平成25年02月19日中野区議会本会議(第1回定例会)
平成25年02月19日中野区議会本会議(第1回定例会)の会議録
平成25年第1回定例会本会議第2日(2月19日)

.平成25年(2013年)2月19日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(39名)

  1番  若  林  しげお         3番  木  村  広  一

  4番  甲  田  ゆり子         5番  小  林  ぜんいち

  6番  中  村  延  子        7番  石  坂  わたる

  8番  後  藤  英  之        9番  石  川  直  行

 10番  内  川  和  久       11番  ひぐち   和  正

 12番  いでい   良  輔       13番  白  井  ひでふみ

 14番  平  山  英  明       15番  南     かつひこ

 16番  森     たかゆき       17番  いながき  じゅん子

 18番  林     まさみ        20番  浦  野  さとみ

 21番  伊  東  しんじ        22番  佐  野  れいじ

 23番  北  原  ともあき       24番  吉  原     

 25番  小  林  秀  明       26番  久  保  り  か

 27番  酒  井  たくや        28番  奥  田  けんじ

 29番  近  藤  さえ子        30番  金  子     洋

 31番  長  沢  和  彦       32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  やながわ  妙  子       38番  佐  伯  利  昭

 39番  むとう   有  子       41番  来  住  和  行

 42番  岩  永  しほ子

.欠席議員

  2番  高  橋  かずちか       19番  小宮山   たかし

 40番  か  せ  次  郎

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  金 野   晃

 教  育  長  田 辺 裕 子      政 策 室 長  竹 内 沖 司

 経 営 室 長  川 崎   亨      都市政策推進室長 長 田 久 雄

 地域支えあい推進室長 瀬 田 敏 幸    区民サービス管理部長 登   弘 毅

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 髙 橋 信 一     健康福祉部長   田 中 政 之

 保 健 所 長  山 川 博 之      環 境 部 長  小松谷 弘 市

 都市基盤部長   尾 﨑   孝      政策室副参事(企画担当) 野 村 建 樹

 経営室副参事(経営担当) 戸 辺   眞

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  篠 原 文 彦      事務局次長    青 山 敬一郎

 議事調査担当係長 佐 藤   肇      書     記  関 村 英 希

 書     記  河 村 孝 雄      書     記  東   利司雄

 書     記  丸 尾 明 美      書     記  土 屋 佳代子

 書     記  細 川 道 明      書     記  江 口 誠 人

 書     記  鈴 木   均      書     記  永 見 英 光

 書     記  竹 内 賢 三      書     記  香 月 俊 介

 

 議事日程(平成25年(2013年)2月19日午後1時開議)

日程第1 第6号議案 平成25年度中野区一般会計予算

 

      午後1時00分開会

○議長(大内しんご) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、市川みのる議員、やながわ妙子議員、岩永しほ子議員、森たかゆき議員、石川直行議員、伊藤正信議員、平山英明議員、金子 洋議員、中村延子議員、後藤英之議員、吉原 宏議員、南かつひこ議員、内川和久議員、若林しげお議員、むとう有子議員、奥田けんじ議員、近藤さえ子議員、いながきじゅん子議員、林 まさみ議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 

 中野区議会議員 市 川 みのる

 1 政権交代後の区政運営について

 2 震災復興の取り組みについて

 3 2020年オリンピック・パラリンピックの東京大会招致について

 4 コンパクトな区役所で、質の高い行政を実現することについて

 5 区役所・サンプラザ地区再整備について

 6 歳入確保対策について

 7 職員の研修と心得について

 8 指定管理者制度と業務委託について

 9 非常勤職員について

 10 区民の健康を増進する施策について

 11 交通対策、特に自転車安全対策について

 12 その他

 

○議長(大内しんご) 最初に、市川みのる議員。

     〔市川みのる議員登壇〕

○35番(市川みのる) 平成25年第1回定例会に当たりまして、自由民主党議員団の一人として通告をさせていただきました項目に従って、一般質問をさせていただきます。

 最初に、政権交代後の区政運営についてお伺いいたします。

 昨年暮れに行われました総選挙の結果、我が自由民主党の安倍晋三総裁が第96代内閣総理大臣に指名をされ、第2次安倍内閣が誕生するとともに、3年3カ月余り続いた民主党政権に終止符が打たれました。3年半前に発足した民主党政権は、マニフェストにさまざまな約束を掲げ、華々しくスタートいたしましたが、子ども手当や高速道路無料化に代表されます財政的な裏付けを欠いたマニフェストは早々に破綻をし、国民に大きな失望を招きました。また、沖縄の普天間基地移設問題では、実現の見通しもなく、県外・国外への移設を主張し、沖縄県民の信頼を根底から覆し、対米関係には大きな亀裂が生じるという結果を招きました。また、外交関係の基軸である対米関係を危機に陥れた民主党政権の外交能力の欠如は、日中や日韓関係にも大きな歪みをもたらしました。また、危機管理能力の欠如についても指摘せざるを得ません。東日本大震災の発生時、特に、福島原発に重大な事故が発生した際、適切な情報入手や分析、迅速な対応等、さまざまな面で政府の危機管理能力が欠如し、さらには、官邸による現場への過剰介入が混乱を拡大させたことは国会の原発事故調査委員会の報告においても明らかにされているところであります。

 そこで区長にお尋ねをいたします。

 以上申し上げたような民主党の3年余の政権運営に対して、自治体の長としての立場から、区長の忌憚のない評価をまずは聞かせていただきたいと存じます。

 さて、新しく発足いたしました安倍政権に話を進めます。

 安倍晋三総理は、国会における所信表明演説におきまして、経済再生、震災復興、危機管理の三つを内閣が全力を挙げて取り組むべき重要な課題として位置付けました。このうち、安倍総理が最大かつ喫緊の課題として取り上げたのが経済再生であります。バブル崩壊以降、全く出口の見えないデフレ、長引く円高が景気回復の足を妨げる中、強い経済を取り戻すために安倍総理が掲げた3本の矢、すなわち「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」、この3本の矢で経済再生を推し進める強い決意が示されました。こうした確固たる決意のもと、政府と日本銀行がデフレ脱却のために協調し、2%の物価安定目標を早期に実現することも含めた金融政策に関する共同声明も行いました。さらには、景気を下支えし、成長力を強化する緊急経済対策を打ち出す中、市場もこれを高く評価し、株価等の経済指標も上昇に転じております。強い日本経済を取り戻すことは単に経済を再生するという意味ではなく、今後さらに進展する高齢化社会を支えるため、社会保障の基盤を確立していくことであります。

 我が中野区においても、中野駅周辺のまちづくりが進展する中、昨年新たに誕生した「四季の都市(まち)」への関心、期待の声が高まっているところであります。政府がデフレ脱却、景気回復のため、あらゆる手を尽くし、日本経済再生の機運を高めつつある中、中野区においても区内の経済を活性化し、中野のまちを元気・活気と魅力あふれたまちにしていくため、今こそ区政のあらゆる分野においてさらなる工夫と努力が求められるのではないでしょうか。この点につきまして、区長の決意、見解をお聞かせいただきたいと存じます。

 続きまして、2点目、震災復興の取り組みについて、お伺いをいたします。

 今、東北は震災から二度目の冬を過ごされております。津波で家を流され、現地の仮設住宅でお暮らしの皆さん、原発の事故により長年住みなれた故郷を去り避難先の住居でお暮らしの皆さん、震災で職を失い生活のため家族と離れた地でお暮らしの皆さん、今もなお厳しい生活を強いられております。しかし、どんな環境にあろうとも、これらの皆さんは生きるために必死に戦っています。かけがえのない家族や友人を失った心の痛みに耐え、我が家や職場を失ったつらさに耐え、復興を目指して頑張っています。震災復興は、先ほど申し上げたとおり、安倍内閣が全力で取り組む三つの重要課題のうちの一つでもあります。安倍総理は、所信表明の中で、震災復興を「被災地の皆さんが生きる希望を取り戻す作業」と位置付けました。震災復興は、橋や道路を復旧し、施設や家屋を再建するだけではないと存じます。被災地の皆さん一人ひとりに希望ある未来と安らぎに満ちた笑顔を取り戻すこと。つまり、心の復興を果たすこと、これが最も大切なことではないでしょうか。これをなし遂げるのは他のだれでもなく、私たち自身の力であります。国や自治体の努力だけでなく、自分自身が何をできるのか、何ができるのか、震災復興のためにどんな行動を起こすことができるのか、私たち一人ひとりが強く問われているものと存じます。

 そこで、震災復興について、今後の区の取り組みについて伺います。

 中野区は、昨年度から現在まで、宮城県の東松島市、亘理町、岩沼市、石巻市の3市1町へ区職員11名を派遣しています。派遣された職員は、それぞれの自治体で震災からの1日も早い復興に貢献できるようさまざまな業務を担っているところであります。区の職員を現地の自治体へ派遣する取り組みは、来年度も継続されると伺っているところでありますが、改めて区長として区職員を派遣するに当たり、震災復興への意欲、意気込みをお聞かせいただきたいと存じます。

 震災復興に関してもう1点、東北復興大祭典の実施についてお伺いいたします。

 この事業は、区長、議長並びにやながわ公明党幹事長の努力によりまして、昨年10月13日、14日の両日、中野区では初めての震災復興に関する大規模なイベントとして大盛況のうちに実施をされました。まずは、本事業の実施に当たり大変な御尽力をいただきました東京青森県人会の皆さん、そして、郷土の貴重な財産であるねぶたを寄贈くださいました青森市の皆様をはじめ関係団体、関係者の皆様に、この場をお借りして心から敬意を表する次第であります。また、当日は遠路はるばる式典に御参加をいただきました東北の各県・各市町村の皆様にも、中野区議会の一員として改めまして心から御礼を申し上げたいと存じます。

 この催しは、単に大勢の来場者を集め、中野のまちのにぎわいやPRのために実施するものではなく、事業の実施を通じて震災の復興に貢献するという心からの強い願いを込めて実施されるものと存じます。震災の記憶を決して風化させることなく、被災された皆さんとの強い絆を保ち続けていくためにも、こうした事業を区が継続して実施していくことは、まさに有意義かつ必要なことと存じます。

 そこで、区長にお伺いをいたします。

 東北復興大祭典を来年度実施されるに当たり、どのような意気込み、それから今後の抱負、方針をお持ちなのか、お聞かせいただきたいと存じます。

 三つ目に、オリンピック・パラリンピックの東京招致についてお尋ねをいたします。

 昨年の夏に開催されましたロンドン大会は、まだ皆さんの記憶に新しいところであります。さまざまな競技に参加した日本選手が大舞台でも実力を発揮し、のびのびと活躍する姿に大いに興奮をし、勇気付けられたものであります。皆様御承知のとおり、本年9月7日に開催されます国際オリンピック委員会総会において、2020年オリンピック・パラリンピック競技大会の開催地が決定されます。東京招致については、これまで課題とされておりました開催に対する支持率も、先月の調査では73%と前回調査より7%増加し、初めて7割を超えるなど、東京招致への追い風も吹いているところであります。しかしながら、まだこの数値でも候補地としてライバルのマドリードやイスタンブールには遠く及ばず、招致の成功に向けては全く予断を許さないところであります。「今、ニッポンにはこの夢の力が必要だ」という招致スローガンのとおり、長引くデフレに苦しむ日本経済を再生し、未曽有の大震災に立ち向かう勇気を奮い起こすためにも、今回の東京招致を必ずや成功に導くことで、日本人全体にかつての自信と誇りを取り戻そうではありませんか。区は、既にさまざまな催しやイベントにおいて区民の支持をさらに盛り上げるべく、区を挙げての積極的なPR活動を実施しているところであります。改めて区長のオリンピック・パラリンピックの東京招致に向けた決意をお聞かせいただきたいと存じます。

 続きまして、質問項目の順は若干変わりますが、先に区役所・サンプラザ地区の再整備についてお尋ねをいたします。

 1月閉会中に開催された中野駅周辺地区等整備特別委員会において、区役所・サンプラザ地区再整備基本構想の構成案が示されました。その中の空間構成の考え方では、区役所・サンプラザ地区と補助223号線付属広場を一体のものととらえ、交通結節点機能を確保するとともに、中野の中心であることを最大限に生かした土地利用を図るとあります。これは、現在の新北口駅前広場と区役所・サンプラザ地区を一体的に計画・整備するものと理解をしております。

 そこで伺いますが、新北口駅前広場は、現在の基本計画では3層構造となっておりますが、この際、広場の上空を活用して、建物を建設するという考え方はいかがでありましょうか。新たな建物と交通広場を一体化して、駅近くに配置をし、街区の北側にオープンスペースを設けるという大胆な発想はできないものか。私は常々考えているところであります。こうすることにより、既存施設を運営しながら新たな施設整備を進めたり、駅を中心とした東西南北を自由に行き来のできる回遊動線をより効果的に拡大していく等の可能性・メリットがあると考えます。当該地区の再整備は、まさに中野の顔であり、中野の次の100年の骨格を決めると言っても過言ではありません。また、将来想定され得る中野駅の駅ビル、こちらと景観的にも機能的にも調和のとれたものとしていく必要があります。既定の発想にとらわれず、大胆で伸びやかな視点が必要と考えます。中野駅周辺の道路、交通事情、周辺施設との連携、防災力の強化、にぎわいや活力づくり、経済効率性などあらゆる観点から検討し、次世代を見据えた最適な施設配置をしていただきたいと存じます。区長の見解を伺います。

 続いて、区役所・サンプラザ地区再整備と関連して、中野駅地区第2期整備、特に西口改札について伺っておきます。

 さきに申し上げたとおり、中野四季の都市(まち)の開発により、これまでよりも多くの人が中野駅を利用しております。来年、早稲田大学の施設が開設されれば、増加する昼間人口は2万人にも及ぶと言われています。また、純増する昼間人口だけでなく、ビジネスや大学の関係者等で中野を訪れる人々を加えれば、中野駅を利用する人数は1日を通じて莫大なものになると思います。

 そこで伺います。

 現在でも中野駅の北口改札は非常に混雑し、危険とも言える状況であります。この春以降、中野駅利用者がさらにふえることが確実な中、また、朝夕のピーク時間だけでなく、終日混雑されることが想定される中、駅利用者の安全対策についてJRはどのように考えているのか。また、区とはどのような話し合いがされているのでしょうか。これをお答えいただきたいと存じます。

 私は、改札問題を根本的に解決するには、一刻も早く西口改札を新設するしかないと考えております。西口改札は、中野駅地区第2期整備、つまり西側南北自由通路及び橋上駅舎の整備により実現するものであります。昨年策定された中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3によると、これらの整備は平成30年から32年ごろと示されております。一刻も早い西口改札整備のため、現在、JRに対してどのような働きかけを行っているのか、これに対してお尋ねをします。

 また、中野駅地区第2期整備に当たっては、駅ビルの可能性も示唆されているところであります。駅ビルの建設に当たっては、今や地域の商店街からも共存・共栄でまちの発展に寄与していけるよう機運が高まりつつあるところであります。駅ビルに関しては、JRと何らかの協議を行っているのか、あわせてお尋ねをいたします。

 次年度は、区役所・サンプラザ地区整備基本構想や新区役所及び新中野体育館についても整備の基本方針が示されることとなっております。新しい中野の可能性をさらに拡大し、実りあるものにするためにも、中野駅周辺まちづくりが着実に推進されることを強く要望し、この項の質問を終わります。

 続きまして、歳入確保についてお尋ねをいたします。

 中野四季の都市(まち)がオープンをし、キリンホールディングス、栗田工業、損保ジャパンなど日本の主要企業が数多く進出してきます。この4月には明治大学と帝京平成大学が開校され、多くの学生や教員が集まることで、一段と中野のまちのにぎわい・活力が高まり、中野のまち全体の地域価値の向上に大きな影響を及ぼすものと考えております。中野駅周辺が大きな変貌を遂げ、ますます発展する中野のまちに多くの区民から大きな期待や関心が寄せられているのは事実であります。

 区は、こうした中野駅周辺のまちづくりは区に一定の経済効果をもたらすと説明されてきました。財政面では、企業従事者数がふえることによる地方消費税交付金や都区財政調整交付金の基準財政需要額の増加、人口増や地域経済活性化に伴う所得増による区民税の増加など、その経済効果も大きなものがあると考えられます。さらには、企業従事者、学生や教員など、昼間人口がふえることで周辺商店街での消費の増加といった地域経済の活性化が見込まれるとともに、大企業の本社や大学が立地することによる中野区全体のイメージアップにもつながっていきます。

 地方消費税交付金は、現在、32億円余交付されておりますが、こうしたまちづくりによる効果とともに、今後、消費税の税率が5%から10%に引き上げられることで、ますますその交付額はふえていくものと思われます。この税率引き上げに伴う地方消費税への配分は、現在の1%から2.2%に引き上げられることから、単純に考えましても地方消費税交付金は現在の2倍以上の交付額になると考えられます。

 しかし、喜んでいられない面もあります。こうした地方消費税の税率引き上げに伴う増収分に対しては、通常国はその増収分に見合う国庫補助金などを削減するといった、いわゆる一般財源化を行ってきております。これを行う予定であります。地方消費税の税率引き上げに伴う増収分と国庫補助金などが相殺され、実質的には歳入は増加しない、あるいは、かえってマイナスになることも考えられます。今後、国の動向を見きわめ、慎重に対処・対応していかなければならないと考えます。

 昨年の末、先ほども述べました安倍総理誕生のもと、力強い経済政策が打ち出されております。しかしながら、区の財政もなかなかその効果があらわれるまで、浸透するまでには時間がかかり、まだまだ厳しい状況が続くと見込まれる中で、歳入をいかに確保していくかは区の最大の課題であります。歳入確保対策については、さまざまな観点もあろうかと思いますが、今回はまちづくりによって区の歳入にどのような影響が及ぶかという観点から伺いたいと思います。

 まず、中野駅周辺のまちづくりが大きく進展した貴重な1年、区民からも「中野ではないようだ」との驚きと喜びの声で迎えられ、中野の新たな魅力を広く打ち出す大きな契機となっておりますが、これら中野のまちは、これまでも住みやすいまちとの評価はありましたが、中野四季の都市(まち)をはじめとするまちづくりにより、中野の魅力や評価は高まっているのか、お答えをいただきたいと存じます。

 歳入確保という観点から見れば、担税力のある定住者人口をふやすのも大事な対策であると考えます。中野の魅力が高まれば、それに比例するように良好な住宅開発も促進され、定住人口も増加するのではないかと思います。

 そこで伺います。

 中野駅周辺まちづくりの進展により、良好な住宅供給は進んでいるのでしょうか。また、その結果として、税収へのよい効果は上がるのでしょうか。お尋ねをいたします。

 定住者と並び大事なのが、中野で働く人の増加、先ほども紹介いたしましたが、すなわち企業の立地も大変に貴重な財源で、重要なことであります。企業が立地することにより、区の収入に直接影響があるものはないのでしょうか。あるとすれば、立地後、直ちに効果があらわれるものなのでしょうか。お答えをいただきたいと存じます。

 まちづくりの進展に伴う区財政への影響という観点で歳入確保対策を伺ってまいりましたが、私は1年前の定例会でも同様の質問をしております。実際にまちができ上がってみてどうなのか。区民の期待も非常に大きいまちづくりであり、改めて伺った次第であります。歳入確保にも大きく影響するまちづくりのさらなる進展を要望して、この質問を終わります。

 続きまして、コンパクトで質の高い中野区政を実現することについてお尋ねをいたします。

 区政運営の基本であるPDCAサイクルがしっかりと機能しているのかといった視点から、1番目に事業部制、2番目に人が育つ組織、3番目に内部統制、この3点について伺っていきたいと思います。

 中野のまちが発展し、にぎわいや活力が高まっていくことに対して、区民が寄せる期待感とは裏腹に、今後、中野駅周辺をはじめ中野区全体のハード・ソフトのさらなるまちづくりを推進する原動力である区の組織、その組織を形づくる職員は、私たち議会側から見て、いま一つ元気が感じられないような気がしてなりません。区は、平成23年4月、目標体系を大幅に見直し、それにあわせて、それ以前の組織改正とは比較にならないほど大規模な組織改正を行いました。この目標体系の見直しと大規模な組織改正に至るまでに、平成16年度には事業部制の導入や組織のフラット化、平成19年度には経営本部の立ち上げと副区長を3人配置する体制など、目まぐるしく組織の姿が変わってきました。私は、毎年のように変わる組織体制に対し、その実績や成果をしっかり確認・検証し、その上で必要な組織の見直しを行うことを何度も繰り返し質問してきました。しかし、区の組織、特に事業部制については、その成果が十分に確認・検証されることなく進められてきました。そうした感が否めません。ここに、組織を形づくる職員に元気が感じられない一つの要因があるのではないかと考えられます。

 区政の目標実現のために必要な組織を立ち上げ、定着させて、その成果を生むようになるまでには、一定の時間が必要だと思います。目標体系の見直しとそれに合わせた大幅な組織改正が行われ、早2年がたとうとしています。

 そこで伺います。

 区長はこの間の事業部制の実績、そして、成果についてどのように検証・評価してきたのか、お答えください。

 平成23年度から聖域なく行われている事業見直しにおいては、経営本部からの事業見直しの提案事項ばかりが目立ち、事業部からの自発的な見直し、改革・改善が進んでいないとも伺っております。本来、事業部制がしっかりと機能し、区政運営の基本であるPDCAサイクルがしっかり回っているならば、経営本部からの事業見直しの提案事項など不必要なことではないでしょうか。また、平成25年度予算編成方針を見ますと、予算要求に当たって、各部において部長と部の経営担当副参事による部内の調整を徹底すること、すべての事業を評価し、優先順位付けを行い、割り当てられた一般財源ベースの要求限度額の範囲内におさめることが求められています。一方、財政運営上の非常事態が続いていることから、全事業を視野に入れた歳出構造の再構築を進めるため、経営本部が全事業を対象として査定を行うとともに、職員定数についても査定を行うこととされています。こうした状況は、事業部制が十分に機能していないことをあらわしているのだと思います。本来、事業部制がしっかりと機能していれば、予算や人員など与えられた経営資源の中で事業の見直しや改善を繰り返し、知恵を絞りながら、最大限の価値・効果を生み出すことができるような取り組みが行われているはずであります。これが自分の家計であったらどうでありましょうか。家庭内にむだがあれば節約したり、改善策を考えたりします。これは当然であります。また、借金でもしない限り、手持ち資金以上の支出はできないわけであります。職員一人ひとりがまさにみずからの家計になぞらえ、事業の見直しや予算編成に臨んでこそ、事業部制も機能していると言えるのではないでしょうか。事業部制が定着・発展するためには、職員の意識改革などまだまだ多くの課題があるように思われますが、区長はこの事業部制をどのように改善・発展させていくおつもりなのか、その考えを伺います。

 次に、人が育つ組織について伺います。

 人が育つ組織とは、平成23年1月に示された目標体系の見直し方針の中で、区政の重要課題を実現するための目標体系のあり方とともに重要な取り組みの一つとして示されたものであります。その基本的な考え方は、職員は日常業務の取り組みの中で、成果を上げながら成長していくものというものであります。そのため、仕事の中で育つということを組織的に位置付け、研修やOJTだけでなく、日々の仕事の中で経験を積み、組織を身につけ、業務対応能力を高め、仕事で成果を上げることにより自信ややりがいを感じることのできる組織風土を醸成するということであります。これを実現するために、人材マネジメントの視点から、複線型人事制度や育成型ジョブローテーション等の新たな制度の導入や能力開発型研修への転換など、採用、配置、能力開発を総合的にとらえた人材育成の仕組みを確立するとしています。その後、区の基本的な考え方を示す人材育成ビジョンが議会にも報告はされましたが、これには区が目指す方向性は示されていますが、具体的な実効性のあるプログラムと工程表は示されていません。現在、総合的な人材育成に向けた具体的かつ実効性ある取り組みは動き出しているのでしょうか。さらには、人が育つ組織について、区が当初ねらいとしていたものに近づきつつあるのでしょうか。この間の実績、成果についてどのように検証してきたのか、お答えいただきたいと存じます。

