平成23年12月02日中野区議会本会議(第4回定例会)
平成23年12月02日中野区議会本会議(第4回定例会)の会議録
平成23年第4回定例会本会議第2日(12月2日)

.平成23年(2011年)12月2日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(42名)

  1番  若  林  しげお         2番  高  橋  かずちか

  3番  木  村  広  一        4番  甲  田  ゆり子

  5番  小  林  ぜんいち        6番  中  村  延  子

  7番  石  坂  わたる         8番  後  藤  英  之

  9番  石  川  直  行       10番  内  川  和  久

 11番  ひぐち   和  正       12番  いでい   良  輔

 13番  白  井  ひでふみ       14番  平  山  英  明

 15番  南     かつひこ       16番  森     たかゆき

 17番  いながき  じゅん子       18番  林     まさみ

 19番  小宮山   たかし        20番  浦  野  さとみ

 21番  伊  東  しんじ        22番  佐  野  れいじ

 23番  北  原  ともあき       24番  吉  原     

 25番  小  林  秀  明       26番  久  保  り  か

 27番  酒  井  たくや        28番  奥  田  けんじ

 29番  近  藤  さえ子        30番  金  子     洋

 31番  長  沢  和  彦       32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  やながわ  妙  子       38番  佐  伯  利  昭

 39番  むとう   有  子       40番  か  せ  次  郎

 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  金 野   晃

 副  区  長  阪 井 清 志      教  育  長  田 辺 裕 子

 政 策 室 長  竹 内 沖 司       経 営 室 長  川 崎   亨

 都市政策推進室長 遠 藤 由紀夫      地域支えあい推進室長 長 田 久 雄

 区民サービス管理部長 登   弘 毅    子ども教育部長、教育委員会事務局次長 村 木   誠

 健康福祉部長   田 中 政 之      保 健 所 長  田 原 なるみ

 環 境 部 長  尾 﨑   孝      都市基盤部長   服 部 敏 信

 政策室副参事(企画担当) 小 田 史 子  経営室副参事(経営担当) 髙 橋 信 一

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  篠 原 文 彦      事務局次長    石 濱 良 行

 議事調査担当係長 佐 藤   肇      書     記  関 村 英 希

 書     記  河 村 孝 雄      書     記  東   利司雄

 書     記  丸 尾 明 美      書     記  土 屋 佳代子

 書     記  鳥 居   誠      書     記  細 川 道 明

 書     記  岡 田 浩 二      書     記  鈴 木   均

 書     記  永 見 英 光      書     記  竹 内 賢 三

 

 議事日程(平成23年(2011年)12月2日午後1時開議)

日程第1 第85号議案 中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例

 

      午後1時00分開議

○議長(大内しんご) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 小林 ぜんいち

 1 震災対策等について

 2 防災対策について

 3 学校での防災教育等について

 4 危ない自転車対策について

 5 その他

 

○議長(大内しんご) 最初に、小林ぜんいち議員。

〔小林ぜんいち議員登壇〕

○5番(小林ぜんいち) 平成23年第4回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

 なお、質疑は通告のとおりですが、5番、その他はありません。

 初めに、震災対策についてお伺いいたします。

 3月11日の東日本大震災から8カ月が過ぎた先日、東京都から都民の生命、安全と確保、首都東京の機能維持を目的に東京都防災対応指針が公表されました。震災、防災意識の高い今、中野区地域防災計画を新たな視点で新たな角度から大きく見直していると思いますが、状況はいかがでしょうか。

 初めに、避難可能施設についてお伺いいたします。

 私は、第2回定例会におきまして避難施設を整えた民間建物の活用について質問をさせていただきました。想定外の地震が発生すれば、区で定める避難施設だけでは対応できません。そこで、一定規模以上の民間建物に対し、新築または大規模改修を行う際、防災倉庫、自家発電機など災害対応設備の設置促進の助成と一定規模以上の民間建物に対し、震災、防災対応機能のある設備設置が重要と、設置の義務化と条例化をすべきと求めました。しかし、9月に施行された「中野区集合住宅の建築及び管理に関する条例」に盛り込まれた内容は、消防水利の水槽だけでした。これでは不十分です。大震災から1年になろうとする今、地域が新たに見直され地域支え合いの観点からも高齢者や弱者の方々にも安心して避難のできる避難施設を早急に充実させる取り組みを行うべきと思います。区民の皆さんが地域の中で安心して避難ができる民間建物の設置と震災、防災対応機能のある設備の設置義務へ、更に検討・実施を進めていくべきと思います。また、こうした取り組みの中、条例化を積極的に考えるべきと思いますが、いかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 次に、避難所運営対策の充実の一つとして、ハグ(H・U・G)の活用についてお伺いいたします。

 町会の方から東日本大震災で避難所開設から運営に至るテレビ報道を見て、大震災に高齢化しつつある私たちのまちや町会で初期段階では相当の混乱が予想され、また行政の応援を待っている時間はない。その中でスピーディにスムーズに開設とさまざまな受け入れ対応と運営ができるのだろうかとの声がありました。こうした声に対して身近でリアルな体験のできる訓練が必要です。訓練の一つに、災害に被災者の集まる避難所運営の模擬体験のできるハグ(H・U・G)があります。ハグとは、静岡県が2007年に開発した、Hは避難所、Uは運営、Gはゲームのことです。このゲームは避難所を運営する側に立って災害発生の初期段階で実際に想定される事態に対応していくものです。これは避難者の年齢や性別、それぞれの抱える事情が書かれたカードを体育館や教室に見立てた平面図に配置をしていく。例えば妊娠している。ペットを連れてきた。障害があるなどのケースがあり、「入り口近くがいいのでは」とか「コミュニティを維持すべき」などと意見を出し合い対応を決定していく。避難所内の通路の確保や救援物資の保管場所、仮設トイレの位置、取材への対応に至るまで多くの課題に対し避難所運営を学ぶものです。

 中野区内でも先の震災で多くの方々が想定外の震災に混乱し、対応が整わなかったと聞きました。こうしたことから、まずアドバイザーの育成として区職員、町会・自治会、事業所などの地域防火防災部会の代表の方々、そして避難所となる学校関係者によるハグ(H・U・G)の研修を行ってはいかがでしょうか。その後アドバイザーが地元の防災会などで避難所となる学校とも連携の上、ハグ(H・U・G)による避難所運営を学んではいかがでしょうか。災害対応にはクロスロードという教材もあり、区内でクロスロードを利用した防災訓練も行われています。今後の震災対応にはハグ(H・U・G)とクロスロードの組み合わせ、さらに充実した避難運営を行えるようにしてはと思いますが、いかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 次に、女性の視点を取り入れた中野区地域防災計画の作成についてお伺いいたします。

 震災の被害を最小に抑えるには、まず自分の身は自分で守る「自助」、地域や身の回りにいる方々同士が助け合う「共助」、そして区を初め行政機関と公共企業が応急対策活動を行う「公助」、それぞれが対応力を高めることが大切と思います。我が公明党では、この8月、女性防災会議を発足させ、10月には全国規模で東日本大震災の教訓を今後の対策に生かそうと防災行政総点検アンケートを実施し、その結果をもとに先日、国へ提言を行いました。

 アンケートで、「地域防災会議の委員に女性が登用されているか」「地域防災計画を作成する際、女性の意見が反映されているか」の結果には驚きました。それは防災行政の現場に女性のさまざまな角度での意見が反映されていない実態が浮き彫りになったからです。中野区の防災会議参加メンバーに女性が一人います。それは田辺教育長です。中野区防災会議は41名で構成されていますが、現在、組織、役職での構成になっているため、女性は田辺教育長がお一人なのです。

 そこで、中野区として防災会議を構成する方々の中へ多くの女性を登用するよう見直しをしてはいかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 防災会議は各防災機関を代表する方々による構成となっていますが、今後は女性の町会長、防災部長、民生委員、消防団などが入り、女性の多様な意見が反映できるよう改めてはいかがでしょうか。また、そのために条例の改正を検討してはいかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 区の防災担当部署へも女性を登用し、日ごろから防災への取り組みに生活者の声が反映できる仕組みを構築してはいかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 次に、女性の視点は生活者の視点と、女性の視点が反映される防災対策マニュアルの作成についてお伺いいたします。

 避難所の整備、運営、備蓄など女性や子育ての視点、高齢者、障害者の方々が安心して避難のできる視点を盛り込み、また女性の方々が安心して相談できる女性専用相談窓口を設けるべきと思います。こうした内容を含め、中野区地域防災計画を作成すべきと思いますが、いかがお考えでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 次に、震災に対して日ごろからの準備が必要です。中野区には「中野の防災─震災に備える─」というパンフレットがあります。これをもとに女性の視点を取り入れた(仮称)サバイバルカード等として区民の皆様に活用しやすくまとめてはいかがでしょうか。サバイバルカードには地震発生時の初期動作、揺れがおさまってからの行動、家族との連絡方法、家族の避難場所、帰宅困難に備えるなど、また地震がおさまってから一番に気になるのが家族の安否です。このとき頼りになるのが安否確認ダイヤル171(い・な・い)です。自宅の電話、携帯電話、公衆電話などほとんどの電話からつながります。毎月1日が災害伝言サービス体験日です。我が家でも昨日、12月1日に体験をしてみました。簡単なのでぜひ一度試しておきたいサービスです。区報は区民の皆様と区を結ぶツールです。震災から1年目を迎えるに当たり、この二つを組み合わせた冊子上のページをつくり、普及啓発のため全戸配布される区報に保存版として、また身近に置いて活用していただくよう配布してはいかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 次に、家具の転倒防止器具の取りつけについてお伺いいたします。

 東日本大震災で食器棚、冷蔵庫、たんすなどの家具の転倒、移動などにより被害を受けられた方々が多くいました。特にマンションで揺れの激しかった高層階で被害が大きかったようです。直下型の地震ではさらに大きな揺れが想定されます。そのため家具の固定など転倒防止対策が必要です。公明党女性防災会議の行った総点検アンケートからも家具の転倒防止が強く望まれています。今回の震災で突っ張り棒だけでは大きな震災に耐えられないことがわかりました。家具が転倒しないための正しい知識とL型転倒防止金物や下部に傾斜つき板を挟むなどとともに、窓ガラスの飛散防止フィルム張りなど、まず我が家を安心な場所にすることが大切です。区の行っている事業を消防署、防災士、工務店などと連携・協力し、町会など小さな単位でさらなる普及推進を図るため区がリーダーシップをとってはいかがでしょうか。御見解をお伺いし、この項の質問を終わります。

 2番目に、防災対策についてお伺いいたします。

 初めに、老朽化した空き家屋についてお伺いいたします。

 従来、火災・防犯面からの老朽化した空き家屋の対策が必要でした。しかし、3月の大震災、そして9月の台風を機に震災・防災対策として新たな対応が必要になったと思います。私は区民の方より御相談を受けました。所有者のいない老朽化した空き住宅が隣地にあり、3月の地震の折、今にも崩れそうな状態で怖い思いをした方、また9月の台風の折、激しく老朽化した板外壁が道路やほかのお宅まで飛散し危険な状況を経験された方からです。こうした老朽化した空き家屋に対する安全の確保への声は区民の皆様より多く寄せられています。

 中野区では現在、建築基準法第9条、違反建築物に対する措置と第10条、保安上危険な建築物に対する措置の2点で対策に当たっています。その結果、平成22年からこの1年半で6件の除却が行われました。しかし、私有財産である建物や相続人のいないケースのような場合は、強制力のないこの建築基準法の2点だけでは対応仕切れない現状があります。この老朽化した空き家屋対策として空き家条例が埼玉県所沢市、東京では足立区など各地で制定され始めています。埼玉県所沢市では、空き家が放置され不健全な状態となることを防止するため、「所沢市空き家等の適正管理に関する条例」を制定し対応をしています。また、足立区では区民の命を守る施策の展開、その一つに、老朽化危険家屋に解体、改修費用の助成や勧告権を含め所有者が危険家屋の対応を進めやすくする「足立区老朽家屋等の適正管理に関する条例」を制定しました。今後、中野区においても高齢化、無縁化などにより相続されない家屋、またさまざまな理由により放置される家屋がふえ、こうした避けて通れない社会問題に対して早急に取り組まなければならないと思います。

 まず、そこで審議・検討会を立ち上げるべきと考えますが、いかがでしょうか。その上で基準などを明確にし、中野区独自の条例を施行していくことが必要と思います。また、中野区地域防災計画に防災対策の一つとして盛り込んではいかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 次に、高木樹、高層工作物についてお伺いいたします。

 9月21日、首都圏を襲った大型の台風15号の強風により、中野区内でも高木、大木が倒れたり折れたりした被害がありました。その結果、中野区役所周辺では高木の診断、剪定などが行われました。区内には公園や街路樹のほか民地などで中野区が指定した保護樹木など多くの高木があります。また、3月の東日本大震災の折、高層ビルのほか煙突や鉄塔、広告塔などに揺れがあり、その対策が望まれています。また、都内では9月21日の台風で煙突が折れるという事例もありました。煙突や鉄塔、広告塔など工作物には建築基準法第8条(維持保全)、同施行令138条(工作物の指定)から141条(広告塔または高架水槽)の規定があるものの、耐震などの基準が不十分です。そのため耐震補強する建物と異なり耐震補強がなされないものが多くあります。樹木、高層工作物などの安全を確保するため、またリスク管理の観点からも区民の皆様方が安心のできる対応が必要と思われます。今後の対応として、さまざまな観点から検討委員会を設置し新たな対応を具体的に検討してはいかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 次に、木造密集地域の解消についてお伺いいたします。

 区内では危険度の高い木密地域解消への取り組みの現状は道路の拡幅、用地買収などさまざまな壁があり、なかなか進展していません。火災時に消防車が進入できず惨事を引き起こしたケースも出ています。国が平成15年7月に中野区内では上高田、新井、大和町、野方、弥生、南台の地域約152ヘクタールを重点密集市街地として指定しています。また、東京都では「東京都震災対策条例」に基づき平成22年1月に防災都市づくり推進計画を制定しました。その中で、大和町、野方地域の約270ヘクタールを整備地域に、また南台地区の約96ヘクタールを重点整備地域に定めました。東京都はこの11月、木密地域不燃化10年プロジェクトを立ち上げ、都内で対象エリアを選び、予算を重点配分する方針を打ち出し、専門家などを派遣し積極的に木密地域の改善に向け取り組む計画を始めました。都の動きを踏まえ、区は進展のため具体的な木密地域解消対策に取り組むべきと考えます。中野区がこのモデル事業にエントリーし、危険度の高い重点整備地域で木密地域解消のため積極的に活用してはいかがでしょうか。

 また、東京都防災対応指針で示された「共助」の取り組みとして、地域、町会などで安全・安心の確認、防災隣組の構築を東京都と連携し、区としてもさまざまな機会に推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。御見解をお伺いし、この項の質問を終わります。

 3番目に学校での防災教育についてお伺いいたします。

 東日本大震災を受け文部科学省では児童・生徒がみずからどうすれば生き残れるか判断できるよう防災教育の見直しを始めました。学校教育における防災教育は重要で今後ますます充実していくことが望まれています。

 初めに、防災専門教員の配置についてお伺いいたします。

 文部科学省では岩手県釜石市で大津波が来ても約3,000名の小中学生が無事だった日ごろの防災教育に注目し、避難のあり方などを実践的に行う防災教育の全面見直しの方針を決めました。その中で、学校任せにしてきた防災教育の反省から、すべての学校に防災の専門知識を持った教員の配置を進める取り組みを始めることになりました。しかし、区内すべての小・中学校に防災専門教員が配置されるまでには時間がかかると思われます。

 そこで、防災に対する知識とともに、実践力のある教育のため教員の皆さんに防災士の資格取得を推進してはいかがでしょうか。また、都立学校では防火・防災管理者資格を校長や副校長ばかりでなく教員の皆さんにも取得を促しています。中野区内においても小・中学校で教員の防火・防災管理者資格の取得を推進してはいかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 次に、地域との連帯のある防災・避難計画の見直しについてお伺いいたします。

 東京では防災の副読本として「地震と安全」を7月上旬、小学生から高校生まで配布しました。この副読本は小学生用、中学生用、そして高校生用があります。内容も学年に合わせ地震の知識から応急手当の実践内容、また対応や支援の仕方などが学べるように工夫されています。震災を経験した本年は、渡すだけではなく、どう活用するか。防災訓練とともに防災教育の場で東日本のさまざまな事例ともに読み学習してはいかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 次に、中学生による防災隊の普及についてお伺いいたします。

 公明党女性防災会議では、学校を拠点とした地域住民と連携した防災教育を強力に推進することを国への提言に盛り込みました。10月に中野区内消防団合同訓練、また11月に中野区防災医療救護訓練が行われた折、中学生の防災隊が参加していました。今回の震災では多くの学校が帰宅困難者の受け入れ施設となり、その際学校に残っていた生徒がボランティアとして活躍した学校もあったと聞いています。区立中学では消防署による救命講習を受講しており、地元で大人が少ない時間帯にいる中学生は大きな人材であります。北区では、中学生地域防災向上プロジェクトとして災害時に地域の貴重な担い手となることが期待される中学生に対し防災に関する基本的な知識技術を習得する機会を設け、震災時に地域の一員として活躍できるようにしています。これは防災体験学習をすべての学校における実施を目指しており、その内容は防災専門家による講義と体験学習から成っています。

 また、地域防災リーダーの育成では、地域の自主防災組織、町会の行う防災訓練へ参加、活躍できる土壌づくりを行っています。その内容は、中学生を将来の地域防災リーダーとして育成することとしています。今年の震災を受け、中野区としても区立中学校すべてが参加し、防災体験学習や地域防災リーダーの育成と防災教育を行う、例えば中野ジュニアハイスクール防災プログラム等を新たに実施してはいかがでしょうか。そして、震災、災害時に中学生は地域で重要なマンパワーとなることから、地域防災訓練にも積極的に参加してはいかがでしょうか。御見解をお伺いし、この項の質問を終わります。

 4番目に、危ない自転車運転対策についてお伺いいたします。

 初めに、危険な自転車運転の現状についてお伺いいたします。

 私は、10日ほど前、横断歩道で信号待ちをし、青になってから横断を始めたところ、車道から信号無視をしてきた自転車が横断歩道へ侵入し、横断中の歩行者や自転車と接触した事故に遭いました。テレビをはじめ新聞でも連日危険な自転車運転について報道がなされています。中でもここ中野区役所周辺での自転車危険運転の様子や取り締まりの様子がテレビで報道されました。今危ない自転車の歩道走行やルール、マナーを守らない運転が社会問題になっています。こうした自転車による事故や悪質な運転に対し警視庁では道路交通法の徹底とともに、自転車交通総合対策を発表し、取り締まりの強化とマナー向上に乗り出しました。中野区として自転車事故のあった場所、坂道などスピードの出やすい場所、歩行者が自転車と接触した危険な場所、また危険な自転車運転の実態調査を警察署と協力して行ってはいかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 次に、新たな自転車交通対策と安全運転の普及・啓発についてお伺いします。

