1.平成23年(2011年)9月28日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(42名)
1番 若 林 しげお 2番 高 橋 かずちか
3番 木 村 広 一 4番 甲 田 ゆり子
5番 小 林 ぜんいち 6番 中 村 延 子
7番 石 坂 わたる 8番 後 藤 英 之
9番 石 川 直 行 10番 内 川 和 久
11番 ひぐち 和 正 12番 いでい 良 輔
13番 白 井 ひでふみ 14番 平 山 英 明
15番 南 かつひこ 16番 森 たかゆき
17番 いながき じゅん子 18番 林 まさみ
19番 小宮山 たかし 20番 浦 野 さとみ
21番 伊 東 しんじ 22番 佐 野 れいじ
23番 北 原 ともあき 24番 吉 原 宏
25番 小 林 秀 明 26番 久 保 り か
27番 酒 井 たくや 28番 奥 田 けんじ
29番 近 藤 さえ子 30番 金 子 洋
31番 長 沢 和 彦 32番 大 内 しんご
33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき
35番 市 川 みのる 36番 篠 国 昭
37番 やながわ 妙 子 38番 佐 伯 利 昭
39番 むとう 有 子 40番 か せ 次 郎
41番 来 住 和 行 42番 岩 永 しほ子
1.欠席議員
な し
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 副 区 長 金 野 晃
副 区 長 阪 井 清 志 教 育 長 田 辺 裕 子
政 策 室 長 竹 内 沖 司 経 営 室 長 川 崎 亨
都市政策推進室長 遠 藤 由紀夫 地域支えあい推進室長 長 田 久 雄
区民サービス管理部長 登 弘 毅 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 村 木 誠
健康福祉部長 田 中 政 之 保 健 所 長 田 原 なるみ
環 境 部 長 尾 﨑 孝 都市基盤部長 服 部 敏 信
政策室副参事(企画担当) 小 田 史 子 経営室副参事(経営担当) 髙 橋 信 一
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 篠 原 文 彦 事務局次長 石 濱 良 行
議事調査担当係長 佐 藤 肇 書 記 関 村 英 希
書 記 河 村 孝 雄 書 記 東 利司雄
書 記 丸 尾 明 美 書 記 土 屋 佳代子
書 記 鳥 居 誠 書 記 細 川 道 明
書 記 岡 田 浩 二 書 記 鈴 木 均
書 記 永 見 英 光 書 記 竹 内 賢 三
議事日程(平成23年(2011年)9月28日午後1時開議)
日程第1 第70号議案 平成23年度中野区一般会計補正予算
第72号議案 中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
日程第2 第80号議案 中野区自転車駐車場条例の一部を改正する条例
第81号議案 中野区自動車駐車場条例
日程第3 第83号議案 教師用指導書の買入れについて
日程第4 認定第1号 平成22年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について
午後1時00分開会
○議長(大内しんご) ただいまから平成23年第3回中野区議会定例会を開会いたします。
本日の会議を開きます。
初めに、今回当選されました小宮山たかし議員の議席の指定をいたします。
小宮山たかし議員の議席は19番に指定いたします。直ちに所定の議席にお着き願います。
会議録署名員は会議規則第121条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。
3番木村広一議員、40番かせ次郎議員にお願いいたします。
この際、御紹介申し上げます。
去る7月19日に開かれました選挙会において、中野区議会議員に当選されました小宮山たかし議員を御紹介申し上げます。小宮山たかし議員。
〔小宮山たかし議員登壇〕
○19番(小宮山たかし) ただいま御紹介にあずかりました小宮山たかしでございます。きょう初めてこの議員バッジを胸につけまして、身の引き締まる思い、まさに襟を正す思いでおります。議員としては、この中で一番の若輩者ではありますけれども、区議会議員としての責任の重さ、それをわきまえて、誠心誠意、区政に取り組んでまいりたいと思っております。ぜひ皆様の御指導・御鞭撻よろしくお願いいたします。
○議長(大内しんご) 以上で紹介を終わります。
この際、御報告申し上げます。閉会中において、委員会条例第5条第5項の規定により、お手元に配付の名簿のとおり議長から委員を指名いたしましたので、さよう御了承願います。
常 任 委 員 選 任 名 簿
議 会 運 営 委 員 選 任 名 簿
議会運営委員会
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小林 ぜんいち
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いでい 良輔
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佐伯 利昭
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特 別 委 員 選 任 名 簿
○議長(大内しんご) 次に、会期についてお諮りいたします。
本定例会の会期は、本日から10月28日までの31日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
この際申し上げます。本定例会の会期中、略装を許します。
次に、平成23年7月19日付をもちまして、お手元に配付の文書のとおり委員会参与に人事異動がありましたので、念のため御報告いたします。
人 事 異 動 表
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発令年月日 平成23年7月19日
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【統括副参事】
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区長発令
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発令権者 中野区長 田中 大輔
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発 令
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氏 名
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旧
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備考
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地域支えあい推進室副参事(統括副参事)(区民活動センター調整担当)、中部すこやか福祉センター所長(統括副参事)
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鈴木 由美子
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地域支えあい推進室副参事(統括副参事)(区民活動センター開設準備担当)、中部すこやか福祉センター所長(統括副参事)
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【副参事】
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区長発令
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発令権者 中野区長 田中 大輔
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発 令
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氏 名
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旧
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備考
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区民サービス管理部副参事(区民サービス担当)
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藤井 康弘
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区民サービス管理部副参事(区民サービス担当、地域事務所開設準備担当)
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環境部副参事(ごみゼロ推進担当)
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志賀 聡
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環境部副参事(ごみゼロ推進担当、ごみ減量担当)
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○議長(大内しんご) 次に、一般質問の時期の変更についてお諮りいたします。
一般質問は議事に先立って行うことになっておりますが、別な時期に変更し、質問を許可いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、さよう進行いたします。
これより日程に入ります。
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第70号議案 平成23年度中野区一般会計補正予算
第72号議案 中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
○議長(大内しんご) 日程第1、第70号議案及び第72号議案の計2件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長金野晃登壇〕
○副区長(金野晃) ただいま上程されました第70号議案及び第72号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第70号議案、平成23年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ9億8,528万6,000円を追加計上するものです。これにより、既定予算との合計額は1,125億9,063万6,000円となります。
補正の歳出予算の内容は、まず、税務費ですが、年金型生命保険等の二重課税に係る住民税について、所得税の特別返還金に準じた給付金の支給に要する経費1,300万円を計上するものです。
次に、福祉推進費ですが、障害者自立支援法及び住民基本台帳法改正に伴い、福祉総合システムを改修する経費2,737万4,000円を計上するものです。
次に、積立金ですが、財政調整基金積立金として9億4,491万2,000円を追加計上するものです。
この補正の歳入予算といたしましては、繰入金4,037万4,000円及び繰越金9億4,491万2,000円を追加計上するものです。
次に、繰越明許費について説明いたします。これは中野駅北口改修整備事業に要する経費4億1,000万円について、今年度内にその支出が終わらない見込みであるため、翌年度に繰り越しを行うものです。
次に、債務負担行為について説明いたします。これは福祉総合システムの改修期間が2年度にわたるため、214万2,000円を債務負担行為として追加計上するものです。
第72号議案、中野区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例は、教師用指導書の買入れについて、本来、議会の議決をいただいて買い入れるべきであったところを、その議決を経ることなく買い入れてしまった事実を重く受けとめ、行政運営上の責任を明確にするため、区長の平成23年11月分の給料月額について10%減額することを定めるものです。
この条例の施行時期は、公布の日です。
以上2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(大内しんご) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大内しんご) 御質疑なければ質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い総務委員会に付託いたします。
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第80号議案 中野区自転車駐車場条例の一部を改正する条例
第81号議案 中野区自動車駐車場条例
○議長(大内しんご) 日程第2、第80号議案及び第81号議案の計2件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長金野晃登壇〕
○副区長(金野晃) ただいま上程されました第80号議案及び第81号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第80号議案、中野区自転車駐車場条例の一部を改正する条例は、中野けやき通り自転車駐車場を有料制駐車場として設置するに当たり、その名称及び位置を定めるものです。
この条例の施行時期は、平成23年10月20日です。
第81号議案、中野区自動車駐車場条例は、自動車駐車場を公の施設として設置するに当たり、その位置、供用時間、駐車料金の額等を定めるものです。
この条例の施行時期は、公布の日から起算して2月を超えない範囲内において規則で定める日です。
以上2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(大内しんご) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大内しんご) 御質疑なければ質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い建設委員会に付託いたします。
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第83号議案 教師用指導書の買入れについて
○議長(大内しんご) 日程第3、第83号議案、教師用指導書の買入れについてを上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長金野晃登壇〕
○副区長(金野晃) ただいま上程されました第83号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。
第83号議案、教師用指導書の買入れについては、財産の取得に当たり、議会の議決をお願いするものです。
取得に係る財産は、区立小学校における学習指導用の教師用指導書2,612冊で、金額は2,373万945円です。
なお、この議案に係る財産の取得につきましては、本来、第1回定例会における議会の議決を経て行うべきものでありましたが、その議決を経ることなく、その取得を行い、この定例会において議会の議決をお願いすることとなってしまいました。この場をかりて深くおわび申し上げます。
以上、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(大内しんご) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大内しんご) 御質疑なければ質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い子ども文教委員会に付託いたします。
この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、いでい良輔議員、木村広一議員、来住和行議員、森たかゆき議員、後藤英之議員、吉原宏議員、甲田ゆり子議員、浦野さとみ議員、中村延子議員、石川直行議員、ひぐち和正議員、小林秀明議員、高橋かずちか議員、伊藤正信議員、むとう有子議員、近藤さえ子議員、林まさみ議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。
中野区議会議員 いでい 良 輔
1 区の災害対策について
(1)地域防災計画の見直しについて
(2)区民協働の防災協定について
(3)その他
2 区の医療行政について
3 南部地域の整備について
(1)旧中野富士見中跡地について
(2)南中野区民活動センターについて
(3)その他
4 学校教育の諸課題について
(1)学校再編計画の検討状況について
(2)特別支援教育と再編計画について
(3)校外施設のあり方について
(4)その他
5 にぎわいフェスタについて
6 東京メトロ中野坂上駅西側出入り口新駅舎周辺の交通環境について
7 その他
○議長(大内しんご) 最初に、いでい良輔議員。
〔いでい良輔議員登壇〕
○12番(いでい良輔) 平成23年第3回定例会に当たり、自由民主党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。
質問の内容は通告のとおり、1番、区の災害対策について、(1)として地域防災計画の見直しについて、(2)区民協働の防災協定について、2番、区の医療行政について、3番、南部地域の整備について、(1)旧中野富士見中跡地について、(2)南中野区民活動センターについて、4番、学校教育の諸課題について、(1)学校再編計画の検討状況について、(2)特別支援教育と再編計画について、(3)校外施設のあり方について、5番、にぎわいフェスタについて、6番、東京メトロ中野坂上駅西側出入り口新駅舎周辺の交通環境についてと質問は多岐にわたりますが、区長はじめ理事者の皆さんにおかれましては、明快な御答弁をお願いしたいと思います。
それでは、質問に入ります。
1番、区の災害対策について伺います。
本年3月11日に発生いたしました東日本大震災を受けて、国は想定外の規模の地震、津波により、今までの防災計画を大きく見直さざるを得ない状況になり、各都道府県、自治体にとってもその見直しが喫緊の課題であることは、我々も大いに認識しているところであります。
我が自由民主党議員団は、全員で、区が職員を派遣している宮城県東松島市、岩沼市、亘理町など被災地に赴き、実際にボランティアをしながらその現場を見てまいりました。そこで、我々は31万中野区民の安全と安心のために、もし中野区で同等の地震が起きたらどのように対応ができるのか、起きる前にどのような備えができるのかと、災害対策、また防災対策について心を一つにしてきたところであります。
引き続き粘り強くその計画の見直しについて伺ってまいります。
第2回定例会において、我が会派の市川幹事長、伊東しんじ政調会長からの災害対策についての質問に対し、区長は、「国や都の想定の見直しといったようなことが現実的に防災計画見直しの指針として示されるのは、相当後になってからだと思われる。区としてはその指針を待つまでもなく、区としての一定の想定を行いながら、災害対策を見直していく。国や都の検討の内容を注視しつつ、東日本大震災の教訓等を踏まえ、区の地域防災計画の見直しに積極的に取り組んでいく」とお答えになられましたが、検討の進捗状況はどのようになっているのか、伺います。
私が住んでいる中野坂上周辺は山手通りと青梅街道が交差し、都内でも有数の交通結節点になっております。交差点には高層のオフィスビルが立ち並び、新宿区、渋谷区と隣接し、ますます発展を続けている区内でも都市化がかなり進んでいる地域であります。大地震が発生した当時、この周辺では公共交通機関が麻痺したために、多くの方が帰宅困難者としてまちにあふれ返りました。今まではその対策については東京都も問題提起はありましたが、実際に想定している以上の混乱が起きたために、対応はほとんどとられていないように思いました。東京都は今回の一連の帰宅困難者に係る混乱を大きな課題の一つととらえていると聞きます。中野区においても、帰宅困難者の問題や、避難所の運営等が大きな課題として顕在化したと思いますが、どのような対策をお考えでしょうか。
