平成25年09月12日中野区議会本会議(第3回定例会)の会議録 1.平成25年(2013年)9月12日、中野区議会議事堂において開会された。 1.出席議員(41名) 1番 若 林 しげお 2番 高 橋 かずちか 3番 木 村 広 一 4番 甲 田 ゆり子 5番 小 林 ぜんいち 6番 中 村 延 子 7番 石 坂 わたる 8番 後 藤 英 之 9番 石 川 直 行 10番 伊 東 しんじ 11番 内 川 和 久 12番 ひぐち 和 正 13番 白 井 ひでふみ 14番 平 山 英 明 15番 南 かつひこ 16番 森 たかゆき 17番 いながき じゅん子 18番 林 まさみ 19番 小宮山 たかし 20番 浦 野 さとみ 21番 佐 野 れいじ 22番 北 原 ともあき 23番 吉 原 宏 24番 いでい 良 輔 25番 小 林 秀 明 26番 久 保 り か 27番 酒 井 たくや 28番 奥 田 けんじ 29番 近 藤 さえ子 30番 金 子 洋 31番 長 沢 和 彦 32番 大 内 しんご 33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき 35番 市 川 みのる 36番 篠 国 昭 37番 やながわ 妙 子 38番 佐 伯 利 昭 39番 むとう 有 子 41番 来 住 和 行 42番 岩 永 しほ子 1.欠席議員(1名) 40番 か せ 次 郎 1.出席説明員 中 野 区 長 田 中 大 輔 副 区 長 金 野 晃 副 区 長 英 直 彦 教 育 長 田 辺 裕 子 政 策 室 長 竹 内 沖 司 経 営 室 長 川 崎 亨 都市政策推進室長 長 田 久 雄 地域支えあい推進室長 瀬 田 敏 幸 区民サービス管理部長 白 土 純 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 髙 橋 信 一 健康福祉部長 野 村 建 樹 保 健 所 長 寺 西 新 環 境 部 長 小谷松 弘 市 都市基盤部長 尾 﨑 孝 政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一 経営室副参事(経営担当) 戸 辺 眞 1.本会の書記は下記のとおりである。 事 務 局 長 篠 原 文 彦 事務局次長 青 山 敬一郎 議事調査担当係長 佐 藤 肇 書 記 関 村 英 希 書 記 東 利司雄 書 記 土 屋 佳代子 書 記 細 川 道 明 書 記 江 口 誠 人 書 記 永 見 英 光 書 記 鈴 木 均 書 記 井 田 裕 之 書 記 竹 内 賢 三 書 記 遠 藤 良 太 書 記 香 月 俊 介 議事日程(平成25年(2013年)9月12日午後1時開議) 日程第1 第61号議案 平成25年度中野区一般会計補正予算 第62号議案 平成25年度中野区介護保険特別会計補正予算 日程第2 認定第1号 平成24年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について 認定第2号 平成24年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について 認定第3号 平成24年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について 認定第4号 平成24年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について 認定第5号 平成24年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について 日程第3 中野区の財政の健全化判断比率について 午後1時00分開議 ○議長(伊東しんじ) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。 1 古紙等の資源持ち去り対策について 2 高齢者に対する悪質商法被害防止対策について 3 ゲリラ豪雨等に対する水害対策について 4 中野駅周辺まちづくりにおける区主導型のエネルギー供給体制の構築について 5 その他 ○議長(伊東しんじ) 初めに、高橋かずちか議員。 〔高橋かずちか議員登壇〕 ○2番(高橋かずちか) 平成25年第3回定例会に当たりまして、自由民主党の立場から一般質問をさせていただきます。質問内容は事前通告のとおりでございます。また、その他の項目はございません。 まず初めの項目、古紙等の資源持ち去り対策について質問いたします。 東京都では平成11年度に区部全域で行政による古紙回収が本格化し、飛躍的に回収量が増加してきました。中野区においては平成19年度に行政回収は全廃し、集団回収に一本化し、今日に至っています。集団回収のうち、新聞、段ボール、雑誌、書籍、その他の古紙の平成24年度の回収量は1万5,443トン、平成25年度予算では1億120万円余の予算が組まれています。集団回収に登録している団体は、町会・自治会を中心に226団体、また、実施団体が決めている回収場所は推定6,500カ所に及びます。 古紙回収の全てを集団回収とした中野区の事例は、資源回収リサイクル率80%を超える世界トップクラスの日本の実績の中でも特筆すべきものであり、区の努力ももちろんですが、御理解、御協力いただいた区民や団体、回収業者各位には敬意を表するものであります。 一方で、こうした地域の努力を踏みにじる反社会的行為、古紙等の資源持ち去りにつきましては、年々被害が増大しています。こうした社会問題がマスコミ等でも大きく報じられているところでございます。東京都リサイクル事業協会の調査では、都内新聞・古紙の約3割が持ち去られ、被害額は年間15億円ということであります。 古紙回収量は、行政回収を全廃し、集団回収に一本化した平成19年度をピークに減り続け、平成24年度はピーク時の85%になっております。これは中野区回収量全体の傾向でして、個別の町会単位で見ますと、江古田・江原地区のある町会では7月で前年同期比20%を超える減という地域もございます。 中野区の古紙等の資源持ち去り対策としましては、平成16年の条例制定、集団回収ニュースやチラシ添付などの啓発活動、また、年1回の意見交換会での情報共有やパトロール、また、警察署への情報提供といったことを伺っております。 こうした反社会的行為を水際で未然に防ぎ、地域から排除するために、根絶に向けた三つの視点から質問をしたいと思います。 まず初めの視点は、関係法規の整備についてです。 23区の中で、持ち去りに対する関係法規を整備しているのは17区、中野区も条例化をしています。しかし、中野区には処罰規定がございません。平成16年の条例制定当時の議事録を見ますと、罰則規定は検討はしたものの、告発に至るまでの行政手続や裁判での立証が難しいことなどを理由に見送られた経緯がございます。 しかし、社会問題として世間から注目されている今、東京都が持ち去り行為を排除すべく主導する古紙持ち去り問題対策検討協議会での持ち去り根絶のための新たな取り組みとして、持ち去り禁止条例の制定の拡大を挙げ、さらに、その中で罰則つきの持ち去り禁止条例を制定することを第一に掲げております。その必要性としては、持ち去り業者の行為は条例のない自治体で多く発生している。また、罰則つき条例が抑止効果が高い。さらに、警察と連携を進めるには、条例違反として告発するほうが有効であるということであります。 古紙回収業者から伺った現場の実態も、罰則規定がないと、警察が現場に関与しても注意のみにとどまるといった傾向があるようです。 また、地方自治総合研究所2013年1月号に掲載された資料によりますと、23区の中で条例化している17区のうち、罰則規定がないのは中野区と板橋区の2区だけであります。 そこで、質問をいたします。古紙持ち去りを水際で撲滅するために、中野区廃棄物の処理及び再利用に関する条例に新たに罰則規定を定めるべきと考えますが、区はどのようにお考えでしょうか。 二つ目の視点は、古紙回収業者と古紙買い取り業者、いわゆる古紙業界と製紙メーカーとの連携であります。 関東の古紙買い取り業者117社で構成する関東製紙原料直納商工組合では、東京、神奈川、埼玉、3都県13の市町で連携をし、みずから購入した1台当たりおよそ1万円程度のGPS装置を行政側に貸与し、GPSの追跡により特定できた古紙買い取り業者への悪質回収業者排除の指導によって、持ち去りが減少している実績もあります。行政回収と中野区のような集団回収では、行政のかかわり方は違うとは思いますけれども、被害の大きな登録している集団回収団体に中野区が仲介して、モデルケースとして研究・検証してみる方法もあると思います。 また、最終的に古紙を有効利用する大手製紙メーカーも、コンプライアンスを重視する立場から、こうした反社会的行為である古紙持ち去りやグレーな古紙買い取り業者を業界を挙げて根絶する機運が高まっています。 そこで、質問をいたします。GPS装置を活用することで、違法持ち去り業者が持ち込む買い取り業者を特定し、指導することなどによって、中野区の古紙業界との緊密な連携と古紙違法持ち去り根絶の姿勢を大きくアピールすることが重要であると考えます。試験的にでも、とにかく新たな行動をとることが重要であると考えますが、区はいかがお考えでしょうか。 最後に、三つ目の視点について申し上げます。 関係者間の情報共有と連携、さらには周辺自治体との連携であります。これまで区が進めてきた町会と一緒のパトロールや啓発活動をはじめ、地域との連携、警察との情報提供、そうした行動を明示する姿勢は、抑止の視点から非常に有効であるとは思います。しかし、こうした取り組みを中野区だけでやっていても限界があると思います。周辺自治体との緊密な連携が不可欠であります。 そこで伺います。パトロールや情報提供によって得た持ち去り業者の情報や、納入先である古紙買い取り業者に関する情報の蓄積など、自治体間で共有して、初めて先ほど述べた古紙業界との連携がさらに実効性あるものになると考えますが、いかがお考えでしょうか。また、自治体間の連携を行う場合、具体的にどのように行うのか、お聞かせください。 そして、この周辺自治体との連携については、中野区が主導的に行うことが重要であります。地域で正当に集団回収される古紙は、町会・自治会や団体が地域で行う防災・防犯活動や支え合い活動を行うための資金の一部となっている地域の大切な財産であります。こうした地域の財産を奪う犯罪行為は根絶しなければなりません。 また、私が危惧するのは、最近の古紙持ち去り報道を受けて、周辺自治体が排除のための強化策を推進した場合、追い込まれた違法持ち去り行為を行う者が対策のより甘い地域に集まってしまう。そして、持ち去り現場に直面するのは住民であり、事故・事件等不測の事態に巻き込まれないとも限らないということであります。 ごみの分別で有名となった横浜市でも、全国に先駆け中野区が実施した古紙等回収の全区域集団回収化、いわゆる中野モデルを追随しております。このように集団回収で注目される中野区がいち早く持ち去りに対する条例を厳しくし、罰則規定を設け、反社会的行為である古紙持ち去り行為を断じて許さないという姿勢を早急に打ち出すべきだと確信をしております。地域を中心とした集団回収団体、回収業者、そして、行政と警察のそれぞれが一致協力して、集団回収の成果をつくり上げていくことが大切だと思います。 この項の最後にお伺いをします。こうした状況を踏まえ、古紙持ち去りを根絶させるため、中野区の新たな強力な他自治体に先駆けた取り組みが重要と考えますが、いかがお考えでしょうか、お聞かせください。 以上でこの項の質問を終わります。 次に、2番目、高齢者に対する悪質商法被害防止対策について質問をいたします。 「母さん助けて詐欺」と新たに名称がつけられました、いわゆるオレオレ詐欺に代表される特殊詐欺の被害状況は増加の一途をたどっております。昨日の一般質問で同僚議員からも同様の質問があり、その中で被害の概要については述べられていましたので、省略をいたしますけれども、警視庁のことし上半期における特殊詐欺の認知件数に関する傾向としまして、類型別ではオレオレ詐欺が昨年同月比86%増と群を抜いているということはもちろんありますが、ほかの類型が微増や減という中で注目すべきことは、振り込め類似詐欺が10%も増加していることであります。この代表的なものとして金融商品等取引詐欺、いわゆる投資目的詐欺が挙げられます。 この振り込め類似詐欺、投資目的詐欺が野方、中野両警察署でも本年数件発生しております。一見、被害としては少ないと見えますけれども、問題なのは表に出ない事件が多数ある、また、被害額が高額であるということであります。オレオレ詐欺等が虚偽=詐欺から始まり、現金の授受が短時間に行われるため、事件として捜査機関が動きやすい、動けるということに対して、投資目的詐欺に代表される類似詐欺は、事件として確定して捜査機関が動くまでに時間がかかる、あるいは事件として成立をしづらい、または本人がだまされたことさえ認識しづらいという場合が多いんです。 こうした被害者の特徴としましては、60代から80代に集中している。また、ひとり住まいで、これまで地域とのかかわりが少ない方、情報に接していない方や、相談する相手、話し相手がいない方などが挙げられます。 そこで質問をいたします。特殊詐欺の中でも被害額が大きく、事件として確定が難しいこのような投資目的詐欺の被害は拡大傾向にありますが、区はこの現状をどのように認識しているのでしょうか。 また、区民がこうした詐欺に遭わないために、消費生活センターとして、高齢者世帯や単身世帯にどのように対処していくのか、また、具体的な警察との連携はどのようにするおつもりなのか、お聞かせ願います。 次に、消費生活センターが中心となり進めている高齢者悪質商法防止情報連絡体制についてお尋ねいたします。 この取り組みは、消費生活センターが日ごろ高齢者を見守る地域や区内関係機関と連携をとり、高齢者の悪質商法等による被害を早期に発見し、連絡を受け、センターの相談業務につなげることにより、被害の救済・防止を図る仕組みであると伺っていますが、ここでは、日々手口を変え、より巧妙になっているこうした特殊詐欺に対しては、情報共有と同時に、常に最新の情報に接し、その対処法についてレベルアップをする必要があると考えます。 そこで質問をいたします。消費生活センターが見守り関係団体・機関に行う情報提供については、情報特急便として随時配信する以外に、関係機関が一堂に会して意見・情報交換やスキルアップすることができるような、定例的な会議体を設けてはどうでしょうか。 また、警察署などの捜査当局による講義や情報交換を行い、さらに被害防止につなげることについてはどのように考えているのか、お答えを願います。 あわせて、関係連携先に、高齢者が日常接触する機会の多い商店街関係者や、高齢者が金融機関に出向く際に利用することの多いタクシー業界等、新たな団体や事業所を加える検討も進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、現在、被害発生の確度が高いと考えられる70歳以上の単身高齢者や75歳以上の高齢者のみ世帯には、これまでの民生委員による高齢者訪問のほかに、区職員の立場での訪問の際に、早期発見に向けた視点の強化と同時に、そのスキルアップに努める、見守り・声かけが重要であると考えますが、区の見解をお聞きします。 次に、警察との連携について申し上げます。区がさまざまなチャンネルで行っている高齢者の被害防止啓発については、先ほど挙げました情報特急便も含め、重要なことと考えておりますけれども、一方、被害に遭うおそれのある高齢者は、紙媒体の情報提供では理解するのが難しい、つい忘れてしまう、そういうおそれもございます。 そこでお伺いします。犯罪を未然に防ぐために、高齢者にわかりやすい、紙媒体以外での抑止策の検討を進めてはどうでしょうか。具体的には、警察署のふれあいポリスという犯罪抑止・啓発活動のために現職の警察官が行う寸劇を、地域単位や区内の友愛クラブなどの高齢者団体で行ってみてはどうでしょうか。最新の犯罪情報に接する現職警官による演技は、臨場感もあり、記憶にとどまりやすく、有効だと考えます。 最後に、区として、断固として詐欺的行為は許さないという姿勢を明確に示すべきと考えます。区報のトップページに区の姿勢を明確に打ち出し、投資目的詐欺を含めたこれらの悪質商法被害防止策の特集を組んでみてはどうでしょうか。区の見解をお示しください。 以上でこの項の質問を終わります。 次に、3番目の項目、ゲリラ豪雨等に対する水害対策について質問をいたします。 台風やゲリラ豪雨など集中豪雨時の都市型浸水対策については、平成23年第3回定例会でも一般質問にて伺いましたけれども、このゲリラ豪雨が地球温暖化、さらに都市部ではヒートアイランド現象も影響し、その頻度がさらに高まるおそれがあると考え、別の視点からも質問をいたします。 去る8月12日にも大雨が降り、区内では床上浸水3件、小規模事業所での浸水が1カ所ございました。 そこで伺います。中野区内で行われている都が進める水害対策、河川改修や下水道整備など挙げられると考えられますが、具体的にはどのような対策を行い、そして、どのような効果が見込まれるのか、スケジュールもあわせてお聞きします。また、それに区はどのようにアクションを起こし、関与しているのでしょうか。 また、中野区が進める水害対策としては、具体的にどのような対策を行っているのか。また、こうした浸水や道路冠水などの水害が発生した場合、どのような処置、また対策を行っているのか、お聞きします。 さらに、近年多発しているゲリラ豪雨に対応した新たな取り組みがあれば、教えていただきたい。 次に、ゲリラ豪雨に対応した新たな地域限定の水害ハザードマップの作成について伺います。 現在、中野区の洪水ハザードマップは、平成14年に作成した、一定の条件のもと、中野全域に関して示したものであります。昨今の温暖化による気象条件の変化や都市化に伴う被害状況の変化を鑑みますと、都市部での水害要因として頻発するゲリラ豪雨では、その被害区域も限定的であり、新たなゲリラ豪雨水害に対応した体制整備と対象住民への注意喚起が不可欠であると考えます。 