1.平成25年(2013年)11月25日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(42名)
1番 若 林 しげお 2番 高 橋 かずちか
3番 木 村 広 一 4番 甲 田 ゆり子
5番 小 林 ぜんいち 6番 中 村 延 子
7番 石 坂 わたる 8番 後 藤 英 之
9番 石 川 直 行 10番 伊 東 しんじ
11番 内 川 和 久 12番 ひぐち 和 正
13番 白 井 ひでふみ 14番 平 山 英 明
15番 南 かつひこ 16番 森 たかゆき
17番 いながき じゅん子 18番 林 まさみ
19番 小宮山 たかし 20番 浦 野 さとみ
21番 佐 野 れいじ 22番 北 原 ともあき
23番 吉 原
宏 24番 いでい 良 輔
25番 小 林 秀 明 26番 久 保 り か
27番 酒 井 たくや 28番 奥 田 けんじ
29番 近 藤 さえ子 30番 金 子 洋
31番 長 沢 和 彦 32番 大 内 しんご
33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき
35番 市 川 みのる 36番 篠 国 昭
37番 やながわ 妙 子 38番 佐 伯 利 昭
39番 むとう 有 子 40番 か せ 次 郎
41番 来 住 和 行 42番 岩 永 しほ子
1.欠席議員
な し
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 副 区 長 金 野 晃
副 区 長 英 直 彦 教 育 長 田 辺 裕 子
政 策 室 長 竹 内 沖 司 経 営 室 長 川 崎 亨
都市政策推進室長 長 田 久 雄 地域支えあい推進室長 瀬 田 敏 幸
区民サービス管理部長 白 土 純 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 髙 橋 信 一
健康福祉部長 野 村 建 樹 保 健 所 長 寺 西 新
環 境 部 長 小谷松 弘 市 都市基盤部長 尾 﨑 孝
政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一 経営室副参事(経営担当) 戸 辺 眞
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 篠 原 文 彦 事務局次長 青 山 敬一郎
議事調査担当係長 佐 藤 肇 書 記 関 村 英 希
書 記 東 利司雄 書 記 土 屋 佳代子
書 記 細 川 道 明 書 記 江 口 誠 人
書 記 永 見 英 光 書 記 鈴 木 均
書 記 井 田 裕 之 書 記 竹 内 賢 三
書 記 遠 藤 良 太 書 記 香 月 俊 介
議事日程(平成25年(2013年)11月25日午後1時開議)
日程第1 第71号議案 中野区非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
午後1時00分開議
○議長(伊東しんじ) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
11月22日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 大 内 しんご
1 西武新宿線野方駅以西の連続立体交差事業の実現に向けた取り組みについて
2 オリンピック・パラリンピック東京開催に向けた今後の区の対応について
3 特別区民税の収入率向上対策について
4 その他
○議長(伊東しんじ) 最初に、大内しんご議員。
〔大内しんご議員登壇〕
○32番(大内しんご) 平成25年11月25日、自民党議員団の一員として一般質問させていただきます。
最初に、野方駅以西の西武新宿線の連続立体交差事業の実現に向けた区の取り組みについて、二つ目に、2020年オリンピック・パラリンピックの東京開催に向けた今後の区の対応について、三つ目に、特別区民税の収入率向上対策についてをお伺いいたします。
最初に、野方駅以西の西武新宿線の連続立体交差事業の実現に向けた取り組みについてお伺いいたします。
西武新宿線沿線には多くの踏切が、いわゆる開かずの踏切のため、交通渋滞の発生や踏切事故の危険性、地域の分断など切実な問題を抱えています。特に踏切での無理な横断等による踏切事故が後を絶たず、ことし5月の期成同盟の決起大会当日には、野方駅前の1号踏切で若い男性の死亡事故が発生しました。さらに、3カ月前の8月9日には、野方本町通り延長線上にある野方4号踏切で高齢者の死亡事故が発生するなど、今後も踏切がある限り、痛ましい死亡事故が発生することは明らかです。
こうしたさまざまな問題に対し、中野区民、区議会、区が一致団結して、踏切の解消促進のため、期成同盟を平成16年に結成し、連続立体交差事業の早期実現を求める行動を行ってまいりました。その行動の成果が実を結び、中井駅から野方駅間の連続立体交差事業はことし4月に事業認可を取得し、平成32年度の完成に向けて、着々と事業が進められています。
一方、連続立体交差化の事業候補区間に位置付けられている野方駅以西から井荻駅までの区間についても、以前から連続立体交差事業の実施を望む地域の声が非常に高いものとなっております。
中野区内の全ての踏切の解消は、中野区民の悲願でもあります。また、地元の方々は、野方駅から井荻駅までの区間についても、先行着手した中井駅から野方駅間の事業進捗にあわせて、切れ目なく一日も早く連続立体交差事業が実現できることを待ち望んでおります。
しかし、ただ待っているだけではなかなか事業は前進していきません。区においても、ことし9月の第3回定例会での補正予算に野方駅以西の区内の全ての踏切を除却するため、野方駅から井荻駅間の連続立体交差化の構造形式について検討を行う調査費を計上したことは、野方駅以西の連続立体交差事業を推進する上で大変評価できることだと思っております。
そこで、改めて、野方駅以西の連続立体交差事業の実現に向けた区の方針をお伺いいたします。
また、野方駅以西の連続立体交差事業の事業効果を高めていくことも大切です。このため、野方駅、都立家政駅、鷺宮駅の駅前広場整備や駅周辺のまちづくりもあわせて推進していくことが必要となります。そこで、来年度以降にこうした野方駅以西のまちづくりについて、どう取り組んでいくのか、お伺いいたします。
2番目に、2020年オリンピック・パラリンピックの東京開催に向けた今後の区の対応についてお伺いいたします。
2020年開催が決まったオリンピック・パラリンピックの東京大会は、招致成功の余韻もまだ残る中、いよいよ準備に向けた動きが始まりました。今月14日からは、来日したIOCの関係者と日本側の競技団体、招致関係者など約200人が一堂に会し、実務者会議としてオリエンテーションセミナーが開催されました。
さて、今後は東京大会の成功に向け、さまざまな競技施設の建設、インフラの整備、世界中から集まる選手、スタッフや観光客を円滑に受け入れるため、本格的な体制づくりが必要になります。また、世界中から来日する観光客に向けて、案内表示の充実や異なる宗教や文化の違いに対応した食事の提供など、日本での滞在をより快適なものにするため、さまざまな場面での心遣いも求められているところです。
今後の十分な準備こそが大会成功の鍵であり、日本国民の力量が問われるところです。今後、中野区においても、区政のさまざまな場面で、オリンピック・パラリンピックの開催を念頭に置いた対応や準備が必要になると思います。
中野区においても、区民一人ひとりがオリンピック・ムーブメントの理念を理解し、世界の人々の共感を得ることができるような大会の実現に貢献できるよう、今後の啓発活動等にもさらなる取り組みが求められます。
また、2020年に選手として適齢期を迎える現在の青少年が思う存分スポーツに親しむことができるような環境づくりも今後の大きな課題の一つです。
オリンピックは、スポーツ競技の場であると同時に、日本の魅力を世界に向け発信できる貴重な機会でもあります。世界中の皆さんに中野のまちに足を運んでいただき、中野のまちに親しんでいただくとともに、伝統芸能からアニメまで、さまざまな文化に触れていただきたいと思います。
そこで、お伺いします。
青少年がスポーツや競技に親しむ機運を盛り上げ、そのための環境も整えていくべきと考えますが、区の御見解をお伺いいたします。
また、積極的に区の魅力を世界に向け発信し、世界中の人々を中野区に呼び込むことができるような戦略を持つべきだと考えますが、いかがでしょうか。具体的には、外国人の方に対し、日本人向けの情報を単に翻訳して伝えるだけではなく、世界を意識した情報発信を行うこと、街中の案内表示、サインを外国人にもわかりやすいものにすること、コミュニケーションの基礎となる外国語教育の充実を図ることなど、取り組むべきことは数多くあると思います。区の御見解をお伺いいたします。
次に、特別区民税の収入率向上対策についてお伺いいたします。
昨今、景気は回復基調にあると言いながら、区民、商店街の方々にはその実感がいまだ確実なものとなっていません。そのような状況のもとでは、特別区民税など区の歳入確保に向けた取り組みが喫緊の課題となっています。
平成24年度における特別区民税の決算状況を見ると、収納率自体は現年度分96.6%で、対前年比0.3ポイント増、また、過去の累積による滞納繰越分の収納率は21%で、対前年比2.6ポイントの増と、担当職員の懸命な努力によりそれぞれ上昇しています。
これら収納率の向上に向けては、全庁挙げた臨戸徴収強化対策の実施や差し押さえの件数が大幅に伸びた点など、滞納整理業務が効果的に機能した結果であると思います。こうした徴収に当たっての職員の皆さんの努力については高く評価しています。
しかしながら、そういった職員の努力にもかかわらず、特別区民税現年課税分の収納率は、23区平均は97.6%、中野区との比較においては1%の開きがあります。また、滞納分を含む全体の収納率は23区中22位と依然低迷を続けています。こうした事実から、滞納者に対する効果的な施策の実施とともに、さらなる滞納強化を目指した徴収体制の確立が急務であると考えます。
そのような中、去る11月6日、区民委員会の地方都市行政視察において、大阪府堺市の市税等の収入率向上対策を視察してまいりました。堺市では、歳入確保への取り組みにおいて、滞納者に対する電話による自主納付の呼びかけ業務として、民間業者に委託する「市税コールセンター」を導入し、成果を上げています。
本来、地方税の徴収に関する業務のうち、差し押さえや公売、立入調査といった強制処分などの公権力の行使は包括的に民間委託はできないこととなっています。このため、市では、民間委託が可能な業務として、公権力の行使に当たらない補助的な業務として、滞納者に対する電話による自主的な納付の呼びかけを行う「市税コールセンター」の委託を平成17年という早い段階から開始しました。滞納者の中には、納税通知書の紛失や納付期限の失念などにより、納税の意思があるにもかかわらず、納期内納付ができなかったため、結果として滞納となってしまう方も多いそうです。そうした納税者に対しては、滞納の期間が長期化する前に自主納付を促すといったコールセンターによる呼びかけが効果的であるということです。
業務内容としては、委託したオペレーター約5名が最新の収納状況や交渉経過を確認した上で、月曜から金曜までの毎日電話をかけながら納付を促しています。このコールセンターの導入による成果としては、平成24年度は経費3,800万円で約10億円の収入効果があったということです。
一方、こうしたコールセンター業務に関連し、堺市では送付する封筒や催告書にもさまざまな工夫を凝らした取り組みを実施しています。電話による呼びかけや督促状でも収納をいただけない滞納者には、順次催告書を送ることとなります。まず1回目の催告は緑色の封筒で送付します。これにより約50%の入金が期待できます。次に2回目は黄色の封筒で送付しますが、これにより残りの約30%が収納されるということです。その後、ピンク、青色と4段階の色に変えて催告書を送付します。これが堺市の現物です。4種類、こういうのがあります。
それでも納付がされない者には、差し押さえを執行するという段階を追った取り組み内容です。
このように目立つ色にすることで確実に開封してもらえるようなインパクトを与えるほか、催告書に記載する文面についても、段階を追って厳しい内容にするなど、さまざまな工夫を凝らしながら、催告効果を高めています。
また、催告書の住所や宛名もあえて手書きにすることにより、滞納者に切迫感を与えるなど、いろいろな取り組みにより徴収効果を上げているということです。
以上が、堺市における収納率向上対策ですが、ぜひ中野区においても、滞納対策の強化策として、こうしたコールセンターの設置や催告書の封筒の色や文面に工夫を凝らすなど、滞納者にプレッシャーを与える施策を実施すべきではないでしょうか。
平成24年7月現在では、既に23区内においても、12区がコールセンターを導入済みであると聞いています。創意工夫を凝らした督促や催告業務を早期の段階から効果的・効率的に行いながら、ぜひともさらなる歳入確保を目指してほしいと思いますが、区の御見解をお伺いいたします。
また、こうした滞納対策を行うに当たっては、今後、社会保障・税番号制度、いわゆるマイナンバー制度の活用が有効であると私は考えています。
アメリカやスウェーデンをはじめ、諸外国でも早くから取り入れられているこの番号制度は、複数の機関に存在する個人の情報を同一人物の情報であることの確認を行うための基盤であり、社会保障・税制度の効率性を高め、国民にとって利便性の高い公平・公正な社会を実現するためのインフラであると言われています。とりわけ、税務部門においては、各機関から提出された課税資料について、個人番号をキーとして名寄せすることにより、各納税者の所得情報を正確かつ効率的に把握できるようになります。
今後のスケジュールとしては、平成28年1月に個人番号カードの交付がなされ、翌平成29年7月には国や地方公共団体における情報連携が開始されると聞いています。このような所得関連の情報が国や自治体相互で正確に把握可能となれば、当然滞納対策などにも大きな効果が期待できると考えます。
マイナンバー制度の導入による将来の滞納対策はどのように変わるのか、また、その成果はどのようになると予想されるのか、あわせて御見解をお聞きいたします。
以上で、特別区民税におけるさらなる滞納対策強化に期待をし、全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 大内議員の御質問にお答えいたします。
野方駅以西の連続立体交差事業の実現についてであります。
事業の候補区間に位置付けられている野方駅から井荻駅間についても、先行着手した中井駅から野方駅間の事業進捗に合わせて、切れ目なく連続立体交差化されることが地元住民をはじめ、中野区民の最大の関心事であり、悲願となっているものであります。そのため、第3回定例会での補正予算に野方駅以西の区内の全ての踏切を除却するため、野方駅から井荻駅間の連続立体交差化の構造形式について検討を行う調査費を計上し、今年度末を目途に、区として望ましい構造案を取りまとめ、東京都や西武鉄道に提案し、一刻も早く実現するための道筋をつけたい、こう考えているところであります。
野方駅以西のまちづくりについても、大変重要であります。連続立体交差事業は、多数の踏切の除去による都市交通の円滑化だけではなく、駅前広場や交差道路などの基盤整備、駅周辺のまちづくりを一体的に推進することで、都市の発展においても極めて高い効果が期待できる事業であります。このため、野方駅、都立家政駅、鷺宮駅周辺地域における一層のまちづくりの機運を醸成しながら、今後の沿線のまちづくり計画を具体化していくことが重要となってまいります。
区としては、今後、野方駅、都立家政駅、鷺宮駅の各駅前広場やアクセス道路、交差道路等の交通基盤や各駅周辺のまちづくりについて、調査検討を進めるとともに、地域住民によるまちづくり活動を活発にしていただくため、地元の町会や商店会等と連携・協力しながら、必要な情報提供や支援を行ってまいりたいと考えております。
オリンピック・パラリンピックの東京開催に向けた今後の対応についてであります。
青少年がスポーツに親しむ機運醸成と環境整備について、区としてはオリンピック・パラリンピック東京開催の実現を機に、区民がスポーツを通して健康づくりやスポーツの楽しさ、また、その効用を享受できるよう、健康づくり・スポーツムーブメントを起こしていきたいと考えております。来年度に本格実施を目指している地域スポーツクラブ事業の中では、学校運動部活動の支援やスポーツの指導力・競技力の向上を大きな柱として、青少年がスポーツを行う場や機会の整備に取り組む予定であります。
また、大規模公園として今後整備する(仮称)鷺の宮調節池上部多目的広場、(仮称)本町五丁目公園、(仮称)南部防災公園にはスポーツ機能を持たせて、少年スポーツの利用にも供していきたい、こう考えているわけであります。
また、オリンピックでの国際交流戦略についての御質問もありました。
東京でのオリンピック・パラリンピックの開催決定を受け、区長会総会において、オリンピック開催までの7年間、23区一丸となってオリンピックを盛り上げる動きをしっかりと巻き起こし、御提案のようなものも含め、青少年の夢と希望をかなえる取り組みを都と協力して行っていく旨の申し合わせを行ったところであります。
多くの観光客などが予想される中、区として、今回の開催を中野区の魅力を世界に発信し、にぎわいに結びつける大きなチャンスとするとともに、国際的な視野を持つ人材の育成や在住外国人との交流などを進める契機にもなると考えているところであります。国や都、他の自治体などとも連携し、さまざまな取り組みを行ってまいりたいと考えております。
特別区民税の収入率向上対策についての御質問がありました。
コールセンターの設置と効果的な滞納対策についてという御質問があります。
平成24年度における収入率は、多少率は向上しておりますものの、23区での比較、順位では依然最も低いグループに属しているという形で低迷を続けているところであります。このため、現在、収納率上位区の施策を行った結果を参考にしながら、効果的な対策を検討しているところでもあります。
具体的には、堺市の取り組みにもあるように、滞納者に納付を促すため、催告書の文面を厳しい内容にしたり、黄色や赤など目立つ色の封筒で送付する。また、催告後の給与照会や差し押さえを速やかに行い、極力滞納繰越を発生させないなど、段階を追った切れ目のない滞納整理を実施していきたいと考えております。
一方、御質問の御提案にもありました電話催告などの滞納整理業務の委託化について、今後、差し押さえ等の滞納処分に専念できる組織体制をつくる上でも効果があると考えておりますところから、また、費用に伴う効果といったようなことを十分に考慮しながら検討していきたいと考えております。
マイナンバー制度導入によって滞納対策も効果的にできるようになるのではないかといったような御質問であります。
現在説明されているところでは、マイナンバー制度によって行政機関や地方公共団体の間で地方税に関する情報を情報提供ネットワークによって照会できるものとされています。このため、この情報提供ネットワークを介することで、現在よりも大幅に事務の効率化が実現できる、このようになると考えております。