このように、今まで想定をしていなかったようなことが実際に発生いたしましたが、区としては防災計画見直しに際し、さきに述べた課題以外にもどのような事項を課題としてお考えになっているのでしょうか。また来年度、24年度予算に反映させていくおつもりがあるのか、あわせて伺います。
区は補正予算を組み、被災地の復興支援のためにさまざまな対応を重ねていることは、我々も賛成し、期待しているところであります。その支援事業の中の一つに、被災地に職員を派遣して被災自治体の業務の支援を行っていますが、これまで200名に近い職員の派遣を通じて、把握することができた情報はあるのでしょうか。私は、その派遣業務が必ず区民の安全・安心にフィードバックされなければならないと強く思っています。その把握した情報があるならば、内容がどの程度計画の見直しに反映されるのか、伺います。
東京都においては、9月に「東日本大震災における東京都の対応と教訓-(仮称)東京都防災対応指針の策定に向けて-」をまとめたところです。それを受けて、11月には防災対応指針が策定され、見直しの方向性など内容がさらに明らかになってくることと考えます。区は、この内容は当然、見直しに当たっての参考にされると思いますが、区独自の考え方と照らし合わせていかれるのでしょうか、伺います。
この項の最後に、昨年度から検討を進めてきた第38次の地域防災計画見直しの進捗状況はどうなっているのかも伺います。
次に、(2)番、区民協働の防災対策について伺います。
先ほどから述べているように、大規模な地震等の発生時には被害が甚大となり、区として、発生している事象には迅速に十分な対応ができない状況も考えられるところであります。
区はこれまでも地域の防災団体や各種団体と協定を結び、予想される事態に対応できるようにと対策を進められてきたところでもあります。今後も各種の協定を結び、区民と協働の防災対策を強化していくべきと強く思いますが、どのようなお考えを持っているのか伺います。特に防災への意識が高まっている中、共助や社会的な貢献という観点からも、区内の業界団体、各種の団体等も協定を結び、できる範囲の協力を惜しまないとお考えの方々がたくさんいらっしゃると聞いております。私は、このような防災意識の高い地元の団体の皆さんとの協定についても、積極的に進めるべきだと思っています。また、今までに締結された協定についても、締結されてから大分月日の経過したものもあります。この間の社会的な変化や状況の変化により内容を見直し、さらに実効性のあるものと深化させなければならないと考えていますが、区のお考えを伺います。また協定締結後も、実際の災害時にしっかりと機能するか、打ち合わせや訓練等を通じ検証、確認することが必要だと思いますが、それについてもお答えください。
我々自由民主党議員団は、全力で区民の安全・安心の生活を守るために、今やらなければならないことは何なのかということを徹底的に洗い出し、政策として反映するために努力をしていく姿勢は変わることはありません。積極的かつわかりやすい御答弁をいただきますようにお願いをして、この項の質問を終わります。
次に、2番、区の医療行政について質問します。
さまざまな社会保障の資金は、主に保険料であると考えられています。例えば医療費の場合、国民医療費32兆円のうち、10兆円は公費(税金)であり、高齢化の進行に伴い、公費投入もさらに増大することが見込まれています。この自然増と言われる公費は毎年1兆円ずつふえていき、国家財政の大きな懸念とともに、少子高齢化が世界で一番早く進んでいる我が国の最大関心事だと考えています。
今後、国民医療費を増大させないためにも、私は、まず区民の健康が第一という観点から、各種健診等の充実を図る必要があると思っています。しかし、中野区の各種健診の受診率は、他自治体と比較して必ずしも高いとは言えない現状だと伺っております。これは毎年議論の場に出てくることなのですが、一向にそれが向上していないと感じています。私は、その取り組みのための大幅な改善策などを講じて各分野などが連携し、さまざまな工夫がなされるべきと考えています。例えば、現在は区民の方に健診ごとに受診票が送付されておりますが、これをワンセットにして区内の健診指定医療機関の一覧表などを同封する、または健康意識調査などのアンケート用紙を同封し、回収を医療機関にお願いするなど、お金がかからずに取り組める工夫は数限りなくあると考えています。
区はこの課題についてどのように取り組むおつもりでしょうか、伺います。
中野区は、健診など区民の健康について取り組むための検討と同時に、高齢化対策、災害弱者対策など、中野区においても医療・介護サービスの提供体制の効率化・重点化と機能強化について、また在宅医療や地域包括ケアシステムの確立に向けて検討が進められていることと思います。
東京都は平成20年度から、摂食・嚥下機能支援に関する先駆的事業に着手しました。要介護高齢者に広く見られる摂食・嚥下障害は、口から食べる楽しさを奪い、生活の質を損なうばかりでなく、低栄養、誤嚥性肺炎や窒息などの重大な疾患の原因となる障害です。現にこの障害によってお亡くなりになる方も少なくありません。そのため摂食・嚥下機能支援には障害への気づき、評価、リハビリテーションといった対応が必要となることから、医科、歯科、薬剤師、コメディカルスタッフや介護職などを含めた多くの方々の連携が不可欠です。東京都は平成23年度より、医療保健政策区市町村包括補助事業として摂食・嚥下機能支援推進事業を開始し、新たな研修対象地区に中野区を指定したと聞いております。私は、この対応に当たっては時期を逸することなく迅速に進め、さらなる医療行政の充実を図るべきだと強く思っています。
ここでお伺いしますが、中野区においてこの事業を実施する予定はおありになるのでしょうか。また、実施するのであればどのような形で実施するのか、あるいは実施しないということであれば、どのような理由があるのかお答えください。
次に、障害者施策の一つで、平成7年から中野区歯科医師会に委託して先駆的に実施している障害者等歯科医療事業について伺います。区は平成23年度より障害者等歯科医療事業における全身麻酔科治療患者の同行業務を減額いたしました。そのことに関しては、障害を持つお子さんの御家族から一部不安の声があるとも聞いております。経費の削減により区民サービスの低下ではないかと影響が懸念されている現状に対して、区はどのようにお考えかをお聞かせください。
また、近年は医師の地域偏在や病院の機能別再編など、医療問題は山積していると言われています。また、今回の東日本大震災の後、さらなる医療機関のネットワークの必要性が明らかになり、夜間や休日の医療体制についても改めて考える必要があるのではないでしょうか。休日歯科診療が平成23年度に一たん廃止されましたが、区民への影響は検証されているのか、お聞かせください。
以上でこの項の質問を終わります。
次の質問に移ります。3番、南部地域の施設整備について質問します。
第2次10か年計画における南部地域での施設整備について幾つか伺います。
このたび、(仮称)南部防災公園基本計画の策定が行われ、ステップ3での整備・開設に向けて動き出しました。同じくステップ3の(仮称)本町五丁目公園整備についても、地域の期待は大変に大きいものがあります。こうした公共のオープンスペースの整備とともに、南部地域の住民の期待は区有地への公共施設の整備に集まっています。
まず初めに、旧中野富士見中学校跡地の整備についてです。旧富士見中のグラウンドは、現在、南中野中学校の生徒がクラブ活動などで利用しているほか、都の水道局が中野通り地下の水道送水管更新工事で、作業基地としても利用しています。10か年計画では、ここに南部すこやか福祉センターと南中野地域事務所、南部地域スポーツクラブをステップ3で整備することと示されています。その整備計画の時期に変更はないのでしょうか、伺います。
ところで、旧富士見中の校舎は昭和30年代に建てられた建築物で、かなり老朽化しています。体育館などは、耐震診断でDランクだったとも聞いております。区は、こうした築50年を超す老朽化建築物についても、旧仲町小学校跡施設を活用した中部すこやか福祉センターのように、建物の大規模改修を前提として整備していく方針なのでしょうか。この際、改築による整備を考えたほうがよいと思いますが、いかがでしょうか。また、現在の校舎を除却し改築を行うということであれば、10か年計画で示されている三つの施設機能だけではなく、中野区の公有地を活用した新たな機能の整備も可能になるものと思います。例えば、今後もふえる高齢者人口のことを考えると、待機者が多いという特別養護老人ホームなどの介護保険の基盤整備も計画できるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。聞くところによりますと、都内では施設用地の確保が難しく、特別養護老人ホームの整備があまり進んでいないということです。
旧富士見中の敷地は、南部地域にとって残されている希少な土地です。区としては、この土地の積極活用についてぜひとも検討すべきだと思いますが、この富士見中敷地の中野通りとの接道部分の間口は30メートルもありません。中野通りからの施設利用者や車両の出入りを考えると、間口が狭過ぎると思われます。
そこで御提案ですが、この接道部の隣接地に、以前からコインパーキングとして利用されている土地があります。この隣接地を取得できれば、敷地の形状が向上し、さらに跡地の有効活用が可能になります。もちろん相手方の意向にもよりますが、用地取得についての区長のお考えをお聞かせください。
次に、地域スポーツクラブについて伺います。
我が会派のひぐち和正議員がこれまでも取り上げてまいりました。現在、旧仲町小学校の跡地施設で中部地域スポーツクラブの開設準備を進めていると聞いています。旧富士見中跡地では、第2番目としての施設整備を行うこととなりますが、どの圏域においても、区民が楽しみながらその年齢や体力状況に見合った健康づくりに取り組めるようにするには、一定レベル以上の施設内容が必要です。また、それぞれ地域のニーズも踏まえた事業展開も必要と考えています。例えば、プールの水の災害時の利用なども念頭に置かなければなりません。
そこで伺いますが、中部の施設は、アリーナと呼ばれる体育館、トレーニングルーム、多目的ルーム、それに屋外運動広場という構成です。富士見中跡施設ではどのような施設内容を計画しているのか、お聞かせください。また、一口にアリーナと言っても、その広さや機能によって使い勝手は変わってきます。観客席やサブ的なアリーナの設置なども望まれるところですが、区にはそのようなお考えはあるのでしょうか。お答えいただきたいと思います。
本年度の当初予算では、旧富士見中跡地整備の基本計画作成委託経費が計上されておりますが、竣工までの今後のスケジュールについてもお聞かせください。
次に、二つ目として、弥生町五丁目の南中野区民活動センターの整備について伺います。
今回の10か年計画を策定する際、この用地に区民活動センターを整備するとの説明がありました。その後、地元へ整備計画の詳細が示されないまま現在に至っておりますが、地元では、長年にわたり整備を待ち望んできた施設です。この施設は、計画上は旧富士見中跡施設と同様にステップ3での整備となっていますが、こちらについては本年度の関係予算の計上も見当たりません。区では、当初予定どおり南中野区民活動センターの整備計画を進めているのでしょうか。まず初めに伺っておきます。
次に、当用地では弥生保育園の耐震工事のため、この工事期間中の仮園舎が設置されてきましたが、現在は耐震工事が完了し、仮園舎も利用されていません。ところが、この仮園舎を今後は弥生保育園の分園として位置付けるとのことです。このことについて地域への説明は行われたのでしょうか、伺います。また、臨時的な仮園舎としての利用ではなく、分園として本格的に運営するとなると、区民活動センターの整備に影響やおくれが出ないのかとの疑問が生じます。南中野区民活動センター整備までのスケジュールをお聞かせ願います。
さて、ここでの整備施設内容は、当初計画で言っているとおり障害児療育施設、障害のある中高生の放課後施設との併設と理解してよいのかも確認しておきます。お答えください。
この項の最後に、区民活動センターの施設内容のことについてですが、地元要望の強い多目的ホールについて伺います。多目的ホールはどの程度の規模となるのでしょうか。整備を進めるに当たり、十分に地域の意見を取り入れたものとしてもらいたいと思いますが、今後、そのように地元の意見を聞いていくつもりなのかを伺っておきます。
以上でこの項の質問は終わります。
次に、学校教育の諸課題についてお伺いいたします。
まず初めに、学校再編計画の検討状況についてお聞きします。
教育委員会では、平成17年に学校再編計画を策定し、以来、確実にその計画の実行を進め、来年の4月に予定されている第九中学校と中央中学校の統合により、前期計画が終了することになります。しかし、その後の中後期の計画については、今のところ何らの考えも示されておりません。この前期の計画は平成21年度で終了し、22年度からは中後期の計画がスタートするはずでした。学校再編計画には、中後期に再編される学校の組み合わせも示されていますので、対象とされた学校の関係者は、この計画の公表以来、ずっと不安な気持ちを抱えて過ごしています。私は、学校再編が教育活動において一定の効果があることは理解していますが、だからといって、早く再編してほしいということでもありません。しかし、地域の学校がどうなっていくのか、区民の不安をそのままにしておくのはどうかと考えています。中には、もう再編はなくなったのかと、期待される区民の方もいらっしゃると聞いています。
教育長は、昨年の第4回定例会で篠議員の質問に対して、「中後期の再編計画に対する基本的な考え方については、来年度にかけて取りまとめを行っていく」と回答していますが、どのような検討を行っているのでしょうか。学校教育を取り巻く状況は、以前と大きく変化しています。そうしたさまざまな状況を踏まえて検討されているのでしょうか。また、今年度中に中後期の再編計画を公表するのか、検討の状況をお伺いします。
次に、特別支援教育と再編計画についてお伺いします。
今後、中後期の学校再編計画を検討する際に、現在の学校教育にかかわる課題を検討した上で、再編計画に反映させるべき課題が幾つかあると考えています。とりわけ今の学校の中では、いわゆる発達障害などの特別な支援を必要とする児童・生徒が増加し、その対応については、学校現場は早急な対応を必要としていると聞いています。第2次の10か年計画においても、特別支援学級の増設などの考え方が示されています。これは学校の教室数にも大きく影響を与えます。特別支援学級などについて、今後の児童・生徒数の予測も行った上で、そのあり方について再編計画に先立って検討し、その考え方をもとに再編計画をまとめていくべきではないでしょうか、お考えをお伺いします。
この項の最後に、校外施設のあり方についても質問いたします。
3月に起きた東日本大震災により、福島県にある常葉少年自然の家は大きく破損し、現在、利用を休止していると聞いています。このため、今年度の中学校の移動教室は宿泊を取りやめ、日帰りで実施されたようです。さらに夏の岩井の臨海学園についても、余震が続く状況から、今年度は実施を見合わせたそうです。
教育委員会では、こうした状況を踏まえて、今後の区立小・中学校の夏季学園、移動教室の実施方法について検討していると聞いています。現在の実施方法はかなり長期間にわたって継続されていますが、常葉少年自然の家について当分使用できない状況で、これに代わる施設をどのように考えていらっしゃるのでしょうか。また、現在の学校教育の実情や児童・生徒の実態に合わせた実施のあり方を検討すべきではないのでしょうか。中学校PTA連合会などでも、今後どのようになるのか心配していらっしゃるようです。現在どのような検討を行っているのか、また、いつごろ公表する考えかをお聞かせください。
次に、5番、にぎわいフェスタについて伺います。
今年度のにぎわいフェスタについては、いよいよ来月、10月の9日と10日に行われることとなりました。このにぎわいフェスタの目的ですが、中野の個性、魅力、すぐれた資源を中野駅周辺の商店街、事業者、町会などを中心とした連携により、区内外に広く発信し、中野駅周辺でにぎわいと魅力あふれる活動拠点づくりに資するものとして、今年度で3回目の開催となっております。
主催は、町会や企業、団体、学校などにより構成される起創展街にぎわいフェスタ実行委員会、区は共催ということであり、会場は中野サンプラザ前広場をメーン会場として、区役所や中野郵便局、勤労福祉会館など、中野駅周辺のさまざまな施設において、音楽やダンス、パレード、また露店や物産展、ワークショップなどのイベントが行われる予定ということです。
なお、開催日程については、前回、前々回は2月から3月にかけて比較的長期間にわたり行われてきましたが、今年度については、これまで例年、中野まつりが行われてきた10月の上旬の開催となっております。
そこで伺います。まず、にぎわいフェスタの現状についてお伺いいたします。
にぎわいフェスタの参加団体数や集客数について、初年度から現在までのそれぞれの現状、また、それらの現状についてどのような御認識をお持ちかについて伺います。
次に、実行委員会の体制や区の関与について伺います。にぎわいフェスタについては、当初は区が主体となって実施し、前回からは実行委員会が組織され、区も参加して公民連携による取り組みとしたと聞いたところです。今年度は、区は実行委員会の一員ではなく、共催ということになり、実行委員会には参加していないと聞きました。これは、にぎわいフェスタの開催・運営については、今後は民間に丸投げをして、区のかかわりは徐々に後退させていくということなのでしょうか。御見解を伺います。
また、区の関与についてですが、にぎわいフェスタの開催に際し、区はどのような役割を果たしているのでしょうか。職員は、何名がどのような立場でかかわっているのか、また予算については、初年度1,100万円余ということであり、昨年度は200万円強への大幅な減、今年度は240万程度ということでありますけれども、これまでにぎわいフェスタに係る区の関与について質問があった際、このフェスタを盛り上げるために区として必要な支援をしていく旨の答弁が区長からもあったと認識しています。区が実行委員会から抜け、共催としたことや、予算の大幅減というのは、この趣旨に沿っているものなのでしょうか。御見解を伺います。
次に、中野まつりとの関係について伺います。
まず、開催の日程ですが、今回のにぎわいフェスタは10月9日と10日に行われることとなったわけですが、これまでは中野まつりが行われてきた日程です。中野まつりが中止となったかわりににぎわいフェスタを開催することとしたのかといった声も耳にするところですが、にぎわいフェスタと中野まつりとの違いは一体何なのでしょうか。開催の趣旨や参加の要件の違いといったことについても、あわせて伺います。
また、にぎわいフェスタの日程を10月のこの時期とした理由についてもお聞かせ願います。
中野まつりは、今年度は休止ということになりました。休止になったことで、これまで中野まつりに参加してきた方々のさまざまな活動や発表の場というものはどのように確保していくつもりなのでしょうか。また、中野まつりの今後の開催予定はあるのかないのか、御見解を伺います。
最後に、今後のにぎわいフェスタの展望についても伺います。
現在、警察大学校等跡地地区では、(仮称)中央部防災公園整備工事が進められているところです。公園の面積は約1.5ヘクタールであり、多目的広場の面積も約4,500平方メートルといった計画となっています。これまで、にぎわいフェスタやさまざまなイベントを開催してきた中野サンプラザ前や区役所前広場などと単純に広さを比べても、大規模なイベント開催も可能な広さと思われますし、この広さを生かした大規模イベントの開催・誘致などによる来街者の大幅増も期待できるところです。
そこで伺います。この(仮称)中央部防災公園は、にぎわいフェスタのようなイベント、数万人規模の人出が想定されるイベントの開催などに対応した施設となっているのでしょうか。イベント開催に必須となる電源の確保やトイレ、飲料水などの確保についてもあわせて伺います。
また、公園の西端には噴水ステージの設置が計画されているところですが、この噴水ステージでは音楽やダンスの発表などはできるものなのでしょうか。また、コンサートの開催も可能なのでしょうか、伺います。
