1.令和5年(2023年)9月14日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
1番 山 内 あきひろ 2番 武 井 まさき
3番 斉 藤 けいた 4番 井 関 源 二
5番 黒 沢 ゆ か 6番 大 沢 ひろゆき
7番 武 田 やよい 8番 いのつめ 正 太
9番 間 ひとみ 10番 市 川 しんたろう
11番 加 藤 たくま 12番 日 野 たかし
13番 木 村 広 一 14番 吉 田 康一郎
15番 立 石 り お 16番 内 野 大三郎
17番 広 川 まさのり 18番 河 合 り な
19番 細 野 かよこ 20番 斉 藤 ゆ り
21番 高 橋 かずちか 22番 大 内 しんご
23番 甲 田 ゆり子 24番 小 林 ぜんいち
25番 白 井 ひでふみ 26番 小宮山 たかし
27番 羽 鳥 だいすけ 28番 い さ 哲 郎
29番 杉 山 司 30番 ひやま 隆
31番 山 本 たかし 32番 伊 藤 正 信
33番 高 橋 ちあき 35番 南 かつひこ
36番 久 保 り か 37番 石 坂 わたる
38番 むとう 有 子 39番 浦 野 さとみ
40番 中 村 延 子 41番 森 たかゆき
42番 酒 井 たくや
1.欠席議員
34番 平 山 英 明
1.出席説明員
中 野 区 長 酒 井 直 人 副 区 長 青 山 敬一郎
副 区 長 栗 田 泰 正 教 育 長 入 野 貴美子
企 画 部 長 岩 浅 英 樹 総 務 部 長 濵 口 求
防災危機管理担当部長 杉 本 兼太郎 DX推進室長 滝 瀬 裕 之
区民部長、新区役所窓口サービス担当部長 高 橋 昭 彦 文化・産業振興担当部長 高 村 和 哉
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 石 崎 公 一 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小 田 史 子
地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石 井 大 輔 健康福祉部長 鳥 井 文 哉
保 健 所 長 佐 藤 壽志子 環 境 部 長 松 前 友香子
都市基盤部長 豊 川 士 朗 まちづくり推進部長 角 秀 行
中野駅周辺まちづくり担当部長 千 田 真 史 企画部企画課長(企画部参事事務取扱) 森 克 久
総務部総務課長 浅 川 靖
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 堀 越 恵美子 事 務 局 次 長 林 健
議事調査担当係長 鈴 木 均 書 記 立 川 衛
書 記 若 見 元 彦 書 記 髙 田 英 明
書 記 鎌 形 聡 美 書 記 田 村 優
書 記 細 井 翔 太 書 記 早 尾 尚 也
書 記 堀 井 翔 平 書 記 金 木 崇 太
書 記 髙 橋 万 里 書 記 川 辺 翔 斗
議事日程(令和5年(2023年)9月14日午後1時開議)
日程第1 第61号議案 令和5年度中野区一般会計補正予算
第62号議案 令和5年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算
日程第2 第85号議案 中野区保育所保育料等の徴収等に関する条例の一部を改正する条例
日程第3 認定第1号 令和4年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について
午後1時00分開会
○議長(酒井たくや) ただいまから令和5年第3回中野区議会定例会を開会いたします。
本日の会議を開きます。
会議録署名員は、会議規則第128条の規定に基づき議長から御指名申し上げます。
3番斉藤けいた議員、39番浦野さとみ議員にお願いいたします。
次に、会期についてお諮りいたします。本定例会の会期は、本日から10月20日までの37日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
この際、申し上げます。本定例会の会期中、略装を許します。
本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
この際、御紹介申し上げます。7月7日付をもちまして、本区副区長を退任されました横山克人さんを御紹介申し上げます。
〔前副区長横山克人登壇〕
○前副区長(横山克人) 副区長を5年間の長きにわたり務めさせていただきました。これも議会の皆様の御理解と御支援を頂いた賜物であり、本当に感謝申し上げます。
昨年、副区長の2期目について議会の御同意を頂いた際、私はこの場で御挨拶申し上げ、2点課題があるというふうに申し上げました。
一つは、中野のまちづくりについて道筋をつくっていくことであります。特に、この区役所と中野サンプラザの再開発をはじめとする中野駅周辺開発、そして西武新宿線の連続立体交差事業に伴うまちづくり、こちらが基本的に2大プロジェクトということでございますが、まだまだ多くの課題が山積しており、私の在任中にこれらを処理し切れなかったということは大変残念に思っております。
それから、もう1点は職員の人材育成であります。若手職員の研修、あるいは国土交通省、東京都あるいは民間企業との人事交流、こういうものも活性化してまいりましたが、この点もまだまだ半ばかなと、道半ばかなというふうに思っております。ただ、5年間を振り返りますと、間違いなく若手の優秀な管理職が育ってきておりますし、また、多くの若い職員の皆さんには中野の将来のまちづくりに大変関心を持って取り組んでいただき、将来が非常に楽しみな組織になりつつあるなというふうに感じております。
また、まだまだ懸案の山積する中野のまちづくりではありますが、間違いなく将来の夢と希望に満ちた開発が進められてきており、そのような仕事に私自身携わらせていただいたということは、私も都市計画の技術者の一人でもあり、大変にやりがいのある貴重な仕事をさせていただいたというふうに思っており、大変感謝しております。また、中野区にお世話になった者として、今後とも中野区を応援してまいりたいというふうに考えております。
最後になりますが、中野区のまちづくりがますます魅力的なものとなることを御祈念申し上げて、私の挨拶とさせていただきます。5年間、大変お世話になり、ありがとうございました。
○議長(酒井たくや) 以上で紹介を終わります。
さらに御紹介申し上げます。7月8日付で本区副区長に就任されました栗田泰正さんを御紹介申し上げます。
〔副区長栗田泰正登壇〕
○副区長(栗田泰正) 7月8日付で副区長に就任いたしました栗田でございます。
酒井区長の下、議員の皆様方にも御指導いただきながら、中野区政のより一層の発展に向けて精いっぱい尽力してまいります。
今後とも、何とぞよろしくお願いいたします。
○議長(酒井たくや) 以上で紹介を終わります。
この際、申し上げます。令和5年7月8日付をもちまして、お手元の文書のとおり本会議参与に人事異動がありましたので、御報告いたします。
本会議参与の人事異動
令和5年(2023年)7月8日
発 令
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氏 名
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旧
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総務部長
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濵口 求
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子ども教育部長、
教育委員会事務局次長
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総務部防災危機管理担当
部長
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杉本 兼太郎
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保健所次長
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子ども教育部長、
教育委員会事務局次長
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石崎 公一
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総務部防災危機管理担当部長
(総務部防災危機管理課長事務取扱)
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○議長(酒井たくや) それでは、新たに本会議参与に就任されました杉本兼太郎防災危機管理担当部長を御紹介申し上げます。
〔防災危機管理担当部長杉本兼太郎登壇〕
○防災危機管理担当部長(杉本兼太郎) ただいま御紹介いただきました防災危機管理担当部長の杉本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(酒井たくや) 以上で紹介を終わります。
次に、令和5年7月7日付、7月8日付、8月31日付及び9月1日付をもちまして、お手元の文書のとおり委員会参与に人事異動がありましたので、念のため御報告いたします。
人 事 異 動 表
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発令年月日 令和5年7月7日
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事務取扱解除発令
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【部長級】
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区長発令
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発令権者
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中野区長 酒井 直人
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事務取扱を解除する職
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氏 名
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事務取扱者の現職
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備考
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総務部長
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青山 敬一郎
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副区長
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区長発令
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発令権者
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中野区長 酒井 直人
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事務取扱を解除する職
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氏 名
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事務取扱者の現職
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備考
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総務部防災危機管理課長
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石崎 公一
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総務部防災危機管理担当部長
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人 事 異 動 表
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発令年月日 令和5年7月8日
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【部長級】
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区長発令
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発令権者
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中野区長 酒井 直人
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発 令
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氏 名
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旧
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備考
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総務部長
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濵口 求
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子ども教育部長・教育委員会事務局次長
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総務部防災危機管理担当部長
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杉本 兼太郎
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保健所次長
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子ども教育部長
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石崎 公一
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総務部防災危機管理担当部長
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兼務発令
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区長発令
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発令権者
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中野区長 酒井 直人
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兼務を発令する職
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氏 名
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兼務者の現職
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備考
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保健所次長
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鳥井 文哉
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健康福祉部長
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教育委員会発令
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発令権者
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中野区教育委員会
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発 令
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氏 名
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旧
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備考
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教育委員会事務局次長
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石崎 公一
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総務部防災危機管理担当部長
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【課長級】
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区長発令
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発令権者
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中野区長 酒井 直人
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発 令
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氏 名
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旧
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備考
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総務部防災危機管理課長
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( 総務部防災危機管理担当部長 杉本 兼太郎 事務取扱 )
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人 事 異 動 表
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発令年月日 令和5年8月31日
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【課長級】
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兼務解除発令
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区長発令
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発令権者 中野区長 酒井 直人
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兼務を解除する職
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氏 名
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兼務者の現職
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備考
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地域支えあい推進部すこやか福祉センター調整担当課長
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鈴木 宣広
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地域支えあい推進部中部すこやか福祉センター担当課長
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○議長(酒井たくや) 次に、一般質問の時期の変更についてお諮りいたします。
一般質問は議事に先立って行うことになっておりますが、別な時期に変更し、質問を許可したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう進行いたします。
これより日程に入ります。
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第61号議案 令和5年度中野区一般会計補正予算
第62号議案 令和5年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算
