平成25年06月05日中野区議会本会議(第2回定例会)
平成25年06月05日中野区議会本会議(第2回定例会)の会議録
25.06.05 中野区議会第2回定例会(第3号)

.平成25年(2013年)6月5日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(42名)

  1番  若  林  しげお         2番  高  橋  かずちか

  3番  木  村  広  一        4番  甲  田  ゆり子

  5番  小  林  ぜんいち        6番  中  村  延  子

  7番  石  坂  わたる         8番  後  藤  英  之

  9番  石  川  直  行       10番  伊  東  しんじ

 11番  内  川  和  久       12番  ひぐち   和  正

 13番  白  井  ひでふみ       14番  平  山  英  明

 15番  南     かつひこ       16番  森     たかゆき

 17番  いながき  じゅん子       18番  林     まさみ

 19番  小宮山   たかし        20番  浦  野  さとみ

 21番  佐  野  れいじ        22番  北  原  ともあき

 23番  吉  原      宏       24番  いでい   良  輔

 25番  小  林  秀  明       26番  久  保  り  か

 27番  酒  井  たくや        28番  奥  田  けんじ

 29番  近  藤  さえ子        30番  金  子     洋

 31番  長  沢  和  彦       32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  やながわ  妙  子       38番  佐  伯  利  昭

 39番  むとう   有  子       40番  か  せ  次  郎

 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  金 野   晃

 副  区  長  英   直 彦      教  育  長  田 辺 裕 子

 政 策 室 長  竹 内 沖 司      経 営 室 長  川 崎   亨

 都市政策推進室長 長 田 久 雄      地域支えあい推進室長 瀬 田 敏 幸

 区民サービス管理部長 白 土   純    子ども教育部長、教育委員会事務局次長 髙 橋 信 一

 健康福祉部長   野 村 建 樹      保 健 所 長  寺 西   新

 環 境 部 長  小谷松 弘 市      都市基盤部長   尾 﨑   孝

 政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一  経営室副参事(経営担当) 戸 辺   眞

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  篠 原 文 彦      事務局次長    青 山 敬一郎

 議事調査担当係長 佐 藤   肇      書     記  関 村 英 希

 書     記  東   利司雄      書     記  土 屋 佳代子

 書     記  細 川 道 明      書     記  江 口 誠 人

 書     記  永 見 英 光      書     記  鈴 木   均

 書     記  井 田 裕 之      書     記  竹 内 賢 三

 書     記  遠 藤 良 太      書     記  香 月 俊 介

 

 議事日程(平成25年(2013年)6月5日午後1時開議)

日程第1 第45号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

     第46号議案 中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例

     第47号議案 清掃車の買入れについて

     第48号議案 中野中学校給食室厨房機器等の買入れについて

日程第2 第49号議案 中野区新型インフルエンザ等対策本部条例

     第50号議案 中野区立弥生福祉作業所条例の一部を改正する条例

日程第3 第51号議案 中野区産業振興審議会条例

     第52号議案 特別区道路線の認定について

     第53号議案 特別区道路線の認定について

日程第4 第54号議案 中野区子ども・子育て会議条例

     第55号議案 中野区立学童クラブ条例の一部を改正する条例

     第56号議案 中野区立キッズ・プラザ条例の一部を改正する条例

     第57号議案 中野区立療育施設条例の一部を改正する条例

     第58号議案 中野区保育所条例の一部を改正する条例

     第59号議案 中野区保育サービス利用者負担額適正化審議会条例を廃止する条例

     第60号議案 中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災

害補償に関する条例の一部を改正する条例

日程第5 議会の委任に基づく専決処分について

 

      午後1時00分開議

○副議長(やながわ妙子) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 甲 田 ゆり子

 1 区民の健康と生命を守る対策について

 2 雇用・就労支援について

 3 子育て支援について

 4 中野のまちの美化について

 5 その他

  (1)スタンドパイプについて

  (2)その他

 

○副議長(やながわ妙子) 最初に、甲田ゆり子議員。

     〔甲田ゆり子議員登壇〕

○4番(甲田ゆり子) 平成25年第2回定例会に当たり、公明党議員団の立場で一般質問を行います。質問は通告どおりですが、その他の項の2点目として、中野区のゆるキャラについて伺います。

 初めに、区民の健康と生命を守る対策について伺います。

 本年4月より予防接種法が改正になりました。言うまでもなく、予防接種は国民の健康を守るために非常に重要なものであります。公明党はこれまでも予防接種の推進に党を挙げて取り組んでまいりました。さて、今回の法改正では予防接種に関する制度、枠組みが大きく変わったと伺っております。

 そこで、まず伺います。この4月の予防接種法の改正により、区民にとってどのように予防接種の利便性が向上したのか伺います。

 今回、子宮頸がん、ヒブ、小児肺炎球菌の3ワクチンが定期接種となりました。ワクチンで防ぐことができる病気、これをVPDとも申しますが、これらを予防接種で積極的に防止していくことは大変に意義深いものと、今回の法改正を高く評価しております。しかしながら、最近、子宮頸がんワクチンの副反応に対する報道があり、ワクチンは危険だというインターネット上等の騒ぎが広がっていることが気になるところであります。副反応については、どんなワクチンでも失神などの一時的なショック状態や、複合性局所疼痛症候群と言われる副反応が10万人に1人くらいの割合で発生していると言われております。特に子宮頸がん予防ワクチンは筋肉注射であることなどから、失神などを含む状態になる割合はほかのワクチンよりも高いことは確かです。

 そこでお伺いいたします。現在、子宮頸がん予防ワクチンの副反応の報道がなされておりますが、区としてどのように勧奨していくのか、区の認識をお伺いいたします。

 産婦人科の医師によれば、「ワクチンの予防効果は100%ではないので、当然検診は必要である。しかし子宮頸がんの場合、検診で見つかったときに既に進行している例もある」と言われております。多くの専門医が苦しむ患者を診て、罹患することを防げるものなら防ぎたいという思いがあります。毎年1万5,000人がかかり、そのうち約3,000人以上が死亡しているというデータもあります。そう考えると、がんを発症するリスクのほうが予防接種のリスクより高いというのが多くの医師の見解であります。結局、一人ひとりが副反応のリスクについても十分な知識を持った上で、予防接種の意義について判断することが大切だと思います。

 私は、4月に中野区医師会館で行われた医師会主催の子宮頸がん予防ワクチン講演会に参加しました。予防ワクチンと検診等について大変わかりやすいものでありました。多数の質問も出ていましたが、明快に答えていただきました。しかし、参加人数が少ないことが残念でした。関心は高いはずなのですが、身近な場所ではないため参加しづらいこともあったと思います。本来このような話を聞く機会は、今後ワクチンを接種すべき年齢の女児、また、そういうお子さんを持つ保護者を対象に学校などで開催し、多くの区民が聞ける機会を持つべきと考えます。

 子宮頸がん予防ワクチンに関しては、今、情報が錯綜しており、保護者への正確な説明が必要であると考えますが、区は今後どのように対応していくのか、お聞かせください。

 予防接種による不幸な副反応はないにこしたことはありません。現在、数々の症状で苦しんでおられる方々には一日も早く回復されることを心より祈念いたします。リスクとメリットを比較検討した冷静な議論が今こそ求められるということを確認して、次の質問に移ります。

 次に、感染症対策について、特に大人の風疹の予防接種について伺います。

 3月に都議会公明党の提唱で東京都が予防ワクチン接種を助成する区市町村に対し補助を決定したことを受け、私ども公明党・都議会議員と区議団はすぐに申し入れを行いました。これを受け、区長は即座に対応してくださいました。風疹が拡大することにより、妊婦に感染した場合、生まれてくる赤ちゃんに先天性風疹症候群の発生が危惧されており、対策が急がれていました。中野区はこういったことを考慮し、都内でも先駆けて取り組んでいただいたことを高く評価いたします。しかし、ことしに入り、先週には風疹の罹患者は7,500人を超えたとされますが、今も流行はとどまったとは言えません。現在までに区内で補助を受けて予防接種をした人数はどのくらいいたのでしょうか、伺います。

 現在の対象者は19歳から50歳未満の妊娠を希望する女性、また、同じく19歳から50歳未満の妊婦の夫に助成をすることとなっております。妊婦の夫ではないが、妊娠を希望する夫婦の夫が予防接種を受けても補助は全く受けられません。特に罹患者は20歳から30歳代の男性に多いと言われておりますので、さらに区として補助制度の対象者を拡大すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、風疹単独のワクチンが不足していると聞いております。風疹を予防するために、はしかと混合の接種で1万円も取られている事例もあり、補助限度額を実態に合わせるべきと考えますが、いかがでしょうか。御見解を伺います。

 次に、食物アレルギーの子どもに対する小・中学校の対策について伺います。

 第1回定例会において、我が会派のやながわ議員が食物アレルギーの対策や研修会の開催などについて質問し、具体的な答弁をいただいております。これに関連して2点伺います。

 今回、文部科学省は9年ぶりにアレルギーの実態調査を実施し、全国の小・中学校など4万校に学校ごとの詳しいマニュアルの作成を指示したとのことです。ここには教職員全員が緊急時の注射薬、エピペンの保管場所を認識し、ためらわずに即座の対応ができるようにするということも記載が求められています。エピペンの使用方法には十分な訓練が必要です。そこで、今後のエピペンの活用についての研修の持ち方、スケジュールなど、具体的な対応をお聞かせください。

 また、中野区として把握しているアレルギーの子どもの保護者には有事の場合の学校側の対応方法について、個別作成したマニュアルを見せながら十分理解してもらう取り組みが必要だと考えますが、御見解を伺います。

 全ての教職員が一丸となって真剣に取り組んでいただくことを要望し、この項の質問を終わります。

 2番、雇用・就労支援について。

 まず初めに、区の雇用・就労支援施策についてお聞きいたします。平成25年3月の完全失業者数は280万人に達しています。働く能力や意欲があり、働きたくても働けない人がこれだけいるということです。現代の社会において、この就労困難者の問題は最も深刻であると思っております。一方、いわゆるニート状態の若者は60万人以上、引きこもりは26万世帯以上と、就労していない若者の層の増加も大きな社会問題となっています。しかし、どの地域においても第2のセーフティーネットはまだまだ機能していません。

 そこで先般、厚生労働省は生活困窮者自立支援法案を今国会に提出し、昨日、衆院を通過いたしました。この法案のポイントは、生活困窮者を対象に訪問支援を含め、自立に向けた総合相談支援事業の実施です。その一つの先進事例が、昨年第3回定例会で私が質問で取り上げました豊中市のコミュニティソーシャルワーカーの事業です。また、この相談を踏まえ個別に計画をつくり、住居確保のための支援、生活・就労訓練などを支援することが重要なポイントです。この取り組みは国と地方、官と民による新たな制度の構築であり、本制度の実施主体となる目標体系、計画が必要になってくるのではないかと考えます。

 しかしながら、現在の中野区の体制は生活保護受給者は生活援護分野、障害者は障害福祉分野、それ以外の就労支援は産業振興分野となっています。この法案の前提で行われた審議会によれば、生活困窮という課題は福祉分野だけではできないとして、自治体においては地域づくり、まちづくりの視点から関係部局が連携して総合的に取り組むことが期待されるとあります。また、これまでの分野ごとの相談支援体制だけではなく、複数の者がチームを組み、複合的な課題に包括的、一元的に対応できる体制が必要であるともあります。

 この法案が成立すれば、2年後にはスタートであり、今から横断的な支援室またはプロジェクトチームの構築など、目標体系を明確にしておく準備が必要と思いますが、区長の御見解をお伺いいたします。

 次に、生活保護受給者の中間的就労について伺います。

 国や東京都では求職者支援制度があり、中野区においても中野就職サポートなどがあります。一定の効果はあるものの、こういった中で就労できている人というのは、ほとんどが身体的、精神的に問題がなく、すぐに働くことのできる人たちです。しかし、就業した後、職場定着率については調査も行われておらず、就職後にフォローする制度もありません。働きにくい人というのは、自身の障害、高齢、育児や家族の介護など、または精神的問題があり、社会でコミュニケーションをとるのが苦手といった困難な状況を抱えている人です。そのような方は普通の労働条件のもとでは難しいものの、働く意欲のある人には労働時間を短くしたり、仕事の負担を軽くしたりして就労の機会をつくっていく中間的就労への就職を積極的に進めるべきと考えますが、お考えをお聞かせください。

 中間的就労といっても、現在は実際にこういった方々が働ける場がほとんどない、受け皿がないということが課題となっています。各自治体も生活保護受給者の就労支援に力を入れ始めています。川崎市では人材派遣会社と協力して、失業者が教育訓練を受けられる機会をふやし、さらにこの4月からは障害者等の雇用に積極的な企業とも連携して、生活保護から脱却する人を大幅にふやす取り組みを開始いたしました。その企業は赤坂に本社のある株式会社アイエスエフネットという会社です。中野区内にはこのグループ会社の一つであり、特例子会社のアイエスエフネットハーモニーがあります。区長は数年前よりこの企業に障害者雇用の促進のためとして、商工会館の1階を貸し出していると伺い、取り組みを高く評価いたします。

 私は先日、都議会議員、議員団の先輩・同僚とともにこの会社を訪問し、取り組みを聞き、何度か意見交換を行ってきました。この会社はグループ全体で現在約2,500人の人が働くIT関連の企業です。2,500人のうち1,000人が就労困難者と言われる方です。もとニート、フリーターが700人、障害をお持ちの方を300人雇用しています。この企業の採用方針は経歴は関係ありません。ニートや引きこもり、発達障害、ホームレス、アルコール中毒症など、通常ならば就職ができにくい20にも上る要因の人を、あえて「採用・不採用の理由にしない」と宣言し、むしろ、そのような人でも分け隔てなく雇用をつくろうという独自の理念のもと取り組んでいます。当然ボランティア会社ではないので、利益を上げる経営をしておりますが、きちんと説明して、意欲があり、仕事を選ばない人はどんな方でも採用していくそうです。社員を家族のように大切にすることで、社員のやる気と能力を見事に引き出し、毎年、黒字経営を達成しています。

 川崎市と連携した取り組みでは、数カ月の試用期間を経て正社員として雇用、受給者を中心に年100人の雇用を創出すると発表しました。中間的就労も行いながら、最終的には自社の中で働き続けることが可能という「出口のある中間就労」を実現している会社です。このような会社が全国にもっとふえていってほしいと期待します。区としても、こういった先進的取り組みをしている民間企業のノウハウも活用しながら、画期的な取り組みを行うべきと考えますが、いかがでしょうか。区長の御見解をお伺いいたします。

 次に、公共工事設計労務単価引き上げについてお伺いいたします。

 建設業界はこの20年間で投資額が半減し、厳しい受注競争に伴う過度の低価格入札もあり、建設業就業者数も約2割減少しました。過当競争は労働者へしわ寄せされ、賃金も他の業種に比べて大幅に下落、労働者の賃金は他の産業よりも下回る水準にとどまっています。また、下請労働者の社会保険加入率も44%と低く、こうした就労環境では若い人材も集まりにくい状況になっています。そこで、国は4月から公共工事での職人さんへの適切な賃金の支払いについて、労務単価を全国平均前年度比15.1%引き上げました。また、太田国土交通大臣が建設業4団体のトップにじきじきに会い、建設労働者の賃上げや社会保険加入促進を要請しました。その結果、大手建設会社でつくる日本建設業連合会は国土交通大臣の要請に応じて、契約書に職種ごとの賃金単価を明記するなど職人賃上げ対策を発表しました。東京都においても、4月から労務単価を平均前年度比18.3%引き上げました。

 中野区では、我が党が4月23日に都議と区議団で公共工事の労務単価の引き上げについての申し入れを行ったことに対し、他区に先駆けて素早く対応していただき、5月1日付で、平成25年度公共工事設計労務単価の運用にかかわる特例措置についてとして、賃金の引き上げをすると発表したことを高く評価いたします。この労務単価の引き上げは職人さんの労務単価を反映させた直接工事費が増額することにより、元請の諸経費も増額となります。そこで、さらに引き上げた労務単価がきちんと最終下請である現場の職人さんまで行き渡るよう、確認までしていくべきと考えます。区の御見解をお聞きいたします。

 また、こうした取り組みを実施していくことが若い人たちの仕事につく意欲喚起にもつながります。そして、公共工事で現場の職人さんへの賃金の設定や適切に支払いがなされるよう確認すること、こうした一つひとつの積み重ねが大切であると思います。区の御見解をお伺いし、この項の質問を終わります。

 3番、子育て支援について。

 1点、産後ケア体制について伺います。公明党はこれまで子育て支援については、妊婦健診の助成、出産育児一時金、子ども医療費など、1人の母親が子どもを産み育てる際の支援に全力で取り組んでまいりました。少子化、女性の社会進出が進み、保育園待機児の問題もありますが、それに加えて昨今、出産の高齢化、核家族化も進む中、出産時の母親の不安、悩み、ストレスが増大している状況です。そのような中、産後のケア体制の需要が高まっていますが、その必要性について区長の御見解をお伺いいたします。