区では災害に備えて、地勢やインフラの整備状況、また、過去の水害から、ゲリラ豪雨のように短時間に集中する豪雨の際に水害が想定される区域も把握しているはずであります。そのような地域の町会・防災会と日ごろからの連携を深め、災害に備えることが重要ではないでしょうか。 下水処理機能の向上が進んでも、本来の処理機能が担保されるべく、地域の排水施設のメンテナンスや清掃も重要でありますし、台風や大規模低気圧、また、ゲリラ豪雨の発生など懸念される場合には、事前に水害のおそれがある地域と情報交換、対処の方法の打ち合わせをさらに密にすべきと考えます。 そこで質問をいたします。現在の洪水ハザードマップと並行して、局所的ゲリラ豪雨を想定した、地域との連携による地区独自のハザードマップづくり、そして、当該区域の地域防災会と関係機関との緊密な連携体制の構築について早急に行うべきと考えます。こうした取り組みは、関係者との連携を深めるだけでなく、該当地域の一般住民の防災意識を高め、結果、清掃や雨水を敷地内にため込むための意識向上につながるもので、事前に災害に備えるという防災・減災の基本であると考えますが、区の見解をお示しください。 また、都市部でのインフラ整備の中で、下水処理能力を超える雨量による水害の発生件数を低減させるために、今後の区で行う道路や公園整備などのインフラ整備において、より浸透性のある部材や技術開発の情報収集に努め、それを具体化していくべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。 災害対応については、地域住民の協力が不可欠であります。日ごろよりいかに住民と、訓練はもちろんですけれども、情報交換や連携をとっていくかが重要です。事前の準備、災害時の対応、そして、事後の対応、そして、その次の備えと、時間を追って常に連携をとっていくということであります。 そこでお伺いします。万が一水害が発生した場合、また、水害により区の施設利用に支障が生じた場合、当該地域への説明はどのように行われているのか、教えてください。災害についての幾つものチャンネルを活用した、わかりやすい、親切丁寧な説明が次の備えにつながり、結果的に防災・減災につながると考えます。 また、雨水貯留槽の普及については、前述の定例会の一般質問の区長答弁でも、防災・環境面でも一定の効果があるものとして、今後、設置に関して普及啓発を行うということでしたが、具体的にどのように展開しておられるのでしょうか、お示しください。 低い土地や浸水が頻発する地域で、地下・半地下の住居や駐車場への浸水被害を防ぐために、民間敷地内で住民が独自に施工できる施設の情報提供を進めてはいかがでしょうか、お答え願います。 以上でこの項の質問を終わります。 4番目の中野駅周辺まちづくりにおける区主導型のエネルギー供給体制の構築について質問をいたします。 中野四季の都市(まち)にはグローバルに展開する企業が軒を連ね、セントラルパーク全体では1万人近くが就業しています。キリングループ、また、その他のグローバルな企業の移転理由にも、高い防災性能や事業継続性に言及しているところが少なくございません。 一方、あわせて整備された中野四季の森公園は1.5ヘクタールの広さで、各開発事業者の公開空地を含めると約3ヘクタールの広大なオープンスペースとなっています。オフィスワーカー、学生はもちろんですけれども、小さなお子様からお年寄りまで幅広く区民に親しまれており、日常の憩いの場とともに、非常時の避難場所としての認識がされつつあります。 また、ことしの3月には明治大学、帝京平成大学と災害基本協定を締結し、防災性の向上につながる取り組みとなっております。 このように、中野区は今や災害に強い、防災機能のすぐれた都市(まち)として、中野駅周辺まちづくりを社会に発信し、災害時の事業継続、BCPを求める民間企業群に評価されつつあります。 また、中野区は、安全・安心の確保と同時に、今後、社会から求められる地域貢献や環境への配慮について具体的に示していかなければなりません。 そこで、区が主導する新しい区役所整備基本方針(案)、また、区役所・サンプラザ地区再整備基本構想(素案たたき台)における中野区の考えをお聞きしたいと思います。 いつ起こるかわからない首都直下大地震、またさらに、広範囲かつ長期間にわたり都市機能が停止するおそれがあると言われています東海・東南海・南海地震、いわゆる3連動、4連動と心配されている地震を考えますと、インフラの長期機能停止に備えるエネルギー戦略と具体策をこの基本方針、基本構想の段階で十分に検討しておかなければならないと考えます。 そこでお尋ねいたします。新区役所整備に当たって、災害時に区民の先頭になり、緊急の諸課題に対応、また、関係機関と連携をとる責務のある行政として、災害対応の側面から、エネルギーの自立性確保の事業継続、BCP対策の観点から、エネルギー戦略をどのようにお考えでしょうか。 また、平時には、区民の財産でもある行政施設の低ランニングコスト化、そして、省エネやCO2削減などの環境の視点から、さらには、災害時はもちろんのこと、地域エネルギー供給による地域貢献の視点から、こうした区が主導する中野駅周辺まちづくりの中核となる施設に関して、みずから主導してエネルギー施策を実践すべきと考えますが、区のエネルギー供給戦略はどのように考えているのでしょうか、お示しください。 中野駅周辺まちづくりは、活性化、にぎわい創出など、中野区全体の発展に大きく貢献する代表的な開発であり、社会の要請に応えた区のエネルギー戦略は、まちづくりの理念を強く訴え、あるべき都市の姿を社会に発信するものになると確信をしております。 そこでお聞きをいたします。こうした区主導のエネルギー政策を、中野駅周辺まちづくりの中で今後展開していくそれぞれのエリアの開発において、地域エネルギー供給の検討も進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。 あわせて、区域として開発が先行するであろう中野駅南側の開発においても、中野区がエネルギー供給について連携の可能性を排除せず、リードしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、ほかの地域の展開の可能性については、スケールメリットやデメリット、また効率性など、事業化検討、いわゆるFS、フィージビリティースタディーを基本方針、基本構想のこの段階でやっておくべきと考えますが、区のお考えはいかがでしょうか、見解をお示しください。 以上で私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 高橋議員の御質問にお答えいたします。 古紙持ち去りに関する罰則規定についてであります。古紙等資源の持ち去り対策については、現在、警察への通報の呼びかけや集積所への警告チラシ貼付などを中心に実施をしているところであります。条例に罰則規定を定めることについては、他自治体での抑止効果や集団回収への適用等について研究の上、検討を行ってまいりたい、このように思っております。 それから、GPS装置を活用した持ち去り業者の追跡についてですが、区としても有効な持ち去り防止対策の一つである、このように受けとめております。今後、先行実施をしている多摩地区の自治体の例等も参考にしながら、町会や古紙回収業者、買い取り業者とも協議をし、検討を行ってまいります。 それから、自治体間の情報共有、連携についてであります。古紙持ち去り対策は23区共通の課題となっておりまして、自治体間での情報共有は大変重要だと考えております。今後、特別区の清掃主管課長会等において必要な情報共有を図るとともに、近隣区との連携等についても検討してまいります。 区が進んで先行的な取り組みを実施すべきということであります。区内全域での集団回収による古紙回収といった取り組みが、地域における互いの信頼と協力に根差した取り組みとして今後もさらに発展していくよう、区としても積極的に支援を行っていく考えであります。今回御提案をいただいたGPS装置を活用した対策も含め、古紙持ち去り防止のための新たな取り組みについて、しっかりとした検討を行ってまいりたいと考えております。 それから、高齢者に対する悪質商法に関連して、投資目的詐欺についての被害の現状認識のお尋ねがありました。御指摘があったとおり、消費生活センターに寄せられる相談においても、60歳以上の高齢者からは、ファンド型投資商品など利殖になることを強調する、いわゆる利殖商法と呼ばれる、投資目的にかかわる契約トラブルの相談が年々ふえてきているわけであります。このように、区民の安全で安心な生活を脅かしている状況は大変ゆゆしい事態だと受けとめているところです。 消費生活センターとしてもこれまで対処を行ってきました。毎月、消費者相談の現場から、あるいは情報特急便などの啓発チラシを発行し、高齢者関係機関、民生委員、町会・自治会に向け、最近の高齢者を狙った悪質な商法や手口について情報提供を行ってきているところであります。今年度は、高齢者の被害・トラブル防止等の啓発活動として、注意喚起のため、ラッピングバスやあるいはマグネットシートを庁有車に貼って走っている。また、区庁舎への横断幕の掲出などを行いました。さらに、民生委員や職員が高齢者世帯を訪問し、啓発グッズの配布を行っているところでもあります。 警察との具体的な連携についてもお答えをいたします。被害に遭ったという相談には、投資額や相手側の状況など事例に合わせて、詐欺的な要素が強い場合は、個別に警察への通報を勧めております。また、啓発活動については、今回、高齢者世帯に配布しているパンフレットについて、警察署と共同で作成をいたしました。今後とも情報交換を密にして、さまざまな場面で連携を図ってまいります。 情報連絡体制及び関係団体による会議体の設置についてであります。消費者センターでは、民生委員や社会福祉協議会の会合や地域包括支援センターの担当者会に出席をし、フェース・ツー・フェースで情報交換に努めているところであります。 また、今後は、すこやか福祉センターごとにつくられております町会、民生委員、社会福祉協議会、地域包括支援センターなどが参加する支えあいネットワーク会議を活用して、情報交換を行うとともに、消費生活センターが発行する情報特急便に警察情報を盛り込むなど、警察署ともさらに連携を密にし、高齢者の被害の拡大防止に取り組んでまいります。 連携する関係団体をもっと広げていくべきだということでもありました。民生委員は警察の委嘱を受け、振り込め詐欺防止アドバイザーとして、年金支給日に金融機関や駅頭で被害防止の呼びかけを行っております。高齢者悪質商法被害防止情報連絡体制については、高齢者に接触することの多い業界等についても情報提供を行うなど、より効果的な情報連絡体制となるよう対象の拡大を検討してまいります。 それから、職員による声かけ等の実施についてであります。今年度はすこやか福祉センターの職員が高齢者訪問を行うに当たって、消費生活センターと連携してパンフレットや啓発グッズの配布を行っております。高齢者訪問に際しては、高齢者の方の生活を把握し、必要な支援につなげているところであります。悪徳商法への対応についても、高齢者の方の様子などから、できるだけ早期に発見するなど、被害が広がらないよう努力をしてまいります。 それから、警察と連携した投資目的詐欺防止活動を進めるべきだということであります。ふれあいポリスという現職警察官が行っている振り込め詐欺、母さん助けて詐欺防止の寸劇は好評で、高齢者が理解しやすいということを聞いております。警察署に対して、投資目的詐欺にかかわる寸劇実施の可能性も含め働きかけを行い、犯罪防止への意識を高めてまいりたいと考えております。 区報の特集等ですが、これまでも区報の特集号で消費生活の契約トラブル注意喚起を促す記事の掲載を行ってまいりました。ことしの10月20日号、来月の20日号、これでは、高齢者に多い悪質商法の手口や被害防止対策を盛り込んだ特集号を予定しております。またあわせて、ホームページでも事例に即したタイムリーな情報提供を行ってまいります。 区民が安心して暮らせる社会実現のため、区は警察を含め、町会・自治会、民生委員、介護サービス事業者等、高齢者を対象とする事業者・団体等の関係機関と連携を密にし、あらゆる手法を使って被害の防止・撲滅に努めてまいります。 私からは以上です。 〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕 ○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、ゲリラ豪雨等に対する水害対策についてお答えをいたします。 初めに、都が進める水害対策、効果、スケジュール、区の関係についてでございます。 東京都では、河川改修、下水道整備ともに、1時間当たり50ミリ規模の降雨対策の整備を進めております。神田川では中野新橋までの河川改修が終了し、現在、その上流区間約220メートルの改修に着手し、平成26年度末までに完了予定と聞いております。また、妙正寺川では、鷺の宮調節池の上流域となる下鷺橋から中杉通りまでの区間、約620メートルの改修を平成30年度末までに完了予定と聞いているところでございます。 下水道整備につきましては、本年7月に、中野一丁目及び中央二丁目の浸水対策として、雨水をためる貯留管の整備が完了し、和田弥生幹線につきましては、本町二丁目及び弥生町一丁目流域対策の工事が施工中でございます。 区では、区立公園等の区有施設を工事の搬入路として提供するなど、事業が順調に進むよう、全面的に協力をしております。また、第二桃園川幹線が東京都下水道事業経営計画2013で計画されております。この事業につきましても協力していく考えでございます。 次に、区が進める水害対策、水害発生時の処置についてでございます。 区では、都市型水害を防ぐため、河川流域全体で雨水流出を抑制していく対策として、公共施設や民間施設の新築・増改築の際、当該施設内に雨水流出抑制施設を設置するように指導するとともに、歩道、公園の透水性舗装などを進めているところでございます。 また、台風や集中豪雨に備え、希望者に土のうを配付するとともに、5月以降の出水期には、区民が自由に使えるよう、路上や水防倉庫に土のうを配備しております。 浸水や道路冠水など水害が発生した場合には、浸水家屋からポンプによる排水作業や、道路上の排水機能を高めるために、道路冠水の原因となる雨水集水ますのごみ等の除去作業などを行っております。 次に、ゲリラ豪雨に対する新たな取り組みについてでございます。ゲリラ豪雨等の発生のおそれのある段階から早期監視体制等をとり、職員体制を強化し、対応しているところでございます。また、都市型河川の特徴である短時間での氾濫に対応するため、区内及び隣接区に住む職員で構成した特別応急隊を編成し、初動期における迅速な対応を行っているところでございます。 次に、地区独自のハザードマップづくりについてでございます。ゲリラ豪雨を含め、最大級の雨量を想定して作成したものが洪水ハザードマップでございます。ゲリラ豪雨は、局所的に大雨が降り、あらかじめ予想することはなかなか難しいところでございます。そのため、現在のハザードマップをもとに対策を講じていく必要があると考えております。現在のハザードマップを地域との連携の中でどのように活用していくのか、今後の課題として検討してまいります。 次に、道路・公園整備における透水性のある部材など、情報収集と具体化についての御質問でございます。これまで道路整備においては透水性舗装を行い、公園整備においては透水性舗装や浸透ます、浸透管の設置を行ってきているところでございます。今後も透水性の高い材料や新しい技術などの情報収集に努めるとともに、下水道局などの関連機関とも協力して、雨水の流出抑制を図っていきたいと考えております。 次に、水害が発生した場合等の当該地域への説明についての御質問でございます。区内で大雨が降ったときの広報については、ホームページや防災情報メールマガジン、ケーブルテレビからの防災情報や防災行政無線固定系、車両による巡回広報での災害情報等で、区民の方が情報収集できる体制を構築しております。水害が発生した場合も、これらの情報発信ツールを使って、当該地域の住民の方にお知らせすることとしております。また、区の施設利用に支障が生じた場合は、当該施設への掲示やホームページ等によりお知らせする等の対応をするようにしております。 次に、雨水貯留槽普及の具体的展開についてでございます。雨水貯留槽につきましては、スペース等設置場所の制約もあり、普及については難しい面がございますが、防災・環境面で一定の効果が期待できるものであり、まずはホームページ等で設備の情報提供を行ってまいりたいと考えております。 最後に、低い土地や浸水が頻発する地域の民間施設内で独自に施工できる対策の情報提供についての御質問です。下水道局では、地下・半地下を設置する場合は、豪雨時に下水道管内の水位の上昇により下水が逆流することがあるため、排水ポンプの設置や事前の浸水防止のために止水板、土のう等を用意することを勧めております。区でも下水道局と連携し、地下・半地下家屋の住民に対し、排水ポンプの設置及び事前の浸水防止対策について、ホームページ等により情報提供していきたいと考えております。 〔経営室長川崎亨登壇〕 ○経営室長(川崎亨) 中野駅周辺のエネルギー供給体制に関する御質問のうち、新しい区役所の自立性についてお答えをいたします。 新しい区役所整備基本方針の案では、災害時における区役所の自立性、事業継続性を確保することを基本的な視点の一つとしております。具体的には、自家用発電の強化や通信回線の多重化など、ライフラインが停止した場合を想定した非常時のバックアップ機能を確保・充実させるよう考えております。 〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕 ○都市政策推進室長(長田久雄) 中野駅周辺まちづくりにおける区のエネルギー供給政策についてお答えをいたします。 