平成24年12月03日中野区議会本会議(第4回定例会)
平成24年12月03日中野区議会本会議(第4回定例会)の会議録
平成24年12月03日第4会定例会(第1日)

.平成24年(2012年)12月3日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(42名)

  1番  若  林  しげお         2番  高  橋  かずちか

  3番  木  村  広  一        4番  甲  田  ゆり子

  5番  小  林  ぜんいち        6番  中  村  延  子

  7番  石  坂  わたる         8番  後  藤  英  之

  9番  石  川  直  行       10番  内  川  和  久

 11番  ひぐち   和  正       12番  いでい   良  輔

 13番  白  井  ひでふみ       14番  平  山  英  明

 15番  南     かつひこ       16番  森     たかゆき

 17番  いながき  じゅん子       18番  林     まさみ

 19番  小宮山   たかし        20番  浦  野  さとみ

 21番  伊  東  しんじ        22番  佐  野  れいじ

 23番  北  原  ともあき       24番  吉  原     宏

 25番  小  林  秀  明       26番  久  保  り  か

 27番  酒  井  たくや        28番  奥  田  けんじ

 29番  近  藤  さえ子        30番  金  子     洋

 31番  長  沢  和  彦       32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  やながわ  妙  子       38番  佐  伯  利  昭

 39番  むとう   有  子       40番  か  せ  次  郎

 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  金 野   晃

 教  育  長  田 辺 裕 子      政 策 室 長  竹 内 沖 司

 経 営 室 長  川 崎   亨      都市政策推進室長 長 田 久 雄

 地域支えあい推進室長 瀬 田 敏 幸    区民サービス管理部長 登   弘 毅

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 髙 橋 信 一     健康福祉部長   田 中 政 之

 保 健 所 長  山 川 博 之      環 境 部 長  小谷松 弘 市

 都市基盤部長   尾 﨑   孝      政策室副参事(企画担当) 野 村 建 樹

 経営室副参事(経営担当) 戸 辺   眞  選挙管理委員会委員長 大 泉 正 勝

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  篠 原 文 彦      事務局次長    青 山 敬一郎

 議事調査担当係長 佐 藤   肇      書     記  関 村 英 希

 書     記  河 村 孝 雄      書     記  東   利司雄

 書     記  丸 尾 明 美      書     記  土 屋 佳代子

 書     記  細 川 道 明      書     記  江 口 誠 人

 書     記  鈴 木   均      書     記  永 見 英 光

 書     記  竹 内 賢 三      書     記  香 月 俊 介

 

 議事日程(平成24年(2012年)12月3日午前10時開議)

日程第1 第66号議案 平成24年度中野区一般会計補正予算

日程第2 第68号議案 専決処分の承認について

日程第3 第67号議案 中野区男女平等基本条例の一部を改正する等の条例

追加議事日程

日程第4 議員提出議案第19号 前副区長 阪井清志さんに対する感謝状贈呈に関する決議

 

      午前10時00分開会

○議長(大内しんご) ただいまから平成24年第4回中野区議会定例会を開会いたします。

 本日の会議を開きます。

 会議録署名員は会議規則第121条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。

 8番後藤英之議員、35番市川みのる議員にお願いいたします。

 次に、会期についてお諮りいたします。

 本定例会の会期は、本日から12月20日までの18日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 この際、一般質問の時期の変更についてお諮りいたします。

 一般質問は議事に先立って行うことになっておりますが、別な時期に変更し、質問を許可いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、さよう進行いたします。

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 第66号議案 平成24年度中野区一般会計補正予算

 

○議長(大内しんご) これより日程に入ります。

 日程第1、第66号議案、平成24年度中野区一般会計補正予算を上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

      〔副区長金野晃登壇〕

○副区長(金野晃) ただいま上程されました第66号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。

 第66号議案、平成24年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ9,149万円を追加計上するものです。これにより、既定予算との合計額は1,181億8,874万円となります。

 補正の歳出予算の内容は、通学路緊急合同点検の結果を受け、安全対策が必要な箇所について交通安全施設を整備する経費2,509万円及び生活道路拡幅整備の申請件数の増加に対応する経費6,640万円を都市基盤費に追加計上するものです。

 この補正の歳入予算といたしましては、繰入金7,754万6,000円及び諸収入1,394万4,000円を追加計上するものです。

 本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(大内しんご) 本件について御質疑ありませんか。

     〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い総務委員会に付託いたします。

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 第68号議案 専決処分の承認について

 

○議長(大内しんご) 日程第2、第68号議案、専決処分の承認についてを上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

      〔副区長金野晃登壇〕

○副区長(金野晃) ただいま上程されました第68号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。

 第68号議案、専決処分の承認については、平成24年度中野区一般会計補正予算について、地方自治法第179条第1項の規定により専決処分をいたしましたので、同条第3項の規定により議会に報告し、その承認をお願いするものです。

 この補正予算は、東京都知事選挙並びに衆議院議員選挙及び最高裁判所裁判官国民審査を平成24年12月16日に実施することとなり、これに要する経費について、直ちに予算措置を講じる必要があり、議会を招集する時間的余裕がなく、本年11月16日に専決処分をしたものです。

 この補正予算の内容は、歳入歳出にそれぞれ1億8,626万円を追加計上するものです。これにより、既定予算との合計額は1,180億9,725万円となりました。

 歳出予算の内容は、選挙執行費1億8,626万円を計上するものです。

 歳入予算といたしましては、都支出金1億8,626万円を追加計上するものです。

 本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(大内しんご) 本件について御質疑ありませんか。

     〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 本件は委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。

 本件については討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案を承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、さよう承認するに決しました。

 お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第4、議員提出議案第19号、前副区長

阪井清志さんに対する感謝状贈呈に関する決議を先議するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

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 議員提出議案第19号 前副区長 阪井清志さんに対する感謝状贈呈に関する決議

 

○議長(大内しんご) 日程第4、議員提出議案第19号、前副区長 阪井清志さんに対する感謝状贈呈に関する決議を上程いたします。

 提案者代表の説明を求めます。篠国昭議員。

      〔篠国昭議員登壇〕

○36番(篠国昭) 議員提出議案第19号、前副区長 阪井清志さんに対する感謝状贈呈に関する決議。

 ただいま上程されました議員提出議案第19号、前副区長 阪井清志さんに対する感謝状贈呈に関する決議につきまして、提案者を代表して提案理由の説明を申し上げます。

 前副区長 阪井清志さんは、昭和58年に当時の建設省に入省され、土木研究所道路部交通環境研究室を皮切りに、中部地方建設局、四国地方整備局、本省都市・地域整備局などにおいて主要ポストを歴任されました。また、それだけにとどまらず、外務省在ケニア日本国大使館、都市基盤整備公団などにも派遣され活躍されました。

 このように、広範な分野において活躍をされた後に、平成22年7月12日に中野区の副区長に就任されました。

 阪井さんが中野区に在籍されたのは2年3か月あまりでございましたが、この間、田中区長を支えるとともに、その豊富な知識と経験に基づく幅広い識見、卓越した行政手腕を発揮され、中野区政に多大な貢献をされました。

 とりわけ「まちづくり」にかかわる事案については、知識と経験をいかんなく発揮され、幾つもの困難な課題を克服されてまいりました。

 中野駅周辺まちづくりでは、中野駅地区整備の推進や中野駅周辺まちづくりの事業化に向けて尽力され、東西連絡路をはじめとする中野駅前第1期整備の完成と、警察大学校等跡地を公園、道路、商業・業務施設に整備した「中野四季の都市」の完成をみることができました。

 また、西武新宿線連続立体交差事業についても、関連の都市計画事業や沿線まちづくりの取り組みなどに顕著な功績を残されました。

 都市計画や建築の分野においては、身近な地区のまちづくりを展開するためのしくみを定めた「中野区地区まちづくり条例」、ワンルームマンションの抑制と共同住宅の居住環境向上を実現するための「中野区集合住宅の建築及び管理に関する条例」制定にも尽力されました。

 東中野駅前広場整備及び線路上空活用については、専門知識をもとに東京都やJR東日本株式会社との調整を円滑に進め、この8月に自由通路の完成をみたところであります。

 さらに、情報の分野においても、CIOとして中野区情報システム調達ガイドラインの適切な運営にあたられるなど、中野区におけるITガバナンスの推進にも顕著な功績を残されました。

 このように、卓越した行政手腕と指導力の発揮により、区政のさまざまな面での発展に寄与し、副区長としての職務を全うされました。

 このたび副区長を退任されることになりましたが、ここにあらためて阪井さんの労苦をねぎらい、その功績に敬意を表するために、本議案を提出する次第でございます。

 同僚議員におかれましては、なにとぞ、満場一致でご賛同賜わりますようお願い申し上げて、提案理由の説明といたします。

○議長(大内しんご) 本件については、質疑・委員会付託・討論を省略し、直ちに採決いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案を原案どおり可決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、伊東しんじ議員、白井ひでふみ議員、来住和行議員、酒井たくや議員、石川直行議員、佐野れいじ議員、木村広一議員、かせ次郎議員、森たかゆき議員、後藤英之議員、北原ともあき議員、甲田ゆり子議員、高橋かずちか議員、むとう有子議員、近藤さえ子議員、いながきじゅん子議員、林まさみ議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 

 中野区議会議員 伊 東 しんじ

 1 事業見直しについて

 2 期日前投票所について

 3 中野駅周辺まちづくりの公共施設配置について

 4 中野区自転車利用総合計画とその取り組みについて

 5 コミュニティバス「なかのん」について

 6 その他

 

○議長(大内しんご) 最初に、伊東しんじ議員。

     〔伊東しんじ議員登壇〕

○21番(伊東しんじ) 平成24年第4回定例会に当たり、自由民主党議員団の立場で質問させていただきます。

 質問項目は、1、事業見直しについて、2、期日前投票所について、3、中野駅周辺まちづくりの公共施設配置について、4、中野区自転車利用総合計画とその取り組みについて、5、コミュニティバス「なかのん」について、その他はございません。

 いよいよ衆議院が解散され、衆議院総選挙の運びとなりました。民主党政権下の3年余、内政、外交での迷走から現在の危機的状況を招いてきました。おくれる震災復興、長引くデフレからの脱却をし、我が国固有の領土・主権に対する外国の挑発を排除することが急務であります。

 我が自由民主党は衆議院選に臨み、経済・教育・外交を再生し、安心して暮らせる日々を取り戻すことを基軸とし、「たくましく、優しく、誇りある日本」の復活・再生に向けた政策を政権公約としているところです。この政権公約の中には、「社会保障制度改革推進法に基づき、消費税引き上げの実施を判断する来年秋を目途に高齢化の進展の中で持続可能な社会保障制度を確立するための法整備」が示されております。

 急速な少子高齢化の進展等による社会保障給付に要する費用の増大及び生産年齢人口の減少に伴う社会保険料に係る国民の負担の増大と、社会保障制度による国及び地方公共団体の財政負担の増大は周知のところであります。中野区においても社会保障に係る扶助費の増大が続き、財政運営の継続性を脅かすに至っております。また、リーマンショック以降の景気低迷による歳入の減少がこれに加わり、歳入の不足分数十億円を財政調整基金から補う予算編成を余儀なくされております。

 そのため、中野区は昨年、平成23年度事業見直し方針を発表し、平成27年度までに一般財源を充当する事業費規模を「基準となる一般財源規模」である650億円まで削減し、その後も歳出規模650億円を堅持するとしております。この方針に基づく平成23年度事業見直しでは、事業のあり方や執行体制を聖域なく行うとして76事業の見直しを行い、その財政効果を平成24年度7億円余、27年度においては6億円余見込みました。しかし、この事業見直しの財政効果には基金の廃止や収納対策による効果も含まれており、事業見直しによる実質の財政効果は2億円から5億円といったところであります。

 また、この事業見直しでは、職員2,000人体制を前倒しし平成27年度に達成させることによる人件費削減の財政効果額も示され、平成27年度には対23年度予算比で30億円が見込まれました。平成23年度の当初予算の一般財源充当事業費が661億円でありましたから、この事業見直しによる平成27年度の一般財源充当事業費はそのままであれば630億円を下回ることになり、目的を十分達成することになります。

 しかし、実際には先ほど申し上げた扶助費の増加や景気の低迷による歳入の減少などの負の要因も多々あり、こうした点を加味した一般財源充当事業費と一般財源の推計が本年度の当初予算の概要の中で、財政運営の考え方によって示されました。その内容では、平成27年度の一般財源充当事業費推計は651億円とされ、先ほどの事業見直しによる財政効果額による額との間に20億円以上の乖離が生じるとともに、一般財源の推計値も基準となる一般財源規模に届かず、643億円とされ、その差分、財政調整基金の繰り入れとして見込んでいます。

 さらに財政運営の考え方では、平成28年度に一般財源充当事業費は657億円に達するとされました。こうしたことから、財政運営の考え方では、平成24年度以降も継続して事業見直しの徹底を図ること、さらには、特にとして平成28年度に向けての5年間の4つの取り組みが示されました。

 こうした考え方に基づき、先日、平成24年度の事業見直し(案)が発表されたところですが、5カ年の財政効果額が示されるだけで、23年度の事業見直しと累積しての財政効果額が示されておらず、また、人件費削減効果額も示されませんでした。さらに23年度、24年度事業見直しによる効果に扶助費等の現時点で想定される歳出の増減予想も加味されておりません。平成25年度の当初予算の概要では、一般財源充当事業費と一般財源を推計として示されるのでしょうが、このような施策の示し方は、区民のみならず職員にさえも区の抱える課題とその対策の必要性が理解されず、際限なく続く事業見直しのイメージばかりがクローズアップされてしまうのではないでしょうか。私はその点を大変危惧いたしております。

 そこで、お聞きしてまいります。

 最初に、冒頭に申し上げた中野区の社会保障にかかわる扶助費の増加の実態と今後の推計について説明をお願いいたします。

 2点目は、8月に都区財政調整の当初算定が報告され、今年度の半期が経過した現時点で、23年度事業見直しの効果達成見通しについての説明をお願いいたします。

 3点目は、事業見直し(案)の示し方として、前年度までの事業見直し効果額を加え、さらに一般財源ベースの財政フレームに対前年度決算値を落とすなどし、わかりやすく訴求力のある説明必要性を強く感じております。それが行われない理由について説明を求めます。

 4点目は、平成24年度当初予算の概要の中、財政運営の考え方に示されました平成28年度に向けての5年間の4つの取り組みについて、現時点の進捗と今後の方針の説明を求めます。

 以上、さきの第1回定例会の総括質疑でも触れさせていただいた点ではありますが、改めてお聞きしたいと思います。

 なお、第1回定例会の総括質疑の折にも申し上げ、区長も所感を同じくするとおっしゃっていただいた社会保障制度の早急な見直しと、それを支える日本のたゆみない経済成長の必要性について、自由民主党は地方議会から強く国に求めてまいります。もちろん国政においても力強い成長戦略とスピード感のある社会保障制度改革を旗印にし、この戦いに勝利し、公約の実現を進めてまいります。

 続いて、2項目めの期日前投票所について質問いたします。

 冒頭に申し上げたとおり、12月16日に衆議院選挙並びに東京都知事選挙の投票と最高裁判所裁判官国民審査が実施されます。こうした選挙の折に、近年特に注視されるのが期日前投票です。この期日前投票制度は平成16年に導入、定着し、利用者も選挙ごとに増加し、中野区内の期日前投票所も順次ふえ、現在5カ所で実施されております。しかしながら、区役所を除く4カ所の期日前投票所がいずれも地域事務所併設の区民活動センターでありながら、同じく地域事務所併設の野方区民活動センターのみ期日前投票所が開設されてきませんでした。

 我が自由民主党は、かねてより、期日前投票制度は区民の投票の利便性を確実に向上させ、結果、投票率の向上に寄与すること、また、野方区民活動センターは交通の便が非常によく利便性が高いがゆえ、地域事務所が併設された点からも、他の4カ所同様、地域事務所併設の野方に期日前投票所の開設を強く求めてまいりました。残念なことに、今回の選挙は従来どおりの期日前投票所で投票が受け付けられますが、来年は東京都議会議員選挙、参議院議員選挙を控えております。こうした点を踏まえまして、これまでの選挙管理委員会の検討についてお尋ねいたしたいと思います。

 続きまして、質問の順番を入れかえ、コミュニティバス「なかのん」について伺います。

 先日、平成17年11月より関東バスが運行している「なかのん」について、来年3月ごろ、運行本数を大幅に削減する見直しが予定されていると伺いました。確かに、昨年の東日本大震災以降、手軽に利用できる自転車が見直され、バスの利用者が減少しているとの指摘がございます。このことについては後の質問にさせていただくとして、「なかのん」につきましては、御承知のとおり多くの地域住民の皆さんの御要望を受けて路線が開設され、現在では沿線住民の皆さんの貴重な交通手段として、「なかのん」という愛称とともに広く親しまれて、すっかり定着しているところです。今回の見直しが実施された場合、何よりも沿線にお住まいの住民の皆さんにとって、区内北西部と中野駅周辺をつなぐ貴重な交通手段を失いかねない結果となり、まことに残念なことと感じます。

 そこで、私ども自民党は、区並びに区議会がしっかりと連携した上で、「なかのん」の運行事業者である関東バスに対し、今回の見直しを再考していただけるよう積極的に働きかけるべきと考えますが、まずは区の御見解を伺います。

 続いては、中野駅周辺まちづくりの公共施設配置について伺います。

 この項については、第1回定例会、第2回定例会と続けて質問をさせていただいております。その際、区長の御答弁では、公共施設配置の検討につきましては全庁的な課題であり、経営本部において調整や検討の進行管理を行い検討を進めており、進捗状況については議会へも適宜情報提供を行い、今年度の早い時期に公共施設配置の方向性を示したいとおっしゃっておられました。その際、新しい区役所や体育館に求められる機能や施設規模の概要についても、公共施設配置の方向性とあわせて示したいともおっしゃっておられます。

 今年度も3分の2が経過し、既に12月であります。この間、議会に対し適宜の情報の提供はいただいておりません。スケジュール進捗にさわりある事情が生じているのでしょうか。現時点での検討の進捗状況並びに公共施設配置の方向性の公表の時期についてお伺いいたします。

 なお、このことに密接に関係する中野区役所・サンプラザ地区整備基本構想の検討の進捗状況についても、あわせお示しいただけるようお願いし、この項の質問を終えます。

 質問の最後といたしまして、中野区自転車利用総合計画とその取り組みについてお伺いいたします。

 東日本大震災以降、自転車利用者が増加傾向にあるとの話は、先ほどのコミュニティバス「なかのん」の質問の項でも触れましたが、利用者増に伴い、自転車が関与する交通事故も増加傾向にあり、特に中野区内ではその割合が高いとも聞き及んでおります。確かに自転車利用者マナーのテレビ報道では中野区がたびたび登場し、それも区役所東側道路で取材が行われております。

 そこで最初に、中野区内の自転車利用の実態と交通事故における自転車関与の実態についてお伺いいたします。

 続いて、中野区自転車利用総合計画とその取り組みについてお伺いしてまいりますが、この自転車利用総合計画は、自転車法第7条第1項に定める「自転車等の駐車対策に関する総合計画」でありますが、単に自転車等の駐車対策にとどまらず、利用者の交通ルールの遵守、マナーの向上など、自転車の安全利用に関する施策の指針についても触れられております。この期間は平成19年に策定され、向こう10年間の計画で、おおむね5年を目途に計画の見直しを行うとされ、現在、自転車等駐車対策協議会が諮問を受け、提案の検討が行われていると聞いております。

 そこで、この計画に位置付けられている施策の内容のうち、自転車利用の適正化に向けた現在の中野区の取り組みについて伺います。

 去る11月29日、区役所前においてシートベルト・コンビンサー及び自転車シミュレーター体験が実施され、私も参加してまいりました。残念ながら、自転車シミュレーターのほうはモニターの調子がいまひとつで体験できませんでしたけれど。シートベルト・コンビンサーとは模擬衝突体験機であり、これにより広く区民にシートベルト着用の効果の体感と、自転車で仮想のまちを走る体験ができる自転車シミュレーターで、自転車利用の正しいルールとマナーを学び、交通事故の抑止、安全で快適な交通社会を実現することを目的としております。

 また、12月1日から7日までの1週間、まさに今ですが、TOKYO交通安全キャンペーンが行われております。こうした取り組みのほかにもさまざまな取り組みが行われておりますが、残念ながら自転車利用者のマナーはなかなか改善されません。

 そこで伺います。自転車利用の適正化に向けた取り組みについて御説明いただくとともに、自転車等駐車対策協議会委員所属機関の取り組みへの参加・協力について伺います。

 最後に、警視庁管内で1、2の区内自転車関与交通事故率という不名誉な記録解消のため、警察、安全協議会、自転車商など官民挙げて、自転車安全利用五則を徹底させるための子どもや高齢者向けの自転車の乗り方教室の実施と、さらなるキャンペーンの強化を提案いたします。御見解をお聞きして、全ての質問を終わらせていただきます。

 御清聴、感謝申し上げます。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 伊東しんじ議員の御質問にお答えいたします。

 まず、事業見直しに関連して、中野区の社会保障にかかわる扶助費の増加の実態と今後の推計についてという御質問であります。

 扶助費の総額は平成14年度、10年前の決算では139億円であったものが、平成23年度決算では283億円となりまして、この10年間で144億円余り増加し、倍以上の伸びとなっているものです。伸び率の中身を見ますと、子ども手当の導入によります一時的な増分、この影響を排して読み込んでいきますと、年度当たり3%から8%程度の伸びであります。増加の主たる要因は高齢化であります。高齢化の進展を鑑みますと、経済動向などを除いても扶助費の増加は今後も避けられないものと考えております。こうした社会保障費の負担の増加というのが、区財政全般にとって大変大きな影響となってきているということであります。

 一つは、やはりデフレからの脱却、経済の活性化、こうしたことが実現することによって、税収全体が底上げされるということが待たれるということが一つはあると思います。また、同じように経済成長を促すということによって雇用状況を改善して、扶助費の中で最近目立って伸びておりますその他の世帯、働けるんだけれども仕事がないということで生活保護になっている方たち、こういった層の扶助費の伸び、これが低減されていくといったようなことも、あわせて期待していかなければならない、そのような政治への転換というのが私は待たれていると、このように思っております。

 平成23年度の見直しの効果、達成見通しについてであります。平成23年度の事業見直しについては、見直しを行いました74事業のうち、24年度に実施する65事業にかかわります財政効果額7億3,600万円余りにつきまして、平成24年度予算に反映し、実現を図っているところであります。実際の効果額や達成状況については、平成24年度決算に基づいて明らかにしていきたい、このように考えております。

 それから、事業見直し(案)の示し方として、前年度までの見直し効果額を加えて、さらに一般財源ベースの財政フレームに前年度決算値を落とすなど、わかりやすい訴求力のある説明をするべきではないか、こういった御質問でありました。事業の見直しの示し方につきましては、毎年度見直しを行っているということでありまして、前年度までの見直し効果を含めてお示しするといった工夫をすることが、区民の皆さんにとってもわかりやすい、全体像を把握しやすい状況であると考えますので、今後、心がけていきたいと考えております。

 財政フレームについてですが、これにつきましては、前年度決算値とか見直しの効果とか成果とか、そういったようなことを踏まえた上で財政フレームというものを見通していくものでありますので、これはどうしても当初予算案の概要の中でお示しします財政運営の考え方と同じにならざるを得ないということを御理解いただければと思います。いずれにいたしましても、区民にわかりやすく説得力のある説明となるよう、鋭意工夫を重ねてまいりたいと考えております。

 それから、平成28年度に向けての四つの取り組みについて、現時点の進捗と今後の方針の説明をということであります。歳入向上策についてですが、これは全庁挙げた税の臨戸徴収の実施や、国民健康保険の窓口委託によりまして徴収体制を強化した、この強化策などに取り組んでいます。

 また、まちづくりによる収入確保については、中野駅周辺地区整備の進行に伴って、大手企業の本社が中野区に移転してくるなど、まちのにぎわいが増すことにより、地域の経済への効果が見込まれています。また、マンション建設などもふえてきている、このように認識しております。

 それから、生活保護制度の制度運用の改善につきましては、来年度から資産調査専門の非常勤職員を配置し、年金や預貯金など各種資産に関する調査を的確に行うことによって、より適正な制度運営を目指してまいりたいと考えております。

 また、医療費についてであります。医療費につきましては、ジェネリック医薬品の普及を促すとともに、高齢者肺炎球菌ワクチン接種支援や、区民健診の制度改正によります受診率の向上などに取り組みますことや、スポーツ・健康づくり施策の推進などにより、介護給付費も含め抑制を図ってまいります。

 職員数についてですが、平成24年4月1日現在の職員数は、常勤、再任用合わせて2,337人であります。前年度比54人の減であります。引き続き全庁的な業務見直しを進めることにより、職員定数の削減を行い、平成27年度末までに2,000人体制を達成していきたいと考えております。

 コミュニティバス「なかのん」についての御質問がありました。「なかのん」につきましては、区民の皆さん、特に鷺宮や上鷺宮地域にお住まいの皆様にとっては大変貴重な交通手段であると考えています。運行事業者である関東バスに対しまして、現在の運行体制を維持していただくよう、先日、区から正式に要望を行ったところであります。今後とも、区議会の皆さんとも連携の上、引き続き運行事業者への働きかけを行ってまいりたいと考えております。

 それから、中野駅周辺まちづくりにおきます公共施設の配置についてであります。方向性が示されていないということでありました。公共施設配置につきましては、区役所、体育館の立地とともに、施設規模や機能に関して検討を進めております。それらの方向性につきまして、今年度中に示せるよう引き続き検討を進めてまいります。区役所・サンプラザ地区につきましても、整備基本構想策定に向けて、さまざまに情報収集を行いながら検討を進めているところであります。

