平成23年10月11日中野区議会決算特別委員会
平成23年10月11日中野区議会決算特別委員会の会議録
1.平成23年(2011年)10月11日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(42名)
  1番  若  林  しげお         2番  高  橋  かずちか
  3番  木  村  広  一        4番  甲  田  ゆり子
  5番  小  林  ぜんいち        6番  中  村  延  子
  7番  石  坂  わたる         8番  後  藤  英  之
  9番  石  川  直  行       10番  内  川  和  久
 11番  ひぐち   和  正       12番  いでい   良  輔
 13番  白  井  ひでふみ       14番  平  山  英  明
 15番  南     かつひこ       16番  森     たかゆき
 17番  いながき  じゅん子       18番  林     まさみ
 19番  小宮山   たかし        20番  浦  野  さとみ
 21番  伊  東  しんじ        22番  佐  野  れいじ
 23番  北  原  ともあき       24番  吉  原     宏
 25番  小  林  秀  明       26番  久  保  り  か
 27番  酒  井  たくや        28番  奥  田  けんじ
 29番  近  藤  さえ子        30番  金  子     洋
 31番  長  沢  和  彦       32番  大  内  しんご
 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき
 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭
 37番  やながわ  妙  子       38番  佐  伯  利  昭
 39番  むとう   有  子       40番  か  せ  次  郎
 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子
1.欠席委員
      な  し
1.出席説明員
 中野区長    田中 大輔
 副区長     金野 晃
 副区長     阪井 清志
 教育長     田辺 裕子
 政策室長    竹内 沖司
 政策室副参事(企画担当)        小田 史子
 政策室副参事(予算担当)        奈良 浩二
 経営室長    川崎 亨
 危機管理担当部長荒牧 正伸
 経営室副参事(経営担当)        髙橋 信一
 経営室副参事(行政監理担当)      戸辺 眞
 都市政策推進室長遠藤 由紀夫
 都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 横山 俊
 地域支えあい推進室長          長田 久雄
 地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 野村 建樹
 区民サービス管理部長          登 弘毅
 区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 藤井 康弘
 健康福祉部長  田中 政之
 保健所長    田原 なるみ
 健康福祉部副参事(福祉推進担当)    上村 晃一
 環境部長    尾﨑 孝
 環境部副参事(地球温暖化対策担当)   鈴木 郁也
 都市基盤部長  服部 敏信
 都市基盤部副参事(都市計画担当)    相澤 明郎
 子ども教育部長、教育委員会事務局次長  村木 誠
 子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、 教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 白土 純
 教育委員会事務局指導室長        喜名 朝博
 会計室長    辻本 将紀
 政策室副参事(情報・改善担当)     平田 祐子
 経営室副参事(人事担当)        角 秀行
 経営室副参事(施設担当)        小山内 秀樹
 経営室副参事(経理担当)        伊東 知秀
 中部すこやか福祉センター所長      鈴木 由美子
 中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 高里 紀子
 北部すこやか福祉センター所長      岩井 克英
 北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 大橋 雄治
 南部すこやか福祉センター所長      合川 昭
 南部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 松本 和也
 鷺宮すこやか福祉センター所長      瀬田 敏幸
 鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 齋藤 真紀子
 区民サービス管理部副参事(税務担当)  青山 敬一郎
 教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 宇田川 直子
 教育委員会事務局副参事(知的資産担当)、中央図書館長 天野 秀幸
 子ども教育部副参事(子育て支援担当)、子ども家庭支援センター所長、教育委員会事務局副参事(特別支援教育等連携担当) 伊藤 政子
 子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当)、幼児研究センター所長、教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 海老沢 憲一
 健康福祉部副参事(学習スポーツ担当)  浅川 靖
 都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 古屋 勉
 都市基盤部副参事(都市基盤整備担当)  石田 勝大
 都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 佐藤 芳邦
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事務局長     篠原 文彦
 事務局次長    石濱 良行
 議事調査担当係長 佐藤  肇
 書  記     関村 英希
 書  記     河村 孝雄
 書  記     東 利司雄
 書  記     丸尾 明美
 書  記     土屋 佳代子
 書  記     鳥居  誠
 書  記     細川 道明
 書  記     岡田 浩二
 書  記     鈴木  均
 書  記     永見 英光
 書  記     竹内 賢三

      午前10時00分開議
○佐野委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会いたします。
 認定第1号から認定第6号までの計6件を一括して議題に供します。
 10月7日の金曜日の理事会の報告をまず行います。
 本日の運営についてですが、総括質疑の順番は、1番目に白井ひでふみ委員、2番目にむとう有子委員、3番目に奥田けんじ委員、4番目に近藤さえ子委員、5番目にいながきじゅん子委員、6番目に林まさみ委員、7番目に石坂わたる委員、8番目に小宮山たかし委員の順で、8名の総括質疑を本日行います。
 なお、本日は総括質疑最終日であり、午後5時を過ぎることも想定されるため、午後5時を過ぎる場合でも質疑を続行し、委員長判断で適宜休憩を入れることを確認させていただきました。
 次に、資料の訂正について理事者から申し出があり、平成22年度主要施策の成果(別冊)の正誤表及び要求資料4件の差しかえ分をあらかじめ席上に配付しておくことを確認いたしました。お手元に配付してありますので、御確認をお願いしたいと思います。
 以上が理事会の報告ですが、質疑は何かございますでしょうか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ございませんでしょうか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 御異議ございませんので、そのように決定させていただきます。
 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は、答弁前に大きな声ではっきりと職名を述べ、挙手をお願いしたいと思います。
 それでは、質疑に入ります。
 1番目、白井ひでふみ委員、質疑をお願いいたします。
白井委員 おはようございます。本日総括質疑のため朝からですけども、おつき合いのほどよろしくお願いいたします。
 改選後、今回、委員会を除いて初めての質疑となります。公明党としてこれまで3人の先輩が前回の改選で引退されました。江口済三郎、そして、飯島謹一、岡本いさおの3氏が引退されたんですけども、今思うことは、改めてその存在が本当に大きかったなと思います。陰ながら今も応援をいただいておりまして、本当にありがたいと思います。この場をかりて御礼を申し上げます。(「傍聴に来ているんじゃないの」と呼ぶ者あり)本会議で某先輩が傍聴に参ったんですね。後ろから指されるというのはこういうことかと思ったことがあるんですけど、区政に関して思うところがあって、うまくいかない場合は陳情も辞さないと、こんな話があったんですけども、そのときには超党派ですね、党派を超えて皆さんで連携を探りたいなと、こういうふうに思います。今のは冗談です。
 さて、この先輩方の穴を埋めるのはなかなか難しいものがあるんですけども、後輩ながら一生懸命頑張っていきたいと、この決意でおります。この決意になって平成23年第3回定例会に当たり、公明党の立場から平成22年度決算総括質疑を行わせていただきます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
 初めに、財政運営についてお伺いをしてまいります。区内の再開発を指して、その予算を他の事業に使えないかとのお話を聞くことがあります。箱物行政を区が行っているように見えるのだと思います。景気の好転がなかなか望めない場合、このように思う区民が増えるとも思います。これに便乗して「大規模開発より暮らしを優先」だったでしょうか、このようなキャッチを使われていた政党がありました。どの事業を指しているのかわかりませんが、また、この予算を他の事業へあたかも使えるようにも聞こえます。果たして本当に可能なのでしょうか。国や都の補助金であれ、区の一般財源であれ、国民の税金に違いはありませんけども、中野区にとっては国や都の補助金を活用し、さまざまな事業を実施することは大事なことです。また、まちづくりに関しては歳入の確保に資する経済効果を目指したものでもあります。大規模開発と言われる都市計画事業の概略のスキームを伺いながら、区財政に及ぼす影響はどのようなものか、質疑を通し勉強させていただきたいと思います。
 初めに、平成22年度財政白書において、有形固定資産は(仮称)南部防災公園用地や中野五丁目用地の用地取得及び学校再編整備、耐震補強工事等を行いましたが、土地の時価下落による減少分87億円があったため、平成21年度より32億円減少しましたとあります。この資産の減少はどのような理由によるものでしょうか、お伺いをいたします。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) お答えいたします。財政白書第2部の財務書類にございます貸借対照表中の有形固定資産額の減少、その理由でございますけれども、(仮称)南部防災公園等の土地購入や耐震補強工事等による資産の増加分、それに比較いたしまして減価償却費や地価の下落による資産評価の減少分、そちらのほうが大きく全体として減少したものでございます。減少要因、特に挙げるとすれば、相続税、路線価による地価変動、マイナス87億円が大きいものと考えてございます。
○白井委員 資産の減少に対しては今後も続くと予想されます。何らかの対策の検討も必要となりますけども、財政分析の話になりますので今日はお伺いしません。また勉強した上でお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
 この資産、取得したものも確かに時価評価で下がりますけども、取得中のものも当然時価として下がります。この辺の動向についてお伺いしてまいりたいと思いますが、先ほども南部防災公園用地は用地特別会計により取得し、また、(仮称)中央五丁目用地等の用地取得は土地開発公社を経て区の用地特別会計にて取得しています。その後、両公園とも都市計画事業として分割して買い戻しを行う予定と聞きますが、確認のためお伺いいたします。
○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) お答えさせていただきます。(仮称)南部防災公園並びに(仮称)本町五丁目公園用地につきましては、分割して買い戻しを行う予定でございます。
○白井委員 買い戻す場合には、国に都市計画事業の補助申請をすることになると思いますけども、用地費の算定はどのように行うのでしょうか、お伺いをいたします。
○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 都市計画公園事業は、社会資本整備総合交付金を活用する予定でございます。当該年度に用地を取得する対象分を原則数社から公園全体を対象とした時価の不動産鑑定評価をとりまして、最低額を用地購入価格として申請するものであります。分割でございますので、次年度以降は残った土地に対して同様の時価の不動産鑑定をとりまして、同じく補助申請をやることになっております。
○白井委員 都市計画交付金対象事業のスキーム、国庫補助、都市計画交付金、中野区では一財なんですけども、起債時による財調算定の裏担保、裏担と言われるものですね、このようなものの概略を伺いたいと思います。ちょっと図面をつくってきましたので、これに当てはめながら御説明をいただければと思います
○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 概略的な、いわゆる都市計画事業のスキームということでございますので、まず1ヘクタール以上の都市計画公園事業ということでございまして、資金計画のスキームとしましては用地費並びに施設費から構成されております。今、委員、そこで示していただいておる、まず用地費につきましては、国から交付金として3分の1、残りの25%が東京都の都市計画交付金となりまして、さらにその残りを区の一般財源から支出することになりますが、区の支出額は財調算定に組み込まれまして、次年度以降、東京都から配分される予定でございます。同じく施設費でございますが、国からの交付金が2分の1、残りの25%が都市計画交付金、その残りを区の一般財源から支出することになりますが、同じく財調算定に組み込まれるということでございます。
○白井委員 先ほど地価が下落した場合、時価で算定しますので、まずこの国の負担分が減ります。そうすると、減った分の中から都は、それでもやっぱり約25%出していると。土地の算定とか施設によるんですけども、残りの3分の1だった場合はおおむね50.2%、国の補助が2分の1だった場合は25%が中野区の負担となり、この場合は一財がなければ起債と、こういう形になります。たとえ土地が下落しても穴があかないスキームになっているということになります。仮に土地が取得価格よりも上昇した場合、時価算定なので国庫補助が大きくなる、こんなことがあるのでしょうか、お伺いいたします。
○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 時価の不動産評価鑑定でございますので、仮に鑑定評価額が購入時の取得額よりも上回った場合ということでございますが、その場合は購入時の土地評価額がいわゆる上限、限度額ということでございます。
○白井委員 うまくできていますね。絶対にもうからないようになっているという感じです。先ほどちょっと申しそびれましたけども、区の負担分、都からの補助金、いわゆる財調算定が入るので、必ずこの金額は、後からだけども戻ってくると、こういう仕組みになっています。都市計画の公園事業に関してなんですけども、まちづくり交付金と今まで言われていましたこの国庫補助、現在では社会資本整備総合交付金に統合されていますが、昨今の経済状況にあって国費が削減されるのではないかとの話があります。区としてこの情報を掌握されているのでしょうか、お伺いをいたします。
○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 東京都の窓口部局でございますが、次年度以降につきましては東日本大震災への対応への国費配分の可能性があるやに聞いておりますが、詳細については現状で把握しておりません。今後関係機関からも情報収集、並びに年末の国の来年度予算の閣議決定を注視してまいりたいと思っているところでございます。
○白井委員 現在2分1ないし3分の1と言われている国庫補助の分なんですけども、仮にここが削減された場合、区として今後どのような対応を検討されているのでしょうか、お伺いいたします。
○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 仮定の御質問で、なかなか答弁しづらいのですが、国費を最大限活用するということでございまして、例えばでございますが、関係機関と協議、調整を行いまして、都市計画事業としての事業計画の変更認可を行いまして、例えば事業年度の延伸をするということも考えているところでございます。
○白井委員 延伸も検討されているということですね。都市計画事業でなければこのスキームは使えないわけですね。先ほどの話の繰り返しになるんですが、ここ、区が起債をしない場合は一財でみずからの財政を投入しますが、起債した場合は起債した分だけそのまま都からの財調算定で見てもらえるから絶対に使わなくていいと、こういうスキームなんですけども、これ、都市計画事業でなければ使えないスキームです。この都市計画事業の予算を他の事業に使う、このようなことが可能なのでしょうか、お伺いをいたします。
○奈良政策室副参事(予算担当) 都市計画交付金対象事業の歳出予算でございますが、当該年度または翌年度以降に特定財源、それから、財調の財産費、こういったものが措置されるものでございます。例えば、こうした都市計画交付金事業の歳出予算を、特定財源が全くつかない他の事業に振りかえるとなりますと、それに見合う新たな一般財源を確保しなければならないといったことになってまいります。そういった意味からも、他の事業には使うことはできないというふうに考えてございます。
○白井委員 冒頭申してまいりました、他の予算に振り分けてその事業に使う、こういうことはできようがないということですね。ちなみに、そこのスキーム自体には一財の投入はないんですけども、例えば起債の際の利子や手数料についてはこの補助の対象となるんでしょうか、お伺いをいたします。
○奈良政策室副参事(予算担当) 用地特別会計の利子につきましては都市計画交付金の対象となってまいりますが、一般会計で引き取る際に起こす事業債に関しましては、利子、手数料ともに補助の対象とはなってございません。
○白井委員 都市計画事業本体のスキームには、先ほどから御説明いただいているとおり一財の投入はありません。しかしながら、起債の際の利子や手数料、また、関連の区の単独事業等もあります。これらは財政運営上注意が必要だと考えます。まして、区の一財を主とした事業の実施においてはなおのことだと考えます。区財政を圧迫しないように特に慎重な財政運営、また、事業の遂行が必要と考えますけども、御見解をお伺いいたします。
○奈良政策室副参事(予算担当) 区では、特別区税、区民税、それから、特別区交付金などの一般財源を基本に財政運営をしているというふうに考えてございます。このため事業執行の前提となります事業計画を策定するに当たりましては、基準となる一般財源規模である650億円に過度な負担を及ぼすことがないよう、国や都の特定財源、また、特別区交付金の財産費等の確保を図るなど、十分な財源的裏づけを持った確実な事業計画とすることとしてございます。一般財源をいかに成果向上に向けて効率よく適切に配分していくか、御指摘の点も踏まえまして慎重かつ適切に対応していきたいというふうに考えてございます。
○白井委員 よろしくお願いします。この項についての質問は以上です。ありがとうございます。
 次に、行政財産の活用についてお伺いしてまいります。景気の好転がなかなか望めない中、来年度においては区税収の落ち込みが予想されています。予算が不足すれば歳出の見直しも必要となりますが、まずは最大限の歳入の確保に努めることが第一と考えます。税や保険料の徴収に努めると同時に、今回は別角度での税外収入による歳入の確保について質疑をさせていただきます。具体的には、区有施設等の行政財産に設置される自動販売機の使用料について、公募制の入札制度を導入することにより歳入の増加を図るべきとの提案です。
 初めに、平成22年度決算説明書の23ページや29ページに自動販売機の使用料収入が記載されていますけども、これは一部だと思います。すべての区有施設にどれだけ自販機が設置されているのか。また、その使用料の収入の総額は幾らかをお伺いいたします。
○伊東経営室副参事(経理担当) お答えいたします。まず、区全体での自動販売機の設置台数でございますけども、平成23年3月末現在で113台となってございます。それで、平成22年度の使用料の合計でございますけども、約88万円でございました。
○白井委員 ちなみに、113台すべてが使用料を取れているわけじゃないとお伺いします。そのうち使用料が収入されている自動販売機は何台でしょうか、お伺いします。
○伊東経営室副参事(経理担当) 113台中67台につきまして使用料を徴収してございます。
○白井委員 76じゃなくて67でよろしいですか。
○伊東経営室副参事(経理担当) 67台でございます。
○白井委員 そうすると、約3割以上の自動販売機が、いわゆる使用料免除となっているという状況ですね。ちなみに単価当たりにすると1万円ぐらいですかね、1台当たり。年間の使用料です。この現在の使用料の算定や自動販売機の導入の契約はどのようになされているのでしょうか、お伺いをいたします。
○伊東経営室副参事(経理担当) まず算定方法でございますけども、根拠条例、中野区行政財産使用料条例に基づきまして算出してございます。具体的には、施設の評価額に基づきまして自動販売機設置の使用面積に応じて使用料を徴収してございます。それと、自動販売機設置は契約ということでなく、使用許可ということで行っているということでございます。
○白井委員 従来、行政財産を全体評価して、それを面積割にして使用料を算定しています。他の自治体でも大体年間2万円前後と、こんな形だと思います。この使用料を、入札を行うに当たって法的整備が必要なんですけども、次に法的側面から少しお伺いをしてまいりたいと思います。自動販売機の公募制導入における法的根拠については、大きくは二つ、細かく割りますと三つ方法が考えられます。一つ目は、今お話のあった使用料収入で目的外使用許可。本来の行政財産の使用とは違うんだけども、目的外において使用を許可しますよと。地方自治法238条の4、第7項を根拠にする方法です。ちなみに平成19年、大阪府において初めてこのような根拠をもとに実施されました。大阪府、332台の自動販売機の設置者を公募した結果、使用料収入、それまで548万3,700円だったものが3億370万4,000円の、約56倍となりました。二つ目の方法です。平成18年、地方自治法が改正されまして、行政財産の貸し付け、同じく地方自治法238条の4、第4項の要件が新たに緩和として加えられております。この方法によって平成20年、川崎市はこの貸し付けを根拠に全国第1号の公募を行い、自動販売機194台で1億1,300万円の貸付料と大幅な増収となりました。従来、単価でいうと大体1台2,300円程度しか取っていなかったものもあるということですので、本当にとてつもない収入です。三つ目、行政財産の本来の目的を補う、この根拠のもとに個別の契約を結んで自動販売機を導入する方法がありますけども、この事例で導入した自治体は数が少ない状況です。
 おおむね冒頭言いました二つの方法かなと思うんですけども、詳細な方法は除きますが、導入した自治体の根拠を分類して並べますと、自治体の権限の強さ、ここに重点を置いて目的外使用許可、いわゆる自治法の238条の4、第7項を選択した自治体が半数を超えております。そこで、導入に向けて中野区においても法的根拠の整備が必要と考えますが、どのようにお考えかお伺いします。また、その際、使用料については地方自治法225条及び228条第1項に規定があって、条例で定めなければならないとあります。目的外使用料を根拠にする場合、中野区においては中野区行政財産使用料条例の改正も必要と考えます。根拠によっては条例改正も要望しますが、あわせてお伺いをいたします。
○伊東経営室副参事(経理担当) まず前提としまして、導入の検討に当たりましては貸し付けの契約となるのか、目的外使用とするのかということをまずは検討する必要があるというふうに考えてございます。その上で仮に目的外使用の許可ということになった際に、委員御指摘のように条例改正が必要なのかどうか、また、関係規定の整備がどうなのかということの検討がまずは必要だというふうに認識しております。
○白井委員 また別な考え方としまして、自動販売機を設置するスペースとは別に、売り上げに応じて還元させるやり方が考えられます。その際は条例や規約、要綱等、個別の契約を設けて、使用料、貸付料のほかに自動販売機の売り上げに応じて利益を還元させる、こういう個別の契約を結ぶ、こんなことも考えられます。ちなみに、この還元する金額を特定目的にして利用している自治体があります。例えば、子どもたちの通学路の安全対策のために使いますよと自販機に大きく張り出すと、近所の子どもたちがこぞってその自動販売機でジュースを買う。お母さん方もこの自動販売機で買う。こんな取り組みもあります。公園に設置した場合には、公園の美化に努めますとなると、その目的によって皆さん、少しでも還元できればと、こういうやり方も考えられます。使用料だとかというスペース割だけではなくて、売り上げについての方法についても御検討をぜひいただければと思います。ここについては質問いたしません。あわせて御検討ください。
 次に、設置する自動販売機の機能についてお伺いしてまいります。近年、自動販売機の機能は飛躍的に進化を遂げています。多機能自販機と呼ばれるものなんですけども、中野区議会においてこれまで多くの委員の方々が質問されております。改めてですが、幾つか事例を紹介して、区政課題に見合う機能を自動販売機の公募にあわせて導入することにより、区の行政コストを抑えることができるのではないか、こういう意図でお伺いしてまいります。
 初めに、災害時に備えての機能について御紹介します。近年、一番広がっているのがこの災害対応型自販機と言われるものです。機能面、多々あるんですけれども、メインは災害時に無料で飲料等を提供するフリーベンダーと言われるものです。自動販売機にこのようなフリーベンダーという資料が張ってあったりします。その自動販売機に、いわゆる災害時の情報が提供できる電光掲示板が設置してあるタイプ、これをあわせ持っていれば一番有効かなという形です。導入している自治体、このフリーベンダーに関してはたくさんありますので、事例に対しては省略しますけども、ちなみに2004年の新潟中越大地震は、実はこのタイプ、既に実働して、無償で飲料を提供したと、こういう事例があります。さらに、地域の災害情報をパソコン等から一括管理して遠隔操作で情報を配信し、自動販売機の電光掲示板に画面表示できる機能、これはこの後触れますけども、無線LAN機能とも関係がありまして、複合した機能を持つ自販機を導入すれば、災害時における飲料と情報の二つのライフラインの確保が可能となります。設置の費用については、自動販売機の売り上げ自体にもよりますが、基本的に無償で設置が可能です。区としても災害時対応型の自販機の設置推進を、例えば防災計画に盛り込んだり、導入を推進すべきと考えますけども、御見解をお伺いいたします。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) お答えいたします。電光掲示板による災害情報発信機能や、災害時に飲料水を無料提供する、いわゆるフリーベンダー機能のついた災害対応型の自動販売機については、災害時の情報提供や物資提供の有効な手段の一つであると考えており、導入について検討したいと考えております。
○白井委員 ぜひお願いしたいと思います。
