平成25年02月21日中野区議会本会議(第1回定例会)
平成25年02月21日中野区議会本会議(第1回定例会)の会議録
平成25年第1回定例会本会議第4日(2月21日)

.平成25年(2013年)2月21日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(40名)

  1番  若  林  しげお         2番  高  橋  かずちか

  3番  木  村  広  一        4番  甲  田  ゆり子

  5番  小  林  ぜんいち        6番  中  村  延  子

  7番  石  坂  わたる         8番  後  藤  英  之

  9番  石  川  直  行       10番  内  川  和  久

 11番  ひぐち   和  正       12番  いでい   良  輔

 13番  白  井  ひでふみ       14番  平  山  英  明

 15番  南     かつひこ       16番  森     たかゆき

 17番  いながき  じゅん子       18番  林     まさみ

 20番  浦  野  さとみ        21番  伊  東  しんじ

 22番  佐  野  れいじ        23番  北  原  ともあき

 24番  吉  原      宏       25番  小  林  秀  明

 26番  久  保  り  か       27番  酒  井  たくや

 28番  奥  田  けんじ        29番  近  藤  さえ子

 30番  金  子     洋       31番  長  沢  和  彦

 32番  大  内  しんご        33番  伊  藤  正  信

 34番  高  橋  ちあき        35番  市  川  みのる

 36番  篠     国  昭       37番  やながわ  妙  子

 38番  佐  伯  利  昭       39番  むとう   有  子

 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子

.欠席議員(2名)

 19番  小宮山   たかし        40番  か  せ  次  郎

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  金 野   晃

 教  育  長  田 辺 裕 子      政 策 室 長  竹 内 沖 司

 経 営 室 長  川 崎   亨      都市政策推進室長 長 田 久 雄

 地域支えあい推進室長 瀬 田 敏 幸    区民サービス管理部長 登   弘 毅

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 髙 橋 信 一     健康福祉部長   田 中 政 之

 保 健 所 長  山 川 博 之      環 境 部 長  小谷松 弘 市

 都市基盤部長   尾 﨑   孝      政策室副参事(企画担当) 野 村 建 樹

 経営室副参事(経営担当) 戸 辺   眞

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  篠 原 文 彦      事務局次長    青 山 敬一郎

 議事調査担当係長 佐 藤   肇      書     記  関 村 英 希

 書     記  河 村 孝 雄      書     記  東   利司雄

 書     記  丸 尾 明 美      書     記  土 屋 佳代子

 書     記  細 川 道 明      書     記  江 口 誠 人

 書     記  鈴 木   均      書     記  永 見 英 光

 書     記  竹 内 賢 三      書     記  香 月 俊 介

 

 議事日程(平成25年(2013年)2月21日午後1時開議)

日程第1 第1号議案 平成24年度中野区一般会計補正予算

     第2号議案 平成24年度中野区用地特別会計補正予算

     第3号議案 平成24年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算

     第4号議案 平成24年度中野区後期高齢者医療特別会計補正予算

     第5号議案 平成24年度中野区介護保険特別会計補正予算

     第14号議案 中野区事務手数料条例の一部を改正する条例

日程第2 第6号議案 平成25年度中野区一般会計予算

     第7号議案 平成25年度中野区用地特別会計予算

     第8号議案 平成25年度中野区国民健康保険事業特別会計予算

     第9号議案 平成25年度中野区後期高齢者医療特別会計予算

     第10号議案 平成25年度中野区介護保険特別会計予算

 追加議事日程

日程第3 議員提出議案第1号 中野区議会委員会条例の一部を改正する条例

日程第4 議員提出議案第2号 中野区議会政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例

 

      午後1時00分開議

○議長(大内しんご) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 この際申し上げます。小宮山たかし議員から一般質問を取りやめたいとの申し出があり、これを承認いたしましたので、さよう御了承願います。

 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 内 川 和 久

 1 中野駅周辺のまちづくりについて

  (1)南口周辺のまちづくりについて

  (2)区役所・サンプラザ地区再整備について

 2 区内インフラの老朽化について

 3 防災教育について

 4 その他

 

○議長(大内しんご) 最初に、内川和久議員。

〔内川和久議員登壇〕

○10番(内川和久) 平成25年第1回定例会において、自民党の立場で一般質問をさせていただきます。

 質問は通告のとおり、4番、その他はございません。

 1、中野駅周辺のまちづくりについて、(1)南口周辺のまちづくりについてお伺いいたします。

 平成25年度中野区予算によりますと、都市政策推進費、中野駅周辺まちづくり事業費として9,635万円が計上されています。24年度6,500万円と比べると5割増し、実に3,000万円の増となっております。

 主な内容は、区役所・サンプラザ地区の検討、中野二丁目地区の検討、中野三丁目地区の検討、中野囲町地区の検討となっています。これらにより、中野駅地区第2期整備及び中野駅南口地域の再開発にはずみがつくものと考えますが、一体いつまで検討が続くのでしょうか。

 中野二丁目地区のまちづくりでは、再開発準備組合が発足して既に7年がたっております。また、中野三丁目地区のまちづくりにおいては、いまだに駅西側南北自由通路の中野三丁目側接続地点が決まってもおりません。しかも、平成27年ごろ整備とされていた中野駅西口改札は、その整備が数年先へ延びると聞いております。「目標と成果による管理」の「成果」がなかなか見えてきません。私のところにも、駅南側の住民の方々から落胆の声が多く届いております。

 そこで、幾つか質問をさせていただきます。

 まず、24年度と25年度では、検討の内容に具体的にどのような違いがあるのか。また、事業費がこれだけ膨れた理由もあわせてお答えください。

 次に、中野二丁目地区まちづくりについて、現状はどのようになっているのでしょうか。南口駅前広場整備とリンクするとのことで、再開発準備組合とは調整がどのように行われているのか、進捗状況をお答えください。

 次に、中野駅西口改札整備に伴う南北自由通路の中野三丁目側の接続については、歩行者系駅前広場整備と聞いておりますが、具体的な場所はいつ示されるのか、また、駅前広場となる場所はどのように確保されるのか、お考えをお聞かせください。

 次に、公明党の平山議員も触れておりましたが、駅西口改札の整備、それに伴う南北自由通路整備、中野三丁目側接続は、最優先で取り組んでいただきたい課題であります。JR駅ビル構想に影響されることなく、粛々と進めるべきです。これらは、平成何年の整備を目標としているのか、明確にお答えください。

 田中区長が新年会の席などで中野駅南口地域の活性化、発展に言及していただいたことは、大変ありがたく思っております。また、ハードの整備が生み出すものをどれだけ住民の暮らしに生かしていけるかがまちづくりの最大の眼目であるという区長の施政方針にも大変共感するところです。南口地域の今後のあり方について、区役所本庁舎がどの位置へ整備されるのかは、非常に重要な要素であります。区は、今年度中に庁舎の位置、あり方について一定の考え方を示すとのことですが、昨年6月中にもそのような話がありましたが、現在に至っております。今後、中野駅南口地域のまちづくりが急がれる中、間違いなく今年度中に区役所本庁舎の位置も含めた考え方について示されるのか、お答えください。

 (2)区役所・サンプラザ地区再整備についてお伺いいたします。

 このたび区役所・サンプラザ地区再整備基本構想策定・中野駅地区整備基本計画改定スケジュールが示されました。区役所・サンプラザ地区再整備においては、補助225号線、中野税務署、NTTドコモ中野ビルなどを含み、実に4.85ヘクタールにも及んでおります。業務集積により、就業者数をふやすとともに職住近接を促進するとあり、高層集合住宅もその誘導目標の一つとなっております。

 このたび区庁舎用地を含む再整備計画として、豊島区も、庁舎の建てかえ計画を進めております。定期借地方式を利用して、現庁舎用地の資産活用から生まれる収益を整備費に充当するという計画です。定期借地権とは、借地借家法に規定される借地権の一種で、通常の借地権と異なり、当初定められた契約期間で借地関係が終了し、その後は更新できないというものです。その期間は50年が一般的です。

 土地を手放したくない地主にとっては魅力的であり、地方公共団体が非課税団体であることから、土地活用による収益にかかわる税の一部が免除され、区にとっては有利な方法であります。

 土地を保有したまま活用するやり方には、定期借地方式や土地信託方式がありますが、定期借地方式は、土地信託方式と比較して収益が少ない可能性もありますが、事業着手前に額が確定するというメリットと、貸付料を事前に一括で受け取るという方法を選択することも可能であります。

 マンションを買う側にしても、土地を区分所有するのではなく、地主から賃借するため、割安な価格で購入することが可能であります。定期借地権マンションの相場は、通常より2割、3割安いとされています。また、分譲マンションでは、建物が老朽化しても、区分所有者の合意がないと建てかえができませんが、定期借地権マンションでは、その煩わしさがありません。

 そこで、幾つか質問をさせていただきます。

 区役所・サンプラザ地区再整備基本構想において、誘導目標として、暮らす機能の集積、高層集合住宅とありますが、ぜひ実現させていただきたいと考えます。定期借地権マンションのような若い世代でも手の出る優良な住宅をより多く提供することによって、ファミリー世帯を中野に呼び込むことができると考えます。区のお考えをお聞かせください。

 次に、中野区役所庁舎が例えば移転をする場合、現庁舎用地や統廃合による学校跡地などの区有地を定期借地権マンションの用地として貸し付け、その収益を整備の財源の一部として充てることも可能であります。持続可能なまちづくりを目指す中野区において、将来にわたって持続、発展するために、定期借地方式などを利用した事業展開を今後積極的に取り入れていくべきと考えますが、お考えをお聞かせください。

 2番、区内インフラの老朽化についてお伺いをいたします。

 道路や橋梁など古くなったインフラストラクチャー、社会基盤を全国で総点検するため、政府は、自治体への支援を強化することを決定いたしました。老朽化・防災対策の名目で、自民党が掲げる国土強靭化を具体化する第1弾であります。点検や補修に使い道を限る交付金を実質的に新設し、今年度補正予算案に数百億円を盛り込みました。25年度予算と合わせると、1兆6,000億円にも及びます。

 東京都においても、投資的経費は9年連続の増となり、木造住宅密集地域の不燃化やインフラの老朽化対策などに費やします。特に老朽化した橋梁の長寿命化事業には60億円を計上しました。

 自治体によるインフラの老朽化対策は、財政難などから、おくれがちであります。防災や安全面からも、必要な維持更新を早急に進めなければなりません。

 インフラは、高度経済成長期の1960年代につくられたものを中心に、老朽化が進んでいます。昨年12月に起きた中央道笹子トンネル天井板の崩落事故は、記憶に新しいところです。

 インフラは、全てつくり直すと膨大な予算が必要となるため、前倒しの点検でより長持ちさせ、いかに費用を抑えるかが課題であります。

 後に、我が会派の若林議員が区有施設の老朽化について触れますが、ここでは、橋梁、道路などインフラに絞って質問をさせていただきます。

 まず、中野区が管理している橋梁は、神田川、妙正寺川、桃園川緑道など大小合わせて110の橋梁が存在していると聞いております。建設後50年以上の橋梁は20年後には全国で53%にも及ぶとのことですが、中野区が管理する橋梁は、20年後に建設後50年以上となるものはどのぐらいになるのか、お答えください。

 次に、全国で老朽化や財政難による整備のおくれから、通行止めなどの規制がなされている橋梁は、平成24年4月の時点で1,378にも及び、その数は年々増加しているとのことです。区が管理する橋梁の点検や補修はどのように行ってきたのでしょうか、お答えください。

 また、現在橋梁の長寿命化修繕計画を策定中とのことですが、スケジュールはどのようになっているのか、お答えください。

 次に、日本全国で道路の陥没が問題となっています。主な要因としては、水の影響、地下埋設物の老朽化、地盤の緩みなどです。その中でも水道管からの漏水事故に伴った空洞によるものが深刻化しており、大規模な空洞が短期間に形成される可能性があります。東京23区では、年間1,000件もの道路陥没が報告されております。道路の下を通っている下水道は、普段は目に見えませんが、実は、かなり老朽化が進んでいます。

 そこで、幾つか質問をさせていただきます。

 まず、中野区において、過去に水道管からの漏水や下水道管の老朽化が原因の道路陥没はどのぐらいあったのか、お答えください。

 次に、道路陥没を未然に防止するには、定期的な空洞調査のデータ蓄積が有効であるとのことです。中野区においては、このような空洞調査は行われているのか、お答えください。

 2007年、米国・ミネアポリスで、高速道路の橋が突如崩落するという大事故が起きました。これは、老朽化が進んでいることを知りながら、改修を先延ばしにしたあげく、起こった悲劇であります。インフラは、ある日突然、凶器に変わります。普段からの点検、維持、更新は必須であります。これらインフラについて、区は中長期的な計画を立てて、点検、維持、更新を進めているのでしょうか。また、今後、増加が予想されるこれらのコストについてどのように対応していくのか、区のお考えをお聞かせください。

 3番、防災教育についてお伺いいたします。

 防災教育は、命を大切にする心の教育と位置付ける、これは、東南海地震発生の危険性が強く指摘され、甚大な被害が想定される太平洋岸に面した千葉県、静岡県、和歌山県、高知県の4県の教育長によるくろしお教育サミットの防災教育目標です。

 災害に立ち向かうためには、私たち一人ひとりの防災力を高めることが必要です。将来起こるべく災害に立ち向かうのは、今の子どもたちです。次の世代を担う子どもたちを中心として、家庭や地域の防災にかかわる能力の向上を図ることが社会全体の防災力を向上させることへとつながります。

 平成24年第2回定例会一般質問において、防災教育について触れさせていただきました。

 学校においての防災教育は、防災人材育成という観点から、これからますます重要になってくると考えます。児童・生徒に、災害時における弱者ではなく、むしろ体力、知力、腕力などを地域に望まれる立場にあるという認識を教えることです。

 中野区においては、東京都教育委員会の防災教育資料を活用することにより、児童・生徒の災害に対する安全意識の向上を図っております。また、中野中学校、第七中学校、南中野中学校は、独自の防災隊を組織して、訓練等を実施しております。

 そこで、幾つか質問させていただきます。

 各学校において、防災教育は積極的に進められています。しかしながら、学習指導要領の中には、社会科や理科、総合的な学習の時間などに防災に関連する内容はあるものの、防災教育の表記はなく、計画的な指導は行われていないと言えます。より計画的な指導が区内各学校で行われるよう区教育委員会としても具体的な指針を示すことが必要と考えますが、いかがでしょうか。

 次に、学校が地域と連携して防災訓練を実施している学校は、小、中で11校あるとのことです。また、地域が主催する防災訓練に学校として参加している学校は4校、独自に防災隊を組織している中学校は3校あると聞いております。これらについては、今後、全校での取り組みへ充実を図っていくべきと考えますが、お考えをお聞かせください。

