1.平成23年(2011年)9月30日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
1番 若 林 しげお 2番 高 橋 かずちか
3番 木 村 広 一 4番 甲 田 ゆり子
5番 小 林 ぜんいち 6番 中 村 延 子
7番 石 坂 わたる 8番 後 藤 英 之
9番 石 川 直 行 10番 内 川 和 久
11番 ひぐち 和 正 12番 いでい 良 輔
13番 白 井 ひでふみ 14番 平 山 英 明
15番 南 かつひこ 16番 森 たかゆき
17番 いながき じゅん子 18番 林 まさみ
19番 小宮山 たかし 20番 浦 野 さとみ
21番 伊 東 しんじ 22番 佐 野 れいじ
23番 北 原 ともあき 24番 吉 原 宏
25番 小 林 秀 明 26番 久 保 り か
27番 酒 井 たくや 28番 奥 田 けんじ
29番 近 藤 さえ子 30番 金 子 洋
31番 長 沢 和 彦 32番 大 内 しんご
33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき
35番 市 川 みのる 36番 篠 国 昭
37番 やながわ 妙 子 38番 佐 伯 利 昭
39番 むとう 有 子 40番 か せ 次 郎
41番 来 住 和 行 42番 岩 永 しほ子
1.欠席議員(0名)
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 副 区 長 金 野 晃
副 区 長 阪 井 清 志 教 育 長 田 辺 裕 子
政 策 室 長 竹 内 沖 司 経 営 室 長 川 崎 亨
都市政策推進室長 遠 藤 由紀夫 地域支えあい推進室長 長 田 久 雄
区民サービス管理部長 登 弘 毅 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 村 木 誠
健康福祉部長 田 中 政 之 保 健 所 長 田 原 なるみ
環 境 部 長 尾 﨑 孝 都市基盤部長 服 部 敏 信
政策室副参事(企画担当) 小 田 史 子 経営室副参事(経営担当) 髙 橋 信 一
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 篠 原 文 彦 事務局次長 石 濱 良 行
議事調査担当係長 佐 藤 肇 書 記 関 村 英 希
書 記 河 村 孝 雄 書 記 東 利司雄
書 記 丸 尾 明 美 書 記 土 屋 佳代子
書 記 鳥 居 誠 書 記 細 川 道 明
書 記 岡 田 浩 二 書 記 鈴 木 均
書 記 永 見 英 光 書 記 竹 内 賢 三
議事日程(平成23年(2011年)9月30日午後1時開議)
日程第1 第70号議案 平成23年度中野区一般会計補正予算
第80号議案 中野区自転車駐車場条例の一部を改正する条例
第81号議案 中野区自動車駐車場条例
日程第2 認定第1号 平成22年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について
認定第2号 平成22年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第3号 平成22年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第4号 平成22年度中野区老人保健医療特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第5号 平成22年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第6号 平成22年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について
日程第3 中野区の財政の健全化判断比率について
午後1時00分開議
○副議長(久保りか) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 小 林 秀 明
1 高齢者が安心して住み続けられるまちづくりについて
(1)24時間対応の定期巡回・随時対応サービスについて
(2)地域包括ケアにおける医療との連携について
(3)サービス付き高齢者向け住宅について
(4)認知症高齢者等のための市民後見人の育成について
(5)その他
2 子どもたちをとりまく教育の課題について
(1)子どもたちの情報モラル教育の課題について
(2)子どもたちが利用する安全・安心な携帯電話について
(3)小中学校の特別教室へのエアコン設置について
(4)その他
3 中野区環境モデル地区について
4 その他
○副議長(久保りか) 初めに、小林秀明議員。
〔小林秀明議員登壇〕
○25番(小林秀明) 平成23年第3回定例会におきまして、公明党議員団の立場で一般質問をさせていただきます。
大きく3点質問いたします。一つは、高齢者が安心して住み続けられるまちづくりについて、2点目に、子どもたちをとりまく教育の課題について、そして3番目に、中野区の環境モデル地区について、伺います。
1、高齢者が安心して住み続けられるまちづくりについて、伺います。
今後、高齢化が一層進展するとともに、ひとり暮らしの高齢者の増加や要介護度の重度化が進んでいくと言われております。高齢者が疾病や加齢により介護が必要な状況になっても地域で自立した生活ができるよう、医療、介護、住まい、生活支援サービスが切れ間なく有機的に、かつ一体的に提供される地域包括ケアを推進することが大変重要な課題と考えております。高齢者が尊厳を持って、安心して住み続けられる中野のまちづくりを目指すために重要と考える幾つかの課題について伺いたいと思います。
最初に、24時間対応の定期巡回・随時対応サービスについてでございます。
先日、このサービスの研究・調査を先駆的に推進してきた世田谷区の現状を視察してまいりました。世田谷区では、「高齢者が住み慣れた地域で、安心して暮らし続けられる地域社会の実現」を目指して、平成16年度から全国に先駆けてナイトケアパトロール事業を実施しました。その後、平成20年度に24時間随時訪問サービス等検討委員会を設置し、24時間の切れ目ない随時訪問サービスのニーズ等について広く調査・研究を行い、21年度からは昼間の随時訪問サービスを独自の事業として開始しました。高齢者の在宅生活の継続に向けて、既存の介護保険制度の夜間対応型訪問介護をさらに24時間対応型訪問介護に拡充してきました。また、平成22年8月から、国の24時間地域巡回型訪問サービスに関する調査・研究事業と連携し、要介護度が高くなっても安心して在宅生活を送ることができるよう介護・生活支援サービス体制の構築を図りながら、効果的なサービス提供のあり方について検証を行う「世田谷区24時間地域巡回型訪問サービス事業」を現在国のモデル事業として実施しております。このモデル事業の多くの実践例を通して分析と研究を進めて、事業の効果や課題が明らかになりました。この世田谷区のモデル事業を通して、地域巡回型訪問サービスは定期的な訪問サービスを1日に複数回提供して利用者の状況をきめ細かく把握することができます。またさらに、必要なときにはいつでも対応する24時間随時訪問サービスと組み合わせることによって、いつまでも住みなれた地域で暮らしたいという高齢者の願いをかなえることができます。利用者本位の介護保険制度とするためには不可欠なサービスであることがわかりました。
ことしの平成23年6月22日に介護サービスの基本強化のための介護保険法等の一部を改正する法律が公布され、来年度から全国的な取り組みとして24時間対応の定期巡回・随時対応サービスが制度としてスタートいたします。
そこで、伺います。中野区としても、高齢者が可能な限り住みなれた地域でその人の能力に応じて自立した日常生活を営むことができるよう、来年度には24時間対応の定期巡回・随時対応サービスの導入の第一歩を踏み出すべきと考えますが、区長のお考えはいかがでしょうか。御見解を伺います。
次に、地域包括ケアにおける医療等の連携について伺います。
高齢化が進む中、口腔ケアや褥瘡の処理、たんの吸引、経管栄養、インスリン注射など、医療・看護ケアが必要な高齢者の増加に対応する必要があります。地域包括ケアでは、先ほど話した24時間対応の定期巡回・随時対応サービスにさらに加えて医療的ケアも一体として提供できることが重要な課題と考えます。このたびの介護保険制度改正では介護職員等がたんの吸引ができるように法整備が行われ、今後、研修体制を組んで、高齢者が必要となるこうした医療行為についても介護サービスと一体となって提供できる体制が整えられることになります。また、東京都の医療保健政策区市町村包括補助事業として摂食・嚥下機能の支援事業が開始され、要介護高齢者の肺炎などの原因を取り除いていくための事業を支援していく動きもあります。
ここで伺います。地域包括ケアを確実に推進するために、こうした在宅介護と医療ケアの一体化を目指すため、区として医師会や歯科医師会、そして薬剤師会との協力・連携を深めることについて、区長の御見解を伺います。
次に、(3)サービス付き高齢者向けの住宅について、伺います。
我が町も高齢の単身者や御高齢夫婦のみの世帯が増加しております。介護・医療と連携して高齢者を支援していかなければなりません。また、高い保証金や高い家賃では庶民の住宅を確保することができません。
本年4月28日には、高齢者の居住の安定確保に関する法律等の一部を改正する法律が公布されました。その中で、本年10月以降、サービス付き高齢者向け住宅と呼ばれる新しい高齢者住宅の制度が誕生することになりました。これまでの高齢者円滑入居賃貸住宅、(略称)高円賃、高齢者専用賃貸住宅(高専賃)、また高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)のいわゆる既存の3施設の登録申請が廃止されます。
そこで、伺います。区内に既存の3施設の施設数と戸数は幾つありますでしょうか。それぞれの戸数を伺います。新しい住宅の制度のために既存のこの3施設に住む方々にとって不利になるような影響はありませんか。確認のため、お伺いいたします。
新しい制度となるこのサービス付き高齢者向け住宅制度では、これまでの問題点が大きく三つ改善されました。一つ目に、特に契約でやってはならないことを明確に定めたことです。例えば、家賃、サービスの対価以外のお金を徴収することができなくなります。これは利用者の立場で、また庶民の立場で改善、強化された点であります。また、今までの施設の問題となっていた、加齢に伴い自立した生活が困難になったときに退去を求められてしまう点や、入居時に支払った高額の入居金あるいは保証金が戻ってこないといったトラブルも改善されます。
二つ目に、高齢者の住まいとしての機能を明確にした点でございます。一室当たりの床面積25平米以上、またバスやトイレ、台所、収納設備など必要最低限の住宅設備の基準がうたわれました。
そして三つ目に、サービス内容も登録基準として明確にされました。従来の高専賃はハードのみの規定でありました。この住宅のサービスは、日中はヘルパー2級以上の医療か介護に係る資格を持つ職員の常駐が義務となりました。夜間は職員が不在のときは緊急通報システムでの対応が必要になります。こうした24時間の安心なサービスを義務付けております。
これまで我が会派として繰り返しケア付きの高齢者専用賃貸住宅の区内誘致を求めてきましたが、今回の法改正による新たな住宅はさらなる高齢者の安心確保が可能となります。
そこで、伺います。区はこのサービス付き高齢者向け住宅について区内への積極的な誘導が必要と考えますが、いかがでしょうか。伺います。また、誘導策についてお考えがあればあわせて伺います。また、サービス付き高齢者住宅を誘導する場合、そこに附属する介護センター等を拠点として24時間対応の定期巡回・随時対応サービスを推進してはいかがでしょうか。サービス付き高齢者住宅を拠点とした周辺地域の介護サービスの充実を図ることができると考えますが、いかがでしょうか。お考えを伺います。
次に、4点目でございます。認知症等のための市民後見人の育成について、伺います。
認知症の方は、我が国では現在200万人を超え、2025年には320万人にも達する状況でございます。この中でもひとり住まいや高齢夫婦のみの世帯も多く、今後どのように支えていくのかが大きな問題で、また課題であります。判断能力が十分でない方の財産管理や福祉サービスの契約などを代理して行うのが成年後見人であります。弁護士や司法書士、社会福祉士など専門職の後見人に対して一般的には毎月2万から5万円ほどの報酬がかかることもあり、低所得の方には利用したくてもなかなか手が届かないものとなっております。成年後見人制度を補完する意味から、簡易な手続をほぼ実費で代理人として任に当たってもらう、この市民後見人制度があります。
今回成立した改正介護保険法では、市町村が市民後見人の養成と活用を推進することが盛り込まれ、今年度より市町村単位での市民後見人の養成を行うモデル事業をスタートいたしました。大阪市では、社会福祉協議会が運営する成年後見支援センターと協力し、弁護士や司法書士などが市民後見人の養成にかかわり、推進をしております。高齢社会の進捗により今後もさらに市民後見人の必要性は高まっていくところでございます。中野区も、住みなれた我が地域での支え合いを拡充していくために成年後見支援センターを運営する社会福祉協議会と連携を図り、市民後見人の養成をさらに強く推進すべきと考えますが、伺います。あわせて、区では東京都と連携し社会貢献型後見人の育成に取り組んでいるということでございますが、現在の育成状況と今後の推進について、区の御見解を伺います。
以上、この項について終了いたします。
次に、子どもたちをとりまく教育の課題について、伺います。
最初に、子どもたちの情報モラル教育の充実について、伺います。
インターネット上にある特定の学校の話題のみを扱う非公式の匿名掲示板、いわゆる学校裏サイトによるトラブルが後を絶たない状況です。都は、先ごろ、児童・生徒によるインターネットの適正な利用を促すため、具体例を紹介した事例集と事例を踏まえた手引きを作成し、都内の公立小・中学校に配布をしました。東京都は学校裏サイトなど監視を強化してきましたが、昨年度は不適切な書き込みが1万2,433件発見されました。事件性が極めて高く、警察への通知を要する「レベル高」の書き込みはなかったものの、すぐに学校側から指導する必要性が高いもの「レベル中」は114件ありました。中でも、高校が最も多く61件、そして中学校などは53件です。その内容を見ると、自殺や自傷の予告、告白が半数近くで50件、また飲酒や喫煙、暴力行為などは27件に及んでいます。調査した具体的データをまとめた指導用の事例集があります。手引きでは、特に緊急対策を要する書き込みを発見した場合については、校長や学年主任などと連携をとり、人命にかかわる内容かどうかを判断、必要に応じて警察や消防への通報や対策チームの設置などに続いて、その生徒当事者への声かけ、見守りを促しております。区では、この事例集や手引きの活用を含め、学校の教育現場でどのように情報モラル教育を推進しているのか、特に一番心配をしている保護者に対してはどのような対応をしているのでしょうか、伺います。児童や生徒にさらなる情報モラルの教育の充実は急務と考えますが、教育の場で今後どのような対応を推進していくのか、御見解を伺います。
次に、子どもたちが利用する安全・安心な携帯電話について、伺います。
子どもたちの携帯電話の利用は、便利で役に立つ反面、保護者の目が行き届かない現状があり、先ほど触れた学校裏サイトの問題や巧妙化するネット犯罪と隣り合わせとなっています。また、子どもたちが通話やメール等に無制限に費やすことは生活習慣に悪影響を及ぼすと保護者の方々から問題視をされております。
そこで、都は、保護者が子どもに携帯電話端末等を持たせる必要がある場合に、保護者が安全で便利な機能の携帯電話などを選べるように制度をつくりました。青少年の健全な育成に配慮した携帯電話の機能の推奨制度を盛り込んだ条例改正を行いました。この推奨基準の規則を本年7月1日に施行いたしました。保護者が機能を選ぶ際の目安を利用段階で二つに区分に分けております。
概要ですが、その一つは、専ら保護者等との連携のために、また連絡のために携帯電話を利用する時期、おおむねは小学生程度の利用を示しております。二つ目には、インターネット利用について学習している時期である、おおむね中学生以上を対象とした利用方法を示しております。この二つの区分ごとにさまざまなフィルタリングや深夜などの要件と機能の詳細基準が紹介されております。
今後、各携帯電話事業者から基準に合致した機種の申請受け付け、その後、検討委員会を経て、推奨携帯電話として販売される予定になっております。子どもたちに安全で安心な携帯電話を持たせたいという声、またこの制度で多くの保護者の声が現実になっていくことになります。この推奨の携帯電話は強制ではなく、希望する保護者が購入できることになります。学校教育の現場としても子どもたちの情報モラルの教育の充実のために、子どもたちの心の安全と安心に大きく活躍できる制度としていかなければならないと思います。
そこで、伺います。携帯の購入に当たっては、特に保護者の理解が必要となります。保護者に対して、子どもたちを取り巻く携帯利用についての現状について理解を深めるためのこの取り組みが必要だと考えますが、区の御見解を伺います。
そして次に、区立小・中学校の特別教室へのエアコン設置について、伺います。
ことしは特に残暑が厳しく、夏休み明けの9月に入ってからも猛暑日が続き、区内の小・中学生やまたその保護者、学生関係者からも特別教室の環境を改善してほしいという声が寄せられております。
平成15年、中野区は、他区に先駆けて区立小・中学校全校の普通教室に冷房化を行いました。このときの区長の英断を我が会派が高く評価していたことは今でも話題になっております。平成15年に契約したエアコンのリース契約は来年度24年度までとなっております。設置した当初と現在では、エアコンも環境に配慮され、また省エネのエコタイプへと大きくさま変わりをしております。10年リースの契約期間が切れるのを機に見直しを図り、普通教室だけではなく特別教室にもエアコンを設置すべきと考えますが、いかがでしょうか、御見解を伺います。
以上、この項を終了いたします。
次に、3番目として、中野区の環境モデル地区について伺います。
平成27年以降に平和の森小学校が現在の法務省研修所跡地へ移転予定となっております。その後の平和の森小学校の跡地は売却予定になります。この二つのエリアをスマートグリッド技術などを中心とした中野区の環境モデル地区にできないのかとの御提案でございます。
スマートグリッドのスマートはIT技術を駆使した賢いという意味で、グリッドは格子の網のようにという意味で、多くのコンピューターがつながっていることを言います。IT技術をフルに活用して電力需要を自律的に調整する機能を持たせることによって、省エネ、コスト削減、信頼性と透明性の向上を目指した新しい電力網と言われております。限られた範囲の通信網ではマイクログリッドとも呼ばれております。
先日、けいはんな学研都市の視察に参りました。京都、大阪、奈良の3府県8市町にまたがる関西文化学術研究都市、けいはんな学研都市の全域面積は1万5,000ヘクタール、中野区の9.6倍にもなります。その中に12の各研究地区があります。この全域でスマートハウス、太陽光パネル、環境共生住宅モデル地区、スマートスクール、エコソーラーストリート、スマートストア、また電気自動車の実証などの計画を進めております。まだ耳なれていない新しい呼び名が多くありますが、このエリアには最先端の新技術を駆使した近未来の環境施設が配置をされています。規模は大きいですが、参考になりました。