 ハード面として、都などと協議し主要な区道にペイントで表示した走行帯をつくるなど車道での自転車が走行可能な自転車走行車線の改良を計画的に進めてはいかがでしょうか。また、警大跡地に新たに整備するF字道路などにできる自転車走行車線と既存の交差点、横断歩道の改良を進めると聞いていますが、現状はいかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 ソフト面として、平成19年8月に中野区自転車利用総合計画をまとめ、その中でルール、マナーの普及・啓発について施策をうたっています。また、東京都では東京都自転車条例制定の課題も含め、自転車の総合的な検討を開始しました。そして6月には区市町村、民間団体と横断的な検討の場として自転車総合政策検討委員会を設置しました。こうした動きを踏まえ、区では今後中野区自転車利用総合計画の見直しを図ると聞いていますが、その中でルール、マナーの普及・啓発などさらに進めてはいかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 学校における安全教育は特に大切で、安全な自転車の乗り方の指導は実際に自転車を使って取り組むことが必要と考えます。子どもたちは大人の自転車の乗り方を見ています。子どもたちへの教育はもとより、大人たちへの自転車安全運転の普及・啓発も必要と考えます。中野、野方両警察署などに協力を求め、自転車交通安全対策、マナー教室を区として多くの方々の集まるイベント等でアピールをしてはいかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 最後に、中野区自転車安全モデル地区づくりの推進についてお伺いいたします。

 自転車の危険運転解消のため実態調査、取り締まりの強化、安全な自転車運転、走行車線の改良、ルール、マナーの普及・啓発など、中野区役所周辺を中野区自転車安全運転モデル地区として、ゆるキャラ参加で大きく推進してはいかがでしょうか。御見解をお伺いし、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 小林議員の御質問にお答えをいたします。

 民間建物への避難設備をはじめとする防災対応機能強化についての御質問がありました。

 「中野区集合住宅の建築及び管理に関する条例」で定める防災関連設備の具体的な基準については、規則にゆだねられております。御指摘の施設や設備につきましては、その規則運用の中で必要な見直しを行うこともできるので、今後御意見を踏まえ状況を把握することに努めていきたいと考えております。集合住宅以外の建物の問題もありますので、こうした集合住宅の規則運用とあわせて状況の把握に努めていきたいと考えております。

 それから、ハグ(H・U・G)を使用した訓練実施についての御質問であります。

 災害時に適切に避難所運営を行うためには実動訓練のほか避難所運営を行うメンバーがさまざまな場面を想定して対応を考えるゲーム方式の訓練の実施も有効であると考えております。ハグを活用した訓練など避難所運営訓練の中にも取り入れていきたいと考えております。

 防災会議への女性委員の登用についての御質問がありました。

 防災会議は法が定める防災計画の内容から防災関係機関を中心に構成をされております。区が裁量的に女性委員をふやすということはなかなか難しい構成になっているということであります。しかしながら、幅広い区民の声を防災対策に反映させる仕組みとしては、区内のさまざまな団体からの推薦委員で構成されている防災対策連絡協議会というものを設置をしているところです。地域防災計画の見直しに当たってこの防災対策連絡協議会の意見も聴取をしているところであります。現在防災対策連絡協議会のほうに女性の参加を拡大していくという方向で検討を行っております。

 それから、区の防災担当部署への女性職員の登用も必要ではないかと、こういうことであります。御指摘のこともあると思います。適材適所に配慮した上で、女性職員の防災担当部署への登用について推進するよう検討していきたいと考えております。

 それから、女性の視点が反映される避難所運営マニュアルなどを防災対策の見直しについてであります。

 今回の大震災の教訓を踏まえ、御指摘の事項などを含めて女性の視点からの防災対策全体の見直しを検討していきたいと考えております。

 それから、区報を活用した保存版の防災情報の配布であります。震災時に有用な防災情報を区報を活用して広く区民に周知をすること、これは大変効果があるということだと考えております。提供する情報の内容や量、また形態など実施に向けて検討していきたいと考えております。

 それから、家具の転倒防止についてであります。

 家具転倒防止金具取りつけの普及については、これは地域での取り組みが大変重要というふうに考えております。関係機関や町会等と連携をしながら普及・啓発に取り組んでいきたいと考えております。

 私からは以上です。

教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 学校での防災教育等につきまして幾つかの御質問をいただきました。

 まず、教員の資格ということでございます。

 防災士は地域防災活動のリーダーとして養成されるものでございまして、学校施設の安全対策につきましては管理職が防火・防災管理職として必要な資格を取得するよう措置をしております。教員の防災に関する資質向上につきましては、まず防火・防災管理者である管理職が中心となり組織的に対応することが重要であるというふうに考えてございます。

 次に、副読本「地震と安全」についての活用ということでございます。

 これにつきましては各小・中学校に配布をしたところでございます。各学校の安全指導の中で児童・生徒の発達段階に応じて適切に活用を図ってございます。

 次に、中学生の防災プログラム、あるいは防災プロジェクトといったものを立ち上げてはどうか、防災訓練にも積極的に参加をということでございました。

 地域の防災訓練において生徒に防災ボランティアを体験させている中学校が6校ございます。そのうち3校は学校独自の防災対応組織をしております。教育委員会といたしましては、こうした学校の自主的な取り組みが全中学校に広がっていくように努めていきたいというふうに考えております。

都市基盤部長服部敏信登壇〕

○都市基盤部長(服部敏信) 私からは、防災対策及び危ない自転車の対策につきましてお答え申し上げます。

 まず、防災対策のうち、老朽化した空き家対策の御質問ございました。

 空き家対策につきましては、御指摘のような内容も含めまして他の自治体の取り組み内容やその効果を検証しながら今後効果的な対策を実施していきたいと考えてございます。

 次に、防災対策のうち、高木樹、高層工作物の関係の高木樹の健全度調査の関係の御質問でございます。

 庁舎周辺の街路樹につきましては、本年9月の台風15号の強風被害を踏まえまして年内には健全度調査を行う予定でございます。その他の街路樹や公園樹木の高木につきましては、現在順次目視調査を行っているところでございまして、必要に応じまして樹木医によります診断を行っていくこととしてございます。

 次に、高層工作物などの安全確保の御質問でございます。

 工作物等の安全確保につきましては個別に所有者及び管理者により対応されているものでございまして、必要に応じまして、区としては個別に関係法令に基づく指導等で対応してきてございます。

 続きまして、防災対策のうち木造密集地域の解消についての御質問でございます。

 東京都では木密地域不燃化10年プロジェクトとして都内数地区のモデル地区を選定する予定とのことでございまして、中野区といたしましてはそのモデル地区の選定を受けまして、東京都の応援を受けながら木造密集地域の解消に向けたまちづくりを進めていきたいと考えてございます。

 次に、同じく防災対策のうちの東京都の防災対応指針のうちの防災隣組の構築の御質問でございます。

 この東京都防災対策指針で示されました防災隣組につきましては、中野区におきましては町会・自治会を母体として114ございます組織されております地域防災会がそれに当たるものと考えてございます。今後とも積極的にその活動を支援していくことが指針の方向を実現することにつながると考えてございます。

 次に、危ない自転車運転の対策についての御質問でございます。そのうち自転車運転の現状調査の御質問でございます。

 自転車運転の実態につきましては現在街頭でのキャンペーン等を通じて把握に努めてございます。今後も事故の発生しやすい場所や危険な箇所等につきまして警察署や地域の皆さんからの情報を得まして交通事故の防止に努めていきたいと考えてございます。

 次に、自転車通行帯道路整備等の御質問でございます。

 自転車通行帯は最低幅2メートル以上必要でございまして、既存の区道では安全に設置できる箇所はないものと判断してございます。警大跡地内におけます区画街路、いわゆるF字道路につきましては交通管理者との協議の上、自転車通行帯と歩行者通行帯とを区分して整備を行ってきてございます。また各交差点につきましては自転車と歩行者が混在するために、その交差点部を広げるなど安全性の確保に考慮した整備を行ってきてございます。

 続きまして、自転車利用者のマナー、ルールの普及・啓発でございます。

 中野区自転車利用総合計画につきましては今年度自転車等駐車対策協議会の中で計画内容の見直しに向けて検討を始めたいと考えてございます。この自転車利用の現状を踏まえ、放置自転車の防止や安全運転の励行等につきまして、より実効性のある対応を盛り込みまして交通安全の推進につながるよう検討を行っていきたいと考えてございます。

 続きまして、さまざまなイベントでのアピールという御質問でございます。

 現在行ってございます街頭での各種キャンペーンや小学校での交通安全教室のほか、区民の皆さんが多く集まる機会をとらえまして交通安全に関する啓発活動の実施を図っていきたいと考えてございます。

 最後に、安全運転モデル地区の御提案でございます。

 この御提案の自転車安全運転モデル地区の設置につきましては、今後自転車利用総合計画の見直しを行う中で検討していきたいと考えてございます。

 以上でございます。

○議長(大内しんご) 以上で小林ぜんいち議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 金 子   洋

 1 放射能汚染から区民の健康を守ることについて

  (1)ホットスポットの調査と除染について

  (2)内部被曝から子どもたちを守る対策について

  (3)その他

 2 中野駅周辺の再開発について

  (1)駅地区整備・周辺まちづくりの事業費について

  (2)産業振興拠点への企業誘致について

  (3)その他

 3 生活保護など低所得者への施策について

  (1)事業見直しによる法外援護の一部廃止について

  (2)就学援助の見直しについて

  (3)生活保護の改善について

  (4)その他

 4 第5期介護保険事業計画について

  (1)介護保険料の改定について

  (2)介護予防・日常生活支援総合事業について

  (3)地域包括支援センターの体制強化について

  (4)特別養護老人ホームなど介護施設の増設について

  (5)その他

 5 障害者福祉の充実について

  (1)障害者福祉の事業見直しについて

  (2)その他

 6 鷺ノ宮駅南口のエレベーター設置について

 7 その他

 

○議長(大内しんご) 次に、金子洋議員。

〔金子洋議員登壇〕

○30番(金子洋) 2011年第4回定例会本会議において、日本共産党議員団の立場から一般質問をいたします。

 初めに、放射能汚染から区民の健康を守ることについて伺います。

 その第1として、ホットスポットの調査と除染について質問します。

 福島第一原発の事故から8カ月余りが経過し、政府は年内の冷温停止の見通しを語っていますが、放射能の環境への放出はとまっていません。この東京でも事故直後の3月15日には新宿のモニタリングスポットでピーク時に毎時0.809マイクロシーベルトの放射線を観測しました。風に乗って運ばれてきた放射性物質が今も一定量地表に残っていることは明らかです。雨水などでそれが1カ所に集中すると局所的に放射線の強い地点、ホットスポットができかねません。放射線の影響を受けやすいとされる子どもたちの健康への影響が懸念されます。子育て世代の区民の皆さんからは、「うちの子が遊ぶあの公園は、あの場所は大丈夫なのか」という声が数々寄せられ、簡易測定器を使った自主的な測定も行われています。区は継続的、定期的に区内の保育園、幼稚園、小・中学校、公園など子どもたちが過ごす場所を落ち葉や草地、雨どい、遊具周辺、側溝などを中心に再測定し、結果を公表するべきではありませんか。お答えください。

 共産党の議員団は6月上旬に区内全域、9月に一部地域で公園などの放射線を測定したのに続き、11月の上旬、中旬に公園など区内253カ所の測定を実施しました。今回はすべて地上5センチメートルでの測定ですが、毎時0.5マイクロシーベルトを超える場所も見つかっています。区は11月21日に区民から報告されたスポットを国が示したガイドラインなどに沿って測定し、必要な場合は除染するという考えを示しました。やっと測定、除染の姿勢を示したことは評価いたします。区は国の除染基準、毎時1マイクロシーベルトを目安としていますが、自然放射線を除いた追加被曝を年間1ミリシーベルト以内に抑えるのに相当する放射線量は毎時0.23マイクロシーベルトです。これを超える場所をなくしていくことが大切です。中野区は世田谷区、港区、北区、足立区などと同様に除染のハードルをできるだけ引き下げるべきと考えますが、いかがですか。お答えください。

 区民から放射能汚染に関して問い合わせがあった際には丁寧に対応することを求めます。また、東京都から区に貸し出されている測定器を区民に貸し出す考えはありませんか。お答えください。

 次に、内部被曝から子どもたちを守る対策について質問します。

 外部被曝以上に危険なのは内部被曝です。放射性物質が体内に取り込まれると体内にとどまって放射線を出し続け、発がんなど深刻な影響を及ぼします。お母さんのおなかの中の胎児や乳幼児、成長期の増殖の盛んな細胞に対して放射線障害は非常な危険性を持ちます。また、汚染された土地で育った農産物や畜産物の危険に加え、汚染された海の中で食物連鎖を通じて魚に放射線物質が濃縮される危険も考えられます。食材の安全性は二重、三重にチェックする必要があると考えます。産地や市場での調査でよしとせず、区内で売られている食材のサンプリング調査や家庭で食卓に出された1食分の調査なども必要と考えますが、いかがでしょうか。見解を伺います。

 第2として、中野駅周辺の再開発について伺います。

 初めに、中野駅地区整備と駅周辺まちづくりの事業費について質問します。

 第3回定例会に示された事業見直し方針では、まちづくりなど大規模な事業に当たっては基準となる一般財源規模である650億円に過度な負担を及ぼす事業は原則として実施しないとし、事業計画の策定に当たっては、国や都の特定財源、または特別交付金の財産費等の確保を図るとしています。中野駅北口改札の改修工事では区が概算4億1,000万円の負担金を計上しました。北口駅前広場と東西連絡路の整備工事には2011年度予算で13億3,000万円が計上されています。これが中野駅地区の第1期整備の中心です。次の第2期整備では橋上駅舎がつくられ、その西側に南北通路がつくられる計画です。南北通路と中野三丁目の接続整備も行われ土地の取得も必要になります。第3期整備では新北口駅前広場と南口駅前広場が整備される計画です。

 そこでお尋ねします。

 これら第1期、2期、3期を合わせた中野駅地区整備計画全体でどれだけの事業費を見込んでいるのですか。また、国や都からの財源はどのくらい見込んでいますか。お答えください。

 また、中野駅周辺まちづくりには全体でどれだけの事業費と国や都からの財源を見込んでいますか。お答えください。

 次に、産業振興拠点への企業の誘致について質問いたします。

 警察大学校跡地にオフィスビル、中野セントラルパーク東棟、南棟が来年春に竣工の予定です。開発を受託している東京建物株式会社から、中野区にこの二つのビルから合計1,000平方メートルの床空間が提供されます。専有部分730平方メートルについては無償で貸与され、共益費のみ区が負担します。区はそこを産業振興拠点と名づけ、ICT・コンテンツ産業を中心とした都市型産業の集積を促進するような企業を誘致することを決めました。事業コンペで選定する企業にこの床空間をまた貸しするということで11月25日に公募を開始しました。この1,000平方メートルの床空間は、もともと区が公共目的に活用するという条件で容積率の上限を引き上げた結果生み出されたものです。2008年10月には、区は東京建物株式会社と「警察大学校跡地のまちづくりに係る覚書」を取り交わしていますが、この覚書交換に向けた協議の過程で区は東京建物に二つのビルの計画容積率の追加を打診しました。その際、一つの条件を区はつけました。にぎわいに資する事業の展開に関し計画建物の床の一定面積を区が公共目的に活用できればというのがその条件です。これを東京建物が受け入れたため、同年10月28日の区長決定で中野駅周辺まちづくりガイドライン2007が改定され、この二つのビルの計画容積率の上限が550%から560%に引き上げられました。区は警察大学校跡地の開発により、周辺住民との約束で4ヘクタールの予定だった防災公園を2.1ヘクタールまで切り縮めて大型のビルを建てめぐらしましたが、その中の二つのビルの容積率の基準を当初の計画よりも緩和したのです。区が公共目的に活用するということで獲得した1,000平方メートルの床空間はいわば区民の共有財産です。企業にまた貸しするというのは公共目的の活用と言えるのでしょうか。お答えください。

 次に、去る10月30日の区長記者会見では、誘致企業に対して共益費相当分の賃貸料を3年間は免除し、共益費は区が負担することになっていましたが、11月25日の公募開始のときには、賃料免除がなくなり、東京都の創造的都市産業集積創出助成事業を使った補助金の交付に変わりました。

 そこで伺います。

 都の助成事業は既に2008年度から開始されていますが、この11月になってから急にこの助成制度の活用を言い出したのはなぜですか。お答えください。

 また、この助成事業には練馬区共存型アニメ産業集積活性化計画で練馬区が名乗りを上げ、2009年度から2011年度まで3年間助成を受けています。2010年度からは世田谷区がデジタルコンテンツシティ世田谷推進計画で助成を受けています。隣接、近隣の区と同系統のまちづくりにおくれて乗り出すことになりますが、どのように違いを際立たせていくつもりですか。違いがなければ、単なる企業の誘致合戦になりかねず、あまり創造的とは言えないと考えますが、いかがでしょうか。お答えください。

 第3として、生活保護など低所得者への施策について伺います。

 初めに、事業見直しによる法外援護の一部廃止について質問します。

 今度の事業見直し内容案は、生活保護の法外援護のうち学童衣購入費、運動衣購入費、修学旅行支度金を廃止しようとしています。区はその理由として、2009年7月から生活保護の教育扶助の中に学習支援費が創設されたこと、2010年4月からは子ども手当に相当する児童養育加算が創設されたことを挙げています。この学習支援費とは何でしょうか。子どもの貧困が社会問題化する中で貧困の再生産や貧困の連鎖を断ち切るため、高等学校就学費の給付とともにつくられたのがこの学習支援費です。具体的には参考書、問題集、辞書などの購入やクラブ活動に充てるための経費です。学童衣や運動衣、就学旅行の支度などの経費は見込まれていません。

 また、児童養育加算を理由にすることにも問題があります。来年度から子ども手当はなくなって児童手当にかわり、960万円程度の所得制限が導入される予定ですが、所得960万円までの世帯には同じ金額の児童手当、または児童養育加算が支給されるのです。生活保護世帯だけ法外援護廃止というマイナスをこうむるのは格差の拡大につながります。学習支援費や児童養育加算を理由に三つの法外援護を廃止するのは不当であり、やめるべきと考えますが、いかがでしょうか。お答えください。