○議長(酒井たくや) 日程第1、第61号議案及び第62号議案の計2件を一括上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長青山敬一郎登壇〕
○副区長(青山敬一郎) ただいま上程されました第61号議案及び第62号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。
第61号議案、令和5年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ81億1,122万3,000円を追加計上するものです。これにより、既定予算との合計額は2,077億712万2,000円となります。
初めに、この補正の歳出予算の内容を説明いたします。
まず、総務費ですが、令和5年度価格高騰支援給付金支給に係る経費の増額分6億6,741万7,000円及び中野本郷小学校校舎等解体工事に伴う防災設備移設に係る経費300万円を追加計上するものです。
次に、保険医療費ですが、国民健康保険事業特別会計繰出金682万2,000円を追加計上するものです。
次に、文化振興・多文化共生推進費ですが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための施設利用キャンセルに係る文化施設指定管理者に対する補償に係る経費371万1,000円を追加計上するものです。
次に、子ども費ですが、学齢児童・生徒世帯支援のための価格高騰支援給付金支給に係る経費7億2,774万3,000円、ひがしなかの幼稚園第2園庭整備工事費2,390万円、物価高騰に伴う私立保育所等に対する補助に係る経費6,552万5,000円、物価高騰に伴う私立幼稚園等に対する補助に係る経費1,171万8,000円、学校110番非常通報装置更新整備に伴う私立幼稚園等に対する補助に係る経費450万円、物価高騰に伴う民間学童クラブに対する補助に係る経費136万6,000円及び措置費支払い事務の一元化に伴う共同組織設置に係る経費45万1,000円を追加計上するものです。
次に、教育費ですが、中野本郷小学校スクールバス運行に係る経費220万4,000円及び中野本郷小学校校舎等解体工事費1億7,510万円を追加計上するものです。
次に、地域支えあい推進費ですが、物価高騰に伴う助産所に対する補助に係る経費46万1,000円を追加計上するものです。
次に、介護・高齢者支援費ですが、物価高騰に伴う介護サービス事業所に対する補助に係る人件費等50万円及び物価高騰に伴う介護サービス事業所に対する補助に係る経費1億3,901万5,000円を追加計上するものです。
次に、健康福祉費ですが、物価高騰に伴う公衆浴場に対する助成金の増額分273万6,000円及び物価高騰に伴う障害福祉サービス事業所に対する補助に係る経費1,341万8,000円を追加計上するものです。
次に、保健所費ですが、物価高騰に伴う医療機関等に対する補助に係る人件費等58万5,000円及び物価高騰に伴う医療機関等に対する補助に係る経費6,445万円を追加計上するものです。
次に、まちづくり推進費ですが、中野三丁目地区都市再生土地区画整理事業補助に係る補助金の増額分1億6,707万2,000円を追加計上するものです。
次に、積立金ですが、財政調整基金積立金60億2,952万9,000円を追加計上するものです。
この補正の歳入予算といたしましては、都支出金7,453万1,000円、繰入金20億716万3,000円及び繰越金60億2,952万9,000円を追加計上するものです。
続きまして、繰越明許費について説明いたします。
これは、今年度内にその支出が終わらない見込みである物価高騰に伴う助産所への支援に係る経費29万1,000円及び物価高騰に伴う医療機関等への支援に係る経費5,062万9,000円について、翌年度に繰越しを行うため計上するものです。
続きまして、債務負担行為の補正について説明いたします。
中野本郷小学校同報系防災行政無線移設工事について、期間が2年度にわたるため、令和6年度分経費377万円、ひがしなかの幼稚園第2園庭整備工事について、期間が2年度にわたるため、令和6年度分経費3,586万円、中野本郷小学校スクールバス運行業務委託について、期間が2年度にわたるため、令和6年度分経費9,466万9,000円及び中野本郷小学校校舎等解体工事について、期間が2年度にわたるため、令和6年度分経費2億6,270万円を追加計上するものです。
第62号議案、令和5年度中野区国民健康保険事業特別会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ682万2,000円を追加計上するものです。これにより、既定予算との合計額は360億5,082万2,000円となります。
この補正の歳出予算の内容は、国保運営費につきまして、産前産後期間の国民健康保険料免除制度の開始に係る経費682万2,000円を追加計上するものです。この補正の歳入予算といたしましては、繰入金682万2,000円を追加計上するものです。
以上2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(酒井たくや) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。
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第85号議案 中野区保育所保育料等の徴収等に関する条例の一部を改正する条例
○議長(酒井たくや) 日程第2、第85号議案、中野区保育所保育料等の徴収等に関する条例の一部を改正する条例を上程いたします。
理事者の説明を求めます。
〔副区長青山敬一郎登壇〕
○副区長(青山敬一郎) ただいま上程されました第85号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。
第85号議案、中野区保育所保育料等の徴収等に関する条例の一部を改正する条例は、0歳から2歳までの第2子に係る保育料を無償化することに伴い、規定を整備するものです。この条例の施行時期は令和5年10月1日です。
以上、本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○議長(酒井たくや) 本件について御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(酒井たくや) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
上程中の議案は、会議規則に従い、子ども文教委員会に付託いたします。
お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第4、議員提出議案第18号、前副区長 横山克人さんに対する感謝状贈呈に関する決議を先議するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。
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議員提出議案第18号 前副区長 横山克人さんに対する感謝状贈呈に関する決議
○議長(酒井たくや) 日程第4、議員提出議案第18号、前副区長 横山克人さんに対する感謝状贈呈に関する決議を上程いたします。
提案者代表の説明を求めます。
〔森たかゆき議員登壇〕
○41番(森たかゆき) ただいま上程されました議員提出議案第18号、前副区長 横山克人さんに対する感謝状贈呈に関する決議につきまして、提案者を代表して提案理由の説明を申し上げます。
前副区長・横山克人さんは、昭和61年に当時の建設省(現国土交通省)に入省され、関東地方建設局を皮切りに、建設経済局、都市局、都市・地域整備局、中部地方整備局などにおいて主要ポストを歴任されました。また、その間、外務省在ブラジル日本国大使館、東海旅客鉄道株式会社、独立行政法人都市再生機構、仙台市、復興庁統括官付参事官、首都高速道路株式会社、一般財団法人民間都市開発推進機構などにも派遣をされ、活躍されました。
このように広範な分野において活躍をされた後に、平成30年7月14日に中野区の副区長に就任をされました。横山さんが中野区に在籍された2期5年の間、区長を支えるとともに、その豊富な知識と経験に基づく幅広い識見、卓越した行政手腕を発揮され、中野区政に多大な貢献をされました。
とりわけ、まちづくりに関わる事案については、幾つもの困難な課題の解決に尽力されてまいりました。中野駅周辺まちづくりにおいては、中野駅新北口駅前エリア再整備における事業者公募や事業計画検討の推進、中野駅西側南北通路・橋上駅舎等の整備や駅周辺の基盤整備の推進、新庁舎整備事業、駅周辺各地区の市街地再開発事業の推進に尽力されました。
また、西武新宿線沿線まちづくりでは、連続立体交差事業を契機としたにぎわいの創出や交通基盤の強化に向けた取組、新井薬師前駅の区画街路第3号線や沼袋駅の第4号線整備に向けた用地買収を含む事業の具体的推進に貢献されました。
さらに、防災まちづくりでは、弥生町三丁目周辺地区及び大和町地区の不燃化特区事業の推進並びに区内初となる防災街区整備事業の組成など、区の木造住宅密集地域の改善に尽力されました。
さらには、区の都市基盤の整備や各まちづくりの事業を円滑に進めるため、都市計画の基本方針となる都市計画マスタープランの改定に尽力され、また、地域特性に応じた良好な都市景観の誘導を進めるため景観方針を策定するなど、まちづくりの進展に寄与されました。
また、職員の人材育成にも力を注がれるなど、区政の様々な面での発展に貢献し、副区長としての職務を全うされました。
このたび、副区長を退任されましたが、ここに改めて横山さんの労苦をねぎらい、その功績に敬意を表するために本議案を提出する次第であります。同僚議員におかれましては、何とぞ、満場一致で御賛同賜りますようお願い申し上げまして、提案理由の説明といたします。
○議長(酒井たくや) 本件については、質疑、委員会付託、討論を省略し、直ちに採決いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、これより採決いたします。
上程中の議案を原案どおり可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
この際、お手元の一般質問一覧表のとおり、中村延子議員、市川しんたろう議員、白井ひでふみ議員、広川まさのり議員、内野大三郎議員、山本たかし議員、大内しんご議員、甲田ゆり子議員、武田やよい議員、大沢ひろゆき議員、いのつめ正太議員、武井まさき議員、日野たかし議員、杉山司議員、伊藤正信議員、斉藤ゆり議員、むとう有子議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員、吉田康一郎議員、立石りお議員、斉藤けいた議員、井関源二議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。
中野区議会議員 中 村 延 子
1 中野区実施計画について
2 子育て先進区に向けた取組について
(1)地域の子ども施設について
(2)妊娠・出産・子育てトータルケア事業について
(3)その他
3 中野駅周辺まちづくりについて
4 多文化共生について
5 感染症対策について
6 その他
○議長(酒井たくや) 最初に、中村延子議員。
〔中村延子議員登壇〕
○40番(中村延子) 令和5年第3回定例会に当たり、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告のとおりで、その他はございません。
まず、1番、実施計画について伺います。
令和4年12月の総務委員会に「中野区基本計画の進め方及び中野区構造改革実行プログラムについて」の報告がされ、その中で実施計画を策定する旨が初めて議会に報告されました。その目的は、1、後期の取組の具体化、2、区政運営に係る取組の具体化、3、3か年の財政フレームを示すこととされています。閉会中の各常任委員会に中野区実施計画(骨子)について報告がされましたが、実施計画の骨格を示すにとどまり、具体的な中身については示されませんでした。10月予定の実施計画(素案)では、それぞれの年度において実施する事業が具体化されたものが示されるとの答弁でした。
一方で、区では重点プロジェクト推進会議を行ってきており、今年度は既に14回の会議を重ねてきたと総務委員会で答弁されました。14回もの会議を重ねる中で、どのように組織横断的かつ重点的に対応してきたのか、伺います。
この間、重点プロジェクトの推進のため細やかな庁内連携を行ってきたことは評価します。実施計画では、重点プロジェクトについても新たな展開を検討中の主な事項を掲載するとしていますが、これまでの議会での議論では進捗に差があるのではと懸念しています。三つの重点プロジェクトの進捗に差異がなく、今後3年間の取組がより具体的に示されていくべきと考えます。見解を伺います。
実施計画では、今後3か年の取組や新たな財政運営の考え方を踏まえた財政フレームを見積もるとしています。令和3年9月策定の基本計画では、直前から新型コロナが蔓延し、財政非常事態を宣言するなど、区として財政の見通しができなかったことで後期の取組の具体化ができなかったとの認識です。しかしながら、令和4年度予算、令和3年度決算、令和5年度予算の数字を見ていくと、歳入は増加しており、財政見通しは決して危ぶむ状況ではないとの認識です。
一方で、令和5年度予算では、経常経費化している事業が新規事業として増えていることや、当初予定よりも様々な要因で予算が増加している事業も増えています。さらには物価高騰も進んでおり、特に施設更新については区財政への影響は大きいとも考えます。こうした状況も鑑みた上で、事業の具体化を進めていく必要があると考えます。しかしながら、令和4年度決算の経常収支比率は70.4となり、事業を絞り過ぎた令和3年度よりも低い水準となりました。現段階での実施計画における財政見通しについて、区の見解を伺います。
構造改革実行プログラムの取扱について伺います。
令和3年8月に策定した構造改革実行プログラムの当初の目的は、1、財政非常事態に対応するため、そして2、新たな行政需要に応じた効率的かつ効果的なサービス展開を図るための2点がありました。財政の非常事態という状況ではないと令和4年第2回定例会に区として方針を転換しましたが、二つ目の目的である新たな行政需要に応じた効率的かつ効果的なサービス展開を図るためという視点は残り、令和5年度までの3か年の取組を継続するとしていました。今後も引き続き取り組むべき課題は、実施計画の中に盛り込んでいく方針が示されています。
構造改革実行プログラムの中で行うとしてきた各年度の予算編成の中で、新規事業と既存事業の見直しを一体的に行うビルド・アンド・スクラップを行いながら対応していくことは今後も必要だと考えます。行政評価の取組として移行していくことも考えていくべきです。あわせて、実効性のある行政評価制度の再構築も必要と考えます。区の見解をお示しください。
2番、子育て先進区に向けた取組について。
まず、(1)地域の子ども施設について伺います。
令和5年第2回定例会に「児童館の運営及び整備に係る展開について」が報告され、児童館条例に基づく施設の位置付けを継続することが示されました。法律上の児童館として位置付けることにより、0歳から18歳までを対象とした児童厚生施設として、これまで児童館が果たしてきた機能と役割を基礎とした上で、令和4年第4回定例会に示されていたソーシャルワーク機能や乳幼児機能、中高生機能等を強化していくことが報告されました。条例を改正せず児童館のままとするとなりましたが、機能転換する施設はこれまでの中野の児童館とは異なる機能の施設となります。今のままの児童館が残るわけではないということは、誤解が生じないように引き続き区民に分かりやすく説明していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
さらに、現在の児童館が必ずしも今の子どもと子育て世代の要望に十分に応え切れていないという課題もこれまで指摘してきました。子育て広場、キッズ・プラザ、学童クラブなど、児童館以外の地域子ども施設の整備が進み、児童館の利用実態に変化が見られる中、児童館も変わっていかなければいけません。区は、5月から6月にかけて、子どもの居場所・遊び場に関するアンケートを実施しました。こうした結果も参考にしながら、今後の児童館の在り方について、子育て当事者の声、また、子どもの声を吸い上げていただく必要があると考えます。特に、乳幼児機能及び中高生機能強化型の児童館については、民間のノウハウを十分に生かしながら満足度の高い施設への転換が求められます。区の見解を伺います。
今後の児童館の機能強化を円滑に進めるとともに計画的な施設更新を実現するため、区は児童館運営・整備推進計画を今年度末に策定するとしています。8月の少子化対策・地域包括ケア調査特別委員会に「子どもの居場所づくりについて」の報告がされ、「児童館のコストについて」が参考資料として示されていますが、この資料については大規模改修や建て替えを前提としていなかったコストです。今後、計画的な施設更新を行っていくに当たって、順次、大規模改修もしくは改築での対応が必要になります。こうしたコスト面に関しても明らかにしていく必要があると考えますが、区の見解をお示しください。
区は、これまで児童館の施設更新を前提とした財政運営をしてきていませんでした。現在策定を進めている実施計画や今後の財政運営については、児童館の新たな展開を踏まえた整備やスケジュールを反映したものとしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
児童館での人材育成について伺います。
基幹型の児童館9館では、福祉職の配置をしていくことが示されています。ソーシャルワーク機能を強化した運営を行うために、区の直営で運営することとしています。児童相談所設置に向けた議論の中で、児童館やすこやか福祉センターでのジョブローテーションを見据えた人材確保・育成を進めていくべきと、これまでも訴えてきました。ソーシャル機能の強化をしていく方針が改めて示された中で、区としてもどのように児童館での福祉職の人材育成を進めていくのか、伺います。
こうした取組は、児童相談所との連携強化も期待ができます。さらには、これまでの児童館職員のスキル継承も重要です。令和3年第4回定例会で児童館条例が否決されてから2年弱が経過しましたが、この間、会計年度任用職員等で足りない職員体制を補ってきています。児童館職員のノウハウ継承とソーシャルワーク機能の強化のための人材配置は、これ以上先延ばしにできないものと考えます。これらの課題を十分に踏まえたスケジュールとなるよう早急に計画を進めていかなければいけないと考えますが、併せて区の見解を伺います。
次に、(2)妊娠・出産・子育てトータルケア事業について伺います。
中野区では、平成27年10月から、産前・産後・子育てを切れ目なく応援するために、妊娠・出産・子育てトータルケア事業を行っています。区は、令和4年4月から全ての妊婦が支援を必要とする対象とし、妊婦面談時に全ての妊婦に産後ケアカードを発行することに変更。また、長年私たち会派から訴えてきた産後ケア事業の利用種別と回数について柔軟な運用とするなど、利用者のニーズに合わせた活用ができるように変更しました。さらには、講座の拡充などにも取り組んできており、中野区の産前産後の支援は先進的なものになってきています。子育て先進区実現のために、さらに利用者のニーズを捉えた取組の強化が必要だと考えます。
まず、産後ケア事業の中で伺います。
現在、多胎児については単胎児の1.5倍の利用回数・時間が設けられています。しかし、子どもが2人になることで親の負担は倍以上となります。多胎児の母親が育児疲れで子どもを虐待死させてしまった痛ましい事件も記憶に新しく、こうした事象を事前に防ぐのも産後ケア事業に求められているところです。こうした観点を踏まえ、現在の回数を子どもの人数分の利用回数・時間へと増やす必要があると考えますが、いかがでしょうか。
また、多胎児家族は養育困難家庭として長期の支援が必要です。産後ケア事業だけではなく、すこやか福祉センターや児童相談所との連携も必要に応じて強化していく必要もあると考えます。産後ケア施設では、事業利用時に多胎児家庭だけにとどまらず、気になる状況の把握等もしているそうです。こうした情報の共有や、また、これまでも課題とされてきた産後ケアの意義と実態への理解についてもさらに進めていく必要がありますが、現在は支援の担い手側の共有の場がありません。かんがるー面接を行っている委託事業者、すこやか福祉センター担当職員、産後ケア実施施設等でこれら情報を共有する定期的な連絡会を設ける必要があると考えますが、区の見解をお示しください。
区では、様々な講座や事業の申込み等について順次オンライン手続の導入をしていますが、産後受けられる事業についてはいまだ導入していません。産後は、赤ちゃんのお世話に手がかかり切り、すこやか福祉センターが開いている時間に電話できるとも限らず、オンラインの活用が特に求められています。早急に改善をしていく必要があると考えます。今年度から、区立保育園の一時保育についてはLINE運用支援ツールを活用した電子での申込みが導入されました。予算審査の際には、その他の子育て関連事業の申込み等についても今後検討していく旨の答弁でしたが、来年度の対象拡大を見据え関係所管で調整をしていくべきと考えますが、見解を伺います。
次に、妊産婦歯科健康診査について伺います。
妊娠中から産後は、ホルモンの関係で唾液の分泌が減るなどの変化から歯肉炎などが起こりやすく、また虫歯の治療もしにくくなるため、区では妊産婦歯科健康診査を行っており、妊娠中から産後1年間利用ができます。現在、実績は3割程度にとどまり、そのほとんどが産前に使われています。一方で、妊娠中は、つわり症状が出る妊娠初期や、妊娠中期に入ると切迫早産等のトラブル、後期になると仰向け姿勢が厳しいと、受けたくても使えていない方が多いのではないかと予想ができます。
妊産婦歯科健康診査の御案内は、妊娠届出時の母子バッグの中に含まれるのみで、その他の大量の案内に入っています。産後も1年間使えることを知らない方、または忘れてしまう方も多いのではないかと考えます。現在、かんがるーブックの中にも記載はなく、さらにはトータルケア事業の一覧にも記載がありません。産前産後の口腔ケアの重要性をこれまで以上に広報していく必要があると考えますが、区の見解を伺います。本来は、産前及び産後の2回、健診を受けていただく必要があると考えますが、まずは現在の制度の受診率アップを目指すべきです。伺いまして、次の質問に移ります。