 次に、無線LAN機能についてお話をさせていただきます。スマートフォンを中心に急速に普及するネット環境に対して、公衆無線LAN機能が観光地や商店街、学校などで広まってきております。そのインターネット環境に無料で接続できるエリアをフリースポット、また、ホットスポットともいいます。このホットスポットはいい意味です。この機能を付加した情報の発信基地としての自動販売機の設置が増えてきています。2005年の愛知万博の会場で公衆無線LANが整備されたんですけども、その機能を可能にしたのが実はこのタイプの自動販売機になります。これも同じように自動販売機の絵を持ってきたんですけども、販売機自体がそのまま基地局となって、この半径50メートルぐらいは無料で無線LANに接続できるエリアとなります。ちなみに、ちょっと見にくいんですが、この上側に液晶画面がついております。この液晶画面のほうに、先ほどの電光掲示板とは違って、そのままさまざまな情報を流せると。こういう機能がついているというものです。その後、駅やホール、学校、公共施設等で導入が今進んでいるところですけども、先ほど述べました液晶画面が設置されたタイプ、デジタルサイネージ、電光掲示板機能がありまして、情報の発信、広告も可能になります。場合によっては広告収入も見込める。このような形です。先ほど御紹介しました災害対応型と重なるところがあるんですけども、これも自動販売機の売り上げによりますが、基本的に設備投資やランニングコストは無料で可能です。区において中野区の中央図書館に無線LANコーナーが既に設けてあります。また、ユビキタス中野を展望しての研究がなされておりました。中野駅周辺のグランドデザインにも「ICTを活用した情報先端都市」との記載があります。区においても自動販売機による情報のインフラ整備として公衆無線LAN機能を検討すべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。
○平田政策室副参事(情報・改善担当) お答えいたします。委員御紹介のように、現在無線LANの機能を内蔵し、さらにデジタルサイネージとしての大画面ディスプレイ機能を組み込んだ、いわゆる次世代高機能自動販売機が出てきております。今後こういった高機能自動販売機などをデジタルサイネージとして活用することも含めまして、中野区の地域情報化、ユビキタス中野の実現の中で活用の検討を行ってまいりたいと考えてございます。
○白井委員 ぜひ御検討をお願いいたします。
 次に、自動販売機にAEDがついているタイプのものがあります。これも図を持ってまいりました。この真ん中部分のところにAEDが設置されていまして、自動販売機としてもそうなんですけども、AEDの設置場所になります。メーカーさんはたくさんあるんですけども、AEDの販売、その関連業者がこの販売機を設置しているため、中のジュースメーカーさんを選べるような形です。メーカーさんによって、ちょっと売り上げによって違うんですけども、あまりメジャーどころじゃないと言ったら怒られてしまいますけども、月に300本ぐらいから売れるところでは導入を無償でしてもいいですよと、こんなタイプもあります。ちなみに、これは江古田の森の介護施設に既に設置されております。平成22年度の決算において、区有施設のAEDは何台導入されているのでしょうか。また、その費用は幾らでしょうか。お伺いをいたします。
○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) お答えいたします。区では、区立小・中学校、地域事務所、地域活動、高齢者会館等へ120台のAEDを設置しております。平成17年度に都の補助金で購入いたしましたけども、バッテリー5年を迎えたため廃棄をいたしまして、今年度5年間のリース契約で行っておりまして、リース料は年間1台当たり約2万6,000円でございます。
○白井委員 これも同じく先ほど申し上げましたとおり、売り上げによって無償になります。設置費用、ランニングコストがかからないということなんですけども、この120台すべてとはいかないにしろ、しかしながら、部分的に導入する、こんなことも考えられると思います。むしろ費用をかけて導入というよりも、自動販売機を設置することによって無料で設置できると。こんな行政コストの削減のやり方も可能じゃないかなと思いますけども、導入について御検討すべきだと思いますが、ご見解をお伺いいたします。
○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) AEDが組み込まれている自販機につきまして、区内の福祉施設等において施設の運営事業者が導入している例があることは承知してございます。区が設置しますAEDの自動販売機への導入につきましては、現行のリース契約更新時に向けて設置条件や施設管理者の意向等を調査検討してまいりたいと思っております。
○白井委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、自動販売機の設置場所についてお伺いしてまいります。先ほど、るる紹介をさせていただきました多機能自販機、これを導入する場合、現在設置されている、113台だったでしょうか、おおむね区有施設の屋内というものが主であるとお聞きしております。新たに積極的に自動販売機を設置することができないか。もしくは、屋外に設置することができないか。こういう考えにもなろうかと思います。行政財産も多々ありますけども、例えば多くの人が集う公園、ポケットパーク、さらには駅前広場、また、行政財産といえば道路等も入ります。このような行政財産へ拡充していく。積極的な設置が可能かどうかお伺いをいたします。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 公園や区道など自動販売機の設置場所につきまして幾つか御提案をいただきましたが、都市公園法や道路法など、関連する法令等をよく踏まえながら、設置が可能かどうか検討していきたい、このように考えております。
○白井委員 私が調べたところでは、公園ぐらいはまずは問題ないかなと。ポケットパークも区で有している分には問題ないかなと。駅前広場も、基本的には区の行政財産であれば大丈夫かなと思います。もちろん交通法の話だとか道路法の関係があるので、警察署との協議が必要だと思いますけども、これはメリットがあるかなと思います。単なる自販機の設置だけではなくて、先ほど申し上げましたさまざまな機能を導入すれば、駅等、特に帰宅困難者の対策、災害時においても有効かなと思います。道路の設置に関しては、今のところ前例がないんですけども、ちなみに総務省、国土交通省のほうにも確認させていただきました。ただ、省庁の見解というよりもその人の見解に近いんですけども、お打ち合わせをしていただいた上で検討となれば導入も可能かと、こういうふうにも返答いただいております。ぜひ御検討いただければと思います。
 既に公募制を導入した自治体から課題となった事例の報告があります。それを見ますと、自動販売機がいつだれによって設置されたのか、その契約内容が定かでなく、条件の整備が必要となったとあります。先ほども中野区において使用料が免除になっているところ、福祉目的だとか公共性があるというところから免除になっているところもあるんですけども、いわゆる既得権でずっと昔からこうなんですという事例もあるでしょう。この辺の整備が必要ということです。また、指定管理者制度を導入している場合、既に業者がその自動販売機を持っている場合があります。この場合、その業者さんとの打ち合わせが必要となってまいります。個別の契約の整備のためガイドラインを作成したと、こういう自治体もあります。区においても公募制を導入するに当たり、不平等を回避するため条件整備が必要と考えますが、御見解をお伺いいたします。
○伊東経営室副参事(経理担当) お答えいたします。免除につきまして、現在区では条例の規定に基づきまして使用料を免除しているというところでございます。なお、新たな制度導入の際には、免除規定についてもあわせて検討してみたいというふうに考えているところでございます。
○白井委員 この項の最後になります。中野区においても自動販売機の設置者の公募制を導入すべきと考えます。この御見解をお伺いするとともに、その際には、先ほど御説明させていただきました、いわゆる多機能自販機の導入、行政課題に見合う自動販売機の導入をあわせて検討すべきだと思いますけども、英断をお伺いいたします。
○伊東経営室副参事(経理担当) まず、早急に先行事例を調査するなどしまして、設置の根拠ですとか導入方法、そして、多機能につきまして目的など、関係所管と連携、調整しながら検討して、使用許可期限が満了するなどの切りかえが可能な場所から随時導入していき、財源の確保に努めていきたいというふうに考えてございます。
○白井委員 ありがとうございます。おおむね自動販売機、現在契約、5年契約のものが多い。または3年契約もあるといいます。そういう意味では年々更新をしている状態ですので、1年でも早く導入したほうがより歳入の確保に努められると思います。来年の早々に向けてとにかく今から、ちょっと急ぎになりますけども、ぜひ準備をしていただければなと思います。ありがとうございます。
 次に、図書館についてお伺いします。来年の1月から国立国会図書館の書誌データ、マークと言われるものが無償で提供されます。中野区においてこのマークが活用できないか、こういう意図で質問をさせていただきます。
 初めに、耳なれない用語ですので、書誌データ、また、マークとも言われるものは一体どういうものなのでしょうか、お伺いをいたします。
○天野教育委員会事務局副参事(知的資産担当)、中央図書館長 お答えいたします。書誌データとマークはほぼ同意でございますけれども、書名、著者名、出版社、出版年など、その本固有の情報をデータベースとして集めたものでございます。利用者はそのデータを検索することによって、探している本を特定できるというものでございます。
○白井委員 この書誌データ、またはマークというもの、諸外国と我が国の状況は大きく異なります。どのような違いがあるのかお伺いします。また、来年の1月から解禁されるこの国立国会図書館の書誌データ、ジャパンマークといいますけども、これについての御説明をお願いいたします。
○天野教育委員会事務局副参事(知的資産担当)、中央図書館長 諸外国ではマークはほぼ統一されているようでございますが、日本国内では複数の民間企業が有償で提供する各社独自のマークというものが存在しております。それぞれ情報量や価格には差がございます。ジャパンマークについてでございますけれども、これは国立国会図書館がみずから所蔵する書誌情報から作成しているマークのことでございます。
○白井委員 諸外国、まあ、先進国ですね、主だっては、大体その国の中央図書館と言われるようなものが無償で、先ほど御説明いただきました本の住民票や戸籍と言っていいんでしょうか、さまざまな本のデータを無償で貸与する。その情報を使って本のデータバンクをつくって、例えば蔵書の管理や貸し出しに使う。こんな扱いになっています。ところが、我が国においてはこれがずっと、国立国会図書館、開放されずに来ました。そこで民間企業がこのマークをそれぞれつくって、現在の図書の流通システムができ上がっている状況です。やっと来年の1月から国会図書館のこの書誌データであるマークが無償で貸し出されるというのが大きな流れです。しかしながら、先ほど申し上げましたとおり、民間の最大手と言われるものは、単なるマークというよりも、もう図書の出版業界、本そのものというぐらい巨大なシェアになってきています。国会図書館におけるコンピューターの導入状況については、平成22年度図書館に関する基礎資料、文部科学省国立教育政策研究所社会教育研究センターの調査では、全国の公立図書館3,165館のうち、既に3,065館にコンピューターが導入されています。つまり、マークを使う前提となるコンピューターの配置が終わっている。書誌データのマークの活用が可能となっているところなんですけども、そのマーク、いわゆる書誌データ、民間企業のある大手が全体の87%のシェアを占めている状況です。では中野区、現在8図書館がありますけども、コンピューターの導入状況はどのようになっているのか。また、あわせて区が採用している書誌データ、どこのものを採用されているのでしょうか。お伺いをいたします。
○天野教育委員会事務局副参事(知的資産担当)、中央図書館長 中野区の全8図書館においては、既にもちろんコンピューターは導入済みでございまして、このコンピューターを用いましてマークの検索を行っているところでございます。なお、マークにつきましては、ただいま委員の御質問の中にございました民間最大手のマークを使用してございます。
○白井委員 あえてここでは名前を伏せておきたいと思います。平成21年、22年、そして23年の図書購入費の決算額は幾らだったんでしょうか。また、あわせて書誌のデータの使用料は幾らなのでしょうか、お伺いをいたします。
○天野教育委員会事務局副参事(知的資産担当)、中央図書館長 それでは、決算額でお答えいたします。平成21年度につきましては8,934万8,039円でございます。22年度につきましては5,974万9,374円でございます。ちなみに、23年の図書購入費につきましては、これは予算額で申しますと7,500万円でございます。
○白井委員 ありがとうございます。23年、当然ですよね。決算額は出るわけがないので予算額で御説明ありがとうございます。外部評価の指摘の中で、図書資料購入費が2年間で52%と大幅に削減される中――中略いたします――その取り組みに対して評価できるとありました。また、やはり予算拡大に向けた取り組みをお願いしたいとの記載があります。経済情勢が厳しい中ですけども、これまで述べた国立国会図書館の書誌データであるジャパンマークの無償活用により、コストを抑えて図書購入予算を拡充する、こういう取り組みができないか、御見解をお伺いいたします。
○天野教育委員会事務局副参事(知的資産担当)、中央図書館長 現時点で把握している限りでございますけれども、ジャパンマークを採用している公立図書館というのはございません。採用する場合でございますが、図書館のシステム修正などのコスト増が懸念されます。そのため図書購入予算を拡充することは大変困難であると考えております。今後ジャパンマークの提供及び使用の推移を見ながら必要な対応を図ってまいりたいと考えております。
○白井委員 来年度から解禁されるのに、まだどこの自治体も1件も納入されていません。ぜひこの動向を注目していただいて、中野区として活用できるかどうか御検討いただければと思います。
 もう1点、別角度でお伺いしたいと思います。区の図書館サービスの中でレファレンスサービスというのがあります。どのようなサービスなのでしょうか。また、22年度の利用件数をお伺いいたします。
○天野教育委員会事務局副参事(知的資産担当)、中央図書館長 レファレンスサービスとは、調べ物や調査、研究などの御相談に対して資料をお示ししたり、文献探しのお手伝いを行うサービスのことでございます。なお、22年度の利用件数につきましては4万6,258件でございます。
○白井委員 非常にたくさんの問い合わせに対応していただいております。区民のニーズに合ったサービスだと思いますので、今後も引き続き御努力をお願いしたいと思います。ありがとうございます。
 次に、もう一つの図書館、学校図書館についてお伺いをしてまいります。教育における学校図書館の役割が以前にも増して重要となってきていると私は考えます。学校図書館の役割について改めてお伺いをいたします。
○喜名教育委員会事務局指導室長 学校図書館の役割でございますけれども、学校図書館法第2条に規定がございます。ここでは、学校の教育課程の展開に寄与するとともに、児童・生徒の健全な教養を育成するというふうに示されております。具体的には、読書活動推進のための読書センター的な役割、さらに、問題解決学習等の資料収集に資する情報センター的な役割がございます。
○白井委員 平成23年6月1日付、文部科学省児童生徒課による平成22年度学校図書館の現状に関する調査、この結果において、蔵書冊数の目安である図書標準達成校の割合は、小学校では全国で50.6%、中学校では42%となっています。中野区の学校図書館の図書達成状況はどのようなものになっているんでしょうか、お伺いをいたします。
○喜名教育委員会事務局指導室長 学校図書館図書標準の達成率でございますが、平成21年度末で100%に達しておりますのが、小学校22校、中学校7校、また、75%以上100%未満の学校が、小学校4校、中学校5校でございます。
○白井委員 すべて達成しているわけではないですけども、全国平均よりはかなり高い推移にあるということですね。ぜひまずは達成していただきたいと思います。ちなみに、22年度の学校図書館における図書資料購入費の決算額をお伺いいたします。
○喜名教育委員会事務局指導室長 決算額につきましては学校ごとでございます。まず、学校予算の中で図書購入費を配当してございまして、小学校では13万円、中学校では26万円、また、それ以外の不足分につきましては校割予算の中で工夫をしているところでございます。
○白井委員 先ほどお伺いした、いわゆる図書標準達成状況の話なんですけども、新しい本を買って古い本を捨てなければどんどん冊数自体が増えていきます。本当は本がどのくらいありますかというだけじゃなくて、新しい図書、どのくらい購入していますかとやらないと、単に本が増えているだけでは意味がありません。にもまして22年度、概略で今お聞きしたところなんですけども、そもそも図書購入費、少ないものがあります。当然これだけじゃ足りなくて、各学校の予算、包括的になっていますので、他の予算から考えてどれだけとれるかと、こういう取り組みをされていると思うんですけども、限られた予算の中、学校図書館を充実させるため、子どもたちの読書を支えるためにどのような工夫をされているのか、お伺いをいたします。
○喜名教育委員会事務局指導室長 昨年度末でございますけれども、国の住民生活に光を注ぐ交付金を申請いたしました。ここで学校図書購入費といたしまして各小学校に22万円ずつ、中学校に35万円ずつ、総額約1,000万円の予算を再配当したところでございます。また、蔵書の工夫でございますけれども、学校図書館指導員を活用しておりまして、子どもたちの学習状況とか読書傾向を把握して、よりよい効率的な選書を行っております。また、いわゆる読む本、調べる本で不足分につきましては、地域の公立図書館の団体貸し出しを利用しております。ここでは学年ごとに100冊、3カ月間借りることができますので、このようなものを活用しながら子どもたちのニーズに合ったものを求めているということでございます。
○白井委員 22年度は区として1,000万、単発の予算ですけども、かろうじて申請をして通った状況です。なかなかこれが毎年度とはいかないでしょう。そういう意味では、学校図書館、どうやって充実させていくのか、ぜひ予算の中で御検討いただければと思います。
 あわせて、先ほど御説明いただきました、いわゆる区の図書館と連携して子どもたちに図書を、それぞれ学校に送って、子どもたちのいわゆる読む本について――学校図書館、大体今購入しているのは調べる本だと聞いております。そこで読書を補おうと取り組みをされております。その中で活躍されているのがいわゆる学校司書です。この学校司書の配置については、全国的にまだまだ少ないところがあります。しかしながら、中野区はその中で全国に先駆けて導入してきた実績があります。ぜひさらにこの司書の活躍の場、御検討いただいて、学校図書館の充実に努めていただければと思います。
 学校教育現場において、これまで推進してきた読書活動に加え、新学習指導要領の改訂で新しく言語力の育成が盛り込まれました。学校図書館の本来の役割の大きさと重要さにもかかわらず、整備が行き届いているとは現状言いがたいものがあります。学校教育現場における学校図書館の一層の活用と拡充が必要と考えますが、御見解をお伺いいたします。
○喜名教育委員会事務局指導室長 今、委員からもお話がございましたように、新学習指導要領では思考力、判断力、表現力育成のための言語活動の充実が求められております。ここでの学校図書館の果たす役割は大変に大きいというふうに思っております。また、お話がございました司書教諭ですとか、本区の学校図書館指導員の活用を図って、ますます充実を進めてまいりたいというふうに考えております。
○白井委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、区内産業の支援についてお伺いをしてまいります。入札制度の側面から区内事業者の支援を、この意図で質疑を行ってまいります。平成23年、本年より区内事業者優先の、いわゆる制限つき総合評価方式の入札制度の工事案件が始まりました。関連する団体からは非常に喜ばれている、こういうお声を聞いているところです。この制度は、緊急的に経済的な状況を見て1年間導入されたところなんですけども、附帯として景気の状況を見てと、こういう文言が付されております。来年度も継続の必要があると考えますけども、御見解をお伺いいたします。
○伊東経営室副参事(経理担当) お答えいたします。来年度も継続するかどうかにつきましては、制度の目的、これをかんがみながら検討していきたいというふうに考えてございます。
○白井委員 なかなか景気が回復しているとは言いがたいものがあります。ぜひ引き続きの御検討をお願いしたいと思います。
 一方、この対象となったものは主に工事案件でありました。それ以外の関連団体からは、ぜひこの制限つきの適用拡大を望む声があります。工事のみではなく適用の拡大、また、金額の現在の制限緩和もあわせて検討が必要と考えますが、御見解をお伺いいたします。
○伊東経営室副参事(経理担当) 工事以外につきましては、まず設計ですとか測量というのがございますけども、既に予定価格の規模に応じまして区内業者に限定するという制限を、公告の際に付しているというところでございます。また、業務委託などにつきましても一定の予定価格までは区内業者のみの指名としているというところでございます。金額の緩和についてでございますけども、競争性の確保ですとか技術水準の確保、そういった観点から現在の金額水準が妥当だというふうに考えているところでございます。
○白井委員 内規があって、その金額が幾らかと言えないというところだと思うんですけども、ぜひ昨今の経済状況を考えて――工事案件は制限つきを導入しました。なかなか限定というわけにはいかないところもあるでしょう、区内業者の数から考えると。金額の面において一層の緩和、ぜひ御検討いただければと思います。
 次に、入札の総合評価項目である災害協定についてお伺いいたします。同様の質問、先日北原委員からありましたけども、重ねてお伺いしてまいりたいと思います。区と防災協定を締結して、さらに具体的な協力内容を区の防災担当と話し合いをした上で検討している区内団体があります。ふだんの業務で使用している車両や道具の提供とは別に、非常食の提供を目的として自主的に備蓄を行う、こういうことも検討されていると聞いております。これまでの区の答弁として、今後災害協定の具体的な支援の内容ですとか取り組みの方法等が明らかになった場合には、改めて地域、地元貢献としての配点のあり方を検討する余地があると、こういう答弁をいただいております。現在、社会貢献としての防災協定の配点となっておりますけども、これを地元の貢献、地域の貢献として、現在区内区外ともに1点となっているこの配点のあり方を検討すべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。
○伊東経営室副参事(経理担当) 委員御紹介のありました実効性のある災害協定ということにつきましては、大変区としても意義のあるものというふうに考えているところでございます。しかしながら、総合評価方式におけます当該評価項目の考え方は、事業者の社会性や信頼性、これを評価するというものでございまして、また、他の評価項目ですとか全体の配点バランス、こういったものも考慮して考えていかなければならないというふうに現在は認識しているところでございます。
○白井委員 本来、防災分野におけるインセンティブを入札でというのは少し違うという形があるかもしれません。しかしながら、区に災害時に協力しますよという体制になったとき、大規模災害、なかなか他区から来るというのは考えられません。一方、防災協定だけ結んで細目の内容が決まっていない、こういう団体も多々あります。その細目の内容、区が目指す行政課題と見合うといった場合には、これはいわゆるリーディングカンパニー的な扱いとしてインセンティブを付与する、こんなこともあっていいのかなと思いますので、ぜひ御検討いただければと思います。
 次に、小規模事業者登録制度についてお伺いをしてまいります。平成22年度の部ごとの仕事の発注件数は何件でしょうか。また、どのような仕事を発注されたのか、実績をお伺いいたします。
○伊東経営室副参事(経理担当) 22年度の実績ということでございます。今年度は組織改正がございましたので、今年度の組織ということで御紹介させていただきます。発注件数の多い順に、今年度の組織でございますけども、まず地域支えあい推進室が16件、教育委員会事務局が12件、健康福祉部9件、都市基盤部5件、都市政策推進室2件、そして、政策室、経営室、子ども教育部がそれぞれ1件ずつ、合計で22年度は47件というところでございました。また、具体的な発注の内容でございますけども、事務用品などの物品購入ですとか印刷、畳の表がえ、ガラスの飛散防止フィルムの張りつけ、清掃業務委託、便器の修理、樹木の剪定、あと、物品のリースというようなところでございます。
○白井委員 昨年度、この小規模事業者登録制度の更新がなされております。ちなみに初年度の登録件数が約80件、更新後は現在49件だとお伺いしております。これを単純割すると1事業者、2年間に1件も仕事に当たらなかった、こんなこともあり得ます。この仕事のまず発注の件数、どのように受けとめておられるのか。それから、抜本的にはやっぱり仕事の発注量を増やさないと登録しても意味がないと、こういうふうになってしまいます。御見解をお伺いいたします。
○伊東経営室副参事(経理担当) 数字から見られますように発注件数についてはまだまだ少ないというふうに考えてございまして、今後積極的に各所管のほうで発注すべきものというふうに考えてございます。
○白井委員 ぜひお願いいたします。区の小規模事業者、先ほど触れましたけども、登録制度は2年間の登録期間です。平成22年10月に更新がなされているんですけども、その際、初年度と同じ申請の書類を中野区は求めております。仕事の発注が――受注ですね、業者としては――ない上に、わずかとはいえ申請書類に費用がかかります。登録する事業者は、これでは減少する一方となってしまいます。他区を見ますと、更新のそもそも概念がなくて、1回登録するとそのまま継続するというところもあります。また、更新のタイミングには初回とは違って、証明書、わずかでいいですよというような取り組みもあるようです。中野区において更新について、次の2年後になってしまいますけども、簡易化をすべきと、このように考えますけどもいかがでしょうか、お伺いします。
○伊東経営室副参事(経理担当) 更新の際に必要な書類につきましては、申請書のほかに、事業所の場合は登記簿謄本の写しですとか、税関連では法人事業税、法人税、消費税のそれぞれの領収書の写しを求めているところでございます。それ以外にも許可、免許が必要な場合はその写しということでございまして、これらの書類につきましては、事業所の所在地ですとか営業実態、これを区として把握するためには必要最低限の書類だというふうに考えております。また、手続もそれほど煩雑というふうには考えてございませんので、これ以上手続を簡易化することは現在考えておりません。
○白井委員 そもそも不満といいますか、小規模事業者からいいますと、登録した、だけども全然仕事がないよ、だったらもう登録しても意味がないんじゃないか、こういうふうになってしまいます。だから、わずかとはいえ、こういういろんな更新にまた費用がかかるのか、また書類を出せというのかと、こういうふうになります。仕事の量をふやすと同時に、やっぱり簡易化、あわせてぜひ御検討いただければと思います。
 次に、その他についてお伺いしてまいります。その他については施設整備、特に私の地元である東中野周辺の地域の施設整備についてお伺いをしてまいります。
 初めに、上高田一丁目地域密着型サービス施設についてお伺いをしてまいります。ここ、特段注目すべきは軽費老人ホームが今回でき上がるところです。開設までのスケジュールをお伺いいたします。
○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) お答えいたします。上高田一丁目都有地での都市型軽費老人ホームの整備は、併設する二つの介護施設とともに進行してございまして、今年8月下旬に工事を着工し、平成24年、明年1月末竣工、同年3月開設の予定でございます。
○白井委員 実はこれ、昨年でしょうか、取り上げさせていただいたときに、うまくいけば全国第1号になるんじゃないかと、こんな話をさせていただいたことがあったんですけども、足立区が先にできたということで1番を逃した感じです。さて、この軽費老人ホーム、その入居の基準は中野区が定めて、だれが入れるかという選定を行うこととなります。そこで、入居基準の策定が必要となりますけども、いつこの策定をされるのか。また、待ち望んでおられる方々からすれば、一体いつその条件が明示されるのか、この公表の時期が気になるところです。この点、お伺いをいたします。
