1.平成24年(2012年)2月21日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(42名)
1番 若 林 しげお 2番 高 橋 かずちか
3番 木 村 広 一 4番 甲 田 ゆり子
5番 小 林 ぜんいち 6番 中 村 延 子
7番 石 坂 わたる 8番 後 藤 英 之
9番 石 川 直 行 10番 内 川 和 久
11番 ひぐち 和 正 12番 いでい 良 輔
13番 白 井 ひでふみ 14番 平 山 英 明
15番 南 かつひこ 16番 森 たかゆき
17番 いながき じゅん子 18番 林 まさみ
19番 小宮山 たかし 20番 浦 野 さとみ
21番 伊 東 しんじ 22番 佐 野 れいじ
23番 北 原 ともあき 24番 吉 原 宏
25番 小 林 秀 明 26番 久 保 り か
27番 酒 井 たくや 28番 奥 田 けんじ
29番 近 藤 さえ子 30番 金 子 洋
31番 長 沢 和 彦 32番 大 内 しんご
33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき
35番 市 川 みのる 36番 篠 国 昭
37番 やながわ 妙 子 38番 佐 伯 利 昭
39番 むとう 有 子 40番 か せ 次 郎
41番 来 住 和 行 42番 岩 永 しほ子
1.欠席議員(0名)
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 副 区 長 金 野 晃
副 区 長 阪 井 清 志 教 育 長 田 辺 裕 子
政 策 室 長 竹 内 沖 司 経 営 室 長 川 崎 亨
都市政策推進室長 遠 藤 由紀夫 地域支えあい推進室長 長 田 久 雄
区民サービス管理部長 登 弘 毅 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 村 木 誠
健康福祉部長 田 中 政 之 保 健 所 長 田 原 なるみ
環 境 部 長 尾 﨑 孝 都市基盤部長 服 部 敏 信
政策室副参事(企画担当) 小 田 史 子 経営室副参事(経営担当) 髙 橋 信 一
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 篠 原 文 彦 事務局次長 石 濱 良 行
議事調査担当係長 佐 藤 肇 書 記 関 村 英 希
書 記 河 村 孝 雄 書 記 東 利司雄
書 記 丸 尾 明 美 書 記 土 屋 佳代子
書 記 鳥 居 誠 書 記 細 川 道 明
書 記 岡 田 浩 二 書 記 鈴 木 均
書 記 永 見 英 光 書 記 竹 内 賢 三
議事日程(平成24年(2012年)2月21日午後1時開議)
日程第1 第6号議案 平成24年度中野区一般会計予算
午後1時00分開議
○議長(大内しんご) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 小 林 秀 明
1 高齢者等が中野で安心して暮らせるまちについて
(1)高齢者肺炎球菌ワクチン接種費用助成制度について
(2)定期巡回・随時対応型訪問介護看護について
(3)「介護マーク」について
(4)「中野就職サポート」事業について
(5)その他
2 防災対策について
3 中野駅周辺まちづくりについて
4 中野区立第六中学校跡地について
5 その他
○議長(大内しんご) 最初に、小林秀明議員。
〔小林秀明議員登壇〕
○25番(小林秀明) 平成24年第1回定例会におきまして、公明党の立場から質問をさせていただきます。
初めに、高齢者等が中野で安心して暮らせるまちについて伺います。
中野区の人口は平成23年では約31万人であり、近年は横ばいの状態にあります。世代別に見ると、65歳以上の高齢者人口は増加傾向にあり、平成23年では6万1,000人を超えています。今後もこの傾向は続き、平成26年には65歳以上の高齢者人口比は21%を超える見込みです。65歳以上の高齢者のみの世帯数が増加する中で、特に高齢者単身世帯数は毎年約500世帯ずつ増加し、平成23年では2万1,325世帯となっております。高齢者の方々が中野で安心して生活ができるようにとの思いで、質問をさせていただきます。
高齢者肺炎球菌ワクチン接種助成制度について伺います。
このたびの区長の施政方針説明の「健康・生きがい戦略」の項目で、「75歳以上の肺炎球菌ワクチンの接種費用の一部助成を行う」と述べられました。この政策について私は、初当選の年の平成19年度から議会で取り上げ、今回で4度目の質問となります。また、我が会派の議員も重ねて質問をしてまいりました。会派の重点項目にも毎年掲げてきたテーマでもあり、いよいよ来年度より実施予定となったことを高く評価いたします。
高齢化社会を迎えて、肺炎の危険性が増しています。抗菌薬の発達にもかかわらず、我が国全体の死亡原因において、肺炎は全死亡原因の第4位であり、高齢者に限ってみると第1位です。厚生労働省の平成22年の人口動態統計から、肺炎による死亡は60代では10万例当たり5人程度ですが、80代では10万例当たり約70から160人です。10倍以上になります。85歳以上では、10万人当たり年間2,000人以上が肺炎で死亡し、毎日200人以上が肺炎で治療されていると推定されています。
各自治体において、インフルエンザ接種助成とともに、高齢者の肺炎球菌ワクチン接種の公費助成が推進されてきました。このたび、区長の肺炎球菌ワクチン接種助成の御決断を受け、我が区においても高齢者が安心して暮らせるまち中野が一歩進むことになると確信します。
そこで、高齢者肺炎球菌ワクチン接種助成の助成する金額、対象者の年齢等について、制度の概要を伺います。
また、東日本大震災により、中野に避難されている災害救助法の適用を受けた方で住民票のない方にも、この制度を適用すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
この制度は高齢の方々が対象になります。申し込み手続においては、わかりやすさに配慮をしながら進めるべきと考えますが、区としてどのように行うか、お伺いいたします。
また、広報等においても、この制度を高齢者がわかりやすいように、すべての指定医療機関にポスターを掲示すべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
区報やホームページでの周知に当たっては、肺炎球菌について、高齢者の方が疑問に思われるような項目を、質問と答えのQ&A方式で紹介するとわかりやすいと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
以上、この項の質問を終わります。
次に、定期巡回・随時対応型訪問介護看護について伺います。
平成23年第3回定例会でも質問をいたしましたが、高齢者が可能な限り住みなれた地域で、その人の能力に応じて自立した日常生活を営むことができるよう、中野区においても、改正介護保険法による定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービス事業の導入を強く要望したところです。区長からは、「次の第5期の介護保険事業計画にきちんと位置付け、取り組んでいきたい」との御答弁をいただきました。
平成24年度が第5期介護保険事業のスタートとなります。今年度に区が行った高齢福祉・介護保険サービス意向調査報告書によると、今後の在宅生活について聞いたところ、要介護3から5までの高齢者の72%が「可能な限り自宅で暮らしたい」と答えております。こうしたニーズにこたえるためには、各種在宅サービスを充実させ、地域包括ケアの体制づくりを着実に推進していくことが不可欠です。そこで、中野区が進めていく定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスについての概要を伺います。
制度のスタートに当たり、サービス拠点を何カ所開設する予定でしょうか、伺います。
24時間にわたり定期的に、また随時に要介護者のお宅で介護をするそのサービスについては、サービス費が高額になるというイメージがありますが、介護サービスの料金と負担金は幾らになるのでしょうか、伺います。
第5期の介護保険事業計画の期間である3年間において、どのような目標等を挙げられるのか、伺います。
また、住みなれたまちで安心して生活を続けることが可能とされるこの在宅サービスについて、既に先行実施している自治体のモデル事業を利用されている単身高齢者の反響はどのようなものがあるのか。また、制度の具体的な効果についてもお伺いいたします。
この定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスは、毎日、複数回巡回する地域密着型のサービスです。特に、ひとり住まいで介護を必要とする高齢者にとって、中野区の地域支えあいを推進する大事なサービスともなります。この定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスが、住みなれた中野に安心して暮らせる支えとなるよう、力強く推進していただくことを願い、この項の質問を終わります。
次に、「介護マーク」について伺います。
このマークが「介護マーク」です。大きいものは……。これは認知症の家族を介護している人が、外出先で周囲に介護中だとわかってもらえるように、全国で初めて作成した介護マークです。名刺よりもやや大きいサイズのカードに「介護中」の文字を両手で支えるイラストが描かれています。透明のケースに入れて首から下げて使います。この普及を厚生労働省が全国の自治体に呼びかけています。「マークは先進的な好例」として、昨年の12月に各都道府県あてにマークの電子データやチラシなどを送付しました。中野区にも届きましたでしょうか。
静岡県が「認知症の人の家族会」と開いた会合で、妻を介護する男性から要望が寄せられたのがきっかけであります。昨年の4月から、窓口で申請すれば受け取れるようになりました。アルツハイマー病の妻を介護する男性は、介護マークを利用した感想をこう話しました。「これまでと異なり、周りの人から不審な目で見られなくなった」と。私も20代のころ、祖母の介護を8年間付き添ってまいりました。その体験からも、この介護マークに感心いたしました。
介護マークの活用場面の例です。介護していることを周囲にさりげなく知ってもらいたいとき、また、駅やサービスエリアなどのトイレで付き添うとき、また、男性介護者が女性の下着を購入しなければならないとき、病院で診療室に入る際に、一見、介助が不要に見えるのに2人で入室するときなどなどです。
我が会派は、区民に対し認知症への理解を深めるために、中野区の認知症サポーター養成講座を推進しております。この介護マークの推進により、さらに認知症への配慮や理解を深めていくことができると思います。
介護マークの活用は区内だけではなく、どこでも理解ができるように、全国統一で同じデザインが必要です。中野からも広げてはいかがでしょうか。区役所の窓口、また地域包括支援センターの窓口で説明して渡すようにしてはいかがでしょうか。高齢者に優しい中野のシンボルにもなります。区長の御見解を伺い、この項の質問を終わります。
次に、「中野就職サポート」事業について伺います。
中野就職サポート事業は、障害者の方や生活保護受給者の方の就職活動を主に支援する事業です。ことしの2月に区庁舎の2階に設置され、本格的にスタートいたしました。ハローワーク新宿と連携することにより、同じ求職情報を検索することができます。生活保護や離職者の相談を受け付ける場所の隣にコーナーがあり、そこにハローワークの職員が常駐しています。就職先をパソコンで検索する方法をアドバイスし、職業訓練校の紹介や就職相談を行い、職業あっせんも受けることもできるようになりました。区民にとって大切な事業であると思います。
これまで、生活保護受給者が区の窓口などで就職先を探すよう求められても、他区のハローワークまで行かなくてはならない状況でした。同じ窓口で気軽に就職相談ができる中野就職サポート事業は、利用者の利便性と自立に役立つものと思います。しかし、生活保護受給者にとって、就職するための大きな壁は、場所が身近になっただけでは解決ができないものがあります。自分の職や経歴、長所を履歴書にまとめることが苦手であったり、採用面接に全くなれていない方も多いと聞いております。新卒の学生には模擬面接や採用試験の練習の支援があるように、生活保護受給者等の方にも同様の支援がぜひとも必要であると思います。こうした取り組みをハローワークとの連携により推進してはいかがでしょうか。御見解を伺います。
また、60歳を超えるシニアの方々は、定年退職後の再就職が難しい時代になっております。シニアの方の多くは、「まだ仕事を続けたい」という声がほとんどです。しかし、再就職の道はなかなか厳しく、不景気も重なって、離職状態が長期化する状況でもあります。このため、最終的には貯金を取り崩し、年金だけでは生活ができない人もふえ、おのずと生活保護に助けを求める方がふえる結果にもつながっております。
区は、生活保護受給者や離職者のために中野就職サポート事業を設置したわけですから、生活保護に至るシニアを未然に防止するためにも、この事業を大いに活用するべきだと考えます。再就職がうまくいかず、生活保護に移行しそうな困っているシニアの方のために、中野就職サポート事業の一環として、シニア向けの相談をぜひ行ってほしいと思います。東京都しごとセンターにはシニアコーナーがあり、東京都版シルバーハローワークを創設するといった動きも出てきております。区もこういったことを参考にして事業を進めていくべきと考えますが、御見解を伺います。
以上、この項を終了いたします。
次に、防災対策について伺います。
ここでは、災害時に活躍する衛星携帯電話について伺います。
世界で発生しているマグニチュード6以上の地震の約2割が日本で起きていると言われています。今後、発生する確率が高いと言われる東南海・南海地震、東海地震及び首都直下型地震への対応が急がれます。
電波法令が改正され、地域防災無線が平成23年5月31日で電波の使用期限を迎えることになったため、中野区は、地域防災無線、移動系無線を統合したデジタル移動系無線整備を行ってきました。現状では、地域センター・避難所をはじめ、防災関係機関等に合計201台が整備されております。いざとなれば中野区の防災センターを中心とした相互の連携がとれるようになっております。国においても、東京都においても、こうした防災用の無線システムが構築されています。そこで、このシステム整備は既に完了していますが、毎年の保守料は幾らとなっているのか、伺います。
今回の東日本大震災では被災地で携帯電話が通じなくなるほど、通信手段が課題となりました。厚生労働省は、大規模な災害が発生した直後に被災地に入り、救急医療を行う災害派遣医療チームに衛星携帯電話を配置することを決めました。全国約1,000チームに1台ずつ配備することになります。
今月2月10日に、総務省総合通信基盤局の電波監理審議会において、「電波法施行規則等の一部を改正する省令案」が出されました。総務省が推進しているインマルサットが提供する衛星携帯電話の概要は、1台7万9,800円、月額の基本料金が2,000円、通信料金は1分1ドルほどです。全世界をカバーする通話エリア、信頼性の高い安定した通信ネットワークと品質、長時間駆動のバッテリーで、連続待ち受け最大100時間とのことです。
中野区には、東京都から配置された固定式の衛星電話が数台配備されていますが、防災無線、固定式衛星電話のほかに、ぜひこの移動式衛星電話を加え、区民の命を守るために対策を講じるべきと考えますが、御見解を伺います。
この項を終了いたします。
次に、中野駅周辺まちづくりについて伺います。
最初に、中野駅の南側、中野三丁目地区のまちづくりについて伺います。
現在、グランドデザインVer.3の検討が進められていますが、先日2月6日未明に、中野駅現北口広場と新北口広場を結ぶ東西通路の橋が、大型のクレーンによりつり下げられ設置されました。中野三丁目地区につきましては、第2期整備に位置付けられているにもかかわらず、中野駅西側南北自由通路の整備、また、この通路のおり口となる広場の全容が見えてきません。既に既成市街地となっている三丁目地区では、おり口となるような駅前広場を整備するとなると、その空間を生み出すためのまちづくりに向けての方向性や、地元の合意が形成されていく必要があります。ところが、地元ではそのような広場整備の話は一切聞いていないということで、私のみならず、地元でも大変心配しているように伺っております。中野駅の南側の活性化に向けて、広場整備を含むこの三丁目地区のまちづくりは不可欠なものと考えますが、地区整備や基盤整備の検討、また、時間的な余裕がない中での具体的な業務化に向けての検討など、今後どのように取り組んでいくのか、区のお考えを伺います。
また、グランドデザインVer.3の検討の論点の中で、駅ビルについての表記がなされております。まちの全体の活力・魅力を高める新たな商業・生活サービス機能や、利便性の向上に資する機能を誘導するとあります。この駅ビルの位置や規模次第では、場所によっては、西側南北自由通路に大きな影響を及ぼすこととなります。今後どのように取り組まれるのか、お伺いいたします。
警察大学校等跡地は、その愛称が「中野四季の都市(まち)」と決まり、東京建物グループの建物のテナントも上場企業の栗田工業とキリングループの2社が決定しました。今後、さらにその数がふえていくことを大いに期待しております。
さて、この地区の南側にある中野四丁目囲町地区では、囲町の東側を中心に再開発準備組合が発足し、積極的にまちづくりに取り組んでおります。中野区の都市計画マスタープランによりますと、この地区は、商業・業務・都市型住宅などによる土地の高度利用と都市計画道路補助221号線の整備を進めるとなっております。この都市計画道路は、中野区から杉並区を経由して環状七号線に至ります。2区にまたがる都市計画道路として、地元の区民が心配しています。この道路の整備主体はだれになるのか、さらには、どのように整備が進められるのか、この2点について、区のお考えを伺います。
区民が注目している中野駅周辺のまちづくりが着実に実現し、中野区全体のまちの発展を牽引していくことを願いながら、この質問を終わります。
次に、中野区立第六中学校の跡地について、防災の観点から質問をいたします。
中野区立第六中学校は、廃校後、愛成学園園舎の建てかえのため仮園舎として活用されました。その後は、大妻学園校舎の建てかえのために現在も活用されております。
ここで、この第六中学校の解体のスケジュールをお伺いいたします。
中野区立第六中学校が隣接する野方三丁目地域は木造住宅密集地で、解体を機に、緊急車両等が入りやすくするために中学校跡地に接する道路の拡幅など、地域の防災向上に向けた計画をするべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
さらに、東京都が第六中学校の跡地を購入する場合、地域防災向上のために緊急車両等が入れるように、妙正寺川側道を中野工業高校の敷地内に延長してはいかがでしょうか。緊急時には妙正寺川側道から直接、中野工業高校敷地内に入れるようになり、また、野方三丁目地域の拡幅した道路にもつなげることができると考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