 最後に、あの3.11に発生した東日本大震災の中でも、日ごろの徹底した防災教育により、学校の管理下にいた全ての児童・生徒が生き抜いた地域があったことからも、改めて学校における防災教育の重要性が認識されています。北区においては、25年度より区立小・中学校において一貫した防災教育を始めるとし、関連予算212万円を盛り込みました。まちの安全性を高める大規模公園の整備や避難所の確保、充実などハードの部分はもちろん大切ですが、ソフトの部分、防災教育について、今後、中野区として、どのように考え、どのように取り組んでいくのか、お考えをお聞かせください。

 これで私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 内川議員の御質問にお答えをいたします。

 中野駅周辺のまちづくりについて、平成25年度の中野駅周辺まちづくり事業費についてであります。

 平成25年度は、中野駅地区第2期整備となる西側南北通路や中野三丁目側の駅前広場のほか、中野二丁目市街地再開発などの都市計画方針の策定を目指しており、平成24年度に行ってきた都市計画の検討や関係機関の協議などに加え、中野三丁目駅直近地区の現況調査や駅周辺全体の交通量調査などを行う予定であります。このほか再開発準備組合が発足した囲町地区について、再開発や街路整備の検討などにかかわる経費を計上しており、中野駅周辺まちづくりの事業費全体として増額となったものであります。

 中野二丁目まちづくりの進捗状況についてであります。

 中野二丁目地区まちづくりについては、再開発を契機として、南口駅前広場整備や周辺のまちづくりを進めていくことを考えており、現在は、再開発準備組合との間で再開発事業の実施に向けた都市計画の検討や、東京都など関係機関との協議を行っているところであります。南口駅前広場については、その拡張整備に向けて、再開発準備組合や東京都などとの協議を進めております。

 中野三丁目駅前広場の具体的な場所と確保の考え方についての御質問もありました。

 中野三丁目駅前広場を整備するためには、周辺一帯の面的な再整備が必要となるので、地権者の方を中心に、話し合いをしていきたいと考えております。中野三丁目駅前広場の具体的な場所については、中野駅地区の第2期整備の計画の中で定めてまいります。中野三丁目駅前広場となる場所の整備につきましては、まちづくりの事業手法とあわせて検討を進めていきたいと考えております。

 西口改札南北通路の整備時期についてであります。

 西側南北通路及び橋上駅舎西口改札の整備は、駅周辺の開発が進展する中、最優先で整備しなければならないと認識をしており、平成26年度の都市計画手続に向けて鋭意取り組んでいるところであります。都市計画決定後、段階的に整備に着手し、平成30から32年の竣工を目指しております。

 新区庁舎の位置も含めた考え方の提示についてであります。

 新区庁舎の位置は、南口も含めて、さまざまな可能性を検討しているところであります。今年度中には、新区庁舎の場所も含めた中野駅周辺の公共施設の配置について考え方を示してまいりたいと考えております。

 優良な高層集合住宅の立地についての御質問もありました。

 区役所・サンプラザ地区の再整備は、東京の新たなエネルギーを生み出す活動拠点の中核となるホールや業務・商業機能などを有する大規模集客交流施設として、民間事業者による整備を誘導していくものであります。再整備における高層集合住宅の立地については、職住近接の促進に加え、再整備事業の採算性を考慮すると、可能性のあるものと考えております。今後、区役所・サンプラザ地区再整備のみならず、中野駅周辺各地区の再開発によって、新たに住宅が供給される可能性もあると考えております。定期借地権方式につきましては、区役所・サンプラザ地区再整備における区有地の活用については、区民の貴重な財産の価値を毀損することなく最大限有効に活用するものとしており、活用の手法としては、定期借地方式も選択肢の一つと考えております。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 防災教育について幾つか御質問がございました。初めに、教育委員会として具体的な指針を示すべきという御質問です。

 防災教育については、各学校の平成25年度教育課程の中で具体的に防災教育計画を位置付け、全区的に取り組むこととしてございます。また、現在、第七中学校が指定校となって防災教育のあり方について研究に取り組んでおりまして、この成果を踏まえ、共通した取り組みについて検討してまいります。

 次に、地域と連携した防災訓練等をということでした。学校が地域と連携して実施している防災訓練などにつきましては、特に中学生などが災害時に地域の力として重要な役割を担うことが期待されていることから、今後、防災隊の結成なども含めて、各学校の地域と連携した防災教育を実施していきたいと考えております。

 小・中一貫とした防災教育の御紹介がありまして、区として防災教育をどう進めていくかということでした。小・中学校での一貫した防災教育につきましては、今後、小・中連携教育を進める中で、中学校区を単位とした取り組みについても検討課題として考えていきたいと考えております。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、区内インフラの老朽化についての御質問にお答えをいたします。

 まず、橋梁の点検、補修についてでございます。

 中野区が管理する橋梁のうち20年後に建設後50年以上の橋梁はどのくらいかという御質問でございました。20年後には、全体の63%に当たる69橋が50年以上経過することになります。

 次に、補修でございますが、今までの橋梁の補修につきましては、必要の都度、行ってまいりました。また、点検については、重点的に平成7年度、平成15年度と行い、必要な補修を講じてまいりました。今年度は、橋梁長寿命化修繕計画に向けて、全橋を対象に点検を行っているところでございます。橋梁長寿命化修繕計画につきましては、本年度中の策定を目指して検討しているところであり、平成25年度には、計画を国に報告し、あわせて公表を行う予定でございます。なお、平成26年度には国の補助金を活用できる見込みであり、計画に基づいた修繕をスタートさせたいと考えているところでございます。

 次に、過去の道路陥没及び空洞調査についての御質問でございます。

 水道管の漏水が原因と考えられる道路陥没件数は、過去3年間では、平成21年度が1件、平成22年度が1件、平成23年度が2件でございました。また、下水道管の老朽化が原因と考えられる道路陥没件数は、過去3年間では、平成21年度が19件、平成22年度が22件、平成23年度が26件でございました。路面下空洞調査につきましては、区内全域の区道を対象といたしまして、平成15年度から平成21年度まで実施してきているところでございます。

 次に、計画的な道路の点検、維持、更新についての御質問でございます。

 道路の点検につきましては、舗装の劣化状況を5年ごとに調査しております。その劣化の状況をデータ化して、数値的に把握できる道路管理システムの結果を参考にしながら、区民の皆様からの陳情や路線の重要度等を総合的に勘案して、補修の優先順位を選定しております。また、バス通り等の交通量の多い幹線道路と住宅地区内の生活道路とに分け、系統的かつ計画的に舗装改良を行うことで、良好な道路環境を維持できるようにしているところでございます。さらに、これとは別に、道路陥没や小規模の道路損傷等に対しましては、その都度、維持補修を行っております。今後の対応につきましては、区は、橋梁長寿命化修繕計画等の予防保全型の維持管理を進めることや優先順位を明確にした事業の見直しを図る等により、維持管理費の削減や計画的な事業執行ができるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

○議長(大内しんご) 以上で内川和久議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 若 林 しげお

 1 中野区の安定した財政基盤について

  (1)基金のあり方について

  (2)区有施設老朽化対策について

  (3)南部広域の施設整備について

  (4)その他

 2 中野区町会連合会事務所について

 3 その他

 

○議長(大内しんご) 次に、若林しげお議員。

〔若林しげお議員登壇〕

○1番(若林しげお) 平成25年第1回定例会におきまして、自由民主党議員団の立場から質問をさせていただきます。

 質問は、通告のとおり、1番、中野区の安定した財政基盤について、(1)として、基金のあり方について、(2)区有施設老朽化対策について、(3)南部広域の施設整備について、2番として、中野区町会連合会の事務所について、その他はありませんので、以上についてお伺いをさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 昨年末に、新政権が、大胆な金融緩和でデフレ、円高から脱却、弾力的な経済運営、経済規模の拡大や雇用の創出へ向けた戦略的な成長戦略を掲げ、誕生しました。株価が上昇し、期待が高まってはおりますが、まだまだ大幅な景気回復とは見られません。我々も、微力ながら戦略を推し進めていき、経済の立ち直りを目指していきたいと思います。

 まず初めに、中野区の安定した財政基盤についてお伺いいたします。

 平成24年度一般会計補正予算(第5次)において特別区民税6億6,100万円の増収が見込まれ、当初予算額は267億3,500万円でしたが、結果として、24年度予算現額は、273億9,600万円となる見込みです。また、今定例会で審査される平成25年度予算案の特別区民税275億4,140万円と24年度補正後の予算現額273億9,600万円と比較すると、1億4,540万円の増となっています。24年度補正増収予算額が6億6,100万円、結果として、25年度の区民税歳入見込み額は、24年度の区民税予算現額に比べ、1億4,540万円の増と、さほど差はありません。景気の動向の判断以外、ほかにどのような要因があるか、お答えください。

 特別区交付金の中には、普通交付金、特別交付金がありますが、その中で、普通交付金についてお伺いいたします。

 平成24年度の補正で、同交付金は、12億円の増の310億円となる予定です。そして、平成24年度当初予算普通交付金、25年度当初予算普通交付金の比較では8億8,000万円の増加となっておりますが、補正された平成24年度の予算現額310億円からすると、25年度普通交付金306億8,000万円は、3億2,000万円減少していることになります。

 また、特別区交付金全体を、平成23年、目標体系等の見直し方針の財政フレームで示された数字、302億円を比べると、平成24年度の補正予算後の特別区交付金320億円は18億円の増、25年度の特別区交付金予算案は11億2,000万円の減の311億8,000万円となっております。こうした要因はどうお考えでしょうか、お聞かせください。

 また、先の財政フレームには、財政の基幹収入である特別区税、特別区交付金は27年度までしか示されていませんが、それ以降の見通し並びに影響を及ぼす外的要因はどのようなお考えをお持ちでしょうか、お聞かせください。

 関連して、中長期的な財政計画を立てる上で必要な財政調整基金についても伺います。

 特定目的基金とは違い、年度間調整機能を中心に、職員の退職手当のオーバーフロー分や施設の大規模改修にも充てていると聞いています。

 平成24年度一般財源歳出は676億円で、歳入が626億円、その差額分を財政調整基金から50億円繰り入れています。25年度の一般財源歳出は668億5,000万円で、歳入は634億5,000万円、財政調整基金から34億円繰り入れることになっております。財政調整基金からの繰り入れを16億円ほど減らしたものの、中野区が基準とする一般財源規模650億円には依然として歳入不足、歳出超過の状況になっており、その差を財政調整基金年度間調整分から繰り入れることになっています。

 その財政調整基金について、過去を振り返りながらお伺いしますと、平成11年度、12年度には、財政調整基金が170万円台になったことがあり、年度間調整機能が立ち行かなくなってしまったことがあります。そこで、特定目的基金として積み上げてきた施設建設基金を平成13年度に廃止し、財政調整基金に取り込み、立て直しを図ってきた過去の事実があります。

 これを踏まえ、区の財政運営上、必要最低限の財政調整基金はおおよそ幾らぐらいだとお考えですか。また、財政調整基金は年度間調整機能以外の機能も持たせているわけですが、それぞれ最低必要な額についてどのようなお考えをお持ちですか、お聞かせください。

 続いて、財政調整基金の積み立ての原資の一部である決算剰余金についてお伺いいたします。

 地方財政法第7条第1項に、「地方公共団体は、各会計年度において歳入歳出の決算上剰余金を生じた場合においては、当該剰余金のうち二分の一を下らない金額は、これを剰余金を生じた翌翌年度までに、積み立て、又は償還期限を繰り上げて行なう地方債の償還の財源に充てなければならない」とあります。

 そこで、剰余金の2分の1を積み立てているとして、これまで中野区は、残りの2分の1も近いうちに必要となりそうな基金へ振り分けて積み立てていると聞いておりますが、事業実施の際は、外部評価の予算分野で指摘されている社会資本整備総合交付金など国や都の交付金を最大限に活用し、できる限りせっかく積み立ててきた基金を取り崩すのは抑えるべきと考えますが、見解をお聞かせください。

 区有施設の老朽化対策についてお伺いします。

 これから中野区の区有施設の老朽化は、深刻な問題の一つとなってきています。平成20年3月の中野区施設白書によれば、建築後40年以上経過した施設がわずか6年間で3倍以上の40施設に増加しており、そのうちの約半数、18施設が学校となっています。あと数年で、これらの施設は、減価償却耐用年数の50年を超えることになります。目の前に迫ったこれらの施設の大規模改修や建てかえを考えていかなければなりません。小・中学校再編で、老朽化の進む学校の改築・改修工事に備えた義務教育施設整備基金は積み立てを始めましたが、まだまだ先行きに不安があります。

 また、施設白書においても、区有施設の維持についての方向性を示しておりますが、作成から年月が経過しております。現在の各区有施設の状況を調査し、把握できていますか。

 平成24年第3回定例会決算特別委員会の総括質疑において固定資産台帳の整備について伺ったところ、現在、東京都が立ち上げた公会計制度改革研究会のワーキンググループのメンバーに入り、統一的な基準による整備について検討しながら情報を共有し、進めているとお答えをいただきました。

 しかし、それは、資産評価としてのもので、施設長期保全計画とは関係ないものと考えます。新しい中野をつくる10か年計画(第2次)や中野区立小中学校再編計画(第2次)、中野駅周辺まちづくりなど新たな計画が加わっている中、施設白書の中で、中長期的な考えのもととなる施設長期保全計画は、いまだ示されておりません。早急に計画を策定し、その所要経費を明らかにすることが必要であると考えます。この計画がなければ、基金への積み立てなどの財源計画も立てられず、対応が進んでいかないと考えます。施設長期保全計画の進行状況はいかがでしょうか。また、いつごろ議会に示せますか、お聞かせください。

 委員会でも質疑があったと思いますが、区有施設使用料を昨年改定しましたが、この使用料算定の根拠の中に施設の減価償却費が含まれていたと思います。本来なら、減価償却費相当額の施設使用料収入については、積み立てて再整備に要す費用の一部とすべきだと考えます。区有施設老朽化対策を進めるため、施設長期保全計画とあわせて基金の積み立ての計画を進めていくべきと考えますが、どのような対応をお考えですか、お聞かせください。

 南部広域施設整備についてお伺いします。

 これらは、平成27年度開設予定の(仮称)本町五丁目公園、平成28年度開設予定の(仮称)南部防災公園や旧中野富士見中学校跡地を活用した南部すこやか福祉センター、(仮称)南部地域スポーツクラブ、南中野地域事務所、(仮称)南部特別養護老人ホームと多目的広場、さらに、南部障害支援施設、(仮称)南部区民ホールを含む南中野区民活動センターと、多くの施設が同じ年度に整備、開設される予定となっています。

 特に(仮称)南部地域スポーツクラブのプールとかつてあった南部公会堂にかわる南中野区民活動センター内の南部区民ホールは、南台の夢であり、南中野の希望であります。(仮称)南部地域スポーツクラブは、プールを中心とするスポーツ施設のない南台、南中野にとって、健康管理のための体力づくりをする上で大切な施設となります。また、南部区民ホールは、きたごう秀文前区議会議員が長年にわたり、区民の声をもとに質問し、お願いしてきたことです。

