令和5年08月21日中野区議会危機管理対策等調査特別委員会
令和5年08月21日中野区議会危機管理対策等調査特別委員会の会議録
平成26年12月04日中野駅周辺地区等整備特別委員会.doc

中野区議会危機管理対策等調査特別委員会〔令和5年8月21日〕

 

危機管理対策等調査特別委員会会議記録

 

○開会日 令和5年8月21日

 

○場所  中野区議会第1委員会室

 

○開会  午前10時00分

 

○閉会  午後0時18分

 

○出席委員(13名)

 間 ひとみ委員長

 武井 まさき副委員長

 井関 源二委員

 大沢 ひろゆき委員

 いのつめ 正太委員

 加藤 たくま委員

 日野 たかし委員

 吉田 康一郎委員

 広川 まさのり委員

 河合 りな委員

 大内 しんご委員

 ひやま 隆委員

 石坂 わたる委員

 

○欠席委員(1名)

 南 かつひこ委員

 

○出席説明員

 防災危機管理担当部長、総務部防災危機管理課長事務取扱 杉本 兼太郎

 総務部防災担当課長 福嶋 和明

 総務部生活・交通安全担当課長 阿部 靖

 地域支えあい推進部長 石井 大輔

 地域支えあい推進部地域活動推進課長 高橋 英昭

 地域支えあい推進部区民活動推進担当課長 池内 明日香

 健康福祉部長、保健所次長 鳥井 文哉

 保健所長、健康福祉部地域医療連携担当課長事務取扱 佐藤 壽志子

 健康福祉部福祉推進課長 中谷 博

 健康福祉部保健企画課長、健康福祉部新型コロナウイルスワクチン接種担当課長 中村 誠

 健康福祉部保健予防課長 鹿島 剛

 環境部長 松前 友香子

 環境部環境課長 永見 英光

 都市基盤部長 豊川 士朗

 都市基盤部都市計画課長 塚本 剛史

 都市基盤部道路管理課長 高田 班

 まちづくり推進部長 角 秀行

 まちづくり推進部まちづくり計画課長 安田 道孝

 まちづくり推進部防災まちづくり担当課長 青木 隆道

 教育委員会事務局次長 石崎 公一

 教育委員会事務局学務課長 佐藤 貴之

 

○事務局職員

 書記 髙橋 万里

 書記 細井 翔太

 

○委員長署名


審査日程

○委員会参与の変更及び異動について

○議題

 危機管理対策について

 国民保護対策について

 震災対策について

 医療連携体制について

 風水害対策について

 防災まちづくりについて

 防犯対策について

 気候変動問題への対策について

○所管事項の報告

 1 中野区における在宅避難対策の現状と課題について(防災危機管理課)

 2 脱炭素社会の実現に向けた区有施設整備方針の策定について(環境課)

 3 その他

 (1)新型コロナウイルスワクチン令和5年秋開始接種の実施について(新型コロナウイルスワクチン接種担当)

○その他

 

委員長

 定足数に達しましたので、危機管理対策等調査特別委員会を開会します。

 

(午前10時00分)

 

 本日の審査の進め方について協議したいため、委員会を暫時休憩いたします。

 

(午前10時00分)

 

委員長

 委員会を再開します。

 

(午前10時08分)

 

 本日の審査日程ですが、お手元の審査日程(案)(資料1)のとおり進めたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

 

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 御異議ありませんので、そのように進めます。

 なお、審査に当たっては12時を目途に進めたいと思いますので、御協力お願いいたします。

 議事に入る前に、お手元の資料(資料2)のとおり、7月8日付で委員会参与の変更及び異動がありましたので、御承知おきください。

 それでは、議事に入ります。

 危機管理対策について、国民保護対策について、震災対策について、医療連携体制について、風水害対策について、防災まちづくりについて、防犯対策について、気候変動問題への対策についてを一括して議題に供します。

 所管事項の報告を受けます。

 1番、中野区における在宅避難対策の現状と課題についての報告を求めます。

杉本総務部防災危機管理課長

 それでは、中野区における在宅避難対策の現状と課題につきまして御報告いたします。(資料3)

 現在、中野区防災会議では、令和4年5月に東京都が公表しました首都直下地震等による東京の被害想定及び東京都が本年5月に公表しました東京都地域防災計画を前提とした新たな地域防災計画の修正に向けて準備を進めているところでございます。令和6年3月に予定しております新たな中野区地域防災計画の修正に向けまして、さきの当委員会で御質疑のありました在宅避難対策について、現状と課題を整理いたしました。

 初めに、1番、中野区の被害想定でございます。首都直下地震等による東京の被害想定のうち、中野区における被害が最も大きく見込まれている表の左側が、平成24年公表のものに基づきます現行の地域防災計画に記載をしております被害想定でございます。右側が令和4年に東京都が公表しました被害想定に基づくもので、次期の中野区の地域防災計画に反映するものでございます。こちらにつきまして記載してございます。被害想定におきます地震の規模がいずれもマグニチュード7.3とされていますが、耐震化や出火防止対策の推進等により、避難者数は減少すると想定されております。

 次に、2番、東京都が新たに盛り込んだ在宅避難対策でございます。東京都地域防災計画震災編におきまして、東京都が新たに盛り込んだ主な在宅避難対策として、(1)在宅避難の必要性等と併せて「東京とどまるマンション」の普及促進、(2)在宅避難者など避難所以外への避難者に対する公衆衛生等に関する支援体制の構築、(3)在宅避難への備えの推進を掲げております。

 裏面を御覧ください。3番、現行の中野区の在宅避難対策及び今後の課題でございます。現行の在宅避難対策としては、在宅避難に関する啓発や避難所以外に滞在する被災者の生活環境の整備、食事や支援物資などの提供については、地域の避難所において地域全体のために行うことの周知徹底、各避難所組織における避難行動要支援者名簿に基づく避難行動要支援者への安否確認や救出・救助等、災害時における協力体制に係る協定に基づく障害者施設や介護施設利用者の安否確認情報の収集につきましては、現行の中野区地域防災計画に盛り込んでおります。

 一方で、今後の課題といたしましては、支給物資や救助活動等の最新情報の入手や食料、飲物の調達、人との交流が希薄になり、孤立してしまうことへの対応、避難行動要支援者以外で避難したくても避難できない方の把握や避難等の対応、人工呼吸器使用者や人工透析患者が在宅避難している場合の対応、在宅避難や指定避難所以外の場所に避難した被災者の避難状況の把握につきましては、解消を図るための対策を講じる必要があると考えてございます。

 御報告は以上でございます。

委員長

 ただいまの報告に対し、質疑はありませんか。

いのつめ委員

 御報告ありがとうございました。在宅避難の対策について2点お伺いいたします。

 まず1点目なんですけれども、1ページ目、(3)の在宅避難への備えについてです。在宅避難が今後さらに増えていくというところで、備蓄といった防災用品を各世帯でどのように備蓄していくかといったところが非常に大切になってくるかと思います。今、中野区では防災用品についてあっせんをしていると思います。まずは、防災用品のあっせんについて中野区でどれぐらい使われているのか、その実績等についてお伺いできればと思います。

杉本総務部防災危機管理課長

 防災機器用品のあっせんとしまして、地震対策用品として、突っ張り棒ですとか、あと転倒しないように支える器具ですとか、こうしたもののほか、火災対策の用品として、感震ブレーカーですとか、非常用の食料とか、飲料水とか、その他避難用品等につきましてあっせんはしてございますが、どれぐらいの実績があるかというのが、現在、6月30日までということで受付をしたところでございまして、今年度の実績等についての数字はまだ整っていない状況でございます。

いのつめ委員

 ありがとうございます。もし分かりましたら、昨年度の実績とかでもあれば教えていただきたいんですけど、いかがでしょうか。

杉本総務部防災危機管理課長

 申し訳ございません。今、手元に数字がございません。

いのつめ委員

 防災用品のあっせんだけはちょっと数値が分からないということだったんですけれども、各世帯にちゃんとした備蓄をやるというのには、ちょっとまだ不十分じゃないのかなというような思いがありまして、例えば江東区なんかですと、カタログギフトという形で全世帯に配布をして、5,000円分お好きな防災用品を、例えば家庭において乳幼児向けのものが必要であったりとか、子ども向けだったり、御高齢者向けのが必要だったり、独自に必要なものがあると思うんですけれども、そういったところをギフトを中心に考えて実際に注文してもらって、備蓄を推進するというような取組をやっているところもあるんですけれども、中野区では、そうしたあっせんからもう一歩先に行ったような備蓄を推進する取組について今後やっていこうとか、そういった方針があればお伺いできればと思います。

杉本総務部防災危機管理課長

 現時点におきまして、委員から今御紹介いただいたような取組までは検討していない状況でございます。しかしながら、資料にも記載がございますように「東京備蓄ナビ」というようなところで、こちらは、世帯数ですとか、当該の方の年代ですとか、こうしたものを入力しますと、どういったものを備蓄しておくのがいいのかというようなものを紹介し、数量等についても紹介をしまして、また、そうした物品が購入できるサイトを幾つか紹介しているというようなものがございますので、まずはこうしたものの啓発に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

いのつめ委員

 では、もう1点お伺いいたします。全体のところで、具体的には今いただいた御報告の中ではなかったんですけれども、在宅避難した際、特にそれが長期化した場合に大きく課題となるのが、災害時のトイレだと思います。備蓄品の中に災害時に使う、多分水を使わない緊急のトイレですとかといったところが含まれているかと思うんですけれども、長期にわたった場合、そういった物資がなくなってしまった場合に、公園とか小学校とかですとマンホールトイレといったものを設置して、在宅避難した方向けに使ったりとかという取組があると思います。

 たしか江戸川区ですと、一定規模の集合住宅を造る際に、マンホールトイレや防災用の貯水槽を造ったりといったところを義務づけたりとかして推進しているような取組があるんですけれども、中野区では、そういった義務づけじゃないですけれども、防災用のトイレ、特に民有地でそういったところを推進するような取組がありましたら教えていただければと思います。

杉本総務部防災危機管理課長

 今、委員から御指摘をいただいたような取組は現在、中野区では行ってございません。

いのつめ委員

 分かりました。やっぱり在宅避難はどんどん増えていくかと思いますので、今申し上げた2点のところをできればちゃんと準備していただいて、在宅避難した後、それが仮に長期になった場合でも、区民の方が安心して過ごせるような環境づくりに努めていっていただければと思います。

加藤委員

 東京都が首都直下地震等による東京の被害想定ということで昨年の5月公表されたわけですけれども、ここに抜粋と書いてあるから、ある一つの例ということになりますけれども、その想定の中におきましては、いろいろ日中とか、夜間とか、そういった想定だったりありますけれども、これはあくまで抜粋ということであって、全てのことを踏まえての検討ということでいいんですか。

杉本総務部防災危機管理課長

 東京都の想定におきましては、主に東京における被害が大きい地震としまして、都心南部直下地震、多摩東部直下地震、大正関東地震、立川断層帯地震につきまして、今委員から御指摘いただきましたように、時間帯につきましても早朝・昼・夕、また、風速についても、4メートルというものと8メートルというもので被害想定をしてございます。この中で今資料中に記載したものについては、それぞれ中野区に最大の被害をもたらすおそれのある想定ということで公表されているものを抜粋したものでございます。