3番、中野駅周辺まちづくりについて伺います。
中野駅新北口駅前エリア再整備事業について伺います。
7月2日に中野サンプラザが閉館し、いよいよこのエリアが変化をしていく時期に入りました。一方で、第2回定例会では、本事業の都市計画手続と事業スケジュールを最大6か月見直すとの報告がありました。物価高騰による工事費増加の見込み、事業収支成立のための対応策を検討、また、再整備事業計画で誘導する機能のほかに、拠点施設のにぎわいの創出と魅力向上につながる施設の在り方について、区の権利床活用も含め再整理を行っているとのことでした。
9月1日の特別委員会には、中野駅新北口駅前エリアの再整備についての報告がされ、再開発事業収支の対応についても現在の検討状況が示されました。公共性の高い都市計画駐車場や歩行者デッキについて、これまでどおり事業者で整備と管理は行うこと、一方で、中野区が所有することで固定資産税がかからないようにする、それにより将来負担の軽減を行うことが検討されているとのことでした。また、デッキや駐車場については、再開発事業補助金とは別の補助金を導入することを検討するというものでした。都市計画駐車場や歩行者デッキの所有変更により年間どれほどの固定資産税がコストダウンとなるのか、また、別の補助金を入れることによる収支改善はどれくらいなのか、具体的な数字を持って事業者と交渉に当たっていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。区の見解をお示しください。
本事業の募集要項には展望施設はありませんでしたが、事業者の当初提案に展望広場、バンケット整備が盛り込まれていました。さらには、容積率を900%から1,000%に計画変更を申し出た際には、公共貢献の中で展望施設とバンケットの充実を事業者側から提案してきています。こうした経緯がある中で展望施設やバンケットの実現を事業者側で行わないということは、900%から1,000%に容積率を上げる根拠が崩れてしまうのではないでしょうか。
第2回定例会で、我が会派の森幹事長の質問に対し区長は、「区として当初提案内容の実現を求めることが基本だが、昨今の物価高騰等の影響で提案時に比べ事業費の増加が見込まれていることから、対応策の検討が必要となっている」と答弁をしています。将来に不確定要素を持つこのような施設に関しては、民間のノウハウで進めていくべきものと考えます。課題となっている事業収支の改善についても協議の中で検討していることと思いますが、事業者からの提案内容の継承については引き続き求めていくべきと考えます。また、事業収支の改善に向けた協議により権利床の持ち方にも影響が出てくるものと考えます。併せて区の見解を伺います。
次に、財産処分に関する議決について伺います。
当初の予定では、都市計画決定については令和5年6月から7月頃、財産処分に関する議決は10月頃というスケジュールでしたが、第2回定例会に最大6か月後ろ倒しに変更する旨、報告がされました。9月の特別委員会では、これを3か月程度に見直し、都市計画決定を11月上旬に、財産処分に関する議決を12月に行う旨の答弁がありました。本来であれば都市計画決定の後に事業認可の手続があると認識していますが、その前に議会の意思を示す機会の担保が必要です。議決が事業認可の手続後では、事業計画を変更する余地がなくなり、議会の意見表明権がないがしろにされてしまうのではと懸念しています。今予定している財産処分に関する議決は事業認可の手続前に行うべきと考えますが、区の見解をお示しください。
4番、多文化共生について伺います。
昨今の円安の影響、また新型コロナの5類移行の影響もあり、今年に入り、外国人観光客はもとより外国人住民も増えています。多くの諸外国の新学期である9月からは本格的に留学生も増えており、戸籍住民課でシステムを新たにつくり、スムーズな対応をされたことは高く評価しています。令和2年度から新型コロナウイルスの影響で外国人住民は減少していましたが、今後、令和元年度よりも増える可能性も考えられます。まずは、今年度の外国人人口の推移について伺います。
こうした現状を踏まえ、改めて多文化共生の重要性と、区と国際交流協会、関係団体や教育機関の役割の再確認と整理、また、都や国との連携も重要になると考えます。中野区は、令和5年3月に多文化共生推進基本方針を策定しました。その中で、主な課題の一つとして言語に関する課題を挙げています。外国人が日本語でコミュニケーションを取れるようになることで日本で生活しやすい環境をつくるために日本語学習支援を進めているとあり、例として挙げられている事業は、1、中野区国際交流協会が実施している日本語講座の推進、2、地域における日本語教室の推進、3、小・中学校における児童・生徒の習熟度に合わせた日本語学習支援の推進の3点で、いずれも中野区国際交流協会で行われている事業です。
一方で、日本語講座の推進と地域における日本語教室の推進は、区の財政的な補助は一部にとどまっています。国の方針でも自治体の日本語教育における役割が明確化される中、これらの事業に関しては区が財政的な責任を持った形で安定的に進めていく必要があります。また、日本語学習支援を進めていく上では、日本語指導のボランティア人材の確保も急務です。本来は日本語の指導員1人当たり1人から2人の生徒で成り立っているところ、現在は4人から5人を見ている状況と伺います。令和2年度からボランティアに対する交通費補助が開始されましたが、今後も人材の確保や育成に向けた取組が必要と考えます。これらの課題解決のために補助対象事業の見直しを含め、改めて区と中野区国際交流協会で協議を持つべきと考えますが、見解をお示しください。
学校教育の中での対応について伺います。
令和2年度から編入してくる外国人児童・生徒に対して、オリエンテーションを行う中野フレンドルームが教育センターで行われていますが、なかなか活用し切れていない現状があります。日本の学校文化は独特であり、学校に入ってからのトラブル等を防ぐためにも児童・生徒に活用していただくことは重要です。現在は教育委員会から、また編入前には学校長からも御案内をしていますが、より分かりやすい広報が必要です。見解をお聞かせください。
中野区では、幼小中学校における幼児・児童・生徒の習熟度に合わせた日本語指導は、国際交流協会に登録している指導員が担っています。令和元年度までは60時間だったところ、現在は幼小中学生ともに80時間の活用が可能です。年齢が低ければ低いほど日本語の習得が比較的容易なことや、高校受験までに時間がありますが、中学校2年生や3年生の年齢で編入してくる子どもたちは、受験が目前に迫っていることもあり、80時間では到底足りない現状があります。こうした高校受験に向けた支援も必要です。
さらには、近年、日本国籍を持つ帰国子女で、かつ日本語の読み書きができない中学生も増えており、都立高校の帰国子女枠に様々な条件があることで直面をする課題があります。こうした生徒への支援強化についても考えていく必要があると考えますが、見解を伺います。
令和2年度に行う予定だった外国人生徒の実態調査について伺います。
外国人の就学状況把握及び就学促進を目的として予算化されましたが、新型コロナウイルス蔓延の影響で業務委託の執行を停止しました。その後は、外国人就学状況調査は毎年行っていましたが、外国人生徒が増えることも見据え、今後のきめ細やかな対応につなげるためにより精度を上げた調査が必要になると考えますが、いかがでしょうか、伺います。
外国人住民が増えることにより、複合的に支援が必要になることが増えていきます。一つの事例として、産前から産後にかけた支援の中での対応について伺います。
8月21日に行われた行政評価の外部評価委員会の中でも指摘されていましたが、出産時や産前産後ケアの中での外国人支援という観点は、これまで抜け落ちていると感じます。豊島区では、NPO法人Mother's Tree Japanとの連携で、出産時に指を差して自らの状況を絵で伝えることができる指差しボードやパンフレットを配置し、外国人妊産婦が必要なときにつながれる仕組みをつくっています。中野区でも、指差しボードの配置や、こうしたNPOとの連携も検討をしていくべきと考えますが、見解をお聞かせください。
中野区では、令和4年3月に人権多様性尊重条例を制定しており、その基本理念は、全ての人が性別、性自認、性的指向、国籍、人権、民族、文化、年齢、世代、障害、その他、これらの複合的な要因による差別を受けることなく、それぞれの能力を発揮し、社会の一員として暮らすことができることです。外国人住民が増えれば、この条例が生かされる場面も増えてきます。この条例には相談体制の整備も明記されていますが、より充実した相談体制を考えていく必要があります。対象が多岐にわたることから、現在の4階窓口だけでは対応し切れない課題も多いと認識しています。新庁舎で設置予定の外国人相談窓口等との相互連携も含めて区として体制の整備をしていく必要があると考えますが、いかがでしょうか、伺い、この項の質問を終わります。
5番、感染症対策について伺います。
5月8日から新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが2類相当から5類と変更となりました。それより先駆けて、政府はマスクの着用についても個人の判断とされました。本来、感染症法上の位置付けとマスク着用に何ら関係はないのにもかかわらず、同時期にこれを行ったことにより、マスクをつけなくてもよくなったという誤認が広がってしまったのではないかと危惧しています。基本的な感染症対策にはマスク着用が含まれるという認識ですが、政府もメディアも殊さらにマスク着用の呼びかけを避けているという印象が拭えません。
一方で、現在の新型コロナウイルス感染症の流行状況は第9波と言える状況にあります。定点把握に切り替わってから報道もほとんどされていませんが、モデルナの推計で9月4日時点で東京都での感染者数は1万5,117人、前週比1.02、実効再生産数は1.023と5類移行後最大数であり、感染拡大を続けています。検査を行っていない人も多く存在することも踏まえると、流行拡大期の真っただ中にいると言っていいと考えます。まず、現在の感染状況について区の見解を求めます。
こうした状況の中、全国で8月末から学級閉鎖が相次いでいます。新型コロナウイルスだけではなく、インフルエンザもはやっている状況です。感染によるコロナ後遺症の影響も大きく、後遺症を患わないためにも感染対策は重要です。一方で、屋内である公共交通機関でのマスク着用も二、三割程度にとどまるように見受けます。5類移行は、検査や治療の公費負担が減り、感染対策は自己責任となっただけであり、ウイルスが弱毒化したわけではありません。さらに、最新の変異株のEG.5、通称エリスが増えてきており、感染力が強く、また従来ワクチンが効きにくいという特徴もあります。9月5日、6日、小田急バスが192便運休しました。福岡県行橋市では、給食を提供している市防災食育センターの調理員52人中10人が感染し、給食の献立を一部減らす対応を余儀なくされました。既に、社会インフラに大きな影響が出ている状況であると言えます。
こうした状況を鑑み、改めて、感染拡大時におけるマスク着用が重要だと考えます。国の方針はマスク着用は個人の判断としていますが、感染拡大が顕著な地域、例えば島根県や埼玉県、また那覇市でも、市独自でマスク着用による感染対策の呼びかけを行っています。こうした自治体独自の判断もできると考えます。経済や活動を止めないためにも、重要性を再認識する必要があります。今後、感染拡大時におけるマスクの推奨を、課題を整理した上で中野区でも行っていくべきと考えますが、見解を伺います。
以上で、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 中村議員の御質問にお答えいたします。
初めに、中野区実施計画について、重点プロジェクト推進会議での組織横断的かつ重点的な対応についての御質問です。重点プロジェクト推進会議においては、重点プロジェクトに掲げる課題や取組の方向性を共有しつつ、重点ポイントごとに組織横断的かつ重点的に事業を展開していくための議論を重ね、実施計画に盛り込む内容をまとめてきたところであります。また、子どもの意見の施策への反映などといった具体的なテーマも設定し、組織横断的な取組の具体的な方向性の議論も進めてきたところであります。
続きまして、重点プロジェクトの各プロジェクトに係る具体的な取組についてでございます。実施計画における重点プロジェクトについては、今後進めていく取組について、どのプロジェクトにおいても差異なく年次ごとの具体的な事業展開をお示しする考えであります。
次に、実施計画における財政見通しについてです。実施計画においては、基本計画策定時からの状況変化を踏まえ、安定的な区政運営を進めていくことができる財政見通しとなっております。具体的には、新たな財政運営の考え方に基づいて、予算編成手法の見直しや将来の財政需要を想定した基金残高の確保を中心とした財政運営を徹底し、区の取組を着実に推進していく考えでございます。
次に、ビルド・アンド・スクラップの継続と行政評価の再構築の必要性についてです。効率的な区政運営実現のため、ビルド・アンド・スクラップの取組は今後も必要なものと考えております。ビルド・アンド・スクラップの取組を継続していくための一つの方策として、行政評価をより実効性のあるものにするための検討を引き続き行ってまいります。
次に、子育て先進区に向けた取組についてで、児童館の機能強化に伴う区民への説明です。今後の児童館運営は、これまでの児童館の機能・役割を基礎とした上で、ソーシャルワーク機能、乳幼児親子への支援機能、中高生世代への支援機能などを強化した3類型に移行することとしておりまして、児童館運営・整備推進計画の策定に向けて検討を進めているところであります。計画の策定過程や児童館に関する施策の展開に当たっては、意見交換会等を開催し児童館の機能等について周知を図るとともに、子どもを含む区民から広く意見を聴取をし、子どもと子育て家庭のニーズを捉えた、より魅力的な施設となるように運営に反映してまいります。
続きまして、民間のノウハウを生かした施設への転換についてです。児童館の機能強化等に当たっては、満足度の高い施設運営となるよう、機能強化後の運営を想定したモデル事業を実施をし、利用者である子どもや保護者等の意見を運営に反映してまいります。また、乳幼児機能強化型及び中高生機能強化型児童館においては、ノウハウを持つ事業者に委託することによって、民間活力を活用したより魅力的な運営としてまいります。
次に、施設更新を踏まえた財政運営です。児童館の機能強化等を図り児童館施策を推進するためには、施設更新をはじめとした経費が必要になりますが、子どもと子育て家庭を取り巻く課題等を踏まえ、多様な居場所づくりを進めることは重要であると考えております。実施計画において児童館の今後の展開を踏まえた経費やスケジュールを盛り込み、区全体の財政フレームの中で持続可能な財政運営が実現できるよう検討を進めてまいります。
次に、これからの児童館職員の人材育成についてです。現在、児童館に配属されている職員については50代、60代が多く、経験やノウハウの継承が急務であります。今後は、児童館に専門の職員を配置するのではなく、児童相談所やすこやか福祉センターなど様々な福祉職のローテーション職場の一つとして位置付ける考えであります。区全体の福祉職の採用の中で必要な職員数を確保するとともに、既存の職員による経験やノウハウを継承しながら職員の研修などを充実し、子どもと子育て家庭のニーズに対応する人材を育成してまいります。
次に、産後ケア事業における多胎児支援の拡充についてです。区では、産後ケア事業における利用の柔軟化を図り、利用者ニーズに応じた取組を行ってきたところであります。多胎児家庭につきましては、利用期間の延長やサービス利用の緩和など、現行の利用回数の枠内で運用上の改善を図るとともに、ニーズの把握に努め、しっかりと手の届く多胎児支援を検討してまいります。
次に、産後ケア施設等との情報共有の場の設置についてです。産後ケア施設における利用者のうち養育支援が必要となる家庭につきましては、当該施設と区における情報の共有、報告の機会を設けているところであります。一方、産後ケアサービスにおける質の確保や課題を共有する場が必要であると認識しておりまして、関係者間の連絡協議の場を設置する予定であります。
次に、LINE運用支援ツールの活用についてです。区では、区民サービスの利便性向上と事務効率化を図るため、LINEを活用した行政手続のオンライン化を7月から開始し、区立保育園の一時保育予約についても既に実施をしているところであります。子育て世代のユーザーが多いLINEの特性を踏まえ、すこやか福祉センターで行っている子育て支援事業の一部予約について年内に試行を開始する予定であります。この結果を踏まえ、来年度の導入に向けて引き続き検討してまいります。
次に、妊産婦歯科健康診査の案内についてです。妊産婦歯科健康診査につきましては、母子手帳の交付時に個別に案内をしてまいりましたが、今年度改定するかんがるーブックに案内を記載するとともに、LINEによる子育て支援情報の配信時期・回数を工夫するなど、これまで以上の広報ができるようにしてまいります。また、こんにちは赤ちゃん訪問や健診等の機会を捉えて、妊産期における口腔ケアの必要性を伝えてまいります。
次に、中野駅周辺まちづくりについてで、新北口駅前エリア再開発事業収支の検討についてです。再開発事業収支検討については、区としては、公共性の高い都市計画駐車場や歩行者デッキの所有・整備・管理の役割分担を整理し、事業者の税負担軽減による管理運営負担への寄与や再開発事業補助金とは別の補助金導入による収支改善について、区と事業者で精査をしているところであります。区としては、これらの協議・調整を通じて施行予定者のさらなる収支改善の取組を強く求めていきたいと考えております。
次に、提案内容の継承と区の権利床についてです。施行予定者側からのこれまでの提案内容については区として実現を求めることを基本としておりまして、事業収支検討等の影響により施設計画の内容が変わる場合であっても、当初提案の機能や考え方の継承が必要であると考えております。区の権利床については、区として新北口駅前エリアに必要な機能を整理し、この機能の実現に向けて施行予定者と協議するとともに、権利床の活用も視野に入れ、検討を進める方針としております。
最後に、財産の処分に関する議決の時期についてです。新北口駅前エリア再整備事業の流れとしては、現在進めている事業収支成立検討、拠点施設の在り方検討を踏まえ、施設計画の前提となる都市計画決定手続を進めることとしております。この都市計画内容を前提に、さらに施設計画検討を進めるとともに資金計画を作成し、事業認可申請を進めることとなります。財産の処分の議決時期につきましては、都市計画決定後から事業計画の認可申請に同意する前の定例会に議案を提出することを考えております。
〔教育長入野貴美子登壇〕
○教育長(入野貴美子) 多文化共生についての御質問のうち、初めに中野フレンドルームの広報についてお答えをいたします。外国籍児童・生徒の編入手続の際には、英語、中国語、韓国語、ネパール語、ミャンマー語、タガログ語の6か国語で作成した入学のしおりを使って、日本の学校制度や編入後の支援などについて案内を行っております。あわせて、外国籍児童・生徒の編入学前のオリエンテーション等を行っている教育センターの中野フレンドルームについての日本語版のリーフレットも配布しているところでございます。今後は、多言語化したリーフレットを入学のしおりに加えるとともに区のホームページで御案内するなど、中野フレンドルームの情報が必要な人に確実に届くよう、さらに周知方法を工夫してまいります。
次に、日本語指導支援の強化についてでございます。教育委員会では、国際交流協会の指導員を学校に派遣し、個別の日本語指導を行っております。日本語指導が必要な受験を迎える中学校2年生、3年生については支援を強化する必要があることは認識しておりまして、現在、外国人留学生等の地域人材の活用や大学との連携、ICTの活用等を進めているところでございます。
最後に、外国人就学状況調査についてでございます。令和2年度より外国人就学状況調査を実施しておりまして、令和4年度からは、回答がなかった保護者に対して職員が訪問し、就学状況調査票に必要事項を記載するなどの対応を行っております。不在の場合には不在箋を投函しているところでありますが、その後も数名の保護者からは回答の連絡がない状況があります。そのような場合の対応について、今後検討をしてまいります。
〔区民部長高橋昭彦登壇〕
○区民部長(高橋昭彦) 私からは、多文化共生についての御質問のうち外国人人口の推移についてお答えいたします。
外国人の住民登録者数は、令和元年11月に過去最高となる2万224人となりましたが、その後の新型コロナウイルス感染症の感染拡大等の影響によりまして、令和4年3月末には1万5,484人まで落ち込んでございます。その後は増加に転じまして、令和5年9月1日時点で外国人の住民登録者数は1万9,775人になってございます。外国人の住民登録者数は、令和5年から令和6年の期間において過去最高を記録するものと見込んでございます。
〔文化・産業振興担当部長高村和哉登壇〕
○文化・産業振興担当部長(高村和哉) 私からは、多文化共生に関する質問のうち、課題解決に向けた中野区国際交流協会との協議についてお答えいたします。
外国の方への日本語学習支援は、日本語の習熟という点ではもちろん、区民との交流や相互理解を深めていくためにも重要であり、中野区国際交流協会をはじめNPOや日本語学校など関係団体と協力しながら支援を進めていきたいと考えてございます。
中野区国際交流協会の日本語学習支援事業については、ボランティア人材の確保や育成、効率的な事業運営の方法など、課題があると認識しております。それらの対応について、区からの財政的支援の在り方を含め、中野区国際交流協会と協議してまいります。
〔地域包括ケア推進担当部長石井大輔登壇〕
○地域包括ケア推進担当部長(石井大輔) 私からは、多文化共生についての質問のうち妊産期における外国人支援についての質問にお答えいたします。