 私からは以上です。

  〔選挙管理委員会委員長大泉正勝登壇〕

○選挙管理委員会委員長(大泉正勝) 伊東しんじ議員から選挙管理委員会につきまして丁寧な御質問をいただきました。それについてお答えいたします。

 御質問の内容は、期日前投票所について、来年は東京都議会議員選挙、参議院議員選挙を控えている点を踏まえ、かねてより自民党会派が要望している野方区民活動センターでの期日前投票所開設について、選管の検討状況はという問いでございます。結論から先に申し上げますと、開設いたします。

 この課題は、平成22年8月より前期の選挙管理委員会では期日前投票所のあり方について検討を行い、その申し送り内容を踏まえ、今期の委員会においても検討を進めてまいりました。御指摘のとおり、近年、各選挙における期日前投票者数が年々増加傾向にあることや、平成23年7月には地域センターが区民活動センターと地域事務所へと転換された状況を踏まえ、有権者の利便性の向上や投票における良好な施設環境の観点から検討を行い、本年10月17日の選挙管理委員会において、区内における期日前投票所を、野方区民活動センターを加えた6カ所とすることを決定いたしたところでございます。

 現在、選挙管理委員会は、直近に行われます衆議院議員選挙、東京都知事選挙に職員は徹夜で頑張っております。それが終わりましたら、野方区民活動センターの期日前投票所の開設に向けまして、関係者への説明や、その他の準備を加速させ、来年の都議選に間に合うように努力をいたしたいと考えております。

 以上でございます。

    〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、中野区自転車利用総合計画とその取り組みについての御質問にお答えいたします。

 初めに、自転車利用の実態と交通事故における自転車関与の実態についての御質問でございました。東日本大震災以降、区内を走行する自転車利用者は増加する傾向にあると思われます。警視庁の調査によれば、山手通り沿いでは、青梅街道と交差する中野坂上の交差点で震災前の平成21年11月と比較し、昨年11月は自転車通行量が約1割増加し、早稲田通りと交差する上落合二丁目の交差点では約6割もふえております。また、交通事故全体の中で自転車がいずれかの当事者として関与した率について、中野区内では平成22年に42.1%、昨年が48.4%と増加し、ことしは9月までの集計では44.3%と、昨年よりやや下がったものの依然として高い比率でございます。

 次に、自転車利用の適正化に向けた取り組みについての御質問でございます。区では、自転車利用者の交通ルール遵守、マナー向上のための各種キャンペーンや交通安全教室等により、自転車利用の適正化に取り組んでおります。警察や交通安全協会、道路管理者、鉄道事業者等、自転車等駐車対策協議会の委員が所属する関係機関の皆さんと区は緊密に連携し、キャンペーンをはじめ、各種啓発事業を協力して実施するなど、こうした取り組みにより効果的に推進できるよう努めているところでございます。

 それから、次に自転車の乗り方教室の実施とキャンペーンの強化についての御質問でございます。区では現在、各小学校で交通安全教室を開き、自転車に乗り始める時期の小学校2、3年生を中心に、安全で正しい自転車の乗り方の指導を行っております。また、来年度から高齢者も含めた一般の区民を対象にした自転車安全利用講習会を新たに開催することも検討しております。駅頭等での街頭啓発キャンペーン等につきましては、今後、警察等関係機関と連携を図りつつ、より効果的な啓発方法も工夫しながら積極的に実施してまいりたいと考えているところでございます。

     〔伊東しんじ議員登壇〕

○21番(伊東しんじ) 自転車利用について、再質問させていただきます。

 先ほど御答弁の中で、交通事故の自転車関与率、42%、48%、本年度途中ではございますけれど、44%、いずれにしても高どまり。多分この数値というのは警視庁管内、先ほども質問の中で触れさせていただきましたけれど、中野、野方両署がありますけれど、私の知り得る情報では、野方署に関しては警視庁管内で前年度55%に達する数字と聞き及んでおります。つまり、警視庁管内でワーストワンという不名誉なレッテルを張られてしまっているということ。その意味で私は、ぜひこの数字を下げて、区内の安全な交通環境を整えてほしいという趣旨で質問させていただきました。ぜひ、いろんな取り組みをやっていただくことは大切だと思います。先ほど申し上げたとおり、官民一体となってこの数字を下げるという強い決意を示していただきたいと思っております。その点について、再度御答弁をお願い申し上げます。

    

都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 再質問にお答えいたします。

 自転車が関与する交通事故の実態は、ただいま議員が御指摘になったとおりでございまして、特に野方署の管内では高い比率になっているということでございます。東京都全体においても、中野区の平均値40%台というのは高い数値になっております。こういったことから、私どもは警察、あるいは交通安全協会、そのほかの関係機関の皆さんと共同で交通事故、特に自転車が関与するような実態を踏まえまして、来年度に向けて対策を協議しておりますし、また、それに向けた対応もしてまいりたいという所存でございます。

     〔伊東しんじ議員登壇〕

○21番(伊東しんじ) 再々質問をさせていただきます。

 中野区はよく数値目標を掲げ、それに対する効果、達成率というものを施策評価としてPDCAサイクルの中で取り組んでいらっしゃいます。私が質問したように、高どまりしている交通事故の自転車関与率、この数字を下げるという目標をしっかりと掲げて、施策を行った末にこれを達成させるという、そういう取り組みをお願いしているわけですから、今の御答弁、私が質問させていただいたこの自転車関与交通事故、この数値を下げることを目標としてぜひ取り組んでいただきたいという質問でございますので、それについてしっかりと答弁いただきたいと思います。

    

都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 再々質問にお答えいたします。

 自転車が関与する交通事故について、しっかり取り組んでまいります。そして、この高どまりしている状況を来年度は改善してまいります。その取り組みを早急に関係機関と協議をしながら進めてまいります。

○議長(大内しんご) 以上で伊東しんじ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 白 井 ひでふみ

 1 高齢者のための緊急通報システムについて

 2 平成25年度の主な取り組み(案)と平成24年度事業見直し(案)について

  (1)がん検診について

  (2)地域スポーツクラブについて

  (3)障害者福祉手当(第二種)等について

 3 学校再編計画(第2次)素案について

 4 「なかのん」の運行について

 5 その他

 

○議長(大内しんご) 次に、白井ひでふみ議員。

     〔白井ひでふみ議員登壇〕

○13番(白井ひでふみ) 政権交代から3年、初となる総選挙の公示をあすに控えました。国民の負託に応える候補者は誰なのか、政党はどこなのか、改めて問われることとなります。公明党として、国民の負託に応えるため全力で取り組んでまいる決意です。

 ともあれ、本日より中野区議会定例会の開会です。区議会には区議会の役割があります。区政においても、区民の負託に応えるため、全力で取り組んでまいる決意です。この決意に立って、平成24年第4回定例会に当たり、公明党の立場から一般質問を行います。

 初めに、高齢者のための緊急通報システムについて伺います。

 我が国は、現在、世界のどこの国も経験したことのない高齢社会を迎え、高齢化が増している状況にあることは周知のとおりです。少子化、人口減少により、年齢別の人口構成比は高齢化率を上昇させ、今後もこの傾向が続くと想定されています。高齢社会対策基本法に基づき、平成8年より毎年政府が提出している年次報告書に「高齢社会白書」があります。平成24年版「高齢社会白書」によると、高齢者人口はいわゆる団塊の世代、昭和22年から24年に生まれた人が65歳以上となる平成27年には3,395万人となり、その後も増加する。平成54年以降は高齢者人口が減少に転じるが、高齢化率は上昇する。平成72年には高齢化率は39.9%に達し、2.5人に1人が65歳以上となり、75歳以上の人口は総人口の26.9%となり、4人に1人が75歳以上となると推計しています。ゆえに、高齢社会に対応した高齢者のための施策の充実がますます必要となってくると言えます。

 本年2月、中野区は、昨年7月に実施した「中野区民意識・実態調査」のアンケートを取りまとめました。同アンケートの項目の中で見守りサービスの必要性を聞いたところ、必要と思うが53.3%で最も多く、次いで、やや思うが18.2%、あまり思わないが11.0%、思わないが7.7%であり、思う、やや思うを合計すると、7割を超える人が必要であるとの意識です。

 さらに、見守りサービスが必要だと思う人にサービスの内容について聞いたところ、定期訪問による安否確認が57.2%と最も多く、次いで、訪問による生活相談・話し相手が53.5%、呼び出しに応じた駆けつけが49.0%、非常時(災害時)の自動通報・駆けつけが47.4%と続きます。

 このアンケートから、高齢者のための見守り、緊急時の通報システムの要望が高いことがうかがえます。

 これまで、高齢者の見守り支援のため東京都のシルバー交番制度を活用し、慢性疾患を要件とせず、広く高齢者を対象とした緊急通報システムの制度構築を図るべきとの主張を行ってまいりました。東京都との交渉の末、都の要綱改正がなされ、区では高齢者の見守りのための中野区版シルバー交番制度の創設、慢性疾患を要件としない緊急通報システム事業の検討が進められてきました。現在、制度の最終調整段階にあると聞きますが、中野区版シルバー交番制度、慢性疾患を要件としない緊急通報システムはどのような制度となるのか、概要をお伺いします。

 慢性疾患を要件としない緊急通報システムについて、過日の検討段階の答弁では、65歳以上のひとり暮らし、または高齢者のみの世帯のほか、日中独居の高齢者も対象者の範囲とするとありましたが、対象者の要件に変更はないのか、確認のため伺います。

 利用者の一番の関心事である自己負担となる費用について、慢性疾患を要件とする緊急通報システムの利用者の自己負担額は、住民税非課税世帯は月額300円、住民税課税世帯は600円となっています。慢性疾患を要件としない今回の緊急通報システムは幾らの費用負担となるのか、お伺いいたします。

 制度の導入時期について、予算を伴う事業のため審議等が必要となりますが、明年度より事業を実施すべきと考えます。いつからの制度開始となるのかを伺い、高齢者のための安心の見守りがさらに充実することを望み、この項の質問を終わります。

 次に、平成25年度の主な取り組み(案)と平成24年度の事業見直し(案)についてお伺いいたします。

 初めに、がん検診について伺います。

 本年、区は、現在実施している各種がん検診について課題や問題が見受けられることから、1、効果的、効率的で将来的にも持続可能な検診制度の確立、2、区民にとって利用しやすい検診とすることで、受診率の向上を図る を目的として、中野区医師会や学識経験者を含めたがん検診等のあり方検討会で検討を行い、そこでの意見等を踏まえて、新たながん検診の仕組みを構築するとしてきました。この新たながん検診の仕組みについて、25年度の主な取り組みや24年度の事業見直し(案)として示されましたが、がん検診等のあり方検討会での意見がどこまで反映されているのか、また、がん検診の課題や問題が解消されたのか等についてお伺いしたいと思います。

 がん検診にはさまざまな検査方法があります。がんの部位が異なるため検査方法が異なるとの意味ではなく、例えば、胃がんの検診だけでもさまざまな検査方法があるとの意味です。このさまざまな検査方法の中には、医学の発展により効果が疑わしいとされる検査方法もあることがわかってきました。近年、がん検診の効果を科学的な方法で評価した上で、効果があると認められてから、公共の施策として実施することが国際標準となっています。我が国においても、がん検診の効果の判定は行われており、科学的な方法によって、がん死亡率の減少が認められた検査方法が推奨された検診となっています。これが国の推奨するがん検診や国の指針と言われるところです。

 そこで、これまで区は、国の指針に沿う、または指針以上の取り組みのがん検診を行うとしてきましたが、区としてこの方針を変更することにしたのか、また、変更するというのであれば、その理由をお伺いいたします。

 次に、胃がん検診についてお伺いします。

 区は胃がん検診について、現在、胃部エックス線検査と血清ペプシノゲン検査を行っていますが、血清ペプシノゲン検査をやめ、ABC検査を導入することについて検討してきましたが、今回の取り組み(案)には見受けられません。検討状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。ABC検査の導入は胃がんの検診の充実となるため、来年度から導入すべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。

 次に、肺がん検診についてお伺いします。

 区は来年度、肺がん検診を全て廃止する案を示しています。他の自治体を眺めたとき、肺がん検診を実施している自治体が大多数です。また、国の指針として推奨されている肺がん検診を全廃するとの案は、国の指針を下回る取り組みとなるため評価できません。平成23年度、区においては7,726名との多くの方が肺がん検診を受診されています。肺がん検診の全廃について、見直すべきと考えますが、お伺いいたします。また、肺がん検診を全廃とするのではなく、せめて各健康診断、基本健診時の胸部エックス線検査の活用や、他の代替施策の検討などを含め見直すべきと考えますが、あわせてお伺いいたします。

 次に、大腸がん検診について伺います。

 大腸がん検診については、区民の利便性や受診率の向上に資するため、各健康診断、基本健診と同時に受診できるようにすべきとの主張をしてまいりました。がん検診等のあり方検討会の中でも、基本健診と同時に受けられる体制を検討すべきとの意見が述べられています。明年度、大腸がん検診は基本健診と同時実施できる体制となるのか、お伺いします。

 次に、乳がん検診について伺います。

 区の乳がん検診は国の指針と異なり、視触診検査とマンモグラフィ検査を別々に実施してきました。この点について、区民より同時実施の要望が多く寄せられてきたところです。また、マンモグラフィ検査は区直営で実施してきましたが、検査機器のリース期間が終了となること等、直営での継続について検討する必要があるとの課題が示されていました。そこで、来年度からは区内医療機関4カ所においてマンモグラフィ検査を実施するとしています。この医療機関4カ所において、視触診検査とマンモグラフィ検査のいわゆる同時実施ができるところはあるのか、また、要望が多い同時実施について、区として拡充のための努力をすべきと考えますが、お伺いいたします。

 次に、地域スポーツクラブについて伺います。

 本年度の平成24年度の予算を編成するに当たり、昨年10月、「区財政の直面する課題について」と題し、財政運営上の非常事態とのメッセージを区民に向け区長が発表されました。来年度の平成25年度の予算編成に向けて、区長メッセージはないものの、区は財政運営上の非常事態とも言える状況が続いていること。こうした中においても、区民の皆さんの暮らしを守るためのセーフティーネット(生活安全網)確保や防災対策を着実に進めていく必要があること。平成25年度予算の編成に当たり、事業や経費を聖域なく見直すと同時に、財源の確保に一層努めること。昨年度の見直し事業で継続して見直すこととしていた項目の着実な実現を図ることなどを含めて、中長期の視点に立ち、持続可能な区政運営を実現するよう取り組むとしています。

 25年度の主な取り組みと24年度の見直し(案)について、歳入の見通しが厳しい中、歳出削減に取り組まなければならないことは理解できます。その上で、事業見通しの甘い計画に予算配分がされていないか。また必要な事業であっても、比較考慮し、優先順位をつけて予算配分をしなければならない状況下、優先順位の高い事業が廃止されていないか、慎重に検討しなければならないと考えます。

 そこで、地域スポーツクラブ事業と障害者福祉手当(第二種)について伺います。

 初めに、地域スポーツクラブについて伺います。

 中部すこやか福祉センターに併設予定の(仮称)中部地域スポーツクラブは、21年度に施設の改修を終えましたが、2年間、未使用の期間がありました。現在は24年度、25年度の2年間のモデル事業の実施を経て、26年度中に(仮称)中部地域スポーツクラブを開設するとしています。

 一方、二つ目の地域スポーツクラブの開設予定として、富士見中跡地を活用して、すこやか福祉センターと併設、(仮称)南部地域スポーツクラブを既存校舎を解体して新しく施設をつくることとしており、本年は基本設計・実施設計業務委託契約、明年度は基本設計・実施設計完了、既存建物解体工事、埋蔵文化財試掘調査の予定となっています。

 一つ目の施設改修を終えてから4年目となる明年、(仮称)中部地域スポーツクラブではモデル事業が継続される中、二つ目の(仮称)南部地域スポーツクラブの施設計画が進むこととなります。地域スポーツクラブの事業計画が定まらない中、二つ目の施設整備だけが進むことのないように、地域スポーツクラブの事業スキームを早期に確立させる必要があると考えますが、いつごろとなるのか、伺います。

 また、事業スキームの確立後、(仮称)中部地域スポーツクラブの開設は26年のいつごろとなるのか、伺います。

 さらに、地域スポーツクラブの事業スキームの確立に時間を要する場合は、(仮称)南部地域スポーツクラブの施設計画の進行についても検証が必要ではないかと考えますが、御見解をお伺いいたします。

 次に、障害者福祉手当(第二種)等について伺います。

 障害者福祉手当について、区においては中野区障害者福祉手当条例第1条に、障害者に手当を支給することにより、その福祉の増進を図ることを目的とすると掲げられています。手当の種類は、同第2条に、第一種手当と第二種手当の2種類と定められ、東京都の基準で定められた第一種手当と区の基準で定めた第二種手当から成り立っています。

 こたびの事業見直し(案)には、障害者福祉手当(第二種)について、65歳から支給を段階的に廃止するとしています。その理由として、現在は64歳までに手当の支給申請を行えば、65歳を超えて、その後も支給されることとなるが、65歳を超えてからの支給申請は受け付けないこととなっているため、この不公平を是正するために65歳からは支給を廃止するとの説明ですが、合理的な根拠とは考えられません。

 そもそも手当支給の申請を65歳の年齢で区切り、受け付けないとすることについて議論がある中、区の基準の第二種手当だけが廃止されても、都の基準である第一種手当は65歳を超えても支給され続けるのであり、不公平の是正とはならず、むしろ不公平を助長させることになると考えます。

 また、障害者福祉手当について、一定の年齢で支給を取りやめる制度を実施している自治体は、東京の市区町村において存在するのでしょうか。私は聞いたことがありませんが、確認のため伺います。

 障害者福祉手当(第二種)の廃止について、障害者団体より議会に対し陳情も提出されているところです。改めて合理的な根拠の説明を求めます。

 さらに、障害者福祉手当(第二種)の対象は身体障害者と知的障害者であり、精神障害者が対象となっていません。障害者自立支援法や障害者総合支援法においては、身体、知的に加え、精神の3障害、さらに難病も対象としていくことが打ち出されています。この動向を踏まえ、23区の中では品川区と杉並区が精神障害者も支給対象としているところです。障害者福祉手当の見直しを行うというのであれば、支給対象者に精神障害者を加えていくことが時代の要請ではないかと考えますが、御見解を伺い、この項の質問を終わります。

 次に、学校再編計画(第2次)【素案】について伺います。

 中野区教育委員会は、学校教育の充実を目指すという教育的視点を基本に、集団教育のよさを生かした教育を進めるためには、適正規模の学校とするため学校再編が必要であるとし、平成17年10月に中野区立小中学校再編計画を策定し、前期の計画期間を終えました。

 前期計画を終え、現行の中野区立小中学校再編計画を見直し、中期、後期などの計画期間の区別をつけず、新たに中野区立小中学校再編計画(第2次)の素案が示され、各地域において意見交換会が開かれてきたところです。学校再編計画(第2次)【素案】を取りまとめるに当たり、前期計画の検証をしっかりと行い、その検証を計画に反映させるようにと強く訴えてきたところです。前期計画の検証において、白桜小学校への統合について、特に東中野小学校の廃校について教育委員会は反省すべき点として、予定児童数に達しなかったことを挙げています。この点につき、さまざまな理由が挙げられると思いますが、大きな要因として、地域住民の理解、協力が得られなかったことに起因していると考えますが、認識はいかがか、お伺いします。

 また、この点で前期計画の反省に立ち、再編計画(第2次)の推進について反映されていることは何か、お伺いいたします。

 学校再編計画(第2次)において、三中の廃校の素案が示されました。前期計画の推進に際し、地域住民には不信の感情が芽生えました。今も色濃く残る中、小学校に続けて中学校も廃校とすることに地域の理解や協力のないまま進めれば、地域住民の不信の上に不信を重ねることとなり、学校の統廃合や学校の運営が成り立たなくなる懸念さえ覚えます。地域住民の理解や協力を得るために、最大限の尽力が必要であると考えますが、御見解をお伺いします。

 また、そのためには地域住民の声を真摯に受けとめ、丁寧な説明を尽くす必要があると考えますが、あわせて伺います。

 東中野小学校の跡地の活用についてお伺いいたします。

 平成21年3月に小学校が閉校となり、現在、暫定利用が続いています。中野区10か年計画(第2次)には、ステップ3として、おおむね平成26年に跡地の活用として、(仮称)東中野区民活動センターの移転と、障害者の自立支援施設の併設が掲げられていますが、現在のところ、計画の素案すら示されていません。

 学校跡地の活用として、同じステップ3に位置付けられている富士見中跡地の活用は計画から実施段階にあります。この点について、東中野小跡地は売却を行わず、区が跡地活用を行うとしてきたにもかかわらず、いまだに売却するのではないかとの疑いの声があり、不信を増す要因にもなっています。平成26年度の本格的跡地活用に向けて、明年25年度の早々に計画を策定し、示す必要があると考えますが、御見解を伺い、この項の質問を終わります。

 次に、「なかのん」の運行について伺います。

 中野区内の公共交通機関を指して、東西には強いが、南北には弱いと評されます。コミュニティバス「なかのん」は平成17年11月、地域住民の数多くの要望を受け、上鷺宮、鷺宮地域から中野駅周辺へ、他の公共交通機関を乗り継ぐことなく移動ができるように、また、当該地域の高齢者等の外出機会を確保し、保健・福祉の増進に資する目的で運行が開始されました。

 昨年度の乗降利用者数は延べ25万人を超え、北西部の区民の貴重な交通手段として定着しています。また、現在は中野四季の都市の中を走る唯一の路線であり、今後さらなる活躍も期待されるところです。

 しかしながら、路線採算の悪化等の理由により、「なかのん」について、明年3月ごろをめどに運行本数を大幅に減らしたい旨の連絡が関東バス株式会社より区にあったと聞きます。「なかのん」の運行経費について、区は運行開始より3年間、補助を行ってきましたが、平成21年度で全て廃止しています。コミュニティバスとの名称は残っているものの、現在は完全に関東バスによる運行となっています。しかし、地域住民の定着した交通機関となっていることや、高齢者等の健康・福祉の増進に資するとの当初の区の目的を担っていることに変わりはなく、大幅な運行本数の減少となれば大きな問題となります。

 また、中野駅周辺の再開発が動き出し、明年には大学の開学も控えているところです。にぎわいの波を区内全域に広めていかなければならない中、大きな損失ともなります。さらに大幅な運行本数の減少となれば利用者離れにつながり、バス路線の存在自体が危ぶまれる懸念さえあります。

 今回の関東バス株式会社からの連絡内容は、先方のトップの判断であると聞きます。区としても、区長みずからが関東バス株式会社本社に赴かれ、「なかのん」の運行体制の維持を強く要請するとともに、今後の中野駅周辺地区の再開発と区内バス交通のあり方についても話し合うべきと考えますが、区長の御見解を伺います。

 トップ同士の胸襟を開いた話し合いにより、双方の意見が十分に酌み交わされ、地域住民の要望がかなうことを切に願って、私の全ての質問を終わります。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 白井議員の御質問にお答えいたします。

 シルバー交番制度を活用した緊急通報システムの概要についてであります。すこやか福祉センターが拠点となって、介護サービスだけではなく、生活支援サービスや地域の見守りを含めた支援を総合的に提供できる体制づくりを区は行ってまいりました。この中で、地域の高齢者が安心して生活し続けることができるよう、都のシルバー交番設置事業を活用して、四つのすこやか福祉センターをシルバー交番として位置付け、緊急通報システムを活用した見守り体制の強化を行うということを検討しております。東京都のほうでも運用の改善ということを行ってくれるということでありますので、これによって、慢性疾患を伴わない高齢者も区の緊急通報システムを利用することができるようになるわけであります。

 利用対象者の範囲と自己負担額等についてであります。シルバー交番事業で緊急通報システムを利用できる方は、身体状況にかかわらず、高齢者単身世帯の方、高齢者のみの世帯の方、それから、日中お一人になる方を対象者として予定しているところであります。この新しく対象になる方々についての費用負担でありますが、サービス利用にかかわる経費の半額程度として、そのうち非課税世帯の方については、さらにその半額程度と考えているところであります。

 導入時期としては、来年度当初から事業をスタートできるように検討を鋭意進めているところであります。

 それから、がん検診についてですが、国の指針に沿って実施してきたと思うが、変更するのか、あるいは変更したとすればその理由はという御質問でありました。がん検診の実施に当たっては、基本的には国の指針に沿って実施していくという考え方に変わりはありません。ただし、がん検診が一般財源化されてからは、検診の実施、検診方法の選択など、区市町村の判断に委ねられているところであります。そのため、区の財政状況も踏まえた上で、対策型検診として効果的、効率的な検診制度の確立を目指して一定の見直しを行いながら、科学的根拠が明らかな検診を積極的に推進していくということも大切なことだと考えているところです。

 ABC検査についての御質問がありました。ABC検査につきましては、今年度実施をいたしましたがん検診等のあり方検討会でも話題となったところであります。将来的な胃がん発症のリスクを見きわめ、適切な間隔で適切な検査を受けるということの有益性ということを私どもも認識したところです。このABC検査の課題といたしましては、財政上の問題と検査受診後のフォロー体制の仕組みを構築するということにあります。区の予算全体を見きわめた上で、また実施に当たっての関係団体等の仕組みの構築といった調整が必要であると考えており、現在検討しているというところであります。

 それから、肺がん検診の廃止という考え方に関連しての御質問であります。肺がん検診につきましては、科学的根拠が明らかではないという理由から廃止するというわけではなく、限られたがん対策等の財源の中で、より有効性の高いがん検診の充実に充当していきたいというものであります。肺がん検診は胸部エックス線検査を中心に実施しておりますが、国の指針でも、喫煙と肺がんの発症の関連が指摘をされているところであり、一次予防として、喫煙者に対する指導の重要性がうたわれております。区といたしましても、今後、喫煙対策の普及啓発に努めていきたいと考えております。国保特定健診などの基本健診でも、胸部エックス線検査について区の上乗せ項目として実施しておりますことから、今後は基本健診の受診率向上に努め、区民の胸部エックス線検査の受診機会を確保していきたいと考えております。