また、今まで避難所となっていた第六中学校校舎の解体が始まれば、野方二丁目、野方三丁目地域の方々の避難所がなくなります。この地域住民の避難所をどのように計画しているのか、伺います。
以上、この項の質問を終わります。
次に、中野区の被災地支援について伺います。その他のところでございます。
阪神・淡路大震災と比べても、東日本大震災の被災地応援のためのボランティアが少なく、しかも冬に入り、急激に減ってきたと聞きます。被災地のために何かできないかとの思いでホームページを探していたところ、目黒区のホームページに、友好都市協定を結んでいる宮城県角田市と気仙沼市の民間事業者のバナー広告が掲載されているのが目にとまりました。洋菓子店や角田市商工会、気仙沼の地酒、気仙沼さかなの駅、角田市直産元気野菜!、気仙沼復興物産市、気仙沼お魚市場など、明るいカラーでにぎわっています。バナー広告はすべてで26件ありましたが、そのうち16件が復興支援になっています。クリックをして買い物ができるようになっております。目黒区が被災地経済の復興を支援したいとの目的で、通常、掲載料月2万円を1年間無料にしています。被災地の現地には行くことができないが、区のホームページから買い物をして支援している区民がたくさんいるようです。目黒区のホームページは月平均25万件のアクセスがあるとのことです。
中野区は、東松島市、そして岩沼市、亘理町の被災地へ職員を派遣し続けています。目黒区と同様に、中野区もホームページで支援をしてはいかがでしょうか。中野区の多くの区民も、被災地の応援・支援を望んでおります。区の英断を伺います。
最後に、中野区の区民の皆様、被災地の方々を元気にしましょう。
以上、すべての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 小林議員の御質問にお答えをいたします。
まず、高齢者肺炎球菌ワクチンの接種費用の助成についての御質問がありました。助成の対象等についてです。まず、助成対象は75歳以上の高齢者で、区内契約医療機関での接種1回につき2,000円を助成するというものであります。また、区内に避難をされている東日本大震災の被災者の方へも区民と同じ取り扱いをさせていただくということにしております。
接種に際しましては、区への申し込み手続は不要であります。区内契約医療機関で接種を受け、医療機関の窓口で助成額を差し引いた料金を支払えば済むといった方法で実施をすることとしております。
医療機関に周知のためのポスターを掲示するということは必要なこと、また効果的な周知の方法ともなると考えておりますので、実施をしてまいります。
また、区報やホームページ等を活用しながら、助成制度が十分に御理解いただけるよう利用方法のPR、あるいはQ&Aなど、わかりやすい情報提供を行ってまいりたい、このように考えております。
続きまして、定期巡回・随時対応型訪問介護看護についてであります。このサービスの概要ですが、24年度から始まる第5期介護保険事業計画期間の3カ年では、この24時間型の定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスの見込み量につきましては、サービス拠点は2カ所の設置、利用者は月平均24人程度を想定しているところであります。
この事業を導入することによります保険料への影響額、これについては、基準額でお1人当たり、被保険者1人当たり月額約17円になると見込んでいるところです。
平成22年度に他の自治体で行われましたこの新しいサービスのモデル事業では、毎日複数回の定期的な訪問に加えて、必要なときに24時間いつでも訪問サービスが利用できるということで、二重の安心感があること。また、コールボタンを押せばいつでも待機するオペレーターに相談できるといったようなことが高く評価をされております。区といたしましては、特に重度の要介護者が在宅生活を継続する上で、この事業の実施は大きな効果があるものと考えております。
それから、介護マークの活用についての御質問がありました。静岡県で作成した介護マークにつきましては、昨年12月に厚生労働省から都道府県へ情報提供があり、この1月に都からも普及活用について事務連絡があったところであります。区としては、この活用につきまして、他の自治体の状況等情報収集に努めながら、区として活用する方法はあるのか、どのような効果があるのか、よく検証していきたいと思っております。
それから、就職サポートの支援の拡充についての御質問でありました。生活保護受給者の中には、就職活動の際に、自分の長所や職歴について十分な説明をするといったようなことが不得意な方が比較的多いと言われております。生活援護の担当としては、そういった方々に就労支援プログラムの中で区の支援員による指導を行ってきたところでありますが、今後はハローワークの職員による模擬面接や専門的なアドバイスなども入れ、より充実した実践的な支援を行っていきたい、こう考えております。
また、シニア層への相談の充実をという御質問がありました。中野就職サポートは、生活に困窮する離職者のあらゆる年齢層に対応しております。シニアの年齢層につきまして、きめ細かな相談が必要という認識も持っておりまして、ハローワークと連携し、シニアのニーズに合った対応についても充実を図ってまいりたい、こう考えております。
私からは以上です。そのほか、それぞれ担当のほうからお答えいたします。
〔都市基盤部長服部敏信登壇〕
○都市基盤部長(服部敏信) 私からは、防災対策及び区立第六中学校周辺の道路整備等につきましてお答え申し上げます。
まず、防災対策でございます。デジタル系移動無線の耐震対策並びに保守点検料等の御質問でございます。移動系無線設備の統制局につきましては、非常用発電設備と連動いたしまして停電時使用可能となっておりまして、総務省無線設備の停電・耐震対策のための指針に基づきまして、停電対策及び耐震対策の基準を満たしてございます。このデジタル防災行政無線(移動系)の保守委託につきましては、今回の予算案では相当額を計上しているところでございます。
次に、衛星携帯電話の導入につきましての御質問でございます。災害時におけます通信手段といたしまして、移動系防災行政無線設備が最も有効であると考えてございますが、それを補完するものといたしまして、衛星携帯電話の導入につきましても今後検討していきたいと考えてございます。
次に、中野区立第六中学校跡地のところで、六中周辺の道路整備につきましての御質問でございます。第六中学校跡地と都立中野工業高校の周辺は狭隘道路が多く、消防車も通行困難な状況であるため、第六中学校跡地の都への売却、都立中野工業高校の建てかえにあわせまして、周辺道路等の基盤整備を図り、地域の防災性を確保したいと考えてございます。また、東京都の荒川水系神田川流域河川整備計画におきまして、中野工業高校部分につきましては、妙正寺川の護岸と管理用道路を整備する計画となってございます。これらの実現につきまして、今後とも東京都と協議を行っていきたいと考えてございます。
さらに第六中学校の関係で、校舎解体以降の避難所の関係の御質問をいただきました。現在、旧第六中学校を避難所としている地域につきましては、東京都と避難所施設利用に関する協定を締結し、都立中野工業高校を避難所に指定したいと考えてございます。
以上でございます。
〔都市政策推進室長遠藤由紀夫登壇〕
○都市政策推進室長(遠藤由紀夫) 私から、中野駅周辺まちづくりについてについて御答弁申し上げます。
中野三丁目地区のまちづくりについてでございます。中野駅南側の活性化を図るためには、中野駅西側南北通路を含む中野駅地区第2期以降の整備を着実に進める必要がございます。中野駅三丁目地区につきましては、西側南北通路のおり口の整備が不可欠でございます。一帯の総合的なまちづくりの方針を検討する中で、まずは、おり口となる広場部分の確保のあり方について、一定の方向性を早急に得ていきたいと考えております。
駅ビルと南北自由通路についてでございます。平成21年度に実施いたしました西側橋上南北通路等の設計調査におきまして、自由通路のおおむねの位置が判明してございます。今後、南北通路等の整備、また中野三丁目のまちづくり、新北口駅前広場等の検討を進める中で、望ましい駅ビルのあり方について、区としても課題を整理し、区議会や区民の皆さんの意見をいただきながら、JR東日本と協議・調整してまいりたいと考えております。
補助221号線の整備と囲町のまちづくりについてでございます。補助221号線は昭和27年に東京都が都市計画決定したものです。今後、駅周辺のまちづくりを進める中で駅付近の交通負荷が増加することや、駅への交通アクセスの改善などを考慮すると、早期の整備が必要となります。この補助221号線は2区にまたがっておりまして、少なくとも中野区側における道路整備の具体化につきましては、囲町地区のまちづくり事業の中で事業とあわせて整備することが望ましいと考えております。囲町におけるまちづくりの検討とあわせ、その整備の主体や事業手法も含め、具体化をしてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
〔経営室長川崎亨登壇〕
○経営室長(川崎亨) 旧第六中学校の解体スケジュールについてお答えをいたします。
この解体工事につきましては、平成24年の8月までに解体の設計を終了し、その後、工事発注の準備を行い、12月ころには工事契約を締結し、平成25年6月を目途に解体除却を完了することを予定しております。
なお、地域住民の皆様へは適宜説明会を開催するなど、理解と協力が得られるよう進めていく考えでございます。
〔政策室長竹内沖司登壇〕
○政策室長(竹内沖司) その他の項で、被災地事業者のバナー広告の無料掲載についてでございます。
ホームページのバナー広告は区の歳入確保を目的として募集をしているもので、より多くの広告が掲載されるよう努めているところでございます。被災地支援のためのバナー広告の有用性については、研究をしてみたいというふうに考えてございます。
○議長(大内しんご) 以上で小林秀明議員の質問は終わります。
中野区議会議員 か せ 次 郎
1 事業見直しと新年度予算(案)について
(1)高齢者施策について
(2)障害者施策について
(3)子育て・教育施策について
2 中野区地域防災計画の改定について
3 中野駅周辺まちづくりについて
4 その他
○議長(大内しんご) 次に、かせ次郎議員。
〔かせ次郎議員登壇〕
○40番(かせ次郎) 日本共産党議員団の立場から、2012年第1回定例区議会において一般質問をさせていただきます。
まず1番目に、事業見直しと新年度予算(案)についてでございます。
まず、高齢者施策について伺います。
高齢者福祉センターについてでございます。高齢者福祉センターは、各種の相談、機能訓練や教養の向上、趣味、レクリエーションなどの事業を行うほか、介護予防の拠点として、地域の高齢者が健康で生きがいある生活ができるよう援助をするための施設となっております。年間延べ人数で約14万6,000人が利用し、サークル活動も、各センターとも37から55団体もあり、高齢者が健康で生きがいある生活ができるよう援助するための施設となっております。
ところが、12月5日に発表された事業見直しでは、4カ所の高齢者福祉センターを廃止することといたしました。区民からの意見提出は12月15日までと、わずか10日間。利用者説明は運営委員会の場を短時間提供してもらって行い、その内容は、「今後どのようにしたらいいのか」と相談されるわけでもなく、一方的に「廃止ありき」というものだったと訴えられました。利用者や地域での活用状況を十分にしんしゃくしないやり方に、不満と不信の声が広がっております。「意見があれば15日までに出してください」というような説明の仕方や、今後の方向を示さないままでは、不安や不信が広がるのは当然でありませんか。見解を求めます。
2002年の「行財政5か年計画」で、堀江高齢者福祉センターの運営が民間委託されようとしたとき、利用者から「直営を守ってほしい」旨の陳情が出されました。区は、「実施されてきた事業は継続し、質を低下させることはない」との見解を示し、今日に至っております。
せんだって、堀江高齢者福祉センターを訪問いたしました。大広間では40人ほどの方が、地下のホールでは20人ほどの方が、将棋を指すなど、くつろぐ姿がありました。「ここに来れば友達がおり、楽しい時間が過ごせ、生きる喜びがわいてくる」と大変な評判です。どこの高齢者福祉センターでもそうですが、その成果は地域福祉にも還元され、介護予防につながり、地域での支えあいネットワークをつくっております。
廃止発表以来、継続や存続を求める声が相次いで出されてもおります。弥生高齢者福祉センターからは運営委員長、町会長、商店街理事長連名で、また堀江高齢者福祉センターでは利用者の有志で、松が丘高齢者福祉センターでは運営委員長名で要望も出されております。利用者からの声を受け、区は「高齢者も含め、広く保健福祉、介護予防の場として活用する」とか、「高齢者会館的な機能は確保する」などの考え方を示しています。利用者の負担にならず、4カ所での活動の場を保障することが求められております。どのように答えるかをお聞きいたします。
2番目に、高齢者会館での入浴困難高齢者支援入浴について伺います。
入浴困難高齢者支援入浴は、身体機能の低下により入浴機会の確保が困難となった高齢者に対して、入浴の場を提供し、高齢者の健康の増進と福祉の向上に寄与するために高齢者会館で実施されています。もともと「ふれあい入浴」などと言われ、幅広い方たちに開放され、無料で実施されていましたが、平成21年の事業廃止計画に対し、区民から「おふろ屋さんの相次ぐ廃業で、高齢者会館の入浴が頼みの綱。何とか継続してほしい」といった陳情の議会採択を受け、利用料300円の導入など現在の形で事業が継続されてきました。
今回、高齢者会館での事業を廃止し、銭湯を利用しての介護予防事業に移行するとのことですが、実現の可能性はどうでしょうか。銭湯が減少している中で、営業時間に影響を与えない範囲で施設を提供できるおふろ屋さんが幾つあるのか、身体機能の低下した高齢者を介助できるスタッフの確保は可能なのかといった問題があります。また、近所におふろ屋さんがない方はどうなるのかといった根本問題もあります。こういった問題をどうするのか。入浴困難者の入浴の機会と提供を奪うような計画は中止すべきと思いますが、あわせてお答えください。
次に、障害者施策について伺います。
厳しい経済状況と的確な政策が持たれない中で、苦しい立場に置かれている障害者に対し、負担を和らげ、生きる希望を抱かせることこそ自治体の役割です。ところが、今回の事業見直しでは、福祉タクシー券の支給に所得制限を加えたり、知的障害者の方の「いずみ教室」の自動車使用料の一部負担金の導入など、負担増を押しつける内容になっております。そこで伺います。
まず、福祉タクシー券支給に所得制限を加える問題です。
この制度は、車いす等を使用する歩行困難な肢体不自由者等に福祉タクシーを供給することにより、社会生活の利便を図ることを目的としています。対象者は、「身体障害者手帳の下肢、体幹、または移動機能障害1~3級の方、上肢に係る障害の程度が身体障害者手帳1級の者」など、障害の重い方に支給されています。こういった方たちは、この制度があるからこそ安心して外出することができ、趣味を生かし、社会的な活動に参加することが保障され、生きる希望と力を養うことにもつながっております。福祉タクシー券に所得制限を加えることは、障害者の社会参加を抑制し、家庭に押し込める結果にはなりませんか。したがって、所得制限の導入はやめるべきと思いますが、答弁を求めます。
また、自動車を利用している方からは、ガソリン代にも助成するよう強い要望も出ています。既に20区で実施しており、渋谷区では年間1人当たり3万9,000円余、杉並区でも3万7,000円余の助成がされています。中野区でも実施すべきではありませんか。答弁を求めます。
次に、いずみ教室について伺います。
いずみ教室は、特別支援学校や特別支援学級を卒業した知的障害のある方の仲間づくりや自立した活動、余暇の充実のために開設されたものです。中野特別支援学校と第四中学校を会場にクラブ活動や調理実習を行うとともに、宿泊学習も実施しております。中でも宿泊学習は、自立した生活力を養う上で大きな効果が期待できるものとされてきました。この宿泊学習の交通費まで自己負担を強いるなど、あまりにも冷た過ぎます。中野区には、「障害のある人、ない人みな区民」といった標語もあります。障害のある方が生き生きと暮らせるまちこそ、目指すべきまちの姿ではありませんか。
自動車使用料に一部負担金を課すことはやめるべきです。答弁を求めます。
3番目に、子育て・教育施策について伺います。
まず、社会科見学・遠足代公費負担の継続についてでございます。
社会科見学は、区役所や議会、京王バス中野営業所、東京メトロ中野工場等、区内施設の見学や東京都の中央防波堤、国会見学など、各学年で学ぶ社会科のテーマに応じて実施されており、地域を知り、社会の仕組みを知るための大切な授業となっております。また、中学校で実施している高尾山や鎌倉への遠足は、グループ行動を通して責任ある行動を実践できる機会として、子どもたちの成長に大きく貢献しています。平成22年度の公費負担の実績では、小学校で1人当たり2,385円、中学校で3,872円となっています。ところが、この事業について、バスの借り上げ代などの交通費の公費負担分を廃止し、全額自己負担にしようとしております。
参加が義務付けられた正規の授業であるならば、義務教育の無償化を進めることこそ重要です。教育の機会均等という立場からも、経済的な理由にかかわらず、だれもが安心して参加できるよう社会科見学・遠足代の公費負担を継続すべきです。答弁を求めます。
「就学援助があるではないか」という議論もあります。ところが、この基準を、生活保護基準の1.2倍の所得を1.15倍に引き下げ、受給対象者を縮小しようとしています。教育費の負担感が大きくなっているとき、就学援助の拡大こそ図られるべきであり、基準引き下げはやめるべきです。答弁を求めます。
2番目に、中野区地域防災計画の改定について伺います。
東日本大震災では、マグニチュード9という巨大地震に加え、原発事故という最悪の事態を経験しました。この大震災と原発事故から学ぶ教訓として、「想定外」という責任回避をしてはならないということです。
研究者の警告では、「マグニチュード7クラスの直下地震の発生確率は70%」という報告もあり、東京都防災会議地震部会では、東京を襲う地震像として、これまでの東京湾北部地震(マグニチュード7.3)、プレート境界多摩地震(マグニチュード7.3)の二つの首都直下地震に海溝型地震(マグニチュード8程度)と立川断層帯地震(マグニチュード7.4)が加えられました。また、連鎖的被害が懸念される地震として、東海・東南海・南海連動地震、東北地方太平洋沖地震、新潟県中越沖地震を挙げています。これらの地震で、中野区にとって重大な影響を与えるのは、埼玉県飯能市から青梅市、立川市、調布市に至る立川断層で、まさに直下地震になります。また房総沖の海溝型地震では、直下地震と長周期地震が同時に襲い、甚大な被害が想定され、これまでの被害想定は大きく書きかえられることになります。
東京都は4月中に被害想定を出す予定だと聞いています。中野区でも、この被害想定をもとに、中野区内で起こり得るあらゆるタイプの地震、最大の規模・地震の震度を想定した地域防災計画の見直しが必要と思いますが、いかがでしょうか。
その際、「地震の発生は抑えられないが、震災被害は最小限に抑える」という震災予防の観点に立った見直しがされるべきと思いますが、あわせて認識と見解を求めます。