 次に、就学援助の基準引き下げなどの事業見直しについて質問します。

 事業見直し案は就学援助の認定基準を見直し、対象となる世帯の所得を生活保護基準の1.2倍から1.15倍に引き下げようとしています。20歳から40歳の両親と小学校低学年の子どもの世帯の場合、就学援助の基準は329万円余りになります。その結果、2011年度基準で70人の子どもたちが就学援助を受けられなくなります。就学援助の基準は生活保護基準と同様、国や自治体の財政事情に左右されるべきものではないと考えますが、いかがですか。お答えください。

 また、私立小・中学校在籍者への支給を廃止するとしていますが、低所得者の子どもにも中高所得者の子どもと同様に、区立学校へ行くか私立学校に行くかを選ぶ権利はあるはずです。だからこそ、今までは私立に通う子どもにも就学援助がされてきたのではないですか。来年度から廃止する理由は何でしょうか。お答えください。

 この項の最後に、生活保護の改善について質問します。

 2011年度健康福祉部事業概要によれば、中野区では生活保護世帯のうち単身世帯が87.1%を占めます。その単身世帯の85.3%が高齢者世帯と傷病、障害者世帯です。全体でも高齢者世帯と傷病・障害者世帯が80%を占め、母子世帯が4%、稼働世代とされるその他の世帯は16%です。事業概要も経済的に自立することの困難な世帯が多いとしています。こうした状況で保護費の増大はある程度避けられません。本当に保護を必要としている人には保護を行うべきであり、財政事情から保護費の抑制を目的化し権利を制限するようなことがあってはならないと考えますが、いかがでしょうか。お答えください。

 全国的にはリーマン・ショック以来、稼働世代の受給者が増加しました。昨年2月の政令市長会は稼働世代の受給期限を3年または5年に制限する有期保護と集中的かつ強力な就労支援制度の導入を提言し、今年8月、特別区長会も国への要望書でこの稼働世代のための有期保護制度の創設を求めています。稼働世代の受給者が増えた原因は国の失政にあります。労働者派遣法など労働法制の改悪により不安定な雇用を広げ、使い捨てにされる非正規労働者を増やした結果、このようなことになったのです。就労支援を強め受給者の自立を進めることは必要ですが、まともな賃金で人間らしく働ける安定した雇用が増えないことにはそうした就労支援も自立には結びつきません。保護の有期化によって、展望のない職探しに受給者を駆り立てたのでは精神的に追い詰めるだけです。民主、自民、公明の3党は労働者派遣法改正案から製造業派遣と登録型派遣の原則禁止規定を削除することで合意しましたが、労働者派遣法の抜本的な改正で不安定雇用をなくすること、また最低賃金を大幅に引き上げることこそ、働きたくても働けない人々をなくしていくための大前提ではありませんか。区長の見解を伺います。

 また、政令市長会の提言では、医療費の自己負担の導入も求められています。先日の行政刷新会議の政策提言仕分けでも盛んに議論されています。受診抑制によって医療扶助の増加を抑えるのは生存権そのものの否定だと考えますが、いかがですか。お答えください。

 また、憲法25条の定めるところでは生存権を保障する責任は国にあります。生活保護費が自治体の財政を圧迫しているなら、4分の1を基礎自治体が負担するという現行の制度を変えるように国に求めるべきではありませんか。区長の見解を伺います。

 第4として、第5期介護保険事業計画について伺います。

 初めに、介護保険料の改定について質問いたします。

 第4期の介護保険料は平均月額4,080円でした。厚生労働省は現在全国平均で4,160円となっている第1号保険料が第5期には平均月5,000円を超えると試算しています。介護給付費の増加分を高齢者の保険料負担分に転嫁するのはもはや限界です。介護給付費準備基金を活用して保険料値上げをできる限り抑えるべきと考えますが、いかがですか。お答えください。

 また、事業計画素案でも保険料の段階の細分化、料率の検討を言っていますが、応能負担を原則に低所得者の保険料を抑えるべきと考えますが、いかがですか。お答えください。

 さらに、一般財源の繰り入れによる保険料の減免を検討すべきです。国は保険料の全額免除と収入に着目した一律減免、そして一般財源の繰り入れは適当ではないという3基準を強調していますが、介護保険は自治事務であり、国の指導は助言にすぎません。実際に各地の自治体が一般会計の繰り入れによって保険料、利用料の減免や保険料の独自軽減を実現してきました。国の不当な介入をはね返し負担の権限を図るべきと考えますが、いかがですか。お答えください。

 次に、介護予防・日常生活支援総合事業について質問いたします。

 事業計画素案はこの総合事業の実施に取り組むとしています。この総合事業が導入されると、要支援1、2の人たちがヘルパーによる家事援助や介護事業者のデイサービスなどの介護保険給付から外され、総合事業の対象に回されるようになります。介護保険サービスか総合事業かを選ぶのは本人ではなく地域包括支援センターです。

 そこで伺います。

 総合事業の財源は保険給付費の3%に制限されていますが、この枠内で実施できるのでしょうか。お答えください。

 また、新宿区と千代田区はこの事業を導入しないとしています。中野区もこの事業の検討は慎重に行い、一般施策として行っている介護予防事業及び保険外サービスを拡充すべきと考えますが、いかがですか。お答えください。

 次に、地域包括支援センターの体制強化について質問いたします。

 介護保険法の改定により高齢者が地域で自立した生活を営めるよう、医療、介護予防、住まい、生活支援サービスが切れ目なく提供される地域包括ケアシステムの実現がうたわれました。そのため各自治体は日常生活圏域ごとの高齢者の心身の状況、環境などを正確に把握した上で介護保険事業計画を作成することになりました。区は6月に「保健福祉に関する意識調査」の報告書を出しています。この調査報告によれば、そもそも地域包括支援センターを知っている人は4人に1人にすぎません。また介護保険制度をよくするために区が最も力を入れるべきこととして、4割の人が「基盤整備」と答えたのに次いで4割弱の人が「困ったときに相談できる窓口の充実」と答えています。地域包括ケアシステムの拠点として、また高齢者の総合相談窓口として地域包括支援センターの強化・拡充が求められます。国の指針は中学校区ごとに地域包括センターを配置することを求めています。中野では中学校区は10区ありますが、包括支援センターは8カ所しかありません。地域包括支援センターを10カ所に増やすとともに、各センターの人員配置を拡充することが必要と考えますが、いかがでしょうか。お答えください。

 この項の最後に、特別養護老人ホームなど介護施設の増設について質問いたします。

 中野区内の特別養護老人ホームに申し込みをして入所を待っている中野区民の数は、今年4月1日時点で1,135人となっています。2013年度に東中野の区有地、2015年度以降に富士見中跡地を活用して、それぞれ定員50名の特養ホームが開設の予定ですが、まだまだ足りません。引き続き特養ホームの整備を進める必要があります。第5期計画素案では目標は施設数1、定員100となっていますが、これでは不十分です。目標の引き上げを求めます。お答えください。

 さらに、地域密着型と呼ばれる29人以下の特養ホームは区民の入所が対象であり、用地の確保も広域型特養よりはしやすく、区内の待機者の解消のために有効と考えます。定員が少ないため採算上の問題から参入する事業者がなかなかいないということですが、事業者の誘致とその条件整備に一層力を傾けるべきではないでしょうか。お答えください。

 第5として、障害者福祉の充実について伺います。

 ここでは障害者福祉にかかわる事業見直しについて1点だけお尋ねします。事業見直し内容案は障害者通所施設利用者食費負担制限を廃止することにしています。この制度は調理設備がなく昼食を外部の仕出し弁当に頼っている通所施設に弁当代を補助するものです。施設内で調理ができるところでは国から調理の人件費分の食費提供加算がされていますが、これが今年度いっぱいで終了する予定のため、終了した場合、弁当を利用している施設への区の補助も廃止するとのことです。民間の作業所では利用者が弁当を全額負担すると、わずかな工賃より持ち出しになってしまうケースも出てしまいます。

 そこで伺います。

 この食事負担制限は廃止せず、国の食事提供加算の継続を求めるべきではありませんか。また、国の加算がなくされた場合には、施設内で昼食を提供する施設にも区から補助をするべきではありませんか。お答えください。

 第6として、鷺ノ宮駅南口のエレベーター設置について伺います。

 第1回の定例会でもこの問題を私は質問いたしましたが、区の答弁は、区の助成により既に北口にエレベーターが整備され、バリアフリー対応ができていることから西武鉄道と交渉することは考えていないというものでした。鷺ノ宮駅では朝夕、中杉通りの踏み切りが長時間閉まりっ放しになり、南側の住民が北側に回ってエレベーターを利用することは困難です。また、踏み切りが開いても、5秒や10秒でまた閉まることも多く、高齢者や障害者が渡り切れずに閉じ込められてしまう危険があります。車いすの前輪がレールわきの溝に引っかかって動けなくなる心配もあります。鷺ノ宮駅を通過する特急その他の列車も増えているため重大な事故につながりかねません。踏み切り自体が重大なバリアなのです。北口のエレベーターだけでは不十分と考えますが、いかがですか。お答えください。

 4年前に南口のエレベーター設置を求める請願を審査した建設委員会で、当時の区の理事者は、北口にエレベーターが設置されたことで法令上バリアフリー化はできている。だからといって南口には必要ないということでないと南口にもエレベーターの必要性を認めています。野方駅など両側ともまだエレベーターのない駅から順次バリアフリー化を進めていくとも答弁しています。野方駅が両側ともバリアフリー化された現在、鷺ノ宮駅南口のエレベーター設置とその用地取得へ向けて西武鉄道などとの交渉を進めるべきです。南口の階段わきの土地は不動産業者が借りて自転車駐輪場を設置していますが、建物が建っているわけではありません。前面の妙正寺川沿いの通路は道路ではないため、接道上の問題でビルは建てられません。用地の取得は不可能ではありません。取得へ向けて交渉することを求めます。お答えください。

 その他として、上鷺宮、若宮、大和町の交通不便地域の対策について伺います。

 第2回定例会の一般質問で、私はコミュニティバス「なかのん」のルートを改善し、こうした不便地域を通るようにすることを求めましたが、答弁は、狭隘な道路状況や各種の交通規制、事業としての採算性などさまざまな問題点があることから、現時点での実現は困難と考えているというものでした。コミュニティバスの通行が困難なら他の交通手段は考えられないでしょうか。「なかのん」の路線から離れた地域では高齢者や障害者はバス停までの移動が大変です。オンデマンド交通で「なかのん」バス停やすこやか福祉センター、地域包括支援センター、地域事務所などに行けるようにはできないでしょうか。オンデマンド交通の検討を求めます。お答えください。

 以上で私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 金子議員の御質問にお答えをいたします。

 落ち葉、雨どい等の放射線量の再測定についてという御質問です。

 6月23日から7月1日まで実施をした区内110カ所の放射線量の試測結果やその後の東京都健康安全研究センターの測定値などから、現在特に健康に影響を及ぼすレベルではないとの認識に立っております。区といたしましては、雨どい下などの局所部分について国の除染等の方針に基づいて、区民等からの情報の提供があった場合には測定等の対応を行うこととしているところです。これまでの情報などから国の基準に該当するような測定結果はないため、区として改めて雨どい下などを測定する考えはありません。

 それから、除染対象とする目安を引き下げるべきだと、この御質問です。

 今回区がお知らせした毎時1マイクロシーベルト以上等という放射線量の値は、局所的な部分で高い数値を示した場合における国が除染の目安とした基準であります。また、毎時0.23マイクロシーベルトという基準は、医療における放射線と自然放射線量を除いた被曝放射線量を年間1ミリシーベルトとして、それに相当する1時間当たりの値です。これを超える地域について国が重点的にエリアを決め調査を行い、その地域全体における除染が必要かどうかを判断する目安としている基準であります。現在、区はこの重点的な調査対象となる状況ではないので、区内の局所的な部分において毎時1マイクロシーベルト以上の値が測定された場合等に対応を行うこととしたものであります。

 それから、測定器を区民に貸し出す考えはないかということです。

 都からの測定器は今後本格的な測定が必要となった場合や区民等からの情報提供に備えて区で保管しているものであります。したがいまして、区民への個別の貸し出しはいたす考えはありません。

 それから、区内の食材の放射線量の検査についてであります。

 食材は国による出荷制限の要請、都内卸売市場の確認により安全性が保たれる取り組みが行われております。東京都も都内産農産物等の検査のほか、この11月からは都内流通食品の放射性物質検査を開始したところであります。

 また、給食の食材については産地を把握の上、出荷制限品目の確認を行うなど必要な手段をとっております。

 それから、生活保護の関係の御質問がありました。

 生活保護の抑制と国庫負担の問題についてであります。生活保護の抑制を自己目的化して権利を制限するようなことがあってはならない。財政事情のいかんにかかわらず、こういうことだと、こういう御質問でありました。生活保護が必要な方について財政事情を盾にして抑制を実施をしたり権利を制限しているような事実は全くありません。だから中野区の財政事情が大変厳しい状況になっているんだということで理解をしていただくべきだと思います。生活保護は最後のセーフティネットとして区、国民の負担により受給者の生活を支えている制度であります。生活保護を適正に実施をし、就労などによって生活保護受給者が自立するための支援をすることが基礎自治体の役割であって、こうした取り組みが全体として区の財政負担の軽減にもつながっていくものと認識をしているところです。

 それから、正規雇用と最低賃金の引き上げについてといった御質問がありました。

 現在、失業が増加している原因は、デフレなどによって景気が悪化し労働力需要が減退しているということにあると思います。そのことが解決されなければ生活保護受給者や離職者の就労支援についての問題を解決できるというものではないと思います。

 派遣労働云々という御質問の中で、派遣労働をやったことが何か失業を増やしたことになったというような御質問の趣旨だったようにも思いますが、正規労働だけしか、派遣労働などの雇用形態を禁止して最低賃金を大幅に引き上げるということで何が起こるかといえば、企業や事業所の経営が苦しくなり、かえって雇用が失われるということにつながる、そのような議論が一般的だと私は思っております。働く意思を確認して、仕事の経験などをヒアリングする中で一人ひとりに即した仕事に結びつけることができる、このように考えております。こうした取り組みを区としても積極的に進めていきたいと考えております。

 医療扶助についての御質問もありました。

 受診抑制によって医療扶助の増加を抑えるのは生存権そのものの否定だと、こういう御質問でありました。医療扶助の必要な方には当然適正な給付に努めているところであります。一部の生活保護受給者について、やむを得ない事情がなくても重複して病院を受診したり、あるいは精神科の薬の処方を重なって受けているといった例も見受けられるところです。膨らむ医療扶助についての国民負担ということを考慮すると、適正な受診抑制については必要であり、何らかの検討をしていく必要があるのではないかと、私どもはそう考えております。そしてそのことが生存権を否定するということにつながるというふうには考えておりません。

 私からは以上です。

教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 就学援助認定基準の変更及び私立学校在籍者への支給の廃止ということで御質問がございました。

 就学援助は制度の趣旨から要保護世帯に準じる世帯の認定基準を生活保護基準の1.0倍に近づけることとし、生活保護基準額の1.15倍としたものでございます。

 また、私立小・中学校在籍者への支給につきましても、こうした制度の趣旨を考慮し廃止することとしたものでございます。

都市政策推進室長遠藤由紀夫登壇〕

○都市政策推進室長(遠藤由紀夫) 私からは、中野駅周辺の開発に関する御質問にお答えいたします。

 中野駅地区整備の事業費についてでございます。中野駅地区整備の経費につきましては、計画を具体化していく中で積算し、お示しすることとしてございます。これらの事業の財源につきましては国の社会資本整備総合交付金や都の都市計画交付金を活用することとしてございます。区の一般財源といたしましては、都区財政調整制度におけます財産費や対応補正で需要額算定されるものでございます。

 産業振興拠点の企業誘致についての御質問でございます。

 産業振興拠点の開設は都市型産業の集積・発展という政策目的を達成するために行っている事業でございます。十分公共性のあるものと考えております。

 都市型産業集積の他区との違いの際立たせ方という御質問でございます。

 このたび産業振興拠点の活用方針を定め具体的に実施できる段階になったことから、東京都の創造的都市型産業集積創出助成事業の活用が可能となったものでございます。中野の特徴や資源等を生かしつつ、進出する企業や大学などの新たな要素との結合によって新産業創出や商店街との連携、新たな文化、にぎわいの集積等中野ならではの展開が生まれるものと見込んでおり、こうした中野の特徴を際立たせていくことが中野の発信力を高めていくために不可欠と考えているものでございます。

 以上です。

健康福祉部長田中政之登壇〕

○健康福祉部長(田中政之) 私からは、生活保護の法外援護についての御質問と、それから特別養護老人ホームの整備についての御質問、それから障害者通所施設利用者の食費負担についての御質問にお答えをいたします。

 まず、法外援護の一部停止についてでございます。

 平成21年7月以降、生活保護世帯の子どもを対象とした保護基準の増額分は小学生で年額15万720円、中学生では17万1,960円となってございます。一方、法外援護で支給してきた学童衣などの経費は小学生で1万9,800円、中学生で2万4,000円でございまして、基準内で十分に賄えると認識をしているところでございます。法外援護は区が独自の判断で加算していたものでございまして、子どもの生活に格差が拡大するといった認識はございません。

 次に、特別養護老人ホームの整備についてでございます。特別養護老人ホームの施設数、定員につきましては現在第5期介護保険事業計画素案としてお示しをし、区民等からの御意見を募集しているところでございます。これらの意見等を参考に明年1月に計画案として策定してまいります。

 また、入所者数が29人以下である小規模特別養護老人ホームは小規模施設であるということから、採算性が難しく事業者の参入が少ない事業でございます。東京都内では現在7カ所、区内ではまだ例がない状況でございます。参入希望の事業者があれば必要な相談には適切に対応してまいりますが、これにとらわれず、特別養護老人ホーム全体の整備に努めてまいりたいと考えております。

 最後に、通所施設の食費軽減支援についてでございます。

 国の昼食費の加算措置は平成23年度末までの経過措置として実施をされてございます。国の加算廃止に伴い、区が昼食代を独自に補助することは財政状況や利用者の公平性確保の観点から困難であり、廃止を考えているものでございます。また、国に対しては東京都が要望していると聞いてございます。区として特に要望する考えはございません。

 なお、国の加算制度が平成24年度以降も継続となった場合につきましては、中野区の食費負担軽減事業は継続する予定でございます。

 以上でございます。

〔区民サービス管理部長登弘毅登壇〕

○区民サービス管理部長(登弘毅) 私からは、第5期介護保険事業計画のうち介護保険料並びに介護予防・日常生活支援総合事業に関する御質問にお答えをいたします。

 まず、介護保険料の改定及び低所得者への保険料の軽減策についてでございます。

 第5期介護保険事業計画の保険料については、給付と負担のバランスや持続可能な制度運営を勘案して適切な保険料水準を設定いたしたいと考えております。

 また、低所得者層への保険料軽減策につきましては、既に介護保険事業計画素案でお示ししたとおり、現行の段階区分からさらに段階を増やすことにより、低所得者層への保険料負担を軽減する方向で取り組んでいきたいと考えており、介護保険料を減免するために一般財源の繰り入れをすることは考えておりません。

