平成24年09月24日中野区議会本会議(第3回定例会)
平成24年09月24日中野区議会本会議(第3回定例会)の会議録
24.09.24 中野区議会第3回定例会(第3号)

.平成24年(2012年)9月24日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(42名)

  1番  若  林  しげお         2番  高  橋  かずちか

  3番  木  村  広  一        4番  甲  田  ゆり子

  5番  小  林  ぜんいち        6番  中  村  延  子

  7番  石  坂  わたる         8番  後  藤  英  之

  9番  石  川  直  行       10番  内  川  和  久

 11番  ひぐち   和  正       12番  いでい   良  輔

 13番  白  井  ひでふみ       14番  平  山  英  明

 15番  南     かつひこ       16番  森     たかゆき

 17番  いながき  じゅん子       18番  林     まさみ

 19番  小宮山   たかし        20番  浦  野  さとみ

 21番  伊  東  しんじ        22番  佐  野  れいじ

 23番  北  原  ともあき       24番  吉  原     

 25番  小  林  秀  明       26番  久  保  り  か

 27番  酒  井  たくや        28番  奥  田  けんじ

 29番  近  藤  さえ子        30番  金  子     洋

 31番  長  沢  和  彦       32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  やながわ  妙  子       38番  佐  伯  利  昭

 39番  むとう   有  子       40番  か  せ  次  郎

 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  金 野   晃

 副  区  長  阪 井 清 志      教  育  長  田 辺 裕 子

 政 策 室 長  竹 内 沖 司       経 営 室 長  川 崎   亨

 都市政策推進室長 長 田 久 雄      地域支えあい推進室長 瀬 田 敏 幸

 区民サービス管理部長 登   弘 毅    子ども教育部長、教育委員会事務局次長 髙 橋 信 一

 健康福祉部長   田 中 政 之      保 健 所 長  山 川 博 之

 環 境 部 長  小谷松 弘 市      都市基盤部長   尾 﨑   孝

 政策室副参事(企画担当) 野 村 建 樹  経営室副参事(経営担当) 戸 辺   眞

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  篠 原 文 彦      事務局次長    青 山 敬一郎

 議事調査担当係長 佐 藤   肇      書     記  関 村 英 希

 書     記  河 村 孝 雄      書     記  東   利司雄

 書     記  丸 尾 明 美      書     記  土 屋 佳代子

 書     記  細 川 道 明      書     記  江 口 誠 人

 書     記  鈴 木   均      書     記  永 見 英 光

 書     記  竹 内 賢 三      書     記  香 月 俊 介

 

 議事日程(平成24年(2012年)9月24日午後1時開議)

日程第1 第52号議案 平成24年度中野区一般会計補正予算

     第53号議案 平成24年度中野区介護保険特別会計補正予算

     第56号議案 中野中学校新校舎建設に伴う電気設備等工事請負契約

     第57号議案 中野中学校新校舎建設に伴う給排水衛生設備及びガス設備工事請負契約

     第58号議案 中野中学校新校舎建設に伴う空気調和設備工事請負契約

     第60号議案 妙正寺川鷺の宮調節池人工地盤整備工事委託契約

日程第2 認定第1号 平成23年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

     認定第2号 平成23年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第3号 平成23年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第4号 平成23年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第5号 平成23年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について

日程第3 中野区の財政の健全化判断比率について

 

      午後1時00分開議

○議長(大内しんご) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 9月21日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 小 林 ぜんいち

 1 震災・防災対策について

 2 建築行政について

 3 就労支援事業について

 4 地域支えあいの推進について

 5 その他

 

○議長(大内しんご) 初めに、小林ぜんいち議員。

     〔小林ぜんいち議員登壇〕

○5番(小林ぜんいち) 平成24年度第3回定例会に当たりまして、公明党の議員団の立場から一般質問をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

 中野の安全で安心なまちづくりのために、1、震災・防災対策についてお伺いいたします。

 初めに、避難可能施設の導入についてお伺いいたします。

 昨年の3.11大震災から1年半が過ぎました。災害対策基本法の規定に基づき、国が、そして東京都が地域防災計画の見直しを行い、中野区でも地域防災計画の見直しが進められています。

 9月2日、私は区立第十中学校で行われた中野区総合防災訓練に参加しました。町会の方と防災広場に集まり、十中へ向かうのですが、徒歩で約20分かかりました。実際にはもっと時間がかかると思います。山手通りを渡る際には、信号で一度に全員が渡り切れず、町会の方々がばらばらになってしまいました。そこで私は、これまで事務所、マンション等の民間建物を防災拠点にと提案してまいりました。具体的に動き出す時が来ていると考えます。

 東京都地域防災計画によりますと、事業所の役割として、帰宅困難者対策は従業員等が事業所内に待機できるよう、3日分の必要な水、食料、毛布などの物資の備蓄に努めるよう防災強化を求めています。また、帰宅困難者・中間報告には、一時滞在施設、ステーション機能をつくるよう求めています。

 中野区の避難者数は、4月の東京都の被害想定の見直しで7万6,807人と想定されました。区は今、都に先立って具体的に手をつけていけるところから始めるべきと考えます。

 港区では、防災対策基本条例において、災害の規模その他の状況により、避難所の使用が困難な場合に備え、区長は事業者等と連携を図りながら協力を得て、避難所の機能を一時的に代替する施設を確保するよう努める旨が規定されています。

 中野区においても、災害の状況によっては現在の避難所だけでは不十分となることも想定されることから、港区のような例を踏まえ、一定規模以上の施設を建設する事業者に対し、避難所の機能を一時代替したり、避難所に向かうことや過ごすことが困難な区民が一時滞在する機能を建物内に確保することを求めてはいかがでしょうか。これからできるであろう施設に受け入れ一時滞在施設、避難代替施設の設置を義務化、条例化してはいかがでしょうか。

 国は、防災意識の高まりから防災部分へインセンティブを与えるため、防災備蓄倉庫、蓄電池、自家発電、貯水槽の一部を延べ床面積から不算入とする建築基準法施行令の改正を先日9月20日に施行いたしました。中野区の防災対策を進めるため、民間の活力を利用し、区でできることとして、中野区集合住宅の建築及び管理に関する条例に区独自のインセンティブを加え、条例改正をしてはいかがでしょうか。

 今年3月25日、中野区障害者防災委員会が企画したシンポジウム「東日本大震災から1年 ~障害者へのアンケートから学ぶ~」で、障害者各団体からの方々も、私たちの施設も避難所にしてほしいとの声がありました。障害者施設、老人福祉施設などが入る区有施設を中野区地域防災計画で定める避難所とは異なる福祉避難施設にしてはいかがでしょうか。避難所には災害時要援護者の方々に専門性の高い職員等が対応する体制を整えてはいかがでしょうか。災害時に環境の変化に対し、特に体調を崩しやすい妊婦さんや乳幼児を救護・収容できる妊婦専用避難施設を設けてはいかがでしょうか。また、これまで二次避難所としていない区立保育園、私立保育園と災害にかかわる協議、協定締結をしてはいかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 次に、消火栓、排水栓へ接続できる給水及び初期消火用スタンドパイプの導入・活用についてお伺いいたします。

 私は第1回定例会で、軽可搬ポンプにかわる新たな資機材、スタンドパイプの導入を提案してきました。スタンドパイプは、消火栓、排水栓に接続し、すぐに水を出すことができる、初期消火に大きく役立つ資機材です。価格も軽可搬ポンプに比べ5分の1程度と安く、女性でも取り扱いが容易な利点もあります。現在、消防署では防災訓練の折、スタンドパイプを使って消火栓から取水し、消防団や町会の方に消火活動ができるよう使い方の訓練もあわせて行っています。また、スタンドパイプは給水管の断水、切断のない限り、応急給水にも活用できます。区は消火栓、排水栓へ接続できるスタンドパイプの導入と活用に向け、東京都、消防庁とも連携の上、具体的な検討をしてはいかがでしょうか。

 東京消防庁と水道局は今年5月、水道管の排水栓を木造密集地域で地域住民が震災時等の初期消火に利用できるよう決めました。排水栓は水道管の端の部分に取りつけられ、細い路地の行きどまりに設置されていることが多い。構造は消火栓とほぼ同じ。道路幅が狭く消火栓を設置できない木密地域の初期消火に活用が可能です。排水栓のうち、そのまま消火栓として利用できる箇所を自主防災組織が初期消火に使えるよう整備するとのことです。区内には簡易排水栓が209カ所、排水栓が6カ所あり、今後この口径がスタンドパイプに合うよう整備も進められるとのことです。

 このようなことから、木密地域・先行モデル地区への地域防災会、防災倉庫へスタンドパイプを導入し、活用すべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。

 次に、避難所の非構造部材の耐震対策についてお伺いいたします。

 現在進められている学校の耐震化工事は、学校施設とともに避難所施設としても最重要課題です。しかし、昨年の3.11大震災の折には、柱や壁など構造体の損傷だけではなく、天井材や照明器具カバーが落下した事故が都内でも発生しています。特に天井の高い体育館、ホールなどでは被害も大きくなりました。そこで、避難所施設となる区内学校などの天井や照明器具、窓ガラスなどのいわゆる非構造部材を3.11以降、耐震対策として専門の技術を持った方などによる点検は行ったのでしょうか。大事な未来の宝である児童・生徒の皆さんだけではなく、多くの避難者が集まる学校などで事故が起きてからではなく、防災、減災のためにも点検、震災対策を積極的に進めるべきではないでしょうか。御見解をお伺いし、この項の質問を終わります。

 2、建築行政についてお伺いいたします。

 初めに、まちなみ誘導型地区計画の導入へ向けてお伺いいたします。

 私はかねてより、中野の環境とまちづくりのために、また中野らしいまちなみの整ったまちづくりを進めていくことがこれからの中野に必要と求めてまいりました。区内で用途地域が商業地域や近隣商業地域であるにもかかわらず、建てかえに当たって建築基準法の規制がかえって厳しく、既存建築物よりも小さな規模の建物しか建たないケースがあります。例えば中野駅南口五差路付近には、容積率600%の地域でありながら、道路条件が悪く、敷地の前面道路が12メートル未満であることから、道路幅員による容積の制限、また特定道路からの距離による制限の緩和も受けることができない場所があります。また、南台や弥生町には建てかえに当たり耐火建築物への助成金が受けられる制度があるにもかかわらず、北側斜線や道路斜線制限のため、建てかえると既存建物よりも規模が小さくなり、メリットがないと思われている方がいらっしゃいます。このような斜線制限などネックとなる課題を、インセンティブを付与するなど活用しやすく改善してはいかがでしょうか。

 区域を限って敷地面積の最低限度を定めた内容に適合した場合、前面道路幅員による容積率制限の適用除外や斜線制限の適用除外など、緩和措置が盛り込まれた中央区にもあるまちなみ誘導地区計画など、中野でも導入することを検討してはいかがでしょうか。これには民間建主、事業主などの民間活力を生かすことが必要であると思います。地域の活性化が促進するよう、建築行政面で寄与すべきではないでしょうか。

 また、空中権の移転、例えば東京駅周辺のように他の地域では使えない空中権、容積率などを中野駅周辺などで民間活力を利用し、中野らしく活用してはいかがでしょうか。財政の活性化にも大きくつながると思います。具体的に検討してはいかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 次に、耐震診断後の工事トラブル未然防止対策についてお伺いいたします。

 昨年の大震災の後、耐震診断の区への依頼が、例えば木造住宅の簡易診断については、一昨年、平成22年度には65件、昨年、平成23年度は225件、そして今年度は4月からの5カ月間で既に約200件と大きく増加していると聞きます。私が区民の方から受ける御相談で、リフォームをはじめ、耐震診断後の耐震補強工事にかかわるトラブルが特に多くあります。区民の多くはリフォームなどの依頼の仕方がわからず、多額の費用が発生する施工者などを見きわめることさえできません。施工者から詳しい工事内容や工期、工事金額などの説明がなく、工事の契約もせず、でき上がってから、思っていたようにできていないとトラブルになっています。悪質性のある業者は区外施工者に多いようです。トラブルを減らすためにその業者対策をつくり、悪質な業者は名前を公表するなどしてはいかがでしょうか。また、耐震工事利用者には工事業者の案内、正しい施工方法、工事監理方法などの案内用紙を添付し、注意喚起を促す対策も必要と思います。

 耐震改修施工者をホームページ、区報などで周知徹底するよう努めてはいかがでしょうか。また、耐震改修施工者については優良企業推奨マークを設けるなど、制度化してはいかがでしょうか。区にもリフォーム等に関する窓口を兼務でも創設すべきではないでしょうか。また、公益法人等の専門家団体を案内するなど、具体的な対策をとってはいかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 次に、木造密集地域、木密地域不燃化10年プロジェクトについてお伺いいたします。

 このたび8月31日の東京都発表、木密地域不燃化10年プロジェクト、不燃化特区先行実施地区に弥生町三丁目周辺地区が決定を受けました。木密解消への一歩として大きく期待しています。私は昨年12月、第4回定例会と今年第1回定例会で、東京都の木密地域不燃化10年プロジェクト、木密地域を解消するために手厚い支援で住民に建てかえを促す不燃化特区制度の先行実施地区への応募を提案してきました。我が会派のやながわ幹事長、自由民主党の市川幹事長からも同様の質問がありました。

 弥生町は東京都の防災都市づくり推進計画の重点整備地域に指定されており、中野区は今年3月、災害時に十分な避難路確保と安全なまちにするため協力し合う木密地域の整備、弥生町地域まちづくりに関する協定を、UR(都市再生機構)と締結しました。区は弥生町三丁目周辺まちづくりに当たり、UR(都市再生機構)や民間事業者の参画を得ることによって何が具体的にでき、進めることができるのでしょうか。今後、弥生町三丁目周辺の整備プログラムを作成するに当たって、地元の皆さんの意見を踏まえながら進めていくことが大事と思います。区の考えはいかがでしょうか。東京都からの特区を活用し、規制緩和、税制優遇措置、都有地の活用など、民間の力もかりて不燃化のさらなる推進を図っていくことが大事と思います。御見解をお伺いし、この項の質問を終わります。

 3、就労支援事業についてお伺いいたします。

 初めに、生活保護受給者の就労支援についてお伺いいたします。

 現在、病気や経済的な理由などにより、今のままでは生活を続けていくことが困難な方々が毎年増加しています。中野区での生活保護費はおよそ142億円、ここ数年は毎年ほぼ10億円ふえており、国からの受託事務とはいえ、区の財政負担の大きさを考えると、区として対策を強化しなければならない喫緊の課題だと考えます。

 埼玉県では、民間企業で働いた経験を持つ支援員が就業訓練から再就職まで支援する制度を確立し、平成23年度、約2億5,500万円の事業費で就労支援員を43人設け、就職した方が618人、生活保護廃止が96人、その結果、生活支援費を約4億3,000万円削減することができました。また、横浜市では平成23年度に約2億円の事業費で就労支援専門員を48人設け、就職した方が1,969人、生活保護廃止が519人、その結果、生活支援費を約8億5,000万円削減することができました。

 中野区では、今年2月から中野区役所2階、生活援護の相談窓口隣にハローワークの窓口を設置し、「福祉から就労」のスローガンのもと、迅速な就労支援を実現したことはすばらしいことと評価いたします。長く就職していなかった方、就職をしてくることができなかった方々には、就労への不安や戸惑いがあります。そこで2月から今月まで、就労支援の成果についてお伺いいたします。

 また、区にも就労支援員が配置されていると聞きますが、どのような職員がどのような業務を行っているのでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 次に、就労意欲喚起事業の創設についてお伺いいたします。

 生活保護受給者と一口に言っても、当然のことながらその状況はさまざまです。中には長期離職者、高齢者、障害者、稼働世帯と言われる若い世代、ひとり親、再就職を目指す女性、引きこもりがちな人、何らかの精神疾患を抱えて就労が難しい人など、お一人おひとり違った事情があると思います。また、受け皿の少ない発達障害などによる方々、お一人おひとりの幸福を願い、社会の中でどう支援していくか。早期発見とともに早期支援も求められています。

 こうした中でハローワークにつなぎ、一定期間のうちに就職ができる人はよいのですが、なかなか難しいケースもあります。むしろ、そのような方のほうが多いのではないかと思います。そのような方には中間的就労や福祉的就労などを紹介し、徐々に一般的な就労につなげていくよう支援が必要と思います。また、中には就労により生活を安定させていきたいと考えていらっしゃる方もいます。ハローワークとの一体的な就労支援が軌道に乗って成果が出てきた現状を踏まえ、さらに踏み込んでお一人おひとりの課題に合った就労意欲を喚起するような支援を重層的に展開すべきと考えますが、いかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 次に、就労支援を促進する体制の整備についてお伺いいたします。

