1.平成23年(2011年)9月29日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
1番 若 林 しげお 2番 高 橋 かずちか
3番 木 村 広 一 4番 甲 田 ゆり子
5番 小 林 ぜんいち 6番 中 村 延 子
7番 石 坂 わたる 9番 石 川 直 行
10番 内 川 和 久 11番 ひぐち 和 正
12番 いでい 良 輔 13番 白 井 ひでふみ
14番 平 山 英 明 15番 南 かつひこ
16番 森 たかゆき 17番 いながき じゅん子
18番 林 まさみ 19番 小宮山 たかし
20番 浦 野 さとみ 21番 伊 東 しんじ
22番 佐 野 れいじ 23番 北 原 ともあき
24番 吉 原 宏 25番 小 林 秀 明
26番 久 保 り か 27番 酒 井 たくや
28番 奥 田 けんじ 29番 近 藤 さえ子
30番 金 子 洋 31番 長 沢 和 彦
32番 大 内 しんご 33番 伊 藤 正 信
34番 高 橋 ちあき 35番 市 川 みのる
36番 篠 国 昭 37番 やながわ 妙 子
38番 佐 伯 利 昭 39番 むとう 有 子
40番 か せ 次 郎 41番 来 住 和 行
42番 岩 永 しほ子
1.欠席議員(1名)
8番 後 藤 英 之
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 副 区 長 金 野 晃
副 区 長 阪 井 清 志 教 育 長 田 辺 裕 子
政 策 室 長 竹 内 沖 司 経 営 室 長 川 崎 亨
都市政策推進室長 遠 藤 由紀夫 地域支えあい推進室長 長 田 久 雄
区民サービス管理部長 登 弘 毅 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 村 木 誠
健康福祉部長 田 中 政 之 保 健 所 長 田 原 なるみ
環 境 部 長 尾 﨑 孝 都市基盤部長 服 部 敏 信
政策室副参事(企画担当) 小 田 史 子 経営室副参事(経営担当) 髙 橋 信 一
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 篠 原 文 彦 事務局次長 石 濱 良 行
議事調査担当係長 佐 藤 肇 書 記 関 村 英 希
書 記 河 村 孝 雄 書 記 東 利司雄
書 記 丸 尾 明 美 書 記 土 屋 佳代子
書 記 鳥 居 誠 書 記 細 川 道 明
書 記 岡 田 浩 二 書 記 鈴 木 均
書 記 永 見 英 光 書 記 竹 内 賢 三
議事日程(平成23年(2011年)9月29日午後1時開議)
日程第1 認定第1号 平成22年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について
午後1時00分開議
○議長(大内しんご) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
昨日に引き続き、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 吉 原 宏
1 子ども手当について
2 教科書採択について
3 被災地支援について
4 その他
○議長(大内しんご) 最初に、吉原宏議員。
〔吉原宏議員登壇〕
○24番(吉原宏) 平成23年第3回定例会に当たりまして、自由民主党の立場から一般質問を行います。
まず最初に、1番目、子ども手当についてであります。
今回示されました中野区の財政白書によりますと、平成22年度決算のうち児童福祉費は、子ども手当の新設等により前年度比28億円の大幅増となり、扶助費全体としては前年度比45億円、20.3%の大幅増となりましたことが示され、子ども手当が中野区の財政をいかに圧迫する大きな要因になったかが明らかになりましたことをまず最初に申し上げておきます。
平成23年8月4日、「子どもに対する手当の制度のあり方について」が、自由民主党、公明党、民主党の3党で合意されました。これによって民主党がこだわり続けた看板政策であり、マニュフェストの中核であった子ども手当は満額支給もできないまま迷走を続け、わずか2年で廃止されることとなりました。この3党合意では、平成24年6月分から所得制限を設けることとあわせて、所得制限を受ける世帯を含め、扶養控除のあり方について検討することや、平成24年度以降の子どものための現金給付について、児童手当法に所要の改正を行うことを基本とすること、また地方と十分に協議を行い、理解を得るよう努めることなど、我が自由民主党が主張してきたことが確認されました。これは、まさに子ども手当法の廃止であり、児童手当法の復活と言えるものであります。しかし民主党はこの期に及んでなお、党機関誌や支持者向けのビラに「子ども手当は存続します」などと書き立てていることは、潔さのかけらもない、見苦しい態度と言わざるを得ません。民主党は、まずもって国民との契約と自ら言っていたマニュフェストの最重要政策であった子ども手当の廃止について、国民に謝罪し、説明責任を果たすべきであると申し上げておきます。
さて私は、平成22年第2回、3回、4回定例会において、この民主党の財源なきばらまき政策のトップスターである子ども手当をいかに(「言い過ぎだよ」と呼ぶ者あり)愚策であり、地方自治体を無視した暴挙であるかを一貫して訴えてまいりました。そのつど区長からも即刻廃止すべき、地方を隷属させる手法は許しがたいという毅然とした御答弁をいただき、意を強くしてまいりましたが、あらためて幾つかお伺いしたいと思います。
第1に、わずか2年で廃止とならざるを得なかった子ども手当導入のために支出した無駄遣いとしか言いようのない事務的経費は、中野区においては一体どれだけあったのでしょうか。
第2に、子ども手当はそもそもその制度設計において看過できない不備があり、私はその点について平成22年第3回定例会で指摘いたしましたが、最大の問題点は、言うまでもなく民主党の「子どもは社会で育てる」という誤った理念のもと、所得制限を設けなかったことですが、ほかにも大きな問題となったのが、海外別監と言われるケースの扱いであります。大阪府尼崎市では、海外にいる子ども554人と養子縁組しているという男性が8,600万円の子ども手当を申請していたことがマスコミでも取り上げられて、広く国民の知るところとなりました。同じような申請が複数の自治体で確認され、厚生労働省はあわてて要件を厳しく審査するように修正し、事務を行う地方自治体に多大な混乱を招いたことは、子ども手当がいかにずさんな制度であったかをよく示しております。
この問題は、10月1日施行の特別措置法では解決されたと聞いておりますが、どのように解決されたのかをお伺いいたします。
第3に、区は平成22年の子ども手当制度導入に当たり、およそ1万7,000世帯への支給事務について、多大な事務負担を負い、さきに述べた海外別監のようなケースへの対応に苦慮してきたと聞いておりますが、このたびの制度変更に適切に対応するためどのような準備をしているのか、その進捗状況をお伺いいたします。
また、このたびの支給額変更や来年度の所得制限導入などのためにどれほどの事務的経費が必要とされるのかもあわせて伺います。
最後に、この間一貫して子ども手当廃止を主張し、特別区長会の先頭に立って国に訴えてきた田中区長に改めて、24年度以降に子どものための現金給付のあり方について、そのお考えを伺いまして、この項の質問を終わります。
次に2番目、教科書採択についてであります。
この夏、全国の地方教育委員会では、平成24年度から中学校で使用する教科用図書、教科書の採択が行われました。教科書採択については、区民をはじめ我々中野区議会としても大きな関心を寄せていたところであります。中野区教育委員会では、去る8月5日の定例教育委員会において、90人ほどの傍聴者が見守る中、教科書採択が行われたと聞いています。
そこでお伺いいたします。中野区教育委員会では、どのような経過を経て教科書採択が行われたのでしょうか。採択当日は議案として提出されたものを議決しただけであり、大切な採択の過程、採択協議については簡単な報告があっただけのようです。非公開で行われた採択協議の経過も含め、採択までのプロセスについてご説明願います。
また、教科書採択に先立ち、我々自由民主党議員団は第2回定例会において篠国昭議員により議員提出議案第15号教育基本法・学習指導要領の目標を達成するため、最も適した教科書の採択を求める決議を上程し、7月5日の本会議において議決されました。この決議では、1番目、教育基本法の改正と教育課程改善の趣旨について、教育委員等に周知徹底すること。二つ目、各教科書が教育基本法等に照らして評価指標を設定し、調査研究を行うこと。三つ目、教育委員会の責任のもと、教育基本法や学習指導要領の目的、目標等の達成を目指した最も適した教科書を採択することの、三つの項目について強く求めております。
そこでお伺いいたします。中野区教育委員会は、この7月5日の本会議での教科書採択に関する決議をどのようにとらえているのでしょうか。特にこの三つの項目について、重点を置いて採択されたのかを伺います。特に歴史の教科書について、決議とはほど遠い教科書が採択されたと思いますが、いかがでしょうか。教科書採択は、教育委員会の責任において行われることは承知しています。しかし、歴史教科書については、国民の注目が集まる中、教育委員会は一部の立場の人々から批判を受けないような無難な教科書を採択したというようなことはありませんでしょうか。
そこでお伺いいたします。採択権者である教育委員会は、一部の人々からの批判を恐れるあまり、事なかれ主義でだれからも指摘を受けない無難な教科書を採択したのではありませんか、伺います。
今回の教科書採択結果では、やはり大手の教科書会社の採択が目立ちました。各教科書会社は、自社の教科書が採択されるか否かは死活問題であります。教科書会社の宣伝活動も激しいと聞いております。そこでお伺いたしますが、各教科書会社の営業マンが教育委員等の採択関係者や区内の学校の教員と接触を図っていたと聞いていますが、それは本当でしょうか。事実だとしたら大変な問題だと思いますがいかがでしょうか、伺います。
最後に改めてお伺いいたしますが、今回の教科書採択の結果は7月5日の本会議における決議にのっとった採択結果だと思いますでしょうか、いかがでしょうか。お伺いいたしまして、この項の質問を終わります。
三つ目、被災地支援についてお伺いいたします。
さて区長は第2回定例会の行政報告で、積極的に被災地に出向き、被災地・被災者に寄り添う支援を行うことを明言されました。そしてこの未曽有の大震災からの復興なしには東京23区の自治や自立もあり得ないとし、区は今後も区内への避難者の方々も含め、可能な限り被災地・被災者の支援を行い、被災者の方々が再起に向けて安定した暮らしの基盤を確立できるよう支援を進めていくとしています。また、同時期に公表された「がんばろう日本 緊急対策 中野2011」においても、区として緊急に強化すべき安全対策や被災地・被災者の支援、夏場の電力不足対策などを明らかにし、復興支援にかかる取り組みとして、被災地自治体への職員派遣や、我が自由民主党議員団が要請したボランティア派遣などの実現を図り、大きな成果を上げていることに心から称賛するものであります。
私ども区議会としても、区のこうした被災地・被災者に寄り添う支援については大きな評価をし、議会としても積極的に取り組むことのあらわれとして、今期の議会に震災対策特別委員会を設置し、区とともに被災地・被災者支援や区の震災対策の充実、強化を実現していくことを目指していきたいと考えております。
さて区長は、3月の末に直接宮城県に出向き、東松島市、岩沼市、亘理町の被災地自治体を訪ね、被災状況を視察し、早急な支援の必要性を決意して、直ちに現地に支援担当課長を派遣、駐在させ、今回の支援に結びつけたことは、大いに評価するものであります。
我が自由民主党議員団も、6月上旬の復興支援活動や被災状況の視察も兼ねて、東松島市、岩沼市、亘理町を訪問し、市長さんや町長さんから直接被災状況や必要とする支援策をお聞きしてまいりました。この件については第2回定例会の一般質問で、我が会派の同僚議員から質問がありましたので、割愛させていただきますが、今後も復興に向けた区の支援のさらなる充実を要望しておきます。
さて私は、8月の下旬に大内議長と、議長の就任のあいさつと原発による被災状況を視察するため、友好連携都市である福島県田村市と里まち連携都市である茨城県常陸太田市を訪問いたしました。田村市では、幸い地盤が強固であるため人や家屋などに大きな被害はなく、まちも比較的落ち着いている様子でした。しかし、市の一部が福島第一原発からの半径20キロ圏、また市の3分の1が30キロ圏に入っていることから、環境放射線量は8月9日現在で時間当たり最大値では1.14マイクロシーベルトで、年間積算線量は6ミリシーベルトとなり、日本人1人当たりの自然放射線年間積算量の4倍という値になります。しかしその線量は徐々に減り、市の一部の地区を除き、その線量は0.12から0.50マイクロシーベルトとなり、日本人1人当たりの自然放射線年間積算量値に近づきつつあるようです。しかしながら、第1次産業であるたばこの葉や米、そばなどの栽培は、多くの農家で自粛しているほか、市の観光産業なども観光客の大幅な減により、経済的に大きな打撃を受けています。こうしたことから、来年度の市税は大きく落ち込むことは火を見るよりも明らかであり、市政運営は大きな局面を迎えております。
こうした被災地の状況は、テレビや新聞報道で伝えられていますが、やはり直接現地に行き、自分の目で確認し、正しい情報を国民に伝えるべきであります。ついこの間辞職した民主党の鉢呂吉雄元経済産業大臣のように、物見遊山で福島県に入り、帰京後の「放射線をうつしてやる」などの人間性を疑う発言をし、被災地の住民の感情を逆なでにし、全国民へ悪しき風評をまき散らすような行為は、大臣、議員辞職はおろか人間失格と言わざるを得ません。人を見る目がない野田総理の任命責任は大変大きいものであることを申し上げて質問に入ります。
福島県田村市では、これまでも区と友好都市や災害協定の締結をしている自治体で、区内の小・中学校が常葉少年自然の家に林間学校などでお世話になり、農業体験や自然との触れ合いなどの楽しい思い出の地でもあります。また、これまでも中野まつりや花と緑の祭典、スポーツなどで市民同士の交流も盛んでしたが、今後区や教育委員会は田村市にどのような支援をし、また区や市民の交流や児童・生徒の体験活動などをどのように継続していくのか、お伺いいたします。
次に、常陸太田市との支援や交流についてお伺いいたします。
田村市から東京に帰る途中、議長と私は福島県の広野町といわき市の被災地を視察し、里まち連携都市である常陸太田市も訪問いたしました。当初常陸太田市は、大きな被害はないものと思っていましたが、実際現地を訪ねると、大きな被害があることが判明いたしました。幸い死者は1名、負傷者は11名と少なかったものの、住宅被害は、全壊が103件、大規模半壊が305件、半壊が868件、一部損壊が3,964件、合計5,240件、そして物置等の非住宅の被害が2,126件という大きな被害がありました。しかも市庁舎は、土地が田んぼを埋め立てて建築した関係で、市庁舎の周りや駐車場が液状化になる被害があるほか、市議会本会議場の天井や壁も損壊している状況で、いまだ手つかずの状態でありました。市では、市民生活の再建を最優先、最重点課題として、公共施設の改修は後回しにし、平成22年度に3億7,000万円余、23年度に28億3,000万円余の専決処分による補正予算を組み、住宅の被災修繕の補助金や見舞金の支出をしたほか、総額で54億6,000万円余の災害関係予算を編成しています。今後は、公共施設の修繕費も予算化することになり、市の災害復興の費用が幾らになるか、いまだわからない状況でありました。
また、市の産業への打撃も大きく、幸いアメリカは国が示す放射線物質の暫定基準値を大きく下回るとのことですが、市内の観光ぶどう園やなし園は軒並み県外からの注文が減り、私が訪ねた農家は悲鳴を上げておりました。また、観光産業も風評被害で大きく落ち込み、観光客数は前年の約半分という状況となっているそうであります。常陸太田市の市長さんや議長さんからは、中野区が被災地支援ということで、市内の産品を区で販売していただいていることに大変感謝をしていましたが、やはり多くの観光客が市に来ていただくことが、多くの市民の励みになると言っておりました。
市では、ことしの11月19日、20日の両日「がんばっぺ!常陸太田秋まつり2011」が開催されます。このまつりの趣旨は、被災された方々が精神的な面で元気を取り戻し、復旧・復興に向けて1歩ずつ前に進み、元気なまち常陸太田を目指して、交流・連携・絆をテーマに開催されます。まさに今、日本には交流・連携・絆が必要な時期であります。被災地とそれを支える市民がともに手を携え、復旧・復興に向けて前に進むときであります。
そこでお伺いいたしますが、区はこれまでの被災地支援事業として、なかのいちを開催し、産品の販売や風評被害の撲滅に力を注いできましたが、現地の職員や生産者からは、産品の集荷や配送、売り子の手配など、結構な負担があるそうで、常時中野区に来る体制をつくるのが大変難しいとのことでした。できれば「がんばっぺ!常陸太田秋まつり2011」に中野区で毎年行っている逸品グランプリの生産品を出店し、さらには区の商店街や町会・自治会などの多くの区民の方がまつりに参加できないか、という市長さんや議長さんの希望があります。11月19日、20日のまつり当日、2日間にわたって日帰りで観光バスをチャーターして、区民をまつりに参加していただくことで、区民みずから被災地の支援、風評被害の払拭ができるのではないでしょうか。日帰りであれば、観光バスをチャーターしても12万円程度、2日間で20台、約240万円程度で区民1,000人をまつりに参加させることができます。7月下旬のなかのいちと同じ金額で倍以上の区民の参加ができ、常陸太田市民との交流を通じて、地場産業の活性化にも寄与できます。ぜひ区長の御英断を期待いたします。
最後に、被災地に対する義援金の配分についてお伺いいたします。
さきの9月16日に開催された総務委員会では、東日本大震災にかかる被災者支援の取り扱いについての報告がありました。区民から寄せられた義援金の約2回の配分として、岩手・宮城・福島の3県に300万円ずつ、そして区が災害協定を締結して支援している宮城県の東松島市、岩沼市、亘理町に200万円ずつ送ることとなったそうです。なお、福島県田村市には、区長をはじめとする特別職や部課長会で合計50万円の見舞金を送ったとのことですが、今回多くの家屋被害があった常陸太田市や比較的被害が少なかったが原発の風評被害が大きい喜多方市などの里まち連携都市には見舞金や義援金を送っていないと聞いております。この両市は、中野まつりや商店街のイベントなどに積極的に参加し、区民との交流が多くあります。私の地元の鍋横商店街や宝仙寺商店街には、常陸太田市や喜多方市がブースをつくり、さまざまな産品を届けていただいております。地域の区民や商店街の方々からすると、常日ごろから交流のある自治体が被災を受けているわけですから、この両市に対して区が義援金や見舞金をお送りするべきではないでしょうか。また、何らかの基準がありお送りできない事情があるのであればお答え願います。