 次に、介護予防・日常生活支援総合事業について、介護給付費総額の3%という地域支援事業費の枠内におさまるのかという御質問でございます。これにつきましては現在介護給付費総額の3%の枠内で行えるよう事業の規模、内容等の検討を行っているところでございます。

 また、この事業を実施しない区もあり、導入は慎重にすべきではないかという御質問でございます。確かに今回導入を見合わせる自治体もあるというふうに聞いておりますが、中野区としては第5期介護保険事業計画素案でお示ししたとおり、介護予防が必要な高齢者や要支援の認定を受けた高齢者の日常生活支援に資する事業と考えており、その導入に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上です。

〔地域支えあい推進室長長田久雄登壇〕

○地域支えあい推進室長(長田久雄) 私からは、第5期介護保険事業計画の御質問に関係いたしまして、地域包括支援センターについての設置の箇所数、職員数についての御質問がございました。そのことについてお答えをさせていただきます。

 地域包括支援センターの担当区域につきましては、自治体の規模等に応じて最も効果的、効率的に業務が行われるよう自治体の判断で設定するものというふうにされているものでございます。中野区では日常生活圏域を四つととらえ、さらにその圏域を二つに分けて地域包括支援センターを設置しており、設置箇所数を増やす考えはございません。

 また、地域包括支援センターに配置する職員数は医療、福祉、ケアマネジメントの専門職をそれぞれ1名ずつ配置することを基本といたしておりまして、さらに担当地域ごとの第1号被保険者数等を勘案した加算配置を行っているところでございます。国は第1号被保険者6,000名ごとに職員3名を配置することとガイドラインで示しておりますが、地域包括支援センター8カ所の常勤職員数の現員数では合計31名となっており、この基準に見合った人員が確保されているというふうに判断しているところでございます。

 私からは以上でございます。

都市基盤部長服部敏信登壇〕

○都市基盤部長(服部敏信) 私からは、鷺ノ宮駅南口のエレベーター設置につきまして並びにその他の質問にお答え申し上げます。

 鷺ノ宮駅につきましては区の助成により既に北口にエレベーターが設置されておりまして、1経路がバリアフリー対応ができてございます。駅南口につきましてはバリアフリー整備が確かに求められてはございますけれども、敷地上の制約や構造上から西武鉄道からは難しいと聞いてございます。現時点で鉄道側にさらに要望することは考えてございません。

 次に、駅南口の隣地につきましての御質問でございます。

 現在南口隣地につきましては民間の自転車駐車場として運営されてございますけれども、現時点で区として土地取得を目指し、鉄道側に働きかけることは考えてございません。

 その他の項でオンデマンド交通の導入の件の御質問をいただきました。

 オンデマンド交通の導入につきましては、交通事業者を支援するための財政負担等検証すべき課題がありますので、引き続き検討してまいりたいと考えてございます。

 以上でございます。

○議長(大内しんご) 以上で金子洋議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

午後2時25分休憩

 

午後2時45分開議

○副議長(久保りか) 会議を再開いたします。

 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 森 たかゆき

 1 平成23年度事業見直し内容(案)について

  (1)事業見直しの手法について

  (2)職員2000人計画の前倒しについて

  (3)その他

 2 区民の健康に関する施策について

  (1)糖尿病予防対策について

  (2)ポリオワクチンの接種について

  (3)放射能への対応について

  (4)その他

 3 新寄附税制と改正NPO法への対応について

  (1)区独自の条例制定の必要性について

  (2)区民公益活動推進基金との関係について

  (3)その他

 4 その他

  (1)選挙公報のホームページへの掲載について

  (2)その他

 

○副議長(久保りか) 森たかゆき議員。

〔森たかゆき議員登壇〕

○16番(森たかゆき) 平成23年第4回定例会におきまして、民主党の立場から一般質問をいたします。

 質問は1から3番までは通告のとおりですが、4、その他で予定していた選挙公報のホームページへの掲載については、後日別の機会に取り上げさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 最初に、1、平成23年度事業見直し内容(案)についてお伺いをいたします。

 まずは今回行われた事業見直しの手法についてお伺いいたします。

 区は今の財政状況と将来予測を踏まえ、現状を財政運営上の非常事態ととらえているとの認識を示し、平成24年度予算編成に向けて事業全体の抜本的な見直しを行いました。この見直しを行うに当たって示された平成23年度事業見直し方針にはさまざまな見直しの手法や観点が記載されています。しかし、そういった手法や観点が区がこれまで毎年度PDCAサイクルに従って行ってきた事業見直しとどこがどう異なるのか必ずしも明確ではありません。そのため、例えば「徹底した歳出管理を実施する」という文言を見ると、どうしてもこれまでの歳出管理は徹底していなかったのかといったような疑問が生じてしまいます。

 そこでお聞きをいたしますが、このたび実施された事業見直しは例年とどこが違うのでしょうか、具体的にお答えください。

 次に、外部評価の活用についてお伺いをいたします。

 今回の事業見直しに当たって外部評価による指摘結果は反映されているのでしょうか。反映されているとすれば、例えばどの点でしょうか。具体的にお聞かせください。

 外部評価に関連しては、私からも1点具体的にお聞きします。外部評価では南台まちづくり事業住宅(リライフ南台)について、入居率が低く位置付けを考え直すべきではないか、こうした指摘がされています。私は当日の外部評価委員会を傍聴しておりましたが、担当からは、建てかえを促進するに当たって区がリライフ南台を持つことが有効であり、入居率が低いからといって不要というわけではない。こうした説明がされておりました。一定程度理解はできますが、しかし、借り上げ住宅や家賃補助といった手段ではなく、区がリライフ南台を所有しなければいけない理由の説明にはなっておりません。リライフ南台のあり方は外部評価の指摘を踏まえ見直しを行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、事業コストの考え方についてお伺いをいたします。

 私は、昨年の第4回定例会で、事業評価は各事業のポストに減価償却費も含めた上で行うべきではないかと、このように提案をいたしました。その際には、公会計改革の実施に伴い、発生主義会計による財務情報を組み込むことも検討する必要があると考えているとの答弁がございました。この答弁から1年がたちましたが、現在のところの検討状況を教えてください。

 先日、我が会派が視察に行った福岡県大野城市で行っている「フルコスト計算書診断」では、減価償却費を含めた事業コストを明らかにした上で、経営コンサルタントや公募区民による事業評価に臨んでいるそうです。この方式を採用した平成15年から19年の間に約500の事業すべてを診断し、一般会計規模約300億円の中で約2億5,000万円を削減したそうです。この大野城市では各事業の減価償却費は事業にかかわった職員数や施設の使用面積などをもとに案分して算出しているとのことです。どの事業にどれだけ減価償却費を盛り込むか、これはなかなか悩ましい難しい判断かとは思いますが、こうした他自治体の取り組みも参考にして、本当の事業コストを明らかにする取り組みを進めていただきたい、このように考えております。

 続いて、職員2,000人計画の前倒しに関連してお伺いをいたします。

 今回の事業見直し案では職員2,000人計画を1年間前倒しするとされています。このことによる歳出削減額は24年度で5億6,000万円弱、27年度で30億円余とされています。しかし、これは単純に23年度と比較しての削減額です。当初計画との削減額の差はどの程度なのでしょうか、お答えください。

 今回示された計画を見ますと、25年度から新卒採用が極端に抑制される一方で、再任用の歳出額は26年度以降には23年度よりむしろ上昇をしています。若者の雇用状況が大変厳しい状況にある現在、区役所が採用を絞っていいのか。歳出削減と言いながら再任用の経費はふえているのは問題ではないのか。またさらには職員数の年代別の構成がいびつになってしまう。27年度には極端に平均年齢の高い組織になってしまうのではないか、こうした問題点が考えられますが、この三つの点について区はどのように認識されているのでしょうか、お聞かせください。

 次に、2、区民の健康に関する施策についてお伺いをいたします。

 まずは糖尿病予防対策についてお伺いをいたします。

 区は本年度から糖尿病予防対策事業「ストップ・ザ・糖尿病」を実施しています。まずは本年度のこれまでのところの実施状況について教えてください。糖尿病の予防には本事業のような体験型事業に取り組むことも重要ですが、その前段階として、まずは血液検査を受けてもらうことが何よりも必要です。血液検査については自己血糖測定機器という自分で指先から血液を採取し、そのわずかな量の血液から数分で血糖値を測定できる装置が開発されています。足立区内の幾つかの薬局ではこの測定器を店頭に置いて、訪れた人が無料で検査を受けることができ、そしてまた結果に問題があれば、近隣医療機関への紹介も受けることができる、こうした取り組みがされております。

 私は先日、このプロジェクトにかかわっておられる筑波大学の矢作直也先生にお会いしてまいりました。平成22年10月から事業を始め、23年9月までの間で計538名の利用があり、特定健診では発見できない人のリスクを発見できたり、検診をなかなか受けに行かない層にもアプローチできたりといった効果があるとのお話を伺いました。厚生労働省の平成24年度予算概算要求の主要項目には糖尿病等に関する研究の重点的な取り組みが盛り込まれ、また東京都においては、自己血糖測定機器を用いた糖尿病、メタボリックシンドローム予防対策事業が推奨されていると聞いております。足立区内の薬局の取り組みを参考にし、また国や東京都の動向とも連携して、中野区でもこの自己血糖測定機器を用いた糖尿病予防対策事業を実施してはいかがでしょうか。御見解をお聞かせください。

 次に、ポリオワクチンの接種についてお伺いをいたします。

 現在定期接種では生ポリオワクチンが使われていますが、保護者の方の中にはこの生ワクチンを敬遠される方もいらっしゃいます。そのため国では不活化ポリオワクチンの導入の議論がなされており、厚生労働省はできるだけ早く不活化へ切りかえると言っております。しかしながら、切りかえが実際にいつになるのかは現時点ではいまだ不透明です。こうした状況を受けて、不活化が認められるまでワクチンを打たない、いわゆる接種控えが見られるようになっております。これによりポリオに対する免疫を持たない乳幼児が増加しており、万が一国内に野生株が入ってきた場合に感染が拡大するおそれがあります。先日も一度はポリオが根絶されたはずの中国で野生型ポリオの感染が確認された、こうしたニュースがあったばかりです。リスクのとらえ方は人それぞれではありますが、ワクチンを接種しないことによるリスクも確実に存在をいたします。区としては、まずはそうした打たないことによるリスクについても広報を行い、それでも接種率が上向かない場合には独自の助成制度の導入も検討するべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解を求めます。

 続いて、放射能への対応についてお伺いします。この項目については先ほどの金子議員の質問とも一部重複する点あるかと思いますが、私なりの観点から質問させていただきます。

 今月21日、区は除染の方針として区民などから周辺より毎時1マイクロシーベルト以上の放射線量率の箇所の情報提供がされた場合、国の対応方針に基づいた対応を行うと発表しました。この周辺より毎時1マイクロシーベルト以上という基準は文部科学省が設定した基準に沿ったものであると思いますが、一方で環境省のほうではより厳しい毎時0.23マイクロシーベルトという目安も示されています。このため自治体の対応にもばらつきがあり、文部科学省基準に沿うところ、環境省基準に沿うところ、さらには環境省よりも厳しい独自の基準を設けるところなどがあるようです。都内でも放射線量の高い箇所が複数発見され多くの区民が不安を感じております。こうした声にこたえるためには、より厳しいほうの基準に合わせた対応を行ったほうがよいのではないかと考えますが、区が文部科学省の基準を採用した理由をお答えください。

 続いて、区民から寄せられた中野区の子どもたちを放射能から守るための要望についてへの回答内容に関連してお伺いいたします。

 区は給食食材に含まれる放射性物質の測定について「給食を提供する前にこれらの食材の放射性物質の測定を区独自で行うことは不可能です」と回答しております。この回答は7月29日に行われておりますが、その後食材への不安の高まりを受けて多くの自治体では給食の独自測定が行われております。中でも横浜市では区が不可能であると回答した事前の測定を始めたと聞いております。これは区が不可能であると回答して以降、技術的な条件の変化等で事前測定が可能となったということなのでしょうか、それとも食材の調達方法等の違いから中野区では依然として不可能なのでしょうか。いずれにしても事前測定をしている自治体がある中で、事前測定は不可能である、このように断言するだけでは、区民から見ると、不可能なのではなく、やりたくないだけではないかという疑念を持たれる原因になってしまいます。この点を御丁寧に御説明ください。

 また、事前の測定とは別に事後の測定は可能なのかという疑問もあります。給食食材の独自測定を行っている自治体の多くは事後の測定であり、事前測定よりもハードルが低いのではないかと思われます。事後測定にもさまざまな方法がありますが、私は実際に食べた食材に含まれる線量の総量が把握できる点、また週に一度の測定で済む点などから、横須賀市が採用している実際に提供された給食1食分を1週間ごとにまとめて測定するといった方式が望ましいのではないかと考えております。

 昨日、学校給食に含まれる放射性物質の量について、文部科学省が1キロ当たり40ベクレル以下という基準を示し、また都道府県に対して測定機器の購入補助を行うといった報道がございました。きのう報道があったばかりで詳細はまだ不明ですが、国が自治体に対して測定を促す方向に動いていることは確かであるようです。こうした動きと連携しながら、横須賀市の方式を参考とした給食用食材の測定を検討してみてはいかがでしょうか。見解をお聞かせください。

 給食食材については中野区は報道発表やホームページ等では独自の測定や産地の公開は行っていないことになっております。そのため多くの区民から中野区の対応はおくれているのではないかという御意見をいただきます。しかし、実際には学校や保育園によっては発表されているものよりも少し踏み込んだ対応をされているところもあるようです。また給食食材の安全確保の方法については必ずしも測定と産地公開に限られるわけでもありません。現在区が区内の学校、保育園で行っている給食食材の安全確保の取り組みにはどういったものがあるのでしょうか、お答えください。

 次に、3、新寄附税制と改正NPO法への対応についてお伺いをいたします。

 まずは区独自の条例の必要性への認識についてお伺いをいたします。

 本年6月15日、改正NPO法が国会で全会一致で可決・成立いたしました。同月22日には新寄附税制も成立し、NPOの活動をこれまで以上に強く支援する、こうした仕組みが整いました。具体的には、税額控除制度の導入、認定要件の緩和、仮認定制度の導入などが主な変更点です。税額控除制度については、個人が認定NPOへ寄附を行った場合に所得税と個人住民税合わせて50%までの税額控除を受けることが可能となりました。しかし、寄附者が50%の控除を受けるためには住民税の10%分について各都道府県、市区町村が独自に条例を制定し税額控除の仕組みを整える必要があります。東京都はこの7月に都税条例を改正し対応しており、都内の認定NPOへの寄附は既に44%までの控除は受けられる仕組みとなっております。

 今回の東日本大震災において、多くのNPOが自分たちの専門性や人脈を活用し行政だけではとても対応し切れなかった被災地の多様なニーズに素早くこたえてきていることは私たちの記憶にも新しいところです。そしてまた、平常時においても子育て支援など身近な活動から貧困国支援のような地球規模の活動まで、さまざまな分野でNPOの存在感は増してきております。自治体財政が厳しい状況が続くことが見込まれる中、そしてまた、市民の社会貢献意識の高まりのある中、何が何でも役所のサービスに頼る、こういった時代から市民が積極的に公と言われる分野に参加し互いに支え合う時代へと転換が進んできていると言えるのではないでしょうか。

 現在、認定NPOは全国で230団体ほどしか存在せず、中野区内には1団体もありません。しかし、今回の制度改正により、認定NPOになるハードルは大きく下がりました。今多くのNPO団体が認定をとろうと活動をされております。区内での区民の公益活動の一層の推進・充実のために、いわゆる3号指定条例と言われる認定NPO法人が地方税の優遇措置を受けるための条例を制定すべきと考えますが、区の考えをお聞かせください。今回の事業見直しの中には区民公益活動に関する政策助成金の減額が盛り込まれております。こういった部分を削るのであれば、新しい時代に合わせた新しい形での支援を行うべきと考えます。

 続いて、区民公益活動推進基金の今後のあり方についてお伺いいたします。

 当基金は区民公益活動の推進支援を目的として平成18年度に設立されました。同様の取り組みは杉並区のNPO支援基金や市川市の1%支援制度など多くの自治体で見られます。一方で、今回の制度改正では、認定NPOの資格審査に当たって3,000円を100人から集めることができればPST(パブリック・サポート・テスト)をクリアできることになりました。今多くのNPO団体がこの基準をクリアしようと自分たちで寄附を集めております。こうした新しい状況に対応して区民公益活動推進基金のあり方も再検討するべきではないでしょうか。

 私は先日、今回の制度改正にかかわってこられたNPO法人シーズの松原明氏にお話を伺ってまいりました。その際に、この区民公益活動推進基金のような行政が間に入ってお金を分配するようなシステムのあり方について見解をお伺いすると、税制が整っていなかった過渡期には有効ではあったが、今後は市民とNPOが直接つながれる方向へとシフトしていくべきである、と、こうした御意見をいただきました。私も全く同感であります。区民公益活動推進基金自体は必ずしも対象をNPOに限定したものではないことや、今回の制度改正が浸透するまでにはそれなりの時間がかかると思われることなどから、しばらくは基金の役割も残るかとは思いますが、長期的には先ほど申し上げた市民とNPOが直接つながれる、こうした方向への転換を考えていくべきと考えますが、いかがでしょうか。現時点での区のお考えをお聞かせください。

 以上にて私の一般質問は終了とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 森議員の御質問にお答えをいたします。

 今年度の事業見直しと例年との違いについてどういうことかという御質問であります。

 例年、区としてはPDCAの経営サイクルを確立するために毎年の見直しを行っているところです。リーマン・ショックなどの状況やあるいは区政がこの間10か年計画を推進して展開をしてきた、その経緯を踏まえて、22年度から23年度にかけて区政目標体系全体の見直しというものを行いました。これはですから通常のPDCAサイクルではない、根本に立ち返っての見直しということを行ったわけです。その見直しを踏まえて、23年度には個別の事務事業全体を含む見直しを行うということにしておりました。そうした予定をしておりました事務事業の見直しと、それから経済状況が大変厳しいものになっているということがたまたま重なって現在のような大変厳しい見直しをしているということにもなっているということであります。そういう意味で例年のPDCAサイクルと今回行っている見直しというのは立脚する考え方が違っているということが言えるというふうに思っております。

 外部評価が今回の見直しで反映されているのかということです。外部評価につきましてはPDCAによる見直しサイクルの一環として区はこれまで活用してきました。大変重要な要素ととらえてきています。今回の事業見直しにおいても外部評価の行政評価の結果を踏まえて検討を行ったところであります。

