平成24年06月06日中野区議会本会議(第2回定例会)
平成24年06月06日中野区議会本会議(第2回定例会)の会議録
平成24年第2回定例会本会議第1日(06月06日)

.平成24年(2012年)6月6日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(42名)

  1番  若  林  しげお         2番  高  橋  かずちか

  3番  木  村  広  一        4番  甲  田  ゆり子

  5番  小  林  ぜんいち        6番  中  村  延  子

  7番  石  坂  わたる         8番  後  藤  英  之

  9番  石  川  直  行       10番  内  川  和  久

 11番  ひぐち   和  正       12番  いでい   良  輔

 13番  白  井  ひでふみ       14番  平  山  英  明

 15番  南     かつひこ       16番  森     たかゆき

 17番  いながき  じゅん子       18番  林     まさみ

 19番  小宮山   たかし        20番  浦  野  さとみ

 21番  伊  東  しんじ        22番  佐  野  れいじ

 23番  北  原  ともあき       24番  吉  原      

 25番  小  林  秀  明       26番  久  保  り  か

 27番  酒  井  たくや        28番  奥  田  けんじ

 29番  近  藤  さえ子        30番  金  子     洋

 31番  長  沢  和  彦       32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  やながわ  妙  子       38番  佐  伯  利  昭

 39番  むとう   有  子       40番  か  せ  次  郎

 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  金 野   晃

 副  区  長  阪 井 清 志      教  育  長  田 辺 裕 子

 政 策 室 長  竹 内 沖 司       経 営 室 長  川 崎   亨

 都市政策推進室長 長 田 久 雄      地域支えあい推進室長 瀬 田 敏 幸

 区民サービス管理部長 登   弘 毅    子ども教育部長、教育委員会事務局次長 髙 橋 信 一

 健康福祉部長   田 中 政 之      保 健 所 長  山 川 博 之

 環 境 部 長  小谷松 弘 市      都市基盤部長   尾 﨑   孝

 政策室副参事(企画担当) 野 村 建 樹  経営室副参事(経営担当) 戸 辺   眞

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  篠 原 文 彦      事務局次長    青 山 敬一郎

 議事調査担当係長 佐 藤   肇      書     記  関 村 英 希

 書     記  河 村 孝 雄      書     記  東   利司雄

 書     記  丸 尾 明 美      書     記  土 屋 佳代子

 書     記  細 川 道 明      書     記  江 口 誠 人

 書     記  鈴 木   均      書     記  永 見 英 光

 書     記  竹 内 賢 三      書     記  香 月 俊 介

 

 議事日程(平成24年(2012年)6月6日午後1時開議)

日程第1 第37号議案 中野区事務手数料条例の一部を改正する条例

 

      午後1時00分開会

○議長(大内しんご) ただいまから平成24年第2回中野区議会定例会を開会いたします。

 本日の会議を開きます。

 会議録署名員は、会議規則第121条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。6番中村延子議員、37番やながわ妙子議員にお願いいたします。

 次に、会期についてお諮りいたします。

 本定例会の会期は、本日から6月19日までの14日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 この際、申し上げます。本定例会の会期中、略装を許します。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 この際、申し上げます。平成24年4月1日付をもちまして、お手元に配付の文書のとおり、本会議参与に人事異動がありましたので、御報告いたします。

 

本会議参与の人事異動

 

平成24年(2012年)4月1日

発 令

氏 名

都市政策推進室長

長田 久雄

地域支えあい推進室長

地域支えあい推進室長

瀬田 敏幸

鷺宮すこやか福祉センター所長

子ども教育部長(心得)

教育委員会事務局次長(心得)

髙橋 信一

経営室副参事

(経営担当)

保健所長

山川 博之

健康福祉部参事

(保健予防担当)

環境部長

小谷松 弘市

監査事務局長

都市基盤部長

尾﨑 孝

環境部長

政策室副参事

(企画担当)

野村 建樹

地域支えあい推進室副参事

(地域活動推進担当)

経営室副参事

(経営担当)

戸辺 眞

経営室副参事

(行政監理担当)

 

○議長(大内しんご) それでは、新たに本会議参与に就任されました瀬田敏幸地域支えあい推進室長、山川博之保健所長、小谷松弘市環境部長、野村建樹政策室副参事、戸辺眞経営室副参事を御紹介申し上げます。

 初めに、瀬田敏幸地域支えあい推進室長。

  〔地域支えあい推進室長瀬田敏幸登壇〕

○地域支えあい推進室長(瀬田敏幸)  ただいま御紹介をいただきました地域支えあい推進室長の瀬田でございます。議員各位、皆様方の御指導をいただきながら、誠心誠意職務に取り組んでまいる所存でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○議長(大内しんご) 次に、山川博之保健所長。

    

保健所長山川博之登壇〕

○保健所長(山川博之) ただいま御紹介いただきました保健所長の山川博之でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○議長(大内しんご) 次に、小谷松弘市環境部長。

    

環境部長小谷松弘市登壇〕

○環境部長(小谷松弘市) ただいま御紹介いただきました環境部長の小谷松でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○議長(大内しんご) 次に、野村建樹政策室副参事。

   

政策室副参事野村建樹登壇〕

○政策室副参事(野村建樹) ただいま御紹介いただきました政策室副参事の野村でございます。よろしくお願いいたします。

○議長(大内しんご) 次に、戸辺眞経営室副参事。

    〔経営室副参事戸辺眞登壇〕

○経営室副参事(戸辺眞) ただいま御紹介いただきました経営室副参事戸辺でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○議長(大内しんご) 以上で紹介を終わります。

 次に、平成24年4月1日付をもちまして、お手元に配付の文書のとおり、委員会参与に人事異動がありましたので、念のため御報告いたします。

人 事 異 動 表
発令年月日  平成24年4月1日
【 部長級 】
区長発令 発令権者   中野区長  田
中 大輔
発  令 氏 名 備 考
都市政策推進室長 長 田 久 雄 地域支えあい推進室長
地域支えあい推進室長 瀬 田 敏 幸 鷺宮すこやか福祉センター所長(統括副参事) 昇任
子ども教育部長(心得) 髙 橋 信 一
経営室副参事(統括副参事)(経営担当)
保健所長 山 川 博 之
健康福祉部参事(保健予防担当)
健康福祉部参事(保健予防担当)
向 山 晴 子 東京都福祉保健局保健政策部担当課長<町田市派遣(町田保健所保健対策課長)> 転入、昇任
環境部長 小谷松 弘 市 監査事務局長
都市基盤部長 尾 﨑   孝 環境部長
教育委員会発令 発令権者   中野区教育委員会
発  令 氏 名 備 考
教育委員会事務局次長(心得) 髙 橋 信 一
経営室副参事(統括副参事)(経営担当)
【統括副参事】
区長発令 発令権者   中野区長  田
中 大輔
発  令 氏 名 備 考
政策室副参事(統括副参事)(企画担当)
野 村 建 樹
地域支えあい推進室副参事(統括副参事)(地域活動推進担当)
経営室副参事(統括副参事)(経営担当)
戸 辺   眞
経営室副参事(行政監理担当)
昇任
経営室副参事(統括副参事)(人事担当)
角   秀 行
経営室副参事(人事担当)
昇任
都市政策推進室副参事(統括副参事)(産業・都市振興担当)
横 山   俊
都市政策推進室副参事(産業・都市振興担当)
昇任
都市政策推進室副参事(統括副参事)(中野駅地区都市施設整備担当)
石 井 正 行
都市政策推進室副参事(中野駅地区基盤整備担当)
統括任用
地域支えあい推進室副参事(統括副参事)(区民活動センター調整担当)
遠 藤 由紀夫 (再任用新規採用)
中部すこやか福祉センター所長(統括副参事) 遠 藤 由紀夫 (再任用新規採用)
北部すこやか福祉センター所長(統括副参事) 服 部 敏 信 (再任用新規採用)
南部すこやか福祉センター所長(統括副参事) 橋 本 美 文 (再任用新規採用)
鷺宮すこやか福祉センター所長(統括副参事) 村 木   誠 (再任用新規採用)
区民サービス管理部副参事(統括副参事)(区民サービス担当)
藤 井 康 弘
区民サービス管理部副参事(区民サービス担当)
昇任
健康福祉部副参事(統括副参事)(福祉推進担当)
小 田 史 子
政策室副参事(統括副参事)(企画担当)
環境部副参事(統括副参事)(地球温暖化対策担当)
上 村 晃 一
健康福祉部副参事(福祉推進担当)
昇任
発  令 氏 名 備 考
都市基盤部副参事(統括副参事)(都市計画担当)
相 澤 明 郎
都市基盤部副参事(都市計画担当)
昇任
都市基盤部副参事(統括副参事)(都市基盤整備担当)
石 井 正 行
都市政策推進室副参事(中野駅地区基盤整備担当)
統括任用
代表監査委員発令 発令権者   中野区代表監査
委員 山下 清超
発  令 氏 名 備 考
監査事務局長(統括副参事) 鈴 木 郁 也
環境部副参事(地球温暖化対策担当)
昇任
【 副参事 】
区長発令 発令権者   中野区長  田
中 大輔
発  令 氏 名 備 考
政策室副参事(広報担当)
酒 井 直 人 区民サービス管理部国保運営担当係長(総括係長) 昇任
経営室副参事(施設保全担当)
安 部 秀 康 (再任用新規採用)
経営室副参事(行政監理担当)
岩 浅 英 樹
南部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当)
経営室副参事(債権管理担当)
伊 東 知 秀
経営室副参事(経理担当)
都市政策推進室副参事(にぎわい・商業振興担当)
滝 瀬 裕 之
都市政策推進室副参事(にぎわい・文化担当)
都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当)
松 前 友香子 (新規採用)
都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当)
石 井 大 輔 都市政策推進室区役所・サンプラザ地区整備担当係長(総括係長) 昇任
都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当)
宇佐美 吉 久 (任期付新規採用)
都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当)
立 原 英里雄 (任期付新規採用)
地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当)
朝 井 めぐみ
健康福祉部副参事(障害福祉担当)
中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当)
松 原 弘 宜
政策室副参事(広報担当)
北部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当)
中 井   豊
子ども教育部副参事(子ども教育施設担当)、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当)
南部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当)
杉 本 兼太郎 政策室主査(総括係長) 昇任
区民サービス管理部副参事(税務担当)
長 﨑 武 史
北部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当)
子ども教育部副参事(子育て支援担当)
黒 田 玲 子
健康福祉部副参事(生活援護担当)
子ども家庭支援センター所長 黒 田 玲 子
健康福祉部副参事(生活援護担当)
子ども教育部副参事(子ども教育施設担当)
伊 藤 正 秀
都市基盤部副参事(まちづくり事業推進担当)
健康福祉部副参事(障害福祉担当)
永 田 純 一 経営室能力開発担当係長(総括係長) 昇任
健康福祉部副参事(生活援護担当)
伊 藤 政 子
子ども教育部副参事(子育て支援担当)、子ども家庭支援センター所長、教育委員会事務局副参事(子育て支援担当、特別支援教育等連携担当)
都市基盤部副参事(都市基盤整備推進担当)
立 原 英里雄 (任期付新規採用)
教育委員会発令 発令権者   中野区教育委員会
発  令 氏 名 備 考
教育委員会事務局副参事(学校再編担当)
石 濱 良 行 区議会事務局次長
教育委員会事務局副参事(子育て支援担当)
黒 田 玲 子
健康福祉部副参事(生活援護担当)
教育委員会事務局副参事(特別支援教育等連携担当)
黒 田 玲 子
健康福祉部副参事(生活援護担当)
教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当)
伊 藤 正 秀
都市基盤部副参事(まちづくり事業推進担当)
教育委員会事務局指導室長 川 島 隆 宏 調布市立石原小学校 派遣転入
選挙管理委員会発令 発令権者   中野区選挙管理  
委員会委員長  大泉 正勝
発  令 氏 名 備 考
選挙管理委員会事務局長 吉 村 恒 治
教育委員会事務局副参事(学校再編担当)
議長発令 発令権者   中野区議会議長   
  大内 しんご
 
発  令 氏 名 備 考
区議会事務局次長 青 山 敬一郎
区民サービス管理部副参事(税務担当)
備考
1 前都市政策推進室長 遠藤 由紀夫、前子ども教育部長・教育委員会事務局次長 村木 誠、前都市基盤部長 服部 敏信、前選挙管理委員会事務局長 橋本 美文 は、平成24年3月31日をもって退職
1 前保健所長 田原 なるみ は 東京都福祉保健局多摩府中保健所長になるため、前中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 高里 紀子 は 練馬区健康福祉事業本部健康部豊玉保健相談所長になるため、平成24年3月31日をもって退職
1 前教育委員会事務局指導室長 喜名 朝博 は 江東区枝川小学校長になるため、平成24年3月31日をもって東京都教育委員会からの派遣終了


○議長(大内しんご) この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、伊東しんじ議員、白井ひでふみ議員、岩永しほ子議員、森たかゆき議員、石川直行議員、佐野れいじ議員、木村広一議員、金子洋議員、中村延子議員、後藤英之議員、内川和久議員、南かつひこ議員、若林しげお議員、むとう有子議員、奥田けんじ議員、近藤さえ子議員、いながきじゅん子議員、林まさみ議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 

 中野区議会議員 伊 東 しんじ

 1 中野駅周辺まちづくりの公共施設配置のあり方について

 2 西武新宿線立体交差事業について

 3 指定校制度について

 4 町会掲示板設置助成について

 5 証明書のコンビニ交付サービスについて

 6 施設使用料の見直しについて

 7 その他

 

○議長(大内しんご) 最初に、伊東しんじ議員。

〔伊東しんじ議員登壇〕

○21番(伊東しんじ) 平成24年第2回定例会に当たり、自由民主党議員団の立場で質問させていただきます。

 質問項目は、1、中野駅周辺まちづくりの公共施設配置のあり方について、2、西武新宿線立体交差事業について、3、指定校制度について、4、町会掲示板設置助成について、5、証明書のコンビニ交付サービスについて、6、施設使用料の見直しについて、その他として、1点目に特定整備路線制度の活用による大和町の不燃化促進について、2点目に障害者雇用を積極的に促進する企業等への支援について、質問させていただきます。

 中野駅周辺、そして西武新宿線と中野の都市基盤が大きく変容しようとしており、それにつれ、区内消費、経済、住環境も豊かに変容することが期待されます。考えれば、50年ぶりの中野の中心のリニューアルです。また、西武新宿線の踏切渋滞は戦後の高度成長期からの懸案事項でした。区民の期待にこたえるためにもよりよいまちづくりを進めていかなければなりません。

 そこで、中野駅周辺まちづくり、西武新宿線まちづくりと続けて質問させていただきます。

 最初に、中野駅周辺まちづくりの公共施設配置のあり方について、伺います。

 さきの第1回定例会予算特別委員会において、区長は、南口での区庁舎の立地と駅ビルなどさまざまな選択肢、可能性を模索・検討し、議論を行う必要性について言及されました。こうした区長の考えに基づき、先日発表された中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3(案)の中には、Ver.2になかった「公共施設配置のあり方」なる項目が新たに盛り込まれました。その記述では、区役所は、行政機能に加え、交流機能などを踏まえたあり方を追求し、周辺地域へのにぎわいやまちづくりへの寄与を考慮し、配置を検討するとされています。体育館については、防災機能や新たな施設機能のあり方を勘案し、配置を検討するとしています。また、昨年の東日本大震災を踏まえて、区全域を視野に入れた防災機能拡充のための大規模・多目的に使える屋内スペースの確保も示されております。従前の施設配置方針では、体育館は旧第九中学校跡地に、区役所は体育館跡地に再築とされ、このため、中野区土地開発公社は、平成22年、体育館南側の国家公務員宿舎用地を庁舎移転用地として財務省から先行取得したところです。こうした状況から、施設配置の新たな可能性を検討するとの区の考えに対し、本会議、委員会においてさまざまな議論がありました。よりよい施設配置、機能の充実に資するということで、経過を見守る形となっているのが現状と、私は認識しております。この点について、確認のため御答弁をお願いいたします。

 続いて、検討のスケジュールと検討案の提示について伺います。

 さきの東日本大震災を受けて、自治体の事業継続拠点である庁舎や救援拠点となるべき体育館などの大規模公共施設の耐震性が大きな注目を集め、その緊急対応が迫られるとともに、それら施設の防災機能の再考も急がれております。また、中野駅周辺のまちづくりは日々着実にその歩みを進め、いつまでも施設配置方針を先送りできる状況ではありません。さらには、中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3にも示されているとおり、庁舎、体育館の再整備に密接な関係のある統合新校・中野中学校の新校舎が平成25年度末には竣工の予定です。さらに、西側橋上駅舎、南北通路、駅ビルや南口駅前広場、中野二丁目地区市街地再開発などの都市計画手続や区役所・サンプラザ地区の基本計画策定など、いずれも駅周辺の公共施設配置に密接な関係を持つプロジェクトの展開も平成26年度中にその節目を迎えるとされています。

 そこで、お尋ねいたします。

 中野駅周辺の公共施設配置の検討素材は今後どのような時期にどのような形で示されるのか、お考えをお示しください。

 続いては、こうした施設配置の検討に先立って一定程度検討が進められなければならない、それぞれの施設規模、機能について、お伺いいたします。

 先日、我が自民党議員団は、立川市、豊島区へ新庁舎の庁舎研究のための視察を行ってまいりました。新立川市庁舎は建設基本構想策定から竣工まで7年の歳月をかけ、立川基地跡に平成22年竣工したものです。耐震性、長寿命、省エネルギーの工夫を凝らした建物でした。また、豊島区役所新庁舎は環状5号線、明治通りのバイパス新道に面した小学校跡地市街地を再開発した街区に建築中でした。この建物は地下3階、地上49階の複合建築物で、区役所は1階の一部と3階から9階を区分所有するものです。同建物は、区庁舎以外の1、2階を商業施設、10階以上を共同住宅にし、いずれも区分所有となっております。また、豊島区の場合は、庁舎移転後の現庁舎跡地等に定期借地権を設定し、その地代を新庁舎整備費等に充て一般財源の持ち出し解消が目指されています。

