令和4年11月28日中野区議会本会議(第4回定例会)
令和4年11月28日中野区議会本会議(第4回定例会)の会議録
平成26年07月01日第2回定例会(第3日)

.令和4年(2022年)11月28日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(40名)

  1番  生  藤  健  人        2番  竹  村  あきひろ

  3番  日  野  たかし         4番  渡  辺  たけし

  5番  間     ひとみ         6番  河  合  り  な

  7番  斉  藤  ゆ  り        8番  立  石  り  お

  9番  羽  鳥  だいすけ       10番  市  川  しんたろう

 11番  加  藤  たくま        12番  吉  田  康一郎

 13番  木  村  広  一       14番  甲  田  ゆり子

 15番  内  野  大三郎        16番  杉  山     司

 17番  ひやま      隆       19番  い  さ  哲  郎

 20番  小  杉  一  男       21番  内  川  和  久

 22番  若  林  しげお        23番  高  橋  かずちか

 24番  小  林  ぜんいち       25番  白  井  ひでふみ

 26番     欠  員          27番  山  本  たかし

 28番  中  村  延  子       29番  石  坂  わたる

 30番  近  藤  さえ子        31番  浦  野  さとみ

 32番  大  内  しんご        33番  伊  藤  正  信

 34番  高  橋  ちあき        35番  平  山  英  明

 36番  南     かつひこ       37番  久  保  り  か

 38番  森     たかゆき       39番  酒  井  たくや

 40番  むとう   有  子       41番  長  沢  和  彦

 42番  来  住  和  行

.欠席議員(1名)

 18番  小宮山   たかし

.出席説明員

 中 野 区 長  酒 井 直 人      副  区  長  青 山 敬一郎

 副  区  長  横 山 克 人      教  育  長  入 野 貴美子

 企 画 部 長  石 井 大 輔      総 務 部 長  海老沢 憲 

 DX推進室長  滝 瀬 裕 之      地域包括ケア推進担当部長 藤 井 多希子

 健康福祉部長  岩 浅 英 樹      環 境 部 長  朝 井 めぐみ

 まちづくり推進部長 豊 川 士 朗     中野駅周辺まちづくり担当部長 松 前 友香子

 企画部企画課長 堀 越 恵美子       総務部総務課長  浅 川   靖

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  長 﨑 武 史      事 務 局 次 長  林     健

 議事調査担当係長 鳥 居   誠      書     記  立 川   衛

 書     記  若 見 元 彦      書     記  髙 田 英 明

 書     記  鎌 形 聡 美      書     記  田 村   優

 書     記  細 井 翔 太      書     記  有 明 健 人

 書     記  早 尾 尚 也      書     記  髙 橋 万 里

 書     記  川 辺 翔 斗      書     記  金 木 崇 太

 

 議事日程(令和4年(2022年)11月28日午後1時開議)

日程第1 第81号議案 令和4年度中野区一般会計補正予算

 

午後1時00分開議

○議長(内川和久) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 11月25日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 大 内 しんご

 1 野方駅以西の西武新宿線連続立体交差事業について

  (1)今後の見込みについて

  (2)地下化について

 2 学校用地取得について

  (1)拡張用地取得の考え方について

  (2)北原小学校の隣接地について

 3 明和中学校について

  (1)新校舎(旧若宮小学校跡地)開設時期について

  (2)新校舎移転後の跡地活用について

 4 なかの東北応援まつりについて

  (1)今後の展望について

  (2)中野四季の森公園イベントエリアの活用について

 5 その他

 

○議長(内川和久) 最初に、大内しんご議員。

〔大内しんご議員登壇〕

○32番(大内しんご) 第4回定例会で一般質問させていただきます。

 最初に、野方駅・井荻駅間の連続立体交差事業についてお聞きをいたします。

 中野区は、今、大規模なプロジェクトが続いております。令和6年5月開庁の新区役所。令和7年完成予定の中野駅南口、中野二丁目地区の駅前広場の整備。令和8年度末完成予定の中野駅北口囲町地区再開発事業。令和10年度末完成予定の区役所、サンプラザ跡地にできる中野駅新北口駅前エリア拠点施設整備などをはじめ、大規模なまちづくりが進んでいます。

 そんな中、5年後の令和9年の開通を目指して、中井駅から野方駅間の西武新宿線地下化工事があります。令和3年11月に、井荻駅から西武柳沢駅の都市計画が決定され、事業が一歩先に進みました。当然、隣接する野方駅から井荻駅間の早期事業化が望まれています。

 区としては、野方第1号踏切の除却を含んだ鉄道の連続立体交差事業について、どのように関係機関と調整しているのでしょうか。令和4年第2回定例会においてもお聞きしていますが、半年が過ぎましたので、改めて野方駅から井荻駅間の連続立体交差事業における区のスタンス、今後の見込みについてお尋ねをいたします。

 次に、地下化について質問をいたします。

 仮に、現在の野方駅を存続したまま野方駅から都立家政駅方面に鉄道を高架にした場合は、野方駅前の第1号踏切が除却されず、さらに北原小学校の正門前の通り、新青梅街道踏切に向かう南北の道路は、鉄道の高架への上り途中となるため車両の通行ができなくなり、野方駅周辺のまちづくりに大きな課題となります。その問題を解決するには、野方駅を高架化する、または駅を地下化するかの方法があります。

 区は、野方駅前の第1号踏切を含む鉄道の立体化については、解消する踏切数等の計画的条件、自然地形等と鉄道の線形の関係といった地形的条件、事業費といった事業的条件の三つの条件と、駅周辺のまちづくりへの影響を考慮し、地下化に比べ高架形式が優位であるとの見解を示しています。しかし、一方、沿線にお住まいの方々からは、地下化を望んでいる声も多くあります。

 都立家政駅、鷺ノ宮駅を利用されている利用者の会の皆さんからは、野方駅から井荻駅間の地下化について、様々な検討課題の勉強会を開いているそうです。先日は、小田急線下北沢駅周辺の地下化後の跡地利用を視察するなど、熱心にまちづくりの勉強会を開いています。

 私も先日、下北沢駅隣の、同じく地下になった世田谷代田駅に行ってきました。私が学生時代、風呂がないアパートに2年ほど住んでいた駅です。毎月家賃を払うために通っていた駅前の大家さんである八百屋さんは今はなくなり、駅周辺は大きくさま変わりをしていました。下北沢駅にかけて歩いてみましたが、線路跡地をうまく活用し、ホテルや飲食店、遊歩道がきれいに設置をされていました。

 いまだ野方駅から井荻駅間は事業化されていません。今、地域からは、地下化を望む声が多く出ています。地下化について再度検討できないのか、伺います。

 次に、学校用地の取得について質問いたします。

 拡張用地取得の考え方について質問をいたします。

 中野区は、都市部であるために小・中学校用地が小さく、子どもたちは、日々、学校生活の中で狭い思いをしています。教育環境である広い校庭で子どもたちが自由に体を動かし、勉強できる環境を整備することは、区の重要な責務の一つと考えています。

 区は、中野中学校の南側拡張用地の取得や、昨年度の桃園第二小学校の拡張用地取得などを行い、既存の学校の隣地を取得し、教育環境の充実に努めてきました。今後も、子どもたちの教育環境を確保するため、学校隣地を取得し、学校敷地を拡張できる機会があるのであれば積極的に行うべきと考えます。

 ただ、区内の土地価格は高騰しており、学校用地の取得は多くの財源を伴うため、一方では慎重な検討が必要であります。このため、用地取得の際には、例えば学校の状況、拡張用地の形状や立地の問題、そして、もちろん財源といった様々なことを考慮していかなければなりません。

 そこでお聞きしますが、学校用地の取得について区はどのように考えているのか、一定の基準などをお持ちなのか、お尋ねします。

 これに関連して、北原小学校の隣接地についてお聞きをいたします。

 現在、北原小学校の東側の隣地に空き地があり、商店街に続いている敷地です。敷地は小さいですが、空き地と接する部分は現校舎のプールが配置をされています。

 区が明らかにしている小・中学校施設整備計画によれば、北原小学校は令和9年から令和11年にかけて改築を予定しています。その改築を機会としこの用地を取得しておけば、改築に当たり、今のプールなどの建物を再配置し整備すれば、この用地は、学校から商店街に直接出られる貴重な動線となります。

 もちろん、行政の用地取得には手続と時間がかかり、様々な条件が整わなければ取得することができないことは充分承知していますが、この機会に当該用地を取得できれば、非常時に子どもたちが商店街側へ避難する通路として確保でき、また、逆に、災害時には地域の人々が避難所である学校へ避難する通路としての空間の確保という、防災面にも非常にメリットがあると考えられます。

 そこで伺いますが、北原小学校の教育環境や子どもの防災面から、また、地域の防災性の向上のため、東側隣地を区として購入し活用すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 また、議会への提案の仕方についてですが、昨年度、当初予算審議の中で、桃園第二小学校拡張用地の取得の予算が明らかにされていなかったという経緯があります。先ほども指摘したとおり、学校用地は土地購入費も高いことから、区として、予算計上の際は明らかにすべきであります。議会との議論を予算計上の際にしっかり行うべきものと考えます。

 今後、新たに取得する学校用地は、議会への提示、議会報告や予算審議についてどのように明らかにしていくのか、お伺いをいたします。

 次に、明和中学校について質問いたします。

 明和中学校新校舎開設時期についてですが、現在、区は、美鳩小学校の跡地である旧若宮小学校跡地において、明和中学校新校舎の整備を進めています。当初、この明和中学校新校舎は、令和5年に開校を目指し整備を進めていましたが、区は、令和元年12月、追加の擁壁整備等を理由として、新校舎移転を令和7年に延期しました。

 令和4年も暮れを迎え、令和5年になります。区が説明していた令和7年にあと2年です。開校時期は具体的に令和7年のいつ頃になるのでしょうか。いまだ議会にも明らかにされていませんが、明和中学校に令和7年から通うであろう新入生とその保護者は、特に心配をしていると思います。明和中学校新校舎の開校時期はいつになるのか、お伺いをいたします。

 次に、明和中学校新校舎移転後の跡地の活用について質問いたします。

 明和中学校が新校舎に移転した後、明和中学校の跡施設については、小・中学校施設整備計画によると、北原小学校の代替校舎として使用するとあります。中学校と小学校では、子どもたちの体格なども異なります。もし、北原小学校の改築に当たり代替校舎として使用するのであれば、小学校の児童が今の学校とできるだけ変わらない環境で学べることが大切です。

 また、小・中学校施設整備計画には、令和13年以降の改築計画にも触れられており、啓明小学校についても「代替校舎の活用を想定」とあります。啓明小学校の立地から、この代替校舎は明和中学校の跡施設が直近であり、北原小学校、啓明小学校の2校の利用を見据えた跡地活用となり、区としてはこの考え方に沿って取組を進めるべきと考えます。

 そこで伺いますが、明和中学校の新校舎移転後の跡施設の活用について、北原小学校及び啓明小学校の活用を含め、現在、区はどのように考えているのか、お聞きをいたします。

 次に、「なかの東北応援まつり」について質問をいたします。

 今年から、新たなコンセプトの下、再出発したなかの東北応援まつりについては、キャッチフレーズを「ねぶたをはじめ、東北6県のお祭りが大集合!」と銘打ち、去る10月29日、30日の両日、大変盛況に開催されました。両日とも天候に恵まれたこともあり、コロナ前に匹敵する、これまでで最大規模の来場者数があったと聞いております。

 今回から名称を変更したなかの東北応援まつりは、2012年から「東北復興大祭典なかの」の名称で開催してきた継続的な復興支援の趣旨を引き継ぎ、東北各県の特産品、グルメ品の販売や観光、文化などの魅力の発信を通じ、東北各県をさらに応援していくとの願いが込められております。

 東北各県との絆と連携の一層の強化を図るとともに、中野区民や区内事業者の参加を促すことで、中野区の地域振興にも努めることとし、東日本大震災の記憶の風化防止と中野のにぎわいを創出するイベントとして、年を重ねるごとにさらに発展していくことを願っております。

 今年は3年ぶりに、四季の森公園前の道路で東北絆まつりのパレードや、中野サンプラザ前広場でのステージイベントが開催されるなど、大変にぎやかな内容となりました。2020年、2021年はコロナの影響により大規模な開催はできませんでしたが、その中でも、都内のイベントが軒並み中止になる中、中野ではその時点時点で、できることを工夫し、東北復興のイベントを継続して実施してまいりました。

 東北絆まつりの全ての関係自治体の方や、今回、応援まつりの開催に合わせて交流連携協定を締結した青森県黒石市の皆さんからも、中野区への感謝の言葉を頂きました。東北復興支援の関係で、これまでに青森市と黒石市とは交流連携協定を結んできましたが、今後とも、さらにそのような連携関係が強化されることを期待しています。

 私もパレードに参加していて、沿道の観客の方々から多くの、ありがとう、また来年もお願いしますといった声かけを、今年はたくさん頂きました。

 コロナの影響で区民の皆さんにとっても我慢が強いられてきましたが、このイベントに大変勇気づけられた、東北地方の伝統文化が凝縮された見どころ満載のお祭りを今後も継続していってほしいとの声が、今でも私どものところにも多く寄せられております。

 私たち中野区議会の超党派の議員有志で構成している東北復興ねぶた振興中野区議会議員連盟では、今回も準備段階から精力的に広報、PR活動を行い、イベント当日は、ブース出展やねぶた運行をはじめとする東北絆まつりのパレードに参加するなど、多くの方々と交流を深めていくことができました。

 このようなイベントを開催することができ、御協力いただいた東北や在京の関係団体、関係自治体の皆様、それを下支えしている区の職員の皆様の御尽力に深く敬意を表します。今後とも、東北各県の観光や文化を発信することで、中野区と各地域を結びつける貴重な機会として発展していくことを強く願っております。

 今後の展望を含め、幾つか質問をさせていただきます。

 今回から新たなスタートを切ったなかの東北応援まつりについては、中野区で継続して実施してきた復興支援から、互いに応援していくといった新たな考えの下、今後、さらに大きく発展していく可能性を秘めています。中野を代表するイベントとなっているなかの東北応援まつりについて、今回の実施結果をどのように評価しているのか、また、今後の展望についてお尋ねをします。

 二つ目に、なかの東北応援まつりのコンセプトの一つに、東北地方と中野区の文化交流が挙げられます。東北地方の皆様を中心にここまで発展させてきたこのイベントですが、一定の基準の下、中野区内の団体にも日頃の活動を披露していただき、一緒に東北応援の一翼を担っていただいたことは大変喜ばしいことだと思います。

 今年は、中野区からはどのような団体の参加があったのでしょうか。また、今年は、パレードの運行の補助としてねぶたの引き手など、民間事業者にも応援を募ったとのことですが、どのような応援実績があったのでしょうか、お伺いをいたします。

 次に、次年度の中野サンプラザ会場の使用についてお伺いいたします。

 今年は、中野サンプラザ前広場において多彩なステージイベントを開催しましたが、中野サンプラザは来年7月2日で閉館されると聞いております。来年の開催に当たり、サンプラザ前広場の使用についての取決めはどのようになっているのでしょうか、お伺いをいたします。

 4番目に、令和6年5月には、新庁舎が中野四季の森公園周辺エリアに移動することになります。中野四季の森公園については、今後、指定管理者制度が開始されるとのことです。この制度になった場合は、なかの東北応援まつりや花と緑の祭典といった区が関連する事業への協力については、どのように担保されるのでしょうか。一緒に中野区のイベントを盛り上げられるよう、現段階から事前に協定を結ぶなど検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 この項の最後に、新区役所の正面に位置することになる、中野四季の森公園イベントエリアの活用についてお聞きをいたします。

 四季の森公園周辺スペースをにぎわいのあるスペースとして有効活用するため、四季の森公園イベントエリアが飲食ブースや庁舎などと一体的に活用できるよう調整を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 以上で私の全ての質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 大内議員の御質問にお答えいたします。

 まず初めに、野方駅以西の西武新宿線連続立体交差事業についての質問で、初めに連続立体交差事業の今後の見込みについてでございます。

 区としては、関係機関と意見交換を行いながら、野方第1号踏切の除却を含めた鉄道の立体化について積極的に取り組んでいく所存でございます。

 続きまして、野方駅以西の地下化の検討についてでございます。

 仮に地下化する場合は、現在工事中の沼袋から野方駅間で構造の見直しが必要となります。そのため、事業中区間の都市計画の変更手続等、事業の進捗に大きな影響が生じるということから、地下化の検討は行う予定はございません。

 続きまして、なかの東北応援まつりについてでございます。

 初めに、2022なかの東北応援まつりの評価と今後の展望についてでございます。

 10月29日、30日に開催した2022なかの東北応援まつりは、3年ぶりにステージイベントやパレードが実施でき、非常に多くの方に御来場いただき、区民の皆さんにも大変喜んでいただきました。この祭りは、中野のにぎわい創出に寄与することができるイベントであると改めて認識をしました。

 今後、東北各県との連携をさらに深めることに加え、区民の一層の参加や、協賛企業からのさらなる協力を求めつつ、今後も東日本大震災の記憶の風化防止、そして、中野のにぎわいを創出する、より意義深いイベントとなるように実行委員会とも協議をしながら、中野駅前のまちづくりの変遷に合わせた内容として継続してまいりたいと考えております。

 次に、区民団体、ボランティアの参加実績についてでございます。

 中野区内からの出演としては、鷺宮囃子、打越太鼓、エイサーなどの区民団体に参加を頂いたほか、区立中野中学校、大妻中野中学・高等学校、東亜学園高等学校などに参加をしていただき、サンプラザ前のステージも盛況でございました。

 ねぶたの曳き手としては、趣旨に賛同いただいた企業6社から、2日間で延べ25人の参加を頂いたほか、全体の進行補助として、2日間で延べ33人の学生ボランティアの協力を頂いたところであります。

 企業の協力や学生ボランティアの参加は、祭りの円滑な進行に貢献することはもちろん、中野に関わる様々な人たちが、東北の人々と交流、連携を深めていくという新しいコンセプトの趣旨からも不可欠であると考えておりまして、今後とも応援の輪がさらに大きくなるよう精力的に協力を募ってまいります。

 次に、中野サンプラザ前の広場の使用についてでございます。

 中野サンプラザの建物につきましては、令和5年7月2日の閉館後は、閉鎖管理を行うこととなります。建物前の広場につきましては、まちのにぎわい確保のため、閉館後も権利返還までの間は開放に向けて、現在、株式会社まちづくり中野21と協議をしているところであります。

 来年度のなかの東北応援まつり開催に当たりましても、建物前の広場を利用できるよう調整を図ってまいりたいと思います。

 次に、中野四季の森公園での指定管理者との連携についてでございます。

 中野四季の森公園では、令和5年4月より開始する指定管理者による管理運営に向けて、準備を進めております。指定管理者の募集におきましては、指定管理者が地域活性化に資するイベントを企画運営していきますが、区が関連するイベントなどとのバランスを考慮することとしております。今後、指定管理者による管理運営の開始に当たって、維持管理や役割分担のほか、区が関連する事業への協力についても協議を進めて、協定を締結することを予定しております。

 次に、中野四季の森公園イベントエリアの活用についてでございます。

 中野四季の森公園でのイベントの実施に当たりましては、イベントエリアと新庁舎敷地が一体的に活用していける方策について検討してまいります。

〔教育長入野貴美子登壇〕

○教育長(入野貴美子) 私からは、初めに、学校用地取得についての御質問にお答えいたします。

 初めに、学校用地の取得の考え方についてでございます。

 学校敷地の隣接地を取得し拡張することは、校地面積を拡大することとなり、例えば日影規制や北側斜線制限などの緩和につながります。校舎の改築や改修の自由度に寄与したり、また、子どもたちが広々と自由に勉強できたり、運動できたりする環境を整備することにつながるため、教育環境の確保の観点から有用と考えております。

 一方、用地取得費につきましては、中野区という都市部の状況から、非常に多額の予算を必要とする場合が多いと承知しております。学校の拡張用地取得につきましては、その用地の立地状況、拡張した場合の活用方法、整備スケジュールと取得可能時期との関係とともに、都区財政調整制度による財源の可能性も含めて総合的に検討して、用地取得の手続を進めてまいりたいと存じます。

 次に、北原小学校東側隣地の御質問です。

 購入検討についてでございますが、北原小学校は、令和9年度に改築整備着手を予定しているところでございます。校地面積につきましては、区立小学校の中でも2番目に小さい状況でございます。学校改築においては、キッズ・プラザ機能を新設し、校舎の延べ床面積の増加が見込まれております。

 今般、区として、北原小学校の東側隣地に係る売買予定の情報を入手いたしました。土地所有者からは、区への売却についても一つの選択肢として示されたところでございます。当該用地を購入すれば、令和9年度からの改築整備において、当該用地を学校設備の設置や出入口通路、駐車場、駐輪場や防災用避難通路として活用することができることから、北原小学校の教育環境の確保と地域の防災性向上などに寄与することが考えられます。