 そこで、私が懸念していることは、南中野の施設整備終了、開設が27年度、28年度に集中して計画が立てられていることです。中野区内の南中野の施設整備以外に、中野駅周辺まちづくり、西武新宿線連続立体交差事業や西武新宿線沿線まちづくりなど、同年度に計画されています。これらはどういった手法で財源を生み出していくのか、予定どおり進んでいくのか、心配でなりません。

 そこで、まず、重要な財源として、国と東京都の交付金や補助金の調査、検証をし、確実に確保していくことが必要であると考えます。(仮称)本町五丁目公園、(仮称)南部防災公園のような大規模公園は、国庫補助金や都の都市計画交付金などの計画となっており、ほぼ特定財源で賄えるものと考えますので、予定どおり進むと思っております。(仮称)南部防災公園は、災害時にはもちろん一時避難場所として対応でき、日常は地域の方々の憩いの場となり、フットサルや少年サッカーのグラウンド、ゲートボールのコートを兼ね備え、消防団の放水訓練もできるばかりでなく、南台商店街を初め近隣の商店街の活性化にもつながっている、地元にとってとても大切な計画となっております。

 最も心配なのは、(仮称)南部地域スポーツクラブを兼ね備えた旧中野富士見中学校跡地施設、(仮称)南部区民ホールを含む南中野区民活動センターです。これらの施設の資金をどのように調達していくのかということです。もちろん国から、東京都からの交付金や補助金があれば確実に押さえていく、また、基金の活用、償還可能な起債の充当などを考えた上で今後の計画を立てていると思いますが、具体的にお考えをお聞かせください。

 ぜひこれ以上引き延ばしがないよう進めていただきたいと思います。

 次に、中野区町会連合会事務所についてお伺いします。

 中野区は、平成18年に庁舎の9階に町会連合会の事務所を設置いたしました。これは、当時の中野区町会連合会のたっての願いであったとともに、我が自民党、そして、公明党さんからもお願いした経緯があります。地域で最大のボランティアである町会との連携を密にするために、電話回線も引かれ、設置されたと思います。

 区長の施政方針にもあったように、町会連合会の皆様方には、区だけでは困難な地域の支えあいネットワークづくり、誰もが顔見知りになり、見守り合って必要なときに手助けし合う温かい地域の結びつきのお願いやひとり暮らしのお年寄り、障害のある人、高齢者だけで暮らしている人などが安心して日常を過ごすことができ、災害のときにも協力をしていただけるようお願いしていると思います。

 これからは、さらにすこやか福祉センターとの連携を深め、地域の要支援の方々の情報、地域の見守り名簿の提供などを進めていこうとしております。これからもさらに町会連合会との連絡を密にし、支えあいの輪をより大きく広げていかなければならないと考えております。

 そこでお聞きします。

 今の現状は5階にあるようですが、どのような状況でしょうか。

 私は、身近な庁舎内に町会連合会などの地域で公益活動を行っている団体の使用できる事務所スペースがあるべきだと考えます。例えば中野区体育協会が中野体育館内に事務所があるように、町会連合会などの活動の拠点となるように、電話や簡単な会議ができる事務所スペースを再整備してはいかがでしょうか、お考えをお聞かせください。

 以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 若林議員の御質問にお答えをいたします。

 基金のあり方についての項目からであります。

 まず、特別区民税の増額要因についてということです。

 特別区民税は、景気動向に基づく所得の変動に大きく左右されるわけでありますが、平成25年度予算案では、これ以外に、納税義務者数の増加や税制改正などの要因も勘案して、平成24年度補正予算案と比較をした場合には、1億4,500万円の増額となる、そうした見込みをしたところであります。

 それから、特別区交付金のうちの普通交付金についての御質問がありました。

 25年度予算については、都の積算ベースに都区で合意した25年度の都区財政調整フレーム、こういうものがあります。このフレームに基づいて、基準財政需要額の算定ルールに基づいて需要額を算定し、さらに事業に見合った形でついてくる財産費の増、これを加味し、306億8,000万円と見込んでおります。しかし、24年度予算では、財産費が10億円、25年度予算では20億円というふうに数字が変わって盛り込まれております。結果として、当初予算では、実質的にほぼ変わらない額となっているところです。また、財調交付金は、税収の動きによってフレームよりも実際の交付額が増減をする、これが避けがたいものであります。24年度の場合には、当初のフレームに比べて増収であったために、増額補正となりました。25年度においても、税収の動きによっては何らかの補正が生じる、このように考えております。

 それから、23年1月21日の目標体系の見直し方針の際の財政フレームと比べて24年度補正後の特別区交付金は18億円の増、また、25年度当初予算と比較すると11億2,000万円の減である、この要因についてといった御質問がありました。

 目標体系等の見直し方針の財政フレームは、23年度当初予算策定時の5年間の財政見通しとしてお示しをしたものであります。この間、さまざまな変動要因が加わっていることから、この23年度財政フレームと25年度予算を比較して議論することは難しい、こんなふうに考えております。

 それから、施設整備の財源確保についてというところであります。

 毎年度、財政運営の考え方の中で当該年度から5年間の見通しをお示ししております。今年度については、25年度から29年度までの推計をお示しするところであります。特別区税や特別区交付金については、その時々の経済状況に大きく左右されるほか、税制改正による影響も大きいものであります。近々の要因といたしましては、消費税増税が予定をされております。歳入の想定外の減収があった場合にも、安定した行財政運営を続けるために、財源の年度間調整機能を有する基金を適切に活用することが今後ますます重要になってまいります。

 基金のあり方についてであります。

 基金のあり方については、当然、多いにこしたことはありませんが、財政状況などに大きく左右され、増減する区財政に対応できるような基金として財政調整基金、その中でも、年度間調整分というものを想定しております。年度間調整分のこの基金につきましては、少なくとも3年から5年程度の経済の低調、これが続いても耐えられるだけの残高は確保したい、こう考えております。このように考えてきますと、その額は、おおむね100億円から150億円程度は望みたいところだ、こんなふうに考えております。財政調整基金には、年度間調整分以外に退職手当分と施設改修分があります。これらにつきましては、毎年度お示しをしている5年間の財政フレームの中で、その間に必要となる需要を算定し、適切な対応ができるよう計画的な積み立てと活用を図っております。

 それから、基金取り崩しの抑制ということであります。

 施設建設等に当たりましては、国や都の補助制度を最大限活用するとともに、基金や起債など各種の特定財源と一般財源を適切に組み合わせて、的確な財政見通しを持った上で進めているところであります。基金は、税収などをもとに積み立てを行っているものであり、区の貴重な財産であります。限られた財源の中、その効率的、効果的な活用は、区政運営のかなめと言ってもよいものだと思っております。今後とも中長期的な見通しを持ちながら、国や都からの特定財源をしっかり確保し、予定外の支出によって基金を取り崩すことにならないよう、計画的な財政運営を行ってまいります。

 それから、中野区町会連合会の事務所についての御質問がありました。

 町会連合会などが事務連絡等に使用する事務室について、現在は、本庁舎5階に約7平方メートルばかりのスペースを設けております。町会連合会の活動実態や町会連合会に対する将来の期待などを考慮いたしますと、これはいかにも手狭であります。これについて、できるだけ拡充できるよう、現在、検討を行っているところであります。

 私からは以上です。

〔経営室長川崎亨登壇〕

○経営室長(川崎亨) 私からは、区有施設老朽化対策のうち、施設の現況把握についてお答えをいたします。

 区の施設につきましては、各施設管理者による日常点検及び施設分野の技術職員が実施をする性能点検のほか、建築基準法に基づく定期点検等によりまして、建築設備や外観等の劣化状況などについて把握をしているところでございます。

〔政策室長竹内沖司登壇〕

○政策室長(竹内沖司) 長期保全方針の進捗状況についての御質問にお答えをいたします。

 区立施設の長期保全にかかわる方針につきましては、現在策定中の中野区立小中学校再編計画(第2次)や新区役所整備基本構想等の内容を踏まえて、今後の維持経費の算定を行った上でお示しをする考えでございます。

 それから、基金の積み立ての計画を進めていくべきではないかという御質問がございました。

 減価償却相当額につきましては、本来的には、事業継続に必要な相当額を積み立てておくべきものと考えております。ちなみに減価償却費の累計額は、財政白書では、約1,000億円としているところでございます。今後、真に必要な施設の数や規模の検証などを行った上で、国や都の補助制度の最大限の活用や世代間の負担の公平に基づいた起債の活用とあわせ、計画的な基金の積み立てと活用を図ってまいります。

〔地域支えあい推進室長瀬田敏幸登壇〕

○地域支えあい推進室長(瀬田敏幸) 南部広域の施設整備に関連いたしました財源確保についてお答えをいたします。

 南部すこやか福祉センター等及び南中野区民活動センター等の施設建設に当たりましては、国の社会資本整備総合交付金を含めまして、国や都の補助制度を最大限活用するとともに、基金や起債など各種の特定財源と一般財源を適切に組み合わせまして、的確な財政見通しを持った上で進めているところでございます。

○議長(大内しんご) 以上で若林しげお議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 むとう 有 子

 1 清掃工場の安全な操業について

 2 DV相談事業の男女平等化について

 3 その他

 

○議長(大内しんご) 次に、むとう有子議員。

〔むとう有子議員登壇〕

○39番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただきました御意見をもとに質疑いたします。

 1番目、清掃工場の安全な操業についてお尋ねいたします。

 自治権拡充の名のもとに、身近な自治体できめ細かな清掃事業をの大合唱で清掃事業が区に移管され、12年が経過しました。ふれあい収集や高齢者訪問収集などの収集事業は、区の独自性を発揮し、より身近な事業となりました。

 しかし、23区共有の施設である清掃工場は、東京二十三区清掃一部事務組合──以下清掃一組と言います──が管理運営を行っており、清掃工場にかかわる全ての事柄がここで決定されます。そこには、23区の区長で構成する評議会や各区の議長で構成する一組議会がありますが、区民にとっても、私のような一議員にとっても遠い存在で、現在進行形の課題や決定過程が見えにくく、ましてや清掃工場のない中野区では、清掃事業のかなめである清掃工場で何が起こっているのか、課題が見えず、大変遠い存在に感じられます。

 そこで、あえて清掃一組が所管する清掃工場について、清掃一組の一翼を担う中野区の認識を数点お尋ねいたします。

 清掃一組は、経営改革プランに基づき、工場の運転管理業務委託を進めています。その結果、熟練職員が減り、技術の継承がままならず、工場の安全管理体制が極めて危うい状況が生じています。

 そして、何よりも残念なのは、区移管以降、清掃工場の作業にかかわる事故によって、7人ものとうとい命が失われたことです。

 2009年9月には、品川清掃工場灰溶融施設で日立造船の下請派遣労働者、21歳が密閉型の主灰搬送コンベヤーに巻き込まれ、死亡するという事故が発生しました。その際、民間委託による人件費削減で、2人体制が遵守されなかった上、人材派遣会社の社員で経験がほとんどない労働者に対する運転技術研修や指導不足が招いた事故でした。

 そしてまた、過去の死亡事故の教訓が生かされず、去る1月10日、新江東清掃工場において、焼却炉の定期補修工事を請け負っているタクマの下請会社の作業員、41歳が、ボイラーダストコンベヤーに転落し、巻き込まれて死亡しました。あきれることに、2002年にも、新江東清掃工場の定期補修工事で、今回と同じく、元請がタクマで、その下請も同じ会社の作業員が整流板補強プレートに落下し、死亡しました。つまり、新江東工場では、2人目の死亡事故です。

 清掃一組に説明を求めたところ、死亡した作業員は、昨年12月15日に採用されたばかりで、新江東工場での作業は5日目だったそうです。またしても単独1人の作業であり、安全ベルトも装着しておらず、元請のタクマが策定した作業手順に不備があったとのことでした。

 今回の死亡事故も、2人体制が遵守されない上、経験未熟者に対する運転技術研修や指導不足が招いた事故であると言えます。

 下請労働者の安全管理責任は元請業者であるタクマにあることは言うまでもありませんが、請負業務にかかわる職安法、人材派遣法、労働安全衛生法などの法令遵守をさせる責務や安全配慮義務は、発注者である清掃一組にもあることを清掃一組は自覚すべきです。さらに言えば、清掃一組の構成員である中野区も、責任をしっかり自覚し、三たび死亡事故を発生させないよう安全管理体制の確立に向け、区長は評議会で発言していただきたいと思います。

 しかし、清掃一組は、この死亡事故について、公に発表をしていません。1月22日付の都政新報には、発表しない理由について、安全対策も含めて第一義的な責任は請負業者にある、区民の生活に直接影響のある事故ではないためと説明したと書かれており、私が清掃一組に確認したところ、そのように答えたとのことでした。

 清掃一組が管理する工場で人が亡くなったにもかかわらず、事故原因の究明をみずから行わず、タクマに任せ、発注者である清掃一組がこのような無責任きわまりない言葉で区民の生活に直接影響のある事故ではないと処理する清掃一組の認識をただすことと、このたびの死亡事故についての見解を清掃一組の評議会のメンバーでもある中野区長に求めます。お答えください。

 ここ数年、清掃工場で自主規制値を上回る水銀が検出され、焼却炉の停止や補修経費、約3億円の損害を生じました。原因はいまだに不明ですが、民間の一般廃棄物処理業者が持ち込んだ不適正ごみだと推測されています。

 これらを未然に防ぐためには、各区が業者への指導や立入検査などの力量を高めなければなりません。とりわけ清掃工場の現場においては、ごみの入り口での搬入受け付け・計量業務によって不適正ごみの搬入を食いとめるため、職務に修練したベテラン職員による厳しい監視がますます不可欠となります。

 ところが、清掃一組は、2013年度から灰溶融施設併設6工場、2015年度からは、その他の全ての工場の搬入受け付け・計量業務の委託を決めています。この委託は、清掃工場の安全な運転を脅かすものです。よって、搬入受け付け・計量業務委託の見直しを清掃一組に求めるべきだと考えますが、見解をお答えください。

 また、新規開設する清掃工場は、安定稼働の確保及び新技術の習得を図るため、運転管理業務を含め、直営による運営とするとの2010年度の決定を覆して、2014年度に竣工予定の新大田清掃工場の運転管理業務を委託するとの驚くべき提案がなされました。

 しかし、新規清掃工場はさまざまなトラブルが発生することが常であり、安定稼働に至るまでには、熟練職員による機械の性能チェックや工事の改善をメーカーにさせるなど、技術力が必須です。瑕疵担保期間に不具合を発見できれば無料でメーカーに補修させますが、期間内に発見できなければ、補修には莫大な経費がかかります。新規工場での不具合箇所は、数百件にも及ぶと言われています。多くの不具合は、工場を運転稼働して初めてわかります。発注者の責務である新規工場の性能の確認をせずに運転管理業務を民間委託することは、安全な操業を軽視した提案であり、認めることはできません。新規清掃工場は直営による運営とするとの2010年度の決定を遵守することを清掃一組に求めるべきだと考えますが、見解をお答えください。