最後になりますが、現在、中野駅周辺の再開発が進む中、商業ビルの建設や大学の進出など、中野駅周辺を取り巻く環境は大きく変化してきています。新しい中野をつくる10か年計画(第2次)においては、若者の活発な表現・文化活動によって東京の新たな文化発信源を形成することとしております。にぎわいフェスタへの参加を機にさまざまな人的交流が生まれ、例えば商店街のイベントへの若者の表現活動者の参加や、既存企業と新規参入企業とのビジネスマッチングなど、地域の活性化に向けた副次効果も生まれてきているとも聞いているところであります。今後は、にぎわいフェスタが日本でも有数のイベントになるなど、その発展的展開に期待したいところですが、区長の決意を伺って、この項の質問は終わります。
次に、6番、東京メトロ中野坂上駅西側出入り口新駅舎周辺の交通環境について伺います。
かねてより議会でも質問を重ねてまいりました中野坂上駅西側駅舎について、当初は本年の3月に開設の予定でありましたが、完成がおくれて来年の8月にずれ込むという話を聞いております。この西側出入り口は、中野坂上駅が抱えている大きな課題を解消する目的のために各関係機関が連携して、土地を取得し、駅舎を建設し、一方向しかなかった避難口を整備するという壮大な計画のもと進められており、その実現に向けて、地元地域の方々からも大きな期待が寄せられている事業でもあります。
ほぼその完成に向けてのスケジュールが明らかになるにつれて、さまざまな諸問題も浮き上がってまいりました。新駅舎は、進んでいなかったバリアフリー化を解消し、利用される方の利便性を大幅にアップさせ、地域の活性化にさらに大きく寄与されるべきものでありますが、現状は、青梅街道に面している出入り口の部分では、横断歩道橋の橋げたが存在し歩道部分が狭く、今後増加するであろう利用者で混雑することは明らかです。地元町会と商店街もこれに関しては大きな懸念を抱かれており、いっそ、この横断歩道橋を撤去して、信号機つきの横断歩道を設置してほしいと要望書が区に提出されております。歩道橋の撤去並びに信号機つきの横断歩道を設置するとなると、道路管理者である東京都第三建設事務所、警視庁中野警察署、東京都公安委員会、各関係機関との協議を経てなされるべきものです。私は、区は積極的にその調整役となって、今後の中野坂上駅周辺の交通環境対策を講じる責任があると思っています。現在の進捗状況と実現に向けての取り組みを具体的に伺います。
以上で私の全部の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) いでい議員の御質問にお答えいたします。
地域防災計画の見直しについてであります。
現在、今回の東日本大震災への対応で顕在化した課題を網羅的に抽出して、項目の整理を行っているところであります。今後、整理した課題につきまして、全庁的に具体的な対応策を検討していき、今年度中には区としての方策を取りまとめる予定であります。特に緊急を要する課題につきましては、年内を目途に具体的な対応策を講じていきたいと考えております。
帰宅困難者対策、避難所運営等についてであります。
顕在化した課題として、帰宅困難者対策が挙げられます。帰宅困難者を発生させないため、区内の企業や学校に対して、すぐに帰宅行動を起こさないように啓発することや、従業員や生徒の保護、情報の確保、食料の備蓄等を内容とする帰宅困難時の対策を事前に定めておくよう働きかけてまいります。また、区として帰宅困難者を受け入れる施設を確保するため、中野駅周辺に所在する事業所や、警察大学校等跡地開発により業務を開始する事業者と協議して、協力を要請していきたいと考えております。
避難所につきましては、開設の基準があいまいな部分があって、一部で混乱した例も見られましたが、震度5強以上の地震が発生した場合には、必要に応じて、いつでも開設ができるよう体制を整えるようにしたところであります。今後、避難所開設訓練の内容や避難所の物資の充実等についても検討していきたい、こう考えております。
その他の課題についてということです。
現在のところ、今お答えをいたしました帰宅困難者対策、避難所運営の改善のほか、地域の防災力の向上、それから災害時要援護者対策の充実、区民に対する情報提供、あるいはペットの同行避難等について考えているところであります。
この見直しの課題を24年度の予算でどう取り上げていくかということです。
全庁的な検討を行っていく中で、早期に対応が必要と判断したものにつきましては、平成24年度予算に反映していきたいと考えております。
被災地派遣職員からの情報についてであります。
被災者が支援を受けるために必要となる罹災証明の発行事務については、現地に派遣した職員からも、業務量が膨大であって、円滑に事務が行われていないこと、また、そのために被災者が支援策を受けられないでいるといった報告も受けているところであります。そうしたことなどを踏まえて、中野区では、円滑に事務処理を行うことができるよう、被災者支援システムの導入、これを視野に入れて検討していきたいと考えております。職員は、このほかにも目に見えないさまざまな情報を体で感じているという面もありますので、被災地から戻った職員からさまざまな経験をヒアリングしていきたいと、こう考えております。
それから、東日本大震災における東京都の対応と教訓についてであります。
都がまとめました防災上の教訓のうち、帰宅困難者対策、地域の防災力の向上や、地震に強い都市づくり、施設構造物の安全化につきましては、区での検討においても共通点が多く、今後の検討の参考としていきたいと考えております。
38次の地域防災計画見直しについてであります。
38次修正につきましては、関係機関のこれまでの防災事業、災害対策への取り組み及び進捗状況等を中野区地域防災計画に反映させるため、昨年度から修正作業を行っておりました。この38次修正については、9月上旬、今月上旬ですけれども、計画の改定の決定をしたところであります。10月下旬までには製本したものを配布する予定となっております。
それから、各種団体との協定についてであります。
御指摘のとおり、大災害時においては、区で対応可能な災害対策には限りがあることから、今後とも各種協定等の締結を進め、他の自治体や民間団体等の協力が得られるよう、防災対策の一層の強化を図ってまいります。区内の業界団体や各種団体等との協定につきましては、災害時においても迅速に協力が得られるというメリットがあると考えておりまして、必要な協定について、これからも積極的に進めてまいりたいと考えております。状況の変化等によりまして協定内容の見直しが必要となっている、こうしたものにつきましては順次見直しを行ってまいります。また、協定を実効性のあるものとするために、各協定団体に総合防災訓練等への参加を呼びかけていくとともに、定期的に協議の場を設けるなどして、協定内容や連絡方法等について確認をしていきたいと考えております。
区民健診についてであります。
中野区に限らず、区民健診の受診率向上は各自治体にとって大きな課題となっております。東京都も、「効果的ながん検診受診率向上の手引」を作成するなど、積極的に取り組んでおります。区といたしましても、乳がん検診及び子宮がん検診に対する国の補助金を活用した無料クーポン券等の配布などを行っておりますほか、新たに、20歳になったすべての女性に子宮がん検診の受診票の送付、また、国保特定健診の未受診者に対する受診勧奨、民間企業との協定による普及啓発活動など、さまざまな受診率向上策に取り組んでまいりました。現在、受診票の送付は各健診ごとに送付しております。御質問にあったとおりです。これは健診によりまして受診時期が異なりますので、受診時期に合わせて受診票を送付することが、一番受診を促しやすいといった判断から行っているところであります。同時に行うことで効果があるということであるとすれば、受診時期の見直しなども含めて検討していかなければならないということでありまして、御提案について、よく研究してまいります。
今後は、受診率の低い働く世代を中心に、個別勧奨していく中で、未受診理由の把握などを行うほか、現行の健診システムを再構築し、利用しやすい健診制度に改善することで受診率の向上を図っていきたいと考えております。
摂食・嚥下機能支援推進事業の実施についてであります。
24年度に実施すると、このことに向けて東京都の補助事業に該当するように、新たに地域の関係機関、関係者から成る協議会を設置して、地域特性に合った事業展開を進めていきたいと、このように考えております。
障害児等歯科医療事業についての全身麻酔科の治療についてであります。
全身麻酔科治療は、診療所の歯科医師が大学病院で治療するのは、これは例外であります。診療所から大学病院に患者紹介、情報提供して大学病院スタッフが治療する、この方法が一般的であります。平成23年度にこうした一般的な治療の方法に業務の見直しを行いましたが、経費節減を目的としたものではなく、業務の適正化を図ったものと御理解をいただきたいと思っております。
休日歯科診療についてであります。
日曜日について自主的に診察を行う歯科医がふえていることから、祝日及びゴールデンウイークと年末年始を除く日曜日について廃止を行いました。中野区歯科医師会においても、独自に日曜日の診療案内を行っているところでもあり、区民への影響は少ないと認識しております。
旧富士見中跡地整備の時期についてであります。
旧中野富士見中学校跡地整備については、予定どおり平成27年度中の完成を目指して検討作業を進めております。整備に当たりましては、既存建物の老朽度や建築関係法令への適合性などを総合的に判断いたしますと、やはり改築による整備が妥当だと、こう考えているところであります。
跡地整備を利用して介護保険の施設、特別養護老人ホームなどの整備ができるのではないかと、こういった御質問であります。
跡地整備を検討する中で、敷地の建築条件などから、10か年計画のほかに活用できる可能性が出てまいりましたので、活用策を検討してまいりました。その中で、特別養護老人ホームは第4期介護保険事業計画の整備目標にはまだ至っておりません。また、入所の待機者も多く、ニーズが高い施設でもあります。そこで、この富士見中跡地を利用して特別養護老人ホームの整備を進めたいと考えているところであります。
それから、施設の地形などから隣地の取得を考えてはどうかと、こういう御質問でありました。
御提案の隣地の取得につきまして、その可能性を検討してまいりたいと考えております。
それから、(仮称)南部地域スポーツクラブの施設構成についてです。
地域スポーツクラブは、将来的に区内4圏域に1カ所ずつの拠点を設置する計画でありますが、どの施設においても、区民が気軽に健康づくりができ、また、団体スポーツができるような施設を整備していきたいと考えております。中野富士見中跡地に計画しております(仮称)南部地域スポーツクラブは、主な屋内施設としては屋内運動場、トレーニングルーム、多目的ルーム、プール等を予定しております。また、屋外に多目的広場を設ける予定でもあります。
屋内運動場の設計に当たりましては、立地等限られた条件の中で可能な限りの広さを確保するとともに、観覧席の設置についても努力したいと考えております。また、屋内運動場の使用時に他のスポーツも行えるようなサブアリーナ的な機能につきましては、多目的ルームの設計において、その機能が果たせるよう工夫をしていきたいと考えております。
整備スケジュールですが、この旧富士見中跡地の整備につきましては、本年度末までに基本計画(案)をお示しすることとし、速やかにその策定作業に着手する予定であります。また、改築整備を前提といたしますと、本年度は11月中に整備にかかわる基本方針(案)の地元説明を行い、意見等を基本計画(案)に反映させ、平成24年度には基本設計及び実施設計を、また平成25年度に既存建物の除却、26、27年度に整備工事を進めていくことを予定としております。
南中野区民活動センター整備の進捗状況についてであります。
南中野区民活動センターは、平成27年度の開設を目指しております。これを前提といたしますと、本年度内に基本方針を定め、平成24年度に基本計画や基本設計を、25年度に実施設計、26、27の両年度にわたって整備工事を予定しているところであります。
弥生保育園分園の開設についての地域への御説明は、この10月初旬に近隣住民向けの説明会を行う予定であります。この分園は、保育園の待機、この状態を解消するために緊急的に行うものでありまして、本年11月から平成26年3月31日まで限定して開設するものであります。新しい中野をつくる10か年計画(第2次)において計画されております南中野区民活動センター整備には、影響を与えない範囲で実施したいと考えております。
この南中野区民活動センターの整備内容についてであります。
併設する施設につきましては、障害児療育施設及び障害のある中高生の放課後施設でありますが、障害のある中高生の放課後施設につきましては、その後の計画後の法改正がございましたので、この法改正の趣旨を踏まえた事業内容とする方向で検討しております。
同センターの多目的ホールについてですが、現在、400平方メートル程度の規模で検討を行っております。
地域での御意見をどう聞いていくのかということです。
本年11月に基本方針(案)について、地元に対して説明をしていく予定であります。また、今後の整備計画の進捗にあわせ、区民活動センター運営委員会や、近隣住民など地元の意見を聞く機会を設けたいと考えております。
にぎわいフェスタについて1点だけ、私の決意のほどをと、こういう御質問でありました。
にぎわいフェスタは中野駅周辺のまちづくり、これを通じまして、中野が東京の新たな発信地点として発展していけるような、そうしたきっかけづくりになるようなまちづくりができるように、そういった意味で、にぎわいフェスタという形でイベントを開始したという趣旨であります。このにぎわいフェスタへの参加を通じて、地域の商店街、企業、住民等、民間の連携・協働がより深まるとともに、にぎわいフェスタが区を代表するイベントとして、また、東京の中でも有数のイベントとなるように、一層定着して成長していくように積極的に支援を行っていきたいと考えております。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 学校教育の諸課題についてお答えいたします。
学校再編計画の検討状況につきまして、これまで学校再編計画では小規模校を解消し、適正な学校規模の確保を図ってきたところでございます。中後期計画では、加えまして学力や体力のさらなる向上や増進に向けての小・中学校間での連携や、学校支援ボランティア等、学校と地域との連携の推進などのための通学区域の見直しを含め、現在検討を行っているところでございます。また、早急に耐震改修工事が必要な学校施設への対応や改築時期を迎える学校施設の改築と、それに伴う財政上の見通しなど、庁内の関係部署との調整が必要になる課題について、現在、整理を行っているところでございます。こうした検討を経て、今年度中には中後期の学校再編計画の基本的な考え方の案をお示しできるものと考えております。
次に、再編計画に先立った特別支援教育等のあり方の検討でございます。平成18年度に「中野区における特別支援教育の推進について」を策定し、特別支援教育の推進に取り組んでまいりましたが、発達障害など特別な支援を必要とする児童・生徒については、近年その数が増加していること、支援に当たっては学校だけでなく、家庭や関係機関との連携が必要なことなどから、改めて今後の特別支援教育の考え方をお示ししたいと考えております。具体的には、今後の特別な支援が必要な児童・生徒数の推計を踏まえて、第2次の10か年計画で示した特別支援学級の増設、特別支援教室の具体的な展開や、特別支援学校との役割分担などについて検討を行っております。この検討結果を踏まえて、教育委員会として、今定例会中に御報告をしたいというふうに考えております。
最後に、校外施設のあり方についての検討状況です。
来年度以降の移動教室などの実施方法につきましては、常葉少年自然の家の廃止も視野に入れて、今後の校外施設のあり方について検討してございます。移動教室や夏季学園については、新学習指導要領の完全実施に伴う授業時間数の確保と、現在の学校現場の実情や児童・生徒の実態を考慮し、慎重に検討を進めてまいりましたが、来年度の学校運営の計画を策定する時期も迫っておりますので、今定例会中にその考え方をお示ししたいと考えております。
〔都市政策推進室長遠藤由紀夫登壇〕
○都市政策推進室長(遠藤由紀夫) 私からは、にぎわいフェスタに関する御質問についてお答えいたします。
まず、にぎわいフェスタの現状についてでございます。
参加団体数は、初年度である平成21年度は38団体、前回は46団体、今年度は51団体と増加傾向にございます。集客数につきましては、初年度が約4万2,000人、昨年度は東日本大震災によりますイベント中止等の影響によりまして、約1万2,000人となってございます。参加団体数につきましては年々増加し、参加団体からの企画提案の種別や内容等につきまして、これが多岐にわたっております。こうしたことから、にぎわいフェスタの周知度も向上し、地域に浸透しつつあるものと認識してございます。
次に、実行委員会の体制や区の関与についてでございます。
今年度のにぎわいフェスタの実行委員会のあり方を検討する中で、実行委員会の体制を整理し、実行委員会が主体的に実施・運営が行えるような組織体制をとったものでございます。一方で、区は団体間の調整や広報活動など、実行委員会の事務局的機能を行うことといたしまして、運営体制の強化を図ったものでございます。今後も適切な支援を行ってまいります。今年度は、にぎわい・文化担当の3名の職員が団体間の調整、広報・PRなどの事務局業務にかかわってございます。また資金面でも、にぎわいフェスタが民間主導のイベントとして確立されつつございますが、区としても必要な支援を行ってまいります。
続きまして、にぎわいフェスタと中野まつりとの関係でございます。
にぎわいフェスタは中野駅周辺の商店街や町会、団体、学校等が連携し、中野の個性や魅力を区内外に広く発信し、中野駅周辺をにぎわいと魅力あふれる活動拠点づくりに資するものでございます。一方、中野まつりは区民のだれもが気軽に参加する交流と連帯の場として位置付けられてございます。参加の要件は、それぞれの実行委員会が参加者の希望を受け、参加の可否を判断してきているところでございますが、にぎわいフェスタと中野まつりの開催目的や趣旨は異なるものでございます。
にぎわいフェスタの開催時期、これを10月に変更したことにつきましては、前回までの開催期間でございます1月から3月よりも、より集客が見込める時期に開催したいということで、実行委員会におきまして開催時期の検討を重ね、決定したものでございます。
私からは以上でございます。
〔地域支えあい推進室長長田久雄登壇〕
○地域支えあい推進室長(長田久雄) 私からは、中野まつりの今後についての御質問についてお答えをさせていただきます。
中野まつりは、中野駅周辺の整備工事により、中心となる催しの実施が困難となったため、今年度は中止といたしたところでございます。今後につきましては、整備工事の進捗状況等を考えますと、当分の間、中野まつりの開催は難しいと考えているところでございます。これまで中野まつりに参加していただきました団体は、中野まつりの趣旨に賛同して自発的な参加をしていただいたものであり、団体としての活動や発表の場につきましては、それぞれの団体の判断にゆだねるべきものと考えているところでございます。
私から以上でございます。
〔都市基盤部長服部敏信登壇〕
○都市基盤部長(服部敏信) 私からは、にぎわいフェスタの御質問のうち、(仮称)中央部防災公園におけます施設の内容及び利用、そしてもう1点、東京メトロ中野坂上駅西側出入り口にかかわります交通環境につきましての御質問にお答え申し上げます。
まず、(仮称)中央部防災公園におけます施設内容やイベントの利用についてでございます。
この公園におきましては、多目的広場、噴水ステージ、管理棟、多目的利用スペースなどを活用して各種イベントにも利用可能となるように、電源設備や常設のトイレ、水飲みなどを設置する予定でございます。御質問の、音楽やダンスの発表会などのイベントも考えられます。近隣が生活空間であることから、その場合には必要な配慮をしながら活用していきたいと考えてございます。
次に、東京メトロ中野坂上の西側出入り口の関係の御質問でございますが、中野坂上西側出入り口の完成は、先ほど委員からも御質問の中にもありましたけども、平成24年、明年の夏ごろと東京メトロから聞いてございます。現状では、西側出入り口の利用者が青梅街道の横断の際には出入り口付近の既存の歩道橋や、距離があります中野坂上交差点や、宝仙寺前の横断歩道を利用することにならざるを得ないと考えてございます。