加藤委員

 最大被害ではあるけれども、別のシチュエーションとして、真っ昼間に地震が起こった際には帰宅困難者が中野区民の中でもかなり多くなってくるのかなというような、ここにこれだけ載っかっていると、そういったところのシミュレーションみたいなところが欠けているように感じてしまったんですが、一応全部考えていた、たまたまここに被害が大きいものを載せているという認識でいいんですか。

杉本総務部防災危機管理課長

 中野区の地域防災計画につきましては、今申し上げましたような地震につきましても全体として網羅したような、委員から御指摘をいただきましたように、早朝の時間帯ですと、比較的まだ在宅をされている方が多くいらっしゃる。日中の時間帯ですと、現役世代の方は働きに出てしまっている。一方で、他の地域にお住まいの方が中野区で避難生活を余儀なくされてしまう。また、夜の時間帯につきましては、火災の危険度等が非常に大きいということで様々特徴がございますので、こうしたものを網羅した計画として検討してまいりたいというふうに考えてございます。

加藤委員

 一方で東京都が試算したものだから、あまり細かいところはお答えできないかもしれないですけど、コロナ禍で大分リモートワークだったり、自宅で大学生とかが授業を受けられるような、そういった環境が整っているようなのは、このシミュレーション結果には入っているんですかね。分かればですけれども。

杉本総務部防災危機管理課長

 在宅等細かな部分までのシミュレーションは、恐らく行っていないというふうに考えてございます。

加藤委員

 そういったところで大体いろいろ数字が見えてきているわけですけれども、ここにある令和4年度の避難者②の避難所外避難者数というのはいわゆる帰宅困難者で、中野区民じゃない方を意味しているということですか。どういうことですか。この数字の意味を教えてください。

杉本総務部防災危機管理課長

 今、委員御指摘のとおり、こちらにつきましては、指定されている避難所外に避難されている中野区民の方ということを想定しているものでございます。勤務地等が指定の避難所から離れていたりとかというようなところも含めまして、指定された避難所以外のところに避難をされている方を想定しているものでございます。

加藤委員

 中野区民が南のほうに住んでいるけど、職場が北のほうにあるのも含まれるし、中野区外の人たちが中野に用事があって、その際に被災に遭った場合とかも含まれるということですか。

杉本総務部防災危機管理課長

 今、委員から御指摘をいただきました部分の前者を想定しているものでございまして、帰宅困難者としては別な人数を算定しているところでございます。この表中には表してございませんが、帰宅困難者は別に推計をしているところでございます。

加藤委員

 そうすると、区民の動きの話だけであって、区内でこういう移動があるだろうということが想定されているということでよろしいですか。

杉本総務部防災危機管理課長

 委員御指摘のとおりでございまして、参考まででございますが、帰宅困難者としては5万6,532人、また、都内に滞留されている方は28万8,721人というふうに推計してございます。

加藤委員

 そっちの数字も欲しかったんですけど、結局、いざ発災したときに、現状で区内にある区有施設がそのキャパが足りているかどうかというのをちょっとお伺いしたかったんです。

 区有施設以外の都の施設とかも一時避難場所として指定されているので、区内全部の避難関係の施設のキャパが足りているのかということ。そもそもハードが足りないということになると、ほかの対策、ソフトも重要ですけど、まずはハードかなというところにおいてどうなのかなという現状を知りたいんです。

杉本総務部防災危機管理課長

 全体としまして、地域防災計画の中におきまして、中野区民の避難者の方というのが避難所に避難できるというところは盛り込んでいるところでございますが、帰宅困難者の方の一時滞在施設につきましては、都の施設と区の施設、合わせて七、八千というふうに認識してございますので、先ほど申し上げました5万何千人という人数が全て一時滞在施設に収容は難しいと。しかしながら、各お勤め先等の事業所等で一時避難をしていただくというような部分もございますので、そこの数字までは、申し訳ございません、把握をしていないところでございます。

加藤委員

 全然足りていないというところで、そういう意味だと今後の課題にも入ってくるのかなと思うので、今数字を聞いただけですけれども、これはもう簡単に埋められる差ではないので、いろいろそういったところの区としての方針を、東京都と相談しながらというところもあるんでしょうけれども、決めていっていただきたいなと思います。

日野委員

 東京都が新たに盛り込んだ在宅避難対策として、主にマンションに対する支援というか、対策が書かれていますが、区としては、中野区内にあるマンションの管理組合だったり、自治会と連携というのは今取れる状況にあるのか。その辺は今どのようなコミュニケーションが取れるようになっているのでしょうか。

杉本総務部防災危機管理課長

 現在につきましては、地域の防災会ですとか、地域の町会の皆さんですとか、あとは各地域で防災訓練を行っていただいたりしていますので、そうした中にこうした共同住宅にお住まいの方も含まれているということで、そうした機会を中心に啓発を行っている段階でございます。

日野委員

 地域防災会でつながっているマンション管理組合とかもあるとは思うんですが、恐らく全部ではないというふうには思っています。なかなかつながれないところもあるんじゃないかなと。そういったところに対するつながりというのも、区のほうで何かできる部分もあるのかなとも思っているんですね。中野区はやっぱりマンションが多いですから、それぞれのマンションが、この在宅避難に対してどの程度対策が打てているのかによって、避難所の想定人数とかも当然変わってくるでしょうし、これから進めていくであろう在宅避難に対する支援の在り方というのも変わってくるのかなとも思っているんですね。

 要は、うちのマンションは、災害が発生したときにはこれだけの避難対策をやっていますよと。絶対とは言えないけれども、避難所に避難する人はほぼ見込まないというか、想定しないというようなところと、全く状況が分かっていなくて、このマンションからは避難する人も出るだろうというのが把握できているのとできないのとでは、今後の対策というか、見込みというのも全然違ってくるのかなと思うので、そこを今後もまたやっぱり地域防災会に任せるのか、何らかの対策をしていくのか、その辺はいかがでしょうか。

杉本総務部防災危機管理課長

 こちらの「東京とどまるマンション」は従前から行っているんですが、名称を変更したような状況でございます。こちらにつきまして、要件は必ずしもそんなにハードルの高いものではないものでございます。「東京とどまるマンション」というものは、あらかじめエレベーターですとか、給水ポンプの非常用電源が確保されていること。また、他の要件としまして、防災マニュアルに基づく防災訓練、備蓄などに取り組むということで、こうしたことから自宅にとどまることができて、生活が継続しやすいマンションということで、必ずしも要件はそんなに高いものではございません。

 しかしながら、「東京とどまるマンション」として認定されている建物というものが現在まだ都内に17か所しかないという状況でございまして、中野区には1棟もない状況でございます。ですので、まずはこうしたところのPRをしていくというようなところが大事なのかなというふうに考えてございます。

 またあわせまして、今委員から御指摘いただきましたような点、不動産の賃貸事業者の組合等もございますので、こうした組合の方と区と様々な分野で連携しているところもございます。ですので、そうした部分も御協力を得ながら様々な対策を講じていきたいというふうに考えてございますが、まずは啓発が重要なのかなというふうに認識しているところでございます。

日野委員

 周知啓発等、また、状況が今後把握できるようにぜひ進めていただきたいと思います。

 2点目が、東京都の在宅避難対策の(2)在宅避難者など避難所以外への避難者に対する公衆衛生等に関する支援体制の構築とあるんですけど、これって具体的にどんなことを進めているのでしょうか。

杉本総務部防災危機管理課長

 現在、東京都は、被災者の既往症の悪化等に伴う震災関連死を抑止するために、在宅避難への巡回診療体制ですとか、被災生活環境の改善等に向けた区市町村の支援策を一層強化するというものを掲げた段階でございまして、先行事例等の収集もしながら、どういった対策を取っていくのが効果的なのかというような部分を今後検討してまいりたいというふうに考えてございます。

日野委員

 分かりました。ありがとうございます。あと、裏面の現行の中野区の在宅避難対策及び今後の課題のところなんですけど、(1)は、現行中野区としてやっている在宅避難対策ということですよね。例えば(1)の③食事や支援物資の提供などについて、地域の避難所において地域全体のために行われていることの周知徹底。これは既にしているということですね。

 一方で、(2)の今後の課題で、支援物資や救助活動等の最新情報の入手が困難になることへの対応とあるんですけど、これは、現行ではこの情報提供だったりとか、周知徹底していますよ、だけど、今後の課題でも情報の入手が困難になるというふうになっていて、ここは現状こうやっているけれども、課題としては何が足りていないということになるんでしょうか。

杉本総務部防災危機管理課長

 現状でございますが、3の(1)③にございますような取組につきましては、区のホームページですとか、あとは地域での防災訓練、こうした場面、また、総合防災訓練の場等で周知を図っているところでございます。原則としましては、各地域の避難所に備蓄している物資というものは、学校等の避難所に避難してきた方以外でも地域の方であれば、そうした物資は在宅避難されている方は受け取りに来ていただくというような流れになっているところでございます。

 こうした部分につきましては、比較的意識の高い防災会の方とか防災リーダーの方、防災士さん、こうした方は十分認識をしてくださっていると思うんですが、中野区は人口の異動もかなり激しいというようなところもございます。区民お一人お一人が十分に周知をしているのか、御存じなのかというところにつきましては、まだ課題があるというふうに認識もしてございます。

 また、こうした避難が長期化したりした場合に、どうしてもインターネット等の通信手段が遮断されて使用できないような場合におきましては、防災行政無線ですとか、駅周辺等に設置する御案内、また各避難所にお伝えしている情報、こうした部分から情報を収集していただくというようなところで、なかなか避難所まで移動が困難な方とかも中にはいらっしゃると思いますので、そうした方への対応も含めてまだまだ周知徹底、啓発が必要だというふうに考えているところでございます。

日野委員

 現状でやっていても、まだ知らない方もいっぱいいらっしゃるし、在宅避難という考え方自体の浸透もまだまだだとは思っています。ここに載せていただいている課題を今後進めていくために、対応を講じていく必要があるとはあるんですけれども、今後はこれをどのように進めていくのか。周知をしたり、PRするというだけではなかなか浸透しない部分もあると思いますし、具体的な防災訓練の中に在宅避難というところも含めてやっていく必要もあるのかなと思うんですけど、今後はこの課題に対してどのように進めていこうというふうに考えていらっしゃいますか。

杉本総務部防災危機管理課長

 まずは啓発を充実していくというのが先決なのかなと思っています。訓練に参加していただいているような防災の意識の高い方、防災士さんですとか防災リーダー、こうした方を核として区の様々な防災対策の情報をお伝えしていただくというようなところがまずはあるかと思います。また、先ほど委員から御指摘いただきましたような賃貸住宅、共同住宅は中野区は非常に多いというようなところもございますので、そうした組合ですとか、区報等を用いた周知。

 また、近年、主としてコロナの対策というような部分で始めた部分が非常に大きいんですけれども、防災ユーチューブというようなものを区で現在実施しておりますので、そうしたものを用いまして、若い世代の方でも関心を持っていただけるような様々な防災対策についてのPRを図ってまいりたいというふうに考えてございます。