 このことから、区として、当該用地の購入について検討していく予定でございます。

 次に、学校用地の取得に係る議会報告等についての御質問です。

 学校用地の取得につきましては、区内の土地価格の状況から、購入の予算措置は多額になることが考えられますことから、今後は、区議会に当該敷地の状況等を含め、用地取得に係る報告を行った後、予算計上を行い、審議していただくことを予定してございます。また、予算審議のため、区の予算説明資料に用地取得について明示することで明らかにしてまいります。

 北原小学校の東側隣地に係る用地取得につきましては、他に取得を予定する学校用地と併せまして、令和5年1月の区議会に当該内容を報告した後に、令和5年度当初予算への計上を検討しております。

 次に、明和中学校についての御質問です。

 明和中学校新校舎の開設ですが、令和7年4月を予定しております。

 議会への報告は12月1日の子ども文教委員会で口頭報告を予定しており、明和中学校新入生と保護者には令和5年1月上旬のお知らせで、令和7年4月開校をお伝えする予定でございます。

 最後に、新校舎移転後の跡地活用についてです。

 明和中学校移転後の跡施設につきましては、令和9年度から北原小学校の代替校舎として使用する予定でございます。小学校仕様の工事の後、児童を受け入れる予定にしてございます。

 啓明小学校につきましては、具体的な代替校舎を明和中学校跡施設とすることは決定してはございませんが、現時点では、立地面を考慮すると可能性の高い候補地として考えております。

○議長(内川和久) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 南   かつひこ

 1 中野区の文化行政について

  (1)国の登録有形文化財の旧野方配水塔について

  (2)中野区文化芸術振興基本方針について

  (3)文化芸術担当職員の人材育成と活用について

  (4)棟方志功サミットについて

  (5)その他

 2 公園再整備と地域の活性化策について

  (1)哲学堂公園・旧野方配水塔周辺地区に関わる整備について

  (2)みずのとう公園整備計画について

  (3)地域ブランドについて

  (4)その他

 3 構造改革実行プログラムについて

 4 区画街路第4号線整備と沼袋駅周辺地区の活性化について

 5 北部すこやか福祉センターの建て替えについて

 6 ごみ収集・資源回収事業について

 7 その他

 

○議長(内川和久) 次に、南かつひこ議員。

〔南かつひこ議員登壇〕

○36番(南かつひこ) 令和4年第4回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問を行います。区長並びに理事者におかれましては、明快で前向きな御答弁をお願いいたします。

 質問は通告どおりに進めてまいりますが、5番目の北部すこやか福祉センターの建て替えについてと、6番目のごみ収集・資源回収事業については、次回に回すことといたします。7番のその他はありません。

 それでは質問に入ります。

 1番目に、中野区の文化行政について伺います。

 (1)として、国の登録有形文化財の旧野方配水塔について伺います。

 旧野方配水塔は、2010年2月に国の有形文化財に登録されましたが、2019年9月の台風15号により、屋根のモルタルの飛散による事案に対応する改修工事の予算が計上されたところです。

 有形文化財に登録されて以降の平成30年度の2018年まで、中野区は旧野方配水塔の保存活用に関わる対策を全く取っていません。国の有形文化財に登録されたにもかかわらず、点検調査すらしないで放置してきていたように思いますが、これはどういう理由からなのか、区の見解を伺います。

 旧野方配水塔が国の有形文化財に登録されて8年後の2018年に、中野区は、国登録有形文化財旧野方配水塔保存活用計画を策定するために、497万円余の予算を執行して業務委託を行っています。国登録有形文化財の保存活用計画に基づいた工事でなくては、国費を確保することは見込めない仕組みになっています。そのため、これまでの旧野方配水塔の老朽化に伴う緊急の補修工事に対しては、中野区として一切国費は確保できていない状況です。

 経緯を振り返ると、令和元年度に、みずのとう公園内で、旧野方配水塔の屋根のモルタルの老朽化により、その破片が飛散して隣接する認定こども園の屋根を損傷させる事案が起きて、損害賠償を支払うことがありました。

 それを機に補修工事が行われ、令和元年度から令和4年度にかけて、屋根の飛散防止ネット設置や緊急点検等委託、撤去補修等工事に、合わせて9,250万円余が予算執行され、平成28年度から平成30年度にかけての計画策定等に執行された財源を合わせると、総額で1億1,340万円余の一般財源として執行されたことになります。もっと早く保存活用計画を策定していれば、国費として2分の1の特定財源が確保でき、一般財源の支出を抑えることができたのではないかと考えます。

 令和元年11月に国登録有形文化財、旧野方配水塔保存活用計画が策定されましたが、本来であれば、有形文化財の登録の翌年には保存活用計画を策定していなくてはならなかったと考えます。策定するのに9年間もの時間を費やし、策定の推進を図らなかった理由とは何かを伺います。

 旧野方配水塔は、低層住宅地区の中で、地域のランドマークとして親しまれてきています。最近では外壁の補修工事も完了し、さらに美しい重厚感のある姿に生まれ変わりました。今後は、公開方法への取組が課題です。

 旧野方配水塔補助活用計画には、限定的な内部の公開方法を検討するとあります。内部公開を含めた、現時点でどのような計画で進めようとしているのか、区の見解を伺います。

 (2)として、中野区文化芸術振興基本方針について伺います。

 過日の区民委員会では、中野区文化芸術振興基本方針(骨子)についての報告がありました。その際のスケジュールは、本年12月に基本方針案を策定し、明年の令和5年3月に基本方針を策定するとのことです。

 国の文化芸術振興基本法は、平成13年に議員立法で成立されて以来、これまで同法に基づき4次にわたって文化・芸術の振興に関する基本的な方針が策定され、文化・芸術の振興への取組が進められてきました。

 中野区として文化芸術振興基本方針を策定していくことは必要であると考えますが、まずは文化・芸術振興の根幹となるものが必要であり、平成16年にも我が会派の先輩議員が提案してきた文化芸術振興条例の策定を行い、その条例策定によって文化・芸術施策のより一層の充実が求められると考えますが、いかがでしょうか。伺います。その上で、基本方針から予算を伴う具体的な計画を示した基本計画を策定すべきであると考えますが、区の見解を伺います。

 岡山市や国立市では、国と同様に文化芸術推進会議を設置して、文化・芸術振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための調査、審議をする機関を設置しています。文化芸術振興条例や文化芸術振興基本計画を策定するに当たっては、有識者などで構成する文化芸術推進会議を設置して、文化行政の重層化を図る必要があると考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 (3)として、文化・芸術担当の職員の人材育成と活用について伺います。

 11月7日の区民委員会の行政視察では、久留米市の文化行政の先進的な取組を学ばせていただきました。久留米市と市民の文化・芸術団体と公益財団法人の久留米文化振興会との3者が連携、協働による文化・芸術活動の推進を行っていることに大いに感銘を受けました。公益財団法人の久留米文化振興会には、毎年3億円の予算をつけているとのことです。文化・芸術の振興には、厚みのある予算を確保することが重要であると改めて感じた次第です。

 今回は公益財団法人の設置までは求めませんが、人的な予算措置は欠かせないと考えます。久留米市の文化・芸術担当部署には7名の職員がいますが、我が中野区では3名と、2分の1以下であり、非常に心もとない実態です。

 人員数もさることながら、なかのZEROホールや歴史民俗資料館などのように指定管理者に丸投げするのではなく、文化行政を担う部署に文化・芸術振興やアートをマネジメントできる専門的な知識や理解のある人材を配置し活用するなど、文化行政の底上げができるような体制強化が必要であり、職員の人材育成にも力を注ぐべきではないかと考えますが、区の見解を伺います。

 (4)として、棟方志功サミットについて伺います。

 棟方志功にゆかりのある自治体の青森市、中野区、倉敷市、南砺市、杉並区が、倉敷市で一堂に会して、10月29日と30日に「棟方志功サミットin倉敷」が開催されました。今回をもって棟方志功サミットが各自治体において一巡したことになります。

 明年は、棟方志功生誕120周年の佳節に当たる年となります。その意義を込めるとともに、棟方志功が昭和4年から昭和18年までの14年間に、中野区大和町で貧乏の苦境の中、版画家として創作活動を続けて大作の傑作を生み出したという史実を踏まえれば、中野区として2巡目の棟方志功サミットの開催に向けてのイニシアチブを取り、さらに発展させていく責務が中野区にはあると考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 棟方志功は、中野区大和町時代に出世作である「大和し美し」の版画20枚の絵巻物を生み出しました。棟方志功の創作活動の原点の地は、中野区大和町であると思います。その原点の地である中野区に、棟方志功の所蔵品が全くありません。青森市には8点、倉敷市には1点、隣の杉並区には30点、南砺市には約260点もの所蔵品があります。棟方志功ゆかりの原点の地である中野区に棟方志功の所蔵品が全くないことは、誠に残念で仕方ありません。

 中野区が、棟方志功の版画家として飛躍の原点の地であることを考えれば、所蔵品の確保に向けて尽力すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 2番目に、公園再整備と地域の活性化策について伺います。

 (1)として、哲学堂公園・旧野方配水塔周辺地区に関わる整備について伺います。

 哲学堂公園・旧野方配水塔周辺地区整備基本方針には、まち歩き回遊ルートの整備計画が示されており、区北部地域における都市観光のアクセス拠点として哲学堂公園・旧野方配水塔を位置付け、それらを結ぶまち歩き回遊ルート「歴史・文化の回廊」を設定するとなっていますが、いまだに整備状況が見えてきません。また、まち歩き回遊ルート上に、統一した魅力的デザインの、来訪者を導き案内する案内誘導サインも設置するとあります。

 一方で、哲学堂公園・旧野方配水塔周辺地区整備基本方針や哲学堂公園及び哲学堂公園周辺都市観光拠点整備計画については、平成30年度に一旦見直しが行われており、今後は中野区都市計画マスタープラン等により検討が行われるとされていますが、案内誘導サイン整備等の取組は、区民や様々な来街者の回遊を確保するためにも必要なことと考えます。

 哲学堂公園・旧野方配水塔周辺地区をはじめとする回遊ルート及び案内誘導サイン設置の現在の検討状況について伺います。

 中野区は、平成30年に、哲学堂公園再整備基本計画を見直して、インバウンドを目指した周辺エリアの整備と施設整備を優先するとした考え方を改め、歴史文化を守り、区民や来街者が憩い、楽しむ利活用を目指す整備とするとしました。

 国土交通省は、2025年までにインバウンドを新型コロナウイルス禍前の2019年の3,188万人の水準に戻し、2030年には6,000万人までの増加の目標を掲げています。このようなことを考えれば、国のインバウンドの受入れ方針と相反する施策と考えますが、インバウンドに関する区の考え方を伺います。

 (2)として、みずのとう公園整備計画について伺います。

 みずのとう公園整備計画については、補助第26号線の道路計画線にかかっていることから、おおよそ3分の1の公園面積が狭くなることになっています。今年になって、東京都水道局野方住宅の宿舎が廃止になったとも聞いています。

 補助第26号線の整備によって、みずのとう公園内の都有地を返還することになりますが、隣接する東京都水道局の都有地を公園の拡張用地として確保するよう努めるとともに、都有地確保に向けた区の考え方とスケジュールを伺います。

 旧野方配水塔を地域のランドマークとして高めるための公園整備が重要と考えますが、中野区として今後どのような整備計画を進めていくのか、整備内容を具体的に伺うとともに、スケジュールを伺います。

 (3)として、地域ブランドについて伺います。

 中野区基本計画の重点プロジェクトでは、個性豊かな地域資源の発掘と情報発信の強化、そして、団体、企業との連携強化による、アニメ、サブカルチャーなどのコンテンツを活用した地域ブランドづくりとありますが、非常に抽象的で曖昧な形式での取組に、発展していく要素が全く見えてきません。取組の根幹となる地域ブランドとは何なのか、その具体的な定義を伺います。

 今後策定されていく(仮称)中野区文化芸術振興基本方針と(仮称)中野区産業振興方針のそれぞれの方針を有機的に結びつけ、一体感を持って地域ブランドの創出、発信の視点を各方針に盛り込んでいくとしていますが、有機的に、また、一体感を持ってとはどのような意味なのか伺うとともに、各方針は全く別物であって、無理やりに結びつけようとしているようにしか思えませんが、区の見解を伺います。

 中野区には、多くの文化財が数多くあります。国指定文化財として2020年3月に哲学堂公園が国の名勝指定になりました。国登録文化財には、旧野方配水塔をはじめ、細井家住宅主屋は所有者の都合により売却されることになりますが、中村家住宅洋館など、現時点では5点があります。東京都指定文化財には、江古田獅子舞など3点が指定されています。さらに、中野区登録文化財・指定文化財は121点が登録・指定されています。

 この中野区の文化財の実情を見れば、全く具体的な中身の見えない、所管によって考え方に違いがある地域ブランドという取組については直ちに見直すべきであり、中野区には100を超える貴重な文化財があることを考えれば、中野区の文化財の活用を視野に入れた具体的な取組が先決ではないかと考えますがいかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 3番目として、構造改革実行プログラムについて伺います。

 構造改革実行プログラムは、本来の目的は、財政的な非常事態に対処し、新たな行政需要に応じた効率的かつ効果的なサービスの展開を図るため、行財政の構造的な改革を集中的に進め、持続可能な区政運営を目指すものとしています。

 構造改革実行プログラムは、基本構想に掲げる「10年後に目指すまちの姿」の実現に向けて策定する基本計画や、区有施設整備計画における施策や区政運営、施設配置の考え方に基づき、計画の下支えをするものと示されています。

 さきの第3回定例会での我が会派の小林議員の総括質疑のやり取りの中で、担当課長からは、「構造改革実行プログラムに位置付けた28の個別プログラムは、持続可能な区政運営に向けて中長期的に取り組むべき区政課題であり、既に実施した事業を見直すことにとどまらず、施策、施設、組織の再編に向けて必要な取組であると認識しております。」との答弁がありました。

 構造改革実行プログラムが、今後とも区政課題の解決への重要な役割を果たしていくということなのかを伺うとともに、下支えである構造改革実行プログラムの内容によっては、基本計画や区有施設整備計画に影響を及ぼすことになるのかを伺います。

 構造改革実行プログラムの「取組期間と進行管理」では、一つ目に、令和3年度からおおむね3年間を目途に集中的に取り組み、個別の課題についての取組の進捗状況を確認・検証し、翌年度以降の取組目標に反映するほか、新たな課題をプログラムに位置付けるなど、「分かりやすく、スピード感をもって進行管理を行っていきます。」とあります。

 二つ目には、取組の検証において、行政評価における事業の効果測定(実績、コスト等)や外部評価(専門的評価・第三者評価等)、健全化判断比率、新地方公会計による財務書類の分析、他の自治体とのベンチマーク比較などを行い、その時点の課題を整理し、取組の方向付けをしていくと明記されています。

 構造改革実行プログラムは、令和3年度8月に策定して実行し、進捗確認、評価・検証して、更新していくと示されています。そして、毎年度、PDCAサイクルとして実行することになっています。

 令和3年度から令和5年度までの構造改革実行プログラムとして、現時点ではちょうど折り返し地点に差しかかっているところです。これまでの評価・検証をどのようにされるのか、また、今後の検証をどのように分析されようとするのかを伺います。

 次に、中野区構造改革推進アドバイザー会議について伺います。

 アドバイザー会議は、学識経験者等で構成され、区政の構造改革の推進に当たって、専門的な立場から必要な意見や助言等を得るために設置されています。

 アドバイザー会議から区長を本部長とする中野区構造改革推進本部に助言がなされ、所掌事項として構造改革実行プログラムの策定、実施等に関わってくる仕組みになっています。施策、施設、組織の再編による個別の事業見直しが行われることになっているはずです。

 これまで非公開として開催されてきた中野区構造改革推進アドバイザー会議の内容とはどのようなものであったのかを伺うとともに、個別プログラムについてアドバイザー会議からどのようなアドバイスがあったのかを伺います。また、個別プログラムへのアドバイスによってどのような成果をもたらしたのかを伺って、この項の質問を終わります。

 4番目として、区画街路第4号線整備と沼袋駅周辺地区の活性化について伺います。

 区画街路第4号線は、平成23年8月19日に都市計画決定がなされ、平成29年8月9日に事業認可が決定しています。延長560メートルの道路で、計画幅員は14メートルとなり、街並み誘導型地区計画により、歩道部分が双方0.5メートルさらに広がることになります。また、沼袋駅南側には、2800平米の交通広場の整備が計画されております。

 この区画街路第4号線整備について、まずは道路基本構造について伺います。

 現在の6メートルの道幅を14メートルに拡幅することで、バス路線が練馬方面から中野方面への1路線であるものが、バスの双方通行ができるように整備されることになります。

 その際、整備道路をスラローム状に蛇行させたり、段差をつけたハンプを整備することで、車両の速度抑制を図ったり、買物がしやすいように歩道に駐輪スペースを設置することになっています。また、電線類の地中化による共同溝の整備も進めることになっています。

 現段階での道路基本構造は具体的にどのようなところまで決まっているのか伺うとともに、拡幅整備の要素の中に、高齢者が手押し車などを使用する際に歩きやすい整備となるよう、歩道のフラット化は欠かせないと考えます。また、道路の北側には障害者福祉会館があることを考えれば、視覚障害者の方々のため、点字ブロックの整備も欠かせません。この3点についての区の見解を伺います。

 区画街路第4号線の整備により道路幅を6メートルから14メートルに拡幅することで、商店街街路灯の移設または新設をせざるを得ないと考えますが、その際の費用負担は商店街なのか、中野区で負担するのか、現時点での区の考え方を伺います。

 新型コロナウイルス感染症の影響で遅れぎみになっている区画街路第4号線整備の進捗状況について伺います。整備区間のⅠ期からⅣ期区間の各区間の現在の契約件数と物件等調査の進捗率を改めて伺います。

 現在の沼袋商店街には、借地に店舗を構え営業されているところもあります。そのような借地での店舗の建て替えの交渉は、地主の考え方によって大きく違いが出てくると思いますが、区としてはどのように進めていくのかを伺います。また、借地での店舗数はどのくらいあるのかを伺います。

 沿道の地区計画により、1階部分は事務所か店舗にすることになっています。地権者には借金を抱えて事務所や店舗を経営していけるのかという不安感があり、どのようにしたらよいのか迷っているとの声を商店街の方からお聞きすることがありますが、このような場合には、中野区として、地権者に対して安心していただくために、どのような方策を示していただけるのか伺います。

 中野駅周辺では、再開発への整備が活発になっており、エリアマネジメントの取組も始まっております。沼袋駅周辺地区では、西武新宿線連続立体地下化事業と区画街路第4号線整備が同時に動いている状況です。中野駅周辺にも近接しており、また、キリンレモンスポーツセンターを含む平和の森公園地区にも隣接しています。

 そのような流れを考えれば、中野駅周辺に隣接している沼袋駅周辺地区の活性化を図るためには、沼袋駅周辺地区のエリアマネジメントの構築が必要であると考えますが、区の見解を伺って、私の全ての質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 南委員の御質問にお答えいたします。

 1番目、中野区の文化行政についてで、まず初めに、旧野方配水塔の点検調査の実施についての御質問です。

 旧野方配水塔の点検調査につきましては、文化財登録前年度の2008年、平成20年度に実施をしております。その後、保存活用計画策定業務委託の中で、2018年、平成30年度に調査を実施しているところでございます。

 次に、計画策定に時期を要した理由の御質問です。

 2019年の旧野方配水塔の保存活用計画策定までの間に、哲学堂公園・旧野方配水塔周辺地区整備基本方針や、これは2015年ですね、哲学堂公園及び哲学堂公園周辺都市観光拠点整備計画、2018年など、周辺地区の全体的な考え方の検討を行ってきたところでございます。その後に、その検討を踏まえて、旧野方配水塔保存活用計画を策定したところでございます。

 次に、旧野方配水塔の内部公開方法の検討状況についてでございます。

 旧野方配水塔の内部公開を可能とするには、耐震性の確保、避難等の安全性の向上を図るほか、管理方法や体制を見直すなど、様々な課題があります。これらの課題も踏まえて、公開の方法の在り方については、文化庁、東京都などからの意見を頂きながら、今後検討してまいります。

 続きまして、文化・芸術振興に係る条例や計画の策定についてでございます。

 現在、文化・芸術振興の発展につながる取組の方向性を明らかにし、より一層の文化・芸術活動を推進していくため、文化芸術振興基本方針を今年度中に策定できるよう準備を進めておりまして、本定例会において方針の素案をお示しする予定でございます。

 現時点では、条例及び基本計画を策定する予定はございませんが、方針を策定した後、施策の具体化を進めていく中で、条例及び計画策定の要否について改めて検討してまいります。

