令和5年09月15日中野区議会本会議(第3回定例会)の会議録 1.令和5年(2023年)9月15日、中野区議会議事堂において開会された。 1.出席議員(40名) 1番 山 内 あきひろ 2番 武 井 まさき 3番 斉 藤 けいた 4番 井 関 源 二 5番 黒 沢 ゆ か 6番 大 沢 ひろゆき 7番 武 田 やよい 8番 いのつめ 正 太 9番 間 ひとみ 10番 市 川 しんたろう 11番 加 藤 たくま 12番 日 野 たかし 13番 木 村 広 一 14番 吉 田 康一郎 15番 立 石 り お 16番 内 野 大三郎 17番 広 川 まさのり 18番 河 合 り な 19番 細 野 かよこ 20番 斉 藤 ゆ り 21番 高 橋 かずちか 22番 大 内 しんご 23番 甲 田 ゆり子 24番 小 林 ぜんいち 25番 白 井 ひでふみ 26番 小宮山 たかし 27番 羽 鳥 だいすけ 29番 杉 山 司 30番 ひやま 隆 31番 山 本 たかし 32番 伊 藤 正 信 33番 高 橋 ちあき 35番 南 かつひこ 36番 久 保 り か 37番 石 坂 わたる 38番 むとう 有 子 39番 浦 野 さとみ 40番 中 村 延 子 41番 森 たかゆき 42番 酒 井 たくや 1.欠席議員 28番 い さ 哲 郎 34番 平 山 英 明 1.出席説明員 中 野 区 長 酒 井 直 人 副 区 長 青 山 敬一郎 副 区 長 栗 田 泰 正 教 育 長 入 野 貴美子 企 画 部 長 岩 浅 英 樹 総 務 部 長 濵 口 求 防災危機管理担当部長 杉 本 兼太郎 DX推進室長 滝 瀬 裕 之 区民部長、新区役所窓口サービス担当部長 高 橋 昭 彦 文化・産業振興担当部長 高 村 和 哉 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 石 崎 公 一 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小 田 史 子 地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石 井 大 輔 健康福祉部長 鳥 井 文 哉 保 健 所 長 佐 藤 壽志子 環 境 部 長 松 前 友香子 都市基盤部長 豊 川 士 朗 まちづくり推進部長 角 秀 行 中野駅周辺まちづくり担当部長 千 田 真 史 企画部企画課長(企画部参事事務取扱) 森 克 久 総務部総務課長 浅 川 靖 1.本会の書記は下記のとおりである。 事 務 局 長 堀 越 恵美子 事 務 局 次 長 林 健 議事調査担当係長 鈴 木 均 書 記 立 川 衛 書 記 若 見 元 彦 書 記 髙 田 英 明 書 記 鎌 形 聡 美 書 記 田 村 優 書 記 細 井 翔 太 書 記 早 尾 尚 也 書 記 堀 井 翔 平 書 記 金 木 崇 太 書 記 髙 橋 万 里 書 記 川 辺 翔 斗
議事日程(令和5年(2023年)9月15日午後1時開議) 日程第1 認定第1号 令和4年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について
午後1時00分開議 ○副議長(木村広一) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 山 本 たかし 1 物価高騰への対策について 2 西武新宿線野方以西について 3 電動キックボード等への区の交通対策について 4 誰ひとり取り残さない環境整備について (1)不登校対策について (2)障害児者への対応について (3)その他 5 災害対策について (1)気候変動に対する備えについて (2)持続可能な清掃事業について (3)大和町中央通り拡幅工事について (4)その他 6 その他
〔山本たかし議員登壇〕 ○31番(山本たかし) 令和5年第3回定例会に当たり、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から一般質問をいたします。 質問ですが、4、(2)障害児者への対応については次の機会にさせていただきます。その他はございません。 1、物価高騰への対策について伺います。 8月末において総務省が発表した東京都区部の消費者物価指数において、値動きの大きい生鮮食品を除く総合が前年同月比2.8%上昇となり、24か月連続の上昇でインフレが深刻となっております。今後もまだまだ続くとの見方が大勢でもあり、区には、区民生活を注視し、機動的な対応を求めます。 区は、8月28日の総務委員会にて、物価高騰対策として、低所得世帯支援、私立幼稚園、私立保育所、民間学童クラブ、医療機関、介護サービス事業所、障害福祉サービス事業などへの、負担増による補助の検討を報告されました。その中で、学齢期の児童・生徒、保護者に対する物価高騰対策として区立小・中学校給食費相当分の支援も報告されました。これまでも定例会や次年度予算要望において我が会派は学校給食の無償化を求めてまいりましたが、今回は物価高騰対策として報告がありましたが、学校給食無償化ではなく実質無償化というこうした取組になったのはなぜか、伺います。 また、物価高騰対策であれば未就学児なども対象とすべきではなかったかと考えますが、そうはならなかった理由を伺います。 私立も含めたことはフリースクール等にも通う保護者への支援ともなるなど歓迎するところですが、既に実施している学校教材費においても相当分として私立も対象とすべきではなかったか、その判断根拠についても伺います。 また、次年度については学校給食無償化として行うべきと考えますが、あわせて、今回のように私立、国立に通われている児童・生徒の家庭に対しても区別せず公平に給付金として支給すべきだと考えますが、いかがでしょうか、伺います。 学校給食無償化を行う前提として、巨大な給食費・食材費予算を私費会計として扱うのではなく、透明性が高い公会計化並びに給食の質の確保の上で行っていただくことは強く要望をいたします。 物価高騰を考えるに当たっては、賃金の上昇も併せて考えなくてはなりません。物価の高騰だけではなく、賃金の上昇という経済状況があればこそ、よいインフレとなり物価高騰対策はなくなっていくわけですが、30年以上上がらなかった実質賃金において、大企業においては上がってきてはいるものの、中小企業においては厳しい状況が続いております。今年度から公契約条例が施行され、労働者側としては、こうした厳しい経済状況にこそ、賃金の底支えとして労働者賃金への一方的な影響への歯止め効果が発揮されるものです。ウェブ上で、対象の公契約で例えば学童職員の募集状況などを調査しましたが、労働報酬下限額の1,170円を下回っているところは私には見つからず、効果を感じているところです。しかしながら、同時に少子高齢化や急速な人口減少下にある日本や首都東京において、どの業界も深刻な人材不足が起こっており、人の取り合いにより全体として賃金上昇が起こりやすい局面だと考えます。中野区としても、区が求める様々な分野における募集において人材が集まりにくくなっているように見えます。区や教育委員会として、多様な部で必要となる会計年度任用職員など様々な人材募集において、機動的に確保でき得る人件費の引上げについてどのような見通しと考えを持っておられるのか、伺います。 この項の最後として、建設業界における資材、労務費、燃料などの高騰対策のうち、インフレスライド条項がありますが、適用される項目が現状全ての単価になっておらず、解釈が区によって違っているなど、運用実態が乖離しているというふうに聞いております。東京都においても項目を追加して対応しているものも一部あるようですが、中野区としても項目を追加するなど、他自治体との差異がないようにすべきではないでしょうか、伺います。 次に、2、西武新宿線野方以西について伺います。 先月、西武新宿線連続立体交差事業期成同盟の決起大会が行われました。会場で発表された子どもたちからのアンケート回答では、とても暑い日に日陰がない場所で踏切が開くのをずっと待っていたら具合が悪くなってしまった、踏切が開くまで待つ時間が長いほど踏切周辺に人がたまり、いざ開いたときにたくさんの人が一気に飛び出してくるため事故になりそうで危ないと思うとの声があり、改めて、早急に進めていく思いに至りました。 野方駅から井荻駅間で計画されている野方以西においての鉄道の連続立体交差事業は、まちに安全とにぎわいをもたらす事業となることが期待されています。事業の実施に当たっては、事業用地の取得が必要となり、移転を余儀なくされる方も想定されますが、こうした事業の影響は最小にしつつ、事業の効果は最大化していく必要があります。連続立体交差事業効果を最大化していくために区はどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、伺います。 区長は、これまでの我が会派の質問において、野方1号踏切の除却について積極的に取り組むと答弁しておりますが、具体的にどのような調査や検討を実施しているのか、伺います。 さらに、今後ポストコロナのまちづくりを検討する上で、コロナ禍前後のまちでどのような変化が起きているのか、地域の方は今後のまちに何を期待するのかなど、地域としっかりと意見交換を行っていくことが重要です。より実りのある検討を効果的に進めていくために、まちづくり協議会などにおいて新たな視点と知見が取り入れられる方法も加えて取り組んでいくべきと考えますが、いかがでしょうか。 次に、3、電動キックボード等への区の交通対策について伺います。 人口密度が高く道が狭小、車所有者が少なく自転車の利便性が高いという特徴を持つ中野区において、電動アシスト自転車を含む自転車、電動キックボードなどのあらゆる乗り物が走行していることや、コロナ禍を機に急増した個人による食事宅配の自転車や歩きスマホなどに対し、様々な年代層の区民の方々やバス事業者、清掃事業者などからも不安視する声が上がっており、実際に交通が危険な状態にあると考えます。また、子どもたちが自転車を練習するために近所の公園に行くのにも非常に危険な思いをしており、安心して練習できる環境のある家庭は非常に少ないのが実情で、子どもに優しいまちは高齢者、障害者など全ての人に優しいやさしいまちでもある子育て先進区を目指す当区において大きい課題だと考えます。 本年7月に道路交通法が改正され、電動キックボードがまちなかに大幅に増える中、7月16日に新宿区で若い男性が乗る電動キックボードが歩道を走行中に5歳男児に接触するという事故がありました。同世代の子を持つ親として強い憤りを感じます。また、事業者が提供する電動キックボードのシェアサービスにおいては、16歳以上であれば免許不要かつヘルメットが努力義務となっており、実質不要という運用にも多くの疑問の声を耳にします。 自転車や電動キックボードなどの安全対策を検討する上では現状を把握することが必要と思いますが、警視庁によると、電動キックボードでの違反件数は、令和4年度は1,663件、人身事故件数は28件であり、令和5年7月までで違反が2,106件、人身事故件数が25件と、違反・人身事故双方において前年の倍以上のペースで増加しております。そのうち区内での事故件数や取締り件数などをどの程度区として把握しておられるのか、伺います。 また、軽い接触事故ないしヒヤリとする事案など、警察が認知できない、世に出ることのない、いわゆる膨大な暗数があることは想像に難くありません。電動キックボードのような新サービスを開始するに当たり、民間企業は一気にシェアを取るために速いスピードで活動します。一方、地域住民は地域に一気に広まったその状況が理解できず、大きな隔たりが生まれてしまっています。安全な交通環境を取り戻すべく、このギャップをどう埋めていくかが大切であると考えます。この点について区はどのように認識し、どう取り組んでいくかを伺います。 自転車や電動キックボードなどの安全利用に関しては、学生、主婦、会社員、高齢者などのあらゆる世代に対して効果的な場所、啓発品、啓発方法を用いて周知することが重要と考えており、区長が旗振り役となって、期間を定め、集中的に区民の交通意識に対する機運の醸成が必要だと考えます。今後、区ではどのような施策に取り組んでいくのか、伺います。 次に、4、誰一人取り残さない環境整備について、(1)不登校対策について伺います。 世田谷区が作成している不登校アクションプランのような中期計画を示すよう求めてまいりました。区は第4次教育ビジョンで示すとのことでしたが、今年の3月、子ども文教委員会にて報告された教育ビジョンの中で、結局ページ1枚にも満たない表記であったことは大変残念でした。また、併せて不登校支援について報告されましたが、現状と課題、今後の支援の検討事項の1枚で示されただけでした。区は復学を目指す方向性の子どもへの支援に対して様々拡充していただいていることは、評価しております。ですが、学校を選択しない・できない子どもたちへの支援という大きな柱について、現状、課題、今後の支援といった計画性については私は見ることができません。この二つの柱の計画があってこその不登校対策だと考えます。より具体性を伴った計画である不登校対策アクションプランを示すべきではありませんか、教育長の見解を伺います。 不登校特例校についても伺います。 昨年度、八王子の不登校特例校である高尾山学園を視察させていただいた際に、ひっきりなしに特別区を含む多くの他自治体教育委員会の視察が入っておりました。令和3年第4回定例会において私から不登校特例校について質問した際、研究していくとの答弁でございましたが、何か進展はありましたでしょうか、進捗を伺います。 中野区の適応指導教室フリーステップルームについて伺います。 現在、小学校1・2年生はフリーステップルームに通えるとはなっておりません。そのため、居場所がなく籠もりがちになってしまう家庭があると聞いております。親も子も、少しでも外部との接点を保っていくことは非常に重要です。小学校1・2年生の児童でもフリーステップルームや、あるいは学童などを活用して居場所としてはどうでしょうか。 また、フリーステップルームでは、来室した際は学習することが必須であると保護者などに受け取られている現状があることは課題です。多様な子どもたちを受け入れ、支援するという本来の役割が正しく伝わるように、フリーステップルーム側、家庭側、双方に周知する必要があると考えますが、いかがでしょうか。 これまでも都度要望してまいりましたが、不登校児童・生徒が増えている現状を鑑みれば、都配置のスクールカウンセラーによる各校週一、二回だけでは不足しています。小・中学校に区独自のスクールカウンセラーを配置し、児童・生徒の悩みにより寄り添えるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。 区内全中学校で、不登校生徒への支援を校内の空き教室を利用して別室での対応をする校内フリールームを行っていますが、生徒たちにとって落ち着いて学習や生活ができる環境となるべく不足している物品があると聞いております。現場に実際にヒアリングをして、さらなる環境整備を機動的に進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。 民間のフリースクールなど、学校外に学びの場所を求める児童・生徒がおります。視察を行った兵庫県川西市では、近隣のフリースクールを調査し、市として認定したものをリストにして、そこに通う子どもたちについては出席認定をしておりました。また、杉並区の教育委員会では、区内のフリースクールに訪問をして子どもたちが通う状況を確認などしていると伺っております。当区でも、近隣区を含めてフリースクールの調査を行い、中野区として認定できるフリースクールのリストを作成すべきではないでしょうか。 また、あくまで平均ですが、民間フリースクールへ通う家庭の平均支出額は月3万3,000円と言われており、保護者にとって大きな負担となっています。公設民営フリースクールが難しいとの判断をされているのであれば、区で認定したフリースクールへ通う児童・生徒の月会費を家庭へ補助すべきと考えますが、いかがでしょうか。 次に、5、災害対策について、(1)気候変動に対する備えについて伺います。 1923年に発生した関東大震災から本年で100年を迎え、改めて、災害に対し万全の準備と訓練をした上で区民の命を守っていかねばなりません。現在、日本では、スーパーエルニーニョ現象による猛暑が続いておりますが、世界では、トルコやモロッコでの大地震やフロリダでの巨大ハリケーン、カナダの山火事、ハワイ州ラハイナでの局地的大火災など、地球上では多くの大災害に見舞われております。亡くなられた方々、被災された方々に心から哀悼の意を表するとともに、いち早い安心した生活への復旧を祈ります。 富士山の噴火を想定した降灰の影響について以前質問をしましたが、東京都の動向を踏まえて次期中野区地域防災計画において反映すると答弁されておりましたが、現時点の進捗状況と、その中で発災時に区内道路全域に積み上げられた火山灰の土のう袋についての収集計画について検討を進めているのか、伺います。 区は、水害発生に備えて水防倉庫に土のうを配備していますが、一つ5キログラムで、多くの人が必要になるであろう10個以上の土のうを水防倉庫まで取りに行く運用は現実的ではありません。中野区水害ハザードマップの浸水地域に住む方について給水式土のう袋の購入助成を実施すべきと考えますが、区の見解を伺います。 木造住宅の耐震補強工事助成制度について伺います。 本事業は、外壁などの耐火性能の向上が要件となっており、所有者の負担も大きいため改修工事まで至らず、利用実績が令和3年度7棟、令和4年度2棟と上がっておりません。助成要件が厳しいことが要因としても考えられます。もうそろそろ使いやすい制度に改善すべきではないでしょうか、伺います。 電源確保について伺います。 災害時において、日常から電源が必要な医療機器を使用する方にとって電源確保は命です。区として災害時においてこうした方々への電源確保は重要かつ緊急性が高いと考えますが、人工呼吸器を使用している人のほか、日常的に電源を必要とする医療機器を使用されている方について、どういった症状や使用方法でどれだけの方が利用されているのか、まずは区で実態把握をすべきと考えますが、いかがでしょうか。 災害時の医薬品について伺います。 中野区薬剤師会は、区と協定を締結し区内4か所で災害医薬品を備蓄していますが、先日の鷺宮地域での大規模停電などのように、停電発生時には医薬品管理ができなくなってしまいます。備蓄医薬品を保管している薬局に対して無停電電源装置等を設置すべきと考えますが、いかがでしょうか。 最後に、災害時にオストメイトがストーマ装具を持ち出せなかった場合にも装具使用を可能にするためストーマ装具の備蓄をすべきと考えますが、いかがでしょうか。見解を伺って次に移ります。 (2)持続可能な清掃事業について伺います。 以前から申し上げてきたとおり、災害時には清掃職員の力が必須となります。現業の清掃職員の経験・スキルが何より求められますが、高齢化が進み、スキルの継承が早急に求められ、今後も持続可能な清掃事業とするために新規採用を求めてまいりました。21年ぶりに採用していただきましたが、昨年度の採用試験について、応募者数やそのうち何名女性の応募があったかなどを伺います。 今年度も正規職員の採用試験が始まるところですが、人口減少により人材が不足しており、その影響は清掃事業も待ったなしです。男女雇用機会均等法、女性活躍推進法が施行されている中、女性職員の積極的な活用が必要だと考えます。広島市を中心にごみの収集を手がける株式会社タイヨーでは、約4割が子育て世代の女性職員で、どの世代でも働きやすくなるような様々な取組を行っております。当区の現場職員からも業務の上で女性が必要な目線や対応があると伺っており、また、近年、女性職員の採用が5区11名であり、取り合いともなっています。当区でも、シャワー室をはじめとする女性が安心して働ける職場環境を整えることが急務だと考えますが、いかがでしょうか。 また、現在、委託先からの派遣社員が9名不足しており、常態化しています。派遣会社から派遣されてきても、3日間のならし業務の後、4日目に本業務である小型プレス車での業務が終わると翌日には来なくなってしまうとのこと。調べると、派遣会社からの案内には軽作業との記載だったとのことで、実態と乖離した表記ゆえのミスマッチが生じているのではないでしょうか。また、清掃業務の大変さと賃金が見合っていないのではないでしょうか。派遣会社と契約する仕様書を見直すなど、改善すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。 協力関係にある雇入れ会社で働く方々からも、区の清掃事務所とは異なり厳しい労働環境だと現場から伺っています。区として雇い上げ会社の環境をどこまで改善することができるのか、伺います。 近年の猛暑の中、作業に当たる現場職員に対し、ファン付きベストが他区で導入が進んでいます。現在でも収集員がファン付きベスト着用の姿を見かけますが、自身で購入されているのが現状です。他区では課題をクリアして導入しておりますので、当区でも支給を検討していただくよう求めます。いかがでしょうか。 次に、(3)、大和町中央通り拡幅工事について伺います。 大和町中央通り整備は、東京都が施行する都市計画道路事業として令和6年度までが事業期間となっています。現在の用地取得及び工事等進捗状況並びに事業完了に向けた見通しを伺います。また、八幡通りの拡幅整備は中野区で先行整備する優先整備路線に位置付けられていますが、あわせて現在の進捗状況について伺います。 また、これから交通結節点である大和町郵便局前交差点についていよいよ工事に入っていくと思いますが、車道及び歩道を仮設で整備しながら断続的に工事展開をするに当たり、地域住民の安全性に配慮した工事計画とし、かつ地域住民への十分な説明が必要であると考えます。特に、歩道部分において歩行者と自転車が安全に通行できる空間を確保する必要があると考えますが、いかがでしょうか、伺います。 大和町中央通り拡幅工事中の暫定的な対応について伺います。 長期にわたる拡幅工事において、高齢者や子どもなど、地域住民の安全な通行や円滑な車両通行に当たり、道路拡幅用地を活用し、歩行空間や荷さばき等の一時駐停車車両の空間を確保する必要があると考えます。そうしたことに配慮した工事計画としていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 以上で、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 山本議員の御質問にお答えいたします。 初めに、物価高騰対策について、学齢児童・生徒の保護者への給付金についてでございます。今回は、第2回定例会における給食費の無償化の議論を踏まえ、また、物価高騰が続いている状況を鑑みて、私立学校等の保護者も含め、広く学齢期の児童・生徒の保護者を支援するため給食費相当額を支給することとしました。 区立小・中学校への教材費補助についてです。区立小・中学校の教材費において物価高騰による保護者の負担増があり、早急に教材費の一部を補助する必要があると考えました。一方、区立以外の学校に通学している保護者は、教材費の負担も含めてその学校の教育を選択していることも考慮し、教材費補助の対象とはしなかったものでございます。 来年度の給食費相当分の支援についてです。国や他区の動向を把握しつつ、区立学校給食費無償化や国・都・私立学校保護者への支援について、来年度予算編成を進める中で検討してまいります。 次に、インフレスライド条項の対象品目についてです。スライド額の算定につきましては、品目や材料価格、賃金変動の実態把握に努め、物価高騰に的確に対応するとともに、運用方針の見直しも検討してまいります。 次に、会計年度任用職員の報酬についてです。区は、公契約条例を制定し、その運用開始となる令和5年4月に向けて会計年度任用職員の報酬単価の大幅な引上げを実施することで人材確保に努めております。今後については、特別区人事委員会における給与勧告に応じた改定を実施することになりますが、他区における報酬単価についても動向を注視し、研究をしてまいります。 続きまして、西武新宿線野方以西についてで、野方第1号踏切の除却に向けた取組についてです。野方第1号踏切の除却は、まちづくりを進める上で重要な課題であると考えております。野方第1号踏切の除却は、鉄道による地域分断を解消し、歩行者が歩きたくなるまちづくりの実現に必要であります。また、にぎわいの創出や防災性の向上にも寄与すると考えております。現在、区は駅前広場の配置などの調査・検討を実施しておりまして、こうした検討は区として連立事業の効果を最大化していくためには必要なものと考えております。引き続き関係機関と意見交換を行いながら、野方第1号踏切の除却を含めた鉄道の立体化について積極的に取り組んでまいります。 次に、ポストコロナのまちづくりについてです。新型コロナウイルス感染症の流行やデジタル技術の進展などにより、社会状況が著しく変化をしてきております。こうした社会状況の変化を踏まえ、専門的な知見を取り入れながら、より多様な視点からまちの在り方を再検討していく必要があると考えております。今後、地域の皆様と意見交換を図るとともに、専門的な知見を有する学識経験者の参画も得ながら、まちづくり整備方針を具体化してまいります。 次に、電動キックボード等への区の交通対策について、まず初めに、交通安全に対する認識と今後の取組についてです。