日野委員

 すみません、最後にします。今後進んでいく中で最終的に一番の課題は、要支援者をどう在宅避難をしながら支援していくかという在り方が一番大事というか、人手がすごく必要になる部分だと思うんですね。そこの体制というか、どれだけの人に協力してもらえるかというところが大きい部分だと思いますので、一歩一歩着実にそういったところの課題も含めて進めていただきたいというふうに思います。最後、要望にしておきます。

吉田委員

 今回は、中野区における在宅避難対策の現状と課題についてといったような御報告をいただいたわけで、いろいろお取組をいただいていることはありがたいと思っているんですが、細かいことからちょっと聞きたいんですけど、平成24年の想定と令和4年の想定でカテゴリーの名前が変わっていますよね。避難者②というところで平成24年は「避難人口」となっていて、令和4年は「発生数」となっている。これはどういう違いなんですか。

杉本総務部防災危機管理課長

 東京都が公表している内容をそのまま記載しているものでございまして、意味合いとしては同様のものというふうに捉えているところでございます。

吉田委員

 そうすると、その下の避難生活者数、避難所避難者数とか疎開者数、避難所外避難者数、全部同じなんですか。要するに単純比較していいのか、減ったねというふうに判断していいのか、全然違うカテゴリーの話をしているのか、どういうことなんですか。

杉本総務部防災危機管理課長

 基本的には同じものというふうに捉えているところでございますが、この疎開者数というのが、指定の避難所で避難することが困難な方で、他の避難所に避難をされているというふうに捉えてございますし、右側の避難所外避難者数につきましても、先ほど他の委員の御質疑にも御答弁申し上げましたように、大きく意味合いが変わるものというふうには捉えてございません。

吉田委員

 分かりました。その上で、先ほど、これは区民の被害想定、避難者なんだと。帰宅困難者については5万6,000人弱というお話を伺ったんですが、それは平成24年が何人で、令和4年では何人というふうに変わったんですか。

杉本総務部防災危機管理課長

 令和4年の被害想定につきましては手元に数字がございまして、5万6,532名でございます。現行の避難者数につきましては、こちらの地域防災計画の中に盛り込んでいるんですが、ちょっと確認をさせてください。お時間をいただきたいと思います。

吉田委員

 今のお話は、平成24年は5万6,000人で、令和4年はもっと減っているかもしれないんですか。

杉本総務部防災危機管理課長

 平成24年は5万8,123人でございます。令和4年が5万6,532名ということでございますので、若干減少しているというような状況でございます。

吉田委員

 2,000人ぐらいだけ減っているという状況だと理解したんですが、今回の報告はもちろん区民の報告なので、これについてはなるほどと思うんですが、やっぱりいずれかの機会に、区民と帰宅困難者、例の東日本大震災のときも新宿から青梅街道を延々と朝までかかって皆さんお帰りになって、途中で気分が悪くなって倒れるような方がいて、付近の町会の方が一生懸命御支援されていた。こういう状況があったじゃないですか。しかも、避難所に何か求めて入ってこられる方も出てくると思いますし、やっぱり両方とも数字を一括して示す場も必要だと思うんですけど、それはいつ示していただけますか。

杉本総務部防災危機管理課長

 委員御指摘のとおり、東日本大震災の後はかなり大変な状況になったと。こうした部分を踏まえまして、各事業所におきまして、事業所でスタッフの皆さんについては一定期間避難をしていただいたりですとか、事業所に備蓄物資を設けていただいたりというような取組を行ったところでございます。また、東京都や区におきましても、大学ですとか、包括連携協定を結んでいる施設、事業者さん、こうしたところと協定を結びまして、数千の単位ではございますが、避難所を開設しているところでございます。

 今、委員から御指摘いただいた部分につきましても重要な視点かなとは思いますが、東京都のほうでこうした推計をするのに当たりまして、市町村別の数まではなかなか示されていない部分もございますので、どういった格好で推計が可能なのか、まずはその部分。推計が可能なのか否か等を含めまして、ちょっと事例の研究を行ってまいりたいというふうに考えてございます。

吉田委員

 あの東日本大震災の教訓を受けて、それまで震災が起きたらすぐ帰すという国全体の方針が、安全なところだったらとどまってくれと方針が変わりましたよね。そういうこともあって、多分あのようなことが起きる人数を減らそうという国全体の考え方の変更があったと思うんですが、それにしても、それを受けてどれぐらいの人数になるのか。

 それでもやっぱり都合で今日中に帰っておきたいと。家族もいるしとか、いろんなことがあるので、国や東京都がそれを示していないのであれば、それは都の片手落ちですし、やっぱりそういう想定、方針の変更を受けて帰宅困難者がどれぐらいになるのか。受入れというか、日本国民として無視するわけにいかない。各自治体がどういうことを想定しなきゃいけないのかは、きちんと区と都と協議の場は山ほどあるんですから、きちんと示してくれと、それは区として当然言うべきであります。

 そして、それに基づいてこういう計画にもいろんなものを織り込んでいかなきゃいけないんですが、区民の計画についても伺いたいのは、ここにタイムスケジュール、タイムスパンがないんですよ。発災時には例えば4万8,000人ですねと。こういう数字をいただいているんですが、例えば1日後、3日後、1週間後、半月後、一月後にはゼロになるというふうに考えるのか。直下型地震とかいろんな想定、私も都議会にいたときから一生懸命勉強させてもらって、最悪の想定を抽出したというのは分かっているんですが、タイムスパンで見て、いつ頃までにどれぐらいの人数が避難者としてい続ける、あるいは解消する、それはどういうふうに考えていらっしゃるか示していただきたいんですが。

杉本総務部防災危機管理課長

 全体としまして、震災後の対応としましても、初動対応、応急対応、応急から復旧と復旧対応ということで、四つのカテゴリーに分類をして整理しているんですが、それぞれの段階で何人ぐらいという想定までは現在はできていない状況でございます。初動対応としまして発災直後から24時間以内の対応、また、応急対応としまして24時間から72時間まで、発災3日後までの対応、応急対応から復旧ということで3日後から1週間後までの対応、復旧対応ということで1週間から1か月程度を見た対応ということで、四つのカテゴリーに分けて計画はしているところでございますが、具体的な人数の推移等まではシミュレーションができていない状況でございます。

吉田委員

 まず、前の7万6,000人から4万8,000人に減ったのは非常に喜ばしいことで、これをゼロに本当はしたいんですけれども、この数字をどうやって算定したかというのがあると思うんですけど、例えば区内の耐震基準に達していない家屋がどれぐらいあってとか、そうすると、何とかおうちを手直しすれば戻れるようなおうちと、完全に壊滅しちゃって、本当に別に住む場所を探さないと普通の生活に復帰できない方、そういうことを想定しないと、予算も当然計上しなきゃいけない話なので、計上しておりませんというふうにちょっと聞こえちゃったので、復旧段階にはどれぐらいの方がその適用というか、対応しなきゃいけないはずですとか、しているんじゃないかなと思ったんですけど、していないんですか。

杉本総務部防災危機管理課長

 個別の数字までの算定はしていない状況でございます。必要な物資等につきましてはある程度備蓄している部分はございますが、タイムテーブルによる人員の変化等につきましては、そこまでの推計はできていない状況でございます。

吉田委員

 発災時に、ここの2ページ目にありますとおり、各委員から御指摘もあったとおり、要するに要介護者とか、こういう方については、マニュアルまで作って、とにかくお一人でも命を落とされる方がないように、本当にそういう取組をされて、区も大変な努力をされることになると思うんですが、そのきめ細かさに比べて、タイムスケジュールに関する分析と対応の在り方がもうちょっと、同じまでにいかなくてもいろいろ想定できること、私が持っていない情報を区はたくさん持っていらっしゃるので、もうちょっとそこも含めたものを示していただけると、やっぱり議会としてはもうちょっと区民に説明もつくし、安心もできるし、あるいは提案もできるし、予算についての覚悟もできるし、例えば東京都全体で100万戸も空き家があるような状況ですから、東京都を中心にいろいろ融通すれば、被害が局所的なものであれば対応できると思うんですが、それにしても、それをだから大丈夫だろうという「だろう運転」じゃなくて、やっぱりもうちょっと詰めていただきたいと思いますが、いかがですか。

杉本総務部防災危機管理課長

 委員御指摘のように、具体的な計画はできるだけ具体的な様々な場面をシミュレーションして対応していくのが好ましいというふうに考えてございます。そういった点につきまして、今回の被害想定、前回もそうなんですけれども、東京都が公表しています被害想定を基に計画に反映してきているというようなところでございますので、そうした途中経過の様子につきましても、どういった推計ができるのか、こうした部分については東京都のほうにも確認してまいりたいというふうに考えてございます。

吉田委員

 それに関連して、マンションについては新しく「東京とどまるマンション」のPRをしていくということで、まずは頑張ってくださいということなんですけれども、避難人口が減っていく中の一つには、個々の戸建て住宅も耐震性が増してきて、私の近所でも個人宅なのにコンクリートの堅牢な住宅とか、おおっというのがあったりして、そういうのが増えていけば減っていくだろうということだと思うんですが、外から見て安全な家と、住んでいる方が安全な家だとちゃんと認識できているか。

 あるいは、うちなんかそうなんですけど、いつ潰れるか分からないような家に住んでいて、耐震補強もしなきゃいけないんですが、自分ちは危ない家だと分かっていないで住み続けようと思って、いざ地震になったら住めなくなるという人もいっぱいいると思うんですよ。

 それについてやっぱり自己認識をしていただくと、先延ばしにしている耐震工事をやってもらえて、このうちだったら在宅で大丈夫ですねと。そういうことは今どのように、おうちに在宅避難をしていただくために区はどういう努力をされて、それをどういうふうに区民に届いているか、ちょっと教えてください。

杉本総務部防災危機管理課長

 今回東京都が被害想定を出した理由なんですけれども、従前は東日本大震災を踏まえました被害想定というところから、その想定に基づきまして防災対策を推進してきたというようなところがございました。今回は前回の被害想定から約10年が経過しているということ、また、今委員から御指摘いただきましたように、住宅の耐震化ですとか不燃化、こうした取組が着実に進展する一方で、高齢化の進行ですとか、単身世帯の増加。先ほど来他の委員からも御指摘いただきましたように、避難行動要支援者、こうした方への対応というような課題も出てきてございます。また、平成28年に熊本地震が起き、全国的にも大規模な地震が頻発する中で、最新の知見が蓄積されたということ。また、南海トラフ巨大地震の発生確率も上昇していると。こうしたところを踏まえまして、新たに被害想定をし直したというようなところでございます。

 ですので、住宅の耐震化ですとか、不燃化とか、そういった部分につきましては、防災課のほうで地図を作成して、各住民の皆さんに災害の危険度等は啓発しているところでございますが、全体としまして、防災対策というものが区民お一人お一人に浸透しているかという点につきましては、まだまだ課題があるというふうにも捉えてございますので、総合防災訓練ですとか、地域での防災訓練、また、先ほど来紹介しましたように防災ユーチューブですとか、そうしたものを使って、若い世代の方にも関心を持っていただいたりとかというようなところで様々な策を講じまして、啓発を充実していきたいというふうに考えてございます。