3.11、あの悪夢のような大災害から半年が過ぎ、被災地の人々や自治体は復興へ向け力強く歩み始めたばかりであります。復興には大変な時間と労力、予算が必要となります。私ども区議会議員も行政と相互協力し合い、先駆的な支援をしていく決意であることを述べて、すべての私の質問を終了いたします。どうもありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 吉原議員の御質問にお答えいたします。
子ども手当を導入した際の導入に伴う事務的経費についてのお尋ねであります。
システム改修費用と申請書の送付、審査認定など、支給事務に要した人件費、OA機器や事務用品などの購入費用など、合わせておよそ4,500万円を費やしているものであります。
今回の特別措置法によって、海外別監の取り扱いはどうなったかということであります。
10月から改正される新制度では、いわゆる海外別監は留学の場合以外は認めない取り扱いとなっております。留学についても、留学前の日本国内での居住年数や国外での世帯状況などの要件が、省令で示される予定であるため、御質問にあったような問題は発生しないというところになってきたというふうに認識をしているところであります。
また、制度変更に対応する準備の進捗や事務経費についてのお尋ねもありました。
10月下旬に約1万7,000世帯への申請書類発送を行いますため、諸準備を進めているところであります。その後、受付審査認定事務を行い、来年2月に支給を行います。そのため、支給額変更等に伴うシステム改修を早急に行ってまいります。また、海外別監など、制度変更の内容の周知については、混乱を招くことのないよう丁寧に行っていきたいと考えております。
事務的経費については、システム改修費、人件費、用品購入費、郵便代など、およそ2,700万円程度必要になる見込みであります。来年度以降の所得制限の導入に伴う経費につきましては、またシステムの改修費用と事務経費とで、今回と同額程度費やすことになると考えているところであります。
この子どものための現金給付のあり方についての考えを聞きたい、こういう御質問でありました。
子育て家庭への支援というのは、保育園の待機をなくしていくであるとか、あるいは特別に支援を要するお子さんたちへの適切な対応でありますとか、地域の中での地域の連帯に基づくきめ細かな子育ての支援でありますとか、さまざま現実的な施策としての支援が多数必要なところであります。そうした支援を地域の特性に応じて、地域が自主的に、また自由に展開できるような、そういった仕組みをつくっていくことが、私は重要ではないかというふうに思っております。
所得制限もかけずにただただ現金をばらまくという、愚かで下品な政策というのは、私は今後はやめていただきたい、こう思っております。
それから、田村市への支援や交流についてであります。
春の「花と緑の祭典」におきます田村市の物産販売や、中野区体育協会主催のスポーツ交流など、市民同士の交流につきましては、関係団体の意向も伺いながら継続していきたいと考えておりますし、田村市側も積極的に継続をしていくというお考えであるというふうに確認をしているところであります。引き続き田村市との友好関係はこれからも強化をしていかなければならない、そういうふうに考えております。
常葉少年自然の家でありますけれども、大震災の影響などによって利用を休止をしているところでありまして、児童・生徒の体験活動の継続は大変難しい状況にあると考えております。田村市には、震災発生後救援物資を送るとともに、災害復旧への協力を申し出たところであります。中野区のこうした対応は、福島県そのものの対応よりも田村市にとっては素早い対応だったというようなことで、大変御評価もいただいたところであります。今後とも復興・復旧支援に関して、具体的な要請あるいはこちらから認める必要性というものがあるのであれば、できる限りの支援を行っていかなければいけない、このように考えているところであります。
それから、常陸太田市との交流についてであります。
現在中野里まち連携事業の体験交流のモデル事業を、常陸太田市の秋まつりの日程に合わせまして、11月19日に実施することを計画しているところであります。参加していただいた方には、大豆の収穫と、当初予定していた体験交流のメニューに加えて、被災地支援も兼ねて秋まつりの会場にも行っていただくことによって、地場産品の購入やにぎわいづくりなどに協力できればと考えているところであります。
中野の食の逸品グランプリの受賞作品につきましてですが、これは幅広く連携自治体だけではなく、中野から大いに発信をしていきたい区民の誇りでもあるというふうに私どもは考えておりますので、この常陸太田市の秋まつりにも何らかの形で出品をしたいと考えております。
それから被災地に対する義援金の配分についてのお尋ねがありました。
区民等から受け付けた義援金は、平成23年9月16日現在4,595万8,688円であります。これまでに岩手・宮城・福島の3県には2回に分け計1,300万円ずつ、宮城県の東松島市、岩沼市、亘理町には各200万円の義援金を贈りました。また、区民等からの義援金とは別に、公費としての義援金を東松島市、岩沼市、亘理町に各200万円をお贈りをしたところです。義援金につきましては、死亡者及び家屋に全壊全焼または半壊半焼の被害があったものに配分されるというものであります。今回中野区で受けた義援金については、他都道府県に比べまして、震災による人命や建物被害が甚大であった岩手県・宮城県・福島県と、それから復興支援に関する協定を結んだ、これもいずれも被害が大変大きい東松島市、岩沼市、亘理町に贈ることとしたところであります。ぜひとも御理解をいただきたいと思っております。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 教科書採択に関する御質問にお答えいたします。
まず、教科書採択のプロセスにつきまして、教科書採択は教育委員会の権限であり、中野区立学校教科用図書の採択に関する規則にのっとり進めております。この規則に基づき、まず教育委員会において教科書採択の基準や手続について協議し、教科用図書選定調査委員会に教科書の調査依頼を行いました。次に、選定調査委員会の報告等を参考に、教育委員みずからすべての教科書の研究を行い、教育委員会の臨時会を3回開催し、協議の上、定例会で採択を行いました。
次に、教科書採択に関する議会の決議についての御質問でした。決議の趣旨は、教育基本法や学習指導要領のねらいに沿った教科書を採択するようにという議会の意思であるというふうに考えております。採択協議に先立ち、各教育委員がこの決議について確認をしてございます。各教育委員は、教育基本法や学習指導要領の改正の趣旨について、十分理解しているというふうに認識をしております。歴史の教科書につきましても、他の教科書と同様、十分な協議を行い、適切なものを採択したというふうに認識をしております。
次に、無難な教科書採択をしたのではないかという御質問です。各委員は、みずからの責任と権限に基づいて教科書の研究を行い、教科書採択に臨んでおり、それぞれの責務を果たしているというふうに考えております。決して事なかれ主義、無難な採択ということではないというふうに考えております。
続きまして、教科書会社の教育委員会関係者への接触という御質問でした。教育委員会では、教科書採択における静謐な環境を保証するため、教育委員会の協議は非公開で行っております。また、選定調査委員会等につきましても、委員の氏名は公表されておらず、委員会自体も開催日すら公開しない秘密会で行われておりまして、同様に静謐な環境が保たれているということです。教科書会社の関係者が教育委員や学校関係者と接触を図ったという事実はあり得ないというふうに考えております。
最後に、教科書採択については議会の決議に沿った採択結果だと考えているかという御質問でした。議会の決議に示されている教育基本法や学習指導要領のねらいに沿った教科書を採択したというふうに認識をしてございます。
○議長(大内しんご) 以上で吉原宏議員の質問は終わります。
中野区議会議員 甲 田 ゆり子
1 中野区版「歩きたくなる道」構想の提案について
2 区民による植樹運動について
3 地域の見守り・支えあいについて
(1)町会・自治会について
(2)企業との協働・連携について
(3)職員のアウトリーチについて
(4)お買い物ポイントについて
4 子育て支援について
(1)保育園待機児童対策について
(2)子どもの事故防止について
(3)3人乗り自転車について
(4)特別な配慮を必要とする子どもたちへの施策について
5 その他
○議長(大内しんご) 次に、甲田ゆり子議員。
〔甲田ゆり子議員登壇〕
○4番(甲田ゆり子) 第3回定例会に当たり、公明党の立場から質問をいたします。
私は、この4月に初当選をし、今回が初めての一般質問です。これまで地域の皆様より寄せていただいた貴重な御意見をもとに質問をさせていただきます。区長・理事者の皆様におかれましては、前向きで明快な御答弁をよろしくお願いいたします。
質問は、通告順に行います。
最初に、中野区版「歩きたくなる道」構想について伺います。
昨今、歩くことがブームになっており、まちに出るとウオーキングをしている方がよく目につきます。ウオーキングが好きな人は日本ウオーキング協会の歩きたくなる道500選をよくご存じかと思います。昭和58年に東京都が制定をした「歴史と文化の散歩道」がありますが、中野区の道はほとんど紹介されていなく、大変残念です。区が姉妹都市締結をした韓国ソウル特別区陽川区にも「歩きたい道」があると伺っています。自分たちの住むまちで歩きながら歴史と風情を感じられたら、とても住みやすいまちとなると思います。
そこで私は、中野区版「歩きたくなる道」の構想を提案したいと思います。人々が憩い、散策を楽しめるような道、私はそれを緑の多いグリーンロードと考えます。中野区の緑の基本計画には、緑の軸をつくる、暮らしの中に息づく緑をつくる等の方針がうたわれております。このような計画をさらに推進していくために、区民の目にしっかりと見える形にするとともに、わかりやすいネーミングをして緑のネットワークをつくることは、まちの活性化に必ずつながっていくことと思いますがいかがでしょうか、お伺いいたします。
さらに、このような「歩きたくなる道」を区内のそれぞれの地域で選定をして、仮称「歩きたくなる道中野区十選」としてはいかがでしょうか。例えば水辺とせせらぎの道、商店街のにぎわいの道、いにしえの歴史が漂う道、庶民が憩う道などと、地域の特色を生かして名づけてもよいと思います。私の住む地域は歴史と花の名所、哲学堂公園から続く有名な中野通りの桜並木があります。一方、平和の森公園という大変貴重な公園もあります。これらの名所をつなぐ道は、今後西武新宿線の地下化に伴い踏切がなくなります。同時に鉄道の線路がなくなりますので、その線路跡の道を緑豊かな散歩道にとの要望が多くの区民から寄せられております。防災公園でもある平和の森公園へつながるグリーンロードは、平和につながる花と緑の道として、歩きたくなる道の代表格に選定していくべきと考えます。本当に安全で気持ちのいい「歩きたくなる道」をつくれば、中野区をアピールすることにも役立つのではないのでしょうか。そのためのこの構想を提案いたしますが、区長の御見解をお伺いいたします。
次に、区民による植樹運動についてお伺いします。
東日本大震災の教訓として、多くの学識者が鉄骨やコンクリートで自然災害を封じ込めたつもりが、むしろ堤防の決壊や建築物の倒壊などにより、かえって深刻な被害に遭う危険があると警鐘を鳴らしています。中野区は日本一の人口密集区であり、火災の被害想定は深刻です。防火林を増やしたいとの思いは多くの区民が考えているところだと思います。豊島区では3年前から豊島再生プロジェクトを実施しており、日本一の高密都市であるにもかかわらず、区民による植樹で現在着々と木を植え、緑を増やすという画期的な運動を展開しています。その原点は、1,700カ所、4,000万本の木を植えたとして有名であり、数々の賞を受賞している横浜国立大学名誉教授の宮脇昭氏の指導によるものです。私も宮脇教授の著書を読み、先日講演会にも参加し、これは本当に大事なことであると感じました。植物の生態を知り尽くしている教授は、一貫して3本の植樹から森は生まれる。森は私たちの命を守るものである。本物は、厳しい環境に耐えて長持ちする。本来の森は、火事の延焼を防ぎ、地震・火災にも強い。人口が集中した都市部で今こそ1人ひとりの手で森づくりを、と熱く訴えています。土地本来の木は根が真っすぐに伸び、台風にも耐えることができるとも言われました。
豊島区はこの目的と意義を明確にして、区立公園をはじめ区の施設などに植樹を行ってきました。みんなで植樹をすることにより、何とも言えない充実感とともに、一緒に木を植えたという、仲間という連帯感が生まれたことは、予想外の成果だったそうです。
今、東日本大震災の津波被災地でも、悲しみを乗り越えながら、学生などの手によって将来の人々のためにと、宮脇方式による植樹が始まっています。中野区緑の基本計画にも「緑をともにつくる」とあります。震災時の防災の意識が高まっている今だからこそ、区民による植樹で緑を増やすことの機運を高めてはいかがでしょうか。狭い場所でもできるところから始めていくべきではないでしょうか。区長のお考えをお聞かせください。
具体的な場所としては、まずは防災公園である平和の森公園から始めてはいかがでしょうか。当公園はまだまだ木を植えられるスペースはたくさんあります。真ん中にある大きな草地広場の下は、下水処理施設となっており、木は植えられないとのことですが、草地広場の外周にはベンチなどがあるにもかかわらず、木陰が少ないという利用者の声も聞いています。ぜひそのような場所にも植樹をしてはいかがでしょうか。また、これからできる中央・南部防災公園も、候補の一つとなり得ると思いますがいかがでしょうか。伺ってこの項目の質問を終わります。
次に、地域の見守り、支えあいについて伺います。地域の見守り、支えあいは、大変大事な事業で、何としても成功させなければならないと思っています。このような観点から何点か伺います。
まず初めに、町会・自治会の支援について伺います。今回、区は支えあいの大きな取り組みとして、町会などに個人情報を提供して見守り支援を依頼していますが、今、多くの町会が高齢化の中で活動への参加者が少ない状況にあります。見守りをお願いするのであれば、区として積極的に町会・自治会の加入世帯を増やす支援、後押しをすべきではないでしょうか。昨年区が実施した町会・自治会へのアンケート調査によれば、町会・自治会の未加入世帯が非常に多く、加入促進に向け、転入者への町会・自治会の周知と連絡先の提供を行政に期待するという回答結果が多くありました。このアンケート結果を受けて、具体的にどのように取り組んでいるのかお聞かせください。
私自身、中野区内で何度か転居の経験がありますが、特に案内がされないため、地元の町会の情報を知ることができませんでした。私は、特に転入をしてきた区民に歓迎の意味を込めて「ようこそ中野へ!支えあいネットワーク推進中の中野区です」などのネーミングのパンフレットをつくり、手渡すようにしたら実にわかりやすいと思いますが、いかがでしょうか、伺います。
その際、既に立ち上がった区民活動センターの概要と町会の連絡先一覧を載せて、地域に早く溶け込めるよう案内をすべきだと思います。
さらに、区民活動センター単位にホームページを立ち上げ、そのURLを案内に明記し、区民の支えあいの意識を高めてはいかがでしょうか、御見解を伺います。
次に、企業との協働・連携について伺います。
現在支えあいに協力していただいている区内事業者は、「元気でねっと」時代から続く170事業者だそうですが、現状は区への連絡体制等機能していないと思われます。最近、多くの企業でCSRいわゆる企業の社会的責任の意識を高めるため、社会貢献運動が進んでいます。企業のイメージアップにもつながるため、積極的にボランティア活動も推進しています。私の勤めていた生命保険会社でも、地域の子どもの見守り運動をしていました。また、ボランティア休暇などを推奨する企業もあります。そういった企業にももっと目を向け、企業の特色を生かしてどんな貢献をしていただけるか、積極的にアンケートを取るなどして、丁寧に具体的な御協力を仰いでいくべきだと考えますがいかがでしょうか、伺います。
また、支援の輪を広げるために、既に協力してくださっている商店・団体等も含め、今後新たに協力企業・事業所に対して評価検証する制度を設けてはいかがでしょうか。その際、ホームページで紹介するとともに、認定ワッペンを交付するなどしてはいかがでしょうか。このことにより、支えあいのネットワークが広がっていくと思いますが、区のお考えをお聞かせください。
次に、職員のアウトリーチについてお伺いします。
この7月より15の区民活動センターに2人ずつ駐在している職員は、支えあい推進担当者として地域に出て仕事を行っていると伺っております。しかし区民には、まだこれらの方の存在があまり認知されていないのが現状です。私は先日、北九州市の「いのちをつなぐネットワーク事業」について視察してまいりました。3年前から始まったこの事業の成果として、民生委員等が活動しやすくなったと答えています。成果が出ている秘訣は、各地域の担当係長が積極的にまちに出て行き、町会等の会合に参加をしたり、さまざまな相談を受け、市のサービスのつなぎ役となって地域での見守り活動を支援しているとのことでした。中野区にも合計30名の担当職員がいるのであれば、さらに積極的にまちへ出て、地域の方々との連携を図り、区のサービスを直接ワンストップで提供していくことが重要であると思います。今回、区が行った福祉等に関する意向調査などの結果を見ると、高齢者や障害者の方々の悲鳴が聞こえるようで胸が痛みました。どこに相談したらよいかわからない、縦割りの仕組みで聞いたことにしか答えてくれない冷たさがあるという意見が多く目につきました。その声にこたえ、何でも気軽に相談できる人になり得るのが、支えあい推進担当者ではないかと思いますが、区のお考えを伺います。
私は、担当者が地域に認知されることが必要だと思います。そのためには、支えあい推進担当というわかりにくい名称ではなくて、支えあい相談リーダーなどという相談しやすい名前をつけ、さらにその名前を大きく書いた専用ユニフォームや腕章などを着用して、地域の方に認知されるようにすることが必要ではないでしょうか、伺います。
さらに、区内の支えあいリーダー同士の定期的なネットワーク会議を設けてはいかがでしょうか。そして地域ごとに支えあいリーダーが中心となって、我が地域の支えあいに役立つ人材や資産などをまとめたマップをつくり、区のホームページに載せるなどの情報発信もしてはいかがでしょうか。また、区民の方も参加して、例えば中野ゼロホールなどで取り組み成果発表大会を行っていけば、地域相互に刺激し合い地域の活性化につながるのではないでしょうか。そして、区民にもさらに認知されていく一つとなると思いますが、区長の見解をお伺いします。
次に、お買い物ポイントについてお伺いします。