今後、これよりもさらに進んだ活用が可能かどうか、現在国において検討中の総務省令の内容なども踏まえながら、さらに検討を深めてまいりたいと考えております。
〔大内しんご議員登壇〕
○32番(大内しんご) 再質問させていただきます。
特別区民税の収入率向上対策なんですけれども、担当職員を含め、管理職の皆さんが懸命になって努力されていることは重々承知なんですけれども、その中で、先ほど市税コールセンター、堺市の件を例に出したんですけれども、区長もコールセンターについてはお認めになったというか、いいものだというような見解だと思うんですけども、具体的に来年度、必ずこの場でお約束してもらう必要はないんですけども、民間業者に委託する区税コールセンターみたいなものの設置ということも検討していただけるか、ちょっとそこのところが、認めていただいたらいいんですけども、中野区でそれを取り入れるような気持ちがあるのか、これから予算編成も入りますので、その辺をお聞きしたいなと思います。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えいたします。
国民健康保険の保険料徴収などでは、委託と組み合わせて滞納対策のチームを増強するというようなことをして、一定の成果を上げているということも我々も経験しているところですので、税の滞納対策においても、電話催告等の部分を委託する中で、職員でなければできない滞納対策にチームを増強するといったようなことも一つの手段として現在検討しているところであります。どのようなことをどういうふうにするかというところまでは、まだ検討が詰め切れておりませんけれども、来年度も組織を増強するという意味で、何らかの取り組みをしていきたい、こう思っております。
○議長(伊東しんじ) 以上で、大内しんご議員の質問は終わります。
中野区議会議員 平 山 英 明
1 平成26年度予算編成について
2 気候変動対策のためのまちづくりについて
3 生活インフラとしての区内商店街振興について
4 安全で安心な道路等のインフラ整備について
5 中野区交通バリアフリー整備構想改正について
6 その他
○議長(伊東しんじ) 次に、平山英明議員。
〔平山英明議員登壇〕
○14番(平山英明) 平成25年第4回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告どおりで、6のその他はありません。
若干のどが枯れておりまして、お聞きになりづらい点がありましたら、御勘弁をいただきたいと思いますし、わかりやすく誠意ある御答弁をお願いいたします。
初めに、平成26年度予算編成について伺います。
区長の出された「平成26年度中野区予算編成方針について」の前文にもあるとおり、来年度の予算は、国における税制をはじめとする大きな変化が見込まれ、また、いまだ未確定な部分も多いことから、歳入・歳出ともに予測が難しい中での予算編成となります。
区は、行財政運営の基本方針において、「安定した財政運営を行うために、財政調整基金等の積み立てや取り崩しによる財源調整を通じて、歳入規模を一定に保つこと」とし、基準となる一般財源規模を650億円と定め、この方針に基づき、各年度の予算編成に取り組んできました。
財政運営の考え方では、平成28年度を目途に歳入・歳出ともに650億円に近づけていくとの推計を示していますが、来年度以降の税制及び社会保障制度の改正が実現しようとしている現在、基準となる一般財源規模の見直しが必須となります。しかしながら、予算編成方針では、「将来的には、消費税増税による影響でこの規模を見直す必要があり得る」と述べながらも、平成26年度予算編成に当たっては、その見直しは行わないこととされています。そして、「財政運営は今後も基準となる一般財源規模をベースに厳格な財政規律を保持することが最重要であることを肝に銘じておくよう強く求めておく」と述べられています。
そこで伺います。
平成26年度の予算編成に当たって、基準となる一般財源規模の見直しを行われなかったのはなぜでしょうか。将来的とありますが、いつ見直しを行われるのでしょうか、伺います。
また、「基準となる一般財源規模をベースに厳格な財政規律を保持すること」とは、今後、基準となる一般財源規模が見直されたとしても、平成28年度を目途とした一般財源規模の歳入・歳出の不均衡の調整への取り組みは変わらないとのことでしょうか、伺います。
歳入においては、今回の税制改正とは別に、平成23年12月2日に公布された「東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保に係る地方税の臨時特例に関する法律」により、平成26年度から10年間、区民税の均等割部分に500円が課税されます。区は、各年度8,100万円から8,500万円分、10年間で8億円以上の税収増が見込まれると試算しています。
同法第1条には、「平成二十三年度から平成二十七年度までの間において実施する施策のうち全国的に、かつ、緊急に地方公共団体が実施する防災のための施策に要する費用の財源を確保するため、臨時の措置として個人の道府県民税(都民税を含む)及び個人の市区町村民税(特別区民税を含む)の均等割の標準税率について地方税法の特例を定めるものとする。」とあり、緊急的な防災対策を平成23年から27年度の間、法の施行日を考えると、現実的には24年度から27年度までの4年間に集中して行えるよう、その財源を平成26年度からの10年間の住民税に上乗せし確保するものです。
区においては、おおよそ8億円が再来年度までの4年間の防災対策として使われることになります。足立区は、この増税分の使途を区民に明らかにしたと聞きますが、法の趣旨と納税者の理解を考えると、区民からの徴収が始まる来年度までには、区内の防災対策に対しての使途を区民に対し明確に示すべきであると考えますが、いかがでしょうか、伺います。
歳出での消費税増額相当分の支出増について、基準となる一般財源規模を見直さない場合、この支出増分の歳出予算全体での抑制による区民サービスの低下が懸念されます。
平成26年度の消費税相当分の支出増については、まず試算を伺う予定でしたが、先日のいでい議員の再質問への御答弁でまだ試算中とのことでした。消費税増税分の歳入に及ぼす影響のタイムラグを考えると、支出増相当分についての歳出抑制は行うべきでないと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
また、施設の建てかえや設備の更新、インフラ資産の維持・更新について触れ、「将来負担を適格に把握し、中長期的視点で見た経費の最小化につなげる」とされていますが、そのためには施設やインフラ資産の現状を示した上での中長期的な更新・保全の計画が必要となります。来年度には示していただけるのでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。
次に、気候変動対策のためのまちづくりについて伺います。
昨今の気候変動は、強力な台風、竜巻による被害を生み、農業・漁業への影響も及ぼし、さらには熱中症等健康被害をもたらすなど、深刻化をしています。台風だけをとっても、ことしは日本や世界の各地に甚大な被害を及ぼし、伊豆大島、そしてフィリピンでは痛ましい惨劇を生みました。
名古屋大学の坪木和久教授と海洋研究開発機構、気象研究所は、スーパーコンピューターの地球シミュレーションで解析した結果として、地球温暖化に伴う海水温の上昇が主な原因となり、風速が70メートル近い「スーパー台風」が日本に上陸する数が60年から70年後に今の4倍にふえるとの予測をしています。
地球温暖化、ヒートアイランド現象がもたらす被害への対策は喫緊の課題であり、防災対策は震災のみではなく、気候変動による災害に対しても行わなくてはならないことを強く感じます。
そこで、気候変動の要因である地球温暖化対策と、そして都市部の課題であるヒートアイランド対策について、まちづくりの観点から伺っていきます。
都は、建築家・安藤忠雄氏の発案により、地球温暖化対策とヒートアイランド対策として、東京湾に浮かぶごみと、建設発生土で埋め立てられた中央防波堤内側埋立地に「海の森」を建設し、この「海の森」を起点として、お台場、晴海、築地、皇居、新宿御苑、明治神宮といった都内の大規模緑地を街路樹でつないでいくことで、緑のネットワークを築く計画を進めています。連続する緑地帯により海からの風を都市の内部に導く「風の道」として機能し、緑地によって冷やされた風が都市部のヒートアイランド現象を抑える効果をもたらすとしています。
区も、平成21年に策定した「中野区都市計画マスタープラン」、「中野区みどりの基本計画」において、大規模公園等を潤いの拠点とし、沿道緑化等の推進によるみどりの軸の構築と、区内を流れる河川に水とみどりの親水軸を整備し、「風の道」を形成するとしていますが、計画から5年が経過する中で、中野四季の都市の完成と中野駅周辺地区整備第2期工事に向けた取り組みの開始や西武新宿線中井-野方間の地下化の事業認可、さらには区内にある都市計画道路等の整備が進められようとしていることなど、区を取り巻く環境も大きく変化しました。
区が取り組む地球温暖化対策、そしてヒートアイランド対策について、これらの環境変化を踏まえての早急な計画の見直しが必要です。
そこで、伺います。
区内のみどりの軸、風の道の形成について、新たに整備を予定している道路もみどりの軸とすべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
また、沿道の植樹に加え、路面を保水性舗装としてはいかがでしょうか。また、今後行う既存道路の補修にあっても、みどりの軸として必要な箇所は保水性の舗装としてはいかがでしょうか。対象とすべき道路は、区道よりもむしろ都道の場合が多いと考えられます。都への要請も含めて行っていくべきです。伺います。
みどりの軸の拠点、潤いの拠点形成は、その中心を中野四季の都市を含む中野駅周辺一帯とし、今後の開発に当たり、中野の環境対策のシンボル的エリアの形成を目指してはいかがでしょうか。また、新たに整備される中野駅の駅舎はみどりの駅舎とし、駅前広場も緑あふれるものとすべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
潤いの拠点としての公園等の整備について、区の中部、南部においての大規模公園整備は計画どおりの進展を見ていますが、北西部の公園の不足は解消されていません。区は、公園の適正配置についてどのようにお考えでしょうか、伺います。
これらの実現のために、策定からちょうど中間時期を迎えた中野区みどりの環境計画の改定を行うべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
また、みどりの基本計画の策定は、当時、都市整備部によって行われましたが、現在は環境部所管となっています。しかし、計画の内容のほとんどが都市基盤にかかわることであり、計画の改定及び推進に当たっては、都市基盤部が中心となって行うべきではないでしょうか、伺います。
次に、夏の時期も子どもたちが安全で元気に外で遊べるための対策についても伺います。
近年の夏の猛暑を考えると、木陰と親水機能の中で子どもたちが安心して遊べる公園整備が必要です。区内の公園160カ所中、12の公園に親水施設がありますが、中野四季の森公園の噴水施設を除く11施設は全てじゃぶじゃぶ池です。じゃぶじゃぶ池は、利用には年齢等の制限があるため、全ての子どもたちが活用できる施設ではありません。近隣区である練馬区や杉並区の公園を見ると、さまざまなタイプの親水施設があり、暑い夏でも子どもたちが喜んで遊ぶ姿を見かけます。区内の公園にも噴水等の新たな親水施設の整備を行ってはいかがでしょうか、伺います。
区立小中学校施設についても2点伺います。
各学校の校庭には、散水のためのスプリンクラー等の設備があると聞きますが、猛暑の際に校庭で遊ぶ児童・生徒の安全のための積極的な活用を行ってはいかがでしょうか、伺います。
また、体育館や空調未設置の教室については、空調設備の設置が必要ではないでしょうか。今後の学校施設の改修・改築に当たり、検討を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。
次に、生活インフラとしての区内商店街振興について伺います。
地域再生プランナーとして活躍されている久繁哲之介氏は、著書「地域再生の罠」の中で、「商店街の存在を住民のための生活インフラ」と位置付けていましたが、私も住民の日常生活の基盤を支える社会資本としての役割が商店街にはあると思います。そして、ますます高齢化が進むこれからの社会の中で、商店街のインフラ機能にはさまざまな可能性があり、また、その存在は欠くことができないものです。
一方で、国の商業統計調査をもとに現状を見ると、区内の小売業・卸売業の事業所数は、平成18年の3,365に対し、平成21年は3,207、平成24年は2,869、飲食店・宿泊業の事業所数は、平成18年の2,077に対し、平成21年は2,038、平成24年は1,802とどちらも大幅な減少傾向にあり、区民の生活に根差す商店などが減少していることが読み取れます。
商店街の皆様も、商売のためのみならず、地域のために商店街をもっと元気にしようとさまざまな取り組みを行われていますが、区も区民生活に欠かせない生活インフラの維持、発展にこれまで以上に力を注ぐことが必要です。
そこで、まず、ライフサポートビジネスにおける商店街への支援について伺います。
区は、ライフサポートビジネスを区内産業の新たな柱の一つとするとの考えですが、商店街や商店街を構成する個店が現在の事業の付加価値として行う住民のための新たなサービスは、ライフサポートにつながるものが数多く考えられます。まさに生活インフラとしての機能です。
中野区産業振興ビジョンを見ると、区も同じ考えのように思えます。しかしながら、本年創立されたライフサポート事業支援資金制度の案内を見ると、対象事業には日用品や飲食等、日々の生活に欠かせない分野では訪問・宅配形態の業種はあるものの、商店街にあるような店舗型の事業者は対象となっていません。これら店舗型の業種も含まれるよう、対象の拡大が必要ではありませんか、伺います。
なかのライフサポートビジネス創造塾では、本年度はテーマ別に5回のセミナーが開催されることになっており、現在第1回目が終了し、大盛況であったと聞きました。5回のセミナーともテーマも興味深く、担当する講師もしっかりとしたキャリアをお持ちの方で、経歴や他で開催されたセミナー等を見ても期待を持てます。今年度は年度途中のスタートのためか、それぞれのテーマごとの内容で実質1回のセミナーとなっていますが、区が目指す新たなビジネスの企画提案を求めるのであれば、受講内容をより形にしやすくするために、連続性のある開催が必要ではないでしょうか。来年度はそれぞれのテーマでセミナーとワークショップをあわせ、複数回の開催とし、内容のさらなる充実を図るべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
その際、ライフサポートの分野において、商店街や商店街を構成する個店の今後のあり方を見出すような商店街の可能性に特化した講座を、例えば冒頭紹介した久繁氏などに講師をお願いし、実施すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
次に、中野区産業振興ビジョンにある「商店街振興に係るビジョンの策定」について伺います。
同ビジョンでは、商店街の振興について、「変化をとらえて自己変革する商店街」とし、「変化する時代や地域のニーズを捉えて自己変革を進める商店街を重点的に支援することによって、地域から必要とされ続ける商店街づくりを促進します」としています。そして、主な取り組みとして、1、商店街振興に係るビジョンの策定、2、商店街による計画的な取り組みの支援、3、都市観光振興の促進を行うとしています。
「自己変革をする商店街」としながらも、区が「商店街振興に係るビジョンの策定」をするのは矛盾があるように思います。区はあくまでも自己変革しようとする商店街に対し、支援を行うべきであり、そのためのビジョン策定は商店街が行うべきではないでしょうか。
区の役割は、先ほどのライフサポートビジネス創造塾等で商店街や商店街を構成する個店自身の変革への意欲と具体的ノウハウの提供や、ビジョンを策定した商店街に対し、その実施を可能とする実行プランの後押しであると考えますが、いかがでしょうか、伺います。
大和町の商店街についても、伺います。
大和町にある商店街は、道路拡張の進捗によって既存の商店街自体の存続が懸念されます。私はこれまでも大和町の商店街の今後について、さまざま質問を行ってきましたが、この地域については特段の配慮が必要と考えます。
現在、大和町まちづくり協議会が発足し、今後のまちづくりについての検討が進められていますが、商店街については別途協議の場が必要ではないでしょうか。地域や商店街、それぞれの店舗や利用者が一体となって、まちづくりの中での商店街のあり方や商店への誘導策等を検討できるよう、区が陣頭指揮をとり、進めていくべきです。区は、今後の大和町における商店街の必要性をどのように考えているのでしょうか、伺います。
また、現実的な課題として、道路が拡張された場合の商店街街路灯の取り扱いについて不安の声をお聞きします。道路拡張等の行政側の計画により、既存の商店街街路灯を更新もしくは撤去する可能性がある場合、更新費用の一部や撤去費用を行政側が負担するなどの対応が必要と考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。
4番目として、安全で安心な道路等のインフラ整備について伺います。
道路や橋梁は、区民生活の基本となるインフラであり、災害の際には住民の命を守る重要な都市基盤です。しかしながら、区内の道路・橋梁は整備が行き届き、安全であるとは言いがたい状況です。
東京都下水道局の調査によると、平成24年度の下水道に起因する道路陥没の発生件数は、23区全体で737件であり、そのうち中野区は55件と、他区と比較しても発生件数が多くなっています。
都は、下水道管の強化と道路陥没を防ぐため、23区内では50地区を陥没対策重点地区と指定し、今年度より工事に着手しています。この重点地区50地区のうち、中野区内は実に11地区の指定となっており、区の脆弱なインフラ基盤を物語っているように思えます。
区内での平成24年度の下水道に起因する道路陥没は、都道が1件で残り54件は区道であり、下水道以外の原因での区道の陥没は31件であったと聞きます。都と区が把握しているだけで、昨年度だけで実に85件の区道の陥没が発生したことになります。
区は、平成15年度から21年度にかけて道路空洞調査を実施いたしましたが、全ての区道の調査が終わらないまま調査は打ち切りとなりました。さらに残念なのは、調査は行ったものの、その後、区独自の対策を行ってこなかったことです。
区道の空洞調査について、改めて実施をすべきです。また、調査結果に基づいた陥没対策を計画化し、実施をすべきと考えます。いかがでしょうか、伺います。
平成24年度に橋梁の長寿命化計画は策定しましたが、来年度がリミットである道路の長寿命化計画は策定はされていません。来年度中の策定を目指すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