 大腸がん検診についてであります。大腸がん検診については、がん検診等のあり方検討会の中でも、科学的根拠が明らかであることから積極的に推奨すべきという意見を踏まえ、受診環境向上のための整備を行うものであります。大腸がん検診は、国保特定健診などの基本健診を実施しているほとんどの機関で受診可能であります。積極的に大腸がん検診の同時受診を進めることで、受診率の向上を図ってまいりたいと考えております。

 それから、乳がん検診の見直しについてであります。中野区でも受診者などから、可能な限り同日・同一医療機関での実施が求められているところでもあります。この同日・同一医療機関での実施について、実施の際の課題などを含め、関係団体との調整に努めていきたいと考えております。

 それから、地域スポーツクラブのスキームの確立と(仮称)中部スポーツ施設の開設の時期についてであります。地域スポーツクラブは、区民に継続した運動習慣の場所と機会を提供する、これを基本とする施策であります。子どもから高齢者、障害者まで、全ての区民が健康で生き生きと暮らせるようにするため、地域で行う健康づくり、体力づくりをサポートしていくことは、区が責任を持って行う施策と捉えているところであります。こうした施策が、ひいては健康づくりにつながり、医療費の低減化といったようなことにもつながっていく、これが一つの健全な姿であろうかというふうにも考えております。少しでも効果的、効率的かつ安定した運営ができるよう、基本的な仕組みのあり方を含め、現在検討を行っているところであります。着実な事業運営を目指して、モデル事業に参加した区民の意見等を踏まえながら、きちんとした運営スキームづくりをしてから26年度のできるだけ早い時期に開設したいと、こう考えております。

 (仮称)南部スポーツ施設の実施設計と(仮称)中部スポーツ施設の開設の時期との関連での御質問がありました。(仮称)南部スポーツ施設、この施設については、すこやか福祉センター等との併設施設であります。平成28年度に開設する予定となっております。併設する各施設とも開設時期を合わせることで効率的に整備ができると、こう考えております。現在の(仮称)中部スポーツ施設におけるモデル事業では、地域スポーツクラブのより効果的、効率的な運営を検討する目的で行っております。この結果によって、(仮称)南部スポーツ施設における施設配置等ハード面の基本的部分には大きな影響を及ぼすものとは考えておりません。このため、設計作業等は(仮称)中部スポーツ施設におけるモデル事業と並行して行っているものであります。ただし、モデル事業の成果の中で、施設の使い勝手の面で反映できるもの、反映すべきことについては、(仮称)南部スポーツ施設における今後の詳細設計に積極的に反映させていきたいと考えております。

 事業の運営スキームが定まらない、未実施の期間が長過ぎると、二つの施設建設を進めるには、より慎重に取り組むべきではないかという御質問であります。これまで地域スポーツクラブの基本的な運営スキームづくりに時間がかかってきたところであります。これは、新しくつくっていく中野区の地域スポーツクラブということですので、継続的に運営していく上で効果の高い、中野らしい基本スキームをつくらなければならないということで、一定、慎重にもなっているところであります。これの一旦運営の枠組みが決定すれば、それを(仮称)南部スポーツ施設の展開に応用するということが十分できるというふうに考えております。

 それから、障害者福祉手当(第二種)についてであります。65歳で支給停止とする理由についての御質問がまずありました。障害者福祉手当を開始した当時は、障害福祉サービスの内容が極めて少なく限られておりましたが、65歳以上の方は介護保険サービスが受けられるようになりました。その後、障害者自立支援法などに基づく各種サービスが拡充されてきております。自立支援給付については、上限を設けることなく必要なサービスが受けられるという体制で運営を行っているということで、現金給付ではない具体的なサービスの環境というものが整ってきているという状況があります。また、中野区では地域生活支援事業につきましては利用者負担を実質無料化するということも行ってまいりました。これらを勘案してのことであります。障害者福祉手当(二種)の現行制度では、64歳までに障害者手帳を取得された方は手当を継続受給できるのに対して、65歳以上で取得された方は手当が受けられない、このことはやはり不公平だと考えております。

 さきに申し上げましたような理由で障害者福祉手当(二種)を一定の年齢で支給を停止するということですので、ぜひ御理解をいただきたいと、こう考えております。

 このようなことを行っている例、都内では確認できておりませんが、二種手当については、国や都の手当制度とは要件や対象が異なる区独自の事業でありますことから、制度の趣旨に照らして見直しを行ったものであります。

 それから、精神障害者を対象に加えることについての御質問であります。障害者福祉手当(第二種)は、都の基準によって始まった第一種手当と同様に、身体障害者、知的障害者を対象として制度設計してまいりました。今のところ、支給対象に精神障害者を加えることについては考えておりません。

 それから、東中野小学校跡地の整備計画についてであります。東中野小学校跡地につきましては、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)で、東中野区民活動センターと障害者自立支援施設などを整備する計画としているところであります。また、他の活用とあわせて、地域の人が憩える広場の機能も確保したいと考えております。

 障害者自立支援施設の整備については、当該地での需要が見込めず、再検討の必要もありますが、できるだけ早い時期にこの跡地の整備の方向性などについてお示しをしたいと考えております。

 それから、「なかのん」の運行についてであります。「なかのん」については、鷺宮や上鷺宮地域にお住まいの皆様にとっては貴重な交通手段であります。運行事業者である関東バスに対して、現在の運行体制を維持していただくよう、先日、区から正式に要望したところであります。今後も区議会の皆さんとも連携の上、引き続き運行事業者への働きかけを行ってまいりたいと考えております。

 私からは以上です。

     〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 学校再編計画(第2次)【素案】についての御質問がございました。

 初めに、前期再編計画の検証と、その素案への反映状況についてという御質問です。白桜小学校につきましては、推計より少子化が進行したことや、指定校変更や区域外就学をしたため、推定していた児童数、学級数には至らなかったというふうに認識をしております。

 前期計画を踏まえて、今回の第2次素案にどのように反映したかという御質問でした。学校再編計画(第2次)【素案】では、指定校制度の周知や統合の手順などについて、保護者や地域住民への情報提供の強化を行うとともに、小中学校の連携の推進などにより、より充実した学校教育の姿を示し、よりよい教育環境としていくことを盛り込んだところでございます。

 次に、地域住民の理解、協力を得るに当たっての方策についての御質問もございました。地域住民の理解や協力を得るために、再編にかかわる学校や区役所、区民活動センターで意見交換会を開催したところでございます。意見交換会で出された意見や要望などについては、教育委員会でさらに協議を重ねているところでございます。町会や地区委員会などから説明会の要望があれば、現在も対応しているところでございますが、今後もできる限り対応していきたいというふうに考えております。

○議長(大内しんご) 以上で白井ひでふみ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 来 住 和 行

 1 脱原発と区長の政治姿勢について

  (1)来年度予算編成について

  (2)平和行政について

 2 中野区立小中学校再編計画(第2次)【素案】について

 3 障害者施策の充実について

  (1)障害者就労支援について

  (2)その他

 4 保育所の待機児解消と保育料について

  (1)認可保育所の増設について

  (2)保育料の値上げ問題について

  (3)認証保育所保護者補助について

 5 その他

 

○議長(大内しんご) 次に、来住和行議員。

      〔来住和行議員登壇〕

○41番(来住和行) 2012年第4回定例区議会に当たり、日本共産党議員団を代表し、一般質問を行います。

 まず、脱原発と区長の政治姿勢についてお伺いします。

 あす、総選挙の公示を迎えます。自民党の政権から有権者は民主党に政治を変えてほしいとの思いを「政権交代」に託しました。しかし、国民の期待を完全に裏切ることとなった消費税の大増税、日本医師会や全国農業協同組合連合会がこぞって反対している環太平洋経済連携協定(TPP)への参加表明、原発再稼働のごり押しや、沖縄が島ぐるみで反対しているオスプレイの配備強行など、国民世論に背を向けた結果、解散に追い込まれました。

 国内総生産(GDP)も国民所得も20年前の水準に落ち込み、国民の所得が減り続け、経済成長も止まり、財政危機の要因ともなっています。民主党政権がアメリカ言いなり、財界中心という自民党型政治から抜け出す意思も立場も持ち合わせていなかったということではないでしょうか。

 日本共産党は、国民の所得をふやし、内需を活発にし、デフレ不況から抜け出すこと、消費税増税に頼らないで財政危機を打開する道など、改革ビジョンを掲げ、実現のために行動しています。

 区長は、この間の政治のありようについてどのような見解をお持ちか、お聞きします。

 東京電力福島第一原発の事故から1年8カ月を経てなお16万人以上が避難生活を余儀なくされている原発問題。民主党政権が口では「原発ゼロ」を言いながら、大飯原発の再稼働を強行しました。避難町民の先頭に立って奮闘する馬場有浪江町長は、「原発の再稼働や建設工事再開の許可など考えられない。家族が壊され、隣近所や社会のきずなが壊され、町民の暮らしやなりわい全てが崩壊させられ、憲法に明記されている幸福追求権、生存権、財産権まで失ってしまった。原発即時ゼロが当たり前です」と語っておられます。原発事故は、一旦起きると抑え込む手段もなく、人間の生きる権利を奪い去る異質・最悪のものとなることを教えました。

 第3回定例会において長沢議員が、原発再稼働反対と即時原発ゼロを表明することを求めた質問に、区長は、十分な検証や安全対策の再構築、代替エネルギーの供給の可能性、その行方を見守るとし、原発再稼働反対や原発稼働ゼロというような一見して耳ざわりのよいような主張に危惧を持つとの趣旨を答弁されました。しかし、毎週金曜日の首相官邸前での「原発ゼロ」を要求する声は、全国各地にも広がり続けています。

 原発事故での避難生活の人々、子ども内部被曝を不安に思う人たち、政府のパブコメに原発即時ゼロを求めた8割の世論など、原発稼働ゼロを願い求める声は耳ざわりのよい主張とする区長の見識が問われるのではありませんか。

 再度お聞きします。新たな内閣に、予算を再生可能エネルギーの普及に転換するとともに、原発再稼働方針を撤回し、原発ゼロを政治決断するよう求めるべきです。答弁を求めます。

 来年度予算編成についてお聞きします。

 総務省の「家計調査年報」によると、2人以上の世帯のうち勤労者世帯の勤め先からの月収が12年前より毎月平均5万400円下落し、月収の低い人ほど下落幅が大きくなり、格差が拡大しています。中野区内においても、昨年の納税者1人当たりの年間所得が10年前より37万円も減少し、生活困窮度は増し続けています。

 来年度の中野区予算編成に当たっては、党議員団が各団体と懇談し、227項目の要望を既に区長に提出させていただきました。予算編成に当たり区民生活の実態に向き合い、住民福祉の増進を図るべき自治体の役割をしっかり踏まえ、福祉、教育、環境、防災の充実を中心に編成すべきです。

 新年度予算編成に先立って示された検討中の主な取り組み(案)及び平成24年度見直し内容(案)によると、肺がん検診の廃止、胃部エックス線検査及び大腸がん検診の開始対象年齢の引き上げ、キッズ・プラザを学童クラブとともに順次民間委託、療育センターアポロ園と弥生福祉作業所を指定管理へ移行するなど、見直しの多くは子ども教育、健康福祉に及ぶものが多く、自治体本来の住民福祉の増進を図る区の役割と責任が問われます。答弁を求めます。

 案の中で示された障害者福祉手当についてお聞きします。

 昭和49年に障害者の福祉、生活向上を目的として、障害者福祉手当(第一種)を東京都が、第二種手当を中野区が開始しました。第二種は所得制限ありで、身体障害者手帳3級、愛の手帳4度の方を対象としたものです。しかし、今回の案では、月額5,000円支給の要件を見直し、来年8月1日から65歳以上の方については1年間半額支給とし、その1年後から支給を廃止するというものです。当初は中野区も月額7,750円だったものを5,000円に引き下げてきました。その結果、23区の中で8区が1万円以上支給していますが、中野区は下から3番目です。難病手当に至っては、他区は平均1万5,500円であるのに対し、中野区は1万円の支給で最低ランクです。

 二種手当受給者1,194人のうち所得100万円未満は923人で77%を占めており、障害者の手にする収入が長引く不況の中でより厳しいものとなっています。障害は、年齢が高くなるにつれ障害部位のみならず、その他の機能も低下するというのが一般的な傾向と言えます。

 第二種手当の見直し廃止の理由として、介護サービスや障害者福祉サービス等の格段の充実を挙げていますが、障害者の自立への展望や親なき後の不安は解消されていません。年齢で廃止される福祉制度などあり得ません。5,000円の手当は、障害者にとっては生活費としての一つです。減額、廃止するなど、あまりにもむご過ぎるのではありませんか。手当廃止のかわりとなる措置はあるのでしょうか、お答えください。

 見直しの理由に、65歳からの新規受給を認めていないことを不公平感の理由としています。不公平というのであれば、65歳以上の新規を受給対象とすべきです。さらに不公平というなら、身体、知的の二つの障害に限定していることも問題です。既に杉並区、品川区では精神障害者も二種手当の対象としているように、3障害を一つのものとして位置付けるのは当然です。区市町村独自で決めることのできる第二種手当は、見直しを機会に支給額を少なくとも23区平均に引き上げるとともに、支給対象を精神障害まで拡大する。難病手当についても他区並みを目指すことを検討すべきではありませんか。答弁を求めます。

 次に、平和行政についてお聞きします。

 ことしは中野区憲法擁護・非核都市宣言30周年の記念の年です。平和行政の基本に関する条例の原則に「中野区は、世界の平和を求める区民の意志を表明した憲法擁護・非核都市の宣言の精神に基づき、日本国憲法の基本理念である恒久平和の実現に努めて、平和行政を推進する」としています。

 さらに平和事業の推進の第1に、日本国憲法に規定する平和の意義の普及を挙げています。非核都市宣言30周年の記念事業は区の取り組みとしても行われました。今後も憲法擁護・非核都市の宣言の精神を発揮した取り組みを積極的に企画されることを望みます。

 区役所正面には、宣言10周年を記念して、1992年に「憲法擁護・非核都市宣言のまち中野」の宣言塔が建設されました。ところが、宣言塔の表示が読み取れないほど汚れており、30周年にふさわしい状態にすべきと考えます。答弁を求めます。

 条例の平和事業推進第3には、国内及び国外の諸都市との平和に関する交流を取り組むこととあります。私は11月に北京市西城区を日中友好協会中野支部メンバーの1人として表敬訪問を行ってきました。西城区人民政府副区長、外事弁公室副主任と懇談し、その中で、日本と中国の国の関係は厳しい状況にあるが、民間、区民レベルの交流は積極的に取り組みたい。来年夏の中野区、西城区の少年野球チームの交流も実施したいとの考えが示され、友好交流事業の一層の協力を確認する機会となりました。

 区としても、日中間、日韓間をはじめとした民間交流についても、平和事業の推進の立場から区民・市民同士の交流が発展、前進できるよう積極的支援を行うべきです。答弁を求めます。

 次に、中野区立小中学校再編計画(第2次)【素案】についてお聞きします。

 これまで区教育委員会は、第2次再編に関係した考え方は「教育だより」で示してきました。今回のこの素案は、来年1月には案として、3月には計画にするスケジュールです。2005年の再編計画前期計画の終了をもって、新たな第2次を策定するとしています。素案によると、小学校の統合対象校は12校で、6校を廃校に、中学校は4校を統合対象校として、3校を廃校とします。通学区域の変更も行います。

 素案に関する意見交換会が開かれてきました。教育委員会は各学校を中心に案内チラシを配布したということですが、案内チラシ内容では、児童・生徒の通学している学校が統合されるのか、通学区域が変更になるものなのか不明です。自分の子どもの学校がどうなるのか、地域の学校がどう変更されようとしているのかが理解できる情報を事前に届けてこそ、意見が交換できるものではないでしょうか。前期計画の執行段階において、事前の説明と周知が問題になっただけに、十分な時間と丁寧な説明が大切です。

 そこでお聞きします。まだ保護者、地域に情報が提供されたにすぎない現状を踏まえ、今後、地域説明会を行うとともに、地域の説明会には教育委員も出席し、地域、保護者の生の声を直接聞かれてはいかがでしょうか。素案に対して、保護者、地域の理解は得られていません。理解が得られない中で計画にすべきではありません。答弁を求めます。

 前期における再編の検証について、一定規模の学校が確保され、集団の活動を通して活気が引き出され、学校行事も活気あるものとなったなど評価がなされています。しかし、検証内容は表面的で、問題、課題については深まっていないばかりか、小規模校の解消が前期計画の最大目標とされ、適正規模となる学校づくりが理由とされた昭和小と東中野小の統合、仲町小、桃三小、桃丘小との統合結果についての検証がありません。小学校PTA連合会から検証が不十分との意見書が6月に提出されています。前期計画の統合結果の検証に問題はなかったのか。東中野小、昭和小の統合についての問題点と現状をどう評価しているのか、答弁を求めます。

 素案でも、適正規模の学校をつくると、小規模校のメリット、デメリットが引用されています。しかし、いずれも中央教育審議会の資料が示されているにすぎません。意見交換会の説明において、ことさら小規模校のデメリットが強調されています。その一つとして、教職員の数が小規模校は少ないため、バランスのとれた配置が行いにくいなどを挙げています。教育上必要な教職員の配置は、国や東京都にその責任があります。区教育委員会は、必要な教職員の配置を国・東京都に要求すべきです。同時に、区として独自に配置できるものであり、教育上必要な教職員は区として配置すべきではありませんか。答弁を求めます。

 学校規模についても、国連機関である世界保健機構(WHO)は、学校は「小さくなくてはならない。生徒100人を上回らない規模」とはっきり述べています。区教育委員会の素案は、学校規模について生徒数ではなくクラス数を強調しています。これまで区教育委員会は前期計画において、1クラス40人規模を適正と進めてきました。私たちは当時、35人学級を基準にすべきことを主張し、今回、国もこの35人学級を打ち出し、区教育委員会も今回の基準に1クラス35人としたものです。区教育委員会は、独自に1クラスの児童数、学級規模について教育的見地から深めたものを示していません。

 旧文部省から教育長に出されている通達でも、「学校規模を重視するあまり、無理な学校統合を行い、地域住民等との間に紛争を生じたり、通学上著しい困難を招いたりすることは避けなければならない。また、小規模校には教職員としての教育上の利点も考えられるので、総合的に判断した場合、なお小規模学校として存置し、充実するほうが好ましい場合もあることに留意すること」。この通達は全国の教育委員会教育長に出されたもので、その後、これを変更する通達は出されていません。素案確定の段階において、これらの指摘についてどのように検討され、議論の素材とされたのか、答弁を求めます。

 次に、意見交換会も100人を超える出席となった第三中学校についてお聞きします。

 第三中と第十中を統合し、第十中に新校を設置し、第三中を廃校するとなっています。意見交換会では、意見を述べた全員が第三中を存続すべきとの意見となり、この春卒業の高校生たちからも存続の熱い気持ちが語られました。第三中の存続については、これまで7,200筆の署名が提出され、ことし6月にも2町会長連名での要望に加え、地域・団体からも同趣旨の署名が教育委員会に届けられています。

 さらに意見交換会後3週間で3,000筆を超えて、東中野に学校を残す会から区教育委員会への陳情署名が提出されています。区教育委員会の資料に示された第三中の生徒数推計は、10年後には85人増の301人にふえると見ています。第三中の歴史には、教育委員会が言う適正規模をはるかに超える20クラスが現況の学校で運営されていたとも聞きます。

 意見交換会では素案の変更条件を問われ、区教育委員会は「合理的な理由があれば変更はある」との答えでした。合理的理由には地域の合意が素案変更の大きな理由になるのではありませんか。区教育委員会は、第三中に関する統合は地域の理解が得られている、地域の合意はとれているとの認識なのか、お答えください。

 次に、障害者施策の充実についてお聞きします。

 障害者就労支援についてお聞きします。

 障害者の一般就労は、社会経済状況の中にあって福祉的就労等から一般就労への就職者数は、支援の効果もあり増加傾向にあります。とはいえ、厳しい状況には変わりありません。中野区においては「魅力的な福祉就労からさらに魅力的な企業就労へ」を目指して、23カ所の障害者関係施設全体でネットワークを構成し、なかの障害者就労支援ネットワークとして、就労の場の確保、共同受注の体制、企業就労に関する支援を目的とした取り組みを進めています。

 来年度から民間企業における障害者の法定雇用率が現行の1.8%から2%に引き上げられることから、障害者雇用を進める好機と言えます。この改正により、従業員50人に1人の割合で障害者を雇用しなければいけないことになります。中野区内約1万6,000社のうち、従業員が50人以上56人未満に該当する事業所は約150社と言われています。中野区は、なかの障害者就労支援ネットワークと協力し、身近な地域で障害者雇用が拡大するよう区内事業者に働きかけるべきではないでしょうか。どのような取り組みをしているのか、伺います。また、新たに中野セントラルパークに進出する企業に対しても、区内障害者の雇用を確保することを働きかけるべきだと考えます。答弁を求めます。

 この項の最後に、商工会館に誘致している特例子会社アイエスエフネットハーモニー中野事業所についてお聞きします。

 中野区民の障害者を雇用することを条件の一つとして契約して4年が経過します。これまで党議員団は、3から4名の区内障害者しか雇用していないことを問題として指摘してきました。最近になって区内障害者の雇用を3名ふやし、6名にしたと聞きます。内容は、他区の障害者を雇用し中野区内に転居させたとの話もあります。そこで聞きます。当初言われていた規模での雇用が達成されてこなかったことをどう評価しているのか。また、中野区との賃貸契約が来年度終了を迎えることから、更新にはこれまでの経過を踏まえ慎重な対応が求められます。答弁を求めます。

 この項のその他で2点伺います。

 障害者福祉会館における生活介護の定員増についてお聞きします。

 障害者福祉会館では、障害者自立支援法に基づく生活介護事業が実施されています。生活介護事業は、利用者が自立した日常生活または社会生活を営むことができるよう、入浴、排せつ及び食事の介護、創作的活動または生産活動の機会の提供などを行っています。現在の利用者数は、定員24人に対して23人です。ところが、中野特別支援学校や永福特別支援学校の今年度末の卒業予定者数は合計で30人を超え、そのうち数名の方が障害者福祉会館への通所を希望されていると聞きます。保護者の方からは、学校を卒業した後に受け入れてもらえる施設があるのか、今後、定員がいっぱいになってしまったらどうなるのかといった不安の声もあり、区に要望も出されています。施設上の制約にも配慮が必要ですが、職員体制を拡充し、定員を拡大するなどして要望、不安に応えるべきです。どのように対応していくのか伺います。

 次に、障害者の避難対策について伺います。

 障害者福祉会館は、利用者と職員合わせて全体で100名程度が利用している施設です。東日本大震災の被災地では、福祉施設において車椅子の方など全員の利用者を担ぎおろすのに30分以上もかかったというような話もあります。中野区の障害者福祉会館では、幸いにして大きな混乱やけが人が出るというようなことはなかったと聞きますが、利用者や保護者の間からは災害時の避難についての関心が非常に高まり、不安の声も上がっています。

 障害者福祉会館に設置されている避難器具はかなり旧式で老朽化もしていることから、身体に障害のある方は使うことができず、避難訓練においてさえも、避難器具を使った訓練は実施できないというのが実情です。このため、区では今年度予算で避難のために外階段設置の設計を行ったと聞いていますが、いつ来てもおかしくない首都直下型地震に備えるためにも、早期に設置工事を実施すべきではありませんか。答弁を求めます。

 次に、保育所の待機児解消と保育料についてお聞きします。

 認可保育所の増設について、まず伺います。

 長引く不況のもと、生活を支えるために共働きを選択する家庭がふえており、仕事と子育ての両立を支える保育園の存在意義はますます高まっています。しかし、実際には保育園に入園させたくてもできない状況が続いており、日中は預けられないので夜中に働いている、預けられないので産むのを諦めたなどの保護者の悲痛な声が上がっています。中野区も待機児ゼロを宣言しても達成できず、この4月も認可園を希望しながら入所できなかった待機児は442人となりました。来年3月までに区立園の建てかえ・民営化等での定員増、新規の認証保育所、家庭福祉員等で定員を233人増員しても、10月度の待機児は旧定義で410人と、来年4月も待機児ゼロは望めません。

 待機児解消のために東京都は、ゼロ歳・1歳児の面積基準3.3平米を認証保育所と同様の2.5平米に緩和できる条例を強行しました。人生の中で最も劇的に成長する乳幼児期こそ最も豊かな環境が必要であり、乳幼児期の保育を大事にすることは、子どもだけでなく、その保護者も大事にすることにつながります。

 待機児ゼロを本気でやり切るには、認可保育所を希望した人が全員入所できることが待機児ゼロと言えます。認可保育所の増設こそが保護者の要求に沿った最優先の解決策ではありませんか。答弁を求めます。

 次に、保育料の値上げ問題についてお聞きします。

 中野区は、保育サービス利用者負担額適正化審議会の答申を経て、2013年度に保育料条例を改定するとしています。保育所の運営費の大半は保育士などの人件費です。ところが、国・都の支出金では人件費を賄うことができないことから、区の持ち出しが多くなるのは当然です。また、保育料を国の基準に合わせようとしていることも問題です。今後の保育料の検討に当たっては、子育て世代の生活や就業状況を調査し、保育料のあり方を公費負担の割合で比較するのではなくて、保護者の生活現状から支援を考えなくてはなりません。

 消費税増税が実施されれば、低所得者層ほど負担がふえます。また、子ども・子育て関連3法が国会で可決し、2015年実施で準備が進んでいます。これが実施されると複雑な保育料になります。それによって、基本時間以外の延長時間の延長保育などがオプション料金になれば保護者負担はふえます。子育て世代の思いの多くは「子育てにお金がかかる」との声です。審議会では、子育て世代の暮らしの現状を見据えて保護者負担軽減の立場から検討が行われているのかどうか、お聞きします。