 リライフ南台事業について外部評価の提言を踏まえて、より踏み込んだ見直しを行うべきではないか、こういう御質問でありました。

 今回行っている事業見直しでは既存の全事業を対象としておりますので、まちづくり事業住宅リライフ南台につきましても対象としております。この住宅は木造住宅密集地域整備事業の施行に伴い、従前居住者の生活再建に必要となる施設でありますけれども、近年利用率が低迷しております。施設のあり方について、これは相当踏み込んだ検討が必要ということで現在検討を行っております。

 それから、行政評価の施策単位にフルコストで減価償却費を組み入れるべきではないかと、こういう御質問でした。

 現在の行政評価は施策単位に施策の目標に対する成果と事業の効率的な執行に対して評価を行っております。施設設備等がそのそれぞれの施策コストの中でどれだけ含まれるのかという、それを施策単位で案分をするということが大変難しい、また逆に無理に案分するとおかしなことになってしまうようなこともあったりいたしまして、そういうようなことから、難しいということで現在はすべての施策の事業コストに減価償却費を組み込むということはしておりません。一方、効率的な施設運営とか施設の有効性などについて評価をする場合には、減価償却費を含めたフルコストで事業コストを把握する必要があるというふうに認識をしております。こうしたことを踏まえて、行政評価の際にもフルコストと言いながら減価償却費が含まれていないんだというようなことについては常に注意を喚起をしていくことが必要かと思っております。

 それから、職員2,000人計画の前倒しの効果です。職員2,000人計画では平成27年度に2,082人となることを見込んでおりました。これを2,000人に持っていくわけですので、その差82人が削減効果となります。したがいまして、1年前倒ししたことの削減効果は一般会計人件費ベースで約6億7,000万円になると、このように見込んでいるところです。

 それから、新卒の採用が抑制されるということで年齢構成がいびつになる等の問題があるのではないかという御質問です。

 まず一つ目は、若者の雇用が大変厳しい状況にある中で区役所が採用を絞っていいのか、こういった御認識が示されました。若者の雇用が大変厳しいのは周知のことでありますが、終身雇用を前提とする公務員を不況のたびに大量採用していたのでは財政は成り立たないわけであります。

 それから、歳出削減と言いながら再任用の経費はふえているという、そういった問題、指摘もありました。再任用期間が制度的に段階的に伸びてきているところでありまして、このために職員数がふえていきます。これについては経費も膨らむ結果となっているところです。中野区だけでやっていることではないということでもありますので、なかなかそこまでは踏み込めないということになると思います。

 それから、職員の年齢構成がいびつになってしまうと、この点についてですけれども、職員数の年齢構成につきましては20代、30代合わせて2割程度、40代が3割、50代以上が5割という年齢構成になっています。社会全体の人口構成も高齢化に変化をしていくということもあります。また、どこの企業でもあるいは公共部門でも、そのときの業務量に応じて人を採用しているということでありますので、必ずしもおっしゃるようなバランスのよい年齢構成で運営しているという経営体はほとんどないというのが実態だと思います。特に少ない年代の職員が必要だとか、あるいはある年代の職員層が非常に薄くて業務執行で困るとかいうような場合には、経験者採用というような手段で補うこともできるということでありますので御理解いただきたいと思います。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 学校及び保育園の給食食材の放射能測定等について御質問がございました。

 区立小・中学校や保育園の給食は各学校、保育園が食材の調達から調理までを個別に行う方式で中野区では提供しております。また、給食食材で使用する肉、魚、野菜など生鮮食品は食材とする当日の朝仕入れて、それを調理することとしております。したがいまして、給食を提供する前に測定をすることは不可能でございます。

 また、区立小・中学校や保育園では原則として都内の卸売市場を通った食材を使用することとし、産地の把握、国の出荷規制品目に該当していないことの確認とともに、国や各都道府県などが公表している食品中の測定結果等の確認を行った上で給食を実施してございます。いろいろ例示がございましたけれども、給食の放射線量の測定につきましては国や東京都の動向も見守ってまいりたいというふうに考えてございます。

健康福祉部長田中政之登壇〕

○健康福祉部長(田中政之) 私からは、糖尿病予防対策についての御質問にお答えをいたします。

 糖尿病予防対策事業につきましては、定員125名のところ参加者数は11月現在24名でございますが、3月までの期間にさらなる参加促進を図りたいと考えているところでございます。既に事業修了者の中には民間スポーツクラブの個人会員となり運動を継続している方もおりまして、生活習慣改善のきっかけづくりとなっていると考えているところでございます。指先採血の血糖測定につきましては、足立区内の薬局の店頭で大学とNPO法人、足立区薬剤師会が共同研究として実施をしているということについては承知をしているところでございます。共同研究として実施している段階でございますので、区として直接取り組むことについては考えてございません。

 以上でございます。

〔保健所長田原なるみ登壇〕

○保健所長(田原なるみ) 私からは、ポリオワクチンの御質問にお答えいたします。

 まず、ポリオワクチンの接種控えの現状についてなどでございますけれども、区が予防接種法に基づいて実施しておりますポリオ生ワクチンの今年度秋の接種実施件数は過去3年間の平均と比べますと34%の減となっております。一方、不活化ワクチンに関する区民からの問い合わせはふえておりまして、個別の医療機関で不活化ワクチンを接種する人がふえているというふうに聞いております。ワクチン接種を控え、免疫を持たない人がふえますと、国内での流行も懸念されるため、区といたしましても区民への情報提供を行うとともに、引き続き予防接種法に基づくワクチン接種の機会を確保してまいります。

 また、不活化ワクチンの独自助成についての御質問もございましたけれども、不活化ワクチンはまだ国内では薬事法上未承認の医薬品であることから、自治体が助成する対象とは考えておりません。

環境部長尾﨑孝登壇〕

○環境部長(尾﨑孝) 私からは、区民の健康に関する施策についてのうち、二つの放射線対応基準についての御質問についてお答えをいたします。

 今回区がお知らせいたしました毎時1マイクロシーベルト以上等という放射線量の値は、局所的な部分で高い数値を示した場合における国が除染の目安とした基準でございます。一方、毎時0.23マイクロシーベルト以上という基準は、医療における放射線と自然放射線量を除いた被曝放射線量を年間1ミリシーベルトにすべきというものに相当する1時間当たりの値でございます。それを超える地域については国が重点的にエリアを決め調査を行い、その地域全体における除染が必要かを判断する目安としている基準でございます。現在区はこの重点的な調査対象となる状況ではございません。そこで区内の局所的な部分において毎時1マイクロシーベルト以上の値が測定された場合等に国の考え方を基本とする対応を行うということとしたものでございます。

 以上です。

〔地域支えあい推進室長長田久雄登壇〕

○地域支えあい推進室長(長田久雄) 認定NPOに関する御質問にお答えをいたします。

 平成20年の地方税法改正時には中野区内に該当法人がなかったことから条例整備は行わなかったものでございます。今後はNPO法の改正を受け、他区の動向も踏まえながら条例整備について検討してまいりたいと考えてございます。

 次に、区民公益活動推進基金についての御質問がございました。

 区の公益活動推進基金による助成事業は、NPO法人のほか任意団体も対象とした幅の広い公益活動の推進を目的としたものでございます。基金助成制度につきましては新規の団体や事業への立ち上げ支援策を充実させる方向で見直しを行っておりまして、基金の廃止については考えておりません。

 以上でございます。

○副議長(久保りか) 以上で森たかゆき議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 後 藤 英 之

 1 「心の健康」支援について

 

○副議長(久保りか) 次に、後藤英之議員。

〔後藤英之議員登壇〕

○8番(後藤英之) 平成23年第4回定例会に当たり、みんなの党の立場から一般質問をさせていただきます。

 さて、近年特に深刻さを増す心の問題に焦点を当て、心の健康支援についてお尋ねいたします。

 新しい中野をつくる10か年計画(第2次)の中では「心の健康支援」として、うつ等に対する基礎知識、精神疾患についての理解の促進に努める旨が描かれ、心の病による自殺防止策としては「中野区自殺対策月間の設置、特設相談設置や講演会の実施など、うつ病対策の推進、広報活動、教育活動を通じた現状や防止等への理解促進、相談窓口の周知を実施する」とあります。

 また、「かかりつけ医や専門医、関係機関との連携体制づくりや地域で発見し相談に結びつけるためのネットワークづくりにより心の病の早期発見、治療をするための環境整備を進める」とあります。映画や小説でも取り上げられ、大きな社会的関心事である心の問題に行政として取り組むことは重要です。例えば中野区の生活保護のうち精神疾患由来は18.55%、問題解決により被保護が生産に転換し、また自殺や病苦から多くの人々が助けられます。

 さて、厚生労働省自殺うつ病等対策プロジェクトチームによると、平成21年度の自殺者数は3万2,845人、景気が悪化した平成10年以降、毎年3万人超の高い水準で推移しています。かけがえのない命をみずから絶ってしまうような状況をつくらない社会こそ私たちが最低限目指すべきものであると考えますが、いかがでしょうか。

 さらに東日本大震災の影響などにより複合的な社会不安が広がっています。こうした強いストレスのもとでは各種の精神疾患へのリスクは高くなります。震災PTSDを含め中野区民も大きなリスクにさらされているのです。多くの精神疾患はだれもがなり得るものですが、同時に自殺と強い因果関係があります。平成21年度の警察庁統計では、自殺の原因、動機のうち、うつ病由来は6,949人と第2位、統合失調症も1,392人。そこでうつ病を含む気分障害患者数は厚生労働省の患者調査によると平成11年、10年前の441万人が平成20年には1,041万人と倍以上、右肩上がりに急増しています。さらに精神疾患はさまざまな種類が存在し、自覚がないケース、一人で抱え込むケースなども多いため、それらも含めると心の問題はさらに根が深いことが予測されます。

 そこで、中野区の死亡統計では平成22年の死亡者2,616人中、死因7位の自殺は67名、また厚生労働省のデータからは区内に2万5,000人以上心の問題を抱える方がいると推定されます。直接的に自殺につながる問題でもあり、中野区においても心の健康対策の重要性と緊急性は非常に高いと考えますが、いかがでしょうか。

 心の問題の解決には投薬など身体的治療、精神療法や作業療法、環境調整の三つの方策が重要であり、同時に行政として心の健康を支援するには本人、家族と周囲の人々、社会一般への啓発活動が有効と考えられます。また、予防、治療、社会適応の各段階が重要と考えます。心の問題を抱える人の数は非常に多いにもかかわらず、理解が周知されておらず、治療環境も整備されていない現状があります。その意味で、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)の方向性は評価できます。

 そこで、かかりつけ医や専門医、関係機関との連携体制づくりや地域で発見し相談に結びつけるためのネットワークづくりにより、心の病の早期発見、治療をするための環境整備を進めるという点について進捗状況を体制と実績の面から、また今後の展望をお尋ねします。

 次に、啓発活動についてですが、心の問題を取り巻く環境改善には、問題への理解と正しい知識の普及が不可欠です。精神疾患は体の疾患でもありますが、目に見える形でとらえにくく、本人も周囲も正しく受けとめることが難しいのです。医療施設もまだまだ敷居が高く対策の初動が本人だけではとりづらい。反面、周囲の協力が非常に有効であり、逆に周囲の対応のまずさが深刻な事態を招くことも多いのです。

 そこで、本人、家族等周囲の人々、社会一般に向けた啓発活動と、後述しますが、専門家の支援が重要になってきます。中野区においても、これまでに加え潜在的な層にも光を当てるため一層の啓発活動が必要になってくると考えます。

 そこで、心の健康についての啓発活動の現状を、活動のねらいと対象、効果についての検証の面から、加えて今後の展望とあわせてお尋ねいたします。

 なお、広報について、「わたしの便利帳」や区のホームページではさまざまな相談先の掲載があります。しかし、ごらんになればわかるとおり、当事者にとって必要なサービスを選択しにくいと感じます。ホームページにはナビゲーションの改善を含め、また「わたしの便利帳」、ホームページともにだれがだれに対して何をしてくれるのかをわかりやすく分類し掲載するさらなる工夫が必要かと感じますが、いかがでしょうか。

 さらに、精神療法についてです。心の問題の解決にとってカウンセリングなどの精神療法はその回復と自殺予防、社会適応、再発率の抑制等に非常に重要とされています。なお、臨床心理士や産業カウンセラー、精神保健福祉士や医師、保健師など心の問題解決に関するさまざまな専門家が存在します。大切なのはこれらの専門家が役割分担をしながらチームとして問題解決に当たることです。しかし、専門的な精神療法を受けることは非常に難しいのが現状です。2010年4月より医師による認知療法、認知行動療法という極めて有効な精神療法的治療への健康保険適用が可能になりました。心の健康促進に寄与するすばらしい出来事です。しかし、さまざまな要因からこの療法での治療が可能な病院が少なく、結果、保険適用外での精神療法を受けざるを得ず、経済的などの理由で受けられないとの意見も多いのです。精神療法は心の問題解決に極めて有効であるにもかかわらず、結果、患者は行く場所がないという現状があります。中野区において2010年度、四つのすこやか福祉センターでの精神保健に関する相談件数は、保健師による家庭訪問508件、所内相談1,910件、電話相談6,561件で、専門医による相談は予約相談が83件、訪問3件と報告を受けています。

 そこで質問ですが、現在の精神疾患患者数、自殺者数にかんがみて相談事業の成果をどのように検証されていますでしょうか。私は潜在的に心の問題を抱える人々は現状の相談者数より非常に多いと考えており、一日も早いサポート体制の確立を望みます。そのためにも相談事業において、より心理臨床的に専門性が高いと思われる人材を適所に配置し、訪問相談、電話相談においても訓練等でさらに精神療法における人材の専門性を高めつつ、さまざまな専門職が目的と役割に応じてチームとして問題解決に取り組んでいくことが重要と考えています。

 加えて、より多くの対応がふえ続ける心の問題群に必要だと考えます。つまり、人材配置や訓練等による精神療法的な相談業務の質の向上と相談の受け皿の量的拡大が重要だと考えますが、いかがでしょうか。区の御見解をお尋ねいたします。

 以上で私のすべての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 後藤議員の御質問にお答えいたします。

 心の健康対策の重要性について、どう認識をしているかということです。

 区は区民のだれもが心身ともに健やかで個人としての尊厳が保たれながら自立した生活を営めるまち「健康福祉都市なかの」の実現を目指しているところです。御指摘さまざまありましたような心の健康支援の重要性についても深く認識をしているところです。

 10か年計画における主な取り組みの進捗状況や今後の展望についてということでありました。

 地域で発見をし、相談に結びつけるためのネットワークづくりとして、今年度は福祉、介護支援従事者や民生児童委員に対してゲートキーパー研修を実施をいたしました。かかりつけ医や専門医、関係機関とも連携をし、迅速に適切な治療が受けられるよう地域においてゲートキーパーの輪を広げていくとともに、地域で気づき支えあえる連携体制を進めていきたいと考えております。

 また、啓発活動の現状、ねらいと対象等についての御質問です。

 心の健康に関して、うつ講演会や精神保健福祉ボランティア講座の開催のほか、地域での健康学習などを通して広く啓発活動を行っております。また、本人や家族に対して家族セミナーや専門相談も実施をしております。心の健康に関する意識の向上及び心の不調の早期発見を目指して、区民のだれもが心の健康の変化に気づくことができるよう広く区民に対して普及・啓発を行うよう努めております。こうした取り組みを行うことによって、区民のだれもがみずからや、あるいは身近な人の心の健康の変化に気づくことで地域全体の健康度が高まっていくと、このように考えております。

 私からは以上です。

〔地域支えあい推進室長長田久雄登壇〕

○地域支えあい推進室長(長田久雄) 広報の工夫についてでございます。

 ホームページや「わたの便利帳」によって心の健康に関する相談支援について普及・啓発を行うとともに、自殺予防リーフレットを作成して関係機関に広く配布をし、心と命の相談窓口についても広報を実施しているところでございます。「わたしの便利帳」の保健・医療・衛生には、健康相談、精神障害や心の悩みの相談先が示されておりまして、相談支援を必要とする方にはそれぞれの状態に応じてきめ細かく対応を行っているというふうに考えているところでございます。ホームページのトップページにあるくらしのガイドナビゲーションの項目名や分類を工夫するなど、今後ともわかりやすい広報に努めてまいりたいと考えております。

 続きまして、すこやか福祉センターにおける精神保健相談業務についてでございますが、随時保健師が対応し、相談内容によって専門医による個別相談の場を活用し、相談者を必要な支援につなげる役割を担っているものでございます。この保健師につきましては東京都の中部精神保健福祉センターの研修に派遣するなど資質の向上に努め、心理臨床的な対応力向上も図っているものでございます。相談充実のため、通常の専門医による個別相談のほかに平成17年度より、うつ、ストレス、閉じこもり特設相談会を実施をしております。このうつ特設相談の実施にあわせまして、うつ病への理解と対応方法などをテーマといたしまして講演会を実施し、高い満足度の評価を受けているところでございます。自殺の背景にある精神疾患としては、うつ病以外にも統合失調症、アルコール依存症、薬物依存症等が挙げられるところでございますが、すこやか福祉センターにおいてはこれらについても適切に対応しているところでございます。

 以上でございます。

○副議長(久保りか) 以上で後藤英之議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 内 川 和 久

 1 すこやか福祉センターについて

  (1)中部すこやか福祉センターについて

  (2)地域スポーツクラブについて

 2 中野駅周辺整備について

  (1)中野駅西口改札整備の進捗状況と南北自由通路整備について

  (2)環境に配慮した中野駅北口広場整備について

  (3)中野二丁目再開発の進捗状況について

 3 今後の被災地支援について

 4 その他

 

○副議長(久保りか) 次に、内川和久議員。

[1]内川和久議員登壇

○10番(内川和久) 自由民主党の立場で一般質問をさせていただきます。

 質問は通告どおり、1番、すこやか福祉センターについて2点お伺いいたします。2番、中野駅周辺整備について3点お伺いいたします。3番として、今後の被災地支援について、4番のその他についてはございません。

 1番、すこやか福祉センターについてお伺いいたします。この後南部すこやか福祉センターについては我が会派のひぐち議員が触れますので、ここでは中部すこやか福祉センターについてお伺いいたします。

 中部すこやか福祉センターは身近な地域の保健・福祉・子育ての相談の拠点として平成22年7月に旧仲町小学校跡地に開設をされました。中部圏域5万5,000世帯を対象としています。3階には精神障害者社会復帰センターを併設し、児童館、U18プラザ、区民活動センターまでも所管する地域における支えあいネットワークの中心的な存在であります。また、計画がおくれておりますが、併設する地域スポーツクラブも今年度中の開設を予定しており、すこやか福祉センターとスポーツクラブが連携した事業も楽しみの一つであります。中部すこやか福祉センターは区内4カ所に開設予定のすこやか福祉センターの第一弾として区民からも注目されており、よい意味でも悪い意味でも手本となる施設であります。平成22年7月の開設より1年以上たった今、改めてその機能や利便性に関して検証し評価をする必要があるのではないでしょうか。