長寿命化計画を策定した場合、計画に基づいた道路の維持補修費用は5年間、国の補助金を活用できますが、その後についても明確な考え方が必要です。定期的な現況調査に基づく20年程度の維持補修の指針が必要ではないでしょうか、伺います。
区は、道路の寿命は35年から38年、橋梁の寿命についてはおおむね60年としていますが、道路や橋梁は使用状況や環境によって、その寿命が大きく変化します。道路、橋梁ともに重量制限があるものの、重量を超える車両の通行が多い箇所もあり、特にコンクリート製の橋梁については、想定を超える劣化が懸念されます。
区内には、使用している橋梁110橋中、83橋がコンクリート橋ですが、平成24年度の橋梁長寿命化計画策定に当たって行った現況調査では、コンクリート診断士による診断は行われたのでしょうか。また、5年ごとに行う現況調査の際、コンクリート橋については、コンクリート診断士による診断を必須とすべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
区内事業者の中でコンクリート診断士有資格者がいる事業者はどれぐらいあるのでしょうか。橋梁だけでなく、今後の区有施設等の改修・改築の際にもコンクリートの状況について適切な診断が必要です。区内に有資格者を確保しておくためにも、区内事業者に対し、資格取得のための助成制度を創設してはいかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。
最後に、中野区交通バリアフリー整備構想改正について伺います。
区は、10月7日の建設委員会での「中野区交通バリアフリー整備構想の改定について」との報告において、平成17年に策定した現在の中野区交通バリアフリー整備構想を改定し、平成27年3月を目指し、新たな整備構想を策定するとしました。
平成18年にそれまでのハートビル法と交通バリアフリー法を一体化させた「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」、いわゆる「バリアフリー新法」が施行されました。この新法の目的は、それぞれ別々に行われてきた商業施設などの建築物や駅などの交通施設についてのバリアフリー対策のための整備を一体的に行うことにあります。
新法に盛り込まれた新たな事項としては、1、対象者の拡大として、障害者について、身体障害者だけであった対象を、新法では「障害者」と規定し、身体障害者だけでなくて、知的障害者、精神障害者、発達障害者と全ての障害者を対象としたこと。2、対象物の拡大として、対象物が建物や公共交通機関だけであったものを、これらに加え、道路や屋外駐車場、都市公園と日常生活で利用する施設を広く捉え、生活空間全体におけるバリアフリー化を進めることとしたこと。3、重点整備地区要件の拡大として、大きな鉄道駅などがある地域のみを移動等の円滑化を図る重点整備地区とし、基本構想を作成するとしていたものを、駅がない地域や建築物、屋外駐車場、都市公園、そして、それらをつなぐ経路なども、基本構想や特定事業の対象としたこと。4、当事者の参画として、利用者の視点を反映させるため、基本構想作成時の協議会制度の法定化、利用者や地域住民からの基本構想提案制度の創設を図ったこと。5、ソフト施策の充実として、バリアフリー化の推進に当たって、当事者参加のもと、施設を検証し、新たな施策や措置を講じて段階的・継続的な発展を図っていくという「スパイラルアップ」という手法が取り入れられ、これを国の責務とし、さらにはバリアフリー化に関して国民の理解と協力を求める「心のバリアフリー」を規定したことなどがあります。
建設委員会での報告によると、来年2月下旬には新たに設置された中野区交通バリアフリー整備構想改定協議会の中で、重点整備地区の選定と改定方針の策定を行うとしています。
そこで伺います。
新たに開発が進む中野駅周辺及び西武新宿線沿線の駅周辺については、今回の重点整備地域とすべきと考えますが、いかがでしょうか。また、中野駅周辺については、中野駅周辺まちづくりグランドデザインで指定する範囲を対象範囲とすべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
なかのZERO小ホールについて、特に高齢の利用者から、エレベーターは設置されているものの、エレベーターに乗るまでに階段があり、施設内での移動が困難であるとの声を聞きます。区は、階段に設置された昇降機をもってバリアフリー化ができているとしていますが、とても円滑に移動ができる環境ではありません。抜本的な整備を新たな整備構想に盛り込んではいかがでしょうか、伺います。
新法では、駅がない地域や建築物、屋外駐車場、都市公園、これらをつなぐ経路なども基本構想や特定事業の対象としたことを考えると、区内においても、中部すこやか福祉センター等、円滑な移動が困難なすこやか福祉センターや、地域包括支援センターについても重点整備地域としての選定を検討してはいかがでしょうか。また、すこやか福祉センターや地域包括支援センターへの移動の円滑化に資するための公共交通のあり方も検討してはいかがでしょうか、伺います。
都は、いつでも、どこでも、誰でもが、必要な情報をその場で手軽に得ることができるユビキタス社会の実現に向けて、「東京ユビキタス計画」を展開しています。現在銀座でその実証実験を行っており、私も昨年、同僚議員とともに、銀座の実証実験に参加してきました。銀座のあちこちにICタグが配置され、専用アプリを使ってスマートフォンをタグにかざすと、さまざまなまちの情報が得られるというものです。
中野区でもさまざまな方がICTを活用し、移動や利用の円滑化がされるまちづくりを行うことは、バリアフリー新法の目指す方向と重なるものと考えます。ICTを活用したバリアフリー整備手法を、構想改定に当たって取り入れてはいかがでしょうか。伺って、私の全ての質問を終わります。大変聞き苦しい状態でしたが、御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 平山議員の御質問にお答えいたします。
平成26年度予算編成について、基準となる一般財源規模の見直しと財政規律に関連しての御質問がありました。
消費税率の引き上げに伴い、歳出においては、消費税増税相当分の支出増があり、その影響は小さくありません。また、歳入は、地方消費税交付金の増収が見込まれますが、増税による増収には、制度施行時と実際の歳入時のタイムラグが生じるため、当面は歳出の増加圧力のほうが強い状況となります。
また、国庫負担事業の一般財源化や地方法人税の一部国税化などの見通しも明らかではなく、当面、歳入、歳出とも極めて不透明な状況が続くものと考えております。
消費税の引き上げの影響が平準化する、これは平成28年度以降というふうに見込んでおります。それまでの間は、これまでの基準となる一般財源規模をもとに、消費税等の影響を考慮した上で修正した数値を暫定的に用いていかなければならないと考えているところであります。平成26年度予算の段階では、新たな基準となる一般財源規模を定めるのは難しいというのが実態だと考えております。
いずれにいたしましても、消費税率の引き上げによって、歳入・歳出、両方の一般財源規模が増加するため、基本的な財政状況の改善にはならないというふうに考えておりまして、今後とも基準となる一般財源規模をベースに、歳入歳出規模をこの基準に近づけていく取り組みが重要であり、こうした財政規律を保持しながら、持続可能な財政運営を行ってまいります。
それから、区民税の均等割分500円が10年間課税されるということになりました。区民税均等割の税率の引き上げに伴う増収分は、使途を定めた特定財源とはなっておりませんので、これを充当する事業を明らかにするというのは難しいと思います。しかしながら、区としては、防災対策の拡充経費や今後さらに必要となる区有施設の耐震改修経費、それから、地域防災計画改定に伴う防災対策経費、それから、インフラ資産の維持・更新などの災害対策に必要な経費は、増収分を上回る相当な額になると考えております。
したがいまして、こうした形で係る経費について、明示的に区民の皆様にお知らせすることで、その中に税率の増加分も含まれるというふうに御理解いただけるものと思っております。
それから、消費税率の引き上げに伴う歳出増と歳出抑制との関係であります。
予算編成に当たっては、これまでと同様に、一定の経費節減の取り組みは継続的に行っていくという考えでやっておりますが、消費税率の引き上げに伴う歳出増の相当分につきましては、別途適切に算定していくこととしているところでありまして、増加相当分を歳出全体を抑制する中で捻出すると、こういうことは考えておりません。
それから、みどりの軸、風の道の形成ということであります。
みどりの軸、風の道については、みどりの基本計画のほか、都市計画マスタープランにおいても、グリーンインフラによる地球にやさしい都市づくりとして定めているところであります。みどりの軸や風の道の確保による緑のネットワークの形成によって、人の移動の快適性の確保、また、延焼遮断帯の形成、また、生物の移動空間の確保などが図られるものと考えております。
環境基本計画及びみどりの基本計画の改定についてであります。
現在のみどりの基本計画は、平成21年8月に策定し、平成21年度から平成30年度までの10年間を計画期間としております。この計画の中では、計画見直しの時期について特に定めはないものであります。今のところ、28年度に緑の実態調査を行って、29年度から改定作業に入ることを想定しているところであります。
それから、予算編成のところで、施設の中長期的な更新の計画についてのお尋ねがありました。
公共施設のあり方について、これは中長期的なライフサイクルコストも含めて、きちんと財政の中で見える化していくことも大事だということもあると思っておりまして、公共施設のあり方について、できるだけ早期に取りまとめてお示ししていきたいというふうに考えております。
それから、新たに整備される都市計画道路について、みどりの軸とするべきではないかということでありました。
今後、新たに整備される都市計画道路につきましても、可能なものはみどりの軸として整備するよう検討してまいります。
それから、保水性の舗装についての御質問がありました。
東京都は現在、都道の保水性舗装について、都心地域を中心に行っているようでありますが、中野区内の都道の新規整備の際には、保水性舗装の採用についての検討を要請していきたいと考えております。既存道路の補修に当たっての保水性舗装につきましては、今後検討させていただきたいと思っております。
それから、中野駅一帯の環境対策におけるシンボル的エリアということであります。
中野駅周辺一帯につきましては、道路、公園などの公共敷地はもとより、民間敷地における緑化を推進して、みどりのネットワークを構築するとともに、地球環境への負荷を可能な限り低減し、効率的なエネルギーを活用することによる環境配慮型のまちづくりを進めていきたい、こう考えております。
それから、中野駅駅舎と新北口駅前広場の緑についてであります。
新たに整備する中野駅橋上駅舎は、中野区のシンボルとして、緑化の可能性も検討していきたいと考えております。新北口広場につきましても、適切に街路樹や植栽を配置するなど、潤いのある広場の整備に努めてまいります。
それから、公園整備で適正配置を考える必要があるのではないかということであります。
区では、平成21年に定めた「今後の大規模公園整備の基本的考え方」に基づいて公園の整備を進めておりますが、区内における公園の配置の視点で見ると、偏在性が認められるのも確かであります。今後は、地域間でバランスのとれた公園の配置に努めてまいりたいと考えております。
それから、親水施設の設置についてであります。
親水施設の効用、これについては理解をしているところですが、施設・設備等かなり大がかりとなるため、適切な設置場所を確保する、見出すということはなかなか難しいというふうに思っております。今後、新たに公園を設置する場合など、中野四季の森公園の例を参考に考えていきたい、こう考えております。
それから、環境基本計画及びみどりの基本計画の改定に当たって、都市基盤部と環境部の関係にかかわる御質問がありました。
地球温暖化対策に関連する計画の改定や対策の推進に当たっては、環境部が中心となって、都市基盤部をはじめ、関係する各所管が十分に連携をとり、ハード・ソフト両面での対策を効果的に推進することができるよう、庁内での連携や協力をしっかりと強力に行っていきたいと、このように思っております。
それから、生活インフラとしての区内商店街振興についての御質問であります。
ライフサポート事業支援資金の商店等を対象とするべきではないかという質問でありました。
平成25年度から創設したライフサポート事業支援資金は、医療・介護・福祉サービス、見守り・安否確認サービス、在宅生活を支援するサービス、高齢者や女性の創業・就業を支援するサービスといった事業をあっせん対象事業と定めた上で、これらの事業を行う可能性の考えられる業種をできるだけ幅広く捉えて指定する形で開始したものであります。こうした事業に該当するものであれば、商店街にあっても、あるいは商店形態の事業所であっても、当然融資あっせんの対象となるというふうに考えております。
また、この事業資金の使い勝手、使い道などもよく見ながら、今後の拡充を図ってまいります。
それから、ライフサポートビジネス創造塾についてであります。
なかのライフサポートビジネス創造塾は、参加者の各事業者等がライフサポートビジネスを実際に開始することの後押しを目的としております。区としては、今年度から3年間程度連続で発展的に拡充しながら実施してまいることとしております。地域生活を支える機能を果たしている商店街の活性化の一つの観点として、ライフサポートビジネスは重要なものと考えております。そういう意味で、セミナーの一テーマとしたところであります。来年度につきましては、今年度の実施も踏まえて検討してまいります。
それから、商店街振興ビジョンの策定の考え方についてであります。
区が策定するビジョンにおいては、区全体という立場から、地域の立地特性やまちづくりの進展等を踏まえ、区全体の地域商業のあり方を示すものと考えております。このビジョンの方向性に基づいて、各商店会がみずから活性化計画を描き、そして計画を実行する場合には、計画策定そのもの、また、その後の具体的な事業展開につきまして、さまざまな情報の提供や助成制度の構築など、重点的な支援を検討してまいります。
それから、大和町における商店街についてであります。
東京都が生活再建については十分対応しているとしているところですが、区も大和町中央通りの拡幅事業後の沿道まちづくりの中では、現在の商店の人たちの生活再建、こういうことに十分配慮していきたいと、こう考えております。また、拡幅の範囲が大変広いので、その影響はかなり大きいものと思っております。地域に必要な商業集積という観点からもどうあるべきか、よく地域の皆様とも検討しながら、今後必要な新たな商業集積が適切に誘導されるようなまちづくりの手法といったようなことについても検討していくことが必要だと考えております。
それから、道路拡幅事業によって必要となる商店街街路灯の更新及び撤去費用への配慮についてという御質問がありました。
商店街街路灯は、道路上の占用物件であります。したがいまして、道路上の占用物件ですから、道路拡幅事業などを実施する場合には、物件の管理者、占用許可を得ている管理者の方が移設・撤去していただくというのが大原則ということであります。しかしながら、こうした事業の場合には、それによりがたい場合も想定されるということから、道路拡幅事業の早期実現、また、当該地域のまちづくりを推進する観点といったようなことから、事業の実施に当たって、さまざまな対応も検討していきたいというふうに考えております。
なお、道路拡幅事業に伴って、当該商店街が街路灯を更新するという場合には、現在の街路灯の設置の補助、これの対象となるわけであります。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 気候変動対策のための学校の施設整備等についての御質問がございました。
まず、スプリンクラーの活用についてです。
スプリンクラー等の設備は、気温を下げる一定の効果があると考えてございますが、設備や管理、水道代など経費が多額に上ることから、積極的な活用は考えていないところでございます。
また、空調設備についての御質問もございました。
これまで学校再編に伴い改築した体育館には、空調設備を設置してございます。今後、体育館の長寿命化に向けた改修や改築に当たっては、財政状況も踏まえながら、空調設備の設置についても検討していく考えでございます。
特別教室の冷房化につきましては、コンピュータ室、音楽室、図書室には既に全ての区立小中学校で実施済みでございます。また、今年度から他の特別教室につきましても一部冷房化を図っているところでございます。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、安全で安心な道路等のインフラ整備についての御質問にまずお答えをいたします。
陥没対策の計画化と道路の長寿命化計画の策定についての御質問でございます。
平成26年度に路面下空洞調査と路面性状調査を行い、修繕計画を策定し、平成27年度から順次修繕対策工事を実施することを検討しているところでございます。
次に、維持補修の指針についての御質問でございます。
5年ごとの路面性状調査を行い、修繕計画の見直しを行うことにより、平成27年度を初年度とした適切な維持・補修工事を行っていきたいと考えております。また、今回策定する修繕計画により、路面性状データなどの蓄積が行われ、20年、30年先の道路路線別の修繕計画が明らかになり、あわせて、5年ごとの見直しをすることが維持・補修の指針にもなるものと考えております。
なお、この修繕計画に基づき維持・補修工事を行うに当たっては、国庫補助金を活用できるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、コンクリート診断士の活用についての御質問でございます。
平成24年度に行った橋梁長寿命化修繕計画策定の際、コンクリート診断士につきましては、受託者が管理技術者を選定する際の複数ある資格要件の一つとして位置付けてございました。現況調査の際には、コンクリート診断士が診断を行っております。コンクリート診断士による診断が制度化されているわけではございませんけれども、今後のコンクリート橋の現況調査の際には、コンクリート診断士の診断が必要であると考えております。
次に、コンクリート診断士確保のための助成制度の創設についての御質問でございます。
区内のコンサル系事業者でコンクリート診断士の有資格者がいる会社は、2社程度でございます。コンクリート診断士の有資格者の確保は、事業者が営業活動を通じてみずから行うべきものであると考えており、区内事業者への資格取得のための助成制度は考えておりません。
次に、中野区交通バリアフリー整備構想改正についての御質問でございます。
重点整備地区の指定及び対象範囲についての御質問がございました。