吉田委員

 今の区としてのお取組というのはよく分かるんですが、踏み込んでお聞きしたかったのは、要するに在宅避難の方を本当は増やしたいわけじゃないですか。そういう理解でいいんですよね。それに当たって区民の方が、要するに安全な家が増えれば増えるほど、在宅避難でも、区として安全・安心して見ていられるおうちが増えるわけですよ。いろいろ耐震に、これは課が連携していただかなきゃいけないんですけど、家を安全なものにしていただくための努力を区としてしないと、ここで言う被害想定の避難者は減っていかないじゃないですか。

 要するに、自分ちをちゃんと堅牢にしてくださいねと。その上でないと、家でいろんな備蓄とか何とかしても、備蓄しているおうち自身が潰れちゃって、結局よそに避難しなきゃいけなくなりますということがあっては無駄になってしまうので、そういう啓発みたいなものは、ちゃんとおうちを在宅避難に資するものにしてくださいねという啓発はどのようにしていますかということをお伺いしたかったんですけど。

豊川都市基盤部長

 建築の耐震に関することですので、都市基盤部長からお答えいたします。今、委員おっしゃったように、今お住まいの住宅の安全性確保には、委員も御指摘のように、まずは耐震性があるかどうかという確認が必要かと思っております。中野区では平成16年度から耐震化事業を進めておりまして、その中で一番肝となるのは耐震診断でございます。ただ、耐震診断もなかなか手間もかかります。取りあえず簡易耐震診断をやっていただいて、なかなか耐震性が難しいという家屋に関しては、本格的な耐震診断をしていただく。そういった仕組みでやっております。

 現在まで簡易耐震診断をやっていただいたのは区内で全部4,100戸ほどございます。それから、耐震診断をした結果、なかなか耐震性がないという場合には、例えば耐震改修をする場合には助成がある。それから、建て替えの助成もある。それから、どうしても建物の構造上、耐震改修できないですとか、あるいはなかなかその資金が難しいと。そういった場合には、例えば家具転倒防止金具の取付けであるとか、そういった当面の安全措置をお勧めしながら、総合的にできることをできる範囲でやっていただく。その取組はしているところでございます。

吉田委員

 最後、短くします。これで終わりますけど、結局ここで言っている4万8,000人ぐらいが、区民の中で何分の1かな、いらっしゃるわけじゃないですか。結局、避難しなければいけない方というのはおうちが使えなくなってしまう方、ダイレクトにそういうことですよね。そのことを御本人たちに、都と区は分かっているわけですよ。要するに、耐震設計になっていないよ。建築家などを含めて、こことここは駄目だろう。でも、多分御本人達がそれを理解、あまり認識していないわけなんですよね。

 忘れているとか、忙しいとか。そういう方々に、東京都の想定ではあなた方は避難することに想定されているんですよということを遠回しに、だからちょっと頑張りましょうという、御本人の安全、命のためにということをお知らせすることでここの人たちも減るのかなというふうに思うので、ダイレクトにそういうお知らせをしたほうがいいと思うんですけど、ダイレクトにというか、言い方は丁寧にですけど、ということについてどう思いますか。

豊川都市基盤部長

 先ほど申した耐震の続きですが、これは毎年1回、おおむね9月ぐらいですが、区内全戸配布という形で耐震のお知らせを配りしています。それを見てかなり問合せも多いですが、それ以外にも様々な取組、例えば耐震フォーラムであるとか、相談会の実施、そういったものをかなり多角的に行いながら、住宅の家屋の安全性確保に努めていきたいと思っております。

広川委員

 裏面の3、(2)の今後の課題のところなんですけれども、「在宅避難時に課題となる以下に掲げる項目について、解消を図るために対応を講じる必要がある」の一つ目、「支給物資や救助活動等の最新情報の入手が困難になることへの対応」ということで、やはり災害時、情報というものが本当に大事になってくると思うんですけれども、これから在宅避難を進めていくと言ったらあれですけれども、そういう中で新たな取組として何か考えていることはあるのでしょうか。

杉本総務部防災危機管理課長

 先ほども御答弁申し上げましたとおり、現在の対策が、防災行政無線ですとか、避難所等への何か情報の掲示とかというようなものが中心になってしまうと思います。状況にもよるかと思いますが、例えばインターネット等が使用可能な状況なのであれば、そういったものを使った情報の伝達等も考えられるかとは思いますが、今後の災害に備えまして、どういった対応を行っていくのが効果的なのかというようなところにつきましては、先進の事例等も参考にしながら今後検討してまいりたいというふうに考えてございます。

広川委員

 いろいろな自治体が様々な取組をやっていると思うんですけれども、今の話を聞くと、これまでの現行の中でやっていくというようなところで、ちょっとそれでは不十分なんじゃないかなと思ってしまいます。防災行政無線もいざ震災になったときに使えなかったというのがこの間の震災でも幾つもあって、やはりこれを教訓にしていくべきだと思うんですね。

 私自身、阪神淡路大震災を中学生のときに被災をしまして、そのとき、停電もし、断水もしたんですけれども、家は何とか無事だったので在宅避難という形で家にいたんですけれども、やはり情報が何も入ってこない。だから、どれだけの災害が起こっているのかとか、炊き出しはやっているのか、給水所はどこだとか、銭湯はどこがやっているのかとか、学校がいつ再開するのかとか、そういう身近な情報が何も入ってこない中での避難というのは本当に不安がありました。

 そういうときに、阪神淡路大震災、そして東日本大震災、熊本地震もそうですけれども、これを一つの教訓として、情報をいかに避難所以外のところで避難されている方に届けていくのか。どういったやり方が有効なのかというところで、ラジオというのが一つ注目されてきていると思うんですね。いわゆるコミュニティFMというのを、私も過去、本会議の質問などでも求めたことがあるんですけれども、平時は地域の情報や広報といったものを流すFMが、いざ災害が発生したときには、災害ラジオとして切り替えて地域に根差したきめ細かい情報を届けられるというような、そういうラジオの活用というものもぜひ考えていってもらいたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

杉本総務部防災危機管理課長

 今回、前回の当委員会における質疑等を踏まえまして、在宅避難対策の現状と課題ということで御報告を申し上げたところでございますが、東京都も、新たに盛り込んだ在宅避難対策というようなところで幾つかの事例は掲げてございますし、また、資料1番の被害想定の中にありますように、在宅避難者数というのが中野区におきましても非常に増えるというような現状を踏まえまして、今後の課題として、こうした最新情報の入手が困難になることへの対応というようなところで掲げさせていただいたところでございます。次期地域防災計画の策定に当たりまして、こうした部分につきましても、委員御提案の部分も含めてどういった事例が効果的なのかというものは、研究、検討してまいりたいというふうに考えてございます。

広川委員

 ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。

石坂委員

 何点か分かれますが、まず表面のほうの自宅等での生活が可能な場合における在宅での避難は当然ですけれども、「親戚知人宅への避難など」という言葉があります。これって、中野区で被災した方が親戚・知人を頼って区外に出ていく場合もあれば、逆に中野区内の親戚・知人宅を頼ってくる場合もあると思うんですけれども、今回というのは、東京都が出しているものでありますけれども、差引き、プラス・マイナスどういうふうになるのかとかという想定はあったりするんでしょうか。

杉本総務部防災危機管理課長

 そこまで細かな部分につきましては、東京都のほうでも公表していないところでございます。

石坂委員

 そういう意味では分からないということでありますけれども、実際に裏面のほうでも様々な災害避難行動要援護者に対する支援であるとかが必要であることなどは書かれておりますけれども、やはり中野区は避難行動要支援者名簿で把握をしていますが、親戚・知人宅に避難してくるということを考えたときに、障害者、高齢者、乳幼児、親子、あるいは外国籍に置かれている方などが中野区に入ってくる場合もあります。中野区のが被害が小さければ、あるいは中野区のマンションの被害が小さければあると思うんですけれども、そうした場合の情報把握などについても今後想定していくことが必要であると思いますが、その点はいかがでしょうか。

杉本総務部防災危機管理課長

 全体としまして、在宅避難に係る部分というのが、まだまだ非常に課題が多い分野なのかなというふうに考えてございます。今委員から御紹介いただいたような点等も含めまして、被害想定の大本の部分を検討しているのが東京都でございますので、どういった部分が考えられるのかというような点につきましては、情報収集に努めてまいりたいと思います。

石坂委員

 その上で中野区内のことについて聞いていきますけれども、まず3の④、避難行動要支援者名簿に基づいて避難行動要支援者への安否確認や救出・救助などを行っていくのはこれまでも想定をしておりますけれども、在宅避難が増えていくと、そのとき在宅で大丈夫だという判断をする、なので避難所に行きませんという判断をした方が、やはり在宅では難しかったので避難をする人が出てくる場合もあると思うんですけれども、避難行動要支援者名簿に登載されている方について、最初の初期だけではなくてその後も避難所に行く意思などの確認をしていただけるのかどうかということと、とりわけ各避難所の組織という点ではなく、二次避難所のほうが開設されるのであればそちらに行きたいという方々なども出てくると思うんですけれども、その辺り、在宅の避難の方が後から通常の避難所に行く、あるいは二次避難所に行くということに関しても大丈夫な体制を考えていらっしゃるのでしょうか。

杉本総務部防災危機管理課長

 現在におきましては、各避難所組織の中に組織をいたします避難支援部のほうでそうした情報については把握をするというふうに認識しているところでございます。

石坂委員

 それは、当初は在宅避難を選んだ方に関しても把握はし続けてまいるという理解でよろしいですね。

杉本総務部防災危機管理課長

 そのとおりでございます。

石坂委員

 それから、(2)の今後の課題のほうで、支援物資や救助活動などの最新の情報の入手が困難になることへの対応ということで、これに関しましても、例えば視覚障害者、聴覚障害者で情報が手に入りにくい方ですとか、あるいは知的障害者、発達障害者などで紙で配られても分からない方などもいらっしゃると思います。やはり最新の情報提供の入手が困難になることへの対応に関しては、当然ユニバーサルデザインに配慮したといいますか、様々な情報弱者に対しても想定された情報提供を検討いただけるということでよろしいでしょうか。

杉本総務部防災危機管理課長

 今委員から御指摘いただいた方は、多くの方が施設に入所されたりですとか、あと、二次避難所に避難されている方もいらっしゃるかと思いますが、当然そうした方も視野に入れた形での検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

石坂委員

 そうした方でも在宅の方もたくさんいらっしゃいますので、在宅の方も踏まえて進めていただければと思います。

 それから、⑤人工呼吸器使用者や透析患者等が避難している場合の対応ですけれども、これは当然だと思いまして、一応念のための確認ですけれども、たんの吸引などの医療的ケアを受けている方なども電源がなくて困られると思いますので、その辺りも想定されていると理解でいいかどうか、念のために確認させてください。

杉本総務部防災危機管理課長

 想定しているところでございます。

石坂委員

 それから、先ほど施設入所者という話が出ましたけれども、通所施設に通われている方も中野区にはたくさんいらっしゃいます。そうした際に、⑥のところで在宅避難や指定避難所以外の場所に避難した災害者の避難情報の把握というのがありますけれども、区のほうが情報把握していくのも当然なんですけれども、通所施設のほうでは、自分のところの利用者さんの安否確認、安全確認はやはり必要であるという判断をされている施設が多いように見受けられます。

 そうしたときに、やはり区のほうで情報を把握するのは当然ですけれども、通所施設のほうからの問合せなどがあった際に情報共有をしていく。もちろん御本人の承諾なども必要になってくると思うんですけれども、共有も必要になってくると思いますが、そこら辺はいかがお考えでしょうか。