スマートグリッド、この技術を採用した住宅をスマートハウスと呼んでおります。スマートハウスでの生活のシーンを挙げてみますと、電力会社からの毎月の検針がなくなり、人件費や時間が削減できる。その分経費が下がる、電気量が下がるということです。停電事故が発生しても問題箇所を素早く特定し、停電復旧が早くなります。また、外出先から我が家の家電を制御できる。夏の昼間の電力需要のピーク時には電力料金が自然と高くなり、ピークが過ぎれば安くなり、電力需要の抑制となります。電力料金が安くなると電気自動車のバッテリーが自動で充電される。個人宅での余剰電力を近隣の家に供給ができ、収入源にもできる。家庭内のすべての電気機器エネルギー使用が見える化など、生活の中でコンセント単位の消費電力がリアルタイムでわかる等とあります。
また、生活の中で生きた環境教育のためにスマートグリッド技術を採用している学校をスマートスクールと呼んでおります。エコエネルギーをつくる、無駄を省く、エネルギーを蓄えるなど、エネルギー生活を学べる教育を推進する学校であります。
そこで、提案をいたします。
中野区のスマートスクールのモデルを計画してはいかがでしょうか。平和の森小学校移転、その契機に新しい校舎と校庭でスマート技術を採用した環境に優しい学校教育を推進してはいかがでしょうか。
また、この学校予定地には中野水再生センターが隣接しております。ここでは、汚水を2次処理して、1日に2万4,000トンの水を妙正寺川に放流しております。この水の一部をろ過装置を使って水再生センターの施設内のトイレの水やポンプの冷却水として利用されております。また、新宿の落合水再生センターにおいては都庁や副都心周辺のビルへ水の再利用を行っております。この中野水再生センターの処理水を利用して、新たに移設される平和の森小学校で生活用水として活用できるのではないかと思います。この考えはいかがでしょうか。御見解を伺います。
また、平和の森小学校の移転後の跡地をスマートハウスのモデル地区としてはいかがでしょうか。未来の中野モデルへとなる技術と企画を盛り込んで、産学連携を含め開発することを提案いたします。環境豊かなスマート技術を盛り込んだスマートハウスを活用したモデル地区としてはいかがでしょうか。期限つきの売却制度の検討も含め、御見解を伺います。
この項の最後に、平成20年度からスタートいたしました中野区の環境基本計画の目標を実現するため具体的な取り組みを示すアクションプログラムについて、伺います。
第1次アクションプログラムの計画期間は平成20年度から平成22年度とし、平成23年度以降のプログラムは22年度に改定して作成することになっていました。しかし、東日本大震災の影響もあり、改定作業がおくれているということでございます。早急に第2次アクションプログラムを改定すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
また、その際、中野区の環境モデル地区の取り組みや環境への配慮したエコスクールについても重点事業として位置付けるべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
4、その他はありません。
以上、すべての質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 小林議員の御質問にお答えをいたします。
24時間対応で定期巡回・随時対応サービスの導入についてという御質問があります。要介護高齢者の在宅生活を支えるために業種や職種などの垣根を超えて連携を形づくる地域包括ケアの体制を構築する、このことは非常に重要な課題である、このように認識をしております。
御指摘のありました24時間対応定期巡回・随時対応サービスにつきましては、この地域包括ケアの推進を図る上でキーポイントにもなり得る有効なサービスであると考えているところであります。24年度から始まる第5期介護保険事業計画の中にしっかりと位置付け、区としても充実を図ってまいりたい、このように考えております。
また、在宅介護と在宅医療との連携支援についての御質問もありました。地域包括ケアを進めていくためには、在宅介護と医療ケアなど、さまざまな職種をまたがるケア、サービスが切れ目なく連携をしていくということが大変重要なことになってまいります。地域の中で、医師会や歯科医師会、薬剤師会などの医療関係団体、あるいは介護事業者、行政、地域のさまざまな人材が一体となって連携・協力できる体制をさまざまな形で形づくっていくことが重要である、このように考えております。
高齢者向け住宅の現状についての御質問であります。中野区内の高齢者円滑入居賃貸住宅は10軒131戸であり、うち高齢者専用賃貸住宅が1軒20戸、高齢者向け優良賃貸住宅が1軒20戸となっております。既存のこれらの住宅では、新たなサービス付き高齢者向け住宅としての登録は行われませんが、これまでどおりの運営は引き続き行われるため、現在の居住者の方に新たに問題が生じることはない、このように認識をしております。
このサービス付き高齢者向け住宅の誘導についての御質問もありました。サービス付き高齢者向け住宅は、安否確認と生活相談サービスのほかに、食事の提供や掃除、清掃、洗濯等の家事援助等が想定をされているところです。この制度では、民間事業者が住宅を管理運営するとともにサービスを提供することで事業として成り立ち、高齢者が安心して住み続けることは可能となると考えております。今後の地域社会を考える上でこれも大変重要なポイントになる住宅の考え方だと私は認識をしております。民間事業者と連携をし、良質な住宅ストックを供給していくことは高齢者の居住安定化の促進のために有効な手法であります。国や都の新たな助成制度の運用状況も見ながら、民間事業者へ必要な情報提供等を行うとともに、状況に応じて必要な推進策を検討していきたい、こう考えております。
サービス付き高齢者向け住宅と介護センターについてであります。
今回の介護保険制度改正におきましては、サービス付き高齢者向け住宅に介護サービスを組み合わせた新しい仕組みを提示しております。国としても地域におけるさまざまなサービスとの整合性を図りながら、その整備を推進していきたい、こう考えております。
また、市民後見人の育成についての御質問もありました。市民後見人の育成について、東京都では平成17年度から「社会貢献型後見人」という名称で養成講座を実施しております。平成19年度に中野区から推薦をして社会貢献型後見人を目指す方のための基礎講習を終了した1名が、ことし9月から社会貢献型後見人として後見業務を開始しておられます。中野区社会福祉協議会としては法人後見監督人という立場でサポートをしております。また、昨年度は基礎講習に中野区から推薦した4名の方が受講を終了いたしておりまして、今年度も4名の推薦を予定しております。今後とも区と社会福祉協議会が協力をして社会貢献型後見人候補者の養成、育成を図り、増加が予想される社会貢献型後見人のニーズにこたえる取り組みを進めていきたい、こう考えております。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 子どもたちを取り巻く教育の課題についての御質問にお答えをいたします。
初めに、情報モラル教育につきまして。情報モラル教育は、小学校では主に総合的な学習の時間に、中学校では技術・家庭の時間に推進をしており、都が作成した事例集や手引は各学校で実態に即して使用しているところでございます。インターネットの使用につきましては、学校の授業だけでなく家庭での利用も多い実態がございます。そのことを踏まえまして、保護者に対しましても各学校で実施しているセーフティ教室の中で取り上げるなど、家庭での使用も含め啓発活動を実施しているところでございます。
また、携帯電話の推奨制度についての御質問がございました。携帯電話の使用は家庭の判断によるもので、保護者の果たす役割は非常に大きいものがあるというふうに考えております。条例改正の趣旨を踏まえまして、児童・生徒と保護者が参加できるセーフティ教室の充実、保護者会での周知、PTA研修会等との連携など、学校と保護者が連携を図りながら推進していくようにしてまいります。
次に、小・中学校の特別教室のエアコンの設置でございます。現在のリース契約の終了に当たりましては、地球温暖化防止の視点や今後の電力需要の動向を踏まえまして機器の導入の方法等を検討してまいりたいというふうに考えております。また、特別教室は、コンピューター室は100%、図書室は90%以上、音楽室は70%以上、冷房化が完了しておりますが、その他の特別教室につきましても今後必要性に応じて検討してまいりたいと考えております。
私からは最後ですが、中野区の環境モデル地区につきまして御質問がございました。
平和の森小学校の移転・改築に当たりましては、今後計画を具体化する中で環境やエネルギー消費等に十分配慮して検討してまいりたいというふうに考えております。
また、水再生センターの処理水の活用の可能性については、今後十分検討してまいりたいというふうに思っております。
〔政策室長竹内沖司登壇〕
○政策室長(竹内沖司) 私からは、平和の森小学校跡地の活用について、スマートハウスのモデル地区としてはいかがかとの御質問にお答えをいたします。
地域の中でスマートハウスを整備していくことは意義があるものと考えております。当小学校跡地を適正価格で売却するに当たり、どのような条件を付すことが可能なのかについては今後検討してまいりたいと考えております。
〔環境部長尾﨑孝登壇〕
○環境部長(尾﨑孝) 私からは、中野区環境モデル地区についての御質問のうち、環境基本計画アクションプログラムに関しましてお答えをいたします。
環境基本計画アクションプログラムにつきましては、国のエネルギー政策の方向性を見極めた上で早急に改定の検討をしてまいりたいと考えております。また、検討に当たりましては、環境モデル地区等の御提案の内容についても十分に研究してまいりたいと、そのように考えております。
○副議長(久保りか) 以上で小林秀明議員の質問は終わります。
中野区議会議員 高 橋 かずちか
1 台風やゲリラ豪雨など集中豪雨時の都市型浸水対策について
2 首都直下地震に備えた、「中野減災まちづくり」の推進について
3 真のユニバーサルデザインの推進と駅の機能について
4 中野駅周辺地区整備に係る動線の確保と活性化策について
5 その他
○副議長(久保りか) 次に、高橋かずちか議員。
〔高橋かずちか議員登壇〕
○2番(髙橋かずちか) このたび、平成23年第3回定例会に当たりまして、自由民主党の立場から、区議会議員になりまして初めての一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
それでは、事前通告の内容に従いまして質問をいたします。
なお、その他の項目はございません。
まず初めの項目、台風やゲリラ豪雨など集中豪雨時の都市型浸水対策について、質問をいたします。
去る8月26日のいわゆるゲリラ豪雨では、中野区役所でも最大1時間雨量が84.5ミリに達し、区内の被害箇所は105カ所に及びました。私も直ちに江古田地区の浸水現場に行き、浸水被害の御家庭を幾つか調査してまいりました。半地下の駐車場、居宅、倉庫など、浸水被害が3度目という御家庭もあり、近年増加している、いわゆる都市型水害を目の当たりにし、何らかの減災策について検討すべきと考えます。
そこで、お尋ねします。近年の中野における浸水被害の傾向と特性について、またさらなる浸水対策として下水貯留機能の拡大を図る具体的な方策について、東京都・所管部署との調整による改善策や緊急対応対象地区等設定による重点対応の方策がないのか、あわせてお尋ねをします。
浸水被害を軽減するためには、下水処理機能の向上とともに、情報提供や啓発により自助、共助の取り組みを促す必要があると考えます。
そこで、幾つか質問いたします。区の見解をお聞かせください。
まずは、洪水ハザードマップの周知徹底をさらに具体的方法で行い、浸水予想区域の住民や新たに該当地区に転入してくる方に確実な情報提供をすることはいかがでしょうか。
次に、不動産関係者や建築業者への指導をさらに徹底し、浸水の確度が高い地区での地下や半地下を伴う住宅建設から高床建築の推進を誘導する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
また、区では一定規模以上の敷地に対する新築・増築工事に際しまして雨水流失抑制施設設置指導ということを行っておりますけども、この制度に対する区の助成制度は平成12年度以降実施しておりません。都市型水害の対応が注目される中、なぜ行っていないのか、理由をお聞かせください。
また、自助の面から、下水道への負担軽減につながる雨水流失防止策として雨水貯留の普及策啓発と具体的推進を提案します。豪雨時は下水道への負担軽減につながり、平時は雑用水として、また災害時には地域の初期消火活動に寄与します。平成21年時点で23区では9の自治体がこうした雨水貯留槽設置に関して具体的な推進を行っております。このような浸水対策は区民の安全と日常生活に直結しており、その対応には中野区関連部署の横断的対応が求められると考えます。防災上、また環境面から積極的な取り組みを望みますが、区のお考えをお聞かせください。
二つ目の質問項目、首都直下地震に備えた、「中野減災まちづくり」の推進について、質問いたします。
マグニチュード7程度の首都直下地震の発生確率はこの30年間で70%と言われております。東日本大震災以降、その発生確率はさらに高まったと言われています。首都東京の中で防災上脆弱と言われている中野区にとって注目すべきことは阪神・淡路大震災の被害特性であると考えます。大規模市街地を形成する都市部での大地震は、都市機能を完全に破壊し、6,434名もの尊い命が失われました。神戸市の場合、亡くなられた方の96.3%が即死であり、また死因の83.9%が建物倒壊等が原因であると見られます。こうしたデータからも都市部での震災被害を最小限に食いとめる方策は建物の耐震しかないと考えます。その第一歩が民間の一般建築物の耐震化であり、東京都における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例であります。
さて、この制度を利用し、実際に耐震診断を行う際には、建物の確認申請書のうち構造計算書や構造図など構造関係の書類が必要ですが、昭和56年以前の対象建物ではこうした申請に必要な書類が不備な場合もあり、建物構造の調査・検討に大変な費用と時間を要します。
そこで、お尋ねいたします。中野区ではこうした申請時に構造関係の書類が十分でない場合の扱いについてはどのように考えているのか、あわせて想定される建物の件数や目標スケジュールをお答えください。
次に、耐震化に極めて有効な建てかえ誘導策として申し上げます。耐震化の中で建てかえの有効性はだれもがわかっているのに進まない、その最大の理由はコスト負担にあります。中野区による助成ということに関しては、財政負担を伴うこと、また私有財産への公費投入ということで議論が生じます。
そこで、建てかえ誘導策として、先に述べました条例の区指定道路分を一時避難所や公共施設につながる生活幹線の区道にまで拡大するという中野独自の指定を提案いたします。これは、建てかえ助成に加えてのインセンティブとして、耐震化や道路、空地確保のための敷地提供など、防災機能の向上につながる公共性を要件として容積割り増しや、高さ・斜線制限など建設に係る規制を緩和し、共同化による建てかえを誘導するものであります。これは本年10月から施行されます中野区地区まちづくりの条例の制定理念にも合致することから、両制度を一体的に活用し、さらに弾力的運用をしていこうとする提案です。つまり、区独自の裁量により軽減される地区計画区域要件の3,000平方メートル、これはおおむね公式サッカーグラウンド2分の1に相当する広大な面積であり、中野区の場合は道路を挟んだインフラを含む開発となることや複雑な権利形態、その調整等で時間・コストがかかり過ぎます。そこで、この区域面積を基本としつつも対象区域を狭め、テニスコート3面分に相当する1,000平米を一つのまちづくり区画として、この中野区の条例に基づく都市計画による網かけをして、その区域内で公共性、防災性、そうした有益な個別建てかえについてはさらに小さなブロック単位で建築上の制限を緩和し、建てかえを誘導するという、いわば「減災なかのモデル」であります。この建てかえ誘導策につきましては区長の見解をお伺いします。
三つ目の項目、真のユニバーサルデザインの推進と駅の機能について、質問いたします。
中野区内に13カ所ある駅の機能は、地域住民の生活交流拠点でもあり、防災・治安など危機管理の面で実に多くの重要な要素があり、それがにぎわい・界隈性にもつながっています。その大前提である安全・危機管理の面から、それぞれの駅には交番の設置が必要であると考えます。交番がない場合は、今後、駅前広場の整備にあわせて設置を検討するべきです。今回、それに該当するのが沼袋駅と東中野駅、また次の項目で述べます中野駅であります。もちろん整備に当たっては、現況の駅出入り口や周辺の治安環境を低下することがあってはならないのは当然のことであります。西武新宿線連続立体交差化の事業にあわせて駅前広場と道路整備が都市計画決定をいたしましたけれども、沼袋駅は、既存の交番で対応できる新井薬師前駅と異なり、新駅前広場が南側に移るため、交番の設置が必要だと考えます。また、東中野駅西口整備事業におきましては平成26年の供用開始にあわせて交番設置が必要であると考えます。長い年月をかけて整備された山手通りですが、大久保通り、宮下交差点の交番がなくなって以来、主要道路でありながら、また多くの交差点を持ちながら、中野坂上から都営大江戸線の中井駅交番まで交番がないという状況は危機管理の上でぜひ改善すべきであると考えます。こうした新設される駅前広場につきまして、治安・危機管理の面から現況の治安環境を低下することのないように配慮した上で交番の設置を関係機関と協議すべきだと考えますが、中野区の対応を伺います。
また、西口整備事業が進む東中野駅に関連しましては、中野区では本年度内に東中野地域まちづくり構想を策定する予定と伺っておりますが、具体的にはどういうスケジュールでどのように進めていかれるのでしょうか、お伺いいたします。西口整備とのバランスをとるためにも、東口出入り口の整備と周辺地区との動線を考えた具体的な整備事業を西口駅前広場が完成する前に誘導すべきだと考えます。区はいかがお考えでしょうか、お答えください。
さらに、中野区内で今後整備される各駅前広場に、路線バスに加えて、超高齢化社会に備えた福祉コミュニティーバスや外来者を呼び込むための観光バスなどの乗降スペースなどは検討されているのでしょうか。次世代を見つめ、安全で便利で優しく、また外来者を呼び込める駅空間を整備すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。お答えください。
次に、ユニバーサルデザインについて質問させていただきます。
ユニバーサルデザインはコンセプトであり、まちづくりの理念です。一番のポイントは企画段階から取り込まないと具現化できないという点にあります。完成後の再整備では膨大なコストがかかり、そして多重構造や不具合が生じて、結果、利用されない施設になるということです。私はこれからの超高齢化社会に必須のキーワードは「自分自身で」という言葉だと考えております。この言葉を入れてユニバーサルデザインを自分なりにまとめてみますと、「だれでも」、「いつでも」、「自分自身で」、「安全に」ということになります。高齢者、障害者が何をするにも介護者に依存しなければできないのではなくて、自分のやりたいことが自分自身で、自分のしたいときにできる社会こそがユニバーサルデザインの社会であり、少子高齢化社会の目指す姿ではないでしょうか。まちづくりにそのようなユニバーサルデザインを取り入れれば、自由にそこに出かけ、にぎわいをみずからつくり出し、消費者となる。地域は活性化し、本人の介護予防や介護軽減にもつながります。高齢者や障害者にとって生活しやすい町は、キャスターバッグやスーツケースを持った健常者、妊婦さん、ベビーカー、そしてお子さん、けがをしている人、疲れている人、そうしたすべての区民にとって住みやすい町、生活しやすい町になります。