 さらに、震災後の被災地では、直営工場が震災瓦れき処理に果たした役割が高く評価されました。23区は、こうした事実を検証し、直営工場を再評価する必要があります。

 日本の都市の衛生は、諸外国と比較にならないほど守られてきました。自治権拡充の歴史と23区の清掃事業が果たしてきた役割を踏まえれば、巨大な化学工場である清掃工場の安全操業のために、職員の技術を高めることこそ日本が誇る技術者集団である清掃一組のあるべき姿と言えます。

 よって、これ以上の委託はせずに、必要な職員の採用を行うよう清掃一組に要請すべきと考えますが、見解をお答えください。

 清掃一組の構成員であるとの自覚を持った答弁を求めます。

 次に、DV相談事業の男女平等化についてお尋ねいたします。

 昨年12月、男女共同参画基本計画が改定されましたが、中野区は、世の流れと逆行し、男女共同参画センターを廃止し、区役所への移転を決定しました。センターで行っていた相談事業は生活援護分野に移り、2名体制による女性相談事業へと拡充し、DV被害者支援の総合窓口化を図るとしています。

 2001年に施行されたDV防止法では、男性から女性への暴力のみならず、女性から男性への暴力も対象とされました。2010年第1回定例会の一般質問で私が取り上げましたが、女性から男性への暴力、いわゆる逆DVの問題が年々深刻化し、その件数も増加し、ある弁護士事務所では、DV相談のうち4割が逆DVだそうです。

 女性相談だけを拡充し、男性相談は東京都にお任せで区は行わないとする姿勢は、男女平等ではありません。この歳、男性相談事業にも取り組み、新設するDV被害者支援総合窓口へとつなげるべきではないでしょうか、検討を求めます。お答えください。

 誠意ある答弁を求め、全ての質問を終わります。

〔環境部長小谷松弘市登壇〕

○環境部長(小谷松弘市) 私のほうからは、清掃工場の安全な操業につきましてお答え申し上げます。

 まず、今回の清掃工場の事故についてでございます。

 東京23区清掃一部事務組合が管理いたします施設におきまして起きた事故に対し、事務局幹部の説明として掲載された新聞記事があり、これに対しましては、中野区としてはコメントする立場にはございません。また、安全管理をより一層徹底し、事故の再発防止に努めるよう求めてまいりたいと思います。

 それから、受け付け・計量業務を委託しないようにということでございますが、清掃一部事務組合では、区長会方針を受けまして、平成18年1月に策定いたしました経営計画に基づき、安全で安定的な清掃工場の運営を図りつつ、アウトソーシングを進めるものでございます。したがいまして、見直しを求める考えはございません。

 それから、新規開設いたします大田清掃工場の委託化についてでございます。一部事務組合は、経営計画に基づきアウトソーシングを進めてございまして、新たに開設いたします大田清掃工場につきましてもその方針に従って委託するものでございまして、区といたしまして、見直しを求めるという考えはございません。

 それから、職員を採用いたしまして、技術力を高め、これ以上の委託化をしないようにということでございますけれども、これにつきましても、一部事務組合では、清掃工場の委託化を進めながらも、計画的な人材育成と工場の管理運営に関する技術の確実な維持、継承、向上を図ってございまして、そのような御提案のような要請をする必要はないと考えてございます。

〔政策室長竹内沖司登壇〕

○政策室長(竹内沖司) 私からは、DV相談事業の男女平等化についての御質問にお答えをいたします。

 男性のDV相談につきましては、専門相談を実施しております東京ウィメンズプラザの実績を見ましても、いまだ件数的に多いとは言えない状況にございます。こうした中では、区が独自に男性専門相談の相談員を配置して対応するということではなく、ウィメンズプラザと連携をして、この東京都の男性相談に着実につなげていくことにより、適切に対応していきたいと考えております。

〔むとう有子議員登壇〕

○39番(むとう有子) 1点、再質問をさせていただきます。

 経営改革プランに基づいてアウトソーシングを進めていることは承知しておりますけれども、経営改革プラン後に確認されております一組自身が決めました新規清掃工場は直営による運営とするという2010年度の決定を遵守することを求めていただきたいと言っております。そのことについて再度お答えください。

〔環境部長小谷松弘市登壇〕

○環境部長(小谷松弘市) 再質問にお答えいたします。

 2010年度に決定されたというただいまの委員の御発言でございますが、清掃一組の経営方針としてそのような方針を決定したという事実はございません。

○議長(大内しんご) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 奥 田 けんじ

 1 景気循環を踏まえた財政計画について

 2 本格的なバランスシート作成と発生主義の尊重について

 3 半期決算の導入による財政のPDCAサイクル構築について

 4 その他

  (1)待機児解消後の対策について

  (2)その他

 

○議長(大内しんご) 次に、奥田けんじ議員。

〔奥田けんじ議員登壇〕

○28番(奥田けんじ) 一般質問をいたします。

 今定例会では、厳しい財政運営を強いられる中野区政において、なぜこういう状況に至ったのか、その改善にどういった処方箋が可能かといった視点で質問をいたします。

 また、その他の項については、時間の関係で割愛をいたしますので、よろしくお願いいたします。

 1番の景気循環を踏まえた財政計画について伺います。

 今定例会の区長所信表明では、現在、自治体行政は収入は右肩下がりという時代に入っているとの認識が示されました。デフレ経済が続き、失われた20年とも言われる日本経済の現状認識として妥当と言えます。

 しかし、長期の財政計画はどうなっているでしょうか。10か年計画(第2次)の財政見通しでは、10年間、足踏み期間はあるものの、基本的には右肩上がりの前提となっております。一方、現実はどうでしょうか。バブル崩壊以降、右肩下がりの財政を我々は4回経験しております。4年から7年のサイクル、長くても最長で5年、後退局面が続くといった状況がございました。

 高度経済成長期であれば、上昇トレンドがあるために、景気後退局面であっても、財政的に、増えはしなくても、横ばいで乗り切れた、こういった状況かもしれません。しかし、低成長時代にあっては、我々が直視すべきは、景気後退局面では、財政は複数年にわたって前年割れを起こし得るということであります。

 平成21年1月のリーマンショック前に出されました財政運営の考え方では、景気の落ち込みにより、今後3年間、財政の前年割れが続く、こうした見通しが示されました。これは非常に妥当なものであったわけでありますが、ところが、平成22年3月に──リーマンショック後であります──出されました10か年計画(第2次)の中では、厳しい状況は今後3年は続くとしながらも、実際の財政見通しでは、翌年は横ばい、そして、その後すぐに回復をするという予想をしているわけであります。

 そこで伺います。

 リーマンショック前の見通しで平成24年にかけて前年割れが続くと予想していたものが、リーマンショック後に直ちに横ばい、回復とむしろ景気回復が早まるシナリオに変更されているのはなぜでしょうか。根拠と考え方をお示しください。

 また、10か年計画(第2次)の財政の見通しは、先ほど申し上げましたように、基本的に右肩上がりの財政見通しになっております。この根拠と考え方、お示しをいただきたいと思います。既に申し上げましたように、前年割れが続く状況というのは、我々は経験しているわけでございます。

 一方で、今定例会の区長所信表明の中では、行政収入、つまり、財政の右肩下がりという状況については御認識ということであります。いつからこういった御認識になったのか、10か年計画の財政見通しと整合しているのか、お答えください。

 次に、平成18年に、平成12年からの15か年の財政の見通しから、670億円とした「基準となる一般財源規模」は、リーマンショック後に650億円に下方修正をされました。しかし、下方修正した財政規模というのは、直近、平成24年2月に出されましたフレームベース、これと比較しても、平成28年度までに既に60億円のマイナスとなっております。

 バブル後、5年を超えた回復が続いた経験をしたことはないわけでありますけれども、既に平成28年まで回復局面を織り込んでいるために、650億円のフレームの根拠として、平成31年まで10か年計画では回復が続くと見込んでいる前提で、650億円としているわけですが、これが成立するとは考えにくいわけであります。

 楽観的に見積もって平成31年度まで横ばい予想をしたとしても、さらに90億円のマイナスが発生するわけであります。締めて150億円程度の不足が予想されます。少なくとも60億円から150億円は、10か年計画時のフレームから累積で不足が予想されるわけであります。

 毎年度の歳入の下方修正、これをするという方法ではなくて、私は、財政規模の基準を改めて引き下げるべきではないかと考えておりますが、いかがでしょうか、御所見を伺います。

 次に、今後の長期財政計画改定、例えば10か年計画の見直し等の時期でございますが、こうした際には、こうした複数年にわたる前年割れなどの景気循環をしっかりと織り込んだ財政見通しをすべきではないでしょうか、御所見を伺います。

 次に、本格的なバランスシート作成と発生主義の尊重についてお伺いをいたします。

 現在の財政情報と分析手法においては、財務の健全性、経営成績の判断において不十分であります。改善のためには、複式簿記の財務会計システムの導入、管理会計を目的として、バランスシートと行政コスト計算書を再構築する、さらに、それに基づく健全性と経営成績の判断に資する指標とベンチマークを持つ、これが必要であります。

 詳細は総括で伺わせていただきますけれども、論点提示の意味で、公債費と、その分析手法についてお伺いいたします。

 現在、公債費は、一般財源に占める公債費の割合、公債費負担比率を用いておりますが、これを指標として、ベンチマーク10%以下というものであります。

 しかし、この公債費には、元本返済と利払いが合計した金額で分析対象とされているために、元本をたくさん返済すれば、財政的に本来であれば健全化しているにもかかわらず、指標自体は悪化してしまいます。本来なら、公債、区の借金に対する財政分析は、財務の健全性の観点からは、公債の元本の残高が中野区の資産の全体の何割に相当して、ベンチマークと比較して残高の純増減、これがどうなっているのか判断すべきではないでしょうか。これはストック分析と申します。

 さらにまた、経営成績の観点から言えば、本来なら、利払いの部分に注目して、行政コスト全体に対して一定の割合におさまっているかどうか、これを分析すべきであります。これはフローの分析になります。

 平成23年度決算ベースで、公債費134億円が一般会計に対する影響で10%を超えたという見解が示されました。現金の現象を捉える意味では意味があるものであると思います。しかし、内容は、元本の返済126億円、利払いが8億円というものであります。本来であれば、ストックベースで80億円の負債の純減というものを把握するべきであります。新規で46億円発行して、償還が126億円、相殺しまして純減が80億円ということであります。

 これが資産4,622億円に対して、健全性の改善にどの程度寄与したのか、フローベースで8億円の利払いが行政コスト864億円に対してどの程度影響を持つのか、また、金利上昇局面においては、金利が例えば3倍になれば、24億円の利払いが発生するということであります。利払いが経営上耐えられるのか、こういった分析が必要ではないかと思います。いかがでしょうか、御所見を伺います。

 次に、半期決算の導入による財政のPDCAサイクル構築についてお伺いをいたします。

 区は、目標と成果による経営を標榜し、政策のPDCAサイクルを構築いたしました。一方で、財政面のPDCAサイクルは、道半ばであります。

 現状は、政策は立案しても、お金がなかなかついてこないといった状況があります。例えば今定例会は平成25年度の予算を審査するわけでありますけれども、議会に示された直近の決算数字は、昨年の9月に出された平成23年度の決算のみ、2年も前の成果に基づいて目標となる予算の審査をするのは大変困難であります。

 条例に基づいて、毎年11月20日号の区報で、上期決算、財政状況の見通しが公表されております。過去3年のものを比較すれば、全体に収入率──特に消費税が顕著でありましたが──収入率が悪化している一方で、都市整備を初めとして支出の執行率が低下している状況がうかがえます。

 この公表の範囲では、景気の減速感、あるいは工期のおくれなどが推測することはできますけれども、これ以上の分析は不能であります。企業のように四半期決算を求めるつもりはありませんけれども、せめて半期ごとの直近の予算、決算をPDCAサイクルで構築すべきではないでしょうか。

 つまり、理想的には、12月の議会の段階で前年度上期決算を出して、3月に本年度予算を組む、そして、一つ議会を前倒ししまして、前年度決算については6月に行って、必要があれば、その決算に基づいて9月に補正を組むという体制、さらに、12月に次の本年度の決算、そして、3月に来年の予算、つまり、半年ごとに予算、決算というものを直近半期のものをしっかりと踏まえた上でサイクルを回していく、これが財政のPDCAサイクルではないでしょうか。

 技術的なことを含めて、詳細は総括で伺いますが、既に上半期の財政の状況については、概要は公表されております。議会に対し、目のレベルで情報を示すことによって、景気動向と歳入の見通し、義務的経費や政策的経費の直近の課題を踏まえた予算審査が可能となると思いますが、いかがでしょうか。

 以上をお伺いして、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。

〔政策室長竹内沖司登壇〕

○政策室長(竹内沖司) 私からは、景気循環を踏まえた財政計画についての御質問にお答えをいたします。

 まず、10か年計画(第2次)の財政見通しについての御質問がございました。

 平成20年9月に起きましたリーマンブラザーズが破綻をしたことを発端に、世界経済への影響があらわれていたことから、10か年計画(第2次)の財政見通しでは、平成22年度から23年度にかけてが景気の底と想定をしたところでございます。そうしたことから、下げるという想定をしませんでしたし、上げるという見込みも持ち得なかったところでございます。それから、23年度以降のプラス成長についてでございますが、これにつきましては、国や民間シンクタンクによる見通しなどを参考に、経済成長率を各年1.4%と想定したところでございます。

 それから、区長の施政方針説明の中での表現を捉えての御質問がございました。

 これは、リーマンショックで大きく落ち込んだ歳入が3年を経ても落ち込む前のレベルに戻っていない、一方で、義務的経費が著しく増加し、収支が均衡しない状況、これを捉えて表現したものでございます。

 次に、基準の650億円を見直す必要があるのではないかとのお尋ねがございました。

 650億円は、中長期的な視点で収支均衡を図ることを考えており、長期的なスパンで見ると、この650億円を基準に上下するということについては、間違っていないと考えているところでございます。ただ、今後の経済動向によっては、変更することもございます。また、消費税法改正によりまして区の財政構造が変化することに伴い、基準額の見直しが必要になるものと考えております。

 それから、長期財政計画に景気循環を織り込むべきとの御質問がございました。

 中長期の財政フレームの策定に当たりましては、国や民間シンクタンク等が明らかにする景気動向や経済成長率を参考とし、また、税制等の制度改正など、その時点で把握できるさまざまな変動要素を加味しながら、的確な見通しを持っていく考えでございます。