 区が掲げる職員2,000人体制を実現し、さまざまに変化していく区民ニーズに対応し、常にこれまで以上に質の高い行政サービスを提供し続けていくためには、一人ひとりの職員の質を高めていかなければなりません。いくら制度をつくっても、それを実現しようとする区の熱意と、それを受けとめる志ある職員がいなければ、すべては絵にかいた餅になってしまうからであります。私がさきに、大分前ですがね、以前に紹介いたしました金剛組という千年企業があります。この千年企業の職人のところで紹介をしたんですが、1000年も続く持続可能なこの企業に所属をする職人の持っているプライド。そのようなプライドを持った一人ひとりの競い合い、技術の高め合い、そういった気概、これはもう既に紹介してありますので、ここでは紹介はいたしませんが、今の区の職員にはそのようなものがやや欠けているような気がしてなりません。区が目指す人が育つ組織が、組織風土として定着するためには、まだまだその道のりは遠いように感じますが、人が育つ組織風土の醸成に向け、今後の具体的な方策についてお答えください。

 次に、内部統制について伺います。

 この内部統制の仕組みについても、平成23年1月に示された目標体系の見直し方針の中で、その取り組みの一つとして示されました。その後、再構築の基本方針が示され、最終的には24年3月、内部統制の取り組みについての方策が議会に報告されました。そして、この内部統制の具体的な取り組みが強化されて1年余が過ぎたことになります。そもそもこの内部統制の仕組みを再構築しなければならなかった背景には、財務監査の指摘に見られる不適正な会計処理や文書の誤発送などの事務処理ミスが多く発生したことや、そのことが業務効率を低下させるとともに、区民からの信頼を損ねる結果となっていたことによります。平成24年度から内部統制の新たな仕組みを職員、組織に浸透させ、不適正な事務処理の根絶に向けた全庁的な取り組みを進めるとともに、各部の経営担当の業務支援機能の強化や内部モニタリングの充実を図るとしていましたが、いまだその取り組みが明らかになっていないように思います。これらについて、具体的にどのようなことが実施され、不適正な事務処理の改善や事業部制の強化にどのような効果をもたらしているのか、検証内容をお答えください。

 1月に監査委員から提出された平成24年度定期(財務)監査結果報告書においても、依然として初歩的なミスの指摘が目立っております。この監査の対象は、平成23年度の事務処理などを対象としたものであり、内部統制の仕組みの再構築が平成24年度からであるとすれば、今回の取り組みでこうした初歩的なミスも減少すると考えてよろしいでしょうか。お答えいただきたいと思います。

 また、内部統制の実効性を高めるために、発生主義会計に基づく財務管理の確立などの視点からも内部統制の仕組みを再構築するとしておりますが、この取り組みは進んでいるのでしょうか。また、進んでいるとしたら、区政運営にもたらす効果についてどのように検証していますでしょうか。お答えください。

 以上でこの項の質問は終わります。

 次に、職員研修とその心得についてお尋ねをいたします。

 「仕事のための基礎知識 新宿区職員の基本のき」と題された330ページ余りになる新宿区の職員ガイドブックを皆さんは御存じだと思います。都政新報でも紹介されたようですが、区長はこの本はもちろん御存じだと思います。また、もしこの内容に目を通されているのならば、どのような感想をお持ちなのか、これをまずは伺っておきます。

 仄聞するところによりますと、この手引き書は、主任選考を受験する年代層の職員を主たる対象にして編集されたものだそうであります。また、執筆に当たったのは、区役所の各部署を代表するような有能な若手職員であり、そうした方たちを束ねて編集の責任を負ったのは、部長職を最後に定年退職し、その後、再任用で区の人材育成センターの専任講師を務めている方が担当されたということであります。私の存じている中野区の職員の方数名にこの本を示して伺ったところ、特別区職員研修所が編集している「特別区職員ハンドブック」という手引き書がありますが、これに比して大変実務的で、かつ内容が高度だということでありました。主任選考というのは、中野区でも行われており、その選考方法は先ほど述べた「特別区職員ハンドブック」などを出題範囲として択一問題への回答を求めるものだということであります。新宿区も同じような方法で選考を行っているとのことなので、細かな違いを置いてテキストだけの比較で言えば、新宿区の職員のほうが難しい勉強をしていると言えるのではないでしょうか。

 そこで伺いますが、当区では、この手引き書に匹敵するような手引き書を作成するお考えはありますか。また、当区にも職員研修所と呼ばれる施設はありますが、そこに職務経験豊かで、職員の育成能力に富んだ専任者が配置されたという話を聞いたことがありません。当区にも、部長職まで務めて定年を迎えた方が何人もいます。私たちの目から見ても、適任と思われる方がおります。こうした方々の持つ力を有効活用するお考えはありませんか。これを伺います。

 これも仄聞ですが、お隣の杉並区では、特別職まで経験された方を職員能力開発センターの調査役というポジションについてもらって、人材育成を積極的に進めているとのことであります。また、新宿区では、この手引き書の発行で取り組みが終わるのではなく、管理職層を対象として職務の手引き書や先輩たちの格闘した事例集などを第二弾、第三弾として作成する予定だとも聞いております。私は、今日、あらゆる組織において人材育成という仕事はその組織の存続をかけた、存亡をかけた大事業だと思います。自治体もその例外ではありません。そうした認識に立つならば、人材育成を当区のように人事担当の課長職の役割とし、実務を係長以下の職員が担当するような仕組みのままにしておいてよいとは到底思えません。ふさわしい資質や経験を持った人材を核に据え、組織を挙げて育成のプログラムや手引きなどをつくり上げ、それを活用することで戦略的に人材育成を進める必要があるのではないか。この課題に対する区長の考えをお伺いして、この項の質問を終わります。

 次に、非常勤職員についてお尋ねをいたします。非常勤職員の報酬や勤務に関する手続などを通じた適切な事務処理についてであります。

 職員2,000人体制の構築や区行政の高度専門化・複雑化に呼応して、まちづくりやIT分野など、経験豊富な職員や非常勤職員の活用がますます必要となっております。とりわけ、非常勤職員は、地方公務員法第3条3項3号に「臨時又は非常勤の顧問、参与、調査員、嘱託員及びこれらの者に準ずる者の職」として特別職の公務員に位置付けられております。これらの非常勤職員は、恒久的でない職または常時勤務することを必要としない職であり、かつ職業的公務員の職でない点において一般職に属する職と異なると言われております。また、中野区非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例では、報酬の額を原則1日を単位として、または、時間や月額を単位とする定めを設け、あわせて報酬の支払い方法、費用弁償及びその支給方法について規定しています。中野区に勤務する非常勤職員の勤務条件等に関する要綱では、任期、勤務時間、年次有給休暇等について規定しています。非常勤職員も、地方公務員法に定める特別職の公務員として、区の条例や要綱の定めに基づき勤務することになっています。近年、あらゆる分野の非常勤職員の報酬が条例等の定めと異なる支払い方法でなされたり、年次有給休暇の承認漏れ、誤った様式による旅行命令など、適正に欠ける事務処理が行われる例があったと伺っています。こうしたイロハのイと言える事務処理が誤っていたというのでは、話にもなりません。今回は、非常勤職員の報酬や勤務等に関し、基本的事務処理の一例として指摘をさせていただいたケースでありますが、仕事のための基礎知識を再確認し、適切な事務処理が円滑に行われるよう、全庁的な研修に力を注ぐとともに、条例や規則、要綱等に基づき適切に事務処理が行われているか改めて各部における検証が必要と考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 次に、指定管理者制度と業務委託についてお伺いをいたします。

 先ほどのコンパクトな区役所の質問と関連して、質の高い行政の実現と関連をして、区は一方で「民間にできることは民間に」を標榜し、民間活力を活用して、これまで区施設への指定管理者制度の導入や業務の委託化・民営化を進めてきました。平成15年の地方自治法の改正を受け、中野区の公の施設にかかわる指定管理者の指定手続に関する条例及び同事務処理要綱を定め、平成16年4月に二つの区立保育園への指定管理者制度の導入を皮切りに、かみさぎこぶし園やさつき寮などの福祉施設、もみじ山文化センター、中野体育館などの文化・スポーツ施設、また、区営住宅等多くの施設を指定管理者による管理運営に移行してきました。この間、平成20年度の事務監査、「公の施設の管理運営にかかわる指定管理者の指定手続について」の中で、制度運営の基本的な事項についてのガイドライン等の整備、指定管理者による管理運営状況の評価・公表などの検討課題が示されました。また、平成23年度財政援助団体等監査において、指定管理者制度について、「監査委員として、これまでの区の指定管理者制度に対する取り組みについて、統一的なルールとチェック機能の整備、指定管理者に対する具体的な指導・監督方法の確立、管理運営状況の評価と公表を求めてきた。しかしながら、今のところ、そうした取り組みが見られない。区の組織には、指定管理者制度の制度管理を中心となって積極的に行うところがなく、個々の所管対応となっている。特に、各指定管理者のサービス内容や管理業務について、統一的な評価基準に基づく優良な事項、改善が必要な事項などの評価・公表を行い、指定管理者制度の充実を図って、区民サービスの向上に生かされたい」として、運用や評価の統一的な指針づくりに早急に取り組むよう求めております。区として、監査委員によるこれらの指摘をどのように受けとめているのか、お尋ねをしたいと思います。また、現在の検討状況はどのようになっているのか、伺います。

 真に区民満足度の高い小さな区役所、コンパクトな区役所を目指しているのであれば、私としては政策室が中心となり、関係各部の協力を得ながら早急に取り組む必要があると考えますが、いつまでに運用や評価の統一的な指針などをお示しいただけるのでしょうか。お尋ねをいたします。

 次に、指定管理者制度と関連付けながら、業務委託についてお伺いをいたします。

 中野区では、地域活動支援業務や区民活動センター集会室受付業務、高齢者会館の施設維持管理・運営業務、教育センターの施設維持管理業務、学校給食調理業務、栄養業務、学童クラブの運営、社会福祉会館の管理など多くの施設管理、運営業務を民間等に委託しています。平成25年度からは学校用務・業務の委託も予定されておりまして、拡大の一途であります。

 ここで改めて指定管理者制度と業務委託の違いについて整理をしておきたいところでありますが、時間がありませんので、これはいたしません。

 おおむね指定管理者制度のほうが業務委託より、議会による監視・関与の目が多いことになることは皆さん御承知のとおりであります。また、指定管理者については、監査委員の直接の監査対象になるのに対し、業務委託事業者の場合は、委託元の部局の監査を通じて間接的なチェックの対象になるに過ぎないと聞いています。さらに、偽装人材派遣につながらないよう、現にその施設の管理運営に従事している従業員等への区の管理監督指導に大幅な制限が課せられていることも御承知のとおりであります。

 こうしたことから、業務委託については、これまで契約時点での仕様書作成に精力が注がれ、一たん委託されると事業者任せの傾向が強く、業務完了後の点検や達成ぐあいの把握等が形式的になっていたのではないでしょうか。業務の委託は、区が責任を負う事業について、より効果的・効率的に実施することをねらって行われるべきものであります。私は、こうした認識によれば、まず区として業務委託にかかわる仕様書の内容や業務報告書による委託目的の再点検、確認、業務の達成具合や委託のねらいの実現具合など、委託にかかわる評価、評価を踏まえた仕様書の見直し等、改めて全庁を挙げた取り組みが必要と考えますが、いかがでしょうか。お尋ねをいたします。

 続きまして、区民の健康を増進する施策についてお尋ねをいたします。

 これにつきましては、区長がさきに定例会の初日に施政方針の説明の中で触れていらっしゃる箇所が何点かございます。したがいまして、私のほうではあえて質問はいたしませんが、これは自由民主党議員団のほうから昨年暮れに区長あての要望書に盛り込んだ内容であります。これは、施政方針説明でも示されたように、健診制度の改善でありました。ついては、それはどのようなもので、区民にとって利便性が図れるものであるかは区長のほうからもう既に方針説明で説明がありましたが、今後、区が考えている方法によって受診率の向上が図れるのでしょうか。この点について伺っておきます。

 また、昨年の第3回定例会において、がんになる前にリスクを見つけ取り除くよう、新たな検査方法についてもお尋ねいたしましたが、これについてももう既に所信表明で述べていらっしゃいます。しかし、再度ここで確認をしておきますが、来年度の予算編成にこうした新たな検査法が盛り込まれていますが、これについての効果並びにこれによる受診率の向上に対してどのような方策をお考えなのか、伺いたいと存じます。

 また、我が会派から要望をいたしました歯科口腔保健の問題についても、同様に5歳児の歯科検診については施政方針説明の中で区長のほうから方針が述べられました。したがいまして、同様ではあるとは存じますが、乳幼児期における歯科検診のあり方、歯科口腔保健を推進する責務が新たに位置付けておられる現在、乳幼児期から高齢期まで、歯科口腔保健を推進する責務が新たに位置付けられていることを受けて、区として新たに取り組まれたこと、またあるいは取り組もうとするお考えを精査し、お答えいただきたいと存じます。

 いずれにしましても、健康福祉都市なかのの実現には区と区民、関係団体などの努力と協力によって、総合的な健康づくり対策を推し進めていかなければいけません。今後も区民の健康づくりを地域で協力し合い、実践していくための環境整備を区が率先して行い、医療費の持ち出しが減るよう、介護予防の実現に努めていただきたいと存じます。

 最後に、交通対策、特に、自転車安全対策等についての質問に移ります。

 昨年暮れの第4回定例会において、我が党の伊東しんじ政調会長より質問がありましたが、内容はこのようなものでありました。「自転車利用の適正化に向けた取り組みについて御説明をいただくとともに、自転車駐車対策協議会委員所属機関の取り組みへの参加・協力についてであります。警視庁管内で1位・2位の区内自転車関与交通事故率という不名誉な記録解消のため、警察、安全協議会、自転車商など、官民挙げて自転車安全利用5則を徹底させるための子どもや高齢者向けの自転車の乗り方教室実施とさらなるキャンペーンの強化を提案いたします。その御見解を伺ったところであります」。今のような内容で見解を伺ったんですね。最近、自転車の利用に関するマナーがニュースなどでも取り上げられ、話題となっております。先日の報道では、自転車利用に関して、悪質なルール違反者への講習の義務付けや道路の右側通行禁止など、道路交通法の改正に向け、警察庁が改正案を準備しているとのことであります。都内でも、中野区は、自転車が交通事故の当事者として関与する比率が都内の平均を1割以上も上回るような高い地域だと伺っております。自転車利用者に法令やマナーの遵守を徹底することで交通事故を減らし、交通安全を実現することは真剣に取り組むべき大きな課題であると考えます。中野区内における自転車が関与する交通事故の発生状況をお示しいただくとともに、こうした課題に区がどのように取り組んでいくのか、その見解をお尋ねしたいと存じます。

 また、交通安全のために積極的な啓発活動を行っておられる団体として、交通安全協会があります。中野及び野方の両協会は、それぞれ両警察署や地域住民の皆さんが連携して、日ごろから積極的に街頭キャンペーンや交通安全講習会の実施等さまざまな啓発活動に積極的に取り組んでいらっしゃいます。こうした交通安全のための活動に日ごろから御尽力をいただいている中野及び野方の両交通安全協会に対し、区が積極的に支援することは必要なことと考えます。先日の我が会派の予算要望の際にも、これも我が党から要望を行っておりますが、区は自転車の安全利用をさらに推進していくために、交通安全協会への支援等に関して、新たな取り組みを実施すべきと考えますが、見解をお伺いしたいと思います。

 その他の項はございません。

 最後になりましたが、先般の北朝鮮の核実験の実施に対しまして、我が党は12日付をもって、自由民主党は抗議の声明を出しました。これは今後またあってはならない、大変遺憾なことだと考えております。最後になりましたが、区長にも自治体の長として、このようなことが北朝鮮で行われたことについてどのようにお考えをお持ちなのかお尋ねをし、この質問のくくりといたします。

 御静聴ありがとうございました。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 市川議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、一番最後に御質問のありました北朝鮮の核実験の強行についてであります。

 施政方針説明でもお話をいたしましたように、区として北朝鮮に向けて抗議の意を強く表明をしたというところであります。東アジアの平和と安定、ひいては世界の平和と安定のために、関係各国が努力をしている。そうした各国の努力に対して、強く背く行為としての北朝鮮の核実験ということでございます。今後とも中野区として適切に態度表明を行っていきたいと、こう思っております。

 それから、質問の冒頭のほうに戻ります。政権交代後の区政運営についてということであります。民主党の3年余りの政権運営に対して、自治体の長としての立場からどう考えるかと、こういうことであります。

 財源的裏付けのないマニフェストを掲げ、またそれに固執し続けたこと。またさらに、沖縄の基地の問題、また原子力発電の問題などで思いつきの方針提示と、また簡単な前言撤回を繰り返すなど、国民の政治不信を招いたといったものと評価せざるを得ないと、こういうふうに思います。また、少子高齢化と人口減少の時代にある中で、税と社会保障の一体改革をうたいながら、社会保障の将来像を示すことができなかった。また、日本の経済成長のためのさまざまな改革の道筋を示すことができなかった。さらには、未曽有の被害をもたらした東日本大震災からの復興の取り組みも停滞したままと、こういったようなことで、国民生活や経済活動に先の見えない閉塞感を与えたといったようなことも言わざるを得ないのではないかと、このように思っております。

 自治体の運営に関しまして、こうした国政の停滞であるとか、あるいは国政の閉塞感、こうしたものが自治体運営をしていく中でもさまざまな不安要因、あるいは不安定要因として働いたということは否定できないのではないか、このように考えております。

 それから、中野区内の経済活性化についての決意、見解という御質問であります。景気回復と経済成長につきましては、国に期待するだけではなく、国民一人ひとり、また企業、自治体など、あらゆる責任主体が自立し、働き、新たな価値を生み出していく。そうした努力をすることが必要だと考えております。中野四季の都市(まち)には、今後も大手企業の進出や大学の開校が予定されております。こうした集積を最大に生かしながら、地域経済の活性化と魅力あるまちづくりを牽引していきたい、こう考えております。中野区が自立した自治体として将来にわたって持続・発展していくためには、今後さらに区役所・サンプラザ地区を含めた中野駅周辺や西武新宿線沿線などのまちづくりなどを進めるとともに、産業振興ビジョンや都市観光ビジョンに基づいて、体系的・戦略的な取り組みを進めていくことが肝要であると考えております。

 震災復興への意気込み、意欲についてということであります。震災復興は、私たち一人ひとりが我が事として受けとめ、国民全体の協働の中で取り組むべき重要な課題だと認識をしております。被災自治体への職員派遣につきましても、こうした認識のもと、区として積極的な取り組みを継続しております。被災地の皆さんが決して孤立することがないよう、今後も震災復興に力を尽くしてまいりたい、こう思っております。

 東北復興大祭典についてであります。昨年実施をした東北復興大祭典は、中野区としては初めての事業でありました。しかしながら、大勢の皆さんに御来場をいただき、成功をおさめたと評価をしております。この事業につきましては、被災地の皆さんとの連携を大切にし、震災復興に区民が協働して取り組んでいく。そうした意識啓発を行うという意味からも、大変重要な催しであると位置付けておりまして、来年度も実施をしていきたい、こう考えているところであります。

 東京オリンピック・パラリンピックの招致についてであります。オリンピック・パラリンピックは、スポーツを通じて世界じゅうの人々が交流し、ともに人間の可能性や人間性のすばらしさ、こうしたものを感じ、共感し、共有する、平和友好の大きな機会であります。世界の人々が注目し、集うこの夢の舞台であるオリンピック・パラリンピックを東京で開催するということは、日本の文化や技術、都市の魅力などを世界に発信するとともに、国民の気持ちを一つにし、新たな時代を切り開いていく大きなチャンスとなるものだと考えております。また、2020年のオリンピック・パラリンピックの東京招致を実現することは、震災時に国際社会が寄せてくれたさまざまな支援への感謝の思いをあらわすとともに、震災からの復興・再生により復活を果たす日本の姿を世界に向けて示す貴重な機会にもなると考えております。こうしたことから、引き続き東京オリンピック・パラリンピックの招致に向け、区としても取り組みを強めてまいりたいと、こう思っております。

 それから、区役所・サンプラザ地区再整備の施設配置についてであります。大変積極的で創造的な提案をいただいたところであります。区役所・サンプラザ地区再整備につきましては、新北口駅前広場との一体的な整備を進めていく考え方を持っております。こうした中で、従前の施設配置や街区構成にこだわらず、まさに次世代にわたる都市の骨格を形成するという100年後の中野のまちの骨格を展望するといった観点から、検討を進めているところであります。道路区域となります交通広場の上空活用についてといった御提案もありました。現行法上の制約はあるものの、こうしたことも含め、さまざまな可能性を検討して、まちの回遊性や利便性の向上につながり、防災性や安全性にもすぐれた最適な施設の配置を実現していきたい、こう考えております。

 北口改札の安全対策についてであります。区は、従前より北口改札の利用者増による混雑と危険性を懸念して、JR東日本に対して対応の申し入れを行ってきております。昨年11月にも改めて中野駅北口の安全確保について、文書によって要請を行ったところであります。JR東日本側からは、旅客の安全確保は鉄道事業者としての必須の責任であると認識している旨の回答を、口頭によって受けているところであります。区といたしましても、引き続きJR東日本に対して、中野駅の安全対策の強化、特に、北口周辺の混雑に対する対策を働きかけてまいります。

 西口開発整備促進の働きかけと駅ビルの協議状況についてであります。西側南北通路及び橋上駅舎西口改札の整備は、駅周辺の開発が進展する中、最優先で整備しなければならない、こう認識しております。平成26年度の都市計画手続に向けて、鋭意取り組んでいるところであります。この都市計画に当たっては、東京都や警視庁などとの協議のほか、JR東日本とは具体の事業化に向けた協議を行っているところであります。駅ビルに関しては、現時点ではJR東日本から具体的な内容は示されておりませんが、南北通路及び橋上駅舎の事業化に向けた協議の中で、次第にその考え方が明らかになっていくものと認識をしております。区といたしましては、まち全体の回遊性・活力・利便性の向上という観点から、JR東日本との協議を進めてまいります。

 歳入確保対策に関連して、中野の魅力向上と良好な住宅供給についての御質問がありました。中野四季の都市(まち)は、大規模なオープンスペースとともに、オフィスや商業、複数の大学などが共存する複合的なまちづくりであります。中野の新しい魅力を生み出す拠点として注目を集めているところでありまして、さまざまなメディアの取材や視察なども数多く受けてきております。昨年の情報誌や経済専門誌などでは、従来の住んでよかったまちといった評価に加えて、不動産のプロが住宅取得を考えている人に対して、ねらい目だというふうに断言するエリアとして最上位にランキングされるといったようなこともあるなど、中野のまちづくりの進展が中野のまちの評価に大きく影響していると、このように言われているところであります。一般の方々や住宅供給を担うデベロッパー等の評価も、こうした中で高まっていることが顕著にあらわれていると、このように認識しております。実際に、中野駅周辺では、新規の集合住宅の建設も活発になっております。まちづくりの進展とともに良好な住宅供給が促進することが、安定した税収増、自治体の持続可能性という観点でよい影響があることは間違いないものと考えております。