 最後に、認証保育所保護者補助についてお聞きします。

 利用者負担の不均衡論が言われ、認証保育所などの保育料が高く認可保育所の保育料が低く、不公平というものです。実態は、認可園に入りたくても認可園不足から認証保育所を選んでいるのが現状で、問題は認可保育所が少ないことです。

 このことを踏まえ、認証保育所保護者補助の引き上げは、審議会答申を待たずに引き上げるべきではありませんか。また、認可外保育施設利用者の保護者は一切補助がありません。杉並区は認可外も対象としており、中野区も補助の対象とすべきではありませんか。答弁を求めます。

 以上で全ての質問を終わります。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 来住議員の御質問にお答えいたします。

 脱原発と区長の政治姿勢についてという御質問、一番最初の御質問が民主党政権の行ってきたことについてというような御質問でありました。来住議員の言われた共産党の考え方というものと私の考え方は異なっているということをまず申し上げた上での答弁ということになります。

 民主党政権ですけれども、財源の裏付けがないマニフェストを掲げて、それに固執し続けたこと。また、沖縄の基地の問題や原子力発電の問題などでは思いつきの方針提示と簡単な前言撤回を繰り返して、国民の政治不信を招いたといったようなことがあると考えております。また、少子高齢化と人口減少の時代にある中で税と社会保障の一体改革をうたいながら、社会保障の将来像を示し得ず、日本の経済成長のための構造改革の道筋も示すことができず、さらに未曽有の被害をもたらした東日本大震災からの復興の取り組みも停滞したままといったことで、国民生活や経済活動に先の見えない閉塞感と不安を与えることになってしまったというふうに考えております。こうした経験から、社会保障等の国の支出について、十分な裏付けのない、耳ざわりのいいことを政策として掲げる。それを行おうとするというようなことがどれだけ危ういかということがますます明らかになったと思っているところでございます。

 このように国政が機能しない状況においては、自治体の果たすべき役割はますます重要になっております。地方分権改革をさらに推し進めていかなければならない、このように考えているところであります。

 それから、原発ゼロにすることについての御質問でありました。御質問の中であった、さきに申し上げた私の考え方については、全く変わっておりません。今後の原子力発電については、十分な検証や、それを踏まえた安全対策の再構築などが必要であります。代替エネルギー供給の可能性なども踏まえて、一定の時間をかけながら、今後の原発のあり方、エネルギー政策のあり方ということについて、国民的な合意を形成していくということが重要だと考えているところでありまして、一見して耳ざわりのいいような「原発ゼロ」といったようなスローガンをただ掲げるということについては、私は反対だと言わざるを得ないと思っております。

 それから、事業の見直しの関連で、自治体としての役割と責任についてという御質問がありました。区の全ての事業はPDCAサイクルに基づいて常に見直しを行っております。より効果のある事業内容への改善や、効率的な執行方法の工夫などに取り組み、持続可能で、区民により価値の高い施策を展開することができる区政としていくことが自治体としての責任であると考えているところであります。

 障害者福祉手当(第二種)についての御質問がありました。障害者福祉手当を開始した当時は、障害福祉サービスの内容が極めて少なく、限られておりました。また、65歳以上の方は介護保険サービスが受けられるようになりました。その後、障害者自立支援法などに基づいて各種サービスが拡充され、必要に応じて必要な自立支援給付が上限を設けることなく提供されるという体制もでき上がってまいりました。また、中野区では地域生活支援事業の利用者負担を他区に先駆けて実質無料化するなど、障害福祉サービスの充実に取り組んできたところであります。このような現物給付、実際のサービスの給付の充実を踏まえ、現金給付のあり方について見直しているということを御理解いただきたいと思います。

 障害者福祉手当(第二種)の現行制度では、64歳までに障害者手帳を取得された方は手当を継続受給できるのに対して、65歳以上で取得された方は手当が受けられない、このことは不公平だと考えております。二種手当は国や都の制度とは要件や対象が異なる区独自の事業でありますことから、制度の趣旨に照らして見直しを行ったものであります。

 廃止に伴って、かわる措置を考えているかということですが、新たな措置については考えておりません。

 それから、精神障害者も対象とするべきではないか、難病患者福祉手当についても支給額を増額するべきではないかといったようなことについてであります。障害者福祉手当(第二種)は、都の基準によって始まった第一種手当と同様に、身体障害者、知的障害者を対象として制度設計されたものであります。今のところ、支給対象に精神障害者を加えることについては考えておりません。難病手当についても変更は考えておりません。

 私からは以上です。

     〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 中野区立小中学校再編計画(第2次)【素案】について、初めに、意見交換会の周知と計画の撤回についての御質問がございました。

 周知につきましては、「教育だより」や教育委員会ホームページに意見交換会の開催と素案を掲載しております。また、学校や保育園、幼稚園を通じて配布した開催通知やチラシにも素案が閲覧できる場所を記載するなど、十分な周知に努めたところでございます。

 地域での意見交換会に教育委員が出席してはという御質問でしたが、教育委員会が出席することは考えてございませんが、来年の1月には区民と教育委員の意見交換会を開催する予定でございます。こうした取り組みによりまして、子どもたちによりよい教育環境を提供していくため、保護者や地域の理解を得られるよう努めてまいります。

 次に、前期の再編計画の検証と評価についての御質問がございました。統合新校では、児童・生徒数の増加により、学級や集団が活性化され、多様な人間関係の中で子どもたちの社会性が育まれ、教員数の増加により、一人ひとりの実態に応じた指導も可能となるなど、施設面も含め良好な学校環境を整えることができたと考えてございます。

 旧中野昭和小学校と東中野小学校の統合新校である白桜小学校は、想定した学級数になりませんでしたが、一定の規模の学校として充実した学校教育が行われていると考えてございます。

 次に、教職員の配置についての御質問がございました。教職員の配置につきましては、国のいわゆる教職員定数の標準に関する法律に基づき、都が定めてございます。教員の定数の改善や人事、教員定数に関する権限につきましては区に移譲するよう、区長会、教育長会として、国や東京都に既に要望しているところでございます。区独自の教員採用については、さまざまな問題があるため考えてございません。

 次に、旧文部省の通達の検討についての御質問でした。素案の検討に当たりましては、小中学校の小規模化の状況や通学区域の整合性、通学距離、各学校の施設の状況、町会・自治会の区域など総合的に判断し、一定規模の学校としていくこと、小中学校の通学区域の整合性を可能な限り図ることで、子どもたちによりよい教育環境が提供できると判断したものでございます。

 最後に、素案を変更する場合の条件についての御質問がございました。意見交換会では、コミュニティへの影響や通学の安全の確保、小中学校の連携の推進、跡地の利用、避難所機能の確保など、さまざまな意見が寄せられてございます。計画の策定に当たりましては、区全体の教育環境の整備のため総合的に判断する考えでございます。

 以上でございます。

     〔政策室長竹内沖司登壇〕

○政策室長(竹内沖司) 平和行政の御質問にお答えいたします。

 まず、庁舎前の宣言塔についてでございますが、清掃は日常的に行っておりますが、汚れではなく、塔の素材の性質上の風化といったものについては、やむを得ない面があるところでございます。

 それから、諸外国との民間交流についてでございますが、現在、日中、日韓ともに関係改善の方向性は見えておりませんが、区民や民間レベルでの友好交流を妨げることが妥当とは思わないところでございます。区としては、区民や区民団体の交流活動については可能な限り支援をしていきたいと考えております。

   

健康福祉部長田中政之登壇〕

○健康福祉部長(田中政之) 私からは、障害者施策の充実についての幾つかの御質問にお答えいたします。

 まず、障害者就労支援の今後の取り組みについてでございます。区はこれまで障害者の雇用先となる企業を地域の中から開拓するコーディネーターを中野区障害者福祉事業団に配置いたしまして、中小企業障害者雇用奨励金制度を活用して、区内の企業に対する障害者雇用の促進を行ってきたところでございます。今後はこれらの取り組みに加えまして、なかの障害者就労支援ネットワークとも連携をいたして、区内の事業者を対象とした障害者雇用に関するセミナーを実施したいと考えているところでございます。

 次に、中野セントラルパーク進出企業への働きかけについてでございます。中野セントラルパークへの進出企業に対して、障害者雇用の働きかけをはじめ、区内の障害者就労施設への発注の依頼などを行ってきたところでございます。その結果、就労に向けた実習生を受け入れていただいた事例もございまして、今後とも進出企業に対しまして働きかけを行ってまいります。

 次に、商工会館誘致の特例子会社についてでございます。商工会館1階を貸し付けている特例子会社における障害者雇用につきましては、徐々にではございますけれども、増加してきております。さらなる増加を期待しているところでございます。来年、契約期間満了となる賃貸借契約の更新につきましては、今後検討してまいります。

 最後に、障害者福祉会館の生活介護及び避難対策についてでございます。障害者福祉会館の生活介護事業につきましては、これまで定員を超えたということはございませんで、受け入れの対応はできているところでございます。今後につきましては、特別支援学校の卒業生など需要見込み数を踏まえ、必要に応じて定員増の対応を検討してまいります。

 避難用外階段の設置につきましては、今年度既に設計を終えたところでございます。

 以上でございます。

   〔子ども教育部長髙橋信一登壇〕

○子ども教育部長(髙橋信一) 私からは、保育所の待機児の解消と保育料について、そのうち1点目、認可保育所の増設についてでございます。

 認可保育所にはない長時間保育サービスを必要としている人など、保護者のニーズはさまざまでございます。一概に認可保育所のみにより保育ニーズに応えられるとは考えてございません。認可保育所や認証保育所、家庭福祉員など、さまざまな保育サービスによって対応を図ってまいりたいと考えてございます。

 次に、中野区保育サービス利用者負担額適正化審議会の内容でございます。保育料について、学識経験者、事業者代表者及び公募によります子育て世代の区民の方を委員として、認可保育所、認証保育所など、さまざまな保育サービスの利用者全体の視点で、負担額の公平性、適切性について審議していただいているところでございます。平成17年度に行われました保育料改定時から認証保育所が増加するなど、保育環境等が変化していることから、子ども・子育て関連3法の進捗状況等にかかわらず、負担額の見直しは必要であるというふうに考えてございます。

 次に、認証保育所保護者補助の引き上げについてでございます。現在、保育サービス負担額を総合的に審議会で検討しているところでございます。その答申を待って考えていくことから、認証保育所等の利用者の負担額のみを捉えた対応は考えてございません。

 以上でございます。

○議長(大内しんご) 以上で来住和行議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

      午後0時15分休憩

 

      午後1時15分開議

○議長(大内しんご) 会議を再開いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 酒 井 たくや

 1 中野区立小中学校再編計画(第2次)【素案】について

 2 その他

 

○議長(大内しんご) 酒井たくや議員。

     〔酒井たくや議員登壇〕

○27番(酒井たくや) 平成24年第4回定例会におきまして、民主党議員団の立場から一般質問を行います。

 質問は、通告のとおり学校再編計画の2次素案についてです。その他についてはございません。

 質問に先当たり、まず冒頭に、もう既に各立場の皆さんがさまざま衆議院選挙について触れられております。3年前の政権交代は、自民党への失望が民主党への期待となり、それによって実現したのだとよく言われております。しかし、私は総選挙にかかわった人間の一人として、民主党が当時示した既得権への切り込み、コンクリートから人へ、チルドレン・ファーストといった理念は積極的な支持を受けていたと感じております。また、公共事業費の3割削減と教育予算の1割増加といった予算の組み替え、事業仕分けと埋蔵金発掘による約20兆円の財源捻出、国家公務員人件費の削減等、政権交代がなければ実現しなかったと思われる成果も出ております。

 もちろん、反省すべき点は反省しなくてはいけません。特に財源見通しが甘かった点については、野田代表をはじめ多くの国会議員が反省の弁を述べております。私たちも、日ごろから地域で民主党政権に対し大変に厳しい言葉をいただいております。そうした声を真摯に受けとめ、反省すべき点は反省し、時計の針を戻さないよう、この選挙戦、戦ってまいりたいと思います。

 それでは、質疑に入ります。

 学校再編についてお尋ねいたします。

 平成24年4月の中野中学校の開校により、平成17年度に策定した中野区立小中学校再編計画の前期の計画が完了しました。そして、その後、中野区立小中学校再編計画改定における基本的な考え方が示され、10月には、具体的な再編の組み合わせを記した中野区立小中学校再編計画(第2次)【素案】が報告されました。この2次計画の大きな柱は三つ、1、適正規模の学校をつくる、2、通学区域の見直しによる小中学校・学校地域連携、3、学校施設の改修・改築であります。教育委員会は、学校再編計画2次素案をもとに、かかわりある全ての学校や関係団体、また区役所と南北二つの区民活動センターでの意見交換会を開催されました。まずもって、1カ月間の長丁場の意見交換会の開催に慰労の意を申し上げる次第でございます。

 しかし、学校再編計画2次素案にある、前期の学校再編を踏まえた課題への対応に記されております「保護者や地域住民への情報提供の強化」が行われたかというと、広報の内容ややり方に疑問が残ります。例えば、意見交換会の開催の案内用紙の配布ですが、区立小中学校の児童の全保護者へ配布しましたが、区内保育園・幼稚園等への広報に関しては、各園に一律50部配布しただけでありました。こちらは指摘された後、人数分配布するように改められたそうですが、前期計画では、このような未就学児の保護者向けへの広報が全くなかったため、計画決定の数年後に進学した保護者の方々が当事者となり、十分な周知がなされていないとの大きな声が多数上がりました。このような失敗は二度と繰り返してはいけません。

 また、地域への広報も十分になされたのでしょうか。地域では、学校再編計画そのものについて知らない、ましてや意見交換会があることなどわからない方も多々いらっしゃいました。意識の問題と片づけるのではなく、教育委員会の姿勢として、今後11年間かけて進めていく学校再編計画に関し、より多くの方々に広報し、丁寧な説明を行い、理解を求めるべきではないでしょうか。

 意見交換会では時間が足りなかった学校も、納得されていない地域も幾つかあると聞きます。学校再編に関して100%の地域合意を得ることなど不可能なのは私も理解しております。しかし、今後の再編の鍵となる学校・地域連携、統合委員会の立ち上げなど、いずれにせよ地域の理解と協力が必要であります。禍根を残さないためにも、地域から声があれば再度意見交換会を行い、理解を求めながら丁寧に進めていくべきです。いかがでしょうか、お聞かせください。

 そのようなことを考えると、私は今回の来年3月に計画決定をする現在のスケジュールはタイト過ぎるのではないかと考えます。急がば回れという言葉があるように、計画決定への進め方を場合によっては柔軟に対応すべきではないでしょうか。3月に計画決定しなければならない理由、されなければどのような影響が出るのか、お聞かせください。

 次に、前期計画の課題についてでありますが、改めて申し上げますが、前期の検証をしっかりと行っていただきたい。前期再編計画の光と影の部分を十分に踏まえなければなりません。教育委員会といたしましては、統合により学校に関連するコミュニティが広がったことにより、地域との連携がより一層充実したとの考え一点張りですが、本当にそのように考えているのでしょうか。区域外就学、指定校変更により、同じ地域からばらばらの学校へ通学している地域の現状、それにより子ども会や地区委員会の活動も目減りし、再編により子どもの地域行事への参加が本当に少なくなっている地域もあります。このようなことから目を背けないでいただきたいと思います。

 前期再編計画は万事うまくいっていますか、見解をお聞かせください。

 次に、指定校変更についてお尋ねします。

 こちらに関して、さきの第2回定例会において、我が会派の中村議員が指定校変更のあり方について次のように質問いたしました。「中野区の指定校変更については、非常に弾力的に運用されているのが現状で、それにより、その時々の要因により、生徒数に大きく影響を及ぼす可能性があります。これでは、教育委員会として、生徒数をなかなか推測できないこともあるのではないか。また、再編計画改定における考え方の一つの柱である学校と地域連携も図ることができない懸念もある中、指定校変更のあり方をどのように考えているのか」との問いに対し、教育長は「指定校変更については、今後も基準にのっとり、適正に運用してまいりたいと考えております」と答弁されました。教育委員会からすれば、現状、適正に運用されているという見解で、今後もそのようにしていくという考えなんでしょうか。しかし、実際は24年度、この指定校変更の実績は全体で161名、小中学校ともに約15%から16%の児童が指定校変更している現状であります。

 こういった中、学校・地域連携、小中学校連携、学区域の整合性を大きな柱としております学校再編2次計画を進めるには無理があるのではないでしょうか、御見解をお聞かせください。

 次に、学校の適正規模についてお尋ねいたします。

 再編の柱の一つとして、適正規模の学校をつくるという考え、小学校12クラス、中学校9クラスとしております。子どもたちが一定規模の集団で活動することは必要であり、同じ価値観を感じたり、違う考えの友達を認め合ったりする経験や、学校行事や集団活動が活発に行われる。それにより子どもたちは切磋琢磨されると私も考えます。

 教育委員会は、この適正規模のクラスの生徒数を、1学級の規模を35人学級でクラス数を想定しておりますが、この35人学級は平成23年度よりスタートしているものですが、こちらに関しては国の動向により大きく左右される側面もあります。また、前期再編により適正規模となっていない学校もあります。そして、資料の年度別児童・生徒数の推計値と実数が、これまで年度で最高1,820名もの乖離があるような状況です。再編計画2次の大きな柱である「適正規模の学校をつくる」、この考えにも大きく影響を及ぼすのではないのでしょうか。地域として再編を受け入れたにもかかわらず、統合新校が適正規模とならない状況は忍びないものであります。このような適正規模とならない現状と今後の生徒数の数字の不確定要素について、教育委員会の見解をお聞かせください。

 次に、前期の再編計画の組み合わせから変更された2点についてお尋ねいたします。

 1点目、上高田小学校と新井小学校の組み合わせについてであります。こちらは前期計画では示されておりませんでした。上高田小学校と新井小学校を統合し、新井小学校の位置に統合新校を位置するというものでありますが、地元地域の方々からすると寝耳に水の話であります。この新たな組み合わせが出た理由と、特に閉校予定となる上高田小の意見交換会での反応と統合新校の位置を新井小としたことも、あわせてお聞かせください。

 次に、2点目ですが、第三中学校、第五中学校、第十中学校のうち2校に再編するという前期の組み合わせであります。これが五中を再編対象のこの枠組みから外し、三中と十中の新たな組み合わせの中で統合新校を十中の位置にするものが示されました。まず、五中がこの枠組みから外された理由をお聞かせください。恐らく、将来的にも五中は適正規模であるというのも理由であると考えますが、一方で、将来的に適正規模である三中が統合対象となっております。

 東中野地域に目を向けると、地域から学校が二つもなくなってしまうことになり、地域としてなかなか受け入れられない現実ではないでしょうか。三中は将来的にも適正規模であるにもかかわらず統合対象とすることと、三中と十中を再編し統合新校を十中の位置にする、この理由をお聞かせください。

 次の質問ですが、学校は子どもたちの学び舎だけではなく、地域コミュニティの核として長年存在してきました。学校を中心としたさまざまなコミュニティも形成されており、地域から学校がなくなってしまうことの影響は大変に大きなものであります。そのような中、意見交換会を通じての、統合新校の位置とならない地域の反応というものはどのようなものであったのでしょうか、お聞かせください。

 最後に、統合のスケジュールについてですが、校舎の改修・改築についてお尋ねします。

 再編により統合新校となる学校には改修もしくは改築工事を行う予定であります。校舎の改修・改築に当たっては、原則として統合新校として使用しない学校を仮校舎として使用し、統合新校の改修・改築工事終了後に新校舎に移転するそうですが、来年度、1校当たりおよそ700万円かけ校舎の調査をし、改修または改築の判断をし、25年度中にスケジュールを示す考えでありますが、改修には1校当たりおよそ12億円、改築には小学校30億円、中学校35億円が必要となってくるという見解で、義務教育施設整備基金と起債と一般財源で賄うという考えでありますが、現状、区としても区財政の危機的状況と位置付けており、今後も厳しい財政状況が続いていくことは容易に予想されます。

 将来の改築需要に備え、義務教育施設整備基金に10億円を積み立てていく予定でありますが、厳しい財政状況下、計画的な積み立てが可能であるのか疑問です。また、全体の需要はどれくらいと見込まれているのかも示されておりません。第2回定例会でも指摘しましたが、再編の年度と校舎の改修・改築による財政のフレームをセットで再編計画として示すことが本来あるべき形ではないのでしょうか、お考えをお聞かせください。

 以上で私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。

     

教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 酒井たくや議員の、中野区立小中学校再編計画(第2次)【素案】につきましての御質問にお答えいたします。

 まず、地域への丁寧な説明についての御質問がございました。学校再編計画(第2次)【素案】では、指定校制度の周知や統合の手順などについて、保護者や地域住民への情報提供の強化を行うとともに、小中学校の連携の推進などにより、より充実した学校教育の姿を示し、よりよい教育環境としていくことを盛り込んだところでございます。この再編計画素案につきまして、地域住民の理解や協力を得るため、再編にかかわる学校や区役所、区民活動センターで意見交換会を実施したところでございます。町会や地区委員会などから説明の要望があれば、現在も対応しているところでございますが、今後もできる限り対応させていただきたいというふうに考えてございます。

 次に、計画決定がおくれた場合の影響等についての御質問がございました。地域での意見交換会を開催し、今後、案とした段階ではパブリック・コメント手続を行う予定でございまして、計画の策定に向けて十分な時間をとっているというふうに考えてございます。再編計画(第2次)は、小中学校の連携や教育環境の向上を目指すものでございまして、計画決定がおくれた場合は、こうした取り組みがおくれることになるというふうに考えてございます。

 次に、前期再編計画の検証等についての御質問でした。統合新校では児童・生徒数の増加により、学級や集団が活性化され、多様な人間関係の中で子どもたちの社会性が育まれ、教員数の増加により、一人ひとりの実態に応じた指導も可能になるなど、施設面も含め良好な学校環境を整えることができたというふうに考えております。一方、想定した学級数にならなかった学校もございますが、一定の規模の学校として充実した学校教育が行われているというふうに考えてございます。前期の学校再編計画による統合校の教育活動は順調に進んでいるというふうに認識をしてございます。

 次に、指定校変更についての御質問がございました。中野区は、御質問にもございましたように、指定校制度をとってございまして、個別の事情による指定校変更につきましては、一定の基準に基づき適正に運用しているというふうに考えてございます。この指定校制度を前提といたしまして、通学区域の見直しを行い、小中学校の連携や学校と地域の連携を推進していくために、学校再編計画(第2次)【素案】を示したところでございます。

 次に、学級数の推計等についての御質問がございました。少子化が進行したことなどから、中野区全体の児童・生徒数の推計と実数との差が出たということで、前期計画と現状の乖離があったというふうに認識しております。前期の学校再編により、統合新校は一定規模の学校として充実した学校教育が行われているということは、先ほど申し上げたとおりでございます。学校再編計画(第2次)におきましても、再編統合校は望ましい規模の学校となるというふうに考えてございますが、今後も国や東京都の動向を把握していきたいというふうに考えています。

 次に、個別の学校の統合についての御質問がございました。まず、上高田小学校と新井小学校の統合です。今回の素案で初めてお示しをしたものでございますが、上高田小学校は児童数が減少し、今後も児童数の増加が見込めないことなどから、新井小学校と統合することといたしました。また統合新校につきましては、学校敷地の状況などから総合的に判断し、新井小学校の位置といたしました。

 また、この意見交換会、上高田小学校と新井小学校で行われました意見交換会でございますが、出された意見等につきましては、上高田小学校と新井小学校の統合を踏まえた上で、上高田小学校の跡地の利用、避難所の確保、地域コミュニティの活性化や健全育成活動の推進などについて御意見や御要望がございました。

 次に、三中と十中の統合についての御質問がございました。第十中学校から第二中学校への通学区域の変更により、第三中学校と第十中学校の統合新校が過大な規模にならないこと、第五中学校が中野中学校からの通学区域の変更により一定規模を確保できることなどから、当面、第五中学校の統合は行わないということにいたしました。小規模校を解消するとともに、小中学校の通学区域の整合性をできるだけ図るため、第三中学校と第十中学校を統合することといたしました。また、第三中学校と比較して校地が広く、広い校庭の確保ができると考えられることなどから、第十中学校の位置を統合新校の位置としたものでございます。

 統合新校の位置とならない学校におけます意見交換会等での意見についての御質問です。これらの学校での意見交換会におきましては、統合を前提としましたさまざまな御意見や御要望がございましたが、また一部には、小規模の学校のまま存続させてほしいという御意見もございました。

 最後に、財源見通しについてでございます。義務教育施設整備基金の平成23年度末の積立金が約75億円あり、今後、毎年度10億円を積み立てていくこととしてございます。再編に伴う改修・改築に当たっては、基金のほかに起債の活用や一般財源の投入などを行いますが、財政状況に応じて、これらを適切に組み合わせて対応していくことになるというふうに考えてございます。再編計画は教育活動の質をより高めることを目指して策定するものでございます。一方、財政フレームは区の財政運営全体の中で財政当局として検討していくものでございます。校舎の大規模改修・改築の財政フレームにつきましては財政当局で検討してございまして、実施可能なものであるというふうに考えてございます。

 以上でございます。

     〔酒井たくや議員登壇〕

○27番(酒井たくや) 再質問いたします。

 教育長は先ほど、再編と改修・改築に当たっての財源の問題に関しては別ものなんだというふうにおっしゃられますが、我々その再編計画を判断する場合に、そういったものはやはり一緒に示すべきではないんですかという観点で質疑をしたんです。これ、質問じゃないんですけれども。

