令和4年09月21日中野区議会決算特別委員会の会議録 1.令和4年(2022年)9月21日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。 1.出席委員(41名) 1番 生 藤 健 人 2番 竹 村 あきひろ 3番 日 野 たかし 4番 渡 辺 たけし 5番 間 ひとみ 6番 河 合 り な 7番 斉 藤 ゆ り 8番 立 石 り お 9番 羽 鳥 だいすけ 10番 市 川 しんたろう 11番 加 藤 たくま 12番 吉 田 康一郎 13番 木 村 広 一 14番 甲 田 ゆり子 15番 内 野 大三郎 16番 杉 山 司 17番 ひやま 隆 18番 小宮山 たかし 19番 い さ 哲 郎 20番 小 杉 一 男 21番 内 川 和 久 22番 若 林 しげお 23番 高 橋 かずちか 24番 小 林 ぜんいち 25番 白 井 ひでふみ 26番 欠 員 27番 山 本 たかし 28番 中 村 延 子 29番 石 坂 わたる 30番 近 藤 さえ子 31番 浦 野 さとみ 32番 大 内 しんご 33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき 35番 平 山 英 明 36番 南 かつひこ 37番 久 保 り か 38番 森 たかゆき 39番 酒 井 たくや 40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行 1.欠席議員 な し 1. 出席説明員 中野区長 酒井 直人 副区長 白土 純 副区長 横山 克人 教育長 入野 貴美子 企画部長 石井 大輔 企画課長、ユニバーサルデザイン推進担当課長 堀越 恵美子 構造改革担当課長瀬谷 泰祐 財政課長 森 克久 広聴・広報課長 高村 和哉 総務部長 海老沢 憲一 防災危機管理担当部長、総務部防災危機管理課長事務取扱 石崎 公一 DX推進室長 滝瀬 裕之 総務課長 浅川 靖 職員課長 吉沢 健一 人材育成担当課長石橋 一彦 情報システム課長白井 亮 特別定額給付金担当課長、基幹システム標準化担当課長 伊東 知秀 区民部長 鳥井 文哉 文化・産業振興担当部長 高橋 昭彦 文化国際交流担当課長 矢澤 岳 税務課長 竹内 賢三 保険医療課長 伊藤 廣昭 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 青山 敬一郎 子ども家庭支援担当部長、子ども・若者支援センター所長、 教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小田 史子 子ども・教育政策課長、学校再編・地域連携担当課長 濵口 求 子ども政策担当課長 青木 大 保育園・幼稚園課長 渡邊 健治 保育施設利用調整担当課長、幼児施設整備担当課長 藤嶋 正彦 指導室長 齊藤 光司 学校教育課長 松原 弘宜 子育て支援課長 滝浪 亜未 育成活動推進課長細野 修一 地域支えあい推進部長 角 秀行 地域包括ケア推進担当部長 藤井 多希子 地域活動推進課長高橋 英昭 健康福祉部長 岩浅 英樹 保健所次長 杉本 兼太郎 スポーツ振興課長辻本 将紀 生活保護担当課長只野 孝子 保健企画課長、新型コロナウイルスワクチン接種担当課長 中村 誠 保健予防課長 鹿島 剛 環境部長 朝井 めぐみ 都市基盤部長 奈良 浩二 道路課長 井上 雄城 まちづくり推進部長 豊川 士朗 中野駅周辺まちづくり担当部長 松前 友香子 会計室長 吉村 恒治 1.本会の書記は下記のとおりである。 事務局長 長﨑 武史 事務局次長 林 健 議事調査担当係長 鳥居 誠 書 記 立川 衛 書 記 若見 元彦 書 記 髙田 英明 書 記 鎌形 聡美 書 記 田村 優 書 記 細井 翔太 書 記 有明 健人 書 記 早尾 尚也 書 記 髙橋 万里 書 記 川辺 翔斗 書 記 金木 崇太 1.委員長署名 午前10時00分開議 ○ひやま委員長 おはようございます。定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。 総括質疑一覧がタブレット型携帯端末等で閲覧できますので、御参考に御覧ください。
令和4年(2022年)9月21日 決算特別委員会
総 括 質 疑 一 覧
○ひやま委員長 本日は総括質疑の1日目となります。1番目に中村延子委員、2番目に加藤たくま委員、3番目に小林ぜんいち委員、4番目に長沢和彦委員の順で4名の総括質疑を行います。 次に、要求資料についてですが、前回の委員会で要求した資料323件、全ての資料が提出され、タブレット型携帯端末等で閲覧できるようになっております。資料作成に当たられた職員の皆さん、ありがとうございました。 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は発言前に大きな声で職名を述べられるようお願いいたします。 それでは、質疑に入ります。 中村延子委員、質疑をどうぞ。 ○中村委員 おはようございます。令和4年第3回定例会決算特別委員会におきまして、立憲民主党・無所属議員団の立場から、総括質疑を行います。 1の(3)と(4)の順番を入れ替えて質問いたします。また、時間の関係上、4の(3)は別の機会に回させていただきます。ちょっと時間が足りなさそうなので、もしかすると最後のほうは削りながら質問をさせていただくかもしれません。よろしくお願いいたします。 それでは、1番、令和3年度決算について伺わせていただきます。 令和2年度も11回にわたる補正予算を組み、全庁を挙げて新型コロナウイルス感染症に立ち向かっていただきましたが、令和3年度はそれをさらに超えて12回にわたり補正予算を組み、特に給付金等には迅速な対応をしていただきました。この場をかりて、財政課をはじめ全ての職員の皆さんに感謝を申し上げます。 (1)歳入について、まず普通会計における令和3年度歳入決算額は1,608億円で、前年度比351億円減となりました。令和2年度第3回定例会の区長の行政報告の中で、財政の非常事態という認識が示され、令和3年度当初予算は予算編成過程で大幅な減収が見込まれるとのことから、経常経費削減目標を20%と定め、全庁を挙げて歳出削減に取り組まれました。当初、第2回定例会で議会からの質問に対し、100億円の減少が見込まれることを答弁、その後、第3回定例会の行政報告の中で92億円減となるとされていました。その根拠はどのように算定されたのか、まず伺います。 ○森財政課長 92億円の減の根拠でございますが、令和3年度予算編成開始時の一般財源の見込みにつきましては、まず特別区税ですが、その時点で把握しておりました毎月勤労統計などのデータから平均給与収入などで算出しました。また、特別区交付金や地方消費税交付金については、リーマンショックが発生した平成20年度のGDPの成長率と令和2年度のGDPの予測成長率を比較しまして、令和3年度の減収幅を推計したところです。これによりまして、令和2年度当初予算と比較しまして、特別区税を26億円減、特別区交付金を48億円減、地方消費税交付金を18億円減、合計で92億円減と見込んだところでございます。 ○中村委員 当初予算を組んだ時点では68億円減としました。その根拠はどういったものだったんでしょうか。 ○森財政課長 特別区税や特別区交付金の積算に係る、その後、基礎データ等が更新されまして、特別区税は平均給与収入の減の幅が小さくなり、また、特別区交付金は全体のフレームの減の幅が小さくなったということで、68億円減と当初よりも減り幅が小さくなったと。具体的には、特別区税については9億2,600万円余、特別区交付金については6億5,200万円余、地方消費税交付金については8億円増加したということでございます。 ○中村委員 結果、決算ではどうだったのか伺います。 ○森財政課長 令和3年度の歳入一般財源の決算額ですが、871億6,600万円余となっておりまして、令和2年度の決算額と比較いたしますと61億9,700万円余の増となっております。 ○中村委員 ありがとうございます。かなりの差があったというか、減収ともならずに、増収となったという結果になりました。 財政非常事態と言及された際、我が会派は決算を見てから判断するべきというふうに申し上げてきました。振り返っても、68億円減というふうになったときには基礎データをしっかり見極めた上で算出されているんですけれども、92億円減というふうにされたときというのは、もともと予算編成で使っているようなデータではないデータを使って算出をされたのかなというふうに思っています。振り返っても、この92億円減というところは答弁するべきじゃなかったのかなというふうに考えております。今年の第2回定例会で財政非常事態という状況にはないというふうにはされましたけれども、やはり決算ベースで見ていく必要があったというふうに改めて感じました。区の見解をお聞かせください。 ○森財政課長 2年前の令和3年度の予算編成の開始時点、この時点においては新型コロナウイルス感染症の拡大が税収等にどれほどの影響があるのか、不透明な、不明確な部分が大きく、先が見通せない状況でございました。また、これまでに経験をしたことがない一般財源の減収を想定したというようなことでございまして、危機意識を持って予算編成を進める観点から、財政上の非常事態との認識に至ったということでございます。最大のリスクを想定しまして進めたことでございます。当時としては適切な判断であったかなと考えておりますが、結果として今お話があったように、歳入の上振れなど、そういったこともございましたので、今後の財政運営に当たりましては、今回のことを十分に踏まえて対応していきたいと考えております。 ○中村委員 リーマンショックのときも決算を見て、そういった対応をしてきたというところもある中で、やっぱりそこは改めていただきたいなというふうに強く思っておりますので、よろしくお願いいたします。 一般財源について伺います。まず特別区交付金について伺います。令和3年度は固定資産税や市町村民税法人分の増収により特別区交付金の総額が50億円増えました。この状況はどのように分析していますでしょうか。 ○森財政課長 特別区交付金の増要因でございますが、当初予算編成時におきましては新型コロナウイルス感染症の影響により減収を積算したところでございますが、想定以上の企業収益の堅調な推移によりまして、財源となる市町村民税法人分をはじめまして調整税等が伸びたと。具体的には、前年度比7.5%、1,377億円伸びたことが今回のこの決算になったのかと捉えております。 ○中村委員 令和2年度から令和3年度というのは、持続化給付金や自粛要請の際に出た協力金の影響で続けられた企業もあるというふうに予想ができます。昨今の物価高や円安などのあおりを受け、倒産が増えることも考えられます。今後の状況をしっかりと見極めていく必要があると考えますが、いかがですか。 ○森財政課長 今お話がありましたように、企業への給付金等については縮小傾向にあるということでございます。一方で、物価高の影響、円安の影響を受けている企業が増えてきておりまして、今後、企業収益への影響が懸念されるところでございます。企業収益は市町村民税法人分の収入状況、また、ひいては特別区交付金に影響してまいりますので、状況について注視をいたしまして、財政運営を進めていきたいと考えております。 ○中村委員 よろしくお願いいたします。 次に、特別区民税について伺います。令和3年度、前年度比1億円減の340億円となりました。この主な要因は土地等の譲渡所得に係る税額の減によるものです。減少額とその要因をどのように分析されていますでしょうか、伺います。 ○竹内税務課長 令和3年度の土地等譲渡所得の税額は6億2,840万円でございまして、令和2年度の9億5,862万4,000円と比較して3億3,000万円の減少となってございます。その要因は、土地等譲渡所得の納税義務者の人数が令和2年度の993人から令和3年度は902人と減少してございまして、税額1,000万円超の人数も24人減少していることによるところにございます。 ○中村委員 ありがとうございます。土地売買の取引が減ったことによる減少ということだと思いますけれども、どんな影響が考えられますでしょうか。 ○竹内税務課長 国土交通省が2020年に発表しました基準地価は全国全用途平均で前年比0.6%の下落と、平成29年度以来3年ぶりの下落となってございます。このような経済的な影響も減少の要因になっていると推測してございます。 ○中村委員 ありがとうございます。納税義務者数は減少しているとのことですが、納税者1人当たりの所得額はどうなっているでしょうか。 ○竹内税務課長 令和3年度の納税者1人当たりの所得額は410万3,000円となってございまして、令和2年度の398万3,000円よりも12万円増加してございます。 ○中村委員 ありがとうございます。納税者1人当たりの所得額は増えているとのことです。人口減少が原因なのか、それとも格差が広がっているのか、気になるところです。人口流動が激しい中野区なので、住んでいる人が変化しているのかなとも考えられます。コロナ禍の中で外国人住民は減っていることが予測できます。ここで、納税義務者数と人口、そして外国人人口の関係性について、それぞれの3年間の推移を教えてください。 ○竹内税務課長 令和元年度につきましては、納税義務者数19万8,458人、人口33万1,658人、外国人人口1万9,326人となってございます。令和2年度につきましては、納税義務者数20万4,098人、人口33万5,234人、外国人人口2万95人となってございます。令和3年度につきましては、納税義務者数20万3,322人、人口33万4,632人、外国人人口1万7,809人となってございます。外国人人口を除いた人口については、令和元年度31万2,332人、令和2年度31万5,139人、令和3年度31万6,823人と年々増加してございます。 ○中村委員 ありがとうございます。外国人住民は減っている状況にある中、日本人人口は増えているということは少し驚きでした。単純に外国人住民が減ったことにより納税者1人当たりの所得額が増えるとはいえない部分もありますけれども、丁寧なフォローは重要だと考えます。 今後、外国人人口が増える可能性は大いにあります。税や国保に関して、初めて中野区に入居される外国人の方々に対しては丁寧な周知が必要であり、区はなかの生活ガイドブックを作成しています。一方で、戸籍住民窓口では、このガイドブックがもらえますよというチラシのみを配布しており、ガイドブックそのものは申し出た方のみに配布をしています。最初から配布をすべきと考えますが、いかがですか。 ○矢澤文化国際交流担当課長 なかの生活ガイドブックは毎年2,000部発行しまして、区役所の各窓口や総合案内窓口、地域事務所などの区立施設のほか、国際交流協会や区内大学、日本語学校へ配布しているところでございます。戸籍住民課の窓口におきましては、転入してきた外国人全員に対し、ガイドブックのホームページアドレスへアクセスできるQRコードつきのチラシを配布しているところでございます。今後も生活に必要な情報が得られますよう、御指摘を踏まえまして、効果的な配布や周知方法の在り方につきましては検討してまいりたいと考えてございます。 ○中村委員 ありがとうございます。納税だけではありませんけれども、ルールを知っていただくことが多文化共生の社会につながります。目先の経費削減だけにとらわれず対応していただきたいと思います。滞納対策も強化してきていますが、その過程で支援が必要な方と分かった場合は、しっかりとしかるべき部署につないでいくことも併せてお願いをいたします。 次に、徴収率について伺います。令和3年度は改善し、現年度分は前年度より0.4ポイント上昇し99%、滞納繰越し分を含めた徴収率は97.1%と前年度より0.5ポイント上昇しています。令和3年度は、新規事業としては税の徴収に係る取組はありませんでしたけれども、前年度より徴収率を改善することができた要因をどのように考えているでしょうか、伺います。 ○竹内税務課長 令和3年度の徴収率向上の取組につきましては、高額滞納者に対して個別に担当者を配置いたしまして、国税局OBである滞納整理専門員と協力して滞納整理を推進したことや前年度の結果を踏まえた精度の高い財産調査を実施して滞納処分件数を増加させたこと、また、督促状の発布時期の繰上げによる滞納処分催告の早期着手を行いました。このような取組が成果につながっていると分析してございます。 ○中村委員 ありがとうございます。これまで続けてきた取組も効果を徐々に発揮しているというふうにも理解をしております。ありがとうございます。 令和2年度末に滞納対策にRPAを導入していたというふうに記憶しています。これは税務の若手職員が提案し、令和3年度予算で取り組もうと考えていたところ、区長から令和2年度予算の中で取り組めるようであればと実施をされたものです。このRPAはどのように貢献したのでしょうか、伺います。 ○竹内税務課長 現在納税係が行っている滞納者の財産調査につきまして、RPAを導入いたしまして、作業時間で約1,050時間の削減となり、効果的な滞納整理につながっております。これは委員御指摘のとおり、税務課の若手職員が提案したボトムアップ形式の業務改善の取組でございまして、今後も積極的に取り組んでいきたいと考えてございます。 ○中村委員 ありがとうございます。 次に、国保の収納率について伺います。主要施策の成果87ページのところに書いてあるんですけれども、税の徴収率は上がっているものの、国保の収納率は様々な取組をしており、前年度から1.5ポイント上げたものの、税の徴収率は現年度分で99%到達したのに比べ、国保は87.4%にとどまっています。令和3年度に実施した取組をまず教えてください。 ○伊藤保険医療課長 国民健康保険料につきましては普通徴収ということでございまして、まず重要課題としまして口座振替を推奨してございます。こちらを一番重要課題としてございます。その他、スマホ決済の導入、現年度分未納者への電話催告の早期着手、ショートメッセージサービスを活用した納付勧奨、区外転出者への訪問催告・現況調査、また、定住外国人への対応、システムとしましては税と滞納情報システムの連携とデータの共有化、以上のようなことを実施してございます。 ○中村委員 ありがとうございます。 様々な取組を行っていますが、収納率がなかなか上がらない要因を区はどう分析していますでしょうか。令和4年度からは債権管理アドバイザーを入れて収納率に取り組んでいらっしゃるかと思いますけれども、どのような効果が見込まれるでしょうか、伺います。 ○伊藤保険医療課長 国民健康保険は年齢が低いほど収納率が低いという傾向にございます。理由としましては、医療機関にかかる機会が少ないこと、社会保険と国民健康保険の保険間の移動が多いことなどが挙げられます。また、外国人の中には母国に社会保険制度のない方もいて、制度の理解がしづらいことから収納率が低いといったような傾向にもございます。さらに、国民健康保険世帯につきましては、単に収納率の向上を目指すだけではなく、相談や聞き取りにより生活状況を把握する必要があると考えてございます。他区においても、特別区民税と国民健康保険料の収納率の差は、程度の違いはあるものの同様の傾向にあるということでございます。とはいいましても、今年度から、先ほど委員のお話にもありましたように債権管理アドバイザーを導入してございます。今現在、指導・助言のもと、収納率の向上に取り組んでございまして、令和3年度比2%アップを目指して今頑張っているところでございます。 ○中村委員 他自治体の成功例等も研究をしていただいて、さらなる収納率向上に努めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 最後に、地方消費税交付金について伺います。地方消費税交付金が7億2,000万円余の増となったことです。要因はどのように考えていますでしょうか、伺います。 ○森財政課長 地方消費税交付金が増となった理由でございます。まず消費者より支払われた消費税については、事業者から国へ納付されまして、その後、都道府県間の精算等を経て区へ交付されるものでございまして、実際に消費された時期と地方消費税交付金として交付される時期にはタイムラグがあるものでございます。ですので、令和3年度の消費の回復の状況がそのまま地方消費税交付金の増につながったとは必ずしもいえないと捉えております。地方消費税交付金が増加した要因でございますが、令和2年度に国税の徴収猶予というのがございました。その徴収猶予をされた分が令和3年度に納付されたことにより増につながったと、そのように捉えております。 ○中村委員 ありがとうございます。今後、円安や物価高の影響が考えられますが、地方消費税交付金の推移についてはどういった予測が立てられるでしょうか。 ○森財政課長 資源や材料等の高騰によりまして価格に転嫁されて、それが消費税に反映されてくると。そうなってまいりますと地方消費税交付金の増にもつながっていくという、そういう側面があるとは捉えております。一方で、物価高によりまして消費控えにつながることも想定されます。消費の落ち込みによる地方消費税交付金の逆に減要因といったことも考えられるところでございます。物価高やそれに伴う消費の状況について注視をしていきたいと考えております。 ○中村委員 ありがとうございました。 続きまして、歳出について、(2)で伺わせていただきます。 普通会計における歳出決算額は1,543億円、359億円の減となりました。財政白書10ページに令和3年度性質別歳出構成比があります。人件費は12.8%、扶助費は33%、公債費は1%、投資的経費は19.4%、物件費は15.4%、その他が18.5%となっています。令和2年度も、そして3年度も様々な新型コロナウイルス感染症対策が打たれている中で、比較分析が非常に難しくなっているなというふうに考えております。 まず、人件費のところで伺います。職員定数管理計画案の中では、参考指標に人件費比率だけではなく、人口1人当たりの人件費を設定していますが、令和3年度決算時はどのような状況になっていますでしょうか、伺います。 ○吉沢職員課長 令和3年度における人口1人当たりの人件費につきましては、中野区は5万9,266円となっております。23区平均が6万5,241円となっておりまして、23区の平均値以下を目安としているものでございます。 ○中村委員 ありがとうございます。令和3年度は職員が1,982人と、令和2年度の職員1,971人より増えているものの、退職金の減などにより5億4,000万円減っています。ほかの要因というのはあるんでしょうか。 ○吉沢職員課長 委員御指摘のとおり、定年退職者数の減によりまして退職手当が減額になっているということと併せまして、ほかには給与勧告によります期末手当の支給月数が0.15か月の減になったことが主な要因となってございます。 ○中村委員 ありがとうございます。昨年度、退職金の推移についてお尋ねをしました。令和5年度から1年ごとに退職金が発生しない年があり、平年度化されたときには職員採用を絞った年代が退職をする年齢に差しかかることから、人件費は今と比較して少なくなるとのことでした。現在示されている定数管理計画案では、職員定数の上限を2,100人とすることとしていますが、定数を上げることによる人件費の影響はどのように推移していくのでしょうか、伺います。 ○吉沢職員課長 退職者数が多いことから、短期的には人件費は横ばい、もしくは減少という推移をしていくというふうに考えてはいますけれども、長期的な人件費の推移につきましては今後注視してまいりたいというふうに考えてございます。 ○中村委員 ありがとうございます。一方で、ここ数年は100人規模での採用を行ってきております。これまでも言い続けてきていますが、いびつな職員年齢構成比も是正をしていく必要があります。これまでも中途採用は行ってきていますが、年齢構成比のいびつ解消のためにどう取り組んでいくか、改めてお聞きをいたします。 ○吉沢職員課長 即戦力職員の確保や職員の年齢構成の平準化を図るため、新卒の採用を不足しております年齢層を補うために経験者に振り替えて採用する予定でもございます。そのような対応を今後もしていくことによりまして、年齢構成の是正を図っていきたいというふうに考えてございます。 ○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。 定数管理計画案は今後10年間の職員数を定めるものでありますが、毎年度、新たに確定した情報により職員定数管理計画の数値を更新するとともに、必要に応じて内容の修正を行うこととすることとしています。ニーズや状況を見極めて運用していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 ○石橋人材育成担当課長 既存業務の増加だとか、あるいは新たな行政需要にも的確に対応するためには、効果的・効率的に事務事業を遂行すべく適正な職員数を計画的に確保・配置をしながら、安定した組織運営を進めていく必要があるというふうに考えてございます。そのための定数管理に当たりましては、業務のビルド・アンド・スクラップを前提に、職員定数条例の上限数の範囲内で人員を管理・統制していくことを基本に進めていくものでございます。その上で、個別事業の計画の具体化が図られた段階で定数計画にも反映していきたいというふうに考えてございます。 ○中村委員 ありがとうございます。今年度から今御答弁をいただきました人材育成担当課長が復活しました。特に新庁舎整備とDX推進に向けた人材育成は非常に重要で、今年度、来年度が勝負となります。管理職の意識改革にまず着手をされると総務委員会では答弁をされていましたが、それと同時に全職員の底上げもしっかりと取り組んでいただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 ○石橋人材育成担当課長 DX推進を契機とした業務改革、あるいは人材・組織の活性化を進める際に重要となるのは、区長のリーダーシップとともに、その活動の中心となる管理監督者の意識、あるいは思考及び行動であるというふうに考えてございます。この考えのもと、今年度は特に管理職の意識改革や思考改革に焦点を当てた取組を進めていますが、これを組織的な活動として定着させるためには全職員に対しても戦略的にアプローチをしていくことが必要であるというふうに考えてございます。並行して取組を進めていきたいというふうに考えてございます。 ○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。 次に、物件費について伺います。物件費は前年度より30億円増の237億円となりました。その中の委託費だけを見ると、前年度149億円から令和3年度は27億円増の176億円となりました。前区政では委託を増やしていくことで人件費を削るということを進めてきました。委託費はこの10年間で94億円も増えており、これは人件費を削ることで増えるという性質のものではなく、行政需要の拡大によるものだと考えています。 増要因と減要因を見ていきます。まず、新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業では26億円、キャッシュレス決済推進事業が4億3,800万円、図書館指定管理委託が3億1,900万円と増要因としてあります。これら以外に令和3年度の委託料が増えたものはあるのでしょうか、伺います。 ○森財政課長 委託料の増要因ということで、今挙げられた以外のものでございますが、まちづくり関係で大和町地区の用地取得支援業務委託で6,400万円余の増、また、区画街路第4号線に係る用地関連の支援業務委託で7,000万円余の増、ほかに瓶・缶の分別回収等業務委託で1億1,000万円余の増、こういったものがございます。 ○中村委員 ありがとうございます。 次に、減要因を見ていきます。令和2年度に最後の1園のみとなっていた区立保育室事業ですが、令和2年度を最後に閉園となりました。影響額はどうなっていますか。 ○森財政課長 区立保育室事業の減ということでございまして、委託料の減ですが、1億100万円余の減となってございます。 ○中村委員 ありがとうございます。区立保育園民営化事業は、令和2年度、4園あったものが大和東保育園のみとなりましたが、影響額はどうなっていますでしょうか。 ○森財政課長 区立保育園の民営化に関係する委託料の減ですが、こちらは4億500万円余の減でございます。 ○中村委員 ありがとうございます。令和2年度に行われた高齢者インフルエンザワクチンの影響はどうなっていますでしょうか。 ○森財政課長 高齢者インフルエンザワクチンの委託料の減でございますが、こちらは1億4,800万円余の減でございます。 ○中村委員 ありがとうございます。インフルエンザワクチンは今年度も実施予定とはなっております。これ以外で令和2年度から大きな減となっているような委託料はありますでしょうか。 ○森財政課長 今挙げられた以外の委託料の減でございますが、定額給付金支給に係る受付業務委託で1億4,200万円余の減、それから弥生町三丁目周辺地区防災まちづくり検討業務委託で5,200万円余の減、自転車シェアリング事業の実証実験の業務委託で4,200万円余の減などとなっております。 ○中村委員 ありがとうございます。令和2年度や令和3年度は指定管理者へ休業中の補償を行っていました。令和3年度は文化施設、スポーツ施設、その他施設でどれほどの影響があったか、お示しください。 ○森財政課長 施設の休業等に伴っての指定管理料の増額でございますが、文化施設においては4,500万円余、スポーツ施設におきましては1,500万円余、合計で7,500万円余でございまして、その他の施設については該当はございませんでした。 ○中村委員 ありがとうございます。指定管理者への補償は、国の緊急事態宣言等による行動制限が行われた際のキャンセルだけではなく、区民の方が感染拡大した際にキャンセルしたものも見ていました。令和4年度は今のところ行動制限はありますが、この補償については発生しているのでしょうか、伺います。 ○瀬谷構造改革担当課長 指定管理者への補償についてですが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、指定管理者施設の利用をキャンセルした場合の利用料等について、令和4年度は原則として返還の対象とはしておりません。一方で、指定管理者施設の一部では利用制限を実施しており、支出及び収入を今後精査し、実際に補償を行うか判断をしていく予定です。 ○中村委員 ありがとうございます。この補償をいつまで続けるのかという疑問があるのですけれども、区としてはどう考えていますでしょうか。 ○瀬谷構造改革担当課長 今後の補償につきましては、区内の感染状況を踏まえるとともに、国や東京都の動向等を踏まえまして検討してまいりたいと考えております。 ○中村委員 ありがとうございます。いろいろ物件費のところを聞いてきましたが、最初に申し上げたように、物件費の増要因は人件費を削るために増やしてきたフェーズとは違う段階に入ってきているというふうに感じます。一方で、漫然と委託で進めているものがないかなどのチェックは必要だと考えています。以前、子ども総合相談窓口の委託を一部直営に戻したこともありました。こうした業務改善は進めていただきたいと思っております。 次に進みます。財政非常事態から取り組まれたのが構造改革であり、令和3年度に向けた経常経費削減目標の20%シーリングですね、さきにも質問しましたが、歳入が令和2年度比で92億円減となると予測が立てられたことにより全庁的に経費削減が行われました。これは各部一律での経費削減でした。令和3年予特資料の総務74、構造改革の短期的な取組として5億4,000万円、令和3年予特総務75、20%シーリングにより経常経費削減は基準額から33億6,000万円、9%の削減率となりました。一旦事業を始めてしまうと漫然と継続している事業もあるため、事業の見直しのきっかけとなったことはあるかと思いますが、中には先送りをしただけのものもあり、一時的な効果となったものや、本来は削減するべきではないものも含まれていたと考えています。 少しだけ具体的に聞いていきたいと思います。まず校割予算です。令和3年予特総務75の資料に校割予算2,398万7,000円の削減とあります。子どもたちの学校環境に直結する校割り予算を削減してもいいという判断に至った経緯を教えてください。 ○濵口子ども・教育政策課長 令和3年度の予算編成に当たりまして、新型コロナウイルス感染症拡大等の影響により一般財源が大きく減収すると見込まれる中、時限的な措置として校割予算を10%削減したところでございます。令和4年度の校割予算については、様々な教育活動を後押しできるよう削減は行ってございません。 ○中村委員 今御答弁にもありましたとおり、令和4年度から元に戻されています。