新区役所整備や区役所・サンプラザ地区再整備といった中野駅周辺まちづくりの中核となる施設の整備に当たっては、再生可能エネルギーの有効利用や高効率な設備機器の積極的採用など、安定的かつ低コストのエネルギー供給や環境負荷の低減に配慮していくものとしてまいります。そうした施設整備に加え、まち全体の低炭素化や防災性、事業継続性の向上を図っていくため、地域エネルギー供給や建物間融通など、エネルギーの面的利用の可能性を検討してまいります。 次に、中野駅周辺まちづくりにおける各地区開発における地域エネルギー供給についてでございます。東京都のいわゆる環境確保条例では、延べ床面積が5万平方メートルを超える開発に対し、再生可能エネルギー利用や地域冷暖房の導入検討を義務付けしているところでございます。中野駅南側の開発など、今後の各地区における開発の内容や規模、地域の特性などを見きわめながら、地域エネルギー供給の可能性を検討していく考えでございます。 最後に、新区役所や区役所・サンプラザ地区での事業化検討についてでございます。今後策定いたします新しい区役所整備基本方針や区役所・サンプラザ地区再整備基本構想は、それぞれの役割や機能を示したものであり、具体的な整備内容の検討は今後行うこととしているものでございます。地域エネルギー供給などの導入可能性につきましては、今後の計画策定の中で検討していく考えでございます。 私からは以上でございます。 ○議長(伊東しんじ) 以上で高橋かずちか議員の質問は終わります。 1 海での体験事業について 2 区内産業振興のための成長戦略について 3 公共施設等での分煙と美化活動団体への支援について 4 その他 ○議長(伊東しんじ) 次に、若林しげお議員。 〔[1]若林しげお議員登壇 〕 ○1番(若林しげお) 平成25年度第3回定例会において、自由民主党の立場から質問をさせていただきます。質問は通告のとおり、1番、海での体験事業について、2番、区内産業振興のための成長戦略について、3番、公共施設等での分煙と美化活動団体への支援について、その他はございませんので、以上3点についてお伺いをさせていただきます。よろしくお願いします。 まず初めに、海での体験事業についてお伺いをいたします。 平成23年度をもって廃止された臨海学園は、日常では得られない自然体験ができるとともに、児童がみずから努力を成果として実感できる貴重な機会でありました。区は平成24年10月24日の子ども文教委員会において、臨海学園の廃止についての報告をした際、学校での学習や多様な活動の機会の確保を図っていくとしていました。平成24年度から実施している海での体験事業はその一つと考えますが、第1回目の反省を踏まえて行った第2回目の海での体験事業の成果はいかがだったでしょうか。友達がいないから、誰も知っている人がいないから参加したくないという声も聞いております。 24年の決算特別委員会の私の総括質疑において、第1回目の海での体験事業の参加者は82名で、当時の小学5・6年生に対する参加者の割合は2.8%との答弁をいただきました。本年度は当初の目標150名に対し、参加者はどれくらいで、中野区全小学5・6年生の何%になりますか、お聞かせください。 また、在籍児童数に対する参加者の割合が最も高かった学校の割合と、参加者がいなかった学校は何校あったのか、お聞かせください。 海での体験事業は、臨海学園廃止の経緯もあり、現在、子ども教育部が小学5・6年生を対象に実施していますが、海での体験事業は、学校単位で実施していた臨海学園とは実施形態も内容も違うため、当初見込んだ参加者数や私が求める1人でも多くの子どもたち、幅広い参加者、多世代交流等の成果を期待することができません。 海での体験事業を今後継続し、多くの参加者を集めて事業の拡充を目指すならば、事業の組み立て方を根本から見直していくべきと考えます。例えば海での体験事業の対象者を小学5・6年生だけでなく、子どもから大人までの幅広い区民が参加できる事業に転換してはいかがでしょうか。友達だけでの参加ではなく、親や家族が参加することも可能になり、さまざまな方が参加すれば、海という自然の中で異年齢、多世代交流も期待できます。 中野区には以前、常葉のサマースクールという事業があり、当時、教育委員会の所管であった学習スポーツ課が担当していたと聞いております。大変子どもたちに好評の事業であったにもかかわらず、なくなっております。残念なことに中野区は、好評である事業でも、そのときの事情や状況で子どもたちの体験事業を中止・変更してきました。 生涯学習や文化スポーツ活動等を所管する学習スポーツ担当が海での体験事業を社会教育事業と位置付けて実施し、今後、区の看板事業として事業を発展させていくことが必要と考えますが、いかがでしょうか、区の見解をお聞かせください。 一方、学校単位で行う臨海学園については、海での体験事業とは別に復活させるべきだと考えます。 「空しか、見えない」という、千葉の岩井海岸を舞台にした谷村志穂さんが書いた小説があります。若いときに遠泳をした経験を通し、仲間のきずなを描いた青春小説なのですが、もちろん現地に行き取材をし、さまざまな体験談を聞き、地元の民宿や漁師さんが一丸となって臨海学園の子どもたちを迎え続けている話などももとにしてつくり上げた小説です。一生懸命泳いだ心と体には一体どんな記憶が刻まれているのだろう、10年後の彼らに会ってみたいとストーリーが膨らんだと書いてありました。 遠泳は、経験されていない方でも心を打たれる大切な事業でした。競泳の選手でもあり、水泳の指導者でもあった宮畑虎彦さんの本の中に、「ただ単に遠くに泳ぐというだけではなく、集団で泳ぎ、互いに励まし合って、何とか最後まで頑張り、これは生涯忘れられない経験であり、そのゆえ遠泳は若いときにぜひやっておきたい経験である」とあります。やはり友達、仲間で共通の貴重な体験、思い出をつくるチャンスを見つけられる環境づくりをすることが我々大人の使命だと思います。 繰り返しになりますが、臨海学園は海での体験事業とは違います。臨海学園は、小学校の同級生と一緒に宿泊し、自然体験を通じて学び合う教育的取り組みであり、学習効果も高いと評価していました。今、学校での指導教員の確保が難しいという理由もあって、学校単位の臨海学園はなくなりましたが、学校再編された学校、これから再編される学校では、児童数が当然ふえると同時に、教職員の数も増加します。当然、水泳の上手な教職員も以前に比べてふえ、臨海学園の実施が可能になると思います。臨海学園の復活を検討することも可能ではないでしょうか。区の見解をお聞かせください。 次に、区内産業振興のための成長戦略についてお伺いをさせていただきます。 区長は本年の第1回定例会の所信表明で、自治体の持続的発展のためには産業振興や地域活性化が必要であると述べられました。昨年度に産業振興ビジョンを定め、重点分野としてICTコンテンツの関連とライフサポート関連の産業によって、区内経済活性化の牽引としていくとしています。 これに関連して、第2回定例会で我が党のいでい幹事長の質問に対して、これら区の重点産業は、安倍政権に掲げる成長戦略の方向とも合致しているとの認識も御答弁されていました。 そこでお伺いします。区が掲げられたこれら重点産業、これが区の成長戦略と考えていいと思われますが、これに関して施策などの取り組みはどう進められているのでしょうか。 さきの閉会中の建設委員会には、四季の都市(まち)の中野セントラルパークを借りて区が開設する産業振興拠点の事業者が設立されたとの報告がありました。これはICTコンテンツに着眼し、区内経済活性化を促進する拠点としているようですが、この拠点ではこの事業者によってどのような事業が展開されるのでしょうか。その効果としてはどのような効果が期待できるでしょうか。 また、ICTコンテンツに関して、ほかの施策は何か考えてあるのでしょうか。産業振興拠点だけでは成長戦略としてやや物足りない気がいたします。どうでしょうか、お伺いします。 もっと全体として体系的に施策展開が区民や事業者の方々に見えるようにしていかなければ、区が重点としているその姿勢のアピールとして弱くなってしまいかねません。また、産業振興拠点の運営等は全くの民間事業者任せにしてしまうのでしょうか。産業振興拠点でも、事業者の集積・交流効果を狙って、その一部を区内事業者等の打ち合わせや事務所として貸し出す事業も計画されているようですが、一方では、区の指名入札を得るためだけで、実体のない事務所登録をしている業者もあるやに聞き及んでおります。 そうした問題への対処なども含め、区の関与や責任はどういうことになっているのか、お答えください。十分に区の目標達成が果たされ得る保障となるような手だてはどのように図られているのでしょうか、お聞かせください。 次に、もう一つの重点領域とされたライフサポート関連事業の振興について伺います。 このライフサポートビジネスについては、我が党の北原議員がことし第1回定例会の総括質疑で行ったところでもあります。このビジネス領域の成長性に関する質問に対しては、時代や地域の変化、暮らし方の変化に伴い、新たなニーズというものが生まれてくると予測しているところであるとして、行政や地域の主体的な取り組みの必要性についても触れられた上で、それだけでは十分ではない、個別の状況や要望等に対するきめ細やかな民間の有料サービスなどの必要性もさらに高まってくるだろうとの答弁がありました。そして、ビジネスとしての可能性や新たな取り組みが生まれていくといったことを促進支援してまいりたいとのことでした。 そこでお伺いします。さきの答弁にありましたライフサポートビジネスの促進支援として、どのように具体化を図っていくのか、お考えをお聞かせください。 報道などからしますと、郵政グループの日本郵便が、高齢者宅を訪問し、暮らしぶりの確認や買い物代行など生活支援サービスを新たに全国展開するとのことのようですし、既に先行して大手企業やコンビニなどもさまざまなライフサポート事業を実際行っているところとも思われます。こうした状況を踏まえると、中小事業者が大半の中野にあって、どのような展開が可能なのか心配にもなります。区はどのような展開をお持ちなのでしょうか、お伺いをいたします。 第2回定例会での行政など公的領域と地域のボランティア的な取り組みと、さらに民間企業によるサービスの3者がうまく連携・補完し合っていくことで、地域の安心・安全が確保され、豊かな暮らしが維持できる、そうした役割分担、すみ分けや協力・連携が重要ということになるのではないかとの質問に対して、そういったものにつながっていくことを期待しているとの答弁がありました。このような役割連携を進めていく手だては考えられているのでしょうか、お伺いします。 また、都市観光ビジョンで示された観光振興というものは、区内産業の振興においてどのような役割を果たすものと位置付けられているのでしょうか。国も東京都も観光には力を入れているようです。観光のお客様をふやすことによる直接的なにぎわいや活力の向上は期待できるものでありますが、区内産業に関する成長戦略との関係はどのようにお考えですか、お答えください。 この項の最後になりますが、区長はさきの所信表明の中で、「産業振興ビジョンと都市観光振興ビジョン、いずれも中野駅周辺のまちづくりの第1段階として完成した四季の都市(まち)が中野のまちにもたらしてくれるインパクトを最大限に生かすことを意識しています。ハードの設備が生み出すものをどれだけ住民の暮らしに生かしていけるかがまちづくりの最大の着眼であると考えています」ともおっしゃっていました。 そこでお伺いします。では、四季の都市(まち)など中野駅周辺の開発のインパクトは、産業振興や商店街振興、あるいは都市観光の振興にどう生かされていると見ているのか、あるいは今後どう生かしていくお考えか、お聞かせください。 また、その見方、評価、根拠となるものは何かお持ちなのでしょうか。ないとすれば、それをどうやって把握していくのか、お聞かせください。 確かに、私たちから見ても通勤・通学者と思われる方々の増加は一見してわかりますし、昼食時の混みぐあいもわかりやすいところです。中野駅周辺を見る限り、にぎわい・活力が高まってきたなと私も歓迎するところです。しかしながら、何らかの根拠となるデータ等が客観的なものでなければ、今後、中野駅周辺まちづくりの2期工事などの計画への反映も、そして、産業振興や商店街振興の施策等を検証していくのも主観的なものになってしまい、説得力に欠けてしまうのではないでしょうか。御見解を伺います。 また、産業振興、商業振興という面だけでなく、効果があったというならば、区民の方々にとっての効果は具体的にどのようにあらわれているとお考えでしょうか。昼食や宴会など消費にまつわる商店街などへの効果は私にも想像しやすいところでありますが、区民生活という観点での効果はまだ見えにくいような感じもします。 さらに、中野駅周辺のインパクトは中野駅周辺だけにとどまっているものなのか、区内のどこまで及んでいるのか、そうしたことを把握されているのでしょうか。把握すべきと考えますが、どのようにしていこうとされているのか、お伺いいたします。 中野は確かに大きく変わり、さらに変わりつつあります。まだまだこれからもさらに大きく変わっていくでしょう。今後の中野区のさらなる発展を大いに期待するものですが、そのための政策やまちづくりの一つの重要な狙いであると言ってもよい、区民の生活の向上等の影響や評価について、この際ぜひ伺っておきたいと思います。区長の御決意もあわせてお聞かせください。 次に、中野駅周辺を主たる喫煙環境の整備、公共施設等での分煙と美化活動団体への支援についてお伺いをいたします。 まずお話ししたいことは、嫌煙運動や公共施設等での禁煙や喫煙規制の強化により、喫煙場所や喫煙人口が極端なまでに減少しております。喫煙者にとって年々厳しさが増す状況の中で、喫煙者がお話しさせていただくと、悪人のように扱われてしまうこと、そして、今日、非喫煙者より喫煙者のほうが周りを気にしているということをぜひ御理解いただきたいと思います。 中野駅周辺再開発が着々と進んでいますが、駅周辺の分煙を目的とした区営喫煙所については、JT、いわゆる日本たばこ産業の協力をいただき、北口周辺に3カ所設置されましたが、残念なことに、以前まで利用客数が一番多かった北口広場内、2番目に多かった南口周辺における喫煙所はいまだに設置されていない状況にあります。 たばこ分煙活動の推進については、私が24年の第2回定例会で一般質問させていただきました。その際、区営喫煙所の設置を申し出たところ、「駅周辺の適切な場所に喫煙所設置を行うということは、分煙によって喫煙に関するトラブルを防ぐこと、また、まちの環境を保っていくという上でも必要なことであると考えます。地元商店街等の御意見も聞きながら、設置に向けて今後も努力していきたい」との区長の御答弁をいただきました。 地元をはじめ多くの方々が北口広場内、南口周辺の喫煙所設置については望んでいるところであります。区は、歩きたばこのない安心して過ごせるまち、吸い殻などポイ捨てのないきれいなまちを目指して、平成17年4月1日に中野区吸い殻、空き缶等の散乱及び歩行喫煙の防止等に関する条例を施行し、条例に基づき、同年7月31日から中野駅周辺を路上喫煙禁止地区に指定し、道路上、歩道上での喫煙は禁止されました。また、区内全域において歩きたばこをしないように努めなければならない旨、条例も規定されました。このような条例を決めている地区を見ますと、どこもそれに見合った喫煙スペースを確保しています。 なお、ことしの4月5日から8月5日の9日間、北口の広場ポイ捨ての状況を調べたデータを見ますと、毎回100本近くの吸い殻が捨てられております。防災・都市安全分野の北口広場の朝昼の清掃活動でも、排水溝など吸い殻が散乱しているとのお話を聞いております。 これらのことを踏まえて、これからまだまだ昼間人口がふえていく中野の玄関としてふさわしくするためにも、中野駅北口広場、南口駅周辺に区内喫煙所の設置を望みます。いつ実現できるのか、再度お伺いしたいと思います。 中野区には中野駅以外にも重要な駅がございます。こういった中野駅以外の区内駅頭付近につきましても、乗降客数や駅周辺でのポイ捨て、歩きたばこ等の調査をしていただき、喫煙場所の確保をお願いしたいと思います。区の見解をお聞かせください。 喫煙を取り巻く環境は年々厳しくなっており、それに伴い、区内全体の喫煙場所は十分確保されているとは言えない状況にあります。特に区施設の分煙について伺いますが、区役所内での喫煙場所は確保されていますが、他の区内施設はいかがでしょうか。とりわけ中野区立体育館や15ある区民活動センターなどについては、喫煙場所の確保が十分されているとは言えない状況にあります。たばこを吸う人、吸わない人との共存ということでは、好ましい形で分煙が図られることが課題であると考えますが、今後、区有施設での分煙についてどのような対応を考えているのか、区の見解をお聞かせください。 昨今、区のたばこ地方税については、平成22年度17億5,600万円、平成23年度20億4,600万円、平成24年度20億3,900万円と、税収は増加傾向にあります。前段で申し上げたとおり、喫煙場所の設置については、こういったたばこ税を還元していくことが妥当だと考えます。 こうした中、区では美化啓発活動を助成する目的で、助成金を中野たばこ商業協同組合に対して、ここ3年、年間60万円を支出し、金額的には横ばいとなっているのが現状です。喫煙マナー啓発の一翼を担うこうした組合が行う喫煙マナー向上のPR活動は大きな成果を上げ、貢献していると考えます。今後、活発に充実した活動を展開してもらうために、さらなる支援が必要と考えますが、区の見解をお聞かせください。 以上で私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 若林議員の御質問にお答えいたします。 区内産業振興のための成長戦略についてであります。 まず、産業振興拠点事業についてであります。