 次に、文化・芸術振興に係る会議体の設置についてでございます。

 文化・芸術振興を推進していく中で、推進計画の策定を検討することが必要となった場合は、計画内容の審議などを行う会議体の設置についても併せて検討していきたいと考えております。今後、会議体を設置している自治体調査を行い、その意義が文化・芸術振興の推進に対する役割等について研究してまいります。

 次に、文化・芸術振興担当の体制強化と人材育成についてでございます。

 文化・芸術の振興に当たっては、産業、観光、まちづくり、シティプロモーション、福祉、教育などの関連所管や区民、文化・芸術団体等及び文化施設指定管理者など、あらゆる人や組織との連携とともに、区の現状と特性を把握し、的確に施策を企画実行していくための体制と人材が重要であると認識をしております。

 今後、文化芸術振興基本方針で示していく方向性に基づいて、各施策の効果を最大限に引き出し、実施していけるよう、体制の強化と人材育成にも力を入れていきたいと考えております。

 次に、棟方志功サミット2巡目についてでございます。

 1巡目における棟方志功サミットでは、平成28年の青森市をはじめとして、中野区、南砺市、杉並区、倉敷市において開催をしてまいりました。また、平成29年に中野区で開催した際には、1,000人以上の方に参加いただき、多くの方に棟方志功の実績と作品の魅力を知ってもらうことができたと評価しております。

 2巡目のサミット開催につきましては、今後、関係自治体との協議及び調整をすることになりますけれども、これらについて積極的に関わっていきたいと考えております。

 次に、棟方志功作品の所蔵についてでございます。

 棟方志功は「二菩薩釈迦十大弟子」などの代表作をはじめ数々の作品を残しておりまして、その作品は世界で高く評価されるなど、多くの人々を魅了してきたと認識しております。

 一方で、高く評価される作品の多くは高額で、保管や展示方法など様々な課題があると考えておりまして、今後もこれらについて研究をしてまいります。

 次に、公園再整備と地域の活性化策についてで、初めに、哲学堂公園・旧野方配水塔周辺地区における案内誘導サイン等の現在の検討状況でございます。

 中野区都市計画マスタープランや西武新宿線沿線まちづくり推進プランでは、歩いて楽しむことのできる回遊ルートの整備や道路等の整備に合わせた、歴史文化資源への案内表示を推進することとしております。今後、新井薬師前駅や沼袋駅の交通広場整備等に合わせて、具体的な取組を行っていく考えでございます。

 次に、インバウンドに関する区の考え方でございます。

 哲学堂公園の整備に当たりましては、インバウンドと相反する考えではございません。中野の多様性を生かして、在住者、在勤者、在外者、そして来街者の全てが対象であると考えているところであります。

 次に、公園拡張用地の確保についてでございます。

 東京都水道局へは、隣接する水道局用地をみずのとう公園の拡張用地として活用する可能性について話し合いをしていきたいと伝えておりまして、今後も引き続き情報交換を行ってまいります。

 次に、みずのとう公園の整備内容についてでございます。

 みずのとう公園の整備に当たっては、旧野方配水塔が地域のランドマークとなるように、オープンハウス、ワークショップ等の手法を取り入れ、地域の意見を聞きながら整備を進めてまいります。補助第26号線の整備によって周辺環境が変化する可能性が高いことから、補助第26号線の進捗状況を確認しながら整備時期を検討してまいります。

 次に、地域ブランドの定義についてでございます。

 地域ブランドは、一般的には、地域の資源や人材などを活用しながら、他地域との差別化を図り、そこに住む人や来街者の地域への愛着を深めることで、地域の価値を高め、地域経済の活性化にもつなげていくものでございます。

 中野区の地域ブランドづくりは、産業、文化・芸術、観光、エリアマネジメントなどが、それぞれの方針やビジョンの中で取り組む方向性を示しておりまして、様々なアプローチがございますが、地域の価値を高めることを目的としていることで一致をしておりまして、今後はそれぞれの方針に基づいた取組を進めていくことで、目的に沿った具体化を図ってまいります。

 次に、文化芸術振興基本方針、産業振興方針及び観光施策に係る方針が有機的かつ一体感があるという意味についての御質問でございます。

 有機的や一体感とは、ここでは、文化・芸術の持つ力を観光や産業と結びつけ、地域のにぎわいや新たな価値を創造していくことを共通の目的として、様々な施策を行っていくことを示しております。各方針は独立したものではございますが、地域の価値を高めるという意味においては、方針相互においても関連性が高いと考えております。

 次に、取組の具体化についてでございます。

 産業、文化・芸術、観光、エリアマネジメントの分野では、それぞれ方針やビジョンを策定中でございまして、その後、それぞれの方針の目指す目的を実現するため、取組を具体化してまいります。

区内文化財の活用策につきましても、現在検討中の中野区文化芸術振興基本方針の中で検討しておりまして、今後示してまいります。

 次に、構造改革実行プログラムについての質問のうち、個別プログラムを通じた計画改定についてでございます。

 構造改革実行プログラムに掲げた個別プログラムの取組は、令和5年度中の進捗状況を踏まえ、継続して取り組むべきものについては基本計画の後期の取組を示す実施計画に盛り込んでいくことを考えております。

 次に、取組の評価・検証についてです。

 令和3年度末時点における構造改革実行プログラムの進捗状況や対応策の検討結果につきましては、第3回定例会中の各常任委員会においてお示ししたところであります。令和4年度及び令和5年度の取組についても同様に、当該年度終了時点の進捗状況を振り返り、次の取組につなげていく考えでございます。

 最後に、構造改革推進アドバイザーの助言についてでございます。

 構造改革推進アドバイザー会議では、構造改革実行プログラムの策定、行政評価制度の見直し、年度末における取組の総括、管理職の意識改革を主な議題としてきたところであります。

 個別プログラムにつきましては、それぞれ専門のアドバイザーから、施設マネジメントの専管組織設置による調整業務の効率化、債権管理体制の強化に向けて債権所管課が取り組むべき内容、中・高生など若者の居場所づくりについて助言を頂き、今年度の取組に生かしてきているところでございます。

〔まちづくり推進部長豊川士朗登壇〕

○まちづくり推進部長(豊川士朗) 私からは、区画街路第4号線整備と沼袋駅周辺地区の活性化についてお答えをいたします。

 まず、道路の基本構造についてでございます。

 区画街路第4号線の歩車道につきましては、段差がなるべく少なくなるよう交通管理者との協議を踏まえ、歩車道境界部の縁石は切下げ構造とし、高齢者、車椅子などをはじめ、視覚障害者の通行する上でなるべく支障がないよう整備をする予定でございます。

 それから、電線類の地中化につきましては、今後の用地取得の進捗等を踏まえまして、滞りなく整備に着手できるよう時期を見定め、設計に着手する予定でございます。

 点字ブロックの整備につきましては、連続性や動線等を考慮して設置する予定でございまして、詳細につきましては、今後の事業の進捗状況を踏まえ、設計に着手する予定でございます。

 それから、区画街路第4号線沿道商店街街路灯の支障移設についてでございます。

 商店街の街路灯は占有物件でございまして、支障移設は一般的に商店街の負担となるものではございますが、商店が多く連坦している街路の拡幅事業という当該事業の特性上、整備を進める過程で商店街自らの支障移設が困難となる可能性があることから、整備の進捗に合わせまして必要な調整を進めていきたいと考えてございます。

 それから、区画街路第4号線のⅠ期区間からⅣ期区間の進捗についてでございます。

 現時点におけるⅠ期区間の権利者ベースでの契約件数は16件で、物件等調査の進捗率は約70%、以下、Ⅱ期区間は5件で約73%、Ⅲ期区間は19件で約80%、Ⅳ期区間は8件で約61%となってございます。

 それから、借地している土地の用地交渉の進め方についてでございます。

 借地している土地の残地債権につきましては、土地所有者の借地継続に購入が左右されることは認識をしてございます。したがいまして、区が土地所有者と借地権者それぞれの意向を確認し、その意向の橋渡しをさせていただくなど、工夫して用地交渉に当たっているため、現在のところスムーズに進捗しているものと認識をしてございます。

 また、現時点で把握している借地店舗数は約20件でございます。

 それから、生活再建に向けた相談でございます。

 令和2年6月より、沿道権利者等支援相談窓口を土曜日・祝日等を除き、基本的には週6日間開設しておりまして、様々な相談に対応できる体制を構築してございます。窓口では、必要に応じまして、弁護士、公認会計士、税理士、司法書士、ファイナンシャルプランナー、中小企業診断士、金融機関等と連携し、資金繰りに関する相談対応も行ってございます。また、ビルオーナーへ1階部分のテナント募集の支援のほか、移転先に関する情報提供、個別建て替えプランの提示、残地活用の提案、その他必要なサポート等についての相談対応が可能でございます。

 今後も、地権者の意向に合わせまして、相談窓口を活用し、丁寧な対応に努めてまいります。

 それから、最後に、沼袋駅周辺のエリアマネジメントについてでございます。

 区画街路第4号線の街路事業の推進や駅前拠点整備など、まちづくりに向けた地域の意見交換等を重ね、まちの活性化に向けた機運醸成を図り、エリアマネジメント体制構築の必要性も見定めながら、地域に合ったまちづくりを推進していきたいと考えてございます。

〔南かつひこ議員登壇〕

○36番(南かつひこ) それでは、再質問をさせていただきます。

 中野区の文化行政についての中で、国の有形文化財、旧野方配水塔のことについてでありますが、国の登録文化財になりましたのが2010年2月であります。で、この保存活用計画ですね、これを策定するまで9年もかかっているということと、それから、策定するために業務委託をして、そのときに、2018年に点検調査も行ったということなんですが、要はあまりにも、2010年から策定するまで、2019年ですか、それまでかかっているという、その間に一体どういうことをしていたのか。もっと早く保存活用計画を策定しなくてはならなかったんではないか。要は、緊急な改修・補修工事では国費が確保できないということもあったので、やはり保存活用計画を早く策定していれば、そういったことが防げたんではないかと思っているところなんですが、その辺の答弁が私にはちょっと抽象的なふうに聞こえたので、もう一度、再答弁をお願いしたいと思います。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 南議員の再質問にお答えいたします。

 旧野方配水塔につきまして、2008年の現況調査、そして登録文化財に登録されたのが2010年ということで、その後に保存計画の策定までが9年間あったということで、その間に何を行っていたのかという御質問だと思いますけれども、それにつきましては、哲学堂公園・旧野方配水塔周辺地区整備基本方針、これが2015年です。そして、哲学堂公園及び哲学堂公園周辺都市観光拠点整備計画、これが2018年でございます。これらを間のところで、つまり関連する計画として、周辺地区の全体的な考え方の検討を行ってきたというところでございます。これを踏まえて、旧野方配水塔保存活用計画を策定したということで、9年後ということになっております。

○議長(内川和久) 以上で南かつひこ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 小 杉 一 男

 1 区民の暮らしと営業を守る施策について

 2 新型コロナウイルス感染症への対策について

 3 子ども・子育ての施策について

 4 中野区自殺対策計画の改定について

 5 介護・高齢者の施策について

 6 生活保護制度の拡充について

 7 その他

 

○議長(内川和久) 次に、小杉一男議員。

〔小杉一男議員登壇〕

○20番(小杉一男) 2022年第4回定例会本会議において、日本共産党議員団の立場で一般質問を行います。質問の内容は通告どおりであります。その他の項はございません。

 初めに、区民の暮らしと営業を守る施策についてです。

 9年間も続く異次元の金融緩和政策によって、経済が停滞をしています。緩和マネーは株式市場に流れ、富裕層や大企業はもうけたものの、実体経済には流れませんでした。加えて、円安で輸出大企業はもうけましたが、賃金は上がらず、格差は拡大するばかりです。今、電気やガス、食料品など日常生活品の価格が上昇する中で、消費税減税を行う国は90か国以上にもなっています。政府に決断を求めたいと思います。

 政府は、来年10月から、消費税インボイス、いわゆる適格請求書制度を実施しようとしています。区内の事業者の大半を占める小零細事業者、商店や飲食店、フリーランス、建築現場の一人親方など、年間売上げ1,000万円以下の事業者に納税義務を負わせ、経済的、事務的負担増を強いるものです。財務省は、161万事業所に影響し、一事業者当たり15万4,000円の負担増で、合計2,480億円の増税になるとしています。影響する人数は、何と、1,000万人を超えます。

 ある事業者は、コロナ禍で現在は何とか持ちこたえているが、試算したら年間25万円から30万円の支払いが新たに発生し、事業継続が困難となると言われていました。そうした個人事業者に課税業者になるよう迫り、なけなしの収入なのに負担を強いるもので、極めて現実を見ない制度であります。混乱は計り知れないものです。消費税の免税制度は所得税の基礎控除のようなものであり、インボイス導入は生存権への侵害に当たると思います。

 そこで伺います。仮にインボイスが導入された場合、区内事業者への影響がどれほどのものになると認識していますか。

 10月に、総務省は、地方自治体の競争入札において、インボイスに関する入札参加資格を定めることについて、免税事業者を競争入札に参加させない資格を定めることは適当でないと通知しました。しかし、免税事業者を課税事業者に誘導する自治体の事例が出てきています。

 伺います。区が関わる競争入札において、免税事業者が実質的に排除されないように配慮すべきと考えますが、区としての見解を伺います。

 10月20日、中野区は、「インボイス制度が始まります」とのサイトを設けました。そこには、インボイス発行事業者になるためには、「必ず来年3月末までに登録申請書を提出し、事前の登録を受ける必要があります。登録をお考えの事業者の方におかれましては、お早めに御準備ください。」と記載しています。これでは、よく理解していない方にとっては、インボイスへ誘導しているとも取れます。

 伺います。同サイトには、免税事業者は継続できること、利点、欠点を踏まえて判断することを明示すべきではないでしょうか。

 シルバー人材センター会員にも消費税の納税が発生し、年間40万円から50万円程度の報酬から4、5万円ほどの負担増になります。厚労省は、シルバー人材センター会員は、インボイス制度導入で最低賃金を下回ってしまう可能性があるので、自治体としては価格転嫁をして、適正な価格設定をするよう通知しています。

 伺います。シルバー人材センターでは、インボイス制度導入による減収の影響を出さないように、補助金を増額すべきではないでしょうか。

 区との随意契約においては配慮すべきという、先ほどの厚生労働省の通知でございます。港区では、それぞれの実情に応じた適切な対応ができるよう、専門家による無料相談ブースを設置するとともに、税務署との連携による課税事業者、免税事業者双方に向けた説明会を開催しています。

 伺います。免税事業者全般への支援を実施すべきではないでしょうか。

 11月16日に、インボイス制度の問題点を検討する超党派の国会議員連盟が設立されました。ヒアリングを受けたインボイスを憂慮する声優らが立ち上げた団体「VOICTION」の甲斐田裕子さんは、日本の文化の未来が消えてしまう、実態調査のアンケートで文化事業に携わる4団体(声優、アニメ、演劇、漫画)全てでおよそ半数以上が年収300万円以下、2割の人が廃業を検討していると訴えました。そうした切実な実情が中野区内でも広がっています。倒産や廃業に追い込まれる事業者が多く出るなど、影響は計り知れません。

 伺います。区は、国に対し、インボイス制度の実施中止を求めるべきではないでしょうか。

 消費税インボイス制度は、中止するしかないことを訴えて、この項を終えます。

 次に、新型コロナウイルス感染症への対策についてです。

 新型コロナ感染者の1週間平均値は上昇し続けています。政府は、入国者数の上限を撤廃するなど、新型コロナ対策の緩和を進めました。8月末には、感染者の全数把握を見直す方針を明らかにしました。感染症法で医療機関に新規感染者の発生届を提出することを義務付けていますが、自治体の判断で発生届が必要とする対象を、高齢者や重症化リスクが高い人などに限定できるようにしました。65歳以上の方や基礎疾患のある方、妊娠している方などだけの医療機関への受診を想定し、それ以外の方は抗原検査キットを申し込み、自己検査を行い、陽性の疑いとなれば東京都陽性者登録センターへウェブ申請をする仕組みになりました。9月から、新型コロナウイルス感染症に関する相談の流れが変更になったことを知らずにいる方も多いと思います。

 伺います。この相談の流れのチャート図を、ホームページにとどまらず、区報にも掲載をすべきではないでしょうか。

 新型コロナウイルス感染症を疑う症状が出た場合でも、安易に放置をし、感染を拡大させている状況があると思われます。医療機関受診による発生届提出、もしくは陽性者登録センターへの登録を行わない場合も相当数おられると思います。自宅療養中に体調が悪化しても、気づきにくくなるなどの懸念もされています。

 伺います。今後の新型コロナ感染症の感染拡大抑制のために、どのような取組に力を入れようとしていますか。

 新型コロナウイルス感染拡大により、失業や休業、時短などで生活困難に陥った方に対し、2020年3月から、国が社会福祉協議会を通じて、生活費として上限20万円の緊急小口資金と上限60万円の総合支援資金の貸付けを行いました。これらは全国で776億円、9万件の貸付けとなり、急場をしのぐ役割を果たしました。

 来年1月から償還が始まります。昨年度が住民税非課税でなくても、今年度、非課税相当になり、返還することで生活が破綻してしまう場合もあると思われます。また、世帯単位の判定となるのも、とても分かりにくく、混乱を生んでいます。

 伺います。区としても、償還免除の仕組みについて周知を図るべきではないでしょうか。

 第8波になっても、入院できずに死亡者が出ないようあらゆる努力を求め、この項を終えます。

 続きまして、子ども・子育ての施策についてです。

 まず初めに、子どもの権利についてです。

 区は、国連で、子どもの権利条約が採択された月日である11月20日に、「子どもの権利の日フォーラムなかの2022」を開催しました。私はオンラインで参加をいたしました。

 当日は、ハイティーン会議で活躍する中・高生らが、関わったきっかけや取組の内容、大人への意見を発言しました。私は、子どもの意見を聞くのはとても難しいことだなと感じました。公の場で意見を言うのは大人でも大変ですし、度胸のいることです。不登校児童・生徒が学習できる場をつくりたい、区民の交流サイトを創設したいなど積極的な意見があり、本気の意見だなと感心しました。

 しかし、彼らに家庭や学校の大人は本気で耳を貸してきたのか、同じように考えても言えずにいる子どもがもっといるのではないかなどと、どれだけ、どのような形で意見を聞いていく場をつくっていくことができるのかが課題であると感じました。

 一方で、こうした子どもたちからの意見を聞いた後で、大人がどう実現をさせていくのか、解決の方法も示していく必要があります。子どもに、ただ聞いただけだと大人が示すだけならば、もう二度と言うことはなくなります。子どもの意見表明と参加について、大人もしっかりと受け止めなければなりません。

 そこで伺います。子どもの意見表明と参加の今後の展開についてどのように考えていますか。

 9月に子ども相談室が開設され、学校を通じて案内をしたそうです。相談件数は9件でした。

 せたがやホッと子どもサポートは、開設して9年が経過しますが、開設当時は学校からも認知されておらず苦労したそうです。2021年度は新規相談300件、継続相談66件、延べ相談回数が1,150回だそうです。区民や児童・生徒に周知を重ね、現在では子どもの間でも定着しているそうです。

 初回相談方法は電話が最も多く、次にメールだそうです。昨年度からは、はがき相談も開始し、37%がはがきによる相談となりました。より相談しやすい工夫が必要だと思います。保護者にも認知度を高めていくことが必要で、定期的なニュースの発行なども相談への呼び水となります。区においても子どもの気持ちが分かる、楽しい広報・啓発活動にも力を入れてほしいです。

 そこで伺います。今後の相談方法の工夫や広報・啓発活動の強化について、どのように考えていますか。

 次に、教育費の負担について取り上げます。

 日本政策金融公庫によると、入学費用は、高校年間36万円、大学89万円。在学費用は、高校69万円、大学157万円もの費用がかかっており、家庭の大きな負担となっています。2020年度から高等教育の修学支援制度ができ、住民税非課税世帯など低所得世帯のみ給付型奨学金と学費の免除が行われています。しかし、貸与型に比べてまだまだ少ないのが現状です。大部分の生徒、学生は、貸与型奨学金を利用しています。

 足立区では、奨学金の貸付けを受けている、または受ける予定のある方に対して、学校を正規の修業年数で卒業後、10年以内に区に住民税を2年度分以上納付した後、奨学金の借入総額の半額、上限が100万円ですが、これを助成する事業を実施します。

 2019年に労働者福祉中央協議会が実施した調査によると、平均借入総額は324万円で、借入総額500万円以上という利用者も12.4%と、1割以上を占めています。返済が苦しいと感じている人が、正規雇用で4割、非正規雇用で6割弱です。経済面で不安を覚える人が増えている昨今、月々の返還金が生活を大きく圧迫していると感じる人は半数に達しています。学校卒業後、多額の借金を背負って社会人となる日本は異常です。国の給付型奨学金の枠を広げることが基本ですが、自治体からのこうした支援策は当面大変喜ばれることだと考えます。