 妊娠・出産は女性の心身にとって大事なときであり、「産後の肥立ち」と言われますが、出産後は1カ月ほど無理はしてはいけないと言われています。しかし、昨今は高齢出産の母親が多く、両親は頼れず、里帰りもできずに御苦労されているお母さんが少なくありません。本来、地域には、子どもが生まれたらみんなで育てるという意識が根づいていればよいのですが、孤立しているお母さんも多いのが現状です。育児不安の増加、虐待事例の増加なども深刻化しています。中野区の新たな子育て支援の取り組みとして、産後ケア体制の整備を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 私は、世田谷にある武蔵野大学附属産後ケアセンター桜新町を視察しました。助産師歴35年のセンター長を筆頭に、充実したスタッフがそろい、産院を退院した親子が一緒に入院して心身ともにゆっくりとしながら、24時間体制のケアサービスを受けることで、育児に対するアドバイスにより不安を解消し、自信を持って退院できるというものです。世田谷区では5年前より産後ケア事業としてこのケアセンターと連携をして、ケア料金を助成しています。また他の自治体で、このケアセンターを区民が利用できるよう支援を行っているところもあります。

 今般、政府は産後ケアセンターを全国で整備する方針を打ち出しました。モデル事業を行った上で支援していく仕組みをつくるということですが、中野区としても、例えば助産所に宿泊施設を併設する形などさまざまな形態について、他の先進自治体を調査した上で今後検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。御見解を伺って、この項の質問を終わります。

 次に、4番、中野のまちの美化について伺います。

 ここでは、まちの美化の中で特に関心のあるたばこのポイ捨てをなくすことについて伺います。区民の方から、たばこのポイ捨てが非常に多く、まちが汚いという声が寄せられています。中野区では、吸い殻、空き缶等の散乱及び歩行喫煙の防止等に関する条例が平成10年に施行され、区民の努力義務が示されています。条例上、たばこのポイ捨てをした者に対して区側ができる措置は、美化活動を行うと宣言した区民に対して必要な支援を行うことができる、違反した者に対し必要な指導をすることができるというものです。この条例は平成17年に一部改正され、違反した者に対して過料を処することができると、一歩踏み込んだ条文が追加されましたが、改正した部分については未施行となっております。

 そこで伺います。追加部分を未施行にしている理由はどんなことでしょうか。また、美化活動を行っている区民の現状、それに対する支援はどのようにしているのか、お答えください。

 過料を取り、その金額をさらに違反者を見つけるパトロール経費に充ててもいいのではとの意見もたくさんあります。それは、ポイ捨てをされて困っている住民の方が多いということの裏付けでもあります。中野区として区が主体的に、例えば地域で美化活動を推進すると宣言する団体を毎年募集し、活動員に、「ポイ捨てをなくそう」等と書かれたユニホームを交付するだけでも効果があると考えます。中野区に訪問者を多く呼び込もうとしている今、区内外に「安心できれいなまち中野」をアピールするため区民に協力を仰ぎ、他の自治体を参考にしながら何らかの手だてを積極的に講じる必要があると考えますが、いかがでしょうか。お考えを伺います。

 5番、その他の1番、スタンドパイプについてお伺いいたします。

 初めに、初期消火に活用するスタンドパイプについてです。中野区内には消防車が入ることが困難な場所が数多くあります。大地震で火災が起きた場合には消防車が来ないことも想定されます。スタンドパイプは、道路にある消火栓をあけて水道管につながる差し込み口に差し、ホースをつなげて放水するものです。私たち公明党は、同僚の小林ぜんいち議員が昨年第1回定例会より、この初期消火に役立つ消防資機材スタンドパイプを町会、防災会へ導入、活用するよう求めてまいりました。最近、町会・自治会の防災訓練や消防団の大会においても、スタンドパイプの使い方の実演、デモンストレーションが行われています。また、消防署も配備に向けてニュースに掲載するなど具体的に動き出し、ここに来てやっと認知されてきたように思います。

 そこでお伺いいたします。今年度予算に盛り込まれました初期消火用スタンドパイプについて、区は、東京都が調査の中で火災危険度を5と判定している地域に優先的に配備するとしてきましたが、具体的な配備計画を示すとともに、積極的に広報を行っていくべきと考えます。区の御見解をお伺いいたします。

 2点目に、応急給水の資機材としての活用について伺います。消火栓から出る水は一般家庭の水道水と同じです。震災時に飲み水を確保するため、東京都水道局は今年度から無償でスタンドパイプを使った便利な応急給水資機材も貸与すると聞いています。区として町会・自治会へ活用方法、具体的なスケジュールと配備計画を示すべきと考えます。区の御見解をお伺いいたします。

 さらに、スタンドパイプは消火栓から直接水圧のかかった水道水を取ることから、ポンプを使って防火水槽などから水を取る方法と異なるため、町会・自治会で行う防災訓練では、安全に取り扱えるよう、きめ細かくより丁寧な説明が必要と考えます。従来から各防災会に配置している軽可搬ポンプも、スタンドパイプと同様に消火栓から取水する訓練をあわせて実施すべきと考えますが、区の御見解をお伺いいたします。

 最後に、その他の2点目として、中野区のゆるキャラについて伺います。

 中野ブロードウェイが開催しているイベントに熊本県のPRキャラクター「くまモン」が来て、大きな盛り上がりを見せています。「くまモン」だけでなく、各地のいわゆるゆるキャラが地域おこしや地域全般のPRに一役買っている例は多く、ゆるキャラが集まる全国的なイベントも各所で開催されています。

 平成24年第1回定例会で私は、中野区といえば支えあいと考え、支えあいのゆるキャラを提案いたしましたが、区長はその際、「さまざまなグッズやマスコットといったようなものの活用なども含めて検討していきたい」と答えられていました。中野区では食育のマスコットキャラクター「うさごはん」が子どもたちの人気者となっていますが、この際、限定されたテーマではない、広く中野区を代表するようなゆるキャラもつくってみてはいかがでしょうか。

 御見解をお伺いして、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 甲田議員の御質問にお答えいたします。

 まず、ワクチンの定期接種化についてであります。この4月の予防接種法の改正に関連しての御質問であります。今回の法改正によりまして、旧来、一類感染症として定められていた疾病に子宮頸がん、ヒブ、小児肺炎球菌の三つが加わったわけであります。蔓延防止の社会防衛的な観点から決められていた一類感染症に、影響が大きく、ワクチンの接種が効果のある、そうした疾病ということで、健康支援といったような観点でこの三つの疾病が加わったということで、一類感染症の幅が広がったということだと考えております。この三つの疾病に関するワクチンが定期接種の対象となったわけですが、接種対象年齢が拡大され──従来行っていたものと比べてですね。それで特別区では、各区は相互乗り入れすることができて、他区でも接種が可能になるなど区民の利便性が向上したと、このように考えております。

 続いて、副反応の報道がなされているが、どういう形で勧奨していくのかという御質問でありました。5月16日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会において、現在までの副反応について、現在まで判明している状況、その副反応について分析が行われ、接種の差し控えの必要はないという結論に達したわけであります。さらに、有効性についてもすぐれているという判断に変更はありませんでした。そのため、区としても子宮頸がん予防ワクチンの接種勧奨を継続して行っているところであります。

 そうした状況を踏まえて、子宮頸がん予防ワクチンについての保護者への正確な説明ということについての御質問でありました。区といたしましても、予防接種の有効性、そして副反応ということについて、保護者にわかりやすく御説明をするため、区医師会などとも連携しながら周知を図ってまいりたい、このように考えております。

 続いて、風疹の予防接種についてであります。現在までの接種実績です。ことし3月18日から31日までに償還払いで支払った件数が103件でした。接種票の交付申請数は5月末日時点で1,303件であります。内訳を見ますと、妊娠を予定または希望している女性が1,051件、妊婦の夫が355件ということになっております。

 補助の対象拡大ということについての御質問でありました。現行の補助制度は都の補助金の交付要綱に基づいて実施しているところであります。したがいまして、対象の拡大については、財政状況などさまざまな検討が必要となってくると考えております。対象の拡大については、現時点では困難である、このように考えております。今後の風疹の発生状況、そして都の動向など引き続き注視をしてまいります。

 それから、補助限度額を実態に合わせるべきではないかという御質問もありました。麻疹・風疹混合ワクチン、はしかと風疹の混合ワクチンですね。これを接種した場合、風疹だけのワクチンの数があまり多くないということなどもあって、この混合ワクチンを接種するという方も多いようですが、混合ワクチンを接種した場合には自己負担が生じるわけであります。現在、7割の人がこのワクチンで接種しているというふうに聞いております。当初の予定より接種した数が多いということでもありますので──7割の人は、今の言い方ですと混合ワクチンのように聞こえましたけれども、7割の人が風疹のワクチン、単独ワクチンで接種しているところです。当初の想定より接種者数が多く、今後も助成上限額6,000円を継続していきたい、このように考えております。

 それから、生活困窮者自立支援法案への対応についてであります。生活困窮者自立支援法案では、福祉事務所設置自治体が生活困窮者に対して生活保護の前の段階において必須となる就労・自立に関する相談支援事業や、住宅確保給付を行うほか、就労訓練等の就労支援や学習支援など、幾つかの任意事業を行うことができるとされております。期待される効果としては、生活困窮者の把握による包括的、継続的対応による早期自立の支援ということが言えると考えております。今後、区としてどのような取り組みができるのか、検討してまいります。

 それから、中間的就労と企業との連携ということについての御質問がありました。精神面やコミュニケーション上の問題などさまざまなことから、基本的な生活習慣や社会的能力が十分には確保できておらず、直ちに一般的就労が難しいという人も存在しているわけであります。民間を活用した中間的就労と言われる就労訓練事業については、全国で幾つかのモデル的事業が行われており、そうした事例を参考として今後の取り組みについて検討してまいりたい、こう考えております。

 私からは以上です。

     〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 食物アレルギーの子どもに対する小・中学校の対策について、初めに、教員に対する研修の実施についての御質問がありました。東京都の通知により、アドレナリン自己注射薬を携帯する児童・生徒の担任と養護教諭のうち、研修未受講者は東京都教育委員会主催の研修、または区や学校が実施する研修等を必ず受講しなければならないということです。対象者のうち既に約3分の2の教員が、都または学校が実施する研修の受講を終了しております。残りの対象者については、今後、順次研修会を受講することとなっております。

 次に、保護者への説明の御質問がございました。区では就学時健診、入学説明会、転入学の機会を捉え、アレルギー疾患への対応に関するアンケート──保護者向けでございますが、これにより、アレルギー疾患のある児童・生徒の状況を把握してございます。アレルギー疾患のある児童・生徒のうち、給食の提供など学校生活上の配慮が必要な場合には、学校生活管理指導表を学校に提出してもらい、それをもとに学校長、それから担任、栄養職員、養護教諭等により取り組みプランを作成し、保護者と個人面談により決定しております。その過程におきまして、給食の提供の仕方や、アドレナリン自己注射を使用した教職員の研修の実施など、区の取り組みを説明してございます。

     〔経営室長川崎亨登壇〕

○経営室長(川崎亨) 公共工事設計労務単価の運用に係る特例に関する御質問にお答えいたします。

 今回の特例措置に基づき、契約を変更する際には、受注者から特例措置の趣旨に沿った対応をする旨の誓約書を提出していただくこととしております。国は公共工事設計労務単価の引き上げや、それに伴う今回の特例措置により、企業における技能労働者の処遇が改善され、ひいては若年労働者確保につながることも狙いの一つとしているところでございます。このような実態的な取り組みが今後とも必要であると考えております。

   〔子ども教育部長髙橋信一登壇〕

○子ども教育部長(髙橋信一) 私からは、子育て支援におけます産後ケアについてお答えいたします。

 初めに、産後ケアの必要性でございます。家族の支援を得られず、母親が1人で新生児を育てるなどの事例がふえていることは認識してございます。区はこれまでも出産前後を対象に育児支援ヘルパーの派遣、家事援助、訪問事業など、さまざまな支援を実施しているところでございます。今年度からは全乳児対象にサポートファイルを3カ月健診の際に配布いたしまして、乳幼児期の子育ての支援や、子育て中の不安の軽減を目指してございます。こういったサービスを充実していくことが大切であると考えています。

 続きまして、産後ケア体制の整備とケアセンターの検討についてでございます。産後ケアの施策については、このほかに、先ほど申しました家事援助、訪問事業のほかに、産前産後におけます小児科で使います相談券事業や歯科健診事業など、区はさまざまなものを実施してございます。

 次に、国の整備方針でございます産院を退院した母親の心身や幼児期のケアをするために、宿泊または日帰りサポートのできる産後ケアセンターについてでございますが、世田谷区などの実施自治体の例を見定めながら、研究を進めたいと考えてございます。

    〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、中野のまちの美化について及びスタンドパイプについての御質問にお答えいたします。

 初めに、たばこのポイ捨てに関し、吸い殻、空き缶等の散乱及び歩行喫煙の防止に関する条例の過料の未施行の理由についてでございます。区では、直ちに罰則規定によって指導し、過料徴収するのではなく、啓発活動の継続的な実施や、区民のマナーアップと環境美化への意識向上を図ることが効果的であると考え、過料徴収については今まで実施しておりません。

 次に、美化活動の現状と支援の状況についてでございます。区民の現状につきましては、地域のボランティア、民間事業者、中野たばこ商業協同組合の方々などにより美化活動が行われているところでございます。また、美化活動を行っている団体に対し区の支援としては、キャンペーン用の上着、たすき、ごみ袋や清掃用具の貸与を行っております。

 次に、今後の美化活動の取り組みについてでございますが、先ほどの過料徴収については、既に実施している区では、歳入に対して歳出が大幅に上回っている状況もあり、導入については慎重に検討していきたいと考えております。

 また、きれいなまち中野として、まちの美化をより一層推進するためには啓発活動やマナーアップなど意識向上を図ることが重要であり、取り組んでいくとともに、分煙運動をさらに進めていくことも一つの方法だと考えているところでございます。

 続いて、スタンドパイプについての御質問にお答えいたします。スタンドパイプの配備についてでございます。初期消火用のスタンドパイプについて、本年度は火災危険度5と判定されている11地区に該当する防災会に試行的に配備する予定であり、防災会の代表者に区の配備の考え方を示し、協議しているところでございます。配備先につきましては、ホームページや防災訓練の機会等を活用し周知していくとともに、試行の結果をもとに今後の配備についても検討していく考えでございます。

 次に、都のスタンドパイプを使った応急給水資機材の活用についてでございます。都から貸与される予定のスタンドパイプは、災害時の応急給水を補完することを目的とし、あわせて初期消火にも使用できるように、消火ノズル等がセットになったものでございます。12年度は12セットが貸与される予定であり、拠点医療救護所に指定している避難所を中心に、付近の給水拠点の状況等を勘案して配備していきたいと考えております。平成27年度までに3年間で63セットが区に貸与される予定となっております。全ての避難所に配備する考えでおります。

 次に、消火栓を使用した訓練についてでございます。訓練の実施に際しては十分な安全管理に努めておりますが、スタンドパイプを使用するに当たっては、消火栓のふたの重み、消火栓への接続、水圧のかかっているバルブの操作等、新たな行動を伴うため、消防署、水道局により密接な連携を図り、安全に効果的な訓練を進めていく予定でございます。また、従来から各防災会に配置している軽可搬消火ポンプも消火栓に接続するための金具を配置しており、スタンドパイプで消火栓を使用する訓練を実施する際などに、あわせて訓練をしていきたいと考えております。

  

都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 中野区のゆるキャラについてでございます。御提案の、テーマを限定しない、広く区を代表するようなキャラクターの作成につきましては、その効用を踏まえつつ研究してみたいと考えているところでございます。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 1点、修正させていただきます。先ほど風疹の予防接種で、麻疹・風疹混合ワクチンを接種している人が現在7割という答弁をしてしまいましたが──風疹単独ワクチンをしている人が7割と言ってしまいましたが、混合ワクチンを接種している人が7割、この間違いでありました。

○副議長(やながわ妙子) 以上で甲田ゆり子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 ひぐち 和 正

 1 すこやか福祉センターについて

 2 南部地域防災まちづくりについて

 3 生活保護費の不正受給について

 4 その他

 

○副議長(やながわ妙子) 次に、ひぐち和正議員。

     〔ひぐち和正議員登壇〕

○12番(ひぐち和正) 平成25年第2回定例会におきまして、自由民主党の立場から御質問をさせていただきます。

 質問は通告どおり、1番、すこやか福祉センターについて、2番、南部地域防災まちづくりについて、3番、生活保護費の不正受給について、4番、その他はございません。

 まず初めに、すこやか福祉センターについてお伺いいたします。

 地域支えあい推進室が設置されて2年が経過いたしました。そして、区内四つのすこやか福祉センターが核となり、三つの目標があります。一つ目はワンストップサービスによる総合的な保健福祉サービスの提供とアウトリーチによる包括ケア、二つ目は支えあいの地域づくり、三つ目は地域自治推進の設置目的であったと思います。そこで、この目的に沿って最初に開設された中部すこやか福祉センターの利点と弱点についてどのように検証してきたのでしょうか。この検証結果を、今後予定されている南部や鷺宮などのすこやか福祉センターの開設に生かすことが大切です。ここで、改めて確認の意味を含めて質問したいと思います。