 そこで、幾つか質問をさせていただきます。

 まず初めに、施設の利用状況についてお聞きします。中部すこやか福祉センターは旧仲町小学校跡地に開設をされました。住宅街の中心に位置し、アクセス道路は狭く中野駅からは坂道も多く決して恵まれた立地条件ではありません。当初そのわかりづらい場所から利用者も少なく、区としても周知徹底に大変苦労されたと思いますが、現在では相談窓口や会議室、子育て広場の利用状況はどうなっているのでしょうか。22年度と23年度を比較してお答えください。

 次に、中央に位置するグラウンドについては地域スポーツクラブの付帯設備として現在未使用の状態が続いております。盆踊りや地域行事などに若干の利用はされておりますが、あれだけの設備を放置したまま有効利用しないというのは区民目線からしても全くもって納得のいくことではありません。私はすこやか福祉センターの事業の一環として、グラウンド利用の事業を進んで展開するべきと考えますが、いかがでしょうか。現在までどのような事業が行われたのか、また今後センターとしてグラウンドを利用した事業をどのように展開していくのか区のお考えをお聞かせください。

 次に、区の保健福祉分野において、すこやか福祉センターが果たす役割は非常に多く期待をされています。実際に支援を必要とする人を訪問するなど一定の評価はありますが、さらなる内容の充実と啓発が必要と考えます。今後のアウトリーチをどのようにしていくのか区のお考えをお聞かせください。

 次に、平日夜間や土曜日には区全域から母子手帳をもらいに来る夫婦が多いそうであります。遠方から来所される方からは身近な場所で母子手帳をとれるようにしてほしいとの要望がありましたが、現在はどのように改善をされたのかお答えください。

 次に、子育てひろばに関しては需要が非常に高く、慢性的な人手不足が過去指摘されておりました。子育てサポーター養成講座の修了者の活動の場として考えられると以前指摘させていただきましたが、現在はどのような人員配置になっているのでしょうか。また保護者からは土日も開設してほしいとの要望もありましたが、現在の状況をお答えください。

 次に、平成23年度事業見直し内容(案)において、すこやか福祉センター内で行われていた区民歯科相談事業は廃止されるとのことです。わずか1年足らずで廃止となるわけですが、その理由をお聞かせください。

 また、せっかく整備された診療器具類は今後どのように活用されるのでしょうか。今後展開予定の第2、第3、第4のすこやか福祉センターにおいても、この区民歯科相談事業自体を行わないのか区のお考えをお聞かせください。

 次に、すこやか福祉センターの最大の特徴はワンストップ・総合的なサービスであります。しかしながら、区内には児童館、キッズプラザ、U18プラザ、地域包括支援センターなどさまざまな施設が混在しており、区民にとっては決してわかりやすいとは言えません。また、今後展開予定の第2、第3、第4のすこやか福祉センターは地域によってその内容に差異が生じることとなり、一律でのサービス提供が難しいと考えられます。今後区としては区民の視点に立って、サービスを必要とする人にどのようにわかりやすくそのサービスを届けていくのかお考えをお聞かせください。

 次に、地域スポーツクラブについてお伺いします。

 中部すこやか福祉センターに併設予定のスポーツクラブは開設まで二転三転し、何とか今年度中のオープンを目指しているとのことです。子どもから高齢者まで気軽にスポーツや健康管理ができる環境を整え、学校部活動の支援もその大切な目的の一つです。地域としても大変待ち遠しい施設であります。しかしながら、第3回定例会決算特別委員会で複数の議員から質問があったように、投資した金額に見合った成果を上げていないのもまた事実です。22年度版主要施策の成果においても、改めて議論を深める必要がある。区民にどれだけ周知されているのか疑問を感じると指摘されております。

 そこで、幾つか質問をさせていただきます。

 まず、地域スポーツクラブは運営母体となる任意団体を立ち上げ、その後委託業者を探すというプロセスをとっておりますが、任意団体の活動状況、プロポーザルによる委託業者の選定など現在の進捗状況をお聞かせください。また、今年度も残り4カ月余りとなりましたが、正式なオープンは一体いつになるのかお答えください。

 次に、地域スポーツクラブはだれもがいつでもどこでもいつまでもスポーツを楽しむことができる地域社会の実現を担うとのことですが、会員となっている区民とそうでない区民との間で不公平感が生じるのではないでしょうか、区のお考えをお聞かせください。

 次に、区は施設をクラブに無償貸与するほか、光熱費、施設維持補修費等を負担します。ただし、10年を目途に区の財政支援から自立をすることを目指すとあります。クラブの収入の主なものは会費、教室参加費、施設使用料ですが、その他、クラブではさまざまな収益事業を展開しなければなりません。会費に関して言えば、中野体育館トレーニング場は1カ月利用券が2,800円で会員数は1万人を超えています。一方、中野サンプラザトレーニングジムでは個人の月会費が9,450円で、会員数は約4,000人と聞いております。このように会費は高ければ公益性は失われ、会員の増加は見込めません。地域スポーツクラブはその性格上、会費は低く設定せざるをえず、よって難しいクラブ運営が容易に想像できます。現時点で会費の設定、会員数をどのように考えているのか、また予定している収益事業の内容に関しても、あわせて区のお考えをお聞かせください。

 次に、このスポーツクラブの開設準備においては既に1,000万円余の財源が投入をされております。クラブが自立するまで一体区はどれだけの財政支援をしなければならないのでしょうか。クラブの安定性、自立性を確立した運営の中には自己収益と区の支援をもって構成されるとあります。第2、第3、第4のクラブがこれから続けて開設される予定ですが、厳しい区財政の中、クラブ支援のスキームを根本から見直すべきと考えますが、区のお考えをお聞かせください。

 次に、クラブの事業展開においては、一つ、拠点施設における事業、二つ、地域における事業、三つ、すこやか福祉センターとの協働、四つ、医療・保健分野との連携と4点掲げられておりますが、その中ですこやか福祉センターとの協働については、子どもから高齢者までの健康づくりや交流、活動支援まで行うことを目的としています。施設の機能、特性を最大限に生かし魅力ある施設づくりを目指すとありますが、具体的にどのような事業を展開していくのか区のお考えをお聞かせください。

 2番、中野駅周辺整備についてお伺いいたします。

 警察大学校等跡地地区や中野駅地区第1期整備は多少の工期のおくれはあったものの着実に進んでおります。我が会派の伊東議員も触れておりましたが、先日11月15日発行の日本経済新聞には、見開きの全面広告特集で「生まれ変わる中野駅前」として、東京建物が開発中の中野セントラルパークが大々的に取り上げられておりました。田中区長も「最先端の業務拠点から世界へ発信」としてコメントを寄せております。区は駅周辺110ヘクタールを四つのゾーンに分けて整備を進めておりますが、その目玉が駅北西に広がる警察大学校等跡地の再開発です。現在1日22万人の中野駅利用者が10万人ほどふえると予測されます。工事が進むにつれて、ますますこのプロジェクトは注目されていくことと考えます。しかしながら、駅周辺再開発においては南北の均衡性と回遊性が重要不可欠であり、我が会派としても強く要望をするところであります。また、駅南側の住民にとっては開発から取り残された感が強く残ります。

 そこで、幾つか質問をさせていただきます。

 まず、中野駅地区第2期整備で計画をされている西側橋上駅舎に伴う南北自由通路についてですが、これに関しては私も今まで何度も質問をさせていただきました。中野駅地区整備基本計画では平成27年ごろには西口改札は完成予定であり、それと同時に中野三丁目側にも南北自由通路を接続させるという答弁を過去にいただいております。区としては旧桃丘小学校跡地を種地に三丁目駅直近開発を計画しているようですが、平成27年ごろまでに三丁目駅直近地区の本格整備が間に合うのか、間に合わない場合は暫定的な整備になるのか、暫定整備であれば具体的にどのようなものになるのか現在の検討状況をお答えください。

 また、西側橋上駅舎に関しては特別委員会で出されたパースを見る限り平家建てのようですが、JRは高度利用の計画を持っているのかお答えください。

 次に、環境に配慮した中野駅北口広場整備についてお聞きします。

 先日11月1日に建設委員会の視察で長野県松本市へ行ってまいりました。視察の主な内容は松本駅周辺の交通整備事業についてでありました。平成13年から19年まで松本市が117億円の巨費を投じた事業であります。その中でも東西自由通路の整備においては、天井部分に太陽光発電を取り入れ、かかる電力の5%を賄っているとの説明がありました。

 一方、中野区においても、野方駅整備に当たっては環境に配慮し太陽光発電や壁面緑化などを取り入れたとあります。しかしながら、中野駅北口広場整備に当たっては、エレベーターやエスカレーターなど電力を使用する設備が計画されているにもかかわらず、現時点では太陽光発電の計画はないとのことです。本年7月に施行された中野区地球温暖化防止条例では、第3条に「区はみずからの事務及び事業に関し地球温暖化防止対策を講ずるものとする」とうたってあります。区は区民及び事業者のCO削減の取り組みを促進するため、みずからもCO削減に取り組まなければならないということです。中野駅北口広場整備に当たっては積極的に太陽光発電や壁面緑化を取り入れるべきと考えますが、区のお考えをお聞かせください。

 また、今後整備予定の西側橋上駅舎や新北口駅前広場に関しても環境への配慮はどのようになっているのか、現在の検討状況をお答えください。

 次に、北口広場整備に関連して1点お聞きします。

 中野駅北口広場整備においては、その形態が大きく変わるために駅前広場から北口一番街商店街側へ通じる斜めの横断歩道が廃止されることとなりました。区は駅前広場からサンモール商店街へつながる横断歩道の幅員を広げることにより対処するとのことですが、それが一番街商店街側への動線を確保することになるのか私は疑問に思います。横断歩道の幅員をどれだけ広げるのか、他に動線確保の手段はないのか、区のお考えをお聞かせください。

 次に、中野二丁目再開発に関しては、区は暮らしを彩る文化活動拠点と位置付け、まちづくりを進めていく方針と聞いております。警察大学校跡地の再開発が北の目玉であれば、南の目玉はこの中野二丁目再開発であります。1.9ヘクタールにも及ぶこの再開発エリアは北側の(仮称)中央防災公園用地をもしのぐ広さを擁し、中野区をはじめ東京都住宅供給公社のほか複数の地元地権者が中野二丁目地区市街地再開発準備組合を組織しています。この準備組合が組織化されてから既に6年ほど経過しており、一日でも早い事業化を地元は望んでおります。再開発事業決定はいつごろを目指しているのか、進捗状況をお聞かせください。

 また、駅南口のまちづくりの中で区がこの開発に何を期待しているのかあわせてお答えください。

 3番、今後の被災地支援についてお聞きします。

 3.11の東日本大震災から約9カ月がたちました。私も6月と10月、二度にわたり宮城県東松島市へ視察に訪れましたが、観光地や中心市街地は比較的明るい兆しが見えるものの、全体として被災地の復興・復旧にはまだまだ長い時間がかかるものと感じました。区といたしましても「がんばろう日本!緊急対策2011」をことし6月にまとめ、当面の課題やその取り組みについて方向性を出しております。

 復興支援に関しては被災地への職員派遣、ボランティアの派遣支援、被災地支援事業の実施、義援金などが大きな柱となっており、中長期にわたりこれらの支援が続くものと考えられます。職員派遣については、本年4月の区長会において、中野区をはじめ被災地支援に積極的に取り組もうという区の意向を踏まえて迅速な決定がなされました。特別区全体では延べ5,300人もの職員が11月24日までに派遣されております。中野区においても協定を結んでいる岩沼市、亘理町、東松島市のほか、10月からは石巻市にも実施され、合わせて11名が現在派遣されております。当初は罹災証明の受け付け事務や仮設住宅の説明会対応など比較的単純な業務が多かったと聞いておりますが、最近では仮設住宅での苦情対応や寒さ対策のための現地調査など複雑な業務や経験を要する業務がふえてきていると聞いております。こういった職員のケアは今後重要な課題となってくると考えられます。区としてはこれら職員派遣のあり方や派遣の期間を今後どのようにしいてくのかお考えをお聞かせください。

 また、被災地では技術系職員の派遣を求める声が多いと聞いておりますが、区としてどのように対応していくのかあわせてお答えください。

 次に、被災地支援事業に関しては7月に被災地復興応援フェア「なかのいち」が開催され、義援金22万円余を集めることができました。10月に行われた「中野にぎわいフェスタ」においても、物産販売等を第2回被災地復興応援フェアとして実施をいたしました。今後も継続的、定期的なこれらフェアの開催が望まれます。また、他の自治体では職員のボランティアが直接被災地に乗り込み、炊き出しや支援物資の配布などを行ったと聞いております。今後区としてはこれら区内で行われる支援事業と現地で行う支援事業にどのように取り組んでいくのかお考えをお聞かせください。

 これですべての質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)

区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 内川議員の御質問にお答えをいたします。

 すこやか福祉センターについての御質問です。

 相談の受け付け、会議室、子育て広場等の利用状況についてであります。中部すこやか福祉センターの総合相談窓口の延べ相談受け付け件数は平成22年度が3,533件、23年度の上半期で1,599件、子育て広場の利用者数は平成22年度が1万2,710人、平成23年度の上半期が6,178人、会議室等の月平均利用件数、利用者数は平成22年度で17件、317人、平成23年度では52件、927人となっております。

 グラウンドの利用した事業をどのように展開しているのか、またどうしていくつもりかという御質問であります。

 これまで地域の夏まつりやラジオ体操などを行うために町会等へお貸ししていたほか、区主催事業の健康スポーツ教室、それから健康づくり講演事業というのもありまして、これらの会場として使用をいたしました。グラウンドは地域スポーツクラブ開設のために整備をしております。開設後の利用につきましては介護予防事業を視野に入れて効果的、効率的な事業展開を図っていきたいと考えております。

 アウトリーチでの活動をどのようにしていくのかという御質問もありました。

 職員のアウトリーチの活動で把握した個別ケースに係る相談等の経過などの情報は、区が集約、蓄積をして関係者と関係機関と連携しながら、支援が必要な方への処遇を迅速かつ的確に行っていくこととしております。また、職員は生活者や活動者の目線で高齢者、障害者の方、子育て支援に係る課題や潜在するニーズ等を把握をして区の施策に反映させるとともに、問題の重大化を防ぐ取り組みを進めてまいります。地域のさまざまな施設を所管するメリットを生かして、保健・福祉・子育て支援に関する専門機関との連携を強化するとともに、アウトリーチの活動を充実させていきたいと考えております。

 それから、身近な場所で母子手帳を交付されるようにしてほしいという要望、これを受けてどう改善されているかということです。

 母子健康手帳の交付なんですが、これは早期からの虐待予防の取り組み、これを重視していきたいということから、母子健康手帳の交付については、区役所こども相談総合窓口とそれから4カ所のすこやか福祉センターの窓口でアンケートを実施をしながら交付をしております。このアンケートを実施することによって必要に応じて保健師等の相談指導につなげているというものであります。中部すこやか福祉センターでは平成22年度交付の半数が土曜日、また平日の夜間でありまして、しかもそのうちの45%は他の圏域からの来所となっておりました。ことしの8月からは北部のすこやか福祉センターでも土曜日と平日夜間に交付を行うことによりまして、北部地域においては区民の利便性は改善されてきているというふうには認識をしております。

 それから、子育て広場の運営についての御質問がありました。

 子育て広場、中部すこやか福祉センターは地域の子育て支援の拠点として身近な地域で乳幼児親子の交流を進め、育児不安の軽減を図るために交流の場を提供し、子育て相談や情報の提供、子育て講座等を行う子育て広場を設けております。運営に当たりましては、保育士の資格を持つ職員を配置をして、相談や助言、情報提供などの対応をしております。

 また、子育て広場は育児自主グループや乳幼児親子を支援するサポーター同士が交流を図る場としても活用し、育成団体等の自主活動を支援する役割も担っております。子育てサポーター養成講座の修了者についても、子育て広場でのイベントや事業への協力などこれらを今後検討していきたいと考えております。

 土日の開設については、何分、人員や予算が必要といったようなことでもありますので、これから検討してまいりたい、こういうふうに考えております。

 それから、区民歯科相談を廃止をする、その理由とその後のその器具の活用と、こういうことです。

 これまで区民歯科相談を利用されている方へは歯科医で実施をしている成人歯科検診の受診を推奨したり、あるいはこれまでの治療歴などをよく知り何でも相談できるかかりつけ歯科医を近所に持つことなどで十分歯の健康管理ができると考えたところです。この診察器具類なんですが、これは歯科相談で用いているということでなく、乳幼児歯科検診などで使用しているものであります。今後とも乳幼児歯科検診などで使用してまいります。

 それから、ワンストップサービスで必要な人に必要なサービスを届けるという機能が必要ではないかと、こういうことであります。

 今年度地域における保健・福祉・子育て支援のサービスの拠点として4カ所のすこやか福祉センターを設置しました。そこで区民からのさまざまな相談を広く受けとめ、必要に応じて関係機関につなげる体制を整備してまいりました。地域包括支援センターなどの専門機関と連携をし、町会・自治会、民生児童委員などの見守りや支えあい活動の担い手から情報収集をするとともに、職員が直接訪問をし、支援が必要な高齢者等の方々へは行政サービス、民間サービス、ボランティアによる活動などさまざまなサービスに結びつけております。今後は職員による訪問活動などを活発化させながら、地域の身近な施設に出向いて御相談をお受けするなど、地域における安心して相談できる施設としてすこやか福祉センターの認知度を高めていきたいと考えております。

 それから、地域スポーツクラブの進捗状況であります。

 設立総会以降、理事会評議員会を2回開催して団体としての地域スポーツクラブの組織運営のあり方を定めるとともに、これまでの検討状況について区からの説明を行いました。現在委託業者選定のもとになる事業内容など条件設定等について区としての案を検討している段階であります。今年度中に施設の開設を目指して努力をしてまいりました。よりよい事業を構築した上でできるだけ早く開設をしたいと、このように考えております。

 会員になった区民と非会員とで不公平感が生じるということはないのかと、こういう御質問でありました。

 会員には区民ならばだれでもなれるものであります。施設建設などの大規模な初期投資や委託事業を行うための必要な経費などの公益相当分は区が負担をするわけであります。会員はみずからの活動にかかわる経費負担のみで利用できる、こういうことになります。したがいまして、この仕組みが不公平とは考えておりません。