 再質問に入りますが、先ほど、前期の計画を検証して進めていかなければならない。同僚議員からもこれに関しましては質疑が出たと思います。教育委員会といたしましては、再編したことによって地域コミュニティも広がりましたと、それから学校も活発に子どもたちが活動しているんだというふうな御答弁だったと思うんですね。その一方で、適正規模のクラスにはなっておりませんが、一定の規模で学校が運営されているというふうに教育長は御答弁されたんですけれども、この一定規模って何なんですか。もともと学校再編の計画は、例えば小学校だと12から18クラスを目指していくと言っていたんですよ、この一定規模──いや、一定規模じゃないです。適正規模、目指すべきクラス数。それで、現状言っているのは、恐らく学校で10クラス。再編したにもかかわらず、現状10クラスしかない学校があるわけですよね。これを、一定規模だからいいんだって言いますと、ほかの再編の対象になっている学校も一定規模あるんですよ、全部。そうじゃないですか。ですから、その「一定規模」という言葉で片づけられちゃうと、ほかのも一定規模、今後再編の対象になっているところ、あると思いますよ。

 そこのあたりしっかり答えていただきたいのと、あと次は、前期では示されていなかった組み合わせの中で、三中、五中、十中のところなんですけれども、恐らくこの統合新校の位置とする判断に関しては、校庭面積や将来の建てかえを考えた場合に、用途地域はどうなんだとか、普通校舎に転用する場合はどうなんだとか、地形だとか、さまざま総合して判断されるんだろうと思うんですけれども、例えば施設の全体のバランスとか、中野区全体を見て。それからまた、前期の再編計画での説明ですね。地域への説明、それから議会での答弁に際して、「再編を二度経験させない」というのはかなり御答弁されていると思うんです。議事録にも残っております。そのあたりとの兼ね合いというんですかね、お聞きしたいと思う。これが2点目です。

 3点目じゃないんですけど、これ、ちょっと私の思いで伝えますが、要は再編の計画、今回の2次の計画に関しては、適正規模の学校をつくる、通学区域の見直しによる小中連携や地域連携がある。それから、施設が老朽化している中で、改修・改築はどうするんだという大きな三つの柱があるんですね。しかし、この財源をどういうふうにしていくのかが、なかなか我々にとっては見えない。それからまた適正規模のクラス数も、推計と全然違うわけなんですよ。例えば、平成17年度に策定した白桜小の22年度の生徒数に関しては、362名、12クラスと推定していたわけです。しかし、22年の現状を見ると、277名、10クラスというふうな状況があるんです。それからまた指定校変更に関しましても、現在、適正にやっているんだとお答えになるんだろうと思うんですけれども、それでは指定校変更も適切に運用しているんだというふうな見解なんだろうと思うんですが、学校・地域連携、通学路の見直しが柱となっているんだったら、そこもかなり僕は今の現状だと影響してくるんだろうと思うんです。すなわち三つの柱が大きく影響するんだろうと思っておりますので、指摘いたしました。

 再質問に関しましては、一定の規模についてしっかり答えていただきたいのと、前期のときにおっしゃられた、再編を二度経験させない等々、そういったことに関して、施設のバランス等々に関しては、統合新校を決めるに当たってどのようにそれが作用されたのか、お聞きしたいと思います。

 以上です。

     〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 前期の再編計画で目指しました望ましい学級数というのをお示しをしているところでございますけれども、実際、再編を経験した後、そうした規模にはなっていないんではないかという御質問でございました。また、その一定の規模という学校はどういう学校かということだと思うんですけれども、再編の前の学校では、各学年1クラスということで、6学級の学校だということでございます。再編を経験した上で10学級の学校になったということでは、一定の学級数は保っておりますし、良好な学校教育を続けているということだというふうに考えてございます。

 2点目の、学校の位置、バランスを配慮していないのではないかということですけれども、教育委員会といたしましては、新たな通学区域の中でバランスのよい位置に学校を置くのが望ましいというふうには考えておりますが、既存の学校の位置が区境であったり、あるいは学区域と学区域の間であるということも否めないということで、できる限りそうしたことも配慮しながら、今回、素案としてお示ししたということでございます。

 3点目、再編を二度経験させないということは、再編計画の中でも、素案の中でも御説明してきているところでございます。私どもといたしましては、小学校、中学校で二度経験をできるだけしないようにということで、今回の再編計画素案をお示ししたところでございます。

     〔酒井たくや議員登壇〕

○27番(酒井たくや) 再々質問いたします。

 先ほど一定規模のところなんですが、統合前は単学級の学校があって、非常にクラス数が少ない中で、統合した場合に一定の規模になったというふうにお答えになったんですけれども、それはもう二つの学校が一つになっているんですから、ふえて当たり前なんですね。それを一定規模だからいいんだって片づけられるんじゃなく、そういったところをしっかりと受けとめて、今後この統合に進めるのであるならば生かしていかなければならないと思うんです。要は、少ないところと少ないところ、足し算で一緒になったから一定規模になったというような考えじゃ、地域としては本当にさまざまな思いの中でこの再編計画というのは受けとめられていると思うんですね。ですので、そういった考えをやっぱりしっかりと受けとめた上で考えていただかなければならないんじゃないんですか。お願いします。

     〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 再々質問にお答えいたします。

 再編計画素案の中でもお示しをしておりますが、小規模校として教育活動がなかなかしにくい、教員の確保がしにくいというような課題があるということは、再編計画素案でもお示しをしているところでございまして、統合によってそうした課題が解決したということが大きな成果として挙げられるというふうに考えております。また今、一定規模の学校は10学級ではないかというようなこと──望ましい学級数にはなっていないんではないかということですけれども、より魅力のある学校づくりとして、これからも豊かな教育活動を進めていくということを教育委員会としても努力をしていきたいというふうに思っております。

○議長(大内しんご) 以上で酒井たくや議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 石 川 直 行

 1 2020年オリンピック・パラリンピック東京招致について

 2 太陽光発電による屋根貸しビジネスについて

 3 中野区立小中学校再編計画(第2次)【素案】について

 4 その他

 

○議長(大内しんご) 次に、石川直行議員。

      〔石川直行議員登壇〕

○9番(石川直行) 平成24年第4回定例会に当たり、みんなの党の立場から一般質問をさせていただきます。

 衆議院選挙告示日を明日に控え、キャッチフレーズや選挙互助会で選択するのではなく、ぶれない政策のある政党を国民が選択されることを願ってやみません。

 まず、2020年オリンピック・パラリンピック東京招致に関連して質問いたします。

 2020年オリンピック・パラリンピック東京招致については、東京、マドリード、イスタンブールの3都市に最終立候補都市が絞られた時点での市民の支持率では、前回2016年立候補時の55%よりも少ない47%で、他の2都市に比べても格段に低い数値であったことが危惧されているところでありました。この支持率の伸び悩みの一因には、前回の招致活動における東京都の招致費用150億円の会計処理の不透明さがあったとの指摘もあります。

 さて、今回、東京招致機運醸成事業として、各種のPRグッズを作成し、配布していることは御承知のとおりです。ロンドンオリンピック大会後の国内調査では、支持率が66%との結果に安堵しているところです。中野区としても独自の招致イベントの開催や、地区まつりなどの折にPRグッズを配布するなどの活動を行い、また、町会連合会による署名活動など積極的な取り組みを行っているところであります。

 IOCによる最終的な支持率調査が来年1月または2月に行われると予想され、この支持率の維持と、さらなる上乗せを目指して、いま一層の周知活動の展開が求められておりますが、こうした区民の機運に水を差すようなことがあってはならないと考えております。

 そこで、1点お伺いいたします。

 ある地区まつりでは、参加者へPR用グッズが多数配布されているのに、ある地区ではそのためのPRグッズが確保されていないなど、グッズ配分の方法に不公平感が残りました。区と区民を挙げての取り組みであるならば、各区民活動センターの運営委員会にも情報提供するなど、グッズの調達段階でばらつきが生じないような細かな配慮や、職員の取り組む姿勢が必要であったと考えます。区の取り組みの透明性という観点でも重要です。都民、区民一人ひとりの機運を一層盛り上げていく最終段階に入った今、行政みずからが機運醸成を阻害する原因をつくってはなりません。機運とはまさに区民一人ひとりの感情であります。反省すべき点は反省し、最終支持率調査に向けた行政の取り組みが必要と考えますが、区長のお考えをお聞かせください。

 次に、第3回定例会において、太陽光発電パネルの普及について質問させていただきましたが、その後、東京都から太陽光発電「屋根貸しビジネス」マッチング事業が発表され、去る11月27日に東京都主催で開催された「屋根貸しセミナー」に参加してまいりました。

 この事業は、発電事業者が全ての費用負担の中、建物所有者から賃貸借契約により屋根を借り受け、太陽光発電から得られた電気を固定価格買い取り制度のもと、電力会社に売電するものであります。この屋根貸しの留意点として、近隣に高層建築物が建設される可能性について指摘しております。そこで、太陽光エネルギー利用の観点から、従来の日照権とは別の新たな視点による議論が必要であると考えます。御所見をお伺いいたします。

 また、中野区有施設の利用についての屋根貸しビジネスについてお伺いいたします。

 さきにも述べましたが、この事業の特徴として、建物所有者にメンテナンスも含めて費用負担が全くないということです。中野区の区所有施設の中での取り組みの一例として、桃花小学校が太陽光発電設備で売電を行っておりますが、この設備設置に約3,000万円かかっており、その他メンテナンス等の費用の負担が発生しております。屋根貸しのメリットとして、費用負担がないことは紹介しましたが、そのほか、定期的な賃料収入があること、災害非常時には優先的に無償にて電気使用ができること、また、原則20年の賃貸借契約後は発電設備を無償譲渡され、小中学校体育館程度の屋根面積で換算すると、年間85万円程度の売電利益が発生することになります。

 セミナー開催当日のニュース番組でも取り上げられ、多くの自治体での取り組みが紹介されておりました。財政が逼迫している現状と今後の財政運営を踏まえ、中野区区有施設の有効活用を図ることが肝要と考えますが、いかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。

 最後に、中野区立小中学校再編計画(第2次)【素案】に関連してお伺いいたします。

 再編計画の前提となる中野区が目指す教育の姿として、何よりも子どもたちの教育環境をよくすることに尽きると考えます。適正規模の学校の確保を通じて、コミュニケーション能力の向上とともに、さまざまな選択肢を子どもたちに提供すること。そして何より、安全・安心の教育現場の確保として、50年を経過する学校校舎の老朽化問題の解消を目指していかなくてはなりません。

 一方、地域社会と子どもたちのかかわりについては危惧しているところであります。小中学校の連携・接続に留意し、地域の人々と一体となって子どもたちを育んでいく「地域とともにある学校」を目指すべきとして、通学区域の変更等、一定の配慮はされております。しかしながら、他区と隣接している学校については、子どもが他区への学校を選択することにより、長年にわたり培われてきた地域文化へのかかわりが薄れることを憂慮しております。事実、前期の再編では、隣接区の学校へ入学、転校があったと聞いております。また、他区の小学校を選択した子どもたちも中学校は中野区立中学校を選択することになり、連携・接続が図れない現状をどう解決するのでしょうか、お伺いいたします。

 自助・共助・公助の中で、地域を核とする自助と地域の中での人々、一人ひとりの共助の中で最も大切なことは、顔と顔を合わせる人間関係があってこそ成り立ちます。防犯・防災、そして地域の見守り支えあい等、今後とも地域が担う、いや、担わなければならない課題が多くなっております。前期の再編を通じて、今述べた諸問題について検証をどのように行い、第2次素案に生かしてこられたのか、お伺いいたします。

 また、10月末から約1カ月にわたり行っていた保護者・地域の方々を対象とした意見交換会では、十分な説明・意見交換がなされたとは言えません。一部の地域では、さらなる説明会が予定されていると聞いておりますので、オーソライズされた町会や地区委員会、PTAなどの要望があれば、積極的に説明会を開催することを要望いたしますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

 以上をもって一般質問を終了させていただきます。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 石川議員の御質問にお答えいたします。

 2020年オリンピック・パラリンピック東京招致について、招致機運醸成のためのPR用グッズの配布についての御質問です。グッズにつきましては、行事などで配布することを想定して、各地域ごとの需要数をすこやか福祉センター単位に配布方法などを定めて確保したものであります。結果として、今、議員が御指摘になったような、数量に大きな差が出たという実態があったとすれば、これは遺憾だというふうに考えております。PRグッズを多くの人々に配布して、オリンピック・パラリンピックの東京招致について理解を得るということは、大変重要な取り組みであるというふうに考えております。今後ともさまざまな機会を捉えて積極的に取り組んでいきたいと、このように考えております。地域によって差が出るというようなことのないような配慮も十分にしてまいります。

 それから、太陽光発電に関する屋根貸しビジネスに関連しての御質問です。太陽光発電利用という新しい観点からの日照権にかかわる議論についてということです。東京都の「屋根貸しビジネス」マッチング事業では、屋根貸しの要件や留意点として幾つか定められております。その中で、日照条件が良好なこと、また、近隣に高層建築物が建設される可能性がないかについて留意することとなっているところです。御指摘の視点につきましては、基本的に現行の建築基準法、都市計画法等に基づいて、必要があれば議論するべきだと考えておりますが、土地利用に関連して大変制約の多い状況の中で、現在規制されている以上の新たな規制を伴う、あるいは新たな私権の制限を伴うというようなものは好ましくないと私は考えております。

 区施設の屋根の活用についてであります。平成21年度に太陽光発電設備導入可能施設の実態調査を行いました。結果として設置が可能と判断された施設につきましては、順次整備を実施してきました。現在の建物、施設ということで言うと、実際にその施設を設置できる施設というのは大変限られているというのが実態であります。現時点では、これ以上その設置に適した施設はないということですけれども、今後の施設整備に当たっては十分にそうしたことも検討していきたいと、このように考えております。

 私からは以上です。

     〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 中野区立小中学校再編計画(第2次)【素案】についての御質問がありました。

 初めに、他区の小学校へ区域外就学した小学生が中野区の中学校へ入学した場合の連携・接続についての御質問がございました。他区へ就学した小学生につきまして、小中連携を図っていくということは事実上困難だというふうに考えてございます。教育委員会といたしましては、小中連携教育の具体的な内容を充実させ、魅力ある学校づくりを推進していくことで、区内の学齢児童が中野区の公立小学校へ就学するよう努めてまいりたいというふうに考えてございます。

 次に、学校と地域との連携の検証についての御質問でした。前期の学校再編の検証は、学校統合委員会の意見、児童・生徒、保護者などへのアンケートや聞き取り調査により行ったところでございます。これを踏まえまして、学校を中心としたコミュニティにつきましては、学校支援ボランティア、中学校区ごとに設置している地区懇談会、次世代育成委員の活動などによるネットワークづくりを中心としたコミュニティの活性化を図っていきたいというふうに考えてございます。

 最後に、説明会の開催についての御要望がございました。町会や地区委員会などから説明会の御要望があれば、現在も対応しているところでございますが、今後もできる限り対応してまいりたいというふうに考えてございます。

○議長(大内しんご) 以上で石川直行議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 佐 野 れいじ

 1 全庁での組織戦略について

 2 介護保険料とその対策について

 3 東京メトロ丸ノ内線中野新橋駅のバリアフリー化について

 4 その他

 

○議長(大内しんご) 次に、佐野れいじ議員。

     〔佐野れいじ議員登壇〕

○22番(佐野れいじ) 第4回定例会に当たりまして、自由民主党の立場から質問をさせていただきます。

 その他を含めまして4点ございます。まず第1点目、全庁での組織戦略について、第2点目、介護保険料とその対策について、第3点目、東京メトロ丸ノ内線中野新橋駅のバリアフリー化について、4番目として、その他がございます。

 まず、1番目の全庁での組織戦略についてお伺いをさせていただきます。

 これまで中野区では、目標体系に基づく組織編成や職員2,000人体制を目指し、効率的で効果的な施策展開を図ろうとしてきております。しかしながら、必ずしも当初の期待どおりの成果を得られていないばかりか、職員自身に理解が浸透していないために、区民サービスの現場での混乱や戸惑いがあらわれてきているのではないでしょうか。経営改革の到達点と現在抱えている諸問題を検証した上で、それぞれの組織や事業所が持つ機能と役割が最大限発揮されるように、目的に照らして合理性のある組織編成と職員配置がなされなければなりません。区政全体の経営方針を再度見直していく必要があると私は思います。

 そこでお伺いしますが、まず1番目、平成23年4月には、区政史上に類のない規模での全面的な組織再編が行われました。職員2,000名体制ありきが先行するあまり、現場では現在、ひずみやきしみが出てきているのではないでしょうか。また、ことしで2年目となります目標体系組織編成上の課題について、どのような検討と改善を行ってきたのでしょうか、お伺いいたします。

 次に、平成23年度に新たに設置されましたすこやか福祉センターと地域支えあい推進室の組織と役割を中心にお伺いをさせていただきます。

 すこやか福祉センターの行政評価の成果指標の一つに、「すこやか福祉センターの相談窓口を身近に感じる人の割合」という項目が設定されておりますが、ところが残念なことに、この成果指標については、実績値が平成22年度は14.1%あったにもかかわらず、平成23年度においては9.6%と、前年を下回ってきております。区を挙げて取り組みを進めているすこやか福祉センターの整備について、相談窓口を身近に感じる人が10人のうち一人もいないというのが実態でございます。外部評価の指摘の中でも、「目標値の前年度実績を下回った原因を分析し、課題を明らかにする必要があり、さらに課題を解決するための対応について、しっかりと改善提案を示してもらいたい」との指摘もございます。

 そこで、2番目として、区ではこの指摘についてどのように受けとめ、どのような対策を現在講じているのでしょうか。

 さらに、すこやか福祉センターでは、ワンストップサービスを目指すとしております。身近なところで相談を受けることができ、その相談の中で明らかになった課題について、支援を受けるための手続がワンストップで完了し、さらにアフターケアが徹底されることは、住みなれた地域で安心して暮らし続けるためにも重要な取り組みだと私も思っております。

 しかし、実際に利用された方々のお話を伺いますと、実態は逆のようであります。中部すこやか福祉センターが不便でわかりにくい場所であることは以前から皆さんからも指摘されておりますが、立地条件の問題だけではなく、相談の結果、さまざまな福祉サービスを申請する際には、生活保護や住民税などに関する課税証明が必要となる場合があります。しかし、すこやか福祉センターではそうした手続ができないために、結局は区役所まで行かなければならず、区役所に手続に行くということなのです。また、窓口の取り扱い件数を見ても、中部すこやか福祉センターは減少しつつあります。その分、区役所1階の障害福祉窓口の件数がふえているという実例もあるようでございます。

 そこで、3番目として、設立当初考えていた区役所から4地域の各すこやか福祉センターへという利用者の流れをつくれず、逆に区役所への一極集中を招いている状況について、どのような方策と見解を中野区としてお持ちでしょうか。

 また、すこやか福祉センターは4圏域にそれぞれ展開する形となっています。それぞれが組織的な連携の中で最大限役割を発揮するためには、全体を総合的に調整する機能が重要かと思います。その方法としては、中心的な役割を担うセンターが取りまとめて行う方法と、地域支えあい推進室の経営担当分野が担う方法が考えられます。

 そこで伺いますが、4番目として、すこやか福祉センターは医療系の専門的な内容を取り扱う特殊性もあると思われますが、そうした全体の調整を取りまとめる機能は組織としてどのような分担で行っているのでしょうか、お伺いをさせていただきます。

 次に、すこやか福祉センターと保健所長との関係について伺います。

 保健所長は、健康診断、感染症対策、精神保健、生活衛生、健康危機管理などについて、医師としての立場から管理・指導などを行うことが地域保健法第6条に規定されております。保健所が担うべき事務事業の全てがそこに明記されているというわけです。

 従来、保健部門と福祉部門の統合という考え方に基づいて保健福祉部が設置されていたときには、保健所長の事務に関する分野と事務所が保健福祉部内に設置され、最前線の保健福祉センターまで指揮命令系統の縦のラインが貫かれておりました。このことにより、保健福祉部の一体的な組織の中で、保健所長が個々の事業について適時適切に助言、指導を徹底できる体制が担保されておりました。しかし、平成23年度の組織改定により、精神保健や難病の相談・支援は地域支えあい推進室に分かれ、生活衛生は環境部というところに所属して、部を超えて指揮命令をしなければならない形になってしまっております。

 そこで、5番目として、国や都から保健所の事務として通知を受けるときには、保健所長は関連部署の職員に対して、どのようにして部を超えて責任と権限を示し、予算や事業の組み立てを行っているのでしょうか。

 同じように、児童館と学童クラブが部をまたがって運営されているひずみもあらわれていると思っております。同じ学校の子どもたちが地域で育つ拠点である児童館が地域支えあい推進室のすこやか福祉センター所属、キッズ・プラザと学童クラブは子ども教育部学校・地域連携分野所属となっているわけです。

 6番目として、そこでお尋ねしますが、児童の健全育成の取り組みとその目標は、部によって異なるものなのでしょうか。目標体系に基づく組織編成で効率的に事業運営を行うというのであれば、こうした機能こそ組織として統合すべきであり、一日も早くこうした矛盾を解決することが真の区民サービスにつながっていくのではないでしょうか。改めてお答えをお伺いさせていただきます。

 以上でこの項の質問を終わります。

 2番目として、介護保険料とその対策についてお伺いをさせていただきます。

 平成24年4月の中野区の人口は31万1,132人であり、そのうちのいわゆる高齢者、65歳以上人口は6万1,773人、約20%、65歳以上の高齢者人口構成は、ここ5年間、毎年毎年ふえ続けております。また、介護保険の第1号被保険者に占める75歳以上の後期高齢者の割合もここ5年間ふえ続けており、平成24年4月時点で構成比は52.4%となっております。さらに現実は、死亡者数よりも65歳到達者が多いことから、第1号被保険者が増しているのが実情であります。

 介護保険制度は2000年から始まり、既に10数年がたっております。その間、介護保険料の月額は年々上がってきております。例えば、これは1期3年ごとでありますが、第1期、平成12年から14年度まで、月額の保険料は3,025円でありました。しかし、第2期になりますと15年から17年、これは3,400円になりました。そして第3期、18年から20年度は4,050円、第4期、21年から23年度につきましては4,080円、そして、今現在、第5期を迎えているわけですけれども、平成24年から26年度につきましては、何と5,260円にまではね上がっております。

 このように、いずれも年々高くなっており、第5期の東京都平均は月額4,992円で、中野区はそれよりも260円も高く、23区中6番目の高さになっております。

 また、今後ふえ続けていくであろう保険の給付費は、平成24年度から26年度までの3年間で約613億円が必要と区は推定していると聞いております。これは「なかの介護保険だより」にも載っております。

 年々ふえ続けていく社会保障の一つである介護給付費などの財源は、50%が、第1号被保険者21%、第2号被保険者が29%の割合で、保険料です。残りの50%が公費、いわゆる国が25%、都が12.5%、中野区が12.5%の負担となっているのが現状です。

 そこで、以下の3点について、この点についてお尋ねを申し上げます。

 1番目、高齢者人口割合がふえ続ける一方、中野区では第1期から第5期まで毎期ごとに上回っていく介護保険料月額は、既に第5期では東京都平均4,992円を超えて5,260円、23区中6番目の高さとなってきております。このように、ここ5期の間の上がり続けてきた介護保険料月額に対してどういう対策を中野区はとっていくのか。また、中野区が23区中、現在6番目の高さとなっている点について、区としての見解はどのように考えているのでしょうか。

 一方、平成23年度中野区介護保険料の収納率は94.8%、約30億円と聞いております。大変厳しい状況の中で、この保険料収入にも影響が出てくると思いますが、今後、収納率を上げていくことも含めて、中野区としてどのような対策を考えているのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

 2番目、平成20年から平成24年の5年間の中野区の高齢化率を見ると、平成20年が18.9%、平成21年が19.2%、平成22年が19.4%、平成23年度が19.5%、平成24年が19.9%、いずれも前年をどんどん上回ってきております。こうした高年齢化傾向について、区として今後どのような対策を講じ、どのように考えを持っていくかをお聞かせいただきたいと思います。

 さらに介護保険サービスにかかわる介護給付費も、年々それにつれて増加してきております。介護給付費に対して充当する介護保険料相当分の財源が不足した際には、介護給付費準備金の活用を図ることになっており、この介護給付費準備金の残高は現在約11億1,000万円あると聞いておりますが、そのとおりなのでしょうか。また、この基金はどのように使い、どのように考え活用していくのか、お尋ねをさせていただきます。

 3番目、特別養護施設を100床つくると、介護保険料は全員で約100円弱のアップにつながると考えられております。それだけ各自で負担を強いられていくわけです。介護保険料の高どまりを防ぐには、高年齢者を要介護者にさせないのが一番です。そのための介護予防の取り組みについては現在どのように行っており、将来に向けてどのような方策を考えているのでしょうか、お尋ねいたします。

 いずれにしましても、国全体として高年齢層が多くなる人口構成とあわせて、保険料、予防対策など、中野区としての独自の方針を打ち立てなければなりません。この問題に対して知恵を出し合い、汗をかくことをお願いしまして、この項の質問を終わらせていただきます。

 3番目としまして、東京メトロ丸ノ内線中野新橋駅のバリアフリー化(エレベーター化)についてお尋ねを申し上げます。

 地元住民の長年にわたっての夢でありました東京メトロ丸ノ内線中野新橋駅舎改築とバリアフリー化(エレベーター化)工事が現在行われております。その進捗状況並びに完成年月日について、まずお答えをいただきたいと思います。また、現在の男女共通トイレの改良や、工事中、駅の出入り口も一時的に変わると聞いておりますが、特に朝夕の混雑時の駅利用者の安全対策等をどう考えているのかもあわせてお答えをいただきたいと思います。

 続きまして、4番目、その他の項に移らせていただきます。

 その他の項としまして、さて、その他として1点、現在、廃校となっている第六中学校跡地の売却及び周辺整備についてお聞きしたいと思っております。この問題は大内議長がかねてから提案されてきたことですが、現在のお立場を勘案して、この際、私から御質問をさせていただきます。

 第六中学校跡地は、現在、東京都との間で都立中野工業高校の拡張用地として売却の交渉を行っていると聞いております。このことについて、妙正寺川の河川改修も含め、周辺の安全・安心のまちづくりにつながる形で進めていくことが重要と考えておりますが、そこで御質問をさせていただきます。

