたします。 午後5時07分休憩
午後5時14分開議 ○ひやま委員長 委員会を再開します。 ただいまの理事会の報告をします。羽鳥委員の質疑の途中ですが、本日は終了し、次回、羽鳥委員から始めることを確認いたしました。 以上が理事会の報告ですが、質疑はありますか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○ひやま委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○ひやま委員長 御異議ありませんので、そのように決定し、本日の総括質疑を終了いたします。 次回の委員会は2月25日(金曜日)午前10時から当委員会室で開会することを口頭をもって通告いたします。 以上で本日の予算特別委員会を散会します。 午後5時14分散会 |