 また、生活習慣病予防事業や学校運動部活動支援など区が区民に対して行うべき健康施策やスポーツ施策のうち、地域スポーツクラブに事業委託することで効果的、効率的に展開できるものについては積極的に委託をして、会員でなくても広く区民が利用できるようにしていきたいと、こう考えております。

 また、会費、会員数、収益事業の内容等についてという御質問です。

 現時点でのシミュレーションとしては中部地域スポーツクラブ開設後、初年度はおおむね150名、5年間で約500名程度の区民に会員になっていただくことを一つの目安として考えているところです。会費設定につきましては、地域スポーツクラブが目指している三つの目的を達成するために必要な事業のうち、区の委託によらず団体が本来的に行う事業経費を算出した上で、会員が自己のための利用に必要な経費を負担していただきたいと、こう考えております。会費のほか地域スポーツクラブにとって収益となる事業としては、屋内屋外の運動施設を使用する際の利用料、各種の有料講座、教室等の参加費等も考えております。

 財政支援のあり方についてです。中野区の地域スポーツクラブは都内の多くの地域スポーツクラブとはやや異なって、健康スポーツ医学の専門家の監修も受けつつ、これまで自治体として行ってきた健康づくりや介護予防事業等の事業を積極的に担うものと考えております。これによって将来にわたっての医療費、介護費等の抑制が期待できる事業としていきたいと考えております。

 財政支出の考え方としては、開設当初の一定期間はある程度は財政援助が必要だと思いますが、その期間の後は独立経営をすることを目指しております。また、本来区の行うべき健康づくりや介護予防事業等については、その効果的、効率的執行方法として地域スポーツクラブへ委託をしてまいります。このように地域スポーツクラブによる区民の健康づくり、スポーツ推進は将来の財政面も見据えた総合的な施策として有効であると考えているところです。

 それから、すこやか福祉センターと地域スポーツクラブの連携についてです。

 中部地域スポーツクラブはすこやか福祉センターと併設されている利点を生かし、例えばすこやか福祉センターの事業や相談で訪れた区民に対して、健康づくりのため継続したスポーツ活動に参加するよう働きかけたり、すこやか福祉センターとともに介護予防事業を開催してスポーツクラブ利用者へ参加を促すなど相互に連携をしていきたいと考えております。すこやか福祉センターのみならず、区の多様な健康福祉、スポーツ施策等との連携を視野に入れ、効率的、効果的な事業展開を図ってまいりたいと考えております。

 次に、中野駅周辺の整備の関連についての御質問がありました。

 私からは、三丁目の受け口整備、それから西口橋上駅舎の高度利用についてお答えをさせていただきます。

 三丁目の受け口です。三丁目駅直近開発について、中野駅地区整備基本計画においては第3次の事業化を位置付けて平成30年度以降の完了を想定しているところです。西口改札の完成は第2期整備としておりますので、その段階では三丁目の受け口となる駅前広場空間の整備と当該広場に南北自由通路を接続する、ここまでを想定して検討を進めております。

 西側橋上駅舎の高度利用についての御質問がありました。

 JRのほうは中野駅周辺のポテンシャルについては評価していると私どもは思っておりますが、具体的な計画についてはまだ示されておりません。区といたしましては、中野駅について土地の高度利用によって高容積化、立体化を進め、駅自体の集客機能を高めることが地域全体にとって必要な利便性の向上や新たなまちの魅力の向上にもつながるとともに、駅を中心とする周辺地区を結びつける回遊動線の強化のために極めて重要な意味を持つものと考えております。JRに関しましては、投資に伴う地域貢献を期待をしているところでありまして、地域全体の活性化に向けたプレーヤーの一員としての意欲を持っていただきたい、こう考えているところであります。

 私からは以上です。

〔都市政策推進室長遠藤由紀夫登壇〕

○都市政策推進室長(遠藤由紀夫) 私からは、中野駅周辺整備についてのその他の御質問と今後の被災地支援事業についての御質問にお答えいたします。

 まず、中野駅周辺整備についてでございます。

 北口駅前広場整備に当たっての環境配慮についてでございます。現北口駅前広場は面積も狭く空間的な制約から、太陽光発電等について採用することが困難でございます。街灯のLED化などによるCO削減策に取り組んでいるものでございます。

 続きまして、一番街方向への歩行者動線確保についてでございます。

 本年9月に行いました交通量調査の結果では、駅前広場から一番街方向への人の流れは大多数が広場北側歩道からであることが判明してございます。そのため現北口駅前広場整備に当たりましては、広場レベルのフラット化と植栽配置の工夫を図りまして、北口改札から一番街入り口への視認性を高めるとともに、広場北側歩道を拡幅し一番街方向へ人が流れるように配慮したものでございます。これらとあわせまして、横断歩道の拡幅につきましては現在交通管理者等関係機関と協議をしているところでございます。

 続きまして、中野二丁目再開発の進捗状況についてでございます。

 中野区は再開発準備組合とともに再開発事業の実施に向けて東京都等関係機関と都市計画等の検討を始めたところでございます。事業化を図るに当たりまして区のグラウンドデザインとの再開発方針等の上位計画と整合を図りながら都市計画等の手続を進める必要があると考えてございます。これらの上位計画の改定等と歩調をあわせつつ南口の顔づくりを進め、さらにその効果が南口全体のまちづくりに波及し、南北の均衡あるまちの発展につながることを期待しているものでございます。

 被災地支援事業につきましては、現在商店街や町会・自治会が主体となって行います物産展等の自主的な取り組みに対しまして被災地との調整や産物の搬送等を行う等の支援を行ってございます。今後もこうした地域の自主的な被災地支援の取り組みの輪が広がるよう継続的な支援を行っていく考えでございます。現地で行う支援につきましては今後も職員の派遣を継続するほか、現地の需要を把握した上で職員や区民などのボランティアの支援にも取り組んでまいりたいと考えてございます。

 以上でございます。

〔都市基盤部長服部敏信登壇〕

○都市基盤部長(服部敏信) 私からは、今後の被災地支援におけます職員の派遣にかかわります御質問にお答え申し上げます。

 被災地に区の職員を派遣し自治体の業務支援を行うことは、被災地の迅速な復旧・復興を日本全体で支えていくという意思と決意を被災地の住民の皆さんに示していくためにも大切であり、来年度も現在の派遣の枠組みを維持していきたいと考えております。

 また、技術系職員の派遣という御質問をいただきました。

 技術系職員の派遣につきましては中野区単独では対応が困難であることから、東京都や特別区全体など、より広範な枠組みの中で支援していきたいと考えてございます。

 以上でございます。

[2]内川和久議員登壇

○10番(内川和久) 地域スポーツクラブに関連して再質問させていただきます。

 区長の答弁ではまだ具体的な開設の時期は決まっていない。会員数に関しては500名程度ということで、やはりちょっと少ないのかなと。設備の広さも関係しているんでしょうけれども、ちょっとやはり500名では少ないのかなと。

 それで、年間区がこのスポーツクラブに投資する金額が4,400万円ぐらいだろうと。そういった数字が今ひとり歩きしておりまして、これから数字をどうやって改善していくのか。また、平成27年には南部のスポーツクラブも開設しますので、その時点で今の中部のスポーツクラブの財政支援を何とかとめないと、二重三重の支援になってしまいますので、そのぐらいの気概を持って取り組んでいただきたいなと思っていますけれども、もう一度御答弁のほうをよろしくお願いします。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) これまでの御説明の中でお示しをしてきた数字がひとり歩きをしていて、現在の検討とその数字とがどう関連しているのかもわかりにくい状況になっていると。このことは確かだろうというふうに思っております。より望むべき事業のあり方というものを今構築をしているというところであります。事業の採算性、区の財政支援のあり方につきましても、先ほど申し上げました考え方に沿ってできるだけ少なくしていきたい。また一方で、事業展開の工夫によって会員数を今申し上げたよりもやはり確保していく。会員数を拡大することの努力をしていく、このことが大変重要だと考えておりまして、そうしたことなども含めた事業計画をつくり上げていきたいと考えております。

○副議長(久保りか) 以上で内川和久議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 南 かつひこ

 1 見守り支援と防災対策について

  (1)見守り対象者名簿について

  (2)防災会の支援について

  (3)その他

 2 エコ・地域支えあい・お買い物のポイント制度について

 3 警察大学校等跡地の再開発に伴う産業振興策について

 4 障がい児施策の充実について

  (1)肢体不自由学級について

  (2)巡回相談員について

  (3)その他

 5 教育行政について

  (1)教員の人材確保について

  (2)放課後の安全対策について

  (3)その他

 6 その他

 

○副議長(久保りか) 次に、南かつひこ議員。

〔南かつひこ議員登壇〕

○15番(南かつひこ) 平成23年第4回定例会におきまして、公明党の立場より一般質問を行います。区長並びに理事者におかれましては前向きで明快な御答弁をお願いいたします。

 では、最初に見守り支援と防災対策について伺います。

 初めに、見守り対象者名簿について伺います。中野区では地域支えあい活動の推進に関する条例が本年7月に施行され、高齢者の単身世帯や高齢者のみ世帯、障害者の方々の居住情報を希望する自治会や町会などに提供して、見守りや支えあいの支援を行う取り組みが始まりました。本人の意思を確認した上で、氏名、住所、年齢、性別の情報が見守り対象者名簿として登載され、地域での支えあい活動に活用されることになりますが、個人情報を提供する取り組みは全国でも初めてであり大変注目を浴びているところであります。

 11月18日の震災対策特別委員会では、東日本大震災で被災された障害者就労支援施設「まどか荒浜」の中村正利施設長による災害弱者の視点に立った復興支援についての学習会が行われました。施設長のお話の中では災害弱者の救援体制も課題になり、個人情報保護の壁が支援を難しくした。開示の範囲と事前承諾の手続が急務であり、個人の責任の枠を超えた重要な課題であるとの趣旨のことがございました。このたびの名簿の提供にあっては、情報の管理、運用が適切に行われるように的確な対応、支援をしなければならないと考えますが、区の見解を伺います。

 地域支えあい活動を推進するに当たり、名簿の活用とともに24時間緊急時連絡体制を実施するとあります。4カ所のすこやか福祉センターで職員が24時間365日、専用電話による対応をするものです。すこやか福祉センターに専用電話で緊急連絡が入った際、集合住宅の場合では管理人に対応していただくことで本人の状況の確認が可能でありますが、戸別住宅の場合には難しいところであります。以前、やながわ議員が提案した救急医療情報キットの配布事業での高齢者の情報なども活用しながら24時間緊急時連絡体制を実施するとともに、緊急時の対応策も必要と考えますが、区の見解を伺います。

 ことしの夏場に高齢者の熱中症対策事業が実施をされました。すこやか福祉センターの職員や熱中症対策訪問員として募集した看護師や保健師、ヘルパー1級、2級などの福祉の有資格者による熱中症予防のための訪問事業が行われました。70歳以上の単身世帯や75歳以上の高齢者のみ世帯を対象とするもので、高齢者調査で民生委員が訪問していないところを優先的に訪問するものです。この事業で得た個人情報を見守り対象者名簿に生かすとともに、名簿をデータベース化して地域包括支援センターや区民活動センターなどの関係機関と共有が図れるようにシステム化すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 次に、防災会の支援について伺います。

 地域社会を災害から守る担い手として防災会があります。現在区内には休会中の1団体を含め115組織の防災会があります。防災会には災害発生時には初期消火活動や救援、救護、避難所の開設及び運営といった多くの役割が期待されているところです。避難所の開設に当たって、突如として起きる地震時のかぎの管理体制がしばしば問題になります。緊急時に夜間でもすぐにかぎがあけられるのかが心配するところであります。災害発生時には防災会の方が駆けつけた際に、第一次避難所に指定されている小・中学校や防災倉庫のかぎがすぐあけられるようにしなくてはなりません。大地震が発生した場合に避難所のかぎをすぐに取り出せるようにするために、震度5弱以上の強い揺れを感知すると自動的に開くシステムが使われた「鍵ボックス」が注目をされております。このシステムはセンサーが震度5弱以上を検知すると内部にあるワイヤーが引っ張られストッパーを外す仕組みで、電気を使わない機械式であるため停電時にも対応でき、内部の振り子が一定の揺れを感知するため、物でたたくなどの人為的な衝撃では反応しない仕組みになっています。防災会の方が素早く避難所を開設できるようにするためにも、避難所の敷地内にこの地震時に自動的に解錠する「鍵ボックス」を設置してはと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 防災会では日ごろ防災訓練を消防署や警察署、中野区と連携して実施していますが、防災会の規模によっては訓練が実施できないところもあります。さまざまな事情を踏まえ、防災会に対してさらに防災意識を高めていただくためにも区が積極的に防災講座や防災座談会を実施すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺って、この項の質問は終わります。

 次に、エコ・地域支えあい・お買い物のポイント制度について伺います。

 区は新しい中野をつくる10か年計画(第2次)に基づき、環境負荷の低減と地域支えあいネットワークの構築、拡大、地域商業の活性化の3点を促進する方策として、区民が気軽にかつ楽しみながら利用できるポイント制度を導入するとしています。区が導入するポイント制度はエコポイント、地域支えあいポイント、お買い物ポイントの3種類ですが、エコポイントについてはことしの7月1日に中野エコポイントの参加登録が開始され先行実施されました。現在中野のエコポイントの参加人数は1,000人を超えておりますが、開始当初の2カ月間は計画停電の問題により節電意識が高く、参加数も多かったものの、その後は急速に落ちております。区が目標としている2,000世帯のことを思えば目標達成にはほど遠い感があります。持続可能な制度にするためにも、広報を含めどのような対策を考えられているのか区の見解を伺います。

 また、エコポイントは電気だけでなく水道やガスも対象にすべきと考えますが、制度設計をどのような内容でいつまでにつくり上げるのかを伺います。

 地域支えあいポイントにつきましては、私もこれまで定例会の一般質問で介護ボランティア制度の導入など地域支えあいに関連する提案もしてきたところですので、その趣旨には大変賛同をいたします。今定例会の初日、昨日でありますが、我が会派の白井議員から財源確保の提案とともに、実施時期よりも着実な制度設計を優先すべきとの質疑がありましたので、私からは町会や自治会などの交付対象団体に責任が押しつけられることのないような制度設計にすることや、ポイントの交付方法などを精査するとともに、その上で開始時期を検討すべきと要望をしておきます。

 お買い物ポイントでは、ポイント発行機関である法人とこの制度に参加契約した参加店において商品やサービスを購入した区民にポイントを交付するものです。お買い物ポイントをあわせた今回のポイント制度の基本スキーム案について伺います。

 利用者とお買い物ポイントの参加店とエコ・地域支えあいポイントの中野区を仲介する形でポイント発行機関である法人が設置されます。この法人がかなめのように位置付けられていますが、必要なものなのか大変に疑問に思います。法人として持続可能な仕組みにするためには法人にとってのメリットや利益が確保できる仕組みをつくらなくてはならないと思いますが、区の見解を伺います。

 参加店になるためには月額2,000円の参加料を徴収することや法人に対して一定の補助費を支払うことも検討しているようですが、商店街や個店からすると、先の見えない複雑な制度との不安があります。いっそのこと法人をなくしてエコ・地域支えあいポイントでためたポイントをお買い物ポイントとして区内共通商品券に交換できる簡単な仕組みに変えることもできるのではないかと考えます。法人の必要性の有無や制度の仕組みの簡略化など、まだまだ十分な検討が必要であることから、お買い物ポイントは地域支えあいポイント以上に明年7月の開始時期を熟慮すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺って、この項の質問は終わります。

 次に、警察大学校等跡地の再開発に伴う産業振興について伺います。

 現在警察大学校等跡地の再開発が進められ、明年の春には業務商業施設が2棟完成をし、平成25年の春には明治大学と帝京平成大学が開校し、その翌年には学生寮と留学生が集う機能を備えた早稲田大学が開設されます。この再開発に伴い当該地区でのICT産業やコンテンツ産業などの都市型産業を集積するとともに、産学公の連携を図った情報の発信拠点や産業振興の拠点として環境を整備しなくてはなりません。今スマートフォンのアプリを使ってさまざまなサービスを提供して販売促進につなげる企業やお店がふえています。

 新潟県の十日町では、このようなスマートフォンのアプリの機能を利用して観光情報等をスマートフォンに映し出す業務を7月1日より開始しました。自治体としてはアプリを活用して情報発信するのは国内初の試みとなります。スマートフォンを風景にかざすと撮影された現実の映像の上にさまざまな情報が重ね合わされるサービスで、情報掲載を募集した飲食店、小売店、宿泊観光施設等の観光情報を発信してくれるものです。中野区でもアプリを利用した独自の情報発信の取り組みをするべきと考えます。掲載情報の中にはクーポン情報やポイントを発行する情報も考えられ、区内産業の活性化につながるとともに、区としては企業やお店の掲載による広告収入も考えられます。中野区版アプリの取り組みについて区の見解を伺います。

 警察大学校等跡地地区では産学公の連携を図るためにも、誘致される三つの大学のさまざまな取り組みや商業施設で行われるイベント情報などを区が主体となって集約し、関係所管につなげる専用の窓口の開設が不可欠と考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 当該地区には都市計画公園が整備され、(仮称)中央部防災公園として明年春にはオープンします。防災公園として機能を有し、防災倉庫やマンホールトイレ、防災井戸、非常用照明が配備されます。また、ゲートボールや軽スポーツなども利用できるように設計されています。(仮称)中央部防災公園を利用してさまざまなイベントを開催して産業振興や区内産業の活性化を図るべきと考えます。現在区では「中野の逸品グランプリ」を2008年から行い、中野で製造販売されている食品を一般区民の方による投票で中野の逸品を選ぶ食のコンテストであります。大変好評を呈しているイベントです。中野の逸品に惜しくも受賞できなかったグルメの中にもおいしいものはたくさんあると思います。安くておいしくて地元に愛される料理やお菓子などB級御当地グルメと位置付け、中野区のまちおこしの一環事業として(仮称)「中野区版B-1グランプリ」を開催してはと考えますが、いかがでしょうか、伺って、この項の質問は終わります。

 次に、障害児施策の充実について伺います。

 初めに、肢体不自由学級について伺います。

 中野区では肢体不自由学級は、たんぽぽ学級として緑野小学校内にあり、現在小学校が2名、中学校が3名在籍されております。10月21日の子ども文教委員会では「特別支援教育の推進のための考え方(案)」の中で、たんぽぽ学級は平成25年度末をもって廃止との意向が示されました。たんぽぽ学級は平成9年4月の開級当初から重度重複障害のある児童・生徒が在籍している状況にあり、現在の施設や人的配置は文部科学省の肢体不自由学級の基準になっているため、重度重複障害のある児童・生徒には不十分な対応となっております。