区では、子どもたちが安心して区内を通行できるようにすることが重要であると考えておりまして、関係機関と連携した通学路点検や区内の危険箇所への啓発看板の設置などを通じて安全確保に努めております。本年7月の道路交通法改正に伴って区内でも電動キックボードの走行が増える、これを想定しておりまして、今後様々な機会を捉えて交通安全の啓発に努めてまいります。 次に、自転車や電動キックボード等の事故件数等についてでございます。令和4年中の区内の自転車が関与する事故は382件で、令和3年と比べて40件増加をしております。また、本年上半期の自転車が関与する事故は181件で、前年同期比で2件の減少となっております。一方で、区内の自転車の交通違反の取締り件数や電動キックボードの交通事故取締りに関する件数は把握しておりません。 次に、あらゆる世代への効果的な啓発についてです。区では、中野・野方両警察署をはじめとした関係機関と連携し、各種交通安全イベントや自転車安全利用講習会などを開催しておりまして、今年度は、自転車事故の多い保護者世代に向けて親子自転車教室や児童館への出張形式の講習会を実施しております。電動キックボードをはじめとした新しい乗り物についても、利用機会が多いと思われる若い世代に対して効果的に啓発・周知できるよう具体的な方法を検討してまいります。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 誰一人取り残さない環境整備についての御質問のうち、不登校対策についてお答えいたします。 初めに、総合的な不登校支援についてでございます。昨年度、不登校児童・生徒一人ひとりの状況について各学校から聞き取り、学校への不登校支援について子ども文教委員会に報告したところでございます。今後、総合的な不登校支援について実態を踏まえてまとめてまいります。 次に、不登校特例校の設置についてでございます。学びの多様化学校いわゆる不登校特例校につきましては、今年度、世田谷区の事例の視察を行ったところでございます。今後も他区市の事例を研究し、本区における学びの多様化学校いわゆる不登校特例校検討開始に向けて準備を行ってまいります。 不登校の小学校1・2年生の受入れ場所や方法についてでございます。小学校1・2年生の児童のフリーステップルームや分室への通室については、通室時の安全等の課題があるため現在は行っておりませんが、保護者や学校からの要請により家庭や学校にフリーステップルームの支援員を派遣し、教科学習の指導や教育相談などを行う巡回支援を実施しております。小学校1・2年生のその他の受入れ方法や受入れ場所については今後検討してまいります。 次に、フリーステップルームの役割の周知についてでございます。フリーステップルームの役割や入級方法等については、リーフレットで周知しております。あわせて、活動内容については、教育センター通信やフリーステップルームだよりを通じて各校や保護者にお知らせをしているところでございます。さらに多様な状況の子どもたちを支援していけるように、フリーステップルームの役割や周知方法についての見直しをしてまいります。 次に、区独自のスクールカウンセラーの配置についてでございます。現在、東京都のスクールカウンセラーが各小・中学校に週一、二回、あわせて、区独自のスクールカウンセラーを各中学校区に週1回、午前中派遣しているところでございます。様々な困難や課題を抱える児童・生徒が増え、その内容も多様化、複雑化している中、令和4年度は予約がいっぱいで、小学校の約25%、中学校の約45%で相談を受けられない状況が見られ、区独自のスクールカウンセラーのさらなる配置が必要であると認識しております。 次に、校内別室指導の環境整備についてでございます。中学校3校では、支援員を2名ずつ配置し、校内教育支援センターいわゆる校内フリースクールのモデル実施をしております。他の中学校におきましても、登校はできるが教室に入ることができない生徒に対し、それぞれの校内環境を生かして居場所を確保し、教職員等が交代で指導を行っております。今後も学校と連携しながら、子どもたちが通いやすい校内教育支援センターの環境整備を行うとともに、一人ひとりの子どもの実態に合った支援体制について充実を図ってまいります。 次に、認定できるフリースクールのリスト作成についてでございます。不登校児童・生徒の多様な状況に応じたきめ細かな支援や社会的自立に向けた進路の選択肢を広げる支援という観点から、その選択肢の一つとして教育委員会、学校と民間団体等との連携は重要であると考えております。東京都主催の指導主事の不登校支援に関わる担当者連絡会におきまして都内のフリースクールと情報交換を行っており、あわせて、区内の幾つかのフリースクールを適宜訪問して実態を把握しているところでございます。様々な課題があり、区として民間のフリースクールを認定することは難しいと考えておりますが、今後、他の自治体の例を研究してまいります。 最後に、フリースクールに通う児童・生徒への補助についてです。東京都教育委員会では、フリースクール等に通う不登校児童・生徒及びその保護者の支援ニーズやフリースクール等での活動内容を把握するために調査研究を行っておりまして、協力した家庭へ調査協力金を支給しております。区としてはフリースクールへ通う家庭への補助は考えておりませんが、東京都の協力金の制度について周知を図ってまいりたいと思います。 〔防災危機管理担当部長杉本兼太郎登壇〕 ○防災危機管理担当部長(杉本兼太郎) 私からは、災害対策のうち、まず富士山の噴火を想定した降灰の影響についてお答えいたします。宅地等に降ります火山灰の運搬は区市町村が行うこととされておりますが、火山灰の処分等の具体的な対策については、今年度、東京都において検討されているところでございます。中野区地域防災計画は、来年3月の修正に向けまして関係機関等と調整を進めております。新たに火山災害対策計画を盛り込んでいく予定でございますが、火山灰の処分を含めまして都の政策動向をできる限り反映してまいります。 次に、給水式土のうの購入助成についてでございます。給水式土のうは、現在の土のうと比較すると軽くて持ち運びに便利であり、省スペースで保管できることは認識してございます。給水式土のうの購入助成等につきまして、他の自治体の事例を研究してまいります。 次に、備蓄医薬品保管の無停電電源装置等の設置についてでございます。区は、災害発生時に速やかに医薬品の確保ができるよう、流通備蓄方式によりまして区内4か所の薬局等と災害用流通備蓄医薬品の管理委託及び再配備委託の契約を締結しております。停電が発生した場合には医薬品の管理に支障を来すことが考えられますので、災害用流通備蓄医薬品を保管している薬局に対する無停電電源装置等の設置につきまして、中野区薬剤師会と協議をしてまいります。 最後に、ストーマ装具の災害備蓄についてでございます。ストーマ装具の災害備蓄につきましては、保管場所の温度管理などの課題がございますが、他自治体の導入事例などの情報を収集しながら検討を進めてまいります。 〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕 ○都市基盤部長(豊川士朗) 私からは、災害対策についての御質問のうち木造住宅の耐震補強工事助成についてお答えをいたします。 耐震補強工事助成は、区内全域を対象としておりまして、耐震補強と併せて外壁等の建築物の耐火性能の向上を行うことで地域の不燃化も促進されるものと考えてございます。しかしながら、耐火性能の向上が所有者の金銭的負担が大きいとの意見があることは認識をしてございます。区では、今後、耐震補強工事助成制度の検証を行いますが、こうした実施も踏まえまして助成の在り方について検討してまいります。 〔地域包括ケア推進担当部長石井大輔登壇〕 ○地域包括ケア推進担当部長(石井大輔) 私からは、災害対策の御質問のうち人工呼吸器使用者等についての御質問にお答えいたします。 区では、在宅人工呼吸器使用児者だけでなく、災害時個別避難支援計画の作成や医療機関からの情報提供等を通じ、日常的に電源を必要とする医療機器を使用している方の把握に努めております。 〔環境部長松前友香子登壇〕 ○環境部長(松前友香子) 災害対策の御質問のうち、持続可能な清掃事業についてお答えをいたします。 まず、清掃職員採用試験応募状況について、令和4年度に行った清掃職員採用試験の申込者数は56名、そのうち女性は1名でございました。 次に、清掃職場環境について、女性職員の積極的な活用は今後の人材を確保する上でも重要と考えております。清掃職場で女性が安心して働ける環境についても今後検討してまいります。 派遣会社との仕様書につきまして、区と派遣元の仕様書において派遣労働者の賃金を定めることはできませんが、中野区公契約条例の規定に基づき適切に対応をしているところでございます。 次に、雇上会社の労働環境について、雇上会社との契約に当たっては、東京23区清掃協議会、また特別区リサイクル主管部課長会の委員で構成される雇上契約検討会において必要な協議・調整がなされております。雇上会社個別の労働環境については区が関与するものではございません。 最後に、ファン付きベストの導入について、ファン付きベストの導入については、熱中症対策効果、作業への影響、安全性など、現場の声を十分参考にしながら検討したいと考えております。 〔まちづくり推進部長角秀行登壇〕 ○まちづくり推進部長(角秀行) 私からは、災害対策について、大和町中央通り拡幅工事についてお答えいたします。 大和町中央通りの用地取得及び工事等進捗状況並びに事業完了についてでございます。補助第227号線大和町中央通りにつきましては、東京都より令和5年4月1日時点における用地取得率は89%であると聞いております。今年度は、排水管設置工事や早稲田通りに接続する交差点改良工事を発注するなど、引き続き、残りの用地取得を含めて事業完了に向けて推進していくと聞いております。 次に、八幡通り拡幅整備の進捗状況についてでございます。八幡通りを中心とする大和町避難道路1号・2号は、大和町地区内の東西の軸となる優先整備路線として令和2年度に事業着手し、今年度は生活再建相談等を行いながら用地交渉を進めているところでございます。令和5年9月時点におけます用地取得進捗率は、画地ベースで約13%でございます。 次に、改良工事の期間と歩行者と自転車が安全に通行できる空間確保についてでございます。大和町郵便局前交差点改良工事に当たりましては、その工事期間中は安全な自転車及び歩行者通行に十分配慮するなど、地域住民の方々の安心・安全を確保しながら施工するとともに、今後も工事のお知らせや工事工程等の配布等により地域住民への情報周知を図る予定と聞いております。 最後に、大和町中央通りの道路拡幅用地の活用についてでございます。大和町中央通りの整備に当たりましては、東京都が沿道の方々の協力を頂きながら道路拡幅用地の取得を進めております。道路拡幅工事に当たっては、工事に支障のない範囲で、道路拡張用地、用地買収地を活用し、安全な自転車及び歩行者の通行に必要となる空間の確保に努め、地域住民の方々の安心・安全に十分配慮しながら施工すると聞いてございます。 ○副議長(木村広一) 以上で山本たかし議員の質問は終わります。
中野区議会議員 大 内 しんご 1 中野区新庁舎整備事業について (1)1階の区民が使えるスペース、食堂について (2)工事の進捗状況について (3)総事業費、今後のスケジュールについて 2 防災まちづくりについて (1)若宮地区防災まちづくりについて (2)新たな防火規制区域について (3)都市計画道路補助第227号線について (4)洗心寮跡地について 3 区内鉄道駅のホームドア設置について 4 西武新宿線連続立体交差事業の推進について 5 その他
○副議長(木村広一) 次に、大内しんご議員。 〔[1]大内しんご議員登壇 〕 ○22番(大内しんご) 令和5年第3回定例会において一般質問をいたします。 最初に、中野区新庁舎整備事業について質問をいたします。区役所新庁舎については、外装の工事が進み、建物全体が確認できる状況になりつつあります。いよいよ来年2月には工事が竣工し、その2か月後、5月の連休明けには開設を迎えます。区役所新庁舎が区民にとって、地域活動、コミュニティの拠点の一つとして誇りとなり、親しみやすい場所であり、魅力的な場所として利用されることを願いつつ質問をいたします。 初めに、新庁舎の設計方針のコンセプトの一つである「区民活動を推進する新庁舎」に関連し、区民が利用できるスペースの検討状況についてお伺いをいたします。 新庁舎1階スペースについては、平成28年12月に作成された新しい区役所整備基本計画に基づき、区民が主体的にまちづくりに参加し、協働していくための拠点として整備するほか、飲食スペース等を設置するとともに、庁舎西側の広場と一体的な活用を図ることで四季の都市(まち)地区のにぎわいの拠点の一つとなるよう整備・検討が進めてられてきました。新庁舎の1階には、情報発信機能や飲食機能、地域活動推進機能、イベント機能等が整備され、それぞれの連携によりにぎわいをつくり、地域コミュニティの中心となります。魅力ある情報発信も期待できます。新庁舎1階の中央部には、情報発信やイベントができるオープンなスペースとして、パネル展や資料コーナー、相談コーナーなどの設置が予定され、大型モニターも設置されます。広さはおおむね270平方メートル程度、24.5メートル掛ける11メートル程度のイベントスペースが設置され、さらに二つの区民利用会議室、60平米、85平米と、多目的スペース70平米などが併設されます。 そこで、1階の区民が使える各スペースの具体的な使用方法、使い方などの検討状況について伺います。1階に設置される様々なスペースを有効活用することで、現庁舎で行っている相談事業について複数の事業者が同時に使用でき、相談に訪れた方々が一つの相談にとどまらず総合的に相談を受けられ、さらに物産の買物ができるイベントが同時に開催できるよう検討を進めてはいかがでしょうか。これらのスペースについて、区民利用が開始できる時期、予約開始の時期について検討状況を併せて伺います。 また、1階に設置される食堂カフェについてですが、これらを運営する事業者は既に決まっているのでしょうか、お伺いをいたします。中野サンプラザが閉館となった今、再開発事業の期間は総会などの会合を開催する場所がなくて困っているとの声を聞きます。隣接するイベントスペースと食堂を一体的に使用することができれば、100人から150人程度のスペースが確保できると思います。活用方法、営業時間帯の想定など、どのような検討状況か、伺います。 次に、新庁舎建設工事の進捗状況について伺います。各地での建設現場では労働力の不足や物価高騰の影響で工事予定が遅れているとの報道を目にします。中野区新庁舎においては、来年2月までの限られた時間で外装、内装などの各種工事を完了する予定ですが、現在の工事の進捗状況はどのようになっているのでしょうか、お伺いをいたします。 次に、新庁舎整備に関する建設費、什器類、備品費、引越し経費などの総事業費、竣工から開設までの主な作業、引越しスケジュールについて、併せて伺います。 次に、新庁舎整備の区民見学会について伺います。新庁舎の設備や機能を区民の皆様に知っていただく取組はとても重要です。中野区でも、他の自治体の事例を参考に、落成式や区民見学会、各種媒体を活用した広報事業を検討しているとのことですが、どのように実施される予定か、検討状況を伺います。 最後に、木材などの活用状況についてお聞きをいたします。新庁舎の1階や議場など、区民に身近なスペースについては国産木材や温度調整に優れた珪藻土の活用などを取り入れていただきたいと考えますが、検討状況についてお伺いをいたします。 次に、2番、防災まちづくりについて質問いたします。 区は、これまで防災まちづくりに関しては、東京都の震災対策条例に規定される整備地域すなわち老朽化した木造建築物が特に集積するなど震災時に特に甚大な被害が想定される地域において、様々な防災まちづくり事業が展開されています。例えば、区南部では南台地区や弥生町三丁目地域、そして区北部では大和町地域や平和の森公園周辺地区などです。これらの地域では、不燃化特区事業など、木造住宅密集地域の改善に向け、建物の不燃化促進や避難道路の拡幅整備などが積極的に進められています。 しかし、区内には震災時に危険な木造住宅密集地域がこれら整備地域以外にもあります。特に若宮地域は、東京都が公表した地震に関する地域危険度測定調査においても火災危険度や総合危険度が高い地区となり、中野区として防災まちづくりの取組が必要な地区と言えます。このような状況を踏まえ、若宮地域では、令和3年度に町会や商店街等の代表者など地域住民が主体となり防災まちづくり協議会が設立され、若宮一丁目から三丁目地区全体を対象に、地域課題を確認するまち歩き、地域へのアンケートの実施、防災まちづくりに関する意見交換会等の検討を重ね、令和4年8月に若宮地区防災まちづくり意見書を取りまとめ、中野区に提出しました。 そこで、若宮地区の防災まちづくりの現状についてお聞きいたします。若宮地区の防災まちづくりは現在どのような状況にあるのでしょうか。また、具体的に今後どのようにこの地区の防災まちづくりを進めていくのか、伺います。 次に、区が進めている新たな防火規制区域の拡大について伺います。 繰り返しになりますが、昨年、東京都が示した地震に関する地域危険度測定調査では、火災危険度等が高いまちが整備地域以外にも多くあることが分かりました。若宮一・二丁目、上高田一丁目、中野一丁目、中央四丁目、本町二・四・六丁目などです。区は、これらの地域に対しては防災まちづくりの一環として新たな防火規制区域の拡大を行うこととし、この8月24日から9月3日にかけて該当する地域などで説明会を行ったと聞いています。新たな防火規制区域は具体的にどのような規制で、実際いつから規制が適用になるのか、伺います。また、新たな防火規制を導入されることで建物の建築規制がこれまでより厳しくなると思いますが、これに対する支援策があるのか、伺います。 都市計画道路補助第227号線について伺います。 現在、補助第227号線大和町中央通りの早稲田通りから妙正寺川間については東京都が事業施行者として事業を進めており、令和5年4月時点で用地取得率は約9割、89%となりました。工事の進捗については、既に先行している地下埋設物の工事など、着実に工事も進んでいると聞いています。一方、妙正寺川から北側の都市計画道路については今後の予定がよく分からないと、地域の住民から声を聞きます。こうした中、妙正寺川から北側の新青梅街道までの補助第227号線の区間は中野区が事業施行者となっていますが、現在の検討状況についてお伺いをいたします。 次に、旧洗心寮跡地についてもお聞きをいたします。 区は、令和3年に補助第227号線整備などのまちづくりに資する目的で、まちづくり用地として日本銀行から旧洗心寮跡地を取得しました。現在、若宮地区の防災まちづくりが進んでいる中、この跡地には樹木が生い茂り、使われていない建物が残ったままとなっており、地域からは防犯上の懸念の声が出ています。こうした中、旧洗心寮跡地について、若宮地区の喫緊の課題である災害時の一時避難場所とするなど、地域のために建物を早急に除却するべきだと思います。今後の跡地の活用についてどのように取り組んでいるのか、伺います。 3番目、区内鉄道駅のホームドア設置について伺います。 区内にはJR西武鉄道及び東京メトロの各駅があり、このうち東京メトロの地下鉄駅については一部を除いてホームドアの設置が完了しております。JRにおいては、今年度中に東中野駅のホームドア整備が完了し、中野駅についても現在進められている駅設備の充実に合わせ、2026年までに各ホームにホームドアを設置する予定とのことです。一方で、区内の西武鉄道各駅には現在ホームドアが設置されておりません。急行列車の通過時など非常に危険であり、利用者の安全性確保のためにぜひホームドアの設置を進めるべきと考えます。 西武鉄道では、ホームドアの設置について、2025年までに6駅17番線に、2026年から2030年度までに19駅45番線に、合計して23駅62番線にホームドアを設置し、2030年末時点では総整備数28駅84番線を目指すとしています。これらはどの駅が対象になるかは明らかになっておりませんが、今後の西武新宿線に関して言えば、東村山駅、花小金井駅及び小平駅が整備に着手あるいは整備に向けた検討を進める駅として挙げられております。区内にある西武新宿線5駅についてもホームドア設置を強く要望していくべきだと考えます。区では鉄道事業者に対してどのような働きかけを行ってきたのか、そして今後さらにどのように行っていくのか、伺います。 四つ目、西武新宿線連続立体交差事業の推進についてお伺いをいたします。区長の認識についてお伺いをいたします。 令和3年11月に井荻駅から西武柳沢駅間の連続立体交差事業の都市計画が決定され、事業が一歩先に進んでいます。当然、地元からは隣接する区間に続いて野方駅から井荻駅区間の早期の事業化が強く望まれています。こうした中で、先月8月23日、西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟の決起大会において、西武新宿線の中井駅から野方駅間の着実な事業推進と、野方駅から井荻駅間の早期事業化などについて地域住民や区議会議員なども参加し決議を行いました。改めて、今回の大会を終えて区長としてこの地元の声をどのように受け止めるのかを伺います。 次に、都への働きかけについてお聞きをいたします。 今回の決起大会において、連続立体交差事業の事業主体である東京都や施工者である西武鉄道も出席しております。区長は、東京都の窓口である建設局にどのような働きかけをしてきたのでしょうか。また、今年になって東京都に何回出向いて陳情してきたのでしょうか、お伺いをいたします。今後、事業の早期完成、早期事業化に向けては、東京都や西武鉄道へ働きかけを、区長、トップ自らが積極的に行っていく必要があります。区長の認識を改めてお伺いいたします。 以上で、質問を全て終わります。御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 大内議員の御質問にお答えいたします。 まず初めに、中野区新庁舎整備事業について、新庁舎1階スペースの柔軟な利用と予約利用開始時期についての御質問です。新庁舎1階には、イベントスペース、多目的スペース、会議室を整備し、現庁舎で実施している相談会などでも利用できるようにしたいと考えております。また、これらのスペースにおいて、複数の相談会や物販などのイベントを同時に開催できるように運用基準等を定めることを検討しているところであります。区の事業や公益性の高い事業の使用は令和6年5月からを予定しております。また、区民や団体の一般利用の予約とその使用開始は令和6年7月からを想定しております。 次に、新庁舎1階食堂カフェの運営についてです。中野区新庁舎食堂カフェの運営事業者につきましては、企画提案を公募し、審査委員会の審査を経て、株式会社JINフードビジネスコンサルティングを契約優先交渉権者として決定をいたしました。営業時間帯につきましては、平日は午前10時から午後9時まで、休日は午前10時から午後3時までを想定しておりまして、今後、契約優先交渉権者の提案内容を踏まえ、詳細を検討・調整をしてまいります。また、食堂カフェと隣接するイベントスペースとの一体的な使用につきましては、区民や団体等が主体的かつ積極的に活用する場になるとともに適切に利用されるように、飲食提供の在り方や対象事業等を契約優先交渉権者と検討・調整をしてまいります。 次に、新庁舎工事の進捗状況でございます。新庁舎本体工事の工事進捗率については、令和5年8月末現在で当初予定の62.5%に対して65.9%に到達したところでありまして、令和6年2月の竣工、5月の開設に向け順調に推移しております。外装につきましては、日射抑制等の機能を持つ外装パネルの施工が完了し、新庁舎の外観が確認できるようになってきたところであります。内装につきましては、間仕切り壁の設置等の仕上げ工事を行っております。今後は、案内サインの設置、外構工事などを行い、来年2月の竣工に向け着実に工事を進めてまいります。 次に、事業費及び開設までの予定です。新庁舎の整備に係る事業費につきましては、庁舎建設関係費約230億円、什器・備品購入費約21億円、移転関係費及び別途工事費等として約28億円、合計279億円を見込んでいるところであります。令和6年2月末の竣工から同年5月までの2か月間は、関連工事やシステム移設、什器・備品類の搬入のほか、窓口対応のシミュレーションなどを予定しております。新庁舎への移転に向けては、年内に移転スケジュールを作成し、多岐にわたる関連工事や搬入作業等の調整を行って、令和6年4月末から始まる大型連休期間中に移転を実施する計画であります。 次に、新庁舎を区民に知ってもらうための取組です。新庁舎の開設に係る広報は重要であると考えておりまして、令和6年2月頃に新庁舎のコンセプトや特徴、フロア構成や新しい窓口サービスなどを掲載した区報の特集号、こちらを発行する予定としております。新庁舎を区政関係者や区民に披露する機会としては、落成式を4月19日、区民見学会を4月19日と20日に実施をする予定であります。また、落成式と区民見学会の開催に合わせ、新庁舎の機能や設備等を紹介するパンフレットや動画を作成し、その後の新庁舎の案内に活用してまいります。 新庁舎に取り入れる内装材についての御質問です。新庁舎1階のイベントスペースや食堂の内装材には、国産木材や木調のタイルを取り入れ、温かみのあるしつらえとしております。また、多目的スペースの壁には珪藻土を使用し、吸湿や消臭など快適な利用環境を整備することとしております。