そこで質問いたします。中野区は、駅とそこをつなぐ動線の整備にこうしたユニバーサルデザインの理念を企画設計する前段階から生かし、さらに具体化、推進することについてどのようにお考えをお持ちでしょうか。また、スロープの傾斜角度のさらなる改善など、東京都福祉まちづくり条例に基づく、いわゆる施設設計のバイブルと言われています施設整備マニュアルにもある設計数値をさらに踏み込み、真の万人に利用されるユニバーサルデザインの実現を推進するお考えはおありでしょうか、お答えください。
障害者の団体の中には、「日本身体障害者社会人協会」という勤労者を中心とする障害者団体があります。彼らの注目すべき発言を一つ御紹介します。
欧米がなぜ障害者にとって住みやすく、社会参加が容易か。それは、政策の方向性が助成ではなく平等なチャンスと自立を目指しているからである。行政も企業もチャリティーとしてではなく消費者、納税者としてとらえている。だから、インフラも整備されるし、障害者向け製品の開発や雇用の促進にもつながるのだ。私たちは権利を要求し援助や支援を求めているのではない。しっかり稼いでいるし、納税もしている。さらに働きやすいように、消費者として自由に町に出かけられるように、そのインフラを整えてほしい。
以上の言葉であります。彼らは、勤労・納税を義務と果たしながら働く障害者の社会環境を改善していこうと、バリアフリーからユニバーサルデザインへの具体的提言もする団体であります。
そこで、質問をいたします。中野区が取り組む駅整備を中心としたまちづくりの企画段階に、こうした納税者、消費者として社会進出を目指す障害者団体の意見をヒアリングしたり、またこうした団体をはじめ、高齢者や子育て世代などにも参加を呼びかけ、協議体等をつくり、実地踏査をするなどして、その意見をまちづくりに生かす具体的取り組みについてどのようにお考えか、お答えください。
4番目に、中野駅周辺地区整備に係る動線の確保と活性化策について、質問いたします。
中野駅周辺地区の整備につきましては、いよいよ現北口駅前広場と東西連絡路の整備が始まったことで第1期工事は着実に進んでいくことと思います。平成24年春には警察大学校跡地のまちづくりが進むことで、北口の町を行き交う人が大幅にふえることは確実視されております。先ほど触れましたが、町の活性化には安全・安心の確保が不可欠であります。平成14年ごろに地域から要望の出された中野駅北口交番の設置はその後実現されておりません。北口駅前広場の利用者増が見込まれる今こそ、中野駅南口交番の確保とあわせた中野駅北口交番の増設を強く要望すべきと考えます。中野駅北口への交番増設について、区と関係機関との協議の状況はその後どのようになっているのか、まず教えていただきたいと思います。
中野駅周辺は駅を中心に、皆様御存じのとおり、JR線と中野通りにより隔てられております。四つのブロック、すなわち中野四丁目、五丁目、三丁目、そして二丁目を渡る将来の歩行者動線とそれに関連する開発について、お伺いします。
計画が予定どおり進むとしますと、平成24年、第1期工事完成により2階レベルで北側の警察大学跡地開発方向への東西ルートが完成し、平成27年、第2期の完成により3階レベルで西側の南北橋上ルートが完成すると、このようになりますが、南北通路の受け入れ側となる中野三丁目側駅直近の整備計画の概要が見えておりません。民間開発とはいえ南北動線のかぎとなる橋上ルートが完成をするのに、その受け入れ先となる南側の開発が具体化していないという状況は、駅を中心とした周辺一体型のわかりやすい回遊動線を目指す整備基本計画の方針に反するものと考えます。西側・南北ルートの南側受け入れ口はこの駅直近の整備計画の中で解消しなければならず、中野区が整備計画を積極的、かつ主導的に進めなければならないと考えますが、当該区域に何らかのアクションを起こしているのでしょうか。また、具体的にどのように取り組むのか、スケジュールも含めて教えていただきたい。
また、中野四丁目囲町の東側では開発に向けての準備組合が結成されたと聞いています。中野区は地権者でもあり、主導的関与が求められると考えます。囲町の開発計画と西側・南北通路につながる歩行者動線や新北口駅前広場に接続する補助221号整備の計画をどのように考えているのか、あわせてお伺いします。
また、平成30年以降完成予定の第3期整備について、特に南口側の歩行者動線については、駅前広場と人の動線のかなめとなる二丁目再開発の計画の中でレベル差を解消することが何よりも重要と考えます。その解消並びに手だてを事前にその開発計画の企画段階で折り込むことこそが、先ほど述べましたユニバーサルデザインそのものであり、理念であります。中野区のグランドデザインVer.2や整備基本計画にうたわれている「駅とまちが融合し、まちとまちが繋がる」という基本理念と一致するよう、中野区の積極的主導と推進を求めますが、いかがお考えでしょうか。
また、第3期整備の完成整備内容を見ますと、南側二丁目開発につながる東西歩行者動線及び東側・橋上南北通路の整備が具体化しておりません。計画では、この時期、二丁目再開発は完成をしているはずであります。東側の橋上南北通路が具体化した場合、北側の中野五丁目駅の直近のまちづくりとの関係はどのように考えているのでしょうか。さらに、南側の東西歩行者ルートの確保のことを考えますと、中野三丁目との接続のためのまちづくりも必要と考えますが、どのように考えているのでしょうか。
次に、駅周辺開発に関連しまして中野区が進めるタウンマネジメントについて、伺います。
タウンマネジメントによって中野をどのようにしたいと考えているのか、方向性が重要であります。地域特性は異なりますが、丸の内、赤坂、六本木地区など近年成功している都心部での区域内の個別地区で実践されているエリアマネジメントという考え方は参考になると思います。当該区域の地盤の堅牢さと都心へのアクセスのよさは注目をされており、旧来からのよき地域文化・商業集積と都心型業務集積を融合させた中野ブランドを構築し、発信していくことが重要だと思います。
今後、駅周辺では安全や多様性等をアピールするべきではないでしょうか。したがって、タウンマネジメントとして、例えば、全体としては安全性をアピールし、個々のエリアは多様性を目指すための区域を分割した考えを進めるべきではないでしょうか。各区域内の施設空間メンテナンス、管理はエリアマネジメントとし、他方、首都直下地震など危機管理対応や駅周辺のブランド発信、イベントなどのプロモーション等は区域を包含する全体で進めていくべきです。
以上のようなエリアと全体を分けて進めることについて、駅周辺まちづくりにおけるタウンマネジメントに関する区の方針・方向性はどのように考えているのか。あわせて、1.5ヘクタール、先行オープンする防災公園、その利用基準や方法などを早い段階で区民に告知しなければならないと思います。どのような方針とスケジュールで進めているのか、教えていただきたい。
質問は以上であります。
最後に、一言申し上げます。
私は、真のユニバーサルデザインの実践と駅周辺の動線まちづくりにつきましては中野区の次世代につながるまちづくりのモデルケースとなると考えております。これは単に中野駅周辺地区限定にとどまることではなくて、中野駅まちづくり、中野のまちづくり理念、主導的取り組み、実践こそが中野全域のまちづくりや活性化に生かされ、安全・安心をベースに住み続けられる、にぎわいあふれるまちづくり、また我が町ふるさと中野の発展に向けて大きな一歩につながっていくことと確信をしております。
以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 高橋議員の御質問にお答えをいたします。
台風やゲリラ豪雨など、都市型の浸水被害が出ているということであります。浸水被害の傾向についてのお尋ねがありました。
妙正寺川や善福寺川の河川改修や環状七号線地下調節池等の整備によりまして、平成17年9月4日の大雨による浸水被害以来、中野区内では河川のはんらんによる大きな浸水被害は発生しておりません。最近は、いわゆるゲリラ豪雨と言われる、短時間に局所的な強い雨が降り、雨量が下水の排水能力を超えることによって低い土地や地下、半地下の住居や駐車場への浸水被害が発生しているところであります。これらの被害の対策についてということであります。
集中豪雨による雨水を一時的に貯留する施設の整備は、都市型浸水対策として有効であると考えております。東京都下水道局では、区内の浸水対策として貯留管整備の推進を図っております。現在、大久保通りの中野一丁目、中央二丁目付近におきまして、貯留量約5,000立方メートルの貯留管施設の整備を平成25年春の完成に向け、行っているところであります。区といたしましては、23区で特別区下水道事業促進連絡会という団体を設置しているところですけれども、この連絡会から東京都に対しまして、妙正寺川上流域、環状七号線よりも上流の部分ですね、それから江古田川流域についても同様な貯留施設を整備するよう要望を行っているところであります。
洪水ハザードマップをもっと周知徹底するべきでないかと、こういう御質問でありました。洪水ハザードマップにつきましては、中野区ホームページに掲載をいたしますとともに、区役所の1階受付や8階の防災都市安全担当、また各区民活動センターの窓口等で配布を行っております。今後、浸水被害が予想される地域につきましては、地域防災会を通じての改めての周知を図るなど、水害への注意喚起のため、引き続き積極的に情報提供に努めてまいりたい、このように考えております。
浸水可能性の高いところで地下、半地下の建築計画を高床式へ誘導していく必要があるのではないかと、こういう御質問であります。区の窓口におきましては、不動産関係者や建築業者等に対しまして、建築計画の際に浸水被害に対する情報提供を十分に行っているところであります。河川沿いの地域の一部では高床助成にあわせて、必要な場合には建築物の高さ制限を周辺地域よりも一ランク緩和をして高床の建築計画を容易にしているところでもあります。こうした方策について今後ともより一層周知徹底を図ってまいりたい、このように考えております。
それから、雨水流出抑制施設についてですが、助成を実施しないことで普及の障害にはならないのかということであります。平成元年に設置をいたしました雨水流出抑制施設指導要綱、これが定着をしてきております。対象となる建築物申請件数に関する設置届け出件数の割合につきましては、近年約84%といった比較的高い値で推移をしております。このことから、助成制度が休止ということにはなっておりますけれども、雨水流出抑制施設そのものの普及については特に問題がなく進行しているものという認識を持っているところです。
それから、雨水貯留槽については、防災面や環境面で一定の効果があるものと考えるところであります。今後、設置に関して普及啓発を行ってまいります。
それから、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化促進に関連して幾つかの御質問がありました。
耐震診断の助成に当たって構造関係の書類が十分保存できていない場合があるのではないかと、こういった御質問であります。耐震診断助成に当たりましては、構造関係の書類の補強も含めて耐震診断に要する費用としているところでありまして、この構造基準の範囲で助成をすることによりまして耐震診断の実施に資するものと考えております。
それから、想定されます特定緊急輸送道路沿道の件数と目標スケジュールということですが、特定緊急輸送道路の沿道建築物で耐震化促進の対象となりますものは、昭和56年以前に建築されました旧耐震基準の建築物で、かつ高さが道路の幅のおおむね2分の1以上のものとなります。区内では約200棟が対象となるものと、このように見込んでおります。それで、この中には耐震改修実施済みのものも含まれているところであります。実際に耐震化が必要な建築物の総数については今後の耐震診断の結果を待たなければならないと、こういうことにはなるわけであります。特定緊急輸送道路沿道につきましては、平成27年度までに耐震化率が95%以上となることを目指しているところであります。
それから、耐震化の推進に向けて、用途容積などの建物建設に係る都市計画の規制を緩和して、共同化による建てかえの誘導を行うことは有効ではないかと、こういった御質問がありました。沿道耐震化の推進に向けましては、御提案のような町並み誘導型の地区計画を策定して、容積や斜線制限の緩和を行う、そのことによって共同化による建てかえにインセンティブを与えると、このことは有効な手段と考えているところであります。耐震化推進策の一手法として検討をしてまいりたいと、このように考えております。
また、中野区まちづくり条例で3,000平米を提案型の地区計画の一つのブロックと考えているということに関連しての御質問があります。
この条例で、区長が特に必要と認める場合にはおおむね一街区に相当する3,000平方メートルに提案できる面積を緩和できるという規定を設けました。これについて、この条例の施行は、明日、10月1日からということでもありますので、まずは当初考えた枠組みの中で取り組み、その推移を見ながら必要性を確認していきたいと考えているところですが、提案によらずとも、1,000平米ぐらいまでの範囲で、先ほどの町並み誘導といったような地区計画の取り扱いということを検討するという余地もあるというふうにも考えますので、そういった意味では今後とも積極的にその町並み誘導型の地区計画ということのあり方について検討していきたい、こう思っております。
私からは以上です。
〔都市基盤部長服部敏信登壇〕
○都市基盤部長(服部敏信) 私からは、ユニバーサルデザインの推進と駅の機能につきましての御質問等にお答え申し上げます。
まず、新設駅前広場等への交番設置の関係の御質問がございました。交番は、地域の治安、危機管理面で大きな役割を担ってきていると認識してございます。駅前広場の設置に関しまして、沼袋駅につきましては、現にある交番を整備後も駅前の適切な位置で存続するよう、駅関係機関と調整してまいりたいと考えてございます。また、東中野駅につきましては、整備を予定する駅前広場に設置する意向であると聞いておりまして、区はその整備条件に協力してまいりたいと考えてございます。
次に、東中野地域まちづくりの整備策定のスケジュール等の御質問がございました。本年3月に取りまとめられました東中野地域まちづくり検討報告を受けまして、区は現在、東中野地域まちづくり構想素案の取りまとめを行ってございます。この素案に対します意見交換会を開催し、その意見を踏まえてまちづくり構想(案)を作成する。その後に、パブリックコメント手続を経まして、東中野地域まちづくり構想を作成する予定でございます。
次に、東中野駅東口周辺の整備の関係の御質問がございました。東中野駅東口は、駅出入りと南北連絡のバリアフリー化が課題であると認識してございます。駅周辺の整備に当たりましては、既に事業が始まっております西口の整備とともに東口地区の整備も推進し、東中野駅周辺全体をだれもが快適に歩くことができる空間の実現を目指していきたいと考えてございます。
次に、コミュニティーバス等、あるいは観光バス等の駅空間整備の御質問がございました。今後の区内の駅前広場整備に当たりましては、コミュニティーバスをはじめ、将来の多様な交通サービスのあり方の検討が必要と考えてございます。御質問の観光バスにつきましては、駅前広場に乗り入れることは想定してございませんが、まちづくりの課題の一つであります観光立地、そういう観点から検討していきたいと考えてございます。
次に、真のユニバーサルデザインの推進という御質問がございました。区内の駅周辺の施設整備につきまして、平成17年に策定いたしました交通バリアフリー整備構想の中で企画段階から御指摘のような観点で障害者団体や高齢者等も含めた幅広い利用者の意見を踏まえながら実態調査を行いまして構想をまとめた経過がございます。今後、中野駅をはじめ、区内の駅周辺整備に当たりましては、御指摘のようなだれもが使いやすいユニバーサルデザインの理念実現の推進に努めていきたいと考えてございます。
最後に、中野駅周辺地区整備にかかわります御質問のうち、公園利用の基準等の方針等の御質問をいただきました。来年4月に開園予定の(仮称)中央部防災公園につきましては、都心型の都市公園としての位置付けをしてございますので、管理の仕方もこれまでの基準では定め切れないと考えてございます。当該公園は中野駅に近接することから、安全な公共空間、にぎわい創出及び公共空地との一体的な利用の観点を踏まえ、管理や利用の仕方などについて今後検討していきたいと考えてございます。
以上でございます。
〔都市政策推進室長遠藤由紀夫登壇〕
○都市政策推進室長(遠藤由紀夫) 私からは、中野駅周辺地区整備にかかわります御質問にお答えいたします。
まず初めに、中野駅北口交番の実現についてでございます。警察大学校等跡地のまちづくりに伴います来外者の増加に対応した駅北側での安全・安心に向けた取り組みの必要性につきましては、所轄警察署も共通認識に立っているところでございます。中野駅北口の大幅な利用者増を契機といたしまして、北口交番の増設につきまして関係当局に強く働きかけていきたいと考えてございます。
続きまして、中野三丁目駅直近整備、それと中野二丁目再開発第3期整備等の計画等に関する御質問がございました。中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.2で示しました将来像をより豊かなものとし、今後の主要プロジェクトの指針とすべく、現在グランドデザインVer.3の策定検討を行ってございます。中野駅地区第2期以降の整備でございます西側・南北通路、橋上駅舎、南口駅前広場などにつきましては、密接に関連いたします中野三丁目駅直近や中野二丁目再開発事業とともに今後の主要プロジェクトと考えてございます。グランドデザインVer.3の中でより明確で積極的な指針を示し、だれもが安心・安全に行き交うことのできるまちづくりを推進してまいる考えでございます。
続きまして、囲町地区に関する御質問がございました。囲町地区は、警察大学校等跡地地区の南側に隣接し、中野駅新北口駅前広場につながる重要な位置にあることから新しい整備が求められてございます。中野駅地区の交通動線整備に当たりまして補助221号線との接続が重要であり、区としてもこのことに留意してまちづくりに取り組んでいきたいと考えてございます。囲町地区のまちづくりに当たりましては、警察大学校等跡地の地区施設道路との連携した再開発も重要なことと認識してございます。囲町の再開発準備組合もできたところですので、区といたしましても適切に関与し、応援していきたいと考えてございます。
最後に、中野駅周辺のタウンマネジメントに関する御質問でございます。中野駅周辺全体の価値の向上といった公益実現を目指して、基本的な町のあり方などについて合意形成を図りつつ取り組んでいくものとして、駅周辺一帯を対象としたタウンマネジメントが機能していることが必要であると考えております。また、各地区の地権者などが管理責任者としてなすべき空間管理やメンテナンスなどをより効果的、効率的に進めていくことを目的として、近隣の関係主体と連携して取り組み、それがその地区の魅力向上に波及していくようなものとして地区ごとのエリアマネジメントが働くことが望ましいのではないかと考えております。
こうした観点を持って、現在、その活動内容や組織のあり方などに係る基本的な考え方について検討しているところでございます。
○副議長(久保りか) 以上で高橋かずちか議員の質問は終わります。
中野区議会議員 伊 藤 正 信
1 平成22年度決算について
2 中野区教育ビジョンについて
3 大規模公園整備について
4 国際交流について
5 介護予防の地域支援事業について
6 総合防災訓練について
7 その他
○副議長(久保りか) 次に、伊藤正信議員。
〔伊藤正信議員登壇〕