○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) 御質問の入所基準につきましては、中野区都市型軽費老人ホーム入所に関する指針を定める予定でございます。年内を目途に担当者で定めていきたいと思いまして、この指針の中で入所要件である所得や身体機能等の基準を定めたいと考えております。
○白井委員 次に、上落合二丁目交差点地下横断通路についてお伺いいたします。非常に前からお話をしていて、いまだになかなか進展が見えないところなんですけども、まず現状はどのようになっているのか。そして、今後のスケジュールをお伺いいたします。
○相澤都市基盤部副参事(都市計画担当) お答えいたします。落合駅付近、山手通り沿いの地下横断通路整備につきましては、東京都と東京メトロが協定を締結し、設計を行っているところでございます。現在、地下通路の設計がおおむね完了したというふうに聞いてございます。今年度中の着工を目指していて、完成までに2年程度の工事期間を要するというように聞いてございます。
○白井委員 やっとおおむねの設計ができ上がってきたところです。確かに中野区として工事費の負担がなくて、いざ実現となったときに東京都とメトロで細かい設計について協議がなかなか整わなかったと聞いております。これから近隣の方への御説明や地域の説明等あるところなんですけども、ぜひその段において中野区においても、負担がないからというのではなくて積極的なかかわりをお願いしたいと思います。
 次に、東中野駅前広場について、この中の駅ビルが完成します。駅ナカ保育園と言ってきましたけども、最近この名称が定着してまいりました。駅ナカ保育園の開設予定の概要とスケジュールについてお伺いをいたします。
○海老沢子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当)、幼児研究センター所長、教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) お答えいたします。JRは、東中野駅西口JRビルの竣工にあわせまして、認証保育所を開設したいという意向を持っているということについては聞いてございます。区といたしましては、今後も保育需要の動向にあわせまして必要な認証保育所の誘致を進めたいというふうに考えておりまして、その中で検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○白井委員 おおむねどのくらいの規模になりますか。何人ぐらい入れるか。また、平米どのくらいになるか。公表できるようであればぜひお伺いしたいと思います。
○海老沢子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当)、幼児研究センター所長、教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 規模については未定でございますので、これについてはまだ聞いてございません。
○白井委員 聞いておりますが、じゃ、ここでは伏せておきます。
 それでは、最後の項になります。東中野五丁目特別養護老人ホームについてお伺いしてまいりたいと思います。まず、こちらも同じように開設に向けてのスケジュールをお伺いいたします。
○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) お答えいたします。東中野五丁目区有地における特別養護老人ホーム建設につきましては、整備運営事業者が準備を進めているところでございまして、本年12月工事着工、平成25年1月竣工、平成25年4月開設の予定でございます。
○白井委員 この立地に関して、隣に保育園があります。これまで提案してきたところで、いわゆる子どもたちとお年寄りの交流、幼老教育、また、幼老交流、こういうのを推進すべきだと提案してきましたけども、具体的な取り組みはなされているのか。また、交流の工夫はどのようなものが検討されているのか、お伺いをいたします。
○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) 施設の規模としまして50床を確保することを優先しているため、交流用として特別に設けた機能はございませんけども、整備運営事業者からは企画提案の折に、施設において隣の保育園等との交流プログラムの実施などが提案されているところでございますので、うまく結びつけたいと考えております。
○白井委員 民間同士ではありますけども、保育園、また、特養の施設の側からはぜひ協力したいと、こういう話もいただいております。保育園と老人ホーム、これが隣り合わせになるこの立地は、ある意味好条件だと思っております。双方に利益になるように積極的な取り組みをお願いしたいと思います。ありがとうございます。
 2分ほど残りましたけど、以上で私の質疑を終わらせていただきます。大変ありがとうございました。
○佐野委員長 以上で白井ひでふみ委員の質疑を終わります。
 次に、むとう有子委員、質疑をお願いいたします。
むとう委員 区民の方からお寄せいただきました御意見をもとに質疑いたします。なお、私の持ち時間は30分ですので、簡潔明瞭な御答弁と、例によって機敏な行動の御協力をぜひよろしくお願いいたします。
 1番目、特別区民税の減少についてお尋ねいたします。2011年度の特別区民税は、前年度と比べ約19億円減少いたしました。これは1人当たりの平均所得額12万6,000円の減少と、納税義務者数3,194人の減少によるものです。納税者1人当たりの平均所得額は375万7,000円で、相変わらず23区平均411万2,000円から35万5,000円下回っています。この要因の一つといたしましては、働き出したばかりのひとり暮らしの若い人が多いことや、収入が上がる年齢になったころの結婚時には、家賃が高く転居してしまう人が多いことなどが考えられます。それらの解決策の一つとして、定住化を目的とした新婚世帯や子育て世帯に家賃補助をしている自治体が全国的には多くあります。家賃補助も含め、所得額を上げ、納税義務者数をふやすためにはどのような方策がよいと考えているのか。そして、区が取り組んでいることがあればお答えください。
○相澤都市基盤部副参事(都市計画担当) お答えいたします。区は家賃補助という施策は、直接的には行ってございませんが、定住対策としましては、多様な世代が安心して暮らせるまちの実現を目指して、住宅の居住水準の向上の誘導、区内大規模団地の建てかえ時におけるファミリー向け住宅建設の要請、良好な子育て環境の形成など、総合的に取り組んでいるところでございます。
○むとう委員 それだけではなくて、どうしたらよいと考えているのかということの御答弁がないのですけれども。
○相澤都市基盤部副参事(都市計画担当) そういうファミリー世代、新婚世代もそうですけれども、定住していただくということは、一言でいえば住んでよかったまち、そういうまちにしていく。魅力的なまちづくりを進めていくということが基本的に考えられるというふうに思ってございます。
○むとう委員 あまり時間がないのですけれども、担当課長にとって魅力的なまちとはどういうものですか。
○相澤都市基盤部副参事(都市計画担当) 住宅部分のものを中心に申し上げます。多様な世代が安心して地域に住み続けられ、活力あるまちづくり、そういうまちにしていくことが大切であるというふうに考えています。
○むとう委員 ありがとうございました。あまり具体的にはよくわからなかったんですけれども、安心して住めるまちづくりというのも、これからも心して進めていただきたいと思います。
 続きまして、一昨年、昨年の決算でも質疑いたしましたが、外部評価のあり方についてお尋ねいたします。決算資料の一つに主要施策の成果、別冊、各分野の行政評価結果があります。12年目となりましたが、事務的な負担が多い割にはあまり役立っていないのではないかと感じています。主要施策の24ページには、「行政評価については、外部評価の有効性を高めつつ効率的な運用を図るため実施方法等の改善を行いました」と記載されていますように、毎年行政評価制度そのものの評価を行い、実効性のある制度とすべきです。
 さて、昨年の外部評価は、これまでの実施方法を変更し、1次評価として部及び分野への評価を行い、2次評価として委員がさらに掘り下げた議論を行いたい17施策を抽出し、個別ヒアリングを行い評価しました。にもかかわらず、2次評価結果の記載はなく、さらに、A、B、Cの評価記号をやめ、委員の評価をコメントへと変更しました。昨年の決算総括質疑で、この変更した3点について2次評価結果も記載すべきではないか、わかりやすいA、B、Cの評価記号が必要ではないか、外部評価委員会は評価せずコメンテーターに変貌し、コメントを発したということなのか、前年の外部評価をどのように評価し今年度の改善につなげたのかを記載すべきではないかとの質疑をさせていただきました。今回は私の指摘を一部真摯に受けとめていただき、A、B、Cの評価記号が復活し、前段の説明文4ページにはわざわざ太字で「評価コメント」としつつも、本文ではコメントの言葉が消え、評価に戻りました。この2点については歓迎すべきことですが、昨年私の質疑に対して管理会計室副参事は、見える形できちんと何をどういうふうに変更していくのかという説明は必要ですとの御答弁でした。しかし、残念ながら、P(計画)、D(実行)、C(評価)、A(改善)に基づく変更点の説明がなされていません。また、今回も11施策について抽出し、ヒアリング審査をなされたようですが、その11施策とはどれなのかがわかる記載もありません。PDCAに基づき行政評価に取り組んでいる経営室行政監理担当が発行している冊子だからこそ、この1冊の中でPDCAに基づき変更点の説明の記載がされるべきではないでしょうか。
 そこでお尋ねいたします。前回の外部評価結果のあらわし方をどのように評価し、今回の改善に至ったのか。さらに、その変更について記載がないのはなぜか、簡潔明瞭にお答えください。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) お答えいたします。21年度の行政評価から22年度の行政評価、変わった点につきましては、委員、今御指摘のとおり、委員のコメントによる評価から記号評価に変えたというのが抜本的なものでございます。理由につきましては、委員の中から基本的に各分野に対してコメントによる評価のほうが、委員の考え方が詳細にお伝えできるというような御意見をいただきまして、総合的な検討の中で変えたものでございます。しかしながら、やはりコメントだけの評価でございますと、どうしても区民に対してわかりにくいということもありまして、今回記号による評価を復活させたものでございます。この主要施策の成果、別冊でございますが、今回につきましては外部評価全体に対しての進め方等について記述をさせていただいたところでございますが、変更した理由等については一部漏れていたということはございます。今後につきましては、PDCAにより毎年この行政評価自体も見直し、改善を進めてございます。その変更の経過や理由等についても、わかりやすくこの主要施策の中で工夫を持ってあらわしていきたいなと考えております。
○むとう委員 ぜひお願いしたいと思います。過去3年分の外部評価を読み比べますと、2008年度には外部評価の指摘及び評価について対比させて、A(改善)、P(計画)に当たる区の見直しの考え方が書かれており、外部評価を前向きに受けとめる姿勢が見られましたが、2009年度からは区側の表記がなくなりました。予算絡みの指摘内容などもあり、9月の発行段階ではあいまいにしか答えられないという問題もあって表記がなくなったものと理解できますが、1年おくれの前回の外部評価に対して、このように取り組みましたという結果を末尾に記載することを提案いたします。そうすればこの1冊でPDCAが完結いたしますが、いかがでしょうか。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) 外部評価からの指摘に対しましては、今も予算編成の状況を踏まえまして区の考え方をホームページ上で公表しているところでございます。委員の今の御提案、この別冊の中に載せるということでございますが、この別冊の性格につきましては前年度の区の仕事に対する行政評価の結果ということでございます。前々年度の評価結果に対する区の考え方を一緒に掲載すると非常に混乱、わかりづらくなるというようなデメリットがあります。そうしたことから、外部評価の成果のあらわし方、公表の仕方につきましては、今後区報の活用等も含め、より一層充実させていきたいと考えてございます。
○むとう委員 ちょっと残念ですね。やはり経営室行政監理担当がつくっているこの冊子なんですから、この中でやはり完結できるような形をぜひ目指していただきたいと思っています。本文中ということではなくて、末尾に載せるということであれば混乱ということにはならないのではないかというふうに私は思っています。今回、区民1人当たりのコスト表記がされたことは大変評価いたしますけれども、次年度に向け行政評価及び外部評価制度について厳しい自己評価をなさり、行政運営に生かされる行政評価となることを期待いたしまして、この項の質問は終わります。ありがとうございました。
 次に、地域スポーツクラブについてお尋ねいたします。地域スポーツクラブは、2000年に国が策定したスポーツ振興基本計画に基づき、2010年度までに全国の市区町村に一つはつくることを目標に掲げられていました。中野区でも2008年に中野区の地域スポーツクラブ構想をまとめ、2009年には設立基本計画を策定し、2010年7月の中部すこやか福祉センター開設と同時に地域スポーツクラブの開設を予定していました。しかし、当初の予定どおりには開設できず、2010年7月1日の子ども文教委員会資料では、8月にクラブを設立し、9月に運営事業者を選定し、10月には会員を募集し、2011年1月開設と書かれています。しかし、すべて実現できず、改めて出された2011年3月10日の子ども文教委員会資料には、3月にクラブを設立し、4月に運営事業者を決定し、5月に開設との変更が記載されています。3月30日に中野区地域スポーツクラブは設立いたしましたが、3月11日に発生した東日本大震災を一つの理由として、さらに具体的な事業内容や運営全般について検討に時間を要しているため、いまだに事業者募集に至ってはいませんが、今年度中の開設を目指している状況との認識で間違いないでしょうか。機敏な行動でお願いいたします。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) お答え申し上げます。今年度中に開設できるよう努力しているところでございます。
○むとう委員 わかりました。では、決算説明書の449ページ、スポーツ費の1、地域スポーツクラブについてお尋ねいたします。
 まず、設立総会出席謝礼3万円とあります。中野区地域スポーツクラブは任意団体のはずであり、区の内部組織ではありません。任意団体の総会に出席した人に税金で謝礼を支出するというのは理解できません。謝礼の根拠と出席しただれに対する謝礼なのか、お答えください。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 地域スポーツクラブは任意団体でございますけれども、その設立につきましては区政目標実現のために必要な区の施策として位置付けられているものでございます。設立総会は、団体が設立されていない中、区から個人に出席依頼したものであるため、謝礼を支払ったものでございます。支払いにつきましては文書決定により行い、金額については平成22年度経費積算基準に基づく費用弁償として1人3,000円を、理事、評議員予定者のうち区職員を除く出席者10人に対して支払ったものでございます。
○むとう委員 では、このクラブ設立に向けて設立準備委員会が2010年5月から2011年1月までに6回開催されたそうです。2010年7月1日の子ども文教委員会資料には、この委員会は教育委員会が委嘱する委員をもって構成すると書かれており、任意団体ではなく区の内部組織とこちらは考えられるんですけれども、6回の準備委員会の謝礼の支払いはどうだったんでしょうか。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 設立準備委員会については、謝礼は支払ってございません。
○むとう委員 区の区政目的にかなって、クラブ設立を目指すための準備委員会だったわけです。ましてや準備委員会は教育委員会が委嘱しているんです。どうしてここには支出されなかったんでしょうか。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 中野区地域スポーツクラブ設立準備委員会は、地域スポーツクラブ設立の準備作業として、その理念でありますとか、組織、施設、事業等の検討をするため、地域団体やスポーツ団体、学校関係者等に集まっていただいて御意見を伺ったものでございます。一方で、中野区地域スポーツクラブの設立総会は、実際の地域スポーツクラブの管理運営をこれから行い、権利、義務が伴う組織の立ち上げを決定する重大な場でございます。加えて、責任を伴う理事、評議員としての参加を決定するという意味では、設立準備委員会とは性格が大きく異なるものと考えております。
○むとう委員 ちっとも納得はできないんですね。クラブ設立も大事かもしれませんけれども、設立するために準備するということも、これは実はもっと重要なことではないかと私は思いますし、出席されている準備委員会の皆さんは責任を持ってさまざまな御意見を出されていると思います。こちらはまして任意団体ではないのにお金を出さないということは、とっても矛盾しているということを指摘しておきたいと思います。
 では、次に伺いたいんですけれども、スポーツ教室事業等委託、88万5,170円とありますが、その内訳を簡単にお答えください。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 内訳につきましては、地域スポーツクラブ設立及び運営に関する業務支援委託として49万7,700円、健康スポーツ教室事業実施委託として24万270円、小学生フットボール大会事業実施委託として14万7,200円でございます。
○むとう委員 まだスポーツクラブの運営事業者がいない中で、スポーツ教室とフラッグフットボール大会はだれに委託したんでしょうか。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 中野区体育協会に委託いたしました。
○むとう委員 体育協会だとするならば、事業メニューが地域スポーツクラブというのは違うのではないんですか。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 地域スポーツクラブという事業メニューにつきましては、地域スポーツクラブに関連する事業についての項目でございます。健康スポーツ教室事業は今後地域スポーツクラブの中の事業として行うことを前提にいたしまして、その検証をするためのプレ事業の位置付けで行ったものであり、事業メニューに合致していると考えてございます。なお、小学生フットボール大会についても同様でございます。
○むとう委員 私は納得しませんが、わかりました。
 それでは、今のその「等」の中の次ですね。88万5,170円のうち49万7,700円が業務支援委託ということですけれども、このことも含めて、過去のことも含めて、業務支援委託の年度別委託費と委託先名と合計金額をお答えください。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 地域スポーツクラブ設立及び運営に関する業務支援委託につきましては、平成20年度、プロポーザルを経て株式会社東京アスレティッククラブに決定し、平成21年度、22年度も委託したものでございます。委託費は、いずれも消費税相当額を含んだ金額で、平成20年度は378万円、平成21年度は655万2,000円、平成22年度は49万7,700円、支払った金額の総合計は1,082万9,700円となってございます。
○むとう委員 事前準備に1,000万円以上もかけて業務支援委託をしているにもかかわらず、事業者募集に至らず、開設がおくれているということはどうしてなのか。本当にあきれるばかりです。クラブ設立事前準備の支援調査にこれほどの税金を注ぎ込んだ自治体は全国で類を見ません。そこで、業務支援委託の成果物の提示を求めたところ、情報提供を拒まれ、先日やっと、メモ禁止、制限時間20分、副参事の監視つきという条件のもとで林議員と一緒に見せていただきました。その成果物について一言でいえば、商業ベースに乗った調査内容で、国が提唱している地域住民による自主運営での地域活性化を目指す姿とはかけ離れた成果物との印象を私は持ちました。国は2004年から地域スポーツクラブ育成推進事業費を組み、2011年度は1億9,000万円ですが、これまでの総額約47億3,000万円で日本体育協会に委託しています。日本体育協会は、各都道府県体育協会におろし、各地の体育協会に地域スポーツクラブ育成アドバイザーを配置し、設立に向けた支援を行っています。さらに東京都の支援事業としても、東京都広域スポーツセンターの専門官が同様の支援を行っています。確認したところ、中野区からの相談は一切ないということでしたけれども、国や都の税金を使って行っているこのような支援事業を活用すれば、区が独自に自主財源で民間事業者へ業務支援委託1,000万円は必要なかったのではないでしょうか。なぜこのような支援事業を活用しなかったのでしょうか。簡潔にお答えください。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 地域スポーツクラブ設立及び運営に関する業務支援として求めたものは、中野区のスポーツの実態分析、地域スポーツクラブ組織の最適な法人形態のあり方、経営シミュレーション、仲町小学校跡施設の改修設計、実施する事業プログラム、トレーニング機器等備品の比較など、具体的な項目にわたる調査、検討、提言であり、また、契約期間内は1回2時間程度の打ち合わせを毎週1回以上行ったものでございます。内容の質と量から見まして、これにかわり得る支援制度は存在しなかったというのが理由でございます。
○むとう委員 私はそうは思いませんけれども、例えば実態調査という部分であれば、東京都の調査事業の補助金があったはずです。そういうことも活用せず、アドバイザーも活用せず、1,000万円もかけた。でもまだ全然できない。じゃ、2時間もかけて毎回打ち合わせも含めてやってきたということは、一体何を打ち合わせしてきた結果、こんなにできないで待っているという状況になっているのか。その辺の理解がとてもできません。
 2011年度の予算では、地域スポーツクラブ事業費補助として約4,100万円が計上されていますが、このような多額な補助をする自治体は見当たりません。今後4カ所、想定する5年間から10年間の補助とすると、約8億円あるいは16億円にもなります。補助金なしのところがほとんどで、補助金ありのところでも一けた違います。23区で財政が豊かと言われている港区でさえ、補助金額が約150万円だそうです。そもそも地域スポーツクラブが直接運営する形態がほとんどで、クラブが民間企業に運営を委託する中野区のような形態はまれです。支援事業に携わっておられる方に伺っても、中野区のような補助金額や形態は聞いたことがないと言われました。主要施策の成果、別冊、各分野の行政評価結果、277ページ、外部評価の欄に、「中野区地域スポーツクラブについては改めて議論を深める必要がある。しばらくの間は相当の補助金が投入されることになりそうであることから、会員となってサービスを受ける区民と、会員とならない区民との間で不公平とならないよう、そして、地域の主体性が生かされるような組織となるよう議論を深めてほしい」と書かれています。実に的を射た評価内容だと思います。地域スポーツクラブと民間スポーツクラブの存在意義の違いをいま一度見きわめるべきです。地域に常設で安価で利用できる地域スポーツクラブの開設の意義はだれも否定しません。財政が豊かな自治体であればいざ知らず、身の丈に合った地域スポーツクラブのあり方へと運営方法や補助金額の再検討をすべきではないでしょうか。幸い、事業者募集にまだ至っていないわけですから、おくれてきたことを生かして考え直すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 中野区が目指します地域スポーツクラブは、単に施設開放ではなく、区民の健康づくり、体力づくり、また、学校の運動部活動の支援、さらにスポーツの指導力、競技力の向上、こういったことの推進のため、スポーツに関連のあるさまざまな地域団体等から構成されました方々がクラブを運営し、民間の経営ノウハウを活用して事業展開していくというものでありまして、以上の点について考え直すつもりはございません。このスキームの中で可能な限り財政支出を抑制した方策によって、地域スポーツクラブを支援してまいりたいと思ってございます。
○むとう委員 方針は変えなくていいんですけれども、運営のあり方であるとか補助金については考え直したほうがいいと私は思いますね。ほかの地域スポーツクラブ、他区、先行しているところでも、目指している姿、事業内容はほとんど一緒ですから、中野区だけが特段違うということではないですよ。でも、運営方法や補助金があまりにもけた外れです。公のアドバイスや支援を受けず、商業ベースの業者に業務支援委託をしたことで、地域スポーツクラブについての考え方の基本が他自治体と大きくかけ離れたのではないでしょうか。このまま進むことは税金の無駄遣いであるということを指摘し、この項についてはさらに午後、林議員の鋭い質問に期待いたしまして、私からはこれはこれで終わります。ありがとうございます。
 先日、質問でも取り上げました区立公園トイレ及び公衆トイレにトイレットペーパーを設置することについて、再度お尋ねいたします。ペーパーの設置は区民への最低限のサービス提供だと考え、ペーパーの設置を求めたところ、今後新設するトイレ等でも可能な場所については設置していきたいとの答弁でした。今後新設するトイレとはどこのことなのか。あわせて、「等」とはどこのトイレでしょうか。指定管理者が管理し、ペーパーを設置している哲学道と妙正寺川公園の4カ所以外の既存のトイレについては、ペーパーを設置しないということでしょうか。御答弁をお願いいたします。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 新設トイレとは、今後新たに開設していく大規模公園のトイレなどを想定しております。来年4月に開園予定の(仮称)中央部防災公園等はその一つとして考えております。また、新設するトイレ等の「等」でございますけども、これについては多数の人の利用が見込まれるトイレを想定しております。また、既存のトイレでございますけども、これにつきましては新設するトイレ等での使用状況であるとか、全体のコストなどを勘案して改めて検討していきたい、このように考えております。
○むとう委員 ちなみに、2010年度の区役所で使用しているトイレットペーパーの1ロールの値段を教えてください。そして、その値段をもとに区立公園トイレ及び公衆トイレの清掃時に1ロールずつ毎回補充するとすると、1年間でトイレットペーパー代は幾らになるのでしょうか、お答えください。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 庁舎で使用しておりますトイレットペーパーの単価につきまして施設担当のほうに確認しましたところ、再生パルプ100%、しんがなく、通常の2倍の130メートルの長さのもので、1ロール当たり約58円とのことでございました。また、公園のトイレと公衆トイレのブースは全体で192ございます。こちらのブースの清掃の都度トイレットペーパーを1個補給するとした場合、年間で必要になるトイレットペーパーの数は約5万4,000個になります。そこで、庁内と同じ単価58円で試算しますと、全公園等で必要になる年間トイレットペーパー代は313万2,000円ということになります。
○むとう委員 ところで、この委員会室にいらっしゃる皆さんに、今お持ちのティッシュペーパーを確認していただきたいんですけれども、ちょっと見てもらえませんか、持っていらっしゃる方。皆さんを代表して公園管理担当の副参事、古屋さんにお尋ねいたしますが、今お持ちのティッシュペーパーはどのような種類でしょうか。教えてください。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 種類でいいますと、水に流せないティッシュペーパーになります。ここに記載がございまして、トイレでは使用しないとか、捨てたりしないようにということで記載されています。