 企業立地が区財政に及ぼす影響についてであります。都区財政調整制度のもとでは、企業が納める法人住民税や固定資産税は調整財源でありまして、直接的に区の税収増となるものではありません。しかしながら、財調の需要額算定におきまして、事業所数でありますとか昼間人口といったことで算定する費目があります。こうしたことから、大企業の本社移転やそれに伴う関連会社の立地などによって、算定上プラスとなってまいります。また、地方消費税交付金におきましても、区内の人口と従業者数による算定となっているところで、企業立地は確実に区財政に寄与するものと言えます。

 中野四季の都市(まち)に位置するセントラルパークにおいては、1万人近くが就業し、さらに、ビジネス来街者の増加も見込まれるところであります。これらの人々がまちの中で消費することの影響として、経済波及効果による所得増を反映した区民税への影響も考えられます。中野駅周辺のまちを見回すと、既に周辺商店街のにぎわいが増し、マンションの立地もふえつつあるといったようなことから、業務拠点としての都市形成は長期的に見ても持続的な区政運営につながるものと確信をしているところであります。

 それから、コンパクトな区役所で質の高い行政を実現することについての質問であります。事業部制の実績評価と今後の改善発展についてであります。前回の目標体系の見直しと大幅な組織改正、これについては、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)、これを効率的・効果的に実現して、区の財政力に対応した区政運営を行うことを目的としたものであります。中野駅周辺まちづくりをはじめ地域での支えあいの取り組みなど、主要プロジェクトが着実に推進されていると、このように考えております。事業部制でありますが、事業部制については、事業実施や人事にかかわる権限を各部に移譲し、部長や部の職員が責任を持って成果を上げることで、組織の強化と職員の成長を目指しているものであります。この事業部制は、目標と成果による区政運営を進めていく上で必要な体制でありまして、PDCAサイクルによる見直しによって社会経済情勢の変化にも機動的に対応できていると考えております。事業部制は、区政目標のもと、各部長がみずからの権限と責任において効率的な業務執行を行うことができる組織でありまして、的確に区民ニーズに応える区政を推進する上で重要な役割を担っているということであります。御質問の中では、事業部制でありながら、経営本部が予算、人員などに対して提案や査定を行うということの矛盾といったような御質問もありましたが、部をまたがる政策課題や部をまたがるさまざまな政策的な調整、あるいは新たな取り組み等々について、本部の立場から積極的に活動していくということも区政運営全体の中では必要なことであり、事業部制の効率的な運営という中でも重要な役割を果たしているものと、このように考えております。また、事業部制は、職務の中で、職員の自主性や政策立案能力を育てることのできる仕組みというねらいも大きな要素しております。今後は事業部制を中心に人が育つ組織づくりという面をより重視してまいりたいと考えております。

 この人が育つ組織風土の醸成についてという御質問もありました。区の人材育成は、みずからが設定した目標を目指して、上司の指導・援助を受けながら問題解決や目標達成をするという目標と成果によく管理のもと、仕事の中で職員を育てることを基本に、区全体の人材育成ビジョンをもとに、各部が人材育成計画をつくり、日々の業務遂行を通じ、人を育てているものであります。また、組織の中で成果を上げる行動特性を分析・体系化したコンピテンシーモデルによりまして、職員自身がみずからの個性と得意分野を生かした伸びるための仕組みとしての人材マネジメントをより一層進めるため、研修体系の大幅な見直しを行うとともに、エキスパート職員認定制度など新たな人事制度を導入し、人材育成と組織の活性化の実現を図っているところであります。これらの取り組みによって、区が目指す人が育つ組織への実現へ動き出していると考えておりますが、今後ともそれぞれの効果を検証し、必要な改善を加えながら、職員の質を高める人材育成の取り組みを推進してまいりたいと考えております。

 内部統制の取り組みについてであります。行政監理会議において、不適切な会計処理や事務処理ミスについて、その原因、理由や対策を検証し、庁内での共有を進めて、ミスの再発防止に努めているところであります。危機管理・内部統制研修を実施し意識の向上を図るとともに、各部ごとにリスクの抽出・分析・評価を実施し、マニュアルの整備など対策が進んできております。会計事務につきましては、審査担当者を新たに設置し、チェック体制を強化いたしました。また、システムによるチェックの仕組みについても検討を進めているところであります。

 発生主義会計の取り組みについてですが、発生主義会計の取り組みでは、平成21年度決算より、総務省方式改定モデルに準拠して財務書類を作成し、土地、売却可能資産、道路橋梁、備品と順次固定資産台帳の整備を進めてまいりました。平成25年度におきましては、建物、工作物など残るすべての固定資産について台帳を整備することとしております。これによりまして、財務書類の精度が高まるとともに、コスト分析等に役立てることが可能になってまいります。

 それから、職員の研修と心得についての御質問であります。新宿区の「基本のき」という文書についての御質問でありました。私も取り寄せて、よく読んでみたところであります。各項目によって記述の密度が多少ばらつきがあるといったようなことは感じたものの、実際に仕事を行っている職員がさまざまにみずからの経験と、またそれぞれの学習の中から基本となる文献をつくり上げたというものとして、私は大変評価をしているところであります。中野区におきましても、文書、契約、予算など、職員が実務に当たる上で必要となる事項については、各種の手引きやマニュアルを発行して、活用をしているところであります。新宿区の手引き書については、そうした要素に加えて、能力開発の際のテキストにも活用できるといったものになっておりまして、中野区としても今後こうしたテキストの開発ということについて研究していきたいと考えております。

 それから、経験豊かな職員を職員育成に活用するのはどうかと、こういった御質問であります。経験豊富な管理職OBを人材育成に活用することは、一つの手だてとして可能性があると考えております。人材の確保のあり方なども含め、研究してまいりたいと思います。

 それから、非常勤職員についての御質問であります。適正に欠ける事務処理が行われた。このことについての検証等についての御質問であります。不適切な事務処理につきましては、各部において原因を分析・検証を行っておりますほか、全庁的に取り組むべき事例につきましては、さきに設けました行政監理会議での検証、また、事務職マニュアルの全庁共有化などによって、再発防止に取り組んでいるところであります。なお、御質問にありました事例についても、検証を行いました。妥当性が疑われるような業務処理について適正化を行ったほか、担当職員に指導するとともに、当該業務のみならず、関連類似の業務についても点検と関係法令の周知徹底を図ったところであります。

 それから、指定管理者制度と業務委託についての御質問でありました。指定管理者の制度を活用しております公の施設、ここで行われております事業や施設運営などについての評価のマニュアルであるとか、そういった統一的な基準をつくっていく。そういったことについて、現在検討を行っているところであります。指定管理者によっております公の施設は、施設の種類が多岐に及んでおりますので、どこの部分で共通の評価基準をつくっていくのか。また、個々の事業運営の効果について、それぞれ別にまた行政評価という形での評価も必要となる。そういったようなことから、統一マニュアルといったようなことについて現在検討を行っておりまして、できるだけ早い時期に作成し、公表できるようにしてまいりたい、このように考えております。

 それから、業務委託についてですが、委託した業務が適正に履行されているかどうかにつきましては、各事業所管において毎月の業務報告書や実地調査等によって確認をしているところであります。また、学校給食調理業務や学童クラブ運営業務など、複数年にわたって継続性が求められる業務につきましては、契約更新の可否を決定する際に、委託の目的がきちんと果たされているのかという観点で、受託事業者が行った業務の履行状況の評価を実施しております。業務の委託に当たりましては、履行状況の評価や利用者の満足度調査の結果等を考慮するとともに、法律改正や国・都の制度変更、そして社会状況の変化等も見据えて、常に業務内容の見直しを行っているところであります。今後とも良好な区民サービスを効果的かつ効率的に提供することができるよう、引き続き実施をしていきたいと、こう考えております。

 それから、区民の健康を増進する施策についての質問です。健診制度の改善についてであります。平成25年度に予定しております健診制度の改善内容としては、健診実施期間の延長、また、受診券方式への変更、それから、乳がん検診のマンモグラフィ検査の医療機関等への委託、また、国保特定健診、長寿健診において、住民税非課税者を対象とする自己負担金免除制度の導入などを考えております。これによる効果としましては、受診期間の延長で受診機会が拡大できる。また、受診券方式への変更によりまして、複数の健診の全体像が把握しやすいようになりまして、申し込みがしやすくなるということがあります。また、マンモグラフィでは、エックス線技師が原則として女性となるといったようなことから、受診しやすくなるということがあると思います。また、自己負担金免除の制度を導入することによりまして、これまでよりも大勢の方が受診していただけるのではないか。これらのことから、利便性や受診率の向上が図れると、こう考えております。

 それから、新たな検査方法についてであります。新たな検査方法として、がんそのものの兆候を見つける検査ではなくて、がんのリスクを見つけるための新たな検査法として、胃がんハイリスク診査のための経費を今回の予算では計上させていただきました。胃がんハイリスク検査は、血液検査によってヘリコバクターピロリ菌の感染の有無と胃の萎縮度合いを判定することによって、将来的な胃がん発症のリスクを評価し、胃がんの発症予防や早期発見といった医療、自己管理につなげるものであります。40歳から75歳の5歳節目の方を対象として、5年間にわたって実施をしております。比較的簡単に受診ができるということ。また、自己管理につなげやすいというようなことから、効果を期待しております。

 それから、歯科口腔保健の推進であります。平成24年7月に中野区摂食・嚥下機能支援推進協議会を設置し、医療、介護、その他の関係する職の委員によって、食べたり飲み込んだりすることに障害のある区民を適切に支援するための体制づくりについて協議を行っております。来年度には要介護者の自宅を歯科医師及び歯科衛生士が訪問して口腔ケアを行い、御本人や御家族に口腔内管理の必要性や重要性を認識してもらうための要介護者訪問口腔ケア体験事業を実施いたします。また、子どもに関しましては、乳幼児期と比べまして学齢期に入ると虫歯の罹患率が高くなるという現状があります。こうした状況を踏まえ、新たな取り組みとして、乳幼児期から学齢期に移行する5歳児を対象に、歯科医での健診の実施を行います。これによりまして、かかりつけ医と十分に相談ができる環境を確保し、子どものころから歯を大切にする意識の向上を図り、口腔の健康について増進を図ってまいりたいと、こう考えております。

 次に、交通対策、特に自転車の安全対策についてであります。平成23年のデータでは、東京都全体の交通事故発生件数は5万1,477件、うち自転車が関係する事故は1万9,209件でした。事故全体に占める自転車の関与率は37.3%であります。一方、区内でありますが、区内での交通事故発生件数は816件であります。これは、この件数そのものは23区中で21位でありますから、人口が同規模の区と比較しても少ない件数と言ってよいと評価をしております。しかしながら、自転車の関与率になりますと、自転車が関係した事故の件数は395件、比率にして48.4%。都全体が37.3%でありますから、約1割上回っていると、こういうことになっております。

 こうした状況を踏まえて、警察、交通安全協会、地域の皆さんと連携協力の上、駅頭でのキャンペーン活動や子ども向けの交通安全教室、さらには、新年度の新たな取り組みとして、一般向けの自転車安全利用講習会を実施するなど、さまざまな事業に積極的に取り組むことで、自転車の事故を減らしてまいりたいと考えております。

 交通安全協会への支援についてであります。中野及び野方の両交通安全協会が日ごろから取り組んでいただいております交通安全のためのさまざまな啓発活動は、交通事故から区民を守るため大変有益な活動であると、こう考えております。両交通安全協会が来年度の新たな取り組みとして、小学生や高齢者を対象に実施をいたします自転車の安全利用講習会の際に、自転車安全運転宣言シールといったものを交付できるよう、その作成経費について区が助成することを考えております。今後も警察署、交通安全協会と緊密に連携をし、一体となって交通事故のない安全で安心なまちの実現に向け、取り組んでまいりたいと考えております。以上であります。

    〔市川みのる議員登壇〕

○35番(市川みのる) るるありますが、ちょっと1点だけね。震災復興、自民党が政権公約を昨年暮れの衆議院選挙で示しました。冊子がありました。表紙が安倍晋三総裁の顔であります。ページを開くと、まず「復興」と書いてありました。まず復興がある。その姿を中野区から発信しましょうというのは、とても大事なことだと思います。職員の派遣もあります。しかし、先ほど私が紹介いたしました東北復興大祭典があります。そのことについて、今後、区長は、新年度どのようにお考えをお持ちなのかということを尋ねました。そうしたら今、答弁で、ことしも昨年同様に行いますという答弁をいただきました。私たちがいただきたいのは、これをやはり風化させてはいけない。3.11を風化させてはいけない。これがやはり私たちの望みなんです。阪神・淡路大震災、今からもう随分前にありました。私たちも現地に視察に行きました。大きな教訓も得ました。しかしながら、阪神・淡路大震災は風化しつつあります。そこから得た教訓は、たくさんあります。でも、今、3.11を考えたときに、我が国のエネルギー政策の大きな転換を求められるほどの大きな転換期を迎える。そのような天災であったと私たちは思っております。その時に当たって、この東北復興大祭典、このような催しが、例えば高円寺は阿波踊り、阿佐ヶ谷が七夕なんて言っているけれども、中野はねぶたと言われるぐらいに、中野が常に、にぎわいフェスタもしかりです。中野通り桜まつりもしかりであります。何においても東北から目を離さない。そういった強い意思を持って、意識を持って、この東北復興大祭典に臨んでいただきたいと思っております。これは、長い時間がかかると思います。復興まで、きっと2020年の東京オリンピック招致が決定したとしても、そのときに向けてあと7年かけてもまだ復興は果たせないと思います。10年、いや20年かかるかもしれない。東京オリンピックがあったとき、あの大東亜戦争、あれ終戦後19年目にして実現をしました。そこで見事に日本は蘇りました。それほどの長い年数をかけて、東北はきっと蘇ると思います。でも、まだ今はがれきの山。今まだ、避難先に暮らしていらっしゃる方はたくさんいらっしゃる。現地においても、仮設住宅で、私たちのような暖かい部屋でこの冬は過ごせない。そういったような生活を強いられている人たちに、私たちはいつも目を向けているんだという気持ちが私は大切であると思います。そういった意識を持って、これを今後毎年、毎年続けていくんだ。そして、中野で行われるそういった各種のイベントについては、必ずその東北の被災3県の、それからまた、我が国の今後のあり方のあるべき姿について目を向けているんだというようなイベントになっていただきたいと私どもは願っているんです。そういった強い気持ちで臨んでいただきたいという意味で聞いたんですが、区長の答えは、ことしもやります程度でしたね。やっぱり今後の抱負、それから思いというものをもう一度質問させていただきます。

    〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 再質問にお答えいたします。

 東北復興大祭典ですが、この催しというものを私ども中野区と、それから、東北の地にあって、被災地と隣接をしておりますけれども、比較的被害の大きくなかった青森県の皆さんとが一緒になってこの催しを実現しようというふうに心を合わせて動き始めた。このことの意義は大変大きいと思います。被災3県を孤立させることなく、国民全体の復興に向けた願いをともにする協働の行動としての東北復興大祭典として実施ができたということであります。来年度、25年度につきましては、青森県だけではなくて、山形県や秋田県の皆さんからも参加・御協力が得られる。そうした方向で今お話を進めているところであります。まさに、東北6県への広がりと、このようになりました。東北の皆さんと中野区の私どもが力を合わせ、心を合わせて、日本、この復興に向けて、東日本大震災の復興に向けて行動をしていくということは、大変大きな意義があることだと思っておりますし、より効果のある大きな催しにできるものと、このように考えております。

 東北復興への道のり、まだまだ時間がかかるものと、こう考えておりますので、こうした取り組みにつきましても、再質問にありましたように、息の長い取り組みとして取り組み続けてまいりたい、このように考えております。

○議長(大内しんご) 以上で、市川みのる議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 やながわ 妙 子

 1 区長の所信表明について

 2 教育行政について

 3 防災対策について

 4 子育て支援について

 5 男女平等施策について

 6 その他

 

○議長(大内しんご) 次に、やながわ妙子議員。

     〔やながわ妙子議員登壇〕

○37番(やながわ妙子) 平成25年度第1回定例会に当たり、公明党区議団の立場から一般質問をさせていただきます。

 質問は通告順に行います。

 初めに、区長の所信表明について伺います。

 まず、東アジアの情勢と中野区の取り組みについて伺います。

 政権交代後のことし1月、公明党の山口那津男代表が訪中し、習近平中国共産党総書記と直接会見しました。会見は1時間10分に及び、今後、両国のハイレベルの会談の場を設定していくことで合意しました。日中関係がこれまでになく悪化してきている中、私はこうした困難な状況にあるときこそ、両国の首脳同士が同じテーブルについて率直に意見交換していくことが必要と考えておりました。そうした意味で、今回の山口代表の訪中は、両国の関係の修復に向けて大きな一歩になったと思いますが、田中区長の率直な感想を伺います。

 中野区は、中国の北京市西城区とソウル特別市陽川区と友好交流関係を結んでいます。区長は所信で「国家間の関係に要らざる容喙をすることなく、幅広く関係改善の一助として自治体交流ができることは何か、西城区や陽川区とも話し合っていきたい」と述べています。私もそのとおりだと思います。今後、西城区や陽川区と具体的にどういった交流を進めていこうと考えているのか、お考えをお聞かせください。

 次に、財政運営について伺います。

 区長は、施政方針の中で平成25年度予算案について触れ、「厳しい財政状況下にあることを踏まえ、区政運営のPDCAサイクルの中で事業の見直しに取り組み、15億円余りの財政効果を生み出したほか、職員2,000人体制に向けた取り組みや起債や基金の適切な活用を行った」と述べています。基金の適切な活用については、公明党区議団は、昨年の予算特別委員会総括質疑において基金の運用について取り上げ、その中で中野刑務所跡地防災公園建設基金について、当面工事の予定がないものとして活用策の提案をしてまいりました。その後、この基金の廃止と有効活用は事業見直しの中で検討され、その結果、25年度予算案において残高10億円余りが今後の学校施設の改築のために義務教育施設整備基金に積み立てられることになり、まさに生きた基金として蘇り、また、一定の財政効果があったものと考えています。

 こうした事業執行の効率性を高めるための見直し、改善は不断に行っていくべきものでありますが、区民サービスを削減するような見直しはもう限界に来ていると思います。今後は、区民サービスの観点から、こうした対応も限定的に対応するべきと考えています。区長の施政方針の中にも、「歳入の不足が続くと見直しでは追いつかない。そこで行うのが基金の取り崩しである」と財政運営上の基金の重要性を述べておりますが、一方で、「基金には限りがあります」とも述べています。平成25年度予算案において、財政調整基金は40億円、特定目的基金は減債基金や土地開発公社への貸付金のためのまちづくり基金の取り崩しなどを除くと16億円余りを事業のために取り崩すことになります。仮に、今回基金の取り崩しを行わなかった場合、25年度の予算編成にどういった影響が想定されたのでしょうか。また、今後の財政運営を考えたとき、歳入増への取り組みに加え、基金の積み立てにも十分配慮すべきと考えますが、あわせて区長の御見解をお伺いします。

 次に、新たなまちづくりについて伺います。

 区長は、施政方針の中で新たなまちづくりについて、「産業分野としてICT、コンテンツ関連産業とライフサポートビジネスを想定している」と述べています。具体的にどう進めていこうとされているのか、区長の御見解を伺います。こうした民間の動きについては、私も大きな期待を寄せていますが、しかし、ただ民間に任せているだけではいけないと思います。四季の都市(まち)への大学や企業の進出などは産業振興という点だけではなく、福祉や子育て、教育や健康、あるいはボランティアなど、さまざまな面での連携・協力した取り組みが期待されます。中野区としても積極的にかかわり、支援を具体化していくべきです。そのためにも、まずはこれらの橋渡しやコーディネートを一元的に担って進めていく専門セクションを新たにつくるべきだと考えますが、区長の御見解を伺います。

 区長は、ことしの新年会で「大学や企業が開設されることで、新たに2万人を超える人が中野に集まる」と話されていました。区長のお話を伺って、私は、その数割でも中野区に住んでもらえるような検討をする必要があると考えています。2万人の中から一定の人に中野区に住んでもらうことについて、区長の御見解とその方策についてお考えを伺います。

 こうした人々に中野区に住んでもらうためには、さまざまな工夫をすることが不可欠です。先日、テレビで「5万円で住める住宅」といったキャッチフレーズでおもしろい番組がありました。3万円で住めるとか、2万円で住める、あるいはシェアハウス等、中野区も新たな住宅情報を提供する形なども考えられると思いますが、いかがでしょうか。こうした安い家賃の住宅情報を街中のディスプレイなど、実際に目に見える、注目するアピールなど、関係団体や民間の力を活用・連携してどんどん発信する。さらに、安くておいしいし食べ物の情報などもあわせて行うなどすることによって、多くの人に中野区に住んでもらうようにするべきではないかと思います。2万人のうち10%に当たる2,000人がもし中野区に住んでもらうことができれば、住宅費や食費、あるいは生活費が少なからず中野区に落ちることになり、その経済効果は大きいと思います。中野区への定住策は今後重要です。今後、整備を予定しているデジタルサイネージからも情報発信することで、定住策を促進すべきと思いますが、いかがでしょうか。

 また、都市観光についても、区長は「中野のまちを訪れる人々に、中野で楽しく充実した時間を過ごしてもらうためのさまざまな仕掛けを構想した」と述べています。そこで、私から提案したいと思います。区長がよく「住みたくなるまち中野」を口にしますが、中央線等から降りてみたくなるまち中野を考えることも重要です。中野駅周辺でイルミネーションを活用して、「おやっ」と思うようなまちの姿を考えてみてはいかがでしょうか。あるいは、区内の学生さんたちの提案をどんどん出してもらって、取り組むものもいいのではないかと思います。中央線を利用する人は、毎日65万人います。中野に何かありそうだ、ちょっと降りて歩いてみようと思ってもらえるのではないかと思います。「ちょっと降りてみたくなるまち中野」のまちをつくることについて、区長のお考えを伺います。

 さらに、もう一つつけ加えたいと思います。この際、思い切って「飲んでみたくなるまち中野」をイメージしてはいかがでしょうか。かつて、人が集まるところには必ず酒場がある。まちづくりの成り立ちの初めの一歩は酒場という話を聞いたことがあります。今、中野区観光協会では、グルメマップとかナイトマップを作成しています。飲み物のまち、山手線の恵比寿駅に行けばビールが飲めるといったイメージが定着しています。中野にキリンの本社機能があることを機会に、「飲んでみたくなるまち中野」について、民間企業とも自由にアイデアを出し合える環境をつくってみてはいかがでしょうか。区長のお考えを伺います。

 次に、教育行政について2点伺います。

 まず、特別支援教育の充実について伺います。

 昨年の12月5日、文部科学省の調査で、公立小・中学校の通常学級において、発達障害の可能性のある子どもが6.5%いることがわかりました。10年前の調査では6.3%でした。わずかですが、増加傾向を示しています。35人学級として、クラスに二人はいることになります。また、支援の状況調査を見ると、障害のある子どもの約4割については何も支援を受けていないこともわかりました。まず、区の現状と、また、こうした状況について、区としてどのように対応しているのか、伺います。

 最近、私は、通常学級に在籍している発達障害を持つ親御さんから相談を何件か受けました。支援のあり方や介助員のかかわり方に担任と校長先生との理解にずれがあり、そのことが親御さんにとって深刻な問題に発展している例があります。現在、中野区では、通常の学級に在籍する発達障害の可能性のあるお子さんの特別な支援のために介助員を設置しています。しかし、現状から見て、十分な対応ができているとは思われません。私は、発達障害のあるお子さんを理解するための、まず介助員の研修が必要だと思っています。現在、どのように対応されているのでしょうか。また、今後、どのように充実する予定なのか伺います。