○33番(伊藤正信) 第3回定例会に当たりまして、自由民主党の一員として一般質問をさせていただきます。実に、一般質問をするのは3年ぶりでございます。先ほど質問をいたしました高橋かずちか議員の、初心に返ったつもりで一般質問させていただきますので、どうか、区長をはじめ、理事者の皆様方には御答弁をよろしくお願いしたいと思います。また、こうやって見えますと大分本会議上の顔ぶれも変わったなと思って、今、驚いているところであります。
それでは、質問をいたします。
まず初めに、平成22年度決算について伺います。
平成22年度中野区の財政白書による決算の概要を見ますと、歳入決算総額は約1,052億円、歳出総額は約1,035億円で、実質収支は約13億円の黒字であります。
21年度歳入決算総額は1,230億円、歳出総額は1,213億円で、実質収支は約9億8,000万円の黒字でありました。実質収支の黒字幅が大きいことに越したことはありませんが、歳入歳出の個々の状況をしっかりとらえた上での分析が必要であると思います。前年に比べ、歳入は大幅に減りました。その要因として特別区民税が挙げられると思います。その点をどのように分析しているのか、伺います。
特別区民税は、納税者一人当たりの所得額と納税義務者数が密接に関係していると言われておりますが、財政白書によると22年度の納税者一人当たりの所得額では特別区平均が411万2,000円、中野区が375万7,000円と大きく離れています。この点をどのように分析をしているのか、伺います。
次に、区民税徴収率ですが、23区平均と中野区とでは差があります。どのような理由なのか、毎年の徴収率はどのような傾向なのか、コンビニエンスストア徴収の効果はどうだったのか、また徴収率向上に向けてどのような方策を考えているのか、伺います。
特別区交付金の推移について、区民税に次ぐ歳入の柱である特別区交付金は平成20年をピークに減少傾向となっておりました。今後の経済状況を見ると、減少傾向はさらに続くと想定されます。財政運営においてどのように考えているのかもお伺いいたしたいと思います。
次に、歳出総額の推移は、平成21年の1,213億円に比べ平成22年は1,035億円で15%減となっております。その中で、公債費、扶助費、人件費を合わせた義務的経費は平成21年の562億円から574億円と微増しております。人件費は15億円、公債費は18億円と減少している中で、扶助費は45億円もの増加であります。22年度は子ども手当などで28億円の増加要因などもありました。経常的支出の生活保護費は12億円の増加であります。平成13年度から一貫して増加傾向をたどっております。人件費削減や事業見直しなどで削減努力をしても、それ以上の生活保護の増加は今後の財政運営に大きな影響を及ぼすと考えますが、どのように区としては考えているのか、お伺いをいたします。
次に、土地開発公社について伺います。
土地開発公社は、区が事業に必要な土地を先行取得するために設立した外郭団体で、金融機関からの借入金により土地を取得しております。土地開発公社の22年度の保有する主な土地の用地名と評価額はどのくらいなのか、伺います。また、金融機関からの借入金残高は幾らあるのかもお伺いいたします。
土地開発公社が土地を取得するために金融機関から借り入れた資金は、中野区の買い取り代金が返済原資となります。区が土地開発公社から土地を取得しない限り土地開発公社の借金は減らず、利息負担も軽くなりません。原則として5年以内に区が買い取ることになりますが、取得して10年以上経過した長期保有の土地はどのくらいあり、そのうち利息支払相当額は幾らなのか、お伺いをいたします。
区が事業に必要な土地として先行取得するために公社が購入した土地は、すなわち事業目的が明確になっているはずであります。5年以内の事業化が見込まれるものであるはずです。期間利息も含めて公社の債務は実質的に区の債務となり、区の財政運営に大きな影響を及ぼします。公社用地の早期事業化を求めるとともに、区の安定的な財政運営に向けての現状分析と事業の見直しが必要かと思いますが、いかがお考えでしょうか。お聞かせください。
次に、中野区教育ビジョンについて、お伺いをいたします。
中野区教育委員会では、平成17年6月に中野区教育ビジョンを策定し、学校教育などの中野区の教育をめぐる諸々の課題を示すとともに、行政・学校だけではなく家庭や地域も含めた、これからの中野区が目指すべき教育の方向性を中・長期的な視点に立って明らかにしました。さらに、平成23年2月に中野区教育ビジョン(第2次)が策定をされましたが、どのような経緯で策定されたのか、お伺いをいたします。また、どのようなプロセスを経て策定されたのかもお伺いをいたします。
次に、八つの目標の実現への取り組みについて伺います。
中野区教育ビジョン(第2次)は、「一人ひとりの可能性を伸ばし、未来を切り拓く力を育む」という教育理念と人間像を達成するため八つの目標を掲げていますが、今後、この目標を達成するためにどのように取り組んでいくのか、伺います。また、今後5年間で重点的に進める取り組みのうち、特に重点的な課題として進行管理を行っていく事業はあるのか、伺います。
子どもたちが自分の可能性を伸ばし、豊かな人間性、社会性や確かな学力、健康、体力などの生きる力を身につけていくために、地域の人々がさまざまな形で子どもたちの教育にかかわり合いを持ちながら、家庭、地域、学校が十分に連携して子どもをはぐくみ、支援していくことが大切です。中野区教育ビジョンが絵にかいた餅にならないよう、教育委員会として地域に根差した教育を目指していくことを期待して、この質問を終わります。
次に、大規模公園整備についてお伺いをいたします。
大規模公園整備について、区は平成21年11月に今後の大規模公園の整備の基本的な考え方として取りまとめており、今後、六つの公園の整備を実施する予定でありますが、その中で公園は憩い、休息、スポーツ、健康増進、人々の交流、緑に代表される環境保全、さらに防災という多様な機能を持っていることが述べられております。ここの公園に対してはさまざまな同僚議員からも質問がありました。特に、3月11日の東日本大震災の後、区民は自分たちの生命を守る避難場所や防災公園の整備について早急に整備してほしいとの声が私のほうにも多く寄せられております。そのような状況下にあって、大規模公園の一つである警察大学校跡地の(仮称)中央部防災公園は現在工事中で平成22年春には完成し、供用開始されると聞いております。区民の皆さんは開園される日を大いに期待しているところであります。また、先般の常任委員会等では、(仮称)南部防災公園、(仮称)鷺の宮調節池上部多目的広場の基本計画が策定され、おおむねの整備スケジュールが説明されました。
そこで、確認を含めてお答えいただきたいのですが、大規模公園として位置付けられている六つの公園である、(仮称)中央部防災公園、(仮称)南部防災公園、(仮称)本町五丁目公園、(仮称)本町二丁目公園、(仮称)鷺の宮調節池上部多目的広場、(仮称)上高田五丁目公園の開園に向けての全体のスケジュールはどのようになっているのか、お伺いをいたします。
また、それぞれの公園整備を策定する場合には地域の特色を生かし、地域の意見を十分汲み取ることが必要であると考えますが、実際どのように進めるつもりなのか、お伺いいたします。
さらに、公園を整備するには用地の手当てを含めて多大なコストが必要であると考えますが、資金手当ての基本的方向性はどのようにお考えなのか、お伺いをいたします。
最後に、事業を整備・推進するためには人材の確保が必須であると思います。現在でも中野駅周辺の整備や西武新宿沿線の都市計画道路整備等が進展しておりますが、さらに公園整備も着手するとすれば区の推進体制をどのように考えているのか、お伺いをいたします。
中野区の公園地率は23区ではたしか下から2番目という不名誉なデータがあります。これらの公園が整備された暁には、都市の今日的課題である緑を主体とする環境保全や地域コミュニティーの活性化に寄与できることを御期待申し上げまして、この質問を終わります。
次に、国際交流について伺います。
昨日も中村議員、そして第2回定例会ではやながわ妙子議員、そして第1回定例会では私どものいでい良輔議員がそれぞれ国際交流について質問をいたしました。私からも改めて質問をさせていただきます。
初めに、西城区と陽川区との今後の交流について伺います。
北京市西城区とは、昭和61年に友好関係を結んでから今年で25周年を迎えます。この四半世紀の間、西城区からは西城区幹部の視察団や職員の研修団がたびたび中野区を視察しており、また中野まつりへの区民芸術団の参加や少年野球チームの交互交流など幅広い区民交流が行われています。北京市西城区とは長年にわたり行政交流、区民交流が行われてきた歴史があります。今年度は西城区との友好関係締結25周年の記念行事として西城区への中野区からの訪問団の派遣が予定されておりましたが、東日本大震災を受け策定された緊急対策中野2011により区はさまざまな対応を迫られたことに伴い、派遣は中止となりました。しかし、今まで積み上げられてきた交流のともしびを消すことなく続けていくことが今後さらに重要になると思っております。西城区との今後の交流を中野区としてどのように取り組んでいくのか、区長のお考えをお伺いいたします。
次に、ソウル特別市陽川区との交流の取り組みについてであります。
中野区と陽川区は相互理解と信頼関係を積み上げた、その交流の結果が実り、昨年11月には中野区において姉妹都市提携が締結をされました。今年度は陽川区との友好交流を開始する記念すべき年であり、中野区から訪問団を派遣する予定となっておりました。しかし、西城区と同様に、陽川区への訪問団派遣も中止となり、大変残念であり、やむを得ない判断であるかと思います。
そこで、お伺いをいたします。陽川区との友好交流については、平成24年度はどのようなことを行うのか、またその後の展望はどういったものになるのか、区長のお考えをお聞かせください。
次に、国際交流協会への支援についてお伺いをいたします。
中野区では、民間交流については国際交流協会が西城区との少年野球チームの交流やニュージーランドのウェリントン市との教育交流など大きな役割を担っております。また、先月の22日に中野ZERO西館において、夏休み子ども日本語クラスの「やったね!の会」が開催をされました。私も娘と一緒に参加をいたしましたが、中国、韓国、フィリピン、マレーシアなどから来た子どもたちの日本語を取得しようと頑張っている姿に大変感動をいたしました。このように、区民同士の交流とともに、地域の外国人の生活支援においても国際交流協会の果たす役割には大きなものがあると思います。
そこで、伺います。区は、国際交流協会への支援は今後どのようにしていくのか、今後の民間交流における役割も踏まえた上で区長のお考えをお聞きしたいと思います。
以上で国際交流協会は終わります。
次に、介護予防の地域支援事業についてお伺いをいたします。
平成23年8月現在で、中野区内の介護保険の65歳以上のいわゆる第1号被保険者6万1,440名に対して1万1,460名の方が認定されております。認定率は18.7%と、実に5人に1人の近い割合で、実際には6人になるかと思いますが、介護保険を受けている状態であります。平成18年度から、65歳以上の高齢者が要介護状態になることを予防するとともに、要介護状態などとなった場合も可能な限り地域において自立した日常生活を営むことができるよう支援するため、介護予防事業、包括的支援事業、任意事業からなる地域支援事業を行っております。
この1点目の介護予防事業は、特定高齢者事業と一般高齢者事業に分けられておりますが、特定高齢者事業のプログラムは、高齢者把握事業、運動器の機能向上事業、栄養改善事業、口腔機能向上事業、うつ・閉じこもり予防等訪問の事業があります。特に運動器の機能向上事業は、平成21年度はセンター方式により中野区内2カ所で3日間、計6回の教室を開催し、好評をいただきました。昨年から本年にかけて、区内20カ所の接骨院で中野区接骨院の先生方の委託事業として、東京都高齢対策包括補助事業として腰痛・ひざ痛プログラムを実施するなどの取り組みをしてまいりました。大変な効果はあったと思っております。地域支援事業実施要項の改正概要が昨年、平成22年8月から実施され、主な改正点では一般高齢者施策と特定高齢者施策の名称を1次予防事業、2次予防事業と名称を変更し、2次予防事業の対象者については各市町村で親しみやすい通称の使用を推奨することとしています。
そこで、お伺いをいたします。今後、介護予防事業の高齢者の1次、2次予防事業の取り組みを区としてはどのように取り組んでいかれるのか。特に、先に述べたように、2次予防事業を実施する場合には各市町村で親しみやすい通称名が可能となりますので、その辺はどのように考えているのか、お伺いをいたします。
最後に、中野区総合防災訓練についてお伺いをいたします。
去る8月28日の日曜日に、鍋横地域の中野本郷小学校と上高田地域の白桜小学校を会場として、午前9時、東京湾北部を震源とするマグニチュード7.3の地震が発生し、中野区では震度6弱の揺れが観測されたことを想定として中野区総合防災訓練が行われました。私も地元、鍋横地域の中野本郷小学校に地域住民防災組織の一員として参加をいたしました。3月11日に東日本大震災があってから区民の皆さんの防災意識が高まり、小学生の児童から高齢者の方々まで多くの区民の皆さんが参加されておられました。また、区長をはじめ、区の幹部職員や多くの職員の皆さんも参加されておりました。みずからの生命はみずからが守る、自分たちの町は自分たちで守る。自助、共助を基本として、それを支援する公助としての防災関係機関の連携を密にするため、実際の災害を想定した実践的な訓練が展開をされました。主催をした中野区として今回の総合防災訓練の結果をどのように検証しているのか、お伺いをいたします。
参加者が避難所についての理解をより深めるため、初期消火訓練、応急救護訓練、救出救助訓練、避難所資機材操作訓練などを直接体験するなどの学習できる体験型訓練を実施されましたが、参加された方々からはどんな感想や御意見があったのか、お伺いをいたします。
今後30年以内に70パーセントの確率で東京でもマグニチュード7程度の首都直下地震が発生すると言われております。地震発生の瞬時とその後の生活を生き抜くためにも、防災訓練で必要な知識や技術を身につけるなど、区民の皆さんからの防災意識を高めていくために、総合防災訓練だけではなく各地域でさまざまな防災訓練を実施することが必要だと考えますが、区としてはどのように考えているのでしょうか。お伺いをいたします。
そして、最後に1点、中野本郷小学校の会場の前で自衛隊組織を批判されているビラが配布されておりました。このことについて区はどのように対応されたのか、お伺いをいたします。東日本大震災での自衛隊の災害救助活動は大変大きな実績があったと皆様方も御記憶していると思います。だれもが自衛隊の活躍ぶりは認めていることだと思っております。この辺、区としてどのように対応されたのか、お伺いいたしまして、以上で私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 伊藤議員の御質問にお答えいたします。
平成22年度決算について、歳入が大幅に減少した、その分析ということであります。特別区民税についてですが、前年1年間の所得に対して課税されるものであります。21年度課税につきましてはリーマンショック後の不況の影響が少ない20年中の所得に対する課税でしたが、22年度課税については年間を通して不況の影響を受けた21年中の所得に対する課税でありましたので、22年度の税収が大きく減少するということになりました。
一人当たりの所得額が特別区平均に比べて大きく少ないということについてどう分析するかということでありますが、中野区におきましては、比較的所得の低い年齢層であります20歳代と30歳代の納税者が全体の半数近く47.4%を占めております。こうしたことが納税者一人当たりの所得額が低い原因であると、こう考えているところであります。
中野区の区民税の徴収率の現状や向上策についてどう考えるかと、こういうことです。
中野区の平成22年度の区民税の徴収率は23区中19位と低い位置に低迷をしております。大変申しわけないことだと思っております。中野区の納税者につきましては、短期間で住所を異動したり、あるいは比較的所得が低い若年層が多いというようなことから徴収がなかなか難しいという、そういった一面があるというふうには考えているところではあります。ただし、できるだけ未納、徴収が増えないというような、そういう意味で、現年度分の徴収率をまず上げようというような取り組みを行っておりますところ、区民税現年度分の徴収率につきましては19年度以降3年連続低下しておりましたが、22年度には一応下げどまってわずかながら向上を見たというようなことはございました。
区民税のコンビニエンスストアでの納付、これにつきましては昨年の12月から開始をしましたけれども、予想以上に利用率が高い状況です。28.6%の人がコンビニエンスストアで納付をされました。見込みとしては20%だったということですので思ったよりも利用が多いということであります。したがいまして、区民の皆様にとっての納税の利便性を多少高める効果はあっただろうと、こう考えているところでもあります。
今後は、財産調査や差し押さえ等の滞納処分の強化を図る、このことも大変重要だというふうに思っております。まじめに納めていただいている方が多数を占めていらっしゃる中で、納めずにそのまま済んでしまうということになるということでは不公平になってしまいますので、そういう意味で財産調査や差し押さえ等の滞納処分の強化を図るということが大事だと思っております。また、全庁を挙げての臨戸徴収など、徴収の体制を全庁的に強化をしていくと、こういったようなことも大変重要だと思っておりまして、そうした取り組みを行いながら徴収率を向上させていきたい、こう考えております。
特別区交付金の今後の見通しについてという御質問もありました。特別区交付金につきましては、法人の固定資産税とそれから法人の住民税を原資にしているものであります。これにつきましては企業の業績が反映するものであります。この特別区交付金につきましては、今後、東日本大震災あるいは電力不足、また昨今急激に進んでおります円高など、企業収益の落ち込みが予想されるという、そういう状況の中でその影響があらわれて23年度以降も減少するのではないかというような厳しい見通しを持っているところであります。
それから、経常的支出の生活保護費、これが増加をしているということについての御指摘もありました。生活保護費の増大が区財政に大きな影響を与えていると、このように認識をしております。国では、生活保護制度の新たな取り組みとして、就労を希望するが結びつかない人、また勤労意欲を失い社会から孤立する人に対して社会とのつながりを結び直す支援が有効であるというふうにしており、ハローワークとの共同事業など具体的な方策を検討しているところです。区としては、こういった国の動きも踏まえながら、東京労働局、ハローワーク新宿などと共同して雇用と福祉を一体化する就労支援事業について検討を進めているところであります。今年度におきましては、若年者などの就労支援について強化に努めているところでありまして、こうした努力を続けながら区財政の、区の一般財源の持ち出しの圧縮を図っていきたいと、このように考えております。
また、生活保護制度の改善といったようなこともさまざまに論議をされているところでありまして、各区や東京都とともに国に対し適切に要望活動を行ってまいります。
また、土地開発公社の問題についての御質問もありました。土地開発公社の保有する用地とその評価額はどのぐらいなのかということです。22年度末現在で、公社が保有しております主な土地及びその簿価ですけれども、中野駅北口広場整備事業用地が51億7,000万円あまりであります。また、本町二丁目地区都市基盤事業用地、これが43億3,000万円あまりであります。また、庁舎用地が35億6,000万円、そして中野駅南口市街地整備事業用地が8億円あまりと、大口の部分を並べてみましたが、このようになっております。