原発事故への対応についてもお聞きします。
東京電力福島第一原子力発電所の事故はいまだに収束せず、不安は後を絶ちません。茨城県の東海原発や静岡県の浜岡原発が事故を起こせば、福島原発の被害を超える大惨事になりかねません。東京都でも検討中ですが、中野区においても地域防災計画に位置付けるべきです。答弁を求めます。
2番目に、「倒れない・燃えない」まちづくりについて伺います。
中野区は木造密集地域が多く、何よりも倒壊による被害を防止することが重要です。倒壊を防止すれば、住民による初期消火も可能となり、延焼も防止できます。住民合意を大原則とし、不燃化・耐震化の促進、狭隘道路の解消や避難路、避難場所の確保を推進することは重要な課題です。そこで伺います。
まず、木造密集地域の不燃化促進についてであります。
中野区では、防災街区整備事業や地区計画により不燃化事業を進めています。しかし、この制度では都市計画決定による地区の指定が条件で、中野区全体をカバーするものではありません。防災まちづくりを進めるためには、地区を越えて利用できる助成制度や、まちづくり勉強会への支援が必要でございます。
計画区域以外の小さな街区でも活用できる「個別建物不燃化建てかえ」に対し、都の助成が受けられるよう働きかけること。また、上高田地域などで自主的な勉強会が行われています。今後、他の地域での立ち上げを含め、支援を強めることが必要だと思いますが、あわせてお答えください。
墨田区では、木造住宅の外壁に耐火性のボードを張りつけるなどの改修工事費を助成する事業を始めるとし、2012年度予算案に事業費1,000万円を計上しました。今後5年間で280棟の改修を見込んでいます。中野区でもこのような制度を導入してはどうでしょうか。区の見解を求めます。
中野区は、耐震改修助成制度のうち、ただ一つ実施されている耐震補強設計助成も、「制度が変わったから」との理由で廃止しようとしています。これまで政府は木造住宅の耐震化率を引き上げるために、区市町村の行う耐震改修助成制度の活用を促進する目的でとられた減税策「耐震化促進減税」制度を運用してきました。さらに促進することをねらいとし、この制度を利用するための条件であった「地方公共団体の行う耐震改修事業の活用」を緩和しました。本来ならば、さらに木造住宅の耐震化を促進するため、耐震助成制度を拡充すべきではありませんか。答弁を求めます。
次に、消防水利について伺います。
中野区地域防災計画「平成19年度修正版」と「23年度修正版」を比較すると、5トンの防火水槽が62基から58基に減少しています。特に鷺宮地域では10基あったものが7基に減少しています。また消防水利については、まとまった貯水量を維持する区内のプールについて、中野・野方両消防署管内の貯水量は1万7,540トンが1万7,344トンと196トンも減少しています。火災被害を最小限に食いとめるための消防水利の拡大は最優先の課題です。消防水利が減少してきたのは、小・中学校の廃校によるプールの廃止、区有施設の廃止などによる減少が最大の原因です。この間、仲町小学校や桃丘小学校、第六中学校の廃校によりプールが廃止され、重要な消防水利がなくなり、不安が拡大しています。大規模な火災被害が想定されている中野区です。消防水利を確保すべきです。また、そのための方策をお示しください。
3番目に、超高層ビルの震災対策について伺います。
東日本大震災でもろさを見せたのは超高層建築物でした。新宿副都心の超高層ビルでは、最大片幅60センチ以上の揺れが10分以上も続き、エレベーターの停止や配管破壊による水漏れ、家具の転倒などのほか、中層階ではコンクリートの剥離や天井落下などの被害が続出し、超高層ビルの地震を経験した方からは、「生きた心地がしなかった」との感想が述べられています。今回の地震でも、電気やガス、水道がとまるという事態が発生した場合の一時避難、水や食料などの備蓄、高齢者や障害者の見守りと支援など、超高層住宅の問題も明らかになりました。マグニチュード7程度の直下地震が発生した場合には、この程度の被害ではおさまりません。突き上げるような短周期地震に横揺れの長周期地震が加われば、途方もない大被害をもたらすことが想定されます。
そこで伺います。都に対し、長周期地震動、連動型の直下地震と超高層ビルとの関係について、早急な調査を求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。また、「中野区地域防災計画の改定に向けた課題整理と対応の方向性(案)」でも示されていない長周期地震動については、地域防災計画に位置付けることが大切だと思いますが、あわせて答弁を求めます。
4番目に、震災ハザードマップの策定について伺います。
私は、昨年第3回定例会の総括質問で、渋谷区の「渋谷区地震防災マップ」策定の取り組みについて質問しました。渋谷区では、建築確認申請時の地質調査など、データや建物や地形の目視調査などの情報を集約して、「揺れやすさマップ」と「地域危険度マップ」にまとめ上げています。避難場所や帰宅困難者支援(受入)施設など、緊急時に必要な情報を記載するとともに、今後の安全なまちづくりに生かせる内容となっています。
「検討する」との答弁でしたが、今回、改めてお聞きします。中野区でも、渋谷区の取り組みを参考に、新たな被害想定をもとに地震防災マップを策定すべきではありませんか。その際に、地域ごとの調査では区民が参加できれば、防災意識の向上にもつながります。あわせて答弁を求めます。
5番目に、帰宅困難者対策について伺います。
3・11東日本大震災の日、主要幹線道路や中野駅周辺など駅前は、帰宅困難者や帰宅断念者で深夜に及ぶ大混乱を呈していました。東京都は、鉄道事業者に早期復旧と折り返し運転などの協力を求めており、駅周辺の防災機能の強化が求められることになります。
帰宅困難者対策としては、一時滞在施設や帰宅支援ステーションが重要となります。東京都では、都立高校やホール、スポーツ施設を一時滞在施設に指定し、道路沿いのコンビニやガソリンスタンド、ファミリーレストランなどと協定を結び、帰宅支援に充てられます。
中野区でも、中野サンプラザやなかのZEROホールを一時滞在施設に指定し、水、食料、毛布などの備蓄品を保管しておくべきです。また、規模の大小を問わず、協力協定を結び、周知を図るべきと思いますが、答弁を求めます。
外来者にとって、地域情報を知ることは混乱を回避するために重要です。まちにある案内地図に広域避難場所や一時滞在施設を書き込むことも必要ではないでしょうか。答弁を求めます。
大きな3番目として、中野駅周辺まちづくりについて伺います。
まず1番目、警大跡地・中野駅周辺整備について伺います。
区長は施政方針説明の中で、「基盤整備などの大規模な投資的事業については、計画的に特定財源を確保するなどの対策を講じた上で行っているので、一般財源への負荷はほとんどない」と言っております。しかし、区長が警大跡地の土地利用計画の見直しに着手した平成14年、2002年度以来、各種調査・業務委託、設計・工事、用地取得に要した費用は147億7,000万円に上ります。この間、交付を受けたまちづくり交付金、現在の社会資本整備総合交付金でございますが、それと都市計画交付金は約77億5,000万円です。他の財源は、起債の発行や基金の取り崩しなどであり、区民の税金が使われたことに変わりありません。「開発協力金」なるものも、その金額が適正か否かを議会や区民がチェックできるものとはなっていません。つまり、開発者たちに、より便宜を図ってあげることを前提にした「協力金」だったのではありませんか。
今後、予測される中野駅地区整備計画では、新北口広場と中野三丁目を結ぶ南北自由通路と西口改札、橋上駅舎です。これらの施設の費用負担の割合と施設管理者の負担はどうなるのか。また、三層構造の新北口広場整備の費用負担と施設管理の費用、だれが管理、運営を負うのか、これらの問題について答弁を求めます。
さらに区長は、旧警大跡地地区に建設中のオフィスビル、「セントラルパークイーストには水処理関係の栗田工業、セントラルパークサウスには、ビール、飲料のキリングループが、本社機能全体が移転してくる」と得意げに述べております。ところで、本社機能が来たからといって、法人税は国税、法人事業税は都税、固定資産税や法人住民税は調整三税の中に入っていますから、直接、区の財源にはなりません。これでどれだけの税収増があるのでしょうか。また、これまでしばしば発言のあった「にぎわい」や「地域の活性化」ですが、さきに触れたオフィスビルに加え、明治大学や帝京平成大学、早稲田大学の施設が来ることによってどれほどの財政効果を見込んでいるのか、その目標値を示していただきたいと思います。答弁を求めます。
2番目に、中野駅周辺まちづくりVer.3の検討について伺います。
区長は、現時点での整備の進捗状況や社会経済状況などを踏まえ、より具体的な将来像を示す「中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3」を、新年度第1・四半期には策定するとしています。しかし、実際のところ区民の意識との差異を感じざるを得ません。現在、中野駅周辺まちづくり推進会議の議論でさえ、「現在、建て壊す時代ではなく、あるものを生かす時代」という指摘や、区役所位置や駅ビルの導入についての不安が語られ、短期間での住民合意など不可能だと思います。中でも重要なことは、区役所・中野サンプラザの一体整備です。「中野のランドマークタワーになっている中野サンプラザは残してほしい」「中野区役所を建てかえる緊急性はない」という声も広がっています。
地元商店街からは、「中野駅という一番の立地に有力な店舗がふえることは、商店街にとって脅威であることに間違いない」と、中野駅に駅ビルを導入する不安の声が上がっています。駅ビルができれば、商店街に足を伸ばさなくても、買い物はそこで済んでしまいます。南北自由通路やペデストリアンデッキができれば人の流れが大きく変わり、買い物客が来なくなると警戒心を抱くのは当然であります。商店街の存続と活性化なくして、まちづくりはありません。中野駅地区の第2期整備計画を急いで実施するのではなく、いま一度じっくりと検討するときではありませんか。駅ビル導入の検討はやめるべきです。答弁を求めます。
中野二丁目地区や中野三丁目地区は商店街や住宅地を含む地域であり、とりわけ慎重な対応が求められます。南口商店街では、「中野二丁目市街地再開発地区・中野郵便局街区一帯の再編を見据え、業務・商業・住宅・公共公益施設の集積を図り、南口ににぎわいの核を形成する」という文言から、「中野郵便局はどうなるのか」「営業や住居はどうなるのか」といった不安が広がっています。また、中野三丁目地域では、「駅直近でありながら、閑静な住宅街と文化施設が混在する環境を守りたい」という意見が多く、駅直近の再開発の機運も高いとは言えません。
結論を急がず、国の動向や区の財政力を精査し、計画の根本的な見直しをすることこそ必要です。答弁を求めます。
以上で、私のすべての一般質問を終わります。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) かせ議員の御質問にお答えいたします。
高齢者福祉センターについての御質問がありました。利用者説明会のあり方についてといった御質問です。12月の説明会では、運営委員会や利用者の方々に対し、事業見直し内容の案に基づいて説明を行ったところであります。転換後の施設におきましては、高齢者会館的機能の確保や、自主グループなどの活動の場の維持について検討を行っていきたいと考えております。今後とも意見交換会など、運営委員会や利用者の声を聞きながら丁寧に進めていきたいと、こう考えております。
それから、公衆浴場を利用した通所入浴事業についての御質問がありました。こういった計画は中止すべきだという御質問であります。公衆浴場を利用した通所型入浴事業は、現在の高齢者会館、入浴困難高齢者支援入浴事業と同様に、二次予防事業対象や要支援認定の虚弱層の高齢者を対象とした、介護予防・日常生活支援総合事業として区が実施する事業であります。この事業では、1回の利用を3時間以内と設定して、介護予防プログラムと入浴機会のサービス提供を行うものとして、浴場始業前の時間帯を活用した事業展開を想定しております。また、この利用には送迎サービスも含まれております。
事業の運営主体につきましては、浴場経営者がみずから運営することも可能でありますが、より実際的には、浴場経営者が通所事業の運営ノウハウや人材を有する事業と提携し、施設を時間を限って提供するといった手法を想定しているところであります。実現性も高く、事業化を取りやめるつもりはありません。
それから、福祉タクシーの所得制限の導入を撤回すべきと、こういう御質問でありました。福祉タクシー事業は交付対象者の増加等によりまして、毎年度予算規模が拡大し続けている状況であります。事業を継続するために所得制限を導入することといたしました。タクシー運賃等の一部を助成する事業でありまして、一定の所得以上の区民への交付を行わないものとしたということでありまして、障害のある方の社会参画を抑制するものというふうには考えておりません。
それから、ガソリン代の助成もするべきだと、こういう御質問でした。自家用車は障害者の移動のためだけではなく、障害者以外の家族の日常生活や余暇等にも併用することができるものであります。自家用車のガソリン代のうち、どの部分までが障害者の移動のために使用されたものであるかを特定するということはなかなか難しいと考えております。こうしたことから、現在のところ中野区において、ガソリン代の助成というものを導入する、そうした予定はありません。
それから、いずみ教室の宿泊学習における交通費一部自己負担についての御質問がありました。厳しい財政状況を背景に、区全体で事業を見直す中、いずみ教室におきましても、受益者負担の考え方から、事業参加者に一定の自己負担をお願いすることは必要だと考えております。今後とも一層の経費節減に努めながら事業の運営を行っていきたい、こう考えております。
それから、地域防災計画の改定についてであります。地震の発生は抑えられないが、震災被害は最小限に抑えるという震災予防の観点に立つべきだという御意見でありました。現在、東京都が行っている被害想定の見直しでは、現行の東京湾北部地震のほか、多摩直下型地震や海溝型地震も被害想定の対象になる予定と聞いております。区といたしましても、発生し得る最大規模の地震を想定した検討が必要だと考えております。言うまでもなく、区民の生命・財産への被害を最小限にとどめることが一番重要なことであり、そのためには被害の予防、軽減の観点に立った計画の見直し、防災対策を進めてまいります。
それから、原発事故についても中野区の地域防災計画に位置付けるべきではないかと、こういう御質問でありました。地域防災計画は、遠隔地で発生する原発事故などにつきましては計画の対象として取り扱うものではありません。
私からは以上です。そのほか、それぞれ担当のほうからお答えをいたします。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 事業見直しと新年度予算(案)につきまして、まず、社会科見学・遠足代の公費負担の継続についての御質問がございました。
社会科見学・遠足代につきましては、これまで保護者の負担軽減を図るため、政策的観点から公費で負担してきたものであり、平成22年度の児童・生徒1人当たりの実績額から見ても、保護者に十分負担していただける金額であると考えてございます。義務教育の無償化は授業料の無償化であり、教育に必要な一切の費用の無償化を意味するものではございません。また、社会科見学・遠足代は就学援助の対象になりますため、経済的理由から社会科見学や遠足に参加できない児童・生徒が出ることは考えてございません。
次に、同じ項で、就学援助の認定基準の引き下げはやめるべきであるという御質問でした。就学援助は学校教育法第19条に基づき、各市町村が、経済的理由により就学困難と認められる児童・生徒の保護者に対して行う援助の仕組みでございます。生活保護の要保護世帯に準ずる世帯の認定基準につきましては、区民の経済状況や教育に係る保護者負担などを総合的に勘案して区が決定すべきものだと考えております。こうした制度趣旨から、生活保護基準額の1.15倍といたしたものでございます。
〔都市基盤部長服部敏信登壇〕
○都市基盤部長(服部敏信) 私からは、中野区地域防災計画の改定にかかわりまして、倒れない・燃えないまちづくり等の御質問にお答え申し上げます。
まず、個別建物の不燃化、住民の勉強会等への支援でございます。区内の建物の個別の不燃化を無条件に助成することは考えてございません。不燃化促進事業や密集事業など、一定の条件のもとに面的に取り組む整備に対する助成が基本と考えてございます。また、勉強会の支援についてでございますけども、中野区地区まちづくり条例におきまして、地区住民等が主体的に取り組むまちづくり活動に対する支援について規定しておりまして、必要な対応を図っていきたいと考えてございます。
次に、木密地域の住宅不燃化改修助成につきましての御質問でございました。住宅の耐火性能向上によりますまちの安全向上につきましては、東京大学附属中等教育学校周辺の不燃化を図るべき地域で、耐火建築物に建てかえる際に助成を行っておりまして、先ほどの御答弁でございますが、区内全域で不燃化改修への助成を行う予定はございません。
次に、木造住宅の耐震改修助成の御質問がございました。みずからの生命や財産の安全は、基本的にはみずからの手で守っていただくのが原則であると考えてございます。耐震改修助成と住宅リフォーム助成につきましては、改修を行う際の資金を区として直接助成することは考えてございません。なお、住宅の改修につきまして、融資あっせんを行っているところでございます。
次に、消防水利の確保の御質問をいただきました。震災時の消防水利の基準につきましては、東京消防庁では、区内を250メートル四方のメッシュに区分けし、そのメッシュごとに火災危険度に応じまして、40トン、または100トンの消防水利を必要としてございます。中野区内では、消防水利が不足しているメッシュは2カ所、東中野二丁目の一部、新井一丁目の一部でございますが、聞いてございますけども、これにつきましては、早急に対応できるよう引き続き消防署と連携して取り組んでまいります。
次に、超高層ビルの地震対策の関係で、長周期地震対策についての御質問をいただきました。長周期地震対策につきましては、国などでさまざまに検討されているところでございまして、その検討状況や対応方針に沿って必要な措置を講じたいと考えてございます。
次に、長周期地震動の地域防災計画への位置付けでございます。御質問でございました。現在、高さ60メートルを超える超高層建築物の数は、建築予定のものを含めまして、中野区内で10棟ございます。超高層ビルの防災対策につきましては、基本的には各施設がみずから講じるべきものであると考えてございますが、長周期地震動をはじめとして、超高層ビルの防災上の課題につきましては、さまざまな検討がされているところでございまして、区といたしましても、そういった内容につきまして研究してまいりたいと考えてございます。
次に、地震ハザードマップの策定をという御質問でございました。現在、区で作成しておりますパンフレット「中野の防災」(地震に備える)の中に、広域避難場所の地域割りや避難所の位置等を記載した中野区防災地図を掲載してございます。今後、地域防災計画の見直しにあわせまして、新たなパンフレット等を作成する際には、渋谷区が作成しているような地図の内容につきましても、参考として考えていきたいと思っております。