○むとう委員 そうなんですよね。ほとんどの方が持っているティッシュペーパーというのは、水に溶けない、流せないティッシュなんですよね。溶ける、流せるティッシュというのも販売されているんですけども、ちょっと割高ですので、多くの方は流せないペーパーを購入するか、もしくはもっともっと多くの方は、一般的には駅前などで配布しているトイレに流せないティッシュペーパーを持ち歩いているというのが実態ではないでしょうか。東京都の下水道局のホームページに、「一人ひとりが守る私たちの下水道」という注意項目があります。「水に溶けにくいティッシュをトイレに流さないでください。トイレを詰まらせるのはもちろん、配水管などを詰まらせる大きな原因となります」と書かれています。そのため多くの民間のビルのトイレには、「備えつけのペーパー以外は御使用にならないでください」という掲示をされているところもあります。しかし、トイレットペーパーを設置していない中野区の公衆トイレでは、日常的に流してはいけないティッシュペーパーが大量に使用されていることになるわけです。先日も実は江古田の森の公園トイレが詰まっているというのを区民の方から伺いましたけれども、そういった意味からもトイレットペーパーの設置というのは既存のトイレでも必要なのではないかと私は思うわけです。東京都の下水道局の注意事項を踏まえて、新設トイレだけではなくて、今のことを踏まえてもう一度既存のトイレについても設置する方向で再検討を求めたいと思うんですが、無理ですか。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) ティッシュペーパー、流せないものが原因で詰まるということもあるかと思いますけども、ほかの異物を捨てたりして詰まっているケースも多くあると聞いています。したがって、トイレットペーパーを設置したからといって必ずしもトイレの詰まりが減少するというのは考えにくいというところでもございます。
○むとう委員 原因はわからないにせよ、区が管理しているトイレ、そこでは詰まらなくても、それが先に行って配管で詰まるということもあるわけだから、東京都の下水道局は溶けにくいティッシュはトイレに流さないでくださいとわざわざ注意喚起しているわけです。ですから、これはぜひ区も、今までずっと設置してこなかったわけですから、新しいところに設置するというのは1歩前進ではありますけれども、既存についても考えていってほしいと思います。無駄な調査委託に1,000万円かけるよりも、公園で元気に遊ぶ子どもたちや区民のためにトイレットペーパーの設置、約300万円の予算化を強く求め、さらに、区民生活に根差した区政となることを願い、すべての質問を終わります。ありがとうございました。
○佐野委員長 以上でむとう有子委員の質疑を終了いたします。
 次に、奥田委員、質疑をどうぞ。
奥田委員 総括質疑をさせていただきます。
 まず、順番を変えましてその他の項の、予算・決算の財政の連動性についてという項からお伺いをさせていただきます。これまでも私は、予算・決算のタイミングにおきまして政策的な内容での連動性の向上について繰り返し御提案をしてきたものでありますが、今回については財政の分析のために連動性を高めていくということを目的に質問をさせていただきたいと思います。
 2010年の3月1日の予算特別委員会、この中で私は10か年計画の第2次が十分に景気の循環を織り込んでいないということを指摘させていただきました。つまり景気の循環は、中期的なものでいえば大体10年ぐらいのサイクルで起こっております。例えば、1990年のバブル崩壊、そして、2001年のITバブル崩壊、そして、2008年リーマンショック、これ、若干早いわけでありますけれども、おおむね10年程度のサイクルというのは中期的な循環として通説になっております。10か年計画の第2次が2010年3月でありますが、一般財源規模、これがリーマンショックの影響を考慮して、2009年の想定から年間で20億円、規模を縮小するような計画に変えているんですね。つまり一財の規模を670億円から650億円に下方修正した。当然各年度の財源規模の予想というものも、10か年計画の中では約20億円ずつ下方修正を行ったわけです。また、短期的に投資抑制をせざるを得ないということで、事業を後ろに倒したんですね。主にステップ1、2で行うものを3、4以降に、後ろに倒したというような内容でありました。結果として起こったのが、ステップ3までは財調基金、何とかもっている状況でありますけれども、後半の、特にステップ4においては、資産の売却がうまく進まなかったような状況ではマイナスになってしまうような状況が示されている。これを指摘させていただいたんです。10か年計画の192ページであります。
 その矛盾が基金の積立計画にあらわれておりました。基準となる一般財源規模が650億円を上回った場合は、本来基金に積み立てるというような内容で表記されていたにもかかわらず、ステップ4の期間では、なお、基金を取り崩す計画のままとなっておりました。過大な投資計画が続く中で、かつ後ろにしわ寄せをしてしまった結果、基金を後半積み上げることができないというような内容になっているわけです。つまり、今回この10か年計画については、リーマンショックの影響を投資計画に十分に織り込んでいないということが言えるわけであります。少なくとも年間13億円程度は投資の抑制をすべきではないかということを、この際に指摘させていただいたわけです。今般、震災もあり、そして、ユーロのリスクも高まっている中で、既にこの2010年の3月の段階で13億円程度、毎年度過剰の財政を抱えているというような内容になっていたわけです。今後のトレンドはどうでしょうか。長期的な傾向はどうでしょうか。日本は当然少子化が、今すぐにとまったとしても、生産年齢人口、15歳から65歳未満では、向こう数十年はずっと減り続けるのはもう確定的です。つまり、人口が減る、人口オーナスによる経済縮小がもう確定的となっているわけです。長期的には一層こうした厳しい財政見通しに基づく分析が当然必要になってくるんですが、残念ながらベースとなる一般財源規模の議論が決算では見えづらい状況になっています。それをぜひ改善していただきたいと、こんな趣旨で質問させていただきます。
 会計手法の違う財政分析、予算では10か年計画または財政運営の考え方、財政フレームですね、これは当然一般会計をベースに行われております。一方、決算、財政白書、財政分析の主な資料として用いておりますが、普通会計で行っております。決算の財政分析を普通会計で行う。これは当然自治体間の比較ができる横比較の可能性という意味でメリットはありますが、デメリットとして予算と分析ベースが違うことで縦比較、予算・決算の時系列での分析がやや混乱しやすいという欠点があります。まず確認をさせていただきますが、一般財源という表現、これは普通会計と一般会計の比較でどのような違いがあるのか、お答えいただけますか。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) お答えいたします。一般財源、この財政白書の中の決算状況一覧表、上になりますが、そちらの中で歳入の内容が示されてございます。これが普通会計上の一般財源ということになります。一般会計につきましては若干違うところがございますが、基本的にこの表で決算については出しているということになります。
○奥田委員 伺いたいのは、若干違う部分であります。比較可能性という意味で、そこのずれが過大なのかどうか。いかんによっては連続性をつくることができるのではないかということを考えていますので、ぜひそのあたりを含めてお答えください。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) 予算で今出しております一般需要額、一般財源650億円というようなお話でございますと、そちらの比較であれば同じような項目で整理してございますので、両方とも一般財源ということでお考えいただいて問題ないと考えております。
○奥田委員 つまり、この一般財源に限った場合には、普通会計であろうと一般会計であろうと、金額的には変わらないという理解でよろしいですか。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) はい、そのように考えてございます。
○奥田委員 今、会計ベースが違う分析をしている中で、一般財源については共通の数字が使えるのだというお答えをいただきました。ここ、非常に重要なところでありまして、平成19年度の決算、2008年の9月に発行されました財政白書の中では、財政のフレームに準ずるような考え方、あるいは、基準となる一般財源の規模に準ずるような表現が実はあったんですね。具体的には、「一般財源10か年平均657億円に対する増減」という表現があって、年度間で657億円に対してプラスになるのかマイナスになるのかといった分析がされていたんです。これ、予算の段階で示している資料の中では、財産費相当分というのを入れたものと除いたものを両方の表現でしておりますが、決算ではあらかじめ財産費相当分を取った部分での表現になっているので、少しこの比較がわかりにくい状況になっているんですが、ここで近似的な数字というのがあって、平均的な10か年の657億円という数字があって、それに対して決算時に基準よりも多いのか少ないのかといった比較ができるような内容でした。ところが20年度から、残念ながらこの標準規模に関係するような、あるいは関連するような表現というのはなくなっていまして、今回出していただいた22年度決算については、一般財源という表現自体も実はないんですね。残っているのは、経常一般財源等という、10ページにある表の中の注記の中で残っただけであります。ただし、この「経常」という表現も追加になっていますし、「等」という表現で数字的なずれが、ほかの資料と比べると数億円程度出ているような状況になりました。確認させていただきたいんですが、一般財源と経常一般財源等の違いは何でしょうか。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) 経常一般財源等でございますが、基本的に特別区税、それから特別区の交付金等、経常的に入ってくるお金でございます。経常経費充当一般財源につきましては、その中のうち経常事業ですね、経常的経費にどの程度その一般財源が充てられているかという額でございます。
○奥田委員 財政白書、基本的には普通会計、自治体間比較のためにつくられているわけでありまして、非常に有効な資料ではありますけれども、基準となる一般財源規模、650億円と定め、それを中心とした財政のフレームを設けて区政運営を行っているわけですから、PDCAと言われている経営サイクルをしっかりと管理していく上で、決算時のタイミングにおいてもこの数字を何らかの形で盛り込んで、それが決算時の分析としてどうあるべきなのかの議論がしやすいものにしていくべきだと私は考えているんですが、いかがでしょうか。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) 確かに平成19年度から中野区の財政白書をつくってございまして、それの中では一般財源、先ほどちょっとごらんいただきました決算状況一覧表に載っている一般財源についての経緯が評価されているものがございました。そうした表につきましては、21年度からそうした形では掲載していないところでございますが、今回の22年度決算の6ページにも、一般財源というところで全体の歳入決算の推移についてはお示しさせていただいたところでございます。ただ、一般財源の推移ということでわかりやすい表が必要ではないかという御質問がありましたので、そちらの表につきましては次年度以降工夫して、わかりやすく表示させていただきたいと考えているところでございます。
○奥田委員 ありがとうございます。やはり連続的な経営分析というものをしていかなければならない中で、根幹となる数字というのをやはり見えやすい形にしなければ、議論が瑣末なものに入っていってしまう危険もありますから、まず体系的に全体がどうか、それが横と比較した場合どうか、時系列で見た場合どうかといったことが見えやすい形の資料づくり、ぜひ行っていただければと思います。ありがとうございました。
 こうした財政的な連続性を確保していくということについて、今御指摘させていただきました10か年計画の第2次のものについては、残念ながらリーマンショックの影響を十分に織り込んでおりません。さらに、今般の震災であるとか欧州リスクの影響を考えますと、今後の財政見通しは一層厳しいものになってくるだろうと予想されます。そんな中で税金の無駄遣いと言われかねない公務員の特権的な制度があれば、速やかな改善が必要だと考えております。
 例えば、以前副区長は、中野区では3名いました。23区中12区が1名という状況の中で突出した数字でありました。特段がなければ、これはぜひ改善をするべきだということを繰り返し指摘させていただいたものでありますが、区が当初説明していたのは、副区長が経営本部の3室のトップにつくのに事業部をまたぐ調整などを行う。その際に、同格の部長同士ではうまく調整できないんだと。だから、格を一つ上げた副区長が経営室をまたぐため3人必要なんだと。それぞれの経営室のトップに副区長が必要なんだということを説明していました。また、なぜ3人なのかといった理由についても、政策、経営、管理会計のそれぞれ分担があるんだという説明をされてきました。つまり、事務執行の権限を有するか有しないかというところを、3人必要な理由として説明をこれまでされてきたわけでございます。逆に事務執行の権限を有しない、つまり区長を補佐するだけなら不要ではないかというような見解も区長から示されたところでありました。ところが、2010年6月の施政方針説明の中では、実務レベルの連携調整のために部長同士で事業部をまたぐ調整をする、こう表現されたわけです。なぜ当初できないとしていたものが同格の部長同士での調整が可能になったのか、お答えいただけますか。
○髙橋経営室副参事(経営担当) お答えいたします。まず、これは平成19年4月から副区長が3室を担任したことによりまして、事業部に対するより強いリーダーシップが発揮されました。区政全体のPDCAサイクルを推進いたしまして、経営本部と事業部による区政の仕組みが確かなものになったものでございます。この成果をもとに平成22年6月、3室に室長を置きまして実務レベルの連携調整を見直したところでございます。各室に室長を置いたことを踏まえまして、副区長には副区長の立場から調整への関与に集中させると、そういったことでございます。
○奥田委員 導入の段階が進んできたためにというような御説明だったろうというふうに思います。そんな中で必ずしも副区長、特別職ではなくて、部長級同士であっても調整が可能な段階に来たのだというような御説明になろうかと思います。だとしたら、現在の副区長の事務執行の担任を外している状況、つまり区長を補佐するというお立場の副区長さん2名についてでありますが、当然減員したわけですね。3名から2名に減員となったわけでありますから、財政的にも非常に意味のあることですし、単に補佐するということについて3名は当然不要であります。しかし、補佐のみであれば副区長は不要ではないかという、こうした見解も述べられていた区長のお立場からすると、これはいささか多い人数ではないかというふうに私は感じますが、いかがでしょうか。
○髙橋経営室副参事(経営担当) それぞれ時代の変化、または仕事の内容もいろいろ変わります。また、目標体系のあり方とか、仕事の進め方の見直しに伴いまして、おのずと組織のあり方にも修正が必要であるというふうに考えてございます。その結果のものでございます。
○佐野委員長 ここで、質疑の途中ですが、ちょっと休憩をさせていただきます。
      午前11時57分休憩

      午前11時57分開議
○佐野委員長 委員会を再開いたします。
 どうぞ奥田委員、質疑を続けてください。
○奥田委員 今私、御質問させていただいたのは、当然役割というのは変わってきて、これまでは業務分担をされていたものが組織的に成熟してきた中で必要なくなったということでありました。だったらば、補佐のみということの副区長は、当初からの説明であれば要らないのではないかとも思えるわけですが、そのあたりをわかるように説明していただきたいということであります。
○髙橋経営室副参事(経営担当) 先ほど申しましたように、組織の内容、または事業の進め方、いろいろございます。当初に比べ、今、区長を補佐する仕事の分担、または職責、非常にふえてございます。そういった意味では、新たに副区長がその部分で補佐するために必要であるというふうに考えてございます。
○奥田委員 なかなか理解しづらい部分はございますけれども、いずれにしても当初の説明とは180度の転換と思えるような人事的な変更も、こうした事例として見られるわけであります。一方で私は、税金の無駄遣いではないか、あるいは、天下りと同じような構造ではないかと指摘されかねないような退職金の問題についても、少しお伺いしたいと思っているわけであります。
 まず、全体の制度設計を確認させていただくという意味で、金額的な部分、幾つか御質問いたします。部長級、例えば35年勤務といったとき、あるいは、一般職の平均の退職金、それぞれ幾らになるでしょうか。
○角経営室副参事(人事担当) お答えいたします。一般職で部長級まで勤めて定年になった方の退職金ということでございますが、管理職在任20年で計算しますと、おおよそ3,000万円余りというものでございます。それから、昨年度、平成22年度の退職者の平均につきましては2,300万円余りというものでございました。
○奥田委員 それでは、特別職のほうで教育長、また、副区長の退職金は幾らでしょうか。
○角経営室副参事(人事担当) 1期4年在任していただきますと、副区長につきましては1,000万円余り、教育長につきましては590万円余りというものでございます。
○奥田委員 そうしますと、過去5年の退職者の事例で結構です。特別職として退職金の合計、最大でどれぐらい払われたケースがありますでしょうか。
○角経営室副参事(人事担当) 過去5年の実績ですと、教育長を1期、それから副区長――教育長と副区長、在任期間がかぶりますけども、副区長を1期お勤めになった方で1,550万円余りというものが最高額でございました。
○奥田委員 そうしますと、部長級35年とそれを合計すると幾らになりますか。
○角経営室副参事(人事担当) 部長級の退職時、3,000万円余り退職金を払ったというところで、先ほどのそれぞれの数値を合計しますと4,590万円余りというものでございます。
○奥田委員 つまり、職員から特別職になられて、何度か特別職を続けられると約5,000万円というような事例もあるわけでございます。一方、区長の退職金、例えば1期勤めた場合に幾らで、仮に3期続けた場合には合計幾らになるでしょうか。
○角経営室副参事(人事担当) 区長の退職金につきましては、1期4年お勤めいただきますとおよそ1,500万円というものになりますので、3期ですとその3倍の4,500万円という数値でございます。
○奥田委員 そうしますと、ケースとして、一般の職員の退職金と3期の区長の退職金、合計というようなケースでいうと幾らになるでしょうか。
○角経営室副参事(人事担当) 先ほど22年度の定年退職の平均ということで2,300万円余りということで答弁させていただきました。それと、先ほどの4,500万円を足すと、おおよそ6,800万円という数字になります。
○奥田委員 ケースとしてお伺いしたんですが、一般職をやめられてそのまま区長になり、仮に3期勤め上げて定めのとおり退職金をもらい続けられると、合計で4回の退職金を中野区からもらって、合計約7,000万円というような形になるんだということが確認されたわけでございます。そういった状況の中で、区長、特別職の退職金の他区の廃止状況をお伺いしたいと思います。
○髙橋経営室副参事(経営担当) お答えいたします。退職金については条例に定められてございますので、廃止条例というものはございません。一般的には期間を定めるなどしまして、辞退ではなく特例条例での返上ということになるかと思います。まず1点目が世田谷区、現区長でございますが、現在の任期での返上、これも特例条例です。また、目黒区では退職金についての削減をことしの10月1日から平成27年3月31日まで、特例措置で行っているということを聞いております。
○奥田委員 すみません、特別職についてもお答えいただきましたか。
○髙橋経営室副参事(経営担当) 特別職につきましては、目黒区のほうは副区長、教育長が5%ということでございます。荒川区についてもあったんですが、ことし3月31日でその特例条例は終了したというふうに聞いてございます。
○奥田委員 いずれにしましても時限的なものであり、区長においても特別職においても、他区の事例にあるとおり法的にも何ら問題のない内容であります。私は、こうした同じ行政という組織の中から特別職になった方が職員の退職金を、例えば3回ももらわれる、あるいは5,000万円近くももらわれるというのは過剰ではないかというような印象を持っています。一般の職員の方が退職されるケースで2,300万円ですから、倍以上ですね。そして、天下りなどの特権的な人事制度と言われかねないわけです。そういった意味でも、少なくとも職員からの特別職の退職金については廃止も含めた見直しをするべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○髙橋経営室副参事(経営担当) まず1点目ですけども、区長の退職金についてでございますが、継続的に在任することを前提としているものではございません。区長につきましては毎年……(「区長はまだ聞いていない」と呼ぶ者あり)
○佐野委員長 もう一回問題を整理して言ってください。
○奥田委員 特別職については連続的なものではないけれども、これは、既に中野区で連続的に勤務されている場合についてどうかというようなことをお伺いしていますので、そこについて改めてお答えいただきたいのと、区長につきましては、もちろん選挙を経ているために廃止の義務というのはないわけでありますけれども、市民派を標榜されている政治家として、3期目の退職金だけでもやめてはいかがかと思うんですが、いかがでしょうか。
○川崎経営室長 まず特別職でございますが、これについても規定については条例で定められてございます。そういった意味では、安易にそういったことで判断できるものではないというふうに考えてございます。また、区長についてでございますが、区長については4年ごとの選挙で選ばれる。また、副区長、教育長も同様に区議会の同意によって任命されている部分がございます。そういった面では、退職金は厳格に条例で定められたとおり支給されているということであり、先ほど申しましたように安易な判断はできないというふうに考えます。
○奥田委員 この項の質問を終わらせていただきます。
 次に、議会の議決を要する契約についてお伺いいたします。今回、議会の議決を経ることなく契約を締結した事項が発生いたしました。それに関して会計予算、契約などの日常業務において職員のミス、いわゆるヒューマンエラーでありますが、これをどういった形でなくしていくのかといった視点から質問をさせていただきます。
 7月の総務委員会では、事務処理のミスを防止することなどを盛り込んだ内部統制の仕組みの再構築についての考え方(案)が示され、今般既に(案)が取れた状況になっていると伺っております。まず伺いたいのは、案に示されたスケジュールから既に数カ月のおくれが発生しておりますが、今後のスケジュールはどのようになっていますでしょうか。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) お答えいたします。内部統制の仕組みの再構築にかかわる取り組みにつきましては、現在関連規定等の整備を進めているところでございまして、年内には具体的な取り組みを検討し、順次実施していくという考えでございます。
○奥田委員 それでは、その中に関連する項として、文書管理システム、財務管理システムのそれぞれの導入時期と目的をお伺いしたいと思います。
○髙橋経営室副参事(経営担当) 私からは、文書管理システムの導入時期と目的についてでございます。導入時期につきましては平成15年4月1日でございます。また、目的でございますが、文書の電子化によりまして文書の発生から廃棄までのライフサイクルを一貫して管理しまして、事務処理の効率化を図ることを目的に導入したものでございます。
○辻本会計室長 私からは、財務会計システムにつきましてお答え申し上げます。財務会計システムにつきましては平成17年4月1日から導入したものでございます。その主な目的でございますけども、公正、透明、正確な事務の促進、さらには質の高い情報共有、活用の促進、事務の簡素・効率化の促進などでございます。
○奥田委員 内部統制の内容の中でITへの対応という項目があり、そこでは既に取り入れているITの利用環境を踏まえた業務の効率化やリスク対応につなげていくとしていますね。その中で主な取り組みの、必要なITシステムの改修を行うとありますが、具体的な内容を教えてください。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) お答えいたします。会計、予算などの現行の電子システムについて、不適切な事務処理をシステム上未然に防止したり、処理の確認ができるようなシステム見直しを進めることとしております。
○奥田委員 職員2,000人体制に向けて、絶対数とともに習熟している職員の方も減っていくわけであります。今回の運用の改定については、規則や運用の改善で対応が具体的に検討されているようでありますが、実際には職員の習熟度アップや、二重、三重のチェックをしていく、あるいは研修していくと、コストも当然上がっていきます。一方で、個人への責任を求めていくような方向性にもなりかねません。それを改善するためにも入力に不備があった場合には事前にアラートが出るようなシステムの改修をする、あるいは、その内容が何であるか、職員がシステムを使う中で学ぶことができるように改修していくということができないかと考えていますが、いかがでしょうか。
○戸辺経営室副参事(行政監理担当) システム上で一定のエラーチェック、処理が確認できるような機能を追加していくことも含めて検討していきたいと考えてございます。また、理由や原因の明示につきましても、今後の改修内容の検討の中で検証していきたいと考えているところでございます。
○奥田委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○佐野委員長 以上で奥田委員の質疑を終了いたします。
 ここで一たん休憩にしたいと思います。
午後0時10分休憩

午後1時10分開議
○佐野委員長 委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き総括質疑を続行いたします。近藤さえ子委員。
近藤委員 無所属の近藤さえ子です。職員の皆様におかれましては、日々区民のために御尽力いただきありがとうございます。質問は1番と2番を入れかえて行います。その他はありません。
 まず、女性への暴力防止に対する取り組みについて。この夏、私は、元鳥取県職員、現鳥取赤十字病院事務部長、原豊氏の話を伺う機会を持ちました。鳥取県は、DV(ドメスティック・バイオレンス)対策日本一と言われるほどDV防止に力を入れてきました。その結果、全国的には児童虐待が増加する中、鳥取県では児童虐待が減少しているという話をされていました。原氏によると、女性への暴力と児童虐待は深く関連しているということでした。全国的にもDV(ドメスティック・バイオレンス)の被害はふえていますが、一方で中野区のDV電話相談件数は、平成21年度、平成22年度と伸びていません。主要施策の成果の外部評価でもこの点が指摘されています。男女共同参画の事業の電話相談は、電話がかけやすいような工夫を何か行っているのでしょうか。
○小田政策室副参事(企画担当) お答えいたします。昨年度までの実績等を踏まえまして、次のような工夫を行ってございます。第1に、日常の暮らしぶりから全体的なDVが浮かび上がることを考慮いたしまして、本年度から電話相談の対象を拡大いたしまして、女性の生き方・DV電話相談というふうに変更して実施をしてございます。また、第2に、DVの被害者の方が電話しやすいように、今年度からは加害者が在宅している可能性の低い平日の昼間の時間帯に、電話の相談の時間帯を変更したものでございます。また、第3に、広報活動を着実に行うことが必要だと感じておりまして、具体的には区立施設の女子トイレに相談先カードを設置するとともに、専門学校、医師会、歯科医師会に対しても女子トイレに相談カードを置くことをお願いしてございます。また、人権週間の街頭キャンペーン時にはポケットティッシュなどに封入して配布している等、広報に努めているところでございます。
○近藤委員 男女共同参画、生活保護、犯罪被害者相談窓口など、区にはDV被害に関してさまざまな窓口がありますが、区民からすると、どの窓口に相談したらよいのかわからないと思いますが、どのような区分けになっているのでしょうか。