 例えば、地域での子育て支援の取り組みはどのように充実させてきたのでしょうか。少子化の中で、子育てをしやすい環境づくり、子育て支援の充実が求められています。

 中部すこやか福祉センターは、「育児やしつけなど子育てに関する疑問や不安、子どもの発育、発達や健康のこと、友達関係などさまざまな相談をお受けします。そして、地域育児相談会、巡回育児相談なども実施します」とされています。また、乳幼児親子が気楽に立ち寄り、のんびりと過ごしたり、他の親子と交流できる場として子育てひろばが設置されていますが、その実施と利用状況がどのようになっているのか、お伺いいたします。

 また、すこやか福祉センターは、地域における身近な相談窓口として、「保健師、歯科衛生士、管理栄養士などに保健・福祉の相談ができる」とされています。中部すこやか福祉センターにおけるこうした保健福祉の個別相談は円滑に行われているのか、現状をお尋ねいたします。

 地域の支えあいネットワーク活動の推進においては、すこやか福祉センターとして、職員は支援を必要とする高齢者などへの対応を行うため、職員自身が地域の現状を把握する必要があるとしています。地域における高齢者などへの見守りについてどのように対応してきたのでしょうか。地域へは十分浸透してきているのでしょうか。

 24時間365日緊急時連絡体制についてもお聞きいたします。24時間365日、すこやか福祉センター職員に連絡がとれるように体制をとっているというこの制度をどのように周知しているのでしょうか。この制度の導入後、異変発見や区民からの相談がふえたなど、区民からの反応はどうなっているのか、お聞きしたいと思います。

 中部すこやか福祉センターの施設の利用の状況についてですが、すこやか福祉センターの施設の貸し出し状況はどうなっていて、すこやか福祉センター施設ではどのような利用者がどのような目的で利用しているのでしょうか。また、地域にどのように役立っているのか、お伺いいたします。

 地域スポーツクラブについてお聞きいたします。すこやか福祉センターに地域スポーツクラブを併設すると聞いていましたが、現状はいかがでしょうか。区民が健康のため地域で気楽にスポーツができる場所、また交流の場所としても開設が期待されています。今後どのような段階を経て運営されるのか、お聞きいたします。

 また、それぞれのスポーツ競技にはコートの大きさなどの基準があります。本来の大きさのコートでスポーツを行うことが望ましいのでしょうが、中部は学校の跡施設ということで広さなど制約があるとしたならば、なおさら運営工夫をすることにより、子どもの教育においても、高齢者の健康維持にも効果的な施設にするべきと考えます。中部の施設での施設条件と運営の取り組みは十分検証し、その後に整備する地域スポーツ施設に生かすべきと考えますが、いかがお考えでしょうか、お伺いいたします。

 以上でこの項の質問を終わります。

 次に、地域防災まちづくり計画について御質問をいたします。

 東日本大震災から既に2年が経過して、災害の惨事が記憶から忘れられてしまい、まだ災害に見舞われた方々のつらい思いや悲惨な生活が続いていることを忘れてはならないし、この教訓を風化させてはならないと思います。現在も中野区では、職員の派遣など協力体制が進められていることは感銘を受けるところです。

 さて、中野区の防災まちづくりは着々と進められているところは知るところであります。四季の森防災公園や本町五丁目防災公園、そして南部防災公園などの公園整備が進められて、暫定的に利用されている公園などの整備にも期待があるところです。

 都が進める木密地域の不燃化特区において、中野区は木造住宅密集地域は狭隘な道路や行きどまり道路が多く、大地震の際には建物の倒壊や火災の延焼の危険性が高いことから、安全に避難することが困難であると想定され、これら木造住宅密集地域が南台、弥生町、大和町、野方などの地区を中心に多く残されており、首都直下型地震の切迫性や東日本大震災の発生を踏まえると、これら木造住宅密集地域の地震災害に対する安全性の向上が喫緊の課題としています。

 そこで質問ですが、(仮称)南部防災公園周辺の不燃化促進事業の南台地区防災まちづくりについてですが、広域避難場所に指定されている東京大学附属中等教育学校の周辺で平成21年度より建築物の不燃化促進事業を実施し、耐火建築物を建築する場合に、その建築費の一部を助成する事業を行っています。不燃化事業の実施状況と、促進するための手段としてどのような方策をしているのか、お聞かせください。

 また中野区耐震改修促進計画(平成23年2月)で、大震災時の減災のために住宅の耐震化を促進し、平成27年度までに90%とすることを目標としています。また、新しい中野をつくる10か年計画では、平成31年度までに全ての住宅の安全性確保を図るとしていますが、南台地域を含む区の耐震化改修促進策についてお聞かせください。

 次に、火災危険度が高い弥生町三丁目周辺の木造住宅密集地域でありますが、東京都の木密地域不燃化10年プロジェクトにおける不燃化特区の選定を受け、平成32年度までに本地区の不燃領域率を70%にするとしています。そこでは都営川島町アパート跡地を種地として活用すると聞いておりますが、区として今後の防災まちづくりの進め方についてお聞かせください。

 また、本町五丁目公園について、本格的な工事は平成26年度に着手すると聞いております。本公園の一帯は東京都が6月1日に施行された広域避難場所とされましたが、京王バスの中野車庫や富士高校、弥生町四丁目の都営住宅を含む地域になっており、避難場所のエリアがわかりにくいと思われます。本地域において本町五丁目公園が、中核として周辺一帯が広域避難場所になると認知してもらうための避難訓練や看板の設置も必要と考えますが、いかがでしょうか。

 地域危険度・洪水ハザードマップの活用についてお伺いします。災害のときに危険度が高い場所や、被害を受ける可能性が高いことは地域危険度マップや洪水ハザードマップから想定してわかりますが、このマップを利用してどのように活用すればよいのか、具体的なシミュレーションの仕方がわかりません。マップの活用方法を指導し、マップを配布するだけではなく、より安全な方策がとれるための講習会などを開催してはと思いますが、いかがでしょうか。

 以上でこの項の質問を終わります。

 次に、生活保護費の不正受給についてお伺いいたします。

 昨年は多額な収入があるお笑いタレントの母親が生活保護費を受給していた事件が大きな話題となりました。一般質問で我が党の市川みのる議員と公明党の小林ぜんいち議員、先ほど甲田議員からも質問がありました。重複しているところもありますが、角度の違った質問をしたいと思います。

 生活保護のことを指す「ナマポ」という言葉があります。この言葉は、働くよりも、もらい得な「生活保護天国」という状況を揶揄するものであると思います。また、「ナマポ」は「怠け者」と連想できますし、行政の監視の甘さを表現しているような印象を受けます。このような事件が発覚してから、厚生労働省や各自治体には連日問い合わせや苦情があったと聞きました。中野区にも苦情があったと思います。

 生活保護費の支給額は、50歳単身のケースで生活扶助費8万1,610円、住宅扶助費5万3,700円、合計で13万5,310円になります。さらに住民税、国民年金保険料などの支払いは免除され、医療費なども無料になります。生活保護制度は、生活に困窮する方のセーフティーネットとして重要な役割を果たしていますが、長引く不況や高齢化の進行など、さまざまな社会的要因によって被保護世帯は増加しています。中でも、全被保護者世帯から高齢者、母子、障害者、傷病者世帯を除いたその他世帯の増加は著しく、全国ではここ10年で4倍になっています。その他世帯に関して、中野区ではどのようなふえ方をしているのでしょうか、現状をお教えください。

 憲法25条1項では、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定しており、この理念を生活保護法が具体化して、国民に生存権が保障されています。グローバル経済の席巻により格差が拡大した現代社会において、生活保護制度が福祉行政の根幹の一つであることは論をまたないところでございます。しかし、一方では、不正受給や生活保護費と最低賃金がほぼ同等であることなどから、制度に対する不信感、不公平感が高まりつつあります。また、貧困状態にある人や路上生活者に対し、生活保護の申請に付き添うことで、支援料と称し生活保護費を搾取する貧困ビジネスが横行していると言われます。生活保護制度に対する信頼を維持し、適切に運用していくためには、不正受給や不正行為の防止が欠かせませんが、区はどのような対策をとっているのでしょうか。

 現在、国会では生活保護法の改正に向けた準備が進められています。改正案では、申請時に本人の資産や収入、扶養義務者の扶養状況などを記した申請書の提出と、省令で定める必要な書類の添付を新たに義務付けています。現在、申請する際にはどのような手続、審査を行っているのでしょうか。

 生活保護法の改正とともに大きな注目を集めているのは、生活困窮者自立支援法の制定に向けた動きです。本法案には、生活保護に至る前の自立支援を強化するため、生活訓練や社会訓練などの就労支援策の創設や、利用者の状況に応じて最適な支援策を提供する相談支援事業の創設などが盛り込まれています。保護費の増大によって財政が緊迫する事態を回避するためにも、生活困窮者に対する就労支援は喫緊の課題です。区はこの課題に対してどのように取り組むのか、見解をお伺いいたします。

 最後に、不本意ながら生活保護に陥った方、生活に困窮している方も公平で助け合える社会をつくることを切にお願いして、全ての質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) ひぐち議員の御質問にお答えいたします。

 すこやか福祉センターについて、子育て支援の充実についてであります。中部すこやか福祉センターでは、保健師や福祉職の職員などによる電話や面接相談のほか、精神科医や臨床心理士による子育て専門相談を実施しております。また、すこやか福祉センター職員のアウトリーチ、出張訪問ということですけれども、アウトリーチによります地域育児相談会の開催などを通じて、子どもの養育、保健福祉、育成面でのさまざまな御相談に応じているところであります。さらにセンター内では子育てひろばを常設し、24年度は延べ1万2,000人以上の乳幼児親子に御利用をいただきました。子育てアドバイスなどにもきめ細かく応じているところであります。

 ワンストップによる相談支援についてであります。中部すこやか福祉センターでは、保健師、歯科衛生士、栄養士などの専門職員が、電話、面接、訪問などを通じて保健福祉に関するさまざまな御相談に応じております。また、地域包括支援センターと障害者相談支援事業所を併設し、すこやか福祉センターとこれらの事業者との間で日常的に連携協力を図りつつ、高齢者や障害者に対して、おもてなしの視点に立ったワンストップによる総合相談やサービス提供の充実に取り組んでいるところであります。

 地域支えあいネットワーク活動の推進についてであります。すこやか福祉センター職員は、23年度からひとり暮らし高齢者等への訪問を始め、今年度からは同居家族等がいる高齢者世帯へも訪問活動を広げ、その生活状況を把握することに着手しております。訪問によって把握した高齢者の生活状況から、必要に応じて地域包括支援センターや民生児童委員などと連携して対応しております。地域からの通報や家族からの安否確認の依頼を受けて訪問する事例も見られ、職員の訪問活動についても、地域と連携した取り組みの一環として、一定程度の周知と御理解、活動の浸透が進んできたと考えております。

 また、24時間365日緊急時連絡体制の効果についても御質問がありました。この制度の説明につきましては、町会・自治会のほか地区の民生児童委員にも行って、専用電話番号を周知しております。見守り対象者名簿を提供する町会・自治会に対して、24時間365日緊急時連絡体制の仕組みを説明資料に加えて、周知の徹底を図っているところであります。24年度の24時間365日緊急時連絡体制における通報件数は全体で121件と、前年度に比べるとほぼ倍増しております。通報を受けた職員が迅速に訪問し、適切に対応するよう努めているところであります。

 それから、施設の活用の状況についてであります。中部すこやか福祉センターにおきます24年度集会室の利用率は15.0%でありました。あまり多くない、こういうことですね。集会室の利用用途としては、区民相互の見守りや支えあい活動を進めるための話し合いの場、町会・自治会による各種会合や行事の開催、子育て支援団体による子育て支援、福祉に関する自主的な活動などの場として活用されております。すこやか福祉センターを拠点とした区民による自立した公益活動が、そういう場や機会が徐々にふえてきているとは感じているところでございます。これからも周知に努め、また活発に御利用いただくよう努めてまいりたい、このように考えております。

 それから、地域スポーツクラブの開設の準備状況と今後についてであります。(仮称)中部地域スポーツ施設では、平成23年度末から健康づくり・スポーツ推進モデル事業を実施しております。モデル事業では、区民やスポーツ団体の参加を得て、30種類ほどの健康・スポーツ教室や体育館等での団体競技を試行しております。今後これらの実施状況や参加者の意見を踏まえ、さらに内容や運営方法を検討した上で、地域スポーツクラブとしての本格的な事業を平成26年度中に実施させる予定であります。

 中部での取り組みを今後の地域スポーツ施設をつくっていく上で生かしていくべきだという御質問でありました。この中部では学校施設の転用によるバスケットボールコート、これが規格面での制約があるわけであります。しかしながら、運用面での工夫や競技のコマ割り等の工夫の中で、支障のない運営方法となるよう検討しているところであります。今後整備する施設についても、施設によって立地によるさまざまな制約は出てくると思いますが、これらの検証結果を踏まえて、よりよい施設整備を行っていきたいと考えております。

 それから、南部防災公園周辺の不燃化促進事業についてであります。区は平成12年度に南台一・二丁目地区について地区計画を決定し、広域避難場所である東京大学附属中等教育学校周辺一帯の防災拠点の形成、地域の防災性の向上に係るまちづくりを進めてきました。その後、平成20年度に区は東京大学と(仮称)南部防災公園等の整備に関する協定を締結し、これを契機により一層の防災性の向上を図るため、平成21年度から周辺地域に不燃化促進事業を導入したものであります。不燃化促進事業は、事業区域内で耐火建築物を建築する際、その建築費の一部を助成するものでありまして、平成24年度までの助成実績は24件、不燃化率は3.3ポイント向上しております。現在、チラシの配布や建てかえ相談会の開催、ケーブルテレビの活用などによって事業のPRを実施しておりますが、今後、建設業界や建築士事務所協会など関係団体との連携を一層強化し、建てかえ促進への協力を求めるなどによって不燃化の促進を図っていきたいと考えております。

 それから、住宅の安全性確保につながる耐震改修促進策の現状についてであります。住宅の耐震化率ですが、耐震改修促進計画策定の平成19年度は78%でしたが、平成24年度末では83.1%まで上昇してきました。戸建て住宅に対しては、耐震診断士及び耐震改修施工者を活用した木造住宅耐震診断業務、また家具転倒防止器具取りつけ費用の助成などを行って安全対策を推進しております。また、区内の各種技術団体で構成する耐震改修促進協議会と連携して普及啓発活動を展開しているところであり、今後も継続して相談体制などの充実を目指し、多くの住宅の安全性が確保できるよう施策を展開してまいります。とりわけ住宅密集度の高い地域においては、より一層耐震診断、耐震改修、そして建てかえや共同化、不燃化の促進に向けた取り組みを強化する必要があると考えているところであります。

 弥生町三丁目周辺地区の防災まちづくりについてであります。弥生町三丁目周辺地区は、ことし4月に東京都より不燃化特区の整備プログラムが認定され、災害に強く安全なまちの実現、快適な住環境の創出を整備目標として、避難経路ネットワークの形成や建物不燃化促進、それから住民参加による地区計画の導入などを目指してまいります。都営川島町アパート跡地については、避難経路ネットワークの整備や道路拡幅に伴う代替地の確保など、地区全体の防災まちづくりに資する先導的な事業として位置付け、関係機関と調整を図り、早期の事業化を目指したいと考えております。

 それから、本町五丁目公園一帯の広域避難場所の周知に関連しての御質問であります。本町五丁目公園一帯の広域避難場所につきましては、町会・自治会・防災会に対しての説明、ホームページへの掲載及び区報等によって周知を図っているところであります。看板につきましては、都と連携して設置する予定であります。また避難訓練につきましても、地域の御意見も聞いた上で、防災訓練にあわせて実施するなどの方法を検討してまいります。

 それから、地域危険度・洪水ハザードマップの活用についてであります。地域危険度マップ及び洪水ハザードマップにつきましては、危険度を認識した上で、火災危険度の高い地域では初期消火訓練を重点的に実施する。また、洪水危険度の高い地域では近隣の土のう配備箇所を確認したり、あるいは避難先箇所を確認するなど、具体的な活用につながるように防災訓練や防災座談会などを通じて周知を図ってまいりたいと考えております。

 私からは以上です。

    〔健康福祉部長野村建樹登壇〕

○健康福祉部長(野村建樹) 私からは、生活保護等の御質問についてお答えいたします。

 まず、生活保護でその他世帯としている世帯類型、この世帯の増加状況をということでございました。平成14年度には62世帯でございました。平成24年度は1,152世帯、比較いたしまして18.6倍ということになってございます。他の高齢者、障害、あるいは傷病、母子世帯に比べまして著しく増加しているということでございます。

 次に、不正行為、あるいは不正受給というところの御質問でございます。議員御質問の、保護申請時に支援料を取るといったような同行者の事例につきましては、中野区では発生してございません。今後とも注視をしていきたいというふうに思ってございます。