 伺います。高校、大学の奨学金返済支援制度をつくるべきではないでしょうか。

 大学や専修学校の学費が高すぎるのが、学生やその保護者の実感です。学費が国立大学では年間54万円、私立大学では平均年93万円にものぼり、多くの学校で学生がアルバイトや奨学金頼みで、保護者の負担も限界です。入学金は他の先進国にはない独特の制度です。私立大学で平均26万円、国立大学で28万円と高額です。

 伺います。受験校選択や進学の足かせとなる入学金はなくすよう、国に求めるべきではないでしょうか。

 次に、学校給食費とその質の向上についてです。

 第3回定例会において、学校給食の無償化を求める意見書を中野区議会として全会一致で可決し、国会及び国へ送付しました。義務教育は無償とするとの憲法などにより、授業料を徴収しないこととされ、当初は自己負担が求められていた教科書についても、教科書無償措置法等により無償化されました。食育という教育を行うのに必要不可欠である学校給食費についても、義務教育段階においては教科書と同様に無償化することが必要です。原油価格や物価の高騰による給食の値上がりを踏まえて、給食物資代金の一部を区が支払い、保護者負担の軽減を図られました。こうした緊急の対応として評価をいたします。

 伺います。引き続き、緊急対策として保護者負担の軽減を行うよう、対応に努めるべきではないでしょうか。

 全国の調査結果によると、1,740自治体のうち、何らかの形で無償化や一部補助を実施しているのは506自治体です。そのうち小・中学校ともに無償化しているのは76自治体であり、青森県や葛飾区など、新たに実施を決めた自治体も出てきています。

 今年の第1回定例会では、世田谷区が就学援助世帯の対象基準を学校給食費の費目のみ生活保護基準の2.06倍に拡大させ、児童・生徒の3割に広げた事例を紹介しました。

 都内では、北区や足立区で第2子を半額、第3子以降を無償としたり、江戸川区と品川区では第3子以降を無償化したり、多子世帯への支援が始まっています。子どもの育つ環境を改善し、貧困や格差を少なくするために、学校給食の無償化を行っていく必要があると考えます。まずは多子世帯への支援から始めるべきではないでしょうか。

 伺います。学校給食費の無償化を見通しながら、まずは多子世帯からの一部助成を始めることを検討すべきではないでしょうか。

 この夏に、玄米和食の給食と子どもたちによる本物のみそづくりを行う福岡市高取保育園を舞台にしたドキュメンタリー映画「いただきます みそをつくるこどもたち」を拝見しました。

 肥料を使わない豊かな土壌は食物にミネラルなどの栄養を与え、手作りの発酵食は健康の要である腸内環境を整える。こうした先進事例に背中を押され、有機や自然栽培の食材を取り入れたオーガニック給食の導入が注目されています。

 伺います。オーガニック給食のメリットについて、どのように認識していますか。

 武蔵野市は、低農薬、無農薬、有機栽培の米と野菜などの有機給食を実施しています。こうした安全給食の実施のきっかけは、2003年頃に給食の民間委託が導入されようとしたときに、このままでは安全給食の維持ができないと危機を感じた関係者が、日本一の給食にしようと奮闘されたそうです。

 中野区の学校給食献立作成方針によると、生鮮食品は原則国産、それ以外は可能な限り国産を選ぶことになっています。学校給食に無農薬、有機の食材料を使用することで、次代を担う子どもたちに、より安全・安心な食事を与えることになります。

 そこで伺います。有機給食を実施している自治体の事例を参考に、食材の調達先の確保や財政収支、残留農薬検査の実施など研究、検討をすべきではないでしょうか。

 安心・安全な子育て環境の整備や保護者などの教育費負担軽減を求め、この項を終えます。

 加えて、中野区自殺対策計画の改定について取り上げます。

 11月、自殺総合対策大綱の見直しが閣議決定しました。中野区では、地域自殺対策計画の改定に向けて、自殺対策審議会で審査を進めています。

 新大綱では、「自殺は、その多くが追い込まれた末の死である」とし、「過労、生活困窮、育児や介護疲れ、いじめや孤独・孤立などの様々な社会的要因がある」としています。自殺対策は生きることの阻害要因を減らし、生きることの促進要因を増やすことにあります。区の関連事業の実績調査でも、「死ぬ」という言葉の敷居が低くなっている印象があるとの状況も触れられています。

 新大綱下での目標は、2015年比で30%以上を減少させ、2015年10万人対で20.5人を、2028年14.4人に減少させます。

 区内では、2019年から2020年で自殺死亡率が倍増し、2020年から女性の自殺死亡者が急増しました。全国的にも同様の傾向があり、新大綱でも重点施策に「女性の自殺対策を更に推進する」と加えられました。同審議会の中でも、女性特有の問題があり、効果的なアプローチが求められているとしています。

 伺います。女性自殺の増加についてどのように認識していますか。また、効果的なアプローチについてどのような検討をしようと考えていますか。

 NPO自殺対策支援センターから提供されている「自殺実態プロファイル」から、2016年から2020年の5年間での中野区内における自殺者の危機経路によると、現役世代の有職者が上位3位を占め、独居が多く、有職者では配置転換により過労や人間関係の悩みを生み、鬱状態に至ることが多いことが分かっています。生産年齢の男性の自殺者割合が高く、女性では20代から30代の割合が高く、総じて被雇用、勤め人が多いです。区内での対策にとどまらず、区民が働く労働現場も想定した対策が求められます。

 現在の労働者は、雇用の不安定化や成果主義の持込みなどにより、抑圧され、恐らくそれぞれの労働現場では解決しにくい状況があります。前提としては、労働基準法などの法令は遵守されず、ないがしろになっており、その結果、自殺の増加が出現していると思われます。

 伺います。東京都などの相談窓口や区内の医療機関と連携を強化して、仕事や健康の悩みを相談できる体制を強めるべきではないでしょうか。

 新大綱では、自殺の危険性の高い人を早期に発見し、確実に精神科医療につなげるよう、体制の充実が加えられました。他自治体の取組から、鬱病のスクリーニングの実施が考えられます。

 伺います。鬱病のスクリーニングを実施し、ハイリスク者を見つけ、支援をすべきではないでしょうか。

 また、自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応を図ることができるゲートキーパーとなる人を多く生み出す必要があります。区は、2年前から講習を開催しています。

 伺います。区民や区職員、介護職に対して行っているゲートキーパー養成について、延べ参加人数やその効果など、どのように評価していますか。また、今後どのように展開、強化を行おうと考えていますか。

 自殺死亡者の中に占める児童・生徒、学生などの内訳では、全国や都に比べ、中野区では大学生、専修学校生が多くなっています。今まで、区としては、区立の小・中学校しか想定できず、私立のそれや、高校や大学への関わりを持ち切れてこなかったようです。自殺対策審議会の中でも、改めて私立小・中学校や高等学校、大学との連携強化を求める積極的な議論がなされています。

 伺います。私立小・中学校などの現状を把握することから始めるなど、連携を進めるべきではないでしょうか。

 新大綱では、自殺対策に資する居場所づくりとして、生きづらさを抱えた人や自己肯定感の低い若者など、孤立のリスクを抱える人が孤立する前に、地域とつながり、支援につながるよう、オンラインの取組を含めて、居場所づくりの推進も掲げられています。これからは、地域においてゲートキーパー的なマインドの醸成も求められています。

 伺います。生きづらさを抱えた人などがつながる居場所を設置することを検討していくべきではないでしょうか。

 中野区では、15団体が参加する中野区自殺対策審議会が進行管理を行っています。自殺対策を地域づくりとして展開するには、地域の様々な関係機関や団体との実務的な協働が不可欠です。

 伺います。自殺対策に関わる関係機関や団体などのニーズを把握するとともに、実務的な協働体制を構築、強化すべく、その構成員に鉄道会社や労働基準監督署、労働組合関係者を加えるべきではないでしょうか。

 都道府県、市町村地域自殺対策計画策定の手引によると、行政のトップが関わる形で自殺予防対策を推進するために、いのち支える自殺対策推進本部(仮称)を設置することを示しています。中野区でも、自殺対策計画推進会議が設置されています。

 伺います。行政のトップが責任者として関わる形で地域自殺対策の推進に向けた体制を整備し、自殺対策の推進に向けた庁内横断的体制を整備すべきではないでしょうか。

 各自治体では、ハード面の対策として、駅のホームに心を落ち着かせるための青色LED照明の導入や、駅構内に大型モニターを設置し癒やしの映像を流すなど心の安定を図ること、自分の姿が映る鏡を備えるなど、自殺を思いとどまらせる対策が進められています。JR東日本や西武鉄道に対し、区内の駅にこうした対策を行うよう、区として費用補助を行うことを含め、実施を求めることを強く要望して、この項を終えます。

 さらに加えて、介護・高齢者の施策についてです。

 自宅で最期を迎えたい思いがあっても、疾患や障害によって、施設での療養や暮らしをせざるを得ない方がおられます。地域アンケートでは、住み慣れた地域に介護老人福祉施設、いわゆる特別養護老人ホームを建設してほしいという希望が寄せられます。同施設への待機者数は、4月現在、505人もおられます。

 第8期介護保険事業計画を見ると、介護老人福祉施設を1か所整備するとしているものの、令和7年度までの高齢者人口の増加や一人暮らし高齢者の増加の見込みを踏まえて、介護老人福祉施設の誘導整備を目指すとしています。区有施設整備計画では、将来の供給量、提供方法などを精査し、適正な施設の規模、標準単価等の基準を設定して、施設整備を進めるとあります。老年人口は、2040年には、現在よりも34%も増加します。こうした計画は、区民の期待に沿っておらず、整備計画の実行を先送りしているだけにも思えます。

 伺います。介護老人福祉施設の需要と供給をどのように見ており、待機者数を減らす見通しをどのように立てているのですか。区が保有する土地を活用し、介護老人福祉施設の整備を一層進めるべきではないでしょうか。

 厚生労働省は、10月31日、介護保険制度改定に向けて議論している社会保障審議会の部会で、見直しの論点を正式に提示しました。論点は、利用料2割、3割負担の対象拡大や要介護1、2の訪問介護などの保険給付外し、ケアプラン有料化など7項目で、利用者、家族や事業者団体の強い反対の声を押し切った内容に対し、審議会委員からは、利用控えが生じる、重度化を招くなどの反対意見が続出しました。論点には、財務省や財界が繰り返し求めている負担増、給付減の項目がずらりと並びました。こうした社会保障審議会の部会での見直しの論点どおりの制度改悪が実施されれば、利用控えが生じ、重度化を招くことになりかねません。

 そこで伺います。国に対し、社会保障審議会の見直しの論点に基づく制度改革の実施を中止するよう、区は求めるべきではないでしょうか。

 全ての高齢者に安心・安全な住まいを確保することを願って、この項の質問を終えます。

 最後に、生活保護制度の拡充についてです。

 生活保護の生活扶助基準は、5年に一度見直されることになっていますが、前々回の2013年は平均6.5%、最大10%という過去最大の引下げが行われ、前回の2018年も平均1.8%、最大5%の減額が行われました。

 この引下げをめぐって、裁判が行われてきました。東京地裁では、最低生活費を実態と乖離して引き下げたことを断罪し、違法の判決を言い渡しましたが、他の3地裁でも同様の判決が下されました。物価高騰が急速に進む今こそ、生活扶助基準を直ちに戻し、増額をすべきです。

 今回、厚生労働省の社会保障審議会生活保護基準部会では、現行で6区分に設定されている級地を3区分に減らす案が検討されています。これにより生活保護世帯の多い都市部の基準が結果的に引き下げられるのではないかという懸念が、審議会委員からも表明されています。基準の見直しは、生活保護世帯のみならず、他の低所得者支援制度にも影響を及ぼします。

 また、近年、夏は猛暑が続いています。電気代の大幅な値上げが続いています。エアコンなど適正に活用されなくてはなりません。生活扶助費が削減されてきた中で、生活保護世帯に対する補助が必要です。

 伺います。生活保護基準引上げを国に求めるべきではないでしょうか。また、電気代相当の夏季加算を国に求めるべきではないでしょうか。区の認識を伺います。

 生活保護バッシングが続き、生活保護利用が悪いことのようなマイナスのイメージがつくられてきたため、相談すらためらう人が増えています。

 伺います。生活保護は権利であることを、あらゆる媒体を通じて周知すべきではないでしょうか。

 区役所の年末年始のお休みの期間中、12月29日から来年1月3日までに、住まいを失った方の対応について心配をしています。近年、23区内でも半数ほどの区が、臨時に開庁や相談ダイヤルを設けるなどを行ってきました。昨年、区は、申請用紙の提供や受け取り、TOKYOチャレンジネットへの案内を予定していました。まだまだコロナ禍が長引いている状況の中、住まいを失った方の対応について、しっかりと受け止めていただきたいです。

 また、提供する食品についても、乾パンだけではなく、食べやすい食品を求めてきましたが、担当課長からは、他区では別のものを配布している話も伺ったので、他自治体の情報を収集しながら研究してまいりたいと言われました。

 この年末年始の期間に、区としてきちんとした体制を整えるべきではないでしょうか。また、今度の年末年始では、どのような食品とされるのでしょうか。

 年末の寒さでお亡くなりになる人がいないことを願って、私からの全ての質問を終えます。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 小杉議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初に、インボイス制度導入時の区内事業者への影響についてでございます。

 中野区は、区内事業者の9割超が中小事業者であり、その中には、これまで消費税の免税事業者だった事業主も一定程度いると想定されることから、区内事業者への影響は大きいと考えております。

 続きまして、競争入札におけるインボイスに関する入札参加資格についてでございます。

 地方公共団体の長は、地方自治法施行令で、一般競争入札の参加資格を定めることが可能でございまして、中野区においても、当該入札を適正かつ合理的に行うため、必要に応じて参加資格を定めております。

 他自治体の例では、入札参加資格の申請時に、インボイス発行事業者であることの確認を求める記載を追加するなど、課税事業者への誘導とも取られかねない事例があったと聞きます。

 令和4年10月7日付で、総務省が、各都道府県契約担当部長等に宛てて発信した通知では、インボイス発行事業者でない者を競争入札に参加させないよう定めることは適当でないとされておりまして、中野区においても、免税事業者の排除につながるような入札参加資格を付すことのないようにすべきだと考えております。

 次に、インボイス制度に関する区のホームページでの表現についてでございます。

 インボイス制度が始まることを広く周知するために、ホームページによる広報を行っておりますが、区として適格請求書発行事業者へと誘導する意図はなく、国の制度であることから国税庁の特設ページを案内する内容となっております。

 次に、インボイス制度の導入に伴うシルバー人材センターへの支援についてでございます。

 国や都の通知に基づいて、国からの補助金の増額ではなく、委託事業の適正な価格で締結できるよう、委託料の増額で調整する予定でございます。

 次に、インボイス制度の導入によって影響を受ける免税事業者全般への支援についてでございます。

 各事業者がインボイス制度を正しく理解し、対応していくことが重要と考えておりまして、来年度には、指定管理者が、産業振興センターで対応のためのセミナーの開催を予定しております。

 区独自で相談窓口を設けることは考えておりませんが、国が専門の相談窓口やコールセンターを設けておりますので、適切な案内に努めてまいります。

 インボイス制度の中止を国に求めることについてでございます。

 インボイス制度は法に基づく制度でございまして、区として中止を求めることは考えておりません。

 次に、新型コロナウイルス感染症への対策について。

 初めに、広報についてでございます。

 新型コロナウイルス感染症における検査から治療までの流れを区民に分かりやすく伝えるために、区のホームページにおいてチャート図を掲載しているところであります。区報への掲載につきましては、紙面に限りがあり難しいと考えておりますが、より分かりやすく情報が伝達できるように工夫してまいります。

 今後の感染拡大防止のための取組についてでございます。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するためには、これまでと同様に、密接、密集、密閉を回避する基本的な感染対策の徹底を図ることが有効であると考えております。

 また、本年9月26日から開始した発生届の全数届出の見直しによって、発生届の対象とならない陽性者に対して、医療のサポートが必要になったときなどに備えて、東京都陽性者登録センターへの登録を促すことも重要であると考えているため、こちらには力を入れていきたいと考えております。

 次に、社会福祉協議会の貸付償還免除についてでございます。

 令和5年1月から社会福祉協議会の特例貸付の償還が始まるに当たりまして、国から、新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金の受給終了者等に対するフォローアップについて、協力依頼がありました。区は、新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金の支給を決定した方に対して、社会福祉協議会の特例貸付には返済免除の仕組みがあること、また、収入が家計に不安を抱えている方の相談窓口として自立相談支援機関があることを案内するチラシを、12月上旬に送付する予定でございます。

 次に、子ども・子育ての施策について。

 初めに、子どもの意見表明と参加の促進についてでございます。

 子どもの意見表明と参加の促進については、その機会や仕組みを確保し、子どもの意見を尊重する必要があると考えております。加えて、子どもの意見をどのように受け止め、どう反映させたかを、子どもに分かりやすい形でフィードバックすることが重要であると認識をしております。

 今後、子どもの権利委員会での議論を踏まえ、子どもの意見表明と参加の促進に関して、その内容や仕組みを検討してまいります。

 次に、相談方法の工夫や広報啓発の強化についてでございます。

 広報啓発活動については、子どもの権利救済委員が、児童館などの育ち学ぶ施設、イベントなどへ出向き、子どもの悩みなどに答えることのほか、相談以外でも子ども相談室に来所したいと思ってもらえるよう、様々な仕掛けを凝らした広報啓発活動を検討しているところであります。

 相談方法の工夫につきましては、子どもの意見や他自治体の事例も参考にしながら、効果的な相談方法を検討してまいります。

 次に、奨学金の返済支援制度についてでございます。

 高校、大学卒業後の奨学金返済が家計を圧迫する要因の一つと言われていることは、認識をしております。奨学金の返済に関する支援について、国や都、他自治体の動向、地域の実情などを勘案しながら研究してまいります。

 最後に、入学金廃止に関する国への要望についてでございます。

 大学や専修学校などの入学金徴収の有無は、学校の運営主体の経営判断によるところが大きいと認識をしているところでございまして、現時点で国に求める考えはありません。

〔教育長入野貴美子登壇〕

○教育長(入野貴美子) 私からは、子ども・子育ての施策についてのうち、学校給食とその質の向上についての御質問にお答えいたします。

 初めに、給食費保護者負担増の軽減についてでございます。

 来年度につきましても、物価の動向など様々な状況を踏まえ給食費を見込むとともに、保護者負担増の経験も視野に検討してまいります。

 次に、給食費無償化に向けての取組等についてでございます。

 区立小・中学校に在籍しているお子様の人数に関わらず、経済的理由により就学困難と認められる保護者に対しましては、就学援助等必要な支援を行ってきております。給食費の無償化につきましては、区が負担すべき総額のほか、様々な影響を精査しながら、今後も研究を進めてまいります。

 次に、オーガニック給食についてでございます。

 有機農産物は、化学的に合成された肥料や農薬を使用していないことから、安全性が高いとされております。また、区域内に多くの農地を有している自治体等などでは、オーガニック給食を取り入れる事例があることは承知しております。

 有機農産物の取組拡大が自然環境機能を増進し、環境負荷を低減させ、生物多様性の保全や地球温暖化防止に貢献するものとして、国も推奨しております。

 最後に、食材調達先の確保と残留農薬検査の実施についてでございます。

 中野区では、農林水産省が定める第4次食育推進基本計画を踏まえ、各学校において給食食材には地場産物や国産食材を調達しておりまして、有機食材を使用する学校もございます。また、学校は、食材納入業者から、細菌等微生物検査、残留農薬等理化学検査による安全性を確認した後、調達をしております。加えて、年に一度、教育委員会が、一部の給食食材について検査機関に委託し、細菌等微生物検査、残留農薬等理化学検査を実施しております。

〔健康福祉部長岩浅英樹登壇〕

○健康福祉部長(岩浅英樹) 私からは、自殺対策計画の改定に関する御質問にお答えいたします。

 初めに、女性の自殺増加についての認識とその効果的なアプローチについてでございます。

 中野区の女性自殺は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響などにより、20歳から50歳代に多く見られております。若年層に対しましては、大学や専門学校において、メンタルヘルスケアや専門家等に助言や支援を求める能力の向上を目指した出張講座、中高年層に対しましては、勤労者支援や子育て支援を強化するなど、メンタルケアを含む女性支援につなげていきたいと考えております。

 次に、仕事や健康の悩みの相談に関する東京都や区内医療機関との連携についてでございます。

 中野区では、すこやか福祉センターにおきましてメンタルヘルスに関する相談を受け付けており、適宜、区内外の医療機関と連携をし、対応しているところでございます。都との連携におきましても、都からすこやか福祉センターを案内され相談につながるケースもございますし、また、すこやか福祉センターから都の相談機関や事業を案内することもございます。今後も、区、都の連携ができるよう取り組んでまいります。