 お一人おひとりの課題に合った就労意欲を喚起するような支援を重層的に展開していくために、さまざまな分野、領域からの総合的なサポートが必要となってくると思います。

 大阪府豊中市では「パーソナル・サポート」を、内閣府と厚生労働省のモデル事業として三つの取り組みを行いました。一つは、地域就労支援等の地域における雇用・就労支援の取り組み、二つに、市が担当する事業の就労支援、三つに、社会福祉協議会のコミュニティソーシャルワーカーの取り組みです。その上で地域就労支援センターを設け、就労の支援をしています。体制として、就労相談員をはじめ発達障害支援員、看護師、精神保健福祉士、キャリアコンサルタント、企業開拓員などがチームをつくり、応援体制をとっています。

 そのほか新潟県三条市では「子ども・若者サポートシステム」で、関係するすべての部署がお互いに情報交換を行いながら、お一人おひとりをサポートしていくシステムを設けています。

 また、足立区では引きこもり対策として就労支援課を設け、取り組んでいます。

 中野区でも、就労訓練から再就職までを一貫して支援する就労支援の専門員を設ける制度を確立し、就労をふやす方策をとってはいかがでしょうか。そのためにも生活援護分野、産業・都市振興分野などかかわりのある分野の窓口をできるだけ一本化し、情報の交換などを行う、庁内における就労支援のバックアップ体制を整える必要があるのではないでしょうか。また、社会福祉協議会、シルバー人材センターなどと体制を組み、就労支援を充実させてはいかがでしょうか。御見解をお伺いし、この項の質問を終わります。

 4、地域支えあいの推進についてお伺いいたします。

 初めに、見守り対象者名簿、要援護者名簿の活用についてお伺いいたします。

 先日9月17日は「敬老の日」。地域では敬老会などが開かれましたが、参加者は決して多くありませんでした。それは地域でのかかわり合いが少なくなってきたことなどとあわせ、さまざまな理由で、他の方に私を知られたくないと考える方々もいらっしゃいます。区では、地域で地域の高齢者を支えていこうと、中野区地域支えあい活動の推進に関する条例をつくり、町会・自治会に見守り対象者名簿を提供しています。現在までに区内110の町会・自治会のうち34町会と、約3割の町会が名簿を受け取り、その活用を始めました。また町会・自治会では、地域防災会に提供される非常災害時救援希望登録制度に基づく要援護者名簿も受け取っています。これら二つの名簿があることと、町会で支えていく範囲と区の行う範囲が不明確であり、私たちはどの部分をどのようにしたらよいのかと、戸惑いの声をお聞きします。

 それぞれの名簿がお互いに生かされるよう、活用方法を明確にすべきと考えますが、いかがでしょうか。また、町会・自治会と区が行う範囲や連携についてお互いに再度確認し、活用を進めるべきではないでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 次に、町会・自治会の名簿活用についてお伺いいたします。

 見守り対象者名簿の提供を希望すべきかと、まだ検討されている町会・自治会も多いと思います。ある町会では、早速名簿から地図にお宅をマークし、担当する班長さんが日ごろから見守るため、例えば回覧板や敬老会など地域の催しの御案内と、欠席された場合には品物をお届けするなどお宅訪問し、見守りを行っています。

 一方、ある町会では、名簿を受け取ってみたものの、見守り効果が発揮できるようにするために検討会や学習会を持とうと思うが、なかなか進まないとおっしゃる方もいます。地域の見守りといっても、さまざまな日ごろからの活動が必要であり、やり方によっては多くの労力を必要とします。

 そこで、これまで名簿提供を受け、活用している町会・自治会でのさまざまな工夫や活動事例を紹介する場を持ってはいかがでしょうか。また、まだ見守り対象者名簿を受け取っていない、または受け取りを検討されている町会・自治会の方々にも参考となり、活用が進むよう、情報共有の機会を持つべきと考えますが、いかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 次に、町会・自治会支援へ向けて、区の体制強化についてお伺いいたします。

 地域では、支援を必要とする方々に対し、町会・自治会とのつながりや人間関係など、その方を取り巻く環境に考慮した支援が行えるよう、専門的な知識のある方が必要になってきています。支援方法は、地域を基盤とする活動やサービスを調整し、支援を必要とする人に結びつけることなど、制度を活用して連携していくこともあります。

 中野区は区内を4圏域に分け、すこやか福祉センターを設けています。4圏域には、例えば再任用された行政のプロ中のプロの皆さんがいます。これからは福祉のプロになって、今までのキャリアを地域で生かしてほしいと思います。

 保健師さんや福祉の専門家の方もいますが、例えばこの方々に専門職の一つとして、コミュニティソーシャルワーカーなどを取得し、地域支えあいの中心になるよう推進してはいかがでしょうか。見守り・支えあい本来のあり方は、顔が見えるよう地域に出て現実と向き合って進めていく。そして、すべての人を見守り・支えていくことは、力ある人、再任用された方などが地域でそのノウハウを生かし、リードし推進していくことと思います。

 町会・自治会で見守り対象者名簿の活用のためにも、さらに区の支援体制を強化していくことが必要と考えますが、いかがでしょうか。御見解をお伺いし、この項の質問を終わります。

 5、その他。その他は1件です。

 中野区独自の原動機付自転車ナンバープレート交付についてお伺いいたします。

 中野区が今、注目を集めています。それは四季の都市(まち)をはじめ北口のさまざまな整備が進み、これから大勢の方々が中野へやってくる。世界の観光客からも、中野へ行ってみたいと言われています。観光協会の設立などもあり、これからはさらに「世界の中の中野」として注目を集めていくことと思います。

 そこで、中野区で交付している原動機付自転車、排気量が125cc以下のバイク等のナンバープレートを、中野区をイメージするキャラクターやモチーフを入れた中野独自のナンバープレートに変えてはいかがでしょうか。まちの中を細かく走る原付が「中野の広報車」として、広報効果も大きなナンバープレートをつけて走ることは、観光・産業振興にも大きく役立つのではないでしょうか。また、区役所をはじめ警察、郵便局、区内企業の保有する原付などにも取りつけてもらえるよう、積極的に働きかけてはいかがでしょうか。

 ナンバーの形、キャラクター、図柄など図案は、区内にいる有名な漫画家やデザイン学校などもありますし、また、区民の皆さんに周知する意味でも広く公募してはいかがでしょうか。これからの中野をアピールするよい機会になると思います。ぜひ作成、交付してはいかがでしょうか。

 御見解をお伺いし、私のすべての質問を終了いたします。大変にありがとうございました。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 小林議員の御質問にお答えいたします。

 震災・防災対策施設の導入促進についてであります。震災時の一時滞在施設の設置を一定規模以上の建物に一律に求めるということは難しいと考えていますが、安全性に問題のない建物を震災時いかに有効に活用するかというのは大変重要な課題と認識しているところです。そのためどのような方策が有効であるのか、今後検討していきたいと考えているところです。

 また、現在運用中の集合住宅の建築と管理に関する条例において、防災施設設置の状況に応じて規定を一部緩和することなどについても検討していきたいと考えております。

 避難所について幾つかの御質問がありました。避難所生活が長期に及ぶような場合には、要援護者を含め避難者からさまざまな要望が出ることが想定されるわけでありますので、医師会等の関係団体や専門ボランティア等の協力も得ながら、保健師や栄養士等を適宜・適切に避難所に派遣するようにしていきたい、このように考えております。

 また、障害者の施設などで、その施設を避難所として使うことができないかといったお声があるということも承知をしているところです。今後、避難所のあり方、また二次避難所の開設の仕方等を検討していく中で、そうしたことも課題に検討していきたいと考えております。

 それから、妊婦や乳幼児の専用施設の設置であります。多くの避難所では、災害時要援護者用の避難スペースを設けております。避難者が少ない場合には、妊婦や乳幼児の専用室を指定するなどの対応が可能だと考えておりますが、避難者が多い場合には、要援護者用の部屋に避難していただくことになると考えております。また、避難所での生活が困難になったといった乳幼児親子等については、避難所では十分に対応できないような場合、乳幼児親子を対象とした二次避難所を開設して救援・救護活動を行っていきたい、このような考え方で進めております。

 それから、被災孤児、被災乳幼児親子等を受け入れ対象としている乳幼児対象施設の二次避難所は、現在25カ所を指定しております。そのうち保育園については、区立と民営を合わせて13園を指定しております。二次避難所につきましては、被害の状況を見て、被災者の多い地域の施設を開設することを考えておりまして、保育園については、おおむね各区民活動センター区域当たり1カ所程度を指定していますが、この考え方についても、今後検証していきたいと考えております。

 それから、スタンドパイプの導入・活用についてであります。震災時の延焼火災につきましては、ライフラインが機能しない場合にも防火水槽やプールの水などを使用して消火活動ができ、消火能力も高い軽可搬ポンプの活用が最も効果的であると考えております。消火栓から取水が可能なスタンドパイプにつきましても、初期消火における扱いやすさなどが認められるところなので、東京消防庁とも協議しながら、どのような活用ができるのか検討を進めてまいります。

 また、スタンドパイプを導入する場合には、火災危険度の高い地域などを考慮して、導入について検討していきたいと思っております。

 それから、施設の非構造部材の耐震対策についての御質問もありました。学校を含みます区有施設につきまして、毎年、施設管理者の点検報告に基づいて、建築、電気、機械の施設の専門職員が安全点検を行っております。震災直後も各施設の天井板、それから照明施設の落下、空調機の設置状況など、19項目にわたって安全性についての調査を行いました。そして緊急度に応じて必要な改修を行ってきました。窓ガラスにつきましても、今年度、飛散等防止対策の実施状況調査を行い、その結果に基づいて対策実施に向けた事業化を検討しているところであります。23年度は、大規模空間を有する施設の調査を行い、もみじ山文化センター大ホール天井の暫定補強を行うとともに、本庁舎の1階ホールや、この本会議場の天井については本格的補強を行ったところであります。

 私からは以上です。

    〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、建築行政についての御質問にお答えいたします。

 まず、まちなみ誘導型地区計画の導入についてでございます。建てかえ誘導に当たっては、前面道路幅員の問題や、道路の取りつけなどさまざまな問題があり、御指摘のまちなみ誘導型地区計画も一つの手法と考えているところでございます。今後、まちづくりを進める中で地区の状況を勘案し、活用について検討してまいりたいと考えております。

 次に、容積率移転の適用についてという御質問をいただいております。容積率移転が可能となる特定容積率適用地区は、道路等の公共施設の整備水準が高く、法定容積率を上回る容積率で建物利用を行っても支障がない区域で定めることが望ましく、また、狭小な敷地への容積の移転は環境の悪化をもたらすおそれがあるため適当ではないとされております。容積率移転につきましては、さまざまな条件から区内に適用するのはハードルが高いと思いますが、今後、中野駅周辺などまちづくりを進める中で、さまざまな手法の一つとして検討しながら、よりよいまちづくりを進めてまいりたいと、そのように考えているところでございます。

 次に、耐震改修工事のトラブル防止についての御質問をいただいております。これまでも、あたかも区から依頼を受けたかのような説明をして、耐震改修工事を請け負うと説明する業者があるとの情報があり、区としてもホームページ等で注意を喚起するとともに、契約のトラブル等に関しては、消費生活センター等を紹介しているところでございます。御指摘のような悪質な業者等の氏名の公表につきましては、公表を行う東京都と連携して対応するとともに、耐震改修工事等を依頼する際のさまざまな注意点を説明したチラシの配布による啓発活動などを行い、対策を講じてまいります。さらには、区登録の耐震改修施工者の一層の周知、活用に向けた方策の検討を行うとともに、建築の専門家団体との連携強化なども取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、不燃化特区における民間事業者の参画についての御質問でございます。都市再生機構は、都市再生のための整備を行う権限が付与されており、基盤整備を行う事業体として位置付けられているところでございます。基盤整備に係る豊富な技術力、組織力を活用してまちづくりが円滑に進むことが期待できるところでございます。また同様に、専門性を有する民間事業者の参画は、その経験とノウハウをまちづくりに生かせることが期待されるものでございます。このような参画を得て、不燃化特区におけるまちづくりに取り組んでまいる考えでございます。

 以上でございます。

    〔健康福祉部長田中政之登壇〕

○健康福祉部長(田中政之) 私からは、就労支援事業についての御質問にお答えいたします。

 まず、ハローワーク窓口の成果についてでございます。区は、ハローワークと協定を結びまして、生活保護受給者などに一体的な就労支援を行うため、平成24年2月から中野就職サポート事業を開始したところでございます。2月から8月までで、中野就職サポート事業による就職者は83人でございまして、就労支援事業全体の就職者のおよそ35%でございます。

 次に、就労支援員についてでございます。区の就労支援員は、ハローワークや他の自治体で就労に関する相談や指導に従事した経験のある者を非常勤職員として配置しているものでございます。業務内容につきましては、生活保護受給者や離職者支援住宅手当受給者などを対象にいたしまして、就労に関する相談、情報の提供、履歴書や職務経歴書の書き方や採用面接の受け方の指導など、一人ひとりの課題に合った支援を行っているところでございます。

 次に、就労意欲喚起事業についてでございます。現在、生活援護担当では、就労支援員とハローワークナビゲーター、ケースワーカーが連携いたしまして、さまざまな課題によってすぐに就労につくことが難しい方に対しましても、継続的な面接相談を行いながら、御本人に合った就職先が見つかるように支援を行っているところでございます。また障害福祉担当では、一般就労が困難な障害者が当事者の意向や能力に応じた適切な支援が受けられるよう、ケースワーカーや保健師、中野区障害者福祉事業団のジョブコーチ等が連携をいたしまして、障害者就労支援事業所等、福祉的就労の場を紹介しているところでございます。今後も一人ひとりの課題に合わせ、就労意欲を喚起できるような支援に取り組んでまいります。

 それから、就労支援を促進する体制の整備についての御質問がございました。現在、区におきましては、中野就職サポート事業におきまして、障害福祉担当、子育て支援担当が連携して取り組んでいるところでございます。今後は産業振興担当など就労支援にかかわりのある部署とも情報の共有化を図りながら、どういった支援が考えられるか検討していきたいと考えてございます。また、社会福祉協議会、シルバー人材センターなど関係機関との連携につきましても、こうした検討の中で考えていきたいと思っているところでございます。

 私からは以上でございます。

  〔地域支えあい推進室長瀬田敏幸登壇〕

○地域支えあい推進室長(瀬田敏幸) 私からは、地域支えあいの推進に関連した幾つかのお尋ねにお答えいたします。

 まず、見守り対象者名簿と災害時要援護者名簿の二つの名簿の活用方法についてでございます。日常的な見守り活動によるさまざまな情報が、災害発生時の救援活動の際にも効果的に生かされることが見込まれます。このため、現時点においては区では両名簿を統一的に運用していくためのさまざまな課題の整理を行っているところでございます。今後は運用の具体化に向けまして、見守り・支えあい名簿を活用している町会・自治会、要援護者名簿を活用している地域防災会、また両名簿の統一的な運用管理に当たる区といったそれぞれの役割などを再整理する一方で、地域全体として活用する仕組みや、個々の地域の動きにも着目しながら、より効果的な活用が図れるよう取り組んでまいります。

 次に、見守り対象者名簿につきまして、未活用の町会・自治会への事例紹介の機会の確保についてお尋ねがございました。現在、既に各すこやか福祉センター単位で、一部ではございますけれども、町会・自治会を対象とした事例発表会や勉強会を行っているところでございます。今後は、すこやか福祉センターのエリアを超えた情報交換の機会も設けてまいりたいと考えてございます。

 それから、すこやか福祉センター職員の人材育成や機能強化についてのお尋ねがございました。すこやか福祉センターに勤務する職員は、今後、より専門性の向上やスキルアップを目指し、エキスパート職員認定制度による高齢・障害・子どもを対象といたしました総合福祉相談などに対応し得る人材育成に努めてまいります。また、専門知識やスキル・経験を兼ね備えた職員の人材活用も図ってまいりたいと考えてございます。こうした人材活用や人材育成に当たりましては、コミュニティソーシャルワーカーとしての役割など、御紹介いただいた事例も参考に研究してまいります。また、すこやか福祉センターの機能強化に当たりましては、リーダーの養成も含め、さまざまな視点から組織の充実を図っていきたいと考えてございます。

 以上でございます。

○議長(大内しんご) 質問時間は終了しております。答弁は結構でございます。

 以上で小林ぜんいち議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 伊 藤 正 信

 1 平成23年度決算と今後の財政について

 2 区民活動センターの運営について

 3 町会・自治会への加入促進について

 4 その他

 