学校教育は一律で20%削減と言われ、ここしか削れないから出してきたのかもしれませんけれども、本来は企画サイド、区長部局で配慮すべきだったと考えますが、いかがでしょうか。 ○森財政課長 令和3年度の当初予算編成におきましては、一般財源が大きく減収することが見込まれたことから経常経費の20%削減を各部に求めまして、区議会や各行政委員会にも協力をお願いしたというところでございます。厳しい財政状況が想定された中での予算編成だったことから、このような進め方というふうになったところでございますが、今後同様の事態になった際には、今回の件も踏まえて対応を考えていきたいと考えます。 ○中村委員 私たちは削るべきではなかったというふうに強く思っております。 次に、民間派遣研修の休止です。各部で計上しているものを計191万円削減しています。若手職員が増え、中野区役所は人材育成が非常に重要な時期に来ていることは共通認識だと思っていますが、民間派遣研修の休止は影響がなかったのでしょうか。今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか、伺います。 ○石橋人材育成担当課長 各部の民間派遣研修にかかわらず、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策として一部の集合研修で実施を取りやめたものや、あるいは形式をe-ラーニングに切り替えて実施したものがございます。実施を見送ったものにつきましては、翌年度以降に順次実施をしており、また、今後におきましても少数精鋭の組織運営における人材育成の重要性に鑑み、研修内容や事業形態の見直しを図りながら、様々な取組を進めていきたいというふうに考えてございます。 ○中村委員 ありがとうございます。もちろん特別区共同研修などの活用も大事だと思いますし、同じクオリティの研修が受けられるのであれば効率性が高いと思いますけれども、底上げが重要だと思っておりますので、今後もしっかり取り組んでいただきたいと思います。 次に、住民情報系端末監視カメラの運用休止ですが、944万9,000円の削減となっています。これは逮捕された非常勤職員が犯罪目的で住民情報を盗み見ていたことを発端に、再発防止策として平成29年に導入されたものでした。この事業を休止とした理由をお聞かせください。 ○石崎防災危機管理課長事務取扱 住民情報系端末監視カメラの運用休止の理由についてでございます。各住民情報系端末への二要素認証システムや利用状況が随時把握できるログ解析ツールが導入されたことによりまして、情報セキュリティが強化されたことから運用を休止してございます。 ○中村委員 これのほかにもログのチェックとかというのもあって、そちらのほうがやっぱり効果があるんじゃないかなと思っていましたし、なかなか、カメラの効果をどう捉えるかというところもずっと疑問を持ってきていました。数年が経過して、このカメラはもう必要ないのではないかというふうに休止をする前から申し上げてきていたので、休止となったことは歓迎をしています。一方で、こうした事業が毎年事業見直しをしていても、こういったダイナミックなタイミングでないと見直せないということなのかなというふうに心配をしてしまいます。だからこそ行政評価が重要だと考えていますし、行政評価と業務改善、それから事業見直しは連携していかなければいけないと思うのですけれども、区としてはどのように考えていますでしょうか。20%シーリングがなかったとしても、効果をしっかり検証し、予算積算に向けては事業見直しをしっかりと進めていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。 ○瀬谷構造改革担当課長 行政評価と業務改善・見直しにつきましては、いずれも区の政策マネジメントサイクルにおける評価・改善として次年度予算に反映させることを目的とした取組であると認識しております。令和5年度予算の検討につきましても、行政評価の結果ですとか構造改革の視点を踏まえた事業の改善・見直しに取り組んでいく考えでございます。 ○中村委員 ぜひしっかりと進めていただく必要があるなというふうに思っております。令和3年度予算で行われた構造改革の短期的取組や令和3年度予算における経常経費削減について、よくよく検証をしていただきたいというふうに思っておりますので、それを申し上げまして、この項の質問を終わります。 (4)新型コロナウイルス感染症対策費について伺います。 今回、総務11、令和3年度新型コロナウイルス感染症に係る医療・生活・経済支援対策事業の予算額及び決算額一覧という資料を出していただきました。ありがとうございました。この資料を見ても、変異を繰り返し、幾つもの波が押し寄せてきましたが、この2年半、医療従事者をはじめ、保健所をはじめとする職員の皆さんには、まだまだいつ終わりが来るのか見えない中で精いっぱい取り組んでいただいたと思っております。感謝を申し上げます。 まず、新型コロナウイルス感染症対策費全体の執行率をお示しください。 ○堀越企画課長 新型コロナウイルス感染症対策費全体の執行率でございますが、令和3年度の感染症に係る医療・生活・経済支援対策事業費については、事業費が172億8,347万7,000円、決算額が116億2,831万3,390円でございまして、執行率といたしましては67.3%でございました。なお、御参考までに申し上げますと、令和4年度に繰越しをした経費が33億9,660万9,000円ございまして、こちらを除きました執行率は86.9%となっているところでございます。 ○中村委員 ありがとうございます。なかなか給付金等、執行率が上がらなかったものも含まれていると思うので、これぐらいなのかなというふうに思いました。 次に、保健所の体制について伺います。令和3年度も第4波、第5波、第6波と激務が続いたことと思います。さらに、ワクチン接種事業においては、2回接種では終わらずに、ここまで来ております。改めて関係職員の皆さんには心から感謝を申し上げます。ウイルス発生当初は、時間外労働が過労死ラインを超えている100時間を超過する職員もいたと認識しております。令和3年度は派遣の看護師や保健師の活用と柔軟に対応してきているかと思いますが、その後の保健所職員の超過勤務はどのように推移しているのでしょうか、伺います。 ○鹿島保健予防課長 第7波のピークに当たる7月から8月にかけての保健予防課職員の超過勤務時間は、医療職が1人一月当たり平均40時間、事務職が1人一月当たり平均25時間、保健予防課職員全体では1人一月当たり平均35時間程度でありました。保健予防課職員全体の超過勤務時間は、昨年夏の第5波のときが39時間、今年2月の第6波のときが26時間であり、感染規模が拡大している中にあっても適正な人員体制で当たったと考えております。 ○中村委員 ありがとうございます。とはいえ、やはり超過勤務時間、100時間を超えていないとはいえ、多いなというのが感想ではあります。令和3年度途中には、保健所の対応体制を週の平均感染者数に応じてフェーズ1からフェーズ5と定めました。その後の感染状況に応じ、現在はフェーズ9までの対応体制を定めています。当初は五月雨式に応援体制を組んでいたかと思いますが、保健所としてもこうした体制を決めておくことで機動的に動くことができているかなというふうに思っております。さらには、うちさぽ東京など東京都の体制も整ってきています。 一方で、この夏の第7波では、7月27日に1,189人、日にち当たりですね――と1日当たりの最多感染者数を記録しました。フェーズ9は1日当たりの感染者数が500人から1,000人としていたかと思いますが、保健所体制は問題なかったのでしょうか、伺います。 ○鹿島保健予防課長 1日当たりの最多感染者数は1,189人でありましたが、東京都全体がオミクロン株の特性を踏まえ、うちさぽ東京を新設するなどの緊急体制をとり、併せて区としてもSMS、ショートメールですね――の活用などの業務効率化を推進したことなどから、1日当たりの新規陽性者500人から1,000人を想定したフェーズ9の人員体制で全ての新規陽性者に速やかに対応することが可能でありました。 ○中村委員 ありがとうございます。この夏は職員にも感染が広がりました。区職員全体で新型コロナ感染や濃厚接触により同時欠勤等された方が最も多い時期は何名の影響があったのか、伺います。 ○吉沢職員課長 この夏の第7波におきましては、常勤職員の新型コロナ感染者や濃厚接触者の最大数が7月27日でございまして、合計で145名でございました。 ○中村委員 145名って本当、相当な数だと思います。今後もこうした事態が起きる可能性はあるのかなというふうに考えておりますし、さらには、応援する側の負担ということも考えられるのかなと思っています。現在はすこやか福祉センターの保健師が応援に行くことが多いかと思いますけれども、すこやか福祉センターのほうの業務が手薄になることにより、すこやか福祉センターの事業に支障を来していないのか、伺います。 ○吉沢職員課長 すこやか福祉センターの事業の影響につきましてでございます。昨年度、令和3年度につきましては、すこやか福祉センターの事業におきまして講座を中止したことがありましたが、今年度、令和4年度になってからは事業を中止することなく実施してございます。 ○中村委員 ありがとうございます。事業を中止することはないということだったんですけれども、いろいろすこやか福祉センターの職員さんと話していると、こういうのを改善できませんかとかという話をする中では、なかなか人手が足りなくて改善までには至らないんですみたいな話も聞き及んでおりまして、すごく心配をしております。今やっている事業を進めていくのには支障がないのかなというふうに思うんですけれども、そこは考えていかなきゃいけないところなのかなというふうに考えております。 9月末からは全数把握の見直しが行われます。医師から出される発生届の対象は、重症化リスクの高い高齢者や妊婦等に限定をされます。これにより保健所の負担は軽減されることと思いますが、現状どのような体制になるとの見込みなのか、教えてください。 ○鹿島保健予防課長 届出の重点化によって保健所への届出数はこれまでのおよそ2割程度になるものと見込んでおります。保健所の負担は大きく軽減されると考えております。一方で、新たなウイルスへの変異などにより感染の規模がさらに拡大することも想定し、保健師や事務職員の応援体制や人材派遣の活用などを図る人員体制を検討しているところであります。 ○中村委員 ありがとうございます。2割程度となるということで、保健所の負担軽減が図られることは本当に喜ばしいことだと思いますけれども、一方で、軽症者と診断された後に重症化してしまう方がいらっしゃるので、こうした体制整備についても国や都の動向を見ていく必要があるのかなというふうに考えております。 令和3年度で一番大きな新型コロナウイルス感染症対策はワクチン接種業務でした。総額として26億円余、全て国費となっています。国を挙げてのプロジェクトとなりましたが、それぞれの自治体が事務の工夫でこんなにも差が出るのかと実感されたのもこのワクチン接種業務でした。連日、中野区と墨田区は多くのメディアに取り上げられ、私自身も多くの区民の方に、中野区はワクチン接種が早くできてよかったとか、中野区に住んでいてよかったという声を伺いました。4月28日には23区で一番早くに医師会館での集団接種を開始、5月17日からは医療機関での個別接種を開始しました。6月10日に64歳以下の接種券も一斉発送したことから、自衛隊東京大規模接種センターでの予約を取れた結果、2万人以上の中野区民が早期に接種を受けることができました。5月31日には高齢者の予約支援を始めています。この事業の目的と概要を御説明ください。 ○高橋地域活動推進課長 高齢者のワクチン予約支援についてお答えいたします。高齢者の新型コロナウイルスワクチン接種を促進することを目的といたしまして、ワクチン接種を予約していない高齢者に対し、区が保有する要支援者台帳システムを活用して個別に電話や文書による勧奨を行い、令和3年5月31日から6月30日までの間、各区民活動センターにおきまして予約支援、または代行を行ったものでございます。勧奨の具体的な内容といたしましては、架電を約4,000件、勧奨はがきを約2万2,000件送付いたしました。 ○中村委員 ありがとうございます。情報が必要な人ほど情報から遠くにいるとも言われますが、これこそ区長が目指すアウトリーチの形だと思いますし、広報マインドというものだと思います。この支援事業によりワクチン予約、接種ができた高齢者は何人いらっしゃったのでしょうか、伺います。 ○高橋地域活動推進課長 支援の結果についてお答えいたします。区民活動センターにおきましては933件対応いたしまして、そのうち予約支援を行った件数は678件でございました。また、架電の結果、御本人の状態などにより区民活動センターに来ることができないなど、アウトリーチ支援が必要と思われる方につきまして、区民活動センターやすこやか福祉センターの職員が個別に対応したケースも数件ございました。 ○中村委員 ありがとうございました。 次に進みます。8月には千葉県の妊婦が罹患をし、死産をしてしまうという悲しい報道がされました。私たち会派からも要望を出しましたが、こうした背景を鑑み、区も妊婦の優先接種枠を設けました。妊婦は死産や流産の危険性が高くなることだけにとどまらず、感染してしまうと対処法としても飲める薬が限られていること、また、重症化リスクも高いことをこれまでも指摘してきました。さらに、妊婦に対するワクチンの安全性や、また、罹患することへのリスクに関して特段の情報提供が必要だと訴えてきました。その後、妊婦に対してどのような広報を実施したのか、伺います。 ○中村新型コロナウイルスワクチン接種担当課長 妊婦へのワクチン接種につきましては、追加接種、3回目接種の実施に合わせまして、妊娠届や妊産婦相談の面接時に感染が妊娠に与える影響や胎児に与える影響などを盛り込んだワクチン接種を促すチラシを配布いたしました。その後はチラシの配布は行ってございません。 ○中村委員 ありがとうございます。今後オミクロン株対応ワクチンも対象が全員になります。ぜひこうした広報をまた実施していただきたいと要望させていただきます。 ワクチン接種促進事業は、最初は1・2回だけのはずだったものが3回目や4回目と続き、さらに対象年齢により取扱いが異なるなど、どんどん複雑になってきており、担当職員も御協力いただいている医療機関も、現在も続いていますが、本当に大変だったことと思います。その上、高齢者接種の支援や妊婦の優先接種等、重症化しやすい方々への柔軟な対応をしていただいたことには心から感謝を申し上げます。 12歳以上の1・2回目接種を終えた方全員が対象となるオミクロン株ワクチンについて伺います。9月にも接種開始との報道がありますが、現在想定している中野区でのスケジュールを教えてください。 ○中村新型コロナウイルスワクチン接種担当課長 4回目接種の対象となっている方で、まだ4回目接種を済ませていない方につきましては、区内ではお手持ちの接種券を使用して接種いただける旨の案内はがきを送付の上、9月29日から予約を受け付け、10月1日からオミクロン株対応ワクチンの接種を開始いたします。これ以外の方で3回目接種を済ませた方については新たな接種券を、3回目が未接種の方にはお手元の3回目接種券を使用して接種できる旨の案内はがきを送付いたします。これらの方は予約・接種とも10月7日から開始いたします。4回目接種の対象であり、既に4回目接種を済ませた方につきましては10月中旬以降、順次接種券を送付し、予約開始は10月下旬からを予定してございます。 ○中村委員 ありがとうございます。対象が相当な数になりますので、一番接種の対象者が多い時期の予約開始時は、ぜひ混乱のないように進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。 次に、給付金関係を伺っていきます。全国民を対象とした定額給付金ほど対象者が多いものはありませんでしたけれども、令和3年度も次々と国からの給付金事業が示され、区としても早急に対象者の手元に届くよう対応されてきました。 まず、第2次補正で議決された子育て世帯生活支援特別給付金(ひとり親世帯以外)です。対象者と対象者数を教えてください。 ○滝浪子育て支援課長 対象者は令和3年3月31日時点を基準日としまして、18歳未満の児童、障害児の場合は20歳未満及び令和3年4月から令和4年2月末までに出生した新生児を養育する父母等であり、令和3年度の住民税均等割が非課税である方、または令和3年1月1日以降の収入が急変し、住民税非課税相当の収入となった方が対象となりました。世帯数といたしましては1,648世帯、児童数は2,510人でございました。 ○中村委員 決算説明資料を見ると、執行率は81.9%にとどまっています。住民税非課税世帯に対しては直接通知ができているかと思いますが、家計急変世帯は申請が必要だったかと思いますが、見込み差だったのでしょうか、伺います。 ○滝浪子育て支援課長 申請不要の世帯分の執行率は81.9%、申請が必要な世帯分の執行率は85.9%であり、扶助費の見込み差が執行率に影響したものと考えております。 ○中村委員 ありがとうございます。令和2年度のひとり親世帯に対する給付金支給の際は、様々な工夫をされ、対象者に届けることができました。支援が必要な人ほど情報格差もあり、申請が必要な給付金は見落とされてしまうことがあります。令和3年度はどのように対応されたのでしょうか。 ○滝浪子育て支援課長 区報やSNS、ホームページに加えまして、区役所の窓口、すこやか福祉センター、区立保育園及びこども食堂13か所においてチラシ配布を行いました。さらに、令和2年度に実施した子育て世帯への臨時特別給付金の申請者に対しまして個別に案内を送付して、申請を促しております。 ○中村委員 ありがとうございます。丁寧な案内を実施していただいたということです。 次に、子育て世帯臨時特別支援給付金の対象者と対象者数を教えてください。これは当初5万円だったところ、国が追加を示し、第8次補正と第9次補正で対応をしたものです。議会もそれに対応するために12月に臨時会を開会したものです。教えてください。 ○滝浪子育て支援課長 本則給付の児童手当受給資格及び同等の収入で平成15年4月2日から令和4年3月31日までに生まれた児童を養育する保護者が主な対象でございます。世帯数といたしましては1万8,433世帯、児童数は2万5,740人でございました。 ○中村委員 こちらの執行率は96.5%となっています。一部は繰越明許費になっていますが、不用額も出ています。ここの御説明をお願いします。 ○滝浪子育て支援課長 主な要因といたしましては、不用額につきましては1人当たり10万円、7,420万円の見込み差でございます。繰越明許費となった理由としましては、3月31日生まれまでの新生児が対象であったこと、離婚などにより給付を受け取っていない方も2月以降に支給対象となり、申請期限が4月15日まで延長したものでございます。 ○中村委員 ありがとうございます。本当に子育て世帯宛ての給付金が次から次へと来たので、担当課は本当に大変だったことと思います。ありがとうございました。 次に、住民税非課税世帯等給付金は、支給実績が3万3,527世帯となっていますが、執行率は54%となっています。住民税非課税世帯の対象世帯数と家計急変世帯の見込み数、実際の支給数を教えてください。 ○伊東特別定額給付金担当課長 住民税非課税世帯等給付金についてでございますが、令和3年度は全体で4万8,000世帯の支給を見込んでございました。そのうち、家計急変世帯につきましては3,100世帯を見込みまして、この家計急変世帯の実際の支給世帯は377世帯でございました。 ○中村委員 なかなか見込み差が大きかったというところだと思います。 次に進みます。令和3年度の生活保護費は微減となりました。健康福祉部の事業概要88ページを見ると、生活保護世帯数は令和2年度よりも増えているものの、保護人員は減っている状況です。生活保護の申請件数も、令和2年度は4,350件、令和3年度3,942件と減っている状況にあります。生活保護の推移はどういった影響が考えられるのでしょうか、伺います。 ○只野生活保護担当課長 生活困窮者自立支援金や住居確保給付金などの国の経済対策が持続している影響によりまして、生活保護申請数は令和2年度比で約15ポイント減少しております。令和3年度は保護世帯数が微増となりましたが、これは単身世帯が増えたことによるものであり、保護人員が減っていることから令和3年度は生活扶助費が減少している状況でございます。生活保護費が減少した最も大きな要因は、新型コロナウイルス感染症の影響により令和2年度と同様に医療扶助費、特に入院費の減少が大きかったためであり、引き続き生活保護費は減となったものでございます。 ○中村委員 ありがとうございます。令和2年度に引き続き入院ができない状況にあるというところは非常に心配な状況ではありますけれども、なかなかコロナが感染拡大しているという状況の中では難しいというところが、医療のキャパの問題もあるとは思いますけれども、なかなか難しいなというふうに考えています。 決算説明補助資料には、生活困窮者自立支援金の決定者は1,279人、住宅確保給付金については748人となっております。様々な給付金やこうした支援金等により、かろうじて生活保護に移行しない方もいらっしゃるのかなと予想ができます。一方で、こうした国の制度が終わったときに一気に移行してしまうことも予測しておかなければいけないと考えますが、いかがでしょうか。 ○只野生活保護担当課長 様々な給付金、支援金などの制度が終了し、それでも就労等が困難で生活に困窮する状況が継続した場合は、生活保護受給者が増加する可能性があると考えております。新型コロナウイルス感染症による経済への影響、国の経済対策について注視しながら生活保護制度を運営してまいります。 ○中村委員 ありがとうございます。持続化給付金等でかろうじてもっていた企業等が円安・物価高で影響を受けた場合も、同じように社会経済に深刻な打撃を与える可能性もあります。そうなった場合は生活保護費などの社会保障費も影響を受けます。地方消費税交付金が7.2億円増えているという現状があり、社会状況に応じて、こうしたものを財源の一部に困窮者対策を打つことも考えられるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○堀越企画課長 地方消費税交付金の活用についてでございます。一般財源となります地方消費税交付金の増分につきましては、今後の財政見通しを踏まえながら有効に活用しなければならないものと考えてございます。生活困窮者などへの必要な対策につきましては、地方創生臨時交付金の活用を含めまして検討してまいりたいと考えてございます。 ○中村委員 ぜひ社会状況に応じて注視をしていっていただいて、対応が必要になったときには対応していただきたいなというふうに申し上げまして、この項の質問を終わらせていただきます。 (3)財政指標について伺います。 令和3年度の健全化判断比率の四つの指標は、全て前年度と同様に早期健全化基準を下回っております。実質収支比率は一般的に3%から5%が望ましいと言われています。令和3年度決算においては7.4%でした。23区平均はさらに上を行く8.6%でした。実質収支は61億円と、前年度の44億円からさらに増えています。実質収支比率がここまで高くなった要因をどのように分析されているのでしょうか、伺います。 ○森財政課長 実質収支比率が高くなった要因でございます。実質収支比率は実質収支を標準財政規模で割ることによって求められるものでございます。標準財政規模の伸び率が3.4%に対しまして、実質収支の伸び率は39.6%でございました。このため、実質収支の増のほうが大きいということで、実質収支比率が高くなっているということでございます。実質収支が増加した要因の一つといたしまして、各種給付金について予算額を基に補助金の交付を受けたものの、執行がそこまで伸びず、歳入超過になったというようなことも要因として考えているところでございます。 ○中村委員 ありがとうございます。次に、そこも聞きます。毎年、国や都への返還金が生じておりまして、その金額も実質収支に含まれております。令和3年度はどのような状況でしょうか、伺います。 ○森財政課長 令和3年度までに補助金の交付を受け、想定より実績が伸びず、今後返還の必要があるものでございますが、現時点で把握しているもので特に金額が大きいものを挙げますと、住民税非課税世帯等給付金に係る国庫補助金で14億円余になるということでございます。 ○中村委員 過去にこれまで大きな返還金が発生した事例は、ほかにあったんでしょうか。 ○森財政課長 過去10年を見てみますと、生活保護や国民健康保険関係の補助金で2億円から5億円程度の返還金が生じたことはございましたが、10億円を超えるような返還金というものはございませんでした。 ○中村委員 ありがとうございます。令和3年度に実施した住民税非課税世帯等給付金は家計急変世帯を含んでおりまして、対象世帯数の見込みを出しにくいもの、こういった対象世帯数の見込みを出しにくいものを実施すると、どうしても多めに計上する必要があり、このように返還金が発生してしまうというふうな状況になります。今回のような給付金の場合は、額が大きくなってしまうということになっております。こうした返還金も含まれる中では、財政状況を判断する指標としてなかなか難しいなというふうに感じております。今後もこうした国の施策が取り組まれることになると、同じような事例が出てきてしまうのかなというふうに思っております。 次に、経常収支比率です。経常収支比率が72.7%となりました。23区平均は78.6%でした。23区平均は令和2年度81.9%から3.3ポイント下げており、中野区は77.1%から4.4ポイント下げています。23区と比較すると下げ幅が大きいですが、どういった要因が考えられるのでしょうか、伺います。 ○森財政課長 経常収支比率の下げ幅でございますが、分母は歳入の経常一般財源ですが、こちらは前年度と比較して中野区は5.8%増でございます。一方、23区平均は6.0%増でございました。分子である歳出の経常経費充当一般財源等、こちらは前年度と比較いたしまして、中野区は0.3%の減であったのに対しまして、23区平均は1.7%の増ということでございました。このことから、歳入の伸び率というものについては23区、中野区ともほぼ同程度だったわけですが、歳出については、23区平均は増だったのに対しまして中野区は減ということでございまして、経常収支比率が中野区のほうが下げ幅が大きかったと、そのように捉えているところでございます。 ○中村委員 経常経費充当一般財源等を過去3年見ていくと、令和元年度は635億円、令和2年度は621億円、令和3年度は619億円と下がっているのに対し、歳入経常一般財源等は、令和元年度791億円、令和2年度804億円、令和3年度851億円となっており、増加している状況です。令和3年度当初予算編成時における経常経費削減が大きく影響しているのではないかというふうに感じているんですけれども、いかがでしょうか。 ○森財政課長 令和元年度、令和2年度と、前年度から8億円、物件費のほうは伸びております。一方、令和3年度については、前年度から1億円の増というようなことでございまして、当初予算編成時におきます経常経費の削減、令和3年度の削減については、物件費が特に行われたかなというふうに認識しておりまして、この辺りから一定程度、今お話の経常経費削減が影響しているかなと、そのように捉えております。 ○中村委員 歳入が令和2年度よりも上振れたことも大きく影響はしていると思うんですけれども、令和3年度予算における経常経費削減も経常収支比率への影響が大きかったと考えております。経常収支比率がここまで低くなり、弾力性があるということなのであれば、結果論ですけれども、ここまでの経常経費削減も拙速だったなというふうに感じてしまいます。結果論ですけれどもね。さらに、危機のときに備えるための財政調整基金の年度間調整分を持っていながら、基金を積み増しているというところは、その目的を果たしていたのかと疑問に思ってしまいます。新たな財政運営の考え方では、これまでの150億円よりも多い200億円を年度間調整分として積んでいく考えが示されております。世界情勢や物価高の影響等を鑑みると、余力を持って財政運営をしていくことは一定程度必要と考えます。一方で、危機のときの財政出動の考えや、反対に、さらなる余力があった際に区民へ還元していくことも同時に考えていかなければならないと考えますが、いかがですか。 ○森財政課長 新たな財政運営の考え方におきましては、財政調整基金の年度間調整分につきまして、年度末残高で200億円を確保するという考えでございます。単年度50億円、3年で150億円の残高にさらに余力を持たせていくと、そのように考えております。今回のような感染症の拡大など、危機の際の財政出動を機動的に行えるように適時適切な基金活用を図っていきたいと、そのように考えております。 ○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。8月の総務委員会には、新たな財政運営の考え方案と同時に、現段階での財政フレームをお示しいただきました。今後の物価高騰が財政フレームに与える影響をどのように捉えているか、伺います。 ○森財政課長 物価高騰によりまして、経常経費であります一般事業費や施設整備などの新規拡充事業に影響が生じてくると、そのように想定をしております。今後の状況を注視いたしまして、今後の財政フレームにどのように反映していくか、検討していきたいと考えております。 ○中村委員 よろしくお願いします。令和3年度決算を見ると、財政非常事態と言ってしまったことは拙速であり、決算を見て判断するべきであったと改めて感じております。ただ、ここまでの好決算になるとは誰も予測ができなかったのではないかとも思います。新型コロナウイルス感染症対策も全て国や都からの事業であり、区独自の事業はほとんどできていない状況にあります。これだけ多くの事務が国や都から下りてくると、それに対応するだけでも職員も余裕がない状況と感じます。既にかつかつの職員数で区政を行っているため、バッファーがないと独自施策を考えることも実施することもできない状況にあるとも理解しております。今定例会で職員定数条例が審議されますが、こうした区の状況を鑑みた議論が必要だとも考えております。一方で、今後多くの施設更新を迎える中では、円安や物価高が区財政にどこまで影響しているのかを見定め、財政運営をしていく必要があることを最後に申し上げまして、この項の質問を終わります。ありがとうございました。 2番、子どもの感染症対策について伺います。全然時間がなくなってきましたが、この項の質問と次の項の質問はやりたいと思いますので、よろしくお願いします。 (1)新型コロナウイルス感染症について、初めに第7波での子どもの感染状況について伺います。第7波においては子どもの感染も急増しました。従来は比較的軽症と言われておりましたが、第7波では重症例も増え、小児病床も逼迫しました。まず中野区での年齢別感染者数のうち、10歳未満と10代の割合を教えてください。 ○鹿島保健予防課長 7月4日から9月11日までの全患者数における10歳未満と10歳代ですね、年代別構成比は9.0%及び8.3%でした。 ○中村委員 これは人口の年齢割合と比較して多いのか少ないのか、状況をお示しください。 ○鹿島保健予防課長 本年7月の中野区の年代別人口構成比では、10歳未満及び10歳代は6.3%と5.6%であり、これに比べて両年代とも高い割合でした。 ○中村委員 やはり子どもの感染が多かったということがこれを見ても分かるなと思います。日本集中治療医学会の調査で、オミクロン流行期の今年3月15日から8月15日までの間に新型コロナウイルスに感染し、中等症以上とされた主に高校生以下の患者220人を調べた結果、基礎疾患のない人がおよそ3分の2に上り、小学生以下の子どもが90%以上を占めていました。第7波とされる今年6月26日以降で中等症や重症として登録された131人を調べた結果、最も多いのは急性脳症で26%、次いで肺炎が20.6%、けいれんが16.8%などとなっています。およそ60%に当たる79人が集中治療室での治療が必要だったそうです。9月14日に国立感染症研究所が発表したデータによると、オミクロン流行期の20歳未満の死亡例は41例ありまして、そのうち明らかにコロナ感染による死亡は29例だったそうです。死亡に至らなくても、例えば脳症までいってしまった場合、重い後遺症を抱える子どもも多くいます。こうした状況を見ても、子どもは重症化しないと言えるのでしょうか。一人ひとりの子どもを守っていく必要があると考えますが、区としてはどうお考えでしょうか。 ○鹿島保健予防課長 個別の症例を見れば、20歳未満であっても基礎疾患がなく重症化する患者が発生しているのは事実です。子どもは重症化しないとはいえないとの認識であります。 ○中村委員 ありがとうございます。