○小田政策室副参事(企画担当) 男女共同参画センターにおきましては、DVの相談者の方への精神的な支援とともに、今後の生活についての相談を行ってございます。生活援護の担当では、主に経済的な問題と緊急的な避難に対応しているところでございます。犯罪被害者の相談窓口では、性犯罪を対象といたしまして、その中にDVが含まれるケースなどについて相談と支援を行っております。それぞれ対応する内容につきましては異なってございますが、どの窓口に相談に行かれても適切な対応を相談者に御案内できるように担当間の連携を行っているところでございます。
○近藤委員 ありがとうございます。本当にどこへ行っても相談に乗っていただけるということが大切だと思います。平成21年度、平成22年度のDV防止や犯罪被害者等に関する講演や講座、その内容はどのようなものでしょうか。
○小田政策室副参事(企画担当) 私のほうからは、DV防止に関します講座、講演会について概要のほうを述べさせていただきます。平成21年度は、DV被害当事者の経験から被害女性を支援する活動を始め、DVシェルターを開設したカウンセラーの方を講師といたしまして、DV問題に関する情報の共有、DV被害者の感覚を理解し、被害女性に対する支援体制につきましての講義と実践ワークを行いました。また、地区委員会を対象に「DVの正しい知識と子どもへの影響」という題で、カウンセラーによる講演会を実施いたしたものでございます。さらに、若い世代の交際相手のDVを防止するために、デートDVの講座を区内の私立女子校に出向いて実施いたしました。平成22年度につきましては、DV被害の気づきと支援、相手を尊重して自己表現をするということを学ぶ講座を実施いたしました。また、21年度に引き続きまして、DVに陥りやすい構造と、また、DVは身近にあることを正しく学び、予防につなげるということを目的といたしましたDVの防止講座を、区内の私立女子校など2校に出向き実施したものでございます。
○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) 私のほうからは、犯罪被害者に関する講座、講演の実施について答弁させていただきます。平成21年度には、区民向け講演会として少年犯罪被害御遺族、通り魔殺人御遺族の方の講演と、フリージャーナリストを交えたパネルディスカッションを行いました。区立学校でのお話会は、中央中、武蔵台小など5校で行いました。職員向け研修では、犯罪被害に遭われた方の講演を伺いました。平成22年度につきまして、区民向け講演会は傷害事件当事者と東京保護観察所、警察、保護司でのパネルディスカッションを行いました。区立学校でのお話会は、八中、鷺宮小など7校で行いました。職員向け研修では、「性犯罪被害にあうということ」の著者、小林美佳さんの講演を伺ったものでございます。
○近藤委員 ぜひ若いうちからこのDV防止ということで、学校教育などに本当に取り込んでいただくことが大事だと思います。犯罪被害者等相談窓口では、御自身が被害に遭い、その体験の本を出版した小林美佳氏を職員の研修にお呼びしたと伺っています。本の出版直後から彼女のもとには1年間に1,000通を超える被害者からのメールが届いたそうです。毎日彼女のもとに届くメールには、彼女はだれか私のかわりに傷ついた彼女たちを受けとめてあげてと悲鳴にも近い声を上げていました。それらの声を受けとめるのが区の電話相談であり、支援の窓口になるはずです。小林氏は広く名を知られた方で、各地の講演会には多くの同じような体験をした女性たちが集まってきます。中野区役所の会議室によく講演にいらしてくださったと思います。せっかくの小林氏のお話でしたから、もっと区民に周知し、多くの区民が参加できればよかったのではないかとも思います。講師の手配だけでも大変です。DV防止に関する小規模な講演や事業を地道に続けられている職員の御苦労には頭が下がります。今後、犯罪被害者等相談窓口や男女共同参画などの人権を擁護する所管が連携してDV防止啓発事業などを実施されてはいかがでしょうか。
○小田政策室副参事(企画担当) お答えいたします。12月の人権週間におきましては、人権を担当する各所管が合同でパネル展を開催しているところでございます。また、区のDVに関連する担当だけではなく、医師会、歯科医師会、警察署など関係機関が参加するDV防止連絡会を年2回開催いたしまして、構成員で情報を共有するとともに、連携してさまざまな相談や個別のケースに対応しているところでございます。今後も事業展開をさらに広げていきたいというふうに考えております。
○近藤委員 女性への暴力を防止する啓発事業、ひいてはそれが児童虐待防止につながる。そんな事業の数々を地道に続けてこられた職員の仕事ぶりが評価されたのでしょう。内閣府男女共同参画局推進課暴力対策推進室から、中野区の犯罪被害者相談窓口に対する内容に関して今月末にヒアリングがあると伺いました。内閣府が中野区の政策について知りたいということですが、それはどのような内容で、中野区が着目されている理由を教えてください。
○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) お答えいたします。委員からの今月末という御質問でしたけども、先月末にヒアリングがございました。9月26日に内閣府男女共同参画局から中野区における性犯罪被害者相談支援の取り組みについて、現状と課題、今後必要な取り組みについて、及び個別ケース事例を題材に、他の支援機関、団体との連携などについてヒアリングを受けたものでございます。翌日、推進課の担当室長から御礼のメールをいただきましたが、具体的には、庁内での連絡体制や関係機関、団体との連携の必要性がよく理解できた、また、他の自治体に広げていく場合に取り組むべき事項や視点が明らかになった等のコメントをいただきました。あわせて、今月末、10月31日に内閣府主催の女性に対する暴力に関する専門会議において、中野区の取り組みを御紹介いただきたい旨の依頼が来ております。今年度の新たな取り組みとしましては、中野区社会福祉協議会の委託事業で行っている、犯罪被害による著しい身体的・精神的被害等により生活支援が必要な方に、家事援助や外出援助、育児援助などを行う犯罪被害者緊急生活サポート事業などがあります。まだ実績はありませんが、相談は来ているという状況でございます。
○近藤委員 ありがとうございます。先月にヒアリングがあったということですね。私も内閣府の職員の方とお話をさせていただいたんですけれど、中野区の取り組みを大変褒めてくださいました。また、DV対策に力を入れている関係者の方から、内閣府男女共同参画局推進課暴力対策推進室の講師として中野区が務めるということが決まっているのではないですかということなんですけれども、そういったお話はあるんですか。
○上村健康福祉部副参事(福祉推進担当) 先ほど御答弁申し上げた中に、今月末に内閣府主催の女性に対する暴力に関する専門会議において、取り組みを区の職員から紹介いただきたいということで、講演ということではなくて、二、三十分の時間で紹介するという依頼が来てございます。
○近藤委員 内閣府の審議会を経て全国の自治体へと中野区の取り組みが広がっていくことになれば大変うれしく、誇るべきことだと思います。身近なところに相談しやすい形で相談の窓口が何カ所もあり、それらがつながって命を守る事業として新たなる拡大をお願いして、この項の質問を終わります。ありがとうございます。
 次に、議決に付すべき契約の事務手続についてお尋ねします。私は、子ども文教委員会に属しています。現在、議案が保留中です。皆さんも質問されていましたが、重複するところもありますが、私も総括のお時間をいただいて、子ども文教委員会ではお聞きできない一般的な契約事務手続について伺わせていただきます。
 まず、予定価格2,000万円以上の財産の買い入れに係る契約の手続について確認させてください。
○伊東経営室副参事(経理担当) お答えいたします。まず、予定価格2,000万円以上の財産の買い入れに係る契約の手続についてですけれども、まず地方自治法の第96条第1項第8号では、その種類及び金額について政令で定める基準に従い、条例で定める財産の取得または処分をすることと自治法で規定されてございます。それを受けまして中野区では、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得または処分に関する条例、これを設けてございまして、議会の議決に付さなければならない財産の取得または処分につきましては、予定価格2,000万円以上の不動産もしくは動産の買い入れ、もしくは売り払いなどというふうに規定されてございます。議会に対する手続につきましては、まず相手方と仮契約を締結した上で議案を提出させていただきます。そして、議案が可決された場合に仮契約を締結してある契約の相手方と本契約、これを締結することになります。それをもって契約が成立するというものでございます。
○近藤委員 次に、契約に関しての文書の保存の定めをお聞かせください。
○髙橋経営室副参事(経営担当) 文書の保存年限の設定につきましては、文書管理規程により行ってございます。文書等の保存年限、設定基準に基づきまして、所管の統括管理者が定めているところでございます。
○近藤委員 現在審議中の議案に要する財産の取得は、中野区文書等保存年限設定基準のどこの部分に該当するのでしょうか。
○髙橋経営室副参事(経営担当) 財産の取得に関連する、購入についての契約でございますが、その文書の保存年限につきましては、中野区文書等保存年限設定基準の契約を伴う事案に該当いたします。
○近藤委員 その件についての文書の保存期間は何年ですか。
○髙橋経営室副参事(経営担当) 契約を伴う事案に係る文書等の保存年限でございますが、3年以上とし、その契約の内容に応じて定めるものと規定してございます。
○近藤委員 3年というのは大変短いですね。電算上でもデータ保存は3年で自動的に消えてしまうのですか。
○髙橋経営室副参事(経営担当) 所管のものにおいて最低3年ということでございますけれども、それ以上のことも設定は可能です。仮に3年ということで設定していれば、電算的な記録はプログラムにより一括に消去を行っているところでございます。
○近藤委員 中野区文書等保存年限設定基準の第4条2項で、文書等は特別な理由がない限り必要最小限の保存期限を定めるものとするとしていますが、必要最小限の保存期限を定めるその趣旨はどこにあるのでしょうか。
○髙橋経営室副参事(経営担当) 不必要な文書を廃棄せずに持つこと、また、保存を継続することは、効率的な事務の執行の妨げになるということでございます。したがいまして、最小限度に保存期限を定めるものというふうに考えてございます。
○近藤委員 かつて紙ベースで書類を保管していたときは、確かに書類が山積みになり、保管すること自体が大変だったと思いますが、現在ではPDF化が進み、必要書類を電子化することができます。必要最小限度の保存期間というのが、大事なことがきちっと、必要性の高いものが保存されなくてはならないと思いますけれど、いかがですか。
○髙橋経営室副参事(経営担当) 電磁的なものでありましても必要最低限、例えば検索に非常に時間がかかるとか、または、いろんなものを見たときに混乱を招く、また、先ほど申しましたように文書の保存、物理的なものもあります。そういった部分ではその内容に応じて、最低限の期限はございますが、その契約の内容、または文書の内容に応じて期限を高めることもできます。したがいまして、最低限の基準での、先ほど申しましたように効率的とか、そういったもので不必要な文書というのは破棄していきたいというふうに考えます。
○近藤委員 不必要なものと決めてしまわれるのは、どこが不必要だと思うんですけれども、特に毎年同じ契約ではない今回の動産の取得のような特殊的な契約については、職務を引き継いだ職員が過去のデータをすぐに参照でき、これまでの契約がわかるような書類の保存状態が望ましいと思います。過去の記録を3年という短い保存で消してしまうことは、今回のようなミスにつながりかねないと思います。せめてさかのぼること過去2回程度のデータを保存することが望ましいと思いますが、いかがでしょうか。
○髙橋経営室副参事(経営担当) 文書の保存年限の設定につきましては、文書管理規程に基づきまして行っているところでございます。文書等の保存年限の基準に基づきまして、所管の統括管理者が定めるというふうに規定してございます。所管の文書につきましては、統括管理者の指揮に従いまして適正に処理することとされてございます。文書の保存年限の設定についても、その実務内容をしっかり把握している所管の統括管理者が定めるものというふうになってございます。このため、委員おっしゃったように契約の内容等を十分に見きわめて保存年限を設定することになりますが、契約金額、また、事務内容を反映しまして、所管において、今最低3年というふうになっておりますが、それを3年以上から長期までの保存期限を選択して設定することは可能でございます。したがって、そのような形で統括管理者のほうが判断するというふうなものでございます。
○近藤委員 このような特殊性のある、毎年行われるものではないものは、前のことをちょっと振り返られるということが大事だと思うので、管理者がきちっとこれは管理したほうがいいと思います。職員が過去の手続を適正に行っていても、データの保存がないためにそれを証明することができなければ、それはとても残念なことです。
 私は、区民の方にお手伝いをいただき、2,000万円以上の過去の手続についても調べてみました。平成13年と16年のこの動産の買い入れも、決算上は2,000万円を超えていますが、議決を経ていないので、契約は一括では買い入れなかったものと考えられます。しかし、データが保存されていないので、どのような契約がなされたかは不明のままです。ちなみに、過去の取得方法を取引先の会社に問い合わせたところ、やはり伝票は残っていませんでした。しかし、取引先の話では、新宿、渋谷、杉並、中野の4区に品物を売却していること、4区が同じ購入方法をとっていること、中野区だけが異なった購入方法をとることは考えにくいということでした。そこで、事務局にお願いして新宿、渋谷、杉並の契約を調べていただいたところ、3区とも一括契約とのことです。中野区の購入手続処理が適正でなかった可能性があるのではないかと疑問が出たときに、当時のデータが保管してあり検証できれば問題がないのですが、今回のように疑問が生じても区民に説明はできない状態です。しかし、過去には適正な処理が行われているのですから、それら疑問を問題なく解決するためには、過去の契約データが保存されていることが必要だと思います。せめて前回、前々回の契約の内容を確認できる程度の契約書の長期保存を望みます。そうすることで職員間の仕事の引き継ぎも円滑に進むのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○髙橋経営室副参事(経営担当) 今、委員おっしゃることでございますけども、私どもとしては、この期間については最低限を定めているものでございます。したがいまして、今、委員がおっしゃったような趣旨を踏まえて、各所管においてその事務の内容もしくは契約の内容、そういったものに重きを置いて設定を長くすることができますので、今、委員おっしゃった部分に関しては各所管において念頭に置いて処理するものというふうに考えてございます。
○近藤委員 ぜひ区民にきちんとした説明ができるような事務処理をしていただきたいと思います。
 これで私のすべての質問は終わりです。ありがとうございます。
○佐野委員長 以上で近藤委員の質疑を終了いたします。
 次に、いながきじゅん子委員の質問に移ります。
いながき委員 無所属のいながきじゅん子でございます。世界中で株価が大幅に下落し、ヨーロッパを中心に予断を許さない経済状況が続いています。国内でも先行き不安感が高まる中、政治の果たすべき役割は非常に大きなものがあると思っております。中野区でも税収が伸び悩み、ますます厳しい財政状況となっておりますが、現状では区民の所得をふやし、区の税収を底上げしていけるような抜本的かつ効果的な景気対策、経済政策を打てるのは国や国会であり、中野区のような基礎的自治体が単独での取り組みや努力で自前の税収を大幅に上げていくことはかなり困難であるのではないかと思います。今の仕組みの中で地方自治体が財政難を乗り切るためにまず取り組むべきことは、やはり歳出の徹底的な見直しではないでしょうか。また、厳しい経済状況の中で税や保険料を正しく気持ちよく納めていただくためにも、皆様からお預かりしたお金は常に無駄なく、公平・公正に使われていますと胸を張ってお伝えできるような区政運営を目指すべきだと思います。私は、歳出の見直し、そして、信頼される区政の実現において、契約や入札の見直しと改善は非常に重要なポイントとなるのではないかと思っております。税金を投入する以上、質の高い工事や製品を適正価格で調達できるよう最大限努力することは自治体の責務です。納税者の関心も高い分野であり、どの事業においても適正な競争の結果、落札企業のみならず区民全体にとってプラスになる、価格に見合った内容の契約が常に行われるよう努めていかなければなりません。
 それでは初めに、総合評価落札方式について伺います。中野区では、平成20年から発注者の責務を明確化し、価格と品質で総合的にすぐれた調達を図るとして総合評価方式を導入しております。現在、工事入札についてはすべてこの方式で行われており、来年からの本格実施を検討されるとのことで、幾つかお聞きいたします。
 まず、この制度では希望するすべての企業が入札に参加できる仕組みとなっているのでしょうか。仮に30社応募してきたら30社すべて入札に参加できるのでしょうか、お答えください。
○伊東経営室副参事(経理担当) お答えいたします。入札参加資格要件を満たしている事業者につきましては、入札の参加が可能となるというところでございます。
○いながき委員 その参加要件とは具体的にどういったものでしょうか。
○伊東経営室副参事(経理担当) 業種をきちんと登録しているかとか、必要とする実績の有無、こういったものをきちんと見ながら入札の参加資格を判断しているというところでございます。
○いながき委員 各入札案件は、特別簡易型と簡易型の2種類に分けられて評価されますが、特別簡易型と簡易型の違い、それぞれに適用される入札案件の特徴を教えてください。
○伊東経営室副参事(経理担当) 特別簡易型と簡易型の違いということでございますけども、当該工事の難易度ですね、技術的な工夫の余地ですとか、あるいは工事の規模、これによって評価する項目が違ってございます。まず簡易型につきましては、特別簡易型の評価項目以外に図面や仕様書などに示した施工方法、これに基づいて簡易な施工計画、それの評価が加わるという点がございます。
○いながき委員 この制度では、入札価格だけではなく、技術力はもちろん、環境への配慮や地域への貢献度合いなど、企業の社会性もあわせて総合的に評価するということで、必ずしも最低価格入札者が落札者とはならないのが特徴です。逆に言いますと、価格以外のところで適正な評価がなされなかった場合、契約額が高どまりする上に内容もよくないといった、大変好ましくない結果に終わってしまう可能性もあるわけです。まず、価格以外の評価基準ですが、工事について大きく分けて二つ、その企業の技術力と信頼性、社会性とがあります。技術力関係の評価項目数は六つから七つ、信頼性、社会性については五つとなっております。一つひとつの評価項目の内容や配点についてはここでは触れませんが、過去3年間の中野区の工事成績評定点の平均点と施工計画表、この二つ以外の評価項目に関しては、一度でも中野区の工事を請け負ったことのある一般的な企業であれば、毎回ほぼ全部クリアできてしまい、区内業者さんと区外業者さんとの差がつきやすい以外は、参加企業間でほとんど差がつかないような評価項目ばかりのように思えるのですが、いかがでしょうか。
○伊東経営室副参事(経理担当) この評価項目につきましては、工事成績と施工計画以外にも、同種工事の施工実績ですとかISOなどの取り組みという項目がございまして、この後者の二つの項目だけでも最大4点の差がつくというふうに認識してございます。
○いながき委員 さて、配点も高く、その企業の真の実力とも言える技術力や施工能力を直接的に評価できる項目は、先ほど申し上げました過去3年間の工事成績評点の平均点と施工計画表くらいです。さらに、特別簡易型ではこの二つのうち施工計画表の必要もなく、過去の工事成績のみ評価対象ということになっています。しかし、例えば、施工計画表の評価項目の中に、施設利用者、近隣住民などの調整に関する事項というものがあります。これは、工事の規模や内容にかかわらず重要な項目だと思いますが、特別簡易型工事の際は施設利用者や近隣住民への配慮や調整は必要ないのでしょうか。施工計画表を評価項目に加える必要はないのでしょうか、お答えください。
○伊東経営室副参事(経理担当) まず、中野区の総合評価方式の施行基準で実施してございますけども、これは国が示します地方公共団体向けの総合評価の実施マニュアル、これを参考にして作成してございます。この国のマニュアルの中では、簡易型は簡易な施工計画、同種類似工事の施工実績や工事成績ということとなってございます。一方、特別簡易型は、施工計画の評価を要件とせず、同種工事の施工実績や工事成績などにより評価することというふうになってございます。それと、簡易型は施工計画がありまして、先ほど委員、御指摘のように、近隣住民への調整ということがあります。特別簡易型にはございませんけども、これは先ほど言いましたように国のマニュアルに沿った考え方を区として採用しているものでございまして、特別簡易型の工事を評価する方式においては必要ないと考えてございます。しかしながら、大小かかわらず、どのような規模の工事であっても近隣住民に対する配慮、騒音ですとか、そういったものは絶対に不可欠であるというふうに認識してございまして、施工事業者としても工事を行う際はそういった視点で工事をしておりますし、区としましても必要な監督などを随時行って、近隣への調整、配慮を行っているということでございます。
○いながき委員 それでは、特別簡易型、簡易型に共通している過去の工事成績についてもう少し伺います。工事成績の評定をするに当たっては、先週北原委員が言及なさった2004年制定の工事成績評定要綱によって定められた、複数の担当者が工事終了後70項目以上にわたって評定し、その総合点を評価の対象としています。しかし、各項目の点数のつけ方として100点満点中何点ですとか、10点満点中何点ですとかではなく、すべての項目において○か×しかない。具体的な文言としては、「おおむね可」か「不備がある」の二択しかないようですが、それでよろしいでしょうか。
○小山内経営室副参事(施設担当) お答えします。これまでの総合評価を施行してきた中で、当然実績と課題を今後踏まえて、請負者の意欲の向上と適正な入札制度の維持につながる工事成績評定制度のあり方について改善していくことを検討していきたいというふうに考えております。ただいま御指摘いただいた点もあわせて検討することとしております。
○いながき委員 すみません、質問が○か×でしかない、「おおむね可」か「不備がある」の二択しかないのではないかというふうにお聞きしたんですが、それについては間違っていませんでしょうか。
○小山内経営室副参事(施設担当) その点につきましても、その評価の仕方について改善をしていくということで考えております。
○いながき委員 私はそのようにお聞きしたんですが、○か×しかない。それですと、よほどひどい欠陥工事以外は工事が完了した時点でほとんど「おおむね可」と評定されてしまう。せっかく複数の担当者がさまざまな角度から点数をつけても差がつかなくなってしまい、すぐれた技術力で丁寧な仕事を行った企業へのインセンティブが全く働かなくなってしまうというふうに思われます。せめて「優良」か「不可」くらいに段階をふやすべきではないかと思います。繰り返しになりますが、特別簡易型では企業の技術力を直接的に評価できるのは唯一この項目くらいです。配点も高く、非常に重要な項目であるにもかかわらずこのような点数のつけ方で、これまで各企業の実力が適正に評価に反映されていたのか非常に疑問です。改善を検討するということで、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、価格の問題について伺います。価格点算出のための計算式や価格点の占めるウエートは、各自治体によって異なるようですが、中野区の価格点におけるウエートは東京都や他区に比べて特に低いということはございませんでしょうか、お答えください。
○伊東経営室副参事(経理担当) お答えいたします。近隣区、第4ブロックの状況を見てみますと、中野区以外では簡易型を実施していませんので、特別簡易型で説明させていただきます。この価格点を計算する際に使用する係数ですね、この数字が大きければ大きいほど価格点の比重が高くなるというものでございますけども、現在中野区は、この特別簡易型におきましては70という数字を使っております。他の第4ブロックでは110というのが1区ございます。残りの3区が90ということでございます。実は中野区も平成20年度の制度導入時には90という係数を使ってございましたが、この90という数字では価格点だけで落札者が決定するというケースもございまして、見直しをした結果、現在70という係数を使用しているというところでございます。
○いながき委員 次に、昨年施行が開始されました低入札価格調査制度について伺います。これは、他の点数が幾らよくても入札価格が低過ぎるという理由だけで失格となっていた企業について、その価格が基準の範囲内であれば所定の調査を行い、問題がなければ落札者となれる場合があるという制度だそうですが、これが適用されて最終的に総合評価1位となり、落札した企業はございましたでしょうか。
○伊東経営室副参事(経理担当) 制度導入以降現在まで、調査にまで至った事例は1件もございません。
○いながき委員 他区ではこの制度が実際に適用されたケースがあるようですが、中野区では1件もない。調査にかかったケースもない。これはどのような理由が考えられますでしょうか。この制度自体に改善の余地があるわけではないのでしょうか、お答えください。
○伊東経営室副参事(経理担当) 実施した結果、評価点が第1位という落札予定者でございますけども、そういったものが調査基準価格を下回った事例が1件だけありましたけども、そういったことでございました。その1件につきましても、さらに失格基準というのを設けております。これは、予定価格の積算内訳に対して満たされなければならない基準がさらにございますけども、それに該当したため実際の調査を行うということに至らず失格となったということでございます。いずれにしましても、この制度は最低制限価格制度を補完するものとして重要というふうに認識してございますので、引き続き実施を継続して分析をしていきたいというふうに考えてございます。
○いながき委員 次に、資料、総務101で、現年度までの3年間の工事別の平均落札率の数字を見ますと、設備・その他工事が80%を下回っているのに対し、建築・造園は90%以上、土木に至っては平均落札率97%となっています。このように工事内容によって落札率に差が出てくるのはなぜでしょうか。
○伊東経営室副参事(経理担当) いずれの入札も適正に執行されておりまして、その結果の積み上げがこの一覧に数字としてあらわれているというふうに認識してございます。
○いながき委員 一般的に公共工事の落札率は90%以下が望ましいと言われております。また、全国規模で活動している市民オンブズマンの発表によりますと、落札率90%以上は談合の疑いがある、95%はその可能性が非常に強いということでございます。過去数年間の2,000万円以上の契約一覧という、ことしの予算特別委員会に提出されました資料を見ますと、総合評価落札方式で99.9%、99.8%、99.7%という非常に高い落札率の工事があります。そしてこれは、総合評価方式ではございませんが、平成21年には落札率99.99%と限りなく100%に近い建築工事がございます。どうやったらここまで高い数字になるのか非常に不思議に思います。このような高い落札率の工事が発生している理由について、区の見解をお聞かせください。
○伊東経営室副参事(経理担当) 区では、入札に際しまして落札できる上限の価格、いわゆる予定価格を設定してございます。入札する価格の設定につきましては、いわゆる入札参加者、各事業者が決めるということでございまして、区としては決めました予定価格、これの範囲内において落札者を決定したと。その結果としての数字であるというふうに認識してございます。
○いながき委員 また、中野区では入札監視委員会を設置していますが、この非常に高い落札率の契約については委員会で取り上げられたことはなかったのでしょうか、お答えください。
○伊東経営室副参事(経理担当) 区が発注します工事等の入札及び契約手続の運用状況につきましては、入札監視委員会のほうに報告をしているというところでございます。
○いながき委員 こういった高い落札率の工事について議題に上ったことはなかったんでしょうかとお聞きしたんですが。
○伊東経営室副参事(経理担当) 議題といいますか、報告事項ということで、適宜執行状況について御報告をさせていただきまして、その中で特段委員からの意見はございませんけれども、感想を述べられるようなケースはございます。