 1番目、第六中学校跡地は地域の避難所として指定されております。この避難所機能について、中野工業高校に売却後、どう確保するのか。同高校が避難所の提供をしてくれるよう交渉中と聞いておりますが、確かに確保できる方向で交渉は進んでいるのでしょうか。

 2番目、また、第六中学校跡地には、地域の防災会の防災資材倉庫が設置されております。売却に当たって、その倉庫の用地を確保すると同時に、地域の防災広場的なスペースをつくってほしいという要望が地域から出ております。そのことについて配慮すべきと思いますが、いかがでしょうか。

 3番目、同高校の校地内の妙正寺川南側には実験棟の建物があります。第六中学校跡地側に敷地が拡大することで、この建物を本校舎側に移し、残った部分を親水機能を持たせた公園として、河川管理者である都と協力して整備していくべきと自由民主党では主張してきました。現在、都との交渉はどうなっているのでしょうか、お尋ねいたします。

 4番目、第六中学校跡地の校地周辺の道路づけも、この整備を機に改善することができると思います。都に売却するのにあわせて、周囲の道路環境も改善すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

 以上で私の全ての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 佐野議員の御質問にお答えいたします。

 組織戦略についてということで、ことしで2年目となります現在の目標体系上の組織編成、これについての御質問がありました。23年度の目標体系の見直しは、区民にとって必要な12の重要課題を効率的に達成する区政の体質をつくることを目的として実施いたしました。子ども教育部の設置でありますとか、都市政策推進室、あるいは地域支えあい推進室といった、区として推進するべき課題を適切に推進していく、そうした体制をつくったと考えております。この新たな目標体系に基づき設置した組織体制によりまして、区民に新たな価値を生み出す取り組みや、重要課題の実現、既存の事業の見直しや、内部管理の改善などに着実に成果を上げていると考えているところであります。

 しかしながら、組織をいじる、組織改正を行うと、それに伴ってまたさまざまな混乱でありますとか、区民の皆様、あるいは現場の職員に多少の戸惑い、混乱といったようなことが起こるということも事実であります。そうしたことを受けとめながら、今後ともPDCAサイクルの中で目標体系や組織については不断に改善を図っていきたいと、このように考えております。

 それから、すこやか福祉センターの行政評価結果での身近に感じる人の割合、これが実際に減っているという問題についての御質問がありました。すこやか福祉センターの相談窓口を身近に感じる人の割合については、平成22年度までは保健福祉センターを身近に感じる人の割合を伺ってまいりました。それでも必ずしも多かったわけではないのですが、保健福祉センターである程度定着してきたものが、今度は23年度は、新たに整備したすこやか福祉センターを身近に感じる人の割合を調査するということになりました。新しいすこやか福祉センターがその名前になって間もないこともありまして、十分に区民には浸透していなかったというふうに率直に受けとめなければいけない、このように考えております。

 すこやか福祉センターの施設や利用の御案内につきましては、区報、ホームページなどを通じてPRするとともに、地域の身近な相談窓口であるということがさらに周知・浸透されるよう努めていく必要があると、このように考えております。

 関連して、ワンストップサービスの実現を目指しているが、逆に区役所のほうへ利用者が移動してしまっているではないかという御質問もありました。すこやか福祉センターの目指すワンストップサービスは、乳幼児から高齢者まで全ての区民を対象に、保健・福祉に係る総合的な相談を受け、必要なサービスを提供していくこととして構築しております。御指摘のありました件についてですが、難病医療費助成など、都に進達する助成手続の一部などについては課税証明書の提出が必要であります。このすこやか福祉センターで課税証明書を出すという機能がないものですから、結果として、すこやかに行き、区役所で課税証明書をとって手続を行うという区民の方が出てきている、そういう状況となっております。今後、すこやか福祉センターで課税状況についてはシステムで確認ができますので、すこやかで確認しておいていただいて、課税証明については本庁のほうでまとめて出すというような、何か課税証明書の交付手続を簡略化するなどの方策を検討していきたいと、このように考えております。

 それから、すこやか福祉センターに関する全体調整についての御質問がありました。地域支えあい推進室では、高齢者福祉センターの機能転換や、介護予防・健康づくりなど4カ所のすこやか福祉センター全体に共通する課題ごとに、それぞれの副参事の専門性なども生かしながら、担当する副参事を決めて調整を進めているところであります。

 また一方で、すこやか福祉センターや区民活動センターの整備でありますとか、現在進めております要支援者情報台帳システムの導入でありますとか、町会・自治会、民生児童委員などとの全体調整といったこと、また、他部との調節・調整機能などにつきましては、地域支えあい推進室の経営担当であります地域活動推進分野が担うこととしております。このように役割分担の中で調整を行っているということで御理解をいただければと思います。

 それから、保健所長の責任と役割ということであります。保健所の機能は、地域保健法及び関連法規、要綱等に明記されております。区は、都や国の通知を受理した際には、速やかな連絡調整により遅滞なく対応を行っております。保健所長が地域住民の健康の保持・増進のために、専門性に裏付けられた権限と責務を発揮して管理・指導等を行うことについては、組織改正の前であっても、組織改正を行った後であっても、変わっているものではありません。施策の推進にかかわる予算や事業の検討に際しては、各主管は、公衆衛生の専門家としての保健所長の判断を尊重しつつ、必要な庁内調整を行っております。区といたしましては、今後とも保健所長が区全体の健康水準を俯瞰し、専門的見地から管理・指導、助言ができる体制を継続していきたい、こう考えております。

 それから、児童館と学童クラブ、キッズ・プラザ、これが組織が二股になっているのはいかがなものかといった観点からの御質問がありました。児童館は従来からの遊びの指導を通じた健全育成の機能のみならず、地域の最前線において、子育て支援や子育て相談を行う機能の強化を図るといったことをこの数年、意識してまいりました。そうした観点から、地域で展開する保健・福祉の包括的ケアを行う地域ケア分野の施設として位置付けているものであります。一方、学童クラブやキッズ・プラザは、学校・地域との連携をさらに強化する中で、放課後の児童の安全・安心な居場所としての機能を提供していくという観点から、学校・地域連携分野の施設として位置付け、事業展開を図っているものであります。現在、U18プラザを含め、地域における児童の健全育成を図るという機能も共通して持つ施設であるため、密接に連携・協力し、施策展開を図っているところであります。今後とも、各施設の目指す機能の強化を図る中で、より適切な運営や連携に努めてまいりたいと考えております。

 児童館と学童クラブ、キッズ・プラザの関係につきましては、私も今このようにお答えしながら、なかなか難しいものがあるなと思っているところでもございます。よりよいあり方について検討していきたいと、このように思っております。

 それから、介護保険制度についての御質問であります。介護保険料の滞納と今後の見通しについてということであります。介護保険料の収納率については、今のところ介護保険料改定による大きな影響はありませんが、その動向については注意深く見守っているところであります。収納率向上の対策としては、平成24年10月に策定した収納率向上対策に基づき、口座振替手続が簡単に行えるペイジー口座振替受付サービスの導入によります口座振替加入率の向上や、臨戸徴収の実施、長期高額滞納者への財産調査などの取り組みを行っており、引き続きこうした取り組みの強化を通じて収納率向上を図っていきたいと考えております。

 さらに、介護給付費が年々増加しているところであります。この増加に対応して保険料も増加しているということになっております。こうしたことについて、介護給付費準備基金の活用も関連しての御質問がありました。介護の社会化ということから、介護にかかわる費用をそれぞれの負担、それぞれの決められた分担によって支えていくということについて、これは介護保険の制度の趣旨として私は有効な考え方だと思っております。そうした中で、一定、給付費が増加し続けるということについても、先の見えていること、将来にわたってそのような状況が続くであろうということも想定されているところであります。

 介護給付費準備基金の活用についてということですが、介護給付費準備基金は、保険給付に要する費用に不足が生じた場合、当該不足分の財源に充てることで保険料と給付のバランスをとることを目的に、介護保険法に基づいて設置をしたものであります。平成24年度から26年度までの第5期介護保険事業計画の期間においては、この基金の一部を介護給付費に充当することを予定しているところであります。そのことによって保険料が多少緩和されたという面はあるかと考えております。今後も基金の活用などを図りながら、安定した制度運営を行っていきたいと考えております。

 この介護保険料の高どまり、あるいは増加傾向については、やはり対策を考えていかなければならないというのは、委員の御認識と私も同一でございます。介護保険制度では、3年ごとに介護保険事業計画及び介護報酬が改定されることになっておりますが、高齢者人口の増大に伴う介護給付費の増加と介護保険料の上昇が続いているところであります。これまで要介護認定されていない高齢者の方には、現在の健康状態を維持できるよう運動機能向上のための事業や栄養改善事業、介護予防講演会などを実施してまいりました。引き続き高齢者の生活機能の維持や向上のための取り組みを行って、加齢に伴う自立度の低下や引きこもり、閉じこもりなどをできる限り予防できるよう、介護予防を推進していかなければならない、このように思っております。こうした中で、区としては介護予防の推進によって健康な高齢者をふやすこと、これを通じて介護保険料の上昇の抑制をできる限り図っていきたいと考えております。

 中野新橋のバリアフリー化についてであります。現在はバリアフリー整備のためのエレベーターと通路設置の工事が行われております。当該工事終了後に駅舎改築工事が本格的に始まることとなっております。駅舎改築にあわせて、多目的トイレの整備工事も行われ、最終的には平成27年3月にバリアフリー化が完成する予定となっています。なお、駅舎改築工事に伴い、来年の夏ごろには現在の駅出入り口を北口側につけかえることになりますが、その際、東京メトロからは交通誘導員の配置などにより、利用者の安全策が講じられると聞いているところであります。

 それから、旧第六中学校の跡地についての御質問がありました。避難所機能の確保についてであります。避難所の指定につきましては、中野工業高校側からおおむね了解をいただいているところであります。確実に協定を締結してその避難所を確保できる方向で協議を進めていきたいと、こう考えております。

 それから、防災資材倉庫、防災広場についてであります。防災資材倉庫の設置場所も引き続き確保すべきと考えておりまして、あわせて小規模な広場ができるように検討し、都との協議を進めてまいります。

 それから、親水機能を持たせた公園の整備ということであります。河川の護岸整備については、都に要望を行っております。あわせて親水空間の形成や公園整備については、都と区の双方の役割分担を踏まえて、協力して整備していく方向で協議を進めているところであります。

 それから、校地、旧六中の用地周辺に道路を配置するといったことは可能かという御質問であります。東京都への売却に当たりましては、地域の防災性を確保・強化するために、道路等周辺の基盤整備を行う考えであります。

 以上です。

○議長(大内しんご) 以上で佐野れいじ議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

      午後2時31分休憩

 

      午後2時50分開議

○副議長(久保りか) 会議を再開いたします。

 この際、申し上げます。

 議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 木 村 広 一

 1 震災対策について

  (1)中野区地域防災計画素案について

  (2)被災地支援について

  (3)その他

 2 学校施設における老朽化対策について

 3 通学路安全点検について

 4 リース方式による公共施設へのLED照明の導入について

 5 その他

 

○副議長(久保りか) 木村広一議員。

      〔木村広一議員登壇〕

○3番(木村広一) 平成24年度第4回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。

 質問は通告どおりで、その他はございません。

 初めに、震災対策についての中野区地域防災計画素案について伺います。

 この第39次修正素案の特徴は、東日本大震災における教訓と、東京都の新たなる被害想定を反映させ、大幅に修正を行ったことです。その教訓を踏まえ、各関連機関を横断する大きなテーマごとに章を設定、また、人命救助に当たって72時間以内の対応が重要であることから、対応事項を時系列で整理するなど、より実践的な内容となっています。

 素案では、減災目標を明確にし、その対策として、例えば具体的に建物の耐震化の促進目標を掲げるなどしています。それらの対策は、基本方針の「災害から区民の生命と財産を守る」ことの実現のために、重要な施策ばかりです。

 ところで、建物の耐震化促進については、現在、中野区で実施されている事業助成は、特定緊急輸送道路沿道であれば、耐震診断、補強設計、耐震改修に要する費用となっています。しかし、実際には耐震改修ではなく、建てかえのほうがいい場合もあるのではないかと思われます。そこで、特定緊急輸送道路沿道では、建てかえについても助成すべきと考えます。

 さらに、現在では特定緊急輸送道路沿道の木造建築物は、実質的に耐震化助成の対象とはなりません。そもそも特定緊急輸送道路の沿道は、防火地域が指定されていることもあり、大規模な木造建築物は建築ができないことにはなっています。しかし、現実には、環七通りや早稲田通り沿いなどには昭和40年代以前に建てられた老朽化した木造住宅などがあり、大震災時には倒壊や火災の心配があります。災害時の火災の延焼を防ぐための木密地域不燃化10年プロジェクトが動き出した現在、特定緊急輸送道路沿道の木造建築物に対しても、耐火建築に改築するための促進策が必要であると考えます。

 このような課題について、具体的な施策は「中野区耐震改修促進計画」の中で定められています。地域防災計画の修正素案の中でも、現行の耐震改修促進計画をベースとした目標設定がなされている箇所がありますが、そもそも今回示された修正素案自体、従前の被害想定ではない、新たな被害想定に基づいたものであることから、修正素案が計画になった時点で、今指摘をした課題なども十分考慮した上で、早急に耐震改修促進計画の見直しを行うべきです。

 この「中野区耐震改修促進計画」は、東日本大震災の直前の平成23年2月に改定していますが、「おおむね3年を目途として定期的に検証を行い、必要に応じて施策の見直しなど計画の改定を行う」ともうたわれていることから、来年度内には必ず見直しを行うべきと考えますが、いかがでしょうか。同様に、BCP、中野区震災復興マニュアルなど地域防災計画を実質的に進める諸計画も早急に見直すことと思いますが、具体的なスケジュールはどのようになっているのか、伺います。

 次に、二次避難所について伺います。

 素案では、二次避難所について、「発災当初から避難所での支援が困難な災害時要援護者を想定し、平常時より重度の要援護者を支援の対象としている一部の社会福祉施設について、二次避難所を早期に開設する体制を整備する」とあります。二次避難所を早期に開設する体制を確保することは、災害時要援護者支援として非常に重要です。しかしながら、二次避難所については、これまで避難所のような避難所配備防災機材・備蓄物資等を配備することはありませんでした。早期開設する二次避難所には、避難所と同様な機能が求められる可能性が高いため、少なくとも必要な備蓄物資や通信手段の支援が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 また、「避難所では十分な救援、救護活動が実施できないと認められた場合に、中野区内の高齢者施設、障害者施設、児童施設等に二次避難所を開設し、被災者の救援、救護活動を実施する」とあります。これまで二次避難所に指定されてきた施設を使用する団体から、利用者、職員の安全を守るため、行政・地域事業所で一体化した対応ができるよう、その施設の運営マニュアルを要望する声をいただいています。

 震災の状況次第では、必ずしも全ての二次避難所が開設されるとは限りませんが、そもそも二次避難所は、障害者、高齢者、乳幼児など災害時要援護者が日常的に使用している施設です。これまでなかった二次避難所の運営マニュアル作成を素案に盛り込んだことは評価しますが、スケジュールが示されていません。どのような方法で、いつまでに作成するのか、伺います。

 続きまして、被災地支援について伺います。

 東日本大震災より1年8カ月がたとうとしています。ことしは復興元年でもありますが、反面、忘却元年とも言われます。被災地では、いまだに仮設住宅での生活を余儀なくされている被災者が多くいるにもかかわらず、被災地以外でのこの巨大災害に対する思いは急速に風化しているとされています。それを防ぐためにも、何としても被災地の支援を継続しなくてはいけません。

 ことし10月に中野区で開催された東北復興大祭典は、東京青森県人会が主催となり、被災地など東北の26の自治体の首長などが集まり、青森でもメディアで大きく取り上げられました。自治体によるこれだけ大規模な復興支援イベントはほとんどないと思いますし、これだけの被災地の首長が中野区に一堂に集まったその思い、期待の大きさに心を打たれました。

 私も青森県出身者として、ふるさとの祭りに参加し、青森県の方を含め、参加した被災地の方々も今回の開催を大変に喜んでいました。開催にこぎつけた関係者の皆様には心より感謝をいたします。開催を決断された区長は、今回の東北復興大祭典をどのように評価しているのか、伺います。

 また、参加者や関係者からは、来年も開催してほしいとの声を多数伺っています。継続支援として、被災地への大きな追い風となり得ると思いますが、来年の開催はどのように考えているのか、伺います。

 今回、青森市から寄贈された「ねぶた」は中野サンプラザ前に設置され、大祭典のシンボルとなりました。セレモニーや懇親会では、ねぶたを運行してほしいとの声が多数出ていました。ねぶたは動かしてその勇壮さを感じるものであり、鑑賞用として設置されている「ねぶた」は、多少の盛り上がりに欠けるものと感じます。来年度の開催を検討するのであれば、本来のねぶたを楽しんでいただくためにも、区民も「はねと」として一緒に参加するなど工夫をして、ねぶたの運行を検討してはいかがでしょうか、伺います。

 その他の項目として、家具転倒防止対策について伺います。

 ことしの第2回定例会で、我が会派の白井議員が「工事の伴わない家具の転倒防止対策についてシルバー人材センターの活用を検討すべき」と質問し、区長より「検討する」と答弁をいただきました。家具転倒防止対策の普及のために、早急に対応すべきと思いますが、その進捗状況はどうか伺い、この項の質問を終わります。

 次に、学校施設における老朽化対策の実施について伺います。

 市区町村が所有・管理する公共施設の約4割を占める学校施設の老朽化が今、全国的に深刻な問題となっています。これらの施設は昭和40年代から50年代にかけての児童・生徒急増期に一斉に整備されているものが多く、建築後25年以上が経過した建物は全体の約7割を占めています。

 本年4月、文部科学省は、学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議のもとに老朽化対策検討特別部会を設置し、老朽化した学校施設の再生整備のあり方や推進方策等についての検討を進め、8月30日、「学校施設老朽化対策ビジョン(仮称)」(中間まとめ)を取りまとめました。この中間まとめでは、従来のように施設整備に不具合があった際に保全を行う事後保全型の管理から、計画的に施設整備の点検・修繕等を行い、不具合を未然に防止する予防保全型の管理へと転換を目指すことを求めています。さらに、予防保全型の管理で長寿命化を図ることにより、全国の公立小中学校の学校施設整備に今後30年間で約38兆円かかるところを、約30兆円まで圧縮できると試算しています。

 現在、計画的に予防保全管理を行っている地方公共団体は約1割にとどまり、建物の劣化判断や中長期計画の策定は3割も達していないのが実情です。学校施設の耐震化が進んできた中、子どもたちのさらなる教育環境の向上、地域の防災拠点としての安全性を高めるためにも、老朽化対策の積極的な取り組みが必要です。

 その「学校施設老朽化対策ビジョン(仮称)」(中間まとめ)において、施策の方向性として、計画的整備、長寿命化、重点化を掲げています。そのうち長寿命化とは、限られた予算でできる限り多くの施設の安全性を確保し、機能向上を図っていくためにも、改築より工事費が安価で、排出する廃棄物やCO2も少ない学校施設の長寿命化改修への転換を図ることとしています。

 中野区学校再編計画での施設に対する考え方では、この中間まとめの長寿命化を根拠とし、統合校に対し、長寿命化の視点を持って学校の改築・改修を検討すると伺っています。来年度には、そのための施設調査を行うことは一定の評価をします。しかし、中間まとめにもあるように、長寿命化は計画的整備、つまり予防保全型の管理へと転換を目指す考えに基づいて、より適切な長寿命化改修が行われます。学校施設の老朽化対策として、予防保全の考え方が必要と考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 また、学校再編対象校や建築後50年を迎えた学校の施設調査を行う予定と伺っていますが、学校再編対象校以外の建築後50年を迎えない学校も、予防保全の考え方から、学校施設調査を計画的に行うべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 学校再編対象校で改築、大規模改修を予定している学校は、仮校舎を使用して行うと伺っていますが、再編対象校以外の場合はどのように改築等を行うつもりでしょうか。そういった仮校舎等の計画を含め、統合対象校以外こそ予防保全の観点を明確に持ってファシリティーマネジメントをすべきではないでしょうか。伺い、この項の質問を終わります。

 次に、通学路安全点検について伺います。

 本年4月以降の登下校中の児童等の痛ましい事故が相次いだことを受け、全国一斉に小学校の通学路について緊急合同点検が実施されました。中野区においても教育委員会が中心となり、学校、PTAをはじめ、警察署、区と第三建設事務所の交通管理者が合同で点検を行いました。その実施結果については、子ども文教委員会、建設委員会で報告され、355カ所の危険箇所数が抽出され、264カ所の対策箇所と382件の対策数を行うこととなりました。教育委員会、警察署、交通管理者の三者が初めて合同で行った今回の安全点検を区はどのように評価しているのか、伺います。

 今回の調査は、その名のとおり緊急に行われたもので、来年度以降、国レベルでどう考えていくかは決まっていません。今後も中野区として通学路の安全の確保を図るため、今回の警察署、道路管理者、教育委員会の三者の連携を本年の一度で終わらせることなく、毎年、三者で協議をする機会を設けるなど、何らかの形で点検などの継続が必要と考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 また、点検の実施や結果を知らない保護者等も多いと考えられます。今回の点検を再度、児童等の交通安全について考える機会と捉え、合同点検に取り組んだ趣旨や実施結果、今後の安全教育に関する考え方などを「教育だより」などで積極的に広報すべきだと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 本年第2回定例会で、私が「通学路の設定基準を作成すべきでは」と質問したことに対し、「通学路の安全確保のための基準などについては検討していきたい」との答弁をいただいています。本来、基準を満たす道路以外は通学路として認めない、また、通学路とするに当たっては基準を満たす安全対策は事前に区が責任を持つとすることとすれば、点検を行わなくても危険箇所は大幅に減少できると考えます。今回の点検により、区内の通学路の実情をより明確に捉えることができたと思われます。また今後、学校再編が進むと通学路の変更や新たな指定を行っていくことも多くなると考えられます。これらを踏まえ、通学路の設定基準の作成をいつまでに行う考えなのか伺い、この項の質問を終わります。

 次に、リース方式による公共施設へのLED照明の導入について伺います。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、エネルギー政策の大きな転換が課題となり、それはまた電力分野だけの問題ではなく、社会全体で考えなければいけないテーマとなっています。

 電力多消費の我が国において、切迫する電力事情を背景に、省エネ対策として、公共施設へのLED照明の導入は積極的に検討すべき課題と言えます。またLED照明の導入は、電気料金値上げによる財政負担の軽減を図ることにもつながります。中野区では補助金を活用し、街路灯についてLED化をいち早く進めてきました。しかし、公共施設へのLED照明の切りかえとなると、照明器具が高価なため、予算確保に時間がかかることが予想されます。また導入できても、初期費用は重い負担とならざるを得ません。

 その対策の一つの手法として、民間資金を活用したリース方式によって公共施設へのLED照明導入を進める動きがあります。リース方式を活用することによって、新たな予算措置をすることなく、電気料金の節減相当分でリース料金を賄うことを可能とするものです。

 例えば神奈川県では、県有施設の照明7万本を、予算措置なしのリース方式により一気にLED化が進められることになっています。神奈川県以外にも、東日本大震災をきっかけとした電力事情などから、多くの自治体が昨年からことしにかけて実施し始めています。リース方式にすれば初期費用が抑制され、自治体の財政負担が軽減されます。さらに、導入後の電力消費量も抑えられ、節電とコストダウンを同時に実現できることが期待できます。コストダウンは、リース式のために相殺される部分はありますが、早期にLED化することによって、早期に導入した分の節電効果が得られます。環境面から見ても、さらなるコストがかからないのであれば、リース式を活用して早期にLED化を進めていくべきです。

 中野区では、LED照明を設置した区有施設、例えば大和小学校体育館がLED照明に切りかわったことによって、LED照明の別な効果として、従来のハロゲンランプよりも速く瞬時に照明が点灯したなど、評価の声があります。区有施設の中でも、特に小中学校施設は優先的にLED照明に切りかわるべきと思いますが、まず、その大和小学校体育館の節電効果はどうだったのか、その他の施設でもどのような検証をされ、見えた効果等についてお伺いします。また、区としてリース方式による公共施設へのLED照明導入を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 最後に、導入の検討に当たり、改修が必要な施設をモデルケースにして実施したらどうかと考えますが、いかがでしょうか。伺い、私の全ての質問を終わります。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 木村議員の御質問にお答えいたします。

 中野区地域防災計画素案に関連して、耐震改修促進計画等関連する計画の見直しについての御質問がありました。中野区地域防災計画の今回の修正を受け、中野区耐震改修促進計画、これにつきましても、東日本大震災で得られた知見や法令改正の状況等を見ながら、何点か問題提起をしていただきましたが、そうした御提案の内容も考慮した上で、平成25年度内には見直しを行ってまいります。

 また、BCPにつきましては、今年度中の改定を予定しております。

 中野区震災復興マニュアルにつきましては、平成25年度の早い時期に見直しを完了させたい、こう思っております。

 それから、二次避難所の機能についてであります。早期に開設する二次避難所の施設管理者とは、今後、避難所の開設手順など具体的な協議をしていく予定となっております。その中で具体的な連絡方法や、区備蓄物資配備のためのスペース確保が可能かどうかなどについて十分に協議を行ってまいりたいと考えております。

 運営マニュアルについてですが、二次避難所の運営マニュアルについて、避難所の受け入れ対象者や開設手順、職員の役割分担等を記載した標準マニュアルにつきましては既に作成済みであります。また、高齢者、障害者を対象とした二次避難所のうち、4施設については施設管理者とともに施設の状況確認等を行い、二次避難所として使用するスペースや収容予定人員等を記載した個別マニュアルを作成しております。まだマニュアルを作成していない障害者を対象とした二次避難所についても、今年度中に個別マニュアルを作成する予定であります。乳幼児対象施設など、その他の施設についても施設管理者と協議して順次作成を進め、平成25年度中には全ての二次避難所の個別マニュアルを作成したいと考えております。