次に、帰宅困難者対策の関係で、一時滞在施設の確保という御質問をいただきました。現在、東京都では、帰宅困難者対策につきまして条例化を進めていると聞いてございます。その中には、一時滞在施設を確保することが盛り込まれてございます。区といたしましても、区有施設、民間の規模の大きい施設等につきまして協定を締結するなど、今後、一時滞在施設を確保するよう検討を進めていきたいと考えてございます。
最後に、帰宅困難者の方々への情報提供の御質問をいただきました。帰宅困難者に対する適切な情報提供は、発災時には極めて重要なことと考えてございます。区といたしましては、災害時の情報提供手段として、近々、NTTドコモの緊急速報メール、いわゆるエリアメールでございますが、その運用を始める予定でございまして、他の通信会社とも検討を進めているところでございます。こうしたこれらの手段のほかに、必要な情報を提供していくことを考えていきたいと、そう思ってございます。
以上でございます。
〔都市政策推進室長遠藤由紀夫登壇〕
○都市政策推進室長(遠藤由紀夫) 私からは、中野駅周辺まちづくりについての御質問にお答え申し上げます。
まず、南北通路及び橋上駅舎、新北口駅前広場の整備についてでございます。南北自由通路、西口改札、橋上駅舎、新北口駅前広場の費用負担や管理につきましては、関係機関との協議も含めまして、今後検討する中で明らかにしていくべきものと考えております。
警大跡地開発の経済効果についてでございます。区内の事業所数は、都区財政調整制度における需要額算定の根拠となることから、事業所数の増加、特に関連企業の流入も見込まれる本社の移転は、財調交付額の増要因となると言えます。また、その他の一般財源として、人口と従業者数に応じて配分されます地方消費税交付金がふえるほか、移転に伴う波及効果といたしまして、人口増や地域経済活性化による所得増が見込まれ、基幹的な税収である区民税にも寄与するものと考えます。
大学の進出による経済効果につきましては、学生や教職員が純増することに加え、関連する学会や研究会による来街者の増加、それに伴う周辺商店街での消費の増加が期待でき、地域経済の活性化が見込まれるものでございます。
加えまして、大学や大企業の本社が立地することによる中野区全体のイメージや存在感の向上、地域と連携したさまざまな取り組みによる発信力、集客力の向上など、中長期的な波及効果も大いに期待でき、区の持続可能性に大きく寄与するものであります。
グランドデザインVer.3の検討についての御質問でございます。駅ビルにつきまして、中野駅の上空を活用した駅ビルにつきましては、周辺地区への回遊性を高めるだけでなく、地域の活性化にもつながることから、誘導するべきものと考えております。新たなにぎわいや利便性の要素となると同時に、既存商店街に対してもよりよい波及効果をもたらすことも可能になると思ってございます。地域をはじめ、区民の皆さんとともに検討し、JR東日本にも働きかけていきたいと考えております。
南口のまちづくりについての御質問でございます。区民の方々、特に中野駅南側地域の皆様からは、中野駅周辺の南北均衡ある発展を強く要望されているところでございます。中野二丁目市街地再開発事業は、南口の活力拠点になると考えており、隣接する郵政街区も含め、さらに魅力を高められるまちづくりを検討してまいりたいと考えております。
また、中野三丁目駅直近地区につきましては、西側南北通路とつながる南口の回遊性、活力向上に必要なまちづくりであります。これらの取り組みを地域の皆さんとともに着実に進めてまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(大内しんご) 以上でかせ次郎議員の質問は終わります。
中野区議会議員 森 たかゆき
1 予算編成の手法について
2 入札・契約事務の公平性確保について
3 中野駅周辺のまちづくりについて
4 その他
○議長(大内しんご) 次に、森たかゆき議員。
〔森たかゆき議員登壇〕
○16番(森たかゆき) 平成24年第1回定例会におきまして、民主党の立場から一般質問をいたします。質問は通告のとおりですが、4、その他では、給食食材の放射性物質測定と東京都の不燃化特区制度の活用についてお伺いをいたします。よろしくお願いいたします。
最初に、1、予算編成の手法についてお伺いいたします。
本定例会初日の区長の施政方針説明において、平成24年度当初予算案の概要が説明されました。特別区民税と特別区交付金は、今年度比で21億円以上の減収を見込む一方、生活保護費などの扶助費や特別会計への繰出金の増によって歳出規模が押し上げられているとのことです。区の予算編成の苦労がうかがえる説明ではありますが、住民にとっても、区の事業見直しによって行政サービスの縮小が感じられる一方、国政では増税に向けての議論が現実味を持ってなされているという厳しい状況にございます。私は、こうした厳しい状況を受けて、区民の税金の使い道へのチェックの目が一層厳しくなっている、このようなことを日々感じております。
こうした中、予算編成過程の公開を進める自治体がふえてきております。平成18年度予算から公開を始めた千葉県我孫子市などが有名ですが、23区でも新宿区や板橋区が公開を行っており、来年度予算からは目黒区も取り組みを始めました。これらの自治体では、公開の意義を、「区民に開かれた透明性の高い区政運営」「公正で開かれた区政の推進」といった言葉で説明しております。
国においても、政権交代後の平成22年度から各省庁の概算要求書がホームページで公開されるようになるなど、一定の前進がありました。民主党では、予算・決算等透明化ワーキングチームを立ち上げ、この動きのさらなる前進に取り組むこととしております。このワーキングチームの座長である逢坂誠二衆議院議員は、予算内容、予算執行状況、決算内容を、主権者である国民が簡便な方法によってわかりやすく知ることができる状態に常にしておくことは、デモクラシーの基本、民主主義のインフラであると、その重要性を説いております。
私は先日、板橋区に視察に行き、この取り組みの話を伺ってまいりました。板橋区では、予算編成過程を各部局からの要求段階の「当初要求額」、財政当局の査定後の「政策経営部査定額」、そして「当初予算案額」の3段階に分けて公開しており、また、その途中で一定額以上の変動があった場合は、その増減の理由まで示すなど、23区では最も進んだ取り組みをしておられます。対応していただいた板橋区の担当の方によると、この取り組みによって区政運営の透明化が進んだのみならず、当初要求の段階での各部局の見積もりの精度の向上、議会での予算審査議論の活性化といった副次的な効果も見られた一方、以前から作成していた資料に少し手を加えたものを公表するようになっただけであったため、事務負担はさほど増えずに実施できたとのことでした。
中野区では、次年度予算の「主な取り組み」を検討段階で公開し、インターネットや区長の対話集会で意見を募るなど、予算編成過程の公開は一定程度取り組んでおりますが、各段階での金額など、詳細までの公開はしておられません。
そこでお伺いをいたします。まず、ここまで御紹介したような予算編成過程の公開の流れを区長としてどのように評価しますでしょうか。また、中野区でも予算編成過程の公開をさらに進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。見解をお伺いいたします。
編成過程の公開だけではなく、予算案の発表方法についても工夫の余地があるのではないでしょうか。足立区では、今年、新年度予算案のプレス発表をユーストリームを使って生中継を行いました。区長記者会見を同じくユーストリームで中継している世田谷区でも、その一環として予算案の発表はインターネット中継されております。
私は今回の質疑を行うに当たり、23区の予算案の発表方法を比較調査してみましたが、その方法はさまざまのようです。中野区では区長が予算案のかなりの部分を御自身で説明されているというふうに聞いておりますが、これはかなりまれな事例のようです。区長さんによっては、自分で詳細まで説明することができないという方もいると聞く中、御自身で説明できるという点は、経験豊富な田中区長の強みの一つであるというふうに思います。区民に予算案の中身を伝え、より理解を深めてもらうためにも、区長の強みを生かし、中野区でも予算案のプレス発表をインターネットで中継してはいかがでしょうか。見解をお伺いいたします。
さきに引用した逢坂議員の言葉にもあるとおり、公開に当たってはわかりやすさも重要です。中野区では、予算・決算それぞれについて、全体の額を1万円とした場合、どこに幾ら使われているのか、または使われたのかを示しています。この発想自体は区民の理解を助けるために有効であると評価をいたしますが、一方で、現状では予算と決算の際で示し方が異なっており、予算時と決算時の比較がしづらい状況になっております。また、決算の際の示し方は、例えば保健福祉費幾ら、経営費幾らといったように役所言葉のまま示されており、具体的に何の費用がどこに入るのかが、区民から見てすぐわかるようにはなっておりません。わかりやすさを向上させるために、予算時と決算時の示し方のレベルを合わせる、平易な言葉での用語解説をつける、具体例を併記するなど、もう一段の工夫をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。見解をお伺いいたします。
続いて、2、入札・契約事務の公平性確保についてお伺いをいたします。
平成22年度の主要施策の成果(別冊)の契約分野の箇所に、これまで目標値を設定してきた「随意契約の割合」を指標とすることを見直す旨の記載がされております。担当に確認したところ、本年度から実際に「随意契約の割合」は指標からなくなっているとのことです。特定の業者しか履行できない性格の契約があること、割合で示すと達成状況が全体の契約数に左右されてしまうこと等の事情は理解しますが、随意契約はあくまでも例外的に認められた契約形態であり、抑制は堅持するべきです。随意契約の状況を指標から全く外してしまうということは、随意契約を抑制するという姿勢の後退のようにも見え、問題だと考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお伺いいたします。
特定の業者しか履行できない契約の場合、特命随意契約が行われます。この契約を行う際には、本当にその業者としか契約ができないのか、今でも厳しくチェックをしていただいていると思いますが、一方で企業間の競争や、規制緩和等による競争環境の変化により、市場は常に変化しております。特命随意契約においては、契約時の確認以外にも、一定間隔で、本当にその相手方としか契約ができないのかを見直す必要があると考えますが、いかがでしょうか。現状とあわせて見解をお伺いいたします。
市場の変化により特命随意契約がふさわしくなくなった、そうした事例の一つに電力契約があります。これまでの電力契約は東京電力と契約を行うしか選択肢はありませんでした。しかし、2000年から段階的に始まった電力自由化の進展により、近年ではPPS(特定規模電気事業者)が育ってきました。東京電力が今年4月以降、企業向け電気料金を17%程度値上げする方針を発表したこともあり、電力契約を競争入札に切りかえる自治体が増えてきております。PPSについては、昨年の第2回定例会でも取り上げましたが、改めてお伺いをいたします。
まず、東京電力が現在の方針のとおり値上げを行った場合、中野区の電気料金の支出は総額でどれだけ増えるのでしょうか。また、電力契約においても競争原理を働かせ、支出の抑制を図るためにも電力契約を競争入札に切りかえるべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。
続いて、3、中野駅周辺のまちづくりについてお伺いをいたします。
2月6日、中野駅北口東西連絡路の高架工事が行われました。私も工事の様子を現場で見させていただきましたが、深夜から早朝にかけての時間帯の工事であったにもかかわらず、多くの区民が見学に来ており、改めて中野駅周辺まちづくりへの関心の高さを感じました。旧警察大学校跡地地区の整備も進んでおり、4月1日には中野四季の森公園の開園式が開催されるとのことです。先日いただいた開園式の案内によりますと、この開園式は、主に立地事業者や町会、商工団体等の関係者を集めて行うものであるようですが、一方でこのエリアは都市型産業の集積拠点と位置付けられています。開園式にあわせてというのは、時期的にもう難しいかとは思いますが、都市型産業の集積を促進するためには、関係業界等からこの地区への注目が集まるようなイベントを、タイミングを見て開催することも考えるべきではないでしょうか。広く区民が参加でき、特に子どもたちがコンテンツに親しめるようなイベントを、マンガアートコート等と連携して開催することなどが考えられるかと思いますが、いかがでしょうか。見解をお聞かせください。
区長の施政方針説明の中で、中野駅周辺まちづくりについて、「駅南北の各地域で上がってきている早期のまちづくりの進展を求める声にこたえ」という表現がなされておりました。しかし一方で、これまでも指摘されてきたことではありますが、中野駅周辺以外に住んでいる区民の中には、「区は中野駅周辺だけに力を入れているのではないか」といった声が根強く存在します。区長はこうした声をどのように受けとめていますでしょうか。もし中野駅周辺のまちづくりを進めることで、中野駅周辺の住民以外の区民にも広くメリットがあると考えであるならば、そのことを区長からわかりやすい言葉で区民に伝える必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。
中野駅周辺まちづくり推進会議に関連してお伺いをいたします。
昨年12月22日、今年度第2回目の中野駅周辺まちづくり推進会議が開催されましたが、この会議の中で、株式会社まちづくり中野21の社長として出席されていた金野副区長から、区役所の移転に関連して、これまでの区の方針と異なる内容の発言、具体的には、区役所を中野駅南口エリアに移転するという議論もあってよいという旨の発言がございました。これまでの計画や議論の積み重ねから外れた発言であり、なぜこのような発言が突然なされたのか、大いに疑問ですが、
(発言取り消し)
そもそも、まちづくり推進会議は、昨年度は傍聴ができず、私が公開を求めても応じていただけませんでした。それが今年度から傍聴可能になったわけですが、当初はそのことすらも報告がなく、今年度第1回目の開催報告が特別委員会でなされた際に、私が「相変わらず傍聴はできないのか」と確認をして、ようやく傍聴可能になったことが明らかになった、こうした経緯がございます。
(発言取り消し)
そこで、お伺いをいたします。区は来年度以降の推進会議のあり方をどのように考えているのでしょうか。先日の第3回の推進会議の終わりのほうでは、担当から、「来年度も同じメンバーで推進会議を開催したい」といった旨の発言がありました。一人ひとりの委員の適格性についてどうこう申し上げるつもりはございませんが、区職員の発言と他の委員の発言が混同されないようにする必要があること、また、そもそも推進会議での発言は責任を持って行ってもらう必要があることなどから、議事要旨には発言委員の氏名を明記するようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。万が一それが推進会議側との調整で難しいのだとしても、最低限、金野副区長を含む区職員を一般の委員と同列の扱いで推進会議の委員とする現在の体制は改めるべきと考えますが、いかがでしょうか。見解をお伺いいたします。
4、その他です。まずは、学校給食食材の放射性物質測定についてお伺いいたします。
文部科学省は、平成24年度予算に学校給食の放射性物質検査の費用を計上しました。厚生労働省は、食品中の放射性セシウムの暫定規制値を見直し、これまでの4分の1以下の厳しい基準とすると同時に、「暫定規制値」から「規制値」とすることを決めました。1月31日の中野区議会子ども文教委員会では、陳情、「給食から受ける子どもの内部被曝を防ぐ対策について」、が主旨採択されました。区が独自の学校給食食材の放射性物質測定を行いやすい環境、行うべき状況になってきております。
区は、これまでの対応によって給食食材の安全性は一定程度確保されているとお考えのようですが、一方で、保護者の方からの不安の声は依然として続いております。そして、食品検査体制の不十分さなどを考えると、その不安の声には一定の根拠もございます。この問題については昨年から何度も取り上げてきており、今回は細かい質疑を行うことは行いません。区長の基本的な姿勢について、1点だけお伺いをいたします。
他の自治体においては、安全ではあるが、不安の声が多く、それにこたえるために測定をしている、こうした姿勢を示す首長さんがおられます。中野区においても、仮に安全性が確保されているとしても、保護者の方に安心してもらうという観点から独自の測定を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。区長の姿勢をお示しください。
最後に、東京都の不燃化特区制度の活用についてお伺いをいたします。
先ごろ、東京都は都内に広範に広がっている木造住宅密集地域の不燃化を促進するため、木造地域不燃化10年プロジェクトを制定し、その実施方針を発表しました。「防災都市づくり推進計画」に定められた整備地域の整備率を高め、木密地域を燃え広がらない・燃えないまちにすることを目標として掲げております。本格実施は平成25年度以降とのことですが、本年から不燃化特区制度の先行実施を行うとされております。他の方の質疑とも重なりますので、簡潔に1点だけお伺いいたします。
中野区はこれまでも建築物不燃化促進事業等で木密地域の不燃化に取り組んでまいりましたが、さまざまな要因により十分な成果が上がっているとは言いがたい状況にあります。固定資産税の減免措置など、東京都のこれまで以上の後押しが受けられる不燃化特区制度の先行実施地区に手挙げをするべきと考えますが、いかがでしょうか。都と区が不燃化促進にこれまで以上に力を入れる姿勢を示すことで、地域の中の防災まちづくりの機運も高まっていくと考えられます。そうした面からも積極的な姿勢を示していただきたい。このようにお願いを申し述べ、今回の私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 森議員の御質問にお答えいたします。
予算編成の手法についてということで、予算編成の過程を公開する考えはないかという御質問でした。区は平成17年度の予算編成から、その中で検討している区民生活に影響のある見直し事業や新たな事業、また、規模を拡大する事業の内容や考え方などについて、区民の皆様にお知らせをして御意見を伺い、区民の視点に立った予算編成を行っているというふうに考えております。これが中野区における予算編成過程の公開の仕組みとして定着しているところです。
予算査定の場面を公開するべきでないかと、こういったような御質問ですけれども、予算の編成の作業というのは各部が行っているのは、すべて区長の補助執行機関として区長の職務を補佐するために行っているものであります。各部と区長が別々の意思を持っているわけではありません。また、そういう趣旨から考えても、各部の予算編成、区全体の予算編成のプロセスが区長査定の場まで全く区長とやりとりがないままで進むということはないわけであります。それぞれの細かい段階で私としては指示をしたり、やりとりをしながら、査定という最終的な場面まで行くという形で予算査定を行っているということでありまして、その部分、最後の部分だけ皆様の前でやるということの意味を私は全く感じません。