 それから、不正受給の防止につきましては、ケースワーカーの訪問調査などによりまして生活状況をきめ細やかに把握し、収入申告などを確実に行うよう指導を行うといったようなことで、未然防止、早期発見に努めてまいりたいというふうに思ってございます。また、今年度新たに専門知識のございます資産調査員を配置いたしまして、生活保護受給者の預貯金等の資産、あるいは年金受給権、こういったものについての調査の徹底を図ってまいるとしているところでございます。

 続きまして、生活保護法の改正というところでの申請手続についての御質問でございます。生活保護法の改正につきましては、その趣旨を承知しているところでございますが、現在の制度運営におきましても、生活保護の申請の際に世帯員氏名、親族の氏名及び住所、こういったものを記載した保護申請書とあわせまして、収入申告書、資産申告書の提出を求めておりますほか、この際に預貯金通帳、給与明細、あるいは年金証書などの挙証資料の提示というものを求めてございます。なお、緊急に病院に入院したような場合のこういった窮迫性が認められる場合につきましては、後日こういった各種の書類を御提出いただくということで保護を適用している場合もございます。

 最後でございます。生活困窮者自立支援法案のことについての御質問でございます。生活困窮者自立支援法案では、福祉事務所を設置いたします自治体が生活困窮者に対しまして、生活保護に至る前に、前段階におきまして就労、自立に関する相談支援事業、あるいは住宅確保給付といった必須の事業、このほかに就労訓練等の就労支援、あるいは学習支援などといった幾つかの任意事業を行うことができるとされてございます。これによって期待される効果といたしましては、生活困窮者を早期に把握し、包括的、継続的に対応していくことで、早目に自立を支援していけるといったようなことがあるかというふうに思ってございます。区といたしましては、今後どのような取り組みができるか、検討してまいりたいというふうに思ってございます。

○副議長(やながわ妙子) 以上でひぐち和正議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 むとう 有 子

 1 子宮頚がんワクチンについて

 2 子どもの貧困対策について

 3 その他

 

○副議長(やながわ妙子) 次に、むとう有子議員。

     〔むとう有子議員登壇〕

○39番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただきました御意見をもとに質疑いたします。

 子宮頸がんワクチンについてお尋ねいたします。

 子宮頸がんの原因とされる発がん性ヒトパピローマウイルスは約15種類あり、そのうちワクチンの効果が確認されているのは、主に16型と18型の2種類です。日本では2009年12月から接種が可能となり、厚生労働省は2010年度から市区町村に接種費用の助成を行い、中野区では2011年度に約5,800人、2012年度には約2,700人が接種しました。幸い、中野区では重篤な副反応はないとのことです。そして、ことし4月からは予防接種法に基づき、小学校6年生から高校1年生を対象に全額公費負担の定期接種となりました。

 しかし、定期接種とする直前の3月、杉並区の「中学入学お祝いワクチン」を接種した中学生が重篤な副反応に苦しんでいることが区議会で取り上げられ、全国に報道されました。当時12歳の少女は、2回目の接種をした直後、腕がしびれ、腫れて痛み、その痛みやしびれが足や背中に広がり、一時は自分の名前もわからなくなり、1年半が経過した今でも割り算ができないなどの計算障害や歩行障害が残っているとのことです。よかれと思い受けさせた娘の中学校生活を台なしにしてしまったことへの後悔と責任、日々、痛みに苦しむ娘の姿に、親御さんの心中を察すると胸が痛みます。杉並区は接種の副反応と認め、全国で初めて補償することを決めました。3月に設立された全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会が、重篤な副反応に苦しむ少女の姿を映像で公にし、副反応は今や深刻な社会問題となっております。

 私は、5月16日に行われた厚生労働省厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会を傍聴いたしました。配布された資料によると、販売開始以降、ことし3月末時点までの子宮頸がんワクチンの副反応報告は1,968件に上り、そのうち重篤な副反応は878件です。これは他のワクチンの中で一番多く、インフルエンザワクチンの約40倍です。その上、資料には、「がんそのものを予防する効果は現段階では証明されていない」と記載されています。効果が証明されていないワクチンがなぜ定期接種となったのか、疑問です。

 なお、この審議会委員16人中8人が子宮頸がんワクチンの製薬会社から寄附金を受け取っていることが審議会冒頭で報告されました。お金をもらっている委員が半数いる中で、真摯に中立の立場で審議できるとは思えません。結果は、案の定、健康被害例を調べるとはしたものの、接種の一時中止は必要ないとの結論でした。

 3月に行われた参議院厚生労働委員会における質疑から、効果があるとされる16型と18型の日本人女性の感染率は0.7%で、そのうちの9割は自然にウイルスが排出され、残る1割の軽度異形成の90%も自然治癒するため、ワクチンの効果が期待される子宮頸がんの初期段階に至るのは0.007%にすぎません。つまり、ワクチンのメリットは10万人に7人だけです。しかも、子宮頸がんの前段階である中等度及び高度異形成になったとしても、定期的な細胞診とヒトパピローマウイルスのDNA検査の併用検診で発見すれば、治療によりおおむね100%治癒することが健康局長の答弁から判明しています。なお、私が調べた2005年以降、20歳代の子宮頸がんによる死亡者数は中野区ではゼロです。

 予防接種法で、区は「接種の勧奨をする」と定められていますが、自治事務ですので、どのように勧奨するかが問われています。

 ヒトパピローマウイルスは飛沫・空気感染ではなく、接触感染である上、99.993%が自然治癒することが判明しているにもかかわらず、10万人に7人のために全ての少女がワクチン接種することは公衆衛生上本当に有益なのか、高比率での重篤な副反応を見据え、有効性と安全性を鑑み、勧奨する意味と責任についての区の認識をお答えください。

 また、副反応検討部会の資料の中に、ワクチン接種にあたっての通知文案が示されています。そこには有効性について、「がんそのものを予防する効果は証明されていない」と明記され、重篤な副反応として、アナフィラキシーショック、ギラン・バレー症候群、血小板減少性紫斑病、急性散在性脳脊髄炎、複合性局所疼痛症候群が挙げられています。さらに、目立つレイアウトで「ワクチン接種は強制ではありません。有効性、リスク等について、十分に理解した上で、接種を受けるかどうかご判断ください」と明記されています。

 しかし、4月に区が中学1年生の保護者に送付した案内は、重篤な副反応の記述が不十分であり、医薬品の添付文書に書かれている「予防効果の持続期間は確立していない」などの効能の記述も全くない上、予防接種は強制ではないとの明確な記述もありません。予防接種法には「対象者は予防接種を受けるよう努めなければならない」と定められているだけで、接種の判断は個人に委ねられています。だからこそ、区は、保護者が判断するに足る情報の提供に努めるべきです。

 区の案内文に、厚労省の副反応報告や医薬品の添付文書に書かれているデメリットと、強制ではなく、保護者が判断してよいということが明確にわかる記述を加えることを求めます。区の見解をお答えください。

 他区には、有効性に疑問を持ち、「子宮頸がんワクチンの接種はいたしません」との張り紙をしている病院もあると聞きます。接種を実施している医療機関は接種を推進しているわけですから、リスクの説明が不十分になりがちだと思います。既に昨年、区内の病院で接種した際に、重篤な副反応や効能などの詳しい説明は受けておらず、「接種すれば子宮頸がんにならないと思っていた」と、区民の方からお伺いいたしました。その方は副反応もなく幸いでしたが、厚労省が公にしている副反応報告や医薬品の添付文書の記載内容を医師が正確にわかりやすく保護者に伝えるよう、実施医療機関に徹底を図ることを求めます。区の見解をお答えください。

 なお、厚労省は全国的な副反応実態調査を行うとしているので、結果が出るまでは接種を一時中止するよう国に求めるべきと考えますが、区の見解をお答えください。

 ワクチン接種に毎年約300億円の税金をつぎ込むより、女性医師を増やすなど、誰もが受けやすい検診体制を整えるべきであることを申し添えて、次の質問に移ります。

 子どもの貧困対策についてお尋ねいたします。

 近年、日本の子どもの貧困率が高く、中でもひとり親家庭の貧困は深刻な問題となっています。

 さて、夫や妻と離婚あるいは死別した後、子どもを養育するひとり親に適用される税制優遇制度として寡婦(寡夫)控除があります。その控除額は27万円ですが、さらに母子家庭で低所得の場合は35万円です。しかし、未婚のまま子どもを育てている母子・父子家庭には適用されません。そのため税だけではなく、所得額に応じて算出される国民健康保険料や公営住宅の賃料、保育料に大きな影響が出てきます。税法は全ての人に対して平等であるべきなので、未婚の母子・父子にも拡大するよう法改正が急務ですが、区が直ちにできることとしては、他自治体で既に実施している保育料の算定に寡婦控除のみなし適用を検討してはいかがでしょうか。既に実施している千葉市では、ことし1月現在、該当者24件で総額168万2,000円、1件当たり平均7万円の保育料の減額となり、子どもの貧困対策の一助となっています。保育料の算定に寡婦控除のみなし適用の実施に向けた検討を求めます。見解をお答えください。

 子どもたちの健やかな成長を願い、誠実な答弁を求めます。ありがとうございました。

     〔保健所長寺西新登壇〕

○保健所長(寺西新) 子宮頸がん予防ワクチンについての御質問にお答えいたします。

 このワクチンの公衆衛生学的なメリット、デメリットについては、国が科学的、広域的に評価をしております。その上で、定期接種化されたワクチンについては、区として適切な勧奨を行う立場であると認識しております。

 副反応等の情報については、医師会と連携し、区内の医療機関に提供しております。今後も予防接種の案内文などで、保護者等に対し最新の情報を適切に提供してまいります。

 予防接種の一時中止が必要ではないかというような質問もございました。5月16日に開催されました、議員も言及されました国の検討会では接種の継続を決定しております。このため、区として接種の一時中止を国に求める考えはございません。

   〔子ども教育部長髙橋信一登壇〕

○子ども教育部長(髙橋信一) 私からは、みなし寡婦控除についてお答えいたします。

 保育料につきましては、条例によりまして、所得税の額を基準として規則の定めるところにより計算した額としております。区として独自に保育料について、婚姻歴のない母子・父子家庭に対する寡婦控除のみなし適用を行うことは考えてございません。

     〔むとう有子議員登壇〕

○39番(むとう有子) 1点、再質問をさせていただきます。

 これから保護者の皆様に出す案内文に対して、デメリットだけではなくて、強制ではなく保護者が判断してよいということが明確にわかる記述を加えることを求めているんですけれども、それについての御答弁をいま一度お願いいたします。

     〔保健所長寺西新登壇〕

○保健所長(寺西新) 先ほど御紹介いたしました検討会で、確かにそのひな型として説明文の案の中に、強制ではない旨、最後のところにそういうふうな記載があり、それを案として今後検討すると、国は確かに伝えております。ですから、国のほうでこういうひな型を決定して、全国的に区市町村に対してそういうふうな案内をするようにというような御指示があった場合は、検討させていただきたいと考えております。

○副議長(やながわ妙子) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

      午後2時37分休憩

 

      午後2時55分開議

○議長(伊東しんじ) 会議を再開いたします。

 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 奥 田 けんじ

 1 広域連携について

  (1)自治体間での施設共用について

  (2)シェアード・サービスの活用について

  (3)その他

 2 その他

 

○議長(伊東しんじ) 奥田けんじ議員。

     〔奥田けんじ議員登壇〕

○28番(奥田けんじ) 第2回定例会に当たりまして、一般質問をいたします。

 さきの定例会では、公会計改革に関しまして、発生主義会計と複式簿記の導入の具体的な活用方法について、詳細な分析と経営判断に資する指標の提案をしたところでございます。固定資産台帳が整備されていないため、あくまで簿価ベースであり、会計システムも整っていないため、分析対象が1年以上古い内容だったわけでありますけれども、概要は把握できました。公会計の改革が達成されれば、財務の健全性、経営成績、許容可能な経営規模、これは資産や負債の大きさということでありますけれども、こういった財務的な目標が明らかにできることをお伝えできたのではないかと期待しています。

 本来であれば、固定資産台帳のみならず、平成31年度に向けて発生主義会計・複式簿記の導入が着実に進められるはずでありましたが、残念ながら平成24年決算特別委員会のタイミングで出されました行政評価の目標には、発生主義会計・複式簿記の導入はなくなり、達成の道筋が不透明となっています。かわって、公会計改革全体の目標として、建物台帳、固定資産台帳の整備が据えられたようです。現在の状況を見る限りでは、現金主義・単式簿記に補足的に資産・負債資料が追加される程度で改革はとまってしまうのではないかと懸念しております。

 公会計改革と事業再構築は、行革の両輪であります。そうでなければ経営目標自体が立てられず、学校施設のみで再配置計画をしたり、区政全体の維持コストも不明なままに施設の地域偏在解消を進めるなど、行政の部分最適化が発生してしまいます。まさに「目標なき成果追求」の姿ではないでしょうか。

 はっきり申し上げて、現状では行政の持続可能性は不明と言わざるを得ません。しかし、楽観できない財政状況であることは間違いありません。

 今、議会側から申し上げられるとすれば、何をすべきか、また、何をすべきでないかといった政策メニューや導入のプロセスの提示ぐらいでないでしょうか。規模などの目標感は全く不明だからであります。例えば、持続可能な財務体質の構築には、固定資産の圧縮として、施設の統廃合や多機能化、長寿命化、民営化、民間活用、広域連携などございます。あるいは不動産の有効活用として、公共施設の売却、賃貸といったような方法もございます。あるいは自己資本の増強や負債の圧縮といったメニューは豊富にあるわけでございますが、中野区でも多くの取り組みがなされていることは事実であります。その中で少し不十分な点があるとすれば、積極的に行うべきと思っております。私は広域連携、具体的には公共施設の相互利用や業務の共用化が重要だと考えております。既に財政的な要請が強い小規模自治体では積極的に行われており、参考にすべきであります。

 そこで伺います。広域連携についてであります。

 1、自治体間での施設相互利用について伺います。例えば、利根川を挟んで南北に隣接する自治体であります茨城県の取手市と千葉県の我孫子市の事例であります。取手市には温水プールがなく、ナイターの可能な野球場がございます。一方で我孫子市は温水プールはありますが、ナイターができる野球場はございません。相互利用協定により、双方のホームページにそれぞれの施設案内があり、利用の際、条件面、これは予約可能時期であるとか料金に差がないというような形になっております。このことで、相互に対等な補完関係をつくっていると言えます。

 ほかにも、大都市が小都市の上下水道を引き受けるといった委託請負型、あるいはニュータウンの子どもたちの受け皿として、学校の新設ではなくて、隣接自治体の廃校寸前になっている学校を協定によって活用し、建設コストを10分の1以下に抑えるといった間借り型など、便益に応じた費用を負担することで過剰投資を抑える事例などがございます。

 もちろん区も既存の取り組みとして、清掃一部事務組合であるとか、広域的な図書館の相互利用、温水プール、体育館、ホールなどの個人利用など、弾力的な運営を行っているところでありますが、運動施設や集会室の団体利用については、情報、そもそも区内情報には他自治体の活用案内がありませんし、申し込み可能時期、あるいは利用料金の格差から、実質的にはほとんどできていない状況でございます。自前の施設は、納税者である区民が優先との発想は当然でありますが、全て自前主義という考え方では過剰投資の危険をはらんでおります。今後は、一定の規模を有する自治体といえども、自前主義偏重では財政的に多様なニーズに応えられなくなる可能性が高いと言えます。

 中野区の地理的特徴も施設配置に大きく影響していると考えられます。中心市街地から同心円状の地形であれば一つあれば十分な施設であっても、南北に長くL字型の地形を有するために、特にL字型の角の部分、あるいは先端部、例えば上鷺宮、江原、南台などの地域でございますが、アクセスを考えると、それら地域にも新たな施設が必要ということになりがちであります。

 そこで伺います。しかし、区境に近い公共施設は一方で稼働率が低調になりがちで、サービスエリアを考えれば、自治体間で共有するのが合理的ではないかと思います。所見を伺います。

 また、温水プールの例では、杉並区には上井草、東高円寺、高井戸の3カ所にあるわけでありますが、実は中央線沿線はカバーされておりません。そうすると、中野中のプールの開放については杉並区民には魅力に映る可能性もございます。一方で中野の地域は、鷺宮、二中、南中野に新たにできる予定のプールについては、利用可能な隣接杉並区民も多くいます。温水プールに関しては、杉並区への便益提供の可能性が十分にあるわけであります。

 ナイター施設のある野球場については、中野はほとんどございません。一方で、杉並は松ノ木運動場がありまして、予約状況を確認しましたところ、直近4カ月の予約状況から、稼働状況は中野区に比べて若干の余裕がございます。あるいは、ホールについても同様です。杉並は、例えば方南会館という方南町駅徒歩5分に240席のホールがありますが、南中野区民センターのタウンホールがつくられる予定の中野富士見町徒歩10分の150席、これは平成27年に稼働予定でありますけれども、相互利用協定により、必要に応じた活用が図れる可能性は大きくございます。