中野区3ポイント制度は、一般紙にも掲載され、他の自治体からも注目されております。支えあいを出発点として3ポイントを活用、定着化させることには賛成です。しかしながら、特にお買い物ポイントについては、商店街がポイントを発行しなければならないため、一番の関係機関である商店街連合会の協力抜きには進められないものと考えます。この事業は10月には決定をして、来春よりスタートと計画されていますが、現時点で検討結果があいまいで、区商連の皆様から区の進め方に対して危惧する声が少なからず上がっています。検討に当たっては、商店街が元気になる仕組みが必要です。また、各商店街単位で既に行っているところもあるポイント制度との調整は十分に行ってから実施すべきと考えます。その意味から、スタート時期も含め、検討が必要と考えますが、区長のお考えをお聞かせください。
また、継続できなければ意味がないものになってしまいますので、開始に当たってはまずは高齢者や主婦の方々が楽しみながら貯めていけるような、単純でわかりやすいものとしていただきたいと思いますが、この点もあわせてお考えを伺います。
次に、子育て支援策について伺います。
少子化社会の中にあって、大切な子どもを事故から守り、すこやかに育てる環境をつくるため、地域の子育て中のおかあさんたちから寄せられた声をもとに、何点か質問させていただきます。
初めに、保育園の待機児解消対策について伺います。
区は昨年10月に策定した今後の保育事業への対応方針の中で、保育需要に対する定員増計画として、26年度までの各年における4月時点での待機児童数ゼロを維持すると標榜しています。この1年間で227人増やすことができたとはいえ、さらに需要が多く、結果としては今年の4月時点の待機児は、昨年4月時点とほぼ同じ135人となっています。特に3歳未満児の需要が多く、今年4月時点で117名の3歳未満の待機児がいます。私はまだまだ区の待機児ゼロへの取り組み意欲が消極的であると感じます。私は、3歳未満の待機児対策の切り札の一つが家庭福祉員、いわゆる保育ママであると思っています。そこで、保育ママによる待機児半減につながる提案をいたします。
中野区の保育ママは、現在10名しかおりませんが、江戸川区では200名以上の保育ママがいます。保育ママが遅々として増えないのは、仕組みが自宅提供型の保育となっているため、それぞれの住宅事情で、場所の確保が困難であるばかりでなく、保育ママが体調が悪くても休むこともできず、責任と負担が重過ぎることが主な原因ではないかと思います。複数人が共同して子どもを預かるグループ保育ができれば、保育ママの負担も大きく軽減されると思います。
また、その際に空いている区民住宅や公務員住宅などを活用して、保育の場の確保を進めるべきです。都内のある区では、今年4月より区民住宅を使用してのNPO法人が管理運営する施設提供型のグループ保育事業を開設しています。1人の保育ママは平均3人の子どもを保育していますので、まず10名の保育ママを増やせば30名の待機児解消につながり、さらに20名に増やせば60人の解消につながり、今の待機児を半減することが可能です。先に述べた区の対応方針の中の整備方針にも、「複数の家庭福祉員が一つの場所において保育を行う仕組みを新たに検討する」と明示されています。しかし、実際には全く進められていません。ぜひ早急に思い切った支援の制度も考えながら、グループ保育事業の大幅な推進に取り組むべきではないでしょうか。その際、区内の保育ママ同士が連携をして助け合えるようなネットワークの仕組みづくりをすべきと考えますがいかがでしょうか、あわせて区長の見解を伺います。
次に、子どもの事故防止対策について伺います。
1歳から14歳までの子どもの死亡原因の一番は不慮の事故によるもので、年間数百人の子どもが事故死をしています。ある自治体では、事故防止センターを保健所の中につくり、乳幼児健診の際に関心を持って見学してもらえるよう、モデルルーム風に展示をしています。そこでは、子どもの見える範囲に焦点を当て、子どもの目から見える視界がどれほど狭いかということを大人が理解するための幼児視界体験めがね、通称チャイルドビジョンを置いています。これがチャイルドビジョンです。これで見ると、大人が幼児の視界を体験することができます。中野区でも、すこやか福祉センター、子ども家庭支援センターなどに置いて、保護者の目に入るような目立つ展示コーナーを設置するなど取り組みをすべきだと思いますが、いかがでしょうか、伺います。
さらにこのめがねは、このような1枚の厚紙で簡単につくることができるようになっておりまして、ホームページにもアップすることができます。中野区のホームページにも最近子どもの事故防止チェックリストが掲載をされましたが、そのチェックリストとともにこの視界体験めがねも掲載し、プリントアウトして簡単に家庭でもつくれるようにしてはいかがでしょうか、伺います。
また、子どもの救急というチェックリスト方式のマニュアルもあり、幾つかの自治体でホームページに載せています。子どもは突然体調が急変することがよくあります。その際どう対処したらよいのか、すぐ調べることができるよう、あわせてホームページのトップに目立つように載せるべきだと思いますがいかがでしょうか、伺います。
次に、3人乗り自転車等について伺います。
まず、3人乗り自転車のレンタルです。この件については、我が会派から以前にも質問し、その答弁として、区民の移動手段についてはさまざまな手段があり、3人乗り自転車だけ助成の対象とするということについては適当と考えていない旨の回答をいただいたことは承知しておりますが、中野区で子育てをしている主婦にとって、自転車は生活になくてはならないものです。私は、2人以上の幼児のいる世帯の多くの方より、3人乗り自転車を区でレンタルしてほしいという声を聞いてまいりました。2人の小さい子どもを連れて買い物に行くのは、本当に大変です。しかしご承知のように今、3人乗り自転車は非常に高価です。若い夫婦にとっては大きな負担となります。電動自転車を希望される方もいますが、上のお子さんが6歳くらいになれば必要がなくなり、利用する期間は短期間です。リサイクルするということはエコにもつながります。この少子化時代に複数のお子さんを育てていることは大変に貴重な存在ですので、支援すべきではないでしょうか。
次に、バギーのレンタルです。乳幼児を自転車に乗せて自宅から駅近くの駐輪場まで行き、駅から電車に乗りかえる際、バギーがあれば便利で安心です。しかし、バギーを自転車に積んで持ってくることはできません。そのためとても不便を感じるそうです。もし駅周辺でバギーのレンタルがあれば、住みやすい快適な中野と言われるようになると思います。その際、多少のレンタル料金や条件、保険をかけるなど工夫をすれば、予算をほとんどかけずに設置・導入が可能です。自転車社会の中野区です。多くの自転車愛用の区民に対して、ほんのちょっとした工夫で、住みよい中野、子育ての中野と思ってもらえるようなサービスの導入を積極的に進めるべきだと考えます。中野駅の駐輪場は、駅整備に伴って新しくなりますので、この機会にスペースを確保して、この二つを実施するとともに、さらに電動自転車用の充電器の設置も検討してはいかがでしょうか、あわせて伺います。
最後に、特別な配慮を必要としている子どもたちへの施策について伺います。
現在中野区内における小・中学校において、特別な配慮を必要としている児童・生徒が増えています。先日私は同僚議員と特別支援教育を先進的に実施している日野市を視察してきました。ハード・ソフト面の充実に取り組んでいる状況をお聞きし、今後中野区においても重要な視点であると実感しました。平成24年4月から自立支援法と児童福祉法が改正され、障害のある児童に対して各種の事業が児童福祉法の事業になると聞いています。また、都が実施してきた事業も区に移管されるとも聞いていますが、区における事業体制はどのように変わるのかお聞かせください。
特に重度の障害を持つ児童の保護者は、常時児童に付き添って介護しているケースが多いと思います。幼児期は療育センターアポロ園でのサービスがありますが、学校に入学した後の療育的なサービスはありません。法改正も踏まえ、重度の障害児への積極的な事業を検討すべきだと思いますがいかがでしょうか。
幼児期の療育サービスは、平成22年に新築し開設されたアポロ園があります。しかし、サービス提供に限界を超える状況です。新たな施設を望む声が数年も前から上がっています。我が会派は、南部地域に新設するよう強く提案をしてきました。第2次10か年計画のステップ3で示されましたが、現段階での進捗状況及び先に述べた法改正を踏まえるとどのように事業展開を行うのでしょうか伺います。
10か年計画にある特別支援学級の増設や巡回相談員の充実も大きな期待となっています。また、都立の支援学校との役割分担や連携についても重要です。区は、特別支援教育の推進のための検討を行っていると聞いていますが、どのように展開されるのでしょうか、あわせて伺って、私のすべての質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 甲田議員の御質問にお答えいたします。
歩きたくなる道構想という御提案がありました。現在中野区では、39カ所の区道につきまして愛称をつけて、該当道路に愛称掲示板を設置をして、区民に周知を図っております。使用している愛称の中では、緑を想定して植物名を冠したものが「さくら通り」「あかしあ通り」「とちのき通り」「けやき通り」「若草通り」などがあるところです。道路を木や花などを想定した愛称でネーミングを図り、その道路が地域のシンボルとして区民に親しまれ、ネーミングされた道が結びつくことで地域全体の活性化など、まちづくりの推進に資する効果を期待できると考えているところであります。
そこで、「歩きたくなる道中野区10選」といったようなものを区民から公募するなどしてはいかがかといったような御提案であります。緑の普及啓発の一環として、こうした歩きたくなる道を区民提案に基づき選定するということは、まちの活性化やにぎわいに資するまちづくりの一手法というふうに考えております。今後さまざまなまちづくりを進める中で検討してまいりたいと思います。
それから、西武新宿線の連続地下化に伴って、空間となります線路の上部空間、これを平和の森公園につながる、平和につながる花と緑の道としてはどうかというような御質問であります。西武新宿線の連続立体交差事業に伴う地上部の鉄道跡地につきましては、その線路敷用地を所有する鉄道事業者との協議を要するところです。都市計画事業の連続立体交差事業で生み出されます貴重な空間でありますので、区としても区民の公共空間として最大限有効活用できるように努力をしていきたいと考えているところであります。
平和の森公園につながるグリーンロードという御提案につきましても、この鉄道跡地の利用の一つの考え方として、さまざまな地域要望なども踏まえながら、検討の中で取り上げてまいりたい、このように思っております。
歩きたくなる道構想をつくるということについての御提案であります。
親しみと潤いのある道をつくることが、区民生活に潤いやにぎわいをもたらし、また観光資源にもなり得るということがあります。都市計画マスタープランや緑の基本計画などの目指すまちの姿にも合致をするというふうに考えております。今後、まちづくりを進めていく中で、歩きたくなる道づくりという視点を生かしていくことも必要だというふうに思います。
それから、公園における植樹の御質問がありました。
区といたしましては、都市計画マスタープランや緑の基本計画などで、地域緑化の計画体系を持っております。その計画体系を通じて、街路樹や公園等の公共空間に木々の緑を増やす努力をしてまいりました。そうした中で御指摘の防災機能などを視野に入れながら、公園等による植樹等における植樹帯の整備を行っているところであります。
平和の森公園につきましては、さまざまな緑化の検討を行った結果、相当数の密度で樹木が繁茂し、良好な緑の空間を形成していると考えております。また、仮称中央部防災公園、これにつきましては、既存の樹木を最大限に生かした、大変緑の多い土地でありますので、その既存の樹木を最大限に活用した公園として設計し、相当なボリュームの樹木がある緑豊かな公園としての整備が今、行われているというところであります。
こうした公園の中で、さらに区民の植樹の場をというような今回の御提案につきまして、今後さまざまな公園づくりの中で、公園の置かれた環境や状況、機能等を踏まえ、適用できる事例を研究してまいりたい、このように思っております。
それから、3人乗り自転車等のレンタルについての御質問がありました。駅周辺の駐輪場を拠点とする3人乗り自転車の貸し出しについてでありますけれども、期間を定めた有料レンタサイクル方式で行う、このことは研究に値すると思うわけでありますが、設置場所の選択や専用設備、運用方法や自己負担と採算性の関係など、事業モデルとして成立するような計画づくりが肝要だと思っております。バギーのレンタルといったようなことも含めて、今後検討してまいります。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 子育て支援についての中の特別支援教育の推進のための検討についてお答えをいたします。
平成18年度に「中野区における特別支援教育の推進について」を策定し、特別支援教育の推進に取り組んでまいりましたが、発達障害など特別な支援を必要とする児童・生徒については、近年その数が増加していること、支援に当たっては学校だけでなく、家庭や関係機関との連携が必要なことから、改めて今後の特別支援教育の考え方を示したいと考えております。
具体的には、特別支援教育をさらに充実するため、地域バランスを配慮した特別支援学級の設置のほか、区立全小・中学校に特別支援教室を整備し、指導員を配置して指導を行うことや、巡回相談の充実、すこやか福祉センターなどとの連携とともに、近隣の都立特別支援学校との連携強化などを検討しているところでございます。
〔地域支えあい推進室長長田久雄登壇〕
○地域支えあい推進室長(長田久雄) 私からは、地域の見守り、支えあいについての御質問についてお答えをさせていただきます。
まず町会・自治会の加入促進の支援に関しての御質問がございました。区では9月17日に施行をいたしました住生活の基本に関する条例や、集合住宅の建築及び管理に関する条例に基づき、良好な地域コミュニティを形成するため、新規入居者等への町会情報を提供するなど、町会・自治会への加入促進の取り組みを開始しているところでございます。
また、町会・自治会の役割や活動内容、単位町会の区域などを区のホームページで紹介するための準備を進めているところでございます。転入者用のチラシについても、あわせて検討しているところでございます。
区民活動センターごとのホームページでございますが、地域内のコミュニケーションの有効なツールであるという認識はございます。地域広報のあり方自体は、それぞれの運営委員会が検討し決定すべきものであるというふうに考えてございます。区としては、ホームページの立ち上げも含め、運営委員会の取り組みを側面から支援してまいりたいと考えているところでございます。
次に、地域の見守り、支えあいにおける企業との協働・連携についての御質問がございました。「元気でねっと」の協力機関、事業者の業種・業態は、警察・消防のほか、介護サービス事業者や新聞配達事業者、牛乳・乳酸飲料配達事業者、美容院、薬局などがあり、年数回の連絡会を開催しているところでございます。業務中に発見した高齢者の異変の通報などで、協力をいただいているところでございます。「元気でねっと」の協力機関、事業者につきましては、地域支えあいネットワークが展開していく中でも、引き続き協力をしていただきたいと考えております。あわせて、協力事業者の新たな業種・業態への拡大を図っていくこととし、アンケートの実施なども検討をしていきたいと考えてございます。また、協力事業者等の区のホームページでの紹介などについても、今後取り組んでまいります。
それから、区民活動センター配置職員のアウトリーチ等についての御質問がございました。区の職員が高齢者等の住宅を訪問し、その実態を的確に把握した上で必要なサービスにつなげていくことは、区民が安心・安全に暮らすために重要なことと考えてございます。その役割を担う中心が、区民活動センターに配置している職員でありますが、今後も積極的に訪問活動を行いながら、区民からも気軽に相談ができるよう、体制を整えてまいります。
また、地域の方々に担当職員の存在と活動の様子がわかるよう、今後工夫してまいる所存でございます。
支えあいの担当職員は、地域の団体や区民に対して指示を行う立場にはございませんが、担当職員間での定期的な情報交換を行いながら、他の地域の取り組み状況を把握し、地域の支えあい活動を支援していきたいと考えてございます。
また、すこやか福祉センターや区民活動センターの単位で、区民や関係機関等を交えたネットワーク推進のための会議体を設けているところでございます。こうした会議体を単なる情報伝達だけではなく、経験交流や先駆事例の発表の場としても活用し、地域支えあい活動を推進していきたいというふうに考えているところでございます。
私からは以上でございます。
〔都市政策推進室長遠藤由紀夫登壇〕
○都市政策推進室長(遠藤由紀夫) 私からは、お買い物ポイントに関する御質問にお答えいたします。
お買い物ポイント制度の構築につきましては、現在関係団体と調整を行いつつ検討を行っているところでございます。地域商業の核である商店街の発展は、区としての課題であると認識しております。お買い物ポイントの実践によって、商店街の活性化を図られるような制度構築すべく、関係団体との協議を進めてまいります。
ポイント制度の継続性は重要であると認識してございます。他区等の先行事例を踏まえつつ、簡便でわかりやすい仕組みを採用するなど、利用者が気軽に楽しみながらポイントを貯めることが可能な制度としていきたいと考えてございます。
〔子ども教育部長村木誠登壇〕
○子ども教育部長(村木誠) 私からは、3人乗り自転車及び特別支援教育推進以外の子育て支援策についてお答えを申し上げます。
まず、家庭福祉員の拡大についてでございますが、区民の多様な保育ニーズにこたえ、保育園の待機を解消するために、家庭福祉員の充実を進めておりますが、御指摘の課題があることは認識をしており、自宅以外の場所で複数の家庭福祉員が事業実施することは、手段の一つとして有効である、このように考えております。
実施場所といたしましては、国が所管する公務員住宅につきまして、家庭福祉員事業の実施場所としての活用策を打ち出しております。これを有効な手段として検討しているところでございます。
家庭福祉員を支援する仕組みといたしましては、区立認可保育園と家庭福祉員とが対となりまして、家庭福祉員の休業時の保育支援等を開始し、負担軽減を図っているところでございます。家庭福祉員同士の連携につきましては、今後研究をしてまいりたい、このように考えております。
次に、子どもの事故防止等のためのホームページの充実についてでございますが、幼児視界体験めがねにつきましては、子どもの事故防止にとって有効な方法であると考えております。東京都版の児童視界体験めがね、いわゆる東京都版チャイルドビジョンは、都のホームページからダウンロードできるようになっておりますので、事故防止チェックリストを掲載している区のホームページに、都のホームページへのリンクを掲載するとともに、子ども総合相談窓口に見本として展示し、子どもの事故防止の啓発に努めてまいりたい、このように考えております。