議場の内装につきましては、壁画や天井に国産木材を利用した仕上げとする計画であります。 次に、防災まちづくりについて、若宮地区防災まちづくりについてであります。若宮地区の防災まちづくりに関しては、区は、令和4年10月に若宮地区防災まちづくり協議会より、まちづくりの検討結果をまとめた意見書の提出を受けました。現在、区は、これを踏まえ地区整備の考え方などを整理し、地区計画策定に向けた検討を進めているところであります。今後、地区計画素案を取りまとめるに当たっては、地域住民や権利者等の意向を丁寧に把握しながら本地区のまちづくりを進めてまいります。 次に、新たな防火規制の内容及び施行時期です。新たな防火規制区域とは、東京都建築安全条例第7条の3に基づいて建築の際に燃えにくい建物構造とする建築規制であります。本規制が適用されると、建築の際には、延べ面積等により準耐火建築物等、または耐火建築物等の構造にすることが必要となります。新たな防火規制は令和6年9月頃の施行を目指し、東京都と調整を行っているところであります。 次に、新たな防火規制区域での支援策などについてです。今回の新たな防火規制の導入に伴う助成制度の新設は予定をしておりませんが、区の耐震化促進事業において木造住宅建て替え助成制度がございまして、既存建物が建築された時期など一定の要件の下に、新たな防火規制区域内ではその他の地域に比べ助成率が高くなっているところであります。 続きまして、補助第227号線区施行区間の検討状況についてであります。補助第227号線区施行区間は、西武新宿線沿線まちづくり整備方針(都立家政駅周辺地区編)、こちらで示しているとおり、西武新宿線の連続立体交差事業等、関連する沿道のまちづくりと併せて具体化を図るものと認識をしております。若宮地区の防災まちづくりなど、補助第227号線沿道のまちづくりと併せ、事業実施に向けた検討を行っているところであります。 続きまして、洗心寮跡地についてでございます。洗心寮跡地では、火災や盗難などに対応し安全に維持管理を行うために、侵入防止対策や樹木剪定を行っているところであります。また、早期に土地の利活用を図っていくため、今年度は建物解体の設計に着手をする予定であります。今後の活用方法につきましては、引き続き令和6年度を目途に、補助第227号線整備用地をはじめ、防災性向上や緑の創出のためのオープンスペース等、地域の課題やニーズを踏まえて検討してまいります。 次に、西武新宿線連続立体交差事業の推進について、決起大会後の私の認識についてのお尋ねです。いわゆる開かずの踏切は、慢性的な交通渋滞や踏切事故の危険性、通学時に踏切を渡る児童・生徒の安全確保など、切実な問題を抱えていると認識をしているところであります。こうした開かずの踏切の解消に向けて、連続立体交差事業は、道路交通の円滑化と市街地の一体化によって安全で快適なまちづくりに寄与する重要な事業であります。改めて決起大会を終えて地域の声を聞く中で、今後も引き続き中井駅から野方駅間の一日も早い完成と、野方駅から井荻駅間の早期事業化に向けて取り組んでいく決意でございます。 これまでの都への働きかけについてでございます。これまで、連続立体交差事業の着実な事業推進や早期事業化に向けて、期成同盟の決起大会後、本同盟の会長や中野区議会議長と共に決議文を持って要請活動を行ってまいりました。東京都へ要望した回数につきましては、私が区長に就任して以降ですと5回行っております。そのうち令和2年度、令和3年度においては、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から訪問形式での要請活動は控えたところでありまして、直接訪問した回数は、令和元年度、令和4年度の2回となります。今後は、新型コロナウイルス感染症が5類へ移行したことなども踏まえ、あらゆる機会を活用し、私自らも東京都や西武鉄道へ働きかけを行ってまいります。 〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕 ○都市基盤部長(豊川士朗) 私からは、区内鉄道駅のホームドア設置の御質問にお答えいたします。 区内のホームドア未設置駅についてでございますが、区は、中野区バリアフリー基本構想に基づきまして、鉄道事業者各社とホームドア設置等による転落防止対策推進の考え方を共有しており、西武鉄道株式会社に対しましても引き続き利用者の安全性確保について求めてまいります。 〔[2]大内しんご議員登壇 〕 ○22番(大内しんご) 再質問いたします。 西武鉄道連続立体交差事業について、東京都建設局に直接陳情というか要請というか要望活動というか、今年は行かれたのかという質問をいたしましたけど、そこのところはちょっとはっきり分からなかった。何か、行ってないようにも聞こえるし、行ったようにも聞こえるし、もう一度はっきり言っていただきたい。それはもう終わったことですからあれなんですけど、今後もしっかりと、議長なり、あるいは中野駅周辺整備・西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会の委員長と共に東京都に働きを強くしていただきたいという願いも込めて、ちょっともう一度、そこの今年度どのぐらい行ったのか行ってないのか、もう一度お願いします。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 大内議員の再質問にお答えします。今年度につきましては、先日8月23日の決起大会の決議文を受けて、現在、訪問日程については調整中でございまして、近々に東京都にも要請活動に参りたいと考えております。おっしゃるとおり、議会の皆様とも一緒に東京都に強く働きかけていきたいと考えております。 ○副議長(木村広一) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。
中野区議会議員 甲 田 ゆり子 1 子育て支援について (1)こども家庭センターについて (2)児童館について (3)学童クラブについて (4)里親制度における教育費について (5)その他 2 避難所運営について 3 なかの東北絆まつりについて 4 認知症施策について 5 その他
○副議長(木村広一) 次に、甲田ゆり子議員。 〔甲田ゆり子議員登壇〕 ○23番(甲田ゆり子) 令和5年第3回定例会に当たりまして、公明党議員団の立場で一般質問を行います。質問は通告のとおりで、その他はございません。 1番、子育て支援について伺います。 (1)こども家庭センターについて伺います。 私は、これまで子育て家庭を温かく支えていくため、子ども・子育ての地域包括ケアを構築することを一貫して求めてきました。国では、2019年の母子保健法改正により、生後1年以内の母子を対象に産後ケア事業の実施を市区町村の努力義務とすると定め、さらに昨年度からは、子育て家庭への伴走型相談支援と経済的支援、出産・子育て応援交付金をセットで行う制度をつくるなど、妊娠期からの切れ目ない支援を進めてきました。この取組は、中野区が2015年10月から先進的に開始した妊娠・出産・子育てトータルケア事業がモデルとなって大きく全国に波及をしたものと認識しています。中野区は、これからもこの切れ目ない子育て支援をさらに充実させ、産後鬱や児童虐待の防止に向けて取組を加速していただきたいと願っています。 国は、さらに、昨年の改正児童福祉法により、令和6年より包括的な子育て支援体制構築のため子育て世代包括支援センター等の組織を見直し、全ての妊産婦、子育て世帯、子どもへ一体的に相談支援を行う機能として新たにこども家庭センターの設置を自治体に求めています。中野区では、既に全ての妊産婦を対象にすこやか福祉センターにおいて相談支援を行っており、その延長で、すこやか福祉センター内にこの新たなこども家庭センターの機能を置くことが想定をされます。 こども家庭センターに求めている新たな取組として、サポートプランの作成があります。このサポートプランは、現行の保健師が作成している支援プランを一歩進め、子どもや保護者と面談の上、当事者と共有し、可能な限り当事者のニーズの把握を行ってプランに反映させ、実施を図るものです。支援を拒否する場合や実施が困難な場合は、利用勧奨、措置、児童相談所への送致などについて個別のケース会議で検討することが重要とされていますが、何よりも、孤立している多くの子育て家庭の育児不安を取り除き、子育てを軌道に乗せるための地域サポートがますます重要であると考えます。 そして、保育園、幼稚園、地域子育て支援事業拠点などの相談機関とも連携して、幅広く相談支援ニーズを掘り起こし、地域に多様に存在する支援メニューを活用しながら、その対象者に適切なプランをつくるとともに、そのプランが常に有効に機能するようマネジメントしていくことが期待をされています。誰一人取り残さない包括的な支援を提供していく上で中心的な役割を果たす重要な機能を担う組織であるこども家庭センターの適切な整備が、今後の切れ目ない子育て支援の中で極めて重要なものと考えます。区として、こども家庭センターの設置とサポートプランの作成はどのように考えているのでしょうか、準備状況を伺います。 次に、(2)児童館について伺います。 先日、9月1日の子ども文教委員会で、今後の児童館運営・整備推進計画の考え方について報告をされました。4館の児童館廃止条例の否決から1年半が経過し、様々迷走した結果、児童館を廃止せず、今ある児童館を残すことに変更したことについては、おおむねよいと思います。しかし、今回の考え方である直営の基幹型9館、民間委託を9館とする計画は持続可能なものとなるのでしょうか、伺います。 こども家庭庁は、現在、子どもの居場所に対して、孤立孤独や子どもの貧困など、福祉的な課題への対応を求めています。今後の児童館は、これまでのような単なる居場所ではなく、利用児童や親子を民間資源、地域資源を生かして適切な支援につなぐことのできる地域の子ども・子育て支援拠点の施設としていくべきと考えます。福祉的な課題への対応を強化するためにどのように取り組もうとされているのか、伺います。 また、この考え方を基に計画をつくるとすれば、基幹型の児童館職員は今後大きく意識変革をしていく必要があると考えます。そのためには、専門家からのアドバイスが必要ではないでしょうか。あわせて、児童相談所やこども家庭センター機能の担当部署など、各関係部署と定期的にローテーションするなどして人材育成を図るべきと考えますが、見解を伺います。 ソーシャルワーク機能の中心的な役割はこども家庭センターが担いますが、センターでは様々な資源による支援メニューにつなぐことになっています。放課後児童クラブや児童館はその一つであり、その中での支援メニューも増やすべきと考えます。以前私が提案したことのある国からの補助も見込める利用者支援事業の活用はどのように検討しているのでしょうか、伺います。 館の数ありきの発想から混乱を来してきたこれまでの児童館政策の考えを改め、方針転換を図ったのであれば、中高生強化型の児童館についても、まず方針を決めてから箇所数等を決めるべきと考えます。中高生の居場所機能とはどのようなことが求められ、区はどのようなことを重要と考えているのか、また、子どものニーズを聞いて判断してきたのかどうかが見えません。中高生の居場所機能については、しっかりとコンセプトを打ち出し、示すべきではないでしょうか、見解を伺います。 次に、(3)学童クラブについて伺います。 学童クラブの待機児ゼロを目指すことについては、さきの定例会の我が会派の久保議員からの質問における区長答弁で、学童クラブの待機児童対策は喫緊の課題であると認識をしており、待機児童の解消に向けて、区の組織体制も強化し、早急かつ重点的に取組を進めていくとのことでした。しかし、その後、子ども文教委員会で示されている方向性を見ていると、まずできるところからできるだけ定員増や弾力化をやってピークを乗り切ろうというものにも見受けられます。当然それで解消できる部分は大きいと思いますが、それだけでは真に待機児ゼロとなるかどうか疑問です。実際に、キッズ・プラザ未整備の学校で近距離に民間学童にも空きがないというような、どこにも行き場がなく、保護者が帰宅するまでの間の安全確保がされずにヒヤリとした事件があったという声もありました。こういったケースは稀かもしれませんが、学童クラブまたはキッズ・プラザが余裕を持って整備をされるまでの間は、例えば児童館等で月曜日も開けて準用するなど、本当の意味での待機児ゼロ施策をきめ細やかに行うべきと考えますが、見解を伺います。 この項の最後に、(4)里親制度における教育費の負担について伺います。 児童相談所が設置をされ、1年半が経過しました。中野区では、里親制度に関して、昨年私も提案をさせていただいた里親同士のピアサポート事業など先進的な取組も行われており、また、里親家庭からの要望を受け、里親認定証の取組も身分証として実効性のあるものと大変好評です。里親家庭では、乳幼児だけでなく高齢児の預かりも増えてきていると聞いています。そうした家庭では、高校や大学進学の際、学習塾や受験料がかかりますが、決められた上限額があり、それ以上かかった場合は里親の負担となっています。高校受験などは2校が限度となっておりますが、滑り止めで3校以上受験する場合もあります。それも里親の負担です。また、入学支度金は、小・中学校の入学時にはあるものの、高校入学時には対象とならないそうです。都児童相談所いわく、高校は義務教育とみなさないためという理由とのことです。さらには、入学金、授業料については実費が支弁されておりますが、学校へ納金した後の償還払いとなっているため、その間は里親が立て替えなければならず、受験間際の年齢から預かりを開始する場合、準備もない中で、多いときで100万円単位の金額を立て替えなければならない実態があるやにも聞いています。 社会的養護の子どもが里親家庭の経済状況で自立のための教育を受けることについて選択ができない状態になっている現状を、区はどのように認識されているのでしょうか、伺います。この制度は国の扶助費の取決めに合わせているようですが、もし現状を変える必要があると感じているならば、国や東京都に対して申入れも必要と考えます。まずは入学金の立替期間をなくすなど、制度を柔軟に運用できるよう改善を図るべきと考えますが、いかがでしょうか、伺って、この項の質問を終わります。 次に、2番、避難所運営について伺います。 現在、区内の震災時の避難所は43か所あり、それぞれ複数の地域防災会が避難をすることになっています。避難所ごとに避難所運営会議を設け、マニュアルを作り、震度5強以上の地震が発生した場合の対応について確認し合っています。この会議は、各避難所に属する地域防災会の自主性を重んじ、年に一、二回程度、区の防災危機管理課の援助を受け、区民活動センターの職員が連絡調整役となって開催をされていますが、運営会議によってその体制に格差があり、定期的な避難所運営会議を開催できない地域があり、体制の強化が急務と感じます。 その一つが私の地元です。平成29年11月の一般質問で、私は個別の運営会議名は出さずに全く同じことを取り上げましたが、今回は問題点を明らかにするため明確に述べたいと思います。この避難所運営会議は、打越町会防災会、昭三自治会防災会、上高田二丁目防災会、ブロードウェイ共同防火管理協議会の四つの地域防災会が所属をし、昭和地域本部を連絡調整担当として、私立大妻中野中学・高等学校を避難所としています。問題は、日常活動が全く別の地域を束ねて同じ避難所となっていること、早稲田通りを挟み消防署の所管も分かれていること、避難所が区有施設ではないことなどの様々な要因により防災組織が弱い状態となっています。 2019年8月23日を最後に、4年間も避難所運営会議が行われてきませんでした。これは、コロナ禍であったことを考慮しても厳しい現状と感じます。今年8月29日に久しぶりに開かれた運営会議では、組織体制の名簿一覧を作成するところから始めなければならないようです。上高田二丁目町会では、一般の町会員さんからも、有事の際の避難所への避難の仕方などについてあまりにも情報がないと不安の声が出されています。このような状況を区はどのように認識されているでしょうか、伺います。 区有施設以外の避難所、また編成等に課題があり、避難所運営会議を定期的に開催できていない避難所はどのくらいあるのでしょうか。そのような地域について、防災会の編成やバックアップ体制を見直すことはできないでしょうか。来年の地域防災計画改定を機に検討すべきと考えます。編成の見直しができないのであれば、定期的な開催等ができていない避難所運営会議を対象に区から少し厚めの支援をすべきと考えますが、いかがでしょうか、併せて伺います。 多くの防災会もそうであると思いますが、防災会役員が町会の役員との兼務であり、高齢化で負担が大きくなっているとも考えます。また、他の防災組織での好事例など、情報共有もほとんどありません。避難所運営会議や防災会ごとの避難訓練について、防災会組織の方々のニーズを把握し、取組が促進される支援策を区として検討すべきではないでしょうか、伺います。 あわせて、以前区が養成をした防災リーダーの活用状況は現在どのような状況でしょうか。今後も積極的に人材発掘、人材育成に力を入れるべきと考えますが、いかがでしょうか。 地域防災会から地域住民への情報発信もとても重要であると考えます。例えば、地域防災会の中に発信連絡ツールの活用ができる部門や人材を置くことを支援するなど、区として各防災組織の活性化に向けた支援の検討を図るべきではないでしょうか、伺ってこの項の質問を終わります。 次に、3番、なかの東北絆まつりについて伺います。 2011年の東日本大震災から12年が経過し、被災地の復興は着実に進んでいる一方で、時間の経過とともに新型コロナウイルスの感染拡大も相まって震災の記憶や風化が進んでいることから、復興庁では先月、震災から10年間の復興政策を振り返り、教訓や課題などをまとめた記録誌を公表するなどして風化防止に努めています。 中野区では、2012年より東北の復興支援と風化防止のためのイベントを東北復興大祭典なかのとして開催し、継続してきました。私も、このお祭りの開催趣旨に共感・賛同し、東北復興・ねぶた振興議員連盟が立ち上がった当初から、微力ながらお祭りの盛り上げに協力してきた一人です。議員連盟については、初代・梁川妙子会長、そして2015年からは大内しんご会長のリーダーシップの下、多くの超党派の議員が参加し、パレードのねぶた・跳人としての参加や、さらに模擬店を出店し、その収益金を少しでも東北復興のための寄附として貢献してきたことは非常に意義深いと感じています。さらには、少しずつ周知が進み、区民の皆様が毎年開催を楽しみにされているという声も多く聞いています。 このお祭りは、新型コロナの感染拡大時期で規模を縮小して開催した年を除いても、今年で10回を迎えることとなります。名称も昨年、2022年はなかの東北応援まつりとなり、そして今年はイベント名称をなかの東北絆まつりに変更して開催をするとのことです。この間の中野区での継続した取組、思いが通じ、中野区と東北各地との交流や絆が生まれ、東北6県のお祭りを一度に観覧できる東北絆まつりの名称を反映できることはすばらしいことと思います。 私は、この夏、親戚と共に岩手県盛岡のさんさ祭りを観覧した後、議連の視察へ合流し、本場の青森市でのねぶた祭りに参加する機会を得て、ねぶたの歴史や奥深さなどを改めて学ばせていただきました。ねぶたは芸術作品としての絢爛さがある一方、戦争や震災、感染症など困難な状況から人々の心を立ち上がらせてきた歴史があり、まさに復興のシンボルになってきました。中野区としては、この間、青森だけでなく、山形、仙台にも直接足を運び、岩手や秋田、福島とも交流の基礎をつくってきました。復興から絆へと進化したお祭りは、当初から込められた深い意義を大切にしながら、区民にとっても楽しく誇れるようなお祭りとして継続・発展することを願っています。 そこで、伺います。名称が変更されたとしても、東北復興支援という趣旨については変わらず継続しつつ東北各地との絆をより強めていく、そういった意義を込めたイベントであるという理解でよいのか、伺います。 また、絆ということであれば、いざというときに助け合える関係性の構築が大切です。今後さらにこれまで関係性を築いてきた各市との交流連携の協定や災害時の協定などについても進めていくべきと考えますが、区の見解を伺います。 東京で東北各地のお祭りが一度に見られるパレードは貴重なものと考えます。青森市出身の友人から聞いた話では、今年6月に青森市で行われた東北絆まつりのパレードは、綿密な計画をつくり実行したことで、めり張りをつけ、観客を本当に楽しませるものにすることができたとのことでした。私もユーチューブ映像で拝見をしましたが、確かに熱気に満ちたすばらしいパレードでした。中野でのパレードはミニ版ではありますが、せっかくやるのであれば、そのような本場の雰囲気が味わえるようなものに近づけていくため研究し、より多くの人を引きつけるものに仕立てていくことも大切ではないでしょうか。 一方で、本場の地方ではお祭り自体が絶好の観光PRの機会と捉えているため、地元団体が多く参加し、何よりも市役所挙げての行事となっています。中野区においては、ここまで東北の各自治体との連携・協力体制が進み、イベント規模を発展し継続してきた陰には、実行委員会とともに区の職員の支えが大きいと思いますが、地方とは違い観光課等の専任組織体制があるわけではないことから、今後の実施体制や継続・発展させていく取組とするためには課題があるのではないかと考えます。本イベントを発展・継続させていくためには、今後、自治体間の連携、交流、震災復興祈念展などについては引き続き行政が責任を持って対応し、さらに参加団体のアイデアや民間活力を取り入れることで、それが相乗効果となって経費をかけた以上の大きい効果、成果が掛け算となって生み出されるようさらなる工夫が必要ではないかと考えますが、区の見解を伺います。 東北復興はまだ終わっていませんが、復興の意義を込めたこのイベントは、将来的に東北以外の地でも甚大な災害等があった場合には、それらの被災地への支援なども含めて取り組むことがあってもよいと考えます。来年は、いよいよ新庁舎のイベントスペースと中野四季の森公園拡張エリア等との一体的な活用での開催ができるのを機に、新たな仕組みも検討し、より一層のにぎわいと、さらに意義深いイベントとして継続発展できるようしっかりと取り組んでいただくことを要望し、この項の質問を終わります。 次に、4番、認知症施策について伺います。 公明党として2015年から一貫して制定を訴えてきた認知症基本法が、遂に本年6月、超党派の合意による議員立法として成立をいたしました。認知症基本法の目的は、あくまでも認知症の人を含めた国民一人ひとりが個性や能力を発揮して、互いに尊重し合いながら生きていける共生社会をつくることにあります。認知症施策というと、これまでは予防や早期発見、早期対応に重きが置かれてきましたが、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると言われており、誰がなってもおかしくない状況です。今回、当事者の声を聞いて法律をつくる中で、予防や診断、治療、社会参加の在り方などは研究推進の取組の一つとして位置付けられました。基本理念は七つあり、詳細は割愛をいたしますが、認知症が正しく理解され、尊厳が保たれ、安心して希望を持って暮らせる地域づくりの取組を行うことが明記をされています。その観点から幾つかお伺いをいたします。 中野区では、認知症政策を中野区地域包括ケア総合アクションプランの柱の一つに掲げ、重要な取組の一つと位置付けていますが、今後は、国の基本法の理念に基づき区市町村の努力義務とされている認知症基本計画を策定すべきと考えますが、見解を伺います。 当然、並行して、これまで行ってきた認知症理解の普及啓発のための事業や予防、早期発見に向けた取組も充実をさせなければなりません。本人の尊厳のため、いかにも認知症状が進んだ方だけが集うようなデイサービスやサロンだけではなく、敷居の低い多様な方向けのサロンやカフェが必要です。オレンジカフェは様々な工夫をしてボランティアで開催をしてくださっていますが、その場に継続して通いたくなるよう区として共通のツールやポイント制度などの後押しの施策を行ってはいかがでしょうか。また、認知症アドバイザー医である地域のクリニックから地域のオレンジカフェに連携する仕組みなども検討してはいかがでしょうか、伺います。 さらに、多くの高齢者が人生の終末期に向かう中で、これまで全く経験のなかった手続や財産問題、生活や住まいの問題、家族関係における複雑な問題など、手に負えない課題に直面することがあります。ある程度の年金を受給している方や住宅などの資産を少し保有されている方は、生活保護を受給することもできなければ施設にも入れず、苦しく不安な生活を余儀なくされている方もいます。しかし、現状では手遅れと言わざるを得ない状況にならなければ、要介護認定も生活保護も、さらには区長申立ての成年後見制度も使えないことが多いと考えます。かといって、収入の少ない方は月に数千円の金額でも、サポートに対する利用料金を支払うことをためらうのが現状です。高齢者が無料でまたは安価で使える見守りや各種の手続サポートなどのサービスをもっと増やしていくことも重要と考えますが、各種サポートの在り方について区の見解を伺います。 また、認知症になった人とそうでない人を分けるのではなく、全ての高齢者が認知症になる可能性があることを視野に入れた予備軍の段階からの各種サポートと権利擁護、意思決定支援など、多面的な支援の充実が求められています。