 ほかにも、体育館、集会室、児童館、高齢者施設等なども同様に検討が可能だと考えております。

 そこで伺います。利用単価が明確な施設の相互利用については、ライフサイクルコストなどを考慮し、利用実績に応じた経費負担を行うことによって、完全に同一の利用条件にはならなくとも、団体利用の優先予約枠の確保などさまざまな協定のあり方が考えられるのではないかと考えます。御所見をお答えください。

 また、児童相談所など、今後の都からの事務移管を進めなければならないことを考えると、案件が少ない事務を区が単独で請け負うことは不経済であります。広域連携を進めて共通の業務を一つの受け皿で担うことは、都からの移管を促進することに有効ではないかと考えます。所見を伺います。

 次に、シェアード・サービスの活用について伺います。

 連携すべきは施設だけではございません。各自治体には、法定の手続をはじめ多くの共通の事務が存在します。シェアード・サービスとは、人事や経理、総務などの間接業務をグループ内の1カ所に集約し、コストの低減を図る経営手法でありますけれども、共通業務の多い自治体にあっては、自治体間でのシェアード・サービスが有効と考えます。

 そのプロセスについて御提案申し上げます。基本的に区はそれぞれの業務ごとにシステムを開発し、独自サーバーを持ち、人を配置するような運用をされております。人の配置については、非常勤の職員を活用するなど、閑散期を基準とした人的配置も可能ですが、独自システム、独自サーバーの運用では、繁忙期に合わせた大きな規模が必要となってしまいます。また、その開発や改修は、大きなものでは数億円単位と膨大になっております。既に他の議員からも提案がされているとおり、自前のシステム、サーバーではなく、いわゆるクラウドの活用を区単独でも行うのはかなりのコスト削減効果が見込めるのではないでしょうか。

 例えば、定額給付金のシステム構築・運用費用を例に挙げたいと思います。20万人程度の自治体間でデータを比較したところによりますと、港区が約4,100万円かかったのに対して、甲府市では何と310万円と、実に13倍もの差がついたわけであります。港区は突出して高額ではありますけれども、他の自治体と比較しても、クラウドを活用した甲府市は3分の1から2分の1のコストで構築できたことになります。

 注目すべきは、この業務は自治体間に違いがないということでありまして、単独でのクラウド化だけでもかなりの効果が見込めますが、自治体間で共用すればさらに効果的なのは明らかであります。例えば、静岡県の湖西市は、まず財務会計と人事給与システムの単独でのクラウド化から始め、庶務事務への導入を今検討しているところです。さらに静岡県西部の8市1町による、クラウドによる情報システムの共用利用を想定した遠州広域行政システム共同利用研究会を2012年春に立ち上げているところであります。

 そこで伺います。区もこうした事例を参考に、まずは単独でできるさまざまな業務のシステムの改善を行った上で、広域での共用利用を検討するべきではないかと考えますが、御所見を伺って、この項の質問を終わります。

 その他で1点伺います。

 街路灯のLED化に伴う効用と副作用について伺います。今定例会でも、区道の街路灯LED化による効用については既に述べられたところでありますけれども、一方でLED化の副作用として、もともと抜け道として利用されていた生活道路では、見通しがよくなったことで夜間のトラックの走行速度が上がったことにより、歩行の危険、騒音、振動などが悪化したのではないかとの声が届いております。

 そこで伺います。まずは、LED化された生活道路のうち、特に幹線道路と並行して走るような抜け道となりやすい生活道路について、こうした状況が発生していないか確認すべきではないでしょうか。また、夜間ということもあり、当事者がなかなか実態把握は困難です。そうした対策について、市民が主体的に解決に向かって進めるよう、情報を提供することが必要と考えます。

 そこで伺います。こうした生活道路の交通問題に対して、相談窓口、あるいは解決の手段メニュー、立て看板、ハンプ、狭窄、クランク等であります。また、地域の合意形成を含めた解決までのプロセスはどうなっているのか。

 最後に、その周知方法について具体的に伺って、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 奥田議員の御質問にお答えいたします。

 公共施設の他自治体住民の利用についてということであります。区の施設は、それぞれの設置目的に従って利用対象者が定められております。例えば体育館やプールの個人利用は利用者を限定していませんが、区民活動センターは区民利用を前提としております。また、例えば図書館のように施設の利用形態などから他の自治体の住民間で相互利用しているものもあると、こういった形になっております。しかし、自治体というのは、同じ地域に住んでいる住民同士のコミュニティがつくる自治体ということでありますので、その自治体の住民の間での合意に基づいて施設なども設置され、運営されているというようなことから、それを共同利用するためにとてもたくさんの手間をかけるというようなことは、私はなかなか難しいのではないかな、こんなふうには思います。

 稼働率が低いところがあるから、他自治体の住民の利用を考えるということよりも、むしろ利用対象者の利用率が向上する方策を実施するということが先なのではないか。それでも需要がないと判断される場合には、設置のあり方をその自治体として見直すということも必要なのかな、こんなふうに思っております。

 また、児童相談所の区の移管についての御提案もありますが、児童相談所については、虐待ケースに対して、より身近で迅速な対応、一つのコミュニティ、自治体としてその事務を持つということの重要性を私たちは認識して、東京都に移管するよう強力に申し入れをしているところであります。共同処理にはなじまない、こんなふうに考えております。

 私からは以上です。

     〔政策室長竹内沖司登壇〕

○政策室長(竹内沖司) シェアード・サービスの活用についての御質問にお答えいたします。

 各自治体とも情報システムを独自開発したり、パッケージソフトについてもそれぞれの自治体の業務に合わせてカスタマイズしていることから、共同化が直ちには難しい状況にございます。しかし、総務省では情報システムの共通基盤の普及の促進をしておりますことから、将来的には自治体クラウドによる共同化というようなことが進むものと考えているところでございます。

 現在、東京都内の自治体におきましては、東京電子自治体共同運営協議会におきまして、電子申請と電子調達について共同実施をしております。また、さらに今後、災害時におけます業務継続性の確保のために遠隔地のデータセンターにバックアップシステムの共通基盤を整備することについて、現在検討を進めているところでございます。

○議長(伊東しんじ) 質問時間は終了しております。答弁は結構です。

 以上で奥田けんじ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 近 藤 さえ子

 1 男女共同参画基本計画2012の着実な推進について

 2 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、近藤さえ子議員。

     〔近藤さえ子議員登壇〕

○29番(近藤さえ子) 無所属の近藤さえ子です。

 昨今、家庭内暴力や児童虐待などの悲しい現状が多く伝わってきます。どうすればそれらを防げるのか、あるいは最悪の事態を招かなくて済むのか。個々の人権を考え、人権を尊重し、暴力を許さない意識を高めるために、私たちに今できることは何か。この視点から質問させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 男女共同参画基本計画2012の着実な推進について。

 「一人ひとりが多様な生き方を選択でき、人として大切にされる社会の実現」を基本理念に掲げ、中野区は昨年、男女共同参画基本計画2012を策定しました。また4月には、庁内の連携強化を目的として、男女共同参画センターを本庁に移しました。男女共同参画基本計画2012では、人権を尊重し、暴力を許さない意識を高めていくとともに、暴力被害への支援体制を強化する課題が取り上げられています。本庁に男女共同参画センターを移したことで、庁内の連携、他機関との連携は深まったのでしょうか。

 かつて男女共同参画センターが行っていた女性のための悩み相談、女性のための法律相談業務は現在どうなっているのでしょうか。以前のようにゆったりした気持ちで相談が受けられるような個室の体制はできているのでしょうか。大勢の区民がそれぞれの目的で行き来する区役所の1階の男女共同参画センターの窓口には行きにくい、プライバシーが守られるか心配等、相談を継続したいが、どうしてよいのかわからないなどという区民の声も聞こえてきます。

 個人的な相談の環境は低下していないのでしょうか。

 また、男女共同参画基本計画2012では、配偶者暴力相談支援センター機能を整備すると書かれていますが、整備は進んでいるのでしょうか。

 男女共同参画基本計画2012には、「区におけるDV相談件数は平成23年度426件と6年前の1.2倍と増加傾向である」となっていますが、中野警察、野方警察両警察の被害者支援ネットワークに区役所では、保健福祉部、都市基盤部、子ども教育部、すこやか福祉センターなどとともに男女参画センターも会員になっていると認識していますが、男女共同参画センターはどのような役割をしているのでしょうか。情報交換、連携体制はとられているのでしょうか。

 また、男女共同参画基本計画2012の事業例に学校向け「デートDV」防止出張講座の実施を挙げていますが、この企画は警察との連携事業なのでしょうか。

 平成20年度から4年間、区の人権への取り組みの講座が区内中学校で実施されました。平成23年度にはNPO法人レジリエンスの講座を9校で、医師であり前教育委員の山田先生の講座が1校で、保健師の講座が1校で実施されました。私は、NPO法人レジリエンスの講座を参観させていただきましたが、この講座は、男女間のつき合いにかかわらず、日常どこでもある行動を例に、DV被害、いじめ被害をなくすことを学ばせ、人と人のコミュニケーションのとり方を中学生に学ばせる大変よい講座でした。

 近年、警察でも自殺防止、いじめ防止などの観点から「命の教育」に取り組んでいますが、ただその日だけ外部から講師をお連れしてきて、その1時間だけ「命の大切さ」などをお話ししていただくという形では、なかなか生徒たちの心には響きません。この教育委員会が取り組んだレジリエンスの講座は、教育委員会が、今の生徒たちに何を伝えなくてはならないかをしっかり理解し、準備して取り組んだ授業だったので、生徒たちの心に響いたのだと思います。

 生徒たちの実際の生活を題材にして、「人と人のコミュニケーションのとり方」、「人の心にも、身体にも思いやる心を持つことの大切さ」を生徒たちに考えさせるこのような取り組みは、今の中学生にとても必要な授業であったと思います。しかし、全校でのこの取り組みは、なぜ1年でなくなってしまったのでしょうか。

 また、今後の男女共同参画基本計画2012の中の事業例に挙げている学校向け「デートDV」防止講座とはどのようなものを考えているのでしょうか。

 5月20日、私は仙台市で、宮城県犯罪被害者支援連絡協議会の平成25年度総会に参加し、講演をさせていただきました。この宮城県の組織でも、中野区の犯罪被害者等相談支援窓口の取り組みは高く評価されていました。この総会は宮城県知事を会長として、仙台地方検察庁、仙台法務局、仙台保護観察所、県保健福祉部、県福祉部女性相談センター、児童相談所、教育庁、医師会、弁護士会、みやぎ被害者支援センター、警察本部等の50人が出席されていました。今年度は住宅問題の重要性から、国土交通省東北運輸局が新たに加わりました。

 この協議会では、DVの被害、児童虐待、交通事故の被害、悪徳商法の被害、震災被害への対応など、あらゆる人権被害に対して、警察本部が中心となり、行政・民間が一緒になって、支援のあり方、支援体制について常に勉強し、情報交換をしております。同じ協議体は全国の都道府県にありますが、宮城県は連携体制がきめ細かくとられています。警察、行政の多くの分野、民間の参画機関、団体の適正な役割分担のもとで、適正な支援活動が行われているのです。

 一例を挙げますと、学校などで、未遂事件も含めて事件・事故があったときは、被害者支援連絡会の参画機関である教育関係部局から速やかにスクールカウンセラーが派遣され、福祉部局からは保健師が派遣されるなどして生徒の精神的ダメージの軽減に努め、長期的なケアが必要な場合には被害者支援センターが当たり、素早く適正な支援体制が構築されています。私は、各機関、団体が連携し、速やかに行動がとれることの大切さを改めて実感しました。

 東京都にも同じ組織体はありますが、人口が多いこともあり、東京都の犯罪被害者支援協議会は、きめ細かい支援へ結びつくまでの組織になるのは難しいと感じています。そこで、東京では、先ほど申し上げた身近な警察が取り組んでいる被害者支援ネットワークなどの組織を有効に活用させることが大切であると思います。住民に一番身近な自治体において、警察、行政の多くの分野、民間の参画機関、団体の適正な役割分担のもと、情報を共有し、適正な支援活動が行われることが望まれます。

 男女共同参画センターが移転したこの機会に、他団体との連携、警察、各行政機関、区役所各部局、民間団体、例えば弁護士会、医師会、保護司会、行政書士会など多くの支え手の連携を深め、区民の人権尊重と暴力を許さないという意識を高めるとともに、しっかりとした支援体制の構築を願い、私の質問を終わります。

 その他はありません。ありがとうございました。

     〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 近藤議員の男女共同参画基本計画2012の着実な推進についてのうち、区立中学校における講座について、御質問にお答えいたします。

 御質問にございましたNPO法人による講座は、以前より実施しているものでございますけれども、人権教育の一環として、平成23年度に実施したものでございます。平成24年度以降につきましては、各学校の重点とするさまざまな人権課題につきまして、各学校の判断で外部講師等を招いたりして講演会を実施しているところでございます。

    

政策室長竹内沖司登壇〕

○政策室長(竹内沖司) まず、相談事業についての御質問にお答えいたします。

 女性のための悩み相談は、4月から配偶者暴力相談支援センターの業務として生活援護分野で行っております。また、女性のための法律相談は、区民相談として1階の相談室で行っているところでございます。女性のための悩み相談は毎日の実施となりました。また、女性のための法律相談は週2回にふやし、それぞれ資格のある相談員が対応し、プライバシーの保護がされた部屋で相談を行っております。相談に来られた方には、婦人相談員や精神保健福祉士などに直接相談する対応ができているところでございます。

 次に、警察との連携についてでございます。犯罪被害者支援ネットワークは、中野・野方それぞれの警察を中心とした区や民間事業者、地域団体によるネットワークでございまして、男女共同参画センターも参加し、DV等の被害・相談等について年1回連絡会が開かれ、情報交換を行っているところでございます。

 このほか、区として男女共同参画センターが主催してDV防止連絡会を年2回開催し、両警察からも出席していただいております。また個別事例につきましては、配偶者暴力相談支援センターを中心に、日常的に緊密な連携をとり合っているところでございます。

 次に、「デートDV」防止出張講座についてでございますが、現在、「デートDV」防止出張講座につきましては、直接警察との連携ということは行っておりませんが、NPOの協力を得て、昨年度は中野工業高校と新渡戸文化学園の2校で実施いたしまして、参加した生徒の皆さんからは、DVについて理解が深まったとの声が得られているところでございます。

 それから、「デートDV」防止出張講座はどのようなものを考えているのかという御質問がございました。男女共同参画センターが行います「デートDV」防止出張講座につきましては、これまで高校生を対象に実施してきております。実施に当たりましては、講座を行う学校の養護教諭と事前に打ち合わせを行いまして、当該校の生徒の状況や、学校として指導していることなどを踏まえて講座内容を決めて実施しているところでございます。今後も同様にしていきたいと考えております。

   

健康福祉部長野村建樹登壇〕

○健康福祉部長(野村建樹) 私から、配偶者暴力相談支援センターの整備ということでの御質問にお答えいたします。

 本年度から庁舎2階の生活援護分野、福祉事務所でございますが、こちらに配偶者暴力相談支援センター機能を置くということで、婦人相談員によります相談、あるいは一時保護、配偶者からの暴力に関する通報の受理、配偶者暴力被害相談の証明書の発行、保護命令関係の業務などに取り組んでいるところでございます。

○議長(伊東しんじ) 以上で近藤さえ子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 いながき じゅん子

 1 職員の接遇について

 2 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、いながきじゅん子議員。

    〔いながきじゅん子議員登壇〕

○17番(いながきじゅん子) 無所属のいながきじゅん子でございます。

 役所の仕事は究極のサービス業であるとも言われるようになった昨今、区民の皆様が区役所に求める接遇レベルも一昔前に比べ非常に高くなってまいりました。職員お一人お一人の対応が区全体のイメージアップもしくはダウンに直結する時代でもあります。また、職員数が減り、ますます効率的な行政運営が求められる中で、クレームを極力減らし、生産性を高めていくためにも、区職員の接遇は区政運営において重要な要素であり、今後最も力を入れて改善していくべき施策の一つであると考えます。

 現在でも、例えば電話をかけますと、ワンコールですぐにとっていただけることもふえましたし、部署名と名前の両方を名乗っていただけることも多くなってきました。窓口でも、あからさまに偉そうな態度をとったり、敬語を使用しなかったりという方はほとんど見かけなくなりました。区内に長くお住まいの方々に聞いてみましても、皆さん口をそろえて、「以前に比べたらサービスはよくなった」とおっしゃいます。これは今日までの区長並びに職員の皆様方の地道な努力による立派な成果だと思います。しかしながら、ここに「以前に比べたら」という枕言葉が常につくことに注意する必要があります。これは昔に比べたらましになったというだけで、今後まだまだ改善の余地があるという意味にも捉えられます。