また、子ども救急につきましては、乳児家庭全戸訪問に際しまして、赤ちゃん、子どもの気になる症状診断シート等の冊子を配布しておりますが、救急時に保護者が子どもの年齢や症状などから、夜間休日などの診療時間外に病院を受診するかどうか、判断する際の目安となる情報を提供しているサイトもあります。これは日本小児学会の「おかあさんのための救急&予防サイト」というものでございますが、区のホームページにこのようなサイトへのリンクを掲載し、あわせて子育て支援のための情報提供を充実させていきたい、このように考えているところでございます。
次に、法改正に伴います障害児事業の変更点についてでございますが、現在国・都・区など実施主体がさまざまであります。各種の障害児通所事業につきましては、障害者自立支援法及び児童福祉法の改正によりまして、すべて児童福祉法に基づいて区市町村で実施することとなる予定でございます。また、就学中の児童の放課後等の通所事業、保育所等の訪問支援事業が新たに児童福祉法に基づく事業として創設されることになります。中野区におきましては、これら法改正を踏まえ、障害児施策のさらなる充実に向けて検討を進めているところでございます。
続きまして、重度の障害児に対する事業展開についてでございますが、障害者自立支援法、児童福祉法の改正によりまして、就学中の児童のための放課後等の通所事業が児童福祉法内の事業として創設される予定のため、区といたしましても、重度の障害児を含めた就学中の障害のある児童の放課後等の通所事業の実施に向けて検討を進めているところでございます。
最後に、南部新療育施設に関してでございますが、南部地域に新設する予定の療育施設につきましては、新しい中野をつくる10か年計画第2次に基づきまして、平成25年度に実施設計を、26年、27年の両年度にわたり、整備工事を予定をしているところでございます。現在、併設する区民活動センターとあわせて整備する基本方針の案をまとめているところでございます。
事業展開につきましては、法改正の趣旨を踏まえ、障害のある就学前児童の通所事業及び障害のある就学中の高校生までの児童の放課後等の通所事業、保育所等訪問支援事業、緊急一時保護事業等の実施を検討しているところでございます。
以上でございます。
〔甲田ゆり子議員登壇〕
○4番(甲田ゆり子) 2点再質問をさせていただきます。
まず、支えあい推進担当の活動の様子がわかるように工夫をしますというお答えをいただきましたが、どういう形で様子がわかるよう、認知されるようにするのか。私の提案は、ユニフォームまたは腕章などをつけてということを質問させていただきましたので、その点についてお答えください。
またもう一つは、お買い物ポイントについて、今後協議を進めていくということで御回答いただきましたが、継続できないと意味がないものですので、スタート時期も含めて検討をしてはどうかという質問をさせていただきましたので、その点についてももう一度御答弁をお願いいたします。
以上です。
〔地域支えあい推進室長長田久雄登壇〕
○地域支えあい推進室長(長田久雄) 甲田議員の再質問にお答えをさせていただきます。
区民活動センターの配置職員の御質問に関連しての再質問をいただきました。区民活動センターの配置職員が地域の中での支えあい、見守りの実効性を高めていくためには、やはり地域の方たちに認知をしていただくということが大変必要だというふうに考えているところでございます。御提案をいただきましたユニフォーム等の方法も含めまして、最も効果的な方法、認知を高めていくための方法がどんなものがあるかということを、今後鋭意検討してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
〔都市政策推進室長遠藤由紀夫登壇〕
○都市政策推進室長(遠藤由紀夫) お買い物ポイントのスタート時期に関する御質問でございます。
現在関係団体との調整を行いつつ検討を行っているわけでございますけれども、スタートにつきましては来春より実施していきたいということで検討を進めているところでございます。
○議長(大内しんご) 以上で甲田ゆり子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 浦 野 さとみ
1 原発事故後の区の対応について
(1)放射能汚染から命と健康を守る対策について
(2)自然エネルギーを普及・促進させるための対策について
(3)その他
2 区民の命を守る震災対策について
(1)区立小・中学校等子どもの施設の耐震化促進について
(2)防災用品・食品等の備蓄の拡充について
(3)障害者の避難所について
(4)その他
3 2012年度介護保険制度改定に伴う区の対応について
(1)介護保険料の負担軽減について
(2)介護予防・日常生活支援総合事業について
(3)特別養護老人ホームと老人保健施設の増設について
(4)その他
4 西武新宿線地下化と沿線および駅周辺のまちづくりについて
(1)西武新宿線地下化に伴う住民の立ち退き問題について
(2)沿線および駅周辺のまちづくりについて
(3)その他
5 上高田一・二丁目の内水対策について
6 その他
○議長(大内しんご) 次に、浦野さとみ議員。
〔浦野さとみ議員登壇〕
○20番(浦野さとみ) 2011年第3回定例会に当たり、日本共産党議員団の立場から一般質問を行います。
初めに、原発事故後の区の対応について伺います。
放射能汚染から命と健康を守る対策について。3月11日の東日本大震災後、東京電力の福島原発事故によって、大量かつ広範囲に放射性物質、死の灰が放出され、国民の放射能への不安が大きく広がっています。科学的知見によれば、放射能による健康被害にはこれ以下の被爆なら絶対に安全という、いわゆるしきい値はなく、被爆は少なければ少ないほどよいというのが放射線防護の大原則です。とりわけ放射能への感受性が高い子どもの健康を守ることは、日本社会の大問題であると考えます。とにかく子どもを守りたい、今は大丈夫でも食品からの内部被爆等、数年後が本当に心配ですなど、子育て中の親や妊娠中の方々から不安の声が多く寄せられています。国の検査では、安全と言われていた牛肉から暫定基準値を超えるセシウムが検出されるなど、多くの方は安心と言われていたものがそうではないことにも大きな不安を抱え、消費者、国民の行政に対する信頼は揺らいでいます。
中野区は、原発事故後、新宿区に設置してある東京都の測定による状況や積算値の想定から、現在は健康への影響が発生する状況ではないとの認識を示しています。しかし、区が参考としている測定器設置場所である新宿区では、8月にはプール水の測定、9月7日には小・中学校や保育園などの給食食材のサンプリング調査が行われました。空間放射線量の測定器を区民へ貸し出すことも9月から開始をしています。また、杉並区では、給食食材等の独自調査を行うため、ゲルマニウム半導体検出器の導入に係る補正予算が提案されています。また、高い放射線量が測定された場合は、除染することも明らかにしました。区民向けの説明会やシンポジウムなども複数回にわたり積極的に行われています。
これらのように、今、各地の行政が区民の声にこたえながら、独自の対応を開始しています。そこで伺います。
第1に、国の責任で都道府県が行っている食品検査体制を抜本的に強化するよう国に求めると同時に、自治体独自の食品検査体制の整備、給食食材等の測定を中野区でも開始してください。
第2に、都内の一部地域でもホットスポットと呼ばれる場所が見つかっています。側溝や水はけの悪い場所、子どもが長く居る場所や遊ぶ場所は、集中的に継続して調査をし、対応が必要な場所は対策をとっていくべきです。
第3に、現在、区には東京都から貸し出しを受けている空間放射線量の測定器が2台あります。特に東京都からの返却の要請がなければ、年度内は借りることができるとのことですが、例えば新宿区のように、一定のルールを設けながら貸し出しの要望があれば区民への貸し出しを行うことはできないのでしょうか。
第4に、区は7月に試測結果を発表した際に、今後区民に放射線に関する正しい知識を得ていただくために、普及啓発等に取り組むとのことでした。ホームページの更新によって普及啓発を行っていますが、大変わかりにくいとの声も聞かれています。わかりやすく更新することは当然ですが、専門家をお呼びしての学習会や区民への説明会なども積極的に行ってはいかがですか。
第5に、区民が立ち上がり、未来を担う子どもたちの命や健康を守ろうと、独自の測定などが行われています。例えば区民が独自測定をした結果、線量の高い場所があった際には、区へ報告をしていただき、必要な対策を検討する、その際の専用窓口を設置することなどはいかがですか。
以上、五つについて答弁を求めます。
区民の中にも、区と連携しながら取り組みたいと思っている方々も多数います。区民も最大限協力をするので、区も独自の対策を進め、協力型でさらなる解決を図っていく。とりわけ放射能への感受性が高い子どもの健康を守ることは、未来にとっても大事なことを申し添え、次の質問へ移ります。
次に、自然エネルギーを普及促進させるための対策について伺います。
原発事故後、自然エネルギーへの関心や要望は高まっています。特に広く取り組める条件のある太陽光発電に関しては、東京都も電力不足を踏まえた対策として、家庭におけるエネルギー機器等に対して補助制度を開始しました。国による補助制度も使える今、区での助成制度実施によって、導入の促進が図られると考えます。お答えください。
中野区環境基本計画では、2017年度までに区内すべての小・中学校と区有施設30施設に、太陽光発電の設置を目標に掲げています。具体的な整備目標、計画について答弁を求めます。
次に、区民の命を守る震災対策について。
区立小・中学校等子どもの施設の耐震化促進について伺います。
3月11日の震災では、沼袋保育園で下水道管の水漏れ、中野体育館で天井の破片が落下するなどの被害が出ています。内閣府の中央防災会議では、首都直下型のマグニチュード7クラスの地震が今後30年以内には7割程度の確率で発生し、また政府の地震調査委員によれば、立川断層帯でも地震発生の確率も高まったと言われています。いつ地震が起きてもおかしくありません。第2回定例会本会議、長沢議員の質問に対し、Bランク評価とされ、耐震改修が実施されていない7校の小・中学校についても、耐震改修を早期に完了するよう取り組むとのことでした。この残された7校については、すぐにでも行うべきです。具体的な実施予定について、答弁を求めます。
次に、既存の区立園を民営化した四つの私立保育園の耐震化について伺います。
今年度、その一つである七海保育園の耐震化工事が実施される予定となっています。しかし、他の園長先生からは、子どもの安全を守るために既存施設の耐震化改修をとにかく急いで行ってほしいとの強い要望が出されています。災害時における児童等を対象とした二次避難所として、協定書も締結している残りの3園について、代替地の確保もしながら、耐震化を早急に実施すべきと考えますが、実施予定について答弁を求めます。
次に、防災用品、食品等の備蓄の拡充について伺います。
区の地域防災計画によると、現在区内では7カ所の備蓄倉庫と48カ所の避難所備蓄倉庫に防災用品が保管されています。被災後、東京都などからの救援が行われるまでの間、被災者の食品を確保するため、調達による1食分を含む1日分、高齢者や乳幼児、障害者などの災害時要援護者用食料は2日分が目標とされています。備蓄物資のみでは被災想定人口14万8,000人の被災者の7日分の食品を確保できないため、不足分は都や区内供給業者から調達するとしています。しかし首都直下型地震では、交通網のマヒ等によって、供給業者から調達が困難なことも予想されます。区では各家庭に対し、非常食や避難用用品等の防災用品のあっせんを開始しました。各家庭個人での備えはもちろん重要と考えますが、避難所予定開設期間である7日分の食品を避難所備蓄倉庫で確保できるよう検討すべきと考えますがいかがでしょうか。
また、避難所備蓄倉庫は、避難所に指定されている小・中学校が中心となっています。今回の震災でも明らかになったように、保育園や幼稚園等でも帰宅困難な親の迎えを待つため、園内にて一夜を過ごさざるを得ない子どもや職員等も多くいたと聞いています。二次避難所として協定を結んでいる保育園や障害者施設等においても、防災用品、食品等の備蓄倉庫の設置が急がれるのではないでしょうか、答弁を求めます。
次に、障害者の避難所について伺います。
防災計画の中では、障害者等を対象とした二次避難所においては、都立中野特別支援学校等、五つの施設と協定を結んでいます。しかし、災害時という状況の中で、障害者の方が安全に避難するために、もっと多くの避難場所が必要です。移動手段さえ確保できないことや、例えば排泄一つにおいても、介護や介助が必要な場合も増えてくることが予測されます。一定バリアフリー化が進んでいる場所を障害者の優先避難場所にすることも検討すべきではないですか。いかがでしょうか。
次に、2012年度介護保険改定に伴う区の対応について伺います。
私は作業療法士として8年間医療介護現場で働いてきました。入院でのリハビリを受けるにも、日数制限が設けられたために、十分なリハビリを受けられない方、またお金がないために病院受診を控える方がいることを多く見てきました。お金のあるなしで命や健康に差別があってはならないと強く思っています。
そこでまず介護保険料の負担軽減について伺います。
2011年6月、国会では介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律が可決されました。今回の改定は、団塊の世代が後期高齢期に達し、日本社会の高齢化がピークを迎える2025年に向けたものと言われています。現在5割の公費負担を大幅に引き上げない限り、公的制度としては破綻してしまうことを初めに指摘しておきます。その上で、ますます各自治体の対応は重要となってきます。高齢者の次期介護保険料は、全国平均で月5,000円を超えると見込まれています。その上昇幅を抑制するために示されたのが、都道府県の財政安定化基金、市町村の介護給付費準備基金の取り崩しです。取り崩すかどうかは、自治体の裁量に任されているために、対応にばらつきが出る可能性もある一方、独自の対応で解決が図られます。準備基金に関し、第4期では第5期計画も視野に入れながら、この3年間で8億円の取り崩しが予定されていましたが、2009年度はゼロ円、2010年度は2億円、今年度は予算で約3億2,000万円となっており、取り崩し予定額から約2億8,000万円残となっています。低所得者はもちろん、区民の負担が厳しい今だからこそ、来年度以降、準備基金の取り崩しによって保険料の値上げを抑え、負担軽減をすべきです。いかがでしょうか。
さらに、保険料の急激な上昇を抑制するため、都道府県は来年度に限って財政安定化基金を一部取り崩すことを認めています。区として東京都に対し最大限拠出の取り崩しを求めていくことも必要ではないでしょうか。いかがですか。
区では現在、12段階にて介護保険料の設定を行っています。より負担能力に応じた保険料設定とするため、この12段階設定をさらに細分化し、せめて低所得者世帯への介護保険料の負担軽減をすべきではないですか、答弁を求めます。
次に、介護予防、日常生活支援総合事業について伺います。
各自治体の判断により、予防給付の切り下げを可能とする介護予防、日常生活支援総合事業が新たに導入をされました。問題は、要支援者の一定部分を予防給付から地域支援事業へ移しかえることによって、介護給付費の抑制を可能にする点にあります。財政措置についても、財源となっている介護給付費3%内という上限枠を引き上げるかどうかは、依然として不透明なままです。配食・見守りなどの保険外サービスが組み込まれれば、これまで予防給付で訪問介護を受け、ヘルパーの支援で食事づくりをしていた方が、総合事業で有料の配食サービスに変更され、新たな自費負担が発生することもあり得ます。総合事業を実施するかどうか、実施する場合のサービス内容や自己負担額をどうするかの判断は、すべて各自治体に委ねられています。杉並区では第5期介護保険事業計画においては、この介護予防、日常生活支援総合事業の導入は見込まないこととしています。中野区でも、不透明なこの事業に対して、第5期計画では導入しないことも一つの選択肢ではないでしょうか。見解を伺います。
次に、特別養護老人ホームと老人保健施設の増設について伺います。
日本共産党議員団は、南部地域に特別養護老人ホームの整備を繰り返し求めてきました。地域住民の中には、中野富士見中学校の跡地活用などを求める声もあり、今年4月6日に南部地域に特養ホーム増設を求める要望署名を区長あてに提出しています。第4期計画の中で、残りの未整備に関して、南部地域で整備する計画はどのように達成するのか、具体的にお答えください。
さらに、特養ホーム待機者は1,200人を超えており、不足状態は明らかとなっています。第5期でも具体的な整備目標を持つべきです。答弁を求めます。
また、区内に100床しかない介護老人保健施設についても整備を目指すとしています。需要や要望も多いため、具体的な整備目標を明らかにすべきではないでしょうか、お答えください。
次に、西武新宿線地下化と沿線及び駅周辺のまちづくりについて伺います。
初めに、西武新宿線地下化に伴う住民の立ち退き問題について伺います。
今回の西武新宿線の地下化については、長年にわたり交通渋滞の原因となっている開かずの踏切問題を解決し、地域住民の方々の念願がようやく実を結ぶという点では、大変歓迎するものです。しかしこの地下化に伴って、沼袋駅や新井薬師前駅周辺の一部地域住民の立ち退き問題が浮上しています。ここでは新井薬師前駅に絞って伺います。
都市計画決定の中で、新井薬師前駅については、列車とホームのすき間を小さくし、安全性向上を図るため、鉄道の線路を北側へ移設し、カーブを緩やかにするとしています。しかし、今回の事業の目的は、踏切渋滞の解消にあります。今回のこの立ち退き理由は、鉄道事業者である西武鉄道が、乗客の安全を確保するために、今でさえホームドアや可動ステップの設置などの安全策をとることをせず、この地下化の工事に便乗して行おうとしているのではないですか。これでは地元住民が納得しないのは当然です。
そこで3点伺います。
第1に、西武鉄道に対して地下路線や駅舎の設計に当たっては、住民の立ち退きという犠牲が生じないよう、計画の一部変更も含めて協議してください。そしてその結果を地域住民に報告してください。いかがですか。
第2に、今回の決定までに東京都や西武鉄道の対応・説明が不十分だったという声が地元住民からは多く出されています。地元ではこの問題に対処するため、西武線地下化と暮らしを守るネットワークが結成されました。今後、用地測量説明会や事業認可、工事説明会と続きます。住民の意見や要望が反映するような、地権者以外の地域住民も参加できるような協議会の設置や説明会開催なども必要ではないですか、いかがでしょうか。住民合意なしにはこの計画は進められません。区も、地域住民の要望や意見に真摯に対応してください。住民の合意がないまま、一方的な計画の進行はしないということを明確にしてください。答弁を求めます。