 一方、中野区では、いまだ本庁舎並びに体育館の再整備の検討状況は示されておりません。建設用地は都市計画法の用途地域、建築基準法の形態制限により建築可能な用途、規模がおのずと定まり、施設の移転、再築の検討に際しては、敷地の用途地域、施設規模に見合う広さなど諸条件を見極めることが最初のステップとなります。

 例えば、本庁舎の場合、職員2000人体制を目指し、区内4か所のすこやか福祉センターの機能強化と行政サービスのアウトソーシングが進む中、就労する職員数の把握と業務連携のための配置検討が求められます。また、機能面からの検討も必要となり、併設される施設やグランドデザインでいう交流スペースなどの業務以外の機能の検討も必要です。同様に体育館でも必要規模に合わせ、防災機能や新たな施設機能について方針を示す必要があります。配置の検討に先立ち、詳細は別としても庁舎・体育館の機能と規模の検討に早急に取り組み、配置検討案の提示に際し、前提として示されるべきと考えます。区の御見解をお聞きします。

 続いて、中野駅周辺まちづくりの区の公共施設配置のあり方について、より広い見地から1点お聞きします。

 中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3の策定範囲の中の主要公共施設は、さきに申しあげた区役所本庁舎、体育館、統合新校・中野中学校があります。そのほかにも旧桃が丘小学校、堀江高齢者福祉センター、中野南自転車駐車場、勤労福祉会館、中央図書館、もみじ山文化センター、旧第九中学校、保健所などがあります。これら施設は、用途、築年数は違いますが、いずれ再築などの検討を行う必要があります。中野区では、現有数264、時価取得価格に換算して1,550億円の既存区有施設更新に莫大な費用を要すとされております。しかし、財源には限りがあり、施設整備費を圧縮し住民サービスに振り向けることが求められていることから、今後の施設整備は区民サービスを維持し、再編統合を図り、最小限の財政負担で再整備・維持管理が進められるべきです。今回、中野駅周辺公共施設の検討では、積極的な合築・複合化による余剰資産の利活用・処分等による整備財源の軽減を図るべきです。また、配置検討素材には施設規模などのほかに概算整備費も示されるべきです。区の見解をお聞きします。

 この項の最後に、中野駅周辺のまちづくりの核ともなる区役所・サンプラザ地区について伺います。

 区役所・サンプラザ地区の再整備については、平成16年に、区、金融団、所有会社、運営会社、スポンサー各社の間で交わされた事業協定により、本年5月末までに再整備計画の基本構想を作成し、区に提出。その後、本年11月末までに事業パートナーの募集、平成26年3月末までに区、株式会社まちづくり中野21、事業パートナーの協議による再整備の実施計画策定が定められていました。この協定に基づき、平成21年10月、平成22年3月と、株式会社まちづくり中野21から検討状況が示されました。しかし、平成22年度末、株式会社まちづくり中野21のリファイナンスにより、同社株式のすべてを区が取得し、さきの事業協定当事者も中野区と株式会社まちづくり中野21の二者となりました。

 また、このリファイナンスと同時期には区の経営室のサンプラザ関係事業担当から区役所・サンプラザ地区整備の基本的方向が報告され、地区将来像の具体化、想定される機能候補、事業スキーム、今後の予定が示されました。今後の予定では、平成23年度に将来像、必要な機能、事業規模、事業スキーム、事業採算性などからなる区役所・サンプラザ地区・北口駅前広場地区整備基本構想案の策定、24年度以降は区役所機能の移転先・時期等の決定、区役所・サンプラザ地区整備の事業パートナー決定と、区役所・サンプラザ地区整備の実施計画策定が示されています。

 また、24年度予算では、区役所・サンプラザ地区等に係る計画調整検討費733万円余も計上されています。

 そこで、伺います。

 まず、平成16年に締結の協定にある再整備等事業移行実務への株式会社まちづくり中野21の関与はどうなるのかを伺います。

 続いて、平成23年度中策定予定であった地区整備基本構想案と24年度以降の予定はどのように検討が進み、どの時期にこれらを示される予定かをお伺いし、この項の最後の質問といたします。

 続いて、西武新宿線連続立体交差事業についてお伺いいたします。

 先日の5月28日、野方区民ホールにおいて西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟決起大会が4年ぶりに開催されました。この期成同盟は、地域の文化や交通を分断している西武新宿線のあかずの踏切問題解決のために、区民、区議会及び区の三者が一体となり、区内全線地下化の早期実現を目的に平成16年に結成されたものです。参加団体は、区、区議会はもとより、区内の町会連合会、商店街連合会、小・中PTA連合会、新井薬師前駅をはじめ、沿線の駅を利用する会や住環境を考える会のほか、輸送・運送業関係団体などから構成されています。

 前回の決起大会の折は、ガソリン税の暫定税率の廃止をめぐる国会議論の最中であり、決議文の中の「道路特定財源諸税の暫定税率及び地方道路整備臨時交付金制度の復活を求める」との文言に反発し、民主党、共産党の議員が退席するパフォーマンスを行うという一場面がありましたが、今回の決起大会では大会宣言、大会決議が満場一致で採択されました。

 決議では、中井駅・野方駅間の連続立体交差事業の着実な推進、野方駅・井荻駅間の連続立体交差事業の早期実現、事業の安定した財源確保と必要な国費の確保が求められました。連続立体交差事業は区民、地域が早期実現を切望する事業です。

 そこで、最初の質問は、中井駅・野方駅間連続立体交差事業の進捗状況についてお伺いいたします。

 また、今回の決起大会を機に、今後、野方駅以西の連続立体交差事業の早期実現について、どのように関係機関に働きかける予定かについても、あわせて御答弁をお願いいたします。

 続いては、事業財源についてお伺いいたします。

 決議文にあったように、連続立体交差事業の安定した財源並びに国費の確保について、道路特定財源が一般財源化され丸3年が経過した現在、国費並びに都、区、鉄道事業者の負担割合は一般財源化以前から変更が生じていないのかをお聞きします。

 また、連続立体交差事業に関連する駅前広場、街路、まちづくりの財源についてかつて伺いました。当時期待された地方道路整備臨時交付金は廃止され、現在は社会資本整備総合交付金となっています。この交付金は対象事業が多く、さきの東日本大震災の復興により連続立体交差事業に関連し中野区が整備を進める事業財源への影響が懸念されます。区は関連事業の財源確保をどう講じるのか。国、都の制度などわかりやすい御答弁をお願いし、この項の質問を終えます。

 続いては、指定校制度について伺ってまいります。

 平成17年策定の中野区立小中学校再編計画に基づく学校再編が進み、中野中学校の開校で同計画前期の再編は完了し、小学校が29校から25校へ、中学校14校は11校になりました。また、平成20年度目途の同計画の改定も、遅れはしましたが、さきの第1回定例会で中野区立小中学校再編計画改定における基本的考え方(案)が示され、本年度中にも改定版区立小中学校再編計画が策定される予定です。

 この改定の基本的考え方では、計画改定に向けた検討の背景として学校を取り巻く環境の変化や教育課題への対応が挙げられています。学校を取り巻く環境の変化では、新学習指導要領の全面実施、国における35人学級の推進、地域とともにある学校づくりの推進、特別支援教育への移行、キッズ・プラザの設置、子ども教育部の創設の6項目が挙げられています。この「地域とともにある学校づくりの推進」について、指定校制度に関連して学校運営の基本方針について質問してまいります。

 改定の基本的な考え方には、文部科学省が設置した学校運営の改善の在り方等に関する調査研究協力者会議の提言、「小・中学校の連携・接続に留意しながら、地域の人々と目標(子ども像)を共有し、地域の人々と一体となって子どもたちをはぐくんでいく「地域とともにある学校」を目指すべき」の一文が引用されています。この提言の表題は「子どもの豊かな学びを創造し、地域の絆をつなぐ~地域とともにある学校づくりの推進方策~」となっており、教育基本法の目的・理念である「公共の精神」、「豊かな人間性と創造性」、「伝統の継承」を強く意識したものです。提言の前文に、「「新しい公共」という概念が打ち出される中で、保護者、市民としての子育てや学校への関わり方について、社会の意識変化が生まれつつある。」、続いて、東日本大震災の「被災地では多くの学校が避難所となり、子どもの学びの場としてだけではない、地域の礎(砦)としての学校が確かに存在していることを目の当たりにしたとき、学校は地域において最も安全で安心できる場所でなければならず、平素から地域とともにその場所づくりを進めておかなければならないと確信した。」と明言されています。

 さらに、提言では、地域とともにある学校を実現していくために、学校と地域の人々との間での目標の共有や地域の人々の学校運営への参画が必要で、関係者が当事者意識を持って熟議を重ね、協働して活動することや、それをうまく進めることができる校長のマネジメントとともに、教育委員会と教育長の明確なビジョンと行動が求められるとされています。教育基本法の教育・日本人像を目指すのであれば当然の提言と言えます。さらに、申し添えれば、教育基本法によって目指される郷土や国に対する理解は、子どもそれぞれが帰属する家庭・地域への愛着から萌芽するといっても過言ではなく、中野区立小中学校再編計画改定における基本的考え方(案)に「地域とともにある学校づくりの推進」とある以上、教育基本法や提言をそしゃくし、関係者の熟議・協働による学校運営がなされるべきと考えます。

 目を転じ、中野区の目指すべき教育の方向性、中野区教育ビジョンは、当初地域に対し、関係機関や行政、学校、家庭と連携し、通学路や地域での子どもたちの安全確保に協力する、地域行事や地域でのボランティア活動などにおいて子どもたちに一定の役割を持たせ、共に活動することを通して子どもたちへの理解を深めるとされ、また、学校を地域のコミュニティの核として異世代間の交流や住民相互のコミュニケーションを深め、共に学び合う場として活用するともされています。しかし、こうした目標は学校運営の視点であり、地域からの視点での開かれた学校づくりの推進とはなっていません。本来であれば、「地域行事や地域でのボランティア活動などにおいて、子どもたちに一定の役割をもたせ、ともに活動することをとおして、子どもたちへの理解を深める。」の後に、「地域への理解・愛着を深める」と加えられてこそ地域の理解・協力が得られるのではないでしょうか。

 また、改定された第2次中野区教育ビジョンでは、18年改正の教育基本法の理念に基づき、地域に根ざした教育を目指すとし、学齢期の目標IIの目標に対する取り組みの方向、「家庭では」の項に「地域行事等に積極的に参加し、地域とともに子どもの健全な育成に努めていく」と加えられたことは歓迎いたします。しかし、同様の記載が地域や学校・行政の項にも示され、さらに踏み込んで地域からの視点での表記がされるべきと考えます。そうでなければ、さきの調査研究協力者会議の提言や教育ビジョンが目指す「地域とともにある学校」、「地域に根ざした教育」の達成は限定的なものになりかねません。この点に関する教育長の見解を最初にお伺いいたします。

 さて、「地域とともにある学校」の視点を中心に指定校制度の質問を続けてまいります。

 指定校制度と併存して学校選択制度があります。学校選択制は、平成9年の通学区域制度の弾力的運用通知に始まり、平成15年の学校教育法施行令の改正により市区町村教育委員会の判断によって学校選択制を導入できる運びとなり、多くの自治体が当時同制度を導入し、現在特別区23区のうち、中学校では19区、小学校では15区が同制度を導入しています。

 そこで、伺います。

 当時、国の方針で目指された学校選択制の目的は何だったのか、導入した自治体においてその効果はどうであったのか。知る範囲で結構です。御答弁をお願いいたします。

 中野区も平成17年に学校選択制導入を目指しましたが、学校再編と同時期の導入は混乱を来すおそれがあるとの判断から寸前のところで導入が見送られ、指定校変更・区域外就学の承認基準をもってそれぞれの事情に対応することになり、平成11年と学校選択制が見送られた平成17年にその基準が緩和され、現在に至ったと聞いております。

 そこで、伺います。

 当時、行われた承認基準の緩和の目的・内容について御答弁をお願いいたします。あわせて、学校選択制と中野区の指定校変更の違いについて明確にお答えください。

 さて、大変な勢いであった学校選択制もここ数年見直しを行う自治体がふえており、23区の導入区19区のうちの5区も見直しを実施、あるいは予定しています。その背景には、学校規模による教育格差の顕在化や地域密着型の学校運営など教育方針の変化への対応が挙げられています。学校選択制こそ導入していない中野区でも指定校変更の基準緩和が学校選択制導入の結果と同じ結果をもたらし、学校現場では年度末になると新入学児童あるいは生徒の数に翻弄されています。また、一説によれば、ある小学校では指定通学区域からの入学予定者の半数を割る児童しか入学がなかったとの声があります。私立学校への進学も一因かもしれませんが、指定校変更による要因も看過できないのではないかと考えます。

 そこで、お尋ねいたします。

 指定校変更が学校規模の変動や地域コミュニティを脅かしているのではないでしょうか、実情について伺います。指定通学区域からの入学予定者と実際の入学者数との乖離の実態について、御答弁をお願いいたします。

 また、平成19年の入学者で、小学校では16%、中学校では18%が指定校変更を認められたとのことですが、平成24年度、今春の指定校変更承認割合も小・中学校別にあわせてお示しください。

 また、中野区立の小・中学校に在籍している児童・生徒で通学区域外から就学している割合は18%を超え、一部の学校では児童の3割から4割を超す児童が区域外通学の学校もあると聞いています。学校再編計画を前に、適正な学校規模、通学区域の整合性などを再編課題として挙げている中野区はこうした事態をどう考えているのでしょうか。

 さきの小中学校再編計画改定における基本的な考え方(案)の策定では、教員委員会による11回の協議が持たれ、参考資料として当初の再編計画同様、住民登録をもとに推計される各校の児童数、学級数が示されています。11回重ねられた教育委員会での協議の中、適正な学校規模、通学区域の整合性と密接な関係がある指定校変更基準の運用について議論が持たれたのか、学校・地域などの現場の声の聴取が行われたのか、お尋ねいたします。

 続いて、指定校変更による地域コミュニティの影響について。

 最近、地域では、学校運営への協力は求められるが、肝心の子どもはその地域の学校に通学せず、他校へ流出し、子ども会などの活動や保護者の地域協力も得られず、地域コミュニティの希薄化は深刻の度合いを増すばかりとの声が聞かれます。このことこそが、さきに申し上げた学校選択制見直しのもう一つの背景として挙げられているわけです。こうした声を中野区は真摯に受けとめ、対策を講じる必要があると考えます。見解をお聞きします。

 指定校変更が学校再編の適正な学校規模、通学区域の整合性や地域に及ぼす影響を精査し、今後、適正な制度としてあり続けることを求め、この項の質問を終わります。

 続いて、町会掲示板設置助成について伺います。

 御承知のように、町会掲示板は町会行事等の広報を目的に各町会内に設置されています。しかし、その実態は、町会行事等の広報利用をはるかに超え、区やそれ以外の公的機関からの依頼によるポスター等の掲示に活用されています。また、中野区では、近年経費削減のために地域ニュースの各戸配布をやめ、回覧等に切りかえました。しかし、この回覧は町会員以外には回覧されず、町会員以外の方が閲読するためには区民活動センター等の窓口に足を運ばなければならず、そのため、地域事業の広報が以前より行き届かなくなりました。

 そこで、町会掲示板の実態を再評価し、公的機関からのポスター等の掲示に加え、地域ニュース等を掲示していただくため、町会掲示板設置助成を検討されてはいかがでしょうか。

 まず、23区で町会掲示板等の設置助成を行っている区は何区ありますか。その際、さきの趣旨から、区として掲示板設置費用の一部助成を年間予算枠内で行う新事業を提案、要望いたします。御答弁をお願いいたします。

 続いて、証明書のコンビニ交付サービスについて伺います。

 昨年7月、地域センターが区民活動センターとなり、窓口業務が地域事務所に集約化され、従前、地域センターで交付が受けられた住民票等の証明が地域事務所、本庁舎窓口に限定されました。区では、区民の利便性担保のため、住民基本台帳カードを利用してコンビニの自動交付機での交付を今年2月からスタートしました。また、交付に必要な住民基本台帳カードも今まで有料交付としてきたものを、昨年12月から1年間無料交付にしております。

 そこで、最初にお伺いいたします。

 コンビニ交付がスタートして5カ月になりますが、利用の実態はどうなっていますか。また、高齢者の方の自動交付への反応が気になります。交付機の操作等、区民から寄せられた声をお聞きいたします。

 24年度予算では住民基本台帳カードのために1,000万円余の予算が計上されていますが、今回の無料交付により住民基本台帳カード普及率はどうなっているのでしょうか、伺います。

 さらに、無料交付期間も余すところ半年となります。現在、コンビニ交付の認知度アップや住民基本台帳カード普及促進に向けてどのようなPRを展開しているのか、また今後の予定についてもあわせて御答弁をお願いし、この項の質問を終えます。

 続いて、施設使用料の見直しについて伺います。

 昨年の第4回定例会で3年ぶりの施設使用料見直しが図られました。この見直しでは、平成19年度に示された施設使用料の見直しの考え方に基づき算定され、激変緩和のために1.5倍を超える値上げは1.5倍にとどめるとの政策判断が示されましたが、議会から1,000円を超えるものについては改定率を1.2倍に引き下げる修正案が示され、これが可決されました。

 この条例の審議の過程では使用料積算方法についてさまざまな質問・意見が出されるとともに、積算根拠に基づき使用料の一部を基金へ積み立てることも求められました。同時に、積算根拠とされている人件費、維持管理費、修繕費の縮減による使用料の引き下げに努めること、100円未満の使用料の取り扱いや使用料高額施設の利用枠の変更などが同じく求められました。

 そこで、これらの現在の検討状況についてお聞きして、この項の質問を終了させていただきます。

 最後に、その他の1点目として、特定整備路線制度の活用による大和町の不燃化促進について質問いたします。

 さきの第1回定例会一般質問において、我が会派市川みのる幹事長が東京都の木密地域不燃化10年プロジェクトの木造住宅密集地域である弥生町地域における先行実施について質問し、区長より、弥生町三丁目地区について、先行実施地区の選定を受けられるよう最大限努めるとの力強い答弁をいただいたところです。弥生町の防災まちづくりはぜひ推進されるよう希望しておりますが、それはそれとして、東京都の防災都市づくり推進計画の整備地域に位置付けられている大和町・野方地域についても木密地域の改善による防災性の向上が緊急を要する課題であると考えております。この地域は、東は上高田から西は大和町までの早稲田通り北側一帯を指します。