新型コロナの流行が始まった当初は、子どもは感染しにくく、感染したとしても軽症だったかもしれませんが、ウイルスは変異を続けております。まずはこうした事実を認識してもらう必要があると考えますが、いかがですか。 ○鹿島保健予防課長 オミクロン株の流行に伴い、新規感染者が増加する中で、東京都においても第7波では、第6波に比べ二十歳未満の重症及び死亡症例は増加傾向でありました。また、基礎疾患を有する小児は重症化リスクが高いとも言われております。こうした情報は今後も周知していきたいと考えております。 ○中村委員 重症化しないという言説の原因となっているのかなと思われることは、もう1点あります。いわゆる重症化の定義です。大人の感染では軽症、中等症、重症が定着してきたのかなと思いますが、子どもの症状に関してはどうでしょうか。咽頭痛、せき、鼻水、発熱、嘔吐、下痢、熱性けいれんなどの症状がある人全部が軽症となります。一方、定義上の軽症でも症状の強さの幅がかなり広く、入院が必要な子どもは、この第7波では多くいました。子どもを育てたことがある方なら分かると思いますが、熱性けいれんを起こし、けいれんが5分以上続いた場合は即救急車を呼ぶ必要があるというのが鉄則ですが、その状況でも軽症と分類されるわけです。こうした定義の問題も子どもが重症化しないと言われている一つの原因なのではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ○鹿島保健予防課長 新型コロナウイルス感染症については厚生労働省から診療の手引きが出されております。患者の重症度は呼吸器の症状で判定されているのが現状です。どの年齢にもかかわらず、症状が悪化した際には迅速に医療機関へ受診または入院を促し、個別の医療につないでいくものと我々は認識しております。 ○中村委員 ありがとうございます。そうなんです、呼吸器症状のところで重症化というのは定義をされているので、たとえ熱性けいれんが起きたとしても重症ではないというのが今の新型コロナの判断基準になっているというところが非常によろしくないなというふうに私も感じておりまして、この定義を変えるべきだというふうに多くの医師も発信をされていましたが、いまだに変更なくここまで来ていることは非常に残念でありません。 次に、ワクチンのところを聞きます。国立成育医療研究センターが8月12日に発表した研究によると、デルタ株流行期と比べオミクロン株流行期では、けいれんや発熱の症状が多かったとする解析結果でした。さらには、ワクチンを2回接種していて重症化した患者はいなかったそうです。中野区では3月12日から5歳から11歳のワクチン接種が始まりました。9月14日現在、全国では1回目20.6%、2回目22.1%の接種率となっていますが、中野区は全国よりも低く、9月12日現在、1回目17.2%、2回目19.2%の接種率にとどまっています。率直にこの低い接種率について区はどう捉えていますでしょうか。 ○中村新型コロナウイルスワクチン接種担当課長 9月12日時点での中野区の5歳から11歳の2回目接種率は17.2%であり、首相官邸ホームページに掲載されている2回目接種率よりも低いことは認識しております。5歳から11歳までのワクチン接種は努力義務になったことの周知について工夫してまいりたいと存じます。 ○中村委員 ありがとうございます。区民全体で2回目まで接種を終えている方は82%いらっしゃることと比較すると非常に低い状況になっています。8月末に福島県内の研究チームがファイザー社製5歳から11歳用のワクチンについて、2回目接種の副反応の発生割合が成人と比べ小さいとの調査結果をまとめました。接種を受けた子どもの約1割で全身副反応、約7割で局部的な副反応が起きた一方、多くは数日で改善したとのことです。同一の調査ではないため、単純比較はできないものの、一般的に成人の全身副反応は4割から5割程度とのことです。これはワクチンの有効成分量が3分の1であることが考えられるそうです。こうした副反応の発生状況、大人に比べて低いという発生状況も知っていただく必要があると考えますが、いかがでしょうか。 ○中村新型コロナウイルスワクチン接種担当課長 5歳から11歳までの小児の接種の副反応につきましては、厚生労働省のホームページに、12歳以上の方と同様、接種部位の痛みや倦怠感、頭痛、発熱等、様々な症状が確認されていますが、ほとんどが軽度または中等度であり、回復していること、現時点で得られている情報からは安全性に重大な懸念は認められていないと判断されていますとありまして、詳細な説明も記載されてございます。区から対象者に送付する接種券の同封資料に厚生労働省のホームページにリンクする二次元コードを記載し、保護者の理解の促進に努めているところでございます。 ○中村委員 厚生労働省は9月6日に、これまで努力義務としなかった5歳から11歳のワクチンを努力義務とする通知を自治体宛てに発出しました。同時に3回目接種についても通知がありました。8月10日には、日本小児科学会も当初「意義がある」としていた方針を「推奨する」に変更しました。新型コロナ感染で子どもも重症化する可能性があること、そして、それを防ぐためにワクチンの予防効果が高いこと、さらには子どものワクチン接種は成人と比べて副反応の発生が少ないこと、併せて伝えていく必要があると考えます。オミクロン株対応ワクチンは、接種券が届いたけれども接種をしていない対象者の方にははがきを送るそうです。小児ワクチン未接種者にも勧奨はがきを送るべきではないでしょうか、伺います。 ○中村新型コロナウイルスワクチン接種担当課長 5歳から11歳までのワクチン接種に係る努力義務につきましては、既に区ホームページでの周知を実施しており、今後医療機関でのポスター掲示による周知も予定してございます。5歳から11歳につきましても、ワクチン接種による重症化予防等の効果が認められることから、今後接種率を高めるため、他自治体の効果的な周知方法を情報収集してまいりたいと存じます。 ○中村委員 情報収集だけじゃなくて、ぜひ勧奨をやってください。ほかの年代は勧奨しているんですよね。なので、小児もぜひ勧奨していただきたいと思います。この夏、子どもの間で感染拡大が起きた際に、何人かの自治体の首長はSNS等で、5歳から11歳のワクチン接種を御検討くださいという旨のメッセージを出された方々がいらっしゃいます。区長が御自身の言葉で伝えることも有効ではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ○酒井区長 5歳から11歳の新型コロナウイルスワクチン接種についても、接種を受けるよう努めなければならないという努力義務の規定が適用されることになりましたが、これは国において有効性や安全性が確認できたことによるものでございまして、区としても一人でも多くの対象者の方に接種を受けていただきたいと考えております。これまでも区のホームページなどでお知らせをしてまいりましたが、区の姿勢を示すためにも広くメッセージを発信することを考えていきたいと思います。 ○中村委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。本当は夏休み期間中に子どものワクチン接種が進めばよかったのかなと思っているんですけれども、それができなかったのであれば、第8波が来る前に何とかワクチンの接種率を上げる方策を考え、実践していく必要があると思います。先週には都内の子どもの感染は増加傾向に転じております。中野区は子どもを守るんだという強いメッセージを期待しております。 すみません、時間の関係上、次の質問は飛ばさせていただきます。 次に、子ども施設での対応について伺います。東京都から7月22日付で「東京都において実施するオミクロン株の特徴を踏まえた濃厚接触者の特定及び行動制限並びに積極的疫学調査の実施方法について」が自治体宛てに発出され、それを受け、区は各保育施設等に「新型コロナウイルス陽性者が確認された場合の濃厚接触者の特定等について」という文書を発出しております。これは、1、原則的に濃厚接触者の特定はしない、2、1人目の感染が確認された翌日から5日以内に同じクラスまたは合同保育で5人目の陽性者が確認された場合は濃厚接触者の特定を行うことがあるとしています。0歳から2歳はマスク着用ができない中で、濃厚接触者を特定しないという判断は、個人的には受け入れがたいと思っています。BA.5は伝播性が速いため、濃厚接触者特定をしないと決めた一方で、5日以内に5名という基準もちぐはぐだと考えています。でも、東京都の通知に区が従わないことはなかなか難しいという中では、保護者にどのクラスで感染があったかの通知は各保育園から出してもらうよう、区としてお願いするべきではないでしょうか。それにより、ある程度の自衛、または感染拡大を防ぐことができるかと思います。その他の感染症も含め、改めて各保育園へお願いするべきと考えますが、いかがですか。 ○渡邊保育園・幼稚園課長 新型コロナウイルスや他の感染症も含め、保護者への通知はクラス名を公表して注意喚起を促しておりますが、このことについて改めて保健衛生研究会で保護者へのクラス名の通知について伝えたところでございます。併せて園長会でも周知してまいります。 ○中村委員 ぜひよろしくお願いします。私の知り合いで調べた感じだと、7割程度はしているんですけれども、3割程度はしていない状況で、各保育園に差が出ているというのが状況であります。 9月6日に岸田総理は全数把握の見直しとともに、療養期間も10日間から7日間と変更する旨を発表し、翌日から適用されています。一方で、8日目の感染者の16%がウイルス排出をしている中、マスク着用や3密回避が必要で、専門家も警鐘を鳴らしています。保育園などマスクができない子どもが集まる場所では、7日間で療養期間を終えることはクラスター発生をさせる可能性が高く、危険と考えます。既にQ&Aが届いていると伺っていますが、区としてどう考えているのでしょうか、伺います。 ○鹿島保健予防課長 9月8日の国からの通知では、有症状者は7日間、無症状者は7日間、ただし検査陰性で5日経過後に解除となっております。これまでより短縮した療養期間が要請されております。これは現時点での欧米での療養期間状況を踏まえた決定だったと認識しております。区としては、国の示した基準に沿って対応することが適切であると考えております。 ○中村委員 実際に専門家会議に反対されながら政府が決定した政治決定だというふうに私は認識していまして、これ自体がおかしいなと思っているんですけれども、子どもが感染をして、感染拡大してしまうという状況が予測できるのであれば、それは回避しなきゃいけないと思っております。保育園では、溶連菌とかRSウイルス、手足口病、ヘルパンギーナ、アデノウイルス等々、いろいろな感染症がありますが、感染リスクがあるときはお休みをさせられます。何なら登園許可も取りに行かなければいけないものも中にはあります。なぜ新型コロナだけ特別扱いになるのかが全く理解ができません。登園の基準については、保育現場や医師会とも相談したほうがいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○渡邊保育園・幼稚園課長 9月13日、厚生労働省は保育所等における新型コロナウイルスへの対応に係るQ&Aにおいて、有症状患者の子どもについても発症日から7日間経過し、かつ症状軽快後24時間経過した場合には8日目から登園することは差し支えないとし、10日が経過するまでの間は、こまめな手洗い、消毒などの基本対策の徹底に加え、効果的な換気、大人数での行事など感染リスクが高い活動は避けるなどの感染対策の徹底を求めております。区としての登園の基準を設けることは難しいと考えておりますが、保育現場や医療関係者の意見なども踏まえ、保育所に対しては国が求めている基本的な感染対策を周知してまいります。 ○中村委員 分かります、国の決定をなかなか区で独自で判断するのは難しいのは重々理解していますけれども、ここは本当に、非常に、よく考えたほうがいいと思いますよ。感染拡大しますからね、絶対。子ども、マスクできないですからね。そこはもう1回申し上げて、終わりにしますけれども、学校では厚生労働省が登校許可なくていいと言っているインフルエンザの登校許可を各家庭に求めているんですよ。こうしたところとの整合性も図っていただきたいなというふうに思いますし、この間、未就学児の親としては、今の政府は本当に子どもの命をないがしろにしているのだなというふうにずっと感じてきました。子育て先進区を目指している中野区だからこそ、子どもの命と健康を大切にする区政をぜひ目指していただきたいというふうに強く申し上げまして、この項の質問を終わらせていただきます。 すみません、全然時間がないので、(2)に進みますが、飛ばし飛ばしでいくかもしれないので、すみません、よく聞いておいていただけるとありがたいです。 この夏、就学前の子どもを育てる家庭は本当に大変な思いをされたことと思います。我が家も7月末から手足口病、新型コロナウイルス感染症、RSウイルス等、一、二週間ごとに発熱を伴う感染症に子どもが罹患しました。発熱を伴うということは熱性けいれん等の心配もあり、眠れぬ夜を過ごし、仕事のやりくりをしなければいけませんでした。このほかにも、ヘルパンギーナな突発性発疹などの流行も見られました。心からワクチンでこれらの感染症が防げたらよかったのにと強く思いました。この夏は救急医療も逼迫し、救急車を呼んでもすぐに来てもらえる状況になかった期間もありました。こうした中で不安と戦った親御さんたちが多くいたことは知っていただきたいと思います。だからこそ、ワクチンがある感染症はワクチンで防ぐのが基本であり、区民の命と健康を守るためにも、区としては積極的に推進すべきと考えます。 日本小児科学会が就学前までの接種を推奨する接種ワクチンは、おたふくかぜワクチン、不活化ポリオワクチン、三種混合ワクチンの3種類あります。中野区では既におたふくかぜワクチンに対する公費助成を行っています。四種混合ワクチンにはジフテリア、破傷風、百日咳、そして不活化ポリオワクチンが含まれています。この四種混合ワクチンは、3回目接種に加えて、追加接種の計4回、1歳までに接種をしているものです。四つの感染症の中で、ポリオと百日咳について取り上げようと思っていたんですが、ポリオだけにしますので、よろしくお願いします。 まずポリオです。日本はポリオ清浄国で、1980年に確認をされたのが最後に発生しておりません。罹患すると発熱等のかぜ症状が出て、数日で治まりますが、一部の方は再度発熱や嘔吐が生じ、体の痛みに続いて、まひが現れるようになります。中には呼吸に関係する神経が障害されるケースもあり、人工的に呼吸を補助しなければ死に至るケースもあります。あまり日本では報道がありませんが、世界では現在ポリオの流行が問題になっています。WHOはポリオを新型コロナウイルス、サル痘と並び国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態としております。7月21日にニューヨーク州で米国では約9年ぶりとなる感染確認を発表、その後の調査でニューヨーク市や周辺の四つの郡で下水からウイルスが検出されていました。これを受け、9月9日、ニューヨーク州の州知事は災害緊急事態宣言を出されました。アメリカ・ニューヨーク以外にも、イスラエルでもまひが出た方がいらっしゃいました。ロンドンでも下水からウイルスが検出、1歳から9歳の子どもたち全員にワクチン接種をすることが決まりました。 まず保健所に確認ですが、現在ポリオウイルスが世界中で問題となっている状況を把握されていますでしょうか、伺います。 ○鹿島保健予防課長 先ほど委員が述べられたように、2019年にナイジェリアがポリオ廃絶の認定を受け、アフリカで取りあえずポリオの廃絶を受けました。現在、ポリオ患者の発生が見られるのは南アジア地域のアフガニスタンとパキスタンの2か国となっております。一方で先進国、2022年7月にアメリカ・ニューヨークでワクチン未接種者がポリオに罹患し、死亡いたしました。感染経路は不明で、その後、9月にニューヨーク市内の下水からポリオウイルスが検出されております。その後、ニューヨーク州知事は10月9日まで災害緊急事態宣言を出したことも認識しております。 ○中村委員 ありがとうございます。四種混合ワクチンは1歳で4回目接種を完了した後、抗体価は徐々に減衰し、4歳以降では発症防御レベルを下回る可能性があると言われています。4回目接種を終えている子どもたちは発症予防効果が減衰し、感染したとしても重症化は防げます。一方で、感染が広がると接種月齢に達していない乳幼児が犠牲になってしまうという事態を避けるためにも就学前の接種が重要だと考えます。ほとんどの不活化ポリオワクチン導入国では、4歳以上で追加接種が定期化されています。国の定期接種化の議論にも挙がっているところではありますが、現在のこうした状況を踏まえ、中野区で不活化ポリオワクチンに対する助成をしていくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ○鹿島保健予防課長 ポリオについては定期予防接種として計4回のうち3回の接種をすることで、ほぼ100%の被接触者に抗体がつくられるとされております。さらに、追加免疫効果を目的として4回目の接種も行っております。就学前の5回目の接種については、現時点では、区としては検討はしておりません。 ○中村委員 グローバル化が進んでいる中で、今後新型コロナの状況も踏まえて、流入が増えていくというふうなことが予想される中では、こういったところもしっかり考えていかなきゃいけないなというふうに思いますし、実際問題、ニューヨークだけではないところで発生が見られるという状況はしっかり考えていただいて、保健所としても検討していただきたいなというふうに申し上げます。 すみません、この後、百日咳とインフルエンザワクチンについてもやる予定だったんですけれども、分科会のほうに回させていただきまして、3番の地域子ども施設についてだけ伺わせていただきます。すみません、森委員から10分ぐらいなら延ばしていいというふうに言われていますので、ここだけやらせていただきたいと思います。 昨年12月の第4回定例会での児童館の改正条例が否決され、令和4年度の事業について報告はありましたが、今後の児童館については議会への報告がありません。庁内での検討が進んでいることと考えますが、一般質問で我が会派の河合議員の質問に対し、子どもの保護者のニーズを捉えた地域子ども施設全体の考え方について検討を行っているとの答弁がありました。 まず、保護者のニーズを捉えて全体像を示すとはどのようなことでしょうか、伺います。 ○細野育成活動推進課長 地域子ども施設の今後の展開につきましては、改めて施設に対する利用者の声や施設利用の状況などからニーズを再度検証し、強化するべき機能や事業を検討しているところでございます。施設の配置につきましても、利用者の利用可能な距離を考慮し、地域偏在のないように解消を図っていく、そんなふうに考えているところでございます。 ○中村委員 ありがとうございます。令和4年度から児童館4館が日曜日に乳幼児親子に開放されることになりました。開いていなかった日曜日に開館されて喜ばれている方もいらっしゃいます。一方で、場の開放だけにとどまっているので、いつもの児童館を知っているがゆえに、そのクオリティを求めて不満を持っていらっしゃる方もおります。令和5年度に向け、何らかの改善を考えているのでしょうか、伺います。 ○細野育成活動推進課長 開設場所につきましては、さらなる拡充を検討しております。利用できてよかったという声も頂いております。その一方で、おもちゃや絵本の充実への要望や、利用方法への要望も頂いているところではございます。令和5年度の事業実施につきましては、これまでいただいた声も踏まえながら必要な改善を図っていきたいと考えております。 ○中村委員 ぜひよろしくお願いします。 児童館の一時預かり事業について伺います。令和3年度は試行だったものを今年度は8月中旬から南中野児童館、みずの塔ふれあいの家の2か所で実施されることとなりました。登録者数も多く、9月に入ってからは順調に利用者が伸びていると聞いています。一時預かりは、東京都のような都会で子育てをしている親にとってはセーフティネットの役割もあり、重要な取組であると考えています。利用が伸びた要因はどのように考えていますでしょうか、伺います。 ○細野育成活動推進課長 令和3年度の利用登録者は30人でございましたが、令和4年度は事業を開始して1か月ほどの9月12日現在で57名というふうになってございます。また、9月に入ってからは開設日全てに利用がございました。利用が伸びた要因につきましては、周知方法を工夫した結果、事業の認知度が高まったこと、また、開設の場所が利用者のニーズに合った場所であったためというふうに分析しているところでございます。 ○中村委員 ありがとうございます。一時預かりを含めた一時保育については、状況を見ながら保育園の専用室型や欠員型と合わせて、さらに拡充するべきものと考えます。さらに、申込みや支払いの利便性も図っていくことも考えられると思いますが、いかがでしょうか。 ○滝浪子育て支援課長 専用室型は令和4年度に1園増え、13園で実施しております。現在、新たに専用室型を希望している園はございません。一時保育の予約申込みなどについて利便性を高めることは必要なことだと考えており、子育て家庭が利用することの多いLINEの運用支援ツールを活用した利用予約などについて、令和5年度の導入に向けて具体的な検討を進めているところでございます。 ○中村委員 保育園の一時保育については、希望している園がないということなんですけれども、専用室型は地域偏在もあります。専用室型の配置も考慮した児童館の一時預かりの在り方について検討していくべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○細野育成活動推進課長 児童館の一時預かり事業につきましては、利用者の利便性に応じた配置としていきたいというふうに考えてございまして、今後の展開につきまして検討しているところでございます。 ○中村委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 すみません、4番については全てできなくなってしまいましたけれども、別の機会を捉える、もしくは分科会で別の分科会の委員に質問していただくようなことを考えておりますので、よろしくお願いいたします。 これで私の全ての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○ひやま委員長 以上で中村委員の質疑を終了します。 次に、[1]加藤たくま委員、質疑をどうぞ 。 ○加藤委員 おはようございます。自由民主党のトップバッターとして質疑をさせていただきます。残り時間が、午前中は短いですが、途中で切れてしまうかもしれませんが、当初予定していたとおり進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 それでは、質問は通告どおりで、最初に令和3年度決算について質疑させていただきます。 私は令和4年度の予算特別委員会総括質疑におきまして、今後10年間の財政の見通しである財政フレームで、歳入の見込みとして、特別区税については新型コロナ感染症拡大による先行きが見えない経済状況を勘案して妥当な歳入見込みであると評価しましたが、特別区交付金においては国のコロナの経済対策が主要因と考えられる法人税の急増を配慮せず、令和4年度の金額をベースに後年度も算出しておりまして、このドーピングとも言える経済対策費が切れることを前提としていない将来予測は毎年30億円程度過大に見ていると認識すべきだと指摘させていただきました。 また、令和4年度の新規拡充推進事業のうち、一部が後年度に経常経費を約20億円増額させるということは要求資料や答弁からも明らかになりましたが、財政フレームにおいて令和5年度以降の一般事業費、つまり経常経費は令和4年度の214億円から同額で10年間変わらないと設定しているわけです。ビルド・アンド・スクラップの方針も、令和4年度にスクラップする事業がないことから、令和5年度以降の一般事業費は概算でもともとの214億円から、増えてしまった経常経費20億円を足して234億円とすべきでありましたが、それは記載されておりません。 まとめますと、30億円の過大な歳入見通し、20億円の歳出が計上されていない、50億円程度の見込み差が生じる可能性がある令和4年度の財政フレームであると指摘させていただきました。緊張感を持って財政運営に努めるというフレーズを実践しているとは言えないものだと考えます。 そして、令和4年の予算特別委員会から半年以上が経過しまして、ウクライナ危機による世界情勢は混沌となり、物資の不足に加えて、円安も加わり、物価が高騰しております。コロナに加えて物価高騰、急激な円安によりまして法人の経営は今後さらに厳しいものになると考えられ、新たな経済対策のドーピングが追加され、将来における法人税の納税額の予測はさらに難しくなってまいりました。また、当面は急激なインフレが発生することが見込まれます。歳出予測には政府が定めるインフレ率、インフレターゲットなどを参考に財政フレームを組んだり、予算編成をする必要もあるのではないかと考えます。それは後ほど具体的に取り上げさせていただきます。 例えば令和3年度決算値のように、ある年の普通会計予算が1,600億円だとすると、その翌年度の歳入が例えば30億円増えて、総額が1,630億円になったとしましても、日本銀行が予測する2022年度の消費者物価指数2.3%が1年後に増加するとなると、1,600億円の価値は1,637億円程度となりまして、歳入が30億円増えたとしても、物価で見ると、37億円と比較すると名目が上がっても実質の歳入が減少するというケースも考えられるわけであります。あくまで消費者物価指数を用いただけで、海外からの原材料の輸出に頼った施設整備などはそれ以上の物価上昇をしておりまして、より緊張感を持った財政運営が必要となります。 この前、ゼネコンの方に聞いたところ、民間の建設ですと、200億円で予定していたものが材料費の高騰などでプラス50億円見ないといけないというようなことを言っている人もいるということです。学校建設費とかではかなり厳しい状況があるということで、区の運営をする上で物価上昇指数だけではなくて、材料費みたいな単品スライドのところもよく見ないといけないということで、世の中の物価上昇だけでは捉えられないようなところまで見込んでいかないといけないということです。 円安の要因として赤字国債が挙げられまして、日本の信頼が揺らいでいる可能性もあり、赤字国債に頼った経済対策はさらに円安を誘導する可能性もありまして、負のスパイラルが発生します。一時期、れいわ新選組などはMMT理論に基づく政策を公約としていましたが、赤字国債を国民にばらまくというものですけれども、これ以上の円安を引き起こす可能性がある赤字国債は、やはり合理的な手法ではないということも考えられます。物価高によりまして、100円のお寿司、100円ショップの商品がその値段を維持できなくなれば、国民が基準としていました価格感覚が一気に変わります。つまりデフレマインドからの脱却が急激に進みまして、現在はその値段上昇は原材料費の価格転嫁のみですけれども、商品の値段に今後人件費の増額も加わることになれば、とんでもないインフレが起こる可能性もあると考えております。資本主義国家において、その仕組みから物価高になることは中長期的にはいいことでありますけれども、激変する可能性がある、今迎えている過渡期におきましては大きな混乱が生じる可能性があります。ウクライナ危機による物価高騰、円安によりまして日本経済の先行きが不透明となっております。令和4年度編成時の財政フレームの考え方では、区の運営は困難となると考えます。 ちょっと長くなりましたが、ここでひとまず質問させていただきます。前段の財政フレームのところがずさんであるということは否定されると思いますので、お答えいただかなくて結構ですけれども、後段に述べましたウクライナ危機などを受けて、円安、物価高騰、国の経済対策等への見解と、それを受けて今後の財政運営に関して大幅に方針を見直す必要があると思いますが、その認識を教えてください。 ○森財政課長 円安や物価高騰の影響を受ける事業者や住民への支援策等について、国においては補正予算や予備費充用により実施されまして、区としても必要な対応等を図ってきたところでございます。御指摘のように世界情勢、非常に不透明でございまして、令和5年度予算編成においてもしっかり注視していかなきゃいけないと考えているところでございますが、こうした世界情勢や今後の区の財政状況を踏まえまして、どのような状況においても区民サービスを滞ることなく推進していくため、新たな財政運営の考え方を定めまして令和5年度予算編成を開始したところでございます。 ○加藤委員 後ほど触れますけれども、令和4年8月31日の総務委員会で新たな財政運営の考え方について報告がありました。質問項目の二つ目に挙げていますけれども、その中では、予算編成手法の見直しの中で、今後の予算編成では基準となる一般財源規模を廃止するということです。自ら毎年基準となる一般財源規模を変更しながらも上振れをする状況が続き、財政規律として機能しているとはいえない状態であるという、日本語としてちょっと意味が分からない言い訳をしているわけですけれども、これはある金額をずっと維持していたけれども、それが維持できないというなら分かるんですけれども、毎年変更している中での言い訳としては、ちょっと頼りないと思います。いずれにせよ、財政規律が歳入見込みから算出されるべきで、それまで酒井区政では歳出見合いで数字が変更されるような気がありましたけれども、それが是正されるのであれば、その方針転換というのはいいことだと思います。 財政運営の考え方については次の質問項目で取り上げますけれども、令和3年度の決算の結果を受けて令和5年度の予算編成に反映したいということで、今ここで一つだけポイントを伺います。義務的経費、経常的経費、新規拡充推進事業などありますが、単年度の予算の増減を著しく変化させるものは施設整備などの投資的経費です。しかし、施設は突発的に造るわけではなくて、長い年月をかけ計画され、整備しなければならない施設の数と金額はある程度見えてくるわけです。区有施設整備計画においては、20年間、40年間で平均どのぐらいの整備費用が必要であるか示しております。これらの施設に関するお金のマネジメントがしっかりできているのであれば、一番注視しなければならないのはランニングコスト、つまり義務的経費と一般事業費をどれだけ抑制できるかというところがポイントになると思います。ということで、今後の財政運営の考え方というのは、ランニングコスト、経常的経費をどれだけ抑制できるのかというのが最重要と私は考えますけれども、区の見解はどうでしょうか。 ○森財政課長 これまでにおきましても、経常的経費を抑制するという考えで予算編成は行ってきたところでございまして、新しい新たな財政運営の考え方を定めたからといって、その考えが変わるというふうには捉えておりません。 ○加藤委員 それでは、経常的経費とか投資的経費がそういった意味で、その辺をどう分析しているかということが重要だというところに焦点を合わせて、令和3年度の決算について伺っていきます。といっても会派1人目の質問でありますので、順序だって、まずは歳入の特別区税から伺っていきます。 まず、財政白書6ページを見ながらやっていきたいと思います。近年の特別区税の傾向について、お伺いします。 ○竹内税務課長 特別区税決算時の収入額の直近5年間の推移についてお答えいたします。平成29年度は337億7,554万4,000円、平成30年度は342億5,390万3,000円、令和元年度は347億3,445万9,000円、令和2年度は360億8,536万2,000円、令和3年度は360億8,370万円でございました。今まで増額していた特別区税が令和3年度に減額に転じたというものでございます。 ○加藤委員 6ページの図5の特別区税の推移を見る限り、右肩上がりだったにもかかわらず、特別区税は初めて減額となったわけですけれども、特別区民税もですか、下がったわけで、その辺の要因について教えてください。 ○竹内税務課長 主な要因につきましては、土地等の譲渡所得に係る税額の減によるものでございます。 ○加藤委員 そこが大きいということですけれども、ほかにも、そこだけじゃなくて、財政白書7ページの図6の納税義務者数の推移で見ますと、このグラフだと1,000人ぐらいが減少したとなっていますけれども、四捨五入の関係もあるでしょうから、大きく見ても納税義務者数は1%ダウンで、図7の納税1人当たりの所得額の推移を見ますと、これも上がっていて、12万円アップで3%アップ、図8の特別区民税徴収率の推移では0.4%アップということで、これらを合わせると特別区民税がもう少し上がってもいいのかなと思うんですけれども、上がり切らない理由が分かれば教えてください。 ○竹内税務課長 納税義務者数1人当たりの所得額については増加している一方、納税義務者数は減少、さらに、ふるさと納税などの寄附金税額控除も増加してございます。先ほど答弁しました土地等の譲渡所得に係る税額の減少と合わせまして、納税義務者数の減少、寄付金税額控除の増加が影響しまして、特別区民税全体の減少につながったものでございます。 ○加藤委員 令和2年度におきましては、コロナにおける減免の要求資料が出ていましたけれども、今年度ないというのは、その制度が令和3年度においてはないということでよろしいですか。 ○竹内税務課長 徴収猶予の特例措置は、総務省からの通知に基づいて中野区でも対応したところでございますが、この措置は令和2年度限りでございまして、令和3年度は行っていないために、こちらのほうがないという形になってございます。 ○加藤委員 ということは、そういった特例がない中で徴収率が99%になっているということは、かなりすごいことだなというところで、そこは評価させていただきます。 特別区民税のうち、土地等譲渡所得に関わる税額が減少ということですが、その金額はどのぐらいですか。 ○竹内税務課長 令和3年度の土地等譲渡所得の税額は6億2,841万円でございまして、令和2年度の9億5,862万4,000円と比較しまして3億3,000万円の減少となってございます。 ○加藤委員 先ほども取り上げられていましたけれども、大きく減ったというところですね。土地等譲渡所得というのはどういうときに発生するか、教えてください。 ○竹内税務課長 こちらは土地や建物を譲渡した際に得られた所得に対して課税されるものでございます。 ○加藤委員 そうですよね。マイホームを購入する際には、都税における不動産所得税が発生するということで、この土地等譲渡所得とは別でいいですよね、確認しますけれども。 ○竹内税務課長 こちらは別のものでございます。 ○加藤委員 むしろマイホームを買うときは、住宅ローンの控除を受けられるくらい税制控除があるわけですけれども、土地の譲渡で発生するこの税金は、基本的に投資目的の土地建物を売買したときに発生するものなので、納税額が減っていることを考えると投資目的の不動産売買が減っているということです。この課税対象は区民であって、その物件は中野区でなくてもいいということでよろしいですよね。 ○竹内税務課長 委員おっしゃるとおりでございます。 ○加藤委員 結局、都心とかの土地を投資目的で売買するというのが減ったというところで、先ほどもその辺説明がありましたけれども、国土交通省が発表している地価公示は、アベノミクスによりまして右肩上がりに首都圏、都心部は堅調にここ数年上昇していましたけれども、令和3年度においては東京都だけではなくて全国的にかなり下落しました。東京都におきましては、平成26年度より上昇率が1.4、1.3、1.6、1.9、2.4、2.9、2.8と上昇してきました。令和3年度に初めてマイナス0.6%となりました。令和4年度、今年度は1.0の上昇傾向ですが、伸び率は先ほどよりもなく、最低であります。コロナ禍でテレワークが普及しまして、土地建物に対する価値観が大きく変わっているのかなというふうにも考えられます。土地の値段が上がらなければ評価額にそのまま反映されまして、固定資産税が減少もしくは上昇しない可能性があります。円高・物価高などで予測不能な法人税に加えまして、この土地の価格の変動は固定資産税を下げる可能性もあり、特別区交付金に直撃するわけで、財政運営をする上で注視しなければならないと考えます。その辺り、財政としてどのように捉えているか、お伺いいたします。 ○森財政課長 今お話がありました固定資産税でございますが、調整税等の主たる要素でございまして、土地の価格変動は特別区交付金に影響すると、そのように認識をしているところでございます。固定資産税も含めまして、特別区交付金の財源につきましては動向を注視していく必要があると考えております。 ○加藤委員 固定資産税が下がってしまう可能性という、今までずっと右肩上がりだった税収ですけれども、そこがもうちょっと見ていかなきゃいけないという、法人税よりも安定していたので、そこが下がる可能性があるということは見越していかないといけないと思います。 特別区税で、たばこ税についてお伺いいたします。 ○竹内税務課長 直近3年間の特別区たばこ税の収入済額を比較いたしますと、令和元年度は19億397万1,000円、令和2年度は19億442万6,000円、令和3年度は19億8,520万5,000円と年々増加してございます。こちらのほうは税率改正がございまして、売渡し本数は減少しておりますが、税率が上昇しているため、増額となってございます。 ○加藤委員 中野区は令和3年度というか、ここ2年間、たばこ税が増加しておりますけれども、令和2年度より都心3区は30%低下している、減少しております。テレワークなどで都心に出勤する機会が減りまして、中野区民の方が都心ではなくて、中野区内でたばこを買うことが増えたためだと考えられます。たばこ税は大きな歳入です。中野区民が中野区内でたばこを購入する環境を維持することを念頭に入れた政策が必要とも考えます。テレワークが進み、自宅周辺を散歩する機会も増えるため、大規模公園などで迷惑がかからない場所に喫煙所を設置する政策などを打ち立てていただきたいと思いますが、時間の関係上、要望のみとさせていただき、午前中の総括質疑を一応締めさせていただきたいと思います。 ○ひやま委員長 加藤委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。1時まで委員会を休憩します。 午後0時00分休憩
午後1時00分開議 ○ひやま委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き総括質疑を行います。 加藤委員、質疑をどうぞ。 ○加藤委員 お昼休みを挟んで、午後一番よろしくお願いいたします。 先ほどは特別区税についてお伺いしましたけれども、次に特別区交付金について伺います。財政白書の8ページの図9、調整税等と特別区交付金(中野区分)の推移を見て分かるとおり、令和3年度は急激な増加となっておりますが、その原因についてお伺いいたします。 ○森財政課長 特別区交付金の増要因でございますが、当初予算編成時においては新型コロナウイルス感染症の影響により減収を積算したところでございますが、想定以上の企業収益の堅調な推移によりまして、財源となる市町村民税法人分をはじめとした調整税等が前年度比7.5%、1,377億円伸びたことが要因と捉えております。 ○加藤委員 今お答えになりました想像以上の企業収益の増の原因は何でしょうか。 ○森財政課長 詳細な部分については特にこちらも分析し切れておりませんが、様々な給付金などによりまして一定企業が経営を続けられたといったようなことで、そういったことも踏まえての増かなというふうに捉えております。 ○加藤委員 その原因が予算編成のときに言えなかったんですけれども、今にわかに言いましたけれども、大体コロナによって持続化給付金、雇用調整助成金など、法人の経営を維持するための補助金が給料とかの補填のためだと思ったところでしたけれども、それも課税対象だったようで、それが影響かなと思って、何も事業しないのに給料は払えて、何も事業していないのに経費は発生しないので、いわゆる物品購入とかして節税対策もできないために、通常ではない納税をしたのかなと。一般的に7割の会社・法人が赤字決算をして、均等割の7万円の法人税の納付しかしないというのが通常運転みたいですけれども、コロナ禍ではそういったことができなかったので、法人税を払うところが多かったのかなというふうなことがあります。雇用調整助成金の対象期間が令和4年9月30日までということで制度が打ち切られるということで、再来年度にはこの結果が特別区交付金に出てくると思いますけれども、今後の財政運営について伺います。 ○森財政課長 今お話のあった給付金等の影響がどこまで法人住民税の増に影響したかというところについては捉え切れていない、想定しづらい、できていないところではありますが、法人住民税市町村分については特別区交付金の財源でございまして、区の財源に関わることでございますので、その動向については注視をしていきたいと考えています。 ○加藤委員 先ほど言いましたけれども、固定資産税も今後どうなるか分からない、法人税もどうなっていくか分からないというところで、特別区交付金というのが今後どうなっていくかというのは本当に不安なところなので、その辺はしっかりと分析をして財政運営に努められてほしいと思います。 続きまして、起債とか基金、いわゆる世代間負担の公平化というところについて伺います。 要求資料総務117の一般会計における決算状況(一般財源ベース)(前年度までの3年間)という資料をつくっていただきました。いわゆる財政フレームの項目に決算値を当ててもらったというものになりますけれども、ここで特別区債が令和3年度0円となっております。要求資料総務14の補正予算一覧(前年度までの3年間)などを見ますと、令和3年度の第11次補正で特別区交付金は327億円から62.8億円増額補正で389.8億円となって、特別区債は92億円から全て一般財源に財源構成し、0円となりました。この内訳を見ますと、学校施設整備の財源構成で59億円余、西武新宿線連続立体交差事業などで5億円弱などが区債発行から一般財源の財源構成が行われました。もちろんというか、私としては起債をして借金による利子を払うよりも、できるだけ現金を使ったほうがいいとは思いますけれども、区は最初というか、予算編成時に世代間負担の公平化ということで、これまで起債を行う予定ではありましたけれども、それが一般財源に入れることで起債を抑制したりしていたわけですけれども、こういった変更というのは何の数字を重要視して、どのような考えで財源構成を行っていくのか、お伺いいたします。 ○森財政課長 年度末の財源構成でございますが、今お話があった補正予算の関係ですが、当初予算編成後の歳入状況により、一般財源の充足が見込まれた場合、利子を含めた後年度負担を考慮しまして、起債を取りやめて一般財源に振り替えているというところでございまして、今のお話の令和3年度の補正、起債の取りやめ、財源構成についても同様の考えで行ったところでございます。 ○加藤委員 財源構成のタイミングについてお伺いしたいんですけれども、今挙げた学校施設整備の中で、中野東中学校に関しては令和3年9月にスタートして、同じ建物に入っている子ども・若者支援センターは11月からスタートしたので、少なからず工事はそれまでに完了したということです。完了した後に、工事の完了で、完了検査が終われば料金を支払うわけですけれども、交付金がかなり増額すると分かるタイミングと工事完了でお金を支払うタイミングというのは、それぞれいつだったのか、教えてください。 ○森財政課長 交付金が増額になるとの見込みですが、年末に東京都から情報があって、特別区財政調整交付金のフレームが増える、増額になるといったようなことでの情報に基づいて推計をしたということでございます。中野東中学校等の校舎建設工事については、令和3年9月が工期でございまして、そこからおおむね1か月程度で支払いが必要となるものと、そういう認識でございます。 ○加藤委員 そうすると、中野東中学校が開校9月の後に完了検査をやって支払いということで、年内には支払いぐらいで、特別区交付金が増額するという情報が入ったのも大体年内、年末ぐらいだったということでよろしいですか。 ○森財政課長 中野東中学校の校舎等の建設工事については、確かに子ども・若者支援センターの開設は令和3年11月なんですが、工事自体はほぼ令和3年9年に終わっているので、支払い時期についてはそこから1か月程度、ですので令和3年10月、そこが支払ったタイミングかなということで、一方、特別区交付金の増ということで言うと年末に、12月の下旬ですが、東京都から情報提供があって、それを基に増になるということで推計をしております。 ○加藤委員 年末に交付金がかなり増えるという情報があり、支払いは11月か10月ぐらいだったという中で、どうやって財源構成をしようという、そういう話になるんですか。まだそれだけ歳入が増えるという見込みが分かっていない中で、どうやってそういうふうに方針が変えられたんですか。結果的には第11次補正の年度末の補正でやるわけですけれども、どの判断で、起債ではなくて一般財源に財源構成を変えるという判断ができるんですか。 ○森財政課長 起債を取りやめて一般財源に振り替える、財源構成をするという判断をしたのは、特別区交付金が増になるということもあって、年末に補正予算の編成をやっていますから、そのタイミングで最終的な判断をしたということでございます。 ○加藤委員 区の運営がよく分からないんですけれども、もし特別区交付金がこんな多く入ってこなかった場合には、そのときに初めて起債するものなんですか。もし増額が0円だったという場合は、そのときに起債をするんですか。年間の収支のところで考えるんでしょうけれども、タイミング関係ないという運営だとしたら、起債というのはそういうふうにやっていくものなんですか。 ○森財政課長 起債については年度当初、5月、6月あたりに当初予算で計上したものをベースに東京都に、協議ということで書類を出すわけですね。その後、最終的に起債をかける、かけないというところは、本当のタイミングの最後のぎりぎりというのは出納整理期間内の段階でもできるので、そこまで実際のところ起債を最終的にするかしないかというのは判断ができるわけです。今回の部分については、補正予算の編成の段階で一般財源の充足が見込まれたので、そのタイミングで起債の取りやめはしたということでございます。 ○加藤委員 そうすると、区の財布に中野東中学校の建設完了に伴う支払いをするお金が入っていたから、取りあえず払って、特別区交付金が増になっていなかったとしたら、そこで初めて起債をする、今回はたまたま増が大きくて、全部一般財源に切り替えることでできたという、そういうふうに起債の考え方があるということなんですか。 ○森財政課長 中野東中学校の校舎等の建設工事の支払いについては当然、今お話があったように、その段階で歳計現金ですね、そちらの中で支払いはできた、支払いをしたということです。それで起債を取りやめる、取りやめないという部分については、一般財源の状況等を判断しておりまして、補正予算の段階では充足されるということなので取りやめの補正予算を出したと。一般財源がそれほど増しない状況だということであれば、そのまま、起債をしたまま、起債が予算計上されていた状態で、そのままいったということになろうかと思います。 ○加藤委員 これだけ歳入が増になるというケースもなかなかないと思うので、レアケースだったのかもしれないですけれども、そういうふうに起債ってやるものなんですか。ちょっと知らなかったので、いいか悪いか知らないですけれども、通常こういうオペレーションをするものなんですか。 ○森財政課長 予算編成の段階、最初の当初予算の段階では当然、多額の財源が必要なものについては、起債も含めて財源対策をしているということで予算計上します。その後、一般財源が増になって、財源が充足してくるということが分かれば、補正予算なり、最後の出納整理期間のタイミングでの取りやめというのも、これまでもしてきたということでございます。 ○加藤委員 ちょっと予想と違う答えだったので詳しく聞いちゃいましたけれども、そういうものだというのだったら、今後そういうふうにやっているんだという目で予算を見ていくべきなんだなと勉強になりました。 そういう中でも判断がぎりぎりとなったわけですけれども、予想以上に歳入が増えることが分かった場合には、今回の令和3年度の特別区債の財源構成もして一般財源を投入するという考え方、新しい財政運営の考え方においても、こういう考えを入れていくべきと思うんですけれども、どうでしょうか。 ○森財政課長 新たな財政運営の考え方のところでは、特に起債の一般財源充足に伴う取りやめといったようなところについては盛り込んでいないところでございます。その時々の状況に応じて判断をしているということです。特別区債の発行の見送りについては、先ほど来御答弁しているように、一般財源の充足の状況において判断をしてきているということで、今後もそういったことは一つの対応として考えられるということは思っておりますが、その時々の歳入見込みですとか、基金の状況ですとか、適用される利率なんかも勘案して、その時々によって判断をしていきたいということで考えておりまして、考え方のほうへの具体的な明記ということはしていないところでございます。 ○加藤委員 もともと世代間負担の公平化という言葉が何かいまいち言い訳がましい表現だなと思っていますけれども、こういうふうにその場しのぎ的な感覚で財源構成を変えられてしまうと、予算を立てたときのと何か説明が違うよなというところで、納得できるものもできなくなってしまうなというところなので、一定のルールみたいなものを新しい財政運営の考え方においては盛り込んでいただければなと思います。 続きまして、経常的経費、投資的経費について伺いますけれども、要求資料総務117の先ほどの資料ですけれども、この中で一般事業費が3年間で減少してきている要因について伺います。 ○森財政課長 総務117の資料で歳出のほう、一般事業費が令和2年度、令和3年度と減少しているという要因でございますが、令和2年度においては新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で縮小したり、取りやめた事業があったことが一つの要因になっているかと。あと、令和3年度については、構造改革実行プログラムでの短期的な取組を含めた経常的経費の削減に取り組んだ、当初予算の段階で取り組んだといったようなことから、それが一定程度この減につながったかなと捉えております。 ○加藤委員 コロナの影響というところですね。 次に、要求資料総務118の新規・拡充等事業から一般事業費となった事業一覧も今回つくっていただいたので、そこを使ってですけれども、これは名前のとおり新規拡充事業が経常経費化してしまったリストということになりますけれども、ここで大きいのがGIGAスクール構想7.7億円になります。区の独自の政策というわけではなくて、国の政策の中で、致し方ない中で経常的経費が7.7億円押し上げてしまうという、こういうケースもある中で、経常的経費を捻出する際に、ある程度お財布のひもを締めてでも、こういうことがあるかもしれないので、そういうこともあるような弾力性のある財政運営、支出を抑えていかないとと思いますけれども、いかがですかというか、当たり前の答えしか出ないでしょうけれども、一応伺います。 ○森財政課長 経常的経費につきましては、PDCAサイクルによる事業の見直し改善、また、決算時の見込み差の残額の縮減に努める等、継続的に縮減の取組を進めていく必要があると、そのように考えております。 ○加藤委員 時間も限られているので、ちょっと飛ばします。 次に、受益者負担について伺います。施設使用料の妥当性についてです。いろいろな施設でやりたいんですけれども、ここでは体育館のみに絞っていきます。財政白書の98ページなどを参考にしていただきたいんですけれども、区民活動センターの行政コスト、この財源構成を知るために、こういったものを体育館でも同様につくっていただきたいと言ったんですけれども、オリンピック・パラリンピックで卓球練習場になるなど、通年利用がされていないために算出ができないということでした。ちなみに、区民活動センターの利益者負担金率は2.9%です。といっても、今度料金改定が体育館はあるということですので、ここで取り上げさせていただきます。 中野区ホームページにキリンレモンスポーツセンターにおいて令和3年度平和の森公園及び総合体育館指定管理事業報告概要という資料がありましたので、これを参考にいろいろ取材等で聞いた数字などを使って質問させていただきます。先ほども言いましたけれども、令和3年度はオリンピック・パラリンピックの卓球場、令和3年7月1日から9月13日、緊急事態宣言で令和3年4月25日から6月20日、あと、オリンピックの開会から、令和3年7月12日から9月30日までが緊急事態宣言で、長期間閉まっている状態でありました。そういった時期ではありましたけれども、利用料金収入は4,197万円と取材の中で伺いました。また、収入の中には事業による収入というのが利用料金以外にもあるんですけれども、これが1,750万円です。この事業による収入というものは何を示すのか、お伺いします。 ○辻本スポーツ振興課長 指定管理者が実施してございます各種スポーツ教室やイベントの参加料収入ということでございます。 ○加藤委員 ということは、オリンピック・パラリンピック関係で何かほかの収入があったというわけではないということでよろしいですね。 ○辻本スポーツ振興課長 委員御指摘のとおりでございます。 ○加藤委員 そうすると、利用料金収入と、事業収入というのを足し合わせたのが区民・団体から得られた収入ということで、足し合わせると大体6,000万円程度ということで計算は合っていますかね。 ○辻本スポーツ振興課長 委員御指摘のとおりでございます。 ○加藤委員 そうすると、体育館が閉まっていた時期が3か月半、緊急事態宣言後も利用の抑制がなされていますが、ざっと単純計算で少なく見積もって、コロナが明ければ、開いている期間を考えれば1.4倍以上の収入が見込めると思います。そうすると、令和3年度の収入が3か月半閉まっていて6,000万円なので、1.4倍掛けて8,400万円ぐらいが期待できると考えますけれども、そういう計算でよろしいでしょうか。 ○辻本スポーツ振興課長 ただいま委員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症によります利用控えが解消されてくるとともに、オリンピック・パラリンピックの公式練習場となるといった特段の事情がなければ、御指摘の収益を見込むことができるものと考えてございます。 ○加藤委員 続いて歳出ですけれども、施設維持管理費で約550万円かかっているということですけれども、これは何の費用なのか、そして今年度も同じような金額がかかってくるのか、伺います。 ○辻本スポーツ振興課長 経費の内容でございますが、施設の設備保守管理費、また、清掃費などでございます。これらの経費につきましては、今後も同程度の金額を見込んでいるところでございます。 ○加藤委員 そうすると、年間の指定管理者の収支報告書から今の施設維持管理費などを考えると、その辺にかかる費用が1.8億円程度となりますけれども、これは令和4年度以降も同額でしょうか。 ○辻本スポーツ振興課長 指定管理料につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響や特段の事情がなければ一定程度減るものと見ているものでございます。 ○加藤委員 今のところ、歳入と歳出を聞きました。また違った観点から、体育館の建設費用の総額は幾らでしたか。 ○辻本スポーツ振興課長 実施設計及び施工経費で総額約96億7,000万円でございました。 ○加藤委員 そのうち、補助金と区の持出しは幾らでしょうか。 ○辻本スポーツ振興課長 国庫補助と補助金等で合計約36億円でございまして、区のいわゆる持出しでございますが、約60億7,000万円でございます。 ○加藤委員 フルコストでの施設使用料の考え方というのは、この建設費総額で考えるものなのか、区の持出し分だけで考えるのか、伺います。 ○森財政課長 施設使用料の算定に用いる、減価償却費を算定のところで入れているわけですが、それについては総額で算出して、それを算入しておりますので、今お話があった補助金と区の持出しという、それぞれ区分しているわけじゃなくて、総額で捉えている、算定しているということでございます。 ○加藤委員 97億円を減価償却するという考えということで、ライフサイクルコストは何年で計算するんですか。 ○森財政課長 おおむね約50年というふうに捉えていただければと思います。特に建物の躯体の部分について、50年と捉えていただければと思います。 ○加藤委員 そうすると、97億円をライフサイクルコスト50年で割れば年間2億円が、そこら辺考えないといけないということですけれども、フルコストの計算というのは、指定管理者の委託料も含まれて計算するということでよろしいですか。 ○森財政課長 含まれるものでございます。 ○加藤委員 ここまでの数字を整理しますと、施設の減価償却が年間2億円、委託管理費が1.8億円程度で、大体年間3.8億円、体育館を運営するのに必要となってきます。施設使用料による収入は少なくとも8,400万円程度を見込めるとなると、8,400万円を3.8億円で割ると、受益者負担率は22%、これらを踏まえて質問しますけれども、区は平成30年7月からスポーツ施設使用料を半額としておりますが、改めてその目的と根拠について伺います。 ○森財政課長 スポーツ施設使用料半額の目的でございますが、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機としたスポーツ健康づくりムーブメントを中野のまちに発展・定着させていくことを目的といたしまして、区民が日常的・継続的に身近な場所でスポーツに触れる機会や空間の創出促進といった環境整備策を進めていくと、そういった一環で導入したものでございます。 ○加藤委員 一方で、令和2年3月に区が示した施設使用料の見直しの考え方によると、減価償却費はこれまでの全額から半額を減価に算入し、利用者の負担割合についても、スポーツ施設については7割から5割に変更するとしていますが、体育館についても同じ考えを踏襲するんですか。 ○森財政課長 今お話があった令和2年3月の施設使用料見直しの考え方については体育館も同様でございます。 ○加藤委員 スポーツ施設の受益者負担率はどのぐらいが妥当と考えていますか。 ○森財政課長 財政白書でお示ししている他の施設と同様の計算の受益者負担比率については、まだ算出ができていないということなので、どれくらいが妥当かということは難しいところでございますが、今お話があった令和2年3月にお示しをした施設使用料の見直しの考え方における性質別負担割合については50%をお示ししたというところでございますので、この数値を基本に考えていくというところでございます。 ○加藤委員 今の考え方でいくと、建設費用の減価償却を半額とするということなので、先ほど年間2億円試算が半額で年間1億円で、委託管理費は変わらないで1.8億円なので、年間維持費は合計して2.8億円で、先ほど受益者負担22%でしたけれども、新しい考え方でいうと30%の負担割合に変わってきます。利用者の負担割合、目指すところ5割というふうに考え方にあったので、それに照らし合わせると今の値段、料金より1.6倍から1.7倍程度、施設利用料の値上げが必要となってきますけれども、本当にこんな恐ろしい倍率を掛けた使用料になるのかというところをお伺いします。 ○森財政課長 施設使用料の見直しに当たっては、大元は平成19年度に策定をしたものがあるわけですが、その当時から激変緩和という考え方もとっておりまして、使用料の増という部分については、1.5倍を超えないように、1.5倍に抑えるというようなことでとってきております。ですので、今のお話の1.6から1.7倍の増ということについては、そこまでは上げないということになります。 ○加藤委員 といっても1.5倍で、激変緩和で1.5倍という数値ですけれども、これでは利用者が一気に減って、結果的に、逆に収益が減る可能性もあるのかなと思います。例えばお酒の酒税だったり、たばこ税もいきなりすごい値上げになれば、やっぱりその辺の嗜好品は利用者が減ってくるということで、この施設使用料に関しても、1.5倍とか急になってもなかなか、大会を年に3回開いていたところ、1回しかできないかなとか、2回しかできないかなとか、そういうことにもなりかねないわけですよね。そうすると空きが出てくる可能性も出てきます。 一方、若林議員が一般質問で体育館の興行利用について質問しまして、検討するとの答弁でしたけれども、もしプロスポーツなどの利用があれば、一般貸出料よりも高い料金を設定することができるので、その分で区民負担を抑制することができます。また、興行がうまくいくようであれば、ネーミングライツの値段も上げられるのではないかなというところで、これも区民負担の軽減ができるのかなと思っております。受益者負担比率という考えではなくて、そういったネーミングライツも含めて、体育館で得られる収益全体で5割を目指すような考え方が必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○森財政課長 体育館の運営に係るコストをどのように確保していくのか、今お話があったように使用料、また、それから他の歳入といったようなものも含めて、どのように確保していくのか、それを、コストをどういうふうに補っていくのかということについて、今後使用料見直し方針の検討を進めていきますので、その中で議会ですとか区民の意見、他自治体の状況などを踏まえながら、考え方について整理していきたいと思っております。 ○加藤委員 そこら辺で、体育館のお金の状況でしたけれども、受益者負担というところの考え方について、区の考え方をお伺いしたいので、財政白書の135ページの受益者負担の割合という図面について説明していただけますでしょうか。 ○森財政課長 財政白書の135ページでございます。こちらの表については、区民1人当たりのコストと受益者負担の割合ということで、23区の散布をしているところでございます。中野区は左のほうにあるわけですが、右の上のほうに、端のほうに行くということになると、区民1人当たりの経常費用ですね、コストがかかっていると、あと、受益者負担も高いというような、そういうふうに読み取れるというようなところでございます。経常費用の詳細な分析は必要でありますが、そういった読み取りができるということでございます。 ○加藤委員 読み取り方がどうか、いろいろ分析は必要だと思うんですけれども、1人当たりの経常経費が大きいと、何かすばらしい施設をつくるのにお金を使ってしまって、結局それを使用するのに受益者負担も高まってしまっている可能性があるのかなというのをこの図面から読み取らせていただいたんですけれども、中野区は左下のほうにあるわけです。ちょっと昔のことを思い出して、僕が高校生だったときにミーティングで鍋横区民活動センターですけれども、当時、鍋横地域センターの会議室を予約しようとしたんですけれども、すごい倍率で取れなかったんですけれども、結局、有料ですけれども、取れないために永福町駅近くの杉並区の施設をよく使っていました。鍋横地域センターの会議室が予約できなかった日に、別日を予約しにいったところ、その部屋は使われていなかったということがあって、今思い起こせば、無料だから予約して使っていないという現状もあったのかなと思うので、そんな無責任な使い方をされるぐらいだったら、ある程度有料じゃないといけないかなとは思いますけれども、いずれにせよ、中野区政の中では、会議室の話ですけれども、無料だったという時代もあって、施設を借りるのがすごい安いというのにかなり慣れてしまっているのかなというふうに考えます。そういった中で、スポーツ施設の運営の在り方というのはどういうふうにするのが妥当と考えますでしょうか。 ○辻本スポーツ振興課長 区といたしましても利用者負担は必要と考えているところでございまして、その上で誰もが身近な場所で気軽に運動・スポーツに取り組めるよう、施設運営を進めることが大切であると考えているところでございます。 ○加藤委員 今の料金でも高いという声がスポーツ団体からありますけれども、先ほども言いましたけれども、急激な料金の値上げは区民スポーツに深刻な影響を及ぼすことが懸念されますので、区民のスポーツ実施率を高めるためにも、トータルでの現行の使用料負担額を上回ることがないように検討すべきと考えますけれども、区の見解をお伺いします。 ○森財政課長 今後、使用料の見直しの考え方を検討してまいります。算定方法の検討を進めていく中で、議会や区民の意見を踏まえながら検討していきたいと考えております。 ○加藤委員 ありがとうございました。これでやっと第1項目の令和3年度の決算について終えます。 続きまして、財政運営についてお伺いいたします。 令和5年度以降の財政運営については、先ほども紹介しましたけれども、令和4年8月31日の総務委員会で新たな財政運営の考え方について報告がありました。今後は基準となる一般財源規模の考え方を廃止するということです。この報告の中で、歳入一般財源が減少した場合でも急激な行政サービスの低下を招くことがないように、基金積立額を除く一般財源充当事業費は都区財政調整制度における基準財政需要額の直近3年の平均額を下限に編成するものと記載されております。特別区長会のホームページなどからその辺の数値が載っておりますので、それを使ってつくった図面が、委員長の許しを得てつくったものでございます。