1.平成24年(2012年)10月1日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(41名)
1番 若 林 しげお 2番 高 橋 かずちか
3番 木 村 広 一 4番 甲 田 ゆり子
5番 小 林 ぜんいち 6番 中 村 延 子
7番 石 坂 わたる 8番 後 藤 英 之
9番 石 川 直 行 10番 内 川 和 久
11番 ひぐち 和 正 12番 いでい 良 輔
13番 白 井 ひでふみ 14番 平 山 英 明
15番 南 かつひこ 16番 森 たかゆき
17番 いながき じゅん子 18番 林 まさみ
19番 小宮山 たかし 21番 伊 東 しんじ
22番 佐 野 れいじ 23番 北 原 ともあき
24番 吉 原 宏 25番 小 林 秀 明
26番 久 保 り か 27番 酒 井 たくや
28番 奥 田 けんじ 29番 近 藤 さえ子
30番 金 子 洋 31番 長 沢 和 彦
32番 大 内 しんご 33番 伊 藤 正 信
34番 高 橋 ちあき 35番 市 川 みのる
36番 篠 国 昭 37番 やながわ 妙 子
38番 佐 伯 利 昭 39番 むとう 有 子
40番 か せ 次 郎 41番 来 住 和 行
42番 岩 永 しほ子
1.欠席委員(1名)
20番 浦 野 さとみ
1.出席説明員
中野区長 田中 大輔
副区長 金野 晃
副区長 阪井 清志
教育長 田辺 裕子
政策室長 竹内 沖司
政策室副参事(企画担当) 野村 建樹
政策室副参事(予算担当) 奈良 浩二
政策室副参事(広報担当) 酒井 直人
経営室長 川崎 亨
危機管理担当部長荒牧 正伸
経営室副参事(経営担当) 戸辺 眞
経営室副参事(人事担当) 角 秀行
経営室副参事(行政監理担当) 岩浅 英樹
都市政策推進室長長田 久雄
都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) 横山 俊
都市政策推進室副参事(にぎわい・商業振興担当) 滝瀬 裕之
都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 松前 友香子
都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 石井 大輔
都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 立原 英里雄
地域支えあい推進室長 瀬田 敏幸
地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 朝井 めぐみ
区民サービス管理部長 登 弘毅
区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 藤井 康弘
区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 浅野 昭
区民サービス管理部副参事(税務担当) 長﨑 武史
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 髙橋 信一
子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、教育委員会事務局(子ども教育経営担当)
白土 純
子ども教育部副参事(子育て支援担当)、子ども家庭支援センター所長、
教育委員会事務局副参事(特別支援教育等連携担当) 黒田 玲子
健康福祉部長 田中 政之
保健所長 山川 博之
健康福祉部副参事(福祉推進担当) 小田 史子
健康福祉部参事(保健予防担当) 向山 晴子
健康福祉部副参事(健康推進担当) 石濱 照子
健康福祉部副参事(障害福祉担当) 永田 純一
健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 浅川 靖
環境部長 小谷松 弘市
環境部副参事(地球温暖化対策担当) 上村 晃一
環境部副参事(ごみゼロ推進担当) 志賀 聡
清掃事務所長 鳥井 文哉
環境部副参事(生活環境担当) 堀越 恵美子
都市基盤部長 尾﨑 孝
都市基盤部副参事(都市計画担当) 相澤 明郎
都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 古屋 勉
都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 石井 正行
都市基盤部副参事(建築担当) 豊川 士朗
都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 佐藤 芳邦
会計室長 辻本 将紀
教育委員会事務局指導室長 川島 隆宏
教育委員会事務局副参事(知的資産担当)、中央図書館長 天野 秀幸
監査事務局長 鈴木 郁也
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 篠原 文彦
事務局次長 青山 敬一郎
議事調査担当係長 佐藤 肇
書 記 関村 英希
書 記 河村 孝雄
書 記 東 利司雄
書 記 丸尾 明美
書 記 土屋 佳代子
書 記 細川 道明
書 記 江口 誠人
書 記 鈴木 均
書 記 永見 英光
書 記 竹内 賢三
書 記 香月 俊介
午前10時00分開会
○佐野委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会いたします。
認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。
9月28日(金曜日)の理事会の報告をまず行います。本日の委員会運営について、総括質疑の順番は、1番目に中村延子委員、2番目に吉原宏委員、3番目に南かつひこ委員、4番目にひぐち和正委員、5番目に内川和久委員の順の5名で質疑を行うことを確認いたしました。
次に、既に配付済みの総務72についての内容に誤りがあったため差しかえをしたいと理事者から申し出があり、これを了承いたしました。席上に配付してありますので御確認をお願いしたいと思います。
以上が理事会の報告ですが、何か質疑ございますでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 ただいまの報告どおり委員会を運営することに御異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員長 御異議ありませんので、さよう決定をさせていただきます。
それでは、ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いを申し上げます。
それでは、質疑に入らせていただきます。
まず1番目、中村延子委員、質疑をお願いいたします。
○中村委員 平成24年第3回定例会決算特別委員会に当たり、民主党議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。
質問は、通告のとおり、1、行政評価について、2、がん対策について、(1)5がん検診について、(2)子宮頸がん対策について、3、観光まちづくりについて、4、その他についてはございません。理事者の皆様におかれましては、前向きで明快な御答弁をお願いいたします。
まず、行政評価についてお伺いをいたします。平成23年度一般会計の歳入総額は1,091億2,897万6,161円、歳出総額は1,067億7,313万2,443円で、前年度比歳入で9.3%増、歳出で8.8%の増となっています。さきの本会議決算提案理由説明の中で、「景気も依然として厳しい状況が続いている中、引き続き歳出構造の見直しと歳入確保に向けた取り組みが必要な状況にあります」と区はしています。まさにPDCAサイクルのC(チェック・評価)とA(アクション・改善)に今まで以上に力を入れていかなければいけない状況だと判断ができます。そういった意味でも、評価をして反映していく行政評価が現在の区政運営にとても重要だということになります。これまでも我が会派から行政評価に対する質疑をたびたびさせていただいておりますが、このような状況下ですので、改めて質問をさせていただきます。
主要施策の成果別冊を見ますと、行政評価の進め方として、外部評価委員会に設けた評価チームごとの小委員会を開催し、各分野で作成した評価票等について審査する。審査の中でさらに議論が必要と思われる施策については抽出を行い、公開ヒアリングでの審査も踏まえ、評価するとあります。ことしの外部評価委員会では、45分野、131施策について評価が行われ、6月29日から7月9日までの計4日間、23施策について公開の場でヒアリングによる審査を実施しています。まず、さらに掘り下げて審査・評価を行う必要がある施策を抽出して公開ヒアリングをするとありますが、その基準というのはあるのでしょうか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 公開ヒアリングでございますけれども、あらかじめ定めた基準によるものではございませんで、外部評価委員会がすべての施策について書面審査を行った上で、書面審査に加えて公開ヒアリングを行うことが望ましいと判断した施策について、公開ヒアリングを実施しているところでございます。
○中村委員 私も外部評価委員会を傍聴させていただきましたが、なぜその施策を掘り下げて審査する必要があるのか説明がなかったように思われます。いただいている主要施策の成果別冊にも記載がありませんが、なぜこの23施策を抽出したのか、外部評価委員から説明があると区民にもわかりやすいと思います。区として、今後、外部評価委員会に求めていただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 公開ヒアリングを行います中で、傍聴されている区民の方にわかりやすいという説明は非常に重要だと考えております。その実施方法につきましては、改善、調整をしてまいりたいと考えております。
○中村委員 次に、行政評価シートの中の成果指標についてお尋ねいたします。この中にある成果指標は、それぞれの分野、施策ごとに設定されているという理解でよろしいですね。この成果指標には基準があるのでしょうか、教えてください。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 成果指標でございますけれども、区政目標を設定する段階におきまして、その施策や目標の成果、効率性、必要性を客観的に判断できるものということで、原則として数値で示すということになっております。
○中村委員 今回いただいた主要施策の成果別冊を読んでみると、外部評価の指摘で成果指標としては適切ではないという指摘が多数見受けられました。特に行政評価をつかさどっている経営室の評価に大変多く見られました。例えば49ページの経営分野、目標に対する成果についての評価、3番目にありますものだったり、58ページの施設分野、そのほかの評価内容が1番目にあるものであったり、63ページ、行政監理分野の目標に対する成果についての評価、一つ目、それから、そのほかの評価内容の3番目、読んでみますと成果指標に対する指摘が大変多くあるんですけれども、もちろんPDCAサイクルの中で改善していくということなのかもしれませんが、この外部評価委員会は平成14年から行っていまして、既に10年も行っているわけなんですけれども、毎年PDCAサイクルのもと改善を行ってきている中、こんなにもたくさん成果指標に対する指摘があるということをどのようにお考えでしょうか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 成果指標につきましては、これまでも外部評価委員会だけではなくて議会からもさまざま御指摘をいただいたところでございます。これまでも見直しを行ってきてはおりますけれども、施策によりましては数値化することが非常に困難なもの等もございます。今回の外部評価委員の総評でも御意見をいただいておりまして、指標を見出すことが困難な分野、施策に関しては、文章としてより具体的に評価表に改善事項を経年的に記載するなどの配慮を求めたいという御指摘をいただいたところでございます。各分野の1年間の取り組みの成果が客観的に判断できるような指標となるように今後も改善を進めてまいりたいと思います。
○中村委員 ぜひ改善を進めていただきたいと思います。
中野区のホームページで行政評価を調べますと、昨年の外部評価委員会の総評が検索にかかり、とてもわかりやすいページになっています。そこの内容を読むと、「行政評価の新たな展開に向けて」という項目があります。昨年の外部評価委員会からは、民営化・委託化された事業に対し、「今後、こうした民営化・委託化した内容も含め行政評価の中でどう評価していくか検討していく必要がある」という指摘を受けております。この点について、区は昨年の行政評価を踏まえ、検討をされたのでしょうか。もし検討されたのであれば、状況をお聞かせください。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 行政評価につきましては、分野・施策の目標に対する成果を評価するという制度でございまして、委託事業を含めて行政施策全体の評価を行っているというふうに考えております。各所管の内部評価におきましては、民営化・委託化した後の区民サービスの状況についても把握をした上での評価というふうに考えております。ただ、外部評価委員の皆さんへの情報提供のあり方については今後工夫してまいりたいというふうに思っています。
○中村委員 確かに、委託化・民営化されたものというのは、外部評価に適さないものもあるので難しいのかなというふうには思うんですけれども、資料の総務94、現年度外部評価総評でも、中野区では民営化・業務委託や指定管理者制度の導入が進んでいる現状にあるが、これらについて評価表から判断することができるのはコスト面だけである。事業委託当初はコストが減り、効率性が上がったと評価することができるのかもしれないが、その後はどのように生かすべきであるのかを判断するには困難を伴う。業務委託等によってサービス水準や住民満足度がどのように変化しているのか、担当者がどの程度区民の要望を把握しているのか、安全面等の考慮はどのようになっているのか、以上を考えて、委託費そのものは妥当なものであるのかを評価表だけからうかがい知るのは難しい。検討会での担当者との面談は不可欠であり、さらに言えば、本来は実地調査等の実施も視野に入れたいところであるとも言われていますし、今後、いろいろな検討が必要なのかなというふうにも思います。
次に、傍聴者数に関してお尋ねをいたします。昨年、平成23年第3回定例会一般質問でも同様の質問をさせていただきました。傍聴者数がふえれば、おのずと議論も緊張感のあるものになると思います。昨年の外部評価委員会の傍聴者数はわずか9名ということでしたが、ことしの傍聴者の人数を教えてください。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 今年度は4回公開ヒアリングを行いまして、傍聴者は延べ15名でございます。
○中村委員 ことしは4日間行われて15名ということなんですけれども、昨年の一般質問で区長は、傍聴者の数はできるだけ多いほうがいいなというふうに思っているところですと御答弁されています。区としてこの傍聴者数計が15名という数をどのように評価されていますか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 昨年度に比べると若干ふえてはおりますけれども、まだまだ少ない数字であるというふうに考えております。
○中村委員 また、傍聴者数増加に対する取り組みとして、昨年の答弁では行政評価フォーラムを取り上げられておりました。行政評価フォーラムで模擬外部評価ヒアリングを行うなどの制度のPRに努めているとおっしゃっていたんですけれども、2011年2月に行政評価フォーラムは行われているようですけれども、その後、行政評価フォーラムというのは多分行われていないと思うんですが、制度のPRというものはされているのでしょうか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 区報、ホームページでのお知らせは継続して行っております。また、このほか、平成24年1月から2月にかけまして、行政評価の制度を紹介するパネルですとか、これまでの行政評価結果等関係資料を展示いたしました行政評価企画展というものを開催いたしました。今回、外部評価委員として区民の方からなっていただいておりますけれども、その方の中にはこの企画展を見て外部評価委員に応募したという方もいらっしゃいました。
○中村委員 私が把握している限り、ことしの15名の傍聴者のうち、我が会派の議員が私を含めて3名、ほかの会派の先生が1名、傍聴されていました。15人の中にこの4名の議員も含まれるということでよろしいでしょうか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) そのとおりでございます。
○中村委員 我が党の他区の議員も1名傍聴をしておりましたので、ということは、区民、もしくは御興味があって傍聴にいらっしゃった方というのはたった10名ですね。もしかすると、私がお会いしていなかったほかの先生方も傍聴者数に含まれるのであれば、それ以下ということになります。昨年の本会議で区長は傍聴者数がふえることを歓迎されるようなことをおっしゃっていますけれども、本当に真剣に取り組まれているのかなというふうにとても疑問に思えて仕方がありません。
昨年度、外部評価委員会からも、「ヒアリングの際の傍聴者の数に端的にあらわれているように、区民の行政評価制度に対する認知度、関心度は低いように思われる。区は制度の意義等についてより一層区民に対して徹底した周知活動をするよう取り組んでほしい」と指摘をされています。また、現年度でも同様の指摘がされております。私が傍聴させていただいた公開ヒアリングは2回あり、2回とも区役所1階の特別集会室で行われておりました。奥まった部屋で一見わかりにくい場所にあるんですけれども、表の廊下からも案内がなく、それだけでも表示があればわかりやすく、区民の方々も入りやすいのかなと思います。来年度以降、傍聴者をふやすための発信、また、傍聴に来た方にわかりやすい工夫をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) これまで公開ヒアリングの事前の広報といたしましては、区報とホームページによる掲載を行ってまいりました。今年度につきましては、公開ヒアリングにJCNの取材に入っていただきましたので、それを期間中に報道していただいたということもございます。来年度以降も、区民の周知のためにJCNのほうにも協力を求めていきたいと考えております。また、今後、公開ヒアリングの開催中に進捗状況ですとか、ホームページを活用した広報の充実に努めてまいりたいというふうに思っております。
あと、今年度、会場の案内でございますけれども、1階エレベーター横のインフォメーションディスプレイとヒアリング会場のところに案内を掲示したということでございますが、来年度以降は、来庁者へのPRになるような案内を工夫してまいりたいと思います。
○中村委員 ぜひともお願いいたします。7月28日に府中市で行われた事務事業点検を傍聴させていただきました。府中市では、すべての事務事業を3分割し、3年間かけて公開ヒアリングで行っております。本年度分の事務事業点検は2日間かけて実施をしておりましたが、土曜日、日曜日にあわせて、またインターネット中継も実施をしています。来場し、実際に公開ヒアリングを傍聴された傍聴者数は、両日合わせて220名だったそうです。さらに、府中市ではインターネット中継もしており、延べ約2,200人がインターネットを通し、行政評価を傍聴したそうです。
傍聴者はただ多ければいいということではありません。実際に府中の例を見ると、傍聴者数の半数近くが市の職員だったそうです。でも、職員が他部署の公開ヒアリングを傍聴するということが何をあらわしているかというと、庁内での行政評価の位置づけが大変緊張感のあるものになっているということだと思います。
また、府中市では、実際に会場で傍聴された方へアンケートをとっております。中野区でも傍聴者へのアンケートは実施しておりますが、かなり簡単なものになっています。府中市のアンケートを見ると、1、職種について、2、お住まいについて、3、年齢について、4、事務事業点検を知ったきっかけについて等。それから、問い1、市の職員の説明がわかりやすかったか、問い2、点検委員がよかったか、問い3、今後も点検をこの方式で続けるべきか、問い4、関心のあった事業があったかをチェック方式で聞いています。また、そのアンケート結果も事務事業点検結果と一緒にホームページに掲載しております。
こうすることによって、どういった方々が興味を持っていらっしゃるのかとか、また、どこを改善していかなければならないかなど、今後の行政改革のあり方を実際に傍聴された客観的目線からも分析することができます。中野区でも来年度以降、もう少し細かい傍聴者アンケートを実施すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 現在、アンケートを行っております項目でございますけれども、年代、性別、区内・区外の別、あと傍聴者施策と自由意見ということになっております。今後は、行政評価ですとか、公開ヒアリングの改善につながるような項目について工夫してまいりたいと思います。
○中村委員 ぜひよろしくお願いします。総評でも指摘をされておりますが、「一部の担当者の外部評価に対する姿勢に若干の不満の声があったことは付記しておかなければならない。外部評価委員との対話を通じて業務改善の方策を得ようとする積極的な姿勢をより見せてもらえたらと考えている」等、庁内での行政評価の位置付けもあまり高いものになっていないのではないかと思われます。せっかく行政評価を実施しているのですから、緊張感もなくただやっているだけにならないように心からお願いをしたいと思います。
また、平山委員の総括質疑でも、区長も全体のあり方を見直す時期に来ているとの答弁をされていらっしゃいましたが、今後も他自治体の先行事例をぜひ取り入れて、緊張感のある行政評価をしていっていただきたいというふうに要望させていただきまして、次の質問に移りたいと思います。ありがとうございました。
次に、がん対策についてお聞きをいたします。
まずは5がん検診についてお伺いいたします。がんは、我が国において1981年から死亡原因の第1位であり、がんによる死亡者数は年間30万人を超える状況となっています。診断と治療の進歩により早期発見・早期治療が可能になっていることから、がんによる死亡者数を減少させるためには、がん検診の受診率を向上させ、がんを早期に発見することが極めて重要です。しかし、日本ではがん検診受診率がとても低い状況にあります。国では、子宮頸がん、乳がん、大腸がん検診に対して対象年齢者に無料クーポンを配布しています。また、中野区でも5がん検診を含む区民健診が行われています。「区民健診のご案内」というリーフレットを作成し、それぞれの健診項目ごとに、対象者、内容、自己負担金、申し込み期間などが記載され、かなりわかりやすいつくりとなっております。そのほか、健診率向上のためにされている取り組みがあれば教えてください。
○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 今、委員から御紹介いただきましたリーフレットにつきましては、がん検診を含む区民健診全体を載せてございます。国保の特定健診の受診者全員に受診票と一緒に同封をしたほか、その他ポスター等も工夫いたしまして、医療機関等に掲示をお願いいたしました。また、受診しやすい環境整備ということで、電話による申し込みも始めたところでございます。それから、年間を通じて健康づくりに関する普及啓発といたしまして、がん制圧月間やピンクリボン、きょうからでございますが、実施をしているところでございます。
○中村委員 検診率を上げるためにさまざまな取り組みがされていることはとても評価させていただきます。しかしながら、受診率がなかなか上がらないのが現状だと思います。例えば子宮頸がん検診は、先進国の受診率は70%から80%に対し、日本では24%前後です。胃がん、大腸がん、肺がんなどでも同様で、受診率が上がらないのが問題です。受診率が上がらない原因として何か分析されていることがあれば教えてください。
○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 受診率が上がらない理由につきまして、特に区としてはがん検診につきまして特化したものはございませんけれども、平成22年度に厚生労働省が実施しました国民生活基礎調査のがん検診に対する項目でございますが、こちらには「必要なときにいつでも医療機関を受診できるから」、また「時間がとれなかった」、「面倒だから」という理由が上位を占めてございます。
○中村委員 中野区健康福祉部事業概要の中にがん検診の前年度受診状況が記載されています。すべて5歳刻みで受診状況が書かれています。例えば大腸がんですが、区民健診の対象者は35歳以上となっています。この対象年齢というのはどのような判断で決められているのでしょうか、教えてください。
○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) がん検診の対象年齢につきましては、厚生労働省の通知によりまして、平成20年4月から「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針について」、これに基づきまして実施してございます。この指針によりますと、子宮頸がん検診は20歳以上、その他のがん検診は40歳以上を対象としてございます。ただ、中野区では、大腸がん検診、胃がん検診につきまして、区の検診で以前より35歳以上を対象としていたこともございまして、現在もそれを継続しているものでございます。
○中村委員 子宮頸がん以外については、国では40歳以上だけれども、35歳からやられているということで、それは大変歓迎できることなのかなと思います。この対象年齢というのは、その項目のがんの死亡率が高いところという判断だと思います。どこかの年齢層だけが受診率が高くて、別の年齢層の受診率が低いということは避けなくてはいけないと思います。ところが、この年齢層別の受診状況を見ますと、65歳とか70歳以上で急激に受診率が上がって、逆に35歳から40歳の層だったり、40歳から45歳の層というのは非常に受診率が低い状況だと思います。この分析をすれば、おのずとどこに啓発をしていかなければいけないのかというところが見えてくるのかなと思います。それぞれのがん検診で年齢層別に受診率を把握し、受診率が低い年齢層に再度啓発をする、例えばコール・リコールのようなことを検討すべきかなと考えますが、いかがお考えでしょうか。
○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) がん検診の受診率につきましては、一般的に若い世代で低く、高齢者で高いというような傾向にございます。今後、受診率の低い世代を含めまして、区民が受診しやすい環境の整備につきましては、受診期間の延長等も含め、現在行っている新たな検診システムの中で検討してまいりたいと思います。
○中村委員 ぜひお願いいたします。続いて、がん対策の中で子宮頸がん対策に特化をしてお聞きいたします。子宮頸がんは女性のがんとしては乳がんに次いで多く、30歳では最も多いがんです。日本では1年間に約1万5,000人が子宮頸がんと診断され、約3,500人が死亡し、20代から30代のおよそ1,000人が生殖機能を失うと言われています。子宮頸がんは性交渉により感染したヒトパピローマウイルス、いわゆるHPVの持続感染により発症します。HPVは人の皮膚や粘膜にいるありふれたウイルスで、性交渉経験のある女性の約8割が一生のうち一度は感染すると言われています。しかしながら、感染してもほとんどが一過性で、免疫力によってウイルスは自然に消失します。ところが、感染が続くと数カ月から10年ほどで正常細胞が無症状期を経て前がん病変となり、その一部が子宮頸がんに進行します。