○いながき委員 この入札監視委員会ですが、会議の公開、会議録の公開も傍聴も不可となっています。今回その内容を知りたくて中野区のホームページを調べてみたのですが、公開されていたのは報告事項のタイトルと議題のみという状況でしたので、他区の資料を見ていろいろ勉強させていただきました。さすがに議事録を一言一句公開している区はないようですが、委員会が傍聴できたり、議事の概要として委員の質疑とそれに対する区の答弁がQ&A方式でわかりやすくまとめられていたり、個別具体的な入札、契約案件についての質疑、答弁も公開されております。委員への報酬も毎回発生しているにもかかわらず、傍聴もさせず、議題だけホームページに公開して、委員諸氏がどのような見識が持ち、どのような質疑をなさっているのか、また、それに対する区の答弁もさっぱりわからない。内輪で完結してしまっているような状況では委員会設置の意味があまりないのではないか。もう少し議論をオープンにするべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○伊東経営室副参事(経理担当) 委員会の概要につきまして、その掲載方法ですとか内容につきましては検討していきたいというふうに考えてございます。
○いながき委員 工事関係の契約だけで昨年はおよそ37億円、一昨年はおよそ79億円の実績がございます。これは非常に大きな数字だと思っております。例えば、平成21年に99.5%の落札率だった10億円以上の体育館改築工事が、もしも90%以下の落札率で契約されていたとすれば、この1件だけでおよそ1億円の経費が削減されていたということになります。もちろん過度な価格競争に陥ってはなりませんが、高過ぎる落札率の契約が極力なくなるような入札制度の実現を希望して、この項の質疑を終えます。
 次に、契約の見直しによる経費削減策について伺います。さきの本会議で区長は、徹底的な事業見直しの必要性を訴えていらっしゃいましたが、見直しとは単に事業を継続するのか廃止するのかを決定するだけではなく、内容の見直しと改善、特に財政難の今、事業継続の場合でもいかに経費をかけずに内容を充実させていくかを常に考え、工夫することも重要なポイントではないでしょうか。その方策の一つとして各契約の見直しが挙げられるのではないかと思っております。従来の契約を一つひとつ丁寧に見直すことで、かなり大きな経費削減効果が生み出せる可能性があるのではないでしょうか。
 具体例として、障害者福祉関係のバスの契約を挙げます。障害者福祉会館、かみさぎこぶし園、療育センターアポロ園の障害者送迎バスについては、ことし前期までそれぞれの施設が同じ企業と別々に特命随意契約を結んでいました。しかし、ことし後期から3施設まとめて総合評価方式で競争入札をかけたところ、落札したのはそれまでの随意契約先と同じ企業ではありましたが、障害者福祉会館の送迎バスを1台分ふやし、かつタイムケア送迎という新しい施策の経費を上乗せしたにもかかわらず、年間契約額は随意契約時とほとんど変わらない金額で契約することができています。逆に言いますと、バス1台分、およそ1,050万円、そして、タイムケア送迎の限度額、およそ250万円、合わせておよそ1,300万円をこれまで毎年余分に払い続けてきたのではないかとも言えます。ここでお聞きしますが、せっかく特命随意契約をやめて競争入札にかけたのに、なぜまたもとに戻ってしまうような5年間の長期継続契約にしてしまったのでしょうか。毎年入札をかけてもよかったのではないでしょうか、お答えください。
○伊東経営室副参事(経理担当) 本案件にかかわる送迎バスの運行業務でございますけども、これは車いすなどを御利用される障害者(児)を送迎する事業がございます。こういった性質から事業者が区の仕様に合わせた車両、これをまずは調達しなければならないというものでございます。そのため仮に毎年入札をすると、1年限りの契約期間としますと、こういった車両の調達をするということで事業者の採算性がないということから、新規事業者に対する入札の機会を与えられないということになりますので、そういった新規事業者に入札の機会を与えるためには複数年度、今回長期継続契約ということで5年としましたが、こういった契約にする必要があり、執行したというものでございます。
○いながき委員 このほかにこの企業には、肢体不自由児学級の送迎バス事業も特命随意契約で委託しています。この事業の所管は先ほどのバスの所管とは別になりますが、内容的にこれもまとめて入札にかけられなかったのかとも思います。ほかにも特命随意契約を競争入札に変えたり、契約の仕方を工夫したりすることで経費が削減できる事業があるのではないでしょうか。区長も、財政難の折、聖域なき見直しを行うと先日の質疑の最中におっしゃいましたが、全特命随意契約を1度徹底的に見直し、競争入札にかけられるものはすべてかけていくという姿勢で臨むべきではないでしょうか、お答えください。
○伊東経営室副参事(経理担当) 現在行っています特命随意契約、これはいわゆる業者指定でございます。この業者指定につきましては、当該事業者以外に契約内容を履行することができない、そういった合理的な理由があって初めて行っているというものでございます。そのため単に経費削減という観点のみでは契約の方法を変更することはできないというふうに考えてございます。しかしながら、今後それぞれの所管におきまして事業執行方法の変更や見直し、そして工夫や改善、こういったことを行った結果、特命随意契約、業者指定を行う理由がなくなれば、契約の相手方を決定する際には入札ですとか見積もり合わせ、これに変更しなければならないというふうに認識してございますので、入札、見積もり合わせを行った結果、経費削減の効果が出る事業もあるのではないかというふうに考えてございます。
○いながき委員 契約の見直しによる経費削減というテーマでもう1点お聞きします。経費削減策、いろいろございますが、その一つとして消耗品の節約というものがあります。消耗品といっても電球だとか紙だとかプリンターインクだとか、いろいろございますが、その中の一つとして文房具についてお伺いします。文具といっても本庁舎、それぞれの区有施設で2,000名以上の職員、そして、多くの来庁者に使われている文具は、例えばボールペンだけとってもそれなりの量と額になるのではないでしょうか。そこでお伺いします。中野区で購入される文房具の総額は年間大体お幾らでしょうか。
○伊東経営室副参事(経理担当) こういった事務用品につきましては、各所管において措置している予算の中から必要に応じて購入しているというところでございますので、区全体をまとめたというデータは現在持ってございません。
○いながき委員 中野区全体で年間幾らその事務用品を買っているのか、これに幾ら税金を使っているのかも把握していない。それをお聞きして、これだけお金がないといいながら、民間では当たり前の努力といいますか、全庁を挙げてこういうところで節約したり、経費削減したりしようとする意思がなかったのだなと非常に残念に思います。それはさておき、区では文房具の購入は現在どのように行っていますか。改めてお聞きします。
○伊東経営室副参事(経理担当) 先ほども御答弁いたしましたが、基本的に部長等に委任をしている金額の範囲内で、各所管で購入しているというところでございますので、事務手続につきましては分野ごとに購入しているというところでございます。
○いながき委員 通常、物を買うときは、箱買いのようなまとめ買いをすると単価が安くなるのが一般的です。事務用品関係はどこで何を購入してもその品質にほとんど差がなく、まとめ買いすればスケールメリットの恩恵を非常に受けやすいと思います。霞が関の官庁でも、事務用品は全庁取りまとめての単価契約での購入となっています。例えば、黒のボールペン一つとっても各メーカーからたくさんの種類が製造販売されていますが、使用する種類や型番を統一して購入すれば、職場での見た目もすっきりして管理もしやすく、さらに安く購入できます。個人管理も徹底して、必要なものは1カ月に1度ぐらい部署でまとめて請求するなどの努力は、これも行うべきではないでしょうか、お答えください。
○伊東経営室副参事(経理担当) 事務用品でございますけども、以前よりも事業者間の価格競争というのも激しくなってございますので、比較的少数でも、大量一括でなくても安価で購入できる環境が整っているというふうに認識してございます。それより全庁的に一括で購入するということですと、余分な在庫を抱えることにもつながりまして、かえって効率的ではないと考えてございますので、各所管で必要な都度、計画的に無駄のないように購入して使用するということが最善の方法かなというふうに考えてございます。
○いながき委員 霞が関の官庁でもやっていることが中野区ではできない。その一括購入するのと各部署ばらばらに買ったものと、金額はどちらが安いか比較したことがないんですよね。お聞きします。
○伊東経営室副参事(経理担当) そのような比較を行ったことはございません。
○いながき委員 また、ちょっと自治体名を失念してしまいましたが、ある地方の自治体で全庁を挙げて机の奥底などで眠っている文具を全部一たん吐き出し、必要ない分はほかの部署に回すなどして、購入したものを最後まで使い切る、無駄な物を新たに買わない取り組みをしたところがあります。やってみるとゲーム感覚で楽しく取り組め、それなりに効果もあったようです。区でもこういった努力や工夫を積極的に行っていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○伊東経営室副参事(経理担当) この事務用品につきましては、たとえボールペン1本であっても区の財産でございます。職員それぞれが仕事で使用する文具類はしっかりと自己管理をして、無駄のないように使用しているところでございます。
○いながき委員 最近特にですが、職員の方に何を言っても、何を提案しても、二言目にはお金がないから無理という言葉で終わってしまう傾向があります。ないないと言って終わりの前に、じゃあ、何とかしようという発想がないのかなと、かなり残念に思います。基礎的自治体は法定受託事務という名のもとに国の下請業務的になって、国が法律を変えない限り減らしたくとも減らせない支出も多く、子ども手当など国の政策変更によるシステム改修費など予定外の支出も多くて大変だとは思いますが、それでも自治体レベルでやれることもまだまだあるのではないかと思います。厳しい状況の中でもあきらめることなく、知恵を絞って一生懸命行政改革に取り組めば、必ずや区民の皆様にも伝わるはずだと思っております。前向きに頑張っていただけることを希望して、私の質問を終了いたします。ありがとうございました。
○佐野委員長 以上でいながき委員の質疑を終了いたします。
 次に、林まさみ委員の質疑をお願いいたします。
林委員 2011年度決算特別委員会の総括質疑に当たり、中野生活者ネットワークの立場から質問いたします。理事者の皆様には明快で簡潔な答弁をよろしくお願いいたします。
 区の財政状況は、世界的な経済不況の影響から歳入が減少し、依然として厳しい状況にあります。東京都全体の給与所得は増えているにもかかわらず、区の基幹収入である特別区民税の当初調定額は大きく減少しているとの報告もあったところです。私は、一般質問においても申し上げましたが、健全な財政運営の確立をするためにも大胆な事業の見直し作業を行い、新しい中野をつくる10か年計画第2次に示されている大規模事業についても、休止、凍結、廃止を含めた抜本的な見直しをするべきであることをまず申し上げておきます。
 初めに、地域スポーツクラブについて質問いたします。2009年12月に中野区の地域スポーツクラブ構想を取りまとめ、設置の考え方や運営、組織、想定される事業内容を明らかにし、すこやか福祉センターの4圏域に地域スポーツクラブの開設を予定しています。形態は一般社団法人を設立し、これにクラブの経理、運営を委託する方法です。再編後の学校跡施設等を区が整備した後にクラブに無償貸与し、光熱水費や施設の維持管理費などをすべて公費で賄うという内容になっています。国が地域スポーツ活性化のために設立した日本スポーツ振興センターは、市町村が設立した総合型地域スポーツクラブに対して、創設支援事業や自立支援事業などに対して助成を行っています。また、地域スポーツ施設整備助成では、グラウンドの芝生化事業などに対して助成を行っており、地域にスポーツ開放している学校のグラウンドの芝生化にも助成を行っています。渋谷区では、この制度を活用して区立小学校3校の芝生の張りかえを行っています。そこで伺います。なぜ地域スポーツクラブ設立のためにこの制度を活用し、助成を受けないのでしょうか。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) お答え申し上げます。御質問の件は、日本スポーツ振興センターの補助のことだと思いますけれども、その時点で地域スポーツクラブの設立、また、申請項目等の詳細について決まっていないものでしたので、要件を満たさず申請していないものでございます。今後の申請につきましては、適用になるかどうか、制度の動向を見ながら検討していきたいと思っております。
○林委員 では、助成が受けられるかもしれないと担当は思っていらっしゃるんでしょうか。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) この制度は、年々によりまして募集要項が変わってございますので、そのときの要項に照らし合わせて考えていきたいと思ってございます。
○林委員 私はこの総括質疑をするに当たり、日本スポーツ振興センター、日本体育協会などへ連絡し、調査をいたしました。その結果、中野区が予定している地域スポーツクラブのスキーム、民間事業者が運営に関与する仕組みでは、経費助成をするとの回答は一つもありませんでした。地域スポーツクラブ構想を構築し、既に3年が経過しているのに、いまだに自分たちが進めようとしているスキームが助成の対象かどうかも担当として把握していない。さらに、予算計上までしている事業でありながら、現時点でまだわからないという答弁は問題です。では、地域スポーツクラブを設立するために、何かほかの助成制度を活用するために検討したとか申請したということがあるのでしょうか、伺います。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 平成21年度、東京都の地域スポーツクラブ設立活性化事業、スポーツ・健康づくりに関する調査に応募いたしましたが、これにつきましては選外となりました。
○林委員 東京都が行っているスポーツ・健康づくりに関する調査というのは、地域スポーツクラブの振興事業を進めるための企画設計や標本の抽出、各種調査の実施や報告書の作成だと認識しています。この申請結果が選に漏れたということですが、その理由などはわかりますでしょうか。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 選外になったことについての理由については、東京都のほうから知らされてございません。
○林委員 スポーツ・健康づくりに関する調査の助成も受けられず、地域スポーツクラブの設立支援のため2008年度から3年間にわたり、スポーツ需要調査、地域スポーツクラブ設立・運営の支援に関することなどの業務をプロポーザル方式で選定し、委託費用に約1,000万円が支払われています。その選定に関して幾つの事業者が企画提案してきたのか伺います。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) これについてのプロポーザルの応募は1社のみでございました。
○林委員 3年間にわたる業務委託費は1,000万円余。この間業務委託した内容は、東京都体育協会に依頼すればクラブ運営を円滑に行うためにクラブ育成アドバイザーの派遣をする仕組みがあるのに、民間事業者に1,000万円もの経費をかけて調査委託。しかも、1社だけの選定にしてその調査委託をしているという状況です。そこで伺います。1,000万円の経費をかけた調査報告書はあるとのことですが、調査報告書があるのであれば議会にも報告されるべきと考えますが、いかがでしょうか。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 報告書につきましては、区において検討に活用する実務的資料という性格で、印刷配布を前提とした冊子としていなかったため、議会をはじめ配布は行っていないものでございます。
○林委員 公費により調査委託をしたもの、特に今後地域スポーツクラブにとって大きな資料となるもの、それが議会に報告はできない、示せないというのはおかしな話であり、納得がいきません。調査報告書を議会に示せない明確な説明を求めます。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 報告書の内容が、先ほど申しましたとおり、区においてその後検討に活用する実務的資料だということだけでございますけれども、その資料につきましては担当の窓口で閲覧することはできます。
○林委員 担当の窓口で閲覧ではなく、やはり議会のほうにも示すべきだと思います。改めて調査報告書の提示を求めたいと思います。
 では、次に、地域スポーツクラブ設立に向けた予算について伺います。2010年度予算には4,434万6,000円の経費が計上されていますが、どのような経費内訳となっているのでしょうか、伺います。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) あくまで当初予算における積算ではございますが、地域スポーツクラブが支出する金額といたしまして年間約6,800万円を見込んでございました。このうち会費等クラブの収入に当たるもの、約2,700万円を差し引いたクラブとしての不足額、これが約4,100万円でございます。これを区からの補助金として積算いたしました。これに加えまして、区からクラブへ支払う委託料等、約300万円を足した合計が4,400万円と見ていたものでございます。クラブとしての支出額、約6,800万円の主な内訳といたしましては、人件費が約2,900万円、備品費等が約1,700万円、光熱水費等が約500万円、リース料が約300万円等となってございます。
○林委員 今お答えになった人件費ですが、2010年には経費として55%の924万9,000円、2011年度には66%に上がる2,928万円が人件費を占めています。この人件費、特にこのかさむものはどのような内容のものでしょうか。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 実際の人件費を含めました運営のあり方につきましては現在検討中でございますが、あくまでこの積算といたしましては、主としてクラブを統括するマネジャー、事務局員、インストラクター等を雇用する経費でございます。
○林委員 この人件費を含めた補助金の交付をやめるためには、スポーツクラブを利用する区民の方に年会費と施設使用料を負担してもらい、補助金額と同等以上を収入しないと自立した運営ができず、区が補助金を交付し続ける構図となっています。つまり、何年にもわたり公費を投入し続けるというスキームになっていますが、いかがでしょうか。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 区といたしましては、できるだけ早く団体を自立させたいと考えてございます。
○林委員 では、何年後に自立運営を目指していますか。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 自立の目標年次でございますが、これにつきましては会員数や会費の額、実施する事業等によって変わってきます。区といたしましてはできるだけ早く自立させたいという考えで、その方策につきまして現在検討中でございます。
○林委員 では、地域スポーツクラブの会費、また、使用料、個人と団体の会費等があると思いますが、どのように設定しているのでしょうか。施設使用料もあわせて伺います。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 会費、施設使用料等につきましては現在検討中でございます。
○林委員 事業者による実態調査を行ったということですが、中部地域スポーツクラブの会員数はどの程度と見込んでいますか。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) あくまでも委託事業者の報告の中の話でございますけれども、この中にいろいろなシミュレーションがございました。5年で500人程度というものもあれば、10年で500人程度というシミュレーションもございました。しかし、これはあくまで一つのシミュレーションにすぎませんので、これを参考にしつつ、現在区として検討中でございます。
○林委員 区が4,400万円もの補助をせずに自主運営するとなると、単純に施設使用料の収入分も含めた経費を利用者負担で賄うことになります。会員数が仮に1,000人なら約4万4,000円の年会費を利用者が負担することになりますが、そういうことでよろしいでしょうか
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 今、仮にというお話がございましたけれども、クラブとしてどのぐらいの収入があるかなどさまざまな要素があるため、一概には言えないと考えてございます。
○林委員 地域スポーツクラブの設立を目指し、日本スポーツ振興センターの助成を活用した調布市では、NPO法人調和SHC倶楽部を設立し、初年度1,000万円で5年間の助成金を受け、自主運営を行っています。地域設立準備のときからアドバイザーが入り、5年で自立するスキームをつくり、自主運営で自立した成功例と言われています。調布市が設定した年会費3,600円で、初年度こそ300人の会員でしたが、現在では1,100人の会員で自主運営をしているそうです。そこで伺います。息の長いスポーツ振興にはお金がかかる。だからこそ国は、スポーツくじを原資としたスポーツ振興助成制度を活用する仕組みをつくっているにもかかわらず、なぜ中野区はこの助成を受けることもせず、人件費のかかる民間事業者に委託をするのでしょうか。また、区が設立する地域スポーツクラブの趣旨は、国の総合型地域スポーツクラブと相違がないのに、なぜ日本スポーツ振興センターの助成を受けるために運営を地域住民主体で行うスキームとしないのか伺います。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 中野区における地域スポーツクラブも一定期間は補助いたしますが、将来的な自立を前提としているものでございます。また、住民主体の任意団体による運営である点も基本的には調布市と同じであり、日本スポーツ振興センターの補助についてもその年度の募集要項に照らし検討していきたいと考えてございます。
○林委員 4,400万円もの補助金を出し、なぜ民間事業者に地域スポーツクラブの運営を委託する必要があるのでしょうか。区民はそれにより安価な料金で利用できるのであればまだしも、学校施設のときには取られなかった年会費までも取られるのでは、本当に地域住民のためのスポーツ施設と言えるのでしょうか。民間事業者に補助金を垂れ流すための事業となりはしないでしょうか、伺います。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 学校開放は施設の開放を目的とした施策でございます。一方、地域スポーツクラブは、区民の健康づくり、体力づくり、また、学校の運動部活動の支援、さらに、スポーツの指導力、競技力の向上を目的といたしまして、民間スポーツクラブにはできないサービスを提供するものでございます。区政目標実現を目指すための施策であり、区民に期待されるサービスを還元し得るものととらえてございます。
○林委員 次に、中野富士見中学校跡施設に予定されている南部地域スポーツクラブについて、何点か伺います。中部地域スポーツクラブにはプールなどの施設はありません。しかしながら、中野富士見中学校跡施設に予定されている南部地域スポーツクラブについては温水プールを整備するとのことですが、プールを設置すると水道料金、電気料金などの維持管理経費が大幅に上昇すると聞いています。そこで伺います。温水プールがある場合とない場合の年間の水道料金、電気料金などの維持管理経費を教えてください。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) プールの規模等、さまざまな条件によってこれは異なってまいりますので、現時点では申し上げることができません。
○林委員 九中と二中にありますプールの維持管理費が、二つで六、七千万円と聞いております。スポーツクラブとなりましたら、それの1.5倍ぐらいの費用がかかると考えております。温水プールがあると年間の維持管理費が格段に違うわけですが、約七、八千万、そうであれば、受益者負担の考えから利用者の年会費や施設使用料などについても、中部と南部の地域スポーツクラブとでは大きな差が生じることになるのでしょうか。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 地域スポーツクラブの料金設定全般についてただいま検討中でありまして、富士見中跡施設でのプールにつきましても今後の検討課題であると思ってございます。
○林委員 南部地域スポーツクラブにプールを設置する理由の一つとして、災害時に水の確保ができるためとしています。それでは、中部地域の災害時における水の確保はどのようになるのでしょうか。なぜ南部地域には災害時用の水を確保するという理由で温水プールを整備するのでしょうか。中部と南部とではリフォームと改築ということの差、ましてや中部はプールがなく、南部には温水プールをつくるということですが、地域による格差があってはならないと考えます。区はどのようにお考えでしょうか。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 中部すこやか福祉センター等複合施設一体として、地下に防災用の貯水槽を有してございます。富士見中跡施設のプールにつきましては、防災用に有効活用する予定ではございますが、そのためだけにプールを設置するわけではございません。どの地域スポーツクラブでも基本的には区民が気軽に健康づくりができ、また、団体スポーツができるような施設を整備していきたいと思っております。ただし、立地等諸条件を勘案する必要がございまして、すべてが同じ施設になるとは考えてございません。
○林委員 やはり民間事業者に対する委託に補助をしてまで地域スポーツクラブを設立するのは問題です。調布市などのような成功事例を参考にしながら、国が進めている総合型地域スポーツクラブによる、地域による自主管理とすべきと考えますが、いかがでしょうか。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 先ほどの御質問にもお答えいたしましたとおり、区政目標を着実に達成するためには、地域スポーツクラブが区民の健康づくり、体力づくり、学校の運動部活動の支援、スポーツの指導力・競技力の向上といった役割を担うことが大切であると考えております。そのためには民間事業者への委託といった管理運営形態が望ましいと考えております。
○林委員 予算担当に伺いますが、この地域スポーツクラブが仮に10年後に自主運営できるようになったとしても、その間4,400万円の財源を投入し続けなければなりません。10年間で4億4,000万円。中部の経費を単純に積み上げた場合でも4カ所で17億6,000万円です。ましてや温水プールの維持管理費も含めれば莫大な費用がかかります。扶助費が増加し、少子高齢化が進む中、この地域スポーツクラブ計画はとても大きな財政負担となり、区の一般財源を圧迫すると考えますが、いかがでしょうか。
○奈良政策室副参事(予算担当) 地域スポーツクラブは、区政目標を実現するために必要な事業であるというふうに認識してございます。新規事業を行うに当たりましては、毎年度既存の事業の検証、見直し、こういったことを行いながら必要な財源を確保していく、いわゆるスクラップ・アンド・ビルドという考えのもとで、区政の基本的な考え方に基づきましてこの事業も予算化されているというふうに考えてございます。今4カ所、10年間で17億円余りという御質問でございましたが、今後この事業をどのように効率的、効果的に展開していくかは、毎年度事業の検証、見直しを行う中で決まっていくものというふうに考えておりまして、今の金額が同じようにかかっていくとは考えてございません。事業を実施していく中で毎年度きちっと成果を検証しながら、一般財源を有効に活用していくというふうに考えてございます。
○林委員 温水プールの整備と維持管理経費、そして、地域スポーツクラブへの補助金など、これだけ莫大な税金を投入してどれだけの効果があると考えているのでしょうか。これこそがまさに財源なきばらまきではないでしょうか。区の見解を伺います。