現在、すこやか福祉センターでは、外国人妊産婦の支援として、多言語化に対応するための翻訳タブレットのほか、医療通訳等の母子保健通訳相談をNPO法人と連携し実施をしているところでございます。外国人妊産婦の出産時のコミュニケーションについては課題として認識しておりまして、医療機関や産後ケア施設等における実態を把握し、安心して出産・育児ができるよう支援策を検討してまいります。
〔企画部長岩浅英樹登壇〕
○企画部長(岩浅英樹) 多文化共生についての御質問のうち、人権多様性条例に基づく相談体制についてお答えをいたします。
区では、本条例に基づきまして、区民及び事業者から人権及び多様性に関する相談等を受けたときには、必要な調査を行い、助言または指導を行うなど、解決のための支援を行うこととしております。支援に当たりましては、配置予定の外国人相談窓口や国・都と連携をいたしまして、適切な役割分担の下、相談・対応に当たってまいりたいと考えております。
〔保健所長佐藤壽志子登壇〕
〇保健所長(佐藤壽志子) 私からは、感染症対策についての御質問にお答えいたします。
まず、新型コロナウイルス感染症の感染状況についてですが、令和5年5月8日より新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が変更となり、患者ごとの届出は終了し、定点把握疾患となりました。5月8日以降19週は、東京都が定点医療機関当たり2.40人、中野区が2.60人でありましたが、その後暫増し、直近の35週では、東京都では17.01人、中野区は21.30人と、感染の拡大傾向が見られております。
次に、マスク着用推奨についてですが、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の類型変更に伴い、感染対策は個人及び事業者の判断が基本となっております。しかし、地域において感染拡大が続いている状況では、区民に対し注意喚起を行うことは必要と考えております。一方、季節性インフルエンザのように注意報及び警報発令基準が示されている疾患に比べて、新型コロナウイルス感染症は定点把握疾患に指定されてから間がなく、注意報及び警報発令基準が示されておりません。区としては、国や都などの専門家の意見等を参考に、適切な時期に、マスクの着用が効果的な場面の周知も含め、注意喚起を行ってまいります。
○議長(酒井たくや) 以上で中村延子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 市 川 しんたろう
1 物価高騰対策について
2 中野区実施計画(骨子)について
3 公共貢献制度を活用した今後のまちづくりについて
4 今後の学校建設の方向性について
5 幼稚園教育について
6 都市型農業について
7 その他
○議長(酒井たくや) 次に、市川しんたろう議員。
〔[1]市川しんたろう議員登壇
〕
○10番(市川しんたろう) 令和5年第3回定例会において、自由民主党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。質問は通告どおりですが、その他の項目の中で児童館のランドセル来館事業についてお伺いをいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず初めに、物価高騰対策について質問させていただきます。
これまでだけではなく現在も、区民の皆さんの生活や区内事業所の経営状況は物価高によって大きな影響を受けており、この物価高は、ロシアのウクライナ侵攻による原油などのエネルギー資源の価格の上昇や、多くの製品を輸入に頼っている日本に大きな打撃を与えている円安などが背景にあるもので、依然収束に向けて見通しは不透明であり、予断を許さない状況が今後も続くことが想定をされます。中野区でも、今後、物価高騰による区民の生活、各業界・団体への影響を考慮し、補正予算による処置がされることも検討されているところです。
また、先日の、全国の自治体から給食配食業務を委託されているある事業者が、委託期間中であるにもかかわらず、破産手続に入ったとのニュースがございました。もちろんこの事業者の経営実態に問題があると報道もございましたが、物価高騰の影響も少なからずあった、そういう可能性も捨て切れません。それによって全国各地で給食の提供が滞り、多数の児童・保護者に混乱が広がっています。今後、中野区内のその他の委託、工事など事業においても同様の事象を起こさないためにも今後注視していく必要があると考えます。
そこで、まず初めに伺いますが、現在、中野区は物価高騰対策に取り組む上で、どのような方法で事業者や区民の皆様の声に耳を傾けて対策を検討してきたのか、伺います。
また、先ほど申し上げたように、物価高騰の収束はいまだ不透明であり、今後も継続性を持って対策することは必要です。必要なのは、国の後追いでもなく東京都の後追いでもない、中野区の現状を鑑み、区民の皆さんの抱える様々な状況に対応できる対策を構築することであり、具体的に申し上げれば、各所管課が所管している団体や業界や、そして区民の皆さん、それぞれの状況をさらに聴取をして、困っている方たちを誰一人取り残さない物価高騰対策を取りまとめる必要があると考えますが、区のお考えはいかがでしょうか、伺います。
また、とりわけ物価高騰の影響を大きく受けているのが、建設業をはじめとした請負工事を担っている事業者の皆さんです。現在、学校をはじめとした区有施設の整備が複数進行しているのは皆さん御承知のとおりですが、その各施設の今後の工事においても、人件費、材料費の高騰によって事業者の負担が大変大きくなることが予想されます。これまでも補正予算において学校建設や新庁舎建設における予算措置がされてはきていますが、事業者が求めている建設費等とのギャップを埋めるには至っておらず、予期できない急激なインフレによる原油増額の負担を元請、下請事業者に強いているのがただいまの現状です。先ほど例として取り上げた給食配食事業者の破産のようなことが区内建設事業者でも起こりかねない、このような声が建設業界の皆さんからも伺うことがございました。
そこで、インフレスライド条項の単価の運用項目の拡大も視野に入れていく必要があると考えます。そこで、中野区の現在におけるインフレスライド条項の運用方針について伺うと同時に、現在、中野区におけるスライド額の計算が東京都におけるスライド額の計算と異なっていることから、対象となっているスライド額は全体の30%から40%となってしまう、そういった工事も区内に存在しているのが現状で、中野区工事請負契約書約款第26条第6項にのっとった運用方針を今後検討していく必要があると考えますが、区のお考えはいかがでしょうか。伺って、次の項の質問に移らせていただきます。
次に、中野区実施計画(骨子)についてお伺いいいたします。
さきの閉会中の全常任委員会で、中野区実施計画(骨子)に関して、重点プロジェクト、基本目標別の政策・施策などについて報告がございました。骨子の中では、基本計画の着実な推進のため、基本計画後期(令和5年度から令和7年度)の取組を具体化した中野区実施計画を策定するとございます。第2回定例会の各常任委員会における「中野区基本計画及び中野区構造改革実行プログラムの進捗状況について」の報告によると、各事業の進捗状況は、実施または着手している事業が9割以上となっており、進捗に問題がある、そのような報告ではございませんでした。実施計画を策定する理由はこの報告からは読み取れず、整合性が図られているとは言えません。中野区基本計画は、当然ながら中野区における最上位計画であり、その計画にのっとって区政は運営されてきておりますが、今回、基本計画の修正案とも言える中野区実施計画の策定は、当初の計画がずさんであったのか、もしくは進捗状況に偽りがあると自ら認めることになるのではないでしょうか。
そして、これまでに基本計画を補う実施計画などというものはなかったと記憶をしております。会派の先輩方に聞いても過去にはなかった、そのように聞いております。もし実施計画という補助的な計画が必要と言うならば、基本計画前期2年間、令和3年度、令和4年度においても必要があったはずです。実施計画の策定は基本計画がずさんであったと認めるものなのか、それとも今後は基本計画と実施計画は一体となるのか、いずれかのものだと考えます。
いろいろと申し上げましたが、ずばり、中野区実施計画とは一体何なのか、区長のお考えを御教授願います。よろしくお願いいたします。
また、実施計画は、基本計画後期(令和5年度から令和7年度)の取組を具体化した中野区実施計画を策定するとございますが、今後の予定を見てみると、令和6年3月に実施計画策定とあり、1年間遅れていることが見てとれます。中野区の最上位計画がこのような状況でよいのか、大変不安を感じるところです。なぜ実施計画の策定が1年遅れてしまったのか、併せてお伺いをいたします。
また、基本計画策定時、重点プロジェクトについて、我が会派として縦割り行政を打破するものとして非常に期待するところではありましたが、これまでの議会報告でほぼ進捗がなかったと考えます。例えば、危機管理対策等調査特別委員会において、重点プロジェクト3、活力ある持続可能なまちの実現に関わる脱炭素社会の実現に向けた取組の推進についての報告がございましたが、個別政策レベルのものしかメニューになく、個別の所管の取組、横串を刺すようなものがなかった、このように記憶をしております。重点プロジェクトはそれぞれ今後中野区が目指すビジョンとしての位置付けであると私は理解をしておりますが、その重点プロジェクトが全庁挙げて取り組む問題であるという役所の取組事例が全く見受けられません。これでは、重点プロジェクトの存在意義がないに等しいと考えます。これまでの一連の取組方に関して、どこに反省点を見いだし今後の展開を検討するのか、お伺いをさせていただいて、次の項の質問に移らせていただきます。
次に、公共貢献制度を活用した今後のまちづくりについてお伺いをいたします。
現在、中野区では、中野駅周辺を中心に様々な再開発事業や区画整理事業などによって多数のまちづくり事業が同時に進行をしております。今後、この中野駅周辺のまちづくり事業だけではなくて、ほかの地域におけるまちづくりも同時に検討し、進めていかなければなりません。具体的に申し上げれば、西武新宿線沿線のまちづくり、鉄道上部空間の活用、防災まちづくりなど、様々です。
その際に私ども会派が必要と考えているのが、再開発や総合設計制度により民間事業者等が通常より大きな容積率の緩和を受けて建物等の建設を行う場合に、区はもっとこの制度を活用して、歩行者空間や公園、環境に配慮した地上エネルギー施設の誘導、公共施設や空地の確保、福祉や子育て貢献施設など、地域の魅力や快適性を高める様々な取組への誘導を図ることでございます。
我が会派の加藤議員の本年の予算特別委員会における総括質疑では、千代田区の開発事業に係る住環境整備推進制度では、開発事業に合わせた良質な住宅の共有及び良好な住環境整備に向けて、例えば敷地面積500平方メートル以上または延べ面積3,000平方メートル以上の建物の建設の際は、事前協議により公共貢献となる施設を入れると容積率が緩和され、渋谷区では一定規模以上の大規模建設の際に、帰宅困難者対策、停電対策、Wi-Fi設備等の災害時対応、または自転車駐輪場、喫煙施設などを設けるなどすることで容積率の緩和をするなど、政策的に公共貢献を誘導するために政策として取り入れてきたと考えることができます。もちろん、中野区内においても、東京都の都市再開発諸制度活用方針に従い、中野駅周辺などの再開発ビルを建設するときに、防災、環境、福祉、駅・まち一体的なまちづくりへの公共貢献と引き換えに容積率等の大幅な緩和が行われてきたところです。
しかし、中野区において政策的にこうした公共貢献施設を誘導するというよりは、事業者側の提案を主とした事業者側の意思に対して、中野区の所管がじっくり公共貢献について議論・検討がされずに容積率等の規制緩和が行われてきたのが実態であったように私には思われます。
そこで伺いますが、再開発事業における公共貢献施設の設置に伴う容積率緩和に対して、中野区として都市政策として区がさらに主導権を持ち、防災、環境、福祉、歩きやすい歩道、ライフラインの整備など、本当に必要な公共貢献の誘導を図るべきと考えますが、区の見解はいかがでしょうか、伺います。
また、先ほど申し上げたように、今後行われるほかのまちづくり事業や拠点整備については、渋谷区や千代田区の例のように、独自にそのまちづくり対象地域への公共貢献のメニュー、項目出しをするべきと考えます。今後、区としてどのように独自の公共貢献、考え方を制度化させていくのか、お考えがあるのか、伺わせていただきます。
この考えは、公共施設整備や老朽化したマンション建て替え計画にも当てはまると考えます。区の公共施設の建設や老朽化したマンションを建て替えする際に、都市計画や建築基準を緩和したりして建物を建設するような場合には、当然、周辺道路のバリアフリー化や防災、環境配慮、そして最近では脱炭素の対応を強く意識した、言わば周辺地域へのお手本となるような施設整備を主導的に考えていくべきで、老朽化マンション建て替えについても地域の環境負荷軽減に資するものであると考えます。その点について、区のお考えを伺わせていただきます。
開発等における公共貢献制度の積極的活用は、周辺地域に大きな環境的負荷を与えるものであり、都市基盤整備や施設建設において政策的に設備や施設を誘導できる絶好のチャンスです。今後予定される様々なまちづくり事業や拠点整備、公共施設整備の際に活用可能であると考えます。中野区でも他区の先進事例のような取組を行うべきであると強く要望して、次の項の質問に移らせていただきます。
次に、今後の学校建設の方向性についてお伺いをいたします。
現在、中野区では、学校の老朽化、統廃合による学校の建て替えが多数事業化され、進行をしているところです。しかし、先ほど冒頭の物価高騰対策の項でも申し上げましたが、世界的なインフレの進行、継続的な円安、ウクライナ侵攻等に起因する原材料の高騰、国内における人手不足を背景に、建設単価は上昇の一途であります。今後計画的に学校建設を進めていくには、基金の活用や財政フレーム上の取組が引き続き必要となってくることは皆さんも御承知のとおりです。しかし、財源の確保と同時に建設費をいかに抑えるかという観点も当然語られていくべきと考えます。行政としては、最少の経費で最大の効果を上げるようにしなければならないという地方自治法第2条第14項にあるとおりの事務の執行に当たるべきであります。つまり、公立学校として子どもたちの良質な教育環境のクオリティーの維持と建設費の抑制という両面を両立させていく必要がございます。
また、私の地元にある桃園第二小学校の基本設計も完成をし、見てみると地下化が予定されております。これは桃園第二小学校だけではなく、今後の建て替えされる校舎の中には同様に地下化が予定される可能性、そういう可能性が十分にございます。なぜ地下化が行われるかは、学校施設が建っている地域の用途地域が第一種低層住居専用地域であるからで、建設できる校舎の高さが10メートルに規制がされているためで、今後必要な機能を集約すると学校の必要面積が地上部分に確保できなくなるため、地下化が計画されております。
高さ制限がなければ、階高、天井の高さが規制されることにもつながりますので、子どもたちの日常環境は低い天井となるというのも懸念材料であります。同時に、一般的に地下化することによって、公費、工期ともに増大することも同様です。今後の建設費の観点から見ても、子どもたちの日常的な教育環境の観点から見ても、地下化せずに校舎建設ができないのか検討してみる必要があるのではないでしょうか。先ほど申し上げた高さ制限10メートルについては、建築基準法第55条第4項第2号では学校についてはこの制限を適用しないということが規定されています。仮にこの法律の適用を回避する方法があれば、理論上は10メートル規制が外れ、現在の用途地域では不可能である4階建ての建設も可能性として出てくるのではないでしょうか。
そこで伺いますが、仮に10メートルの制限を適用しなければ、地下化を回避し、階高を高くするなど校舎の設計の自由度を高めたり、学校施設整備の工費を抑制することにつながると考えますが、区の見解を教えてください。
また、建築基準法第55条第4項第2号により10メートルを超える学校を建築審査会の同意を得て許可した事例は中野区においてあるのか、ないのか、制度上可能なのかを伺います。
さらに、工費の増大には、学校の延べ床面積が改築により拡大していることにも原因があると考えます。小・中学校整備の経費も、冒頭に申し上げた社会情勢により上昇の一途であり、区が標榜する構造改革なるものはこの小学校整備経費の増で軽く消し飛ばされてしまっております。一方で、小・中学校施設の老朽化は進む一方であり、施設更新は中止するわけにはいきません。工費単価の上昇は世界的な課題であることから、区としてコントロールすることは当然できません。このため区としては、工事費の高騰を抑制するために延べ床面積の抑制を真剣に検討する段階になったのではないか、このように考えるところです。延べ床面積のコントロールは、建設後の維持管理経費の縮小にも寄与するものでもありますし、区が令和3年10月に策定した区の区有施設整備計画にも総延べ床面積の縮減を図る、もしくは改築に当たっては原則として従来施設から延べ床面積を増加させないなどの文言がございます。しかし、小・中学校施設更新においては延べ床面積は改築により増加しているのが現状であり、これでは整備費の上昇を止めることはできません。そこで、区はさらに整備する小・中学校の部屋をフレキシブルに変更できるように構成することで延べ床面積を抑制する必要があると考えます。実際に整備された学校施設を見てみると、それぞれ単一の機能の部屋を足していけば、延べ床面積がどんどん広大になっていきます。
そこで伺いますが、部屋の機能を固定化せずに、1日の時間や1年のうちの時期によってフレキシブルに適用できる部屋を工夫して配置することによって延べ床面積を抑制し、高騰する整備費やその後の維持管理コストを抑制できると考えますが、区の見解はいかがでしょうか、お伺いいたします。
それ以外にも、工事全体を所管する施設課と施設の仕様について検討していく教育委員会とのやり取りによって、工費の削減、こういったことも可能性としてはあると考えますが、そちらについてはまた別の機会でお伺いをさせていただきます。今後子どもたちが使用する学校施設が計画的に建設がされていくことを要望して、次の項の質問に移らせていただきます。
次に、幼稚園教育についてお伺いをいたします。
これまで、待機児童ゼロを目指し、国、東京都、区を挙げて保育園の整備を進めてきました。そのため中野区において待機児童ゼロが実現されたところでありますが、その一方、そのしわ寄せにより私立幼稚園の経営が厳しくなっていき、中野区においては令和4年度末に1園、私立幼稚園が閉園となり、さらに来年度末には2園、その次年度にも閉園を検討している園があるのが現状です。このままではさらに私立幼稚園の経営が成り立たなくなり、閉園する園がさらに今後増加されることが懸念をされます。待機児童ゼロが実現された今、そのギャップを埋めていくことが求められてきます。保護者の中には、幼稚園と保育園どちらに入園させるべきか悩まれる方もいらっしゃる。かかる費用や教育方針、預かり保育など、幼稚園に関わる政策が区として弱いと感じざるを得ない。
そこで、中野区私立幼稚園保護者補助金、中野区幼稚園入園料補助金、保護者に対する補助金の増額をするべきと考えますが、区の見解についてお伺いをいたします。
また、私立幼稚園としては保護者のニーズとして預かり保育を進めたいということですが、人員が足りない、運営資金が足りないなどの運営上の悩みがあります。そこで、保護者の皆様のニーズを踏まえて預かり保育推進補助金などの増額を検討すべきと考えますが、区の見解について伺います。
また、幼稚園の魅力に関して今後さらに広報を充実させていくべきであると考えます。例えば、楽しい園児の集いなどは私立幼稚園ならではというイベントであり、通園する子どもたちにとって、また保護者の皆さんにとっても魅力あふれるイベントとなっています。私自身も宝仙学園幼稚園に通っておりましたが、その思い出は今でも残っております。様々な媒体を活用し、幼稚園だからこその教育を広報していくべきであると考えます。区の幼稚園への見解と保護者の皆さんに向けた今後の広報の拡充について、見解を併せてお伺いいたします。
今後さらに深刻となっていく少子化の中で、都内にいる子どもたちの選択肢が広がるように、幼稚園と保育園、それぞれの支援面において格差が生まれないように今後庁内で議論されることを願い、次の項の質問に移らせていただきます。
次に、都市型農業についてお伺いをいたします。
中野区の皆さんにはあまり知られていないですが、中野区内にも農地がございます。総農業面積は約2.2ヘクタールと東京ドームの約半分ほどで、東京都内の他市や他区に比べればそれほど広大というわけではありませんが、カリフラワー、トマトを中心とした野菜、花卉などの農産物を育てられている農家さんがいらっしゃいます。野菜一つを例に取りますと、種類にもよりますが、例えばカリフラワーならば一つ100円から200円程度が相場で、単価は決して高くございません。一方で、1軒の農家が保有している農地が大変狭く、広くても4,000平方メートルにも満たない農地で営んでいる農家さんもいらっしゃる。収穫量は天候にも左右されるため、農家さんは苦労しながら、この狭い農地で作物を生産されています。
このような状況下では、収穫量を増加させていくにも当然限界がございます。収穫量を増加させずに収入を上げていくには、収穫された野菜に付加価値をつけて野菜の単価を上げていく必要があると考えます。そのために中野区として何ができるのか。例えば、区内で生産されている朝採れ野菜の周知を広報するなど、そういった検討はできないか、まずはお伺いをさせていただきます。
また、収穫された野菜の販路についてお伺いをいたします。現在、中野区産の農産物は庭先での販売がほとんどと聞いているところでございます。生産農家は区内北西部に集中しており、農地近隣にお住まいの方以外はその存在をほとんど知ることがない、そういった状況下です。先ほど申し上げたように、多くの中野区民の皆さんに広く知ってもらうための広報によって周知を進めて、販路を拡大することによって、野菜の単価を上げること、農家さんの収入を上げること、両面につながることと考えますが、いかがでしょうか、併せてお伺いいたします。