これで緑の線が23区の基準財政需要額、23区合計ですね、それに連動するように中野区、赤の破線ですけれども、基準財政需要額、中野区のができます。赤い実線が新たな財政運営の考え方に示されている基準財政需要額の直近3年の平均額というものであります。こういった形になります。 この基準財政需要額というのは、23区というか、特別区長会が設定していくものですけれども、この23区の歳入の基準、歳入としてできるもので設定してよいと判断した理由についてお伺いします。 ○森財政課長 今のお話、一般財源充当事業費の下限の設定のところでして、都区財政調整の基準財政需要額の平均を採用するという、そこを下限に設定するということで新たな財政運営の考え方でお示しをしたところですが、基準財政需要額は23区の普遍的な事業の経費により算定された、平均的に行うべき事業の経費でございますので、区民サービスを維持するための基準ということであれば適切であると、そのように考えたところでございます。 ○加藤委員 次の図面を説明させていただきます。赤の実線は23区平均した、今の3年平均した中野区の基準財政需要額で、黄色が一般財源充当事業費、青の実線が基準となる一般財源規模です。これで2020年、基準となる一般財政規模が跳ね上がって、その後また抑制しております。前区政においては財政規律というものがありましたけれども、何かそういうのがなくなってしまったのかなと。特に青が跳ね上がって、結局、充当事業額よりも大きくなってしまっているというところで、規律が守れないからやめるというよりは、自分らで規律をつくったけれども、ぐちゃぐちゃな計算になってしまって、逆転現象すら起こしてしまったというのがここから読み取れます。なので、自分らで一般財源規模というのを決められないのであれば、ある意味、特別区長会で作成される基準財政需要額に外部的な数字から身をゆだねるのも一つの新しい財政規律の考え方かもしれないと。 ただ、この数字を見ますと、2013年、2014年あたりを見てほしいんですけれども、赤い線が基準財政需要額、結局、調整3税とかがめちゃくちゃ下がってしまったとかも要因で、かなり下がってしまうわけですね。歳入が減ってくる、ここから歳入が大分下がるわけですけれども、そういうときにこそ、基準となる一般財源規模、青い線ですね、この線まで予算を基金か起債か何でも穴埋めをしないといけないという作業があったわけで、田中区政のときには、この青を守るためにそういったことをやっていたわけですね。こういうときに財政調整基金を使うタイミングだったわけですけれども、あくまで赤いラインは下限値と言っているものの、それを決めてしまうと、例えば2013年だと一般財源充当事業費が669億円で、基準財政需要額は597億円なので、70億円程度、何かしら切り詰めないとこれを守れないということになりますけれども、それだけスクラップってできるものなんですか、下限と設定する限りは。例えばの話ですけれども。 ○森財政課長 歳入一般財源が減少した場合に、その場合は歳入見合いで歳出の一般財源充当事業費を削減していくと、そういう考え方を基本に今回の考え方をお示ししたところでございますが、急激な行政サービスの低下を招くことがないように、最低値ということでの下限額を設定したということでございます。その当時、その段階において、どういう形で予算を組んでいくかというところもあると思いますが、区民が安心して生活できる環境を整えていくのが当然区の責務でございますので、選択と集中を図って、必要な財源はしっかり投入していきたいと、そのように考えています。 ○加藤委員 状態によっては、この下限値を守るために切り詰める、スクラップするという宣言でよろしいんですか。 ○森財政課長 これは下限値なので、ここは最低限維持するということでございますので、ここまで下げるかというところについては、そこまでの段階、そこまでどうするかというところについては、今の段階ではお答えできないかなと思います。 ○加藤委員 この下限値を、結局、今言ったように、守るのはなかなか困難だというニュアンスのことを言っているわけなので、守れないぐらいだったら最初からこれを下限値にする必要はないんじゃないかという話なので、考え方を改めたほうがいいんじゃないかと思いますけれども、もう一度伺います。 ○森財政課長 あくまで区民サービス、このレベルは維持するということでの設定なので、ここまで落とすという数字ではないというふうに捉えています。その時々の状況で、しっかり区民のサービスを維持していくと。ここの下限値の段階までは、それ以上は区民サービスとして予算は組んでいくということで考えています。 ○加藤委員 下限値だから、いくら下げたって、ゼロと言ったって下限値だから、それ以上に決まっているじゃないですかと言ったら、この数字はあっても意味がないわけですけれども、守るつもりもない数字を設定するというのは、よく分からないなと。あくまで下限値だから、どう設定しようと、どちらかといえば上限値をどう設定するかのほうが重要だとは思いますけれども、守るつもりがない下限値を今後財政規律の中に入れていくというのは、ちょっと理解ができないなというところで指摘させていただきます。 例えば、ここで新型コロナによって、黄色いラインで一般財源充当費、2020年、2021年、かなり下がっていますけれども、こういったときには結局、中野本郷小学校だったり、鍋横区民活動センターの工事を取りやめたとか、そういった大きい投資的経費を減らすことによって、この一般財源充当事業費を減らしたということでよろしいですか。 ○森財政課長 今お話があった一般財源充当事業費は当初予算額でございます。投資的経費の部分については、今お話があった鍋横区民活動センターや中野本郷小学校の部分については一定基金や起債も充当した上で予算化していますので、ここを、投資的経費を落としたから一般財源充当費がすごく下がったということには必ずしもつながらないかなと思います。全体的な見直しをした結果、こういう数字になったと捉えています。 ○加藤委員 前区政のときには、青いラインの基準となる一般財源規模で、これを超えるようなときがある場合は、予算のあらましとかで投資的経費にこういったお金がかかるから基金を充当しますというふうな説明書きがしっかりあったので、ある意味、基準となる一般財源規模というのは経常的経費とか、そういったところをある程度基準にしていたとは思うんですけれども、何か酒井区政になってから、その辺のたがが外れたというか、計算方法が変わったというようなところで、2020年の逆転現象が起こるようなことも起こっているのかなというふうにも感じるわけですけれども、こういったことを考えると、今後の財政運営の考え方として、経常的経費と投資的経費を分離して考えたほうが波をしっかり見られるんじゃないかなと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○森財政課長 投資的経費のほとんどは基金を、起債を活用する事業ということでございまして、財源対策を行う基金・起債を活用する事業については別項目として当初予算の概要では出しているというところがまずございます。現在、一般財源充当事業費の中では、経常的経費と投資的経費を一緒、一つのところで、一つのくくりの中で整理をしておるところでございます。今後もそういう形で、一般財源充当事業費という大きな枠の中で捉えていくということで、その考え方は変更はないところでございますが、今お話があったように、じゃ経常的経費がどう伸び、あるいは投資的経費がどのように伸びていくかといったような、その部分についての取扱いについては検討課題としたいと考えています。 ○加藤委員 この図面は終わらせていただきます。 今おっしゃって、一応内部的にはしっかりと投資的経費と経常的経費に分けているんでしょうけれども、それをしっかりと、情報をとればこっちもつくれますけれども、そういったものをしっかりオープンすることによって、経常的経費は大体このぐらいという、それがある意味、基準となる一般財源規模代わりになるようなところの指標の一つの見定めとしてつくっておいて、年々変わってしまう一般財源の充当事業費というのを、波のところは投資的経費なことが多いわけですから、それはそれで20年間、40年間で考えているというところで、区有施設整備のほうで考えていますから、それはそれで財源を分けて見たほうがいいんじゃないかということで、そういった財政フレームをそれぞれ経常的経費なところ、経常的経費というか、投資的経費とそれ以外の財政フレームをつくっていく必要があろうかなと思いますけれども、改めて伺います。 ○森財政課長 まず経常的経費、一般事業費として扱ってお示ししていますが、その部分の今後の伸びというものについては、伸びというか、今後の推移の見込みということは財政フレームのところでもお示ししておるところでございます。一方、もう一つ、投資的経費の状況ということで言うと、基金・起債を活用する事業については、お示しはしているというようなところでございます。ですので、そういったところでの、それぞれの項目立てしている部分については、資料についても表記はしているところでございますが、繰り返しになるところですが、一般財源充当事業費の中でどういうふうに分離して取り扱っていくかということについては今後の検討課題とさせていただきたいと思います。 ○加藤委員 検討していただけるならありがたいです。 そういう中では、区有施設整備というところがしっかりと、ばちっと決まらないと、それも不可能というところで、その辺の施設整備がどうなっていくかというところで、児童館、区立保育園、地域図書館など、棚上げの計画がたくさんありますけれども、そういったものが決まってこないとなかなか費用も決まらないですけれども、今後どのような見通しなんでしょうか。 ○瀬谷構造改革担当課長 施設整備の見通しですが、各個別計画の進捗状況を踏まえまして今後の見通しについて見定めていく考えでございます。 ○加藤委員 いろいろ計画、棚上げ状態ですけれども、これらが実行されると区有施設整備計画、物価高とかを考慮されていないですけれども、20年間平均で年間97億円必要だというのが大体の数字となるという考えでよろしいんですか。 ○瀬谷構造改革担当課長 区有施設整備計画では、施設の再編、また、更新単価など一定の条件を基にして、策定時点から20年間に必要となる施設更新経費を試算したものでございます。 ○加藤委員 物価高騰とか修正を加えていく必要があると思いますけれども、何年かに1回見直しがあると思いますが、その辺どう検討されていますか。 ○瀬谷構造改革担当課長 今後個別施設ごとの計画が進んでいく中で、更新、改修などの経費について、経費の高騰につきましても精査していくことになると考えてございます。 ○加藤委員 そういったところで97億円というのも、この数字でいいのかというのもありますけれども、その辺、物価高騰などを踏まえて年間100億円、100何億円みたいなところが積み立てればいいんだなとなれば、施設整備用に必要な金額、それを別のところで財政フレームを組んで、例えば100億円を一般財源として施設整備費に投入するのか、基金へ積立するのか、区債の借金の返済のために使うのかという、この3種類に分けるだけで見やすい、分かりやすい施設整備の財政フレームがつくれると思いますけれども、その辺どうお考えでしょうか。 ○森財政課長 施設整備に関する財政フレームということでございますが、施設整備もそうですし、大規模修繕、そういったものにかかる経費をどのように平準化していき、基金・起債を活用した財源対策を行っていくかといったようなことについては当然、施設マネジメントの面からもしっかり見える化していくという必要があると考えております。ですので、施設整備に係る財政フレームということについては検討を進めていきたいと考えています。 ○加藤委員 ありがとうございます。そこで施設のほうが大体そんな、僕が言ったイメージができれば、一般事業費とか新規拡充推進事業についての枠みたいなところが議論できると思います。 ところで、先ほどから言っています財政運営の考え方の報告の中で、一般事業費について、これは出ていましたけれども、この中に一般事業費の考え方で、決算分析や行政評価を基に費用対効果等を十分に検証し、事業の見直し・改善に取り組み、事業経費の縮減に努めると書いてありますけれども、この中から事業の廃止という言葉が完全になくなっちゃいましたが、スクラップをあきらめたということですか。 ○森財政課長 令和5年度予算編成においては、過去の決算の状況や行政評価の結果等を十分に踏まえ、構造改革実行プログラムの構造改革の八つの視点に基づいて事業の廃止・縮小、手法の検討、執行体制の見直し等を経た予算要求を行うことと、そういうことで示しているところでございまして、廃止をする、廃止の考えというのをなくしているわけではございません。 ○加藤委員 では、なぜ廃止という言葉を入れていないんですか。 ○森財政課長 確かに御指摘の財政運営の考え方のところでは、廃止という言葉は入っておりませんが、事業の見直しのところには当然廃止も含まれるということでこちらは捉えておりまして、廃止という考え方をなくしているというわけではないということでございます。 ○加藤委員 今までスクラップ・アンド・ビルドとか、そういった高らかに何かキャッチフレーズを掲げられていたので、廃止というのは常に考えていくものなので、この言葉が消えたということは、区政全体でそういった意欲がなくなったというふうにも読み取れるわけですよ。そういうことなら、しようがないですけれども、だから、いろいろキャッチフレーズがありましたけれども、スクラップすると言ったのも行政側ですし、構造改革すると言ったのもそちら側で、その言葉どおりできないから、こういったいろいろな指摘が出てくるわけだと思います。廃止という言葉を書いていないですけれども、やっていく意向はあるのか、新たな財政運営の考え方ということですから、しっかりとこの後、何かが策定される中では廃止という言葉を明記していくのか、その辺を伺います。 ○森財政課長 新たな財政運営の考え方については、確定したものを令和4年8月の総務委員会で報告をしているところでございます。繰り返しになりますが、事業の見直しのところには当然廃止も含まれるというふうに、そういう考えでございまして、ビルド・アンド・スクラップには引き続き取り組んでいくということでございます。 ○加藤委員 これは確定版だったんですか。さっき私がつくった、需要額の3年平均というグラフをつくって、こんなグラフになるんですか的な話で、つくったことがなかったみたいな話だったじゃないですか。見てもないのに、こういう指針をつくっちゃったということですか。 ○森財政課長 グラフに落としているわけじゃないですけれども、過去の基準財政需要額の平均ということについては当然計算はしていたということではございますが、グラフに落としてということについては、していなかったということでございます。 ○加藤委員 そういうニュアンスじゃなかったと思いますけれども、本当にその数字が妥当なのかなというような、さっきのグラフを見れば明確だったわけで、もうちょっと考え方があったのかなと思うんですけれども、これはもう考え方を変えるつもりはないということなんですか。 ○森財政課長 これで令和5年度予算編成はスタートしておりますので、変更はしないということでございます。 ○加藤委員 まだ間に合わないですかね。じゃ再来年度予算のときには変えられるんですか。まだいろいろ不備がいっぱいあると思うんですけれども、このまま進んでいいのかなというところなんですけれども、全くその辺は、マイナーチェンジもなされないということですか。 ○森財政課長 この考え方で運営をしていくということがまず基本でございます。これを未来永劫変えないというわけには当然、運営をしていく中で検証して、改善する必要があれば見直しをしていくということでございますので、そこは運営をしていく中で今後考えていきたいと思っております。 ○加藤委員 何かあやふやに書いてあって、これで結局どうなるのかというのが余計見えなくなってきているなと思うので、その辺は変えていただきたいと、やっても時間がなくなってしまうので、要望でとどめておきますけれども、そういった考えで進めていただきたいと思います。そういったところで、考え方として、先ほども言いましたけれども、義務的経費、一般事業費とか投資的経費、こういったところをしっかりと細分化というか、大きく分けたところで財政フレームをそれぞれつくると物が分かりやすくなるかと思いますので、その辺は別に、ここにやらないともやるとも書いていないので、反映していただければと思います。 では、物価高への配慮ということで、今後、政府が掲げるインフレターゲットやインフレ率を予算全体に乗じることによりまして、先ほども言いましたけれども、名目が上がっても実質が下がっちゃうみたいなこともあると思うので、その辺を予算編成の中で考え方として我々も持っておかないといけないのかなと思いますけれども、どういうふうに考えているのか、お伺いします。 ○森財政課長 物価高の状況を予算編成において、当然そこは反映していく必要があると思っております。例えば、昨年度の執行状況と今年度の執行状況を比較して、来年度どれくらい伸びるかとか、それに当たってインフレの状況をどこまで見ていくかということですとか、あるいは事業者から見積りを聴取する際にも当然、事業者のほうでそういったところも踏まえての見積りが出されてくるでしょうから、そういったところでの、それを踏まえた形での積算ということは当然必要だなと思っておりますので、しっかり状況を注視して予算編成を進めていきたいと考えております。 ○加藤委員 最後は1個1個聞こうと思ったんですけれども、ちょっと時間がないので要望だけ。今言った流れを全部1個1個まとめますと、一般財源充当事業費をコントロールする考えから、投資的経費とそれ以外の事業費に分けて財政フレームをつくっていただきたい。あと、義務的経費、一般事業費、投資的経費を除いた新規拡充事業を一定の金額に抑えていただきたい。投資的経費は早々に区有施設整備計画がスムーズに遂行できる体制を整えて、投資的経費に関する20年間の財政フレームを策定してほしい。令和3年度に歳入が急増した場合には起債を取りやめるような財源構成などをルール化していただきたい。あと、物価指数などが高騰する可能性を秘めている現状においては、インフレ率を考慮した予算編成に努めていただきたいと要望して終わらせていただきます。 最後に、この項で、公共事業の包括的民間委託について質問させていただきます。ちょっと早口でいきます。 府中市では2021年度より道路等包括管理事業というものを始めております。府中市における道路等包括管理事業では、包括管理受託者に道路等の管理を3年間で6億円程度、一括発注します。この3年間、役所は道路関係の発注をする必要がなくなります。包括管理受託者は巡回、植栽管理、清掃、害獣・害虫対応、付帯設備管理、コールセンター、事故一次対応、災害一次対応、補修・修繕、樹木剪定などの総括マネジメントを行います。包括管理受託者は地元業者を中心にそれらの業務を割り振ることが業務となります。業務によっては契約金額内で実施するものと単価契約で行うものがあり、包括管理受託者の差配によって施工事業者は入札することなしにスムーズに工事できます。そのため、道路陥没などで急な工事が必要になった場合、業者の都合次第では翌日工事をすることができます。入札していたら、下手すれば二、三か月かかっちゃうのが翌日できます。 この試みは、令和4年度に国土交通省とPPP協定を締結する民間事業者が国土交通省の後押しを受けて、地方自治体におけるPPP、PFIの一層の推進を図っているものです。全国の自治体では、PPPを活用して今後加速する社会保障負担による厳しい財政環境でも地方公共サービスの質の向上に力を尽くしております。 御存じのようにPPP、パブリック・プライベート・パートナーシップ、官民連携とは、民間の資金やノウハウを活用して公共施設の維持管理等や効率化、公共サービスの推進の向上を目指す手法であり、中野区においてもパークPFIを検討するなどの取組が始まっています。役所のメリットとしては、業務発注の簡易化、クレーム対応からの開放によりまして、現場踏査の機会を増やせます。また、包括管理受託者と連携することによりまして、職員がそういったところに行って技術力の向上が望めます。市民のメリットとしましては、先ほど言ったみたいに迅速な工事対応が望めます。工事事業者としては閑散期などがなくなる可能性があります。 この道路等包括管理事業は、市民・事業者・行政の三方よしと言えます。中野区においても道路・公園などにおいて包括的民間委託を実施すべきと考えますが、区の御見解をお伺いいたします。 ○井上道路課長 公共工事の包括的民間委託についてですが、先行して実施している自治体にヒアリングを行い、業務の効率化や住民サービス向上等、メリットがあることは認識しております。一方で、契約内容は性能発注である総価契約と仕様発注である単価契約を併合したものであり、受注者が業務を自主的に判断する必要があることや、区内業者の意向等の課題等もございます。今後、道路等の包括管理委託について研究してまいりたいと考えてございます。 ○加藤委員 ありがとうございます。前例があまりないということで、なかなか勉強しないといけないところがあると思いますけれども、今現場のほうからは職員の質が、若い人が多いので、なかなか悪いということですけれども、例えばコールセンターとか、そういったところに職員が行って現場を見るようなことも、こういった協定の中では可能ではないかというふうにも伺っております。現場の能力が上がれば発注の能力も上がってくるわけで、そういったところで、この仕組み自体、本当にいいことばかりだなと思いますので、ぜひとも中野区でこういったPPPが実現することをお願いいたしまして、この項の質問を終了いたします。 働き方改革についてお伺いいたします。 区ではマイクロソフト365の導入を決定いたしました。説明については省略します。私からはこれまでも情報政策等調査特別委員会において議論が行われてきましたけれども、改めてマイクロソフト365の導入によって区の業務にどのような変化をもたらすことを想定しているのか、特に従前より私が指摘させていただいております縦割り行政の打破と組織間の連携に着目した視点でお伺いいたします。 ○白井情報システム課長 マイクロソフト365に含まれますTeamsなどのアプリケーションを活用することで部や課を横断し、場所にとらわれずに迅速な情報連携や議論、職層にとらわれない密なコミュニケーションの構築、会議のペーパーレス化などを実現していくことを想定しております。また、データ分析ツールなどを活用した分析結果を簡易な操作で全庁的に共有可能とすることで、組織横断的に取り組む必要がある困難な課題の理解が深まり、解決にも大きく寄与するものと考えております。 ○加藤委員 大分説明をはしょってしまいましたけれども、続いて、教育現場の導入について伺います。情報政策等調査特別委員会でその辺の検討についての質疑があったんですけれども、ああいったところで質問させていただきます。マイクロソフト365を導入することで教員間や区内の小・中学校のみならず、全国の学校間とのシームレスな連携や情報共有、また、教員は職場でなければ仕事ができない現状を解決するためのテレワークへの対応など、様々な働き方改革への効果が見込まれます。マイクロソフト365の学校教育現場への導入は検討されているのか、また、検討されているのであれば、その状況についてお伺いいたします。 ○齊藤指導室長 子どもと向き合う時間を確保し、学校教育の質を高めるためには教員の一人ひとりの働き方を改革していく必要があると考えます。マイクロソフト365をはじめ、必要とされる新たなICTツールの導入については、教育現場の声を聞きながら導入の必要性を含め、検討してまいります。 ○加藤委員 都立高校では先生と生徒全員がマイクロソフト365を使えるということで、コロナ禍でもうまく活用ができたそうです。特に、中野にあります都立富士高校の教員によりメガ都立構想というプロジェクトが進んでいるということです。この構想というのは、東京大学入学とかがすごい多い都立日比谷高校などの授業をほかの学校の生徒も閲覧できるという仕組みをつくろうというものです。これは高校生だからできるというところもあるでしょうけれども、こういったツールを使うことによって、いろいろな可能性があるわけで、マイクロソフト365の導入が学校教育現場においても必ず、働き方改革だったり、そういった教育のパワーツールになってくると考えます。 先日、区はマイクロソフト365の導入に係る事業者選定の募集を始めていますが、これらの検討では教員向けに導入するにしても、教育委員会単独の調達となると、調達に係るスケールメリットなどを考えると既に遅いという感じもありますけれども、前向きに検討を進めていただきたいということで要望いたします。 続いて、ハード面についてお伺いします。現在の教育現場において教員が利用している教員用端末についてです。これらは現在、区が利用している端末と同時期にリース時期を迎えると聞いております。具体的には令和5年12月にリースの期限を迎えると聞いておりますが、リース期限後の端末の調達について、その形式やスペックなど検討状況をお伺いいたします。 ○松原学校教育課長 賃貸借終了後における校務端末の使用など在り方につきましては、学校管理職を構成員といたします教育委員会情報システム委員会において意見を聞くとともに、適宜、情報システム担当の助言を受けながら、令和5年度予算の積算作業において検討を進めているところでございます。 ○加藤委員 教員の方々は職員室の自席でしか業務ができないという今のこの現状を変えていく可能性を持ったほうがいいのかなと思いますので、この機会に検討をお願いいたします。 続きまして、現在、区の職員だけで成り立っているという業務は実質的にないということで、外部との連絡、会議だったり、そういったことをやらないといけないわけですけれども、区民・地域団体や民間企業などの関係性においても、マイクロソフト365を活用することで確実に変化が生まれると考えます。 そこで伺いますけれども、区が導入するマイクロソフト365の活用方法としては、民間企業や地域団体、区民との協働などにどのように生かせると考えていますでしょうか。 ○白井情報システム課長 マイクロソフト365を活用しました民間企業との連携についてでございますが、それらの機能の一つでございますTeamsの活用をメインに検討を行ってございます。主にはウェブ会議やチャット機能、ファイルの同時編集機能等を活用することで、人数、物理的スペース、移動時間や地理的な制約なく協働の実現が可能であると考えてございます。民間企業などとの接続に当たりましては、セキュリティの確保などが必要になってくることから、協働における具体的な活用に向けて、利用可能とする機能や安全対策、運用ルールなどについて引き続き検討を行ってまいります。 ○加藤委員 ちなみに、民間企業などと連携と同様の考え方になると思いますけれども、例えば中野区議会が区と同様にマイクロソフト365を導入した場合、先ほどの質問に対する今の回答のような連携ができるのかなと思いますけれども、区議会との連携において、技術面、機能面において可能であるか、伺います。 ○白井情報システム課長 技術面、機能面におきましては、民間等と同様の連携が可能となると考えてございます。 ○加藤委員 ありがとうございます。 そうしましたら、この項の中で人事評価についてお伺いいたします。エビデンス・ベースド・ポリシー・メイキング、EBPM、日本語で言えば証拠に基づく政策立案ですけれども、現在、中野区政において新しい政策を立案する際に、なるほどとうなずくようなエビデンスを示された記憶は、私の7年間の議員生活の中ではなかったと思います。現状、やりたい政策があって、その補足説明としてエビデンスを集めている状況です。マスコミなどのメディアの切り取り報道みたいに、自分らが望むストーリーにエビデンスとなるようなデータを貼り付けているために、論理的に破綻した説明となります。EBPM、証拠に基づく政策立案でなく、PBEM、ポリシー・ベースド・エビデンス・メイキング、政策に基づいて証拠をつくり上げるということになっております。 私はもともと国の仕事で、国の公共事業の予算編成に妥当性を見出すための政策研究を生業にしていたということもありまして、図面や表など様々つくってきました。申し訳ないですけれども、いろいろつくられた図面を見ると、そちらの意図だったり、ごまかしを見抜くことができます。また、大学では助手などをやっていましたので、学生の論文レポートのチェックとかをしてきたこともありますけれども、申し訳ないですけれども、今の区の職員のその辺のデータ分析能力は、理系の大学2・3年生ぐらいかなというふうにも感じるわけです。公務員になるためには試験で資料解釈という、図表を見て、その状況を判断するという問題がありますけれども、この辺の試験が弱いんじゃないかなというふうにも感じるわけです。 そこで、区は現在の職員のEBPMに関する能力をどのように捉えているのか、伺います。また、その状況を打開するために何か考えがあれば教えてください。 ○石橋人材育成担当課長 客観的な事実やデータを基に政策形成を行うという、EBPMの意味や意義、それを区が組織として仕事を進める上で遵守しているという基本的な考え方であること、その必要性については一定程度、職員・組織に浸透してきているというふうに考えてございます。一方で、それが高いレベルで実行できているかという観点においては、十分ではないというふうに考えてございます。これに対して、近年、政策形成におけるデータ活用の在り方やオープンデータ、統合型GISの活用といった研修にも力を入れており、今後も職員のEBPMに対する理解度、活用度のレベルを上げる取組を充実させていきたいというふうに考えてございます。 ○加藤委員 今、役所は、できるだけ業務委託だったり、アウトソースすることによって直営事業が減りまして、発注とその業務管理をすることが仕事となっております。職員は現場に行けない分、データなどから現場の状況、意見、思いを分析して、PDCAサイクルで事業をよりよくしていく必要がありますけれども、分析能力がなければ前例踏襲で業務発注するだけになってしまいます。新しい政策立案を職員に現在任せていいのか、本当に私としては疑問であります。マイクロソフト365導入で、BIツールで、分析ができるツールを皆さん持つわけですけれども、このままでは猫に小判となりかねません。といっても、研修で一から統計分析能力を育成するのは難しいと思います。せめて研修などをして、分析をすればこんなことが分かるんじゃないかなという、このぐらいの感覚ぐらいはどうか身につけられるのか、そこら辺が関の山かなと思います。それは例えばDX化するというのも同様だと思います。 そこで、専門職や高度な専門知識を有する職員を、全庁的に職域を超えて活用する仕組みをつくるべきと考えます。例えば、今後導入予定の人材マネジメントシステムにより、活用してほしい能力を登録させ、活用したい能力を検索することにより、マッチングさせる仕組みをつくるのはいかがか、伺います。 ○石橋人材育成担当課長 今後導入予定の人材マネジメントシステムは、職員個人の能力、経験、意向と職務が求めるスキルやそのレベルなどを情報システムでマッチングさせて、適正配置、人材育成、業績評価といった人事施策について活用したいというふうに考えてございます。委員おっしゃるとおり、活用してほしい能力や資格を見える化して、組織が活用したい能力とマッチングさせることも人材マネジメントシステムの機能の一つと考えており、活用方法を検討していきたいというふうに考えてございます。 ○加藤委員 今定例会の一般質問で、我が会派の若林議員がマイクロソフト社の人事評価について触れました。マイクロソフトの人事評価は、評価者個人の能力に加え、他者をどれだけ助けたか、他者からどれだけ助けられたかといった行動と、その行動で得られた成果が評価対象となります。その人事評価のベースの考え方は、個人の成果よりもチームの成果を重視し、評価はランク付けではなく、上司・同僚がコメントをフィードバックするだけということです。これが実現すれば、わざわざ横串を通すための会議体だったり、プロジェクトチームがなくとも、それぞれの部署が必要なコミュニケーションをとるのではないかと思います。統計だったり、ICTだったり、プレゼンテーションなどが得意な人材がどの部署にもいるわけではないために、そういう得意な人をこういったマッチングシステムで探すことによって、他者からどれだけ助けられたかという指標があるということなので、そういった職員に相談しやすいという環境ができてきます。部署間をまたいだアイデアが生まれるすばらしい環境づくりが人事評価から生まれるわけです。 そこで伺いますが、マイクロソフト社のような人事活用に特化した人事評価制度の仕組みを構築してみてはいかがでしょうか。 ○吉沢職員課長 現在も区の人事評価におきましては、部課をまたがる施策や課題に取り組むため、関連する部課の職員でチームを編成して対応した場合につきまして、職員の業績評価の評定の要素の一つとしまして評価をしているところでございます。委員がおっしゃるとおり、今後マイクロソフト社のチームワークを重視する点や、そのほか総合評価の事例等も含めまして、民間企業における評価手法を研究してまいりたいというふうに考えてございます。 ○加藤委員 この仕組みは区民対応だったり、ルーチンワークが多いような部署には不向きとも考えられるので、全部の部署とは言えませんけれども、政策立案をするような部署には非常に有効な人事評価システムだなと思いますので、その辺、部署ごとに人事評価の考え方を変えるというのもなかなか難しいとは思いますけれども、うまくそういったものを取り入れていただきたいということをお伝えいたしまして、この項の質問を終えます。 続きまして、子育て環境の充実について伺います。 一つ目に、区独自の就学支援事業について伺います。またパネルを使わせていただきます。令和4年9月9日、国立社会保障・人口問題研究所が結婚と出産に関する全国調査の結果を発表しました。調査数は、独身者で有効数が7,800人ぐらいで、夫婦が6,800人ぐらいです。主な結果として、まず結婚の意思について取り上げられております。この図は18歳から34歳までの未婚の方に調査した結果です。いずれ結婚するつもりと考えている未婚者の割合は徐々に減っていき、6年前の調査で85.7%だったのが81.4%、男性がですね。女性に関しては89.3%だったのが、5ポイントダウンして84.3%となりました。それより驚くのが、一方、一生結婚するつもりがないと答えた未婚者は、20代に入ってどんどん増加傾向になりまして、今回の調査では、前回12%から17.3%、男性が増えて、女性は8%から14.6%へと多く増加しました。衝撃な数字が出ております。34歳以下で一生結婚するつもりがないと決断をしているということなので、これは驚くべきことです。これに、結果的に結婚ができない、しない人を合わせれば、未婚率というのは相当高いものになってくるんだろうと思います。同じ調査で、結婚時の理想の子どもの数が2.27で、予定子ども数は横ばいの2.0、理想と予定ですね、どちらとも2人、結果的には2人以上の子どもが持てるわけではありません。 次の図面にいきます。先ほどの調査の中の一つの指標ですけれども、このパネルは妻の初婚年齢別に見た結婚当時の予定子ども数と現実の完結出生子ども数の分布、結婚持続期間15年から19年です。サンプル数は953。上から、妻の初婚年齢で、一番上が全体総数、二つ目が25歳未満、次が25歳から29歳、次は30歳から34歳、次は35歳以上で、左の棒グラフは結婚当時の予定子ども数、右が完結出生子ども数、つまり結果的に何人産んだかです。予定数よりも結果の子どもが少ないことが分かります。妻の初婚年齢で見ますと、25歳未満であると3人子どもを産んでいるというのが42.6%もあります。平均で見ると、25歳未満で2.25、29歳以下で1.88、34歳以下で1.5、35歳以上で1.23と減少傾向です。イメージすればすぐ分かる話でありますけれども、初婚年齢によって子どもの数が2倍程度変わるというのが大きな指標であります。 理想の子どもの数を実際に持てない理由としまして、最も選択率が多いのが子育てや教育にお金がかかり過ぎるからという経済的理由で、選択率は52.6%、お金が足りないというので52.6%、子どもがのびのび育つ環境ではないからを選択する割合は、近年の調査ほど減っております。妻が35歳以上の夫婦では、高齢で産むのは嫌だから、欲しいけれどもできないからといった身体的な理由の選択率が高いです。子育てと仕事の両立が困難という理由も挙げられております。また、自民党の若手の勉強会の調査ですけれども、子どもを産むには高校・大学の就学費用が蓄えられるか不安で、もう一人産むことができないといった回答をされる方も多かったと聞いております。 今いろいろ説明しましたけれども、区のこういった子育てに関することについての御見解をお伺いします。 ○青木子ども政策担当課長 子どもの出生数に関しまして、若者が結婚する意思の有無や婚姻する年齢、将来的な子育てや教育にかかる費用の負担感なども影響を及ぼす要因になっていると認識してございます。 ○加藤委員 人口を維持すること自体が行政として正解なのか分かりませんけれども、行政としては持続可能な自治体運営をしよう、区政運営をしようという場合には、やっぱり人口というのは常に意識しないといけない、目標にしなければいけないもので、しかし、先ほど冒頭に見せた一生結婚しないという男性が17%いるような状況ですから、各家庭が二人ずつ子どもを産んだとしても人口は維持できません。3人以上を産もうと思える環境をつくり出す必要があると思います。乳幼児とその家族の居場所をつくることはもちろん重要ですが、違った観点から、まずは体力的には、やはり早めに初産をしていただけるように女性の職場環境における保障制度をさらに拡充していく必要がありますが、区としては、基礎自治体でやれることはほとんどないと思います。もし、出産しやすい職場環境をクリアして、若いうちに子どもを産みたいと思っても、先ほど言ったみたいに高校・大学入学などの大きな費用に対して不安が出てくるところであります。 男性のほうも、初産が若い奥様だとしても、奥様というか、結婚しているかはまた別なんですけれども、パートナーの男性の方も若い可能性があるので、世帯収入は若いカップルだと高くはない可能性があるので、将来的な見通しが立たない中で子どもを産もうというモチベーション、もう一人産もうというモチベーションは大きくならないのかなと考えられます。 子どもが出生している原因が、子育てや教育にお金がかかり過ぎるからという理由が、52%のエビデンスがあるわけですから、中野区としても最も費用がかかる高校・大学の就学支援を推進すべきだと考えます。東京都だったり、いろいろなところから制度がありますけれども、それをやったとしても、制服の費用、通学用のかばん、交通費、教材、修学旅行の費用、教科書以外の授業の必要経費として体育、家庭科、音楽、美術などの実技科目に使用する教材、あと、最近ではパソコンやタブレットの購入もあるということであります。 そこで、中野区独自で奨学金制度などの創設などをしてはいかがかなということで、パネルを用意しました。これは23区で奨学金制度をまとめたものであります。グレーのところはやっていないんですけれども、やっているところで言いますと23区中15区です。15区は区の独自の制度があります。中野区は2011年度に制度を廃止したということで、現在は一応白塗りになっていますけれども、中野区教育振興会が寄附金で賄った奨学金制度であり、月1万程度です。他区の制度は月2万円だったり、入学準備金などもあり、充実したメニューであります。 今から子どもが欲しいと思いまして、金銭的な不安を取り除くセーフティネットとして、中野区も奨学金制度などを含めた就学支援事業をするべきだと考えますけれども、区の見解をお伺いします。 ○青木子ども政策担当課長 子どもの成長に合わせて必要となる教育費につきまして、負担を軽減する支援策が用意されているということは、子育て環境の充実において重要な視点の一つであると認識してございます。今後、東京都立大学が区内の高校2年生年齢の子どもと保護者を対象とした生活実態調査を行うことを予定しておりまして、当該調査結果を踏まえ、高校生年代に対する支援策を充実させてまいりたいと考えてございます。 ○加藤委員 制度があれば、15年後に使うかどうか分からないですけれども、そういう制度があるんだ、中野区はこうやってくれるんだという安心感が子どもを産もうというモチベーションにつながることもあると思いますので、よくよくそういったところを御検討いただければと思います。 ハイティーン会議として若者施策をされておりますけれども、金銭・時間・精神的に割と余裕がある子が参画している事業と感じられます。行政としましては、そこも重要なのかもしれませんけれども、セーフティネットとしての事業をまずは拡充することが最重要だということを指摘させていただきまして、就学支援についての質問を終えます。 保育園の適正配置についてお伺いします。区は区一律の人口推計、保育園需要推計に基づきまして保育園の整備を進めて、令和4年度に待機児童がゼロになったものの、需要の地域偏在が生じております。23区とも同様な傾向で、どの区に住めば保活が有利という考えはなくなってきております。これまで区は、人口推計をコーホート要因法で得られた倍率を中野区全域一律にかけたもので分析を行ってきましたが、例えば江東区豊洲では、タワーマンション建設ラッシュで小学校二つを新設しましたが、コーホート要因法みたいなマクロモデルではこういった分析はできません。地域の分析をするためには、ミクロモデルとは言いませんけれども、まちづくりでマンションがこの辺に建つとか、そういったところが一番重要なわけでありますので、その辺を正確にどう捉えるかというところが子どもの保育施設の適正配置、ましてや小・中学校のところにも影響が出てくると思いますので、子ども教育部とまちづくり推進部で連携が不可欠となると思いますけれども、その辺の連携を図られているのか、お伺いします。 ○藤嶋幼児施設整備担当課長 これまでも大規模開発等につきましては、まちづくり推進部より情報を得まして、その影響について検討してきたところでございます。今後も関係部署と連携して保育施策の検討を進めてまいります。 ○加藤委員 中野区周辺のマンション建設などに関しても、ある程度予想しているとも聞いていますけれども、子ども文教委員会で平和の森小学校の跡地に、民間に売っ払ったらすぐにマンションが建って、それでいきなり子どもが増えてしまって、需要の偏在化につながるんじゃないかというところで、ちょっとにぎわせたのがありましたけれども、そういったところを全部1個1個見て妥当な施策を打っていく必要がありますので、今後は区全体ではなくて、地域ごとの推計に基づきまして施策を進めていく必要があると思いますが、区の見解をお伺いします。 ○藤嶋幼児施設整備担当課長 現在、区におけます就学前の人口推計ですとか、保育需要について見直しを行っているところでございます。地域ごとの状況を踏まえた推計方法について検討しているところでございます。今後、地域の状況も検討した上で、施策のほうを進めてまいりたいと考えております。 ○加藤委員 安全性や保護者の負担などを考慮すると、保育施設は徒歩圏内であることは絶対条件となりますので、このことを踏まえれば、例えば小学校区、中学校区ぐらいに区切って、その地域ごとの人口推計などを立て、それに対する施策を考えていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。 ○藤嶋幼児施設整備担当課長 保護者が入園先を検討する上で、自宅からの距離というのも非常に重要ではございますけれども、ほかにも通勤上の利便性や保育内容など、様々な要素があると認識しております。どのような範囲で施策を考えていくことが必要であるかについては、今後研究してまいりたいと思います。 ○加藤委員 現状においても、地域で見れば保育施設が充足しまして、定員に空きが生じており、いたずらに全ての保育施設を残すには補助金がもたないかもしれません。空きを抑制するためにも、今後は地域ごとに必要な保育定員の上限値を設定して、その数を抑えるべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○藤嶋幼児施設整備担当課長 区におきましては、特に保育需要が高い0から2歳児、ここに着目いたしまして、保育施設の定員設定など検討してきたところでございます。今後、地域における保育定員の考え方につきまして、エリアごとの保育の需要や保護者の様々なニーズなど、そういったものを踏まえまして研究してまいりたいと思います。 ○加藤委員 もし地域ごとに定員が設定されれば、その定員を維持するために保育施設への補助をしていくべきですが、逆に地域の定員を抑制すべき地域、つまり保育施設を抑制すべき地域も出てくると思います。区はその地域ごとに定員を示すことによりまして、保育施設をコントロールしていかないといけないんだと考えます。しかし、保育事業者が例えば閉園を考えたとしても、開園年数によっては整備補助金の返還が生じる場合もあり、こういったことが閉園の判断をしていく上でネックになるとも聞いております。区といたしましては、今後の保育需要の見通しを示すとともに、閉園時の費用や手続を明確化していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。 ○藤嶋幼児施設整備担当課長 人口推計や保育需要につきましては現在見直しを行っておりまして、今後お示ししていく予定でございます。事業者に対し、どのような形で周知していくかということにつきましては今後検討してまいります。また、閉園に至った場合の財産処分や手続につきましては、整理しまして、誘致の際に説明するとともに、実際に閉園の相談があった際には、定員の調整なども含めて対応できるようにしてまいりたいと思います。 ○加藤委員 保育施設の適正配置についての質問を終えます。 続きまして、学習スペースの確保について、私自身が受験生だったときに、中野区ではなく他区の施設を利用していたなど、そういった経験から事あるたびにこのスペースを確保すべきだと言いました。勉強したいにもかかわらず、家庭内でその環境を十分につくれない、また、友達と切磋琢磨できる環境が欲しいなど、様々な子どもがいるわけで、中野区では昨今、子ども学習スペースを拡充していることを評価いたします。 そんな中、中野中学校とか中野東中学校では学習スペースをつくって、生徒に大好評で、試験前でなくとも毎日盛況ということです。現代社会においては、テレビだけではなくネット環境からも離れ、勉強する環境を得たいという子どもの考えがあるということです。中野中学校においては、PTAや町会などからの椅子や机などの什器の寄附によって学習スペースの環境整備が実現したそうです。場所はもちろん校内ですが、中野中学校では倉庫としていた3部屋を学習スペースにしたそうです。大変厳しいかと思いますが、各学校でそのような部屋を確保できるように、教育委員会としてサポートできないかということでお伺いいたします。 ○齊藤指導室長 中野中学校や中野東中学校だけでなく、他の学校につきましても、限られたスペースであったり、限られた時間であったりしますが、自校の校内環境を生かして取り組んでいる事例は把握をしており、生徒が主体的に学習に取り組んでいると聞いております。しかし、実際には学習スペースとして使える部屋が確保できない学校もあるため、そのような学校につきましては教育委員会が相談に乗るなどのサポートを行ってまいります。 ○加藤委員 例えば鍵つきのロッカーを幾つか購入すれば、そういった部屋をつくることができるなどがあれば、そのぐらいの予算措置はしていただけたらなと思います。また、部屋の確保も重要ですけれども、中野中学校では什器を寄附してもらったことで成り立っていますけれども、ほかの学校が同様のようなケースでいけるとは思えません。例えば、体育館のパイプ椅子などを活用するなどして、何とかして、できるだけ子どもたちの学習意欲を尊重できるような環境をつくっていただきたいと思いますけれども、区の見解をお伺いします。 ○齊藤指導室長 今年度行いました夏期休業中の学校図書館開放の実績や成果報告から、生徒が学校図書館を学習する場として利用していることが分かりました。場所や見守りの人員確保などの課題も大きいですが、今後も学校図書館を自習スペースとして活用することも含め、できるだけ子どもたちの学習意欲を尊重できるような環境について検討してまいります。 ○加藤委員 よろしくお願いいたします。 また、不登校生徒の対応に部屋が欲しいという声も現場からありました。現在、完全に不登校になってしまう前の瀬戸際の対策として、中野中学校ではPTA室などをオープンにして、不登校になりそうな生徒の部屋として貸しているそうです。その部屋では、オンラインで授業を見ることができて、気が向いたりとか、好きな科目の場合には授業に参加するなど、フレキシブルな対応をすることで生徒が復帰しやすくなったということです。そのような部屋がどこの学校にもというわけにはいきませんので、なかなか大変だということです。また、通常そういった普通教室に行けない子どもは保健室対応ということでありますけれども、急病人だったり、けが人が出たら対応が困難になるということですので、不登校児対策として、部屋とその辺の人員の確保について御検討いただきたいんですけれども、区の御見解を伺います。 ○齊藤指導室長 各学校では、登校はできるが教室に入ることができない児童・生徒に対しまして、相談室や保健室だけでなく、それぞれの校内環境を生かして居場所を確保し、教職員等が交代で指導を行っております。現在、各学校に教育センターの支援員が不登校児童・生徒の巡回指導を行っておりますが、今後は学校での不登校児童・生徒の対応状況を把握して、一人ひとりの子どもに対する支援体制について改善を図ってまいります。 ○加藤委員 よろしくお願いします。これでこの項目の質問を終えます。 ちょっとほかの委員から時間をいただきまして、最後にドローンの活用について伺います。 中野サンプラザ等のデジタルアーカイブについてお伺いします。これまで私の提案で徐々に実現に向けて進めてきたドローンを活用した中野サンプラザのデジタルアーカイブについて伺います。 中野区、建築研究所等が実施したドローンによる建物点検において、中野サンプラザの屋上から中野区役所屋上へ着陸するという実験をしました。これは建物点検中の緊急着陸しなければならないことを想定した実証実験です。この実証実験を応用することで、中野サンプラザ屋上から中野サンプラザ前の広場、また、裏の駐車場への着陸も可能となります。そのドローンの飛行の中でサンプラザの全体像を画像・動画で撮影することも可能となります。また、ドローンにライダーと言われるセンサーを搭載することで中野サンプラザの点群データというものを撮ることができまして、3次元データをつくり上げる基礎データを計測することができます。この技術・ノウハウを使うことで中野サンプラザの外観のあらゆるデータを取得すべきと考えますが、区の見解はどうでしょうか。 ○矢澤文化国際交流担当課長 建物の3次元データ化につきましては、立体的で、よりリアリティのある資料として保存・活用できる利点があると考えております。こちらについては施行予定者からの提案も受けてございまして、この中野サンプラザにつきましても、区として実施可能性を検討しているところでございます。建物の撮影にドローンを使用している先行事例もありまして、中野サンプラザの外観を撮影するならばドローン使用も想定されると考えております。 ○加藤委員 また、サンプラザホールなど内部に関しては、中野サンプラザによると、目的によっては竣工図を貸し出すことも可能だと聞いております。しかし、設計関係の図書を入手できたとしても、細かい諸元まで分からない可能性もありまして、先ほど紹介した点群データを取得するセンサーを活用することも必要かと思います。また、小型ドローンで天井などの高い部分を撮影することで、竣工図からは得られない素材の質感などの情報も得られます。中野サンプラザの内観についても様々な技術を活用してデータを取得すべきと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。 ○矢澤文化国際交流担当課長 中野サンプラザ内部につきましても、立体的に撮影するならばドローンの使用も想定されると考えてございます。 ○加藤委員 これら中野サンプラザの3次元データのデータがあれば、メタバース化することができます。しかし、メタバースの仮想現実のフォーマットは既に数え切れないほど乱立しておりまして、中野サンプラザの3Dグラフィックスを設置するメタバースを限定すると、そのメタバースが淘汰されたとき、なくなってしまう可能性もあります。となると、せっかくのプロダクトも消えてしまうために、熊本県のくまモンのようにライセンスフリーにして、あまたあるメタバースそれぞれに実装できるのが理想と考えますが、区の見解はいかがでしょうか。 ○矢澤文化国際交流担当課長 3次元データを加工することでメタバースなど応用範囲が広がることは認識しているところでございます。データの使用許諾の在り方も含めまして、ライセンスフリーにつきまして検討を進めていきたいと考えております。 ○加藤委員 ライセンスフリーとするのであれば、やはりこれらのデータは区が所有・管理すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○矢澤文化国際交流担当課長 ライセンスフリーのいかんに関わらず、区の事業として3次元データ化を行うとすれば、区の所有となるものと考えております。 ○加藤委員 もしそれらを実施するのであれば、ガバメントクラウドファンディングもその方法の一つと考えますが、いかがでしょうか。 ○矢澤文化国際交流担当課長 中野サンプラザの3次元データ化につきましては、PR効果があるとともに、文化継承や学術振興の観点からも多くの賛同を得ていきたいと考えておりまして、実施する場合にはガバメントクラウドファンディングの活用も検討してまいりたいと考えております。 ○加藤委員 ガバメントクラウドファンディングも一つの手法としてお答えいただきましたけれども、中野区を対象としたプロジェクトだとボランティアでやりたいという声もありますので、様々な情報を得ながら採用の方法を検討していただければと思います。 続きまして、河川上空を活用したドローン物流について伺います。さきの定例会で取り上げましたが、中央大学を中心としたグループが河川上部空間を活用したドローン物流に向けた実証実験を令和4年10月24日に神田川で行う予定ということです。ドローン物流実験には、人件費を抑えるためにドローンの自動運転が求められます。ドローン配送で自動運転化するためには空の道の設定が必要で、そのためにも空の道の3次元データが必要になります。その実験では河道の3次元データを取得するもので、国土交通省、東京都、中野区に了承を得て進めていると聞いております。その実証実験が成功した際には、実際に物流実験をするということですが、神田川河川区域から川沿いの河川管理ツールをまたいで民地の屋上に着陸することも検討しているようですが、区の見解を伺います。 ○井上道路課長 河川上空を活用したドローン物流の実証実験についてですが、河川空間でドローン飛行を行う場合は、航空法や河川法など関係法令を遵守する必要がございます。その上で、安全対策が十分に行われる場合には河川の使用許可を行ってまいりたいと考えてございます。 ○加藤委員 ありがとうございます。 では、最後の項目で、ドローンによる災害調査についてお伺いします。ドローンを活用した災害調査は近年様々な現場で行われております。第2回定例会で平山議員も取り上げておりましたが、中野区においても災害時にドローンを活用すべきだと考えます。しかしながら、区内では基本的に上空にドローンを飛ばすことができないため、実践的な練習はやれても体育館程度の施設に限られます。強風時の飛行は禁じられておりますが、ある程度の風がある中でも実践経験を重ねていかなければ災害時に対応できません。外で実践的にドローンを飛行できる能力をつけるための練習は、別に中野区内でやらないといけないというわけではないと思います。そこで、ドローン飛行が緩い、DID、人口集中地区以外の地域で練習するのがよいと考えますが、区の見解をお伺いいたします。 ○石崎防災危機管理課長事務取扱 災害時のドローンの活用につきましては、現在研究を進めているところでございます。先日、DID、人口集中地区外のあきる野市にございます小学校跡施設も視察してまいりました。災害時にドローンを活用するためには、災害時に災害対策本部に従事することになる防災危機管理課職員以外でドローンを操縦できる職員が複数必要になることや、災害対策組織に必要な班を編成することなどが必要であり、今後さらに研究を進めてまいりたいというふうに考えてございます。 ○加藤委員 災害時に防災担当は災害対策本部とか主要施設、ヘッドクオーターのところに張りつく事になってしまうということで、ドローンを上げるための防災担当の職員が残るわけもないということで、防災担当以外の職員がやらないといけないという課題があるということですね。そういう人を選抜してドローンの練習をしてもらう必要があるということですけれども、ここで考え方としては、例えば選挙のときに選挙管理委員が、開票所を設置する際に選挙管理委員会経験者、庁内で言ういわゆる選管OBが開票責任者だったり指定職員に任命されるように、防災においてもそういった体制が必要と考えます。防災担当経験者がドローンを練習できるような制度が必要です。でも、これはドローンに関することだけではなくて、中野区の地域防災計画の資料33、中野区災害対策本部組織図などを参考にしてみますと、災害対策本部が設置されると、各部は災害総務部、地域部、建設部、保健福祉部、教育部に割り振られますが、マンパワーに偏りも出てくる可能性があります。また、人事評価でも触れましたけれども、人事マネジメントで災害時にそういった適材適所というものが色濃く出てくると考えられますので、そういったときに中野区全体の災害対応能力を上げるためにも、適材適所に人事を配置できるように事前に準備するべきと考えますけれども、区の見解はいかがでしょうか。 ○吉沢職員課長 防災危機管理課を経験しました職員を災害対策本部の設置時におきまして要となる各部に割り振られる職員配置に活用することについては、緊急時の体制整備としても有効であるというふうにも考えてございます。今年度導入を予定しております人材マネジメントシステムでは、職員の能力や経歴をデータベース化して、適材適所の人事配置に生かす役割を担うことを考えておりまして、今後、職員課と防災危機管理課が連携しながら検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ○加藤委員 その辺、災害だけではないですけれども、様々な人事、うまくやっていけるようにお願いいたしまして、私の全ての質問を終了させていただきます。ありがとうございました。 ○ひやま委員長 以上で加藤たくま委員の質疑を終了します。 次に、小林ぜんいち委員、質疑をどうぞ。 ○小林委員 公明党議員団の立場で質問させていただきますが、非常に中途半端な時間なので、しっかりやっていきたいと思いますが、タイミングが合うかどうか、頑張りたいと思います。 令和4年度第3回定例会決算特別委員会において公明党議員団の立場から総括質疑を行います。質疑は通告のとおりで、その他はありません。 総括質疑に入る前に、今日は初日でありますので、この週末、大型の非常に大きな台風14号で日本列島が、南から北まで縦断をされると、そういった中で多くの方々が被災をされ、また、お亡くなりになりました。被災された方々にお見舞いと亡くなられた方々へ御冥福をお祈り申し上げます。 では、1番、令和3年度決算について伺ってまいります。 令和3年度の歳入歳出決算については、監査委員の審査意見書に、令和3年度の普通会計決算は令和2年度と比較すると歳入歳出ともに大幅な減となった。しかし、実質収支は39.1%増の61億円、単年度収支は17億円の黒字、財政収支と財政費用に示された数値からはおおむね健全な状況にある。財政規律については、あらゆる原材料価格の高騰や賃金動向により、工事関係経費の増加をはじめ、物件費、役務費、委託費、補助費の増加が見込まれ、大幅な歳出増の要因となる可能性が考えられる。また、直近10年の財政調整交付金を見ると、中野区の交付割は大きく変動していないことを捉えておく必要がある。また、区ではどのような状況においても区民サービスが向上できるよう、新たな財政運営を確立するとしている。また、基本構想で掲げた誰もが安心して暮らし、生きられる、住み続けたくなる持続可能な中野を築くべく、基本計画を着実に実行するため、今後とも財政規律を堅持し、新しい財政需要にも柔軟に対応できる財政運営の確立を期待したいと指摘し、結んでいます。 区は中野区財政白書の決算分析で、健全性を確保しているとしています。財政的には好調と言われています。その中で、財政構造改革などで物事を変える考え方の報告が行われています。変えるのであれば、以前のものと比べて変えるその理由、根拠は何か、複数の選択肢のある中で、解決策として変更を決めた、選んだ理由が必要であると考えます。また、その先どこを目指しているのか、新しいことの効果は何なのか、示す必要があると考えます。 そこで伺ってまいります。1番目に基金残高と将来負担額、将来負担額というのは特別区債と債務負担行為を合わせた額ですけれども、その推移について伺ってまいります。 財政白書33ページに基金残高と将来負担額、将来負担額というのは特別区債と債務負担行為を合わせたものの残高推移があります。平成30年度は基金が700億円に対し、将来負担額は491億円、差引きプラス209億円だったものが、令和元年度からは基金が613億円に対し、将来負担額は706億円、差引きマイナス93億円、令和2年度は基金が642億円に対し、将来負担額は734億円、差引きマイナス92億円、令和3年度は基金が666億円に対し、将来負担額は802億円、差引きマイナス136億円です。令和2年度から区債が一気に増えたその要因は何か、お伺いします。 ○森財政課長 令和2年度に令和元年度と比べまして区債残高、150億円増えているわけですが、その要因でございます。元利償還金、17億円を償還しているわけですが、その一方で平和の森小学校の移転用地及び道路用地で102億円、学校施設整備で58億円、西武新宿線連続立体交差事業で5億円、中野駅西側南北通路橋上駅舎整備で2億円、合計で区債を167億円発行したことが増となった要因でございます。 ○ひやま委員長 小林委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。 午後3時00分休憩