第3に、新井薬師前駅の安全対策は直ちにでも実施すべきです。10年以上もかかる完成までの期間において、ホーム柵や可動ステップなどの安全策を講ずるよう、西武鉄道に求めてください。また、通行時には線路まで人が出てしまうほど狭くて危険な踏切通路の拡幅についても、区としても西武鉄道へ働きかけてください。西武鉄道も、区と協議したいと住民に回答しています。答弁を求めます。
次に、沿線及び駅周辺のまちづくりについて伺います。
ここでは沼袋駅周辺に絞って伺います。
新青梅街道から沼袋駅へは道路幅員6メートルの一方通行で、両サイドには各商店が並んでいます。この道路が14メーターに拡幅され、相互通行となる計画が進められています。現在の商店が軒並み立ち退き対象となり、商店街の様相を一変させるものとなります。都内でもこの規模の商店街の立ち退きは例がないとも聞いています。商店街の皆さんの中には、現段階では正確な状況がわからず、困惑されている、賛成か反対かも判断しかねるという方も多数いらっしゃいます。
そこで5点伺います。
第1に、都市計画決定による道路の拡幅は、商店街の皆さんに甚大な影響を与えます。まずは、現段階での正確な情報を地域の方々へお伝えすることが大前提となります。具体的にどのような方法で進めていくのかお答えください。
第2に、今後地域住民の方によるまちづくり協議会を立ち上げ、区は積極的支援を行うとしていますが、協議会へ参加する住民が10年以降の完成時にはここには住んでいない、全く別なまちになってしまうのではないでしょうか。その中でこの協議会のあり方や参加形態はどのようにお考えですか、お答えください。
第3に、沼袋の商店街は比較的小さな店舗が多く並んでいます。拡幅予定地だけが買収の対象となり、わずかな残地があっても、そこには住むことができないという声も多く聞かれています。このような住民へはどう対応していくつもりでしょうか。お答えください。
第4に、道路が6メーターから14メーターに拡幅された場合、現在の商店街にはないような高さのビル建築が可能となります。そういったビルが建築されることになれば、周辺の住環境も一変し、日照被害や風害も発生します。商店街だけでなく、周辺住民に対する説明も区の重要な役割です。この方々への説明や対策などはいかがお考えでしょうか。答弁を求めます。
第5に、当然ながら住民の合意が得られなければ、道路拡幅はできません。合意がないまま強引な計画推進はしないということを明確にしていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
最後に上高田一、二丁目の内水対策について伺います。
先月26日の集中豪雨では、区内でも床上・床下等の浸水被害83件をはじめ、道路冠水や土砂流出などの被害が出ました。水害から区民を守るために、被害の大きかった地域を中心に、その対策が急がれます。上高田地域においても、浸水被害が8件報告されました。マンホールが浮き上がるほどに水があふれたと聞いています。上高田一、二丁目の内水対策では、二丁目公園雨水調節池が整備されていますが、今回の浸水はそこへつながる配水管が対応できなかったことも原因と考えられています。区として正確な原因把握とあわせ、原因に合わせた側溝や配水管整備等の必要な対策が急がれると思います。答弁を求めます。
以上、すべての質問を終わります。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 浦野議員の御質問にお答えいたします。
放射能汚染にかかわる質問であります。
職員の検査体制の構築について。国による出荷制限の要請、都内の卸売市場における確認の徹底等によりまして、一般の食材の安全性は保たれていると認識をしております。区として独自に検査を行うことは考えておりません。
それから、放射線量の高いところがあれば測定をするべきだという御質問であります。
6月23日から7月1日まで実施をした区内110カ所における放射線量の試測結果を見ても、地表からの高さ5センチメートルのところでは、値が特に健康に影響を及ぼす状況のレベルではありません。また、その後の東京都の測定値も安定をしております。したがって、いますぐ何らかの対応をしなければならないとは考えておりません。
測定器の貸し出しですけれども、都からの貸与機器は、今後本格的な測定が必要となる事態の場合に備え、区で保管しているものであります。区民への個別の貸し出しは予定しておりません。
放射線の知識普及について。区は放射線に関する知識普及につきまして、医師会と共催で講演会を開催したほか、放射線についてわかりやすい内容の小冊子を、区民活動センターやすこやか福祉センター等で配布をしております。今後ともホームページなどの内容をより一層工夫しながら、知識の普及に努めていく考えであります。
放射線専用窓口を設置できないかというような御質問であります。
現在区では保健所や各関係所管で放射線に関する問い合わせ等に対応しております。これからも,区民からの要望や問い合わせに対して、各担当において十分に対応できるよう、引き続き情報共有を図り、取り組んでまいりたいと考えております。
それから、自然エネルギーを普及促進させるための対策についてというところで、太陽光発電機器の区の補助制度を創設するべきではないかという御質問であります。太陽光発電機器の設置そのものへの補助は考えておりません。本年7月から各家庭における節電や省エネの取り組みとして、前年と比べた電気使用量の削減率に応じてポイントを交付する「なかのエコポイント制度」を開始しております。この中で太陽光発電機器を設置した場合のメリットも得られるということであります。なかのエコポイントの周知を図るとともに、ポイントの交付等によりまして、機器の導入等を促進してまいりたいと考えております。
整備目標や計画については、今後の自然エネルギーを含めた国のエネルギー政策の方向性を見極めた上で、目標や計画についても検討していきたいと考えております。
それから、子ども施設の耐震化促進についての御質問です。
私立保育園の耐震化について。区立保育園を民営化した園の中で、七海保育園以外の3園のうち2園については、私立園で独自に行った耐震診断において、補強が必要との結果が出たことを承知しております。残りの1園につきましても、今年度中に耐震診断を実施する旨を聞いております。新しい中野をつくる10か年計画において、私立園の施設改善について支援をするというふうにしているところでありまして、保育園を運営する社会福祉法人の判断に基づき、改修を行う際には、都が実施している補助制度等を活用しながら支援を行ってまいりたいと考えております。
私からは以上です。
〔経営室長川崎亨登壇〕
○経営室長(川崎亨) 小・中学校の耐震化についてお答えをいたします。
平成23年2月に改定をいたしました中野区耐震改修促進計画では、平成27年度末までに防災上重要な区有建築物の耐震化率を100%とすることとしております。この促進計画を受けまして、今年度は技術面から検討した結果を踏まえ、施設の利用計画、財政状況の視点を加え、耐震改修にかかるスケジュールを策定する予定でございます。
〔都市基盤部長服部敏信登壇〕
○都市基盤部長(服部敏信) 私からは、震災対策そのほか何点かの御質問にお答え申し上げます。
まず震災対策のうち食料の備蓄拡充についての御質問がございました。
食料の備蓄につきましては、都区の役割分担に基づきまして、区は1日分を目標に備蓄調達し、2日目以降は東京都が広域的な見地から必要量を備蓄調達することとしてございまして、区といたしましては引き続き1日分を目標に備蓄していくつもりでございます。
また、区民の皆さんに対しましては、引き続き少なくとも3日分の水や食料を日ごろから蓄えていただくよう、呼びかけていきたいと考えてございます。
次に、二次避難所への備蓄についての御質問でございます。
避難所に避難された被災者のうち、避難所で生活することが困難となりました高齢者、障害者、被災された孤児、児童、乳幼児等で、避難所では十分な救援・救護活動が実施できないと区が判断した場合には、中野区内の高齢者施設、障害者施設、児童施設等を二次避難所として貸し出しすることとなってございます。ここの二次避難所におきまして必要な物資につきましては、被害の状況等によりまして、必要となります物資が異なりますことや、備蓄場所の確保が難しいことから、避難所や区内7カ所にございます備蓄倉庫から輸送して対応することを想定してございまして、二次避難所におきましての備蓄については考えてございません。
また、関連して二次避難所の増設の質問でございます。
障害者を対象といたしました二次避難所につきましては、障害者の通所施設など障害者の受け入れに適した施設を想定してございます。今後、施設の改修等によりまして二次避難所としての条件にかなう施設が整備された場合には、新たな指定を検討していきたいと考えてございます。
次に、西武新宿線地下化に伴います駅周辺まちづくりに関連して、連続立体工事前の早期のホームドア設置についての働きかけについての御質問がございました。ホームドアの設置につきましては、国土交通省のホームドアの整備促進に関します検討会の中間取りまとめを受けまして、安全性、緊急性を鉄道事業者が判断し、整備するものと考えてございます。ホームドアの必要な駅につきましては、他の路線でも多数あることから、その必要性や緊急性などを考えて区の対応を検討していきたいと考えてございます。
続きまして関連して、開かずの踏切の交渉経過でございます。
これまで西武鉄道に対しまして、新井薬師駅西側にあります踏切道の拡幅を目指しまして、敷地内にあります遮断機等の移設に向けて、その費用負担や拡幅整備に伴います一部鉄道用地の使用などにつきまして、協力を求めてきてございます。踏切道の拡幅につきましては、鉄道事業者の協力が不可欠でございまして、連続立体化事業以前であっても、踏切の安全対策につきましては継続して鉄道に対しまして協力してお願いしていきたいと考えてございます。
最後に、上高田一、二丁目の内水対策につきましての御質問がございました。東京都下水道局では、区内の下水道につきまして、時間当たり50ミリの降雨に対応するよう設計整備を行ってございます。今回の降雨につきましては、この水準を超えます1時間当たり84.5ミリ、これは区役所周辺で計ったところでございますが、当該地域におきましてもほぼ同等でございまして、当該地域におきましては、かつては水利であった場所周辺などで被害が発生したと認識してございます。区といたしましては、今後とも都に対しまして貯留管施設整備の推進など、浸水対策を働きかけていきたいと考えてございます。
以上でございます。
〔区民サービス管理部長登弘毅登壇〕
○区民サービス管理部長(登弘毅) 私からは、介護保険に関する御質問のうち介護保険料、それと介護予防・日常生活支援総合事業についての御質問にお答えいたします。
平成24年度から26年度を経過期間とする第5期介護保険事業計画中の介護保険料についてでございますけれども、これにつきましては現在保健福祉審議会で検討中でございます。区としましては、審議会の答申を踏まえ、給付と負担のバランスに配慮しながら、適切な介護保険料を設定していきたいと考えております。
次に、介護予防・日常生活支援総合事業を導入すべきではないという御質問でございます。
平成24年度から新たに制度として創設されます介護予防・日常生活支援総合事業の詳細な内容につきましては、まだ国のほうから示されておりません。区としましては、情報収集に努め、引き続き検討していきたいと考えております。
以上です。
〔健康福祉部長田中政之登壇〕
○健康福祉部長(田中政之) 私からは、特別養護老人ホームと介護老人保健施設の整備に関する御質問にお答えをいたします。
まず特別擁護老人ホームについてでございます。特別養護老人ホームの第5期介護保険事業計画における整備目標につきましては、現在中野区保健福祉審議会で審議中でございますが、第5期分として新たに整備すべき目標を設けたいと考えているところでございます。第4期介護保険事業計画の50床の不足分につきましては、公有地の活用によりまして整備に努めてまいりたいと考えているところでございます。
次に、介護老人保健施設についてでございます。介護老人保健施設は、要望や需要の高い施設でございますが、整備が進まず不足している施設でもございます。第5期介護保険事業計画につきましては、現在中野区保健福祉審議会で審議中でございますが、引き続き整備に努めていきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
〔都市政策推進室長遠藤由紀夫登壇〕
○都市政策推進室長(遠藤由紀夫) 私からは、西武新宿線地下化と沿線まちづくり及び駅周辺のまちづくりについての御質問にお答えいたします。
まず初めに西武新宿線地下化の計画の変更についての御質問でございます。
現在の新井薬師前駅は、ホームが急カーブ状で、電車とホームとの間が大きいことから、利用者の安全性を確保するため、カーブを緩やかにする必要があり、大規模な公共事業である連続立体交差事業の実施において抜本的な対策を講じることは必要なことと考えております。こうした利用者の安全性の確保等の観点から、既存の鉄道施設の外側の一部についても、都市計画として定めることとし、東京都が8月に都市計画決定をしたものでございます。計画変更を求める考えはございません。
次に、住民との合意形成についてでございます。
今回の連続立体交差化計画は、区をあげての要望にこたえて東京都が計画化したものであり、一日も早い本事業の実施は区民の総意と考えております。計画の策定に当たっては、昨年2月に都市計画の素案説明会を開催し、さらに10月には都市計画案としての説明会を開催しており、地権者以外の住民も含め、より多くの区民の方の合意を得ながら決定されたものと考えております。今後とも地権者への対応に当たっては、個々の丁寧な対応などを東京都に求めていきたいと考えております。
次に、沼袋駅周辺でのまちづくりについてでございます。
住民への周知につきまして、沼袋駅周辺につきましては、西武新宿線の連続立体交差化計画に合わせまして、駅前広場とそれに接続する道路、区画街路第4号線として、本年8月に都市計画決定をいたしました。計画策定に当たっては、本年3月に都市計画素案説明会を行うなど、計画の進捗に合わせて説明会などを開催しており、幅広く区民の合意を得た上で都市計画決定をしたものでございます。この各区は、連続立体交差化に伴って、地域の安全利便性、にぎわいを高めていき、より住みやすく魅力あるまちにするためのまちづくりの一つの事業として計画しているものでございます。
住民参加のあり方についてのお尋ねでございます。
沿線のまちづくりは、鉄道の地下化とあわせて駅前広場や道路などの整備を一体的に進めていくものでございます。そのため、まちづくりについて検討協議する場として、関係権利者や商業者、周辺地域の居住者などが参加する、地元主体の協議組織も立ち上げ、積極的な支援を行っていきたいと考えております。
次に、残地での再建についてのお尋ねでございます。
区画街路第4号線の整備に当たっては、道路拡幅に係る土地や建物などにつきまして、生活再建に主眼を置いて適正な補償を行ってまいります。事業の実施に当たっては、権利者個々の意向や事情を十分聞き、事業の補償とあわせ個別事情の相談など、きめ細やかな対応を図っていきたいと考えております。
道路拡幅後の周辺環境への影響についてでございます。
区画街路第4号線の整備に伴いまして、建築物の建てかえが行われる区域におきましては、土地の有効利用を促進するとともに、統一的な街並みと機能的で魅力ある商店街を形成するよう誘導する必要がございます。このため、事業の実施に当たっては、通風・採光等の市街地環境にも配慮しながら、良好な市街地空間が形成されるよう、地区計画の導入を検討してまいります。
最後に、住民との合意形成についてでございます。
西武新宿線の連続立体交差事業は、区と区民が取り組んでまいりましたまちづくりの活動が評価されて決定されたものであり、一定の合意形成ができ上がっているものでございます。引き続き沿道の権利者や住民の方とともに、よく話し合いながら、地域全体の将来図を見据えた、よりよいまちづくりを推進してまいります。
○議長(大内しんご) 以上で浦野さとみ議員の質問は終わります。
議事の都合により暫時休憩をいたします。
午後3時07分休憩
午後3時30分開議
○議長(大内しんご) 会議を再開いたします。
この際申し上げます。記事の都合上会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 中 村 延 子
1 行政改革(外部評価)について
2 国際交流について
3 その他
○議長(大内しんご) 中村延子議員。
〔中村延子議員登壇〕
○6番(中村延子) 平成23年度第3回定例会において、民主党の立場から一般質問をさせていただきます。
初めに、ことし4月の選挙で初当選をさせていただき、初めて一般質問をさせていただきます。何かと不慣れな点があるかと思いますが、何とぞよろしくお願い申し上げます。
質問は通告のとおり1、行政改革(外部評価)について、2、国際交流についてです。3のその他につきましてはございませんので、二つのトピックについてお伺いさせていただきたいと思います。
まず最初に、行政改革(外部評価)についてお伺いいたします。
ここ数年の経済不況の影響による各種税収の減少などにより、現在中野区の財政状況は大変厳しい環境にあります。さらには3月11日に起きました東日本大震災の影響も少なからずこれから出てくることが予想できます。従来どおりの行政サービスを持続するためには、今まで以上に厳しい財政運営が求められています。中野区は、財源、人材等の資源を有効に活用した施策の展開を図ることを目指すとともに、行政サービスの提供を受ける顧客としての区民の満足度の向上を図ることを目的とする行政評価制度を導入しています。また、過去10年間は客観的に行政評価を行っていくために、学識経験者と公募区民による外部評価制度を導入しています。外部評価制度を含むこういった内部だけではなく、外部の目線からの行政改革を行っている区は、現在東京23区中14区あります。その中に中野区が入っていることは、大変評価いたします。今後、さらにこのシステムを発展させていただき、区民のニーズに合った行政改革を行っていただきたいと、切に願います。
今だからこそ事業仕分けの手法を外部評価に取り入れ、財源を捻出するためだけではなく、すべての事業をレビューし、そこに無駄がないかを徹底的に洗い出し、区民のために本当に必要な事業なのかを、透明性のある議論をして、継続や見直しをしていただきたい。もしそこに無駄遣いがあれば、もっと必要なところにその財源を充てるという当たり前のサイクルを実践していただきたいと思います。
区のホームページによると、中野区の行政評価を中心とした区政の運営サイクルは、1、年度の初めに区が目標を設定する。2、目標に向けて効率的に事業を行う。3、年度を終えて達成の状況を自己評価する。4、外部評価委員が区の担当者から聞き取りを経て評価する。5、区は評価に対する考えと見直しの方向を示す。6、評価結果と区の考え方と見直しの方向を決算の資料として区議会に提出する。7、評価の結果を目標の実現に向けた事業の見直し、改善や、次の予算編成に生かす。とあります。実際にここ数年の外部評価が予算編成に生かされた具体例があればお聞かせください。