中野区産業振興拠点では、事業者間のマッチングを促進するサービスを中心に、事業者の課題解決サービスや商談会、セミナー、また、大学等の研究機関との協働を促進するサービスなどの事業を展開していく予定であります。これらを通じて新たな事業創出、技術開発等を促進し、ICTコンテンツ関連産業の区内への立地促進や区内経済活性化等を期待しているところです。 ICTコンテンツに関する他の施策についての考え、全体的、体系的な考え方はあるのかといった御質問でした。昨年度、産業振興ビジョンを定めて、重点産業としたICTコンテンツ産業の振興に向けて、産学公連携の構築など、これらの産業の集積を促すための環境整備やビジネス機会の拡大など、体系的な取り組みを示したところであります。このビジョンを具体的に進めていくために、25年度、今年度は産業振興拠点の開設のほか、ICTコンテンツを活用した産業振興を促進する民間事業等に関する補助金の創設をはじめ、ビジネスフェアへの出展補助の拡充や融資の利子補給における優遇措置を講じるなど行っているところであります。 産業振興拠点事業にかかわる区の関与についての御質問もありました。産業振興拠点は、民間事業者の専門的、先進的な事業活動を行いやすくするため、その主体性を十分に発揮して運営していただくものと考えています。区としては、ICTコンテンツを活用した産業振興の促進という初期の目的の達成状況について、民間事業者の事業計画の事前承認や実績報告の確認等によって、適切かつ効果的な拠点運営や事業展開が行われているか確認することとしております。拠点の利用者については、運営する民間事業者が事前審査するとともに、活動実態がないなど不適切な利用が認められた場合は、使用を取り消すなどのルールを設定することとしております。区としても随時、実地の確認なども含めて、必要な対応をとってまいります。 ライフサポートビジネスの促進支援についてであります。25年度、今年度から3年間、継続的にライフサポートビジネス創出促進セミナーを開催することとしております。このセミナーの中で、先行的企業の事例研究や専門家の講義のほか、中野の地域の実情、ニーズ等にも触れ、ビジネス化のポイントやビジネスの可能性などをつかんでもらう場とする予定であります。いわゆる大手などがまだ区内で展開していないビジネスや、中野という地域に密着した個々人の個別の状況に対応するきめ細やかなサービスなど、中小事業者の参入チャンスを見つけてもらえるようにしていきたいと考えております。このセミナーでは、介護や福祉に取り組む団体や関連性のある学部の学生の参加なども期待しております。セミナーの実績なども参考にして、今後のライフサポートビジネスの振興を計画的に進めていく考えであり、この中で産学公、そして、地域の連携の見通しも立てていきたいと考えております。 また、都市観光ビジョンの位置付けについての御質問もありました。観光の振興によって来街者の増加や回遊性の向上、そして、これにかかわる観光消費の促進などの経済的な効果により、商店街等を中心に消費需要の拡大が期待できるものと認識をしております。また、都市観光ビジョンに示す観光資源の発掘・開発、観光受け入れ体制の整備、情報発信による来街者誘致といった、さまざまな事柄の推進によりまして、来街者の増加に加え、中野のまちのブランドイメージが向上し、区内の観光関連産業の活性化の促進も期待できると、このように考えております。 また、こうした観光需要によって来街者がふえ、また、区内でさまざまに活動していく上で、ソフト・ハードの新しいサービスが開発されていくといったようなことも当然想定されるわけで、そうした中から、ICTコンテンツの産業領域での新しい刺激、新しい需要といったようなものが生まれる。そうしたことも期待していくことができるのではないか、このように考えております。 それから、中野四季の都市(まち)など中野駅周辺開発の産業振興への効果についてであります。中野四季の都市(まち)など中野駅周辺の開発は、これまでなかった業務拠点としての新たなまちの姿を示した、このことが大変大きく、事業や取引の機会拡充など区内産業の振興につながっていくものと考えております。そうした状況を定量的・定性的に把握していくこと、これもまた今後の施策展開を考えていく上で大変重要なことと考えております。さまざまな調査、今のところあまり役立つ調査データなどを持っていないのが実情ですが、さまざまな調査などを工夫しながら、そうした効果を検証し、次の施策展開に生かしていきたい、このように考えております。 また、区民にとっての効果はどうなのかということであります。中野四季の都市(まち)は、大学や商業店舗、病院などが立地したほか、区民の憩いの場となる公園も開園しました。これまでの中野になかった新しい生活空間となっております。憩いや健康づくりなど身近な利用に加えて、イベントなどでの交流、また、大学の催します地域向けの学習講座なども活発に利用されていくものと考えております。大学と地域との連携など、産業面での連携なども考えられ、区民一人ひとりのライフスタイルの広がりにつながっていくものと考えているところであります。 また、開発効果が中野駅周辺だけにとどまっているのか、どのぐらいの範囲に及ぶのか、こうしたことについての把握も必要ではないかと、こういったことであります。中野駅周辺開発の効果が区内のどこまで及んでいるかを把握するには、その因果関係や相関関係を解析する必要もあるわけであります。基礎的なデータ収集に加えて、解析方法などについても研究をしてまいります。開発によって2万人の昼間人口がふえた、このインパクトを区内の商店街あるいは事業所が今の時点で受けとめ切れているかというと、必ずしも生かし切れているというところまでは及んでいないのが実情だと思っております。そうした開発のインパクトを区の事業所等が積極的に受けとめて、よりよい効果を出していく、そうした方策を区も一緒に考えながら、その波及の範囲等についてもできるだけ全区によりよい形で波及させていくように努力をしてまいりたい、このように考えております。 私からは以上です。 〔教育長田辺裕子登壇〕 ○教育長(田辺裕子) 海での体験事業についての御質問にお答えをいたします。 今年度で2回目の海での体験事業の成果ということでした。昨年度の反省を踏まえ、募集方法の工夫や、友達同士が同じ回の海の体験事業で参加できるように配慮したことで、参加者は昨年度の82名から95名に増加いたしました。今年度参加した6年生48人のうち、43.8%に当たる21人が昨年度も参加しており、1回目の実績が2回目の成果につながったものと考えてございます。事業実施後の参加者、保護者のアンケートでは、5段階評価で5の「大変よかった」とする児童は69.7%、保護者は83.8%でございました。このことからも、参加者、保護者から高い評価を得られていると判断してございます。 次に、実施結果でございますが、今回の参加者は95名で、中野区立の全小学校5・6年生に対する参加者の割合は約3.1%でございます。在籍児童数に対する参加率が最も高かった学校の参加率は10.8%で、参加者がいなかった学校は5校ございました。 小学校5・6年生を対象として実施している現状では、これまでどおり子ども教育部が所管して事業を継続していく考えでございます。今後、事業の対象者を拡大し、全区的な事業として実施形態を見直すようなことがあれば、改めて考えていくことになると思います。 また、学校単位での海の体験事業、臨海学園の検討はということでした。臨海学園は、指導教員の確保をはじめ、児童の安全確保が年々困難となってきていることなどを踏まえ、廃止したものでございます。学校再編などにより、教員の数など一定の条件は整うことが考えられますが、児童の安全確保上さまざまな課題があるため、現状では臨海学園の実施というのは難しいというふうに考えています。 〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕 ○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、公共施設等での分煙と美化活動団体への支援についてお答えをいたします。 中野駅周辺の区営喫煙所の設置についてでございます。現在、中野駅北口では喫煙所を3カ所設けているところであり、中野駅北口広場につきましては、設置の予定はございません。また、中野駅南口周辺につきましては、喫煙所に適した場所を探しておりますが、現在のところ見つかっていない状況でございます。引き続き、設置の可能性を含め、検討してまいりたいと考えております。 次に、中野駅以外の駅での喫煙所設置についてでございます。現在、西武新宿線新井薬師前駅とJR東中野駅においては、喫煙所設置に向け検討を進めているところでございます。そのほかの駅につきましても、駅周辺の整備や乗降客数、喫煙所として適切な場所を確保できるか等を勘案した上で検討していきたいと、そのように考えております。 次に、中野たばこ商業協同組合に対する区の支援についてでございます。中野たばこ商業協同組合の方々においては、区内の鉄道駅周辺での美化清掃活動やマナーアップキャンペーン活動など、まちの美化と喫煙マナー向上に大きな貢献をしていただいております。区においても、美化清掃活動で収集したごみの引き取りや処分、清掃用具の貸与、また、職員が同行し、活動時の安全を確保するなど行っているところでございます。今後も中野たばこ商業協同組合の方々の活動が円滑に行われるよう、支援をしてまいりたいと考えております。 〔経営室長川崎亨登壇〕 ○経営室長(川崎亨) 区有施設での分煙についてお答えをいたします。 厚生労働省の通知によれば、公共的な空間は全面禁煙が求められているところでございます。現在、区有施設においては、各施設の管理者の判断で、やむを得ない場合に限り、主に屋外等の適切な場所に喫煙場所を定め、受動喫煙を生じさせないよう努めております。場所を定めている場合でも、厚生労働省通知に従い、非喫煙者に影響が出ないよう配慮をしております。このような形で分煙を徹底することで、たばこを吸う方、吸わない方も摩擦なく施設利用していただけるものと考えております。 ○議長(伊東しんじ) 以上で若林しげお議員の質問は終わります。 1 区立公園のトイレにトイレットペーパーを設置することについて 2 子どもの貧困対策について 3 その他 ○議長(伊東しんじ) 次に、むとう有子議員。 〔むとう有子議員登壇〕 ○39番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただきました御意見をもとに質疑いたします。 2011年第3回定例会で質疑いたしました区立公園のトイレにトイレットペーパーを設置することについて、再度お尋ねいたします。 中野区以外の22区では公園のトイレにペーパーを設置し、清掃時に補充していますが、中野区は民間事業者が管理する哲学堂と妙正寺川公園のみの設置で、区が管理する公園及び公衆トイレにはペーパーの設置をしていませんでした。区民への最低限のサービスとして、全ての公園及び公衆トイレにペーパーの設置を求めたところ、中央部防災公園や多数利用があるトイレに設置し、その状況を勘案し、既存は検討するとの御答弁でした。 その結果、2012年度から四季の森公園と中野駅北口の公衆トイレに、そして、2013年度からは沼袋駅前公衆トイレにペーパーが設置されました。幸い、心配されていた盗難やいたずらなどの問題は発生していないと伺いました。 新たな東京の顔を目指す中野区としては、一日も早く全てのトイレに設置するべきです。区立公園のトイレにトイレットペーパーを設置する今後の予定についてお答えください。 次に、子どもの貧困対策についてお尋ねいたします。 厚生労働省の調査によれば、日本の子どもの貧困率は1985年の10.9%から2009年には15.7%にふえ、7人に1人が貧困となりました。これはユニセフの発表によれば、先進35カ国中9番目に高い貧困率です。さらに、ひとり親家庭が深刻で、経済協力開発機構の昨年の報告によると、日本のひとり親世帯の子どもの貧困率は54.3%で、加盟32カ国中2番目に高い数字です。 親の所得が低いと子どもの学歴も低くなり、大人になっても低所得になる確率が高くなるという、親から子への貧困の連鎖を防ぐために、子どもの貧困対策の推進に関する法律が6月に成立し、年内に施行される予定です。 第1条には、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、貧困の状況にある子どもが健やかに育成される環境を整備するとともに、教育の機会均等を図るため、子どもの貧困対策を総合的に推進することを目的とすると書かれています。第4条には、地方公共団体は当該地域の状況に応じた施策を策定し、実施する責務を有すると規定されています。基本的施策としては、第10条から14条に教育支援、生活支援、保護者に対する就労支援、経済的支援、貧困対策を適正に策定し、実施するための調査研究が規定され、地方公共団体がこのような施策を講ずることになりました。この法律を踏まえた区の積極的な取り組みに期待いたします。 しかし、このように国は法律を成立させ、子どもの貧困対策に取り組む一方で、8月から生活保護費が削減され、その生活保護基準額を目安に対象者を決める就学援助制度が受けられなくなる子どもが出てくる事態が懸念されています。国は、生活保護基準額引き下げが他の制度に連動しないようにしたいと言いつつも、具体的方策は示されていません。 就学援助制度は、生活保護を受けている要保護と、それに準じて生活保護基準額の約1.15倍までの世帯を準要保護と定め、この二つを対象に、小・中学生に学用品や給食、修学旅行などの費用の一部を支給するものです。生活保護基準額引き下げにより、準要保護の対象範囲が狭まり、対象から外れてしまう世帯が発生します。そこで世田谷区は、影響が出ないように、いち早く対応する考えを示しています。 今年度、中野区の準要保護の児童・生徒数は2,757人ですが、区が対応策を講じなければ、次年度以降対象外となる予測人数はおよそ何人でしょうか、お答えください。 準要保護の対象者に影響が出ないよう対応を求める質問をする予定でしたが、昨日、浦野議員の質疑に対して、状況を把握した上で検討するとの御答弁でしたので、御答弁は結構ですけれども、区民の不安を払拭するためにも、早い段階から検討し、影響が出ないよう対応する考えを示すことを強く求めます。 区では、生活保護受給世帯に学習環境整備支援費として塾代等の支給を行っています。小4から小6までが年間5万円、中1、中2が10万円、中3が15万円です。2012年度は70件に支給されました。これは大変助かるものですが、現実的にはこの支給額ではおさまらず、その負担ができず、最初から諦めて申請しない方や、途中で塾をやめざるを得ない方がいらっしゃると伺っています。 そこで、大田区では、地域力応援基金助成事業の一つとして、生活保護受給世帯を基本に経済的困窮世帯を対象に、高校受験を目標とする子どもの学力定着支援事業を打ち出し、事業者募集を行い、ことし4月から、地域の二つの非営利活動団体が夕方5時からカフェと学校の教室で基礎学力の定着授業を行っています。その運営費は、約200万円の助成金と、大田区が中野区と同様に生活保護受給世帯に塾代として支給している15万円が充てられており、受給世帯の自己負担はありません。成果としては学力向上が挙げられますが、それだけではなく、同じような環境の子どもたちの心の安定の場になり、引きこもりがちだった子どもが話せる友人ができ、前向きになってきたなど、評判は上々です。なお、経済的困窮世帯ということが表面化しないようにとの配慮や、ケースワーカーの仲立ちが重要となるようです。 もう一つ例を挙げますと、釧路市の自立支援プログラムの一つとして、生活保護世帯の中学3年生を対象とする無料の高校進学希望者学習支援事業、みんなで高校に行こう会は全国的に有名な取り組みです。また、衆議院で可決している2年後の2015年度施行予定の生活困窮者自立支援法の中に、生活困窮家庭の子どもたちへの学習支援事業が含まれており、国からの2分の1の補助金が提示されています。 この際、経済的困窮世帯の子どもたちが無料で学べる学習支援事業の実施を検討してはいかがでしょうか、見解をお答えください。 さきに述べたように、とりわけひとり親家庭の子どもの貧困は深刻な問題となっています。夫や妻と離婚あるいは死別した後、子どもを養育するひとり親に適用される税制優遇制度として寡婦(寡夫)控除があります。しかし、未婚のまま子どもを育てている母子・父子家庭には適用されません。そのため、税だけではなく、所得額に応じて算出される国民健康保険料や公営住宅の賃料、保育料に大きな影響が出てきます。今やひとり親家庭のうち、未婚世帯が死別世帯を上回っています。税法は全ての人に対して平等であるべきなので、未婚の母子・父子にも拡大するよう法律改正が急務です。 9月4日、遺産相続の際、婚外子の取り分を婚内子の半分とする民法の規定について、法の下の平等を定めた憲法に違反するとの画期的な最高裁の判断が示されました。 国の法律改正に時間を要する中、自治体が直ちにできることとして、保育料の算定に寡婦控除のみなし適用を行っている自治体が多数あります。千葉市では、該当者25件で年間1件当たり平均7万円の保育料が減額となり、子どもの貧困対策の一助となっています。また、お隣の新宿区では、来月10月から、保育料だけではなく、学童クラブ利用料、区立住宅の家賃などにもみなし適用の導入を発表しました。 第2回定例会一般質問で、保育料の算定に寡婦控除のみなし適用の実施に向けた検討を求めたところ、未婚家庭への適用は考えていないとの子ども教育部長の御答弁でしたが、このたびの最高裁の判決を受けて再度質問いたします。せめて保育料の算定に寡婦控除のみなし適用の実施に向けて考えるよう検討を求めます。見解をお答えください。 子どもの将来が生まれ育った環境に左右されることのないよう、貧困の状況にある子どもたちに教育の機会均等を図る積極的な取り組みを区に求め、質問を終わります。 〔教育長田辺裕子登壇〕 ○教育長(田辺裕子) 子どもの貧困対策についての御質問にお答えをいたします。 