中野駅周辺や西武新宿線沿線の駅につきましては、大きなまちづくりの動きがある地域であり、重点整備地区の候補の一つとして今後、中野区交通バリアフリー整備構想改定協議会で議論していきたいと考えております。また、平成16年策定の現バリアフリー整備構想の重点整備地区、中野地区と中野駅周辺まちづくりグランドデザインの範囲に差異がございますので、グランドデザインのエリアを対象範囲として検討する予定でございます。
次に、すこやか福祉センターの重点整備地区指定及び移動円滑化に資する公共交通の検討についての御質問でございます。
今回策定する整備構想の目標年次は平成32年度であり、駅の周辺など大きなまちづくりの動きのある地域で実効性のある整備を行える地域を中心に、重点整備地区の対象として検討する予定でございます。御指摘のような、駅の周辺以外の地域につきましては、今後の中野区交通バリアフリー整備構想改定協議会で議論していきたいと考えております。
また、交通バリアフリー整備構想は、公共交通機関の新たな路線の設定等を求めるものではなく、既存の公共交通機関や道路、駅等の公共空間における移動の円滑化に資する方策を具体的に示すものであります。この点について、バス会社等の交通事業者と調整を図りながら、移動円滑化の検討を進めてまいりたいと考えております。
最後に、ICTの活用によるバリアフリー整備についてでございます。
先進自治体の取り組み事例を参考にしながら、バリアフリー整備構想改定の検討課題とさせていただきたいと考えております。
〔健康福祉部長野村建樹登壇〕
○健康福祉部長(野村建樹) なかのZERO小ホールについての御質問がございました。
なかのZERO西館の小ホールでございますが、バリアフリー化が不十分であるということについては認識してございます。現状では、小ホール利用者専用のエレベーター等の設置は困難であるというふうに思ってございます。既設のエレベーター等へ高齢者を適切に誘導するなど、運営面での工夫により丁寧に対応してまいりたいというふうに思ってございます。
○議長(伊東しんじ) 以上で、平山英明議員の質問は終わります。
中野区議会議員 金 子 洋
1 原発ゼロと自然エネルギーへの転換について
(1)原発再稼働方針と温暖化防止対策について
(2)環境基本計画の改定について
(3)温暖化対策推進オフィスについて
(4)その他
2 賃金・雇用問題と青年の自立支援について
(1)「ブラック企業」の規制について
(2)公契約条例について
(3)引きこもり、「ニート」などの青年の自立支援について
(4)その他
3 教育費の負担軽減について
(1)義務教育費の負担軽減について
(2)就学援助について
(3)その他
4 オンデマンド交通の検討について
5 都市計画道路補助133号線(中杉通り白鷺バイパス)について
6 後期高齢者医療について
7 その他
○議長(伊東しんじ) 次に、金子洋議員。
〔金子洋議員登壇〕
○30番(金子洋) 2013年第4回定例会本会議におきまして、日本共産党議員団の立場から一般質問をいたします。
まず最初に、原発ゼロと自然エネルギーへの転換について伺います。
その1として、原発再稼働方針と温暖化防止対策について伺います。
国内の原発は現在全てとまっており、安倍政権は再稼働に向けて準備を進めています。しかし、福島第一原発の事故は収束しておらず、汚染水が垂れ流されています。この状況で再稼働を強行することは許されません。国民の過半数が再稼働に反対し、原発ゼロを望む中、かつて原発を推進してきた小泉元首相さえもが即時原発ゼロの決断を主張するに至りました。区は、国に対して再稼働反対、原発ゼロを求めるべきではありませんか。見解を伺います。
安倍政権はまた、ワルシャワで開かれたCOP19(第19回国連気候変動枠組み条約締結国会議)に向けて、2020年の温室効果ガス排出量を1990年比で25%減らすという、これまでの日本の温室効果ガス削減目標を大幅に後退させる新たな目標設定を明らかにしました。その内容は、2005年度比では3.8%の削減ですが、基準年の1990年度比では3.1%の増加になるというものです。
フィリピンに壊滅的被害をもたらした台風をはじめとして、地球温暖化の影響が表面化する中、二酸化炭素の排出削減は緊急性を増しています。政府決定は、世界の人々の願いに背を向け、持続可能な経済社会と人類の生存を脅かすものです。
日本政府は、世界のNGOのネットワークCANから「化石賞」の特別賞を受賞するなど、国際的にも批判を受けています。この目標は、原発の稼働ゼロを前提にしたものと説明されています。これまで原発に依存して、再生可能エネルギーの活用を推進してこなかった責任を棚に上げて、原発を再稼働するか、CO2排出をふやすか、二者択一を国民に迫るものです。
区は、これまで国のエネルギー政策の動向を見きわめるとしてきましたが、このような国の姿勢について、区の見解を伺います。
次に、環境基本計画の改定について伺います。
区は、この9月、環境基本計画の第1次アクションプログラム期間の終了後、2年余りのブランクを置いて、2013年度から2015年度を計画期間とする第2次アクションプログラムを策定しました。そこでは、「国のエネルギー政策、地球温暖化対策の見直しを待たず、これまでの取り組みの実績を踏まえて、環境施策を発展継続して実施する」としています。同時に、区は、2015年度から2024年度を計画期間として、環境基本計画全体の見直しを進めるといいます。
この基本計画の策定において、区は国のエネルギー政策と地球温暖化対策に追従するのでなく、自主的なCO2削減目標を持って、再生可能エネルギーの活用を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
自然エネルギーへの転換を進める上では、太陽光発電の普及が重要です。区民委員会での環境基本計画第2次アクションプログラムの報告の中では、区内の住宅への太陽光発電機の設置について、当初のアクションプログラム3年間の設置目標180件を大きく上回り、2012年度末では860件の設置があったとの答弁がありました。しかし、第2次アクションプログラムにおける設置目標は、年に100件と少ないものとなっています。初期投資の負担の大きい太陽光発電機の設置を進めるため、なかのエコポイントによるインセンティブだけでなく、国などの助成に合わせて、区も設置助成をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
第2次アクションプログラムは、なかの里・まち連携の自治体において、区民が森林整備、植林活動に参加し、カーボンオフセット事業を進めるとしています。そうした植林や森林整備は、輸入木材との価格競争で危機に瀕している日本の林業の再生に多少なりとも寄与するでしょうし、また、区民が自然に触れ、温暖化防止について考える機会ともなるでしょう。その点は評価いたします。しかし、カーボンオフセット事業として見た場合、相当な規模で行わない限り、そのCO2吸収、固定の実際の効果は意味のあるものとはなりません。
オール東京62による温室効果ガス排出量算定結果によると、セントラルパークのビルが着工された2010年度、中野区内の建設部門で二酸化炭素の排出は4万4,000トン増加しました。一方、同算定結果のデータから算出すると、東京都多摩地域の森林は、その成長により2006年度から2010年度の5年間の平均で1ヘクタール当たり年間3.68トンの二酸化炭素を吸収しています。ビルを100年間建てかえずに使用すると仮定し、その100年間にこの4万4,000トンの二酸化炭素を森林に吸収させるとします。どれだけの面積の森林が必要となるでしょうか。120ヘクタールです。四季の森公園57個分の広さの杉などのうっそうたる人工林を新たにつくり出さなければなりません。
したがって、多少の森林整備、植林などの事業を行ったからといって、開発などによる区内のCO2排出増加が埋め合わされることはありません。そうした事業を区外で進めるだけでなく、本筋である区内での実効あるCO2排出削減及び増加の抑制にきちんと取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
さきの第3回定例会の総括質疑で私は、四季の都市(まち)のビルの温暖化ガス排出量の低減のためにとられている対策及びその効果について質問しました。区からは、屋上緑化や敷地内の大規模な緑化、高効率の設備、建物の構造などで対策を打っており、CASBEEの評価は最高ランクとの答弁でしたが、その効果についてはお答えがありませんでした。屋上緑化、壁面緑化などはヒートアイランド化の抑制や冷房に使用される電力の節約に一定の効果がありますが、芝生や草花自体には二酸化炭素吸収・固定効果はありません。
また、屋上緑化や高効率化は、四季の森だけでなく、他のまちの新しいビルでも進んでいるはずです。それにもかかわらず、23区のオフィス・店舗など業務床の単位面積当たりのエネルギー消費量は20年間ほとんど変化していません。このことに注意を向けるべきです。
今後の中野駅周辺の開発については、ビル建設と建設後の業務床増加の両面から、CO2排出の増加を積算・評価するべきではありませんか。見解を伺います。
また、二酸化炭素の排出を抑制するためには、不要不急のビル建設はするべきではありません。この点から、区役所の移転と高層化、区役所・サンプラザ地区の一体開発、駅ビルの誘致などの事業を改めて見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、緑化推進に関連して、保護指定樹木・樹林への助成について伺います。
区は、保護指定樹木・樹林の所有者に対して、剪定などの維持管理費の一部として助成を行っています。保護樹木には1本当たり年額5,000円、保護樹林には面積に応じて2万円から5万円の助成金が支給されています。しかし、所有者からは、全面的な管理には十分でないという声も聞かれます。
また、ある保護樹林の近隣住民からは、台風のときに折れた枝の落下による住宅の被害についての訴えや、木が倒れてきたときの命の危険への不安も聞かれます。保護樹木・樹林の所有者が近隣の住民の理解を得て、樹木・樹林を適切に管理していけるよう、必要な際には樹木医などの専門家を区が紹介し、その経費を区が負担するなどの助成策も必要ではないかと思います。いかがでしょうか。
次に、温暖化対策推進オフィスについて伺います。
環境リサイクルプラザは、区民の環境活動、リサイクル活動の場として利用されていましたが、2011年度に廃止され、温暖化対策推進オフィスとして、ことし4月から事業者に貸し出されています。当初は環境事業者に貸し出して、CO2削減など環境事業を展開することになっていましたが、そのような事業者の借り手が見つからず、最終的には環境とは関係のない介護事業者に貸し出されることになりました。区民からは、「これでは区が貸しビル業を営んでいるようなもの」との声があります。区民とともに温暖化防止対策を推進するオフィスとなることを区民は期待しているのです。この期待にどう応えますか、区の姿勢を問います。
次に、2の雇用・賃金問題と青年の自立支援について伺います。
その1、「ブラック企業」の規制についてです。
区は、産業振興ビジョンの中で、区内産業の振興の柱にライフサポートビジネスや都市観光関連産業を位置付けています。厚労省の平成24年賃金構造基本統計調査では、これらに含まれる医療・福祉、宿泊・飲食サービス業、生活関連サービス業、小売業などが他の産業に比べて賃金の低い分野となっています。また、若者を中心として働く人を過酷な労働に追い立て、過労自殺やうつ病による解雇・離職に追い込む、いわゆる「ブラック企業」が問題となっていますが、このブラック企業もICT産業や飲食などのサービス業の分野から広がってきました。
「労働集約型」と呼ばれるこうした分野で急成長しようとするブラック企業は、顧客に最大限のサービスを最小限の人件費コストで提供しようとします。その結果、働く人に過重なノルマを課し、上司の命令に絶対服従させるためにパワーハラスメントが横行し、大量採用と大量離職・解雇を前提とした経営が行われます。
日本共産党は、今国会に「ブラック企業規制法案」を提出し、長時間労働の是正や求職者への情報公開、パワーハラスメントをやめさせるなどの法規制を求めていますが、区が振興しようとする区内産業においても、若者たちが安定した雇用のもとで人間らしく働くことができるようにしていくことが必要です。労基署など国の機関との取り組みともあわせ、次のような区の独自の取り組みを求めます。
第1に、区内企業の求人情報を無料で紹介するウェブサイト「ぐっJOB・なかの」では、事業者登録の際に審査を行っています。この審査において、採用者数及び離職者数の実績をつかむなど、ブラック企業が紛れ込まないような対策はとれないでしょうか。
第2に、現代の若者は、労働条件や労働者の権利についての基本的な知識を余り教えられていません。労働法についての啓発が求められます。東京都のつくった「ポケット労働法」の普及に力を入れるべきです。
区のホームページの就業支援のサイトには、この「ポケット労働法」へのリンクが張りつけてありますが、アクセスを待っているだけでは十分とは思えません。成人式、卒業式などの機会を捉え、冊子そのものか、紹介・PRするビラを配るなど、区からの積極的な働きかけが必要ではないでしょうか。
第3に、区内に総合労働相談の窓口を設けることはできないでしょうか。都内には、厚労省東京労働局の三つの総合労働相談コーナーが、また、18の労働基準監督署内にも同コーナーがありますが、中野区内にはありません。区は生活保護を受ける人などを対象に、ハローワークと連携して中野就職サポート事業を行っていますが、同じように東京労働局と連携して、区役所内に総合労働相談の窓口を設けることはできないでしょうか。
以上、3点の提案について見解を伺います。
次に、公契約条例について伺います。
ことし9月末に足立区が加わり、公契約条例を制定した自治体は8市区となりました。渋谷区以外の七つの自治体では、対象を公共工事や物品製造の請負だけでなく、その他の業務委託や指定管理者にも広げています。
区は、これまで国が最低賃金を定めていること、賃金は労使が交渉して決めるものだということ、こういった理由から公契約条例を制定するつもりはないとしてきました。しかし、最低賃金は最低限度の生活を保障する最低ラインとされるものであって、それぞれの仕事に見合った適正な賃金を定めるものではありません。また、現行の最低賃金は、最低生活を保障していると言えるのでしょうか。生活保護基準が引き下げられたこともあり、北海道以外では最低賃金が生活保護基準を上回ったと報じられていますが、これは残業や休日出勤をして、月に173.8時間働くことを前提とした算定です。所定内労働時間の月155時間で計算すれば、いまだに全ての都道府県で最低賃金は生活保護基準を下回っています。
賃金に関する労使の交渉についていえば、下請けの小規模事業者の多くには労働組合もなく、下請企業が低価格で落札すれば、下請けの労働者は一方的にそのしわ寄せを受けるのです。対等な労使の交渉など成り立ちません。川崎市などの公契約条例のように、国の定める労務単価などを参考に、労働者、使用者双方の代表や有識者で構成する審議会によって、適正な賃金の最低額を定めることが必要です。
また、区が委託する事業でも、働く人に適正な賃金を保障することが求められます。その仕事の質に見合った賃金が支払われるよう区はしっかりとチェックするべきです。
公共工事だけでなく、委託事業や指定管理事業でも、官製ワーキングプアを生まないために、また、適正な賃金相場の形成に寄与し、区民生活の向上と区内経済の活性化につなげるために、中野区でも公契約条例の制定を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、引きこもり、ニートなどの青年の自立支援について伺います。
日本共産党区議団が視察した北九州市では、不安定な雇用や「ニート」と呼ばれる若年無業者、不登校や引きこもりなど、社会生活にさまざまな困難を抱える若者を総合的にサポートし、自立を支援する事業のために、「子ども・若者応援センターYEEL」を2010年に開設しました。キャリアカウンセラー、臨床心理士などの資格を持つ相談員3名、コーディネーター1名の体制で、子どもや若者、保護者との面接相談に当たっています。「ひきこもり地域支援センターすてっぷ」「若者サポートステーション」「青少年ボランティアセンター」などにつないだり、それらの機関や大学などと連携しながら、「引きこもり」「準引きこもり」「社会参加」「進路選択」「就労・就学」の各レベルに応じて、ボランティアや農業体験、しごと体験ショップ、大学祭模擬店の企画・出店などの体験活動を進めています。これまでに463人が相談に訪れ、255人が継続的に支援を受け、そのうち122人が就労・就学など自立に至りました。
中野区でもこのような自立支援の取り組みの実施に向けて、若者やその保護者を対象にした専門の相談窓口を設け、関係機関につないだり、実態の把握を進めてはどうでしょうか、伺います。
次に、教育費の負担軽減について伺います。
その1、義務教育費の私費負担軽減についてです。
2010年に文部科学省が行った「子どもの学習費調査」によると、学校教育費は公立小学校で年間5万5,000円、公立中学校で年間13万2,000円となっています。これに給食費を合わせると、子どもを学校に通わせるために必要な私費負担が、公立小学校で年間9万7,000円、公立中学校で年間16万7,000円になります。これらは、学校で教育を受けるために選択の余地なくかかる負担です。
憲法は「全ての国民に等しく教育を受ける権利を保障し、義務教育は無償とする」と定めています。この原則に基づき、学校教育に必要な経費は無償化を目指し、私費負担の軽減を進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、就学援助について伺います。
事業見直しの一環として、昨年度より就学援助の認定基準が生活保護基準の1.2倍から1.15倍に引き下げられました。さらに、生活保護基準がことし8月から3段階で引き下げられることになり、特に子どものいる世帯で大幅な引き下げとなっています。このままでは、父母の所得水準が変わらなければ、区内でも来年4月には200人程度、再来年4月には300人程度が就学援助の対象から外される見通しだと言います。
生活保護基準の引き下げが他の制度にも影響を及ぼすという批判を受けて、政府も就学援助などには影響が及ばないようにすると約束をしています。今年度当初に要保護者として就学援助を受け、引き続き困窮している世帯には継続して国庫補助申請を認め、準要保護世帯には国の取り組みの趣旨を理解し、各自治体で判断するよう依頼するとしています。
父母の所得水準が変わらなければ、区の財政負担がふえるわけではありません。財政負担を200人分、さらには300人分減らすのか、それとも減らさないかの問題です。引き下げ前の生活保護基準に基づいた今年度の準要保護者の所得基準額を維持するべきではありませんか、お答えください。
次に、就学援助の支給費目の拡充を求めたいと思います。
まず、国が2010年度から支給費目に加えたクラブ活動費、PTA会費、生徒会費の3費目の支給をすべきです。学習指導要領では、部活動、生徒会活動も教育活動の一環とされ、生活保護ではPTA会費も含めた3項目全てが教育扶助から支給されています。