〔経営室長川崎亨登壇〕

○経営室長(川崎亨) 発生主義に基づく財務分析についてお答えをいたします。

 公債費比率は、財政の硬直性をはかり、健全性の一側面を捉えるもので、他の自治体との比較や長期間の変化を把握する意味では有効なものと考えております。御質問にありましたように、中野区では、公債費負担比率という考え方も採用しており、財政運営の健全度をはかる上では、この指標も重要と考えております。決算におきましては、御存じのとおり、発生主義会計に基づく分析も行っており、貸借対照表においては社会資本形成における負債比率や地方債償還可能年数といったストック情報、また、行政コスト計算書では税収等負担の割合などのフロー情報も分析をし、財政白書でお示しをしているところでございます。今後も、財務書類の精度を高め、行政経営に活用できるよう、ストック、フローの分析方法をさらに工夫していきたいと考えております。

 次に、半期決算についてでございますが、区報による財政状況の公表は、中野区財政状況の公表に関する条例に基づきまして、区民の皆さんに対して、予算の執行状況の概要などをお知らせするものでございます。半期決算として議会で御議論をいただけるような資料、これを年度途中でまとめるということにつきましては、作業量が多く、対応できないものと考えております。

○議長(大内しんご) 以上で奥田けんじ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 近 藤 さえ子

 1 U18プラザ事業について

 2 子ども虐待について

 3 その他

 

○議長(大内しんご) 次に、近藤さえ子議員。

〔近藤さえ子議員登壇〕

○29番(近藤さえ子) 無所属の近藤さえ子です。よろしくお願いいたします。

 U18プラザ事業について。

 新しい中野をつくる10か年計画(第2次)には、現在ある児童館は、U18プラザ9館と全ての小学校に配置するキッズ・プラザに再編しますと明記されています。現在、上高田児童館はU18プラザ上高田となり、25年度に新たに2館がU18プラザ館となる予定になっていますが、残り6館は、いつ、どこの児童館が、どのような内容のU18プラザになるのかについて、区の方針はまだ示されていません。

 その中で、U18プラザ事業館と指定されている児童館では、現在、職員たちが手探りの状態で中高生対応の事業も行っています。

 今回は、U18プラザ事業の中高生事業の部分について質問いたします。

 既に中学生の居場所となっているU18プラザ事業館もあります。例えばバンド活動ができる部屋がある南中野児童館、バスケットボールができる部屋を持つ城山ふれあいの家さくら館、このような児童館には、自然と中学生が集まってきています。

 これら中学生が集まる場所は、立地条件と設備の面が大きく影響していると思います。第四中のそばの大和児童館にも、毎日学校帰りに10人ほどの生徒が寄って遊んでいくそうです。今後、学校の再編でU18プラザ事業館が遠くなった場合、中学生がわざわざ現大和児童館まで行くかが疑問です。

 区は各館の特殊性を生かしてU18プラザ事業を進めていくと言いますが、中高生のニーズに合ったU18プラザでなければ、職員がどんなに一生懸命イベントなどを考えても、中高生は集まってこないと思います。

 先日、私の地元の北原児童館で、中高生向きの懇談会を企画しました。川崎で地域活性化に取り組んでいる大学の准教授がファシリテーターとなり、自分たちのまちの未来、U18プラザに求めるものは何かなどについて語り合い、活発な懇談会となりました。当日休みだった高校生と大学生、児童館運営協議会のメンバーが集まり、職員が知恵を絞った企画をした懇談会は、大変有意義なものとなりました。しかし、一般の中高生は学校に通う日でしたので、参加できませんでした。このようなイベントを行うには、中高生が参加できる夜の時間の設定が必要です。

 キッズ・プラザが学校に入っていないU18プラザ事業館である児童館は、朝の乳幼児対応に始まり、昼から夕方まで小学生の対応をしています。加えて中高生の対象に夕方から事業をするとなると、同じ職員たちでは回りません。学童クラブの民間委託が進み、正規の職員が少なくなっている中、現状のまま、乳幼児、小学生、さらに中高生を対象とする事業をすることは、かなり厳しい現状であると思います。

 現在、すこやか福祉センターと近隣の中学校、U18プラザ事業館が中学生のボランティア活動の促進や中学生が抱える問題の解決に対応する連携体制を築き、U18プラザ事業館の職員たちは、このコーディネーター役を務めています。このような機能を評価し、大切にしながら、今後、民営化していくにしても、今後のU18プラザの事業のあり方についての方向性と計画について、しっかりとした検討が必要であると思います。

 今後、中高生に対するU18プラザを9館つくり、各館が特徴のある中学生向けの事業をしていく計画に変わりはないのでしょうか。

 中高生に対するU18プラザを目指すのであれば、中高生が来館できる時間の対応設定が必要であり、夕方の時間帯に中高生と向き合える人材の確保も必要です。区が本気で中高生対応に取り組むのであれば、中高生、学校、児童館職員の声を酌み上げ、少しでも中高生のニーズに合った環境が整備できるように、U18プラザの基本方針をつくるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、子どもの虐待について。

 先日、私は、子ども虐待と子どもに対する性犯罪をゼロにするために取り組む団体、NPO法人シンクキッズのシンポジウムに参加しました。救急ヘリ病院ネットワーク理事長、元警察庁長官国松孝次氏の開会の辞に続き、弁護士、大学教授、内科医、新聞社、警察庁等各関係者のパネリストの話がありました。会場には、多くの弁護士、児童相談所の職員、新聞記者、各庁職員、関心を持つ100人以上が集まり、席が足りなくなり、立っている聴講者が出るほど、児童虐待防止への関心が高いことのあらわれと感じました。

 このNPO法人シンクキッズの資料によりますと、平成22年度には、全国で98人の子どもが虐待死しています。相談件数は、平成23年度5万9,000件に上り、この20年で50倍に激増しています。

 このような現状を踏まえ、シンポジウムでは、各界の専門家が次のような問題を話し合われました。

 性虐待では、性虐待の適用罪が刑法の強姦罪または強制わいせつ罪の場合、いずれも親告罪であるため、被害児童本人が加害者の処罰を求めるアクションを起こすことが強いられ、特に家族間の虐待を告発することは家族の崩壊を意味するため、家族を壊したのは自分であるという罪悪感を被害児童に持たせるようになってしまっていることにも問題があり、子どもたちは虐待被害を誰にも言えないという現状が常で、虐待が長引いてしまうということが多くある。このような現状から、被害児童がみずから行動を起こさなくても、証拠があれば虐待者を処罰できるよう性虐待を親告罪ではなくするための法整備を検討すべきである。また、被害児童の心理的ケアを行う医者等も不足している。このことも大きな問題であり、虐待を受けた子どもたちの心のケアの重要性を考えなければならない。

 このように、虐待を受けた子どもたちと現場で向き合ってきた専門家の意見は重く、差し迫ったものでした。

 中野区のケースを伺います。

 性虐待の場合、被害者が自分の被害者性に気づきにくいという特徴があるといいます。特に、虐待の加害者が親族である場合、多くの子どもたちは、SOSが出しにくいのが現状です。

 中野区の教育要覧を見ても、平成23年度虐待者の62%が母親、24%が父親で、全体の86.6%が親から虐待を受けていることがわかります。虐待が子どもにとって一番安心できるはずの家庭の場にあるということです。

 この現状から子どもたちを救うためには、SOSを出してもよいのですよ、早期にSOSを出してくださいねということを周りの大人たちが子どもに伝え、適正な指導が受けられる体制を用意する必要があるということです。

 中野区で把握している性虐待のケースはどのぐらいあるのでしょうか。

 子どもたちがSOSを発信できる体制になっているのでしょうか。

 性被害にかかわらず、虐待防止へ向けての相談支援の周知は、児童・生徒、保護者に届いているのでしょうか。

 子ども虐待は、深刻な状況です。区でもいろいろな取り組みがあると思いますが、早期発見、早期抑制、解決へ向け、関係機関との連携強化が求められます。また、さらに踏み込んで、児童・生徒らがSOSを発信しやすい環境づくりを子育て支援センターが中心になって具体的に取り組むべきと思いますが、御意見をお聞かせください。

 これで私の質問は終わります。ありがとうございます。

〔地域支えあい推進室長瀬田敏幸登壇〕

○地域支えあい推進室長(瀬田敏幸) U18プラザ事業についてのお尋ねにお答えをいたします。

 今後の事業を展開していく中での計画に変更がないという点につきましては、中高生も含めまして18歳までの青少年を対象に、特色のある事業を実施いたしまして、豊かな活動の場を提供するのがU18プラザの考え方ということでございます。

 もう1点、U18プラザの基本方針についてでございます。

 児童館が順次U18プラザとキッズ・プラザに転換していく中で、区民にわかりやすい形でその機能や役割を明確に示していきたいと考えております。

 以上でございます。

〔子ども教育部長髙橋信一登壇〕

○子ども教育部長(髙橋信一) 私からは、子どもの虐待と支援についてお答えいたします。

 まず初めに、中野区で把握している性的虐待のケースでございます。

 子ども家庭支援センターでの調査におきますと、平成23年度、虐待を受けた児童は149人で、このうち性的虐待を受けた児童は7名でございます。

 次に、子どもたちがSOSを発信できる体制、また、虐待防止へ向けての相談支援の周知の方法でございます。

 子どもたちが助けを他人に求めることはなかなか難しいことでございまして、相談の大半は、親族や学校の先生から経由でございます。直接に相談できるためにも、相談場所の周知は必要であると私どもは認識してございます。現在のところ、関係機関には虐待通告のポスターを貼付していただいていますが、来年度は、子どもが直接相談できる場所を周知するために、子どもの家庭支援センターへの連絡先を記した相談カード、こういったものを小学校5年生から中学校3年生の全員に配布する予定でございます。

 また、最後に、虐待の早期発見、早期抑制、解決に向けること、そういった取り組みでございますが、ほんの小さな子どものSOS、これをキャッチできるよう、子どもに関わります区民の方々への虐待通告についての周知、これはもとより、関係機関を含めました支援者への研修を強化するなど、虐待の発生をより早期に発見できるよう工夫してまいりたいと考えてございます。

〔近藤さえ子議員登壇〕

○29番(近藤さえ子) 再質問させていただきます。

 U18プラザ、これは先ほど質問したんですけれども、中高生や学校や児童館職員の声を酌み上げて、中高生のニーズに合うものをつくらなければ、中高生のニーズに合わなければ、これは使われないんですよね。そういったことで、ぜひU18プラザの基本方針をつくるべきと考えますけれども、いかがでしょうか。よろしくお願いいたします。

〔地域支えあい推進室長瀬田敏幸登壇〕

○地域支えあい推進室長(瀬田敏幸) U18プラザの中で、中高生のやはりさまざまなニーズ、そうしたものもしっかり把握しながら、地域のさまざまな御意見等も伺いながら、今後の新たなそうした館の十分効果のあるそうした施設として今後整備を進めていきたいと思ってございます。その中で、区民にわかりやすい機能ですとか役割をより明確に示していきたいと考えております。

○議長(大内しんご) 以上で近藤さえ子議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

午後2時46分休憩

 

午後3時05分開議

○議長(大内しんご) 会議を再開いたします。

 

 中野区議会議員 いながき じゅん子

 1 若者の自立と就労支援について

 2 その他

 

○議長(大内しんご) 一般質問を続行いたします。いながきじゅん子議員。

〔いながきじゅん子議員登壇〕

○17番(いながきじゅん子) 無所属のいながきじゅん子でございます。

 通告どおり、若者の自立・就労支援について伺います。

 さて、若者とは、一体何歳くらいまでの人のことを指すと思われるでしょうか。国のほうでは、平成21年成立の子ども・若者育成支援推進法の大綱の中で、39歳までを若者とみなすと定義しました。本日は、それに基づき、39歳までの方を若者として質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 右肩上がりの高度成長時代には、若者世代が職に困るといった話はほとんどなく、多くは、結婚して子どもを持ち、社会や地域を支える役割を自然と担えてきました。

 しかし、御存じのとおり、時代は大きく変わりました。大量生産、大量消費の時代は既に終わりを迎えつつあり、日本の産業工場は、製造業中心からサービス産業中心へと変化してきております。さらに、グローバル化やIT化が進む中で、それまで一定量必要とされてきた単純労働の国内需要が減り、高度なコミュニケーション能力やスピードが求められる仕事がふえました。公共事業の減少により、土建業界も苦しい状況です。

 そのような環境の変化の中、求められる人材も大きく変わり始め、それまでは職につけていた人がつけなくなったり、つけたとしても、仕事にうまく適応できず、離職してしまったりするケースがふえています。

 また、働いている若者たちも、およそ3分の1が非正規労働者で、5人に1人が年収200万円以下、3人に1人が貯金ゼロという状況となっており、年金受給者よりも収入が少ないことも珍しくありません。この数字を見る限り、体を壊したりした場合にすぐに生活が立ち行かなくなってしまう、つまり、いつ生活保護になってもおかしくない状況の若者たちが潜在的に非常に多く存在するということが推測できます。

 しかし、それは、日本の産業構造の変化が大きく影響しており、もはや単純に彼らのえり好みやわがまま、不況による短期的な現象とは言えなくなってきています。

 また、内閣府の子ども・若者白書の最新版によりますと、若年無業者、いわゆるニート状態にある人は、全国でおよそ80万人います。この中で一番多い割合を占めているのは、実は、35歳から39歳の層です。時々コンビニエンスストアなどに出かけるといった人たちを含めた広い意味でのひきこもり状態にあるとされている人は、全国でおよそ70万人とされています。

 先日開催された特別区長会の研究会が主催したシンポジウムの資料では、15歳から39歳までのひきこもりの出現率を1.79%として、都内各区のひきこもりの人数と、それによる個人区民税の年間税収の減収額を試算しています。その推計によりますと、中野区のひきこもり総数は、2,117名、それによる年間税収減少額は、およそ2億円にもなるということです。

 しかし、このように社会的困難に直面している若者たちがふえているにもかかわらず、自治体の対応は昔と変わらず、若者は、福祉行政の対象から外されたままの状況です。中野区はもちろん、どの自治体にも、高齢者や子育て家庭、障害者向けの部署や窓口はあっても、若者と看板が掲げられたところはなく、御本人や御家族が何かを相談したくとも、どこに行っていいかわからない状況です。

 これまでのように、放っておいても皆が就職し、終身雇用・年功序列制度に守られながら、結婚して、子育てをし、子どもたちに見守られながら貯金と退職金と年金で老後を過ごすといった旧日本人的モデルは、完全に崩壊しつつあります。そこから外れた若者たちが多く存在することを認識し、適切な支援を行い、生活保護世帯になるのを食いとめることは、彼ら自身にとってだけではなく、少子化対策ともなり、国や自治体にとってもプラスとなります。

 中野区では、杉並区と合同で若年層向けの就職説明会を開催なさっていますが、そのようなイベントがあることすら知らない、参加できる状態でない若者たちもたくさんいることが考えられます。今後は、そういう人たちこそ支援していかなければならないのではないでしょうか。国も、この問題の重要性を認識し、冒頭申し上げました子ども・若者支援推進法を成立、施行させました。もはや若者たちの自立や就労を御本人や家族だけに任せるのではなく、自治体も、未来への投資として、積極的に支援をしていくべき時期に来ていると考えます。