○議長(大内しんご) 次に、伊藤正信議員。

      〔伊藤正信議員登壇〕

○33番(伊藤正信) 質問の順番を、2番、区民活動センターの運営と、3番、町会・自治会への加入促進についてを入れかえさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 平成23年度普通会計決算について伺います。

 平成23年度の決算額は、歳入総額が1,089億円、歳出総額が1,066億円となり、歳入から歳出を引いた形式収支は23億円余の黒字であり、これから翌年度に繰り越すべき財源を差し引いた実質収支は17億円の黒字となっております。単年度収支も3億2,000万円の黒字となりましたが、これに財政調整基金への積み立て、基金取り崩しを調整した実質単年度収支については2億5,000万円の赤字となり、実質単年度収支が赤字となったのは、平成14年度以降では平成21年度に次いで2番目であります。

 歳入の増の主な要因は、(仮称)本町五丁目公園や(仮称)南部防災公園の用地取得を用地特別会計から一般会計に引き取りや、(仮称)中央部防災公園の整備などに伴う国庫支出金及び都支出金の増によるものであります。

 特別区民税は、前年度比0.9%減の292億円となり、税率の改正によりたばこ税は増となりましたが、特別区民税が平成22年度から引き続き納税者1人当たりの平均所得が373万7,000円、昨年より2万円下がり、納税者義務者数の減少により5億円の減となっております。納税者1人当たりの平均所得は、特別区平均も410万8,000円と昨年度より下がったとはいえ、その差が開いております。この点をどのように分析しているのか、伺います。

 特別区税の主要な位置を占める特別区民税について見ると、徴収率は87.8%と、前年度の88.6%に比べ0.8ポイント下回り、平成18年度の91.6%をピークに5年連続の減少となっております。平成22年度には滞納整理支援システム及び住民税のコンビニ収納を開始し、利用者はふえているようですが、収納率の向上につながっているのか。収納率は23区平均と比べて下回る状況が続いているが、昨年度も徴収の取り組みを強化すると言っていましたが、効果はあったのか、さらなる取り組みを考えているのか、伺います。

 また、23年度の内訳を見ると、現年課税分が上回っているものの、滞納繰越分については下回っております。また、不納欠損額は3億1,300万と、前年度に比べほぼ倍増しており、収入未済額も増となっています。これまでの取り組みが十分な成果としてあらわれていないように思われます。このような実態についてどのように考えているのか。また、綿密な分析をし、検証する必要があると考えますが、どのように取り組んでいくのか、伺います。

 また、国民健康保険の徴収率は67.9%と、前年度の65.9%に比べ2ポイント上回っていますが、内訳を見ますと、現年分、滞納繰越分ともに増加しております。また、不納欠損額は前年度に比べ増、収入未済額は減となっております。保険料納入の口座振替促進強化や窓口改善など取り組みを行い、一定の評価はいたしますが、依然、一般財源からの繰出金で賄っております。その点をどのように考えているのか、伺います。

 歳出の状況を性質別に見ると、義務的経費は12.2%増の644億円となりました。主な要因は、公債費が公共用地先行取得等事業債費等の区債元金償還金の増により、前年度比86.9%増の134億円、扶助費が生活保護費と子ども手当の増により、前年度比6.4%増の283億円となったことです。一方、人件費は、職員数及び退職者数の減により3.9%減の227億円となりました。

 財政指標の状況を見ると、財政の弾力性を見る経常収支比率は、前年度の88.4%を4.6ポイント上回る93%と5年連続で上昇し、平成12年度以来11年ぶりの90%となりました。かつては100%を超えた時期もありましたが、この12年間で最も高い数字であります。また、特別区平均の86.4%を上回っております。この点をどのようにとらえているのか。また、公債費比率も平成15年度以来一けた台で推移していたものが、平成23年度は大きく上昇し、前年度と比較し5.5ポイント増の15.2%となりました。15%を超えたのは平成11年度以来12年ぶりであり、これも23区平均の5.7%と比較しても6年連続で上回る結果となっております。経常収支比率同様、この点をどのようにとらえているのか、企業会計的手法による分析での23年度決算をどのように見ているのか、伺います。

 義務的経費のうち、人件費は前年度から引き続き減少しましたが、扶助費が多く伸びております。この扶助費の中でも半分を占めるのが生活保護費であります。10年前の平成14年度は90億円であり、御承知のとおり年々ふえ続け、平成21年度には121億円、翌年度には12億円もふえ133億円、そして平成23年度は9億円もふえて142億円になりました。まさに民主党政権になってから生活保護費が年々ふえているように思います。全国的にも211万人の方が受けられており、中野区においても7,000人、6,000世帯が24年度現在も受けている状況であります。先ほども述べたように、人件費削減や事業見直しなどで削減努力をしても、それ以上の生活保護費の増加は今後の財政運営に大きな影響を及ぼすと考えます。

 中野区の特別区債残高は440億円、基金残高は363億円であります。景気の動向によっては歳入が減少する一方、まちづくりや大規模公園、学校再編や区有施設の老朽化など、用地取得費や整備費など多額の資金を必要とする行政需要がふえてまいります。先行き不透明な社会経済状況下にあって、将来にわたり持続可能で活力ある区政を実現するために、計画的な積み立てと繰り入れを行う必要があります。今後の財政運営について、区長のお考えをお聞かせください。

 次に、町会・自治会への加入促進について伺います。

 中野区には110の町会・自治会があり、それぞれ地域コミュニティ形成の基礎となっております。町会の主な活動としては、地域の祭礼や親睦行事など住民の交流のための活動、そして、今まさに期間中であります交通安全運動、防犯パトロール、非行防止、青少年育成、防火・防災、清掃や環境美化、資源回収、地域の支えあいや高齢者への支援活動、全国的に実施される人道的な募金への協力、住民相互の連絡や行政機関との連携など、幅の広い活動をしております。

 私は、町会・自治会の組織活動は、最大のボランティア活動だと思っております。区民のために住みよいまちをつくるのは行政の役割でありますが、行政の一方的な考え方でつくるのではなく、行政と区民が意見を出し、協力し合い、役割分担をすることで、よりよいまちづくりができるものと考えます。また、自分たちが住んでいる地域をよりよいものにしていくためには、そこに住む人たちが地域のこれからを考え、集い、話し合い、協力し合うことが必要であると思います。区長は、中野区の町会・自治会の組織をどのように考えているのか、伺います。

 近ごろでは、社会環境の変化に伴い、ライフスタイルや価値観の多様化、オートロック式マンションの多様化の増加などにより、地域とかかわる機会の少ない住民が増加する中、町会・自治会への加入が停滞し、地域活動への関心や参加が進まない状況であります。地域コミュニティの中心的な組織である町会・自治会の活動がより広範な住民に理解されて、気軽に参加できるような働きかけが一層重要になっています。中野区住生活の基本に関する条例の第17条には、区、住宅関連事業者は、集合住宅の建設及び管理に当たり、安全で活力のある住環境を目指すために良好な地域コミュニティが形成されるよう、当該集合住宅の居住者の町会、または自治会への加入を促進するよう努めなければならないと明記されております。

 中野区も都市化がどんどん進み、集合住宅やマンションが多く建設されております。町会・自治会の役員の方々が未加入世帯に加入促進を働きかけても、なかなか加入してくれない実例も多くあります。行政と町会・自治会の方々と一緒に訪問したり、連携して加入促進をしていかなければならないと思いますが、どのように考えているのか、伺います。

 区は2年前、町会・自治会へのアンケート調査を実施されました。108町会のうち93町会から回答をいただき、平均加入状況は54.1%でありました。2年前のデータですから、恐らく現在ではもっと下がっていると思われます。区としても未加入世帯に対してパンフレットを作成して配布することや、転入者への町会・自治会活動の周知や連絡先の提供、不動産業界等への協力要請、マンション建設情報の提供など積極的に取り組む必要があると思いますが、いかがお考えか、伺います。

 近隣同士が気軽にあいさつできる関係をつくり、地域行事への参加の声かけなど、よりよいコミュニティづくりに取り組むこと、町会・自治会が広範な地域住民が参加できるコミュニティ組織として、次世代に継承されていかなければならないと思います。

 次に、区民活動センターの運営について伺います。

 中野区は、昨年の7月に地域センターを区民活動センターに転換いたしました。1年が経過した中、区民活動センターを運営していく中でさまざまな課題や、あるいは区民からの要望、運営委員会からの要請などがあると聞いております。地域の最前線で地域を見守っている区民活動センターの運営状況はどのような状況でしょうか。運営委員会や事務局は問題なく順調に活動されているのでしょうか。お答えください。

 次に、運営委員会に対する区の支援策について伺います。区は、区民活動センターの運営委員会が雇用する事務局スタッフの採用活動を支援する目的で、地域活動コーディネーター養成講座を行っていると思います。これまでも多くの方々が受講されて、各区民活動センターの運営委員会から採用され、地域貢献の一助となっていると思います。しかし、区は一定期間で事務局員を交代させるといった方針を示しております。運営委員会が十分地域のことを考えた活動をしていくには、事務局員の役割は大変重要なことだと考えております。事務局員の採用や雇用期間に当たっては、地域に根差した活動を行うといった視点から、運営委員会や実際従事されている事務局員の皆さんの意見を十分踏まえて決定、運営していくべきと考えますが、区のお考えをお答えください。

 次に、運営委員会が行っている指定事業について伺います。今年度、四つの運営委員会で指定事業に取り組まれていると聞いております。指定事業は、それぞれの運営委員会で事業計画書を区に提出して選考を受け、決定されると聞いています。事業内容はさまざまですが、広報が十分でないため参加者が集まらず、せっかく経費をかけても十分な効果があらわれていない事業があると聞いております。鍋横区民活動センターでは、参加者が10名程度しか集まらない事業を行っていると聞いています。区の経費を使って行う事業であるならば、広く広報して、効果のある事業を展開するべきと考えますが、指定事業の選定に当たっては、十分協議して行われたのでしょうか。指定事業の選定方法やその考え方についてお答えください。また、今後の改善策についても区のお考えをお答えください。

 以上で終わります。ありがとうございました。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 伊藤正信議員の御質問にお答えいたします。

 1人当たり所得額ですが、中野区民1人当たりの平均所得が23区平均に比べて低い。この要因、詳しく分析しなければわからないところでありますが、中野区は比較的所得の低い年齢層である20代及び30代の納税義務者が多く、全体の約半数を占めている。このことがやはり影響としては大きいのではないか、このように考えています。

 区民税徴収率の分析、検証と今後の取り組みについてであります。滞納整理支援システムの活用などによって、効率的に事務を進めることは可能となりました。また、コンビニエンスストアでの納付は、納付件数の割合で38.5%となるなど、納付の利便性が高まったということは確実に言えるというふうに思っております。しかしながら、現在のところ、こうしたことが収納率の向上としてあらわれるまでには至っていない状況であります。今後とも収納率の向上に向けて全庁的な努力をしていかなければならない、こう思っております。財産調査や差し押さえによる滞納整理の徹底、また、全庁挙げての臨戸徴収強化対策、こうしたことを実施しております。

 それから、国民健康保険会計への繰出金についてであります。23区統一に行っている部分もあって、区の判断で削減できない部分もありますが、保険料の収納率と直接結びついている部分が大きいので、収納率向上に向けた取り組みを強化して収納額の増加を図り、繰出額をできるだけ縮小するようこれからも努力していきたい、こう思っております。

 それから、経常収支比率、公債費比率についてであります。23年度決算におきますこの両比率の上昇については、(仮称)本町五丁目公園、(仮称)南部防災公園の公共用地先行取得事業債を43億5,000万円償還したと。このことによって公債費が大幅に増加したということに由来しております。この公債費に充てるべき歳入ですが、国や都の補助金を2億1,000万円、それから特別区債を18億7,000万円充てています。この特別区債の18億7,000万円のほうは都区財調の財産費で算定されておりますので、いずれも、補助金といっても財産費といっても、この事業のための財源が特に手当てをされているということでありますので、いわゆる普通の一般財源とは違う数字がこの経常経費の中に入ったということで、経常経費の比率が大きく伸びた。また公債費の比率も大きく伸びたということであります。この二つの用地の償還については4年間続きますので、経常収支比率、公債費比率とも、この間はやはり高い状況が続くというふうに考えております。必ずしも一般財源を圧迫するものではないというふうに御理解をいただければと思います。

 それから、決算を企業会計的に分析しますと、全体としては貸借対照表、よくなっているということは言えると思いますが、減価償却費の累計額、これは前年に比べて52億円、これは毎年増加しますから、増加しておりまして、これが将来の負担につながっていくものとして注意をしていかなければいけないと思っております。

 それから、計画的な基金の積み立てと繰り入れと今後の財政運営ということであります。区税収入が伸び悩む一方で、生活保護費など扶助費が増大しております。この収支不均衡を調整するため、財政調整基金を繰り入れなければ予算が編成できない、この状況が続いているということであります。また、大規模な事業にあっても、特定財源や特別区交付金の財産費の確保などを行いながら、一般財源に過度な負担を及ぼすことのないような十分な財源的裏付けをもって事業を実施しております。

 こうした基金の繰り入れや、あるいは起債についての考え方ですけれども、毎年度、予算編成期に中長期の財政見通しであります財政運営の考え方の中で、公債費負担比率による公債費の管理とともに、計画的な基金の積み立てと取り崩しの見通しとして明らかにしているところであります。今後とも、この財政運営の考え方に沿った計画的な基金の活用を図り、持続的な財政運営に努めてまいりたいと考えております。

 町会・自治会の活動についてであります。町会・自治会は地縁に基づく自治組織として、地域における課題や支えあい活動などにおいて重要な役割を担っていただいております。区における区民自治の最も重要な、かつ最大の機関である、これが町会・自治会である、このように認識しているところです。防犯や防災活動に加えて、清掃協力や資源回収、交通安全など、幅広い分野にわたってこの活動がなければ区政が成り立っていかない、このような認識でいるところであります。

 この町会の加入促進についてですが、集合住宅の居住者の加入がなかなか進まないということは大きな課題だと認識しております。町会が加入促進をしていくに当たって、必要に応じて区の職員も同行するなど、町会・自治会と区が連携した取り組みをやっていく必要があると、このように思っております。未加入者の周知につきましても、ポスター、チラシなどを作成したり、町会とともにPRに努めているところであります。また、転入者への案内、不動産業者への協力要請などについても、これからも強化をしてまいります。

 区民活動センターの1年を経過しての状況であります。各区民活動センター運営委員会の皆さんには、さまざまな形での御苦労があったというふうに聞いておりますけれども、そうした皆様の真摯な御努力の結果として円滑な転換が図られたと、このように認識しております。こうした活動をさらに踏まえて軌道に乗せていただき、発展をさせていただければと考えているところです。

 それから、区民活動センター運営に関して、事務局スタッフの任期についてという御質問もありました。同一の者が採用される場合にあっては、連続して3回を超えないものと指針で示しました。これについて、この間それぞれの地域からさまざまな御意見が出ております。そうした御意見に真摯に耳を傾けながら、運営指針の趣旨を十分に御理解いただけるよう丁寧に御説明をしてまいりたいと思っております。

 それから、指定事業についてであります。指定事業については、暮らしやすい地域づくりに向けた取り組みの推進を後押しするという意味合いから、今年度設けました。書面の審査のほかヒアリングも行って、事業の実現性や効果を審査しました。手挙げ方式にすることで、運営委員会のモチベーションを向上するということもねらいとしておりました。今後は、この趣旨がより生かされるよう、各運営委員会が意欲を持って取り組みたいと思えるよう、改善できるものについて改善を図っていきたいと、このように考えております。

 以上です。

○議長(大内しんご) 以上で伊藤正信議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 高 橋 かずちか

 1 江古田合同住宅跡地整備について

 2 大災害に備えた減災対応について

  (1)首都直下大震災に備えた新たな防災センター設置の検討について

  (2)避難所運営と防災訓練について

  (3)災害備蓄用品の再点検について

  (4)その他

 3 中野区の実効性ある活性化策について

  (1)中野四季の都市(まち)区域内事業所との連携について

  (2)中野駅周辺地区の駐車場整備について

  (3)パーキング・パーミット制度について

  (4)産官学連携の具体策について

  (5)その他

 4 その他

 

○議長(大内しんご) 次に、高橋かずちか議員。

     〔高橋かずちか議員登壇〕

○2番(高橋かずちか) 平成24年第3回定例会におきまして、自由民主党の立場から質問をさせていただきます。質問内容は事前通告のとおり。その他の項目はございません。なお、項目3につきましては、その中での順番に変更がございます。よろしくお願いいたします。