先ほどの「子どもの学習費調査」に見る全国平均では、クラブ活動費に公立小学校では約2,600円、公立中学校では2万7,000円余りかかっています。区は、小学校230円、中学校1,190円というかつての必修クラブ活動費を、必修クラブがなくなってからはクラブ活動費として支給していると言いますが、中野区の実勢に応じた額に引き上げるべきです。3費目の支給について、区の見解を伺います。
次に、区独自の事業として、眼鏡・コンタクトレンズ購入費を支給することを求めます。
文部科学省の学校保健統計調査によれば、小中学生の視力の低下が年々進み、2012年度は小学生で30%、中学生で54%が裸眼視力1.0未満となっています。経済的理由で眼鏡を買えない子どもがふえているとの学校関係者からの指摘もあります。生活保護を受けていれば、眼鏡の購入は医療扶助として支給されます。準要保護の子どもにも援助が必要ではないでしょうか。
東京都23区の中では墨田区が、神奈川県では大和市、藤沢市など幾つもの自治体が就学援助で眼鏡購入費を支給しています。中野区でもこれを支給すべきではないでしょうか。
また、中学生の女子では、眼鏡を嫌って、コンタクトレンズを使用する例が多くなっています。コンタクトの購入費も助成できないでしょうか、お答えください。
次に、オンデマンド交通の検討について伺います。
コミュニティバス「なかのん」は、区の運行補助が当初の3年で打ち切られ、関東バスの独自運行路線となる中で、利用者の減少を理由に運行便数が大幅に削減されました。同時に、この旧「なかのん」が走っていても、上鷺宮地域や西武新宿線南側の白鷺、若宮、大和町には広大な交通空白地域が残されています。白鷺商店会など白鷺地域の住民からは、コミュニティバスをこの地域にも走らせてほしいという要望が昨年から出されています。
区は、オンデマンド交通の検討の中で、この二つの交通空白地域を四つの運行エリアの中に想定しています。オンデマンド交通の検討を前に進め、あるいはコミュニティバスの新路線を検討するなど、住民の要求に応えるべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、都市計画道路補助133号線、中杉通りの白鷺バイパスについて伺います。
東京都は10月下旬、都市計画道路補助133号線の「事業概要及び測量の実施について」と題した住民説明会を開きました。補助133号線、中杉通りのうち、白鷺一丁目、二丁目の地域を走る約700メートルの区間について、東京都はバイパスの新設を計画しています。これは1965年に都市計画決定がされながら、2004年に東京都と中野区が第3期優先整備路線に選定するまでは、39年間放置されてきた計画です。優先整備路線の選定により、2015年度が目標年次とされながら、その後も動きがなく、東京都は対象地域の住民の問い合わせにも、「西武新宿線の踏切がなくなるまではやらない」と答えてきました。ところが、説明会では、2015年をめどに事業認可、事業着手するため、本年度中に現況測量、来年度には用地測量する、ついては御協力という一方的な説明がなされました。都市計画決定当時は、現中杉通り沿道の住民からは、拡幅反対の声が強く、当時は大部分畑の広がっていたところへバイパスが計画されたと聞いています。ところが、計画のまま放置されている間に地域の状況は変わり、今では住宅が立ち並んでいます。これが立ち退きを求められることになります。
また、このバイパスが通ると、江戸時代後期に建てられたカヤぶき屋根の歴史的民家やその敷地の保護樹林、無認可保育所と言われた時代からやってきた園庭のある認証保育所、鷺宮八幡神社の社務所などが犠牲となります。
東京都は、2004年の優先整備路線選定に先立ち、都政モニターから意見を集めていますが、そこでは整備推進を求める意見1件に対し、計画廃止・見直しを求める意見が19件でした。優先整備路線設定は、こうした住民の意見を無視した先に計画ありきの選定と言わなければなりません。その際に、渋滞の解消と延焼遮断帯を理由にしていますが、渋滞の解消については、西武新宿線の踏切がなくなり、北側も拡幅されなければ、南側だけ16メートル道路にしても、あまり意味がありません。
選定当時も、都と区は、「今後事業実施に向け、関係機関と踏切解消のための方策について調整を図っていく」としていました。延焼遮断帯としても、この区間はすぐ近くを妙正寺川が並行して南北に走っており、あまり意味がありません。バスがすれ違うのがやっとの路肩もない車道や、幅1メートルの歩道に電柱が林立しているという狭い中杉通り現道の状況は放置できません。この問題を解決するのは、地域全体の住民の願いです。しかし、その解決がバイパスなのか、現道拡幅なのかについて十分な議論がなされておらず、地域住民の間にもコンセンサスがありません。広く住民の意見を集め、都市計画を再検討する議論が必要と考えますが、いかがでしょうか。
次に、後期高齢者医療について伺います。
6年前に導入された後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者を国民健康保険から引き離し、別枠とする制度であり、高齢者の医療費増大を保険料の際限のない負担増に転嫁する仕組みとなっています。日本共産党は一貫してその廃止を求めてきました。
東京都後期高齢者医療広域連合は、来年度の保険料値上げを検討していると伝えられています。8月下旬に広域連合議会に示されたシミュレーションでは、前回の値上げと同様に、4項目の特別対策をとり、独自の軽減策に一般財源を投入する場合でも年額1万円の大幅値上げとなり、今後の国の政策次第ではさらなる値上げも予想されています。
既に高齢者の負担は限界です。保険料が値上げにならないよう、一般財源の投入を拡大するなどの対策が必要です。国も来年度について、低所得者の保険料軽減の対象拡大や所得割の軽減の財源に地方交付税による一般財源を充てることを予定しています。
東京都広域連合は、現在、後期高齢者医療の保険料の値上げについて、どのような検討をしているのでしょうか、伺います。
以上で、私の全ての質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 金子議員の御質問にお答えいたします。
原発ゼロと自然エネルギーへの転換についてというテーマでした。
原発再稼働について、原発事故対策については、今後も国内外の英知を結集し、全力を挙げて対策を講じていかなければならないとの認識を持っています。原発の再稼働については、十分な検証やそれを踏まえた安全対策の再構築などが必要なことは言うまでもなく、安全基準に照らした審査が行われ、安全と判断されることにより稼働するものであると考えております。
国の新たな温室効果ガス削減目標への区の見解についてであります。
今回、国が発表した2020年度の温室効果ガス削減目標を2005年度比3.8%の削減とするものは、原子力発電の稼働をゼロとして設定された現時点での目標であります。このため、継続検討中のエネルギー政策の進展を踏まえ、今後、見直し、確定的な目標を設定するとされています。今後とも国のエネルギー政策の動向を見きわめていきたいと考えております。
国の政策と区の自主性について、地球温暖化対策については、各自治体が国の削減目標に関係なく、CO2の削減目標を設定することはあり得ないと考えております。国のエネルギー政策や地球温暖化対策については、今後の動向を見きわめながら、区の環境基本計画の改定に反映してまいりたいと考えております。
再生可能エネルギーの活用については、中野区はこれまでも太陽光発電機器設置の啓発や家庭での省エネの取り組みを進める「なかのエコポイント制度」によるインセンティブにより進めてきたところであります。
太陽光発電機器設置への助成について、区としては、太陽光発電機器の設置そのものへの助成は考えておりません。国や東京都等の助成制度については、区ホームページ等により周知を図るとともに、なかのエコポイント制度の拡充を通じて、太陽光発電機器を含む省エネルギー機器や自然エネルギー活用機器の普及につながるインセンティブづくりに努めてまいりたいと考えております。
カーボンオフセット事業と区内でのCO2削減についてであります。
カーボンオフセット事業は、森林資源を保有するなかの里・まち連携自治体と連携し、森林整備、植林活動を行うことによって、CO2を吸収し、中野区由来のCO2排出量と相殺することで、地球温暖化の防止に資することを目的としております。
この取り組みで中野区が連携自治体に区民の環境活動のフィールドを整備することで、区民が現地を訪れて、植林などの環境貢献の実践活動を行うことも可能となります。また、区民や事業者が植林に要する経費を環境基金に寄附することで負担し、区内にいながらも環境貢献ができることになります。こうした取り組みへの参加によって、区民の緑化の推進やCO2削減に対する意識が高まり、そのことが区内における緑化の推進やCO2削減に対する波及効果を生むと考えております。したがって、この事業の効果は、植林によるCO2吸収効果のみにはとどまらないものと考えております。
区内での実効性のあるCO2削減対策については、現行の第2次アクションプログラムを着実に実施していくことによって、成果を上げていきたいと考えております。
中野駅周辺整備とCO2の排出削減についてであります。
みどり東京・温暖化防止プロジェクトによる中野区の温室効果ガス排出量は、産業、民生、運輸などの部門ごとに算定されたものの合計値として公表されております。区として、個々のビルについて、CO2排出量を評価するという考えはありません。将来においても持続可能なまちであるためには、中野駅周辺まちづくりによる都市基盤、都市機能の整備は欠かせないと考えております。温室効果ガス排出量の増加を低減させる取り組みを行いながら、今後も着実にまちづくりを進めてまいります。
保護指定樹木等への助成について、保護指定樹林、樹木、生け垣は所有者の財産であり、維持管理は所有者が行うこととなります。区では、維持管理に係る経費の一部を補助金として助成をしております。保護指定樹木等に関する近隣からの声が区に寄せられた場合には、職員が現地を確認し、枝の選定や落ち葉の清掃が必要となるような状況があれば、所有者へその旨をお伝えしています。また、保護指定樹木等の所有者から区への維持管理についての相談に対しては、必要に応じて造園事業者などの連絡先の紹介を行っており、所有者がそうした事業者から樹木医の紹介を受ける例はあると聞いております。なお、その場合の経費は所有者負担となるものであります。御提案のような新たな助成策は考えておりません。
温暖化対策推進オフィスの評価についてであります。
区が実施するCO2排出量の削減にかかわる取り組みを促進するため、中野区温暖化対策推進オフィスを貸し付け、その賃料を環境基金の財源として、区内における地球温暖化対策の推進に資することができるわけであります。したがいまして、この4月から行っている事業者への貸し付けは、区の環境政策を推進するという行政目的のために区有財産を有効活用しているものであります。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 教育費の負担軽減について、まず、義務教育費の私費負担の軽減についての御質問でした。
憲法で定められている義務教育無償の原則は、教育を受ける上で授業料は徴収しないという趣旨でございます。経済的理由によって義務教育を受けることが困難と認められる児童・生徒の保護者に対しては、区では児童・生徒の学校生活に支障が生じないよう、学校教育に必要な経費の援助、就学援助を行っており、軽減策を講じているところでございます。
次に、生活保護基準引き下げによる影響の回避の質問がありました。
就学援助につきましては、生活保護基準にのっとって対応することを基本とし、特別な対応をとる考えはございません。
就学援助の支給対象の拡大です。
就学援助の範囲については、就学に必要な経費を援助するという趣旨に照らし、社会状況や経済状況などを総合的に考慮して定めているものでございまして、生徒会費、PTA会費など、現段階では支給品目に加えることは考えてございません。
最後に、眼鏡等の購入費についてです。
眼鏡やコンタクトレンズの購入費は自己負担が原則であると考えているため、就学援助の支給について検討することは考えてございません。
〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕
○都市政策推進室長(長田久雄) 賃金・雇用問題に関して、ぐっJOB・なかの等に関する御質問についてお答えいたします。
ぐっJOB・なかのでは、ハローワーク新宿や東京労働局などのページにもリンクしておりまして、こうした労働者保護の情報にも接しやすくしているほか、ポケット労働法、東京都最低賃金などの情報を掲載しているところでございます。
ぐっJOB・なかのにおける求人登録では、仕事内容や雇用条件に加えて、会社の写真や先輩社員の声を掲載する欄を設け、職場の雰囲気が伝わるように工夫しているところでございます。これにより、より適正な求人情報の選択判断の役に立つと考えており、登録項目等の変更は考えておりません。
労働相談については、東京労働局をはじめ東京都労働相談情報センターなどで実施しておりますので、そちらを案内しているところでございます。区独自の設置は考えておりません。
私から、以上でございます。
〔経営室長川崎亨登壇〕
○経営室長(川崎亨) 公契約条例の制定についてお答えいたします。
区では、労働者が適正な労働条件で働き、賃金の支払いが保障されるということは、労働基準法や最低賃金法などの法体系によって守られるべきものであると考えております。したがいまして、区としては、公契約に関する条例の制定に取り組む考えはございません。
〔政策室長竹内沖司登壇〕
○政策室長(竹内沖司) 引きこもり、ニートなどの青年の自立支援についての御質問にお答えいたします。
御指摘の若者に対する取り組みといたしまして、すこやか福祉センターにおいて心理相談、それから、生活援護担当において生活困窮者自立支援、それから、ぐっJOB・なかので就職情報支援などを行っております。必要な取り組みやニーズに応じて適宜行っていると考えているところでございます。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、まず、オンデマンド交通の検討についての御質問にお答えいたします。
オンデマンド交通の導入検討とコミュニティバスの開設についてでございますが、オンデマンド交通の導入につきましては、利用者のニーズや運行形態、それに伴う経費面等の解決すべき課題について、今後も引き続き検討する必要があると考えております。
また、区が補助してコミュニティバスを開設し、運行することにつきましては、考えておりません。
次に、都市計画道路補助133号線、中杉通り白鷺バイパスについての御質問でございます。
都市計画の再検討についてということでございました。
補助133号線、中杉通りにつきましては、これまで昭和41年、昭和56年、前回見直しの平成16年と必要性の検証が行われ、優先整備路線として選定されたものであり、都市計画決定の見直しは必要ないと考えております。
また、今回の事業化につきましては、区としても補助133号線の整備の必要性を踏まえ、東京都と連携して対応していきたいと考えております。
〔区民サービス管理部長白土純登壇〕
○区民サービス管理部長(白土純) 私からは、後期高齢者医療の保険料の検討状況についてお答えいたします。
東京都後期高齢者医療広域連合では、平成26年度、27年度の保険料につきまして、ことしの12月に医療懇談会の場で算定案を示すことにしております。区としては、適切な医療の確保と制度の持続可能性を勘案した適切な保険料設定が望ましいと考えております。
○議長(伊東しんじ) 以上で、金子洋議員の質問は終わります。
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後3時01分休憩
午後3時21分開議
○議長(伊東しんじ) 会議を再開いたします。
この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 森 たかゆき
1 行政改革について
(1)職員数の削減について
(2)情報システムの調達について
(3)その他
2 中野区環境基本計画について
3 その他
○議長(伊東しんじ) 森たかゆき議員。
〔森たかゆき議員登壇〕
○16番(森たかゆき) 平成25年第4回定例会におきまして、民主党議員団の立場から一般質問をいたします。質問は通告のとおりです。3、その他はございません。
1、行政改革について。まず、(1)職員数の削減についてお伺いいたします。
中野区は、職員2,000人体制を目指し、急速に職員定数の削減を進めてまいりました。平成6年には3,457人に達していた職員数は、平成24年度には2,168人まで減りました。達成予定時期は当初、平成28年度とされていましたが、平成23年度の事業見直しにより、現在は27年度達成予定となっております。
計画から見ても、実際の職員数から見ても、2,000人体制の実現は目前に迫っております。そのことを踏まえて、私は、前定例会、決算特別委員会の総括質疑において、職員2,000人体制達成後の人事施策の考え方をただしたところ、2,000人体制実現後もさらなる削減もあり得ることを示す御答弁をいただきました。
職員2,000人体制の目的は、2,000人にすること自体ではなく、「職員2,000人体制に向けての方策」にも書かれているとおり、そのことによって、最小の経費で最大の価値を地域社会にもたらすことであると考えます。そうした観点からすれば、2,000人体制達成後も効率化の余地があるのであれば、それに向けて取り組みを進める、このこと自体は当然のことであると言えます。
しかし、2,000人体制実現が間近に迫る中、職場に人が足りない、各職場で最適な人員配置がなされていない、こうした声も聞かれてきております。この言葉を額面どおりに受け取りますと、2,000人というのは、中野区の区政運営を行うに当たって必要最低限、ぎりぎりの人数である、これ以上の削減は難しい、こうしたようにも考えられますが、一方で、業務効率化や人員配置の工夫、個々の職員のスキルアップなどの余地がまだあるにもかかわらず、何らかの理由によってそれが実現できていないのではないかと考えることもできます。
いずれにしましても、ここで問題なのは、人が足りない、こうした声をどのように理解すればよいのか、その判断をするための情報が不足していることにあると考えられます。したがいまして、2,000人体制実現後の人員計画の策定に当たっては、まず、現状、職場がどのような状態になっているのか、これを把握した上で、現計画の総括を行うべきと考えますが、いかがでしょうか、見解を伺います。
続いて、新卒採用のあり方についてお伺いいたします。
平成23年度の事業見直しにおいて、2,000人体制実現の1年間前倒しの方針が示され、その手段として、新卒採用の抑制を行うこととされました。実際に平成22年、45名、平成23年、43名、平成24年、50名であった新卒採用数は、25年度には11名と激減したとのことです。