次に、外部評価委員会の傍聴者数に関してお伺いいたします。
外部評価はとても価値のある取り組みですし、さらには公開の場で行われております。傍聴者がふえれば今よりも議論も緊張感のあるものになると思いますし、説明責任を果たす職員の方々の意識も向上されると考えます。ところが平成22年度の傍聴者数は34人だったことに対し、平成23年度は9人と大幅に減少しています。外部評価委員会は13日間にわたり行われたということですので、1人も傍聴者がいない日も数日あったという計算になります。そもそも昨年の34人でも多くはない数と感じるのにもかかわらず、大幅に減少した原因をどのように考えていらっしゃいますか、お答えください。
昨年森議員が同じ質問をさせていただきました。その際に当時の管理会計室長は、「外部評価の場にお越しいただく方がふえるということが望むところであります」とお答えになられました。傍聴者をふやすため、何か努力をされている取り組みがあれば教えてください。例えば外部評価委員会を多くの方が参加、傍聴しやすい土曜日や日曜日に行うというアイデアはいかがでしょうか、御意見をお聞かせください。
さらには、意義のある取り組みをしているにもかかわらず、区民があまりそれを知らないように感じます。外部評価委員会の開催情報は、区報やホームページでの告知はしていらっしゃるようですが、傍聴者数を見ても、現在の情報発信だけでは足りないように感じられます。本年度第2回定例会で区の広報にツイッターの活用を提案させていただきました。その際は御検討いただくとの回答をいただいています。昨日の本会議で区長から、ツイッターを導入したいと考えているとの答弁がされましたが、具体的にいつごろから導入される予定でしょうか、お答えください。
前回外部評価委員会のインターネットでの動画配信に関しても提案をさせていただきました。以前森議員が指摘したように、ユーストリームなどの配信サービスは、パソコン1台で配信ができてしまいます。新たにパソコンを購入しなくても、ウェブカメラを既存のパソコンにつなげるだけで配信ができます。そのようなネット配信サービスは、生中継だけではなく、過去の動画という形になりネット上に残りますので、区政にあまり関心を持つ機会のない若者へのアプローチになるだけではなく、外部評価委員会を傍聴できない日中お仕事をされている方などにも効果が発揮されると考えます。インターネット配信に関して、以前は慎重に検討する必要があるとのお答えでしたが、現時点での進捗状況をお聞かせください。
次に、評価結果の公表に関してお伺いいたします。
例年だとその年の行政評価結果が決算特別委員会へ提出された後、ホームページへ結果を載せていると思います。ウェブ上にある毎年度の行政評価ページは、評価結果や外部評価委員会の総評など、とても見やすいつくりになっています。一方、そもそも区民の行政評価や外部評価委員会への認知度が低ければ、わざわざこのページを検索する区民は少ないように感じます。お隣杉並区では、外部評価が行われた直後、結果を区報で公開しています。中野区の外部評価委員会は、すべての分野において外部評価が行われているため、評価結果すべてというのは難しいかもしれませんが、抜粋した評価結果を区報などで公開するというのはいかがでしょうか、見解をお聞かせください。
昨年の質問の際、結果のわかりやすさとして、ABCでの記号評価の復活を検討していただくよう提案をさせていただきました。平成23年度の行政評価では、記号評価が復活されたことは大変歓迎いたします。記号評価は5段階で、AAの、さらに現行の方針により推進すべき中野区として誇り得る分野、Aの、改善の余地はあるが推進すべき分野、Bの、内容的にはおおむねよいが、課題があり、継続に当たっては工夫すべき分野、B-の継続に当たっては事業の十分な見直し、再構築を要する分野、そしてCの、直ちに抜本的に見直す分野となっています。結果状況は、A評価が11分野、B評価が41分野とありますが、一方AA評価、B-評価、C評価は0分野です。評価結果が少々偏っているように見えますが、この結果についていかがお考えでしょうか。例えばB評価となりました41分野の中には、すべてが同じ評価ではなく、A評価に近いものからB-評価に近いものまでバリエーションがあると思いますがいかがでしょうか。
もし、5段階評価のうち2段階のみに偏ってしまうのであれば、基準を少し変えてみるという工夫も必要かと思います。今後の検討課題にしていただきたいと思いますが、見解をお聞かせください。
以上をもちまして行政改革(外部評価)についての質問を終わります。
続いて、国際交流についてお尋ねいたします。
中野区は、新しい中野をつくる10か年計画の中でも、平和、国際化への対応の推進を掲げられています。国内外を問わず、外国人の生活や文化、価値観など多様性に触れ、認め合うことは、世界の国や地域の人々と理解し、良好な関係を構築や継続していく上でとても重要です。また、国際交流はグローバル社会で活躍する人材を育てる大変有効な機会だと考えます。時代の国家間の友好関係に影響されない自治体レベルでの友好関係が、これから大きな役割を担うと考えますがいかがでしょうか。
中野区では、現在中国北京市西城区及び韓国ソウル市陽川区とそれぞれ友好都市、姉妹都市提携をしています。またニュージーランドウエリントン市とも小中学生の相互交流が行われています。北京市西城区とは1985年4月に中国人民対外友好協会北京市分会から友好交流事業提携の推奨があり、同年5月には北京市人民政府外事弁公室から友好提携の具体的な提案があったことにより、調査団などを派遣し、1986年9月に友好協力関係締結議定書に調印をされ、ことしで25年を迎えました。一方ソウル市陽川区とは2007年8月に陽川区の職員研修団を受け入れ、またその後陽川区区庁長が来訪したことがきっかけに始まり、調査団などを派遣し、昨年11月に姉妹都市関係の締結に関する議定書に調印をされました。いろいろな価値観や文化をシェアしている隣国の中国、韓国の都市と固い友好関係を築くことはとても重要なことだと考えます。また、近年の目まぐるしい経済成長を見ても、今後もさらなる緊密なパートナーシップを築いていくことは、中野区にとってとても貴重なことだと考えます。ただ、10か年計画の中で国際化の推進を掲げている割に西城区と陽川区との友好都市、姉妹都市締結をした経緯を見ていると、中野区が主体となって積極的に国際交流を推進したようには見えません。
北京市西城区との長年にわたる交流の中で、中野まつりに西城区芸術団が来日し、中国舞踊の公演を行っていたり、民間交流では中野区国際交流協会の事業として、少年野球チームが西城区を訪問し、スポーツ交流を行っています。定期的な自治体レベル、民間レベル両方で一定の国際交流が行われていることは評価いたします。ことしは友好都市締結25周年という節目の年でしたが、東日本大震災の影響で、記念行事が行えなかったことは大変残念に思いますが、やむを得ない判断だと思います。また、ソウル市陽川区とは姉妹都市締結1年という時期で、今後の行政及び民間における交流事業の具体的な協議もいまだ行われていません。来年度を含め、中長期的な今後の友好都市・姉妹都市との交流事業に対する展望をお聞かせください。
さて、中野区では、北京市西城区とソウル市陽川区とそれぞれ友好都市・姉妹都市関係を結んでいるということを、多くの区民が知らないように感じられます。せっかく積極的に国際交流が行われていたとしても、区民に広く知られていなければ、区民のための事業にはなりません。区民に幅広く知っていただくためどのような努力をされていますか、お答えください。
また、あらゆる情報化社会が進む中で、今以上に独自に世界のいろいろな地域とのパイプを持っておくことはとても重要だと考えます。今後積極的に諸外国との友好都市をふやしていくお考えやプランがあるかお伺いいたします。
ニュージーランドウエリントン市との子ども交流も1984年から始まり、ことしで27年を迎えました。1986年からは、ウエリントン中野教育協会も設立され、相互交流が長きにわたり続いています。1993年からは、中野区国際交流協会の事業に移管されましたが、引き続き1年ごとに双方の子どもたちが相手国の家庭にホームスティし、地元の中学校に通うことは、肌身で外国の生活・文化そして社会を体験できるすばらしい事業だと考えます。ことしも10月にウエリントン市の子ども18人が中野区へホームスティに来て、4校の中学校で体験授業も行われる予定と伺っています。子どものころからの国際交流は、特にグローバル社会で活躍できる人材を育てるきっかけにもなり得ます。今後も引き続きこういった事業を継続し、子どもたちが交流できる場所を提供していただきたいと思います。
長年にわたりウエリントン市との貴重な交流があるにもかかわらず、ウエリントン市と友好都市関係を築いていない理由をお聞かせください。
また、友好都市締結の基準があれば、それもあわせてお伺いいたします。
私自身この7月に日本国際交流センターとアメリカ国務省が主催する日米青年政治指導者プログラムの訪米プログラムに参加する機会をいただき、ワシントンDCを含む計5都市を回る中で、アメリカの連邦政府から地方政治まで多くのことを学ばせていただきました。さまざまな地域を回り、受け入れ先の自治体の首長や議員とは実際に顔を合わせ、議論をする中や意見交換の中で、今後につながる個人的な関係を築けたと感じております。やはり実際に顔を合わせ、交流することは、大きな関係構築につながると考えます。そういった意味で、中野区でも今後さらなる国際交流を努めていただきたいと申し上げまして、私からの質問を終わらせていただきます。
御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 中村議員の御質問にお答えいたします。
外部評価結果が予算編成に生かされた具体例をという御質問であります。
予算編成全般にわたって、外部評価を参考に新しい施策を組み立てていくということですので、予算編成全般、あらゆる事業の中で生かされているというふうに言えるところであります。
参考にということで、経費の削減というような意味で、大きな出来事になったことについてだけ、幾つか事例を集めてみました。
平成20年度常葉サマースクールについて、参加者数や費用対効果などの評価を受けまして、これは平成21年度にこの事業を廃止をいたしました。平成20年度と21年度に環境リサイクルプラザについて、施設のあり方に対する評価を受け、平成22年度末をもって廃止をいたしました。平成20年度中小企業退職金共済会の補助につきまして、抜本的な見直しが必要との評価を受け、平成24年度末をもって廃止する方針を決定しているというところであります。
行政評価は、このように事業を廃止するためのものだというわけではありませんけれども、一番わかりやすいという意味で説明をさせていただきました。
それから、傍聴者が23年度は22年度に比べて大幅に減少しているという御質問であります。
そのとおりで、傍聴者の数はできるだけ多いほうがいいなというふうに思っているところです。平成22年度につきましては、外部評価委員であります学識経験者の──大学の先生ですけれども──先生のところの学生さんがかなり傍聴したということがありまして、傍聴者数がこの年は多かったというようなことがございました。あまり学生さんに来てもらうということがいいかどうかということもありますけれども、来ないよりは来たほうがいいのかなというふうに思っております。
それから、傍聴者増加に対する取り組みについて。
区報、ホームページの活用に加え、昨年度の行政評価フォーラムにおいて、行政評価フォーラムという催しを、これも区民の方に自由に参加をしていただいて、フォーラムを開催をしております。この行政評価フォーラムにおいて、外部評価の実際の取り組みの様子を紹介する模擬外部評価ヒヤリングを行うなど、制度のPRに努めているところであります。
また、外部評価を土曜日や日曜日に行うということはできないのかということであります。そういったこともできればよいというふうには思っております。しかしながら、行政評価を決算の時期に合わせているということで、次の予算編成などへの反映でありますとか、決算議会への報告などが可能となっておりまして、区政全体としての評価改善サイクルがこれによって成り立っている、このように考えております。そのため、外部評価は7月の限られた期間の中で、最大限日程を繰り合わせて実施をしているという、タイトな日程になっております。委員の皆さんの都合に合わせつつ、きちんとした議論の時間を取るというためには、特定曜日にこだわった日程づくりというのはなかなか難しいということが、これが実態ということであります。
私からは以上です。
〔経営室長川崎亨登壇〕
○経営室長(川崎亨) 私からは、外部評価に関する質問について、4点ほどお答えをいたします。
初めに、ツイッターによる情報発信でございます。
このツイッターは、情報発信の有効な手段であり、早期に導入し活用すべく、現在準備を進めているところでございます。なお、ツイッターの情報量は限られているため、外部評価につきましては、実施案内などの限られた情報発信にならざるを得ないと考えております。
次に、外部評価のインターネット配信でございますが、インターネット配信については、外部評価委員会で使用する施策評価表でありますとか関係資料などの情報提供の仕方や、委員の自由な発言の確保等について、問題があると考えておりまして、現時点ではその実施は難しいと考えているところでございます。
次に、行政評価結果の公表のあり方でございますが、外部評価の成果をより広く情報発信する必要があると考えておりまして、区報での広報のあり方などについて検討していきたいというふうに考えております。
最後に、外部評価結果についてでございます。
外部評価の数年の評価結果の推移を見ますと、A評価は増加、B-評価が減少傾向にございます。これは、見直し改善の取り組みとともに、職員のプレゼンテーションの能力の向上もあり、施策の内容や方向性について外部評価委員によく理解されるようになったことも一つの要因であると考えております。
次に、評価結果を経年で比較する必要があることから、評価基準、それにつきましては原則として変更してきておりません。ただ、その評価基準については、今後の評価結果の動向を見ながら、その変更の必要性については判断をしていきたいと考えております。
以上でございます。
〔政策室長竹内沖司登壇〕
○政策室長(竹内沖司) 私からは、国際交流についての御質問にお答えをいたします。
まず、自治体レベルでの友好関係についてでございます。
グローバル化が進展してくる中で、人種や価値観等の違いを理解し、互いを認識し合うために、市民相互の交流を中心に進める自治体間の国際交流が果たす役割は大変重要であると考えておりまして、これからも積極的に取り組んでまいります。
次に、西城区と陽川区との交流事業の今後の展望についてでございます。
西城区だけではなく、陽川区との交流におきましても、民間レベルの交流促進が大切であると考えており、今年度実施できなかった区民訪問団の派遣などについて今後検討し、交流の具体的内容の充実を図っていきたいと考えております。
次に、西城区や陽川区との交流における広報についてでございます。
西城区については訪日した芸術団による芸能小劇場などでの公演を通じて、区民に幅広く知ってもらうように努めてきているところでございます。陽川区につきましては、平成21年10月に陽川区を紹介するパネル展やDVDの上映、それから韓国の遊びの実演などを行い、姉妹都市締結に向けた機運の盛り上げを図りました。また、昨年度の姉妹都市関係締結の際には、区報で大きく取り上げるなど、周知に努めてきたところでございます。今後、両区との交流につきましては、区報やホームページなどを活用するとともに、さらに工夫を加え、区民への周知を図っていきたいと考えております。
友好都市をふやしていく考えはあるのかとのお尋ねがございました。
現在交流のある自治体との関係を着実に進展させながら、新たな自治体との交流の機会があれば、その時点でどのような関係づくりをしていくのかについて判断していきたいと考えております。
それから、ウエリントン市との関係でございます。
ウエリントン市との教育交流につきましては、もともと私的な交流から発展した交流を区が支援する形で進められてきており、民間交流が主体でこれまで進められているところでございます。このようなことから、自治体間の友好都市関係ということには発展してきていないものでございます。
最後に、友好都市締結の基準があるのかというようなお尋ねがございましたが、そういった基準については特に設けてございません。
○議長(大内しんご) 以上で中村延子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 石 川 直 行
1 区民活動センター運営委員会規約の改正について
2 中野区行政と区民との共助の考え方について
3 区立小中学校の施設改善について
4 「なかの里・まち連携事業」及び「なかのいち」について
5 その他
○議長(大内しんご) 次に、石川直行議員。
〔石川直行議員登壇〕
○9番(石川直行) 平成23年第3回定例会に当たり、みんなの党の立場から一般質問をさせていただきます。
7月19日より地域自治の拠点として生まれ変わった区民活動センター運営委員会について伺います。
本質問は、私が所属している厚生委員会の所管事項ですが、区民にも非常に関心が高いテーマであり、運営委員会の構成は、地縁による団体の連合組織と位置付けられていることから、現在の運営委員会のほかに受け皿となる団体が存在しないため、運営委員会への委託条件に関し、具体的に1点だけお尋ねいたします。
さきの厚生委員会にて示された中野区区民活動センター運営指針について、私から「運営委員会が自主的に運営委員会規約を変更したとき、この運営指針との間に齟齬が生じた場合どう判断するのか」との問いに「規約の中に運営指針の要件が具備されていないということであれば、委託先として選べない」との回答がありました。そこで、運営委員会が自主的かつ主体的に規約の改正を行い、運営委員会委員の構成要件で公募枠を1名置くとした場合、委託は継続されるのでしょうか、お答えください。
次に、自助・共助・公助の中で、中野区行政と区民との共助の考え方についてお伺いいたします。
現在中野区では、地縁組織、民生児童委員、保護司会等さまざまな団体を通じて支えあいの仕組みを構築し、さらに発展をさせようとしております。しかしながら、地域でこれらの区の方針・説明を受けても、常々何かしらけてしまう、押しつけられていると感じてしまうのはなぜでしょうか。それは、一例を挙げますと、さまざまな支えあいの中で提供される名簿の取り扱いについて、個人情報保護法の名のもと、中野区としての責任の所在をあいまいにし、各団体に押しつけているのではないでしょうか。もちろん名簿の取り扱いについては十分注意を払わなければならないのは当然であり、目的以外の流用は言語道断であります。