 特別支援学級担任の専門性を向上させることも、大事な支援の柱となります。近年、障害のある子どもたちの障害の多様性、重複化などにより、特別支援学校教諭の免許状の取得が望ましいと考えられています。文科省中央教育審議会の報告の中では、特別支援学級や通級による指導の担当教員については、「専門的な研修の受講等により担当教員としての専門性を早急に担保するとともに、その後も研修を通じた専門性の向上を図ることが必要である」とあります。中野区は、特別支援学校教員免許状を持つ教員の保有率は低いと聞いております。専門性向上のための方策として、特別支援学校教諭免許状の取得に向けた教育委員会としてのバックアップが必要ではないかと思います。また、研修体制の整備が早急に図られることも必要と思いますが、教育委員会のお考えを伺います。

 校長先生に対する支援について伺います。設置校、未設置校にかかわらず、特別支援教育スキルの有無が特別支援教育を大きく左右します。平成19年4月1日付の当時の文科省の特別支援教育の推進についての局長通知には、校長の責務が明確に提示されています。校長は、特別支援教育に関する学校経営が、特別な支援を必要とする子どもたちの将来に大きな影響を及ぼすことを深く自覚し、常に認識を新たにして取り組んでいくことが重要であると述べられています。しかし、私は最近、各学校の校長の特別支援教育に対する温度差があることを心配しております。特別支援教育をめぐる現状に多くの課題が山積している今だからこそ、校長のリーダーシップとマネジメントが重要だと思っています。教育委員会として校長のリーダーシップをどのように発揮させていくか、支援をどのように行おうとされているのか、お聞かせください。

 東京都は、特別支援教育推進計画で、すべての学校における特別支援教室の設置を目指して、平成16年度から推進しています。平成23年度から25年度までの3カ年の第3次実施計画をさらに延長して平成28年度までとし、特別支援教室構想の一つとして、すべての学校に通級指導教室を設置するとしました。この計画の中に、二つの指導パターンがあります。一つは、これまでのように子どもが通級してくるパターン。そしてもう一つは、子どもの在籍校に教師が出向いて指導するパターンを計画しています。既にモデル事業として実施している自治体もあります。中野区は、実施に向けてどのような構想をお持ちなのか、お聞かせください。

 次に、中教審が提案するインクルーシブ教育システムの構築について伺います。

 インクルーシブ教育システムは、同じ場所でともに学ぶことを追求するとともに、個別の教育的ニーズのある子どもたちに対して、自立と社会参加を見据えて、その時点で教育ニーズに最も的確に応える指導を提供するものです。このことは、障害者の権利に関する条約や改正障害者基本法、さらには、小学校・中学校学習指導要領の中でも「交流及び共同学習の充実は重要である」と言われています。すべての子どもの自立と社会参加を目指し、さらに一歩進めた社会貢献できる子どもの育成に、交流及び共同学習が担う役割は大きいと考えます。また、特別支援学級未設置校の子どもたちに対しても、特別支援学校との副籍交流やスクールクラスターとしての設置校との交流が重要と考えています。中野区の小・中学校の特別支援学級設置校の交流及び共同学習の実態や未設置校での実情はどのようになっているのか、お聞かせ願います。今後の中野区の特別支援教育はどのような方向を目指しているのか、教育委員会の御見解を伺います。

 次に、学校におけるアレルギー対策について伺います。

 昨年12月20日、調布市立の小学校で、給食に出されたチーズ入りチヂミを食べた小学校5年生の女子児童がアレルギーによるショック症状、いわゆるアナフィラキシーショックにより死亡するといった大変痛ましい事故が起こりました。学校は、常に給食も含めて、児童・生徒にとって安全で安心できる居場所であることが求められています。私は、アレルギー対応については以前一般質問させていただきましたが、改めてこの事故をケーススタディとして生かし、他山の石として二度とこのような事故が起こらないような体制づくりを早急に進めていくべきと考えています。今回の事故を教育委員会としてはどのようにとらえているのでしょうか、伺います。また、事故から学ぶためには、まずその状況を正確に把握することが必要であると思います。マスコミの報道でもさまざま伝えられているところですが、この小学校での当該児童のアレルギーの把握状況や給食の対策はどのようにされていたのか。教育委員会が把握している範囲でお答えください。

 私は、これらのことをきちんと検証することによって、同じような事故が中野区内の学校で起きることがないよう、対策を講じておく必要があると思います。中野区では、児童・生徒のアレルギー、特に食物アレルギーの実態をどのように把握されているのでしょうか、伺います。また、児童・生徒が食物アレルギーによるアナフィラキシーショック状態になった場合、緊急的に自己注射液エピペンという補助治療剤を使用することが必要となりますが、そういった対応が必要な児童・生徒は何人ぐらいいるのでしょうか。エピペンを30分以内に打てるかどうかで生死が分かれる場合があります。今回の調布の事例では、学校側が打つタイミングがおくれたことが指摘されています。こうした事態が起こった際に、教職員がエピペンを注射することが認められています。しかし、いざ使用するとなると、医療従事者でない教職員が注射を打つという行為に対して、抵抗感や判断ミスに対する恐怖感が起きると思います。実際に、意識を失いかけている児童・生徒を前にして、エピペンの使用をちゅうちょしないで冷静な判断と行動がとれるような教職員向けのエピペン注射の使用実習も含めたアレルギー対応の研修会を開催するべきだと考えます。その際、医師会との連携は不可欠です。お考えをお聞かせください。

 また、学校現場だけではありません。保育園、幼稚園に通園している区内の幼児に対してはどのような対策を講じているのでしょうか。伺います。

 こうした事故を防ぐためには、安全が確保された給食提供のシステムが必要です。中野区では、給食への対応をどのようにお考えなのでしょうか。具体的にお聞かせ願います。献立を作成し、食品の成分について一番よく知っているのは、学校の栄養士さんだと思います。食物アレルギーをお持ちの児童・生徒への対応について、栄養士さんは保護者や担任の先生とどのような連携をとっているのでしょうか。中野区の小・中学校は、栄養業務と調理業務を業者委託していますが、業者への指示・指導、さらには学校と調理員の連携はどのようになっているのでしょうか。移動教室や修学旅行等、児童・生徒が学校を離れて、いわゆる校外学習を受ける場合もあります。こうした際の対応はどのようになっているのでしょうか。今回の事故を受けて、教育委員会としてどのような対応をとられたのか。また、学校現場へはどのような指導を行ったのか。お聞かせ願います。

 食物アレルギーのある児童・生徒も、そうでない子どもたちも、すべてが安心して楽しく給食を食べることができるように、今後も学校と行政が一丸となってお取り組みいただくことを願って、この項の質問は終わります。

 次に、防災対策について伺います。

 東日本大震災から間もなく2年になります。公明党は、発災以来、現地視察を何度も重ねるとともに、さまざまな提案をしてまいります。本会議や総括質疑などで提案した項目は143を超えています。これらの提案は、被災地への支援だけではなく、地域防災計画にも大きく反映されています。いつ起きてもおかしくない首都直下型地震が発生した場合、木造住宅密集地域が多い中野区では、火災の延焼による被害が心配されています。東京都は、木造住宅密集地域の不燃化対策のために、10年プロジェクトを推進しています。この中で、昨年8月、中野区の弥生町三丁目地域が対策の先行実施地区に選定されました。現在、区は、東京都との間で具体的な実施プログラムを策定していると思いますが、どういう内容になるのでしょうか。中野区が主体者になって取り組む必要が重要だと考えますが、区としての考え方とその内容を明らかにすべきではないでしょうか。

 弥生町三丁目地区を含め、都内12地区が先行実施地区に選定されましたが、東京都はさらに50カ所程度、地域を指定するとも聞いています。弥生町三丁目以外にも区内には木造住宅密集地域があります。さらに、地域の指定についても積極的に働きかけるべきと考えますが、御見解を伺います。

 次に、ヘルプカードの活用について伺います。

 東日本大震災において多くの被害者を出したのは、障害を持つ要援護者であったと伺います。災害時において聴覚障害者の方々の困難さは大変なものであったという教訓から、昨年、私は3定でヘルプカードの導入を提案し、区長から前向きの答弁がありました。ヘルプカードについて、東京都は、取り組みを進める自治体に10分の10の補助をするとしています。東京都が補助するヘルプカードは具体的にどういうものか、お聞かせください。

 このヘルプカードは、日常的に役立つことは当然として、災害時にも大変役に立つと思います。災害は、昼間だけには限らず、夜間に発災する場合もあり、その際、電気がとまる場合もあり、真っ暗闇の中でもヘルプカードが効果的に活用できることが求められています。最近、この対策として、長時間発光する蓄光材を使用する方法があると聞いています。こうした技術なども活用して、災害時に力を発揮するカードを検討することが必要だと考えますが、お考えを伺います。

 さらに、この蓄光材はいろいろな活用も可能ではないかと思います。例えば、消火器に塗っておけば、街路灯など照明が消えても、すぐ見つけられます。防災対策の一環として蓄光材や反射板など、区民の目にとまりやすい形にすることによって、減災の効果があると考えますが、お考えを伺って、この項の質問は終わります。

 次に、子育て支援について伺います。

 区は、これまでにも保育園の待機児の解消をすべく、さまざまな保育サービスの対応を進めてきています。その中で、民間の力を活用して保育を充実させることについては、他の区に先駆けて取り組んでいることを評価したいと思います。これまでも区立保育園を民営化し、10カ所の民間保育園が新たに立ち上がっています。サービス内容の充実など、民間の創意工夫を生かした運営が進められており、区民の満足度も高まっていると認識しています。今後も区と民間とのパートナーシップによって、ともに中野の保育の向上に努めなければならないと思いますが、これまでの民の力による保育の充実についてどのように評価しているのでしょうか、伺います。

 今後も増加する保育需要を十分に予測し、それに見合った保育の充実をさせていく必要があると思います。民の力をさらに活用し、従来の手法にとどまらず、中野区の状況に合った新たな手法も積極的に取り入れて、一刻も早期に待機状況を解消することが必要だと思います。区は、今年度から新たな手法として民間のNPO法人によるグループ型の家庭的保育事業を開始し、来年度も拡充をしていくということですが、このような小規模、省スペースな保育事業は場所の確保が難しい中野区に合った取り組みであると思います。一方、都では、来年度省スペースかつ短時間で開設可能な小規模保育に着目した新しい保育形態として、東京スマート保育という6人から19人の小規模保育への補助制度を新設します。この保育はどのような形態になるのでしょうか。中野区においても、この制度の活用を検討すべきではないでしょうか。お考えを伺います。

 一方、地域に目を向けると、区内にも比較的に待機児の多いとされる南中野地域では、これまでに認証保育所の新設や区立弥生保育園の分園開設など対策を進めてきましたが、待機児対策のために開設した区立弥生保育園の分園は、南中野区民活動センターの建設開始までの間の緊急的、時限的な施設となっています。南中野地域の保育需要は、さらに増加していると聞いています。この分園が閉鎖されると、現在在園中の30人の子どもたちへの対応と、もともとある保育需要を合わせると、ますます待機児がふえることが懸念されます。今後の保育需要の増加も踏まえた対策として、区立弥生保育園分園の閉鎖時にあわせ、定員の余裕のある保育施設を新設することが必要です。民間の力を生かし、区の未利用地などを活用して、この地域の保育を充実させていく必要があると思います。地域にとって喫緊な課題です。区の御見解を伺います。

 次に、男女平等施策について伺います。

 区では、事業見直しの結果、昭和59年に他の区に先駆けて設置した男女共同参画センター、旧女性会館を庁内に移転するとしています。まず、センターが果たしてきた役割はどのようなものなのか、確認しておきたいと思います。少子高齢化の中で、現役で働く世代が減少するなど、持続可能なまちをつくる上でも、女性がこれまで以上に幅広く社会に参画し、その能力を遺憾なく発揮していくことの重要性については区長も施政方針の中で触れていましたが、男女共同参画社会の実現は、そのための不可欠な条件です。今後ますます重要となる取り組みであります。センターがこれまで果たしてきた役割や機能は、庁内に移転後も当然に継続されるべきものと考えていますが、いかがでしょうか。センターの移転が、間違っても区の姿勢の後退として区民に誤解されることがあってはなりません。そのためにも、センターは来庁される多くの区民の方々の目にとまる場所にしっかりと設置すべきです。今まで一度も男女共同参画センターに立ち寄ったことがない区民でも、来庁した折には気軽にパンフレットを手に取り、質問できる体制をつくることが男女共同参画社会実現促進のためには必要です。庁内移転を契機として、男女共同参画センターを庁内各部・各分野間の総合調整を行う機能を充実させるべきであると思います。センターが庁内全体を調整しながら、男女共同基本計画を着実に推進していく役割を負っていると考えますが、区長の御見解を伺います。

 最後に、暴力のないまちづくりについて伺います。

 DV、ドメスティック・バイオレンスは、最近よく耳にする言葉です。これは大人や夫婦の間だけのことではありません。若い男女間の交際時のいわゆるデートDVが問題となっています。デートDVは、結婚していない男女間での身体、言葉、態度による暴力のことです。DVの低年齢化が懸念されています。増加する子どもの虐待問題も深刻です。高齢者、障害者への虐待は著しい人権侵害であり、決して許されるものではありません。最近、マスコミが取り上げているものに、学校やスポーツ界での体罰もあり、パワー・ハラスメントとしての暴力が問題になっております。子どもたちが身近な大人から暴力を学ぶことがないよう、家庭・地域から暴力をなくさなければなりません。児童虐待、DV、家庭内や親密な関係性の中で起こる暴力を根絶しなければなりません。この問題について、区民の関心を喚起し、暴力による人権侵害を絶対に許さない社会意思の醸成が極めて重要であると思います。男女共同参画センターを庁内に移転する今だからこそ、関係機関と連携をとり合い、総合的なキャンペーンが可能になると思います。暴力や虐待のない、安心と安全のまちづくりに取り組むべきです。総合的な取り組みとして、暴力根絶に向けたメッセージを発信してみてはいかがと思います。さらに、「暴力のないまち中野」を目指し、宣言をしてみてはいかがでしょうか。区長の御見解を伺って、すべての質問を終わります。御静聴大変にありがとうございました。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) やながわ議員の御質問にお答えをいたします。

 東アジア情勢と中野区の取り組みについてであります。日中両国間の関係改善は、どちらの国にとっても、経済や環境などさまざま大きなメリットがあるということは自明のことだと思っております。そのためには、日中両国政府による節度ある話し合いが必要であると、このように考えます。私も、日本国政府に対して、毅然とした態度と同時に、幅広いチャンネルをつくっていくことを求めていきたい、このように考えております。今回の山口代表の訪中には意義がある、このように考えているところであります。

 それから、西城区や陽川区との今後の交流についてであります。国家間の関係改善について、幅広い交流チャンネルが機能することが重要でありまして、自治体間の交流もその一つだと考えております。両国間の関係に要らざる容喙をすることなく、区民、自治体レベルでの交流で何ができるのか。こうしたことについて、今後、両区との間で具体的に話し合いを進めていきたい、このように考えております。

 財政運営についてであります。財政運営と基金の積み立てについて。平成25年度一般会計予算案において、基金の繰り入れを行わないとすれば、歳入と歳出が均衡せず、そのままでは予算が編成できない状況になるわけであります。仮に、基金の繰り入れを行わずに、できる範囲で予算を編成するとすれば、計画的に進めてきた投資的事業やさまざまな区民サービスの見送り、あるいは規模の縮小なども行わざるを得ないことになります。こうした事態にならないよう、今後とも歳入歳出を基準とする一般財源規模に近付ける取り組みを進めるとともに、投資的事業の着実な実施等に向けて、計画的な基金の積み立てを行っていく考えであります。

 重点産業の振興についてであります。ICTコンテンツ関連産業集積等の促進策といたしましては、民間の事業共同体に活用・運営していただく産業振興拠点を開設することを一つの柱としております。民間の専門性を生かした主体的な活動によって、区内産業振興の促進に資する拠点としていきたいと、このように考えております。こうした活動と相乗効果が発揮できるよう、補助制度なども構築し、公民協働して進めてまいりたいと考えております。

 ライフサポート関連産業の振興については、健康、医療、介護、子育てなどの社会的課題の解決に資するサービスを提供するビジネスの創出を促進するため、事業者や福祉団体、大学など、関係者間での情報共有や先進事例研究などを行う勉強会のような仕組みをつくることを考えております。こうした場を通じて、地域ニーズやビジネスの可能性をつかみ、必要なビジネスが生まれていく場としていきたいと考えております。

 このほか、こうした事業分野も含め、どこでも相談に乗れる、経営相談に応じることのできるどこでも出張相談や産業経済融資での優遇利子制度の新設、それから、ビジネスフェアへの出展補助の拡充などによりまして、これら重点産業の振興を促してまいります。

 四季の都市(まち)に進出する企業・大学との連携について、連携窓口についてであります。四季の都市(まち)へ進出する大学や企業との連携は、さまざまな分野における中野の発展可能性を秘めているものと考えております。このため、区といたしましても、産業都市振興やエリアマネジメントなどで関係性の深い都市政策推進室を連携の窓口として一元的な対応を図っていくこととしているところであります。

 それから、定住策の発信についてであります。新たに中野区で働き、学ぶことになる人々の区内への定住というのは、中野四季の都市(まち)が中野のまちにもたらしてくれるインパクトを生かす上からも必要なことと認識をしているところであります。こうした方たちの定住を促進するためにも、デジタルサイネージなどを活用した情報発信といったようなことに今後取り組めるよう検討していきたいと、こう考えております。

 それから、「降りてみたくなるまち中野」のまちをつくることについてであります。電車などの交通機関を利用して中野を通過する人々が、中野の地域に興味を持ち、降りて、歩いてみたいと思ってもらえるためには、まちの魅力そのものを向上させるとともに、効果的に発信していくことが大切だと考えております。このためには、中野の文化・商業・娯楽・サービスなどさまざまな地域資源を発掘し、これに磨きをかけて、魅力的に発信していくことなどによって、区のイメージのさらなる向上を図ることが重要であると考えております。都市観光推進の取り組みなど、さまざまな施策を進めてまいりたいと考えております。

 それから、「飲んでみたくなるまち中野」をイメージしてみることについてであります。キリングループの中野四季の都市(まち)への進出の決定によって、特に、中野駅周辺の商店街などを中心に、飲食を通じた商業振興への機運の高まりが見られるところであります。今後、都市観光推進にかかわる産学公の参画による交流会の開催等を通じ、さまざまなまちのイメージを活用した観光振興策など情報交換を進めていくこととしております。飲食についても意識をして行ってまいりたいと考えております。

 それから、アレルギー対応について、保育園、幼稚園についての関連についてお答えをいたします。

 保育園につきましては、入園時の面談等によって確認を行って、個別対応表を作成して、事故防止を含め、不測の事態に備えております。区立幼稚園においても、同様の対応をしております。アナフィラキシー補助治療薬の園での投与についてでありますが、主治医の指示があれば、例外的に預かりを実施しております。そういった際には、園内の学習会等を実施した上で、対応をしております。

 次に、防災対策、不燃化10年プロジェクトについてであります。不燃化特区実施のプログラムの内容についてでありますが、先行実施地区に選定された弥生町三丁目周辺地区の整備プログラムにつきまして、現在、作成を進めているところであります。整備プログラムは、地区の現状と課題、整備目標と整備方針、事業の概要、整備スケジュールなどが内容となってまいります。弥生町三丁目周辺地区のまちづくりは、不燃建築物への建てかえ誘導、それから、避難経路ネットワークの整備、それから、地区計画の策定、これらを基本としております。地域の合意形成を進めて、積極的に防災まちづくりの実施を図っていく考えであります。

 また、先行実施地区に選定されております弥生町三丁目周辺地区以外でも、積極的に不燃化特区の活用を図るべきではないかという御質問もありました。中野区では、平和の森でありますとか南台地区などで防災まちづくりを進めておりますが、特に、今回、東京都が特定整備路線として道路の拡幅事業を実施することを決めてくれた大和町中央通りを含む大和町地区について、その東京都の道路拡幅事業を生かしながら、地域全体の面的な防災まちづくりを進めていくために、不燃化特区の活用も視野に入れて、積極的に検討を進めてまいりたい、こう考えております。

 それから、ヘルプカードの活用についてであります。都が補助するヘルプカードの概要ですが、ヘルプカードは障害のある方などが携帯して、災害時や緊急時など必要な支援や配慮を周囲の方々に伝えるカードであります。東京都がガイドラインを作成し、都内全域での普及を図るために統一デザインを定め、表面に記載する文字やマークを指定しております。カードの裏面については、障害のある方が障害特性に応じて必要な情報を記載できるようにするなど、各区市町村が検討することとされております。こうした東京都のガイドラインに沿って作成されたヘルプカードが補助の対象となります。区といたしましては、平成25年度にヘルプカードを作成し、障害のある方に配付する予定であります。

 蓄光材を活用してはどうかということであります。ヘルプカードは、災害時においても有効に機能することが望ましいと考えております。蓄光材について、どのような形で活用ができるのか。また、効果、費用などを勘案しながら、検討を進めてまいります。また、街頭消火器など、そういったさまざまな場面での蓄光材の活用などについても、防災対策という観点から検討してまいりたいと考えております。

 それから、子育て支援についての質問であります。民間による保育の充実の成果についてです。区は、平成15年度から、他区に先駆けて区立保育園の民営化を実施するなど、民間の力を生かした保育サービスの充実に努めてきたところであります。これまでの間、民間の創意工夫によって、延長保育の実施など、利用者のニーズに合ったサービスを実施してきておりまして、利用者の満足度調査でも高い評価を得ております。そうした意味で、成果を上げていると認識をしております。今後も民間の力を活用し、保育サービスを充実させていくことは、保育園の待機ゼロ対策の柱であり、区と民間の協働によって実現させてまいりたいと考えております。

 いわゆる東京スマート保育制度の活用についてであります。(仮称)小規模保育整備促進支援事業、通称いわゆる東京スマート保育は、小規模保育に対する補助の新制度であります。平成27年度に施行予定の子ども子育て支援法に規定されております小規模保育事業へ移行するまでの2年間限定の制度であると聞いております。区の小規模事業としては、今年度から実施している複数の家庭的保育者が一つの場所で保育を行うグループ型家庭的保育事業があります。グループ型家庭的保育事業については、広いスペースの確保が難しい区の状況で、待機の大半を占めるゼロ歳児から2歳児の保育を充実させる上で有効な施策であると考えておりまして、来年度も拡充を予定しております。この東京スマート保育、この制度内容について、補助要綱等詳細が明らかになるのを待って、この活用についても検討してまいりたいと考えております。

 それから、南中野地域の保育の充実についてであります。南中野地域の保育の需要につきましては、これまでも時限的に区立弥生保育園の分園の開設などによって対応を図ってきたところでありますが、現在でも定員の拡充を上回る需要が生じております。今後、さらに保育需要が増加する予測があることを踏まえると、現在の弥生保育園分園よりも定員に余裕のある施設を新設することが必要と考えております。保育園の新設に当たっては、一定の規模の土地が必要となるため、区立のみなみ保育園と隣接した公園拡張予定地を活用して、民間保育園を公募によって新設、誘致して、保育の需要に応えていきたい、こう考えております。

 男女共同参画センターの役割についてであります。男女共同参画センターは、男女共同参画社会の実現のための区民の拠点施設として、情報発信や区民の活動支援、相談事業等を行ってきたところであります。こうした役割や機能は、本庁舎に立地することになったとしても、当然に継続するものであります。本庁舎の目につきやすい、区民の方から認識していただきやすい場所に立地をさせていきたい、こう考えているところであります。

 また、男女共同参画社会の実現は全庁的な課題であり、庁内移転後は各事業部との連携をこれまで以上に強化して、男女共同参画基本計画の推進などに取り組んでまいりたい、こう考えております。