生活保護基準の改定に伴い、就学援助に影響が出る世帯のお尋ねでした。生活保護基準の改定は、今年度から3年間かけて段階的に実施されています。そのため、生活保護基準の改定によって影響の出る準要保護世帯の認定者数は、仮に各世帯の収入が今年度とほぼ同水準とした場合に、平成26年度が約200人、平成27年度は約300人になる見込みと考えております。 次に、生活困窮世帯に対する高校進学のための学習支援についてです。経済的理由によって義務教育を受けることが困難と認められる児童・生徒の保護者に対して、区では児童・生徒の学校生活に支障が生じないよう、学校教育に必要な経費の援助、就学援助を行っているところでございます。準要保護世帯と要保護世帯は、おのずと世帯の収入や生計は異なるものでございまして、現在の段階では、学習支援のための事業を実施するということは考えてございません。 〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕 ○都市基盤部長(尾﨑孝) 区立公園のトイレにトイレットペーパーを設置することについてお答えをいたします。 公園トイレのトイレットペーパーの設置につきましては、既に本会議等で、今後新設するトイレや多数の人の利用が見込まれるトイレで、可能な場所では設置するとお答えしているところでございます。よって、そのような場所にはトイレットペーパーを設置していきたいと考えております。 〔子ども教育部長髙橋信一登壇〕 ○子ども教育部長(髙橋信一) みなし寡婦控除についてお答えいたします。 保育料につきましては、条例により、所得税の額を基準として算定しているところでございます。区としては、婚姻歴のない母子・父子家庭につきましては、保育料に限定したみなし控除の適用ということは考えてございません。今後、所得税におけます寡婦控除の動向を見定めて、考えていきたいと思っております。 ○議長(伊東しんじ) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。 1 認知症対策について 2 その他 ○議長(伊東しんじ) 次に、近藤さえ子議員。 〔近藤さえ子議員登壇〕 ○29番(近藤さえ子) 無所属の近藤さえ子です。中野区の認知症に対する施策について伺います。 中野区保健福祉総合推進計画2012によると、認知症の傾向の目安になる介護保険の認定調査に用いる認知症高齢者の日常生活自立度II以上は、平成23年度4月現在、約5,500名となっています。これは要支援、要介護の認定者数の約半数に相当するそうです。 団塊の世代、昭和22年から24年生まれが65歳を超える平成27年には、中野区の高齢化率は約22%に達する見込みです。認知症の要因、いわゆるリスクファクターの第一が高齢化であり、誰がなってもおかしくないことを考えると、今後、認知症に対する施策が喫緊の課題となってくることは間違いありません。 中野区では認知症グループホームの設置は順調に進み、利用者にも家族にも大変喜ばれています。また、認知症サポーター講座も開催され、累計約4,200人の方が認知症サポーターとなったこと、目標達成率122.4%は大変に評価できます。しかし、現在、それ以外の施策は見えてきません。 国は認知症高齢者の将来推計を鑑みて、認知症に対する施策を早急に整えるべく、厚生労働省は昨年9月に認知症施策推進5カ年計画、いわゆるオレンジプランを公表しました。認知症の早期診断・早期対応、地域での生活を支える医療・介護サービスの構築、日常生活・家族支援の強化等を挙げ、平成25年から29年までの目標としています。 国や都では、対策検討のために推進会議などの検討会を設けていますが、中野区ではどのように検討しているのでしょうか。オレンジプランでは、認知症サポーターとは別に、認知症地域支援推進員を置くことも推進されていますが、中野区には現在、認知症地域支援推進員はいるのでしょうか。現在いなければ、どのように対応していくのか教えてください。 医療との連携では、地元医師会や認知症サポーター医とのネットワークの形成によって、早期発見、投薬の間違い等を防ぎ、認知症を早期の段階で抑える取り組みが大切になりますが、認知症を専門とする医師の存在はまだまだ少ないのが現実です。 東京都では「10年後の東京」への実行プログラム2011事業として、高齢者の安心した暮らしを地域全体で支援する事業を推進しています。地域における認知症疾患の保健医療水準の向上を図るため、また、認知症の人が地域で安心して生活できるよう、医療機関同士、さらには医療と介護の連携の推進役となり、地域の支援体制の充実を図る目的で、都内10カ所の認知症疾患医療センターを設置しています。例えば杉並・新宿・中野の3区は、杉並区の浴風会病院の所管となっています。 この認知症疾患医療センターの存在は、介護事業者や区民に周知されているのでしょうか。地域のかかりつけ医の中には、認知症に対する認識を持たない医者もいます。区では認知症疾患医療センターをどのように活用しているのでしょうか。 杉並区では今年度から、都の認知症早期発見・早期診断推進事業から700万円の補助金を受け、高齢者部署に認知症コーディネーターを配置しました。認知症高齢者を早期発見、診断、対応するために、適正な医療・介護につなげるのが目的です。あわせて、地域での見守り強化として、ヤマト運輸配送員の日常業務を生かし、見守りの覚書を交わしました。さらに10月からは、民間宅配弁当業者に宅配時の見守り義務を委託することとしています。このようにモデル地区を設定し、喫緊の認知症対策への道筋をつけようとしています。 中野区も認知症対策に積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、中野区保健福祉総合推進計画2012には、オレンジプランで推進された認知症対策はほとんど盛り込まれていません。中野区保健福祉総合推進計画の次の改定はいつになるのでしょうか。 認知症対策の計画作成は大変で、人の確保が重要です。認知症対策を任せられている職員の数を比べてみても、杉並区では高齢者在宅支援課の保健師2人、新宿区でも保健師3.5人が計画作成にかかわっています。しかし、中野区では福祉推進分野の保健師1人が他の業務と兼任で、わずか0.5人の人員で認知症対策をこなす形となっています。 すこやか福祉センターでも、認知症の家族教室を民間に委託する業務は行っていますが、すこやか福祉センターでは、認知症の相談を受け、地域包括支援センターにつなげる業務に限られているように見受けられます。この体制では、認知症施策の計画を考え、進めることは厳しい状況ではないでしょうか。 認知症問題に取り組むためには、まず、認知症対策に取り組む組織を強化することが急務と考えますが、人材の投入をどのようにして考えていくのでしょうか。2,000人体制に向かう中野区で、新たに人材確保は難しいことは重々理解しておりますが、認知症対策の計画策定にしっかりとした体制づくりは喫緊の課題であると思いますが、いかがでしょうか。 国のオレンジプランを受け、世田谷区では「認知症になっても、住みなれた地域で安心して暮らし続けるために」を掲げ、(仮称)世田谷区認知症在宅支援センター構想を策定し始めました。認知症本人が主体者となり、社会的役割を果たす場の立ち上げや、地域の医療・介護の連携推進、特に家族介護者のための支援の拡充を挙げ、地域での支援体制を積極的に進める方針を打ち出しています。 けさ、私は精神科や認知症を専門とする医院に寄ってきました。医院にはスーツを着た男性が親に付き添う姿をよく目にします。多くの働き盛りの人間が、仕事と介護の両立をさせることに四六時中気の休まることなく、悲鳴を上げている状態です。 また、ことし8月、名古屋地裁である判決が出ました。5年前、徘徊の習慣を持つ91歳の認知症の男性がJRの線路内に立ち入り、電車と接触して死亡したことについて、列車遅延に対する損害として遺族に約720万円を求めるものです。当時同居していた妻は85歳、長男は別居していましたが、長男の妻が毎日通って介護をしていました。しかし、判決は、男性の介護体制は介護者が常に目を離さないことが前提となっており、過失の責任は免れないというものでした。 認知症の家族を抱える家族は、想像を絶するプレッシャーを抱えています。厚生労働省のオレンジプランの中にも、家族支援の強化が強くうたわれています。 同プランの中にも提案されている、認知症の人と家族、地域住民、専門職等の誰もが参加でき、集える認知症カフェを中野区のような住宅街につくることを希望している認知症専門医師の話も伝え聞いています。この場合、公共施設の跡地の転換などを考えることもできないでしょうか。その医師の話では、最近物忘れが多くなって気になる、最近自分の行動に自信が持てない気がする、家族には気づかれたくない、そんな、自分はもしかして認知症ではと気に病む人に気軽に来てもらえるブースを用意し、そこに来る人たちをベテランのスタッフと医師が迎え、認知症の早期発見、早期医療対応をすることで、個人のアイデンティティーをできるだけ長く保てるのではないかということです。また、認知症の方同士、その家族同士がお互いに話し合える場所を共有することにより、自分は1人ではないと勇気づける空間の提供でもあります。 早期発見・対応により、認知症になっても地域で安心して過ごせる中野区を目指すに当たり、早過ぎることはありません。この待ったなしの認知症に対する施策に早急に取り組むことをお願いして、質問を終わります。ありがとうございました。 〔健康福祉部長野村建樹登壇〕 ○健康福祉部長(野村建樹) まず、認知症対策の検討状況、また、推進計画の改定時期という御質問でございました。認知症施策を含む保健福祉総合推進計画につきましては、平成27年度を初年度とした次期計画の策定を予定してございまして、保健福祉審議会での審議を踏まえ、来年度中には策定をしていきたいというふうに思ってございます。なお、このため、内部的な準備作業といたしまして、地域支えあい推進室、地域包括支援センター等の関係所管あるいは関係機関とも十分に連携をとりながら、必要となる認知症施策についての検討体制を組む予定としてございます。 次に、認知症地域支援推進員についての御質問でございます。現在、中野区では、認知症についても地域包括支援センターが医療・介護の連携、あるいは地域のネットワークづくりといったような役割を担ってございます。高齢化の進展に伴い、対象者や困難な事例の一層の増加が見込まれることから、介護・医療の連携や地域での支援体制構築のため、専門人材の活用や配置のあり方、こういったことについても今後検討してまいりたいというふうに思ってございます。 次に、認知症疾患医療センターについての御質問でございました。御質問にもありましたように、中野・杉並・新宿の3区で構成をいたします2次医療圏、ここでは社会福祉法人浴風会病院が認知症疾患医療センターとして昨年度指定を受けてございます。この効果的な活用のために、現在、認知症疾患医療センター連絡協議会を設けてございまして、各区の行政担当者、地区医師会、地域包括支援センター等の関係機関の参加によりまして、課題の整理・検討を進めているところでございます。区といたしましても、こうしたことを踏まえまして、これから取り組みを検討してまいりたいというふうに思ってございます。 最後でございます。認知症予防の取り組みでカフェをというような御質問でございました。認知症の予防と早期発見の体制の強化、これは重要な取り組みであるというふうに私どもも認識してございます。国のオレンジプランで提起をされております認知症の人とその家族に対する支援策の一環としての認知症カフェ、こういったものにつきましても、その有効性について十分に調査研究してまいりたいというふうに思ってございます。 〔近藤さえ子議員登壇〕 ○29番(近藤さえ子) すみません、1点。職員の体制の強化が必要ではないかという人員のことについて、お答えがなかったようなんですけれども、再度お願いします。 〔健康福祉部長野村建樹登壇〕 ○健康福祉部長(野村建樹) 本年度、内部的な準備作業として検討を進めるというふうにお答えをいたしました。その中で、組織的なこと、人員の配置のあり方、こういったことについても検討の中身として考えてございます。 ○議長(伊東しんじ) 以上で近藤さえ子議員の質問は終わります。 1 空き家対策について 2 その他 ○議長(伊東しんじ) 次に、いながきじゅん子議員。 〔いながきじゅん子議員登壇〕 ○17番(いながきじゅん子) 無所属のいながきじゅん子でございます。 通告どおり、まず、空き家対策について伺います。 適正な管理・修繕がなされず、周辺住民に迷惑をかけている空き家への対策については、以前も本会議で取り上げさせていただきました。自治体レベルではなかなか実効性のある対策を打つのが難しいということが国のほうでもようやく認識されたようで、報道によりますと、近いうちに関連法案が国会に提出される予定であり、それが成立・施行されれば、空き家への立入調査権が市区町村に法的に与えられ、周辺に危害を与える可能性がある空き家の場合は、除却・修繕などを実施するよう指導・命令できる権限も法律で認められるようになるとのことです。また、更地にした場合、6倍にはね上がってしまう固定資産税も、自主撤去した場合は一定期間軽減されるとのことで、この法案が成立し、施行されれば、問題解決への大きな一歩になると考えます。 しかしながら、現在、区で問題となっているケースはほかにもあります。それは、所有者が死亡した後、それを相続し、維持管理する人がおらず、もしくは見つからず、亡くなった所有者名義のまま、誰にも管理されずに老朽化してしまっている空き家です。これは相続をめぐって係争中であったり、関係者が自分に相続権利があることを知らないまま放置されていたりといったケースも含まれます。 また、相続しても資産になりづらい土地建物や、資産として活用したくとも、そのためのお金が用意できない場合は、相続人により相続放棄されてしまう場合もあります。 このように、所有者不在の場合、あるいは確定していない場合は、区が除却や修繕を指導・命令したくともその相手がおらず、できないということになってしまいます。また、相続放棄されるなどして相続人が不在の不動産は、誰かが家庭裁判所に申し立てをして認められない限り、国庫帰属、すなわち国のものにもなりません。老朽化した物件については、特別縁故者と呼ばれる人があらわれる場合を除き、そのような申し立てをする人はなかなかあらわれないため、大抵の場合、誰のものでもない空き家としていつまでも放置され、老朽化し続けることになります。 老朽化した空き家が倒壊したり、火災に遭ったりして、付近の家屋を破損させた場合、所有者がはっきりしていれば、民事上の損害賠償責任を問うことができますし、それによって誰かがけがをしたり、亡くなったりした場合は、刑法上の罪が科せられることになります。しかし、所有者不在の物件の場合は、近隣住民が自己防衛するしかなく、危険回避のためにみずから引っ越しするくらいしか手段がないのが現状です。 そこで伺います。こういった所有者不在の空き家に対し、区としても何らかの対応が求められると思いますが、現状ではどのような対策がとられているのでしょうか。例えば利害関係者として区長が家庭裁判所に国庫帰属の申し立てをすることは可能なのでしょうか、お答えください。 なお、所有者死亡後、相続登記が行われていないなどの理由によって、すぐに相続人が誰だかわからなくとも、固定資産税の支払い者がわかれば、その人を法定相続人として、区は直接交渉することが可能となります。空き家の除却や修繕のお願いが直接できる交渉相手をまず見つけることが問題解決への第一歩ですので、当該物件の固定資産税情報は区にとっては非常に貴重なものとなります。 しかし、御存じのとおり、固定資産税は東京都の管轄です。そして、都の主税局は、公務員の守秘義務と個人情報保護法の規定を盾に、納税者の情報を区に一切教えてくれないため、現場は頭を抱えています。これは他区でも状況は同じですし、東京都の不燃化特区事業が先行して行われる弥生町三丁目でもそのような物件は出てくるであろうと思われます。新しい法案の中に、課題解消へつながる内容が盛り込まれている可能性もありますが、それとは別に、早急に他区とも連携し、区長会や課長会から固定資産税の納税者情報を東京都から提供してもらえるようアクションを起こしていくべきだと思いますが、この点について区はどのようにお考えでしょうか、伺います。 なお、所有者がいるのにもかかわらず、適切な管理がなされないまま老朽化した空き家については、接道義務を果たしておらず、建てかえも売却もままならないものが多く、継続的な維持管理費が工面できない、除却費用や更地にするとはね上がる固定資産税の支払いができないなど、経済的な理由から持ち主が放置せざるを得ない状況となっているケースがほとんどです。そのような場合は、幾ら法的根拠をもって指導や勧告を行ったところで、ない袖は振れないということで、その時点で行き詰まってしまうことにもなりかねません。行政代執行による除却という手段も、かかった費用を後から返してもらうことが前提ですので、その金額が回収できる見込みがなければ、簡単には実行できません。 しかし、もし老朽化した空き家を何らかの形で再利用することができたらどうでしょうか。収益物件、あるいは周辺住民の皆様と協力して、地域のために役立つ賃貸物件として活用できれば、所有者にとっても、それ以外の人たちにとってもプラスとなるのではないでしょうか。現在、空き家の再利用に向けて行政や住民との間に立ってマネジメントするNPO法人もあるようですので、例えばそういうところと協力し、除却や適正管理の指導だけではない、別の角度からの空き家対策も実施していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。現在、区役所内で行われております法律相談のような相談コーナーを設けることも効果があると考えます。これについて区の見解をお聞きします。 その他として、公用文中における表記の件について1点お尋ねいたします。 