 ここで伺いますが、区は、若者たちの現状をどのように認識し、自治体として今後どのような役割を担っていくべきと考えていらっしゃるのでしょうか、お答えください。

 さて、社会的困難に直面している若者たちへの支援の第一歩として、私は、行政が把握している生活保護世帯の方々の自立・就労支援に早急に力を入れていくべきではないかと考えております。

 年越し派遣村騒動後の平成21年3月、厚生労働省が失業を理由に保護を受けられる旨の通知を都道府県に送って以降、生活保護受給世帯の高齢、傷病・障害、母子世帯に当てはまらないその他世帯が全国的に急増いたしました。

 中野区でも、現在、その他世帯の数は、同通知が出される前の年の2倍以上になっており、中でも30代、40代の稼働年齢層の伸びが顕著となっています。20代についても、区内全体の20代人口が減り続けているにもかかわらず、この年代の生活保護受給世帯は、逆にふえている状況です。

 しかし、これまで区独自の生活保護世帯の自立支援に関する明確なビジョンや方針、中長期計画などはなく、厚労省から言われたことは最低限こなすというスタンスだったように思います。

 どの事業分野でも、厳しい財政状況の中、思い切った選択と集中で成果を出していくことが求められ始めています。

 生活保護行政については、まずは実態を調査把握した上で、この自立支援、特に先の長い若年層世帯の支援について、明確な方針、基本目標を立てて、人と資源をある程度集中させていくことが必要なのではないでしょうか。

 中野区は、もともと20代、30代の単身世帯の若者が多いまちです。

 先ほど若者の3分の1が非正規労働者で、5人に1人が年収200万円以下、3人に1人が貯金ゼロと申し上げました。特別区民税の額を見る限り、中野区に住む20代、30代の若者は、どちらかと言えば、それに当てはまる低所得の方々が多いと思われます。それは、すなわち今後の生活保護受給予備軍が多くいるということでもあります。

 区内全体の20代の単身世帯数はここ5年間で減り続けている一方で、30代、40代の単身世帯数がふえ続けています。先ほど申し上げた30代、40代の生活保護受給世帯の急増も、生活が苦しい20代、30代の若者が単身のまま30代、40代になり、何らかのきっかけで生活保護世帯になってしまったというケースが多いのではないでしょうか。このパターンが今後さらにふえる可能性は非常に大きいと考えます。

 生活保護世帯の若者たちは、出会いも、結婚も非常に難しくなりますし、御家族や友人たちとも連絡を絶ち、孤独にさいなまれている方も多くいらっしゃいます。

 若者の生活保護からの自立と社会復帰は、御本人にとってだけでなく、自治体にとっても、財政運営上、非常に重要なテーマです。

 高齢人口の増加に伴った保護受給世帯数の増加が確実視される中で、若いうちから長期間保護を受け続ける方がふえれば、今後、区財政にもさらに大きな影響を及ぼすことになります。逆に、1人でも自立できれば、最低でも年間160万円以上の保護費削減にプラスして、免除されていた税や保険料、各種手数料が入ってくることになります。複数年で見れば、これは、決して小さな数字とは言えないのではないでしょうか。

 自立支援は、就労支援ということにもなりますが、生活保護受給期間が長くなればなるほど、この就労への意欲が失われていきます。再就職には保護受給開始から半年間が勝負だと言われており、早期対応による早期脱却というのが重要なテーマです。

 現在、区は、福祉事務所に就労支援員を2名配置し、ハローワークと連携した中野就職サポート事業を実施なさっていますが、ハローワークが求める人材と生活保護受給者との間には大きなギャップがあり、なかなかマッチングがうまくいかないケースが多いとも聞いております。そのギャップを埋めるための取り組み強化はもちろんのこと、現在のように、就労への意欲がある方に対してだけでなく、そうでない方々に対しての早期の働きかけも重要だと考えます。

 ただ、その場合、昼夜逆転の生活を送っているなど、すぐに面接試験を受け、仕事につける状態ではない方も多く、スムーズに社会復帰できるように、一人ひとりに応じたきめ細かい支援も必要となってきます。

 しかし、その他世帯の20代、30代だけで保護受給者が100名を優に超えている状況でそれを行おうとすれば、2名の非常勤の就労支援員だけでは当然限界が生じてきます。神奈川県川崎市や大阪府堺市など他の自治体では、こういった自立就労支援を民間企業やNPOと協働で行っているところがあります。生活保護受給者の方の就職活動や就労訓練プログラムへの参加については、交通費も含め、国が全額補助する制度があるはずです。そういったものを活用しながら、外部の企業や団体と連携し、早期支援体制を強化していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。見解を求めます。

 以上をもちまして、私の質問は終了いたします。ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) いながき議員の御質問にお答えをいたします。

 若者のニートやひきこもり、確かに増加をしているといったことを耳にするわけであります。そうした現象について、区としても、区のかかわりという側面をしっかりと見きわめながら、できる対応を行っていくというふうに考えているところです。若者のニートやひきこもりとなった要因等につきましては、さまざまな背景が考えられるわけであります。精神疾患などによって本人や御家族からの相談があった場合には、すこやか福祉センターなどで個別にお受けをし、相談内容に応じ、関係機関と連携して対応をしているところであります。

 生活保護受給者若者層への自立と就労支援についてでありますが、生活保護受給者の就労支援は、ハローワークと連携した中野就職サポート事業を中心に取り組んでいますが、特に39歳以下で、稼働能力があっても就労意欲が低い、また、精神面や基本的な生活習慣等に課題がある人については、個別の支援計画に基づいて就労支援員が支援を行っております。平成23年度、支援を行った67人のうち26人が就職するなど、一定の成果が出ていると考えております。しかし、一人ひとりの抱える課題が多様化している状況もあり、個別の状況に応じた訓練的な支援の提供、就職先の開拓、あっせんなどの点で、十分な支援ができているとは言えない状況でもあると思います。今後、若年層の自立・就労支援の強化に向けて、補助金の活用であるとか民間NPOなどとの連携も視野に入れ、検討してまいりたいと思っております。

 以上です。

○議長(大内しんご) 以上でいながきじゅん子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 林  まさみ

 1 健全な財政運営のための長期的ビジョンについて

 2 その他

 

○議長(大内しんご) 次に、林まさみ議員。

〔林まさみ議員登壇〕

○18番(林まさみ) 平成25年第1回定例会に当たり、一般質問をいたします。

 国における平成25年度予算概要には、社会資本の的確な長寿命化・老朽化対策を推進するため、施設の実態を踏まえたより精度の高い維持管理・更新費用の推計方法や社会構造の変化に対応した新たな維持管理、更新の実施方策に対する検討を行うことが示されています。

 また、国土交通省は、平成25年度までに橋梁の健全度調査を行い、橋梁の長寿命化計画策定を行った自治体に補助金を出すとし、計画的なインフラ整備の後押しをしています。

 それを受けて、杉並区、渋谷区などでも、計画策定が進められていると聞いています。府中市でも、市内の橋梁の調査を行い、2071年までの予防保全計画を立て、橋梁の長寿命化を図ることで、約46億円の経費が削減すると試算しており、その上、毎年度の維持改修費を平準化させることで、財政に集中的な負担をかけずに行うことができると考えています。

 中野区でも、橋梁長寿命化修繕計画について今年度中に報告があるとのことですが、府中市のように、経費削減額が試算されるようなコスト削減を意識した、そして、維持改修費の平準化による財政負担の回避となるような計画となっているのか、伺います。

 また、維持改修費の平準化のために、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)には、計画的に基金を積み立て、これを財源に道路や橋梁を整備していくとありますが、基金の積み立てなどを行う予定なのかもあわせて伺います。

 さいたま市では、社会資本全ての老朽化を問題と捉え、今後40年間のうちに、改修、更新が必要と考えられる公共施設のマネジメントに取り組み、平成24年6月、さいたま市公共施設マネジメント計画(方針)を策定しました。

 さいたま市の公共施設マネジメント計画は、行財政改革の一環として取り組んでおり、改修・改築コストの大幅な増加による破綻回避を主な目標としています。このため、最初にコスト推計を行い、人口、ニーズの現状と課題などを考慮し、全体目標を設定し、これを施設分野別のアクションプランに落とし込み、これらをもとに個別施設の更新問題を検討するという手法がとられています。

 まず、総務省が出資している自治総合センターによって策定された地方公共団体の財政分析に関する調査・研究会報告書を参考に、一般財源ベースでの改修・更新コストの推計を行い、今後40年間の総事業費を算出し、一般財源ベースでの不足額を導き出して、その推計結果を根拠に、全体目標として、ハコモノ三原則等を掲げたそうです。

 ハコモノ三原則とは、新規整備は原則として行わない、総量規制の範囲で行う、施設の建てかえは複合施設とする、公共施設の総床面積を40年間で15%程度縮減するというものです。そのほか現状の一般財源を維持するために、補助金に安易に飛びつかず、新規事業の補助額だけを考えるのではなく、維持更新に負担がかかるものについては取りやめるとしています。

 実際、さいたま市では、公共施設マネジメントの考え方にのっとり、上位計画である総合振興計画にあったサッカープラザ推進実施計画を中止したそうです。

 今後は、平成24年、25年をかけてこれらの全体目標をアクションプランに落とし込む作業を行い、施設更新に当たって何平米程度とするのが適切な規模であるかなどの整備水準を決めていくそうです。

 また、公共施設マネジメントの推進に当たっては、施設の縮小が想定されることから、市民の理解と協力が不可欠であるため、具体的な施設再編の検討の前の段階から市民参加型のワークショップや有識者によるシンポジウムを行い、合意形成を図る試みが進められています。

 前回の一般質問において、持続可能な行財政運営を推進するためには公共施設の保全計画を示すことが必要と考え、質問しましたが、保全計画は示されず、次々に新規事業が計画されています。

 そこで伺います。

 公共施設の保全計画を策定するとしながら、4年近く示されていない理由をお聞かせください。

 平成20年の総務委員会で報告があったように、平成21年から計画に着手し、策定していれば、10か年計画(第2次)の改定に保全計画が反映されていたはずです。今年度中に橋梁の長寿命化修繕計画も策定されます。そして、平成26年には、10か年計画(第2次)の見直しも予定されていることから、今年度中に保全計画を定め、10か年計画の見直しに反映させるべきと考えます。区としてはどのようなタイミングで計画を示していくのか、伺います。

 施政方針説明において、基金を適切に活用するなど限られた財源を新しい中野をつくる10か年計画(第2次)の推進や喫緊の課題への対応に配分していますとありました。

 その10か年計画(第2次)に示されている基金や起債を活用する予定の主な事業を見ると、区役所用地の取得は事業費としてありますが、100億円以上かかると想定される区役所建設費は示されておらず、また、区民活動センターの整備や区有施設の改修費用もステップ4までに133億円と示されているにとどまっています。

 そして、今後の基金計画を見ると、平成32年以降、減債基金を除く全ての基金の合計がマイナスの状況となることが想定され、施設更新等のための財源がどのように確保されるのか不明です。

 東京都は、高齢化が進み、福祉と保健に関する事業費が拡大する事態を見据えて、財政に余力のあるうちに財政支出の膨張を抑制するため、インフラ更新に民間基金を活用する方法を検討するため、今年度、予算原案に官民パートナーシップ、いわゆるPPPの先進事例や事業方法を調査する費用として2,000万円を計上していることがプレス発表されました。

 民間による整備手法としてはPFIがありますが、官製発注に近く、収益確保策のアイデアが反映されにくく、広がっていません。一方、PPPは、企業の経験を生かしやすく、効率的な運営につながると言われています。

 知事本局投資政策部に問い合わせたところ、都は、インフラ整備のための官民連携インフラファンドを平成24年に創設、平成25年度にはPPPの海外での先進事例や事業方針を調査し、将来的に公共インフラと民間の収益事業が両立できる案件を掘り起こしていきたいということでした。

 このように、東京都でも、莫大な経費が想定されるインフラ更新のための有効な手段について、時間をかけて調査を行うなど着実に動き出しています。

 築50年の社会資本等が一気に更新を迎える時期が来ていることは明白であり、国も、都も、そして、各自治体も、喫緊の課題と考えて、方針を示し、予算に反映しており、当然中野区でも施政方針説明に示されると考えていましたが、区有施設の耐震化率を100%にすることや、地域施設の整備を進めるとあるだけで、区有施設の長寿命化や保全計画などの長期ビジョンについて取り組むとの姿勢は見受けられませんでした。

 耐震化をしても老朽化がなくなるわけではなく、少子高齢化、生産年齢人口の縮小などの社会状況の変化に対応した施設整備の目標を示さなければ、毎年23億円を超える維持管理・修繕費が圧縮されることはなく、区財政にとって、将来的に大きな負担となり続けます。

 そこで伺います。

 25年度の予算編成を行う際に、国のように、社会資本の的確な長寿命化・老朽化対策を推進するための検討を行うという考え方や、都のように、インフラ更新による財政支出の膨張を抑制するための検討を行うなど、将来を見据えた中野の財政規模に見合った区有施設全体のあり方、長寿命化対策などの長期ビジョンについて着手することを施政方針説明で明確に示されるべきだったのではないのか、そして、橋梁の長寿命化計画のように、そのための基金積み立てなどを検討する年とするべきだったのではないかと考えます。これについて、区の認識をお聞かせください。

 区有施設全体を適切にマネジメントすることは、歳出の有効な圧縮につながります。学校再編や区庁舎移転計画策定を待って保全計画を示すとのことですが、長期ビジョンである保全計画を最優先で策定すべきと申し上げて、全ての質問を終わります。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、橋梁長寿命化修繕計画についてお答えをいたします。

 区は、現在、橋梁の長寿命化修繕計画を策定中でございますが、この計画は、橋梁の予防保全的な修繕を行っていくことにより、橋梁の長寿命化を図り、維持管理費全体のコスト削減と年度ごとの予算の平準化を図ることを目的としているものでございます。また、計画的かつ的確に修繕を行っていくことにより、区民の生活と安全を確保し、災害時においても区民が安心して橋梁を利用できるようにするものでございます。なお、平成26年度から国の補助金が活用できる見込みであり、これを活用することにより、区の費用負担を軽減することができると考えております。

〔政策室長竹内沖司登壇〕

○政策室長(竹内沖司) まず、道路整備等の基金積立計画についてでございます。

 道路及び公園の整備に要する財源を確保するため、道路・公園整備基金を設けております。これまで毎年度、占用料等の特定財源を計画的に積み立てておりまして、これを財源に、道路の舗装改良などに活用しているところでございます。

 それから、長期保全方針の進捗状況についてという御質問がございました。

 区立施設の長期保全にかかわる方針につきましては、現在策定中の中野区立小中学校再編計画の第2次や新区役所整備基本構想等の内容を踏まえて、今後、維持経費の算定を行った上でお示しをする考えでございます。