 それから、暴力根絶キャンペーンについてであります。これまでもドメスティック・バイオレンス、DV防止連絡会を設けて、関係機関を含めた取り組みを行ってきたところでありますが、さらに、虐待防止などとも関連付けた啓発キャンペーンについても取り組んでまいりたいと考えております。配偶者による暴力や虐待については、防止のための具体的な取り組みの強化が必要と考えております。効果的な啓発なども重要と考えておりますが、宣言といったことの実施について、その内容や効果などについて研究してまいりたい、こう考えております。

 私からは以上です。

      〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 教育行政について、初めに、特別支援教育についての御質問です。発達障害のある子どもへの支援ということです。

 区立小・中学校に在籍し、発達障害の可能性がある児童・生徒で、個別指導計画を作成している割合は、国の推計値とほぼ同程度の割合となっております。区は、発達障害の児童・生徒について、通級指導学級で指導を行うほか、通常の学級においては、臨床心理士の資格を持った相談員などの支援スタッフが、児童・生徒の状況や授業の様子などを把握しながら、その子に合った支援方法や指導方法などについて教員に助言等を行って対応してございます。

 次に、介助員や特別支援学級担任の研修と今後の充実についての御質問でした。常時学校に配置している介助員に対しては、年に1回、障害への理解を深め、介助に必要な知識・スキルを身につけるための研修を実施しております。発達障害のある児童・生徒がふえる中、介助等の支援が必要な児童・生徒に対して適切な支援が行えるよう対応していきたいと考えています。また、特別支援学級に配属された教員全体のスキルアップに力を注いでいるところでもございます。特別支援学級の設置校の学校長や担任で構成する特別支援教育研究協議会を設置し、障害への理解と指導力の向上を図るための研究活動を支援しています。さらに、特別支援コーディネーター研修会や連絡会を開催し、専門性を持った教員の育成を図っているところでございます。こうした取り組みを通して、特別支援教諭免許の取得に向けた勧奨等を行っていきます。さらに、特別支援学級以外の学級担任についても、特別支援教育についての研修を実施するほか、校内での特別支援教育実施体制の中で、校長を含め、理解と指導力の強化を進めています。

 次に、学校長のリーダーシップ発揮に対する支援の御質問です。平成22年、23年度の2カ年にわたって、校長を対象にした学校経営研修会において、特別支援教育をテーマとして研究に取り組みました。特別支援教育を推進する上で、校長の理解と行動は重要であり、今後も校長に対して必要な研修を行ってまいります。

 次に、特別支援教室設置に向けた構想についてです。平成24年1月にまとめた中野区立小中学校における特別支援教育推進のための方針の中で、各小中学校に特別支援教室を確保し、個別、または少人数での専門的な指導を行うとともに、各学校に指導員が巡回して指導を行っていくことを明らかにしました。巡回指導員の育成やモデル校における巡回指導の実施を行い、平成28年度から全校で特別支援教室の運営と巡回指導を実施することを考えてございます。現在、特別支援学級設置校の校長、指導主事等で構成する検討委員会を設け、巡回指導の指導体制や指導方法、拠点となる情緒障害等特別支援学級のあり方などについて検討を進めてございます。

 次に、交流及び共同学習の実情についての御質問がございました。特別支援学級を設置する小学校においては、多くの学校で給食や学校行事を通した交流及び共同学習を実施しております。移動教室や社会科見学など校外学習、班活動、登校班、鼓笛隊などの活動を通した交流及び共同学習を行っている学校もございます。また、中学校においても、朝会や集会、行事、遠足、修学旅行を通した交流及び共同学習を行っております。特別支援学級未設置校におきましては、都立中野特別支援学校との交流を行っている小学校もございます。また、中野特別支援学校や都立永福学園など、都立の特別支援学校に在籍する児童・生徒のうち29人が、住んでいる地域の小・中学校にも籍を置く副籍制度を利用してございます。この制度による交流及び共同学習も行われてございます。

 最後に、今後の中野区の特別支援教育の方向性についてです。各学校における特別支援教室の運営と巡回指導の実施により、発達障害のある児童・生徒に対する重層的な支援を推進していきたいと考えています。各学校で障害の特性に応じてより適切で効果的な指導・支援が行われるよう、臨床心理士の資格を持った相談員等支援スタッフを活用し、校長や担任等への助言ともに、巡回指導員への支援も行ってまいります。また、子ども家庭支援センターやすこやか福祉センターと学校との連携を図り、支援が必要な子どもの将来を見据え、就学前から学校卒業まで途切れることなく、一貫して支援が行われる体制づくりを目指し、進めてまいります。

 2番目として、学校におけるアレルギー対応の御質問がございました。調布市の事故をどのようにとらえているかということです。事故発生の詳しい経緯や原因について、調布市が事故検証委員会を発足させ、検証中でございます。小学校5年生の児童が給食を食べた後に体調不良を訴え、搬送中の病院でアナフィラキシーショックの疑いで亡くなったと聞いています。報道によりますと、亡くなった児童は食物アレルギーで、アナフィラキシー補助薬を携行しており、給食については原因物質を除去して提供する対応をしていたが、おかわりをした際に誤って原因物質を食べてしまったとされてございます。

 次に、児童・生徒のアレルギーの実態把握です。児童のアレルギーについては、小学校入学前に実施する就学時健康診断の際に問診表等で確認を行い、小・中学校の入学時には保護者から書面で申告をしてもらい、アレルギーの有無や原因物質等の把握をしています。食物アレルギーにより給食で対応が必要な児童・生徒については、これらの情報をもとに、給食開始までに保護者と面談を行い、保護者と必要な対応等を確認しています。除去食による対応を行う場合は、医師の診断書等を添付した除去給食申請書により、具体的な除去食品や調理方法、留意事項などを確認して対応しています。

 アナフィラキシー補助治療薬を使用する児童・生徒数です。これにつきましては、小学校5校で9人が在籍をしています。これについての研修会を積極的に開催すべきということでした。アナフィラキシー補助治療薬を携行する児童が在籍する学校においては、原則として毎年使用実習を含めた対応の研修を実施してございます。本年度についても、全校で年度内に実施する予定でございます。各学校には、アレルギーに関する研修及び実技訓練を年1回以上実施するよう通知をしています。今後、各学校の学校医と連絡をとりながら、医師会の協力を得て、研修を実施してまいります。

 次に、栄養士の対応です。現在、教育委員会でまとめた学校給食における食物アレルギーへの対応マニュアルに従って、各学校で除去食等による給食提供を行っています。除去食による給食提供を行う場合、保護者からの除去給食申請書をもとに担任、栄養職員を交えて保護者と面談を行っています。除去食の実施方法につきましては、栄養職員が保護者と相談の上、決定する体制をとっています。また、栄養業務委託対象校におきましては、委託の栄養士が栄養職員と同様の対応を行っています。栄養業務の受託業者は区のマニュアルに従った対応を行っており、職員が定期的に巡回する中で、状況の確認を行っています。調理業務につきましても、除去食について調理員が、各学校の栄養職員が毎日作成する手配表を確認して業務を行っています。安全確認を確保しながら実施しています。校外学習につきましても、給食と同様の対応を行っておりまして、事前に保護者に献立及び原因食材の除去等の方法を確認の上、食事の提供を行っています。

 最後に、今回の事故を受けて教育委員会がとった対応です。事故直後の12月21日付で、各学校に対して文書で注意喚起を行いました。アレルギー疾患への対応につきましては、1月11日付で学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインに基づいた安全確認の徹底・対応等を必要とする児童・生徒への確認や研修などについて通知を行いました。今後、文部科学省が作成した学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインが提示する学校生活管理指導表の活用により、校内における対応を図ってまいりたいと考えております。

○議長(大内しんご) 以上でやながわ妙子議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

      午後3時25分休憩

 

      午後3時45分開議

○副議長(久保りか) 会議を再開いたします。

 この際、申し上げます。

 議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 岩 永 しほ子

 1 区長の政治姿勢と新年度予算案について

  (1)所信表明と政治姿勢について

  (2)新年度予算案について

  (3)その他

 2 災害対策について

 3 教育行政について

  (1)学校再編計画(第2次)案について

  (2)少人数学級について

  (3)図書館(学校、区立)施策について

  (4)その他

 4 区内事業振興について

 5 弥生町三丁目の不燃化特区について

 6 その他

 

○副議長(久保りか) 岩永しほ子議員。

     〔岩永しほ子議員登壇〕

○42番(岩永しほ子) 2013年第1回定例区議会本会議におきまして、日本共産党議員団を代表して一般質問を行います。

 区長の政治姿勢と新年度予算案について。まず、所信表明と政治姿勢についてお尋ねをいたします。

 区長の所信表明は、「政権交代が素早く効果をあらわし、デフレ克服と景気対策、そして、成長戦略は大いに歓迎すべき」とたたえています。昨年末の総選挙で復活した自民・公明政権は、デフレ克服、TPPや原発、沖縄の基地問題など、解決の道を示すことができません。デフレ不況からの脱却では、大胆な金融緩和として打ち出された2%物価目標は、期待感から株価は上がったものの、実体経済の最善に結びつかず、雇用の安定と賃金引き上げで内需を活発にする具体性に欠けていると経済学者や経済専門家は指摘しています。厚労省の労働経済白書は、「労働者の所得の増加が消費の増加を通じて日本経済の活性化につながるという、日本経済のマクロの好循環を取り戻すことが必要」と述べています。首相は、日本共産党の国会質問で、企業に賃上げ協力を要請すると答弁し、12日に経済界に協力要請をされました。働く人の所得減がデフレの最大要因であり、デフレからの脱却は雇用を拡大し、国民の所得をふやすことです。区長の見解をお聞きします。

 安倍首相の機動的な財政政策の柱は公共事業、成長戦略の柱は規制緩和です。今までも、景気回復と取り組んだ公共事業で借金を膨らませ、国債残高は700兆円にもなるのに、国内総生産は20年前と変わりません。小泉内閣時代に推進した規制緩和は、派遣労働者を急増させ、格差問題を大きくしました。働く人の平均給与年額は1997年をピークに2011年までには66万円も下がっています。一方、資本金10億円以上の企業の経常利益は1.6倍になり、内部留保は260兆円です。日本共産党の国会質問に対し、財務相は、企業は、巨大な内部留保を賃金や配当、設備投資に回さず、ため込んできた。安倍首相は、内部留保を賃金に使うことが、ひいては企業の収益につながると答弁。収益が上がっても、働く人の所得につながらず、そうした結果が内部留保になっていることを認めています。内部留保の活用は、避けられません。区長は、内部留保の活用は、企業活動の縮小を余儀なくし、経営破綻をおそれる企業もふえるとの見解でした。今回の政府対応とは違います。改めて見解を伺います。

 当議員団は、11月末に9万枚の区民アンケートを配付し、1,200人から回答が寄せられました。前年に比べ負担がふえたとの回答は7割に上り、年金でこんなに税や保険料を払うことになるとは思っていなかったという声が多数ありました。区政課題に対する回答数の多かった順では、国保料や医療費引き下げ、特養ホーム増設、介護保険料・利用料引き下げ、耐震対策の拡充、待機児解消となり、それぞれ5割前後になっています。区への期待が強く示されています。国保料や介護保険料の引き下げ、特養ホーム増設、木造住宅耐震補強助成、認可保育園増設など、区の姿勢で取り組めます。こうした区民に応える姿勢が求められているのではないでしょうか。見解をお聞きします。

 区民に対し、「社会が向き合っている限界をみずからの問題として、国が何かしてくれるのを待つのではなく努力すべき」と述べています。それでは、区民の努力が実を結ぶ区政運営がなされているでしょうか。自治基本条例では、「区民の多様な参加を保障し、区民の意思に基づく決定と運営を行うことを区政の基本とし、執行機関は行政運営における公平性及び公正性を確保し、区民の権利及び利益を保護しなければならない」と定めています。ところが、2010年度以降、住み続けられる中野を展望して、区民が自主的・主体的に活動と努力をしてきた拠点である消費者センター、環境リサイクルプラザ、地域センター、男女共同参画センター、高齢者福祉センターと多くの区民施設が廃止され、施設の廃止にとどまらず、区民の自主的・主体的活動を疲弊させています。区の責任と役割を縮小し、区民を区政の主権者ではなく客と扱うことで、区民との協働を回避しているのは区長ではありませんか。お答えください。

 北朝鮮の核開発に抗議文を送られたことは評価いたします。北朝鮮の核開発と核実験は、地域の平和と安定への危険な逆行です。対話のテーブルにつけるため、中国を含めて一致した実効ある制裁が必要です。区長は、東アジアの情勢は、世界全体にとって大きな不安定要因にあるため、国が毅然とした態度をとることを強く望んでおられます。毅然とした態度は、平和的解決の姿勢で臨むのか、一層緊張を高めて軍事的解決の方向で臨むのかによって、日本の進む道が違ってきます。また、他のアジア諸国との関係強化が重要と指摘されました。東南アジアでは、1986年に東南アジア友好協力条約を締結し、内政不干渉、紛争の平和的手段による解決、武力による威嚇の禁止と武力行為の放棄などを約束している地域です。区長が「交流のチャンネルを多様に生かした関係改善の努力が必要であり有効」と述べておられるように、また、自治体間交流を図るという姿勢を示されているように、日本はアジアの一員として軍事的な緊張関係を高めるのではなく、平和的な外交力を発揮して解決に臨むことです。見解をお聞きします。

 次に、この項で、新年度予算案についてお尋ねをいたします。

 新年度予算案では、健診費用の負担軽減に踏み切ったこと。認可保育所と認可園分園増設、避難所物資の拡充を盛り込んだこと。また、女性の乳がんは16人に一人とこの20年間で2倍にふえており、検診の拡充などは私たちの要求でもあり、評価します。乳がんは発見が早く、診断と適切な治療が行われることで治癒率、生存率が高くなっていることからも、自己チェック表でリスクを知り、生活習慣を見直すなど、意識啓発に取り組むことも重要です。

 一方、5,000円の障害者福祉手当2種を65歳以上は半額にしながら、事業見直しでも、経常経費見直しでも温存されているのは開発関連経費です。中野駅周辺地区整備に2,500万円以上を増額し、駅周辺だけでもハード・ソフト合わせて1億円以上となっています。結局、新年度予算案も開発優先と言わざるを得ません。厳しい財政状況といって、区民へのセーフティネットを後退させる一方で、中野駅周辺開発関連の聖域扱い、これは見直すべきです。お答えください。

 区長会は、21年度以降、都区財調の基準財政需要額を臨時的圧縮してきました。今日までの総額は23区で2,000億円もの減少を許したことになると言われています。財調財源を圧縮した分の財源対策をしなければならなくなったのですから、需要額の臨時的圧縮ではなく、必要な都区間配分の割合を変更することを求めるべきでした。25年度の財調協議では、臨時的圧縮の扱いはどうしましたか。伺います。

 所信表明では、「基金の取り崩しを見込んだが、基金には限りがある」と相変わらずの主張を繰り返しています。基金の取り崩しは将来の不足につながると言いながら、毎年度当初予算と決算値は大きく異なり、積み増しを繰り返しています。区は、一般財源650億円に見合う歳出を行おうと経常経費削減を強行しています。例えば、就学援助のように財調財源でほぼ充当される事業を縮小するなど、到底納得できません。物価や自然増の要素を含めても、その範囲でしか福祉、教育、生活関連事業を予算化しないのでは、区民に犠牲を転嫁することになります。経常経費の節減といって、区民のセーフティネットにまで切り込む削減をやめ、財産費を別枠にしたり、剰余金を全額積み立てる中野ルールを改め、特定財源も含め財政運営のルールに立ち返るべきです。見解をお聞きします。

 さて、厚労省は、来年度から子宮頸がん、ヒブ、小児肺炎球菌の3ワクチンを定期予防接種に加えることを決定しました。実施内容は検討中だと思いますが、区民の混乱や抑制にならず、円滑な運営が必要です。また、ワクチン接種と妊婦健診は基金による国庫補助が行われていましたが、新年度からは普通交付税対応になります。25年度の財調協議では想定できなかったことです。新たな財源を確保すべく都と協議することを求めます。見解をお聞きします。

 今月15日に行われた区長会において、4月から国保料を大幅に値上げする案が確認されたと報道されました。旧ただし書きに移行したことに伴う経過措置を廃止し、新たに住民税非課税世帯に2年間の軽減策を行うとしています。それによると、23区で対象者は47万人から11万人に減ります。中野では1万6,000人が3,000人に減ると聞いています。均等割は1,200円値上がります。年金世帯、年収500万円以下の給与所得4人世帯など、負担増が襲いかかる保険料引き上げは中止すべきです。所得が減り、払いたくても払えない保険料の滞納に拍車がかかります。国民皆保険制度を維持するためにも、払える保険料にすることが求められます。そのためにも国と都に財政措置を求めることです。改めて見解をお聞きします。

 教育費の軽減として実施されている就学援助は、憲法第26条、教育基本法第3条、学校教育法第19条を根拠に実施されています。認定基準は、生活保護基準により算出しています。その倍率は23区でもそれぞれですが、中野区は1.2倍でした。しかし、事業の見直しによって、今年度から生活保護基準1.15倍へと引き下がりました。収入基準を引き下げたため認定されなかった世帯があり、教育費の負担が家計を圧迫します。23年度区内の認定割合は、小学校23%、中学校31%を占め、年々ふえています。都政新報の調べでは、23区で中野より基準が上回るところは20区あります。生活保護の扶助基準の何を含むかによって、就学援助の認定基準が変わりますが、財源は特別区交付金によっておおよそ措置されています。中野区の認定基準の算定に含まれていない児童養育加算を加え、教育費の軽減を図ることを求めます。お答えください。

 次に、災害対策についてお尋ねいたします。

 都は、新年度予算案で非構造部材耐震化の支援に85億円計上しました。学校体育館や校舎の天井材、照明器具の落下防止工事など、小・中学校及び幼稚園で活用できます。区は、新年度に学校窓ガラス飛散防止工事を予算化しました。非構造部材の調査を行い、必要な対策をすべきです。お答えください。

 学校再編に伴う避難所確保について、「近隣で活用できる施設などを確保する」と答弁されています。地域を見回しても、校庭ほどの広さがある地域はどこにあるでしょうか。防災倉庫確保、拠点医療救護所の確保など、具体的に示すべきです。お答えください。

 いざという時、避難生活に必要な仮設住宅が速やかに供給されるため、国交省は、1都8県と協議を始めました。仮説住宅の建設は都が責任を持ち、被災情報を得て供給することになっています。区は、建設予定地を定め、情報提供することになっています。東日本大震災での仮説住宅供給では、自治体による違いがありました。東京都の対策を待つだけでなく、区としても迅速な対応ができるよう検討しておくことが大事です。見解をお聞きします。

 3番目、教育行政について。まず、学校再編計画(第2次)案についてお尋ねします。

 区教委は、学校再編第2次計画を3月には策定しようとしていますが、区民合意はなく、問題は残されたままです。例えば、平和の森小へと統合される際、校庭が学校施設基準以下になることが問題になりましたが、新しい学校ができるまでの我慢だと無理やり計画を推進しました。そのため、平和の森小は狭い校庭で、運動会は事故が起きないよう工夫していますが、正常ではありません。さらに、ことし4月1日見込み児童数は581人となり、設置基準では校庭5,810平米必要となるところ、3,690平米しかないまま子どもたちは卒業してしまいます。平和の森小の新築計画は2019年開校予定となり、おくれにおくれています。子どもたちへの責任はだれが取るのですか。よりよい教育環境にはほど遠く、地域・保護者の声を無視して強行し、子どもたちを振り回した、見通しに無理な統合であったと反省すべきではありませんか。お答えください。

 第2次再編計画案は、小中連携のため、通学区域を変更することを打ち出しています。再編や通学区域変更によって、児童・生徒数がふえる学校の大規模改修は、基本的に校舎が広くなることは考えにくく、区の児童・生徒の推計値をもとに計算してみました。すると、再編によって桃園小、神明小、十中、それから新しく中学校になる若宮小が、通学区域変更によって谷戸小、二中がそれぞれ校庭が基準以下の不適合になりました。北中野中は、通学区域を変更することで、現在の12学級が10学級になり、小規模化しないよう、通学区域を再検討してほしいとの意見が出されています。教育委員会は、適正規模の範囲内だから問題ではないと言います。であるならば、現在適正規模の神明小は、わざわざ新山小の通学区域を半分にしてまで統合しなくてもよいことになります。1月18日に行われた教育委員と区民の意見交換会でも、地域で行われた意見交換会でも、前期で東中野小をなくされ、2次計画で三中までなくさないで。新山小をなぜ半分に分けるのかなど、学校再編の見直しを求める声が出されています。区教委は、小規模校解消の根拠を中央教育審議会の小・中学校の設置運営のあり方などに関する作業部会資料を引用しているだけで、中野区の学校や子どもたちの特色、現状から語っていません。全体のために必要な計画と繰り返すばかりです。基準以下になる校庭の学校を生み出し、区民の合意が成り立っていないまま計画策定を強行するべきではありません。スケジュールを含め、再検討をすべきです。お答えください。

 次に、少人数学級について伺います。文科省は、子どもと正面から向き合うための新たな教職員定数改善改革案を固め、新年度から5年間で中3までの35人学級を推進しようとし、予算要求をしていましたが、自公政権はその計画を見送りました。教育条件整備の後退にほかなりません。そうした中、都教委は、少人数の効果が顕著にあらわれていると評価し、今年度の小学1年・2年の35人学級に加え、新年度は予定どおり中1ギャップ教員加配を決定しました。2月4日付日本教育新聞は、「教育環境の整備では、1学級あたりの児童・生徒数を減らし、教職員数を増員することも極めて影響が大きい。財務省と文科省は引き続き定数改善の話し合いをすることを合意している」と報道しています。文科省の検討会議がまとめた報告は、「かつてないほど学級担任の負担は増大している」と指摘している上、全国知事会、全国市長会などからも「子どもたち一人ひとりにしっかりと向き合った生徒指導を行うためには必要不可欠」と定数改善の要望が出されています。区教委としても、少人数学級を国に求めていただきたい。お答えください。

 次に、図書館についてお尋ねします。国は、24年度から5年間で学校図書館図書標準の達成を目指す財政措置をしました。学校図書館担当職員の配置の財源措置も含まれています。残念ながら、区は不交付団体のため、この措置は活用できません。しかし、おくれている図書標準の達成は急がれます。また、人的配置は重要な役割を発揮します。23区では、学校図書館への指導員配置実施は中野が最初でした。全国に誇る教育活動の大きな成果を上げてきました。今日では、各区でも人的配置が進み、勤務時間は週5日間、1日5時間の区もあります。こうしたことに加え、荒川区では、二人の担当職員を配置して学校図書館支援室を開設しています。中野区の学校図書館指導員は、週16時間の勤務です。さらに、学校教育の活発化と充実のため、またスキルアップのため、指導員の勤務日数や時間数をふやすことを求めます。見解をお聞きします。

 ことし4月から、区立図書館全館を一括して民間指定管理者に委託されます。受託事業者の司書率は6割とのことで、現在7割の司書がいる図書館では下がってしまうことになります。また、中野区の図書館活動を経験した人たちがいなくなるのは問題です。区の図書館業務要求水準書では、「学校との連携は、情報拠点として有効に機能するよう運営すること」としか示されていません。これでは学校図書館との連携や研修などを含めた支援が事業者任せになってしまうおそれがあります。学校図書館との連携や支援など、これまで築き上げた取り組みをどのように保証するのか、お聞きします。