 東北復興大祭典についてであります。今回の東北復興大祭典は、東日本大震災の被災の大きさを再確認するとともに、東北復興への願いを多数の御来場の皆様と共有することができる貴重な機会として、事業本来の趣旨、理念に沿って実施ができたものと評価をしています。来年度について、東京青森県人会から引き続き実施したい旨の意向が示されております。区といたしましては、その申し出を受け、実施に向けて今後取り組んでいく考えであります。

 ねぶたの運行についてですが、ねぶたを道路上で実際に運行させるに当たっては、歩行者や車両通行への影響、バス等交通機関の運行に関する調整等を十分考慮しながら、交通管理者等との協議も含め、実施の可能性について検討してまいりたいと思っております。

 シルバー人材センターを活用した家具転倒防止策ですが、工事の伴わない家具の転倒防止対策など、現在、区で実施している金具取りつけ工事の施工者派遣対象とならない、そういった場合には、窓口でシルバー人材センターを御紹介するということで対応していきたいと考えております。

 私からは以上です。

     〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 学校施設における老朽化対策について、初めに、予防保全の考え方が必要と考えるが、いかがかという御質問でした。

 予防保全の考え方は、施設を維持していく上で重要なことと考えてございます。学校施設の経過年数を踏まえながら、予防保全の視点も含め、施設の維持保全に努めてまいりたいと考えてございます。

 また、築後50年を迎えない学校も、予防保全の考え方から、残っている学校の施設調査を計画的に行うべきではないかということでした。学校施設の劣化状況については、耐震改修計画策定時の調査で一定の情報把握ができてございますが、その調査時から年数が経過しているので、学校施設調査を計画的に実施していく予定でございます。学校施設の劣化は経過年数に負うところが大きいことから、学校施設の建設された年度を考慮して実施することになると考えてございます。

 次に、再編対象校以外の学校こそ予防保全の視点を明確に持つべきではないかという御質問でした。改築、大規模改修に当たりましては、児童・生徒への負担ができるだけ少ない方法で考えていかなければなりません。具体的には、学校再編後に使用しなくなった学校施設や、プレハブ校舎などを活用していくことが考えられますが、来年度予定しております学校施設調査の結果を踏まえて、検討していくことになるというふうに考えてございます。予防保全の視点から、維持管理経費のトータルコストの縮減を図るなど、適切な施設の維持保全に努めてまいりたいと考えてございます。

 次に、通学路安全点検についての御質問がございました。

 まず、この実施の評価ということです。今回の点検では、現地において警察、道路管理者、PTA、学校などの関係者が、直接危険箇所の状況把握を行いました。また、その状況を踏まえ、現地においてとり得る最も効果的な対策を総合的に検討することができたと考えてございます。この結果、一つの危険箇所において関係機関が連携して対策を講じることができるなど、通学路の交通安全の確保を図る観点から意義があったというふうに考えております。

 継続的な対策の実施をということでした。通学路の安全点検につきましては、継続的な取り組みが必要であるというふうに考えてございまして、学校ごとにPTA等の協力を得て実施してきてございます。今後は、この学校ごとに実施されている通学路の点検の充実や、その結果への対応とともに、学校における交通安全教育の徹底を図っていくことが考えられるというふうに思っています。

 次に、点検結果の広報ということです。今回の点検では、自動車や自転車の利用者、歩行者の交通マナー違反に起因する危険箇所も数多く見られました。交通規制の表示や標識の設置など、物理的な対応では限界のある点も明らかになってございます。このことから、今回の点検を行った危険箇所の内容を含め、交通ルールの遵守やマナーの徹底などについて、学校がPTAの協力を得ながら地域に働きかけていくことも重要だと考えてございます。また、ホームページ等を使いながら積極的な広報に努めてまいります。

 最後に、通学路の設定基準についてです。現在、通学路の設定の基準について検討を行ってございまして、学校再編に伴う通学路の変更や新たな指定も見据え、今年度中に設定基準の策定を図ってまいります。

 以上でございます。

     〔経営室長川崎亨登壇〕

○経営室長(川崎亨) 私からは、リース方式による公共施設へのLED照明の導入についてお答えいたします。

 初めに、LED照明の導入実績についてでございますが、大和小学校の体育館では、ハロゲンランプからLED照明に変更したことにより、改修の前後で約50%の消費電力が削減されたことを確認しております。本庁舎におきましては、教育委員会室で蛍光管タイプのLEDに切りかえ、この本会議場においても蛍光管タイプとダウンライトLED照明に切りかえており、消費電力の削減につながっているところでございます。

 次に、本格導入に向けた検討についてでございますが、来年度に実施を予定しております保育園照明器具改修工事におきまして、従来の蛍光管や白熱灯をLED照明に切りかえ、建物全体から見た消費電力の削減効果を測定し、今後の施設照明の標準化につなげたいと考えております。この本格的な導入を計画する場合には、財政負担の平準化でありますとか、国庫補助金の活用なども考慮し、御提案のありましたリース方式や買い取り方式などについて総合的に検討していきたいと考えております。

○副議長(久保りか) 以上で木村広一議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 か せ 次 郎

 1 中野駅周辺地区整備について

  (1)区役所・中野サンプラザ地区の一体整備について

  (2)区役所移転について

  (3)広域避難場所としての機能強化について

  (4)中野中学校移転後施設の活用について

  (5)その他

 2 震災対策について

  (1)区民の避難場所の確保について

  (2)住民主体の防災まちづくりについて

  (3)その他

 3 いのちとくらしを守ることについて

  (1)がん等検診事業の見直しについて

  (2)国保料滞納問題について

  (3)その他

 4 中野区の行財政運営について

 5 野方二・三丁目、妙正寺川沿いの防災まちづくりについて

 

○副議長(久保りか) 次に、かせ次郎議員。

      〔かせ次郎議員登壇〕

○40番(かせ次郎) 2012年第4回区議会定例会に当たりまして、日本共産党議員団の立場から一般質問を行います。

 初めに、中野駅周辺地区整備について伺います。

 まず、区役所・中野サンプラザ地区の一体整備についてでございます。

 中野サンプラザは2004年11月に、当時の独立行政法人雇用・能力開発機構から評価額の半額程度、約57億円で購入したものです。少なくとも10年間は中野区が出資をする第三セクターが取得し、少なくとも10年間は公共性のある運営を継続することなどを条件に購入されたものです。

 2008年には運営会社の不祥事から事業再編が行われました。このとき定められた再整備では、所有会社である株式会社まちづくり中野21が区と協議して再整備する方向(基本構想)案を2012年5月末までに策定する。基本スキームについては、サンプラザ敷地についてはまちづくり中野21が保有し、区役所跡地については民間事業者に売却、または定期借地権を活用し、建物については民間事業者が資金を調達して整備するとなっております。

 現在、中野駅周辺まちづくりに関する事業者ヒアリングが実施されております。中野区役所・サンプラザ地区を中心とした周辺地区を含む一帯の開発整備と事業展開の可能性、中野区役所、中野体育館、防災空間などの公共施設の立地のあり方や施設整備の考え方を提案させ、随時ヒアリングを行う中で、検討事項の実現の可能性の検証や、アイデアを収集するというものです。

 1事業者、1グループが選定され、ヒアリング中だということですが、どのような提案があったのか。また、区役所・サンプラザの一体整備について、区役所については民間事業者に売却または定期借地権を活用するとしていますが、この場合の売却益や地代等の活用をどうするのか、あわせて伺います。

 次に、区役所移転についてです。これまでの計画では、中央中学校と旧九中の統合新校である中野中学校が2014年に現在建設中の四季の都市内に移転、その跡地に区立体育館を建設し、現在の体育館跡地と土地開発公社が取得した隣接地とあわせた敷地に区役所を建設する計画でした。ところが、2012年第1回定例会で、区長は「区役所の移転先はまだ確定したわけではない」と言い出し、中野駅南口地区に変更する可能性を示唆しました。

 現在の区庁舎は1968年に、敷地が狭いことや、道路が狭く交通の利便性に問題があるなどの理由から、中野二丁目、現在の中野郵便局の場所から移転・建てかえをしたものだと聞いております。

 新たな移転先については全庁挙げて検討するとのことでしたが、検討状況はどうなっているのでしょうか。また、移転・建てかえの総事業費はどう見込んでいるのかをあわせて伺います。

 次に、広域避難場所としての機能強化について伺います。

 まず、防災公園の機能強化についてでございます。

 四季の森公園が整備されました。1.5ヘクタールの防災公園ですが、現在建設中の区立中野中学校南側の敷地0.6ヘクタールが公園として拡張整備されることになったことは、運動の成果として評価しています。しかし、公園南側のセントラルパークサウスなどの高層ビルによる日影や夏の日照りの問題などは、私たちの指摘したとおりの状況です。今後拡張される公園については、防災公園としての機能強化を念頭に進めるべきです。

 そこで伺います。東日本大震災では、各地で火災が発生しましたが、その原因になったのが、津波で集積した車によるものと言われています。安全でなければならない公園内に車を集積させる駐車場は建設すべきではありません。また、不足しているトイレの増設、障害者用トイレの整備、周辺大火の際の輻射熱対策として、また環境対策として水辺の再整備などを検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか、あわせて答弁を求めます。

 区役所移転先が再検討されることになり、土地開発公社が購入した区立体育館南側の敷地と体育館跡地の利用計画が未定となりました。駅直近の防災公園として多数の帰宅困難者への対応、広域避難場所としての防災機能の強化のためにどういったことを検討しているのか、答弁を求めます。

 次に、中野中学校移転施設の活用についてです。

 区役所の移転先が不確定になったことに伴い、区立体育館の移転先とされている旧九中跡地がどうなるのかも問われています。この地域は紅葉山公園やなかのZEROホールに隣接し、比較的まとまった緑に覆われ、環境豊かな地域です。跡施設については、地域防災の拠点として、また環境豊かな文化・交流・福祉ゾーンとして活用するなど検討すべきではありませんか。答弁を求めます。

 次に、震災対策について伺います。

 まず、区民の避難場所確保についてです。

 区立小中学校の再編整備計画2次素案の意見交換会が進んでいます。そうした中で、父母や地域の方々からは、教育問題に限らず、地域防災の拠点が失われるのではないかといった不安や疑問の声が上がっています。今度の学校統廃合の計画で七つの学校施設がなくなりますが、小中学校は避難所に指定されており、防災備蓄倉庫やプール、防火水槽などの消防水利を備えた地域防災の拠点となっています。そもそも中野区は住宅密集地域が多く、学校以外に広い敷地を持つ施設がないため、全ての小中学校が避難所に指定されてきたものです。学校施設の廃止を言うならば、避難場所の確保をどうするのかという区民の疑問に答えるべきです。答弁を求めます。

 次に、住民主体で進める防災まちづくりについてでございます。

 第3回定例会総括質疑で、我が党の金子議員が、行政の支援を受けながら住民主体で協議を重ねてまちづくりのルールを確立し、伝統的なまち並みを残しながら安全なまちづくりを進めている京都市の「細街区・袋小路の防火対策」について、紹介かたがた質問をいたしました。答弁では、「まちづくりの検討の際には、合意形成に向けた協議の場が必要」とのことでした。

 ところで、中野区にも住民主体で重点密集市街地の改善に向けた検討を行い、地域レベルでのまちづくり計画、路地のルールづくりに取り組んでいる団体があります。新井薬師前駅周辺まちづくりの会です。上高田地域での取り組みで、まちづくりの研究者や大学の研究室の協力を得ながら勉強会やまち歩きを重ね、小規模単位での共同建てかえや、協調建てかえによる袋小路対策、路地のルールづくりなどを検討し、区長にも提案を出しているとのことです。まず、こういった提案にどう応えているのかを伺います。

 10月14日にはまち歩きの会が開かれ、私も参加しました。この日は各グループごとに分かれ、上高田地域全体の一時避難場所や避難経路を歩き、問題点を発見し地図上に落として意見を出し合うというものでした。意見発表では、隅切りやセットバックをしても電柱はそのままのところが多い、両側に電柱が立っていて消防車などの交通の妨げにならないのか、樹木の管理が悪く道を覆っているところもあるといった感想が出されました。

 この会のこれまでの活動では、一時避難場所になっている大妻女子中・高学校への避難経路の改善が図られたこと、話し合いによって塀を撤去して避難経路を確保して袋小路を解消したこと、路地から植木鉢をなくすようルールづくりを進めているなどの成果を上げているとのことでした。防災まちづくりは、道路や公園といったことだけでなく、このような活動を通しての防災意識の育成やルールづくりが大きな力になるのではないでしょうか。

 区は、新井薬師前駅周辺まちづくりの会の経験をどう評価しているのでしょうか。また、上高田地域同様の木造密集地域市街地である大和町や野方地域にもこういった経験を生かすべきだと思いますが、いかがでしょうか、伺います。

 次に、いのちとくらしを守ることについて伺います。

 まず、がん等検診事業の見直しについてです。

 我が国での死因の第1位ががんであることから、国民の健康を守るためには、がん検診による早期発見と早期治療を推進することが大事だとされています。事業見直しでは、1、健診実施期間を1カ月延長したこと、2、がん検診を含め受診可能な健診を一覧とした受診券の送付、3、国保特定健診、後期高齢者健診の自己負担額の減免制度の導入など、区民健診の制度改善を検討していることについて評価するものです。しかし、事業見直しの内容では問題を指摘せざるを得ません。

 まず、胃部エックス線検査と大腸がん検診の開始年齢を35歳から40歳に引き上げる問題です。胃エックス線検診を受けることにより、男性では61%、女性では50%の胃がん死亡率の減少が認められており、便潜血検査による大腸がん検診も死亡率減少効果があると言われています。国の指針が40歳以上であることが理由に挙げられていますが、若い人ほど進行が速いのががんの特徴です。中野区が国の基準を超えて実施してきたのには、働き盛りの若い人ががんで命を失われないための施策であり、むしろ誇るべきことではなかったでしょうか。区民の健康を守るよりも支出削減を優先してはなりません。検診年齢の引き上げはやめるべきです。答弁を求めます。

 次に、肺がん検診を廃止する問題です。

 見直しでは、肺がん検診を廃止し、分煙・受動喫煙対策を推進するとしています。アメリカの例をとって、「肺がん検診の死亡率減少効果はない」との議論があったようですが、国立がんセンターの有効性評価では、胸部エックス線検査及び胸部エックス線検査と喀たん細胞診併用法は死亡率減少効果を示す相当の効果があるとしています。また、分煙・受動喫煙はモラルの問題で、廃止の理由にはなりません。

 肺がん検診は廃止すべきではありません。

 検討課題として、胸部エックス線検診や胃部エックス線検診は検診車によって実施しているため、実施場所の確保が困難だとの議論もあります。それならば、最寄りの医療機関で実施できるよう改善すべきではありませんか。あわせて答弁を求めます。

 3番目に、健康づくり健診の利用者負担を引き上げる問題です。

 中野区で実施している区民健診では、国保特定健診が約40%、後期高齢者健診は48%と低迷し、健康づくり健診に至っては5%程度です。健康づくり健診は35歳から39歳の区民に対し実施されているもので、400円の費用負担があります。区の実施した調査でも、健診を受けなかった理由として、経済的な理由が挙げられています。健診料の引き上げは受診率の低下につながります。健診の効果を高めるためには、何よりも受診率を高めることが大切であり、引き上げるよりも、むしろ無料にすべきではありませんか。答弁を求めます。

 次に、検診項目の充実についての提案です。

 胃部エックス線検査の受診率が低い状況から、中野区医師会では胃がんハイリスク検診として、血清ペプシノゲン検査と血清ピロリ菌抗体検査を組み合わせたABC検診の実施を提案しています。採血検査による方法で、簡単かつ効率的、コスト削減にもつながるとしています。医師会との協議で実施を検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか、答弁を求めます。

 次に、国保料滞納問題について伺います。

 特別区民税、国民健康保険料などの区債権の収納率向上の取り組みが強化されています。そうした中で、我が党議員団には、区の対応が不親切でひど過ぎるといった苦情が寄せられています。

 せんだっては、居酒屋風の飲食店を経営している男性から、従業員の給与のための貯金が押さえられ、賃金が払えないとの相談がありました。「新鮮さと安さを売りに頑張ってきた。区民税も国保料も払えてきたが、原発事故の風評被害で売り上げはがた落ち。自分の給料も満足に出ていないのに、給与分まで差し押さえられてはやっていけない」とのことでした。

 やはり飲食店を経営している男性からは、「区民税を優先し支払った。国保料については滞納が重なり相談してきたが、来週、入院して手術を受けるというさなか、突如、生命保険会社からの差し押さえ通知書が送られてきた。期待していた入院保証金が出なくなるので困惑している」との相談でありました。

 二つの事例を紹介しましたが、あまりにも機械的、冷たい仕打ちと言わざるを得ません。どうしてこのようなことが起こっているのか、お答えください。

 区は収納率向上対策として、財産調査の強化により、差し押さえ可能な財産の早期発見・差し押さえを行うとしています。その結果、このような「払いたくても払えない」人たちを痛めつけていいのでしょうか。少なくとも、差し押さえの前に弁明の機会があってもいいのではないでしょうか。

 差し押さえは目的でなく、納付を促す最後の手段です。そこに至るまでに分納や減額・免除など、丁寧な対応が求められますが、見解を伺います。

 この項のその他として、生活再建に向けた支援策について伺います。

 11月7日、区民委員会の行政視察で岩手県盛岡市に行ってきました。同市では、「くらしとお金の困りごと解決! 盛岡市ほほえみと太陽のプロジェクト」に取り組んでいます。このプロジェクトは、税等の滞納者に対し生活困窮に陥っていないかどうかを尋ね、市が行う各種支援事業の活用で困窮の解消と生活再建を図ること。その結果、市民の支払い能力を高め、収納率の向上に寄与するというものです。多重債務問題では全庁的な取り組みで、どの職員も多重債務、生活困窮者の把握に努め、消費生活センターで債務整理を行い、その後、生活再建に向けて行政サービスをフル活用するというものでありました。盛岡市では、そのために職種の連携のため、職員が相談者に付き添って解決に当たっているとのことでありました。

 中野区でも、こういった取り組みを検討してはいかがでしょうか、伺います。

 次に、中野区の行財政運営について伺います。

 各常任委員会において、平成25年度予算で検討中の主な取り組み(案)及び平成24年度の事業見直し内容(案)について示されました。昨年度に引き続き、区民生活に直接影響する事業への見直しが目につきます。平成23年度の事業見直し内容によって、就学援助の削減や生活保護世帯の法外援助の一部廃止などが施行されました。今回の見直しでは、2011年見直しによって来年度から社会科見学・遠足代公費負担の廃止などが実施されたのに加え、今回の見直しで新たに4億8,000万円の削減を行おうとするものです。

 経常経費充当の一般財源を減らしたいという思いから事業の廃止・削減などを打ち出していますけれども、そもそも福祉関連の経費は経常的に支出することで成り立っている事業が大半を占めており、区民生活の実態を無視していると言わざるを得ません。

 予算編成では、財政調整基金から繰り入れなければ歳入を確保できない、繰り入れを続けていけば枯渇すると言っていますけれども、もともと区民施策を維持・充実させるために設置したのが基金であり、予算上の繰入金全てを支出しているわけではありません。

 昨年度の決算でも、予算上は20億円の財政調整基金からの繰入金は、積立金と実質的に相殺すれば5億7,000万円で済んでいます。また、執行上の工夫などと言って、取り崩し額を減らすことさえしているのです。

 また、平成23年度の一般財源の推計では、財政調整交付金の財産費を除けば629億円と踏んでいたところ、決算額では約649億円となり、震災前の推計値640億円をも上回ることになりました。その大きな要因として、特別区の財政調整交付金の特別交付金が当初予算額5億円を上回り、13億3,500万円の収入になったことが挙げられます。

 我が党は常々、予算時における適正な特別区の特別交付金の算定を求めてきましたが、その必要性は明らかであります。歳出においては、行き過ぎた進行管理や執行統制は改め、適正な執行と年度末補正における財源更正により、充当させる一般財源の減を考慮しておくことも必要です。

 区民生活に欠かせない事業の削減・廃止、負担増が既定の方針として行われてはなりません。景気の停滞から抜け出せないその原因は、専ら国の政治の責任として問われるところであります。同時に、現行では区民サービスを維持していく体力は持ち合わせていると考えますが、見解を伺います。

 次に、区有施設の貸し付けについて伺います。

 区は、歳入確保の手法として、区の行政財産を廃止し普通財産として貸し付ける、あるいは行政財産の一部の貸し付けを行っています。

 区民の利用に供して、省エネ・環境問題など自治活動推進の場となっていた旧環境リサイクルプラザから利用団体を追い出して、維持管理費用の削減等を目的に廃止しました。健康維持など福祉の増進に寄与してきた高齢者福祉センターも、同様の使用ができなくなりました。旧環境リサイクルプラザについては、環境事業の実施を目的に事業者を募りながら、契約が不調となったら、実質、何の事業を行っても承認するものに変えようとしています。区の財産収入になればよいというのでは、不動産会社と同じではありませんか。

 行政財産の一部貸し付けについても、先ほど来住議員が触れたような実態があります。行政本来の目的をきちんと果たそうとしていない、区の責任を弱めることに原因があります。区有施設は区民の財産であるとする認識が乏しいのではないでしょうか。

 区有施設の貸し付けの乱用は、およそ自治体行政が熱中する仕事とは言えないと思いますが、見解を伺います。

 最後に、野方二丁目、妙正寺川沿いの防災まちづくりについて伺います。

 昨年の決算特別委員会の総括質問で、中野工業高校と妙正寺川沿いの防災と環境問題についてただしました。このときの答弁では、旧区立第六中学校跡地は中野工業高校の拡張、建てかえ用地として都との間で売却の交渉中であること、旧第六中学校は避難所機能を有しているので、中野工業高校に避難所機能を担ってもらい、防災機能を高めるための整備を求めるといった内容でありました。検討状況はどうなっているのでしょうか、伺います。

 環状7号線から三谷橋までの間の妙正寺川の河川管理道路の整備、野方二丁目にある中野工業高校実習棟を撤去して緑道公園に整備することは、地域住民の願いでもあります。

 防災機能を強化するということであれば、現在、中野工業の敷地内にある橋のかけかえや、妙正寺川にふたがけをして広場にするなどの検討があってもいいのではないでしょうか。また、旧六中周辺は狭隘道路が多く、整備に当たっては防災機能を高めるために、区画道路の整備を都に求めるべきです。区の見解を求めます。

 以上で私の全ての質問を終わります。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) かせ議員の御質問にお答えいたします。

 中野駅周辺地区整備についてであります。中野区役所・サンプラザ地区の整備や公共施設のあり方にかかわる事業者提案ヒアリングについて、どのような提案があったのかという御質問であります。事業者からは、区役所・サンプラザ地区整備や公共施設のあり方についての提案を随時受けており、提案内容については検討の参考としているところであります。

 区役所・サンプラザ用地の活用についての御質問であります。区役所・サンプラザ地区については、再整備基本構想を検討しているところであり、二つの敷地については一体的に利用して、新たなまちのにぎわいの拠点となる施設を配置するなどの考え方で検討を行っております。今後、土地活用のあり方についても具体的に検討してまいります。

 区役所の移転についての検討状況についてということです。区役所の機能やあり方とともに、最適な配置についての検討を進めているところであります。

 移転のための経費などがどのぐらいかかるのかといったような御質問です。検討に当たって、さまざまな前提で経費の試算は行っておりますが、開発条件等決まっていない現段階ではお示しすることはできません。

 それから、四季の森公園の駐車場設置についてということです。津波に流された車の火災が危険だということであります。中野四季の森公園については、今後の拡張整備に際し、防災、交流、にぎわいなど多様な公園機能を拡充することとしております。駐車施設等により中野駅周辺全体のアクセス機能を強化することも拡充機能の一つと捉えております。

 それから、中野四季の森公園の再整備を検討するべきだという御質問であります。現在の中野四季の森公園については、一定の基準や周辺環境に配慮して整備したものであり、再整備することは考えておりません。

 それから、広域避難場所としての防災機能の強化についてということであります。中野四季の森公園は広域避難場所の一部として防災機能を担っており、今後の公園拡張や周辺の施設等との機能連携により、一層の強化が図れるよう検討を行っているところであります。

 それから、中野中学校移転跡地の活用についてであります。中野中学校移転後の中学校跡地については、区役所や体育館といった公共施設配置のあり方とあわせて最適な活用を検討してまいります。

 私からは以上です。

    〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、まず震災対策についての御質問にお答えいたします。

 学校再編に関連いたしまして、避難所の確保についての御質問がございました。避難所として指定している学校施設につきましては、再編により学校としての用途が廃止となった場合でも、避難所として使用できる限りは指定を継続いたします。また、再編後の学校跡施設の用途などにより、避難所としての使用が困難になる場合等においても、避難所の再編や学校以外の施設等を含め、地域における必要な避難所機能の確保を図っていく考えでございます。

 次に、上高田地域からのまちづくりの提案についての御質問がございました。上高田のまちづくり提言書は平成21年、当時の新井薬師前駅周辺まちづくりの会からいただいたものでございます。現在は独立いたして、上高田まちづくりの会をつくっているところでございます。このまちづくりの会の会合には職員も出席するなど、適宜、助言・支援をさせていただいているところでございます。

 次に、住民のまちづくり活動の成果を生かすことについての御質問がございました。防災上の課題が大きい大和町地域などの木密地域において、防災まちづくりの検討が進められるよう、他の地域の取り組みなどを参考に防災まちづくりへの機運の醸成を行い、区として支援していきたいと考えているところでございます。

 続きまして、野方二・三丁目、妙正寺川沿いの防災まちづくりについての御質問にお答えいたします。

 旧六中跡地売却等のその後の状況についてでございます。旧六中跡地の売却及び都立中野工業高校に避難所機能を受け持ってもらうことについて、中野工業高校側からおおむね了解をいただいており、その他のことについても、現在、引き続き東京都と協議を重ねているところでございます。