 また、そういった方針を10か年の見直しに反映すべきと思うがいかがかということでございました。当然10か年計画の改定にも反映させていく考えでございます。

 それから、施政方針で触れ、その上で基金の積み立てを具体化すべきだという御質問でございました。

 このたびの施政方針では触れてございませんが、今後、お示しをいたします長期保全の方針に基づく検証を行った上で、国等の補助制度や起債の活用とあわせて、計画的な基金の積み立てに当たっていきたいと考えております。

〔林まさみ議員登壇〕

○18番(林まさみ) 2点、伺います。

 1点目は、道路、公園の基金というお話なんですが、橋梁の長期保全のために基金を積み立てるということが10か年計画(第2次)に示されていました。橋梁については、その道路、公園の基金で賄うということなのでしょうか。その点についてが答弁漏れでした。

 もう1点は、保全計画に対して、4年間示されなかった理由、4年間、報告ができなかった理由についての答弁が漏れておりましたので、お願いいたします。

〔政策室長竹内沖司登壇〕

○政策室長(竹内沖司) 橋梁について、道路・公園整備基金でということなのかということにつきましては、橋梁が今含まれておりませんので、基金については、別の基金から対応するということになろうかと思います。

 それから、できなかった理由というお話でございますけれども、この間、施設整備方針についてさまざま検討しております。そういった中で、やはり大きな施設の改築、それから、新設等がございますので、また、学校再編というふうな大きな問題もございます。区役所整備も同様でございます。そういったものを踏まえて、きちんと策定をしてまいりたいというふうに考えております。

○議長(大内しんご) 以上で林まさみ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 石 坂 わたる

 1 災害時要援護者等の避難所対応について

 2 男女共同参画について

  (1)男女共同参画基本計画について

  (2)男女共同参画センターについて

  (3)その他

 3 その他

 

○議長(大内しんご) 次に、石坂わたる議員。

〔石坂わたる議員登壇〕

○7番(石坂わたる) 質問いたします。

 1、災害時要援護者等の避難所での対応について伺います。

 区長の所信表明では、避難所機能の確保充実がうたわれています。

 昨年の医療救護訓練における中野特別支援学校での二次避難所開設訓練では、防災担当の職員、そして、災害時に救援救護班を担当する障害福祉担当の職員のほか、車椅子利用の障害当事者の参加がありました。より実際的な実地調査ができ、とても有意義な訓練となったようです。

 一方で、昨年9月2日実施の総合防災訓練では、途中からの雨天となり、豪雨の中、障害者がこの後どうすればよいのか、どのように動けばいいのかということについて、必要な情報が得られにくい状況が発生しました。

 不測の事態発生に対応しづらい災害時要援護者の方にとって、一次避難所に一旦避難をしてから二次避難所に移動することは、混乱の原因ともなります。直接二次避難所へ速やかに避難することも可能とする必要があると思われますが、いかがお考えでしょうか。

 また、平成23年第2回定例会での一般質問でも触れましたが、二次避難所を日ごろから周知させること、そして、災害時において、いつ、どこに避難が可能かという情報を災害時要援護者へ速やかに提供することが必要です。どのようにお考えでしょうか。

 さらに、速やかな避難所開設のため、二次避難所となる各施設の理解と協力を日ごろから得て、提供可能スペースや協力人員などを確認する必要があります。その上で受け入れ可能な人数を割り出し、可能なところから順次災害用飲食物の備蓄を進めることが必要かと思われますが、いかがお考えでしょうか。

 乳幼児を抱えた母子、高齢者、障害者などの災害時要援護者を含め、区民の生命をしっかりと守る対応をお願いいたします。

 次の質問に移ります。

 2、男女共同参画について伺います。

 1点目が男女共同参画基本計画についてです。

 平成24年12月発行の男女共同参画基本計画2012では、ワーク・ライフ・バランス推進企業認定制度の実施について書かれています。

 過去の質問でも触れましたが、入札の総合評価において、ワーク・ライフ・バランスに取り組む企業への加点を中央区などで行っています。また、平成18年に厚生労働省等が作成した「男性も育児参加できるワーク・ライフ・バランス企業へ」によると、こうした評価制度での認定を受けるための取り組みがCSR、企業の社会的責任として評価をされることで、企業への信頼性、そして、優秀な人材の確保、定着にも効果があるとしています。この認定制度を総合評価方式の入札にも使えるような認定基準にすることや、認定結果を広報することによって、企業が社会的評価を得やすい環境をつくることが望まれます。どのようにお考えでしょうか。

 次に、ドメスティック・バイオレンス、DVに関して伺います。

 一橋大学の宮地尚子教授は、その著書で、DVとは、ただかっとなって親密な相手を殴るというものではなく、中には全く暴力のない場合もある。身体的暴力は見えやすく、DVの重篤さの指標となるが、悪質さは、加害者がどれだけ相手の心理や行動を支配しているかで見たほうがよい。DVは、恐怖によって親密な相手を支配することである。DV防止法施行後は、暴力はおどしでとどまるようになったけれども、言葉の暴力や経済的な締めつけがひどくなったという被害者もいるという趣旨のことを述べています。

 中野区においては、身体的な暴力だけでなく、恐怖による支配への依存という観点でもDVを捉え、対応していますでしょうか。

 なお、厚生労働省モデル事業、社会的包摂サポートセンターが行うよりそいホットラインでは、平成24年3月11日から平成25年1月末までの期間に、性的マイノリティーに関して3万927件もの電話相談対応をし、中には、親からの虐待や同性間のDVの相談も含まれていたそうです。

 また、平成19年に、女性カップル間のDVについて、ある地方裁判所が、その同性カップルを事実上婚姻関係にあると判断し、DV防止法に基づく保護命令を出したという平成22年8月31日付日本経済新聞の報道がありました。

 今回、中野区の男女共同参画基本計画では、DV防止法に基づき、婚姻の届け出をしていない事実婚も配偶者に含むとされています。また、暴力予防や啓発などについては、配偶者以外の恋人など親密な間柄にあるパートナーも含むとあります。

 私が被害者から話を伺ったケースだけでも、家を飛び出して中野区内に逃げ込んできたというDV被害のバイ・セクシュアル男性のケースや、同居をしていた男性から顔面を殴られ、鼻骨や目に損傷を受け、他市の知人宅に逃げ込んだゲイ男性のケースがありました。

 いずれも被害者が男性の場合、DV被害者の居場所を提供できないとのことでした。

 また、電話相談活動を行っている“共生社会をつくる"セクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワークによると、性的マイノリティーであることを隠しているカップルで、関係をばらすと相手からおどかされて別れられないというケースや、周囲にカミングアウトをしていないために相談もままならないケースが少なくないようです。また、思い切って相談をしても、同性間であることに相談員が戸惑い、話を聞いてもらえない、安心できるシェルターがない、男性用宿泊施設などに入居させられ、そこで嫌がらせや暴力の対象とされるといったことがあるようです。

 性的マイノリティーを含む家族や同居の同性カップルにおける家庭内暴力や同性間デートDVの可能性を踏まえ、今後のDV相談やDV防止、被害者保護の取り組みをすることが必要です。この点につき、どのような認識をお持ちですか。

 また、前提として、男女共同参画基本計画の配偶者間の暴力には、同性カップル間の暴力も含まれますでしょうか。

 また、男女共同参画基本計画にある区民への通報制度の周知や区内公共施設等へのDV相談先カードの設置などでは、男女の夫婦間DVだけにとどまらないデートDVや職場でのセクシュアルハラスメント、同性間DVなどについて、あわせて情報の提供をすべきと思われますが、いかがでしょうか。

 次に、男女共同参画センターについて伺います。

 男女共同参画センターが区役所内に移り、その跡施設は勤労福祉会館の一部となり、さらにその後、産業振興センターになることが検討されています。

 女性、障害者、高齢者、性的マイノリティー、その他社会的なさまざまなマイノリティーに配慮するダイバシティーという考え方が企業内にも広がる中、中野区でも、男女共同参画や産業振興の観点でのダイバシティーの考え方が不可欠です。

 区長の所信表明でも、少子高齢化、就労人口減少の中、高齢者や女性がもっと働けるようにすることについて触れています。一昨日のやながわ議員の質問でも、男女共同参画センターにおけるこれまで以上の各部署連携の必要性について触れられていました。

 その中でも、例えば子育て不安やDVのケースのような部署間の連携が特に必要な相談ケースについては、関連部署の職員が女性相談の窓口に来て、区民による説明が一度で済むようなワンストップ化を図ることや、合同でのケース会議の実施が望まれますが、いかがお考えでしょうか。

 また、ダイバシティーやワーク・ライフ・バランスについて、男女共同参画センターが区民の相談事例や声を蓄積し、その情報をもとに課題を整理して産業振興に生かすことも望まれますが、いかがでしょうか。

 また、男女共同参画センターの跡施設で、女性団体や保育活動を行う団体への配慮、例えば保育室を含む各部屋を使った活動などへの支援や登録団体のロッカーの継続等はしていただけますでしょうか。

 なお、専門施設がなくなるということに関して不安に感じている区民への丁寧で十分な説明と、その後に目指す男女共同参画についてのアピールが不可欠です。いかがお考えでしょうか。

 多様性が守られ、生かされることで、活気あふれる中野区を目指していただけるようお願いいたします。

 私からの質問は以上です。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 石坂議員の御質問にお答えをいたします。

 災害時要援護者の避難所での対応についてであります。

 二次避難所の早期開設について、災害が発生した当初より、避難所での生活が困難な高齢者、障害者等への対応が必要であると考えております。区では、あらかじめ区内の社会福祉施設を二次避難所として指定しております。平常時より、重度の要援護者を支援の対象としている一部の社会福祉施設については、早期に体制を整備し、二次避難所を開設、対応できるようにしてまいります。

 二次避難所の周知についてであります。

 平常時においては、その位置付けであるとか対象者等、二次避難所の仕組みも含めて、区報等によって十分に周知を図ってまいりたいと考えております。二次避難所につきましては、災害発生時における被害状況等により、開設の指示を行います。二次避難所の開設情報は、避難所を通じるなどして、避難所での生活が難しい災害時要援護者への周知を図り、速やかに二次避難所へ移行できるように努めてまいります。

 二次避難所の運営、備蓄についてであります。

 早期に開設する二次避難所の施設管理者とは、二次避難所としての収容スペースの確認や開設手順など具体的な協議を進めていく予定であります。その中で、必要な備蓄物資の量や備蓄のためのスペースの確保が可能かどうか等について、十分に協議を行ってまいります。

 私からは以上です。

〔政策室長竹内沖司登壇〕

○政策室長(竹内沖司) 私からは、男女共同参画基本計画についての御質問にお答えをいたします。

 ワーク・ライフ・バランス推進企業認定制度についてでございますが、これは、長時間労働の削減や育児・介護休暇の取得促進、多様な勤務形態の導入など、仕事と生活の調和に積極的に取り組む区内事業者を認定することで、ワーク・ライフ・バランスを推進していこうとするものでございます。認定ステッカーの交付ですとか区のホームページ等での事業所名の公表など、インセンティブ策につきましては、認定評価基準とともに、さまざま検討し、制度構築を図ってまいりたいと考えております。

 それから、DVの範囲についての御質問がございました。

 配偶者暴力につきましては、殴るといった身体的な暴力だけではなく、暴言、無視などの精神的な暴力など人格を傷つける行為も含めて考えております。

 次に、同性パートナーへの対応についてでございます。

 DV防止法で言う配偶者には事実婚を含み、同性カップルについても、事実上の婚姻関係が認められれば事実婚として扱うことについては、男女共同参画計画においても同様でございます。しかし、現状におきましては、専門的人材や資源の不足など、性的マイノリティーの方々のDV問題の全てに区が直接対応することは困難でございます。性的マイノリティーの方々への相談支援につきましては、今後、こうした問題に取り組むNPOなどとの協力について検討してみたいと思っております。

 なお、DV防止のための普及啓発におきましては、デートDVですとか同性間のDVを含め、暴力の防止について情報を発信していく考えでございます。

 次に、男女共同参画センターについての御質問にお答えをいたします。

 まず、対応のワンストップ化ということについてでございます。

 DV被害者の方からの相談には、可能な限りワンストップでの対応ができるようにしていきたいと考えております。また、子育て支援など関係部署や関係機関との間では、必要に応じてケース会議を開くなど、情報の共有を図ってまいります。

 次に、情報発信についてでございますが、男女共同参画センターは、相談事例も含めさまざまな情報を収集し、調査研究を行いながら、区民や事業者に対して情報発信を行うことで、多様性を認める社会づくりにも寄与していきたいと考えております。

 それから、男女共同参画センターが廃止になった後、勤労福祉会館になっても利用できるのかというような御質問がございました。

 男女共同参画センターの研修室及び保育室につきましては、勤労福祉会館の施設として利用に供してまいります。そこで、男女共同参画社会の実現のための活動につきましては、区民団体が行う地域自治活動といたしまして、利用料を免除する取り扱いになるものでございます。

 次に、移転にかかわる周知についてでございますが、男女共同参画センターの移転につきましては、周知に努めるとともに、男女共同参画社会の実現に向けた情報発信の活動を一層強化してまいります。

○議長(大内しんご) 以上で石坂わたる議員の質問は終わります。

 以上をもって一般質問は終了いたしました。

 この際、文書質問について申し上げます。お手元に配付の文書のとおり、小宮山たかし議員から文書質問の通告がありましたので、本件を執行機関に送付いたします。

 なお、本件に対する答弁書は、3月11日までに提出されるよう期日を指定いたします。

 

平成25年2月20日

 

中野区議会議長 殿

 

中野区議会議員 小宮山 たかし

 

質問趣意書の提出について(文書質問)

 

 私は、2月15日招集の第1回定例会において文書質問をしたいので、中野区議会会議規則第63条第1項及び第2項の規定により質問趣意書を別紙のとおり提出します。

 

質問趣意書

1.特別支援教育について

 東京都では、「各区市町村が地域の実情に応じて、自閉症・情緒障害学級の計画的な設置を進めることにより、教育的な支援の充実をはかる」としているが、中野区では、発達障害の子どもへの教育的な支援の充実を、どのようにはかっていくつもりか、また、自閉症・情緒障害学級の設置は検討しないのか、見解を伺う。

 

2.商店街について

 商店街による維持管理が困難になっている街路灯で、特に区道上にあるものは、区が引き取って維持管理することが考えられるが、こうした実績はあるのか。また、引き取りが可能な場合、何か条件はあるのか、併せて伺う。

 商店街による維持管理が困難になっている街路灯を区が引き取り、区の街路灯としてLED化を進めれば、区から商店街への電気代助成の節約につながり、区が新たに街路灯を設置しなくても済むなど、区の支出全体の節約にもつながると思うが、見解を伺う。

 