 次に、自殺ハイリスク者を見つける鬱病のスクリーニングの実施についてでございます。

 鬱病ハイリスク時期にある産後の女性を対象に、鬱病のスクリーニングを実施しております。リスクが高いと判断したケースにつきましては、速やかに個別支援につなげております。

 ゲートキーパーの養成に関する評価と今後の展開についてでございます。

 ゲートキーパー養成研修は、介護事業者及び地域関係者を対象として実施しており、令和2年度から令和3年度までの2年間で延べ115名に参加をしていただきました。また、研修内容はYouTubeにより動画配信もしており、再生回数が増加していることから、ゲートキーパー研修の認知度が高まってきていると考えているところでございます。

 今後も、ケートキーパーを社会に広く輩出していくために、できるだけ多くの方に受講していただけるよう工夫をしてまいります。

 次に、自殺対策における私立小・中学校等との連携についてでございます。

 区立小・中学校につきましては、学校長や教育委員会の担当者が、自殺対策審議会や自殺対策担当者会議の構成メンバーとして、計画策定に加わっております。一方、私立の小・中学校等につきましては、どのような取組をしているか把握できていないため、現状の調査を含めて、どのような連携が可能か、働きかけてまいりたいと考えております。

 次に、生きづらさを抱えた人への居場所の設置についてでございます。

 現在の中野区自殺対策計画の改定に当たりまして、生きづらさを抱えた方に対する様々な支援策を検討しており、居場所づくりも含めて、効果的な対応を図ってまいりたいと考えております。

 審議会の構成員に自殺対策に関わる関係機関や団体等の関係者を加えることについてでございます。

 自殺対策計画を実効性のあるものにするためには、自殺対策に関わる様々な団体や組織の協力を得ることが必要であると考えております。提案の関係者も含めまして、次期審議会の構成について検討してまいりたいと考えております。

 次に、行政のトップに関わる自殺対策推進に向けた庁内横断的な体制の整備についてでございます。

 区では、自殺対策計画の策定や自殺対策に係る施策の推進に関して、区長の附属機関として中野区自殺対策審議会を設置しております。また、自殺対策計画に掲げている取組を着実に推進するため、全庁を横断した各事業の担当部署で構成する自殺対策担当者会議を設置しております。

 計画改定に当たりましては、自殺対策計画の実効性をさらに高められるよう取り組んでまいりたいと考えております。

 続いて、生活保護制度の拡充についての御質問にお答えいたします。

 初めに、生活保護に関する国への要望についてでございます。

 生活保護の生活扶助基準につきましては、生活保護基準部会で水準の妥当性を検証し、それを踏まえて国が5年ごとに基準改定を行っていると認識しております。

 区は生活保護の実施機関であり、生活扶助基準の引上げを求める立場にはございませんが、5年前と比べて社会や経済の状況が大きく変化しているため、基準改定の動向については注視をしてまいります。

 また、夏季加算につきましては、今年6月、国に対しまして、保護の実施要領等の改正に関する意見書の中で、加算を新設するよう要望したところでございます。

 次に、生活保護に関する周知についてでございます。

 区では「生活保護の申請は国民の権利です。」というポスターを作成し、区のホームページで常時公開しているほか、今年度も3月頃の地域への掲示を予定しております。支援を必要とする方にためらわず相談いただけるよう、今後、区のSNS等の活用による周知も図ってまいりたいと考えております。

 最後に、住まいを失った方への年末年始の対応についてでございます。

 今年も、生活保護の申請書を用意いたしまして、生活保護の受給を希望される方の申請を受け付けできるようにする予定でございます。

 また、食べ物がなくてお困りの方に関する対応でございますけれども、他の自治体の状況も調査をいたしましたが、現在のところ、今年も乾パンを提供できるよう準備を進めているところでございます。

〔地域包括ケア推進担当部長藤井多希子登壇〕

○地域包括ケア推進担当部長(藤井多希子) 私からは、介護・高齢者の施策についての御質問にお答えいたします。

 まず、介護老人福祉施設の整備についてです。

 介護老人福祉施設のサービス利用につきましては、介護保険事業計画の中で推計しておりまして、地域包括ケア体制の中で在宅療養環境を一層充実させるとともに、地域密着型を含めた施設の整備を進めることで、待機者数を減らすことができると考えております。

 施設整備に当たりましては、未利用の区有地などの活用も視野に入れる必要があると考えております。

 最後に、介護保険制度改革の中止を求めることについての御質問にお答えします。

 国では、介護保険制度の持続可能性の確保の観点から、給付と負担の考え方等について議論を行っているところでございます。国に対しては、特別区長会などを通して、必要な意見や要望等を伝えてまいります。

○議長(内川和久) 以上で小杉一男議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

午後3時02分休憩

 

午後3時25分開議

○副議長(酒井たくや) 会議を再開いたします。

 この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 杉 山   司

 1 区内の産業振興や経済活性化、規制緩和等について

 2 文化芸術・多文化共生・都市観光・産業振興に係る方針の検討について

 3 ふるさと納税制度のさらなる活用について

 4 中野駅桃園広場周辺まちづくりについて

 5 その他

 

○副議長(酒井たくや) 次に、杉山司議員。

〔杉山司議員登壇〕

○16番(杉山司) 令和4年第4回定例会におきまして、立憲民主党・無所属議員団の立場から一般質問させていただきます。5のその他はございません。どうぞよろしくお願いします。

 1、区内の産業振興や経済活性化、規制緩和等について伺います。

 昨年、今年、さらには12月1日からも行うキャッシュレス決済PayPayによるキャッシュバックキャンペーン、商店街応援、消費者応援などの切り口で、我が会派からも強くプッシュして実現した事業で、非常に多くの人に喜んでいただきました。中野区内にあるPayPay利用可能店舗で使われましたので、店舗側で若干の決済手数料はかかるものの、飲食店や小売店は、非常に潤った、PayPayイベント様様なんていう声も聞かれるほどでした。

 しかしながら、それは中野区民が全て利用したものではなく、オフィスワーカーや来街者など、区民ではない方々も少なからず利用しています。仕組みとして、店舗の住所が決済の条件となっていて、誰が使ったのかなどはチェックされていないから、当たり前のことです。PayPay側はもちろん、区民とそれ以外の比率などは把握できていると思いますが、それを区に開示していただけない、または開示しても機密保持契約で口外できないような契約となっていると伺いました。区としても、マーケティングの観点からその情報は入手すべきで、今後に生かすべきです。ちなみに、近隣区の過去開催実績の情報などから総合的に判断しますと、少なくとも2割から3割程度は区外の方が利用していると考えられます。

 この御時世、コロナ禍、物価高、光熱費の高騰などがある中で、少しでも家計を助け、経済効果もあるこの取組ですが、本来の目的として、確実に区内で使えて、区民に還元される仕組みに置き換えていくべきです。それはまさに、区内で使えるデジタル商品券や中野区独自のデジタル地域通貨であると考えます。

 2017年12月に華々しく導入された岐阜県飛騨地方限定の「さるぼぼコイン」を筆頭に、2021年2月には世田谷区「せたがやペイ」、2022年11月には渋谷区の「ハチペイ」がスタートし、注目が集まっています。特徴は、地域や区でクローズドなこと、そして、デジタル通貨であること。まずは確実に区内で使えて、区民に還元される仕組みとして、今検討中のデジタル商品券の早期実現。そして、実証実験を含め、来年度にプレミアム付デジタル商品券の販売を経済支援策として実施し、区内での確実なデジタル通貨の流通システムを完成していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

 「ハチペイ」は、ポケペイのソフトウェア開発キットを使ってカスタマイズして、独自ペイを開発しているので、区としても複雑な開発をしなくとも実現できるはずと考えます。並行して、デジタル商品券も包括する形での独自の地域通貨の検討も進めていただきたいと考えますがいかがでしょうか。

 経済支援の一つに、産業交流展へのブース出展費用の優遇というものがあります。自分も過去には御支援をいただいたこともありますが、この取組は平成28年から毎年行っていて、初年度の参加社数は22社、その後は毎年20社前後という数字です。そこそこの企業参加があるものの、産業交流展そのものは、私も毎年のぞきに伺っていますが、来場者はどんどん減り、活気がないと感じております。出展した区内企業に話を聞きますと、産業交流展そのものに集客力はなく、業者は幅広い。交流できるのは近隣区のブースに出展しているほかの企業や団体のみ。商談の成約には至ったことはないとの声が聞かれました。

 先日、幕張メッセで開催された「Japan IT Week」に行ってきました。これから行政でも取り組むべきメタバースやNFT、ブロックチェーンなどの要素技術を学びに行ったわけですが、そこで品川区が大きいブースを構えていてびっくりしました。ブースに品川区内のベンチャー企業が数社出していて、どこもにぎわっていました。産業交流展とは活気が雲泥の差でした。産業振興の支援の手法として、例えば、東京ビッグサイトや幕張メッセで開催される「METAVERSE EXPO」「コンテンツ東京」「AI・人工知能EXPO」など、人気のエキシビションに中野区としてブースを構え、そこに出展希望のベンチャーやクリエイター、デザイナー、プログラマーなどを募れば、区内零細企業として大きな機会やチャンスをつかむ可能性が広がると思うのですが、いかがでしょうか。

 自分も毎年、「クリエイターEXPO」では、「中野区在住のデザイナー、クリエイターの方はいませんか」というプラカードを掲げて歩き、毎年3人くらいには声をかけていただいています。その方たちは、自力で参加されているわけですが、もっと敷居を低くして、たくさんの区のクリエイターさんたちに参加いただける環境を整備してあげるべきだと考えます。ぜひ御検討いただきたいと思います。

 かつて中野区の重点産業は、ICT・コンテンツをターゲットとして、ICTCOを立ち上げ、融資の優遇措置なども行うなど、様々な手を打ってきたと思います。その後、ICTCOは閉鎖、重点産業からも外れたICT・コンテンツ産業。このジャンルの産業に、区は10年以上注力してきましたが、一人会社を含め、区内800社と言われた企業はなかなか事業拡大できず、消えた法人も数多くあります。また、事業が自力で拡大でき、大きくなったら新宿区や渋谷区、港区などに拠点を移してしまったという事実もあります。

 区の仕事が受けられるかもしれない中野区小規模事業者登録制度に登録している中野区のICT・コンテンツ事業者、営業品目としては「101印刷(DTP)」「116ビデオ・スライド制作」、そして「121情報処理業務」あたりだと思いますが、登録している企業は5社程度。先ほどの800社には程遠い数字です。区内事業者が、この制度にほとんど登録してないことをどのように捉えておりますでしょうか。もっと登録者を増やすため、広報などにも注力すべきだと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 昨年、学校の教育現場にて、インフラ整備など、GIGAスクール関連でICT支援が数多く必要になった案件がありました。ある程度、ICT関連の知識が必要な個人事業主たちが活躍できそうで、将来的にも教材コンテンツの制作などにもつながる案件でしたが、区のICT・コンテンツ事業者が選定された、または区内ICT関連がジョインしたという話は聞いておりません。

 ちなみに、区内の建設業や指定管理者などは、地域の建設業者を育てるという目的で、区内事業者を含めたジョイントベンチャー方式を採用し、区内事業者は身の丈より少し大きめの事業を行うことで実力を伸ばし、守備範囲を広げ、地域への愛着が育まれてきたことと思います。

 中野区内のICT・コンテンツ関連の入札案件やプロポーザル案件は、大小に関わらず地元の企業が何かしら関われるよう、建設事業と同じようなJV方式が取れるようにしてはいかがでしょうか。すぐには難しいということであれば、まずはネットワーク関連、コンテンツ関連、ウェブ関連、映像制作関連、プログラム関連などに細分化された業務斡旋待機ルームのような登録認定制度をつくり、区内事業者としての誇りや愛着を育めるよう、ICT・コンテンツ産業を支援、推進する環境づくりが必要だと考えますが、区の見解を伺います。

 話は変わりまして、最近、オフィス内にカウンターバーをつけたり、人工芝にハンモックの設置、ゼログラビティのマッサージチェアを導入するなど、働く人が少しでも快適に、そして、いいアイデアが生まれるような、様々な取組がされております。メディアでも多く紹介されております。

 そんな中で、今回、区内のオフィスにリフレッシュ空間として浴室やサウナを導入したいという方から相談がありました。保健所に対して、オフィスに水着着用の男女兼用サウナの設置の検討を問い合わせたところ、中野区公衆浴場法施行条例の第4条第14項「おおむね7歳以上の男女を混浴させないこと。」と、18項「脱衣室及び浴室は、それぞれ男女を区別し、その境界には障壁を設ける等相互に、かつ、浴場外から見通せない構造とすること。」に抵触するので、認められないとのことでした。

 昭和39年に制定された東京都の公衆浴場に関する条例は、平成24年に東京23区に管理が移行され、条例はほぼ23区共通内容で運用されています。サウナを導入したいという方は、中野区以外の区の保健所にも問い合わせ、港区、墨田区、葛飾区、板橋区は、風紀を乱すおそれがない場合という条件付きで、水着着用の男女兼用サウナの導入を認める、その他の区は、導入を認めないとの結果だったと聞いております。内容が同じ条例なのに、なぜ区によって見解が違うのですか、伺います。

 世の中もサウナブームで、このような案件が増えてくることが予想されます。条例そのものは相当古いものです。中野区として、条例の解釈を変えていく、または条例そのものを変える時期に来ているのではありませんか。伺いまして、次の項目に移ります。

 2、文化芸術・多文化共生・都市観光・産業振興に係る方針の検討について伺います。

 都市観光振興に係る方針は確定版がこの定例会で報告されると聞いておりますが、現在、区として、文化芸術振興基本方針、多文化共生推進に係る基本方針、産業振興方針、文化・芸術と産業による地域ブランドの創出とまちの活性化に向けた考え方など、様々な切り口で方針の策定を進めていただいていると思い、大変感謝しております。そして、その内容に対する期待も計り知れないところでございますが、これらの方針検討を進める上で重要なのは、地域資源の把握です。

 リクエストにお応えいただく形で、既に区内の劇場や小劇場などのヒアリングを実施いただきました。演劇は中野区の大切な文化です。ちなみに、私なりに中野の文化を整理しますと、中野ブロードウェイの代名詞でもあるサブカルチャーは、漫画やアニメ、特撮なども含め、中野ではむしろメインカルチャーであり、それにぶつかるように演劇などのカウンターカルチャーがあり、写真文化などのハイカルチャーもあります。その辺りの検討も含め、まずは区の全方位の地域資源の棚卸しを行わなければならないと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 情報の収集は、かつて区長がつくったフェイスブックのコミュニティ「中野ファン」のような感じで、中野区が演劇、写真、つけ麺、特撮、お笑い、大道芸、能楽、妖怪、哲学、ストリートミュージシャン、和太鼓、ドール、聖地巡礼、壁アート、アール・ブリュットなど、中野として想定されるカルチャー系ジャンルを決め、まずは区職員が外の目を気にすることなくいつでも自由に書き込める、細分化したクローズドなコミュニティを作成し、運用してはいかがでしょうか。その集まった情報を文化・芸術、観光、多文化、産業などの方針検討に生かしていけると思うのですが、見解をお聞きします。

 さらに、収集した情報を方針検討に生かすのと並行して、まちの回遊などの活用に生かすことが大事です。シチュエーションごとに情報をひもづけることにより、それぞれの回遊ルートが誕生します。初めて昼に降り立った歴史好きの高齢の御夫婦には、中野駅から陸軍中野学校碑から新井薬師、そして沼袋古戦場、歴史民俗資料館のルートを、文学青年には、ブロードウェイのタコシェから上高田の三井文庫、そして最後は上高田のたきびの歌の場所など、想定来街者ごとに回遊ルートがレコメンドできるような仕掛けがあると、いろんな人たちにそれぞれに合った中野のまちを楽しんでもらえると思います。シティプロモーションの一環として、100種類ぐらいのシチュエーション別回遊ルートを検討し、何らかの形で発信してみてはいかがでしょうか。伺います。

 先日、区民委員会の視察で、福岡県久留米市に行きました。文化や芸術関連にとても力を入れていて、庁舎や会議室など至るところに絵画などが飾ってありました。もともと古くから画家やミュージシャンなどが多く、著名人を輩出していることも関係していると思いますが、音楽登竜門的なイベントなどを、市が率先して企画の主体を担って、主催者としてイベントを動かしています。子ども支援関連や防災などは、中野区主催のイベントは多くあると思いますが、文化や芸術関連では少ないと感じております。

 中野は「はじまりのまち」。共催や後援ではなく、子どもたちが小さいうちから文化・芸術に触れられるイベントを含め、文化・芸術系の様々な登竜門イベントを中野区主催で企画、検討し、実施していく頻度を増やしていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。伺いまして、次の質問に移ります。

 3、ふるさと納税制度のさらなる活用について、ふるさと納税でのさらなる納税額獲得のための施策について伺います。

 中野区は、令和3年度、寄附金税額の控除額は今や約21億円、つまり税収が大幅な減収となっているわけですが、地方交付税交付金の不交付団体のため国の補填はなく、本気で手を打っていかなければなりません。中野区のホームページにも、今年の10月3日、「その「ふるさと納税」、もう少し考えてみませんか?」という特設ページを掲示しました。川崎市は2020年、63億円が流出して市長が記者会見で訴えておりましたし、世田谷区や杉並区もポスターで区民に訴えていましたが、中野区として、ホームページ以外で、流出を抑えるプロモーションは何らかの形で行っていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。区の見解を伺います。

 我がまち中野に愛着を持っていただき、普通に納税いただきたいのですが、全国の各自治体は、御当地の魅力的な返礼品などで注目を集めていますので、なかなか避けることは難しいと考えます。流出を防ぐのが難しいとなれば、我がまち以外から寄附を受けることに注力していかなければならないわけですが、川崎市のように高級ヘッドホンやポータブル電源など、魅力的な返礼品をラインナップとしてそろえるのも一つの戦略だと考えます。加えて、「はじまりのまち」中野らしく、区外の方々が応援したくなる未熟なアーティストやお笑い芸人の応援にまつわるもの、未完成の漫画や小説家の卵を支援できるようなものなど、中野らしく「人」を応援できるような独演会や演芸観覧券、体験や事象に寄附をしていただく形の返礼メニューを加えてみてはいかがでしょうか。

 今まで無償提供だった中野大好きナカノさんをNFT化して大いに稼いでいただくという案も考えてみましたが、せっかく今まで積み上げてきたファンを失いたくはないので、ナカノさんグッズのラインナップそのものを増やしていける手法を検討し、グッズ拡大を図ってみてはいかがでしょうか。

 現在、区のふるさと納税は「ふるさとチョイス」と「楽天」だと思いますが、「ぐるなび」や「さとふる×PayPay」によるふるさと納税も他の自治体で始まっております。中野区の宝物である飲食店利用が返礼品として可能となった今、この新たなサービスを利用して、目標値を持って、ふるさと納税寄附受付の間口の拡大を図っていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。伺いまして、最後の項目に移ります。

 4、中野駅桃園広場周辺まちづくりについて伺います。

 中野三丁目の土地区画整理事業、工事完了は令和7年度中で、事業終了は令和9年度となっています。区画整理事業の工事が終わると、一番大きなブロックとなる西側の土地には、何年後かなどは分かりませんが、拠点施設が建設されます。その拠点施設への区としてのリクエストはどうなっておりますでしょうか。

 URとの「中野三丁目地区の整備に関する事業実施協定」の桃丘小学校跡地活用事業の概要等項目第6条の三の(2)に記載されている「利便性の向上及びにぎわい創出のための拠点施設整備」という文言がありますが、平成30年の第3回定例会、そして、令和2年の第4回定例会でも質問いたしましたとおり、UR側が土地を売却する前に、この条文を生かし、地域の意見をしっかりと取り入れるための働きかけを、そろそろ中野区側がURに行わなければならないという時期に来ていると思います。既に500台の地下自転車駐輪場のリクエストを出しているとは思いますが、地域の人が回遊できる歩行者空間の確保のため、柵のついていない空地の確約や、前回の定例会でも提案した中野三郵便局などの復活なども視野に入れ、現在どのような申入れをしているのか、入っている最新情報なども含めて、具体的に教えていただきたいと思います。

 最後に、中野駅周辺の再開発で、JR中野駅の中野通りガード下については何度も伺っており、現在、東京都に対しても検討の申入れを行っているとの回答を頂いております。

 しかしながら、もう一つ、南口の中野通りから西側線路沿いの石積み部分について伺います。

 再開発を横目に、見た目にかなり傷んでいる、コケや草などが生えている、暗いなどが現状で、実際に改修などの計画は何もありません。その部分は、中野通りの横断歩道の位置が変わる、西口改札と南北の連絡通路が道路の上空を通るなどで、人通りが少なくなり、影にもなります。洗浄装置などでコケを落とす、そして、石積み擁壁耐震補強工事などで景観も改善できるはずだと考えますが、いかがでしょうか。伺いまして、私の全ての質問を終わります。