 まず一つ目、江古田合同住宅跡地整備について質問いたします。

 UR都市機構が基盤整備後、民間に土地の譲渡や賃貸する開発スキームによって、今後整備が具体化していく江古田三丁目にありますこの計画地周辺は、小学校や幼稚園などの教育文化施設や、中野を代表する神社・寺院をはじめとした伝統文化地区、また江古田の森公園や病院等多く立地する健康福祉地区が存在し、地域住民の生活と密接なかかわりを持ちながら、良好な環境を確立している地域でもあります。そこで、まず初めに、この広大な住宅跡地開発に対して、建築・基盤整備を指導し、まちづくりを進める区としてはどのように誘導し、規制していくのか、当該地整備の基本的な考え方をお聞きします。

 この計画地は、江古田の森公園一帯として広域避難場所に指定され、南側近接には区立江古田小学校が避難所として指定されています。この動線は防災上非常に重要だと考えます。そこで伺います。当該地を防災上どのように位置付け、避難所と広域避難所との動線確保に不可欠な基盤整備を誘導していくのでしょうか。あわせて、外周の道路整備に関する方針並びに新たに設置される公園や空地に対する考え方を教えていただきたい。

 では、次に住宅開発について伺います。この4万平米を超える大規模敷地開発が地域に与える影響は非常に大きく、前面道路一帯にある地元商店街への配慮と共存や、分譲住宅や賃貸住宅の割合によって非常に重要なポイントであると考えます。

 では、ここで、こうした住宅開発によって新たに見込まれる、歓迎すべき居住者についてお聞きします。新しい住民に対して、区は地域との連携共存を図るために、町会活動や防災協力など、区が主導する具体的なアクションを考えていらっしゃるのでしょうか。

 当該地区は、先ほど述べましたとおり、防災上重要な場所でございます。そこで、防災上、さらに地域まちづくりの観点から伺います。UR都市機構から土地の所有権、あるいは土地を賃貸した場合、所有権が移転した場合の、その新たな第三者の所有権者へのかかわりはどのようにするのでしょうか、お答えください。

 以上でこの項の質問は終わります。

 二つ目、大災害に備えた減災対応について。

 その一つ目、首都直下大震災に備えた新たな防災センター設置の検討についてお伺いします。中野区庁舎の耐震性につきましては、昭和42年、7階建て庁舎完成、その後、昭和58年に8階、9階の増築を経て、平成8年に耐震診断・二次診断が行われました。「中野区区有施設耐震改修計画(改定版)」によりますと、一般的に用いられる指標、構造耐震指標(Is値)によると、中野区庁舎はIs値0.51となっています。国土交通省や都が、防災上重要な官庁施設の目標・耐震性能目安はIs値0.9から1.2程度となっています。一方、区の耐震補強基準によりますと、計画策定に当たっては、Is値0.6未満を耐震補強工事の対象とするとあります。

 そこで質問します。中野区庁舎は、平成8年に行われた耐震診断・二次診断、Is値0.51を改善すべく、本庁舎耐震基本実施設計の委託契約に向けて進んでいるとのことですが、そこで、この構造耐震指標(Is値)の目標値は0.6に設定するのか、あるいは、国や都が設定する目標、0.9から1.2程度に持っていくつもりなのでしょうか。

 中野区は、平成8年の耐震診断・二次診断を受けて、平成11年度に本庁舎補強計画を策定し、実施設計、施工計画などに向けた作業が進んだ経緯がありますが、見送りとなっております。その後の区庁舎建てかえ計画の検討・具体化に伴い、費用対効果との兼ね合いで見送られてきたということは想像にかたくありません。

 既存建物の耐震改修でのIs値の違いは、改修計画策定・施工方法など大きく異なるもので、そのコスト増は莫大な金額になります。新築したほうがはるかに有効であります。しかしながら、問題はそのコストと着手時期であります。新築のほうが投資効果も総合的な安全性も格段にいいとはいえ、そのコストは現下の厳しい財政状況からして多くの課題を抱えています。また区役所の設置についても、当初の計画から変わってきており、区役所機能のあり方の議論も含め、時間がかかることが考えられます。

 また、現在庁舎内2階にある災害対策本部となる現防災センターは、庁舎内の構造上、安全度が高い場所であるとは言いながら、各階ごとのIs値を調べてみますと、大まかに見て、1、2階以外は、国が官公庁施設に求める基準をクリアしている状況ではありません。防災行政無線等に不可欠な電源は地下の自家発電で賄えるとしても、電話交換機は7階、区庁舎内のPCサーバーは6階にあるとなると、関係機関との連絡やPCによる情報収集、また初動の作業に関して、震度6強の揺れが想定される首都直下地震等に機能するのか、大きな不安があると言わざるを得ません。まして防災担当部局や災害対応部局など発災時に初動で活動する部局が、耐震構造上安全性に不安があるゾーンに執務していて、万が一のときに初動がとれるのか疑問が残ります。

 私が23区調査をしたところ、23区の本庁舎のうち、昭和56年のいわゆる新耐震基準以前の建物で、現在建築中を除き、耐震改修補強を行っていない本庁舎は10区あり、そのうち8区が災害時に指令拠点となる機能を備えた耐震構造の防災センターを本庁舎外に保有しておりました。残りの2区については、耐震改修予定がある区が1区、そして残る1区が中野区であります。中野区がどうするかということであります。築45年の建物に使い勝手の低下を承知で大幅なコストをかけるのか、実現の時期が不確定な新庁舎竣工まで待ち、その間ぎりぎりの応急処置で我慢するのか、あるいは、いつ来るかわからない災害に危機管理として早急に新防災センター建設というアクションを起こすのかという選択であります。

 そこで、区の見解をお聞きします。当初計画にあった現中野体育館隣接の中野区庁舎予定地を活用して、新たな防災センターを建設する検討に入るべきだと考えますが、いかがお考えでしょうか。いつ来てもおかしくない首都直下地震に、区民の生命、財産を守るという行政の最大ミッション実現のため、想定を超える事態にも十分対応でき得る、区の中枢機能と災害対策本部の機能を確実に確保した新中野区防災センター建設の検討に早急に着手すべきだと考えますが、大災害時に最高指揮官となる区長の見解をお示しいただきたいと思います。

 この新防災センターには、我が自民党のいでい議員の質問にもありました、医療関係団体の備蓄を備えた緊急時医療センターを備えたり、災害関係機関を配置するなど、中野独自機能を付加した防災センター、いわば中野モデルの確立も実現できると考えます。また当該エリアは広大な防災公園、体育館、高度医療施設に接し、耐震化されたオフィスビル、また有力企業などがあり、災害時優先活用される特定緊急輸送道路にもつながっているため、将来、区庁舎がほかのエリアに移ったとしても、防災本部としての機能は十分確保できるものと考えます。

 次に、避難所運営と防災訓練についてお聞きします。災害時の避難所において、災害弱者と呼ばれる方の中には介護サポートを受けている人も想定できます。同僚議員からも同種関連の質問がなされておりますけれども、介護認定を受け、介助を必要とする人たちに対しては、その対処方法は専門性を有し、介護ヘルパーなど介護に精通したボランティアが不可欠であると考えます。中野区介護サービス事業所連絡会は、介護ヘルパー、ケアマネジャーをはじめ、介護にかかわる150団体を網羅しており、月1回、社会福祉協議会を事務局として運営会議も開催されるなど、即応性があると考えます。

 そこでお伺いします。今後ますます進む高齢化社会に向けて、1人で生活することが困難な人たちに対応するため、区内介護関係団体と協定を結び、避難所運営に携わってもらうと同時に、より実効性を上げるために、今後の防災訓練への参加を促すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

 あわせて、災害弱者に関係する団体も含めて、広い視点で防災協定の新規の協定締結先も常に検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、区が主催する防災訓練をはじめとした防災関係諸行事に、防災協定を締結した団体への周知案内はどのように行っているのでしょうか。こうした防災意識の高い団体に対しては、日常より接触し、訓練等に際しては、区も含めた参加各団体の意思疎通がとれるような環境をつくるべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

 次に、三つ目に、災害備蓄用品の再点検について質問いたします。東日本大震災以降、新たに再注目された災害として富士山噴火がございますが、この対策、まずは備蓄用品から始めるべきと考えます。富士山噴火による影響の中で、降灰については、その主成分が石やガラスでできており、吸い込むと呼吸器に有害であるなど、直接人体に影響を及ぼすと考えられています。

 そこで質問いたします。備蓄用品にマスクの追加を求めたいと思います。マスク常備については、噴火に対する備えと同時に、粉じん対策、感染症、風邪対策にもなり、災害時の避難所で弱者と言われるお年寄りや子どもたちに対しても二次被害を拡大させない有効策と考えますが、いかがでしょうか。また、災害時の備品に関しましても、その充実にさらに努めていくべきであります。東京都や23区自治体間、関係団体とのネットワークを生かし、常にグレードアップとリニューアルに努めていただくことを改めて要望しますが、いかがお考えでしょうか。

 以上でこの項の質問を終わります。

 続いて、三つ目、中野の実効性ある活性化策について。

 一つ目、中野四季の都市(まち)区域内事業所との連携について。この地区には来春以降、さらなる有力企業の進出と大学開校など本格的な稼働時期を迎え、最終的には昼間人口は2万人を超えると言われています。このタイミングを生かし、迎える準備について申し上げます。これは特定企業・事業者への特別扱いということではなく、今後の中野駅周辺の活性化に必須の当街区でのエリアマネジメントの中核企業であり、こうした企業群との連携は、災害時にマンパワーはもとより、物資供給など多くの支援・連携が期待できます。こうした進出事業者との連携を引き出すためには、進出時のアクションがつながりを深める絶好の機会であり、タウンマネジメントの第一歩であると考えますが、そのために進出完了前から方針決定、準備、企画をしていかなければいけません。

 そこでお伺いします。中野区全体の活性化のために、中野区としては、こうした中核企業、大学が移転・稼働するタイミングをどのようにお考えで、迎え入れる準備等をどのようにお考えでしょうか。具体的な企画を進めているのかどうか、お聞きしたいと思います。

 次に、順番は前後しますが、四つ目の産官学、産学官連携の具体策について質問します。これまでも中野区は区内外の大学と連携をとってきており、それぞれの政策実現に寄与してまいりました。今後は、中野四季の都市(まち)に進出してくる大学を新たに加えて、さらに大規模な目に見える形での中野区主導の産学官連携が進んでいくことと思います。

 そこでお尋ねします。中野区は、にぎわい活性化策としての展開を次々と打ち出しておりますけれども、そこでは区の役割として「産学公の連携による協議体制の整備」、「産学公の連携」という言葉がうたわれておりますが、どの部署がどのようなスケジュールで、何を進めていくのかがよく見えておりません。主導的に推進する部署と連携の具体像、スケジュールなど具体的にお示しください。

 次に、中野駅周辺地区の駐車場整備について質問いたします。中野区周辺まちづくり、活性化につきましては、ユニバーサルデザインの思想を具現化することが不可欠であることは再三申し上げているところでありますが、平成23年策定の中野区駐車場整備計画によりますと、都市計画で定め区が整備する新北口駅前広場地下、中野駅北口駐車場には、身障者、高齢者等の移動制約者の交通結節機能等の強化とあります。

 そこで質問いたします。駐車場の具体的整備に関しては、机上のマニュアルだけに頼らず、専門家の意見をヒアリングすべきと考えます。スロープの斜度、幅員、動線等に関して、障害を持っていても、アクティブに社会で活躍する障害者の意見を聞くべきであり、それが真に利用され、来街者を呼び込むまちと考えますが、こうした社会の一線で活躍する障害者(団体)にヒアリングをしてその意見を反映することについてはどのようにお考えですか。お答えください。

 この項の最後に伺います。環境に関する関心の高まり、経済性、また公的助成制度もあり、EV(電気自動車)の本格的普及が期待されています。そこで、中野が整備する中野駅北口駐車場には次世代型まちづくりを推進する観点から、EVの充電スポットを整備し、その普及と利用者への利便性確保を目指すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

 次に、3番目のパーキング・パーミット制度について質問いたします。ユニバーサルデザインの実践として、駐車場整備に関連してさらに申し上げます。パーキング・パーミット制度について、その導入に向けた検討を求めたいと思います。この制度は、身障者用駐車場が理解不足で不正な駐車が目立ち、機能していないことから、自治体が本当に必要な人に対して共通デザインの利用証を交付し、利用者がそれを掲示することで正規の利用者か判別できるようにし、駐車スペースを確保する制度であります。2006年7月に佐賀県が初めて導入し、4月現在、26県3市で導入、相互利用も展開しております。

 特色としては、公安委員会が発行する身体障害者駐車票と異なり、利用者が「歩行困難な方」ということと定義し、体に障害のある方以外でも、高齢者や妊産婦、けがをしている人など、一時的に歩行が困難な人や、難病等で歩行が困難な方を対象としている点です。この効果は、スペースがないため利用を控えている、そうした人たちを呼び込む集客増につながり、リピーター増につながります。自治体としても、福祉施策面のほか子育て支援、ユニバーサルデザインの実践のアピールの場になるなど、来街者呼び込みに貢献し、また自治体相互間で利用することによっての自治体連携にも貢献すると考えます。

 そこで質問いたします。このパーキング・パーミット制度の導入は、福祉の視点から発展させ、にぎわい・活性化策として、また中野区が掲げる区民に利用しやすい、来街者を呼び込むまち等、まちづくりの理念を発信する絶好の機会であると考えますが、導入を検討してはいかがでしょうか。

 以上で私のすべての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 高橋議員の御質問にお答えいたします。

 江古田合同住宅跡地開発についての御質問です。区では平成19年に当該用地を取得する予定の都市再生機構に対して、良好な居住環境を有する住宅地として整備すること、並びに配慮事項として、住宅供給を主目的とすること、良質なファミリー向け住宅の供給、周辺環境への十分な配慮、広域避難場所として、避難路など防災機能の確保に努めることなど要望して、都市再生機構が区の要望に沿って宅地開発を実施するということになったものであります。今申し上げましたように、当該地を含めた江古田の森公園一帯は既に広域避難場所に指定されておりまして、開発後におきましても広域避難場所としての位置付けは変わらないというものであります。

 この基盤整備のあり方についてですが、跡地を南北に貫いて江古田の森公園と南側の江古田小学校方面を結ぶ新設道路、幅6メートルです。これを整備することとなっております。この道路の両側の敷地には、幅3メートルの歩道状空地を確保するということになります。この道路がこの用地の中の主要の道路となりますとともに、災害時には広域避難場所への避難路の役割を果たします。また、南側に接する区道には歩道がないので、敷地内に歩道状空地を確保するとされています。また、跡地に緑豊かな公園緑地を整備するとともに、敷地内に広域避難場所として有効な空地の確保を図ると、このようにしております。

 公園や外周道路の考え方です。江古田川沿いの既存樹木の多く存在する位置に、都市計画法に基づく面積約1,300平方メートルの公園を整備いたします。さらに、これに隣接して都条例に基づく公共的緑地、面積1,300平方メートルを確保し、一体的に地域に開放します。これらの整備によって、都市計画マスタープランに位置付けている水とみどりの親水軸の一角を形成すると、このようになります。

 また、当該地は緑が豊富に存在しておりますので、この緑の保全を図りながら開発を進めていただいております。当該地の南側の外周道路につきましては、先ほど申し上げたとおりであります。

 それから、地域との連携共存についてですが、集合住宅の建設に当たっては、中野区住生活の基本に関する条例に基づいて、居住者の町会・自治会への加入を促進してまいります。大規模な開発エリアでありますことから、開発事業者ともよく連携協力をしながら、地域の支えあいや防災体制づくりなど、多様な協力関係が構築できるような整備にしていきたいと、このように考えております。

 新しく都市再生機構より取得する民間事業者とのかかわりのことにも御質問がありました。都市再生機構は整地工事や道路、公園など基盤整備を行った後に、公募・入札によって民間住宅事業者に用地を売却することになるというふうに考えております。区としましては都市再生機構に、用地売却に当たって適切な計画を有する事業者を選定するように要望いたします。また、新しく所有することになる民間事業者に対しましても、良好な住宅地の形成、それから広域避難場所としての防災機能の確保、周辺環境への十分な配慮などについて、具体的な形になっていきますので、これをしっかりと要望していきたいと、このように思っております。

 それから、中野区庁舎の耐震性能の考え方についての御質問です。区有施設耐震改修計画では、Is値0.6以上を目標としております。国が示しております防災拠点となる施設については、0.9以上が望ましいとされていますが、この数値を実現するためには大幅な補強が必要となり、執務スペースの狭小化や窓の開口部の不足など業務上必要な機能を確保できなくなるというふうに考えております。このため、建物の構造部分が大きく損壊せず、人命に危険が及ばないとされるIs値0.6を目標値といたします。