それから、予算のプレス発表の方法についてであります。プレス発表につきましては、報道機関を通じて区民に対して発表しているもの、そういうふうに考えております。幾ら長い時間発表しても、記事になるのが五、六行というようなことで、大変にむなしいときもあります。そういう意味では、直接区民にお知らせできる方法があれば検討すべきかというふうには思っております。現時点ではホームページへの資料の掲載でありますとか、区報での概要説明により行っているところであります。
それから、予算・決算の1万円の使い道、公表の方法の工夫ということであります。予算・決算、区の税金の使い道については、できるだけ区民の皆様に身近な形で御理解いただけるような説明の方法が必要ということはよく認識をしているところです。1万円の使い道という形でお知らせしているので言いますと、予算につきましては5月、決算については11月の区報でお知らせをしております。ホームページ上、これらの区報につきましては、PDF版として掲載しているところです。ホームページ上での取り扱いが異なっているということがあったということですので、同様にするよう工夫をしていきたいと、このように考えております。
このほかの御質問につきましては、それぞれ担当のほうからお答えいたします。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) その他の項で、学校給食の放射能対応につきましてお答えをいたします。
区立小・中学校では、原則として都内の卸売市場を通った食材を使用することとし、産地の把握、国の出荷規制品目に該当していないことを確認するとともに、国や都道府県などが公表している食品中の測定結果等の確認を行った上で給食を実施してございます。したがいまして、給食中の放射性物質の測定について、区独自で行う考えは現在のところございません。
〔経営室長川崎亨登壇〕
○経営室長(川崎亨) 入札・契約事務の公平性の確保についてお答えをいたします。
初めに、随意契約の割合を成果指標にすべきとの御質問でございました。この随意契約は地方自治法に基づく契約方法の一種であり、契約の性質、または目的が競争入札に適しないなど、地方自治法施行令の規定にのっとり行っているものであり、本来、裁量的運用で増減できる性質の事柄ではないと考えております。したがいまして、契約事務の透明性、公正性を確保するための指標としてはふさわしくないと考えているところでございます。
次に、特命随意契約を随時見直すべきとの御質問でございますが、一般競争入札や指名競争入札によりがたい場合に行うのが特命随意契約でございます。これにつきまして、随時見直すといったあいまいな運用をしているものではございません。特定の事業者と契約を締結する特命随意契約につきましては、その妥当性を厳格に審査しているところでございます。
3点目に、電力購入における競争性の確保についての御質問でございます。これまで特定規模電気事業者からの電力調達における課題として、電力の安定供給、二酸化炭素の排出係数、バックアップ体制、イニシャルコスト等について検討を行ってまいりました。この検討結果を踏まえまして、供給状況を見きわめながら、平成24年度より段階的に実施をしていきたいと考えております。
次に、東京電力の値上げの影響でございますが、東京電力が値上げを予定しているのは50キロワット以上の高圧受電施設を有する施設でございます。その場合の値上げの影響額でございますが、平成23年2月からことし1月までの1年間の実績で試算をいたしますと、本庁舎の場合で年間約700万円の増、そのほか75施設の合計額では、年間約3,400万円と試算をしているところでございます。
私からは以上でございます。
〔都市政策推進室長遠藤由紀夫登壇〕
○都市政策推進室長(遠藤由紀夫) 私からは、中野駅周辺のまちづくりについての御質問にお答え申し上げます。
中野四季の都市、警大跡地地区でのコンテンツ産業関連のイベントに関する御質問でございます。都市型産業の集積・創出等を促進するため、産業振興拠点の開設のPRを兼ねたイベントを、先端的な業務施設や教育施設等が集積します中野四季の都市の特色にもマッチするものとして実施したいとの考えから、来年度予算原案にも計上したところでございます。
中野駅周辺まちづくりの区全体の影響についてでございます。中野駅周辺まちづくりは、東京の新たなエネルギーを生み出す活動拠点となることを目指し、公園・道路や駅前広場等の都市基盤整備、民間開発の誘導など、公民協働のまちづくりを進めております。その成果といたしまして、四季の都市には日本を代表する企業の本社や、3大学が進出してまいります。このように、さまざまな都市機能の集積と基盤が整うことはまちの魅力向上につながり、来街者も増え、まちはさらに活性化されることとなります。中野駅周辺まちづくりを通じまして、中野区全体の存在感、発信力、集客力を高めていきたいと考えており、中野駅周辺まちづくりで生まれますさまざまな活力を区全域へ波及させ、中野区が持続可能なまちとなるよう、今後も着実にまちづくりを進めてまいります。
中野駅周辺まちづくり推進会議についての御質問でございます。中野駅周辺まちづくり推進会議につきましては、会議内容を議事要旨としてまとめております。委員の中には、個人名を公表してほしくないという方もいらっしゃることから、議事要旨には個人名を明記してございません。また、当会議の委員は中野駅周辺の関係地権者として、民間企業からも参加していただいております。区職員でも関係地権者としての立場で参加しており、それを改める考えはございません。
私からは以上でございます。
〔都市基盤部長服部敏信登壇〕
○都市基盤部長(服部敏信) 私からは、その他の項の御質問にお答え申し上げます。
不燃化促進の御質問でございます。木密地域を多く抱えます中野区におきまして、地域の防災性の確保が重要な課題であると考えてございます。東京都の特別の支援を受けられます木密地域不燃化10年プロジェクトの活用を図りたい、先行実施地区に手を挙げたい、そう考えてございます。
以上でございます。
○議長(大内しんご) 以上で森たかゆき議員の質問は終わります。
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後2時52分休憩
午後3時16分開議
○副議長(久保りか) 会議を再開いたします。
この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 石 川 直 行
1 区長の施政方針について
2 中野区選挙管理委員会委員の報酬について
3 避難所運営について
4 高齢者福祉センター廃止について
5 明治大学付属中野中学高等学校施設建替えについて
6 その他
○副議長(久保りか) 石川直行議員。
〔石川直行議員登壇〕
○9番(石川直行) 平成24年第1回定例会に当たり、みんなの党の立場から一般質問をさせていただきます。
区の財政を経営的視点から見て、区長の施政方針及び平成24年度予算案を大変楽しみにしておりました。というのも、民間事業経営者は、利益重視、売り上げ重視の傾向の中で経営計画を立てますが、行政、特に財政の厳しい中野区においては、売り上げに相当する収入増を見込む政策には限界があり、区民の理解を得ながら支出をどう減らすのか、区民サービスの低下をどう説明するつもりなのか。そのためには、身を切り、聖域にメスを入れるものと期待をしておりました。
また、予算の基準となる一般財源規模を650億円と定め、不足分は基金の取り崩しによる不安定な財政運営を行っており、基金も28年度に底をつくことは区長も明らかにしているところであります。こうした財政非常事態に対し、前例にとらわれず聖域なき事業の見直しとともに、今まで予算編成時には踏み込むことのなかった内容も含めて、各分野に指示をしたものと理解しておりました。
しかしながら、74事業の見直しによる財政効果は7億3,600万円余となっております。一般会計の予算規模は1,164億円余となり、4.6%増となりました。結果としてこうした予算編成になったことは、区長もしくは経営室みずからが、聖域に目を背けることなく立ち向かう姿勢が見えず、各分野担当者が聖域すべてにメスを入れなかったのではないでしょうか。
施政方針の中で、「計画的な人員削減により人件費を減少させた」と述べておられますが、実質的なカットには至っておりません。
昨年7月から実施された区民活動センターの運営委託費は、区民活動センター運営委員会への中野区からの説明では、来年度の運営委託費を5%程度引き下げるというものでありました。また、運営委託費の大部分は人件費に充当するため、事務局員の勤務日数を1日から2日程度短縮することにより、結果として人件費が5%程度引き下げられることを、来年度更新に向けて、現在従事している事務局員に通知してほしいとのことでした。
初年度、大変御苦労をされた事務局員に対し、2年目から早々に人件費カットを伝えなくてはならない私たち運営委員会役員としては、大変大きな課題を背負わされたと感じました。しかし、中野区の厳しい財政の現状を理解しつつ、中野区としてもそれ相応の、いや、それ以上の身を切る覚悟があると判断をして、非常につらい思いで5%カットを伝えたところであります。
しかしながら、このことは事務局員の労働強化にほかなりません。中野区が実質管理している委託事業の中の人件費。この人件費削減は労働弱者をつくっているにすぎないと言えます。このような委託費の削減を行う前に区職員の人件費を削減しなければ、区民の理解は得られないと思います。人件費の削減について、区の考えをお伺いいたします。
区長も施政方針説明の中で、「政治を信義と真に国民の負託に基づくものに改めていくことが必須」であると述べております。自ら身を切り、範となるべき姿勢を示すことが政治における統治者の姿ではないでしょうか。
国会では、消費税増税、税と社会保障の一体改革が叫ばれておりますが、国民の声は、国会議員の定数削減や公務員給与の削減など、「みずから律すること」を望んでおります。区においても、厳しい財政状況の中、どういった姿勢で区政運営を行っていくかが問われております。区長の御見解をお伺いいたします。
さらに具体的にお伺いいたします。
選挙管理委員会委員の月額制は、全国的にも日額制への改正の機運が高まっております。都内を例にすれば、新宿区は平成22年度後半より月額制から日額制へ、渋谷区も本年4月より、月額制と日額制の併用を行うと承知しております。中野区としても、財政的見地から見直しの必要があると思いますが、区長の御見解をお伺いいたします。
次に、避難所運営についてお伺いいたします。
さきの東日本大震災においては、中野区内17カ所で避難所開設を行い、私が避難所運営本部長を務める桃園第二小学校でも開設をいたしました。その現場で痛切に感じたことは、避難所運営本部には本部裁量で使えるお金が全くないということでした。
実際に地域から避難された方々は、自宅に被害があったというよりは、不安で来られた方たちでした。一方、子どもの引き取りを待っておられた先生方、センター職員、多くの行政職員が待機している状態でありました。その中で、不安で来られた方々に一杯のお茶すら出す仕組みがない。先生たちは子どもたちのことで精いっぱいで、自分たちのことは後回し。区職員も温かいものを口にする雰囲気さえありませんでした。こういうときこそ、共助の精神を持って、行政の補完ではなく、自立した地域自治を確立するとともに、行政にはできないサービスを、時にはそこで従事している職員に対しても行っていく必要があると考えさせられました。幸いにも今後地域防災計画では、災害対策業務に携わる職員用の食料等の備蓄が検討されております。
さて、各防災会には財布がありますが、幾つかの防災会が集まる避難所では、迅速かつ機能的な対応ができません。そこで、避難所運営本部が独自に避難所運営管理マニュアルに会計部もしくは物資調達部の中に会計係を追加することは可能でしょうか。お伺いいたします。
また、実際に地域が被災した場合、ペットの同行避難は避けて通れない課題であります。しかしながら、ペットの避難については一定のルールが必要であります。そこで中野区として、ペットの同行避難についてのルールのひな型を示し、その中から各避難所の実情に応じたルールをつくっていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、25年度より廃止が計画されている高齢者福祉センターについてお伺いいたします。
現在の区の説明では、一定の条件を示しつつも、事業者を公募し企画提案の上、選定するということですが、道筋、プランが示されておらず、それこそ事業者が手を挙げないことを見越して、建物の規模を縮小もしくは転用してしまうのではないかという危惧をしております。
幸いなことに、今定例会において、高齢者福祉センター廃止に関する条例変更は議題に供されておりません。少なくとも、高齢者福祉センターA型の事業のうち、これだけの事業は確保するという担保を示すとともに、仮にできない事業がある場合には、他の施設もしくは窓口をしっかりとつくっていく努力が必要であります。さらには、地域の意見、利用者の声を取り入れながら進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。御所見をお伺いいたします。
最後に、明治大学付属中野中高等学校、中野学園の校舎建てかえに関し質問させていただきます。
中野学園の校舎建てかえについては、一昨年12月17日に中野区主催の説明会が行われ、その中で近隣住民の一致した疑問、要望は、区立さくら公園の等積交換という手法で、3分割され、その一部が道路の拡張に使われてしまう。同じ面積ではかる等積交換ではなく、土地の価値として等値交換になぜしないのかという疑問とともに、隣接道路の拡幅についてでありました。
昨年、年末12月12日に中野学園主催の説明会が開催され、その中で、建てかえ工事接道部分の一部が拡幅されないことに関し、明治学園側が、「中野区は全く評価していない。現在、中野区と協議中である」と説明されていました。「災害に強いまちづくりを実現する」、これは中野区が主催した説明会での「趣旨」として明記され、説明されているところであります。つきましては、建てかえ工事に伴うグラウンド西側の接道部分についても、災害に強いまちづくりを実現するため、等しく拡幅するよう指導監督いただきますようお願いを申し上げます。御所見をお伺いいたします。
以上をもって一般質問を終了させていただきます。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 石川議員の御質問にお答えいたします。
区の職員の人件費に関してということです。給与の削減をすべきということだと思います。職員の給与につきましては、法にのっとって、毎年、人事委員会勧告に基づいて決定する仕組みとなっておりまして、給与水準はこの仕組みによって適切とされているところです。特別区の場合は、23区統一の給与水準とすることが人事制度上求められておりますので、中野区独自での削減等は難しいのが実情です。
また、区民活動センターの事務局職員の例が示されましたけれども、事務局職員について、各運営委員会が勤務日数や人件費等を定めるということになっているところであります。
また、職員数につきまして、今回の事業見直しの中で2,000人体制の実現を1年前倒しすることとして、人件費を総額として大幅に削減するという取り組みを行っております。今後も絶えざる事業の見直しによりまして、聖域をつくることなく、内部経費の削減につきましても、社会情勢や財政状況に即して積極的に取り組んでまいります。
それから、選管委員を含む行政委員の委員報酬を日額制ないしは月額制・日額制の併用にしてはいかがかと、こういう御質問でありました。選挙管理委員会委員を含みます行政委員の場合には、それぞれ、その委員会の職責に応じまして専任の担当職員を置いております。そしてまた、毎日絶えることなく経常の業務を運営しております。委員会を行っているときだけが委員の職務というわけではありません。したがいまして、日額制の導入にはなじまないと私は考えております。
私からは以上です。
〔都市基盤部長服部敏信登壇〕
○都市基盤部長(服部敏信) 私からは、避難所運営及び明治大学付属中野中学高等学校施設建てかえにつきましての御質問にお答え申し上げます。
まず、避難所運営にかかわりまして、会計部等の設置についての御質問でございます。避難所の運営に当たりましては、必要な物資は区が供給することとしてございますので、各避難所におきまして現金を取り扱うというようなことは想定してございません。区の想定では、会計を担当する人の設置は想定してございませんけども、避難所運営にかかわります組織につきまして、必要に応じまして、避難所運営会議の中で協議・決定していただくことは差し支えないと考えてございます。
次に、ペットの同行避難につきましての御質問でございます。ペットの避難所への同行避難につきましては、東京都獣医師会中野支部に協力をいただきながら、総合防災訓練におきまして犬の同行避難訓練を行うとともに、パンフレットを配布するなどして区民への理解を深めてきているところでございます。これまでの同行避難訓練の内容を検証しながら、獣医師会中野支部とも協議して具体的に検討を進めているところでございまして、地域防災計画の見直しの中で、同行避難に関します区としての考え方の案をお示ししたいと考えてございます。そして、それに基づきまして、各避難所の実情に応じました受け入れ等に関しますルールづくりを行っていただきたいと考えてございます。
最後に、明治大学付属中野中学高等学校施設建てかえにつきましての御質問でございます。区と学校法人中野学園は、地域及び避難所の安全性を高めることを目的とした基本協定書を平成23年、昨年6月に締結してございます。この基本協定書では、接道部すべてではなく、避難経路となります学校周辺の道路を中野学園が整備するものとしてございます。区はこの基本協定書に基づきまして、中野学園の学校施設の建てかえにあわせました周辺道路の整備につきまして、適正に履行されるよう求めていきたい、そう考えてございます。
以上でございます。
〔地域支えあい推進室長長田久雄登壇〕
○地域支えあい推進室長(長田久雄) 高齢者福祉センターの廃止に関する御質問についてお答えをさせていただきます。
まず、廃止後の事業の確保についてでございます。高齢者福祉センターで実施してきたさまざまな事業は、今後すこやか福祉センターが中心となって、区内の高齢者会館をはじめとした高齢者が集う施設を活用し、きめ細かく事業展開を図っていく考えでございます。
入浴事業につきましては、公衆浴場で実施しておりますいきいき入浴・はつらつ事業などを御利用いただきたいというふうに考えているところでございます。
次に、今後の進め方についての御質問がございました。転換に当たりましては、今後も意見交換会なども実施しながら、丁寧な説明を行うとともに、きめ細かく地域の方や利用者の意見を聞いていきたいというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
○副議長(久保りか) 以上で石川直行議員の質問は終わります。
中野区議会議員 吉 原 宏
1 区財政が国から受ける影響について
(1)子ども手当について
(2)一括交付金について
(3)生活保護費について
2 大規模防災訓練と機関連携について
3 少子化対策としての婚活支援について