 先日、東京都が公表した首都直下地震の被害想定によると、杉並区の高円寺・阿佐ヶ谷付近の被害が以前より格段に大きくなると想定される一方、中野の被害は以前の想定より小さくなると発表され、やや奇異な感を抱いているところです。この大和町・野方地域は平和の森周辺地区の不燃化促進が先行し、上高田地域については住民による防災まちづくりの研究が始まっていますが、全体としてこの地域一帯が地震災害に脆弱な地域であることは間違いないと思われます。また、東京都における危険度調査でも大和町三丁目の火災危険度が都内で9番目に高いとされています。

 さきの東京都の木密地域不燃化10年プロジェクトの取り組みの一つとして「特定整備路線」というものが創設されています。これは、整備地域内の延焼遮断帯を形成する関係権利者等の生活再建等のための特別の支援を実施しながら、都市計画道路の整備と市街地の不燃化を一体的に進める制度だと聞いております。この特定整備路線の取り組みを昭和41年に東京都が都市計画決定し、いまだ整備に手をつけていない都市計画道路補助227号線大和町中央通りに活用すれば、区の一帯の不燃化促進の大きな足がかりになると考えます。これまでの不燃化の動きが遅れている状況にある大和町において、関係権利者の皆さんの理解と協力を得た上で、特定整備路線の制度を活用しつつ、都市計画道路の整備と地域の不燃化促進を東京都と一緒に一体的に進めることが防災性の改善を図る上で有効な手段となるのではないでしょうか。区長のお考えをお聞きします。

 その他の項の2点目で、障害者雇用を積極的に促進する企業等への支援について伺います。

 厚生労働省は、去る5月23日、民間企業の障害者雇用率について、政令で定められている現行の1.8%を平成25年4月1日から2%に引き上げることを決定したとの報道がなされました。ノーマライゼーションの理念のもと、障害のある人もない人も生き生きと働き、社会に参画していける地域社会の実現を目指す就労促進の取り組みを進めていくことは当然のことと考えます。

 障害者雇用促進法第3条の基本的理念では、「障害者である労働者は、経済社会を構成する労働者の一員として、職業生活においてその能力を発揮する機会を与えられるものとする。」と定められています。さらに、第6条では、国及び地方公共団体の責務として、「障害者の雇用について事業主その他国民一般の理解を高めるとともに、事業主、障害者その他の関係者に対する援助の措置及び障害者の特性に配慮した職業リハビリテーションの措置を講ずる等障害者の雇用の促進及びその職業の安定を図るために必要な施策を、障害者の福祉に関する施策との有機的な連携を図りつつ総合的かつ効果的に推進するように努めなければならない。」としています。現行の障害者自立支援法におきましても就労支援の強化がうたわれているところは周知のとおりです。

 また、昨年4月に中野区で実施した障害者福祉サービス意向調査によりますと、障害者が働くために必要な環境整備について、事業主や職場の人が障害者について十分理解していることと答えた人が最も多く50%、次いで、健康状態に合わせた働き方ができることが44.8%、自分の障害に合った仕事があることが44.4%となっております。障害者の雇用を促進するためには、企業や区民に対し障害についての理解を促進するための啓発活動や、障害の種別や程度に対応した仕事や職場環境の整備などが求められていることがこのアンケート調査からうかがい知ることができます。しかしながら、区内において障害者の雇用について積極的に取り組まれている事業所はまだまだ多いと言えないのが現状ではないでしょうか。

 障害者の法定雇用率は個々の事業者ごとに義務付けられていますが、平成21年4月に事業協同組合等算定特例などが創設され、事業協同組合とその組合員である中小企業で実雇用率の通算が可能となりました。この制度を活用して特例認定を受けた事業協同組合に対して、区は平成22年度から事業協同組合等の障害者雇用への支援についての基本方針に基づき協定を締結した上で、安定的な障害者雇用を実現するために障害者雇用の初期における経営安定化を図るための支援を行ってきています。この特例認定が全国で初めての事例であったことから新聞にも大きく取り上げられ、各地の自治体から問い合わせがあるなど、田中区長の先見性と実行力につきましては障害を持つ方々や保護者の方々、障害者雇用に取り組もうとしている事業主の方々から高い評価を得ることになりました。組合では、協定に基づく3年間の立ち上げ支援により、厳しい経済環境にありながらも障害者雇用については着実に実績を上げてきていると伺っております。しかしながら、冒頭で申し上げましたように、障害者の法定雇用率が2%に引き上げられるという状況もございます。ノーマライゼーションの推進に向けた民間の取り組みを後押しするためにも、区として支援の状況等を検証した上で、今後につきましても新たに協定を結び直して支援を継続して行っていくべきと考えますが、いかがでしょうか。見解をお伺いして、私のすべての質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 伊東しんじ議員の御質問にお答えをいたします。

 中野駅周辺まちづくりの公共施設配置のあり方についての質問の中で、まず、施設配置の新たな可能性の検討についての項がありました。中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3の案におきまして、公共施設配置のあり方につきましては、今後求められる機能の検討や立地した場合の周辺の状況などを勘案して配置を定めていくとしてお示しをしたところです。中野区役所をはじめ、中野区立体育館、新たな防災空間、また区域内のその他の公共施設につきましても周辺のまちづくりに応じて最適な配置や活用の検討が必要であり、庁内での検討を今進めているところであります。

 施設配置検討のスケジュールですが、公共施設配置の検討につきましては全庁的な課題ということもあり、経営本部において調整や検討の進行管理を行っているところであります。グランドデザインVer.3の決定を見た後、その決定を踏まえ、さらに踏み込んだ検討を行うこととしているところです。その進捗状況につきましては、議会へも適宜情報提供を行いながら検討を進めてまいります。そうしたステップを踏みつつ、今年度の早い時期に公共施設配置の方向性を示したいと考えております。

 それから、公共施設の機能や規模の検討についてであります。

 新しい区役所や体育館に求められる機能、またこれに伴い必要となる施設規模、この概要につきまして早急に検討を進め、公共施設配置の方向性とあわせてお示しをさせていただきたい、こう考えております。

 それから、これからの施設整備の考え方についてであります。

 区の施設につきましては、その必要性を十分に見極めること、また将来の市民サービスのあり方など、行政の20年後、30年後の姿も十分勘案をして効率的・効果的な配置となるよう検討していくことが必要だと考えております。その中で取り得るあらゆる手法というものを視野に入れて検討していくこと、このことも肝要であろうかと思っております。

 それから、整備に係る費用の概算の提示についてということです。公共施設配置の検討に当たりましては、必要とする機能から算出した施設規模に基づいて整備費用の概算や、また財源確保の考え方についても検討をしていく考え方であります。

 それから、中野区役所・サンプラザ地区の再整備について、中野サンプラザ所有会社の再整備等事業への移行への関与についての御質問です。

 中野サンプラザの所有会社であります株式会社まちづくり中野21が平成23年3月31日のリファイナンスによりまして従前の融資契約を解約したことに伴って、再整備等の計画等を規定した事業に関する協定書につきましても出資者の間で解約合意をいたしました。これによって、所有会社における再整備事業への移行時期につきましては具体的な年次を明示する第三者との協定等はなくなりました。

 一方、区は、平成20年に議会の議決をいただいて定めました「サンプラザ地区に係るまちづくり整備の方針」におきましては、所有会社に区役所・サンプラザエリア周辺一帯のまちづくりの中心として主体的に取り組ませるとしておりまして、現時点においても所有会社の役割について何ら変更はないところであります。

 区役所・サンプラザ地区整備基本構想についてであります。

 平成23年度は、中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3の策定過程におきまして、区役所・サンプラザ地区と新北口駅前広場の一体的整備のあり方を議論し、景観や交通結節機能、周辺地区への回遊性にすぐれた地区として整備するといった考え方をまとめたところです。

 平成24年度におきましては、グランドデザインVer.3や区役所・サンプラザ地区整備の基本的方向を踏まえ、区として求めるべき機能や都市基盤、今後のスケジュールなど、より具体的な内容を盛り込んだ基本構想を策定してまいります。

 それから、西武新宿線連続立体交差事業についての質問が二つ目でありました。西武新宿線連続立体交差事業の進捗状況と今後の予定についてであります。

 西武新宿線の中井駅から野方駅間については、事業主体であります東京都が今年度の事業認可取得に向け、用地測量と設計を進めております。事業の候補区間として位置付けられている野方駅から井荻駅間についても先行区間である中井駅から野方駅間と同様に早期実現を図りますよう、国、東京都、西武鉄道に対する働きかけを強めていきたい、こう考えております。

 それから、道路特定財源が一般財源化された以降の状況の中での連続立体交差事業の事業費の負担についてという御質問であります。

 連続立体交差事業の事業費は、都市における道路と鉄道との連続立体交差化に関する要綱に基づいて、鉄道事業者、国、東京都と地元区市の負担について考え方が定められております。この要綱による負担率は道路特定財源があったときも一般財源化した現在も変更はありません。一般的な高架式の場合ですが、事業費の14%が鉄道事業者、約43%が国、約30.1%が東京都、12.9%が地元区市となります。地下式の場合については、東京都と鉄道事業者が別途協議をして定めることとされております。今後も必要な財源の確保に努め、東京都や西武鉄道と連携をしながら連続立体交差事業をより一層推進してまいりたいと、こう考えております。

 連続立体交差事業に関連して行う駅前広場街路まちづくり等の財源確保についての御質問です。

 連続立体交差事業と関連して区が行う駅前広場や街路等の整備事業は非常に重要な事業であり、事業効果が大きく期待でき、沿線のまちづくりに寄与するものであります。したがって、こうした関連事業の実施のために国費の財源が充当されてきたものであります。国の財政問題や東日本大震災など影響することはあり得ると思いますが、積極的にこの事業を進めるよう、各方面と協力して働きかけを強く行っていくことが重要であると考えております。国費の導入は社会資本整備総合交付金を予定しておりまして、事業費の割合は国費が55%、区が45%となります。なお、区負担分の財源は都市計画交付金の充当と都区財政調整制度による財産費の算定を見込んでおります。

 次に、町会掲示板の設置助成についての御質問がありました。

 23区のうち10区が町会の掲示板への設置助成を行っております。掲示板の活用によりまして地域の情報共有が進められていることについては区としても評価をしているところであります。そうしたことにかんがみて、町会・自治会への活動助成金の中でも広報協力費として世帯数に応じた措置を行っているところでもあります。町会掲示板の設置については、町会ごとにさまざまな工夫やあるいはさまざまな条件で行われているということもあると思っておりますので、実態もよく調査をしながら今後検討していきたい、こう思っております。

 それから、証明書のコンビニ交付の利用状況であります。コンビニエンスストアを利用した住民票写し及び印鑑証明の交付枚数は2月のサービス開始から5月末までで約1,800枚でありました。5月の交付枚数は550枚でありました。これは昨年度10カ所の区民活動センターで実施した証明書暫定交付サービスの月平均交付枚数の約20%に相当する枚数となっております。

 高齢者の利用がという御質問もありましたが、65歳以上の方の御利用は交付枚数の約15%に当たります。

 それから、住民基本台帳の普及率、またコンビニ交付や住基カード普及に向けたPRについての御質問がありました。

 昨年12月の住基カードの無料交付開始後半年で住基カードの交付枚数は約6,500枚と、前年の同時期に比べて約2.5倍の伸びとなっております。5月末現在で有効枚数が2万6,000枚となっています。普及率は約8.7%であります。

 住基カード普及のためのPRとして、区報、ホームページによる広報に加え、ポスターを区施設や掲示板に掲示をしております。また、中野税務署と連携してイータックス、税の電子申告の普及に合わせた住基カードのPRも行っているところであります。なお、現在利用できるコンビニエンスストアはチェーンが1社だけでございますが、他のコンビニエンスストアでも証明書交付サービスに参入するという動きが出てきておりまして、実施が明らかになり次第、区としてもPRを考えているところであります。

 それから、施設使用料の見直しの検討状況についてであります。

 施設使用料の算定経費となります維持管理費などの経費につきましては可能な限り委託化を進めるなど縮減に努めているところでありますが、今後ともより効率的な執行を確保してまいりたい、こう考えております。

 施設使用料の見直しの考え方について、少額使用料の取り扱いや利用目的別の上限設定など、条例審議の際に御意見をいただいております。また、その御意見を踏まえ、また利用者からの御意見なども参考にしながら、次回の見直しに反映させられるよう検討を進めていきたいと、こう考えております。

 それから、東京都の木密地域不燃化10年プロジェクトの中の特定整備路線、この制度を活用して大和町の不燃化促進を行うべきではないかと、こういう御質問がありました。区といたしましても、大和町の地震災害に強いまちへの改善は大きな課題であると認識をしております。また、大和町の防災まちづくりを進めるに当たっては、都市計画道路補助227号大和町中央通りの整備を一体的に進める必要があると考えております。

 御指摘のこの大和町中央通りですが、木密地域不燃化10年プロジェクト特定整備路線の候補として都も整備事業に着手する可能性が高いのではないかと区としても考えているところであり、都が行う都市計画道路の整備と区が行う防災まちづくりの推進を図ることができるよう、東京都や地域の区民や地権者などとも十分に協議を行っていきたい、こう考えております。

 それから、障害者雇用を促進する企業への支援についての御質問がありました。障害のある方の一般就労の促進をしていく、このことは大変重要な課題であると認識をして鋭意取り組んでいるところであります。

 この障害者雇用についてでありますが、企業経営につきましては、本来、企業がみずからの責任において自立して安定化を図るべきものと考えておりますが、小規模事業所など、みずからの企業のみで障害者雇用を確保することが困難な実態があるということも承知をしており、事業組合の取り扱いなど、積極的に区としても工夫して取り組んできたところであります。今後、障害者雇用を積極的に推進する企業への支援、そのあり方については、方法、内容等についてさらに検討をしていきたい、こう考えております。

 私からは以上です。

     〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 指定校制度について御答弁申し上げます。

 中野区教育ビジョンに、地域に根ざした教育の推進に係る記載が地域や学校、行政のほうにも示されるべきではないかという御質問でした。

 教育ビジョン第2次の御指摘の項には、それぞれ地域に根ざした学校運営への参画、地域に根ざした特色ある学校づくりを目指すなど、地域または行政・学校から地域に根ざした教育を推進するためどのように取り組むかを記載してございます。教育ビジョンの「中野区が目指す教育」の姿に示すとおり、中野区の区立学校はこれまで以上に地域の力を取り込み、家庭、地域、学校が連携を図る中で地域に根ざした質の高い教育を目指していく考えでございます。

 次に、国の学校選択制の目的と導入した自治体の効果の御質問がございました。

 国の学校選択制の目的は、地域の実情に即し、可能な限り子どもに適した教育を受けさせたいという保護者等の希望を生かし、保護者等に子どもを通わせたいと思う学校を選択する機会を制度的に設けたものと認識をしています。学校選択制を導入した自治体における効果につきましては、どのような選択制を導入したかなどによって違いがあると思いますが、保護者等の希望に一定程度こたえることはできていると思っております。

 一方、選択制を導入し、見直しの検討を行っている区もございまして、そちらの状況等につきましても調査・分析をする必要があるというふうに思っております。

 次に、区の指定校変更基準の緩和内容と学校選択制の違いについての御質問がありました。

 平成11年の指定校変更等の認可基準の改正は、国の通学区域制度の弾力的運用についての通知を受け、通学距離が近い場合、教育的配慮が必要とされる場合などを指定校変更の基準に盛り込んだものでございます。

 また、平成17年度の基準改正は、区立小中学校の学校再編計画が決定したことに伴い、在学中に統合することになる学校の入学予定者及び統合時点での在校生について、交友関係や通学距離などを考慮した特例を設けたものでございます。

 また、学校選択制との違いですが、中野区の指定校制度は住所地によって通学する学校を教育委員会が指定するものでございます。その上で指定校変更基準にのっとり、特例的に児童・生徒及び家庭の事情に応じて、通学距離が近い場合、教育的配慮が必要とされる場合、再編による特例など、基準に該当する場合などに変更を認めるものでございます。単に保護者の希望を生かして通学する学校を選択する学校選択制とは異なるものだというふうに考えております。

 次に、指定校変更基準の基準が学校運営や地域を不安にしている、脅かしている実情があるのではないかということです。指定通学区域からの入学予定者と通学者の乖離が大きい学校は学区域の特殊性で、いずれも通学距離が指定校より近い、通学の安全確保の配慮が必要という基準に該当する事例が多い状況がございます。平成24年度の指定校変更承認割合は、小学校16.6%、中学校16.1%となってございます。現状において、指定校変更によって学校や地域に支障が生じているような状況ではないというふうな認識を持ってございます。

 次に、指定校変更と適正な学校規模、通学区域の整合性の課題についての御質問がございました。

 学校再編計画の改定については、学校の適正規模、通学区域の整合性などによって学校教育の向上を目指すものでございます。指定校変更は児童・生徒一人ひとりの実情に応じて基準にのっとり認可する制度であると認識をしています。

 次に、教育委員会の協議の中ではどうだったかという質問でした。教育委員会の協議では、児童・生徒数の推移や地域ごとの住民登録者数などを資料として、通学区域の見直しや学校と地域・家庭との連携についての協議をいたしましたが、指定校変更基準の運用についての議論はしてございません。また、協議の中で、教育委員が直接学校・地域など現場の声を調査することはしてございません。しかし、学校再編計画における基本的な考え方(案)を3月に教育委員会で取りまとめた後、地域での意見交換会や小・中学校PTA連合会、関係団体等への説明などを実施し、その結果について教育委員会に報告したところでございます。