私は、その方針が示された2年前の第4回定例会一般質問でこの点に触れまして、新卒採用を抑制して歳出削減を図ると言いながら、一方で再任用の経費はふえていること、職員数の年代構成がいびつになり、極端に平均年齢の高い組織となってしまうこと、こうした問題点の指摘をさせていただきました。その際、区長からは、業務執行で困るような場合には、経験者採用というような手段もあるので御理解いただきたい、こうした御答弁をいただきましたが、やはり将来の区政運営を担う生え抜きの職員を一定数、10年、20年と時間をかけて育成していくことは非常に重要なことであるというふうに考えております。今後、新卒採用の抑制は続けるべきではないと考えますが、いかがでしょうか、見解を求めます。
続いて、(2)情報システムの調達についてお伺いいたします。
業務効率化の手段として、情報システムの活用は必要不可欠であり、区としてもそのような認識を持っていただいているところであると考えております。しかし、区政運営全体の効率化ということを実現するためには、単に情報システムを導入すればいいというものではなくて、どういった優先順位をつけて整備をしていくか、ここが重要であると考えます。自治体のシステムである以上、法改正、制度改正への対応が最優先となってしまい、効率化はその次に回ってしまいます。
予算書等のシステム関連経費を見てみますと、そもそも効率化の部分まで手が回っていないのではないかと心配になります。実際、職場によっては、かつて職員が内製したようなかなり古いシステムがいまだに残っているというふうにも聞いております。
そこで、まず、お伺いいたしますが、システム化の調達案件の優先順位はどのように決定がなされているのでしょうか、伺います。
そもそも優先順位づけのためには、例えば対象業務のフローをつくるなどして作業項目や工数など、自分たちの行っている作業を見える化し、ボトルネックとなっている部分を発見することが必要です。しかし、現在の中野区においては、業務フローのようなものはあまり整備がなされていない、このように聞いております。これでは、全体的な業務効率化、優先順位をつけていく、こうしたことに支障が出るのではないかと心配しております。業務フローを整備し、IT活用のポイントを探り、優先順位づけをしていくべきと考えますが、いかがでしょうか、見解をお伺いいたします。
情報システムの調達に当たっては、そのシステムに求められる機能を過不足なく仕様書に落とし込むことが重要です。ここがうまく行われていないと、効率化を目指したにもかかわらず、逆に無駄な作業が発生してしまったり、区民サービスの提供に障害が出てしまったりします。
2年前、東京都の区市町村で構成する都後期高齢者医療広域連合が、1万通以上の療養費の通知書について、実際の支給額より数十億倍も高い金額が誤記された書面を送付してしまった、こうした事例がありました。これは、例えば「1,500円」と入力するべきときに、ゼロを9回入力した後に1,500と入力しなければいけない、こうしたシステムの仕様に原因があったということです。通知にミスがあった、このこと自体問題ですが、そうでなくても毎回このようにゼロを入力しなければいけないという仕様自体、非効率で問題があると言えます。
中野区においても、住民情報系システムのオープン化に際して、数回にわたりシステム障害が発生した、このことは記憶に新しいところでございます。そこまで大規模なもの以外でも、例えば国保特定健診の未受診者の方へお送りしたはがきに宛名の敬称が抜けていた等、細かいシステムの仕様に不備があるのではないかと思われる事故も散見されております。
システムに求められる機能を過不足なく仕様書に落とし込むという作業は、業務についても、システムについても、それなりの知識が必要であり、担当部署のみで行うことには限界があるのではないかと考えております。システム調達に当たり、必要な案件を明確に定義できるような改善策が必要と考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
この項の最後に、CIO補佐官、IT専門支援員の役割についてお伺いいたします。
ここまで申し上げてきた調達の優先順位づけ、業務の見える化、要件の明確化、いずれの部分においても、外部の目を入れることが重要です。人は、自分がやっていることを実はあまり明確には把握しておりません。外部の人に説明する、質問に答える、こうしたプロセスを経ることによって気づくことも多々あります。民間企業であれば、コンサルティングを活用するところであり、自治体においても、それも一つの方法でありますが、それをやるには当然費用がかかります。
一方、中野区にはCIO補佐官、IT専門支援員がおります。平成24年度決算で見ますと、合わせて1,976万円余など、毎年多額の報酬を支払っておりますが、彼らがいることによって、中野区のシステム化、情報施策の推進にどのようなメリットがあるのか、私たちには見えてきておりません。費用の算出の部分については、それなりにかかわっているというふうにも聞きますが、業務改善のほうはあまりかかわってこない、こうした声も聞こえてきております。勤務体制の見直しなどを含めて、CIO補佐官やIT専門支援員をより活用する体制の構築を考えるべきと考えますが、いかがでしょうか、見解をお伺いいたします。
次に、2、中野区環境基本計画についてお伺いいたします。先ほどの金子議員の質問と一部重なる点もございますが、私なりの観点から質問をいたします。
ことしの9月、中野区は中野区環境基本計画第2次アクションプログラムを決定、公開いたしました。その中で、区は、今後、アクションプログラムのみならず、基本計画そのものを改定する方針を示しております。改定後の基本計画の計画期間は、平成27年度から36年度をめどとするとある一方、第2次アクションプログラムの期間は平成25年度から27年度となっております。
まず、お伺いをいたしますが、基本計画改定の着手時期、スケジュールはどのように考えているのでしょうか、お聞かせください。
今回示された第2次アクションプログラムでは、改定の背景として、東日本大震災とそれに伴う原子力発電所の事故に言及しております。しかし、それはあくまで災害・事故があったということ、そして、それによって国のエネルギー政策が見直しされているという事実を述べたに過ぎず、どこか他人事のような印象を受けます。その印象は、例えば「東日本大震災、その後の原発事故の影響による電力需要の逼迫、これに伴う節電は、私たちの暮らしがいかに過剰にエネルギーを消費していたかを気づかせるきっかけとなりました。そして、これまで以上に省エネルギーに取り組むこと、太陽光をはじめとする再生可能エネルギーの利用を一層進めていくことの必要性を認識する機会をもたらしました」とする世田谷区地球温暖化対策地域推進計画の記述と読み比べたとき、より一層強くなります。
言うまでもなく、中野区には発電所はありませんが、電力の大消費地ではあります。原子力発電所の事故は、決して他人事ではありません。次の環境基本計画の改定に当たっては、そうした立場にある自治体として、単に国のエネルギー政策の見直しの結果を待つのではなく、国のエネルギー政策や地球温暖化対策のあるべき姿を考え、その動向に影響を与えるような大胆な施策展開を考えるべきと考えますが、いかがでしょうか、区の見解を求めます。
次に、改定の視点と区民団体との協働について、お伺いをいたします。
この分野で積極的な取り組みを行っている自治体を見ますと、市民、事業者、行政が一つのパートナーシップを組織し、さまざまな事業展開を行っている熊本県熊本市や、基本計画策定の段階から環境NGO団体が深くかかわっている岡山県津山市など、市民団体との協働を重視しているところが目立ちます。
今回のアクションプログラムの改定の視点には、「CO2を削減する実践行動を区民・事業者等がとることを直接的に促す取り組みの施策を継続して進めます」とありますが、具体的な施策を見てみると、なかのエコポイントにしても、ペットボトル破砕回収にしても、区民個人の取り組みを促すものにとどまっており、環境団体との協働といった視点は見えてまいりません。
基本計画そのものには、幅広い区民団体、事業者団体、環境NPO、個人、事業者などにより組織する(仮称)なかの地域温暖化対策地域協議会が取り組みの中核と位置付けられておるにもかかわらず、第2次アクションプログラムには中核と位置付けられているはずの地域協議会の名称すら出てきません。区として環境団体との協働などについては、どのように認識しているのでしょうか、お聞かせください。
続いて、第2次アクションプログラムにおいて、新規事業として掲げられたカーボンオフセット事業についてお伺いいたします。
これまで、区は、東京都緊急雇用創出事業を活用し、里・まち連携自治体とのカーボンオフセット事業の調査を行ってきており、今回それがアクションプログラムに載ってきたのだと思います。しかし、なぜ里・まち連携自治体とのカーボンオフセット事業なのでしょうか。
環境基本計画本体には、グリーン電力証書の購入が数値目標を掲げて記載されており、カーボンオフセット事業よりもこちらを推進していくように読み取れますが、考え方の変化があったのでしょうか。また、カーボンオフセット事業を行うにしても、今回のような特定者間の完結型ではなく、市場でクレジットを調達するという方法もあります。このクレジットは、一時期1トン当たり1,000円の値がつくこともあったと言いますが、東日本大震災以降、有力な買い手と見られていた電力会社が大幅な赤字に陥ったことなどから、その価格は暴落しているとのことです。
ことし8月の日経産業新聞は、こうした事態を「ゼロ円になったCO2排出枠」という見出しで報じております。単に名目上の区内のCO2削減を減らす、このことだけを考えれば、市場からクレジットを調達する方法が最も費用対効果が高い状況にあるのではないかとも考えられます。こうした中で、里・まち連携自治体とのカーボンオフセット事業を進めるには、どういった意義があるのでしょうか、お伺いいたします。
最後に、電力の調達についてお伺いいたします。
昨年、中野区は風力、水力、木質バイオマス等を主要電源とする新電力からの新規電力調達を行いました。しかし、この段階では、新電力からの電力調達を行うに当たって、価格を重視していくのか、環境負荷の軽減を重視するのかは必ずしも明確ではありませんでした。
今回の第2次アクションプログラムには、「CO2排出量の少ない自然エネルギーを活用した電力の調達を推進」と掲げられ、CO2係数の低い新電力の電力調達を拡大すると明記されております。これは今後の電力調達においては、区としてCO2排出係数を重視していく、こうした方針を明確にしたと理解してよろしいのでしょうか。この点を確認いたしまして、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 森議員の御質問にお答えいたします。
行政改革について、職員数の削減についてということであります。
2,000人体制が近づいて、職場で最適な体制となっているんだろうかといったような御質問があったと思います。
2,000人体制を目指して、業務の効率化や委託化などによって人員削減を進めてまいりました。そうした削減を踏まえながら、各部には必要な職員数を配分しているというふうに考えております。
各部は、定数枠の中で具体的な業務の執行状況や重点事業等を勘案した上で、各部の中での最適な人員配置を行っているという状況であります。
現在の職員数は、常勤職員が2,062人、再任用職員が定数換算で146人、他の自治体への派遣25人を除き、合計で2,183人と、こういうふうになっております。これまで2,000人体制に向けて着実に取り組んできているところで、平成27年4月までに達成していきたいと、こういうふうに考えております。
人員全体でのマネジメントということの要素としては、職種の構成ですとか、マネジメントの体制ですとか、さまざま検討し、改善をしていく要素というのがまだまだあるというふうに思っております。2,000人体制ということを踏まえて、今後さらにその次の段階、どういうふうに考えていくのかということを検討していきたいというふうに思っております。
新卒者の採用抑制ということですが、事業の見直しにおいて、平成27年度までの3年間は採用を抑制するというふうにしてきたところです。その後の採用につきましては、2,000人体制達成後の職員定数計画の中で明らかにしていきたいというふうに考えております。
私からは以上です。
〔政策室長竹内沖司登壇〕
○政策室長(竹内沖司) 情報システムの調達についての御質問にお答えいたします。
まず、順位づけということでございますが、イニシャルコストが1,000万円を超える案件ですとか、ライフサイクルコストが1億円を超える案件などの調達については、CIO補佐官、各部長をもって構成する情報システム政策評価委員会において、必要性、適時性、実現性、費用対効果の観点から評価を行っております。この評価も踏まえた上で、予算編成過程の中でさらに総合的な判断を行い、翌年度の調達案件を決めているところでございます。
次に、業務フローと仕様の精査についてでございます。
情報システムの調達に当たりましては、企画段階において詳細に業務フロー図を書くなど、現状の業務プロセスを可視化して、問題点や課題を整理することが重要であると考えております。そうすることで、重複する業務プロセスの統合やデータの一元管理、手順の見直しなど、問題点や課題の解決策につなげることができるわけでございます。
また、システム化の対象範囲が明確になり、仕様に盛り込むべき要件の漏れや間違いを防止できると考えているところでございまして、こうしたことから、情報システムの調達に際しましては、CIOオフィスのスタッフでありますIT専門支援員が支援に入り、業務所管部との業務プロセスの改善・検討や仕様に盛り込むべき要件等についての技術的助言、こういったことを行っているところでございます。
次に、CIOオフィスの活用という御質問でございます。
CIOオフィスは、ICT支援に関する専門知識を活用し、業務所管部を支援することにより、コストの削減や全体最適化を図り、ICTガバナンスを推進していく役割を果たしております。情報システムの調達に当たりましては、企画段階における業務プロセスの見直しや改善、こういったことをさらに促進していきたいと考えております。
〔環境部長小谷松弘市登壇〕
○環境部長(小谷松弘市) 私からは、中野区環境基本計画につきまして幾つかお答えをいたします。
初めに、環境基本計画改定の着手時期とスケジュールについてでございます。
環境基本計画の改定に当たりましては、環境基本条例で「あらかじめ環境審議会の意見を聞かなければならない」と、このように規定されてございます。環境審議会を平成26年度に設置を予定いたしまして、環境基本計画の改定につきまして区から諮問を行い、御審議をいただいた上で答申を受け取る予定でございます。環境審議会の答申を受けまして、区といたしまして環境基本計画の素案を策定することとなります。その後、意見交換会の開催、パブリックコメントによる意見募集を行いまして、環境基本計画の改定を決定する予定でございます。
改定後の環境基本計画の計画期間につきましては、平成27年度から36年度を目途とする予定でございます。現行の第2次アクションプログラムにつきましては、環境基本計画が改訂された時点であわせて新しい環境基本計画に基づき策定されますアクションプログラムに移行する予定でございます。
次に、国のエネルギー政策や地球温暖化対策の見直しとそれに対する区の姿勢についてでございます。
国のエネルギー政策につきましては、今後の動向を見きわめながら、環境基本計画の改定に反映してまいりたいと考えてございます。
地球温暖化対策につきましては、これまでも家庭での省エネの取り組みを進めるなかのエコポイント制度を開始し、また、なかの里・まち連携自治体との植林などによるカーボンオフセットの実施を予定するなど、中野区独自の取り組みを行ってきてございます。今後の国や他の自治体に対して発信していけるような、そういった取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。環境基本計画の改定に当たりましても、同様の考え方で進めてまいりたいと考えてございます。
それから、環境団体との協働についてでございます。
区では、例えば区民公益活動に関する政策助成制度の中で、地球環境を守るための活動等の活動領域がございまして、該当する環境団体などの自主グループの活動につきましては、助成を行っているところでございます。また、11月に実施している環境イベントなかのフェアにおきまして、区内の環境団体など自主グループのブースも設け、来場する多くの区民に取り組みの紹介などを行っております。
平成24年度からは、それまで行ってございました花とみどりのコンクールを拡充いたしまして、緑化推進や保全に関し、功績のあった個人や団体などに対しまして、みどりの社会貢献活動支援として、「なかのみどりの貢献賞」、これを創設して表彰を行ってございます。このような形で、区は環境団体などの自主的な活動を支援しており、今後もさらに支援をしてまいりたいと考えてございます。
次に、里・まち連携自治体とカーボンオフセットを行う理由ということでございますけれども、カーボンオフセット事業につきましては、森林資源を保有するなかの里・まち連携自治体と連携いたしまして、森林整備、植林活動を行うことによりまして、CO2を吸収し、中野区由来のCO2排出量と相殺することで、地球温暖化の防止に資することを目的としてございます。中野区が連携自治体において、森林整備、植林活動を行い、これによって得られるCO2吸収価値につきましては、所在地の県から認証を受けることができるため、連携自治体との間でカーボンオフセットが可能となるものでございます。
また、この取り組みで中野区が連携自治体に区民の環境活動のフィールドを整備することで、区民が現地を訪れまして、植林などの環境貢献の実践活動を行うことも可能となります。また、区民や事業者が植林に要する経費を環境基金に寄附することで御負担いただき、区内にいながらも環境貢献ができるということもございます。
こうして、これまで里・まち連携事業で行ってまいりました観光交流、経済交流に加えまして、新たに環境交流が実現することとなりまして、なかの里・まち連携事業における自治体間の交流がさらに深まっていくものと考えてございます。
○議長(伊東しんじ) 質問時間は終了しております。答弁は結構です。
以上で、森たかゆき議員の質問は終わります。
中野区議会議員 後 藤 英 之
1 中野区新規産業振興事業について
2 その他
○議長(伊東しんじ) 次に、後藤英之議員。
〔後藤英之議員登壇〕
○8番(後藤英之) 平成25年第4回定例会に当たり、みんなの党の立場から一般質問をさせていただきます。
中野区新規産業振興事業について、お尋ねいたします。
昨年度から引き続き、区ではさまざまな産業振興策をスタートさせ、その具体化を進めています。民間運営として開設された産業振興拠点への期待等を質問いたしますが、拠点等の形態は、あくまで区の産業振興ビジョンや第2次10か年計画を実現するための手段と理解していますので、区の公益を最大化するという視点で、明確に効果に照準した答弁を要望いたします。
さて、本年3月の第1回定例会では、中野区産業振興センター条例が可決され、産業振興拠点ICTCO(イクトコ)は今月開設されました。また、経営に関する中小企業診断士によるどこでも出張相談等もあり、区が区内経済発展、特に起業や個人・中小企業振興、経営革新促進の分野に注力する姿勢は心強いと感じます。さまざまな取り組みによって、中野区の地域経済活性化活動は活気づいてきた感がありますが、新規事業が多く、結果はともかく、狙いもまだわかりづらいものが多く感じます。