文部科学省がことし6月下旬から、公用文中の「子ども」の表記を、漢字の「子」と仮名の「ども」のまぜ書きではなく、漢字二文字の「子供」に統一いたしました。もともと同省の公用文中の表記は、常用漢字表の表記を使用することとなっており、昔はその表記にのっとって漢字二文字の「子供」が使用されてきましたが、近年になって、「供」の漢字が「お供え物」や「お供する」をイメージさせる、子どもの人権を無視した差別的表現であるという一部の声に押されて、メディアや役所関係の表記でもこのまぜ書きが主流となってきたようです。 しかし、文科省では本年度に入り、この問題を協議した結果、差別表現ではないという結論に至り、既にまぜ書きを使用している法令関係や事業名などの文言を除き、公用文中においては漢字二文字の「子供」が使用されるようになっております。なお、東京都では平成21年から、同じく法令関係の文言を除き、「子ども」の表記は漢字二文字で統一されているそうです。 そこで伺います。まぜ書き表記についての明確な基準が区の公文規定にも記されていない中、これまで中野区ではまぜ書きの「子ども」が使用されてきたわけですが、国や東京都が漢字二文字の「子供」で統一する中で、区は公用文中のまぜ書き表記を今後も続けていかれるのでしょうか。区議会の委員会名も含め、庁内の部署名や事業名においても既に多数まぜ書きが使用されており、それらを全て漢字表記に改めるというのは難しいかもしれませんが、これから作成される公用文の中で漢字二文字に統一していくことは費用もかからず、変更は可能だと考えます。 この点について区のお考えをお聞きして、私の質問を終了いたします。ありがとうございました。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) いながき議員の御質問にお答えいたします。 空き家対策の現状について。老朽化した空き家を発見したときは、登記簿を起点として所有者の調査を行い、適切な維持管理をお願いしているところであります。所有者が不明、または相続人が明らかでない場合の財産は国庫帰属の手続を行うことになりますが、御質問にもありましたように、民法の規定で、利害関係人、特別縁故者、または検察官からの申し立てが必要とされております。老朽化した空き家を区長が申し立てを行う場合は、利害関係人に相当するか否か、これについて裁判所の判断を待たなければならないわけですが、住民税や国保の滞納などがある場合は、債権者の1人として認められる可能性もあると考えております。仮にこれで認められた場合には、債権処理の一環として空き家処分が可能となる、こういったような状況であります。 固定資産税の納税者情報です。固定資産税は東京都が徴収しておりますけれども、本来、市区町村の税財源でありまして、それに関する納税者情報についても、必要に応じて区が共有できるものと考えております。しかしながら、これも御質問にありましたように、東京都としては個人情報として開示できないと、このように言っているわけであります。空き家対策という行政目的を果たすために、固定資産税の納税者台帳を活用するということは、公共の福祉に資することでもあり、また、守秘義務を持った公務員が取り扱うということでもありますので、合理性があるのではないか、このように考えております。どの区においても、現存する実際の所有者を探し出して直接交渉できない、このことが監察行政などにおいて共通の悩みになっております。23区他区と協力して、東京都に対して固定資産税の情報提供を求めていきたい、こう考えております。 それから、NPO法人の活用といった御質問ですが、地域再生の理念から、所有者の同意を得て、老朽化した空き家を再び収益物件に改修して、空き家の再利用に成功した実績を持つNPO法人があることはお聞きをしております。そうしたNPO法人の事例を調査して、区として何らかの事業に応用できるか検討していきたい、このように考えます。 私からは以上です。 〔経営室長川崎亨登壇〕 ○経営室長(川崎亨) 「子ども」の表記のあり方についてお答えをいたします。 区の公文で用いる「子ども」の「ども」の表記につきましては、国の用例に倣い、平仮名表記としてきたところでございます。この表記は長らく世間一般で使用されており、また、御質問にもありましたように、区の条例、組織名などとしても広く利用しているものでございますが、国や都の動きを受けまして、今後検討していきたいと考えております。 ○議長(伊東しんじ) 以上でいながきじゅん子議員の質問は終わります。 議事の都合により、暫時休憩いたします。 午後3時10分休憩 午後3時30分開議 ○議長(伊東しんじ) 会議を再開いたします。 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。 一般質問を続行いたします。 1 中野駅周辺まちづくりについて 2 職員の人材育成等について 3 その他 ○議長(伊東しんじ) 林まさみ議員。 〔林まさみ議員登壇〕 ○18番(林まさみ) 第3回定例会において一般質問いたします。 平成24年度の中野区各会計決算状況を検証すると、実質単年度収支はマイナス4億5,000万円余と2年連続の赤字となっています。また、実質収支比率は2.5%となり、3年連続の上昇、特別区平均5.1%と比べ、7年間平均を下回っています。経常収支比率は93.5%と6年連続で上昇しており、過去13年間で最も高く、平成9年から11年にかけての水準に近づいており、特別区平均を長期にわたり上回っています。公債費比率も前年度より増の16.2%となり、特別区平均5.3%と比べると7年連続で上回っている上に、債務負担行為に基づく平成25年度以降の支出予定額は既に総額211億8,000万円とあり、平成23年10月、区長が財政運営上の非常事態としたときから改善したとは言いがたい状況です。 不透明な社会状況下、財政運営上の非常事態であっても、区民のために計画的・効率的に、先を見通した事業執行を行わなければなりません。特に、莫大な経費を有するまちづくりにおいては、費用だけではなく、進行管理や関係事業者との調整などさまざまな課題に対応することが求められます。そこで、今回は中野駅周辺のまちづくりについて伺います。 平成24年度定期(財務)監査報告に、中野駅南口・駅前広場内・仮設バス停整備工事について以下のような指摘がありました。 中野駅北口駅前広場整備に関連して、交通島、いわゆるバス停の移転を目的として、バス事業者及び東京都並びに交通管理者と協議の上、既存縁石の高さを変えず施工を行った。しかし、バス運行を開始したところ、バス車両の一部が縁石に接触し、安全に正着できないため、縁石の構造を一部改良する工事を急遽施工した。綿密な協議、打ち合わせを行った上での工事設計・施工を実施していれば、短期間に同一箇所を複数回工事することは避けられたはずであり、不経済な経費の支出である。 そこで伺います。監査の指摘にあるように、関係機関との綿密な協議や打ち合わせが適正に行われなかったのでしょうか。今後、駅周辺まちづくりを進める上で、関係事業者とより綿密な協議等が必要と考えます。区の見解を伺います。 中野駅北口整備は、区と鉄道事業者の双方が連携を行い整備するため、中野区、東日本旅客鉄道株式会社等と整備基本協定、設計協定、施工協定を取り交わし、事業が執行されています。 まず、工事を行う施設の対象位置や北口改札口の設置数について協議を行い、整備基本協定を締結すると平成22年10月15日の中野駅周辺特別委員会で報告がありました。その報告に対して、「この協定の内容では、朝の混雑をさばき切れる改札口になると思えない」との指摘に対して、「朝、利用ピーク時が大幅に増えるといった情報をJRとやりとりしながら、調査設計として報告している」や「非常にふえる朝利用のピークに対応して、区の考え、計画を共有しながらJRと設計している」と答弁しています。そして現在、朝のピーク時の混雑は、とても改良工事がされたと思えない状況です。 情報をやりとりしながら調査設計をしたとの答弁だったが、ピーク時の駅利用者数に対応する改札口の数についてJRから情報は示されたのか。もし仮にJRから情報などの数値が出されないのであれば、改札口の工事費を負担する区として独自に調査等をして、JRと協議を行い協定締結に至ったのか。利用ピーク時の改札口の設置数に対して、JRからの情報提供もなく、区側の独自調査等も行わず、整備基本協定を締結したのであれば、問題と考える。協定締結時にはより綿密な協議が行われるべきだったのではないのか。区の見解を伺います。 今後計画される第2期整備、第3期整備についても、鉄道事業者等と連携を行わなければなりません。その際、協定締結等を行うときの区の姿勢について伺います。 蒲田駅前開発を推進している大田区では、JR東日本東京工事事務所副課長の派遣受け入れを行い、区として鉄道事業者対応のスキルアップを行っているそうです。中野区としても、そのような対策を行うなど工夫が必要と考えます。区の見解を伺います。 次に、人材育成について伺います。 中野区だけではなく、他の自治体でも、まちづくりなどに必要な土木・建築等の技術系職員、駅前開発を経験した職員などの確保は困難を極めています。平成24年度4月1日現在の職種別人数を見ると、建築・土木の一般技術系職員は十分とは言えず、特に土木は杉並区の84人のところ、中野区は43人と半分近く、23区でも19番目に少ない状況です。 それ以上に深刻なのが、内部での技術系管理職の育成が進んでいないことです。特に、まちづくりに必要な知識を持つ土木の技術系管理職は、現在、再任用と任期付、そして、都から派遣の副参事3名だけです。また、中野駅周辺まちづくりの管理職を見ると、4人中3人が任期付等外部採用の管理職です。 人事分野として各事業部が作成する人材育成計画等と連携して、総合的な人材育成を進めていますが、都市政策推進室まちづくり関連において、内部昇任の技術系管理職は平成13年からの12年間で3名だけです。このことについて区の認識を伺います。 まちづくり分野での管理職が育っていないため、区では任期付管理職を採用しています。地方自治法、任期付管理職に関する法律によると、任期付管理職とは専門知識を有する者であり、採用期間は最長5年で、同一人物を続けて採用することを認めていません。 中野区では、平成23年まで都市計画分野や公園整備分野、まちづくり分野に各々任期付管理職を採用し、各分野で任期中に専門性を発揮したと考えられますが、やはり人材育成については課題が残りました。3人の任期付管理職任期中の3年から5年の間、管理職試験に合格したのは公園分野の1人だけで、しかも事務職であるため、専門的知識を有する任期付管理職による成果とは言いがたい状況です。 そこで伺います。人材不足のため採用している任期付管理職ですが、管理職として行うべき人材育成が進んでいません。このような状況について区の認識を伺います。外部から管理職として採用するのではなく、経験者採用から内部昇任し、管理職へステップアップするような体制にするなど方策を考えるべきです。区の見解を伺います。 平成23年11月、区長会から特別区人事委員会へ要請があり、中野区において任期なしの管理職を採用することが特例措置として認められました。23区でこのような採用は初めてだそうです。詳細を特別区人事委員会に問い合わせたところ、任命権者側のやむを得ない事情により特例としたとのこと。そして、やむを得ない事情として、区側から三つの基準が示されたそうです。1、内部からの昇任による充員ができない。2、組織運営上支障をきたす。3、行政課題が中期に亘る等、任期付職員採用制度による採用が困難である時。 本来であれば、任期付管理職の任期中に人材を育成すれば問題なかったはずです。しかし、今回は昇任による充員ができなかった。そうであれば、任期付管理職を再度採用し、その間に人材育成を行えばよいところ行わず、任期付職員採用制度による採用が困難であるとの理由で、任期なし職員の採用を区は選択しました。 そこで伺います。任期付職員採用制度による採用が困難とのことですが、採用制度の何が困難なのでしょうか、区の見解を伺います。 任期なし管理職の採用選考時における職務内容を見ると、主に中野駅周辺のまちづくり・中野駅地区整備となっていますが、中野駅周辺のまちづくりのみを職務とするのでしょうか。そうであれば、中野駅周辺のまちづくり分野では、今後、内部からの昇任はないと考えているのでしょうか。仮に内部からの昇任があったとしても、その新たな人材に駅周辺のまちづくりの職務を経験する場を持たせないのでしょうか。また、任期なしの管理職であれば、一般管理職と同等と考え、さまざまな職務に対応するべきと考えます。区の見解を伺います。 最後に、中野区は平成24年度一般任期付職員の任用を行い、業務の縮小・拡大に柔軟に対応できるようにしています。一方、一部の管理職採用には任期なしの特例を行っており、一貫性に欠けます。この点について区の見解を伺います。 以上で質問を終わります。 〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕 ○都市政策推進室長(長田久雄) 林議員の御質問にお答えをいたします。 まず、中野駅周辺まちづくりについて2点、私のほうからお答えをさせていただきます。 平成24年度の定期監査結果報告にかかわる監査委員の指摘事項についてでございます。本件は、バス事業者や交通管理者と現場立ち会いのもと協議を進め、法令等に適合する標準的な仕様で整備することに合意して施工したものでございます。バスのハンドル操作や車体の傾きについては、バス事業者からの特段の指摘はなかったことから、支障ないものと判断したところでございます。結果的に、交通状況によってはバスが縁石に接触する事態が生じ、対策工事を行ったものでございます。中野駅周辺まちづくりを進めるに当たり、今後もさまざまな関係事業者、関係機関等との協議・調整に当たっては、充分綿密に取り組んでいく所存でございます。 2点目でございますが、中野駅北口改札についてのJRとの協定についてでございます。改札機のような鉄道構内の施設については、鉄道事業者が自ら責任を持って計画し、管理すべきものというふうに考えているところでございます。中野駅北口改札については、協定締結に向けた協議の段階から、施設の安全管理について区として強く要請を行い、JRとして安全確保が可能との回答を得て、協定締結を行ったところでございます。しかし、整備後、改札口の混雑が激しいとの苦情が寄せられるなどしたため、再度安全管理に関する要請を行ったところでございます。今後とも、課題があれば改善を求めていくとの区の姿勢に変わるところはございません。 私からは以上でございます。 〔経営室長川崎亨登壇〕 ○経営室長(川崎亨) 初めに、中野駅周辺まちづくりに関連いたしまして、鉄道事業者からの派遣受け入れについてお答えをいたします。 大田区は、鉄道事業者と区が共同で再開発事業を進める上で派遣を受け入れていると聞いております。中野区としては、今後まちづくりを進めていく上で、JRとの連携を一層密にしていく必要があると考えております。人事交流に限らず、幅広い方法で情報交換等を密にしていきたいと考えております。 次に、職員の人材育成等についてでございます。 初めに、技術系管理職の育成についてでございます。技術系職員は元々の人数が少なく、受験率低下傾向の中で、管理職選考の受験者が少ない状況となっております。まちづくりの事業が少なかった時代に比べて、さまざまなまちづくり事業に取り組むようになった昨今では、技術系職員の人材不足は否めない状況でございますが、中途採用や幹部の外部登用などで必要な人材は今後とも確保できると考えております。 このような状況の中で、職員各自の役割に応じて、業務遂行により知識や経験を積ませるなど、計画的に人材育成を行っているさなかであり、幹部の内部昇任が少ないことをもって人材育成に計画性がないという見方は当たらないと考えております。 次に、任期付管理職による人材育成についてでございます。 業務を特定して登用している管理職も、その職務遂行に当たっては、幅広く他の管理職と同様の職責を果たすものでございます。したがいまして、管理職にスペシャリストやゼネラリストという区分けは適当でないと考えます。 これまで区が採用してきた任期付管理職は、外部で培ってきた経験や学んできた知識を生かし、業務遂行のみならず、人材育成にも貢献をしてきております。今後も多様な採用方法や育成プログラムにより、必要な人材の確保に努めてまいります。 次に、任期の定めのない管理職の採用についてでございます。 任期付職員採用制度による採用が困難であるときとは、まちづくり事業など10年以上の中・長期に及ぶ行政課題があり、最長でも5年後を年限とする任期付職員では対応が困難な場合でございます。任期の定めのない管理職は、中野駅周辺まちづくり、中野駅地区整備という中・長期の課題を担わせるために採用を行っております。中野駅周辺のまちづくりには現在でも多くの職員がかかわっており、業務を通して経験や力をつけてきており、人材育成が図られております。 任期の定めのない管理職の採用に問題がないかとの御質問でしたが、採用に当たりましては、専門的・中立的な立場である特別区人事委員会の了承を得ており、何ら問題はないものと考えております。 ○議長(伊東しんじ) 以上で林まさみ議員の質問は終わります。 1 地域における保健・福祉・子育て支援を中心とする行政サービスのしくみについて (1)地域支えあい推進室について (2)地域福祉における公・民連携体制について (3)すこやか福祉センターについて (4)その他 2 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法)について (1)社会的障壁の除去を怠ることによる権利侵害の防止に向けた取り組みについて (2)その他 3 その他 ○議長(伊東しんじ) 次に、石坂わたる議員。 〔石坂わたる議員登壇〕 ○7番(石坂わたる) 質問いたします。 1点目、地域における保健・福祉・子育て支援を中心とした行政サービスについて。 (1)地域支えあい推進室について伺います。 