 予算案では、知的資産関係の職員は短時間を含む3人となっています。これでは、区民の求めに応える図書館運営が事業者任せになってしまうおそれがあります。例えば、図書館の資料選定基準や選定手引きがあるからといって、現場にもいない、直接区民の声を聞く場を持たないでは、形式的な関与になってしまい、困ります。事業者には利用者懇談会の開催を求めていますが、区民の求めに応える資料と情報提供を事業者任せにしないためにも、職員のかかわりを高めるためにも、住民の意思を反映させる図書館運営協議会の今期の任期が終了した後も存続を求めます。お答えください。

 4番目、区内事業振興についてお尋ねします。09年12月から実施された金融円滑化法は、リーマンショックを受け資金繰りが悪化した中小企業や住宅ローン利用者が活用しています。ところが、3月末で終了されようとしています。東京商工会議所調査では、経営に影響がある──6割、帝国データバンクの企業意識調査によれば、法終了後に再度変更を申し込めば金融機関が厳しくなる──5割以上の回答となっています。既にもとの返済額をと迫る金融機関もあります。国は、金融機関に対し、貸付条件の変更や円滑な資金提供に努めるよう促していくとしていますが、区内業者の資金繰りくの破綻を招きかねません。1月22日、中野・新宿・杉並の民主商工会が合同して、東京信用保証協会新宿支所へ申し入れを行い、「協会は基本的対応は変わらないが、金融機関がどう対応するか」と回答されています。区は、区内事業者への資金提供、仕事づくり支援の立場で銀行に協力を要請すること。また、経営改善計画策定に知恵をかす相談などが受け付けられるようにすることを求めます。お答えください。

 区が新年度に開始する産業振興拠点事業は、3月までに東京建物と契約を交わすことで賃借権が成立します。区は、この賃借権をもとに民間の事業共同体に年間1,400万円で賃貸し、産業振興拠点として区内ICTコンテンツ関連産業の集積・創出の促進を図ること。それを活用した産業振興の促進を行うとしています。この事業共同体は、スペースの一部を転貸できることになってますが、その面積に上限が設けられていないことが気になります。練馬区は、定期借地権で民間に貸し付け、産業振興会館を建設し、中小企業の経営相談から支援までをワンストップで実施する。区内産業経済団体が連携して事業が行われるようにすると報道されています。中野区の産業振興拠点事業が、商店街や区内産業団体との連携なども視野に入れた取り組みを行い、区内事業が振興するようにすべきです。見解をお聞きします。

 最後に、弥生町三丁目の不燃化特区についてお尋ねをいたします。

 区は、弥生町一丁目から四丁目の防災まちづくりに関するアンケートを行っています。不燃化特区に指定された三丁目周辺を先行して、25年度に地区計画を策定し、26年度から実施することを住民に説明しています。都は、不燃化特区を重点的・集中的に実施するための制度案を公表しました。原則として、都市計画事業、または土地収用適格事業にすることにより、強制的な取得も可能にしています。支援策では、戸建てから戸建てへの建てかえでも設計費助成や建てかえ後の住宅に固定資産税と都市計画税5年分の全額免除、老朽家屋は跡地活用にかかわらず除却費を全額助成するなどを挙げています。一方、都は、住民の合意形成が最優先の姿勢も示し、木密地域の住民の年齢や資産状況の傾向を踏まえつつ、不燃化対策や防災部門とまちづくりや高齢者部門との連携が望ましいとも触れています。弥生町三丁目は、6メートル道路にするために、現在の道路を活用するほか、新規に拡幅整備する道路を示し、周辺地区避難経路ネットワークの形成を図ろうとしています。大事なことは、区が強権を発動せず、住民理解と合意に基づいてこそ事業が成功することです。防災部門や高齢者部門も加え、連携した取り組みを具体化すべきです。また、都の制度案は、区が2分の1を負担するからといって住民負担になることは避け、支援策を具体化すべきです。見解をお聞きします。

 以上で私の質問を終わります。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 岩永議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、所信表明と政治姿勢について、雇用拡大と勤労者の所得拡大についてという質問であります。給料が下がったからデフレになったということではなく、デフレだから給料が下がったり、物の値段が下がったりしているので、そこのところの考え方がいささか違っているのかなというふうに思います。デフレから脱却して、景気が回復して好循環に入るということは、おのずと雇用や所得の増大が見られることと考えております。そうなるための方策が問題なのでありまして、金融政策、財政政策、そして成長戦略と、こういうふうに言っている政策の3本の矢、これが的確に機能することが欠かせない。私はこのように考えております。

 それから、内部留保、また内部留保ということなのかもわかりませんけれども、民主的な国の、市場経済の国でありますので、企業の内部留保を強制的に吐き出させるというようなことができるわけではありません。また、企業も好き好んで内部留保をしているということでもないだろう、私はそう思っております。本来、企業の内部留保は、産業の構造的転換による成長分野の創出の中で、技術開発や設備投資に向けることで企業活動の拡大と雇用の拡大に向けられるべきものということであり、こうした企業の行動を促すのが、先ほど申し上げた政策の3本の矢だと、こういうふうに理解をしているところであります。安倍首相が業績が改善した企業の賃金引き上げを要請したということでありますけれども、ぜひそれが実現するよう私も望んでおります。

 それから、共産党議員団の実施したアンケートに基づいて、区が行うべき重点事項についての御質問がありました。公共サービスは適切に財源を確保しながら、財源に見合ったサービスを提供するものでありまして、必要な自己負担もお願いしながら、さまざまな政策手法を用いて、区民要望を踏まえ、区民福祉の向上に努めているところであります。区といたしましては、幅広く区民の要望を把握して、行政運営を行っていると考えております。実施されたアンケートの結果についてお示しいただけるのであれば、さまざまな区民の声の一部として参考とさせていただきます。

 それから、区民との協働についてという御質問がありました。区民との協働を回避しているのではないかといったような御質問だったと思います。区政や政策の目的と合致する区民団体の活動については、必要に応じて支援を行うなどの取り組みを行っております。また、町会・自治会をはじめとする多くの区民団体と連携して、団体本来の目的と区政の目的をともによりよく実現するための協働の取り組みを積極的に進めているところでありまして、着実に成果を上げているところであります。

 それから、国際交流・平和についての御質問でありました。東アジアをめぐるさまざまな国際関係の中で、私は所信表明の中で、日本は毅然として言うべきことは言い、行うべき行動はきちんと行うべきだと、このように申し上げております。そうした基本の姿勢を明確にしていくということが平和外交を進めていく上でも基本になるだろうと、このように思っております。国家間の改善につきましては、そうした毅然とした態度に基づいて、幅広い交流チャンネルが機能することが重要である。自治体間の交流もその一つだととらえております。国家間の関係に要らざる容喙をすることなく、区民・自治体レベルでの交流で何ができるのか、今後西城区や陽川区との間で具体的に話し合いを進めていきたい、こう考えております。

 それから、中野駅周辺の大規模開発計画を見直すべきだという御質問であります。区は、中野区基本構想におきまして、中野のまちの将来像として「持続可能な活力あるまちづくり」を筆頭に掲げております。そのかなめとなるのが中野駅周辺のまちづくりであります。実際、中野四季の都市(まち)を契機とするまちづくりの進展によって、名だたる企業や複数の大学の進出が実現しました。これらによって、昼間人口や来街者の増加、区財政や地域への経済波及、中野の存在感・イメージの向上などなど、さまざまな効果があらわれてきていると思っております。中野駅周辺まちづくりは、駅周辺だけでなく、区全体の持続可能性を牽引するものであり、今後も中野の活力や可能性、安心・安全をさらに拡充するため、中野駅周辺のまちづくりを着実に進めてまいります。

 それから、財調交付金についてであります。足りないのだから、都に求めて配分割合をふやしてもらえばよいではないかと、こういったような御質問でありました。現在の55%対45%という比率についても、相当熾烈に詰めた議論を都区の間で行った上で勝ち取った比率であります。足りなくなったからもっとよこせというような議論を乱暴に東京都に吹っ掛けることが、都と区の関係をよくするということはない。むしろ、都区の関係を悪化させてしまうことにつながると、こういうふうに思っておりますので、都区との協議については、これまでの経緯を踏まえ、着実に区の立場を主張してまいりたいと、このように考えております。

 財調制度については、制度の成り立ちからしまして、先ほど申し上げました配分割合、これを基本にしております。財調財源、この範囲内でなければ交付額というのはあり得ません。したがって、需要に対して財源が十分でない場合にはさまざまな工夫を行って、各区の財政需要に応えることとしているところです。21年度から実施をされている臨時的起債充当もその一つでありまして、25年度も同様な措置は行っております。

 それから、財調交付金の財産費などを別にしたりしながら、650億円という一般財源の範囲を定めて財政運営を行うのはおかしいと、こういったような御質問でありました。区財政は、得られる収入額の中で収支均衡するように求められておりまして、区民サービスの基本的財源は一般財源であります。中野区では、安定的な財政運営を行うとともに、政策の安定的かつ計画的な実施を担保するために、基準となる一般財源規模を定め、歳入の不足や歳出の超過がある場合には、基金の取り崩しや起債の発行などを行い、歳入の超過がある場合には基金に積み立てるなどして、中長期的な収支の均衡を図っております。必要な区民サービスを持続的に提供するために重要な取り組みであると、こう考えております。

 また、財産費についてですが、財産費は一般財源に区分される特別区交付金の中で算定されておりますが、対象となる都市計画事業の経費に見合ったものであります。長期的な区債償還費用が4年間で措置されるため、その4年間は当該年度の所要額を上回る交付があります。これを他の一般財源と同様に扱って使っていたことが過去の財政危機の一因となったことを十分に認識する必要がある、このように思うわけであります。

 また、新たに法定化される3ワクチンの財源についてであります。特別区長会として国に対して財源を責任持って国が担保するよう要求をしているところであります。

 それから、国民健康保険の保険料引き上げをやめて、国や都に財源措置を求めるべきだと、こういう御質問でありました。東京23区の国民健康保険料は、他の政令指定都市に比べて格段に低い保険料であります。国民健康保険という制度の中で、全国同じような制度で、同じような負担で、国民皆保険の制度が運用されるべきという立場で私どもは物を考えていかなければならない、こう考えております。国民健康保険料の引き上げを抑えるために、改めて国や都の負担を設けるということは、その財源として税金を新たに国民に転嫁することになります。ふえ続ける社会保障費の負担について、国や自治体がどう分担していくのか、国民にどれだけ負担をお願いするのか、国民的な議論が必要だと考える次第であります。

 それから、就学援助の認定基準額で、児童養育加算を追加するべきはないかということであります。就学援助の認定基準の見直しについては、認定率や区内小・中学校に在籍する児童・生徒の世帯の経済状況などを勘案の上行ったものであり、現段階で認定基準額の算定に児童養育加算を追加して認定基準を引き上げる考えはありません。

 私からは以上です。

     〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 災害対策について、学校施設の非構造部材の耐震化の実施についての質問です。

 学校施設については、天井板、照明器具、空調機器の設置状況など、施設の非構造部材の安全性について調査を行ったところでございまして、緊急度に応じて必要な改正を行ってきております。窓ガラスにつきましては、今年度、飛散防止対策の実施状況調査を行い、来年度に廊下側の窓ガラスに飛散防止フィルム貼付工事を小・中学校で一斉に行う予定でございます。都の補助金につきましては、今回の事業規模は補助基準に満たないため、活用は行わない予定でございます。

 次に、教育行政について、学校再編計画(第2次)案について御質問がございました。

 初めに、平和の森小学校の新校舎の建設延期についての御質問です。平和の森小学校につきましては、統合に当たり、校舎、体育館など大規模改修を行い、子どもたちは充実した学校生活を現在送ってございます。新校舎の建設につきましては、法務省矯正研修所等の移転後、できる限り早期に新校舎が建設できるよう国と調整を図ってまいります。

 次に、再編計画の改定の再検討をということでした。既に小規模化が進んでいる学校があり、小・中学校の連携や学校と地域、家庭との連携の推進、校舎の老朽化への対応など、早期に取り組んでいく必要がございます。再編計画の改定につきましては、区民との意見交換会を24回行い、さまざまな御意見をいただいたところでございますが、全体として区民の意見を踏まえたものになったというふうに考えています。現在、学校再編計画(第2次)案によりパブリックコメント手続を行っているところでございまして、改定に向けて着実に手続を進めてまいります。

 次に、少人数学級についての御質問でした。小学校1年生から中学校までの35人学級については、既に特別区長会で要望しているところでございます。中野区としては、学級の編成について、東京都の学級編成基準にのっとり進めてまいります。

 次に、図書館施策についての御質問です。

 初めに、学校図書館指導員の配置日数の増加についてです。中野区では、学校図書館指導員を他区に先駆け配置を進めてきたところでございまして、全校に週4日の配置は他区に比べても高い水準であると考えてございます。この中で、十分に教育効果を上げていると理解をしています。

 続きまして、指定管理制度を導入するに当たりまして、学校支援等についての御質問がございました。小学校におけるブックトークや図書館担当教員や学校図書館指導員を対象とした合同研修会など、これまで行ってきた学校支援につきましては、指定管理者においても継承することとなっています。既に具体的な内容の事業計画が提出されてございまして、適切に実施できるものと考えています。

 最後に、図書館運営協議会についての御質問がございました。図書館運営協議会については、指定管理者制度の導入を踏まえて、そのあり方について検討してまいりたいと考えています。

都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、災害対策について、まず学校再編に伴う避難所等についてでございます。避難所として指定している学校施設について、再編により学校としての用途が廃止にあった場合においても、避難所として使用できる限りは指定を継続いたします。再編後の学校跡施設の用途などにより、避難所としての使用が困難になる場合においても、避難所の再編や学校以外の施設の利用等を積極的に行い、地域において必要な避難所、防災倉庫、拠点医療救護所等の防災機能の確保を図っていく考えでございます。

 それから、区による仮設住宅供給についての御質問でございます。災害時における仮設住宅の供給は、都営住宅等の公的住宅の活用、民間賃貸住宅の借り上げ及び仮設住宅の建設によりますが、いずれも東京都が広域的な見地から行うこととされております。区は、あらかじめ用地の整備状況等を確認の上、公園等のオープンスペースを仮設住宅の建設予定地として定めておりますが、オープンスペースや住宅のストックが少ない地域にとっては、区域内のみで必要な仮設住宅の確保を行うことは難しく、広域的な調整が不可欠であると考えております。そうした広域的な調整が円滑に行われ、必要な被災者に速やかに仮設住宅が供給されるよう、区としても東京都との連携に十分に当たるとともに、区内の被災状況の把握、相談体制の整備等を適切に行ってまいりたいと考えております。

 次に、弥生町三丁目の不燃化特区についてでございます。事業の進め方についてでございますけれども、弥生町三丁目周辺地区のまちづくりに当たっては、これまで地域の皆さんに対する丁寧な説明や意見交換を積み重ね、また、皆さんと一緒になってまちづくりの検討を進めてきておりますが、今後とも皆さんの理解と合意形成に基づいてまちづくりを進めてまいります。まちづくりに当たっては、従来から庁内の関係分野が十分に連携して進めてきているところでございます。また、木密地域不燃化10年プロジェクトとして取り組むことを踏まえますと、スピード感を持って進めることが重要であると考えております。

 最後に、事業実施に当たっての支援策についてでございます。住民や権利者の負担を少なくし、インセンティブを講じることは、避難経路の拡幅や不燃建築物への建てかえを促進する上で有効になると考えております。不燃化特区に対する支援策の考え方については、このほど東京都から示されましたが、具体的な制度構築は今年度末になります。その支援策を十分に吟味した上で、住民や権利者に対する負担を軽減できるような支援策の活用について今後検討してまいりたいと考えているところでございます。

都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 区内事業振興についてお答えをいたします。

 まず、金融円滑化法終了に伴う金融機関への働きかけ等についてでございます。個々の事業者の状況によりましては、一定の影響はあるものと推測をされますが、金融円滑化法の二度にわたる終了延長のプロセスで、経営改善計画を中心とする相談・指導が行われてきたことから、大きな影響はないと想定をされているところでございます。区といたしましては、現時点で金融機関への特段の働きかけや窓口設置は考えてはおりません。なお、区として昨年新設された国による認定経営革新等支援機関や中小企業再生支援協議会等の経験ある専門家による相談支援機関について、区ホームページで紹介をしているところでございます。

 次に、産業振興拠点と区内商店街の活性化等についてでございます。産業振興拠点については、そのあり方を含め、ICTコンテンツを活用した区内産業振興施策について、区内商工団体等によって構成する中野区ICTコンテンツ産業振興協議会において意見交換等を重ねてきたところでございます。産業振興拠点の目的は、ICTコンテンツを活用した区内産業振興の促進であり、その対象は広く商店街や多様な業種・業態を含むものでございます。今後とも区として区内商工団体等と協力していくとともに、それらの産業振興を促進していく拠点となるよう対応をしてまいります。

 以上でございます。

○副議長(久保りか) 以上で岩永しほ子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 森   たかゆき

 1 区長の所信表明について

 2 学校教育について

  (1)いじめについて

  (2)体罰について

  (3)その他

 3 その他

 

○副議長(久保りか) 次に、森たかゆき議員

     〔森たかゆき議員登壇〕

○16番(森たかゆき) 平成25年第1回定例会に当たりまして、民主党議員団の立場から一般質問をいたします。質問は、通告のとおりです。3、その他はございません。

 それでは、1、区長の所信表明についてお伺いをいたします。

 私は、先日の区長の所信表明をお聞きいたしまして、率直に申し上げて、大変驚きました。それは、地方分権改革の推進に区長は触れられていなかったからです。昨年の所信表明においては、区長は「これまで地方分権改革を一貫して主張してきた。分権の受け皿となれる自治体づくりを推進し、基礎自治体からの発信をより一層強めていきたい」、このように述べておられました。この点については、私は区長と同じ思いでありましたので、今回の所信表明で分権改革の推進に触れられなかったことに大変驚き、また、落胆をいたしました。なぜ触れられなかったのでしょうか。

 第183回通常国会冒頭で行われた安倍総理の所信表明においても、総理は地方分権改革に触れられませんでした。民主党・海江田万里代表の代表質問に対しては、「触れられなかったテーマを軽視しているわけではない」、このように答弁をされておりましたが、一方では、民主党政権下で創設をいたしました地域自主戦略交付金を廃止し、ひもつき補助金を復活させようとしています。また、国の出先機関改革についても、安倍政権は消極的であるようです。

 東京都においては、これまで地方分権改革をさまざまな機会に主張されてきた猪瀬直樹氏が新都知事に就任いたしました。しかし、都知事選挙のころから現在までの言動を見る限り、少なくとも今のところはあまり熱心に取り組むテーマとはされていないようです。以前、私が一般質問で区長に要望し、取り組みを約束いただいた児童相談所の区への移管も進展のない状況です。

 本年は、国会が地方分権の推進に関する決議をしてからちょうど20年目ですが、この節目の年に地方分権改革が後退しようとしているのではないか。私はそうした危機感を持っております。そして、そういう状況だからこそ、なおのこと、地方分権の推進を強く訴えるべき時期であると思います。中野区が区長の言う持続可能な自治体であり続けるためにも、特別区長会やその中の都区のあり方検討委員会などの公的な場から、区長の個人的な人脈まで、あらゆるチャンネルを最大限に活用し、国や東京都からの権限、財源、そして人的資源の移譲を進める努力をするべきだと考えますが、この点についての区長の考えをお聞かせください。

 続いて、アベノミクスと呼ばれる積極的な財政政策、成長戦略、そして大胆な金融緩和を3本の柱とする安倍政権のデフレ脱却への取り組みに関連してお伺いをいたします。

 一つ目の積極的な財政政策について、安倍政権が編成した補正予算は、財政出動と公共事業に偏重した旧来型の経済対策、かつての自民党政権の常套手段であり、特に目新しいものではありません。また、こうした財政出動をいつまでも続けるわけにはいかない。このことは政府も認めております。二つ目の成長戦略については、幾つかキーワードは出てきているものの、成長戦略そのものの策定は来年度中ごろがめどということで、現時点では全体的な評価ができる段階ではありません。

 こうした状況から、現在の円安・株高傾向というのは、この三つ目の金融緩和に対する姿勢、この影響が大きいのではないかと考えられます。安倍総理は、民主党政権下で1%とされていた目指すべき物価上昇率を2%に上げ、また、めどであった数値目標を目標に格上げしました。さらに、日銀の責任の明確化にもこだわるなど、民主党政権時代に比べて規模の面でも、コミットメントの強さといった面でも、積極的な姿勢を示しております。私自身は、こうした姿勢自体は支持したいというふうに思いますが、しかし、日本銀行は、過度なインフレへの懸念から、大胆な金融緩和にはこれまで一貫して消極的でした。現在は、政権発足直後の勢いに乗って、日本銀行に対しても強気に出られているのかもしれませんが、政治状況や世論、市場の動向などによってパワーバランスが変わってくれば、大きな揺り戻しが来ることも想定されます。

 金融緩和の影響による物価の上昇と雇用の拡大や賃金の上昇の間には、タイムラグが発生すると言われております。実際、円安によりガソリンや食品などの輸入価格は既に上昇を始めていますが、他方で安倍総理の賃金引き上げ要求に対して、経済3団体のトップが難色を示した。こうしたニュースも報道されました。揺り戻しが起こった場合、そのタイミングによっては物価だけが上昇して、賃金が上がらない。こうした状況に陥る可能性もあります。こうした状況になれば、中野区の財政に大きな影響が出てくるのではないでしょうか。区民の賃金の上昇や雇用の拡大がなければ、住民税の税収増は望めません。むしろ、実質的な賃金の目減りによって生活困窮者がふえ、扶助費が増大してしまう懸念もあります。物価の上昇は、各基金の目減りも意味します。今後、学校施設等の更新などで大規模な支出も予想される中野区においては、わずかな物価上昇でもその影響は無視できません。区長は、所信表明で「新政権の真価が問われるのはこれからだ」としつつも、「その意欲を支持・期待したい」と述べられておられました。しかし、自治体経営の最高責任者である区長には、リスクを想定しておくことも求められます。区長は、アベノミクス、特に前例のない規模で行われようとしている大胆な金融緩和政策の抱えているリスクについて、どのような認識を持たれているのでしょうか。お聞かせください。

 続いて、生活保護に関連してお伺いをいたします。所信表明の来年度予算案概要の説明の中で、生活保護が伸びているという話がありました。私が議員となって3度目の所信表明でありましたが、毎年同じ説明を聞いております。安倍政権は、今後3年間で生活保護の生活扶助基準を平均6.5%、最大で10%切り下げることを決めました。今回の切り下げは、社会保障制度審議会基準部会での議論の結果を踏まえて、適正化を図るものであるとのことです。しかし、その基準部会の報告書には、「すべての要素までは分析・説明に至らなかった」、「検証方法について、一定の限界があることに留意」といった文言が並んでいます。また、基準部会の検証結果のモデルケースでは、生活扶助基準の引き上げの必要があるケースの存在すらも示されております。

 さらに、政府の説明によれば、基準部会の結論に基づいて行われる引き下げは、3年間での引き下げ総額670億円のうち90億円分に過ぎません。総額の85%以上を占める残りの580億円分は物価の下落分であるとのことですが、ここには二つの問題があります。一つは、基準年の問題です。前回、生活保護基準の引き下げが行われたのは平成16年のことです。物価下落分を下げるのならば、平成16年時点との比較を行うべきでありますが、今回はなぜか過去10年間で最も消費者物価指数の高かった平成20年との比較がなされております。もう一つは、インフレ目標との整合性です。引き下げに3年間かけるとする一方、できるだけ早くインフレ目標を達成するとしており、この2年の間に物価が上昇した場合、生活保護基準の引き下げはどうなるのか、見えておりません。生活保護の生活扶助基準の引き下げは、生活保護受給者だけの問題ではありません。生活保護の基準を参照している多くの低所得者向け制度に影響をしてきます。政府は、生活保護以外に影響を及ぼさないようにするとしていますが、生活保護は引き下げ、それ以外の低所得者向け制度は引き下げ前の基準のままとなると、既に存在しなくなった生活保護の基準が他の制度の基準として残ることになります。これではダブルスタンダードであり、今後さまざまな混乱を招くおそれがあります。