そこで、まず、経営相談事業などにおける役割分担と効果について質問します。
例えば、産業振興拠点と今後開設される産業振興センターの役割の違いですが、名称も似ていますし、改めてその使命の違いをまずお尋ねいたします。
また、区役所の産業振興分野窓口、どこでも出張相談、産業振興拠点、産業振興センター等、どこに何を聞いて、どこに行けば何を得られるのかわかりづらく感じます。明確に一言で言い切るそれぞれの使命、ミッション・ステートメントを設定し、それぞれの持つ利用者目線でのメリットを簡潔に提示すべきと考えます。御所見を伺います。
また、これら経営相談窓口におけるそれぞれの使命と対象、守備範囲についてまずお尋ねし、各組織間連携の可能性についてもお尋ねいたします。
次に、どこでも出張相談は、事業者にとって便利で画期的な制度と思います。しかし、課題は、相談者の質や相性です。経営相談は経営財務、人事、新規事業開発、マーケティング、IT等、性質別、業界別、そして経験別等でかなり守備範囲と質的価値が細分化される専門分野です。マッチングが最適であれば、事業革新や経営力の強化、生産性の向上にダイレクトに寄与しますが、このマッチングが簡単ではないと考えています。
そこで、その過程の精査と仕組みの確立こそが成功の鍵だと考えますが、どこでも出張相談事業では、マッチングをどのような基準と仕組みをもって行い、質的な成果はどうはかり、また、この事業に関する評価はどう行っているか、お尋ねいたします。
また、この施策は、その成果や投資対効果が基本的に事業者、行政サイド双方ともに明確にはかれると考えますが、その具体的な効果測定プロセスの管理について伺います。
次に、指定管理者による産業振興センターと民間事業共同体による産業振興拠点ですが、いずれも民間活力活用による施策です。特に産業振興拠点は形式上完全に民間の運営ですが、開設準備や今後携わる職員人件費等も税金によって拠出されていますので、公益が当然求められ、区は産業振興の目玉の一つとしてこの拠点設置を行ったと認識しています。
それぞれの目標・目的はどう設定し、成果はどのような指標ではかり、どのように区の利益に結びつけていきますか。そのサービスレベルは、現在行政評価の対象となっていない指定管理者や、ましてや民間の一般社団法人が運営する拠点に対しどう担保していくのか、お尋ねいたします。また、この事業共同体をあえて一般社団法人とした理由もお尋ねいたします。
社員総会の議決権を持つ社員の構成、総会議決の内容、損害賠償等の事故を区としてどう引き受けていくのか、責任と主導権のバランスを懸念します。期待できる組織が立て続けに開設されている中で、区の産業振興の狙いを継続的な責任を持って形にしてほしいと考え、そのための区のガバナンスや拠点事業との責任分担についてお尋ねいたします。
私が特に期待するのは、産業振興拠点が事業者間の交流促進の場の形成とコンサルティング等の支援を行う使命を担っている点です。ICT・コンテンツ事業者に商談へと発展させる場を提供するとされており、区の施策の視点としてその有効性を大変評価でき、さらに新規事業者支援への情熱が強く感じられ、期待が大きいです。
そこで、例えば、区内に新たに拠点移動したキリンホールディングスや栗田工業、昨年11月転入のアニメ制作会社トムス・エンタテイメント、既存に所在している企業などを含めると、ICT・コンテンツ産業の下請市場だけでも区内に相当な規模が創造されつつあります。
参考となるキリンホールディングスの販売管理費だけでも、直近7,500億円程度。これらを含む大手企業担当部門等と区内のICT・コンテンツ事業者をぜひとも商談と受発注につながる、双方に実のある具体的な形でマッチングさせ、区内産業を目に見える形で振興支援してほしいと考えます。特にお互いの理解とメリットの可能性が継続的に維持される工夫と仕組みが必要です。
アイデアベースですが、例えば、私は、区の審査等を経て、区内下請事業者に「中野区推薦事業者」等の呼称を名乗ることを許可するだけでも、特に区内での営業力の向上につながると考えますし、区内事業者同士を仕事単位でマッチングする仕事単位での受発注サイトのようなものをつくることも有効と考えています。いずれにせよ、特定の人に依存しない、つまり属人的でない仕組みを構築すべきです。
また、マッチング支援としてほかに知的所有権の貸借マッチングや成長産業間での業務提携促進支援等でのマッチングについても、その仕組みの構築を行うべきと考えます。見解をお尋ねいたします。
以上、国の経済成長と相乗し、絶え間ない区の産業政策が実感を伴う成果に結びつくことへの強い決意をお聞きし、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 後藤議員の御質問にお答えいたします。
来年度開設する産業振興センターは、区の産業振興業務を担う公の施設であります。つまり、公の仕事としての区の産業振興業務を行っていただくということになります。現在ある区の相談窓口、これは産業振興センターへ移ります。これに対して産業振興拠点は、ICT・コンテンツに着目して、関連事業者等の支援や産学連携を進める民間事業として位置付けております。
御質問の中にもあったような、事業者と事業者をマッチングするとか、発注者と受注者をマッチングする、あるいは技術移転といった民業でしかできない支援を行うというところに特徴、またメリットがあると考えております。
どこでも出張相談については、中小企業診断士会等による経営相談でありまして、求めに応じて、いつでも、どこでも、出向いて相談に応じるという形のものであります。区が特定非営利活動法人なかの中小企業診断士会、これは中小企業診断士からの提案があったんですけれども、この会に委託して行っているものであります。
どこでも出張相談の効果測定、どういうふうに行うのかということです。
どこでも出張相談は、委託先の事業者、つまり診断士会ですが、70名を超える中小企業診断士等の会員の中から具体的な相談内容に応じて、専門性や経験のある相談員を選定し派遣するものとしております。利用者から相談に関する評価アンケートを出してもらうことで、効果を測定して評価に活用していきたいと、このように考えております。
また、民間活力の活用と評価についてであります。
産業振興拠点、産業振興センター、いずれも年度開始前に事業計画の提出を求めて、区が承認するとともに、年度終了後には実績報告を義務付けております。こうしたことによって進捗、成果を把握して、区の目標実現に資するよう、必要な対応をとることとしております。この区の活動は行政評価の対象となり、区政目標の達成度が明らかになるとされるという、そういった仕組みとなっております。
産業振興拠点の運営事業者ですが、事業共同体の結成を希望する希望者を公募しました。そして、権利義務を明確化するため、法人格を求めました。短期に結成できる、あるいは応募者の意向もあり一般社団法人となりました。役員や構成員などの重要な変更については、区の事前承認を得ることとしたほか、拠点事業の推進にかかわる協定や拠点の賃貸借契約において、基本的に拠点の運営事業者である一般社団法人が一切の責任を一義的に負うこととしてあります。区の責任としては、その履行状況を確認することであります。
大手事業者とのマッチング支援についてであります。
ビジネスマッチングの促進は、産業振興拠点における主なサービスとして行い、拠点の運営事業者のネットワークを最大限活用すべきものと考えております。取引先としての大手企業とのマッチングや業務提携先としてのマッチングなど、さまざまな局面に応じた取り組みが旺盛に展開されるよう、区としても協力や支援をしていく考えであります。
これからの決意についてということであります。
これからもハードのまちづくりの成果を産業振興などソフトのまちづくりに反映することによって、区内の経済が活性化し、中野区が都市としての活力を持続し続けられるよう、まちづくりと一体的な産業振興にしっかりと取り組んでいく覚悟であります。
○議長(伊東しんじ) 以上で、後藤英之議員の質問は終わります。
中野区議会議員 ひぐち 和 正
1 学校・家庭・地域の連携について
2 男女共同参画事業について
3 (仮称)本町五丁目公園について
4 その他
○議長(伊東しんじ) 次に、ひぐち和正議員。
〔ひぐち和正議員登壇〕
○12番(ひぐち和正) 平成25年第4回定例会一般質問に際しまして、自民党の立場で御質問させていただきます。
質問は、通告どおりに、1番目に学校・家庭・地域の連携について、2番目に男女共同参画事業について、3番目に(仮称)本町五丁目公園についてでございます。その他はございません。
それでは、初めに、学校・家庭・地域の連携についてお尋ねいたします。
「学校・家庭・地域の連携」という言葉はよく耳にする言葉でありますが、それぞれ何をするべきか、それぞれ何に取り組むべきかをいつも疑問に感じているところです。この連携を推進するに当たり、記憶しているところでは、学校の崩壊やいじめ、登校拒否、子どもの自殺など、さまざまな事件によって子どもたちの環境が崩れ、また、学校が社会に対して閉鎖的であるという指摘もしばしば耳にするところでありました。
このような事件が起こった要因を解決し、子どもたちを取り巻く悪い部分の環境を改善していくためには、学校だけでは解決できないことなどから、それぞれ役割分担を担い、今までのような学校のあり方を見直し、社会に対して「開かれた学校」を定着させ、家庭や地域社会に対して積極的に働きかけを行うなど、家庭や地域社会とともに子どもたちを育てていくという視点に立った学校運営を心がけることは重要なこととして取り組んでいかなければならないと思います。
学校は、できるだけ開かれたものとし、かつ地域コミュニティにおけるその役割を適切に果たすため、保護者や地域の人々に自らの考えや教育活動の現状について率直に語るとともに、保護者や地域の人々、関係機関の意見を十分に聞くなどの努力を払う必要があり、勉強はもちろんのこと、いじめの再発防止に取り組むべき、開放された学校や特色ある学校を目指していることは承知しているところです。そして、学校がその教育活動を展開するに当たっては、地域の教育力を生かしたり、家庭や地域社会の支援を受けることにも積極的にならなければならないと思います。
そこで、質問です。
地域の人々をゲストティーチャーとして採用したり、あるいは地域の人々や保護者に学校支援ボランティアとして協力してもらうなどが必要と考えます。区では、このような人材確保についてどのように考えて、どのような対処をしているのか、お聞かせください。
また、学校の部活動では、教育活動の一環として、学級や学年を離れて、子どもたちが自発的・自主的に活動を組織し、展開させなければならないと思いますし、子どもの体と心の発達や仲間づくり、教科を離れた教員との触れ合いの場として、有意義なところにしなければならないと思います。
部活動の指導に当たっては、体罰や強引な指導などは改善しなければならないと思いますが、部活に関してどのような意義を持って子どもたちに配慮しているのか、お聞かせください。
また、区民の中には、例えばなかの生涯学習大学で第二の人生として地域活動等を行おうと学んでいる方や、地元の仲間とスポーツ活動を行っている方が大勢いらっしゃいます。これらの方々が子どもたちを直接指導することは、教える側にとっても有意義だと思います。
生涯学習やスポーツ活動を行っている方々の中から、子どもへの指導にかかわる人を積極的に増やしたり、少しでも質の高い指導ができるよう、指導者養成の取り組みをするべきと思いますが、見解をお聞かせください。
学校と地域の人々が目標を共有し、一体となって地域の子どもたちを育んでいくことは、子どもの豊かな育ちを確保するとともに、そこに関わる大人たちの成長も促し、ひいては地域の絆を強め、地域づくりの担い手を育てていくことにもつながります。こうした地域とともにある学校づくりを進めていくために、文部科学省では学校運営協議会を設置して、保護者や地域の声を生かした学校づくり、いわゆるコミュニティスクールを推進しています。
コミュニティスクールでは、保護者や地域住民などから成る学校運営協議会が一定の責任と権限を持って、校長の学校運営の基本方針を承認したり、教育活動に意見を述べたり、教員の人事に関して教育委員会に意見を述べたりすることができ、まさに「学校・家庭・地域の連携」が具体化された形だと考えます。
そこで、中野区では、保護者や地域住民と協働して学校づくりを進める上で、どのようなお考えをお持ちなのか伺います。また、「学校・家庭・地域の連携」を具体化するためにどのような方策をとっておられるのか、お伺いいたします。
そして、学校は地域社会の子どもや大人に対する学校施設の利用や学習機会の提供などを積極的に行い、地域社会の拠点としてのさまざまな活動に取り組む必要があると思います。そのために、これからの学校施設については、学校教育施設としての機能を十分確保することはもちろん、家庭や地域社会とともに子どもたちを育てる場所として、地域の人々の学習・交流の場として、それにふさわしい整備を推進していく必要があると思います。校庭や屋内運動場だけでなく、特別教室についても、地域の人々や保護者の利用しやすいスペースにしていかなければならないと思います。
そして、地域では、希薄な人間関係を改善し、我がまちの心豊かな住みやすいまちをつくらなければなりません。学校・家庭・地域社会の連携と適切な役割分担を進めていく中で、学校がその本来の役割をより有効に果たすとともに、地域社会における教育のバランスをよりよくしていくことは極めて大切なことであると思います。
そこで、学校外、例えば地域育成団体などでの生活体験や自然体験の機会を多くしていくことも有効なことと思いますが、いかがでしょうか。また、その支援についてどのように考えているのか、お聞かせください。
家庭においては、それぞれの日常生活における子どものしつけや教育方法が異なり、また、家庭環境によってもその教育の捉え方が違ったりしています。今までも、親が子どもを育てる知識を持っていない家庭もあり、全ての家庭に子どもの教育を託すことはかなり難しいことではないかなど、家庭の役割をしっかりと知らしめなければならないと思います。
地域は学校と協力して子育てのアドバイスをする人材を親教育の講師として派遣するなど、地域全体で子どもの教育を担い、また、PTAは子どもたちの健やかな成長のために保護者と教員が協力して、学校と家庭が相互の教育について理解を深めるさまざまな活動を展開しなければならないと思います。
区は、親教育のための啓発活動についてどのようにお考えでしょうか。また、親教育やPTA活動支援に区が積極的に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
私は、この学校・家庭・地域の三つの連携をオリンピックの輪のように思えてなりません。そこで、幾何学的な話になりますが、三つの輪が重なる部分の集合は行政の部分ではないかと考えます。この部分こそが、学校でもなく、家庭でもなく、地域でもないところで、実は行政の部分だと考えます。重なった三つの輪をつなぎ合わせ、歯車の車輪を円滑に動かせる原動力になるのが行政であると考えます。そこで行政は、その中核としての役割を果たさなければならないと思いますし、また、相互の調整をするために専門の職員を活用しなければならないと考えます。そして、この潤滑油が学校・地域・家庭に浸透して、さらに歯車の輪が回ることを期待したいものです。
これを実現させる方策としては、例えば児童館に配属されている職員を活用することだと考えています。現状でも、私の住む南中野地域では、児童館職員が地区委員会の事業と連携するなど、その役割を果たしていますが、このような取り組みは区内全ての地域で行われているのでしょうか、お聞きいたします。
また、区はこうした地域と区との連携を進める役割は区職員が担い、積極的に団体との連携を進めていくべきだと考えています。現状の活動は継続できるのでしょうか。そして、専門の職員を育成していくために、手間と時間をかけて専門性やスキルを養成していく必要があると思います。どのようにして育成していくつもりなのか、お聞かせください。
以上でこの項の質問を終わります。
次に、男女共同参画事業についてお伺いいたします。
男女共同参画事業は、昭和50年(1975年)に「国際婦人年」として発足し、女性の地位向上のための国内本部機構として婦人問題企画推進本部が設置されるなど、女性の地位向上の年でありました。その後、「男女共同参加」から「男女共同参画」へと改められ、2012年12月には、同法に基づく「男女共同参画基本計画」が閣議決定され、以降、男女共同参画社会の形成のための施策が推進されています。
中野区でも、男女がともに生き生きと平等に暮らし、参画してつくる男女共同参画社会を目指し、平成12年に最初の男女共同参画基本計画と、この計画を推進するための行動プランを策定しました。そして、平成19年(2007年)12月に、計画期間を平成28年度(2016年度)までの10年間とする男女共同参画基本計画を策定しましたが、計画から5年が経過し、その後の社会情勢の変化や新しい中野をつくる10か年計画(第2次)との整合性を図る必要性が生じたことなどから見直しを行い、「男女共同参画基本計画2012」を策定しました。
そこで、お伺いしますが、この間の社会情勢がどのように変化し、取り組みをどのように変えたのか、お答えください。
今年の4月に中野区は男女共同参画センターを勤労福祉会館内から中野区役所本庁舎1階に移転させました。その経緯は何が目的だったのでしょうか。また、移転からこれまでの間にどのような成果があったのでしょうか。区役所の窓口は利用者にとってわかりやすく、理解しやすい場となったのでしょうか。女性相談の窓口に相談された内容と、配偶者からの暴力DV(ドメスティックバイオレンス)や子育て、職場における問題などの相談件数の推移もあわせてお答えください。
現実は実際の相談件数よりも多くの問題が潜在化しているのではないか、相談はまだ少ないのではないかと心配するところであります。それでも男女共同参画センターが区役所にあることがまだよく知られていないし、どのような内容の相談窓口なのかもよくわかられていない。男女共同参画に関する用語が区民に広く知られておらず、「男女共同参画社会」という言葉、意味を知っている人の割合は27.8%だということです。
男女共同参画社会の実現を図るためには、区民の意識啓発を進める必要があると考えますが、これに対してどのような方法をとっているのか、今後どのような活動をしていくのか、お伺いいたします。
また、近年では、女性の社会への進出の面では、国家公務員や衆参議員の女性の進出、タクシーやダンプカーの運転手、各分野の会社で取締役社長に就任するなど、女性がさまざまな職場へ参画する社会がつくられつつあります。しかし、一方では、女性の社会的人権の尊重や子育て支援などの仕事と家庭生活の両立が十分とは言えず、これからも考慮していかなければならないと考えます。
中野区では課題を三つに分類し、一つ目は家庭、職場、地域などにおいて、男女間の不公平等や固定的な性別役割分担意識を解消していくこと、二つ目は人権を尊重し、暴力を許さないという意識を高めていくとともに、暴力被害への支援体制を強化すること、三つ目は仕事と家庭、地域生活(ワークライフバランス)の調和を図っていくこととしています。