4 その他
○副議長(久保りか) 次に、吉原宏議員。
〔吉原宏議員登壇〕
○24番(吉原宏) 平成24年第1回定例会に当たりまして、自由民主党の立場から一般質問をいたします。
まず最初に、区財政が国から受ける影響について質問させていただきます。
私は一般質問において、迷走する国政による地方への影響について、これまで一貫して質問してまいりました。今定例会におきましても、引き続き質問いたします。
初めに、「子ども手当」であります。
平成23年8月4日、自由民主党、公明党、民主党の3党において、「子どもに対する手当の制度のあり方について」が合意されました。これによって、民主党がこだわり続けた看板政策であり、マニフェストの最重要施策であった子ども手当は、満額支給もできないまま迷走を続け、わずか2年で廃止されることとなったのです。この3党合意では、所得制限を設けることや、扶養控除のあり方について検討すること、また、平成24年度以降の子どものための現金給付について、児童手当法に所要の改正を行うことを基本とすること、また、地方と十分に協議を行い、理解を得るよう努めることなど、我が自由民主党が主張してきたことが確認されました。これはまさに子ども手当法の廃止であり、児童手当法の復活と言えるものであります。
しかし、どうでしょう。政府が国会に提出した子ども手当にかわる新しい手当を支給するための児童手当法改正案は、8月の3党合意を骨抜きにした内容となっています。法律名を「子どものための手当支給法」に改め、手当の略称は「子ども手当」、法律の定義や支給要件などは、旧子ども手当支給法と同じ条文に置きかえているなど、子ども手当「継続」を強く印象づける内容となっています。もはや3党合意も踏みにじり、政府・与党としての理念、理想、そして政策目標もすべて見失い、国民との契約とみずから言っていたマニフェストの体裁ばかりにこだわり続け、政党のメンツを保つことに躍起になっている姿は、まさに混迷をきわめているとしか言いようがありません。
一方、財源問題はどうでしょう。国の当初の方針では、子ども手当の財源に地方負担はないというものでした。今や、そのような方針はだれも口にせず、厚生労働大臣は地方自治体に対して、新しい「子どものための手当」の財源として、現在の負担の2倍となる9,800億円を負担するよう要請しました。これに地方自治体が反発するのは当然と言えましょう。児童手当が復活するならともかく、地方自治体に負担を求めるなど言語道断であります。
結局、政府と全国知事会など地方6団体は、地方負担を当初から約2,000億円圧縮し、7,800億円程度とし、国と地方の負担割合を2対1とすることで合意しました。子どもたちの手当の支給総額、約2兆3,000億円のうち、国の負担は1兆3,000億円程度、地方自治体の負担は7,800億円程度となる見通しで、地方負担は見直し前に比べ2,400億円程度の増加となります。国は、年少扶養控除廃止に伴う増収分5,050億円がそのまま地方の財源となっていることから、これを充当することで増加分の財源は捻出できるとしています。
そこで伺います。中野区では、平成24年度に支給する「子どものための手当」の財源はどのようになっていますでしょうか。年少扶養控除廃止による影響額を含め、中野区への影響をどのように分析しているのかをお答えください。
現在、「子どものための手当」法案の成立のめどは立っていないと聞きます。新しい法案が4月までに成立しない場合、所得制限のついた旧児童手当が復活することになります。手当の支給に当たっては、区民生活に不利益を及ぼさないため、システム改修や短期間での膨大な支給事務が生じるなど、区の負担ははかり知れないものがあります。
そこで伺います。4月までに新しい法案が成立しなかった場合の中野区への影響をどのようにとらえていますでしょうか。また、その対応策はどのように考えているのかをお答えください。
次に、もう一つ迷走を続ける政策があります。一括交付金の問題です。
平成22年6月に閣議決定された地域主権戦略大綱において、現行の国庫補助金制度を改革するため、国から地方への「ひもつき補助金」を段階的に廃止し、一括交付金化するというものです。国は一貫して、一括交付金は国の財源捻出を目的とするものではないとしていましたが、平成23年度の交付金総額は約6%も削減され、国の一方的な財源捻出の手段となっています。また、その配分方法は「客観的指標」に基づいて行うこととされていましたが、その中には、自治体の財政力指数といった要素も加味され、自治体間の財政調整機能まで盛り込んでいます。本来、自治体間の財政調整機能は地方交付税の役割であり、国庫補助金の改革の趣旨から大きく外れていると言わざるを得ません。
そもそも国庫補助金改革は、地方の自由裁量を拡大するために「ひもつき補助金」を廃止し、税源移譲を行っていくことが目的であったはずです。そのためには、まず国と地方の役割を見直した上で、国の関与の必要性のない事務に対する国庫補助金は原則として廃止し、権限の移譲とあわせて必要な財源が確実に地方に処置されなければなりません。
平成24年度から一括交付金の対象を基礎自治体まで広げるとしていましたが、結局、政令指定都市までにとどまり、ここでも詰めの甘さが露呈しています。本質的な議論を経ることなく、制度ばかりをいじくり回し、最後には、改革の意義が何であったのかもわからなくなってしまっています。これでは地方分権に逆行しています。
そこで伺います。区長は、こうした国の理不尽な制度変更についてどのようなお考えを持ち、今後、国に対してどのような意見を述べていくつもりか、お答えください。
次に、国が何ら有効な対策を打てないために、自治体財政に大きな影響を及ぼしている生活保護費の問題です。
中野区の平成24年度当初予算案では、事業見直しによる経費の圧縮を行ったものの、その圧縮分を超えて、生活保護費をはじめとする扶助費や特別会計への繰出金が増加し、区財政を圧迫する大きな要因となっていると聞いております。
生活保護受給者は昨年11月末現在、全国で207万人、150万世帯となり、昨年7月以降、毎月、過去最多を更新し続けています。雇用情勢が厳しいことや、東日本大震災による被災地での影響もありますが、国民の生活実態が非常に厳しい環境に置かれていることは事実です。生活保護は社会のセーフティーネットとして重要な制度でありますが、その経費の4分の1が地方自治体負担であり、伸び続ける生活保護費は自治体財政を圧迫し、また、不正受給も絶えないとの指摘があることから、制度の抜本的見直しが求められております。国が何ら有効な手だてを講じられない中、中野区では就労支援プログラムに取り組み、着実に成果を上げていると聞きます。生活保護費の抑制につながっているのでしょうか。現状をお聞かせください。
また、先ほど公明党の小林秀明議員からも質問がありましたが、中野区では平成24年2月1日から、区役所内にハローワーク新宿と協力して「中野就職サポート」を設置し、雇用と福祉が一体となった就労支援事業を開始しました。始まったばかりの取り組みですが、どのような成果を期待しているのか、そのねらい、目標とするところをお聞かせください。
また、生活保護においては、受給者の医療費である医療扶助が生活保護費全体の4割ほどを占めていると聞きます。厚生労働省の平成21年度の調査によると、2日に1回以上の高い頻度で、3カ月以上続けて通院した頻回通院者が全国で1万8,000人余りいたと報告されています。民主党は、この医療扶助に一部負担金の導入を検討したようですが、平成23年12月に発表された厚生労働省の「生活保護制度に関する国と地方の協議」による中間まとめでは、結局、自己負担の導入は触れられませんでした。
ここでもまた、今、早急に対応が求められているにもかかわらず、検討だけ行って結論は先送りの無策ぶりです。無策によって、しわ寄せが及ぶのは多くの国民であり、地方自治体であります。今後も増え続ける頻回受診者を抑制するために、一部負担金の導入は必要ではないかと考えています。こうした一部負担金の導入などを含め、生活保護制度の抜本的見直しを国に強く求めていくべきと考えます。区長の御見解はいかがでしょうか。
国民の生活実態に目を向けることなく、制度ばかりをいじくり回し、時間をただ単に浪費し、効果的な政策を何一つ打ち出せない政権に何の意味があるのでしょうか。
国が頼りにならない以上、基礎自治体としての中野区の役割がますます重要になっています。最後に、全国の自治体経営をリードしている田中区長に、迷走し、混迷をきわめる国政に振り回されることのない、区民のための地に足のついた安定した区政運営を、これまで以上に積極的に展開していただきますよう要望いたしまして、この項の質問を終わります。
次に、大規模防災訓練と機関連携について質問させていただきます。
お伺いする内容としましては、最初に、大規模防災訓練に対する今後の取り組みについて、次に、各機関との連携の強化について、最後に、区民を守り抜く区長の決意と信念について、以上の3点についてお伺いいたします。
間もなく、日本全体にとって、日本人一人ひとりにとって決して忘れ得ぬ日となった3月11日を迎えようとしています。14時46分、東日本全体を揺らした未曾有の巨大地震は、津波の被害を受けられた被災者の皆さんに、原発により避難を強いられた被災者の皆さんに、今もなお多大な御負担と精神的な苦痛をもたらしています。
こうした大地震の発生という天災を人間の力で未然に防ぐことはできませんが、万一にも発生した場合に、いかに被害を最小限に食いとめられるか、そこに行政の果たすべき役割があることは言うまでもありません。
最近の新聞報道によりますと、首都圏において大地震の発生確率が高まっているとする研究機関の発表もありました。地震の正確な予知は困難とされておりますが、東日本大震災の発生を踏まえ、首都圏における大地震への十分な備えが喫緊の課題であることは広く認識されているところであります。
そこで、大規模防災訓練に対する今後の取り組みについてお伺いします。
区では現在、総合防災訓練を行っております。今年度は、昨年の8月28日、鍋横地域の中野本郷小学校、上高田地域の白桜小を会場に、それぞれの地域の皆さんに御参加いただきながら、警察や消防等の関係機関やさまざまな事業者にも御協力いただきながら実施されました。このように、区や関係機関、区民の皆さんが一体となって訓練を実施することは、相互の連絡・協力体制を確認、チェックすることとともに、区民の皆さんの防災に対する意識を盛り上げていく上で、大変重要な事業であると考えます。私は、今後、こうした防災訓練をさらに有意義なものにするためには、さらに訓練の充実を図るべきと考えます。
区では公園整備を進めており、このたび「中野四季の森公園」が開園となります。これまでも江古田の森公園等を整備し、今後も(仮称)南部防災公園などが整備される予定であります。そこで、これらの場所を使い、消防、警察はもとより協定団体など、より多くの防災機関等が参加した大規模防災訓練を今後実施していくべきと考えますが、いかがでしょうか。また、今後整備される公園等は平常時も訓練が実施できるよう配意した整備をするべきと考えますが、いかがでしょうか。区長の御見解を伺いたいと思います。
次に、各機関との連携の強化について伺います。
未曾有の被害をもたらした東日本大震災においては、さまざまな課題が抽出されることとなりました。2万人余りの死者・行方不明者が発生し、多くの避難、救助、救援が必要となったこと、都内でも帰宅困難者が多数発生し混乱したり、食料や燃料が不足する状態になったことなどなどであります。こうした多岐にわたるさまざまな課題を解決しながら、今後の防災対策を的確に進めていくためには、区のみの対応ではおのずと限界があると考えます。さまざまな関係機関と幅広く連携して取り組むことが必要ではないでしょうか。これまで連携し、御協力いただいている関係機関に加え、病院等の医療機関、JR等の交通機関、再開発に伴い、これから区内に進出する事業者等との連携の枠組みをさらに広げ、積極的に取り組んでいくべきと考えますが、いかがでしょうか。これらの機関等との今現在の連携状況がどのようになっているのかとあわせてお伺いいたします。
最後に、区民を守り抜く区長の決意と信念についてお伺いいたします。
区では現在、地域防災計画の改定作業を行い、今回の震災により明らかになった課題を整理しながら、今後の区の防災に生かせるよう検討中と伺っております。今回、まさに未曾有の規模となった東日本大震災は、津波被害や福島原発の事故、関東各地でも発生した地盤の液状化など、従来の想定をはるかに超える規模で被害が発生しました。
私が提案させていただいた大規模防災訓練につきましても、従来の経験や想定に基づく現在の防災訓練を継続するのではなく、新たな発想と視点を取り入れて、より広範で大規模な訓練を実施する必要に迫られているのではないかとの危機意識に基づく提案です。改めて区長のお立場から、かけがえのない区民の安全で安心な暮らしを守り抜く決意をお聞かせいただきまして、この項の質問を終わります。
次に、少子化対策としての婚活支援についてお伺いします。
我が国においては、少子高齢化は顕著に進行し、既に平成17年から少子高齢・人口減少社会に突入しております。少子化とは、言わずもがな、子どもが生まれなくなることであり、それにより若者が少なくなる。さらに労働人口が少なくなるということです。若い働く世代が少なくなり、年金の支給対象となる高齢者が増える。年金は労働者世代の納めている税金から賄われるので、少ない労働者で今まで以上に多くの税金を納めなくてはいけなくなります。少子化の傾向が現在のまま推移した場合には、年金、医療、福祉等の社会保障の分野において現役世代の負担が増大し、勤労者1人当たりの手取り所得は減少し、可処分所得の減を招き、ひいては経済成長率の低下への影響も見込まれるわけであります。
少子化指標となる合計特殊出生率は、第1次ベビーブーム期には4.3を超えていましたが、昨年においては1.39にとどまっており、急速に進行する少子化に歯どめがかからない状況であります。その要因の一つとしては、子どもを産み育てられる年齢層の未婚化や晩婚化の影響が非常に大きいと考えられております。実際の婚姻件数は、昭和45年から昭和49年にかけて年間100万組を超え、婚姻率もおおむね10.0以上でありましたが、その後は婚姻件数、婚姻率ともに低下し、平成22年は約70万組で、婚姻率も5.5と過去最低を記録し、1970年代前半と比べると半分近くの水準となっております。
こうしたことから、少子化の進行は未婚・晩婚化を招き、さらなる少子化に拍車をかけることとなるなど、負のスパイラルを招いているということは明らかであり、少子化対策の一環としての未婚・晩婚化への対応は現代社会の大きな課題であります。
ところで、最近、「婚活」という言葉が定着してきております。これは「結婚活動」を略した言葉であり、家族社会学者である中央大学の山田昌弘教授とジャーナリスト・白河桃子さんの共著である「『婚活』時代」からの造語であると言われております。この本では、就職活動をするように、これからは結婚するためには結婚活動が必要であるというように書かれております。
国立社会保障・人口問題研究所が昨年行った調査によれば、未婚者の独身であることの理由については、25歳から34歳の年齢層では、適当な相手にめぐり合わないことがその原因の中心となっています。また、出会いも以前は仲人を立ててのお見合いや紹介が中心でしたが、現代では結婚相手は周りが紹介するよりも自分で探すとの意識に変わりつつあり、結婚したいと思ったときに出会いがないとか、自分が求める条件を満たした相手が見つけられるとあって、今では婚活をしないと結婚は厳しいと感じている男女が増えている背景があります。
こうした中、未婚化・晩婚化対策として、結婚支援事業を行う自治体は、都道府県では約6割であり、区市町村では3割を超えると言われ、年々その取り組みを実施する行政は増えつつあります。結婚支援事業を行う理由としては、「家庭、地域、職域が果たしてきた結婚(縁結び)機能の低下」「人口の減少による地域全体の活力の低下」となっており、具体的には、カップリングパーティーの開催や地方の男性と都市部の女性による農業・自然体験、未婚男性のコミュニケーション能力を上げ、魅力をアップさせるための講座の開催など多岐にわたっており、佐賀県武雄市においては、縁結びをするという「おむすび課」というのが誕生しております。これらの事業は大変盛況であり、地域の活性化にも大変貢献しているとの報告があります。
そのような状況の中、今後、中野区としても少子化対策の一環として婚活支援をしていく必要があるのではないかと考え、何点か質問いたします。
まず、中野区における未婚率の現状とその課題について。区における20歳代、30歳代、40歳代の未婚率の現状はどのようになっているのか。また、未婚率の現状に対する区としての課題認識、さらに課題に対する具体的な方策についてお伺いします。
自治体など公の機関が進める婚活支援事業については、自治体主催によるもののほか、社会福祉協議会の主催によるものなど、その主体もさまざまです。荒川区では、社会福祉協議会が民間の団体と連携し、縁結びパーティーの開催を行っており、他の自治体の社会福祉協議会でも、結婚相談員の配置やお見合いの設定、観光地をめぐるバスツアーの開催など、出会いの場をつくっています。
区の社会福祉協議会に話を伺ったところ、生活福祉資金貸付事業において離職者の生活費の貸し付けを行っているが、20歳代だけではなく、30歳、40歳代の単身者も多く見受けられ、社会的なつながりを持たない方が多く、結婚を通じて多くの若者が社会的なつながりを中野区への生活基盤を置くことで、まちの活性化や少子高齢化の防止にもなることから、婚活支援は有益と考えている、とお聞きしました。行政や社協など社会的信用を背景にこれら公の機関が主導した婚活支援は、参加者の安心にもつながることと考えます。
一方、こうした行政主導の婚活支援事業の展開が進む中、民間においても若者の出会いの場づくりが進んでいます。現在、「街コン」が大変人気であるということは御存じでしょうか。この街コンですが、平成16年に宇都宮市で始まった「宮コン」を先駆けに、中心市街地の活性化策として、商工会や住民有志による取り組みとして広まったものであります。商店街の飲食店が舞台となったまちぐるみの大型合同コンパであり、若者の出会いの場の確保と市街地の空洞化対策を兼ねたイベントであり、東京でも昨年から本格化しております。参加費を払い、地図を片手に、対象となる飲食し放題のバーや居酒屋など店を回遊し、飲食を楽しみながら会話を楽しみ、気に入った相手と連絡先を交換するといったスタイルが多いようですが、そこでは出会いだけではなく、グルメ目的の参加者も多いと聞いております。
そこで伺います。街コンについて、開催の現状、規模や数について、区として把握しているのでしょうか。お伺いいたします。
街コンは、現在、民間が中心となって行っている事業ではありますが、婚活支援や地域活性化の観点から、区が後押しして、区内の商店街や飲食店の参加や企業協賛などを働きかけることにより、新たな連携や商機が生まれるなど、地域商業活性化などにもつながると思いますが、御見解をお伺いいたします。
こうした少子化対策の一環としての婚活支援、また地域活性化、商業活性化のためのまちぐるみでの婚活イベント開催など、こうした一連の事業を通じて、区における未婚・晩婚化対策が功をなすことで少子化の解消につながり、将来、中野生まれの子どもが安心して住み続けられるまちの実現に寄与することを祈念いたしまして、また、少子化問題の最大の原因は未婚者の増加であり、未婚者の減少策を図ることが少子化問題の最大の解決策であるということを重ねて申し上げまして、すべての質問を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 吉原議員の御質問にお答えをいたします。