標準的なメニューや流れを示す中野区版認知症ケアパスがありますが、権利擁護の部分については取組が薄く、不十分であることが明らかです。本人の権利を擁護するため、判断能力のある間に本人の代わりになって複雑な問題に対応してくれる伴走者や選択肢を示すコーディネーターの存在が必要です。早い段階からの相談支援として、民間セクターの力も活用しながら区として伴走支援者の充実を図る必要があるのではないでしょうか、区の見解を伺います。 多様な困り事を抱える高齢者がますます増える社会において、誰もがその人らしく生きていけるため、今こそ認知症予備軍を含めた総合的な高齢者支援策を打つべきであり、認知症基本法の理念にのっとった計画を早期に策定することを再度求め、私の全ての質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 甲田議員の御質問にお答えいたします。 まず、子育て支援についてで、こども家庭センターについてです。区では、すこやか福祉センターをこども家庭センターとして位置付ける考えでございまして、令和6年4月の設置に向けて準備を進めております。こども家庭センターでは、保健師等が中心となって行う各種相談等においてサポートプランを作成することとなっておりまして、現行の業務とのすり合わせや実施体制の確保などを検討しているところであります。 次に、児童館について、持続可能な児童館施策の推進です。児童館につきましては、これまでの児童館の機能、役割を基礎とした上で、ソーシャルワーク機能、乳幼児親子への支援機能、中高生世代への支援機能などを強化した3類型に移行することとしております。児童館に配置する職員については、福祉職の人事ローテーションの中で専門性を備えた人材を確保するとともに、乳幼児機能強化型及び中高生機能強化型の児童館についてはノウハウを持つ事業者に委託する考えであります。また、実施計画において児童館の今後の展開を踏まえた経費等を盛り込み、区全体の財政フレームの中で持続可能な財政運営が実現できるよう検討を進めてまいります。 次に、福祉的課題への対応強化についてです。児童館は、日常の遊びなど身近な場面から子どもや保護者の課題等を把握することのできる施設でありまして、適切な支援につなぐことも重要な役割の一つであると認識をしております。基幹型児童館につきましては、福祉的課題に対応するためソーシャルワーク機能を強化した運営を行うこととしておりまして、運営モデルの確立や専門性を備えた人材の育成・配置などに取り組んでまいります。 次に、基幹型児童館の職員の人材育成です。基幹型児童館におきまして、ソーシャルワーク機能を強化した運営を行うためには、児童館に配置する職員の資質向上や専門性の確立が重要になると考えております。職員研修の充実や専門資格の取得支援に取り組むとともに、移行後の運営を想定したモデル事業において、外部有識者による助言などを受け施設運営に生かせる仕組みを検討してまいります。また、職員の配置につきましては、児童相談所やすこやか福祉センターなど、様々な福祉職のローテーション職場の一つとして位置付けることで専門性を確立してまいります。 次に、利用者支援事業の活用です。法定事業でございます利用者支援事業は、利用者支援専門員を配置することで、子育て家庭や妊産婦に対して身近な場所での相談や情報提供、助言等の必要な支援を行うものであります。基幹型児童館において利用者支援事業を活用することで、ソーシャルワーク機能の効果的・効率的な実施や財源の確保につながると考えておりまして、具体的な活用方策を検討してまいります。 次に、中高生機能強化型のコンセプトについてでございます。今年度の若者活動支援事業において、中高生世代の居場所、こちらをテーマの一つとしておりまして、中高生世代のニーズをまとめていくことを予定しております。また、児童館運営整備推進計画の策定過程などにおいても子どもの意思を聴取することを考えておりまして、中高生世代の意見を踏まえ、中高生機能強化型児童館の運営内容等を明らかにしてまいります。 次に、学童クラブの待機児童対策です。区は、待機児童の解消に向けてキッズ・プラザ整備に合わせた区立学童クラブの設置などを着実に進めるとともに、今後の需要見込みのピークに対応できるよう暫定的な定員拡充などを検討しているところであります。待機児童対策の推進に当たっては、小学校区ごとの子ども施設等の状況を踏まえることが重要であると考えておりまして、状況に応じたきめ細やかな対策を行ってまいります。 続きまして、里親制度における教育費に関してです。まず、現状認識についてです。里親制度に係る高校や大学進学の際の入学金、授業料、学習塾、受験等の必要な経費、これらについて一定の委託費が支払われているところでありますが、里親家庭に様々な経済的負担が生じ、子どもの進路の選択等にも影響を及ぼす場合があると考えております。 次に、里親制度における養育費の改善策についてでございます。この里子に係る委託費の取扱いにつきましては、国の要綱及び東京都の支弁基準を踏まえ都区広域で運用しておりまして、本区独自に取扱いを変更することが難しいと考えております。里子の自立を支えるといった観点から、現行制度における運用実態や、どのような対応が可能であるかなどについて都区間で情報共有し、必要に応じて国への申入れ等も検討してまいります。 続きまして、なかの東北絆まつりについてでございます。 まず最初に、今回名称変更したなかの東北絆まつりの意義についてであります。昨年のなかの東北応援まつりは、東日本大震災の被災地域の復興を継続的に支援するという当初からの祭りの趣旨を引き継ぎつつ、東北各県との連携強化と中野区の地域振興につなげていくというコンセプトの下、開催をいたしました。今年のなかの東北絆まつりは、これまで東北6県において順番に開催され東北の方々にとって思い入れの深い絆まつりの名称を、東北各市の了承を得て中野の祭りの名称に取り入れることを実行委員会で決めたものでございます。開催のコンセプト自体に変更はありません。 次に、各自治体との連携についてです。復興支援を通じて育んできた各自治体との連携を強化していくことは、さらに交流を前進させ、相互の繁栄を共に築いていくという観点から大変意義深いことだと思っております。この間、青森県青森市と黒石市とは継続的な交流連携を促進することを目的とした交流連携協定と災害時における相互応援に関する協定を締結をいたしました。現在、山形県の山形市と交流連携協定と災害時における相互応援協定、こちらの締結に向けた協議を進めているところであります。これまで関係を構築してきた他の自治体とも、今後の連携協力関係の在り方について協議をし、同様の取組を進めてまいります。 今後のなかの東北絆まつりの運営方法についてでございます。この祭りは、実行委員会や参加団体など多くの関係者の継続した熱意と協力の下、区が事務局として支援しながら実施することで区内最大級のイベントに成長してまいりました。この間、実行委員会では、クラウドファンディングや広告等の協賛拡充など自主財源確保に努めるほか、区内の大学や民間企業などにボランティア協力の呼びかけなどを実施しておりまして、今年は昨年の約2倍の方がねぶたの引き手に名のりを上げていただくなど、参加の輪が広がってきております。今後とも実行委員会と協議しながら、多くの方々の参加や御意見を募り、実施内容や運営方法についての検討を行い、それらの相乗効果によってさらに祭りが盛り上がるよう工夫してまいります。 〔防災危機管理担当部長杉本兼太郎登壇〕 ○防災危機管理担当部長(杉本兼太郎) 私からは、避難所運営についてお答えいたします。 まず、避難行動における区民の不安についてでございます。大妻中野中・高等学校の避難所につきましては、長く避難所運営会議が開催されておりませんでしたので、会議を開催するように働きかけてまいりました。本年8月に開催した会議では、運営組織の見直しや学校施設の活用方法などについて、防災会、学校及び区で確認したところでございます。今後は、防災会議や対象地域の住民に向けた避難訓練や避難所の運営訓練などの実施について活動を支援してまいります。 次に、区有施設以外の避難所についてでございます。区有施設以外の避難所は7か所でございます。新型コロナウイルス感染拡大時には避難所運営会議の開催が停滞しておりましたが、今年度からは各地域におきまして避難所運営会議が再開されてきております。定期的な開催ができていない避難所については、積極的に支援を行ってまいります。 次に、防災組織のニーズの把握と支援策の検討でございます。現在避難所ごとに実施している避難所運営会議のほか、地域防災住民組織連絡会議を年に2回開催しておりまして、こうした機会を通じて防災会組織のニーズを把握し、支援策を検討してまいります。また、同会議におきまして防災会での好事例等を発表する場を設けまして、防災会の間で情報共有できるような機会を設けてまいります。 次に、防災リーダーの活用状況及び今後についてでございます。防災リーダーには、地域訓練等で訓練指導のほか、地域での防災講話の講師などを依頼しているところでございます。また、令和5年度、本年度中野区防災訓練の実施会場のうち明和中学校につきましては、防災リーダーの方に実行委員長及び副実行委員長を務めていただくこととなってございます。今後とも防災リーダーのフォローアップに努めまして、新たな人材発掘を検討してまいります。 最後に、防災組織の活性化に向けました検討でございます。区では、これまでに養成した防災リーダーによる防災リーダーの事務局を設けまして、訓練や会議への参加などについて地域へのコーディネートを実施してまいりました。今後も、防災リーダー事務局との連携を強めまして、情報発信の在り方や各防災組織の活性化に向けた検討を進めてまいります。 〔地域包括ケア推進担当部長石井大輔登壇〕 ○地域包括ケア推進担当部長(石井大輔) 私からは、認知症施策についての御質問にお答えいたします。 まず、認知症施策推進基本計画についてでございます。区では、認知症基本法の趣旨を踏まえ区としての認知症施策推進基本計画を策定することとし、今年度策定を予定している中野区健康福祉総合推進計画の中で個別計画の一つとして位置付けることを検討しております。 次に、オレンジカフェの参加促進についてでございます。区内で展開されているオレンジカフェの中には、参加者に個別に開催日を連絡したり迎えに行くなど工夫している実施者がある一方、継続的な運営を課題とする実施者もあると認識をしております。オレンジカフェの周知や参加促進、運営の在り方をテーマとした意見交換の場を設け、今後の支援策を検討してまいります。 次に、医療機関とオレンジカフェの連携についてでございます。認知症の当事者またはその家族が地域で安心して暮らし続けるためには、医療機関と地域資源の連携が重要であると考えております。地域資源の一つであるオレンジカフェは医療機関においてもあまり認知されていないことから、医師会等との協力を得ながら周知に努めてまいります。 次に、高齢者サポートについてでございます。現在の社会経済情勢の中、住まいや健康、家計に不安を持っている高齢者は少なくないと認識しております。区が提供する様々な相談支援サービスについては、高齢者がちゅうちょすることなく気軽に相談できるとともに安心してサービスが利用できるよう、サービス内容だけでなく手続や料金についても配慮していきたいと考えております。 最後に、権利擁護支援についてでございます。高齢者にとって身近な支援者は地域包括支援センターや介護サービス事業所でありまして、そうした相談支援機関による権利擁護の取組が確実になされるよう専門的な権利擁護機関との連携を強化するとともに、人材育成を行ってまいりたいと考えております。 ○副議長(木村広一) 以上で甲田ゆり子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 武 田 やよい 1 生活困窮者支援について (1)生活再建の視点に立った債権管理について (2)女性・シングルマザーの貧困と対策について (3)物価高騰対策について (4)その他 2 新庁舎移転の準備と体制について 3 介護保険事業計画について (1)第9期介護保険事業計画策定にあたっての区の方針について (2)介護保険料の設定について (3)基盤整備の状況について (4)その他 4 区営住宅・福祉住宅について 5 学校統廃合の課題について 6 東中野駅東口周辺まちづくりと駅舎のバリアフリー化について 7 その他
○副議長(木村広一) 次に、武田やよい議員。 〔武田やよい議員登壇〕 ○7番(武田やよい)2023年第3回定例会に当たり、日本共産党議員団の立場で一般質問を行います。質問は通告どおりで、その他はありません。 まず、生活再建の視点に立った債権管理について伺います。 2021年第2回定例会、総務委員会で、特別区長会調査研究機構研究として中野区が提案し研究した「債権管理業務における生活困窮者支援・外国人対応」の報告がありました。当研究では、生活困窮に陥った区民が資力を回復し再び納期内納付者として生活することが中長期的な歳入の確保策になること、行政の責務として、金銭面からいち早く世帯の困窮を発見し必要な支援に結びつける仕組みの構築が必須であり、その手段として債権の一元管理が必要であると整理されています。 しかし、前回の第2回定例会で報告された区債権の状況及び現年度における収入率向上に向けた取組を見る限り、目的と手段が入れ替わり、徴収することに力点が置かれ、生活再建の視点に立った債権管理の取組は進んでいない印象を受けます。長引くコロナ禍、物価高騰、厚生労働省の調査においても格差が広がっていると報告されている中で、生活再建を視野に入れた対応は待ったなしであると考えますが、報告から既に2年経過している中、連携方法などはいまだに示されていません。 そこで、伺います。現在の区民生活を考えれば、今こそ債権管理において生活再建の視点が大切だと思いますが、どのように考えているのか、答弁を求めます。 さきの行政報告で、新庁舎における質の高いサービスの提供に向けて(仮称)おくやみ窓口など相談窓口の拡充を図る検討を行うことが報告されています。専門的であり複数の窓口にまたがる対応のワンストップ化検討と認識していますが、納付相談窓口のワンストップ化も検討すべきではないでしょうか。債権発生の根拠は各法令等により異なりますが、納付相談、滞納整理に関する対応はほぼ共通しており、専門的な見地から納付相談をワンストップで受けることで、相談者の負担を軽減できることに加え、業務効率にも寄与するものと思われます。 そこで、伺います。納付相談の一本化について検討は行われたのでしょうか。行われたのであれば、どのような対応を行うのか、課題は何か、未検討であればその理由と今後の方向性をお答えください。 9月に開催された中野区地域包括ケアシンポジウムの報告の中で、コロナ禍で自殺者が増加したとの資料があり、男女ともに原因、動機の4割以上が経済・生活問題となっていました。加えて、相談しない理由として「誰に相談してよいのか分からない」との回答が比較的高い割合を示していました。滋賀県野洲市では、滞納を一つのSOSと捉え、その背景にある世帯の困難に注目して対応する施策を実施しています。滞納の背景には、突然の解雇、ひきこもりなど様々な困難が想定されます。相談先が分からず悩んでいる世帯を制度のはざまに陥らせず積極的に支援するためには、地域包括ケアで実践しているアウトリーチチームの活動が有効であると考えます。アウトリーチチームが活動するための滞納情報の連係について考え方をお答えください。 続いて、女性・シングルマザーの貧困と対策について伺います。 昨年度、単身女性の当事者団体が中高年シングル女性の生活状況実態調査を行いました。40歳以上の未婚、離婚、死別などで同居のパートナーがいない方たちが調査対象です。その中で、コロナ禍、円安による物価高騰で生活が苦しいと答えた方が約7割に及び、働いている人の半数以上が非正規または自営業でした。資産がない人は4人に1人、住居に困っている、将来的に病気、介護、仕事の継続、年金、社会保険料負担など不安が多岐にわたっている実態が明らかになりました。自由記入欄には、就職氷河期世代の40代、50代から不本意な非正規就労への声が寄せられています。区は、こうした中高年シングル女性の様々な困難についてどのような認識をしているのか。公の支援が必要であると考えますが、見解を伺います。 複雑化、多様化、複合化している女性をめぐる課題に対応するため、女性への支援について、これまで売春防止法の中に規定されていた保護更生から脱却し、女性の福祉、人権の尊重や擁護、男女平等といった視点を明確にした困難な問題を抱える女性への支援に関する法律が制定され、来年4月1日に施行されます。新法第8条では、市区町村は、国の基本方針、都道府県の基本計画に即した市町村基本計画を定めるよう努めることが規定されています。閉会中の総務委員会で、区として基本計画を定めるとの報告がありました。 そこで、伺います。前出の調査の中で、困ったときの相談先として「自治体窓口」と回答した方は11%にとどまっていました。公的機関とつながりにくいシングル女性への支援を基本計画に位置付ける必要があると思いますが、いかがですか、見解を伺います。 この項目の最後に、物価高騰対策について伺います。長引く物価高騰により、区民や事業者の方々の困難さが増しています。第2回定例会に続き今定例会でも区独自の物価高騰対策について補正予算が提案されており、区の対策について評価をいたします。しかし、現時点で物価高騰は収まる気配が見えません。 そこで、伺います。今回提案されている私立保育園・幼稚園、介護保険事業者等への支援について来年度も継続すべきと考えますが、いかがでしょうか、答弁を求めます。 我が会派では、6月1日に物価高騰対策緊急提案の一つとしてエアコン購入・設置・修理費の助成を要望しました。地球温暖化の影響により毎年暑さが厳しくなっている中で、エアコンは命を守るための必需品です。23区では練馬区などが、経済的な事情によりエアコンを購入できない、修理できない世帯を対象にエアコン購入費等の助成を実施しています。中野区でも実施に向けて検討すべきと考えます。答弁を求め、この項目の質問を終えます。 続いて、新庁舎移転の準備と体制について伺います。 新庁舎への移転時期は来年のゴールデンウィークと聞いていますが、最大の窓口を抱える戸籍住民、保険医療などでは、例年2月中旬頃から繁忙期を迎え、3月、4月は通常期と比べ1か月の来庁者が7,000人から8,000人ほど増加する最大の繁忙期となります。この状況下で窓口サービスの質を低下させることなく移転準備、新庁舎でのシミュレーションや研修を行うためには、年内にはマニュアルなどの整備を終え、遅くとも年明けから研修や移転準備作業を行う必要があると思われますが、見解を伺います。 最大の繁忙期である4月に人事異動により窓口職員が未経験の職員に入れ替わることは、安定した住民サービスの提供に支障が出ると思われます。加えて、新庁舎での新たな機器の使用や動線などについて4月以前から研修を行っている職員を入れ替えることは非効率で不合理だと考えます。申請書の記載が不要になり時間が短縮されるとしても、受け付ける職員が制度や手続内容を熟知していなければ、教えるために2倍の人員が必要となったり確認のために待ち時間が増えたりすることが想定されます。かつて、ワンストップ化や発券システムの対応変更時に、3時間待ち、100人以上待ちなど、来庁者数の増加以外の要素で長時間お待たせする状態が1か月ほど続いたことが数回ありました。同じことを繰り返さないために、各所管の実情を把握し、意向を反映した万全な対策を講じる必要があると考えます。今年度末は、定年延長により定年退職者が発生しない年に当たります。 そこで、伺います。勧奨・普通退職などの対応以外、少なくとも窓口サービスを抱える部署については、原則として4月1日の人事異動の見送り、もしくは安定稼働を見据えた時期などの異動を行うべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、見解を求めます。 窓口職場の準備作業、研修などは、時間外、土日など閉庁時になると思われます。負担が大きくなる窓口職場について、人事異動時期の検討に加え、業務経験者の応援体制を組むなど、各所管の実情に応じた対応が必要ではないでしょうか。かつては、異動直後の前任者が繁忙期の応援に入るなどの対応を行っていました。 そこで、伺います。新庁舎移転を円滑に行うための人的な対応について、各所管部の責任で対応するのではなく、人事異動、応援体制など全庁的に総務部がイニシアチブを取り円滑な移転が行えるよう対応すべきであると考えますが、いかがでしょうか、見解を求めます。 窓口において区民の方が望んでいるのは、新たなシステムや目新しい仕組みではなく、必要な手続が適切に提供されること、きちんと受け止められ対応してもらっているという安心感だと思います。万全の体制で臨まれることを要望し、この項目の質問を終わります。 次に、介護保険事業計画について伺います。 介護を社会全体で支える制度としてスタートした介護保険制度は、改正を重ねるたびに「保険あって介護なし」になりつつあります。昨年国が示した検討案は史上最悪の介護改悪として反対の声が大きく上がり、検討案の多くが先送りされました。報酬やサービス内容、事業所認可の基準などが法で定められており縛りの多い制度ですが、保険料の設定や基盤整備計画、介護サービス事業者の支援など、保険者としての区の姿勢が反映させられる要素も多々あります。 そこで、伺います。第8期介護保険事業計画の基本理念は健康福祉都市なかのの理念としてまとめられていますが、第9期事業計画策定に当たっては個別計画である介護保険事業についての基本理念を明確にすべきであると考えますが、いかがですか、答弁を求めます。 続いて、介護保険料の設定について伺います。第8期では、社会状況等を鑑み、介護給付準備基金の活用などにより第7期保険料と同額でした。年金受給額は下がり、物価高騰も止まらない状況下で、介護保険料は原則として年金から天引きされるため、保険料が上がればさらに年金の手取りが少なくなります。区民生活を守る保険料設定が必要であると考えます。 そこで、伺います。第9期の保険料設定に当たっては、積極的な基金取崩しなどにより保険料を下げる、少なくとも据え置くべきであると考えますが、いかがでしょうか、答弁を求めます。 基盤整備について伺います。 生活相談では、アパート老朽化や相続のための建て替えにより、低廉な家賃のアパートからの立ち退き相談が増えています。しかし、低所得の高齢の方がアパートを探すことは大変困難な状況です。また、介護保険は利用していなくとも緩い見守りや支援が必要な高齢者が増加しており、このような方たちを対象とした都市型軽費老人ホームは、住み慣れた地域で暮らし続けるための施策の一つとして今後ますます需要が高くなると思われます。第8期介護保険事業計画では、2施設40名定員の誘導整備を掲げていますが、整備実績はないとのことです。 そこで、伺います。積極的な誘導策が必要であると考えますが、事業者からの相談状況、整備推進に当たって必要と思われる支援策についてお答えください。 介護保険制度には、このほかに認知症高齢者グループホームや特別養護老人ホームなどがありますが、御本人の身体状況、経済状況において住み分けや住み替えが必要になってくると思われます。切れ目なく安定した住まいとしても提供する視点に立ち、事業所の運営状況も考慮した基盤整備目標と誘導策を検討すべきだと考えますが、いかがでしょうか。基盤整備の考え方を伺い、この項目の質問を終わります。 次に、区営住宅・福祉住宅について伺います。 住宅施策は福祉施策であると考えていますが、この間、区営住宅・福祉住宅に入居することになった方たちから寄せられた相談では、区の姿勢に疑問を感じる内容が数件ありました。事例を基に伺います。 区営住宅を申し込んだAさんからは、入居の連絡で初めて風呂釜、浴槽を自分で設置すること、バランス釜と小さな浴槽1種類しか設置できず金額も30万円を超えるなど高額であることを知らされ、金銭的に困り相談がありました。その後も自分で電気配線の増設を行うなど、一般的な賃貸住宅では想像できない対応に追われる中、内見は1回だけ、家賃が安いのだから嫌なら辞退してといった対応をされたとのことでした。また、福祉住宅に応募したBさんからは、人工透析へ通う際など生活上大事な移動手段となっている自転車を止める駐輪場がないことを入居決定の際に知らされ、大変困って相談が寄せられました。区営住宅・福祉住宅の設置目的、入居対象者の生活状況を考えれば、生活に必要な条件に沿った応募を行うことや、事前準備のために募集時に正確な情報提供を行うべきであると考えます。区の見解を伺います。 Bさんの場合、多くの方の協力で近隣に駐輪場に見つけ入居することができましたが、過去には駐輪場が見つからず入居を断念した方もいると伺っています。特に福祉住宅においては、御本人の状況、希望に応じた入居決定が行えるよう、申し込む時点で条件を記載できるようすべきではないでしょうか、見解を伺います。 現在、都営住宅は建て替えが進み、入居者が浴槽、風呂釜を設置する住宅は大幅に減少しているとのことです。区営住宅建て替え目安は70年と聞いていますが、少なくとも浴室などの水回りについて退去などの機会に改修し、入居時の負担軽減、使用しやすい浴室にすべきではないでしょうか。また、区有施設の環境性能を上げていく視点、入居者の光熱費抑制の観点から、断熱サッシへの改修など可能な範囲で住環境の質を向上させる改修を行うべきであると考えますが、いかがでしょうか、併せて答弁を求めます。 次に、学校統廃合の課題について伺います。 