 なお、防災センターについては、御質問にありましたように2階建て部分の2階に位置しているということで、一定の安全性は保たれると、事業の継続性は保たれると、このように考えております。

 そして、防災センターの建設についての考え方です。防災センターは防災行政無線や河川、気象、高所カメラ等の情報システムを備えて、災害時における中枢指令拠点となる重要な施設であります。この整備のあり方について、御質問の中にありましたさまざまな考え方も含め、今後検討してまいりたい、このように考えております。

 私からは以上です。

    〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、大震災に備えた減災対策について、幾つかの御質問にお答えいたします。

 介護関係団体との連携についてでございます。災害時に介護や支援が必要な要支援者への対応につきましては、要援護者の状況をふだんから把握している介護事業者等の関係団体、関係事業者も一定の役割を担うべきだと考えております。今後、介護、福祉の関係部署と連携し、区と関係事業者における安否確認や生活支援の協力のあり方について、防災訓練への参加も含め協議検討してまいります。区は災害応急対策を円滑に進めるため、さまざまな関係事業者と協定を締結し、協力体制の確立に努めているところでございます。こうした協定について、実効性を確保するとともに、必要に応じて、今後も新たな協定を締結してまいりたいと考えております。

 次に、協定団体との連携についてでございます。総合防災訓練や災害医療救護訓練につきましては、訓練内容について検討した上で、関係のある協定団体に訓練への参加を依頼しているところでございます。今年度は中野建設まちづくり協議会が初めて総合防災訓練に参加しており、今後とも訓練に参加する協定団体をふやす方向で検討するとともに、来年度から総合防災訓練に参加されていない協定団体に対しても、訓練の案内をするようにしたいと考えております。また訓練以外にも、協定団体と定期的な協議の場を持つなどして、日ごろから連携を深めるようにしてまいります。

 次に、マスクの備蓄についてです。東日本大震災の際に中野区でも避難所を開設した経験等から、避難所にマスクを備える必要があると考えております。今後、具体的な整備について検討してまいります。

 最後に、備蓄品の充実でございます。平素から災害対策等について、各区の間でさまざまな情報交換をしているところでございます。災害対策用の備蓄品目についても、他の自治体の動向や災害事例等から情報収集し、常に必要な見直しを行うように取り組んでまいります。

 以上でございます。

   〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 私からは、中野区の実効性ある活性化策についての御質問にお答えいたします。

 まず、中野四季の都市(まち)地区の事業所等との連携についてでございます。現在、中野四季の都市(まち)地区に進出してくる企業や大学等とエリアマネジメントの導入について準備を進めており、これらの関係者も参画する組織の形成に向けて引き続き協議していく考えでございます。

 次に、中野区都市観光ビジョンで示す産官学連携の具体策についてでございます。都市観光を主体となって推進する所管は都市政策推進室であり、また、都市観光ビジョンにおいては、産学公の連携による(仮称)中野区都市観光推進協議会の設置を検討し、都市観光の方向性や役割分担の検討・協議などを行うこととしているところでございます。この検討の中で具体化を図ってまいりたいと考えております。

 次に、中野駅周辺地区駐車場整備に関する専門家、身障者へのヒアリングについてでございます。駐車場をはじめ、だれもが利用しやすい施設整備を進めることは、まちづくりにおいて重要な観点の一つであり、ユニバーサルデザインのまちづくりとして、中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3にも掲げているところでございます。今後、中野駅地区整備など計画を具体化していく際にも意見を聞く場を設けて、障害をお持ちの方をはじめ、学識経験者等さまざまな方の御意見を参考にしながら取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

 中野駅周辺地区の駐車場整備の際のEV(電気自動車)の充電スポットの整備についてでございます。充電スポットの整備につきましては、公共駐車場での設置や民間への充電インフラ整備助成などがあり、全国でも都内でも事例がふえつつあるという認識を持ってございます。区としても今後、情報収集、研究をしてまいりたいと考えてございます。

 最後に、駐車場整備に関連したパーキング・パーミット制度についてでございます。区における導入については、中野区の地域的な交通事情を踏まえ、区にとってどのようなメリットがあるのか、また、成立するハード的な要件等について検証してみたいと考えているところでございます。

 私から以上でございます。

○議長(大内しんご) 以上で高橋かずちか議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

      午後2時0分休憩

 

      午後3時00分開議

○議長(大内しんご) 会議を再開いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 むとう 有 子

 1 中野駅現北口駅前広場について

 2 給食食材の放射能測定について

 3 災害がれきの処理について

 4 その他

 

○議長(大内しんご) むとう有子議員。

     〔むとう有子議員登壇〕

○39番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただきました御意見をもとに質疑いたします。

 1番目、中野駅現北口駅前広場についてお尋ねいたします。

 去る7月1日、中野駅地区第1期整備事業が、工事期間約3年と10億円をかけて完成しました。この間、区民の皆様に御不便をおかけいたしましたが、北口が使いやすくきれいに整備されることを期待し、我慢してくださったかと思います。しかし、残念ながら、完成した東西連絡通路及び北口駅前広場については、きれいになったと評価しつつも、暑い夏に木陰もなければベンチも少なく、アスファルトの照り返しが増す上、無機質でデザイン性も感じられず、殺風景な空間であり、期待外れとの声が多数寄せられています。

 2010年12月に示された「中野駅現北口駅前広場等の整備・景観形成等の方針」には、考え方として、緑の陰の広場空間を前面に打ち出し、待ち合わせや休憩・交流のために利用され、緑陰樹木やベンチを適宜配置し、ユニバーサルデザインに配慮した広場空間を形成すると書かれています。さらに配慮すべき項目では、イメージはにぎわい・活気・人情味、植栽は中野通りの緑の軸と連続した広場の緑、既存の桜と緑陰樹木が挙げられています。緑陰樹木とは、夏の暑い日射を防ぐために植えられた樹木のことです。広場外周部は、今は枯れていますが、桜が植えられ、中野通りからの連続性はどうにか保たれていますが、広場内の緑は少なく、景観方針とはあまりにも違っていると言わざるを得ません。また、駅前広場の性格上、乗降客の安全な通行の確保は最低条件ですが、デザインに工夫が感じられません。

 そこでお尋ねいたします。完成した北口駅前広場は、この景観形成方針を踏まえたものであると区は評価しているのでしょうか、お答えください。今後、北口駅前広場を方針どおり人情味が感じられる緑の陰の広場となるよう、いま一度創意工夫をすべきと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。

 次に、給食食材の放射能測定についてお尋ねいたします。

 現在、中野区は、卸売市場を通って流通している食品については安全性が確保されているという認識を持ち、給食食材は卸売市場を通った食材を使用しているため、放射能測定をしていません。しかし、年間約280万トンもの食品が流通する東京都中央卸売市場での今年度の放射能検査はたったの1,100検体であり、少な過ぎます。農協や都道府県でも測定していますが、もちろん100%ではありません。だからこそ、国民の安全・安心のために国は都道府県に測定器の購入費を助成し、東京都はこの助成金で購入し、測定を希望する自治体を募りましたが、中野区は希望しませんでした。また、消費者庁は消費者の立場から測定するという目的で、測定器の貸し出しを希望する自治体を募りましたが、やはり中野区は希望しませんでした。いずれも今後新たな募集の予定はありません。区議会が測定を求める陳情を2月に採択したにもかかわらず、中野区は測定する食材の購入費のみでできる制度のすべてをかたくなに拒否しています。

 4月から新しく定められた基準値、1キロ当たり一般食品が100ベクレル、乳児用食品と牛乳が50ベクレル、飲料水が10ベクレルという数値は安全値ではなく、国が御都合主義で決めたものと言わざるを得ません。一般的に放射能には、これ以下なら安全という数値はなく、子どもや胎児への影響が成人に比べてはるかに大きく、その上、内部被曝は外部被曝より影響が大きいことがわかっています。

 よって、市場を通り、基準値以下だから大丈夫とするのではなく、子どもたちが食べる食材については、放射能を限りなく少なくする取り組みが求められています。先日行われた区民と区長の対話集会でも、子育て中とおぼしき区民の方々から給食食材の放射能測定を求める御意見が多数出されたのは、当然のことだと思います。

 8月下旬、郡山市に視察に行ってまいりました。ご存じのように、郡山市は福島原発事故による放射能汚染レベルが高く、空間線量は東京の約10倍の中で、子どもたちは外遊びもできない生活を送っていました。だからこそ内部被曝を少しでも少なくしようと、毎日、給食食材はもとより、でき上がった給食も測定し、10ベクレルを超える食材は食べさせないという独自基準を設定し、実行しています。これこそ責任ある自治体の姿ではないでしょうか。

 かつてチェルノブイリ原発事故後に区民の要望を受けて、中野区は1989年、中野保健所に放射能測定器を設置し、区民が持ち込む食材を無料で測定していました。翌1990年には区議会が、学校給食の食材を定期的に放射能測定して結果を公表し、10ベクレル以上検出された食材の使用中止を求める陳情を全会一致で採択しました。これを受けて、当時の中野区は誠実に実行しました。

 残念ながら、2001年で機器は耐用年数を過ぎて廃棄処分となりましたが、今や検出限界値が5ベクレルの性能の高い測定器が約400万円で購入可能です。これまでのかたくなな考え方を改めるよう強く求めます。そして、高性能な測定器を購入して給食食材を定期的に測定し、5ベクレル以上検出された食材の使用を中止すること、そして、区民が持ち込む食材についても無料で測定することを求めます。区の見解をお答えください。

 最後に、災害瓦れきの処理についてお尋ねいたします。

 東日本大震災で生じた岩手県と宮城県の瓦れき処理を他県が受け入れるか否かをめぐる広域処理が議論となっています。廃棄物処理法で定める廃棄物は、放射性物質及びこれによって汚染されたものを除くと定義されており、放射性廃棄物は対象外とされていました。ところが、国は災害瓦れきについては放射能汚染されたものを含めるとしたため、広域処理を進めることは放射能汚染の拡散であり、反対の声が上がるのも当然のことです。

 放射性廃棄物と災害廃棄物の区分を明確にし、放射性廃棄物を広域処理の対象から外し、国が責任を持って処理保管するよう国に求めるべきと考えます。区の見解をお答えください。

 8月下旬、仙台市及び女川町に視察に行ってまいりました。持参した測定器では、瓦れきの保管エリアも含め、仙台市も女川町も中野区内の空間放射線量と大差はありませんでした。仙台市は最終処分までみずからの地域で処理を完結するとし、発災から1年以内の撤去、3年以内の処理完了を目指し、取り組んでいます。仙台市が現地処理をできているのは、震災以前から阪神・淡路大震災の瓦れき処理を学び検証し、処理方法を事前に検討していたからです。

 その結果、1、瓦れきを撤去現場で可燃・不燃・資源に分別収集をしたこと、2、国有地を処理用地として確保したこと、3、三つある清掃工場の一つを直営で維持していたことで処理技術を有していたこと、4、産廃処理業の許可権限を有していたことで産廃処理ルートを活用できたことなどが、現地処理を可能にした要因だと伺いました。一方、女川町は仙台市が現地処理を可能にした要因のすべてがなく、現地処理ができず、東京23区清掃一部事務組合が受け入れをしております。

 首都直下型の地震が発生すれば、瓦れきの量は東日本大震災の量を優に超えます。復興の一歩は瓦れき処理にあります。

 首都直下型の地震が発生する前に、東京都と23区、焼却技術を有する東京23区清掃一部事務組合、そして多摩地域も含めた会議体を設置し、仙台市の現地処理を学ぶなど、今から瓦れき処理についての検討を進めるべきと考えます。区の見解をお答えください。

 誠意ある答弁を求めて質問を終わります。ありがとうございました。

     

教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 給食食材の放射能測定についてお答えいたします。

 給食食材の測定につきましては、国や各都道府県などが公表している産地での検査結果や流通段階での検査結果、今年4月からの国の新たな基準や、それに基づく検査の実施体制などを総合的に判断して、現段階では実施しないことを決定いたしました。今後とも学校と教育委員会とできめ細かく国や各都道府県が公表している検査結果等を確認しながら、安全性の確保に努めていきたいというふうに考えております。

  

都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 中野駅現北口駅前広場についてお答えいたします。

 景観形成等の方針では、現北口駅前広場を待ち合わせや休憩・交流のために利用される広場空間、緑陰樹木やベンチを適宜配置し、ユニバーサルデザインに配慮した広場空間を形成するとし、この方針を踏まえた整備を行ったところでございます。しかし、現状は植栽した樹木が枯れた状態となっており、これにつきましては植えかえを行う予定でございます。

 以上でございます。

     〔保健所長山川博之登壇〕

○保健所長(山川博之) 放射能測定機器購入による食材の測定についての御質問でございますけれども、区といたしましては、食品の放射性物質を測定する機器を購入し、食材の独自測定を行うことは考えておりません。

 以上でございます。

    〔環境部長小谷松弘市登壇〕

○環境部長(小谷松弘市) 私のほうからは、災害瓦れきの処理につきましてお答えをさせていただきます。

 まず、国に対して要望すべきと考えるが、どうかということでございます。東日本大震災で発生いたしました災害廃棄物につきましては、いわゆる特別措置法、この第22条の規定によりまして、廃棄物処理法上の廃棄物に該当するということとされてございます。このことから広域処理は可能でございまして、御提案のような国への要望、これは必要はないと考えてございます。

 また、被災地の自治体ですべての災害廃棄物を処理することは、これは到底困難なことでございまして、被災地の復興には災害廃棄物を早急に処理する必要がございます。このような状況の中で、災害廃棄物の安全性を確認した上で広域処理を行うということが必要であるというふうに考えてございます。

 それから、広域的な会議体を設けてはどうかということでございますが、もともと住宅密集地でございます東京都内におきましては、災害瓦れきにつきましては広域処理、これが必須であると認識してございます。23区におきましては、廃棄物処理については既に共同処理を行ってございまして、当然、災害瓦れきの処理に当たりましても、東京都23区及び清掃一部事務組合等によります連携、一体となった広域処理が行われるものでございまして、お尋ねの会議体の設置については考えてはございません。

 以上でございます。

○議長(大内しんご) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。

 この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 

 中野区議会議員 近 藤 さえ子

 1 空き家対策について

 2 男女共同参画基本計画について

 3 その他

 

○議長(大内しんご) 次に、近藤さえ子議員。

     〔近藤さえ子議員登壇〕

○29番(近藤さえ子) 空き家対策について伺います。無所属の近藤さえ子です。

 この問題については、これまでも多くの議員の方が質問しています。区民からの御相談も多く、皆様の切実な問題の一つであると私も認識し、質問させていただきます。

 我が家の近所にも何軒もの空き家があります。その1軒は長年にわたり放置されたまま、ごみの不法投棄場所となってしまい、悪臭や害虫の被害などにより近隣の住民に健康被害が生じています。この空き家への対応を何度となく区にお願いし、その都度、区は所有者等に連絡をとっているようですが、現在まで進展はありません。

 管理されない空き家が発生する経緯については、所有者や関係者が複雑な事情を抱えていて、当事者だけでは問題解決が図れない等の場合も多いようです。加えて、空き家に関する現在の法制度の問題点も指摘されています。例えば固定資産税については、建物がある場合と、構造物を解体して更地にした場合とでは、税率が何倍にも上昇してしまうため、たとえ管理できていなくても老朽化した空き家を残すケースが多いと言います。

 さらに、高齢者のひとり住まい、あるいは高齢者夫婦が住まわれていた家で、その高齢者が亡くなられる、あるいは施設に入られた後、その家が管理されない空き家となるケースも多々見かけられます。これは、少子高齢化が進展している社会問題の一端が空き家問題となってあらわれているとも言えます。このように、空き家問題は多くの課題を抱え、根本的な解決を自治体レベルに求めることが困難なことも区民は理解はしています。しかし、区民の暮らしを守るべき区がこの問題を放置してよいというわけでは絶対にありません。

 まず、区の空き家問題への認識について伺います。

 文京区では昨年12月から、区、警察と消防が合同で区内の空き家の実態調査を開始しているそうです。今年7月末には、本郷地区の空き家109カ所の一斉点検も実施しています。まずは空き家の全体像を把握し、区、警察、消防で役割分担をしながら具体策を策定し、中長期的な空き家対策を検討する方向です。