 最後に、地域のコミュニティの希薄が増す中で学校選択制についての御質問がございました。

 今後、学校支援ボランティア制度の拡充など、学校と地域の連携がますます必要になってくるというふうに考えています。地域、家庭と学校との連携、協働が推進できる体制づくりを積極的に進めていきたいというふうに考えてございます。

 以上です。

○議長(大内しんご) 以上で伊東しんじ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 白 井 ひでふみ

 1 震災対策について

 2 初期消火について

 3 高齢者施策について

 4 その他

 

○議長(大内しんご) 次に、白井ひでふみ議員。

     〔白井ひでふみ議員登壇〕

○13番(白井ひでふみ) 平成24年第2回定例会に当たり、公明党の立場から一般質問を行います。

 初めに、震災対策についてお伺いします。

 平成23年3月11日14時46分、東北地方太平洋沖地震が発生しました。我が国の観測史上最大の規模であり、世界的に見ても1900年以降4番目の大きさとなるマグニチュード9を記録しました。地震に伴い発生した大津波や余震により東北から関東にかけて東日本一帯に甚大な被害をもたらしたことは周知のとおりです。震源から遠く離れた都内においても液状化や多くの帰宅困難者が発生しました。

 東京都は、この東日本大震災を踏まえ、平成18年5月に公表した首都直下地震による東京の被害想定を全面的に見直すこととし、東京都防災会議の地震部会において検討を進め、その取りまとめの結果を過日の4月18日に公表しました。今後、この報告書を踏まえ、東京都の地域防災計画の修正がされ、11月ごろには公表がされる予定となっています。

 区は、都の地域防災計画の修正を待たずに中野区として独自の検証を行い、「来たるべき大地震に備えた中野区の具体的な取り組み」と題し、区の課題と対応策を取りまとめてきたところです。今後、国や都の地域防災計画との整合性を図る必要があることから、今回の取りまとめをもとに都の地域防災計画の改定作業と並行して検討を進め、年度内には中野区地域防災計画を改定する予定としています。

 この東京都の新たな被害想定報告書の内容について、お伺いをします。

 被害想定の設定条件として、冬の夕方18時、風速8メートル毎秒、東京湾北部地震マグニチュード7.3の想定結果は、東京全体で死者9,641人、負傷者14万7,611人、避難者516万6,126人、建物被害30万4,300棟、帰宅困難者516万6,126人とあり、前回の18年の想定と比べ建物被害、負傷者は減少していますが、死者、帰宅困難者は増加となっています。

 一方、中野区における想定結果は、死者214人、負傷者2,415人、避難者7万6,807人、建物被害9,241棟、帰宅困難者5万8,123人となり、前回と比べ帰宅困難者はふえているものの、死者、負傷者、建物被害、避難者が減少し、特に負傷者と建物被害、避難者が大きく減っています。例えば、備蓄物資の数量を取り上げてみると、この被害想定より算出されていますが、従前の考えを踏襲すれば備蓄物資を減らすことにもなりかねます。

 そこで、都の被害想定の数値を区はどのようにとらえ分析しているのか、また今後の防災対策をどのように考え地域防災計画を取りまとめていくのか、お伺いをします。

 首都直下地震の想定を考えたとき、類似の事例として、近年は阪神・淡路大震災が挙げられます。この震災において自身も被災者でありながら3,651体もの遺体を診断し、死亡時刻や死因の特定に携わられた監察医の西村明儒教授がおられます。後に、震災時、死者のうち9割が一瞬にして亡くなり、8割が圧死と言われるようになりますが、そのすべてのデータが西村氏の論文が端緒となっています。阪神・淡路大震災による神戸市内の死者の約3分の2の検死を行い、年齢、性別、死亡場所、死亡推定時刻、死因などの解析が行われました。結果、91.9%が地震直後に死亡、99.6%が地震当日に亡くなり、建造物の倒壊による圧死が83.8%、火災によるものが12.2%、その他が0.9%、不詳3.2%であったと、1995年10月の救急医学に発表されています。建物倒壊の人的被害データは世界でも希少であり、大規模震災においては世界初のデータとなった論文はその後の防災対策にとって重要な役割を果たしています。亡くなった方のほとんどが即死で、その死因の多くは寝ているときに突然家や家具が覆いかぶさり、胸やおなかのあたりを圧迫し、呼吸ができなくなる窒息死や圧死であることがわかります。この尊い犠牲と労苦の上に積み上げられた建物の耐震改修と家具の転倒防止がいかに重要であるかということを学ばなければなりません。

 建物の耐震改修と比べ、今回は、容易に取り組むことができる家具の転倒防止対策について、お伺いをします。

 現在、区では、高齢者及び障害者等の災害要援護者の方の安全確保を図るため、家具転倒防止器具取付助成制度を実施しています。

 制度の概要は、65歳以上の高齢者世帯や障害者等、またひとり親世帯で家具の転倒を防止する器具を取りつけることができない世帯において、転倒防止器具は自己負担となるものの、区の講習を受けた耐震改修施工者を派遣し、取りつけ工事の費用を区が全額負担する仕組みとなっています。制度自体は評価しますが、問題があります。壁や柱などに金具やねじを用いて家具を直接固定する工事に対しての支援・費用負担だけが助成対象で、工事によらない直接固定でない場合は助成の対象となっていないことです。中野区において全世帯の6割が賃貸物件に住んでおられます。賃貸物件にお住まいの場合、家主の了承を得なければ壁や柱に穴をあけ直接固定することはできません。また、自己所有物件であっても、コンクリートの壁など直接固定が難しい場合は転倒防止の支援が受けられないことになります。直接固定の方式ではなくとも家具の転倒を防止する方法はあります。たんすなどの家具の下に設置することで家具の重心を後ろに移し転倒をしにくくする転倒防止シートや、天井と家具を突っ張る器具、強力なテープで壁に家具を張りつける器具など、さまざまな器具があることを御存じの方も多いと思います。現行制度ではこれらのすべてが助成制度の対象外となっています。

 東京消防庁では、家具と固定具の転倒実験を行い、L型金具で家具と壁とを直接ねじで固定する方法が最も効果が高かったこと、賃貸住宅にお住まいの場合などで家具と壁を直接固定できない場合は突っ張り棒とストッパー式などの2個以上の器具を上下に組み合わせて使用することにより効果が高くなるとの実験結果を公表し、推奨しています。

 そこで、命を守る施策を強固なものとするため、家具の直接固定以外の転倒防止対策のために新たな支援する制度を設け、物件の状態に左右されることのない家具の転倒防止対策に取り組むべきと強く望みますが、御見解をお伺いします。

 また、中野区家具転倒防止器具取付助成要綱の第2条1項には、耐震改修施工者とは、中野区木造住宅等耐震診断士及び耐震改修施工者登録要綱の規定により耐震改修施工者として登録を受けた者とあります。現在工事のため派遣されている耐震改修施工者とは別に、この工事ではない仕事をシルバー人材センターへ業務委託ができないかと考えます。高齢化に伴い、シルバー人材センターの登録者は増加傾向にありますが、景気を反映して仕事量が減少していると聞きます。他の自治体においては、シルバー人材センターを活用した家具転倒防止対策を実施している例が幾つもあります。工事の伴わない家具の転倒防止対策についてシルバー人材センターの活用を検討すべきと考えますが、お伺いをいたします。

 次に、マンション等の集合住宅の防災対策についてお伺いします。

 平成22年第4回定例会において、マンション対策について質疑で取り上げてきました。その中で、特に分譲マンション管理の適正化のため区として支援するべきであり、長期修繕計画や日常の管理がずさんな物件は所有者だけでなく地域社会の問題となるとの指摘をした上で、超高齢社会を見越しての見守り・支えあいの観点から、また防災の観点からもマンションの適正管理支援を検討する必要があるのではないかと伺いました。東北大震災以降、防災への関心・心配は高まっています。だからこそマンションの防災対策の支援を検討し、日常の適正管理、高齢者の見守り・支えあいを図られるときにあると考えます。

 中野区の10か年計画の第2次においては、今後、建設後相当の年数を経たマンションの急増が見込まれることから、長期修繕計画に基づく修繕や将来の円滑な建てかえなどの支援をするため、事業者団体やNPO等と連携してマンション管理士の派遣や相談会、セミナーの開催、情報の提供などを進めるとあり、区はこの間セミナーや相談窓口の開催、NPO等の支援団体への窓口の紹介を実施しています。

 そこで、マンション問題についてどのような現状認識をお持ちなのか、また近年の取り組み状況について、お伺いします。

 また、2011年には「すまいのしおり(分譲マンション編)」の作成をしていますが、防災に関する記載事項は耐震化のわずかなくだりしかありません。千代田区と中央区においては、マンションの防災対策として別途マンション用の防災しおりを作成しています。中野区においてもマンション用の防災しおりを作成し、自主防災組織結成への支援を検討すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。お伺いします。

 また、区が行う支援策の周知徹底がまだ不足状態にあること、マンション管理の適正化のため、区の支援策をさらに拡充する必要があるのではないかと考えます。高齢者の見守り・支えあいにもつながると考えますが、御見解をお伺いします。

 次に、この項の関連として、公募制による自動販売機の設置についてお伺いします。

 区有施設等の行政財産に設置される飲料水等の自動販売機の設置のための使用料について、公募制の入札制度を導入することにより、税外収入、歳入の確保を図り、なおかつ、災害時を想定して無料で飲料を提供するフリーベンダー機能や、災害時の情報提供に資するデジタルサイネージ、公衆無線LAN機能、また自動体外式除細動器(AED)等の付加機能のある自動販売機を積極的に活用すべきと質疑、提案してきたところです。

 区は、区有施設等の行政財産にある自動販売機の実態や契約状況、また新たに設置できる場所の調査を順次行っているところですが、いよいよ準備が整い、事業者の公募が実施されると聞きます。

 そこで、公募制が導入される自販機の設置場所は区有施設のどこなのか、またどのような自動販売機の条件を設定するのか、さらに現状と今後の計画について伺い、この項の質問を終わります。

 次に、初期消火についてお伺いします。

 大火災を未然に防ぐには燃え広がる前の初期消火が肝心です。木造家屋の火災は、建物の構造や規模によりますが、平均すると全焼に至るまで約20分程度と言われます。初期消火が可能か否かを見極めることも難しいことですが、条件で異なるものの、おおむね出火してから約2分前後で壁面、ふすま、障子などの立ち上がり面に燃え移り、天井に燃え移るまで約3分、出火の場所や状態によってはもっと早いとも言われています。約5分後には隣室各部屋へ延焼し、出火後2階の天井へ約7分で燃え移り、全焼まで約20分と消防庁は検証しています。一般に初期消火が可能なのは天井に火が回るまでと言われますが、これが初期消火の限界と考え、天井に火が回れば避難を優先にすべきと言われています。初期消火が可能なその時間はおおむね3分ほどです。この3分間に初期消火を可能とする手段を手厚くすることにより、火災危険度の高い木造住宅密集地域や大規模震災時の同時多発火災、道路の寸断により消防車が駆けつけられない状況に対しても大いに効果が挙げられるものと考えます。

 初期消火に効果を上げているものは、スタンダードではありますが、やはり消火器です。区は、この初期消火の支援のために街頭に消火器を設置する要綱を定めています。その数は6,214本であり、おおむね1街区に1本、25世帯に1本の割合で設置されています。この街頭消火器の設置基準はそれぞれの自治体が設定をしており、どの単位で設置するのか、その本数にも差があります。ちなみに、中野区とほぼ同じ面積である渋谷区は2,313本設置があり、中野区は渋谷区の約2.6倍設置されていると言えます。また、本数では6,000本と同じくらいの練馬区は面積が約3.2倍のため、練馬区の約3.2倍、中野区は設置されているとも言えます。街頭消火器の設置の取り組みを高く評価しますけれども、そもそも消防法により集合住宅や店舗などは消火器の設置が義務化されていますので、民間で既に設置されていると思われ、設置義務の対象でない戸建て住宅が多い地域を抱える状況を勘案すれば単純比較はできず、中野区においては特に取り組みを強く推し進めなければならないと考えます。

 中野区街頭消火器設置要綱第4条ただし書きには、危険区域にあっては、その実情に応じて増設することができるとの規定があります。区としてある程度増設をしている地域もあると聞きますが、他の区ではあらかじめ危険度を段階的に分け、増設本数を規定している事例もあります。

 東京都による震災の火災危険度が改められたことを契機に、区として危険度の高い地域や木密地域へ重点的に街頭消火器の増設をし、初期消火体制を整えるべきと考えますが、御見解をお伺いします。

 また、1街区に1本はあるという街頭消火器ですが、意識を持って探さなければなかなか目に入ってこないと感じます。街頭消火器が設置されていることや火災時の積極的な活用を促すなど、一層の取り組みが必要と考えます。

 さらに、街頭消火器の設置場所を示す案内がありません。近隣街区にある街頭消火器の設置場所を示す案内板や誘導板、道路等へのマーキング、ホームページへの公表など検討し、案内を付し、積極活用を促すべきと考えますが、お尋ねいたします。

 また、火災時に屋外の街頭消火器を取りに行き、初期消火を行うことが困難な高齢者や障害者世帯が存在します。自宅の台所等へ備えられているのが一番よいのですが、消火器は使用期限があるため、購入費用がかさみます。また、処分費用もかかります。初期消火を行うことが困難な高齢者や障害者世帯に対し、区が行う消火器のあっせん事業とは別に、家庭での消火器の購入助成等の検討をし、安全対策を強化すべきと考えますが、御見解をお伺いします。

 次に、火災警報器の設置推進についてお伺いします。

 東京都においては、平成22年4月1日より既存住宅への火災警報器の設置が義務化となっています。消防庁によれば、火災の拡大を未然に防いだ事例は年々増加し、警報機の設置がある場合とない場合では約3倍の効果があるとされています。しかし、既存住宅への設置については義務化といえども罰則がないことや設置費用がかかることなどの理由で課題となっています。

 火災警報器の設置率の向上のため、23年度からは区において時限的に住宅用火災警報器の購入と取りつけのあっせんを行っています。また、特に高齢者を火災から守るため、一定の条件のもと、火災警報器、専用通報機、電磁調理器、自動消火装置、火災自動通報システムからなる火災安全システム事業と、重度障害者、特に聴覚障害者、これに準ずる者への支援策として日常生活用具の給付種目として火災警報器の支給を行っています。

 そこで、お伺いをします。

 中野区として火災警報器の設置状況や普及率を掌握されているのでしょうか。また、設置状況をどのように認識されているのか、お伺いをします。

 平成22年度までは、75歳以上の高齢者のみの世帯かつ住民税非課税世帯に対し火災警報器を2個無料で設置する制度がありましたが、現在では身体等の一定の条件を除いては先ほど述べた購入と設置のあっせん事業のみとなっています。火災警報器の設置義務の啓発、そもそも命を守るため、震災対策の項で述べた家具の転倒防止対策と同時に推進する手段を講ずるべきと考えますが、お伺いをいたします。

 次に、震災対策と初期消火を通して税制改正についてお伺いします。

 本年の第1回定例会において、税制改正に伴い、退職所得等に対する特別区民税の分離課税に係る所得割の税額控除の廃止条例が可決されました。10年間で約2億円の増収が見込まれていますが、これは防災関連対策のために充てられた予算です。今定例会において、区民税均等割の税率の特例を定める議案の上程が予定されており、審議可決されれば10年間で約8億円の増収が見込まれます。これも同じく防災関連対策のために充てられた予算です。合わせて10億円の予算を27年度までに集中的に防災関連事業の予算としてそれぞれの自治体が活用するようにとの法の趣旨ですが、区はこの予算をどのような計画で活用される予定なのか、また活用の際は区民にわかりやすく税の使われ方を説明する必要が生じると考えますが、お考えを伺い、この項の質問を終わります。

 次に、高齢者施策についてお伺いします。

 高齢者の見守り支援のため、東京都のシルバー交番制度の活用を視野に、慢性疾患以外の高齢者等を対象に緊急通報システムの制度構築を図るべきとの主張を行ってまいりました。

 区長より、「高齢者などの方々が安心して住みなれた地域で暮らしていくためには、24時間、365日対応する手段として、緊急通報システムは有効だと考えております。今後、区の財政負担や制度のあり方などもしっかりと勘案をしながら拡充の方向で考えてまいりたいと思っております。シルバー交番制度についてですが、現在のところは都の要綱上、委託による見守りの実施と緊急通報システムのセットの補助となっております。その運用につきましては、区としては柔軟な運用を求めて、自治体が使いやすいような制度のあり方にしていただくよう今後とも引き続き要綱の運用について協議をしていきたいと、こう考えているところでありますとの御答弁をいただいております。この御答弁どおり、東京都と要綱の柔軟な運用について協議をされ、このたび東京都の要綱の変更がなされたと聞きます。区長をはじめ、担当者の方々の御努力に敬意を表します。

 いよいよ制度設計となりますが、そこで、緊急通報システムの対象者はどのような方が対象となるのか、日中独居や慢性疾患等がなくても利用可能な対象者となるのか、利用料の自己負担は幾らほどになるのか、またシルバー交番制度の範囲は区内全域を適用範囲とする制度となるのか、お伺いをいたします。

 次に、民間住宅活用型住宅セーフティネット整備推進事業について、お伺いします。

 住宅セーフティネット整備推進事業の概要は、既存の民間賃貸住宅の耐震改修やバリアフリー改修、省エネ改修などの質の向上を図るとともに、空き家を有効に活用することにより高齢者世帯や子育て世帯等の住宅確保要配慮者の居住の安定確保を図り、さらに災害時には機動的に公的利用を可能とする環境を構築するため、住宅確保要配慮者の入居等を条件として、空き家の賃貸住宅のリフォームに要する費用、一部屋100万円を上限として3分の1を国が直接補助する制度です。

 これまで区として高齢者等の住みかえ支援のため、アパートをお探しの高齢者世帯や障害者世帯、ひとり親家庭の方でも入居を拒まない民間賃貸住宅の物件を紹介していただく区内の協力不動産店の紹介を行ってきましたが、この制度が軌道に乗り一定数の物件が確保できれば物件そのものを紹介できることにつながります。条件として、地域住宅計画に施策の位置付けがあることと、住宅確保要配慮者の入居を支援するための居住支援協議会を設置することが必要です。都道府県や市区町村も主体者となれるため、都の動向によっては区が主体的に取り組むべきではないかと訴えてきたところです。