 御清聴いただきまして、ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 杉山議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初に、プレミアム付デジタル商品券の実施とデジタル通貨の流通システムの構築についてでございます。

 今年度、中野商店街振興組合連合会では、区内共通商品券、愛称中野ハート商品券の電子化の検討を進めているところでありまして、区としてはその支援を行っております。来年度につきましては、国や都が行う活用可能な補助事業等の動向なども踏まえて、デジタル商品券の導入運用を支援する方向で考えておりまして、中野区商店街振興組合連合会との調整を行っております。

 デジタル地域通貨につきましては、自治体ポイントなどとの連携も考慮する必要があることから、デジタル商品券の次のステップとしたいと考えております。

 次に、区独自の地域通貨の検討についてでございます。

 デジタルの地域通貨は、ポイントの付与や交換が容易にでき、区民の地域活動や交流を促すツールとして有効であると捉えております。デジタル商品券の導入に当たっては、地域通貨機能との連携も見据えて検討を進めてまいります。

 次に、産業PRの方法の検討についてでございます。

 都が主催する産業交流展への補助については、参加事業者の販路拡大に一定の成果を示してきたと考えておりますが、新規で出店する事業者が減ってきている状況であったため、支援の形について再考してきたところであります。業種ごとに多くのフェアが開催されておりまして、区としてブースを構えるには限りがあることから、今後は、特定のビジネスフェアへの出展を支援するのではなく、広くビジネスフェアに出店する事業者への支援を行うということで、販路拡大に支援を行ってまいります。

 次に、中野区小規模事業者登録制度についてでございます。

 当制度は、区が発注する小規模な工事、物品の買入れ、委託等に係る契約について、区内の小規模事業者を登録することによって、受注の機会を拡大し、地域経済の活性化を図ることを目的としたものであります。現在は約30事業者が登録しておりまして、そのうちICT・コンテンツ事業関連の内容を含むものは5事業者でございます。

 登録事業者が増えない原因として、制度の存在や登録することで随意契約の受注の可能性が高くなるというメリットについて十分知られていないことが考えられます。このため、区ホームページでの広報に限らず、様々な機会を通じて事業者へアプローチできるよう、広報手段の強化をしてまいりまいります。

 次に、ICT・コンテンツ関連の区内事業者育成環境の構築です。

 区は、入札参加資格のある区内中小建設業者については、大規模な工事請負契約の競争入札にJVとして参加できる制度、入札参加資格を取得していない区内小規模事業者については、小規模事業者登録制度を導入し、受注機会の拡大を図っております。

 中野区の公共発注において、ICT・コンテンツ関連に特化したJV方式の採用や登録認証制度など新たな仕組みを構築することは、その適格性を確認する手段が新たに必要になるなど、現時点では困難であると考えますが、まずは小規模事業者登録制度の事業者情報を活用し、分かりやすく提供するなど、新たな支援、応援の環境づくりについて検討を進めてまいります。

 次に、混浴サウナについてでございます。

 公衆浴場法で、営業者は、入浴者の衛生及び風紀に必要な措置を講じなければならないとしておりまして、基準については条例で定めることとしております。サウナは、法令において、その他公衆浴場に位置付けられておりまして、男女混浴のサウナについての取扱いは各区で定める条例に基づいて運用していることから、取扱いに違いが生じております。

 現在、区では、条例に基づいて、サウナ等その他浴場についてもおおむね7歳以上は混浴禁止としておりますが、今後の運用については他区の状況も参考にしながら検討してまいります。

 次に、文化芸術・多文化共生の項で、中野の文化資源の棚卸しでございます。

 今年度取り組んできました観光施策方針の検討において、ターゲットを明らかにした上で、中野の強みや資源を捉え、創出することが必要であるとの認識に至っております。来街者を対象とした調査の実施をはじめ、文化に関する中野の魅力を探りながら、中野区認定観光資源の見直しなどに取り組んでまいります。

 次に、情報収集のための区職員によるクローズドなコミュニティについてでございます。

 区の文化的資源となり得る情報は、文化・芸術に限らず、環境や産業など様々な分野に関連し、収集方法も多種多様であると考えております。御提案のような内容も含めて、効果的な情報収集の方法について今後も検討してまいります。

 次に、まちの回遊ルートの検討でございます。

 来街者の国や地域、嗜好などにより、魅力を感じる情報も様々であることから、それらを探りつつ、これまで作成した中野のまちを回遊するガイドの再編集も行っているところであります。さらに、今後、交通事業者とタイアップした区内巡りなどの企画も検討してまいります。

 最後に、文化・芸術の登竜門イベントについてでございます。

 区は、文化芸術振興基本方針(骨子)において、中野から始まる新しい文化・芸術が誕生する契機の創出とともに、子どもが文化・芸術に触れる、始める、発表する機会の充実を取組の方向性として示してきたところでございます。

 今後、方針を具体化する中で、久留米市で実施しているような登竜門イベントについても、多くの文化・芸術事業を実施している文化施設指定管理者等と連携し、検討を進めてまいります。

〔企画部長石井大輔登壇〕

○企画部長(石井大輔) 私からは、ふるさと納税制度のさらなる活用についての質問にお答えいたします。

 まず、ふるさと納税制度の問題点等の広報でございます。

 ふるさと納税制度による令和3年度の寄附金税額控除額は約21億円に及びまして、中野区の行財政運営に深刻な影響を及ぼしておりまして、ホームページにおいてもふるさと納税の再考を促しております。特別区長会を通じて抜本的な見直しを求め続けるとともに、制度の問題点について、機会あるごとに広報をしてまいりたいと考えております。

 次に、体験型サービスのふるさと納税返礼品についてでございます。

 シティプロモーションの一環として取り組んでおります未来プロジェクトに参画する企業などに対しまして、文化・芸術鑑賞や体験型サービス、企業のコンテンツ関連グッズなどを返礼品とすることを投げかけておりまして、現在、実現に向けた協議を進めているところでございます。

 次に、中野大好きナカノさんを活用したふるさと納税の返礼品についてでございます。

 中野大好きナカノさんのSNSフォロワーが着実に増えるなど認知度が高まりつつあることから、ふるさと納税返礼品となり得る中野大好きナカノさんのイメージ利用を一層促してまいりたいと考えております。

 最後に、ふるさと納税の間口拡大の御質問です。

 御案内にあったような認知度が高い「ぐるなび」や「さとふる×PayPay」を活用したふるさと納税の実施を検討してまいります。

〔中野駅周辺まちづくり担当部長松前友香子登壇〕

○中野駅周辺まちづくり担当部長(松前友香子) 中野駅桃園広場周辺まちづくりについてお答えいたします。

 まず、拠点施設整備に向けた区からの要望事項について。

 中野三丁目に整備する拠点施設には、自転車駐車場を設置するほか、時間消費・滞在型の商業機能の誘導、地域の防災機能強化への貢献、地域の緑化・景観向上への貢献など、区からUR都市機構に対して要望しております。

 また、建物を建てる際のまちづくりルールとして、壁面の位置の制限及び壁面後退区域における工作物の設置の制限を定めており、安全で快適な歩行者空間が道路と一体的に確保されることとなります。

 次に、中野通り西側線路沿いの石積みについて。

 中野通り西側線路沿いの石積みは、JR東日本の所有物であるため、石積みに関する改善はJR東日本が判断し、行うものでございます。石積み部分の改善につきましては、JR東日本に意見があった旨を申し伝えます。

 また、南北通路の完成により影となる部分につきましては、適切な照度を確保してまいります。

○副議長(酒井たくや) 以上で杉山司議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 市 川 しんたろう

 1 中野駅周辺のまちづくりに関わる都市計画について

 2 子ども達へのリテラシー教育について

 3 今後の清掃業務のあり方について

 4 その他

 

○副議長(酒井たくや) 次に、市川しんたろう議員。

[1]市川しんたろう議員登壇

○10番(市川しんたろう) 令和4年第4回定例会におきまして、自由民主党議員団の立場から一般質問を行います。質問項目は通告どおりで、その他の項目はございません。

 初めに、中野駅周辺のまちづくりに関わる都市計画についてお伺いいたします。

 中野駅周辺の各地区では、中野三丁目地区、中野二丁目地区、囲町東及び西地区、新区役所庁舎の建設、そして、今後予定される新北口駅前エリアの再整備事業、様々な再開発事業や公共事業が同時並行的に行われていることは周知のとおりです。そして、これら再開発事業に合わせ、地区計画等により道路や駅前広場の整備が計画され、橋上駅舎を通じて南北通路を含む歩行者デッキの整備など、様々な都市基盤の整備も併せて進められております。さらに、南口側では、既存の商店街を含んで、大久保通りまでに及ぶ街並み誘導型地区計画の検討も進んでおります。

 こうした状況を踏まえると、中野駅周辺地区では、これに続いていくのが中野五丁目エリア、中野二丁目地区では千光前通り沿道のエリア、中野三丁目の大久保通りまでのエリアであり、中野駅周辺のグランドデザインVer.3や都市計画マスタープラン等を根拠に、将来に向けてまちづくりをいかに進めていくべきか、検討すべき地区として候補が挙げられてきます。

 先般、中野区は、中野駅周辺整備、西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会や都市計画審議会において、中野駅新北口駅前エリアの再整備についての報告を行いました。その際に、中野駅新北口駅前エリアに関する都市計画の検討経緯や今後のまちづくりの事業の進め方などが報告をされました。

 こうした資料には、これまでの中野四丁目新北口駅前エリアのまちづくりが示されております。中野駅の橋上駅舎の南北通路から囲町方面、四季の都市(まち)方面など、各方面への歩行者デッキの整備や駅前広場の計画が示され、公共基盤の再編により、中野駅周辺の回遊性の向上や交通結節点機能としての利便性向上を図り、これにより就業者、生活者、来街者と駅をつなぐ結節点として、多様な歩行者が円滑に通行できる動線確保を図るとともに、周辺地域へのにぎわいの波及促進などを目指すこととしております。

 現時点で予定されている新北口駅前エリアの中野四丁目地区の施設計画では、野村不動産など事業者による拠点施設整備として、中野サンプラザのDNAを継承した260メートルを超える超高層ビルの建設が予定され、歩行者の回遊路はそのビルを通り抜け、北側のアリーナやホテル側へと続く、そのように計画をされています。そして、さらには、現在建設中の新区役所庁舎へと歩行者動線やデッキの通路が伝っていくことは、これまでの議会でも示されているとおりです。

 そこで、まず伺います。中野駅新北口から拠点施設整備による超高層再開発ビルを抜けて、中野四丁目西の再開発ビルを経由して、新庁舎をデッキで連絡していく事業計画は、現在どうなっているのでしょうか。また、この施設については、区が公共施設整備として実施するのか、あるいは再開発事業者に整備をしてもらうのか、このどちらを検討しているのか教えてください。

 私は、エリアの連続性、一体的なデザインを求め、現在の所管の人員不足の状況に鑑みれば、事業者に整備してもらうことが効率的であると考えます。中野区の検討状況について、先日、白井議員からも質問がございましたが、今後の区役所整備、費用負担の在り方、ひいては中野駅周辺のまちづくりに大きく影響する重要なことであるため、改めて私からもお伺いをさせていただきます。

 また、どちらの場合でも、補助事業を活用しての整備となると考えられますので、補助事業の精査、検討をしていくことが重要であると、ここでは併せて申し添えさせていただきます。

 新区役所庁舎は来年度中におおむね完成し、令和6年5月には区役所が移転いたしますが、このタイミングに合わせて、中野駅新北口から来庁者がデッキを通じて移動してくるのは難しいと考えるところで、今後、事業が計画どおりに推進されることを担当所管部に改めて私からも求めてまいります。

 次に、新北口駅前エリアの拠点施設整備と歩行者動線、回遊施設の整備に併せ、私がかねてより関心を持っている中野五丁目エリアのまちづくりとの連携について伺います。

 これまで、様々な当地区の説明会の中でも、中野四丁目から中野五丁目への荷さばき車両の運行の扱いや、中野四丁目から中野五丁目への人の流れや物流に向けた考え方が示されております。中野通りを挟んで地下で動線をつなぐとか、立体的な連絡橋としてつなぐのか、様々な考え方が聞こえてきております。また、中野五丁目でも商店街や地域住民と勉強会を開くなど、初動期のまちづくりを行っていると聞いております。

 しかし、地域に入ってみますと、中野四丁目から中野五丁目への具体的な都市整備やまちづくりの方向については、地域住民に示されているとは言い難いと私は考えております。

 中野四丁目から中野五丁目に向けて、地下もしくは地上を歩行者デッキでつなぐ計画を検討していると聞いており、ほかの議員が質問されたとおり、地区計画や都市計画駐車場の一部としての位置付けがされるとのことでありましたが、しかし、歩行者デッキがつながる五丁目側の都市計画上の位置付けも必要となります。どのような都市計画手法を想定しているのか、そこの都市計画手法のエリア設定は今後の五丁目エリア全体に波及する形であるべきで、先日の第3回定例会の総括質疑で申し上げましたが、つなげて終わりというような単体事業とならないことが重要であって、これまで中野区が中野駅周辺以外で進めてきたようなまちづくりの在り方ではあってはならないと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。

 また、その都市計画を考える際に、中野五丁目のサンモールのアーケード街や、その後背地の路地を中心とした飲食店街が広がっておりますが、そうしたまちの特性や課題を踏まえたまちづくり手法についても併せて検討しているのか、伺います。

 まちづくり手法については様々な検討がされるかと思いますが、手法ごとに地域住民や地権者の皆さんの関わり方が大きく変わり、手法ごとに協力していただく形も様々かと思います。そこで重要なのは、日頃より地域の皆さんと様々な検討をし、丁寧な説明の下、理解を得ていくことであると思います。

 そこで伺いますが、現在、中野五丁目のまちづくりについて、中野駅周辺まちづくり担当が地域に入って勉強会等を行っていると聞いております。実際にどのような勉強会を行い、具体的に何を検討しているのか、そして、今後、この勉強会が意見交換の場として、どのような議論を今後行っていくのか、お示しください。

 私は、これまで、本議会の一般質問や総括質疑等で、中野五丁目のまちづくりについて、中野五丁目地区の課題である防災性や回遊性を高め、かつ、この地区の魅力を最大限生かす手法として、中央区の月島地区や大阪市の法善寺横丁など連坦建築物設計制度や建築協定、地区計画等を生かしたまちづくりの手法に関して質問等を行い、提案をしてまいりましたが、こうしたこれまで申し上げてきた手法等の具体的な検討の動きがあるのか、教えてください。

 さらに、中野五丁目地区のまちづくりを考える上で、現在の計画にもあるように、中野四丁目地区からの都市整備の連携が非常に重要であり、今後どのように中野四丁目のまちづくりの波及効果を中野五丁目に広げていくか、さらに、そこから新井一丁目や中野駅周辺以外のエリアの活性化を含むまちづくりにも波及させていくべきだと考えますが、この点については、中野区はどうお考えでしょうか。お示しください。

 中野四丁目のまちづくりを進める場合、幅員僅か20メートルの中野通りを挟んで、中野四丁目から中野五丁目への人の回遊性や物流の在り方をどう考えていくのか、どのように都市整備を進めていくのか、また、それが地域、エリアが抱えている課題解決に寄与するのかを見極めていくことが非常に重要なまちづくりの肝であると考えるところでございます。

 そして、これをきっかけとして、後背地のサンモールや中野五丁目の飲食店街のまちづくりへとどのように波及させていくのか。これは、地域住民やエリアに関わる皆さんが、さらにこのエリアを愛してくださるか、そういったことが決まる大変重要な視点であると思います。

 まちづくりは、人と人を結ぶ心の事業であります。今後の中野駅周辺のまちづくりを進めていく上で、この点を十分認識してまちづくりを進めるとともに、議会に対してしっかり情報を提供するように強く求め、この項の質問を終わります。

 次に、子ども達へのリテラシー教育についてお伺いいたします。

 昨年、国が進めるGIGAスクール構想が各自治体で実施段階になり、現在、各学校で児童一人ひとりにタブレット端末が貸与され、学校で行われている授業においてもICT機材が活用され、自宅においても宿題に取り組み、個別最適な学びと協働的な学びを実践することで、子どもたちに新しい学習スタイルでの学びが増えること、さらにはICT機器の使い方を学ぶことが、今後さらに進む情報化社会の中で大変重要なことであります。

 しかしながら、そのICT教育における課題もあることは皆さんも御承知のとおりで、特に注意しなければならないのはリテラシーの部分であり、ICTリテラシーだけではなく、メディアリテラシーや様々なリテラシーに対する教育が、今後さらに必要不可欠になることは明白でございます。情報化社会の中で、様々なリテラシーの視点を養っておかなければ、多様化する犯罪やトラブルに巻き込まれることも想定されるところです。

 今後、ますますICTリテラシーをはじめとしたリテラシーに関する教育が重要であると考えますが、各ICT機器の使い方や注意事項を伝えるだけで、子どもたちのリテラシーに関する力が養われているのか疑問が残るところでございます。子どもたちの感覚として、学校で使う端末については、学校で習ったような取扱いをしてくれるかとは思いますが、子どもたちの家にあるPCやタブレット、個人のスマートフォン等についても同様の取扱いが行われているのか考えることも重要であると考えます。

 そこで、まず、現在、ICTリテラシーについて、教育委員会としてどのように考えていますでしょうか。また、家庭の中にあるICT機器に関する子どもたちの使用状況を把握し、どのような課題があるか認識をされているのか、お伺いをいたします。

 各御家庭で様々な教育方針があるとは思いますが、今後、保護者と学校が連携を図りながら、リテラシー教育に関して、これまで以上に相互に情報共有していくことが重要であると考えます。

 家庭におけるリテラシー教育の充実を図るため、保護者に対してPTAや保護者会を通じて、これまで以上にきめ細かい説明会やセミナーを行う必要があるのではないかと考えますが、現状の認識と検討状況をお示しください。

 また、教育現場にいる先生方への対策についても、検討を進めていく必要があると思います。新型コロナウイルスの影響もあって、GIGAスクールも当初の予定よりも前倒しで始まった中で、指導に当たる先生たちも現場で精一杯対応してくれようとしています。しかし、それぞれの先生が急激に進むICT化に伴うリテラシー教育へ対応できているかは、個人差が生まれているのではないかと考えるところで、児童・生徒ごとにリテラシーのレベル差、つまり格差を生んでしまうことにつながりかねないと考えられます。それだけではなく、その学校において、リテラシーについて知識を持つ先生に業務が偏る状況も生みかねません。

 国が作成した「教育の情報化に関する手引」に示されているガイドラインを積極的に活用するなどして先生方が指導を行うことで、学校格差が生まれづらく、先生たちの働き方改革にも寄与すると考えますので、今後さらなる検討を要望いたします。

 また、リテラシー教育は、学校現場だけの課題ではなく、一般の民間企業でも様々な取組が行われていると聞いております。彼ら民間企業は、情報リテラシーを間違えてしまえば、企業のブランド、価値に傷がついてしまい、まさに毎日が危険と隣り合わせにリテラシーのことについて検討していると思います。そういった民間の知見を生かすためにも、現場の教師の皆さんに向けたセミナー実施などの検討も必要かと思いますが、御見解をお伺いいたします。

 これまで話したように、子どもたちのICTリテラシー、情報リテラシーを向上させていくには、子どもたち、保護者の皆様、学校がトライアングルを形づくっていくことが、子どもたちが今後さらに進む情報化社会の中で生きていく力を身につけていくことにつながっていくと思いますので、ぜひ推進をお願いいたします。

 この項の最後にお伺いしますが、学校の授業で身につけたICT機器を操作するスキルやリテラシーの知見を活用し、今後さらにリテラシーの部分を鍛える観点で、子どもたちにICTを活用して成果物をつくってもらうことがあってもいいのかなと考えます。例えば、ウィキペディアで自分の学校のページを新しく作成することや、中野のいいところをみんなで考え、調べ、作業し、中野を紹介するホームページを作成する、こういったことはいかがでしょうか。また、これはリテラシーの話からは離れてしまいますが、こういったことを考え、実践することで、子どもたちが中野について考えるきっかけとなり、郷土愛、区長がよく言うシビックプライド、こういったものの醸成にもつながると考えます。

 そこで、これまでの授業だけではなく、こういったことも行ってみてはと考えますが、区の御見解をお示しください。

 いずれにしましても、中野区の子どもたちには、今後さらに進む情報化社会に備え、ICT機器の取り扱い方、そして、それに伴い何が正しいのか、何が間違っているのかしっかり読み解き、情報を取り扱い、正しく情報を発信する力、受け取る力が備わり、自主的に考え行動できる人材となってくれますよう心から願って、この項の質問を終わります。

 最後に、清掃業務の今後の在り方についてお伺いをいたします。

 私は、まちづくりや都市計画だけではなく、過去の経験から環境問題についても大きな関心を持っております。環境問題は、地球温暖化などグローバルな話もございますが、私は区議会議員という立場から、区民に身近な問題について区の考えをお聞きしたいと思います。