平成17年10月及び平成25年3月に策定された中野区立小中学校再編計画を基に進められてきた学校統廃合について伺います。当計画について、我が会派は、教育環境の後退を懸念し、一貫して反対の立場を表明してきました。しかしながら、前区政の下で強引に進められてきた経過があります。この小中学校再編計画の結果として、例えば谷戸小学校では校庭に教室棟を増築するなどの対応が必要となり、当初計画とのずれが子どもたちの学ぶ環境を圧迫しています。学校がなくなった地域では、高層マンションとファミリータイプのマンション増加などにより子育て世帯が転入してくる可能性が高い地域もあり、通学できる学校がない状況に陥ることも想定されます。 そこで、伺います。計画当時の児童・生徒数の見込みと現時点での状況、学級数の見込みと乖離についてどのように考えているのでしょうか。今後の見通しも含め、見解を求めます。 現在教室棟を増築している谷戸小学校では、工事期間中、校庭では体育が行えないほど狭小となり、保護者の方たちからは体力不足を懸念する声も聞かれます。教室棟増築後の校庭面積は児童1人当たり約3平米とのことであり、これは文部科学省が定める小学校基準の運動場面積10平米のおおよそ3分の1程度となります。再編計画で示された中野区の目指す学校像では、ゆとりあるスペースの確保、可能な限り広い校庭の確保など、教育環境を整えるとありますが、明らかに逆行しています。第2回定例会で我が会派の羽鳥議員の再編計画の検証に関する質問について、令和6年度から検証するとの答弁がありましたが、子どもたちの置かれている状況を改善するために学校新設を視野に入れた学校再編計画の検証を今年度中に開始すべきであると考えます。見解を求めます。何よりも子どもたちによりよい教育環境を提供することを求め、この項目の質問を終わります。 最後に、東中野駅東口周辺まちづくりについて伺います。 昨年11月にまちづくり意見交換会が開催され、地域の方々にはアンケート調査も行われました。このとき参加した方々からは、どこにでもあるまちではなく東中野らしさを残したい、これ以上高層建築物は要らないといった声が多くありました。飲食店街は、これまでの歴史やロケ地に使われてきたことなどから昭和のまちの風情を残したいという思いが強くあります。この地域は、学校統廃合により小・中学校がなくなり、図書館も廃止され、取り残されていると感じている方も少なくありません。このため、東口周辺のまちづくりに取り組むためには、まず、地域に入り信頼関係をつくっていくことが必須であると考えます。 そこで、伺います。第2回定例会で示された産業振興方針(骨子)の中でも東中野駅東口周辺のまちづくりが施策の一つとして挙げられています。ハードとソフト両面でまちづくりとにぎわい創出を進めていくことが必要だと考えます。そのために、各所管が別々に対応するのではなく、区の関連部署と地域の方々が一堂に会して検討する場を設定するなど、関係者が集まり踏み込んだ議論のできる場を設定できないでしょうか、見解を求めます。 続いて、駅舎のバリアフリー化について伺います。 地域の長年の要望であるバリアフリー化について、区の検証では、現状ではバリアフリー化困難と報告されました。まちづくりと併せた実施については、またさらに時間がかかると落胆の声があります。区はこれらの声をどのように受け止めているのか、見解を伺います。 東口は、改札内にトイレもなく、駅員も配置されていません。来年夏以降、特別支援学校の生徒さんたちが通学で利用することもあり、まちづくりと切り離してバリアフリー化を進めてほしいとの要望が強くあります。現状で対応可能な対策をJRに求めるべきです。見解を伺います。 東中野駅東口周辺のまちづくりと駅舎のバリアフリー化について、地域との協働により進めていくことを重ねて要望し、私の全ての質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 武田議員の御質問にお答えいたします。 生活困窮者支援についてで、生活再建の支援に立った債権管理についてでございます。昨今の新型コロナウイルス感染症や物価高騰等の影響も踏まえ、債権管理業務においても生活再建の視点が求められていると認識をしているところであります。納付相談の際、適切に生活相談窓口や関係機関につなげる仕組みづくりについて検討しているところであります。 次に、納付相談窓口の一本化についてです。生活再建の視点に立った納付相談の充実につきましては、相談に際して債権所管、福祉部局など関係部署間で情報を共有化し、滞納者に対する統一した対応を実現することを軸に検討を進めているところであります。それぞれの債権の性格も異なることから、納付相談充実の視点での納付相談窓口の一本化については現時点では考えておりません。 次に、アウトリーチチームとの情報連携についてです。アウトリーチチームは、生活に困っている方をできる限り早期に適切な支援へとつなぐことを旨としております。滞納しているケースの場合、債権管理や生活再建の部署につなぐなど、関係部署が連携し支援に取り組んでおります。 続きまして、女性への公の支援についてでございます。女性の就労、住居、家庭などの状況による生活困窮に対し公の支援は必要と考えておりまして、様々な困難な問題を抱える女性の相談窓口として女性相談を実施をしております。相談を通じて必要な支援につなげてまいります。 次に、女性への支援を計画に位置付けることについてです。区は、現在改定を行っている男女共同参画基本計画に困難な問題を抱える女性への支援に関する法律に基づく市町村基本計画を位置付けることを予定しておりまして、女性を相談・支援につなげていくための環境整備について盛り込んでまいります。 次に、物価高騰対策についてで、来年度の物価高騰対策における事業者支援についてでございます。令和6年度においては介護報酬の改定が行われる予定でございまして、公的価格の一定の見直しも想定されることから、その動向も注視しつつ、物価上昇の状況を見定めながら、私立保育園・幼稚園、介護サービス事業者、障害福祉サービス事業者等への支援について、来年度予算編成を進める中で検討してまいります。 次に、エアコンの設置助成についてです。エアコンは既に生活必需品として認められ、価格も幅があるものの廉価な製品が多く販売されているなどの状況から、区が購入費用を助成することの必要性については、他の自治体の動向も踏まえ慎重に検討する必要があると考えております。低所得世帯への物価高騰対策としては、住民税非課税世帯等を対象とした価格高騰支援給付金事業、これを実施しておりますが、引き続き必要な対策について検討してまいります。 次に、新庁舎移転の準備と体制についてで、窓口サービス業務に係る新庁舎移転の準備についてでございます。新庁舎移転に際しては、窓口対応マニュアルをはじめとし、窓口案内のツールである各種機器の操作マニュアルなどをおおむね年内に作成する予定であります。また、窓口業務に従事する職員を中心に、フロア特性に応じて説明会や実機を用いたシミュレーションなどを、おおむね年度内に実施をする予定であります。 続きまして、令和6年4月の職員人事異動についてでございます。今年度末をもって普通退職する方や勧奨退職者が見込まれるため、職員の人事異動については実施せざるを得ないと考えております。ただし、新庁舎移転が5月に予定されていることから、特に窓口サービス部門の職員の人事異動については小規模にとどめる等の配慮を検討したいと考えております。 次に、新庁舎移転に伴う職員の応援体制についてであります。昨年度から今年度にかけて新庁舎の窓口サービスにおける推進本部を設置し、総務部DX推進室と区民部を中心とした連携協力体制を構築してきたところであります。来年度の新庁舎移転に向けてどのような応援体制を組むことが必要であるか、引き続き検討してまいります。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 学校統廃合の課題についての御質問にお答えいたします。 まず、再編計画の児童・生徒数の見込みと実数との乖離についてでございます。小・中学校再編計画における令和4年度の推計値と実数を比較すると、小学校の児童数は1,771人増加し1万476人となり、学級数は25学級増加し342学級となりました。中学校の生徒数は推計よりも6人減少し3,395人となり、学級数は16学級減少し98学級となりました。今後の見通しとしましては、小学校の児童数は数年後に減少に転じ、中学校の生徒数は微増傾向が続くと推計しております。小学校の児童数と学級数は共に推計値よりも増加いたしましたが、学級数は一部の学校を除き、おおむね再編計画が目指した規模であると考えております。 次に、区立小中学校再編計画の検証についてです。教育委員会では、子どもたちが適正規模の学校でコミュニケーション能力を高め、多様な子ども同士の触れ合いや友人関係をつくり、確かな学力、豊かな心、健康、体力などを身につけることができるよう、中野区立小中学校再編計画を作成し、小・中学校の再編を進めてまいりました。令和6年度に中野区立小中学校再編計画に基づく小・中学校の再編が終了することを踏まえ、この目標の達成状況について検証を行う予定です。必要な準備は今年度から進めてまいりたいと考えております。 〔地域包括ケア推進担当部長石井大輔登壇〕 ○地域包括ケア推進担当部長(石井大輔) 私からは、介護保険事業計画の御質問にお答えいたします。 まず、第9期介護保険事業計画の基本理念についてでございます。第9期介護保険事業計画は、中野区健康福祉総合推進計画の中の個別計画の一つとして策定することとしておりまして、基本理念は総合推進計画の共通部分として示す予定でございます。一方、介護保険事業を行う上での基本的姿勢や視点につきましては、介護保険事業計画において示したいと考えております。 次に、介護保険料の設定でございます。第9期の介護保険料につきましては、令和6年度から始まる次期の計画期間における介護給付費等の推計に基づき適切に設定したいと考えております。 次に、都市型軽費老人ホームの誘導についてでございます。都市型軽費老人ホームなどの入所施設の整備に当たりましては、土地の確保等の課題があると事業者から聞いております。区として施設整備費の補助制度の周知を徹底するとともに、公有地等の活用についても検討してまいります。 次に、介護サービス施設の基盤整備についてでございます。今後の介護サービスにつきましては、自立支援や重度化防止につながる居宅施設サービスを提供する必要があると考えております。第9期介護保険事業計画の策定に当たりましては、高齢者のニーズや保険外サービスの状況なども把握し、必要とする施設サービスを見定めて整備目標を定めるとともに、事業者のヒアリングなども行いながら誘導策を検討してまいります。 〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕 ○都市基盤部長(豊川士朗) 私からは、区営住宅・福祉住宅の御質問についてお答えいたします。 まず、募集時の正確な情報提供についてでございます。区営住宅につきましては、地区別に募集して抽選により、また、福祉住宅につきましては住宅種別ごとに募集して住宅の困窮度により入居予定者及び補欠登録者の順位を決定をしてございます。いずれも、空き家が発生した場合に登録順位上位の方からあっせんを行うため住宅の指定はできないということでございます。このため、募集時の案内や申込みの受付での相談のほか、あっせんする住宅や住戸の個別の状況については、入居資格審査の前に説明を行っているものでございます。今後も、適切な情報提供の在り方につきましては工夫をしてまいります。 それから、申込時点での希望条件の記載についてでございます。福祉住宅の申込者の住宅状況につきましては、書類審査と実態調査を行って住宅困窮度を判定し、住宅困窮度の高い方から順に入居予定者及び補欠登録者を決定をしてございます。一方、申込者の希望は様々でございまして、申込時点で希望条件を記載していただいたとしても、空き家が発生次第、登録順位が上位の方から順番に住宅のあっせんを行うため、希望に応じた住宅をあっせんすることは難しいと考えてございます。 最後に、住環境の質の向上についてでございます。入居者が退去した際には、壁紙や畳、ふすまの貼り替えなどのほか、浴室など水回りについても必要な修繕・クリーニングを行ってございます。浴室などの設置につきましては、公正な負担の在り方とともに使用料への影響も考慮する必要がありまして、大幅な改修は考えてございません。また、計画的な修繕を実施し住環境を保全するとともに、屋上防水工事による高断熱化や共用部照明のLED化など省エネ型設備機器の導入、敷地内の緑化推進など、施設の管理運営におきまして環境負荷低減に取り組んでいるところでございます。将来的な区営住宅等の建て替えなどの検討においては、環境性能の向上につきましても併せて検討してまいります。 〔まちづくり推進部長角秀行登壇〕 ○まちづくり推進部長(角秀行) 私からは、東中野駅東口周辺まちづくりと駅舎のバリアフリー化についてお答えいたします。 初めに、周辺まちづくりにおけるハードとソフト両面の関係部署の連携についてでございます。東中野駅東口周辺のまちづくりを進めるに当たっては、これまでも地元町会や商店街との意見交換や東中野駅周辺住民を対象としたアンケート調査を行ってまいりました。東中野駅東口地区のまちづくりは、駅及び駅周辺のバリアフリー化に加えまして、商店街のにぎわいや活性化の視点が不可欠と考えており、ハードとソフト両面で関係部署が密に連携して、地域の意向把握と協議に十分努めながら検討を進めてまいります。 次に、既存駅舎を活用したバリアフリー化についてでございます。令和2年10月の建設委員会で検討結果を報告したとおり、法令上の制限等により既存駅舎を活用したバリアフリー化は困難であるとの認識でございます。東口は、駅舎だけでなく駅周辺も高低差があり、バリアフリー化を望む声が多いと認識してございます。駅周辺も含めたバリアフリー化を実現するためには、まちづくりの中で抜本的な改善をする必要があります。本地区のまちづくりは、JR東日本や駅周辺の地権者、地域住民等及び区が密に連携協力することが重要と考えてございます。 最後に、JR東日本への要望についてでございます。既存駅舎を活用したバリアフリー化は困難であり、区としてはバリアフリー化を含めた東口のまちづくりの連携が欠かせないものと考えております。なお、駅員の配置等、生徒たちの通学における要望については、特別支援学校からJR東日本へ求めることとなると考えてございます。 ○副議長(木村広一) 以上で武田やよい議員の質問は終わります。 議事の都合により暫時休憩いたします。 午後3時20分休憩
午後3時40分開議 ○議長(酒井たくや) 会議を再開いたします。 この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。 一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 大 沢 ひろゆき 1 商店街の活性化施策について (1)(仮称)中野の逸品フードコートの展開について (2)なかのハート商品券のキャッシュレス化について 2 脱炭素社会の実現を見据えたまちづくりについて (1)脱炭素まちづくり計画策定の必要性について (2)ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の進展に向けた取り組みについて 3 区業務のシステム化の推進について (1)システム化が必要な全区業務の洗い出しについて (2)職員のPC持ち出しの際の通信接続について 4 区立小学校保護者とのコミュニケーションについて 5 その他
○議長(酒井たくや) 大沢ひろゆき議員。 〔大沢ひろゆき議員登壇〕 ○6番(大沢ひろゆき) 令和5年第3回定例会に当たりまして、都民ファーストの会中野区議団の立場で一般質問を行わせていただきます。質問は通告どおりの4点で、その他はありませんが、質問の順番を入れ替えさせていただき、1、商店街の活性化施策について、ここは変わりません。その後に4、区立小学校保護者とのコミュニケーションについて、そして2、脱炭素社会の実現を見据えたまちづくりについて、そして最後に3、区業務のシステム化の推進についての順番とさせていただきますのでよろしくお願いします。 質問に先立ちまして、昨今、リビアの洪水にて、2万人です、2万人もの犠牲者が出ましたこと、心から哀悼の意を表します。私自身の経験として、先日地震で大きな被害があったモロッコに以前行ったことがあります。その際にちょうど60年ぶりに雪が降って交通が寸断されたということが記憶としてあります。また、アラスカにオーロラを見に行ったときには、数十年ぶりに気温が摂氏零度を超えて全ての道路がアイスバーンとなり交通が寸断されたことなどを思い起こし、小池百合子東京都知事の座右の銘でもある「そなえよつねに」の大切さ、そして、備えなければならない災害の幅が、昨今の地球温暖化、気候変動などの影響も受け幅広くなっている、このことを実感するとともに、中野区をより安全なまちとしていくために一議員として全力を尽くさなければならないと思いを新たにしているところでございます。 前置きが長くなりましたが、では、質問に入らせていただきます。 まず1点目です。1点目として商店街の活性化施策について伺います。 中野区では、2016年から2020年の4年間で商店の空き店舗が7.3%から10.1%と、約1.4倍に増加しています。そして、かつて中野区内に73あった商店街も61まで減少し、その幾つかは現在消滅の危機にあるとも聞いております。このような背景から、空き店舗増加、商店街の消滅を食い止めるための施策を第2回定例会において問うたところ、今年度中に策定する予定の中野区産業振興方針の中で具体策を明らかにする、このような区長からの答弁がございました。そして、この中野区産業振興方針の骨子の中では、基本方針の一つとしてキャッシュレス化と個店支援を中心とした商店街支援を進めるとも明記されています。こちらは大いに期待しているところでございます。 また、昨今の再開発においてはフードコートへの出店というのがかなりありまして、その際に売上げに連動した家賃を導入するということによって出店をしやすい仕組みを導入しているケースが見られる状況でございます。例えば、東京駅のミッドタウン八重洲、さらには南船橋駅前、こちらにおいてもこのような仕組みが導入されているということを確認しております。 この産業振興方針の中で言う個店という言葉でございますけれども、これは個人経営の店舗を指すということであると考えます。区長もよく御存じかと思いますが、中野にはこの個店のすばらしい逸品がたくさんあります。かつて中野の逸品グランプリというイベントが盛んであった頃、私はその魅力に魅せられ、サラリーマンでしたけれども、5週間で全200店舗を回り、その中で当時区の職員であった酒井現区長ともお会いした、こんな思い出もございます。中野の個店、そして商店街の魅力がなければ、私は今この場に立つこともなくサラリーマンとして過ごしていたものと思っています。この中野の個店、そして商店街のすばらしさを多くの方に知っていただきたいと心から願っています。 そこで、伺います。ずばり、個店支援として新サンプラザシティ内で中野の逸品フードコートの展開を図ってはいかがでしょうか。すいません、名前を勝手につけましたが、仮称でございます。すなわち、新サンプラザシティ内にフードコートを設置し、その中で中野区内の商店街の中で事業を展開している個店のアンテナショップを置き、売上げを上げるとともに各商店街の宣伝活動をも行い、商店街への人流を形成していくようなことはできないでしょうか。その際、出店料を売上げに応じた従量制にするなどの配慮も考えられると思います。 次に、なかのハート商品券のキャッシュレス化について質問いたします。 昨年度において2回にわたるキャッシュレス決済キャンペーンが実施され、こちらはPayPayについてでございますけれども、最大30%のプレミアムが設定された結果、大好評であったと認識しております。そして、本年12月にもキャッシュレス決済キャンペーンがよりプラットフォームを拡大した形で実施されると聞いております。過去において商店街の売上げ拡大に寄与してきた中野区内限定のなかのハート商品券について、例えば30%などの大きなプレミアムをある程度継続的に設定をしながら電子化を行うことにより、アプリケーションのダウンロードを促進し、利用者の拡大定着を図ることは、商店街の個店支援、そして商店街加盟店の拡大にもつながると考えています。しかし、商店街の力だけでキャッシュレス化を行うことは難しく、システム構築の面においても区の支援が必須であると考えます。なかのハート商品券のキャッシュレス化について、区としての考え方及び支援体制につき伺います。 続きまして、2点目です。2点目は、区立小学校保育者とのコミュニケーションについてでございます。 先日、11校のPTA役員の皆様とお話する機会を頂きました。その際に、私が第2回定例会において質問し、今年度から全校において試行運用中であるとのお答えを教育長から頂きましたAI教材Qubenaの状況について質問したところ、当初それは何でしょうかというような反応で、私のほうから補足説明をした結果、1名だけが夏休みにQubenaを使ってというような話をそういえば聞いたことがある、そのような反応でございました。その際、PTA役員の皆様から、学校で新たな目的での教材や機材などの導入がある際には、その目的や本格運用の際の費用負担の有無などについてPTAにもしっかり説明の場を持ってほしいという要望がありました。 そこで、伺います。今回のQubenaなどAI教材の区立学校全校試行導入に際して教育委員会から各校に対してどのような説明を行ったのでしょうか。その際、各校からPTAに対してどのような説明を行うことになっていたのでしょうか。そして、これを受けて各校からPTAに対してはいつどのような説明がなされたのでしょうか。また、実はこのどのような説明であるかというのは当然重要なんですけれども、それに関わらず、より重要なことは、結果としてPTAに伝わっていないということが実情であり問題なのだというふうに思います。この状況を受けて、教育委員会として今後どのようにして保護者とのコミュニケーションを強化していくことをお考えでしょうか。 PTAがあまり理解していない状況がうかがわれたのでちょっと心配なのですが、4月から8月まで5か月間におけるQubenaなどAI教材試行導入に対する各校の教員、特に保護者、学童からの反応はどのようなものでしょうか。私が学童であった時代、もう大分前になりますけれども、それとは異なり、今は共稼ぎが当たり前の時代となっており、保護者の皆様とのコミュニケーションは大変である、このように拝察いたします。しかし、これも昔とは異なり、いろいろなコミュニケーションの手段ができてきています。今やGIGAスクール構想により全学童にタブレットが配布されている環境でもあり、動画を作成・送付すればいつでも再生視聴が可能な時代でもあります。これを有効に生かさない手はないというふうに私は考えます。 例えば、タブレットの端末に対して適切なタイミングで思いを込めた動画を配信し、保護者は時間があるときにこれを再生するなどの対応も可能である。紙のプリントだけじゃなくて、こういう方法もあるんだろうと思います。学校単位での施策については当然学校単位での連絡ということになると思いますけれども、今回のように全区で統一的な施策として実施する区立学校全般での一括での新たな機材、新たな教材の導入、このような場合には、教育委員会としても保護者への説明の場をつくる、動画で思いを伝えるなどの対応を考えるべきであると思いますけれども、いかがでしょうか。 教育長は、区長と並び、区の組織のトップであると私は認識しております。私のこれまでの36年間、社会人を経験していましたが、大切なポイントでのトップからのメッセージは本当に人の心を動かすと思っています。何とぞ御検討のほど強くお願い申し上げ、この項の質問を終えます。 3点目です。3点目として、脱炭素社会の実現を見据えたまちづくりについて伺います。 今年の夏は、本当に皆さん、むちゃくちゃ暑かったですよね。7月には世界平均での最高気温を記録した、こんな状況でございます。昨今の世界的な、そして我が国でも生じている自然災害の多さ、地球規模での地球温暖化の影響をひしひしと感じる状況でございます。 このような中、中野区が国際社会の一員として、一昨年、2021年の段階で中野区としてのゼロカーボンシティ宣言を行い、中野区全体として2013年比較で今から7年後の2030年にはCO2排出量46%削減、そして2050年度には実質ゼロを目指しているということに関して、まずは敬意を表します。昨年、令和4年第3回定例会の区民委員会の資料において確認いたしましたところ、2013年度の中野区全域からのCO2排出量は105万9,000トン、2019年度は87万2,000トン、そして今後、2025年度には71万6,000トン、そして2030年度には57万2,000トンということで46%削減を達成する、このような説明がございました。 その中で、中野区基本計画の前期、2021年度から昨年度2022年度までの展開事業として、脱炭素社会の実現に向けた環境形成型まちづくりの検討という項目が掲げられております。後期である本年度2023年度からは、この検討結果を受けた推進の時期ということになっております。他区の事例を見てみますと、港区では低炭素まちづくり計画というものが策定されています。