 中野区では、空き家がどれぐらいあり、それぞれの状況はどのようなもので、周囲にどのような影響を及ぼしているか等、これまで調査されたことがあるのでしょうか。もし調査をしていないとすれば、今後、空き家対策に取り組むためには実態の把握が必要であると思いますが、中野区では、区として文京区のような調査を行う予定はないのでしょうか。また、空き家へのごみの不法投棄や放火の可能性など差し迫った問題については、警察、消防と連携をとり、迅速に対応する必要があると思いますが、御見解を伺います。

 最後に、先ほど申しましたように、空き家の問題は現在の法制度が持つ矛盾点などが原因となっていることも多く、根本的な解決が困難です。現在の空き家問題にどのように対応するのか。今後新たに管理されない空き家の発生を防ぐためにはどうすればよいのか。これらの問題に直面し、困っている住民に、最も身近な住民の生活を守る自治体として、他区との連携を模索し、東京都や国に対して法制度の改正についても求めていく必要があると思いますが、御意見を伺います。

 次に、男女共同参画基本計画について。男女共同参画センター及び基本計画について伺います。

 中野区の男女共同参画センターは、男女共同参画、男女平等を推進する拠点施設として、各種講座を開催し学習機会や関連情報を提供、女性のための相談、団体活動の支援などを行っています。昭和59年「婦人会館」として開館以来、平成2年「女性会館」と名称変更、平成11年の国の男女共同参画社会基本法を受け、平成18年「男女共同参画センター」となり、ここで行われた講座や学習機会などから、区民のために働く自立した女性を多く生み出してきました。また、女性のための悩み相談、法律相談により勇気づけられた区民も多くいると思います。この男女共同参画社会を推進する拠点である施設が廃止され、来年度にはその機能が本庁に移る計画と聞きます。

 区は、男女共同参画のさらなる発展のためにその機能を本庁に移すということですが、その主たる目的は何なのでしょうか。どのような効果が期待できるのでしょうか。

 現在の男女共同参画基本計画は計画策定から5年が経過し、改定作業が行われています。改定目的の一つとして、多発するDV被害に対応するため、国から配偶者暴力の防止と被害者支援の取り組みを強化する必要性が求められています。中野区では既に各種相談体制を築き、学校向け「デートDV防止」出張講座の実施、犯罪被害者等緊急生活サポート事業など、他の部署や民間との取り組みも進み、全国的にも注目を集めています。

 国が市町村への努力義務と位置付けているDV対策として、配偶者暴力相談支援センター機能の整備がありますが、本庁に移る男女共同参画センターの中ではどのようになるのでしょうか。女性相談やDV相談等がどのように充実されることになるのでしょうか。

 また、今回の改定の柱の一つ、仕事と家庭、地域生活の調和(ワークライフバランス)という課題について、子育て、介護を安心して行える環境整備が施策として示されています。子育て環境整備では、保護者が必要時に子どもを預けることができる割合を目標値として、平成23年度、72.3%に対して、10年後の33年には100%を目指しています。また、介護環境においては、ケアプランに不満のない人の割合を成果指標としていますが、ケアプランの満足度を介護環境の目的値とするにはいささか無理を感じます。介護においてはまだ適正な指標も見つかっていない段階ではないでしょうか。

 今後、少子高齢化が進み、厳しい経済状況が続けば、共稼ぎの世帯は増えていきます。これまで女性が権利を獲得するために男女共同参画を主張してきた時代とは少し異なり、積極的であれ消極的であれ、人々がさまざまな生き方をしながら助け合っていかなければならない次の10年間が訪れると私は感じています。

 就労、子育て、介護、それぞれの事業部が各事業の充実に取り組むことは当然として、男女共同参画基本計画の理念、「一人ひとりが多様な生き方を選択でき、人として大切にされる社会」の実現のために、この計画が各事業部の事業の底上げを図るものとなってほしいと私は思います。保育園の待機児や女性の肩にかかる介護の負担の解消のためにも、この計画が各事業部の個別計画を後押しし、基盤整備推進の牽引役とならなければならないと思いますが、いかがでしょうか。

 その他はございません。御清聴ありがとうございました。

    

都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、空き家対策についての御質問にお答えいたします。

 空き家の実態調査についての御質問でございます。これまで区では、区内全域を対象とした空き家に関する調査を行ったことはございません。他区の取り組み等も参考にしながら、必要な調査は行ってまいりたいと考えております。

 次に、ごみの不法投棄や放火への対応で、警察、消防などとの連携強化についての御質問がございました。当然これまでも必要に応じて警察や消防等と連携をとりながら、安全上問題のある空き家への対応に取り組んでまいりました。今後とも連携を一層強化しながら取り組んでまいる所存でございます。

 最後に、税制度上の問題などに関し、国や都への要望について、というような御質問がございました。空き家問題について、日ごろより他の区と課題を共有しながら取り組むとともに、法改正等を求める必要が生じた場合には、23区で連携して対応していきたいと考えております。

    

政策室長竹内沖司登壇〕

○政策室長(竹内沖司) 男女共同参画基本計画についての御質問にお答えいたします。

 まず、男女共同参画センターの本庁舎内移転の効果でございますが、これについては、同センターが果たす個別の相談と共同参画社会形成のための普及・啓発、この二つの機能を庁内各事業部の取り組みとしっかりと連携させることでより充実したものとなるよう、現在検討しているところでございます。

 それから、次にDV対策につきましては、男女共同参画センターが担ってきた女性相談や、新たに整備いたします配偶者暴力相談と生活援護分野の婦人相談員等による支援を庁内で連携させることによって、相談から暴力被害者の保護、それから、その後の生活、自立支援まで一貫して対応できる体制を構築できるものと考えております。

 それから、保育や介護の充実との関係についてですけども、男女共同参画基本計画の改定にあたっては、関係部長で構成いたします男女共同参画行政推進会議で協議をしておりまして、介護基盤や保育基盤の整備に関しましても、共同参画社会を実現するための全庁的な課題として受けとめ、推進を図っていくということとしております。

     〔近藤さえ子議員登壇〕

○29番(近藤さえ子) 再質問させていただきます。

 空き家対策について、今までも警察と消防と連携をとり、問題に対処しているというお答えがあったんですけれど、迅速に対応する必要があると思いますけれど、そこのところを1点、もう一度確認させてください。

    

都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 再質問にお答えいたします。

 警察、消防などとの連携強化のお話でございます。当然のことながら、そういった問題のある状況にある場合は、迅速に警察なり消防なりと連携しながら対応してまいりましたし、今後ともより一層それを強化してまいりたいと、そのように考えております。

○議長(大内しんご) 以上で近藤さえ子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 林   まさみ

 1 歳入の確保について

 2 その他

 

○議長(大内しんご) 次に、林まさみ議員。

      〔林まさみ議員登壇〕

○18番(林まさみ) 第3回定例会において一般質問いたします。

 6月13日の総務委員会において、経営室経理分野から、平成23年度資金収支状況について、財政調整基金の年度末残高は200億円を割り込んだとの報告がありました。これは取り崩し額が積立額を上回ったことが要因です。また、行政監理分野に平成23年度の普通会計決算について問い合わせたところ、経常収支比率は11年ぶりに93.0%と90%台となり、特別区平均が5.7%である公債費比率も12年ぶりに15%台となるとの回答があり、いずれも高い水準に達しており、財政運営上の非常事態であることを裏付けるものとなりました。

 事業の抜本的見直しの効果が限定的なレベルにとどまり、扶助費が増加し、築50年以上の区有施設の改修・保全に加えて、過去の臨時的・投資的経費の経常的支出化が進めば財源不足が深刻化することになり、財政調整基金の取り崩し額が膨らみ、年度間の財政調整の仕組みが機能不全に陥る事態が想定されます。

 中野区の財政状況がより悪化している中、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)の着実な実現と健全な財政運営の両立は困難であり、歳出の削減には10か年計画(第2次)の見直しが早急に必要と感じました。

 また、健全な財政運営のためには歳出の削減とあわせて歳入の確保が不可欠です。そこで、今回は中野区としても滞納整理支援システム及びコンビニ収納の導入など行いながらも、収納率が5年連続減少している、そして23区平均を平成15年以降、常に大きく下回っている特別区民税について質問します。

 1点目として、23年度の見直し事業である全庁体制による臨戸徴収について伺います。2011年11月22日の区民委員会において、臨戸徴収の対象者をどのように設定しているのかの質問に対して、現年度分、つまり初期の滞納に対する臨戸徴収を行う。過去の成果から1億円の財政効果を算出したとの回答を受けました。管理会計室が平成20年に作成した区債権の収納率向上対策には、現年度課税分への早期着手の強化や、回収コストを最小限にとどめるための対象者の絞り込みとあることから、徴収職員だけでは対応できない現年度分、特に高額滞納者への臨戸徴収が行われると考えていましたが、9月7日の区民委員会で、対象者は20万円未満の累積滞納者との報告があり、1件9万円前後で6,000件対応の2割の徴収を予定しているという説明を受けました。

 そこで伺います。臨戸徴収の対象者が、11月の委員会報告にあった「現年度分」でも「回収コストを最小限にとどめるための高額滞納者」でもなく、より収納が困難と思われる累積滞納者、それも20万円未満の滞納者に変更した理由を伺います。高額滞納者を含めた現年度課税分の滞納者とした場合と、20万円未満の累積滞納者とした場合の臨戸徴収の回収コストをどのように試算したのかもあわせてお答えください。

 今まで全く手がつけられなかった20万円未満の累積滞納者を洗い出すとの考えのようですが、現年度課税分に対する早期着手、特に年々ふえ続けている高額滞納者に対して、週末など在宅率の高い日を設定して臨戸徴収を行うほうが収納率の向上、回収コストの抑制につながるはずです。全庁体制による新たな徴収チームを設置しても、戦略のない徴収活動では収納率の向上には結びつきません。

 平成19年に国から地方へ税源移譲が行われ、多くの自治体ではさまざまな対策をとっています。そこで、効果を上げている他区の調査をしました。

 ここ数年、収納率が急激に向上している墨田区では、五つの班によるチーム体制をとっています。まず、現年度課税分の納付がおくれている対象者に働きかける初動班、次に、滞納繰り越し対応の機動班、高額滞納者を対象とした特別整理班、区外転居滞納者対応の管内班、そして調査・取り立てを専門に行う庶務班。収納強化のために平成19年に徴収職員を31人から38人へと増員しています。このほか、差し置き送達や若手職員の登用などを行い、平成15年、23区中17番目だった区民税の収納率が今年度3位に、滞納繰越分収納率は40%を超えて1位となったそうです。

 ちなみに中野区は18%台と、墨田区の半分以下の収納率です。杉並区でも年4回、納付期限前後に行う電話催告を業務委託し、文章による催告など現年度課税分の収納に専念した体制をとり、職員を増員しました。練馬区や豊島区でも窓口業務や電話催告を業務委託し分業化したことで、結果を出しています。

 収納率向上のための効果を上げている他区の取り組みを見ると、幾つかの類似点が見えてきます。まず、現年度課税分の収納強化のためのチーム編成と人材の確保、そして、滞納整理作業に専念するために窓口業務や電話催告などの業務委託を行う分業化です。

 中野区の税務課の徴収チームは約20人。滞納繰越分をメインにチーム編成を行っています。区内滞納者、区外転居滞納者対応に約12~3人、そして高額滞納者に5人が配置され、各班に主査がつき進行管理をしています。現年度課税分に関しての専従チームはなく、3人の主査を含めた約20人が滞納整理の通常業務を抱えながら、電話催告や窓口業務、現年度課税分の対応に追われています。

 そこで伺います。現年度課税分の収納強化のためのチーム編成と人材確保、業務委託による分業化など、効果を上げている他区の取り組みを中野区はなぜ行わないのですか。職員による臨戸徴収だけで収納率改善が可能と考えているのですか。区の見解を伺います。

 不納欠損が昨年より1億5,000万円も増加しているため、仮に事業見直しの財政効果額1億1,000万円が収納されたとしても、焼け石に水です。中野区のこの現状を打開するためにも、臨戸徴収などのほかに大胆な改革が早期に必要と考えます。区の見解を伺います。

 「財政運営上の非常事態宣言」を区長みずから公表している中野区として、行財政改革の一つである職員の2,000人体制は人件費削減のために行わなければならないと考えられています。そのため税務分野の職員は平成18年から減少しています。

 そこで、中野区職員の配置状況を平成21年度から分析してみました。平成22年の組織改正で32人の職員が配置されていた情報と評価改善に関する分野は、現在38人となっています。特に庁内の内部統制の分野である行政監理分野は、それぞれの事業メニューに合わせて職員を配置しているため、組織改正の目的である組織のスリム化が行われたとは言いがたいものとなっています。また、平成21年度17人の職員が配置されていた産業振興は、産業・都市振興と名称が変わり、平成24年度には22人と5人も増員されています。生涯学習も学習スポーツと名称が変わり、21人から20人と微減にとどまっています。

 そこで伺います。「10か年計画」を着実に実行するために行われた組織改正。しかし、内部統制のためにつくられた行政監理分野や、産業・都市振興、学習スポーツなど事業拡充のために増員・微減の分野もあります。これらの職員配置をいま一度見直し、区の課題である特別区民税収納の安定的確保のために税務徴収分野に適正な人員を配置し、回収コストの抑制につながる現年度課税分専従チームの設置や、業務委託による分業化を行うべきではないでしょうか。区の考えを伺います。

 平成20年に900人だった高額滞納者が今年度は1,200人となり、9億円だった高額滞納者の未収金は11億円となっています。中野区の徴収員1人当たりの収入額は、豊島、板橋、墨田、葛飾より高額となっています。これは少数精鋭の高額滞納者チームの収入額が高いことが要因となっています。しかし、分業化や現年度課税分の強化が行われていないため、杉並、練馬には平成18年度から水をあけられています。

 国民健康保険料も収納率向上のために平成24年度から分業化が始まりました。特別区民税においても早急に体制を整えるべきと申し上げて質問を終わります。

  〔区民サービス管理部長登弘毅登壇〕

○区民サービス管理部長(登弘毅) 私からは、歳入の確保に関する何点かの御質問にお答えいたします。

 まず、区民税の臨戸徴収強化対策の対象者についての御質問です。今回の全庁挙げた区職員による臨戸徴収対策の対象といたしました累積滞納額20万円未満の滞納者につきましては、これまで文書により催告を中心とした対応を行ってまいりましたが、今回は、区職員がこれらの方々を直接訪問し、滞納に対する区の強い姿勢を示すことで納税の促進を図ることとしたものであります。一方、現年分の高額滞納案件につきましては、今回の臨戸徴収の対象とはせずに、納税交渉を中心とした対応を行うとともに、より強い徴収対策として財産調査、あるいは差し押さえなどの滞納処分などの強化に取り組んできているところでございます。

 次に、コスト面の御質問でございます。今回の臨戸徴収につきましては、細かいコスト面での試算は特に行っておりませんが、実施後には費用対効果も含め、その成果を検証していきたいと考えております。

 次、区民税の現年分の徴収強化についての御質問でございます。これまで現年分の徴収対策としましては、納税相談や電話催告、あるいは管理職による臨戸徴収などの対策のほか、財産調査や差し押さえなどの滞納処分についても強化を図ってきたところでございます。今後さらに他の自治体の取り組み事例なども参考としながら、より効果的で強力な徴収対策に取り組んでいきたいと思います。

 また、徴収部門への職員の配置という御質問がございました。徴収部門には、個々の職員の能力や適性なども勘案しながら、適切な職員配置を行うとともに、より効果的な執行体制、これにつきましても整備していきたいと考えております。

 以上でございます。

      〔林まさみ議員登壇〕

○18番(林まさみ) 再質問をさせていただきます。

 問い2番に対してちょっとお答えがなかったので、伺います。現年度課税分の収納強化と業務委託の分業化について、なぜ行わないのか。なぜ行わないのかというお答えがなかったと思います。そもそも経営室の、区が定めた、区がつくった収納率の向上対策の中に、他区の事例をきちんと見てから対応するということが平成20年にも書かれていましたし、その中でも現年度課税分の収納強化や分業化のことは示されていたのに、いまだに、もう3年以上たっても行われていない。それはなぜ行わないのかということ。また臨戸徴収だけで改善が可能、収納改善可能と考えているのか。この2点、答弁漏れがあったのでお願いします。

  〔区民サービス管理部長登弘毅登壇〕

○区民サービス管理部長(登弘毅) 現年分の徴収対策につきましては、以前と比べますと、最近ですけども、財産調査、差し押さえなどの滞納処分にも取り組むようになってきたという点が以前と違うというところでございます。また、それ以外にも他の自治体の取り組み事例なども参考としながら、高額徴収チームを設置したりですとか、そういった対応で強化に取り組んできたということでございます。もちろん今後、臨戸徴収対策、これの強化とあわせて、それ以外のさまざまな対策につきましても取り組んでいきたいと考えております。