 先ごろ、東京都において地域住宅計画に施策が位置付けられ、居住支援協議会であるすまいサポート連絡協議会が発足されたと聞きます。実質的には不動産店等の関連業界団体の活躍が期待されますが、区内の物件確保のために区としても積極的にかかわり取り組みを支援すべきと考えますが、お尋ねします。

 次に、身寄りのない高齢者の方のみとりともいうべき支援について、お伺いします。

 高齢者の住みかえを拡充する意味からも、体調を崩されたときの見守りとして先ほど述べた緊急通報システム、物件そのものの確保策として今述べた住宅セーフティネット政策、そしてさらに推進するには避けて通れない問題としてみとりの問題があると考えます。高齢者であるとの理由から契約締結に至らない理由は、お亡くなりになった際の葬祭費であり、残された家財道具の整理費用にあります。難しい課題であることは承知しておりますが、超高齢化社会の支援策として助成支援や積立方式、保険方式等、さまざまな制度設計を検討していく段階にあると考えます。家主の不安と負担をぬぐい、年を重ねても住み続けられるための支援策となるよう検討すべきと考えますが、御見解を伺い、この項の質問を終わります。

 次に、その他として、上落合二丁目交差点地下横断通路について、お伺いします。

 平成21年4月、中野昭和小学校と東中野小学校が統合され、中野昭和小の跡地に白桜小学校が誕生しました。白桜小学校の通学区域では早稲田通りや山手通りの幹線道路を横断しなければならない地域があり、児童の通学や高齢者の安全対策、また東京メトロ東西線の落合駅へアクセスの向上を兼ね、山手通りと早稲田通りの交差点である上落合二丁目交差点の地下に未使用の地下空間があり、これを利用した地下横断通路の設置に取り組むべきと訴えてきたところです。ここまで時間がかかりましたが、いよいよ試掘が始まると聞きます。

 そこで、地下横断通路についての進捗状況と今後のスケジュールをお伺いします。

 通学の際の痛ましい事故というよりもむしろ犯罪と言ったほうが当てはまる事件が相次ぎました。区内全体の通学路の安全対策については我が会派の木村議員が、学校施設の安全対策として南議員が、この後登壇予定です。子どもたちの安全対策が一歩進むことを願って、質疑のバトンを託し、私のすべての質問を終わります。

     

区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 白井議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、震災対策について。今回、発表された被害想定と今後の防災対策等についての御質問でありました。この被害想定をどうとらえているかというところです。

 新たな被害想定では、中野区につきましては主に地震火災による建物被害が前回よりも減少した影響によりまして死者、負傷者、避難者等の数値について減少しているところであります。原因としては、住宅の構造別分布やインフラ整備による影響について一定の評価ができると思いますが、地震火災による火災延焼の想定手法がより詳細データを反映したものに変更されたことの影響が大きいと、このように考えております。区としては、この今回の新たな被害想定を前提にしながら地域防災計画の見直しを行う予定であります。また加えて、被害想定を災害対策の上限としてとらえるのではなく、想定外の事態への備えについても適切に対策を講じてまいりたいと、こう考えております。

 それから、家具の転倒防止対策であります。工事を伴わない家具の転倒防止策について、施策に欠落している部分があるのではないかといったような御指摘だと思っております。

 家具転倒防止対策は地震時の安全確保に有力な手段でありまして今後も普及啓発に努めていきたいと、こう思っております。取りつけの工事に至らない作業、この部分についての有効な支援、これについて検討していきたいと考えております。

 また、方法としてシルバー人材センターを活用する、このことも検討していきたいと考えております。

 次に、マンション対策であります。マンション問題についての現状認識、また取り組み状況についてであります。

 分譲マンションには建築後相当の年数を経過したものもあり、長期修繕計画に基づく適正な補修・修繕、また居住者の高齢化により管理組合役員のなり手が少ないなどのマンション管理に関するさまざまな課題があると認識をしています。

 区では、分譲マンションの管理組合役員等を対象とした分譲マンション管理セミナーを年2回開催しております。マンション管理士等の専門家により、管理組合の運営や長期修繕計画の策定、建てかえの事業手法等について継続的に啓発を行っております。相談内容に応じた専門機関の紹介や融資助成制度をまとめた「すまいのしおり(分譲マンション編)」も作成をして、区のホームページや窓口で広く周知をしているところであります。このマンションにかかわる防災のしおり、これが必要なのではないかと、こういったことであります。マンションを対象にした防災マニュアルの策定につきまして、お話をいただいた他区の事例等も参考にしながら検討してまいりたいと、こう思っております。

 それから、マンション管理についての支援であります。

 分譲マンションの管理を適正に行うのは、一義的には管理組合の役割であります。そうした中、管理組合に対する普及啓発支援が必要と考えております。分譲マンションについては、見守り・支えあいの面でも管理組合の役割は大きいと考えております。高齢者の見守りや防災の観点から管理組合がその役割を果たしていけるよう、区としても相談窓口やセミナーを通して支援をしていきたい、こう思っております。

 それから、自動販売機の設置にかかわる入札制の導入についての御質問がありました。

 現状の使用許可の状況を調査した上で、入札制度導入に係る方針を策定して、建物の状況や施設の利用形態などを見極め、使用許可が満了するものから順次入札制に移行していきたいと考えております。そうした方針を策定する、その前段として、勤労福祉会館に設置する自動販売機について入札を試行的に実施いたします。この自動販売機につきましては、災害時に無料で飲料等の提供ができるものを条件といたしました。

 また、危険度の高い地域への街頭消火器の設置についての御質問がありました。

 区では、地域における初期消火能力の向上を図るため、区内全域に街頭消火器の設置を進めてまいりました。原則として1街区に1本、おおむね25世帯に1本の割合で設置しておりますが、火災危険度の高い地域にはこれまでも増設をしているところでもあります。今後とも地域の実情に応じた設置に配慮をしてまいります。

 それから、活用の促進についてであります。

 区では、街頭消火器の積極的な活用を促進するため、防災訓練や座談会等において街頭消火器についてPRしております。6月5日号の区報に写真つきで街頭消火器の活用についての記事を掲載したところであります。また、実物を活用して、訓練用の街頭消火器ボックスを作成し、街頭消火器のボックスから消火器を取り出す時点からの初期消火訓練を実施しております。各地域防災住民組織には街頭消火器の点検管理のため設置場所のリストをお渡ししているところでありますが、設置場所の周知方法については今後検討してまいります。

 それから、消火器の費用負担の助成についてであります。

 区では、家庭用消火器の普及推進のため、消火器のあっせん制度を実施しております。各世帯での消火器の準備につきましては、このあっせん制度を御利用いただきたいと考えております。

 それから、住宅用火災警報器の設置状況についてであります。

 中野消防署、野方消防署が住宅用火災警報器の設置について行った調査結果ではそれぞれ80%を超える世帯に設置をしているとのことでありまして、義務付けによって普及はかなり進んできていると認識をしております。さらに、住宅の耐震診断や家具の転倒防止器具設置などの機会をとらえ、チラシの配布などにより火災警報器設置についての啓発を進めてまいります。

 それから、税制改正にかかわる御質問であります。区民税均等割の増収分の使い方についてどのように考えるかということであります。

 地方税臨時特例法では、平成23年度から平成27年度までの間において実施する施策のうち、全国的にかつ緊急に地方自治団体が実施する防災のための施策に要する費用の財源を確保するための臨時的措置として均等割の税率の引き上げを行うとしております。均等割の税率の引き上げに伴う増収分は使途を定める特定財源とはなっておりません。したがいまして、これを充当するという意味での計画を立てることは行いません。しかしながら、区としては、防災対策の拡充経費や今後さらに必要となります区有施設の耐震改修経費、地域防災計画改定に伴う防災対策経費などの災害対策に必要な額は増収分を大きく上回る相当な額になると考えております。

 私からは以上です。

    〔健康福祉部長田中政之登壇〕

○健康福祉部長(田中政之) 私からは、高齢者施策のうち、シルバー交番制度を活用した緊急通報システムについての御質問にお答えをいたします。

 今回の都の要綱改正によりまして、すこやか福祉センターがシルバー交番として取り扱われるということとなりました。このシルバー交番制度を活用した緊急通報システム事業の対象者でございますけども、65歳以上のひとり暮らし、または高齢者のみの世帯のほか、日中独居の高齢者も対象でございます。慢性疾患の要件は必要としないものでございます。

 それから、利用料についてでございますけども、この事業につきましては、現在実施に向けて検討中でございます。その検討の中で負担等についても考えていきたいと考えてございます。

 適用範囲につきましては、シルバー交番は区内4カ所のすこやか福祉センターに設置をするということになりますので、区内全域を適用範囲とするというものでございます。

 私からは以上でございます。

    

都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、高齢者施策のうち、まず、民間活用による高齢者住宅の整備について、その中で居住支援協議会の設置に関する御質問にお答えをいたします。

 東京都は、国の民間住宅活用型住宅セーフティネット整備推進事業の交付要件でございます居住支援協議会として「すまいサポート連絡協議会」を平成24年5月に設置いたしました。これによりまして、中野区内でもこの整備推進事業の活用が可能になったところでございます。区では、これまでも不動産関係団体と連携し、高齢者等の民間賃貸住宅の住みかえ支援を行っているところではございますが、今後、すまいサポート連絡協議会と積極的に連携をし、高齢者をはじめとする住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居をさらに図ってまいりたいと、そのように考えているところでございます。

 次に、高齢者の住みかえ支援についての御質問がございました。高齢者が民間の賃貸住宅へ住みかえる際に、家主が入居後の健康等を心配するため、住みかえが困難な場合がございます。万が一のための葬儀の実施、残存家財の片づけサービス、そういった制度といたしましては、公益財団法人東京都防災建築まちづくりセンターの安心居住制度がございます。区の窓口で相談がございましたときには当センターの制度を御紹介しているところでございます。安心居住制度利用者の負担軽減のため、月払い制度も新たに創設されており、こうした制度を広く周知し、住みかえが円滑に行われるよう支援をしてまいりたいと考えております。

 最後に、上落合二丁目地下横断通路についての御質問がございました。山手通り上落合二丁目交差点の地下横断通路につきましては、平成24年3月に東京都と東京メトロが工事協定を締結し、工事着手の準備を進めているところでございます。東京都と東京メトロが事業主体となりまして、6月に試掘調査を行った上で夏ごろに工事を着手し、平成26年3月完成の予定と聞いております。

 私からは以上でございます。

     〔白井ひでふみ議員登壇〕

○13番(白井ひでふみ) 結構原稿が長かったので時間がなくなるかと思ったんですけど、早く読み過ぎたので再質問をさせていただきます。

 おおむね非常にいい御答弁いただきましてありがとうございます。2点ほどお伺いしたいと思いますけども、街頭消火器の設置についてです。

 現在も、条文上、危険区域等に実情に応じて設置できることは理解しておりますし、要望があったときに区として設置をしているところかなと思うところです。ですので、現実的に要望がないと積極的に区として増設という取り組みはしていませんので、今回のいわゆる被害想定の見直しで火災の危険度のエリア分け、厳しいところも出てきました。危険度が上がったところもあります。そういう部分では、いわゆる木密地域や危険度の高いところに街頭消火器を重点的にと、こういう取り組みを一層進めていただく必要があるのではないかと意味で質問をさせていただきました。ですので、これまで以上に力強く推し進めていただきたいと思います。

 もう一方、消火器の購入または処分についてのところの設置助成なんですけども、渋谷区だったかと思います。自分の家が火事になったときに使った消火器はだめ。例えば、集合住宅が火事で、自分がその一部屋に住んでいて使ったときはだめなんですけども、近所の方の初期消火で自分の家の消火器を持っていったという場合は、その詰めかえ費用を出しますよなんていう購入助成制度をやっているところもあります。当然東京都内などでも、例えば、武蔵野市なんかはその助成制度がありますし、全国的には金額もまちまちです。いわゆる初期消火のために助成制度、ひとつ検討をお願いしたいなと思います。

 この2点、お伺いをいたします。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。

 街頭消火器、火災危険度の高い地域には要望に応じて増設するということではなく、エリアをきちんと調査して重点化してはどうかという再質問だと思います。

 私がお答えしたのも、要望に応じて設置配分していくというふうにお答えしたのではなくて地域の実情に応じた設置に配慮していくと、このように申し上げましたので趣旨は同じであろうかと思っております。

 それから、家庭用の消火器で御近所の家の火災に対して使った場合、これは区で詰めかえて差し上げてはどうかと、こういうことであります。

 ちょっと私、この場で記憶が定かでないのですが、そういうふうに実際に区で行った事例もあるような記憶を持っております。仮になかったとしましても、今後そうした方向で検討をすべきというふうに考えております。

○議長(大内しんご) 以上で白井ひでふみ議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

      午後2時55分休憩

 

      午後3時15分開議

○副議長(久保りか) 会議を再開いたします。

 この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 岩 永 しほ子

 1 区長の政治姿勢について

  (1)消費税増税問題について

  (2)社会保障の拡充について

  (3)地域防災計画について

  (4)原発ゼロを目指すことについて

 2 中野駅周辺まちづくりについて

  (1)駅地区開発について

   (2)区役所・サンプラザ地区の一体的開発について

 3  業務委託・指定管理者制度活用の問題について

 4  子育て・教育関連の施策について

  (1)放射能被害から子どもを守ることについて

  (2)少人数学級と区の学校再編計画について

  (3)その他

 5 弥生町地域の防災まちづくりについて

 6 その他

 

○副議長(久保りか) 岩永しほ子議員。

     〔岩永しほ子議員登壇〕

○42番(岩永しほ子) 2012年第2回定例区議会本会議において、日本共産党議員団を代表して質問いたします。

 まず、区長の政治姿勢について。

 消費税増税問題について、お聞きします。

 野田内閣は、消費税増税のために問責決議を受けた閣僚をはじめ5人の閣僚を交代させ、修正協議に臨もうとしています。しかし、増税反対の国民の声は6割に達しています。勤労者は可処分所得がふえず、子育て世帯は子ども手当の減額、年少扶養控除廃止による住民税増税などと合わせると月給一月分が、年金世帯では年金の減額、介護保険料引き上げなどが重なり、世帯によっては年金一月分が消えてしまいます。所得が低い人ほど負担が重く、障害者や高齢者などが必要な介護を受ければ受けるほど負担増となるのです。収入が減っても生活に必要な費用や預貯金を取り崩して使う生活費にも消費税増税が及びます。区民の声は、「増税では暮らしが成り立たない」ということではないでしょうか。見解をお聞きします。

 商店や中小企業はもうけがなくても仕事はあったほうがよいと仕事を引き受けざるを得ません。日本商工会議所や全国商店街振興組合連合会などの中小企業4団体の調査では、消費税を販売価格に転嫁できないとの回答は売上高1,000万円から1,500万円の企業で7割以上、1億円から2億円でも5割です。赤字になれば法人税や所得税はゼロになりますが、消費税は納税しなければなりません。結局、身銭を切って納税することになります。

 ところが、自動車産業をはじめとした輸出企業は、輸出売り上げに必要な仕入れに5%を乗じた消費税分を差し引く輸出戻し税のおかげで納税ゼロということもあります。2010年度にトヨタは2,200億円もの還付を受け取っています。消費税は不公平な格差を生み出しています。

 さらに政府は、税率引き上げに加え、事業者の免税点制度も簡易課税制度もなくし、根こそぎ課税対象にしようとしています。全国商工団体連合会の調査では、税率10%になれば廃業を考えざるを得ないと回答した事業者は14%近くにもなります。中野区内には小規模な事業者が多く、増税によって深刻な影響を受けることは明らかです。区内事業者を守るにも「増税やめよ」の姿勢を持つことが肝心です。お答えください。

 増税5%のうち4%分を社会保障の安定化財源に充てるとのことですが、単に社会保障予算の財源を消費税に置きかえるだけのことであり、浮かした分は社会保障以外の財源に回されます。残り1%分は社会保障の充実に充てると言いながら、一体改革によって年金の減額や子ども手当減額などの負担増が押しつけられ、事実上、社会保障の充実には結びつきません。

 日本共産党は、課税対象の全世帯でわずか0.1%に過ぎない大資産家への富裕税導入、大企業への優遇税制度見直しを提起しました。

 昨年12月に、経済協力開発機構は貧富の差が拡大したことを指摘し、政府は富裕層に公平な比率の税を負担させるために所得再配分における租税の役割を再検討する必要があると提言。日銀総裁は、大企業は資金は潤沢。問題は資金を使う場所がないことを認めています。そして、ニッセイ基礎研究所のリポートには、大企業の内部留保の活用について、企業に滞留する余剰金の有効活用が経済政策を考える上で重要と指摘しています。こうした提言や指摘に対する見解を伺います。

 次に、社会保障の充実についてお尋ねします。

 国会では、消費税増税の道、年金改悪と公的保育制度解体を狙った税と社会保障の一体改革が審議入りしました。既に今年4月から年金の物価下落を理由にした支給額0.3%カット、国保や介護、後期高齢者の各保険料の引き上げなど、社会保障の各分野で負担増、給付切り下げが進められています。低年金や無年金の人がふえ、生活保護の水際対応などで社会保障の手が届かず、高齢者や障害者家族の孤立死が社会問題になっています。社会保障の充実によってこそ将来不安がなくなり、お金が使われるようになれば消費が生まれ、地域に経済効果を生み出すのではありませんか。見解をお聞きします。

 国保事業を広域化する動きの中で、保険料が旧ただし書きに変更され大幅な引き上げとなりました。低所得者への負担増を抑えるため2年間の経過措置がとられましたが、今年度で終了予定です。しかし、区民生活は好転せず、所得もふえていません。軽減策を継続させるべきです。お答えください。