一昨年、平成21年6月には地元の町会から中野警察署、都第三建設事務所に横断歩道の設置と歩道橋の撤去につきまして要望書が提出されたこともありまして、区といたしましては、バリアフリーや歩行者の利便性の観点から、その実現に向けて関係機関に働きかけているところでございます。今後も時期を逸することのないように、実現に向けて働きかけてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○議長(大内しんご) 以上でいでい良輔議員の質問は終わります。
中野区議会議員 木 村 広 一
1 高齢者施策の強化について
(1)認知症高齢者への理解と支援について
(2)介護保険基盤整備について
2 区有施設における電力供給契約について
3 防災・震災対策について
(1)災害時における情報発信について
(2)防犯パトロール強化について
4 自転車対策について
5 区の公園等における犬の同行入園について
6 (仮称)本町五丁目公園整備について
7 東京メトロ丸ノ内線新中野駅の改名について
8 その他
○議長(大内しんご) 次に、木村広一議員。
〔木村広一議員登壇〕
○3番(木村広一) 公明党議員団の木村広一でございます。区民の皆様、支持者の皆様方に大きな御支援を賜り、初当選をさせていただきました。区民の皆様のために懸命に働いてまいる所存でございます。諸先輩の皆様方、御指導のほど何とぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、平成23年第3回定例会に当たり、公明党議員団の立場から、元気いっぱい一般質問をさせていただきます。
質問は通告どおりで、最後のその他に「被災地への支援について」と「特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震改修助成について」を追加します。
初めに、高齢者施策の強化について。認知症高齢者への理解と支援の制度として、認知症サポーター養成講座について伺います。
高齢化が進む中、認知症施策は年々重要になってきています。私には心の病を持つ家族がいますが、認知症高齢者がいる家族の相談を受けるたびに、いつも私の家族と思い重ねます。
平成23年1月の区内の介護認定調査対象者1万865名のうち、認知症傾向のある高齢者は5,472名で半数を超えます。それに対し、区が毎年行っている保健福祉に関する意識調査では、「認知症についての理解度」アンケートで、平成22年度、23年度とも、「認知症の症状については知っているが、対応方法についてはよくわからない」が60%以上を占めています。認知症は早期発見により進行をおくらせることもでき、周囲の理解、支援を広げることが現在の大きな課題と考えます。
区では、その施策の一つとして、平成21年より国が進める認知症サポーター養成講座をスタートさせ、平成23年3月31日段階においては、その講座を受けた認知症サポーターは1,044名になりました。しかし、総人口に占める講師、サポーター数合計の割合は約0.4%、講師・サポーター1人当たりに対する高齢者人口は51名で、両方とも東京23区では22番目の低さです。サポーター養成講座が認知症施策のすべてではありませんが、区として強化すべきと考えます。
私自身も養成講座を受講してサポーターになり、このようにオレンジリングを持ちました。また、来月には私が主催者で100名近くのサポーター養成講座を開催する予定になっており、今後とも積極的にサポーター数増加に貢献してまいりたいと思います。
そこで伺います。平成23年5月19日の保健福祉審議会で、向こう5年間でサポーター数合計が4,000人に予定されていると報告されました。4,000人でもまだ23区平均には届かず、もっと積極的に取り組むべきと考えますが、まず、この目標達成は可能なのか、具体的にどのようにしてサポーター数をふやす予定なのか、伺います。
また、サポーター数が増加したとしても、それはあくまでも地域に点在する点と点であり、地域で認知症の方をサポートする力には、すぐにはなり得ないと考えます。そこで地域でのサポートを強化するため、事業者向け認知症サポーター養成講座の制度をつくってはいかがでしょうか。現行制度でも事業者対象で講座を開くことは可能です。しかし、事業者向けの制度を設け、特に認知症の方とかかわる機会が多い小売店、飲食店、薬局、理美容など、事業者や従業員がサポーターになるよう商店街などに啓蒙する。そしてサポーターがいる商店にはステッカーを配布し、店頭に張っていただくことにより、大きなPR効果が期待できると考えますが、いかがでしょうか。
この制度を実施している板橋区を視察しましたが、同制度により、商店街単位で養成講座を開催するところも出てくる効果が見られるそうです。ステッカーの掲示で「認知症サポーター」の認知度も上がり、このように目に見える形にして初めて、区が目指す地域での支えあい、認知症高齢者の支えあいを推進することになるのではないでしょうか、伺います。
次に、介護保険基盤整備について伺います。
高齢者の介護は在宅で行うことが理想と考えますが、在宅で介護が難しくなったときに、安心して暮らせる必要な施設として特別養護老人ホームが挙げられます。私も実家で祖母の在宅介護を経験しましたが、心身の障害を持った私の両親が介護をする大変さを目の当たりにし、本当に在宅介護が困難な場合、施設がどれだけ必要かを痛感しました。中野区でも施設入居への要望相談を何件もお受けしました。
事実、東京都が平成22年10月に実施した調査では、区内には1,200名を超える入居申込者がいるとのことであり、ニーズも非常に高い状況です。中野区第4期介護保険事業計画では、介護保険の基盤整備として特別養護老人ホームが挙げられています。特別養護老人ホーム整備の現状はどうなのか、計画どおりに進んでいるのか、伺います。
現在、中野区では八つの施設がありますが、ほぼ北部地域に集中しており、私が住みます南部地域では、より身近なところに施設が欲しいとの要望が多数あります。これまで公明党会派からも何度も要望してきました。そこで、先ほど区長が答弁をされましたが、現在、すこやか福祉センター、地域事務所などが予定されている富士見中跡地を有効活用して、特別養護老人ホームの整備を進めるべきと考えますが、どの程度の規模が可能なのか、また、その場合、整備主体は区なのか、または民間事業者を想定しているのか、あわせて伺います。
さらに、特別養護老人ホームと並んで要望や需要の高い施設として、介護老人保健施設があります。訓練を通じて地域生活に戻るためのリハビリ機能の充実した介護老人保健施設は、現在、江古田の森1カ所です。今後も必要な施設と考えますが、区としてどのように考えているのか伺い、この項の質問を終わります。
2番目に、区有施設における電力供給契約について伺います。
今回の震災により、電力不足をはじめ、その供給源の一つである原子力発電のあり方が問われています。また、日本の電気料金は諸外国に比べて割高であることも問われています。これまで電力の自由化が進められ、特定規模電気事業者、略してPPSと言います。この供給契約は、平成12年から緩和が始まり、平成17年には使用規模50キロワット以上が自由に契約を結べるようになっています。PPSとは改正電気事業法によって認められた新たな業態で、大口需要家に対し電力会社の送配電ネットワークを使って電気の小売を行っています。
PPS活用で節約につながった有名な事例は立川市で、平成22年度契約に当たって東京電力を含め入札を実施、立川競輪場では、価格の低いPPS事業者に切りかえ、電気料金が3割近く節約、さらに平成23年度ではPPS契約を53施設に拡大し、現在、東京電力より18%から19%安く契約でき、競輪場と合わせると5,000万円以上の節約になるそうです。
PPSの大きな魅力は、その節約の可能性とともに、初期投資が全くかからず、契約をかえるだけで済むこと、また、PPSが供給不能になったとしても、PPSの責任でバックアップ体制が保護され、安定供給も問題ないことです。
PPSの一つである東京エコサービス株式会社は清掃工場を24時間稼働させ、その廃熱を利用して発電した電力を23区内の公共施設等に供給していると聞いています。そこで伺います。この東京エコサービスと電力供給契約を交わしているのは、中野区では小・中学校8校ですが、どの程度削減効果がありますか。また、24時間稼働している利点を生かし、この電力を夜間施設に活用することは考えられないのか。夜間使用する区のスポーツ施設、そして街路灯に活用できれば電気料金の節減につながると考えますが、いかがでしょうか、伺います。
また、その清掃工場からの電力供給はCO2排出量ゼロで公共施設に供給することが目的とされており、ほかのPPS事業者とは性格が異なります。電力小売自由化の中で競争しているPPSは、より低価格で契約できる可能性があります。東京エコサービス以外にも、PPSが存在する事業者の特徴を比較検討した上で、平成24年4月導入を目指し早急に手続を進めるべきであると考えますが、いかがでしょうか、伺います。
3番目に、防災・震災対策として、災害時における情報発信について伺います。
東日本大震災で明らかになったように、災害時の情報発信の有効手段として、ツイッターなどのソーシャルメディアが見直されました。中野区においてもその検討を始めていますが、先週の台風のとき、私の一番の情報源はツイッターでした。現在、23区ではツイッターを利用しているのは10区、検討中は4区であり、中野区においても、災害時における情報ツールとしてツイッターを早期導入すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
ツイッターをまず災害時対応に活用すべきですが、それとともに日常の情報提供においても有効と考えます。区の情報提供はホームページによることが多いですが、これまで区政の情報が届きにくかった主婦や若者への積極的アプローチとして、また、情報のリアルタイムがツイッターには期待されます。
ツイッターの課題として情報管理が問題となりますが、ある区では危機管理課、保育園、小・中学校など、区内で88のアカウントを活用しています。また、都では積極的に局ごとの情報発信を始めています。情報管理の面だけでなく、受け手の求める情報にきめ細かくこたえられる方法として、ツイッターのアカウントを所管ごとに取得し、情報提供することも検討してはいかがでしょうか、伺います。
区を装って情報を流したり、情報を改ざんしたりする「なりすまし」に対応するには、公式アカウントを区のホームページで公表することや、ツイッターに必ず区のホームページのリンクを張り、詳細情報はホームページへ誘導する方法で大幅になりすましを防げると考えます。
また、災害時の情報発信の一つとして、「エリアメール」があります。これは携帯電話がこのサービスを受けられる機種であれば、無料で緊急情報を入手することができ、また、利用に際しメールアドレスの登録が不要なことから、区民だけでなく、仕事や買い物などで区を訪れた人も受信が可能です。「エリアメール」に関しては、運用の携帯会社が限定される問題はあります。しかし、災害などの緊急時に複数の情報ツールを活用すべきですし、ホームページやツイッターと違い、区の判断で情報提供できるため、高齢者やメディアに弱い人にも情報を伝えやすい。また、中野区の災害時の大きな課題であります中野区内の帰宅困難者への情報提供も可能です。
災害時の情報提供手段として、ぜひ導入すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
次に、防犯パトロール強化について伺います。
防犯パトロールは公明党会派の提案でスタートしましたが、前回の第2回定例会で我が会派のやながわ議員より、停電に伴う対策の一つとしてLEDベスト活用の提案をしました。東京都により、災害時における事故防止・防犯体制の充実に向けて、防犯ボランティアの方々が安全な夜間パトロールを行うための装備品としてLEDベスト、LED合図灯を貸与する制度が実施されました。貸与予定総数は都全体でLEDベスト1万5,000枚、合図灯1万2,000本、中野区では39団体にLEDベスト300枚、合図灯50本を貸与予定と伺っています。
このLEDベスト、合図灯は、これまで区で支給されてきたパトロール上着より非常に効果的と考えます。しかし、使用団体、交付予定数はまだまだ不十分です。私も毎月防犯パトロールに参加していますが、街路灯の間引きが継続される可能性がある中、防犯パトロールは強化すべきですし、そのボランティアの方々に力を入れることは、防犯に限らず、その地域の自主性を高めることになると考えます。
都では、さらに希望を受け付けるとのことですが、1団体当たりの交付数、また、希望する団体をふやすことを目指し、再度、各団体へ申請の徹底をし、都へ追加申請をすべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
以上で、防災・震災対策の項の質問を終わります。
項目の四つ目として、自転車対策について伺います。
以前より無灯火、携帯を使用しながらの運転など危険な自転車運転、それに伴う事故は非常に多発しています。さらに東日本大震災以降、帰宅難民を避けるための自転車通勤の増加、街路灯間引きによる夜間時の無灯火自転車による危険性が増加しています。事故にならなくても非常に危険で、何とかしてほしいという声を多く伺います。
区内の自転車事故は、交通事故全体が減少の中、発生率が年々上昇し、平成22年度では自転車事故が390件と、交通事故全体の47.5%を占めています。さらに、ことし上半期の区内当事者別交通事故件数に占める自転車の割合が27%で、都内ワースト2位です。
中野区における交通事故で自転車事故が大きな問題になりつつありますが、この事態に対し区はどのように認識し、具体的にどのように対策を考えていますか、伺います。
また、無灯火運転防止ですが、現在、秋の中野区交通安全運動で重点項目としてキャンペーンが行われていますが、今後も街路灯間引きの可能性があるならば、無灯火運転防止に特化してキャンペーンを強化する、ポスターや看板で継続的に啓発する必要があると考えますが、いかがでしょうか、伺います。
また、自転車対策の大きな問題として、自転車整備・点検と自転車事故保険の加入があります。自転車は気軽に利用できる反面、事故保険の意識が薄く、重症・死亡事故で治療費・補償費が払えない悲惨なケースが多いとされています。中野区でもTSマーク保険を奨励していますが、保険加入強化のため、例えば自転車駐輪場へ登録申し込み時に、TSマーク保険や他の自転車保険をPRすることはできないでしょうか。
また、自転車保険未加入による大きな損害に加え、自転車保険はクレジットカードや自動車保険の特約についているケースもあり、二重に掛ける必要はないことなど、自転車保険に関する情報が少ないと考えます。ホームページや区報で啓発を強化すべきと思いますが、いかがでしょうか。
最後に、自転車利用台数、自転車事故が増加していく中、都をはじめ各自治体でも自転車安全条例を検討するところがふえています。中野区においても自転車対策の柱として、区の姿勢や取り組みを明確にした「自転車安全条例」を制定すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
次に、区の公園等における犬の同行入園について伺います。
ことし3月現在で、中野区における犬の登録数は9,018頭ですが、近年、ペット飼育が可能なマンションがふえ、特に小型犬を中心にペット数がふえているようであり、しかも、このタイプの小型犬は簡単に飼育できるため、無登録が多いと考えられます。必然的に狂犬病予防注射接種、混合ワクチン接種がされていない可能性があります。
高齢者社会を迎える現代において、ひとり暮らし高齢者の孤独を癒やす、また少子化の中でペット存在がますます大きくなっていることは、東日本大震災でのペット避難でクローズアップされていることでも実証されています。
中野区は、住宅地が密集している中で面積が狭い公園が多いこと、周囲の理解が得られていないことから、これまで公園への犬の同行入園は原則認められてきませんでした。特に南部地域では1カ所もありません。平成20年3月に作成された「中野区における『ペットとの共生』のための提言」では、犬の広場、同行入園実施のために具体的に提言をしています。犬の広場の設置は将来的な目標とし、まず現実的な犬の同行入園を検討してみてはいかがでしょうか。
具体的には、同行入園できる犬は保健所に登録し、狂犬病予防注射、混合ワクチン接種、マナー教室の受講を義務付け、飼い主名、犬の名前、写真を掲示した札をつけさせる。登録を実費にして、そこで手続の負担をする。その札をつけている犬だけが同行入園ができ、公園で休むことができる。公園内では必ずリードをつけ、利用は子どもが少ない時間に限定する。その条件で同行入園できる公園を何カ所か試験的にモデル公園にして実施してみてはいかがでしょうか。
犬の問題は多くはマナーの問題であり、マナーが守れない一部の人のために多くの飼い主が窮屈な思いをしているのが現状です。同行入園というインセンティブによって、犬の健康という直接的な目的はもとより、マナーの改善、狂犬病予防注射普及率も向上すると考えますが、いかがでしょうか、伺います。
次に、(仮称)本町五丁目公園の整備について伺います。
区は平成21年11月に「今後の大規模公園整備の基本的考え方」をまとめ、その中で(仮称)本町五丁目公園についても整備の基本的な考え方を示しました。憩い・休息機能、スポーツ機能、防災機能を有する予定となっている本公園の整備について、地域住民の関心は非常に高いものの、公園整備にかかわる説明は、これまで平成21年10月の都市計画素案についての住民説明会の1度のみで、地域住民からは、公園整備に当たり、今後どのように地域の意見が反映されるのかとの声を多くいただきます。区と地域が一体となって今後の公園整備を考えていきたいとの観点から、何点か伺います。
「今後の大規模公園整備の基本的考え方」では、本公園の防災機能の中に「救援活動」と記されています。隣接する病院は、現在、都の地域防災計画で「災害拠点病院」と位置付けられていますが、一部機能を残し他区へ移転予定と聞きます。その場合でも「救援活動」は可能なのでしょうか。再検討が必要と考えますが、いかがでしょうか、伺います。
また、今後の公園整備について、地域住民へ基本計画(案)をいつごろ示す予定なのか、伺います。
さらに、基本計画(案)、基本設計(案)それぞれについての住民説明会を開催することとなると思いますが、案を示した後、地域の方々にも検討の時間が必要です。それぞれ1回限りではなく、複数回の開催により、地域の意見を丁寧にお聞きする機会を設けるべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
防災機能についても、住民の視点を取り入れることが重要と考えます。そのためにも、防災についての勉強会の開催や、先行事例である防災公園等の住民見学会を行ってはいかがでしょうか、伺います。
東日本大震災の教訓に学び、(仮称)本町五丁目公園を区民の生命と安全を守るためのモデルとなる公園とするため、その実施を求め、この項の質問を終わりにします。
次に、東京メトロ丸ノ内線「新中野駅」駅名の改名について伺います。
東京メトロ新中野駅は、昭和36年2月、帝都高速交通営団荻窪線終点駅として開業しました。新中野駅は、開業前からその駅名に関して、地元である「鍋屋横丁」を使用してはとの要望が強く、さまざまな折り合いがつかない中で、「新中野駅」という駅名が採用された経緯があります。
現在、区内の駅で地元の地名が使われていないのは新中野駅のみです。また、開業して本年でちょうど50年がたちますが、いまだに都心からのタクシーで、「新中野駅」より「鍋屋横丁」と言ったほうがすぐわかるぐらい、「鍋屋横丁」の名前のほうが浸透しています。
歴史の由来が深く、都内でも有名、地域にも親しまれている「鍋屋横丁」の名を残す。また、地元でその要望が多い「鍋屋横丁駅」と改名することを、東京メトロなど関係者へ区として伝えることはできないでしょうか。
これは単なる駅名の改名にとどまらず、地域のまちおこしの大きなシンボルになると考えます。現在の鍋屋横丁周辺はマンション建設などの再開発が進み、商店数が減少し、かつてのにぎわいはありません。だからこそ地元の人は、青物横丁、アメヤ横丁とともに、古くから東京3大横丁と親しまれたこの鍋屋横丁の横丁文化、人情味あふれるまちの継承、復活を望んでいます。