まちづくり全般における脱炭素化の促進につき、建築物の省エネ化、コジェネレーションシステムによるエネルギーの効率化、移動手段の脱炭素化、公共交通の脱炭素化、脱炭素車を用いたカーシェアリングなど、このような一つひとつの施策に対して具体的に記され、そして、これが2030年の段階において施策ごとにどのような数字を達成するのかという目標が明示されている、このような状況でございます。 中野区においても、2030年の中野区全域からのCO2排出目標である57万2,000トン、46%削減、こちらを必ず達成する、必達するためには、具体的な施策や数値目標を含む環境形成型のまちづくりの推進が重要であると考えております。つきましては、中野区基本計画における展開事業である環境形成型まちづくりについて、現在の進捗状況と今後の進め方についてお聞かせください。 また、中野区の場合には、民生部門から全体の80%、うち家庭から全体の51%、事務所等からは全体の30%のCO2排出がなされている、このような状況を踏まえて、ネットゼロエネルギーハウス――以下「ZEH」と呼ばせていただきます――及びネットゼロエネルギービル――以下「ZEB」と呼ばせていただきます――こちらの強力な推進が必要な状況であると考えております。新築の建て売り住宅、集合住宅、オフィスビルの場合には建設業者に対してあらかじめZEB、ZEHとなっている状況での供給、既築物件の改築においては物件所有者に対して改築時のZEB、ZEH化の働きかけが非常に重要であると考えております。現時点で、すなわちこの2023年度時点で新築・改築を行っている建物は、間違いなく2030年時点での46%削減対象となっている57万2,000トン、この数字の中の一部を構成する建物になることはもはや間違いないというふうに考えております。 このような状況を踏まえて伺います。建設業者や物件所有者に対して、ZEB、ZEH普及啓発活動を行っているのであれば具体的にどのような活動を行っているのかの、その内容をお伝えください。もしまだなどであれば、いつまでにどのような内容の啓発活動を行う予定であるのかにつき、お答えください。 次、私の質問最後になります。4点目です。4点目としては、区業務のシステム化の推進について伺わせていただきます。 来春に迫りました新庁舎移転がございまして、区役所業務のデジタルトランスフォーメーション――以下「DX」と言います――情報通信技術――「ICT」と言います――このICT化、DX化が加速しているというふうに思います。このようなDX、ICTを実現していくためには、各部署の業務や課題を整理し、システム化を進めていくことが重要でございます。私自身の民間企業での経験においては、システム化のキーとなるのは、どのようにしてシステム化が必要な業務を洗い出すのか、これが全部洗い出せるのかというところでございます。システム担当者には各部署の業務の詳細が分からない。当然、全ての業務はなかなか分からないと思います。一方、業務担当者は、自らの業務の中でどれをシステム化すると一番効率が上がるのか、そもそもこれってシステム化できるものなのか、今手作業でできているのにシステム化することで運用や作業の手順が変わってしまったらそれはそれで嫌だ、こんな感情が必ず働くものです。 現在、中野区における仕組みを確認いたしましたところ、業務部門が業務課題を整理した上でシステム化要望を直接ベンダーさんに送る形でシステム化が進められているということが確認できております。システム部門は約30名の職員のうち数名、あとそれに加えて5名のIT専門支援員にて各部門をサポートする、このような形であるというふうに取材の結果判明しております。何をどこまでシステム化の対象にするかについては専ら業務部門に委ねられている、こんな状況であるというふうに聞いております。 そこで、伺います。中野区のシステム化が必要な業務を全て洗い出すためには、業務部門とシステム部門が業務課題を共有する定例ミーティングのようなもの、このようなものを行って、その中でシステム化により効率化が図れる業務が業務部門が考えている以外にもあるかどうかをシステム部門がしっかりと確認する、こんな仕組みが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。 続きまして、区職員自らの業務用PCを持ち出しての業務についてお話をさせていただきます。 中野区では、職員が自らの業務用PCを持ち出して区民への説明を行うことが可能になったと聞いております。これはとてもよいことであると思います。しかし、その際、持ち出したPCから通信がつながらない、こんな仕組みになっているとも聞きました。これはどういうことかというと、例えば訪問した先で状況を画像で区役所の中にいる職員さんと共有をしながら対応を話し合いたい、こんなことがあったとしてもそれができない、こういう仕組みであると考えております。 一方、23区の中でも渋谷区などでは、職員が自らのPCを持ち出して通信を接続しての業務が可能であるというふうに聞いております。区民へのサービス品質向上のためにも、セキュリティーの問題をクリアした上で持ち出したPCから通信ができる、これ実際には民間の企業においても当たり前のこと、区でも渋谷区等では行われていることですので、中野区においても早期に実現すべきと考えます。 そこで、伺います。速やかに外部に持ち出した業務用PCからの通信を可能とすべきであると考えますが、区の見解を伺わせていただきます。 以上で、私からの全ての質問を終了いたします。御清聴いただきありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 大沢議員の御質問にお答えいたします。 最初に、商店街の活性化施策についての新北口拠点施設におけるフードコートの展開についてでございます。中野駅新北口に整備される拠点施設については、区として求める都市機能を勘案しながら民間活力を生かした整備を誘導するものでございます。現在検討中の新たな中野区産業振興方針において個店支援の在り方について検討しているところでありますが、当拠点施設内の具体の店舗内容や運営方法については拠点施設整備を担う民間事業者が決定していくこととなるため、施設計画の検討と並行して施行予定者に対して必要な要望や調整を行っていく考えでございます。 次に、なかのハート商品券のキャッシュレス化についてです。なかのハート商品券のキャッシュレス化については、令和4年度から中野区商店街振興組合連合会が検討しているところであります。他方、区は現在、デジタル地域通貨の導入に向けて検討を進めておりますが、区内共通商品券や区の事業と連携したコミュニティ通貨として運用していくことを想定しております。商店や商店街への支援とともにデジタル地域通貨を導入し定着させていくためにも、区内共通商品券のキャッシュレス化とプレミアムの付与は有効であると認識しておりまして、中野区商店街振興組合連合会への情報提供等、十分な協議に努めてまいります。 次に、脱炭素社会の実現を見据えたまちづくりについてで、環境形成型のまちづくりについてでございます。区は、環境形成型のまちづくりの取組の一環として、住民提案型の地区計画に緑化率の制限を加えることや、地区計画の目標等に環境配慮視点を盛り込むことなどを検討しております。二酸化炭素排出削減に向けた数値目標や施策については、現在、組織横断的に検討を進めているところでありまして、令和6年度早期に作成を予定している脱炭素ロードマップにおいて区としての方向性を示してまいります。また、ロードマップの作成後、中野区基本計画や個別計画の改定に合わせて具体的な施策として各計画に反映していく考えであります。 次に、ZEB、ZEHの進展に向けた取組についてでございます。区は、物件所有者である区民や事業者に対して再生可能エネルギー設備などの設置に対する補助を実施しておりまして、当該支援やその周知を通じてZEBやZEHの実現に向けた普及啓発を行っております。また、現在、脱炭素社会の実現に向けた分析調査の一環として2,000世帯及び500事業所に対して省エネルギー等に関するアンケートを実施しておりまして、ZEBやZEHの認知度や今後の意向に関する設問を設け、普及啓発を図るとともに実態の把握に努めております。令和6年度の早期には、アンケートの結果も踏まえた脱炭素ロードマップを作成する予定であります。ロードマップの内容を地球温暖化対策事業と併せてより幅広く周知し、さらなる普及啓発を図ってまいります。 最後に、区業務のシステム化の推進についてで、デジタル化に向けた体制強化についての御質問です。各所管がシステムを導入する際には、情報システム調達ガイドラインに基づき所管が提出する構想企画書を基に、CIOオフィスが技術的な支援を行っております。一方、所管においては手作業やアナログ処理で行っている業務をどのようにシステム化できるのかなど、構想・企画以前での検討がなかなか進まないとの声が寄せられております。今後は、研修等を通じて全職員のICT活用による業務改善やデジタル化に資する能力の向上を図りつつ、ICT高度専門人材の活用やDXリーダーの効果的な配置などを進めていく考えでございます。こうした取組によって、業務効率化や区民サービス向上の観点から自ら業務の課題を掘り起こし、デジタル化につなげていくといった組織風土の醸成や人材育成に向けた体制も強化してまいります。 次に、職員のPC持ち出しの際の通信接続についてであります。区では、セキュリティーの観点から、職員が通常使用している庁内情報パソコンを外部に持ち出す場合は庁内情報ネットワークには接続できない仕組みとしております。一方、新型コロナウイルス感染症下におけるテレワーク等の需要から、庁内情報パソコンとは別にテレワーク端末を一部導入してきたところであります。この端末からは外部からも庁内情報に安全にアクセスできるということから、今後は出張や外部利用の需要等の実態把握を通じた台数の増設などを検討しております。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 区立小学校保護者とのコミュニケーションについての御質問にお答えをいたします。 まず、AI学習ドリル導入時の教育委員会による説明についてでございます。今年度のAI学習ドリルの試行に当たっては、3月に試験的にQubenaを全校に導入すること、学校の希望によりその他の学習ドリルも使用できることなどを学校に通知するとともに、校長会において説明を行ったところでございます。これを受け、各校では年度の初めに保護者会や学校説明会、学校だより等によりAI学習ドリルを試行的に活用することを保護者に説明しております。保護者への情報提供につきましては、子どもたちが使用する教材についてもより一層関心を持ち、御理解いただけるよう工夫し、今後も学校を通じて行ってまいりたいと思います。 次に、AIドリル導入に対する教員、保護者、児童・生徒の反応についてでございます。教職員からは、学習状況が把握できることで指導に生かしやすい、紙のドリルよりAIドリルのほうが児童・生徒が継続的に取り組む傾向が見られるといった意見が上がっております。また、自分のペースで進めやすいという児童・生徒からの意見もあり、活用方法に関する保護者からの質問があると学校から聞いております。引き続き様々な意見をお聞きし、次年度の導入について検討を進めてまいります。 最後に、教育委員会による保護者への説明についてでございます。教育委員会の考えを保護者の方一人ひとりに確実に届けるためには、学校を通じた説明がより効果的であると考えております。今後も学校と連携しながら保護者へ周知をしてまいります。あわせて、教育委員会の取組につきましては、区ホームページ等を活用するなど、より多くの方に御理解いただけるような周知方法を今後も検討してまいります。 ○議長(酒井たくや) 以上で大沢ひろゆき議員の質問は終わります。
中野区議会議員 いのつめ正太 1 デジタルトランスフォーメーションの推進について 2 高等教育の修学支援について 3 南台小学校(旧新山小学校)跡地の活用について 4 その他
○議長(酒井たくや) 次に、いのつめ正太議員。 〔いのつめ正太議員登壇〕 ○8番(いのつめ正太) 令和5年第3回定例会に当たり、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告どおりで、その他はありません。 さきの選挙で初当選を賜ってから初めての質問になります。この場に押し上げてくださった方々の思いやお寄せいただいた御期待に応え、頂いた4年間を通し、お返しすることができるよう邁進する所存です。私は、26歳と本議会では最年少の議員となります。次世代を担う若者の一人として、生まれ育った中野に新しい風を吹き込ませることができるよう努めてまいりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。 それでは、質問に入ります。 初めに、デジタルトランスフォーメーションの推進について伺います。 私は、システムエンジニアやITコンサルタントとして民間におけるデジタルトランスフォーメーション推進に従事する中で、デジタルが人々の生活をよりよいものへと変革する現場に身を置いておりました。一方で、その潮流から取り残されてしまう人がいることもまた事実です。中野区におけるこの取組においては、子どもから高齢者、全ての人にデジタルの恩恵を行き渡らせるような優しいデジタル化を実現できるよう、願いを込めて本項の質問に入ります。 中野区では、令和6年度に新庁舎への移転を控え、様々な機能を持ったツールを提供するサブスクリプションサービスであるマイクロソフト365の導入をはじめとした、デジタルによる生産性向上、業務効率化の取組が行われています。具体的には、多機能チャットツールのTeamsを活用した連絡や情報共有に係るリードタイムの減少、ウェブ会議による場所を選ばない働き方の実現や単純作業をロボットにより自動化できるパワーオートメートを活用した業務の効率化などが報告の中で示されました。区民サービス向上のためにも、こうした取組はぜひ積極的に進めてもらいたいと思います。 一方で、導入したツールを効果的に活用するために一定以上のスキルが求められることから、職員への研修サポートの充実が必要です。中野区では、令和6年度の本格運用開始に向けて全職員向けの研修が予定されているとのことですが、デジタルデバイド解消のためにも個々のレベルに応じた内容にするなど、丁寧に実施すべきと考えます。また、現行システムとの並行期間を含めて、ツールの使い方が分からない際にすぐ聞くことのできるような環境づくりを徹底し、サポート体制を体系的に構築することも重要です。 以上を踏まえた上で、全職員を対象とした研修サポートについて、本格運用開始前後での方針と体制を伺います。また、中野区は日本マイクロソフト社とのデジタルトランスフォーメーションの推進に係る協定を結んでいますが、研修サポートに当たる同社との連携状況、支援体制はどのようになっていますか、伺います。 特別区人事委員会においても、民間IT企業と同じく基本情報技術者資格を加点とするなど、デジタル人材の定義や要件、求められる役割についての方針が定まってきました。中野区では、そうした考えを共有しつつより具体的な内容をDX推進に資する人材マネジメントで示しており、特にデジタルトランスフォーメーション推進の中核を担う人材としてICT高度専門人材と各部課DXリーダーを挙げました。行政、ICTのいずれにも精通したゼネラリストである各部課DXリーダーについては内部人材を育成していくと示す一方で、全庁的かつ高度な技術的視点から各部課のDX推進を支援するスペシャリストであるICT高度専門人材については時限的な外部人材を充てるとしています。 しかしながら、今後デジタルトランスフォーメーションを推進する中で、情報システムの要件定義やプロジェクトマネジメント、開発を委託するベンダーとのやり取り、見積りの精査においてはICT高度専門人材は必要不可欠であり、長期的に配置すべきものと考えます。内部人材としての登用や内部人材を育成し割り当てることによりICT高度専門人材を継続的に配置し定着させてはいかがでしょうか、区の見解を伺います。 あわせて、ICT高度専門人材をはじめとした外部人材のデジタルスキルやノウハウを内部人材に共有し、継承していくべきと考えますが、いかがでしょうか。区の見解と現在の連携体制、今後の取組について伺います。 新庁舎で展開する「(仮称)なかのスマート窓口」をはじめ、中野区では行政手続のオンライン化にも取り組んでいます。働かれている関係で平日の来庁が難しい、健康上の理由で区役所に自分で行くことができないなど、役所の窓口での手続が難しい方々をはじめ、多くの区民にとって来庁せずに行える手続の拡充は負担軽減や利便性の向上につながるものです。今後、新たな電子申請サービスの導入によって、令和5年度にスマートフォンで利用可能な公的個人認証の対応、令和6年度には電子決済の対応と、区における行政手続についてもさらなるオンライン化に取り組むと示されています。葛飾区では同様のサービスを先行で導入しており、申請フォーム内製の容易性や開庁時間に左右されないオンライン決済、申請後の事務処理までオンラインで完結するデジタル窓口などが、職員、区民の双方にとっての利便性を高めています。こうした優良先行事例を参考に、中野区でも効果的に活用しつつ、職員、区民の双方にとって使いやすいサービスにしてもらいたいと思います。 以上を踏まえて、2点伺います。転入手続などオンライン化されていない手続もある現状において、全ての行政手続のオンライン化を進めていくべきと考えますが、区の見解を伺います。加えて、全ての行政手続のオンライン化における現状の課題と課題解決のために何が必要か、区の見解を伺います。 また、申請者の負担軽減のため、申請等手続に係る押印廃止についても区民、団体をはじめ申請者から長らく要望されてきました。近年、行政における事務の効率化やテレワークの推進、住民の負担軽減などを目的に、国や都、そして地方自治体においても行政手続に係る押印等の見直しが推進されており、内閣府が令和2年に作成した「地方公共団体における押印見直しマニュアル」では、1万4,992手続のうち99.4%に当たる1万4,909手続が、廃止済み、廃止決定もしくは廃止の方向と示されました。中野区では、押印・署名による手続について、区が要否を決定できるものは廃止、書面・対面による手続は原則電子化するよう努めると報告で示されていますが、これまでの取組状況と今後の取組について伺います。 国の示すGIGAスクール構想に沿って、中野区では教育現場のICT環境整備も推進されており、特に区立小中学校の生徒に1人1台配布されている学習用タブレットは、ICT教育を進める上でも、また場所や人を選ばないインクルーシブ教育を促進する上でも、必要不可欠な取組かと思います。 そこで、今後課題となるのがハード面の保守です。現在確保している端末は、令和5年度に増大した1,600台を含めて2025年度までのリース契約となっていますが、追加の確保が必要となった場合、既存と同等のバージョンの調達は難しくなると想定されます。その際に発生する端末のバージョン差異への対処を含めて、今後の学習用タブレットや周辺機器の調達計画はどのようになっていますか、検討状況と区の見解を伺います。 本体が重い、バッテリーの持ちが悪い、周辺機器が壊れやすい、修理に時間がかかるなど、利用者からの声が届いているとおり、既存の学習用タブレットにも多くの課題があります。例えば、破損防止ケースに入れる、落下防止のストラップをつける、修理時の代替機を確保する、必要に応じて学校で保管できる運用とするなど、現段階でも実施可能な対策を講じる必要があるかと思いますが、区の見解を伺います。 また、2025年度末に新しい学習用タブレットを導入する際に、こうした課題を解決するためにも利用者の声の吸い上げや課題の整理に早い段階から取り組むべきと考えますが、現在、今後の取組と区の見解を伺います。 最後に、デジタルトランスフォーメーションを継続的に推進するに当たり、申し上げたいのは「中野区よ、いい顧客たれ」ということです。システム開発の現場において成功するプロジェクトには、よいマネジャー、エンジニア、プログラマー、テスターに加えてよい顧客が必要不可欠となります。ここで取り上げる「よい」とは、求められる役割に充足するということです。 では、顧客に求められる役割とは何でしょうか。かつて委託される側であった立場から申し上げると、何をやりたいかを正確に伝えること、そして話が通じること、この2点ではないかと思います。これは、システム開発のみならず、かかる取組の全てにおいても言えることです。中野区におけるデジタルトランスフォーメーションの推進という一大プロジェクトを成功させるためにも、ITのプロフェッショナルと同じ目線で考え、話し合うことのできるようなよい顧客であるよう区に要望して、この項の質問を終わります。 次に、高等教育の修学支援について伺います。 大学、短期大学、高等専門学校、専門学校をはじめとした高等教育がこれから社会に羽ばたいていく若者にとっての最後の学び場として大きな意味を持つことは、数年前に私自身が当事者として実感したことであります。一方で、同世代で経済的な事情などにより大学への進学を諦めた人もおり、未来に花開くかもしれなかった可能性の芽を摘んでしまう不均等な高等教育の在り方に大きな課題を感じました。 文部科学省によると、初年度にかかる費用は、国公立大学で92万円、私立大学で135万円となっており、教育費が家計に与える負担は非常に大きいものとなっています。国や東京都による給付型奨学金や授業料減免等の支援制度がありますが、いずれも所得制限や多子世帯といった条件が厳しく、支援を必要とする全ての人には行き届いていません。日本学生支援機構の調査では、高等教育を受ける学生のうち53.6%が奨学金を利用しており、そのうちの8割が貸与型奨学金であります。私立大学に4年間通った場合で試算すると卒業時点で400万円以上の借金を背負うこととなり、利子がかかるケースを含めて返還には一般に12年から20年がかかります。奨学金の返済による生活設計への影響は、結婚や出産、子育てといったライフステージの根本にも及び、果ては自殺の要因となるなど、非常に深刻なものです。 このように、経済的事情から高等教育という選択肢を諦めざるを得ない若者に対して支援制度を取り入れる基礎自治体も増えており、東京23区のうち11区が既に制度として取り入れています。例えば足立区では、教育費用の不安解消へ向けて区独自の給付型奨学金制度を新設しました。入学料、授業料、施設整備費の全額の給付、所得制限の目安が4人世帯で800万円と従来の制度に比べて対象を広げており、募集人数40人に対して既に311人の応募があることからも、大きな需要があるということが分かります。中野区では、小学生、中学生向けの学習支援や母子及び父子家庭向けに入学金、授業料などの貸付けが制度としてある一方、高校生以上の若者を対象とした制度については不足しているように思いますが、現状の取組と区の見解を伺います。 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査で分析された子どもの貧困の社会的損失では、子どもの貧困を放置した場合、対策を講じた場合に比べて所得が2.9兆円の減少、税・社会保障の純負担が1.1兆円の減少になるとされています。これは日本全体として導かれた結果ですが、地方自治体においても大きな損失となることは明らかかと思います。先ほど取り上げた足立区の給付型奨学金制度の例で年間予算は9,402万円と非常に大きな金額になりますが、こうした社会的損失を鑑みるに、投資的な効果は高く見込めるのではないでしょうか。 中野区では、新北口駅前エリアの再整備事業をはじめ、百年に一度とも表現される大規模な再開発が今後予定されており、区の権利床活用を含め、新たに経常的な歳入も見込める部分があるかと思います。例えばその一部を割り当てるなど、現実的な財源を確保した上で若者への投資をより一層進めるべきではないでしょうか。 そこで、伺います。中野区基本構想で掲げた「誰一人取り残さない」社会を実現し、未来ある子どもの育ちを支えるためにも、義務教育後の若者に支援の輪を広げていくことが必要と考えますが、中野区でも独自の給付型奨学金を含め、高等教育の修学支援制度をつくるべきではないでしょうか、区の見解を伺います。 改めて申し上げますが、高等教育機会の不均等が及ぼす影響は、単なる学力に限らず就職にまで及び、教育を通して経済格差が遺伝的に引き継がれる負のスパイラルを生むことにつながります。私は、高等教育という選択肢を持つべき当事者世代の一人として、負のスパイラルを断ち切り、高等教育機会の均等を確保することを区に要望して、この項の質問を終わります。 最後に、南台小学校(旧新山小学校)跡地の活用について伺います。新山小学校の卒業生として、南台で生まれ育った地域住民として、そして、お寄せいただいた地域の声を添えて取り上げます。 現在、旧新山小学校の跡地は南台小学校の建て替えに伴い臨時校舎として使用されていますが、その用途は令和6年度末までとなる見込みです。そのうち91%を占める国有地の取得については、我が会派の河合議員が令和4年6月の一般質問で取り上げており、区の答弁では、用地取得の可能性を検討し、新校舎の移転までの間に対応していくとの方針が示されました。その後の報告によると、現在国との協議を進めており、令和7年度に取得する見込みであるとのことです。用途が決まるまでは閉鎖管理をすることになるかと思いますが、南台小学校の跡地は周辺地域における貴重なオープンスペースです。校庭開放やスポーツ、お祭りなどで使用されてきた地域住民のためにも、避難所利用を含めた閉鎖期間中の暫定使用を認めてはいかがでしょうか。