子宮頸がん検診は、子宮の頸部からやわらかいブラシやへらで直接細胞をこすり取り診断をする細胞診という方法で行われてきています。細胞診では、がんだけでなく、前がん病変と言われる異形成も診断ができます。異形成は、軽度、中等度、高度と三つに分類され、がんに進行する可能性はそれぞれ約1%、10%、20から30%で、軽度や中等度異形成までは免疫により自然に治ることが多いので、経過観察を行うことができます。
高度異形成や最も初期のがんである上皮内がん、皮一枚だけにがんがとどまって転移がない状態のことを言うんですが、それが診断された場合には、円錐切除術という子宮頸部の一部だけを切り取る小さな手術で済み、手術によりほぼ100%治り、その後に妊娠・出産が可能です。ただ、この段階では自覚症状が全くないことから、子宮を残すための小さな手術は検診で見つけた状態でなければできません。この点からも、検診での早期発見が重要視されています。
先ほどがん検診の項目でも申し上げましたが、日本での子宮頸がんの受診率は24%前後ととても低く、先進諸国の約70から80%と比べ大きく出おくれています。まず、中野区での子宮頸がん検診の受診率を教えてください。
○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 平成23年度の子宮頸がんの受診率は21.0%となってございます。
○中村委員 では、中野区では子宮頸がん検診に関してどのような啓発や周知活動を行っているか教えてください。
○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 平成23年度につきまして、先ほどのがん協定に基づきまして、子宮がんに関する講演会を行いました。また、平成24年3月には、医師会との共催で、女性の健康週間イベントといたしまして、やはり子宮がんに関する講演、がんのパネル展を行いました。そのほか、子宮がんに特化したものはございませんが、年間を通しまして、がん制圧月間等の取り組みを行っているところでございます。今後も女性の健康週間のイベント等を通じまして、子宮がんにつきましても啓発を行っていきたいと思っております。
○中村委員 ぜひお願いいたします。また、最近の子宮頸がんの発生ピークは35歳で、子宮頸がんになりやすい年齢は30代から40代に多いとされています。近年では20代での発症が増加し始めてきました。これらの年代では子宮頸がんによる死亡も年々増加しています。理由としては、HPV感染の若年化や多様化とも言われておりますが、がん発生やがん死亡の増加を直接引き起こしているのは、検診を受けている女性が少ないことにあります。
平成21年からはHPV感染を防ぐワクチンが認可され、約300種類あるHPVのうち、子宮頸がんへ進行する約60から70%を占める16型と18型の感染を防ぐことができると言われています。日本における臨床試験では、ワクチン接種後6カ月で100%の感染予防を示しました。予防効果の持続期間は確立されてはいませんが、臨床試験では最低9.4年間は十分な抗体化の持続が確認をされています。日本においては、2010年から2012年度の補正予算によるワクチン接種緊急促進事業により、この2年間は原則として中学1年生から高校1年生の女子に、中野区では一部負担で受けられることになっております。3回の接種で5万から6万円かかるところ、1回につき8,000円の助成、つまり計2万4,000円の助成が受けられるようになりました。しかしながら、半額程度で受けられるとはいえ、まだ高額なのかなという感じもします。
まず、対象女子の子宮頸がんワクチンの接種率を教えてください。
○向山健康福祉部副参事(保健予防担当) 23年度の接種率でございますが、49.8%でございます。
○中村委員 子宮頸がんは唯一原因がわかっているがんであり、ワクチンを接種することによる予防ができるがんでもあります。決算書を見せていただくと、接種件数が5,868件となっております。ワクチンは3回接種ですので、単純に3で割ると1,956名、恐らくタイミングとして2回しか受けていらっしゃらない方もいらっしゃると思いますので、大体2,400名前後ということになろうかと思います。平成23年度当初予算では1,217名分が計上されていましたので、予測のほぼ倍近くが接種をされたということで、大変歓迎すべきと思います。接種率向上のために区がされている啓発があれば教えてください。
○向山健康福祉部副参事(保健予防担当) 頸がんの予防ワクチンにつきましては、対象者の方に対しまして、個別に予診票でございますとか、勧奨のはがきなどを郵送してございます。あわせて、ホームページでございますとか、区報を中心としました周知、啓発に努めております。
○中村委員 ぜひ啓発を続けていただければと思います。また、国によるワクチン接種緊急促進事業は2012年、つまりことしまでとなっております。来年度も継続されるかは国の動向を見きわめなければいけませんが、がんが予防できるという観点からも引き続き助成を行っていくべきと考えています。このような命を守る事業はぜひ続けていただきたいと思いますし、国への働きかけも重要と考えます。この点について中野区の考えを教えてください。
○向山健康福祉部副参事(保健予防担当) お尋ねのワクチンにつきましては、現行では国のワクチン接種緊急促進事業に基づいた補助事業となってございますが、現在、国の厚生科学審議会の中の関連部会で、予防接種法全体の改正の中でこの子宮頸がんワクチンの定期接種化を前提とした議論を進めてございまして、そういった動きもありまして、今年度、この緊急促進事業も1年間延長されてきたというような経緯がございます。国も、対象者の関心の高さですとか、ワクチンは非常に全国的に既に定着をしてございますので、そういった実態については認識をしているものというふうに理解をしてございますけれども、区といたしましても、都区の関係課長会の場などを通じまして、定期接種への移行がなされるまでの間、この事業が継続されていくよう必要性について伝えてまいりたいと考えております。
○中村委員 ぜひお願いをいたします。子宮頸がんの原因であるHPVのほとんどは性交渉により感染すると考えられています。中学生がワクチン接種の対象年齢となっていることもありますので、きちんと教育も行わなければいけないと考えます。中学生の保健体育の授業では、感染症の予防としてHIVの勉強などを行っていますが、HPVの勉強は一切されておりません。しかし、諸外国では取り組みが早く、欧米諸国では学校教育の中にも位置付けているところもあるようです。性交渉の若年化もあり、正しく理解することが重要と考えますし、予防になるのではないかと思います。女性特有のがんではありますが、HPV感染に関しては女性特有の問題ではなく、男性も一緒に共有すべき問題だと思います。そういった意味でも、学校教育の中で指導するべきと考えますが、区のお考えをお聞かせください。
○川島教育委員会事務局指導室長 学校におきましては、児童・生徒の命のとうとさを認識させ、みずからの健康を維持するための知識や実践力を育てていくことが大切であり、がんの教育も含めた健康教育について、児童・生徒の発達段階に合わせた形で実施をしております。なお、ことしの11月に実施予定の保健主任情報共有研修会において、がん教育を取り上げ研修を実施する予定であり、子宮頸がんも含めてまずは教員の理解を深めてまいりたいというふうに考えております。
○中村委員 ぜひ前向きにお願いをしたいと思います。ワクチン接種も大変重要なのですが、ワクチンを打てばそれで終わりではなくて、先ほど申し上げましたが、ワクチンの予防効果、十分な抗体化の持続は臨床試験では10年ほどです。中学生ではワクチンを接種して病気を予防し、大人になってからは定期的な検診が必要ということも同時に啓発をしていかなければいけないと思います。
さて、私は、ことし7月に島根県出雲市を視察させていただきました。島根県ではがん対策推進条例をつくり、がん対策に先進的に取り組んでいます。出雲市では出雲市がん撲滅対策推進条例を平成19年2月に制定し、島根県のモデル事業を行っております。その中で、出雲市ではこの子宮頸がんを制圧する目的で検診方法を変更しました。従来どおりの細胞診に加えて、がんの原因となるヒトパピローマウイルスが存在するかを検査するHPV-DNA検査を導入し、併用検診を行っています。細胞診だけでは2割から6割ほど見落としがありますが、併用検診ではほぼ100%に近い精度が認められたそうです。出雲市の併用検診では、結果、細胞検診のみで見ると精密検査が必要と判断された方のうち、40%の方にHPV感染がありませんでした。つまり、従来の方法だと精密検査が必要と判断された方のうち、5人に2人は精密検査の必要がないということが明らかになりました。
また、併用検診の結果、ともに陰性だった場合は3年から5年子宮頸がんの進展がないことも明らかになりました。併用検診を行った結果、子宮頸がん検診を3年間隔に延長できるようになったわけです。この研究結果によると、今の検診体制での2年に1度の検診のほうがむしろリスクが高い状態であると言えます。HPV-DNA検査を追加することで、導入時には一時的に検診費用の増加が予想されますが、既に実施している自治体では、90%以上の方がHPV-DNA検査が陰性であり、対象者の90%以上の検診が3年に1度になるため、自治体の財政的な負担も軽減されます。視察をさせていただいた出雲市では、現在では検診助成費用も30%削減できたそうです。
今までは、国でも細胞診は対策型検診、HPV-DNA検査は任意型検診と位置付けていましたが、9月4日の読売新聞で、厚生労働省は、2013年度からHPV-DNA検査を実施する方針を固めたと報道がありました。必要経費を当年度予算の概算要求に盛り込むとあります。検査の対象は30代が中心で、検査費用の負担軽減が図れるよう検討するとのことです。9月25日の朝日新聞でも同様の記事が掲載されております。恐らく、区のあり方検討会でも併用検診について検討はされてきているかと思いますが、もし2013年度の予算に組み込まれた場合、中野区としては併用検診をいち早く実施すべきと考えますが、いかがでしょうか、区の考えを教えてください。
○石濱健康福祉部副参事(健康推進担当) 子宮頸がん検診の新たな検査方法につきまして、国が検討を始めたことは承知してございます。今後、国の検討の推移を見守りながら、適切に対応していきたいと考えてございます。
○中村委員 対策型検診というのは、本来死亡率の減少が目的とされております。しかしながら、子宮頸がんは、何度も言いますが、原因がわかっている、防げるがんです。子宮頸がんを患う20代の90%は妊娠前です。早期発見であれば、円錐切除で子宮の摘出を回避することができます。出雲市でお話を伺った際、この併用検診を先進的に実施している理由として、死亡者を減らすという目的の前に、それぞれの生涯幸せを考えた上での実施だとおっしゃっておりました。子宮摘出の前に早期発見することがとても大切だと、この年代の女性として、また将来、妊娠・出産希望があるものの、まだ経験がない女性として心から思います。
さらに若い女性の目線で申し上げますと、細胞診では、産婦人科に行き、診察台に乗り、検診を受けるわけです。私ですら抵抗があるわけですけれども、もっと若い20代の女性からしてみれば、とても抵抗があると思います。その回数が2年に1回から3年に1回になるというのは、精神的な負担軽減にもなります。ぜひ早期の併用検診導入をお願いさせていただきまして、次の項の質問に移ります。ありがとうございました。
続いて、観光まちづくりについてお伺いをさせていただきます。
本年第2回定例会建設委員会で中野区都市観光ビジョンが提示をされました。策定の趣旨は、「「中野区都市観光ビジョン」は、中野区基本構想とそれに基づく「新しい中野をつくる10か年計画(第2次)」に示された「持続可能な活力あるまちづくり」というメインテーマの下に、「産業と人びとの活力みなぎるまち」の実現にむけ、中野区の都市観光の将来像を明らかにするとともに、それを実現するための取り組みについての区としての指針を示すものです」とあります。また、「中野区の都市観光の将来像とその実現に向けた取り組みの柱と戦略を体系的に示すとともに、今後、産学公が一体となって都市観光を推進していくための体制づくりと、その担い手となる区をはじめとした様々な主体の主な役割について、おおむね平成31年度までの中長期的な視点から区の都市観光の方向性を示すものです」とあります。まず、中野区はなぜこの時期にこのタイミングで都市観光ビジョンを策定したのか教えてください。
○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・商業振興担当) 観光庁の設置など国の観光立国に向けた動きでございますとか、アニメ、漫画等サブカルチャーの発信地としての中野の注目度の高まり、また、中野四季の都市地区の開発による学生やオフィスワーカーといった滞在人口や来街者の大幅な増の見込み、さらに「まち歩き観光」といった新しい形態の都市観光に注目が高まっているところでございます。こうした区をめぐりますさまざまな状況の変化を好機としてとらえまして、今後、区が公民一体となって都市観光に関する取り組みを進めるといったことでございまして、ビジョンを策定したというところでございます。
○中村委員 言われるように、中野四季の都市も第1期整備が終わり、数々の有名企業や三つの大学が入ってくる予定であります。まさに今、中野駅周辺は新しく変わっているところであります。それであれば、スピード感を持ってこれからふえるであろう来街者を迎える体制準備を進めなければいけないと思います。都市観光ビジョンの中では、「都市観光推進体制の整備」という中で「(仮称)中野区都市観光推進協議会の設置を検討します」とあります。設置・検討ということは設置をするかもわからないわけですよね。恐らくこの協議会の中には、中野セントラルパークに入る予定の企業にも参加をいただきたいという思惑もあるのかと思いますが、この推進協議体の設置・検討はいつまでに検討結果を提示していただけるのでしょうか、教えてください。
○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・商業振興担当) 協議会の設置につきましては、現在検討を進めているところでございます。また、設置した場合の構成員といたしましては、都市観光の推進の担い手となり得る区民でございますとか、区内産業商業団体、それから企業、教育機関等々を想定しているところでございます。具体的な内容等につきましては、今後の検討の中で考えていきたいと思います。
○中村委員 わかりました。私は、7月に岡山県倉敷市を視察してまいりました。倉敷市をはじめ、都市観光に限らず観光施策に力を入れている自治体は、どこも観光ビジョンではなく、観光アクションプランという観光振興計画を策定しています。観光ビジョンの中で、推進協議会の設置検討の中にも都市観光推進計画の策定検討が書かれておりますが、今後、アクションプランのような具体的な観光推進計画を進めていかれる予定なのでしょうか、教えてください。
○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・商業振興担当) ビジョンの中ではございますが、今後、(仮称)中野区都市観光推進協議会の中で総合的な都市観光推進計画の策定検討を進めていくとしているところでございます。その計画の方向性につきましては、今後、協議会の検討の中で明らかになると考えているところでございますが、実効性のある観光施策が公民の適切な役割分担のもとに推進されるという視点が重要であると考えております。
○中村委員 観光ビジョンを見ますと、設置検討をされている協議会の中で策定検討をされている仮の仮の話になってしまっているわけですよね。平成31年までの方向性を定めるのであれば、アクションプランのような計画自体も一緒に定めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・商業振興担当) 計画の検討等々をしているところでございますが、今の御答弁と重なるところもございますが、やはり実効性のある観光施策が公民の適切な役割分担のもとで推進していくといった点で検討がなされるべきであると考えております。
○中村委員 先ほどおっしゃったように、国は平成19年1月に施行された観光立国推進基本法の規定に基づき、観光立国の実現に関する基本的な計画として、本年3月30日、新たな観光立国推進基本計画が閣議決定されました。これは観光をめぐる現在の課題を克服し、日本の成長を牽引すべく、これから5年間にさらなる飛躍をするため、基本計画の策定の方向性として、観光のすそ野の拡大と観光の質の向上を掲げています。観光は国の成長戦略の柱の一つであり、また、東日本大震災からの復興にも大きく貢献するものであるため、観光立国の実現に向けて本計画を着実に実施してまいりますとしております。
この観光立国推進基本計画の中、第4の4、「地域単位の計画の策定」の中で、各地域において観光推進についての基本的な方針や目標等を定めた行政圏域を超えた広域的なものを含むさまざまなレベルの地域単位の計画が策定されている。観光立国の実現のためには、本基本計画や観光をめぐる情勢の変化等を踏まえ、必要な計画の策定や見直しを行うことが望まれる。この地域単位の計画については、地方運輸局をはじめとする関係する国の地方支部部局は積極的に支援協力を行うものとするとしております。計画についてなんですけれども。
また、御承知のように、東京都は現在、2020年の東京オリンピック・パラリンピック招致のために活動をしております。この招致活動の中でも、東京都は観光施策にも力を入れてくると思われます。実際に現在、平成25年からの5年間で新たな観光産業振興プランの策定予定というふうに伺っております。まさにスピード感を持って力を入れることができれば、国や都から大きなサポートを得て、また、連携をして観光を進めることができる絶好のチャンスだと思います。このあたりについて区のお考えをお聞かせください。
○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・商業振興担当) 現在、都が策定を予定してございます観光産業振興プランの内容につきまして、現在明らかになっていないところでございます。具体的にお示しすることはできないところでございますが、今後、適切な情報収集に努めまして、国や都との連携の強化を図りまして、観光施策を進めていきたいと考えております。
○中村委員 計画がないと何も始まらないような気もするんですけれども、ぜひ国・都とも連携をして進めていただきたいと思います。
本年第1回定例会予算特別委員会総括質疑でまちづくりについて質疑をさせていただいた際、さまざまな発信方法やシティセールスについて質問、御提案をさせていただきました。さまざまな事例なども参考にしながら検討をされているという御答弁がありました。平成24年度予算には観光ホームページ予算の計上をされているところです。今月にはにぎわいフェスタや東北復興大祭典なかのなど、以前から行われていたり、ことし初めて実施するイベントがたくさん計画をされております。四季の森公園をメイン会場にするなど、新しい中野をPRできる大きなイベントとなり得ます。せっかく予算計上されたのにもかかわらず、観光ホームページはまだ開設をされておりません。今月の大きなイベントをこのホームページを使用してPRできないことは大変残念に思います。このホームページですが、いつごろ開設予定になるのでしょうか、教えてください。
○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・商業振興担当) (仮称)都市観光ホームページでございますけれども、今年度中の開設を目指しまして、現在、鋭意構築中であるといったところでございます。なお、中身でございますが、中野の史跡でございますとか、旧跡といった地域資源、それから店舗紹介、イベント、逸品グランプリ商品などなど、さまざまなコンテンツを掲載する予定でございまして、情報発信による来街周知を目指していきたいと考えております。
○中村委員 ぜひ早く開設をしていただければと思います。それをお願いしておきます。
第2回定例会の本会議一般質問で、新たな国際交流の形として、ICTコンテンツ産業に強い海外都市とのビジネスパートナー都市事業を検討してみてはいかがと御提案をさせていただきました。観光振興アクションプランを制定している自治体、例えば宮島を持つ廿日市市や熊本市は、観光友好都市関係を結んだり、友好都市交流の主軸を観光にするなど、海外都市からの観光客誘致に力を入れているところもあります。廿日市市においては、2009年に観光友好都市関係を結んでから、1年間で約2割の観光客がふえたという実績もあります。
区長は、「産業振興、ICTコンテンツ産業など分野を特定した国際交流について、ICTコンテンツ産業の振興を図るに当たって、国際的なイベントや交流事業などについても効果的な仕組みとして中野区がかかわって実行することができるか、そういったことについても大事な課題として検討しているところであります」とお答えになっておりますが、こういった経済交流も観光的誘致にとても有効的だと考えます。現在の検討状況をお聞かせください。
○横山都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当) これまでICTコンテンツ関連の産業振興につきましては、さまざま検討してきたところでございまして、今般、産業振興ビジョン(案)という形で御報告をさせていただいたところでございます。この中におきまして、ICTコンテンツ関連産業の振興戦略といたしましては、著名なイベント等の誘致等によりますビジネスマッチングの拡充などを盛り込んできたところでございます。
御質問の件につきましても、これらビジョンの具体化に向けた検討の中で、産業振興拠点など他の施策との関連や、これらにかかわります民間産業関係者の動向・意向等を踏まえまして、必要かつ効果的であるといったことであれば、具体的な検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○中村委員 ぜひスピード感を持ってやっていただきたいと思います。
9月28日の後藤委員への答弁で、中野区の弱みは観光資源が少ないことともおっしゃっていましたが、東京の中で隣に新宿や渋谷などがある中で、この中野にわざわざ来てもらうためには、機会やタイミングを逃さないスピード感、そしてアイデア、戦略が必要不可欠だと申し添えまして、ちょっと早いんですけれども、私のすべての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○佐野委員長 以上で中村延子委員の質疑を終了いたします。
次に、吉原宏委員、質疑をどうぞ。(拍手)
○吉原委員 自由民主党の立場から質問をさせていただきます。
通告順どおり、23年度決算につきましてとなかの里・まち連携について、震災対策について、その他はございません。
まず最初に、平成23年度決算について質問をいたします。
決算に当たっては、中野区監査委員から中野区各会計歳入歳出決算審査意見書が提出されています。この決算審査意見書は、監査委員による平成23年度決算に対する分析・評価ということになります。本日の質問は、この決算審査意見の分析・評価を参考にしながら、区としての23年度決算に対する分析評価を伺っていきたいと思います。
なお、我が会派のいでい良輔委員、伊藤正信委員が既に一般質問において区の基本的な考え方をお聞きしておりますが、この総括質疑の場では切り口を変え、角度を変えながら、さらに詳細に理事者への質疑を行いたいと思いますので、若干質問が重複するところがありますけれども、御容赦をいただきたいと思います。
まず、決算全般の評価についてお伺いいたします。決算の議会審査に当たっては多くの資料が提出されています。これらの資料を見ますと、例えば主要施策の成果、また財務白書、いずれを見ても、財政運営面から見た23年度決算の総括的な評価についてあまり明確に示されていないのではないかと感じますが、当初予算を審査する予算特別委員会には、当初予算の概要とともに、今後、5年間の見通しを盛り込んだ財政運営の考え方が示されていますが、この財政運営の考え方に照らしてみた場合、23年度決算はどのような状況になったのか。そうした内容の記述が見当たらないように思います。そこで伺います。23年度決算は、23年度予算のときに示された財政運営の考え方と照らし合わせた場合、どのような評価になるのでしょうか、お答えください。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 平成23年度財政運営の考え方におきまして、事業見直しですとか、年度間調整の確保としての基金計画や起債計画、また歳入の確保に取り組むということを明らかにしてございます。事業見直しにおきましては、新たな対象の中で事業のあり方や執行体制について検討いたしまして、国民健康保険の収納徴収の窓口の委託につきまして24年度予算に反映をするということでございます。また、23年度におきましても、学童クラブ運営委員会の拡大ですとか、歴史民族資料館の委託、地域活動支援業務の委託など民間活力を活用した、職員数の減とあわせて、人件費は一般会計で3.9%の減となったところでございます。
東中野駅前広場ですとか、中野駅地区のまちづくり、四季の森道路などの整備事業や用地取得につきましては、基金や起債を最大限活用して世代間の公平性を図るということでございます。また、大規模公園用地の一般会計の買い取りや四季の森道路整備につきましては、国補、都補助金を確保いたしまして一般財源の負担を抑えたということでございます。このように、財政運営の考え方に沿った区政運営がなされているというふうに考えております。
○吉原委員 財政運営の考え方に沿った区政運営がされているということでございます。今、財政運営から見た区としての23年度決算の評価に対するお答えをいただきましたが、監査委員の決算審査意見書の中にも、財政運営から見た決算に対する分析・評価があります。その財政運営に関する意見の中に、5ページ、「予断を許さない一部の財政指標」との見出しがあります。「予断を許さない」という表現は、今までの決算審査意見書ではあまり見たことがない、やや踏み込んだ表現ではないかと受けとめております。内容を読んでみますと、この予断を許さない財政指標とは、経常収支比率と公債費比率のことであります。デフレ不況からなかなか抜け出せない低成長経済にもとにおいて一般財源がふえないことを考えれば、当然経常収支比率と公債費比率も上昇することと思います。
まず、確認のために伺います。中野区の経常収支比率について、23年度決算を含め、ここ5年間の推移について御説明ください。また、中野区以外の22区の経常収支比率もここ5年間ほど中野区同様に推移しているのでしょうか、あわせてお答えください。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 中野区の経常収支比率でございます。平成19年度の79.9%から平成23年度の93.0%となっておりまして、13.1ポイント上昇をしております。他の22区の平均も、同様に平成19年度の75.2%から平成23年度は86.0%、10.8ポイント上昇しているところでございます。中野区と22区の平均を比較いたしますと、いずれも上昇傾向にあるということは同じでございます。平成19年度から21年度まではほぼ同様の上がり幅で推移をしておりました。平成22年度につきましては、中野区の上昇率のほうが22区平均よりも下回っているということでございます。ただ、平成23年度につきましては、22区の平均が0.5ポイントの増を認めまして、中野区で4.6ポイントというふうに大幅に上回っているということでございます。