具体的に改名となると、当然それに伴う東京メトロの負担がありますが、例えば同じように改名を望んでいる駅があれば、その負担を分け合うことも考えられます。また、最近では副都心線の開通に伴い、東京メトロ千代田線「明治神宮前駅」が「明治神宮前(原宿)駅」に、また、スカイツリー完成に伴い、東武鉄道「業平橋駅」が「とうきょうスカイツリー駅」に改名されますが、将来的に丸ノ内線駅で少しでも改名の可能性があるとき、例えば、現在、都が東京メトロ株の購入を検討しているようですが、東京メトロと都営線の合併などの機会を逃さないように要望を伝える。また、「明治神宮前(原宿)」のように、「新中野(鍋屋横丁)」のように名称を併記する形で改名することも考えられますが、いかがでしょうか、伺います。
その他の項として、被災地への支援について伺います。
被災地では今後、本格的な復興に向け産業経済の立ち上がり、安定が不可欠であり、それに伴い復興支援のあり方もいかに持続可能な支援ができるかが重要と考えます。
被災地の自治体や被災者の生活支援のため、区内商店街活性化も図りながら、継続的な支援、定期的な物産展の開催や支援を実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、東京都では東北3県中心に延べ5万泊宿泊する被災地応援ツアーの実施を始めていますが、周知徹底が圧倒的に不足しています。区内の指定旅行代理店の紹介や、物産展でのチラシの配布、また、区のホームページでの紹介など、区として積極的に支援すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
その他でもう一つ、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震改修助成について伺います。
この件については、さきの第2回定例会で我が会派の平山議員が、新たな目標設定と耐震化についての区独自の追加支援策の実施や、都への助成増額を求めるべきとの質問に対し、区長は、区としても目標の設定や、あるいは効果的な支援策の実現や、都に対しても、一層取り組みを強化していくよう要請していくとの趣旨の答弁をされました。
都が発表した新たな助成制度によると、補強設計、改修工事費用について区市町村が基準金額の6分の1を負担する場合のみに、都が本来の6分の1負担に加え、さらに6分の1を負担することとなっており、これにより所有者負担は6分の1で済みます。しかし、区市町村の負担がない場合、都の追加補助はなく、所有者の負担は3分の2となります。
区としても、基準金額の6分の1の助成を行うべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
以上で質問を終了いたします。
初めての質問で、不明瞭な点があれば御理解をお願いします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 木村議員の御質問にお答えいたします。
認知症サポーターの目標達成の見通しその他についてです。
区といたしましては、平成21年度後半から地域包括支援センターと連携・協力をしながら、認知症サポーター養成講座を開催してまいりました。平成22年度末時点で1,177人の区民が受講しております。認知症サポーター養成講座の講師役を務めるキャラバンメイトも区が養成研修を行い、地域包括支援センター職員やケアマネジャーの中からふえてきております。23年度も認知症サポーター養成講座については、町会、老人クラブや民生委員、商店街などを対象に開催してきております。平成23年度から向こう5年間で4,000名にするという目標を超えることが可能だと考えております。
それから、事業所向けの展開とPRについてという御質問であります。
区内の商店街にも認知症サポーター養成講座の開催を呼びかけておりまして、既に薬師あいロードなど実施している商店街もあります。その他の商店街でも開催を打診しているところであります。さらに各地域に広めてまいりたいと考えております。事業所にサポーターがいることは、認知症高齢者のみならず、一般区民にもPRになることは期待できると考えております。区といたしましては、ステッカーの配布なども含め、さまざま工夫をしていきたいと考えております。
特別養護老人ホームの整備の計画についてであります。
区内の特別養護老人ホームは現在8施設で630床の開設となっています。平成21年度から23年度の計画期間であります第4期介護保険計画では、100床の整備を目標としております。現在、東中野五丁目区有地を活用した50床の整備を平成25年4月開設を目途に進めているところであります。残り50床が未整備ということになります。
いでい議員の御質問にもお答えしましたように、富士見中の跡地を活用した特別養護老人ホームの整備というのを考えているところでして、ここに整備する場合の規模としては、恐らく50床程度だろう、こう考えております。
また、整備の主体ですが、公募によって事業者を選定して、事業者が施設を整備運営する形を考えております。
また、介護老人保健施設の整備についての御質問もありました。
介護老人保健施設は、要望や需要の高い施設でありますが、整備が進まず、不足している施設でもあります。区といたしましては、社会福祉法人や医療法人などに働きかけをするなど、整備の推進に努めたいと考えております。
それから、特定規模電気事業者(PPS)についての御質問です。
現在、清掃工場で発電した余剰電力を販売する東京エコサービス株式会社から、小・中学校8校で電力を購入しております。平成22年度の実績については、電気使用量で82万4,456キロワット時、電気料金にしまして1,658万4,074円、これ、東京電力の料金と比較いたしますと、差額が40万円ぐらいというふうになります。現在、東京エコサービス株式会社におきましては、土・日曜日、また平日夜間の電力が若干余剰ぎみでありますことから、新たな供給先として、屋外の運動施設等を想定して、その活用を検討しているところであります。これにあわせて区としても検討していきたいと、こう思っております。
そのほかのPPSの活用を進めるべきではないかと、こういった御質問であります。
PPSにつきましては、電力の安定供給が可能であるのか、本当にバックアップ体制が複数確保できているのか、また、発電方式がCO2削減に寄与する方式なのかなど、幾つかの課題について検証していきたい。そうした検証とあわせて検討していきたい、こう考えております。
それから、ツイッターなどの利用についてであります。
ツイッターにつきましては、災害時に限らず情報発信手段の一つとして有効であると考えておりまして、導入して活用していきたいと考えております。
災害避難情報の一斉送信メール、御質問ではエリアメールと、こういうことでありました。これについても、災害時の情報発信の手段として活用できるものと考えておりまして、導入の検討を進めてまいります。
LEDベスト、LED合図灯の貸与についてですが、東京都からのLEDベスト、LED合図灯の貸与につきましては、当初取りまとめました配布数をさらに拡大して追加申請が可能との連絡が届いたところです。夜間のパトロール活動に参加されている団体の皆さんに行き渡るように、改めて追加の申請を行う予定であります。
それから、特定緊急輸送道路沿道の耐震化促進についてであります。
東京都が特定緊急輸送道路に指定します路線が中野区内にも存在いたしますところから、そうした東京都の事業を活用できるように、区としても準備・検討を進めてまいりたい、こう考えております。
私からは以上です。
〔都市基盤部長服部敏信登壇〕
○都市基盤部長(服部敏信) 私からは4点ございます。自転車対策につきまして、また、区の公園等におけます犬の同行入園、さらには(仮称)本町五丁目公園整備、そして東京メトロ丸ノ内線新中野駅の駅名の改名でございます。
まず、自転車対策につきましての御質問のうち、事故減少の取り組みについての御質問がございました。区といたしましても、中野、野方両警察署をはじめとする関係機関や、交通安全協会をはじめ町会、商店街など地域の皆さんと力を合わせて、夕暮れや夜間の交通事故防止のため、自転車の運転マナーの向上の啓発のほか、前照灯の点灯徹底や反射材用品等の着用の呼びかけなど、区民への啓発と交通事故防止に取り組んできてございます。
次に、無灯火運転防止の取り組みでございます。御提案のような無灯火運転防止に特化したキャンペーンの強化、また、ポスターや看板による啓発につきましては、今後、中野、野方両警察署等とも相談の上、より効果的な対応を検討してまいりたいと考えてございます。
続きまして、自転車の保険加入奨励でございます。御提案のように、自転車駐車場への登録申し込みのときに、TSマークをはじめとした保険制度に関します情報の提供や、PRについて検討していきたいと考えてございます。また、中野区のホームページや区報等におきましても、より効果的な保険加入のPRが図れるよう検討したいと考えてございます。
この項の最後に、自転車安全条例の制定でございます。区民の皆さんに自転車を安全に利用していただくことは、交通安全を推進していく上で大きな課題と考えてございます。他の自治体の事例の中には、理念的なものにとどまるものもありますけども、こうしたことを参考にしながら、今後さらに研究してまいりたいと考えてございます。
次に、区の公園等におけます犬の同行入園につきましての御質問にお答え申し上げます。犬の同行入園につきましては、一定のルールのもとに同行できるような内容でペット条例の提案をしてまいりましたが、条例は否決となってございます。委員の御提案であります登録制によります具体的なお話でございますが、飼い主のマナーの改善や狂犬病予防の注射の普及率の向上につながる効果を期待できると考えてございますが、公園という一般の利用に供する公共空間のあり方の中で、ルールや守られるべきマナーなどについて明確に定めていく必要があると考えてございます。
次に、(仮称)本町五丁目公園整備につきましての御質問でございます。
救援活動の取り扱いのことの御質問がございました。基本的な考え方をまとめた時点では、幹線道路、中野通りに面する条件を生かして、災害発生時におきまして救援活動等の拠点となるというように想定したものでございまして、委員が御指摘の、特に病院の存在に依拠して考える機能ではございません。(仮称)本町五丁目公園の基本計画(案)につきましては、来年、24年度に取りまとめを行い、意見交換会を行っていく予定でございます。これまでも基本計画、基本設計をまとめる各段階で意見交換会を行い、参加者からさまざまな意見をいただき、計画に反映できるものは反映してきてございますが、今後とも可能な限り参加者の意見を反映させていきたいと考えてございます。さらに御意見を聞く中で必要があれば、近隣区にございます防災機能を有します公園の現地の案内、見学を開催するなども検討していきたいと考えてございます。
最後に、東京メトロ丸ノ内線新中野駅の駅名の改名でございます。
東京メトロの新中野駅に関し、鍋屋横丁という名称を反映した形で名称を変更するよう、関係機関に働きかけをできないかという御提案につきましては、地域の皆さんの御意見等を確認した上で改めて対応を考えていきたい、そう考えてございます。
以上でございます。
〔都市政策推進室長遠藤由紀夫登壇〕
○都市政策推進室長(遠藤由紀夫) 私からは、その他の項の被災地への支援についてお答え申し上げます。
初めに、継続的な支援についてでございます。
本年7月に被災地復興応援フェア「なかのいち」といたしまして、被災自治体による物産展等を開催いたしました。その後、商店街や町会が主催する地域のイベントへの被災自治体の産直販売の出店の引き合いが相当数あるなど、地域における被災地支援活動の輪が広がりつつあるものと認識してございます。こうした取り組みを一層推進するため、10月9日、10日に行われます中野にぎわいフェスタにおきまして、第2回「なかのいち」を同時開催することとしてございます。さらに今後は商店街や町会等が主催する地域イベントの際に、区が出店調整や物産搬送を行うことや、区のホームページへの掲載等による被災地支援物産展の開催の支援を行いまして、区民や区内団体等が主体となって行う活動へと発展させ、継続的な事業としたいと考えてございます。
次に、東京都被災地応援ツアーの周知支援についてでございます。
東京都被災地応援ツアーにつきましては、旅行代理店が周知に努めておるところでございます。区といたしましては、様子を見守り、必要があれば対応していきたいと考えてございます。
○議長(大内しんご) 以上で木村広一議員の質問は終わります。
議事の都合により、暫時休憩いたします。
午後2時48分休憩
午後3時10分開議
○議長(大内しんご) 会議を再開いたします。
この際、申し上げます。
議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 来 住 和 行
1 区長の政治姿勢と2010年度決算について
(1)東日本大震災の復旧・復興支援について
(2)原発依存から脱却し、エネルギー政策を転換することについて
(3)2010年度決算について
(4)その他
2 福祉を優先し区民の命を守る防災について
(1)木造住宅の耐震補強工事への助成について
(2)家具転倒防止器具助成について
(3)緊急輸送道路沿道建築物の耐震改修助成制度について
(4)防災・減災対策の強化・拡充について
(5)地域防災計画の見直しについて
(6)その他
3 保育園の保育水準を維持・拡充することについて
(1)待機児をなくすことについて
(2)認可園の面積基準緩和をしないことについて
(3)その他
4 区立学校の学校再編計画の問題について
5 障害者福祉の充実について
(1)中野区移動支援サービス事業について
(2)すこやか福祉センターの相談支援について
(3)その他
6 自殺者を出さない取り組みについて
7 東中野地域のまちづくりの問題について
8 その他
○議長(大内しんご) 来住和行議員。
〔来住和行議員登壇〕
○41番(来住和行) 2011年第3回定例区議会に当たり、日本共産党議員団を代表し一般質問を行います。
区長の政治姿勢と2010年度決算について。
まず、東日本大震災の復旧・復興支援について伺います。
東日本大震災から半年が過ぎ、地震・津波で亡くなられた方、行方不明で2万人にも及び、親を失い、悲しみと困難を背負った子どもたちが2,000人とも言われています。避難所となっていた被災地の学校、体育館、公民館が閉鎖される中、それでも約7万5,000人が避難生活を送っておられます。私はボランティアとして宮城県石巻市に5月と9月の2回、行ってきました。大きな違いは、瓦れきが撤去・集約され、生活の場が仮設住宅へと移ってきていることでした。その仮設住宅での被災者からの声は、「現金収入がなく、税金・保険料の負担が重い、網戸がない、物干しがない、浴槽が深くふろに入れない、食料、衣類、トイレットペーパーが欲しい」などの切実なものでした。
多くの人が暮らしと営業の見通しが持てないいら立ちの中、2年後には仮設住宅を出なくてはならない不安と、「復興だ」、「自立だ」と言っても、「生活再建なくして復興も自立もない」というのが半年たった被災地に行っての私の実感です。
被災地にはまだまだ全国規模の物資の支援、ボランティアの支援が欠かせません。日本共産党も全党挙げて継続した支援を行っていきます。
全国の地方自治体からは、ぎりぎりまで職員が削減され、厳しい労働環境の中にありながら、被災地の行政を支援するため駆けつけています。
中野区も東松島市をはじめ12の自治体に職員を派遣しています。派遣された職員と、それを現場で支えておられるすべての職員の皆さんに敬意を表したいと思います。
区長は被災地、被災者の現状をどう見ておられるのか、被災者の生活再建と被災自治体への支援に国と地方自治体は何をすべきとお考えか、お聞きします。
国難とも言うべき地震、津波、原発事故の重大かつ深刻な事態が進行し、迅速で根本的な打開策が政治に求められているときに、野田首相は、民、自、公と連携し、震災復興に乗じて財界主導の「社会保障・税一体改革」の名による社会保障改悪と消費税大増税への道へ突き進もうとしています。その中身は、消費税10%への増税と法人税の減税を柱とし、医療費では現行の3割負担に加え、外来受診のたびに定額負担の上乗せ、年金は支給開始年齢を68歳ないし70歳まで引き上げようというものです。
復興財源と言うなら、空前の規模に膨らんだ大企業の内部留保の活用、法人実効税率5%引き下げをやめれば、10年間で約12兆円の財源を生み出し、庶民増税は必要ないことも財務省の試算でも明らかです。原発の建設・推進予算の削減、政党助成金の廃止など、歳入歳出を見直し、被災地と国民の願いにこたえるべきです。区長の見解をお聞きします。
次に、原発依存から脱却し、エネルギー政策を転換することについてお聞きします。
福島の原発事故はいまだ収束に至らず、放射能汚染は被害を拡大し、見通しの立たない原発事故による避難生活者は10万人を超えています。
今回の事故で放出された放射能物質の線量は、広島型原爆の20個分の恐るべき量に達しています。原発推進の政府と企業は、これまでIAEA(国際原子力機関)から過酷事故対策をとることを勧告されていながら、「日本では過酷事故は起こり得ない」と対策をとってきませんでした。歴代の政権が原発企業からの政治献金に手を染め、「原発安全神話」にどっぷりとつかって原発を推進してきたこと、さらに原子力の規制機関とされてきた原子力安全・保安院が、県・国主催の説明会で「やらせ」までやっていたことです。
第2回定例区議会で区長は、「原子力発電をゼロにするという判断は、原発事故の収束過程や今後の安全対策など明らかでない現時点では語ることができないと考える」との答弁でした。
杉並区長は、「大きな危険を伴う原子力発電については、過渡的なエネルギーであるべきであり、将来的には再生可能エネルギーへ切りかわるよう段階的に縮小していくことが重要」と、エネルギー政策の転換の姿勢を明らかにしています。私たちは、危険な原発に依存したエネルギーから再生可能エネルギーへの転換で原発ゼロを目指すべきと考えますが、改めてお聞きします。区長の原子力発電とエネルギー政策の転換についてのお考えをお答えください。
2010年度決算についてお聞きします。
構造改革、規制緩和の政治によって社会・経済のゆがみが中小企業の倒産と雇用破壊を生み、失業と貧困層を拡大させたのが2010年度でした。
この年度は、警察大学校等跡地地区整備関係48億円余、中野駅地区基盤整備、東中野駅前広場関連で次年度への繰り越しを含め9億3,000万円余となるなど、本格的に大規模開発に乗り出す年度になりました。区民の暮らしはと言えば、中野区がハローワークと連携し開設した離職者への支援相談窓口には4,500件以上の相談が殺到しました。区税収入の中心となる特別区民税は前年度と比べ18億円の減、納税できる人の減少と、納税する区民1人当たりの所得が10年前より年間36万8,000円もマイナスとなっていること、中でも、給与生活者の1人当たりの給与が前年度より年間14万円余も減収となりました。
これまで区長は、構造改革と規制緩和をリードすることを区政運営の基本姿勢とされてきました。しかし、この流れは区民生活を苦境に追い込み、格差を拡大することとなったのではありませんか。私たちは、国民の懐を暖め、消費と内需拡大で不況を打開する道筋を繰り返し提案してきました。区民にとっての暮らし応援として、認可保育園の増設で子育て支援、高齢者特定健診の無料化で健康支援、商店街支援で地域支援などの施策を大胆に進めるべきではなかったでしょうか。答弁を求めます。
2010年度も予算化しながら、41億円余も不用額として残すことになりました。歳入歳出のより一層の精査が求められます。積立基金については、「新しい中野をつくる10か年計画」の改定で出された財政見直しでは、財政調整基金と主要な目的基金で329億円を基金残高として見込んでいましたが、決算年度末現在高は374億円にもなりました。中でも財政調整基金は見込みを大きく超え、204億円にもなっています。
そこでお聞きします。新年度の予算編成に当たっては、基金を生かし、区民の暮らしを優先した編成とすべきです。答弁を求めます。
次に、福祉優先に区民の命を守る防災についてお聞きします。
まず、「木造住宅の耐震補強工事の助成」について。
中野区において東日本大震災の発生から簡易耐震診断の希望がふえています。しかし、一般診断や補強工事へと結びついている状況ではありません。これまでも老朽化による木造住宅の建てかえはあるものの、耐震補強工事へとなかなか進んでまいりませんでした。その理由には、資金がない、高齢のみ世帯であるなどから、耐震補強工事が進んでいません。