杉本総務部防災危機管理課長

 3の(1)⑤にございますように、様々現行そうした事業を受託していただいている事業者の皆さんとは多く協定を結んでいるというような状況もございます。また、こうした災害時の対応につきましては、本人同意が必ずしも必要でない。緊急性を要するような場合には必要でない場合もあろうかと思いますので、そうした部分につきましては、事前にどういった形でというようなことで確認をしておいて、対応していきたいというふうに考えてございます。

石坂委員

 そのような形で進めていただけるという形で期待しております。やはりこうした特に障害の方ですとかは、もちろん御本人の希望があれば在宅で、施設への希望があれば施設で、様々な形になっていくと思うんですけれども、私も避難をした際に、避難を希望された際に避難所に集まっていただくほうが避難しやすい面もあるかと思います。やはり在宅で多くの方が散らばると、その分分散すると大変になる部分もあるかと思います。

 もちろん本人のQOLを考えた場合に在宅がいい場合もありますので、単に集めればいいというわけではありませんけれども、やはり今回の被害想定を考えたときに、在宅避難者数が増えて避難所避難者数が下がると、区の負担が減るだけではなくて、区の職員や支援に当たる方が出張る場面が増えていくと思いますので、そこは負担が増える部分もしっかりと考えながら想定して進めていただければと思います。これは要望としておきます。

井関委員

 石坂委員からも御指摘がありましたが、ほかの地域にお住まいの方で、中野区の在宅避難の友人や親戚を頼ってきた場合、そもそも同じような支援を受け入れられるという認識でよろしいでしょうか。

杉本総務部防災危機管理課長

 基本的なところとしましては、区民への対応を想定しているところでございますが、人道的な観点もございますので、他の方、帰宅困難者の方も含めまして、同様の対応をできる限り取れるように工夫をしていきたいというふうに考えてございます。

大内委員

 この報告は、そもそも「中野区における在宅避難対策の現状と課題について」というタイトルなんだけれども、東京がいろいろ在宅の対策だとかが書いたんだけど、書いてあることは中野区仕様になっているの。要は、中野区の在宅避難対策の現状と課題についてという報告だから、東京都はこう言っていますよ、その中で中野区に関係することはこれなんですよというふうに抜粋されているのか。ただ単に東京都の文書を持ってきているのか。

杉本総務部防災危機管理課長

 東京都における取組につきましては、東京都がこういった対応をというようなところで記載しているものを抜き出しているものでございます。一方で、区の対応の部分につきましては、それぞれ各区は環境が異なる部分があろうかと思います。中野区の場合ですと、どうしても単身世帯の方が非常に多いですとか、人口密度が高いですとか、そうした部分がございますので、そうした部分については区で独自の対応をしているところでございます。

大内委員

 2に東京都の考え方が出ていて、3が中野区独自の対策だということだと思うんですけれども、例えば3の中で②のところに保健医療サービスの提供と。これは誰か。主語が出ていないんですよ。要は、中野区の現状なのか、中野区の医師会なのかというのが分からないんです。この主語は誰になるんですか。

杉本総務部防災危機管理課長

 申し訳ございません。在宅避難者に対してこうした対応を図っていくというところで、3の(1)のところでは掲出をしているところでございます。

大内委員

 だから、保健医療サービスは誰が提供するんですか。保健所が在宅の人のところに行くんですか。中野区医師会に、在宅のいろいろな困難者というのかな、ひとり住まいの方とか、そういうところを回ってくださいと言っているんですか。あるいは、中野区で言うと、各区民活動センターにいろいろ人がいますよね。そういう人たちが回るんですか。要するに、誰がやるんですかということです。

杉本総務部防災危機管理課長

 ここの部分に特化した格好ですと、ふだんから当該の患者さんが治療に当たられているかかりつけ医の方ですとか、また、疾病の種類によりましては、すこやか福祉センターでどういった医療を受けているというような情報を持っている方もいらっしゃいますので、そうした方につきましては区の職員が巡回をしたりですとか、個々の方の御様子に応じた格好ではございますが、あとは避難所等におきまして、医師会の御協力をいただきながら、各在宅避難をされているような要配慮者のお宅に巡回をしたりですとか、様々なケースがあろうかというふうに考えてございます。

大内委員

 だから、かかりつけ医って、在宅に先生が家まで来ている人はいいけど、自分が行っている患者さんの家なんかは普通知らないよ。かかりつけ医が行くってどういうことなのかちょっと分からないと思うでしょう。自分で言ってそう思わない。だから、かかりつけ医ということで先生がそのお宅までいろいろ巡回をしょっちゅうしている家だったらどこにあるか分かるけど、普通、例えば僕が行っているかかりつけ医の人は僕の家を知らないし、僕が家で待っていれば来てくれるんですかと誤解されちゃうんだよね。

 だから、それは言い方だからむしろうまく言ってもらいたいなと思うのと、保健所に関しては自分たちが通達をすれば動くかもしれないけれども、医師会にはそういう連絡はしてあるの。これからするんですか。要は、今考え方を言っているのか。東京都の新しい考え方を示されたので、そういうふうにしたいと言っているのか。既に中野区医師会とは連携、歯科医師会、あるいは薬剤師会、いろんなところと連携を取ってそういう形になっているんですか。

杉本総務部防災危機管理課長

 医師会とは既に協定を締結してございますので、協定に基づきまして対応をお願いしたいというふうに考えてございます。

大内委員

 だからね、実際協定を結んでいたって実際動くかどうか、それはふだん訓練したことがあるんですか。紙にこういうふうに助け合いましょうだとか、お互いこういった助け合うと書いてあっても、実際災害が起きたときに今言ったようなことをできると思いますか。もう少し現実的に立って考えないと、協定を結んだからいいんですじゃなくて、例えば中野区でも発災地域が偏る可能性もある。南になるのか、北になるのか、あるいは中央になるのか。場所によって発災の被害の大きいところには被害の少ない人たちが助けに行くだとか、そういったこともちゃんと考えられているんですか。

 多分考えられていないでしょう。医療機関と協定を結んでいるけれども、区民活動センターだっけ、あそこに拠点を設けるだとか、多分そんなようなことだと思うんだよね。もっと具体的にやらないと、例えばふだんの防災訓練でも、大々的な防災訓練には医師会とかいろんな土木関係の方とか来るけれども、各学校、避難所でやっている防災訓練に参加しないじゃないですか。そういうところに参加しないと、本当に今言っている医療体制と地域との連携体制ってできるのかなと不安になるので、その辺はどう思いますか。

杉本総務部防災危機管理課長

 現行、医師会の皆さん、歯科医師会の皆さんも含めまして、今委員から御紹介いただきましたように総合防災訓練の中で医療連携を含めた訓練を実施しているところでございます。確かに委員御指摘のような各避難所における訓練等におきまして、そこまでの連携は図れていないというようなところもございますので、今後の対応につきましては、どういった対応が可能なのか医師会と協議をしてまいりたいというふうに考えます。

大内委員

 要は、中野区のでかい防災訓練にみんな偉い人たちがたくさん来てやるのはいいんだけど、本当は各学校単位で防災訓練をやれとそちらが言っているわけだから、そういうところにも積極的にそういった方たちが参加をされて、地元の医師会の方たちはこういう方なんですよ、あの先生がいつも行っている私の先生だとか、例えばそういうのが分からないと、簡単に書いてあるけど、例えば保健所の人たちが回り切るって大変じゃないですか、はっきり言って。どの程度の災害が起きるかにもよるんだけれども、やっぱりなかなか予想できないわけだから、いろんなことを想定してやっていただきたいなと思います。

 それと、④のところの避難行動要支援者への安否確認や救出・救助と。これは誰がやるんですか。

杉本総務部防災危機管理課長

 こうした対応につきまして核となっていただくのは、各避難所組織の中に設置をいたします避難支援部の皆さんにお願いしたいというふうに考えてございます。

大内委員

 避難支援部って誰なの。区の中に避難支援部といって各地域に担当がいらっしゃるんですか。それとも、地元の防災会のことを言っているんですか。何を言っているんですか。

杉本総務部防災危機管理課長

 地元の防災会の方の中からあらかじめ避難支援部というものを担う方を決めていただいておりますので、そうした方を中心にお願いしたいというふうに考えてございます。

大内委員

 多分これで言うところの避難行動要支援者の名簿を持っている町会の防災会かな、そういうのがあると思うんだけど、その人たちがもし災害被害に遭ったら、今度誰が見に行くんですか、二次的に言うと。要は、そのときは区の職員が確認して行くんですよだとか何かないと、防災会ばかりに任せても、見に行く方たちがそもそも高齢者の方が多いのが実情だから、その方が家から出られないだとかそういった場合には、直ちに区のほうが連携を取って区の区民活動センターなり何なりからそういった要支援者のところを確認に行く体制になっているんですか。

杉本総務部防災危機管理課長

 地震等の発災直後でございますが、地震等が発生する時間帯にもよりますが、区の職員の勤務時間中ということですと、各避難所のところに区の職員が赴きまして、地域の避難支援部の方と協働しながら対応を行っていくということで想定してございますし、避難支援部の中心的な役割を担っていただくという方はあらかじめ決めていただいているんですが、そうした方御自身が被災されたりですとか、避難所にお越しになれないときには、避難所にいらっしゃる方のうち、フットワークのいい若手の避難者の方にこうした部分をサポートしていただくということで今は定めているところでございます。

大内委員

 分かりました。ただ、そのときに名簿はどこにあるんだというと、例えば名簿って区民活動センターのどこかの金庫の中に入っているわけです。じゃ、そこまで誰が取りに行くんだ。僕たちが行って勝手に開けられるのかという話になるんです。土日になると職員がいないから開けられない。たしかあれは町会長とかにも渡しているのかな。ただ、いろいろ流出事件だとかあって、ちょっと厳しくなっているんじゃないですか。

 そういうのがあるから、実際100%うまくいくとは思わないけれども、なるべくこういった場合はこうするということを各防災会に周知徹底するというか、連絡してもらいたいと。そのために中野区地域防災計画を新しくつくるんでしょう。これから30年のうちに首都直下型地震が起きると。もう10年ぐらいたっているから、これからあと20年になるのか。でも、相変わらず30年と言っているけれども、起きる可能性が想定されているという中で、中野区の防災計画、新しく東京都の考え方に対応できるような形のものはいつつくるんですか。

 ただ冊子を作ればいいというんじゃないの。各防災会にもっと分かりやすく、冊子を渡して、ここに書いてあるから、このマニュアルといってもなかなか動かないから、現実的に言うと。とはいっても、中野区としてはこの防災計画をつくると言っている以上、これはいつつくるんですか。

杉本総務部防災危機管理課長

 現在の予定としましては今年度末ですので、来年の3月、令和6年の3月に向けて修正をしてまいりたいというふうに考えてございます。

大内委員

 ということは、今あるものの修正版という考え方なんですね。あんまり細かいことを書くのも必要なんだけど、要は実用的なものをつくってもらわないと、別に本棚に置くためにあるわけじゃないから、そういった災害現場とかで活用するときに、ぱっと見て分かるようなものにしてもらわないとなかなか分からないし、中野区も地域によってもいろいろ問題が違うので、ぜひともその辺のことを考えてつくっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