 次に、河川管理用通路ほか周辺環境の整備についての御質問でございます。環状7号線から三谷橋間の河川管理用通路につきましては、東京都が行う妙正寺川の改修にあわせて整備される計画と聞いているところでございます。

 また、旧第六中学校周辺の環境整備につきましては、かねてから御意見をいただいており、現在、道路など防災機能の強化を含めた環境整備について検討しているところでございます。

 以上でございます。

    〔健康福祉部長田中政之登壇〕

○健康福祉部長(田中政之) 私からは、がん等検診事業の見直しについての御質問にお答えいたします。

 まず、胃がん検診等の開始年齢の引き上げについてでございます。自治体が行う対策型検診としてのがん検診は、最も発症リスクの高い年代に対して実施することが効果的であるという考え方がございます。この考え方に基づきまして対象年齢を定めているものでございます。

 次に、肺がん検診の廃止についてでございます。肺がん検診につきましては、科学的根拠が明らかでないという理由から廃止するものではなく、限られたがん対策等の財源の中で、より有効性の高いがん検診の充実に充当するものでございます。肺がん検診は、胸部エックス線検査を中心に実施しておりますけれども、国の指針でも、喫煙と肺がんの発症の関連が指摘されておりまして、一次予防として、喫煙者に対する指導の重要性がうたわれているところでございます。区といたしましても、今後、喫煙対策の普及啓発に努めていく所存でございます。

 医療機関が使用しております胸部エックス線検査の撮影装置につきましては、医療機関ごとに異なっておりまして、基準を統一することは困難でございます。また、がん検診を実施するためには制度管理が重要でございますけれども、現在その仕組みがない中で実施することは困難でございますため、検査機関による検診車での実施としているところでございます。

 次に、胃がん検診の実施方法についてでございます。胃がん検診のレントゲン検査につきましては、区内でも実施できる医療機関が少なく、内視鏡検査が主流となっていることから、対策型検診としてレントゲン検査を実施できる状態にないのが現状でございます。また、ABC検査につきましては、将来的な胃がん発症のリスクを見きわめ、適切な間隔で適切な検査を受けることは区民にとっても有益なものと考えているところでございます。ABC検査の課題といたしましては、財政上の問題と検査受診後のフォロー体制の仕組みを構築することでございまして、区の全体予算を見きわめた上で、実施に当たっては関係団体と仕組みの構築を含めた調整が必要であると考えているところでございます。

 最後になりますけれども、健康づくり健診の自己負担金についてでございます。区が行っております基本健診といたしましては、健康づくり健診、国保特定健診、長寿健診の3種類がございます。それぞれの健診は、検査項目や実施方法が同じであるにもかかわらず、自己負担金や減免制度などが異なっていたというところがございます。今般、区民の健康づくりを推進するという観点から、整合性を図るため、全ての基本健診の自己負担金を同額とするとともに、全ての基本健診に減免制度を導入するということにしたものでございます。

 私からは以上でございます。

  〔区民サービス管理部長登弘毅登壇〕

○区民サービス管理部長(登弘毅) 私からは、まず国民健康保険料の滞納に関する御質問にお答えいたします。

 国民健康保険料の滞納の際の差し押さえ手続についてですが、納付相談を促してもそれに応じていただけない場合ですとか、あるいは相談時の約束が不履行になった場合、こうした場合で滞納者御本人の財産が判明すれば、負担の公平性の観点から法律に基づいた滞納処分を行っているところでございます。ただ、財産の差し押さえの前には必ず督促状、あるいは催告書を送付いたしまして、納付相談も呼びかけているほか、通常の窓口開設時間以外にも、夜間・休日相談窓口の開設等を行い、相談者の収入等の状況を勘案した分割納付計画の作成や、基準に該当する場合は保険料の減免手続を行うなど、丁寧な対応に努めているところでございます。

 続きまして、税などの滞納者の生活再建に向けた取り組みでございます。区ではこれまでも住民税あるいは国民健康保険の相談窓口に、借金ですとか、多重債務問題の相談窓口を紹介するチラシを置くとともに、必要に応じて関係部署、機関などへの御案内、誘導等を行っているところでございます。今後とも、滞納整理あるいは納付相談を行う過程においては、区民の方がどのような生活状況にあるのかを十分に把握するとともに、個々のケースに応じて必要とされる行政サービス等につなげるよう、関係機関や福祉部門などとの連携を図ってまいりたいと考えております。

 以上です。

     〔政策室長竹内沖司登壇〕

○政策室長(竹内沖司) 行財政運営についての御質問のうち、区民サービスを維持していく体力は持ち合わせていると考えるが、どうかとの御質問にお答えいたします。

 これまで中長期の財政見通しでございます財政運営の考え方の中で明らかにしているとおり、区は基準となる一般財源規模を650億円と定め、歳入歳出をこの基準に近づける取り組みを進めておりますが、歳出は扶助費の増嵩などによって基準を上回り、歳入はこの基準を大きく下回っている状況にございます。その結果、歳入と歳出の差額分は財政調整基金からの繰り入れで補うことになり、今後こうした厳しい状況が長期化し、財政調整基金の積み立てが見通せないとすれば、基金の取り崩しによる対応もやがて限界を迎え、基金そのものが底をつくことになり、区財政は非常に厳しい状況に置かれていると認識をしております。

    

環境部長小谷松弘市登壇〕

○環境部長(小谷松弘市) 私のほうからは、中野区の行財政運営につきまして、区有施設の貸し付け、温暖化対策推進オフィスの貸し付けにつきましてお答えいたします。

 この施設につきましては、昨年度と今年度の2回の公募におきまして事業者が決まらなかったことを踏まえ、貸し付け条件等の見直しを行いました。区が実施いたしますCO2排出量の削減に係る取り組みを推進するため、中野区温暖化対策推進オフィスを貸し付け、その賃貸料を環境基金の財源として、区内における地球温暖化対策の推進に資するということといたしてございます。したがいまして、区の環境政策を推進するというこの行政目的のために区有財産を有効活用するものであるというふうに考えてございます。

      〔かせ次郎議員登壇〕

○40番(かせ次郎) 再質問させていただきます。

 まず、区長がお答えいただいたことですけれども、私がお聞きしたのは、ヒアリング中ですけれども、事業者からどのような提案があったのかということをお聞きしましたけれども、これについてはお答えいただいていません。これを紹介していただきたいということ、これが1点です。

 それから、2点目につきましてですが、国保料の問題ですけれども、私がお聞きしたのは、いわゆる相談中であったのにもかかわらず、これは機械的に差し押さえが実施されたということについて、どうしてこのようなことが起こったのかということをお聞きしましたが、これについてはお答えされていません。

 それで、例にとらせていただいたのが盛岡市のことですけれども、盛岡市では、この事業ではいろいろそういうような相談があったときには、生活に困っているかどうかという視点から相談に入って、それで極力差し押さえをしないで済むような、そういった懇切丁寧な手法がとられていると。ここにあるように、従業員の給与さえも押さえてしまうというようなことは、あってはならないというのが盛岡市の考え方だろうと思うんですね。本来こういうことは、行政の側からすれば当然あるべき姿勢だと思いますけれども、そのことについてお答えがなかったので、答弁をお願いします。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 再質問にお答えいたします。

 事業者提案で具体的にどのような提案があったのかという、そういう御質問でありました。事業者の側からは、開発に当たって、どのような与条件を前提として検討する場合には、こういった開発手法や開発ボリュームなどが考えられるといった、事業者なりの知見についての提案をもらっているということであります。さまざまな形で、こちらからも質問をしたり、向こうからも提案があったりというやりとりでありますので、具体的にこういった提案という形で、まとまった形でお示しすることはできないというふうに考えております。

  〔区民サービス管理部長登弘毅登壇〕

○区民サービス管理部長(登弘毅) 再質問にお答えいたします。

 国保料の滞納処分についてでございますけれども、機械的に差し押さえが行われているのではないかということでございますけれども、一般的に納付相談を促してもなかなか応じていただけない場合、あるいは相談時の約束が履行されていないというような場合につきまして、御本人の財産があるということであれば、負担の公平性という観点から滞納整理を行っているということでございます。

○副議長(久保りか) 以上でかせ次郎議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 森   たかゆき

 1 行政評価について

  (1)外部評価の見直しについて

  (2)その他

 2 年金未納者の所得情報の提供について

 3 区立小中学校の電力購入について

 4 その他

 

○副議長(久保りか) 次に、森たかゆき議員。

     〔森たかゆき議員登壇〕

○16番(森たかゆき) 平成24年第4回定例会におきまして、民主党の立場から一般質問をいたします。

 質問は通告のとおりです。よろしくお願いいたします。

 まずは、1、行政評価についての(1)外部評価の見直しについてお伺いいたします。

 外部評価のあり方については、これまでにも我が会派としてたびたび取り上げ、さまざまな問題点の指摘、改善の提案をしてきているところです。前定例会でも中村議員が取り上げたばかりでございますが、現在、区として全体的な見直しを行っていると聞いており、改めて取り上げさせていただきます。

 中野区の外部評価は、平成14年度に試行という形で初めて行われてから、毎年のように少しずつ実施方法の見直しを行いながら今日まで続いてきており、既に10年の積み重ねがあります。そこで、まずお伺いいたしますが、外部評価のこれまでの10年の成果を区としてどのように評価されているのでしょうか、お聞かせください。

 次に、なぜこのタイミングで全体的な見直しをするという話が出てきたのでしょうか。確かに、「平成23年度外部評価委員会総評」を読みますと、成果指標の設定、実施方法、民営化・委託化した事業の評価方法、事前の提供資料のあり方、区民への制度の浸透など、さまざまな点について指摘がなされております。これを「全面的な見直しが必要」と解釈されたというのであれば、話としてはわかります。しかし一方で、区長はこれまでの我が会派の質問に対して、中野区の外部評価は「公開で評価をしてもらい、それを区の計画や次の年の実施の中にきちんと生かしていくというPDCAサイクルの中心として機能している」と答弁をされています。また、事業仕分けとの比較においても、「ごく部分的な作業として、事業がいいか悪いかといったようなことを評価している事業仕分け」よりもすぐれているといった趣旨の答弁もされております。

 そこまで自分で高く評価されている取り組みについて、なぜ今、全体的な見直しをすることが必要だと判断されたのでしょうか。仮に外部評価の総評で指摘されたからというのであれば、区としてあまりにも主体性に欠けていると言わざるを得ません。最初の質問にもつながりますが、区としてこれまでの成果をどう評価していて、なぜ今、全体的な見直しが必要と判断されたのか。そのあたりがはっきりしないまま見直しが行われたとしても、その結果が意味のあるものになるとは考えられません。ぜひ明確にお示しをいただきたい、このように思います。

 外部評価に取り組む区の主体性という観点から、もう1問お聞きいたします。

 議会においては、これまで会派を問わず多くの同僚議員が、外部評価のあり方そのものの議論をしたり、外部評価の結果をもとに事業の議論を行ったりしてきております。本日もそうした質疑がございました。議会として、外部評価は区政運営の中でも非常に重要なものであると位置付けてあると言えるかと思います。しかし、区としてはどうでしょうか。

 先ほど引用したように、外部評価はPDCAサイクルの中心となっている、こういった議会答弁もあるわけですが、それを聞いていると、大変重要な位置付けがされている、このように受け取れますが、しかし、実際に外部評価の公開ヒアリングを傍聴してみると、また全く違った印象を受けます。

 他の自治体で行っている公開の事業評価など、同様の取り組みを見学に行くと、ヒアリングに出席している職員以外の職員が傍聴に来られている、そうした姿をよく見かけいたします。しかし、中野区では説明員として出席している方と事務局としてかかわられている方、それ以外の職員の方の姿を公開ヒアリングの場で見かけたことはございません。もちろん、例えば土日開催などを行っている場合に比べて、これまでずっと平日開催で行ってきた中野区の場合は、なかなか職員が傍聴するのは難しいという事情はあるのかもしれません。しかし、区政運営に大きな役割を果たしているのであれば、おのずから職員の関心も高くなり、傍聴しよう、傍聴するべきだというような機運も出てくるのではないかと考えられます。しかし、そもそも直接関与していない方々も含めて、職員の外部評価への意識を高めるべきだという認識が不足しているように思われます。この点について、区はいかがお考えでしょうか、見解をお聞かせください。

 続いて、見直し後のあるべき姿について幾つかお伺いいたします。

 私は、今回の見直しに当たっては、「徹底した情報公開」を基本にするべきと考えております。ここで言う「徹底した情報公開」とは、評価の基礎となる情報を公開していくということと、外部評価そのものの公開ということ、この二つに大きく分けられます。

 まず前者については、現状の評価表に記載されている「事業費」をより詳細に記載すること及び財源の内訳を示すことが必要と考えます。特に「事業費」については、現状のように総額で幾らかかったかという情報のみでは、外部評価委員の方々が当該事業の効率性を評価することは難しいのではないでしょうか。例えば、中野区各会計歳入歳出決算説明書に記載されるような内訳の情報まで含めて外部評価委員に公開した上で評価を行うべきではないでしょうか。既にそうした取り組みを行っている自治体も数多く存在いたします。

 仮に現在のスケジュールでは、外部評価の時期にそこまでの情報を出すことが難しいのであるとすれば、現在の外部評価結果を翌年度当初予算に反映する、この考え方を含めて見直し、事業費の詳細を示した上で評価を行い、その結果は次々年度の当初予算に反映していく、こうしたサイクルに変更していくことも含めて検討の対象とするべきであるというふうに考えますが、いかがでしょうか、区の見解をお伺いいたします。

 もちろん、詳細を示して議論した上で翌年度の予算に反映する、こうした取り組みを実現している自治体もある以上、本来はそこを目指していただきたいとは思いますが、それがシステム対応等の都合ですぐには難しいなどとしても、まずは予算への反映を1年おくらせてでも、詳細な情報に基づく評価を行う、こうした選択肢も検討していただきたい、このように考えております。

 後者の外部評価そのものの公開については、平成23年度外部評価委員会総評の「ヒアリングの際の傍聴者の数に端的にあらわれているように、区民の行政評価“制度"に対する認知度・関心度は低いように思われる。区は、制度の意義等についてより一層区民に対して徹底した周知活動をするよう取り組んでほしい」という指摘とも関係いたします。

 我が会派としても、これまでも傍聴者数をふやす取り組みをするべきであると主張してきており、その主張への答弁を見てみても、その重要性については区としても認識をいただいていると考えております。しかしながら、それが実際の制度改善、さらには傍聴者数の増加にはなかなかつながっていないというのが現状でございます。

 そこで、これはこれまでも提案してきたとおりではございますが、外部評価公開ヒアリングの土曜日、日曜日の開催やインターネット中継の導入を、この機会に改めて検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。特にインターネット中継については、ビデオカメラ1台とインターネット回線があれば、中継自体は無料で行うことも可能です。場合によっては画面がほぼ固定ということになるかもしれませんが、とりあえず会場の雰囲気と議論の中身が伝わればいい、こうした割り切りをして実施するという選択肢も考えられます。こうした点も踏まえて、区の見解をお伺いいたします。

 次に、2番、年金未納者の所得情報の提供についてお伺いいたします。

 中野区は、日本年金機構の実施する国民年金保険料の未納者対策への協力として、総務省を通じての依頼に基づき、日本年金機構に調査対象者の所得情報の提供を行っております。これは国民年金法第108条の規定に基づくもので、平成16年の総務省通知をきっかけにして、国民年金保険料の未納者等に対する強制徴収及び減免勧奨を効果的に行うことを目的に、当時の社会保険事務所への情報提供が開始されました。そして、平成22年1月1日に社会保険庁が廃止され、日本年金機構が発足した後には、同機構にそれまで同様に情報の提供がされているものです。

 この情報提供に当たっては、日本年金機構はCD等の電子媒体による提供を求めており、実際に多くの自治体ではそのようにしているとのことですが、中野区では電子媒体で提供するためのシステム対応ができておらず、日本年金機構の職員が中野区役所に来庁し、税務担当の端末を用いて該当者の情報を検索・閲覧し、その情報を手書きで書き写しているとのことです。この作業は毎年7月から10月の約4カ月間、1日4時間にわたって実施されているというふうに聞いております。

 これが日本年金機構の職員の方の負担になっているということは明らかでありますが、しかし、これだけ長時間にわたって外部の職員が税務担当の執務スペース内で作業を行っているとなりますと、税務担当の作業効率にも相当な悪影響を与えているのではないかと推察がされます。また、税務担当の執務スペースでは、その業務の特性上、極めて重要な個人情報を含んだ書類、資料やデータなどが扱われており、個人情報保護の観点からも問題があるのではないでしょうか。

 さらには、手書きによる情報提供では、情報記録の正確性にも問題が発生しかねません。いわゆる「消えた年金」記録が5,000万件にもなってしまった原因の一つに、手書きの紙台帳の情報をコンピュータに移す際に誤って転記してしまった、こうしたことがございます。2009年の政権交代以降、民主党政権はこの「消えた年金」記録の回復に努め、これまでに約1,300万人分、額にして約1.6兆円分の記録回復を実現いたしましたが、その過程でも多くの人的・金銭的コストが必要とされました。

 当該情報の電子媒体での提供は日本年金機構側から求められていることではございますが、作業の効率性や個人情報保護、また記録情報の正確性の担保といった観点から、中野区にとってもメリットは大きいのではないでしょうか。先ほども申し上げましたとおり、多くの自治体は既にシステム対応を行っているというふうに聞いております。このことも、年金機構側のみではなく、自治体側にもメリットがあるということを示しているのではないでしょうか。早急にシステム対応を行い、電子媒体での提供に移行するべきと考えますが、いかがでしょうか、区の見解を求めます。

 続いて、3、区立小中学校の電力購入についてお伺いいたします。

 本年11月20日の総務委員会で、「新電力からの新規電力調達について」の報告がありました。PPS事業者と新規に契約を結び、第1期調達として地域支えあい推進室及び環境部管轄の5施設への電力供給が11月1日から開始されたとのことです。昨年の東日本大震災以降、PPSの需要が急激に高まる中で、区の対応におくれが見られた面もありましたが、ここに来て契約締結に至ったことは、かねてよりPPS導入を求めてきた私としても大いに歓迎をしているところです。契約に当たっては、さまざまな困難もあったかと思います。担当部署の取り組みを評価するとともに、第2期以降の調達に向けても着実な進展をお願いいたします。

 一方、その際の報告の中には、問題だと言わざるを得ない点もございました。それは、区立小中学校については、PPSの1社であり既に9校に導入実績がある東京エコサービス株式会社の利用をふやしていくという方針です。

 東京エコサービス株式会社は民間企業ではありますが、東京二十三区清掃一部事務組合が6割近くの出資をしており、また、これまでに23区の区長や幹部職員が社長、役員に就任してきている会社です。PPSの導入を求める区民の声は依然として強く存在しますが、しかし、こうした会社との随意契約を継続・拡大していくことに区民の理解が得られるとは到底思えません。東京エコサービスの小中学校への電力小売りは2010年4月から開始されました。まずは100校程度に導入し、その後は状況を見つつ、3年後には300校程度まで拡大するといった考えであると聞きますが、それはあくまでも企業の方針であり、中野区がそれに黙ってつき合わなければならない理由はありません。

 そこでお伺いいたします。そもそも、これまでなぜ東京エコサービス株式会社と随意契約を行ってきたのでしょうか。その経緯についてお伺いいたします。

 PPSについては、先ほども述べたとおり、需要の急増に供給が追いついておらず、事業者の価格設定も強気になってきているようです。しかし、ここには市場における競争原理が働いており、いつまでも今の売り手優位の状況が続くとは考えられません。価格面のほかにも、企業や個人の環境問題への意識の高まりに応え、環境配慮型の電源を使用していることをアピールする企業も出てくるでしょう。区はこうした市場動向を十分に注視していかなければなりません。そして、今後の区立小中学校の電力購入に当たっては、東京エコサービス株式会社の導入をふやすことを前提とするのではなく、競争原理の働いた透明性のある契約をしていくべきと考えますが、いかがでしょうか、区の見解を求めます。

 4、その他はございませんので、以上で今回の私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 森議員の御質問にお答えいたします。

 まず、外部評価についてということであります。これまでの成果をどう評価しているかということです。外部評価は、いわゆる区政経営サイクルの中心的な一つの機能であるというふうに位置付けて実施をしてまいりました。事業の効果的な執行方法の検討や、事業見直しなどに活用してきております。一定程度機能してきたと、このように考えております。

 それから、外部評価で指摘されたから見直すのは、区として主体性がないのではないかと、こういう御質問でありました。改善するべきだという御意見を聞いて改善しなければ独善的だと言われ、御意見を聞いて改善しようとすると主体性がないと言われると。もう少しきちっと考え方をお聞きいただければというふうに思っております。もちろん行政評価自体もPDCAの対象として、さきの御質問にもありましたように、必要な改善を常に行ってやってまいりました。今回見直そうとしていることも、そうした流れの一つの考え方であります。当然、外部評価委員の方々からいただいた御意見ということにも十分耳を傾けて改善を行っていくということであります。

 それから、他自治体の同様の取り組みでは多くの職員が傍聴しているということでありますが、中野区では毎年全ての施策について評価を実施しております。その評価については、全ての職員が取り組んで評価を行っているということであります。その評価の結果の改善や、新しい計画をつくるといったようなことにおいても、全ての職員が評価に基づいて行っているということでありますので、たまたま、その場面で傍聴しているかしないかということが重要性の認識を示しているというふうには全く考えません。職員も忙しいのでね。

 それから、外部評価見直しについて、外部評価の実施方法につきましては、評価基準や対象など見直しを進めております。

 スケジュールについての御提案もありました。スケジュールについても検討を行っているところであります。

 それから、公開ヒアリングの土日開催についてであります。これについては、外部評価スケジュールやヒアリング方法の見直しを踏まえて検討していくことになると、こういうふうに思っておりますが、必ずしも公開で皆さんに見てもらうために行政評価を行っているということでもありませんので、土日開催をするために何かを変えていくというようなことまでは検討しているわけではないということであります。

 それから、インターネット中継ですが、ヒアリングで使用している評価表などの資料の取り扱いや、委員の自由な発言の確保などについて課題があると考えており、現時点での実施は困難、こう考えています。

 それから、年金機構からの所得情報照会に関する対応であります。日本年金機構からの所得情報の照会につきましては、現在は年金機構職員が区役所税務担当の部署を訪れて、閲覧によって所得情報を確認していると、こういう状況であります。御質問にあったとおりということであります。こういう状況を改善しなければということで、既に区としては個人情報保護に配慮しつつ、電子媒体による情報提供の実施に向けて検討を進めているところであります。

 私からは以上です。

     〔経営室長川崎亨登壇〕

○経営室長(川崎亨) 私からは、区立小中学校の電力購入についてお答えいたします。

 初めに、随意契約の経緯でございますが、東京エコサービス株式会社は、東京二十三区清掃一部事務組合が東京ガス株式会社との共同出資により設立したものでございます。23区内清掃工場から発生する余剰電力を購入し、各区の小中学校等の公共施設等に廉価で販売するという公共目的を持った事業展開をしていることから、随意契約により購入をしているものでございます。

 次に、その随意契約の妥当性についてでございますが、東京エコサービス株式会社が提供する電力は二酸化炭素排出量がゼロとされるごみ発電をベースとするものであり、また、その価格についても他の事業者と比較しても安く、他からは同様の電力調達をすることはできないことから、随意契約とすることに問題はないと考えております。

     〔森たかゆき議員登壇〕

○16番(森たかゆき) 2点ほど再質問させていただきます。

 まず1点目が、外部評価の職員の意識の話なんですが、行政評価の中で職員さんが全て関係しているということは理解しておりますし、人事評価なんかにも関係してきているんだろうなというふうに理解しています。しかし、それと外部評価についてどう意識しているかというのは、ちょっと別に考えるべきなんじゃないかなというふうに思います。自分たちがやっている事業が外の視点でどういうふうに見られているのか。そして、それに対して自分の上司に当たるのであろう職員の方々がどういうふうに説明するのか、そういうことを見ていくということも区の職員にとっては大変な勉強の機会になるのではないかと思います。その点も含めて職員の意識という点、もう一度御答弁をいただければと思います。

 それから、東京エコサービスのほうの話なんですが、CO2排出量がゼロで、価格も安いから随契で問題ないんだという話です。随意契約を始められた当初はそういった状況だったのかもしれません。場合によっては今もそうなのかもしれませんが、先ほども申し上げたとおり、これ、需要が高まってきて、これからどんどん市場が動いていく分野だというふうに考えられます。なので、いつまでそれが随契で妥当だというふうに言えるのかというのは、今の段階では何とも言えないところだと思います。しっかり市場の動向を注視して、単にエコサービスを入れるというのを前提にするのではない取り組みを改めて求めたいと思います。見解を求めます。

 以上でございます。ありがとうございました。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 再質問にお答えいたします。

 職員が傍聴することの意義ということについては、森議員の言われたような要素もあるだろうというふうに思っております。そのように自分の仕事について客観的な目で見ることができるという機会というのも、それもそれなりの意義があると、こういうふうには思っております。全体の職務を執行している体制、また、それぞれの仕事の流れの中で、可能であれば傍聴すればいいのかな、このように思っております。

     

経営室長川崎亨登壇〕

○経営室長(川崎亨) 区立小中学校の電力購入についての再質問にお答えいたします。

 今、議員の御質問にもありましたように、現段階では随意契約は妥当であろうと。ただ、この先の状況によってはという御質問でございますが、この先の状況によっては、現時点では何とも申し上げることはできませんので、現時点での考え方を申し上げたということでございます。当然、区が求める調達内容に競争原理が成り立つというようなことであれば、その時点でまた考えがあるかと思いますが、現時点では妥当であるというふうに考えております。

○副議長(久保りか) 以上で森たかゆき議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○副議長(久保りか) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は、12月5日午前10時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

      午後4時31分延会