○吉原委員 答弁によりますと、平成23年度では22区平均が0.5ポイントの増、中野区は4.6ポイントと、22区平均を大幅に上回るという伸び率であるということでございます。決算審査意見書では、経常収支比率が一般的に望ましいとされていた値から乖離が進んで、11年ぶりに90%台に達したとされています。23年度決算では、経常収支比率は前年度の88.4%から4.6ポイント上昇し、93.0%と高い水準となっています。23年度決算において、この経常収支比率が高い水準となった要因を区としてどのように分析・評価しているかどうか、お答えください。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 経常収支比率につきましては、大規模公園の事業化に伴います公債費の増が最も大きな要因であり、経常収支比率が大きく上昇したということでございます。しかし、区の一般財源には極力負担を抑えた事業計画になっていることにつきましては、これまでも他の委員の御質問にも回答させていただいたとおりです。公債費以外の経常収支比率を性質別の歳出の区分で見てみますと、扶助費は13.7%から14.3%、0.6ポイント微増となっております。人件費につきましては、昨年度32.6%から31.4%、1.2ポイント下がっているという状況にございます。ただ、物件費ですとか扶助費、繰出金その他の経費につきまして、平成22年度、23年度いずれも31.3%と同率となっております。類似団体に比べまして若干高い状況にあるということですので、今後も経常経費の削減には取り組んでまいりたいと考えております。
○吉原委員 過去、平成11年度には経常収支比率が100%を超えました。このときとは内容が違っており、なぜ経常収支比率が高くなっているのか。それは一時的なものなのか。区としてはこの比率の管理できていると考えているのかどうかをお答えください。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 平成11年度の一般財源の落ち込みがあったというのは事実でございますし、歳出の抑制ができていなかったというのが最も大きな要因と考えております。経常収支比率101.7%の内訳を見ますと、人件費が45.9%というふうに大きく突出しております。ここは現在の財政状況とは異なっていると考えております。投資的事業に伴います公債費と扶助費の増が上昇要因となっておりますけれども、公債費につきましては、一般財源の負担を抑えるということ、また、2,000人体制の取り組みということで人件費も抑えるということで、財政の健全化についても保つように努めているというところでございます。
○吉原委員 平成11年経常収支比率101.7%というのは、私が初めて聞いた中での数字だったと思います。このときは人件費だけで45.9%あったというのは改めてびっくりするわけですが、それから比べると非常に改善されたというのも確かでございます。決算審査意見書において「予断を許さない財政指標」として指摘されているもう一つの指標である公債費比率について伺います。こちらもまず確認のために、23年度決算を含め、ここ5年間の推移について御説明ください。また、中野区以外の22区の公債費比率も、ここ5年間ほど中野区同様に推移しているのでしょうか。同じように推移していないとすれば、中野区とは何が違っているのかもお答えください。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 中野区の公債費比率でございますが、平成19年度の8.0%から平成22年度の9.7%まで緩やかに上昇していたという状況でございます。平成23年度につきましては15.2%と大きく上昇をしております。他の22区の平均でございますが、平成19年度6.4%から平成22年度5.2%へと緩やかに下降をしていたという状況でございます。平成23年度につきましては、5.3%と上昇をしているということでございます。中野区におきましても、世代間の公平性を図るために、大規模公園の整備ですとか、介護基盤整備等計画的な起債発行により実施してきております。このために公債費の比率が上昇しているというふうに考えております。
○吉原委員 御答弁によりますと、大規模公園整備や介護基盤整備等計画的な起債発行を実施したため、公債費比率が上昇したというのが一番大きなポイントというふうに考えられるわけであります。決算審査意見書では、この公債費比率も12年ぶりに15%台に達し、いずれも高い水準に達しており、予断の許さない状況にあるとされています。このことに対して区としてはどのように評価していますでしょうか、お答えください。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 公債費比率15%台というのは一般的に高い水準にあると考えております。しかし、これらの公園整備につきましては、投資的事業を推進するために特別財源の確保にあわせまして、償還財源の確保にも努めております。計画的に起債の発行ができているというふうに考えております。
○吉原委員 決算審査意見書では、これら財政指標が高水準に達した主な要因として、人的経費のうちの一つである公債費が大きく増加しているためであるとしています。公債費について今後も多額の地方債償還が予定されていることや、まちづくりなどの事業において起債の活用を見込んでいることから、当分の間経常収支比率での影響が続くと予想されるとしています。区では今後、これら財政指標がどのように推移していくと考えているか、その見通しをお聞かせいただきたいと思います。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 公園用地の事業化でございますが、(仮称)本町五丁目公園用地につきましては平成26年度まで、(仮称)南部防災公園用地につきましては平成27年度まで段階的に進められることとなっております。これにあわせまして、用地先行取得債の償還も行われます。公債費の支出は継続して続きますので、これらの指標が高い状況は当面続くというふうに考えております。
○吉原委員 また、財政白書の15ページを見ますと、公債費比率の推移とあわせて、参考として中野区方式の公債費負担比率が示されています。その比率を見ますと、23年度当初予算では11.2%、そして23年度決算では10.3%と、予算と決算を比較すると決算のほうが0.9ポイント低くなっています。この中野区方式の公債費負担比率の22年度決算の数値を見ますと、23年度と同じ10.3%となっています。先ほどお聞きした公債費比率は22年度9.7%、23年度は15.2%と、22年度と23年度を比較すると5.5ポイントと大幅に増加し、決算審査意見書でも12年ぶりに15%台になり、高い水準にあると指摘されています。中野区方式の公債費負担比率は横ばい、公債費比率は大幅に上昇と、比率によっては大きな違いが生じています。この違いはなぜ生じるのでしょうか。また、それぞれの比率をどのように評価すればよろしいのでしょうか、御答弁ください。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 公債費負担比率、中野区方式と呼ばれているものでございますけれども、減債基金の積み立て・取り崩しを加味した元利償還金を一般財源としたものということで、一般会計のベースで公債費の割合を見るという指標でございます。公債費比率につきましては、普通会計におきまして公債費充当の一般財源から繰上償還等臨時的なものを除いたものにつきまして、標準財政規模で除したものということでございます。平成23年度につきましては、公共先行取得事業債の償還により大きく上昇しているということでございます。中野区方式の公債費負担比率、公債費比率は、それぞれ算定する範囲が異なって財政状況を示す指標でありますので、比率に違いが生じることはあるということでございます。公債費比率は高くなっておりますけれども、公債費負担比率につきましては、基準とする10%で推移ということでございます。一般財源の負担を抑える事業スキームが確立しているという面では、十分に財政運営ができているというふうに考えております。
○吉原委員 一般財源の負担を抑える事業スキームが確立していると評価されているということでございますが、この公債費比率は、財政状況が最も悪かった平成11年度の15.5%にあと0.3ポイントと近づいています。11年度当時とは内容が異なり、もう一つの中野区方式の公債費負担比率によりコントロールされていると考えてよろしいのでしょうか、お答えください。
○岩浅経営室副参事(行政監理担当) 先ほどもお答えいたしましたけれども、平成11年度につきましては、経常収支比率が101.7%になっております。当時は、長期的な経済不況、住民税の減税、言うならば特別区民税ですとか特別交付金の落ち込みに加えまして、経常経費削減に向けた取り組みを行っていなかったということが原因となっております。また、施設建設以外にも、減税補てん債の発行等によりまして地方債残高が631億円に達していた。反対に財政調整基金の残高は1,760万円余ということで、年度間調整による財政運営ができなくなっていたということでございます。
平成23年度におきましては、歳出につきましては、基準となる一般財源規模650億円を上回る670億円規模ということでございます。決算規模につきましては632億円ということで落ち込んでいたという状況がございます。しかし、23年度事業見直し方針をされまして、持続可能な財政運営に向け徹底した取り組みを行ってきたというところで、平成11年度とは状態が大きく異なっているというふうに考えております。中野区独自の指標であります公債費負担比率を算定いたしまして、中長期的な見通しを持って予算を編成するほか、健全化判断比率、また企業会計的手法による分析等さまざまな角度から分析を行っておりまして、財政運営の健全性につきましてはコントロールできているというふうに考えております。
○吉原委員 決算審査意見書では、財政指標の項の最後に地方債の発行、償還基金への積み立て・取り崩しを適宜適切に組み合わせて計画的な活用を図り、健全で効果的な財政運営に努められたいと結んでいます。ここでは、特別区債の償還財源を確保するための減債基金や、まちづくりのための特定の目的基金について述べていますが、もう一つの重要な基金である財政調整基金の状況についてここで確認しておきたいと思います。健全で効果的な財政運営を行う上で欠かすことができないのが財政調整基金ですが、23年度の基金残高は幾らとなったのでしょうか。この23年度の残高は当初予算の段階で想定したとおりだったのでしょうか、お答えください。
○奈良政策室副参事(予算担当) 23年度末の財政調整基金の残高につきましては、204億600万円余りでございます。23年度の当初予算の段階では146億6,500万円余りと見込んでございました。こうした予算編成のときと決算時との相違につきましては、23年度の当初予算の編成後に22年度の決算が確定いたしまして生じた決算剰余金を計画的に積み立てたことですとか、補正予算の歳出項目の財源として取り崩しを行ったことなどによるものでございます。また、23年度予算の執行に当たりまして、契約落差を生じさせないことですとか、さまざまな執行上の工夫によりまして経費の節減に努めたことから基金の取り崩しを最小限に抑えることができまして、基金残高を温存できたというふうに考えてございます。
○吉原委員 基金残高を温存できたという結論でありますね。財政調整基金は、24年度予算では57億円余りを繰り入れることとしていますが、現状において今後の財政調整基金の残高についてどのような見通しを持っていますでしょうか、お答えください。
○奈良政策室副参事(予算担当) 本定例会で議決をいただきました第2次補正予算を反映いたしますと、24年度予算に計上しているすべての積み立て・取り崩しを行った場合には、24年度末現在の見込みでございますが、152億2,800万円余りとなると考えてございます。現在、予算執行の段階であらゆる工夫を行いまして、この財政調整基金の繰り入れを最小限に抑える努力を重ねているところでございます。
○吉原委員 財政調整基金の繰り入れを最小限に抑える努力を重ねていただきたいと思います。
決算審査意見書においては、昨年12月、24年度の当初予算編成に当たり出された、いわゆる財政運営上の非常事態宣言について触れ、続けてこの財政調整基金について取り崩し額が積立額を上回り、11年ぶりに減少したとあります。過去11年にはこの財政調整基金はわずか180万円余りと、完全に底をついていました。そのような事態にならないため、健全な財政運営を行うために必要となる財政調整基金の残高を維持しながら、計画的な財政運営を行っていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○奈良政策室副参事(予算担当) 健全な財政運営を行うためには、財政調整基金の年度間調整機能をしっかり果たすことができるだけの残高を計画的に維持していくことが必要であるというふうに考えてございます。先ほどのお答えと重なりますが、予算の執行の段階に当たりまして契約落差を生じさせないことですとか、さまざまな執行上の工夫によりまして経費の節減に努めること、また、歳入の着実な確保を図るといったことで、予算に計上した基金の繰り入れを最小限に抑えまして、その結果、財政調整基金の残高を温存していくことが、健全な財政運営につながるものと考えてございます。今後とも、毎年度予算編成時にお示しをしてございます財政運営の考え方の中で計画的な基金の積み立てと取り崩し、また起債の計画的な活用などを行いまして、中長期的な財政見通しをしっかり持ちまして、健全な財政運営に努めていきたいというふうに考えてございます。
○吉原委員 健全な財政運営を今後ともよろしくお願いいたします。
以上の12の視点、角度からいろいろ伺わせていただきました。現在のようなデフレ・低成長経済期においては、一般財源が大きく増加する状況にはありません。また、中野区のように区民生活にとって欠かすことができないまちづくりなどの投資的事業を行っていけば、一定の起債を起こすことも必要ですし、その起債の償還のため公債費が増加することになります。また、投資的事業を行えば、それ以後、経常的経費も増加することになるでしょう。このように考えれば、先ほどからの質疑で確認してきました経常収支比率や公債費比率が高まることも当然と言えます。
しかし、ここで問題なのは、こうした財政指標や起債残高、公債費、さらには基金残高など、決算をやってみたら、結果こうなりましたというのではなく、中長期的な見通しを持った財政運営計画によってしっかりと管理、コントロールされているかどうかが重要であると考えます。質疑の中でもしっかり管理・コントロールできているとの答弁があったと思います。今後とも中長期的な見通しを持った財政運営基金計画に基づき、計画的な起債の発行、償還、そして基金への積み立て・取り崩しに努め、健全で効果的な財政運営に努めていただきたいと要望いたします。
次に、同じく監査の決算審査意見書にあります特別区民税の徴収強化について伺います。これもさまざまな角度から質問させていただきますが、決算審査意見書では、特別区民税の23年度決算の状況や取り組みを分析し、その上でこれまでの取り組みが十分に成果としてあらわれていない実態について、綿密な分析・評価を求めたいという意見が述べられています。特別区民税の徴収率は、18年度の91.6%をピークに、5年連続で減少し続けています。区として、この要因についてどのように分析し評価しているのか、お答えください。中野区以外の他の22区の状況はどのようになっていますでしょうか。中野区は他区と比較してどのような特徴、違いがあるのかもあわせてお答えを願います。
○長﨑区民サービス管理部副参事(税務担当) 特別区民税の徴収率が平成18年度をピークに減少している点ということでございます。平成19年度に税源移譲に伴う税率構造のフラット化によりまして、低所得者層の負担する住民税の割合が相対的に重くなったことが影響しているというふうに分析をしてございます。また、23区全体を見ましても、平成18年度以降、徴収率は減少しておりまして、平成22年度から23年度にかけましては、ほぼ横ばいといったような形になっております。また一方、中野区の特徴でございますが、1人当たりの所得金額が23区の中でも低く、これは20代、それから30代の若年層が比較的多いといったことが一因であると分析をしているところでございます。
○吉原委員 22年度から徴収率向上に向け導入された滞納整理支援システムについては、これまで一般質問の中でも取り上げられ、その導入効果について御答弁をいただいております。その効果は、紙ベースから電子化されたことで情報の共有化が進んだことと、今後さらに効率化を進めていくとするものでした。そこで伺いたいと思います。滞納整理支援システムの導入に当たって、当初どのような成果を期待し、どのような徴収目標を持っていたのでしょうか、お答えください。
○長﨑区民サービス管理部副参事(税務担当) 今、委員がお話のとおり、滞納整理支援システムの導入に当たりましては、滞納処分業務の効率化ですとか、それから滞納整理情報の一元化、こうしたことなどによりまして事務の効率化を進めまして、的確、また迅速な滞納整理を推進するといったようなことで、徴収率の向上を図ることを目的にしておりました。
○吉原委員 監査委員の指摘を見る限り、十分な成果が得られていなかったというように感じるんですが、当初期待した成果は上げられたと考えていいのでしょうか、お答えください。
○長﨑区民サービス管理部副参事(税務担当) 納税交渉経過の電子化ですとか、また、その滞納整理情報の一元化とか共有化といったことが実現をしましたことから、各種調査ですとか滞納処分業務の効率化が図られたことにつきましては、導入の一定の成果は上がりつつあるというふうに考えております。しかしながら、それが今直ちに収納率の向上ということであらわれるまでには至っていないというような状況でございます。
○吉原委員 十分な成果が上げられていないとするならば、何が問題と分析されているのでしょうか。
○長﨑区民サービス管理部副参事(税務担当) 滞納整理支援システムには、滞納者に関するさまざまな情報が登録をされております。それらの情報を活用しながら、多面的な滞納状況の分析といったようなものがまだまだ十分にはできていないもの、このような形で現在のところ認識をしているところでございます。
○吉原委員 今後、徴収率の向上に向けまして、滞納整理支援システムの活用方法を改善するならばどのように改善していくおつもりなのかをお答えください。
○長﨑区民サービス管理部副参事(税務担当) これらの情報を最大限に駆使しながら滞納状況の分析を進めるとともに、その分析結果によります戦略的な徴収計画の策定ですとか、または効果的な徴収体制の確立といったものをきちんと整理しながら、徴収率の向上に向けて取り組みを強化してまいりたいと考えているところでございます。
○吉原委員 また、22年度にはコンビニ収納も導入されています。このコンビニ収納によって区民税の納付のチャンスがふえ、区民の利便性が高まったとも思いますけれども、このコンビニ収納の23年度決算実績、収納額に占める割合についてお答えください。
○長﨑区民サービス管理部副参事(税務担当) 23年度におきますコンビニにおける収納金の全体に占める割合でございますが、件数では全体の38.5%、金額では19.1%といった状況になってございます。
○吉原委員 その割合は何年度までにどこまで高めていきたいといった目標はあるのでしょうか。
○長﨑区民サービス管理部副参事(税務担当) 具体的な今後の数値目標等は設定してございませんけれども、区民税の納付のチャンネルがふえまして、区民の利便性が高まるといったようなことにつきましては、徴収率の向上とともに早期収納によります収納コストの低減といったものにもつながるというふうに考えてございます。このようなことから、今後ともさらに利用率が高まるようPR等に積極的に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
○吉原委員 ぜひともPRをよろしくお願いいたします。22年度と23年度の実績から、どのような年齢層がコンビニ収納を利用していたと分析していますでしょうか。これまでの利用実績のデータをさらに詳細に分析し、コンビニ収納の拡大や次なる効果的な展開につなげ、徴収率向上を図っていくべきと考えますが、いかがでしょうか、御答弁を願います。
○長﨑区民サービス管理部副参事(税務担当) コンビニ収納の利用実態といったようなものを分析してみますと、やはり20代、それから30代の利用といったものが全体の約5割を占めているといった結果が出ております。このため、若年層の収納率向上といった観点からも、今後もこのコンビニ収納の拡大に向けまして、利用実績の分析といったものをさらに深めるとともに、また、新しい収納のチャンネルの導入といったようなこともさらに検討しながら、徴収率の向上に向け努力をしてまいりたい、このように考えているところでございます。
○吉原委員 収納率向上に頑張っていただきたいと思います。特別区民税も、区民が置かれている経済社会状況は刻一刻と変化していることを考えますと、これまでと同じことを同じように行っているだけでは、なかなか計画した成果は得られないのではないかと思います。中野区は、PDCAサイクル、いわゆる計画・実施・評価・改善のサイクルを基本的な区政のサイクルと言ってきました。常に分析を怠らず、継続した成果の向上につなげていただきたいものと要望いたします。
次に、子ども手当の廃止について質問いたします。
私は、迷走する国政による地方への影響についてこれまで一貫して質問してまいりました。その最たるものが子ども手当であります。23年度決算におきましても、義務的経費の一つである扶助費が大幅に伸びている要因として、この子ども手当の増加が挙げられています。子ども手当は平成22年4月から支給が開始されました。しかし、その2カ月後の6月に、政府は財源不足を理由に満額支給を断念したのでありました。理由は財源不足としていますが、財源が不足したのではなく、最初から財源の見通しなどなかっただけのことなのであります。その後、政府がこだわり続けた看板政策であり、マニフェストの最重要政策であった子ども手当は、満額支給もできないまま、わずか2年で廃止されることとなったわけであります。
この子ども手当の廃止に当たっては、23年8月に自由民主党、公明党、民主党の3党合意がなされ、所得制限を設けることや扶養控除のあり方について検討すること、また児童手当法に所要の改正を行うことなど、我が自由民主党が主張してきたことが確認されました。その後、紆余曲折はありましたが、結果として子ども手当法が廃止され、児童手当法が復活しました。しかし、こうした混乱は地方自治体に多大な負担をかけることになりました。
そもそも、国の当初の方針では、子ども手当の財源に地方負担はないというものでしたが、結局、最後まで地方の負担がなくなることはありませんでした。また、この子ども手当の支給のために短期間の間にたび重なるシステム改修が行われました。その他、システム改修とともに短期間での申請書の送付、審査、認定、その支給事務の裏には職員の方の大変な努力があったことと思います。
そこで伺います。中野区では、システム改修やその他の支給事務経費など、この子ども手当支給ために要した経費は総額で幾らだったのでしょうか、お答えください。
○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 子ども手当にかかった事務経費等でございますが、平成22年度、23年度合わせて約1億7,400万円となっております。
○吉原委員 システム改修経費などは、すべて国から交付金として交付されたと考えてよろしいのでしょうか。
○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 子ども手当のために新たにシステム開発した費用につきましては、平成22年度、23年度の2年間で約4,580万円となっておりまして、国や東京都の補助金によりすべて交付されているところでございます。ほかに子ども手当を執行するための事務経費等につきましても、2年間にわたりまして国庫委託金として基準に基づき交付されております。
○吉原委員 たとえ国からの交付金で賄われたとはいいましても、それらはすべて国民の税金なわけですね。一円の無駄遣いも許されないはずであります。迷走に迷走を重ねた子ども手当によって職員の方も大変な御苦労をされ、残業も多く発生したのではないかと思いますが、どのぐらい、しなくてもよかった残業が発生したのでしょうか。
○黒田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 平成22年度、23年度、2年間で時間外手当として確認できているものは約1,070万円となっております。さらに、子ども手当開始当初は、部内の中で臨時的に職員の動員なども行ったところでございます。
○吉原委員 システム改修費や事務経費、職員の方々の残業代、すべてが無駄になったわけであります。これだけの経費があれば、区民、国民のため真に必要な事業、政策が数多くできたことだと思います。先日、9月5日の日経新聞を読んでいましたら、「児童手当5割増し公約」の見出しが躍っておりました。これは民主党が次期衆議院議員選挙で掲げるマニフェストの素案とのことでありました。確たる財源見通しもなく、満額支給もできないまま、わずか2年で廃止された子ども手当でありますけれども、最後には理念や政策目標もすべて見失い、国民との契約とみずから言ってきたマニフェストの体裁ばかりにこだわり続け、政党のメンツを保つことばかりにこだわっていた政府であろうかと思います。その反省もないままに児童手当5割増しの公約とは、あいた口がふさがらないと思っているのは私ばかりではないと思います。
私は、現在、復活した児童手当が制度として定着発展していくことを望んでおりますが、この制度が国民・区民にとってどのような意味を持つものか、どういう政策効果をねらいとしているのかという制度としての政策目標を見失うことなく、常にこの制度の検証を行っていくことが重要であると考えています。一方で、制度を安定的に運営していくためには、財源の裏付けをしっかりと持つことが必要であり、財政効果と財源のバランスを保つことが何よりも大切であると考えております。理念なき政治的ばらまきでは制度は維持できません。維持できない制度に翻弄され、迷惑をこうむるのは区民であり、国民であります。明確な理念のもと、バランスを持って政策を見きわめ、実行していくのが政治の役割ではないかと考えるわけであります。
私がこれまで一貫して追求してまいりました子ども手当に関する質問もこれが最後になると思います。そこで、区長にお伺いしたいと思います。区長は、廃止された子ども手当についてどのような評価をお持ちでしょうか。これはインターネットでいろいろ調べますと、第5代将軍、徳川綱吉公の生類哀れみの令と匹敵して並び称されるほどの天下の悪法という話であります。それを踏まえて御答弁をお願いします。
○田中区長 この問題についての一貫してぶれない吉原委員の信念に敬意を表するものであります。子ども手当というのが、我々自治体にとりましては非常に事務的にも混乱を招きましたし、さまざまな意味での負担にもなりました。その一方で、国の言ってきた少子化対策や経済対策というようなことに十分つながるような成果を上げていないことも明らかだというふうに思います。
また、私の考え方ですけれども、やはり子どもたちに17兆円が右から左に財源が出てくるんだよ、だからお金を配るんだよというようなことを政府が平気で言っている。しかも、それが成り立っていないというようなことがあるんだということを子どもたちに見せてしまった。こういうことも私は日本の社会の将来にとって決していいことではなかった、こんなふうに思っております。
○吉原委員 区長にも本当に長い間いろいろ御答弁をしていただきました。最後は判子をいただくみたいなお話をいただきました。区長も長い間、答弁を本当にありがとうございました。
次に、質問がかわります。なかの里・まち連携について伺います。
この質問は、実は9月18日の産経新聞の朝刊においてちょっと誤解を受けるような記事が載っていました。それに関して冒頭で皆様方にお聞きいただくべきこと、あと、見ている方は見ているんですが、見ていない方は見ていないと。うちの会派の中でも指摘するべきことではないかということがあります。
最初にその流れを御説明いたしますと、先日、区と群馬県みなかみ町とのなかの里・まち連携宣言書がとり行われ、新しい交流がスタートしたところであります。みなかみ町は、面積は約780平方キロメートルと、中野の面積の約50倍もの面積となっています。また一方、人口は約2万2,000人と、中野の31万人の約7%となっています。観光資源としては温泉が18カ所、特産品として乳製品、ブドウやリンゴなどの果物、さらに豊富な水資源を象徴する首都圏の水がめとしての5カ所のダムなど、実に豊富かつ多彩な資源を有しております。また、中野区からは車で約2時間半、新幹線で2時間など交通の便もよく、十分日帰りで里の魅力を満喫できる距離でもあります。