 清掃事業は、私たち区民にとって一番身近であり、また、衛生環境を維持し、区民が安心して住み続けられる中野のまちづくりを行う上で大変重要な事業であると、私は認識をしております。清掃業務に携わる中野区の職員の皆様をはじめ、民間の事業者の皆様には、大きな敬意を表したいと思います。

 その上で、区のお考えをお尋ねしていきたいと思います。

 先々月、新井天神北野神社で祭礼が行われまして、その際に、地域住民の皆さんから、線路沿いにある清掃事務所は老朽化していて、地震など災害があった場合のことを考えると怖い、また、周辺のマンションは高層化しているのに、あの場所だけ老朽化した清掃事務所のままでは非常にもったいないのではないかという話が出ました。そういった中で、区有施設整備計画を見ると、今後建て替え検討と記載をされておりました。

 そこで伺いますが、これまで構造改革と称して、あらゆる点で中野区の行財政改革を行っていると思いますが、清掃事務所の建て替えは、立地もよく、老朽化しているので、早急に建て替えてはいかがかと考えますが、いかがでしょうか。建て替え検討ということで、具体的にいつまでに考えてくださるのかも教えてください。

 一方で、清掃事務所で働かれている職員の皆さんは、20年もの間、新規採用がなく、平均年齢も50歳を超え、大変に高齢化をしております。移管当初から職員数も半分に減っており、今後、職員の皆さんをどのように活用して、どのような仕事をしていただくことを考えているのか、区の考えを伺います。

 私は、民間で可能な仕事は民間にお任せし、行政でしかできないことは行政で行う、これまでの中野区政はそのような方向であったことから、現業職員は退職不補充の方針であったと思います。他区でも、収集現場から調査や指導をする業務へ転換していると聞いておりますが、中野区はどのように考えているのか、伺います。

 その上で、中野区は清掃事業に関わる職員数を何人程度と考えているのでしょうか。20年前と比べて、ごみの分別やリサイクルは、区民の皆さんの理解を得て大変進んでおります。発生するごみの量がどのくらいで、どういう性質のものか、また、それに伴い必要となる作業量や作業員の数はどうなるのか。こうした背景や諸条件を踏まえた今後の清掃事業の在り方を、区はどのように予測をし、構想するのかが極めて重要であると考えます。

 そうした中、先日の総務委員会では、職員定数管理計画が報告をされています。その5ページ目の(7)の職種ごとの定数の考え方の中で、⑤技能系についての記載で、「清掃業務については、非常時における安定的な運営確保の必要性等から、一定規模の直営を維持するための人員を確保していく。」とございました。また、それと併せて、今年、突然、作業員を2名採用することとなっております。当然、この2名の採用も、長期的な人員計画に基づき決定されているものと考えます。

 そこで伺います。今後の清掃事業に従事する職員数は、どのような考えの下、どのように推移をしていくのか、現時点の計画を教えてください。

 清掃事業には、作業員の皆さんだけではなく、運転手の皆さんもいらっしゃると思いますが、環境部として、運転手の職員数は今後どのように推移させていく計画をお持ちなのでしょうか。運転手の採用がないとしたら、今後、清掃車の車庫である南中野事業所はどのように活用されていくのでしょうか。

 維持費だけで相当な額が必要であると思いますし、管理する職員が必要になると思います。例えば、冒頭申し上げた清掃事務所の建て替え時に南中野事業所を仮事務所として、活用した後に民間事業者に指定管理などの手法により管理を任せ、南中野事業所の機能を建て替え後の新しい清掃事務所にまとめていくことによって、維持費をはじめとするコストダウン、業務の効率化、ごみの一時保管場所の不足といった民間事業者が抱える課題解決など、様々な要素が見込めるのではないかと考えます。こういった民間活力の活用に対して、中野区の考えを伺います。

 こういった既存事業が抱える無駄を省き、合理化させることが、構造改革なのではないでしょうか。

 私は、清掃事務所や環境部だけにこのような考え方をお示ししているのではなく、区の構造改革そのものにこのような考え方ができないのかと申し上げているのです。

 構造改革とは、各部に何か見直して考え出してこい、そういった待ちの姿勢ではなく、現在行っている事業のこの辺りを見直して、このような効果が出せないのか、そういったことを提案していくのが真であると考えます。

 構造改革の姿勢を改めて見直していくことが重要であると考え、今後のさらなる構造改革を区長は考えているのか、また、考えていないのか。今後のよりよい中野区政を進めていく上での区長のお考えをお示しください。

 これまでも、多数の先輩・同僚議員が指摘してきたとおり、構造改革自体が真に検討されているのか疑問であり、特に区有施設整備計画などの資料を見てみると、やはり構造改革の柱は、施設の適正配置に加え、人員配置の効率化、そして適材適所であると、そういうふうに思います。このような観点も加えてさらに重視されること、こういったことを心から祈念申し上げて、私の質問を終了いたします。

 御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 市川議員の御質問にお答えいたします。

 まず初めに、中野駅周辺のまちづくりに関わる都市計画について。

 新庁舎への接続デッキについてでございます。

 中野四丁目新北口駅前エリアから新区役所2階への歩行者デッキにつきましては、新北口駅前エリア、中野四丁目西エリアにおける市街地再開発事業により整備することを検討しております。再開発事業が仮に進まない場合には、歩行者接続デッキの整備も進まないこととなります。

 区としては、地上でのアクセスとなった場合でも、中野駅新北口から新庁舎につながる動線が安全でスムーズな動線となるように検討を進めてまいります。

 次に、中野五丁目における都市計画等の検討についてでございます。

 中野五丁目商業エリアでは、現在、まちづくり基本方針の検討を進めておりまして、今後は新北口駅前エリアと中野五丁目をつなぐ歩行者デッキの整備も踏まえ、地区計画を検討していくことを考えております。

 想定エリアにつきましては、中野五丁目商業エリア内のまちの特色は様々であるため、エリア全体というよりは地区ごとに、地権者との意見交換やまちづくりの機運の高まりなどを踏まえて検討していきたいと考えております。

 次に、まちの課題や特色を踏まえたまちづくり手法についてでございます。

 中野五丁目商業エリア内のまちづくり検討では、各まちの課題や特色についても分析をし、それを踏まえたまちづくり手法についても検討しております。まちづくりには様々な手法があり、内容にはそれぞれ特色があります。各地区ごとにその手法が課題解決に効果的なのかを検証し、具体的なまちづくりを進める際に、地元に提案して検討を進めてまいります。

 次に、まちづくりの地域での勉強会についての御質問です。

 区は、まちづくり基本方針の検討に当たり、各商店会等に伺い、商店街のにぎわいや魅力の向上、防災性向上に向けた避難訓練の確保、荷さばき駐車の解消などについて意見交換を行っております。

 今後も、引き続き、地区計画やまちづくり手法の検討について意見交換を行ってまいります。

 次に、まちづくり手法等を含めた具体的な検討についてでございます。

 中野五丁目商業エリアにおきましては、まちづくり基本方針の検討に引き続き、今後、地区計画やまちづくり手法の具体的な検討を進めていくことを考えております。まちづくりの手法の活用に当たっては、あくまで地区の方々の意向が前提となります。具体的な手法につきましては、地域と意見交換等を行いながら検討を進めてまいります。

 次に、中野五丁目まちづくりの波及効果についてでございます。

 中野五丁目まちづくりの考え方としては、中野四丁目新北口駅前エリアの再整備とともに、中野五丁目への歩行者ネットワークや回遊性を確保することとしておりまして、中野四丁目地区と連携してまちづくりの検討を進めております。また、本エリアのまちづくり検討の中では、地元商店会から早稲田通り沿道について、中野五丁目側だけでなく新井一丁目側も一緒に検討を進めてほしいという意見も頂いておりまして、具体的検討の際には、沿道一体として検討を進めてまいります。

 最後に、今後の清掃業務のあり方についての中で、構造改革の今後についての御質問でございます。

 構造改革の取組として進めてきたサービス改善や業務効率化の視点は、今後の区政運営における政策マネジメントサイクル、いわゆるPDCAサイクルの中で継続すべきものであると考えております。改善の実効性を高める手法についても、今後検討してまいりたいと思います。

〔教育長入野貴美子登壇〕

○教育長(入野貴美子) 私からは、子どもたちへのICTリテラシー教育についての御質問にお答えをいたします。

 ICTリテラシーとICT機器の使用における課題についてでございます。

 ICT機器の活用能力や正しい情報を見極める力、セキュリティや情報モラルの知識などのICTリテラシーは、これからのSociety5.0の時代を生き抜く子どもたちにとって重要な力であると認識しております。

 家庭でのICT機器の使用状況につきましては、毎年、児童・生徒のスマートフォン等の所持状況及びインターネットの利用に関する調査を行い、把握しているところでございます。この調査結果から、スマートフォンなどの通信機器の小学生からの所持率が増加していること、SNSの使い方や長時間の動画の視聴などが課題となっており、家庭との連携が重要であると認識しております。

 次に、ICTリテラシーに関する保護者への啓発についての御質問です。

 インターネット上には様々な情報があふれており、変化が著しいため、ICTリテラシー教育については、家庭、地域の理解や共有が重要であると考えております。教育委員会では、タブレットを貸与した令和3年度にリーフレットを作成し、学校を通して保護者会等で説明してきております。また、区立小・中学生が様々なネットに関わるトラブルやICTリテラシー等について学ぶセーフティ教室を全校で実施しており、保護者の参観を行っている学校もございます。

 今後、小学校低学年の実態に合ったセーフティ教室や、保護者、地域の方が参加できるようなセーフティ教室に拡充していきたいと考えております。

 次に、民間の知見を生かした教員研修についてでございます。

 教員のICTリテラシーの向上を目指し、これまでも、ICT教育推進リーダーに向けた区の研修やICT支援員による各校のニーズに合わせた校内での研修等に取り組んでまいりましたが、今後も、引き続きICTリテラシーを向上させていくことが必要であると考えております。情報教育の専門家や学校が抱えている課題解決につながる講師を招聘した研修等の充実、実施について、検討してまいります。

 最後に、児童・生徒によるICTを活用した情報発信についての御質問です。

 授業等において、児童・生徒が地域や中野区について調べたことをプレゼンテーションソフトや共同学習ツール等を活用し、発表を行う実践例がございます。

 今後は、その学習内容等を子どもたち自身がより広く情報発信できるような場や方法のさらなる充実について、学校とともに検討してまいります。

〔環境部長朝井めぐみ登壇〕

○環境部長(朝井めぐみ) 私からは、今後の清掃業務のあり方についての御質問にお答えいたします。

 初めに、清掃事務所建て替えについてでございます。

 昨年度策定しました区有施設整備計画では、2026年度から2030年度の間に建て替えを検討するとしております。区としては、建て替え検討に早急に着手し、2026年度から2030年度の間のできるだけ早い時期に建て替えの検討を終了し、改築工事に取りかかりたいと考えております。

 次に、清掃職員の活用についてでございます。

 現在も収集職員で指導班を編成し、ごみの分別などの普及啓発活動に従事しております。高年齢の職員は、小型車での収集業務や指導業務に移行させるなど、年齢や適性に合った配置を工夫しており、今後もさらなる活用を考えてまいります。

 次に、今後の清掃事業職員数の考え方についてでございます。

 清掃事業につきましては、地震等、大規模災害や感染症拡大などの非常時においても、安定的な運営体制を確保すること等の観点から、一定規模の直営を維持していく予定でございます。職員定数管理計画では、職員の退職時期や年齢構成等を勘案し、一定の新規採用を行い、令和19年度をめどに、現在の常勤職員114人を80人程度としていく予定でございます。

 最後に、南中野事業所の在り方についてでございます。

 運転職員数につきましては、今後、若干名の縮小を考えており、清掃事務所の建て替え検討の中では、両所の機能の集約化や民間事業者の活動を含むごみ収集・資源化全般の課題解決に資する施設活用を検討してまいります。

[2]市川しんたろう議員登壇

○10番(市川しんたろう) 再質問させていただきます。

 清掃業務に携わる運転手の人数はどういうふうに推移をしていくのかとお伺いをしましたけども、若干名というような表現があったかと思うんですけども、これは何名と具体的に数を検討しているんであれば教えていただければと思います。

 また、そういった計画があるのであれば、区民委員会など議会にしっかり報告されてしかるべきだと思いますので、しっかり報告をしていただきたい。こちらは要望でございます。

 以上です。

〔環境部長朝井めぐみ登壇〕

○環境部長(朝井めぐみ) 市川議員の再質問にお答えいたします。

 運転職員数についてでございますけれども、災害時等の必要数を考えていくということで、現在まだ検討中でございます。

 検討結果につきましては、適切に議会にも御報告申し上げたいと考えております。

○副議長(酒井たくや) 以上で市川しんたろう議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 甲 田 ゆり子

 1 子育て支援について

  (1)妊娠・出産・子育ての伴走型支援について

  (2)不登校の子どもへの支援について

  (3)里親家庭の支援について

  (4)その他

 2 多様性の象徴としてのアール・ブリュットを活用したまちづくりについて

 3 上高田地域の防災まちづくりについて

 4 健康施策について

  (1)帯状疱疹ワクチンについて

  (2)高齢者の補聴器購入助成事業について

  (3)その他

 5 その他

  (1)高齢者のスマートフォン利用に対する支援について

  (2)犯罪被害者の相談支援について

  (3)その他

 

○副議長(酒井たくや) 次に、甲田ゆり子議員。

〔甲田ゆり子議員登壇〕

○14番(甲田ゆり子) 令和4年第4回定例会に当たりまして、公明党議員団の立場で一般質問を行わせていただきます。質問は通告のとおりです。

 初めに、1、子育て支援について。

 (1)妊娠・出産・子育ての伴走型支援について伺います。

 国は、こども基本法の制定やこども家庭庁の創設で、「こどもまんなか社会」を目指すとしています。28年前に子どもの権利条約を批准してから、ようやく子ども・若者が将来に希望を描ける環境整備等を本格的に開始したことをうれしく思います。

 少子化が急速に進む中、未来の宝である子どもたちを健やかに育てていくことが、あらゆる世代の幸せにつながります。孤立化している子育て家庭に対する切れ目のない支援を行うことは急務であり、最優先すべきであることと考えます。

 今回、政府は、総合経済対策の中に、「支援が手薄な0歳から2歳の低年齢期に焦点を当てて、妊娠時から出産・子育てまで一貫した伴走型相談支援の充実を図るとともに、地方自治体の創意工夫により、妊娠・出産時の関連用品の購入費助成や産前・産後ケア・一時預かり・家事支援サービス等の利用負担軽減を図る経済的支援を一体として実施する事業を創設し、継続的に実施する。」と盛り込みました。

 これを踏まえ、早速、令和4年度補正予算に、出産・子育て応援交付金が計上をされています。これは、東京都が先行して行ってきた「とうきょうママパパ応援事業」とほぼ同じ考え方のものであり、その拡充策となっているため、中野区をはじめとする都内自治体では、これまでの取組を生かしながら、効率的、効果的に拡充を図ることが大切と考えます。

 中でも、中野区では、2015年より妊娠・出産・子育てトータルケア事業を実施し、国や東京都をリードしてきた先行自治体であり、当区をモデルとして国が追いついてきたものと評価しています。

 今後のポイントは、伴走型相談支援をどのように行っていくかであると思います。ネウボラやトータルケア事業といっても、支援メニューを拡充するだけでは伴走型とはなりません。誰もが制度のはざまに落ちてしまわないよう、寄り添ってつなげる人や機関がなければならないと考えます。今般の国の支援策拡充を受け、さらなる取組が可能になるのではないかと期待をしています。

 そこで伺いますが、中野区として、子育ての伴走型支援とはどのように考えるのでしょうか。見解を伺います。

 私は、以前より、子どもの地域包括ケアシステムをつくるよう訴えてきました。一人ひとりに寄り添って支援する伴走型支援は、まさに包括ケアシステムの重要な要素であると考えますが、支援拠点や人材配置が課題であり、現状のすこやか福祉センターだけでは、実施体制として不十分であると考えます。

 また、今回のこども家庭庁の創設は、これまで文部科学省、厚生労働省、内閣府などが所管していた子どもを取り巻く行政事務を集約することを目的としています。これと同様に、中野区も、現在、子ども教育部と地域支えあい推進部などにまたがっている子育て支援策を統括できる体制をつくるべきではないでしょうか。すなわち、伴走型支援の軸となる部署をつくり、子どもの包括支援センター、いわゆる地域子育て支援拠点を創設し、委託するなど、支援のコーディネートを担う機関を明確にすべきと考えますが、区の見解を伺います。

 同時に、施策が拡充される場合、担い手の育成が急務です。面談や産後ケア、家庭訪問事業などを行う担い手を育成することに取り組んではいかがでしょうか。伺います。

 また、在宅家庭の保育や多様な働き方の家庭に対する一時預かりの選択肢はまだまだ限られており、拡充が必要です。例えば、3歳未満の乳幼児の夜間の一時預かりやショートステイは、乳児院しかないのが現状です。子どもショートステイ協力家庭の対象年齢は3歳以上となっているため、利用が限られてしまうとの声を聞いています。認定要件を満たしている協力家庭の預かりも、可能な限り対象年齢を引き下げてもよいのではないでしょうか。伺います。

 さらに、一時預かりの強化に欠かせないファミリー・サポート事業についても、抜本的な改革が必要と考えます。ファミリー・サポートを利用したくても、マッチングされず利用できなかったと嘆く方の声をよくお聞きします。協力会員の不足とコーディネート力に課題があると思いますが、協力会員募集の周知だけではなく、利用支援の課題を的確に把握するため、現在の協力会員・利用会員に対するアンケート等を行って、制度の改善を検討してはいかがでしょうか。伺います。

 最後に、産後ケアの実施場所についてですが、デイケアを行う助産院は、地域バランスに偏りが出ているため、賃貸物件を活用して事業を行おうという民間の動きもあります。そのような際に、施設の修繕が必要ですが、修繕に関する国や都の補助については、これまで自治体や事業者が所有している物件のみが対象とされてきました。しかし、国が、令和5年度から、これを賃借物件まで対象に加えると聞いています。これを受け、中野区としても先進的に仕組みを整えるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 次に、(2)不登校の子どもへの支援について伺います。

 増え続けている不登校の子どもに対する支援策の充実について伺います。

 教育センター内の教育相談は、不登校児童・生徒のうち二、三割の方にしか利用されていないと聞いています。教育相談の機能強化を図っていくべきと考えます。また、何よりも、学ぶ機会の確保と充実が重要と考えます。

 そこで伺います。中野区の小・中学校では、フリースクールやNPOとの連携や、自宅でも参加できるオンライン授業・動画の配信などの現状はどのようになっているのか、伺います。

 また、不登校の理由は様々です。登校させることだけが不登校の解決策ではないということが認識をされてきておりますが、一人ひとりの、登校できない、または教室に入れない理由等を聞き取り、対応策を講じていくスクールソーシャルワーカーの存在がますます重要となってきています。スクールソーシャルワーカーの現状がどのようになっているのか、伺います。併せて、国の推奨である最低中学校区に1名の配置まで拡充すべきと考えますが、今後の区の取組をお聞かせください。

 (3)里親家庭の支援について伺います。

 児童相談所開設により、里親支援機関もスタートをいたしました。今年度から委託を開始し、その主な役割は、里親の周知、研修、サロンの開催とのことで、「さとおやこほっとステーションあいりす」との愛称がつけられたと聞いています。

 先般の子ども文教委員会の報告によれば、中野区の里親登録家庭は、養子縁組の8家庭と養育家庭の17家庭とのことです。それぞれについて、サロンの開催状況と実績を伺います。

 また、特に養育家庭においては、傷ついた子どもを養育していく過程で、幾度も壁にぶつかる場面があり、ピアサポート的な支援や経験豊富な里親の先輩からの助言、サポートが大変重要であると聞いています。中野区の養育家庭の里親さんたちは、現在もボランティアで相談支援を行っていますが、この取組を支援していくことにより、今後の里親家庭の増加や継続に寄与するものと考えます。

 社会的擁護のお子さんを預かる貴重な里親さんたちがドロップアウトしてしまわないよう、区として積極的な支援策を行い、力強く支えていくべきと考えますが、区の見解を伺って、この項の質問を終わります。

 次に、2番、多様性の象徴としてアール・ブリュットを活用したまちづくりについて伺います。

 社会福祉法人愛成会副理事長でアートディレクターの小林瑞恵さんは、2020年に発刊された著書「アール・ブリュット 湧き上がる衝動の芸術」の中で、アール・ブリュットの世界は、私たち一人ひとりが誰とも代えられないオリジナルでユニークな存在であることの価値を伝え、この世界の形を再創造してくれますとつづられています。