子どものための手当の新しい形、また、年少扶養控除廃止等による影響についての御質問です。政府が提出した平成24年度から新しい子ども手当を支給するための児童手当法の一部を改正する法律案では、その財源は国が3分の2、都と区が6分の1ずつとなっているところです。それによれば、区の負担額は4億8,000万円程度となりまして、現行との比較で約4,700万円の増、それから、子ども手当の事務取扱交付金の廃止によりまして、1,800万円の収入減となる見込みであります。また、区全体としましては、年少扶養控除の廃止によりまして、税収は約3億円の増収となりますが、これまで措置されておりました地方特例交付金、約3億4,000万円が削減されることから、新しい子ども手当における給付の負担増や、事務取扱交付金の減収分についてまで賄うことは到底できないという状況であります。これらの影響額を合わせると、1億500万円の負担増になるということになるわけであります。
それから、新しい法案が成立しなかった場合、どういう影響があるのかということであります。4月までに法案が成立せず、児童手当が復活し、10月支給分から適用することとなった場合には、システム改修に数カ月を要するとともに、その後の入力作業など準備にかかる事務量を考えますと、大変に厳しい工程になることが予想されております。たび重なる制度改正に加え、決定が遅いなど、実務を担う地方自治体を顧みないやり方に、大変強い憤りを感じているところでありますが、区としてはそのようなことになった場合でも、可能な限り迅速に対応していきたいと考えております。
それから、一括交付金についてであります。一括交付金、これもまた羊頭狗肉というべき状況であると、こう思っております。地方分権改革を進める上では、やはり権限、税源、そして人材といったきちんとした移譲があっての分権改革の推進であると、こう考えております。ひもつき補助金を廃止する一括交付金にするという名前だけを追うことから、今日のようなおかしなことになっているというふうに私は考えております。
一括交付金の仕組みを導入するというふうにした場合には、区市町村事業の事業実施に支障のないよう配慮するとともに、使途の拡大や手続の簡素化を図ることが必要であり、特別区長会や全国市長会などを通じて国に働きかけてまいりたいと、こう思っておりますが、より強く言いたいのは、やはり真の地方分権というものをきちんと腰を据えて進めていけるような、そうした政治になっていただきたいと、こういうことだと思っております。
それから、就労支援プログラムの取り組みについてであります。平成22年度に就労できた人は74人でした。今年度、23年度は若年層への専門的な就職のサポートの開始をしたところで、12月時点まで、ここまでで84人と、昨年度の年間就労者を上回っております。今年度末につきましては、昨年度に比較して約1.3倍の就労者を見込んでいるというところであります。
中野就職サポートのねらいについてですが、生活保護の受給者や、失業し生活に困窮して早急に仕事を決める必要がある人に、身近で効果的に効率よく仕事を探してもらうということで、新宿ハローワークと連携して事業を開始したところであります。中野就職サポートでは、就職を支援した人の60%以上を就職に結びつけることを新宿ハローワークとの共通の事業目標としているところであります。これによって生活保護の経費の抑制を図っていきたい、このように思っております。
それから、頻回受診の問題など、生活保護制度についての見直しについてどう考えるかということであります。全国市長会や特別区長会を通じまして、これまでも要望をしてきたところであります。24年度要望においても、生活保護について、時代に即した改革に早急に取り組むことというようなことを要望しているところです。また、生活保護制度については、憲法に基づき国が保障するナショナルミニマムにかかわる事項でありますことから、負担割合を現行以上に引き上げないこと等の要望を行っております。
この医療費の一部負担金の導入などについても、額の問題はともかくとして、やはり受診の自覚をしていただくということが大事だと思っておりますので、こうした一部負担金の導入などについても引き続き求めてまいりたい、このように考えております。
それから、大規模な公園を使った防災訓練の実施ということについての御質問がありました。災害時には防災関係機関等の連携した活動が重要であります。訓練の実施につきまして、各機関と今後協議をしていきたいと、こう思っております。
また、公園での訓練が実施できるよう配意した整備をするべきだと、こういう御質問でもありました。整備される公園等の面積や状況にもよりますが、防災行動力の向上のため、訓練等の実施に配意した整備を心がけてまいりたい、こう考えております。
また、関係機関との連携ということが大変重要だと、特にこれから先、重要になってくると、こういった御質問でありました。現在、JR中野駅や、中野四季の都市(まち)地区に進出する事業者や大学との間で、帰宅困難者対策や、施設利用などの協力について協議を進めているところであります。今後、協定を締結するなど、連携の枠組みを積極的に広げながら防災対策を進めていきたいと、こう考えております。
また、区民の安全・安心な暮らしを守り抜く区長としての決意をと、こういうことでありました。首都直下型地震の発生確率が、ここ4年で70%といった研究結果が報じられるなど、災害への備えというのは待ったなしと、このように考えております。また、東日本大震災の経験などを踏まえて考えますと、災害というのは常に日常できる準備から考えれば、常に想定外だから災害になるということなのであって、そうした心構えで、常に災害に備えていくということをやっていくことが何より重要だと考えております。いつ起こるともわからない災害、そうしたことに臨んで区民の生命、財産等に関する被害を最小限にとどめられるよう、区として果たすべき役割をしっかりと果たし、安全で安心なまちづくりを進めてまいりたい、こう考えております。
それから、未婚率の現状と課題と、こういう御質問がありました。未婚率ですけれども、中野区におきましても、昭和50年(1975年)から平成17年(2005年)、この30年間で、例えば25歳から30歳の男性は、64.7%だったものが88.3%に上昇しております。女性について見ますと、41.3%だったものが80%になっていると、このようなことであります。20代、30代、40代のいずれの年代でも上昇しているものであります。未婚率の上昇というのは、少子化対策の大きな課題であると、こういうふうに認識をしておりますけれども、解決に向けた方策、これもまた非常に難しいということは否定できない、こう考えております。
そこでというか、さまざま行われている街コンの開催の把握の状況について、という御質問であります。街コンというのは、現在、毎週末、全国のいずれかのまちで開催されるというように発展しているという状況であります。都内やその周辺を見てみましても、今月だけでも19件実施されると、このように聞いているところです。中野区内ですけれども、2月25日に民間の主催で街コン、「ナカコン」という街コンが開催されるというふうに聞いているところであります。主催者によりますと、参加の規模は400人程度ということで、参加する飲食店が20店舗程度と、このように聞いているところであります。
街コンに対して支援することも意味があるのではないかと、こういう御質問であります。街コンというのは、まち全体を合コン会場に見立てて、数百人規模の男女が楽しく談笑しながら出会いを楽しむイベントであると。地方ではまちおこしや地域振興の一環としても注目をされているということであります。こうしたイベントは中野においても、地域商業の活性化につながるというふうにも考えております。今後、イベント開催を担う商店街に対して、商店街の活性化にかかわる補助制度の活用でありますとか、あるいは企業、団体等に対する連携、協力の働きかけなどを通じまして、こうしたイベントの開催について支援をしていきたいと、こう考えているところであります。
以上です。
○副議長(久保りか) 以上で吉原宏議員の質問は終わります。
中野区議会議員 甲 田 ゆり子
1 中野から世界へ アール・ブリュット発信への支援について
2 地域の見守り・支えあい事業について
3 子育て支援施策について
(1)妊婦健診未受診者対策について
(2)保育園待機児対策について
(3)子育て総合応援サイトの創設について
4 防災対策について
5 その他
○副議長(久保りか) 次に、甲田ゆり子議員。
〔甲田ゆり子議員登壇〕
○4番(甲田ゆり子) 平成24年第1回定例会に当たり、公明党議員団の立場から質問をいたします。
初めに、中野区から世界へ アール・ブリュットの発信への支援について伺います。
既に御承知のことと思いますが、アール・ブリュットとは、加工されていない美術とされ、既存の文化や流行に影響されることなく、作り手の創造力のままに制作された作品を指します。その作家の多くが障害を持つ方という特徴があります。
私がアール・ブリュットと出会ったのは平成22年11月、都庁の都政ギャラリーでの展示でした。それを皮切りに、昨年5月に埼玉県近代美術館、さらに関係者の御尽力で中野区内の多くの場所で展示された作品を見てまいりました。その作品の魅力に、私は魂を揺さぶられるような感動を覚えています。また、障害を持つ方々から私たちが教えていただくことは大きく、まさにこの芸術は、ボーダーレスな社会を築く一助になるものと確信しています。
区長は平成22年12月の区報のコラムに、アール・ブリュット作品を見て感動したことを記した上で、作品から「大きな力をもらったような気がする。人に障害はない。人にあるのは個別性だけであり、個別性のゆえに生きにくい現実があるとすれば、それは社会の障害である。そんな思いを改めて強くするとともに、その重さも感じさせられた」と述べられました。アール・ブリュットについての熱い思いに共感し、その記事を今も大事に持っております。
そして、その後、一連の中野区内での作品展を通じて、アール・ブリュットが一歩一歩着実に周知され、関心が高まってきていることに対して、これまで展示会などに御尽力された関係者の方々に敬意を表したいと思います。
一昨年は、パリの美術館で開催された日本人作家によるアール・ブリュットジャポネ展が大きな反響を呼びました。そしてこのたび、ヨーロッパ7カ国での巡回展が決定したと伺いました。日本の作家の魅力をヨーロッパ諸国に伝え、認識を広げることは、多くの分野の方にも希望をもたらすものと思います。今回、ヨーロッパに渡る作品はすべて一たん中野区内にある事務局に集結し、ヨーロッパへ運ばれたそうです。我が会派でも、かねてより中野区からアール・ブリュット文化を発信すべきだと主張してまいりましたが、まさにそれが実現へ向けて一歩前進しつつあることを大変うれしく思っています。
そこで、区長に何点かお伺いします。
本年4月から3年半にわたって行われるアール・ブリュットヨーロッパ巡回展について、区報、ホームページ、ケーブルテレビ等で区民に周知されてはいかがでしょうか。区民だけでなく、世界の人たちから、東京の中野とはどんなところかと関心を持たれると思いますので、区のホームページには大きく展示会支援の掲載をしていくべきと考えます。
巡回展についてニューズレターも順次発行されますので、庁舎の掲示板などに掲示して来庁者などに周知し、関心を持たれるようにしてはどうでしょうか。伺います。
また、事務局などからの要望があれば、各国での展示会場へ区長の開催祝いメッセージを写真入りでメッセージボードにして送られてはいかがでしょうか。その際、日本語と現地語の2カ国語で掲載してはいかがでしょうか。あわせて伺います。
さらに、御招待があれば、区長もぜひオランダ・アムステルダムの「ドルハウス博物館」を御訪問されてはいかがでしょうか。新たな交流の可能性も開けるのではないでしょうか。さらに、中野区と国際交流をしている姉妹都市にも、こういった芸術を通じての交流を加えて行っていってはいかがでしょうか。伺います。
この項の最後に、ヨーロッパ巡回展が終了して作品が中野に戻ってきた際、関係者から具体的な企画が提示された場合にも、区として積極的に支援すべきだと考えますが、区長のお考えを伺ってこの項の質問を終わります。
次に、地域の見守り・支えあい事業について伺います。
今回、3ポイントのうち二つのポイント制度の事業が取りやめになったことは、財政的には英断であったと同時に、その趣旨から考えたときに残念な結果でもあったと思っております。しかし、そもそも支えあい事業の出発点は、多くの区民がお互いに「地域を見守り、支えあう」という意識ができるまちにとの思いであったと思います。支えあいに大切なことは、まず、仕組みや制度を支える前提となる意識の変革が大きな要素となると思います。さらに多くの意識ある区民の水かさをふやす手だてが不可欠だと考えます。
子育てスーパーバイザーとして長年活躍され、明治大学教授でもある三沢直子先生は、「区民の参加と共同が大事である」「これからは行政頼みではなく、区民の力を引き出していこう」と強調されていました。まさしく区民の支えあいの意識・人の役に立ちたいという心を、区がどう引き出していくかが大切と考えます。
そこで、その一つの方法として、区独自に(仮称)支えあいサポーター養成講座を創設し、支えあいのサポーターの輪を広げる提案をしたいと考えますが、いかがでしょうか。この養成講座は、何か支えあいについてのインセンティブを与えるようなものではなく、だれもが中野区の支えあい事業に理解をしてもらえるような機会となるものです。防災の知識や、自助・共助・公助で大切な心得なども講座の中にわかりやすく取り入れ、ためになったと思えるようなものを開催し、受講者にはその証しとして、認知症サポーターのオレンジリングのような受講証を授与してはいかがでしょうか。
私は、いろいろな形のサポーターがあってしかるべきだと思っています。町会・地域防災会の活動や、防犯パトロール団体、地域のボランティア団体など、そういった既に支えあいを担ってくださっている方には、講座を改めて受けなくてもサポーターの証しを授与するとか、防災訓練の中で行った実践をもって支えあいサポーターと認定してもよいのではないかと思います。それにはサポーターに対する行き届いた情報提供と区民の自発の心をいつでも受け入れる区の体制が大切です。「持続可能」ということを最優先に、心の醸成を図れる講座にすべきだと考えています。
また、サポーター養成のあり方については識者や区民の意見も取り入れながら、地域性を生かし、今後、区民活動センターなどで支えあい推進委員なども含めて検討してもらい、取りまとめをすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
次に、支えあいのキャラクターマスコットについて伺います。楽しいところには人が集まるのが人間の習性です。支えあいの意識の醸成の機会、いわゆる「支えあいサポーター養成講座」を、まずは明るく楽しい催しを開催して糾合し、にぎわいのまちづくりのさまざまなイベントとコラボするなどして宣伝しながら立ち上げていくこともよいのではないかと思います。そこで「中野支えあい・ゆるキャラマスコット」もつくり、既にさまざまな活動をしている人たちにも協力していただきながら、若者も高齢者も気軽に集ってこられる設定が大切だと思いますが、区のお考えをお伺いいたします。
次に、子育て支援施策について何点か伺います。
初めに、妊婦健診未受診者について伺います。
東京都は、2009年8月から1年5カ月間、妊婦健診未受診に関する調査を行いました。調査方法の詳細は省きますが、受診回数が極めて少ないのは10代、20代の妊婦が7割近くを占め、未受診や受診回数が少ない妊婦は、24%が低体重児を出産していることがわかりました。都は、出産のリスクが高い健診未受診の実態が明らかになったことで、未受診を減らすための取り組みをしたいと言っています。また、出産のリスクだけでなく、経済的に問題を抱えていたり、望まない妊娠・出産の場合に、乳幼児虐待の可能性を多くの専門家が指摘しています。
そこで、お伺いします。中野区でも妊婦健診未受診者数を何らかの形で調査をすべきと考えますが、いかがでしょうか。また、虐待の芽を摘む一助になるのであれば、母子健康手帳の中の妊婦健診記録の写しをもらって統計をとるなど、何らかの対策をとり、未受診者を減らすことが重要と考えます。区の御見解を伺います。
次に、小児科との連携について伺います。平成20年より、我が会派でも力強く推進してきた14回の妊婦健診受診票によって産婦人科に受診がしやすくなりましたが、そこからさらに小児科に連携する仕組みがあると、生後の乳児のケア、予防接種スケジュールの丁寧な説明などを聞ける機会を得られることにもなります。また、虐待、ネグレクトといった事態に発展する前に、相談できる一歩が小児科の先生であり、小児科につなげていくことは非常に大切になってきます。
区は、3年前から母子健康手帳を渡す際に、妊娠中から出産後3カ月未満までの間に1回利用ができる「はじめての小児科相談券」という無料券を渡していると知り、この取り組みを高く評価します。しかし、実際の利用者は1割にも満たない状況です。すべての妊婦が理解し利用ができるように、例えば妊婦健診受診票にプラス1枚の小児科相談クーポンとするなど、明確にわかるよう工夫してはいかがでしょうか。また、出生届を提出する際などにも、再度、小児科の無料相談券について説明してはいかがでしょうか。伺います。
次に、保育園待機児対策について伺います。
まず家庭福祉員、いわゆる保育ママのグループ保育事業について伺います。区長は今回の施政方針説明の中において、「国家公務員宿舎を活用したグループ型家庭福祉員事業」も行い、保育園待機問題の解消を目指すことを明らかにされました。これは昨年の第3回定例会で私が質問したことでもあり、高く評価したいと思っております。3歳未満の待機児を減らすのに有効な保育ママの増員を図る上で、保育ママの負担を減らす「グループ保育」の仕組みは非常に重要と考え、早期に導入が必要と考えます。
そこで伺います。グループ保育の開設状況は具体的にどの程度進んでいるのでしょうか。さらに、昨年の質問に対する御答弁でも、今後研究していくとのことでしたが、保育ママの負担軽減の具体策として、保育園との連携強化、保育ママ同士の相互の連携が図れる制度について、具体的にどこまで進んでいるのでしょうか。現在、既にお仕事をされている保育ママに対して聞き取り調査をするなどして、負担軽減のために努力をすべきと考えますが、お考えを伺います。
次に、乳幼児の緊急一時保育について伺います。
昨今、社会環境の変化に伴い、私の周りにも乳児を持つお母さんは、預かってくれる肉親が近くにいないという方が少なくありません。2人目のお子さんの出産時に、上のお子さんを預ける先がないということで深刻に悩んでいる方もいます。
現在、区は保護者が病気、出産、死亡などの緊急な場合、申請をすれば1カ月の範囲で区立・私立保育園にて1日1,200円で預かってくれることになっています。しかし、出産による要件の場合には、産前1週間、産後2週間の範囲、帝王切開の場合、産後20日以内となっています。