この連携に先立ちましては我が会派からも多数の議員が視察を行い、同町の持つさまざまな資源が里・まち連携の充実につながるものと認識を深めてまいりました。連携宣言書では、町のほうからも、町長さんをはじめとする町議会議長や議会運営委員長、常任委員会委員長など、総数約40名といった多くの関係者の御参列により行われ、今後の連携について大きな期待が持たれることとなりました。
里・まち連携は、10か年計画の重点プロジェクトとして、都市化による過密や自然減少といった課題を抑える区と、人口の流出や過疎化などの課題を抱える里が相互の課題を理解し、補い合いながら住民同士がみずから交流を行い、新たな豊かさを見出していくことを目的として始まった取り組みであります。
ところで、昨年の東日本大震災では、全国のさまざまな自治体から被災地への支援が行われ、区においても、現在も継続して岩沼市、亘理町、東松島市、石巻市といった被災地への職員派遣を行っています。地方都市間同士での交流は、これまで観光的な要素や物産販売などの経済的な交流が主な視点であったところですが、今回の東日本大震災を機として、有事における物資の提供や避難者の受け入れなどさまざまな支援のあり方やかかわり合いそのものを考えさせられる状況であったと考えております。こうした点を踏まえて、幾つか質問をさせていただきます。
一番最初に、先ほど申し上げました9月18日の産経新聞朝刊において「中野区、みなかみ町と連携」という表題で、9月13日に行われた区とみなかみ町の連携宣言書などの記事が掲載されておりました。その記事では、「同町の岸良昌町長は、杉並区役所での連携宣言式と物産展に来庁し」と記載されています。この記事の記載について御担当では認識があったのかどうか、まずお伺いいたします。
○酒井政策室副参事(広報担当) 当日の朝、産経新聞を読んで認識をしたところでございます。
○吉原委員 それだけですか。
○酒井政策室副参事(広報担当) 記事を読みまして、中野区役所で調印式を間違いなく行ったのでございますけれども、「杉並区役所」と書かれていることを認識しております。
○吉原委員 それに関して抗議はなされましたか。
○酒井政策室副参事(広報担当) 当日、この記事を書いた記者に記事の誤りをすぐ指摘して、訂正を強く申し入れました。翌日、その上司が区役所に来庁し、謝罪がありました。
○吉原委員 そういうこともこういう委員会なりで質疑して、初めてこれこれこうしましたというのが明らかになるわけですから、やはり質疑はする必要があるなと思っております。中野と杉並は同じ田中区長がいることなどを考えてみると、明らかに初歩的な誤りであります。報道の質の低下が叫ばれている昨今、区の御担当においては今後ともさまざまなメディアで流れている不正情報の厳しいチェックをよろしくお願いしたいと思います。必ず行ってください。この前も自衛隊に関しての誤字ミスがありました。
続きまして、これまでの里・まち連携の事業について伺います。これまで里・まち連携事業は、観光体験交流、経済交流、環境交流を推進してきました。初めに観光体験交流について、取り組みや参加人数、またそれへの現状についてどのような御認識をお持ちか、お伺いいたします。
○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・商業振興担当) 区では、平成22年度より体験交流モデル事業というものを開始してございます。本年7月までに実施いたしました5事業に対しましては、延べ92人の方が御参加をされているという状況でございます。参加者も増加傾向にございまして、8月でございますが、喜多方市の事業で昨年度は8名御参加のところ、今年度は大幅増の30名の御参加があったというところでございます。また、区が行います町会、自治会、商店街等が自主的に実施をされます体験交流のあっせん件数といったものでございますが、問い合わせも徐々にふえているところでございまして、なかの里・まち連携が地域でも周知されつつあるという認識でございます。
○吉原委員 現段階では観光体験の名のとおり、連携自治体の紹介や周知といったきっかけづくりとしてはいいかもしれません。しかし、今後はさらに住民同士の交流につながっていく仕掛けづくりが必要であると考えています。例えば、区内のエイサー団体が連携自治体のお祭りに参加したり、神社のみこし巡業の団体が参加するなど、市民と区民の交流もさまざま徐々に深まってきています。こうした住民同士の交流といったことについても今後区が積極的に支援していくことも重要なことと考えますが、御見解をお伺いいたします。
○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・商業振興担当) 体験交流でございますとか、経済交流を契機といたしまして、住民同士のさまざまな交流も始まってきてございまして、区といたしましても、こういった動きに積極的に支援していくことが必要であると考えております。今後は住民同士の幅広い交流という観点から、区民ニーズや連携自治体の情報収集、区民や区内団体、区内事業者におきましては情報発信の強化などにより、さらに連携を深めていきたいと考えております。
○吉原委員 次に、経済交流について伺います。経済交流については、主ににぎわいフェスタや、昨年行われた「なかのいち」などさまざまなイベントでの特産品の産直やアンテナショップの開設支援を行ってきています。また、区内の一部の商店街でも里・まち連携の物産展が行われており、それを機に商店街独自のイベントとして連携自治体の方々と交流が深まり、さらに特色ある商店街としてのPRにも役立っているとの話も聞いております。そこで伺います。区で行われるイベントでの物産展の実施状況や、商店街で行われる連携自治体の物産展についてはどのような現状なのでしょうか、お答えください。
○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・商業振興担当) 区といたしましては、これまで区役所の正面入り口前でございますとか、中野にぎわいフェスタでの物産イベントを実施してきたところでございます。また、商店街でのイベントにおける特産品の販売でございますが、昨年度は14件実施をされているところでございます。さらに毎月、また四半期ごとなど定期的に開催をされているというところでございます。これらにつきましては、集客及び連携自治体の周知として一定の役割を果たしているものと考えております。
○吉原委員 また、連携自治体の物産展を開催した商店街の皆さんからはどのような意見が寄せられているのでしょうか、あわせて伺います。
○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・商業振興担当) 本年7月に商店街向けに実施をいたしましたアンケートでございますが、商店街のにぎわいがふえた、商店会員との交流がふえた、連携自治体との交流が深まったといった比較的好評の声を聞いているところでございます。また、今後でございますが、特産品販売イベントにかかる費用でございますが、イベントにおける宣伝周知、連携自治体との連携あっせんなどの支援が必要であるといった声も寄せられているところでございます。
○吉原委員 次に、里・まちの特産品の販売拡大について伺います。里・まちの特産品を扱うアンテナショップ「田舎のおばあちゃんからのおすそわけ」という名前ですが、このお店は東日本大震災直後の平成23年3月27日に中野通り沿いにオープンいたしました。品ぞろえや品質などについても好評で、販売額も多いと聞いておりますが、震災後の風評被害により現在では非常に厳しい店舗運営となっているとも聞いています。その一方で、アンテナショップだけではなく、もっと里・まちの特産品が区内のあちこちの商店街で交流できたらよいなどの声も聞かれます。そこで伺います。商店街での里・まちの特産品の販売拡大や、それに向けた区の支援といったことについての見解をお聞かせ願います。
○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・商業振興担当) 商店街での販売の拡大につきましては、商店街振興策でございますとか、また、里・まち連携自治体のPRや交流を促進する策として有効であると認識をしているところでございます。今後は、特産品販売イベントへの助成でございますが、広報PRの支援の強化といったことに加えまして、商店街や連携自治体の意向を踏まえながら、安定した特産品の販売場所の確保に向けた仕組みづくりなどを検討してまいりたいと考えております。
○吉原委員 続きまして、環境交流について伺います。里・まち連携における環境交流の取り組みとしては、これまで自然エネルギーの活用や森林保全、自然保護などの体験といったことを中心に相互の交流を図るとしてまいりました。こうした中、今後、里・まち連携のフィールドを活用したカーボンオフセットの取り組みに向けての検討もスタートすると聞いております。そこで伺います。本年度行う調査の内容はどのようなものなのか、お聞かせ願います。
○上村環境部副参事(地球温暖化対策担当) 今回の調査内容は、カーボンオフセット事業の取り組みが可能となる場所づくりを進めていくために、カーボンオフセットの現況や課題、そして先行事例、各連携自治体の地域資源、森林の状況等の調査・ヒアリングなど事業の基礎調査を行うものでございます。
○吉原委員 カーボンオフセットの取り組みについては、さまざまな事業展開が想定されているところですが、今後の事業展開についてどのようなお考えなのかをお聞かせ願います。
○上村環境部副参事(地球温暖化対策担当) 基礎調査の結果を分析しながら、来年度、事業計画の検討を行っていきたいと考えております。その後、事業計画に基づき、選択した自治体と協定などを結び、森林保全活動などを行っていきたいと考えております。また、このフィールドで区民等による環境交流や学校の児童・生徒の環境学習の場として活用されることなどを想定してございます。
○吉原委員 また、こうした取り組みについては、区民の参加はもとより、区内のさまざまな企業の社会貢献としての参画を得るなど多くの参画を得る必要があると思いますが、その手法や区民、企業の参画の経過について御見解を伺います。
○上村環境部副参事(地球温暖化対策担当) 事業のスキームなど事業計画案の検討を行う際には、区民参加の方法や企業、事業者の社会貢献活動とカーボンオフセット事業をどうつないでいくか、参画のあり方についてさまざまな視点から研究してまいりたいと考えております。
○吉原委員 さらに、このたびの群馬県みなかみ町との連携を機に、自然資源が豊富な同町はもとより、全連携自治体におけるフィールドを活用した区民が気軽に参加できる環境貢献活動の展開が望まれていますし、こうした参加に対してエコポイントを付与することも参加の促進につながることと思います。御見解を伺います。
○上村環境部副参事(地球温暖化対策担当) 御提案の趣旨を踏まえ、区民や企業、事業者がフィールドを活用した環境貢献活動の参加につながるインセンティブについても検討してまいりたいと考えております。
○吉原委員 最後に、里・まち連携をきっかけとした災害時の相互援助に向けた取り組みについて伺います。冒頭申し上げましたように、被災地支援としては自治体間同士の相互援助が積極的に行われているところであります。地域自治体間同士有事の際には機動的に対応し、積極的に支援するこうした枠組みを事前に構築しておくことこそが、今後の連携を強めるに当たっての重要なことと考えているところであります。先日の一般質問では、我が会派の市川みのる幹事長から、災害時の相互支援協定の締結について、平常時のうちにあらかじめさまざまな地域の自治体と災害時の相互支援協定を締結することを積極的に推進すべきとの質問がありました。そこで伺います。里・まち連携自治体と区で災害時の援助協定などを結んでいる自治体はあるのか、あれば協定の具体的な内容についても御教示願います。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 現在、山梨県甲州市と災害時における相互応援に関する協定を締結しております。相互応援の内容といたしましては、食料、飲料水、生活必需品等の救援用物資の提供、車両、応急対策用資機材等の提供または貸与、被災者の一時収容のための施設の提供、救助及び応急復旧に必要な職員の派遣等となっております。
○吉原委員 また、今後、連携自治体すべてが有事の際に相互に援助し合うといった協定を締結することは考えているかいないかを伺います。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 今後、甲州市以外の個々の自治体との相互応援協定を進めていく中で、すべての連携自治体間の相互応援協定というようなものの可能性についても研究してまいりたいと考えております。
○吉原委員 最後になりますが、このたびの新たな連携自治体との交流による事業の充実によって、ますますの里・まち連携事業の発展を望みつつ、中野31万区民の新しい豊かさの発見と連携自治体の発展、さらにそれによる住民同士の真の交流によって深いきずなの構築がなされることを祈念いたしまして、この項の質問を終わります。
質問がかわります。最後に震災対策についてであります。
東京都地域防災計画の素案が今月示されました。この素案の素の字が取れて案になるのは、東京都、また都議会の議論を尽くして動いていくものなのだろうと思いますが、案が取れるまでには大体どのくらいの時間がまた要しますでしょうか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 東京都の地域防災計画の修正に当たりましては、現在、素案に対するパブリックコメントが実施されている状況でございます。今後、最終的な調整等がなされ、案になりまして、11月に開催が予定されております防災会議に提出され、決定される運びとなると思ってございます。
○吉原委員 そうなりますと、中野区地域防災計画の策定は、9月に素案が東京都から出されて、来年の3月が策定の予定なんですが、そこまでのプロセスを簡単に御説明願います。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 8月上旬に防災会議におきまして第39次修正の方針を決定いたしまして、現在、防災改定期間を含めまして修正作業を行っているところでございます。東京都の地域防災計画の修正内容との整合性を図る観点から、都の計画が定まります11月をめどに39次修正素案をお示ししていきたいと考えてございます。そして、それにつきまして、防災対策連絡協議会ですとか、区民の意見交換会等を通じまして、地域の声を反映していきたいと考えております。年明けには素案を案とし、パブリックコメント等の手続を経まして、年度内には策定できるように進めているところでございます。
○吉原委員 そうなりますと、中野区地域防災計画が策定されましたら、いつからその効力を発揮するんでしょうか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 3月に現在予定しておりますが、中野区防災会議における審議、承認を経て、承認されましたら、その効力を発揮するものと考えております。
○吉原委員 それでは、ぜひとも中野区地域防災計画策定に向けて順調に話が進んでいくことを願います。東京都で1カ月ずれるとその分やはりずれると思いますので、その辺は先方があることですから非常に難しい部分もありますけれども、よろしくお願いいたします。
次に、大規模防災訓練について伺います。23区で最近の大規模防災訓練の実施例はあるのでしょうか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 23区で行った昨年度の防災訓練実施状況を調べたものによりますと、半数以上の区で何らかの防災関係機関と連携した総合的な訓練を行っているものと聞いております。近隣ですと、杉並区では整備された原っぱ公園等で実施されたということを聞いてございます。
○吉原委員 杉並区で行われたその内容を具体的にお示しください。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 地域住民、防災関係機関、区の連携によりまして、防災活動に習熟、あるいは相互協力体制の充実強化を図る目的で実施されたと聞いております。具体的には、倒壊家屋からの救出救助や医療救護訓練、応急復旧訓練、応急給水訓練、炊き出し訓練、ペット対応訓練等具体的で実践的な訓練、あるいは一般参加者による起震車体験等が行われたと聞いてございます。
○吉原委員 中野区も他区の状況、そして、やった実例などの反省点が必ず出ていると思います。そういうのも分析しながら、中野区も四季の森公園も含めて、本町五丁目、旧NTT跡地も含めて、大きな公開空地に近い大規模な場所が出てきますので、ぜひとも中野区もそろそろ段取りをして実施するべきではないかと思いますが、いかがですか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 先ほど申し上げました調査の中では、訓練の実施内容に加えまして、過去の訓練の内容の見直しですとか、参加者拡大策等についても調査されておりました。そういったところを踏まえまして、災害時におきましては防災関係機関との連携活動が重要であると考えてございます。より実践、効果的な訓練のあり方について今後も引き続き検討してまいりたいと考えております。
○吉原委員 ぜひともよろしくお願いします。
質問の最後になります。震災対策特別委員会で、1月ですが、そなエリア東京へ行ってまいりました。このときの状況で72時間という非常にキーポイントが示されていました。その72時間のキーポイントの意味は覚えていらっしゃいますか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 瓦れきに埋もれた地域の住民等の救出、発災時の人命救助に当たっては、72時間以内に対応できるかどうかがかぎとなるということであったと記憶しております。
○吉原委員 72時間生き延びれば、何とか4日目には自衛隊の皆さんや消防署の皆さんに助けていただけるということは、逆に言えば、瓦れきの下でも72時間は飲まず食わずで命を保つことができるということを意味すると思います。ですから、中野区地域防災計画策定に当たって、救出された方々もすぐ休むとかそういうことではなくて、72時間は家族、近所の方々、瓦れきの下に埋もれた方々を救出するということが、中野区の犠牲者、被害者を一人でも少なくする手だてではないかなと思いますが、これに関してはどう思いますか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 発災直後におけます地域の取り組みが減災へつながるものと認識しております。72時間までの共助の重要性についても地域防災計画の中に反映していきたいと考えております。
○吉原委員 このことに関しましては、区長に最後、一言感想をいただきたいと思います。
○田中区長 72時間を境目に救出された方の生存率というのが、急カーブで下がってしまうというようなことだったと認識しています。神戸市の阪神・淡路大震災のときやさまざまな災害の際に、近隣の方が瓦れきの中から救い出したという事例がたくさんあるように聞いております。行政の消防ですとか、あるいは区とかは、なかなかその時間帯で効果的にすべての現場をカバーするということはあり得ないことでありますから、そういう意味で、本当に近隣の方同士が助け合う、支え合うということをつくり上げていくということが本当に大事なかぎになるだろうというふうに思っております。
○吉原委員 どうもありがとうございました。すべての総括質疑を終わります。
○佐野委員長 以上で吉原委員の質疑を終了いたします。(拍手)
ここで昼食休憩に入りたいと思います。午後1時まで委員会を休憩いたします。
午前11時58分休憩
午後 1時00分開議
○佐野委員長 それでは、委員会を再開いたします。
午後の1番目としまして、南かつひこ委員、質疑をお願いいたします。
○南委員 平成24年第3回定例会決算特別委員会におきまして、公明党の立場から総括質疑をさせていただきます。理事者の皆様におかれましては、簡潔で明瞭な御答弁をよろしくお願いいたします。
質問は、通告の順に従いまして、最初に防災対策について、1として避難所等の表示板について、2として災害時における協定等について、3としてペットの同行避難について、4として避難所のかぎの管理について、5として水害対策について、6として災害時の応急給水対策について、2番目に成年後見制度の充実について、3番目にまちづくりの活性化策について、1として中野駅周辺地区の活性化について、2として商店街の活性化について、4番目に図書館行政について、最後に、その他としてプラスチック製容器包装の回収及びごみの収集・運搬について伺います。
それでは、最初に防災対策について伺います。
初めに、避難所等の表示板について伺います。9月2日に中野区総合防災訓練が東部地域と沼袋地域で実施をされました。一般参加者は各防災会が指定する防災活動拠点、つまりいっとき集合場所に集まった後、避難民誘導訓練を受け、それぞれの避難所へ向かいました。私も一般参加者として訓練に加わり、その際感じた点を質疑させていただきたいと思います。
訓練に向かう際に感じたのは、避難所の表示板が古くて目立たない上に、多言語での表示もないということであります。震災を想定したときには、一目で見ればわかるようにデザイン等を刷新するとともに、多言語での対応も必要であると考えます。中野四季の森公園の案内板には防災施設紹介の中で「広域避難場所」との表記はありますが、文字が小さくわかりづらいことにあわせ、英語での表記はありますが、多言語での表示がされておりません。この際、避難所や広域避難場所の表示板を見やすくて多言語にも対応したものにしたいと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 避難所の案内板につきましては、設置から大分たっているものでございます。個々の状況を確認の上、必要に応じて更新していきたいと考えてございます。また、広域避難場所を示す案内板等につきましても、現状を確認の上、よりわかりやすい表示の方法について検討してまいりたいと考えております。
○南委員 それでは、次に移ります。今回の中野区総合防災訓練では、昨年の東日本大震災の教訓から大変多くの参加者が訓練を受けましたが、まだまだ参加したことのない区民の方も大勢いるのが実態であります。参加していない方にとっては、震災が起こって被害が拡大したときには、どこに集まり、どこに向かえばよいのか、とっさに判断がつきかねません。そんなときに、各防災会での防災拠点になっている集合場所に一時避難場所の表示板が設置されていれば安心であります。新宿区や足立区では一時避難場所として表示板が既に設置をされております。中野区でも一目見ればわかるいっとき避難場所の名称を使った表示板を設置すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 現在、区内146カ所の公園等を防災拠点としておりまして、それが集合場所等となってございます。地域防災会の方が災害時に使用される資機材等が格納された防災資機材倉庫等を主に置いているようなところでございます。こういった防災活動拠点への集合場所という旨の表示の設置につきましては、その表示方法等を今後検討してまいりたいと考えております。
○南委員 ぜひとも設置の方向で考えていただければと思います。
それでは、次に移ります。大阪市では広域避難場所への誘導案内板が大通りの各所に設置されております。区民への防災意識をさらに高める上からも、緊急輸送道路など国の広い道路に広域避難場所や避難所への誘導案内板を設置すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 避難所、広域避難場所の方向や位置の表示につきましては、どのような表示が可能なのか、あるいはどのような表示がふさわしいのかなど今後検討してまいりたいと考えてございます。
○南委員 次に、災害時における協定等について伺います。中野四季の都市地区には、明治大学、帝京平成大学、早稲田大学が誘致され、来年度より順次開学されてくることになっております。広域避難場所の中野四季の森公園に隣接していることもあり、中野区は3大学と災害協定を結ぶ予定となっていますが、その内容と進捗状況を伺います。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 現在、来年4月に開校予定の大学とは、災害時における帰宅困難者の一時滞在施設というような位置付けの内容につきまして協力いただくことを前提に協定について協議をしているところでございます。
○南委員 大事なことですので、さらに災害協定を3大学と進めていただきたいというふうに切に願います。よろしくお願いいたします。
次に、中野セントラルパークの建物にはさまざまな大手企業が誘致されてくることになっております。キリングループは飲料メーカーであり、栗田工業株式会社は水処理の大手企業であります。キリングループとの飲料提供や栗田工業株式会社との浄水器や浄水技術の提供に基づいた災害時の協定を結ぶべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 今後、中野セントラルパーク等に進出してまいります企業につきまして、災害時において具体的にどのような協力をお願いできるのか、それぞれの企業と協議してまいりたいと考えてございます。
○南委員 これからどんどんセントラルパークのイースト、サウスにも入ってまいりますので、その企業とも災害協定を結んでいただければというふうに思いますので、よろしくお願いします。
北部では、広域避難場所として江古田の森公園が指定をされております。災害時には隣接する江古田の森介護施設は二次避難場所として開設されるようになっております。また、その対面には東京警察病院看護学校がありますけれども、体育館が整備をされていることや、看護に必要な設備や技術がございます。中野区としても東京警察病院看護学校と災害協定を結ぶべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 東京警察病院の看護学校につきましては、災害時において区への協力をいただけるのか等につきまして、具体的内容等確認を今後してまいりたいと考えております。
○南委員 ぜひとも確認の上、災害協定を結べるように最善の努力をお願いしたいと思います。
次に、災害時におけるライフラインの一つであります電気については、電柱の倒壊による電線の切断や家屋の倒壊等による漏電対策を講じなくてはなりません。一番素早く対応できるのは区内業者であると思います。中野区には電気関係に詳しい区内業者の組織体である中野電設防災協力会があります。行政との連携をいち早く構築したいとの意向も聞いているところです。災害時にはどこに行って、何をすればよいのかわからない状況であるといいます。また、総合防災訓練への参加協力も受けたことがないとのことであります。ライフラインの一つである電気にかかわることになります中野電設防災協力会との災害時における協定の締結はしておりますけれども、細部についての具体策がない状況であります。災害発生時に避難所での電気の普及や設備点検の協力など応急処置に対する取り決めを交わすとともに、具体策について中野区が主導的にコーディネートすべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 中野電設防災協力会につきましては、災害時における避難所施設等の設備点検、あるいは応急・復旧業務等におきまして御協力をいただけるものと考えてございます。今後、具体的な協議を行っていく予定となってございます。
○南委員 ぜひとも進めていただきたいのと、あと、防災訓練とかにはやはり積極的に参加を呼びかけていただいて、防災訓練にも参加できるような体制を組んでいただければと思います。
それでは次に、過日、中野区測量協議会と懇談会を持つ機会がございました。その際に災害時の協定を結びたい意向をお聞きしたところであります。災害時に公共基準点を再測量して整備することで、道路や住宅の区画の割り出しがいち早く行えることができ、まちづくりの復興に向けて極めて重要な事項であると考えます。中野区としても、中野区測量協議会と細目を含めた災害時における協定を結ぶべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 測量協議会と災害時に協力いただける内容等につきまして確認、協議をしながら、今後、具体的協定に向けて検討してまいりたいと考えております。