○田中区長 林委員の質疑を聞いていると、何を目指すべきだというふうにおっしゃっているのかよくわからない。スポーツの裾野を広げるということは、私はとても大事だと思っています。中野区で区民が幅広くスポーツに親しんで健康づくりをする。体力づくりをする。また、子どもたちの健全な育成を図っていく。部活を支援して学校教育の力をつけていく。子どもたちの力をつけていく。また、競技力を向上していく。そうしたことをスポーツクラブを通じて実現することが、私は大変効果の高いことだと思っています。体力づくり、健康づくりが進むことで、健康保険でありますとか、さまざまな医療費の支出も減らすことができる。また、区民のQOLを高めることもできる。大変効果のある事業だと、こういうふうに思っております。林委員がおっしゃっている、国がやっている総合型のスポーツクラブというのは、既存の体育施設を活用してやるという考え方なんですね。クラブハウスぐらいつくってやりましょうかという程度の考え方なんです。学校の校庭開放や体育館開放なんかにしても、ほぼ飽和状態の中野区で今さらそれをつくっても、スポーツの裾野は広がらないんです。広げていくためには、せっかくこれから学校の統合などで生まれてくる貴重な区民の財産である学校の施設、そういった場所を使ってスポーツの裾野を広げるための施設もつくっていくということ。このこととスポーツクラブづくりを一緒にやっていくことが、中野区で今私が申し上げたようなスポーツクラブの目的を実現していくためには欠かせないことだと、こういうふうに思っているわけですね。そういう考え方でこの全体を組み立てています。特定財源にしても、必要で入るものだったらば、きちんと導入してやっていきます。林委員に決めてもらうんじゃないんです、特定財源を入れてくれるかどうかというのは。我々がその制度をきちんと見ながら、我々の目的ときちんと合っているかどうか、そのことを考えて特定財源が導入できれば導入する。そういう状況を見てきちんと判断をしていただければと思っています。
○林委員 東京都では2013年に開催される東京国体に向け、各区に1から2の地域スポーツクラブを育成することを目指すとしています。今の中野区の財政状況からすれば、4カ所の整備計画は無謀です。そもそも地域スポーツクラブ構想の計画を策定したのはリーマンショック前であり、景気も冷え込み、年収も落ち込んでいる区民が、数万円という高額な年会費まで出して地域スポーツクラブに通うとはとても思えないことを申し上げて、この項の質問を終わります。
 次に、すこやか福祉センターについて質問いたします。2010年7月26日にオープンした中部すこやか福祉センターですが、2010年度決算書を確認いたしましたところ、防音壁設置工事に504万円、体育館のエアコンガード等補修費に103万円とあります。スーパーリフォームを行ったばかりの施設になぜ600万円もの補修工事が必要になったのでしょうか。2009年に447万円をかけて施工管理業者もつけ、設計施工一括発注方式による改修工事のはずが、近隣からの騒音の苦情により初めて防音壁の設置が必要であることがわかるとか、スポーツ施設であればエアコンガードが必要であることぐらいは当然わかることなのに、事前の策がとられず、結果として600万円の追加の支出をするという何ともお粗末な結果です。なぜこのようなことを事前に把握できなかったのでしょうか。また、設計事業者、施工管理会社に瑕疵はなかったのか伺います。
○野村地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 防音壁の工事ということでお答えいたします。相隣関係におけますこの騒音問題、これは慎重かつ丁寧に取り扱っていくべきものというふうに考えまして、区として設置したものでございます。原因といたしましては、個々の空調施設の室外機、これについては基準をクリアしていたものの、室外機の設置箇所の立地条件ですとか、複合的な要素、ここへの配慮が足りなかったというふうに思ってございます。また、この問題でございますが、例えば工事施工不良、こういったものと違いまして、だれかれに具体的にどういう瑕疵があるというものが判断できるものではないというふうに考えてございます。なお、仮に防音壁の工事、これを当初設計に反映させていたといたしましても、この工事費の支出については当然区が負担するというものでございます。そういった点で、今回のこの区の支出は問題があったというふうには認識してございません。また、さらにでございますが、今回の事例、CM方式ですとか設計施工一括発注方式、こういったもの、あるいは直営方式だったらどうかといった、こういった次元の問題ではなく、区が施主といたしまして施設整備を行っていく上での今後の反省材料というふうに認識してございます。その点については御指摘のとおりというふうに思ってございます。今後の整備の教訓としていきたいというふうに思ってございます。
○林委員 私は2010年第3回定例会において、中部すこやか福祉センターは設計施工一括発注方式により8億円かけて整備したと聞いている。この方式で工事を決める際、長期的視点に立って建てかえた場合の維持管理経費、施設運営費の比較検証を行ったのかという内容の質問を行いました。これに対し区の回答は、既存施設活用に対する検証について、工事費、撤去費などの初期費用については改修と建てかえで概算比較を行っている。設備関係の維持補修経費や光熱水費の運営費については、改修、建てかえとも設備の入れかえを行うので同等であると考えている。また、耐用年数は建てかえの場合は50年、改修の場合は少なくとも20年くらいの利用が可能であると判断した。建設費、改修費とこの使用年数を勘案して比較した場合、改修した場合のほうが少ない経費になると判断したという内容のものでした。そこで伺います。この検証作業は何年に行ったものでしょうか。年数だけお答えください。
○野村地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 仲町の整備工事計画でございますが、コスト比較に限らず、既存建物と建築規制関係の基準、これらの適合性、工事期間、それから地元要望、こういったものをさまざまな角度から内部検討させていただいたところでございます。そういった趣旨の本会議答弁をさせていただいております。こういったところのコスト比較というところでございますが……(「すみません、検証作業を何年に行ったかと質問しました」と呼ぶ者あり)前期10か年計画の策定当時でございます。平成17、18年ころに行ったというものでございます。
○林委員 本会議での答弁どおり、改築費と改修費と使用年数を勘案して比較したのであれば、工事費等の初期投資額と維持管理運営費を合計したものを、改修と建てかえとで5年ごとに比較したものをお示しください。
○野村地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 区としての意思決定の前段階ともなります意思形成過程の検討資料、データでございますが、既に現存せず、お示しすることはできません。
○林委員 それでは、2カ所目の中野富士見中学校跡施設を改築と決定した根拠は何でしょうか、伺います。また、中部すこやか福祉センターの整備のときと同様、中野富士見中学校跡施設整備のための具体的な費用などの検証をされたのか伺います。
○野村地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 今お尋ねの富士見中跡の整備のことでございますが、本定例会中に議会の御了解をいただいた上で常任委員会のほうに御報告をする予定でございます。その中で富士見中の既存建物、これが昭和30年代に建てられた、既に築50年を超える老朽施設であること、それから、体育館が耐震性能でDランクであるということ、また、法令適合の関係から敷地の大半が第一種低層住宅地域に属しているということ、こういったことを勘案いたしまして建てかえということにさせていただいたところでございます。そういった点で、コストの比較というところまでに至らず、その前段のところで建てかえという手法を選択させていただきました。
○林委員 中部すこやか福祉センターを8億円かけて改修しました。南部すこやか福祉センター改修費用はどの程度を予定しているのか伺います。
○野村地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 建てかえの費用につきましては、今後詳細を検討してまいります。
○林委員 また、昨年の決算特別委員会において、公明党の久保りか議員が今後のすこやか福祉センターの整備について質問しています。そのときの区の答弁は、「中部すこやか福祉センターで行った改修による整備であるとか、設計施工一括発注方式による整備手法、また、ユニバーサルデザイン等々の視点に基づく整備内容であるかどうかということについて検証し、必要な今後の計画づくりに反映していきたいというふうに思っております」と答弁しています。南部すこやか福祉センターを改築するのに、答弁にあった検証はされたのでしょうか。されたのであれば、その内容を資料として提出していただきたいと思います。まさかこれもないだとか、出せないということはないでしょうね。いかがでしょうか。
○野村地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 今後検証作業を行う中で、必要な範囲でお示しをしていきたいと思ってございます。
○林委員 2010年度第3回定例会の一般質問において、改築か改修か概算比較を行っている。耐用年数は建てかえと改修とで使用年数を勘案し、比較し、改修した場合のほうが少ない経費になると判断したとの答弁を得ています。これにより2011年3月31日に担当副参事に一般質問の根拠となるデータを提示するように求めたところ、データはないとの回答でした。そこで、担当部長に本会議答弁の根拠となるデータを早急に提出するよう申し入れたところ、意思決定を行う場での調査の結果であり、データはないとの説明を受けました。このため区議会事務局を通じて、本会議での答弁に対する根拠となるデータの提示を改めて経営室に申し入れをいたしました。これを受け経営室は、議会答弁の根拠となるものはあったと思うとのことで、対応していただけるとの話となりました。その後、東日本大震災対応などで連絡がとれず、数日後、検証データについて改めて提示するように経営室に申し入れましたが、データはないそうですとの回答が返ってくる始末です。8億円もの税金を投入して改修を選択し、裏づけとなるデータの提示もできず、本会議上での答弁の根拠を示すことができない。経営室が言うように、議会答弁の根拠となるデータはあったと思うとのことですが、そのあるはずのものがないとは、中野区は議会に対していかにいいかげんな答弁を……
○佐野委員長 林委員、質疑の途中ですが、既に委員会の持ち時間を過ぎておりますので、ここで林委員の質疑を終了させていただきます。
 次に、石坂わたる委員の質疑をお願いしたいと思います。
 その前に暫時委員会を休憩させていただきます。
午後2時36分休憩

午後2時36分開議
○佐野委員長 委員会を再開いたします。
 それでは、石坂委員、質疑をお願いいたします。
石坂委員 無所属の石坂です。初めての総括質問を行います。不慣れではございますが、明瞭かつわかりやすい御答弁のほど、よろしくお願いいたします。
 初めに、被災時の避難所のバリアフリーについて質問いたします。主要施策の評価、別冊において、災害対策の施策目標として、災害時に必要な物資や施設、適切な救援・救護、生き延びるための備えといったことが取り上げられています。なお、各会計歳入歳出決算説明書の記載のとおり、平成22年度には総合防災訓練、災害医療救護訓練が行われました。総合防災訓練では、障害者団体の参加や災害時用仮設トイレの展示が実際に行われていました。しかし、防災分野の外部評価では、「高齢者や障害者など、いわゆる災害時要援護者に対する対策にも力を入れてもらいたい」と書かれておりますように、これまでの取り組みに加え一層の対策が求められています。私もボランティアとして障害を持つ方と一緒に総合防災訓練に参加させていただきましたが、実際の災害時にトイレを使う場合はどうなるのかという声を耳にしました。移動や排泄などについて不安を抱えている方が少なからずいらっしゃるのではないかと思われます。中野区の防災計画では、高齢者、障害者、乳幼児などの災害時要援護者のための2次避難所開設が書かれていますが、被災後災害時要援護者は、2次避難所開設までの一定期間、学校に開設される通常の避難所への避難をするという想定であると理解してよろしいでしょうか、お教えください。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) お答えいたします。御指摘のとおり2次避難所は、高齢者、障害者、乳幼児などにつきまして、避難所では十分な救援・救護活動が実施できないと認められる場合に開設するものでございます。
○石坂委員 高齢者、障害者、妊婦や乳幼児親子が学校に避難するとなると、車いす利用者やオストメイトの方などが使いやすいトイレの確保、そして、昇降口、廊下、寝泊まりに用いる教室やトイレなどの動線における段差の解消、さらに、おむつ交換や着がえ、授乳をすることができるスペースの確保などの配慮が必要となります。中野区では避難所開設に関し上記のような、特に先ほど述べたような災害時要援護者などのためのバリアフリー化について、対応はどのようにお考えでしょうか、お教えください。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 避難所となります区立小・中学校につきましては、段差スロープ、あるいは、車いすで利用できるようなトイレ、階段手すりなど、既に設置してある学校もございます。また、災害時におけます避難所運営の留意点としまして、要援護者用の部屋を確保するですとか、部屋割りについてもトイレへの距離や移動のしやすさなどに配慮して行うことなどとしているところでございます。
○石坂委員 今回、東日本大震災で被災した東北の災害時要援護者の避難生活は、これまでの対策の想定外というような状況であったようです。同じようなことが中野区で起こった場合にも、十分な対応ができるよう災害時要援護者への対応を進め、改めて検討し、必要な準備対応をしていくことが必要だと思われますが、中野区はどのような認識をお持ちでしょうか、お教えください。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 避難所におけます要援護者への対応につきましては、今回の被災地の状況等も踏まえまして、今後とも必要な検討を行っていきたいと考えているところでございます。
○石坂委員 なお、災害時には上下水道が機能している場合において、健常者が通常のトイレが使える場合であっても、トイレがバリアフリー化されていない学校がまだある状況の中で、車いすを利用している障害者や高齢者などがトイレを使用する上で不具合が生じる場合があります。避難所に避難をしてきた災害時要援護者の状況や要望に合わせ、使いやすい形で災害用仮設トイレを設置してもらうことができますでしょうか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 災害時用の仮設トイレにつきましては、災害時のために備蓄しているものでございます。要援護者のためにさらに活用が図られるものであれば、その状況に応じて活用していくべきものと考えております。
○石坂委員 なお、トイレにつきましては、トイレまでの移動やトイレの中のバリアフリー等もやはり必要になると思われます。現在、決特資料、子ども文教65に書かれているように、昇降口部分のスロープの設置やトイレのバリアフリー化の状況を見ても、先ほど説明にもありましたが、避難所になる学校によって小・中学校の移動円滑化対応状況に差があるようです。文部科学省から出されている学校施設バリアフリー化推進指針には、学校施設は地震等の災害発生時には地域住民の応急的な避難場所としての役割も果たすことから、地域住民が利用することを考慮した計画とすることが必要であると書かれています。中野区においても、順次災害に備えて施設のバリアフリー化をしていただきたいと思います。これについては要望とさせていただきます。
 なお、一斉の大幅な改修は難しいかと思われますが、早急に手をつけられるものからバリアフリー化に取り組んでいくべきであると思われます。比較的早く取り組める方法としましては、段差の高さに合わせて調整することが可能な、取りつけ、取り外しができるスロープや、工事なしでトイレ等に簡易に取りつけられる手すり、高齢者や障害者が立ち座りをしやすいタイプのポータブルトイレ、車いすと便座の間でスムーズに移乗するための移乗ボードといったものを用意するということがあります。食料や毛布などと同様に、避難所の備蓄物資として備えておくことが必要であると思われます。ただ、こうした物資の導入を考える上では、当事者のニーズに合ったものをそろえていくということが必要であると思われます。まずは、妊婦、高齢者や障害者等の協力を得ながら、区内の民間施設や事業所で所有している福祉用具などを一時的に借りて、実際に使用してみたり、腰かけてみたりといったことを通して、早々に検証するということから取り組んでいくべきであると思われます。これについてはどのようにお考えでしょうか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 災害時要援護者が避難所におきまして避難生活を送るに当たり、支障がないように対応を図っていかなければならないということは重々認識をしております。避難所となる学校の施設の状況も学校ごとに異なります。対応しなければならないような内容もさまざまであると思われますので、今後検証等から行ってまいりたいと考えております。
○石坂委員 ぜひとも御検証のほどよろしくお願いいたします。だれもがライフステージの中で自分自身や家族が災害時要援護者などになる可能性を持って生活をしています。災害時要援護者の対応はすべての区民の健康と命を守ることでもあります。ぜひ滞りなく検証を進め、その結果を対策に生かしていただけるようお願いいたします。
 二つ目の質問に入らせていただきます。二つ目の質問は、児童館・U18プラザにおける障害児の利用についての質問です。平成22年度末の第1期中野区次世代育成推進審議会による提言では、支援をみずから求めることが困難な家庭に対して、待ちの姿勢ではないきめ細やかな対応や、子育て家庭の多様なニーズに応えることなどが求められています。同審議会の第9回総会の議事録を見ますと、区長もこれまでの取り組みの方向性をさらに進め、より一歩進んだ取り組みというものを考えていかなければならないと感じていらしたようです。今後も子育て家庭の多様なニーズにこたえる、待ちの姿勢ではない対応を進めていただけるものと信じております。
 そこで、児童館・U18プラザにおける障害児の利用について伺います。主要施策の評価、別冊の141ページには、児童館の子育て広場に遊びに来た乳幼児親子の割合がふえたということが書かれています。また、各会計歳入歳出決算説明書によると、昨年度の児童館24館の来館者数は延べ66万5,483人となっております。児童館の全体的な利用者の数はふえているのかどうか、お教えください。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) お答えします。児童館来館者数は、21年度に比較して22年度は約2万4,900人減少しております。そのうち乳幼児から高校生の来館者は、21年度は56万6,000人、そして、22年度は52万3,000人、そこで約4万3,000人減少しております。内訳は、21年度に比べ22年度は、乳幼児親子が8,000人、高校生が約1,700人増加しております。小学生が逆に約5万1,000人、中学生が約1,200人減少しており、主に小学生の来館が減ったという現実があります。なお、平成22年度、キッズ・プラザ、4カ所でございますが、利用者は21年度と比較して3万7,000人増加しておりますが、小学生が放課後安全に遊べる場所として児童館、キッズ・プラザの利用者合計を比較いたしますと、22年度は21年度に比べて約1,300人減少していると、そういう状況でございます。
○石坂委員 さまざま増減があるようでございますが、当然その数字の中には障害児がいることと思われます。障害児の利用状況についてはどうなっていますでしょうか。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 児童館は、御存じのように、利用については自由な利用になっております。そういう中で障害児が日常的に利用したり、また、児童館行事に家族と参加されたりしている状況がございます。
○石坂委員 障害児の保護者には、自宅近くで障害を持たない近所の子どもたちと一緒の生活をさせたいという願いがある一方で、実際には障害児が保護者などと家庭の限られた環境の中で過ごしている場合も少なくありません。とりわけ保護者が働いていない場合の放課後の居場所の確保が重要であると思われます。区はどのような認識をお持ちでしょうか、お教えください。
○野村地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) お答えいたします。障害児の放課後対策というところでございます。保護者が就労等の事情によって子どもの養育監護に欠けるという場合については、今までも学童クラブで対応してございました。こういった事情のない障害児の方については、今般就学後の療育を中心とした居場所機能というところで児童福祉法が改正されてございます。これで来年度から施行ということでございますけど、放課後等デイサービス事業、これが法定化されているというところでございまして、現在区においてその内容を検討しているところでございます。
○石坂委員 ぜひ前向きな形で検討を進めていただけますようお願いいたします。
 なお、私は、障害を持つ子どもにとって、いつもと同じ学校で同じ友達と過ごす時間とは異なる、同じ地域の人とともに過ごす場を保障していくことが必要だと考えます。地域のすべての子どもが利用できる児童福祉施設として地域に整備されている児童館は、親の就労や障害の有無にかかわらず、同じところで遊べる貴重な場であり、統合された環境を提供することで子どもたちの心身の発達や社会性の発達にもつながっていきます。また、先ほどから名前が出ております学童クラブ、障害児の居場所の一つともなります。このような機能を持つ児童館を障害児が利用することは、その障害児とその保護者を家庭という狭い生活環境から解放し、多様な人々との交流を保障する新しい過ごし方を可能にします。また、児童館にとっても、健常な子どものみならず障害児がかかわることによって、地域のさまざまな人々が交流する施設として新しい役割を実現することになります。これは従来の児童館はもちろん、今後のU18プラザにおいても求められる役割であると思われます。児童館等の障害児にとって過ごしやすい環境の提供ということについて、現状での御認識をお教えください。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) お答えします。今の委員の質問の前に、先ほど答弁を間違えましたので、まずそこを訂正させていただきます。キッズ・プラザと児童館の利用合計を比較しましたときに、22年度は21年度より、私、先ほど1,300人とお答えいたしましたが、1万3,000人減少しているという現状がございます。訂正させていただきます。
 委員の質問にお答えさせていただきます。障害児の利用に当たって職員は、障害児の様子に注意して、子どもたちと一緒に過ごせるように配慮した対応をしております。また、障害児の保護者との話の中で、その児の児童館での様子を伝えたり、保護者から相談を受けたりして、利用しやすい状況をつくっております。また、必要な場合にはすこやか福祉センターでのさらに専門的な相談、そういうものを勧めたりして対応させていただいております。
○石坂委員 十分な対応をしていただくことが、子どもたちへの地域の中での多様な居場所の提供にもつながると思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
 なお、障害児と健常児の交流を目的とした児童館事業について、目黒区では14ある全児童館で交流事業を実施、杉並区では41館中20館で実施されています。実際に目黒区の児童館では、障害児のためのプログラムへの参加をきっかけに、児童館での居場所を自分で見つけ、楽しめているといったことや、健常児にとって障害児と触れ合い、関係性が生まれる機会となっているといったことがあるようです。中野区の場合においては大和西児童館において、障害の有無にかかわらず子どもたちがこの地域で育つ仲間としての関係をはぐくみ、生き生きと過ごせる居場所づくりをするという考え方で、NPO法人わかみやクラブとの協力を行い、一緒に遊ぼう、みんなで歌おうなどの企画が行われてきました。障害の有無にかかわらず、大和西児童館に来ている子どもたちが同じ場を共有し心から楽しめる、同じ経験を通してお互いが学び合う場がつくられてきたようです。この取り組みの成果について、区はどのように御認識をされていらっしゃいますでしょうか。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) お答えします。大和西児童館では、年度当初の年間計画を策定するときに交流事業を計画いたしまして、わかみやクラブにある農園で一緒に収穫を楽しんだり、また、児童館でその場でリクエストしたりして一緒に歌ったりして、そういう活動をしてまいりました。また、わかみやクラブの職員が児童館の運営協議会のメンバーとして参加したりして、職員間の交流もあったところです。このような取り組みを通して児童館利用の子どもたちは、児童館やわかみやクラブの場所で顔を合わせ、一緒に活動してきたことから、一緒にいることに違和感なく自然に過ごせるようになった、そういう様子が見られたと聞いております。このような取り組みは、障害の有無にかかわらず、今後も地域でともに暮らしていくことの貴重な経験となり、子育ち、子育てを支援する児童館としても有意義なことと認識しております。
○石坂委員 障害のある子どもとない子どもが、自然にともに過ごせるという環境が構築されてきていること、すばらしいことであると思います。ぜひ今後ともよろしくお願いいたします。
 こうした大和西児童館のような事例を他の児童館にももっと知ってもらい、他の児童館にも障害児の受け入れにつながるようにしていくことが必要であると思われますが、それについてはいかがお考えでしょうか。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 障害児の利用に対する各館の取り組み、情報交換や情報共有を図りながら、障害児が利用しやすいプログラム等、今後検討してまいりたいと思っております。
○石坂委員 プログラムにつきまして、こども未来財団の平成15年度児童環境づくり等総合調査研究事業報告書、児童館における障害児受け入れに関する研究では、障害児の受け入れ、利用促進していくために必要となってくる事柄について児童館側の意識を全国調査しています。まず、行事等プログラムへの参加の方法の工夫について、8割以上の児童館で必要だとの認識が示されています。また、障害児を受け入れる場面で、その子に合った行事やプログラムが用意されることが望ましいと考えられています。そして、他の児童や保護者の理解、障害児とその保護者の理解の項目について、両項目とも約9割が必要と回答しています。また、障害児を受け入れるためには、障害児に対して職員が専門性を持つ必要があるとの結果が出ています。つまり、利用する障害児にとって児童館に障害児向けの特別なプログラムが用意されることにより、児童館の活動に参加しやすくなり、参加を繰り返すことで継続的信頼関係を児童館の職員たちと形成し、その結果としてプログラム以外の時間帯にも児童館を訪れるようになっていくということにつながっているようです。こうしたことを踏まえ、中野区でも障害のあるお子さんが参加しやすい企画をつくり、それをきっかけに平常時からの利用を伸ばしていくことが必要だと思われます。先ほどのようなNPOわかみやクラブ等との連携、そうした協力による中野区独自の形もあると思われますし、職員体制の整備などさまざまな方法があると思われますが、今後中野区は障害のあるお子さんの利用についてどのように進めていかれますでしょうか、お教えください。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 例えば、行事を実施する際に障害児の参加を視野に入れた内容を企画して参加しやすくしたり、行事への参加が児童館の利用のきっかけとなるようにしたり、その際保護者からの話を伺ったりして利用を進めていきたいと考えております。また、地域の育成団体やボランティアの協力を得て、障害児向けのプログラムをふやしたりして、子どもたちが一緒に活動できるよう取り組んでまいりたいと思っております。さらに、すこやか福祉センターで相談支援をしている障害児や保護者に児童館を紹介しまして、その利用に際して児童館と相互に連携して支援をしていきたい、そのように考えております。