中野区における都市型農業の役割は、新鮮な農作物の供給にとどまらず、雨水の涵養、身近な緑地としての潤い、災害時の延焼遮断帯といった様々な役割があると考えられます。中野区の緑被率は平成28年度16.14%と23区で見ると下位に位置しており、緑を維持していくためにも農地を保全していく必要があると考えます。農地を保全するための一つの方策として、生産緑地の活用が考えられます。区内の生産緑地は約1.4ヘクタールと、区内の農地全てが生産緑地ではございません。これまで他の先輩議員の皆様からも質問がございましたが、農地を保全するためにも積極的な生産緑地制度を活用していく必要があると考えますが、中野区の見解はいかがでしょうか、改めて伺います。
また、首都直下型地震など大規模災害時に道路が寸断されることも可能性として検討しなければなりません。物流がストップした際には中野区に緊急物資が届かないことも考えられますが、有事の際に野菜の供給、飲用井戸があるならば井戸水の提供、指定避難場所の代替として災害用防災空地という観点からも農地の活用が検討できるのではないかと考えます。中野区と区内農家とで防災協定を締結することを将来的に検討すべきと考えますが、中野区の所感を伺います。
中野区内の農地は決して広くはありませんが、農地の持つ様々な役割に着目しますと農地を保全する意義は大変大きいと考えます。また、先日、区内の農家さんで行われた谷戸小学校の児童たちへ向けた農業体験、こういった体験も緑被率、農地が少ない中野区においては大変重要な子どもたちにとっての体験であると考えます。今後、教育委員会もこういった環境体験を他の小学校へと紹介していってもらいたいと思います。
いずれにしましても、様々な角度から区と協力関係を築くことが大変重要であり、中野区は今後、他区でも試みているように、産業振興という枠組みの中に都市型農業の位置付けをしっかり組み込み、さらに、中野駅周辺の今後生まれるものを含めたオープンスペースでの販売促進、つまりエリアマネジメントにも落とし込みを行うことなど、主体性を持って中野区が関わりを持ち、今後さらなる支援を行い、中野区内の農家さんがやりがいを持って農業を営み、誇りを持って代々農地を保全できるようになることを期待して、次の項の質問に移らせていただきます。
最後に、その他の項目で児童館のランドセル来館事業についてお伺いいたします。
これまで多くの自治体において児童館のランドセル来館制度が取り組まれており、現在、中野区でも一部の児童館では小学校から直接来館するランドセル来館を行っております。今後この事業が中野区全域に広がっていくことが、現在、子育て世代の皆さんのお悩みでもあり区における課題でもある学童クラブの待機児童対策に寄与するものではないか、このように考えます。小学校の学校再編計画が続き、1校当たり学区の面積が広くなり、児童の自宅と児童館の距離も平均すると延びているのが現状であるかと思います。その状況下では、子どもたちが一旦帰宅をしてから再度児童館に向かうこととなり、放課後に安心して過ごせる環境には逆行してしまうのではないか、このような危惧もございます。さらには、保護者の皆さんの就労や介護などの状況を鑑みますと、事業に対しての期待は高いと考えます。
確かに、下校中の子どもたちの事故や児童館の受入れ体制の構築など課題はあるかと思いますが、子どもたちと保護者の皆さんの利便性のためにも、現在よりもランドセル来館事業を順次、全児童館に拡大していくべきと考えます。子育て先進区を目指されておられる酒井区長には、ぜひ検討していただき、各児童館、各学校、教育委員会へ調整していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。伺って、私の一般質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人)市川議員の御質問にお答えいたします。
最初に、物価高騰対策の検討についてでございます。物価高騰対策の検討に当たっては、各所管において区内事業者等に対してヒアリングを行うなどの状況把握に努め、取りまとめてきたものであります。
次に、今後の物価高騰対策についてであります。今後も区民や区内事業者等の状況把握に努め、時期を逸することなく区の実情に応じた対策を講じていく考えであります。
次に、インフレスライド条項の運用についてでございます。インフレスライド条項は、工事請負契約の締結後、賃金水準や物価水準が短期的で急激な変動をした場合に請負代金の変更を請求できる、中野区工事請負契約書約款第26条第6項の規定であります。当条項による請負代金の変更に当たっては、国や都の規定に基づき区が定めている運用方針を踏まえ、各工事発注所管において受注者と協議を行っているものであります。スライド額の算定につきましては、品目や材料価格、賃金変動の実態把握に努め、物価高騰に的確に対応するとともに、運用方針の見直しも検討してまいります。
続きまして、中野区実施計画(骨子)についての項で、中野区実施計画についての御質問です。実施計画は、基本計画策定以降の新型コロナウイルス感染症の対応の変化、ウクライナ危機を発端とした物価上昇といった社会経済状況が変化している中でも、基本構想の実現に向けて基本計画に掲げる取組を着実に進めていく必要があることから、基本計画後期の取組を具体化することを目的として策定するものであります。なお、実施計画は基本計画後期の取組を具体化する内容であることを踏まえて、基本計画の一部に位置付けることとしております。
続きまして、中野区実施計画の策定時期についてであります。基本計画後期の取組を具体化する必要性についての課題認識の下、具体化の方法について様々な検討を行った結果、令和4年第4回定例会において実施計画の策定を行う旨の報告に至りました。その際、実施計画の策定に当たっては、基本計画前期である令和4年度までの取組に係る進捗状況を踏まえることとしたため、策定時期を令和5年度末とする必要があったものであります。なお、令和5年度につきましては、当初予算等でお示しした取組を進めているところであります。
次に、重点プロジェクトの今後の展開に係る検討についてです。各プロジェクトに掲げる課題、方向性について、これまでの取組を振り返りながら改めて重点プロジェクト推進会議で確認を行い、今後の展開について議論を重ね、実施計画に盛り込む内容をまとめてきたところであります。また、重点プロジェクト推進会議では、子どもの意見の施策への反映などといった具体的なテーマも設定し、組織横断的な取組の具体的な方向性の議論も進めてきたところでありまして、今後も各部が各プロジェクトに掲げる課題や方向性を共有し、それぞれ所管する取組事業について相互に関連性を持って進め、成果につなげていく考えであります。
次に、公共貢献制度を活用した今後のまちづくりについてで、公共貢献施設誘導の考え方についてでございます。再開発事業等におきましては、事前に区と事業者で十分な協議を行い、必要な公共貢献施設の誘導を図っているところであります。
そして、公共貢献を求める仕組みの制度化についてであります。公共貢献施設は、地域ニーズやまちづくり事業の規模等を考慮した上で、区として最も適切であると考える施設を誘導していくことが必要と考えております。今後のまちづくりの進捗や他区の事例等も参考にしながら、必要な方策等について研究をしてまいります。
次に、施設整備等における主導的な区の関与についてであります。公共施設整備や老朽マンションの建て替え等において、都市計画法や建築基準法上の特例許可等の制度を活用する場合、区は許可要件等について関与することによって、周辺地域の安全性や環境にも配慮した施設整備等の誘導を図ってまいる考えであります。
〔教育長入野貴美子登壇〕
○教育長(入野貴美子) 今後の学校建設の方向性についての御質問のうち、まず第一種低層住宅専用地域における絶対高さ制限の適用外についてお答えをいたします。第1種低層住宅専用地域の学校においては、建築基準法上の絶対高さ制限の制約を受けるため、改築校については高さ10メートル以下で現在建設しております。仮に高さ制限を受けなかった場合については、改築校の立地、北側斜面規制などにもよりますが、1階分の高さ、階高を高くできる場合があり、また階数を増やすことで地下階を設置せずに施設整備ができる場合も出てまいります。結果として建設コストの抑制につながることも考えられます。
最後に、フレキシブルに活用できる所室構成についてでございます。小・中学校施設整備におきましては、敷地形状や立地等の制約条件も踏まえ、学校側とも調整しながらフレキシブルに対応できる所室、スペース等を整備している場合もございます。単一機能のみとせずに多くの用途に使用できる所室やスペース等を配置することにより、一定の延べ床面積の抑制につながることが考えられております。今後も、学校改築時には求められる所室、スペース等の在り方については、学校とも調整しながら検討してまいります。
〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕
○都市基盤部長(豊川士朗) まず、今後の学校建設の方向性についての御質問のうち、建築物の高さ制限の許可についてでございますが、区内の学校におきまして第一種低層住居専用地域における建築物の高さ制限の許可を適用した事例はございます。建築物の高さ制限の許可につきましては、制度上可能ではございますが、その用途によってやむを得ないと認められる場合で、許可に当たっては、その建築物が低層住宅に関わる良好な住環境を害するおそれがないことなどを考慮して判断することとなります。
それから、都市型農業についての御質問のうち生産緑地制度を活用した農地保全についてでございます。区では、令和4年3月に生産緑地地区の指定規模を、それまでの500平方メートル以上から300平方メートル以上とする条例を施行いたしました。引き続き、生産緑地法の趣旨に沿い、災害等の防止や良好な生活環境の確保に効果があり、かつ公共施設等の用に供する土地として適している等の要件を満たすものについては生産緑地地区の指定を図ってまいります。
〔子ども教育部長石崎公一登壇〕
○子ども教育部長(石崎公一) 私からは、幼稚園教育についての御質問についてお答えいたします。
まず初めに、私立幼稚園保護者補助金等の増額についてでございます。物価高騰等により子育て世帯の負担が増加していることについては、認識しているところでございます。私立幼稚園保護者補助金及び幼稚園入園料補助金の在り方につきましては、今後、他自治体の状況も調査した上で検討してまいりたいと考えてございます。
続きまして、私立幼稚園等預かり保育推進補助金の増額についてでございます。私立幼稚園等預かり保育推進補助金につきまして、令和5年度は保育の時間や日数を満たした園に対する補助を増額したところでございます。この補助の増額による効果等を踏まえ、さらなる増額の必要性について研究してまいりたいと考えてございます。
私から最後に、私立幼稚園に係る広報等についてでございます。私立幼稚園がそれぞれの教育方針に沿って幼児教育を行っていることは認識しており、私立幼稚園と区立幼稚園が連携を図りながら中野区の就学前教育を支えてきていると考えているところでございます。保護者の方が私立幼稚園及び区立幼稚園に対する理解が進むよう、広報の充実については検討してまいります。
〔文化・産業振興担当部長高村和哉登壇〕
○文化・産業振興担当部長(高村和哉) 私からは、都市型農業の御質問のうち2点お答えいたします。
まず、中野区産の野菜の周知についての御質問でございます。あまり知られてない一方、都心に近い中野の朝採れ野菜は消費者のニーズが一定あるものと考えてございます。区としても、区民や来街者に中野区産の農産物や朝採れ野菜を周知することに努めてまいります。
次に、中野区産農産物の販路拡大についてでございます。今年度は、なかの里・まち連携事業の一環として中野区役所前広場で開催しているなかの里・まちマルシェに区内の農家の皆さんにも出店いただいたところでございます。今後は、区の主催・共催イベントのコラボレーションや、新区役所1階のイベントスペースを活用した物販の企画など、周知と販路拡大につながる支援を検討してまいります。
〔防災危機管理担当部長杉本兼太郎登壇〕
○防災危機管理担当部長(杉本兼太郎) 私からは、都市型農業についてのうち区内農家との防災協定の締結についてお答えいたします。
災害発生時には、防災空地としての農地等の活用によりまして、一時的避難や農家が生産する食料の確保、井戸水の提供等が考えられることから、災害時における農地等の活用について、他自治体の事例を参考に、どのような協定ができるのか検討してまいります。
〔子ども家庭支援担当部長小田史子登壇〕
○子ども家庭支援担当部長(小田史子) 私からは、その他の中の児童館のランドセル来館についての御質問にお答えいたします。
区では、学童クラブの待機児童対策といたしまして、下校後、自宅に帰宅しないでランドセルを背負ったまま児童館に来館できる事業を現在行っているところでございます。下校後の児童の安全管理や居場所の確認、児童館の受入れ体制などに課題がございまして、現時点では学童クラブの待機児童対策の一環として実施しているところでございます。今後の児童館のランドセル来館の拡大につきましては、様々な課題がございますので、検討を進める方向でいきたいとは考えてございます。
〔[2]市川しんたろう議員登壇
〕
○10番(市川しんたろう) 再質問させていただきます。
2点目の中野区実施計画(骨子)についてのところの中で、基本計画策定時において、我が会派は基本計画の内容が具体的なものではなくて、中野区の未来というのは一体どういうふうになっていくのかと、こういうことが見えていくのが基本計画のビジョンなんじゃないかという御指摘をしてきた。その未来が見えてこないと再三指摘をしてきました。基本計画が曖昧、抽象、そういったものだったのか、こういって質問の中でも申し上げましたけど、そういったものというふうに認めたということなのか、もしくはそういうふうに思っているのか、もう一度確認で教えてください。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 市川議員の再質問にお答えします。
実施計画について曖昧ではないかということでございますけれども、この基本計画の策定時点においては、後半についてはまだ具体化がされてないということで、それを具体化したのが実施計画ということで説明を申し上げているところでございます。
○議長(酒井たくや) 以上で市川しんたろう議員の質問は終わります。
中野区議会議員 白 井 ひでふみ
1 物価高騰対策について
2 防災対策について
3 高齢者等の見守りについて
4 新庁舎における障害者施策について
5 学校の建替えについて
6 がん検診について
7 その他
○議長(酒井たくや) 次に、白井ひでふみ議員。
〔白井ひでふみ議員登壇〕
○25番(白井ひでふみ) 令和5年第3回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告のとおりですが、その他で区民活動センター等の施設の貸出しについて伺います。
それでは、初めに物価高騰対策について伺います。
この夏も、公明党議員団として区内の各種企業・団体の皆様との予算要望懇談会や意見交換会を開催させていただきました。これまでは主にオンラインでの懇談会の開催でしたが、新型コロナ5類移行後、多くの方々のお声をリアルでお聞きする機会を頂きました。内容については、個々の御要望とともに、現下の急激な物価高騰に対する御要望をたくさんお伺いいたしました。また、日々寄せられる個人の御相談の中においても、物価高騰下の悲痛なお声をたくさん伺ってもまいりました。少しでも応援ができるようにとの思いで、区への要望交渉に臨んできたところです。
今定例会においては、令和4年度の決算議案の上程とともに、この物価高騰対策を含む補正予算が予定されています。議案の概要としての質問にとどめて伺ってまいりたいと思います。なお、予定されているこの補正予算は先議の扱いとなっていますが、議会での十分な質疑を拒むこととなるため、全てを先議扱い、ついでに先議扱いにするという乱用については控えるべきであるとの意見を述べておきます。
さきの第2回中野区議会定例会における第42号議案、中野区一般会計補正予算の議決に当たり、我が会派として賛成の討論を行いました。その中で、子育て世帯や非課税世帯への物価高騰対策の給付金に加え、さらに低所得者層を対象とした給付対象の拡充を求めてきたところです。今回予定されている補正予算には、物価高騰への支援策として低所得者層を対象とした給付金が予定されています。新たに給付世帯となる対象者、金額等についても概要をお伺いいたします。
同じく、さきの補正予算においては、物価高騰下における生活支援策としてキャッシュレス決済におけるお買物支援事業があり、我が党として、国、東京都、中野区と一貫して推進してきた経緯を述べました。このほど、中野区におけるキャッシュレス決済の実施事業者が決定したと聞きます。本年の12月に実施が予定されているキャッシュレス決済によるお買物支援事業の還元率や予算規模、利用上限など、現在の概要をお伺いいたします。
区立小・中学校の給食費の無償化についても強く実施を求めてきたところです。区は、私学に通う子どもたちも含め、全ての学齢児童・生徒に対して給食費相当額を給付金として支給するとしています。給食費の実質の無償化については賛意を表するところですが、シンプルに無償化に取り組めなかったものかと思います。細かな質問は避けますが、給付金額に対する事務経費は多過ぎないか、また、もっと早い段階での政策実施の決断をしていれば抑制できる経費もあったのではないかとも思います。学校給食費相当額の給付金の対象者と、その金額、給付のための事務経費の金額についてもお伺いいたします。
我が会派との予算要望懇談会では、私立幼稚園や保育園、助産師、介護サービス事業所、障害福祉サービス事業所の関係者の方々からも様々な御意見や御要望をお伺いするとともに、物価高騰への御要望についてもお伺いをしてまいりました。今回の補正予算では、物価高騰対策の支援策が盛り込まれる予定です。それぞれの事業所や団体の支援内容についても概要をお尋ねします。
次に、スライド条項が適用される中野区が発注する工事案件等についてお伺いいたします。急激な物価高騰の状況を踏まえ、東京都は国の通知に沿い、インフレスライド条項が適用される積算対象項目をこれまでよりも広く捉え、新しく積算対象に加えることで物価高騰への対策を講じています。他区においては、同様の対策を講じている区もあると聞きます。中野区においても、インフレスライド条項が適用される積算対象項目を広く捉え、現下の物価高騰への対策を講じるべきと考えますが、お伺いいたします。
また、インフレスライド条項は残りの工期から適用が判断されます。積算対象項目の見直しや実施の時期が遅くなれば、おのずと対象となる事業が減ります。区は、インフレスライド条項が適用される積算対象項目を早期に見直すべきと考えますが、実施の時期についても区の考えを伺います。
来年度の令和6年度の当初予算の編成においては、新たな積算対象項目を加えた上での予算額の積算となることが望ましいと思いますが、可能であるのか、伺います。新しい設計労務単価の改定は、例年2月頃行われます。この新しい設計労務単価の予算への反映方法は、例年は補正予算での対応となっていますが、区は来年度の予算編成への反映方法をどのように考えているのか、併せてお伺いいたします。
区が発注する委託契約には、スライド条項の適用がありません。しかしながら、区との委託契約の内容には約款第9条の2、双方の協議に基づく項目が盛り込まれており、当初の事業計画からかけ離れた金額については協議が成り立つと考えます。年度当初の想定されていた資材や人件費からかけ離れた物価高騰の影響については、中野区は一定の配慮を講じるべきであるとも考えます。お伺いをいたします。
さらに、来年度の令和6年度の予算積算においては、原則補正予算での対応がない委託契約についてはなおのこと、高騰した資材や人件費の積算を当初予算へしっかりと反映させ、中野区として適正な予算積算とすべきと考えますが、お伺いをいたします。
物価高騰の支援策を講じることはあっても、しわ寄せを事業者に押しつけることのないよう区の対応を求め、この項の質問を終わります。
次に、防災対策について伺います。
世界的な異常気象による大規模な自然災害は、甚大な被害の爪痕を残しています。我が国においても、連日の気象記録の更新となる猛暑が続きました。気象庁の検討会は、歴代と比較しても圧倒的な高温で異常気象だと言えると結論付けています。数々の災害により被災された皆様に、この場をお借りしお見舞いを申し上げますとともに、早期の復興を御祈念申し上げる次第です。
さて、中野区の防災対策の全ては地域防災計画に集約されています。一昨年の令和3年に中野区地域防災計画第42次の改定が行われましたが、この改定に際し、災害による避難者の区分が、避難所での避難者、要配慮者、帰宅困難者の三つの区分のみとなっており、災害時、大多数の区民が対象となる在宅での避難者の区分がないこと、在宅避難者への支援の在り方を検討すべきであると述べてきたところです。先日の危機管理対策等調査特別委員会において、令和4年5月公表の首都直下地震等における東京の新しい被害想定や対策とともに、中野区の在宅避難者への対策の現状と課題の報告がありました。在宅避難者への対策が一歩進んだことを評価するところです。
東京都が新たに取り組む在宅避難者対策としての「東京とどまるマンション」についての報告もありました。施策の内容は、停電時における水道やエレベーターの非常電源の確保策やマンションとしての防災対策を取りまとめ、登録した場合、防災備蓄物資の助成が受けられるというものです。避難所に行かなくても自宅での生活再建が可能となるようにマンションごとの取組を推進することは、マンションでの避難者の支援だけでなく、自宅での生活再建が困難な避難所での避難者の生活環境の改善にもつながります。現在のところ、中野区として「東京とどまるマンション」の登録はないと聞きますが、不動産の関係事業者の方々の御協力を仰ぎながら区として積極的に周知を推進すべきと考えますが、お伺いをいたします。
さらに、東京都の取組の後押しとなるように、区として、停電時の水道やエレベーターの電源確保についての支援やマンションとしての防災対策の取りまとめの支援、また、防災備蓄物資購入費についての都の上乗せ助成など、さらなる支援制度の検討をすべきと考えますが、お伺いをいたします。