金融機関の借り入れ残高ですが、これはすべて合わせますと、22年度末現在で132億1,997万6,280円となっております。
10年以上長期に保有している土地がどのぐらいあるかということですが、これにつきましては、中野駅南口市街地整備事業用地と中野駅北口広場整備事業用地の二つの用地でありまして、これらに要しました支払利息額、これの累計が約8億3,900万円に上っているところであります。
こうしたことを踏まえて、公社の事業用地を長期保有することなく早期に事業化をするべきでないかという、こうした御主張でありました。まことにそのとおりだと思います。また、区といたしましても公社の経営健全化計画というものを1次、2次と続けて行ってまいりまして、2次計画に基づいて公社保有地の買い取りも行ってまいりました。今後とも中野駅周辺まちづくりを中心に着実に事業を進展させていくことなどによって公社保有地を着実に買い取っていきたいと、このように考えております。まちづくりの事業用地というものが取得できる状況になるという時期と事業の準備あるいは事業の計画の成熟度合いが必ずしも一致する場合ばかりでないというようなことから、長期保有にやむを得ずなる場合というのもあるわけでありますけれども、やはり事業計画を適切に持つこと、また計画した事業は着実に進展させていくこと、そうしたことが大変重要だというふうに認識をしているところであります。
こうしたさまざまな問題を含めて、中野区の財政について今後の見通し等についても触れさせていただきたいと思っております。区といたしましては、特別区民税や特別区交付金など、これはいずれも減少傾向にあります。これらについては、これまで一般財源の規模を650億円というふうに設定して、これを基準として財政運営を行ってまいりました。しかしながら、この650億円に達しない収入というのがリーマンショック以降続いていると、こういう状況です。それに加えて、御議論にもありました、扶助費の増加などで歳出のほうは650億円をかなり上回ってしまっていると、こういう状況にあるわけであります。こういった状況が今後もしばらくは続くものと想定せざるを得ないというふうにも思っているところでありまして、改めてこの一般財源を充当する事業の規模については、650億円にできるだけ近づける財政構造にしていくということが急務だというふうに認識をしております。改めまして、すべての事業について徹底した見直しを実施していきたいと、このように考えているところです。
それから、大規模公園整備のスケジュールについてです。六つの大規模公園の開園についてのスケジュールですが、あらまし次のとおり考えております。
(仮称)中央部防災公園は現在整備中です。平成24年の早い時期に開園予定というふうに予定をしているところです。
(仮称)南部防災公園については、今年度基本計画を策定、25年度基本設計、26年度に実施設計、27年度整備工事で、28年度に開園という予定となります。
(仮称)本町五丁目公園ですが、24年度に基本計画、25年度に基本設計・実施設計、26年度に整備工事、そして27年度に開園予定となっております。
(仮称)鷺の宮調節池上部多目的広場は、今年度に基本計画、24年度に基本設計・実施設計、25、26年度に整備工事、27年度に開園予定と、このような形になっております。
また、(仮称)本町二丁目公園については、これは現在、用地は中野区土地開発公社で取得済みでありますが、事業の計画、今後のスケジュールについて調整中というふうになっております。
また、(仮称)上高田五丁目公園につきましては、国の公務員宿舎跡地に計画をしているところであります。国家公務員宿舎の跡地利用活用方針といったようなことに伴って区としての利用を考えているところですが、土地の取得時期あるいは整備方法等を含めて現在未定ということであります。
また、予定、スケジュール等について、今、申し上げたところですけれども、東日本大震災の影響等がございまして、国の財政支出の見通しということが私どもが承知をしている内容とは変わってくる可能性も大きいものというふうにも思っております。そういう意味では、今申し上げたスケジュールが必ずしも確定的ではないということを申し添えさせていただきます。
それから、大規模公園整備の進め方についてどのように地域の意見などを汲み取っていくのかということであります。(仮称)中央部防災公園をはじめとして、これまでも公園の基本計画、基本設計をまとめる各段階で意見交換会を実施し、参加者からさまざまな御意見をいただいて計画に反映できるものは反映してきているところであります。今後も可能な限りこうした形で区民の意見を反映させていきたいと、このように考えております。また、地域の御意見などにも十分耳を傾けながら計画を進めてまいります。
それから、公園整備については大変なコストが必要になると、資金の手当てはどのように考えるのかということであります。
大規模公園、今申し上げたような公園の事業費についてですが、社会資本整備総合交付金など国や都の補助金、交付金等をできる限り活用して整備を進めていきたい、これが大原則であります。また、それに伴って必要となる一般財源についてですが、これについては都区財政調整制度の中で財源措置が可能な事業手法をとるということで進めてまいっているところであり、今後ともこのことを原則として進めてまいりたい、こう思っております。
また、公園整備など事業推進に当たる人材確保も重要であるという御質問がありました。技術職は、今後、さらに専門知識を生かした技術管理や施工管理に力点を置いた職務を担っていくべきだと考えております。技術職の採用に当たっては、年齢構成も考慮しながら、新規採用とあわせて経験者採用制度も積極的に活用してまいります。若手職員につきましては、日常的な仕事を通じてベテラン職員の経験や知識を引き継がせるとともに、早い段階から責任ある仕事を担わせることによって育成に努めてまいりたい、このように考えております。
国際交流についてであります。
西城区、陽川区との今後の交流について。西城区とは25年の長きにわたり積み上げてきた交流があります。これは大変重要な中野区にとっての無形の財産であります。陽川区とは昨年姉妹都市提携を締結し、今後、新たな交流に向け、着実なスタートを切ってきたと考えております。西城区だけではなく陽川区との交流におきましても民間レベルの交流促進が大切であります。今年度さまざまな事情で実施できなかった区民訪問団の派遣などについて、今後検討を行いながら交流の今後の具体的内容の充実を図ってまいりたい、こう考えております。
また、国際交流協会ですが、区民レベルの国際交流の中心的な役割を担っている団体であります。今後とも区民レベルの交流が活発化するために必要な支援を行ってまいります。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 教育ビジョンについてお答えをいたします。
教育ビジョンは、平成18年の12月に60年ぶりの教育基本法の改正や新学習指導要領など教育をめぐる状況の変化を踏まえて見直しを行い、教育基本法に基づく教育振興基本計画として策定したものでございます。策定のプロセスにおいては、平成21年度から2年間をかけて教育委員会で議論をまとめたもので、区民意見交換会、パブリックコメント手続を実施、それらの結果を踏まえて策定をしたものです。
進行管理でございますが、八つの目標ごとに目標の実現に向けて取り組みを進めております。今後、5年間で重点的に進める主な取り組みとしてさまざまなものがございますが、これらの重点課題につきましては、着実に毎年取り組みの進行状況を確認し、進行管理を行うとともに、教育委員会のホームページ等で公表していくこととしております。絵にかいた餅にならないようしっかり取り組んでまいります。
○副議長(久保りか) 質問時間は終了しております。答弁は結構でございます。
以上で伊藤正信議員の質問は終わります。
議事の都合により、暫時休憩いたします。
午後3時02分休憩
午後3時25分開議
○議長(大内しんご) 会議を再開いたします。
この際、申し上げます。
議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 むとう 有 子
1 区立公園トイレ及び公衆トイレにトイレットペーパーを設置することについて
2 生活福祉資金貸付制度及び民生委員について
3 電力調達入札の導入について
4 その他
○議長(大内しんご) むとう有子議員。
〔むとう有子議員登壇〕
○39番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただいた御意見をもとに質疑いたします。
1番目、区立公園及び公衆トイレにトイレットペーパーを設置することについて、お尋ねいたします。
中野区の公園及び公衆トイレには、ペーパーホルダーはありますが、肝心なトイレットペーパーが設置されていません。そこで、自宅近くの公園トイレに善意で日常的に自費でペーパーを設置してくださっている区民の方がいらっしゃいます。しかし、とっさのときに困らないよう、すべてのトイレにペーパーを設置するべきだと考えます。そこで、公園担当に事情を伺ったところ、中野区ではこれまで一度もペーパーの設置をしていない、他区もペーパーの設置をしていないのではないかと話されました。そこで、区議会事務局を通じて調査していただいたところ、ペーパーの設置をしていないのは中野区だけで、他の22区では設置していることがわかりました。どこの区も清掃受託業者が清掃時にペーパーの補充をしています。ペーパーの盗難や便器への詰め込みなどのいたずらは年に数回はあるようですが、一部の不心得者に屈せず、区民の利便性を考え、ペーパー設置を続けているようです。なお、調査結果後に、ペーパー設置をしていないのは中野区だけとわかり、あわてた担当分野から、指定管理者が管理している四つのトイレのみペーパーが設置しているとの追加報告がありました。公園及び公衆トイレにおけるペーパーの設置は区民への最低限度のサービス提供だと考え、ペーパーの設置を求めます。いかがでしょうか、お答えください。
次に、生活福祉資金貸付制度及び民生委員についてお尋ねいたします。
生活福祉資金貸付制度とは、低所得世帯、障害者や介護を要する高齢者のいる世帯に対して、その世帯の生活の安定と経済的自立を図ることを目的に資金の貸し付けを行うものです。貸し付けは都道府県社会福祉協議会が決定し、資金は国が3分の2、都道府県が3分の1を負担しています。申し込みは、この制度創設の歴史背景から居住地担当の民生委員を通じて行うことになっていますが、現実には中野区社会福祉協議会──以後「社協」と略します──が申し込み窓口を担い、申請過程で民生委員の訪問審査が行われています。
さて、ここで、先日区民の方から苦情が寄せられました。貸し付けを希望される区民の方が中野区から紹介され社協へ相談に伺い、申請の準備を始めました。数日後、社協から民生委員の丸々さんがいついつ訪問審査に来るということを知らされました。最初の相談のときに居住地担当の民生委員の訪問審査があることの説明が不足し、担当の民生委員の氏名が明かされていませんでした。たまたまその区民の方と民生委員は同じ集合住宅に居住していました。お二人が信頼関係で結ばれていれば問題はないのかもしれませんが、近過ぎる居住関係からか、信頼どころか不信感をお持ちで、生活福祉資金を借りなければならない家庭の経済状況や家の中の様子などのプライバシーを民生委員とはいえ御近所さんに知られてしまうことに大きな不安を感じ、他の地域の民生委員に変えてほしいと希望されました。結果的には他の地域の民生委員に変えていただけましたが、既にその区民の方の情報と調査票が居住地担当の民生委員に渡っていました。貸し付け相談時に事前に民生委員の訪問調査の説明と氏名の伝達、及び事情があれば民生委員を変えることができる旨の説明の徹底を図るよう、社協への要請を求めます。お答えください。
民生委員は、非常勤の特別職の地方公務員に該当し、1カ月活動実費として8,600円が支給されるだけですが、地域福祉の担い手としての責任は重大です。東京都民生委員選任要綱によれば、適格要件として、「社会福祉の精神に富み、人格識見ともに高く、生活経験が豊富で、情理をわきまえ、人情の機微に通じ、社会的常識をもち、責任が強い者」と書かれています。さらに、選任に当たっての留意事項には、「選任は、真の適格者を求めることを主眼とすべきものであって、地域団体などの機械的交替や割振りであってはならない。また、適格な候補者が定数まで得られない場合でも、便宜的に選出しないこと」と書かれており、厳格に適格者を選任することが求められています。社会情勢の変化に伴い担い手不足があり、選任に苦慮されているとは思いますが、適格者であれば地域の方とも信頼関係が築けているはずであり、前に述べたような交代の要望は起こらないのでないかと推測します。民生委員の適格要件の担保を厳格にする手だてを講じる必要があると考えますが、いかがでしょうか。お答えください。
また、区は民生委員の職務に関して必要な指導ができることになっていますが、これまでに指導を行った実績があればお答えください。
次に、他の議員の質疑と重複いたしますが、私からも電力調達入札の導入についてお尋ねいたします。
東京電力をはじめとした電力会社は、電力の安定供給の名のもとに電気料金を総括原価方式で決めることになっています。この方式は、すべての費用を総括原価としてコストに反映させ、そのコストに一定の報酬率を上乗せした額を電気料金とします。つまり、絶対に赤字にならず、原発などのお金のかかる資産をつくればつくるほど利益がふえます。勢い見積もりが多めになることが常であり、地域独占企業なのでコスト削減の競争意識がなく、結果として私たちは世界で最も高い電気を買わせられていたのです。
ただし、現在は、電気は地域の電力会社、中野区でいえば東電から買うしかないわけではありません。2000年から参入規制が順次撤廃され、特定規模電気事業者、いわゆるPPS事業者が電力の小売り自由化を開始しました。同時に、原子力発電所を所管し、なおかつ電力小売市場の自由化を推進する経済産業省は、官庁として初めて電力調達の入札を実施し、電気料金を減らし続け、1999年度に東電に支払った約3億円から2010年度は丸紅とほぼ半額の1億6,766万1,689円での契約となり、東電の電気料金が高過ぎることが歴然となっています。また、2005年には50キロワット以上の高圧契約をする利用者が電力の購入先を選べるようになり、今現在、PPS事業者は46社あります。電力自由化の推進によるメリットは電気料金の削減です。また、東京都発行のエネルギー環境計画書に各電気事業者のCO2排出係数が公表されていますが、それによれば、PPS事業者も東電と大差なく、東電よりも低いPPS事業者もあり、環境面での配慮もなされています。2008年に改定された環境省行政効率化推進計画の中には、契約電力50キロワット以上の電力供給契約はすべて入札を実施することと書かれています。つまり、通産省も環境省も電力の入札を推進し、みずから実施しているということです。防衛省のみが東電で、既に他の省庁はすべてPPS事業者と契約をしています。
23区清掃一部事務組合と東京ガスが共同出資し設立した東京エコサービス株式会社──これもPPS事業者です──は、2010年から中野区内の小・中学校6校に、2011年からは8校に東電よりも安い電力を供給しています。しかし、これは競争入札ではありません。区が清掃一部事務組合の構成員として出資している会社とはいえ、本来は競争入札をすべきです。2010年度の区有施設の電気料金の総額をお答えください。
CO2排出係数が東電と大差ない中、競争入札によって少しでも安い電力を使うことは経済的合理性からも当然です。今さら検証すべき課題は見当たりません。順次、早急に区有施設への電力調達入札の実施を求めます。見解をお答えください。
誠意ある答弁を求め、すべての質問を終わります。
〔都市基盤部長服部敏信登壇〕
○都市基盤部長(服部敏信) 私からは、公園等のトイレのトイレットペーパー設置につきましての御質問にお答え申し上げます。
公園トイレ等へのトイレットペーパーの設置は各区まちまちの状況であると認識してございます。区では盗難やいたずらなどさまざまなトラブルの要因となるために設置をしてきておりませんが、需要が多く、かつ管理の可能な場所のトイレにつきましては設置している例もあります。今後、新設するトイレ等でも可能な場所につきましては設置していきたいと考えてございます。
〔地域支えあい推進室長長田久雄登壇〕
○地域支えあい推進室長(長田久雄) 私からは、生活福祉資金制度及び民生委員に関する御質問についてお答えをさせていただきます。
まず、社会福祉協議会への苦情に関してでございますが、独立した団体である社会福祉協議会の固有事業のことでもあり、区として苦情事例の詳細を知る立場にはございません。なお、聞く限りでは、特段民生委員が不適切な行動をしたというふうには考えてはおりません。
次に、民生委員の選任についての御質問がございました。民生委員の選任過程では地域の実情をよく知る町会・自治会などの代表からなる地域ごとの民生委員推薦準備会での人選を踏まえて、中野区民生委員推薦会が候補者を選定し、東京都へ推薦する仕組みとなってございます。こうした選任手続を踏むことで民生委員としての適格者が選ばれ、民生委員として熱心に活動されているものと認識をしているところでございます。
それから、民生委員の指導についての御質問もございました。民生委員に対しては区はこれまで適切に指導をしてきたところでございまして、民生委員はそれに従って活動してきたというふうに認識しているところでございます。なお、個別の事例については答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
私からは以上でございます。
〔経営室長川崎亨登壇〕
○経営室長(川崎亨) 電力調達入札の導入についてお答えをいたします。
まず、平成22年度の区有施設の電力料金でございますが、平成22年度決算における電力料金の総額は約4億5,000万円でございます。
次に、競争入札による電力の調達、PPSの導入ということでございますが、先日もお答えしたとおり、PPSにつきましては、電力の安定供給が可能であるか、またバックアップ体制が複数確保できているか、そして発動方式については火力も含めてさまざまございますのでCO2削減に寄与する方式かなど、幾つかの課題について検証をしていく予定でございます。
〔むとう有子議員登壇〕
○39番(むとう有子) 確認をさせていただきます。
公園のトイレットペーパーのことですけれども、新設する公園、あと可能な公園というようなお答えだったかと思うんですが、他区22区では全部の公園にほぼつけておりますので、可能な公園という、可能というのはどういうことなのか。ホルダーがありますので設置することは可能です。どういうことをおっしゃっているのか。これは、ぜひ積極的に区民に対する最低限のサービスということでトイレットペーパーの設置を積極的に求めていきたいと思っていますので、再度答弁をお願いしたいと思います。
〔都市基盤部長服部敏信登壇〕
○都市基盤部長(服部敏信) 再質問にお答え申し上げます。
繰り返しの御答弁になりますけども、今後新設するトイレ等での可能な場所につきまして設置していきたい、そういう方向で検討していきたいと考えてございます。
○議長(大内しんご) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 近 藤 さえ子
1 介護保険について
2 その他
○議長(大内しんご) 次に、近藤さえ子議員。
〔近藤さえ子議員登壇〕
○29番(近藤さえ子) 介護保険について。