3.木密地域不燃化10年プロジェクトについて

 東京都の不燃化特区の取り組みは、平成25年度に本格実施すると聞いているが、区では本格実施に手を上げるつもりであるのかどうか、考えを伺う。

 

 これより日程に入ります。

─────────────────────────────

第1号議案 平成24年度中野区一般会計補正予算

第2号議案 平成24年度中野区用地特別会計補正予算

第3号議案 平成24年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算

第4号議案 平成24年度中野区後期高齢者医療特別会計補正予算

第5号議案 平成24年度中野区介護保険特別会計補正予算

第14号議案 中野区事務手数料条例の一部を改正する条例

  (委員会報告)

 

○議長(大内しんご) 日程第1、第1号議案から第5号議案まで及び第14号議案の計6件を一括議題に供します。

 

平成25年(2013年)2月15日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 佐野 れいじ

  (公印省略)

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

1

平成24年度中野区一般会計補正予算

215

2

平成24年度中野区用地特別会計補正予算

215

3

平成24年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算

215

4

平成24年度中野区後期高齢者医療特別会計補正予算

215

5

平成24年度中野区介護保険特別会計補正予算

215

14

中野区事務手数料条例の一部を改正する条例

215

 

○議長(大内しんご) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

─────────────────────────────

第6号議案 平成25年度中野区一般会計予算

第7号議案 平成25年度中野区用地特別会計予算

第8号議案 平成25年度中野区国民健康保険事業特別会計予算

第9号議案 平成25年度中野区後期高齢者医療特別会計予算

第10号議案 平成25年度中野区介護保険特別会計予算

 

○議長(大内しんご) 日程第2、第6号議案から第10号議案までの計5件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長金野晃登壇〕

○副区長(金野晃) ただいま上程されました平成25年度各会計予算に係る第6号議案から第10号議案までの5議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 初めに、第6号議案、平成25年度中野区一般会計予算について説明いたします。

 第1条は歳入歳出予算です。歳入歳出予算の総額は1,170億4,100万円で、前年度に比べ5億6,300万円、0.5%の増となりました。特別区税は増収となるものの、依然基準となる一般財源規模を4年連続で下回っており、景気の先行きも不透明感を拭えない状況が続いています。こうした状況にあっても、区民の暮らしを守るための施策を着実に展開し、安心して住み続けられる地域社会づくりや活力あふれる豊かなまちづくりを推し進めることが必要です。平成25年度予算の編成に当たっては、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)の着実な推進や喫緊の課題に機を逸することなく的確に対応するため、PDCAサイクルにおける事業の見直しの徹底や職員2,000人体制に向けた取り組みの強化、基金による財源の年度間調整機能の適切な活用、新たな歳入の確保など、限りある財源の有効かつ適切な配分に努め、持続可能な区政運営を前進させる予算としました。

 それでは、まず歳入予算から説明いたします。

 特別区税は、納税義務者数や課税対象所得の推計を行い、前年度に比べ、金額で12億700万円余の増、率で4.2%増の297億1,800万円余を計上しました。この金額は、24年度決算見込み額とほぼ同額となっています。

 特別区交付金は、その財源である固定資産税及び市町村民税法人分のいずれも伸びが見込まれることから、前年度に比べ、金額で8億8,000万円、2.9%増の311億8,000万円を計上しました。

 地方消費税交付金や利子割交付金、その他の交付金は、国や都の予算及び今年度の実績などを勘案し、4.4%減の総額で45億5,000万円を計上しました。

 分担金及び負担金は、震災復興職員派遣に伴う負担金を新たに計上したことなどから、12.4%増の8億6,400万円余を計上しました。

 使用料及び手数料は、道路占用料や廃棄物処理手数料などの増により、2.6%増の21億円余を計上しました。

 国庫支出金は、児童手当負担金が減となるものの、生活保護や障害者自立支援給付の国庫負担金、(仮称)鷺の宮調節池上部多目的広場整備や街路灯LED化整備に対する補助金などの増により、1.6%増の213億6,400万円余を計上しました。

 都支出金は、都議会議員選挙や参議院議員選挙の委託金などが増加したものの、都市計画交付金の対象となる事業が減少したことや各種基金に基づく補助事業が終了することなどにより、10.6%減の69億4,000万円余を計上しました。

 財産収入は、区有財産の有効活用を図り、その増収に努めたことから、51.1%増の1億8,100万円余を計上しました。2年連続で大幅な増となっています。

 寄付金は、中野駅周辺地区都市基盤施設等整備に係る開発協力金が減ることから、96.3%減の7,600万円余を計上しました。

 繰入金は、財政調整基金や減債基金からの繰り入れは減少したものの、学校の新築や耐震改修のため義務教育施設整備基金からの繰り入れや、土地開発公社への貸付金のためまちづくり基金からの繰り入れがふえたことから、総額で6.1%増の119億7,500万円余を計上しました。

 繰越金は、前年度と同額の4億円を計上しました。

 諸収入は、下水道施設整備受託事業に係る収入やアルミ缶等の売却代金の減などを見込み、1.5%減の11億2,000万円余を計上しました。

 特別区債は、公園用地の取得や西武新宿線連続立体交差事業等に充てる都市整備債及び学校施設整備に充てる教育債の合計65億6,900万円を計上しました。

 続いて、歳出予算の説明をいたします。

 まず、議会費ですが、人件費は減となったものの、議会広報を充実させたことから、前年度とほぼ同額、0.1%増の9億900万円余となりました。

 経営費は、土地開発公社の金融機関借入金に係る金利負担を軽減するため、同公社に対する区からの貸付金を大幅にふやしたほか、本庁舎の耐震補強工事などの経費の増、都議会議員選挙や参議院議員選挙に係る経費の皆増などがあったため、29.8%増の93億2,000万円余となりました。

 都市政策推進費は、新たな産業支援策や西武新宿線連続立体交差事業の負担金、同沿線まちづくり事業経費がふえたほか、中野駅周辺まちづくりなどまちの活力を創造する取り組みを推進したことにより、6.6%増の14億5,800万円余となりました。

 地域支えあい推進費は、地域における支えあい活動の拠点となる南部すこやか福祉センターや南中野区民活動センター等の整備に係る経費の増があったものの、本一高齢者会館や鷺宮区民活動センター分室の工事費が皆減となったため、3.1%減の33億9,000万円余となりました。

 区民サービス管理費は、国民健康保険事業特別会計などの特別会計への繰出金が伸びたほか、滞納整理事務を効率化し、収納体制を強化するため、税の滞納整理支援システムを改修することから、2.3%増の146億1,800万円余となりました。

 子ども教育費は、中野中学校建設工事や小・中学校の耐震対策の経費が大きく伸びたほか、多様なメニューによる待機児童対策に取り込んだことなどから、6.0%増の272億8,500万円余となりました。

 健康福祉費は、生活保護や障害者支援などの経費が引き続き大きく伸びたほか、区民の健康づくりを推進するため、がん検診や健診制度の改善、地域スポーツクラブ開設準備などに取り組むことから、4.5%増の282億600万円余となりました。

 環境費は、保健所業務の効率化を図る生活衛生システムの更新経費などがふえたものの、23区が共同で設置している東京二十三区清掃一部事務組合への分担金やなかのエコポイント事業の運営方法の見直しによる経費の減少があったことから、1.3%減の52億2,400万円余となりました。

 都市基盤費は、区管理街路灯全てのLED化を完了させるほか、多目的広場の整備や地域防災まちづくりの推進など安全・安心で快適なまちの実現を目指した取り組みを強化する一方で、公園用地の計画的な取得により公園用地費を減じることから、14.5%減の150億8,200万円余となりました。

 公債費は、区債の満期一括償還分の減や区債残高の減少により、区債利子支払いの減があったため、13.4%減の66億9,700万円余となりました。

 諸支出金は、基金積立金と用地特別会計繰出金を計上しています。学校の改築需要への対応など将来を見据え、財政基盤を強化するために財政調整基金や義務教育施設整備基金に計画的な積み立てを行いましたが、まちづくり基金への積立額が減少したことから、16.8%減の47億4,800万円余となりました。

 予備費は、前年度と同額の1億円を計上しました。

 以上の歳出予算を性質別に見ますと、義務的経費は610億6,600万円余となり、前年度より5億7,800万円余、0.9%の減となりました。義務的経費のうち、扶助費は生活保護や障害者自立支援に係る経費などの増により、4.6%の増となったものの、人件費が職員2,000人体制を目指した計画的な削減により、3.8%減、公債費が満期一括償還分の減少などにより、12.1%減となったためです。

 投資的経費は、0.5%減の163億2,500万円余となりました。学校整備や区有施設の耐震改修、街路灯のLED化、弥生町、大和町の防災まちづくり、生活道路の拡幅整備など、安全・安心で快適なまちの実現を目指し、計画的に進めている投資的事業を計上しています。

 その他の経費につきましては、396億4,800万円余で、前年度より3.2%の増となりました。

 第2条は、債務負担行為について定めるものです。これは、中野区土地開発公社の借入金に対する債務保証や(仮称)鷺の宮調節池上部多目的広場整備などの債務負担行為を定めたものです。

 第3条の特別区債は、起債の目的、発行限度額などを定めるもので、総額65億6,900万円を計上しました。

 第4条の一時借入金は、その最高額を100億円としました。

 第5条の歳出予算の流用は、職員の人件費に過不足が生じた場合、同一款内の各項間で流用することを御承認いただくものです。

 以上が第6号議案、平成25年度中野区一般会計予算の概要です。

 続きまして、第7号議案、平成25年度中野区用地特別会計予算について説明いたします。

 第1条の歳入歳出予算の総額は66億5,400万円で、前年度に比べ71.1%の大幅な増となりました。先行取得した公園用地は、計画に沿って順次一般会計に引き渡しています。平成25年度は、(仮称)本町五丁目公園用地及び(仮称)南部防災公園用地の各一部並びに中野四季の森公園拡張用地の合計3件の用地を一般会計に引き渡します。歳出につきましては、公共用地先行取得債の元利償還金として、公債費66億5,400万円を計上しました。歳入につきましては、用地の一般会計への売り払いに伴い、財産収入64億1,700万円余、繰入金2億3,600万円余を計上しました。

 次に、第8号議案、平成25年度中野区国民健康保険事業特別会計予算について説明いたします。

 第1条の歳入歳出予算の総額は339億3,200万円で、前年度に比べ、3.1%の増となりました。歳出のうち国保給付費は、1人当たりの医療費の伸びを見込み、3.4%増の216億4,800万円余を見込みました。また、後期高齢者の増加などにより、後期高齢者支援金は4.8%増の50億3,500万円余、介護納付金は5.6%増の20億9,900万円余を計上しました。保健事業費は、国保特定健診制度の改善を図ったことから、10.6%増の4億700万円余となりました。歳入のうち、国民健康保険料は88億6,400万円余、国庫支出金は75億800万円余、前期高齢者交付金は41億1,100万円余、都支出金は22億200万円余、共同事業交付金は39億8,500万円余を計上しました。また、一般会計からの繰入金は、4億5,700万円余ふえ、60億7,500万円余となりました。

 第2条は、債務負担行為について定めるものです。これは、国民健康保険料納付書等の作成・発送委託などについて、債務負担行為を定めたものです。

 第3条の一時借入金は、その最高額を10億円としました。

 次に、第9号議案、平成25年度中野区後期高齢者医療特別会計予算について説明いたします。

 第1条の歳入歳出予算の総額は61億9,900万円で、前年度に比べ2.3%の増となりました。歳出のうち、広域連合納付金は、東京都後期高齢者医療広域連合の推計に基づき、2.2%増の61億200万円余、保険給付費は、葬祭費の伸びを見込み、17.3%増、8,400万円を計上しました。歳入のうち、後期高齢者医療保険料は33億2,400万円余、一般会計からの繰入金は27億7,800万円余を計上しました。

 次に、第10号議案、平成25年度中野区介護保険特別会計予算について説明いたします。

 第1条の歳入歳出予算の総額は、198億6,100万円で、前年度に比べ、0.2%の微増となりました。歳出のうち、制度運営費は4.4%減の6億1,600万円余、保険給付費は介護サービス利用者の伸びを見込み、1.5%増の188億3,200万円余、地域支援事業費は、4.7%減の3億6,800万円余を計上しました。また、基金積立金は大きく減少し、86.2%減の2,800万円余となりました。これは、前年度に積み立ての財源となった財政安定化基金支出金が皆減となったためです。歳入のうち、介護保険料は40億2,900万円余、国庫支出金は44億7,900万円余、支払基金交付金は54億7,200万円余、都支出金は28億2,300万円余、一般会計からの繰入金は30億4,900万円余を計上しました。

 以上、5議案につきましてよろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(大内しんご) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御質疑がなければ、質疑を終結いたします。

 上程中の第6号議案から第10号議案までの計5件は、議員全員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに審査を付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、さよう決します。

 お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第3、議員提出議案第1号、中野区議会委員会条例の一部を改正する条例を議題とするに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

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 議案提出議案第1号 中野区議会委員会条例の一部を改正する条例

 

○議長(大内しんご) 日程第3、議員提出議案第1号、中野区議会委員会条例の一部を改正する条例を上程いたします。

 提案者代表の説明を求めます。篠国昭議員。

〔篠国昭議員登壇〕

○36番(篠国昭) ただいま議題に供されました議員提出議案第1号、中野区議会委員会条例の一部を改正する条例につきまして、提案理由の説明を申し上げます。

 本議案は、地方自治法の改正に伴い、所要の改正を行うものでございます。

 本条例の施行時期は、平成25年3月1日といたします。

 以上でございますが、同僚議員におかれましては、よろしく御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。

○議長(大内しんご) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御質疑がなければ、質疑を終結いたします。

 本件については委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案を原案どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 お諮りいたします。この際、本日の日程をさらに追加し、日程第4、議員提出議案第2号、中野区議会政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例を議題とするに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。

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 議員提出議案第2号 中野区議会政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例

 

○議長(大内しんご) 日程第4、議員提出議案第2号、中野区議会政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例を上程いたします。

 提案者代表の説明を求めます。篠国昭議員。

〔篠国昭議員登壇〕

○36番(篠国昭) ただいま議題に供されました議員提出議案第2号、中野区議会政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例につきまして、提案理由の説明を申し上げます。

 本議案は、地方自治法の改正に伴い、所要の改正を行うものでございます。

 本条例の施行時期は、平成25年3月1日といたします。

 以上でございますが、同僚議員におかれましては、よろしく御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。

○議長(大内しんご) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御質疑がなければ、質疑を終結いたします。

 本件については委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、委員会付託を省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大内しんご) 御異議ありませんので、これより起立により採決いたします。

 上程中の議案を委員会報告どおり可決するに賛成の方は御起立願います。

〔賛成者起立〕

○議長(大内しんご) 起立多数。よって、上程中の議案は可決するに決しました。

 本日は、これをもって散会いたします。

午後4時15分散会