現在、防災対策については、「中野区マンション防災パンフレット」と称したマンション共用部への掲載も見込んだチラシが製作されていますが、日頃の備えへの注意喚起が主となっています。マンションにおける在宅避難の取組が一層進むように、防災対策、支援策、情報提供など、さらなる充実を図るべきと考えますが、お伺いをいたします。
災害時、自宅の倒壊を免れ、生活再建が可能な在宅避難者であっても、水や食料、生活支援物資の提供が受けられないことから避難所へ被災者が集中することが予想されます。そのため、在宅での避難生活を支えるためには的確な情報提供が大事であると述べてきました。現在、区においては、町会単位における情報周知方法として電子掲示板アプリ「ためまっぷなかの」の活用推進を行っています。「ためまっぷなかの」の利点は、例えば最寄りの避難所に限定した最新の情報を把握することができます。該当する避難所での水や食料、生活支援物資の提供体制の情報などを、区内一斉一括の情報提供体制ではなく、情報を欲する人に絞り込み、ピンポイントに伝えることが可能となります。日常の町会活動のツールとして推進しているアプリでもあり、災害時の活用を推進すべきと考えますが、伺います。
次に、災害時の区の情報周知方法は様々ありますが、文字や映像による情報周知方法として、地域防災計画にはデジタルサイネージ(大型の電子掲示板)の活用が記載されていますが、これまで設置・活用は進んでいません。民間により設置されたデジタルサイネージの活用を検討し、平時、災害時の情報提供ができるように区として交渉を進めるべきと提案してきたところです。区の情報周知に資するデジタルサイネージの活用について、現在の取組状況を伺うとともに、今後のさらなる取組について伺い、この項の質問を終わります。
次に、高齢者等の見守りについて伺います。
中野区における高齢者等の見守りである緊急通報システムは、重度の身体障害者や要介護度の重い方だけでなく、65歳以上のひとり暮らし等の高齢者の方であれば誰もが利用できるように、東京都の制度を活用した制度設計を提案・実現してきたところです。体調が優れないときでも安心の見守りとなるように、無線発報ペンダント、見守りセンサー、火災センサーの三つの安心から成るシステムを導入しています。利用料は、日常の見守りの必要度と所得水準の組合せからなる月額300円から、高くても1,300円の4段階の料金体系となっています。これまで、この緊急通報システムを利用するためには固定電話回線への加入が必須の条件となっていましたが、都の事業要綱には必ずしも固定電話回線が必要となっていないこと、また、もはや携帯電話が主たる通信手段となり、固定電話回線の加入者が減り続けている現状からも、固定電話回線を必要としない新たな見守りとなる緊急通報システムを検討すべきと訴えてきました。
このたび、固定電話回線を加入条件としない新しい緊急通報システムが導入できたことは大いに評価するところです。改めて、固定電話回線を加入条件としない新しい緊急通報システムについて、制度の概要をお伺いいたします。区のホームページの緊急通報システムの案内を拝見しても、従前の制度との違いがあまりよく分かりません。分かりやすく周知すべきと考えますが、お伺いをいたします。
固定電話回線ではない携帯電話回線などの見守りが可能となれば、スマホやスマートウォッチなどウェアラブル機器の活用が可能となり、これまでにない個々の救護体制の検討が必要となりますが、自宅のみならずいつでもどこでもの見守りや、緊急時のみならず日常の健康管理も可能となる次世代型の緊急通報システムの可能性が見えてきます。東京都では、令和4年度から高齢者の健康づくりに資するスマートウォッチ等のデジタル機器活用事業の検討・検証が行われています。本年度は詳細分析とプロトタイプのアプリの開発が行われ、来年度は実証運用、令和7年度は実用化を目指すとしています。日常の健康管理が主な取組となっていますが、中野区においても、来年度の実証運用、令和7年度の実用開始に向け参画の検討を進めるべきと考えますが、お伺いをいたします。
高齢者や障害者、見守りを必要とする方々へのさらなる安心の施策向上を願い、この項の質問を終わります。
次に、新庁舎における障害者施策についてお伺いをいたします。
障害者団体の方々から、新庁舎に、利用できる使いやすいバリアフリートイレ、多目的トイレの整備についての御要望をお伺いいたしました。大人用のおむつ替えができる大きなベッドの設置や、大型の特殊車椅子の使用者でも取り回し、無理なく旋回ができるトイレの設置を望むお声です。
2006年に制定されたバリアフリー法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)によって様々な施設に多目的トイレの設置の義務化がされていますが、この建築設計基準を満たすことは必要最低限のことであり、障害者が本当に利用できる使いやすい多目的トイレにはまだ開きがあります。建築設計基準上は、車椅子が旋回できるようにトイレの内法寸法を200センチ掛ける200センチ確保することや、入り口の有効幅を80センチ以上、90センチ以上が望ましいなど様々な基準がありますが、新庁舎に設置されるバリアフリートイレ、多目的トイレは障害者が利用できる使いやすいトイレとなるように設置を求めてきたところです。新庁舎に設置されるバリアフリートイレはどのような仕様となっているのか、お伺いをいたします。
また、区役所の閉館日であっても、バリアフリートイレの使用開放が可能なセキュリティーの動線確保がなされているのか、お伺いをいたします。
さらに、新庁舎におけるバリアフリートイレは、先駆的なモデルケースとなるように、障害者団体など当事者からの細かなお声を酌み上げながら整備していると聞きますが、これから進む中野駅周辺の再整備においても模範となるように、今後とも利用者の声を聞きながら検討を進めていただきたいと願いますが、お伺いをいたします。
次に、新庁舎における障害者雇用について伺います。先般、新庁舎の委託管理の事業者募集が行われ、選考中であるとお聞きします。区職員の障害者の法定雇用とは別に、区が発注する事業や区有施設の委託管理契約においては、積極的に障害者雇用に取り組むべきと考えます。特に、新庁舎等の区有施設における障害者雇用の取組について、区の考えをお伺いいたします。
次に、学校の建て替えについて伺います。
中野区においては、区立小・中学校の統廃合を伴う学校の建て替えの計画が進み、統廃合を伴わない単独での小・中学校の建て替えが進んでいる現況です。この学校の建て替えについて、区立小・中学校に通う子どもたちが等しい教育環境で学べるように区は取り組むべきであると考えます。これまでは、学校の適正規模、適正配置というときには、学級数や人数、通学区域について論じられてきましたが、等しい教育環境、児童や生徒数に見合う学校施設の規模、標準仕様についてお伺いをいたします。
区立の小・中学校には、校舎や校庭、運動場について、児童や生徒数から導かれる設置基準があります。設置基準に満たない狭い運動場を持つ学校施設については、区として設置基準を満たすように、学校施設の拡張等、中長期の視野から隣地の取得を目指すなど推進すべきではないでしょうか、お尋ねをいたします。
あわせて、簡単ではありませんが、学校の通学区域の変更による児童・生徒数の人数調整の方法も等しい教育環境の整備のために取り組む必要があると考えますが、お伺いをいたします。
また、必要最低限の設置基準とは別に、さらに上の基準として、学級数から導かれる国庫負担の基準というものがあります。国庫負担の基準についても、基準に満たない施設については、区としてこの基準を満たすように努めるべきです。一方、国庫負担の基準を大きく上回り、他の学校施設と比べた場合、大規模な施設設計となっている学校が見受けられます。子どもたちの教育環境に大きな差を生じさせるような取組は区として慎むべきであり、教育環境の差を生じさせた責任は区にあるとさえ考えます。区として、学校の建て替えにおける適正な基準、標準仕様の範囲を明示すべきと考えますが、お伺いをいたします。
また、国庫負担の基準を上回る学校の建て替え費用については、国の公費助成の対象外となり、区の単独事業となります。財政面からも対象面積を明らかにするとともに、検証が必要であると考えますが、区の考えを伺います。
また、建て替えられた新しい区立の小・中学校の施設や整備について、区は十分な検証が行えていないと考えます。新型コロナの感染対策によって久しく学校にお邪魔できませんでしたが、最近は学校施設や学校設備についての御相談を多々お伺いする機会が増えました。一例ですが、日陰のない屋上プールでは、子どもたちの体調管理の問題に加え、プールの水温が上がり過ぎて授業に支障を来すため、水道水でうめて水温を下げてから使用していること、設計設備上の問題から外に出られないベランダとなっている、図書館の貸出しカウンターに座ると子どもたちの様子が見えなくなってしまう、児童・生徒のクラス人数に満たない座席数しかない図書室、掃除のちり取りより小さい間口のごみ箱、購入したほうきが入らない掃除用具のロッカー、さらに、不要と思われる自動ドアやエレベーター内の液晶モニター、廊下の教室側にしか設置されていない電源タップにより廊下をまたぐ延長コードが必要となる電源配置等々、たくさんの御要望、御相談をお伺いいたしました。建て替えられた新しい学校の一番の利用者である児童・生徒である子どもたちや教職員への聞き取りや調査等を行い、評価がよかった点や、反対に評価が悪く不必要・不便な施設や設備を洗い出し、次の学校の建て替えに引き継ぐ貴重な財産を積み重ねる制度をつくるべきと考えますが、区のお考えを伺います。
小・中学校の建て替えの学校数が増えていくごとに、よりよい教育環境の施設となることを願い、この項の質問を終わります。
次に、がん対策についてお伺いいたします。
初めに、胃がん検診について伺います。
胃がんの検診の充実については、従来から実施している胃部エックス線検査(バリウム検査)に加え、胃内視鏡検査の導入を求めてまいりました。早期発見から早期の治療を行うため、区の胃がん検診においても精度の高い検診を導入し、区民の健康を守る取組を推進すべきと訴えてきたところです。この間、新型コロナ禍の中ではありましたが、区の胃がん検診に胃内視鏡検査が導入され、受診できる対象者の拡充も行われてきました。改めて、胃内視鏡検査の導入や対象者の拡充についての説明を求めます。
令和5年度における胃内視鏡検査の受診対象者は、50歳から69歳までの区民です。胃がん検診は隔年実施のため、前年度に胃がん検診を受診していない方が対象となり、胃部エックス線検査と胃内視鏡検査のどちらかを選べるものとなっています。ちなみに自己負担金は、胃内視鏡検査は2,000円、胃部エックス線検査は1,000円となっています。胃部エックス線検査の対象者は、40歳以上の全ての区民が対象となっています。バリウムを服用し、レントゲン撮影のために体を大きく傾ける必要があり、加齢等により検査に耐えられない方も多くおられます。一方、胃内視鏡検査については、加齢により胃の内部に内視鏡を入れることが難しくなることもありますが、対象年齢が50歳から69歳だけでは狭過ぎると考えます。胃内視鏡検査の対象年齢をさらに拡充し、区民の健康に資する胃がん検診とすべきと考えますが、お伺いをいたします。
次に、がん検診全体の取組について伺います。
中野区のがん検診は、大腸がん検診、子宮頸がん検診、乳がん検診、胃がん検診、胃がんハイリスク検診を行っています。現在、40歳以上75歳までの国民健康保険に加入している方には特定健診の受診券が、75歳以上、後期高齢者医療被保険者証をお持ちの方には長寿健診の受診券が、対象者全員に受診券が郵送されています。一方、35歳以上39歳までの区民と40歳以上の生活保護受給者の方は健康づくり健診の対象となっていますが、こちらは申込みをしなければ受診券は送付されず、2回連続で健診を受診しなかった場合は受診券の郵送が停止され、もう一度申込みが必要となっています。それぞれのがん検診の案内については、健康づくり健診と同様に申込みをしなければ受診券は送付されず、2回連続で健診を受診しなかった場合は受診券の郵送が停止され、もう一度申込みが必要となっています。
中野区は、がん検診の受診率の向上を掲げていますが、改めて、その目標と現在の達成状況を伺っておきます。これまで、40歳以上の特定健診、75歳以上の長寿健診の受診率の向上のために、区は受診券を直接郵送する方法を推進してきましたが、その効果をどのように評されているのか、お伺いいたします。がん検診の受診率向上のためにも、申込みを必要としない受診券の直接送付や、2回連続の未受診者には受診券の発送を停止する措置は見直すべきと考えますが、お伺いをいたします。
区民の健康に資する、よりよいがん検診となることを求め、この項の質問を終わります。
次に、その他で1点、区民活動センター等の施設の貸出しについてお伺いいたします。
中野サンプラザの改装やWEST53rd(旧日本閣)の閉館、さらにZEROホール西館の改修工事等が重なり、宴会場が確保できない、区有施設の予約が取れないとの御相談をたくさんお受けするようになりました。区民活動センターの集会室の利用については、運営委員会ごとに運営方針やルールが定められており、特に飲食を伴う利用については様々な取扱いがされていると聞きます。区民活動センターの集会室の有効活用や、区民が利用しやすい運営となるよう検討していただきたいと考えますが、お伺いをいたします。
以上で、私の全ての質問を終わります。御清聴、誠にありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 白井議員の質問にお答えいたします。
初めに、物価高騰対策について、低所得世帯を対象とした給付対象の拡充についてでございます。令和5年6月1日現在、中野区の住民基本台帳に登録されている令和5年度分の住民税均等割のみ課税世帯及び世帯全員の課税所得の合計が150万円未満の世帯を新たな給付対象者とするということでございます。給付金額は、1世帯当たり3万円を予定しております。
次に、キャッシュレス決済ポイント還元事業についてです。本年12月に実施するキャッシュレス決済ポイント還元事業は、還元総額4億5,000万円、還元率は、中小事業者は20%、大規模事業者は10%、4者のペイメント事業者を対象とするものであります。利用条件などの詳細は、区内事業者と利用者双方にメリットがあることに努めながら、事業者と調整中であります。詳細が決定次第、議会に報告いたします。
次に、価格高騰に伴う給食費相当額の給付金についてであります。給付金は、小学生1人当たり3万円、中学生は3万7,000円を想定しております。事務経費は、給付金支給業務を外部委託するための経費として9,847万円、振込手数料や郵送料などを含めた合計は1億507万3,000円の見込みであります。
次に、各事業所等への支援内容についてでございます。支援内容としては、各施設1年分、もしくは東京都の補助対象となっている施設については令和5年度の下半期における光熱費や食材料費、燃料費の支援を想定しているところであります。私立幼稚園や保育所、助産所につきましては、光熱費と食材料費の物価高騰相当分を各施設へ支給し、介護サービス事業所と障害福祉サービス事業所におきましては、光熱費に加えて燃料費や食材料費の物価高騰相当分を各施設へ支給することを予定しております。
次に、インフレスライド条項の今後の運用です。スライド額の算定につきましては、品目や材料価格、賃金変動の実態把握に努め、物価高騰に的確に対応するとともに、運用方針の見直しも検討します。
次に、インフレスライド条項への対応に伴う予算です。インフレスライド条項への対応は、例年2月公表の新たな公共工事設計労務単価に基づき積算をすることから、補正予算での対応をお願いしたいと考えております。
次に、物価変動に伴う委託契約の契約変更でございます。委託契約における契約金額の変更につきましては、物品共通標準約款によって、経済情勢の激変によって当初の条件による契約履行が困難になった場合等において区に申し出ることができると規定しております。ただし、物価変動のリスクは両当事者が負っているものでございます。また、競争入札やプロポーザルによって価格競争を行った結果の契約金額であるということから、契約締結後の金額変更は原則として行うものではないと考えております。
次に、高騰した資材や人件費を反映した予算の積算についてであります。資材や人件費の高騰につきましては、区として留意しているところでございまして、これまでも補正予算を編成するなど、適切に対応してきたところであります。令和6年度予算編成においても、資材や人件費の高騰などの社会情勢の変化に対して適切に対応し、必要な行政サービスの提供に向けて取り組んでまいります。
次に、防災対策についての項で、初めに「東京とどまるマンション」制度の周知についてです。「東京とどまるマンション」の登録につきましては、8月31日時点で東京都全体で34件、中野区ではゼロ件でございます。今後は、既存のマンション防災会や不動産関連事業者に対して制度の周知を推進してまいります。
次に、「東京とどまるマンション」の登録支援についてであります。区としては、まずは東京都の「東京とどまるマンション」の登録要件の一つである防災マニュアルの策定や防災訓練の実施、災害時の連絡体制の整備などの支援を推進してまいります。
次に、在宅避難対策の取組についてでございます。これまで在宅避難につきましては、中野区民防災ハンドブックや中野区マンション防災パンフレットによって普及啓発を図ってきたところであります。今年度は、さらに中野区マンション防災パンフレットを刷新し、マンションにおける在宅避難の取組を一層推進してまいります。
続きまして、「ためまっぷなかの」の災害時活用についてでございます。「ためまっぷなかの」につきましては、エリアを限定した情報提供が可能であるということから、災害時の活用についても検討してまいります。
次に、デジタルサイネージの活用についてです。民間によって設置されました駅前のデジタルサイネージの活用につきましては、帰宅困難者対策をはじめ、被災者への情報提供に重要と考えております。現在設置されている駅前のデジタルサイネージにつきましては、平常時に事前に決められた時間に情報を流すことは可能でありますが、災害時に突発的な情報を流すということはできないと聞いております。デジタルサイネージの設置場所も増えていることから、新たな設置者と協議をするなど、災害時に活用できるデジタルサイネージを研究してまいります。
次に、高齢者等の見守りについてで、緊急通報システムについてでございます。緊急通報システムは、独り暮らし高齢者や重度身体障害者の方などを対象に、緊急時の通報によって救助活動につなげるサービスでございまして、令和5年度からは固定電話回線がなくても利用ができるように改善をしたところであります。これまで固定電話回線がないことで断念していた方も利用できるようになりまして、申請件数も増加傾向にございます。窓口となっている地域包括支援センターにおいて、利用しやすくなったことも含めて、さらなる周知に努めてまいります。
次に、デジタル機器を活用した高齢者等の見守りについてでございます。東京都ではスマートウォッチ等を活用した高齢者の健康増進のためのアプリの開発を進めておりまして、令和6年度はデータの収集等に協力した自治体による実証運用が行われていると聞いております。区では、サービス展開の可能性を見据え、都の開発動向を把握するとともに、民間サービス等の情報収集も行ってまいります。
続きまして、新庁舎における障害者施策についてで、新庁舎の多機能トイレの使用についてでございます。新庁舎の多機能トイレは、地下1階から地上11階までの各階に設置をする計画であります。多機能トイレにつきましては、各フロアを訪れる来庁者の性質に応じて、ベビーチェアやベビーシートのほか、ベッドやオストメイト等の器具を設置する予定であります。入り口の有効幅は法令等の基準以上を確保し、多機能トイレ内及び入り口前の廊下は車椅子の回転に支障がないようゆとりある計画としております。
次に、閉庁日における多機能トイレの利用です。新庁舎では、原則、閉庁日であっても午前8時半頃から午後9時半頃まで1階出入口を開放する予定でございまして、この開放時間中は1階の多機能トイレを利用可能な計画としております。
次に、多機能トイレの検討についてでございます。新庁舎の多機能トイレの整備に当たりましては、関係団体に意見を聞きながら検討を行ってきたところでありまして、大型の多目的ベッドや音声案内設備の設置など、様々な機能を整備する計画としております。引き続き様々な意見を取り入れながら検討を進めていくことともに、開庁後も必要に応じ継続的に改善も図ってまいりたいと考えております。
私からは最後に、障害者雇用を促す取組についての御質問です。企画提案公募型事業者選定や総合評価方式、一般競争入札による受託者の選定におきまして、障害者の雇用状況を評価点の一つとして公表し、障害者の雇用を促しているところであります。新庁舎の総合管理業務委託の契約交渉順位第1位の事業者におきましては、現時点で法定雇用率を超える障害者雇用を行っていることを確認しているところであります。今後区が発注する事業や委託契約における障害者雇用の在り方についても、改めて検討してまいります。
〔教育長入野貴美子登壇〕
○教育長(入野貴美子) 学校の建て替えについての御質問にお答えをいたします。
初めに、設置基準に満たない学校の拡張についてでございます。学校敷地の隣接地を取得し拡張することは、子どもたちが広々と活動できる環境を整備することにつながり、教育環境の確保の観点から有用と考えております。小・中学校設置基準に定める運動場の面積につきましては、原則最低基準を定めるものでありまして、地域の実態その他により特別な事情等がない場合には当該基準より下回った状態にならないように努めなければならないものでございます。学校の拡張用敷地取得につきましては、拡張用地の立地状況や活用方法、財源に加えまして、設置基準につきましても重要な要素として総合的に検討してまいります。
次に、通学区域の変更についてでございます。通学区域の変更は、地域との関わりや児童・生徒の教育環境に大きな影響を与えると考えておりまして、現時点では想定してございません。また、学校の教育環境につきましては、学校間に大きな差異が生じないように配慮してまいります。