そこで、お伺いします。
三鷹市におけるストーカー事件など痛ましい事件が後を絶たない中で、配偶者のDV被害や、職場や地域におけるストーカー行為などの被害者への支援を充実させていく必要があると考えますが、どのような相談や支援を行っているのか、未然に防ぐ方法とは何か、職場などでの暴力防止はどのようにされているのか、早期発見とはどんな手段であるのか、お聞かせください。
また、ワークライフバランスを推進する上で、多様なサービスの提供、環境づくりを行うことが大切な問題と思います。保育所の不足による不安もある中で、現在、保育園に入れない人のためにどのような支援をしているのか、「男女共同参画基本法2012」に記載されている子育てや介護と仕事を両立できるサービスとはどんなことがあるのか、雇用の場における環境整備とはどのようなことを行っているのかについてお答えください。
また、阪神・淡路大震災や東日本大震災では、女性にとって必要な物資不足など、避難所運営の中で配慮不足が指摘されました。災害時の教訓として、備蓄物資で女性用の必需品の供給は計画化されているのか、お伺いいたします。
それから、「男女共同参画基本計画2012」に掲載されている学校教育における男女平等の視点に立った教育とはどのように実施されているのか、また、男女平等の視点に基づいた苦情処理体制の充実をどのように図っているのか、お聞きいたします。
一方で、これらの充実を図るためには、身近な場所で相談できることが望まれます。身近なすこやか福祉センターで相談できる体制があってもいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
男女共同参画の取り組みが区民に認知され、気軽に相談できる場所づくり、環境づくりを今後も強固に推進されていくようお願いし、この項の質問を終わります。
続いて、(仮称)本町五丁目公園についてお伺いいたします。
本町五丁目公園は、元電電公社(NTT)宿舎の跡地であって、私が小学生のころには絶好の遊び場でした。そこには空池があり、小山があり、樹木がたくさんあって、夏にはセミが鳴き、七色に輝くタマムシなどもいて、都会のオアシスでした。その場所が他の民間業者に売却されることなく、地域の防災公園として整備されることは、私たちの念願が届いたと思います。災害に強いまちづくり、そして緑豊かなくつろげる場所がこれからさらに整備されると期待しています。
また、この公園一帯は、ことし6月に東京都から新たな広域避難場所として指定されましたので、その中に整備するこの公園の役割はますます重要になると思われます。
先月10月にこの公園の基本設計(案)についての意見交換会が開催されました。その案では、少年野球などができる運動広場や既存の草地を生かした草地広場があり、その周囲の園路を利用してジョギングやウォーキングができたり、また、消防団の練習場所としても使えるように工夫されていました。園内灯についても、災害時に停電した場合、点灯するように蓄電池つきのソーラー式になっていました。この明かりを頼りに、夜間でもこの公園に避難してくることができると思います。
災害時に避難して、最も困るものの一つにトイレがあります。給水や電気などインフラが寸断されても利用できるマンホールトイレが整備されています。また、災害用の深井戸も整備され、水質検査の結果によるものとは思いますが、生活用水としてだけでなく、飲料用水として利用できる可能性もあることがわかりました。みんなで屋外スポーツが楽しめる施設づくりや、小さな虫や草花遊びのできる場所づくりも考慮することで、価値ある公園になるのではないかと思います。
そこで、お伺いしますが、この公園を整備するに当たり、現在の進捗状況についてお教えください。今後、実施設計に入られると思いますが、地域の人々から愛される既存の樹木や草地を残したいという私たちの希望や意見交換会での意見・要望がどのように反映されていくのか、お答えください。公園の整備に当たって期待したいことは、公園の周囲に柵や塀を極力つくらず、見通しのよいつくりで、子どもやお年寄りが安心して使えるトイレがあり、植栽計画をしっかりとして、草花も楽しめる場所づくりや、木陰でお年寄りがくつろげるベンチの設置を考えていただければ、よりよい公園ができると思います。
そこで、具体的な施設でお伺いしたいのですが、現在、公園の周囲にある万年塀は撤去されて、周囲から見通しのよい安全な公園となるのでしょうか。また、トイレは日中だけでなく、夜間も安心して利用できるような場所に設置されるのでしょうか。ベンチは木陰でお年寄りがくつろげるような配置がされているのでしょうか、お教えください。
ぜひ意見交換会等で出た意見で生かせるものは実施設計に取り入れて、よい公園をつくっていっていただきたいと思います。
ここで再度確認しておきたいのですが、開園はいつごろになるのか、今後の予定はどのようになっているのでしょうか。開園までもう近隣説明はないのでしょうか、お伺いします。
そして、二中の敷地と公園が道路を挟んでありますが、避難所として指定されているこの学校と公園とのつながりを有効利用するに当たり、どのような考え方で利用するのか、お伺いいたします。
これで私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) ひぐち議員の御質問にお答えいたします。
学校・家庭・地域の連携について、生涯学習活動として子どもの指導者養成を積極的に進めていくべきではないかという御質問でありました。
なかの生涯学習大学のカリキュラムの一環として、教育支援ゼミを開校しております。小学校や児童館などでの実地の取り組みを体験しつつ、子どもを取り巻く環境や地域での子どもとのかかわり方等について学習しているものでありまして、受講生の活動参加に実際に結びついているわけであります。また、来年から本格実施を予定している地域スポーツクラブ事業でも、子どもたちへのスポーツ指導を適切かつ効果的に行うための指導者講習会等を行っていくつもりであります。
今後も生涯学習、スポーツ活動をさらに充実させていく観点からも、区民が地域で子どもに積極的にかかわる活動を支援していきたいと考えております。
地域育成団体の活動支援についてであります。
地域の育成団体等が実施する体験事業やスポーツ交流等の校外活動は、多様な体験を通じて子どもたちに交流や学びの機会を提供する場として、大変有効な活動と認識をしております。区は、公益活動助成金等の支援のほか、さまざまな機会を捉えて地域団体の活動を周知するなど、多くの子どもたちが参加できるよう支援してまいります。
それから、学校・家庭・地域、三つの輪の連携の現状についてということであります。円滑に動かす原動力が行政ではないかというようなことでした。
児童館職員は、区内全ての地域で地域の子ども育成団体や町会等と連携・協力して行事を実施したりしております。また、中学校区ごとに地区懇談会を運営し、参加団体とのネットワークを生かした取り組みを展開しているところであります。
区職員による地域連携の継続についてということであります。
子どもの健全な育成のために、地域の中で関係者の連携を進めていくことは、区の本来業務であります。現在は児童館なども直営で運営されていて、さまざまにかかわっているところですが、児童館が委託型で運営されるようになったとしても、一定のこうした役割は十分に果たしていかなければならないと考えておりますし、すこやか福祉センターを中心として、そうした活動と連携して、今後とも職員が積極的にかかわってまいります。
それから、専門職員の養成についてであります。
職員は、地域の状況をよく知り、地域に存在する社会資源や人材を把握し、関係機関等と連携して、地域の課題解決を図るためのコーディネート能力が求められております。現在もコミュニティソーシャルワーカー研修等を実施しておりますが、今後も柔軟な発想のもとで創意工夫をしながら、地域のさまざまな団体と連携していくことのできる人材を育成していきたい、こう考えております。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 学校・家庭・地域の連携につきまして、まず、学校支援ボランティアなど地域の人材確保についての御質問でした。
学校支援ボランティア制度は、地域の人材を学校につなげ、教育活動の充実を図ることを目的にしています。こうした人材の確保につきましては、広く制度の周知を図り、ボランティア活動への関心を高めるとともに、区内大学等との連携も図り、地域人材の発掘を進めていく考えでございます。
次に、部活動の意義についての御質問がございました。
部活動は、スポーツや文化、科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養、好ましい人間関係の形成に資するものであると認識をしております。指導に当たりましては、学校教育の一環であることから、暴力はもとより強引な指導は行わないよう、研修等を通じて厳に戒めているところでございます。
続いて、保護者や地域住民と協働した学校づくりについての御質問がございました。また、学校・家庭・地域の連携を具体化するためにどのような方策をということです。
中野区では、地域に根差した特色ある学校づくりを目指して、保護者や地域住民のボランティアとしての学校へのかかわりを推進し、地域人材の活用を図っていくとともに、地域の力を活用した学校運営を行うことを考えてございます。この考え方に基づき、学校評議員制度や学校支援ボランティア等の活用を図ることで、学校・家庭・地域の連携を進めているところでございます。
保護者、PTAの支援についての御質問もございました。
家庭は、子どもの健やかな育ちの基盤であり、保護者への啓発は大変重要であると考えています。区では、家庭教育支援講座の実施やPTA連合会主催の研修への講師を派遣するなどの支援を行うとともに、PTAミニガイドを発行して活動の周知を図っているところでございます。
最後に、男女共同参画の質問の中で、男女平等の視点に立った教育の質問がございました。
学校における男女平等の視点に立った教育は、男女が互いの違いを認めつつ、個人として尊重される理念に基づいて適切に行われるようにしてございます。一例としては、キャリア教育や職場体験の中で、児童・生徒一人一人の個性や能力、適性を生かした進路選択ができるよう指導しているものでございます。
〔政策室長竹内沖司登壇〕
○政策室長(竹内沖司) 私からは、男女共同参画事業についての御質問のうち、まず、社会情勢の変化と取り組みの変更についてといったような御質問にお答えいたします。
これまで潜在化しがちでございました配偶者暴力や家族間暴力が顕在化し、これらの相談への適切な対応と支援が必要になったということなどがございます。これらの課題に対応するため、配偶者暴力の防止と被害者支援の仕組みの観点から、男女共同参画センターを本庁舎に移転いたしまして、機能の充実を図ったことですとか、女性のための相談窓口の充実を図っていくことなどが変更点として挙げられるところでございます。
次に、男女共同参画センターの区役所内移転にかかわる御質問が二つほどございました。
まず、男女共同参画センターの移転につきましては、DV被害等相談機能の充実が求められていることから、区役所で相談から自立支援まで一貫した女性に対する支援を行える体制をつくること、また、庁内関係分野や他機関との連携を今まで以上に行い、男女共同参画の啓発、推進を充実させることなどを目的として行ったものでございます。
また、移転の効果といったことについては、区役所1階という多くの区民の方々の目にとまる場所に移転したということもございまして、多くの人にパンフレット等を手に取っていただいているなど、啓発が進んでいること、また、相談から支援まで一貫した女性相談が行えることなどによりまして、相談件数の増加につながっていることなどが挙げられます。
それから、女性相談の推移と成果といったようなことでございます。
女性相談の統合半年のデータ比較ということになりますが、男女共同参画センターでの昨年度の一般相談は342件、今年度のこれまでの生活援護分野における女性相談は236件と、年間にしますと1.4倍増の件数になっております。
相談内容は従来から多かった自身の仕事や生き方、それから、家族関係等の相談に加えて、経済的な相談等が増加しております。特にDV相談については、今年度からは適切に緊急保護を行うとともに、関係部署、警察などとも迅速な連携を図ることで相談者の安全確保や自立支援の取り組みが図られているところでございます。
それから、区民の意識啓発についての御質問がございました。
これまで男女共同参画週間に合わせ、パネル展、講演会やワークライフバランス講座などの啓発事業を行うとともに、ワークライフバランスを推進している企業をホームページに掲載するなど、その周知に努めてきたところでございます。
男女共同参画の視点は、区のさまざまな事業内容に生かされる必要がございます。また、関係分野の他の啓発事業と共同し、男女共同参画の啓発を行うことにより、多角的な取り組みとなり、より高い成果を得ることにもつながるものと考えております。男女共同参画の視点から、積極的に関係分野に働きかけ、連携した取り組みをより一層実施したいと考えております。
それから、配偶者等への暴力の対応といった御質問がございました。
一般区民を対象として、暴力防止をテーマとした研修、講演会を実施することによって、暴力防止に向けた理解を深めていただくともに、被害者等からの早期の相談対応や暴力を発見した区民からの通報、相談先の周知といったことに努めているところでございます。また、職場での暴力防止ということについて言えば、セクハラ、パワハラなどについて、パネル展示や区民向けの講座を実施するとともに、相談機関の周知にも努めているところでございます。
それから、ワークライフバランスを推進するための環境整備といったような御質問がございました。
子育て支援といたしましては、就職活動をはじめ、さまざまな理由によって乳幼児の保育ができないときに、保護者にかわって日中の保育を行う一時保育事業やホームヘルプの派遣として、ファミリーサポート事業を実施しております。また、介護におきましては、介護保険施設の整備などを進めているところでございます。
それから、雇用における環境整備といたしましては、企業が従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備などを定めた一般事業主行動計画を策定することについて、啓発などを進めているところでございます。
それから、苦情処理体制についてでございます。
男女平等に関する苦情申出制度は、条例に基づき、区の事業や民間での男女平等に関する苦情を受け付け、専門的な見地や第三者の判断が必要な場合には、男女平等専門委員会に助言を求め、解決に向けて支援する制度でございます。ここ数年の実績はございますが、制度の内容を区民が十分理解できるよう、ホームページや区のお知らせ等に記載するなど広報に努めているところでございます。
最後に、身近な窓口での相談体制といった御質問がございました。
現在でも身近な相談窓口として、すこやか福祉センター等でも対応しており、より専門的な女性相談については区役所の窓口につなぐなど、連携して支援に当たっているところでございます。今後も各相談窓口との連携を密にし、充実した相談対応を図っていきたいと考えております。
〔健康福祉部長野村建樹登壇〕
○健康福祉部長(野村建樹) 私からは、男女共同参画事業に関連いたしまして、犯罪被害者の支援という御質問にお答えいたします。
現にストーカー行為で困っているなどの御相談につきましては、直ちに警察へつなげ、重大被害の未然防止を図るということになりますが、犯罪被害者となった方への対応につきましては、専門相談支援員を配置いたしまして支援を行っているところでございます。その中で、被害者のさまざまな相談に応えるとともに、弁護士会をはじめといたしました関係機関の紹介、情報の提供、こういったところでの手続への同行支援などを行うとともに、必要に応じまして、緊急生活サポート事業といたしまして、家事援助を行いながら、犯罪被害からの立ち直りを支援しているところでございます。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、まず、男女共同参画事業の御質問のうち、災害時の女性用製品の備蓄物資と供給の計画化についてということでお尋ねがありましたので、お答えいたします。
区は、当面の避難生活に必要な女性用の衛生用品について、必要数を備蓄するとともに、避難所ごとに開催される避難所運営会議の中で、女性用の更衣スペースや授乳室の確保、性別に配慮したトイレや洗濯物干場の配置など、女性に配慮した避難所運営に関する記述を運営マニュアルに反映しているところでございます。
避難生活の長期化等に伴い必要となる女性用の生活物資についても、ニーズを踏まえ、配給物資や流通等により確保・供給できるよう配慮していく考えでおります。
続きまして、(仮称)本町五丁目公園についての御質問にお答えいたします。
現在の進捗状況についてですが、基本設計案について、10月10日及び17日の2回、意見交換会を行っております。意見交換会での意見等を取り入れながら基本設計を取りまとめたところでございます。この内容については、今定例会の建設委員会に報告する予定としております。
それから、意見・要望の実施設計への反映についてということで御質問がございました。
既存の樹木や草地を残してほしいなど、地域からの希望や駐輪スペースを追加してほしいなど、意見交換会で出された意見につきましては、実施設計にできる限り取り入れて反映させていく考えでおります。
次に、万年塀の撤去についての御質問がございました。
公園の周囲にある万年塀等は、危険なため撤去し、周囲から見通しがよい公園とする予定でございます。ただし、住宅に隣接する部分につきましては、高さ2メートル程度の目隠しフェンスを設置する考えでございます。
次に、トイレの設置位置についての御質問でございます。
トイレは、中野通り側に多目的トイレを含む男女別のトイレ、二中側に運動広場用の男女共用のトイレの2棟を設置する予定でございます。2棟とも夜間も安心して利用できるよう、人通りや交通など道路に面して設置していく考えでおります。
次に、ベンチの配置についての御質問でございます。
園路沿いや高木の下などでくつろげるよう、17基設置する予定でございます。
それから、開園の時期等についての御質問でございます。
平成26年3月までに実施設計をまとめます。平成26年、27年度で整備工事を行う予定でございます。その際は改めて地域に説明を行うことと考えております。開園は平成27年度末を予定しているところでございます。
最後に、避難所となる二中と公園との間の道路がございますが、つながりについての御質問がございました。
広域避難場所の一部である公園から避難所と指定されている二中へスムーズに移動できるよう、出入り口部分等の調整を行っているところでございます。
○議長(伊東しんじ) 以上でひぐち和正議員の質問は終わります。
お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
本日はこれをもって延会いたします。
午後4時45分延会