 子育て新システムの検討では、総合子ども園の企業参入が見込めず、待機児対策の解消が図られない可能性が高くなり、穴埋めのために、自治体が指定すれば保育施設を整備できることが盛り込まれました。これは東京都が進めている認証保育所を政府が全国的に広げ補助金を出すというもので、保育の後退は明らかです。国会では、自民党の議員も保育の潜在的需要の把握や保育の質を確保することは難しく、新システム導入は問題だと指摘されました。認可園増設などで保育需要にこたえ待機児を解消する自治体の努力を無にし、保育の公的責任を放棄することになる子育て新システムの導入には保守、革新を問わず全国の幅広い層に反対が広がっています。中野区も反対を表明すべきです。お答えください。

 保育園の一人当たり面積基準を都は3.3平米から2.5平米にと、この新システムの先取りとなる緩和を決めました。しかし、施設の状況や保育士の配置など新たな問題も生じる上に、待機児解消にもならず、23区では19区が導入しないと決めています。中野区も導入しないことを決めるべきです。お答えください。

 次に、地域防災計画についてお尋ねします。

 東京都防災計画会議の被害想定が発表されました。3.11東日本大震災を踏まえ、新たな被害想定をどう見るのかが問われています。これまでの被害想定には、被害の過小性、人命より首都機能優先、一たん事故となればその影響が広範囲に及ぶことになる原発、高速道路など、被害想定に反映してこなかったゆがみと欠陥がありました。今回の被害想定では、予測段階で想定外を生み出す可能性があることを指摘する研究者もいます。中野区での被害想定も都の予測の影響を受けます。重要なことは、地震の発生想定を含め、科学的知見により想定外を生じさせず、区独自に地形や地質、危険要因を調査し、地域特性を踏まえた被害想定とすべきです。お答えください。

 地域防災計画の改定に当たっては、予防の原則に立脚することも大切です。この点では、国連世界防災会議が予防の文化の醸成を掲げたことを重く受けとめる必要があります。ところが、国や都の災害対策は、全体として災害発生後の応急対策とその後の開発型の復旧・復興に基本が置かれ、災害を未然に防ぐという予防の立場は不十分です。予防第一の防災計画となるよう求めます。お答えください。

 また、すべての災害に備えることは非現実的だとして減災の考え方が強調されています。この問題で留意しなければならないことは、行政の努力によって被害をなくすことが可能なものにまでこの考えを導入し、対策を後退させ、改善を歩どまりにして済ませようとすることです。住宅の耐震化が急務であるのに、自己責任とした上で責任を果たそうとしていないのはその一例です。都は耐震改修促進計画を改定し、2020年度末までに耐震化率を95%にするため、木造住宅には速やかな耐震診断の実施とリフォーム工事などとの連携による耐震化の促進を図ります。中野区も木造住宅耐震化計画目標値は平成27年度末に90%としているこの目標値を改め、耐震化促進のため、木造住宅耐震化助成を実施する必要があります。お答えください。

 次に、原発ゼロを目指すことについてお尋ねします。

 5月5日こどもの日、泊原発が停止し、42年ぶりに原発稼働がゼロになりました。このほど政府は大飯原発を再稼働する意思を固め、その無責任ぶりが国民の怒りを買っています。原発災害への防災対策重点地域に住む人口は1,100万人に上りますが、防災・避難対策は自治体任せです。大飯原発の使用済み核燃料貯蔵庫はあと7年半で限界を迎えます。六ヶ所再処理工場での未処理の核ごみは貯蔵能力のほぼ満杯であり、全国の行き場のない使用済み核燃料は広島型原爆の50から60万発分にもなっています。再稼働は夏の電力不足を口実にしていますが、過大な需要見積もりとの批判が続出です。例えば、特別区協議会でも講演された環境エネルギー政策研究所は、原発停止でも電力を賄える試算を提出し、原発再稼働問題と電力供給問題は切り離し、再稼働は安全性と社会合意により判断すべきと提言しています。当然と思いますが、この提言についての見解をお聞きします。

 東電が10.28%もの値上げを予定しています。福島から東京に避難している人にも値上げとなり、被害者が加害者に賠償金を払っているようなものです。総括原価方式で決める電気料金で既に昨年2月にも値上げされていますが、値上げ案には放射能汚染水処理費用や損害賠償対応費用のほか、原子力損害賠償機構負担金など原発推進費用まで含み、区民や区が払う電気料金に上乗せされてきます。原発推進費の負担をせず、補償などには4兆8,000億円にもなる使用済み核燃料再処理等積立金などの原発埋蔵金、積立金や引当金と80兆円にも上る原子炉メーカーや銀行など原発利益共同体が原発建設などでため込んだ利益剰余金を活用すべきです。見解をお聞きします。

 福島県浪江町が行った子どもアンケートでは、5割近くが「別に住む家族がいる」、8割近くが「友達と会えなくなった」、そして4割近い子どもたちは「放射能のせいで病気にならないか不安」と答えています。悩み、苦しんでいる子どもたちの姿があらわれています。4月28日には「脱原発をめざす首長会議」が設立し、住民の命・財産を守る首長の責務を自覚し、安全な社会を実現するため、原子力発電所をなくすことを目的にしています。東京では、世田谷区長や元国立市長が呼びかけ人になっていますが、区長も参加されてはいかがでしょうか。お答えください。

 次に、中野駅周辺まちづくりについて。

 最初に、駅地区開発についてお尋ねします。

 5月29日の都政新報、「利用者急増、どうさばく?」の記事で2万人増の昼間人口への安全性の確保を問題にしており、区は2期整備を急ぎたいと答えています。この2期整備に関する事業費や負担割合などは協議中と繰り返されますが、予定している事業費と区負担分をお答えください。また、間もなく供用が開始される北口駅前エスカレーター・エレベーターの維持費についてもお答えください。

 中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3には次々と膨れ上がるグランドデザインが示され、事態は着々と抜き差しならない歳出増の道へと進んでいこうとしています。新たに、駅ビル、税務署用地、自転車・自動車駐車場、区役所・サンプラザの大街区検討、南口駅前広場の拡張などなど、2012年から2031年までの20年間に進めたい事業が目白押しです。中野駅周辺は東京の新たなエネルギーを生み出す活動拠点にするとの意気込みですが、今、区民に必要なことは、中野駅周辺の一極集中の開発に税をつぎ込むことではありません。防災対策で区民の命を守るための施策や、厳しい経済状況から暮らしを守る施策に全力を注ぐときです。次々と開発計画で誘導し、税投入を拡大することは見直すべきです。見解をお聞きします。

 次に、区役所・サンプラザ地区の一体的開発についてお聞きします。

 2011年3月にまちづくり中野21のリファイナンスが実施されました。西武信金から約49億円の融資を受け、10年の間に再整備の基本構想案を策定し、再整備の時期が確定すればその時点で清算し、新たな資金調達をすることになりました。そして、雇用能力開発機構の指定用途期間内にまちづくり中野21が再整備の基本構想案を策定する話もリセットされました。まちづくり中野21が土地を保有しつつ必要な資金調達をするとしていた計画は、この5月に報告された中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3の案によって区役所・サンプラザ地区を大街区として検討することとしています。お聞きしますが、まちづくり中野21が受けた10年契約の融資、まちづくり中野21がどのようにかかわるのか、あわせてお答えください。

 5月30日、読売新聞には、庁舎移転について駅南側もあり得るとの区長発言があり、移転場所が振り出しに戻ったと報道しています。庁舎移転用地拡張のため36億円で土地を購入したばかりですが、2月の議会で突然南口への移転の可能性が示唆されました。グランドデザインVer.3には、区役所は周辺地域のにぎわいへの配慮やまちづくりに寄与する最適な配置を検討すると記されています。他の自治体では庁舎移転や建てかえに専門家や区民が参加する検討会などが設置されていますが、中野区はコンサルタントと検討しています。そもそも区役所の場所は住民の利用に最も便利であるように考慮することが自治法第4条第2項に規定されているのは、限られた地域や住民だけを対象にしていないからです。にぎわいやまちづくりに寄与することは付加価値的なことで、区役所の場所を決める第一義的なことではありません。今求められることは庁舎の耐震性です。予定している補強工事でIs値0.6を確保し、補強の方法では0.7を確保できる可能性があると聞きます。区役所の建てかえを検討するなら、移転ありきではなく、庁舎の耐震性と防災活動拠点の耐震性の確保をすること。そのためには庁舎と防災活動拠点が一体でなければならないのか、災害応急活動をどうするのかなどの視点で検討が必要です。見解をお聞きします。

 次に、業務委託・指定管理者制度の活用の問題について、お尋ねします。

 区の施設は、田中区長が予算編成をした10年の間に90施設が委託されました。区が2004年度に導入した指定管理者制度活用は2012年度までに33施設に導入しています。民営化は2011年度までに20施設に及びます。これらの施設の多くは、区民活動センター、障害者施設、図書館、高齢者会館、学童クラブ、保育園、文化・スポーツ施設です。例えば、区民活動センターでは、人がいるのに対応が悪い、確定申告時期に用紙がないままになっている、情報が共有されていないなど、半年もたたないうちに不満が広がっています。人がいても雇用形態が違えば当然起きてくる問題だと指摘してきました。打越保育園では子どもへの対応が虐待マニュアルに抵触すると問題が提起されても、区は問題なしと結論づけています。管理・運営を民間に任せた施設と直営では区の責任と区民が受けるサービスの質に格差が生じていることを認識していますか。お聞きします。

 自治体での委託をめぐる問題が広がり、今年1月に請負契約の対策手引きが内閣府から出ました。自治法第244条の2では、指定管理者が管理する施設の実施について調査をすることができるとしています。

 総務省では、指定管理者制度導入5年を経過した2008年に運用についての留意点やあり方の検証及び見直しを行うことを通知しています。その内容は、選定の基準設定は公共サービスの水準を確保する、適切な評価を行うため公共サービスの専門的知見を有する外部有識者などの視点を導入する、適切な積算に基づくというものです。中野区はこの通知に基づく検証が実施されていません。監査委員会の監査以外は担当分野任せになっています。区として指定管理者制度の調査や外部有識者などの視点で評価をすること、委託金の積算根拠を示し、委託金の清算など指定管理の事業者任せにしないためのルールなどを明確にする必要があります。お答えください。

 次に、子育て・教育関連の施策について。

 最初に、放射能被害から子どもを守ることについてお尋ねします。

 子どもを放射能汚染からどのように守っていくのかが問われ続けています。そうした中、国の安全・安心のための学校給食環境整備事業によって、東京都は食品汚染検査の機器を購入し都の各自治体からの検査を受け始めました。独自に検査機を購入した自治体もある中、中野区は独自の食品検査を一度もしていません。さきの議会での陳情採択もあります。まず、都の検査を活用し、学校給食食材の検査を後期から実施すべきです。また、保育園の食材検査もできるよう調整をとるべきです。お答えください。

 次に、少人数学級と区の学校再編計画について、お聞きします。

 この3月に、国立教育政策研究所は学級編成と少人数指導形態が児童の学力に与える影響についての調査を発表しました。それによれば、少人数指導やTTよりも少人数を2年間継続したほうが6年生になって下から上の学力層に移動する率が高くなり、上位層の維持率も高いことがわかりました。少人数学級を実施している県では学力・学習状況調査での平均点を上回る結果が出ていることも報告されているところです。国の35人学級は徐々にですが学年を拡大し、東京都も一クラスの人数を減らす検証を3年間行いました。中野区教育委員会は子どもたちの学力・体力向上を教育ビジョンの重点にしていますが、こうした動きと区教委の目的を実現するには少人数学級への取り組みは避けられません。区教委として国や都に積極的に働きかけることが求められます。お答えください。

 学校再編計画を改定する考え方について区民説明会が行われました。次々に出された意見には、前期計画で生じた問題が反映されていないこと、統合したにもかかわらず1学級であること、地域コミュニティが壊れ、地域子育てに弊害が生じていることなどがあり、教育委員会が真摯に受けとめ、今後の教育環境整備にどう生かしていくのかが問われています。前期計画遂行の中でも常に出ていた声でしたが、残念ながら示されている考え方にはそれに対する区の受けとめがないと言わざるを得ません。

 新たな視点として、中学校区単位に小学校の通学区域を見直すこともあります。通学区域を安全性や子どもの関係、地域特性などより効率を優先させることがあってはなりません。9月には再編する学校名を具体的に出す予定ですが、こうした問題が解決される見通しが明らかにならないまま再編計画を改定することは区民の声を無視したことになりかねません。再編計画の改定は見送るべきです。見解をお聞きします。

 最後に、弥生町地域の防災まちづくりについてお尋ねします。

 5月に、弥生町一丁目から四丁目までのまちづくりについての説明会が実施されました。一方、弥生町三丁目周辺は不燃化率が低く、国の重点密集市街地に位置付けられていることから、都の木密地域不燃化10年プロジェクトの整備地域を対象とした不燃化特区制度の先行実施に応募する準備を始めていることに関し、地域説明会が実施されていません。4月にまちづくりの会を立ち上げて協議をされていますが、6月末応募までには1カ月を切っているのですから住民説明会を開くべきです。

 また、この事業の活用に当たっては、区やデベロッパーなどの方針押しつけや開発誘導ではなく、隅切りなどで消防車が入れるようにすることや「倒れない、燃えないまち」へ住民合意を大原則にすることが大事です。さらに、高齢者など災害弱者世帯や借家人などが多く、関係住民の各実情に合わせた助成と支援策を都に求めることも必要です。あわせてお答えください。

 以上で私の質問を終わります。

     

区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 岩永議員の質問にお答えをいたします。

 消費税の増税に関連しての御質問でありました。

 人口減少と少子高齢化が同時進行する中で、給付に比べて負担が少ないままの現状を見ますと、給付の削減や消費税を含む負担の増加は避けることができないものと考えております。一方、経済成長の見通しなしに税負担だけをふやしても成長しない、このように考えています。産業構造の転換による新規の成長分野の喪失や地方分権改革による地方の活性化などの成長戦略に向けた具体的な政策プログラムと税社会保障制度の一体改革が同時に行われること、このことが必要だというふうに考えております。

 それから、社会保障の充実、区内での消費を活性化させるためにも社会保障の充実が必要だといった御意見でありました。

 将来への不安が国民の経済活動や消費を委縮させていると言われていますが、社会保障制度が将来にわたって安定的で持続的なものとするためには、これは一定の負担増は避けて通れないということであります。したがいまして、そのことが消費の活性化という、そういうふうにどういうプロセスで成り立つのかということは定かではないだろうというふうに思っております。

 それから、国民健康保険料の経過措置の延長についてであります。

 所得割の旧ただし書き方式への移行に伴って、激変緩和策として平成23、24年度の2年間経過措置を実施しております。激変緩和の措置につきましては、それを賄うための財源負担などもありますことから期間の延長は避けたほうがよいと考えております。

 それから、子ども・子育て新システムについての見解ということでした。子ども・子育て新システムについては、2月13日に行われた基本制度の取りまとめについて、3月2日に閣議決定され、本通常国会に関係3法案が提出されていると聞いています。法案については一定の評価すべき内容も含まれていると思いますが、全体として実現可能なところまで議論が成熟しているとは思っておりません。

 それから、認可保育所の面積基準の緩和についてであります。

 平成24年4月1日に東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例が施行され、平成26年度までの間、待機児童数が一定以上などの自治体に限り、年度の途中に2歳未満の乳幼児の定員を超えて入所させる場合に面積基準を緩和できるという規定が盛り込まれていると承知をしております。中野区もこの対象自治体であります。さまざまな定員増対策を行ってきたところであります。今回の基準緩和についても保育環境を健全に保つことを前提として導入の可否を検討していきたい、こう考えております。

 私からは以上です。

     〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 子育て・教育関連の施策につきましてお答えをいたします。

 まず、給食食材の放射性物質測定検査についてです。

 この4月から国の新たな基準により生産や流通段階で検査や規制等が行われております。区立小中学校や保育園の給食の実施に際しましては、引き続き原則として都内の卸売市場を通った食材を使用することとし、産地の把握、国の出荷規制品目に該当していないことの確認とともに、国や各都道府県などが公表している食品中の測定結果等の確認を行った上で給食を実施しております。

 東京都が実施いたします安全・安心のための学校給食環境整備事業につきましては、東京都のスキームが示されてから実施までの期間が短かったこと、また事前検査の結果によって万一食材の使用を中止する場合などの対応など調整・検討する課題がありましたため、1学期分の実施については参加をしていません。2学期以降につきましては、東京都の事業スキームで実施可能かどうか検討中でございます。

 次に、少人数学級と区の学校再編計画についてでございます。

 学校事業など集団活動を活性化し多様な子ども同士の触れ合いにより社会性をはぐくむためには、学級数だけではなく一定の集団規模を確保することは必要でございます。また、子どもたちに集団教育のよさを生かしたよりよい教育環境を整備するため、再編計画を進めてまいりました。この結果を踏まえまして、さらに小学校と中学校の連携、学校と地域との連携など、学校教育の向上を目指して再編計画の改定に取り組んでおります。したがいまして、学校再編計画の改定を見送る考えはございません。

 また、少人数学級につきましては、国や東京都の動向を引き続き注視してまいります。

    

都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、地域防災計画についての御質問にお答えをいたします。

 まず、区独自の被害想定の調査についてでございますけども、東京都の被害想定は、客観的なデータや科学的な裏付けに基づき、地震モデルや火災の想定手法の改良等、より実態に即した被害想定へと見直されたものでございます。区単位の影響についても、住宅の構造分布やインフラ整備等、新たな都市データを用いて詳細な想定がなされているところでございます。

 区といたしましては、東京都の新たな被害想定を前提としながら地域防災計画の改定を予定しており、独自に被害の想定を行うことは考えておりません。今後、災害対策に当たっては、想定外の被害にも対応し得るものを構築するよう検討してまいりたいと思っております。

 また、地域防災計画では、予防対策をはじめ、応急対策、復旧・復興対策、すべてについてしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

 次に、木造住宅の耐震改修助成でございます。

 みずからの命や財産の安全はみずからの手で守っていただくのが原則であると考えております。木造住宅の耐震改修助成につきましては、改修を行う際の資金を区として直接助成することは考えておりませんが、耐震改修資金融資あっせんを行っているところでございます。