 以上でございます。

○議長(大内しんご) 以上で林まさみ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 石 坂 わたる

 1 中野駅及び駅周辺の整備について

  (1)乗降客の動線について

  (2)ホームの安全対策について

  (3)視覚障害者のための点字ブロックについて

  (4)その他

 2 精神障害者地域移行支援について

 3 東日本大震災の被災地へのボランティア派遣について

 4 その他

 

○議長(大内しんご) 次に、[1]石坂 わたる議員。

     〔[2]石坂 わたる議員登壇〕

○7番([3]石坂 わたる) 質問いたします。

 第1点目、中野駅周辺整備について伺います。

 平成24年発行の第52回中野区統計書によると、中野駅は現状、1日平均でJR東日本中央線で約12万人、東京メトロ東西線で2万人の利用があります。また今後、大学や企業が中野駅の北西側に入り、利用者がさらにふえる中での安全な動線の確保が不可欠です。

 (1)乗降客の動線について伺います。

 中野駅の北口が新しくなり、東西連絡路もできました。しかし、朝のラッシュ時間帯には、新しい北口改札付近が利用者で大変込み合っております。私のところへも区民の方から心配の声が寄せられていますが、区民から区に対してどのような声が寄せられているのかをお教えください。

 中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3では、中野駅西口の開設時期の見込みが示されましたが、それまでの間、現在の北口だけで利用者をさばき切れるのでしょうか。多くの人が集まるまち、来てもらえるまちにするためには、スムーズな動線が必要です。今後の状況を踏まえ、改札口の改善を区としてJR側に求めていくことが必要ではないかと思われますが、いかがでしょうか。

 (2)ホームの安全対策について伺います。

 駅構内のホームにおいても、利用者が多くなれば事故のリスクも高くなります。転落防止のため、国土交通省鉄道局では、利用者10万人以上の駅においてはホームドア等をつけるか、それが困難な場合には、内方線つき点字ブロックと併設する固定さくや、列車の接近を知らせる装置、人的介助等の対策を総合的に組み合わせて実施することが望ましいとしています。実際に相模鉄道の横浜駅などでは固定さくを設置しております。また、7月6日に「葛飾区長がJR東日本に対し、JR新小岩駅でのホームドアの設置を求める要望書を提出した」との報道もありました。

 中野区として、利用者が10万人を超える中野駅に何らかの安全対策が必要であるとの認識をお持ちでしょうか。また、駅を利用する区民の安全のために、ぜひ区からJRに働きかけをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 (3)視覚障害者のための点字ブロックについて伺います。

 中野駅北口から区役所まで、複数のルートで点字ブロックが敷設されています。しかし、点字ブロックが途切れている歩道や、点字ブロックがない横断歩道があります。また、道路や床の色に近い灰色の点字ブロックもありますが、弱視の方からは黄色でないと目で確認できないという声をいただいております。駅周辺の整備を行うに当たり、全盲の方や弱視の方など、視覚障害者の声も聞きながら基準を設け、その基準にのっとって、どこに何色の点字ブロックを設置するのかも含めて、しっかりと計画することが必要ではないでしょうか。

 (4)のその他はございません。

 2点目、精神障害者地域移行支援について伺います。

 精神障害者が抱える精神疾患は、多くの場合、治療や症状の管理が可能です。支援を適宜受けながら、地域で日常生活をすることができる力を持つ方が数多くいます。ところが、交流機会の少なさや知識の不十分さなどにより、社会的入院と言われる社会の側の都合による長期入院を余儀なくされている方が数多くいる現状にあります。

 平成14年度の国の調査によりますと、条件が整えば退院可能な精神障害者は全国で約7万2,000人とされ、東京都においては5,000人、中野区では約120人程度と推定されています。これを受けて、国や都では、精神障害者の退院促進事業や地域移行・地域定着支援事業を進めているところですが、中野区における地域移行はどの程度進んでいるのでしょうか。退院者数について、区で把握されていればお示しください。また、今後一層の取り組みが必要と思われますが、いかがお考えでしょうか。

 また、生活保護を受けている方で、この9月時点で精神疾患による入院期間が1年以上となっている方は69名とのことです。入院中は、治療代や薬代のほかに入院費用が毎月30から40万円かかり、年間平均でおよそ420万円かかります。長期入院となっている方がお一人でも退院して地域で暮らすことができれば、住宅費と生活扶助を1カ月13万5,000円として、入院費との差額は毎月21万5,000円、年間で258万円ほどの生活費を減らすことができます。つまり、地域移行支援は障害者本人のより自立した質の高い生活につながることに加え、社会的入院で発生する区の財政負担を減らすことにもなります。こうした地域生活移行支援は、障害福祉分野が障害福祉計画の中で計画し、すこやか福祉センターの保健師、生活援護分野の生活保護ケースワーカーや精神保健福祉士が行っています。また、区が委託している地域生活支援センターせせらぎによる居住サポートも類似のものとしてあります。こうした4者の連携や情報共有の現状と今後の課題、そして地域移行支援を一層強化していくための方策についてお教えください。

 次に、退院した精神障害者の住む場所についてです。グループホームには、3年間で自立を目指す通過型のグループホームと、滞在期間の定めのない滞在型のグループホームがあります。しかし、中野区の場合、滞在型グループホームはなく、通過型のグループホームも数が足りていないという問題があります。住みかえ支援事業や区営住宅なども扱う都市計画分野と生活援護分野、障害福祉分野が連携して住む場所の確保に努めることが必要ではないでしょうか。

 例えば、民間賃貸住宅を借りる際に、不動産屋さんや大家さんの無理解による門前払いを防ぐために、理解を深めてもらえるような精神障害に関する啓発や、「区が責任を持って地域移行支援に取り組んでいる」ということも知ってもらう取り組みを、都市計画分野が他の部署と連携をとりながら進めていくことが必要であると思われますが、いかがでしょうか。

 3点目、東日本大震災の被災地ボランティアの派遣についてです。

 東日本大震災以後、区内のさまざまな団体、組織、個人が今も被災地への支援を続けています。現在、中野区の「区民公益活動に関する政策助成」には、助成対象として、区民団体が区民を対象にみずから行う公益活動と明記されています。しかし、被災地支援の観点から、被災地への支援を行う活動、被災地に行くことを希望するボランティアの育成やコーディネート、被災地から避難してきた被災者のための活動も政策助成の助成対象となるよう、活動領域に加えてはいかがでしょうか。また、区民公益活動推進基金への寄附について、23年度は約270万円と対前年比で大きく増加しました。しかし、寄附金がゼロ円であった年もあるなど、大口の寄附の有無や景気の動向による不安も感じられます。寄附額の傾向をどのように考え、また、今後の寄附をより多く集めるためにはどのような工夫をされていくお考えでしょうか。

 また、私もことし8月に東松島市や石巻市に行ってまいりましたが、被災地に赴くと、いまだに水につかった状態の家屋やつぶれた店舗などがそのままで、復興のめどが立たない地域もあります。また仮設住宅では、次の行き場がなかなか決まらない人の精神的な負担が大きくなったり、住民同士の間で気持ちのすれ違いが生じたりしてきています。こうした中、中野ボランティアセンターでは、宮城県東松島市・鷹来の森の仮設住宅での足湯や、食事の提供をする「なかのカフェ」などを現在も継続して行っています。その支援活動の資金である中野ボランティアセンターのボランティア基金は、ボランティアセンターの窓口におけるエコたわしの販売やインクカートリッジの回収などによって賄われています。区民参加のボランティア活動を支援するため、区役所の庁舎においてもインクカートリッジの回収ボックスを置くなどの方法で支援ができませんでしょうか。

 被災地のことを考え活動する区民の気持ちが形にできるよう、中野区が今後も後押しをしてくれることを期待しつつ、質問を終えさせていただきます。

 なお、4、その他はございません。御答弁のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) [4]石坂 議員の御質問にお答えいたします。

 中野駅ホームの安全対策について。中野四季の都市(まち)をはじめ、まちづくりの進展に伴う乗降客の増加に対応し、区としても中野駅の安全対策が必要であるとの認識を持っています。区としては、ホームの安全対策のみならず、鉄道利用者の利便性向上や鉄道輸送力の強化、バリアフリー化等も中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3で示しているところです。JR東日本に対して働きかけを行ってまいります。

 それから、点字ブロックの設置についてであります。点字ブロックの設置については、道路の移動円滑化整備ガイドラインや、東京都福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルの基準に基づき整備を進めているところであります。駅周辺の整備に当たっては、視覚障害者等の意見を踏まえながら、移動等円滑化のために必要であると認められる箇所に点字ブロックを敷設してまいりました。点字ブロックの色彩については、黄色を基本としますが、路面の色彩との関係で認識しづらい場合には、視覚障害者等の意見が反映されるよう留意して決定することとなっており、今後もそのように進めてまいります。

 私からは以上です。

    〔健康福祉部長田中政之登壇〕

○健康福祉部長(田中政之) 私からは、精神障害者地域移行支援についての御質問のうち、2点の御質問にお答えいたします。

 まず、地域生活移行の状況についてでございます。精神障害者の地域移行につきまして、区の保健師による退院支援、居住サポート事業、生活保護精神障害者退院促進事業など、区の支援を受けて退院された方は、平成18年度からの6年間で29名となっております。障害福祉計画における国の指針では、区市町村レベルでの実態把握は困難であるが、都道府県の算定をもとに見込み量を設定し、取り組むものとされているところでございます。今後も精神障害のある方が地域社会において自立して生活していただけるように、地域移行、地域定着支援を進めてまいります。

 続きまして、地域移行支援のための連携強化についてでございます。地域移行支援に係る連携につきましては、庁内関係部署をはじめ、区内事業者や訪問看護ステーション、東京都の地域移行支援事業を受託している事業者などを構成員といたしまして、地域移行支援連絡会を定期的に開催いたしております。情報化の共有化や連携を図っているところでございます。今後は個別的な支援を強化するため、地域生活の準備のための外出への同行支援でありますとか、地域定着のための緊急時の相談支援などについて検討を行いまして、地域相談支援の充実を図っていきたいと考えております。

 私からは以上でございます。

    

都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、精神障害者の住まい探しに関連しまして、不動産業者や家主への啓発周知についてお答えいたします。

 都市計画分野では、さまざまな理由から自分で住みかえ先を探せない方に対して、住みかえ支援事業協力不動産店を通じて物件の情報を収集し、提供しております。不動産関係団体とは定期的に意見交換の場を設け、区の住みかえ支援事業への協力を依頼しており、今後とも区の関係分野と連携をとりながら、精神障害に関する啓発や区の支援策等の周知を図ってまいりたいと考えております。

  〔地域支えあい推進室長瀬田敏幸登壇〕

○地域支えあい推進室長(瀬田敏幸) 私からは、まず東日本大震災の被災地支援に関する政策助成についてお答えいたします。

 区民公益活動に関する助成の対象は、区民を主な対象として、みずから行う公益活動でございまして、被災地ボランティアの育成やコーディネート活動、また中野区内に避難している被災者のための活動につきましては、現在でも区民公益活動に関する政策助成の助成対象になるものでございます。

 なお、被災地への支援を行う活動、被災地に出向いての現地での支援活動につきましても、助成対象となる活動に準ずるものとして助成対象にならないか、今後検討していきたいと考えてございます。

 また、区民公益活動の推進基金への寄附に関してのお尋ねがございました。区民公益活動推進基金への寄附額は、例えば個人からまとまった額などがあった年度もございまして、年度によりまちまちでございます。これまでも区報、ホームページなどで継続的に寄附の呼びかけを行うとともに、商工団体の会議の場に出向くなどして、寄附制度につきましての御趣旨の御理解と周知を図ってきたところでございます。今後ともこうしたPRに加えまして、区内での展開されている公益活動の紹介もしてまいりたいと考えてございます。

 以上でございます。

○議長(大内しんご) 質問時間は終了しております。答弁は結構でございます。

 以上で[5]石坂 わたる議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 小宮山 たかし

 1 中野区フィルムコミッションの設立について

 2 小学校新入生保護者に対する情報提供について

 3 弥生町地域のまちづくりについて

 4 その他

 

○議長(大内しんご) 次に、小宮山たかし議員。

     〔小宮山たかし議員登壇〕

○19番(小宮山たかし) 第3回定例会に当たり、小宮山たかしの一般質問をさせていただきます。

 今回の質問項目のうち、3番の弥生町地域のまちづくりについては、また改めて別の機会に取り上げさせていただきます。その他の項目はございません。

 「中野新橋駅の地下には諜報機関の秘密基地がある」というのが、1967年公開の映画「007は二度死ぬ」の中での設定であります。私が生まれる前の話ではありますが、今も時々地元住民が思い出したように口にする話題であります。

 数年前のことですが、区内の川島商店街でテレビコマーシャルの撮影がありました。有名タレントが商店街を闊歩して、酒屋でお酒を買うというシーンの撮影です。実際のオンエアはほんの数秒でしたが、撮影そのものは二、三日がかりで非常に大規模なものでした。この撮影に当たって店舗を1週間貸し出したお店には70万円の休業補償金が入り、そして、撮影隊に休憩場所や荷物置き場を提供し、撮影に便宜を図った商店街に対しては、30万円の撮影協力金をいただきました。

 これは大規模なテレビコマーシャル撮影ということで、特殊な例ではありますが、川島商店街では年間30回前後のテレビ、映画の撮影があり、その撮影に協力することに対して、多い年で100万円程度という少なからぬ収益にもつながっているという実績があります。この撮影協力活動を商店街独自でもう少し推し進めていけないものかどうか。今までは、問い合わせが来れば対応していたものを、これからは、「ぜひ来てください。川島商店街を使ってください」という体制に変更できないものかどうか、現在、商店街内部で検討している最中です。

 他の自治体を見てみますと、23区では台東区と墨田区に区が関与しているフィルムコミッションという組織があります。フィルムコミッションとは、コマーシャルやドラマや情報番組などのテレビ番組や、映画や雑誌等の撮影・取材に対して、撮影場所の紹介などの便宜を図り、その見返りとして、自治体のイメージアップや地域経済及び文化活動の振興を図るという組織です。

 台東区の場合、1,000万円の予算で民間に委託、区役所の観光課にフィルムコミッションのデスクがあり、1名の専従職員が運営をしているそうです。

 墨田区の場合、予算の詳細は不明でしたが、2名のスタッフが観光協会と兼任で仕事をしているそうです。墨田区はスカイツリー完成の影響もあり、撮影件数が以前と比べて飛躍的に伸びているそうです。

 東京都が運営するロケーションボックスという東京都全体のフィルムコミッションもありますが、台東区、墨田区での撮影場所登録件数そのものが多く、フィルムコミッションがあると紹介する側もされる側も助かるため、台東区、墨田区への紹介が圧倒的に多いというお話でした。

 繰り返しになりますが、台東区は年間1,000万円の予算でいろんなテレビ、ドラマ、映画、雑誌など、昨年度は約1,200件のさまざまなマスコミ媒体に登場しているそうです。中野区は、今回の補正予算で120万円の予算を組んで、「東京人」という発行部数3万5,000部の雑誌に4ページだけ記事を掲載していただくということです。単純な比較はできないものの、台東区は1,000万円で1,200件、中野区は120万円で1件。中野区をPRすることに対して反対はしませんが、費用対効果を考えた場合、どちらが効果的であるのかは言うまでもありません。

 23区だけで考えた場合、23区の西側には、撮影協力を積極的に進めている自治体は今のところ一つもありません。また、中野区は都心からの交通の便がよいという大きなアドバンテージがあります。鶏口となるとも牛後となるなかれということわざがありますが、今、撮影協力活動を積極的に進めていけば、23区西側での先行者利益をひとり占めすることも決して不可能ではないのです。

 中野区は、今、大きく変わろうとしています。新しいまちの新たな息吹を皆様も肌で感じ取っていらっしゃることと思います。今こそ、中野区にフィルムコミッションを設立してはいかがでしょうか。地域のPRになることはもちろん、私が冒頭に申し上げたように、商店街や撮影協力店に対しては、少なからぬ金銭的なメリットも発生します。公園や使われていない学校など、区の施設を撮影に使う際には、区に対する収益も発生します。また、撮影隊のためのお弁当、いわゆるロケ弁が区内業者に発注されたり、区内の宿泊施設が利用されたり、エキストラなどの雇用が発生するなど、直接間接の影響も少なからぬものがあります。

 さらに、例えば「北の国から」というドラマが撮影された北海道・富良野や、大林宣彦監督が「尾道三部作」と呼ばれる映画を撮影した広島県尾道市のように、半永久的に観光客が訪れるような新たな文化遺産が中野に生まれるかもしれません。