中野区では平成19年度にトップマネジメントを強化し、縦割りの弊害をなくすための経営本部体制をつくりました。そして、平成23年度には新しい課題への対応として、保健・福祉・子育て支援を融合する区独自の地域支えあい推進室を経営本部に設置いたしました。行政学や政治学で言う自治体行政における縦割りを融合する総合行政や、国に対する地域先導、他の自治体とは異なる地域個性といった考え方にも適合するものであり、うまく機能すれば区民の利便性も向上するものと思われます。 確認をいたしますが、現在もこうした経営本部や地域支えあい推進室の位置付けは変わっていない。新たな縦割りを増やしたり、健康福祉部や子ども教育部からおりてきた業務を淡々とこなすための組織をつくったわけではないという理解でよろしいでしょうか。 しかし、健康福祉部や子ども教育部とすこやか福祉センターとの間において、あるいはすこやか福祉センターの副参事同士の間において、相互の役割分担や各事業の計画・執行・評価などに係る流れが必ずしも明確でないことがあります。そのため、各部署へ問い合わせや照会など行いますと、不明瞭な回答であったり、回答に必要以上に時間がかかったりということに遭遇することが多々ありました。 各部の各分野とすこやか福祉センターの関係はバックとフロントと言われることがありますが、これは相対的な役割分担にすぎず、厳密な線引きができるわけでも、元請と下請という関係でもないはずです。各部の動きを待つのではなく、これはどう実現するのか、これはもっとこうすべきではないのかということを地域支えあい推進室の側が旗振り役を担うことが必要ではないでしょうか。 また、地域ケアについては、精神障害や児童福祉など区全体にわたるそれぞれのテーマを筆頭で担当している4人の副参事が4カ所のすこやか福祉センターに分散して在籍し、それぞれが各地域のすこやか福祉センターの圏域内の地域ケアの全体の把握もあわせて行うという状況もいかがなものでしょうか。このままでは、私だけではなく、庁内の障害福祉などの分野の職員、すこやかの職員にとっても、責任の所在がわかりにくいと思われます。 また、委託で民間福祉サービスを担う民間事業者にとっても、例えば障害者相談支援事業所の例で言えば、プロポーザルを地域活動推進担当が、委託元はすこやか福祉センターがかかわっています。また、個々の身体や知的の障害の情報の載った台帳は健康福祉部の障害福祉分野が持ち、困難ケースではすこやか福祉センターの保健師や障害福祉分野のケースワーカーとの連携が必要となるなど、わかりにくくなっていると思われます。さらに、すこやか内の保健師、民間事業所の担当者、障害福祉分野のケースワーカーとやりとりをする区民にとっても、担当者や責任の所在がわかりにくいのではないでしょうか。そして、区長が政策判断する際にも、必要な地域福祉の情報が即座に区長のもとに集約でき、即断即決が必要な場面が生じたときに、それに耐え得るような状況になっていますでしょうか。 さらに、経営本部の一翼としての地域支えあい推進室の強化に当たり、地域ケアの取りまとめを室経営の場でも強化することが必要ではないでしょうか。そのためには、人員配置なども含めた強化も必要ではないでしょうか。またあわせて、単に健康福祉部や子ども教育部などが施策を考え、すこやか福祉センターが実行してしっ放しというのではなく、現場の経験や視点での気づきも含めた評価をして、新たな施策を各部各分野と地域支えあい推進室が一緒に考えていく必要があるのではないでしょうか。また、地域支えあい推進室内や各部内でのPDCAだけでなく、地域支えあい推進室と関係する所管の部や分野もあわせた障害福祉や高齢福祉、児童福祉といった切り口でのPDCAも考えるべきではないでしょうか。 2点目、地域福祉の公・民連携体制について伺います。 地域福祉においては、すこやか福祉センター内外における地域包括支援センターや障害者相談支援事業所などの受託民間事業所が担う部分がますます大きくなると思われます。そのような状況のもとで、区の職員には住民、民間事業者、区のさまざまな部署をつなぐ役割、そして、民間事業者の仕事をチェックする役割が求められます。また、民間の職員と、施策の成果の評価を区の職員と民間の事業者がともに行うのはもちろんのこと、既存の計画の見直し、新たな施策の検討、具体的な運営方法の決定の際に、区の職員と民間の事業者がともに話し合い、決めていくことが必要となるのではないでしょうか。現場を担う専門家としての民間事業者の経験や知識の蓄積を生かしてもらうべく、単に事業者が担う施設運営の部分や、会議体の委員などとして発言をするだけでなく、地域のあるいは区全体の福祉全体のあり方についても知恵を出してもらいながら、単に意見を出すだけにとどまらず、施策づくりについて一緒に役割を担ってもらうことも今後必要となると思われますが、いかがでしょうか。 3、すこやか福祉センターについて。 ワンストップ窓口と聞いて相談や手続に行った区民の方から、「結局すこやかでは完結せず、だったら最初から区役所に行けばよかった」という声や「窓口の時間が短い」という声もいまだに耳にしています。まずは窓口の受付時間、曜日の延長・拡充や、それに伴う必要な職員体制の確保などをしっかりと行うべきと思われますが、いかがでしょうか。 また、平成29年度に予定されているマイナンバー制度の導入により、区と都や国との間での税情報などの個人に関する情報の受け取りや、証明書類にかわる情報の受け渡しについて全てオンラインで行えるようになります。これによって、技術面ではシステム的にワンストップでできることが広がります。遅くともマイナンバー制度に関する情報システムの整備とあわせて、すこやか福祉センターにおける福祉サービスのワンストップ化を完成させるくらいの心づもりでワンストップ化の準備を進めていくことが必要と思われますが、いかがでしょうか。 次に、2、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)について伺います。 社会的障壁の除去を怠ることによる権利侵害の防止について。 ことし6月に成立しました障害者差別解消法について、内閣府によると、差別は単なる偏見による差別だけでなく、社会的な障壁の除去を怠ることによる権利侵害も含むとされ、この法律の第5条では、行政機関及び事業者は、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮を的確に行うため、関係職員に対する研修その他必要な環境の整備にも努めることとされています。 また、この法律では、障害を理由とする差別に関する相談及び当該相談に係る事例を踏まえた差別解消を効果的に行うため、自治体に障害者差別解消支援地域協議会が設置できるとされています。この内容から考えると、障害福祉分野や地域支えあい推進室など庁内の組織だけでなく、さまざまな障害者の相談の窓口となる障害者相談支援事業所やその他の支援団体や当事者団体など、民間との連携なくしてはあり得ないと考えられます。 法の施行は平成28年ですが、法の施行に先駆けて職員の育成・確保といった準備を進めておくことは区民に対する区の責務です。区の直営部分を担う区の正規・非正規を問わぬ職員や、指定管理や業務委託などを担う民間の職員について、研修の義務付けや取り組みの状況を区が責任を持って確認・徹底をしていく必要があると思われます。この法律の制定にかかわらず、職員は知識の向上などに現在も努めているかとは思いますが、区と民間の職員合同での学習会や事例検討会を通して、何が差別であるのかということや、こういった相談に対してはこのように対応していくといったスキルアップ、あるいは公・民で連携しやすい関係性を構築していくべきであると思われますが、いかがでしょうか、お考えをお示しください。 私からの質問は以上です。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 石坂議員の御質問にお答えいたします。 地域支えあい推進室の位置付けですが、保健・福祉・子育て支援から地域自治推進まで、幅広い施策を地域において総合的に担っていくための組織として、地域支えあい推進室を設置いたしました。経営本部に設置されたという位置付けや視点も踏まえ、地域支えあい推進室が主体となって事業や施策の改善に総合的な取り組んでいきたい、このように考えております。 すこやか福祉センターでの情報把握や政策判断についてであります。すこやか福祉センターの職員の分担や責任の所在がわかりにくいという御指摘は他の場面でもいただくときがあります。すこやか福祉センターの各担当は、区民や事業者に対して役割分担を明確に示すとともに、どの担当に寄せられた問い合わせなどについても、他のセクションとも情報共有や必要な調整を迅速に行い、責任を持って対応するように努めるべきとしているところであります。すこやか福祉センターで把握をしております地域のさまざまな情報は、経営本部に迅速かつ具体的に伝達するよう努めているところであり、私もすこやかの所長との定期的な情報交換ということを行っているところです。 それから、区全体のPDCAへのかかわりというところですが、地域支えあい推進室は、健康福祉部や子ども教育部が決定した事業をもとに相談支援を行っている事業などもあります。現場で得たこうした総合的な知見を生かして、室・部を超えた施策全体のPDCAの視点を踏まえて、目標と成果による区政運営に努めていく、それが重要であると、このように考えております。 それから、民間事業者の経験や知恵を活用するということについてであります。施策づくりについては区が責任を持って決定するものであり、新たな取り組みや施策の方向性を検討し、決定をしていくプロセスにおいては、民間事業者からの意見や提案についても十分に把握をしていく必要があると考えております。そうした機会を意識的に設けていく、そうした工夫を今後とも行ってまいります。 それから、ワンストップ窓口の充実についてです。現在、時間延長をしていない鷺宮、南部すこやか福祉センターにつきましても、施設の整備に合わせて時間延長して、必要な体制を整えてまいります。 マイナンバー制度の導入によって、サービス申請に当たっては各種手続に伴う添付書類が不要になる、そうしたこともありますことから、すこやか福祉センターのワンストップ窓口充実のために、その仕組みを最大限活用していきたいと考えております。マイナンバー制度導入以前にも、すこやか福祉センターでできるだけ必要な手続をとることができるなど、窓口サービスのワンストップ化を可能な限り進めてまいります。 私からは以上です。 〔健康福祉部長野村建樹登壇〕 ○健康福祉部長(野村建樹) 私からは、障害者差別解消法の施行に向けた取り組みのことについてお答えを申し上げます。 障害者差別解消法の施行に向けて、職員研修を改めて徹底し、障害を理由とする差別の解消、社会的障壁を除去するための合理的な配慮などについて、職員の理解促進を図っていく所存でございます。 また、あわせまして、民間事業者にも研修機会を提供するとともに、毎月実施しております民間相談支援事業所等との連絡会におきまして事例研究を行うなど、連携を密にしながら、全体としてのスキルアップの取り組みを進めてまいりたいと思ってございます。 〔石坂わたる議員登壇〕 ○7番(石坂わたる) 今いただいた御答弁の中で1点だけ確認をさせてください。念のための確認ということではありますけれども。先ほどの区長の答弁の中で、主体的に地域支えあい推進室のほうが動いていくということではありましたけども、これはやはりあくまでも各部からの声がかかるのを待って動くという待ちの姿勢ではなくて、地域支えあい推進室のすこやかの側から積極的に、これどうする、ああする、これをやるべきじゃないかという形のイニシアチブをとっていくということでいいかどうか、確認だけさせてください。お願いいたします。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) すこやか福祉センター並びに地域支えあい推進室は、現場でケアを行う実際の手であると同時に、地域に出ている区の施策決定におけるアンテナとも言える存在でありますので、すこやか福祉センターや地域支えあい推進室が地域の状況を踏まえた施策の改善の主力になっていく、このことが重要だと思っております。 ○議長(伊東しんじ) 以上で石坂わたる議員の質問は終わります。 1 区内南北交通の円滑化について 2 学生という人的資源を生かしたまちづくりについて 3 外国人学校児童・生徒保護者補助金について 4 その他 ○議長(伊東しんじ) 次に、小宮山たかし議員。 〔小宮山たかし議員登壇〕 ○19番(小宮山たかし) 第3回定例会に当たり、小宮山たかしの一般質問をさせていただきます。通告した質問のうち、3番とその他はまた別の機会に取り上げさせていただきます。 今、中野区は、中野駅北口周辺地区を中心に大きくさま変わりを遂げております。この中野駅周辺地区のにぎわいと活気を区内の隅々まで行き渡らせることは、全ての中野区民の悲願であると言っても過言ではありません。 また、近年、中野区観光協会の設立や中野区都市観光ビジョンの発表、都市観光ホームページ「まるっと中野」の開設に伴い、これまであまり顧みられていなかった中野区における都市観光の機運が今まさに芽生えようとしております。 しかし、中野区で都市観光しようにも、中野区は東西の移動はしやすいが、南北の移動は非常にしにくい区であります。例えば中野区の南側に住んでいる小学生親子が平和の森公園で遊ぶためには、往復バス代1,240円もかかってしまいます。だったら、新宿区の新宿御苑や杉並区の蚕糸の森公園に徒歩や自転車や電車で行っちゃうよと。そして、公園に遊びに行けば、近くのお店で食事や買い物をしたりして、その地域の地域経済が回転していく。相対的に、中野区側はお客様の流出を防げないというのがこれまでの姿でありました。 これは地域経済に限った話ではありません。中野区の南北の移動がしにくいがために、都市観光を含めた人的交流、情報交流などさまざまな場面において、中野区の南北が中央線で分断されてしまっているのです。 こうした中野区における南北問題やその解消方法に関しては、これまでも区議会に設けられた交通対策検討特別委員会等でさまざまな検討がなされてきたという経緯は、私もある程度ではありますが承知しております。中野駅周辺地区が大きくさま変わりをしている今、そして、日進月歩の勢いでICTなどの技術革新が進んでいる今、改めて中野区の南北問題やその解消方法について検討する時期が来ているのではないかと私は考えております。 例えば中野区では、自転車利用総合計画において、平成24年度から28年度にかけて、レンタサイクルの実施可能性について検討すると言及をしております。現在、23区内だけでも、文京区、台東区、世田谷区、渋谷区、練馬区、江戸川区で既にコミュニティサイクルを実施しているほか、国土交通省等でも全国各地で大規模な社会実験を行い、さまざまなデータの蓄積がされ、かつてなかった新たな判断材料が多数出てきています。中でも、コミュニティサイクルを事業そのものの収益で運営するのではなく、広告収益で運営する手法などは、今まであまり現実味を持って討議されていなかった斬新な手法であります。 技術革新やデータの蓄積によって、新しい判断材料が出てきたのは、コミュニティサイクルに限った話ではありません。例えば中野区でもかつて検討されたオンデマンドバスについても同じことが言えます。大阪市や柏市のような大都市においても、都市型オンデマンドバスの実験が行われており、利用者の予約状況とバスの運行状況をコンピュータにより一括管理するシステムの開発や、クラウドコンピューティング形式によるコストダウンなど、これまでにはなかった新たな検討材料や実施データが多数蓄積されてきております。 さらに、南北交通をスムーズに一貫させる一つの方法として、例えば京王バスと関東バスの相互の連携を図り、初乗り料金での南北一貫交通を可能にしたり、バス会社の負担をなくすための補助金の創設や、はたまたカーシェアリングなど、これまでなかった斬新な手法によって新たな区民の動線をつくること。それによって区内の人的交流、経済交流、情報交流を図っていくことは、目先の採算にはかえられぬ大きな資源になっていくと私は考えております。 需要がないから供給がないのか、供給がないから需要もなくなるのか。その堂々めぐりの悪循環を中野区がみずから断ち切ることによって、南北が一体となった新しい中野区をつくろうではありませんか。 中野区の南北交通を円滑にしてほしいという願い、これは中野区民の悲願とも言えます。先ほどから申し上げているように、日進月歩の技術革新が進み、各地での先進的で実験的な取り組みの成果が出ている今、改めて中野駅周辺の活力を区内の隅々まで行き渡らせるために、新たな区内交通の手法について総合的に研究・検討をしてはいかがでしょうか。 次に、よそ者、若者、そして、ばか者が世の中を変えていく。地域活性のための活動やまちづくりをしている人たちの間でよく言われている言葉であります。 この中野のまちづくりにおいても、よそ者の客観的な視点、ばか者の大胆な発想、そして、若者のがむしゃらな行動力が重要になってくることは言うまでもありません。私自身、中野区で生まれ育ったわけではない、いわばよそ者です。そして、皆さんよく御存じのとおりのばか者ではありますが、残念ながら若者と言えるかどうかが少し怪しい。 現在、中野区には約23校の専門学校や各種学校があり、この春開設された明治大学、帝京平成大学を含めて5校の大学・短期大学があります。平成24年のデータでは、中野区の昼間及び夜間の人口のうち約1割が学生であるというデータもあり、今春の明治と帝京平成の開設により、その数も飛躍的に増加したものと思われます。 これまで、中野区の行政や地域と中野区内に住んでいる学生とのかかわりはほとんどなきに等しいものでありました。中野区にはひとり暮らしの学生も多数住んでいるはずですが、町会に参加しているひとり暮らしの学生はまずいません。お祭りのおみこしを担ぐひとり暮らしの学生もまずいません。