 私は、これまで中野が大きな発信源の一つとなってきたアール・ブリュットについて、幾度も質問に取り上げてまいりました。

 令和2年の予算特別委員会においては、「どこまでも個性を大切にし、他者を尊敬・尊重できることが真の多様性であるということを教えてくれるのがアール・ブリュットであり、この芸術は中野の宝であり、まさにボーダーレスな社会をつくる大きな助けになる」ものと感じていることを訴えさせていただきました。その際、区長は、貴重な芸術のコンテンツとして、アール・ブリュットの振興を支援していきたいと答弁されました。

 しかしながら、私は、単なる文化・芸術の一つとしてではなく、中野区の多様性を尊重するという基本的な構想を実現する上でも、アール・ブリュットの持つ魅力、無限の可能性を今こそ生かしてまちづくりを行うべきと考えます。多様性の象徴として心が洗われる素敵な作品は、常時区民の目に触れるようにすることで、より多様性への理解が深まるのではないかと考えますが、見解を伺います。

 これまで多くの方が認めるように、中野で根付いてきたアール・ブリュットについては、区としても積極的に活用を図るべきと考えます。アール・ブリュットの活用方法として、新庁舎が誰にでも優しい区役所を目指すのであれば、区民が使用する場所、例えば会議室やロビーなど、来庁者が目にするような場所に常時展示してもよいと思いますが、いかがでしょうか。

 また、新庁舎のオープンの際に展示会を開くなど、区が率先して広める取組を行ってはいかがでしょうか。既に毎年行われている商店街でのまちなか美術館としての展示イベントとも連携し、同時期に庁舎内で展示会を開くなど、中野区のシティプロモーションの一つとして活用を進めてもよいのではないでしょうか。取組が一過性のものとならないよう、定期的な開催を可能にする運営方法も検討すべきと考えますが、区の見解を伺います。

 併せて、今後長期にわたる駅周辺の再開発等の工事期間中のまちに彩りを与えるため、例えば、工事の仮囲いなどにアール・ブリュットの作品の掲示をするなどして取り入れてはいかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 次に、3番、上高田地域の防災まちづくりについて伺います。

 令和4年5月に、東京都から、「首都直下地震等による東京の被害想定」が公表されました。その中では、「近年の大規模災害における教訓等を踏まえ、国や都等による防災対策は着実に進展してきている。」とされています。

 一方で、中野区内には、まだまだ木造住宅密集市街地が多く存在しているのが実態であります。そのうちの一つ、上高田一から三丁目周辺地区も、昨今は少しずつ建物の建て替えが進んでおりますが、まだまだ防災上課題が多く、防災・減災のために、さらなる対策を進めることが重要と考えます。

 このような状況の中、地域住民主体の「上高田一・二丁目及び三丁目周辺地区防災まちづくりの会」が、これまで4年半にわたり延べ34回目もの会合を行い、地域の防災性と住環境の向上に向けて、具体的なまちづくりルール等の検討を行っています。検討を進める中で、ニュースの発行や地域住民へのアンケートなども行い、その結果として、同地区の防災まちづくり提案書を策定し、過日、その報告会が開催をされました。

 提案書の中では、地域の声として、「道路が狭く、消防車や救急車による救助・消火が困難」「火事が起きたら燃え広がりそう」「行き止まり道路やクランクがあり、避難時に危険」「老朽化した建物やブロック塀等が多く、地震時の倒壊の危険がある」「防災トイレや備蓄品がどこにあるのか分からない」などといった不安の声とともに、その解決を望む声が多く出され、まちの課題が住民目線によって浮き彫りになったように思います。

 そして、地域の方々のこれまでの活動から、防災に対する思いだけでなく、地域をよりよくしていこうとして活動されていることがよく分かりました。

 そこでお伺いをいたします。まず、上高田一・二・三丁目地区における防災上の課題について、区はどういった認識を持っているのか、伺います。

 次に、当会からの提案を受けて、区として、上高田地区の防災性向上のためにどのようなことを具体的に行っていくのか、今後の取組について伺います。

 提案書の内容の多くは、ハード面の対策が主となっていますが、中には、日頃の地域の防災意識の向上や、地域の支え合いといったソフト面の取組についての記載もあります。防災対策は、ハード・ソフト両面からの取組が大切です。中野区でも、防災を所管する部署が連携をして、解決策を講じるべきと考えます。まずはこの提案や区の取組について、地域住民はもとより、庁内の担当以外の組織にも広く周知していくことが大切ではないでしょうか。区の見解を伺い、この項を終わります。

 4、健康施策について伺います。

 (1)帯状疱疹ワクチンについて。

 生涯で、約30%の方が罹患すると言われている帯状疱疹ですが、アメリカのあるデータでは、新型コロナウイルス感染症に罹患した患者が、診断後6か月以内に帯状疱疹を発症するリスクが高い可能性が示唆されたとのことです。日本国内においても罹患者が増えていると言われており、私も最近よく罹患した方に出会います。後遺症の発症率も高く、罹患することによる医療費の出費や労働生産性の損失等に鑑みると、予防が大切であると考えます。

 我が会派として、交付金を活用してのワクチン助成事業を求めてきたところですが、区として検討した結果、近くスタートする予定と聞いており、英断を評価いたします。詳細は、今後の予算審議に委ねることといたしますが、23区先行自治体の文京区でも、つい先日、生ワクチンのみの助成から、効果が長いとされる不活化ワクチンも選択できるように変更したと聞いています。中野区も両方のワクチンを選択できるようにすることが望ましいと考えますが、区としてどのような施策としていくのか、お考えをお聞かせください。

 次に、(2)高齢者の補聴器購入助成事業について伺います。

 加齢性難聴の補聴器の購入助成については、我が会派として、議会での議論を経た上で適切に事業を開始すべきと考えています。昨年10月の陳情審査の議論の中で、区は、東京都の高齢社会対策区市町村包括補助という制度があるものの、活用要件が限定されていることや、東京都と協議が必要なことなどを挙げられていました。もし、これを事業として実施する場合には、年齢や所得など、どの範囲であれば東京都から補助金が交付されるのか、改めて伺います。

 また、今後、実施による効果、区民間の公平性や制度の持続可能性、また、他区の実施状況も見極めながら検討していきたいとの答弁もありました。これについて、令和3年度、令和4年度での変化等があったかどうか、また、検討状況についてお示しください。

 高齢者の健康的な生活にとって、聞こえとコミュニケーションの確保は重要です。補聴器の購入助成とともに、様々な最新機器やツールを取り入れ、利用方法の支援をすること等を検討していただくよう要望し、この項を終わります。

 5、その他で2点伺います。

 (1)高齢者のスマートフォン利用に対する支援について伺います。

 高齢者の方から、スマートフォンの使い方や購入方法等に関する相談を受けることがしばしばあります。先日の総務委員会での報告によれば、スマートフォンの利用に関する体験会や相談会など、複数のチャンネルで開催をし、参加者の声はおおむね良好だったとのことです。その課題を検証しつつ、来年度の検討状況も示されました。

 スマホの使い方等が分からない高齢者に、体験会や相談会開催の周知をするためには、広報の仕方が課題であると考えます。私も、高齢者から質問を頂くたびに、毎週決まった場所で定期的な開催があるというような分かりやすさがあることが大切だと実感をしています。

 そこで、区役所での開催を定期的で分かりやすい形として推進した上で、高齢者の目につく場所へのポスター掲示などを行ってはいかがでしょうか。東京都の補助事業等を活用すれば、工夫の余地があるのではないかと考えますが、見解を伺います。

 また、その際に、スマートフォンの購入、機種変更のことや、キャッシュレス決済、マイナポイントについても同時に教えるようにしてはいかがでしょうか。伺います。

 最後に、(2)犯罪被害者の相談支援について伺います。

 先日、電車内で痴漢の被害に遭った若い女性からの相談を受けました。通報した際に、警察の不手際もあり、さらに精神的なダメージを余儀なくされたとのことで、寄り添った支援が必要でした。

 私は、彼女の話をよく聞いた上で、中野区の犯罪被害者相談窓口へとつないだところ、早速相談員さんが会ってくださり、丁寧で心強いサポートがありました。その対応に感謝を申し上げたいと思います。このような相談支援の取組があることは、中野区の誇りと感じています。

 さらに、先日、犯罪被害者週間にちなみ、区役所1階の特別集会室にて、6日間にわたって「ミニ・生命のメッセージ展」が開催をされておりました。犯罪、事故により尊い命を亡くされた御遺族からのメッセージが多数展示をされており、心揺さぶられる機会となりました。このようなことも大事な取組であり、もっと周知をして多くの方に見ていただくことが重要と感じました。

 犯罪被害は私たちの知らないところで日々起きていますが、せっかくのよい仕組みも、区民が知らなければ利用ができないと考えます。事件は突然起こるものであり、区民が何かあったときに思い出し、利用していただけるよう、今後、相談員体制のさらなる拡充とともに、窓口についての案内、広報にさらに努めるべきと考えます。区の見解をお伺いし、以上で私の全ての質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 甲田議員の御質問にお答えいたします。

 まず初めに、子育て支援について。

 子育ての伴走型支援についてでございます。

 中野区では、国・都の補助制度を最大限に活用し、これまですこやか福祉センターによる妊娠・出産・子育てトータルケア事業を中心に行ってまいりました。個々のニーズなどに応じた切れ目のない支援を行う取組を、子育ての伴走型支援であると考えております。

 現状、このような取組は国よりも都の事業が先行しておりまして、今回の国の支援拡充への対応につきましては、都が既存の事業などとの調整を図った上で、地区市町村に示す予定であると聞いております。区としては、こうした国・都の動向を踏まえながら、今後の伴走型支援のさらなる充実について検討してまいります。

 続きまして、子育て支援策の統括と伴走型支援でございます。

 子ども・子育て家庭など支援が必要な全ての人を支える地域包括ケア体制を構築していくためには、子ども教育部や地域支えあい推進部をはじめ、関連する部署の連携と各部の役割に応じた主体的な取組が必要です。区では、すこやか福祉センターの企画調整を担う基幹機能の強化に取り組んでいるところでありまして、こうした体制を整理する中で、子ども・若者支援センターなど子育て支援に関する関係部署とすこやか福祉センターの円滑な連携を推進し、相談支援や伴走型支援の体制の整備・充実を図っていく考えでございます。

 次に、子育て支援策の担い手育成についてでございます。

 区では、担い手確保の観点から、これまでも、妊娠・出産・子育てトータルケア事業の一環として、各事業を受託する事業者及び従事者への研修や資格取得に関する助成を行っております。また、現在、各事業を受託している事業者と同様の業種の事業者に対して、事業への参入を促すなどの取組を進めているところでありますが、今後も、さらに担い手の確保養成に努めてまいります。

 次に、子どもショートステイ協力家庭の対象年齢引下げについてでございます。

 区では、生後43日から3歳未満の乳幼児を対象とした子どもショートステイにつきましては、専門性や安全面も考慮し、乳児院で受入れを行っているところであります。乳児院のショートステイにつきましては、現在、需要を満たしていると考えておりますが、今後は、協力家庭が乳幼児を受け入れる際の安全性の担保や課題の整理など、対象年齢の引下げの可能性については検討してまいります。

 次に、ファミリー・サポート事業についてでございます。

 利用会員に対して協力会員が少ないため、協力会員を増やすことが数年来の課題となっております。協力会員が実際にどのような支援をしているのか、より分かりやすく広報していくとともに、会員に対してアンケートを実施するなど、意見を聞く機会を設け、改善策を検討してまいります。

 次に、産後ケアを行う施設の修繕に関する仕組みについてでございます。

 国が、産後ケア施設の修繕に関する補助の対象を拡大していく方針であることは、確認しております。区としては、この制度の活用を含め、産後ケアを行う施設拡充に向け、検討を進めていく考えでございます。

 次に、里親家庭の支援についてで、里親家庭対象の交流事業の実施状況でございます。

 里親支援機関は、里親間の総合交流のためのサロンを定期的に開催しております。10月末までの開催状況及び実績は、養育家庭対象が3回、参加家庭は9家庭、養子縁組家庭対象が5回で、参加家庭は12家庭でございます。

 続きまして、養育家庭への支援でございます。

 区では、児童相談所、里親支援機関、児童養護施設等に配置される里親支援専門相談員、里親や里親を構成員とする団体、地域の関係機関等、様々な機関の連携の下に、養育家庭の支援を行っております。様々な機関による支援の中でも、特に、同じ経験を有する先輩里親からの日々の生活に寄り添ったサポートが養育家庭には望まれておりまして、安心して里子の養育を行うに当たっての有効な手段の一つであると考えております。

 里親相互のサポートを支える仕組みづくりに向けて、検討を進めてまいります。

 次に、多様性の象徴としてアール・ブリュットを活用したまちづくりについての質問で、初めに、アール・ブリュットを活用した多様性の理解についてでございます。

 才能豊かな創造と多様な価値観に出会うことができるアール・ブリュットは、他者と共感し合う心を育み、併せて障害や多文化に対する区民の理解も促進するものであると考えております。

 今後、文化芸術振興基本方針を策定する中で、アール・ブリュットの活用についても、障害や多文化など多様性への理解も深まるような文化・芸術活動支援の方向性を示したいと考えております。

 続きまして、新庁舎におけるアール・ブリュットの活用についてでございます。

 文化芸術振興基本方針を策定する中で、多くの区民が身近に文化・芸術に触れることができる環境づくりを進めるため、新区役所など区立施設において、アール・ブリュットを展開するよう取組を示していきたいと考えております。また、多くの区民に対し、アール・ブリュットの持つ多様性や魅力を感じてもらえるよう、新区役所での常時展示についても、課題を整理した上で検討してまいります。

 次に、アール・ブリュットによるシティプロモーションについてでございます。

 多様性の象徴であるアール・ブリュットは、中野の誇るべき資源であり、プロモーションに資するものであると認識をしております。区役所新庁舎での展示をはじめ、様々な機会、場所を通じてアール・ブリュットを展開してまいります。

 次に、工事期間中の仮囲いへの掲示についてでございます。

 中野駅周辺のまちづくり事業では、工事期間中の景観や工事のイメージアップのため、工事の仮囲いにイラストを展示するなど工夫しているところもあります。仮囲いの活用方法として、アール・ブリュットの作品を掲示していた事例もありまして、街に彩りを与えることにとても有効であると考えております。

 今後行われる再開発等の工事におきましても、工事期間中の街の景観や彩りに配慮するよう促してまいります。

 次に、上高田地域の防災まちづくりについて。

 最初に、上高田地区における防災課題についての区の認識であります。

 上高田一、二丁目及び三丁目については、東京都の防災都市づくり推進計画で木造住宅密集地域に指定されておりまして、そのうち二丁目と三丁目の一部は、震災時に特に甚大な被害が想定される整備地域として指定されております。また、地域危険度が高いことや、消防活動が困難なエリアも多く存在しております。西武新宿線沿線まちづくり推進プランでも、延焼遮断帯機能の形成や建物の不燃化、耐震化を推進するとしておりまして、防災まちづくりを進めていくことが必要な地域と認識をしております。

 次に、上高田地区の防災性向上のための具体的な取組でございます。

 提案書には、地域の課題以外にも、まちの防災性向上に向けた具体的なまちづくりルールなど、様々な取組が提案されております。区としては、提案書の内容を精査し、地区計画などのまちづくり施策に反映させていく考えでございます。

 最後に、防災まちづくり提案書の庁内への周知でございます。

 安全・安心なまちの実現のためには、まちづくりだけでなく、防災知識の普及や防災訓練の実施といった地域の防災活動を通じて、地域の防災力を向上させることも必要と考えております。

 区としても、地域の意向が十分に反映された当提案書を庁内の関連部署に周知するとともに、ハード面のみならずソフト面も含め、防災対策を検討してまいります。

〔教育長入野貴美子登壇〕

○教育長(入野貴美子) 私からは、子育て支援についての御質問のうち、不登校の子どもへの支援についてお答えいたします。

 初めに、不登校支援の現状でございます。

 民間フリースクールとの連携につきましては、東京都主催の協議会において、指導主事が情報交換を行ってきております。

 また、NPOと連携したオンラインを活用した柔軟な学びの場の確保につきましては、中学校での取組事例がございますが、教育支援室での実施も検討しているところでございます。

 また、学校は、不登校に限らず体調不良なども含めて、登校できない児童・生徒に対して1人1台端末を活用したオンラインによる授業配信や面談を継続的に行っております。教室の全ての授業を配信している学校もあると聞いております。

 さらに、登校できているが教室に入りづらい児童・生徒には、配信されている授業を別室で視聴できるように柔軟な対応を行っており、学校は、子どもたちの学ぶ機会や学びの場の確保に力を注いでいるところでございます。

 最後に、スクールソーシャルワーカーの拡充についてでございます。

 今年度は、スクールソーシャルワーカーを増員し、チーフを含めて9名となりました。区立中学校区に1名の配置ができたところでございます。一方、勤務日数が月8日、週当たり2日であり、増加傾向にある不登校などの児童・生徒の対応には不十分なため、来年度に向けて勤務日数を増やすことを検討しております。

〔健康福祉部長岩浅英樹登壇〕

○健康福祉部長(岩浅英樹) 私からは、初めに、健康施策についての御質問のうち、帯状疱疹ワクチンについてお答えをいたします。

 区では、帯状疱疹の予防及び区民の経済的負担の軽減を目的に、50歳以上の方を対象とした帯状疱疹ワクチン接種費用の一部助成を実施することを予定しております。帯状疱疹ワクチンは、現在、生ワクチン、不活化ワクチンの2種類がございますが、接種希望者にどちらかのワクチンを選択していただくことを考えております。また、助成額につきましては、それぞれの接種費用の半額程度を予定しております。

 次に、その他の項目のうち、犯罪被害者等相談支援体制拡充と広報についてでございます。

 犯罪等の被害に遭われた方に必要なきめ細やかな支援を維持継続していくことができるよう、将来的には、常勤保健師の配置も視野に入れた人員体制の強化を検討する必要があるというふうに考えてございます。

 また、犯罪等の被害に遭われた方が必要な支援を着実に受けられるよう、区のホームページ等を通じた広報や制度の普及啓発のためのイベントを行うほか、関係機関から相談支援の窓口を案内してもらうことなどにより、周知を図ってきたところでございます。相談支援の窓口や受けられる支援の内容などにつきましては、必要な方により伝わるよう、区のホームページの表現やSNSの活用など、広報の在り方を工夫してまいります。

〔地域包括ケア推進担当部長藤井多希子登壇〕

○地域包括ケア推進担当部長(藤井多希子) 私からは、健康施策についての御質問のうち、高齢者の補聴器購入助成事業についてお答えいたします。

 初めに、東京都の補助の基準についてです。

 高齢者の補聴器支給等に対する東京都の補助の考え方につきましては、障害者総合支援法に基づく補聴器の支給対象者を除くこと、年齢制限や所得制限など対象者が限定されていること、専門医による診察及び聴力検査の結果に基づき必要性が確認されていること等が示されております。

 次に、補聴器購入助成制度の導入に向けた検討状況についてです。

 特別区では、令和3年度に4区、令和4年度にはさらに2区が、高齢者への補聴器の購入助成を開始しており、令和4年度現在、16区が補助を行っているものと把握しております。

 中野区といたしましても、他区の状況を踏まえながら、高齢者の社会参加を目的として、導入の検討を始めたいと考えております。

〔DX推進室長滝瀬裕之登壇〕

○DX推進室長(滝瀬裕之) 私からは、高齢者のスマートフォン利用に対する支援について。

 まず、スマートフォン相談会の定期的な開催についてお答え申し上げます。

 11月20日以降の日曜日に、区役所で、スマートフォン定期相談会を東京都と連携して試行的に開催をしてございます。令和5年度は、今年度の成果も踏まえながら、継続的な実施に向けた調整を東京都と連携して行うところでございます。

 広報につきましては、区報で周知するとともに、別途ポスターを作成し、高齢者会館などの区有施設、区のお知らせ掲示板及び区内の鉄道駅構内へのポスター掲示等により、周知を図ってまいります。

 続きまして、スマートフォンの利用に係る支援についてでございます。

 スマートフォンの購入などにつきましては、自治体が行う消費者教育活動を支援する東京都金融広報委員会の講師派遣を活用いたしまして、本年8月に開催をしたところでございます。今後も、こうしたスキルの活用を図ってまいります。

 マイナポイントの申請支援は、現在、区役所1階の臨時窓口で実施をしてございまして、今後、仮に申請期限の延長などが生じた場合でも、継続的な支援を確保してまいります。

 東京都と連携して講習会や相談会を実施しているところであり、キャッシュレス決済を含む様々な高齢者支援について、継続的に行っていくところでございます。

○副議長(酒井たくや) 以上で甲田ゆり子議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○副議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

午後5時07分延会

 

 

 

会議録署名員 議 長 内川 和久

       副議長 酒井 たくや

       議 員 竹村 あきひろ

       議 員 長沢 和彦