介護保険制度は、2000年のスタートから11年経過し、数回の改正を経て、2012年の4月に新たに改正されます。来年4月の改正介護保険法では、「国及び地方公共団体の責務として、被保険者が可能な限り住み慣れた地域で、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、介護サービスに関する施策、介護予防のための施策及び地域における自立した日常生活のための支援のための施策を、医療及び住居に関する施策との有機的な連携を図りつつ包括的に推進するように努めなければならない」として、高齢者が地域で自立した生活を営むために、医療との連携、介護サービスの充実、予防の推進、見守り、買い物などの多様な生活支援のサービスの確保や権利擁護、高齢者の住まいの整備という五つの視点で取り組む地域包括ケアの実現が目標となっております。
また、今回の改正では、昨年6月に閣議決定された地域主権戦略大綱に基づいた変更点が見られます。例えば、指定介護老人福祉施設に関する基準の施設及び入所定員にかかる基準を条例に委任する。つまり、自治体によって施設の定員数を決めることができる等、地域の自立性及び自主性を高めることが求められています。今回の介護保険改正は、生活支援、権利擁護、住まいの提供が改めて位置付けられ、高齢者の生活ニーズに合う改正となるのではないかと期待しますが、自治体によってサービスに差が出てくることもあると考えられます。
現在、中野区では第5期事業計画を策定しています。第4期事業計画の評価がなされ、第5期事業計画では、改正介護保険法の趣旨にのっとり、他の自治体に決して劣ることのないサービスが展開されなければならないと思いますが、どのように取り組むのか、区の姿勢と意気込みをお聞かせください。
地域密着型サービスの認知症グループホームについては、第4期事業計画どおり、来年3月に11カ所目が完成予定です。私の地元のグループホームでは事業者が地域の高齢者との交流に力を入れ、地域からはいずれ私もこんなところに入りたいとの声が聞かれるほど好評であると確認しています。また、グループホームの中には、土地の所有者が土地を提供し、御自身もホームの中に部屋を持ち、ホームに入った皆さんと同じように介護を受けて生活されているホームもあります。認知症のグループホームの需要がふえる中、数的にも質的にもさらなる地域密着型サービスの充実が必要とされると考えます。その一方、これまで1人でしっかり生活されてきた高齢者が体力の衰えによる生活不安や家の維持管理の難しさから自宅を処分して遠方の特養施設に入らなければならない現実も多く見てきました。足腰が弱った高齢者の生活をサポートするにはこれまでの介護保険サービスだけでは間に合わないのです。できることならこの土地で一生暮らしたかった、住みなれた中野の地を離れることはつらいけれど、自分1人では生活ができないので仕方がないですと、皆さん同じことを語られて住みなれた地域を後にされます。そして、高齢者が引っ越された住宅の跡地はほとんどが細かく分割され、共同住宅や小さな数軒の戸建てに変わり、日中人のいない住宅がふえ、地域の雰囲気も変わっていきます。中野区は、住宅密集地で、財政的にも厳しく、特養ホームなどの施設は他区と比べて少なく、現在でも多くの待機者がいます。これから高齢化が進み、区民がなれ親しんだ地元での生活を希望しても、また区の施策が在宅介護サポートに注力してもなお、現実には住み続けることが困難な高齢者がふえる可能性は高いと思います。
そこで、先ほど申し上げたような、在宅高齢者が御自身の土地を手放し遠方の介護施設に入らずにすむように、御自身の敷地を活用し認知症グループホームをつくっていけば、地域の高齢者も長年住みなれた土地を離れず一緒に生活ができ、かつオーナー御自身もそこで暮らすことができると考えますが、区の御見解を伺います。
また、第5期事業計画策定に当たりパブリックコメントの時期をお尋ねしたところ、前回同様、来年1月ごろであるとの回答でした。今回の介護保険の改定には小規模多機能居宅事業所と訪問看護の一体化が示され、これも地域密着型サービスに位置付けられています。生活支援サービスや権利擁護、予防、これらも市町村が主体となる事業です。実際に介護保険を利用している高齢者や家族の声は貴重な資料となるはずですが、来年4月からスタートする計画のパブリックコメントが来年1月実施では形式的なものになり、区民の声が計画に盛り込まれる可能性は低いと考えます。例えば、世田谷区のように第5期事業計画素案への区民意見募集が始まっている自治体もあります。世田谷区では、区民参加を募るために計画の素案説明や専門家によるパネルディスカッションを行う予定です。(9月27日ホームページ記載)また、第5期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画について区民の意見提出用はがきを印刷した広報(9月20日号)を制作したり、新聞折り込みにも入れて広く区民の意見を集めようとしています。来年の1月にパブリックコメントを実施する中野区とでは区民参加を計画的に反映させようという意気込みに既に差があるように感じますが、いかがでしょうか。
第5期中野区介護保険事業計画の策定に当たり、真に区民のニーズにあった計画がされることをお願いして、この項の質問を終わります。
その他で、高齢者が安心・安全に暮らすために、8月、防犯講演会「安全に暮らすための七つの秘策」が堀江高齢者福祉センターで開かれました。私も参加しました。高齢者福祉センターでの講演で参加者の多くは高齢者でしたが、講演の内容はわかりやすく有意義なものでした。ひったくりに遭わないために、振り込め詐欺に引っかからないために、空き巣に入られないためになどの心得の話がありました。空き巣に関しては、86%があらかじめ下見をして空き巣に入る家にねらいをつけているそうです。地域の家のごみの出し方、落書きがそのままになっている、放置自転車がある、電柱に違反公告物がある等を見て入りやすさを決めている。逆に、自宅に花を植えている家は空き巣に入られにくいそうです。つまり、住民が不在がちであり、周囲も住まいの環境にかまわない地域がねらわれるということです。参加者は、大変参考になった、私たちの地域でもこのような防犯の講演をお願いしたい、賢く生きなければいけないと勉強になりましたと、それぞれ感想を述べ、大変好評でした。
今回の講師は、安全・安心まちづくり条例の施行に伴い、東京都が平成16年から17年に開催した安全・安心アカデミーという防犯リーダーの養成講座で学ばれた区民の方でした。彼のような防犯リーダーがほかにもいるなら他の地域でもこのような講演会が開かれればよいと考え、防犯リーダーの存在を職員に伺いましたが、受講者のその後は区では把握していないということでした。せっかく養成講座を受講された防犯リーダーを把握されていないことは残念です。このように防犯に詳しい方から高齢者の皆さんに注意を呼びかけるような機会を区が進んで展開していくことは高齢者を守ることになり、よい取り組みと思いますが、いかがでしょうか。
また、電柱の違反広告物が放置されている地域も空き巣にねらわれやすいということでした。中野区では電柱の違反広告物除去協力員がいると伺っていますが、どのような体制になっているのでしょうか。
地域が美しく保たれているということはいつも地域の住人の目線が注がれているあらわれであり、結局は防犯につながることがわかります。公園や公共施設に花を植える等の区民の町の美化への取り組み等を区報などで紹介してはいかがでしょうか。多くの区民が自分の住まう地域に関心を持つことが安全・安心なまちづくりの一翼になると思いますが、御見解をお聞かせください。
これで私のすべての質問は終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区民サービス管理部長登弘毅登壇〕
○区民サービス管理部長(登弘毅) 私からは、介護保険事業計画に関する御質問にお答えをいたします。
区では、平成24年度から26年度の3カ年を計画期間とする第5期介護保険事業計画を策定するに当たりまして、介護が必要となっても住みなれた地域で生活し続けられるよう、四つの生活圏域ごとに介護サービスについてのニーズ調査等を行い、計画に反映していくこととしています。また、この計画の策定に当たっては、他の自治体の取り組み状況なども十分参考としながら計画内容を検討していきたいと思います。
以上です。
〔健康福祉部長田中政之登壇〕
○健康福祉部長(田中政之) 私からは、介護保険についての御質問のうち、地域のグループホームのあり方についてお答えをいたします。
区民が所有する区内の土地を認知症高齢者グループホームなどの福祉施設として活用していくことは、高齢者が住みなれた地域で生活できることとなり、地域福祉の向上に寄与するという点で有意義であると考えているところでございます。認知症高齢者グループホームの整備につきましては、現在、中野区保健福祉審議会で介護保険事業計画に盛り込むべき内容について審議をしているところでございます。この答申を踏まえ、策定する計画に従い、着実に整備していきたいと考えております。
以上でございます。
〔都市基盤部長服部敏信登壇〕
○都市基盤部長(服部敏信) 私からは、その他の項の御質問、安全・安心という御質問でございます。
その一つに、地域における防犯の取り組みという御質問がございました。地域の中で区民の皆さんが防犯に関心を持たれ、みずから取り組んでいく機会がふえるよう、人材の発掘や紹介も含めて防犯に関するさまざまな情報の提供や啓発活動等を通して、そういう取り組みを行っている機会、そういった部分では区としても積極的に働きかけてまいりたいと考えてございます。
次に、違反広告物除去の協力員の制度の概要ということで御質問いただきました。違反広告物除去協力員制度は、区民5人以上で構成する団体の協力を得まして、国道上の電柱や街路灯などに張られた違反広告物の除去に協力していただく制度でございます。現在、町会が1団体と社団法人全日本不動産協会中野・杉並支部さん、東京都宅地建物取引業協会中野区支部の合計3団体が登録されて、毎月1回程度ボランティアとして活動されてございます。昨年度は10回活動し、累計で1,600枚の張り紙を除去されてございます。
次に、花を植える活動の御質問もございました。区立公園やポケットパークなどで花壇づくりをはじめとして、清掃や除草などの管理作業を区民3人以上で構成する団体が主体的に行っていただいてございます。現在、14団体が登録を受けまして、苗の植えつけや花壇の整備などを行っていただいてございます。こうした取り組みが地域のコミュニケーションを活発にし、公園への親しみを深めていただくよう、今後とも中野区報や区のホームページなどによります広報に努めまして活動の広がりを図ってまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○議長(大内しんご) 以上で近藤さえ子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 林 まさみ
1 事業改善方針に基づく事業見直しについて
2 平成23年度の組織改正について
3 その他
○議長(大内しんご) 次に、林まさみ議員。
〔林まさみ議員登壇〕
○18番(林まさみ) 中野・生活者ネットワークの立場から、第3回定例会での一般質問をいたします。
初めに、事業改善方針に基づく事業見直しについてです。
事業改善方針に基づく事業見直しについて、第2回定例会において、区長は行政報告の中で次のように述べています。
区財政はさらに厳しくなることは明らかなことから、区の財政体力に応じた区政経営を行うために、新しい目標体系に基づく事業のあり方や執行体制、事業・制度内容の見直しを行い、目標と成果による区政経営を強固で機動的なものとするとしています。昨年度はこれまで見直されていなかった事業のあり方や執行体制等について改めて検証し、28事業見直しを行ったとの報告がありましたが、この28事業を見ると、特別支援教育の見直しによる歳入確保や中野まつりの補助の取りやめ、地震災害時に必要な防災用備蓄物資購入を先送りしたもの、DV電話相談事業委託等の縮小によるものでしたが、1億6,000万円の歳出の圧縮しかできなくて、この程度ではとても歳入に見合った歳出の削減をしたとは到底言えません。
区の財政状況を見てみますと、2011年度の中野区の一般財源規模は657億円であるにもかかわらず、財政調整基金を取り崩し、過去最高の1,000億円を超える予算を編成しました。この間、おおむね4年の起債の借り入れを見てみますと合計で105億円余となっています。この起債は、10年間で償還できるようにするために毎年減債基金へその借り入れ額の10分の1を積み立てていくことになります。2011年度の減債基金への積立額は28億円です。つまり、657億円の一般財源規模の中野区の歳入から起債償還分のための減債基金積立金は使うことができず、減債基金積立分の増加は中野区の今後の事業執行に大きな負担となります。この間の予算での説明においては、中野区は公債費負担比率を10%以内を維持し、健全な財政運営を行うとしてきましたが、現在の公債費負担比率は10.3%であり、とても健全な財政運営が行われているとは思えません。その上、少子・高齢化とともに納税義務者の減少や区内納税者一人当たりの平均年収が10年連続減少している中、特別区民税の未収金が増加し、国民健康保険料の滞納によりその補てんとしての一般会計からの繰出金も年々増加しています。そのため、真に行わなければならない介護事業や福祉施策など、またウナギ登りの扶助費の増加にこれからの区財政が対応できるのかどうかも疑問です。
2010年度中野区各会計歳入歳出決算審査意見書においても、経常収支比率は一般的に望ましいとされている値から乖離しており、さらに公債費比率も二けた台に近づいている状況から予断を許さないとし、特に公債費については、昨年多額の地方債発行により公債費の増加が予測されるだけではなく、10か年計画(第2次)による区立学校の再編、施設整備、中野駅地区整備などに相当額の発行が見込まれると指摘しています。私はこの監査意見書を読んで、中野区がこれから進めようとしている大規模事業計画の早急な見直しと、より健全な財政運営の確立をするように求められていると感じました。
そこで、伺います。事業改善方針に基づく事業見直しですが、今年度はどのような見直しが行われるのでしょうか。昨年度と同じような事業見直しのやり方では歳出の圧縮は到底望めず、効率的、効果的な事業見直しを行わなければより健全な財政運営とはなりません。区民にとって真に必要で価値のある施策を行うために、健全な財政運営の確立をするための大胆な見直し作業を行うべきであると考えます。区の見解をお聞かせください。
次に、2011年度の組織改正について伺います。
田中区政となり、10年目となります。区は毎年のように組織改正を行い、3度の大規模な組織改正を実施しました。第2回定例会において質問したBCP(事業継続計画)についてですが、国でさえこのBCPを作成するのに苦労し、その実効性や精度が問われているところです。ましてや、人事異動があるたびごとに現場職員の居住状況が変わることから、緊急時の職員配置等、実効性のある計画を作成するのは困難であるとの声も上がっています。計画策定などにおいては、人事異動だけでも問題とされているのに、中野区のように頻繁に組織改正が行われているのは問題です。
さらに、中野区では管理職の異動も頻繁に行われています。この3年間の副参事級の管理職の人事異動を調べてみましたら、2年以内の短期異動者は延べ50人で、管理職の約33%となりました。昨年だけで見ると、医師、任期つき、教育職を除く管理職63人のうち、2年以内の短期異動者は30人と実に半数の管理職が短期で異動しています。ましてや、中野区の危機管理担当を見てみますと、この4年間、毎年担当副参事が変わっており、防災担当副参事も3人変わっています。災害時の緊急対応などを考えるととても考えられない人事異動となっています。これだけ頻繁に組織が変わり担当副参事が変わることは、指揮命令に当たる上でも職員との信頼関係を築くことはもとよりコミュニケーションさえうまくとれずに職員にとっても組織運営の上でも大きなマイナス要因です。結果、職員だけではなく、区民にとってもわかりづらい問題だと考えています。
行財政改革推進のための組織改正は2006年から行われています。2008年には横断的な事業の見直しをするために経営本部体制とし、2010年度に目標体系を全庁挙げて見直し、組織をスリム化するための組織改正を行ったときに、経営分析と統合したばかりの管理改善部門をたった1年で評価部門と改善部門とに分け、それぞれ行政管理(昨年までの危機管理)と経営管理(行政評価)と経営分析・公会計改革(決算)をする組織、そして業務改善と地域情報化推進を一緒にするという、とても理解しがたい組織改正となりました。
そこで、伺います。管理改善分野を分離して、経営管理(行政評価)と行政管理(昨年までの危機管理)と経営分析・公会計改革(決算)、そして業務改善と地域情報化推進としたことでどのような効果をねらっているのでしょうか。なぜ、中野区はこれほどまでに頻繁に組織改正を行うのでしょうか。また、区は大幅な組織改正や毎年行われている組織改正の際にきちんとその組織の成果などを総括した上で新たな組織編成をしているのでしょうか、伺います。
このような組織で本当に組織のスリム化、効率化となっているのか、とても疑問です。このような理解しがたい組織であるがために、また組織改正が行われるというようなことはないのでしょうか。区の見解をお聞かせください。
最後に、その他の項で、雨水浸透対策について質問をいたします。
数年前からヒートアイランド現象などで集中豪雨が都市部に多く発生しています。今はゲリラ豪雨と言われ、頻繁に発生するようになり、都市型水害が起きています。これは地球温暖化がより進んだ影響だとも言われています。市街化の進行によって地表面のほとんどがコンクリートやアスファルトに舗装されているため、都市部における降水は土の中へと直接浸透することがなく、雨水を河川に放流することにより河川が急激に増水しはんらんする危険も増していますし、道路冠水による被害も多く見られます。
中野区でも、8月26日の豪雨により浸水や冠水などの被害が105カ所発生しました。異常気象やゲリラ豪雨による道路冠水による水害の防止や浸水被害を抑制するためには透水性舗装や各家庭における雨水を地下水とするための雨水浸透ますなどが有効と言われています。空から降った雨水は大地へ浸透させて還元する、自然の水循環や水資源の大切さに対する意識を高める必要もあると考えます。
そこで、伺います。中野区でも以前は雨水浸透ますを設置した場合に助成する制度がありましたが、都からの補助の打ち切りとともに助成を中止したと聞いています。妙正寺川がはんらんし、護岸が崩落するなど、杉並区、中野区を中心に6,000棟に及ぶ浸水被害が発生した2005年の集中豪雨対策として、2007年に東京都は都民等からの意見を反映した東京都豪雨対策基本方針を策定し、その後、雨水浸透ますの自治体の助成に対する補助を復活したそうです。中野区では雨水浸透対策についてどのような方針をお持ちでしょうか、伺います。
以上で私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。
〔政策室長竹内沖司登壇〕
○政策室長(竹内沖司) 私からは、事業見直しについての御質問にお答えをいたします。
今年度は、昨年度に見直しを行った新しい目標体系に基づく組織体制のもとで、これまで見直されてこなかった事業、施策のあり方や施行体制について改めて検証を行い、利用者負担や所得制限のあり方、施設の配置等も含めて見直し作業を行っているところでございます。持続可能な区政運営を行っていくためには区として設定いたしました基準となる一般財源規模への歳出の見直しが不可欠であると考えておりまして、その実現に向けて努めていく考えでございます。
〔経営室長川崎亨登壇〕
○経営室長(川崎亨) 私からは、平成23年度の組織改正についてお答えをいたします。
まず、組織改正のねらいでございますが、平成23年度の組織改正は、目標体系等の見直し方針により、区政の重要課題を実現するための目標体系のあり方や組織、執行体制の考え方についてとりまとめ、この内容に沿って実施をしたものでございます。その中で、評価と改善の作業を分離することによりそれぞれの機能を強化することといたしました。この結果、評価は行政管理で、見直し・改善は情報改善分野で行うこととし、その役割を明確にしたものでございます。