 私は、生活保護の生活扶助基準を何があっても下げてはいけない、このようには申し上げません。むしろ、聖域化してしまうことに大きな問題があると思います。しかし、今回の政府の決定は、合理的な根拠を欠いている、こう言わざるを得ません。こうした問題意識に基づき、幾つかお伺いをいたします。

 まず、今回の引き下げは、ことし8月から行われると聞きますが、生活保護の生活扶助基準引き下げについて、または、それに関連して他の低所得者向けの制度のあり方について、現時点で国から何らかの通知等は来ているのでしょうか。来ているとすれば、どういった内容でしょうか。お答えください。

 国では、いまだに引き下げの影響の範囲を把握し切れていないとのことですが、中野区ではいかがでしょうか。区が独自で行っている低所得者向け制度で、生活保護の基準を参照しているものにはどういった制度があり、それが幾つあり、どれほどの人数に影響するのか。そうしたことを現時点でどこまで把握できているのか、お示しください。

 低所得者向けの制度は、生活保護の基準引き下げに直接関連するか否かにかかわらず、それぞれの制度の中で対象者の範囲や負担軽減の度合いが見直される、この可能性は常にあります。先ほど指摘したダブルスタンダードになるという問題に関連しますが、今後の見直しに際しては、今の保護基準を参照することになるのか、引き下げ後の基準を参照することになるのか、もしくは、全く異なる考え方になるのか、現時点での考え方をお聞かせください。

 続いて、2、学校教育についてお伺いをいたします。まずは、いじめについてです。

 昨年来、幾つかの不幸な事件が報道された影響もあって、いじめをめぐる議論が活発化してきております。そのこと自体は歓迎するべきことでありますが、しかし、いじめをめぐる議論は、その性質からか、どうしても感情論や印象論になりがちです。実際にいじめを減らし、なくしていくためには、専門家の研究成果やさまざまな調査データなど、具体的な根拠に基づいて対策を進めていかなければいけません。今回は、主にこうした観点から、いじめ対策についてお伺いをいたします。

 まず、教育委員会は、いじめの内容や程度によっては警察と連携して対応するとしています。しかし、警察の介入は暴力を伴ういじめには有効だが、悪口や無視などのいじめにはあまり効果があらわれないという研究結果があります。そうしたいじめの未然防止には、その環境のストレスを低減していくこと。特に、クラス内の同調圧力を緩和するという視点が必要である、このようにされておりますが、教育委員会ではいじめの未然防止にどのように取り組んでおられますでしょうか。まずこの点をお伺いいたします。

 教育委員会では、いじめに関するアンケートを定期的に実施しているとのことです。これは、具体的な根拠に基づいた対策を行うためには非常に有効な手段であると思います。このアンケートの結果を個別事案の把握・対応だけではなく、いじめの発生しやすいクラスとそうでないクラス、それぞれにどのような特徴があるのか。そうした傾向の分析にも活用してみてはいかがでしょうか。見解をお伺いいたします。

 文部科学省は、平成19年に作成したいじめ問題に関する取り組み事例集の中で、ストレスを低減させることによって、いじめを防止することをねらいとする取り組みとして、ピースメソッドを紹介しています。ピースメソッドは、国立教育政策研究所が開発をした手法で、P──プレパレーション(準備)、E──エデュケーション(教育)、A──アクション・プランニング(計画策定)、C──コーピング(対処)、E──エヴァルエイション(評価)の5段階に沿って取り組みを進めるものです。要するに、教育現場におけるPDCAサイクルのようなものでありますが、PDCAサイクルよりも計画前の部分をより丁寧に行い、その過程で異なる立場の関係者が客観的なデータを用いながら共通理解に至ることを重視しています。児童・生徒の置かれたストレス環境に着目し、客観的なデータに基づき問題の解決に取り組むピースメソッドの考え方を、教育委員会としていじめ対策に取り入れてみてはいかがでしょうか。見解を伺います。

 いじめ問題の解決には、教師の介入も有効です。しかし、現場の先生方は、日々さまざまな仕事に忙殺されていると伺います。昨年11月に毎日新聞が行った教師へのアンケート結果でも、いじめ事案への対応が不十分になってしまう理由として最も多かったのが「時間不足」、そして、3番目が「人手不足」でした。教育委員会として、区内小・中学校の先生方の忙しさの現状をどう認識されていて、また、どのように対処されているのでしょうか。先生がいじめに介入するためには、いじめに気付き、先生に知らせてくれる、こうした児童・生徒の存在も重要です。しかし、ある国際比較調査によると、ヨーロッパでは、いじめを認知した際に先生に知らせてくれる児童・生徒の数が、年齢が高くなるに従ってふえていくのに対して、日本では逆に年齢が高くなるに従って減ってしまう傾向にあるとのことです。教育委員会としては、いじめを発見した際に先生に教えてくれる、こうした児童・生徒をふやすために何か取り組んでいることはありますでしょうか。お答えください。

 いじめの手段にインターネットが利用される事例がふえています。インターネットは、一見匿名で利用できるように見えても、実際にはIPアドレス等を用いて利用者を特定できるケースが多くあります。加害者がいじめの様子をインターネット上に投稿し、逮捕された事例もふえてきております。児童・生徒がいじめにインターネットを利用してしまう、こうしたことを抑止するためにも、このようなことを理解させる必要があるかと考えますが、現在の取り組み状況を教えてください。

 相談体制についてお伺いをいたします。昨年、子ども110番カードを全児童・生徒に配付したと聞いております。しかし、子ども110番がどこにつながるのか、これは公表できないということで、一体子どもたちにどのような説明がなされているのか、疑問に思います。どういう人が対応しているかわからないのでは、子どもたちも利用がしづらいと思うのですが、利用状況はどのようになっておりますでしょうか。また、子ども110番がつながるのは平日の9時から17時までとのことですが、通常、その時間のほとんどを子どもたちは学校で過ごしております。学校生活に問題を抱えた子どもが学校から相談機関に電話をする。こうしたことは通常あまり考えられません。全国的な統計データでは、いじめは5月・6月にピークがあり、夏休みを挟んで一たん落ち着いた後、10月・11月にかけて再び増加をしていく。また、相談機関への連絡は月曜日と金曜日に多い。こうした傾向も見えてきております。そうしたことを踏まえ、例えば6月と11月の月曜日と金曜日は受付を延長するなど、部分的にでも拡充を考えてみてはいかがでしょうか。見解をお聞かせください。

 最後に、メール相談についてお伺いをいたします。法務省では、インターネット人権相談窓口にSOS-eメールという子ども向けのメール相談窓口をつくっています。こうした窓口は、子どもたちに周知されているのでしょうか。電話や対面では相談しづらいが、メールなら、という子もいると思います。もしされていないようであれば周知すべきと考えますが、いかがでしょうか。見解をお伺いします。

 最後に、体罰についてお伺いをいたします。

 いじめと同様、体罰の問題も不幸な事件をきっかけに議論が活発化しています。東京都では、実態把握のための調査をはじめ、二つの都立高校で体罰が確認されたことを公表いたしました。都内の区市町村立小・中学校についても調査が行われているとのことですが、これはどのような調査なのでしょうか。お答えください。

 体罰根絶に向けては、まずは教職員の意識を徹底する必要があると考えますが、これまで教育委員会ではどのような取り組みをされてきたのでしょうか。お伺いいたします。また、体罰の事例があった場合、被害を受けた生徒の心のケアや相談体制はどのようになっていますでしょうか。お伺いをいたします。

 先日、伊吹文明衆議院議長が「体罰を全く否定して教育なんかはできない」、こうした発言をされたことが報じられました。責任ある立場の方がこうした発言をされることを、大変残念に思います。体罰は重大な人権侵害であり、絶対に許されない。こうした教育委員会の姿勢を明確にお示しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。この点をお聞きいたしまして、私の一般質問は終了とさせていただきます。ありがとうございました。

     〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 森議員の御質問にお答えをいたします。

 地方分権に対する姿勢について、所信表明の中で地方分権という言葉が出てこなかったということでの御質問であります。言葉が出てこないからといって、軽視しているというわけではないということをまず申し上げておきたいと思います。所信表明でも申し上げましたけれども、個人であり、企業であり、自治体であり、自立した責任主体としてみずからが持続できる。そうした努力をきちんとしていくべきだということに重点を置いてお話をさせていただきました。地方分権ということを考えるときに、そのことが私は今問われている、このように思っております。今申し上げましたように、今回の施政方針説明では地方分権という言葉は出していませんけれども、これまでもさまざまな機会を通して述べてまいりましたように、権限も、財源も、人材も、可能な限り地方に移譲して、地方の自主性を尊重すべきという立場については揺るぎないと考えております。分権の受け皿となる自立した自治体づくりを今後とも一層推進し、基礎自治体の立場からの発信をより一層強めてまいりたい、こう思っております。

 それから、物価上昇が区財政に与える影響について考慮するべきではないかと、こういった御質問でありました。前段であった、さまざま経済対策等についての御意見もありましたけれども、今回の政府と日銀が合意した程度のインフレターゲット、これをとらえて、あたかも悪性インフレに直結するかのような議論などが行われる場面がしばしば見受けられますけれども、そうした議論は余りにも短絡的なことだと、こういうふうに考えております。2%のインフレターゲットというのは、世界的に見ても決して珍しいことではない。むしろ、やってこなかった日本が珍しいという状況だというようなことが挙げられるというふうに思っております。

 物価が上昇すれば、当然に区の歳出の増要因ともなりますし、それは基金にも影響が出るわけであります。その一方で、日本経済の継続的な成長、これが可能になった場合には、企業収益の改善や雇用環境の好転、賃金の上昇などによって、区の歳入も増加をするわけであります。財政への影響ということについては、その時々の経済要因をさまざまに勘案した上で、総合的にとらえる必要があると、こう考えております。

 私からは以上です。

     〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 学校教育について、初めにいじめについての御質問がございました。いじめの未然防止のために、いじめ対応研修を毎年実施し、教員のいじめに対する理解を深めております。また、年に3回のアンケートや聞き取りを実施し、実態に応じて丁寧な対応を行ってございます。これに加えて、昨年は10月にすべての家庭にいじめ防止に関するリーフレットを、すべての幼稚園、小・中学校の教員にいじめ防止に向けた手引きを配付し、指導の充実に努めたところでございます。

 次に、いじめアンケートについての御質問がございました。いじめに関するアンケートについては、実施後、自由記述も含め考察を行い、校長会等を通じて学校に示すことで指導に役立てているというふうに考えております。

 次に、国立教育政策研究所で紹介をしているピースメソッドを利用してはということでした。中野区の各学校において、生活指導主任等を中心に教員の連携強化を深め、いじめの問題に対し組織的に対応を行っているところでございまして、特に、ピースメソッドの活用は考えてございません。

 次に、教員の忙しさについてです。具体的に教員が忙し過ぎて業務に支障を来しているという認識は持ってございません。忙しさには個人差もあり、それについては各自効率的な職務執行に努めるよう、十分に指導・育成を行っていきたいというふうに考えています。

 次に、いじめに関する子どもからの情報収集についてです。いじめの実態については、年3回のアンケートや聞き取りをもとに、児童・生徒から状況の把握に努めてございます。そのほか、教育相談員による巡回相談や子ども110番の設置など、児童・生徒がいじめについて話せる場を設けているところでございます。

 ネットに関するいじめについての御質問でした。各学校で実施しているセーフティ教室の中で情報モラルについて取り上げるなど、計画的に指導してございます。これに加えて、中野区では、教員向けのICT研修会等について、情報モラル教育についての理解を深める研修を毎年実施してございます。

 それから、子ども110番の相談件数と受付時間の延長についてです。平成24年4月から25年5月までの子ども110番電話教育相談室事業の累計は、全部で12件でございまして、うちいじめにかかわる相談件数は8件でございました。相談者は、小学校1年から3年が2件、4年から6年が3件、中学生が3件ということでした。受付時間につきましては、現状の相談件数であれば、現在の相談時間の中で十分対応できるというふうに考えています。

 次に、子どもの人権SOS-eメールについてです。法務省からは、子どもの人権SOS-eメールについて各学校に紹介をされてございまして、子どもや保護者へは各学校から周知をされているところです。

 2番目に、体罰についての御質問がございました。

 最初に、都の体罰に関する調査内容についてですが、中学校では、生徒に対して部活動中に顧問教諭、外部指導員、OB、上級生等からの暴力による体罰の有無やその目撃について、また、教員については体罰を行ったことがあるか、また、目撃したことがあるかについてです。小学校では、児童に対して、このクラスで直したいこと、先生にお願いしたいことなどという質問を行っています。また、教員に対しては、中学校と同様、体罰を行ったことがあるか、また、目撃があるかなどについての質問を行っています。

 次に、教員への研修です。体罰に関する研修は、教育委員会の主催の研修の中で毎年必ず取り上げております。また、年2回、各学校で行う服務事故防止月間の中で体罰についても取り上げ、啓発を図っているところでございます。

 次に、相談体制です。教員、スクールカウンセラー、心の教室相談員などで相談できる体制を整えております。また、必要に応じて教育センターの教育相談室等でも相談を行ってございます。

 最後に、体罰に関する教育委員会の姿勢です。教職員による体罰は、法律で禁止されているだけではなく、児童・生徒の人権にかかわる問題としてあってはならない行為であり、教職員としての指導力の未熟さをあらわしていると言えるというふうに考えています。さらに、体罰は学校や教職員に対する信用を大きく損なうものであり、今後も体罰の根絶に向けた取り組みを徹底していく所存でございます。

 以上でございます。

    〔健康福祉部長田中政之登壇〕

○健康福祉部長(田中政之) 私からは、生活保護費削減に関する国からの通知についての御質問にお答えをいたします。

 通知等はあったのかということでございます。国からの通知や連絡につきましては、現時点ではない状況でございます。

 以上でございます。

    〔政策室長竹内沖司登壇〕

○政策室長(竹内沖司) 保護基準の引き上げに伴う影響についてという御質問にお答えをいたします。

 保育所事業のように法令に基づくもの以外で、区が単独で実施する事業のうち、生活保護世帯であるか否かをサービスの適用ですとか利用料減免の基準しているサービスは、30以上ございます。それで、主なサービスといたしましては、就学援助や学童クラブの保育料・おやつ代、それから、自転車駐車場の定期利用等でございまして、こうしたものの利用者の数は3,500人以上ということでございます。しかしながら、保護基準が明らかでない現時点におきまして、その影響の範囲についてはわからないところでございます。

 それから、保護基準の引き上げに当たっての対策という御質問がございました。生活保護基準の見直しに伴う区独自事業での対応につきましては、それぞれの事業の趣旨や目的を考慮しながら判断することになります。今後、国の方針が示されることが想定されておりますが、その段階で区としての対応を考えていきたいと思っております。

○副議長(久保りか) 以上で森たかゆき議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 石 川 直 行

 1 予算編成と事業見直しを行う際の心構えと姿勢について

 2 公務員給与の削減について

 3 その他

 

○副議長(久保りか) 次に、石川直行議員。

      〔石川直行議員登壇〕

○9番(石川直行) 平成25年第1回定例会に当たり、みんなの党の立場から一般質問をさせていただきます。

 区長は、施政方針説明で「国民一人ひとり、家族、企業、中野区を含む自治体など、あらゆる責任主体がみずからの問題として取り組み、解決していかなければならない」。また、中野区行政としての経営能力の必要性を訴え、「見直しは不断に行えば、不断に改善が可能であり、その上で初めて新規の事業に取り組めるもの」と述べたと理解をしております。そこで、予算編成並びに事業見直しを行う際の職員一人ひとり、また、各分野の取り組むべき心構え、姿勢について問いさせていただきます。

 昨年、中野区韓国訪問団で訪れた韓国では、生ビールの注文方法が日本のように大・中・小でオーダーするのではなく、500ミリリットル、1リットルと容量で注文するのが一般的であります。韓国国内で問題となったのは、容器自体が小さく、平均23%容量が少なかったということで、韓国消費者院では業界側に改善要求をし、ビール会社が無料で提供しているジョッキに対し、正しいメモリ付きの容器を普及させるよう指導したということです。一方、日本では、生ビールの泡の量で問題になることはあっても、容量でのトラブルはあまり聞いたことがありません。それは、各店舗による大・中・小の容量がまちまちであり、よく言えばおおらかさ、信頼、一方で、あいまいさを好み、結論を出さず、事なかれ主義という日本人気質をあらわしているものと思います。しかし、この考え方は、国政においても制度疲労を起こし、失われた20年、決められない政治という言葉で象徴され、外交について言えば、全く通用しないことは、日本周辺における領土問題、北方領土、竹島、尖閣諸島、すべてにおいて周知のとおりであり、先送り、臭いものにふた、何も決めないための議論の結果ではないでしょうか。物事の判断基準が数値的なものか、あいまいな価値判断なのか、韓国では数値・容量での注文の仕組みがあったからこそ問題が発覚し、改善につながったものと言えます。私は、ここに前例を排除した考え方に対する大きなヒントが隠されていると考えます。根底にある前例踏襲や事なかれ主義では、聖域なき見直しはできず、仕事に対する意識・責任感・物差しの判断基準をゼロから見直さなければ、PDCAサイクルも絵にかいた餅に過ぎません。

 ことしに入って経験した実例を、3例御紹介いたします。

 平成21年4月15日に、当時の昭和地域センターで行われた区民と区長との対話集会で、私から「区有施設に立ててあるのぼり旗が古く、破れ、ぼろぼろになっているにもかかわらず、そのまま放置されている。どのようなモラルで管理しているのか」との質問に、区長は「汚いものは撤去するよう全庁に指示をする」と答えております。しかしながら、私が指摘した施設では、一昨年に同様な事態が発生し、センター職員を通じて撤去させました。ことしになってもまた、同様の事態が発生し、このことについてはセンター統括担当部署に改善を求め、経営本部にも写真を提供し、区長もごらんになったことと思います。この4年間で同一の施設においてこのような失態が3回も続き、しかも、施設責任者は同一ではありません。つまり、一職員の資質に起因しているのではなく、職員、しかも施設管理責任者としての責任、誇りがないとしか言いようがありません。また、この問題についての区の説明と回答は、常に早々に新しいものにつけ変える、施設内であっても警察の所管で、勝手に取り外せないとのことであります。私は、新しいものに変えてほしいと言っているのではなく、ぼろぼろの防犯のぼり旗を立て続けることができる神経を説いているのです。

 2例目は、1月に中野区が主催した防犯パトロール団体交流会についてです。過去3年間、区内5カ所で開かれた交流会は、すべて同一の現区民活動センターで行われており、参加団体はそれぞれ区民活動センター管内の町会・自治会及びPTAが中心となり、他地区の防犯パトロール団体の参加は極めて少ないのがデータで読み取れます。区民活動センター単位の町会・自治会は、日ごろよりさまざまな機会をとらえて情報交換を行っております。交流会の本来の目的は、ふだんあまり意見交換や情報交換がなされていない団体同士が、交流を通じて新たな取り組みを再発見できる場であると考えています。5カ所を固定化するのでなく、五つの地域の中から開催するセンターを変えていくことが肝要と考えております。交流会を開催することが目的化されてはなりません。このような事象は、目標と成果による区政運営をすべて行政活動の基本方針としながらも、事業を行うことが目的となってしまっていることが多々あるのではないかと思われます。各事業に対し、区議会として今後も検証作業を進めますが、ぜひとも指摘される前にいま一度足元を見直し、事業見直し作業を行っていただきたいと考えます。

 なお、交流会のあり方については、次回より改善をしていただけるとのことでありました。

 3例目は、2020オリンピック・パラリンピック招致に関する出来事です。招致グッズの配付方法にばらつきがあったことは、昨年第4回定例会にて指摘させていただきましたが、区議会事務局からいただいたのぼり旗を立てていただけないかと区有施設に頼んだところ、「担当部署に聞いてみる」とのことで、その後、「部を通じて回ってくる予定だ」とのことでしたが、いまだに取りつけられておりません。この2020オリンピック・パラリンピック招致は、国、東京都、東北被災地をはじめ中野区としても招致活動を展開する中、その機運が区役所本庁舎内だけ、あるいは経営本部だけの気勢となり、区有施設の職員は門外漢として「笛吹けど踊らず」の状況になっているのではないでしょうか。行政組織として区長並びに経営本部が決断した方針・方向性に対し、一体となって邁進し、取り組むべき課題に対してひるむことなく実践していくことが大切です。区の方針をすべての職員が自分のものとしてとらえる気概が必要です。

 るる述べましたが、有能な潜在能力を備えている職員各位に対し、非常事態を迎えている中野区の財政状況と職員2,000人体制が達成される2年後に訪れるであろう財政の断崖絶壁に対し、自分の思い込みや主観ではなく、客観的成果を上げるべく、ぜひ知恵をお出しいただきたく、激励の意味を込めて実例を紹介させていただきました。

 以上の観点から、職員一人ひとりの根底からの意識改革を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。区長の御見解をお伺いいたします。

 また、外部評価制度では見えづらい現場に対して、事業見直しに特化した民間の専属員を配置して、事業見直し作業を会議室で行うのではなく、現場で体感するなど、新しい風を吹き込むことも重要だと考えます。御所見をお伺いいたします。

 次に、地方公務員の給与削減についてお伺いいたします。

 我がみんなの党は、平成24年第4回定例会において、公務員給与の下げ幅が不十分であるとの立場から、反対討論をさせていただき、本年度の予算の復活要求でも、給与・報酬の7.8%削減をいち早く提案させていただきました。政府は、地方公務員の給与を7月から平均7.8%削減することを求めております。中野区においても、東京都を通じて、「地方公務員の給与改定に関する取り扱い等について」と題した書面が届いていると承知しております。また、過日、2月13日には、総務省が都道府県と政令指定市の人事課職員らを集めた全国会議を開き、改めて要請したとのことです。この地方公務員の給与改定については23区区長会で討議されることと思いますが、自立する自治体を目指す中野区長としてどう臨まれるのでしょうか。お考えをお聞かせください。

 以上をもって一般質問を終了させていただきます。

区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 石川議員の御質問にお答えをいたします。

 職員の意識改革についてということであります。御紹介いただいた3点の事例について、区として適切に受けとめて、できる対応はしていきたいと、こういうふうに思っております。

 職員の意識改革ですけれども、職場の管理職が何のために改善が必要なのか、みんなで何を目指していくのかといった目標を明確にしながら、職場全員で取り組むといった機運を醸成していくということが大事だと思っております。そうした中から、おのずと改善の方策が見出せるようになる。このように考えているわけであります。職員は、事業の実施だけではなく、区政目標の達成を常に意識しながら、日々仕事の意義を見失わず業務を進めていくという中で、改善に取り組んでいくということだと理解をしております。職員の抜本的な意識改革ということですが、こうした改革を地道にこれからも取り組んでまいりたい、このように思っております。

 それから、事業見直しに関連して、外部からは見えづらい現場に対して、直接民間の人を配置して、見直しをするのはどうだろうかと、こういった御提案でありました。御指摘いただいたことも踏まえて考えますと、職員ではなかなか気付かないこともある。実際には、気付かないことも結構多いことなんだろう、こんなふうに思っております。そういう意味で、新しい視点での気付きの機会をつくるということも必要だというふうに思います。御提案がどのように実施できるのかについては、今後研究していきたいと、このように考えております。