○石坂委員 ぜひそうしていただきたいと思いますが、そのためにも児童館の職員の理解や知識が不可欠です。親御さんへの声かけを勧奨し、日常的な対話やインフォーマルな相談を受けることなどを通して理解を深めることや、障害に対する研修を行っていくことが必要だと思われますが、どのように対応されていますでしょうか。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) これまで児童館職員は、障害の理解、また、障害児や保護者への対応など、部主催、または民間派遣等による研修を受けてきております。また、今年度、地域支えあい推進室でも室の職員向けに障害児対応研修を予定しているところです。職員は、このような研修を通して障害への理解を深め、児の様子を見守り、児と保護者に直接対応する中で、発達に課題を持つ児や養育支援が必要な家庭をすこやか福祉センターの相談支援につなぐ、そういう役割も果たしているところです。
○石坂委員 ぜひそうした形で進めていただければと思います。また、児童館において子どもは一人ひとりユニークな存在であり、一人ひとり違うのが当たり前であるということを前提として、それぞれの個性を生かしながら協力、協調し、すべての子どもを包み込むインクルージョンの実現が必要です。こうした考え方のもとに障害児の利用について、他の児童や保護者の理解を求めることも必要だと思われますが、こうしたことへの対応はどのようにお考えでしょうか。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 行事は障害児の児童館利用のきっかけにもなると先ほどお答えさせていただきましたが、また、そういう行事を通して障害を持たない子どもたちやその保護者からの理解を得る場としても貴重な機会となるとも考えております。そのために今後実行委員会へ障害児、また、その保護者が参加できることで、行事の実施に向けてともに活動する中でお互いの理解が深まっていくように配慮してまいりたいと、そのように考えております。
○石坂委員 ぜひそうした形での参加を進めていただければと思います。
 なお、平成22年度、地域子ども家庭支援分野では、分野目標として、身近な地域に子育て家庭が気軽に相談できる場があり、必要な支援を受けながら地域の中で健やかに子育て、子育ちが行われていくまちを目指すとされています。平成23年度からは組織が変わり、児童館は子ども家庭部から地域支えあい推進室に担当が変わりましたが、児童館やU18プラザがこうした役割を担っている、そういうことには変わりがないということでよろしいでしょうか。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 児童館は、地域の子育て、子育ち支援施設として地域の大人や団体と協働することで、地域の子どもたちとその保護者の活動の拠点としての機能を担っております。これまでの取り組みを生かしながら、委員御指摘のような、身近な地域に子育て家庭が気楽に相談できる場があり、必要な支援を受けながら地域の中で健やかに子育て、子育ちが行われる、そういうまちづくり、そういう地域づくりを目指していきたいと、そのように考えております。
○石坂委員 ぜひともよろしくお願いいたします。今後もあらゆる場面で多様なニーズにこたえる児童福祉を推進していただけるよう、ぜひとも職員の皆様、区長にはお願いしたく思います。
 以上ですべての質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○佐野委員長 以上で石坂委員の質疑を終了いたします。
 ちょっと休憩します。
午後3時02分休憩

午後3時03分開議
○佐野委員長 委員会を再開いたします。
 ただいま3時を過ぎましたが、休憩をとらずに引き続き小宮山委員の総括質疑を行いたいというような意見が出されまして、それで皆さんよろしいということで承諾されましたので、そのようにさせていただきます。
 それでは、小宮山委員、質疑をお願いいたします。
小宮山委員 大変長らくお待たせいたしました。皆様お待ちかねの最後の質問となりました。紅白でいえば北島三郎なんですけれども、野球でいえば9番バッターです。私は非力な9番バッターではありますけれども、フォアボールでもデッドボールでもいいから塁に出たいと。私の思いを少しでも区政に反映していただきたいと思いまして、質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず、平成22年度決算について。中野区はすばらしい。とてもすばらしい区であると私は考えております。区内を貫く交通網は数多く、そして、区内にはたくさんの商店街があり、魅力的なお店がある。区議会と区長と、そして職員が一丸となって新しい中野区のために努力をしている。住んでよかったまちナンバーワン。中野区は、いろいろと足りないことがないわけでもありませんが、本当にすばらしいまちであると私は考えております。
 むとう議員の質問にもありましたけれども、しかし、中野区の1人当たり所得額は23区平均を大きく下回っております。そして、それが税収の低下にもつながっている。このすばらしい中野区で1人当たりの所得額が低い理由を教えてください。
○青山区民サービス管理部副参事(税務担当) 中野区におきましては、比較的所得の低い年齢層である20歳代と30歳代の納税者が全体の半数近くを占めておりまして、こうしたことが納税者1人当たりの所得額が低い原因であると考えております。
○小宮山委員 ありがとうございます。そうですね。20代、30代の区民が多い。確かに住んでよかったまちナンバーワンと言ってくれた「東京ウォーカー」の読者層というのも、20代で独身のごくごく一握りの層なのではないかと私は考えております。若者が多いまちであるということは決して悪いことであるとは思いません。今20代、30代の人たちがこのままずっと中野区に定住していってくれれば、その年齢が上がるに伴って所得がふえていく。所得がふえれば中野区の税収も自然と増加していくはずであると私は考えておるんですけれども、実際は、年齢が上がって結婚して子どもができて、収入がふえてくる、税金もたくさん払えるようになってくると中野区外に転出していってしまう人が多いんです。これは非常にもったいないことであると私は認識しております。
 さて、質問です。中野区にごまんと住んでいたはずの若者たちが、40代以降になると区外に転出してしまう理由は一体何であるとお考えでしょうか。
○小田政策室副参事(企画担当) お答えいたします。さまざまな要因によるものではあると思いますが、やはり賃借料が非常にリーズナブルな単身者向けの住宅が多いということが主たる要因であるというふうに考えてございます。
○小宮山委員 賃借料がリーズナブル、確かに都心部の不動産に限っていえば、需要があるから供給があるのか、供給があるから需要があるのかということはなかなか言えないと私は考えています。賃借料がリーズナブルといいますけども、新宿や渋谷、杉並などの近隣の他区と比較してファミリー向けの賃借料も決して高過ぎるものではないと思うんです。それなのに中野区にはファミリー層が少ない。若者ばかり多い。だれかがどこかでこの悪循環を断ち切っていかなければ、中野区は今後も若者だけのまちになってしまう。若者だけのまちというのは、すなわち1人当たりの所得額や納税額が低く、そして、お年寄りやファミリー世代が暮らしにくいまちに今後もどんどんなっていってしまうと私は思うんです。中野区の今後の健全な財政運営を考えるならば、まずは20代、30代の若者たちがずっと一生涯住み、暮らし続けていきたいと思えるような、年齢構成のバランスのよいまちづくりが必要であると私は考えております。そのためには現在30代、40代の子育て世代に、石にかじりついてでも中野区に住みたいと思ってもらえるような子育て政策が必要であると私は考えております。
 私は子ども関係のリサイクルショップを経営しておりまして、中野区から引っ越しをされるママさん、パパさんたちとよくお会いすることがございます。中野区の保育園に子どもさんを通わせているパパさん、ママさんは、中野区外にはなかなか引っ越さないんですね。それはなぜか。他区に引っ越しても保育園には入れないから。今現在中野区の保育園に入っている方は、そのままずっと中野区に住み続けるんです。中野区の子育て政策を厚くしていくことによって、中野区に住んでいくファミリー層がふえる。それが私の持論でございます。不動産や住宅政策といったハード面の整備ももちろん大切ですけれども、不動産のためなら死ねるという人はいないんです。しかし、我が子のためなら死ねるという人はたくさんいるんです。そういった親心をくすぐるような魅力的な子育て環境の整備こそが区政の最優先課題であると私は考えておりますけれども、子育て環境の整備に関して区の見解をお聞かせください。
○小田政策室副参事(企画担当) 区といたしましては、新しい中野をつくる10か年計画第2次を着実に推進して、子育て環境をはじめ、その他、安全・安心かつ快適に生活できる環境を整備していくことでさまざまな世代を誘導するとともに、また、定住化を促していけるものだというふうに考えております。
○小宮山委員 その中でもとりわけ子育て環境を整えていってほしい。子育てファミリー世代が定住するまちにしていってほしいと私は考えています。その観点を持って次の質問に移らせていただきます。
 今回の要求資料、厚生41番の中に、1番に23区の区立児童館の年間開館日数と休館日というのを調べて、資料として提出していただきました。この資料を見てみますと、中野区の児童館の年間休日、23区の中で断トツで多く休んでいます。23区の中で児童館の年間休日が90日を超えているのは、中野区122日、そして、板橋区115日、この二つだけです。他区の平均、不定休の区を除いて19区の平均を出しますと、平均休館日は66日です。しかし、それに対して中野区は122日。他区の約倍も児童館をお休みしているんです。本会議の一般質問でも指摘しましたが、中野区は公園も少なく、子どもの体力も低く、そして、住宅事情も悪い。頼みの綱のじゃぶじゃぶ池も年間のうち1カ月しかやっていない。この中野区で年間の3分の1も児童館は休んでいる。23区で一番休んでいることに対して、区はどのようにお考えでしょうか。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) お答えします。かつて児童館は、月曜日のみ休館日にして、火曜日から日曜日に開館しておりましたけれども、勤務時間の変更等により日曜日を卓球開放という形で施設開放を行ったりしておりました。そういう状況の中でその利用実態を見て、日曜日を特例利用日に切りかえ、今日に至っているところです。そして、区は現在児童館を、小学校内でのキッズ・プラザの展開にあわせ、U18プラザへと順次再編していく計画を進めております。この展開の中でU18プラザは、通年で月曜日から土曜日まで開館していくということにしております。
○小宮山委員 今、日曜日の特例開放のお話が出ましたので、そちらを先に進めさせていただきますけれども、今日曜日の児童館というのを希望者に、一定の条件を満たす団体に貸し出すことができるというふうに区のホームページを見ると書いてあります。この一定の条件というのは一体何でしょうか。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 一定の条件とは3点ございまして、一つは構成員が5人以上であること、二つ目に構成員の半数以上が区内に住所を有する者、区内の事務所または事業所に勤務する者、または、区内の学校に在籍する者であること、3点目が、構成員が児童だけではないこととなっております。
○小宮山委員 今年度の実績についてお伺いさせてください。今年度どのくらいの利用がありましたでしょうか。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 日曜日の児童館の貸し出しは、先ほど申しましたように特例利用として、児童の健全育成を図ることを目的として行うものはできるとなっております。今年度9月末までの利用状況につきましては、21館中16館で実施しておりまして、合計で85回となっております。
○小宮山委員 児童館の数は現在21。そして、今年度の日曜日は26回あります。全部で546回の貸出機会があるにもかかわらず、85回の実績。これは決して多くないと思っております。そして、その貸し出しの条件、決して厳しい条件ではないと思うにもかかわらず、利用者があまり多くない。その条件をもっと積極的に周知して、もっとたくさんの人たちに日曜日の児童館をあけてもらえばいいと私は考えております。そもそも区として日曜日の児童館を、区が運営してあけるということは考えていらっしゃいませんでしょうか。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) やっぱり特例利用を活用していただいて、日曜日の児童館を地域の必要とする方々に活用していただきたい、そのように考えております。
○小宮山委員 日曜日というのは、我が子とふだん触れ合うことのできない勤労者世帯のパパさん、ママさんたちが我が子と触れ合う絶好の機会だと思うんです。ですから、日曜日をぜひあけていただきたいと思っているんですが、日曜日がだめだというのでしたら、では祝日だけでもせめてあけていただけませんでしょうか。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 祝日につきましても、やはり家族で過ごすことが大切だと認識しております。そのようなことで家族で触れ合う機会をいろいろな場でつくっていただきたいと、そのように考えております。
○小宮山委員 言われなくても家族とは常に一緒に24時間――24時間ではありませんけれども、一緒に過ごしているんです。その家族と過ごす場の一つを自宅の近くにとっていただきたい。特に中野区は住宅事情の悪い家が多いんです。我が家もそうなんですけれども、思い切り駆け回ったり家の中でできることの少ない区民が多いんです。そういった方々のためにもぜひ日曜日や祝日の児童館、あけていただきたいと思いますが、だめでしょうか。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 日曜日とか祝日につきましては、やはりふだん一緒にいてもなかなかまとまった時間として、御家族として過ごすというのは今難しい状況にある家庭が多いと思っております。ですから、ぜひ御家族で一緒に触れ合って、例えばどちらか出かけるとか、いろいろ一緒に計画をしていただいて過ごしていただければと、そのように考えております。
○小宮山委員 私としては家族と一緒に児童館に出かけたいなと思っております。それはさておきまして、では、5月5日の「こどもの日」だけでもあけられませんかね。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 5月5日は「こどもの日」です。ですから、「こどもの日」だからこそぜひいろんなところへ行っていただきたい。例えば、動物園とかも無料になったりいたしますので、ぜひそこは「こどもの日」ということをよく考えて、家族で過ごしていただければと思っております。
○小宮山委員 日曜日もあけられない、祝日もあけられない、5月5日もあけられないということであれば、あとは日曜日をずらしてお休みをしていただく。例えば、休館日を日曜、月曜以外のほかの曜日、例えば水・木とか月・金とか、別の曜日にスライドさせて日曜日をあけていただくことは考えられないでしょうか。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 今御指摘のような平日、例えば木曜日と金曜日とか平日を考えてみますと、今現在乳幼児親子の利用が定着していたり、また、放課後安全に過ごせる子どもたちの活動の場所としても重要な機能を果たしていると思っております。ですから、そのようなところで平日を休館日とするということは考えておりません。
○小宮山委員 それでは、先ほどの日曜日の児童館の開放の話に戻したいと思います。中野区の児童館、日曜日に一定の条件を満たす団体に貸し出しができる。そして、その貸し出しの条件、決して厳しくはない。しかし、その利用実績があまり多くないというお話なんですけども、私は、やっぱり区ができないんでしたら民間活力を導入して、民間にできることは民間に任せてみればいい。もっと積極的に日曜日の児童館を区民の方々に開放していただきたいと考えています。しかし、区のホームページを見てみても、一定の条件を満たす団体に貸し出します、この一定の条件についてはお問い合わせくださいということが書いてあって、細かい条件が書いていないんですね。私は南中野地域のほとんどの児童館に行ったことはありますけれども、児童館の現場に行ってみても、日曜日に貸し出せますよと積極的にお知らせをしている児童館というのはまず見当たりません。児童館の役割の中には、子どもや子どもを取り巻く問題の解決に向けて地域や関係機関との連携、協力というものがあります。休館日であっても条件さえ整えば児童館を使うことができるということをより積極的に周知させるべきであると思いますが、いかがでしょうか。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 日曜日の特例利用の周知につきましては、お使いになっている方が地域の児童館と関係のある団体とか、そういう方々が多い状況がございますが、今御指摘のように児童館のホームページや児童館の中で掲載をしたり、そういう周知を図っていきたいと考えております。
○小宮山委員 ありがとうございます。そして、その日曜日の特例利用なんですけど、日曜日以外の月曜、祝日、こういった曜日は開放できないんでしょうか。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 月曜日は学童クラブが運営しております。また、祝日につきましてはなかなかそういうニーズの点もございます。ですから、そういう点、いろいろ貸し出しについては総合的に考えていきたいと、そのように考えております。
○小宮山委員 祝日のニーズ、私はあると考えておるんですけども、とりあえずそれは置いておきまして、先ほどの23区の区立児童館の年間開館数と休館日の表を見てみますと、中野区の児童館の休館日、日曜、月曜、祝日、年末年始と書いてあります。枠が狭いので書き切れなかったと思うんですが、きょう火曜日、中野区の児童館はやっていますか、やっていませんか。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 昨日が祝日になっておりますので、きょうの火曜日は児童館は休館日となっております。
○小宮山委員 そうですね。区のホームページによりますと、月曜日と休日が重なる場合は、その直後の休日でない日まで休館日というふうに書いてあるんです。これ、ちょっとわかりにくいと思うんですが、要するに、月曜日が祝日ならば火曜日も休みますよということなんです。今ハッピーマンデー制度がありますので、ただでさえ月曜日が祝日になる可能性が高くなっている。これでは中野区の子どもたちにとってはブラックチューズデーじゃないかと私は考えておるんですけども、月曜日と休日が重なる場合はこの直後の休日でない日まで休館日というお休み、これ一体何なんですか。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 先ほど申しましたように、月曜日が祝日に当たるものでして、それでその次の火曜日は休館日となる。そういう日になっております。
○小宮山委員 どうしてそういった決まりがあるのか、ちょっと区民には理解を得られにくいお休みじゃないかなと思うんですが、どうしてこういった規程があるんでしょうか。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 一つには、職員の勤務条件等の関係で週休二日を確保する。そういうところの中で児童館の運営上休館している、そういうところでございます。
○小宮山委員 私も今日みたいな火曜日に間違って児童館に行って、のこのこ帰ってきたことがあるんですけれども、この規程を見直す予定というのはありませんか。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) この件につきましては今後検討してまいりたいと考えております。
○小宮山委員 ありがとうございます。私は、中野区の南の端にある川島商店街という商店街で商売しているんですけども、商店街に約100件のお店があっても、ほとんどの店は週休1日です。そして、過半数のお店は3人以下の少ない従業員でやっています。商売人と公務員を比較することは難しいですけれども、それに、公務員の方にとるべき休みをとらずに働き続けろというつもりはありませんが、先ほど言ったような児童館の一般への開放など何らかの工夫をして、23区で一番多いという児童館の休館日を減らしていくことはできないものかと考えております。例えば、新宿区の児童館、年間休日たったの6日、中野区の20分の1なんですが、これもやはり民間のボランティアの力をかりて行っているというお話でございます。
 次に、児童館についてまた伺いますけれども、10か年計画第2次における児童館の関連分野について伺います。現在の10か年計画第2次の児童館関連項目について変更はありませんでしょうか。中でも特に仲町児童館が廃止されて、将来的には保育園として活用されていくという認識でよろしいんでしょうか。
○野村地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) お答えいたします。10か年計画の中の児童館に関する部分、今のところ変更はございません。特にということでお尋ねの部分でございますが、橋場児童館が本年4月、キッズ・プラザ桃花の開設に伴って廃止をしてございます。この10か年の第2次でございますけれども、この廃止しました橋場児童館跡及び現在の橋場保育園の敷地、こちらに今後U18型の児童館、それと、新保育園を整備するということで計画をしてございます。この保育園の整備期間中でございますが、現在の仲町児童館、こちらを仮園舎にすると。整備工事が終了後も引き続き保育園として活用するというのが、現在の10か年計画の中の計画でございます。
○小宮山委員 中野区に保育園が一つふえるというお話なので、うれしいことだと思います。仲町児童館がなくなってしまうのは寂しいですけれども。それで、10か年計画に変更がないということであれば、廃止、売却されてしまう児童館が10館あるということになります。今回篠議員の質疑の中でも、学校用地や保育園用地の売却について鋭い質問がありましたけれども、児童館の廃止、売却が既に決定しているのであれば、地域住民や児童館利用者に対して周知や説明会などは行っているのでしょうか。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 新しい中野をつくる10か年計画第2次の策定に当たりまして、素案に関する意見交換会を平成21年9月に6カ所で行いました。そして、案に関しては平成22年の2月8日(月曜日)から3月1日の(月曜日)までパブリックコメントを実施いたしました。なお、その10か年計画第2次の中で上がっております個々の児童館については、児童館ごとに地域住民への説明は行ってございません。
○小宮山委員 語尾がよく聞き取れなかったんですけど、児童館ごとの個々の説明は行っていないということでよろしいですね。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) そのとおりでございます。
○小宮山委員 10か年計画全体についての説明会は行ったということなんですけれども、地域住民や児童館の利用者にとっては、児童館がなくなるかなくならないか、そして、残った用地が売却されるか売却されないか、非常に大きな関心事だと思います。そして、10か年計画全体の中で非常に見えづらくなってしまうところなんですけども、地域住民の非常に大きな関心事だと思いますので、今後は、10館の児童館が廃止、売却されてしまうということが既に決定事項なのでしたら、それを積極的に周知をしていく必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 個々の児童館につきましては、キッズ・プラザへの再編の中で具体的に説明をしていく、そういうことになると考えております。
○小宮山委員 キッズ・プラザの再編もいつになるか、今後いつどういう形で始まっていくのかということは、まだはっきりとは出ていないところも多いとは思うんですが、既にもうなくなって売却しますということ自体、もう決定されているんですから、せめてそれに対して、大規模な説明会までは開くことができなくても、児童館の中に今後将来的には売却されてなくなりますとか、そういった予定を――予定というか周知を徹底させていってもいいんじゃないかと私は考えていますが、いかがでしょうか。
○大橋北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 10か年計画第2次の中でそういう計画をしているというものでございます。ですから、具体的にいつ該当児童館がキッズ・プラザへの再編になっていくのか、それがやはり明らかになった時点で地域に対して、また、児童館を利用されている方々に対して説明していく、そういう考えでございます。
○小宮山委員 廃止・売却のことを知らない利用者は意外と――意外というか、かなりたくさんいると思われます。そうした廃止・売却が決定事項でありましたら、利用者への周知をもうちょっと徹底させていったほうがよろしいんじゃないかと私は考えております。そして、できれば今後児童館を減らさないでほしいんですけれども、既に10か年計画は決定事項であるということですので、今後中野区の児童館の数を減らしていくのであれば、今回私が申し上げたような休日の見直しや民間活力の導入などでその内容を充実させていってほしいとお願いしまして、この項の質問を終了とさせていただきます。
 残り時間がありますので、中央部防災公園について質問させていただきたいと思います。いでい議員の一般質問の中でも関連項目がございましたけれども、中央部防災公園の中に池ができるようなんですけども、その池は水遊びができるスペースになっているのでしょうか。
○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) お答えさせていただきます。(仮称)中央部防災公園には、井戸水を循環させ塩素を注入している池、流れのある水施設を設けております。この施設は水遊びを主目的としたわけではなく、水景、水の景でございますが、水景施設として設けているところでございます。
○小宮山委員 水遊びは全くできない施設ということでしょうか。
○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 周りには柵等を設けておりませんので、入ろうと思えば入れますけれども、目的としては今申しました水の景、いわゆる水景施設として計画としては設計しているところでございます。
○小宮山委員 子どもたちや近隣の大学生などが勝手に酔っぱらったり、中に入る可能性もあると思いますけれども、子どもは酔っぱらいませんけれども、酔っぱらった大学生が入ったりする可能性とかありますが、そういった場合はどう対応されますでしょうか。そういった場合の想定はされていらっしゃいますでしょうか。
○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 特に問題になろうと思われるのが水の深さでございますが、この池とか流れにつきましては上流部から約5センチから15センチの水深でございますので、学生さんが酔っぱらって中に入って溺れるということは多分なかろうかと思っているところでございます。
○小宮山委員 水遊びはしてもいいんですか、いけないんですか。どちらでしょうか。
○石田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 入るということは、設計上入れますので、その辺は十分親御さんとよく、一緒になって調整してもらえればと思っています。
○小宮山委員 黙認状態ということで理解をいたしました。

〔「駄目」と呼ぶ声あり〕

○小宮山委員 禁止はされていても入る酔っぱらった大学生などもいると思いますので、そういったことも想定した上で計画を練っていっていただきたいと考えております。
 以上をもちまして私の質問、終了とさせていただきます。ありがとうございます。
○佐野委員長 以上で小宮山委員の質疑を終了いたします。
 以上で本日の総括質疑はすべて終了いたしました。お疲れさまでございました。
 明日10月12日(水曜日)からは各分科会が予定されているために、本日の委員会終了後、会場設営を行います。各位がお持ちになった資料は、机の中を含め、すべてお持ち帰りいただきたいと思います。
 次回の委員会は10月18日(火曜日)午後1時から、当委員会室において開会することを口頭をもって通告いたします。
 以上で本日の決算特別委員会を散会いたします。
午後3時33分散会