以上2点について区の見解を伺います。 また、区有施設整備計画では南台小学校の跡地をまちづくり用地として活用していくとされており、具体的な用途については示されていない状況です。近隣にほかの避難所がないことから、避難所として活用できる施設が必要となります。また、南台図書館の老朽化や福祉関連施設や子育て施設が周辺にないことから、図書館、福祉、子育てといった多機能を内包した複合施設についても地域から意見がありました。加えて、周辺道路が狭いため難しい部分もあるかとは思いますが、地域包括ケアの根幹をなす地域医療機関の誘致先の候補にも挙がっています。 ここで示した3点はあくまで一部ですが、南台の中心にある立地を鑑みるに、地域住民の声をしっかりと吸い上げた上で早急に用途を示す必要があると考えます。南台小学校跡地の用途について、検討状況と今後の具体的なスケジュールはどのようになっていますか、区の見解を伺って、全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) いのつめ議員の御質問にお答えいたします。 まず初めに、デジタルトランスフォーメーションの推進についてで、マイクロソフト365導入における研修やサポートについてでございます。マイクロソフト365導入によって業務効率を上げるためには、その機能や活用方法等を職員が十分に理解することが重要であると考えております。本格運用開始前には、マニュアルを作成するとともに職員向け研修を実施いたします。本格運用開始後の一定期間、新庁舎移転後の一定期間は、職員からの問合せ等に迅速に対応するため、複数名の専門スタッフが庁内に常駐する特別の体勢を整えます。特別体勢期間終了後も、必要な情報提供やサポートを継続することによってマイクロソフト365導入の効果を十分に発揮できるようにしてまいります。 次に、日本マイクロソフト株式会社の研修やサポートについてです。マイクロソフト365は、業務の自動化やアプリの作成、高度なデータ分析などの応用的な機能を備えておりまして、これらを活用することのできる人材を育成するため、日本マイクロソフト株式会社の支援を受けながら様々な取組を行っていくこととしております。その具体的な取組の一つとして、業務効率化ツールである「パワープラットフォーム」を活用した実践型のワークショップを共同で実施する予定であります。今後も日本マイクロソフト株式会社と連携協力をし、マイクロソフト365導入の効果が上がるように取組を継続して考えています。 次に、DX推進のための人材活用についてです。ICT高度専門人材は、全庁的かつ高度な技術的視点から各部課のDX推進を支援する機能、役割が求められておりまして、最新のデジタル技術やスキル等の知見を有した外部人材の登用が有効であると考えております。一方、職員にもICT関連企業での実務経験があり専門的な知見を有する者もおりますので、ICT高度専門人材としての適性やキャリア移行を見定めながら職員の育成にも力を入れてまいります。 次に、ICT高度専門人材によるデジタルスキルの共有等についてです。ICT高度専門人材は、各部課のDX推進を支援する役割を担うとともに、職員育成の役割も期待しているところであります。現在、情報システム調達運用に係る各課への支援や配置された職場におけるOJT、そして研修講師などをICT高度専門人材が担っておりまして、職員へのデジタル技術の共有等を行っております。この取組を今後とも引き続き行い、職員のデジタルスキルの向上を図っていく考えでございます。 次に、行政手続のオンライン化についてです。全ての行政手続についてオンライン化を行うことが基本と捉えておりまして、法令等によってオンライン化できないものを除き、区民ニーズの高い手続から計画的に取り組んでいくこととしております。課題としては、対面での申請書の補正や面談が必要なものなどオンラインにはなじみにくい手続への対応と考えております。これらの解決に当たっては、区民の利便性向上の観点から、他自治体の先行事例も踏まえつつ、オンライン化に向けた事務処理方法の見直しなども含めて適切な対応を図ってまいります。 次に、押印廃止の取組状況についてです。区では、令和3年度に押印等の廃止に関する指針を定め、全庁で必要な手続の見直し等を進めてまいりました。本年10月からは、契約書等の一部を除き、契約書類及び会計処理の押印を廃止して電子化する予定でありまして、これによって区民や事業者は紙の書面や区職員との対面による手続が原則不要となります。申請等手続の押印廃止によって区民や事業者の利便性は向上することから、引き続き申請書手続の見直し及び改善を進めてまいります。 次に、高等教育の修学支援についてで、高校生年代以上の若者を対象とした取組についてです。子どもの成長に合わせて必要となる教育費が家計にとって非常に大きな負担となっていることは、認識をしております。区は、これまで子どもの貧困対策や若者施策として、学び・体験の支援や生活の支援などの取組を進めてきたところでありますが、義務教育修了後の若者への支援策を今後充実させていく必要があると考えておりまして、必要な取組を検討してまいります。 最後に、義務教育修了後の若者への支援についてでございます。区は、令和5年1月に東京都立大学学区内の高校2年生年齢の子どもと保護者を対象に実施した生活実態調査に協力したところでありまして、現在、この調査データについて詳細な分析を行っているところであります。当該分析結果を踏まえた上で、高等教育の修学支援を含め、義務教育修了後の若者への支援策を検討してまいります。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) デジタルトランスフォーメーションの推進についてのうち、まず学習用タブレット調達計画の検討状況についてお答えをいたします。 現在使用している学習用タブレットは、令和7年度までの賃貸借契約となっております。今年度増設している約1,600台の学習用タブレットは同様の令和7年度までの契約期間であり、契約期間内の児童・生徒の増加分や修理時の代替機分も見込んでおりまして、必要な数は確保できると想定しております。なお、現状の学習用タブレットは、本体背面、側面、画面部の全てを保護する手帳型のケースに入れて児童・生徒に配布しているところでございます。 次に、学習用タブレットの更新に向けての取組についてです。次期学習用タブレット及び周辺機器の調達等については、小・中学校の学校長及び副校長をメンバーとする教育情報システム委員会で今月から検討を始めたところでございます。この教育情報システム委員会において、児童・生徒、ICT教育推進リーダー等の教職員の意見を集約し、現在の課題にどのように対処して次期学習用タブレット等を導入するかについて検討を重ねてまいります。 〔企画部長岩浅英樹登壇〕 ○企画部長(岩浅英樹) 南台小学校(旧新山小学校)跡地の活用についてお答えをいたします。 初めに、旧新山小学校跡地の暫定使用についてでございます。令和7年度から具体的な活用が決まるまでの間、避難所や投票所として引き続き使用することを想定しております。また、これまで学校開放によるスポーツ利用ですとかお祭りなどのイベントで利用されていた方々につきましては、暫定的に使用できるよう検討を進めているところでございます。暫定的な使用の方法につきましては、令和6年度前半には地域や利用団体に対して説明をしていく考えでございます。 続いて、旧新山小学校の跡地活用についてでございます。旧新山小学校跡地につきましては、具体的な活用方法の検討はこれからとなっております。今後の財政状況や行政需要、地域の御意見等を踏まえながら、必要な機能や用途など活用の方向性を検討してまいります。 ○議長(酒井たくや) 以上でいのつめ正太議員の質問は終わります。
中野区議会議員 武 井 まさき 1 中野区産業振興方針について 2 脱炭素社会の実現に向けたまちづくりについて 3 区内地域公共交通について 4 その他
○議長(酒井たくや) 次に、武井まさき議員。 〔武井まさき議員登壇〕 ○2番(武井まさき) 令和5年第3回定例会におきまして、自由民主党議員団の立場から一般質問させていただきます。質問項目は通告どおりで、その他の質問はありません。 初めに、中野区産業振興方針についてお伺いします。 企業に向けた物価高騰対策についてです。第2回定例会で中野区産業振興方針(骨子)が示され、今年度中の中野区産業振興施策の方針策定に向けて進めているとのことでした。これまでは、区は、大学、企業誘致、ICTCO(イクトコ)の創設など、様々な産業振興に関する事業を行ってきましたが、プレミアム付きの商品券、利子補給以外に各事業所等が維持発展するようなものはありませんでした。次こそは、地域経済が発展し、区内産業の振興につながる方針を取ることを期待しているところです。この夏、東京商工会議所、中野区商店街連合会など、区内の各経済団体と政策懇談会を行い、切実な御要望を頂きました。そこで頂いた要望を中心に質問させていただきます。 これまでも消費者向けの対策は実施されていますが、企業向けの対策はまだまだ足りていないと思われます。企業の仕入れ価格やエネルギー価格の高騰、賃上げなどによるコスト増に対して苦慮されている事業者も相当数おられますし、中小企業の中にはコスト増に対する価格転嫁が十分に追いついていない中でコロナ融資の返済が始まり、資金繰りが厳しくなっている事業所も相当数あると聞いています。このような国内の原油高、世界情勢などを鑑みると、さらなる金利アップが予想されます。現在のような景気が急変した際に、区は中小企業に寄り添い、金利の補充など融資制度全体の見直しなどをすることを産業振興方針に乗せるべきと考えますが、区の見解をお伺いいたします。 雇用支援対策について。昨年度、東京商工会議所中野支部で実施しました区内事業者向けのアンケート調査の結果によりますと、事業所従業員21名から50名の事業者では、半数以上の事業者が人手不足と認識しており、その理由は、求める人材からの応募がないことが72%、人材が定着しないことが28%となっております。給与水準が低い中小企業は大企業と比べて一般的に人材確保が難しく、より一層の人材確保の支援強化が求められているところです。人材確保のための方策としては、企業が望む人材の採用と人材定着を促す人材育成の両面で考えて施策を検討すべきだと思います。さらに、東京都や国などと連携して対応していくことも大事ですし、区内学校と地域企業のマッチング支援なども必要かと思いますが、区のお考えをお伺いいたします。 デジタル地域通貨について、産業振興方針の中でもキャッシュレス化と個店支援の中でデジタル地域通貨の導入が主な取組案として示されています。キャッシュレス決済ポイント還元事業は今年の12月に予定しているとのことですが、これまでも類似事業を繰り返してきました。この事業については商店街からは歓迎する消費喚起の期待の声がある一方で、決済時に決済事業者に支払う決済手数料が高いという声も聞いています。個人経営の商店にとって数%でも利益を確保したいところですが、QRコード決済事業者によっては約2%から3%の手数料を取られているのが現状です。23区でデジタル地域通貨を先行して実施している世田谷区における地域限定通貨アプリ「せたがやPay」では、商店街等会員の中小個店であれば0%、商店街等非会員の中小個店であれば0.9%です。同様の事例で、渋谷区における「ハチペイ」では、今年度末まで時限的ではありますが0%となっています。デジタル地域通貨を中野区で行う際には、この決済手数料を0%、もしくは大手決済事業者と比較して低率に設定して店舗側の負担軽減を図ってはいかがでしょうか。第2回定例会でも我が会派の加藤議員から地域通貨のプラットフォームづくりも要望させていただいたところです。デジタル地域通貨の現在の検討状況と併せてお伺いいたします。 次に、商工会館跡地に予定している新しい産業振興センターについてです。 現在、商工会館跡地に建つ予定の新しい産業振興センターの計画について、民間活力を活用し建設費をゼロにする案は、上層部が高層マンションとなることから、地元地域、議会から様々に意見が出ており、計画の練り直しとなっております。民間活用の案ですと、区産業振興機能は1,000平方メートル程度まで確保となっています。1,000平方メートル程度というのは、現在の産業振興センターの産業振興機能を使っているスペースの広さから出ている数字です。しかし、そもそも新たな産業振興機能が含まれての施設のサイズは、今後区がどのような産業振興のビジョンを持つかに応じるべきであり、最初からサイズありきで議論すべきではありません。区は産業振興方針を策定する中で商工会館跡地の利活用について議論すべきと考えますが、区のお考えをお伺いいたします。 サンプラザ跡地に立つ新建物、シンボルタワーについてお伺いいたします。 シンボルタワーでは、アニメ等の地場産業を国内外へPRするギャラリーの設置など、区内産業の発展につながる施設も盛り込まれると認識しております。経済社会情勢が変化する中でも柔軟に対応することは重要ですが、軸を持った計画が必要です。また、イベント誘致につながるコンベンションホールや屋上展望台の設置なども検討し、地域活性化のために積極的に活用することで区内全体に経済効果が波及していくと考えます。現在の検討状況についてお伺いいたします。 農業振興について、中野区産業振興方針が示された中で、基本方針として四つの柱があるとのことですが、農業に関する記述はありませんでした。先日、市川議員からの質問の中にもありましたが、都市型農業には様々な役割があります。私の地元鷺宮地域にも農地はまだありますが、農業も第一次産業であり、都市型農業の保全も産業振興の大事な要素だと考えます。中野区とほぼ同じ約2.4ヘクタールの農地面積がある目黒区では、産業振興ビジョンの中に農業振興プランを位置付け、都市農業保全の考え方を示しています。中野区でも産業振興方針の中に都市農業保全の考え方を組み込み、農業振興について区として示すべきではないでしょうか。 この項の最後に、産業振興方針の優先順位についてお伺いします。 中小企業を取り巻く環境は、物価高、人手不足など急激な環境変化の中にありますが、一方で、中野駅周辺では大規模再開発が始まるなど、地域活性化には大きなチャンスと思える時期が到来しており、多くの課題があり御苦労されているとは思いますが、支援に順位をつけて取り組むべきだと考えます。現在検討中の産業振興方針では、どのようなことを重要視し、優先順位をつけて実施するのか、区のお考えをお聞かせください。以上を伺いまして、この項の質問を終了します。 次に、脱炭素社会に向けたまちづくりについてです。 気象庁によると、2023年はエルニーニョ現象が80%の確率で発生すると予想されています。エルニーニョ現象は、日本を含め地球上の様々な地域に異常気象をもたらすと言われています。さらに、2023年のエルニーニョ現象は1997年に発生した過去最大のエルニーニョに迫るほどの規模になると予想されており、スーパーエルニーニョの到来と言われています。その影響で夏はより暑くなり、本年度は電気代の高騰として区民生活に影響が出ましたが、気候変動において今後もさらに冷房費などの電気代が高騰していくこともあり得ます。 中野区では、2050年にCO2排出量実質ゼロの実現に向けて、令和12年度においてCO2排出量を平成25年度比で46%削減を目標に掲げている「中野区ゼロカーボンシティ」を宣言しました。平成30年度における区内のCO2排出量は89.9万トンで、内訳を部門別に見た場合、民生家庭、民生業務、運輸、廃棄物、産業があり、家庭、事務所・店舗からの割合が全体の約8割を占めています。つまり、2050年にCO2排出量実質ゼロを達成するためには家庭や事業所での取組が重要となります。特に中野区ゼロカーボンシティの目標達成には、区内CO2排出量の50%を超える民生家庭部門の対策をする必要があります。民間の新築住宅建て替え・改修時に環境配慮型の住宅にしていかなければなりません。ゼロカーボンシティを目指しているならば、新築住宅建設時に、通常よりコスト高にはなりますが、ZEH住宅や、我が会派としては建設環境総合評価システムであるCASBEEの普及を進めていくことが必要であると考えます。中野区としての見解をお伺いいたします。 全庁的にEVカーに切り替えていく、この方針に異議を唱えるわけではありません。ですが、このEVカー、全国的にある問題を抱えております。それはエネルギー不足であります。2011年の東日本大震災以来、原子力発電所の稼働数は当時より減少し、火力発電に頼ったエネルギー政策になっているのが日本という国の現状です。しかし、このEVカーを全国的に普及させるには原発10基分のエネルギーが必要とする発言も、2022年、当時の日本自動車工業会の豊田章男トヨタ社長からございました。仮に既存の原発再稼働も新規の原発建設もなく火力発電に頼ったままEVカーの普及ということになれば、相当な火力発電を増やさなければならず、脱炭素という目標に対し本末転倒の結果になるのは明白であります。また、再生可能エネルギーの発電量もまだまだ本格的な必要エネルギー量を賄う段階にありません。その状況下で中野区がゼロカーボンシティ宣言したときの区長として、現在のエネルギー政策のままでEVカーをこの中野区において普及させていくということが本当に環境面に配慮した試みになるとお考えか、お伺いします。もしくは、今後、原発の稼働数が増加することを期待しての全庁有車のEV化なのでしょうか、併せてお伺いします。 脱炭素社会の実現に向けた区有施設整備方針の考えについて、区の基本的な考え方として取組の方向性等を定め、今後の技術開発の動向や製品ライフサイクルの観点も踏まえながら区有施設の脱炭素化を推進していくとありますが、ゼロカーボンシティ宣言を達成するためには積極的に新しい技術を取り入れていくべきではないでしょうか。 大阪市では、大阪商工会議所で構成する実証事業推進チームが水と大気中のCO2等から生成する人工石油による発電システムの構築に向けた実証実験を実施しました。また、パナソニックがガラス建材一体型ペロブスカイト太陽電池のプロトタイプを開発し、今後、技術検証を含めた1年以上にわたる長期実証実験をモデルハウスで実施するという記事を見ました。中野区としてもこのような新技術を積極的に取り入れるべきだと思いますが、考えをお伺いいたします。以上伺いまして、この項の質問を終了します。 次に、区内地域公共交通についてお伺いします。 白鷺地域から大和町地域において実施している新たな公共交通サービスの実証運行は、前回の実施で収支率10%というかなり低い利用率でした。利用者のニーズには合っていなかったという結果が出たのだと思います。実際に実証運行を利用しない理由というアンケートで、近くを運行しない、近い停留所がない、行きたい場所に停留所がないという意見が多くありました。やはり都立家政駅、野方駅という西武新宿線の駅近くに停留所がないのが利用者のニーズとずれてしまっているのではないでしょうか。都立家政駅、野方駅を通るコース、住宅地にある大きなスーパーマーケットに停留所をつくるなどした方がよいと考えますが、区のお考えをお伺いします。 次に、鷺宮、野方、中野駅を結ぶ運行路線K01系統(旧名称「なかのん」)についてです。中野区の北側部分と中野駅を結ぶ大切な路線ですが、本数が少なく不便だという意見を聞きます。おおむね1時間に1本というスケジュールで各停留所を回っています。ルートにバスが1台ということもあり、時刻表の予定時刻から時間が大きく遅れることもあります。便数の少なさが利用者には不便だと思われてしまいます。前段の新たな公共交通サービスの実証運行のように、収支率が悪くても、利便性のために区から助成しても運行路線K01系統の本数を増やすお考えはないか。 また、これから中野駅周辺は百年に一度の再開発が行われます。中野サンプラザの建て替えでできる新しいシンボルタワーには、都内で富士山に最も近い一番西の展望フロアができる可能性があります。ぜひそこからの展望を気軽に鷺宮地域の人にも見てもらいたい。また、鷺宮地域から中野警察病院に行く方も少なくありません。鷺宮地域から中野へと手軽に行けるようになればと願います。 鷺宮地域では、中杉通りを運行する路線の阿佐ヶ谷、荻窪行きのバスは、多いときには1時間に16本以上もありますが、中野へ直接行ける便はありません。したがって、鷺宮地域の方の多くは阿佐ヶ谷に買物などで出てしまいます。中野へのアクセスが不便だからです。阿佐ヶ谷方面に向かうバスが中杉通りの阿佐ヶ谷北六丁目の信号を左折して早稲田通りに出れば、中野行きの路線につながります。阿佐ヶ谷北に向かうバスと中野方面に向かう早稲田通りを運行するバスの乗り継ぎ割引、コースの見直し等により中野駅へのアクセスをよくする検討はできないのか、区のお考えをお伺いします。 以上で、私の全ての質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 武井議員の御質問で、私からは区内地域公共交通についてお答えいたします。 新たな公共交通サービスの実証運行についてでございます。令和5年度の運行計画を検討する経過において、野方駅、都立家政駅を通るルート及び両駅に近づけるルートや大型のスーパーマーケットでの停留所設置を検討してまいりましたが、停留所の設置に交通安全等の課題があって現在の運行ルートとなっております。令和5年度の実証運行開始後も、地域のアンケートや地域の団体等の意見を踏まえながら、よりよい運行ルートについて検討してまいりたいと考えております。 次に、鷺宮地域から中野駅へのアクセス性向上についてです。区は、令和4年度に学識経験者、交通事業者等で構成される中野区交通政策推進協議会を設置し、地域公共交通計画の策定検討を進めておりまして、路線バスネットワークの維持・拡充に関する施策も盛り込むことを検討しております。鷺宮地域から中野駅へのアクセス性向上につきましては、現状の問題点や路線バスの需要等を適切に把握した上で、本協議会において関係者と協議を進め、具体的な取組について検討してまいりたいと考えております。 〔文化・産業振興担当部長高村和哉登壇〕 ○文化・産業振興担当部長(高村和哉) 私からは、中野区産業振興方針について6点お答えいたします。 まず、融資制度全体の見直しについてでございます。現在、物価高騰対策として状況の悪化している業種に属する中小企業者を支援するため、経営安定支援資金に本人負担率を無利子にする優遇措置を行ってございます。今後も、社会情勢を捉えるとともに区内中小企業の実態把握に努めながら、見直しの視点も含めて融資制度の在り方などを検討し、新たな中野区産業振興方針に反映していきたいと考えてございます。 次に、人材確保の支援強化についてでございます。区内の中小企業の人手不足やミスマッチングは区としても課題として認識しており、現在、ハローワーク、東京しごと財団などと情報・意見交換しているところでございます。今後は、現在行っているハローワーク、東京しごと財団、他自治体などと連携した就職面接会などの人材のマッチング支援の充実を図るとともに、区内教育機関と区内事業者とのマッチングなど、新たな雇用支援策も検討してまいります。 次に、デジタル地域通貨の検討状況と決済手数料についてでございます。令和5年度中のデジタル地域通貨事業開始に向けて、現在、先進自治体へのヒアリングやデジタル地域通貨プラットフォーム運営事業者の調査、関係団体との協議を進めているところでございます。キャッシュレス決済時の手数料が事業者の負担となり、またキャッシュレス推進の障壁の一つになっていることは区として認識しているところでございます。デジタル地域通貨の導入に当たっては、区内事業者の過度の負担とならないよう制度設計を行っていきたいと考えてございます。 次に、新産業振興センターの規模についてでございます。現在検討中の新たな産業振興方針の主な取組案として新商工会館への産業振興機能の集約を掲げており、集約すべき具体的な産業振興機能の検討に取り組んでいるところでございます。今後、新たな産業振興方針の検討を進める中で、関係団体等と協議しながら区として集約すべき産業振興機能を具体的に示し、現在検討・調整中の新産業振興センターの整備計画における条件等を踏まえて必要な広さなどを明らかにしてまいります。 次に、産業振興方針への都市型農業保全の明示についてでございます。都心に近い中野の朝採れ野菜の消費者ニーズや都市型農業の意義や可能性については、区として認識しているところでございます。新たな中野区産業振興方針の検討を進める中で、都市型農業保全についても、他区の事例などを参考にしながら、その示し方を含め、考えてまいります。 私からの最後に、産業振興方針における取組の優先順位についてでございます。本年度中に策定予定の産業振興方針において、骨子で明らかにした四つの基本方針の下、施策案と主な取組案に優先順位をつけ、三つのステップに分けて示したいと考えてございます。現時点では、中小企業支援に関しては、人材の確保、定着支援、融資制度の再構築、デジタル地域通貨の導入を特に重視すべきと仮説を立てておりますが、今後、関係団体とのさらなる意見交換等、検討を深めていく中で明らかにしてまいります。 〔中野駅周辺まちづくり担当部長千田真史登壇〕 ○中野駅周辺まちづくり担当部長(千田真史) 私からは、中野区産業振興方針についてのうち新北口の拠点施設に必要な機能についてお答えいたします。 中野駅新北口駅前エリア再整備における拠点施設の在り方については、区として必要な機能を、シビックプライドの醸成、子育て先進区の実現、文化芸術等発信拠点の形成の3点に整理しております。当初提案につきましては内容が変更になったとしても、その機能や考え方の継承が必要であると考えております。アニメ等の文化芸術等発信拠点となる発表の場、コンベンションセンター、展望施設などの機能についても新北口の拠点施設で実現すべき機能と考えており、引き続き施行予定者と協議するとともに、権利床の活用も視野に入れて検討を進めております。 〔環境部長松前友香子登壇〕 ○環境部長(松前友香子) 脱炭素社会の実現に向けたまちづくりについてお答えいたします。 まず、ZEH、CASBEEの普及について。区は現在、区民や事業者に対して再生可能エネルギー設備等の設置に対する補助を実施しているほか、省エネルギー等に関するアンケートを通じてZEHに関する普及啓発や実態把握に努めております。今後さらなる普及促進に向けて、庁内関係部署の連携強化を図ってまいります。CASBEEにつきましては、エネルギー利用のみではなく、室内環境、サービス性能、室外環境、敷地外環境などを対象とする総合的な評価システムとして認識をしております。現時点ではゼロカーボンシティの実現に向け、特にエネルギー利用の削減に着目をし、ZEHを軸に普及を進めていく考えでございます。 次に、電気自動車への切替えについて。政府は、2035年までに乗用車の新車販売で電動車100%を実現すると表明しております。また、東京都は、都内でのガソリン車の新車販売について、乗用車は2030年までに、二輪車は2035年までにゼロにすることを目指すと表明をしております。区は、電動車を推進するに当たっての国のエネルギー政策や原発再稼働の是非について述べる立場にはございませんが、国や都が表明している今後の供給状況からも庁有車の電気自動車等への切替えを推進することが必要であると考えております。 最後に、新技術の活用について。脱炭素社会の実現に向けた新たな技術開発は今後も様々な分野で進んでいくものと認識をしております。ペロブスカイト太陽電池などの創エネ機器をはじめとして新しい技術開発の動向には常に注視をしていく必要があり、区として実用可能と判断した段階で、費用対効果も踏まえながら積極的に活用していく考えでございます。 ○議長(酒井たくや) 以上で武井まさき議員の質問は終わります。