学校改築の適正規模についてでございます。区では、学校改築に伴い、改築校の現在の児童・生徒や今後の将来推計、必要とされる各機能を基に学校の規模を見積もっておりまして、区として適正な設計に努めているところでございます。改築校で求められる諸室の数や面積など、区としての小・中学校の適正規模につきましては、今後の小・中学校施設整備計画に明示することを検討してまいります。
次に、学校改築に関わる国庫負担対象面積の明示についてです。公立義務教育諸学校等の整備を促進するために、学校の建設に要する経費の一部を国は負担しております。学級数を基礎として、校舎及び屋内運動場の学級数に応じた必要な面積を定めております。区の学校改築に当たりましては、建築時の学級数から求められる必要面積までが負担金の対象経費となります。それ以上の面積につきましては負担金の対象外の事業となります。学校改築に関わる延べ床面積のうち国庫負担の対象となる面積につきましては、区として把握しておりまして、その明示の方法や時期を含めて検討してまいります。
最後に、改築した学校の意見の新校設計への反映についてでございます。改築した学校の各仕様につきましては、教職員等から日常のコミュニケーションの中で、使い勝手や不具合等を含め様々な御意見が寄せられておりまして、これらの意見を新校設計に順次反映しております。改築した学校の児童・生徒や教職員の意見の聞き取り等につきましては、その実施方法や実施時期を含め検討してまいります。
〔保健所長佐藤壽志子登壇〕
〇保健所長(佐藤壽志子) 私からは、がん検診についての御質問にお答えいたします。
まず、胃内視鏡検査についてですが、国は平成28年2月にがん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針の胃がん検診に内視鏡検査を追加いたしました。区は、中野区がん検診精度管理連絡会において検討を行い、令和2年12月から内視鏡検査を開始したところです。胃がん内視鏡検査は、受診対象年齢を50歳から59歳までとして開始いたしましたが、それまでの実績を鑑み、令和4年度からは受診対象者年齢を69歳までに拡充し、現在の50歳から69歳までとしております。
次に、胃内視鏡検査の対象年齢拡充についてのお尋ねですが、国のがん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針において、特に推奨する対象は50歳以上69歳以下の者となっております。がん検診精度管理連絡会で胃内視鏡検査の実施に向けて検討を行った際、70歳以上の方の内視鏡検査における循環器リスクの発生について安全性が確保できないという意見があり、対象を69歳までといたしました。区としては、現在この年齢を変更することは考えておりません。
次に、がん検診の受診率についてのお尋ねですが、区は、平成30年3月に中野区国民健康保険保健事業実施計画(データヘルス計画)を策定し、その中で令和4年度のがん検診受診率は29%を目標としておりました。令和4年度のがん検診受診率の実績は約18%であり、目標を下回る結果となっております。
次に、国保特定健診等の受診率についてですが、区が国保特定健診について設定している令和3年度の受診率の目標は41%で、確定している令和3年度の実績は約38%でした。長寿健診の受診率については目標値を設定しておりませんが、令和3年度の受診率の実績は約42%でございました。国保特定健診については僅かに到達できておりませんが、対象者全員に受診券を送付していることは一定の効果があったものと考えております。
私からの最後に、受診券の送付についてのお尋ねですが、がん検診については、勤務先で検診を受けられる方など区の検診案内が不必要な方が一定程度おり、限りある財源の有効活用の観点から、必要とされる方のみに受診券を送付しております。受診券の送付方法については、費用対効果も考慮しながら引き続き研究してまいります。
〔地域支えあい推進部長石井大輔登壇〕
○地域支えあい推進部長(石井大輔) 私からは、その他の区民活動センターの飲食を伴う利用についての御質問にお答えいたします。
区民活動センターの集会室につきましては原則飲食禁止としておりますが、利用している様々な団体から飲食を伴う活動をしたい旨の相談を受けております。飲食を伴うことでコミュニケーションが増し、公益活動の活性化につながると考えられることから、飲食を可能とする方向で利用規程を見直し、各区民活動センター運営委員会で定めている運営ルールとすり合わせた上で運用を開始してまいります。
○議長(酒井たくや) 以上で白井ひでふみ議員の質問は終わります。
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後3時30分休憩
午後3時50分開議
○議長(酒井たくや) 会議を再開いたします。
この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 広 川 まさのり
1 中野区実施計画について
(1)子育て支援について
(2)防災・災害対策について
(3)高齢者支援について
(4)その他
2 平和事業について
3 新型コロナ対策について
4 区有施設の跡地活用について
5 その他
○議長(酒井たくや) 広川まさのり議員。
〔広川まさのり議員登壇〕
○17番(広川まさのり) 2023年第3回定例会におきまして、日本共産党議員団の立場で一般質問を行います。
まず初めに、中野区実施計画について伺います。
2021年9月、中野区基本計画が策定され、先般、基本計画の後期となる2023年度から2025年度の取組を具体化する中野区実施計画の策定に向けた中野区実施計画(骨子)が示されました。骨子において新たな展開を検討中の主な事項の中で、子どもの権利に関する条例の推進は、子どもオンブズマンの活動など条例制定を受けた取組が始まっており、さらなる普及啓発が求められます。ヤングケアラー支援については、実態とニーズの把握とともに、ヤングケアラーを生み出さない環境づくりを早急に進めていく必要があります。これら重点プロジェクトへの新たな位置付けを評価するとともに、施策の展開に期待します。
まず初めに伺います。来年3月の中野区実施計画の策定に当たって、今後、議会での議論や意見交換会、意見募集、パブリック・コメント手続が行われます。誰一人取り残されることのない中野の実現につなげていけるよう、寄せられる声に真摯かつ柔軟に向き合うべきと考えます。区の見解を伺います。
今回、一般質問に当たり、実施計画の期限となる2025年度までに実現すべきと考える具体的な施策について提案・要望させていただきます。
まず、子育て支援について伺います。
厚生労働省が今月8日に発表した7月の毎月勤労統計調査によると、実質賃金が前年同月比2.5%減少、16か月連続のマイナスとなりました。総務省が発表した7月の家計調査では、教育費が19.8%減少、中でも学習塾や予備校などの補習教育費は39.5%減少しており、家計のやりくりの中で子どもへの影響が深刻化しています。税制の不備と不均等な社会保障の給付によって子育て世代全体の経済的負担が重くなっているのが実態であり、所得によって区別のない支援が求められています。そうした中、学校教材費の一部補助など、所得制限なく取り組むことを評価するとともに、さらなる施策の展開を求め、3点伺います。
1点目に、入学時期の負担軽減について伺います。
本来は無償であるべき義務教育において、入学する段階で大きな負担が生じます。今年度、新宿区は入学時の負担を軽減するために、小・中学校に入学する児童・生徒を対象に入学祝い金制度を創設しました。小学生には5万円、中学生には10万円を公立・私立問わず支給します。所得制限はありません。中野区では、就学援助制度において、小・中学校に入学する対象の新1年生に対して新入学学用品費を支給しており、今年度、新小学1年生で全体の約13%、新中学1年生で24%の児童・生徒を対象に支給されました。一方で、対象とならない所得層でも、長引く物価の高騰の影響でじりじりと家計が厳しくなっており、入学前の時期に負担が大きくなります。そこで、中野区としても、小・中学校へ入学を控える児童・生徒がいる家庭に対して所得の壁をなくした負担軽減策に踏み出すべきと考えます。区の見解を伺います。
2点目として、学校給食費について伺います。
学校給食費の負担は、本来、国が全国一律に行うべきものです。しかし、この物価高騰下で23区でも独自の実施が広がる中、中野区においても、今年度下半期、実質の学校給食無償化の考えが示されたこと、会派としても大きく評価します。
今年6月、政府は、次元の異なる少子化対策として、こども未来戦略方針を閣議決定しました。その中で、学校給食費の無償化の実現に向けて、まず学校給食費の無償化を実施する自治体における取組実態や成果・課題の調査、全国ベースでの学校給食の実態調査を速やかに行い、1年以内にその結果を公表する、その上で、小・中学校の給食実施状況の違いや法制面等も含め課題の整理を丁寧に行い、具体的方策を検討すると記されています。今全国に広がる学校無償化の取組が、ようやく国を動かしつつあります。
そこで伺います。中野区における10月からの給食費相当の支援は物価高騰対策として今年度のみとのことですが、国の学校給食全国実態調査が行われるところであり、物価高騰からの回復も見通せない中で、来年度についても延長すべきと考えます。区の認識を伺います。
3点目として、給付型奨学金制度について伺います。
中野区実施計画(骨子)において、新たな展開を検討中の主な事項に生活実態を踏まえた高校生年代への支援の推進が記載されています。日本の高等教育への公的財政支出は、OECD加盟国の半分以下、最下位クラスが続いています。その結果、この50年で国立大学の学費は50倍、私立大学は10倍となりました。2000年代に入ると有利子奨学金が急増し、奨学金の貸付総額が15年で倍増し、10兆円近くにまで膨れ上がっています。奨学金は貸付制が中心のため、学生の3人に1人が平均300万円の借金を背負って社会に出ることとなります。政府が2020年から導入した修学支援制度は、条件が厳しく実情にも合わないため、全学生の1割しか対象にならず、予算の4割に当たる2,000億円は余らせる欠陥制度と言わざるを得ません。全国大学生協連調査によると、保護者からの仕送りは1980年以降最少となっており、日常的にアルバイトをする学生は全学生の4分の3を占めています。そこで、こうした重過ぎる高等教育費負担の現状について、区の認識を伺います。
足立区が今年度から始めた給付型の奨学金が注目されています。学業成績は優秀でありながら経済的な理由により就学が厳しい人を対象に、入学金や授業料など費用を全額給付します。区によると、これまでの貸付型の奨学金を行ってきたものの、申請が減少していたことから、アンケートを実施、貸付は厳しいとちゅうちょする声が多く、給付制に切り替え、不安なく学業を全うできるよう足りる金額を設定したとのことです。今年は40人の定員に対し、316人の応募がありました。
この足立区の給付型奨学金の主な財源となっているのは、中野区にも分配されている特別区競馬組合からの分配金です。ここ数年において分配額は急上昇しており、今年度予算説明書によると6億円となっています。足立区のスキームを参考に、これまで財政調整基金の積立てに回してきた特別区競馬組合分配金を活用すれば、中野区としても新たな給付型奨学金制度を創設できるのではないでしょうか、区の見解を伺います。
次に、防災・災害対策について、全区的な施策として3点伺います。
1点目に、感震ブレーカーについて伺います。
東京都が昨年5月に発表した首都直下地震の被害想定では、冬の夕方、風速8メートルの下、マグニチュード7.3の直下地震が発生した場合、都内だけでも11万2,000棟が焼失し、死者6,148人のうち40%以上の2,482人が火災で亡くなると想定されています。地震の揺れを感知して電源を遮断する感震ブレーカーの普及は喫緊の課題です。都は、初期消化率を向上させた上で感震ブレーカーの設置率を50%に高めると、首都直下地震の火災による焼失棟数、死者数いずれも9割近く減らせると試算しています。しかし、都内全域の感震ブレーカーの設置率は、2020年度時点で8.3%にとどまっています。
まず伺います。中野区として区内の感震ブレーカー設置率を把握すべきではないでしょうか、区の見解を伺います。
今年度、東京都は木密地域を対象に感震ブレーカーの配布を決めました。さらに今年6月、江戸川区は簡易的な感震ブレーカーを都の配布対象地域以外の30万世帯へ無償で提供することを発表しました。区によると、出火を止めるには行政として無償で渡すことが必要、コンセントを差し込むだけなので高齢者にとっても手軽とのことです。中野区では2016年よりあっせんを開始したところですが、直近の購入実績は、2020年度5件、2021年度3件、2022年度1件と低迷しています。あっせんやその周知にとどまっていては設置が進みません。
そこで伺います。中野区においても、設置率の向上に当たって従来のあっせん制度を改め、支給や設置助成といった大胆な施策に転換すべきではないでしょうか、区の見解を求めます。
次に、2点目としてコミュニティFMについて伺います。
7年前、2016年の第1回定例会一般質問で、コミュニティFMについて中野区議会で初めて取り上げました。以来、会派として毎年提出している予算編成に対する要望書においても、コミュニティFM設置の検討を記載しています。コミュニティFMは、地域の活性化に寄与する地域密着型メディアとして1992年に制度化されました。その後、災害時におけるコミュニティFMならではのきめ細かい情報伝達が注目され、次々と放送局が開局しています。最近では、自治体と連携して緊急時にラジオを自動的に起動させる仕組みや、アプリ、AIの活用など、特色ある運用も広がっています。
改めて伺います。区として、まちづくりや災害時の情報伝達に大きな役割を果たすことが期待できるコミュニティFMの設置を検討すべきと考えます。区の見解を伺います。
3点目に、耐震化支援について伺います。
耐震基準は、1981年6月以前の旧耐震基準、それ以降の新耐震基準、さらに2000年6月以降の新・新耐震基準と区別されます。今年3月、東京都耐震改修促進計画が改定され、耐震性が不十分な全ての住宅を2035年度までにおおむね解消し、このうち新耐震基準の耐震性が不十分な木造住宅を2030年度末までに半減するという目標が設定されました。2000年以前に建築された新耐震基準の木造住宅についても、耐震化の支援を開始するとのことです。既に、新宿区などが新耐震基準への支援の幅を拡大しています。
そこで、東京都の取組に合わせて、中野区としても、建築物の耐震対策支援制度の対象を現在の旧耐震基準から新耐震基準へ引き上げるべきと考えます。見解を伺います。
区では非木造住宅の耐震診断助成を行っていますが、実績としては、2020年度1棟、2021年度1棟、2022年度0棟と低迷しています。その要因として、診断しても耐震改修工事などへの助成制度がないことが考えられます。
そこで伺います。都が耐震性の不十分な全ての住宅の解消を掲げる中で、中野区としても非木造住宅耐震化助成に踏み出すべきと考えます。区の認識を伺います。
次に、高齢者支援について2点伺います。
初めに、補聴器購入費助成について伺います。
第2回定例会において、「加齢に伴う難聴を改善するため、補聴器購入費助成等の支援策を求める陳情」が採択をされました。区も助成制度の実現に向けた検討を進めているということで、大きな期待が寄せられています。まず、現在の検討状況について伺います。
補聴器を使い続けるに当たって重要なのは、トレーニングだと言われています。人間の耳は、不要と感じる音を排除したり、逆に意識して聞いたりする処理を脳が行っています。この機能が低下している難聴の方が補聴器を装着すると、一斉に音が入ってきてしまい煩わしく感じて使用をやめてしまう方が少なくありません。そのため、約3か月間、実際に補聴器を使い、微調整を加えながら、本来の聞こえ方に脳をならしていくトレーニングが必要となります。補聴器を聞き取りに十分な音量の7割程度に設定し、起きて寝るまでフルタイムで利用、1週間から2週間に一度くらいの頻度でのチェックを受け、聞こえの改善を確認し調整を加えていくことが、その後の定着につながります。
そこで、区として定着率の向上に資するトレーニングなどに支援策を設けるべきと考えますが、見解を伺います。
次に、2点目として移動支援策について伺います。
高齢者が積極的に外出することによって、本人にとっては身体面や精神面でよい影響がもたらされ、その結果、社会的にも介護費、医療費などの削減、地域活性化や消費拡大などの効果を与えることが期待されています。そうした中、電動シルバーカー、電動カート、シニアカーといった次世代モビリティーを使った高齢者の移動支援策に注目が集まっています。多くの自治体で実証実験が行われており、実証期間中に外出の回数が増加し、社会参加の増加に寄与したという結果が報告されています。
そこで、中野区においても、高齢者をはじめ地域住民の移動支援策として、区内で三輪や四輪の次世代モビリティーのシェアリングを検討するために実証実験を行ってはいかがでしょうか。区の見解を求め、この項の質問を終わります。
次に、平和事業について伺います。
今年7月29日、中野区は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のグローバルキャンペーン「難民を支える自治体ネットワーク」に署名しました。日本では12番目の自治体となります。世界各地で拡大する難民危機を自治体レベルで連携していく取組に期待が寄せられています。まず、平和行政を掲げる中野区として、UNHCRのキャンペーンに参加を決めた思いを伺います。
6月20日は、国連が定める世界難民の日としてUNHCRが難民支援への理解や連帯を呼びかけ、日本でも東京スカイツリーなど各地のランドマークで国連カラーをイメージした青色にライトアップします。UNHCR駐日事務所によると、難民問題を考えることや行動することにつなげてほしいとのことです。
そこで伺います。難民支援に連帯を示す世界難民の日のライトアップや難民問題についての普及啓発の取組を広く行ってはいかがでしょうか、区の見解を伺います。
今年度は、区の新たな取組として、中学生が広島市及び呉市を訪問する「これまでの平和を学び これからの平和を考える旅」が実施されます。平和について深く考える機会となり、大変貴重な取組と考えます。今年度は中学2年生を対象に10名、志望動機等を考慮した上で選考するということですが、平和展示室における事前学習、事後学習、なかのZERO小ホールでの報告会の全てに参加することが条件となっており、ハードルの高さを感じます。そこで、より多くの生徒が参加する機会を得られるよう対象学年の拡大や条件の見直し等を考えてはいかがでしょうか。今年度の応募状況とともに伺います。
中野区では、平和事業を支援するため、区が所有する平和関連の写真パネルなどを区民団体などに対して貸し出す取組を行っています。しかし、一度も更新されておらず、解説の内容が40年近く前のものもあり、時代にそぐわないものとなっています。貸出しも毎年1件のみという状況です。そこで、平和関連の写真パネルのリニューアルと貸出しについての効果的な周知を行うべきと考えますが、区の見解を伺って、この項の質問を終わります。
次に、新型コロナ対策について伺います。
新型コロナの感染拡大が深刻となっており、東京都では今月7日、直近1週間の新型コロナウイルスの定点医療機関当たりの患者報告数を17.01人と発表しました。感染症法上の5類移行後、検査数が減っている下で最多を更新しています。医療現場では入院先の調整が困難になっており、東京消防庁の週当たりの陽性者緊急搬送の件数は第7波のピークを超えました。
そこで、3点伺います。
区民に対し、新型コロナウイルスの感染拡大の状況や医療現場の実態などについて、科学的で正確な情報発信を積極的に行う必要があると考えますが、区の認識を伺います。
重症化リスクの高い高齢者、障害者等が利用する施設の職員等を対象として、集中的、定期的にPCR検査及び抗原定性検査を行い、施設でのクラスターの発生を防ぐ施策を継続できるよう東京都に要望すべきではないでしょうか、伺います。
コロナ後遺症の理解促進や相談・治療体制の強化、生活支援、経済的支援を抜本的に強化すべきではないでしょうか、伺います。9月末までとされている病床確保料の補助やコロナの治療薬、入院費用の公費負担を10月以降も縮小せず実施するよう国や都に求めることを要望し、この項の質問を終わります。
次に、区有施設の跡地活用について伺います。
まず、学校等の区有施設の有効活用について、今年第1回定例会にて、旧上高田小学校などを例に挙げながら、施設ごとにきちんと精査をして暫定利用について検討すべきと会派として取り上げました。その際、閉校した学校施設については利用希望に応えるべく統一的な運用を定める方向で検討を進めていくという考えが示され、スポーツ等の利用については施設の規模や老朽化の状況などを考慮した利用のルールを定めることで有効活用を図っていきたいとの答弁がありました。現在の検討状況、また課題について答弁を求めます。特に、学校施設跡地は住民にとっても貴重な財産です。ぜひ有効的な活用がされるよう改めて求めます。
次に、旧新山小学校跡地について伺います。
全国で毎年450校程度の廃校が発生していると言われています。文部科学省は、2010年度より「~未来につなごう~「みんなの廃校」プロジェクト」を立ち上げ、廃校施設の活用推進や全国の廃校事例の周知に取り組んでいます。長年にわたり子どもの遊び場や地域コミュニティとして存在した学校施設を、地域の実情やニーズを踏まえて有効活用する事例が増えています。学校跡地活用のプロセスに関する研究によると、地域と自治体の共同で検討を行う地域参画が重要とされています。対話や会議による合意形成、ワークショップやコンセプトの立案、社会実験による有効性の確認など、段階を踏んだ検討を地域参画で進めることで、地域にとっても行政にとってもよりよい学校の跡地活用につながる傾向が報告されています。
そこで、中野区としても旧新山小学校の跡地活用の検討プロセスに地域参画を取り入れるべきと考えます。区の認識を伺います。
次に、旧本町図書館について伺います。