区はこれまで、「耐震改修工事については、個人のお住まいの安全性を確保するという目的であり、個人の財産形成につながることから助成しない」との立場を繰り返しています。中野区のように住宅密集地域において大切なことは、家をまず崩れない、倒れない建物にすることで自分の命を守ってもらう、倒壊家屋が火災の発生源とならないようにすることが、地域における防災・減災の基本です。個々の安全確保は、地域にとっての安全・安心のよりどころであり、地域社会にとっては公共性そのものです。特に経済的理由で耐震改修がおくれることがあってはなりません。区が誘導していくことによって、より安全な住宅へと改修できる制度となります。同時に、そのことが地元業者への仕事確保にもなります。
国は大震災を教訓に、リフォームにも一体として生かせる制度をスタートすると言います。区として耐震補強工事助成を早急に制度として確立すべきです。お答えください。
次に、家具転倒防止器具助成について伺います。
中野区が配布した「中野区のお知らせ」によると、「大きな地震が発生したときに、建物の倒壊は免れても、家具類の転倒、落下によりけがをしたり、命を落とすケースがあり、東京消防庁の想定では、家具類の転倒、落下により、約5万4,500人の負傷者を予想しています」と、対策をとることを推奨啓発しています。
簡単にできる地震対策でありながら、思うように進みません。西東京市では、7月の1カ月間、家具転倒防止器具を無償での支給受け付けを行った結果、4,430件の申請があったとのことです。この制度は、もともと東京都が器具の取りつけと器具代の半額を補助しています。中野区は取りつけ代の半額の補助を都から受けながら、器具代の補助制度を持たないために、補助を受けられないでいます。区民は不利益をこうむっています。中野区はこれまで「家具転倒防止器具は安価なものであり、工事費の助成で十分」との態度をとり続けていますが、直接家具でけがをしなくても、出入り口をふさがれ、避難の妨げとなるなどの二次災害を防ぐ上でも重要です。3・11以降、取りつけ件数が若干ふえている今こそ、この制度が活用されるよう器具の無償支給に踏み出すべきです。答弁を求めます。
次に、緊急輸送道路沿道建築物の耐震改修助成制度についてお聞きします。
東京都は「緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例」を4月に施行しました。条例は、首都直下型地震の切迫性を指摘されている中、震災時において避難、救急消火活動、緊急支援物資の輸送及び復旧・復興活動を支える緊急輸送道路が建築物の倒壊により交通網が遮断されることを防止するため、沿道の建築物の耐震化を推進し、震災から都民の命と財産を保護することを目的としています。
今回、特定緊急輸送道路に指定された環七、青梅街道、新青梅街道、目白通りの沿道の建物は、耐震診断が義務化されます。診断費用は、基準金額の全額は国と東京都負担となります。改修工事は努力義務です。中野区が補強設計、改修工事費の基準金額の6分の1を負担することで、建物所有者は6分の1負担で改修ができる制度です。中野区も助成制度として立ち上げるべきではないでしょうか。答弁を求めます。
次に、防災・減災対策の強化・拡充についてお聞きします。
東日本大震災から、中野区は「緊急対策」を6月に実施しました。緊急地震速報受信機設置など、評価できるものです。当面考えられる4点についてお聞きします。
第1に、3月11日当日は、保育園、幼稚園、障害者通所施設など保護者との連絡が絶たれる状況となりました。このことから、大災害時の保護者との連絡が確実にできるシステムを通信事業者と協力して確立することが必要になっています。東京都にも要望しつつ、システムの確立をすべきと考えますが、お答えください。
第2に、電源、通信網遮断を想定し、今回、避難所としての学校に設置されたデジタル防災行政無線システムを公私立保育園、幼稚園、福祉施設にも設置し、非常時に災害対策本部と連絡がとれるようにすること。答弁を求めます。
第3に、3月11日の当日、区立小中学校では子どもの帰宅判断は学校の判断とされました。家族が自宅にいない中、また、余震が続く中での家や学童クラブ等への移動判断が安全であるかは悩むところであります。保護者が引き取りに来るまでは学校に子どもをとめ置くなどの統一基準を教育委員会は持つべきではないでしょうか、お答えください。
第4に、同報系無線について。公園など区内113カ所に設置された屋外スピーカー、避難勧告などの災害情報を区庁舎から直接区民に発信するものです。このスピーカーの音が聞き取りにくい、反響して何を言っているのかわからないとの苦情が依然として寄せられています。スピーカーの位置、高さ、設置箇所を含めて検討し、解決を図るべきです。答弁を求めます。
次に、地域防災計画の見直しについてお聞きします。
報道によると、東京大学地震研究所の解析では、首都圏でマグニチュード7級の地震が「直近のデータを踏まえると、今後30年間で98%になる」と想定しています。国の新たな被害想定を考慮するとしても、地域防災計画の見直しに当たっては、立川断層地震、東京直下型のほかに、東海・東南海・南海の3連動地震を想定したものとすることが重要です。これを想定して長周期地震動、大停電、帰宅困難者対策を盛り込むことを求めます。
さらに、足立区は防災計画の見直しでは、大規模停電等に加え、原発事故、放射線対策を早急に組み込むとしています。世田谷区も放射能事故対応を盛り込む準備を始め、大田区では既に事故対応が計画されています。
中野区でも原発事故への対応策を取り入れて見直すとともに、区民参加で区民の意見を反映させることもあわせてお答えください。
次に、保育園の保育水準を維持・拡充することについてお聞きします。
まず、待機児をなくすことについて。
中野区は、4月には保育園待機児をゼロにすることを約束してきました。しかし、認可保育園を希望しながら待機児となった児童は4月1日で356人になっています。
これからの半年間、区内の認可園だけでなく、認証保育所を含め、ゼロ歳から1歳児の保育園希望者は入所できる園はないという状況になっています。
待機児ゼロを言いながら待機児をなくせないのは、専ら認可園での詰め込みと、認証保育所、保育ママ制度に頼るなどして、認可保育所を思い切って増設してこなかった区の姿勢にあります。保育園の待機児童を本気でなくすには、認可保育園を増設する以外にはありません。お答えください。
次に、認可園の面積基準緩和をしないことについてお聞きします。
待機児童が深刻な地域においては、「地域主権改革」一括法で来年4月から3年間に限り、最低基準の引き下げが可能となり、ゼロ歳から1歳児をさらに詰め込むというものです。23区では、中野区をはじめ15区がその対象自治体となっています。東京都は第4定から第1定で面積基準緩和の条例を提出すると言われています。しかし、東京都が決めたとしても、その面積基準を導入するかどうかは、自治体、すなわち中野区の判断です。既に中央・文京・北・板橋・葛飾の5区は、緩和の予定はないと明言しています。対象区の北区は4月に認可園6園を整備し、待機児を解消してきました。保育関係者からは、諸外国と比較し、日本の最低基準はとても低い。「食寝分離」など、現在の基準でも課題が多いのに、切り下げられれば日常保育をもっと困難にするとの声が上がっています。
中野区も「子どもにしわ寄せが行く」基準緩和はすべきではないと考えます。見解をお聞きします。
次に、区立学校の学校再編計画の問題についてお聞きします。
区教育委員会は、2005年度に策定した学校再編計画の中後期について、今年度中に計画を策定するとしています。05年の再編計画では、1クラスの基準を40人と定めてきましたが、東京都も昨年度より小1問題、中1ギャップの防止解決から、小・中とも1クラス40人になったら2クラスにできるとし、今年度からは39人で2クラスに編制できることになりました。
その結果、中野区においても昨年度、5校でクラス増となっています。文科省も今年度から小1を対象に35人学級とし、来年度は同じ2年生にも拡大します。私たちは、30人以下学級が世界の流れであることを指摘してきました。
区教委が進めた前期計画では、地域の結びつきが壊されてしまった地域も少なからず生まれました。
1クラス40人の基準も変わり、東日本大震災における学校の役割にも新たな視点が向けられようとしています。区教育委員会の教育ビジョン(第2次)においても、今後の学校再編については、「学校間の連携や地域・家庭との連携などを踏まえて検討します」としており、これまでの学校再編計画の根拠も崩れています。学校再編計画の中後期計画そのものをまず撤回すべきではありませんか。答弁を求めます。
次に、障害者福祉の拡充についてお聞きします。
まず、中野区移動支援サービス事業についてお聞きします。
この事業は障害者自立支援法に基づき、屋外の移動が困難な障害者等に対し外出のための支援を行うことで、地域での自立・社会生活を促すことを目的としています。買い物、新規就業時の通勤、介護者の不在による通所及び通学その他の外出の際のヘルパーの付き添いです。委託事業として実施されています。昨年度の年間実績は、利用者300人を超え、義務教育通学等支援事業の利用者も50人を超えています。
移動支援サービス事業の中で、中学生等への支援として、プールを利用する際に送迎時間は認められても、プール利用時間は除外されていることです。中学生ともなると、遠距離のプール利用となるなど生活圏が広がることから、プール事業内も支援サービス事業としてカウントできるよう改善すべきではないでしょうか。障害者にとって、プールなど身体を使っての活動は心身の成長に効果的な役割を果たしています。制度を拡充・充実することで、利用者もさらに積極的になると考えられます。せっかくの自立支援のための事業です。改善拡充されることを求め、答弁を求めます。
さらに移動支援サービスの認定において、中野区では区分認定の5の障害者が「身体介護なし」とされるケースがあると聞きます。杉並区では、区分3以上の認定を受けている障害者はすべて「身体介護あり」とし、さらに基準単価に初期加算を上乗せするなどして、希望の多い短時間の移動支援サービスの利便性を図っています。移動支援サービスの支給決定に当たっては、利用者の実態をしっかり把握し、少なくとも区分3以上の方は「身体介護あり」となるよう支給決定基準を改善すべきではないでしょうか。答弁を求めます。
次に、すこやか福祉センターの相談支援についてお聞きします。
区内4カ所のすこやか福祉センターは、子育て、保健、福祉、支えあいの地域拠点として、相談、各種事業をワンストップで提供を行うとしてきました。障害者の相談・支援については、ケースワーカーの配置は欠かせません。しかし、配置されているのは中部すこやか福祉センターのみで、北部、南部、鷺宮には配置していないことから、相談はできても、その人に応じたプログラムの構成や各種給付の交付は、結局、区役所まで行くことなしには完結しません。障害者の方々にとって、1カ所で完結できるシステムが望まれます。すこやか福祉センターでの相談機能が事業と一体となってこそワンストップと言えます。サービスの向上が図れるよう、今後の取り組み改善方について答弁を求めます。
すこやか福祉センターによっては、子育てに関係する案内の表示、掲示が十分でないところもあります。センターが子育て、保健、福祉の地域拠点と認識できるよう、工夫・改善が必要です。あわせて答弁を求めます。
次に、自殺者を出さない取り組みについてお聞きします。
自殺者数は1995年から増勢に転じ、98年以降、3万人を超えています。原因は、うつ病を含む気分感情障害の疾患数の推移と一致していると、「救える死」の著者、精神科医の天笠崇医師は警告しています。最近では、「年越し派遣村」が開村した2009年1月から6月にかけて最も多い自殺者数が記録されたと言います。さらに3月11日の東日本大震災後の5月は全国で3,329人と急増し、月別自殺者数が公表されるようになって最悪の数字となったこと、月別自殺者数は、その時々の政治、経済、社会的な状況と密接に関連して動いていると指摘しています。
中野区の本庁舎正面にも自殺防止の横断幕が掲げられています。自殺を減らすには、社会的要因を取り除く粘り強い取り組みがあってこそ、キャンペーン型の事業での成果も出るのではないでしょうか。自殺対策基本法は、「自殺対策は、自殺が個人的な問題としてのみとらえられるべきものではなく、その背景にさまざまな社会的な要因があることを踏まえて、社会的な取り組みとして実施されなければならない」とし、行政、事業主、国民の責務を規定しています。
自殺総合対策大綱では、自殺対策の数値目標として、2016年までに2005年の自殺死亡率を20%減少させることを掲げています。中野区も数値目標を持って積極的な取り組みが必要となっていると考えます。自殺の予防・防止のためにどのような取り組みをしていくのか、お答えください。
次に、東中野地域のまちづくりの問題についてお聞きします。
東中野駅を中心としたまちづくりに関連して、これまで東中野一丁目58番街区開発に関連し、550万円のコンサルへの支出、山手通りから駅舎までの線路上空を活用したJR東中野駅ビルへの区負担、「東中野まちづくり計画、素案」、2005年から2010年度までの委託費3,100万円の問題。この検討会については、住民を傍聴させないなどの問題点を指摘してきました。中野区は今後、「東中野まちづくり検討計画案」をもって地域での説明会を開くとのことです。
東中野地域では、説明会を前に、東中野駅直近の山手通りに面する研修ホテル施設が来年3月で閉店・売却すると発表し、地元では、雇用されてきた方々の働く場が失われる問題が起き、不安が広がっています。この土地売買には「東中野まちづくり計画」が関係しているのではとの関係者の声も伝わり、見過ごすことができません。
発表された東中野まちづくり検討素案によると、駅周辺の土地利用を高度化することから、「駅から見える雑多な街並みは東中野の魅力やイメージを低下させている」と断定しています。まち並みにはそれぞれの歴史があり、誇りもあります。まちづくりで大切なことは、そこに住み、暮らす住民自身の意思を尊重することが大前提です。「東中野のことはそこに暮らす住民自身が決める」、このことをしっかりと踏まえて説明会に中野区は臨むべきと考えますが、見解をお聞きいたします。
これですべての質問を終わります。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 来住議員の御質問にお答えいたします。
復旧・復興の現状と国、地方公共団体の役割についてということです。
被災地では国や地方自治体からの派遣職員、また警察、消防、自衛隊をはじめ民間事業者、ボランティアなどの協力によって、被災者の仮設住宅への入居や瓦れきの撤去、主なライフラインの復旧などが進んできております。今後、被災自治体の市町村復興計画が策定され、復興に向けた事業が本格的に展開されていくことと認識しております。復旧・復興へ向けた息の長い取り組みというのが求められていると思いますし、国や地方が挙げて被災地を支援していく、ともに復興の道を歩んでいくことが大事だと考えております。
国は、被災者の方が再起に向けて安定した基盤を確立できるよう、復旧・復興に向けた財政的な支援と地域特性を踏まえた規制緩和などの制度的支援を確実に行っていくべきだと思います。地方自治体は、被災者へのきめ細やかな直接的支援をはじめとして、被災自治体の復興に向けたさまざまな行政活動について、同じ地方事務を扱う自治体として、できる限りの支援をこれからも引き続き行っていく必要がある、こう考えております。
復興財源についての御意見並びにお尋ねがありました。
復興に要する直接・間接の負担は、最終的には、どのような形であったとしても国民全体が負うものであります。これを避けて通ることはできない、このように思います。企業の内部留保をどのように活用するのかということについての方法のお示しはありませんでしたけれども、どのように活用したとしても、国民全体が負うものであることには間違いないということであります。
本格的な復興予算の財源については、国の歳出削減と復興債によって賄われ、復興債償還のために臨時増税が検討されているとの報道を見ているところであります。復興財源の検討に当たりましては、現在の経済状況への対応に加えて、将来に向けた産業経済の構造改革、また社会保障制度の再構築などを見据えて、国の歳入歳出全体の見直しを図っていく必要があると考えております。増税の時期や、あるいは経済対策など、大変微妙で難しい段階にある、こう考えているところです。
それから、原発とエネルギー政策についての御質問がありました。
地球環境全体の問題などを踏まえますと、将来的に再生可能エネルギーの活用を拡大していくということは言うまでもないことだと考えております。その一方で、それには高度な技術開発、あるいは大変な時間が必要だということも事実だと思っております。そのため、原子力発電を含む現在のエネルギー供給構造を短時間で、短期間で変更するということは難しいと考えております。
今後の原子力発電のあり方につきましては、これから十分に行われるであろう検証や、それを踏まえた安全対策の再構築など、その行方を見守っていくべきだと考えております。
再生可能エネルギーが大幅に活用できるようになるために、さまざまな技術開発や期間が必要だとすれば、同じような期間や同じような手間暇が原子力発電のあり方の中で検討されていくということになれば、また別の見方も出てくる、そういうことも考える必要があるのではないかと考えております。
それから、区民の暮らしは1人当たりの所得が減になるなどして厳しい生活になっているということで、暮らしの支援として、まず認可保育園の増設をするべきだという御質問であります。
ここ数年の保育需要は増加傾向にありますことから、早急な対応を行わなければならない、こう考えております。今後、女性の働き方や子どもの育ち方に対する親のニーズが多様化することが考えられることから、認可保育園のみではなく、さまざまな保育施設による受け入れ拡大を進めているところであります。
また同じように、高齢者特定健診の無料化で長生きの支援を進めていくべきではなかったのか、こういう御質問であります。
後期高齢者の長寿健診は、受診者が一定の自己負担をすることで制度がつくられており、現在の自己負担金は妥当な金額と考えております。受診料につきましては、健康増進法で定める、区民みずからが健康状態を自覚し健康増進に努めなければならないという考え方に基づき徴収をしているものであります。自分の健康は自分で守るという観点からも、無料化する考えはありません。
それから、商店街支援で地域支援を進めていくべきではなかったかといった項目もありました。
平成22年度においては、商店街が自主的に行うイベントや、商店街街路灯の改修などに対する支援、また、中野区商店街連合会が行う事業のうち、商店街に中小企業診断士を派遣し、経営に関する助言、指導などを行うといった商店街の組織力強化にかかわる事業への支援を行うなど、商店街に対して支援を行ってまいりました。
それから、2010年度の決算で41億円余りが不用額として残ったと。不用額はなくすべきで、また財調基金も全部使うべきだと、こういう御質問でありました。とんでもない考え違いだと思っております。
予算編成に当たりましては、区民にとっての価値と満足度を高めるため、常に事業の効果を検証しながら、的確な経費の積算に努めております。また、事業の執行段階においても、一定の成果を確保しながら、執行方法の工夫や見直しを行うなど、めり張りをきかせた機動的な事業執行によって経費の節減を図るなど、堅実な財政運営を行ってまいりました。
財政調整基金については、これまでも財政運営の考え方で明らかにしているとおり、年度間の財源の不均衡を補う年度間調整機能として活用し、持続可能な財政運営を行っていく上で、この基金の積み立て、できるだけこの基金を長もちさせるということも本当に大事なことだと、このように考えております。
リーマンショック以降、中野区は一般財源を投入するべき事業の経費、これをなかなか削減することができずにおります。その一方で、一般財源の収入というものは大幅に低下している現状にあります。そうした中で、足りない分を足りないだけ財政調整基金の取り崩しで賄うなどというようなことがあっては、財政調整基金は直ちに底をついてしまう、そういうことになるわけであります。基金もない、一般的な歳出を一般的な歳入で賄えない、そのようなことになれば、自治体の財政破綻というようなものも見えてくるわけでありまして、区民のために、持続可能な区政運営を行っていく上で、これからも適切な財政運営に努めていきたい、このように考えております。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 震災時の学校の対応についてお答えいたします。
教育委員会として、今後、震度5強以上の地震が発生した場合は、小学校は原則として保護者に引き渡しを行うこととするよう、既に方針を示しているところです。