 冒頭に紹介したように、撮影から40年以上たった今でも、「007 中野新橋」とインターネット検索をすると複数の情報がヒットし、中野新橋駅に007が来たという伝説は今なお語り継がれ、中野新橋の駅やまちに対する愛着を深めるために役立っている様子をうかがい知ることができます。

 中野区は、空襲被害を受けたエリアも多く、名所旧跡などの観光資源に恵まれているとは決して言えない区であります。新しいまちの魅力を創造していくために、今こそフィルムコミッションを設立して、中野区の活性化、魅力向上に役立ててはいかがでしょうか。

 次に、小学校新入生保護者に対する情報提供について質問をさせていただきます。

 あと4日。あと4日で私の息子は6歳になります。誕生日プレゼントとしてランドセルを買ってあげることにしたのですが、近年、ランドセルのサイズは年々巨大化しており、数年前はA4対応が主流だったものが、今ではA4クリアファイル対応のものがふえているようです。

 その一方で、区内の小学校のうち、昭和時代に建てられた古い小学校では、ランドセルを入れる棚のサイズが小さく、大きなランドセルは収納できないこともないが、収納しにくい状態であるそうです。こうした小学校生活に関する情報は、保護者間の口コミでは流れているものの、区からの公式なアナウンス、情報提供はされていないようです。

 例えば、学校公開制度についても同じことが言えます。だれもが希望さえすれば学校の授業を参観できる学校公開は、小学生保護者にとっては常識ですが、未就学児の保護者にとっては必ずしもそうではありません。また、特殊な事情があれば指定校を変更できるという情報についても、早い時期から知っている人とそうでない人とでは、情報格差が生まれてしまいます。現状のように、保護者間の口コミ情報が先行して拡散されてしまうと、誤解や主観に基づいたデマ情報までもが広がってしまうおそれもないとは言えません。

 区では、例年、年明けの1月ごろに入学説明会を行っているそうですが、1月ごろに学校公開を知らされても、見に行く機会はほとんどありません。また、1月ではランドセルを購入済みの方がほとんどです。

 幼稚園や保育園から小学校へのスムーズな進学を果たし、いわゆる小1プロブレムを解消するためには、保護者に対する情報提供も大切です。ホームページや区報に情報を提供するだけでなく、小学校の制度や学校内の特殊事情に関して、現状よりも早い、できれば夏ごろの情報提供を、すべての来年度入学予定児童の保護者に対して行うことはできませんでしょうか。

 中野区では、幼保小の連携を図り、小1プロブレムの解消を目指した就学前教育プログラムを策定予定であると聞いております。この就学前教育プログラムの進捗状況はどうなっているのか。どんな内容で、いつ完成するのかについても、あわせてお尋ねいたします。

 以上で小宮山たかしの一般質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。

     

教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 小学校新入生保護者に対する情報提供につきまして、御質問にお答えいたします。

 指定校変更など就学に当たっての情報は、教育委員会のホームページなどで掲載して周知をしているところです。御質問にもありましたように、毎月第2土曜日に実施しています学校公開ですけれども、今後広く周知に努めまして、小学校の状況が新入学予定の保護者に対して御理解をいただけるよう努めていきたいというふうに考えています。

 次に、就学前教育プログラムの進捗状況でございます。ゼロ歳児から小学校入学期に至る各段階で経験させたい内容を示して、幼児教育の目安とするため、幼稚園、保育園、小学校の教職員の代表による検討会で、現在、就学前教育プログラムの策定を行っているところでございます。案を10月いっぱいをめどに完成させ、その後、各幼稚園、保育園、小学校との意見調整を経て、来年の1月には完成させたいというふうに考えてございます。

  

都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 私からは、中野区フィルムコミッションの設立についての御質問にお答えいたします。

 ロケ撮影の誘致によって、さまざまな地域資源の国内外への情報発信や話題づくり、さらにロケ地訪問者などの来街者の増といった効果が期待できるものと考えているところでございます。撮影場所の問い合わせ等に対しては、現在も個々に相談に応じており、使用許可申請の窓口を紹介するなど、ロケ撮影のニーズへ対応を図っているところでございます。フィルムコミッションの設立については、他区の状況などをかんがみつつ検討してまいりたいと考えているところでございます。

 私から以上でございます。

○議長(大内しんご) 以上で小宮山たかし議員の質問は終わります。

 以上をもって質問は終了いたしました。

 これより日程に入ります。

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 第52号議案 平成24年度中野区一般会計補正予算

 第53号議案 平成24年度中野区介護保険特別会計補正予算

 第56号議案 中野中学校新校舎建設に伴う電気設備等工事請負契約

 第57号議案 中野中学校新校舎建設に伴う給排水衛生設備及びガス設備工事請負契約

 第58号議案 中野中学校新校舎建設に伴う空気調和設備工事請負契約

 第60号議案 妙正寺川鷺の宮調節池人工地盤整備工事委託契約

 

○議長(大内しんご) 日程第1、第52号議案、第53号議案、第56号議案から第58号議案及び第60号議案の計6件を一括議題に供します。

 

平成24年(2012年)9月20日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 佐野 れいじ

  (公印省略)

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

52

平成24年度中野区一般会計補正予算

920

53

平成24年度中野区介護保険特別会計補正予算

920

56

中野中学校新校舎建設に伴う電気設備等工事請負契約

920

57

中野中学校新校舎建設に伴う給排水衛生設備及びガス設備工事請負契約

920

58

中野中学校新校舎建設に伴う空気調和設備工事請負契約

920

60

妙正寺川鷺の宮調節池人工地盤整備工事委託契約

920

 

○議長(大内しんご) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により、省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、これより第52号議案についてと、第53号議案、第56号議案から第58号議案及び第60号議案の計5件とに分けて採決いたします。

 初めに、第52号議案について、起立により採決いたします。

 上程中の第52号議案を委員会報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。

       〔賛成者起立〕

○議長(大内しんご) 起立多数。よって、上程中の第52号議案は可決するに決しました。

 次に、第53号議案、第56号議案から第58号議案及び第60号議案の計5件について採決いたします。

 ただいまの議案計5件について、委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

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 認定第1号 平成23年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

 認定第2号 平成23年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第3号 平成23年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第4号 平成23年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第5号 平成23年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について

 

○議長(大内しんご) 日程第2、認定第1号から認定第5号までの計5件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

      〔副区長金野晃登壇〕

○副区長(金野晃) ただいま上程されました認定第1号、平成23年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について、認定第2号、平成23年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第3号、平成23年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第4号、平成23年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第5号、平成23年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について、以上5件につきまして一括して説明いたします。

 初めに、中野区一般会計決算について説明いたします。

 平成23年度一般会計の歳入総額は1,091億2,897万6,161円、歳出総額は1,067億7,313万2,443円で、前年度と比較しますと、歳入で9.3%の増、歳出で8.8%の増となりました。歳入から歳出を差し引いた形式収支は23億5,584万3,718円となり、翌年度に繰り越すべき財源6億8,909万2,000円を差し引いた実質収支は16億6,675万1,718円となりました。

 それでは、歳入につきまして、主な款について説明いたします。

 第1款特別区税は総額292億2,800万円余で、前年度と比較して2億5,500万円余、0.9%の減となりました。これは1人当たりの平均所得の減少や納税義務者数の減少によるものです。

 第2款特別区交付金は総額323億1,200万円余で、前年度と比較して9億5,300万円余、3.0%の増となりました。

 第13款国庫支出金は、大規模公園の用地取得にかかる補助金、生活保護費負担金や子ども手当の増により、前年度と比較して26億8,400万円余、17.1%増の総額184億2,900万円余となりました。

 第14款都支出金は、大規模公園の用地取得や警察大学校等跡地整備にかかる補助金、緊急雇用創出補助金の増などにより、前年度と比較して10億5,100万円余、18.2%増の総額68億4,300万円余となりました。

 第17款繰入金は、財政調整基金繰入金や減債基金繰入金の増により、前年度と比較して14億700万円余、32.5%増の総額57億3,200万円余となりました。

 第20款特別区債は、(仮称)本町五丁目公園などの大規模公園用地の取得、学校再編や耐震等施設整備に係る事業債の増により、前年度と比較して36億600万円、376.8%増の総額45億6,300万円となりました。

 これらの結果、歳入決算額の予算現額に対する収入率は97.4%となりました。

 次に、歳出につきまして、平成23年度は予算科目の再編を行ったため、第3款都市政策推進費から第9款都市基盤費まで皆増、区民生活費、子ども家庭費、保健福祉費、都市整備費及び教育費について皆減となっています。また、事務事業についても再編されていますので、主な内容について説明いたします。

 第1款議会費は、市議会議員共済会給付費負担金の増により、前年度と比較して2億900万円余、27.8%増の総額9億6,100万円余となりました。

 第2款経営費は総額70億6,500万円余で、前年度と比較して23億3,100万円余、24.8%の減となりました。これは、住民情報系システム経費や税務、防災に関する経費を他の款に移したことによるものです。

 第3款都市政策推進費は、産業経済融資等利子補給金は減となりましたが、中野駅地区基盤整備費が増となり、総額21億1,800万円余となりました。

 第4款地域支えあい推進費は、中部すこやか福祉センター整備費の皆減、本一高齢者会館用地取得費の増などにより、総額38億8,100万円余となりました。

 第5款区民サービス管理費は、住民基本台帳法の改正やコンビニエンスストアでの証明書自動交付サービスの開始に伴うシステム開発経費の増などにより、総額129億4,800万円余となりました。

 第6款子ども教育費は、学童クラブなどの委託経費や保育園、小・中学校の施設整備費が増となり、総額265億7,000万円余となりました。

 第7款健康福祉費は、生活保護費や小児予防接種の経費の増などで、総額248億700万円余となりました。

 第8款環境費は、なかのエコポイント制度が始まり事業運営委託費が新規の経費となるなど、総額51億8,500万円余となりました。

 第9款都市基盤費は、防災無線デジタル化や野方駅の整備費は皆減しましたが、大規模公園の用地取得費や中野四季の森公園などの整備費が増となり、総額111億8,900万円余となりました。

 これらの結果、歳出決算額の予算現額に対する執行率は95.3%となり、前年度より0.2ポイント下がりました。この歳出決算額を性質別に見ますと、人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費は582億9,800万円余で、前年度と比較して1.6%の増となりました。また、投資的経費は141億1,400万円余で、前年度と比較して104.0%の増となりました。

 なお、平成23年度決算では、実質収支が16億6,600万円余となり、前年度決算に比べ3億2,100万円余の増となりました。

 また、財政指標から区の財政状況を見ますと、前年度と比較して、実質収支比率が0.6ポイント上がり2.4%、経常収支比率が4.6ポイント上がり93.0%、公債費比率が5.5ポイント上がり15.2%となっています。これらの指標を23区平均と比較すると、経常収支比率が6.6ポイント、公債費比率が9.5ポイント、それぞれ上回っており、景気も依然として厳しい状況が続いている中、引き続き歳出構造の見直しと歳入確保に向けた取り組みが必要な状況にあります。

 一方、区は新しい中野をつくる10か年計画(第2次)の四つの戦略に基づいた取り組みを着実に実行している中で、中野四季の森公園をはじめとする大規模公園の整備など大規模プロジェクトを進め、生活保護や待機児童対策、区有施設の耐震補強工事などの施設整備や改修も実施しました。今後も臨時的、投資的事業に的確に対応していくために、区としては財政健全化をさらに進め、強固な財政基盤を確立していくことが重要であると考えています。

 以上が一般会計決算の説明です。

 続きまして、中野区用地特別会計決算について説明いたします。

 歳入歳出の決算額は同額で65億4,625万5,464円、前年度と比較しますと歳入歳出とも増となっています。

 歳入の主なものは、第1款財産収入が62億5,300万円余で前年度より大幅な増となりました。

 歳出は、第1款公債費が65億4,600万円余で、前年度より62億1,200万円余の大幅な増となりました。

 いずれも、(仮称)本町五丁目公園などの用地を一般会計に売り払い、公共用地先行取得等事業債を償還したことによるものです。

 また、平成23年度は土地の取得がなかったため、歳入の特別区債と歳出の用地費は皆減となっています。

 次に、中野区国民健康保険事業特別会計決算について説明いたします。

 歳入総額は320億9,222万3,085円、歳出総額は316億2,609万41円で、前年度と比較しますと、歳入が7.0%増、歳出が6.6%の増となりました。

 歳入の主なものは、第1款国民健康保険料が86億8,900万円余で、前年度より3億5,300万円余、4.2%の増、第3款国庫支出金が79億8,000万円余で、前年度より4億8,600万円余、6.5%の増、第5款前期高齢者交付金は40億500万円余で、前年度より8億600万円余、25.2%の増、第7款共同事業交付金が37億3,900万円余で、前年度より7億1,400万円余、23.6%の増、第8款繰入金は48億600万円余で、前年度より6億3,100万円余、11.6%の減となりました。

 歳出の主なものは、第2款国保給付費が203億1,100万円余で、前年度より5億500万円余、2.6%の増、第3款後期高齢者支援金は43億5,700万円余で、前年度より3億6,800万円余、9.2%の増、第7款共同事業拠出金は37億3,100万円余で、前年度より7億9,000万円余、26.9%の増、第9款諸支出金は3億700万円余で、前年度より2億2,200万円余、262.2%の増となりました。

 次に、中野区後期高齢者医療特別会計決算について説明いたします。

 歳入総額は54億9,962万4,531円、歳出総額は54億7,485万3,831円となりました。前年度と比較しますと、歳入歳出とも4.3%の増となりました。

 歳入の主なものは、第1款後期高齢者医療保険料が29億1,400万円余で、前年度より4,300万円余、1.5%の増、第2款繰入金が24億6,700万円余で、前年度より1億8,100万円余、7.9%の増となりました。

 歳出は、第1款広域連合納付金が53億8,600万円余で、前年度より2億1,100万円余、4.1%の増、第2款保険給付費が7,900万円余で、前年度より1,500万円余、23.8%の増となりました。

 最後に、中野区介護保険特別会計決算について説明いたします。

 歳入総額は177億922万2,341円、歳出総額は176億7,759万2,450円で、前年度と比較しますと、歳入で3.5%の増、歳出で3.6%の増となりました。

 歳入の主なものは、第3款国庫支出金が39億5,000万円余で、前年度より1億9,000万円余、5.1%の増、第4款支払基金交付金が50億700万円余で、前年度より2億1,600万円余、4.5%の増、第7款繰入金が31億8,200万円余で、前年度より1億6,600万円余、5.5%の増、第8款繰越金は5,100万円余で、前年度より3,600万円余、41.8%の減となりました。

 歳出の主なものは、第2款保険給付費が166億1,200万円余で、前年度より6億7,900万円余、4.3%の増となりました。第4款基金積立金が700万円余で、前年度より3,100万円余、81.1%の減となり、前年度に引き続き大幅な減となりました。

 以上、平成23年度の各会計決算について説明いたしました。

 なお、詳細につきましては、お手元に送付いたしました「中野区各会計歳入歳出決算書・各会計事項別明細書」及び「各調書」、「主要施策の成果」並びに「中野区各会計歳入歳出決算説明書」によりまして御確認いただきたいと思います。

 また、監査委員におかれましては、本決算につきまして、7月24日から8月7日までの間、慎重に審査をいただき、別冊のとおり「中野区各会計歳入歳出決算審査意見書」の提出をいただきました。御指摘のあった点については十分に対処していく所存です。

 最後になりましたが、ここに平成23年度の決算につきまして議会の認定をお願いする運びになりましたことは、区議会の適切な御指導と御協力によるものと深く感謝を申し上げる次第です。

 以上、認定第1号から認定第5号までにつきまして、よろしく御審議の上、御認定くださいますようお願い申し上げ、平成23年度中野区各会計決算の説明とさせていただきます。

○議長(大内しんご) 本件について御質疑ありませんか。

     〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御質疑がなければ、質疑を終結いたします。

 上程中の認定第1号から認定第5号までの計5件は、議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、上程中の認定第1号から認定第5号までの計5件

は、議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託することに決しました。

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 中野区の財政の健全化判断比率について

 

○議長(大内しんご) 日程第3、中野区の財政の健全化判断比率について報告いたします。

 本件については、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき、区長から9月20日付の配付文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。

 

     24中経経第1735

     平成24年(2012年)9月20日

 中野区議会議長 大 内 し ん ご 殿

         中野区長 田 中 大 輔

中野区の財政の健全化判断比率の報告について

 地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき、別添のとおり報告します。

 

○議長(大内しんご) 本日はこれをもって散会いたします。

      午後4時34分散会