河合委員

 御報告ありがとうございました。在宅避難についての課題を感じているということなんですけど、地域防災計画には今後詳細に在宅避難について掲載されていくということでしょうか。

杉本総務部防災危機管理課長

 計画本体に詳細に記載するというようなことはないかもしれませんけれども、様々それぞれのお立場によりましてマニュアル等を作成してございますので、そうしたところには反映をしてまいりたいというふうに考えてございます。

河合委員

 ありがとうございます。例えば避難所にいらっしゃった方にあなたのおうちは大丈夫みたいなので、おうちのほうに避難したほうがいいですよみたいな対応も今後出てくるかと思うので、そういうマニュアルにはそういうところも生かしていただきたいなと考えます。

 要配慮者視点の防災というのを前回も掲載されていますけど、さらに中野区においては、人工呼吸器などに課題がある方で在宅で避難したいという方に対して、日常生活用具の対象商品などを増やしたところで、そういうことも去年いろいろ様々対応を増やしていると思うんです。要配慮者視点の防災に関して、もう少し今あるものよりも詳細にそういうところも含めて掲載されていくのか。これはこれでまた別項なので、例えば障害者の支援計画のほうにもっと載っていくというふうになるのか、そこの確認をさせてください。

杉本総務部防災危機管理課長

 地域防災計画そのものには、各項目についてここの部分だけでなく、全体として詳細な部分まで記載するのは難しいのかなというふうに考えてございます。現行の地域防災計画一つ取ってみましても、年々修正するたびに分厚くなってきているところがございまして、現在、本冊と資料編と合わせて1,000ページ規模のものというようなところがございます。ですので、今、様々、本日各委員から御指摘いただいたような部分につきましては、具体的な策というような部分について検討しながらというところでございますが、計画本体への記載は考えていないところでございます。

河合委員

 細かなところまでは掲載しなくてもいいかなとは思うんですけれども、やはり防災に関わっていく人たちがベーシックに知っておかなきゃいけないことを載せておかなければいけないことが地域防災計画かと思いますので、最低限載せなきゃいけないことはしっかり精査して、要配慮者視点のところに関しては充実させていただきたいなと思っております。一応答弁を下さい。

杉本総務部防災危機管理課長

 どういった記載になるかというようなところはございますが、実際の現場、万が一発災をした際には、こうした人工呼吸器使用者の皆さんとかが困ることのないような対策を区としてしっかりと講じているというようなところが重要なのかなというふうに認識してございます。こうした部分につきましては、すこやか福祉センター等で一部情報を持っているところもございますので、そうしたところとしっかりと連携を図りながら、当事者の方へもしっかりと情報が行き渡るように、いざというときに困ることのないような計画をつくってまいりたいというふうに考えてございます。

大沢委員

 1点だけなんですけれども、最初に中野区の被害想定というのがあるじゃないですか。これは10年前はこうだった、今はこうなっていますというのが出ているじゃないですか。これ、当然何かの努力をしてきている。ここまでのいろいろなお話を聞いていると、先ほど都市基盤部長がおっしゃったように、周知を徹底してきたとか、いろんな努力をしてきたということがあるんだと思うんですけど、そうであるならば、目標というのがやっぱり本来必要なんだろうなと思うんですよね。

 例えばこれから10年後において、人口がどうなるというのは大体今統計として想定ができている。それでどういう数字に中野区として持っていきたいのか。そのために何をするのか。そういう計画的なものがあらかじめあって、そこを追いながら、それじゃ今どこの地点にいてどうすべきなのかというふうにしていくほうがいいのかなというふうに思うんですけど、いかがでしょうか。

杉本総務部防災危機管理課長

 こちらで掲載しているものは、あくまでも東京都の被害想定というところでございます。地域防災計画を策定する中では、当然でございますが、地域防災計画を策定するという目的の一つの中に減災というものを掲げてございますので、新しい、修正をする地域防災計画におきましても、こうした減災の目標というのは定めてまいりたいというふうに考えてございます。

大沢委員

 知識が不足しているのかもしれないんですが、東京都がやっている数字だというのがあるけれども、そのうちの中野区の部分を取り出すとこうなりましたという実績が来ますよねということで、それが同じ断面で10年前もつくられている。表現の仕方は少し変わっていても、また10年後も同じように恐らくつくられるだろうといったときに、最終的にそれではここに来る数字としてどのような形になることを目標とするのかというのは、何かつくっておいたほうがいいんじゃないかということを言っているんですけれども。

杉本総務部防災危機管理課長

 先ほどの答弁はちょっと分かりづらかったかもしれませんが、従前の計画、平成24年の被害想定に基づくものとしましても、資料に記載のような被害想定というものが東京都から示されてございます。それを受けまして、区として死者数をその被害想定の数よりも120人減少させるですとか、避難者数を3万3,000人減少させる。建築物の全壊焼失棟数を約5,600棟減少させるというような目標を掲げながら、地域防災計画を修正したところでございます。

 次期地域防災計画の修正に当たりましても、現在、区の防災会議の皆さんにこうした部分はお示しをした上で、それぞれの機関におきまして、目標ですとか具体的な行動等を定めていただいているところでございます。全体として、区の防災会議としてどういった格好で減災目標を掲げていくのかというようなところにつきましては、今後検討してまいりたいというふうに考えてございます。

大沢委員

 承知いたしました。そうしましたら、できましたら10年前の計画ではこういうものだった、今はこうなった、10年後はこうなっていく、その間にこういうことをしますというふうなことをもう一度どこかの場面で御説明いただければと思います。よろしくお願いします。

福嶋総務部防災担当課長

 先ほどいのつめ委員の御質問の中で、防災用品のあっせんの昨年度の実績でございますが、かいつまんで申し上げますと、アルファ米やスーパー保存水、それから簡易トイレなど、合計37件の販売実績がございます。

委員長

 他に質疑はございませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 なければ、以上で本報告について終了します。

 次に、2番、脱炭素社会の実現に向けた区有施設整備方針の策定についての報告を求めます。

永見環境部環境課長

 それでは、脱炭素社会の実現に向けた区有施設整備方針の策定について御報告をいたします。(資料4)

 本報告につきましては、区民委員会においても御報告をするものでございます。

 区は、「第3次中野区地球温暖化対策地方公共団体実行計画(事務事業編)」におきまして、区の事務事業から発生する温室効果ガスについて、令和12年度(2030年度)までに平成25年度(2013年度)比で46%削減することを目指しております。また、「中野区ゼロカーボンシティ宣言」におきまして、2050年までに区の二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることを目指しております。以上を踏まえ、脱炭素社会の実現に向けた区有施設整備方針を定めましたので、御報告をいたします。

 1、脱炭素社会の実現に向けた区有施設整備方針でございます。

 別紙を御覧ください。第2回定例会で御報告をいたしました考え方から変更のあった点について御説明をさせていただきたいと思います。

 まず、2番、基本的な考え方の下から3行目の後ろのほうですけれども、「今後の技術開発の動向や製品ライフサイクルの観点等も踏まえながら」という文言を追加いたしました。

 その後、3番、4番については変更がございませんで、5番以降については今回追加をした内容でございます。

 5番、対象施設。本方針の策定後、新築、改築及び改修に向けた基本計画を策定する施設を対象といたします。

 6番、認証取得。目指す水準を達成した施設がZEB化施設として認証の取得を行います。

 7番、運用。区有施設の新築、改築に当たっては、企画段階の協議(基本計画策定前)及び設計完了後の報告を環境部長に対して行うものといたします。

 御報告は以上でございます。

委員長

 ただいまの報告に対し、質疑はございませんか。

いのつめ委員

 御報告ありがとうございました。そもそものところなんですけれども、区有施設の整備方針のところで一つのキーワードとなるのが、ZEBというところだと思います。そもそものことなんですけど、6番のところでZEBの認証取得といったところが出てきました。認証されているものの既存の一覧といったところを見てみると、幾つか基準がある中で、そのほとんどが全国的に見てもZEB Readyですとか、Nearly ZEBといった一部のところしか認証されていないのがほとんどだと思います。このZEB認証のハードルって結構高いものなんでしょうか。

永見環境部環境課長

 一覧というのがどちらの資料かちょっと分からないんですけれども、中野区においては、現在存在する施設でZEBのランクを取得している施設はございませんで、今回方針の3番の目指す水準ということで、1万平米未満についてはZEB Ready以上、1万平米以上の建物はZEB Oriented相当以上ということで水準を定めたということでございますので、ハードルが高い低いというものについては、一般的には大きな施設については、創エネの発電できるエネルギー量がなかなか賄い切れないというようなこともありますので、なかなか高い数字は実現しづらい。小さな施設であったり、窓が少ない施設などについては、ある程度高い水準が目指しやすいということはあるのかなと思っております。

いのつめ委員

 今いただいたところでは、小さいものですとか、窓が少ないような施設だとやりやすいといったところだったんですけど、中野区で今後、この認証取得を目指すというか、その水準を目指していくに当たって、メインの対象となるのもそういった施設になるのでしょうか。

永見環境部環境課長

 今回設定いたしました目指す水準については、今後、新築、改築を行う全ての施設を対象として考えております。

いのつめ委員

 もう1点なんですけど、このZEBについて認証を取得したことによるメリットはどういったところがあるのか、お聞かせください。

永見環境部環境課長

 メリットといたしましては、対外的にこの施設は脱炭素の効果が高い施設であるということを知っていただくというところが効果なのかなと思っております。

いのつめ委員

 ブランドイメージというか、こういう施設としてのイメージが上がるというところだと思うんですけど、例えば何か補助金が出たりとか、そういったお金的なところでのメリットはないんでしょうか。

永見環境部環境課長

 整備を行うときの補助金という意味で言いますと、ZEB化に要する経費について、国から3分の1の補助金が出るというところはございます。

加藤委員

 前回、本日の委員会を開く際に日程調整のときに午前中じゃないといけないのみたいな中でありましたけれども、午後に開催できないみたいな中で、そういう中においては、今日の報告が今日やらないといけないということだったのかなと、今日の報告事項を見ると理解しているんですけれども、今日じゃないとまずいんですか。定例会中じゃ遅いんですか。まずそれを確認します。

永見環境部環境課長

 こちらの報告につきましては、8月に策定ということで、全庁的にこの方針に沿って施設整備を行っていくというところで、なるべく早い段階で策定をして全庁的に運用を始めたいというところで報告をさせていただいております。

加藤委員

 前回から内容を議会の意見も反映して変わったところもあるのかもしれないですけど、これを今日報告した後、区がどうやって変わっていくというか、これがどういうものなのかというのは、この方針ができて、全庁的にと今おっしゃいましたけど、これを出すとどう変わっていくのか。これがないと前に進まないのか。これの効力というのはどういったものなのかというのを教えてほしいんです。

永見環境部環境課長

 先ほど、方針の5番以降でございますけれども、対象施設として、本方針の策定後、新築、改築及び改修に向けた基本計画を策定する施設ということで定めましたので、この方針の策定後、基本計画をつくっていく施設については目指す水準を提供していくということで、全庁的にそのような運用を行っていくということで考えております。

加藤委員

 例えば、区有施設整備計画の中に盛り込まれるとか、そういうことはないんですか。今後変わっていく中で、それに上乗せみたいな位置づけになるとか、そういうことはないんですか。