次に、学校再編計画についての御質問もございました。
これまで推進してきました再編計画により、統合新校では児童・生徒数の増加により学級や集団が活性化され、多様な人間関係の中で子どもたちの社会性や、一人ひとりの実態に応じた指導も可能になるなど、施設面も含め、良好な学校環境が整っているというふうに考えております。
教育委員会として引き続き学校再編を進めていく考えでございまして、今年度中には中後期の学校再編計画の基本的な考え方の案をお示ししたいと考えております。
〔都市基盤部長服部敏信登壇〕
○都市基盤部長(服部敏信) 私からは、防災関係、その他の関係の御質問にお答え申し上げます。
まず、木造住宅の耐震化、耐震改修工事助成に関する御質問でございます。
木造住宅の耐震化促進につきましては、耐震診断を中心に助成を行っているものでございまして、耐震改修工事そのものの助成は考えてございません。今回の大震災を受けまして、耐震診断の助成の枠の拡大を図っているところでございます。
続きまして、家具転倒防止器具の助成の御質問でございます。
家具転倒防止器具取りつけにつきましては、高齢者の方々など自力で取りつけが困難な方を対象に、取りつけ業者を無料で派遣しているものでございまして、今回の震災を受けまして、御要望の数もふえてございます。しかし、器具につきましては比較的安価であることから、個人負担の範囲でお願いしてございます。
次に、緊急輸送道路沿道建築物の耐震改修助成の御質問でございます。
緊急輸送道路沿道建築物の耐震化促進につきましては、区では現在、耐震診断及び耐震改修工事にかかわります費用の助成を行っているところでございます。今回、都の特定緊急輸送道路につきましては、区内でも該当する道路があることから、その沿道におきましてその制度が適用できるよう、検討を行っているところでございます。
続きまして、保護者との連絡手段の確保につきましてでございます。
保育園、幼稚園、通所施設等々、保護者との連絡手段の確保につきましては、災害伝言ダイヤルやホームページ等を活用する方法を検討してございます。
また、幼稚園や保育園等への移動系無線の設置の御質問でございました。移動系無線につきましては、割り当ての周波数帯が限られているために、避難所となります区立小・中学校や、地域本部となります区民活動センターなど、災害時に活動の拠点となります施設に限定して設置しているものでございまして、保育園、幼稚園、福祉施設等への設置は考えてございません。
次に、同報系防災行政無線の調整につきましての御質問でございました。
同報系防災行政無線につきましては、今後デジタル化等の再構築を行う際に、スピーカータイプの変更や、屋外拡声子機の設置等、移設等を行いまして、放送の聞こえにくい区域の解消を図ってまいりたいと考えてございます。
続きまして、長周期地震動対策等につきましての御質問でございます。
地域防災計画の見直しに当たりましては、長周期地震動対策、大規模停電対策及び帰宅困難者対策なども含めて、幅広く課題としてとらえていきたいと考えてございます。
もう1点、防災関係で放射能事故の対策の御質問でございました。
地域防災計画では、遠隔地で発生する原発事故などにつきましては、計画の対象として扱うものではないわけでございますが、区内で発生する放射能事故対策につきましては、現行の地域防災計画でも大規模事故等対策計画として位置付けてございます。今後、地域防災計画の見直しに当たりましては、そうした事故の対策につきましても視野に入れまして検討していきたいと考えてございます。
最後に、東中野地域のまちづくりの問題につきましての御質問でございました。
本年3月にまとめられました東中野地域まちづくり検討素案を受けまして、現在、区ではまちづくり構想の素案の取りまとめを行っておりまして、素案がまとまった段階で意見交換会を開く予定でございます。このまちづくり構想は区の上位計画に基づくとともに、住む方、働く方、業を営む方、土地を持っている方など、各エリアの関係する方々の意向に沿ったものとすることが必要であると考えてございます。そういった考え方に基づきまして、今後意見交換会を進めていきたい、そう考えてございます。
以上でございます。
〔子ども教育部長村木誠登壇〕
○子ども教育部長(村木誠) 私からは、保育園の水準確保に関する御質問にお答えをさせていただきます。
まず、待機対策でございますが、区は昨年8月に、今後の保育需要への対応方針を策定いたしまして、将来需要を推計して、計画的に対応を進めてきたところでございますが、需要が予測を上回る状況となりました。つきましては、今年度の需要の増加を踏まえて対応方針を早急に改定いたしまして、区立保育園の建てかえ・民営化による定員増を基本といたしまして、需要に見合った保育サービスの量、認証保育所や家庭福祉員など、多様な施策により提供し、待機の解消を図ってまいりたい、このように考えております。
次に、面積基準の緩和についてでございます。
認可保育園の面積基準の緩和につきましては、地方分権推進の一環として法で定められた児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を都道府県の条例に委任するものである、このように認識しておりまして、地域の実情に合わせた判断を自治体がみずから行うために進めるべき改革であると、このように認識しているところでございます。認可保育園の面積基準の緩和につきましては、今後、都が定める条例の内容を踏まえまして、区としての検討を行ってまいりたい、このように考えております。
〔健康福祉部長田中政之登壇〕
○健康福祉部長(田中政之) 私からは、障害者の移動支援サービスについての御質問にお答えいたします。
まず、プールでの利用時間の算定についてでございます。
移動支援は、自宅から目的地までの移動介助及び目的地における移動、食事、排せつ等の介助や危険回避のために必要な支援でございます。個々の障害状況などを判断し、支給決定を行っているところでございまして、一律にプール利用の時間を移動支援の対象とすることは考えてございません。
次に、支給決定基準の改善についてでございます。
移動支援につきましては、障害者自立支援法の居宅介護の基準を準用いたしまして、個々の障害状況を踏まえ、身体介護あり、身体介護なしの区分により支給決定を行っているところでございます。このことから、障害程度区分を指標として一律に移動支援サービスの身体介護あり・なしの判断を行うことは適当ではないと考えているところでございます。
私からは以上でございます。
〔地域支えあい推進室長長田久雄登壇〕
○地域支えあい推進室長(長田久雄) 私からは、すこやか福祉センターの相談支援についての御質問と、それから、自殺者を出さない取り組みについての御質問についてお答えをさせていただきます。
まず、すこやか福祉センターの障害者相談支援事業についての御質問でございます。
すこやか福祉センターでは、すべての圏域で同質の区民サービスを提供することを目標として、施設面の整備を待つことなく、窓口開設時間の延長など、ソフト面の充実に着手しているところでございます。障害者への相談支援事業につきましても同様であり、中部すこやか福祉センター以外の圏域への拡大について、現在検討を行っているところでございます。
それから、子育て支援事業について、地域住民にとってわかりやすい広報が必要であるという趣旨の御質問をいただきました。
すこやか福祉センターは、身近な地域で妊娠から出産、子育てが安心して行われるように、各種相談及び各種サービスの提供、事業の実施により総合的に子育て支援を実施しているところでございます。各種相談やサービス提供、事業の実施に当たっては、子育て支援ハンドブック「おひるね」や、区報、ホームページ、区のお知らせ版へのポスター掲示、児童館等、地域にある施設でのチラシの配布等により区民への周知を行っているところでございます。また、民生児童委員、次世代育成委員や地域で子育て支援活動をしている団体等への情報提供や、連携して地域での子育て支援に取り組んでいるところでございます。
今後とも広報を活発に行うほか、職員のアウトリーチ、つまり地域に出向いての実態把握でございますが、こういった取り組みや、子育て支援事業の実施を通して、すこやか福祉センターの子育て支援機能の地域住民への周知を図っていきたいと考えているところでございます。
続きまして、社会的要因も踏まえた区の自殺防止の取り組みについての御質問にお答えをさせていただきます。
問題を抱えた人に相談窓口等を周知するために、ホームページでのPR、自殺予防リーフレットの配布のほか、中野駅ガード下でのパネル展示等を実施しているところでございます。今後、実施予定でございます区民向けの講演会で周知をさらに広げるとともに、すこやか福祉センターにおいて保健師等による心の健康支援を継続して実施してまいります。
私から以上でございます。
○議長(大内しんご) 以上で来住和行議員の質問は終わります。
中野区議会議員 森 たかゆき
1 中野駅周辺のまちづくりについて
2 子どもへの虐待について
3 その他
○議長(大内しんご) 次に、森たかゆき議員。
〔森たかゆき議員登壇〕
○16番(森たかゆき) 平成23年第3回定例会におきまして、民主党の立場から一般質問をいたします。
質問は、1、中野駅周辺のまちづくりについて、2、子どもへの虐待について、3、その他では、妙正寺川公園運動広場の整備状況についてと、保育園や学校へのお弁当の持参についてお伺いをいたします。よろしくお願いいたします。
最初に、1、中野駅周辺のまちづくりについてお伺いいたします。
今月7日の中野駅周辺地区等整備特別委員会において、中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3の検討状況について報告がありました。グランドデザインVer.2で示された将来像が、これからより具体化されていくことになりますが、今回の一般質問では、その前に改めてまちづくりの考え方について質疑をさせていただきたいと思います。
中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.2では、中野駅を中心とした約110ヘクタールを、中野二丁目・三丁目・四丁目・五丁目の四つのゾーンに分け、それぞれのゾーンの将来像を描いています。こうしたゾーニング的な開発手法というのは、20世紀のオーソドックスな都市開発の手法であり、現在でも広く用いられています。しかし、21世紀に入って10年がたち、新しい都市計画のあり方も出現しつつあります。世界的な建築家であります隈研吾氏は、都市開発の歴史について、19世紀から20世紀にかけては「村の都市化」、20世紀中は「都市化の徹底」が開発の動機となってきたが、20世紀から21世紀にかけては、都市が再び「ムラ」に転換しつつある、このように述べております。ここで言う「ムラ」、隈氏は片仮名で「ムラ」と表記するわけですが、ここで言う「ムラ」とは、「その場所と密着した暮らしがある場所」のことであり、例としては下北沢や、お隣の高円寺などを挙げておられます。
個人主義化が行き過ぎている、こうした批判をされてきた若者の中にも、「ムラ」回帰的な動きが見られます。隈氏が例示した下北沢や高円寺は若者にも人気のあるまちでありますし、シェアハウスのような暮らしを選択する人たちもふえてきております。こうした傾向は数年前から見られましたが、東日本大震災の経験がそれにさらに拍車をかけているように感じます。私は3月11日以降、多くの学生と今回の震災について議論をしてきましたが、家族や友人、近隣に住む人たちとの関係をこれまで以上に大切に思うようになった、こういう声をたくさん聞きました。
まちのあり方を超長期的に規定することになるまちづくりは、こうした新しい動きも踏まえて進めていただきたい、このように考えております。
そうした中で重要になるのが、前近代的な、ある種の「雑然」とした雰囲気をまちに残していく、こうしたことです。再び隈氏の表現をかりれば、便利な鉄道の駅と前近代的な路地が接合されることによって、まちが「発酵」するプロセスが始まり、その場所独自の色やにおいを持った「ムラ」ができ上がっていく、こうしたプロセスがあると言われております。
区のまちづくり関連の資料には、「整備/再整備」「景観形成」といった言葉が並ぶ一方、「雑多な印象」であることを課題としてとらえる記述も見られます。整備や景観形成が重要であることは論を待ちませんが、それだけでは中野駅周辺のまちはほかの都市と入れかえ可能な無個性なまちになってしまいます。今ある「雑然」とした雰囲気、これを一つの魅力としてとらえる、生かしていく発想もあってよいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。
都市の「ムラ」化を考えるに当たっては、「コミュニティ・オブ・インタレスト」の概念も重要です。「どういうまちなのか」が明確になり、他のまちと差別化が進むことによって、ある特定の趣味を持つ人たちが集積し、まちが活性化する、こうした現象が見られます。「アニメの街・秋葉原」や「若者の街・渋谷」などがわかりやすい例ですが、中には「昭和レトロの街」として有名になった墨田区の鳩の街商店街のような、より小規模な例もございます。
こうした観点から、現在のグランドデザインVer.3の検討状況を見ると、将来像に最先端の業務拠点、高度な情報拠点、表現の場、国際観光都市、最高の住環境など、多くの要素を盛り込み過ぎていて、その結果として、まちの特徴を一言で表現しづらくなっている。表現するとしても、「東京の新しい活動拠点」のようなあいまいな言葉しかなくなってしまっているように思いますが、いかがでしょうか。
まちの魅力や特徴といったものは、実際には行政がすべてを決められるわけでも、決めるべきでもありません。民間事業者や地域の団体の方などに入ってもらったタウンマネジメント組織の働きが重要になります。そこでお伺いいたしますが、タウンマネジメント組織の進捗状況はどうなっておりますでしょうか、お聞かせください。
また、タウンマネジメント手法を取り入れたまちづくりをしている他の自治体の例を見ますと、タウンマネジャーと呼ばれる役割の人を置くケースも多いようですが、中野ではその計画はあるのでしょうか。経済産業省の行った「タウンマネージャーに関する調査・研究事業」によりますと、マネジメント組織とマネジャーの役割分担は、多くの部分で重なりながらも、マネジメント組織がハード面、関係団体とのコミュニケーションなどソフト面をマネジャーが主に担うケースが多いようです。中野駅周辺のまちづくりは、多くの団体・組織・個人がかかわってきます。単にマネジャーを置けばいいということではありませんが、適切な人材を探す取り組みはあっていいのではないかと思います。いかがでしょうか。
なお、まちづくりを進めるに当たっては、タウンマネジメント組織の役割が重要であると述べましたが、1点、まちづくりに区民の声、意見を反映していく、この点については、行政が責任を持って進めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。中野駅北口の駐輪場やバス停の移動など、実際に生活に影響のある工事が始まって以降、区民の方のまちづくりへの関心は高まりを見せています。形式だけではなく、実際に区民の声を反映したまちづくりを進めていただきたい、このように要望いたします。
続いて、もう少し具体的な場所について、2点お伺いいたします。
まずは警察大学校跡地にできる中野セントラルパークとその周辺についてです。都心のオフィス空室率は、本年3月末に過去最悪の9.19%となりました。その後は若干の持ち直しも見られますが、8月末で7.46%と、依然として高い水準で推移しています。新築のオフィスは特に厳しく、同じく8月末の時点で空室率22%を超えています。オフィス利用者の募集は一義的には中野駅前開発特定目的会社の責任ではありますが、区としても、この警察大学校跡地エリアの核となる魅力を発信するべきではないでしょうか。見解をお聞かせください。
中野セントラルパークには商業施設も入ることになっていると聞いております。それらの商業施設は基本的にオフィスワーカー向けのものになるかと思いますが、一方で中野駅周辺は子連れでの買い物がしづらい、こうした声をお聞きします。このエリアの商業施設が子ども連れでも買い物がしやすいエリアになるよう配慮をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。近年、ショッピングモールの公共性ということが議論されております。ここで言うショッピングモールというのは、必ずしも郊外型の大型店舗だけを意味するわけではなく、バリアフリー化されて、だれでも利用しやすい買い物空間であることが重要です。子育てしやすいまちを目指すならば、子ども連れでも安心して買い物できるモール的な空間の存在は重要であると考えます。
最後に、桃丘小学校跡地に開設される「中野マンガ・アートコート」についてお伺いいたします。桃丘小学校跡地の利用方針については、保育施設にするべきではないかなどさまざま議論があったわけでございますが、始める以上は、よい事業になっていただくことを希望いたします。
そこで、2点お伺いいたします。今回、活用事業者となったタイケン学園は、漫画やアートを専門とされているわけではありません。区からは、漫画やアートに取り組んでいる他の事業者と協力して進めるとの説明もありましたが、「中野マンガ・アートコート」の運営はどのような体制で行われるのでしょうか。
また、タイケン学園は幅広く事業展開をされていて、他の自治体とも中野区と同様の学校跡施設の活用事業も行っていると聞いております。こうした中で、区が文化発信拠点として重視している事業が、事業者さんにとっては数ある事業のうちの一つ、このように認識されてしまうことも懸念されます。今後の事業展開において、区としてはどのようにかかわっていくおつもりなのでしょうか。その点をお聞きして、この項の質問を終わります。
続いて、2、子どもへの虐待についてお伺いいたします。
厚生労働省の調査によりますと、平成22年度中の児童虐待の件数は、速報値で5万5,152件と過去最悪を記録しました。この数字には、震災の被害のあった宮城県・福島県・仙台市の3都市分は含まれていないということですので、実際にはさらに多かったものと考えられます。この8月には、お隣の杉並区で3歳児の虐待死に関連して里親が逮捕されるという痛ましい事件もあり、大きなニュースとなりました。子どもへの虐待防止や、虐待を受けた子どもへのケアの取り組みの重要性はますます高まっております。
そこで、中野区における子どもへの虐待の状況と、それに対する対応についてお伺いいたします。
中野区は10か年計画(第2次)の中で、児童虐待ゼロを目指していますが、中野区の平成22年度の虐待件数は何件あったのでしょうか。過去3年間の推移とあわせてお答えください。
冒頭で、児童虐待の件数が過去最悪を記録したと述べましたが、件数の増加は、実際に虐待自体がふえてしまっているととらえられる一方、地域の方の関心などの高まりにより、掘り起こしが進んでいるととらえることもできます。中野区でも全国と同じように増加傾向にあるとしたら、区としてはその傾向をどのようにとらえていますでしょうか、お答えください。
このたび改訂された中野区児童虐待防止マニュアルでは、家庭支援センター、東京都杉並児童相談所、すこやか福祉センター、学校、病院など多くの関係機関が連携して虐待に対応していくこととされております。多くの機関が連携していくことは非常に重要ですが、児童虐待への対応の一般的な問題点として、認知直後の危機レベルは落ちついたものの、引き続き見守りが必要である、こうした状態の場合に、関係機関の間での責任の所在があいまいになり、特に合理的な理由がないにもかかわらず、時間の経過とともにかかわりが薄くなってしまう、こうした傾向があると指摘されています。厚生労働省の実施した児童虐待による死亡事例の検証結果によりますと、児童相談所や、その他の関係機関が問題を認識していたにもかかわらず、死亡に至ってしまったケースも決して珍しくないようです。中野区としては、この時間の経過とともにかかわりが薄くなってしまう傾向がある、こうした課題にどのように対応していくのでしょうか、お答えください。
児童相談所については、虐待への機動的な対応を可能にするために、区への移管が議論されているところです。私も移管は進めていただきたい、このように考えますが、実際に区に移管されるとなった場合、専門性のある職員を一定数確保する必要が出てきます。職員2,000人体制に向かう中、人材の確保に不安を感じますが、現在のところの準備状況はどのようになっているのでしょうか、お聞かせください。