 また、特別支援学級の教員には医療的ケアなどの緊急時の対応ができない状況にあります。そのために区は重度重複障害のある児童・生徒を都立永福学園へ通学することで、より十分な対応ができるように図る考えであります。11月15日に我が会派で都立永福学園を視察してまいりました。肢体不自由教育の小学部、中学部、高等部普通科と高等部の就業技術科があり、地域社会の一員として社会参加、自立する児童・生徒の育成を目指す教育に大変感銘を覚えました。肢体不自由教育では民間から介護士が24名、看護師が5名配置され、医療的ケアの実施など手厚い対応が各教室で行われておりました。重度重複障害のある児童・生徒が都立永福学園に移行するようになれば、日ごろの対応は安心できますが、問題は通学手段を考えなければなりません。現在都立永福学園のスクールバスは10台あり、中野区内の通過コースは6コースありますが、たんぽぽ学級付近のコース設定にはなっておりません。

 また、スクールバス利用の際には介助員を同乗させてほしいとの保護者からの声もあります。さまざまな問題をクリアするためには区が主体となって都立永福学園や東京都教育委員会と綿密な協議が必要と考えますが、スクールバスなどのコースや介助員同乗の件などの課題の対応とあわせて区の見解を伺います。

 たんぽぽ学級跡施設については、重度重複障害児の肢体不自由児などを対象とした緊急一時保護事業や放課後等デイサービスなどの在宅サービスの施設として活用する方針ですが、さらに保護者のための情報交換のスペースも確保すべきと考えます。さまざまな悩みや情報を共有し合える交流の場所の提供が必要と考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 次に、巡回相談員について伺います。

 現在巡回相談員は4名体制で区立幼稚園、小学校、中学校を定期的に巡回し、発達障害を含む障害のある児童に対し適切な教育や指導を行っています。巡回相談員は定期巡回のほかにも医師や特別支援学校の教員が同行する個別巡回、学校からの要請に応じた臨時相談などを行っています。発達障害児は早期発見、早期療育が進歩したこともあって近年著しい増加傾向にあります。発達障害の教育現場では巡回相談員の教育的役割や効果がますます期待され重要となってきます。さらなる教育現場での充実を図るためにも巡回相談員の増員が必要と考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 また、巡回相談員は気になる子どもが目にとまった際には、学校の先生方との連携をすぐにとっていますが、その保護者への対応はありません。現実をなかなか受けとめられない保護者も多く個別の対応が必要であります。的確なアドバイスや理解を深める気づきの機会をつくるためにも、巡回相談員である臨床心理士と保護者との個別の相談の場所は必要不可欠です。区としてもぜひ個別相談の場を設けるべきと考えますが、いかがでしょうか、伺って、この項の質問を終わります。

 最後に、教育行政について伺います。

 初めに、教員の人材確保について伺います。

 先生の卵の大学生たちを就職先である自治体が教師養成塾などを開いて事前教育に取り組むところがふえてきております。教育現場では団塊の世代の大量離職や少人数学級の導入などで教員の採用が大幅にふえ、教員採用試験の倍率は2000年ごろから低下しており、特に大都市圏ではその傾向が著しい状況であります。教師の質の低下への懸念から、東京都では2004年度から教師養成塾を実施、これを皮切りに首都圏では同様の教師塾の事前教育に取り組む自治体が相次いでいます。学級崩壊や保護者の要求の多様化などで学校運営の難しさが増す中、新人教員を即戦力にしたいとの思いがうかがえます。

 三鷹市では、教育委員会が主催してNPO法人である三鷹ネットワーク大学との共同企画として、「みたか教師力養成講座」を実施しています。教職に興味のある大学生1・2年生を対象として、小・中学校の教員の仕事内容や自己適性などを三鷹市の教育現役の校長や教師などから学ぶ講座です。講座は秋ごろから半年間、毎週土曜日に開催され、理論に加え特別教育実習として週1回程度実際の小・中学校の教育現場での実習を通して教師としての実践力を養うものです。受講するには教育委員会の選考試験に合格しなければならず、第一次選考では書類と小論文審査があり、その後二次選考へと進み、教育委員会による面接があり、かなり厳しい選考を行っています。講座のねらいについては三鷹の教育に理解がある優秀な人材確保のためですが、都内の公立学校の教員は東京都教育委員会が一括採用するので教員採用試験で有利になることはありません。しかし、新人教育の配置については学校運営協議会制度について定められている「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」に基づき、東京都に対して意見できる制度を利用することで、2006年度の講座開設以降4年間で19人の出身者が三鷹市に配属されました。こうした取り組みは教員の人材確保に大変有効であり注目に値するものであります。中野区としても独自の教員養成講座を開設するとともに、教員の人材確保のための仕組みをつくるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 次に、放課後の安全対策について伺います。

 小学校の放課後の児童の安全・安心の遊び場として活用している事業にキッズプラザ事業があります。キッズプラザには職員や学校安全指導員が配置され、児童の安全・安心を見守っています。この11月には緑野小学校内に7カ所目のキッズプラザが開設されました。また、平成25年度には谷戸小学校に開設する予定となっています。新しい中野をつくる10か年計画(第2次)の中では、キッズプラザをすべての小学校に設置すると定めています。キッズプラザが整備されていない小学校の保護者からは、キッズプラザの整備を早くしてほしいとの声が上がっています。すべての小学校にキッズプラザを整備するとしている以上、区として年次計画を立て整備を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか、伺って、私のすべての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 南議員の御質問にお答えいたします。

 見守り対象者名簿の管理体制についてであります。

 見守り対象者名簿の提供に当たっては、町会・自治会が個人情報を適正に管理運用できる体制をしっかりと整えられるように対応してきております。このため区は町会・自治会と個人情報の取り扱いに関する協定を締結し、届け出られた名簿管理者と名簿閲覧者を対象に研修機会を設け、個人情報を扱う際の注意点や名簿をもとに巡回経路を落し込んだ地図を作成する場合の留意点などを具体的に示し、現場レベルでの周知徹底を図っているところです。

 また、名簿については区民活動センターにいる区職員が保管管理することができることともしているところです。これらの配慮をしながら名簿の個人情報の保護管理ということについて厳密を期しているところです。

 緊急連絡カードの活用についてです。

 緊急連絡カード情報は、すこやか福祉センターへの緊急通報時に活用しているほか、民生児童委員、地域包括支援センターとも共有をして、必要に応じて警察、消防へも情報提供するなど緊急対応を行っております。御提案があって実現をした緊急連絡カードのキットにつきましては、今後も計画的に普及をしてまいりたいと考えております。

 それから、高齢者情報のデータベース化であります。

 地域での支えあい活動を円滑かつ的確に行うためには、高齢者等の要支援者にかかわる基本情報をベースに、職員や民生児童委員の訪問活動によって収集した情報や地域からの情報などを一元管理できることが重要であります。現在も地域包括支援センターとの間で必要情報の交換や共有に努めているところですが、システム構築をすることによって区民活動センターに配置した支えあい推進担当職員を含むすこやか福祉センター内の各職員や、あるいは地域包括支援センターとの効率的な情報の共有化を進めることができると考えて、この検討を進めているところであります。

 エコポイントについての御質問であります。

 持続可能な制度にする対策についてということです。持続可能な制度にするために社会状況や区民の関心を踏まえて、環境行動に対するポイント交付や既に登録して一定の成果を出した人がその成果を維持したことに対するポイント交付など、交付対象の拡充や基準の見直しを図り、多くの区民が参加し継続的な取り組みに結びつくようにしていきたいと考えております。このためエコポイント独自の広報の普及に加えて、3ポイント連携した広報によって相乗効果を図っていきたいと考えております。

 エコポイントの対象についてであります。ガス、水道も対象にするべきだと、こういう御質問でした。

 家庭部門のCO排出量の削減を促進するにはガスの使用量削減も必須であると考えております。24年度からは都市ガスもポイント交付対象に加えていきたいと考えております。水道につきましてもエコポイントを拡充する中で検討をしていきたいと考えております。

 それから、三つのポイント制度は法人が運営するので持続可能な法人運営とすることが必要だと、こういうことであります。このポイント制度の運営は区と協定等を締結する法人が担うこととしておりまして、継続的な制度運営に当たっては法人の健全な経営が前提となるものと考えております。こういう言い方をしていると大変話がややこしいように聞こえるんですが、早い話が事務を民営化するということだというふうに御理解いただくしかないと私は思っております。参加店や区へのポイントの販売による一定の利益の確保はもとより、参加店の募集や確保にかかわる法人の営業努力、これに対して一定のインセンティブを与えるなど、法人が安定的かつ継続的な事業運営ができるような、そうした仕組みをつくり出していきたいと、こう思っております。

 それから、法人をなくして、エコ・地域支えあいポイントでためたポイントをお買い物ポイントとして商品券に交換できるような簡単を仕組みにかえることができるというような御質問ですが、お聞きする限り別段簡単ではなく、同じことを言っていらっしゃるのではないかと、こんなふうに思います。さらに言うなら、アプリを導入してお店に入っただけでクーポンやポイントがもらえるシステムというのを提案されておられますけれども、そちらも相当難しいことになってまいります。いずれにしても、私が思いますにはこうした制度というのは、できて動き始めれば使った方にとってわかりやすい、簡単に入っていくことができる。そういう仕組みにすることが何より重要なのかなと、こういうふうに思っております。いずれにしましても、より多くの区民や店が参加できるように十分な検討を行うとともに、区商店街連合会や町会・自治会等とも協議をしながら制度の充実を図っていきたいと、こう思っております。来年7月を目標としている実施時期につきましては、わかりやすく利用しやすい持続可能なポイント制度を構築するということを第一に考えておりますことから、必要に応じて柔軟に対応することとしたい、こう考えております。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 障害児施策の充実についての御質問で幾つかお答えをいたします。

 たんぽぽ学級廃止後、都立特別支援学校へ通学する際の課題への対応ということでございます。

 現在肢体不自由学級に在籍している児童・生徒が都立特別支援学校へ通学する際は保護者の意向を十分に尊重し、安全に通学できるような方策について関係機関と十分協議を進めてまいりたいというふうに考えておりますが、必要に応じ区の独自の支援策も考慮していきたいというふうに思っております。

 次に、たんぽぽ学級の後に予定をしており重度重複障害施設の整備内容についてでございます。

 今後事業内容やそれに伴う施設の整備内容を検討していく際には、御提案がありましたような可能性についても検討してまいりたいというふうに考えております。

 次に、巡回相談員の増員でございます。現在巡回相談員が巡回をしております支援対象児童・生徒の増加に対応するとともに、今後展開を予定しております各小・中学校の特別支援教室の運営や巡回指導員への助言などを行うため、今後巡回相談員を増員していく必要があるというふうに考えてございます。

 また、保護者の相談等の御質問がございました。

 現在保護者が相談する機関といたしましては、教育センターやすこやか福祉センターが基本でございますが、これらの機関と巡回相談員が連携をしながら役割分担をしてございます。保護者への巡回相談員の相談支援につきましては、巡回相談員の今後の役割を検討する中でその必要性についても考えていきたいというふうに思っております。

 次に、教育行政について、初めに教員の人材確保の御質問がございました。

 御質問にもありましたように、現在の人事制度では教員の任命や配置は東京都教育委員会の所管でございます。また、中野区独自の施策といたしまして、授業の補助などに教員採用試験前の人たちを対象に学力向上アシスタントを採用しております。この学力向上アシスタントへの研修の充実など、三鷹市教育委員会の取り組みを参考に教員の人材確保について研究をしてまいりたいというふうに思っております。

 最後に、キッズプラザの整備促進の御質問がございました。

 現在、放課後の児童が伸び伸びと安心して過ごせる遊び場づくりを促進するため、小学校内にスペースが得られる学校についてはキッズプラザの整備を進めてございます。今後、現在作業中の学校再編計画を策定していく中でキッズプラザの計画的な整備も視野に検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

都市基盤部長服部敏信登壇〕

○都市基盤部長(服部敏信) 私からは、防災会の支援にかかわります御質問にお答え申し上げます。

 まず、避難所のかぎの保管についての御質問をいただきました。

 発災時に速やかに避難所が開設されるよう必要な対応を図っておく必要があることは十分認識してございます。御質問にございました地震の揺れで自動的に解錠するかぎがオープンになるキーボックスにつきましては、避難所のかぎの管理の方法等全般を検討する中で研究していきたいと考えてございます。

 次に、防災訓練の関係で講演会等の工夫をということの御質問をいただきました。

 災害時に適切に避難所運営を行うためには実際に動く実動訓練のほかに、さまざまな場面でを想定した対応を考えるゲーム方式の訓練や講演会等の実施についても効果的であり、今後ともさまざま工夫して実施していきたいと考えてございます。

 以上でございます。

〔都市政策推進室長遠藤由紀夫登壇〕

○都市政策推進室長(遠藤由紀夫) 私からは、警察大学校等跡地の開発に伴い産業振興策についてお答え申し上げます。

 まず、情報発信等の取り組みについてでございます。産業振興策には区内外からの来街者が増加することが大切であり、飲食店等さまざまな既存の資源について紹介し、だれでも手軽に情報収集ができるようなコンテンツにより、広く情報を発信することが重要であると考えております。アプリ等につきましては区内の産業、商業等の活性化に資する内容のものについて研究してまいりたいと考えております。

 次に、区の窓口に関する御質問でございます。

 警察大学校等跡地地区に進出する大学や商業、業務施設等とも協力いたしましてイベント開催の情報共有や連絡調整など、効果的にエリアの魅力発信等ができるよう、区といたしまして一体的な対応をしてまいりたいと考えております。

 御当地グルメの開催についての御質問でございます。

 区のイメージアップのため「中野の逸品グランプリ」を平成18年度から開催しているところでございます。地元に愛される中野の特徴ある飲食物について試食が行えるイベント等を開催することについては今後検討してまいります。

 以上でございます。

〔南かつひこ議員登壇〕

○15番(南かつひこ) それでは、何点か再質問をさせていただきたいと思います。

 まず、見守り対象者名簿についてでありますが、検討を進めていきたいというような御答弁だったかと思います。民生委員やその地域の方々からの集めた情報をもとにして、そういうデータベース化、システム化を考えていきたいということだったのですが、議会としても地域支えあい特別委員会を今年度から設置をして、さらにこの地域見守り支えあいが非常に重要であるという認識で議会も動いていっているわけでありますし、そういう意味ではこの見守り支えあいの中で見守りに対する名簿のデータベース化というのは一日でも早くしたほうがいいのではないかというふうに考えるわけであります。ですから、そういった意味でいつまでに検討するのか、そういったことを再質問をさせていただきたいと思います。

 それから、あと3ポイントについてでありますが、法人のことについて再度お聞きをしたいと思いますけれども、法人が健全な経営が当然前提であるというお答えでありましたし、事務ということを民営化していくというような御答弁でありましたけれども、それと、始まってしまえば区民にとって使い勝手がよければ、それでいいようなというような形の御答弁だったかに思いますけれども、区民にとっても当然使いやすい制度であることは大切でありますけれども、一番心配されているのは商店街であり、また個店のそれぞれのところであるかと思います。そういったところが非常にさまざまな法人を使って本当に自分たちはプラスになるのかマイナスになるのかというのがわからない状況であるのが今一番不安なところだと思うんですが、その点を踏まえてもう一度御答弁をお願いできればというふうに思います。

 それから、警察大学校等跡地地区におけることで、専用窓口の開設の質疑に対して、一体的な対応を考えているということでありましたけれども、三つの大学が今度できますし、その中で平成帝京大学さんとかは子育て支援に関するそういう取り組みであるとか、それから介護の問題に対する取り組みをやっていこうというお気持ちがあるようでありますし、また明治大学さんについては防災、安全に対して取り組んでいこうというふうにも聞いております。そういったことを考えると所管がそれぞればらばらになっているように──窓口がですね──思うわけですね。あと11月の23日には早稲田大学の交響楽団がZEROホールで中野区と共催という形で文化交流事業として演奏会を行いました。これは健康福祉部のほうで生涯学習のほうでされていたわけですね。そういった取り組みとか、また所管が違ってくる。それをあそこの警大跡地というのは情報発信の拠点としてやっていくわけですから、それをきちっと窓口で押さえてネットワークを組んでやっていけるような、そういう窓口の開設という意味で言ったんですが、その辺もう一度お聞きしたいと思います。

 それから、巡回相談員についてでありますが、検討して増員を考えているということでしたが、これは何人ぐらいを想定されているのかと、あと、いつごろからこれを動員される予定なのか、この点を再質問させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 再質問にお答えします。

 見守り情報の一元化、システム化について、いつまでにやるんだ、早くやったほうがいいじゃないかと、こういうことでありました。私どももここのところが言ってみれば一つの肝というか、大変重要なポイントだというふうに思っておりまして、担当も私もぜひ早く進めたいとは思っております。ですが、ここから先の話は来年度の予算編成のほうに入ってまいりまして、厳しい財政状況の中、どう判断するかと、こういうことでもあるということで、きょうのところはそういうお答えにさせておいていただきたいというふうに思っております。

 それから、3ポイントの話なんですけれども、お店のほうが何しろ戸惑ったり負担感があったりしないということが重要なのではないかと、こういうことでありました。私どももそう思っておりまして、一番簡単なやり方というところから入る方法はないかというようなことを考えたりして、通常やっておられる店のあるような紙のポイント制度みたいなものとほぼ同じような形ということも考えてまいりました。法人云々という話はもう一度言いますけれども、必ずしもそれのために存在するような法人を立ち上げなければいけないものだとも考えておりません。事務量から考えて、どこか例えば会社に委託することだって会社の法人であればそれもできるかと思いますし、団体に委託することでもできるかと思いますし、そういった意味で一番経済的にそれを効率的に運営できるという民営化をしていく形として何らかの法人が発行の事務をするということを想定しているということで御理解いただきたいと、こういうふうに思っております。

 それから、中野駅周辺や警大にかかわって産業振興のこととか、あるいは公園利用のこととか、あるいは大学連携のこととかハード整備のこととか、いろいろな課題を一つの窓口で区として受けとめて統一的な対応ができるように、よりいい連携ができるようにするべきだと、こういうことだと思っております。そういうことは大変重要だというふうに私どもも思っておりますので、都市政策推進室という室をつくって、そこの窓口がそういったようなことをトータルにとらえて区全体の中に受けとめていけるようにすると、こういう体制をつくっているところであります。あまりうまく機能していないようでしたら、ぜひおしかりをいただければと思っております。

教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 巡回相談員についての再質問がございました。

 いつごろからということですけれども、来年度以降増員をしていきたいというふうに考えております。

 また、何人ぐらいということですけれども、先ほどもお答えいたしましたように、今後巡回相談員の役割というのも検討していく必要があるというふうに思っておりまして、その役割によりまして何人ぐらいというのは今後数が決まってくるというふうに思っております。

○副議長(久保りか) 以上で南かつひこ議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○副議長(久保りか) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は、12月5日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

午後5時14分延会