また、事業を適時適切に見直し、目標に向かって効率的、効果的な運営を行うために組織の見直しは常に行っていくべきものであると考えております。その組織改正の考え方でございますけれども、中野区は目標と成果による区政運営を基本としPDAサイクルにより見直し改善を図っております。この見直しの結果、より高い成果を得るために組織改正が必要な場合は、今後も臨機応変に組織改正を実施していく考えでございます。
〔都市基盤部長服部敏信登壇〕
○都市基盤部長(服部敏信) 私からは、その他の項の雨水浸透対策の方針につきましての御質問にお答え申し上げます。
中野区では、東京都が策定いたしました東京都豪雨対策基本方針、先ほど議員も引用されましたけども、その趣旨に従いまして、流域対策として公共施設におけます貯留浸透施設の設置をより一層進めるとともに、民間施設におけます貯留浸透施設設置を促進するため、建築事業者等への指導に努めてございます。なお、雨水貯留抑制施設指導要綱の定着によりまして、そういう方向でさらに指導を深めていきたいと思ってございます。
以上でございます。
〔林まさみ議員登壇〕
○18番(林まさみ) 再質問させていただきます。
評価・改善分野を分離して経営管理と業務改善とに分けて強化したのはわかりますが、経営管理になぜ昨年までの危機管理である行政管理と決算の分析をしている経営分析・公会計改革を一緒にしたのか、業務改善になぜユビキタスの町を目指す地域情報化推進としたのか、その効果がどういうものかを聞いたので、それについてお答えください。
〔経営室長川崎亨登壇〕
○経営室長(川崎亨) 再質問にお答えをいたします。
今、林議員がおっしゃられたように、それぞれの分野の構成、所管事務を再編成いたしました。そのことによってより効率的な区政経営ができると判断をしたものでございます。
○議長(大内しんご) 以上で林まさみ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 石 坂 わたる
1 障害者の就労支援について
(1)知的障害者等の雇用
(2)HIVによる免疫機能障害者の雇用
2 NPO法人やボランティア団体等の公益活動・非営利活動を行う団体・個人との連携につい
て
3 震災に備えて区職員や地域の人材を活用することについて
4 その他
○議長(大内しんご) 次に、石坂わたる議員。
〔石坂わたる議員登壇〕
○7番(石坂わたる) 一般質問を行わせていただきます。
1、障害者の就労支援について。
障害を持つ人が自立をした生活、生活の質(QOL)の高い生活を目指す際、重視される側面の一つとして自己目標や目的を持ち、社会の中で働くということが挙げられます。しかし、現状では、雇用・採用する側が障害者の持つコミュニケーション能力、仕事に対する適正・能力、日常生活能力を過少評価し、その結果、雇用・採用側が障害者の受け入れを躊躇しているという問題もあります。さまざまな障害を持つ人が働く場の確保と障害に対する理解ある職場を増やしていく必要があると思われますが、区はどのようにお考えでしょうか。
(1)知的障害者等の雇用。
国の成長力底上げ戦略(基本構想)では、各府省・各自治体において障害者が一般雇用へ向けて経験を積むチャレンジ雇用を推進・拡大するとされています。また、厚生労働省の障害者の自立促進に向けた雇用就労支援、チャレンジ雇用の推進・拡大でも、各府省・各自治体においては職場実習の受け入れについても積極的に実施、各府省・各自治体での1~3年の業務の経験を踏まえ、ハローワーク等を通じた一般企業等への就職を実現するとしています。
そして、東京都では、都庁みずからの取り組みとしてチャレンジ雇用によって知的障害者や精神障害者を臨時雇用し、その成果を都内の区市町村や企業に広く情報提供するとしています。また、杉並区や港区などでもチャレンジ雇用によってパソコン入力などの事務補助や軽作業などの業務を知的障害者が行っています。区の業務は直接区の職員が担うものや業務委託などさまざまな形で行われています。その中で、現在中野区では、チャレンジ雇用やその他の方法によって、知的障害を持ち、働く希望を持っている人の就労につながる機会の提供、拡充をどのように行っていますでしょうか。また、区として今後どのように拡充していくのかをお教えください。
(2)HIVによる免疫機能障害者の雇用。
東京都では、HIVによる免疫機能障害による障害者手帳の所有者が平成22年度末に4,106人を数えるに至っています。平成21年度厚生労働省科学研究費補助金エイズ対策研究事業、HIV陽性者の生活と社会参加に関する調査の全国調査の結果によると、HIV陽性者の生活実態としてひとり暮らしが4割を超えているという結果が出ており、ひとり暮らし世帯が多い中野区では相当数の免疫機能障害者が住んでいると推測されます。こうしたことは、中野区の更生医療給付において免疫機能障害者への給付件数が人工透析などの腎臓機能障害者の件数の倍近くあることからもうかがわれます。この全国調査の結果によると、HIV陽性者に関して、陽性であることがわかってから約4割の人が転職・離職を経験している。2割を超える人は就労しておらず、6%以上が生活保護を受給している。しかし、HIV陽性者で就労していない人のうちの約7割の人は働ける状態にあり、かつ就労を希望している。そして、こうした方の6割以上が障害者雇用制度を利用する意向を持っているとされています。
昨日、9月29日には、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構が東京障害者職業センターで行った雇用管理サポート講習会で、免疫機能障害の基礎知識と雇用管理を一つのテーマとして取り上げるなど免疫機能障害者の雇用支援が求められています。しかし、中野区在住・在勤の方や中野区区民の方が参加をしているグループなどからのお話を聞くと、HIV陽性者が障害者雇用制度を知らない場合や他者にHIV陽性が知られてしまうことへの不安から相談につながっていない場合もあるようです。中野区では障害者福祉事業団が障害者の就労支援を行っていますが、安心して相談ができる場所としての認識がまだまだ広がっていないようです。HIV陽性者、免疫機能障害者の福祉就労支援という観点での安心して相談ができる窓口の拡充と積極的な広報が必要だと思いますが、いかがでしょうか。区のお考えを教えてください。
2、NPO法人やボランティア団体等の公益活動・非営利活動を行う個人・団体との連携について。
現在、防災・環境・地域福祉などの分野では、行政だけでなく、NPO法人、ボランティア組織、町会・自治会など、区民が主体的に活動し支え合うまちづくりが進められております。しかし、区民の方からは新しく活動を始めたが、どう展開しようか迷っている。せっかく始めた活動について知ってもらう機会がなく、区民の参加になかなかつながらないなどの声もいただいております。こうした非営利・公益的な活動について、地域、分野、そして組織の垣根を超えた情報交換や交流、活動の連携ができる場を区民活動センターや区全体でつくっていくことが必要だと思われますが、今後の計画と方針をお教えください。
また、行政と非営利・公益的な団体との連携、協力、情報交換の機会提供についてはどうお考えでしょうか。例えば、公益活動を行う区民団体の発意による業務委託提案制度などもあります。しかし、区が積極的に非営利・公益的な団体と連携・協力、情報交換をし、公益活動を行う組織や人材を育てていくという発想がなければ実のあるものにならないと思われます。お考えをお教えください。
さらに、こうした公益活動の推進においては、区民にその存在や活動をもっと知ってもらうことが必要です。公益活動団体等に関する広報のあり方について今後の方針をお示しください。
3、災害に備えた地域の人材の活用。
私は、今年8月に東京都行政書士会の会員として石巻市へ、そして中野ボランティアセンターのボランティアとして東松島市へ、計2回被災地の支援に行ってまいりました。東京都行政書士会は宮城県の行政書士会と、そして中野ボランティアセンターは地元のボランティアセンターとおのおの協力をして地元のニーズにあった支援を展開していました。しかし、地元の方から、必ずしもうまくいっている支援ばかりではなく、需要と届けられる支援がミスマッチをしている事例も数多くあるという話を伺いました。こうした支援受け入れの準備や仕組みづくりを考える上で、各組織、個人の経験は欠かせないものと思われます。東日本大震災において区内の団体や個人が支援を行ったさまざまな経験を、首都圏での地震に備えて区において生かしていくことが必要であると考えます。被災地に派遣された区職員、被災地への支援を行った区内の職能団体やボランティア団体など、被災地支援の経験を持つ組織や個人のスキルを中野区の防災に今後どのように生かしていきますか。また、区や区内の当事者団体と連携をし、同じ地域で暮らす高齢者や障害者などの災害時要援護者の状況を把握し、助け合いのネットワークにつなぐ人を育てていくことが必要です。
今年の区の総合防災訓練にも障害者当事者団体が障害者とのふれあいコーナーを設け、地元の防災会やより幅広い区民の方との交流を行っていました。私もボランティアセンターの登録ボランティアとして参加をさせていただきましたが、日ごろ障害者と接する機会が少ない人にとっても障害と防災を考える上でまたとないきっかけとなっていたようです。中野ボランティアセンター発行の「そよかぜ」の10月号にも掲載されていますが、障害者防災委員会が障害を持つ当事者による出張講座も開始しました。災害時要援護者に配慮ができる人を育成していくためにも、まずは今後、防災会ごとに行われる防災訓練の際にも障害者防災委員会をはじめ障害を持つ当事者と連携をした防災訓練が行えるよう、区から防災会への情報提供を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。
4、その他はございません。
以上となります。ご答弁のほどよろしくお願いいたします。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 石坂議員のご質問にお答えをいたします。
障害者の就労の確保と理解の促進ということです。中野区では、これまでに特例子会社の誘致や障害者雇用に積極的に取り組む事業協同組合への支援を通じて障害者の雇用の輪を拡大しています。雇用拡大に当たっては、障害者に対する理解ある職場を増やしていくことが重要だと考えています。民間企業等で働く障害者の姿や障害者を雇用する企業の取り組みを、区報等を通じて広く紹介することなどによって、障害者雇用に対する企業等の理解の促進を図っていきたいと考えております。
区での就労の場の関連のご質問です。中野区では、障害者を対象とした区役所での実習を実施することによって多くの障害者が仕事を体験する機会を提供しているところです。今年度については、区役所での実習の回数を増やして実施をする予定としております。また、平成22年度から区の役務等のうち、障害者就労施設で請け負うことのできる業務を積極的に障害者就労施設に発注することにより、工賃アップに向けた支援を進めていくとともに、庁内印刷の業務を区内の障害者就労施設に委託することによって福祉的就労の場の拡充に努めてきました。
HIVによる免疫機能障害者の雇用に関する問題です。免疫機能障害者の意向に沿った就労支援を行うことができるように、障害者福祉事業団の相談により適切に対応していきたいと考えております。就労支援が必要な方に障害者福祉事業団を活用していただけるように、障害者福祉事業団の行う就労支援について区報などで周知をしてまいります。
それから、震災に備えて職員や地域の人材を活用することについて。
今回の大震災では区職員のほか、区内でも数多くの個人や団体がさまざまな形で被災地支援を行っております。その貴重な経験やノウハウを今後の中野の防災に活用していくことは大変重要だと考えています。そのため、区のボランティア派遣の受け付け窓口となっている社会福祉協議会、被災地の医療活動に従事された医師会などの民間団体とも連携して支援内容の実態を把握するなど、支援に携わったさまざまな団体の経験や意見を震災時のボランティア等の支援受け入れの体制づくりに反映できるよう検討をさらに進めてまいります。
それから、障害のある当事者の方の防災訓練の参加に関連して、です。総合防災訓練では、障害のある方など災害時の要援護者の方々にも積極的に御参加をいただき、地域での連携を図っているところです。これは地域で行われる自主訓練でも有効なことだと思っております。訓練内容の相談や地域防災住民組織との連絡会議の際などに訓練内容の実施例として積極的に情報提供を行ってまいりたいと考えております。
私からは以上です。
〔地域支えあい推進室長長田久雄登壇〕
○地域支えあい推進室長(長田久雄) 私からは、NPO法人やボランティア団体等の公益活動・非営利活動を行う団体・個人との連携についてのご質問について、お答えをさせていただきます。
まず、非営利活動団体の交流と連携についてでございます。
区民活動センターの運営委員会には地域活動の支援業務を委託しておりまして、その中で、運営委員会は地域課題の解決に向けて町会・自治会や公益活動を行う団体の連携の促進を行うこととしているところでございます。区内で活動するNPOと町会や企業との交流の場として毎年区が主催をいたします交流会を開催してございますが、今後、さらに交流機会の拡大に向けて工夫をしてまいりたいと考えているところでございます。
次に、公益活動団体の育成についての御質問がございました。御質問の中にございましたように、業務委託提案制度というものがございますが、この制度の開設から6年が経過し、5年間の中で採択をされた提案は24件中2件にとどまっているという状況でございます。こうしたことから、今後、区といたしましては、公益活動団体との情報交換を重ねながら団体の提案企画力の向上を図る取り組みを進めていきたいというふうに考えているところでございます。また、区職員への研修を通じて公益活動団体との協働に関する意識改革を進めるなど、実効性のある業務委託提案制度として構築してまいりたいと考えているところでございます。
最後に、公益活動団体に関する広報活動についての御質問がございました。区では、ホームページで認証NPO法人の活動内容を一覧で紹介しているところでございます。今後は公益活動団体のイベント情報などについても紹介できるよう準備を進めていきたいと考えてございます。また、団体の活動紹介や人材確保についての知識と手段を習得したいとのNPO団体からの要望も多く、今年度のNPO交流会や講座のテーマに団体の活動紹介の手法や活動人材確保の手法などを取り入れて企画をしてまいりたいと考えているところでございます。
私からは以上でございます。
○議長(大内しんご) 以上で石坂わたる議員の質問は終わります。
中野区議会議員 小宮山 たかし
1 じゃぶじゃぶ池の利用期間延長について
2 児童館乳幼児タイムの充実について
3 その他
○議長(大内しんご) 次に、小宮山たかし議員。
〔小宮山たかし議員登壇〕
○19番(小宮山たかし) 暑い、暑い夏でありました。ことしの夏は観測史上4番目の暑さ、そして昨年の夏に至っては観測史上最高の暑さでありました。西暦2000年を過ぎてから東京では観測史上最高レベルの暑い暑い猛暑の夏が続いていることは皆さんも肌で感じていらっしゃることと思われます。
中野区では、夏の間、子どもたちの遊び場としてじゃぶじゃぶ池という乳幼児向けのプールを開設しております。ことしのじゃぶじゃぶ池は7月の23日から8月21日までの30日間でした。暑い暑い夏が続いている、そしてこれからも暑い夏が続くことが予想されています。それなのにじゃぶじゃぶ池が年間のうちのたったの1カ月しか使えないことについて、乳幼児保護者の間に大きな不満があるそうです。暑い夏のプールは健康増進に役立ちます。中野区の子どもの体力は全国平均を下回るそうですが、乳幼児の運動能力向上に役立ちます。熱中症対策として効果があります。親子のコミュニケーション、親同士のコミュニケーションとしても役立ちます。さらに、ことしは節電の夏でした。そして、来年以降も夏場の電力供給に不安があることが予想されています。親子でエアコンを消して家を出て、屋外のプールで遊ぶということには節電の効果も実はあるんです。
中野区の公園面積率は23区で22番目です。ママさんたちが公園デビューしようにも公園が少ない。木陰で涼をとろうと思ってもその木陰がない。暑い暑い夏に子どもたちが遊べる場所が少ないんです。そして、子どもたちがエアコンのきいた児童館に行ってみると、児童館は週休2日で休んでいる。実に年間の3分の1も中野区の児童館はお休みをしているんです。育児・子育ては年中無休なのに、中野区の児童館、年間の3分の1も、今言いましたけれども、休んでいるんです。児童館は休んでいる。遊べる公園は少ない。だったら、せめて夏の間だけでも中野区のじゃぶじゃぶ池の開放期間を延長してもよろしいんじゃないでしょうか。7月だって暑いんです。9月だって暑いんです。こんなにこんなに暑いのにじゃぶじゃぶ池が8月の前後1カ月しか使えない、この状態を来年度以降もこのまま放置しておかれるのでしょうか。区の見解をお聞かせ願いたいと思います。
そしてもう一つ、中野区の児童館の運営に関しての質問がございます。
中野区は、人口密度が日本で一、二を争うと言われている区であります。我が家も含めて住宅事情に恵まれていない家庭は多く、家の中で子どもたちが飛んだりはねたり暴れたりできない家庭がたくさんあります。かといって、屋外に出てみると、先ほども言いましたように、中野区の公園面積率は23区で22番目、家の中でも家の外でも子どもたちが思う存分遊べる場所が少ないんです。
その中野区において、エアコンのきいた屋内で飛んだりはねたり暴れたり叫んだりすることのできる児童館の存在価値は非常に高いものがあると私は考えております。区内の複数の児童館では、平日はほぼ毎日1日15分から30分程度の乳幼児タイム・子育てなかま作り支援事業を設けており、職員が文字どおり音頭をとって歌やダンスなど乳幼児を楽しませるためのプログラムを実施している児童館があります。乳幼児本人が喜ぶのはもちろん、乳幼児保護者、いわゆるママ友同士の交流の場として非常に意義のある支援事業であると私は考えております。
しかし、この乳幼児タイムは、春、夏、冬の小・中学校の長期休暇中は休止されることになっています。確かに動きのおぼつかない乳幼児と活発に活動する小・中学生を混在させることが危険であることは私も承知しております。小・中学生の長期休暇中に乳幼児タイムが一時休止されてしまうことはやむを得ないことであるという考え方もあります。しかし、夏休みは一番暑い真夏のさなかです。冬休みは一番寒い真冬のさなかです。その時期に乳幼児向けの事業を休止してしまうことは一体いかがなものでしょうか。暑い暑い真夏に乳幼児はどこに行けばいいんですか。寒い寒い真冬に乳幼児は一体どこに行けばいいんですか。暑い暑い真夏こそ、そして寒い寒い真冬こそ、エアコンのきいた児童館の存在意義がふだんにも増して高まるというものです。
ことしの夏の場合、小・中学校の夏休みは7月21日から8月27日までの38日間でした。しかし、区内の児童館の中では最長で69日間も乳幼児タイムを休止している児童館が複数見受けられます。繰り返します。夏休みは38日間、それなのに、一体なぜどんな理由で69日間も乳幼児タイムを休む必要があるのでしょうか。児童館によっては広い乳幼児専用ルームがあるところもあります。たった15分や30分のことですから、小・中学生と乳幼児を混在させないための工夫はできるはずです。それでも、夏季長期休暇中にはたった15分や30分のプログラムを2カ月以上も休まなければならないのでしょうか。区の見解をお聞かせ願えればと思います。
その他の質問はございません。私の質問は以上になります。よろしくお願いします。
〔都市基盤部長服部敏信登壇〕
○都市基盤部長(服部敏信) 私から、じゃぶじゃぶ池の利用期間延長につきましての御質問にお答え申し上げます。