 例えば私自身、実際にサービスを受けてみて、個人によるレベルの差がまだまだあると感じます。多くの方はそつなく業務をこなしているものの、残念ながら、中には接客業としてふさわしくない態度や服装の方、相手の立場に立って物事を考え、対応しているとは思えない方もいらっしゃいます。区役所をはじめ、区の施設を頻繁に訪れる区民の方はそうたくさんはいらっしゃいません。たった1人であっても、そのような方がいらっしゃると、それが区全体のイメージダウンに直結してしまいます。民間のお店や施設でしたら、納得いかない不快なサービスを受けたら、もうそこには行かないという選択もできますが、区役所でそのような対応を受けて大きな憤りを感じたとしても、すぐに中野区から出ていくことはできません。住む場所は選べても区役所は選べない、そういうところにあぐらをかいてしまっている部分はないでしょうか。もちろんすばらしい接遇をなさる方もいらっしゃいますが、人によってまだまだ意識の差、レベルの差が大きいように見受けられます。

 そこで、まず伺いたいのですが、現在の中野区職員の接遇レベルについて、区としてはどのような認識を持たれていますでしょうか。全庁的に高いレベルにあるとお考えでしょうか。現状認識をお示しください。

 ちまたでは、某テーマパークの「感動を呼ぶ」サービスが有名であり、将来的には中野区役所でもそのようなサービスが当たり前に行われるようになってほしいと願うところではありますが、まずは、いつ誰がどの窓口に行っても、誰に電話をかけても、常に気持ちのよい安定したサービスを受けられる状況を保てるようにすることが重要だと考えます。これはそれぞれの担当業務や諸制度について十分な知識と理解があり、相手にそれを的確に伝えるというプロとして当然のことも含め、いわば接遇レベルの均一化、サービスの均一化を図り、これを徹底することで区民満足度、区政への信頼感をアップさせていくという考え方です。

 なお、その具体策としては、これが接遇の基準であるというものをできるだけ具体的に明文化することが挙げられます。抽象的なものを掲げてしまうと、考え方や価値観の違いによってそれぞれの捉え方が異なってしまい、サービスにもばらつきが生じてしまうからです。また、何々いたしましょう、心がけましょうと努力目標的にしてしまうと、やってもやらなくてもいいやとなり、そこでまた個人差が生じてしまいますので、中野区では全員でこういう接遇をしますと言い切ることが重要だと考えます。数値的なものを入れるなど、基準が具体的であればあるほど、そこから逸脱している職員に対し上司も注意しやすくなりますし、管理職の価値観や考え方で部署によってレベルに差が出てしまうことも防げるのではないでしょうか。

 中野区では、今から10年以上前の平成14年に「お客様への六つの約束」という基本方針を掲げ、また、平成23年には区のおもてなし運動推進委員会が中心となり、「めざせ!みんなが中野のコンシェルジュ」という接遇マニュアルを作成していますが、現場においては残念ながらそれらの存在自体が過去のものになりつつあり、六つの約束の中でも、「名札をつけます」ですとか、「お客様とお呼びします」というような取り組みやすいものは既に実施されていますが、例えば「笑顔で挨拶します」というお約束は、現場の職員お一人お一人に十分浸透し実践されているようには見えません。六つの約束策定から10年たった今、これらの成果を検証し、より具体的でバージョンアップしたものを新たにつくり直し、これらが現場レベルで徹底されるような仕組みづくりが必要なのではないでしょうか。

 その一つとして、研修は重要だと考えます。現在、区では全庁的、定期的に行われているものとしては、新入職員を対象とした接遇研修があり、これが入区時に一度のみ行われています。なお、窓口業務が一番多い区民サービス管理部が毎年接遇研修を行っていますが、3年間かけて受講者は全体の26.2%にとどまっています。しかもこれは延べ人数の割合で、手挙げ方式で参加者を募っているということもあり、本来受けるべき人が受けていない可能性もあります。また、それ以外の部署ではこのような研修はほぼ行われていない状況です。区役所では基本的に本人の適性や意欲、接遇レベルに関係なく、管理職を除く部の全員が均等に窓口業務を行うということですので、それであればなおのこと、先ほど申し上げましたように区の接遇基準をできるだけ具体化、明確化した上で、それを効果的に実践するための研修を行い、受けたい人だけではなく、受けるべき人が参加するようにし、人によってサービスに差が出てくることがない現場を目指すべきではないでしょうか。

 次に、昨日、自民党の佐野議員からも同様のお尋ねがありましたが、私からも職員の服装についてお聞きします。

 これまで区では職員の方々の服装について求める基準、いわゆるドレスコード的なものを明文化してきませんでしたが、ぜひこれは早期に実施すべきであると考えます。個人の考え方や価値観が多様化する中で、何がよくて何がだめだという明確な基準がないがゆえに上司が指導しづらい、あるいは職場にふさわしくない服装であると判断して注意してもなかなか聞いてもらえない、わかってもらえないと苦労している状況が生まれています。中には、お客さんから服装について怒られても、これが自分のスタイルだからと言い張り、改めない方もいるようです。こんなことは民間企業ではあり得ません。

 女性の服装やみだしなみについて明文化するのは難しいとの声もありますが、他の自治体で、例えばノースリーブや肌の露出が多いもの、ロングスカート、ミニスカート、派手なマニキュア、ミュール、これはかかとのないつっかけサンダルみたいなもののことですが、などなどを控えるようにと具体的に明示しているところもあり、区としての基準を決めればよいだけの話だと思います。何がだめだとはっきりさせることで、職員の方々自身も判断が容易になり、混乱もなくなると思われます。

 昨日、佐野議員からも御指摘がありましたが、例えばジーンズ、Tシャツ、サンダルは都内自治体の公務員として、また、頻度の差はあれ不特定多数の方に接するお仕事の服装としてふさわしいのでしょうか。クールビズという言葉が定着した昨今ですが、最近では環境省がそれを上回るスーパークールビズという軽装を推奨し、環境省内における服装の可否の一覧をインターネットで公開しています。しかし、ここでもTシャツ、ジーンズ、サンダルは不可となっています。これはあくまで環境省内の基準ではありますが、事前に国民の意識調査を行った上で決められたものであり、その結果、スーパークールビズでもTシャツ、ジーンズ、サンダルはだめになったということです。

 生活援護など部署によっては、外回りで服が汚れやすいという理由でその格好が当たり前となっているところもありますが、お掃除をしに行くわけではありませんし、重要な書類を保管したり、指導を行ったり、不正をチェックしたりする立場の方がそのようなラフな服装で業務を行って説得力があるのでしょうか。生活保護を受給していない区民のお宅を同じようにジーンズとTシャツで中野区の職員ですと名乗って訪問できるのでしょうか。一部の部署であっても、そのような服装が大手を振ってまかり通っているところがあれば、よその部署でも、あそこがいいならここでもいいでしょうということになってしまいます。今はTシャツ、ジーンズでなくても、お洗濯が楽で機能性が高く手ごろな価格のビジネス服はたくさん出回っていますし、ケースワーカーさんでもスーツが基本の自治体もあります。また、役所ではおなじみのぺたぺたサンダルについては、区の産業医さんが、災害時等の緊急避難誘導時に危険であり避けるべきだという見解を示しています。

 以上の事項を踏まえ、少なくとも就業時間中におきましては、全庁的にTシャツ、ジーンズ、サンダルは原則不可とするべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。

 以上で私の質問を終了いたします。ありがとうございました。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) いながき議員の御質問にお答えいたします。

 職員の接遇についてですけれども、議員の御質問の中でもありましたけれども、昔に比べればよくなった、こういうふうに言われることは私もしばしば経験をいたします。しかし、一方で区民の方から、職員の対応について大変厳しい御意見をいただく、こういう機会も多い、こういうことも事実であります。接遇について、私ども、おもてなし運動であるとか、さまざまな努力をしながら、ある程度のところまで改善してきたという実感は持っていますけれども、そこから先、議員がおっしゃったように、全員が同じレベルで同じような考え方できちっとした対応ができるかというところで言うと、まだ不十分な点がある。ここから先のもう一歩の踏み出しが大事なところだというふうに思っております。そういう意味で、明確な規範、基準みたいなものをつくるであるとか、あるいは職員全員が、本当に、受けたい人よりも受けさせたい人を受けさせるという研修のあり方などもしっかりと実践をしていかなければならない、こんなふうに思ったところであります。

 服装の基準についてであります。服装につきましては、区民に不快感を与えることのない、公務の場にふさわしい服装で勤務するよう指導してきたところであります。しかし、区民の方から苦情をいただく場合もあり、職員が共通の認識を持ち、上司が適切に指導を行うためにも、ドレスコードのような服装の基準をつくる必要があると考えております。御質問にありましたが、特にジーンズ、サンダル、Tシャツ、これらは公務の場にはふさわしくないと考えております。今後は職員の服装について具体的なルールを定めることで、区職員として公務の場にふさわしい服装で区民サービスが行えるよう改善を図ってまいります。

 佐野議員の御質問にもありましたけれども、こうしたドレスコードの制定、服装の基準の適正化ということについて、早急に実施することをお約束させていただきます。

○議長(伊東しんじ) 以上でいながきじゅん子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 林   まさみ

 1 中野区の地球温暖化対策について

 2 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、林まさみ議員。

      〔林まさみ議員登壇〕

○18番(林まさみ) 2013年第2回定例会において、中野区の地球温暖化対策について質問いたします。

 本年3月17日の参議院本会議において、改正地球温暖化対策推進法が賛成多数で可決成立しました。本年11月に開かれる第19回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP19)までに25%削減目標をゼロベースで見直すなど、新目標を策定することになります。新目標が策定されることから、中野区でも2008年策定された環境基本計画等を改定するとの答弁が、今定例会の一般質問でもあったところです。

 そもそも2008年に作成された環境基本計画には、区民風車の建設や全小中学校の校庭の芝生化、区有施設の太陽光パネルの設置、オンデマンド交通の推進などを含む四つのプロジェクトが示されていますが、第1次アクションプログラム終了後2年以上も計画が策定されておらず、PDCAサイクルのプランの部分が数年ないままの状態であり、目標と成果の区政運営がその間に行われていたのか疑問です。

 今回は、環境基本計画に示されていたプロジェクトについて検証し、温室効果ガスの削減目標を達成するための今後の取り組みについて伺います。

 本年5月13日、特別区長会などが主催団体として名を連ねている「エコネット東京62」の「みどり東京・温室効果ガス排出量」の結果が報道発表されました。そこで、中野区の基準年とした2004年と報道発表による最新情報である2010年のCO2排出量とを比較しました。まず部門別で見ると、民生業務部門と運輸部門が2万トン、4万5,000トンと大幅に削減されました。しかし、中野区の民生家庭部門を見ると、2万2,000トンも増加しています。また、全ての部門を合計した排出量を見ても、2004年94万4,000トンだったものが95万4,000トンと1万トンもふえています。

 現行の環境基本計画が策定されて5年が経過しました。基本計画では、2004年のCO2排出量の1割である9万1,000トンを削減することを目標としましたが、2010年時点では1万トン増加してしまったCO2排出量の現状を踏まえて、事業の進行状況と事業を行ったことでのCO2削減の成果について、区の認識を伺います。

 中野区では環境基本計画改正時、構成比率40%以上の民生家庭部門の排出量削減を課題としており、8万3,000トンの削減目標を定めました。そして、CO2排出量削減の目標を達成するため、なかの地球温暖化対策地域協議会を設置しましたが、機能していませんでした。

 なかの地球温暖化対策地域協議会の規約に、自主的に活動するとあるとの答弁でしたが、環境基本計画には、「協議会の設立当初は区が事務局を担い、活動を通じて主体的な運営を担うことができる人材が育成された段階で、区から独立した事務局運営を行う」とあります。

 そこで伺います。民生家庭部門のCO2削減のため、現行の環境基本計画にあるように、なかの地球温暖化対策地域協議会を活用していくのでしょうか、それとも、異なる組織や方策を考えているのでしょうか。区の考えを伺います。

 本年4月の区民委員会で、カーボンオフセットについての調査報告があり、事業執行のための今後のスケジュールが示されました。そして、その報告の中で新宿の森林整備の事例が出されたので調査しました。新宿区では、伊那市、沼田市、あきる野市と協定を結び、現地関係者に森林整備を委託し、温室効果ガス排出量の削減を行っており、年間一般財源で約2,000万から3,000万円を平成21年から毎年予算計上しているそうです。そして、森林整備とあわせて新宿区民が植林などの手伝いを行うイベントを区が年に数回企画しているとのことですが、区民による参加については、森林整備によるカーボンオフセットを知ってもらい、日々の環境活動を見直してもらうための環境学習の一環と考えているということであり、森林整備によるCO2削減量も目に見えて効果のあるものではないが、将来のための環境投資ということで区民の皆様に理解を得ているとの説明を受けました。

 そこで伺います。里・まち連携の一環として区民が参加して植林などを行うようなカーボンオフセット事業を今後推進する等のことを考えているとの委員会報告でしたが、新規事業であるからには、長期的に執行にかかる経費等の試算と温室効果ガス削減効果の検証は十分に行った上で事業化を目指しているのか、伺います。

 そもそも、このような事業を行うときこそなかの地球温暖化対策地域協議会などを開催し、各関係機関などと審議するべきです。区独自で調査を行い、事業の計画を立てることをしても、区民にその機運がなければ、なかなか成果を上げられるものではありません。

 次に、地球温暖化対策推進法の改正に伴い、早期に行うべき環境基本計画改正時に新たに追加するべき項目について伺います。

 現在、環境に配慮した省エネ機器の普及促進をしていますが、省エネルギーのさらなる意識向上のために、エネルギーの見える化の促進実施が不可欠です。エネルギー消費の見える化と効率化を図るために、民間施設にスマートメーターや省エネナビ、エネルギーマネジメントシステムの導入の普及促進が必要と考えますが、いかがでしょうか。

 区有施設の維持管理においても、環境に配慮した取り組みの強化が必要です。三鷹市や京都市の公共施設で実施例のあるESCO事業を、中野区庁舎等区有施設に導入することを検討するべきです。ESCO事業とは、商業施設、公共施設などに対して省エネルギーに関する包括的なサービスを提供する事業のことであり、効率的に省エネルギー効果を上げ、経費を削減することが期待されております。

 また、区有施設の新設や建てかえにも環境に配慮することが求められます。板橋区では、新設や建てかえを実施する公共建築物においては、板橋区公共施設省エネルギー・環境配慮設備等導入基準に基づき、省エネルギー機器・再生可能エネルギー設備の導入を積極的に行うなど、エネルギーの有効活用と環境に配慮した設計に取り組んでいます。区有施設の保全計画を早急に策定するとの答弁もいただいていることですので、中野区版公共施設省エネルギー・環境配慮設備導入基準の策定を行い、改修・改築計画に備えるべきです。区の見解を伺います。

 2009年度1万8,000トンだった排出量が2010年には6万2,000トンと、産業建設部門が激増しています。23区で見てもワースト5であり、大型開発が行われている渋谷区や新宿区よりも高い数値となっており、問題と感じました。なぜ3倍もCO2排出量が増加したのか検証するとともに、今後区が発注する公共工事において、環境に配慮した設備・素材を使用して省エネルギー・省資源に努めるほか、廃棄物の削減などについて再度見直し、より環境に配慮することが必要と考えます。区の考えを伺います。

 また、増加傾向にある廃棄物部門のCO2削減も課題です。2007年まで1万トン台だった排出量が、2010年、一気に3万2,000トンと3万トン台となりました。廃棄物部門の排出量削減を推進するために、さらなる資源化が必要であり、レアメタルの資源回収実施に向けた検討を担当分野とともに進めるべきです。区の見解を伺います。

 平成20年7月に東京都環境確保条例が改正され、地球温暖化対策の推進の一環として、都内の中小規模事業所を対象に二酸化炭素排出量を把握し、具体的な省エネルギー対策に取り組むために、事業所ごとのエネルギー使用量や省エネ対策等の実施状況を東京都へ報告する地球温暖化対策報告書制度が創設されたことで、23区中18区が報告書をホームページで掲載していますが、中野区ではいまだに掲載されていません。早期にホームページの掲載を行うことを考えていただきたいと思います。あわせて、4年近くもホームページに掲載しなかった理由を伺います。

 以上で全ての質問を終わります。

    〔環境部長小谷松弘市登壇〕

○環境部長(小谷松弘市) まず、環境基本計画、アクションプログラムによりますCO2の削減量ということでお答え申し上げます。

 環境基本計画及び平成20年度から3年間のアクションプログラムで示しました、先ほど委員のおっしゃっておりました四つのプロジェクトの取り組みの事業実績から見まして、これは取り組み前に比べ、年間で約1万トンのCO2削減効果があったというふうに見込んでございます。

 それから、なかの地球温暖化対策地域協議会についてでございます。この協議会をもっと活用してというお話でございました。地域協議会の活動につきましては、規約等に基づき、これは自主的に行われるものでございまして、協議会を活用していくのかといったことについて、区として方針や活動内容を強制するというものではないというふうに考えてございます。