児童虐待への対応は、関係者の「気づき」が非常に重要です。東京都は、幼稚園・学校の教職員の資質・能力向上のために「児童虐待防止研修セット」の配布を始めたと聞いています。私も中身を見させていただきましたが、問題形式で児童虐待への理解を深めることができたり、細かいチェックリストがついていたりと、充実した内容であると感じました。区内の幼稚園・学校への配布状況と活用状況をお答えください。
児童虐待と聞きますと、乳幼児など小さな子どもを思い浮かべがちですが、中高生の被害も深刻化しています。彼らの場合、乳幼児と違い、ある程度、自分で何とか「その場しのぎ」ができてしまう、こうしたことから問題が顕在化しないケースも多くあると考えられます。私は先日、主に10代後半の子ども向けシェルターを運営している弁護士の坪井節子先生にお話を伺ってまいりました。2004年のシェルター開設以降、ニーズはふえ続けているとのことです。こうした状況の中、国会では、子どもたちのためのシェルターの公的制度化に向けた議論も行われているところです。
虐待経験のある子どもは大人に対して強い不信感を持っていることもあり、行政に相談するといった発想自体がない場合がほとんどです。大人に不信感を持っているような子どもでも、「行政は味方なんだ、相談していいんだ」と思ってもらえるような働きかけをしていく必要があります。そこでお伺いいたします。区に寄せられた虐待の相談の中で、子ども本人からの訴えはどのくらいあるのでしょうか。また、子どもたちへの相談窓口の周知などはされているのでしょうか。この点をお聞きして、この項の質問を終わります。
続いて、3、その他の1、妙正寺川公園運動広場の整備状況についてお伺いいたします。
先日、新宿区のあるサッカーチームが、この妙正寺川公園運動広場にて外国のサッカーチームと試合を行ったそうです。その際、この運動広場には着がえをする場所がないために、外国から来た皆さんに老朽化したトイレを使って着がえをしてもらわざるを得なかった、大変申しわけない思いをした、こうした話をお伺いいたしました。10か年計画(第2次)では、妙正寺川公園運動広場はステップ2で基本設計を行い、ステップ3で改修を行うとされていますが、現時点での進捗状況、新宿区との協議状況を教えてください。区内のスポーツ施設も充実しているとは言えない状況です。着実な事業の実施を要望いたします。
最後に、3、その他の2、保育園や学校へのお弁当の持参についてお伺いいたします。
前定例会でも放射能の問題について取り上げましたが、いまだに区民の方の不安は続いています。中でも、子どもの口に入る食材の安全性については多くの親御さんが心配しています。こうした中で、給食の食材の放射線量測定を行う自治体がふえていますが、中野区はいまだに実施しないという方針です。保護者の方からは、安全性の不確かな給食を食べさせたくない、お弁当を持たせたいという声も出ています。そこでお伺いいたします。
保育園や学校での給食の提供は、法律上どのような位置付けとなっているのでしょうか。給食の提供が義務である場合、任意である場合、それぞれあるかと思いますが、いずれの場合にしても、お子さんが出された給食を食べずに持参した弁当を食べるという対応は認められる、法的に禁止する根拠はないと考えますが、そうした理解でよろしいでしょうか。
この点を確認させていただきまして、私の一般質問は終了とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 森議員の御質問にお答えいたします。
児童虐待の件数についてですけれども、平成20年度101件、21年度113件、22年度には150件となりまして、年々増加傾向です。このうち新規対応件数が伸びが大きく、平成20年度は45件だったものが21年度は87件、22年度は106件ということで、20年度から22年度にかけて2倍以上の件数というふうになりました。国や都区におきます啓発活動の取り組みや、近年の事件報道の影響などから、区民の方からの通報でありますとか、保育園・学校など関係機関での認知件数が増加しているということがあると思っております。一方、家庭を取り巻くさまざまな環境の変化などによりまして、虐待につながってしまうケースも少なからず発生しているところであり、結果として、児童相談所や子ども家庭支援センターへの通告件数が増加していると考えているところであります。
長期化した場合に見落としが発生しやすくなるのではないか、こういった御質問がありました。
虐待ケースへの対応が長期化した場合には、関係機関が円滑に連携し継続した支援ができるように、定期的に支援状況及び今後の支援方針の確認を行うなど、確実な進行管理を行っているところであります。
児童相談所を区に移管してほしいということですけれども、23区としては、積極的に児童相談所を区に移管してほしいということで、東京都と協議を進めているところであります。なかなか進展、はかばかしくないのが現状でありますけれども、都と区の間でも、この件については、これからも着実に協議を進めるという確認がとれているところでございまして、区といたしましては、できるだけ早くこれが実現するように協議を進めてまいりたい、こう思っております。
こうした状況を踏まえまして、相談体制の充実を図るために、児童相談業務に関連する部署の職員に対する研修及び児童福祉司任用資格が取得できる講座の受講勧奨などに取り組んでいるところです。
それから、子どもからの相談がどのぐらいの件数があったかということです。
子ども自身からの相談件数は平成22年度で54件でありました。子ども家庭支援センターにおいて受ける相談数の1%に相当します。子どもに対しましては、小学校5・6年生、中学校1年生から3年生全員に子ども家庭支援センターの電話番号などを記載したカードを配布しております。今年度は11月の児童虐待防止推進月間にあわせて、子ども自身への啓発・周知を進めるためのチラシ配布などに取り組む予定であります。
妙正寺川公園の整備ですけれども、区としても積極的に新宿区と協議しております。新しい中野をつくる10か年計画の中でステップ2で基本設計を行い、ステップ3で改修工事を行うこととしております。計画に掲げたステップに従って、25年度に基本設計を策定したいと考えております。
それから、給食提供の法律上の位置付けと、弁当持参の要望への対応についてであります。
学校給食の実施につきましては、学校給食法で、学校設置者の努力義務とされ、教育課程上で重要な教育活動として位置付けられております。また、保育園給食についても、法律上で明文化されたものはありませんが、児童の健康な生活の基本を育成する施設であり、給食提供は区の義務であると考えております。給食を食べることは義務付けられておりませんけれども、給食実施のこのような目的から考えて、給食を食べずにお弁当を持参するということは想定しておりません。また、食中毒発生のリスクなど衛生管理上の問題もありますので、好ましいとは考えていないところです。
給食食材の不安につきましては、各園、各学校で保護者の皆さんに情報提供や説明をし、相談にも応じているところであります。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 子どもへの虐待につきまして、児童虐待防止研修セットの配布や活用状況についての御質問がありました。
児童虐待防止研修セットは、東京都教育委員会より9月26日に配布されたばかりです。今後、10月初旬に活用方法について副校長研修を実施し、各学校での活用を進めていく考えでございます。
〔都市政策推進室長遠藤由紀夫登壇〕
○都市政策推進室長(遠藤由紀夫) 私からは、中野駅周辺のまちづくりについての御質問にお答えいたします。
まず初めに、雑然さを生かしたまちづくりについてでございます。
中野駅周辺はJR中央線と中野通りを境に四つの区域、それぞれ特色のあるまち並みを形成してございます。中野五丁目の商店街などは多くの人でにぎわい、よい意味での雑然さがございます。そうした界隈性の魅力を生かすとともに、安全や防犯、防災性の向上を目指したまちづくりを進めてまいります。
次に、将来像の明確化等についてでございます。
中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3の検討に当たっては、最先端の業務拠点、高度な情報の集積・交流・発信空間、個性豊かな文化発信拠点、最高レベルの生活空間、この四つの将来像を描きまして、まちづくりの方向性をより明確にしているものでございます。区域ごとに特色を持っております中野駅周辺におきまして、あらゆる可能性をとらえて将来像を描いてございます。それぞれのまちが持つ魅力や個性を生かしながら、今後も検討を進めてまいります。
続きまして、タウンマネジメント組織の進捗状況等につきましてでございます。
現在、タウンマネジメントを導入することとしてございます中野駅周辺に関するまちづくりグランドデザインVer.3の策定に向けた検討と整合性を図りつつ、タウンマネジメントの活動内容や組織のあり方などについて検討を進めているところでございます。まちづくりに関しまして、タウンマネジメント組織と行政とがそれぞれ果たすべき役割を踏まえて対応していくべきものと考えてございます。
警大跡地の魅力の発信についてでございます。
警察大学校等跡地は、オフィスビル、大学など新たに建設される施設の集積とともに、都市計画公園を含む3ヘクタールを超えるオープンスペースがある十分に魅力的な空間でございます。地盤がかたく、海岸線からも遠く、液状化の心配がない土地である中野の新たな顔として発信していきたいと考えております。開発事業者と連携を図りながら、中野駅周辺のにぎわいや活力を生み出す取り組みをこのエリアから発信できるよう努めていきたいと考えてございます。
警大跡地の商業施設に関する御質問でございます。
中野駅前開発特定目的会社が整備いたしますオフィスビルの低層階には商業店舗が入る計画となってございます。現時点では具体的な業種や店舗の情報は得ておりませんが、オフィスビルとしての環境に即した店舗構成になると考えてございます。
それから、桃丘小学校跡施設事業者についての御質問がございました。
タイケン学園は、広域通信制高校の面接指導施設をはじめとする事業運営を行うとともに、アニメ、漫画等の専門教育にかかわる団体等を取りまとめ、教育・人材育成事業、文化発信・支援事業、イベント事業等を実施していく予定でございます。区は適切な事業運営が行われるよう、施設の使用について随時状況の報告を求めるとともに、必要な指示を行う等、適切に監督を行っていく考えでございます。
以上でございます。
○議長(大内しんご) 以上で森たかゆき議員の質問は終わります。
中野区議会議員 後 藤 英 之
1 起業家・新規事業者育成と雇用の創出について
2 その他
○議長(大内しんご) 次に、後藤英之議員。
〔後藤英之議員登壇〕
○8番(後藤英之) 平成23年第3回定例会に当たり、みんなの党の立場から一般質問をさせていただきます。
さて、「起業家・新規事業者育成と雇用の創出」についてお尋ねいたします。
前回、第2回定例会一般質問に当たり、個人の生産性向上支援の面から、中野区内産業の振興策についてお尋ねをさせていただきました。今回は、「起業家・新規事業者育成と雇用の創出」という部分に焦点を当て、厳しい中で経済と雇用を新しくつくり出そうとする人々への支援についてお尋ねいたします。
前回に引き続き、国民、そして区民の間には経済不安が膨らみ続けています。大震災、株安、円高、デフレ、財政不安、日本国債信用力の低下、社会保障不安等、御承知のとおり経済的な不安と財政不安と社会保障への不安が一体となり、慢性的な将来に対する生活不安として緊迫した状況が続いているのが現状かと思います。
まず、個人の雇用に焦点を当てる場合、2011年7月分の総務省労働力調査では、被災の被害が大きかった岩手、宮城、福島の被災地3県を除いた日本全体の完全失業率は4.7%と発表されました。高い失業率のもと、依然、雇用への不安が継続しています。
一方、企業の経済に焦点を当てる場合、例えば帝国データバンク社による業界天気図において見通しがよいのは、2011年8月更新分では建設機械、総合商社、ネット広告、教育サービス程度と、ごく一部の業界にとどまっています。残念ながら、経済全体の低迷が継続している状況です。
民間経済の浮沈は区民の生活と財政に直結し、財政の浮沈は社会保障と将来の不安に直結する問題であります。今ここでさまざまな角度から経済対策を実行することは、特に日本の首都・東京の一角を担う中野区としても大変重要かと存じますが、いかがでしょうか。
中でも、起業家や新規事業者を育成すること、区ならではのきめ細かい職住近接型の雇用の創出を行うこと、あわせて、これから伸びようとする事業者の人材調達の需要と、働く意欲にあふれた雇用希望者の需要をマッチングすること、これらは活力のある経済と労働を生み出し、将来への不安を希望に変えるため、特に必要とされていると感じていますが、いかがでしょうか。
そこで、まず起業家・新規事業者育成についてです。この起業家・新規事業者育成という言葉を、私は、起業家や新規事業者など「創業」を新たに行う者と、既存事業者で新たに「新規事業展開」を行う者との2種類を含めて使用しています。新規事業を行い、新規経済と雇用を創出しようとする存在として、その両者の性質に違いはなく、両者ともが経済成長と雇用の創出には重要かと考えているからです。
そうした区内起業家や新規事業者に対する考え方としては、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)の中でも大変共感できる計画がなされています。まち活性化戦略の中では、「起業と業務革新を支えのばすまち」として、その展開の中で「起業・創業できる環境の整備」ということが解決すべき課題とされ、解決策として次のことが描かれています。
ICT・コンテンツ産業に特化したインキュベーション施設の整備、これらの産業への融資・出資制度の充実、空きオフィスの情報提供、地域企業間交流支援、加えて、経営能力や職務能力等職業教育の場の拡充と、人材と区内事業所のマッチングを行うこと、また、雇用に関する施策、多様な雇用機会の創出への取り組みとして、職業教育の場の拡充や、人材マッチング等を施策とした就業支援策が重ねて挙げられています。
また、「中野区イメージアップ3か年戦略」においても、「起創展街」の「起」として、「新しい産業を興す人が感動するような中野独自の文化をここからつくりだす」ことが掲げられています。いずれも大変共感できる計画ですので、ぜひ大きな成果を上げていきたいと思います。
そこで、具体的な起業家・新規事業者支援の実施に関連して、四つの御質問をさせていただきます。
第1に、起業家・新規事業者に対する施設や場所の提供ということでございますが、現在、中野区では、企業立地推進として、「事業用オフィス等情報提供ネットワーク事業」を行っています。この事業は、先ほど述べた空きオフィスの情報提供ということに該当する事業かと思いますが、さらに一歩進めて、起業家や新規事業者を育てていくインキュベーションを考えたときに、その実現への具体的な計画を内容とスケジュールの面からお教えください。
第2に、起業家・新規事業者への融資・出資制度の充実ということに関しまして、現在、中野区で提供する創業支援資金や中野区新創業融資制度利子補給金交付制度、中野区産業経済融資制度等の制度融資をはじめとした融資支援の枠組みについては評価できます。そこで、さらに出資制度の充実ということでございます。起業家や新規事業者は、時に融資よりも出資において資金調達を求める場合があります。そこで、中野区としましても、例えば長野県で行われている「ながのエンジェルネット」などのようなエンジェル税制を利用した出資者と起業家・新規事業者のマッチング等の仕組みの提供を検討してみてはいかがでしょうか。お尋ねいたします。
第3に、地域企業間交流支援についてでありますが、企業間交流にもさまざまな種類があろうかと存じます。経済成長を考える中で特に重要なのは、サービス提供企業と顧客企業の間での交流、サービス提供企業間での交流を活発にさせることであり、区でも既に実施されている支援がさまざまあることを評価しています。その中で、あるいは今後予定されている範囲で起業家・新規事業者育成という面から、特に重視されている地域企業間交流支援について、その内容をお答えください。
最後、第4に、事業者と人材のマッチングについてお尋ねいたします。特に起業家や新規事業者については、知名度の不足等の理由から、人材調達面で大変困難を伴うことがございます。また人材の面からも、情報不足から将来性のある事業者を発見できないといったことがございます。この両者のすき間を埋めることは、区内事業者の成長の面からも、区民の雇用確保の面からも非常に重要かと思います。立地・文化・人口分布等の面から、中野区は特にポテンシャルの高い人材、そして起業文化を有していると考えられます。事業者と雇用者にとって中野区内の両者をマッチングすることは、職住近接による通勤ラッシュ等の外部不経済是正やワークライフバランスの適正化等につながり、また、中野区にとっても昼夜間人口比の適正化、市街地活性化等の視点から非常に有意義だと考えています。現在、中野区では区として独自に中野区就労・求人支援サイト「ぐっJOBなかの」を開設し、また中野区シルバー人材センターでの就労支援を行っています。今回特に、起業家や新規事業者と雇用者との間での、雇用促進策においてどのような成果が上がっており、世情も踏まえ、現状の成果をより推進するために、今後どのような展開がございますでしょうか、お尋ねいたします。
以上、現在、区で計画もしくは実施されている経済政策について、特に起業家・新規事業者育成と雇用の創出について区の御見解をお尋ねいたします。
以上ですべての御質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 後藤議員の御質問にお答えいたします。
新規事業者のインキュベーションについてということであります。
新規事業者の立地推進や育成支援といたしましては、インキュベーション施設の整備や、ICT・コンテンツ関連企業を優遇する制度融資の活用などを新しい中野をつくる10か年計画で想定しているところです。また、新規事業者を呼び込むために、中野駅周辺のまちづくり等におきまして多様なオフィス床の誘導など、魅力的な業務環境の創出や、都市型産業の集積を生かした新たな事業の創出・創業化の促進などを考えているところであります。これらの施策を進めていく上で、具体的な取り組みをさらに検討していくこととしているところです。
それから、出資者と起業家のマッチングについてというところであります。
資本市場から直接資金調達を行うということについても支援をするべきでないかと、こういう御質問でありました。都市型産業の集積・創出等を図り、新たな事業の創出・創業化を促進する機能の誘致などを進めていくこととしているところですが、こうした機能導入の中で、出資者とのビジネスマッチングの仕組み等につきましても検討する考えでありまして、エンジェル税制なども活用した長野の例、こういったことも参考にしていきたいと考えております。
企業間の交流支援についてという内容もありました。新しい中野をつくる10か年計画では、異業種間連携や、新ビジネス創出につなげるために、ICT・コンテンツにかかわる地域企業間同士の交流を支援することとしております。これを受けまして、昨年度、区内ICT・コンテンツ関連事業者等のネットワーク設立に向けて、連絡会を設置いたしました。既にこの連絡会の中で事業者間の交流が進み、さらにネットワークを広げるため、設立イベントや、あるいは法人化といったことまで含んだ話が進んでいるところであります。
人材と事業者のマッチングについてであります。
平成22年度においては、「ぐっJOBなかの」の登録事業者数が前年度比11%増の266社となりましたほか、シルバー人材センターの会員1,719人のうち、78.8%の1,354人が就業し、その契約額は6億9,000万円でありました。また、ハローワークや杉並区との合同就職面接会、これは2回で40社、109人の求人がありまして、22人の採用につながるなどの成果がありました。御質問にありましたような、特に新規事業者についての人材調達を支援するといったようなことも、こうした取り組みの中でぜひとも重視をしていきたいと、こう考えているところであります。今後はさらに都市型産業の集積と創出の促進等によりまして、新たな事業者と人材が出会う機会や仕組みも拡充しているものと考えております。
以上です。
○議長(大内しんご) 以上で後藤英之議員の質問は終わります。
お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
本日はこれをもって延会いたします。
午後4時44分延会