非常災害時救援希望者登録制度については、第2回定例会にて、私の質問に対し、登録者ごとの救援・支援者を決め、「情報の共有は救援・支援者に限る」との従来の考え方から、「必要な範囲で共有すべき」と一定の前進が見られました。一方、中野区地域支えあい活動の推進に関する条例に基づき開始された見守り対象者の名簿提供は、現在108町会のうち8町会が希望したにすぎません。その原因の一端として、名簿管理の複雑性があるのではないでしょうか。情報の安全管理、目的外使用の禁止、守秘義務、協定書の締結、罰則規定はいずれも重要であります。しかしながら、少なくとも見守り対象者と支える側の町会・自治会の間に名簿によるトラブルが発生したときには、中野区が責任を持ってこれらの解決に当たる決意が必要です。行政と区民との共助の中で、最も大切な信頼感、インセンティブとして、うちの区長がそこまで言うなら、もうひと踏ん張りするかと感銘するような区長御自身の言葉が必要だと思います。田中区政も3期目に入り、区長御自身も11月には還暦を迎えると承知をしております。地域で支えあい活動の陰には、重厚で成熟した区政運営があり、その中心に区長がどんと控えている、だから安心して働ける、このような信頼感をお示しいただきたいと考えております。御所見をお伺いいたします。
次に、区立小・中学校施設改善についてお尋ねいたします。
平成22年度における教育予算は21年度105億円から90億円と、15%近く減少いたしました。23年度予算は、組織変更に伴い、前年度比較が難しいのですが、維持補修費に限って比較いたしますと、若干の伸びはあるものの、教育現場の環境は老朽化が進んでいることにより、著しく低下しております。第三中学校、第四中学校、第五中学校、桃園第二小学校、桃花小学校を校長先生と面談、見学をしてまいりました。その中で特に多感な成長期において、トイレの改善は急務であると感じました。今後どのように対応されるのでしょうか。また、全学校を対象とする特別教室の冷房設備の設置や、老朽化した黒板の早期改善は喫緊の課題であると思います。お考えをお示しください。
平成17年に策定された中野区教育ビジョンにより、学校施設のバリアフリー化を進め、現在小中37校中32校が玄関のバリアフリー化を終えております。残り5校ということもあり、このまま進められることはいたし方ないと考えますが、より優先順位の高い補修箇所があるとの教育現場の生の声があります。また、このバリアフリー化の項目には、エレベーター設置の必要性も述べられております。もちろん障害者に配慮した施設整備、避難所機能としてのバリアフリーに異を唱えるものではありません。しかしながら、平成17年当時の財政状況の見通しと生きている経済実態に差が生じたのであれば、持続可能な地域社会構築のためにも、現況に応じた財政運営と柔軟な思考により優先順位の高い補修箇所の改善をする決断力が必要だと思います。
また、これらの諸問題を点検する教育施設改善の担当は、経営室施設分野の技術職が兼務しており、1名が配属されているにすぎません。急を要する補修箇所及び校庭遊具の改修処理は、事故を未然に防ぐ必要性からも、技術職員を教育委員会専属として2名ないし3名配置していただくことを希望しますがいかがでしょうか。
最後に、区内産業、商業活性化の観点から、なかの里・まち連携事業及び本年7月に行われたなかのいちについて質問いたします。
なかの里・まち連携事業は、平成21年3月になかの里・まち連携宣言が採択されたのを契機に、産直などの経済交流をはじめ一定の成果が上がったとの区の見解ですが、連携自治体6市のうち、群馬県富岡市と長野県中野市は、平成22年度には連携を解消しております。本年7月に実施されたなかのいちは、補正予算の中から復興応援フェアとして開催され、約220万円の売り上げがあったと聞いております。いずれも消費者の立場で参加したとき、おいしいからまた買いたいと思っても窓口がなく、ここにきてようやく区民からの問い合わせに対し、販売先を紹介するところまできました。しかしこれでは一過性のイベントと言わざるを得ません。売りたい業者がいて、買いたい消費者がいて、それをつなぐのが目的の事業が機能していないのはなぜでしょうか。さきの里・まち連携事業でも、委託料として約500万円の支出をし、このなかのいちも、委託料280万円を支出しております。220万円の売り上げに対し280万円の支出は、決して合格点を与えられる事業とは思えません。
また、委託先は区外の業者と承知しております。区内の適正な業者が手を挙げないのであれば、例えば中野区商店街連合会やにぎわいフェスタ実行委員会などの団体に委託が可能か、検討していくことも必要と考えます。中野区内の産業・商工業を最も知り得ているのは、区内の団体であり、まさに地産地消を実践することが何より必要であります。御見解をお伺いいたします。
産業・都市振興分野所管の事業であります。今後は、費用対効果も含め、数値目標を用いての計画づくりを行っていただきたいと考えますがいかがでしょうか。
質問は以上ですが、若干時間がありますので、第2回定例会で述べられなかった決意を申し上げます。
私は、みんなの党の政策とさまざまな地域政策を実現するため、区民の信託を受け、この壇上に今、立たせていただいております。よって、区民の皆様のため、万里一空の境地を求めて精進してまいりますので、区長・理事者の方々には今後ともよろしくお願いを申し上げます。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 石川議員の御質問にお答えいたします。
区民活動センター運営委員会の規約の改正についてであります。
公募枠を1名置いた、そういった規約になった場合どうなるのか、こういうことです。区がお示しをしております区民活動センター運営指針において、区が委託の対象とする運営委員会の構成要件は、過半数以上が地縁による団体の連合組織から推薦された者であること、役員構成も同様であるとともに、代表者も地縁による団体の連合組織からの推薦者であることの以上であります。これらの条件が満たされているという上で、さらに公募枠が設定されたということが各運営委員会の判断で行われたということであれば、特段問題なく委託の対象になる、このように考えております。
町会・自治会の見回り対象者名簿にかかわる活動についての御質問であります。
区は、町会・自治会の見守り対象者名簿にかかわる個人情報の管理運用が適切に行われますように、協定を結ぶとともに、情報管理の研修や取り扱いについての十分な説明を行い、無用なトラブルの防止に努めていきたいと考えております。ことの性質上、漏洩やあるいは違法な使用ということによる被害を起こさせないということをまず前面に出していきます関係上、どうしても実際に活動していただく方にとってはややこしいというか、難しいところから説明が入ってきてしまうというふうになってしまうことを、私も大変忸怩たる思いでいるところであります。しかしながら、地域の中で柔軟に活動していただくということを、区としてもできる限りサポートしていきたい、このように考えているわけでありまして、万が一見守り対象者名簿にかかわって個人情報にかかわるトラブルが生じるような場合には、区としても町会・自治会からの御相談に乗って、助言をしたり、さまざまに一緒に考えて見守り活動が円滑に行われるように、きめ細かく支援をしていきたい、このように考えております。
それから、なかの里・まち連携事業並びに被災地応援のなかのいちについての御質問がありました。
地域間交流や被災地支援事業は、今後各商店街等でのイベントの際に、被災地の物産展を実施してもらって、区としては出店調整や物産の搬送を支援するなど、区民や区内事業者、団体が主体となって行う事業へと発展をさせて、継続的に区の中で事業が反復的に行われていくといった状況を目指して、今、事業を進めているところであります。こうしたことについて、業者を使う場合に、業者選定をどうするかということについては、今後こうした趣旨が生きるように、そういった業務を適切に担っていただけるような適切な団体を選定するようにしていきたい、このように考えているところであります。
それから、費用対効果も含めて、数値目標を用いて計画づくりを行うべきではないかということであります。
被災地の物産がどれだけ販売されたかというようなこと、あるいは里・まち連携での事業でどのくらい経済効果がもたらされたのか、里のほうに経済効果がもたらされたのかであるとかといったような数値目標が大切だということは、私も十分認識をしているところであります。今後そうした数値目標がきちんと示せるような事業の組み立てということについて、今後とも努力をしてまいりたい、このように考えております。しかしながら、こういった事業については、地域間の交流促進とか被災地支援といった、精神的な交流や精神的な支援というような意味も含まれておりまして、そういう意味で成果の測定が困難な側面というのもあるわけでありまして、さまざまな観点からの評価ができるような、そうした事業目標を検討していくことが大事であるかな、このように感じているところであります。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 区立小中学校の施設改善についてお答えをいたします。
トイレ設備の改修につきましては、緊急度を勘案しながら、毎年度計画的に改善をしていく考えでございます。
また、小中学校の特別教室は、コンピュータ室については冷房化が100%、図書室は90%以上、音楽室は70%以上という冷房化率です。その他の冷房未設置の特別教室につきましても、今後必要性に応じて検討し実施をしていきたいと考えております。
また黒板の改善についてもあわせて検討してまいります。
いずれにいたしましても、学校施設につきましては、実態を判断しつつ適切に対応してまいる考えでございます。
最後に、学校施設整備に係る技術的な業務につきましては、御質問にもありましたように、経営室施設分野が担当しておりますが、連携を図りながら機動的に対応しているところでございます。
〔石川直行議員登壇〕
○9番(石川直行) 再質問をさせていただきます。
バリアフリー化の件で、エレベーター設置についての柔軟性を用いた経済運営が必要だという観点についてお答えをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) バリアフリー化につきましても、必要な施設については整備をしていくということは、私どもにとっては必要だというふうに感じておりますが、先ほど申し上げましたように、学校施設につきましては、子どもたちが日々生活する環境でもありますので、実態を見ながら適切に判断をしていきたいと考えております。
○議長(大内しんご) 以上で石川直行議員の質問は終わります。
中野区議会議員 ひぐち 和 正
1 中野区の防災について
(1)崖の災害と環境について
(2)南台一、二丁目地区のまちづくりについて
(3)地区計画と用途地域について
2 子育ての環境について
3 その他
○議長(大内しんご) 次に、ひぐち和正議員。
〔ひぐち和正議員登壇〕
○11番(ひぐち和正) 平成23年度第3回定例会におきまして、自民党の立場から質問をさせていただきます。
質問は通告どおり1、中野区の防災について、(1)崖の災害と環境について、(2)南台一、二丁目地区のまちづくりについて、(3)地区計画と用途地域について、2、子育ての環境について、3、その他はございません。御答弁におきましては、わかりやすい前向きなお答えをお願いいたします。
初めに、中野区の防災についてお伺いいたします。
3月11日に起こりました東日本大震災は、早くも半年が経過いたしました。犠牲になられました皆様、そして被災をされた皆様には、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。この間東日本の復旧・復興や福島の第1原発事故への対応では、政治の機能不全が指摘され続け、私たちは被災地へ早期に復興の手だてを行うとともに、今回の震災の教訓を生かし、今後の災害対策に役立てることを着実にしなければならないと思います。
宮城県の災害復興のために、中野区は岩沼市、亘理町、東松島市、気仙沼市に職員を送り出すとともに、区の災害用備蓄である物資を調達するなど、協力をしたところでもありました。また、被災者の皆様には、安心して住める中野区内の都営住宅等をあっせんし、さらに区庁舎の節電や区民への節電の呼びかけなどの実施もしています。今までも中野区は災害時の災害訓練や耐震改修、避難場所の確保として、防災公園の増設、危険場所の周知としてハザードマップの作成など、さまざまな角度からの防災対策に取り組んでいます。その行政の努力には敬意を表し、これからも実情に応じて協力をし、災害に対しての防災対策を講じていただきたいと思います。
さて今回の東日本大震災で、地震の揺れで崩壊した建物、津波によって流された建物、液状化地盤で建物や道路が使用できなくなり、大きな被害になりました。また、ことしの台風12号での和歌山県や奈良県で起きた大規模な土砂崩れは、山の深い岩盤ごとごっそりと土砂が崩れ落ちる深層崩壊という現象で、規模が大きく甚大な被害につながりました。中野区は、河川においても50ミリ対応の激甚災害の工事は進めたものの、8月26日の集中豪雨では、床下浸水や冠水がありました。これを考えると、中野区も集中豪雨においてまだまだ警戒が必要であり、備えも必要だと思います。これまでも中野区では、建物の耐震化や大雨の河川の激甚等の災害対策をとられているものの、目の行き届かない崖崩れなどの部分の災害に備える必要があるのではないかと考えます。
そこで、災害につながる場所として、忘れられている崖の災害と環境のことについてお聞きいたします。
思えば私が子どものころには、山の崖は絶好の遊び場でした。しかし今では都市化が進んで、建物を建てるための土地が不足したために、宅地として山を削り、遊び場がなくなりました。その山には、造成された土地に段差ができ、大谷石やコンクリートでつくられた擁壁ができました。この大谷石で積まれた擁壁や鉄筋コンクリート造でつくられた擁壁も、50年60年経過したために、大谷石でできている擁壁は湾曲して崩れ落ちそうな状況で、「はらみ出し」と言われる現象になっています。また、鉄筋コンクリート造は、中の鉄筋が錆びて膨張したために、コンクリートにひびが入っています。このように、古い基準でつくられた擁壁は、さらに老朽化が進み、かなり危険度が高くなっています。また、崖などの上に盛り土によって造成された土地に住宅などを建てる場合、コンクリートの杭のかわりに現在の基準では直径10センチほどの鉄杭を基礎の下に打てばいいとしております。鉄杭は、さびや経年劣化による耐力の低下が懸念され、地震や大雨のときには地盤沈下することもあり、基礎に対する管理が甘ければ、建物の状態が悪くなるだけでなく、地盤が緩み崖崩れによる建物の倒壊にもなります。また、このような古い、宅地造成された擁壁には、崖の上には排水がないところもあり、大雨などによる流れ落ちる水は、高いところから低いところへ滝のように水が流れ、低い場所にある住宅地や道路へ容赦なく流れていく状況です。水下の家屋に泥水がかぶる光景は、気の毒になります。
そして住宅の需要に、目の行き届かなかった崖の上の土地が、安価で購入しやすい土地として市場に出ることが多く、宅地造成の中には建て売りとしての販売目的で広い土地を幾つかに細分化され、建主とそれを購入した買い主が異なり、崖の危険性や環境への配慮などの伝達がされていないため、引き渡しのあとの所有者にも、崖の安全性や環境についての指導が必要と思います。
そこで質問ですが、崖崩れの恐れのある危険個所は何カ所くらいあり、また、建物の耐震診断のように調査はされているのでしょうか。そして崖の崩落や地震に対する危機管理はどのようになっているのでしょうか、具体的な状況を教えてください。
また、崖における排水設備は、どのような基準があり、災害時の適切な排水対策はどのようにとられているのか、現状はどうなっているのかお答えください。
そして、崖上の造成地に新築する売り主と買い主には、既設の擁壁の状況を告知し、その擁壁の安全管理を盛り込んだ指導をするべきと思いますがいかがでしょうか。
このような災害を防ぐため、他区の新宿区では、災害の発生する、それのある崖等の改修工事を促進するために、崖等整備資金あっせん制度を設立して、防災上危険であると認められるものについては、1,500万円の融資をあっせんする内容です。また、それぞれ内容が違うものの、各区でも区道に設置している崖には、擁壁の崩壊防止の改善工事を実施しているところです。また、足立区では、老朽化した建物の所有者に対して、解体を勧告することができる区条例を定め、危険な状態と判断したときは工事の助成をする提案をしています。東京都でも、緊急輸送沿道建物の耐震化を推進する条例ができて、災害に対しての助成を行っていると聞いています。先ほど申し上げたように、各区でも独自な条例を定めていますが、中野区でも今後独自な条例を視野に入れるべきと考えますがいかがでしょうか。
また、老朽化した建物の解体についてもお答えください。
そして、地震や大雨以外にも、冒頭に申し上げたことですが、崖は現在でも子どもたちにとって絶好の遊び場になっているところもあります。例え基準を満たし、しっかりした擁壁でも、崖の高さがあって、子どもが登りやすくなっているところは、落ちると大けがをする場所もあります。危険な場所として危険度の高い場所として思われる崖の場所を特定し、注意の呼びかけや転落防止用の柵の設置などが必要と思います。崖の上や崖の下の土地所有者に対して、安全管理の行政指導が必要と思います。いかがでしょうか。
次に、崖の上の高さ制限についてお伺いします。
崖あるいは擁壁が敷地の南側にあって北側の住民が日陰になることについてですが,中野区は用途地域で第1種低層住居専用地域の場所があり、建物の高さ制限で厳しい北側斜線や、最高高さ10メートル以下となっています。しかしながら敷地の北側に崖があった場合でも、建物の高さは崖の高さを入れずに平坦な土地と同様な北側斜線や高さ制限で建てられる場合があります。例えば崖の高さが4メートル、盛り土の高さが2メートル、建物本体の高さが10メートルとすると、北側斜線があるものの、高さの合計が16メートルもの高さの建物が南側にそびえ立つことになります。住環境を確保するために、用途地域で第1種低層住居専用地域や第1種中層住居専用地域を指定していても、崖のために高さ制限が意味のない地域となっています。この取り扱いについて、区は北側斜線の設置指導、高さ制限あるいは環境について説明指導しているのでしょうか、お伺いいたします。
以上で崖の災害と環境について御質問を終わります。
次に、南台一、二丁目地区のまちづくりについてお伺いします。
区では、広域避難場所として指定されている東大附属中等教育学校一帯の中に、仮称南部防災公園の整備を計画しています。また、平成12年に定められた南台一、二丁目地区、防災街区整備地区計画に基づき、地区集散道路や区画道路の避難通路の整備によって、区民が安全に避難できるとともに、緊急車両が通行できる道路として期待があります。さらに平成21年度から不燃化促進事業を導入し、この地域の不燃化率を高めることにより、南台一、二丁目地区がよりよい生活環境になると考えています。
そこで、南台一、二丁目地区のまちづくりについて、何点かお聞きいたします。
まず区画道路の整備についてお尋ねします。