 それから、カーボンオフセット事業、これを立ち上げるに向けて、費用・効果といったようなことについての検証を進めるべきだということでございます。連携自治体とのカーボンオフセット事業につきましては、都市と地方が協働して環境保護に取り組むものでございます。また、なかの里・まち連携事業におけます環境交流の事業展開の一つと考えてございます。事業実施に当たりましては、費用と効果につきましても十分配慮した上で事業計画をまとめていきたいと考えてございます。

 それから、ほかの自治体の例を多く御例示いただきまして、これからの環境基本計画改定に向けた中で、それらの取り組みを検討すべきではということでお話をいただきました。御案内のとおり、中野区におきましては既に中野区地球温暖化防止条例を制定いたしまして、地球温暖化を防止いたします四つの対策を定めてございます。その中には住宅や事業所などの耐熱性を高めること、再生可能エネルギーを利用いたしました設備や省エネルギー性能の高い家電製品の普及、環境に配慮した製品やサービスの普及、自動車の利用に配慮した生活といったようなことを推進していくということとしてございます。

 また、ほかに区ではISO14001に基づきまして、環境マネジメントシステムの推進を図り、区有施設の省エネ、それからまた環境に配慮いたしました施設整備や公共事業等にも取り組んでいるところでございます。当然、環境基本計画及びそれに伴いますアクションプログラム、これを改定する際につきましては、委員から御紹介がありましたように、ほかの自治体のさまざまな事例等、これも参考にしながら、その改定作業等に取り組んでいきたい、検討してまいりたいと思います。

     〔経営室長川崎亨登壇〕

○経営室長(川崎亨) 区のCO2排出量の公表についてお答えいたします。

 区の各施設から排出されるCO2の量につきましては、地球温暖化対策報告書として東京都に提出しているところでございます。この報告書は区に備え置きまして閲覧に供しているところでございます。これは都の規則に規定される公表方法の一つでございます。このほか東京都では、区から提出を受けた、各事業者から提出を受けた報告書をホームページで公表していることから、区としてはホームページに掲載をしておりませんでしたが、他区では都のホームページにリンクを張っている例も見られることから、中野区としても同様に対応するよう、現在準備を進めているところでございます。

○議長(伊東しんじ) 林まさみ議員。

      〔林まさみ議員登壇〕

○18番(林まさみ) 答弁漏れがあったので、2点、お願いいたします。

 1点目、事業の進行状況について伺ったことに対しての答弁が漏れておりましたので、お聞かせください。

 また2点目、地域協議会なんですけれども、活用するのかということで、自主的な運営というおっしゃり方なんですが、CO2削減のために、では、異なる組織や方策を考えているのかという点について触れていなかったので、お願いいたします。

    〔環境部長小谷松弘市登壇〕

○環境部長(小谷松弘市) 環境基本計画、それからアクションプログラム、それに伴います事業の進捗ということでございます。これにつきましては、先ほど委員からもお話がございましたとおり、既に5年を経過し、またプログラムにつきましても2年間の空白がございます。検証を踏まえてやってまいりたいというふうに思います。

 それから、地域協議会につきましては、こちらのほうに、先ほど重ねての答弁ということになろうかと思いますけれども、自主的に行われているものでございまして、区として何らかの形で強制するということは考えてございません。

○議長(伊東しんじ) 以上で林まさみ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 石 坂 わたる

 1 指定管理・委託により、民間が運営をしている施設について

 2 公園や児童遊園と子どもの育成について

 3 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、石坂わたる議員。

     〔石坂わたる議員登壇〕

○7番(石坂わたる) 質問いたします。

 1番目に、指定管理・委託により民間が運営をしている施設について伺います。

 「平成24年度財政援助団体等監査」において、補助金は補助金交付の目的に沿って、公正かつ効率的に使用されるよう努めなければならないとの意見がありました。また、指定管理施設は区と指定管理者とが協力し、それぞれの役割を認識すべきとの趣旨の意見がありました。これは安全管理に関する意見ですが、これに限らず、役割の認識は重要です。

 また、「平成24年度定期財務監査」において、仕様書の記載が不十分で、区が求める事業の規模、内容や求める水準等が委託先に十分伝わっていなかった、区の基本的な姿勢や考え方、事業の性格から求められる原則、制約等への理解が不足している事例があった、独自性が期待されるものでも、行政責任で行う事業である以上、委託先の裁量に任せる範囲に限度があるべき、政策目的が十分達成できるよう、区の姿勢や考え方を委託先等に明確に示し、そごのないよう取り組むことはもちろん、達成度合いの検証・確認等を合理的に行う仕組みの検討・整備も早急に進められたいとの趣旨の意見がありました。それぞれ補助金、指定管理、委託についての意見ですが、指定管理にも委託にも共通することだと思われます。

 また、以前、子ども文教委員会で図書館の指定管理について質問しました際にも、「検証の仕組みも十分に設定し、適正に事業が行われたか、きちっと検証したい」との答弁がありました。

 このようなことから、指定管理や業務委託での区の役割は、指定管理料や委託料が公正かつ効率的に使用されているかどうかの確認、区の基本的な姿勢や考え方や、事業の性格から求められる原則、制約等についての周知、区が求める事業の規模、内容や求める水準の明示、委託先の裁量に任せる範囲の限度と区が担い続ける範囲の明確化、達成度合いの検証・確認等を合理的に行う仕組みの検討・整備であると思われますが、いかがお考えでしょうか。

 また、指定管理や業務委託によって職員の対応がよくなった、サービスが向上したという区民の方からの声を聞くことも多く、私自身も施設を視察し、民間の力のよさを感じることが多くあります。しかし、一方で、困ったことや気づいたことがあったとき、改善を求めたいときに誰に伝えればよいのかがわからない、受託事業者の職員の話と区の職員の話とで説明が異なることや、どちらに聞いても釈然としないことがふえたとの声も聞きます。

 指定管理や業務委託の事業者と区の間で、利用者からの声をどのようにフィードバックするのかということをあらかじめ定める、フィードバックについて責任者を定めて区民に明示し、どの職員もフィードバックの体制について説明ができる、区民の声を事業者と区が共有し、どちらに寄せられた声でも連絡をとり合って返答ができるようにするといったことが必要だと思われますが、いかがお考えでしょうか。

 次に、会計報告関係書類を含む報告について伺います。

 指定管理では指定管理業者から会計報告関係書類が提出されていますが、それぞれ提出書類の内容は異なっています。例えば、収支の内訳が水道光熱費、消耗品費、電気設備・保守点検費という程度の内訳になっているものから、水道代、ガス代、新聞・雑誌購入費、応急手当用品、エレベーター保守、ごみ処理費など詳細な内容がわかるものまであります。

 また、委託で施設全体の運営が委託されているものについても、指定管理に準じた報告が望まれます。しかし、資金収支計算書、事業活動収支計算書、貸借対照表までわかるものもあれば、業務報告のみで会計報告はないものもあります。

 なお、他の自治体の例として川崎市では、川崎市民間活用ガイドラインを定め、年度終了時などの収支計画・実績の評価をし、計画に基づく適正な支出が行われているか、支出に見合う効果は得られているか、計画どおりの収入が得られているか、利用料、使用料等を確実に徴収できているかというポイントで評価を行うことで、事業収支報告書等の財務関係資料によって経営状況を把握し、サービス提供が途絶える以前にその兆候を察知し、対策を講じることができ、事業の安全性・継続性の確保が可能と考えているようです。

 このように監査による支出の適否の判断を通じて不適切な支出を防ぐとともに、区長部局の各部・各担当が妥当性を判断してPDCAのチェックを行い、それをもとにアクトや次のプランにつながるようにかかわっていくことが必要です。そのためにも、指定管理について会計報告を含むガイドラインの作成をすること。また、委託についても指定管理のガイドラインを参考にし、それに準じた取り組みをしていくことが必要と思われますが、いかがでしょうか。

 2、公園や児童遊園と子どもの育成について伺います。

 本年5月23日、読売新聞の「『公園デビュー』足遠のく?」という記事で、「街区公園の休日平均利用者数は1988年から2007年にかけて半減」との記載がありました。また、国土交通省の都市公園利用実態調査報告書でも、「基幹公園や児童遊園等の幼児から高校生までの利用者数が、少子化の度合いを超えて減少している」との指摘がなされています。

 中野区の公園について、区としてはどのような認識をお持ちでしょうか。また、多くの子どもたちが利用しやすく、実際に利用してもらえる公園を目指すことの必要性についてどのようにお考えですか。

 現在、中野区では、花壇づくりや清掃・除草活動に限られますが、区立公園のボランティアの仕組みをつくり、そこに児童館、地域団体やさまざまなボランティアがかかわっているようです。こうした活動も親子が公園を利用するきっかけの一つになると思われます。しかし、こうしたボランティアについて、団体として登録して活動ができるということがあまり知られていないケース、そして、既に登録している団体の活動に自分たちも参加ができるということがわからないケースも少なくないのではないでしょうか。せっかく区立公園でのボランティアの仕組みがあり、活動している団体もあるのならば、もっと周知をすべきと思われますが、いかがお考えでしょうか。

 また、先ほどの新聞記事では、「公園と比べ、室内施設での子育て広場にはスタッフがいるので、その仲立ちで親同士が知り合える」、「最近の公園はジャングルジムやシーソーなどが減り魅力がなくなっている」との指摘もありました。仲立ちがいなければ知り合えず、遊具がなければ遊べない状況について、子ども同士や親同士をつなげ、集団遊びや伝承遊び等、さまざまな活動が展開できる大人の存在が不可欠です。

 幼稚園教育要領では、健康や人間関係の領域で、体を動かす楽しさを味わい、興味や関心が戸外にも向くようにする、活動を展開する楽しさや共通の目的が実現する喜びを味わうといった形での遊びの重要性が述べられていますし、小学校学習指導要領でも、低学年の体育や音楽、生活科での遊びを取り入れた内容が挙げられています。

 しかし、帯広短期大学の上村裕樹准教授らは、「学童保育における指導員の困難性に関する研究」の中で、子どもたちが「集団遊びを好まず、できない」、「遊びを楽しめない」、「一つの遊びを持続できない」、「新たな遊びへと発展しない」と述べ、「体験の少なさ」や、「子どもの置かれた環境が遊びを制限」という課題を挙げています。これらの改善には、保育や教育の場だけでなく、公園など身近な場所での遊びの取り組みも大切だと思われます。

 中野区では一部の公園で、中野区放課後子ども教室の委託事業が行われている例があるようです。活動実績はどのようになっていますでしょうか。また、具体的にどのような活動や遊びが展開されているかを教えてください。

 なお、今後、子ども関連施設の機能の転換が予想される状況では、放課後子ども教室を含めた子育て支援の重要性が一層高まるものと考えられます。地域での遊びなどの活動の展開、子どもの自由遊びの見守り、それに伴う子ども同士や親同士の関係調整など子育て支援ができる人を、既存の公園を含めてより多くの公園に配置することが望まれます。区はどのようにお考えでしょうか。また、公園を使った放課後子ども教室推進事業や乳幼児や小学生の育成に関するボランティア活動の事例を広く周知し、事業の委託を含め、こうした活動に取り組むボランティアグループ等の募集やグループ育成も必要であると思われますが、いかがでしょうか。

 私からの質問は以上です。御答弁のほどお願いいたします。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 石坂議員の御質問にお答えいたします。

 指定管理者制度等における区の役割についてであります。指定管理者制度や業務委託による区有施設の運営に当たっては、民間事業者のノウハウを活用して効率的、効果的にサービスの質の向上を図っていく必要があると考えております。指定管理者については、業務の範囲を明確にすることはもちろん、施設の管理運営業務の状況を継続的に把握するとともに、その成果を評価し、サービスの質や安全性の向上につなげていく仕組みを検討し、整備していく役割があると考えております。業務委託の場合には、契約に基づく実績報告の検査等により、委託した業務の適正な履行を確保してまいります。

 指定管理者制度等における区民の声のフィードバックについてであります。施設の利用者からの声について、指定管理者等の事業者と区のどちらが対応していくかということについては、一般的には、利用者に対して直接サービスを提供する主体となる事業者が利用者の声を受けとめ対応しております。区は、区民の声を受けとめる仕組みを利用者に対してわかりやすく説明するよう、指定管理者等に指示していくとともに、指定管理者等が区民の声を受けた場合には、区に報告させることにより、区民の声を共有することとしております。また、指定管理者や業務委託により運営している施設であっても、区に利用者の声が届いた場合は、施設を所管している区の担当が誠実に利用者の声を受けとめ、指定管理者等の事業者と連携して適切に対応してまいります。

 指定管理者制度ガイドラインの作成と活用であります。指定管理者制度の適正な運用を図るため、ガイドラインの策定に向けた検討を進めております。ガイドラインの中には、指定管理者制度に関する手続の運用解釈の基準のほか、指定管理料の積算と精算、備品や修繕の取り扱い、モニタリングと評価等について基準を定める予定であります。

 指定管理者制度は私人が公の施設の事業主体となるものであり、委託は区の業務の一部を区が定めた仕様に基づき実施するものであり、両者はおのずと性格を異にするものであります。指定管理者制度ガイドラインについて、民間事業者に運営業務を委託している施設についても、参考になる部分があれば活用していきたいと考えております。

 私からは以上です。

    〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、子どもの公園利用の減少についての御質問にお答えいたします。

 少子高齢化の影響もあり、子育て世代と学齢前幼児の利用が減少し、かわって高齢者グループによる利用が多くなるなど、公園の利用実態は変わってきたと認識しております。多くの子どもたちにとって利用しやすく、また実際に利用してもらえる公園であることは、公園が有する憩いやくつろぎの空間であることや、地域における防災上の拠点としての機能などと同様に重要だと考えております。今後も遊具の更新や団体利用を調整して遊び場所を確保するなど、子どもたちにとって魅力ある公園づくりや運営に努めてまいります。

 次に、公園でのボランティアの仕組みの周知についてお答えいたします。現在、公園において花壇づくりや園内の清掃・除草など、公園の維持管理に協力していただいている登録団体は29団体ございます。公園におけるボランティア活動の仕組みについて、多くの区民に知っていただくよう、区報や区のホームページを活用して周知に努めてまいります。

   〔子ども教育部長髙橋信一登壇〕

○子ども教育部長(髙橋信一) 私からは、公園を活用した放課後子ども教室推進事業の活動実績についてお答えさせていただきます。

 今年度、放課後子ども教室推進事業を委託している10団体のうち、公園を主な活動場所としているのは1団体でございます。その団体の平成24年度の活動実績でございますが、毎月4回程度で年間47回の事業を行い、延べ参加者数は乳幼児65人、小学生418人、中学生5人の計488人でございます。主な活動内容といたしましては、小学生を対象とした自然体験、伝承遊び、屋外料理や木工作などでございます。

 次に、公園におけますボランティア等の子育て支援についてでございます。区では子育て支援に関しまして、場所にかかわらず事業内容に着目してさまざまな支援を行ってございます。特に公園を事業場所としての特定した支援は考えてございません。

 放課後子ども教室推進事業につきましては、ホームページ等で周知に努めているところでございます。

 また、キッズ・プラザ、児童館等において地域の育成団体やボランティアグループの支援を得ながら事業を実施しており、これらの取り組みを充実させることで新たな人材の発掘、育成に結びつけたいと考えてございます。

 以上でございます。

○議長(伊東しんじ) 以上で石坂わたる議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 小宮山 たかし

 1 区立保育園等のサービスについて

  (1)待機児童対策について

  (2)保育料の見直しについて

  (3)その他

 2 公益活動支援について

 3 早期療育体制について

 4 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、小宮山たかし議員。

     〔小宮山たかし議員登壇〕

○19番(小宮山たかし) ただいまより小宮山たかしの一般質問をさせていただきます。

 そもそも私が区議会議員になったのは、我が子が待機児童になってしまったことがきっかけでありました。待機児童問題に対しては、最優先の政治課題として取り組んでまいりたいと思っております。

 中野区は、新しい中野をつくる10か年計画において、平成26年度の待機児ゼロを目標としています。待機児ゼロを目指すには、乳幼児人口の正確な予測・推計による保育需要の把握が必要であります。平成20年度から24年度にかけて、中野区内の5歳以下の日本人の乳幼児人口は、年によるばらつきはあるものの、平均して前年比110人程度のペースでふえ続けてきました。そして、今年度4月、中野区内の乳幼児数は前年比419人増と激増しています。大切なことなので、もう一度繰り返します。これまで、年間平均110人のペースでふえていた乳幼児数が、ことしは前年比419人と激増しており、区のこれまでの予測を大幅に上回っています。この保育需要の予想外の激増という緊急事態について、今後の保育需要を見直すとともに、緊急の待機児童対策をするべきではないでしょうか。

 今回、保育料の適正化審議会の答申が出たことにより、今後、保育料の負担のあり方が見直されていくものと思われます。その一方で、幼稚園に子どもを通わせる保護者からは、保育園にばかり税金を投入するのは不公平だという不満の声があることもまた事実であります。現に、現在区内では、国に対して幼児教育の無償化を求める署名活動も行われていると聞いております。