○南委員 十分に話し合いをしていただいて、災害協定を細目も含めて締結できるようお願いしたいと思います。
次に、中野区の各種基準点網の整備に当たっては、平成5年以降全く維持管理がなされていない状況ということでありました。道路の補修による経年変化により滅失した基準点が放置されたままであります。中野区が管理している公共基準点のうち、3級基準点では、公共基準点地上埋設点の総数は979点でありますが、このうちの3割以上のびょうが滅失しているということであります。昨年の東日本大震災による基準点が30センチから40センチ移動している事実もあり、基準点修復を始めたところでありますが、まちづくりの観点から基準点の維持管理を毎年すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 公共基準点は、地籍調査や災害時におけるライフラインの整備、また都市開発・計画における測量や不動産登記法の改正に伴います地籍測量図作成において必要不可欠なものになっております。本年度は、地籍調査の再開に向けて区内の各種基準点の現地確認と座標変換等を行っておりますが、この作業の中で、中野区の3級基準点の亡失や、図面上の座標点と実際にある基準点の位置とが異なるものがあるということについて確認しております。道路工事等によりまして今後も基準点の亡失等が想定されるところでございますので、基準点の適正な維持管理の観点から今後は毎年点検を実施して、亡失等になったものにつきましては逐次復元をしていくように努めてまいります。
○南委員 ぜひそのように進めていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
次に、ペットの同行避難について伺います。今回の中野区総合防災訓練でも東京都獣医師会中野支部による協力がございました。まずは獣医師会の救護活動拠点について伺います。ペットの同行避難の意識が高くなっていることもあり、獣医師会の救護活動拠点は南北1カ所ずつ必要であると考えます。東京都獣医師会中野支部の総合防災訓練への参加はことしで5回目となります。以前の私の質問では、獣医師会の救護活動拠点の位置や拠点数については協議していくとの御答弁でしたが、その後、どのように検討されているのかを伺います。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 獣医師会中野支部との協議では、発災当初はすべての避難所でペットの受け入れが可能な体制をつくっていくこと。また、ペットを受け入れた避難所では獣医師会中野支部に巡回指導を依頼すること等を協議の上確認をしているところでございます。ただし、多くの避難所でペットを受け入れた場合、巡回指導等を継続して行うというのはなかなか難しいというお話も聞いております。発災から一定の期間が経過した段階では、ペットを受け入れる避難所を集約するというようなことも考えており、今後とも獣医師会中野支部と協議を続けてまいりたいと考えてございます。
○南委員 それでは次に、ケージの備蓄について伺いたいと思います。災害時に獣医師会中野支部のメンバーだけでは、避難所にケージを持ち込む数量には限界があります。そのことを考えれば、ある程度のケージの備蓄は必要であります。新宿や板橋区などでは20台程度の備蓄をしております。中野区でもぜひある程度のケージの備蓄をすべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) ペットの避難用ケージにつきましては、基本的にはペットの飼い主が準備するものと考えており、飼い主に対してふだんから準備していただけるように、保健所とも連携を図りながら、今後とも引き続き周知啓発に努めてまいりたいと考えております。
○南委員 防災訓練でも今回何人かの方がペットを連れてきて、そのうちケージを持ってこられている人というのは非常に少なかったわけであります。実際、災害が起きたときには、本当にどうなるか想像がつかないわけでありますけれども、その際にはケージを持ってこられる方もいらっしゃるんでしょうけれども、そのままペットを連れ出してくるということは十分考えられますので、ケージの備蓄についてはぜひともやっていただきたい。これは要望にしておきたいと思います。
次に、避難所のかぎの管理について伺います。災害発生時に防災会には避難所の開設など重要な役割があります。緊急時においていち早く駆けつけ、第一次避難所に指定されている小・中学校や防災倉庫などのかぎをすぐにあけなくてはなりません。避難所などのかぎをすぐに取り出せるようにするために、震度5弱以上の強い揺れを関知すると自動的にかぎが収納されている保管庫の扉が開くようになるかぎボックスが注目をされております。
このシステムは、センサーが震度5弱以上を感知すると、内部にあるワイヤーが引っ張られてストッパーを外す仕組みで、電気を使わない機械式であるため停電時にも対応ができ、内部の振り子が一定の揺れを感知するため、物などでたたくなどの人為的な衝撃では反応しない仕組みになっています。防災会の方が素早く避難所を開設できるようにするためにも、避難所の敷地内に地震時に自動的に開錠するかぎボックスを設置してはと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 発災後、速やかに避難所が開設できるように、現在、校門のかぎにつきまして、避難所班長、副班長のほか、地域防災会の役員の方々にも貸与しているところでございます。御質問にあります地震を自動感知して開錠するキーボックスにつきましては、避難所のかぎの管理方法等全般を検討する中で研究してまいりたいと考えます。
○南委員 避難所のかぎは複数の方にお持ちいただいているということですけれども、常に携帯しているかどうかという問題もありますし、また、かぎを家で保管していた場合、家自体が被害を受ければかぎを持ち出すことができないとか、そういったいろんなことが想定されますので、ぜひとも、かぎボックスについては研究するということですけれども、本腰を入れてやっていただければというふうに思いますので、これは要望としておきます。
次に、水害対策について伺います。平成23年度決算説明書での水害等対策についての執行額は幾らになるでしょうか、伺います。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 水害対策の主な事業には、河川情報システムや土のうの配備委託などがございますが、これらの水害対策の決算額は2,905万2,383円でございました。
○南委員 この水害等対策の執行額のうち、河川情報システムについての執行額は幾らになるでしょうか、また、その具体的な事業内容とあわせて伺います。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 河川情報システムの執行額は2,353万2,530円でございました。事業内容につきましては、河川情報システムは、常時リアルタイムで雨量や河川水位を監視するシステムでございまして、現在、雨量局が5局、水位局が9局、河川監視カメラ5台で情報を収集しているところでございます。なお、収集したデータにつきましては、東京都や他の区、また区内の警察署、消防署に配信しているほか、ホームページによりまして、映像及び測定データを公開しているところでございます。
○南委員 その中には河川監視カメラの保守点検とかも委託されているというふうには思いますけれども、最近のゲリラ豪雨などによる突然の水害被害を考えれば、予算を捻出してでも河川監視カメラの設置を急ぐべきであると考えます。河川監視カメラを1基設置するのに、工事費やシステム改修費を含め、どれぐらいの経費がかかるものなのかを伺いたいと思います。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 平成23年度に河川監視カメラを江古田の森公園に1台設置したところでございます。これを参考に申し上げますと、河川監視カメラを1基設置するためには、工事費が630万円、システム改修費210万円、合計で840万円ほどかかることになります。
○南委員 平成23年度の決算説明書によりますと、目の道路管理費の不用額は2,794万7,600円となっています。このことを考えれば、まずは1基分の河川監視カメラ分の予算を流用すれば設置できるのではないかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 直ちにこの不用額を流用するわけにはいきませんけれども、今後とも水害対策上監視カメラが必要と思われる箇所につきましては、その設置について検討していきたいと考えております。
○南委員 現在、中野区のホームページでの河川カメラのライブ映像は妙正寺川での映像配信しかありません。神田川には対応されていない現状がございます。区民の方々からは神田川にもぜひ映像の配信は必要だという声をたくさんお聞きしているところです。ぜひとも神田川にも映像配信の対応をしてもらいたいと思いますので、これは要望としておきたいと思います。
その他として、災害時の応急給水対策について伺います。都議会公明党は、スタンドパイプと呼ばれる簡易な器具を活用して消火栓から飲料水をとる応急対策として、小・中学校などの避難所での取り組みと訓練の実施を提案いたしました。災害時に消火栓を利用した給水用スタンドパイプを使った仮設給水栓について伺いますが、区は給水用スタンドパイプを御存じでしょうか、伺います。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 東京都水道局が災害時に消火栓からの応急給水活動を行うための器具として用いているものと存じております。最近は、スタンドパイプ仮設給水栓を使用した訓練を行っているということも聞いてございます。
○南委員 現在、中野区には仮設給水栓はどの程度整備されているのか、あるのか、それを伺いたいと思います。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 応急給水活動を行うための仮設給水栓は、現在、区では持ち合わせてございません。
○南委員 災害時の避難所の給水方法はどのように実施されるのか、この点を伺いたいと思います。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 応急給水活動の一つとして、浄水場や応急給水槽等の給水拠点から給水を行うこととしてございます。その場合、浄水場においては東京都が応急給水に必要な資機材等の設営等を行いまして、区は給水車で水を受け取り、避難所に運搬して被災者に水を配布するというような役割分担になってございます。
○南委員 都議会では先日、9月26日、都議会公明党から避難所での給水活動を都が区に対して支援すべきとの趣旨の仮設給水栓の需要についての質問に対して、都の水道局長は、身近な小・中学校などの避難所で消火栓による応急給水ができれば、震災時の水の確保が容易になる。この方式を拡大するため、スタンドパイプを水道局が調達し、避難所を所管する区市町に管理してもらう方向で協議するとの具体的な取り組みを明らかにしたところであります。中野区としても、地域防災会との連携その他を図り、避難所での応急給水訓練を実施していくためにも、都の応急給水対策の取り決めを活用すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺って、この項の質問を終わります。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 防災担当としまして、この内容につきましてまだ詳細については把握してございません。今後、東京都から同趣旨の提案があった場合には、どのように活用できるかについて検討してまいりたいと考えております。
○南委員 これは大事な観点だと思いますので、検討をよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございます。
2番目としまして、成年後見制度の充実について伺います。
全国で現在、成年後見制度の利用者数は約15万人となっております。約200万人いるとされる認知症高齢者の1割にも満たない現状であります。推計によれば、2025年には認知症高齢者は300万人台に上るとされており、ますます成年後見制度の利用者は増加する傾向になることは必至です。当然、中野区も例外ではございません。まずは平成23年度の決算状況から伺いたいと思います。成年後見制度推進事業の決算内容と、その事業内容を伺います。
○小田健康福祉部副参事(福祉推進担当) 平成23年度の成年後見制度推進事業の決算におけます支出済額は1,573万6,596円でございます。成年後見制度推進事業として行っております中野区成年後見支援センターは、その事業運営を社会福祉協議会へ委託して行っているものでございます。また、社会福祉協議会が行っております法人後見監督業務に対しまして人件費等の補助を行っております。主な事業実績といたしましては、法人後見相談会、説明会などを20回開催いたしまして、合計495人の参加がございました。また、成年後見支援センターで受け付けました相談件数は延べで838件でありまして、その内訳といたしましては、訪問相談、また来談、カンファレンス、電話などでございます。そのほかといたしましては、法人後見を2件、法人後見監督を1件ほど受任している状況でございます。
○南委員 平成22年度の決算において成年後見制度推進事業の予算現額は1,617万1,000円で、支出済額は1,546万2,044円、執行率は95.6%となっています。執行率が平成22年度に比べ4.1%下がったわけですけれども、これをどのように分析されるのでしょうか、伺います。
○小田健康福祉部副参事(福祉推進担当) 本年度の会計におきまして執行率が下がりました理由といたしましては、平成23年度から新たに法人後見監督業務をお願いしたわけですけれども、この受任が予算見込みの3件よりも低い数値で、1件ほどの受任であったということでございます。
○南委員 わかりました。次に、中野区より委託を受けた中野区社会福祉協議会が事業主体となって成年後見制度の充実を図るために、平成20年10月より中野区成年後見支援センターがスタートいたしました。平成23年度の主要施策の成果によると、中野区成年後見支援センターの新規相談者数は、発足時の平成20年度は145人、平成21年度は419人、平成22年度は406人、平成23年度は536人となっています。平成23年度は例年に比べ新規の相談者数は減少していますが、これをどのように分析されるのでしょうか、伺います。
○小田健康福祉部副参事(福祉推進担当) 平成23年度の新規の相談者数は356名となっておりまして、平成22年度よりも50件ほど減少しているという状況でございます。一方、地域包括支援センターで行っております相談件数につきましては1,513件となっておりまして、前年度より71件ほど増加してございます。これは、より身近な地域包括支援センターでの相談件数が増加した結果といたしまして、社会福祉協議会で行っております成年後見支援センターでの相談が減少したものと分析をしております。
○南委員 実際のセンターに向かっての相談者数は少し減りましたけれども、要は相談のきっかけとしては、包括支援センターのほうに出向くのがふえてきているという認識だと思いますけれども、ありがとうございます。
それでは次に、成年後見制度が施行されてから12年が経過しますけれども、制度発足から昨年末までの申し立て件数は全国で約26万件と徐々にはふえてきていますが、まだまだ利用者が少ないのが現状であります。その原因として考えられるのは、制度自体の認知度がまだまだ低いことや、専門職の後見人になった場合の費用負担、そして、被後見人の選挙権喪失などの利用者の権利制限の問題などが考えられるわけであります。また、身寄りがないなどの理由で成年後見の申し立てができない場合には、市区町村長が家庭裁判所に対して成年後見の申し立てができますが、平成23年度の実績は3,680件で、全体の約11.7%になっております。そこで伺いますが、中野区における年度ごとの区長申し立て件数はどのくらいになるのでしょうか、伺います。
○小田健康福祉部副参事(福祉推進担当) 平成20年度から申し上げさせていただきます。平成20年度は28件、21年度は17件、平成22年度は23件、昨年度、平成23年度は25件となっております。
○南委員 大体ならすと二十四、五件かなという感じで受けとめさせていただきました。
次に行きます。区長申し立てによって家庭裁判所から選任される成年後見人等は、ほとんどが弁護士や司法書士などの専門職がなっているという理解でよろしいでしょうか。その点、ちょっと伺っておきます。
○小田健康福祉部副参事(福祉推進担当) 現在、区長申し立てで選任をされております専門職後見人は、弁護士、司法書士、社会福祉士などでございますが、昨年度につきましては21件となっております。
○南委員 区長申し立てに限定して後見人等の報酬の支払いが困難な低所得者に対しては費用の助成制度がございますが、この制度内容とその手続の流れはどのようなものかを伺います。
○小田健康福祉部副参事(福祉推進担当) 成年後見人等報酬費用助成制度でございますが、こちらは区長申し立てで成年後見人等──保佐人、補助人なども含まれますが──が選任された場合で、被後見人が生活保護法に規定される要保護者または生活保護相当の資産であるということを要件といたしまして、成年後見人に対する費用助成を行っているものでございます。手続につきましては、成年後見人等につきましては、年に1回、家庭裁判所にその活動報告をすることになっております。その際にあわせて報酬の申し立てを行う。それと同時に、区に対しまして助成金の交付申請を行っていただくような形になってございます。区といたしましては、家庭裁判所が決定した報酬額を参考に区で定めた助成額を後見人等に交付しているところでございます。
○南委員 よくわかりました。この助成制度の決算額はどこに含まれているのか、またどれぐらいの額なのかというのを1点伺いたいと思います。
○小田健康福祉部副参事(福祉推進担当) 後見人等報酬費用助成制度でございますが、こちらは地域生活支援任意事業として行っておりまして、その決算額は介護保険特別会計の地域支援事業費のほうに含まれているものでございます。また、平成23年度の決算額は45万円でございます。
○南委員 今後、区長申し立ての件数が増加する可能性も十分考えられるところであります。そのためには、区長申し立て時の後見報酬の助成制度への予算建てが重要になってくるわけです。これからもこの制度の予算の確保が確実にできるよう努力されることを要望しておきたいと思います。
それでは、次に進みます。後見人のなり手は制度発足時には親族が努めることが9割以上占めておりましたが、年々財産管理などの知識を持つ専門職後見人の割合が増加し、平成23年には約44%が司法書士や弁護士などの専門職が担っております。1人の専門職の後見人が何人もの被後見人の選任を受けるといった現状もあり、後見人の担い手不足は喫緊の課題であります。この担い手不足を解消する方法として注目を浴びているのが、弁護士などの専門職以外での市民後見人の養成であります。
東京都では、社会貢献型後見人の養成講座を実施して、専門職以外の第三の後見人の養成に取り組んでいるところです。中野区は、この養成講座を利用して社会貢献型後見人の養成に取り組み、昨年には第1号の社会貢献型後見人が誕生いたしました。しかしながら、東京都は、この社会貢献型後見人養成講座を25年度をもって廃止することを決定いたしました。その後には各自治体に移行させる考えのようでありますが、財源の移行もしっかりと確約させるべきであるというふうに考えますけれども、この点いかがでしょうか、伺います。
○小田健康福祉部副参事(福祉推進担当) 成年後見制度は今後ますます必要性が高まるというふうに認識しております。東京都に対しましても、当該養成講座にかかわる経費の補助については強く求めていきたいというふうに考えております。
○南委員 東京都が25年度にやめてしまえば、その財源も今度は区のほうに来るようにしっかりと手だてをしていただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
私は、これまでにも市民後見人の養成講座を中野区独自で実施すべきというふうに訴えてまいりましたが、財源などの状況を考えれば、後見人の養成を隣接区と協働で行うのも制度の充実につながるものと考えます。この際、後見人の養成講座を隣接区、例えば城西ブロックであれば、中野区、杉並区、練馬区、豊島区、板橋区といった区で合同で実施できるようにするのが一番の打開策ではないかなと考えているところですが、この点いがかお考えでしょうか、伺います。
○小田健康福祉部副参事(福祉推進担当) 東京都の養成講座廃止後の後見人養成講座実施方法につきましては、現在、中野区の社会福祉協議会とも調整を図りながら検討を進めているところでございます。隣接区と合同して養成講座を実施する方法も選択肢の一つとして検討しているところでございます。
○南委員 ぜひとも検討していただいて、そのほかの方法もあるかと思うんですけれども、ぜひとも進めていただければなというふうに思います。
東京大学で3年前から開かれている東京大学市民後見研究実証プロジェクト主催の市民後見人養成講座がございます。これまでに約1,500人が講座を終了しており、既に市民後見人として活動している人もいるということであります。群馬県の玉村町では、昨年より東京大学で開かれるこの市民後見人養成講座の受講料を、今年度は6万5,000円ですけれども、これを全額補助することを決定しております。中野区でも東京大学市民後見研究実証プロジェクト主催の市民後見人養成講座に参加する方に選定をした上で受講料全額補助をする仕組みをつくるべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○小田健康福祉部副参事(福祉推進担当) 東京大学で行っております市民後見研究実証プロジェクト主催の養成講座は、今後の市民後見人養成方法の選択肢の一つであるというふうに考えておりますが、東京大学主催の当講座の内容の検証、またその講座の継続性等を見きわめながら判断をしていきたいというふうに考えております。
○南委員 それでは、次に進みます。最近、後見人の権限を悪用して、被後見人の本人を守るどころか、財産を使い込むなどの不正を行ったという報道がございます。最高裁によると、後見人の不正は平成22年6月からことしの3月までで538件、被害総額は約52億6,000万円に上ります。ほとんどが親族の不正であります。このような不正防止のために、ことしの2月から後見制度支援信託が導入されました。家庭裁判所は調査の上、大口資金を信託銀行に預けるように指示ができ、介護施設の入所時にまとまった資金が必要な場合は、家庭裁判所から承認を得なければならないので、不正を防げることにつながってまいります。成年後見制度の充実を図る上からも、後見制度支援信託の周知を図るべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○小田健康福祉部副参事(福祉推進担当) 後見制度支援信託は、被後見人の財産を守る方法の重要な一つであるというふうに認識をしているところでございます。成年後見支援センターが実施をしております親族後見人の集いや出前勉強会などで後見制度支援信託のPRなどもしてきているところでございますが、今後さらに周知を進めまして、被後見人の財産の保護に努めていきたいというふうに考えております。
○南委員 現在、後見制度支援信託の利用は、ことしの2月以降の後見開始分に限定されております。信託契約を結んだのはこの6月末までに6人しか現在ないという実態であります。過去の後見開始分についても信託利用を可能にする必要がある現状を考えても、もっとこの後見制度支援信託の周知に力を注ぐべきと考えますので、十分な周知をお願いしたい。これは強く要望しておきたいと思います。
それでは次に、平成22年12月に障害者自立支援法が改正され、平成24年4月1日より成年後見制度利用支援事業が地域生活支援事業の必須事業に格上げされました。既に中野区ではこの事業は実施していますが、障害者の方々の成年後見制度の利用状況を伺うとともに、さらに、障害者の方々への利用促進を図るべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○永田健康福祉部副参事(障害福祉担当) 成年後見制度利用支援事業につきましては、本年度から障害者自立支援法に基づきます地域生活支援事業の一つとして必須事業とされましたが、中野区におきましては、既に平成20年に成年後見支援センターを開設し、委託によりまして支援事業を実施してきておりますので、引き続きこの体制によりまして着実に実施をしてまいります。
支援センターにおきまして、知的障害者及び精神障害者を対象とした相談件数は、年間40件程度で推移をしてきているところでございます。また、本人に親族がいない場合などに認められております区長による申し立ての件数としましては、平成20年度からの4年間で4件でございます。普及啓発につきましては、これまでにも説明会などを開催してきてございますが、今後も支援センターとの連携により情報提供を行うなど一層の利用促進を図ってまいります。
○南委員 ぜひともさらなる利用促進を進めていただければなというふうに思います。よろしくお願いいたします。
それでは、成年後見制度が施行されてから12年がたちますけれども、まだまだ利用者が少ない現状がございます。中野区としての同制度のさらなる周知を図る努力も必要であります。また、後見人の担い手不足や後見報酬の助成などさまざまな課題がありますけれども、現状での中野区における成年後見制度の取り組みについての区長の見解をお伺いして、この項の質問を終わります。
○田中区長 高齢者の介護にしても、障害者の自立支援サービスにしても、契約によってサービスを選択して、みずからの意思で受けていただくという制度は、当該利用者の人権を守ったり、あるいはサービスの質を高めていくという上で私はいい制度だと思っておりますけれども、そういう中であるからこそ、認知症であるとか、みずからの意思決定をするのにサポートを必要とする人、こういう方たちの権利を守ったり、被害が生じないようにするということをしっかり確保するということが大変重要なことだというふうに私は認識をしております。
そういう意味で、今後、高齢化の進展に伴って認知症の高齢者はより増加をしていくものというふうにも考えております。こういうときであるからこそ、すべての区民の方が地域で安心して生活を続けていける環境を整えるということが大変重要であるというふうに認識をしておりまして、今後とも社会福祉協議会と連携を図りながら、成年後見制度の普及、また利用の促進を一層力強く進めてまいりたい、このように思っております。
○南委員 区長の力強い御答弁をいただきまして、本当にありがとうございます。この制度はこれからますます注目をしていかなければならない分野でありますので、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、3番目としまして、まちづくりの活性化策について伺います。
初めに、中野駅周辺地区の活性化について伺います。中野駅周辺地区の活性化策の方法として、公共施設のネーミングライツの活用があると思います。このことは第2回定例会の一般質問でも触れましたが、まちづくりと連動した新たな歳入確保として注目に値すると考え、総括質疑でも扱うことにいたしました。言うまでもなく、ネーミングライツとは施設の所有権をそのままにして、施設名称、愛称の命名権だけを譲渡する手法であります。
静岡県磐田市では日本で初めて市道へのネーミングライツを導入しました。平成21年2月に対象の2路線について募集を行い、5社からの応募があり、選考の結果、各パートナー企業との契約が決定をしました。一つは富里大久保線で、道路延長は480メートル、パートナー企業は三井不動産株式会社が決まり、道路愛称も「ららぽーと通り」と決定。そして、もう一つは高見丘30号線で、道路延長は597.4メートルで、パートナー企業はさくら交通株式会社となり、道路愛称は「さくら交通通り」と決まりました。