地域活動や行政への関心の薄さは投票率にもあらわれており、20代の若者の区議選での投票率は20%弱しかありません。その地域に住んでいるにもかかわらず、地域への愛着が薄いと、隣にどんな人が住んで何をしているか知らないとか、ごみ出しのルールを守れなくなったりとか、治安や環境の面でさまざまな弊害も出てきます。 その一方で、2000年代になってから社会起業家やソーシャルビジネスが注目され始めたり、3.11を契機にして人と人とのきずなが見直され始めたりという時代背景もあってか、最近の若者は社会参画やボランティアへの意識が非常に高く、まちづくりに興味を持っている学生も多数いるようです。 このような社会的潮流、時代背景、中野に大きな大学ができたという絶好のタイミング、区内に多数の学校があり、たくさんの学生がいるという地の利、これら総合的な状況を判断して、中野区のまちづくりにもっと学生の声を生かしてはいかがでしょうか。 この夏、私は石川県金沢市を視察してまいりました。金沢市は北陸地方の中核都市として、金沢大学をはじめとする多数の大学や専門学校が集積しており、行政と学生との連携に関して積極的な取り組みを行っておりました。 金沢市では、町会や教育機関や行政等のまちづくりに携わる人々と学生が相互に連携し合うための複数の会議体をつくり、まちづくりに関するさまざまな話し合いや事業を行っております。また、学生のための専用施設を開設して、学生に対する行政相談や学生が行う各種活動の支援をしたり、活動場所を提供したりしております。そして、それらの活動は、学生が提案したまちづくり事業の実施等の形で結実し、金沢市の活性化や学生と市民との交流に役立っているそうです。 先ほど申し上げたように、中野区のまちづくりに関して、学校はさておき、学生が主体的にかかわる機会や方法や窓口はこれまでほとんどありませんでした。中野区に新しい大学が産声を上げ、若者の社会参画意識が高まっている今、中野区は学生の声に耳を傾け、学生とともに新しい中野、未来の中野をつくっていく必要があるのではないでしょうか。学生と行政や地域とのかかわりをより深めるための新たな方策について中野区の見解を伺います。 以上で私の質問を終了いたします。 〔区長田中大輔登壇〕 ○区長(田中大輔) 小宮山議員の御質問にお答えいたします。 区内南北交通の円滑化ということであります。 オンデマンド交通などについてもこれまで検討してきたという経緯はあります。しかしながら、採算性、いわゆるどれだけ公費が投入できるのかというところで、なかなか現実に事業化することが難しいということが続いているというのが現状だと思っております。採算を思い切って公費を投入すればというような発言もありましたけれども、やはり税金でありますので、そういうわけにもいかないということであります。要は、得られる便益と費用との均衡、つり合いというものをどのように得られるようにするかということでありまして、費用を低減する工夫も必要だと同時に、大勢の方のニーズがある、大勢の方の便益が得られるような、そうした仕組みを考えていくということが大事だということで、なかなか難しいというのが実態だと思っています。 他都市の交通システムの情報収集や区内の交通関係事業者等との情報交換を行うなど、南北交通の連携についてはこれからも研究してまいりたい、こう思っております。 私からは以上です。 〔地域支えあい推進室長瀬田敏幸登壇〕 ○地域支えあい推進室長(瀬田敏幸) 私からは、学生を活用したまちづくりにつきましてお答えをさせていただきます。 学生と区民との相互交流や学生と地域との協働によるボランティア活動、地域貢献活動などは、まちの活性化や各種の公益活動への貢献、地域コミュニティ活動における実践の場といった面もございまして、これからの中野のまちづくりにとって価値ある有益な取り組みであると認識しております。 これまでも区では、東京工芸大学と相互協力に関する基本協定の締結や、明治大学及び帝京平成大学との災害時学生ボランティアとしての協力等の協定締結など、多くの分野で連携への取り組みを行ってきているところでございます。今後も可能なものから順次取り組みを進めてまいります。 ○議長(伊東しんじ) 以上で小宮山たかし議員の質問は終わります。 以上をもって質問は終了いたしました。 これより日程に入ります。 ────────────────────────────── 第61号議案 平成25年度中野区一般会計補正予算 第62号議案 平成25年度中野区介護保険特別会計補正予算 (委員会報告) ○議長(伊東しんじ) 日程第1、第61号議案及び第62号議案の計2件を一括議題に供します。 平成25年(2013年)9月10日 中野区議会議長 殿 総務委員長 内川 和久 (公印省略) 議案の審査結果について 本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。 記
○議長(伊東しんじ) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、これより採決いたします。 上程中の議案を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 ────────────────────────────── 認定第1号 平成24年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について 認定第2号 平成24年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について 認定第3号 平成24年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について 認定第4号 平成24年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について 認定第5号 平成24年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について ○議長(伊東しんじ) 日程第2、認定第1号から認定第5号までの計5件を一括上程いたします。 理事者の説明を求めます。 〔副区長金野晃登壇〕 ○副区長(金野晃) ただいま上程されました認定第1号、平成24年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について、認定第2号、平成24年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第3号、平成24年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第4号、平成24年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第5号、平成24年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について、以上5件につきまして一括して説明いたします。 初めに、中野区一般会計決算について説明いたします。 平成24年度一般会計の歳入総額は1,144億6,498万7,139円、歳出総額は1,124億3,375万316円で、前年度と比較しますと、歳入で4.9%の増、歳出で5.3%の増となりました。歳入から歳出を差し引いた形式収支は20億3,123万6,823円となり、翌年度に繰り越すべき財源4億3,945万2,000円を差し引いた実質収支は15億9,178万4,823円となりました。 それでは、歳入につきまして、主な款について説明いたします。 第1款特別区税は総額295億9,600万円余で、前年度と比較して3億6,700万円余、1.3%の増となりました。これは主に年少扶養控除廃止等の税制改正によるものです。 第2款特別区交付金は総額327億7,600万円余で、前年度と比較して4億6,400万円余、1.4%の増となりました。 第13款国庫支出金は、中野四季の森公園拡張用地取得に係る補助金と生活保護や自立支援給付等負担金の増により、前年度と比較して11億1,800万円余、6.1%増の総額195億4,700万円余となりました。 第14款都支出金は、中野四季の森公園拡張用地取得や待機児童解消支援、保育所緊急整備事業等に係る補助金の増により、前年度と比較して9億100万円余、13.2%増の総額77億4,400万円余となりました。 第17款繰入金は、減債基金繰入金の増により、前年度と比較して13億6,000万円余、23.7%増の総額70億9,200万円余となりました。 第20款特別区債は、学校再編に伴う教育債等の減により、前年度と比較して10億6,900万円、23.4%減の総額34億9,400万円となりました。 これらの結果、歳入決算額の予算現額に対する収入率は97.5%となりました。 次に、歳出につきまして、主な款について説明いたします。 第4款地域支えあい推進費は、本一高齢者会館用地取得費の皆減や地域センター再編に伴う人件費の減により、前年度と比較して6億400万円余、15.6%減の総額32億7,600万円余となりました。 第6款子ども教育費は総額245億4,600万円余で、前年度と比較して20億2,300万円余、7.6%の減となりました。これは中野中学校拡張用地取得費の皆減、児童手当、子ども手当や学校再編に伴う小学校施設整備費の減によるものです。 第9款都市基盤費は、中野四季の森公園拡張用地取得費が皆増し、(仮称)鷺の宮調節池上部多目的広場整備費や街路灯LED化事業費の増により、前年度と比較して24億5,600万円余、22.0%増の総額136億4,500万円余となりました。 第10款公債費は、満期一括償還の増により、前年度と比較して19億2,200万円余、33.4%増の総額76億7,300万円余となりました。 第11款諸支出金は、義務教育施設整備基金積立金やまちづくり基金積立金の増により、前年度と比較して28億1,500万円余、44.7%増の総額91億800万円余となりました。 これらの結果、歳出決算額の予算現額に対する執行率は95.8%となり、前年度より0.5ポイント上がりました。 この歳出決算額を性質別に見ますと、人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費は598億1,400万円余で、前年度と比較して2.6%の増となりました。 また、投資的経費は145億7,300万円余で、前年度と比較して3.3%の増となりました。 なお、平成24年度決算では、実質収支が15億9,100万円余となり、前年度決算に比べ7,400万円余の減となりました。 また、財政指標から区の財政状況を見ますと、前年度と比較して実質収支比率が0.1ポイント上がり2.5%、経常収支比率が0.5ポイント上がり93.5%、公債費比率が1.0ポイント上がり16.2%となっています。これらの指標を23区平均と比較すると、経常収支比率が7.7ポイント、公債費比率が10.9ポイント、それぞれ大幅に上回っています。 今後も社会保障費の伸びは続き、厳しい財政状況が続くことが想定される中、消費税法改正による影響も不透明なことから、一層の事業の見直しと歳入確保に向けた取り組みが必要な状況にあります。 一方、区は、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)の四つの戦略に基づいた取り組みを着実に実行している中で、中野四季の森公園をはじめとする大規模公園の整備等のプロジェクトを進めるとともに、生活保護や待機児童対策、区有施設の耐震補強工事等の施設整備や改修も実施しました。 今後も臨時的、投資的事業に的確に対応していくために、区としては財政健全化をさらに進め、強固な財政基盤を確立していくことが重要であると考えています。 以上が一般会計決算の説明です。 続きまして、中野区用地特別会計決算について説明いたします。 歳入歳出の決算額は同額で55億4,989万1,398円、前年度と比較しますと、歳入歳出ともに15.2%の減となりました。 歳入の主なものは、第1款財産収入が36億2,100万円余で、前年度より大幅に減となりました。 歳出は、第1款公債費が38億1,100万円余で、前年度より27億3,400万円余の減となりました。 歳入歳出総額が減となった主な要因は、(仮称)南部防災公園用地、中野中学校拡張用地及び本一高齢者会館用地の売り払い収入の皆減と公共用地先行取得等事業債償還金の減によるものです。 また、中野四季の森公園拡張用地を先行取得したことにより、歳入の第3款特別区債と歳出の第2款用地費が皆増となりました。 次に、中野区国民健康保険事業特別会計決算について説明いたします。 歳入総額は332億825万4,410円、歳出総額は327億3,228万9,705円で、前年度と比較しますと歳入歳出ともに3.5%の増となりました。 歳入の主なものは、第3款国庫支出金が77億100万円余で、前年度より2億7,800万円余、3.5%の減、第6款都支出金が21億4,700万円余で、前年度より5億4,400万円余、34.0%の増、第7款共同事業交付金が39億7,000万円余で、前年度より2億3,100万円余、6.2%の増、第8款繰入金が51億3,900万円余で、前年度より3億3,300万円余、6.9%の増となりました。 歳出の主なものは、第2款国保給付費が207億2,900万円余で、前年度より4億1,700万円余、2.1%の増、第3款後期高齢者支援金が48億600万円余で、前年度より4億4,800万円余、10.3%の増、第6款介護納付金が19億8,600万円余で、前年度より1億3,100万円余、7.1%の増、第9款諸支出金が4億5,200万円余で、前年度より1億4,400万円余、46.9%の増となりました。 次に、中野区後期高齢者医療特別会計決算について説明いたします。 歳入総額は59億4,556万6,638円、歳出総額は59億646万6,838円となりました。前年度と比較しますと、歳入で8.1%の増、歳出で7.9%の増となりました。 歳入の主なものは、第1款後期高齢者医療保険料が32億3,200万円余で、前年度より3億1,800万円余、10.9%の増、第2款繰入金が25億8,800万円余で、前年度より1億2,000万円余、4.9%の増となりました。 歳出の主なものは、第1款広域連合納付金が58億1,500万円余で、前年度より4億2,900万円余、8.0%の増となりました。 最後に、中野区介護保険特別会計決算について説明いたします。 歳入総額は193億3,381万2,253円、歳出総額は191億6,672万4,940円で、前年度と比較しますと、歳入で9.2%の増、歳出で8.4%の増となりました。 歳入の主なものは、第1款介護保険料が39億8,200万円余で、前年度より9億7,600万円余、32.5%の増、第3款国庫支出金が42億5,300万円余で、前年度より3億300万円余、7.7%の増、第5款都支出金が28億8,500万円余で、前年度より3億8,500万円余、15.4%の増、第7款繰入金が29億4,400万円余で、前年度より2億3,700万円余、7.5%の減となりました。 歳出の主なものは、第2款保険給付費が178億4,200万円余で、前年度より12億2,900万円余、7.4%の増、第4款基金積立金が3億円余で、前年度より2億9,200万円余の著増となりました。 以上、平成24年度の各会計決算について説明いたしました。 なお、詳細につきましては、あらかじめ送付いたしました「中野区各会計歳入歳出決算書・各会計事項別明細書」及び「各調書」、「主要施策の成果」並びに「中野区各会計歳入歳出決算説明書」によりまして御確認いただきたいと思います。 また、監査委員におかれましては、本決算につきまして、7月23日から8月5日までの間、慎重に審査をいただき、別冊のとおり「中野区各会計歳入歳出決算審査意見書」の提出をいただきました。御指摘のあった点については十分に対処していく所存です。 最後になりましたが、ここに平成24年度の決算につきまして議会の認定をお願いする運びになりましたことは、区議会の適切な御指導と御協力によるものと深く感謝を申し上げる次第です。 以上、認定第1号から認定第5号までにつきまして、よろしく御審議の上、御認定くださいますようお願い申し上げ、平成24年度中野区各会計決算の説明とさせていただきます。 ○議長(伊東しんじ) 本件について御質疑ありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(伊東しんじ) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。 上程中の認定第1号から認定第5号までの計5件は、議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、上程中の認定第1号から認定第5号までの計5件は、議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託することに決しました。 ────────────────────────────── 中野区の財政の健全化判断比率について ○議長(伊東しんじ) 日程第3、中野区の財政の健全化判断比率について報告いたします。 本件については、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき、区長から9月10日付の配付文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。 25中 経 経 第1518号 平成25年(2013年)9月10日 中野区議会議長 伊 東 し ん じ 殿 中野区長 田 中 大 輔 中野区の財政の健全化判断比率の報告について 地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき、別添のとおり報告します。 ○議長(伊東しんじ) 本日はこれをもって散会いたします。 午後4時34分散会 |