永見環境部環境課長

 区有施設整備計画については、次期の改定がいつになるのかちょっとはっきり分からないんですけれども、その段階で企画部のほうと調整して、こういった脱炭素路線に関する記載が盛り込まれるということも、そのときの調整にはなるかと思いますが、そういったこともあり得るかなとは思います。

加藤委員

 そういった中で、物価高騰前といいますか、コロナ前というか分からないんですけど、小・中学校の建て替え52億というのが一つの目安であったわけですけれども、物価高騰に加えてZEB化もしないといけないというところで、かなり費用が上がっていくのかなと思うんですけど、その辺はどうどのように担当として考えていらっしゃいますか。

永見環境部環境課長

 この施設は今後、新築、改築施設はZEBのランクを取得していくということで、一定費用に関しては増えていくというところで考えておりますが、そちらについては、区としてそのような方向で進めていくということを確認した上で、今回の策定については進めているところでございます。

加藤委員

 そうすると、別に小・中学校は一つの事例でしたけれども、今後、全ての施設でそういうふうになっていくといった場合には、全ての建物で今まで基金の積立てとかいろいろ考えてきたわけですけど、前提がひっくり返るぐらいの大きなことになってくるのかなと思うんですけど、その辺、財政的なところのフレームと、環境部ではこれをやるんだというだけかもしれないですけど、そういった全体の予算的なところの調整というイメージというか、やらないといけないことなんでしょうけれども、その辺の課題まで考えられて、このタイミングだったり、全て総合的に考えられているのかというのをお伺いします。

永見環境部環境課長

 この方針の策定に向けた検討を行う段階で当然財政課など企画部も交えた形で検討を進めてまいりました。今、作業を進めております実施計画における財政フレームを策定、つくっているところでございますけれども、そちらについてもこの方針を前提とした形で盛り込んでいくということで企画部とは調整がついているところでございます。

加藤委員

 そうすると、来年度予算からこういったことを念頭に入れた財政フレームを組まれていくということなんですかね。財政課じゃないと分からないかもしれないですけど。

永見環境部環境課長

 この方針ができた後なので、具体的にいつ基本計画ができて、来年度施設がすぐできるか分からないんですが、基本的には今後そのような形で財政が組まれていくということで理解をしております。

吉田委員

 今回示している方針等についてなんですけど、私が常々御指摘を申し上げている点について、これは方向性についての裏面2ページの(4)のところですね。「製品ライフサイクルの観点等も踏まえながら」という1文も入れていただいていて、この点をきちんと区として前提に置きながら検討されるのは非常にいいことだなと思うわけですけれども、方針全体の中ではこの位置づけが弱過ぎるなというふうには思うんですね。

 例えば、建物についてZEB化ということを提案されていて、環境省がZEB化と一生懸命言っているので、その方針に合わせるのは別に悪いことではないんですけど、それで物事が解決というわけではないんですよね。ゼロカーボン化という目的を達成しようと、もしその前提に立ったとしても、ZEB化というのは、つまり、使用段階におけるCOの排出を削減と創エネと両方相殺してゼロにしようという話ですよね。ZEB化という中には実はライフサイクルコストというのは入っていないじゃないですか。

 ですから、ZEB化をすると言って使う資材、それは製品もそうですし、あるいは建築に当たっての例えば重機を使うとしたら、その重機の燃費とか、そういうことも含めて全体的にCOが削減されるようなものを選択しないと、出来上がったものの性能だけがZEBだと言っても、それをつくる段階で膨大なCOを排出するようなものを選択して使っていては、結局目的を達成しない。全体の目的は、地球環境変動を抑制するためにCOの排出を抑制することでしょうから、その目的を達成できないわけです。

 ですから、ZEB化ということが一番大事なことだというように、目指す水準について、1、目的、2、基本的な考え方、3、目指す水準で、エネルギー消費性能ということで、これで何か達成できるんだというふうに考えているかのように読めてしまうので、その前に、とにかく全てに当たって、製造・生産から建設の間のCO排出も含めて、そして区として使用するときのCOの削減。そしてその後、廃棄の段階でのCOの排出も抑制した廃棄の在り方を選択していく。そういうことがこのZEBの前になければいけない。このように御指摘を申し上げるので、そういうふうに検討してください。

 そしてもう一つは脱炭素、ゼロカーボンシティのために、再生エネルギー100%の調達をしていくんだという方針を掲げていらっしゃいますけれども、私はこれには反対です。まずこれについてお伺いしたいんですけれども、例えばEUは、今回のロシアのウクライナ侵略を契機に、原子力発電は、脱炭素に資するエネルギー電気生産の方式であるというふうに方針を大きく改めた。原子力発電はゼロカーボンのために重要な発電形式であるというふうに認識を変えたんですが、中野区は原子力発電についてどういう認識なんですか。

永見環境部環境課長

 区として、原子力発電を推進していく、推進していかないというような区としての考えというのが国の考えと別にあるというわけではございませんので、国の考えに沿って今後もそういったエネルギー政策は進んでいくのかなというふうに考えております。

吉田委員

 そうしますと、再生可能エネルギーというものには、基本的にエネルギー供給全体の中で弱点があると、このように常識的に認識されていますけれども、別にクイズをするつもりじゃないんですけど、再生可能エネルギーというのは、そのほかの一般的な水力、火力、原子力というベース電源と言われるものに比べて、どのような特徴というか、欠点があるというふうに認識されていますか。

永見環境部環境課長

 例えば太陽光であったりとか、風力、水力など、そういった再生可能エネルギーがありますが、一般的に言われる弱点といたしましては、そういった自然環境によって電力供給が左右されるというところは言われているところかなというふうに認識しております。

吉田委員

 共通の認識で本当によかったと思います。今、常識的に晴れと雨で、あるいは気候、天候によって、どのような自然再生エネルギー、太陽光だろうが、あるいは潮力発電とか、様々な風力発電、全て気候状況によって、発電量、発電効率、あるいは発電の質、こういうものが変化してしまうので、ベース電源にはなり得ない。

 こういう欠点があるわけでありまして、安定的に発電できるエネルギー源があって、その上に付加して、非常に流動的なあるものであるので、再生エネルギーというのは、ベース電源に上乗せして薄めないと、国全体として、あるいは地域全体としては安定的な電力供給ができないものでありますので、公共団体である区がこういうものを100%エネルギー源として依存するんだということは、国全体として考えれば、エネルギーの供給を不安定にすることに一生懸命区はバイアスをかけているということになってしまうわけで、そういう在り方で脱炭素化を図ろうという手法自身が、私は国全体を考えると効果的ではないと考えますが、この点についてはどのようにお考えですか。

永見環境部環境課長

 今回、脱炭素社会の実現に向けてということでこのように記載させていただいているところでございますが、やはり脱炭素社会の実現を進めていくためには、一定再生可能エネルギーを活用していく必要があるのかなというふうに考えております。一方で、委員が御指摘されているような電力供給、そういった課題もあるかと思いますので、そういったバランスというものが必要なのかなというふうに考えておりますので、そういったところも念頭に置きながら進めていく必要があるのかなと思っております。

吉田委員

 私は常々御指摘を申し上げておりますけれども、製品の調達に当たって、COの排出を少なく生産されたものとたくさん排出してつくられたもの。例えば鉄1トン買うとして、COをいっぱい使って、エネルギーをいっぱい消費してできた鉄と、エネルギーをなるべく使わないでつくった鉄、この二つがあったら、鉄の性能が同じであったら、エネルギーを使わないでつくった鉄を購入することが全体としてCOの排出削減につながるけれども、そういう調達について区はどのように努力しますかというふうな質疑を何度かしてきたんですけど、それについて何かお取組は進みましたか。

永見環境部環境課長

 前回の委員会でも御指摘いただいたところかと思いますが、例えば太陽光パネルに関しては製造時にCOが多く排出されているのではないかというようなところもございますので、今、研究が進められている国産の太陽光パネルなどについても、実用化が見えてきた段階で区として活用について考えていきたいなというふうに思っております。

 また、その他の機器について、製造段階でのCO排出状況など、そういったものが全ての製品について公開されているというような国としての仕組みがまだございませんので、そういったところが一定見えてきたところで、そういったところも踏まえた考え方というのも持っていく必要があるのかなと考えております。

吉田委員

 最後に、この間、7月にイタリアで新しい研究の論文が出てきたので、これだけ御紹介をして終わります。7月4日にイタリアのエンリコ・マリウッティという方が、非常に世界に波紋というか、衝撃を与える論文を発表されまして、高く評価されています。「太陽光発電産業の汚れた秘密」とタイトルをされた論文でありまして、ここだけ読みますと、現在、世界の太陽光パネルのほとんどが中国で生産されているが、同国内の太陽光発電産業に関するデータが秘匿されているため、太陽光発電のCO排出の量が過小評価されている可能性が高いという指摘です。

 まず一つ目、中国製の太陽光発電製品の製造には石炭が多く使用されているが、そのCO排出を考慮していない。そして、石炭採掘に伴うメタンの発生量も考慮されていない。そして、太陽光発電に必要な送電網やバッテリーの製造に伴うCO排出量も考慮されていない。太陽光パネルの設置によって太陽光の反射が減少することによるCO排出量の換算が行われていないなどなどありまして、最悪の場合、1キロワット・アワー当たりCOの排出量は245グラムに達する。日本の最先端の液化天然ガスの火力発電では320から360グラムであり、つまり、その3分の2ぐらいなんですね。つまり、このパネルを使ってもゼロエミッションと呼ぶには厳しく、排出量が3分の2になるだけであると。ゼロどころか、天然ガスをパネルにしても、生産に当たってそもそも出てくるCOで3分の2になってしまっているということなんですね。

 この論文を後で御報告しますけれども、とにかくどんどんきちんと科学的知見が明らかになればなるほど、何をやるのがゼロエミッションに最適解なのか。この手法は変わってくるので、過去に決めたことに拘泥しないでいただきたい。最新の成果をちゃんと踏まえた、それを反映した取組をしていただかないと、気持ちと結果が結びつかないので、そういうことを我々、私なんかはウオッチャーですから、時々細かくこうやって議会の場じゃなくても報告しますので、ちゃんとそういうのを区の政策に反映していただきたいというふうに思いますが、いかがですか。

永見環境部環境課長

 今回、基本的な考え方に今後の技術開発の動向や製品ライフサイクルの観点等も踏まえながらということを記載したということにつきましては、決してこの方針をつくったからこれで終わりということではなく、そういった社会状況に応じてよりよい選択肢を選んでいくということで考えておりますので、そのような考えで今回も方針をつくったものでございます。

委員長

 休憩します。

 

(午後0時00分)

 

委員長

 再開します。

 

(午後0時02分)

 

大沢委員

 御報告ありがとうございます。別紙のほうの裏面にあります4の(3)再生可能エネルギーの有効活用というところの意味合いの確認をさせてください。まず、区有施設で使用する電力を再生可能エネルギーに切り替えるということに関しましては、基本的に電力会社で例えばRE100であったりとか、ノンカーボンであったりとか、そういうメニューが出ているかと思うんですけど、一般の電力等ではなくて、そちらとの契約に切り替えていく、そのような意味合いで正しいでしょうか。