制度に当たっては二つの目的を明確にして、一つは自主財源の確保で、二つには市、地域住民、ネーミングライツ・パートナーの協働による地域の活性化であります。単なる財源確保策ではなく、市の政策である協働によるまちづくりと連動させた制度設計に特徴があり、パートナー企業以外の企業も、社会貢献活動の一環として、太陽光パネルの街路灯を設置するなどの波及効果も生まれているところであります。磐田市でのこの事例を参考にしたネーミングライツの導入による地域の活性化の効果についての区の見解をお伺いいたします。
○酒井政策室副参事(広報担当) 磐田市の事例にあるように、地域の企業と一体となってまちづくりを進めることは大変有意義なことだと考えております。
○南委員 ネーミングライツの導入に当たっては、さまざまな工夫を凝らした制度設計が欠かせません。磐田市の制度設計の特徴は、一つには、対象道路は、応募のしやすさの観点から道路の延長または区間を1キロメートル未満の市道としたこと、二つ目には、導入目的である協働による地域の活性化を目的として、応募者から協働による地域貢献や地域活性化事業の提案を選考基準にしたこと、三つ目には、ネーミングライツ・パートナーの特典として、路線名サインの設置、街路樹へのイルミネーションの飾り付けなどが可能で、その設置に当たっては道路占用料を免除することとしました。そのほかさまざまな工夫を凝らした制度設計といたしました。
中野駅周辺地区の再開発では、道路延長796メートルのF字道路と道路延長580メートルのL字道路がことしの3月には供用が開始をされました。磐田市と同様にまちづくりの活性化のためにも、この2路線のネーミングライツの導入を図ってはどうかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○酒井政策室副参事(広報担当) 磐田市の事例は、その道路に隣接した企業がパートナーとなっていると聞いております。中野駅周辺は開発の途上にありまして、四季の都市を含め、これからもさまざまな企業の進出が予想されます。それらの企業の協賛が得られるよう、実施方法について引き続き検討してまいります。
○南委員 さまざまな企業もそうですし、また、三つの大学が来ます。今、ラッピングバスでは明治大学が「めいじろう」というラッピングバスを走らせておりますので、当然ネーミングライツについてはすべての企業がそろってからのほうが私もいいとは思うんですけれども、そういったキャラクターを凝らしたようなところをそのまま名称に使う道路にするとか、企業の名前もそうですけれども、製品とかといったことを名称にしてネーミングライツの推進を図るというのも、これからではあると思いますけれども、ぜひとも積極的に進めていただければと思います。
次に、7月1日には中野駅地区第1期整備事業の完成式典が挙行されました。中でも、中野駅北口の玄関口であり、シンボル的な構造物でございます東西連絡路も供用が開始されました。私は、この東西連絡路についてもネーミングライツを導入すべきと考えます。ちょっと別になりますけれども、名古屋市では歩道橋にネーミングライツ・パートナー事業を導入して、平成24年の9月3日から11月30日までの期間で募集をしておりまして、現在、26の歩道橋でパートナーが決定しており、愛称がつけられております。平成24年度の第2次補正予算では2020年オリンピック・パラリンピック東京招致機運醸成事業として、広報広告の中に東西連絡路へのフィルム広告が含まれておりますけれども、今年度中の張り出し予定になっておりますが、このことが契機となってネーミングライツ導入への動きになるのではないかと大変期待をするところです。
中野四季の都市に誘致が決まっているキリングループでありますとか、栗田工業株式会社などの企業や、さらには明治、帝京平成、早稲田の各大学の教育機関にも東西連絡路のネーミングライツの提案を持ちかけてみるべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○酒井政策室副参事(広報担当) 東西連絡路についても、先ほどのF字、L字道路と同様にネーミングライツを検討してまいりたいと思います。
○南委員 先ほどの繰り返しになりますが、非常に東西連絡路は目立ちますし、玄関口にもなりますので、ぜひとも前向きな検討、実施に向けてやっていただければと思いますので、これも強く強く要望しておきたいと思います。ありがとうございました。
次に、商店街の活性化について伺います。
過日の中野区商店街連合会との懇談会で、各商店街が所有する街路灯にコマーシャルフラッグを掲示できるようにしたいとの要望をお聞きしたところであります。ここでは広告の観点から商店街の活性化について伺うことになりますが、最初に、現在、商店街が所有する街路灯は区内に何基あるでしょうか、この点、1点伺います。
○滝瀬都市政策推進室副参事(にぎわい・商業振興担当) 商店街が所有する街路灯の基数でございますが、現在、2,201基でございます。
○南委員 2,201基ということですね。ありがとうございます。
それでは、次の質問に移ります。次に、ガス、電気、通信関係の占用料とはどのようなものでしょうか、ここでそれを伺っておきたいと思います。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 区道へのガス管の埋設でありますとか、電柱の設置等によりまして継続して道路を使用する場合には、道路法に基づきまして道路占用料を徴収しているところでございます。ガスの占用料は東京ガス株式会社が区道の地中に埋設したガス管に対する占用料でございまして、電気の占用料は東京電力株式会社による電柱及びこれに添加した、つけ加えたケーブル等の占用に対する占用料でございます。また、通信関係の占用料につきましては、同じくNTT東日本によります電柱及び地下埋設管等の占用に対する占用料でございます。
○南委員 商店街が所有する街路灯には、先ほど御答弁いただきましたように、区内には2,201基あるとのことでありましたが、この占用料はどのようになっているのか、この点をお伺いいたします。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 商店街の街路灯の設置に係る道路占用料につきましては、中野区道路占用料等徴収条例の施行規則に基づきまして、全額免除をさせていただいております。
○南委員 全額免除になっているということですね。平成23年度の決算説明書では看板等の占用料が5,021万4,133円となっていますが、その具体的な内容をここでお伺いいたします。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 看板等占用料の具体的内容でございますけれども、例えば電柱に巻きつけて設置されております広告板であるとか、建物から区道上へ突き出して設置されておりますいわゆる突き出し看板、あるいは建築工事現場において歩行者等の安全を確保するために設けられております仮の囲い、このようなものの占用に対する占用料ということになります。
○南委員 電柱に取り付けられている看板などの広告は占用料がどのような仕組みになっているのか、この点、お伺いをいたします。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 電柱に取り付けられております看板の占用料につきましては、道路法に基づく中野区道路占用料等徴収条例の中で表示面積1平方メートルについて年間で2万400円と定めておりますが、同時に、同条例施行規則の中で占用料の減免規定も設けているところでございます。
○南委員 商店街の街路灯は、先ほど御答弁いただいたように占用料が条例によって全額免除されているということですが、これに看板などの広告を取り付けた場合には占用料を徴収することになるのでしょうか。また、そのときの占用料等はどの程度になるのか、お伺いをしたいと思います。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 広告によります道路の占用につきましては、基準に適合している場合のみ認められるものでございます。商店街の街路灯に設置する広告につきましては、商店会等の名称を表示した看板であるとか、あるいは催しなどの際の一時的な飾り付け以外は区の道路占用基準によりまして認めているところではありません。このため、占用料は徴収していないということになります。
○南委員 商店街の街路灯に先ほどコマーシャルフラッグなどを掲示することで、中野区では占用料や事務手数料が徴収できるようになるというふうに思いますけれども、商店街では華やかさもあり、活性化がさらに図られると考えます。このような取り組みについての区の見解を伺って、この項の質問を終わります。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 商店街の街路灯へのコマーシャルフラッグの掲示につきましては、占用料の徴収は東京都の事例を見ましても免除の扱いになっております。区として占用料の扱いについて検討していく必要があると考えております。また、商店街の活性化の視点からコマーシャルフラッグの取り扱いについても今後検討していきたいと考えております。
○南委員 2008年の3月には、国土交通省の通達によって、道路占用許可の取り扱いが緩和されたことから、地域における公共的な取り組みに要する費用への充当を目的に、商店街団体が所有する街路灯に企業広告を掲出し、広告収入を得ることが可能となりました。これを受けて横須賀市では、このような事業を昨年の2月に社会実験として開始しており、また、川崎市でも昨年10月より本格実施をしているという現状がございます。中野区としても、この商店街の街路灯でのコマーシャルフラッグの事業展開を商店街活性化のためにさらなる支援をお願いしたいと思いますが、これは要望しておきますのでよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
4番目としまして、図書館行政について伺います。現在の図書館システムはいつごろ導入されたものでしょうか、この点を伺いたいと思います。
○天野中央図書館長 現在のシステムの導入時期は平成15年12月でございます。
○南委員 サーバーをはじめ、ソフトウエアや周辺機器のリース契約の内容と、また、更新などの状況をお伺いしたいと思います。
○天野中央図書館長 サーバーにつきましては、平成21年12月に更新いたしました。周辺機器につきましては、平成20年10月に更新いたしました。リースの契約期間の終了時期はいずれも平成26年11月末でございます。
○南委員 システム導入後9年になりますけれども、三鷹市では8年目でシステムの入れかえと再構築をしておりますが、この際、中野区においても図書館システムのソフトウエアをリプレースすべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか、この点、伺います。
○天野中央図書館長 システムのリプレースにつきましては、リース契約が終了する平成26年12月に実施する予定でございます。
○南委員 通常リースといえば5年が限度なものですから、それでリプレースしていくというのが本当は一番最適なんでしょうけれども、そういった意味から、このソフトウエアのリプレースをぜひとも推し進めていただきたいと思いますので、これも要望しておきたいと思います。
次に、リライトカードの導入について伺います。リライトカードとは、リライトカード・リーダーライターを使用して字やバーコードを変えたり、消したり、また読み取ったりできるカードであります。既に三鷹市立図書館で実用化されており、カードの書きかえには理論上500回以上使用が可能となるものです。利用者にとってどんな本をいつまでに返却すればよいのかがこのリライトカードを見ればすぐわかるようになります。将来的にはICタグとの連携の仕組みの中で活用すべきと思いますが、今は紙の図書貸し出し票になっておりますけれども、この紛失とかということを考えれば、試験的にリライトカードを導入すべきだと考えますが、この点、伺いたいと思います。
○天野中央図書館長 リライトカードにつきましては、システムのリプレースとあわせて導入を検討しているところでございます。
○南委員 システムのリプレースのときにリライトカードを、非常に便利でわかりやすいと思いますので、その際あわせて強力に進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、図書館のホームページでのバナー広告の導入について伺います。横浜市立図書館では、広告事業の取り組みとして最初に取り組んだのが、市図書館ホームページへのバナー広告の掲載であります。その理由は、他の広告媒体と比べて掲載までの手続が容易であり、本市のホームページの中では常にベストテンに入るアクセス数をとる人気サイトで、広告媒体として最適であるという理由からであります。中野区の図書館のホームページでは、月間のアクセス数が大体平均8,200件ほど、蔵書検索に至っては月間平均のアクセス数が約40万件を超えているという状況になりますが、広告媒体としては十分に活用できると思います。中野区の図書館ホームページでのバナー広告の導入をしていくべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○天野中央図書館長 バナー広告につきましては、システム開発経費とバナー広告による収支等を踏まえながら、導入に向け検討してまいります。
○南委員 よろしくお願いしたいと思います。広告費で収入になりますから、少しでも財源の確保。先ほど、ソフトウエアをリプレースするにしても財源があってのことですので、こういった地道な歳入確保も視野に入れて、ぜひともバナー広告の取り組みは進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
今、図書館での小学生の自由研究をサポートする取り組みが広がりを見せております。東京都立多摩図書館では、自由研究のテーマが書かれた111種類のアイデアカードを配布するとともに、関連の321冊を実物見本として展示をしております。カードには研究テーマの概要説明やイラストのほか参考図書も掲載されており、小学校低学年でもわかりやすい内容になっております。さらに関連企画として、図書館職員によるアイデアカードを使った体験学習も行っており、4年前から始まったこの企画は大変に好評であるということをお聞きしております。中野区でも、小学生の探究心を引き出すためにも、自由研究をサポートするこのような取り組みを積極的に取り入れるべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○天野中央図書館長 中野区では、テーマにそういった図書の情報リーフレットとしまして、パスファインダーを作成しております。子どもたちへの学習の手助けといたしましては、このパスファインダーを子ども用に工夫して活用することを検討していきたいと考えております。
○南委員 次に、ことしの7月に我が会派の同僚議員3名で浜松市立中央図書館に視察に行ってまいりました。図書館システムの統合やICタグの採用、そして指定管理者制度の導入などさまざまな話を伺ってまいりました。図書館で行っている事業の中で注目に値するなと思うものがありました。それは学習支援パックというもので、小・中学校の補助教材として先生に無料で貸し出しする仕組みで、一般の方は利用できないというふうになっています。
これが学習支援パックで、リストがいっぱい載っておるんですが、この学習支援パックは、例えば宇宙に関する本であれば18冊とか、気象に関するものでは15冊、または栽培に関するものでは16冊など、学習支援パックのリストとして約40分野にこのようにいろいろ、福祉であれば31冊ですね、ずらっと書物名が書いてあるわけですけれども、この学習支援パックのリストとして、40分野の本が約5セットずつ用意をされておりまして、学校の先生はこの教材を使った独自の授業を行うことができます。子どもたちにも大変に好評ということをお聞きしました。
借りたい学習支援パックを申し込めば、3週間借りることができるようになっておるようですけれども、難点をいえば、この浜松の取り組みは、学校の先生がみずから依頼してお願いした本を、みずからが中央図書館に受け取りに出向かなければならないというところがちょっと難点だったわけであります。そこで伺いたいんですが、中野区では現在、図書を集配する仕組みができていると思いますが、どこをどのように集配しているのか、その詳細について伺います。
○天野中央図書館長 現在、図書館の巡回車が1日に午前と午後1回ずつ、図書館全8館と中野駅前などのブックポストを順番に回っているところでございます。
○南委員 今お聞きしまして、各地域図書館もぐるぐる回って集配をしているということであります。このような集配の仕組みが中野区では既にできているということなので、その上で、学習支援パックのリストを活用すれば、学校の先生が補助教材として借りたいと思う本がさらに簡単に入手できるようになると思います。ぜひとも中野区でもこの多種多様な分野にわたる学習支援パックのリストをつくっていただいて、このような取り組みを実施すべきと考えますが、伺って、この項の質問を終わります。
○天野中央図書館長 現在、中野区におきましては、既にすべての図書館におきまして司書教諭や学校図書館指導員と連携した図書の選書を行うなど、教育活動に沿った学校への単体活動を行っているところでございます。また、浜松市と異なりまして、団体貸し出しに当たりましては、電話等で資料の予約を受け付けまして、図書館の巡回車によって直接学校への貸し出しと回収を行っているところでございます。このように、現在の取り組みは既に円滑に進んでいるところと考えてございます。
○南委員 団体貸し出しの前は、ほかの一般の方も貸し出しができるはずだと思うんですね。浜松の場合は、リストについては学校の補助教材専用の貸し出しになっていて、別の書庫にそれが並べてあるわけであります。その点、いつでも、しかも先生にこのリストをお渡ししていれば、すぐにこれとこれとこれというものが言えますし、また、学校図書指導員の方々から司書を担当する先生方のお知恵を拝借して、こういったリストをぜひともつくって活用すべきではないかなと思いますので、これは強くまた要望させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
5番目として、その他でプラスチック製容器包装の回収及びごみの収集・運搬について伺いたいと思います。
平成23年度の決算説明書で、事業メニューのプラスチック製容器包装の回収の中で、この業務委託の内容について、回収作業で1日に何台の清掃車を使用し、何人の人手、人数を考えての積算をしているのかを伺いたいと思います。
○鳥井清掃事務所長 お尋ねのプラスチック製容器包装回収業務委託の積算の車両でございますが、小型プレス車等で13台、人員は26人で積算をしてございます。
○南委員 次に、同じく平成23年度決算の説明書で事業メニューにおけますごみの収集・運搬の中で、この業務委託の内容について収集作業で1日何台の清掃車を使用し、何人の方を考えての積算をしているのか、それを伺いたいと思います。
○鳥井清掃事務所長 現在、委託のお話をいただいてございますので、粗大ごみの収集及び中継業務の委託ということでお答えをいたしますが、これにつきましては、車両台数は、収集用で小型ダンプ車が4台、人員につきましては12人で積算をしてございます。
○南委員 夏場の猛暑、酷暑は毎年厳しさを増してきております。その猛暑、酷暑の中でのごみの回収作業というのは、作業員の体力を極端に消耗させることにつながってまいります。委託事業者においても熱中対策は行っておりますけれども、作業員の健康維持と夏期のごみの増量という要因を考えれば、7月から8月の熱中症対策として、作業員の人員や清掃車の台数をふやすように積算を考えるべきではないかというふうに思いますけれども、この点を伺って、私のすべての質問を終わりたいと思います。
○鳥井清掃事務所長 お尋ねのプラスチック製容器包装の回収や粗大ごみの収集の委託料でございますが、必要な車両の台数などをもとに経費を積算いたしまして、総価契約をしているところでございます。必要な車両の台数でございますが、年間の回収量、収集量を予測いたしまして、それに必要な台数を算出しているということでございます。それから、必要な人員は運転手と作業員でございますが、これは車両の台数に応じて決まってくるということでございます。
このように必要な車両の台数や人員数は年間の回収量、収集量が基本となり算出してございますので、年間の気候の変動といいますか、暑い寒いといった状況につきましては反映してございません。したがいまして、御提案の働く方々の熱中症対策としての夏の時期の増車・増員につきましては、これを積算するということはちょっと難しいのではないかなというふうに考えてございます。
○南委員 ちょっと難しいということなんですが、やはり夏場の熱中症対策については何としても対策を講じるようにしてもらいたいと思うんですが、そのほかに対策というものはないんでしょうか。その点、お伺いしたいと思います。
○鳥井清掃事務所長 ただいま申し上げました毎日の作業の基本となります作業の車の台数、人員につきましては、このほか、繁忙期、量の多い時期におきます臨時的な量の増加といったことにも対応できますように、臨時の増車・増員の台数、人数も算出はしてございまして、その経費を委託料には加えているということでございます。したがいまして、実際の毎日の作業におきまして、臨時の増車・増員を行うかどうかにつきましては受託者の判断となりますので、例えば夏の時期において受託者の判断で増車・増員をするということ自体は可能でございます。
また、区におきましては、燃やすごみなどの収集に当たります区職員の熱中症対策といたしましては、夏休みなどの計画的な施策を進めるとともに、熱中症の対策グッズの購入を行っているところでございます。この委託契約の受託者の皆様におかれましてもそうしたことを進めていただければとは考えてございますし、区の使っております熱中症対策グッズとして有効なものがあれば、その御紹介などは行いたいというふうには思ってございます。
○南委員 なかなか難しいという御答弁でしたけれども、やはり委託業者に総価契約でぱっと渡すというのはよくわかるんですが、実際にはまだまだ委託業者が本当にぎりぎりの線で工夫をしているというところはやはりあるんですね。その辺を考慮していただいて増額できる方向でやっていただきたいというふうに強く要望しておきたいと思います。その辺をさらに考慮して積算をしていただきたいと思いますので、強く要望しておきたいと思います。
以上で私のすべての質問は終わります。御清聴ありがとうございました。
○佐野委員長 以上で南かつひこ委員の質疑を終了いたします。(拍手)
続きまして、ひぐち和正委員の質疑に移りたいと思います。
ひぐち和正委員、質疑をお願いいたします。
○ひぐち委員 平成24年第3回定例会決算特別委員会におきまして、自民党の立場から御質問させていただきます。
それでは、質疑の前に通告内容の順番を入れかえさせていただきます。1番目にエキスパート職員の認定制度について、2番目に公園の管理について、3番目に中野区の人口増加の影響について、4番目に生活保護費の不正受給について、これは今回は割愛させていただき、そして、5番目のその他はございません。
それでは、1番目の御質問をさせていただきます。エキスパート職員の認定制度について質問いたします。
中野区は、2007年度に2,700人いた区職員を2015年度までに2,000人体制に進めるとしています。このように職員の数が少なくなる中で、高度化、複雑化する行政の課題に当たるためには、職員に高い専門的能力が必要と考えます。そこで、4月よりスタートしたエキスパート職員の認定制度についてお伺いいたします。まず初めにお尋ねしますが、区では、このエキスパート職員認定制度を導入するに当たり、それまでの専門的な人材育成についてどのような取り組みを行ってきたのか、また、育成についてはどのような検証をされたのでしょうか、お聞かせください。
○角経営室副参事(人事担当) これまでの人材育成は、職種に着目した人材育成のスタイルでした。しかし、社会状況の変化に伴います新たな課題や横断的な課題への対応など、これまでの人材育成では対応しがたい場面も見受けられるようになってきておりました。さらには、区が目指します少数精鋭組織では、職員一人ひとりが能力、強みを十分発揮する必要があり、今後はそうした専門能力を備えた職員を育成することが求められている状況となっているというものでございます。
○ひぐち委員 公的資格者や職務経験者を生かすことは多くの知識と経験をそれぞれの分野で発揮できると思い、私はこの制度に共感をしています。また、個人の隠れた能力を再発見できる機会にもつながると思います。そこで伺いますが、区が導入したエキスパート職員認定制度の導入目的はどのようなことなのか、わかりやすくお答えください。
○角経営室副参事(人事担当) エキスパート職員認定制度の導入目的につきましては、職員の新たなキャリアパスを設け、多様な能力を持った職員がみずからの適性を生かすことができる柔軟な職員配置を行い、職務意欲の向上と組織の活性化を図ることがあります。また、エキスパート職員は、専門領域に長期的に従事することによりまして、専門性を発揮して困難な区政課題を解決することが期待されているというものがございまして、そういったことが目的となってございます。
○ひぐち委員 続いては、エキスパート職員の類型を7類型としていますが、幾つか注目している類型があり、例を挙げながら具体的にエキスパート職員の配置先や役割についてお伺いします。一つ目は会計についてです。私は会計について各部署の事業におけるコスト意識の醸成やコスト管理の徹底に寄与できるものと期待していますが、配置先や役割についてはどのようにお考えでしょうか、お答えください。
○角経営室副参事(人事担当) 類型の一つでございます会計につきましては、例えば予算担当とか、行政管理担当、各部の経営担当などへの配置を予定してございます。役割につきましては、管理会計視点によります業務改革や公会計・財務諸表の作成、コスト分析といった業務を担うほか、組織の内側に向けましては、御指摘のようにコスト意識の醸成などの役割を持つというものを期待されてございます。
○ひぐち委員 二つ目をお伺いします。福祉生活支援についてですが、区民の方々の幅広い相談やサービスの提供を担うものと考えますが、どのようにお考えでしょうか。
○角経営室副参事(人事担当) 福祉生活支援につきましては、すこやか福祉センターや健康福祉部の各部署に配置しまして、高齢者、障害のある方、子どもに関する総合的な相談や支援を行うほか、地域におきまして地域事業者との連携の核となるというものを役割の一つとして想定してございます。
○ひぐち委員 三つ目を伺います。まちづくりであります。今、進行中の中野駅周辺まちづくりや西武新宿線沿線まちづくりに加え、新たに弥生町や大和町の防災まちづくりも加わるなど、ますます役割が重要になると思いますが、エキスパート職員の配置などについてお聞かせください。
○角経営室副参事(人事担当) まちづくりにつきましては、都市政策推進室や都市基盤部に配置して、まちの発展につながるまちづくり計画の立案や、地権者対応などで資産評価や用地買収交渉といった個別のまちづくりの課題に取り組む役割をも担うものでございます。委員御指摘のとおり、まちづくりの新たな展開に当たりまして重要な役割を担うものと考えてございます。
○ひぐち委員 私は、特にまちづくりにおいては、区民との信頼関係を構築できなければ事業もスムーズに進まないと思います。だからこそ、職員は5年や10年じっくりと腰を据え、現場と向き合う必要があると思いますが、いかがお考えですか。
○角経営室副参事(人事担当) エキスパート職員につきましては、一般職員の人事ローテーションよりも長期に職員を配置し、高度の知識、経験を継続して発揮することを期待しております。エキスパート職員認定制度は、まさに職場でじっくり腰を据えて活躍できるよう人事配置ができるものと考えてございます。