2021年10月に閉館した旧本町図書館は、現在、後継施設整備までの間、現施設の有効活用を図るため、フリースクール等を行う事業者に最長5年の暫定貸付が行われています。昨年末、会派として区民アンケートを実施したところ、本町や弥生町にお住まいの方々から本町図書館がなくなったことを惜しむ声が多く寄せられました。長年にわたり地域に愛されてきた施設であったことを改めて実感します。本町図書館の閉館に伴い、本町・弥生町地域の一部が半径1キロに図書館のない、いわゆる図書館不存在地域となっており、地域の文化、生涯学習、居場所、コミュニティの場が求められています。近年、空き施設や店舗を活用した住民主体の図書館や民間と地域住民が結びつき地域に根づいた図書館の運営事例が話題となっており、区としても研究・検討を行うべきと考えます。
そこで伺います。区有施設整備計画では、旧本町図書館の跡地に児童福祉施設、介護・障害福祉施設の誘致を検討するとしています。それ自体を否定するわけではありませんが、今後の活用を検討するに当たっては、暫定貸付けを行っているこのタイミングで、いま一度、住民のニーズを把握し、区有施設整備計画に反映すべきと考えます。
答弁を求め、全ての質問を終わります。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 広川議員の御質問にお答えいたします。
初めに、中野区実施計画についてで、実施計画策定に係る議会、区民からの意見への対応についてでございます。計画策定に当たって寄せられる議会や区民の意見につきましては、真摯に受け止めて検討を進め、実施計画をよりよいものにしていきたいと考えております。
次に、入学祝い金の実施についてです。経済的な理由によって就学支援が必要な児童・生徒に対する就学援助における認定基準及び新入学学用品費につきましては、他区と比較しても同額程度とあるため、適切な支援が行われていると現在は考えているところであります。支援が必要な児童・生徒に対する援助を行えていると認識しているため、所得制限を設けない負担軽減策の実施予定は現在のところございません。
次に、来年度の給食費相当分支援の延長についてでございます。来年度の負担軽減策につきましては、国の動向や物価高騰の状況を踏まえ検討を行ってまいります。
次に、高等教育費の負担と給付型奨学金制度についてでございます。大学、専門学校をはじめとした高等教育費が家計にとって大きな負担となっていることは認識をしているところであります。区は、令和5年1月に東京都立大学が区内の高校2年生の年齢の子どもと保護者を対象に実施をしました生活実態調査に協力したところでございまして、現在、この調査データについて詳細な分析を行っているところであります。当該分析結果を踏まえた上で、高等教育の修学支援を含め、義務教育修了後の若者への支援策について、財源確保の在り方も含めて検討してまいります。
次に、感震ブレーカーの設置率についてでございます。都の2020年度の感震ブレーカーの設置率は8.3%でございますが、自治体ごとの設置率は公表されていないため、区内における感震ブレーカーの設置率については現在のところ把握をしておりません。今後、設置率の調査方法など、他の自治体の事例も研究してまいります。
感震ブレーカーの施策転換についての御質問です。区では感震ブレーカーのあっせんに努めてまいりましたが、令和2年度から現在まで10件のあっせん実績でありまして、効果は低い状況であると認識をしております。感震ブレーカーの支給や設置助成については、先行自治体の設置状況や取組なども研究してまいります。
次に、コミュニティFMの設置の検討についてです。区政情報の発信に当たってはクロスメディアなど工夫して行っているところでありますが、コミュニティFMだからこそ発信できるインフォメーションやリスナーに訴求する情報があると認識をしているところであります。また、災害時にはリアルタイムできめ細かく情報を発信できる点で有効であると考えております。コミュニティFMの設置につきましては、設置場所や資金面など様々課題はあるものの、民間活力の活用も含めて検討をしてまいります。
次に、新耐震基準の木造住宅耐震化支援についてです。区は、旧耐震基準の耐震性が不十分な住宅の耐震化率を令和8年度末までに100%とすることを目標としておりまして、まずは旧耐震基準の住宅の耐震化の促進に取り組む必要があると考えております。都の取組も踏まえ、今後区としての取組についても検討してまいります。
次に、非木造住宅の耐震化助成についてでございます。非木造住宅の耐震診断は、コストも多くかかるため区が助成を行っているところであります。しかしながら、耐震診断により耐震改修等が必要となっても、耐震改修等の助成事業がなく耐震診断の実績にも影響を与えていることから、非木造住宅の耐震改修等、助成の必要性については認識をしているところであります。耐震化促進事業につきましては、事業の効果を見ながら適宜見直しをしていくこととしておりまして、他区の状況も踏まえながら検討します。
次に、高齢者の補聴器購入費用助成に係る検討についてでございます。これまで、医師会の耳鼻咽喉科医を中心とした検討会を2回開催をしております。今後は、販売店との連携体制や補聴器購入後のケアの在り方などを検討していく予定でございます。
補聴器購入後のアフターケアについてでございます。次回の検討会で具体的な検討を行う予定でございますが、先行自治体の事例なども参考として、販売店との連携等によって補聴器を継続的に使用できるような支援を行いたいと考えております。
次に、高齢者をはじめとした移動支援についてでございます。高齢者も利用可能な次世代モビリティーの検討は国内でも各地で進められておりまして、現在区が策定検討中の地域公共交通計画において次世代モビリティーに関する施策を盛り込むことを検討しております。まずは令和5年度中に地域公共交通計画を策定し、その後、事業者等による取組状況を把握するとともに、交通安全等の課題や公・民の役割分担を整理した上で、地域の特性を踏まえ、適切な利用環境等を検討してまいります。
次に、平和事業について、難民を支える自治体ネットワークへの参加についてでございます。本ネットワークは、UNHCRと世界各地の都市、地域との連携強化を目指したものでありまして、国内における自治体においても世界の難民の写真展示等を通じた理解・啓発活動を行っております。このことは、世界で起きている事象などをテーマとした事業を増やし、次世代の参加を促すという中野区の平和事業の趣旨に合致をするため参加をすることといたしました。また、国内で起きている難民に関する課題への対応など、今後自治体間での情報共有などにも活用できるものと考えております。
次に、難民に関する普及啓発の取組についてでございます。10月から平和資料展示室において、UNHCRの支援活動、パネル展を実施する予定であります。次年度の取組は今後検討しますが、世界難民デーである6月20日に合わせたイベントやライトアップなどの普及啓発についても検討してまいります。
次に、平和の旅の実施方法についてでございます。今年度の申込状況は、9月11日時点で4名からの申込みがありました。平和の旅の学習効果を高めるため、事前学習は必須と考えております。次年度以降の実施方法につきましては、本年度の実施結果を踏まえながら検討を重ねてまいります。
最後に、平和事業写真パネルの運用についてでございます。写真パネルに関しては、経年劣化を生じているものにつきましては見やすくなるよう計画的に更新を図ってまいります。また、貸出しにつきましては、ホームページや平和資料展示室において周知しているところでありますが、新たな広報媒体の活用などを検討しながら充実を図ってまいります。
〔保健所長佐藤壽志子登壇〕
〇保健所長(佐藤壽志子) 私からは、新型コロナ対策についての御質問にお答えいたします。
区の感染症の情報発信についてのお尋ねですが、区内の感染症の感染状況を適時に区民に伝えることは区の重要な役割と認識しており、感染症週報を毎週更新して情報発信をしております。一方、入院患者数や病床使用率など医療提供体制の負荷に関わる項目については、広域的な要素もあり、東京都より公表されております。
次に、施設職員等を対象とした集中的検査の延長についてのお尋ねですが、東京都は、高齢者施設、障害者施設等を対象とした集中的・定期的検査の事業について11月まで継続して実施することとしております。今後の事業の継続については、都の動向を注視するとともに、必要に応じて事業の継続を都に要望してまいります。
次に、後遺症への各種の支援についてですが、新型コロナウイルス感染症の後遺症の症状は、倦怠感、臭覚・味覚の障害、せきなど様々であり、区ではホームページ上で情報提供するほか、直接相談にも対応し、必要に応じて都立病院の相談窓口や対応可能な医療機関を紹介しております。後遺症を発症された方を対象とした生活支援、経済的支援は考えておりませんが、生活相談の窓口につなぐなど、関係部署の連携により対応してまいります。
〔企画部長岩浅英樹登壇〕
○企画部長(岩浅英樹) 区有施設の跡地活用についての御質問にお答えをいたします。
初めに、学校跡地の地域利用についてでございます。学校跡地につきましては、具体的な活用に向けて、校舎等を解体するまでの間、避難所や投票所として引き続き使用することを想定をしております。また、これまで学校開放やお祭りなどで利用されていた方につきましても、暫定的に使用できるよう検討を進めているところでございます。
次に、旧新山小学校の跡地活用の検討プロセスについてでございます。旧新山小学校跡地につきましては、具体的な活用方法の検討はこれからでございますが、今後の財政状況を踏まえつつ、区南部圏域の行政需要を見据えていく必要があると考えております。適宜に地域へ情報提供を行いまして、意見交換を行うなど御意見等を踏まえながら、必要な機能や用途などの方向性を検討してまいりたいと考えております。
最後に、旧本町図書館の跡地活用についてでございます。限られた区有地におきまして今後の行政需要を満たしていくためには、区全体として効率的・効果的な施設配置を考えていく必要があるという認識でございます。旧本町図書館の跡地活用につきましては、児童福祉、介護・障害福祉施設のニーズを踏まえて民間施設の誘致を検討しているところでございますが、誘致に当たりましては、地域の交流機能など地域の御意見を踏まえながら検討してまいりたいと考えております。
○議長(酒井たくや) 以上で広川まさのり議員の質問は終わります。
中野区議会議員 内 野 大三郎
1 令和4年度決算について
2 区内の交通安全対策について
(1)自転車事故防止緊急対策について
(2)放置自転車対策について
(3)その他
3 英語教育の充実について
4 その他
○議長(酒井たくや) 次に、内野大三郎議員。
〔内野大三郎議員登壇〕
○16番(内野大三郎) 質問に先立ちまして、9月8日の台風13号、同じ日にモロッコ地震、マグニチュード6.8、また、9月10日にリビア洪水で死者が5,000名以上という自然災害でお亡くなりになった皆様方、そして被災された皆様方に、改めてお悔やみと、そしてお見舞いを申し上げます。
都民ファーストの会中野区議団の立場から質問します。質問は通告のとおりで、その他はございません。
初めに、令和4年度決算についてです。
令和4年度の歳入は、特別区税や特別交付金繰入金などの増により、歳入総額は1,694億円となり、令和3年度と比べると86億円、5.4%の増加となりました。また歳出は、義務的経費の人件費が退職手当の増などにより前年度比4億円、2.2%の増、投資的経費は小・中学校施設整備費の減などにより前年度比68億円、22.7%の減となり、歳出総額は1,623億円となり、令和3年度と比べ79億円、5.1%の増となり、実質収支額が5.5%となりました。この実質収支額が増えた要因について教えてください。
令和2年度から令和3年度にかけて横ばいであった一般財源における特別区税が、今年度は前年度比5.7%増の382億円となりました。その増要因をどのように分析されているのか教えてください。区全体の予算編成へとつなげていくためにも、納税額の増がなぜなのか、どのような要因が増要因なのかを分析するだけでなく、子育て先進区として取り組んできた施策などの結果についても分析する必要があると考えています。
続きまして、区内の自転車対策についてです。
自転車事故防止緊急対策について。来週21日から秋の全国交通安全運動が始まります。しかし、区内の自転車事故が減りません。これまで、私も本会議でも委員会でも様々な場面で、自転車事故関与率の低減についての提案をさせていただきました。中野区交通安全対策協議会では、30を超える団体、50名近くの出席予定者の皆様が、この秋の交通安全運動をより実効的なものにするために毎年会議を行っています。この会議の出席率の推移を教えてください。私も以前委員として出席したことがありますが、非常に出席率が悪かったことを覚えています。協議会の理念や目的などはとてもよいと記憶しておりますので、もっとこの会議体を活性化させるべきと考えていますが、現状を教えてください。
抜本的な対策をいろいろと実施してきたものとは思いますが、区民全員、特に事故率の高い30代から50代への意識付けも必要なのではないでしょうか、区の見解をお聞きします。
放置自転車対策についてです。この問題も以前から課題意識を持って取り組んできました。前区政時代から継続的に中野駅周辺の放置自転車対策をお願いしてきました。今後、サンプラザ区役所の工事が始まると、ますます駅周辺の交通混雑は加速していきます。自転車の安全対策は、事故防止と適正利用とがセットとして捉えられるべきと考えています。今後、駅周辺の工事状況に応じて駐輪場の位置が転々とすることが予想されますが、その周知を徹底していただきたいと思いますが、いかがでしょうか、区の見解をお聞かせください。
その他で2点お聞きします。
東京都と共同で実施している区内のヘルメット助成の実績を教えてください。現状のヘルメット助成事業の予定数量と販売実績について教えてください。もし伸び悩んでいるとしたら、その原因をどのように分析し、今後どのように対策を講じていくかをお聞かせください。
また、スケートボード規制についてもしつこく質問させていただいております。区内の啓発看板を増設しているようですが、新たに設置された場所などございましたら教えてください。スケートボードが規制されている道路交通法上の「交通の頻繁な場所」という文言が規制の仕方を難しくしていると認識しています。中野区なりの定義はしていないと思いますが、分かりやすく一定の基準を示してみることも大切なのではないかと御提案をしておきます。オリンピック正式競技であり、メダリストも日本から輩出しているので、スポーツのルールを遵守するのと同様に、利用できる場所についてもきちんとルール化されるべきであり、まちの皆様との共存はとても大切だと認識しています。中野区内にはスケートボード協会があり、安全な利用についての啓発をするのにはとてもよい相手だと考えています。ぜひとも子どもたちのために協働してもらいたいと考えますが、区の見解をお聞かせください。
次に、英語教育の充実についてです。
新型コロナウイルス感染症については、世界的なパンデミックが収束を見せようとしている中で我が国でも感染症法上の取扱いが2類から5類に引き下げられ、季節性インフルエンザと同等の扱いになりました。同時に、国家間の移動をする人たちがコロナ禍前の勢いに迫っているとも報道されています。実際、日本に訪問する外国人観光客も増加し、また、労働力不足を埋めるため、本年6月9日に閣議決定で、在留資格の特定技能1号の12の特定産業分野のうち11分野にまで特定2号の受入れを認めるものとしました。これは、今後日本で就労する外国人の受入れを拡大するという意思表示とも取られています。ただし、喫緊の課題として労働力不足を埋めるためにはこうした労働力に頼らざるを得ない現状があるとしても、中野区内の外国人居住者と日本人との間に不必要な摩擦が生まれないように、国際交流の視座をしっかりと持つべきであると考えています。
そんな中で、中野区ではニュージーランドとの国際交流事業として、今月ウェリントンの中学生が中野中学校を訪れ、日本の中学校の授業を体験するとのことです。小学生から英語の体験授業をしている今の子どもたちにとっては、ネイティブスピーカーと交流することは、インターネットでも気軽にできるため、さほど抵抗はないものと思われます。しかし、日常的に聞き取りやスピーチをしていない彼らにとっては戸惑いの連続かもしれません。
そこで、まずは国際公用語として一番身近な英語を中心として、区内の小・中学生が日常的に気軽にネイティブスピーカーと交流できる機会を増やしてみてはいかがでしょうか。幸い、英語を母国語としている外国人児童もたくさんいるため、こうした子どもたち向けの交流サロンを設けることで、生の外国語に若いうちから触れられることができると考えられます。
一方で、多文化共生社会の実現を目指す中野にとっては、英語だけでなく様々な言語を外国語として触れ合う機会をつくるべきとも思っております。当然、在日外国人にとっては日本語もその例外ではありません。日本語も含め、諸外国の子どもたち同士で交流をする機会があると、世界に目を向ける子どもたちが中野から世界に羽ばたいていってくれるのではないかと思っておりますが、区の見解をお聞きします。
以上で、私の全ての質問を終わります。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 内野議員の御質問にお答えいたします。
まず初めに、実質収支額の増要因についてでございます。令和4年度決算の実質収支額は、総額64億2,952万9,000円、前年度と比較して3億3,270万9,000円の増となっております。これは、特別区税や特別区交付金が増となり、歳入が5.4%増加した一方で、積立金が増加したものの投資的経費が減少したため歳出が5.1%の伸びにとどまったため、翌年度に繰り越すべき財源を控除しても、なお実質収支額は昨年度よりも増加したものと捉えております。
次に、特別区税の増要因についての御質問です。特別区税が増額となったのは、主に特別区民税の現年度分調定額が増えたからでございます。その主な理由は、納税義務者数が横ばいでしたが、平均給与収入金額が増えたことなどによって1人当たりの所得金額が増額となったということであります。
次に、区内の交通安全対策についてで、交通安全対策協議会の出席率についてのお尋ねです。昨年、中野区交通安全対策協議会の会長、副会長を新たに選任するなど、委員構成の見直しを図ったところであります。その結果、従前は50%程度であった協議会の出席率が、昨年9月以降は80%から90%の出席率となっております。
次に、交通安全対策協議会の現状についてでございます。昨年、協議会の活性化を目的として会議内容の見直しを図り、各団体における交通安全の取組状況や各委員に共有しておきたい事項について事前調査をするなどの改善を実施いたしました。その結果、各委員の発言機会が多くなって、委員の提案で区内の交通環境の改善につながる事例が生まれるなどの活性化につながったと認識をしているところであります。
次に、年代に応じた自転車事故の意識付けについてでございます。区では、中野・野方両警察署と連携をし自転車安全利用講習会を開催し、多くの区民が利用しているところであります。今年度は、30代から50代までの保護者世代に向けて、親子自転車教室や児童館における出張形式の講習会を開催しておりまして、今後も各年代に応じて効果的に交通安全の意識付けを図ってまいります。
私からは最後に、工事期間中の放置自転車対策についての御質問です。これまでも中野駅周辺におきましては、再開発等の工事に伴って仮設の自転車駐車場を適切に設置・運営しながら放置自転車対策に取り組んできているところでありまして、今後も、再開発等の工事の進捗に合わせて移転する自転車駐車場への適切な案内と放置自転車への警告、指導、撤去を継続して実施をしてまいる考えでございます。
〔防災危機管理担当部長杉本兼太郎登壇〕
○防災危機管理担当部長(杉本兼太郎) 私からは、区内の交通安全対策についてのうち、まず自転車用ヘルメット購入助成事業の実績についてお答えいたします。本年7月10日に開始しました自転車用ヘルメット購入助成事業は、予定数量3,000個で、9月4日現在の事業協力店における販売実績は515個でございます。
次に、自転車用ヘルメット助成事業の利用促進についてでございます。現在、事業が始まって約2か月が経過したところでございますが、事業協力店における販売実績はやや落ち着いてきている状況でございます。原因といたしましては、事業開始当初のニーズが一巡したことや、啓発の効果が薄れてきているものと考えております。今後は、警察署や交通安全協会などの関係機関と連携しまして、秋の交通安全運動や自転車安全利用講習会など、あらゆる機会を通じて自転車用ヘルメットの重要性や事業の利用促進を図ってまいります。
次に、スケートボード規制に関する啓発看板についてでございます。本年7月、中野警察署からの要請を受けまして、新たにサンモール商店街の5か所にスケートボード禁止の表示を設置したところでございます。
私からの最後に、スケートボード協会との協働についてでございます。スケートボード利用につきましては、歩行者等との接触の危険性があることから、安全利用の啓発は重要であると認識しておりますので、スケートボード協会との安全利用に向けた協働について対応を検討してまいります。
〔文化・産業振興担当部長高村和哉登壇〕
○文化・産業振興担当部長(高村和哉) 私からは、英語教育の充実について2点お答えいたします。
まず、英語を中心とした交流についてですが、中野区には英語圏以外の方も多く、子どもたちには多様な言語に触れられる機会や交流の場が重要であると考えてございます。その一環として、NPOなど関係団体と協力しながら、区内の小・中学生が学校以外の場で英語に触れ、ネイティブスピーカーと交流できる機会の創出に努めてまいります。
最後に、様々な言語に触れ合う機会の創出についてでございます。様々な言語に触れ合うことは、子どもたちの国際理解や相互理解を深めることにつながるものと考えており、中野区国際交流協会をはじめ、区内の日本語学校や大学など関係団体と協力しながら交流機会を増やしていきたいと考えております。さらに、区内で様々な国や文化に触れることができるイベントが開催されており、そういったイベントを周知し、区内の子どもたちの参加を図ってまいります。
○議長(酒井たくや) 以上で内野大三郎議員の質問は終わります。
お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
本日はこれをもって延会いたします。
午後4時42分延会
会議録署名員 議 長 酒井 たくや
議 員 斉藤 けいた
議 員 浦野 さとみ