永見環境部環境課長

 そのとおりでございます。

大沢委員

 分かりました。そうであれば、基本的に先ほど吉田委員がおっしゃっていたような部分も含めて少し、例えばパーム油みたいに外からタンカーで運んできて、それを原料にしていたりとか、そこでCOがあったりとか、いろいろ原料の中にもあるというところがございますので、その辺は考慮しながら選択をしていただいたほうがよろしいかなと思いますが、いかがでしょうか。

永見環境部環境課長

 再生可能エネルギー100%の電力に切り替えるといった方針を定めて、区として切替えを現在進めているところでございます。今、委員の御指摘いただいたところについても御意見として伺いたいと思います。

大沢委員

 再生可能エネルギーは電力会社で基本的に原料の内訳を大体出している形になって売られているものですので、そちらもよく御覧になって導入されたらいいかなというふうに思いますというところです。

 あと、創エネの部分、これは創エネというよりも実際にはよそでつくっているものを買ってくるという、それが基本のことになって、そこに太陽光発電設備を一部区有の設備に入れていくという、そういう意味合いで正しいんですかね。なぜこんなことを聞くかというと、新庁舎でどのぐらいの比率が太陽光から来るんですかと言ったら、何か数%だったような記憶もありましたので、その辺り、ちょっと確認させてください。

永見環境部環境課長

 基本的なところでは先ほどの電力切替えというところで考えておりますが、一方で、太陽光発電設備が設置できる施設などにつきましては、可能な範囲でそういったところを設置して、そこから発電できるエネルギーで施設運営を一部賄っていくということで考えております。

大沢委員

 厳密に比率というところまでは求めませんけれども、大半が外部からの調達であって、ごく一部太陽光プラス、あと蓄電でもやるんですかね。そこで内部でというか、自分たちの施設内でごく一部つくっていくみたいな、そんなイメージなんですかね。

永見環境部環境課長

 施設の大きさとか、使うエネルギーの量によっても変わってくるかなとは思います。大きな施設であれば、やはり太陽光パネルを賄える電力というのは割合としては少なくなってしまうかと思いますが、施設の規模によって割合が大きくなったり少なくなったりと、そういったところはあるかと思います。

大沢委員

 よく分かりました。だから、今後、建物ができていく過程において、先ほどの話じゃないですけれども、その導入コスト、当然パネルの導入コストもあれば、蓄電のコストもありますので、それが一つひとつの予算の中に計上される形でされていくというふうなところだと、電気の部分も、やはりどうしても付加価値というか、再生可能であるということがまだ市場においてコストがプラスアルファになる要素がどうしてもあるんですよね。一般の電力よりも調達価格が高くなってしまうという部分もあったりいたしますので、その辺もしっかりと予算の中で議論させていただければなというふうに考えております。どうもありがとうございました。

大内委員

 今回の中野区の計画なんだけど、これは国の方針に基づいて作成されたものなんでしょうか。確認します。

永見環境部環境課長

 今回の方針につきましては、区がこういった施設のZEB化を図っていくということで、区独自でこのような方針を定めたというものでございます。

大内委員

 国は、2050年までに何も目指していない。方針を出していない。

永見環境部環境課長

 大きなところで言いますと、全体として国として2050年までにカーボンニュートラルを目指すという大きな方針がございます。それを日本全国目指していくに当たって、中野区として区有施設の整備に当たってはこのような形で進めていくという方針を選んだということでございます。

大内委員

 読んでいくと、中野区の区有施設という捉え方なんだけど、民間施設についてはこういったことについての取組を取り組んでくださいよというぐらいのもので、促すわけでも何でもない。民間に関しては自由にやってくださいよとまでは言いませんけども、民間に関しては制約がない。2050年までにそういったものを目指すということはないの。あくまでも区有施設だけやっていくということになるんですか。

永見環境部環境課長

 今現在区が行っている施策といたしましては、再生可能エネルギー設備、太陽光パネルであったり、蓄電システムであったり、そういったものを設置する場合には補助を行いますというような事業を実施しております。それ以外に、例えば国の制度にはなりますけれども、建築物の省エネ法の法改正なども順次環境基準が上がっていくというようなところもございます。

 また、東京都としても太陽光パネルの住宅に対する設置義務化とか、そういった施策も進んでいるところでございますので、そういった国であったり、東京都であったり、また民間であったり、様々な取組が多方面で行われている中で、区として今後どのような政策を取っていくかということについて検討していく必要があるのかなと考えております。

大内委員

 そうすると、基本的な考え方でそういったところが触れられていないんですよ。中野区の施設に当たってはなんだよね。民間のところまで区として取り組む意欲というのが見えないんですよ、この文章を見ると。今はそういうふうに言っているよ。でも、この基本的な考えのところに民間の施設に関して述べられているところってありますか。

永見環境部環境課長

 今回の方針については、区有施設の整備方針ということで、すみません、区有施設に関してのみ記載をした方針になっております。そういった民間に対するアプローチにつきましては、先ほど申し上げた再生可能エネルギー設置に対する補助金であったりとか様々なやり方があるのかなと思いますので、またちょっと別の形でお示しをしていければと考えております。

大内委員

 本当はその次に、今日三つ目に報告するところに詳しく書いてあるのかという話になるんだよ。次回報告だから、今日は見なかったとなるけど、じゃ、そちらに書いてあるんですねという話につながっていくんですよ。分かりますか。だから、区有施設は分かりました。国は、2050年を一つの目標を持ってやっている。中野区は、区有施設だけじゃなくて、民間のことに関しては東京都、国がやることであって、それに基づいてやりますよというふうにも聞こえてしまうので、次のときにはその部分をちゃんと入れないと、区有施設だけでいいんですかという話になっていくわけですよ。それは、今日は報告がないみたいなので、次回に報告を受けるということで。

 あともう一つ、この測定の仕方というのはどうやっているの。要は、ここまでは区有施設ですよ、これが民間施設ですよという計算方式はあるの。例えば2013年を基準にして、それから何%と書いてあったよね、たしか。二酸化炭素の排出量はどうやって測っているの。

永見環境部環境課長

 区有施設に関しましては、いわゆる区有施設で使っているエネルギーというものを区として把握しておりますので、2013年度に関してはどのぐらいのエネルギーを使って、今現在、どのぐらい減ってきているとかというところに関しては、区として電力契約とかガスの契約とかやっていますので、把握はしております。

 一方で、委員がおっしゃる区全体のCO排出量については区役所として計算をしているわけではございませんで、23区全体で計算する特別区協議会から委託を受けた機関が計算をしているわけでございますけれども、そういったような情報を基に数値が把握されているというところでございます。

大内委員

 最初のところに平成25年、2013年度比で46%削減すると。46%という数字がやけに具体的なので、どういう数値の出し方を計算しているのかな。今、中野区の施設において二酸化炭素排出量が一番多いものはどこなの。

永見環境部環境課長

 部門という分け方でお答えいたしますと、民生家庭部門、民生業務部門とか、部門が五つほどございまして、いわゆる家庭から出る電力、家庭で電気を使ったり、ガスを使ったり、そういったところによるCO排出が全体のおよそ半分ぐらいを占めているというところでございます。

大内委員

 これは区の事務事業から発生すると書いてあるんだよ。家庭ではないじゃない。例えば中野区役所が一番多いんですよ、中野区役所が全体の何%占めているんですよとか、そういうものが何もなくてただ数字だけ並べているんだと、そもそもこの計算をどこからやっているんだという話になるので、それを聞いているんです。

永見環境部環境課長

 失礼いたしました。区の事務事業から発生するというところでございますので、すみません、今、具体的にどの施設が何%を占めているというところはちょっと手元にないんですけれども、やはり委員が今おっしゃっていただいたような区役所が恐らく一番大きな施設になるかなと思いますので、そこから排出されるものが多いのかなというふうには考えております。

大内委員

 そうしたら、次回に出せる報告のときに一緒に、要はどのぐらいの排出量なのか全然分からないんですよ。区役所からこのぐらい排出されていますと。普通のガソリン車1台につきこのぐらい排出されていますと。区民活動センターによってはこれだけ差があります。新しい中野の総合体育館はこのぐらい排出されていますとかいうものがないと、量をちゃんと示してくれないと、本当に減っているんだか、減らそうとしているんだか分からないので、今日答えられないだろうから、次回にちょうど延びたので、次回のときに一緒に報告してください。大丈夫ですか。

永見環境部環境課長

 次回の報告に向けてどんな資料を作るか、検討したいと思います。

委員長

 他に質疑はございませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 なければ、本報告について終了します。

 報告の3番につきましては、休憩中に御確認をいただきましたとおり、次回の委員会で報告を受けることとしたいと思いますが、御異議ございませんか。

 

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 御異議ありませんので、そのように決定いたします。

 次に、4番、その他で何か報告はありませんか。

中村健康福祉部新型コロナウイルスワクチン接種担当課長

 新型コロナウイルスワクチン令和5年秋開始接種の実施につきまして、口頭にて御報告いたします。資料はございません。

 令和5年8月9日付厚生労働省事務連絡にて新型コロナウイルスワクチン令和5年秋開始接種について方針が示されましたので、この方針に基づき準備を進めてまいります。

 令和5年秋開始接種の対象者は、初回接種を完了した生後6か月以上の方で、オミクロン株XBB1.5対応1価ワクチンの使用を基本として、9月下旬以降に開始する予定です。対象の方には、8月31日以降、順次接種券を発送いたします。

 なお、令和5年秋開始接種におきましては、集団接種会場を設けず、個別接種で対応いたします。

 本件につきましての御報告は以上でございます。

委員長

 ただいまの報告に対し、質疑はございませんか。

石坂委員

 接種券の配布などを始めるということでしたけれども、今回、接種対象者の人数はどのような形でしょうか。

中村健康福祉部新型コロナウイルスワクチン接種担当課長

 対象者ですけれども、初回接種を終えられた対象年齢の方ということで、約26万5,500人を想定してございます。そのうち、これまでの接種率から想定接種者数は7万3,000人ほどと考えてございます。

石坂委員

 接種券の配布は多分全員じゃないと思うんですけれども、接種券の配布者数、こちらからあらかじめ送るのは何人になりますでしょうか。

中村健康福祉部新型コロナウイルスワクチン接種担当課長

 接種対象となる26万5,500人ほどの方にお送りする予定です。

石坂委員

 接種のお知らせではなくて、接種券そのものが送られるという理解でいいんですね。

中村健康福祉部新型コロナウイルスワクチン接種担当課長

 委員おっしゃるとおり、接種券そのものをお送りいたします。

委員長

 他に質疑はございませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 なければ、以上で本報告について終了いたします。

 他に報告はございませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 なければ、以上で3番以外の所管事項の報告は終了いたします。

 次に、審査日程のその他に入ります。

 委員会を暫時休憩します。

 

(午後0時17分)

 

委員長

 委員会を再開します。

 

(午後0時18分)

 

 休憩中に御確認いただきましたとおり、次回の委員会は第3回定例会中とし、急を要する案件が生じた場合は正副委員長から招集させていただきたいと思いますが、御異議ございませんか。

 

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 御異議ありませんので、そのように決定いたします。

 以上で本日予定した日程は終了いたしますが、各委員、理事者から発言はございませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 なければ、以上で危機管理対策等調査特別委員会を散会いたします。

 

(午後0時18分)