○ひぐち委員 最後に、債権管理です。厳しい財政の中、区の歳入確保は喫緊の課題であると思いますが、配置などはどのようにお考えですか。
○角経営室副参事(人事担当) 債権管理につきましては、区の主要債権を扱います税務分野や保険医療分野などに配置をしまして、徴収戦略の策定や滞納整理を進める中核となり、かつ債権徴収、納税納付交渉のリーダーとしての役割を期待しております。今年度から国民健康保険料の徴収担当に1名配置しておりまして、実効性のある国保の徴収計画を立案し、また日々の徴収業務では職員の先頭に立ち、生き生きと力を発揮しているという状況がございます。
○ひぐち委員 続いては、職員の能力開発についてお伺いします。既に多くの職員は一定の専門知識などを身につけていることと思いますが、私はさらに能力向上に励むべきと考えています。そこでお尋ねしますが、エキスパート職員の能力開発についてですが、認定された職員は具体的にどのようなキャリアアップのための方策が講じられているのか、また今年度予算措置等があれば、あわせてお聞かせください。
○角経営室副参事(人事担当) エキスパート職員は、今年度から5名配置してございます。7類型のうち、情報では情報改善分野に1名、それから、福祉生活支援では子ども家庭支援センターに1名、生活援護分野に2名、債権管理では保険医療分野に1名となっております。こういったエキスパート職員につきましては、専門性をより高めるために民間派遣研修の受講などを実施しており、今年度の実績としましては、福祉生活支援の職員が問題解決志向研修を受講しているほか、情報の類型の職員につきましては、これまで基本情報技術者の試験を受験し合格しまして、現在は応用情報技術者の資格取得に向け勉強中でございます。これら民間派遣研修や資格取得にかかわる経費の補助も行ってございます。今年度は、これら研修・受講、それから資格取得のための負担金のほか、先進自治体視察のための旅費なども予算化しているという状況がございます。
○ひぐち委員 これまでエキスパート職員認定制度についてお話をさせていただきました。私が思うには、エキスパート職員は専門性が高い職員でありますが、見方を変えれば、いわゆる専門能力だけが高いのでは困ると感じております。大切なことは、専門性を持ちながら、分野全体や区の政策を見きわめながら、自分の所属する分野以外のセクションも巻き込みながら政策全体をコントロールし、区として最善の政策が実行できるよう働きかけることを求めていきたいと思っています。区は、こうした視点からだと思いますが、T型人材の育成を目指しています。その具体的な方策についてお伺いします。
○角経営室副参事(人事担当) T型の人材育成につきまして、区は、昨年度策定しました人材育成ビジョンにT型職員の人材育成というものを描いてございます。T型人材の育成とは、幅広い視野と多様な職務経験というのをアルファベットのTの字の横棒ということで想定しておりまして、それを伸ばしていくということと、それとあわせまして、固定の分野において高い専門性や知識、能力を深めるということで、Tの縦の棒を深く掘り下げていくといったイメージで、T型人材の育成というふうに名付けさせていただいております。こういったことを実現するために、能力開発型研修の実施、それから育成型人事配置の確立、自己啓発の視点などによってこういった育成を進めていきたいというふうに考えてございます。
○ひぐち委員 最後に、私は、このエキスパート職員認定制度の成功の可否は、いかに計画的に人材を育成し、輩出し続けることができるかだと思っています。今後の区の取り組みについてお聞かせください。
○角経営室副参事(人事担当) 人事担当と各部が連携しましてさまざまな専門性を持った職員を発掘し、エキスパート職員の知識や能力を生かせる職場づくりを図っていくことが大切と思ってございます。また、エキスパート職員が活躍する姿を全庁的に知らせることによりまして、さらなる育成へと結びつけていきたいというふうに考えてございます。
○ひぐち委員 わかりました。ぜひともこの構想がしっかりと構築できればいいと期待をしております。以上でこの項目を終わらせていただきます。ありがとうございました。
二つ目の質疑をさせていただきます。公園の管理についてでございます。以前、中野区南台にある多田公園やささの葉公園に立ち寄ったところ、落書きが数多く書かれているのが目に飛び込んでまいりました。その落書きを掃除に来た方が言われるには、洗剤では落ちず、シンナーでもきれいには落とすことができないとのことでした。また、ささの葉公園では、トイレのドアは外され、全く使うことができない状態になっていました。残念なことにこのドアにも落書きがありました。幸い、このトイレのドアは改修されて現在はきれいな状態になっております。しかし、多田公園の落書きは塗装を施し、一時はその落書きは消えていましたが、その後再び落書きがされていました。いわゆるイタチごっこの状況です。
そこでお尋ねいたします。このような落書きを含めて公園内の清掃は現在どのように行っているのでしょうか。また、掃除以外に子どもたちが使う公園の遊具や樹木の管理は具体的にどのようにしているのか、お教えください。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 公園の清掃、遊具・樹木の管理の現状でございます。清掃につきましては、専門の事業者へ単価契約によります年間委託の方法により行っております。園内の清掃の頻度につきましては、おおむね週1回程度でございます。また、トイレの清掃につきましては、日常清掃が2日に1回程度、特別清掃につきましては二、三カ月に1回程度行っているところでございます。なお、先ほどお話がございました落書き等の特別なものにつきましては、基本的に職員が直接対応しているところでございます。
次に、公園の遊具の管理につきましてですが、2年前に専門家によります一斉の安全点検を実施しております。また日常点検につきましては、職員が順次巡回をして行っているところでございます。次に、樹木の管理でございますけれども、剪定等を専門の業者に単価契約によります年間委託をしているところでございます。剪定の頻度につきましては、おおむね3年に1回程度実施しているところでございます。
○ひぐち委員 それで、落書きをしたり、遊具などの公園の施設を故意に壊したり、また、ごみを不法に投棄したりする行為は目でわかるんですけれども、まだしやすいというふうに思うんです。しかし、一方で若い人たちが夜遅く目的もなく公園に集まってきて、大声を出したり、打ち上げ花火をやったり、バイクで騒音を出したりしている例があると聞いています。このような行為は、近隣にお住まいの方々にとっては大変迷惑だと考えられます。そこでお聞きしますが、このようないわゆる迷惑行為による苦情は年間を通してどのくらい公園担当者に寄せられているのでしょうか、お教えください。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 迷惑行為の年間の苦情件数でございますが、施設の改善であるとか不備等に関する苦情や要望、あるいは不法投棄、迷惑行為による苦情を集計いたしますと、年間でおおむね800から1,000件程度になります。このうち、騒音であるとか、あるいは不正占用、また不法投棄など迷惑行為に関するものはおよそ300件程度ということでございます。
○ひぐち委員 特に騒音については、既に公園などでのイベントをはじめ、学校や保育園などの近隣からも苦情などが寄せられているとも聞いています。多くの区民の方々から支持され、楽しみともなっている地域恒例の区民行事の開催継続にも支障が生じているとの話もあります。四季の森公園の開園に続き、中野駅新北口広場や南部防災公園など大規模な施設の整備が計画されており、南部防災公園には少年野球場の計画があったようにも聞いています。
そうなると、近隣の方々にはかなりの頻度で子どもたちの歓声などが響くことが想像できます。周辺住民にとっても大きな関心事であり、このままではせっかくの施設が十分に活用できない、利用が制限されるといった事態も招きかねないのではないでしょうか。単に公園の管理を強めればということでなく、にぎわいの創出や子どもたちの育成といったことをうまくバランスをとっていくことが不可欠であると考えております。
この公園などから、騒音については地域に根づいた伝統的な区民行事や子どもの教育・育成のための公共公益的なイベントなどの際まで、都の環境確保条例が全く例外なく一律に適用されてしまうということなのでしょうか。私は、同条例の拡声器に対する規制の適用に除外規定があるように、可能な限り地域での活動を支援するようなルール、解釈などにより、それらがつつがなく行われることを望みますが、いかがでしょうか。
○堀越環境部副参事(生活環境担当) 公園などの騒音に関する規制の適用についてお答えいたします。公園等でのイベントの開催に関しましては騒音対策が必要でありまして、周辺地域の環境に支障を及ぼさないため、区の指導を行うこととされております。イベントの騒音につきましては、開催内容や地域に適した対応等を行っていただく必要がありますため、現在、大規模なものにつきましては、公園等を行う担当が中心となって、騒音の発生予測や可能な防音対策等に関しての主催者や関係部署等の情報交換を密にしております。このように円滑な行事運営のため調整を図っているところでございます。
なお、先ほどのお話にございました拡声器の使用についてでございますが、こちらは都民の健康と安全を確保する環境に関する条例第130条の中で、直接騒音を発生する状態での屋外使用はできないとしているものではございますけれども、既に地域慣習となっている行事等につきましては、土地の用途別の基準等を遵守して行っていただく場合には使用が可能とされております。また、この条例の適用に関しましては、昨年、東京都から、区が公園等で行っている2日間程度の住民主催のイベントにつきましては、継続性などの点から一律な騒音規制の適用にはなじまないものと考えるという解釈を得ておりまして、このような視点からの運用も行っているところでございます。
○ひぐち委員 今の御答弁を踏まえて、公園管理者担当にお伺いします。伝統的行事や区民が楽しめるとする行事、社会貢献に資する行事など、公共公益性の高い事業については騒音の抑制に努めつつも、都の除外規定を踏まえ、イベント事業の主催者に対し適正に行われていくよう、どのように求めていくのかお伺いいたします。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 公園の敷地内で行われますイベントの実施につきましては、地域のコミュニティ生成であるとか地域振興、あるいはまちのにぎわいづくりの観点などから、ある程度の音量が発生することはやむを得ないものと考えております。公園管理者としましては、東京都のいわゆる環境確保条例及び同条例の適用除外規定の趣旨を踏まえて、公園占用許可の際に、イベントの主催者に対しまして、例えば事前に近隣の方々にイベント内容について説明したチラシを配布していただくなど一定の許可条件を示して、周辺住民の皆さんの理解を得ながらイベントを実施していただくようお願いをしていきたい、このように考えております。
○ひぐち委員 場合によっては、公園整備の計画段階から周辺地域の方々とともに活用のあり方や使い方のルールづくりといったことに取り組んでいくことが必要ではないかと思いますが、見解はいかがですか。
○石井都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 南部防災公園の例がございましたが、大規模公園にはいろいろな運動ができる多目的広場を計画しておるところでございます。これまでも公園の設計に当たりましては、基本計画、基本設計といった段階で区民の方々と意見交換を行って、できる限りその意見を取り入れてきておるところでございます。公園の利用ルールにつきましても、今後、開園前に区民の方々と意見交換を行いながら、定めていきたいというふうに考えております。
○佐野委員長 ひぐち委員の質疑の途中ですが、ここで3時休憩に入りたいと思います。3時20分まで休憩したいと思います。
午後2時58分休憩
午後3時20分開議
○佐野委員長 それでは、委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、総括質疑を行いたいと思います。
○ひぐち委員 先ほどの質問の続きになります。公園の運営についてお伺いいたします。公園には花などの植物を植えて地域の人たちがみんなで楽しめるような、そうした公園でありたいと思います。かつて私が今よりずっと若かりしころ、栄町公園にはスミレの花が一面咲き乱れている、そうした時期がありました。公園は万人の人たちに利用されるものですから、その管理や運営は大変だと思いますが、せめて落書きがなくなり、季節の花を植えられるような環境にしていきたいと思います。そのためには、公園に樹木や草地だけでなく花を植えて、子どもたちを含め、地域の人たちが率先してマナーを守り、みんなで利用している公園だという意識を持ってもらえるような、そうした公園の運営が大切だと考えますが、区としての見解をお聞きいたします。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 公園はさまざまな人たちが利用する施設でございます。そのために不適正な利用も多く、管理者として管理運営の難しさを実感しているところでございます。区では、地域の皆様方に公園内で花を育てたり、清掃活動をしていただけるよう、平成20年6月に地域住民による公園等の管理作業に関する要綱を定めております。この要綱では、区民の方3人以上で構成するグループにより、花壇づくりや清掃活動等ができる規定にしております。ぜひ多くの区民の皆さん方に御参加いただきまして、このことによって公園はみんなのものであるという意識が広がって、マナーのよい公園になればと願っている次第でございます。
○ひぐち委員 先ほどのような近隣や地域にとって迷惑となる行為を抑制していくための一つの方策として、防犯カメラの設置は大変効果があると聞いています。そこでお伺いしますが、防犯カメラを設置している公園はあるのでしょうか。あるとすれば、幾つの公園に全部で何台くらい設置しているのかをお聞きいたします。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 防犯カメラを設置している公園はございます。全部で4カ所の公園になります。防犯カメラの設置台数につきましては、全部で8台になります。
○ひぐち委員 一方で、防犯を目的としたカメラの設置がふえていくことは大変残念なことだと思います。問題は、これら迷惑行為に走っている若い人たちの中には、近くの中学生も含まれているということを聞いています。公園に集まってくる若い人たちが落書きをしたり、公園の施設を壊したり、大きな声や音を出して近所に迷惑をかけている事態を私は決して見過ごしてはいけないと思います。一番大事なことは、子どもたちに人に迷惑となるようなことは悪いことだということを学校教育の中でしっかりと教え込み、また、学校から家庭に注意を促すことはできないのでしょうか。
そこでお伺いいたします。落書きや公共物の破損をしない、させないなど取り扱いの注意を学校教育の中で呼びかけていかなければならないと思いますが、区の見解をお聞かせください。
○川島教育委員会事務局指導室長 自立した社会人となるために、児童・生徒に社会のルールを守ることなどの規範意識を育てることは教育基本法にも示されており、また、新学習指導要領における道徳教育においても重点とされているところです。学校では道徳や学級活動を通して、公共物を大切にする、他人に迷惑をかけないことなどを発達段階に応じて指導しているところですが、引き続きその充実に努めてまいりたいと考えます。
○ひぐち委員 確かに子どもたちにとっては、親から、あるいは先生から注意をされるということも必要ですが、むしろ子どもたち自身がみずからの責任を自覚して、善悪の価値観を身につけ、社会貢献のとうとさに気づいていくことが大切だと思います。例えば子どもたちが協力して落書きを落とすとか、公園の掃除を行うなど、子どもたちが主体的に率先して地域社会に貢献できるような機会を情操教育の一環としてつくってはどうでしょうか。みずからの活動が人に喜ばれ、社会にとって有益でよいことなのだということを気づかせる教育も大切だと思います。区の見解をお伺いします。
○川島教育委員会事務局指導室長 これまでも学校と地域が連携をした取り組みを行うことが重要であると考えておりまして、学校では例えば地域清掃を行ったり、または高齢者に子どもたちが自分たちで育てた花をお配りするなどのボランティア活動を通して地域に貢献し、地域を愛する心情を育てる活動を行ってきております。今後も家庭と地域、そして関係機関と連携を図りながら、社会の一員としての自覚を身につけられるような教育活動が充実するよう学校に対して働きかけてまいりたいというふうに考えております。
○ひぐち委員 モラルの低下を放置するなど、落書きや時間や場所をわきまえない騒ぎをそのままにすることは、それらはさらに拡大し、悪循環を生じます。いわゆる割れ窓理論の現実化となってしまいます。区民の協力とモラルの確立を目指し、子どもから高齢者だれもが親しめる公園にしていただきたく、努力をしていただきたいとお願いいたします。これでこの質問を終わらせていただきます。
3番目に、中野区の人口増加の影響について御質問をさせていただきます。
以前、新聞の1面に2100年には東京都の人口は半減するとの記事が載っていました。これをそのまま中野区と照らし合わせては中野区の実情と隔たりのある数字になりかねないと思います。我が会派としては、中野駅周辺まちづくりや防災まちづくりによって、ファミリー世帯の増加や昼間人口の増加を期待しているところですが、今回の質問は、高齢者の増加と外国人の増加による影響とその対策についてに特化してお伺いいたします。
国勢調査では、65歳以上の高齢者が平成17年度には5万6,518人で、平成22年度では6万1,567人と過去最高になりました。そこで質問ですが、高齢者の社会基本調査によると、65歳以上の高齢者で軽い体操やウオーキングなどのスポーツをしている人は51.4%という数字が出ています。高齢者の健康増進のためにもスポーツの施設が必要と思いますが、今後どのように考えているのかお聞かせください。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 今後ますます高齢人口が増加する中、こうしたスポーツを行っている高齢者はもちろん、今までスポーツ習慣のなかった高齢者にも、地域で仲間と交流を深めながら積極的に健康づくりを行っていただくことが大切であり、健康寿命の延伸につながるものと考えております。そのため、身近な地域で気軽にスポーツを行える施設が必要だと認識しておりまして、区内4カ所に地域スポーツクラブの拠点となる施設を整備する予定でございます。
○ひぐち委員 また、高齢者を受け入れる老人ホーム等の施設が必要になってくると思います。高齢者の人口の増大に対して高齢者の入居施設はどのような対策を考えているのか、お伺いいたします。
○小田健康福祉部副参事(福祉推進担当) 区といたしましては、平成24年3月策定の中野区保健福祉総合推進計画2012及び第5期中野区介護保険事業計画におきまして、特別養護老人ホーム、認知症グループホーム、都市型軽費老人ホーム等を整備していく予定でございます。着実に進めていきたいというふうに考えております。
○ひぐち委員 ぜひ着実に進めていただきたいと思います。
次に参ります。見守り・支えあい事業対象者の数も多くなると思います。対応する職員の数と地域の協力者が必要になると思われますが、いかがお考えでしょうか、お答えください。
○朝井地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 区といたしましては、見守りや支援を必要とする方の数の増加に備えまして支援の担い手をふやすように努めるとともに、さまざまな関係機関との連携によりまして、支援の必要な方が必要な支援を受けることのできる体制をつくっていくことが必要であると考えております。また、職員については地域と連携し、見守りの体制が機能するよう支援をしていくことが役割であり、職員数に応じた体制整備により、見守り・支えあいを推進していくことが必要であると認識しております。
○ひぐち委員 続いて、外国人の増加について。1万1,000人を超える人口のその対応が求められます。今後、大学や企業の誘致によってさらに増加すると思われ、まず看板や案内表示について外国人に、そして高齢者にもわかりやすくする必要があると思いますが、どのような対策を考えているのかお答えください。
○酒井政策室副参事(広報担当) 区が区内に設置しているサイン案内板の施設名には、現在、すべて案内地図には班名と町名、主要な道路や施設に英語を表記しております。その他の言語の併記については、どのような国の人口が今後ふえていくのかとかその動向を見ながら、見やすい表示となるように表記法を検討したいと思っております。高齢者の方にわかりやすい表示についても必要だと考えております。それについてもどのような表示がいいのか検討したいと思っております。
○ひぐち委員 また、地震などの災害時のマニュアルなどを高齢者や外国人にもわかりやすくすることが必要と考えますが、どのように考えていらっしゃるでしょうか。
○佐藤都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 区では、避難所、広域避難場所等を示した地図や災害に対するふだんの備えや発災時の対応などについて記載したパンフレット「中野の防災」を作成しておりますが、その英語版、中国語版、韓国語版、これらについては既に作成をしております。今後も、パンフレット等を作成更新するような際には、外国人、高齢者に配慮したものとするように留意してまいりたいと考えてございます。
○ひぐち委員 そして、外国人は生活や文化の違いから、ごみの出し方、あるいはマナーについても指導していかなければならないと思いますが、いかがでしょうか。トラブルや相談事がふえるので、この辺の人間関係の相談窓口はどのように考えているのか、お聞かせください。
○鳥井清掃事務所長 ごみ出しのルールでございますが、例えば資源とごみの分け方・出し方のリーフレット、また、ごみの集積所に立っております看板などでお示しをしているところでございます。これらにつきましては日本語、英語、中国語、ハングルによるものも作成をしてございます。実際にルールの守られていないごみが出されたという場合には、注意事項を表示したシールを張りまして指導をしているところでございます。また、特にこれは外国人の方も含めてでございますが、アパートなどに入居している方に対しましては、ごみのルールを守っていただくよう、オーナーの方や管理会社などを通じてお願いをしてございます。
また、こうしたことに関するトラブル、相談の窓口でございますが、清掃事務所でお受けをしてございます。各地域を担当する職員を置いてございますので、これが中心となり、対応をしているところでございます。また、その状況によりましては、ごみ集積所の改善などを専門に担当する指導班、あるいはアパート専門チームがきめ細かく対応をしているところでございます。今後もこうした取り組みを進めてまいります。
○ひぐち委員 こんな質問をさせていただくのは、これから中野区に人口がふえてまいりますし、2100年といってもまだ88年先でございますので、そういうことに関して、中野区は外国人もふえますし、企業も誘致されて中野駅の北口には特に人口がふえてくる。こういうことで、中野区のいろんな分野が、そういった外国人に対する、あるいは高齢者に対する人口増加について強力に進めていかなければならないことがふえてくるのだろうと思っています。
最後に質問をさせていただきますけれども、中野区としての取り組み、また、今後進めるに当たり、どのような方策を打ち出していくのか、お答えください。
○野村政策室副参事(企画担当) 駅周辺開発などに伴う人口増といったことに行政運営はどう対応していくのかという御質問でございます。私ども区といたしましては、これまでも人口などの基本的なデータにつきましては、基幹統計なども踏まえて将来推計を行いながら、計画的な行政運営というものに努めてまいりました。また、中野区全体ということだけではなくて、例えば大規模なマンションができるといった特定地域での行政需要の変化といったものにも、各事業部がシミュレーションをするために必要となる情報につきましては、企画部門が統計情報レファレンスとして必要情報を提供してきているところでございます。
今後でございますが、駅周辺まちづくりなどによりまして、昼間人口、夜間人口、あるいは高齢者・外国人の人口といったものが変化していくということにつきましても的確に予測できますよう、各事業部を支援してまいりたいというふうに思ってございます。
○ひぐち委員 ありがとうございました。以上ですべての質問を終わらせていただきますけれども、生活保護費の不正受給については、担当者の方に取材をしておったのですが、質問を割愛させていただいて申しわけありませんでした。
以上をもって私のすべての質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○佐野委員長 以上でひぐち委員の質疑を終了いたします。(拍手)
続きまして、内川和久委員の質問をお願いしたいと思います。
○内川委員 皆様、大変お疲れさまでございます。本日最後の質問でございますので、おつき合いのほどよろしくお願いいたします。
質問は通告どおりでございます。その他はございません。早速質問に入らせていただきます。
1番、地籍調査についてでございます。
東日本大震災による津波の被災地や大規模地震が想定される東海地方で、土地の境界を決めるための調査、地籍調査に国土交通省が本格的に乗り出しました。境界が不明確なままだと復興事業や防災事業に支障が出るためです。地籍調査は開始から60年過ぎても全国でまだ半分しか終わっておらず、しかも実施するかどうかは首長の判断で分かれるため、地域ごとの差が大きい事業とのことです。まず初めに、地籍調査について簡単に御説明ください。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 地籍調査は、国土調査法に基づく国土調査の一つでございます。主に地方自治体が主体となって、1筆ごとの土地の所有者、地番、地目を調査し、境界の位置と面積を測量し、土地に関するさまざまなデータを確認し、確定していく作業であるということでございます。
○内川委員 地籍調査は主に市町村が主体となって行う調査で、いわば土地に関する戸籍です。地籍調査が進めば、災害で地形が変わっても迅速な復興復旧が可能となります。2004年の新潟県中越地震では、地籍調査を終えていた地域での県道復旧は約2カ月だったのに対し、未実施の地域では約1年かかったそうです。また、阪神大震災では土地区画整理など復興事業でトラブルが続出し、土地の境界をめぐる紛争で隣家の人を包丁で刺すといった事件まで起きたそうです。地籍調査が進めば、土地の登記の情報が正確なものに改められるので、土地境界をめぐる紛争を未然に防止できるばかりではなく、土地取引の円滑化や土地資産の保全を図ることができます。
本日、ここでは、災害後の迅速な復興復旧という観点から、地籍調査について幾つか質問をさせていただきます。まず、23年度の中野区の調査状況と区全体の進捗状況を近隣他区と比べてお聞かせください。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 平成23年度の調査状況、あるいは区全体の進捗状況でございます。平成23年度の調査は、東日本大震災の影響によりまして、中野区内でも平均で東へ約30センチメートルほど移動しておりました。このために本来の地籍調査は中止しているところでございます。現在、地籍調査を早期に再開していくために、測量の基礎となります公共基準点の測量を平成23年度及び24年度の2カ年にわたりまして実施しているところでございます。
現在、中野区の地籍調査は官民境界等先行調査により実施しております。この方式は、区が所有している土地と民間の土地との境界を先に確定していくものでございます。この方式による進捗状況ですが、これまで江原町地区が終了いたしまして、江古田二丁目及び三丁目の各一部の工程を終了しているところでございます。