 次に、中野駅周辺まちづくりに関しまして中野駅北口駅前のエスカレーター、エレベーターの維持管理費についての御質問でございます。

 中野駅北口駅前のエスカレーター、エレベーターの維持管理費につきましては、年間約600万円ぐらいと見込んでいるところでございます。

 弥生町地域の防災まちづくりについても御質問をいただいております。

 地域住民に対する説明会の開催についてでございますが、弥生町一丁目から四丁目地域につきましては、区は防災まちづくりに向けた取り組みを始めることとし、去る5月10日、11日に弥生町一丁目から四丁目全域の全世帯に呼びかけ、防災まちづくり説明会を開催いたしました。都の木密地域不燃化10年プロジェクト不燃化特区の先行実施地区の応募が6月末となっておりますので、区はその応募に向けた準備を進めているところでございます。弥生町三丁目周辺地区のまちづくりに際して、既に関係する町会に呼びかけてまちづくりの会を開催し、課題の共有化やまちづくりのあり方について議論を始めているところでございます。今後、地区住民全体に対して情報をお伝えするとともに、住民の皆さんの御意見を伺うために各町会での意見交換会、全世帯に呼びかけた意見交換会やアンケート調査などを実施していきたいと考えているところでございます。

 それから、住民合意を原則とするまちづくりの取り組みについてでございますが、弥生町三丁目周辺地区の整備に当たっては、関係権利者、住民の皆さんの意向を十分に伺いながら災害に強いまちの実現が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。

 最後に、不燃化特区のまちづくりに関して東京都への支援策の要望についての御質問でございます。

 木密地域不燃化10年プロジェクトの実施に際して、東京都は個人向けの支援策について打ち出しているとは承知していないところでございますが、災害弱者等に対する支援については区として進めてきたところであり、今後とも進めてまいりたいと考えております。

 私からは以上でございます。

    

政策室長竹内沖司登壇〕

○政策室長(竹内沖司) 私からは、原発ゼロを目指すこと、それから業務委託指定管理者制度の活用の問題についての御質問にお答えをいたします。

 まず、今後の原子力発電の再稼働についてでございますが、これについては十分な検証やそれを踏まえた安全対策の再構築が必要であるというふうに考えてございます。

 それから次に、電気料金の値上げに関しましては、十分な企業情報の交換に基づいて議論されるべきものであるというふうに考えております。

 それから、脱原発をめざす首長会議への区長の参加につきましては考えておりません。

 次に、業務委託化などを行ったサービスの実態を把握しているのかとの御質問がございました。

 これにつきましては、各所管におきまして委託事業者や指定管理者からの事業実施報告書や利用者アンケートなどにより受託事業者等の業務内容の把握に努めております。

 それから、指定管理者等の運用や評価についてでございますが、監査結果報告の中でも指摘をされているところでございまして、統一的な指針を取りまとめていく考えでございます。

  

都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 中野駅周辺まちづくりについての御質問にお答えをいたします。

 まず、中野駅地区第2期整備の事業費等についての御質問がございました。

 中野駅地区第2期整備は、中野駅西側橋上駅舎及び南北通路、中野三丁目駅前広場等の整備であり、事業費を含め、今後具体的な検討を行ってまいります。財源として国の社会資本整備総合交付金や都の都市計画交付金を活用するほか、都区財政調整交付金における財産費措置、またこれまで積み立ててきたまちづくり基金を活用することで、実質的な区の負担は少ないものというふうに考えております。

 次に、駅地区開発に関する税の投入についての御質問がございました。

 中野駅周辺のまちづくりは、防災性や安全性、快適性を向上させるためのものであると同時に地域経済の活性化を図っていくものであり、まさに全力を注いで取り組んでいくものでございます。

 私からは以上でございます。

     

経営室長川崎亨登壇〕

○経営室長(川崎亨) 区役所・サンプラザ地区の一体的開発に関する御質問にお答えをいたします。

 まず初めに、所有会社の資金調達のことでございますが、区役所・サンプラザ地区の再整備の計画が定まった段階で新たな融資等について必要な調整を行っていくことになると考えております。

 次に、所有会社の再整備への関与でございます。区が平成20年に議会の議決を経て定めましたサンプラザ地区に係るまちづくり整備の方針において、株式会社まちづくり中野21に区役所・サンプラザエリア周辺一帯のまちづくりの中心として主体的に取り組ませるとしており、現時点においても所有会社の役割について何ら変更はございません。

 最後に、区役所の建てかえに関してでございますが、新しい区役所に求められる機能を現在検討しているところでございまして、この中で防災拠点機能についても重要な要素として考えているところでございます。

 以上でございます。

     〔岩永しほ子議員登壇〕

○42番(岩永しほ子) 再質問いたします。

 最初の消費税の問題について区長のほうから御答弁をいただきました。しかし、総体的なというか、全体的な消費税の考え方等が示されていて、私が3点お聞きした中で、そういう中で1点再質問しますが、区内業者との関係です。

 今度の増税等の関係で受ける影響は本当に大きなものがあるというのは、これは一般にマスコミなどでも取り上げられております。私は質問で、区内事業者を守るためにも「増税やめよ」の姿勢を持つことが肝心です。そのことについてお答えをくださいというふうにお聞きをしましたので、全体的なお答えもいただきましたけれども、この点について再度御答弁をお願いします。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 社会保障制度の持続性、また適正な給付と負担ということを考えていきますと、給付の減あるいは負担の増、両方とも私はやむを得ないというふうに考えているところです。

 この場合、増税という手段によって負担が増加をするという場合には、これは国民等しく同じように負担をするということでありまして、増税そのものを区内の中小企業のために反対するといったような立場にはならないだろうと思います。増税をする中での消費税を的確に適切に転嫁をする方策をどのように確保するかであるとか、さまざまな不公平が生じないような対策をどのように講じるかであるとかといったような、そうした議論の中で考えられていくべきものと、こういうふうに考えております。

○副議長(久保りか) 以上で岩永しほ子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 森   たかゆき

 1 中野区自治基本条例について

 2 中野区立図書館への指定管理者制度の導入について

 3 その他

 

○副議長(久保りか) 次に、森たかゆき議員。

     〔森たかゆき議員登壇〕

○16番(森たかゆき) 平成24年第2回定例会におきまして、民主党の立場から一般質問をいたします。

 質問は、1、中野区自治基本条例について、2、中野区立図書館への指定管理者制度の導入について、3、その他では、生活保護について、お伺いをします。よろしくお願いいたします。

 最初に、1番、中野区自治基本条例についてお伺いをいたします。

 中野区自治基本条例は、本年で施行から8年目を迎えました。私は、この条例の区民の意志を反映させた区政運営と区民の自治の活動を推進するという理念には大いに共感をしております。しかし、近年の運用状況を見ていると、その理念が実際に実現されているのか疑問を感じる場面に多々遭遇いたします。今回はそうした問題意識に基づいて質疑をさせていただきます。

 まずは、自治基本条例の基本的な位置付けについて再確認をさせていただきたいと思います。

 いわゆる自治基本条例と呼ばれる条例は、既に全国の200を超える地方自治体で制定されていると言われておりますが、この自治基本条例は自治体の憲法だという表現がされることがあります。この点について区長は、条例制定時の議会答弁で、「自治基本条例は自治体の憲法かという御質問であります。自治体の憲法というのは、やはり私は日本国憲法だろうと思います。憲法というのは最高法規性を持った大事な法律、言葉でありますので」と御答弁されています。この自治基本条例は自治体の憲法かという問いに答えるには当然憲法とは何かを考えなければなりませんが、憲法の根本には公権力の行使を制限し、国民の権利と自由を保障するという、いわゆる立憲主義の思想がございます。私は、自治体の憲法は日本国憲法であるという区長のお考えには共感をいたします。

 一方で、中野区自治基本条例には執行機関は何々しなければならないという規定が数多く定められております。これもある種の公権力の行使の制限にかかわるものであり、その点では中野区自治基本条例には立憲主義的な側面もあるのではないでしょうか。先ほど引用させていただいた区長の答弁にはこの立憲主義への言及がありませんでしたので、この機会に中野区自治基本条例の立憲主義的側面について、区長の御見解をぜひお聞かせください。

 北海道ニセコ町の総務課長・加藤紀孝氏は、職員に対しても、職員が拘束されるもっとも重要な条例が自治基本条例なのだというところを理解させるべきだと思っていますとおっしゃっております。この「職員が拘束される」という発想のもとにも自治基本条例の立憲主義的側面があるのではないでしょうか。中野区自治基本条例は第6条で職員の責務について規定をしておりますが、実際に職員に対して自分たちが拘束される最も重要な条例が自治基本条例なのだ、こうした意識づけはなされているのでしょうか。なされていないとすれば今からでも行うべきと考えますが、いかがでしょうか。見解をお聞かせください。

 続いて、近年の運用状況に関連してお伺いをいたします。

 自治基本条例に定められた意見交換会やパブリック・コメントの実施状況は議会に御報告いただいていますが、その報告内容を見ると、意見交換会の参加者数やパブリック・コメントの意見件数が少なく、せっかくの区民の区政参加の手続が形骸化してしまっているようにも見えます。

 先日の中野駅周辺地区等整備特別委員会に御報告いただいた、中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3(素案)に対する意見交換会では参加者がゼロ名という会場もあったとのことでした。条例制定から時間がたち、区民の中でも条例への意識や区政に積極的に参加しようという意識が薄れてきてしまっている、意見交換会やパブリック・コメントに参加しても意見が反映されないと感じられてしまっている、そもそも意見交換会やパブリック・コメントを行っていることが区民に伝わっていない、意見募集をされてもそこで何が問われているのかが理解されていないなど、原因はさまざま考えられます。

 そこで、お伺いします。

 まず、意見交換会、パブリック・コメントといった自治基本条例に定められた区民の区政参加の手続が形骸化している、こうした認識を区として持っておりますでしょうか。区政参加の手続の実施は区報、ホームページなどで告知されています。しかし、現状の告知方法だけではなかなか区民に届いていないのが現状かと思います。ホームページに意見募集中の案件を一覧できるコーナーを設置するなど、もう一段の広報の工夫が必要ではないでしょうか。

 また、区報や広報などプル型のメディアだけではなく、ソーシャルメディアなどプッシュ型のメディアを使った告知も検討してみてはいかがでしょうか。実際に私がツイッターを使ってパブリック・コメントの実施の情報などを発信すると、かなりの割合で区民の方から何らかの反応をいただきます。ぜひこうした方法も検討していただきたいと思います。

 意見募集を行う際には、区が持っている情報の示し方も重要です。この点について、九州大学法学研究院教授の木佐茂男氏は、基礎知識なしに突然、住民の皆さんのお考えをお寄せくださいと言っても、それは無理というか無謀であると指摘をされています。意見募集に際しては、そこで何が問われているのか、区がわかりやすく要点を整理して区民に提示することも必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。見解をお聞かせください。

 この項の最後に、条例の検証・見直しについてお伺いをいたします。

 中野区自治基本条例は、条例制定時から実際に運用してみて数年後には見直しを行うべきだという論議があり、条例第19条では、「区は、この条例の趣旨が区政運営に適切に生かされているか検証するとともに、区民の参加による見直し等必要な措置を講ずるものとする。」と定められております。

 そこで、お伺いをいたします。

 区役所内部で中野区自治基本条例の運用の検証や見直しの必要性の議論はこれまでにされたことがあるのでしょうか。あるとすれば、その結果はどのようなものだったのでしょうか。お答えください。

 中野駅周辺まちづくりの進展や災害に強い地域社会の実現など、これからの中野区政にはより一層の区民の積極的な区政参加が求められる、こうした場面が多数存在しています。条例第19条に定められた区民参加による検証を行うべき時期に来ていると考えますが、いかがでしょうか。この点を確認し、この項の質問を終わります。

 続いて、2、中野区立図書館への指定管理者制度の導入について、お伺いをいたします。

 区立図書館への指定管理者導入は、図書館行政のあり方の大きな転換につながるものであり、制度導入の方針が示されてから区議会でも既にさまざまな議論がなされております。前定例会の予算特別委員会総括質疑では、我が会派の酒井議員も取り上げましたし、また、所管の子ども文教委員会では、図書館法との関係、公立図書館に指定管理者制度はなじまないのではないかという総務大臣、文部科学大臣の見解などに関連してさまざまな熱心な議論がなされております。

 そこで、今回の私の一般質問では個人情報保護、特に貸出履歴の取り扱いに関連した部分に絞って何点か質問をさせていただきます。

 先日、佐賀県の武雄市が市立図書館に指定管理者制度を導入する方針を発表しました。この発表会見はユーストリームで中継され、私も関心を持ってみていましたが、その際に、民間事業者の会員カードに利用履歴を記録し、それをもとにリコメンドサービスを行うという方針、そして、それに関連した、市長の「何を借りたかっていうのが、何でこれが個人情報だって思っている」という発言が問題となりました。

 図書館法には貸出履歴に関する規定はありませんが、日本図書館協会の図書館の自由に関する宣言は、その第3条で、「図書館は利用者の秘密を守る 読者が何を読むかはその人のプライバシーに属することであり、図書館は、利用者の読書事実を外部に漏らさない」としています。また、同宣言は、国民主権の原理の維持・発展には表現の自由の保障が不可欠であり、その表現の自由は知る自由の保障があってこそ成立する。知る自由は、また、思想・良心の自由をはじめとして、一切の基本的人権と密接にかかわり、それらの保障を実現するための基礎的な要件である、このようにも定めております。

 昨年の2月には、国立国会図書館に出向していた外務省の官僚が、国会議員が国会図書館に依頼した調査資料のリストをつくり、外務省に報告をしていた事実が明らかになっています。こうしたことからも、今日でも図書館の貸出履歴は単に個人情報保護の問題にとどまるものではなく、憲法上の思想・良心の自由にかかわる重大な問題であると言えます。

 武雄市では、市民から寄せられた不安の声や日本図書館協会、図書館問題研究会といった関係団体が懸念を示したことを考慮してか、貸出履歴を利用するカードと利用しないカードの2種類を用意し、利用者が選択できるよう方針転換したそうですが、地元の佐賀新聞の報道によると、それでも説明会では市民から不安の声が相次いでいるとのことです。

 そこで、この事例に関連してお伺いをいたします。

 まず、現在の中野区立図書館での貸出履歴の取り扱いはどのようになっていますでしょうか。また、貸出履歴の取り扱いの考え方はどのようなものでしょうか。お聞かせください。

 近年、ビジネスの世界ではビッグデータの活用が注目を集めています。ビッグデータの定義にはさまざまな考え方がありますが、大まかに言えば、インターネットや企業のデータベースなどに蓄積された膨大なデータの集まり、及びそうしたデータの処理・分析手法のことを指すのが一般的のようです。例えば、私たちが普段インターネットを利用する際には自分でも意識していないさまざまな情報をネットワーク上に記録しています。企業としては、こうした情報を元にしてその人に最適なサービスを提案することでビジネスチャンスを拡大することができます。これまで入手できなかった膨大な量のデータとそれを分析する手法の確立によって、ビッグデータはこれまでの常識からは考えられないような新しいサービスを次々に実現し始めています。

 一方で、この分野はまだ歴史が浅く、セキュリティー面での課題もあります。最近では、ユーザーに十分な説明もなく、起動履歴を収集していたスマートフォン向けアプリケーションが通信の秘密を侵害したとして総務省が指導に乗り出すといった出来事がありました。専門家からは法整備の必要性を指摘する声も上がっており、その中には利用者が無意識に残す行動履歴などを収集対象とするビッグデータの特性上、利用者の同意があれば何をしてもいいという考え方はなじまないのではないかといったことも言われております。ビッグデータの活用によるビジネスチャンス拡大が期待される中、今回の中野区の指定管理者候補者の募集の中でも、事業者から武雄市のようにビッグデータの一部となり得る図書館の貸出履歴を利用したサービスの提案が出てくる可能性も考えられます。しかし、ビッグデータの活用ルールが確立されていない現段階では、統計処理をするなど何らかの加工を行う場面も含めて、憲法上の思想・良心の自由にかかわる重大情報である図書館の貸出履歴を利用したサービスは行うべきではないと考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお伺いいたします。

 次に、中野区個人情報の保護に関する条例との関連でお伺いをいたします。

 この条例は、第2条で個人情報の定義をしていますが、各自治体の個人情報の保護に関する条例を比較してみますと、個人情報の定義は、他の情報と照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含むという文言があるかどうかで大きく2種類に分類できるようです。他の情報との照合に関する文言がある定義のほうが一般的であるようですが、中野区個人情報保護に関する条例の定義にはこの文言は含まれておりません。他の情報との照合に関する文言のある定義よりも、ない定義のほうが個人情報の定義が狭いようにも読めますし、また、少数派のほうの定義を採用しているということは、あえて個人情報の定義を狭め、関連した情報を何かに利用しようとする意図が条例制定時にあったのではないかとも考えられます。

 そこで、お伺いをいたします。

 ある情報を他の情報と照合して活用するということは、さきに述べたビッグデータの活用の中では普通に行われることでありますが、中野区個人情報の保護に関する条例で定められた個人情報の定義に、この他の情報との照合に関する文言が含まれていないのはなぜなのでしょうか。他の情報との照合に関する文言がある定義に比べて、そうした文言のない定義のほうが狭いように読める、この点に対する区の見解とあわせてお答えください。

 今、ニュースになっている武雄市の場合も、武雄市個人情報保護条例の個人情報の定義に他の情報との照合に関する文言はございません。中野区立図書館でも、現在、武雄市が考えているような貸出履歴を利用したサービスを行うことは法令上可能なのでしょうか。この点を確認して、この項の質問を終わります。

 最後に、その他で、生活保護についてお伺いをいたします。

 国会議員が人気タレントの親族の生活保護受給を問題視したことを契機に、先月ごろから生活保護に社会の関心が集まっております。当該国会議員の行ったことは、国会議員が個別の案件を取り上げ個人攻撃をしているようにも見える異様な行為です。生活保護の不正受給が許されないのは当然であり、我が会派もこれまでにさまざまな機会を通じて取り上げてまいりました。しかし、生活保護の問題は個人の問題ではなく制度の問題であり、また、生活保護の手前にあるはずの雇用や社会保障制度の問題です。極めてまれなケースを殊さらに取り上げて道義的に非難するのではなく、制度の趣旨を理解した上でデータに基づいて制度の本来的あり方を検討する、こうしたことこそが求められております。