一般的に幅員が4メートル未満の建築基準法第42条2項道路では、道路の中心から2メートル後退して4メートルの道路の幅員を確保すればよいことになっています。しかし平成12年に定めた南台一、二丁目地区、防災街区整備地区計画では、区画道路は道路の中心から3メートル後退して、6メートル道路の幅員を確保しなければなりません。東大附属中等教育学校の敷地に隣接している4メートル未満の区画道路12号、13号では、地区計画で6メートルの道路の幅員を定められていても、ほとんどが東大側に当路を後退すれば、6メートルの幅員が確保できます。したがって、民地側の地権者にとっては、建築基準法42条2項道路と同じような道路の後退になるので、特に問題はありません。しかし区画道路第12号、13号以外の区画道路では,6メートルの道路の幅員を確保することを求められており、この区画道路の道路後退は、道路の中心から3メートル後退するため、地権者にとって土地を大幅に道路用地として供することになります。狭小敷地の地権者は、地区計画以前の2項道路のままであれば、道路中心から2メートルだけ後退したとしても、建物の再建が可能でありました。現に、道路用地として供した地権者が、残された土地では10坪にも満たない土地になるため、建物を再建できないでいる方もいらっしゃいます。
一方で、道路の全くなかったところに道路を新設する場合には、敷地を道路に提供した地権者に対し、区は残地を含めて道路用地の買収や移転先としてまちづくり事業用地のあっせんを行っています。
そこで質問ですが、地区計画に基づき道路中心線から3メートル道路後退した後の再建不可能な狭小敷地の地権者に対し、区は残地を含めた用地買収が可能か、区のお考えはいかがでしょうか。
さらにこのようなケースの場合に、まちづくり事業用地のあっせんはできないのか、お聞きいたします。
また、新設道路の進捗状況、区画道路、地区集散道路の整備状況と、完成時期を教えてください。
完成する時期を目指して、地権者との交渉が必要かと思いますが、まちづくり事業地の保有状況も教えていただきたいと思います。
また、安全で住みよいまちづくりを進めるに当たり、東大附属中等教育学校一帯の広域避難場所周辺の、南台、弥生町地域に、不燃化促進事業を入れ、現在の不燃化率50%以下を70%以上にするために、鉄筋コンクリート造などの耐火建築部に補助金を助成しています。しかし、最近の建て方では、木造でも認定されている構造であれば、耐火建築物として許可され、建築できるのではないか。また、そうであれば、区民に対して十分な説明が必要ではないかと思います。どのようにお考えでしょうか。
次に、地区計画と用途についてお伺いします。
中野区は新宿や渋谷、池袋に近接している都市化の進んでいる区でもあります。都市化は無秩序・無計画なスプロール現象を抑えつつ発展していかなければなりません。地区計画ひとまとまりの街区レベルで、用途地域、容積率、建ぺい率、建築面積、高さの最低限度、意匠の制限など、それぞれの地域にふさわしい特徴を持ったまちづくりを行うため、そして都市の環境と、もしもの災害時には、避難場所まで安全な避難路を確保しなければならないと思います。
そこで、中野区と特徴は違うものの、地区計画の代表的な開発である渋谷区の下北沢駅再開発では、買い物客の回遊性や安全性の向上が目的で、景観・治安・バリアフリーの一層の重視、連続立体化などの進展を背景に、渋谷区が2006年に策定した地区計画で、建物の斜線制限を緩和することと引きかえに、壁面線の指定や高さを規制すること、風俗系の用途の制限などを講じた街並み、景観誘導と防災・防犯性、歩行性・回遊性の向上が盛り込まれています。また、港区の東京ミッドタウンでは、住居・オフィス・商業・文化施設・病院などのミッドタウンの複合施設を中心に再開発が進められ、六本木ヒルズや国立新美術館などの相乗効果と回遊性が活性化しています。このように、地区計画を活用することによって、市街地の防災性を高め、産業の活性化と雇用を促し、街並みの美観など都市機能の充実を図ることができます。以前にもお話をさせていただきましたが、中野区の幹線道路から少し露地に入ると、建物の規模や構造が俄然と格差があり、いわゆる路地裏はまち全体から見ても都市の景観から見ても、手を施さなければならない場所となっています。
また、中野区の産業と用途地域の関連ですが、中野区は今までの政策の中で、振動や騒音などの環境問題から中小工場や家内工業の規制が厳しくなり、また準工業地域の用途がほとんどないために、区内の産業が工場の建てかえや改装が難しく、やむなく区外に新しい工場をつくるようになりました。そのことから、中野区内に工場などの働く場所がなくなったために、雇用がなくなり、ひいては経済の源である産業が停滞する原因の一つとなりました。中野区の産業活性化のためにも、財政再建のためにも、商工業の誘致を緊急に支援するとともに、中野区内の企業の育成が大切なことと思います。このような財政再建の点からも、まちの美観や防災の観点からも、地区計画を取り入れた用途地域の見直しが必要ではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか、お答えください。
防災については最後の質問になりますが、中野区では東京に大地震が起こり、震災からの復興までの計画策定を想定しています。その内容は、震災の直後から被害の状況を調査し、家屋被害の状況をおおむね1週間から2週間で調査、仮設住宅の整備や都市復興基本計画の策定がおおむね2カ月、復興まちづくりをおおむね6カ月以降に実現すると中野区の小冊子に挙げています。
東日本大震災とは被災状況が異なるとはいえ、東日本大震災の事例を見ると、こんなに短時間で市街地の復興ができるものなのか疑問に感じます。中野区が万が一災害に見舞われ、復興が小冊子のような計画でできるのか、そして東日本の市街地復興計画の策定が遅れている原因をどのように分析しているのかをお教えください。
次に、子育ての環境についてお伺いいたします。
日本の経済は、リーマンショックなどを契機として不況が不況を生み、長いスパイラルな渦になり、今後の経済の見通しが見えない状況下になっています。そして日本の円高は政府による9月4日に行われた過去最大の4兆5,129億円もの外国為替介入にもかかわらず円高は進み、日本は輸出の産業に大きな経済的打撃を受けている状況です。数年前の経済による円の水準は、1ドル120円くらいが適切であろうという評論家の話がありましたが、現在は1ドル77円台という水準で、全く手の打ちどころのない、まるであきらめているようにも感じられます。この円高の打撃で日本の産業が海外に生産工場を移転したために、企業の雇用が停滞し、あるいは企業の倒産や賃金の未払いなどによって、家庭の働き手である大黒柱の収入が減り続けています。
このような経済の状況下で、特に子育て中の世帯では、不況のあおりを受け、おとうさんの収入が減り、おかあさんが家庭の家計を助けるために、アルバイトや副業で共稼ぎをせざるを得ない状況に至っています。しかしながら、働き手の一員である若いおかあさんの中には、仕事につきたくても子どもを預けるところが少なく、また預けることができたとしても、時間が短く仕事にならないなど、いろいろな弊害が重なり、結局は仕事をあきらめなければならない状況にもなっています。それが育児不安につながることや、あるいは中野区の児童虐待問題がここ数年増加している原因とも考えられ、このような経済的不安や家庭環境の不安などを取り除くことができなければ、このしわ寄せが児童に及んでくるのではないかとの憶測も考えられ、子育てしやすい環境とは言えません。
一方で、国の将来を支える子どもたちを健全に育成していくことは社会の使命であり、小学校・中学校での健全な成長を担保するために、基礎的な段階としての幼児教育が重視されています。幼児期の子どもたちがひとしく教育を受けられる環境を整備することは、日本の将来に向けた重要な投資であり、政治が子どもたちの将来のために教育環境を築き上げていかなければならないと思います。そのためにも、現下の経済状況を考えると、保護者の負担を少しでも軽くし、子育て環境を整えるべきではないかと考えます。私立幼稚園では、毎月の保育料に対する補助である保護者助成金は所得制限を設けず、一律月額1万2,000円を支給していることは評価できます。
そこで質問ですが、入園料補助金は近隣区と比べると少なく、中野区の基本的な考え方から現状の補助金を考えると、今後どのように子育て支援に取り組んでいくのかお聞かせください。
また、待機児童の解消についてお伺いいたします。
区は、区立保育園を民営化し、保育人数を増加させるとともに、緊急的に開設事業者の募集を行って、駅前保育所である認証保育所などの小規模な保育所を増設するなど、対応を行っていますが、需要が供給を上回っている状況は改善されていないところです。特に待機児童が多い中野区の南側の中野坂上や中野新橋、新中野の駅周辺について、条件に合った空き物件が見つからず、誘致が進んでいない状況にあると聞いています。東京都が進める実施要項では、認証保育所の誘致に当たって、一定規模の面積が必要であり、また開設する保育所の避難に有効な出口が2カ所以上必要なことや、建築基準法上の避難階段、そして採光や換気の設備が必要なことなど、物件の制約条件があるため、開設可能な空き物件がなかなか見つからず現在に至っています。
このような、今後の見通しについて、認証保育所の誘致には弊害があるために、今までにも進展がなければ既存の物件から探すのでは、かなりの限界があるのではないかと思います。そうなると、空き物件に誘致するという今までの考え方を改め、当初から保育所の開設を前提とした新築計画を募集することや、現在誘致している認証保育所A型よりも基準を緩やかな認証保育所B型も含めて募集するなど、幅広い誘致を行う必要があると思いますが、区としてどのような改善策を考えているのか、お尋ねいたします。
また、現在の待機児童の状況を踏まえると、旧中野富士見中学校跡地の整備に当たり、検討されている特別養護老人ホームのほかにも認証保育所について導入可能かどうか、あわせてお伺いいたします。
以上で私の質問をすべて終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) ひぐち議員の御質問にお答えいたします。
崖の災害と環境について。崖崩れの危険個所数と危機管理対策についてであります。
区では、地域防災計画によりまして、崩壊の危機のある急傾斜地が3カ所、擁壁が11カ所示しているところであります。これらにつきましては、日ごろより状況の把握に努めますとともに、水災害対応の際に現地を適宜監視し、必要に応じた措置を実施をしているところであります。
崖における排水設備ですけれども、擁壁を設ける際には擁壁壁面への水抜き穴の設置、擁壁上部地表面の排水施設等の設置などの排水措置を講ずることが定められております。大雨などのときに、排水が適切に行われるように、これらの措置については、必要な指導を行っているところであります。
崖上の造成地に新設する場合についてでありますけれども、東京都建築安全条例の規定によりまして、崖の上または下に建物を建築する場合は、崖の安全性を確認することとし、安全性の確保ができない場合には、崖から一定距離を離して建築することになっております。この規定を満足しない場合には建築確認が下りないことから、建物の計画段階で建築主への告知及び必要な指導がなされていると考えております。買い主への告知ということについては、売買の際に重要事項として説明されているものであります。
災害が発生するおそれのある崖等の改修促進のための融資あっせんや、老朽建物の解体勧告などについての条例についての御質問がありました。
崖につきましては、先ほど言いましたように、件数なども少なく、個別に対応ができているというようなこともありまして、条例を制定する予定はありません。今後とも効果的な対応についての検証を行いながら、安全確保に取り組んでいきたいと考えております。
転落防止に対する対応ですけれども、一律の基準はありませんけれども、個別の状況を見ながら柵の設置など必要な指導を行っているところであります。
崖上の建物の高さ制限について、建築基準法では崖下の建物のことは考慮されていない、こういうことであります。建築基準法の規定によって、御指摘のような取り扱いとなっておりますことから、区としてそれを上回る独自の指導というのは難しいところであります。基本的にはその点も含め、計画内容について問い合わせがあった場合には、建築主が責任を持って説明をすることが重要である、こう考えております。
南台一、二丁目のまちづくりについての御質問でありました。
狭小な残地の取り扱いについての御質問がありました。
拡幅道路用地の買収につきましては、原則道路部分のみとしているところであります。しかしながら、建築物の最低敷地を下回るような面積であって、かつ一定の条件を満たすような場合には、買収をしていく考えも持っているところであります。
まちづくり事業用地についてですが、新設道路用地にかかる土地所有者のうち、移転を希望する権利者の移転敷地として利用をしているわけであります。このようなケースの場合、まちづくりを進める上で代替地をあっせんすることが事業の推進に有効となるということであれば、前向きに対応していきたい、こういったようなことで考えております。
それから、道路整備の進捗状況はいかがなものか、こういう御質問であります。
新設道路の開通を目指して交渉を行ってきました結果、昨年度は2件の用地買収ができました。残りは3件となっております。今年度も引き続き交渉を継続してまいりたい、こう考えております。
平成22年度までの道路整備の実績は、道路用地を取得した面積2,317.37平方メートルで、整備する計画の道路面積に対して整備率は41.68%となっております。
それから、地区集散道路第1号につきましては、平成19年度に完成をしております。
新設道路では、地権者との交渉の進み具合によりますために、完成時期はなかなか明示できないのが現状です。
また、その他の道路につきましても、東大周辺道路の一部を除いて、建てかえ更新型、地権者の方が建てかえをするときに合わせて道路の部分を広げていくということですので、そういった手法を採用しておりますので、完成時期の明示はなかなか難しいということであります。
代替地については、前原保育園跡地を代替地として活用して、現在は3区画、約300平方メートル保有しているところであります。
それから不燃化促進事業で、木造でも耐火建築物として認定されているものがあるのでないか、こういう御質問であります。
木造建築物でも耐火建築物として認定をされている構造のものがあります。窓口での御相談や建てかえ相談会などを活用して、これまでも御説明申し上げてきているところですけれども、今後とも十分な説明をしていきたいと考えております。
また、地区計画と用地地域についての御質問であります。
幹線道路から1歩入りますと、建物の規模や構造に差ができてきたり、また工場の建てかえや改装などが難しくなって、区外に転出するような、そういった状況が起きているのではないか、こういった御質問であります。そういった面が否定できないというのが事実だと思っております。一つは、かつて行われておりましたような用途地域の一斉見直しの際に、もう少しこういったことが起きないような改善の方法が取れればいいというふうに考えているところでありまして、一斉見直しを実施するようにということで、東京都に要請をしていきたい、このようなことは考えております。
しかしながら、一斉見直しではなく、地区計画による用途見直しの方法というのが御質問のようにあるわけであります。そうした地区計画を住民の提案に基づいて定めて、用途地域の見直しができる、こういった仕組みについて、機能するように区としてもより積極的に取り組んでいきたい、このように考えております。
それから、東日本大震災の市街地復興の遅れというようなこと、これらをどのように分析しているか、こういうことであります。
東日本大震災では、想定をはるかに超える津波被害とともに、原発事故による被害も加わりまして、また県外に避難されている住民も相当数に及んでいるところであります。さらに、地権者の多くの方が犠牲となられたり、住民不在の地区もあるというようなことから、市街地復興計画の策定が大変遅れているんだという認識を持っているところであります。
区としては、こうしたことも十分に参考にしていく必要があるだろうと考えております。また、中野区の地形とか状況などから考えて、想定される区内における被害の形態などから、阪神淡路大震災での都市部の事例ということについても、やはり十分に参考にして分析をしていく必要があるのかなと、このように考えているところであります。
私からは以上です。
〔子ども教育部長村木誠登壇〕
○子ども教育部長(村木誠) 私からは、子育ての環境についての御質問にお答えをさせていただきます。
まず、私立幼稚園の保護者向け補助金には、御指摘の補助金のほかに就園奨励費補助金を設けております。この補助金は、入園料を含め幼稚園に支払った総額に対する補助となっておりまして、低所得の世帯ほど補助額を多くし、入園料負担の軽減の配慮を行っているところでございます。
区といたしましては、多様な幼児施設によって、区民の子育てニーズにこたえてまいりたいと考えております。サービスの内容に応じた公平な利用負担についても検証する必要があると考えており、今後区の現在の財政状況も踏まえて、子育てニーズにこたえるサービスの提供と適切な利用者負担についても検討してまいりたい、このように考えております。
次に、認証保育所の誘致に関係して、でございますが、今年度行った認証保育所の募集では、翌年4月1日からの開設を条件としております。時間的な制約から、主に既存の空き物件での開設計画となり、御指摘のような保育施設としての建築上の制約もあって、開設可能な空き物件数が限られることについては、認識をしてございます。
一方で、事業者側の施設開設意欲は高いため、改善策といたしまして、建物の建築計画の段階から保育所を踏み込んだ新築物件について、単年度に制約されず、時間的に余裕のある募集方法を検討したいと考えているところでございます。
なお、認証保育所B型につきましては、従前からの未認可保育室を認証保育室に移行させることを中心としたものでございまして、受け入れもゼロ歳から2歳児に限定され、規模も小規模であることから、待機児対策として認証保育所を新規誘致するに当たっては、ゼロ歳から就学前までの受け入れを行うA型施設の募集を行ってまいりたい、このように考えております。
最後に、旧富士見中学校跡地の関係でございますが、認証保育所の開設に当たりましては、毎年の待機児童の状況を踏まえながら、開設重点地域の指定をして行っており、中野区の南側の地域につきましては、待機児が多いことから、今年度については開設重点地域として募集を行ったところでございます。保育園の入園需要はここ数年で大きく増加しておりますが、一方、今後乳幼児人口の減少の予測もあり、こうした保育需要の動向を見据えて、サービス提供することが重要であると考えています。旧中野富士見中学校跡地への認証保育所の誘致につきましては考えておりませんが、今後とも地域の保育需要の動向を見ながら、さまざまな手法で保育ニーズにこたえてまいりたい、このように考えているところでございます。
○議長(大内しんご) 以上でひぐち和正議員の質問は終わります。
お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを、口頭をもって通告いたします。
本日はこれをもって延会いたします。
午後4時53分延会