今年度のじゃぶじゃぶ池の事業は、厳しい財政状況の中にありますが、前年度と同様に開設期間30日間を確保したものでございます。じゃぶじゃぶ池の開設を幼稚園の夏休み期間まで延長しますと10日以上の期間延長が必要となることから、その利用実績、区民要望、また気候の状況などを見極めながら判断していきたいと考えてございます。
以上でございます。
〔地域支えあい推進室長長田久雄登壇〕
○地域支えあい推進室長(長田久雄) 私からは、児童館の乳幼児に関する事業についての実施期間の御質問についてお答えをさせていただきます。
御質問にございました子育てなかま作り支援事業につきましては、年度当初に作成をいたします各児童館における年間事業計画の中で、小・中学校等の長期休暇のほか、児童館の季節行事等との兼ね合いを勘案しながら事業の実施期間を定めているものでございます。期間の延長や事業内容の充実については、今後、さらに工夫をしてまいりたいと考えているところでございます。
私からは以上でございます。
〔小宮山たかし議員登壇〕
○19番(小宮山たかし) 今、私が質問の中で申し上げましたとおり、小・中学校の夏季休暇中、非常に必要以上に長い期間休止されておりますので、その間には季節行事がないときもあります。必要以上に長い期間休んでいることはいかがなものかと思っておりますので、再度御答弁をお願いしたいと思います。
〔地域支えあい推進室長長田久雄登壇〕
○地域支えあい推進室長(長田久雄) 小宮山議員の再質問にお答えをさせていただきます。
先ほども御答弁させていただきましたが、それぞれの児童館で年度当初に館運営の全体の合理性を考えながら、しかもそれぞれの児童館の運営協議会の皆様との協議も踏まえた上で年間の事業計画をつくっているということでございます。区の職員が携わる子育てなかま作り支援事業のほかにも、それぞれの地域の担い手の方がさまざまなプログラムを御用意していただくということもございます。館全体の合理性を追求する中でできる工夫はこれからもしてまいりたいと考えているところでございます。
私からは以上でございます。
○議長(大内しんご) 以上で小宮山たかし議員の質問は終わります。
以上をもって質問は終了いたしました。
これより日程に入ります。
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第70号議案 平成23年度中野区一般会計補正予算
第80号議案 中野区自転車駐車場条例の一部を改正する条例
第81号議案 中野区自動車駐車場条例
○議長(大内しんご) 日程第1、第70号議案、第80号議案及び第81号議案の計3件を一括議題に供します。
平成23年(2011年)9月28日
中野区議会議長 殿
総務委員長 佐野 れいじ
(公印省略)
議案の審査結果について
本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。
記
議案番号
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件 名
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決定月日
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第70号
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平成23年度中野区一般会計補正予算
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9月28日
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平成23年(2011年)9月28日
中野区議会議長 殿
建設委員長
南 かつひこ
(公印省略)
議案の審査結果について
本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。
記
議案番号
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件 名
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決定月日
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第80号
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中野区自転車駐車場条例の一部を改正する条例
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9月28日
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第81号
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中野区自動車駐車場条例
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9月28日
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○議長(大内しんご) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により、省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。
本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、これより採決いたします。
上程中の議案を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
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認定第1号 平成22年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について
認定第2号 平成22年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第3号 平成22年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第4号 平成22年度中野区老人保健医療特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第5号 平成22年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第6号 平成22年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について
○議長(大内しんご) 日程第2、認定第1号から認定第6号までの計6件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長金野晃登壇〕
○副区長(金野晃) ただいま上程されました認定第1号、平成22年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について、認定第2号、平成22年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第3号、平成22年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第4号、平成22年度中野区老人保健医療特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第5号、平成22年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第6号、平成22年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について、以上6件につきまして一括して説明いたします。
初めに、中野区一般会計決算について説明いたします。
平成22年度一般会計の歳入総額は998億5,883万2,469円、歳出総額は981億4,667万7,243円で、前年度と比較しますと、歳入で6.6%の減、歳出で6.8%の減となりました。歳入から歳出を差し引いた形式収支は17億1,215万5,226円となり、翌年度に繰り越すべき財源3億6,724万3,000円を差し引いた実質収支は13億4,491万2,226円となりました。
それでは、歳入につきまして、主な款について説明いたします。
第1款特別区税は総額294億8,400円余で、前年度と比較して18億1,500万円余、5.8%の減となりました。これは一人当たりの所得額の減少や納税義務者の減少によるものです。
第2款特別区交付金は総額313億5,800万円余で、前年度と比較して5億5,600万円余、1.7%の減となりました。
第9款地方特例交付金は、特別交付金が時限措置の終了に伴い皆減したことにより、前年度と比較して1億5,800万円余、31.2%減の総額3億4,800万円余となりました。
第13款国庫支出金は、子ども手当ての皆増や生活保護費負担金の増などにより、前年度と比較して15億5,000万円余、10.9%増の総額157億4,400万円余となりました。
第14款都支出金は、公園整備費や国勢調査交付金の増などにより、前年度と比較して10億600万円余、21.0%増の総額57億9,200万円余となりました。
第18款繰越金は、繰越明許費及び一般繰越金の減により、前年度と比較して62億5,300万円余、79.1%減の総額16億4,700万円余となりました。
第20款特別区債は、療育センターアポロ園用地の取得や野方駅の整備に伴う特別区債の減などにより、前年度と比較して16億4,800万円、63.3%減の総額9億5,700万円となりました。
これらの結果、歳入決算額の予算現額に対する収入率は97.2%となりました。
次に、歳出につきまして、大きな増減があった主な款について説明いたします。
第2款経営費は総額93億9,600万円余で、前年度と比較して10億7,500万円余、10.3%の減となりました。これは退職金や中央電算組織の賃借料の減などによるものです。
第3款区民生活費は、定額給付金が皆減したほか、中小企業退職金共済会補助金や清掃一部事務組合分担金の減により、前年度と比較して53億3,800万円余、38.8%減の総額84億400万円余となりました。
第6款都市整備費は、警察大学校等跡地地区都市計画道路や野方駅などの整備に伴う整備の減により、前年度と比較して11億5,100万円余、14.2%減の総額69億3,700万円余となりました。
第7款教育費は、校内LAN整備費や地上デジタルテレビ購入費の皆減などにより、前年度と比較して16億3,700万円余、16.2%減の総額84億5,900万円余となりました。
第8款公債費は、元金償還金の減により、前年度と比較して9億4,300万円余、13.8%減の総額58億9,800万円余となりました。
これらの結果、歳出決算額の予算現額に対する執行率は95.5%となり、前年度より0.3%上がりました。この歳出決算額を性質別に見ますと、人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費は573億6,700万円余で、前年度と比較して4.0%の増となりました。また、投資的経費は69億1,800万円余で、前年度と比較して38.8%の減となりました。
なお、平成22年度決算では、実質収支が13億4,400万円余となり、前年度決算に比べ3億5,700万円余の増となりました。
また、財政指標から区の財政状況を見ますと、前年度と比較して、実質収支比率が0.5ポイント上がり1.8%、経常収支比率が0.9ポイント上がり88.4%、公債費比率が0.4ポイント上がり9.7%となっています。これらの指標を23区平均と比較すると、経常収支比率が2.7ポイント、公債費比率が4.6ポイント、それぞれ上回っており、景気も依然として厳しい状況が続いている中、引き続き歳出構造の見直しと歳入確保に向けた取り組みが必要な状況にあります。
一方、区は新しい中野をつくる10か年計画(第2次)の四つの戦略に基づいた取り組みを着実に進めていくとともに、区政の新たな課題に積極的に取り組んでいくことが求められています。さらに、生活保護や保育、障害者支援、離職者支援などの需要増大にも早急に対応していかなければなりません。こうしたことから、区としては財政健全化をさらに進め、強固な財政基盤を確立していくことが重要であると考えています。
以上が一般会計決算の説明です。
続きまして、中野区用地特別会計決算について説明いたします。
歳入歳出の決算額は同額で58億5,099万288円、前年度と比較しますと歳入歳出とも著しく減少しています。
歳入の主なものは、第1款財産収入が1億3,800万円余で前年度より88.6%の大幅減となりました。第3款特別区債が55億1,600万円で、前年度より107億900万円、66.0%の減となりました。これは平成21年度に先行取得した本町五丁目公園用地に係る特別区債の皆減によるものです。
歳出は、第1款公債費が3億3,300万円余で、前年度より9億1,500万円余、73.3%減となりました。
第2款用地費は55億1,700万円余で、前年度より107億5,800万円余、66.1%減となりました。これは、(仮称)南部防災公園用地や中野五丁目用地を取得したものの、平成21年度に取得した本町五丁目公園用地等に係る取得費の皆減によるものです。
次に、中野区国民健康保険事業特別会計決算について説明いたします。
歳入総額は300億128万4,274円、歳出総額は296億8,128万6,883円で、前年度と比較しますと、歳入が0.7%増、歳出が0.1%の減となりました。
歳入の主なものは、第1款国民健康保険料が83億3,600万円余で、前年度より2,600万円余、0.3%の減、第3款国庫支出金が74億9,300万円余で、前年度より5億8,500万円余、8.5%の増、第5款前期高齢者交付金は31億9,800万円余で、前年度より9億5,200万円余、22.9%の減、第7款共同事業交付金が30億2,400万円余で、前年度より3億3,300万円余、9.9%の減、第8款繰入金は54億3,700万円余で、前年度より7億9,600万円余、17.2%の増となりました。
歳出の主なものは、第2款国保給付費が198億600万円余で、前年度より4億6,100万円余、2.4%の増、第3款後期高齢者支援金は39億8,900万円余で、前年度より3億1,800万円余、7.4%の減、第6款介護納付金が16億7,900万円余で、前年度より1億3,000万円余、8.5%の増、第7款共同事業拠出金は29億4,000万円余で、前年度より4億3,400万円余、12.9%の減となりました。
次に、中野区老人保健医療特別会計決算について説明いたします。
歳入歳出の決算額は同額で1,183万3,447円となりました。平成22年は医療給付費等の精算分のみとなったため、歳入歳出とも大幅に減少しました。
なお、後期高齢者医療制度への移行に伴う経過措置として設けられていた老人保健医療特別会計は平成22年度末をもって廃止となりました。
次に、中野区後期高齢者医療特別会計決算について説明いたします。
歳入総額は52億7,051万8,379円、歳出総額は52億4,761万9,679円となりました。
歳入の主なものは、第1款後期高齢者医療保険料が28億7,000万円余で、前年度より1億3,700万円余、5.0%の増、第2款繰入金が22億8,600万円余で、前年度より1億6,800万円余、8.0%の増となりました。
歳出は、第1款広域連合納付金が51億7,400万円余で、前年度より2億5,200万円余、5.1%の増、第2款保険給付費が6,460万円の皆増となりました。これは後期高齢者葬祭費給付事業が区の一般会計事業から平成22年度より後期高齢者医療特別会計事業に変更となったことによるものです。
最後に、中野区介護保険特別会計決算について説明いたします。
歳入総額は171億720万5,108円、歳出総額は170億5,580万6,209円で、前年度と比較しますと、歳入で2.2%の増、歳出で2.5%の増となりました。
歳入の主なものは、第1款介護保険料が29億9,900万円余で、前年度より1,200万円余、0.4%の減、第3款国庫支出金が37億5,900万円余で、前年度より1億6,400万円余、4.6%の増、第4款支払基金交付金が47億9,000万円余で、前年度より2億1,700万円余、4.8%の増、第7款繰入金が30億1,600万円余で、前年度より2億5,300万円余、9.2%の増、第8款繰越金は8,800万円余で、前年度より3億5,500万円余、80.1%の減となりました。
歳出の主なものは、第2款保険給付費が159億3,200万円余で、前年度より7億5,800万円余、5.0%の増となりました。これは介護サービス利用者の増加に伴う給付件数の増によるものです。第4款基金積立金が3,800万円余で、前年度より1億100万円余、72.5%の減となり、前年度に引き続き大幅な減となりました。第5款諸支出金についても5,200万円余で、前年度より2億5,700万円余、82.9%の大幅減となりました。
以上、平成22年度の各会計決算について説明いたしました。
なお、詳細につきましては、お手元に送付いたしました「中野区各会計歳入歳出決算書・各会計事項別明細書」及び「各調書」、「主要施策の成果」並びに「中野区各会計歳入歳出決算説明書」によりまして御確認いただきたいと思います。
また、監査委員におかれましては、本決算につきまして、7月22日から8月9日までの間、慎重に審査をいただき、別冊のとおり「中野区各会計歳入歳出決算審査意見書」の提出をいただきました。御指摘のあった点については十分に対処していく所存です。
最後になりましたが、ここに平成22年度の決算につきまして議会の認定をお願いする運びとなりましたことは、区議会の適切な御指導と御協力によるものと深く感謝を申し上げる次第です。
以上、認定第1号から認定第6号までにつきまして、よろしく御審議の上、御認定くださいますようお願い申し上げ、平成22年度中野区各会計決算の説明とさせていただきます。
○議長(大内しんご) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大内しんご) 御質疑がなければ、質疑を終結いたします。
上程中の認定第1号から認定第6号までの計6件は、議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、上程中の認定第1号から認定第6号までの計6件は、議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託することにいたします。
──────────────────────────────
中野区の財政の健全化判断比率について
○議長(大内しんご) 日程第3、中野区の財政の健全化判断比率について、報告いたします。
本件につきましては、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき、区長から9月28日付の配付文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。
23中経経第1884号
平成23年(2011年)9月28日
中野区議会議長 大 内 し ん ご 殿
中野区長 田 中 大 輔
中野区の財政の健全化判断比率の報告について
地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき、別添のとおり報告します。
○議長(大内しんご) 本日はこれをもって散会いたします。
午後4時59分散会