 そこで、お伺いをいたします。

 まず、生活保護制度はそもそもなぜ必要なのでしょうか。改めて区の見解をお聞かせください。

 生活保護制度のあり方には改善するべき点も数多くあると思います。実務を行っている基礎自治体として感じている現行の生活保護制度の課題や問題点にはどういったものがありますでしょうか。また、それに対して区としては現在どのように取り組みを行っているでしょうか。この点を確認させていただきまして、私の今回の一般質問を終了いたします。ありがとうございました。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 森議員の御質問にお答えいたします。

 自治基本条例の位置付けについてという御質問であります。

 かつての御質問であった「憲法なのか」という、その御質問の関連ですけれども、憲法、少なくとも日本国憲法というのは天皇を象徴としている、その国民の統合であるとか、それから国民の権利、義務であるとか、それから代議制民主主義であるとか、それから法の、法規創造力といったような、国の統治全般にわたる基本的な法律であると、法規範であると、このように考えます。この法規範は、網羅性があると同時に、最高法規性というものがあることによって憲法として成り立っていると、このように考えます。そういうふうに考えてみますと、自治基本条例というのは、中野区という自治体の自治を憲法で定められ、我々に与えられた自治というものを十全に機能させるための仕組みをつくっている条例であると、このように考えます。

 したがいまして、憲法であるというふうに例えて言うかは別にして、自治体運営にかかわる人間が自治基本条例というものを十分に認識をして、これについて守りながら行政運営を行っていくということが非常に重要だと思っておりますし、区の職員がこの条例に基づいて職務を行っていると、これはもう当然のことと思っておりますし、この条例の趣旨を常に念頭に置いて職務に当たっていると、このように思っております。

 それから、その自治基本条例に基づく意見交換会やパブリック・コメントについて参加者数や意見が少なく形骸化しているように見えると、こういう御質問なんですけれども、私は必ずしもそのようには思っておりません。こうした意見交換会やパブリック・コメントなどを数で判断するという、そういう趣旨ではありません。ある意見の人の数が多いか少ないか、多く見えるか少なく見えるかというようなことで何かを判断していくとすれば、それはまさに議会というものの軽視、否定にまでつながっていくという大変重要な問題であると、私は考えます。意見交換会の意見やあるいは参加者数、あるいは意見の数といったようなものは、数が問題なのではなく、どういう立場の方がどういう御意見を言っているのか、このことをきちんとみんなでよく読み込んで判断をするべきだという、そういう意味だと思っております。我々行政を担当する側においても、また議会で判断をしていただく議会の皆さんにおかれても、その意見の内容で判断をしていただくと、このようなことだと思っております。

 したがいまして、意見交換会、パブリック・コメントについては適切な形態及び方法によって実施をしているところでありまして、自主的な区民参加を保障しているものです。

 それから、意見募集中のものや意見募集結果につきましては、中野区ホームページ内に一覧で公表をしておりまして、トップページから容易にアクセスできるようになっております。どなたにとってもだれもがアクセスできる条件をつくっておくということが大事であります。そういう意味で十分に条件を果たしていると思いますが、そうした趣旨から考えて、特定の方の参加に限られているソーシャルネットワーキング・サービスなどによる告知というのはそぐわない、そのように思います。

 また、意見募集に当たりましては、区民の皆様にわかりやすい資料を提示するよう心がけているところですが、これにつきましても常に本当にそうなっているかどうか、反省しながら顧みていくことが必要かと、このように思っております。

 それから、自治基本条例の見直しについては、先ほど来申し上げておりますように、適切に機能していると判断しているところでありまして、現時点での検証や見直しを行う考えはありません。

 私からは以上です。

     〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 区立図書館の指定管理者制度の導入につきまして、貸出履歴の取り扱いの御質問がございました。

 貸出履歴の取り扱いの状況でございますけれども、中野区立図書館では資料の貸出情報は返却と同時に消去しておりまして、貸出履歴は記録はしてございません。

 また、その考え方は何かという御質問でした。

 利用者の個人情報を保護する立場から貸出履歴を記録しないこととしております。また、利用者の秘密を厳守するよう運用を徹底しております。

 さらに、貸出履歴を利用したサービスを行うべきではないか、いかがかという御質問でした。現状のところ、貸出履歴についての取り扱いは今御答弁したとおりでございますけれども、こうしたことを原則として、今後、武雄市のようなサービスのあり方について十分検証し、よいものがあれば区としても区民サービスの向上のため検討していきたいというふうに考えております。

     

経営室長川崎亨登壇〕

○経営室長(川崎亨) 図書館に関する質問の中で2点お答えをいたします。

 初めに、個人情報の定義についてでございます。

 平成15年に制定をされました個人情報保護に関する法律では、個人情報の定義を他の情報と容易に照合でき、それにより特定の個人を識別することができるものを含むとしており、この法律の定義を引用している自治体が多いのではないかというふうに考えております。中野区の個人情報保護条例は平成2年3月に制定されており、法律の施行後もこの法律の定義を引用してございませんが、当区の条例では個人情報を個人生活に関する情報で特定個人が識別できるものと定義をしており、他の情報と照合することにより特定の個人を識別することができる情報も当然含んでいるものと認識をしているところでございます。

 次に、貸出履歴を利用したサービスを中野で行うことができるかというお尋ねでございますが、仮にですけれども、この貸出履歴を利用しようとする場合には個人情報保護審議会の審議を経る必要があると考えております。

 以上でございます。

    〔健康福祉部長田中政之登壇〕

○健康福祉部長(田中政之) 私からは、生活保護に関する御質問にお答えをいたします。

 まず、生活保護制度の必要性についての区の見解はということでございます。区といたしましては、日本国憲法、生活保護法に基づきまして、生活に困窮するすべての区民に対し必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長するために業務を執行しているものでございます。

 次に、生活保護制度の課題と対応状況についてでございます。

 主な課題といたしましては、自立促進の強化、それから医療扶助費の抑制、この2点と考えているところでございます。

 この対応策といたしましては、自立支援の強化のために、昨年度より新宿ハローワークと連携をいたしまして中野就職サポート事業を開始し、早期の就労支援に力を入れているところでございます。また、医療扶助費の抑制のためには、今年度から後発医薬品の利用促進の取り組みを始めるとともに、従来から実施しております頻回や重複受診の適正化の取り組みを強化することを考えているところでございます。

 私からは以上でございます。

     〔森たかゆき議員登壇〕

○16番(森たかゆき) 1点だけ答弁漏れがあったようなので、再質問をさせていただきます。

 パブリック・コメント、意見交換会の関係で、そこに示される資料、さまざまな議論を経た上でパブリック・コメントや意見交換会の手続にのるわけですけれども、そこにのせられた資料だけ見てもなかなか何が問われているのかわからないのではないか。なので、何を問うてパブリック・コメント、意見交換会を開催しているのか、こうしたことを区がわかりやすく要点を整理して区民に提示することも必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。このようにお聞きをいたしましたが、この点の答弁が漏れていたようなので、御答弁をお願いいたします。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 再質問にお答えいたします。

 私は、先ほど、意見募集に当たっては区民の皆様にわかりやすい資料を提示するよう心がけておりますというようなことを御答弁いたしました。「わかりやすい」の中に、おっしゃったようなことも含まれているべきだというふうに思っております。

○副議長(久保りか) 以上で森たかゆき議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 石 川 直 行

 1 子ども医療費助成制度について

 2 防災対策について

  (1)区民活動センターへの防災用具の配備について

  (2)帰宅困難者対策について

 3 中学校の武道必修化について

 4 その他

 

○副議長(久保りか) 次に、石川直行議員。

      〔石川直行議員登壇〕

○9番(石川直行) 平成24年第2回定例会に当たり、みんなの党の立場から一般質問をさせていただきます。

 まず、受益者負担の観点から、第1回定例会予算特別委員会の中で私から提案をさせていただいた中野区職員労働組合事務所の賃貸料有償化について、早々職員労働組合と協議をしていただき、今年度より年額107万5,000円余の使用料として歳入予算に計上され、新たな財源が生まれたことに関係部局各位に感謝するとともに、中野区及び中野区民を愛してやまない職員の集まりである中野区職員労働組合に対して改めて敬意を表します。

 さて、平成24年度の区政運営は大変厳しい財政運営のもと、公正で公平な分配を行い、責任ある政治を行うためにも区民の皆様に責任の共有をお願いしなくてはならないと考えております。同じく予算特別委員会の中で、「持続可能な地域社会の構築のため、すべての施策について一定の受益者負担が必要ではないか」との問いには、「今後も公平な負担を確保し維持していく」と答えております。

 中野区医師会新聞によりますと、区長は3月23日に医師会との対話集会の中で、ヒブワクチン及び小児肺炎球菌の助成のあり方について、「財源を確保するという観点からは中学までの医療費助成を削っていくなどの議論も出てくると思う」と発言されたと書かれております。新たな財源を確保するためには予算全体から確保する方法もありますが、この方法では予算が膨れる傾向もあり、やはり目的別に各部の政策の中から捻出する方法が現実的であります。区長のこの発言も、一つの医療政策を実現するためには他の医療政策の予算を削るということをおっしゃったのだと理解をしております。

 予防接種については、厚生労働省が来年度より対象を拡大するとの報道もありますが、同じ医療政策の中で受益者負担について大きな隔たりがあるということでは責任ある政治とは言えません。中学までの子ども医療費助成制度に関する24年度予算額は9億9,700万円余となっており、東京都が示している通院1回につき200円の自己負担をお願いすることにより、年間約30万回を超える通院回数を実態とすると6,100万円以上の財源が生まれてきます。また、自己負担とすることによる抑制分ははかりしれないのではないでしょうか。23区一律の施策であり、大変厳しい課題であることとは承知しておりますが、責任ある政治を持続して行うためには、区民に対しても真摯な説明を行うとともに責任の共有をお願いしなければなりません。まずは庁内で議論を始め、関係団体との調整を試みてはいかがでしょうか。

 また、これらに限らず、全施策について改めて点検・総括を行うことが必要と考えます。中野区における統治者として区長の御見解をお伺いいたします。

 次に、東京都が東京都帰宅困難者対策条例を制定したことに伴い、防災について2点お伺いいたします。

 昨年7月より、地域センターから区民活動センターに衣がえをして1年が経過いたしました。地域センター時は中野区職員が配置されており、防災服、ヘルメットをはじめとした防災用具一式が一人ひとりに貸与されておりましたが、現在の区民活動センターで働く事務局及び貸出業務に携わる業務委託先スタッフには何一つ用意されておりません。

 帰宅困難者対策条例の中で事業者の取り組みとして、事業所内にとどまらせる、3日分の水や食料の備蓄の2点が大きな柱となっております。区民活動センターの場合、災害時には地域本部となり、事務局員及び業務委託先スタッフは就業時間中であれば当然のこととして初期消火、救援・救護活動に協力していただかなくてはなりません。中野区地域防災計画の中でも事業所の責務として、防災対策に万全を期し、安全性の確保に努めなければならないとしております。現在の区民活動センターは、運営委員会が運営し、雇用主として事務局を雇用しておりますが、貸出業務に携わるスタッフに対して雇用形態は存在しておりません。施設管理者の責務として、少なくとも各活動センターに5人分程度の防災用具を常備することは必要なのではないでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 次に、帰宅困難者対策についてお伺いいたします。

 中野区における帰宅困難者の定義は、中野区民というよりはむしろ中野区在勤で発災時に帰宅できない、中野区以外の住民として帰宅断念者。そして、帰宅途中で中野区内を通過している中野区以外の住民である遠距離徒歩帰宅者を指しております。一方で、中野区民でありながら中野区外在勤の帰宅できない帰宅困難者対策の視点が見失われております。

 東京都の条例でも家族との連絡手段及び安否確認については、災害用伝言ダイヤルや携帯電話、ソーシャルネットワーキング・サービスなどを利用することと、情報提供のための体制整備を行うとしており、いわゆるIT弱者、デジタル弱者に対する有効な手だては確立されておりません。例えば、高齢者や障害を持つ家族と同居している場合にお互いの安否確認をとることができず、やむを得ず帰宅するための帰宅困難者が発生することが考えられます。発災時に開設される地域本部、避難所、または地域で進めている支えあい活動などを活用し、実践的かつ有効的な安否確認がとれる中野区独自の方法を検討することが必要だと考えますが、いかがでしょうか。

 帰宅困難者対策は国や都に任せるべきとの考え方もありますが、我々が体験した3.11東日本大震災を教訓として、最悪を想定した防災対策のみでは避難所開設時における運営が機能的に対応できなかったことについて真摯に反省をし、被害想定を段階的に想定した防災対策を検討するべき段階に来たと考えております。御所見をお伺いいたします。

 次に、区立中学校武道の必修化についてお伺いいたします。

 この武道必修化は、2006年自民党安倍政権時に教育基本法が改正され、教育目標に伝統と文化の尊重が盛り込まれ、本年2012年度より中学1、2年生で実施されております。区立中学校11校中、柔道を選択しているのは10校、剣道1校となっており、これは学校側の選択で決められ、生徒が選択できる仕組みにはなっておりません。また、1年間で10時間程度の授業数では基本動作までの習得は難しいと言わざるを得ません。さらに、部活動においては、生徒同士の技のかけ合いから重大事故につながるケースも確認されており、指導者講習が新たに実施されていると承知しております。本来の目的は、教育理念として、基本動作や基本となる技を身につけることより、我が国固有の文化である武道を通して人間形成をつくり上げるとともに、武道という戦いの手段であるからこそ、相手を尊重し、礼を尽くすことを教える人間修養に重きを置くための必修化ではないでしょうか。

 さて、中野区には中野区剣道連盟をはじめとし幾多の剣道道場、剣道教室が開設され、23区の中でも際立った剣道人口を有しております。剣道を通して、青少年の健全育成とともに、さきの人間修養の場として日々子供たちを鍛錬しているところであります。また、中野区内在住の剣道4段以上の指導者は260名以上おり、うち60歳以上のシニア世代は中野区剣道連盟に登録されている方だけでも100人以上おられます。こうした方々を外部講師として招き、武道の歴史の中から礼節を覚え、基本動作を学ぶことは大変重要であります。

 教育委員会は、今申し上げた中野区の武道における現状、属性を中学校に的確に情報として伝えているのでしょうか。お伺いいたします。

 また、現在の学校の判断で選択する方法から、子供たちが選択できる方法を視野に入れ、例えば、中学校入学前に子どもたちにアンケート調査を行い、子供たちの意見を取り入れることにより、押しつけられた必修科目ではない、責任感も生まれてくるのではないでしょうか。御所見をお伺いいたします。

 以上をもって一般質問を終了させていただきます。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 石川議員の御質問にお答えをいたします。

 医師会でのお話し合いで私が申し上げたことについては、思ったことを思ったとおり申し上げていますけれども、そうするというふうに言ったわけではございませんのでその点は確認をしておきたいとこのように思っております。

 それで、子ども医療費助成制度は、適切な医療を子どもが受けやすくなることで子どもの保健の向上とすこやかな育成を図る目的で実施をしております。最近の子ども医療の動向は、15歳未満の人口が横ばいであるにもかかわらず医療費の増加が続いております。これは当初の目的とは異なる予防的な利用傾向がふえていることの要因と考えられるのではないか、そのように思います。そういった状況をとらえ、他区においては制度の見直しを行っているところがあると聞いております。

 なお、この制度は23区が一律に定めているものではなく、各区独自事業として行っているものであります。区としては、制度の目的を踏まえて、今後、そのあり方について考えていきたいと、こう考えております。

 それから、全施策の点検について行うことが必要ではないかと、中野区では従来から「目標と成果による区政運営」を行っているところであります。PDCAサイクルの考え方によって、すべての事業について成果を成果指標と目標値で評価をして、評価結果を改善につなげていくという取り組みを行っているところであります。すなわち、このサイクルの中で全施策について常に点検・総括をしながら改善方を図っていると、このように御理解いただきたいと思います。

 それから、区民活動センター受託者への防災用具の配備についてであります。

 防災体制は、区の職員をもって編成されております。地域においても災害時には地域本部として機能できるよう、指定された職員が直ちに区民活動センターに駆けつけ、機動的に動く体制になっております。地震や火災などの災害時に区民活動センターにおいて勤務している運営委員会事務局職員及び受付窓口などに従事している受託事業者のスタッフの果たすべき役割、これについても今後運営委員会や利用者の御意見などを聞きながら明確にしていきたいと考えております。その明確になった役割の中で必要な備品や装備について確保していきたいと、このように考えております。

 それから、帰宅困難者対策についてであります。

 まずは、各家庭において、災害時伝言ダイヤルの活用や昼間に災害が起こった際の連絡方法等について、必要に応じて隣近所の方の協力も得ながら、話し合って決めておいていただくということが大切だと考えております。区としても、平常時の見守り・支えあい活動を災害時の対応にどのように生かしていくことができるのか、今後検討していきたいと考えております。その中で安否確認の支援といったようなことができるかどうか、このことについても視野に入れて研究してまいりたいと、このように考えております。

 私からは以上です。

     〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 中学校の武道必修化についての御質問がございました。

 中野区におきましては、武道にかかわるさまざまな団体が活動しており、有能な人材を有していると認識しております。剣道も例外ではないというふうに認識をしておりまして、こうした情報は適宜学校に情報提供しております。

 武道の授業の実施に当たりましては、指導教員や施設、備品等の状況が大きくかかわっておりまして、それらを踏まえ、学校が教育課程を編成し、内容を決定しているところでございます。

 また、子どもたちが選択できるようアンケート調査を行ってはという御質問でした。アンケート調査は行ってございませんけれども、生徒が意欲的に授業に取り組めるような方策については導入時の意識づけや指導内容の工夫等も含めまして研究してまいります。

○副議長(久保りか) 以上で石川直行議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○副議長(久保りか) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

      午後4時44分延会