中野区議会議員 日 野 たかし 1 西武新宿線連続立体交差化と野方駅周辺まちづくりについて 2 気候変動対策と緑化推進について (1)まちづくりの中での緑化推進について (2)区立小中学校の酷暑対策について (3)妙正寺川の異臭について (4)その他 3 英語教育の充実について (1)ウェリントン市との教育交流について (2)区有施設を活用した英語村について (3)その他 4 動物との共生について (1)学校飼育動物について (2)ドッグランについて (3)その他 5 障がい者の文化芸術振興について 6 その他
○議長(酒井たくや) 次に、日野たかし議員。 〔日野たかし議員登壇〕 ○12番(日野たかし) 令和5年第3回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告のとおりで、その他はありません。 初めに、西武新宿線連続立体交差化とまちづくりについて伺います。 8月23日に行われた西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟の決起大会に参加しました。4年ぶりの開催でしたが、大変熱気にあふれる会合で、特に参加された来賓からの御挨拶が印象に残りました。前衆議院議員の松本文明氏からは、事業に協力いただいている住民の皆様のためにも現行整備区間の工事をこれ以上遅らせてはならない。また、野方以西の事業化を急ぐべきであるとの話があり、高倉良生都議会議員からは、野方第1号踏切の除却を全力を挙げて都としても進めるべきであり、自らも訴えていくとの話がありました。お二人とも大変力強い御挨拶であり、非常に心強く感じました。私も全くそのとおりであると思います。区長をはじめ、参加された理事者の皆様も、同じ思いを抱かれたのではないでしょうか。改めて区として、令和8年度中の工期が再び延伸することがないよう都と西武鉄道に強く申し入れるべきであり、野方第1号踏切除却を踏まえた野方以西の早期事業化実現のため、区から積極的に都との交渉を申し入れるべきです。 そこで、伺います。現在、事業主体である東京都とは野方第1号踏切除却を含めた鉄道の立体化について意見交換を行っていると聞いています。都との調整状況はいかがでしょうか、伺います。 昨年、西武新宿線沿線まちづくり整備方針(野方駅周辺地区編)が示されました。まちの課題と現状として、ボトルネック踏切、開かずの踏切の抜本的な解決、交通結節機能の強化、安心して買物ができる、また児童が安全・安心に通学できる環境整備、ゆとりある駅前空間づくり、緑のまとまりやつながりの形成などが挙げられ、これらの課題解決のための整備方針が示されていますが、方向性のみで具体性がありません。 2007年にUR都市機構が発表したUR賃貸住宅ストック再生再編方針では、建て替えと示されていたUR野方団地は当時新規入居募集を停止していましたが、途中からストック活用へと変化し、リフォームを行い、2015年から新規入居を再開しました。しかし、2018年に策定したUR賃貸住宅ストック活用再生ビジョンでは再びストック再生に位置付けられています。1968年の竣工で、既に建設から60年が経過しており、再生の時期も遠くないと思われます。敷地面積約1,600平米の広大な空間は、野方駅周辺の住宅と緑の課題解決に大きく寄与する可能性を持っています。区として連続立体交差化を断じて進めるとの本気度を示すためには、こうした駅周辺の老朽化しているUR野方団地や野方六丁目アパートなども活用し、駅周辺の高度化を含むまちづくりについて、さらに踏み込んだまちづくりの姿を示す必要があります。いかがでしょうか、伺って、この項の質問を終わります。 次に、気候変動対策と緑化推進について、まず、まちづくりの中での緑化について伺います。 今年は本当に暑い夏でした。東京で35度以上の猛暑日を記録した日数は、既に過去最高を大幅に更新しています。気候変動のもたらす影響による降雨等の災害対応を一層進める必要がありますが、もはや昨今の猛暑や酷暑も災害級であり、その対策を過去の経験にとらわれず進める必要があります。その一つとして、木陰の効用など木々の持つ力を見直すべきではないでしょうか。地球温暖化防止の観点はもちろんですが、今後一層進む酷暑対策としても、100年に一度のまちづくりが進む中野にあって、100年先を見据えた緑化の推進を図るべきです。 中野区みどりの基本計画には、「みどりのまちづくりを実現する施策」として、「中野駅周辺では今後も多様なまちづくりの手法を用いた事業が展開される予定です。これからのまちづくり事業を通じて中野駅周辺の一体的なみどりの空間の整備やみどりのネットワーク形成が推進できるように、各事業の調整や連携を図ります」とあります。そして、みどりの保全と緑化の推進のための各種施策は、関係部署で構成するみどりの推進会議を通じて、事業の進捗状況の確認を行い、あわせて、事業の主管課は、事業計画等の立案・実施に先立ち、必ず緑化担当所管へ事前協議を行い、みどりの基本計画との整合性を図るよう努めるとしています。 しかし、過去5年間のみどりの推進会議は年1回の開催のみ。しかも、コロナ禍の令和2年、令和3年の2年間は書面開催のみとなっています。とても本気で緑化の推進を行おうとしているようには思えません。昨年度から、緑化推進の所管は都市基盤部公園緑地課から環境部へと移りました。そして、幸いにも中野駅周辺まちづくりに造詣が深い新しい環境部長が誕生しています。 そこで、伺います。中野駅周辺まちづくりにおいて、みどりの基本計画に示す姿の実現のために、定期的なみどりの推進会議の開催と議会への報告を求めます。御見解を伺います。 気候変動の影響が年々深刻さを増しており、5年前の計画から環境も変化しています。本格化する中野駅周辺まちづくりに当たり、区として新たに具体的な緑化方針を取りまとめるべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。 街路樹の管理について伺います。区道を含む街路樹の管理については、単年度ごとの委託契約となっています。しかし、樹木は生き物であることを考えると、本来は長い年月をかけて育て、管理していくことが望ましいと思います。もちろん、地方公共団体の契約として単一業者に独占の形で発注し続けることは望ましくないと承知しています。ただ、街並みの木々を理想の形で保ち続けるに当たって、場合によってはそれほど手を入れなくてもよい年もあるかもしれません。それが現行では、毎年同じボリュームで剪定を行う形となってしまっています。例えば、3年や5年など複数年での委託の手法について検討を行ってはいかがでしょうか。まずは中野駅周辺で最も早く開発が進む中野二丁目で、千光前通りなどで複数年管理のモデル的な取組を行われてはいかがでしょうか、伺います。 補助第227号線大和町中央通りについても伺います。新たな路線のシンボルともなる街路樹の在り方は、まちづくりの会の皆さんの協議も続けられていると聞きます。地域の未来のために最良の選択ができるよう、樹木の専門家を交えた協議の場をつくってはいかがでしょうか、御見解を伺います。 次に、区立小中学校の酷暑対策について伺います。 この夏、人工芝となった学校の行事やイベントに参加しました。輻射熱による暑さは想像を超えるもので、真夏のグラウンドでの活動に危険を感じます。同じく、天然芝の学校のイベントにも参加しましたが、こちらは土のグラウンドよりも涼しく、子どもたちにとっても快適な環境でした。これまで区立小中学校の改築により整備された人工芝のグラウンドにはスプリンクラーがありません。また、今後の新校の整備でも設置予定は1校のみと聞きます。天然芝や土のグラウンドにはスプリンクラーがありながら、人工芝のグラウンドに設置されていないのはなぜでしょうか。芝の保護や土埃の抑制のためスプリンクラーが設置されているのは理解できますが、人工芝も輻射熱の抑制のために必要ではないでしょうか。今後改築される学校は当然設置が必要と考えますが、既存の学校においても子どもたちの健康を守るため、スプリンクラーの設置について早急に検討すべきです。御見解を伺います。 また、プールの日よけについても、少しずつ工夫はなされているようですが、現下の酷暑の中で十分とは言えない状況です。学校ごとの状況を調査し、日よけの設置について早急に予算化されるべきと考えます。御見解を伺います。 また、今後の学校改築に当たっては、気候変動がもたらす学校施設の影響を十二分に考慮したものとすべきです。御見解を伺います。 この項の最後に、妙正寺川の異臭について伺います。今年は、妙正寺川から異臭がするとの声を多く受けました。昨今のように日照りが続き、汚泥の表面が水から出ると臭いは深刻です。通常の清掃では取り除けない蓄積した汚泥の除去を、定期的に実施すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺ってこの項の質問を終わります。 子育て先進区は教育先進区でもあるべきと考えます。そのために、まず英語教育に力を入れ、中野で学べば英語に強くなると言われるような教育を目指してはいかがでしょうか。 そこで、次に英語教育の充実について、まずウェリントン市との教育交流について、伺います。 4年ぶりに「中野ウェリントン友好子ども交流事業」が再開され、今月23日から15日間、ウェリントンの子どもたちを中野に受け入れます。昨年の第2回定例会で我が会派の平山議員から中野区とウェリントン市との教育交流協定の締結を求めたことに対し、区長は、「行政間交流の課題として交流の深化について具体的に検討してまいります」と答弁されました。ウェリントンとの協定締結により、さらに多くの中野の子どもたちとの交流が図れることを願います。来年は、夏にウェリントン市が中野の子どもたちを受け入れてくれます。まずは、区長、教育長とで、現地での交流の視察も含め、ウェリントン市を表敬訪問されてはいかがでしょうか、伺います。 次に、区有施設を活用した英語村について伺います。 これまでの小学校4年生を対象としたTOKYO GLOBAL GATEWAYの日帰り実習のほかに、本年度より中学1年生を対象とした軽井沢少年自然の家での英語宿泊研修を実施されることは高く評価します。しかし、他区も同様の取組を行っており、先進的な取組とは言えません。多くの子どもたちが日常で気軽に英語に触れることのできる中野独自の環境の整備を目指してはいかがでしょうか。平山議員が区議に立候補することが決まったとき、当時勤めていた教育機関の有名なカリスマ英語講師から、韓国には国内で海外留学と同じ体験ができる英語村がある、議員になったら中野に英語村をつくってほしいと言われたと聞きました。もちろん、常設の施設であれば運営費も維持経費も多額となります。しかし、毎年期間限定での取組であれば、経費も抑えることができます。 そこで、小学校の夏休み期間など、校舎を利用し、区内の大学生や留学生等に協力していただきながら、語学と海外の文化に気軽に触れられる「なかの英語村」の開設を目指してはいかがでしょうか。スタートは小さいものであっても、やがて中野の子どもは英語に強いと言われる取組となっていくと思います。伺って、この項の質問を終わります。 次に、動物との共生について、まず学校飼育動物について、伺います。 都の小学校動物飼育推進校は、令和2年度から令和3年度は白桜小学校、令和4年度から令和5年度は美鳩小学校が推進校となっていますが、その期間が2年間です。令和3年度に都の補助事業が終了した白桜小学校では、令和4年度の1年間は区が補助をしていましたが、その後、区としての制度がなく困り果てていたところ、校割予算を増やすという例外的な予算対応がなされていると聞きます。当然、今年度で終了する美鳩小学校でも同様のことが起こりますが、生き物に関することがいつまでも例外対応となるのはいかがなものかと思います。学校における動物飼育は各学校の判断となっていますが、特別な予算措置はなく、これでは安心して生き物を育てられる環境ができるとは思えません。 そこで、伺います。動物飼育に関する各学校への予算を毎年ヒアリングし、措置する制度を構築すべきです。御見解を伺います。 また、安心して学校での動物飼育ができる環境整備のために、中野区獣医師会との学校飼育動物に関する協定を結ぶべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。 次に、ドッグランについて伺います。 令和3年第2回定例会の一般質問で、我が会派の平山議員から、曜日を限定したドッグランや策定中の公園再整備計画に区内4圏域に1か所ずつドッグランの設置を位置付けるべきとの質問に、「今後、曜日や時間帯を限定したドッグラン事業の実施の可能性を検討する、また、今後、公園再整備計画の中で整備の可能性について検討したい」との答弁がありました。その後、令和4年3月に策定された中野区公園再整備計画には、ドッグランについて「ドッグランイベント」との表記があるのみです。ドッグランイベントとはどのようなものでしょうか。平山議員から提案した曜日や時間帯を限定したドッグラン事業のことなのでしょうか、伺います。新たなドッグランの設置については計画では示されませんでしたが、区としてさらなる設置のお考えはあるのでしょうか、伺って、この項の質問を終わります。 最後に、文化芸術振興について1問だけ伺います。 本年3月に策定された中野区文化芸術振興基本方針には、「障害者や外国人の文化芸術活動の交流や発表機会の充実」とあります。ぜひとも推進を望みます。障害者を対象とした文化施策は、基本計画にはアール・ブリュットを想定したと思われる「障害者創作活動支援事業」とあるのみです。ほかにも様々な取組を望む声があると思われます。障害をお持ちの方々が芸術や文化に取り組む、あるいは楽しむ具体的な施策について、よく当事者や障害者団体の声を聞いて進めていただければと思います。その上で、我が会派が障害福祉団体から受けた要望に、障害者福祉会館の音楽室に太鼓を置いてほしいとのお声があります。ぜひ配置の検討をお願いしますが、いかがでしょうか、伺って、以上で全ての質問を終わります。 〔区長酒井直人登壇〕 ○区長(酒井直人) 日野議員の御質問にお答えいたします。 西武新宿線連続立体交差化と野方駅周辺まちづくりについてで、まず初めに、野方第1号踏切除却の都との調整状況についてでございます。現在区は、野方駅周辺のまちづくりを考える上で、本踏切の解消は重要な課題であるため、区が主体となって本踏切の除去に向け、鉄道立体化の実現性、踏切除却の必要性、駅前広場の配置などを検討してまいりました。また、区は、まちづくりの進捗状況、野方第1号踏切に係る検討状況等について、都に説明をし意見交換をしているところであります。今後も引き続き関係機関と意見交換を行いながら、野方第1号踏切の除却も含めた鉄道の立体化について積極的に取り組んでまいります。 続きまして、野方駅周辺のまちづくりについてでございます。野方駅周辺地区において、これまで道路や交通、防災などまちの課題を整理し、令和4年2月にまちづくりの方向づけを示すまちづくり整備方針を策定いたしました。これまでの新型コロナウイルス感染症の流行や、昨今のデジタル技術の進展などによって、社会状況は著しく変化してきておりまして、こうした社会状況の変化も踏まえ、地域資源を生かしたまちの在り方を再検討していく必要があると考えております。今後も引き続き地域の皆様と意見交換を図りながらまちづくり整備方針を改定するなど、まちづくりの具体化に向けて取り組んでまいります。 続きまして、みどりの推進会議について。中野区みどりの推進会議は、中野区みどりの基本計画の推進を図るために設置をされ、関係部署による計画の進捗状況の確認等を行っております。緑化の推進に当たっては、関係部署が一同に会するみどりの推進会議を開催するのみではなく、計画に記載した個々の施策について、適切な時期に、それぞれの課題に応じた調整を行っていく必要があると考えております。中野駅周辺まちづくりにおける緑化の推進においても、随時、課題に応じた調整を図るとともに、事業の進展に合わせたみどりの推進状況について、議会に対しても必要な報告をしていく考えでございます。 続きまして、中野駅周辺まちづくりの緑化推進について。中野駅周辺の緑化推進については、中野駅周辺グランドデザインのVer.3における[環境への配慮、緑のネットワーク構築]の考え方に基づいて、地区ごとにまちづくり方針を策定し、必要な法令、条例にのっとって緑化の推進に取り組んできたところであります。新北口駅前エリアについては、街区の再編によって既存の緑の様子が大きく変わることから、改めて緑化に関する考え方を整理し、中野駅周辺全体や周辺地区との整合を図りながら事業を進めていきたいと考えております。 次に、街路樹の管理についてです。中野区の街路樹は、適切な管理を満遍なく行うため、区内を二つの区域に分け、各区域で単年度の契約によって管理をしているところであります。複数年で管理することについては、単年度の管理よりも効果的な管理ができるか、モデル的な取組に適した路線の選定も含めて検討してまいります。 次に、補助第227号線大和町中央通りの街路樹についてでございます。補助第227号線大和町中央通りの街路樹については、事業施行者の東京都が大和町まちづくりの会による「大和町地区防災まちづくり提案書」に基づいて計画し、同会と意見交換をしながら検討を進めております。東京都から街路樹の樹種については選択を終えていると聞いているところでありますが、区として引き続き大和町まちづくりの会とも意見交換をしながら、協議を進めてまいります。 続きまして、妙正寺川の清掃についてでございます。昨今の日照りが続いたことによって、川の汚泥が表面に露出し、異臭の発生源となっていることについて、対策は必要と考えております。来年度は、通常の清掃に加え、小型の重機を使用して汚泥を取り除く作業を行っていきたいと考えております。 続きまして、英語教育の充実について、ウェリントン市との教育交流についてでございます。子どもたちが国際的な視野を持つきっかけとなるウェリントン市との教育交流を継続し、また深めていくことが望ましいと考えております。そのためには、現地の子どもたちの状況の把握や同市との関係性を構築していくことが必要であって、その方法について、視察や表敬訪問を含め、ウェリントン市の意向も踏まえながら検討してまいります。 最後に、なかの英語村の設置についてでございます。子どもたちが気軽に英語に触れられる環境を整備することは重要であると考えております。他自治体の先進事例なども参考に、設置の可能性についても研究してまいります。 〔教育長入野貴美子登壇〕 ○教育長(入野貴美子) 初めに、気候変動対策と緑化推進についての御質問のうち、区立小・中学校の酷暑対策についてお答えをいたします。 まず、人工芝の暑さ対策についてでございます。転倒時のけがの防止、近隣への砂塵の防止、降雨後でもすぐに使用可能になることなどのメリットから、改築校の校庭には人工芝を整備しております。区ではこれまで熱をためにくい材質の人工芝を敷設してきておりますが、近年の猛暑により、これまでの想定を上回るような暑さとなってきていることは認識しております。このため、スプリンクラーを含めた人工芝への散水方法など、さらなる人工芝の暑さ対策について、検討しているところでございます。 次に、プールの日射対策についてでございます。近年の温暖化の影響により、夏のプールについては、かなりの温度に達しておりまして、特に水温と気温を足して65度以上になる場合は熱中症の危険もあり、授業を中止せざるを得ない状況でございます。このため教育委員会では、今後の改築校につきましては、可動式のプール膜の設置を検討しております。また、既存校については、建築基準法の規制も踏まえ、日射対策を各校ごとにどのように実現できるかを検討しているところでございます。 次に、気候変動の影響を考慮した学校建設についてでございます。教育施設は、学習空間及び生活空間として健康で快適であることが重要でございまして、特に発達成長段階にある子どもたちにふさわしい環境整備を図ることが必要不可欠と考えております。区としては、将来の気候変動リスクも考慮し、他自治体の取組や環境に係る建築・機械技術等を研究しつつ、今後の学校整備を進めてまいります。 次に、学校飼育動物についての御質問です。 まず、動物飼育の各学校の予算についてでございます。各学校での動物飼育の状況については、動物の種類や数等について毎年調査をし、把握をしてございます。動物飼育の予算については、現在のところ、学校運営や教育活動を踏まえて、各校の校割予算の中から校長の裁量で執行しております。また、「東京都動物飼育推進校」の指定を受けた学校につきましては都の予算が措置されております。今後、区の学校教育向上事業の指定内容の一つとして動物飼育に関わる研究を加え、研究校を指定し、学校を支援してまいりたいと思います。 最後に、中野区獣医師会との連携についてでございます。動物飼育につきましては、学校の状況や環境などから実施が難しい学校もございます。動物とふれあう体験は、子どもたちに生命の尊さについての理解を深めること、動物愛護の心を培うなど、「命の教育」を推進していく上で大切であると考えております。そのような学校での児童と動物との触れ合い体験の在り方については、獣医師会との連携も含め、他区の状況も研究しながら進めてまいります。 〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕 ○都市基盤部長(豊川士朗) 動物との共生についての御質問のうち、ドッグランについてお答えをいたします。 まず、ドッグランイベントについてでございます。ドッグランイベントとは、事業者や団体が犬を対象としたイベントとして、公園占用により期間限定で開催されるものをイメージをしてございます。現時点でドッグランイベントの相談がないため具体的な開催方法は決まっておりませんが、曜日や時間を限定した利用はできると考えております。 それから、ドッグランの更なる設置についてでございます。新たなドッグランの設置につきましては、公園の規模や特性、周辺環境を考慮する必要があるため、現時点での公園再整備計画では明示しておりませんが、地域のニーズや公園利用者との共存などを勘案しながら、必要に応じて検討してまいります。 〔健康福祉部長鳥井文哉登壇〕 ○健康福祉部長(鳥井文哉) 私からは、障害者の文化芸術振興につきまして、障害者福祉会館における太鼓の配置についてお答えをいたします。 障害者にとりまして、太鼓をたたくということは文化芸術に親しむ機会の一つでございまして、他者と共感し合う心を育むものであると考えてございます。また、リハビリにおきましても、太鼓の音や体に直接伝わる振動は全員のリズムを合わせるのに非常に効果的であると認識してございます。障害者福祉会館の備品は、中には老朽化により更新が必要なものもございまして、指定管理者や運営協議会の意見も聴きまして、優先順位や経費を確認しながら、太鼓の配置についても検討してまいります。 ○議長(酒井たくや) 以上で日野たかし議員の質問は終わります。 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。 次の会議は、9月19日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。 本日はこれをもって延会いたします。 午後5時27分延会
会議録署名員 議 長 酒井 たくや 副議長 木村 広一 議 員 斉藤 けいた 議 員 浦野 さとみ |