世田谷区では産後ケアセンターがあり、育児スタートの支援として、産後、母子ともによい環境の中で低価格で預かってくれ、母親のストレスの解消を図ってから自宅に帰してくれる制度があります。区としてここまでの対応は現時点で難しいことと思いますが、緊急一時保育については、多くの区が1カ月間は預かってくれます。せめて、出産による利用条件の場合にも1カ月までとし、特別な理由があれば2カ月程度まで延長して保育を可能にする制度ができれば、支援を望んでいるお母さんの心のケアができるとともに、虐待の芽を摘むということにもつながるのではないでしょうか。伺います。
次に、子育て総合応援サイトについて伺います。
多くの子育て中のお母さんから、中野区のホームページはわかりにくいという声をよく聞いています。私も同感です。例えば、先ほどの乳幼児一時預かり保育については、子ども教育分野から見つけにくく、「助成・手当・サービス」というメニューを選択できなければたどり着けません。他の自治体のホームページを見てみますと、行政用語ではなく使う人の平易な言葉で、しかも少ないクリック数で、探している情報を見つけ出すことができるものがたくさんあります。特に子育て世代は今やネット時代ですので、多くのお母さんがホームページを見ています。小さなお子さんがいると、じっくりと時間をとって見ることができない方々のために、見やすく、わかりやすいページの作成を追求していくべきと考えます。
中野区は未来を担う子どもたちを区の希望の宝として大切にしているという心が伝わるような、夢のある明るい絵が入ったデザイン、また、ユニバーサルデザインでつくることも非常に大事であると思いますが、いかがでしょうか。区長のお考えを伺います。
また、特に子育てに関しては、私は、別建ての子育て総合応援サイトをしっかりとつくり、保育園や幼稚園、小学校のサイトもわかりやすくつくるべきと思いますが、いかがでしょうか。中野区の子育て施策に誇りを感じられるようなサイトにすべきと思いますが、お考えを伺います。
次に、子育てに関する相談支援サイトについて伺います。
現在、子育ての相談について、子どもの不登校や発達障害、いじめなどで悩んでいるお母さんが、自分自身も元気がない場合などに、電話で一から知らない人には相談しにくいという声を聞きました。親御さんにとって、さまざまな悩みがはらんでいると思います。自分の子が発達障害だとはまだ認めたくない場合や、気づいていない場合もあります。また、親も精神的ケアを必要としている場合もあります。従来はメールでの相談は危険という見方をされてきました。しかし、メールで一度やりとりがあれば、窓口や電話で一から話すこともなく、安心して相談ができると思います。
そこで伺います。子育てのサイトには、ぜひ24時間365日、緊急の相談、だれにも言えない悩みなどをメールで受け付けできるサイトもつくってはいかがでしょうか。エキスパートの方々が、子育てに関するどんな悩みもその状況に応じてウェブで回答していくノウハウを持っている民間の力も取り入れながら、子育てに悩む親御さんたちへのソフト面の支援をしていくことがこれからの時代には重要になると思いますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。
次に、防災対策について、2点質問いたします。
初めに、保育園・小学校におけるツイッターについてお伺いいたします。
東日本大震災において、電話や携帯電話がつながりにくい状況の中で、ツイッター等のインターネット回線を利用したツールが情報伝達に力を発揮しました。今回の例を教訓に、電車など交通網がストップしたときは、混乱を防ぐため、原則その場にとどまるよう言われておりますが、小さなお子さんを保育園などに預けて勤務している保護者は、安心な状態だとしても、情報がなければ無理にでも帰るしかありません。東北などでは大きな余震も繰り返しあり、そういったときに、「今、園児たちは無事に過ごしていて大丈夫です」といった、その保育園ごとの情報を積極的に流している保育園も最近は多く見られ、それだけで親は安心です。
そこで、お伺いいたします。区内の各保育園、小学校において、公式のツイッターアカウントを取得し、保護者が極力登録をしておき、災害に備えるべきと考えますが、いかがでしょうか。
文京区では昨年3・11以降すぐに立ち上げており、今後整備していく方向です。
当然、災害伝言ダイヤルは確実な方法と言えますが、更新してしまうとその前の情報は聞くことができないなどの多少の不便さがあります。ネット回線も100%ではありませんが、かなりのメリットがあります。両方を組み合わせて使用できるようにしておくことで、より保護者に安心を与え、混乱を防ぐことになると思います。ツイッターの成り済まし、リツイートによるチェーンメール対策などは、きちんとルールをつくっておけば防げる問題です。ぜひ区として仕組みを整備しておくべきと思いますが、御見解を伺います。
次に、帰宅困難者の対策について伺います。
東日本大震災の際、中野区内でも駅周辺をはじめ帰宅困難者が発生し、対応に追われる事態もありました。首都直下型地震等の発生確率が高まっていると言われる中、今後、中野区の帰宅困難者対策も進めていかなくてはならないと考えます。東京都で出している被害想定では、中野区の帰宅困難者は4万1,000人程度と想定され、区の地域防災計画に掲載されています。千代田区では、中野区とは比べ物にならない企業の多い区ではありますが、自治体が区内の事業所等に呼びかけ、地域協力会を立ち上げて対策を協議した上で帰宅困難訓練を実施しています。神奈川県大和市では、自治体が中心となり駅に協力を仰ぎ、地域防災リーダーが帰宅困難者役を務めたシミュレーション訓練を行っています。
中野区も、駅周辺での混乱を少しでも防ぐため、まずは鉄道事業者や周辺の企業などに呼びかけて、協議会を設けるなど体制づくりを進める必要があると考えますが、いかがでしょうか。近い将来に中野区内の帰宅困難者対策訓練も行えるよう準備をしておくべきと考えますが、御見解を伺います。
最後に、その他の項目として、高齢者福祉センターの廃止について伺います。
当センターは現在、利用者にとっては日々の生活サイクルの中で生きがいともなっているかけがえのない地域活動の拠点となっており、その利用者の多くは、町会・老人会など地域や仲間に積極的なかかわりを持ち、見守り・支えあいを日常的に取り組んでくださっている方々です。区は、こうした支えあい活動の一層の充実のために支援していく必要があると思います。今回の廃止については突然のことであったため、利用者の皆さんは、廃止後の施設利用のあり方について、大変不安を抱いていらっしゃいます。
昨日の市川議員の質問に対して、区長は今後の施設のあり方について、「本年7月までには区の考え方を示す」と述べられました。このセンターで既に活動している利用者の方々が居場所・生きがいを失ってしまうことのないよう、十分検討した上で考え方を示し、もし一定の理解が得られない場合には、施設廃止の延期も視野に入れ、協議を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って、私のすべての質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 甲田議員の御質問にお答えいたします。
アール・ブリュットの発信への支援についてということであります。区民への周知方法についてですけれども、昨年、区内で実施されましたアール・ブリュット展につきましては、まちの話題として、区から各報道機関に情報提供して、新聞社や地元ケーブルテレビにより報道されたところでもあります。御質問の中にありました巡回展に関しましても、報道機関に情報提供するとともに、その内容をホームページにも掲載するなど、周知をしていきたいと、このように考えております。
アール・ブリュットの発信支援についてということです。各国での展示会やオランダでの巡回展について、主としてアール・ブリュット展の巡回を担っております愛成会のほうから依頼があり、作品の一時保管の協力を行っているところであります。この団体から具体的な要望があれば、メッセージを発信するということについては協力を惜しまないという考え方でございます。
それから、アムステルダムを訪問してはどうかと、こういうことなんですけれども、予算ですとか時期や日程などから考えて、これは難しいと、このように考えているところであります。
それから、アール・ブリュットの作品展示につきましては、各都市との、国際交流している姉妹都市にもこういった芸術を通じての交流を加えてはどうかと、こういうことですけれども、このアール・ブリュットにつきまして、各都市との友好交流が進んでいく中で、適切な機会があれば紹介もしていきたいと、このように考えております。
また、今後の支援ということで、巡回展終了後、企画があれば積極的に支援するべきだと、こういう御質問でありました。まちのにぎわいや活性化につながるような具体的な提案があれば、要望を踏まえて支援のあり方、これを検討していきたいと、こう考えております。
それから、地域の見守り・支えあい事業に関連しての御質問であります。支えあいサポーターという、そういった方たちを養成してはどうかと、こういうことです。地域の支えあいについては、区民が安心して暮らせる地域社会の実現のために相互の支えあいが不可欠である、このことを理解することから始まるものと考えております。御提案のあったサポーター養成講座、これにつきましてですが、現在実施している地域支えあい推進講座といった講座を区としてもやっているところでありまして、今後ともこれを工夫して取り組んでいきたいと、こういうふうに考えております。
また、サポーター、支えあいの活動をしていただくという皆さんをふやしていくためのさまざまな工夫、ゆるキャラマスコットの提案もあったわけですけれども、さまざまなグッズやマスコットといったようなものの活用なども含めて検討していきたいと、このように考えております。
それから、妊婦健診未受診者の問題であります。妊婦健診未受診者の状況につきましては、現在のところ、正確な数値的な把握というのはなかなかできておりません。今後ですけれども、新生児訪問や乳児健診の際に聞き取るなどの方法で実態調査に努めていきたいと、このように考えております。
また、妊婦健診の未受診者を減らすために、現在は母子健康手帳を交付する際に、その妊婦健診の必要性について、これは丁寧に御説明をしているということでもあります。
それから、「妊娠がわかっていろいろ悩んでいるあなたへ」という、こういうチラシがございます。こうしたチラシを医療機関や区関係部署、区内ドラッグストアの妊娠検査薬のコーナーに設置するなど、相談や支援につなげる広報を行って、未受診者を減らすように取り組んでいるところであります。今後とも、実態把握とあわせて、より有効な手法を検討していきたいと、こう思っております。
それから、小児科相談券の利用、実際に利用が少ない、実績が上がっていないではないかという、こういったこともありました。今後、母子手帳を交付する際には、利用者が小児科相談券に関する理解を深められるように、妊婦健診の受診票つづりと一緒にした形でお渡しをするなどの工夫をしていきたいと、このように考えております。また新生児訪問、これや母親学級などでもこの小児科相談をお勧めするほか、医師会において産科・小児科の連携を強めて、この制度の活用をより図っていただくように働きかけを行っていきたいと、このように考えております。
それから、グループ型家庭福祉員事業についてであります。グループ型家庭福祉員事業の実施場所として考えております区内の国家公務員宿舎につきましては、国の関東財務局との間で協議を進めているところであります。平成24年度に具体的に場所を提示していただけることとなっております。
当該事業の運営につきましては、家庭福祉員の一定のレベルや安定的な運営が必要ということから、企画提案公募型事業者選定方式によります事業者募集を予定しております。
なお、参加意欲を持つNPO法人等ですが、情報としては既に複数の情報を得ているということであります。
家庭福祉員の連携による負担軽減についての御質問もありました。区と家庭福祉員の連携につきましては、区の担当者の巡回による相談支援や、あるいは区立保育園が家庭福祉員の休業時の保育支援などを実施しているところです。家庭福祉員相互の連携につきましては、年2回程度の連絡会を開催して、情報共有の機会を提供しているところであります。区としては、今後も家庭福祉員事業を拡充していくことにしているところでありまして、事業が拡大することによって、家庭福祉員が互いに協力しながら保育を継続する。そうしたことがより可能になっていくことであり、また、それが結果として負担軽減にもつながるのではないかと、このようにも考えております。
それから、緊急一時保育を出産で利用するときの期間延長についての御質問がありました。出産時の緊急一時保育を1カ月程度、実は周辺区、渋谷、新宿、杉並、世田谷、豊島、練馬と調べましたらば、1カ月程度実施をしているということであります。そうした状況を参考にしながら、中野区としても利用期間について伸ばせるよう検討していきたい、このように考えております。
それから、ホームページの子育てサイトについてであります。子育てサイトをもっと夢のある明るいデザインにするべきではないか。また、その前提として、よりわかりやすくということもあったと思っております。御指摘のように、子育て中の親御さんも見やすくて情報を探しやすいホームページのデザインを心がけていくということは大変大事なことだと思っております。中野区のホームページもそのようなサイトになるよう、さらに改善をしていきたいと、このように考えております。
それから、ユニバーサルデザインなんですが、現在の中野区ホームページはユニバーサルデザインの基準に基づいてつくられておりますけれども、来年度は新しい基準に対応するための準備を現在進めているところであります。
また、子育て応援サイトを別建てにしてはどうかと、こういうことなんですが、子育て支援情報だけを集めた総合的な子育て応援サイトをつくるということになりますと、今のホームページのかなり大幅なシステム改修が必要になってまいります。したがいまして、当面は見出し項目の表記をわかりやすく具体的なものにするなど、閲覧者が求める情報をすぐに見つけられるような工夫をしていきたいと、こう考えております。
それから、相談支援サイトに関連して、メールを活用してはどうなのかと、こういうことであります。子育ての相談は現在、主に子ども家庭支援センター、すこやか福祉センター、それから母子生活支援施設のさつき寮などで、窓口と電話で行っているところであります。相談の内容なんですが、問い合わせや施設の紹介など軽微なものから緊急性があるものまで含め、多種多様になっています。そうしたことから、メールという文面に制約があるそういう中で、相談内容を全体を把握して適切に対応するということについては、かなり難しいのではないかというふうに判断をしているところで、現在は行っていないということであります。
民間で導入しているウェブを活用した相談につきまして、活用することの具体的なメリットなどを把握する必要があると、このようなことを考えているところであります。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 防災対策につきまして、小学校、保育園におけるツイッターによる情報発信についての御質問がございました。
災害時、多様な方法で情報を発信することは大切だと思っておりますが、保育園や学校の幼児・児童・生徒の安全確保を第一に対応しながら情報発信を行っていくことには限りがございます。区としては、より確実と思われる災害用伝言ダイヤルの活用を図っていく考えでございます。
ツイッターにつきましては、御質問にもございましたけれども、情報伝達の一つの方法ではございますが、災害時などには発信に対して不特定多数の書き込みが想定されるなど、情報混乱の可能性があり、現時点では課題もあるため、今後研究してまいりたいと考えております。
〔都市基盤部長服部敏信登壇〕
○都市基盤部長(服部敏信) 私からは、防災対策のうち帰宅困難者対策についての御質問にお答え申し上げます。
帰宅困難者対策につきましては、今後進めるべき重要な震災対策の一つであると考えてございます。この対策も含めまして、発災時におけます連携や協力体制のあり方につきまして、中野駅周辺の企業や事業者等と協議してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
〔地域支えあい推進室長長田久雄登壇〕
○地域支えあい推進室長(長田久雄) 高齢者福祉センター転換に関する利用者との調整について御質問をいただきました。
高齢者福祉センターの転換に当たりましては、引き続き利用者や地域の方に対し意見交換会なども実施しながら、御理解をいただけるよう丁寧な説明を行ってまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
〔甲田ゆり子議員登壇〕
○4番(甲田ゆり子) 1点だけ再質問をさせていただきます。
先ほどの支えあいサポーター養成講座、これは仮称ということで御提案をさせていただきましたが、現在実施している地域支えあい推進講座というものがあるということですが、これは具体的にどのようなことをされているのか。また、今後とも工夫して実施するということなんですが、私の提案では、養成講座の開催の仕方は、多くの皆さんが、区民が知っていただいて自発的に受けていただくためには、きめ細かい開催の仕方が必要と思われます。それには認知症サポーター養成講座のような小さな単位での開催も必要かなと思っております。地域の現場の声とか、区民活動センターなどの中でもこの事業についていろいろお話をしていく、話し合いをしていく必要があると思っていますが、進め方としてどのように考えているのか、教えていただければと思います。
以上です。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。
地域支えあい推進講座という名称をもちまして、現在は4カ所のすこやか福祉センターが実施するという形で運営をしておりますけれども、実際に今年度の実績で言いますと、中部地域の支えあい講演会ということで、町会・自治会、民生児童委員、友愛クラブ、区民活動センターの事務局の方などの関係者を対象にした講座を開催いたしました。そのほかでは、東部区民活動センターで3回、それから、上高田の区民活動センターを会場として認知症サポーター養成講座、これを上高田ふれあいの会が主催するのに対して、講師、中野包括支援センターを派遣するというような形で行うと。これはこれからやるんですけれども、そういったような形での推進講座という形になっております。
現時点ではまだ始まってあまり実績もないし、どういう形態で行っていくかということについてはさまざまな模索をしているという、そういう状況だというふうに御理解いただきたいというふうに思っております。
当然、これを回を重ねていく中では、御提案にあったように、きめ細かに地域の中で開催していくでありますとか、いろんなテーマやいろんなレベルで開催することによって、ハードルを下げていったり、多くの方に参加していただいたりといった工夫が可能になっていくのかな、このように思っております。これから24年度の事業の中で、より充実した形をさらに追求していきたい、このように思っております。
○副議長(久保りか) 以上で甲田ゆり子議員の質問は終わります。
お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(久保りか) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
本日はこれをもって延会いたします。
午後4時53分散会