午後3時20分開議 ○ひやま委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き、総括質疑を行います。 小林ぜんいち委員、質疑をどうぞ。 ○小林委員 1問質問したところで休憩に入ったので、さっき聞いたのは、基金と特別区債、債務負担行為の話をさっき聞きました。令和元年から令和2年にかけて区債残高が90億円から240億円に増えたので、その原因は何なんですか、要因は何なんですかということを伺いました。その次から聞いていきます。 今後の基金と将来負担額、その差引残額はどうなるのか、さらに大きくなるのか、伺います。 ○森財政課長 今後の基金と将来負担額についてでございますが、基金残高につきましては、令和4年度当初予算編成時の財政フレームでは新庁舎整備等での活用が想定されます令和5年度、また、令和6年度に全体として減となる見込みでございますが、その後、増傾向に転じると想定をしております。将来負担額でございますが、施設整備やまちづくりなどで今後も起債活用や債務負担行為の設定が想定されますので、増傾向になっていくかなと、そう見込んでいるところでございます。その差が、差引額が現在マイナスというところなんですけれども、具体的にどうなっていくということについては想定がなかなか難しいところではございますが、状況についてはしっかり留意していきたいと考えております。 ○小林委員 今後については想定しづらい、確かに想定ね、これまでも何度想定しても異なった数字になってきていたので、想定しづらいと言われちゃうと想定しづらいで終わっちゃうんですけれども、起債残高が積み上がり、各償還が始まると、今後償還の財源の確保は区歳出予算の制約を受けることになると考えますが、令和4年度から5年間の毎年の償還額はどのくらいになるのか、伺います。 ○森財政課長 今年度から向こう5年間の起債の償還額でございますが、今年度につきましては14億円、来年度、令和5年度は18億円、令和6年度は38億円、令和7年度は204億円、令和8年度は51億円、5年間の総額は325億円ということで見込んでいるところでございます。 ○小林委員 5年間の償還額を今聞きましたけれども、この期間の中で毎年の償還額、今言っていただいたんですけれども、そこがピークなのか、いつ何年で幾らになるのか、もう一度お願いいたします。 ○森財政課長 この5年間の中での償還額のピークでございますが、令和7年度に204億円ということで高い償還額になっています。こちらについては、現時点においては新庁舎整備に係る起債の一括償還をこの年度でということで予定していることから、ピークが令和7年度に高くなっているということでございます。 ○小林委員 令和7年度に償還額が204億円ということで、今年、令和4年度が14億円と言っていたので、十四、五倍の値になってくる、200億円を超えるということですけれども、それは新庁舎の整備で起債を、一括償還をということで今おっしゃられましたけれども、この物価高も含めて、それから昨日ですかね、今日ですかね、土地の上昇価格、評価額も中野は上昇率が高い地域ということにもなってきました。そういったことも、時代的な背景は多少あるのかなと思うんですけれども、その償還額がきちっと賄えるのか、それ以上のものが入ってくるのか、そこはよくよく見ていっていただきたいと思います。 また、この状況が続く中で、新区役所の建設費、移転費用、備品費用等の確保などをどのように賄うのか、新区役所にかかる費用は相当な額であると思いますが、起債か、基金活用ですか、いずれにしても仮に現区役所の権利返還が遅れたら、その金利負担も大きくなり、また、株式会社まちづくり中野21の清算金の出来次第で区の財政状況は大きく変わってしまう、この点について区はどのようにお考えでしょうか、伺います。 ○森財政課長 まず新庁舎整備、建設等に係る財源については、一時的には起債及び基金を活用することを想定しているということでございます。それ以外の移転の費用ですとか、備品の調達の経費など、それ以外の経費の資金計画については現在検討中ということでございます。起債の償還ですとか、基金への、一時的に基金を活用して、その後、基金にもう1回戻すといったような新庁舎整備に係る部分については、転出補償金を財源として考えているところでございます。ですので、新北口駅前エリアの再整備の状況というのはしっかり注視をして、財政運営を行っていく必要があると考えております。 ○小林委員 まちづくりを注視しながらも、その進捗によって大きく変わってくる、その財政運営をしっかりと適切に行っていきたいということですけれども、このように将来的に財政運営は非常に厳しい状況にあると考えます。さらに、学校関係で言うと、平和の森小学校購入における87億円の償還計画があります。たしか全体で102億円余のうち、小学校用地費が87億円余、表門予定用地費が5億円余、道路用地費が4億円余でしたけれども、小学校の償還期間が令和6年度から始まることを鑑み、今後10年間の起債残高推移をどのように考えているのか、伺います。 ○森財政課長 今お話があったように、平和の森小学校の移転用地については87億円余ということで起債を予定していまして、今の計画では令和6年度から償還をしていくということで想定をしております。基金については、先ほど申し上げたとおり令和7年度以降、増傾向だということでございますが、起債につきましても、先ほど見ていただいた数字からほぼほぼ横ばい傾向で、一時的に新庁舎の部分で高くなるところはありますけれども、その後は横ばい傾向でというようなことで捉えております。 ○小林委員 基金残高は減る、そして償還額も増えてくる、そして新庁舎への様々な事業費も一挙に、一括償還と言っていますけれども、そういったものも出てくる、そういうことがこれから行われていく。そして、再び増傾向に転じることが想定されるということで、基金残高が想定されるということでありましたけれども、その上で、2番目に、予算編成方針の考え方の変更について伺います。 8月31日の総務委員会で示された新たな財政運営の考え方についての中で、基準となる一般財源規模を廃止すると報告されました。一般財源充当事業費を基準となる一般財源規模の範囲で積算するという考え方を変更し、将来の財政需要を想定した基金残高の確保に努めるため、基金積立額をあらかじめ想定した上で、一般財源充当事業費を予算編成改正時における歳入一般財源の見込みの範囲内で積算することを目標にするということですが、なかなか分かりにくい内容でありまして、このことは、まず基金残高を一定水準に保つため、水準以下の場合、基金繰入れを優先し、その後に一般財源充当事業費を精算することなのか、仮にそうだとすると、区の基準とする基金残高が財政規律の根拠ということか、見解を伺います。 ○森財政課長 まずお示しした予算編成の手法の見直しでございますが、新たな予算編成手法では、まず一般財源の歳入の見込額を想定します。その見込額から減価償却費相当額の25%など、基金積立ということで、計画的に基金を積立てしていくというのを考え方として示していますので、歳入の見込額から基金の積立額を控除、抜きます。その残った額の範囲内で一般財源の充当事業費を積算していくという考え方をとっていくということでございます。基金残高については、併せて目標値を設定していまして、年度末残高ということで目標を掲げまして、財政調整基金の年度間調整分については200億円、施設整備に関する基金については、減価償却の累計額の相当額の25%の確保に努めるということでお示しをしているということでございます。 ○小林委員 確認ですけれども、区の基準とする基金残高が財政規律の根拠ということかというふうに今聞きました。減価償却費相当25%という話を今もらいました。それから、基金積立額を控除した残りの分で考えていくという話も聞きました。財政規律の根拠というのは、ごめんなさい、どういうことかというのを再確認したいんですけれども、お願いします。 ○森財政課長 財政規律ということであれば、まず一般財源充当事業費を抑えていくということで言えば、先ほど申し上げた歳入の見込みの額から基金の積立額を除いた額のところで、そこでまず一般財源充当事業費を抑えていくということで、一つの規律といいますか、考え方ということでございます。また、基金の積立額の計画も立てましたので、計画的に、例えば施設整備に関するものであれば、減価償却費相当額の25%を年度当初、予算編成の段階から積んでいくということで、そこについても財政運営の一つの考え方ということでございます。さらに、年度末の基金の残高の目標もお示ししたということでございまして、これらについてしっかり目標として掲げたところでございますので、それを踏まえて、しっかり財政運営を行っていくということでございます。 ○小林委員 なかなか今までにない新しい考え方、これはこれまで総務委員会でもいろいろ議論されてきたと思いますので、これ以上は聞きませんけれども、さらに、前提として確認したいのですけれども、区がこれまで一般財源充当事業費を基準となる一般財源規模の範囲で積算するという考え方を採用していた理由は何か、また、この考え方に基づき予算編成をすることによって、どのような効果があると区は認識しているのか、伺います。 ○森財政課長 身の丈に合った財政運営を行うため、歳入実績や今後の歳入見通しを踏まえて基準となる一般財源規模というのを設定いたしまして財政運営を行ってまいりました。この範囲内で一般財源充当事業費を積算するという考え方で予算編成を行ってきたというところでございます。一般財源充当事業費の上限というものを設定したことによりまして、一定歳出の削減、抑制といったところの部分は、そういうところにつながったといった面はあったと捉えております。 ○小林委員 一般財源充当事業費の上限を設けることによって一定の歳出削減につながるものと考えているということであると、新たな考え方では具体的にどのようにして基金積立額を想定し、歳入一般財源を見込むのか、伺います。 ○森財政課長 施設整備に関する基金につきましては、当該年度に見込まれる対象施設の減価償却費相当額の25%を積立てしていくということがございます。それから、道路・公園整備基金及びまちづくり基金につきましては、今後10年間の活用予定額の平均を積立てしていくという、そういう計画、考え方をお示ししたところでございます。歳入一般財源の見込みですが、これはこれまでと同様の見込み方ですが、特別区税は納税義務者数や平均給与収入などの見通しから積算をいたします。特別区交付金につきましては、最終的には東京都のほうから財政調整交付金のフレームが示されますので、その情報を基に積算をしていくということでございまして、その他の一般財源については、収入状況などを踏まえて積算をしていくということでございます。 ○小林委員 そうすると、この考え方の変更によって、具体的に全体の予算規模はどのように変わるのか、増えるのか縮小されるのか、伺います。 ○森財政課長 新たな考え方による予算規模がどうなっていくかということでございますが、これまでにおきましては、歳入一般財源が基準となる一般財源規模を超過した場合、その分を基金に積立てをしておりました。一方、歳出の一般財源充当事業費が基準となる一般財源規模を超過した場合、その分を財政調整基金から繰入れをしていたということで、基金からの積立て、それから繰入れということを双方やっていたということでございます。今後は歳入超過、歳出超過、それぞれ実態に合わせた形で基金の積立て、または繰入れを行っていくことになりますので、予算規模は小さくなるものと考えています。 ○小林委員 予算規模は小さくなるということですが、本当になるのというふうに思います。例えば令和4年度予算は従来の考え方で積算したものですが、これに新たな考え方を適用した場合、この新しい考え方ですね、具体的な数字の増減はどのようになるのか、お伺いします。 ○森財政課長 令和4年度予算におきましては、歳入につきまして基準となる一般財源規模の超過分というのが116億円ありまして、これは基金に積立てをしたということです。一方、歳出の基準となる一般財源規模の超過、こちらもありまして、これは74億円なんですが、これは財政調整基金から繰入れをしております。その差引きをいたしますと、実態は42億円の歳入超過であって、基本的には歳入超過なので基金に積立てをするということだけでよろしいので、74億円は予算規模としては小さくなるということになります。 ○小林委員 74億円、予算規模が小さくなるということですけれども、実際自分でやってみていないので、このトリックが本当なのかどうなのかというところは疑問に思うところです。令和5年度当初予算のシミュレーションは行っているのか、伺います。 ○森財政課長 現時点におきまして歳入の一般財源は令和4年度より伸びる想定をしております。基金の積立額を含めました歳出の一般財源充当事業費は、歳入の範囲内で収まる想定をしておりますので、歳入超過の状況にあるということでの現時点でのシミュレーションでございます。 ○小林委員 考え方の変更の背景は何か、収まらずに形骸化しているからなのか、形骸化しているのであれば計画的な財政運営を行ってこなかったからではないのか、収めることが財政運営、財政規律ではないのか、これまでのことを伺います。 ○森財政課長 基準となる一般財源規模につきましては、平成26年度以降、歳入が上振れする状況が続いて、歳出にあっては令和2年度を除き、基準額に収まることはなく、財務規律として機能しているとはいえない状態であったと、そういうふうに認識しておりまして、より実態に即した形での考え方ということで新たな財政運営の考え方をお示しするに至ったところでございます。 ○小林委員 たががなくなると、どういうふうになっていくのかというところが非常に心配であるところでもあります。今回の考え方を変えることによって将来にわたってどのような効果があるのか、新たな考え方によって区の財政規律を維持させる、もしくは財政状況をさらに好転させることができると言えるのか、認識を伺います。 ○森財政課長 これまでの財政運営についてでございますが、基準となる一般財源規模が機能していなかったということは先ほど御答弁申し上げたところです。また、今後施設の更新ですとか、また、将来の区の人口減少といったようなことで歳入の減少といったようなことも懸念されますので、そういったところで今後の財政運営ということについては課題があるということでございます。新たな財政運営の考え方においては、どのような状況におきましても区民サービスを滞ることなく推進するため、予算編成においては一定の行政サービスを維持するための目安を設定するほか、基金の活用と積立ての考え方などを示しておりまして、これにより持続可能な財政運営の確立を目指していくという考えでございます。 ○小林委員 これまでの財政運営が持続可能な区政を築けなかったのかなとも思いますし、新たなもので持続可能な区政運営が確立されるのかなというところは、甚だ疑問に思うところです。 そこで、3番目に、今後の財政運営について伺います。今後の駅周辺まちづくり、先ほどもありましたけれども、西武新宿線沿線まちづくり事業などが本格化すると、区の予算の都合で先送りはできないものと考えます。したがって、確たる財政運営が求められると考えます。どのように考えているのか、見解を伺います。 ○森財政課長 先ほども御答弁いたしましたが、どのような状況においても区民サービスを滞ることなく推進していくため、予算編成手法の見直しや基金の積立ての考え方をまとめた新たな財政運営の考え方をお示ししたところでございます。新たな財政運営の考え方に基づきまして、財務規律を保ちつつ、必要な政策を打ち出し、中長期的な視点を持って財政運営を進めていくと、そのように考えております。 ○小林委員 財政運営ってすごく難しいと思いますし、コロナ禍もありましたし、ウクライナ侵略の件もありましたし、物価高騰の件も関わってきています。そういった中で、好調な決算財政に甘んじることなく、さきの質問で伺ったように、ここでは起債、償還額の推移を含め、将来を見据えた財政運営を求めますけれども、20年前に財政運営の考え方、基準となる一般財源規模を設ける前の考え方に戻る、他区、ほかの区でも行っているからと中野区はこれでよいのかなというふうにも思います。苦渋の答弁だったなというふうにも聞こえます。言いたいことはたくさんありますけれども、後ほど述べさせていただくこととして、次の質問に移ります。 2番目に、中野区基本計画、中野区構造改革実行プログラムについてお伺いします。中野区構造改革実行プログラムは、区の組織、人事、事務執行全般のプロセスの変更を意味しているものと思っていました。この項、最初に中野区構造改革の目的と計画の下支えについて伺います。構造改革の目的とマジックワードである計画の下支えとは、具体的にどのようなことか伺います。 ○瀬谷構造改革担当課長 構造改革実行プログラムは財政的な非常事態に対処するとともに、新たな行政需要に応じた効率的かつ効果的なサービス展開を図ることを目的に策定をいたしました。基本計画を推進するためには、人、物、金など経営資源が必要であり、構造改革における選択と集中、効率化、合理化によって経営資源を確保することが下支えになると考えております。 ○小林委員 構造改革の個別プログラムに掲載されている取組は、単なる事業見直しレベルのものではないでしょうか。これをもって構造改革と言えるのか、構造改革と事業見直しと何が違うのか、毛並みが違うだけなのか、伺います。 ○瀬谷構造改革担当課長 構造改革実行プログラムに位置付けた28の個別プログラムは、持続可能な区政運営に向けて中長期的に取り組むべき区政課題であり、既に実施した事業を見直すことにとどまらず、施策、施設、組織の再編に向けて必要な取組であると認識しております。 ○小林委員 中長期的と今話にありましたけれども、今回は3年間という短期間の取組であるため、当初の目標に対して成果を挙げるには具体的な取組の進捗状況に対する検証、評価など、進行管理が重要と考えます。 そこで、2番目に中野区構造改革実行プログラムの進捗状況について伺います。中野区構造改革実行プログラムは令和3年8月に策定され、1年が過ぎました。個別プログラムの進捗状況、評価も重要ですが、構造改革全体の進捗確認も重要と考えます。これまでの構造改革全般の取組をどのように評価しているのか、伺います。 ○瀬谷構造改革担当課長 行財政の構造改革として、施策、組織、施設の再編に着手できたことは一歩前進であり、これからの中長期的な取組によって成果を上げなければならないと認識しております。 ○小林委員 これからのことということでありますけれども、当初の目的はどの程度達成できたのか、構造改革を行ったことで具体的な効果はあったのか、伺います。 ○瀬谷構造改革担当課長 個別プログラムによって差異はあるものの、経過期間である令和5年度までを一つの区切りと考えておりまして、現時点では検討や取組の途上にあるものがほとんどあり、具体的な効果を出すまでには至っていないというふうに認識しております。 ○小林委員 まだ短い期間なので、途上なので、まだその効果というのは出てきていないということですけれども、構造改革をやらなかったら、行わなければ生み出せなかったものなのか、理由と認識を伺います。 ○瀬谷構造改革担当課長 個別プログラムは、どれも持続可能な区政運営に向けた中長期的な課題であり、構造改革実行プログラムに位置付けたことによりまして、アウトリーチの活動の課題などのように具体的な検討を促進できたと認識しております。 ○小林委員 行ったからということでありますけれども、本来、構造改革は息の長い、先ほどもありました中長期的にということで、改革であり、短い期間では成果がすぐ出ないもので、私から見れば事業見直しの範囲と見えるので、そのほうが成果も出しやすかったのではないかと思います。 3番目に、中野区構造改革推進アドバイザーの役割と会議の議論、知見、進捗状況について伺います。区は令和3年度、構造改革推進アドバイザーを任命し、アドバイスを受けてきたと思いますが、どのような専門知識を持ったアドバイザーが区のどのような担当に対して、どのようなアドバイスを伺ったのか、伺います。 また、具体的な参加者、令和3年度のときですね、具体的な参加者、時期、回数、内容を伺うとともに、アドバイスによって構造改革実行プログラムがどのように進展し、具体的にどのような成果が生み出されたか、併せて伺います。 ○瀬谷構造改革担当課長 令和3年度はデジタルシフト、教育関連、施設マネジメント、組織、人事、債権管理など、それぞれに詳しい方、5名の方にアドバイザーをお願いいたしました。会議を3回、個別アドバイスを4回実施いたしまして、プログラム全体、DX推進の組織の在り方と意識改革の重要性、施設マネジメントの専管組織、債権管理一元化などに対するアドバイスを頂いておりました。 ○小林委員 今は令和3年度のことを伺いました。これまでの構造改革推進アドバイザーの成果を踏まえ、令和4年度はどのようにアドバイザーを活用し、構造改革を進めているのか、伺います。 ○瀬谷構造改革担当課長 令和4年度の構造改革推進アドバイザーについてですが、デジタルシフト、組織、人事に詳しい3人にアドバイザーをお願いいたしました。この令和4年9月までに2回開催をしております。会議のほうを2回開催しております。DX推進に向けた職員の意識改革について、管理職等の意見交換を実施しているところであります。 ○小林委員 令和3年度についてはホームページにもアップされていますけれども、令和4年度についてはこれまでのところ、まだアップをされていないということで、改めて令和3年と令和4年の違いについて聞きました。 4番目に、中野区構造改革実行プログラム更新案について伺います。私は個別プログラム、実行プログラムがなくても、普通の事業見直しでできるはずと考えます。また、事務改善や職員体制まで幅広く入っていますが、目的を絞って行うものではないかと考えます。また、その上で予算編成方針に盛り込むべきもので、構造改革と大上段に構えず、コロナ緊急財政対策でよかったのではないかと思っています。第2回定例会で示された大幅な更新案では、従来の記述の大幅な変更や全く新しい項目などが示されました。プログラムそのものを更新するのではなく、現在の進捗状況や成果をまず示し、議論を経てから更新案を示すべきではなかったのか伺います。 ○瀬谷構造改革担当課長 第2回定例会で示した更新案につきましては、その検討のプロセスの説明が不十分であったと認識しております。本定例会の常任委員会では改めて確認した進捗状況、それを踏まえました課題と対応策の整理、対応策を反映した更新案をまとめて報告したいと考えているところです。 ○小林委員 第3回定例会で出てくるということですけれども、先ほども触れましたけれども、そもそも構造改革というのは、課題は中長期的なものであって、たった1年で軽々しく変更や追加するものでは、行うものではないと考えます。追加する個別プログラムについて、なぜ当初から構造改革実行プログラムの中に盛り込んでおかなかったのか、私は策定当初の検討や見通しが甘く、不十分であったのではないかと考えます。見解を伺います。 ○瀬谷構造改革担当課長 当初の策定についてですが、さきに示した更新案につきましては、策定後の検討によって整理してきた課題でありまして、重層的支援体制ですとか、公益活動の充実の具体的な方向性が見えていなかった部分、また、一部事業の重複していた部分があったのは確かであります。ただ、策定当初においては、不十分であったとは考えておりません。 ○小林委員 区として不十分でしたって言えないですもんね。私が指摘する以外、できないですもんね。私はいまだに不十分だったと思っています。更新を示すのであれば、これまでの効果、検証、評価をするとともに、今日、区が置かれている社会的・時代的現状認識などや構造改革の出口戦略の想定を勘案した上で、更新の行い方を検討すべきではないかと考えます。伺います。 ○瀬谷構造改革担当課長 更新につきましては、個別プログラムの進捗状況に応じて行うものでありまして、令和5年度の取組につなげていきたいと考えております。一方で、基本計画後期の具体化の検討等とも整合を図っていきたいと考えているところです。 ○小林委員 次に、中野区構造改革実行プログラムの今後について伺います。構造改革の期間は令和5年度まで、あと1年半となり、現在折り返し地点にあります。第2回定例会で構造改革実行プログラムに新たな個別プログラムを追加することが示されました。改めて確認したいのですが、追記する個別プログラムはどのような内容か、伺います。 ○瀬谷構造改革担当課長 第2回定例会の更新案では、戦略の2に地域包括ケアの機動的な推進に向けた重層的支援体制の構築と区と中間支援組織の連携による公益活動の充実を追加いたしました。また、関連する取組を整理したところです。また、戦略の4に新たな働き方を実現する人事制度構築と職員育成を追加しておりました。 ○小林委員 構造改革実行プログラムが計画を下支えすることが目的であるならば、個別プログラムの選定に当たっては十分な検討を行い、必要な取組について選定の漏れがないようにすべきであると考えます。計画時期の後半に向かう時点で新たな項目を追加して、令和5年度の期間内に達成を上げられるのでしょうか、伺います。 ○瀬谷構造改革担当課長 追加した個別プログラムも中長期的に取り組む課題でありまして、令和6年度以降も継続していく必要があると想定しております。しかし、まずは令和5年度末までに集中的に検討を進めていきたいと考えております。 ○小林委員 構造改革を行った後、令和6年度以降、どのような取組を行うのでしょうか。構造改革によってどのような成果が上げられ、今後の区の取組に成果がどのように反映されると想定しているのでしょうか伺います。 ○瀬谷構造改革担当課長 個別プログラムは中長期的に取り組む課題でありまして、令和6年度以降も取組を進める必要があると想定しております。課題に対する検討が進みまして、効率化、合理化によって限りある経営資源の有効活用ができると考えております。 ○小林委員 やっぱり出口戦略がないと、令和6年度以降のことがないと、ただやって、結果が出ましたで終わってしまうような気がするんですよね。 この項の最後に、構造改革実行プログラムの上位計画、中野区基本計画の進捗状況についてお伺いします。構造改革の上位計画である中野区基本計画の進捗状況について伺います。 ○堀越企画課長 基本計画の進捗状況についてでございます。基本計画は計画期間を令和3年度からの5年間とし、前期2年、後期3年の事業展開を示しております。現在、前期の取組を進めておりまして、各施策に掲げる主な事業の前期の進捗状況については、おおむね着手をし、実施しているところでございまして、着実に進められていると認識してございます。 ○小林委員 進捗状況に対して、総務6の資料にもたしか丸とか二重丸とかというふうに出ていましたけれども、なかなか内部評価、内部で丸つけしたんだと思うので、その進捗が正しいかどうかは、私にはちょっと理解ができないところもあります。中野区基本計画で具体的に示されていない部分の後期分などの事業は、今後どのようにするのでしょうか、伺います。 ○堀越企画課長 基本計画の後期で明示すべき事業の展開につきましては、前期における各施策の実施状況を踏まえまして具体化していく必要があると考えてございます。後期の取組の具体化につきましては、今後、区を取り巻く社会経済状況の変化、あるいは区の財政状況を勘案し、検討してまいりたいと考えております。 ○小林委員 構造改革を更新することは、中野区基本計画をローリングすることになるのではないかと考えます。中野区基本計画の詳細を実行する上で、構造改革実行プログラムの更新だけで進めるのでしょうか、伺います。 ○堀越企画課長 基本計画のローリングと構造改革実行プログラムの更新についてでございます。基本計画につきましては、施策の実施状況等を踏まえまして、施策の見直しの必要性がある場合には改定を行うこととしてございますが、現状、施策の方向性は大きく変わらないと認識をしているところでございます。構造改革実行プログラムは、今取り組むべき区政運営上の課題を取りまとめたものでございまして、それぞれの課題を解決していく必要があると認識しており、現在行っている更新は進める考えでございます。一方で、検討を進めております基本計画後期の具体的な取組とも整合を図りながら、構造改革実行プログラムの在り方についても検討をしてまいります。 ○小林委員 今後また検討していくということですけれども、本来、基本計画はアクセル、構造改革実行プログラムはブレーキの役目があると考えます。とすると、中野区基本計画にもプログラムが必要であったはずではないのか、伺います。 ○堀越企画課長 基本計画におけますプログラムなどの必要性についてでございますが、現行の基本計画には、主な取組などについて、実施年次や事業の部隊などは明示していないものが多くございますが、基本計画の後期の取組を検討いたします上で、プログラムや実施計画といったものにより区民の皆さんに分かりやすい形でお示しをしていく必要があると認識しているところでございます。 ○小林委員 今後は中野区基本計画の見直しに構造改革実行プログラムを組み込んではいかがでしょうか、伺います。 ○堀越企画課長 構造改革実行プログラムの内容につきましては、基本計画の事業の展開の後期部分や体制強化など、持続可能な運営の考え方を示しております区政運営の基本方針に関わるものでございます。今後、基本計画後期を具体化していく中で、構造改革実行プログラムで検討を進めております課題につきましては、計画のおのおのの内容に反映されていくものもあり、今後、後期部分へのプログラムの組込みにつきましては考えを整理してまいりたいと考えております。 ○小林委員 区政運営の中で整理をしていきたいということですけれども、中野区基本計画、基本計画重点プロジェクト、中野区構造改革実行プログラムなど、似たりよったりの計画があります。そのほかにも重複部分や付け足した部分もあります。それぞれの計画の進捗管理、報告、見直しなど、手間と手数と計画の整合性など、作成する方々も大変だったと思います。報告される方々も報告に非常に苦しんでいたようにも思います。区が働き方改革をうたっているのであれば、これから計画の統合、一本化など、分かりやすく簡素化したらいかがでしょうか。これも苦渋の答弁であったように思います。最初に述べましたように、物事を変えるのであれば、その理由、根拠は何か。複数の選択肢のある中で解決策として変更を決めた、選んだ理由が必要と思います。また、その先どこを目指しているのか、新しいことの効果は何か、示す必要があると考えます。令和3年度の好調決算の陰には、実は区政の熟慮のなさ、思いつき、確たる方針や自信のなさ、評価検証の甘さが表れていると思うのは私一人でしょうか。 次の質問に移ります。3番目に、保育行政について伺います。 この項、最初に待機児童解消後の計画について伺います。今年度は保育園の待機児童が解消され、ゼロになった、また来年度当初に複数の認可保育園の開園が予定されていることもさきの子ども文教委員会で報告されました。 初めに、今後の保育園新設整備について区の考えを伺います。 ○藤嶋幼児施設整備担当課長 現在、中野区子ども・子育て支援事業計画(第2期)に定めた確保方策に基づきまして、地域の保育需要等を勘案いたしまして、令和5年4月に開設予定の3園の認可保育所の整備を進めてございます。令和6年度には閉園予定の園の移転先として1園整備を進める予定です。これ以降の整備計画は未定で、現在見直しを進めております子ども・子育て支援事業計画の中で、地域の需要等を踏まえ検討していく予定でございます。 ○小林委員 地域型保育所、認証保育所、認可保育所の現状入所状況を伺います。 ○藤嶋幼児施設整備担当課長 令和4年4月1日現在の地域型保育事業所の園数、区内22園で、入所率は70.7%、認証保育所は7園で、入所率は73.7%、認可保育所は92園で、入所率は86.4%となってございます。 ○小林委員 今後の入所者数の将来予測をどのように分析されているのか、見解を伺います。 ○藤嶋幼児施設整備担当課長 現在、区における就学前の人口の推計や保育需要の推計について見直しを行っております。地域ごとの状況等も踏まえた推計方法について検討しているところであり、結果については今後お示ししてまいりたいと考えております。 ○小林委員 分かりました。 2番目に、欠員のある保育園のマッチングについて伺います。現状を今確認させていただきましたけれども、100%には至っていないということで、その上で、必ずしも第1希望の保育園に入れる方々ばかりではないというお声をお聞きします。数字の上で待機児童はゼロとなっていますが、保育者のニーズの多様化や保育園の地域的な偏在など、様々な要因によるミスマッチが存在すると考えます。保育園に対する運営支援、保護者へのニーズに対するマッチングの支援などをどのように考えているのか伺います。 ○藤嶋保育施設利用調整担当課長 今年度より利用者の利便性の向上と利用実態による定員の空きの防止のため、育児休業の延長を希望する方の調整指数を減点するという取扱いを導入したところでございます。今後も介護、就学など、様々な事情を持つ方の多様なニーズに応えていくために、入園の利用調整について研究してまいりたいと考えております。 ○小林委員 研究していく……、園児の欠員補充の現状を踏まえ、年度途中の園児の補充を積極的に行って、工夫して行っていってはどうか、伺います。 ○藤嶋保育施設利用調整担当課長 保育園入園の利用調査につきましては、3月以外、毎月、中野区のホームページで各保育所の空き状況及び申込み状況を公表した上で行っているところでございます。毎月の利用調整につきまして、利用者と保育園のマッチングをより進めていくため、手続や手法など研究してまいりたいと考えております。 ○小林委員 年度途中でも工夫をして、ぜひ行っていただきたいと思います。 3番目に、欠員の続く保育園の今後について伺います。待機児童が解消される一方で、一部の保育園では定員に空きが出る、先ほども70%台、80%台の話を聞きました。運営に支障が出ていることを聞きます。こうした園に対する支援は現在どのように行っているのか、伺います。 ○渡邊保育園・幼稚園課長 認可保育所の令和4年4月の入所率は86.4%と比較的高い水準であり、現在、補助は行っておりませんが、小規模保育事業、家庭的保育事業及び認証保育所につきましては、令和3年度より定員未充足による減収に対する運営費の加算を行っております。 ○小林委員 定員未充足、欠員のある保育園による減収に対する運営費、加算経費、加算金だけの支援を続けていくことは現実的でないと考えます。今後は欠員の続く地域での保育園を寄せ、新たに子育て広場や一時保育事業、学童クラブなどを保育園で展開する取組を柔軟に行ってはいかがでしょうか、伺います。 ○渡邊保育園・幼稚園課長 定員未充足による減収に対する運営費の加算につきましては、令和3年度から2年間の限定事業として実施してまいりました。現在、来年度の予算編成に向けて、事業の継続を含め検討しているところでございますが、今後、保育定員の欠員が常態化する状況も想定し、空き定員を活用した新たな保育サービスを提供する仕組みを検討しなければならないと考えているところでございます。 ○小林委員 区が取り組んだ保育所の拡充の結果、保育所同士が、保育所が近隣に集まるなど、地域的に偏在が生じ、今後を危惧する園も出てきています。また、認可保育所や認定子ども園の変更を考える園などにも支援が必要と考えます。区の見解を伺います。 ○藤嶋幼児施設整備担当課長 認可外保育施設の認可化につきまして、移転やその場での改修も含め、整備の補助などを実施しておりまして、地域ごとの保育の需要等を考慮しながら、今後も支援を継続する予定でございます。また、認定子ども園につきましては、転換を希望する事業者がいるということは区としても認識しております。今後、事業者の意向確認や認定子ども園のニーズの分析などを行いまして、設置や支援について検討してまいりたいと考えております。 ○小林委員 この項の最後に、区立・私立の今後の保育行政の在り方について伺います。区は区立保育園について、区内全体の保育の質を維持・向上させること、保育定員全体の調整弁となることが主な役割であると説明してきました。そこで、医療的ケア児や特別な支援を要する園児の受入れ状況、区立と私立で人数、受入れ支援体制など、受入れ割合について区の対応を伺います。 ○渡邊保育園・幼稚園課長 医療的ケアが必要な子どもの保育につきましては、現在、区立保育園3園で受入れ体制を整え、2名の児童を受け入れているところでございます。受入れに際しましては、看護師を2名体制にするなどの対応を行っております。私立保育園では医療的ケアが必要な子どもの受入れは行っておりません。また、特別な支援を要する児童の人数と園児全体に対する割合は、区立保育園10園で75人、割合は8.1%、私立保育園は98園で305人受け入れており、割合は5%でございます。私立保育園に対しましては、障害の程度に応じ、保育士を加算するための経費を加算しております。 ○小林委員 公立保育園としては、特別な支援や医療的ケアなどが必要なお子さんたちへの対応も重要です。医療的ケア児の受入れが私立保育園で進まない理由、課題は何か、伺います。 ○渡邊保育園・幼稚園課長 医療的ケアが必要な児童の受入れに当たりましては、看護師の配置や施設整備などの課題があり、検討を進めているところでございます。 ○小林委員 課題が幾つかあって、特に通常の保育士さんだけでは賄えない、看護師さん等が必要になってくるということがやっぱり課題であるということで、様々な保育園の方々からの、事業者さんからの要望というところも、そういったところにあるのかなというふうにも思います。区立保育園が医療的ケア児や特別な支援を要する園児を多く受け入れていくことを踏まえた園数、位置について、対応策はあるのか、伺います。 ○渡邊保育園・幼稚園課長 区立保育園の数や位置につきましては、医療的ケアが必要な子どもや特別な支援が必要な子どもを受け入れる役割も含め、検討を進めております。 ○小林委員 検討を進めていただいているということですけれども、これからのこともありますので、早めにお願いをしたいと思います。保育園の将来の方向性は、区民はもとより、将来の保護者、これからお子さんが保育園に通う方々、それから保育事業者にとっては不安と心を悩ます事柄であり、今後、区立保育園・私立保育園の役割をどのように考えていくのか、方針とともに計画の策定が求められるところです。区立保育園の役割は、質を高めるリーダー的な役割だけか、私立保育園の増減による調整役か、私立園を含めて今後の考え方、在り方、配置についても検討することが求められると考えます。区としての今後の方針、計画策定をいつどのように検討し、いつ結論を出すのか、見解を伺います。 ○渡邊保育園・幼稚園課長 区立保育園には保育の質の向上や就学前教育の充実を図る役割があるとともに、医療的ケアが必要な児童や特別な支援を要する児童の保育、地域の子育て支援なども積極的に担う役割があると考えております。また、私立保育園の増減による調整役の役割を果たすものと考えております。今後の私立保育園を含めた保育行政の在り方につきましては、地域の保育需要の推移や保護者のニーズ等も踏まえ、検討を進めているところであり、来年度、区としての考え方を示す予定でございます。 ○小林委員 来年度示していただけるということですけれども、先ほど伺ったように、保育園の定員に対する欠員の状況というのは、2割から3割近い欠員があったりしています。そういったことに対して、園とすれば今後やっていけるのだろうかということもありますし、保護者さんからすれば、これから自分の子を通わす、その保育園について、果たして最後まで卒園できるのか、また、欠員がある中で、どういうふうに園がそのお子さんに対してしっかりと見守ってくれるのかということも心配であるというふうに思います。これからの区民が安心して子育てのできる環境づくりとともに、事業者も独自性を発揮して運営のできる保育行政を求めて、私の決算総括質疑を終了いたします。 ○ひやま委員長 以上で小林ぜんいち委員の質疑を終了します。 次に、長沢和彦委員、質疑をどうぞ。 ○長沢委員 第3回定例会決算特別委員会におきまして、日本共産党議員団を代表して総括質疑を行います。 1番、2021年度、令和3年度決算と今後の施策展開について、(1)として、普通会計から見た財政運営についてお伺いいたします。 初めに、実質収支についてです。令和3年度の一般会計決算では、実質収支は約41億円でありました。一方、普通会計決算では約61億円と、20億円もの差があります。そのため、普通会計での実質収支比率は7.4%にもなりました。ちなみに、令和2年度においても、一般会計決算で約34億円、普通会計決算で約44億円と、やはり10億円もの差がありました。それ以前の令和元年度までは、一般会計決算と普通会計決算とも実質収支は同額でありました。では、一般会計と普通会計で生じたこの違いは何なのか、お伺いいたします。 ○森財政課長 一般会計と普通会計におけます実質収支の差異でございます。普通会計におきましては、一般会計において翌年度へ繰り越しすべき財源といたしました財源の一部が実質収支額に含まれているということで、普通会計のほうが多くなっているということでございます。具体的には、令和2年度については新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業の財源、それから令和3年度については住民税非課税世帯等給付金に係る財源で、それらの繰越明許費の繰越し財源が含まれている、普通会計のほうには含まれているということでございます。 ○長沢委員 普通会計が各自治体の財政状況の把握と地方財政全体の分析等に用いられる統計上の会計であることから、国が示した方針に合わせなければならないことは理解いたします。しかし、財政健全化を見る指標の一つである実質収支については、3%から5%の範囲が望ましいともされています。また、中野区の財政運営を経年的に見る上で、令和2年度、令和3年度がそれまでと違う方法で算出されているということをどう捉えればよいのか。さらに、今年度以降も国の判断により一般会計と普通会計の決算における実質収支の差については、今後も生じると考えてよいのか、この点いかがでしょうか、伺います。 ○森財政課長 財政指標を他自治体と比較したり、また、経年で分析をしていく対象といたしましては普通会計のものと捉えておりまして、実質収支も同様と考えているところでございます。今後の見通しとしましては、国の現在の経済状況も含め、先行きが不透明だというようなこともあり、国の施策で全自治体を対象とする複数年にわたる事業が展開される可能性は今後もあり得ると。そうなってくると、一般会計と普通会計の決算における実質収支の差ということも同様の状況になる可能性はあり得ると考えております。 ○長沢委員 分かりました。今度は一般会計のほうで、一般会計決算の実質収支は約41億円でありました。この金額自体も大変大きいんですね。この10年間で見ても、2014年、平成26年度の約44億円に次ぐ実質収支の額でもありました。この理由は何なのか、伺います。 ○森財政課長 実質収支額には国等補助金について、翌年度に返還を要する、そういった収入分も含まれているところであります。令和3年度におきましては、住民税非課税世帯等給付金など、そういう臨時的な事業について歳入超過となっている状況でございまして、そういったところが一定の影響を及ぼしていると考えております。 ○長沢委員 単年度収支は2年連続で黒字となりました。今年度においても、令和4年度ですね、コロナ禍が続き、加えて原油価格・物価高騰が相次ぐ社会経済情勢にもなっております。今年度も年度途中に補正予算を繰り返すことになるとも考えます。歳出で言えば、契約落差など、平年と同様に一定規模で不用額は生じます。歳入で言えば、上振れにより想定以上の収入を得ることになるかもしれません。令和3年度の実質収支以上の金額が生じてしまわぬよう、予算を適正に執行していくなど、難しい財政運営のかじ取りが求められると思っておりますけれども、この点についていかがか、伺います。 ○森財政課長 社会や経済が大きく揺れ動いている中、持続可能な財政運営を行っていくためには、財務規律を保ちつつ、中長期的な視点を持って政策を打ち出していく必要があると考えておりまして、今後の財政見通しを見定めながら、区民ニーズを的確に把握しまして、今なすべき取組を構築していきたいと考えております。 ○長沢委員 積立金についても伺います。8月31日、総務委員会で示された新たな財政運営の考え方についてで、その別紙資料として今後10年間の財政フレームと主な基金の積立て・繰入れ計画が示されております。財政調整基金で言えば、令和4年度は積立て115億、およそ116億円ですね、これは当初予算で積み立てた額であります。では、令和5年度以降、58億2,500万、令和6年度は61億5,300万と、来年度以降の財政調整基金のこの積立金については、何を基に算出されているのか、伺います。 ○森財政課長 財政調整基金の積立てでございますが、今後の見通しということで、年度間調整分につきましては、令和5年度、令和6年度とも決算剰余金を20億円と見込み、さらに、競馬組合分担金の5億円、合わせて25億円の積立てということで、この資料のほうに落とし込んでおります。残りが施設改修分への積立てでございまして、義務教育施設整備基金や社会福祉施設整備基金の対象とならない施設、こういったもの、この施設の大規模改修等、財政調整基金の施設改修分で対応するわけですが、それらの施設の当該年度に発生する減価償却費相当額の25%の積立てということで、こちらのほうに落とし込んでいるということでございます。 ○長沢委員 令和4年度、今年度については当初予算をそのまま入れているんだよね。ただ、今言った41億円から繰越しの、令和4年度の減じた37億円というのは反映されていないんだね。今度、来年度以降というところでは、20億円というのを実質収支、剰余金自身を積み立てていくというのを算定の一つにしている。もう一つは減価償却、施設などの改修の減価償却で25%分という、そういうことだと思います。ただ、結局剰余金を非常に固く見ているなと、財政規模が膨らむもとで思います。その点ではやっぱり予算編成の際に、区民の施策の充実を見通して行っていただきたいなと、これは要望しておきます。 基金の積立金と将来負担額、区債残高と債務負担行為額についても伺います。先ほど他の委員もやられましたけれども、財政白書の33ページのところで、図46で、各年度の基金残高将来負担額が示されております。基金残高との関係では、平成30年度までは基金残高が将来負担額を上回っていました。しかし、令和元年度からは将来負担額が基金残高を上回っていると。逆転をしました。この傾向は今後も続くと見ているのか、伺います。 ○森財政課長 基金残高につきましては、令和4年度の当初予算編成時の財政フレームでは、新庁舎整備等での活用が想定される令和5年度、それから令和6年度に減となる見込みですが、それ以降、増傾向に転じていくと、そう想定しております。将来負担額につきましても、施設整備やまちづくりなどで今後も起債活用や債務負担行為の設定が想定されますので、増傾向が見込まれるところです。今お話があった基金残高と将来負担額の差についてですが、これについては具体的にどうなっていくかというところは、想定するのはなかなか難しいところでありますが、状況についてはしっかり留意していきたいと考えております。 ○長沢委員 また、同じページには、区民1人当たりの基金残高と区債残高が図45を示しながら述べられてもいます。ここでは、区民1人当たりでは基金は20万円、特別区債は区民1人当たり7万2,000円とあります。では、将来負担となる債務負担行為ではどうか、その金額がここ数年増えているようにも思います。令和3年度の債務負担行為は564億円ありますけれども、区民1人当たりは幾らとなるのか、伺います。 ○森財政課長 今年4月1日現在の住民基本台帳人口では33万2,432人なんですが、それで計算をいたしますと、およそ16万9,700円となります。 ○長沢委員 23区と比較しても、実は債務負担行為の翌年度以降の支出額及び区民1人当たりの額というのが大きいというのが見てとれます。それで、特別区債以上に債務負担行為が将来負担額を増やしていると言えるんではないかというふうにも思っています。伺いたいのは、令和3年度の将来負担額の区民1人当たりでは幾らになるのか、教えていただきたいと思います。 ○森財政課長 令和3年度の将来負担額は、財政白書の33ページにありますように802億円ということでございます。その数字が区民1人当たりで幾らかと申し上げると、およそ24万1,000円となります。 ○長沢委員 令和2年度は、多分1人当たりで言うと21万9,000円、約22万円ぐらいなので、そういう意味ではここでも増えていますから、当然増えていくというふうになるんですね。やっぱりこれからの、今上振れみたいなこともあるんだけれども、しかも、こういう債務負担行為が非常に多くなっている。開発関係もそうだし、学校関係というのもそうなんでしょう。このときに、財政の景気の動向によってどうなるかといったときに、債務負担行為そのものは上限額を決めていく、もちろん議決という大事な行為をもってのあれなんだけれども、それ自身も本当に、毎年毎年の翌年度以降の予算に組むわけですから、そういう意味では、心配するのは区民のサービスそのものに、これを圧迫するような、そういうものになってはならないと思っているんですね。基金についてのその差ということについても、基金自身のところが、先ほどなかなか見通せないという話があったけれども、そのところはよくよく注視をしていただいて、区民施策を進めていくという立場で、ここの点については、ぜひ財政運営のところは取り組んでいただきたいなというふうに思っています。これは要望しておきます。 2番目に、決算年度に見られる特徴についてです。この年度はどのような年度だったか、令和2年度に続き、令和3年度も新型コロナウイルス感染症拡大のもとでの予算の編成と提案及び執行であったというふうに思っております。令和3年度の当初予算の編成に当たっては、各部に対して20%の歳出削減を求めた年度でもありました。年度当初においての区の財政状況への認識をまず伺いたいと思いますが、いかがですか。 ○森財政課長 令和3年度当初でございますが、その当時の財政運営の予算執行に当たっての考え方といたしまして、新型コロナウイルス感染症の収束の兆しが見えず、内外経済をさらに下振れさせるリスクに十分注意する必要があると、そのような認識でございまして、構造改革の観点からの事務の効率化・合理化等の検討を進め、執行方法についても十分に工夫し、歳出の抑制に努めるとともに、自主財源及び特定財源等の歳入の確保に今まで以上に努めていくと、そういう形で予算執行に当たったというところでございます。 ○長沢委員 ただ、決算で見ると当初の見込みよりも特別区民税と特別区交付金などが上振れになったと、この点で決算値との差が大変大きくなったというふうに理解をします。 それで、特別区民税についてお聞きをいたします。令和3年度当初予算計上額と決算時の収入済額はそれぞれ幾らだったのかということを伺います。 ○竹内税務課長 令和3年度当初予算計上額は312億7,891万円、決算時の収入済額は339億7,775万6,000円でございます。 ○長沢委員 令和3年度の第11次補正予算で、特別区民税については24億9,200万円を増額いたしました。過去と照らし合わせて、これはどれぐらいの水準の補正、増額だったのか伺います。 ○竹内税務課長 令和3年度の第11次補正予算におきまして、特別区民税について24億9,200万円の増額補正を行わせていただきました。これは過去10年間の補正額と比較して最大の補正予算額でございます。 ○長沢委員 それぐらい当初の見込みよりも上振れの状況があったというふうにも理解します。それでも、令和2年度の特別区民税の収入済額340億6,285万7,000円よりも8,510万1,000円減少しています。他方、収入ランク別の世帯数を見ると、年収200万円未満と700万円以上の区民は増えております。200万円から700万円未満の区民は減少し、貧富の格差が拡大している、こんなおそれがあるわけです。区として、このような傾向をどのように見ているのか、伺います。 ○竹内税務課長 令和3年度の課税状況から分析いたしますと、令和3年度と令和2年度の7月1日現在の課税標準段階別納税義務者数を比較いたしますと、課税標準額200万円以下の納税義務者数は1,925人増加、700万円以下の納税義務者数は316人減少、700万円超の納税義務者数は521人増加してございます。課税標準額200万円以下の納税義務者数が最も多く増加していることにより、新型コロナウイルス感染症の影響があったのではないかと推測してございます。 ○長沢委員 ありがとうございます。2021年度、令和3年度は新型コロナ感染症蔓延による緊急事態宣言、あるいは蔓延防止宣言が繰り返された年度でもありました。そのために、国や東京都の事業者向けの給付金や支援金、協力金というんでしょうか、これを受け取った区民は税金と保険料などが一気に上がっている、こうした人たちが生まれています。その人たちの実態をつかむことが必要と考えておりまして、毎年6月には通知が発送されていますけれども、住民税の問合せの推移を伺いたいと思いますが、いかがですか。 ○竹内税務課長 当初課税通知を発送いたしました6月の電話相談件数については、令和元年度が21,25件、令和2年度4,302件、令和3年度4,053件と、給付金・支援金制度開始以前の令和元年度と比較して増加してございます。これは給付金・支援金制度の影響と併せて、確定申告の延長もあり、増加していると分析してございます。 ○長沢委員 連動して、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料ですね、及び窓口負担にも影響が及んでいるとも思われますけれども、こちらの問合せについてはどうだったか、伺います。 ○伊藤保険医療課長 例年、国民健康保険料につきましては6月、後期高齢者医療保険料につきましては4月と7月に賦課の納付書を郵送してございます。納付書発送後の問合せの内容の大半は、保険料額に関するものでございまして、給付金に関するものも多少ございましたけれども、件数は少のうございました。給付金の受給者からの問合せがあった場合には、丁寧に状況を聞き取りながら、国の制度を活用したコロナ減免制度の御案内や適切な納付相談により対応してございます。 ○長沢委員 非課税から課税となった方もいます。また、課税額が増額となった、また、それと連動して国保料や後期高齢者医療保険料が増額するといった、こういったケースが見られます。後期高齢者医療保険であれば、窓口負担1割から3割負担、こういうふうになった方もいらっしゃいます。シルバーパスが1,000円から2万510円に、0歳児の保育料が有償にと、課税対象となったことでサービスが受けられなくなった、こうした方々もいらっしゃいます。一時的な給付金が入ったことで、翌年にはこれほどの影響があるとは知らなかったと思っている区民も多いのではないかというふうに考えます。本来であれば、給付金等の支給が決定した際に、るる述べたようなことを当事者に理解しておいてもらう、このことが必要だったと思うんです。国や東京都及び中野区としても、翌年にはこうした課税になるかもしれない、あるいは保険料も上がるかもしれない、こうしたアナウンスを行っておく必要があったというふうにも考えております。これは何ていいますかね、このことだけは言っておきたいと思っております。ありがとうございます。 もう一つ、特別区民税の徴収と納付相談に関わってお聞きをいたします。特別区民税を滞納している場合、税務課ではどのような手続を踏んで納付へとつなげているのか、伺います。 ○竹内税務課長 各期の住民税が定められた納期限までに納付されない場合、法律に基づいて督促状を送付してございます。また、督促状の送付と併せて、委託事業者を活用した電話訪問催告を行い、それでも納付されない方には文書やショートメッセージサービスを活用した催告も行ってございます。納付期限を過ぎ、督促状の指定期限までに納付が確認できない場合には、滞納している方の財産を調査し、差押えを行ってございます。 ○長沢委員 2019年度、令和元年度から令和3年度までの3年間の差押えの推移について、件数の推移についてお伺いいたします。 ○竹内税務課長 差押え件数につきましては、令和元年度2,279件、令和2年度3,184件、令和3年度3,508件と年々増加してございます。これは高額滞納者に対して個別に担当者を配置し、国税局OBであります滞納整理専門員と協力して滞納整理を推進したことや、前年度の結果を踏まえた精度の高い財産調査を実施したことによるものでございます。 ○長沢委員 差押えは、納税者及び同居親族の最低生活の維持に係る経費については差押えをしてはならないと国税法でなっています。区はその点をどのように判断して行っているんですか。 ○竹内税務課長 国税徴収法第76条によりますと、滞納者の有する給与債権のうち、生活費に関わる経費については差押えが禁止されてございます。これは給与生活者の生計に占める重要性に照らし、最低生活の維持に充てられるべき金額に相当する給与の差押えの禁止を規定されているものでございます。生活に大きな影響を与える差押えについては、適正かつ適法に執行しなければならないと考えてございます。 ○長沢委員 税務課のほうでは、徴収に当たっては、窓口での相談につなげることを重視していると、以前そういうことを言われていたと思います。相談を通じて実情を把握し、滞納の支払い、納付を促してきたと思うんですが、その点はどうですか。 ○竹内税務課長 納税相談につきましては、生活者の方々の様々な事情により納税が困難になった方、そういった方々に丁寧に納税相談を行いまして、一定期間の猶予でありますとか、分割で納税するような措置を行ってございます。 ○長沢委員 ここで会派にあった相談を例にお聞きしますね。滞納者が区と相談日を決めていながら、窓口を訪れると既に差押えがされていたことが分かりました。相談の継続中に差押えの手続を行い、実施することは信義にもとる行為ではないんでしょうか。進めていた融資手続も中断せざるを得なかったと聞いています。滞納者自らによって資産報告を提出させるにしても、本人が知り得なかったことや自覚できていない資産はあるとも思われます。区が資産調査をして、仮に申告漏れの資産が発覚したとしても、まずはそのことを本人に伝えた上で納付相談に応じるのではないのですか、伺います。 ○竹内税務課長 先ほど答弁申し上げましたとおり、様々な事情により納税が困難になった際は納税相談を行い、納税を一定の期間猶予したり、分割で納税するなどの措置を行ってまいりました。本来、租税は納付期限内に自主的に納付すべきものであり、納付がない場合、徴税の公平の見地から滞納処分が求められるところでございます。しかしながら、納期限内の納付、滞納処分の執行による強制的な徴収手続等を緩和することが納税者の実情に適合し、かつ徴収上の措置として妥当とされる場合も考慮しまして、区民に寄り添った納税相談を行ってきたところでございます。今後とも納税者の状況を丁寧に聞き取りを行い、適切な案内を行っていきたいと考えてございます。 ○長沢委員 構造改革の実行プログラムの中では、個別プログラムとして債権管理体制の強化が掲げられ、検討方針として、より効果的・効率的な債権管理事務を行う仕組みと体制の構築に言及をしています。それとともに、生活再建を視野に入れた支援についても述べられています。低所得層の増加、複数債権滞納者及び外国人滞納者については増加傾向であると課題収集をしているのであれば、一元管理についての体制の構築や一元化に向けた具体化において、生活再建の視点をきちんと持った検討が必要とも考えます。また、現行においても区民に寄り添ったきめ細かな対応を求めたいと思いますが、これについてはいかがですか、伺います。 ○瀬谷構造改革担当課長 債権所管課においては、納付相談など、あらゆる納付勧奨の機会を捉えまして滞納者の生活状況の把握に努めまして、分割納付や減免など各債権の制度の性質に応じた案内、措置を実施しているところであります。今後につきましては、生活支援に関する窓口や関係機関との連携を強化いたしまして、生活再建を視野に入れた債権管理事務を推進するため、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。 ○長沢委員 どうもありがとうございます。先ほどの例で言いますと国保料についても滞納がありましたけれども、国民健康保険の窓口では滞納者に寄り添った相談対応であったというふうにも聞いています。本来は、税や他の債権を扱う窓口でもそのような対応を行うことを、この点も重ねて求めておきたいと思います。 次に、特別区交付金についても伺います。特別区交付金も上振れの影響により、年度当初予算額327億円と決算収入済額410億2,200万円で、83億2,200万円もの大きな差が生じました。普通交付金については、当初予算額317億円、補正予算で62億8,000万円を増額し、決算上の収入済額は379億9,000万円でありました。当初予算編成過程における特別区交付金の普通交付金については、何を根拠にして当初予算にこのような額を計上したのか、伺います。 ○森財政課長 当初予算編成におけます普通交付金の見込みにつきましては、例年、年末に東京都から示されます財政調整交付金のフレームに中野区の過去のシェアを掛けて算定をしておりまして、まず令和3年度も同様にしたというところが一つございます。ただ、しかしながら、令和3年度予算につきましては、令和2年度が再調整ということで、算定残の部分の調整が令和2年度は行われなかったというようなこともありまして、令和3年度も再調整が行われない想定で、厳しめに当初予算を組んだというところでございます。 ○長沢委員 その前の令和2年度で普通交付金の財源の算定残が全くなかったと、そのために令和3年度も当然厳しく見たということと加えて、それでやっぱり算定残はないだろうということで、これだけの厳しい、固めに見たという、そういうお話かなと思います。 特別区交付金のうち、特別交付金についても伺いますね。特別交付金は、令和2年度に当初予算額を10億円から15億円に引き上げましたが、令和3年度にはまた再び10億円に減額をし、当初予算に計上しております。しかし、決算では30億円を超える収入となりました。上振れの影響ではあると思いますが、何がこれだけの差を生じさせたのか、伺います。 ○森財政課長 特別交付金の上振れ、増についても、基礎となる、基本となる財政調整交付金のフレームですね、調整税等が想定より上振れになっていると。企業収益の堅調な伸びによりまして市町村民税法人分など大幅に増になり、調整税等が増加していると。この結果、特別交付金についても増につながったと考えております。 ○長沢委員 23区全体の交付総額が増えていることが要因であり、では、中野区への交付は何の事業に対して交付をされているのか、御紹介いただけますか。 ○森財政課長 特別交付金の対象事業については、他区と同様、新型コロナウイルス感染症対策やシステム改修経費、この辺りは同様に算定されているかなということで捉えています。区特有の事業ということで申し上げると、児童相談所の設置準備経費については一定特別交付金で見るということで都区協議のほうでも決められておりまして、その辺りは令和3年度のところでも見られるというところでございます。 ○長沢委員 この特別交付金は、その算定と収入については極めて不透明な部分が多いというふうに思っています。特別区交付金のうち、その5%が特別交付金の交付であり、総額が増えたことで特別交付金も増えたというふうにも理解します。ただ、毎年度の都区協議の場で、2%に戻すことを特別区長会が求めていながら、実施はされていません。都側の主張に押し切られているようにも思いますが、それだけでなくて、5%の範囲で各区に交付されることを了としているのではないだろうかと。やはり普通交付金の基準となる財政需要額算定の公平性及び透明性を確保することからも、特別区長会がぶれずにこの点主張すべきだというふうに考えますけれども、この点いかがですか、伺います。 ○森財政課長 特別交付金の在り方につきましては、特別区長会におきまして透明性・公平性を高めるとともに、可能な限り普通交付金による対応を図るため、特別交付金の割合については2%を基本に見直す方向で都と協議をすると、そういったことでございます。当然、中野区においても同様の考えを持っているということでございます。引き続き23区一丸となって都と協議をしていく必要があると考えています。 ○長沢委員 続いて、特区配分の割合の見直しについても伺いますね。特別区交付金の算定の際に行われる都区協議について伺います。2022年度の特別区長会において、配分割合の見直しの議論が行われると聞いています。これは23区で最初に児童相談所を開設した3区、世田谷・江戸川・荒川区の平年度ベースが出るこの年度に配分見直しの議論を行うと2020年度の都区協議で確認をされたものであります。見直しの協議に当たって、特別区長会側としては何を主張されているのか、伺います。 ○森財政課長 特別区が安定的に児童相談所の運営を行うための財源として、区児童相談所の通年の決算実績を基に、適切な配分割合が実現するよう主張していくというふうに捉えております。 ○長沢委員 現在、都区協議における進捗はどのようになっていますか。 ○森財政課長 都区財政調整協議については、例年12月から年明けの1月にかけて行われるものでございます。現在は特別区長会事務局におきまして、協議に向けました方向性、課題等の整理を行っているというふうに認識しております。 ○長沢委員 これもしっかり行っていただきたいと思っています。 また、特別区交付金、都区財政調整交付金ですね、この基準財政需要額算定に関わってお聞きをいたします。東京都の補助金が都区財政調整交付金、特別区交付金という言い方をしていたほうがいいすかね、共通してね――の扱いとなる場合があります。いわゆる一般財源化が何に基づいて行われるのか。これまでも、例えば認証保育所が2008年度、平成20年度に都の補助金からこの特別区交付金、財政調整算定に変更となりました。子ども医療費助成についても、2008年度、平成20年度にこの都区財政調整の算定となりました。ちなみに、区はこの年度から中学3年生までの医療費無料化の実施を開始しています。では、このような東京都の補助金から都区財政調整算定へ、特別区交付金への変更は都区の協議によって決められていくんですか、伺います。 ○森財政課長 そのとおりと認識しています。 ○長沢委員 このことは今後の財政運営にも関わることだというふうに思っています。高校3年生までの医療費無料化が来年度から始まります。3年間は東京都が補助金を支出するとしています。では、その後はどうなるのか。現行の中学3年生までの子ども医療費助成の財源が都区財政調整によって交付されていますが、やはり財政調整算定となっていくのか、特別区長会が認めていくのか、その際、配分割合の変更を主張できるのか。いや、そうではなくて、引き続き東京都の補助金の対象としての交付を求めていくのか、この点、区の見解を伺います。 ○森財政課長 今御指摘のとおり、来年度から高校3年生までの医療費無料化については東京都が補助をするということでございまして、特別区といたしましては、事業の提案者である都が4年目以降もその財源を負担すべきものと考えておりまして、また、所得制限及び自己負担の取扱いの財源も含め、都に対して求めていくものと認識をしております。 ○長沢委員 23区以外の市町村では都の補助金が活用されております。東京都の裁量によって財源確保と増減を決めてはならないというふうに考えます。先の話ではありますけれども、ぜひ区長会としても、しっかりとそのことを主張していただきたいなと思っています。 ○ひやま委員長 長沢委員の質疑の途中ですが、間もなく5時になりますので、今後の運営について協議するため理事会を開会します。 委員会を休憩します。 午後4時56分休憩
午後5時00分開議 ○ひやま委員長 委員会を再開いたします。 理事会の報告です。 長沢委員の質疑の途中ですが、本日は終了し、次回、長沢委員から始めることを確認いたしました。 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○ひやま委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○ひやま委員長 御異議ありませんので、そのように決定し、本日の総括質疑を終了いたします。 次回の委員会は、9月22日(木曜日)午前10時から当委員会室で開会することを口頭をもって通告いたします。 以上で本日の決算特別委員会を散会いたします。 午後5時00分散会 |