 中野区の幼稚園の入園料補助金額3万円は、他区と比較しても低い水準であり、中野区では子育てしづらいと言われる一因にもなっています。さらに保護者補助金に所得制限をかけていないのは23区中4区だけであり、その4区の中に中野区は含まれています。今後の保育料の見直しにあわせて、幼稚園の保護者補助金の増額や、あり方等についても見直してはいかがでしょうか。

 次に、公益活動の支援について質問をさせていただきます。3・11の東日本大震災をきっかけに、人と人とのつながり、地域のコミュニティやきずなについて、改めて見直す動きが強まっています。ここ中野区でも、人と人とをつなげてきずなを深め、地域を活性化させるべく、さまざまなボランティア活動、市民活動、区民活動、公益活動、NPO活動が行われております。

 中野区においては単身者世帯の割合が約60%と高く、扶助費の割合も年々増加し、単身者世帯や社会から孤立しがちな生活保護受給世帯の社会的な居場所や、社会参画のための基盤づくりが急務となっております。また、中野区においては職員2,000人体制を目指し、今までよりもより少ない職員で効率的な区民サービスを行うことが求められています。これまでは行政が行ってきた公共サービスを官民協働で行っていくことが時代の要請となっており、それは「新しい公共」として注目されております。

 現在、中野区は区民公益活動推進基金からの助成制度や、区民公益活動に関する政策助成などの形で、各種の公益活動を金銭的に支援しております。しかし、先ほども石坂議員からボランティア活動の周知について質問があったとおり、金銭面以外での支援体制は非常にお粗末であると言わざるを得ません。全国どこの自治体に行っても、市民活動支援センターのような名称の組織や、場合によっては建物があり、公益活動の支援をしています。

 例えば、南中野地域と北中野地域で同じような公益活動をしている人たちがいる。その人たちをお互いに結びつけることができたら、情報交換や人材交流もできるでしょうし、一つの団体となって一緒に活動ができるかもしれない。新しく中野駅周辺での活動も生まれるかもしれない。公益活動をつくる、支える、広げる、つなげるという支援を行政がしていくことによって、官民協働で公共サービスを行うという新しい公共の理念を実現することができます。また、それは結果として行政の負担を減らすことにもつながり、行政コストの削減にもつながることなのです。

 中野区でもかつて、公益活動情報コーナーがありましたが、その役割を終えたとして、平成22年に廃止されてしまいました。しかし、私が冒頭に申し上げたように、3・11をきっかけに区民の社会参画の意識は大きく変わってきています。また、団塊の世代が退職する時期にもなっており、団塊の世代への社会参画を促すための絶好のタイミングとなっています。このタイミングを逃して、いつやるのという状態に現在はなっております。区として、公益活動を今まで以上に、より積極的に支援する考えはありませんでしょうか。

 最後に、療育について質問をさせていただきます。

 発達障害があると言われている子どもの数は全国的にも増加傾向にあり、40人学級の中に1人ぐらいは発達障害の子どもがいてもおかしくはないというデータもあるそうです。中野区では、区が支援するために把握している子どもの数が、平成23年度には1,107人、平成24年度にはおよそ1,300人と、たった1年で200人余りも激増しています。

 現在、中野区では、アポロ園を初めて利用する子どもの場合、療育相談を受けてから事業を利用する手順となっています。しかし、現在アポロ園に相談を申し込むと、4月の時点で50人以上が待機しており、相談を受けるまでに半年近く待たなければならないような状況が発生しているそうです。アポロ園での療育相談は現在週1日だけ実施、1日の対応件数は2件となっており、このペースでは1カ月にたった8件の相談しかできない体制となっております。発達障害への対応は、早ければ早いほど効果的であると言われていますが、半年間何もせずに放置することで、障害がより進んでしまう可能性もないとは言えません。また、我が子が発達障害かもしれないという不安を抱えた状態の保護者を、半年も待機させておくのはいかがなものでしょうか。

 あと約3年後の平成28年度をめどに、弥生町に障害児支援施設の新設が予定されていますが、発達障害児が1年に約200人もふえているという現状の中では、弥生町の新施設の完成を待つような悠長なことはしていられません。早急に、緊急に発達障害児への支援体制を、アポロ園での相談事業に限らず全般的に強化するべきであると考えますが、いかがでしょうか。

 その他はございません。

 以上をもちまして私の一般質問を終了させていただきます。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 小宮山議員の御質問にお答えいたします。

 ゼロ歳、5歳児の激増と待機児童対策についてという御質問であります。中野区では、この数年間、大変増加する待機、これに対応するため、翌年にはその待機をゼロにするという緊急対策を続けて打ってまいりました。それでも、その対策が追いつかず待機が出てきたと、こういうことが続いているという状況です。今年もゼロになるというつもりでやっていたんですけれども、先ほどおっしゃったように、児童の数が大変増えたり、あるいは認証保育所に他の区の方が利用するというようなことが増えたりというような予期しないことなどもあって、今年も待機が出てきたと、こういったところであります。

 保育需要については、したがいまして、毎年見直しを行っております。これの見直しをより精度の高いものにしていくということが大事なんだと、こんなふうに考えております。

 これまでに区立保育園の建てかえ・民営化による認可保育園の定員増や、認証保育所の誘致、家庭福祉員の増員やグループ型家庭保育事業、保育室の整備など、さまざまな保育事業を実施することで待機に対する対策に取り組んできたところであります。今後も対策として認可保育所の新設や既存施設を活用した分園の開設など、さまざまな取り組みを進めてまいります。

 それから、私立保育園の保護者補助金の見直しについてであります。私立幼稚園の保護者に対する保育料等の補助については、公立幼稚園の保育料とのバランスから、所得制限ではなく一律に設定したところであります。これらについては、現在のところ見直す考えはありません。

 私からは以上です。

  〔地域支えあい推進室長瀬田敏幸登壇〕

○地域支えあい推進室長(瀬田敏幸) 私からは、公益活動への支援についてのお尋ねにお答えいたします。

 区では、公益活動への支援を進めるための各種講座、公益活動団体間同士での情報交換や情報共有などの場としての交流会、それからNPO団体の周知・PRのためのNPOパネル展の開催、さらに公益活動に伴う各種助成金の交付などによりまして、公益活動団体を支援してきてございます。今後も引き続き区内での公益活動が活発になるよう支援を進めていく考えでございます。

   〔子ども教育部長髙橋信一登壇〕

○子ども教育部長(髙橋信一) 私からは、早期の療育体制についてお答えいたします。

 アポロ園の利用につきましては、待機児がいることは承知してございます。今年度については、待機児の児童を対象にアポロ園の見学などや子育てアドバイスなども行う事業を7月から開始する予定でございます。また、平成26年度から指定管理者への移行の際には、児童の受け入れ相談の体制強化を図るところでございます。御質問にもあったように、平成28年6月には南部地域で知的障害や発達障害などのある通所施設の開設を予定してございまして、その中で支援の体制はより強化できると考えてございます。

 以上でございます。

○議長(伊東しんじ) 以上で小宮山たかし議員の質問は終わります。

 以上をもって質問は終了いたしました。

 これより日程に入ります。

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 第45号議案 中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

 第46号議案 中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例

 第47号議案 清掃車の買入れについて

 第48号議案 中野中学校給食室厨房機器等の買入れについて

 

○議長(伊東しんじ) 日程第1、第45号議案から第48号議案までの計4件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

      〔副区長金野晃登壇〕

○副区長(金野晃) ただいま上程されました第45号議案から第48号議案までの4議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第45号議案、中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例は、新型インフルエンザ等対策特別措置法の施行に伴い、インフルエンザ等緊急事態派遣手当について規定するものです。

 この条例の施行時期は、公布の日です。

 第46号議案、中野区行政財産使用料条例の一部を改正する条例は、次の2点について規定を改めるものです。

 第1点目は、谷戸学童クラブの目的外使用の廃止に伴い、規定を整備するものです。

 第2点目は、弥生福祉作業所の生活指導室の目的外使用を廃止するとともに、利用者食堂の目的外使用を追加することに伴い、規定を整備するものです。

 この条例の施行時期は、1点目につきましては平成25年10月1日、2点目につきましては公布の日です。

 第47号議案、清掃車の買入れについては、財産の取得に当たり、議会の議決をお願いするものです。

 取得する財産は、一般廃棄物の収集・運搬に使用する清掃車3台で、取得に要する金額は、2,476万2,150円です。

 第48号議案、中野中学校給食室厨房機器等の買入れについては、財産の取得に当たり、議会の議決をお願いするものです。

 取得する財産は、中野中学校新校舎の給食室で使用するエアシャワー1台、消毒保管庫8台、ガスフライヤー2台、ガス回転釜4台などで、取得に要する金額は、7,336万350円です。

 以上4議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(伊東しんじ) この際申し上げます。第45号議案については、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、お手元に配付の文書のとおり、特別区人事委員会の意見を聴取いたしましたので、さよう御了承願います。

 

 25特人委給第53

 平成25年5月27

中野区議会議長

    伊東 しんじ 様

       特別区人事委員会

         委員長 西野 善雄

     「職員に関する条例」に対する特別区人事委員会の意見聴取について(回答)

 平成25年5月27日付25中議第334号で意見聴取のあった下記条例案については、異議ありません。

          記

45号議案  中野区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

 

○議長(伊東しんじ) 本件について御質疑ありませんか。

     〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。

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 第49号議案 中野区新型インフルエンザ等対策本部条例

 第50号議案 中野区立弥生福祉作業所条例の一部を改正する条例

 

○議長(伊東しんじ) 日程第2、第49号議案及び第50号議案の計2件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

      〔副区長金野晃登壇〕

○副区長(金野晃) ただいま上程されました第49号議案及び第50号議案の2議案につきまして、提案理由の説明をいたします。

 第49号議案、中野区新型インフルエンザ等対策本部条例は、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、中野区新型インフルエンザ等対策本部の組織、会議等について定めるものです。

 この条例の施行時期は、公布の日です。

 第50号議案、中野区立弥生福祉作業所条例の一部を改正する条例は、弥生福祉作業所において行う事業に就労移行支援に関する事業を加えるとともに、同作業所に指定管理者制度を導入するに当たり、指定管理者の管理の基準及び業務の範囲等を規定するものです。

 この条例の施行時期は、平成26年4月1日ですが、一部は公布の日です。

 以上2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(伊東しんじ) 本件について御質疑ありませんか。

     〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、厚生委員会に付託いたします。

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 第51号議案 中野区産業振興審議会条例

 第52号議案 特別区道路線の認定について

 第53号議案 特別区道路線の認定について

 

○議長(伊東しんじ) 日程第3、第51号議案から第53号議案までの計3件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

      〔副区長金野晃登壇〕

○副区長(金野晃) ただいま上程されました第51号議案から第53号議案までの3議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第51号議案、中野区産業振興審議会条例は、区内の産業振興に係る施策について総合的に検討し、当該施策の積極的かつ効果的な展開を図るため、区長の附属機関として中野区産業振興審議会を設置するに当たり、その設置、所掌事務、委員、部会等について定めるものです。

 この条例の施行時期は、公布の日です。

 第52号議案及び第53号議案の2議案は、いずれも、特別区道の路線を認定するに当たり、道路法第8条の規定に基づき、議会の議決をお願いするものです。

 第52号議案の路線は、河川管理用通路を特別区道路線として認定するもので、区間は、中野区大和町二丁目415番1から1360番4まで、延長は、305.62メートルです。

 第53号議案の路線についても、河川管理用通路を特別区道路線として認定するもので、区間は、中野区白鷺一丁目654番2から687番3まで、延長は、97.89メートルです。

 以上3議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(伊東しんじ) 本件について御質疑ありませんか。

     〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、建設委員会に付託いたします。

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 第54号議案 中野区子ども・子育て会議条例

 第55号議案 中野区立学童クラブ条例の一部を改正する条例

 第56号議案 中野区立キッズ・プラザ条例の一部を改正する条例

 第57号議案 中野区立療育施設条例の一部を改正する条例

 第58号議案 中野区保育所条例の一部を改正する条例

 第59号議案 中野区保育サービス利用者負担額適正化審議会条例を廃止する条例

 第60号議案 中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に

        関する条例の一部を改正する条例

 

○議長(伊東しんじ) 日程第4、第54号議案から第60号議案までの計7件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

      〔副区長金野晃登壇〕

○副区長(金野晃) ただいま上程されました第54号議案から第60号議案までの7議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第54号議案、中野区子ども・子育て会議条例は、子ども・子育て支援法に基づき、区長の附属機関として中野区子ども・子育て会議を設置するに当たり、その設置、所掌事項、組織等について定めるものです。

 この条例の施行時期は、公布の日です。

 第55号議案、中野区立学童クラブ条例の一部を改正する条例は、谷戸学童クラブを谷戸小学校内に移転することに伴い、その位置を改めるものです。

 この条例の施行時期は、平成25年10月1日です。

 第56号議案、中野区立キッズ・プラザ条例の一部を改正する条例は、キッズ・プラザ谷戸を谷戸小学校内に設置するものです。

 この条例の施行時期は、平成25年10月1日です。

 第57号議案、中野区立療育施設条例の一部を改正する条例は、重度・重複障害児通所支援施設及び知的・発達等障害児通所支援施設を設置するとともに、それらの施設で行う事業について規定するものです。

 この条例の施行時期は、平成26年10月1日ですが、一部は公布の日です。

 第58号議案、中野区保育所条例の一部を改正する条例は、沼袋保育園の分園を沼袋小学校跡施設内に設置するものです。

 この条例の施行時期は、平成25年10月1日です。

 第59号議案、中野区保育サービス利用者負担額適正化審議会条例を廃止する条例は、保育サービスに係る利用者負担額のあり方に関する事項について調査審議するため、区長の附属機関として設置しました中野区保育サービス利用者負担額適正化審議会につきまして、本年3月28日に同審議会から答申を得ましたので、これを廃止するものです。

 この条例の施行時期は、公布の日です。

 第60号議案、中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例は、休業補償等に係る補償基礎額及び介護補償の額を改定するものです。

 この条例の施行時期は、公布の日です。

 以上7議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(伊東しんじ) 本件について御質疑ありませんか。

     〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、子ども文教委員会に付託いたします。

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 議会の委任に基づく専決処分について

 

○議長(伊東しんじ) 日程第5、議会の委任に基づく専決処分について報告いたします。

 本件については、地方自治法第180条第2項の規定に基づき、6月3日付をもって区長からお手元に配付の文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。

 

25中経経第553号

       平成25年(2013年)6月3日

 中野区議会議長 伊 東 し ん じ 殿

         中野区長 田 中 大 輔

議会の委任に基づく専決処分について(報告)

 区を当事者とする和解及び損害賠償額の決定について、議会の委任に基づき次のとおり専決処分したので、地方自治法第180条第2項により報告します。

          

【報告案件1】

1 和解(示談)当事者

 甲 大和リース株式会社東京本店

 乙 中野区

2 事故の表示

(1)事故発生日時 平成25年(2013年)4月8日午後3時30分頃

(2)事故発生場所 東京都中野区大和町三丁目共同住宅前駐車場

(3)事故発生状況 乙の職員が、乙が甲からリースしている甲車で道路監察中、進入した道の途

中に「通り抜け不可」の看板が設置されていたため、方向転換を行うスペースのある駐車場へ甲車を後退させた際、門柱に甲車の左後部が接触し、それにより、甲車の左後部警告灯部分、左後部バンパー等を破損させた。

3 和解(示談)条件

(1)甲は、本件事故により、甲車の修理費として金168,315円の損害を被った。

(2)乙は、上記損害額の全額について、甲に対して賠償する義務があることを認める。

(3)乙は、上記損害賠償額を、甲に対して本件示談成立後30日以内に甲の指定する方法で支払

う。

(4)以上のほか、本件事故に関し、甲と乙との間には何らの債権債務がないことを確認する。

4 和解(示談)成立の日 平成25年(2013年)5月15日

 

【報告案件2】

1 和解(示談)当事者

 甲 中野区民

 乙 中野区

2 事故の表示

(1)事故発生日時 平成25年(2013年)4月8日午後3時30分頃

(2)事故発生場所 東京都中野区大和町三丁目共同住宅前駐車場

(3)事故発生状況 乙の職員が、道路監察パトロールカー(以下「車両」という。)で道路監察

中、進入した道の途中に「通り抜け不可」の看板が設置されていたため、方向転換を行うスペースのある駐車場へ車両を後退させた際、甲所有の駐車場の門柱に車両の左後部が接触し、それにより、同門柱の基礎部分を破損させた。

3 和解(示談)条件

(1)甲は、本件事故により、門柱の修理費として金69,825円の損害を被った。

(2)乙は、上記損害額の全額について、甲に対して賠償する義務があることを認める。

(3)乙は、上記損害賠償額を、甲に対して本件示談成立後30日以内に甲の指定する方法で支払

う。

(4)以上のほか、本件事故に関し、甲と乙との間には何らの債権債務がないことを確認する。

4 和解(示談)成立の日 平成25年(2013年)5月7日

 

※この文書は、個人情報への配慮から個人が特定できるおそれのある表記について修正を加えてあります。

 

○議長(伊東しんじ) 本日はこれをもって散会いたします。

      午後4時37分散会