 それから、公務員給与の削減についてであります。地方自治体の職員の給与について、地方交付税を減額して、その分をこの費目から削減するようにというふうに国が要請をするというのは、どうも私は地方分権、地方自治の考え方とはなじまないのではないかと、このように思っております。この国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律に基づく国家公務員の給与減額は、国の厳しい財政状況と東日本大震災に対処する必要性にかんがみ、歳出削減が不可欠であることから実施をしているというものであります。地方交付税の対象となっていない東京都や特別区が職員の給与を削減しても、国の歳出削減にはつながらず、そのことは直接震災の復興財源にはならないのであります。

 また、東日本大震災の復興に関して、区としてももちろん積極的に我が事として取り組んでいることは繰り返し申し上げているとおりであります。被災地への派遣職員などを通じて、復興協働に努めておりますし、これからも努めてまいりたいと思っております。

 また、地方自治体については、職員の人員削減とあわせて、給与削減など国を上回る行財政改革を進めております。中野区でも職員2,000人体制の実現に向け、毎年度職員定数を見直し、国に先駆けて人件費の削減を断行してきた経緯があります。

 以上のことから、職員給与について、国からの要請を受けて直ちにこれを見直すべきものとは考えておりません。今後、持続可能な区政運営をしていく上で、厳しい財政状況の中、必要となれば考えることもあり得るというふうに思っております。

 以上です。

○副議長(久保りか) 以上で石川直行議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 伊 藤 正 信

 1 平成25年度予算について

 2 地域支えあい活動の推進について

 3 子育て支援について

  (1)保育園の待機児対策について

  (2)児童館、キッズ・プラザ、学童クラブの運営について

 4 区の青色灯防犯パトロールカーの運行について

 5 その他

 

○副議長(久保りか) 次に、伊藤正信議員。

      [1]伊藤正信議員登壇

○33番(伊藤正信) 平成25年第1回定例会に当たり、自由民主党議員団の立場で一般質問をさせていただきます。

 もう5時を回っておりますが、しばしのおつき合いをいただきたいと思っております。

 まず初めに、平成25年度予算について質問いたします。

 平成25年度予算案では、一般会計の予算規模が1,170億円余りで、昨年度に比べ5億6,000万円余り、0.5%の増となっています。平成24年度予算がこれまで過去最高と言っておりましたので、これを上回る予算規模ということになります。一般会計の予算規模が過去最大を更新したのは、どのような要因によるのでしょうか。伺います。

 区長の施政方針説明では、区の基幹収入である特別区税は4.2%、特別区交付金は2.9%といずれも増収を見込んでいるとのことですが、増収と見込んだ要因について、具体的にお答えください。

 また一方で、歳入について、特別区交付金の財産費相当分約20億円を除くと、基準となる一般財源規模を15億円以上下回っていると述べています。これまで区は、財政運営の基本となる考え方として、基本となる一般財源規模を歳入歳出それぞれ650億円と設定していると説明してきましたが、平成25年度予算においては、この基準となる一般財源規模は歳入歳出それぞれ幾らになり、財政調整基金の年度間調整分からの繰り入れは幾らになるのか、お答えください。

 また、平成24年度予算の際に示された財政運営の考え方では、25年度の基準となる一般財源規模の見通しとして、歳入が629億円、歳出は665億円、その差額36億円余りを財政調整基金の年度間調整分から繰り入れることとしていました。25年度予算において、この目標は達成できたのでしょうか。お答えください。

 一方、歳出面では、厳しい財政状況下にあることを踏まえ、区政運営のPDCAサイクルの中で事業の見直しに取り組み、15億円余りの財政効果を生み出したほか、職員2,000人体制に向けた取り組みなどを行ったとしています。しかし、歳出における義務的経費を見ると、全体では5億7,000万円余り、0.9%の減となっておりますが、計画的な職員数の削減を進めている人件費は8億6,000万円余り、3.8%の減、また、公債費は10億8,000万円余り、12.1%の減とそれぞれ大きく減少している一方、生活保護や障害者支援などの扶助費が13億6,000万円余り、4.6%と依然として大幅な伸びを示しております。この生活保護や障害者支援などの扶助費の増加額は、人件費の削減分を大幅に上回る結果となっています。生活保護制度については、国が見直しに向け本格的に動き出しており、生活保護費のうち生活扶助を削減し、これに加えて後発医薬品の使用促進や不正受給防止などに取り組み、生活保護費の伸びを抑える方針と聞いております。

 そこで伺います。この生活保護費の抑制に向け、区としてどのような取り組みを進めていくおつもりなのか、お答えください。

 次に、地域支えあい活動の推進について伺います。

 中野区では、平成23年4月に地域支えあい活動の推進に関する条例を施行し、この条例に基づき、地域での見守り、安否確認、訪問活動、地域での懇談会などさまざまな支えあい活動を進めてきました。こうした取り組み、少子高齢化の進展などを的確に見据えた施策であり、私は田中区長の施策を評価いたしております。全国に先駆けた取り組みとしてマスコミでも取り上げられているほか、数多くの自治体からも注目をされています。条例の施行から2年を迎え、支えあいの輪が広がる一方で、課題も浮き彫りになってきているのではないでしょうか。

 まず初めに、見守り名簿について伺います。町会・自治会などを対象に交付している見守り対象者名簿は徐々に浸透し、ことし2月には110町会・自治会のうち49もの町会・自治会に御協力をいただいております。しかし、安否確認活動や日常生活に係る軽易な支援活動への負担感や個人情報の取り扱いにくさからちゅうちょしているところも多いと聞いております。このような不安をどのように払拭していくのでしょうか、伺います。

 次に、障害者の名簿登載について伺います。見守り対象者名簿には、70歳以上の単身の方、75歳以上のみの世帯の方といった高齢者だけではなく、障害を持っている方も登載されています。しかし、名簿登載に当たっての本人同意の確認方法は、高齢者については不同意の方以外は登載することに対し、障害者については同意者のみを登載することになっていることもあり、高齢者の67%に対して、障害者の名簿登載率はわずか15%に過ぎません。これでは、真に支援を必要とする方への十分な支援が行き届きません。どのようにお考えなのか、伺います。

 次に、民生児童委員との連携について伺います。町会・自治会の方や民生児童委員は、ともに暮らしやすい地域をつくるために御尽力いただいております。また、町会・自治会が行っている支えあい活動には、多くの民生児童委員の方も携わっています。しかし、民生児童委員は非常勤の公務員に該当し、民生委員法によって守秘義務が課せられているため、収集した個人情報を共有することはできませんが、連携をして活動する必要が高いと思いますが、いかがお考えでしょうか。御見解を伺います。

 次に、見守りボランティア育成、活用について伺います。支援を必要とする方にとって最も身近な存在である町会・自治会など、同じ地域で暮らす方の見守りを受けることは心強いに違いありません。しかし、定期的な訪問、緊急時の対応など、すべて要望に対応することはできません。区は、条例制定時に本人希望、町会等からの要請に基づき、定期的な訪問を行う仕組みを整備するということでしたが、取り組みがおくれているように感じます。また、そうした仕組みづくりとあわせ、支える方と支援を求める方を結びつけることも重要となってくると考えますが、いかがお考えでしょうか。考えを伺います。条例の趣旨にのっとり、区民、事業者、区の三者が有機的に結びつき、支えあい活動が発展することを期待しております。

 次に、子育て支援の保育園の待機児対策について伺います。

 区は、これまでも保育園の待機問題について、待機ゼロ対策を打ち出し、将来の需要を予測して定員の拡充など計画した方針を作成し、対応を図ってまいりました。しかし、平成24年4月においても待機児数は114人であり、保育園の定員をふやしても需要の増加に追いつかない状況が続いております。区は、今年度も認証保育所の新設や沼袋西保育園の民営化、私立保育園の建てかえ、グループ型家庭的保育事業の実施などさまざまな待機児対策を進め、保育の定員をふやしています。一方で、保育園に入りたい方はさらに増加しているようにも感じています。

 そこで伺いますが、平成25年4月の認可保育園の入園申し込み状況はどのような状況であるのでしょうか。また、保育園入園者の待機は生じることになるのでしょうか。保育園に入りたい方はここ数年大きく増加しています。しかし、中野区の人口構造を考えると、今後の乳幼児人口が減少していくとの予測もあります。子どもの声が聞こえるまちづくりは、地域の活性化にも欠かせないものだと思います。将来の保育の需要予測も踏まえて、需要の増加に対応し、待機児ゼロを実現することは、安心して子育てができるまちとして乳幼児の人口減少に歯どめをかけることにつながると思います。

 そこで伺います。来年度以降、待機児対策をどのように進め、待機ゼロを実現するお考えなのでしょうか。お伺いをいたします。

 次に、児童館、キッズ・プラザ、学童クラブの運営について伺います。

 まず、児童館、キッズ・プラザ、学童クラブの施設の現状を見ますと、中高生まで対応するU18プラザを含め、児童館は20館あり、このうちU18プラザと仲町児童館を除く18館には学童クラブが併設されております。一方、キッズ・プラザは、放課後の児童の遊び場機能と学童クラブの機能をあわせ持つ施設として、スペースが得られた小学校内に整備が図られ、現在工事中の谷戸小学校内のものも合わせると8カ所になると聞いております。

 ここでお尋ねいたしますが、昨年の第4回定例会での我が会派の佐野議員の質問に対して、「同じ児童の健全育成の取り組みを行う組織であるため、組織を統合しては」との質問に対し、「児童館は、従来からの遊びの指導を通じた健全育成の機能のみならず、地域の最前線において子育て相談や支援を行う機能の強化を図る観点から、地域で展開する保健福祉の包括的ケアを行う地域ケア分野の施設として位置付けている」との答弁をいただいております。しかしながら、我々から見る限り、保健福祉的な機能の展開、すなわち地域支えあいの観点があまりよく見えてこない、聞こえてこないのが現状です。また、児童館においては、この保健福祉的な機能が本格的に発揮されていないのだと思いますが、児童館において子育て相談や支援を行う機能の強化をどのように図っていくのか、今後のU18プラザの展開と関連して、お答えください。

 次に、学童クラブとキッズ・プラザについてですが、児童館内にある学童クラブは、ここ数年の間にすべて委託化されると思われます。また、キッズ・プラザについても、平成24年度の事業見直しにおいて、平成26年度から平成28年度までの間に委託化することが決まっています。これにより、児童館を除く部分については、すべて委託化されていくこととなります。持続可能な行政運営の観点から、民間にできることは民間に任せていくといった方向については了とするものですが、この流れを見ますと、子どもたちの安全・安心な居場所、遊び場の機能についてはすべて委託化する方向のように思われますが、区の考え方をお聞かせください。

 また、キッズ・プラザについては、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)において、すべての小学校内に設置されるとされております。また、区立小中学校再編計画(第2次)においても、小学校の統合新校にはキッズ・プラザを設置していくと明記されておりますが、現在の小学校全25校に対して、25年度内においても8校に整備が行われるにとどまっており、整備を望む声も多いと聞いております。キッズ・プラザの計画的な整備については、過去の質問において、学校再編計画を作成していく中で検討していきたいとの答弁があったように記憶しておりますが、学校再編計画(第2次)が策定されようとしている中、キッズ・プラザの計画的な整備についてはどのように考えているのか、お聞かせください。

 この項の最後に、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)では、児童館をU18プラザとキッズ・プラザに再編していくとしています。この再編を進めるには、今述べたような児童館の求められる機能の強化や子どもの遊び場に関する部分の委託化の推進、U18プラザやキッズ・プラザの整備とさまざまな課題の解決が必要と考えます。施設整備を伴うため、財政面の問題もあり、一挙にすべての課題を解決することの困難さは承知していますが、もう少し区民から見やすい形で児童館、キッズ・プラザ等の機能面を含めた将来の姿を早期に示すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。また、課題解決に向けた最適な組織のあり方について、区民から見てわかりやすいといった観点も含め再検討すべき時期ではないかと思いますが、いかがでしょうか。見解を伺います。

 最後に、区の青色灯防犯パトロールカーの運行について伺います。

 青色灯防犯パトロールカーによる防犯上の効果について伺いますが、区では、防犯のため区内を巡回する青色灯防犯パトロールカーを平成18年度から導入し、既に7年目を迎えているところであります。この7年間における犯罪発生状況の推移をお示しいただくとともに、青色灯防犯パトロールカーの運行による犯罪上の効果はどうなのか。区としての率直な評価をお聞かせください。

 次に、青色灯防犯パトロールカーの運行体制の充実について伺います。青色灯防犯パトロールカーは現在、10時から18時の間を運行時間として区内を巡回していると聞いておりますが、通勤・通学時間の早朝や夜間も含め、運行時間を拡大するなど、さらに運行体制の充実を図る考えはないのでしょうか、伺います。

 次に、中野四季の都市(まち)地区の防犯対策について伺います。中野四丁目の再開発により、新たに誕生した中野四季の都市(まち)地区では、セントラルパークの開業、さらに、今春の大学開校も控え、今後、来街者が急増することが想定されています。こうした不特定多数の人が集まる環境にあっては、さまざまな犯罪の発生も懸念されるところであります。

 そこで、この地区における今後の防犯対策はどうなっているのか。何か対策があれば、その点も含め、お考えをお聞かせください。

 以上で私のすべての質問を終わります。御静聴ありがとうございました。

区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 伊藤正信議員の御質問にお答えをいたします。

 一般会計の予算規模が過去最大を更新した理由についてであります。職員2,000人体制を目指した計画的な人員削減によって、人件費は8億1,000万円余り、3.8%の減となりました。また、特別区債の満期一括償還分が減少したことによりまして、公債費についても10億8,000万円余り、12.1%の減となっております。一方で、生活保護費や障害者への介護給付、訓練等給付費などの伸びにより、扶助費が13億6,000万円余り、4.6%伸びております。事業化に向けての先行投資として、土地開発公社への元利貸付金をふやしたことにより、貸付金も17億円余りの大幅な伸びとなっております。こうした扶助費の伸びや土地開発公社への貸付金をはじめ、弥生町・大和町の防災まちづくり、区有施設の耐震改修、防災公園用地の取得、街路灯のLED化など、安全・安心で快適なまちを実現するための経費を、財源を確保した上で計画的に予算化したことにより、過去最大の予算規模になったものであります。

 それから、特別区税、特別区交付金の増加を見込んだ要因についてであります。特別区税につきましては、特別区民税が納税義務者や課税対象所得の伸びによって8億円余り、3%の増となりました。特別区たばこ税が都と区市町村間の税率の配分変更などによって4億円余り、23.7%の増となったことから、全体で12億円余りの増加を見込みました。特別区交付金につきましては、都区財政調整フレームにおいて交付金の財源となる固定資産税、それから市町村民税法人分の伸びが見込まれ、23区全体の交付金総額が370億2,000万円余りの増となることをもとに、基準財政需要額の見直しによる影響や財産費の増減を加味し、24年度と比べ8億8,000万円の増を見込んでいるものであります。

 基準となる一般財源規模と財調基金からの繰り入れについてであります。歳入において、財産費相当分を除いた一般財源は約635億円であります。一方、歳出の一般財源充当事業費は約669億円となっております。この結果、財政調整基金の年度間調整分として、約34億円を繰り入れることとしております。この繰り入れ等についてですが、24年度予算でお示しをした財政運営の考え方、ここでお示ししたものと比べて目標は達成できているのか、そういった御質問でありました。24年度の財政運営の考え方でお示しした25年度の基準となる一般財源規模の目標額は、歳入が629億円でありました。これに対して、25年度予算案では635億円と6億円上回っております。歳出のほうはと見ますと、665億円だったのに対して、25年度の実際につくった予算案では668億5,000万円となり、3億5,000万円余り目標額には届かなかった、こういうことになっております。この結果、財政調整基金の年度間調整分からの繰り入れは、36億円余りと見込んでいたものが、25年度予算案では34億円弱となりました。この繰入額については目標額を2億円余り下回ることができたということになります。したがいまして、全体として見ますと、24年度の財政運営の考え方でお示しさせていただいた目標はほぼ達成できたものと考えているところであります。

 それから、生活保護費制度見直しに関連して、保護費の伸びを抑えるための抑制についての取り組みをどう進めていくのかという御質問であります。後発医薬品の使用促進については、今年度から啓発リーフレットの個別配付を行ったほか、調剤薬局から後発医薬品未使用者の処方せんの提供を受け、さらにきめ細かく使用促進を働きかける取り組みを始めております。来年度は、差額通知の発送なども行って、後発医薬品の使用をさらに促進していく考えであります。また、来年度は、専門知識のある資産調査員を配置して、生活保護申請者や受給者の収入や年金などを的確に把握し、保護費の支給を適正に行うことによって、抑制を図っていく考えであります。

 地域支えあい活動の推進に関連して、見守り対象者名簿についての御質問がありました。見守り対象者名簿の提供を受けた町会・自治会からは、名簿を活用して訪問することで、会員以外の区民とも交流ができるなど、効果的な見守り活動につながったという声も上がってきているところであります。こうした取り組みが緊急に支援が必要な方の発見に結びつくなどの具体的な成果も上げてきているところであります。

 支えあい活動については、各町会・自治会のそれぞれのやり方や考え方で自主的に進めていただいているものでありまして、必ずしも名簿がなければできないと考えているわけではないということであります。今後ともすこやか福祉センターや区民活動センターごとに実際に効果的な活動をしている町会・自治会の活動事例を紹介し、情報交換の機会を設けるなどの取り組みを推進しながら、支えあいの取り組みをさらに進めていただきたいと、こう考えております。

 それから、障害者の名簿登載についてであります。障害者につきましては、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、愛の手帳の所有者全員に意向確認を行っております。御質問でありましたように、載せてほしいという積極的な意思表示のあった方を掲載するという形になっております。こうしたことで、障害の状況や家族状況などから、特に地域での見守りを希望されないという方も多く含まれていると考えております。区といたしましては、支援の必要な方が積極的に名簿登載を希望することができるよう、制度の理解や積極的な情報提供に努めていきたいと、こう考えております。

 それから、民生委員との連携についての御質問であります。民生児童委員の方には守秘義務があって、民生委員として取得した個人情報をそのまま町会・自治会の方たちと共有することはできない、こういうことになっております。情報を共有するためには、事前に本人の了解を得るなど、きめ細かい取り組みが必要となります。区といたしましても、活動支援の場面でそうしたようなことについても情報提供を行っているところです。今後は、必要な情報を区が仲立ちすることなどによって、町会・自治会の方と民生児童委員の方が地域で連携して活動できるように、要支援者情報台帳システムの活用を含め、検討していきたいと考えております。

 それから、見守りボランティアの育成・活用についてであります。すこやか福祉センターや区民活動センターの職員などが、地域のひとり暮らし高齢者の訪問など実態把握活動を現在進めているところであります。地域での見守り活動やすこやか福祉センターの職員による訪問活動が進むに従って、支援が必要な方の発見もふえると考えております。支える側の地域人材の発掘や育成に努めるとともに、支援の必要な方につなげていくためのすこやか福祉センターの機能充実、これを図っていくことが重要であると、こう考えております。

 それから、保育園の待機の状況についてであります。25年4月入園の認可保育園の申し込み者は、12月の段階で1,358人でありました。前年度に比べますと89人の増加となっております。昨年4月の待機は114人でありました。一方で、こうした状況を踏まえて、認証保育所等を含めて、この4月、25年4月の定員数については、前年度と比べ253人増加をする、こういう形の対策をとってまいりました。89人足す114人が203人で、定数を増加する数が253人と、こういう状況になっております。最終的に保育園の待機が生じているかどうかにつきましては、認証保育所などの集計結果が出そろう5月以降、明らかになってまいります。

 今後の待機児対策の進め方についてであります。区は、毎年の保育園の待機ゼロを目指して、今後の保育の需要数を推計して、対応方針を策定して、計画的に定員の拡充を進めているところであります。来年度においても、区立保育園の民営化によって定員拡大を進めるとともに、区有地への民間保育所の整備、保育園分園の開設、グループ型の家庭的保育事業の拡充などを行うことにしております。

 平成27年度に本格施行となっております子ども子育て支援法では、すべての市町村に子ども子育て支援事業計画の策定が義務付けされることになります。策定の資料とするために、来年度には保育のニーズ調査を行うことにしておりまして、改めて詳細な将来予測の検討を行い、その対応を計画化してまいりたい、このように考えております。

 それから、児童館、キッズ・プラザ、学童クラブの運営について、子育て相談支援機能の強化はどうなっているかといった御質問であります。児童館では、すこやか福祉センターの一員として、子ども家庭支援センター、小・中学校などと連携して、施設を利用する子どもや家庭への相談支援のほか、子どもや家庭に対する地域ケアとしての機能の充実を図る取り組みを進めております。将来的には、児童館が持つこうした機能については、すこやか福祉センターの充実を図る中で集約と強化を図っていきたいと、こう考えております。U18プラザにつきましては、幅広く子どもたちの活動を充実、提供するような場や機会を設けていきたい、こう考えております。

 この児童館、キッズ・プラザ、学童クラブの運営について、委託化の方向という御質問がありました。学童クラブについては、保育時間の延長等のサービスの向上を図る観点から、委託化を進めております。利用者のニーズに応じたきめ細かな対応が可能となっていることから、利用児童の保護者からは好評を得ているところであります。キッズ・プラザにつきましても、継続的な運営体制の確保と学童クラブと同様にサービスの向上を図る観点から、事業の見直しの中で平成28年度までに委託化を進めることとしたものであり、今後、着実にその推進を図っていきたいと考えております。

 キッズ・プラザの計画的な整備についてであります。キッズ・プラザの整備には、学校再編計画等に基づく学校施設の改修・改築の時期が大きく影響すると考えております。このため、来年度、これらの時期を明らかにする中で、キッズ・プラザの計画的な整備についても検討してまいりたいと考えております。

 児童館、キッズ・プラザ、学童クラブの将来像についての御質問がありました。児童館が順次U18プラザとキッズ・プラザに転換していく中で、区民にわかりやすい形でU18とキッズ・プラザの機能や役割を明確に示していくことが必要であると、こう考えております。U18プラザにつきましても、キッズ・プラザと同様、委託による事業展開を考えております。委託に当たりましては、子ども施設の区職員を主にすこやか福祉センターの組織に充てて、きめ細かな相談支援と地域の子育て支援に専門的に従事させていくこととしております。

 それから、青色灯防犯パトロールカーの運行についてであります。パトロールカーの効果であります。青色灯防犯パトロールカーを導入した平成18年当時、警視庁発表による区内の刑法犯の件数は5,465件でありました。これが年々減少し、昨年は4,072件にまで減っております。約1,400件、率にしまして約25%減少したことになります。これは、警察署の日々の活動をはじめ、住民の皆さんの自主的な防犯パトロール活動等さまざまな犯罪抑止の取り組みによる成果であると考えられますが、この中で青色灯防犯パトロールカーの運行も寄与しているものと評価をしているところであります。

 それから、運行体制の充実についてということであります。現在の青色灯防犯パトロールカーの運行時間は、子どもたちをはじめ区民の皆さんの活動が盛んな日中の時間をカバーすることを基本に設定しております。早朝や夜間にも運行時間を拡大すべきという御提案については、他区の状況等も参考に、今後の研究課題とさせていただきたいと思います。

 それから、中野四季の都市(まち)地区の防犯対策についてであります。中野四季の都市(まち)については、区と当該地区の事業者が共同で警備会社による巡回パトロールを実施しているところであります。この巡回パトロールは、通常の公園警備に比べてかなり手厚い配置によって実施をしているところであります。また、あわせて、野方警察署に対して区からパトロール強化の依頼を行っているところであります。地域の安全確保のため、区としても今後とも積極的に取り組んでいく考えであります。

 以上です。

○副議長(久保りか) 以上で伊藤正信議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。

 議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○副議長(久保りか) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

      午後5時59分延会