次に、進捗状況の比較でございますが、区内の総面積に対する境界が確定した道路の面積の比率を使用しております。これによりますと、中野区の進捗率は1.1%になります。隣接区の進捗率につきましては、平成22年3月の時点において、新宿区は10.1%、板橋区6.8%、練馬区1.5%です。なお、杉並区は平成24年度から事業を開始しております。また、渋谷区につきましてはまだ実施していない状況でございます。
○内川委員 昨年は震災の影響で中断をしているということで、進捗率も非常に低いというところでございます。決算説明書の436ページ、地籍調査でございます。予算が100万円余、支出済額が45万円、執行率41%ということなんですが、この執行率の低さの主な要因をもう一度お聞かせください。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) この予算は、当初予算は3,200万円ほどあったものが、補正予算で109万円ほどに減額したものでございます。これは、先ほど申し上げた東日本大震災の影響によりまして地籍調査を一時中断しました。その結果、減額補正をしたものでございます。執行率につきましては、減額補正した残りの予算、これは一般需用費が中心でございます。地籍調査を現在は中断しておりますけれども、必要な範囲内の事務処理ということで執行している部分でございます。
○内川委員 わかりました。次に、主要施策の成果の237ページにも地籍調査が出ております。平成21年が事業費2,800万円余、人件費が約2,000万円余、平成22年度は事業費が3,800万円余、そして人件費が2,700万円余。それで、23年度が今御説明がありましたけれども、事業費が45万円少しということで、人件費は2,100万円余かかっているんですが、減額補正しても人件費だけは別で残ってしまったという解釈でよろしいですか。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) それは地籍調査の事業費ということで計上している額で、先ほど申し上げましたように、四十万何がしの金額というのはあくまで一般需用費の話であって、人件費と事業費とは別にしたものでございます。
○内川委員 これは外部にも委託している調査ですよね。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 平成21年度、22年度の2,000万円ないし3,000万円の金額は、測量等調査の委託費が中心になります。
○内川委員 この件はまた分科会で詳しくお聞きしたいなと思っております。先ほどから、中野区も含めて近隣他区の地籍調査の進捗率が非常に低いといった話がありましたけれども、なかなか調査が進まない原因、要因はどういったものがございますか。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 調査がなかなか進まない原因は幾つかございます。一つ目としまして、地籍調査というのは1筆ごとの土地の所有者、地番、地目を調査し、境界の位置と面積などを確定していくものでございます。中野区のように過密な都市部では土地が細分化し、権利関係が複雑になっております。このために慎重に作業を進めていくことが求められているということがございます。二つ目には、地籍調査の実務というものが高度で専門的な知識や経験が必要になっております。一定数の技術職員を確保し、専門的なスキルを身につけるなど、職員の養成と蓄積を図っていくことが非常に重要になっております。
さらにつけ加えれば、地籍調査事業は、測量の費用は補助対象でございますが、確認した境界くいなどを設置する費用は補助の対象外になっております。このため、区独自の予算措置も必要でございまして、単年度に実施できる範囲はおのずと限られてくるということになります。このような事情がありますので、地籍調査を早期に進めていくことが難しい状況にはございます。
○内川委員 今、御説明があったとおり、普通の個人の場合は土地取引等を行う回数は生涯では少ない、限られていると考えます。また、地籍調査を実施していない地域であっても、実態として土地取引は行われていますので、地籍調査の必要性や効果が住民の方々に十分理解されていないという現実があります。今後、地籍調査の必要性、重要性について区として啓蒙啓発活動も必要だと考えますが、区のお考えをお聞かせください。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 地籍調査は、災害復旧や土地活用などの点で必要かつ有用な事業と考えております。地籍調査を実施する地域におきましては、権利者の方々の理解や協力が得られますよう、その都度住民の説明会を実施しております。また地籍調査につきましては、ホームページなど広報媒体を活用して、広く区民の皆様方にその必要性や重要性につきまして御理解いただけるよう、今後も周知に努めていきたいと考えております。
○内川委員 液状化や地割れのおそれがある地域では、土地の境界が不明確なまま地形が変化すれば、道路や水道などの復元に支障が出るおそれがあります。今後30年の間に必ず起こると言われている関東から東海地震に備えて、減災・防災対策はもちろんのこと、震災後の迅速な復興復旧に今から備えることも大切です。今後の中野区の調査の進め方、そして、今のままのペースでいくとあと何年で調査が完了するのか、そこら辺をお聞かせください。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 大震災によりまして中断しています地籍調査を早期に再開するため、平成23年度は中野区の2級基準点の測量業務を行いました。引き続き今年度は3級基準点及び関連する座標変換等の作業を行っていくところです。これにより、来年度は早期に本来の地籍調査を再開していくことにしております。
その結果、来年度は、中断しております江古田二丁目及び三丁目の一部の地域と連続する地域で新たに地籍調査に着手していく予定でございます。また、その後は震災復興という観点からも調査地区を広げ、着実に進めていきたいと考えております。今御質問がありました、このペースでいくとどのぐらいかかるかということですけれども、単純に計算をすれば、約60年近くかかってしまうかなという感じは持っております。
○内川委員 60年かかるということですね。それでは、調査に当たる職員構成についてお伺いします。職員構成についてはいかがでしょうか。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 平成22年度までは土木の専門職員3名で、通常業務を担う中で兼務によりこの調査業務を行ってまいりました。地籍調査の測量は測量会社等に委託して行っておりますが、地籍調査を遂行するためには専門的な知識及び豊かな経験ある職員を確保していく必要がございます。今後も日常の通常業務の改善を図りながら、地籍調査に関する専門的な技能を有する担当職員の育成に努めてまいりたいと思います。
○内川委員 技術系の職員の方が今は少ないということも言われております。今後、西武新宿線立体交差事業に伴う各計画や、木密地域不燃化10年プロジェクトに伴う測量業務が増加すると思われます。区の体制はどのようになっているのでしょうか。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 区の重要な施策でございます西武新宿線連続立体交差事業やまちづくり関係事業では、測量業務等を伴う事業が予定されております。各事業の進捗などを考慮し、職員体制につきましては連携を図りながら、必要な職員の確保と体制の整備を適切に図るようにしていきたい、このように考えております。
○内川委員 次に、先ほど補助対象の事業だというお話も出ていました地籍調査に関して、財源構成はどのようになっているのでしょうか。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 地籍調査は、その事業費に対しまして、国が2分の1、東京都が4分の1の補助を行っております。残りは区が4分の1を負担するという構成でございます。ただし、区の負担につきましても都区財政調整交付金の対象事業になっております。区負担分の5分の4程度、全体の5%程度で賄えております。
○内川委員 全体の5%の負担でできる事業ということでございます。中野区の厳しい財政状況は十分承知しておりますし、職員さんの確保も難しいと考えております。また、非常に手間暇のかかる調査だということも重々わかっております。しかし、地籍調査は、大規模災害が起こるたびにその必要性は言われてきました。必ず訪れる大震災に備えて、そして震災後の迅速な復興復旧に向けて一日も早い地籍調査の完了を望みます。改めて区の考えをお聞かせください。
○古屋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 地籍調査は、財産の保全とともに、災害復旧やまちづくり、不動産取引の活性化などさまざまな観点から、その必要性や重要性につきましてはこれまで以上に増していると認識しております。必ず訪れると言われております大震災の前に少しでも多くの地区で地籍調査が進んでいくように職員等の体制づくりにも努め、事業を着実に推進していく所存でございます。
○内川委員 30年以内に大震災が起こる確率がかなり高いと言われていますので、先ほど、全部終わらせるのには60年かかるということですが、半分にするのもなかなか厳しいと思いますけれども、一日でも早く完了するように要望をして、この質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
2番の規制外の重層長屋についてお聞きします。
第2回定例会において規制外の重層長屋について質問をさせていただきました。重層長屋はテラスハウスなどと呼ばれ、建築要件が緩いため、本来共同住宅の建築が不可能である旗ざお状敷地、これは道路に面する部分が路地のように狭くて、奥が広く広がっている、旗ざおの形状に近いものを旗ざお状敷地というんですけれども、そういった敷地にも建築が可能であり、しかも敷地ぎりぎりに計画を進めるため、周辺住民とのトラブルも後を絶ちません。まず初めに、重層長屋と共同住宅の違いについて簡単に御説明ください。
○豊川都市基盤部副参事(建築担当) 集合住宅は、大きく分けまして共同住宅形式と長屋形式に分類をされます。共同住宅とは、各住戸が共用する階段や廊下がある集合住宅を申しまして、長屋とは共用の廊下や階段がなく、住戸が隣接または上下で重なり合う形式の集合住宅をいいます。そのうち、住戸が上下に重なり合う形式のものが重層長屋でございます。法的な規制でございますが、東京都建築安全条例の規定ですと、旗ざお状敷地には共同住宅の建築はできませんが、長屋に関してはそういった敷地形状による規制はないということとなっております。
○内川委員 旗ざお状敷地にはアパート、マンションは建築できないんですけれども、重層長屋という形式をとると、見た目はまんまマンションなんですけれども、建てられてしまうといったことです。先ほど指摘をしましたように、この重層長屋については、建物の用途は共同住宅とほとんど差がないにもかかわらず、共同住宅の建築が不可能な旗ざお状敷地にも建築が可能となってしまうことから、脱法マンションであるとの指摘もあります。
現在、計画が進められている中野区内の現場では、私も何度か地域説明会へ出席をさせていただきました。旗ざお状敷地の工事現場では、本来、当然マンションやアパートは建築できないはずですが、重層長屋形式で、地下1階、地上3階、総戸数17戸という建物が建てられようとしています。説明会において近隣住民より、防災上の観点から重層長屋建築計画を見直し、一戸建て計画へ見直すよう要望をしましたが、業者側からの回答は、ここに業者側からの回答書があるんですけれども、「本来、この土地は当初よりマンション事業を目的として取得しておりますので、事業採算上戸建て事業計画への見直しはできないことを何とぞ御理解いただきたくお願い申し上げます」といった回答が正式に出ております。全くひどい話だなと思います。
しかも、隣地との境界を60センチしかあけない計画案が出されました。しかし、消防署からの危険であるという指摘と、近隣住民の猛反発に遭い、何度も説明会を行った結果、ようやく総戸数で1戸減って16戸、最大で2.3メートル、最小で1.2メートル隣地の境界から空地をあける設計へと変更されました。このような防災上問題のある、近隣住民の安全・安心を無視するような建築計画について、区はどのように考えているのでしょうか。
○豊川都市基盤部副参事(建築担当) 今、委員が御紹介いただきました旗ざお状敷地での重層長屋でございますが、これは法的には適法な建築物ではございますけれども、今、御指摘のようにそういう声が出ているのも事実でございますので、中野区の独自条例であります中野区集合住宅の建築及び管理に関する条例の規制対象となるものにつきましては、事業者に対しまして、設計基準の遵守ですとか、近隣関係住民への計画の十分な説明を求めていくところでございます。
○内川委員 なかなかお答えしづらいと思いますけれども、脱法であるという指摘に関してはどのように考えますか。
○豊川都市基盤部副参事(建築担当) 脱法の定義がそもそもなかなか難しいところでございますけれども、あくまでも形式的には適法だと思います。ただ、法の趣旨からいきますと若干疑問がないではありませんが、あくまでも建築主事という立場からいいますと適法であると言わざるを得ないと思います。
○内川委員 限りなく黒に近いグレーといいますか、脱法的なという解釈にさせていただきます。世田谷区においては、住民トラブルが相次いでいるため、区の住環境条例を一部改正し、路地状敷地での大規模な重層長屋の建設について、周辺の住環境確保のための規定を適用する予定であるとのことです。路地状敷地における重層長屋等の制限について、23区の状況と中野区の状況についてお聞かせください。
○豊川都市基盤部副参事(建築担当) 23区におきましては、旗ざお状敷地における重層長屋の建築そのものを制限している区はございません。それから、御指摘の世田谷区についてでございますけれども、旗ざお状敷地に長屋を建築する場合には、隣地境界線からの一定の距離を確保することを求めようとする条例を現在出しているところでございます。
それから、中野区においてでございますけれども、先ほど申し上げました集合住宅の建築及び管理に関する条例におきまして、条例適用となる規模の長屋につきましては、隣地境界線からの空きですとか、駐輪場の確保、適正な管理などを求めているところでございます。
○内川委員 東京都においても、重層長屋の建築状況や近隣住民とのトラブルについて実態調査を進めたとのことです。現在の状況をお聞かせください。また、第2回定例会一般質問の答弁において、今後、東京都に対して東京都建築安全条例の改正による重層長屋の規制強化を求めるとともに、都の対応が行われない場合は区で独自の規制を行うことができないか検討していきたいとの答弁をいただきました。重層長屋は区条例では建設を禁止することは難しいとのことです。区住環境条例の改正など建設条件を厳格化することはできないでしょうか、もう一度お聞かせください。
○豊川都市基盤部副参事(建築担当) 東京都が昨年取りまとめました長屋の実態調査によりますと、東京都内で旗ざお状敷地に建築確認がありました延べ床面積が300平方メートル以上の長屋は、平成21年4月から23年9月までの2年半で約300件あったとのことでございます。それらの中には、住宅地におけるマンション建設に見られるような近隣紛争となる事例がある一方で、周辺の住環境に配慮して建築物を隣地境界線から後退させた事例もあるとのことを聞いております。
それから、現在、そういった状況を受けまして、重層長屋の問題点や規制のあり方等につきまして、23区の建築行政担当と連携いたしまして、検討を開始したところでございます。検討結果をもとに、東京都建築安全条例見直し等を東京都に求めていきたいと思っておりまして、ただ、この見直しが行われないといった場合には、御指摘のとおり区で独自の規制ができないかもあわせて検討していきたいと考えております。
○内川委員 ありがとうございます。この項の終わりに、重層長屋への規制が強化される動きが現在進んでおります。最近、規制を強化する前に駆け込み的に重層長屋を建設する動きがあります。安心・安全なまちづくりを進める中野区に、これ以上、防災上、安全上問題のある危険な建築物をつくらせないために、早急に区の集合住宅条例の改正などによる建設条件の厳格化が必要と考えます。区の考えをお聞かせください。
○豊川都市基盤部副参事(建築担当) 中野区独自で重層長屋の建築そのものを禁止することはなかなか困難かと考えます。ただ、今申し上げましたように、中野区のまちの状況等を勘案しまして、一定の立地の条件は課せられるのではないかと考えておりますので、その辺は状況を十分見ながら、あるいはほかの区と連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
○内川委員 具体的にその条例を改正するとしたら、いつごろをめどにやられますか。
○豊川都市基盤部副参事(建築担当) 現在、23区の建築行政担当で建築安全条例の内容について検討しておりまして、これが年度末をめどに取りまとめをする予定でございます。その取りまとめ状況を見ながら、区として対応する必要があるかどうか考えたいと思っております。
○内川委員 ありがとうございました。
それでは、次の質問に移らせていただきます。3番の中野駅地区再開発についてでございます。
中野駅地区第1期整備は、北口東西連絡路の完成とともに無事完了いたしました。区は、駅を中心にどのブロックへも自由に行き来できる歩行者動線の整備や、昨年発生した東日本大震災の影響などを踏まえ、中野駅周辺まちづくりグランドデザインの改定を行い、バージョン2からバージョン3へと今後のまちづくりの指針と内容をこのたびまとめました。バージョン3の一つの目玉として、今回新たに中野駅ビル構想が打ち出されました。本日は、駅を中心とした回遊動線が、西口改札にもその大きな影響を与える駅ビルについて幾つか質問をさせていただきます。
その前に参考として幾つかお聞きしたいんですが、先日、東中野にオープンしたばかりのアトレビルについて、その完成までのプロセスをお聞きしたいと思っております。まず、東中野の駅ビル誘致に区が積極的にかかわったのか。また、JRが駅ビル誘致を決定した背景、またその要因をお聞かせください。
○相澤都市基盤部副参事(都市計画担当) 東中野駅前広場の整備計画案を検討している状況の中で、当初から西口改札口と駅前広場を結ぶ線路上空の活用が課題となってございました。その後、線路上空活用に向けた区とJRとの具体的な協議の中で、人工地盤整備は区とJRが共同して行う。区が自由通路を設置するとともに、JR側は人工地盤の一部を事業用施設として使用するということになったということでございます。JR側で事業用施設として投資効果なども勘案し、駅ビルの建築を決めたというものでございます。
○内川委員 あくまでもJRとしては投資に見合った回収という意味で駅ビルを今回つくった、決定したということだと思います。駅ビルの件なんですが、いつ、どの時点でJR側から正式に発表されたのでしょうか。発表から工事着手、工事完了までどのぐらい時間がかかったのでしょうか。
○相澤都市基盤部副参事(都市計画担当) 区とJRの協議の中で、平成20年当時にJR側から事業用施設として駅ビルを予定しているということが示されてございます。JRの駅ビルは、平成22年7月の建築確認手続等から始まりまして、平成23年4月から基礎工事に着手し、本年8月末に完成したものでございます。工事着手からはおおむね1年4カ月程度かかって完成してございます。
○内川委員 おおむね3年から4年ぐらいかかっているということだと思います。中野駅の場合はかなり建物の規模も違うと思いますけれども、やはり最低でも3年、4年ぐらいかかってくると考えてよろしいでしょうか。
○相澤都市基盤部副参事(都市計画担当) 実際の工事というものはその状況状況によって違うと思いますが、JR側も計画的に進めるという意味ではある程度の時間というものを要するというふうに考えてございます。
○内川委員 そうすると、平成27年には西口改札及び南北通路が完成予定とされていますけれども、それに間に合わせるためには、遅くとも今年度中ぐらいには正式につくるのかつくらないのか、そこら辺のことが決まってこないと計画全体がおくれてくるということでよろしいでしょうか。
○相澤都市基盤部副参事(都市計画担当) 東中野の件を私は御答弁申し上げましたが、中野駅については、まだ詳細なことは私のほうからはお答えできないということでございます。
○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 前後してしまうかもしれませんけれども、中野駅については現在、西口南北通路、西口改札、それから改札に必要な駅施設、駅舎等一体の計画をし、これについては平成26年度に都市計画決定を目指して、都市計画事業として整備するという予定になってございます。これに向けて今、JR東日本と協議調整を行っている段階でございます。整備完了は、第2期整備ということでまだ幅がある言い方になってしまいますが、平成30年から32年ごろを予定してございます。
○内川委員 またおくれたんですね。それでは、中野駅の駅ビルに関して質問を移していきます。西口改札の整備と、今お話があったんですけれども、駅ビル実現に向けた現在の進捗状況をお聞かせいただきたいんですけれども。
○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 今もお答えしましたとおり、平成26年度の都市計画決定を目指しまして、現在、JRと事務レベルで調整を行っております。また、必要に応じて都あるいは学識経験者の先生等にもアドバイスをいただきつつ、特に、南北通路に関しては北側の取り付け、南側のおろし方、あるいは幅員をどの程度にしたらいいのかといったことについて協議調整をしている段階でございます。
○内川委員 中野駅を中心とした回遊動線は、現在、北口東西連絡路のみ整備がされています。今後、西口改札整備に伴う南北通路、南側東西通路、東側の南北通路の整備がこれから控えております。西口南北通路の形態はおおよそ予測ができますが、南側の東西通路、東側の南北通路の計画はまだまだ白紙に近い状態で、これらをそれぞれ単独で整備するには相当な予算規模が必要となります。今回、中野駅ビル計画が進められることにより、駅ビルを活用して南側の東西通路が整備されれば、予算的にかなり圧縮されると考えます。基本的な区のお考えをお聞かせください。
○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 南側の東西通路に関しては、区としても中野駅周辺の回遊性の向上ですとか、鉄道南側の地域における中野通りを挟んだ機能連携といった観点からも、重要な歩行動線であると考えております。この東西動線を整備するのにかかわらず、西口改札や南北通路に関しても、これを実現するにはJR東日本の協力が不可欠になっております。ですので、現在、その整備実現の可能性についてJR東日本と検討協議をしているところでございます。
○内川委員 西口改札は、四季の森公園方面への乗降客動線をスムーズにし、これから約2万人も増大すると言われている中野駅の乗降客をより安全に快適にさばくために、早期整備が望まれる改札であります。このたび再整備された北口改札は、直線的に広場へと出られるよう動線が改良されたものの、改札機の数は以前と変わりません。吉祥寺を抜くほどに一気に増大する乗降客にしばらくは現状のままで対応することになります。先ほど平成30年ごろというお話がありましたけれども、それまで現状のままで対応すると考えますと不安を覚えます。区はどのように考えているのか、お聞かせください。
○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 中野駅地区の第1期整備による中野駅の現北口広場、それから東西連絡通路の整備によって、中野四季の都市開発による中野駅利用者の増加への対応については、第1段階が完了したことになります。ただ、今回の整備で中野駅北口の改札の位置も北口広場に面する位置につけかえをいたしましたけれども、現在、ピーク時には改札付近で利用者の交錯が生じて歩きにくい状況にあるということは確かかと思います。安全で快適な広場における通行が可能なように、JR東日本には中野駅の北口改札付近の現在の動線の交錯を改善するように要請するとともに、一刻も早い着実な第2期の西側改札整備に向けて取り組んでいきたいというふうに考えております。
○内川委員 当初、北口改札の整備に関しては、改札機が以前と変わらないということで、多分西口改札が早期に整備されるだろう、西口改札の供用が早期にできるだろうということで改札機の数が昔と変わらなかったのかなと思っています。改札の件はJRの仕事でございますけれども、中野区として改札をふやすことが現実的にできるかどうかわからないですけれども、具体的にどういった要望をしていく予定でございますか。
○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 具体的にと申しますと、第1期整備、要するに中野四季の都市の人口増については、今の改札の数で容量は足りていると聞いておりますが、現在、券売機のほうに入り口の改札が取り付けられておりまして、東西連絡路の左側のエスカレーター等々の交錯が生じているという状況がありますので、これについてはなるべく早く改善をしてほしいというように要請しております。
○内川委員 最後の質問になります。西口改札と南北通路の計画は、既に先ほどお話があったとおり、当初よりかおくれが生じております。しかも、西口改札の線路の上空活用のJRとの負担割合などは今後の検討課題であろうと思われます。さらに都市計画決定が必要となり、新たな今の中野駅ビル計画の協議が長引きますと、ますます計画のおくれが懸念をされます。南北格差の解消のためにも、西口改札と南北通路の早期の完成を望みます。最後に区長のお考えをお聞かせください。
○田中区長 西口改札と南北自由通路については、JRともこれを整備するということで合意ができている事柄だというふうに考えております。南口の東西自由通路とかという話になりますと、これはまだ合意のできていないということになります。したがいまして、内川委員がおっしゃいましたように、そういうまだ決まってもいない話のほうに合わせた日程になっていくというのは、我々としては非常に不都合になっていくと思いますので、まず決まっていることをきちっと形にしていくという作業を着実に進めていく。あわせて、駅ビルであるとか、あるいはそれに伴ってうまくいくことができるようであれば、そちらのほうの協議も進めていくということが大事なのかなと思っております。
それから、北口改札の話が出ていましたけれども、JRのほうがこちらの開発の状況も見た上で、この改札で大丈夫だといって現在の形につくりました。したがいまして、現段階でできている開発でふえる人口増については、JRはそれで賄うと言っているわけですから、我々としてはJRに、言ったんだから何とかしてくれというふうに、もし不都合が生じるようであればJRにきちんと対応していただくということを強く求めていかなければならないというふうに思っております。
○内川委員 ありがとうございました。先日、新聞にマンションの販売の大手7社が毎年調査をしているものがあるそうです。それが住みたいまちとか、住んでよかったまち。その住んでよかったまちのランキングで、中野が去年14位だったのが3位に上がったという記事が載っておりました。マンションの販売大手7社がやった調査ですから、これはなかなか信憑性があるものだと思っています。これから中野が本当に住みたいまちナンバーワンを目指すためにも、玄関口である中野駅をしっかり整備していただきたいと思いますが、これで質問を終わります。ありがとうございました。
○佐野委員長 以上で内川和久委員の質問を終わります。(拍手)
以上で本日の総括質疑を終了いたします。
次回の委員会は、10月2日(火曜日)午前10時から、当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。
以上で本日の決算特別委員会を散会いたします。
午後4時22分散会